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1985/02/25 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 逓信委員会 第2号
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1985/02/25 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 逓信委員会 第2号

#1
第104回国会 逓信委員会 第2号
昭和六十一年二月二十五日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月二十二日
    辞任         補欠選任
     守住 有信君     亀井 久興君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大森  昭君
    理 事
                岡野  裕君
                長田 裕二君
                竹山  裕君
                片山 甚市君
    委 員
                志村 愛子君
                添田増太郎君
                西村 尚治君
                長谷川 信君
                宮田  輝君
                山内 一郎君
                大木 正吾君
                服部 信吾君
                山中 郁子君
   国務大臣
       郵政大臣     佐藤 文生君
   政府委員
       郵政政務次官   田名部匡省君
       郵政大臣官房長  中村 泰三君
       郵政大臣官房人
       事部長      櫻井 國臣君
       裕聖大臣官房経
       理部長      成川 富彦君
       郵政省郵務局長  高橋 幸男君
       郵政省貯金局長  塩谷  稔君
       郵政省簡易保険
       局長       二木  實君
       郵政省通信政策
       局長       奥山 雄材君
       郵政省電気通信
       局長       澤田 茂生君
       郵政省放送行政
       局長       森島 展一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        酒井 繁次君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に
 関する調査
(派遣委員の報告)
 (郵政行政の基本施策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大森昭君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る一月二十二日、守住有信君が委員を辞任され、その補欠として亀井久興君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(大森昭君) 次に、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。
 まず、派遣委員の報告を聴取いたします。片山甚市君。
#4
○片山甚市君 私は、大森委員長、竹山理事、志村、添田、服部の各委員とともに、去る一月十六日から二日間、東海地方における逓信関係業務の実情調査を行いました。
 まず、静岡市においてNTT静岡電話局、NHK静岡放送局及び静岡県庁の防災施設等を視察した後、関係機関からそれぞれ所管業務の説明を聴取し、名古屋市においては名古屋郵便集中局及び三菱重工業名古屋航空機製作所を視察いたしましたが、以下、調査の概要を御報告いたします。
 初めに、郵便事業について申し上げます。
 当管内は、東海四県を管轄区域とし、面積、人口の全国比はそれぞれ七・七%、一一・四%を占めておりますが、昭和五十九年度の引受郵便物数は十五億一千七百三万通で全国の九・二%、また、郵便業務収入は一千七十二億円で全国の九・三%と、いずれも人口の全国比を下回っております。
 最近における郵便利用の動向を見ると、昭和五十六年一月の料金改定により、五十六年度は対前年度化五・三%減と落ち込んだ郵便物数も、その後回復に転じ、五十八年度に値上げ前の水準に達した後も増加傾向を続けております。特に、民間宅配業者の急激な進出により、毎年五%ないし一八%の大幅な減少が続いていた小包郵便物も、五十九年度は五年ぶりに対前年度比七・一%の増加を示し、その後も回復基調が定着しつつあります。これは、五九・二輸送システム改善によるスピードアップを中心とした各種サービス改善施策の推進及び積極的な営業活動の結果であります。
 本年度の郵便業務収入目標額は一千百億八千七百万円で、十二月末現在において、収入八百九十億円、達成率八〇・八%と、計画に対し一%、金額にして約十一億二千万円の増となっております。また、前年度同期に比べると五・二%の増収となっており、職員の全員参画による郵便需要拡大施策の成果があらわれつつあります。
 次に、郵便貯金事業について申し上げます。
 昭和五十九年度末における管内の郵便貯金現在高は十一兆九千二百四十二億円で、全国の一二・九%を占め、また同年度末の一人当たり郵便貯金現在高は八十四万七千円と、全国の七十万九千円をかなり上回っております。
 最近の郵便貯金の純増加状況は、昭和五十五年度の金利天井感により急増した一時期を除き伸び悩みの傾向にあり、この要因としては、家計可処分所得の伸び悩み、個人金融資産選択が多様化する中で、民間金融機関において高利回り商品が開発されたこと等が挙げられます。
 本年度の奨励状況は、十二月末現在、目標額一兆二子六百億円に対し、実績一兆六千億円、推進率一二七・五%であり、全国平均をやや上回る状況にあります。
 当局では、郵便貯金の一層の増強を図るため、オンラインを活用した給与預入、自動払い込み、キャッシュサービス等の新サービスの普及を中心に積極的な営業活動を展開しております。
 次に、簡易保険・郵便年金事業について申し上げます。
 昭和五十九年度末における管内の簡易保険の保有契約件数、保有契約高は六百二十三万一千件、八兆二千七百十四億円で、それぞれ全国の一一・六%、一一・四%を占めており、また、千人当たりの加入件数は四百六十五件で全国平均の四百五十二件を上回っております。
 最近の販売推進状況は、引き続き上昇気運にあり、六十年奨励年度においても新契約保険料六十八億一千三百万円、目標達成率一四一%で、全国平均の一二〇%を大きく上回り全国第四位の成績をおさめております。同年度が伸びた要因は、五十九年九月、民間保険に先駆けて実施された保険料の引き下げによるところが大きいと見られます。本年度は、名称も六十一営業年度と改め、一層活発な営業活動を展開しておりますが、昨年九月から新発売した生存保険金付養老保険、いわゆるナイスプランが非常に好評であり、順調に推移しております。
 郵便年金の販売状況も新郵便年金発売以来順調で、本営業年度においても、十二月末現在、目標年金額二十二億二千万円に対する推進率七七・九%で、全国平均の六〇・九%を大幅に上回り、全国第一位の成績で、前年に引き続き好調な推進が図られております。
 次に、郵政監察業務についてでありますが、当管内における昭和五十九年度の犯罪発覚件数は二百一件と、前年に比べ二十五件減少しております。これに対する検挙件数は百六件と、前年度に比べ十五件減少したものの、部内犯罪は十五件と増加しており、当局の郵政犯罪の未然防止施策にかかわらず、部内犯罪が後を絶たないことはまことに残念であります。郵政事業に対する国民の信頼をより高めるためにも、その根絶が望まれるところであります。
 次に、電気通信の概況について申し上げます。
 地域社会における電気通信の総合的な施策として、テレトピア構想が提唱されておりますが、昨年、当管内では静岡、高山及び豊田の三市がモデル都市に指定され、新たな都市づくりが計画されております。
 また、昨年四月、電気通信事業の自由化により新規参入が可能となり、現在当管内において十六社から第二種電気通信事業の届け出がなされており、その主な業務は運送関係企業グループにおける運送伝票、運送情報の伝送・交換、販売店とその取引先間、製造・卸売業者間の受発注データの伝送・交換などとなっております。さらに、当管内は、東京と大阪の中間という重要な位置にあることから、新規参入の第一種事業者による通信回線敷設工事が今年秋のサービス開始に向けて着々と進行しております。
 一方、電電公社は昨年四月、日本電信電話株式会社に改組されましたが、管内における加入電話の普及状況は、昭和六十年三月末現在四百七十一万加入、百人当たりの普及率は三四・五加入で、全国平均の三六・九加入をやや下回っております。
 収支状況は五十九年度四千七百六十億円の収益を上げ、収支差額は五百億円の黒字になっておりますが、収益の伸び率は年々鈍化してきており、これに対処するため、ファクシミリなど新サービスの普及、テレホンカードの販売等増収対策を積極的に推進するとともに、業務の見直しなどによる経費の節減に努力しております。
 次に、電波、放送の概況について申し上げます。
 当管内の放送はNHK及び民放十五社によって行われており、日夜多彩な番組を提供することにより地域文化の向上、社会経済の発展等、国民生活の向上に大きく寄与しております。
 テレビの難視聴対策についてでありますが、まず、辺地の難視聴解消は、NHKについては五十九年一月の放送衛星の打ち上げにより抜本的解消への道が開かれたものの、衛星の故障によっていまだ一チャンネルのみの試験放送の域にとどまっているほか、受信者の過重な経費負担の軽減策など解決すべき多くの課題に直面しており、BS2bの成功による放送内容の充実、受信アンテナの低廉化など一層の改善対策が望まれるところであります。また、民放については五十九年度末現在で十四万一千の難視聴世帯が残存することから、引き続き実情を踏まえて効果的な中継局の設置等を指導することにより解消を図ることとしております。
 なお、都市における受信障害については、近年、高層ビル、高架道路等に起因する難視聴地域が増加しており、この解消策としては主に有線テレビジョン放送施設が設置され、五十九年度末における施設数は千七百八十九、受信契約者数で二十五万六百五十二となっております。また、岡崎市には全国二番目の都市受信障害対策用のSHF帯を使用する中継局が設置されております。
 次に、管内の防災対策について申し上げます。
 東海地方は、静岡県を中心に地震対策強化地域に指定されている地域が多いところから災害対策には積極的に取り組んでおり、非常災害発生時における地上回線の途絶に備え、防災関係機関ではCS2用準ミリ波地球局の配置が進められております。
 NTTでは、主要都市間を結ぶ広帯域市外伝送路についてはマイクロ回線と同軸ケーブルを併用して、二ルート化、ループ化を完了しており、また、非常災害時の通信の確保に備えて災害応急復旧用無線局として名古屋ほか十三都市に基地局を、地方行政機関、地方公共団体に三百七十局の可搬型陸上移動局を配備しております。
 また、NHKでは、放送が災害時情報の伝達手段として極めて有効であることから、昨年緊急警報放送システムを導入し、九月一日から全地域での受信が可能となったこと等、非常災害時に即応する緊急報道体制の確立、各種災害に対する迅速、的確な放送の実施について鋭意整備を図っております。
 地方自治体につきましては、県庁と出先機関及び市町村を結ぶ防災行政無線網の整備は管内では昭和四十三年から開始され、四十九年には各県とも当初計画を完了しており、さらに、市町村が設置する防災行政無線についても静岡県が全国に先駆けて全市町村への設置を完了しているなど、東海地震の発生に備え全国の最先端を行く防災通信網の整備拡充が進められております。
 以上が調査の概要でありますが、最後に静岡県から、東海地震対策の万全を期するための防災情報システムの充実強化策として、一、ヘリコプターを中継局とする可搬型映像送信システムに用いる電波使用の認可。二、「緊急警報放送システム」の試験放送を「開始信号」についても実施できるように省令改正。三、「統合防災無線システム」の早期実現。四、防災行政無線網の市町村端末系をマルチ方式に移行させるに当たっての回線増の認可等四点の事項の実現について強い要望がありました。
 これらにつきましては、郵政省において十分検討の上、善処されることを期待いたしまして報告を終わります。
#5
○委員長(大森昭君) これをもって派遣委員の報告は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(大森昭君) 次に、郵政行政の基本施策について所信を聴取いたします。佐藤郵政大臣。
#7
○国務大臣(佐藤文生君) 先般の内閣改造に伴いまして郵政大臣を拝命しました佐藤文生でございます。
 大森委員長初め各委員の皆様方の今後の御指導をお願い申し上げます。
 所信表明を申し述べさしていただきます。
 逓信委員会の皆様には、平素から郵政行政の適切な運営につきまして格別の御尽力をいただき、ここに厚くお礼を申し上げます。
 この機会に所管業務の当面する諸問題について所信の一端を申し上げ、皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
 今日、郵政行政をめぐる環境は一段と厳しいものがありますが、私は先生方の御指導と御助言をいただきながら、私どもに課せられた重大な使命を遂行し、さらに一層国民の福祉の増進に努め、国民の皆様の御期待に沿うべく渾身の努力を傾けてまいる所存であります。
 以下、各分野について申し上げます。
 まず、郵便事業について申し上げます。
 今日、郵便は年間百六十六億通を超える利用があり、国民の基本的な通信手段として将来にわたって重要な役割を果たしていくものと考えております。現在郵便業務はおおむね順調に推移しており、今期年末年始におきましても年賀郵便の配達など円滑な運行を確保することができました。
 さて、昨年の通常国会で成立させていただきました郵便法の一部を改正する法律等により各種郵便サービスの改善を行ったほか、この夏からはくじ引き番号つきの暑中見舞いはがきを発行できることとなり、目下準備を進めているところであります。今後ともさらに時代の要請に即応したサービスを提供して需要の拡大に努めるとともに、効率化・合理化を推進して国民の信頼にこたえてまいる所存であります。
 今国会におきましても、郵便サービスを改善するなど、より一層お客様へのサービス向上を図る趣旨から、郵便法等の一部を改正する法律案を
提出することとしております。この法律案は、普通扱いの小包郵便物について損害賠償制度を創設するほか、簡易郵便局への委託事務の範囲に厚生年金保険の給付の支払いに関する事務を加えること、郵便切手類売りさばき所において郵便の利用上必要な物品を販売できるようにすることなどの改正を内容としておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、為替貯金事業について申し上げます。
 為替貯金事業は、国営事業として百余年にわたり貯蓄、送金、決済、年金・恩給等の取り扱いなど、広く国民の皆様に利用されてまいりました。
 郵便貯金資金は、昨年末百兆円に達し、財政投融資の主要な原資として社会資本の充実や国民の福祉の増進に大きく貢献しております。
 また、金利の自由化は急速に進展しておりますが、郵政省といたしましては国民利用者の立場に立つという観点を基本に据え、国民経済と利用者国民に及ぼす影響を考慮しつつ、円滑に進めていけるよう積極的かつ的確に対応してまいりたいと考えております。
 次に、昨今、少額貯蓄非課税制度のあり方について議論がありますが、今後とも限度額管理の適正化に一層努力し、少額貯蓄非課税制度を引き続き堅持してまいる所存であります。さらに、急速な高齢化により貯蓄がより一層重要になること等にかんがみ、国民の多様な要望に対応するとともに、豊かな長寿社会の建設に向け健全な資産形成に資するため、制度の改善とサービスの充実に努めてまいりたいと考えております。
 また、昭和六十一年度の行政改革の実施方針に基づき郵便貯金振興会の民間法人化を図ること等を内容とする郵便貯金法の一部を改正する法律案を今国会に提出することといたしておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、簡易保険・郵便年金事業について申し上げます。
 簡易保険・郵便年金事業は、創業以来、簡易に利用できる生命保険・個人年金を全国の郵便局を通じて、あまねく公平に普及することに努めてきており、現在、契約件数は五千五百万件を超え、国民の経済生活の安定と福祉の増進に大きく寄与しているところであります。また、その資金は二十八兆円に達しており、学校、道路、住宅等の建設など国民生活の身近な分野に活用され、経済の発展と暮らしの充実に生かされているところであります。
 現在、我が国は長寿社会の進展、生活様式の多様化など社会経済環境が大きく変化しており、今後生命保険、個人年金に対する期待は一層高まっていくものと考えております。
 本年、簡易保険事業は創業七十年、郵便年金事業は創業六十年を迎えますが、この記念すべき年を迎え、国営事業としての使命をより深く認識し、簡易保険・郵便年金の一層の普及を図るとともに、社会経済環境の変化に対応した新商品、新サービスの開発等制度の改善とサービスの向上に努め、もって事業に寄せられる国民の皆様の期待にこたえてまいる所存であります。
 そのための施策の一端として、当委員会で附帯決議をいただいておりますとともに、加入者を初め国民の皆様から久しく求められておりました簡易保険の加入限度額の引き上げ等を内容とする簡易生命保険法の一部を改正する法律案のほか、郵便年金について制度の改善を図るため郵便年金法の一部を改正する法律案を今国会に提出いたしておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 さて、郵政事業は人力に依存する度合いの極めて高い事業でありますので、その円滑な運営を図るためには、明るく活力に満ちた職場をつくることが必要であり、そのために積極的な努力を傾けてまいりますとともに、相互の信頼関係の樹立を基礎に、より安定した労使関係の確立にも努めてまいりたいと考えております。
 また、郵政犯罪の防止につきましては従来から省を挙げて努力してまいりましたが、郵政事業に対する国民の信頼にこたえるため、今後とも防犯意識の高揚と防犯体制の整備強化を図ってまいる所存であります。
 次に、電気通信行政について申し上げます。
 昨年四月一日、電電改革三法の施行により電電公社が民営化されるとともに、電気通信分野に競争原理が導入され、第一種及び第二種電気通信事業への新規参入が実現いたしましたが、今後は公正かつ有効な競争状態が確保され、活力ある電気通信市場の形成が図られるよう、新規参入事業者の育成策、料金についての基本的な考え方の策定、電気通信システムの安全性・信頼性対策等の推進に努めてまいる所存であります。
 また、各方面における電波利用に対する需要の増大に対応するため、電波を利用した各種のサービスの提供を容易にするとともに、電波の効率的な利用技術の開発を推進し、電波利用の促進を図ってまいる所存であります。
 さらに、相互主義により外国人等が開設できる無線局の範囲を拡大するとともに、海上人命安全条約附属書の一部改正の発効に備え、この条約の義務を履行するため電波法の一部を改正する法律案を今国会に提出いたしておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 ところで、電気通信分野における技術開発の重要性につきましては、当委員会においてもたびたび御指摘をいただいたところであります。
 このため、郵政省としましては、昨年十月一日に設立されました基盤技術研究促進センターの活用等によって民間における基礎的・基盤的技術研究の促進に寄与していくこととしております。特に、同センターの出資対象事業の主要プロジェクトとして、国際電気通信基礎技術研究所(仮称)の設立に向けて積極的な支援を行っているところであります。さらに、民間の資金や経営能力等を活用して地域の電気通信の高度化や電気通信技術の研究開発等国民経済の基盤の充実に資する各種施設の整備を促進することとし、このための所要の措置等を盛り込んだ法律案を関係各省の一括法案として今国会に提出すべく準備を進めておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 また、現在郵政省が中心となって推進しておりますテレトピア、未来型コミュニケーションモデル都市構想につきましては、モデル都市として昨年三十四地域を指定し、具体的なシステム構築に向けてスタートが切られたところであります。今後、本年度末を目途に、さらに全国土地域程度を二次指定する予定でございます。
 次に、宇宙通信につきましては、二年前に打ち上げられました放送衛星二号aは遺憾ながら幾つかの故障が発生いたしまして、その結果、現在NHKによりテレビジョン一チャンネルの試験放送が行われております。このため、二月十二日に打ち上げられました放送衛星二号bに対しましては、国民の方々を初め関係者の方々からも大きな期待が寄せられているところでありまして、放送衛星二号bの打ち上げにより、名実ともに実用放送衛星時代を迎えることができるよう万全を期してまいる所存であります。今後は、通信衛星三号を昭和六十二年度及び六十三年度に、放送衛星三号を昭和六十五年度及び六十六年度にそれぞれ打ち上げることといたしており、本年もそのための準備を引き続き進めてまいる所存であります。
 次に、電気通信分野における日米間の諸問題につきましては、先般の無線通信機器サービス分野に関する日米専門家会合及びワシントンで行われたMOSS会合の結果、最終的に決着するところとなり、日米共同報告においても、電気通信に関し、これまで提起された諸問題が実質的にすべて解決し、著しい成功をおさめたとの評価がなされたところであります。
 しかしながら、米国議会に提出されている保護主義的な電気通信関連法案の審議の動向については、なお予断を許さない状況にありますので、我が国関係業界とも連携を図りつつ、我が国の電気通信市場の開放性について、今後とも米国側に対し十分な理解を求めてまいりたいと考えております。
 次に、放送行政について申し上げます。
 放送メディアは、即時かつ同時に広範囲に、しかも経済的に情報伝達ができる代表的なマスメディアとして国民生活に不可欠な役割を果たし、
大きな影響力を有するものであります。
 今後、進展する高度情報社会においても、放送は情報伝達の基幹的な役割を果たしていくものでありまして、その健全な発達と最大限の普及が重要な課題であります。近時の急速な技術革新により衛星放送、多重放送、都市型CATV等いわゆる放送ニューメディアが実用に供されつつありまして、これと相まって、国民の放送に対する需要も多様化しております。
 このため、技術革新及び国民の放送需要に即応した適切な放送行政を推進してまいる考えであります。
 さらに、国際放送につきましても、その重要性にかんがみ、今後ともその充実に努めてまいる所存であります。
 また、かねてよりCATVの普及促進のための環境条件の整備、改善に積極的に取り組んできたところでありますが、CATVへの民間活力の一層の活用を図り、内需の拡大に寄与する等の観点から、有線テレビジョン放送の普及の促進のための関係法律の一部を改正する法律案(仮称)を今国会に提出すべく準備を進めているところでありますので、よろしくお願い申し上げます。
 以上、所管業務の当面の諸問題について所信の一端を申し述べましたが、その裏づけともなります昭和六十一年度予算案につきまして概略を御説明いたします。
 まず、一般会計でありますが、歳出予定額は二百四十二億円で、前年度予算額に対し三億円弱の減少となっております。この歳出予定額にはニューメディア及び先端技術の開発・振興と宇宙通信政策の推進に必要な経費を初め、電波資源の開発と利用秩序の維持など、多用化する情報社会と増加の著しい通信需要に対応した施策のほか、放送行政の推進、国際協調・国際協力の推進に必要な経費等を計上しております。
 次に、郵政事業特別会計でありますが、歳入・歳出とも予定額は四兆七千三百九十七億円で、前年度予算額に対し二千七百八十六億円の増加になっております。
 この歳出予定額におきましては、重要施策としております郵便サービスの改善と需要の拡大に必要な経費を初め、郵便貯金の推進、簡易保険・郵便年金の普及・推進に必要な経費、郵便局舎等施設の整備及び事業経営効率化のための機械化の推進に必要な施設費、その他所要の人件費などを計上いたしております。
 なお、郵便事業財政につきましては、昭和六十一年度単年度で四百三十三億円の欠損が見込まれております。
 以上が予算案の概略であります。
 委員各位におかれましては、郵政省所管業務の円滑な運営のために一層の御支援を賜りますようお願い申し上げます。
#8
○委員長(大森昭君) 以上で所信の聴取は終わりました。
 本件に関する質疑は後日に譲ることといたします。
 この際、田名部郵政政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。田名部郵政政務次官。
#9
○政府委員(田名部匡省君) 昨年十二月、郵政政務次官を拝命いたしました田名部匡省であります。
 大森委員長初め委員の諸先生方の御指導を賜り、大臣を補佐してまいる所存であります。そして郵政事業発展のために全力を尽くす所存でありますので、先生方の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げてごあいさつといたします。(拍手)
#10
○委員長(大森昭君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時三十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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