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1985/05/08 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 建設委員会 第12号
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1985/05/08 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 建設委員会 第12号

#1
第104回国会 建設委員会 第12号
昭和六十一年五月八日(木曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     浜本 万三君     青木 薪次君
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     浦田  勝君     鈴木 省吾君
     竹山  裕君     福田 宏一君
     出口 廣光君     井上 吉夫君
     橋本  敦君     安武 洋子君
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     鈴木 省吾君     安孫子藤吉君
 五月七日
    辞任         補欠選任
     松本 英一君     中村  哲君
 五月八日
    辞任         補欠選任
     福田 宏一君     海江田鶴造君
     中村  哲君     松本 英一君
     青木 薪次君     上野 雄文君
     安武 洋子君     近藤 忠孝君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         小山 一平君
    理 事
                工藤万砂美君
                堀内 俊夫君
                増田  盛君
                青木 薪次君
    委 員
                井上  孝君
                植木 光教君
                遠藤  要君
                海江田鶴造君
                志村 哲良君
                服部 安司君
                上野 雄文君
                大川 清幸君
                馬場  富君
                上田耕一郎君
                近藤 忠孝君
                山田  勇君
   国務大臣
       建 設 大 臣  江藤 隆美君
   政府委員
       建設大臣官房長  高橋  進君
       建設省建設経済
       局長       清水 達雄君
       建設省都市局長  牧野  徹君
       建設省住宅局長  渡辺  尚君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        荒木 正治君
   説明員
       国土庁土地局土
       地利用調査委員  山崎 皓一君
       自治省税務局固 
       低資産税課長   佐野 徹治君
   参考人
       地域振興整備公
       団総裁      中橋敬次郎君
       住宅・都市整備
       公団総裁     丸山 良仁君
       住宅・都市整備
       公団理事     吉田 公二君
       住宅・都市整備
       公団理事     京須  實君
       住宅・都市整備
       公団理事     台   健君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○新住宅市街地開発法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(小山一平君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る四月二十四日、浜本万三君が委員を辞任され、その補欠として青木薪次君が選任されました。
 また、四月二十五日、橋本敦君、浦田勝君、竹山裕君及び出口廣光君が委員を辞任され、その補欠として安武洋子君、鈴木省吾君、福田宏一君及び井上吉夫君が選任されました。
 また、四月二十六日、鈴木省吾君が委員を辞任され、その補欠として安孫子藤吉君が選任されました。
 また、本日、安武洋子君が委員を辞任され、その補欠として近藤忠孝君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(小山一平君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと思います。
 理事の選任については、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(小山一平君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に青木薪次君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(小山一平君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 新住宅市街地開発法の一部を改正する法律案の審査のため、本日、地域振興整備公団及び住宅・都市整備公団の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(小山一平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(小山一平君) 新住宅市街地開発法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回、本案に対する趣旨説明は聴取しておりますので、これより直ちに質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○青木薪次君 建設省の事業は、素人にはわかりにくいくらい非常に煩雑でありまして、勉強していきますと、初めから大体覚えておったら、しまいがわかったら前の方を忘れてしまうというくらい難解なことが多いのでありますが、何で市街地開発事業とか既成市街地開発事業、再開発事業を含めまして、こんなに事業手法が必要なのか、簡明にできないのかどうか、これをまず第一に聞きたいと思います。
#9
○政府委員(清水達雄君) 新市街地をつくる事業手法と、それからいわゆる既に市街化されているところの再開発を行う場合の事業手法につきましては、これはもう当然事業の内容が大変違いますので、別々の事業手法が必要だと思います。
 今、新住法の審議でございますので、新市街地関連の事業手法について御説明いたしたいと思うのですけれども、新市街地の開発を行うための事業手法につきましては、大別をいたしまして全面買収方式、土地を全部買って行う事業方式と、それから区画整理、換地手法によります区画整理事
業の方式とございます。なおまた、全面買収の場合に、通常の場合には開発許可を受けるといったふうなことで、いわゆる一般宅地造成事業というふうな手法で行われるわけでございますけれども、なお公益的な必要性から、公的な事業主体が比較的短期間に宅地の大量供給をやるというふうな場合に備えまして、収用権を持った全面買収方式であるいわゆる新住宅市街地開発事業というふうな仕組みがあるわけでございまして、全面買収方式の場合には事業主体が全部土地を買ってしまいますので、いわゆる宅地供給をやるためには大量に供給ができるというメリットがある反面、全面買収ですから、それが非常に難しい場合にはなかなか使えない。それから、区画整理の場合には、いわゆる土地所有権を動かしませんで街づくりをやるわけですので、比較的事業はやりやすいわけですけれども、ただ市街化をするには地主が売らなきゃなりませんので比較的長期間を要するというふうな、それぞれいろいろな特色があるわけでございまして、したがって地域の特性、あるいは事業の目的とか規模とか、そういったものに応じて適宜そういった適切な手法を使い分ける、そういうことのために幾つかの事業手法が用意されているということでございます。
#10
○青木薪次君 幾つかならいいですけれども、何十、何百ということになってくると、これはやっぱりなかなか難しいんですね。例えばニュータウンを開発する場合に、この新住宅市街地開発法でやるのか、あるいは区画整理事業でやるのか、あるいはまた一般の宅造事業でやるのか、この辺は大体どんなふうな基準になっているんですか。
#11
○政府委員(清水達雄君) 新住か区画整理か一般宅造かということでございますが、先ほど申し上げましたように、新技事業の場合には収用権を持って全面買収を行うというふうなことでございますことと、それから大都市地域で比較的規模の大きいニュータウン開発をやるというふうなためにつくられた制度でございますので、相当規模のニュータウンを早期にかつ確実につくり上げるというふうな必要がある場合には新住専業をやる。しかし、それにいたしましても、全面買収が非常に難しいといったふうな状況にあります場合には、若干市術化のスピードとかそういう点では劣りますけれども、区画整理事業の手法を使う。それから一般宅造の場合には、既に事業主体が相当土地を取得しているというふうな場合には、いわゆる開発許可による一般宅造事業をやるというふうな、大体そういうふうな選択基準でございます。
#12
○青木薪次君 中には非常に似通ったものがあるんですね。ちょっと勉強してみますると、よく、なかなか活用されていないところがあるということもあるし、それから例えば新都市基盤整備事業なんかは、昭和四十七年に制定されたものだけれども、今日まで実績がないんですよ。法律を制定しておきながら実績ゼロというのはこれはどうかということでありまして、そういう点についてはどう考えていますか。
#13
○政府委員(清水達雄君) 新都市基盤整備事業につきましては、大都市の周辺地域におきまして買収方式と換地方式を併用して、それで五万人以上が居住できるような大きなニュータウンをつくる、そのためにできた制度でございますけれども、昭和四十七年にこの法律ができまして、その直後、四十八年にオイルショックが起きたわけでございまして、そういうふうなことから大都市への人口集中が鎮静化してきているとか、あるいは宅地の需要構造も四十年代の高度成長期に比べると大分変わってきているというふうなことで、こういった大規模な事業に新規着手するというようなことが非常に困難になってきたというふうな社会的な状況の変化がございまして、まことに残念ながら、今までのところ一件も使われていないというふうなことになっているわけでございます。
 ちなみに、新住事業にいたしましても、ほとんどが昭和四十年代の半ばに着手されたものでございまして、純粋な意味で五十年代に入ってから新規に着手されたというものはないような状況でございまして、要するに大規模開発というのが非常に難しくなってきた。そういうふうなことから、実績がないというふうな状況になっているというふうに考えております。
#14
○青木薪次君 国民のニーズも変わってきますからね。例えば家の面積から、内容から、あるいはまた勤め先への通勤距離から、あるいはまたこのごろ女子の雇用機会の均等法なんかもできできますと、今日では二〇%前後という女子の就業率が四十何%までいくのじゃないか。これが私は新しい時代の趨勢だと思うんです。
 そうなってくると、例えば多摩ニュータウンなんかを見せてもらった。すばらしいところだと思うのでありますが、しかしあそこ全体で、例えば奥さんが仕事をしようとしても先端技術の仕事もない、あるいはまたスーパーあたりへアルバイトに出かけるぐらいではこれはもう仕事にはならぬわけですから、そういったことを考えてまいりますと、これは何とかしなきゃならぬということに実はなってきた。そこへ今度の新住法の改正ということだから、私はこれはいいことだと思っている。いいことだと思っているけれども、いやに対応が遅いじゃないかということも考えているわけでございます。
 そこで、土地区画整理事業を私は調査室で調べてもらったところが、非常に多いです。六千七百二十七地区、二十五万三千ヘクタールの実績がある。これは大したものだ。しかし、土地区画整理事業が他の事業に比べてこんなに需要が多いというのは一体何か、こういう点についてはいかがでございますか。
#15
○政府委員(牧野徹君) 大変おかげさまでございますが、土地区両整理事業はほとんど全国で御利用いただいております。ありがたいことだと思っておりますが、なぜこれほど使われているかということの大きな原因としては、大正八年の旧都市計画法で、耕地整理法を準用した形で、いわばなじんだ形で制度ができた。もちろん今の土地区画整理法は戦後の二十九年でございますけれども、大正八年から言えば約七十年ほどの長い歴史があり、その中で区画整理事業を普及させるきっかけとしては、例えば関東大震災でございますとか、あるいは今次大戦の戦災とかということがきっかけとなって非常に普及したものだと考えております。
 それに加うるに、この事業には幾つかの特色がございます。
 三つ四つ申し上げますが、一つは、既成市街地であろうともあるいはスプロール地帯であろうともあるいは新市街地であろうとも、どこにでも一応適用できる事業制度である。それから、事業主体が地方公共団体のみということではなしに、公社なり公団なり組合なり個人なり、非常にいろんな事業主体がこの事業を実施できるということで、かつまた人材も蓄積されておるというようなことが二番目に言えようかと思います。それから三番目に、事業費に道路整備特別会計からの補助金が現在では出るわけでございますが、それ以外にも、御承知のいわゆる保留地ということで、開発利益の還元の性格を持つ独自の財源制度も組み込まれておるというようなこともあろうかと思います。さらには、ゴボウ抜きに全面買収でそこをどいてくれということでは必ずしもなくて、皆さんで減歩、出し合ってやるという制度ですから、住んでおられる方、地権者が残ろうと思えば施行後もそこに残る、いわばコミュニティーも必ずしも破壊されないで従来の生活も維持していける。
 その他もございますが、というふうないろいろな特徴があるものですから、長い歴史と伝統に加えて、最近といいますか、大いに御利用していただけておるというふうに考えております。
#16
○青木薪次君 今の説明にありましたように、宅地の利用促進という意味から言えば、土地区画整理事業は他の事業とは違ったところのいろいろな利点があるということもよくわかります。しかし、土地区画整理事業の施行が完了した地区において、未利用地が残っているんですね。そのまま宅地として放置されている。ペンペン草が生えているというようなところが実はあるわけでありま
すが、この点はどの程度あるんですか。
#17
○政府委員(牧野徹君) 先ほどの御質問にやや胸を張ってお答えしたにもかかわらず、区画整理済み地である程度の未利用宅地があることは事実でございますが、これはやはり区画整理事業をやって公共施設と同時に宅地を整備した場合に、どの程度のスピードで都市化が進んでいくかということにも関連しますので、あながち未利用地を、先生ペンペン草とおっしゃいまして私どももそういうこともありますが、全部ゼロにするということもこれはなかなか大変かとも思います。要は都市化のスピードとの相関関係だと思いますが、データで申し上げますと、五十九年の七月末現在で全国を調べましたところ、約二万一千ヘクタールが未利用の宅地でございます。そのパーセントは三四・八、おおむね三分の一が未利用の状態、マクロの量では二万一千ヘクタール、こういう状況でございます。
#18
○青木薪次君 今回改正案が提案されております新住宅市街地開発法の事業は、昭和三十年代の住宅難の解消ということを目的にしてできた、相当な規模の住宅地を開発いたしまして居住環境の良好な宅地を適正価格で大量かつ計画的に提供するというものでありまするけれども、既に二十年余の歴史を持っておりますけれども、今日までの実績は大体どんなふうになっていますか。
#19
○政府委員(清水達雄君) 昭和三十八年度から六十年度までの実績でございますが、全国で四十四地区で事業が行われまして、その施行面積の合計は一万六千四百六十九ヘクタール、計画人口は約百九十二万人でございます。そのうち既に事業が終了したものは二十六地区で五千八百十六ヘクタール、それから現在施行中のものは十八地区で、施行面積一万六百五十三ヘクタールということになっております。
#20
○青木薪次君 四十四地区一万六千四百六十九ヘクタールということですね。この実績は、この法律の立法当初の段階に比べまして大体どんな程度になっていますか。
#21
○政府委員(清水達雄君) 法律の立法当初、量的に何年間でどのくらいやるといったふうな計画があったかどうか、ちょっとそこのところは調べておりませんが、いずれにいたしましても、例えば多摩ニュータウンでありますとかあるいは千里ニュータウン、泉北ニュータウン、そういう大規模ニュータウンに代表されますように、高度成長期において、働く場所はあったけれども十分な環境のいい住む場所がないという、したがって大規模な宅地の供給が必要だという、そういう時代の要請を受けて私どもとしては、相当効果を上げてきているというふうに考えている次第でございます。
#22
○青木薪次君 建設経済局長はそう言うけれども、ある建設省のOBに聞いてみたら、いや実際は余りよくないんです、こう言ったんですよ。だから今局長の答弁は、その時分のことはよくわからないけれどもと濁されたけれども、私はやっぱりその辺が落ちじゃないかと思っているんです。
 例えば、新住事業の施行者は地方公共団体、住宅・都市整備公団、地域振興整備公団、地方住宅公社、そしてそのほか一定の法人ということになっているんですね。このうち地域公団は、各地でニュータウンの開発を実施しているにもかかわらず新住事業による実績はゼロとなっているけれども、何ゆえ新住事業による開発を行わなかったのかどうなのか。これは、地域振興整備公団の中橋総裁が見えておりますけれども、お答えいただきたいと思います。
#23
○参考人(中橋敬次郎君) 新住宅市街地開発法の目的は、改めて申すまでもなく、人口が非常に集中しておる地域を頭に置きまして、そこに非常に需要の強い住宅地を早急に供給するということが目的とされたものであると思います。同じように人口集中の問題を頭に置きながらも、地域振興整備公団の方は、現実に非常にそういう需要が集中的に起こっている地域よりは、むしろそれ以外の地域におきまして新しい都市を建設することによって総合的な国土の発展を進めたいというのがねらいでございます。
 したがいまして、新住法が主としましては住宅地の供給ということに非常に主眼を置いておられますけれども、地域振興整備公団がやりますニュータウンは、むしろそれよりも、住宅地も中心にいたしますけれども、複合的な都市といたしまして、例えば大学用地でございますとか、あるいは流通施設の用地でございますとか、工業の用地でございますとかいうものも含めてつくるというのが、目的といたしておるところでございます。そういう観点から申しますと、現在の新住法に考えられております対象の目的地というものとは、私どもの実際に仕事をやりますところではやはりそのほかのものが相当含まれておるというところでございますので、新住法の適用の余地がやはり現在ほかのところと比べますと非常に少ないということが、まず実施の実績が皆無であったということの主な理由であろうと思います。
 そのほかになお、私どものニュータウンづくりを行うに当たりましては、県、市町村等の地方団体から、こういうところにニュータウンをつくるようにという御要請がまずあるわけでございます。その要請を地方団体でお考えになる前には、みずからかなり、土地の取得というものが一体どのくらいの程度進むかというようなことで検討しておられるわけでございますし、それに乗っかりまして、私どもの公団が土地買収をやるにつきましても相当任意の土地買収によってそれが実現できてきたというのが、やはりこの新住法の適用というものがなかったということの第二番目の理由であろうと思っております。
 それから、新住法におきましてはやはり相当収用権の発動ということによりまして住宅用地を確保されるということから、取得しました住宅用地につきましてのいろいろ利用の制限というものもございます。そういうことも考えますれば、私どもが新しい地方におきましてニュータウンをつくりましたときの住宅用地の需要というもの、それに対応しまして私どもが造成しました住宅地を分譲するという見通しにつきましても、やはりできるだけ条件としては緩和されたものが望ましいというようなこともございまして、今日まで新住法の適用というものがなかったということでございます。
 以上、大体三つの理由から、私どもとしましては、現在までに新住法の適用をしていなかったのでございます。
#24
○青木薪次君 理解はいたしますけれども、初め地域振興整備公団は、今おっしゃった学術だとか流通団地だとか工業団地とか、そういったものをやりながら、産炭地振興なんかもやったでしょう。そういうようなことをやりながら、また新しいニュータウンの建設もやるのだということになったわけですよね、時代の趨勢に基づいて。しかし、それにつけても総裁、一つもないということは、これはひどいじゃないですかね。ですから、その点については、新住法によるニュータウン団地の造成等についても検討するというようなことで、積極的立場に立たないとやっぱりいけないんじゃないかというように考えます。
 そこで、住宅・都市整備公団の新住事業による住宅用地の開発実績を見ますと、八地区、六千ヘクタールとなっているのでありますけれども、新住事業以外の手法による宅地開発実績はどうなっているんですか、お答えいただきたいと思います。
#25
○参考人(丸山良仁君) 当公団におきましては、今までに二百十六地区、三万三千ヘクタールの土地開発を進めてまいっております。その中で、今先生御指摘のように、九地区、約六千ヘクタールにつきましては新住法の規定を適用いたしておるわけでございます。そのほかの二百七地区、約二万七千ヘクタールの地域でございますが、これにつきましては土地区画整理事業、一般宅造事業、あるいは工業団地造成事業、流通業務団地造成事業、あるいは一団地の官公庁施設事業等を適用しておりますが、そのうち圧倒的に多数を占めるものは土地区画整理事業でございまして、百八十五
地区、二万三千五百ヘクタールということになっております。
#26
○青木薪次君 区画整理事業による開発実績が圧倒的に多いということで、それはそれでいいんですけれども、開発実績を地域的に見てみますと、首都圏、近畿圏が圧倒的に多いんです。これは、宅地需要の動向から考えれば、四大都市圏に多くなるのは必然だと思います。しかし、それにしても地域的に偏重し過ぎている。例えば私は静岡県の出身ですけれども、太平洋ベルト地帯における藤枝の、地方都市一カ所しかないんですね。私の住んでいるのは静岡市、それからすぐ隣に清水市というのがある。あの辺をずってまとめてくると百万になるわけですよ。百万になりますとこれはもう、やっぱり新住法を適用してもいいくらいの人口があるというように考えます。
 それはいろいろ、収用権を持った立場でもって広大な土地を買収するわけですからなかなか大変なことはあると思いますけれども、その点について前々回でしたか、大臣もちょっと言ったんですけれども、例えばこの間決めました東京湾の横断道路といい、それから関西の新国際空港といい、いろいろなものを見てみましても、田舎が忘れられ過ぎている。行政の非常な偏重という点がこの面から言えると思うのでありますが、この点はいかがですか。
#27
○参考人(丸山良仁君) 今先生お話のございましたように、公団法によりまして当公団は、住宅事情の改善を必要とする大都市地域その他の地域において宅地開発なり住宅建設をやるということになっておりますものですから、どうしても四大都市圏が中心になる、こういう実情でございます。したがいまして、宅地開発の実績から見ましても八割以上を四大都市圏で実施しているということでございますが、地方都市におきましても今までの実績で二十九地区、四千五百ヘクタールぐらいの開発はやっているわけでございますし、先生の御出身地の藤枝においても、これは区画整理事業でございますが、やらせていただいているわけでございます。今後とも、今お話のございましたように、緊要性のあるものにつきましては積極的に検討してまいりたいと考えているわけでございます。
#28
○青木薪次君 臨調や行革審の答申というものは、住宅・都市整備公団の業務地域を京浜と京阪神と中京及び福岡、四地区に限定しろと。そして特に、名古屋と福岡はある程度抑えて東京と大阪に持っていけということについては、これは私どもは非常に抵抗を感ずるんですね。
 開発実績の地域的偏在とこれは関係があるのかどうかわからぬけれども、建設大臣としては、臨調、行革審が住都公団の業務地域の見直しをすべきであると強く求めているわけでありますけれども、大臣どう考えますか。
#29
○国務大臣(江藤隆美君) 小委員会においてそういう話が行われたということは、私もその経緯についてはよく存じております。しかし、これからいよいよ本委員会においてこれが正式に討議をされるわけでありますから、現在のそうした進行中の状態の中で正式にいろいろと発言をすることは差し控えたいと思いますが、私どもは、かねがね御審議をいただきましたように、これから六百七十万戸の住宅を建てていこうという場合に、住都公団に依存するものを十三万戸と実は考えておるわけであります。したがいまして、まだまだいわゆる二大都市圏だけではなくて、四大都市圏はおろか、もっと地方の都市においても、必要とするならばその役割を果たすことが大事ではないか、こう考えておりますのと、もう一つは、よく民活と言われますけれども、地方都市においては民活が入りにくいわけでありますから、そういうところにこそ住都公団が民間にかわって内需拡大についての住宅建設、宅地造成というものをやる必要がある、こう考えておりますから、伝えられておるようなそういう御意見については私どもは必ずしも賛成であるとは言えません。
 したがいまして、これからいよいよ本格的に議論をされる段階になりましたら、私どもは私どもとして正式の見解をまたしかるべき場所において申し上げ、今、非公式にはいろいろといろんなルートを通じてやっておるわけですが、正式に私どもの見解を堂々と申し述べる時期が来る、こういうふうに考えておるところでございます。
#30
○青木薪次君 大臣の前向きの答弁というものは私はいいと思います。中曽根派から出ている建設大臣にしては優等生の答弁だというように私は考えます。
 したがって、国家資金を地方に導入する、民活といったって大臣のおっしゃるとおりですよ。ですから、そういう点から、私ども静岡県の例を出すまでもない、静岡県はある意味では生活力、経済力は相当あるわけですから。そういう意味で、いい宅地を買いたい、いい家を買いたいという気持ちを持っておっても、なかなかこれは難しいんですな、高くて、いろんな規制がありまして。今度のこれもある意味では規制を緩和したというところに値打ちもあるわけですが、この点について行革審の考え方というものは、ただ単に財政の均衡を図るということが前に出ておって、内需の拡大とかあるいはまた景気の回復とか、――シュミットがついせんだってOBサミットで来ましてこのサミットの前に帰ったんですけれども、日本人は物すごい貯金がある、これをなぜ住宅に向けないのかということを言って、だから貿易摩擦の関係等についても、日本人はウサギ小屋に住んでいる働きバチだと言われるのだということを言って帰ったわけです。
 ですから、その意味で何としてもやはり、日本の四地区に、特に二地区だけに限定すればいいんだというようなことについては私どもは全くこれは賛成しかねるし、あえて言えば、中曽根さんは国内の経済力を高める、しかも国際協調のための経済構造に変えていくのだということを言っていながら、やっていることは大蔵省の下請機関みたいなことばっかりやっているという批判が非常に強いということについて、今度、大臣、ひとつ閣議で発言をしてもらいたい。今の行革審の方向というものについては、もう間もなく終わりますけれども、大臣、もう一度この点については、国民の期待にこたえるということについて、私の言ったような意見についてどうお考えになっていますか。
#31
○国務大臣(江藤隆美君) しばしば委員会で、予算委員会からずっと建設行政について各先生方の御理解ある御質問をちょうだいして、私は非常にうれしく感激をいたしております。ただ、時期が時期でありますから、威勢のいいことを言いましても、物ができなければ、これはもううどん屋のかまみたいなものでありまして、ただ湯ばかりはたぎりますけれども一向に実がないということではこれはしようがないものですから、やっぱり時期を待つ必要がある。私はかねがね内部においては、予算を編成した去年の暮れの状態と円高がこれほどきつく迫ってくる予算執行の段階では著しく情勢が変わってくる、したがってその当時主張することができなかったことも当然主張しなきゃならないような事態がやってくる、いかなる状態にでも対応のできるように我々は準備をしようではないか、こういうことを言ってきまして、いろいろと内部的には検討し、勉強をさせていただいてきたわけです。
 例えば、四月四日に予算が成立をいたしましたときに、私どもはおおよそ二兆三千二百億、一括整理法と関係のない分を予算の箇所づけの発表をさせていただきまして、また昨日一括法が通りましたから、残り全部を出しまして、これで六兆九百億全部実は建設省の所管する公共事業については出させていただきました。あしたこれを閣議でもってまた御報告を申し上げ、そして八〇%をめどに前倒しをやるということで今度はいよいよ方針がきちっと出てきますから、あしたにでも、あるいはなるべく早く省内に今度は八〇%の予算執行を行い得る対策本部をつくって、そして私どもはこの予算執行に万全を期していこう。
 中にはなかなか進まないのもありますから、例えば下水道みたいな用地買収の要らないものは九
〇%近く出さないと全体をならしたときに八〇%にならぬ、そういうことがありますから、体制を整える。そしていろいろと建設国債とかあるいは補正予算という話がありまして、私どもももうのどから手が出るほどその言葉も欲しいし、大きくそういうことも主張したいんですけれども、まだ私どもが行政当局としてやることは、八〇%の予算執行をする、そういう準備をする、そしていよいよ体制をつくることで、それができた、いよいよ残りはもうこれだけしかないというときに、朝飯は食ったが晩飯はないという話ですから、それなら晩飯はどこから探してくるんだ、こういうことになる。
 たまたまきのうは、総理が初めて参議院の本会議で、補正予算を組んでそして公共事業の追加なり中小企業対策を考えることも必要になってくる、こう言われましたが、こっちが言わずにはたからそう言ってくれるように私どもはやっぱりその場所をつくり、ムードをつくっていくことが非常に大事である。建設省だけが踊りを踊ったって、周りの皆さんが賛成していただき応援してくださらなければ、建設国債を出すということは、国債のいわゆる利払い、国債を出すことにおいては変わりがないという今までの政府の壁を破ることはできない、これは建設省だけの力ではできない、こう思っておりましたから、だんだんそういう時期が足音高く近づいてくるのかなという今実は期待感を持っておりまして、そういう時期が来ましたら、閣議でもって御意見のように私どもの考え方を私は主張するときが必ず来る、また来なければならない、こういうふうに考えております。
 そのことは内需拡大のためにもなるし、公共事業の今までの沈滞を一気に吹き飛ばす一つの弾みにもなる、こう考えておりまして、いろいろとこれからもう必死になって私どもは来るべき時期に向けて準備と勉強をしておこう、こういうふうに思っておるところでございます。
#32
○青木薪次君 住都公団の業務地域を四大都市圏に制限するのは、地方の中核都市に対する住宅問題を解決する上で問題があると私は今叫んでいるわけでありますが、建設省として地方中核都市における宅地問題、住宅問題の解決のためにはどういう施策を講じたらいいか、この点についてひとつ答弁をしてください。
#33
○政府委員(清水達雄君) まず宅地問題についてお答えいたしたいと思いますが、住都公団の問題は今御議論がありましたけれども、地方中核都市における宅地供給の体制といたしましては、御承知のように、公共団体によりましては企業会計で企業局なんかでやっているところもありますし、それから地方住宅供給公社法という法律がありまして、いわば住都公団の公共団体版みたいなものがあるわけでございまして、そういう体制もあるわけでございます。それから民間もやるというふうなことで、要は宅地造成事業が円滑に進むように都市計画その他の面でいろいろなことを考えなきゃならぬということだろうと思うわけでございます。
 したがいまして、先ごろ決定いたしました総合経済対策におきましても、線引きの見直しの推進、開発許可基準の見直し及び開発許可手続の迅速化、合理化、それからいわゆる開発事業者にとりましては大変負担になっております宅地開発指導要綱の行き過ぎ是正問題、こういったものについての是正の徹底を図るというふうなことが非常に大事であるということで、今後これらにつきまして一層努力をしていきたいというふうに考えているわけでございますが、なお市街化調整区域の開発許可につきまして、現実問題としてなかなかスムーズにいかないという面がございます。
 そこで、六十一年度から優良計画開発事業促進制度というのをつくりまして、これはどういうことかといいますと、五ヘクタール以上の規模の開発につきまして、いわゆる開発許可についてのいろいろな準備をしているけれどもなかなかうまく進まないといったふうなものがありますれば、事業主体が直接建設大臣のところにこの優良計画開発事業促進事業の認定を申請する。そういたしますと、建設大臣はそれを受けまして、地方公共団体と関連公共公益施設の整備問題等々いろんな問題点について調整をいたしまして、できるだけその手続をスムーズにする。それからさらに、これらの事業の推進につきましては、例の関連公共施設整備促進事業費を重点的につけていくとか、そういうふうなことで促進を図っていく。それからさらに、住宅金融公庫におきまして宅地造成事業に対する融資をやっております、開発銀行がやっておりますけれども、これの融資対象地域につきまして、特に組合区画整理事業の場合には全国に広げる。従来は三大都市圏とそれから人口二十五万以上の都市ということになっておりましたのですが、全国に拡大するというふうなことで、地方の宅地開発事業についての助成体制も強化しようというふうなことを六十一年度の予算措置でやったわけでございまして、これらを通じまして、地方の宅地供給の円滑化のためにも努力してまいりたいというように考えております。
#34
○青木薪次君 地方も財政力が相当厳しいですからね。だから、国が全体的な立場に立って、関東と関西だけでやればいいんだというようなことでなくてやっていくことが望ましいし、要は全国的にまんべんなく宅地開発が実施されていくということであればいいわけであります。どのような事業手法によってもよいわけでありますけれども、全体的に見て、新住事業によるニュータウン開発というものは、地域振興整備公団の実績例でもわかりますように、物足りないものが実はあるのであります。ですから、ニュータウンの開発というものは、住宅のみでなく、先端技術とか研究施設などを誘致して職住近接性というようなものを積極的に誘導していくというようなことをやらなければいけないと思うし、そういうバラエティーに富んだ都市づくりを目指すものでなければ成功しない、魅力もないということになるわけでありますから、もっと早く新住法を改正して制限的な規制を緩和する必要があったのじゃないかと私は思うんだけれども、この辺については建設省はどう考えていますか。
#35
○政府委員(清水達雄君) 先生おっしゃいましたように、いわゆる街というのは、住むだけでなくて、雇用機会もある、あるいは憩いの場所もある等々、人間生活にとりまして必要な複合的な機能を備えたものであることが望ましいわけでございます。したがいまして、調べてみますと、新住宅市街地開発法の立法当初におきましても、街づくりの計画論としては、こういったふうな複合的な市街地をつくる、そういう制度にすべきではないかという議論もあったようでございます。しかし、何といいましても、この法律ができました当時は未曾有の住宅宅地難でございまして、いわゆる住宅地の大量供給を行うということが何にも増して急務であった。そういうふうな時代的背景から、新住事業によって造成された宅地については、住宅のほかはいわゆる公益的施設、つまり最低限生活上必要な利便施設、そういったふうなものに限定されたということであったわけでございます。
 しかしながら、最近におきましては、先生今おっしゃいましたような複合的な街づくりを求める声が、これは公共団体からも多いし、それから住民からも多いわけでございまして、それを背景に六十年の六月に住宅宅地審議会が「新しい住宅事情に対応する住宅・宅地政策の基本的体系についての答申」というのを出しましたけれども、この中で、今後の計画的宅地開発については、単なるベッドタウンづくりではなくて雇用の場とか大学、文化施設といったそういう複合的な機能を持ったものにすることが望ましいという答申もいただいておりますので、それを受けまして今回このような法改正をお願いしているわけでございます。
#36
○青木薪次君 新任事業に厳しい規制が加えられているのは、先ほど申し上げたように、収用権との裏腹の関係にあるということだと思うんですね。今回の業務施設の設置とか、建築義務期間の延長、例えば二年を三年にするとかというような
ことについては、規制の緩和措置だと思うのでありますけれども、収用権の付与との関係で、今度は逆な立場で問題にならないかどうか。規制緩和措置としては、今回の措置がいわゆる収用制度との関係で限界と考えていいのかどうなのか、その点についてはいかがですか。
#37
○政府委員(清水達雄君) 新住宅市街地開発事業に収用権が与えられている意味といいますか、どういう理由で与えられているかということを考えてみますと、これは例えば公共施設に収用権が与えられる、あるいは住宅に与えられるということではございませんで、いわゆる総合的な街づくりを行う面的な事業、この事業に着目して収用権が一括して与えられているわけでございます。
 新住宅市街地開発事業の目的といたしましては、宅地の大量供給というのがあると同時に健全な市街地をつくるというのが法律の目的になっているわけでございまして、健全な市街地をつくるつくり方が、従来は機能の面において先ほど来申し上げましたような限定がされてきている。しかし、社会的状況の変化あるいは世の中のニーズの変化に伴って、健全な市街地というものの中身を従来よりももうちょっと複合的なものにするというのが今回の改正でございますので、そういった健全な街づくりのために一体的に収用権が与えられているという観点からいたしまして、施設立地の多様化とか、それから建築義務期間の問題につきましてもまた、いわゆる収用権を持ったような事業として造成した宅地が余り長い期間未利用のままに置かれているということは収用権との関係で問題があるということで建築義務期間があるわけでございますけれども、二年を三年に延長する程度では基本的にそこに問題が生ずるというようなものではないというように今考えているわけでございます。
#38
○青木薪次君 坪何十万もするような宅地を購入して、それからまたすぐ二年の間に家を建てろというのはそれは相当無理があるから、この改正は改正なりによくわかるわけですよ、しかし実際問題として二年が一年延びた程度では余り効果はないじゃないか、ないと言うのは語弊があるけれども、ないよりましたという程度に終わることを実は懸念いたしているわけでありますが、その点はどうですか。
#39
○政府委員(清水達雄君) 二年の間に宅地を購入しそれから建築をしてしまうということは、単に当初の負担がどうとかということのほかに、資金手当て等の面におきましても、土地を買う金を手当てし、またすぐ家を買う金を手当てし、しかも建築まで終えてしまうというのを二年でやれというのはいかにも厳しいというふうなことから、延長をしたいというふうに考えたわけでございますけれども、ただ、余りにも長くこの期間を置くということは、やっぱり収用権を持った事業、この性格からいって困難ではないかというふうなことで、住宅のような通常の建築物については三年、それから比較的大規模な建築物については五年まで延長できるということでお願いしているわけでございまして、当面この程度が妥当なところかなというふうに考えているわけでございます。
#40
○青木薪次君 改正案の中身でありますけれども、今度事業地内に立地できることになるのは、「居住者の雇用機会の増大」、そして「昼間人口の増加による事業地の都市機能の増進に寄与」する、それからまた「良好な居住環境と調和するもののうち、公益的施設以外のものをいう」というように定義づけられておりますけれども、具体的にどのような種類のものが来るのか、誘致するのか、あるいはまた、規模、施設等について考えているのか、説明してください。
#41
○政府委員(清水達雄君) 特定業務施設といたしましては、事務所、それから良好な居住環境と調和する工場、研究所、研修施設、厚生施設といったものを考えているわけでございます。このうち、事務所につきましてはいわゆる事務所一般というふうにお考えいただいていいと思いますが、事業所のうちの工場、研究所等につきましては、これはいわゆる良好な居住環境を阻害しないというものに限定をしなければならないというふうに考えております。
 それで、具体的に出しますと、例えば食料品の製造工場だとかあるいは縫製工場だとか、精密機械とかあるいは電子電気機械とか、そういったふうな製造工場、あるいは最近は研究開発型の工場といったふうなものもかなり先端技術産業として出てきておりますけれども、そういうふうなものを一応広くは考えますが、いわゆる公害を発生して居住環境を悪化させるということがあってはこれはいけませんので、この点につきましては、具体的には通達によってそういうことのないように指導をしていきたいということでございます。
 それから、規模の問題でございますけれども、余り大規模な施設というものはどうかというふうな問題もあるわけでございますが、これにつきましては施設の種類にもよりますので、「良好な居住環境と調和するように」というふうなことで適切に配置させる必要があるということで、具体的には、それぞれの事業によりまして都市計画の決定なりあるいは新住事業の事業計画決定につきまして具体的に決めて、居住環境の悪化につながらないように措置をしていきたいというふうに考えております。
#42
○青木薪次君 新伍事業の目的は、居住環境の良好な住宅地の大規模な供給を図るということにあったのでありますから、特定業務施設の設置についてはある程度規制することが望ましいと思います。全事業地面積に対する特定業務施設用地の割合、総量規制というのか、そういうものについてはどんなふうな計画を持っていますか。
#43
○政府委員(清水達雄君) 新住宅市街地開発事業につきましては、事業地の大部分は第一種住居専用地域、または第二種住居専用地域内になければならないというふうに現行法で書かれておりまして、この部分は今回も改正をいたしません。大部分というのは、運用上は大体三分の二というふうに考えております。したがいまして、いわゆる住宅地とそれからこういう特定業務施設との割合は二対一、住宅地の方が三分の二、それから特定業務施設が三分の一、ぎりぎり最大限見てそこまでだというふうに考えております。
 そういたしますと、いわゆるニュータウンの中の土地利用を考えてみますと、大体公共公益施設で四割とられまして、あとの六制がいわゆる有効宅地といいますか、住宅地なりそういう今申し上げた特定業務施設なんかに使える土地ですから、そういう計算をいたしますと、事業地面積の二〇%が限度というふうに考えておりまして、この点は通達で指導したいというふうに思っております。
#44
○青木薪次君 法の第二十四条に、造成宅地の処分価額について規定されておりますね。「居住又は営利を目的としない業務の用に供されるものについては」原価を基準として、「営利を目的とする業務の用に供されるものについては、類地等の時価を基準」とする。そして位置とか品位とか用途とかを勘案して定めていくということになっているけれども、特定業務施設の場合については処分価額をどういうようにするのか、答弁してください。
#45
○政府委員(清水達雄君) これは「営利を目的とする業務の用に供される」場合というのにほとんど該当すると思いますので、時価ということになります。
#46
○青木薪次君 次に、住んでいる地域の規模要件の緩和でありますけれども、改正案を見ていきますと、住区の人口密度一ヘクタール当たり百人から三百人とあったのを、八十人から三百人に引き下げ、人口規模の要件が一万人から、およそ六千人ないし一万人というように変わっているのですね。かなり思い切って引き下げているのだけれども、この理由についてお聞きしたいと思います。
#47
○政府委員(清水達雄君) 人口密度の問題につきましては、御承知のように、いわゆる人口密度が我が国の市街地全体として平均的に見ますと低下傾向にあるわけでございます。それからニュータウン、この新住事業でつくるニュータウンを考え
てみましても、いわゆる中高層共同住宅のようなそういうものの割合を従来よりも落としてむしろ戸建て住宅をふやすといったふうなニーズ、要請が非常に高いというふうなこともございまして、今回、上限は変えませんけれども、下限の百人を八十人というふうに引き下げでいるわけでございます。
 それから、おおむね一万人程度の規模を六千人までいいことにしたのはなぜかということでございますが、いわゆる住区という概念がございまして、この住区というのは一つのまとまったコミュニティーを形成する住宅地の広がりということでございますけれども、これは通常小学校区というふうに考えておりまして、小学校が最低一つ入る規模でなきゃいかぬということでございますが、それをめどに考えますと、小学校一学級当たりの児童数が減っております、それから一世帯当たりの人員も減少しているというふうなことでございますので、そういう観点から計算をいたしますと、六千人の規模でも十分一小学校区になり得る、小学校が維持できるということで、六千人というふうに従来よりもやや小規模のものまで事業ができるようにしたわけでございますけれども、これも、最近におきまして大規模開発が比較的困難になってきて、もうちょっと小さいところでもいいではないかという社会的要請にもこたえるべく、こういうふうな案にしているわけでございます。
#48
○青木薪次君 最後に。違反した者についてはこれを買い戻すというようなことを含めて、違反の件数も相当、千単位の件数があると思うのでありますが、確かに買い戻したところもある、しかしあとは指導になっているんですが、指導とは一体、早く建てなさいよということを言うのか、どういうことになるんですか、指導がほとんどだと思うのでありますがね。
#49
○政府委員(清水達雄君) 建築義務期間の違反事例についての御質問でございますが、昭和六十年度までの違反の実績は千四百三十件でございます。このうち、いわゆる土地を購入した方が建築することが困難、そういう状況になってしまっていると思われるものが百三十九件ほどございまして、これにつきましては買い戻しを行っております。それ以外のものにつきましては、いわゆる早期に建築するように建築督促の文書を送るというふうなことで、期限を守って早く建築してくださいというふうな指導を行っているということでございます。
#50
○青木薪次君 終わります。
#51
○大川清幸君 初めに、先ほど建設大臣から、総理の発言に関連して所信の一端を述べられたのですが、前倒しはどうも八〇%程度になりそうだということはわかりましたが、そうすると過去の例で、ここ数年来、最高に前倒しをしたのはたしか昭和五十六、七年ごろか、七四%余り。五十七年ですね、やりました。あの例から考えると、あのときの補正の規模を超えないと後半の方は十分じゃないのじゃないかという感じがするんですけれども、その辺についての腹づもりはお持ちなんでしょうか、どうなんでしょうか。
#52
○国務大臣(江藤隆美君) 五十七年のときに平均が多分七五・二ぐらいだったと思います。そのときが建設省は七八%やっておりまして、今度は一括法の成立がおくれまして、約一カ月ちょっと足踏みをしたわけですから、これから八〇%というと容易ではない、こう思います。
 しかし、正直申しまして、この前も私、財界と話をしたんですが、やっぱり財界の中には依然として、財界主流は断固として建設国債反対だというあれがあります。私はそのとき、それは皆さんから言わせれば、三百三十七兆もある国民総生産の中で一兆や二兆の公共事業の建設国債を出してやったってそんなものは何になるかという、そういう感じがあるというのも私は一理あると思います、しかし景気というのはそんなものじゃありません、今人々が求めておる公共事業への期待、それから内需拡大の誘い水としての公共事業ということを考えると、金額ではないのですよという話を、この前、私はしたところです。
 そこで、せっかくきのう総理からああいう発言がございましたから、それならば、いわゆる理論的に、今の日本が経済的に置かれておる中での内需拡大としての公共事業、それからいわゆる社会資本のおくれから見る、それを取り戻すための予算の今緊急に必要なもの、そういうものを実は対策本部をつくりました時点で、私どもも今度は責任を持ってそれを詰めなければいかぬと思っているんです。
 正直申し上げますと、それなら何ぼだというものをおまえは持っているかと言われると、それはアバウトはありますけれども、何にも理論的に裏づけされたものではありません。今そのことでいささか愕然としておりまして、それはやはり、どこから聞かれてもおかしくない一つの物の考え方というものを早急に私どもはつくる必要がある、今そう思っておるところであります。
#53
○大川清幸君 内需拡大、それから景気その他の問題もありますので、諸般の事情を考えて、本年、年度の後半あたりは業界も大変だろうと思うし、経済全体への影響も考えなければならぬと思いますので、十分御配慮願えればありがたいと思いますので、その辺は期待をいたしておきます。
 ところで、いわゆる新住宅市街地開発事業によるニュータウン事業でございますが、これがどうも実情を見ておりますと、ひところ、昭和三十年代の住宅困窮に重点を置いた考え方でやってこられたことは、それはそれで、その時代の姿勢としては納得がいくのですが、最近の状況を見ますと、どうも実績的に見て芳しくないのではないかというような感じがいたしますが、この実情についてはどのように把握をなさり、また、どのように考えておられますか。
#54
○政府委員(清水達雄君) 新住宅事業の実績につきましては、昭和三十八年、法制定時から四十四件。現在完了したのが二十六件、施行中が十八件ということになっておりますけれども、ほとんどがこれは昭和四十年代の半ばごろに事業が開始されたものでございまして、五十年代に入りましては、それ以前から土地の取得には任意買収で入っておりましたけれども、新住事業が適用されて本格的な事業になったのが二件というような状況になっているわけでございますが、これにつきましては、やはり人口の大都市への集中、これが非常に鎮静化したということと、それから職住近接のニーズが非常に高まって、特に都心地域に住みたいといったふうな国民のニーズが高まってきた。それからさらに、今度は事業を実施する上での問題点といたしまして、まとまった大規模な素地取得というのが非常に難しくなってきたということにあると思うわけでございます。
 その職住近接問題につきましては、従来の新住事業のようなニュータウン開発がとかくベッドタウンづくりに終わっていたということも、やはりその原因の一端であったのではないかというふうな反省をいたしておるわけでございまして、そういうふうな意味から今度の新住法の改正もお願いしているわけでございますけれども、しかし現在の住宅宅地事情から考えますと、潜在的なニーズがなくなっているわけではございませんので、やはりできるだけ良好でかつ比較的低廉な宅地の供給の必要性というものはあるわけでございますので、私どもといたしましては、できるだけこの社会状況にマッチしたような制度上の改善もしながら、事業の推進に努力をしていくべきものだというふうに考えている次第でございます。
#55
○大川清幸君 ニュータウン計画については、今御答弁の中にもありましたように、従来の何といいますか純然たるベッドタウン的な構想に対する反省があって、今回の法改正に至ったというふうに受け取られるわけです。
 それはそれで大変結構なんですが、例えば千葉ニュータウンですとか、それから愛知県の桃花台ニュータウン、それから兵庫県の北摂ニュータウンなど、いろいろ事情を見てみますと、細かいことまでは私もわかりませんけれども、例えば千葉ニュータウンなんかは北総開発鉄道なんかの不便
さとか、それから愛知県の方もどうもこれは足の問題がやっぱり問題になっているようですし、北摂ニュータウンの方も何か神戸市とそれからニュータウンの間の神戸鉄道の三田線ですかな、この辺が単線で非常に不便だというようなこともあるようです。そういうようなこと、それから、神奈川の港北ニュータウン、あそこも地下鉄がどうも当初の構想どおりいっていないというようなネックがありまして、これは足の問題も非常に重要なんで、こうしたニュータウン計画をプランニングしたときに足の問題なんかがどうもうまくセットして行われていないというようなことがやっぱりニュータウンの、何というんですか、予定どおり入居がはかばかしくいかぬとか、後の計画を進めるについても二の足を踏むというような重要なネックになっているように思うんです。
 私も東京で多摩ニュータウンの計画をしたときに都市計画審議会へ入っておりまして、例えば小田急あるいは京王電車等の乗り入れについては至急にやれというようなことで、民間ですから利益その他のことを考えないとなかなか動かないんですけれども、人口その他の見通しもある程度はっきり積算をした上で民鉄にも要求をして対応をしてもらったらどうかということで、計画の当初からやかましく言いました。それから、あそこの中心を流れている乞田川なんというのは昔しょっちゅう水が出ていたんですが、これの河川改修なんかも先にやるようなことでやらないとニュータウン計画をしたって失敗するぞというようなことを、さんざん言ったわけです。財政力が都としてはありますから、ある程度そういう対応もしてくれたと思うんです。
 ですから、純然たるベッドタウン構想で人気がなくなってきたことも一つ。しかし、新しく事業を起こしたり、あと要請が来ているところも二カ所あるようですが、こういう足の計画や周りの環境もよく考えませんと、せっかくやった計画が金を捨てるようなことになるわけですから、その辺の反省も含めて今後の対応をしてもらいたいと思いますが、何も足の問題だけではないと思いますけれども、何点がやっぱりニュータウン計画がうまくいかなかった問題点があると思います。その点はどう考えておられますか。
#56
○政府委員(清水達雄君) ニュータウン計画がうまくいっていない典型的な例は千葉ニュータウンでございますけれども、千葉ニュータウンを例にとって考えますと、あそこは新住事業でやっているわけでございますが、新住事業でやりながら実際には収用権を発動いたしませんで、いわゆる土地取得が余りうまくいっていないというふうな問題が一つあります。それから、そういうふうなこともありまして非常に事業期間が長引いてしまっている。そういたしますと、いわゆる市街化のテンポも遅い。そうすると鉄道事業者側からすると、鉄道を敷いても採算性に非常に問題があるというふうな、そういうことがいろいろ絡み合って、千葉ニュータウンなんかの場合にはうまくいっていないというふうな問題があるわけでございます。
 したがいまして、千葉ニュータウンにつきましては、いわゆる計画の見直しのための懇談会をつくって、やっぱり現時点で考えて本当に事業がうまくいくような形に見直すべきであるというふうなことで、事業区域も見直して、新住区域に入れるのがふさわしくないようなところもありますのでそういうのは除外をいたしまして、区域を縮小するというようなこととか、土地利用計画についてもいわゆる高層住宅から低層住宅へ見直しをするとか、それから、これはこの法律が成立しないとできませんけれども、いわゆる複合的な街づくりの点でもうちょっと複合機能を入れるとか、そういうようなことによりましていわゆる事業の方の進捗を速め、それから北総鉄道につきましては、東京都の入り口のところの用地買収が非常に困難という状況もあるわけでございますが、これは関係者で一致協力してできるだけ当初計画どおり北総鉄道をつくるというふうな、多面的な見直しなり努力をしてやっていく必要があるというふうに思うわけでございます。
 一例として千葉ニュータウンを申し上げましたけれども、それ以外にも、今先生がいろいろ御指摘になったようなところで、それなりにやはり個々の事情に照らして見直すべき点は見直して、事業がうまく進むように今後努力をしていく必要があるというふうに考えております。
#57
○大川清幸君 千葉ニュータウンのことについては、計画エリアに関連した地主さんの中で、農民でしょうかね、これは一部反対があって農地買収がうまくいかなかったその他の事情があるようで、そうした状況というかは理解できないわけではありませんが、昨年の三月施行令が改正されまして、民間デベロッパーに分譲するというようなことが取り入れられたわけですが、これは、民間デベロッパーに卸売をする道が開かれたことで、今御説明のあった、要するにニュータウンづくりに関連してどの程度効果が上がるというか、進むと見通されておりますか、どうです。
#58
○政府委員(清水達雄君) 昨年の三月に政令を改正いたしまして、民間事業者に対していわゆる特定分譲、卸売ができることとしたわけでございますけれども、このねらいは市街地の早期熟成を図るためにより多くの事業者の参加を求めるということが一点と、それから最近の住宅需要の多様化に対応するためにより多くの主体のノーハウを活用して多様な住宅供給ができるようにするということがねらいでございまして、この改正を受けまして現在までのところ神戸市施行の西神ニュータウンにおきましてこの特定分譲を行っておりまして、面積は三ヘクタールでございます。それから、千葉ニュータウンにおきまして四・七ヘクタールほどこれを行うこととし、近々事業者の募集を行う予定になっております。それからなお、多摩ニュータウンとか等につきましても、目下具体的にどこについてそれをやるかというようなことを検討中でございます。
 今後はやはり、民間活力の活用といった視点からも、できるだけこういった制度を積極的に活用して、市街地の早期熟成、それから国民のニーズに合った住宅供給ができるように努めていきたいというふうに考えております。
#59
○大川清幸君 そこで、民間デベロッパーへの分譲ということでございますが、事業計画を提出させて、そして東京都で言えば都市計画局になるのかどうかわかりませんが、各県で言うと県のいわゆる企業局とか企業庁あたりが担当する、あるいはそういうようなことになるのだろうと思うんですが、公団ももちろん絡んでくるでしょうが、これらの計画内容について、良好な住環境を保持するということが大前提になっておりますから、そういうことから考えますと、提出された事業計画の審査というんでしょうか、検討というんでしょうか、それは具体的にはどのような手法でどう決定するのか、この辺はどうなるんでしょう。
#60
○政府委員(清水達雄君) 特定譲渡に当たりましては、いわゆるこれは新住事業でございますので健全な市街地としての土地利用を担保するということは当然必要でございますので、建設されるべき住宅につきまして指針を施行者が定めることになっております。その指針に従って、民間の分譲事業者はその指針の範囲内でみずからのノーハウを生かして供給を行うということになっておりまして、これについては施行者は当然それを守らせるようにするということでございます。
#61
○大川清幸君 施行者が、何といいますか、いわばマスタープランみたいなものを決めますね。これは、施行者が決めれば手続上はそれでいいということですか、どうなんですか。
#62
○政府委員(清水達雄君) 本来は施行者が自分でいわゆるエンドユーザーに用途とかなんとかを全部チェックして処分するというのが新住事業でございますが、そうでなく一広一括卸売するわけですから、そこまでずっと施行者は全部責任を持たなければいけませんので、したがって、こういう範囲内での住宅を建てるのだということで決めればいいわけでございます。
#63
○大川清幸君 そこで、そうした計画ができて事
業実施にかかる、そして結果としては卸売というか分譲することになるのでしょうが、この分譲価格の問題ですけれど、先ほどもちょっと論議が出ていましたが、時価というようなお話があったんですが、これは民間デベロッパーがかんできて、最終的に消費者というか住民に渡る場合に、やっぱり価格の問題で心配な点はないのかなという感じがするんですが、その点はどうなっておりますか。
#64
○政府委員(清水達雄君) 民間の住宅分譲事業者の販売する住宅の価額につきましては、これは新住法施行令に規定がございまして、住宅の建設に要する費用等通常必要な費用の合計額に適正な利潤を加えた額を超えることがないように定めなければならぬ、こういうことになっております。それから住宅の敷地の譲渡価額でございますが、これにつきましては、住宅の敷地の取得に要する費用それから敷地の譲渡に要する費用等の通常必要な費用の合計額を超えることがないように定める、こういうことになっております。これを受けまして建設省は、施行者に対しまして、民間の特定分譲事業者を選定する場合には住宅及び住宅の敷地の譲渡予定価格を審査するように指導をいたしておりまして、さらに実際に適正な価格で販売されることを担保するために、譲渡予定価格どおりに住宅を販売しない場合には民間の住宅分譲事業者から宅地を買い戻すように、施行者を指導いたしております。
#65
○大川清幸君 ところで、今回のこのニュータウン開発の新住宅市街地開発法、これは先ほど青木委員の方からも指摘があったんですが、遅きに失したのじゃないか、もっと先を見通して計画をちゃんと立てて手直しをするようにしたらよかったのではないかという意味で御発言なさったと私は思うんですが、それはそれとして、確認をいたしておきますが、このニュータウン構想というか計画について、昭和三十年代に持っていた基本的な構想、考え方が、先ほどの答弁でもありましたように、あれは昭和六十年の六月でしたかな、の答申によって考え方が変わったというふうに解釈をしてよろしいんですか。
#66
○政府委員(清水達雄君) 新住宅開発事業の目的は、住宅に困窮する国民のための居住環境の良好な住宅地の大規模な供給ということと、それから健全な住宅市街地の開発、この二つの目的をより同時に達成するといいますか、というわけでございまして、したがって、住宅に困窮する国民のための住宅地の大規模な供給というのは、この法律及び事業の大目的であります。ただ、その供給の仕方が健全な市街地となるようなそういう街づくりとして供給するということになっておりますが、その健全な街づくりの中身が、最近における社会経済情勢を踏まえまして、より複合的な街づくりになるようにということでございますので、大きな目的の変更とかいうことではなくて、複合機能をより、何といいますか強めるといいますか、より人間生活にとって必要な多機能を入れ込むというふうにできるようにしたいということでございます。
#67
○大川清幸君 ただいまの説明で、複合的な機能を有するニュータウンの開発ということを望んでいるということが明確になったわけですが、考え方としては私も賛成でございますが、ところで、先ほどもお話が出ておりました業務施設の立地の多様化、この問題についてお伺いをしておきたいんです。
 良好な住宅環境の確保をしながら今度は新しくこういう事業施設立地をしなきゃならないということで、言ってみれば二律背反的な要素をセットしなきゃならないということになりますので、先ほど業種についてもあらあら御報告はあったんですが、もう少しその点を具体的に御説明願えればありがたいと思いますが、どうでしょうか。
#68
○政府委員(清水達雄君) 特定業務施設のうち問題になりますのは工場だと思いますが、工場につきましては、居住環境に悪影響を与える騒音、ばい煙、悪臭、そういうものを発生するような施設はこれは導入できないわけでございまして、したがいましてそういうものは特定業務施設に当たらないというふうに考えているわけでございますけれども、そこで実際問題として、じゃどういうふうにしてそういう環境を害さないようなものに限定するかということでございますが、一つは基本は用途地域の規制でございます。今回、この特定業務施設の導入に関連いたしまして、準工業地域が指定できることにしているわけでございますけれども、準工業地域に建築できる工場はすべて認めるというふうな考え方は今いたしておりませんで、商業地域内におきまして、商業地域内の制限といたしましては、原動機やなんかを使ったりする工場については一定の規模以上のものはだめ、それ以下のものならいいという種類のものと、それからもう規模の大小にかかわらず商業地域に立地することができない工場等というものが建築基準法で決まっておりますけれども、その規模にかかわらず商業地域内に立地できないような工場等につきましては新住区域内の準工業地域には立地させることは適当でないというふうに考えまして、これは除外したいというふうに考えているわけでございます。
 その具体的な例といたしましては、まず騒音を発生するおそれのある施設といたしまして、金属の乾燥研磨、鉱物、岩石、土砂の粉砕、それからレディミクストコンクリートの製造等の事業を行う工場とか、ばい煙を発生するおそれのある施設といたしまして、ガラスの製造、かわら、れんがの製造、ドラム缶の再生等の事業を営む工場とか、あるいは悪臭を発生するおそれのある施設といたしまして、アセチレンガスを用いる金属の工作とか、亜硫酸ガスを用いる物品の漂白、石けんの製造、こういったふうなもの、例でございますけれども、こういうふうなものは準工業地域には立地できますけれども、新住区域内には立地させないというふうなふうに考えておりまして、この点は具体的には特定業務施設の範囲ということで通達で指導をしたいというふうに考えております。
#69
○大川清幸君 そこで、先ほどの問題にちょっと戻って恐縮ですが、施行者は民間デベロッパーに分譲する場合の計画を立てますね。そうした計画全体の中で、例えば用途地域の変更などの必要があるような場合のケースですね、そうした場合には、当該地方公共団体の担当局といいますか都市計画関連の局がありますが、そこでやっぱり用途地域の変更などをしなければこのプランが進まないということになるのか、どうなんですか。
#70
○政府委員(清水達雄君) いわゆる現行法では立地できない特定業務施設、これを新たに施行中の事業に導入するというケースだと思いますけれども、この場合には当然都市計画の変更を行う必要がありますし、また用途地域も例えば準工業地域の指定をするという必要がございます。したがいまして、当然、都市計画法を施行運用しております都道府県がそういうふうにしないとできないということでございます。
#71
○大川清幸君 業務施設立地についての規模のお話も先ほど答弁がありましたから、これは了解をいたしましたが、今お話を聞いていると、なるほど良好な住環境というと、さっきずっと具体的に述べていただいた、特に工場関係はなかなか入る種類がないようにも聞こえるんですよ。そうかといって、緩和しろと言うとこれは大変なことになります。具体的な例で言うと、私の地元の白鬚の防災拠点なんかは、あれは個人タクシーとかあるいはメッキ業なんかがあって大分深刻な問題になったんですが、住民の意見を聞く委員会というか、そういうものをつくりまして、東京都とよく話し合いをさせて、時間をかけて今の規模になったんです。
 ですから、やり方によっては、住宅地域といいますか、住民に余り迷惑をかけないでうまくあそこなんかはやっている方だと思うので、その辺の規模等を考えていただけば十分だろうと思いますが、公害を発生するものについてはどうしても外さざるを得ないということはよくわかるわけでございますが、やはり事業地というか工場を入れる
となると、指導をなさると言うんですが、かなり明確な方針みたいなものを立てておいていただかないと、どれを入れたらいいかどうかで後でごたごたしては困るのでございまして、受け入れ側、地元の担当である地方公共団体の方もどう判断したらいいかわからぬというようなことがあっては困りますから、その辺は明確にしておいてもらえますね。
#72
○政府委員(清水達雄君) 先ほど申し上げましたように、基本は建築基準法におけるいわゆる用途地域に応じた許される建築物ということになるわけでございますが、なお、先生今おっしゃいました特に準工業地域の扱いにつきましては、建築基準法のとおりの運用をしないという御説明をいたしておりますので、その辺につきましては通達で十分指導してまいるつもりでございます。
#73
○大川清幸君 それで、規模の問題とそれから工場のそうした業種の問題と、もう一つはニュータウン全体の中のどの辺にどう配置するかというのが大変重要な問題だと思うわけでございまして、公共関連の公園とか緑地その他の確保は当然計画の中に入るわけでございますが、居住区との混在は絶対避けてもらわなきゃいけませんから、これは計画、立案するときに施行者に対してそういう点での基本的な考え方も明示した上で仕事をさせるというふうに考えてよろしいですね。
#74
○政府委員(清水達雄君) 特定業務施設の配置につきましては、当然、都市計画の段階から、どういう配置の仕方をするかということを考えて用途地域を決めるというふうなところから始まって、事業計画、施行計画等においてだんだんとそれを具体的に決めるということになっていくわけでございます。
 考え方といたしましては、一般の事務所につきましては、そのセンター地区に商業施設とともに配置される場合が多いのではないか。それから、工場とか原動機を使用するような研究所、こういうものにつきましては原則として住区の外、事業区域ではありますけれども、住区外の周辺部に集約的に配置する必要がある。なお、その配置に当たりましても、住区とそういう特定工場等の地区との間はできるだけ幹線街路とか緑地帯とかいうふうなもので遮って、居住環境の保全を図るというふうなことが必要だというふうに考えております。それから、一般の研究所とか研究施設、研修施設、厚生施設につきましては、住区内の一定区域に集約的に配置することが望ましいだろう、また、住宅併用の事務所とか小規模な厚生施設等につきましては住区内外に分散して配置してもいいのではないかというふうに、基本的にはそういう考え方をいたしております。
#75
○大川清幸君 今回の改正措置、これは現在施行中の新住事業がございますね、これについても適用する考え方がおありになるんでしょう。どうなんですか。
#76
○政府委員(清水達雄君) 今回の法改正は、施行中の事業にも適用されることとなっております。ただその場合には、先ほど来申し上げておりますように、新法の手続によって計画の変更等を行う必要がございます。
#77
○大川清幸君 そうすると、現在施行中の計画に関連して、希望があるというか具体的に要請が出てくる状況にあるのかどうか。これは、手続上はそうすると、改めて新法に基づいて計画を、手続上届け出をするとかなんとか、そういうような段取りが必要なんですか、どうなんですか。
#78
○政府委員(清水達雄君) 現時点におきまして、この特定業務施設の導入のための見直しを行うことが予定あるいは予想される地区といたしましては、千葉ニュータウン、桃花台、多摩ニュータウン、西神第二ニュータウン、和泉中央丘陵、これは大阪府でございます、それから宮崎県の生目台等があるわけでございます。こういった地区におきまして導入する場合の手続につきましては、都市計画の変更、それから事業計画の変更、施行計画の変更というふうな手続をとる必要がございます。
#79
○大川清幸君 そうすると、手続上は多少これは時間と手間がかかることになっちゃうのか。どうなんですかね、現在施行中の計画については。
#80
○政府委員(清水達雄君) 都市計画の変更が必要でございまして、都市計画の場合にはいわゆる縦覧とか意見書の提出とかというふうな手続もございますので、都市計画変更に必要な期間は当然かかると思います。
#81
○大川清幸君 気になるのは、現在計画施行中のニュータウンについては今度の新しい改正に伴うような構想がもともとなかった形で始まっちゃったところですから、ここへ特定事業を入れるとなると、居住区の中にそんなものを突っ込むはずはありませんから、新しくプラスをして住民の需要にこたえるというようなことで構想の変更を行うのだろうと思いますが、そうなると、自動車その地やはりどうしても事業地ができればそういうものも入ってきますから、かなり大きな変更というか、あるいは緑地、公園の確保も別途また考えなきゃならないというようなことになるわけでございますけれども、要望が出ているところを先ほど何カ所か挙げていただいたんですが、そういう新しい構想に基づく方法で手直しをする、千葉ニュータウン以下要望の出ているところについて、新しい要素を、事業地を入れることで支障がないようにできるのかどうかという心配もちょっとあるんですよね。
 その辺は、地元から計画を出してもらわなきゃ何とも判断できないんでしょうが、どんな見通しでいらっしゃいますか。
#82
○政府委員(清水達雄君) 施行中の事業におきまして特定業務施設を今後導入するというようなところにつきましては、やはりまだ処分がそれほど大幅に進んでいないといいますか、まだ残りの土地がかなりあるところだと思いますので、そういうところについて、恐らく施行主体がいろいろ検討なさると思うのでございますが、具体的な今先生御指摘のような問題につきましては個別の問題でございますので、実際にそういうものを見てみないと何とも言えませんけれども、要するに居住環境の良好な住宅市街地、そういうものと調和するような土地利用計画になるように指導はしていきたいというように考えております。
#83
○大川清幸君 今回の改正に伴いまして、居住区の住区の規模要件の緩和ですとか、あるいは建築義務期間の延長等の措置がとられておるわけでして、今回の改正措置を行えば、先ほど言った、ちょっと人気が落ち目といいますか、事業自体もなかなか進まないという実情の中で、かなり弾みがつくと見ておられますか、どうですか。
#84
○政府委員(清水達雄君) 今回の改正法が成立いたしますと、いわゆる施設立地の多様化によりまして、複合的機能を有するニュータウンづくりが可能になる。これは地方公共団体等の要請から考えますと、非常に大きな要素でございます。それからさらに、従前に比べまして比較的規模が小さいものまで事業が施行できる。これは、なかなか大規模な土地の取りまとめが困難になってきている状況に対処して、やはり非箱に効果があると思っております。それから、建築義務期間の延長によりまして宅地の譲り受け人の義務規制が緩和されるということで、大変効果があるというように思っております。現に、大阪の阪南丘陵で予定しているようなものもこの法律の成立を待っているというような状況でございますので、かなり効果が期待できるのではないかというように考えております。
#85
○大川清幸君 今御報告がありましたように、阪南丘陵、これは建設省の建設経済局宅地開発課の資料で、これは調査室からいただいた資料ですが、その中にはこれ一件しか出ていませんが、先ほど清水局長のおっしゃったようにニュータウン以下幾つかありそうだというようなことですが、これは今のところ私の手元の資料では一カ所ですけれども、先ほどのお話のとおり何カ所か確実に出てくるというお見通しなんですね。
#86
○政府委員(清水達雄君) これはまだ検討中の段階で、申し上げるのはちょっとどうかと思いますけれども、神戸市で検討中のものもございます。
それから、私ども当面の新住法の新法の立場といたしましては、やはりまだ施行途中のニュータウン、先ほど申し上げましたようなところ、そういうところが現在の社会経済情勢に即したような計画の見直しができるということに非常に大きな効果があるというふうに考えているわけでございます。
#87
○大川清幸君 これは、地元で施行者が各地元の産業構造その他社会構造等を考えた上で、既成計画の中にプラスをするというか併合するというか、ニュータウン構想というのを新たにつけ加えて申請してくるのだと思うんですが、これは全国統一でやるみたいなことはむしろばかばかしいことで、地域で職住近接のプランニングをきちんと立ててもらえばそれなりに効果が上がるし、かなり住民にも喜んでもらえる、それから地元の経済的な活性化にも役立つんだろうと私思うので、その辺の指導はかなり腹を据えて建設省としてやっていただく必要があるのじゃないか。職住近接がただ格好だけできて上がってくれば、新しい法律になって改正ができたらそれにのっとってやるならどうぞというようなことでなくて、ある意味では規制というか、圧力はいかぬけれども、そういう意味での、いい意味での指導性は僕は発揮してもらいたいと思うんです、今度の新しい法律に関連して。
 その辺の考え方をお伺いしておきましょう。
#88
○政府委員(清水達雄君) 実際問題といたしましては、むしろ事業を施行しております公共団体等が、こういう法改正をやってもらって見直したいという要請が非常に強いところがあるわけでございまして、したがって今先生がおっしゃいますようなことに当然なってくると思いますけれども、私どもといたしましても、当然、それぞれの事業に応じて適切な計画の見直しをやるならば、見直しが行われるように十分指導してまいりたいと考えております。
#89
○大川清幸君 次に、宅地需要の今後の問題について二、三お伺いをしておくんですが、建設省においては三月二十五日ですか、第二次宅地需給長期見通しというのを発表なさっておりますが、その概要を御説明願えますか。
#90
○政府委員(清水達雄君) 宅地需給長期見通しにつきましては、いわゆる前の住宅建設五カ年計画を策定したときに、前期五年、後期五年の十年の長期見通しをつくりまして、今回新しい住宅建設五カ年計画の策定に際しまして、第二次の宅地需給長期見通しを今先生おっしゃいましたように、ことしの三月に策定したわけでございます。これは六十一年度を初年度とした十カ年間でございますが、これを前期、後期に分けておりまして、前期につきましては五万九千二百ヘクタール、後期については五万五千七百ヘクタールの需給見通しになっております。
 この需給見通しは、住宅建設五カ年計画の住宅建設の目標六百七十万戸、これに基づきまして、このうち新規に宅地を必要とする建設戸数三百四十六万戸でございますが、これに見合った需給見通しということになっているわけでございます。
#91
○大川清幸君 そこで、最近の公的宅地供給の実績で見てみますと、かなり努力はなさっているんでしょうが、なかなか困難な問題もあるようで、数字だけ見て物を言っちゃ悪いかもしらぬけれども、年次逓減してきているわけです。ですから、これは今回の計画、長期見通しはうまくいくんですかという聞き方は失礼なんですけれども、見通しはどうなんですか。
#92
○政府委員(清水達雄君) 最近におきましては、実績は大体五十九年度は一万八百ヘクタールでございますが、一万一千ヘクタール程度のところで大体横ばい的に推移しているわけでございます。例えば五十六年度から六十年度までの実績見込みを見てみますと、五万六千ヘクタールでございます。これに対しまして今度の新しい需給見通しの五年間分は五万九千二百ヘクタールでございますので、最近の実績に若干の上積みをするといった程度の需給見通しになっているわけでございます。
 また、この需給見通しをつくるに当たりましては、公的供給につきましてはできるだけ積み上げ的手法によっておりますし、民間につきましても計画開発などにつきましてはそういう手法で検討いたしておりますので、私どもとしては達成をしなければならない。また、いろいろな施策につきまして努力をいたしまして達成に努力したいというように思っております。
#93
○大川清幸君 六十一年度から向こう五年間で公的関連の供給、これは一万五千七百ヘクタール、年間に直すと三千百四十ヘクタールという勘定になるんですが、これは年次努力をしていただく以外にないんでしょうが、これの機関別そして事業手法別の内訳で言うとどういう状況になるんでしょうか。
#94
○政府委員(清水達雄君) 公的供給につきましては、大部分は工事完了を含む既着生地区につきまして、工事の進捗とか処分とかその見込みを踏まえて作成したものでございます。
 それで、機関別の内訳を申し上げますと、住宅・都市整備公団の都市開発部門が二千六百五十ヘクタール、それから住宅建設部門が六百二十ヘクタール、地域公団が四百五十ヘクタール、公共団体が二千八百ヘクタール、公共団体等の宅地開発部門が二千八百ヘクタール、それから公営住宅部門が千百八十ヘクタール、それから公共団体施行の土地区画整理が八千ヘクタール、合計一万五千七百ヘクタールというふうに見通しております。
#95
○大川清幸君 そこで、最近の宅地供給量の推移ですが、私の手元にある実績を見ましても、五十九年あたりは、公的供給二千九百ヘクタール、民間供給で七千九百ヘクタールというふうになっていまして、この表で言うと昭和四十七年がピークで、以下ずっとほとんど上がるチャンスがなくて減少し続けておるわけです。したがって、土地所有者というかの売却意欲の減退と見ていいのかどうかわかりませんが、幾つか要因があるのだろうと思うんですけれども、宅地供給のこういう実績から見て、過去の実績だけで物を言ってはいかぬかもしれぬが、この辺の要因ですね、主なものはどんなことが挙げられますか。
#96
○政府委員(清水達雄君) 昭和四十年代の半ばから後半といいますかにかけて、非常に大規模、大量な供給が行われたわけでございます。それに比べますと半分以下に減っているわけでございますが、最大の要因は、何と申しましても需要の問題だろうと思います。当時は住宅建設戸数にいたしましても年間百七十万戸、百八十万戸というふうな状況にあったのに対しまして、現在は百二十万戸台というふうなことになっているわけでございます。そういった住宅建設用の実需のほかに、当時はいわゆる仮需要と称された宅地需要も相当あった、そういうふうなことで需要要因というのがやっぱり一番大きいというふうに思います。
 それからもう一つは、これは供給事業者のサイドの問題でございまして、従前は、いわゆる地価上昇がありましたので金利を払って事業をやりましても事業がペイできた。ところが最近におきましては地価が住宅地についてはほとんど上がっておりません、二%とかというふうな状況でございますから金利分も出てこないというようなことで、採算をとって事業をやることが非常に困難になってきているという、両方の要因でこういうふうな停滞をしているというふうに考えております。
#97
○大川清幸君 ところで、宅地開発を促進するといいますか、宅地の供給量をふやす、地域によってはこれは必要なことですからその措置をとらなきゃならないんですが、都市計画との関連でいろいろ問題があると思いますが、宅地供給を、何といいますか年次逓減している実情から、やはりかなり上向きにこれをしていかないと住宅建設その他も進まないわけでございますので、この辺の対応の仕方では線引きその他の問題で幾つか手法があろうと思うんです。その点はどう考えますか。
#98
○政府委員(清水達雄君) 宅地供給を促進するためにはまず宅地供給の舞台となるいわゆる線引き
問題があるわけでございまして、したがいましてまず線引きの見直しの推進をやっております。これはかなり第二次見直しの効果も上がっておりますけれども、やるということ。それから開発許可制度の適切な運用ということが重要でございまして、昭和五十八年ですか、いわゆる市街化調整区域の計画開発の規模要件の引き下げを行いまして、これもかなりの程度効果が出てきております。それからさらに、先ほどの経済対策でも決めたわけですけれども、市街化調整区域の開発許可の基準の見直しもやろう。それから開発許可手続の簡素化、迅速化もやろう。それからさらに、開発事業にとりまして大変負担も大きくなっておりますし、また公共団体との調整も非常に問題が多くあります開発指導要綱、これにつきましては、自治省と共同いたしまして五十七年ごろからかなり一生懸命行き過ぎ是正をやっているわけでございますけれども、最近の調査結果によりますとかなり見直しの効果も上がっておりますが、なお引き続きその徹底を図るというような必要があると思っておりますし、それから、いわゆる調整区域等の開発許可がよりスムーズにいくために、昭和六十一年度からは優良計画開発事業の認定制度というふうなものをつくりまして、建設大臣に申請していただければ建設省が公共則体と調整しながらスムーズにいくように努力をするとか、等々のいろんな施策を総合的に講じて、宅地供給事業の円滑な推進に努めたいというように考えております。
#99
○大川清幸君 ところで、五十八年から第二回目の改定作業をずっと行っておりますね、都市計画に関連して各地方公共団体、地域で。これは、第二回の線引きの見直し等の実情はどうなっておりますか。
#100
○政府委員(牧野徹君) ただいまお話しのように、第二回目の見直しを鋭意進めておりますが、実情ということなので数字で申し上げますが、一応見直しをすべき都市計画区域が現時点では二百八十六あると思っておりますが、六十一年三月三十一日つまり六十年度末現在で、そのうち二百六が見直しを完了しております。つまり残っておるのが八十ということでございますが、この八十につきましてもできるだけ早く、ただいまいろいろ御議論のあったようなことの関係もございますので、なるべく早く終わるようにという指導をしておるところでございます。
#101
○大川清幸君 まだ八十拠点残っておるんですから最終的な結論はお伺いできませんが、この見直しの結果によって市街化区域は、二百六完了したところではどの程度になっているかおわかりになりますか。
#102
○政府委員(牧野徹君) まずトータルで申し上げますと、五万二千四百ヘクタールほど市街化区域及び保留フレーム、要するに市街化区域となるべきものは広まっております。御存じのように一発で市街化区域にする制度はこれは従来からありましたが、それ以外に、何度か御説明を申し上げておりますが、もう少し事業手法等が確実に具体化されたところで入れよう、しかしもうボリュームとしてはこれは入れるものだという保留フレームという制度をつくっておりますが、分けて申し上げますと、現実の市街化区域へ入れたものが二万五千七百ヘクタールほどございます。それから、後段で申し上げました保留フレーム分が二万六千七百ヘクタール弱ございまして、合計しますとさきに申し上げた五万二千四百ヘクタールほどになります。
#103
○大川清幸君 ところで大臣、先ほどからずっと論議をしてまいったんですが、確かに大都市の中心の商業地域なんかはえらい地価の高騰で、なかなか一般住宅あるいは公的住宅を建てるには困難だと。したがって、今お話がありましたように、ニュータウン構想の中で新たな改正をして職住近接ができれば、それぞれの地域でもかなり要望のあるところもあるようでございますし、宅地開発あるいは住宅建設等が活性化すれば内需拡大その他についてもかなり効果を上げることができるのではなかろうかと思います。
 今回せっかく法改正までして臨むわけでございますから、ぜひ効果の上がるような御努力をお願いしたいと思いますが、最後に建設大臣の御所見を聞いて、私の質問を終わりたいと思います。
#104
○国務大臣(江藤隆美君) 御意向のとおりでありまして、せっかくこれだけやったが家は建たなかったというのではお話になりません。したがいまして、やはり宅地を準備する、こういう一つの条件を整えて職住近接という条件を整えるということですが、もう一つはいわゆる住宅金融制度を並行して行っていく、これをやっぱり改正もしていかなきゃいかぬ。いわゆる融資対象、融資の金額、そういうことについてもう少し手厚い配慮が必要だと思います。今三千四百億ぐらいその利子補給をやっておると思いますが、もっと必要だろう。
 もう一つは、総理もしばしば申し上げてきました、抜本的な税制改正を住宅はやりたいと言ってきましたが、私どもも先月の二十四日に実は建設税制懇談会をスタートさせまして、私ども素人なもんですから、やはり長い間こうした建築関係の税制について勉強してこられた大学の先生ですとか、そういう専門家の皆さんにお集まりをいただいて、そして住宅税制についてひとつやってみよう。本当かうそかわかりませんが、ある人がきのう、アメリカの住宅減税は八兆円だと言っておりました。さあ本当かなとも思いますけれども、こっちは知らぬわけですから、うそだとも言えませんし、本当のような気もするし、ちょっと大げさなような気もしますが、しかしいずれにしてもよその国は思い切った住宅減税をやっていることには間違いがない。
 ですから、そう考えると私どもはやっぱり、ことし一生懸命やって三百九十億だったわけですから、そういうことじゃなくて、減税、融資、それからそういう職住近接の住宅地、これを相まって一緒に進めていくことによって目的を果たせるのじゃないかと思いますから、これを機会にひとつ総合的に取り組んでいこう、そういうふうに今準備も整えておるところでございます。
#105
○大川清幸君 終わります。
#106
○上田耕一郎君 新住法の一部改正問題に入る前に、ひとつマンション問題についてお伺いしたいと思います。
 マンション問題は衆参両院の建設委員会でも問題になってまいりましたが、そのうちの一つに瑕疵担保責任期間の問題があります。建設省は、建築工事瑕疵問題調査委員会をつくられて、五十八年三月にこの調査報告書が出ています。私今度、この質問をするので初めて実は知ったんですが、この調査報告書に基づいて研究会が中間報告を出しておられる。これを見ますと、ちょっと大変なんですな。
 この中間報告を見ると、瑕疵担保責任期間の延長は、いろいろ理由があって、これを延長するとだれに責任があるのかいろいろもめて、紛争がむしろ多発すると。それから、請負者の無過失責任とされているので、請負者側に負担が強くなり過ぎる等の問題点があるので、この期間延長を図ることは「現段階における問題解決策として適当ではなく」という中間報告で、「これに代わるより有効な消費者保護のための方策が検討されるべきである」ということになっているわけですね。私、大変驚きました。
 瑕疵担保責任期間の延長問題というのは、これにも書いてありますけれども、五十四年には行管庁の行政監察が出ている、それから住宅審の答申が出ている、それから国民生活審議会の報告が出ている。この報告では、民法どおりやっぱり十年にコンクリート建築物なんかはしろということまで書いてあるんですね。それから、五十五年三月には衆参両院の建設委員会の附帯決議がありまして、その七項目、これは宅建業法の改正ですね、「宅地建物に係る瑕疵担保期間の特約制限の実情に即した延長」を「検討すること」となっておりまして、渡辺建設大臣は「ただいま議決になりました附帯決議につきましても、その趣旨を十分に体して努力する」、そう述べているんです。
 これだけいろいろな意見が国会並びに住宅審などで出ているにもかかわらず、延長は適当でないという中間報告を出しているんですね。これは僕は本当に、例えば参議院建設委員会の附帯決議も無視されているものであると思うんですが、ここで書いてある「新たな制度」、一体何を考えているのか、また中間報告でなくて最終結論、これは一体いつまでに出すつもりなのか、お伺いしたいと思います。
#107
○政府委員(清水達雄君) 瑕疵担保責任期間の延長問題につきましては、売り主の場合とそれからいわゆる工事の請負契約における場合、売買契約の場合と工事の請負契約の場合と両方あるわけでございますが、昭和五十五年の宅地建物取引業法の改正に際しての住宅宅地審議会での議論は、いわゆる売買契約における瑕疵担保期間の問題だけ独立して議論をしても解決策はなかなか見出せないであろう、やはり建設工事の請負契約における瑕疵担保期間の問題と調整を図りながら検討をする必要がある、こういう趣旨だったわけでございます。
 そこで、建設省といたしましては、建設工事の請負契約における瑕疵担保期間の問題につきまして、先ほど先生がおっしゃいましたような研究会に検討を依頼したわけでございますが、そこでの中間的な結論といいますか中間報告が、今先生がおっしゃったようなことになっているわけでございまして、我が国におけるいわゆる裁判制度とか、いわゆる少額と言ってはちょっと語弊がありますが、少額のものまである民事紛争の解決手段というふうなものもなかなかいろいろ問題もある、こういう現状において、本当に瑕疵であるのかないのかといったふうな紛争ばかり多くなって、本当の消費者保護というか、解決につながるかどうか。むしろ消費者に対して、消費者の求めているものはその瑕疵が直るということでございますので、そういう長期保証制度みたいなもので実効を上げるということの方が消費者保護のために効果が上がるのではないかという趣旨の中間報告になっているというふうに、我々は理解しているわけでございます。
 したがって、じゃ長期保証制度としてはどういう制度が考えられるかということをもうちょっと検討する必要があるということで、これはこの中間報告を中央建設業審議会の法制小委員会に報告をいたしましたときそういうふうなことになりまして、それで長期保証制度ということになりますとこれは業界がやらなければならない事柄でございますので、業界も含めて建設工事の施工実態等も踏まえて検討する必要があるということで、現在、業界団体に委員会をつくって検討が行われているところでございます。建設省としては、私どもも参画をいたしまして、所要の指導といいますか、意見を申し上げるというふうなことはやっているわけでございまして、その結果を見て、また次にどういうふうにしようかということを考えたいというように思っているわけでございます。
#108
○上田耕一郎君 清水局長ね、住宅審の答申まで今ねじ曲げましたよ。答申にはこう書いてある。「購入者保護の見地から最短特約期間を延長すべきであると考えられるので、建設業者の施工上の瑕疵担保責任期間との調整を図りつつこれを延伸すること」と書いてある。あなたはこれを、検討することと今言い直した。これ、「延伸すること」というのは、延ばせということなんですよ、二年を。それを、検討することと書いてあると。これには、延長すべきだ、だから建設業者の施工上の責任期間との調整を図りつつ延ばせ、これが住宅審の答申じゃありませんか。
 住宅審の答申から、国会の附帯決議から、それから国民生活審議会の方のは法制化の検討までせよと書いてあるんですね。これを全部無視して、とにかく二年を延長しないんだ、別方向を考えるというのは、全体に対して公然と挑戦している。しかも僕は業者寄りだと思うんですね。今、業者側でやらせているというんでしょう。住宅審の答申まで「購入者保護の見地から」と言われていて、さまざまなところからこれだけ問題になっているのに、平然としてこういうことをやっている。
 それで私は大臣、これは重大問題なので、局長の考えはわかりましたからちょっと大臣のお考えをお伺いしたいんですけれども、こういう大事な中間報告、僕はこの問題を質問しますと言ったら、いろいろ聞いているうちにこういうものがあるということで出てきたので、こういうものは、建設省は非常にたくさんのお仕事をなさっているので膨大になると思いますけれども、こういう大事なものはやっぱり建設委員には、出てきたときには配付していただきたいと思うんですが、この二点について大臣のお考えを聞いておきたい。
#109
○政府委員(清水達雄君) 住宅宅地審議会の答申につきまして、私の検討するというのは間違いだという御指摘でございますが、ちょっと文章を読み上げてみますと、「宅地建物の売主である業者の瑕疵担保責任期間については、現在二年未満の特約を禁止しているが、瑕疵問題の発生の実態に照らし、購入者保護の見地から最短特約期間を延長すべきであると考えられるので、建設業者の施工上の瑕疵担保責任期間との調整を図りつつこれを延伸すること及び業者の契約上の補修責任の充実強化について検討すべきである」というふうに書いてございます。
#110
○国務大臣(江藤隆美君) 法律用語というのは部分部分をとって読みますとなかなか難しいものだと思いますが、いずれにしましても、やはりこれを利用する人々が恩恵をこうむって安心がいくという制度の改正にしなければいけないわけでありまして、幾ら法律をつくりましても、法は人を裁くとも人を治めずとも言いますから、結果的にはいわゆる人々がこれによって保護されるという制度を私どもは見つけるために全力を挙げていくべきであろうと思います。
 それから、資料等につきましては、必要に応じて配付するということも私は一つの方法であろうと思いますから、それはまたひとつ検討させていただきたいと思います。
#111
○上田耕一郎君 この問題は後でまたやりたいと思います。
 もう一つ大きな問題になってきた問題で、設計図書、竣工図、住宅性能保証書なんです。これを、今の瑕疵問題にも関連があるんだけれども、管理組合または各消費者に引き渡さない、渡してくれない。そうすると、なかなか建てかえのときにも修繕のときにも困ると。家電製品なんかを買うと、取扱説明書から保証書から修理等の連絡先、いろんなものがついているんですね。ところが、マンションという一生に一度の大きな買い物をするときに、きちんとしたものがついていないということがあります。これも何回か問題になってきました。
 建設省の説明をお伺いすると、一つは五十一年十二月に通達を出してあるというんですね。それは、工事竣工図などの関係図書を閲覧できるようにしておけ、管理事務所その他で。こういう通達なんです。これは十年前です。ここにもう一つ、行管庁の分譲マンションに関する行政監察結果に基づく勧告というのがあります。これを見ると、マンションというのはなかなか青田売りが多いということなども書かれていて、それでこういう物件説明書の交付を受けていない者がかなりある、これはなかなか問題があるということを指摘されているんです。
 やはり十年前のこの通達だけでなく、こういう設計図書、竣工図、住宅性能保証書、建築確認書、業者リストなどなどを管理組合、それから消費者に個別に引き渡すような、閲覧させるというだけでなくて、そういう措置を行政指導することが重要になってきているし、さらにはこれを例えば宅建業法の三十七条を改正して法制的に義務づけるということなども必要になってきているんじゃないかと思うんですが、御意見をお伺いします。
#112
○政府委員(清水達雄君) 現行制度におきましては、マンションの販売時における重要事項説明に際しまして、建物の構造、設備、仕上げ等につき
まして購入者が理解しやすいよう具体的に記載して説明するということと、それから契約締結時には重要事項説明時に説明した当該事項を表示した図書を交付することということになっているわけでございますけれども、いわゆる設計図書でありますとか、それから工事竣工図といったふうなものにつきましては、大変膨大なものでございまして、これをそれぞれの購入者に交付するということは、費用も相当かかると思いますし、なかなか現実的でないというようなことから、マンションの管理事務所等において閲覧できるように指導する、こういうことになっているわけでございます。
 したがいまして、この重要事項説明の内容あるいはそれの書面での交付ということにつきましては、当然これは守らせなければいけませんので、私どもとしても遵守方の指導につきましては努力をしたいというふうに思っておりますが、設計図書とか竣工図とかいったものにつきましては、現在のようなやり方でやむを得ないのかなというふうな感じがいたしております。
#113
○上田耕一郎君 消費者個人はじゃ別としても、管理組合には引き渡す必要があるんじゃないでしょうか。
#114
○政府委員(清水達雄君) 管理事務所等で閲覧できるようにということでございますので、管理組合も大体同じようなところにあると思いますので、実際上の不便はないのではないかというふうに思うわけでございます。
#115
○上田耕一郎君 これはしかし実際にはかなり要望が出ていまして、こういうマンション関係の水その他にもいろいろ出ているので、これはひとつさらに検討していただきたいと思います。
 それから、マンション問題であと一つ自治省にお伺いしたいんですが、固定資産税問題で、これもいろいろ要望が出ていまして、一般の住宅地だと、通り抜けのできる私道ですね、こういうものは減免したりしている。マンションの道路はそうでないわけですね。大阪の吹田市では昭和五十六年から是正して、マンションでも公衆用に使用できる土地の評価を二分の一にしているという実例があるわけです。道路とか児童、子供の遊ぶプレーロット部分、この固定資産税の減免だとか、あるいは集会所、共同施設などの非課税、減免制など、こういうことはできるようにすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#116
○説明員(佐野徹治君) 民間分譲マンションの団地の敷地内におきます遊び場だとか集会所だとか私道だとか、こういう問題につきましてのお尋ねでございますが、これらにつきましては、通常は専ら団地内の特定の人たちが利用する、こういう施設でございまして、一般的には非課税措置であるとかその他の特別措置というものを講ずるのは、これは適当ではないのじゃないかと考えております。
 今御指摘ございましたそれぞれの市町村の運用の問題につきましては、その施設の使用の実態等につきましては詳細は承知をしておりませんけれども、具体的な減免の適用につきましてはその地域の実情に応じて判断される事項でございますので、基本的には地方団体の自主的な判断にゆだねておるところでございます。
#117
○上田耕一郎君 新住法一部改正問題に移りたいんですが、新注法そのものについては、これが制定される際、私どもはこれは大企業のためのベッドタウンづくりになる、例えばイギリスのような職住近接の近代的な都市づくり、住宅団地づくりにはなっていないという問題、それから立てかえ施行その他で地方財政にかなり大きな負担がかかるという問題などを挙げまして、私どもは反対いたしました。
 今度この改正で職住近接ということを入れてきたわけで、むしろ私どもの当初の指摘が当たっていたということも言えるんですけれども、しかし必ずしもそうではないと思います。きょうも先ほどからの審議をずっと聞いておりますと、千葉ニュータウンが一番大きな例ですけれども、さまざまなニュータウンで大きな売れ残りができ、計画変更まで余儀なくされた。そのためにその後始末として企業誘致が持ち出されているという感じがしてならないわけです。それで、特定業務施設を立地させられるようにする。それから準工業地域に用途地域の変更をやれるようにするというわけでしょう。
 私の近くの多摩ニュータウンなんかを考えればよくわかるんだけれども、あそこはとにかく大きな住宅のタウンとしてできているわけですね。さあそこに、今度新しく準工業地域にして何か引っ張ってくるんだと。それも、後追い的になりますわな。千葉ニュータウンでもそうだし、それから私どもいつか見に行きましたけれども、高蔵寺ニュータウン、あそこも見ました。それから愛知では桃花台のニュータウンなんかも問題になっているんだけれども、じゃそこへどういうものを引っ張ってくるかということが、これがなかなか問題になるわけだ。事業主体が公募して選ぶ等というんだけれども、一体そこにどういう種類の工場、研究所等々を立地させるのかということが、後追い的に後からやるので、そこの選定というのは非常に大事だと思うんですよ。最初からマスタープランにないものを、先ほど局長は考え方が変わってきたのだという答弁をされたけれども、途中で後始末的に変えた考えでやむを得ずやるときに、何を引っ張ってくるのかということが非常に問題になるわけです。
 日経の報道によりますと、多摩ニュータウンについて、公団はもう既にコンピューター関連メーカーを誘致するというので、引き合いが多数来ていると言っておると。この法律改正になる前にもういろいろやっているわけですな。いろいろハイテク産業その他のコンピューター関連メーカーの誘致などが、新聞じゃもう既に報道されているわけだ。一体どういうマスタープラン、事業主体は東京都、住都公団、それから供給公社といろいろあるわけでしょう。それが自分の所有地にそれを誘致しようとするときに、ばらばらばらばらやっていたら、全体としての統一性とか構想なんというのはどうなってくるかということになる。後追い的にこういう法律改正をやって、しかも何が来るかわからぬ、来てみたらますますいろんな問題が起きてくるというのでは、大変な問題になるのじゃないかと思うんですね。
 この点について、どういう方針でおやりになるのかお伺いします。
#118
○政府委員(清水達雄君) 先ほど来御答弁申し上げておりますように、いわゆるベッドタウンだけじゃなくて、働く、学ぶ、憩うといったふうな複合的な機能を持った街づくりの方が居住者にとっていわゆる健全な生活が営める、健全な市街地になる、こういうことのために改正をお願いしているわけでございますけれども、具体的にどういう施設が入るかということにつきましては、具体的にどういう施設あるいはどの程度の規模ということ等につきましては、具体の開発事業地区の状況によってそれぞれ適切に判断されるべきものだというふうに思っております。
 したがいまして、この法律改正ができますれば、各事業主体におきましてそれらのところを勘案して検討した上で見直しをするものはする、こういうことになると思うのですけれども、これは当然、都市計画の変更手続でありますとか、あるいは新住宅市街地開発法に基づく事業計画の変更手続、あるいは施行計画、それから最終的にはいわゆる処分計画ということで、この処分計画については建設大臣の承認も必要だというようなことでございますので、幾つもの段階で具体化をしチェックがされていくものでございますので、いわゆる良好な居住環境を保ちつつその地区にとって望ましい適切な機能というふうなものが導入されるならされるように、十分運用はできるというふうに考えております。
#119
○上田耕一郎君 そういうきれいな抽象的なことばかり言ったって、解決しないんですよ。
 私はここでも取り上げたけれども、去年の五月に国土庁は首都改造計画を発表したでしょう。あれには業務核都市といって、それから日野とか多
摩とか、あの地域についての大都市産業、ハイテク産業を首都圏に集中するという言葉があって、私ここで追及して、大都市産業確立というのは誤解があるので言葉を変えますといって局長が答えたぐらいなんです。ああいうものを国土庁が発表をして、ことしの秋には四全総ができるというのだけれども、もう既に例えば東京都では多摩川流域に多摩ハイテクリバーという構想をつくって発表しているんですよ。多摩川流域に富士通、日本電気、東芝などのエレクトロニクスメーカーの工場や関連企業が集積している、それで多摩川流域を多摩ハイテクリバーにするというのが東京都の構想です。
 それから国土庁は、これも新聞発表だけれども、東京湾西部再開発、九つのゾーンに分ける、多摩川リバーサイドゾーン、多摩川沿いの景観回復、住宅とハイテク研究開発施設との複合市街地の形成などと書かれておりまして、局長は御存じなくとも、財界は、東京都とか国土庁とか、そういうところといろいろ関連しながら、やっぱり多摩川流域をハイテク産業集中でいろいろやろうとしているんです。アメリカのハイテク産業の集中の場所でも、新しい公害なんかが発生していましてね。これは財界がねらっているんですよ。
 そうすると、先ほどのような、マスタープランもない、ばらばら、事業主体が、今の局長の話だって個々に出てきたときに判断すると。それは結局、場当たりの判断でやるんです。じゃ本当に住民の声を取り入れるかというと、今までの長い経験からいって、ほとんど住民の声は取り上げられないで、財界など声の強いものが取り上げられていく。こういう新しい新住法の改正なるものが、私どもが非常に心配している、大企業のために環境を犠牲にする、住民の意思をも無視されるということにならない保証というのは一体どこにあるのか、その保証があるかどうか、大臣いかがですか。
#120
○国務大臣(江藤隆美君) 私、上田さんの意見は大変立派だと思うんですが、少し気に入らぬのは二言目にはすぐ大企業大企業と言われるので、まあそれは口癖ですからやむを得ぬでしょうけれども、何もあなた、大企業のために新住法をやりはしませんよ。しかも、こんなところへ大企業が何を設けますか。そんなことを考えぬで、もっと素直に見ていただいたらいいと思うんです。
 やっぱり、住宅に困窮してみんながひいひい言っておるときに、とにもかくにも、いろんなことはあるけれどもひとつ住宅を提供しよう、宅地を提供しようといって制度がスタートしてきた。そして二十数年のいろんな歴史を経て、社会状況も変わってきた。車を持たなかった人も持つようになったし、テレビのなかった人も持つようになったし、大学に行けぬ家庭も皆大学に子供たちが行けるようになった時代です、やっぱり変わってきた世の中ですので、それに沿ってこれからやっていこうということで、こういう計画があるから財界がもうかる――私、財界を見ていますけれど、財界の偉い人と言いますけれども、あの人たちがそんな自分でポケットマネーを持ってやるだけの力が今ありますかね、みんなサラリーマンですよ、あの人たちも。むしろ今は中小企業のおとっつあんたちの方が何ぼか金を持っていますよ。私はそう思います。昔の財界ともう全く今は変わったと私は見るべきだろうと思う。
 しかも、一つのハイテク産業が仮にそこに入ったとしましても、共産党は出ていけなんということは言わないですよ、思想信条の自由ですから。皆さんの、あなたのポスターも私の周辺にたくさん張ってあるけれども、そんな人たちでもやっぱり、気に入らぬでも働いていいんですよ、それはみんな。みんな働きましょうと。おのおの自分の信ずる道はありましょうけれども、そんなことによって差別をしたりせずに、大企業とか労働者とか言わずに、今は国は赤字でもみんな国民は豊かになって蓄えのある黒字の時代ですが、だんだん私は、そういうことで一つ一つやっぱり足らないところは補って手直しをしていかなければならぬ。企業が立地しなかったらそれは月給が上がらぬじゃないですか。そんなあなた、今までのように豆腐売りやら魚売りばっかりしておったってそれは所得は上がりませんよ。やっぱりハイテク産業をやるとかいろんな付加価値の高いものをやることによって私は労働者も報われ、国全体も豊かになると思うのであります。
 こういうこともそういういいことをしようと思ってやるわけですから、いいことをしやすいようにまたいろいろと御意見を賜ると大変ありがたいと思いますから、よろしくひとつお願いをいたします。
#121
○上田耕一郎君 江藤大臣から論争を吹っかけられたので私も一言予定外のことを言わなきゃなりませんけれど、赤旗を引用するとあれですから日経ビジネスを少し引用しておきます。
 日経ビジネスというこれは日本経済新聞の出している雑誌ですが、その一月二十日号に「世界最大の債権国日本の実態」という特集が数十ページあります。これには、内需拡大といったってままならない、ところが国民生活は非常に貧しい、そういう日本が何で世界一の債権国になっているのだろうか、こういう矛盾は戦後四十年続いた企業を強化する仕組みにあるのだということを数十ページ書いてあります。データを詳しく書いてあります。例えば経済成長の配分、企業と労働者への配分ね、これは西ドイツの三倍日本は企業に厚いという、フランスの二倍厚いというんです。そのくらい経済成長の実りを企業がどんどん取り込んでやっているわけですよ。この十年間に、二千四百数十社の資本金十億円以上の大企業の内部留保は、十八兆から五十一兆円、三倍になっているんです。そのかわり実質賃金は一一四ですよ。それが日本の実態なんです。
 だから、私が大企業と言うと、いや大企業だって大したことはないとおっしゃる大臣の認識をひとつ改めていただきたいという反論を、一言言っておきます。
 それで、余り時間がなくなってきちゃったんですが、今の問題ともかかわりがあるんですけれども、四月三十日付で、先ほども議論になりました、特殊法人についての小委員会の報告が出たわけですね。これは今後の住宅政策、都市政策に非常に大きな影響を与えるものだと思うんです。住都公団、それから公団自治協、それから団地サービス労働組合の三者は共同声明をすぐ発表して、これは公団を建てかえ公団化するものであり、再開発公団化するものだ、民営化は言葉はなくなったとしても、縮小、改悪だという、非常に強い厳しい共同声明を発表しました。
 これは、今の新住法の改正問題とも関連があるというのは、この報告書そのものにはこう書いてあるわけですね。「ニュータウン等新市街地における都市開発事業については、採算性が十分あり、かつ、緊要性が極めて高いことが明らかなものにつき行う」、一応やるということになっておる。私はここに、三月二十日付のこの小委員会の「個別対象法人についての主要検討事項(その三)」という文書のコピーを持っています。これには「ニュータウン等新市街地における基盤整備事業については、新規の土地取得を中止することの是非」という原案だったんです。行革審の小委員会は、もう新規のニュータウンは、都市整備公団は中止だ、さあどうだということになって、いろいろ議論があって、限定的にはやろうという、これが残ったんだと思うんですね。丸山総裁がうなずいている、頑張られたのかもしれません、また建設省も頑張ったのかもしれませんけれども、しかし全体として行革審が考えているのは、ニュータウンからの撤退なんですよ。そうすると、新住法をつくって、職住近接であなたのお好きな大企業がいろいろ来る、しかし、それについて一番ノーハウを持っている住都公団は撤退の方向に行くんですよ。あとは後始末でしょう。僕は、そういうことで、今度新住法を一部改正して、さあ職住近接ができる、準工業団地にできる、いろいろ始まるでしょう。これをだれが責任を持つのか。責任を持つ主体も本当に衰えていく懸念があるということを一言指摘しておきたいと思うんです。
 それで、もう余り時間もございませんので、丸山総裁がいらしておるのでぜひお聞きしたいんだけれども、賃貸住宅問題です。
 この報告書では、新規建設については二大都市圏に重点化するということになっている。それで建てかえ、立体化が中心だというんでしょう。丸山総裁は、朝日新聞のインタビューがございますけれども、朝日新聞のインタビュー、去年の十月二十二日で、建てかえ問題を重視される話をしておられます。「年間一万戸ぐらいのペースで建て替えを進めたい」、家賃は三倍ぐらいになる、こうおっしゃっておるわけですね。このインタビューでの総裁のお考えと、それから今度の報告書での建てかえ、立体化、これを中心にしていくという状況ですね。こういう方向に進むと、今の働く人々の間で公共賃貸住宅に対する要求というものはますます高まっていると思うんだけれども、そういう国民の要求に対して住都公団はこたえ得るのかどうか、ここら辺の問題について総裁のお考えをはっきりお伺いしたいと思います。
#122
○参考人(丸山良仁君) 時間もございませんから簡潔に申し上げますが、当公団の今後の進むべき方向といたしましては、まず第一に良質な賃貸住宅の供給であります。それから二番目は今御審議になっておられますような宅地の開発の問題であります。それから三番目は都市の再開発であります。それから四番目は都市の再開発並びに宅地の開発に関連のある分譲住宅の建設であります。それから最後が、今お話のございました既存賃貸住宅の建てかえでございます。この五つの柱を中心にいたしまして政策を進めてまいりたい、このように考えているわけでございまして、新たな賃貸住宅から撤退するという考えは全くありません。
#123
○上田耕一郎君 今の決意はしっかり受けとめて聞きました。
 それで、建てかえ問題ですね。総裁は、家賃は三倍になると言われた。確かに六十年、七十年もつ住宅を例えば二十年で建てかえちゃうと、あと償却が残っていますわな。建てかえた分に、これは敷地の借り賃は入らないにしても、またそれに加わりますわな。家賃が三倍になっちゃうわけですね。これは大変な負担だと思うんです。しかも、今度の報告書には「円滑な実施に資するため、必要な法制上の整備」と書いてある。そうすると、建てかえを円滑に進めるための法制上の整備というと、マンションの場合には五分の四の賛成でということにしたんですけれども、そういう関係の、借地・借家法の改悪ともかかわりがあるのかもしれぬけれども、住都公団の建てかえについて反対する人を多数決で抑えるようなこと、あるいは実際上追い出しになるようなこと、それからまた建てかえ後の家賃の、あなたが三倍と言われた家賃の算定根拠をどうするか、こういうことについての法制上の整備などが含まれることになるのではないかと思いますけれども、この点いかがでしょう。
#124
○参考人(丸山良仁君) 三十年前に建てられました家を、規模も大きくし、設備も立派にし、新しくするわけでございますから、家賃は大体三倍ぐらいになると思います。これは、厳密にはその場所場所によって、どういう住宅を建てるかによって違いますが、大ざっぱに申しましてそういうことになると思います。しかしながら、そういうことになりますと、今お入りいただいている方々の家賃負担が急にふえるわけでございますから、これにつきましては、現在のところ、七年間で新しい家賃になるように激変緩和の措置を講じたいと考えております。
 なお、新たな住宅にお入りにならなくて、家賃が上がるから古い住宅に住んでいたいという方につきましては、現在私どもが考えておりますのは、三十年代の住宅を建てかえるわけでございますから四十年代の住宅にお入りいただくようにいたしたいと考えております。そういたしますとそれほど家賃は上がりませんが、それでも家賃が上がりました場合には、五年間について減額措置を講じてまいりたい、このように考えているわけでございます。
 それから法制上の整備でございますが、ようやくことしから建てかえに入るわけでございますから、我々は誠心誠意、入居者の方に御理解と御協力を得るように努力する考えでございます。したがいまして、当面直ちに法制上の検討を建設省にお願いする考えは公団としては持っておりませんが、これからの事業の進捗状況に応じましては、その必要が生じた場合にはお願いいたしたいと考えております。
#125
○上田耕一郎君 あと一問この問題でお伺いしたいんですが、この報告書にはこう書いてある。「既存賃貸住宅のうち、都心部に立地するもので都市整備の観点から住宅以外の用途への高度利用が適切なものについては、民間活力の導入を図るものとする」、そう書いてありました。それから、三月二十日の文書では、「当該敷地の民間への売却を図ることの是非」という言葉もあったわけです。こうしますと、中曽根首相のお気に入りの民間活力の導入ということで、都心の住都公団の団地ですね、これは非常に便利なところは高層化して、少し余裕の出た土地は民間に売り渡してオフィスビルを建てよう。先ほど申しました国土庁の首都改造計画では、西暦二千年までに必要な業務の床面積五千ヘクタール、超高層ビル二百五十棟必要だと書いてあるんですね。そうするとこれは、建物が老朽化しているからといって、つまり企業の事務所ビルに住都公団の便利なものは民活導入でやっていくということにならざるを得ないというようにしか読めないんです。
 これは住都公団の目的から大きく外れたことになると思うんですけれども、この点について総裁とそれから大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#126
○参考人(丸山良仁君) 都心部にございます既存賃貸住宅の建てかえにつきましては、原則としては、やはり立地条件のいいところにございますから、賃貸住宅に建てかえたいと考えております。しかしながら、その土地の立地条件によりましては、住宅よりもその他のものに使った方が効率的な場合があり得ると思うわけでございます。その場合には、住宅以外のものになり得る場合もありますし、民間活力を導入する場合もあると存じますが、いずれにいたしましても、居住者が住んでおられる問題でございますから、その点につきましては具体的な事例について個々に慎重な検討をする必要があると考えております。
#127
○国務大臣(江藤隆美君) 私は、住都公団というのは六十六万戸の大家主でありまして、これは世界一の大家主ではないかと思っております。七千億からの収入があるわけですから、日本の、あなたが大好きな言葉の大企業よりか、むっと大きなこれは大企業の社長以上の総裁でありまして、よほど性根を入れてかからぬとそれこそえらいことになると私は思っております。それだけにやはり住都公団のこれからの役割、責任というのは極めて大きい。
 中にはやっぱり、三十年前のことにかかわらず、あの当時は貧しくてやっとウサギ小屋に入ってそれこそ家族じゅう抱き合って喜んだ人たちも三十年たてばあるいは子供も成長するし所得も大きくなるし、わずか何千円の家賃じゃなくて三倍になっても負担し切れる者が私は出てくると思うんです。そういう人たちはもっといいものに建てかえてやる、決してそれは悪いことじゃない。
 竹橋のところに、どこのか知りませんが、東京都のかどこかの腐れかかったビルがありますが、こんなところに何で住宅アパートなんかあるんだと思うんですよ。知りませんか、あそこ、高速道路のわき。あれはどこのかな――大蔵省が、大蔵省じゃ悪く言っちゃいかぬな。大蔵省とは意外だったな。私はあそこを通るたびに、こんな腐れかかったアパートを何でこんなところに置いておくのだろうと思うんですよ。ですから、そういうものは潔く撤去して、あなたがおっしゃったように五千ヘクタールのサンシャインビルの二百五十棟分が必要だ、金融、証券のまさに中心になった日本にこれほどビル需要があるから一億二千万もの地価が出ておるわけですから、やっぱりそういう
ものは一番必要なものに利用していくということについては私はちゅうちょすることなく決断をしてやっていくべきだ。しかし、そういうことについて一々、いやしくも人々から疑惑を受けるようなことがあってはいかぬ。あってはいかぬけれども、やはりこれだけの狭い土地ですから、最も有効に利用していくということについては、私は勇気を持ってやっていっていいことであろう、こういうふうに思っております。
#128
○上田耕一郎君 今大臣は、世界一の大企業で大家主だとおっしゃった。これには要員の合理化、「住宅供給量の大幅な縮減及び将来の事業の見通しを勘案し、要員の合理化等経営効率化を図るものとする」と。どうも行革審は、世界一の大家主を小さくしよう小さくしよう、撤退させようというふうにやっているんです。
 私はこういうものは絶対反対なんだけれども、大家主の責任者としての住都公団総裁、非常に重要な問題点に差しかかっておられると思うんです。あなたも大臣も大きな決意を持って、こういう行革審の国民の住宅要求を絞るような方向とは闘っていただきたいと思うんですが、最後に一言お二方からお伺いして、終わります。
#129
○国務大臣(江藤隆美君) 一生懸命、またやってまいります。
#130
○参考人(丸山良仁君) 国民のためになる住宅建設、都市政策の推進に全力を尽くす覚悟でございます。
    ―――――――――――――
#131
○委員長(小山一平君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、青木薪次君及び福田宏一君が委員を辞任され、その補欠として上野雄文君及び海江田鶴造君が選任されました。
    ―――――――――――――
#132
○山田勇君 新住宅市街地開発法は健全な市街地の形成と国民の居住水準の向上に大きく貢献してきたとうたわれておりますが、近年の地域整備上の要請は魅力的な街づくりとか職住近接とかに向けられており、今回の一部法改正もこれらの状況に対応するためでありますが、その目指すものは何なのか、また具体的にどのような街づくりであるのかを御説明願いたいと思います。
#133
○政府委員(清水達雄君) 新住宅市街地開発法は、昭和三十八年に、健全な住宅市街地の開発と住宅に困窮する国民のための居住環境の良好な住宅地の大規模な供給を図るという目的で制定されまして、自来、健全な住宅市街地の形成と居住水準の向上に大きく貢献してきたというふうに考えております。
 しかしながら、近年、地域整備上の要請に即しまして魅力的な街づくりを行うということが地方公共団体等によって求められておりますし、それから住宅の近くに雇用の場が欲しいという居住者の要望も強まるというふうな、状況の変化が見られているわけでございます。したがいまして、このような状況に対処いたしまして、真に時代の要請に応じた活力ある総合的な街づくりができるように、施設立地の多様化、住区の規模要件の緩和、建築義務期間の延長といったふうな改正をお願いしたいということでございます。
#134
○山田勇君 複合的機能を有するニュータウン開発に関する懇談会によります報告の中で、「現在施行中である事業への適用」で「以上の改善の提言を行う事項に関しては、必要に応じ、現在施行中である新住宅市街地開発事業についても適用される」。先ほど来大川委員の方からも、このような問題が出ております。
 住宅建設、施設建設においても二年を三年あるいは五年に延ばされることになっていますが、これについても今回の改正で適用されるのかどうかお尋ねいたします。
#135
○政府委員(清水達雄君) 今回の改正法は、現在施行中の事業にも適用されます。したがいまして、先生御指摘の建築義務期間の延長につきましても施行中の事業に適用されるわけでございます。
 なお、若干細かいことになりますが、適用に当たりましては、現行法に従って既に建築を行った方々との均衡を考慮いたしまして、この改正法の施行の日より前に既に譲渡契約が締結されている場合には従来どおり二年の建築義務期間。それから改正法施行の日以降に宅地の譲渡契約が締結される場合には、この改正法が適用されまして、三年あるいは五年の建築義務期間になるということでございます。
#136
○山田勇君 住都公団にお尋ねをいたしますが、住宅市街地開発のために現在住宅宅地として保有されている未利用地、特に公団の未利用地については、会計検査院からも指摘されているところでありますが、それらの現在の状況、今後の処分計画についてどのように考えているのかお伺いしたいと思います。
 そして、国土庁の方にお尋ねをしておきます。最近の地価の高騰、特に商業地ですが、これらが都心部やそのほかの住培地の地価の高騰を招くおそれがあり、その兆候も出ています。これに対する対策は、先般国土庁、大蔵省の間で行われていますが、さらに国土法の見直しについてはどのように考えておられるのか、国土庁と住都公団にお尋ねをいたします。
#137
○参考人(台健君) 会計検査院から事業完了後長期間保有している造成宅地の処分ということで改善処置要求を受けたのは昨年昭和六十年の十二月三日でございましたが、それの内容は、総面積にいたしますと十六・六ヘクタールでございます。
 大きく分けて四つに分類できるわけでございますが、その一つは、公共事業関連の用地の代替用地として、これは公団だけでなしに公共団体の要請もございまして代替用地として保有しておるのが一つのグループでございます。これにつきましては約一・八ヘクタールあるわけでございますが、既にそのうち一ヘクタールは処分が済んでおります。残りの〇・八ヘクタールにつきましても、今年度中には公募に持ち込みたいというふうに考えております。
 第二のグループが、旧地権者、要するに用地を提供した人たちに対しまして新住法等によりまして特別分譲の道が開かれているわけでございますが、その用地として確保しておったわけでございますが、譲渡を受ける人たちの希望価格が非常に安うございまして、公団との調整に難航いたしたり、あるいは地権者のグループに特定分譲をする予定でおりますのが、そのグループの組織がなかなか生まれないというふうなこともございまして時間がかかったというグループでございます。これにつきましては約二・七ヘクタールございますが、既にそのうちの〇・五ヘクタールにつきましては処分が終わりまして、残りにつきましても今年度中に公募にまで持ち込みたいというふうに考えております。
 三番目のグループにつきましては、これは区画整理の場合に多いのでございますが、例えば換地の技術」の理由によって一画地が例えば非常に大きくなってしまう。面積を小さ目にしますと細長い旗ざおみたいな宅地になってしまいますので、技術的な理由で画地が大きくなってしまう等の理由で、分譲宅地として必ずしも適当でないというふうな土地が合計すると約五・七ヘクタールあったわけでございますが、そのうちの一部につきましては、これは〇・三ヘクタール程度でございますが既に処分いたしておりまして、残りにつきましても早期処分に向けまして用途変更等を含めまして努力いたしたいと考えております。
 それから第四番目のグループは、店舗用地あるいは幼稚園用地等として計画しておりましたのが、周辺に同種の施設等が立地いたしましてそのままの用途では必ずしも適当でないというグループでございまして、これは全体で約六・四ヘクタール程度あるわけでございますが、そのうちの約〇・七ヘクタールにつきましては既に処分いたしておりまして、残りにつきましても今年度中には処分に持ち込みたいというふうに考えております。
#138
○説明員(山崎皓一君) 最近、土地の値上がりというものは非常に安定をしておりまして、国土庁
が調べておりますところによりますと、昨年一年間で全国的には地価値上がり率は二・六%、特に住宅地をとりますと二・二%というふうに非常に安定したものになっているわけでございます。しかしながら、そういった中におきまして東京都だけは非常に際立った地価の上昇を示しておりまして、都心の千代田、中央、港区という三区の商業地の例をとりますと五三・六%という非常に高い値上がりを示しております。しかもそれは都心だけではなくて、これが周辺の住宅地等へも次第に波及していくような傾向が見られておりますことが懸念されますので、国土庁といたしましては、昨年来東京都と、有効な地価対策が何か講ぜられないかということで検討を進めてまいったわけでございます。
 その結果といたしまして、一つはやはり供給対策といたしまして、必要な事務所用地等の供給に努めることというのが一点挙げられております。それからもう一つは、投機的な土地取引を抑制するということがやはり必要ではないだろうか、こういう結論に達したわけでございまして、これにつきましては、当面値上がりが特に東京都において特徴的に見られるということを踏まえまして、東京都が条例におきまして現在特に国土法等によります届け出の対象になっておりません小口の土地取引について知事に届け出をするというような制度を制定するという方向で現在検討中と承知しております。
 そこで、国土法の改正を行うのかというお問いがあったわけでございますが、これにつきましては、当面は今申し上げましたように東京都の対応ということになっているわけでございますが、その際東京都の知事の方からも、国土法の改正についても検討してほしいという要請があったわけでございます。それから、それ以外にもそういうような要望もあるわけでございまして、私ども地価対策の観点から国土法についてどういう対応が可能かどうか現在検討しているところでございまして、今後各方面の御意見等を伺いながらその検討を早急に行っていきたいと思っています。
#139
○山田勇君 これは最後の質問になりますが、関西新空港の埋め立てのための土取りの跡地となる阪南丘陵の開発に、この新住法が改正後には適用されるということでございます。そこで、先ほど来大企業論が論議されておりましたが、現行の新住宅開発事業では約一万人の移住可能な規模以上の開発というふうにうたわれておりますが、新住法になりますと一万以下でもできるということになります。そうしますと、大企業優先とばかりは言えないと思います。
 というのは、先日各スーパーの懇談会に私出席しまして、今までのニュータウンですとやはり一万以上からの規模の世帯があります、ですからどうしても大きなスーパーがそういうところに立地をします、また入りますが、今回大阪府が計画しておりますこの土取りの跡の計画なんかを見ますと、九千世帯とか七千世帯といったようになりますと、大スーパーが入っても採算が合わないので、かえってむしろ中小企業のスーパー、零細のスーパーがそういう規模の単位で入っていける。そういう意味では中小企業、零細企業にとっては大変効果のある新住法であるというようなことを、スーパー懇談会でもお話を承りました。
 そこで、新住法が新しく施行された後、いろんな形で新しい開発が行われますが、特にこの大阪の開発について局長から構想等について御意見があればお伺いして、私の質問を終わります。
#140
○政府委員(清水達雄君) 阪南丘陵地区につきましては、先生おっしゃいましたように、関西新空港建設のための土取り跡地を活用して開発整備をするということでございまして、面積が約百七十ヘクタール、人口約九千人の良好な住宅市街地を建設しようという構想でございます。この開発につきましては、関西新空港の建設及び開港に伴う住宅宅地需要を受けとめるということとともに、あわせて今回の法改正を受けた特定業務施設用地の整備も行いまして、良好な街づくりの先導的な役割を果たすとともに地域整備の核となるよう、現在大阪府及び地元地方を中心として計画の最後の詰めが行われている段階でございます。
 建設省といたしましても、この事業が良好な住宅市街地の整備、それによる地域整備の推進ということになりますように、関係者の指導その他努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#141
○委員長(小山一平君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#142
○委員長(小山一平君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#143
○上田耕一郎君 私は、日本共産党を代表して、新住宅市街地開発法の一部を改正する法律案に対して、反対の討論を行います。
 元法である新住宅市街地開発法は、昭和三十八年に成立したものでありますが、大企業本位の高度成長政策の推進とそれに伴う大都市地域への大量の労働力集中、そのために必要となったベッドタウンづくりとして位置づけられたものであり、我が党は反対の態度を表明したのであります。産業が確立しており、かつ住宅市街地がつくられるという意味で、真の職住近接のニュータウンづくりとはほぼ遠い計画であり、当初から困難と矛盾が予想されていました。
 地方自治体の財政状況は、公共公益施設負担の急増などで危機的状態をつくり出し、団地お断りという状況にまで発展しました。計画中のニュータウンは、幾つかのところで人口の配置計画が予定に達せず、当初計画の変更を余儀なくされるほどで、その代表例である千葉ニュータウンなどは完全な失敗作と言って過言でないなどの結果をつくり出しました。
 今回の改正案は、職住近接を目指そうとして特定業務施設の導入をつけ加えておりますが、前に述べたように、これまでの失敗、誤りの後始末の対策となっているため、真の職住近接型の都市づくりとは言えず、根本的解決とはなり得ません。そればかりか、企業誘致を急ぐ余り、時には大企業寄りの優遇策だけが手厚く先行される可能性が強いのであります。その反面、今度は環境の悪化、破壊、住民生活への被害などという新たな問題をも生じかねないし、さらには地方自治体の財政問題にも影響を与えかねないのであります。
 ニュータウンづくりに対する我が党の政策は、より徹底した住民参加のもとで、計画段階から民主的な手続を踏んで、真の職住近接型の町づくりを進めることであることを主張し、私の反対討論を終わります。
#144
○委員長(小山一平君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#145
○委員長(小山一平君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 新住宅市街地開発法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#146
○委員長(小山一平君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、工藤君から発言を求められておりますので、これを許します。工藤君。
#147
○工藤万砂美君 私は、ただいま可決されました新住宅市街地開発法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
 新住宅市街地開発法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点に適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、新住宅市街地開発事業地内の準工業地域及び特定業務施設の配置については、良好な居住環境が確保されるよう十分配慮すること。
 二、複合的機能を有する魅力ある街づくりを行うため、住宅、公園、業務施設等が一体となって調和のとれた市街地を形成するよう努めること。
 三、宅地需要の動向に対応し、地方中核都市における公的宅地開発事業の推進に努めること。
 右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#148
○委員長(小山一平君) ただいま工藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#149
○委員長(小山一平君) 全会一教と認めます。よって、工藤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、江藤建設大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。江藤建設大臣。
#150
○国務大臣(江藤隆美君) 新住宅市街地開発法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことに深く感謝申し上げます。
 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努力してまいりますとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましても、その趣旨を十分に尊重し、今後の運用に万全を期してまいる所存でございます。
 ここに本法案の審議を終わるに際し、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。ありがとうございました。
#151
○委員長(小山一平君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#152
○委員長(小山一平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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