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1985/04/15 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 建設委員会 第8号
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1985/04/15 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 建設委員会 第8号

#1
第104回国会 建設委員会 第8号
昭和六十一年四月十五日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月八日
    辞任         補欠選任
     上野 雄文君     松本 英一君
     近藤 忠孝君     上田耕一郎君
 四月九日
    辞任         補欠選任
     関口 恵造君     福田 宏一君
 四月十日
    辞任         補欠選任
     太田 淳夫君     白木義一郎君
 四月十五日
    辞任         補欠選任
     福田 宏一君     石井 道子君
     松本 英一君     上野 雄文君
     山田  勇君     関  嘉彦君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         小山 一平君
    理 事
                工藤万砂美君
                堀内 俊夫君
                増田  盛君
                青木 薪次君
    委 員
                安孫子藤吉君
                井上  孝君
                石井 道子君
                植木 光教君
                遠藤  要君
                志村 哲良君
                服部 安司君
                上野 雄文君
                大川 清幸君
                馬場  富君
                安武 洋子君
                関  嘉彦君
   国務大臣
       建 設 大 臣  江藤 隆美君
   政府委員
       建設大臣官房長  高橋  進君
       建設省都市局長  牧野  徹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        荒木 正治君
   説明員
       大蔵省主計局主
       計官       涌井 洋治君
       通商産業省生活
       産業局文化用品
       課長       北畠 多門君
       建設省都市局下
       水道部長     中本  至君
   参考人
       日本下水道事業
       団理事長     大富  宏君
       日本下水道事業
       団理事      中川 澄人君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○日本下水道事業団法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(小山一平君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る八日、上野雄文君及び近藤忠孝君が委員を辞任され、その補欠として松本英一君及び上田耕一郎君が選任されました。
 また、九日、関口恵造君が委員を辞任され、その補欠として福田宏一君が選任されました。
 また、十日、太田淳夫君が委員を辞任され、その補欠として白木義一郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(小山一平君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案及び日本下水道事業団法の一部を改正する法律案の審査のため、本日、日本下水道事業団の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(小山一平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(小山一平君) 下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案及び日本下水道事業団法の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括して議題といたします。
 前回、両案に対する趣旨説明は聴取しておりますので、これより直ちに質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○青木薪次君 下水道の整備は近年特にその重要性を増してきていると思うのでありまして、現に、地方を回っても下水道整備の促進についての要請が非常に多いのであります。このことについては、国土庁の調査を見ましてもそのことが歴然と出ているわけでありまして、これからの、特に地方における下水道整備の問題については、従来の道路よりもよほど多くなってきているということを指摘せざるを得ないと思うのであります。
 ところで、我が国の下水道とか公園など生活環境の施設整備という問題については、高度成長期を通じまして、大変軽視をされてきたのであります。ある人が言いました。ヨーロッパはいいいいと言うけれどもヨーロッパは戦災に遭っているじゃないか、こう言ったのであります。私はすかさず、戦災に遭っているのは日本よりもヨーロッパの方がローラーをかけたように戦災に遭っている。その国が七〇、八〇、九〇という数字を示しておって我が国が三〇%そこそこというのは納得できないと。これは後で申し上げますけれども、静岡県なんかは特にひどい。たった一六%である。今日そういうような状態というものがあっていいものかどうかということを指摘せざるを得ないと思うのであります。
 環境の汚染や自然破壊が進行いたしております。私どもの狩野川の関係では、狩野川に直接し尿を垂れ流す関係で駿河湾一帯が黄色くなる、こういう状態さえ実は現在起こっているわけでございます。そのことがやっぱり一六%という、行政人口に対して公共下水道等の恩恵にあずかる人の率というものが一六%という、中には一九%ぐらいのところもありますけれども、そういうことでありまして、それは高度成長期にどんどん公共下水道の推捗率というものを増加させていくという過程の中で、そういうことについては環境の施設整備を行うのだということであったと思うのでありますが、やっぱり高度成長は過ぎていってしまいました。安定成長というか、低成長の時代に入ったわけでありまして、その中で財源を抑えられるという形になっておるから進むわけがないと思うのであります。
 我が国の経済社会の発展がいろいろ言われる中で、生活環境の社会資本は極めて貧弱であります。欧米諸国からも、日本人は生活を犠牲にして輸出
にドライブをかけている、働きバチだという批判を受けるのは、当然のことだと言わなければならぬと私は思うのであります。
 そこで大臣、社会資本整備、とりわけ下水道等の生活関連社会資本整備の必要性ということについて、今中曽根総理大臣がレーガン大統領と話し合っておりますけれども、日本の経済構造を転換させて、そして外国との関係で全くぴったりできるようにしていきますということを、輸送機器もそれからその他の生活関連の産業等についてもそういうことに全面転換をするということを確認してきているわけでありますが、私は、これは本会議で私が質問をすることになっており、やりたいと思っておりますけれども、大臣、今のことと関連いたしまして、時代はここのところ一週間さらに私どもが言ってきたとおりになりました。大臣はそのところの主管的な建設大臣としてどういうようにお考えになっていらっしゃるか、私は後で大蔵省にも聞きたいと思っておりますけれども、決意をひとつ込めた答弁をお願いいたしたいと思います。
#7
○国務大臣(江藤隆美君) 公共事業においてどれが一番大事でどれは大事でないということはありませんが、なかんずく下水道の整備は、先生もおっしゃいますように、各方面から最近急速に強い要望が寄せられるようになったということは事実であろうと思います。
 ちょうど日曜日に私は岡山に行っていましたが、岡山はちょっと進んでおりまして一八%でした。日本の下水道事業というものは、昭和四十五、六年の公害国会を境として非常に関心が高まるようになった。それまでは、いろいろ五カ年計画はありましたけれどもさほど国民的話題ではなかったが、国会で常に公害問題が論議をされるようになって初めて、下水道というものが脚光を浴びてきている。ことしてもう一兆七千七百億であります。私、総合農政調査会長のときに、土地改良、基盤整備の予算が九千億を超えた、待望の九千億台になったと言って喜んだのが、実は四年ほど前であります。ですから、全国のあれほどある農用地の基盤整備、土地改良事業に対して九千億であったわけですが、それの二倍近くのものがことし投入されるようになったということは、やはり国会でさまざまの議論が下水道について行われた結果だと、私はそういうふうに先輩の皆さん方の御努力に対して深く敬意を表しております。
 今回いよいよ第六次の五カ年計画を策定してお願いするわけでありますから、先進諸国に見劣りがしないような水準に一刻も早く近づけていく努力を私どもはして、やっぱり経済文明国家として環境整備を高めていく必要がある。そういうふうに考えてこれから取り組んでいきたいと思っております。
#8
○青木薪次君 大臣の決意表明といいますか、をお聞きいたしました。私は、これから二十一世紀に向かって進む国民の要望というものは、生きていることに対し価値を見出す、安らぎのある生活環境と環境整備を行うことにあるというように考えておるわけでありますが、ここのところ急速に下水道整備の問題が持ち上がってきたということについては、私はこのごろ持ち上がったのじゃなくて、金がないし、下水道整備ということについてそれだけ金を使う必要性を政府が認めておったかどうかというその立場において、国民的な問題というよりも、私はそういうところに問題があったというように考えているわけであります。
 下水道整備ということについては、我が国が本当の意味で国民の生活水準というものの向上を図るために不可欠であるわけでありますが、同時に、今大臣がおっしゃった内需の拡大ということは経済運営の上で極めて重要であるということで、内需の拡大のためにも社会資本、中でもおくれている下水道整備の促進については、地域的な偏りもなく、用地もそれほど要らないというようなことで、最も有効な事業であると私は考えているわけでございます。
 この点から考えてまいりましても、下水道事業の積極的な推進を今こそ図るべきだと思うのだけれども、最近の経済情勢と絡めまして、内需拡大等の関係について、下水道整備を最優先の課題として取り上げていくという用意は主管大臣としておありですか、どうですか。
#9
○国務大臣(江藤隆美君) 御承知のように、建設省関係の事業費は、平均いたしますと経済成長率をやや上回る五・七%の事業費の伸びをお願いいたしました、こう御説明しておるわけでありますが、それにつきましても下水道はお説のように最も大事でありますから、おおよそ事業費でもって一二%事業量を伸ばすということで六十一年度の予算をお願いいたしております。これをもってしても、私どもがこの下水道事業に取り組む姿勢をひとつ御理解いただけるのではないか、こういうふうに考えるわけであります。
#10
○青木薪次君 下水道整備の問題について、具体的に尋ねてみたいのであります。
 我が国の下水道の整備のおくれは十分に今承知しているのでありますが、最新のデータで我が国の下水道の普及率はどの程度になっているかという点で、先進諸外国との比較ということを冒頭に申し上げたのでありますが、アメリカが一九七九年、今から七年前に七二%、イギリスが一九七六年、今から十年前に九七%、西ドイツが今から三年前に九一%、フランスが今から十一年前に六五%、スイスが今から五年前に八五%、スウェーデンが今から六年前に八六%、フィンランドが今から六年前に六九%、我が国は昨年三四%という、遺憾ながら泣くに泣けない実績を示しているのであります。
 この点について、いろいろ演説は要らないのであります。この実績の数字が雄弁に物語っているわけでありますが、これから感じて、経済対策の閣僚会議等において大臣はこの下水道の現状について強力にひとつ発言してもらいたいと思うのでありますが、その感じについてはいかがですか。
#11
○国務大臣(江藤隆美君) そのように機会を得ていたしたいと思います。
#12
○青木薪次君 そこで、下水道整備のおくれが如実に示されていると私今の数字を申し上げてお受け取りになったと思うのでありますが、このおくれをできるだけ早く取り戻す必要があると思うのであります。
 この点について、昨年八月の都市計画中央審議会の答申は、二十一世紀初めごろには普及率おおむね九割程度を目標にいたしまして、当面六十年代中ごろまでにおおむね二人に一人、すなわち五〇%ですわ、がしかるべき数字ではないかということで考えたのでありまするけれども、建設省も同じように考えていると思うのでありますが、これを今後の長期的な整備に対しての目標と考えていいのかどうなのか、この点についてお伺いいたしたいと思います。
#13
○政府委員(牧野徹君) ただいま先生御指摘のとおりの御答申を、都市計画中央審議会からいただいております。
 私どもも前々から、日本が目標として掲げるべき水準は、日本人の住まい方、余りにぱらぱらに一軒だけではこれは集合処理になりませんので、そういうことの国土庁等の人口あるいはその住まい方の推計から考えて、最終目標はおよそ九〇%台に普及率を上げたいと考えております。現在の水準が大変それに対して、六十年度末三六で低うございますから、これをあと十五年間二十一世紀を迎えるまでに可能な限り引き上げて、目の子で言えば七割に可能な限り近づけておいて、さらに二十一世紀に入って子孫がもう一踏ん張りすれば、二十一世紀初頭には九割台までいけるのではないかというふうに考えております。
#14
○青木薪次君 都市局長はそう考えていらっしゃると思うんです。下水道当局の決意というか、そのこととはまた違った裏腹の関係で財政当局の足かせがある。私は後で大蔵省に聞きたいと思っておりますが、その点について、事業団は財投資金を活用して下水の汚泥処理をみずからの事業として行うこととなっているのでありますが、これは、事業団が今まで自治体の委託を受けて自治体の下水道施設を建設したことと全く性格を異にすると
思うのであります。
 私は、大蔵省に質問する前にまず、一括したこの事業団法の今度は改正もあるわけでありますから、この点もちょっとお聞きをしておきたいと思いますが、事業団の総裁は見えていますか――。
#15
○国務大臣(江藤隆美君) 大変申しわけございませんが、理事が参っておりますので、お許しいただければ理事から答弁させていただきます。以後は気をつけまして、先生の御意向のように取り計らいたいと思います。
#16
○委員長(小山一平君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#17
○委員長(小山一平君) 速記を起こしてください。
#18
○参考人(中川澄人君) ただいま先生おただしのとおり、従来、日本下水道事業団は、地方公共団体の行います公共下水道あるいは流域下水道につきまして、当該下水道管理者の要請に基づきまして受託という形で仕事を進めておったわけでございますが、今回事業団法の改正をお願いいたしまして、直接当事業団におきましても財投導入によりまして新しく広域汚泥を処理する事業を進めて、そのことによりまして下水道の普及の促進に努めてまいりたい、こういうことで今回の法改正をお願いしておる次第でございます。
 よろしくお願いを申し上げたいと存じます。
#19
○青木薪次君 汚泥の処理も、本来自治体の責務で行うべきものでありまして、事業団の汚泥処理は二つ以上の地方公共団体の要請を待ってという法文上の条件はあるものの、安易に自治体の事務に介入すべきでないと考えているわけでありますが、この点いかがですか。
#20
○政府委員(牧野徹君) ただいま中川理事の方からもお答え申し上げましたように、今回下水道事業団が新たに行うことといたしました広域汚泥の処理事業の基本的な認識でございますが、先生もおっしゃいますように、今後下水道がさらに普及をし、特に大都市圏等におきましては必然的に発生する汚泥処理にだんだんとお困りになっている、処理費用もかさみますし、処分地もなかなか見つけるのが困難だという事情もあるようでございます。そこでこのたび、そういう本当に困っておられる下水道管理者である地方公共団体の方から強い御要請がございまして、それを受けまして、本来地方公共団体の支援機関として設立されました下水道事業団が汚泥処理という事実行為を――下水道管理の中でも権限にわたる部分と事実行為の部分とあると思いますが、そういう事実行為の部分を、いわば下水道管理者である地方公共団体の管理権の傘のもとで、その管理権の範囲内といいますか、傘のもとで、要請を受けて事業を実施していく、こういうことでございますから、いささかも地方自治体に対する侵害とかあるいはそういうふうなことに当たらないというふうに私どもは考えております。
#21
○青木薪次君 汚泥の処理で、多くの自治体で処理場や汚泥の処分地をめぐって、今局長の答弁のように頭を悩ましていることはよく承知をしているんです。汚泥については、ただ処分するのではなくて、肥料とか建設資材等に有効活用を積極的に図ることが必要だと思うんです。それから、今回提案されている事業団の汚泥処理業務は、ACEプランと呼ばれまして、当面、姫路市や尼崎市などが事業対象に考えられていると聞いております。
 しかし、これらの都市は、汚泥の量が多いからではなくて、皮革産業のクロム排水の処理が大変だからということにあると聞いているのであります。これでは、汚泥の効率的な処理ということと、ACEプランのイメージと異なってくるのじゃないかということを心配いたしておるのでありますが、この点どうですか。
#22
○説明員(中本至君) 技術的な問題に入りますので、お答えいたします。
 御指摘のように、広域汚泥処理をやることに関しまして、私どもいろいろこれまで調査してきた結果、現在要望がございますのは、兵庫県の姫路市を主体とした兵庫西フロック、さらに尼崎とか西宮等を中心とした兵庫県の東フロックでございます。先生今おっしゃいました皮革産業の方は特に兵庫県の西部のフロックに多うございまして、姫路の処理場の一部あるいは龍野市とか太子町が前処理施設として水処理を行って、その汚泥が出てくるわけでございますけれども、これからのこの広域汚泥と申しますのは、それの前処理分よりもむしろ一般家庭からの分がはるかに多い量になってまいりまして、先ほど来御説明しておりますように、非常に大量に出てくる汚泥にもう既に困っているところもございますし、さらにこれからふえますと他県へ持って行かなければならぬという事実も出てくるかと思います。そういうことでございまして、先生のおっしゃいますこの皮革排水というのは、特にクロムが出てまいります。
 今私どもで考えておりますACEプランと言いますもののこのAというのは、アグリカルチャーのAで、肥料でございます。それからACEプランのCは、コンストラクションマテリアル、いわゆる建設資材のCでございます。それからEはエナジーリカバリー、いわゆる発電等のエネルギーを生み出す、そういうことで名づけたわけでございます。これから出てくる汚泥に関しましては、いろんな手法がございまして、その手法と申しますのは、例えば今申しましたような農業肥料であり、建設資材であり、かつ発電でございますので、それぞれの汚泥の性質を見ながら、それでスケールメリットを生かしながら、これからこの広域汚泥をやっていきたい、かように思っておるわけでございます。
#23
○青木薪次君 事業団による広域的な汚泥処理は広域的な処理がねらいのようでありますけれども、広域的な処理ということで複数の公共団体から出される汚泥をまぜるということになれば、いわゆる重金属汚染が一部にあればそれが全体に拡散されるという心配が実はあるんですね。これを埋め立て等に投棄すれば、環境汚染ということで重要な問題を引き起こすおそれがありはしないか。汚泥の処理方式の実は大きな問題であると思っているわけでございます。これは流域下水道にも言えることでありまして、自治体みずからの手で処理を行わないと、何でも下水に流してしまうということになりはしないだろうかという心配があります。
 したがって、下水道整備は自治体がみずからの単位で自主的に解決していくことが基本的に必要ではないだろうか。資金的な問題があれば、補助率や補助対象の拡大で対処していく、こういうような考え方というものがあってしかるべきではないだろうか、こういうふうに考えておりまするけれども、この点、いかがですか。
#24
○説明員(中本至君) まず最初に、確かに、先生のおっしゃいました汚泥の性状の中には、重金属の入っておるものもあれば、ほとんどない汚泥もございますけれども、先ほど申しましたように、汚泥の処理というのはやはりスケールメリットによってこれを一括してやることによって経済効果が出てくるということでございまして、それも六価クロム等が入っておる分につきましては、その性状によって溶融炉をもちまして溶融させて、それを埋め立てに使う、そういういろいろな対応の仕方があるわけでございます。
 それから第二点目のそういう補助の問題、今回のこの広域処理事業につきましてはやはり流域下水道分あるいは公共下水道分のいろいろなものが入ってきますので、現在のところこの補助率等も、いろいろ加重平均しまして十分の五・五ぐらいになろうかと、そういうことで、補助金も入れて地方自治体の財源措置に努めたいと思うわけでございます。
#25
○青木薪次君 中本部長、時間がないから簡単な答弁でいいのでありますが、事業団に汚泥処理を委託した場合、その処分等の管理権は委託をした各自治体が持つと理解していいんですか。
#26
○説明員(中本至君) 工事管理権は自治体でございます。
#27
○青木薪次君 委託を受けた事業団は、業務を民間に再委託に出すことはないんですか。
#28
○説明員(中本至君) 業務のうち、非常に極めて単純な作業労務等については、民間に委託する予定でございます。
#29
○青木薪次君 委託とか、下請とか、孫請とかということになれば、最初に委託する自治体の管理権が適切に行き届かないということになる心配がありますが、この点はいかがですか。
#30
○政府委員(牧野徹君) 任せる地方公共団体、あるいはお受けする日本下水道事業団、あるいはさらに下水道事業団から今部長がお答え申し上げましたような単純な事実反復行為的なものを請け負う民間の方、これらのところで私はやはり、きちっとした、責任を確立した体制で事業が行われるものと確信しております。
 特に、本来の管理権者でございます地方公共団体と日本下水道事業団との間では、建設段階、あるいはそれが運転を開始しました維持、管理の段階それぞれに、例えば協定とでも申すべきものをきちっと結ばせまして、本来管理者である地方公共団体の管理者としての目が十分行き届くように処置してまいる所存でございます。
#31
○青木薪次君 それぞれ局長並びに下水道部長の答弁で、地方自治体からの要請を受けて行うので問題はないというように理解をしたわけでありますが、汚泥処理を事業団に要請するに当たりまして、自治体の執行部と、それから実際に事業に携わっている下水道労働者、すなわち労働組合との間で十分な了解があることが必要であると思うのでありますが、指導方針はどうなっていますか。
#32
○政府委員(牧野徹君) ただいま先生もおっしゃいましたように、私どもとしてはといいますか、下水道事業団といたしましては、法律にございますように、本来管理者である地方公共団体からの御要請を受けなければ何にも動けないわけでございます。私どもとしては、当然、その地方公共団体が御要請をなさる場合には、ただいまおっしゃいましたような関係労働者といいますか、労働団体の御意見も十分その中で調整をされた上で御要請がされるものというふうに考えております。
#33
○青木薪次君 その点は非常に心配をいたしておりますので、指導文書にそういうことについては書き加えて通達を出す、並びに、この指導をするように要請いたしておきます。
 それで、今まで答弁のありました長期的な政治目標をにらみながら、今回の改正案に基づいて策定される次の下水道整備五カ年計画では、五年後、つまり昭和六十五年度末には、普及率をどの程度まで引き上げることを目標としているのか、御答弁願います。
#34
○政府委員(牧野徹君) 終わったばかりでございますが、六十年度で終わりました第五次五計でおよそ三六%の普及率になるとただいま見込んでおります。これをこの次の五カ年計画でお認めいただければおよそ四四%、調整費がございますから、これを全部使えば四六%まで普及率を引き上げてまいりたいというふうに考えております。
#35
○青木薪次君 そうしますと、今後の五カ年計画、五年間で八ないし一〇%普及率をアップさせる目標だというように理解したわけでありますが、三月末で終わった第五次計画ではどの程度の普及率の引き上げを予定していたか、明らかにしていただきたいと思います。
#36
○政府委員(牧野徹君) 第五次の五カ年計画、終わったばかりでございますが、これは当初、スタートのときの普及率三〇%を、一四%といいますか、ポイント引き上げて、四四%の普及率にする目標でございました。
#37
○青木薪次君 引き上げを予定していたのは四四%。実績は何%ですか。
#38
○政府委員(牧野徹君) 先ほど申し上げましたように、実績は三〇が三六になったわけでございます。
#39
○青木薪次君 大蔵省、来ていますか。
 公共事業担当の主計官が見えておりますので私は聞きたいのでありますが、第五次計画では一四%普及率を引き上げるつもりで今都市局長の答弁のようにやったわけです。結局、終わってみると六%アップの三六%にしかならなかった。すなわち目標の半分も達成できなかったことになるわけでありますが、第五次計画の事業費についての実績も、資料によりますと、計画が十一兆八千億円に対しまして実績は八兆三千七百億円で、達成率七一%、極めて低いわけでございます。そういう点について、普及率引き上げの目標に対する実績はもっと低いものになっているということなのであります。事業費の実績が低いことに関しては、財政難で財政当局に押し切られたということについて、私どもはそういうことを何回も何回も個人的にも聞いているわけでありますが、それに輪をかけて普及率が伸びていないその理由は何だろうか。物価も近年落ちついているはずでありますが、大蔵当局としてはどんなふうに考えておりますか。
#40
○説明員(涌井洋治君) 第五次の下水道の整備計画の達成率、先生の御指摘のとおり、大変私どもといたしましても残念な結果になっているわけでございます。
 これは御承知のとおり、財政事情が年々一段と厳しくなっておりまして、公共事業予算を抑制せざるを得なかった。ただ、公共事業予算の中では、国費は抑制しておりますけれども、下水道につきましてはここ六十、六十一年度予算とそれなりにいろいろ工夫をしまして努力をしたわけでございますけれども、結果としては総投資額、それから実質の普及率も大変低いところに終わっているわけでございます。
 ただいま先生の御質問にありました、総投資額に比べて実質の普及率がぐっと低いではないかという点でございますが、私どもではその単価以外の理由がどこにあるのかまだ十分分析しておりませんので、ちょっと勉強させていただきたいと思います。
#41
○政府委員(牧野徹君) お金の点につきましては大蔵省の御答弁でございますが、やはり青木先生の御指摘は、お金の面ではアバウト七割というか、四分の三いったじゃないか、それが一四ふやすと言いながら六しかいかない、どういうわけだ、こういう御指摘かと思います。仕事のやり方等に関係するものですから、私の方からも補足的に御説明申し上げさせていただきたいと思いますが、幾つかやはり原因がございます。
 一つは、処理場とパイプと両々相まって進めていくわけでございますが、これは結果として処理場の整備がパイプの整備に対しまして相対的に先行した。というのは、五カ年の発足当時に、予算も伸びるだろうということで、五カ年計画もそうでございましたから、一たん着手いたしますと、パイプの方は言ってみれば伸縮自在の面もございますが、処理場の方は御承知のとおり一定のスケールメリットなり経済工程もございますので、これはやはり着工したところはそれなりに伸ばしていった。結果として処理場の整備の方が相対的に先行した結果、――最後的にはパイプでつながらなければ処理人口にならないわけですから、それでおくれたという面が一つあろうかと思います。
 それからもう一つ、やはり普及率稼ぎだけに下水道予算は使われておるわけではございませんで、今度の五カ年計画から、従来もやっておったことですが、大きく打ち出しておることに、浸水対策に対する配慮というものがございます。これも、浸水対策の事業費はやはりこれはこれで確保しなければいかぬということがございましたので、普及率向上につながるといいますか、汚水対策の方が相対的におく札だということがございます。
 それからもう一つは、パイプをせっかく張りめぐらして、さあ処理しますと申し上げましても、実はそこの人口密度がというか、人口の張りつきが当初想定したよりやや低い、例えばでございますが、オープンして百人に使っていただけると思ったところが六十人しか人口がいなかったというようなことで、普及率が稼げなかったという点もございます。
 それから、やはり時代の変遷に応じましていろいろ設備の高度化とか特殊工法、中でもシールド工法の進展が著しいと思うのでございます。道路
のお世話になって路面からほじくり返していく工法よりは、地面の下をぎゅうっと小さいトンネルでいくわけです。こういうことは当然お金がかかるわけでございますが、やはり当該工事をされる住民の方にしてみれば、どうせのことなら我々に障害を及ぼさないで細い径でもシールドでやってよという御要求が強まったというような点もございます。それはそれなりに環境面等を考えれば十分に意味のあることでございます。
 今申し上げましたような点がいろいろミックスされまして、お金は七割あるいは四分の三であるが普及率は三六にとどまったというふうなことではないかと私どもは理解しております。
#42
○青木薪次君 近年、開発を進めていきますと、今言った浸水対策なんかで、川までは都市下水で持ってくるんですね。それで、のみ込めない場合においてはそこでポンプアップしましてやるとかという金がかかってくる、こういうことも私は実際に調べてよく知っております。
 それから、せっかく涌井公共事業担当主計官が見えていますので、第五次計画の実績を単純に計算いたしますと、一%普及率を上げるのに一兆四千億もかかるんですよ。新しい第六次の計画は調整費の二兆二千二百億円を含めまして十二兆二千億円となっているんです。これを第五次計画で一%引き上げるために要した一兆四千億で割ってみますと、物価の値上がりを考慮しないでも八・七%ということになるんですね。この点について、第六次計画で調整費を含めて普及率を一〇%引き上げることは、今申し上げた計算から最初から困難であると思うけれども、この点は大蔵省、どう考えていますか。
#43
○政府委員(牧野徹君) 大蔵省のお答えの前に、数字のことでございますので、私どもが第一義的な責任がございますから、ちょっとお答え申し上げておきます。
 ただいま青木先生の御指摘になった数字は、例えば調整費も全部込みで十二兆二千億を十で割って一兆二千億というような御計算がと思いますが、私どもはもう少し、まあ事務屋でございますので、今現在与えられているお金という意味で計算結果を御報告したいと思います。
 まず第五次の実績でございますが、これは先ほど先生からも御指摘ございましたように八兆三千七百二十七億、これで、実は先ほど三〇から三六に上がったと申しましたが、厳密に言いますと二九・五から三六・○でございますから六・五ポイント上がったわけでございます。これを割り算いたしますと、一ポイント上げるのに一兆二千八百八十一億かかっております。これに対しまして第六次、現在お願いしておりますのは、調整費除きでは九兆九千八百億でございますが、これで私どもは、三六から四四と俗に申し上げておりますが、厳密に言うと私どもの計算では四四・二でございますから、八・二ポイント上げたい。それで割り算いたしますと、単純な話で恐縮ですが、一兆二千百七十億円になります。ということで、つまり五次五計での実績一兆二千八百億台というふうなこともいろいろ総合的に判断しながら私どもは今度は――今度はというのは前回がおかしいという意味ではございませんが、一兆二千百七十億と単純計算でございますがそうなっておりますので、私どもはこれで一応達成できるのではないかというふうに考えております。
#44
○説明員(涌井洋治君) 財政当局といたしましては総事業費ベースでの査定を行っておりますので、これで具体的に何%になるかというところは、一応建設省の積算を我々は信頼しておりますので、先ほど都市局長の答弁したとおりであろうと考えております。
#45
○青木薪次君 都市局長、今お聞きしましたけれども、その数字は信用しろと言えばせざるを得ないわけですね、我々も実際にその計画をやっているわけじゃないので。下水道の普及率の向上は、しかしここ十年ぐらいは大体年間一%程度になっているんですね。二十一世紀初頭に整備率九〇%の目標があるわけでありますけれども、二十一世紀までは十五年しか残されていないんですね、八六年を入れまして。このままの予算では到底それに及ばないのではないだろうかと思うのでありますけれども、この点いかがですか。
#46
○政府委員(牧野徹君) 長期的な見通しのことでございますので、ここで私が担当局長としても断言するわけにはまいりませんが、私の若干の希望あるいは都市計画中央審議会の御答申等を踏まえて申し上げれば、あと十五年で二十一世紀に到達するわけでございますが、できるならば私はこの十五年に、五カ年計画が三つございますが、年平均で言えば本当は二ポイントずつ上げたい、できるならでございます。そうするとちょうど、三〇ポイント上がれば、現在が三六ですから六六に到達いたします。最終目標は九〇でございますから、残りが差っ引きであと二四ポイントというかパーセン十分ございますが、それは、それまでの間やはり日本の経済は若干なりといえども成長していきます。
 ここから後も希望になりますが、公共投資もそれなりにふえるのではないかという期待を抱きつつ、パイも大きくなるわけでございますから、その点まず先ほど冒頭に申し上げたように何とか六割台にまで二十一世紀に入るときに持っていければ、あとは努力で九〇までは、すぐとは言いませんが、いけるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
#47
○青木薪次君 下水道整備を進めるに当たりまして長期的な整備目標に基づいてそれを達成するための規模は、五カ年計画を策定して必要な予算措置をするということでなければならないと私は思うんです。第六次計画については総事業費が先ほど言いましたように十二兆二千億円、これが予定されて、第五次計画が十一兆八千億円であったから総額では三・四%しか伸びていないのでありますが、内容を見てまいりますると、第六次計画では調整費が二兆二千二百億となっているんですね。第五次計画では五千九百億円でしたから、けた違いにふえているのであります。その結果、調整費を除きますと、第五次が十一兆二千百億円に対しまして新しい計画は九兆九千八百億円と、一兆二千三百億円も減少しているのであります。
 これでは、下水道整備の促進を幾ら口で唱えましても全く実効が上がらないと思うのでありますが、第六次計画の考え方、調整費の扱いについてどういうように考えているか、これは建設省当局とそれから財政当局からお伺いしたいと思います。
#48
○政府委員(牧野徹君) 調整費が、第五次五千九百億円に対しまして第六次の計画で二兆二千二百億というふうに、かなり大きく伸びておるということは御指摘のとおりでございます。
 この調整費の基本的な性格でございますが、これは私どもはやはり第五次のときと変わっていないというふうに認識しております。どうしてそうふえたのかということでございますが、これは私どもといたしましては、現在我が国の経済社会が非常に大きな転換期に直面しておる、将来に非常に流動的な要素が前にも増して強いあるいは多い、そういう点を配慮いたしまして、総額としてはそれなりの配慮をしながら、そういう流動性等を勘案して、従来の計画にも増して今後の経済社会の動向あるいは財政事情あるいは事業の進捗状況等に弾力的かつ機動的に対応するという意味を込めて、調整費が二兆二千二百億円になっておるというふうに理解をしております。
#49
○説明員(涌井洋治君) 今回、六十一年度予算におきまして、下水道を含めまして長期計画八本改定を行ったわけでございます。その際に一番頭を痛めましたのは、やはり経済、財政事情が非常に不透明であるという中で五カ年の計画をつくらなくちゃいかぬということであったわけでございます。
 そういうことでございますので、経済の変化に対応して弾力的に公共事業の執行ができるような形ができないだろうかということで、従来の調整費と基本的には変わらないのですけれども、若干違いますのは、計画策定後不透明な経済、財政事情がどのように変化するか、あるいは事業の進捗
がどうなっていくかというところを十分見きわめて、弾力的に対応できるように年度途中にその見直しを行うという考え方を入れたわけでございます。これはこういう各計画共通でございまして、三年たってその段階での経済、財政事情あるいは事業の進捗を見きわめた上で調整費を含めたところの全体の見直しを行うということでございまして、必要に応じて調整費をどうするかはその段階で検討するということになっております。
#50
○青木薪次君 あと十五年で九〇%の普及率を達成するということは、容易ではないと思うんですね。
 今私の指摘いたしましたように、調整費が莫大な数字に上っているということになりますと、調整費というのは、前委員会でも議論したのでありますが、予備費ですよ。予備費というのは、予備費のまた流用とかなんとかなんというややごしい問題が発生しなければいいがなと思っております。現実に計画があって、そして予算があって予算の中にこの調整費というものが入っているわけですから、今主計官はやみくもに判断できない、予断を許さない財政事情にあるということですが、私はこれは補助金の問題とも絡んでまたこれから議論をしなきゃならぬ問題だと思っております。補助の対象範囲についても適時適切に見直しを行う必要があるということが、補助金問題の関係でいろいろと審議会その他でも言われているわけでありますので。それで、予算あって予算なしということであってはいけないということで、下水道事業についてはこれはもう国民的課題でありますから、そこで私は冒頭にそのことを申し上げたわけであります。そういうことで、調整費は別だよと言ったらもうこんな計画は審議する必要がないんですから、そういうことでひとつ理解をしていただきたいというように思います。
 時間がなくなりましたけれども、都市局長か下水道部長に答弁してもらいたいんですが、静岡県は極端におくれているんですよ。これは行政当局の怠慢が一番大きいと私は端的に思っています。そこで、大体昭和六十年度に他県で二百億ベース、二百億円台の予算について、静岡県はたった六十億円しかない。これでは気の毒で気の毒で涙も出ないということになるわけでありますが、この点はいかがですか。
#51
○説明員(中本至君) 静岡県は確かにおくれておりまして、二〇%にも普及率が満たない、これは全国のほぼ真ん中ぐらいの二十四、五位でございまして、私どもも静岡県が大県でありながら下水道普及率が低いというのは認めているところでございます。行政の怠慢かどうかはこちらからは言えませんけれども、そういう点もなきにしもあらずでございます。ただ、静岡県は非常に風光明媚の県でございまして、今までは大きな河川、急流河川があったためにおくれたのではないか。
 事業費の方でございますけれども、六十億程度、それで今ちょっと探しておるのでございますけれども……
#52
○青木薪次君 部長ね、こうなっているんですよ。昭和六十年度当初の国庫補助対象事業として、単独費を除くとしてありますが、埼玉県が四百九十三億円で二百四十一億円、千葉県は三百八十四億円で百五十二億円、静岡県は大体この辺のクラスと肩を並べるくらいの力を実は持っているわけです。二百八十九億円に対してたった六十二億円、こういう点の資料を見まして私は慨嘆の情を禁じ得ないから今こういう質問をしているんです。
#53
○説明員(中本至君) 資料がございました。
 先生おっしゃった六十億といいますのは流域下水道事業費でございまして、全体が二百八十九億でございます。しかしながら、全国の都道府県の数字ではやはり先生おっしゃいましたようにかなり低うございまして、これから静岡県ともいろいろ話し合いをしながら重点的に進めたい、かように思っております。
#54
○青木薪次君 そこで、狩野川西の流域下水道に対して前梶原都市局長からは、昭和六十一年度中ごろ着工と、こういうふうに聞いておったわけでありますが、行って調べてまいりますると、どうも昭和六十一年度は用地買収の関係等に手をつける、昭和六十二年度から着工というような、そんな感じもするのでありますが、その点いかがですか。
#55
○説明員(中本至君) 狩野川流域下水道西部処理区につきましては、六十一年度から、用地等の要望を受けておりますので、これに対して予算をつけたいと思っておりまして、実際の事業着手は六十二年度からやることと予定しております。
#56
○青木薪次君 西遠はもう用地買収済みでありますが、ことし十月供用開始と聞いてよろしゅうございますか。
#57
○説明員(中本至君) 西遠地区は浜松市等の重要都市もございますので、何とか六十一年十月に供用開始したい、かように思っております。
#58
○青木薪次君 天竜川左岸については、用地買収は民地は進んでいるんだけれども、町有地については特に竜洋町でありますけれども、町と調整中である。これができれば事業開始できると思いますが、いかがですか。
#59
○説明員(中本至君) 先生おっしゃるとおりでございまして、それらの問題が片づけば六十一年度から着工したい、かように考えております。
#60
○青木薪次君 最後に、大臣にお伺いいたしたいと思います。
 今私が指摘いたしてまいりました問題は、今後の居住地環境の整備のためにも、また二十一世紀に向かってのいわゆる居住環境の改善という最大目標に向かって下水道整備が要請されている問題からも、最も大きな点だと実は思っているわけでありますが、この点についてお聞きになっていて、やっていきますとなかなか心もとないと実は思うのであります。そこで、中曽根総理大臣もいい格好をして大分新聞に発表していますけれども、さて来たらこれはどういうことになるか。また、三年間補助率の削減でしょう。一年間減らしたそのもとにまた減らすんですから、三年間。これに下水道整備の関係も含まれているんですからね。こんなことでできるのかどうか。外へ行っては格好いいことを言う、内へ来てはだめだと言う、こんなことでもう国際的にうそはつけない状態になっているのでありますが、大臣、主管大臣といたしまして、この点に対して、下水道整備の決意表明も含めて御答弁いただきたいと思います。
#61
○国務大臣(江藤隆美君) 国会の審議を通じていつも考えることは、金が欲しいなとこう思います。それが実感でありまして、しかし今度の円高で四億二千万トンの原材料の輸入だけで十兆円もうかるそうでありまして、もちろん輸出面でマイナスの面もありますが、総じて言えば三兆五千億ぐらいの減税に相当するメリットがあるのだという説もありまして、これからだんだん秋になるに従って円高の効果が今度は景気がよくなる方に向かっていくだろうという説を唱える方も随分といらっしゃいます。
 そういうことを考えますとやっぱり、朝の来ない夜はないし、春の来ない冬もない。桜も咲いてきて、こうして国会の各方面の応援もあるし、だんだん我が方に春が向いてきたかな、こう考えて私どもは、いついかなるときでもそれに対応できるような体制をとっておこう、特に予算の前倒し等もございますわけですから、いついかなるときでも各方面の御期待に対して沿い得るような内部体制だけはとっておこう、こう考えまして、今後の来るべき日に期待をつないでおるというのが今持っておる実感でございます。
#62
○大川清幸君 まず、下水道整備緊急措置法の改正法案に関連いたしまして何点かお伺いをいたしたいと思います。
 第五次五カ年計画についての対事業費の実績、あるいは下水道の普及率の実績等については、先ほどの青木委員に対する御答弁で御報告がありましたので、その点は実情がわかったものですから結構ですが、都市局長の御答弁の中で、処理場を先行投資して整備した、パイプの方はおくれたというような具体的な御報告があったんですが、そのケースと、あるいはパイプ敷設工事としては完成したが予想にどうも人口等が追いつかなかった
というようなケース、そういうようなことがあったんです。これは具体的にはどこでどんな状況だったんでしょうね。細かい報告ができますか。できなければやむを得ぬと思いますが。
#63
○政府委員(牧野徹君) 一々細かい御説明はできないんですが、例えばパイプの予算、それから処理場の予算というのがございますね。それに対して、後でちょっと資料を出しますが、それぞれもちろん進捗は悪いんですが、相対的に言えば処理場の方はたしか五カ年計画に対して九三%か何かをこなしていると思います。それに対してパイプの方はずっと低いというふうな、例えば例を挙げればそういうふうなことでございます。
#64
○大川清幸君 四番目にお答えになった、いわゆる素掘り形式のパイプの敷設とそれから現在やっているシールド工法、これは都市のいろんな構造によって多少の単価の違いがあるのだろうとは思いますけれども、大ざっぱと言っちゃおかしいですが、大体平均して両工事のうちの金額の差はどんな状況になっていますか。
#65
○説明員(中本至君) 先生おっしゃいました工法の問題でございますけれども、例えば管径が一メーターぐらいの分を素掘りでいきますと、メートル当たり、これはいろいろな条件がございますけれども、十五万円から二十万円かかると思います。それに対しまして、シールド工法をとりますと、その四倍から五倍の六十万円から八十万円ぐらいかかる、かように私どもは考えております。
#66
○大川清幸君 それからもう一点、第五次で三六%アップをしたことについての一ポイントアップの割り出しの数字をさっき御報告願いました。一兆二千八百八十一億でしたかな。それから今度は第六次について割り返しを行うと、八・二ポイントのアップで一ポイントアップが一兆二千百七十億、こうおっしゃったんですが、これは第六次の方はずっと物価その他もスライドしますんですが、今言った数字、今持っている数字で単純に割り出してお答えになったんですけれども、事業そのものの性格で言うとこの数字どおりの計算で見込んでおいていいかどうかという話にもなるんですが、その辺はどうお考えになりますか。
#67
○政府委員(牧野徹君) 厳密な数字のチェックということは必ずしもないわけでございますが、申し上げたかったのは、先ほどは、五次五計については計画段階と実績段階でやや乖離があったものですから、それに比べれば今度終わったばかりの五次五計の実績一兆二千八百八十一億でございますか、それを踏まえて私どもは、これも実は厳密に申し上げると浸水対策が普及率向上にカウントできないとか、あるいはどうしてそんなに伸びるんだという場合に、逆に言うと五次五計で処理場は投資している、パイプが伸びないから言ってみれば普及率という意味では損しているわけですね。だから今度六次五計では、取り戻すというのは変ですけれども、パイプをうまく効率的にやればお金の割合以上にぐっと普及率は上がる可能性、もちろん我々はそれを期待しておるわけですが、そういう面もございますので、いろいろ六次五計の中を一々点検しませんと簡単には言えないんですが、単純に総事業費を普及率向上のパーセンテージで割った場合でもほとんどニアリーイコールでございますから、今度はまあまあいけるんじゃないか。物価上昇が強烈にあればこれはもう予想外のことでございますが、そうでなければまあまあ達成できるのではないかなと現段階では考えておるということでございます。
#68
○大川清幸君 そこで次に、第五次五カ年計画の進捗状況が極めて思わしくなかったということは大変残念なことですが、しかもこれ各事業の中で見ても大分ばらつきがありますね、事業そのものの量の中で。
 例えて言いますと、公共下水道関係の処理場は四五・六%でしょう。それから流域下水道の処理場は四五・一%、都市下水、これは管渠ですが、五四・九%、特定公共下水道の管渠に至っては実に二一%、それから特定環境保全公共下水道は五〇・九%、ちょっとこれだけ見ましても、これは六十年度見込みですが、大変ばらつきがありますね。このばらつきの状況について、余り細かいことまでは結構ですが、主な根拠を御説明願えますか。
#69
○説明員(中本至君) ただいま先生のおっしゃいました数字につきましては、そのとおりでございまして、例えば公共下水道の管渠が七〇・五、処理場が四五・六、これは先ほど来局長からもお話ししましたとおり、第五次五カ年計画については当初処理場の方へ重きをなしていったものでございますから、後半管渠の方へ力を入れる、そういうことで管渠の達成率を急上昇させた、流域下水道もそういう数字でございます。それから都市下水路、これは管渠そのものでございますから事業費そのもので達成率が低い、かような結果でございます。
#70
○大川清幸君 いや、かような結果は数字はわかっているからね、主なおくれた根拠、原因みたいなものがわかっていれば御報告願いたいという意味ですよ。
#71
○説明員(中本至君) 単純に申しますと、事業費そのものの減でございます。
#72
○大川清幸君 事業費そのものの減。各県の、後で論議をしようと思っていたんですが、補助対象の事業なんかは、静岡県のお話も出たんですが、やっぱり地元の経済力の比較的弱体な県というのは、東京みたいにそれなりの対応をするというようなわけにはいかないんですな。ですから、そういう点で、この五カ年計画を立てた中での各地域の経済状況等が違うんでしょうが、都市環境あるいはとりわけ生活環境の整備についてはこれは緊急の課題でございますが、これらに対応する計画そのものの立て方あるいは事業遂行の見通し等に甘い点はなかったのかどうかという反省はないんですか、あるんですか。
#73
○説明員(中本至君) 私どももこの達成率のバランスをとるということに懸命に努力したのでございますけれども、いろいろな諸条件がございましてかような結果になったことに対しては反省しておりまして、第六次五カ年計画にはその反省を生かしたい、かように考えております。
#74
○大川清幸君 今の問題でもう一点ですが、処理場の方に力を入れたといいますか、先行してその事業を進めたということは、基本的な考えで言うと、終末処理場が完成していないでパイプを引いてもしようがないから、事業の手法としては私もそれでいいんだろうというふうには考えておりますけれども、下水道の機能そのものから考えますと、やはりパイプの敷設あるいは終末処理場の整備、こういうようなものは、バランスをとるといいますか、事業ですから計画的にやる。用地買収等でどうしてもネックになるというような特殊事情はあるにしても、そういう特殊な事情、条件を除いた場合には、やっぱり整合性、バランスをとった整備計画が進められなければならないと思うけれども、その辺の配慮をしたのかどうかという点はどうですか。
#75
○政府委員(牧野徹君) 下水道整備に当たりまして、処理場とパイプの整合性をとるということは、先生御指摘のとおりでございます。五次の五カ年でも、五カ年計画を先人がつくりましたときには、やはりそれなりの御配慮があったろうと思います。
 ただ、先ほど私が申し上げましたのは、そういうことで五カ年計画は七五しか達成していないわけですが、一〇〇%達成するだろうということで五カ年計画の極めて初期の段階に処理場とパイプをスタートさせた。ところが、金がぐっと、言ってみれば横ばいになってきた場合に、やはりいろいろな経済スピード、経済工程等、あるいはスケールメリット等もございますから、どうしても処理場の方へどうせかかったものならやっておこうということで、結果として、処理場の方は先ほど言いましたように進捗しているのが九三%でございますか、パイプの方はそういかないということになってしまった。ですから、計画をつくるときから跛行的な計画をつくったのではなくて、やはり先ほど部長も申し上げましたように、金額がぐっと抑えられたことのひずみがどちらにより多く出たかというとパイプの方に出たということではな
いかというふうに考えております。
#76
○大川清幸君 下水道部長は、より具体的な御報告ができますか。今の都市局長と同じ程度の実情認識ですか。どうですか。
#77
○説明員(中本至君) 基本的には全く一緒でございますけれども、具体的には局長おっしゃいましたように、例えば第五次五カ年計画の当初におきまして、昭和五十六年度が初年度でございます、このときには、事業費拡大ということとともに処理場をとにかく先行するということで四千五百億程度の処理場費を突っ込んだ。それ以後、五十七年からずっと六十年にかけて管渠事業費を、その予定の七七対二三、すなわち管渠七七でいけば十分六十年度末にはバランスがとれる、そういうようなつもりでやったということでございます。
#78
○大川清幸君 次に、先ほどもちょっとお話は出ておりましたが、今回の新たな六次計画について何点かお伺いをいたしてみたいと思います。
 総事業費十二兆二千億で、第五次計画の十一兆八千億、これを三%程度上回っている形になっていますけれども、先ほどもお話がありましたとおり、調整費二兆二千二百億ですから、実際には第五次の規模を下回っている形になっていますね。私が心配なのは、先ほど第五次でいろいろ各事業別に非常に落ち込んだパーセンテージの低いところを聞いたときに、ずばり、事業費の減だとおっしゃった。そういう点からいうと、初めからこういう計画を組んでいること自体が怠慢――怠慢と言っちゃ申しわけないが、計画の組み方自体が基本からまずいのではないかという気がするけれども、その点はどうなんですか。
#79
○政府委員(牧野徹君) 私どもも、今度の五カ年計画を組むときには、一言で言えば非常に苦労をしたというか、困難があった点は事実でございます。ただ、あくまでもやはり、五カ年計画を組んで計画的、着実に整備を進めるという以上は、何としても五カ年計画全体の枠としては、いろんな物価スライドを考えれば、前期五カ年計画、これは七五しか達成しませんでしたけれども、せめてその総体と同じフレームは用意したい。そういう中で、しからば現実の財政状況等を踏まえた場合に、どこまでを実事業費にしておいて、どこまでを、先ほど主計官の方からお答えもございましたが、調整費にしておくか、かつその調整費については、今まで五次五計ではございませんでしたが、三年たったところで見直すという条件を入れて、いろいろの期待、考えを含めて五カ年計画を策定させていただいたということでございます。
#80
○大川清幸君 その御答弁をそのまま受け取っておきますと、この一八%の調整費、これは三年後の見直しで大蔵省との間で話ができているのかどうかいきさつは私わかりませんが、中間で見直して、進捗状況からいえば、これはこのまま事業費に回す可能性が極めて大きい、こういう解釈でよろしいんですか。
#81
○政府委員(牧野徹君) 調整費を除いた現在の実額ベースの一般公共事業費が例えば六兆六千八百億でございますが、これに対しまして、初年度の予算が一兆一千七百億ほどついております。これで単純に残りの四年間平均何%すっ伸びれば満額達成するかといいますと、単純計算で参りますと約五・五%でございます。ですから、今目先が非常に、主計官の表現で言えば不透明だというお話がございましたが、いろいろ大事な転換期であろうとも思いますし、この五・五%を伸ばしていくことも、私は黙って眠っていたのではできないと思います。かなりの努力をして伸ばしていくということになろうかと思います。その上でございますから、今直ちにここで、しからば三年たったところで必ずその予備軍であるといいますか、調整費をどっと取り崩すというふうになるのかということについては、なかなかお答えが現段階ではしにくいということを御理解いただきたいと思います。
#82
○大川清幸君 これは大臣に伺おうと思っておったんですが、第六次計画の規模を決定する際に、建設省側としては十四兆一千億円程度の要求額を持っていたはずでございますが、実際には今御答弁のありました十二兆二千億になった。これは、いきさつはどうなんですか、全く財政事情によるものでございますか、どうなんでしょう。
#83
○政府委員(牧野徹君) 今度の第六次五カ年計画の策定作業に当たりまして、当初私どもが昨年の九月に財政当局に要求した五カ年計画の枠は、おっしゃるとおり十四兆一千億でございます。
 一言で言えばもちろん財政状況ということかもしれませんが、通常私どもは今まで、下水道整備の五カ年計画だけではなしに政府のあらゆる五カ年計画がそうだと思いますが、要求する側は要求する側の論理と思考過程を経た上で要求する。財政当局は財政当局の考えがある。場合によればもう少し他」の要素も加わって、寄り寄り協議した結果そういうふうになったと。しかし、大きな要素の一つに、先生が御指摘された財政事情等があるということは否定できないと思います。
#84
○大川清幸君 この都市計画整備につきましては、都市計画審議会の答申等もありまして、二十一世紀初頭までに、先ほどの都市局長の答弁では、目標は六〇%、九〇%、どっちですか。
#85
○政府委員(牧野徹君) 大事な点ですから、もう一度繰り返させていただきます。
 まず、下水道普及整備の普及率の最終目標は九〇%と設定しております。この九〇%を達成する時期でございますが、我々は、あるいは都市計画中央審議会も、「二十一世紀初頭」と申し上げております。初頭ということは、二〇〇〇年とか二〇〇一年ではないということでございます。私が申し上げましたのは、二〇〇〇年まで十五年ある間に、自分の、担当者としての希望も入れて、できれば毎年二ポイントというか、二%ずつ上げれば三〇でありますから、現在の三六に足せば六六になります。だから、言ってみれば二十一世紀に突入する時点で何とか六割台に上げておけば、あと一息頑張れば、二十一世紀初頭には九〇までいくのではないか、こう申し上げたわけでございます。
#86
○大川清幸君 この辺の構想については、大臣、特に御構想をお持ちでございましょうか、いかがでございますか。
#87
○国務大臣(江藤隆美君) ただいま局長が答えましたとおりでありまして、最大の努力をして、そして目標に近づけるようにいたしたいと思います。
#88
○大川清幸君 先ほども繰り返し論議があったんですが、今の都市局長の答弁では、何とか六〇%台に乗っけておいて、そして初頭九〇%を達成したい、こういうことですね。
 財政事情が今こうした状況でございますし、二十一世紀まで残りあと十五年。初頭というと、あと何年向こうへ見込んでおっしゃっているのか、その辺は私、不明確でよくわかりませんけれども、今のこの第六次の計画がかなり効率よく進んでも二十一世紀初頭までの努力というのは大変だろうというふうに思います。六十一年度を出発点とする事業規模は、総額の上では決まってしまったので、これを動かすことはできないんですが、第七次、第八次のことを想定いたしますと、それを見込んだ第六次の中での事業というものを相当頑張っておかないとこれはだめですよ。その点は、財政事情もあるんだろうけれども、さっき調整費の関連でお伺いをしたんですが、最大の努力をしていただく必要があると思う。今ここで明確に調整費がそのまま右から左へ一〇〇%事業費になるということは答えにくいとおっしゃっていたんですけれども、進捗状況によっては、六次五カ年計画の達成をどうしても一〇〇%近くやっておくという腹を決め、その辺の決意を相当固めておいて大蔵省にも三年後に物を言うぐらいでないといかぬと思いますが、どうなんですか。
#89
○政府委員(牧野徹君) 先生のおっしゃるとおりでございまして、実は九兆九千八百億という実額、調整費除きでいくと四四と今申し上げた。調整費二兆二千二百億を全部使えば四六と申し上げるわけですが、実は大臣からおしかりがございまして、担当局長は四六から先に言え、こういうおしかりも受けているようなことでございます。
 ですから、我々が事業をどんどん進捗させて、
調整費も可能な限り事業費化していきたいということ、これがもう私ども基本的な姿勢でなければならないと思います。そうすれば、四六でございますと、ちょうどこれは一年二%で、五年で一〇ポイント上がりますから私の願望にぴったりくる、こういうふうなことでございます。
#90
○大川清幸君 この第六次計画の初年度である六十一年度、これはさっき御報告があったとおり、進捗率一七・七ですか。今私なぜあんなことを言ったかというと、三年後の見直し、これ六十一年度にやって六十二年度にやって六十三年度にやって、さあそのころになるとそろそろ大蔵省との折衝が始まって、いやもう少し進捗状況はきちんとやっておきたいんだ、調整費二兆二千二百億のうち大体この程度のものは使いたいんだというようなことは、実績を上げておかないと物を言ってもなかなか通じないからね。
 そういう意味ではかなり頑張っておかないといけないんですが、私は、この初年度の一七・七%がある意味では五カ年の全体計画からいうと何か心細いような気もするんだけれども、どうなんですか、これはもう少しアップできないんですか。
#91
○政府委員(牧野徹君) 予算の方は成立をさせていただいておりますので、今この時点でこれをアップできないかとのお問いただしてございますが、考え方としては、もちろん、例えば今後に補正予算とかそういうものがあれば、それはさらに一七・七が上がるわけでございます。今時点で私どもがお答えできるのは、やはりついせんだってお決めいただいた予算を円滑かつ適正に執行するということだと思います。
 ただ、五カ年計画の初年度が一七・七――先ほど私は実は公共事業費だけ申し上げましたから、そうしますと一七・五で、五・五%の平均伸び率が要りますと申し上げましたが、先生がおっしゃいましたのは、多分実弾全部で、地方単独事業費まで入れたものでおっしゃっておられるかと思いますが、これが初年度一七・七ですと、残りの六十二年度以降の平均伸び率は四・八%になるわけでございます。通常のままで、ここ数年のゼロシーリングないしはマイナスシーリングというのは問題にならないわけでございますが、いろんな工夫をして事業費稼ぎをしておりますが、それ以前の状態でございますと、私の経験からいえば、五カ年計画をスタートさせるときにこの程度のシェアでスタートすれば、後、適正に、リーズナブルに伸びれば、大体は一〇〇%達成できるほどの初年度分ではないかと考えます。ただ、あくまでも、そのとおりいくかどうかということは、今後の伸びというところが一番の問題ではないかというふうに考えます。
#92
○大川清幸君 それでは、念を押しておきますが、一般公共事業費の方の一七・五%、これは十分可能ですね。
#93
○政府委員(牧野徹君) 一七・五%が可能かという意味が、確保し使い切るかということであれば、それは断固そのようにいたします。
#94
○大川清幸君 大変熱意を込めてこの事業を進めるという当局側の姿勢ですから、その点は評価いたします。
 ところで、よく論議される我が国の社会資本整備の水準のことですけれども、これは俗に大変おくれていると言われておるんですが、これに対する当局の評価についてはいかがでございますか。評価というか、認識。
#95
○政府委員(牧野徹君) 私が担当をさせていただいております街路なり公園なり下水道、いわゆる基本的な都市基盤施設と言われるものの進捗率といいますか、整備水準は、下水道がただいま申し上げましたように三六、あるいは公園で申し上げますと、長期目標、一人当たりに対しまして二十平米が、現在、アバウト四分の一の達成率、四・九平米かと思います。あるいは街路にいたしましても、一平方キロ当たり三・五キロメーターというようなたしかデータといいますか、指標だと思いますが、それが現在たしか三・五ではなくて一・一から一・二キロメーターくらいしかないと思います。
 つまり、すべてのものが四割から二五%の範囲内でしか整備されていないということでございまして、これは、先ほどからの御議論にもございますように、基本的に、日本の国の運営として、そういう社会資本といいますか、都市基盤整備を、できるならば余力のある二十一世紀までの残りの十五年間に、積極的に投資を進めるべきだというふうに考えております。
#96
○大川清幸君 港湾とか道路、この整備もかなりやってきたが、実情はおくれておる。そうした産業関連の整備もいろいろやってきたわけですが、とりわけおくれたのは生活環境整備事業の点ではなかろうかなというふうに私は思いますので、今論議をしておりますこの下水道のことについてはかなり積極的に進めてもらわなければ困るし、それから、近代国家の中の都市生活というのは、公害問題も絡めまして、生活環境というのが非常に重要な問題になってくるわけですから、それだけの認識を持っていただく必要があると思うんです。
 他の公的社会資本の充実等もおくれてきたんですが、とりわけ生活環境施設に対するおくれというのは、まあ、ひどいという表現がいいかどうかわかりませんけれども、せっかく力を入れたんですが、財政事情もこれあり、おくれるのはやむを得なかったと言えば言えるのだろうと思うんです、高度成長のスピードが一時期大変速かったというような事情もあって理解できる面もないわけではないんですけれども、下水道を含めた生活環境整備の公的事業というのは最重点でやっていただかなきゃならない問題であろうというふうに私は考えておりますが、その辺の御認識はいかがでございますか。
#97
○政府委員(牧野徹君) 手元に今細かい数字がございませんが、私は前に会計課長をやっておりましたので、そのとき以来考えておることをちょっと申し上げてお答えにかえさせていただきたいと思うんです。
 建設省の各部門への投資の態度といいますか、シェアでございますが、これは、戦後から考えますと、当然のことではございますが、戦後一時期は、荒廃した国土をいかに復旧するかということで、主として河川系統、治水なり、災害復旧なりへの予算が圧倒的にシェアが高こうございました。その後、あれはたしか道路整備が特別会計といいますか、特定財源を獲得したのが二十八年だったか九年だったかと思いますが、あのとき以来、やはり安定的な特定財源を基盤に道路整備というものが、まだまだ不十分とはいいながら急速に進んだわけでございます。それ以降、先ほど大臣の御答弁にもございましたように、それから先生の御指摘にも今ございましたが、例えば四十五年の公害国会あたりを契機、境にいたしまして下水道の予算もぐっと伸びたわけでございます。不十分とはいえ、五カ年計画をつくるたびに倍とかあるいは三倍近いかなりな伸びを示し、かつそれをあるときはやはり一〇〇%達成しておったわけでございます。そういうことで、五年ないしは十年区切りで建設省の予算配分の中のシェアを見ますと、今、川は安定的にたしか一六、七%だと思います。それから、一番、何といいますか、実績値で高いのはもちろん道路でございます。ややそのシェアが下がって、おっしゃるとおり、住宅も含めました公園あるいは下水という生活環境の予算の占めるシェアが、があっとふえてきたことは事実でございます。ただ、残念なことにここ数年はゼロシーリングとかあるいはマイナスでございますので、そういうアクセントがなかなかつけにくい。ただ、つけにくい中にありましても、例えば最近でその中でも特に力を入れておりますのは、小粒ではございますが、都市再開発事業などというものはここ三年間連続三〇%ずつ国費を伸ばしております。あるいは、長崎、島根で大災害がございましたが、ああいう急傾斜地の崩壊対策、これについても先取りで予算をつけるというふうなアクセントをつけております。
 長々申し上げて恐縮でございますが、そういうことで、建設省全体といたしましても、時代の要
講を踏まえてそれぞれ貴重な国費を適正に配分していくという努力はいたしておるつもりでございますので、御理解をいただきたいと思います。
#98
○大川清幸君 そこで、文化のバロメーターといいますか、それは、住宅の規模とか、あるいは道路の整備とか、下水道の普及率等いろいろ判断材料になるもの、社会的資本の充実についてのファクターがあると思うんですが、いわば欧米先進国並みの整備を目標にするということになりますと、当局で言えば財政を無視してそんな計画は立てられないのは私はよくわかりますけれども、今、当面国の財政事情がこういう状況にありますが、先ほど都市局長から二十一世紀初頭に関する下水道の普及率の見込みについての数字も挙げて御説明をいただいたんですが、なるほどそのベースでいってくれればいいなと私も希望を持つわけでございますけれども、財政その他はさることながら、欧米水準並みに達成する年次目標なり、事業計画なり、あるいは投資額に対する見込みなり、そういうようなものは計画として、あるいは素案としてお持ちなんですか、どうなんですか。
#99
○政府委員(牧野徹君) 厳密な意味の計画ということでは、日本の財政の推移がどうなるかまでを踏まえて厳密な意味での計画ということであれば、残念ながら現段階ではないと申し上げざるを得ないと思います。ただ、都市計画中央審議会等の御答申でも、全くそれを無視してではなくて、可能な限り頑張ればこうできるだろうからということで、先ほど私が御説明申し上げたような御答申をいただいている、こういうことでございます。
#100
○大川清幸君 そこで、この下水道事業、ほかの事業でもそういうことになっていると思うんですが、社会資本の充実については極めて重要だという認識が政府にも当然あるし、法律上も、計画的かつ緊急に整備を進めるということについてはそれなりの立案をして実施するという制度があるわけです。
 四十五年の公害等がいろいろ論議されたときにも多少の配慮があったのだろうと思うんですが、こうした事業の計画については、二十一世紀を展望した場合に、住宅でもウサギ小屋ですから、下水道もこれ普及しないと、例えば静岡県なんというのは富士山が真ん中にあって大変自然環境のいいところですけれども、観光地を中心にしたところだけが普及しておるんですが、これは全体的な発展あるいは観光その他から考えても、静岡県に限らず、日本全土やはり下水道の整備をやっておきませんと、いずれは飲料水になるような河川、湖水等も汚染をしてくるという深刻な問題もあるわけですよ。
 私は東京ですけれども、例えば江戸川、荒川の流域あるいは埼玉県あるいは茨城県等もかなり下水道の整備をしてもらわないと将来心配だということを実は考えておりまして、茨城県や埼玉県に対しても何か飲料水の水質を保全する意味でいろいろお手伝いすることがあれば、子算措置といってもあれですが、今の広域行政でやっている分では足りませんから、都民の水を守るためにそうした点でのいろんな折衝を該当県とやってきた経験も私あるわけですけれども、そういう点から考えると、財政の事情の許さないうちは仕方がないが、建設大臣のお言葉ではないが、いずれ春の来ない冬はないんだというようなことがありましたから、財政問題も明るみが見えた場合には年次、累次五カ年計画のほかに緊急に対応するというようなことについての考え方は可能でしょうか、どうでしょうか。
#101
○国務大臣(江藤隆美君) 先般の経済関係閣僚会議で、内需の拡大のために過去最高の前倒しをやろう、こういうことに決定を見ましたわけでありまして、一番前倒しがきつかったのは昭和五十七年度で七七・二%でありました。したがいまして、それを受けて私どもは八〇%の前倒しを念頭に置いて六十一年度の予算を執行しよう、一括法の成立を待って直ちに体制を整えてしまおう、こういうことで実はやっておるわけです。ところが、中には御承知のように用地買収等がなかなかうまいこといかぬものがありますものですから、全体的に八〇%といいますと、これは用地交渉等のないそういうものを思い切ってやりませんというと平均して八〇にはならぬ、こういうことでありまして、できることなら下水道については八九%、大体六十一年度予算の八九%程度を前倒し執行するようにということで、今鋭意努力をいたしているわけであります。
 そうすると、もう約九割ですから、ほんのちょっぴりしか残らぬ。じゃ、下半期の方はどうするんだ、こういうことになってくるわけでありまして、予算委員会から建設委員会を通じて諸先生の御意向も随分と段々にございましたから、春の来ない冬はないというふうに、ひたすらひたすらにいい方向に向かっていくことを実は望んでおる。それは政府全体がそういうふうに前倒し。そうすると、朝飯は食ったが晩飯はないのかよ、こういう話も当然出てくるわけでありまして、今補正予算を云々とか建設国債を云々とか言うことは適当でないでしょうけれども、少なくとも内需拡大だということを言うとするならば、これは当然下半期についての手当てもあってしかるべきでありますから、ちょうどそういう時期が近づいてくる。したがって、いついかなることが起こっても対応できるように私どもは内部の体制準備を整えておこう、こういうふうなこともさっき実は青木先生に申し上げたときの言葉の裏にはあったわけでありまして、そういう気持ちでやっていきたいと思います。
#102
○大川清幸君 せっかくの御努力をお願いいたしたいと思います。
 ところで、下水道整備につきましては、国庫補助の対象ということがありまして、この補助率の問題でございますが、政令指定都市が四五%ですね、それで一般都市は七五%。ですから、政令都市の方は事業費の五五%、一般都市で二五%これは補助の対象にならないわけですが、この辺が地元で言うと事業をやるのになかなかしんどいいきさつもあるわけですね。各都市の詳しい事情を知りませんが、私も地方議員の陳情を受ける場合に、特に政令指定都市の都市化のスピードの速いところですね、川崎とかその他あるんですが、そういうところの要求が非常に大きい。この補助率を何とかしてくれないかというのは年来のこれは要望なんですよ。建設省としてもしょっちゅう耳の痛いほど聞いている問題ではないかと思うんですが、この補助率の差ですね、この根拠は本来どういうことなんでしょうか。
#103
○政府委員(牧野徹君) 先生御指摘のとおり、一般都市と政令指定都市の間では差をつけていることは事実でございます。
 その基本的な考え方でございますが、やはり一つには財政力が相対的な意味で言えば違うのではないかということと、それから実質的な意味で、大都市は、早期に事業をお始めになっていることもございますが、かなり普及している。そうしますと、今後方向としては、やはり地方の中小都市、一般都市に力を注ぐべきだというふうなことも考えられますので、一般都市の補助対象率をより高いものにして、全国的な意味でバランスのとれた事業の進展を図りたいということを考えておるわけでございます。
#104
○大川清幸君 先ほど青木委員の質問の中にも出ておったんですが、補助金の問題ですけれども、六十一年度から三年間補助金特例法でこれは補助率が引き下げられてしまうわけです。これの下水道の自治体で行う事業についての影響、この辺はどの程度の結果が出てくるだろうかというのを私は心配しておるわけですが、この影響の度合いはどんな観測でしょうか。
#105
○政府委員(牧野徹君) 補助率の三年間のさらなる削減ということについてはお願いしておるところでございますが、これは下水道が跳びはねて何か他の公共事業と変わったことをしようということではございません。いろいろの事情がございましてやっておるわけでございますが、いずれにしても私どもは、それによって地方公共団体に新たな負担が生じるのは事実でございますが、その点につきましては話し合いによりまして全額起債措
置を講ずる、さらに元利償還について交付税措置をするというふうに聞いておりますので、それによって極力影響が大きくないようにスムーズに事業が進められるようにと考えております。
 その中でも下水道の財政力の弱い公共団体への配慮という点についてつけ加えさせていただくならば、特に町村等については補助対象範囲を、より細いというか、小さいパイプにまで広げようということも考えております。これは一般の市についても若干やるつもりでございますが、特に町村については補助対象範囲を拡大したいというふうに考えておるわけでございます。
#106
○大川清幸君 地方の単独事業関係は除きまして、先ほどお話のあった一般公共事業関係の一七・五%、これは補助対象事業等はこのうちのどのぐらいを占めることになるんでしょうか。
#107
○政府委員(牧野徹君) 下水道事業はすべて補助事業で行っておりまして、ですからどのぐらいというか、全部というふうに御認識いただきます。
#108
○大川清幸君 そういうことだと思うんです。そうすると、補助対象事業が一〇〇%ですから、今言ったような三年間切り込んでいくやつは、地元で受けるのに影響が出てこないかという意味で私は聞いたんですよ。これは大丈夫なんですか。さっき大丈夫だという御答弁なんですが、どうです。
#109
○政府委員(牧野徹君) 絶対大丈夫と言えば、何で大丈夫なのか、ちょっと私としてはお答えしにくいところもあるわけですが、先ほどお答え申し上げましたのは、政府全体の配慮の中でいろいろな起債措置なりそれに続く交付税措置もやっておる、さらには下水道としては特に財政力の弱い町村部等を中心に補助対象をやや手厚くするということも考えておるので、何とかこれでしのいでまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#110
○大川清幸君 それでは、次に下水道事業団法改正案について何点かお伺いをいたしておきたいんです。
 提案理由の中でも御説明があったんですが、この事業団が新たに下水の汚泥の処理を行うこと、それから下水道債券の発行を可能にすること等を決めることになっておりますが、こうした考え方の主な根拠はどういうことでございますか。
#111
○政府委員(牧野徹君) 下水処理をしますともう不可避的に汚泥というものが発生するわけでございますが、普及率が低い低いと言われながらも三六%、あるいは大都会の方だけとればほぼ八割に近い数字かと思います。そういう実績等を踏まえまして、大量に発生する汚泥をどうやって処理するかということで、現実にそれを御担当なさっておる地方公共団体の方がお困りになって、例えば処理費用が高くかかるとか、あるいは処分地そのものに困るという声が非常に強くなりまして、これを何とか、ひとりひとりでばらばらでやるのではなくて、みんなで集合的にやれば、より効率的あるいは合理的にできるのではないかということでございまして、それを円滑適正にやるために、ひとつ日本下水道事業団を使って広域的な汚泥処理事業をやろう、そういうふうに考えだということが、この構想というか事業を考えた背景でございます。
#112
○大川清幸君 汚泥の発生量あるいは処分状況、これの処理の仕方には四種類か五種類手法があるように聞いておりますが、現状としてはどういう状況になっておるのか、状況がおわかりでございましょうか。
#113
○説明員(中本至君) これは昭和五十八年度のデータでございますけれども、全国の下水汚泥発生量が最終処分量にいたしまして二百二十万立米程度ございます。この二百二十万立米のうちの約百五十万立米が陸上埋め立て、それから二十万立米が海面埋め立て、それから有効利用が三十万立米、その他が二十万立米、かような処分状況でございます。これをさらに分けますと、いろいろ脱水ケーキあるいは焼却灰を利用したり、乾燥汚泥を利用したり、消化・濃縮汚泥を利用したり、そういう状況でございます。
#114
○大川清幸君 ところで、汚泥処理に関する費用といいますか、コストの状況ですが、これは平均どの程度かかるものなんですか。
#115
○説明員(中本至君) これも昭和五十八年度の資料でございますけれども、全国の汚泥の各処理場の維持管理にかかったお金を合計いたしますと約七百十億円程度でございまして、これは維持管理費全体の三六%程度のシェアを占めておる状況でございます。
#116
○大川清幸君 そこで、この事業は自治体の側から要請があって行うわけですね、汚泥処理については。その場合の処理料金等の算定の仕方はどういうことになるんですか。
#117
○説明員(中本至君) この事業は日本下水道事業団が、国庫補助金を入れますし、また財政投融資資金を入れたりして実施するものでございまして、この財政投融資資金の償還に本事業を要請した地方公共団体から料金を取るということでございまして、したがいまして、この処理料金と申しますのは、今申しましたような建設費、財政投融資資金の償還金、運転管理費等の支出に対しまして、国庫補助金等を引いたものを量で割る、そういう原価料金体制をとりたい、かように考えております。
#118
○大川清幸君 先ほどの御答弁の中でも、兵庫県のどこかの市ですか、今早速対象になるような申請が出ている。下水道の普及は随時進んでいくわけですが、将来の見通しについての御構想などをお持ちになってこれは対応なさっているんですか、どうなんですか。
#119
○説明員(中本至君) 現在要望がございますのが、一番緊急性がありますのが、先ほど来お話しいたしました兵庫県の西部それから兵庫県の東部でございまして、さらに私どももいろいろ、全国的な要望といたしましては、例えばこの近辺では埼玉県等も非常に汚泥の問題で困っている、さらに伊勢湾等でも困っているというような話を聞いておりまして、これが広域汚泥になるかどうかは、これからの検討、あるいは今さっき米お話ししています地方公共団体からの要請に基づくということでございます。
#120
○大川清幸君 汚泥の活用の仕方の問題なんですが、道路の表土に使ったり、あるいは海面埋め立て等にも使っておる。一部の府県というか、東京都でも私たち試験的にやらせたことがあるんですが、例えば新しく団地ができた多摩丘陵地帯の団地は、あれは一般市中工場なんかと全く隔離されておりますので、ここの下水は家庭の雑排水並びにトイレの水でございますから、良質なコンポストができるんですね。ところが二十三区内の方は、先に発達をしてしまった下水道で、町の中にはいろいろな工場もありますし、重金属の排除は現在の科学技術水準では不可能でございます。したがいまして、どうしても再利用の方法が制約されるわけでございますが、こうした再利用の関係での有効な方法を今後考えておかないと、量ばかりふえて、埋め立てばかりもできないでしょうし、それから重金属その他有害物質を含んでいる場合に、海面埋め立てが必ずしもいいかどうかというのは問題が今後に残るだろうと思いますし、そうした有害物質あるいは重金属等の排除といっても技術的にいろいろ科学者に聞いても難しいんですけど、これらの汚染汚泥の処理方法についての対応、これは今から十分考えておかなきゃならない問題だと私は思っております。
 これらに対する御認識なりあるいは対応なり、規制の問題については、お考えがあるでしょうか。
#121
○説明員(中本至君) 先生おっしゃるとおりでございまして、基本的には、非常に良質な汚泥についてはコンポスト化をして肥料に使う、これが一番経済的であり合理的であると思います。一番危険であると言われる重金属が入った場合の汚泥につきましては、例えばここの今要望のあります兵庫県西部の姫路等につきまして皮革排水の汚泥がございます、これは明らかにクロムが入っております。そういうものにつきましては、その泥を溶融炉で溶融いたしまして、完全に非常にかたい物質にして、それで封じ込めて埋め立て等に持って
いく、あるいは建設地帯等に持っていく、かように考えております。
#122
○大川清幸君 埋め立て用に使うようなものは今のようなことでやったりして有害物質が出ないようにすればいいんですが、コンポストにしたり焼却して灰にしたり、いろいろありますね。それの一々の処理の仕方についてのコストみたいなものについては、概要はおわかりになりますか。もしおわかりにならなきゃ結構ですが、その辺でも料金を決めるのに大分いろいろ問題があるんじゃないかというふうに私は思いますので。
#123
○説明員(中本至君) 確たる数字はここにはちょっと用意しておりませんけれども、段階的にはもちろんコンポストが一番安い。それから一番高いのは、やっぱりそういう封じ込めの溶融が高い。もしなんでございましたら後ほど先生のところへ、データがございましたら持ってまいりたいと思います。
#124
○大川清幸君 それは後ほどまたいただければ大変ありがたいと思います。
 下水道の普及については、従来、既成都市で行われてきた下水道という考え方でおやりになっているのかなというふうに思いますが、新しく市街化されるところについては、今のコンポストなんかが一番コストが安い。有害物質や重金属が入っているものについての処理の仕方は、どうしても、公害その他を考えるとコストが高くてもしっかりやらにゃならぬ。こういう課題が残るわけですから、新しく下水道を敷設するエリアについては、お金は当初かかっても、分流式なんかでやっていただくと、終末の汚泥の処理の仕方についてのコストのかかり方が大変違ってくるのではなかろうかと思うんです。東京都の一部では、新しく市街化したところは既に自主的、自主的というか、建設省と相談もしたんでしょうが、分流式の地域をずっとつくっていますよ。ですから、そういう点から考えると、ただ普及すればいいということじゃなく、近代日本というか、文化都市どこどことかあるいは文化国家日本とかというふうに考えた場合には、分流式の下水道を普及し指導するぐらいの考え方を持ってこれは対応していただかないといかぬのじゃないかと思いますが、その点はいかがですか。
#125
○説明員(中本至君) まさしくおっしゃるとおりでございまして、我が国も、歴史的に浸水対策から始まった地域の下水道は合流式でございます。当然東京、大阪、名古屋等は合流式でございます。おっしゃるとおり、昭和四十五年ぐらいから下水道をやっているところにつきましては、ほとんど分流式で指導しておるという状況でございます。
#126
○大川清幸君 そうすると、今後の下水道については大体分流式が主流で普及されていくという解釈でよろしいんですね。
#127
○説明員(中本至君) そのとおりでございます。
#128
○大川清幸君 次に、下水道の維持管理等についてお伺いをしておきたいんですが、民間活力の活用というようなことで、だんだんそういう方向になるんでしょうが、民間業者への委託の問題ですけれども、都市計画審議会でも答申が行われているところでございます。下水道の維持管理についての委託状況は今どうなっておりましょうか。
#129
○政府委員(牧野徹君) 私どもで昨年実施しました調査でございますが、五十九年度の実績でございますが、維持管理費のうちの民間委託費は五百五十六億円でございます。同年度におきます維持管理費の総計は三千八百六十億円でございますから、それに占める割合は一四・四%程度でございます。
#130
○大川清幸君 今後の方向としてはいかがなんですか。この委託の方向を積極的に進められるお考えなんでしょうか、どうなんでしょうか。
#131
○政府委員(牧野徹君) 私ども、先ほどちょっと部長も御答弁申し上げましたように、基本的に下水道の管理は地方公共団体が行うものでございますから、例えば法律行為的なもの、こういうものは当然委託できない。その後、事実行為の中で民間委託になじむものというものの委託を、現在の公共団体もされておると思いますから、そういう範囲で適正に委託が行われていくことが望ましいというふうに考えております。
#132
○大川清幸君 そこで、下水道管理の民間委託に関しましては、下水道法の第三条で、下水道の設置、管理等は市町村が行うとされています、今御答弁のあったとおりです。第二十二条では資格者の制度がありまして、そのほかにもまた、地方自治法上の問題などで法律上の問題が幾つかあると思うんです。こうした現行法の中で民間委託をされていくということになりますと、下水道があふれたり、いろいろそれに関連した被害あるいは公害等が起こってくるようなことも間々考えられるんですが、委託をされた方の民間団体とそれから委託をした方の自治体の責任分担の問題、こういうようなことは法律上どういうことになるのか、心配はないのかということが残るんですが、その辺はいかがでしょうか。
#133
○政府委員(牧野徹君) 事実行為の委託をするわけでございますから、トラブルが生じた場合には本来責任者、管理者である自治体が最終的な責任を負うということになろうと思います。
#134
○大川清幸君 それで、事実行為ということですが、何か事故が起こった場合には、実情によってどっちがどれほど分担するというようなことは、これは話し合う以外に方法がないという意味にもとれるが、それでいいですか。
#135
○政府委員(牧野徹君) 若干舌足らずだったわけですが、委託を受けた民間の方が全くめちゃくちゃなことといいますか、全く自己の責任に帰属することをやった場合には、最終的に負担をどちらが負うかと言えば、それは業者の場合もあるかもしれませんけれども、責任をどちらがとるかということで言えば、やはり委託をしたとはいえ、本来管理者の立場にあるわけですから、責任を免れるというわけにはいかないというふうに考えるわけでございます。
#136
○大川清幸君 時間がなくなりましたから、最後に聞いておきますが、深刻な当面の問題だけ聞いたんですが、やはり将来のことについては明るい計画を持って、近代国家日本の建設に役立ってもらいたいと思っておるわけです。
 いわゆるアクアトピアとか、あるいはアイデア下水道、アピール下水道などいろいろな名称が使われて、将来の計画、構想もお持ちのようです。具体的には東京都内でも、リサイクルをした水を江戸川みたいに、町の中を区が狭い公園形式でつくっておったりして、大分区民、子供にも喜ばれておるようなことを私聞いておるわけですが、こうした下水道を含めた水の再利用等の問題についての御構想があれば、最後にお伺いをして、時間が参りましたので質問を終わりたいと思います。
#137
○説明員(中本至君) 今先生からおっしゃいました例えばアクアトピアというのは、アクアという水という意味と、トピア、ユートピアをくっつけた名称でございまして、全国各都市でいかなる水路へ行っても子供が水遊びできる、魚釣りができるということを目指してこの構想を立てる。さらに、アメニティー下水道というのもございまして、これはせせらぎ回復をしよう、すなわち処理場から出る水が非常にきれいなものでございますから、それを海へ出したりせずに一度せせらぎをつくろう。例えば東京都の近辺で言いますと、野火止用水、あるいは江戸川区におきます親水水路、そういうものを現在モデルとしてやっておりますので、今後とも必要に応じてそういうものを積極的に進めたい、かように考えております。
    ―――――――――――――
#138
○委員長(小山一平君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、山田勇君及び松本英一君が委員を辞任され、その補欠として関嘉彦君及び上野雄文君が選任されました。
    ―――――――――――――
#139
○安武洋子君 私は、本法案の改正によりまして実施をされます下水汚泥の広域処理事業についてお伺いをいたします。
 広域処理事業は、手始めに本年度から、兵庫県の西と東の両フロックで着手をされるということ
になっております。事業団による広域処理のメリットの一つに処分費用のスケールメリットが挙げられておりますけれども、先ほどの兵庫の西と東のフロックでございますね、この場合、処理経費というのはおおむね幾らぐらいになるのでしょうか。そしてこれは、単独処理に比べましてどれくらい安くなるのでしょうか、お伺いいたします。
#140
○説明員(中本至君) まず、広域的にやります経費と単独でやる場合、これはまだ要請を受けておりませんので、一つのモデルケースでございますけれども、例えば汚泥二万トンぐらいで試算いたしますと、約一〇%から二〇%ぐらいこの建設、維持管理とも安くなる予定でございます。それから、これもまだまだ要望でございますので試算段階でございますけれども、建設費はこの兵庫県の西、東で約千五百億円程度かかると試算されております。
#141
○安武洋子君 こういうことを実施するに当たりまして、やはり汚泥の中に有害なものも含まれているわけです。焼却に伴いまして有害物質の排出とかあるいは臭気、それから大気の汚染、それから汚泥の搬入とか搬出に当たりましての交通の影響というふうなものもございます。こういうことを全部含めましてやはり私は十分なアセスメントを行うことが必要であろうと思います。それとともに、地元住民の同意なしに事業が強行されるというふうなことはこれはあってはならないというふうに思いますが、この点いかがでございますか、御答弁を願います。
#142
○説明員(中本至君) 本事業の実施に当たりましては、関係省庁の環境影響評価の実施にかかわる基本通達がございまして、これによります指導措置、それから地方公共団体の環境影響評価にかかわる指導要綱等に基づきまして、必要がある場合には日本下水道事業団が環境アセスメントを実施するということになっておりまして、建設省といたしましても事業団に対しまして遺漏なきよう指導してまいるということを考えております。
 それから第二点目の、地元住民の十分な理解等でございますけれども、この事業は、先ほど来いろいろ申しておりますように、地方公共団体が非常に困っておる、それに対して、その強い要望を受けて制度化しようというものでございまして、今回対象としております地方公共団体からは大きな期待が寄せられています。したがいまして、広域処理場所在予定都市等の理解も十分得られるものと考えておりまして、もちろん地元の理解なくしてはこれは実現できない仕事でございますので、今後とも事業化に当たりましては、その趣旨を踏まえまして指導の適正を期してまいりたい、かように考えております。
#143
○安武洋子君 地元住民の意向というのを私は十分尊重していただきたいと思います。
 広域処理の必要性につきましては、これは三大都市圏の下水汚泥の発生が大変著しいということと、処分地とか処分費用の点で困難があるというふうな御説明でございましたけれども、初年度の事業に、この三大都市圏とは言いがたいわけですね、兵庫の西、東、こういうところ、姫路市を中心にした播州地域、これが挙げられている理由というのは一体何でございましょうか。
#144
○説明員(中本至君) 御指摘のように、全国的にこの汚泥問題はいろいろ困窮をきわめておりますけれども、特に姫路付近、それから西宮、尼崎付近につきましては、非常に埋立地がない、それから後背地がない。そういうことからいろいろ汚泥の処置に困っておりまして、特に姫路等につきましては、ここで発生する汚泥の処置には特に困っている、そういうところから非常に強い要請がございましたので、ここから始める予定としておる、そういうことでございます。
#145
○安武洋子君 どういう点で特に図られているんでしょうか。
 兵庫の西フロック、ここで広域処理が予定されております姫路、龍野、太子、こういうところでは、皮革産業の排水処理に伴いまして汚泥が大量に今まで発生をしております。
   〔委員長退席、理事青木薪次君着席〕
これは非常に社会問題になりまして、私もこの委員会の中で何度か取り上げたわけでございます。この汚泥には、皮をなめすということで三価クロムが含まれておりますので、下手に焼却をするというふうなことになりますと六価クロムになるというふうなことで、処分し切れないものが非常に大量に仮に放置をされている、置かれているというふうなことであろうと思います。姫路市、龍野市、太子町、この三つの地方自治体、ここの前処理場から発生をします皮革汚泥の量、それからその処分状況、それがどうなっているかお答えをいただきます。
#146
○説明員(中本至君) 御指摘のように、姫路、龍野、太子等の前処理施設が現在稼働しておりますけれども、その前処理施設は主として皮革排水でございます。したがいまして、私どもの方も皮革汚泥という呼び方をしておりまして、この皮革汚泥の量でございますけれども、この前処理施設からは一日約百十トンの汚泥が生じております。
 これらの処理状況でございますけれども、現在姫路、太子、龍野の二市一町で用地を確保しておりまして、この用地に保管しているところでございます。これはそのまま保管するというのも大変でございまして、この二市一町では六十一年度から、姫路市内の網干沖埋立地、ここの産業廃棄物処理場の方へ運搬し、埋め立て処分する予定としております。しかしながら、処分地の容量にも限りがありますので、やはり今後抜本的な対策が必要であると私ども認識しておる次第でございます。
#147
○安武洋子君 抜本的な対策というのは、どういうことですか。
#148
○説明員(中本至君) これが、先ほど来申しておりますように、私ども事業団等へ非常に期待が寄せられております下水汚泥広域処理事業ではないかと思います。
#149
○安武洋子君 この皮革産業の排水というのは、これは明らかに産業排水でございます。原因者負担の原則から言いますと、明らかに事業者がみずから処理施設を持って処理して、後で下水に流すあるいは川に流すと言うべき性質のものです、下水道法の趣旨に沿いましても、私はそのようになっていると思います。にもかかわらず、皮革産業排水の処理施設、これを公共下水事業として認めだというのは一体どういうことになるんでしょうか。明らかに産業排水、皮革産業排水の処理施設、公共下水道事業と、こういうことになっておりますけれども。
   〔理事青木薪次君退席、委員長着席〕
#150
○政府委員(牧野徹君) ただいま先生御指摘の姫路市、龍野市、太子町、それから川西市もそうかと思いますが、こういうところ、皮革産業が集中している地区でございますが、これらの地区につきましては、私ども、いずれも公共下水道計画区域の一部でございますということと、比較的その業者の方で零細企業の方が多くて、工場と民家が混在といいますか、あるいは隣接しておられます。そういうものについて、将来的に言えば、全体計画としては生活排水も含めて公共下水道として一体的に整備することが効率的であろうというふうに考えて、整備を進めておるものでございます。
#151
○安武洋子君 私は九年前に、決算委員会の中でこの問題を追及させていただきました。そのときのお答えも同じお答えでございました。九年たちました。で、お伺いいたしますが、その間に太子町、龍野市、この一般の下水道、これが一メートルでも管渠が設けられたでしょうか。
#152
○政府委員(牧野徹君) 九年前に先生が御指摘になったことは私どもも会議録で読ませていただいております。
 ただいま御指摘の太子町あるいは龍野市でございますが、鋭意事業をやっておることは事実でございます。ただ先生御指摘のとおり、現在ではまだ供用開始はしておらない、これも事実でございます。ただ、その原因といたしましては、これは揖保川流域下水道関連の公共下水道として事業を進めておるわけでございますが、四十七年ないしは四十九牛に事業認可を受けましてやっておりま
す。五十三年に着手した揖保川流域下水道の計画区域に含まれておりますが、なかなかこの流域下水道の進捗というものも当初思ったとおりには進まないというふうなこともございますが、いずれにしても私どもは将来計画というか、全体計画はしっかり立てて鋭意仕事をやっておりますし、今後とも重点的に整備を進めて、早く太子町、龍野市でも一般的な下水の処理ができるように願っておるわけでございます。
#153
○安武洋子君 九年たっているわけでございますね。明らかにこれは一番最初から、産業排水をどう処理するか、皮革汚水をどう処理するかということで困惑して、公共下水道事業としてこれを行ってきたという経緯がはっきりとあるわけなんです。
 ですから私、さらにお聞きをしていきとうございますけれども、こういう皮革排水、これを集めて処理している、そういう前処理場というのがございますね。先ほども、主として皮革排水だとおっしゃいましたけれども、主としてどころか一〇〇%皮革排水です、前処理場から出ているのは。この前処理場と呼ばれる施設というのは、下水道法を見てもこういう施設というのはございません。一体この前処理場という施設の法的根拠及び定義、これはどういうことになっておりますか。
#154
○政府委員(牧野徹君) 法律上は「その他の施設」ということで、私どもは下水道法による下水道施設の一部であるというふうに認識をしております。
#155
○安武洋子君 では、全国に何カ所あるんですか。兵庫県以外にありますか。
#156
○政府委員(牧野徹君) もし間違っておりましたら部長からあれしますが、私が勉強した範囲内ではたしか兵庫県で八カ所というふうに記憶をしております。
#157
○安武洋子君 兵庫県以外にありませんでしょう。これは前処理場には皮革業者以外、一般の家庭排水なんて入っておりませんし、兵庫県にしかこういう施設というものはないというふうに思います。この龍野市とか太子町の場合というのは、一般家庭向けの下水道事業、これはないわけですよ。家庭と結んでいる管渠というのも一メートルもない。そういうふうな処理場というのを、法律をいろいろ解釈して、全国にも例のないそういうものを、前処理場というものをつくっている。これは私は、公共下水道事業としては余りにも不正常な姿であると、言わざるを得ないと思うんです。こういうふうな不正常な下水道事業、これが行われました結果どういうことになっているか、今、現状が大変なんです。姫路、龍野、この両市、さらに太子町、それから川西市もですけれども、発生している汚泥、その処分が大変だというだけではないんです。この公共下水道の維持管理が財政的にも一大ピンチに陥っているわけなんです。
 例を挙げていきます。太子町の場合ですけれども、皮革排水の前処理場の維持管理費、これは毎年一億円前後かかります。皮革業者からの料金というのは七、八百万円で、残りの九千万というのは一般会計から繰り入れるという状況です。業者が八業者ですからね。維持管理費のほかに、施設整備費とかそれから建設費、この元利を償還する公債費も必要なわけです。
 それから龍野市の場合です。これは下水道特別会計。これは一般家庭はつながっていないから、皮革排水の処理の特別会計とも言うべき性格のものです。ここに一般財源から繰り込れる額というのは、昭和五十五年度から六十年度、六十年度は見込みですけれども、この六年間に実に二十三億四千万円、年平均四億、ここ二年間は毎年度五億繰り入れを余儀なくされているわけです。龍野市の財政規模というのは、六十年度当初で一般会計八十億のうち一般財源は五十億です。ですから、自主財源五十億の一割に当たる五億、これが皮革排水に費やされるということになりますと、行政が硬直化するのも私は理の当然であろうと思います。
 さらに姫路市の場合ですけれども、六十年度に前処理場の維持管理に要する費用が十億八千万円、事業者からの料金収入は二億八千万円、差し引き七億八千万円の不足が生じております。さらに終末処理への負担も加わってまいりますから、ここでは下水道料金がこの六月から二〇%値上げが予定される。六十三年からはさらに二〇%が引き上げられる、引き上げざるを得ない、こういうふうな状況に陥っているわけです。
 当該自治体と住民はこういうふうに大変深刻な状態でございますけれども、建設省と通産省はこういう状況をちゃんと御存じでございましょうか。
#158
○政府委員(牧野徹君) 今先生がおっしゃられました数字的なものでございますが、私どもも一応お問いただしに備えまして勉強させていただきました。若干端数のところはどうかわかりませんが、例えば龍野市で一般会計からの繰入金が六十年で言えば五億強、五十九年は四億余というふうな点はおおよそ委員御指摘のとおりだろうと思っております。このことが、私どもの計算でございますと、例えば龍野市を例にとって申し上げますと、一般会計繰り入れは六十年見込みで五億一千三百万になっておりますが、歳入総額が八十一億五千四百万ということで、割合にすると六・三%ということでございますが、このような数字は、これは前処理場だけでございますから、全国平均の三%台に比べても非常に高いものであるというふうに認識をしております。
#159
○説明員(北畠多門君) 通産省の方からお答えをいたしたいと思いますが、先ほど御指摘がございました兵庫県下におきます皮革産業の状況、特に前処理場の状況については、私どもの方も兵庫県の工業担当の部署の方から、どんなような状況になっているかということについていろいろお伺いをしております。
 先生がおっしゃいました数字につきましては、必ずしも私ども正確に把握はしておりませんが、具体的に二十億、例えば、計算の仕方にもよるかと思いますが、前処理場あるいは終末処理場の資本費等を入れたりして計算をいたしますと、全体では五十九年度の決算額で二十三億円というような数字とか、それに対して業者負担を進めていかなければいけないということで一立米当たり四十円というような計算をいたしますと、約五億六千万の費用が必要であるということで、差し引き非常に大きな額の赤字が発生をしているというようなことについてお話を伺っております。
#160
○安武洋子君 そもそも前処理場という公共下水道事業、こういうものの建前から外れている皮革排水、ここに非常に大きな赤字が生じて、そして地方財政を大きく圧迫しているということだけは、これは否めない事実であろうと思うんです。
 この皮革産業の排水というのが下流とか、あるいは川口は瀬戸内海になっております、ここに、漁場に重大な汚染を与える、付近住民にも、それから作物にもというふうなことで、広域的に大きな環境問題を引き起こしました。
 こういう排水処理、これはもう水質改善をしなければどうにもならないというような大きな社会問題になったというときに、兵庫県当局と当時の建設省の下水道部長、このお二人が協議をされたわけなんです。で、理屈は通りにくい、大変理屈は通りにくいけれども、下水道事業でやろうと。同和対策事業で建設費補助のかさ上げ、それから起債償還の一部を交付税で見るというふうなことで、下水道で処理施設をつくらせよう、こういうことになったわけなんです。当該市町村というのはそのときにも危惧の声を上げておりますけれども、それに対して、これでやる以外にないんだというふうなことで押しつけたというのが経緯でございます。ここで第一番目のボタンのかけ違いが大きく始まっているわけなんです。
 それで今、下水道事業者の責任だ、責任だ、こういうふうに法の建前室言われて、当該市町村と住民が苦しめられているというふうな状態が起こっております。私は今のこの不正常さ、これはどちらにしても市町村がこのままでちゃんとした姿勢で立ち行くと思えませんから、重要なことというのは、第一は、同和対策だといったら法でも何で
も筋をねじ曲げてでも不公正な行政をやってくるというふうなことは、これは厳重に反省して是正をすべきであろうと思います。
 それからまた事業者も、事業者責任を踏まえまして、環境に与えた公害被害、これを自覚するべきだというふうに思いまして、環境改善への努力とか適切な負担を行うのは当然であろうと思います。
 この行政の公正さと、それから無法を許さない毅然とした態度というのが確立されるということが第一だ、こういうふうに思います。その上に立った上での質問でございます。
 この地域で生産をされる皮革というのは、これは全国生産のどれぐらいを占めておりましょうか。
#161
○説明員(北畠多門君) 今先生の御指摘の、兵庫県におきます皮革の全国に占める割合でございますけれども、私どもの方、工業統計という全体の統計がございますので、その数字を当たってまいったわけでございますが、事業所数で全国レベルで千二百十九というのが五十八年の調査でございますが、そのうちの約六割に相当します七百十一というような事業所数でございます。
 それから、出荷額につきましては、五十八年におきまして千八百四十九億というのが全国レベルでございますが、兵庫県のみをとりますとその約半分の八百八十三億というような数字がございます。
 いずれにいたしましても、兵庫県におきましては、皮革産業全般でございますが、極めて大きな位置を占めておるというのが現況でございます。
#162
○安武洋子君 私は、歴史的、社会的な背景のもとに、こういう一つの河川の流域、そして狭い地域、こういうところに我が国最大の皮革産地というものが形成をされてきたのであろうと思います。ここで全国の六〇%というものが生産をされるわけですから。
 現在の皮革産業は、どういう状況に置かれているのでしょうか。その点をお答えいただきます。
#163
○説明員(北畠多門君) ただたいま先生御指摘の、皮革産業の現況についてお答えをいたしたいと思いますが、まず第一に、御案内のとおり皮革産業全体といたしまして、例えば事業所におきます九人以下の事業所の数が全国レベルで見ますと八〇%を占めるというようなことで、中小零細性の問題が一つあるわけでございます。
 それと同時に、この皮革関係におきましても、国際的に非常に厳しい状況がございまして、いわゆるなめしの技術等の関係を含めまして、技術的に国際競争力が非常に乏しいという点が二点目としてあるわけでございます。
 それから三点目といたしましては、十年ほど前まではかなりよかったわけでございますが、最近時点に至りまして合成品と申しますか、皮革によく似た製品等が私どもの革靴関係あるいは袋物の関係に出てまいっておりまして、これらとの競合関係が非常に厳しくなってきておる、こういうふうな状況でございまして、現在、皮革産業は非常に不況に直面をしておる、こういうような状況であるというふうに私ども認識をしております。
 あわせて、今回の国会の方におきましていろいろ御審議をいただきましたが、対外的にアメリカあるいはECとの関係におきまして、日本の皮革市場を、皮革あるいは革靴市場を開放すべきであるという強い要望があったわけでございますが、これについて、そういうような市場の開放、輸入数量制限の撤廃というのはなかなか難しいので、関税割り当て制度ということで関税の障壁を設けることによって国内産業の保護をある程度図りながら、他方におきまして国際的な要請を満たすということで、本年の四月一日から新しい制度に移行した、こういうような状況でございます。
 しかしながら、現在の皮革産業を取り巻きます内外の状況というのは、私どもの認識としても極めて厳しいものがあるというふうに考えておるような次第でございます。
#164
○安武洋子君 いずれにしましても、国内産業の保護のためにも自由化すべきでないと私どもは再三申し上げてまいりました。でも結果は、二次関税という形で自由化をされるという結果になりまして、皮革産業というのは一層苦しい立場に置かれていると思うんです。
 皮革排水の処理費用というのは、本来、これは事業者が負担すべきが当然です。でも現在、県内統一料金ということで低く抑えられているわけですけれども、現在の皮革産業が一層苦しいという、こういう状況のもとで費用を一〇〇%この産業として負担をさせるということになりますと、この産業は一体立ち行くとお考えでしょうか。太子の例では、一億をこれは八軒で持たなければならない、こういうことになります。
#165
○説明員(北畠多門君) お答えをいたします。
 一つの仮定の議論といたしまして、事業者が一〇〇%排水処理費用を負担した場合においてどれぐらいになるかということについては、いろいろ計算の仕方はあるかとは思いますけれども、むしろ私どもの考え方といたしましては、先ほど申し上げましたような非常に厳しい状況であるかというふうに考えるようなわけでございまして、恐らくこの費用負担の問題というのを全額負担させるということは、なかなか難しいような状況であるというふうに考えておるような次第でございます。
#166
○安武洋子君 業者に全額負担させるということはまず不可能であるというふうに思うわけです。今の技術とか、あるいは企業の体質とか、こういうことで、皮革産業がその生産過程で環境対策に多額の費用をかけるということは、これはまず無理であるということは歴然としているんです。その中で、我が国の皮革産業を守っていく、育成していくということも、これまた私は政府としては必要な施策であろうというふうに思います。
 行政が、その産業の社会性とか、地域性とか、零細企業が多いわけですからね、そういうところが多数を占めているという状況を踏まえる、こういうことになりますと、私は環境対策に要する費用の一部というものを一定期間、これは援助していくということが今の状況のもとではやむを得ないというふうに思います。
 これは日本の一産業をどう守るかという問題であるわけですから、一市町村、こういうところの地方自治体だけにゆだねるんだという問題では私は物事は進まないと思います。国とか県とかがやっぱり先頭に立って、この問題をどう本当に解決していくんだということを真剣に考えてもらわなければならない段階に立ち至ってきているわけで、一地方自治体ではもうどうにもならないという状況もあるわけですし、皮革業者にそれを持たせるということは、皮革業者というものを片端から全部つぶしてしまうということにもなるわけなんです。
 ですから私は、財政的に困窮している自治体、ここに財政的な援助を行うべきである、こういうふうなことでこれを検討すべきであると思います。通産省はそういうおつもりはございませんでしょうか。
#167
○説明員(北畠多門君) 前処理場を持っております地方自治体に対します通産省からの財政負担ということについて、私どもとしては一つの仮定としてはいろいろ議論はしてみたわけでございますが、一つの大きなポイントといたしましては、公害の原因者負担というような問題があるわけでございまして、このあたりについてその原則をやはり守っていかなきゃいけない、こういう点があるわけでございます。
 しかし、一方におきまして、私どもといたしましては、皮革産業を所管しておりますという立場から考えまして、皮革関係についての公害が発生しないようないろいろな方法があるのではないかということで、これは調査費用というものをつけまして鋭意従来から検討をしておったわけでございます。例えば具体的な考え方といたしましては、クロムを使わないというような方法によります非クロム系鞍剤の開発、あるいはクロムの排水を外に出すのが問題でございますので、それを循環使用していくというような方法、さらに、そもそも
クロムを使うのはなめし工程におきます前段階でございまして、クロムを使いますといわゆるウェットプルーという状態になるわけでございますが、半なめしの状態でございますが、こういうようなものにつきまして、ウェットプルーを日本の方にどんどん売り込みたい、こういうような要望等も日米の貿易摩擦の段階においてはあったわけでございますので、これらについての、ウェットプルーを日本国内に持ち込んだ場合の実用化がうまくいくかどうかということについての研究を行ってきておるようなわけでございます。
 さらに、こういうような技術関係につきましては、極めて私ども重視をしておりまして、具体的には日本皮革産業連合会という団体が皮革関係全体を統括する団体としてございますが、こちらの方に、今回の輸入数量制限から関税割り当て制度への移行ということで、さらに体力を強化していかなきゃいかぬということで、国等を含めまして三十六億円の基金をつくったわけでございます。したがいまして、こういうような基金の運用益をもとにして技術振興を図っていきたい、このように考えておるような次第でございます。
#168
○安武洋子君 技術振興というけれども、今、自治体は、前処理場の稼働停止もやむを得ないということを陳情書で全部言っていますし、そういう状況であろうと思うんですね。そういうことは非常に手ぬるい。そのことも大いに研究はしていただきたいですけれども、ここに、私が言いましたように、一定の期間やはり何かの形で政府は援助をしていかなければならないという重大事態に立ち至っているという認識を持っていただきたいんです。
 建設省も、私は他人事でないと思います。これは関係市町村の要望書、ここにもうとめると言っておりますけれども、一番最初のこういう出発のかけ違いというのは建設省に大きく原因があるわけなんです。出発するときは、理屈はなかなかっけにくい、しかしこれでやるんだ、こういうことを言う。そして、でき上がって、一たん稼働させれば、いや法の建前がこうなんだこうなんだというふうなことをおっしゃるというのは、全くつじつまが合わないと思うんです。ですから、動いた結果生じた困難というのは、法と制度の建前で援助をしないというのではなくて、ここはひとつ知恵を出していただかないと、最初の経緯もあるわけですし、地方自治体がこれだけ大きな問題を抱えているわけですから、私は建設大臣にお願いしたいわけです。これは下水道事業をめぐって生じている事態なんです。ですから、やっぱり実態をしっかり把握していただくとともに、当該の自治体への国と県、この援助のあり方についても、他省庁とよく協議もされた上で、何ができるかということで本当に至急にこれは検討していただいて、国としてこういう地方自治体に対しての援助をなさるべきだ、こう思いますが、大臣いかがでございますか。
#169
○国務大臣(江藤隆美君) 段々にお話を承っておりますが、なかなか困難な問題だと思います。ただ、安武さんの御意見の、建設省が何か県と相談して押しつけたということには私は同意をしかねるんです。建設省の事業というのは、あなたも御承知のように、地元がやらないことはやることができないんです。
#170
○安武洋子君 地元は反対したんです。
#171
○国務大臣(江藤隆美君) いや、反対して、やらないと言えば、それはやれないんです。建設省が一体、そんなことだったらやれますか。それは県なり町がやってくださいと言うからやるわけであって、そのためになけなしの金を関係の市町村に国費を百八十七億円もつぎ込んでやってきたわけですから、それをもって、強制的に権力で押しつけてやらせた、ボタンのかけ違いだ、だからその面倒を見ろと言われると、いささかそれは同意をいたしかねる……。あなた、主張があったら立っておっしゃってください。
#172
○安武洋子君 大臣、それは認識が全然違う。これはもう関係者全部が認めているところで、陳情書もどんどん建設省に上がっておりますし、なんだったら龍野市の、私は今までの要望書というのは事細かく今までのことは全部書いてありますよ。そして私も今まで何遍も取り上げてきた。その中でも申し上げました。
 これは、役人がかわったとか担当者がかわったとかといいかげんなことをおっしゃるけれども、最初のいきさつというのは、今の兵庫県知事、その方が表に立って、県とそれから当時の建設省で話し合いをされて、これ以外にないんだからと。それで地方自治体が困るからと言ったら、いや動いたときのいろいろな面倒もまた見ましょうと、いろいろ言われたんですよ。だから、私は兵庫県の姿勢にも随分問題が多いと思うんですね。
 こういうふうに、建設省と結託してまでもと私は本当に言いたくなるわけですけれども、まあ協議をされた。それで下水道で処理をすると。そして市町村に押しつけたときも、市では当初から将来の維持費、管理費、このめどが立たないと苦言を呈してきているわけです。ところが県は、そのときは面倒を見るからと口約束している。そして、いざ動かす段階になって、市とか町が面倒を見てくれと、こう言いに行くと、もう担当者はかわってしまっている。それで下水道事業は市町村の固有の事業だからとか、そういう大臣のような態度をとられる。それで援助を拒否する。では動かせないということになると今度は、とりあえず赤字が出た半分を見るからと稼働させる。そして動き出すと、年々補助を五十から四十、三十と削って、とうとう六年前、それからゼロにする。それで、とりあえず動かせばまさかとめないだろうということなんでしょうけれどもね。
 それで、皮革排水の環境対策というのは、第一義的には県に責任があります。これはなぜかといいますと、河川の管理あるいは水質基準の設定と遵守、これをさせる、そういう指導。それからへい獣処理の化製工場の許可ということは、これは指導と権限、県に属するものですから。でも私は、建設省、通産省とも、こういう対応に当たって県にその責任を果たさせていくということも非常に国としてとっていただかなければならない立場じゃなかろうかというふうに思いますし、それから皮革産業の排水対策、これは一自治体の下水道事業の問題としてしまうということではなくて、私ども日本の国の一産業の死活にかかわる問題であるとか、または広域的な水質の汚濁、これをもたらす環境対策の問題である。こういう本質にやはり建設大臣も立っていただかなければならないし、事業者はもとより、国も県も市も力を合わせて今の深刻な事態を解決するという立場に立たない限り、今責任のなすり合いで、いや法の建前でこうなっておりませんとか、そういう立場をとると、こういう私は一つの産業の死活の問題、環境汚染の問題、こういうことになって、これをどうするんだということなんですよ。
 ここをどうするんだという解決を、私はまず責任を持って大臣が提唱して各省庁とも連絡をとってやっぱりやる。そういう立場に立っていただかないと、この問題は解決しないじゃありませんか。
 動かすときだって、各大臣はそういう態度をとろうということで明確に答弁をしてくださった。しかし、こういうふうに県の態度もなってきたし、今動いている中でこれだけの問題が出てきているんですから、私は、国としてもよく協議をしてこれに善処をしていきましょうというのが当然の立場ではなかろうか。大臣の答弁を求めます。
#173
○国務大臣(江藤隆美君) 善言葉ですけれども、補助事業ですから、嫌というものはこれはやれないんです。そうでしょう。それは町と県とが相談して建設省にやってくださいと言うからやるわけであって、嫌だ嫌だというのを、だましだまし、そんなあなたが言うように、ボタンのかけ違いまでしてわざわざ何かやるもんですか。
#174
○安武洋子君 それをやったんです。
#175
○国務大臣(江藤隆美君) いや、あなたは見たようなことをおっしゃるけれども、それは聞いたんでしょう。
#176
○委員長(小山一平君) 着席の発言は慎んでください。
#177
○国務大臣(江藤隆美君) あなたはそばにおってじっと朝から晩まで見ておったようなことをおっしゃるけれども、そういう言いがかりはやめなさいよ。そんなことを言っておったら、例えば都市の内水面の排水があります。都市河川を、それを今度はポンプアップするという建設省の事業があります。ポンプアップする工事を補助事業でやった。そしたら電気料やらその他維持費が要る。それで、困るからそれを建設省でみんなあと維持管理費を見ろと言われたら、それはなかなかですよ。ですから、そういうふうな言い方というのは私は適切でないと思うんです。
 それは、ちゃんと県が市に約束したかしれません、あなたがおっしゃるように、町に約束したかしれませんよ。しかしそれは、建設省が約束したわけじゃないんです。そこのところは間違わぬようにされぬと。だから、それらのことについていろいろ問題があるからそれはひとつ関係行政機関と、各省と相談してくれと言うなら、それは相談しますよ。最初から何か押しつけて、ボタンのかけ違いをやったんだから面倒を見ろと言われたのでは、私はそんな話を承るわけにはいかぬというわけです。
#178
○安武洋子君 言いがかりとは何ですか。こちらの方が言いがかりだと申し上げたい。それは経過としてきちっとあって、各市町村がそう言っている、県もそう言っているというのがありますので、今の大臣の御答弁の中で言いがかりは取り消していただき、そして、今大臣がおっしゃったように、各省庁と相談をしてやるべきことはやるんだという、そういう御姿勢ならそこだけは私は前進をさせていただきたい。
 こういうことで、もう答弁は要りません。終わります。
#179
○国務大臣(江藤隆美君) 答弁します。そんな勝手なことを言って、言いたいことだけ言って、あなた、答弁は要らぬなんてそんな失礼な話がありますか。
#180
○安武洋子君 私、失礼だと思っているから要らないと……。
#181
○国務大臣(江藤隆美君) だから、私どもが正式にいろんなあなたが言ったようなことを関係の市町村なり県なりから言われておってそれを無視しておるんだったら、それは責任を負いますよ。しかし、あなたがおっしゃることは、あなたが自分で解釈しておっしゃるから、それは言いがかりですと、こう言っている。
#182
○安武洋子君 ではもう一度、それだったら。
 私の解釈じゃありません。これは明らかに今までの経緯が、この国会の論戦でも踏まえられている。その国会の論戦をどうお聞きとめなんですか。それから、各市町村から上がっている陳情書をもう一度よく読んでください。そして、現状認識をしっかり持ってそれに対応してください。
 以上、終わります。
    ―――――――――――――
#183
○委員長(小山一平君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、福田宏一君が委員を辞任され、その補欠として石井道子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#184
○委員長(小山一平君) 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#185
○委員長(小山一平君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 討論は両案を一括して行います。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御意見もないようですから、これより直ちに順次両案に対する採決に入ります。
 まず、下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#186
○委員長(小山一平君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、青木君から発言を求められておりますので、これを許します。青木君。
#187
○青木薪次君 私は、ただいま可決されました下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
 下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点に適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、下水道整備の一層の促進を図るため、財源の確保と事業の効率化に努め、五箇年計画の完全達成を期するとともに、地方公共団体の財政負担の軽減に配慮すること。
 二、五箇年計画の三年後の見直しの検討に当たっては、整備の進捗状況等を勘案し、事業費の拡大に努めること。
 三、下水道の整備に当たっては、地域住民の意見に配慮し、自然環境と地域の実情に応じた適切な事業計画の策定に努めるとともに、需要者の負担が過大とならないよう配慮すること。
 四、下水道の機能を保全し、資源の有効利用の推進を図るため、特定施設に対する監督、監視体制を強化し、有害物質の規制の徹底を図るとともに、中小企業の除害施設の設置に関し、助成措置の充実に努めること。
 五、高度処理及び汚泥処理に関する技術の開発及び実用化を一層推進するとともに、処理水の再利用及び汚泥の再資源化の促進を図ること。
 右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#188
○委員長(小山一平君) ただいま青木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#189
○委員長(小山一平君) 全会一致と認めます。よって、青木君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 次に、日本下水道事業団法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#190
○委員長(小山一平君) 多数と認めます。よって本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、青木君から発言を求められておりますので、これを許します。青木君。
#191
○青木薪次君 私は、ただいま可決されました日本下水道事業団法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
 日本下水道事業団法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点に適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、日本下水道事業団が汚泥処理業務を実施するに当たっては、下水道法、地方自治法の精神を生かし、関係地方公共団体の意向を十分尊重し、地方公共団体の支援機関としての役割が適切に果たされるよう努めること。
 二、本事業団の行う汚泥処理業務の実施に当たっては、下水道労働者の雇用条件の悪化につながらないよう万全を期すること。
 三、本事業団の行う汚泥処理業務の実施に当たっては、環境保全対策に万全を期するとともに、地方公共団体の負担の軽減に配慮すること。
 右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#192
○委員長(小山一平君) ただいま青木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決をを行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#193
○委員長(小山一平君) 全会一致と認めます。よって、青木君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいま可決されました両決議に対し、江藤建設大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。江藤建設大臣。
#194
○国務大臣(江藤隆美君) 下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案及び日本下水道事業団法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めてまいりますとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましても、その趣旨を十分に尊重し、今後の運営に万全を期してまいる所存でございます。
 ここに法案の審議を終わるに際し、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。ありがとうございました。
#195
○委員長(小山一平君) なお、両案の審査報告書の作成は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#196
○委員長(小山一平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十分散会
ソース: 国立国会図書館
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