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1985/03/20 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 運輸委員会 第3号
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1985/03/20 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 運輸委員会 第3号

#1
第104回国会 運輸委員会 第3号
昭和六十一年三月二十日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月七日
    辞任         補欠選任
     添田増太郎君     藤田  栄君
     柳澤 錬造君     伊藤 郁男君
 三月十八日
    辞任         補欠選任
     小笠原貞子君     内藤  功君
 三月十九日
    辞任         補欠選任
     内藤  功君     小笠原貞子君
     伊藤 郁男君     柳澤 錬造君
 三月二十日
    辞任         補欠選任
    目黒今朝次郎君     穐山  篤君
     小笠原貞子君     内藤  功君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴岡  洋君
    理 事
                江島  淳君
                吉村 真事君
                安恒 良一君
                矢原 秀男君
    委 員
                梶原  清君
                倉田 寛之君
                高平 公友君
                内藤  健君
                藤田  栄君
                森田 重郎君
                山崎 竜男君
                穐山  篤君
                小柳  勇君
                内藤  功君
                柳澤 錬造君
                山田耕三郎君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  三塚  博君
   政府委員
       内閣審議官    中島 眞二君
       運輸大臣官房国
       有鉄道再建総括
       審議官      棚橋  泰君
       運輸大臣官房国
       有鉄道部長    丹羽  晟君
       運輸省運輸政策
       局長       粟林 貞一君
       運輸省国際運輸
       ・観光局長    仲田豊一郎君
       運輸省地域交通
       局長       服部 経治君
       運輸省海上技術
       安全局長     間野  忠君
       運輸省港湾局長  藤野 愼吾君
       運輸省航空局長  山田 隆英君
       運輸省航空局技
       術部長      大島 士郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        多田  稔君
   説明員
       運輸省航空事故
       調査委員会事務
       局長       藤冨 久司君
       労働省労働基準
       局監督課長    菊地 好司君
       日本国有鉄道総
       裁        杉浦 喬也君
       日本国有鉄道常
       務理事      岡田  宏君
       日本国有鉄道常
       務理事     山之内秀一郎君
       日本国有鉄道常
       務理事      澄田 信義君
       日本国有鉄道常
       務理事      前田喜代治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○運輸事情等に関する調査
 (運輸行政の基本施策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鶴岡洋君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 運輸行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○小柳勇君 運輸大臣に、先般の予算委員会の質問のあとの具体的な問題を御質問いたします。
 まず第一に、通告よりもちょっと順序を変えますが、余剰人員対策について政府が今努力していただいております。その現状について御報告を求めます。
#4
○政府委員(中島眞二君) 国鉄余剰人員雇用対策本部の事務局でございますが、余剰人員対策の現状について御報告を申し上げます。
 余剰人員対策につきまして、雇用の場の確保につきましては、六万一千人につきまして、公的部門で約三万人、それから国鉄関連企業で約二万一千人、それから一般産業界で一万人以上という目標を掲げておるわけでございますが、それぞれの部門別の今日までの採用の申し入れの状況を申し上げますと、まず公的部門の中で国家公務員につきましては、これは六十一年度の各省庁の採用数の一〇%以上に当たる数の国鉄職員を採用するということにいたしておりまして、各省庁の申し入れの数を現在合計いたしますと約千四百人ということになっておりまして、目標数を上回った数字となっております。
 それから特殊法人につきましては、これは六十一年度から六十五年度当初までの全体の数字でございますけれども、その申し入れ数は約一千名ということになっております。
 さらに地方公共団体につきましては、六十一年度からこれも六十五年度当初まででございますが、約四千四百人の申し入れが行われておりまして、公的部門全体では合計いたしますと約六千八百人の申し入れということになっております。去る十七日には、総理から地方六団体会長等に対して要請を行ったところでもございます。
 さらに国鉄関連企業につきましては、これは六十一年度から六十五年度当初まででございますが約二万一千人の目標数、これは確保いたした状況になっております。
 それから一般産業界につきましては、先月二十四日に総理から経済団体の首脳に対する要請を行いましたが、現在までのところ大手民鉄、民営バス等の運輸業界を中心にいたしまして申し入れがございまして、他との重複を除きまして、六十一年度から六十五年度当初まで約四千人の申し入れが行われております。去る十八日には、貨物流通業界関係から約六千七百名の申し入れがございます。ただこれは、国鉄関連企業なりあるいは他の部門との重複がございまして、現在精査中でございます。
 この貨物流通業界関係を除きまして、以上申し上げたものを合計いたしますと約三万一千人でございますけれども、貨物流通業界関係の方なお精査を必要といたしますが、約五千人はあると思いますので、全体としまして三万六千人程度の確保
が行われているという状況でございます。
#5
○小柳勇君 具体的に決定いたしましたのは六千人が確実のようでありますが、その他はまだこれからの予定ですね。
 余剰人員の対策について政府が誠意を持ってやっておられることは認めますが、その過程で、けさもテレビで言っていたが、例えば九州から大阪へ、あるいは北海道から東京へ多数の人が集団で地域異動するということ、それをもう募集を始めるということをテレビは放送していた。
 そこで運輸大臣に質問いたしますのは、あの監理委員会の答申でも真剣に訴えてあるのは、国鉄再建するにはやっぱり労使関係である、管理者と労働者が一体となって真剣に取り組まないと国鉄再建できないと。労使関係、非常に重大視するように書いてあります。
 ところが、国鉄の今日までのやり方の不手際など、国鉄内部に組合がたくさんあるが、一部組合はこの広域異動について団体交渉権がないということで公労委に提訴したという情報がある。私は先般も言ったように、たくさんの者を、三千人あるいは五千人の者を一括して地域的に異動するというようなものは、これは個別的な管理運営事項以上に、やっぱり労働組合があり、管理者が管理権を適用するときには、労使が一堂に会してよく話し合って、その上で円満に大筋を決めた上で個人個人の募集をする、これが筋ではないかと思うんです。でないと、個人個人の募集をして、これで集団で一括して持っていくというようなことについては、いま一歩労使関係を大事にするべきである、そう信じて疑いません。運輸大臣の見解をお聞きします。
#6
○国務大臣(三塚博君) これは小柳先生も全体展望を全部見られた上での労使の協調が重要なことであるという御指摘でありまして、そういうことについては私もいささかも異論を差し挟む気持ちもありませんし、基本的には一致であります。
 ただ問題は、今回の法律はまだこれから御審議をいただくべくお願いを申し上げておるわけでありますが、成立をいたすということに考えさしていただきますならば、六十二年四月という一応タイムスケジュールを政府は設けておりますさなかにおける雇用安定対策ということに相なりますと、かねがね申し上げておりますように、政治、制度の、また法律の決定に基づいて転換をいただくわけでございますから、一人といえども職を得られない、それで生活が脅かされるということだけは断じてこれは防いでいかなければなりませんし、きちっとこれは取り進めなければならぬ、こういう基本的な考え方の中で、国鉄にもかねがねこのことについてもお願いを申し上げておるわけです、万々の態勢で取り臨んでくれと。同時に、これは政治の決定で、法律の決定に基づいて進むことにかんがみまして、国家公務員グループを中心とした再就職のめどについては、政府の責任において三万人をめど、こういうことでありますが、私自身の気持ちは三万人以上という、こういう運輸大臣としては決意を持ってかねがねどの場面の会合でも申し上げておるわけです。
 そういう中でやらさしていただくわけでございますが、四万一千という異動をお願いを申し上げるメンバーからいいますと、北海道、九州はとても地域的経済状況からいって吸収しにくい、相当数がさばけぬ、お願いできない、地域内転職ができない、この現実が明確になりました以上、これに対する対応策を講ずることはやっぱり大事なことだなと、こんなふうに思いまして、このことを実は御相談も申し上げさしていただいたわけであります。
 総裁後ほど御答弁があろうと思いますが、総裁も従業員を預かる責任者という点で、まさに一人たりとも職を失わしめることはできない、こういう観点からかねがねの広域異動ということを御決定をいただいた。そのときの方針なども承らさしていただきまして、なるほど本人の希望をとりつつ、こういうことでまず第一弾としてやる。私はそのとき申し上げたんですが、教育上の問題、住宅上の問題、それは最大のポイントですよと申し上げましたら、それを、まず住宅を確保してスタートを切りたいと、こういうことでありまして、管理運営事項でありますと、最終的にそういうことで法令的にも違背がないと、こういうことであります。
 よって、前段の基本問題に移るわけでございますが、こういう大改革は特に労使協調という観点で取り組まれますことは非常に大事なポイントであります。同時に、その組合の一つの、あえて申し上げますと、国労を除きまして、千葉勤労あるいは全勤労、それぞれまだ強い姿勢におられるわけでありますが、その他の組合はこの危機的状況の中におけることで取り進めさしていただくと、そういう意味で理解を得られたという点では大変幸せなことだと私は思います。そういう点で国労の皆さんも国鉄当局と十二分にやはり話をされましてコンセンサスを得ますように、今後格段の双方ともに御努力を賜りたいものだと、こんなふうに思っておるところであります。ちょっと長くなりまして恐縮であります。
#7
○小柳勇君 法律がもう決まったかのように運輸大臣は言っておられますけれども、まだ法律は提案されただけです。
#8
○国務大臣(三塚博君) そうです。はい。
#9
○小柳勇君 それから九万三千名のこの余剰人員につきましても私ども納得できない。にもかかわりませず、一方的に集団移住をやられると。なぜもう一歩譲って、譲るというか、当たり前に労使で大筋を何回か会って話し合って、その上で各個人に、労使一体となって、組織、法的に許可された労働組合及び管理者が一体となって個人個人に説得をし、あるいは納得させると。でないと将来家庭的な悲劇もありましょうし、自殺者を生んだりなんかも予想される。
 したがいまして、国鉄総裁に質問したいが、先般もちょっと言いましたけれども、もう少し心の通う、いろいろあるかもしれぬが、大きな問題を組合が公労委に提訴するようなことがなくてこの大事業が達成できるように、いま一歩の愛情ある行政ができないかどうか、総裁に聞きたいんです。
#10
○説明員(杉浦喬也君) 今、小柳先生がおっしゃいますように、今大変なときでございますので、労使は一体となりましてこうした難しい問題に対処をしなければならないというふうに私も考えているところでございます。いろんな問題を抱えますので、当局からやや矢継ぎ早にいろんな提案を組合にしておるところでございまして、組合によりまして直ちに提案に応ずるところと、国労のように大変大きな組織のところにおきましては、内部のいろんな問題もあろうかと思います。直ちにそれに応じることができないというような状態等等、いろんな組合によって対応が違うわけでございますが、基本的には先生今おっしゃいましたような労使が一致団結してこの難局に向かうという姿勢が大事であるということは私も全く同感であるわけでございます。
 ただ、今申し上げましたように、これからの改革は一日も早く実行しないと最終的な国民へのツケが大きくなるばかりでございますので、そういう面で話し合いをするということと、なるべく早く改革を実行するということとのまあいわば調整といいますか、その辺が非常に悩みであるわけでございます。
 先般の広域異動の問題におきましても、各組合に十分に中身を話をいたしております。三組合は既に広域異動につきまして了解をいたしまして、労働条件の提案がございましたが、これは既に妥結いたしております。
 国労は、この問題の最初の入り口といいますか、その点につきまして異議があるということでございまして、団交の地位保全を求める仮処分申請を行ったようでございます。また、その仮処分申請をいたしました直後にこの広域異動に関する労働条件の問題につきまして具体的な提案を当局に持ってまいりまして、現在はその中身を一生懸命詰めておるところでございます。
 できるだけこうした広域異動の大変な問題につ
きましては、職員の気持ち、生活の安定ということを十分に考慮をしながら、組合の提案に対しましても誠意を持って取り組んでまいりたいというふうに思っておるところでございます。
#11
○小柳勇君 今各スタッフが見えておりますけれども、以前に増して何かかたいというのか、組合に対して強硬策をとっておるような気がしてならぬのでありますが、今総裁も団体交渉も申し入れておるとおっしゃいます。国労にも我々はいろいろ意見を聞き、悪いところは是正させます。したがいまして、できるならばこの集団的な広域移住については、少なくとも団体交渉が成立した後、個別的に希望をとるという線をお約束願いたいと思うんでありますが、いかがでございますか。
#12
○説明員(杉浦喬也君) 私どもの方も基本的なそのルールづくりにつきましては、本問題の考え方の基本は、それは管理運営事項が元であるというふうに思っておるわけでございますが、しかし何分にも広域的な異動に伴ういろんな問題があることも事実でございますので、誠意を持ちましてこれに当たっておるところでございまして、その期限、門限というものはそれを守っていただきたいというふうに思っておるところでございます。
#13
○小柳勇君 最後の点よくわかりませんが、管理運営事項だから押し切っていって、それを結果的に許してくれということですか、その逆ですか。例えば団体交渉が成立するために努力すると、その上で個人の署名をとるという、言うならば一般的な労使慣行、そういうものを尊重するということですか。
#14
○説明員(杉浦喬也君) 誠意を持って今当たっておるところでございますが、一応スタートの時点というものは私ども決めて考えております。そのスタートの時点に至るまでにそうした問題は解決できるというふうに思っておるところであります。
#15
○説明員(澄田信義君) 今の総裁の答弁に補足させていただきます。
 先ほど総裁が申し上げましたように、今回の広域異動はあくまでも御本人の御希望、希望を前提としておりまして、希望があった場合にその中から選んで広域異動をしてまいるということでございます。
 一方、労働条件の問題につきましては、先ほど来御説明ありますように、国労の方からもいろんな諸問題の提起がございましたので、ここのところ精力的に私ども誠心誠意団体交渉に当たっております。しかもそういった御本人の希望に基づく異動でございまして、宿舎等々の手当ては十分私どもいたしておりますし、他の三組合とは既に話がついておることでもございますし、募集自体につきましては所定の方針どおり本日から開始さしていただく傍ら、なおいろんな御要望につきましては今後とも協議は進めていくという姿勢でおりますので何とぞ御了承をお願いしたいと思います。
#16
○小柳勇君 総裁の答弁ならまあまあと思いましたけれども、出過ぎたそんな今の理事の答弁は納得できない。初めから個人が大阪や東京へ移住したいと、そんなものをまとめますというのならそれはわかる。ところが管理運営事項といって集団的に何千名、九州から三千あるいは北海道から四千、大阪や東京へ移住するということで一応大枠を決めた。それに今度は合うように個人の意見を聞こうとしている。だから私は言っているんですよ。初めから個人募集だけでやるならやって、そして結果的に何千名まとまりましたという話じゃないわけ。したがってそういうような広域移住などというものは、これは大変無理もあろうけれども自分たちは恐らくおれぬだろうと非常な煩悶しながら応募する者もあるであろう。だから大筋を決めるときに組合と話すのがなぜ悪い。その答弁は納得できない。また予算委員会の総括でやりましょう。
#17
○委員長(鶴岡洋君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#18
○委員長(鶴岡洋君) 速記を起こして。
#19
○小柳勇君 今の澄田理事の発言は納得できない。したがって、また予算委員会で問題にしよう。この問題は一応保留します。
 次は、長期債務の問題について質問いたします。
 長期債務の返済について、先般運輸大臣はまだ具体的に財政の問題など決まってないが法案を出すときにはこれを正確に提案するというお話がありました。もう一回答弁を求めます。
#20
○国務大臣(三塚博君) 基本的には予算委員会でも御答弁申し上げましたように三十七兆という転換時における処理しなければならない総額がございますと。これの仕分け、分類をさせていただきながら、最終的に十六兆七千は国の責任で処理をいたすと、こういうことに取り決めをいただいたわけであります。新事業体には総額十一兆と、こういうことになるわけでございますが、それは財産に見合うという意味でございまして、十六兆七千の処理は、雇用状況、いわゆる今御論議をいただきました余剰人員、言葉が余りこれ、余剰人員と言うと何か余った者と、こういう感じでよろしくないのでありますが、国鉄の持つまじめな人材を他産業に御活用いただく、こういう人材活用という意味で四万一千をこれは三年間と決めておりますから、ぜひ三年間で取り決めると、こういうことでありますし、それから二千六百ヘクタール余の非事業用地の処分による五兆八千程度、若干上回るようにしなけりゃならぬわけでありますが、これの処理状況、これは十カ年という大体計画年次で清算法人がお取り組みをいただくわけでございますが、それらをにらみつつ並行しながらこれに対応してまいる、こういうことでありまして、年次計画あるいは具体的にということでありますれば法案の御審議をいただきます段階でこれを明示をさせていただきながら方向づけをしてまいりたい。いずれにしましても閣議におきまして十六兆七千につきましては政府の責任において処理をいたすと明確にこれは宣言をいたしたわけでございますからその方向で進めてまいると、こういうことであります。
#21
○小柳勇君 私が言うまでもないことですが、この国鉄再建特別措置法は経営形態の効率的な運営をどうするかということ及び三十七兆円と言われる長期債務を処理する方途を具体的に決めなさいと、これが再建法の大きなねらいである。その第一の方の分割だけが先行して、長期債務の処理についてはまだ財源の処理、一体どこから金を持ってくるかはっきりしない。言うなら、この国鉄再建法なるもの、私ども再建法と考えてないが、国鉄法を出す前に長期債務の処理の具体的な方途を計画して、それを国民にちゃんと知らせながら、国鉄はこう改革しますというのが法律の趣旨である。にもかかわらず、今おっしゃったように長期債務の返済については、まだいろいろこれから決めてまいりますと。しかもそれを余剰人員対策の金にひっかけてまだ決まらぬとおっしゃることは納得できない。したがって、これもまた総理に言っとかなきゃなりませんが、それじゃいつごろまでに、長期債務の財源をどこから持ってまいりますなど、具体的に決まりますか。
#22
○国務大臣(三塚博君) 今申し上げましたのは、基本的な方針を申し上げたわけでありまして、先般提出をいたしました法律に、国鉄改革関係法案に明示をいたしておりますのは、その実施に関する基本的な方針を政府において策定する、清算事業団はその実施方針及び具体的な償還計画を定め債務の償還を行う、こう法定をさせていただきました。政府は償還基本方針をまず定める。これは債務償還等の確実かつ円滑な実施を図るために当然のことであります。その内容は、今も申し上げましたとおり、まず資産の処分を行いまして、そうでありませんと十六兆七千がふえるわけでございますので、それを二千六百ヘクタール余をきちっとやらさせていただきますと。一挙に売りますといろいろなリアクションが起きますものですから、なだらかな販売方法、土地価格に見合った適正な価額処分を行ってまいりまして、国民の負担をできるだけ軽減をしたい、こういうことでありますから、ただいま私が十年程度の計画でありますと申し上げたのはさようなことでございます。
 それと、これを見つつ政府の講ずる措置、基本的には政府の責任においてこの措置を明示し、処理をしてまいりますということについて定めるものであります。これが基本方針であり、そしてその間政府による助成等を、補助金等の交付その他の援助、資金の流通あっせんその他の措置等についてこれを政府が決めるわけでありますし、借りかえ等その他があるわけでございますから、そういう意味も含めて万全の措置を講ずるという意味であります。基本は基本方針に明示したことによるわけであります。
 そして同時に事業団においては償還実施方針をお立てをいただくわけでございます。これは資産の処分をどうするかということについて第三者機関等をお設けいただきまして適正な措置を講じていかなければなりませんし、国民共有の財産をいささかも御批判のあるような方向で処断をしてはならぬ、そういう意味の資産の処分をさせていただく。また資金の確保もきちっとそれをさせていただく、リースでいつ返ってくるかわからぬようなことをやっておりますと償還計画に支障を来しますものでございますからきちっとやらさせていただく、こういうことであり、償還計画は毎事業年度に策定をいただきまして、運輸大臣がこれを承認、認可を与える、こういうことでございます。でございますので、この法定されました方針に基づきまして運輸委員会の御審議をいただきますまでにはきちっと明示をさせていただきながら御論議を賜わる、こういうことであります。
#23
○小柳勇君 清算事業団についてはまた後で質問しますけれども、今の大臣の答弁は、清算事業団が長期債務の返済についていろいろ計画し、これを運輸大臣に了承を求めるというような答弁ですが、そういう方向ですか。
#24
○政府委員(棚橋泰君) ただいま大臣から御説明を申し上げましたように、国がまず償還の基本方針というのを定めます。その償還の基本方針におきまして、政府がこれに対してどのようなことをやるかというようなことも含めまして講ずるわけでございます。
 その償還基本方針に基づきまして、事業団が償還実施方針というのを決めます。さらに、単年度ごとに償還計画というものを決めて、運輸大臣の認可を受けて、着実な、確実な返済を行っていくと、こういうふうなことを予定をいたしております。
#25
○小柳勇君 私が言うまでもないが、長期債務の中には、個人の債券などもありますね、あるいは公の借金もありますね、いろいろ長期債務の内容は複雑です。にもかかわらず、今からできる清算事業団が返済の計画をして、これを政府に求めて、財源を求めるというようなことでは本末転倒じゃないかと思うんですよ。
 初めにこの答申が出た直後に、答申にも書いてあるんですね、返済の財源その他、政府がちゃんと具体的計画を出せと書いてある。その計画を出した上で、清算事業団という法人をつくってこうしますと。あるいは、鉄道旅客会社をつくりますと、貨物会社をつくりますと言うなら、長期債務の返済の方法をちゃんともう具体的に政府が出して、その上で清算事業団を、こういう法人をつくりますよと、そうやって法律を出してくるのが筋道ではないかと言っているわけですよ。
 もう一遍確認しておきます。運輸省、大臣がやってください。大臣が責任者だよ。
#26
○国務大臣(三塚博君) 小柳先生の言われる御論議は理想的な筋論ですね、筋論です。あるべき姿を明示しておるわけです。
#27
○小柳勇君 それは法律の趣旨だよ。
#28
○国務大臣(三塚博君) はい。それで、それはまさに国の財政が小柳先生が想定される方向に、十二分に対応できるだけの力のありますときは、それでこれ実はいけるわけなんです。
 私も、率直に言いまして、小柳先生と同じような考え方を実は持ちまして、いろいろそういう方向でお取り組みを財政当局、政府はいただけぬだろうかと、こういうことを申し上げたこともございます。
 しかしながら、新たな財源と、こういうことで十六兆七千億を、小柳先生の言われますように、もうスタート時において全部処分ができて、身軽になって発車してくださいということは一番いいのでありますが、十六兆七千億を処分するにいたしましては額がいかにも大き過ぎると。まあ赤字国債でも発行して、その分借りかえてその救済を処断するということもあるわけでございますが、結局それも国民の言うなれば御負担ということがそのまま残るだけでございまして、あまつさえ利払いがその後毎年残ってまいります。こういうことになりますと、国民の御理解をなかなか得ることが難しいのではないかと、こういう考え方もございまして、一般歳入歳出の今後の展開を見つつ対応したいと、予算委員会の際にも小柳先生の御質問に申し上げさしていただきましたのは実はそういう意味なのでございます。
 財政再建計画というものが確実に進まさしていただいておる、そういうゆとりの中で、それを臨時的に償還をするというのが一つ基本的にございます。それともう一つは、支出の見直しによる節減分をそこに補てんをしていくということもあると、こういうふうに思うんです。
 それで、一部新税という意見も国民間にありますことも知っております。私もかつて党におりましたときに、これだけの国鉄の再建でありますから、再建税というものも国民の理解を得られますならば考えるべき財源措置の一つであろうという、こういう考え方を申し上げたことがあるのでございますが、増税なき財政再建という、こういうことでありますし、なかなかやはり、もう一つは国民的な理解を得るには再建税というのは時期尚早であり、なかなかもって御納得いく状態にはないなと。まずみずからが努力の中でスタートをさしていただいて、その後の財政状況の中でということでありましょうし、現段階において国鉄再建税というようなことは、やはり論議すべきことではないと、こういうことでありますものでございますから、先ほど来、棚橋審議官も言われましたように、私も申し上げておりましたように、財産をまず売り、それで負担を軽減をしつつ、さらにその償還をどうするか。既に六千から七千億の一般歳出で補助金をいただいておることにかんがみまして、その一部返還がそういう方向で一つとれるわけですから、十六兆七千億、二十五年でありますと、一兆四千億程度毎年計上いたしますと計画的に二十五年で元利償還ができるという計算が一つあるわけでございますので、不足分の数千億円、一般歳出で本年度出ておるわけですから、その差額分が七千あるわけです。七千億一般歳出から出してもらえればもう六十二年度から着実に償還できるのでありますが、その財源的措置がいまだ明確でございませんものでありますから、その措置についてなお政府部内交渉をしながら、しかし、最終的にはこれは国民に対する政府の責任でありますから、いろいろな議論はあろうともきちっと処置をしていくということを進める。これは法案の審議の段階でこの件について御論議をいただき、政府もきちっと取り進めさしていただくと、こういうことであります。
#29
○小柳勇君 莫大な長期債務、この長期債務を、国民が納得してうまく返済し、かつ余剰人員と言われるもの、これを労使の団体交渉によって、どうしたら列車輸送が完全にいくかということを話し合ったら、今のままで国鉄は分割しないでもやっていける。私どもの出します対案の日本鉄道株式会社法案でも、現在の要員を、団体交渉によって若干減りはするが、四年間ぐらいで希望退職をやっていけば、もう五年すれば黒字になるという計画を持っている。それは、長期債務を国民が納得してこれをうまく長年かかって返済するということです。
 したがって、先に分割ありきというようなことで分割だけを決めて、あと長期債務については清算事業団が計画を立てて国民に訴えますということは全然納得できない、それは。本当は中曽根内閣が責任を持って、この長期債務については答申によって内閣が責任を持って財源を探せとありま
すから、こう探しましたと。あるいは税になる点もあるかもしれぬ、あるいは土地などを売って払う面もあるかもしれぬ、あるいはリース会社によって利益金で払う。それは内閣が今この分割法をつくる前にちゃんと国民に訴えて、これこれ三十年かかって全部これ返済しますから、その一つの法人として、その担い手としてこの清算法人をつくりますと言わなければ国民は納得しないですよ。特殊法人ができました後、これが支払い計画をつくりますと。全然逆でしょう、考え方が。一番出発の国鉄再建の特別措置法そのものは、もう何回も言いますが、効率のよい鉄道の運営を探せ、もう一つは長期債務を返済せいと、この二つだけが目的なんですよ。そのために各界は、我々も国鉄再建法案をつくった。あなた方も、旅客会社とか貨物とかリース会社をつくっている。どちらがいいかはこれからの勝負。
 したがいまして、きょうはほかの問題がありますから、これも総理に決意を聞いておかなければならぬが、この長期債務の返済について財源はこうします、何年ぐらいかかりましょうが、そのためには清算事業団をつくりますというような、私が言う筋道論を皆さんがこの国会に答弁できるまでは法案審議には入らないということを、私はきょう明言しておきたいと思うんですが、この点についての大臣の見解を聞いておきましょう。恐らくそういうことは納得されぬと思うが、見解を聞いておきます。
#30
○国務大臣(三塚博君) これは、小柳先生の言われる手法がスタート台に、スタート時において講ぜられれば大変明快なすきっとした形でありますことは、私もそれはわかるわけです。
 しかし、前段申し上げましたとおり、財政事情が今日さようなことでありますということの中でいろいろ衆知を集めました結果、清算事業団が国債整理基金的な性格を持つという意味の清算法人、こういうことの中できちっとこれを処置をしてまいる、政府の責任において旧債の処理に当たる、このことは明言をいたしたわけでございますから、どんなことがあってもそれをきちっと処理をしていくという、処断という、きちっとここを分断をして、明確にこのボックスにおいて整理をさせていただく、こういうことでありますものですから、その上に立って経営形態のお示しを申し上げたわけであります。
 小柳先生も申されますとおり、旧債、いろいろそのまま一本でもいけるという御論議はかねがね拝聴させていただいておるわけでございますが、国鉄再建の基本は旧債からのやはり遮断であるわけであります。十六兆七千、アバウト十七兆で見ても、これだけで利子が一兆ないし一兆一千かかるわけでありますから、七分といたしましても、大変な利子負担が国鉄経営を圧迫をいたしてまいりましたことは御案内のとおりであります。そういう意味でもその元利償還のしがらみから脱しまして、頑張り抜けば必ず展望が生まれるんだという経営体、そういう環境にこれをつくり直して御奮闘いただきますことが、働いておる方々のためにも相なりますし、地域鉄道として、また国鉄として果たしてまいりましたその役割がきちっと果たされていくのではないだろうか。こんなことで、実はこの改革を踏み切らさせていただき、御提示を申し上げた、こういうことでありますものですから、何とぞよろしく御理解を賜りますようにお願いを申し上げる次第であります。
#31
○小柳勇君 今の運輸大臣の答弁では納得できません。全然私の考えと逆なんですよ。もうこの出発が、国鉄再建なるものに対する臨時措置法ができたときの考えが、全然今皆さんが、今の中曽根内閣及び三塚運輸大臣が考えておられる方向は逆行していると思うから、問題を残しておきます。
 そこで、この清算事業団の内容ですね、清算事業団の業務の内容及びどのくらいの人員でどのくらいの収支予算で運営するか、答弁を求めます。
#32
○政府委員(棚橋泰君) 日本国有鉄道清算事業団は大きく申し上げまして二つの業務を担当いたします。一つは今先生御指摘のございました長期債務の償還でございまして、もう一つは臨時の業務といたしまして三年間をかけまして職員の再就職の場の確保と再就職のあっせんを行うということになっております。
 前者の債務償還の業務といたしましては、国鉄から引き継ぎました債務及びその利子の支払いという業務、さらにそのためにそれに充てますために引き継ぎました資産を処分いたします。この際に資産をより有効に処分をいたしますために付加価値を高めるという目的で、主として土地でございますけれども、その土地を造成したりなど、基盤の整備事業を行いまして付加価値を高めて売却をする業務を行う、さらにそのために必要がございましたら若干の投資等も行う、こういうようなことが清算事業団の業務に予定をしておるところでございます。
 なお、それのための要員でございますけれども、これにつきましてはまだ現在算定中でございますけれども、基本的には大きく申し上げますと、監理委員会の意見にございますように、国鉄から他の新しい事業体に移行いたしました残りの職員四万一千人というものがこの事業団の職員となるということになっております。なお、この事業団の予算等につきましてはこれは六十二年度から発足するわけでございますので、六十二年度政府の予算の中におきまして要求をし決めていく、こういう手はずになっております。
#33
○小柳勇君 収支、財政はどうなるかと答弁してください。
 もう一つは、四万一千名が三年間は籍を置く、このことは私は反対ですけれども、その後どのくらいになります。
#34
○政府委員(棚橋泰君) まず収支でございますけれども、収支のために必要な収入は、先生御承知のように監理委員会の意見にもございましたように、用地の関連につきましては五兆八千億と言っておりますけれども、それはそういう基盤整備事業に要しました費用を控除した額でございまして、用地の売却はもう少し高い価格を予定いたしておりまして、六兆六千億予定をいたしておりますが、その差額の収入をもってそれらの経費に充当する。それから雇用対策の関係に要します費用、これも俗に言っております三十七兆という債務の中に約九千億程度、これらの職員の三年間の給与、それからそれに要します経費、雇用の場の確保等に要します経費というものとして約九千億というものを見込んでおるわけでございます。それらの中から支弁をするという考えでございます。
 それから要員の四万一千人を抱えました後の過程でございますけれども、これにつきましては先ほど申し上げましたようにただいままだ精査中でございますけれども、少なくとも雇用対策の関係につきましては三年間で順次それらの職員の再就職を図ってこの業務を終わる。
 資産処分その他の事業につきましてはまだはっきり決めておりませんけれども、まあ最低十年程度はやはりかけなければならないということで、その間はそれに要します要員は清算事業団の中に残る、こういう考えております。
#35
○小柳勇君 今聞きましても確固たる収入、支出の財源的なものもはっきりわからないし、三年たち、四年たち、五年たち、将来どういうふうなものになるかもまだはっきり御答弁ができないようです。にもかかわらず、もう法律は出ている。そういうようになぜ慌ただしく火事場泥棒的にどんどんどんどん進めるのか全然もう理解ができないわけ。暗中模索しながら、法律だけはどんどこどんどこ九つも出してきて、今説明を求めても専門官、大臣がはっきり答弁できないんだもの。そんなことで国民に対して本当に申しわけ立つかな。この運輸委員会の皆さんと討論してもそれはほとんど討論にならぬ。私はきょう答弁聞いておって、大臣も担当官も実際何を考えているのかわからない。そして清算事業団、法人でこれで長期債務の国民に毎年一兆三千億ずつ返済していただきますなんて言ったってだれが一体信用する。漫画よ全く。いろいろ清算事業団でもたくさん質問したいけれども、今聞いたって全然もう抽象論ね。
確信がない。将来、例えば四万一千名の者が一応職員になりますが、これを再教育してどうしましょう、さっきの余剰人員対策で正確に今決まったのは六千人しかないわけだ。六千人しかないわけ、今。あれだけ騒いでおって、総理もいろいろこうやっておられるようだが。言うなら今度十一月のダイヤ改正で三万五百名をまた縮減の団体交渉の提案をされるようだが、一年間に三万人減っていくのよ、今の職員が。その余剰人員対策はまだ六千人しか決まってない。本当に何と言うのか、人間をごみくずみたいに、一人の人間が自殺したって大問題でしょう。にもかかわらず、九万三千名が余剰人員です、その間四万一千名余残してあとは各会社に割りつけましょうとおっしゃるが、それも結局は近い将来余剰人員と言われるでしょう、旅客会社へ行ったら、君たちはプラスアルファよと。貨物会社へ行ってもそう言われるだろう。そんなものを考えたら、公共輸送として国民の足を守るということ、あるいは日本の物流を守るということ、そういう公共輸送という、鉄道という感覚が運輸大臣も総裁もあるのかないのか本当にわからぬくらい。もうあなた方が法案をつくって出した後私どもはこの一年ぐらい、本当に運輸省とか国鉄とかというのは何を考えているのかと。諸外国へ行きましても、皆、鉄道についてはもうこれは日本の大使もあるいは各国の先進諸国の代表も言われるが、鉄道の赤字はこれは公共輸送だから一般会計から出すのは当たり前だと言い、そういうことで公共輸送を守っておられる。その公共輸送の観念というものを全然捨ててしまって、もう民間の資本の論理でもうけ主義の会社をこれからつくっていきましょうと、それにはもこたるものでありますが、これは法律でやりましょうという、本当にもう質問する気になりません。したがって、この清算事業団の問題も後に譲ります。
 それから次の問題は、関連事業の問題です。
 総裁に聞きますが、現在国鉄は関連事業で運輸収入に対してどのくらいの収入があるんですか。
#36
○説明員(杉浦喬也君) 関連事業の収入の昭和五十九年度のこれは決算による数字でございますが、九百二十一億円でございます。
#37
○小柳勇君 何%になりますか。
#38
○説明員(杉浦喬也君) 全体が三兆円の収入に対しまして三%になります。
#39
○小柳勇君 民間の大手私鉄十四社ぐらいで関連事業と運輸収入との比較、比はどのくらいになりますか。
#40
○政府委員(棚橋泰君) 今の総裁の御答弁の中にバス事業等を関連事業に入れていたのかどうかちょっとつまびらかでございませんが、大手私鉄十四社について見ますと、バス事業も関連事業というふうに考えますとその収入は四七%、バス事業を除きますと三三%でございます。
#41
○小柳勇君 そうしますと、この旅客会社あるいは貨物会社などこれからできます会社については、今の民間の私鉄並みに三〇ないし三五ぐらいまでは関連事業をやるというような構想ですか。
#42
○政府委員(棚橋泰君) 御承知のように、今回の改革によります新しい会社は私鉄並みということでございまして、そういう意味で、提出してございます法案の中におきましても、自由に関係の事業というものを行えるということにいたしております。したがいまして、その事業の展開は、新しい会社の経営判断によると思いますけれども、将来的には広く関係の事業を行っていくということになると思います。
 ただ、御承知のように、私鉄も現在のような関連事業を営みますまでには実に長い歴史があるわけでございまして、国鉄の承継体である新しい会社が直ちに今申し上げましたような手広い関連事業にまで発展できるかということにつきましては、これはなかなか難しい問題があると思います。しかし、将来的には私鉄と全く同じような形でその事業経営を行っていくということを予定をいたしておるところでございます。
#43
○小柳勇君 これは国鉄総裁に質問いたしますが、関連事業を、現在三%の国鉄が将来三〇ないし三五ぐらいまでに発展させたいとするならば、現在持っているいわゆる遊休土地と言われるものなど、この国鉄の現有の財産を、例えば、まだこれ私は認めませんが、清算事業団が持つのと旅客会社やあるいは貨物会社や――貨物会社は無理かもしらぬが、新幹線、これもリースですからね、分けるときに、将来の、今の三%の関連事業を三〇ないし三五に展開するだけの余地、土地というものをあるいは用地を確保しておかなけりゃなりませんね。でないと新しい旅客会社とかはやっていけない。現在もう国鉄本社でそういう財産分けが始まっているようだが、どういう観念で、基本的にどういうお考えでそういう財産の分類を始めておりますか。
#44
○説明員(杉浦喬也君) 新しい会社が鉄道事業並びに関連事業をいわば活力あるものとして自由にやりたいと、また法的にもそういうようなふうに措置されたわけでございますが、ただ、その場合に、おっしゃるように土地がたくさんあればあるほどそうしたことができることは事実でございます。ただ、一方におきましては、先ほどからの長期債務の処理の問題、これが非常にまた国民の最後の御負担ということを考えますと、長期債務をできるだけ軽減させなければならない。そのための手段といたしまして、国鉄の用地を真に必要な事業用用地と、そうでない非事業用用地に分けまして、できるだけたくさん財産を売って、その売ったお金で借金を返すというようなことをやっていく必要があるわけでございまして、最終判断といたしまして監理委員会あるいは政府のお考えのとおり、私もまず国民の御負担の軽減ということを第一義に考えなければならぬだろうというふうに思いまして、現在の仕分けにおきましては、本当に鉄道事業としての必要最小限度の事業用用地と、それ以外の非事業用用地というふうに区分けの作業をやっているところでございます。
 したがいまして、今までのような自由な財産という意味におきましては、事業用用地に本当に関連、ごく関連をした用地というもののみが残るわけでございますけれども、しかしながら、事業用用地におきましても、これを多角的に活用するということはこれからの工夫次第によりましてかなりできるのではないか。仮に線路の上をまたがりながら、現在でも駅ビル等の中には事業用用地を一部使いながら駅ビルを建てているところもございますので、そういう意味におきまして事業用用地の高度利用、多角的な利用というものも工夫次第によりましてかなり使えるのではないかというふうに思います。
 そこで、目標として私鉄並みと言いながら、三三%の今のようなところまでいくのかどうかというふうな将来の目標でございますけれども、できるだけそういうふうにいきたいとは思いますが、現在のところはまだそこまで計算が済んでおりません。これからも新しい会社の経営者の経営努力いかんというふうに思うところであります。
#45
○小柳勇君 これは運輸大臣にも質問しておきたいんですがね、今の関連事業の関係と、財産処分、遊休土地の処分など、我々は遊休土地の処分は最小限度に、三兆円ぐらいにしてもらいたいと思っている、したいと思っている。これはやはり国民の財産である、しかも将来の。私はやっぱり鉄道というものは、日本の経済の動脈だと思っているし、とても分割したってまた四、五年したら一緒にならなきゃならぬと思っていますが、その土地をいろいろ財産を分ける、この長期債務の中で私もずっと政府の責任なりあるいは運輸省の責任もある、この財産は。あるいは政治介入がある。国鉄だけの責任というのはそう大したことじゃないんですよ。国鉄の管理運営上の赤字というのはわずか、あとはもう政治路線とか、あるいは経済成長のためにどんどん線路を増強しなきゃならなかった、そういうものもあります。したがって、今総裁が言われた国民に負担させるものを最小限にするということは一つの大きな筋ですけれども、それ以上に国鉄の財産というものを、今遊休土地というものを大事にしておいて、そして鉄道の輸送というものが、本当に物と人と完全に輸
送できるような体制を将来持っておかなきゃならぬ。そのためにはこの遊休土地の配分などについては、非常に慎重な討議が必要であると思う。昨日も国鉄にいろいろ聞きますというと、もう大体土地の今色分けを始めておるようだ。運輸大臣の見解を聞いておきたいんですが、基本的な考えを聞いておきたい。
#46
○国務大臣(三塚博君) 今、総裁も言われましたわけですが、基本的なということで申し上げますならば、今回の改革の基本は、まさに長期債務からの決別というか、遮断にあるわけですね。とても六十二年期首におきまして二十五兆余、アバウト二十六兆という長期債務がここに積み上がるわけであります。そういたしますと、利払いだけで気が遠くなることになるわけでございまして、それでは倒底進み行かぬだろう、こういうことの中で分割・民営という経営体に変えて取り組まさしていただく。その決心をすることで国民の皆様にいろいろな手法を講じて、取り残りました十六兆七千億円、これを何としても御負担をお願いを申し上げたい、こう実はお願いを申し上げることに相なったわけであります。五兆八千相当額を、これは処断をしないと、処分をしないということになりますとこの分が国民負担に回るということになり、十六兆七千に五兆八千がプラスになりますということになりますものですから、それでは膨大過ぎて国民の家計の御理解を到底得られないであろう、こういうことなんですね。それは結論的に五兆八千が出てきたわけであります。というのは、今御精査をいただいて、法案審議の段階まで処分をいたします。その用地の場所を御提示をいたしますと、こう申し上げております。それは非事業用地として仕分けをいただく。本来の鉄道事業が遂行するに必要なものまで売れということになりますと、今御指摘のように鉄道事業として国民の足を確保するという意味でこれは支障を来すわけでございますから、支障を来さぬように仕分けをしてくれ、それで遊休、今いみじくも先生が言われました遊休土地については、これだけの御負担をいただくのでありますからということで積み上げてまいりましたのが二千六百ヘクタール余、大体積み上げますと五兆八千程度になるかなという額に落ち着いた。これは処分の仕方を、今公正明快にきちっと積み上げてまいりますとプラスアルファが出て十六兆七千がもっと縮まる可能性があるものと私は見ておるわけでございますが、そういうことでございますものでありますから、この部分はぜひ国鉄が事業体でございますから仕分けをしていただきたい、ほぼ法案御審議いただくまでには出せる整理の段階に来ておるようにお聞きをいたしておるわけでございますが、そういうことで取り組まさしていただくことで、ほぼ聞いておりますことでは、また私ども運輸省としてこのことを検討いたしておるただいまの判断では、十二分にその鉄道事業が運営ができる、ある意味ではその関連事業に、直轄事業に展開をできるキャパシティもそれなりにあるのかな、こんなふうにも実は思っておるわけでございます。
#47
○小柳勇君 十六兆七千億を三十年間で支払わなきゃならぬという理屈はどういうところにあるんですか。
#48
○政府委員(棚橋泰君) 特段三十年で払わなければならないというようなことを申し上げておるわけではございませんで、仮に三十年元利均等で償還をいたしますと一兆何千億という金が年々必要でございますというようなことを御説明申し上げておることはございますけれども、特に三十年で払わなければならないということではございません。
 現実の話といたしましては、債務はそれぞれ償還期限というものがございますから、それはそれなりの償還を行っていかなければならないわけでございますが、そのためにはでこへこございますから、そのための借りかえその他のまた資金手当てが要るというようなことになります。それをならして計算をいたしまして三十年の元利均等にしますと幾らくらい、先ほど大臣申し上げましたように、二十五年でしたら一兆四千億、三十年でしたら一兆三千億というような計算を試みに行っておるということでございます。
#49
○小柳勇君 そうすると、この清算事業団というのも、大体三十年のような話を聞いておるんだけれども、これもそうしたらもこたるもの……。
#50
○政府委員(棚橋泰君) そこらは法案を御審議いただくときにいろいろまた御説明申し上げる機会もあろうかと思いますが、基本的には清算事業団自体は、この債務の償還というのは必ず三十年という意味ではございませんで、借りかえました債務ないしは現在の債務等のすべての償還を終わるまでは基本的には要るわけでございます。ただ、それが事業団という形で要るかどうか、これにつきましてはまた別途の判断があろうかと思います。事業団という名前をつけましたのは、先ほど申し上げましたように、宅地造成等を行ったりそういういろいろなことをやりますものですから、現実の事業がございますので事業団という名前をつけておるわけでございまして、債務の償還はその中の業務の一つでございます。
#51
○小柳勇君 まだあいまいもこたることで、本当に、笑っているけどね、火事場泥棒みたいにとにかくやらなきゃもう中曽根さんの十一月まで間に合わぬというような気持ちがあるんじゃないかと思って、本当にしゃくにさわってしようがないが。
 それではなぜ、監理委員会がちゃんと返済の方法、金額まで決めておられる、我々の考えでは、例えば借金も、さっきちょっと言ったように個人の鉄道債券も、個人の借金もある、あるいは公の政府の財投もございますね、いろいろある。我々としては個人から借りたようなものは、新しい新会社が継承して、それは着実にやっぱり払っていかなければならぬ。それから公の金は、これはちゃんと私どもが言う清算会社、清算会社が結局持っておると、これは三十年と言わぬでもいいではないかと。私ども概算してこっちの方の民間の借金、これは若干監理委員会の案よりも多いけれども、四十年ぐらいかける、公の金は六十年ぐらいかける、そうすると大体年間三千三百億ぐらいずつ払っていきますとこれは完済できるわけ。したがって、公の方には鉄道の土地など財産ありますからね、これは。そういうもので国民に毎年二兆三千億なり一兆四千億を負担かけるようなことでは、国民が納得しまいと、国民の足とはいいながら納得せぬであろうというようなことも考えているが、もう言うなら監理委員会、亀井答申なるものが、今のあなた方の頭の中ではもう絶対なものであるかどうか聞いておきたいんですよ。
#52
○政府委員(棚橋泰君) 先生お話しの社会党の方で御検討いただいている案というものにつきましては、私どもまだ新聞紙上で承っている程度で中身は拝見しておりませんので、それとの比較は差し控えさしていただきますが、先ほども御説明申し上げましたように、先生おっしゃるように、鉄道債券もございます、財投もございます、いろいろな資金を国鉄は借りておるわけでございます。それにはそれぞれその借りたときの条件がございまして、償還期限というのがございます。それはそれなりに償還をしていくという基本的な考えでございます。ただ、それを償還していく際にはその原資が要ります。原資をどこから出すか。また、先ほど申し上げましたように一時に償還が発生するような場合もございますから、それについては借りかえも行わなければならない。そこらを含めて計算をするときに、これを仮に三十年で元利均等で償還をしたとすると、借りかえその他に要するもの、利払いその他を合算して、これが三十年なら一兆三千億というような試みに計算をしておるわけでございます。
 そういうものをそれじゃ三十年元利でなくて四十年、五十年とすれば、もっと少なくて済むではないかというような考えもございます。そういう計算をしてみたらどうだというお話もあるかと思いますけれども、御承知のように、元利均等払いというのは、ある年限を過ぎますとほとんど変わらなくなってまいります。まあ大体四十年ぐらいを過ぎましたら恐らく利息の支払いの方が多くな
ってまいりますから、ほとんど変わらないんじゃないかと思います。そういうようなことで、まあ三十年程度がある意味では一つのならして計算するときの一番標準的な考えではないかということで監理委員会も三十年で、例えば三十年で試算をすればこのくらいの負担になりますよということをお話しになったんだと思います。
 それから、財投と民間資金、それぞれございますのをどう仕分けするか、これにつきましてもまた法案審議の段階で詳しく御説明を申し上げますけれども、基本的には、民間と申しますか、新しい会社に背負わせるものは極力先生おっしゃるように民間資金の方を振り向け、国の方は財政投融資とか政府資金の方を振り向けるというような一応のいろいろな仕分けの考え方というものはしなければいけないというふうに思っております。
 ただ、いずれにいたしましても、これらの債権者は国鉄というものにお貸しになったわけでございますから、これにつきましてはお互いに連帯債務という形でお互いに保証し合うというような形を今回の改革の中では想定をしておるところでございます。
#53
○小柳勇君 今のお話では三十年、亀井委員会はそう出したけれども、それには束縛されぬで国民の納得するような債務返済の方法を考えようというように受け取ります。
 そこで、その土地を今はまあいろいろ、売却のものあるいは保留のものあるいは新会社移行のものなどやっておられるが、それは大体案がまとまったらこの運輸委員会に出されますね。
#54
○政府委員(棚橋泰君) 大臣も予算委員会、また本委員会でたびたび申し上げておりますように、法案審議の段階までに、現在国鉄が行っております事業用費、事業用地の仕分け、その場所というものについては明らかにいたしたいということでございます。
#55
○小柳勇君 もう一つは、その関連事業の問題で今現在三%の国鉄の関連事業というのがこれから三〇ないし三四、五になりますと、現在鉄道の関連事業をやっておられる方々が相当の今心配があるわけですね、おれたちは一体どうなるかと、玉突き現象。
 だから、新たにこの新会社がどんどんやる、我我も全国一本の新しい鉄道株式会社ですけれども、関連事業については大体二六・九ぐらい、二七%ぐらいまでは持っていかなきゃならぬと思っておりますけれども、現在の関連企業との関連を新会社に対して、貨物もあります、旅客もあります、あるいは新幹線もありますが、どういうふうな納得のされるような方策を考えますか。
#56
○政府委員(棚橋泰君) 基本的に新しい会社は自由な関連事業を行えるということを先ほど申し上げました。それは新しい会社の経営判断の問題だと思います。
 その際、現在国鉄もいろいろな関連企業を持っておりますが、その間との調整というのは先生おっしゃるように、これはなかなか難しい問題が起こってくると思います。これは基本的には新しい会社の経営者が従来のいきさつ等を考えながら、また従来やらせてきた関連の事業に与える影響というものを勘案しながら判断をしていくべき事項だというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、私鉄におきましても全部関連事業を自前でやっておるわけでもございません。そこらの割り振りというものはおのずからあろうかと思います。当面は現在の国鉄の業務をそのまま引き継ぎますから、その関連企業との関連もそのまま引き継ぐわけでございますから、その後において新しい経営者がそれらの関連企業との間に十分な調整をお考えになりながら経営判断として行われていくものだというふうに理解をしております。
#57
○小柳勇君 それからもう一つ。この分割で一番我々が心配しておりますのは、三島――九州、四国、北海道のこの三島の鉄道運営というのがもうこれ大変だと、これを心配しておるのでありますが、まあ五カ年間の見通しについては監理委員会は出しておられます。この収入なり支出でやっておられますが、実際、一体経営ができるか。この点について、まず運輸大臣から見解を聞き、あと国鉄総裁並びに関係者からお聞きしたい。
#58
○国務大臣(三塚博君) これは、三島につきましては大変厳しい経営状況になるであろうと。公共交通的な役割が極めて強い地域でございますものですから、そういう点で旧債は三島には一切負わせないと。本来でありますと、財産を継承するわけでありますから、それに見合うべき借金はそれなりに承継いただいて取り組んでいただくということが原理原則でありますけれども、重要性にかんがみまして、これはまるきり借金は棒引きといいますかゼロにさせていただくと。しかし、なおかつそれでも赤字が出るであろうという深刻な御指摘、こういうことの中で政府も監理委員会が御審議いただいている中でそれぞれのデータを出させていただく、国鉄側からもそういうデータを実際の執務者としてお出しをいただいた精査の中で、公共交通分、やはり負わなければならないその赤字分を解消するためにはということで、御案内のように一兆円のファンドをつけさせていただく、その運用益でそれぞれその経営をいただきますならば、収支面において展望が立つと。もちろん人員の適正規模という、こういうことで合理化が試算されておりますことは御案内のとおりであるわけでございますから、そういう総合判断の結果におきまして、わずかの黒ではありますが出るであろう、収支が何とかそれで前に進むのではないだろうか。机上計算と言われればそれまででございますけれども、しかし、それは過去の交通事業、鉄道事業の積み上げの中でそのことが見とれる。
 同時に、今関連事業のお話を前段展開をされたわけでございますが、さような意味で関連事業のサイドというものは、この三島は大自然が残っておりますし、歴史が残っておる地域でもございますものでありますから、そういう意味の地域開発というものが相並行して行われますならば、プラスの要素として働くであろうと。またさらに、地域鉄道という意識が地域民と一体になってこれを前に進めさせていただきますならば、その中からも展望が生まれていくのではないだろうか、こういうことで収支上の見通しについては、私どもはそれなりの確信と展望を持って実は御提案を申し上げておるというところでございます。
#59
○説明員(杉浦喬也君) 基本的な考え方につきましては、今大臣から申し上げたとおりでございますが、私どもも三島のそれぞれの担当を本社、地方につけまして、今具体的な数字の検討を続けておるところでございます。なかなか今までが大変な赤字の地域でございましたので、これを黒字に転換することにはいろんな問題があるわけではございますが、ただいまの大臣の種々の前提、そういうものを前提にいたしました計算は、収支を何とか黒字に転換できるというふうな見通しのもとに今鋭意検討しているところでございますし、また将来の展望といたしましても、これらの三島の分割後の姿といたしまして、やはりローカルカラーといいますか、地域の御要望というものを十分にきめ細かく吸収をすることができるのではないかということによりまして、増収ということを鉄道事業においても図れるのではないかというふうに思いますし、
   〔委員長退席、理事江島淳君着席〕
また多角的な関連企業というものも、十分工夫をすることによりまして将来はむしろ明るい展望が開けるというふうに私どもは考えておるところでございます。
#60
○小柳勇君 収入及び営業支出が、監理委員会が計算しておられるよりも収入は減少及び支出は増加というようなことで、これは経済団体連合会の企画局がずっと調査したやつを先般来私も何日か討論してまいりました。とても今亀井委員会が出されたような、監理委員会が出されたような経営はできない、恐らくできないでしょうと。もちろん三島で一兆円の基金もあります。第一、もう老朽化したものに対する設備の更新など、まず第一この収入につきましてもほとんどもうこの乗車効
率など上がる可能性がない。もし、収入をふやすとするならば、運賃値上げを予想以上に、現在考えている以上にしなければ増収になりません。それではお客が減ってしまう。もう恐らくローカル線に近いもの、地方線はほとんど廃線でしょう。こういうことです。したがって、一つは現在の施設の老朽化、老朽している、これに対する、例えば九州を例にとりますと、通勤用車両の経年十六年以上のものが六一%もあります。それから、トンネルの経年幹線五十年以上のものが三九%ございます。レールが重量別軌道延長幹線は六十キロにしなきゃならぬが、六十キロというのは大体四%しかございませんと。まくら木PC化率が幹線で五一%ですと、こういうような施設の現状を考えると、一体何年もてるだろうかと、こういうことです。ことしの予算でも、若干この車両改造、線路増強など予算を組んであるようでありますが、三島の今年度予算における設備増強など、幾らぐらいの予算を使っておりますか。
#61
○説明員(前田喜代治君) ただいま御審議いただいておりますが、三島対策、三島に対する設備投資の額といたしまして約六百億程度を……
#62
○小柳勇君 どういう名目で入っているのですか。
#63
○説明員(前田喜代治君) これはまず、先生御指摘のように、若干車両が古くなっております。決してこれは危険だとかそういうことではございませんけれども、比較的に、例えば北海道ですと気動車が古いとか、それから九州ですと若干電車が古い、経年がかかっているというようなこともございまして、車両の取りかえあるいは一般的に架線とかあるいは施設の取りかえ、架線改修とかあるいは老朽といいますか、多少古くなった建物を取りかえるとか、それから線路の設備改善、こういったものを入れていまして、先ほど申し上げたような金額になっております。
#64
○小柳勇君 どういう名目で予算を組んでいるの、予算を。
   〔理事江島淳君退席、委員長着席〕
#65
○説明員(前田喜代治君) これは設備投資計画の中に、全体の輸送基盤の強化ですとか、あるいは車両の取りかえですとかあるいは輸送力増強ですとか、こういった項目に入っております中にそれぞれ組み込んでおります。
#66
○小柳勇君 六百億の金、莫大だが、ちょっと費目別に説明してください。
#67
○説明員(前田喜代治君) 国鉄で今お願いしております予算枠が全体で四千百十四億でございます。その中で特に三島にということで地域的に配分いたしました数字が先ほど申し上げたような数字でございますが、それぞれ細かい件名の積み上げになっておりますので、ここでちょっとその詳細について申し上げるのは控えさせていただきますが、例えば北海道でございますと輸送施設の維持更新というようなことで約百八十億。それから、経営のいろんな体質改善、これは近代化等のための工事というのもございますので、これで約十億程度見ております。それから、輸送力整備というようなこともございますので、これで約三十億というようなことで、全部合わせますと、北海道で申しますと二百十億程度の工事費をこの中で見込んでおります。
#68
○小柳勇君 時間が少ないので質問は余りできません。急ぎますが、三島がやっていくためには今の老朽施設を改修するためにも相当金がかかりますと、それから、特に九州の場合新幹線が西日本鉄道に入っちゃって、下関から博多までは全然別会社になっちゃう。今の収入の約四割近くは新幹線の売り上げでやっていると、ぜひこの新幹線は九州鉄道に、下関−博多間は九州鉄道に所属さしてくださいというのが全体の熱望です。これはひとつ大臣から聞いておきたい。これはまた予算で総理からも少し聞こうと思っているから、大臣の見解をまず聞いておきます。
#69
○国務大臣(三塚博君) そういうお考え方がありますこともかねがねお聞きいたしておりましたが、今回の改革は新幹線、一番収入が確実な四本をどう帰属させるかというのが実は政府案決定の際の最大のポイントでございました。そういうことの中で西日本旅客鉄道株式会社に大阪から博多までの山陽新幹線を帰属せしめることが正解であると、こう決定をさせていただきましたその趣旨は、まさにそこを今言われましたように、分断をすることで帰属を分けますことは、いろいろ運行上の問題、さらに保守管理の問題、列車指令、専門的なそういう分野の詰めからいたしましても非常に不可能であるというようなこともこちらにございまして、それ以上にやはり一体的な運営をしてまいりますことの方が今後の鉄道経営の上において正しいのではないだろうかという結論なんです。そして、九州鉄道はなかなか大変ではないかという御指摘もありますが、前段、三島の分割をいたしました経営方針に対する政府のアプローチといういわゆる基本的な考え方を申し上げさせていただいたわけでございますが、そういうことで十二分に前に進むのでありますから、今日の対応の方が現実的であり、経営体とすれば正しい、こういうことで取り決めをさしていただいた、こういうことなのであります。
#70
○小柳勇君 それじゃ売り上げの一割ぐらい何か特別に九州鉄道会社に払うようなことにしませんか、一割。
#71
○政府委員(棚橋泰君) 今大臣から申し上げましたように、基本的にはやはり交通の流れに従って分割を考えたというような趣旨から申し上げますと、なかなかこれを下関で切るということは難しいわけです。ただ、先生おっしゃるように、輸送量にいたしまして九州全体の新しい会社の輸送量を、もし下関から西を九州会社に渡しますとざっとして二十数%たしかふえるであろうというふうに考えられます。そのために収入も上がるわけでございますけれども、逆にコストの方も分担をしなければならないということになりますので、御承知のように山陽新幹線は主力は大阪とか岡山、広島というようなところにあるわけでございまして、そういうことで費用もそれなりに分担をいたしますと、果たして下関から西を九州会社が全部持ったとしてもそれがプラスになるかどうかということは、これはなかなか難しい計算であるかと思います。そういうようなことでございますので、現在のところでは、これについては山陽新幹線としては一本というようなこととして考えることになろうかと思います。ただ、現実の問題として切符の売り上げ代売手数料その他は現在でも私鉄等との間にもございますように、いろいろな面でそれなりのマージンを払うというようなこともございます。それは新しい経営会社相互において協議をして決められるべきことではないかと思います。
#72
○小柳勇君 またこれは後刻も問題になることでしょうが、三島を通じましての結論的なお願いは、政府保証債をやっぱりちゃんとつけておいてもらわぬとやっていけないと。文章そのものを読みますと、「会社の経営環境は将来とも極めて厳しいものと予想される。しかも地域交通の重要な担い手として公益的な事業運営を要請されることは必至である。従って徹底した合理化等による経営努力を行ってもなおかつ発生する赤字は、国が補填する必要がある。ただし、経営の自主性確保のために、赤字補填は公正な一定のルールにより行われるべきである。」、基金はありますけれども、将来を考えたらどうもやっぱり四、五年したらやっていけぬのではないか。したがって、一生懸命努力して赤字になるものは公共輸送機関として一定の政府保証債、政府が保証して借金できるような体制をつくってくれぬかと、これが一番の問題のようです。これはひとつ大臣からの見解を聞いておきたいのですが。
#73
○政府委員(棚橋泰君) 今度の新しい会社は純粋民営の会社ということを目指しておりますので、そういう意味で政府からの束縛というのは極力少なくする、そういうことで自由にはいたしますけれども、政府がこれに対して何らかの手だてをするということは極力排除するという基本的な考えでございます。
 それから三島の会社は基本的に無借金でスター
トをいたします。したがいまして、そういう意味で運営に赤字を生ずるというようなことがない限りにおいては大量の借金をしなければならないということはないというふうに考えております。もちろん将来新しい鉄道とか、そういう大規模な設備投資をするというような場合には、これはまたいろいろ融資その他の考え方というものは発生すると思いますけれども、当面新会社のスタートといたしましては無借金経営でございますので、そういう意味で政府がこれに保証するような政保債を発行するというようなことを予定するということはないと思っております。
 なお、今回御提案申し上げております法律の中では、限定的に新会社に政保債を認めておりますけれども、それは三島以外の会社、これはかなりの債務を引き継いでまいりますので、当面借りかえが発生してまいります。この借りかえの部分で従来政保債であった部分の借りかえ、この借りかえに限りまして五年間政保債を借りかえるときだけは政保債を発行できる、こういうことにいたしておりますけれども、三島の会社以外の会社につきましてもすべて新しい会社は民間会社ということで、民間並みの経営を行っていただくということを前提といたしております。そのような会社として経営が成り立つような形でスタートをさせたいというのが考え方でございます。
#74
○小柳勇君 出発のときはそれは考えであるけれども、そこから先、今の車両の老朽化、線路も補強しなけりゃならぬ。少なくとも百キロぐらいで走れるようにしませんと今もう役に立たないわけ。それにはこの間聞いたら一キロ約一億ぐらいかかるというんだ。それでも高速道路、今度予算でやりますけれども、高速道路はもう伸びないから鉄道に、今鉄鋼産業も不況だから、この際やっぱりレールを六十キロレールずっとやって百キロぐらい走れるようになると私はもっとこれはもう地域発展のために役立つと思う、特に九州、北海道、四国など。それが一番ガンですから、それにはやっぱり政府の保証債、政府から。だから我々は今完全な民間経営などということは三島でやっていけぬと見ている。結局はやっぱり政府がちゃんと将来ともルールをつくって法制づくって、そしてあなた方は六分化したいとしているが、これはもう純粋な民営的な三島経営は取り消してもらいたいと思っている。そして少なくとも借金するときは政府が保証する、政府保証債があることによってうんともっと積極的な経営ができると皆さん言っているんですよ、九州も四国も北海道も。今特別な配慮とおっしゃったが、その点ちょっと考えを聞いておきたいです。
#75
○政府委員(棚橋泰君) 基本的にこの会社は民営会社でございますから、私鉄が現在線路増強ないしは新線建設等を行いますときと将来的に設備投資をやれば同じ立場に立たせなければいけない。私鉄に対しては政保債はそういう意味では発行いたしておりません。ただ、新線建設とかそういうものの際には、それなりの例えば鉄建公団のP線方式とかないしは特別の低利融資のあっせんとか、そういうことは行われておるわけでございますから、そういう意味では私鉄並みという考え方の中で、将来九州会社が大規模な新線建設とか線路増強とか、そういうことを行うという際には、今申し上げましたような考えの中で検討を行うということになろうかと思います。
#76
○小柳勇君 もう時間が三分になりました。
 最後に、本土線三分割、全体で六分割したその旅客会社の線路の上を貨物会社が走っていくんだが、この間もちょっと予算で質問したけれども、貨物会社のダイヤなどというのは完全にできるのかどうかということ、それから貨物会社もこれはとても赤字でもう、すぐ赤字転落会社になりはしないか。先般言いましたように、我々としては少なくとも大阪から手前ぐらいの貨物の鉄道というものは、もっと高速で、うんと貨物輸送をすべきだと思うが、その鉄道会社のダイヤはできたのかどうか。それから十一月にダイヤ改正といいますと、もうあの定員の問題など団体交渉申し入れなきゃならぬが、貨物のダイヤによって定員が決まる。一体貨物会社のダイヤはできたかどうか、総裁からお聞きしたい。
#77
○説明員(杉浦喬也君) 基本的な骨組みは昨年の十二月の二日に政府の方から監理委員会にお示しをしたとおりでございまして、そういう基本的な方式の中身の肉づけを今やっておるところでございますが、その中で一番問題になりますのは、今先生おっしゃいましたようなダイヤ作成における旅客と貨物の間柄ということに相なろうかと思います。今一生懸命詰めておるわけでございますが、貨物の駅をどの程度まで見るか、一応昨年の案では約三百駅というふうにしておりますが、その貨物の駅あるいはそれの周辺におきます輸送需要、荷主さんの御要望等々いろんな具体的な角度からの検討をかなり今最終段階で詰めてまいっておるところでございまして、もう少し時間をいただきましてダイヤを完成さしていきたいというふうに思います。
#78
○小柳勇君 一分になりました。
 我々はこの六分割反対です。とにかく今の清算事業会社だけはこれは必要だと思いますが、それとあとは全体のネットワークで国営鉄道会社を日本鉄道株式会社として対案を出していこうと思うんですが、時間が参りましたから質問終わります。ありがとうございました。
#79
○倉田寛之君 まず私事にわたりますが、三塚運輸大臣には昭和四十二年、私が千葉県議会にありましたとき既に自由民主党の指導者でありまして、大変御指導を受けた関係にありまするし、とりわけ運輸大臣に御就任されまして我が国の交通問題についてのエキスパートでありまするので、心から二十一世紀にわたる交通体系整備という点で御期待を申し上げ、胸をかりるという意味できょうは御質問をさしていただきたいというふうに考えているものであります。
 大臣いささか時間の都合があるようですから、どうぞ時間をおとりいただいて結構でございます。
 昨年の七月の十一日でありまするが、運輸政策審議会から「東京圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備に関する基本計画」というようなものが実は提出をされました。御案内のように、我が国は一点集中型の都市という実は表現が当たるように、政治も文化も経済もすべて東京に集中をし、戦後四十年間世界に名立る経済発展を遂げてきたことは私が言うまでもありません。アメリカが政治の中心がワシントンであり、経済の中心がニューヨーク、豪州が政治の中心がキャンベラであり、経済の中心がメルボルン、シドニーであるとは異なり、すべてが東京に集中をしている。しかも西暦二〇〇〇年、あと十四年余りすると少なくとも日本の総人口の二五%が東京圏に住むであろう、一六%強が大阪を中心とする近畿圏に住むようになるであろう、そういうような観点から、とりわけ東京圏を抽出をいたしましても一点依存型からいわゆる分散型にはなりつつありまするが、東京がいかんせん業務集積地でありますから、遠隔地の居住地からの通勤、通学、さまざまな交通体系の整備というのは急務であろうかというふうに思うわけであります。
 特にこの運政審の答申の中で御指摘があるように、千葉県北西部の交通問題についてきょうは絞ってお伺いをさしていただきたいというふうに考えているところであります。
 運政審の答申の「基本的考え方」にもございますように、いわゆる既設線の混雑緩和問題ということについて触れているわけであります。私は先に本院の決算委員会でもお尋ねをした経緯がございまするけれども、常磐線混雑緩和の問題についてまずお伺いをさしていただきますが、常磐線の快速十五両化の問題につきましては既に調査が終了をし、いわゆる停車駅の改良工事等々懸案事項に着手されているというふうにお伺いをいたしておりますが、その後の経過につきましてお聞かせをいただければと存じます。
#80
○委員長(鶴岡洋君) 答弁はどなた。
#81
○倉田寛之君 国鉄来てない、きょう。岡田常務がいると思ったんで、いいと思ったんだが。――
局長答えてください。国鉄なんですがね。
#82
○政府委員(服部経治君) ただいま先生御指摘のように、現在の常磐線の混雑状況というものは首都圏の中でも飛び抜けてひどい状況にあるわけでございまして、その状況に対応すべく、国鉄におきましては現在十両で走っております快速電車を十五両化する計画を立てまして、これの検討を鋭意進めている段階であるというふうに承知をいたしておりますが、この快速電車の十五両化が仮に実現したといたしましても、現在の常磐線の混雑状況がそれによって抜本的に解消、解決されるというようなことではなくて、将来に向けてこのままの人口増が続いてまいりますと、相当ひどい状況が将来に向かって長く続いていくであろうということを懸念している現状でございます。
#83
○倉田寛之君 質問の内容を申し上げておったものですから、当然国鉄の関係の答弁のできる方がおいでになっているというふうに存じておったんですが、はっきりと私は申し上げておらなかったような感もありまするので、国鉄の問題はもしおいでいただければおいでいただいたときに御質問申し上げるということにいたしまして、局長お見えでありますから、運政審の答申の中にある営団地下鉄八号線、十一号線の問題についてこの際触れておきたいというふうに思うわけであります。
 常磐線の混雑緩和の対策の一環として八号線を亀有まで延伸をし、その後の路線の問題については今後の検討課題としよう、さらに十一号線は松戸市まで延伸をさせようという実は運政審の答申がなされているわけでありますけれども、問題はこの十一号線の現在の工事が九段下で実はとまっているわけであります。後ほど質問の中で触れる予定でありますが、新東京国際空港の用地問題の中にも一坪地主等々の問題がありまして、訴訟が行われているわけでありますが、この九段下におきましてもこういったケースで訴訟が行われている。この現状についてお聞かせをいただければと思います。
#84
○政府委員(服部経治君) ただいま先生御指摘のように、十一号線につきましては、半蔵門―蠣殻町間を現在営団において工事中でございます。そして九段付近を除きましてはトンネル工事がほぼ概成しているというような状況ではございますけれども、九段下の付近七カ所につきまして一坪運動等を中心とする反対運動が強いために、現在所要箇所のうち七カ所につきまして、地上権が設定されないままに工事が中断しているという現状にございます。
 営団の対応でございますが、五十九年の五月から九月にかけまして、土地収用法に基づきます裁決の申請を行っておりまして、現在、この七件のうち二件を除きましては収用委員会の審議が結審しております。残りの二件につきましての結審を見た上で収用委員会の裁決があるものというふうに私ども期待しておるところでございますが、営団としては、その裁決を待ちまして地上権設定のための所要の手続を鋭意進めてまいる予定でございます。
#85
○倉田寛之君 時期的には、そういたしますといつごろの時期をこの九段下の完了というふうに見ればよろしゅうございますか。
#86
○政府委員(服部経治君) 収用委員会の裁決の時期につきまして明確な想定がいたしかねる状況ではございますけれども、仮に、年内に裁決に基づく地上権設定の手続が円満に進められました場合には、当初の予定でございます六十三年三月の全線開通というのが若干のおくれを見せる程度にとどまろうかというふうに考えております。
#87
○倉田寛之君 今後、都市圏の交通体系を整備する中でこの種の案件というものが起こり得る可能性が極めて高い。これらに対して、対応の心構えというものはどのように持っておられますか。
#88
○政府委員(服部経治君) こうした鉄道新線の建設工事を円滑に、かつ確実に進めていく上には、一番大切なことは、事前に地元関係者との間で十分な調整を図っておく、そして地元の深い理解のもとに工事を進めていくということが何よりも肝要であろうかというふうに思うものでございます。
 この十一号線につきましての都市計画決定は四十三年の暮れになされたものでございまして、いわゆる旧の、改正前の都市計画法によりまして都市計画決定がなされたこともございまして、その都市計画決定段階での、あるいは工事着工段階の前に非常に前広に地元との利害調整、意見調整を行うということが不十分であったといううらみがございます。
 しかしながら、今後の出てまいりますような工事に当たりましては、新しい都市計画法のもとで都市計画決定がなされるわけでもございますし、また環境アセスメント等の諸手続も必要とされている現状でございますから、そういう段階を通じまして、事前に前広に各般の問題につきまして地元との調整が十分行われる。したがって、今、十一号線に起こっているような問題が起こる可能性は今後に向けてはかなり少なくなっていくであろうというふうな期待を私ども持っておりますが、なお私どもといたしましても、関係の事業者に対しましてはそういった点につきまして、この上とも十分留意してまいるように強く指導をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#89
○倉田寛之君 時間の関係がありますからまたの機会にその点は譲りたいと思いますけれども、もう一点局長にお尋ねをいたしておきます。
 常磐線の混雑緩和の解消のために北総鉄道の第二期工事というのが実はあるわけであります。これは既に千葉県内は用地の買収等が完了間際になっておりまして、問題は、東京都の葛飾区高砂駅周辺における問題が実は未解決でございます。それは、地下方式にするか、いわゆる立体方式にするか、いろいろな問題が、そこに議論が行われているわけでありますが、当局としてはこの問題について何らかの行政的な指導等々を現在行っておられますか。
#90
○政府委員(服部経治君) 北総の二期工事が、御指摘のように高砂駅付近におきます地元葛飾区の強い地下化の要請のために難渋しておりますことは大変残念でございますが、私どもといたしましては、目下のところ、この区間の工事を担当しております鉄道建設公団を強く督励いたしまして、繰り返し地元との調整のための折衝を粘り強くし、まじめにこれに取り組むように指導を重ねてきているところでございます。
#91
○倉田寛之君 この点につきましては、いよいよ目標年次に対しまして政治的な判断を具備した決断が必要ではないか、こういうふうに実は近隣におりまする者の一人として感じているわけであります。ですので、なお一層この問題の解決のために関係当局としての御努力を心から御要望申し上げておきます。
 岡田常務、質問通告の関係が私もはっきりしていなかったので大変失礼をいたしました。
 運政審の答申の中で、いわゆる東京圏における今後の交通体系の問題がいろいろと答申をされている。その中で、既設線の常磐線の混雑緩和の問題で、かねてから私も決算委員会等で御質問をさせていただきましたけれども、いわゆる快速の十両を十五両化する。既に、調査は終了した。なおまた停車駅における改良工事、いわゆる十五両の電車が停車できるような状況というようなもの等等の懸案事項に対して、現在どういうような進捗状況を示しているか、お答えいただきたいと思います。
#92
○説明員(岡田宏君) 常磐線につきましては、先生御承知のように、緩行線と、快速線の上にいわゆる快速電車、中距離電車、両方走っておりまして、ラッシュ一時間当たりが約十七本でございますが、そのうち中電七本の分につきましては昨年十五両化を完成したわけでございます。
 快速十本の分につきましては、現在十両で運行をいたしております。この十両で運行をいたしておりますのは、駅設備の上で、三河島、南千住、天王台、この三駅の有効長を延ばさなければいけないという問題がございます。また、それと同時に、快速電車を収容いたしております松戸の電車
区と我孫子の電留の有効長を延伸しなければいけないという問題がございます。工事費約四十億円と考えておりますけれども、これらの工事をいたしますと、快速が現在の十両から十五両になりまして、輸送力がその分五割ふえる。しかも、その本数が全体十七本のうちの十本の分でございますので、大変大きな輸送力の増強になるわけでございます。
 これらの工事の着手の問題につきましては、今先生からもお話ございましたように、調査の最終段階にございまして、その着手の時期につきましては、今年度、これから御審議をいただきます六十一年度の工事経費予算の枠の中で、枠の配分の点もございますので、いつ着手をするかということについては今後検討をさせていただきたいというふうに考えております。いずれにしましても、この常磐線の輸送力の混雑緩和が喫緊の問題であるということについては十分承知をいたしておる次第でございます。
#93
○倉田寛之君 岡田常務からお答えをちょうだいしたわけでありますが、まさしく五割増となり、全体的には混雑度が二割減にその時間帯はなるということにつながるわけでありますので、この問題はひとつ積極果敢にお取り組みをいただいて、財政措置をされて、そして地域住民の要望にこたえられるように最善の努力をひとつしていただきたい、かように実は思うわけであります。
 それから、運政審が答申をされております第二常磐線の問題でありますが、この第二常磐線の問題につきましては、運政審は、特段一項を設けましていろいろとこの第二常磐線の建設の問題については触れておるわけであります。時間の関係がありますから、それはあえて重ねてお読み申し上げませんけれども、先ごろいろいろな協議会が発足をされているようでありますが、これを六十五年着工ということになれば、当然六十五年までに事業主体を決めて、そうして着工をするということにしなければ、この運政審の答申に沿った事業の推進にはならないということになるわけでありまして、この点についての現状はどうなっておりますか。
#94
○政府委員(服部経治君) 私ども運政審答申の内容は、これを大変真剣に受けとめておりまして、関係の地方公共団体あるいは関係の事業者等とよく御相談しながら、第二常磐線の早期建設に向けて具体的な対応を図ってまいりたいというふうに考えているところでございますが、当面、最も急がれる問題は、事業主体の決定ということと資金調達方法につきましての具体的な検討であるというふうに考えておるところでございまして、そのために、ただいま先生も御指摘になっておられました常磐新線整備検討会というものを、関係の地方公共団体とそれから私ども運輸省とをメンバーにする形で発足させまして、この場におきまして今申しました二つの問題を中心に検討を急いでおるところでございます。
#95
○倉田寛之君 以上の問題については、もう少しお尋ねをしたいところがありますが、時間の関係もありますので次に譲りたいというふうに思います。
 御案内のように、新東京国際空港は、振り返りまして昭和三十七年、羽田空港の行き詰まりを打開をするという新国際空港建設の方針が閣議決定を見て以来、紆余曲折をしながら、その適地はどこであるかということで富里から成田に変わり、そうして今日、昭和五十三年に開港を見るということに実はなったわけであります。
 その間とうとい人命が失われることが多々ありました。昭和四十六年のあの激しい闘争のときには、現地の地名で言う東峰十字路というところで神奈川県警の警察官、警ら官でありましたが、三人が撲殺をされるという事件がありました。しかも、当時この東峰十字路の警備というのは、比較的警備当局も手薄な警備をしいたようでありまして、襲われた直後に警察無線が妨害をされて、まさに援軍来らず、こういう形の中でとうとい人命を失わざるを得なかった。その当時私は千葉県議会に席を置いておりましたが、いわゆる治安当局の無線の整備というのはもっと完全にしなければならないであろうということを意見として中央に具申をしたことがありましたが、そのことが自由民主党のいわゆる襲撃事件を契機として、十数年後にディジタル化が図られる、中央の壁は厚いな、こんな感じをつくづくいたしたものであります。
 そこでお尋ねをいたしたいのでありまするけれども、現在、新東京国際空港の利用状況というのはどういう状況になっておりますか。
#96
○政府委員(山田隆英君) 成田空港は五十三年に開港されまして、その後順調に旅客も貨物も需要が伸びております。昭和六十年の数字を申し上げますと、旅客数では千百七十万人、貨物量が七十四万トン、航空機の離発着回数といたしましては年間に七万八千回を数えております。そのうちでもゴールデンウイークであるとかお盆とか、そういったピーク時になりますと、一日当たりの利用客が四万人を超え、また離発着回数も二百六十回を超えるというような状況で、現在の施設はかなり混雑しているという状況にございます。
#97
○倉田寛之君 ただいまの御説明を伺いまして、既にキャパシティーを超える限界点に達しているというふうに理解してよろしゅうございますか。
#98
○政府委員(山田隆英君) まだ限界点に達しているというところまでは参っておらないというふうに私ども理解しております。一応、成田空港の現在の施設の取扱能力といたしましては、おおむね、発着回数で申しますと年間九万回、それから利用客数では千三百万人ぐらいというふうに考えておりまして、ただいま申し上げた数字に達するまではまだ数年の余裕はあるのではなかろうか、かように考えておりますが、ただ、先ほども申し上げましたように、ピーク時等にあっては若干お客様等に御不便をおかけしているというような事態は生じているかと思います。
#99
○倉田寛之君 参考資料を拝見をいたしますと、既に同空港への新たなる増便あるいは乗り入れ希望というのは三十五カ国余りあるというふうに伺っております。この三十五カ国余りある外国便の乗り入れということを長期的に見ますと、このことが実施をされないときにはアジアの拠点空港から外れるのではないか、こういう実はおそれすらありますが、その点はいかがですか。
#100
○政府委員(山田隆英君) 現在、成田空港には三十三カ国の国から三十九社の航空会社が乗り入れております。そして、さらに、ただいま先生御指摘のとおり、三十五カ国から乗り入れをしたいという希望を私ども承知しております。また一方、現在の乗り入れている航空会社といたしましても、増便をしたい、あるいは新規路線を開設いたしたい、こういう希望も出ているわけでございまして、こういうことを考えますと、現在の空港の施設では不十分である、私ども当初計画いたしましたような計画に従って成田の完全空港化ということを早急に進める必要があるのではなかろうかと考えております。
#101
○倉田寛之君 私は、新東京国際空港問題を質問申し上げるに当たりまして、国の責任の追及をするとか、そういう意味ではなくて、今まさに我が国が世界の先進諸国の一翼を担って、しかも新たなる世紀に向かって、国際化社会を迎える、まさしく日本の表玄関と言われている新東京国際空港は、国際化の中で本当に立派な空港だというふうに思えるだろうか。私は思えないであろうと思うんであります。したがいまして、この不完全空港であるという国際空港、これを早く完全空港にして、自他ともに国際化社会における日本の表玄関の空港としての素地をつくり上げることが必要ではないか、こういうふうに思っている一人でありますが、三塚大臣の見解と決意のほどをお伺いしたいと思います。
#102
○国務大臣(三塚博君) 御案内のように、日本の国際空港という空の玄関としての位置づけの中で成田空港がスタートをいたしましたことは御指摘のとおりであります。ですから、本時点で物を考えますならば、横風のときのためにも、それから第二滑走路も完備をしておらなければならぬ、そ
ういう意味で、いろいろなことがございますけれども、国の責任というのは免れない、私はさように思っております。
 そういう中で、今三十五カ国要望がなかなかのみ切れない、航空協定という基本的な問題もありますが、いずれにしても、対応するのにはまだ完全空港という計画に達しておらぬわけでございますから、さような観点で、これにどう対応するかというのがこれからの大事な課題であり、かねがね運輸省また歴代運輸大臣もこのことに頭を痛めてきたことだけは事実だろうと思うんです。そういう点で、問題点を明確にしながら、その問題点を整理しつつ、解決をしつつ前進をしなければならぬと思っておりますし、ただいまの時点で考えますならば、もう延引は許されないという、そういう認識は強烈に持っておりますことだけは申し上げておきます。
#103
○倉田寛之君 ただいま大臣からお答えをちょうだいしたわけでありますが、今のお答えを次のように理解をしてよろしゅうございましょうか。
 私は、この事業は国家的な大事業の一つである、しかも国益を守るための、国民利益を擁護し、そして発展せしめるための事業である。ですから、担当相である運輸大臣お一人ではなくて内閣全体の責任である。そして、内閣全体としてこの問題の完全化を図ることが、やはり国際化社会における我が国の空の交通の玄関としての素地を確立することである、こういうふうに理解をしている一人でありますが、今の大臣のお答えをそういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#104
○国務大臣(三塚博君) 当然そう相なります。
 私は、運輸大臣でありますと同時に任命を受けましたのは、新東京国際空港の担当相という、こういう命を受けております。これは運輸大臣でありますから、それで全部包含されることでよろしいはずなのでありますが、あえてこの成田国際空港担当を命ずるといいますことは、内閣の全体の統括の中で直接の責任者として全力を尽くせと、こういうことであったわけでございまするし、それは内閣全体がこのことに取り組むという姿勢はおっしゃるとおりであります。
#105
○倉田寛之君 同時にまた、この新東京国際空港は他の分野においても大変不備であります。新東京国際空港鉄道アクセスをとってもそのとおりであります。
 例えば、新東京国際空港から私鉄の京成電鉄が運営をしているスカイライナーというものが実はあります。これは笑えない話でありますが、私が県会におりましたときに、フォー・ウエノというふうに書きますと外国の人は一人も乗らない、どうしたら外国人がこのスカイライナーに乗ってくれるだろうか、そこで苦肉の策としてダウンタウン・トウキョーと書いたそうであります。つまり東京というのは日本の固有名詞のようなものでありますから、ダウンタウン・トウキョーというふうに書いたときには外国の人に乗っていただいたというエピソードがあるくらいせっかくの鉄道が不便であります。しかも、首都東京に向かって新幹線も没になりましたし、このスカイライナーとて空港のターミナルからは八百メートル実は歩かなければならない、こういうような問題について積極的に解決するお考えはありませんか。
#106
○政府委員(服部経治君) 現在の成田空港への鉄道アクセスが必ずしも良好な状態で提供されているというふうには私ども認識いたしておりません。
 まず、この長期的な対応といたしましては、いわゆる成田高速鉄道諸案のうちB案というものを今後に向けまして鋭意推進してまいりたい考えでございまして、今後に向けましていろいろとその実現のための方策を模索してまいりたいというふうに考えております。
 それから、当面京成電鉄の現在の駅からターミナルへのアプローチでございますが、これは現在バスによっているわけでございますが、これのバス輸送の円滑化につきましては、交差点の地下化による立体交差化を現在考えておるところでございまして、そういうふうな方策をとることによりましてアクセスの円滑化ということもあわせて考えてまいりたいというふうに思っております。
#107
○倉田寛之君 今お答えがありましたからですけれども、羽田へ行くモノレールは、空港の中に直接到着をして飛行機に乗れる。仮にバス輸送を充実すると言いながらも、あの八百メートルというのは非常に問題のある距離であります。この辺御答弁は要りませんが、私も現地のことですからいささか理解をしておりますが、こういった問題はやはり積極果敢に調整を図りつつ解決をしていかないと、自他ともにあの空港が国際空港と呼べる空港とはならない、こういうふうに実は思うわけであります。
 同時に、交通アクセスの問題で、B案の問題が局長からお答えになられましたけれども、このB案の目標年次というのは一体どの時期に設定をされているのか。
#108
○政府委員(服部経治君) 目標年次を明確に設定するところまで現在の検討は進んでおりませんで、その点明確なお答えができないことを大変残念に思うわけでございますが、いずれにいたしましても、このB案の実現のためには幾つかの解決しなければならない問題もございますので、それへの対応を図るために関係者が定期的に集まりまして勉強を続けている段階でございますので、もうしばらくの時間をかしていただきたいというふうに思うものでございます。
#109
○倉田寛之君 この問題、最後に大臣にお尋ねいたしますが、先ほど大臣から誠意ある御答弁をちょうだいしたわけですが、それでは一体――もろもろの問題はたくさんあることも私は承知しております。いつ世界に恥ずかしくない国際空港になるのか、同時に、先ほど来局長がお答えになっておられますように、首都に直結する鉄道のない国際空港なんというのはまさに国際空港と呼べないわけでありますから、交通問題のエキスパートである大臣にこの点も心から期待をしている一人でありますので、あわせてひとつ最後にお答えをちょうだいをしたいと思います。
#110
○国務大臣(三塚博君) 本格工事に早急にかからなければならないと言い続けて今日に来ておるわけです。その条件は何かということでありますと、過激派の排除でありますことは御案内のとおりであります。同時に、関係農家、農民に対する説得、協調、こういうことの理解を求めるということも重要なポイントであるわけでありまして、このことは歴代通して努力をしてきたと、私もそう思うのでありますが、毎年努力をするということで現状から前進がないということでは何のための計画がということに相なりますし、世界に開く我が国の今後のすべての政策の面からいいましてもこのままではいかぬだろうというのは前段申し上げたとおりでございまして、あとう限りの全力を尽くしてあらゆる努力、あらゆるものを尽くしてこのことは本年中には果敢に取り組んでまいらなければならぬだろう、いつということはこの際そういう積み上げがまだ若干残っておりますので、本日は明言するまでに至りませんけれども、少なくとも私の在任中は、このことを果敢に取り進めるという強い決意を私は持っておることを申し上げます。
 それと同時にもう一点申し上げられますことは、おっしゃるとおりアクセスがリンクしておらない空港も、これはいけません。そういう意味でB案の問題もある、いろいろ問題があります。成田―京成の問題も長年の懸案であります。そういうものを総合的に含めましてこれらをどうするか、これまた明確な方針を在任中に決めていかなければならない。そのためには与党とも、また千葉県とも、関係市町村とも、十二分に協議を詰めながら関係省庁のすべて結集をした形の中でその方向を明示をしていかなければならぬと、そういう大詰めの段階に来ておるのが今日の段階であろうと、このように思っておりますので、運輸委員会の委員長を初め、諸先生の格段の今後の御鞭撻、御支援もお願いを申し上げたいと、このように思っておるところであります。
#111
○倉田寛之君 時間がなくなりましたが、ただい
まの御答弁は力強く拝聴いたしました。
 最後にもう一点、昨年の八月の十二日に、日航一二三便が墜落事故を起こしてとうとい生命が失われたことは、そのとおり報道等で私も知り、心から冥福を祈っている一人でありますが、この空港における救急医療の体制というのをここ二年ばかり私も勉強させていただきましたところ、世界の主たる空港と比べまして、我が国の救急医療体制というのは非常にお粗末であるということがわかりました。
 そこで、この空港における救急医療体制のソフトな面、ハードな面、あわせて大臣のお手元で積極的にひとつお取り上げをいただいて、鋭意御検討いただき、その整備をお図りいただくように心からお願いを申し上げたいというふうに思っている一人でございます。
 時間の関係から御答弁は要りません。一点最後に御要望申し上げまして、私の質疑は終了させていただきます。
#112
○委員長(鶴岡洋君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。
   午後零時二十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十分開会
#113
○委員長(鶴岡洋君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、運輸事情等に関する調査を議題とし、運輸行政の基本施策に関する件について質疑を続けます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#114
○矢原秀男君 第百四回の国会におきまして、運輸委員会における運輸大臣の所信表明を先般伺ったところでございます。順次簡単に数点にわたりまして、前後いたしますけれども質問をしてまいりたいと思います。
 まず運輸大臣に質問したいと思うんでございますけれども、前回山下運輸大臣には当委員会でもいろいろと国鉄分割・民営問題で論議をされました。きょうはまた小柳先生からも論議が、しかも非常に深く論議が交わされたところでございます。
 私は法案が出ました段階から質疑を重ねてまいりたいと思いますが、きょうは運輸大臣初めてでございますので、国鉄改革に関する基本的な見解だけをまずお伺いをしておきたいと思うわけでございます。よろしくお願いします。
#115
○国務大臣(三塚博君) お答えを申し上げます。
 国鉄改革につきましては、施政方針演説でも申し上げさせていただきましたとおり国政上の最重要課題でございまして、決意を新たにこれに取り組んでまいらなければならぬと存じておりますし、何にいたしましても国民各位の深い御理解を得ませんければ成就でき得ませんことはよく存じております。さような意味におきまして、国民代表である国会の論議を積み重ねる中で最終的に政府提案をいたしております項目についての理解を得てまいりたい。そのためにはありとあらゆる努力を行ってまいりたいと思いますし、資料提供、また御審議について、いろいろな御要望について的確におこたえを申し上げていかなければならぬ、このように存じております。
 改革の重要性につきましては、今さら私が申し上げますまでもなく、今日のこのままの状態ではじり貧、壊滅的な状況に相なりますことでありますので、これを鉄道再生という悲願を込めてこれに取り組んでまいる、こういうことでありますので、よろしくお願いを申し上げたいと存じます。
#116
○矢原秀男君 論議はまた次回に譲ってまいりたいと思います。
 ここで当局にまずお伺いをしたいと思いますけれども、それは心身障害者の運賃の問題でございます。
 先般、身体障害者の兵庫県連委員長等と論議をいたした際、国鉄が将来分割をされる、こういうことは紙上よく承知しているけれども、そういうふうな場合、私たちのこの運賃問題を明確にもう一回何とか不利な状況にならないようにお願いをしたい、こういうふうな御要望もあったわけでございます。
 そこで、今身体障害者の割引については種類は一、二、三と三つに分かれているようでございます。そういう中で、身体障害者の割引の利用者数というものが五十九年度で三百六万人いらっしゃるわけでございます。
 第一につきましては、「第一種の身体障害者(障害度の重いもの)及び第二種身体障害者(障害度の軽いもの)が単独で乗車船する場合(百一キロメートル以上)」そういう場合の普通乗車券、これについては五〇%ですね、こういうふうになっているようでございます。二番目の「第一種身体障害者が介護者とともに乗車船する場合(距離制限なし)身障者、介護者とも五〇%」それから三番目の「十二歳未満の第二種身体障害者が、介護者とともに、乗車船する場合」こういうふうに三つの種類に分けられて身体障害者の割引がなされているのでございます。これは、先ほど申し上げました、五十九年度三百六万人ということになっております。
 ここで、日本国有鉄道改革法等施行法案の中で、第四十三条は、「心身障害者対策基本法の一部改正」、「心身障害者対策基本法(昭和四十五年法律第八十四号)の一部を次のように改正する。」ということで、心身障害者対策基本法の「第二十三条第二項を削る。」、こういうふうになっているわけでございます。この二十三条については、「経済的負担の軽減」ということで、一項には「国及び地方公共団体は、心身障害者及びこれを扶養する者の経済的負担の軽減を図り、又は心身障害者の自立の促進を図るため、税制上の措置、公共的施設の利用料等の減免その他必要な施策を講じなければならない。」、これはこれでいいわけでございますが、削っていく第二十三条の二項は、「日本国有鉄道は、心身障害者及びこれを扶養する者の経済的負担の軽減を図り、又は心身障害者の自立の促進を図るため、特に必要があると認めるときは、心身障害者及びその介護者の運賃等の軽減について配慮するよう努めなければならない。」この明確な条項というものが今回の日本国有鉄道改革法等施行法案の中では削除をすると、こういうものが挙がってくるわけでございます。そういうことで、全国のこの該当される三百六万人、今後ともこういう交通体系の非常に大きな中、また日本の食生活の中、いろいろと障害者の方々がふえていく傾向にあるわけでございますけれども、非常に不安に思っているわけでございます。そういうことで、この法改正の一つの趣旨、こういうことについて当局の方の明確なお話をまず承ってみたいと思います。
#117
○政府委員(丹羽晟君) お答えを申し上げます。
 ただいまの御質問にございました心身障害者対策基本法の改正の部分でございますが、現在の二十三条の二項は国としての日本国有鉄道の配慮する規定を書いているわけでございますので、今回の国鉄改革がお認めいただければ、旧鉄はいわゆる民営化いたしまして、現在の私鉄と同じ鉄道になるわけでございますので、そういう意味でこの二十三条の二項は適用にならない形で考えるということになりますので、そういう整理をさしていただいたわけでございます。しかし心身障害者対策基本法では現在第五条という規定がございまして、「国民は、社会連帯の理念に基づき、心身障害者の福祉の増進に協力するよう努めなければならない。」こういう規定がございますが、これを受けまして現在の私鉄も心身障害者に対します運賃の割引を行っているわけでございます。それで、国鉄の民営化された後の割引の問題につきましては、新しい経営陣が基本的には判断する問題かと思っておりますが、ただ現在の国鉄の割引制度は、現在私鉄が行っております割引制度とほぼ同等のことを行っておりますので、先ほど先生御指摘のとおりでございますが、今後もそういう形で続けられていくのではないかと考えております。
#118
○矢原秀男君 ここでこの件について運輸大臣に確認をしたいのでございますけれども、この条文
が削除された場合に、今お話しがございました民鉄が第五条の精神にのっとってのお話等があるわけでございますが、非常にこの国鉄分割・民営というものがやはり今までの私鉄が営々として努力をされて、経営的にも、社会的にも、非常に確固とした努力、そういうようなことをされた歴史から見ると、国鉄という非常に基盤はございますけれども、一面では北海道、九州、四国、特にこういう三島については非常に不安もあるわけでございます。その際、今答弁をしていただきました新しい経営陣が、やはり民鉄等にのっとった上で基本的な見解というものを示されるのではないかと言われているわけでございますが、やはり今私は申し上げましたように、もし将来分割等進んでまいりますと、この旅客新会社に対しまして、どこまでこういう法的な効果、そうして現在までの私鉄が非常に良心的にやっていらっしゃる身障者の方々に対する福祉対策の一環としてのものがどこまで確約されるのかという心配を持っているわけでございます。ここで運輸大臣の明確な、こういうふうな方向でいくんだというようなことがあればしかと承ってみたいと思うわけでございます。
#119
○国務大臣(三塚博君) 今、国鉄部長が基本的な法制の仕組みを申されたわけでありますが、心障基本法の目指すところは、国民の連帯であります。さような意味におきまして、新しい分割会社、民営会社に鉄道が相なったと仮定をいたしましても、その時点に立って経営者の皆さんは当然その方向を決めていくものと私自身は期待をいたしますし、同時に、最初特殊法人、全額国の出資という形でありますれば、さような意味における社会連帯、社会的な責任というものはその延長線上でのみ込めるというふうに思いますものですから、私鉄も精いっぱいの努力をされておるわけでございますから、新しい分割・民営会社は従前の方式を取り進めていかれるように私は望みたいと思いますし、そういう機会がありますれば、本日の論議なども踏まえながら対処してまいりたい、このように思います。
#120
○矢原秀男君 この点はぜひやっていただきたいと思います。いろいろ大臣も所信表明の中で申されましたが、やはり公共的な輸送機関というのはこういう方々に対する手厚い協力、それからもう一面は安全性の問題でございます。
 どうしてもやはり国が管理をする場合の安全性と、そうして公共性がございましてもどうしても営利を追求しなければ成り立っていかない、この面からの私鉄経営というものから見て、やはりこういうものが少しでもおろそかになっていくことはこれはもう許されないことでございます。そういう意味で私も質問したわけでございますけれども、ぜひこの点は絶対に後退はしてはならない大きな問題でございますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 では次に移ります。
 次は、造船問題に関する質問でございます。順不同でございますが、ちょっと失礼いたしますけれども、造船問題からまいりたいと思います。
 今、造船不況に関しまして内外ともに大きな問題となっているわけでございます。先般の運輸大臣の所信表明の中で、造船業に関する認識として次の三点を述べられております。一つは、厳しい不況に直面をしている。二番目には、長期的に見ても相当の需給不均衡が予測をされておる。三番目は、生産性の低下等による産業活力の低下が懸念されている。昨年の十月には、海運造船合理化審議会に対して今後の造船業の経営安定化及び活性化の方策はいかにあるべきかという諮問がなされております。六月にはまた答申が出されると聞いておりますが、折からの円高も加わって造船業界にとっては本年はまさしく重要な転機の年となっております。
 こういう観点の中で、質問の第一でございますけれども、大臣の造船業に対する基本的な認識、また今後の造船政策に対するお考えをまず伺いたいと思います。
#121
○国務大臣(三塚博君) ただいま先生御指摘のとおり、我が国の造船業界の置かれておる立場は極めて困難な状況に置かれておりまして、この環境はさらに厳しくなってまいるのではないかと私自身も予想をいたしておるところであります。
 御指摘のように、この状況を打開いたすべく、審議会に、今後の造船業の経営安定化と活性化の方向はいかにあるべきかという諮問を行いましたのもさようなことでございまして、審議会は六月と言っておりますが、できるだけ早い対応をお願いをしなければならぬなと、こんなふうに思っております。しかし、やはり相当困難な御審議のようでありますから、それをしっかりと見守りつつ、なおかつ行政として、政治として、それまでの間打てる手は果敢に取り進めていかなければならないのかなと、こんなふうに思っております。
#122
○矢原秀男君 確かに石油危機後の世界経済の成長の鈍化、エネルギーの需給構造の変化、こういうようなこと、そしてまた新造船の需要の伸び悩み、いろいろ条件はあろうかと思います。いずれにいたしましても、不況の長期化に伴いまして、労働力の高齢化の問題、設備の老朽化の問題、非効率化等によって生産性の低下、産業活力の低下も懸念をされているところでございます。
 そういう中で、今大臣の決意も伺ったわけでございますけれども、質問の二点でございますけれども、造船各社は昨年の後半より相次いで合理化計画を発表して人員の削減を進めておるようでございます。
 そこで、一つは、現在の各社が計画をしているところの人員削減の総計はどの程度の人数になっているのか。
 二番目には、年齢構成から見てやはり高齢者の配置転換、社外出向、繰り上げ定年といったことが削減計画の柱であろうかと想像をしているところでございますけれども、その合理化の内容、実態はどうなっているのか。
 三番目には、退職に伴い新しい職を求めなければならない方々に対しての国の配慮、援助をどうするのか、以上の三点について当局のまず御説明をいただきたいと思います。
#123
○政府委員(間野忠君) 最初の点でございますけれども、造船部門、大体大手七社を中心にいたしまして合理化計画が発表をされております。それを全部足しますと、造船以外の部門も含めますと全体で一万六千人程度、造船部門だけですと一万人程度の削減ということになっております。いずれも今後二年か三年の間にこれを実施したいということでございます。
 それからその中身でございますけれども、確かに大部分の会社が五十八歳の定年を六十歳に延ばす方向でおったのですが、これを延期いたしまして、五十八歳定年でいくということでございますので、どうしても高年齢者の方に偏るということは否めないかと思いますが、ただ全体として自然減あるいは他社への出向それから配置転換、そういったことによってできるだけ吸収したい。なおかつ余ります分については子会社を設立いたしまして若干のエンジニアリング部門ですとか他部門の子会社を設立してこれで吸収したいというような努力をやっております。
 大体以上であるかと思います。
#124
○矢原秀男君 造船業界にも大手、中小とあるわけでございますが、大手だけを見ましても、石川島播磨重工が二万四千人の従業員を六十三年までには四千人減らしたい、日立造船も一万七千人を一万二千人まで圧縮をしたい、川崎重工業も造船部門で四千二百人を二千九百人体制としたい、三井造船も一万七千人の従業員を八千七百人体制にしたい、三菱重工業も造船部門は九千人を二千人程度に削減をしたい、日本鋼管も船舶、海洋部門の七千六百人のうち千人程度の余剰が出ていると。これは大手でございますが、これに中小も含めますと、確かに働いておられる勤労者の方々というものが非常な状況の中に追い込まれているという、非常に大変な事態にあることが明確にわかるわけでございます。
 そういう中で質問の三点でございますけれども、昨年十月の諮問を受けて、現在海造審の審議
が進んでいると思うのでございますが、一つは現在までの審議の状況、二番目には、中間答申は出されるのかどうか。三番目には、最終答申は六月という認識でよいのか、この三点を伺ってみたいと思います。
#125
○政府委員(間野忠君) 昨年十月、海運造船合理化審議会の経営の安定化、活性化ということを諮問いたしましてから、今後の需要予測、これにつきまして鋭意検討してまいりました。
 それで、需要の予測につきましてはおおむね委員会の方で合意が得られまして、恐らくボトムとなります昭和六十三年には、標準貨物船に換算いたしまして三百十万トン程度の需要しかないんではなかろうか。その後、昭和七十年ごろにはかなり回復するものの、それでも五百二十万トン。現在、能力が六百万トンと百われておりますので、昭和七十年ごろ需要が回復してもその現在の能力には達しないのではないかというようなことでおおむねの認識が一致しております。
 それで、それでは今後どういう対策をとるべきかということで現在審議いただいておるわけでございますけれども、やはりこのような需給のアンバランスがかなり長期的に続くということであれば、やはり過剰設備を廃棄するというようなこと、それから近い将来、二年先、三年先非常に落ち込むわけでございますけれども、これに対しては何らかの操業規制、それから余剰船舶解消のための解撤の促進あるいは事業転換、こういったことが議論されておりまして、恐らく答申の骨格になっていくんではなかろうかという気がいたします。
 ただ、ただいま申し上げましたように、過剰設備の処理と申しましても単純には処理できないような会社が多くなっておりまして、若干のグループ化とか集約化というようなことも考えなければならないということになっておりまして、簡単にはなかなか結論出しにくい状態でありまして、中間報告は恐らく出されないというふうに考えております。
#126
○矢原秀男君 運輸大臣、不況対策の一つとしまして、前に関西新空港ができるときに浮体構造の、私たちもいろいろ陳情を受けて、技術的にこれはちょっと難しいというような結論が出て今日になったと思うんですが、今後の問題としまして日本及び世界的に、日本の技術、そういうことの中で海洋構造物、まあいわゆる浮体構造物が取り入れられていくようなこういう構想とか、世界的に方々から要求が来ているとか、そういうものの中で浮体構造のそういうふうな一面の関係というのはどういう御見解を将来方向として持っていらっしゃるのか、もしございましたら簡単に伺いたいと思います。
#127
○国務大臣(三塚博君) 御案内のように、現在は長崎上五島で工事を行っておる、こういうことでありまして、第一次造船不況の際に見られました関西新空港浮体方式による造船業界の活性化を含めた画期的な実行ということが真剣に検討されたわけでありますが、なかなか技術的に難しいということで今日の埋め立てに変わりましたわけでございますが、深刻な今日のような状況の中にありまして、やはり何らかのノーハウをまた研究をしながら方策を立てていかなければならない時期に来ておるのではないだろうかというふうに思います。私の思いつきみたいなことで、今いろいろ研究をいただいておるわけですが、コミューターなどというのも、ああいう方式が、浮体のコンパクトなやつなんかが一つの方式であるだろうと思うんです。ただ、航空安全上いろいろとまた問題があるということでありましょうし、その辺をもっと活発な議論の中でやれることはやっぱり前に進むということも大事なことだろうし、そのように思います。
 問題は、運輸行政は、いつも安全の確保というこれが大前提なものでございますから、その辺との整合性を今後の中でまた十二分に研究をしながら、いつまでも研究しておったんじゃこれはアウトになりますので、研究ばっかりじゃなく、御意見を賜りながら決断をするときには決断をしなくちゃいけないのかと、こんなふうにも思っております。
#128
○矢原秀男君 ひとつ、大臣の英知をプラスの方向へ努力してください。
 造船関係の最後でございますけれども、きょうの日経に、造船業界不況カルテル実施へ、六十二年、六十三年度、そして操業率三五%にと、こういうふうな内容のものが報道をされております。これは、きのうですか、三月十九日、前田日本造船工業会の会長が記者会見をされて、ことしの夏をめどに認可を得たいと。そしてまた、不況カルテルを実施していきたい。そして、一番厳しい操業率三五%ぐらいまでに整理をしていきたい、日経にきょうこういう報道が出ているわけでございますけれども、これに対しまして、当局並びに運輸大臣の見解を伺っておきたいと思います。
#129
○国務大臣(三塚博君) きょう、不況カルテル申請みたいなことが朝日に出ており、そして日経に不況カルテル実施へと、造船業界の願望を込めた記事が出ております。本件は、今局長からも言いましたとおり、海造審で真剣な御審議をいただいておるところであり、その結果として、操業調整はどうあるべきか、過剰船腹はどうすべきかということ等について、あるいは設備の処理について、具体的な御提案をいただけるものと思っております。この操業調整の御答申の中にどう出るか、それらを踏まえて、それをベースにした形で今後に対応していくということでありましょうし、当然考えられる打開策としてこの方式もその中に含まれてくるのではないだろうかと、こういうことで海造審の答申を見守ると、こういうことでこれに取り組んでまいりたい、こう思っておるところであります。
#130
○矢原秀男君 ひとつ海運関係も非常に活力のあるそういう政策をお願いしたいと思います。
 次に移ります。
 日航機墜落のその後の問題について質問したいと思います。
 非常に不幸な事件でございましたけれども、関係方面で精力的に努力をされていることは伺っております。敬意を表しているところでございます。そういう中で、二、三質問をしてみたいと思います。
 運輸大臣は所信表明の冒頭に、運輸行政の要請は安全の確保にあると言明をされたわけでございます。昨年八月十二日、日航ジャンボ機墜落事故で五百二十人の方々がお亡くなりになりました。改めて事故の悲惨さをかみしめている昨今でございます。私自身もこの事故で知人や友人を多く失いました。ひとつ、この安全対策についてでございますけれども、運輸省は事故後、昨年の九月十四日、日航に対しまして整備の改善勧告をし、十二月の十八日には日航首脳人事を刷新するなど、それなりの改善策として手を打たれておられます。
 運輸大臣は航空機事故等防止策として、最も大事な安全対策はいかなるものであると考えていらっしゃるのか、改めてまず伺いたいと思います。
#131
○国務大臣(三塚博君) まさに先ほども申し上げましたとおり、運輸行政の基本は安全の確保であります。特に航空機事故は瞬時にして大惨事を生じしめるものでございますだけに、万全を期していかなければなりませんことはまさに御指摘のとおりであろうと思います。さような観点からこの事故防止という点に関しましては、総合的な観点からこれが行われなければならないものであり、航空会社の運航整備の安全管理体制を盤石にするということは当然でございまして、運輸省といたしますれば、さらに航空保安体制の整備を通じまして航空の総合的な安全運航体制を確立をしなければならぬとこう思い、御指摘のように、航空会社に対しまして厳しくその体制確立について監督指導を行っておるところであり、運輸省も保安体制について万全を期するということにいたしておるところでございます。
 特に、日航につきましては、労使の問題などもとかく言われるところでございますものですから、さような意味で、全社体制という、こういう
取り組み方につきましても新体制の代表者の皆々様にお会いを申し上げまして、まずその社内体制が安全第一という、伊藤副会長は絶対安全というそのモットーを掲げられておるようでありますが、その絶対に挑戦する気迫でお取り組みいただけますようにお願いを申し上げておるところでございます。
#132
○矢原秀男君 当局にでは伺いたいと思いますけれども、日航機事故の調査委員が昨年十二月十九日に第三次の中間報告を出しております。それによりますと、一つは後部の圧力隔壁には最大で五センチから、合計三十センチもの亀裂破断が進行していた。二番目には、その箇所はいずれも新旧接全部で、ボーイング社の修理ミスに集中していた。三番目は、これら破断面には電子顕微鏡検査結果によると金属疲労痕が存在をしていた、などが発見されたと公表いたしております。このことは、これよりさき、米国家運輸安全委員会がジャンボ機の安全性向上勧告の中で、日航機事故の原因は、一つ、隔壁破壊による垂直尾翼の空中分解、二番目には油圧機能の完全喪失によると指摘をしましたけれども、結果的にはこれを証明したことになったものであります。このことからボーイング社の修理ミスの責任の重大さももちろんでございますけれども、日航の整備点検のそういうシステムが改めてクローズアップをされている面もあるわけでございます。こういう中でその後今大臣からも強烈な指示もいっているようでございますけれども、整備点検体制方式は事故前と比較をしてどのように改善をされて現在実施をされているのか、これは当局の監督面の具体的な項として伺っておきたいと思います。
#133
○政府委員(大島士郎君) お答えいたします。
 ただいま先生御指摘の事故後の日本航空に対する改善勧告の中で、整備点検方法あるいは整備体制の強化を指示しておるところでございまして、この勧告に沿ってボーイングの総点検等が行われたわけでございますが、現時点におきまして特に改善を行った主な点を申し上げますと、飛行三千時間ごとに行う定時点検、C整備と申しておりますが、この点検において垂直尾翼あるいは胴体、与圧室構造等の点検項目の追加、強化をいたしております。また日本航空は改善勧告の回答の中で、飛行回数の多いボーイング747SR機につきましては、機体構造の重要部分について全数構造点検方式の実施を採用したところでございます。
 さらに、既に御案内のことと思いますが、私どもの指示した使用回数の多いボーイングSR機の総点検において、機首部の構造にかなり多くの亀裂が発見されまして、この亀裂自体は完全修理して就航さしているところでございますが、これらの報告をアメリカの連邦航空局に通報し、これに基づきますところの747の機首部構造に対する耐空性改善命令なるものが一月末あるいは二月の中旬にアメリカから出されておりまして、これに指示された機体構造の点検をただいま、また今後計画に従って実施しているところでございます。
 また、そのほか過去に事故を起こした機体に対して、長期監視プログラムを設定いたしますとか、あるいは整備のソフト面と申しますか、体制としましては整備点検部門に対してとりあえず事故後二十名強の増員を行い、まだこれからの新年度以降の業務計画におきまして、これらの部分に対する人員増を計画しておるところでございます。
 私どもこれらの日本航空の計画が確実に実施されるようあるいは整備点検が確実に実施されるよう今後とも監視、指導していきたいと考えているところでございます。
#134
○矢原秀男君 ぜひ安全のために努力をしていただきたいと思います。
 運輸省の航空事故調査委員会の今後のスケジュールでありますけれども、聴聞会、そして調査委員会の調査内容についての意見聴取をすることになっているようでございますが、その進捗状況、そしてまた最終報告ですね、それいつごろになるのか。
 それでまた先般事故調査に関連をしまして幸尾委員外四名の外国の出張、三月の二十三日から三月三十日、ボーイング社、サンドストランド社等等行き先が決まっているようでございますけれども、そういう面の調査の内容と、もし公表できるものであればお聞かせをお願いしたいと思います。
#135
○説明員(藤冨久司君) お答え申し上げます。
 先生おっしゃいました昨年八月の日航機の墜落事故につきましては、航空事故調査委員会において鋭意事故原因の究明を進めているところでございます。既に四回の経過報告を行ってきたところでございますけれども、その後機体残骸の詳細な調査を進めますとともに、操縦室用の音声記録装置及び飛行記録装置の記録、関係者の口述等の事実をさらに調査いたしまして、現在これらにより知ることができました事実をまとめた事実調査に関する報告書の案というものを作成中でございますが、この案につきまして関係者及び学識経験者の方々の御意見を聞くための聴聞会をこの春のうちにも開催するよう現在努めているところでございます。
 当委員会といたしましては、この聴聞会の御意見を踏まえましてさらに認定した事実及び必要な試験研究の結果等を総合的に解析することによりまして事故原因を究明していくという手順を踏むことになるわけでございます。したがいまして最終的な報告書を公表する時期ということについて具体的に申し上げるまでには至っていないのでございますけれども、委員会といたしましては今回の事故に対する社会的関心が極めて高いということも十分承知いたしておりますので、できるだけ早期に真の原因を究明するよう全力を注いでいるというところでございますので御理解願いたいと存じます。
 それから、第二点でございますが、当委員会の幸尾委員外四名が米国へ出張するという件でございますが、今回の日航機事故の調査につきましては、事故機の製造国であります米国が国際民間航空条約の第十三附属書に基づいて製造国として参加しておりますが、また同時に米国の国家運輸安全委員会、いわゆるNTSBは、今回の事故調査に必要な航空機製造上の各種資料の提供等につきまして、製造国の立場から我が国の事故調査に対して協力をいたしてきているところでございます。それで今回訪米いたします幸尾委員外四名の出張の目的は、これらの資料の入手を中心とするというところでございますので、御理解いただきたいと思います。
#136
○矢原秀男君 最後になりましたが、時間参りましたので一問にいたします。
 補償問題でございますけれども、この日航惨事に対して賠償の訴訟も起こされております。こういう状況を勘案しておりまして非常に難航をしているというそういう形も見るわけでございますが、日航とボーイング社が共同方式で折半で対処するとのことも伺っておりますけれども、ボーイング社の会長の話では、最終結果をまつこともなく補償について話し合うと言明をしているようでございます。山地新社長も補償には誠心誠意努力すると記者会見もされているようでございます。いずれにいたしましても、なかなか難しい性質のものであろうかと思いますけれども、運輸省としてこの補償についてやはり誠心誠意取り組んでいかなければならない面もあろうかと思いますけれども、どういうふうに指示等をされていらっしゃるのか、そしてまたどういう考えなのか、最後に伺って質問を終わりたいと思います。
#137
○政府委員(山田隆英君) 日本航空機の補償問題につきましては、現在、日本航空と御遺族との間で話し合いが行われておるところでございます。
 私ども承知しておるところでは、現在までに二十数名の方につきましては、示談で解決しているというふうに承知しております。また、現在、裁判の係属中のものが一件で、二名の方につきまして一件の訴訟が起こされておるところでございます。
 日本航空といたしましては、会社の中に「JA―八一一九号機事故ご被災者相談室」というのを
設けまして、御遺族のお世話をする担当者を置いて、補償について対応しておるところでございますが、御遺族のいろいろな事情もございまして、御遺族のお気持ちを十分酌みながら進めているという状況でございますので、まだ具体的交渉に入っていないケースもあるわけでございます。
 運輸省といたしましては、基本的にはこの補償の問題と申しますのは、当事者間で話し合われるべき事柄であるというふうに考えておりますが、日本航空を監督する立場といたしまして、日本航空に対しましては、誠意をもってこの補償交渉を進めるよう指導しているところでございます。
#138
○内藤功君 まず、タクシー企業の労働者の労働条件の問題、さらに安全問題についてお伺いしたいと思います。
 二月三日付の交通新聞によりますと、警視庁がまとめた東京都内の交通事故状況、昨年じゅうの状況によりますと、特に法人タクシーの事故率が総件数で前年比一一・三%増、さらにこの二年間でも三百九十五件の大幅増という数字が出ております。
 まず、運輸省に伺いたいのは、安全第一という観点からこの種の法人タクシーの事故増加、どういう認識を持っておられるか、基本的にどういう姿勢で臨んでいかれるお考えか、これを伺いたいと思います。
#139
○政府委員(服部経治君) 御指摘をいただくまでもなく、輸送の安全ということは、どのような運送事業でも第一に心がけるべきことでございまして、そういう意味合いにおきまして、タクシーにおきましても、私どもかねがね機会あるごとに、輸送の安全確保につきましては、最高限の意をこれに用いるように強く指導してきているところでございます。そういった法人タクシーの事故件数の増加につきましては、私ども重大な関心を持ってこれを見ておりまして、改めて今後に向けまして、さらに一層の指導を強化するように努めてまいりたい考えでございます。
#140
○内藤功君 昭和五十九年の四月二十六日に、運輸省設置法改正案の審議に関しまして、私は内閣委員会でこの審議の際に、具体的に、この東京で特に問題が指摘されておる東京コンドル、第三コンドル、こういうタクシー会社のいわゆるあおり行為ですね、運輸規則第二十一条の三違反につきまして、具体例を指摘して質問をし、行政指導を求めたところであります。
 当時の角田自動車局長は、その際、運輸省の独自調査を約束されて、その後私のところに運輸省からは、国会質問で指摘された点は間違いなかった。したがって、強力に改善を指導して、改善をさせた旨の御回答を得ております。この経過、間違いありませんか。
#141
○政府委員(服部経治君) ただいま先生御指摘の経過はそのとおりでございます。
#142
○内藤功君 運輸省では、その当時、具体的にどのような指導、改善措置をおとりになりましたか。
#143
○政府委員(服部経治君) もう二年前になりますが、五十九年の四月、確かに内閣委員会で先生からただいまの点につきましての具体的な御指摘がございました。それを受けまして、現在では関東運輸局と申しておりますが、当時の東京陸運局におきまして早速事業者を呼びまして詳しく事情を聴取いたしました。ただ、当時の東京陸運局の判断といたしましては、御指摘の行為につきましてはこれはノルマを課すことを通じまして、そのノルマ達成のために乗務を強制しているというところまで言い切れるというふうには判断しておりませんで、しかし、そのこと自体決して好ましいことでもありませんし、また円満な労使関係を確立する上でもそのことは問題なしとしない、そういう行為であるというふうにこの問題をとらえまして、早速関係の事業者に対しましてその自粛と是正方を強く指導したというふうに承知しているところでございます。なおその後二、三の機会にわたりましても同様の指導をその事業者に対して行ってきているところでございます。
#144
○内藤功君 その御指導の効果があらわれまして約半年ぐらいはそういう状況が続いたんですが、その後新たな方法で、同一の企業が再びこの種の行為を始めているということを聞きまして、私、ここにありますが、証拠書類を集め、また証拠写真を集め、また私自身も現場にも赴いて調査を行ったところでございます。
 一例を挙げますと、給与明細書というのがあります。後で全部お見せします。給与明細書にその方の平均営収と何月における会社の平均営収というのをわざわざ給与明細書に書いている。それから、前に質問したときはワーストテンを張り出しているというのがあったんですが、今度はワーストテンじゃなくて、「SOS」と書いてそこに営収の低い人の名前を書いているんですね。これも後でごらんに入れましょう。それから「危」という字を書いてその周りにやっぱり約二、三十人の人の名前を書いているんですね。それから、もう切りがありませんが、「研究・努力」と書いて、ピラミッド型の三角を書いてこの中に人の名前を書いている。もう切りがありませんから典型的なものを申し上げます。それからハンドル時間十五時間以上、走行キロ二百九十キロメーター、営収四万一千円以上の営業してきた人に、「これはだめだ、もう一度走ってこい。」「じょうじゃない」と言い返した人に対して、「まだ、時間はある走ってこい」。これが具体的に出ておりますね。それから何月分の君の営収は四万一千八十円なので二日間特別教育指導の名目で内勤をしろ、こういうことを言われた例もある。全部御本人からの署名捺印のある聞き取り書きです。「ここ三カ月営収が下がっているじゃないか、どうしたんだ。」「サボっているわけじゃありません。」「きょうこいつに車を渡さないようにしろ。」まだまだいっぱいありますが、この三つだけでもこれだけです。そのほかに文書で、ここに掲示がありますが、常時下位に低迷する少数の乗務員の反省のなさと甘えが原因のすべて、就業規則の一部を掲示いたしますということで、就業規則の中の「勤務成績が著しく悪く改俊の見込がないと認めたとき」というのをそこに書いてありますね。これは予告解雇です。解雇をほのめかしておりますね。それから、ここにこれだけ処分という処分通知書を持ってきましたが、これは乗務停止処分にするという通知書でございまして、そこの注意書きに「今後反省・研究・努力の様子が伺われない時」は就業規則四十六条二号、さっきの条文の適用となることを警告しておる。これはもう一番新しいのは三月になってからでありますよ。それで、これはそのほかにこのままでは君はタクシーに向かない、他産業に行ったらどうか、「もう会社を退めろ」「退める気はありません」と言うと、「普通こんだけ言われたら、じゃ、やめてやらあと言うぞ」と。「内勤しても月収五、六万しかないぞ」と。これは事実ですから申し上げるわけですね。そして、都労委に別件で出ているそうですが、都労委の証言記録の中に、この社長の岩田さんという方が「営収が低い、というだけの理由でも運転手を首にする」と、これは都労委の証言ですから裁判所の証言に準ずるものですが、こういうことを言っている。長谷川という次長は「事故を恐れていては、タクシーは勤まらない」と、ここまで言っておるのですね。
 私は先ほど警視庁の発表した数字の法人タクシーの事故増という背景にやっぱりこういう大きな問題があって、まだまだ運輸省のこの面での御調査並びに処分、行政指導は、さっきの御努力は認めますが、そのかつての御努力にもかかわらず一向効き目が出ていないと、役所がこれではなめられるということになっても仕方ないと思うんですね。私は非常にこれは遺憾な事態だというふうに思うわけでございます。
 特にこの二十一条の三は、私は私なりの常識で考えてみた場合に、「運転者に、その収受する運賃及び料金の総額が一定の基準に達し、又はこれをこえるように乗務を強制してはならない。」ということですが、この解雇の警告というのは私は最大のやはり強制だと思うんです。こういう意味におきまして、これはひとつ厳重に事実を調査していただきたい。ここにある資料は全部お見せします
から。そのほかに関係者、働いている人、それからもちろん会社側の人間というものを厳重に調べていただいて、強力なやはり指導をしていただきたい。私は、くどいようですが、このことをまずお願いしたいと思うんです。今お聞きになった範囲での御判断があればやっていただくし、なお調査、どういう方法でおやりになるかという姿勢を局長にお伺いしたいと思うんです。
#145
○政府委員(服部経治君) およそどういう事業体におきましても、その事業の経営者がその職員、従業者に対しまして、忠実に与えられた職分を全うするように指導し督励することは、これはもう通常のことではございますけれども、ただいま先生の数々の具体的な御指摘を承りながら思ったことでございますが、そういう職員の督励、指導にもおのずからやり方があるわけでございまして、かなり穏当を欠く行為が随所にあるというふうに感じております。
 特にこの東京コンドルタクシーグループにつきましては、先ほど私御答弁申し上げましたように、この二年間に両三度にわたりまして東京陸運局、現在の関東運輸局におきまして厳しくそういったやり方につきましての自粛是正方を指導してまいりましたにもかかわらず、依然として先生ただいま御指摘のような事実があるということはまことにこれは遺憾でございまして、私ども本日の先生の御指摘を踏まえまして、また先生御入手のいろいろな資料につきましてもこれをちょうだいいたしまして、早速に事態の把握を行いまして、従前にも増してしっかりこの案件を調べて適切に対応を図ってまいりたいというふうに考えております。
#146
○内藤功君 大臣、所管の大臣として聞いておられて、これに臨む御決意を承りたいと思います。
#147
○国務大臣(三塚博君) 今、服部局長が答えられたことと軌を一にいたします。調査報告をお聞きをいたし、交通安全、またこの規則の意図するところに従いまして指導していかなければならぬと、このように思っております。
#148
○内藤功君 厳重にひとつ早急にやっていただくことを要望いたします。よろしいですね。
 そこで、労働省来ておられますか。
 労働省にお尋ねしますが、労働省は昭和五十九年二月十三日付の基発第六十七号の通達で全国乗用自動車連合会にあてて「タクシー運転者の労働条件の改善について」という指導をされております。この中にもこれまでのタクシー業に対する監督指導結果を見ると、依然として法違反が少なくないと指摘をしております。この通達の出された趣旨、それから背景というものを、簡潔で結構ですが、お述べいただきたい。
#149
○説明員(菊地好司君) 御指摘の協力要請は、お話にありましたように、昭和五十九年のタクシー運賃の改定に先立って行われた物価問題に関する関係閣僚会議の決定を踏まえて、全国乗用自動車連合会に対してタクシー運転者の労働条件の改善について会員事業場に対する特段の指導方を要請したものであります。
   〔委員長退席、理事安恒良一君着席〕
その主な内容は、タクシー運転者の労働時間等の労働条件は、他産業のそれと比較して全般的に立ちおくれが見られること、それから、これまでの監督指導結果を見ますと、依然として法違反または改善基準違背事業場が少なくないこと、したがって、労働基準関係法令及び改善基準の遵守を図るとともに、運賃改定の趣旨を踏まえた労働条件の改善が図られるよう会員事業場に対する指導を行うこととしたものであります。
#150
○内藤功君 労働省として今の通達の趣旨にもかんがみて、また今ここでお聞きになっていたような状況でございますので、独自のやはり労働省としてのお立場から調査をお願いしたいと思うんです。
 なお、きょうは時間がありませんので深入りはできませんが、そのほかにも今の労働の強制ですね、ほかにもタクシー運転者の営収不足ということを理由に懲戒処分なり解雇がそれでできるのかどうかという重大な労働法上の問題がある。それから年休申請をした人に対するいろいろな取得妨害の事実があります。それから裁判係争中の人、労働者の氏名を大きな文字で大書して公衆の見得る塀に掲示をするというこの人権侵害があります。解雇、和解成立して職場復帰、乗車を裁判所で約束した人に対してそれをさせないということで、その自由を侵している問題もあります。これらも次の機会にまた明らかにする予定です。
 こういった多面的な労働省としての調査もあわせてお願いをしたいと思います。よろしゅうございますか。
#151
○説明員(菊地好司君) 労働者の保護を所管する私どもの立場といたしまして、御指摘の点を踏まえまして労働基準法等の違反があるのかどうか調査をしてみたいというふうに思います。
#152
○内藤功君 それでは、次に国鉄の問題についてお伺いをしたいと思います。
 まず、昨年の十二月三十一日昼の十二時五十分ごろ国電山手線の浜松町駅におきまして車両故障がありましたが、その概況、さらに原因について御説明いただきたい。
#153
○説明員(山之内秀一郎君) ただいま先生から御指摘の車両故障につきまして早速原因を調査をしたわけでございますが、電車にはモーターと車輪をつなぐ間にたわみ板というのがございますが、こういったたわみ板に万一小石等が当たって傷まないように側板という一種の防護用の板が取りつけてございます。この板が破損をいたしまして、その結果異常が発生いたしまして付近の機器等にも損傷を与えた結果車両が故障したというふうに考えております。
#154
○内藤功君 モーター側板の強度不足ということですが、そういうことですね。
#155
○説明員(山之内秀一郎君) 事故が起きました後直ちにこの事故の原因を究明いたすために、破損をいたしましたモーターの側板を点検をいたしました。
 側板は大変薄いものでございますので、直接引っ張り強度等を測定することは困難なものですから、モーター側板の硬度を測定いたしまして、硬度から強度を推定してみたわけでありますが、結果としては、この硬度から判定した強度は若干所定の強度よりも下回っておるというふうに考えております。
 何分、ただ、このモーターの側板は約二十年間使用しておりますので、当初から強度が不足しておったのか、使用中に徐々に低下したのかについては必ずしも明らかになっておりません。
#156
○内藤功君 いずれにしても、欠陥品のモーター側板を用いて山手線の電車が動いていたということはもう間違いないところなんですね。
 このメーカーは富士電機と聞いておりますが、同じメーカーの他の車両の調査をその後なさいましたか。
#157
○説明員(山之内秀一郎君) この当該のモーターというか側板は、といいますのは、モーターと側板は随時取りかえますので、必ずしも同じモーターに同じ側板がついているとは限りません。この側板はどこのメーカーであったか追跡しておりまして、たしか東洋電機だと思っております、再度調査をいたしますが。したがいまして私ども、どういったモーター、どういった側板が問題があるのか、今鋭意検討をいたしております。
 まだ検討課題の途中でございますが、まず第一には、この側板が先ほど申し上げましたように約二十年ほど前に取りつけたもの、その後若干改造したものもございますが、これはやや古い形の方であるということから、
   〔理事安恒良一君退席、委員長着席〕
旧型のもの、古いものを中心に今状況の調査とチェックを強化をいたしておるところでございます。
#158
○内藤功君 この事故は、たまたま品川駅からその山手線に添乗した検査係の人が、浜松町の駅でもって異常な音がするというのでそれで発見したんですね。その人が品川駅から乗っていなければ発見できなかったと思うんです。それで浜松町で発見をして、上野へ九分おくれで着いてお客さん
をおろして、それから先は運休にした、こういうことなんですね。
 時間がありませんから要約して言うと、私の調べたところではこの側板が破損して、その破片が床下のブレーキ装置に圧縮空気を送り込む配管があるんですが、この配管を破っちゃったということなんですね。これはブレーキにかかわりますから大変なことです。もしその破片が二十センチぐらいずれておれば、千五百ボルトの電流が通っている高圧線に刺さって、これは火花が散って火災事故ということになりかねない事故だったと私は理解しておるわけです。それから、ブレーキの故障はやっぱり追突、脱線等につながるでありましょう。私は、こういう意味で非常に重大な事故だというふうに考えておるわけなんです。
 自動車でも、一部欠陥品が部品に発見されれば、これは徹底的にメーカーさんから調査をいたしますよ。山手線というのは営業係数も一番低くて国鉄を今までもうけさせてきたところなんですから、一番ぎゅうぎゅう詰めの電車だけれども一番もうかっているところです。そういうお客さんがたくさん乗っているところの山手線に使われている車両というものについて、やはり徹底的に調査をして、こういうことが起きないようにやる。何か随分のろいですね、どこのメーカーかまだはっきりしない、検討しておるというようなことでは、これは民営・分割化は、大臣以下いろいろ言っていますけれども、まず根本の足元ができていないという態度だと私は思いますよ。それはあなた方は技術屋さんですから、いろいう言うでしょうけれども、非常に私は今の答えは不満ですね。
 それで聞きますが、首都圏の国電の車両でこの事故の前後、モーターの側板の破損による事故の例は幾つありますか。
#159
○説明員(山之内秀一郎君) まずその前に、先ほど先生の御指摘のようにこの側板の事故は現地で検査係が発見したものでございますが、ブレーキ装置といいますのは国鉄の電車の場合、電気ブレーキ、直通ブレーキ、それから自動空気ブレーキというのが三種類ございまして、その場合今回のようなことが起きましてもブレーキが効かなくなることはまずございません。それから、万が一電気系統に傷が入りましても、その電源には保護装置がついておりまして、直ちに電気回路が切れることになっておりますから、火災になることは万ないというふうに思っております。
 類似の事故でございますが、当然事故の後早速調べまして、五十九年度以降首都圏でこの種の事故が約三件起きております。
#160
○内藤功君 内容言ってくださいよ。どことどこか、発生箇所だけ言ってください。
#161
○説明員(山之内秀一郎君) この種の側板の壊れた事故につきましては、五十九年五月二十七日に武蔵野線の吉川駅というところでまず起きております。それから偶然でございますが、同じところで六十一年、本年の一月六日に起きております。それから、ただいま御指摘のありました山手線の浜松町駅でございます。
#162
○内藤功君 もう一つあるでしょう。
#163
○説明員(山之内秀一郎君) もう一つを申し上げませんでしたが、これは電車区の中で点検中に見つけたものでございましたので申し上げませんでした。これは蒲田電車区で昭和六十年八月二十七日に点検中に見つけております。
#164
○内藤功君 電車区の中で起きようと駅で起きようと、これは事故であることは同じなんですよ。そういう一つでも隠そうというこそくな姿勢は、私は非常によくないと思うね、申し上げておきますが。あなたのところから来た資料には四つ書いてある。
 それから、こういうふうに同じ事故が繰り返されている、前の事故の教訓が後に何ら生かされていないんですよね。どうして未然に防止できなかったか。たまたま品川から乗った検査係がいて、音がおかしい、これは人間の、長年の国鉄労働者の勘で見つけたという始末なんですね。本来なら検査で見つけなきゃいけない。ところがどうしたか、私はこの最大の原因は、私の言いたいところは、昭和六十年四月に運輸省令を改悪いたしまして、車両検査の周期を大幅に延長した、ここに大きな原因があると私は思うんですね。検査そのものが廃止された。車両検査、特に分解してやる検査がありますね、台車検査は廃止。要部検査は二年一遍が三年一遍、全般検査は四年に一遍が六年に一遍ですか、こういうふうに変えてきた。周期の延長がなければ、私の調べたところではこの電車は昭和六十年十月十九日、つまり事故の二月前に台車検査をしなきゃならないんです。五十九年十月十九日に台車検査というのをやっていますから、六十年十月十九日に台車検査がやられていたはずなんです、この前の規則でいけば。ところが、規則を変えちゃったものだから台車検査はしない、分解検査はしない、そのためにこういうことになって、発見はしたけれども、もう本当に発見はおくれた。おくれて助かったからよかったんじゃなくて、こういうことを未然にやっぱり防がなくちゃいけないと私は思うんですね。事態は私、非常に大変なことになっていると思います。
 さっき今度の事故、側板が壊れたのは二十年前に使った古いものだということのほかに原因があるかもしれぬとおっしゃいましたが、ほかの原因は、端的に言ってどんなのが考えられますか。
#165
○説明員(山之内秀一郎君) 先ほど先生の御質問を受けまして、当該の側板は二十年間使ったものだということを申し上げました。事故の起きた後、硬度から強度を類推すると正規の強度より若干下回っているという実態でございました。したがって、その強度がもともと悪かったものか、あるいは使用中にだんだん強度が下がったものかについてはつまびらかでないと申し上げました。したがいまして、今そういったことについての検討と、それからこの種の事故が数件続きましたことにかんがみまして電車区における点検を強化すると同時に、従来行っておりました工場においての磁粉探傷のほか、改めて入ってくる車の側板全部につきまして硬度検査をやりまして、それを分析をし、まず古いものを重点に悪いものをどんどん取りかえると同時に、強度検査の結果を分析をいたしまして、悪いものを特定をしてかえることを今進めておるところでございます。
#166
○内藤功君 質問の前に国鉄から資料の提示を私求めたら、原因としてモーター側板の材質強度が不足しており、それは今まで述べましたね、もう一つ、車両の繰り返し振動が加わって破損に至ったためと、こういうふうに書いてある。原因は、私は車輪の異常摩耗が急激にこの一年間ふえているということだと思うんですよ。そのために車両の取りかえが今までの五倍以上になっています。
 これは、池袋電車区で調べたところですが、一九八四年、昭和五十九年で、取りかえ及び取りかえ待機車両数は十一両だったですね。今度は、一九八五年、昭和六十年は、これは五十九両になっているんですね。つまり五・五倍以上になっているんですね、車両のこの異常摩耗というのは。異常摩耗の発生率を見ますと、これは池袋電車区管内では、遺跡調査車両、つまり要注意の車両も含めて全車両の二八%の、約三割の車両にこれがふえてきているんですよ。これは、私持っている写真は池袋電車区で撮った写真ですよ。車輪がこういうふうにもう大変摩滅しており、恐ろしいですね、こういう電車が走っているということですよ。私は、三鷹電車区でも調べてみた。三鷹電車区では、八四年と八五年を調べてみると、車輪取りかえ件数は二十五から五十、倍ですよ。車輪の輪軸の取りかえ本数は、七十六から百九十二、二倍以上ですね。これは三つの意味で重大なんです。
 一つは、この検査の周期を延期したために摩耗が異常に発生して、新しい車輪を入れると経費が高くなりました。新しい車輪は、特に住友金属から多く入っている。それから、輪軸はほぼ独占だと私聞いておりますね。二点目は、本件事故に見るような安全上大きな問題が発生する、またはそのおそれがある。三つ目は、今の人減らし、過員という名前のもとで、検修担当者百八人のうち、池袋では二十人にこれは減らされている。逆じゃ
ないですか、検査の要員をふやさなくちゃいけないのに減っているということですね。私はこういう遺憾な事態が起きていると思うんです。
 時間が来ましたので、最後にこれは、総裁、大臣に、今のお話初めてお聞きになったような御様子でございますが、こういうように、今国鉄は、民営・分割化は、もう法律が通る前から既成の事実のようにお考えになっているんじゃないでしょうか。国鉄用地の売却問題、きょうはやれませんが、各種商業分野への進出のいろんな風評、うわさ、情報、そういうことはもう血眼になって、国鉄再建監理委員会を中心にやっておられるように見えまするが、肝心の一番の足元ですね、乗る人の安全ですね、乗る人は、けがしても何でも早く行けばいいと思っているんじゃないですよ。安全にやっぱり運んでもらいたいとみんな思っているわけですね。その国鉄の最も重要な使命である安全問題、安全綱領第一条にも、安全は国鉄最大の使命である、そのときに、疑わしいときは最も安全と見られる方法をとると書いてあるじゃありませんか。こういうことが第一の使命だというのは忘れられているんじゃないですか、これを見ると。私は特に、一番営業係数の低い山手線の乗客は、こういうことを恐らく知らないで乗っているんでしょうけれども、こういうことにやっぱり予算を使い、人員を用いていくという基本姿勢がない限り、民営・分割化の法案をさあ出してください、御審議のときにいろいろ答弁しますといったって、これは容易に我々は審議に入る気持ちにはなれませんよ。こういう点で、ひとつこれは総裁と大臣、明確にお答えいただきたい。――いや、総裁と大臣と言っているんだ、あなたはいいですよ。
#167
○説明員(山之内秀一郎君) その前に一つだけ、ちょっと言わしていただきたいと思うんでありますが、ただいまの車輪の摩耗の件は、実は一つは、山手線には数年前からATCという非常に高度な安全装置が入りまして、その装置が入りますと、従来よりかややブレーキのききが強くなるために若干車輪のきずの発生がふえておると思っております。
 それからもう一つは、車輪のきずが発生いたしますことは、直ちに安全には影響ございませんが、カタカタ音がいたしまして、大変お客さんに乗り心地も悪いものですから、実は昨年の春からこの車輪のそういった摩耗の管理を強化をいたしまして、従来よりも早くこの車輪を作製し取りかえするようにいたしました。その結果といたしまして、車輪の取りかえ回数がふえておるというふうに考えております。なお、その車輪の取りかえは、先ほどのように音が出るとかあるいは電車区を出入りするときの音等を中心にチェックをいたしておりますので、御指摘のありました検査周期の延伸とは直接関係がないと考えております。
#168
○説明員(杉浦喬也君) 先生がおっしゃいますように、安全の問題というのは、交通事業に従事する者の最大の使命であるというふうに承知しておるところでございます。そういう意味におきまして、私も機会があることに安全第一ということを全職員に叫び、呼びかけ、徹底をしておるつもりでございます。ましてこういう改革の時期でございます。職員の気持ちの動揺、あるいはまた合理化を実施しておりますが、そういう合理化の結果といたしまして、これが安全に支障を及ぼすということは絶対に許すことはないと、そういうことのないように常に細かく気を配りながらそういうことを実施しておりますし、また、今非常に工事費その他の経費が行き詰まってはおりますけれども、何しろ安全第一という意味におきまして、安全のための工事に重点的にこれを配賦をしてやっておるつもりでございます。
 ただいま御指摘の具体的な諸問題につきましては、なお十分に今後も調査をいたしまして、徹底的な原因究明、さらにまた今後の発生の防止ということに相努めますつもりでございます。全般的に安全につきましては、十分に心得ておるつもりでございます。
#169
○内藤功君 委員長ね、大臣の御答弁も、失礼ですが、あと……
#170
○委員長(鶴岡洋君) 内藤君に申し上げます。
 時間が過ぎましたので簡明にお願いします。
#171
○内藤功君 はい。さっきの答弁で検査周期の延伸とは関係がないと、こういう断定があなたにできるんですか。それも含めて調査をしなきゃいけません。それだけ。
#172
○国務大臣(三塚博君) ただいま論争をお聞きをいたしておりまして、最終的に総裁から安全第一主義ということですべてが尽きると思います。
 運輸行政の基本は安全であることは御説のとおりであります。同時に国鉄の電気技術というのは、私も深い関心を持って見ておるわけでありますが、世界に冠たる技術のトップに数えられる技術のようであります。しかし、そのことで安心をしてはいかぬわけでございますから、総裁が既に私が申し上げることのすべてを言われたようでありまして、さらにさらにそのトップの技術がトップの技術たるように祈念をし、進まれんことを望みまして答弁にかえます。
#173
○柳澤錬造君 まず、三塚運輸大臣、大変なときに運輸大臣になられて、そういう点では本当に御苦労さまだと申し上げたいと思うんです。
 それで、今一番大きな問題は国鉄の問題であり、そういうときに国鉄に詳しい大臣がなられたんですから、そういう点ではよかったと思います。ですから、それだけに真剣になってお取り組みをいただきたいと思う。
 私が見ておりまして、この分割・民営化といって、もう言うまでもなく、来年の四月一日には新会社が発足をするんだ。法案の方も最後の法案がやっときのうか何か出てきたくらいの状態なわけで、こんなことやっておって果たして来年の四月一日の発足ができるのかどうかといって、こう聞いても、今の国鉄なり運輸省の幹部の人たちというものは、自信を持って答えるような状態にないわけなんです。したがって、その辺で私はまず明年の四月一日の新会社発足というものが可能なのかどうなのか、大臣の御決意のほどをまずお聞きしたいんです。
#174
○国務大臣(三塚博君) 柳澤先生、運輸省に聞いても国鉄に聞いても明確な答弁が返ってこないと。それがそうだとしますと大変ゆゆしき問題だなと、実は率直にそう思います。
 私は本案件に取り組む姿勢といたしまして、きょうも御答弁をさせていただきましたとおり、六十二年四月、何としてもこれはスタートを切らさせていただきたい。このことは国益にかなうことであろうと同時に、まなじりを決して今頑張っておられる国鉄の職員の皆さんのためにも相なるのではないだろうか、このように思っておるところでありまして、しからば法律九本お出しをさせていただきました。いろいろ政府間に困難な調整の問題もありましたが、ほぼ私どもが考える方向、特に国鉄が分割・民営体として進むことについて、この方向ならばという願いをやや充足する形で各省調整が行い得たのではないかといささか自負を持つわけでございます。そういう中でありますだけに、本国会でぜひ成立を期したいというのが今国会に臨む私自身の基本方針でございまして、また内閣総理大臣の決意もそこに実は存するわけでございます。
 ただ、国会というところは各党の協議の中で運営をされてまいるものでございますから、政府・与党の考えどおりなかなか進まぬのも事実であります。しかし事柄は大変な改革の案件でございますだけに、あらゆるものを乗り越えてお進めを賜りたい、このように私自身も、与党はもちろん各党の関係者の皆様方にお会いをする都度実はお願いを申し上げておるところでございます。
 当初、特別委員会方式でというので与党の幹事長に申し上げ、与党の幹事長から各党の幹事長、書記長の皆様方に御協議をいただきたい、こんなことで御懇請申し上げたこともあるわけでございますが、関係法案がそれぞれ常任委員会にありましてなかなか大変だなということでいまだ結論を得ませんで、ただいまのところ運輸委員会ということに相なるようでございますけれども、そうで
ありますならばなおさらのこと、ぜひ御提出をさせていただきました法律を付託をいただいて、審議をいただきたいということで、今衆議院段階でありますけれどもお願いを申し上げているところであります。
 特に、予算関連が一本ございますものでありますから、これは五兆円の長期債務の一部を一般会計に振りかえさせていただいた、改革の一つの基本であります。かねがね各党から申されておりました件をそういうことでさせていただきましたし、希望退職の方に基準内賃金の十カ月特別に付与して進むということの関連でありますので、これはいち早くひとつ御審議ができて今国会成立を期したい、そうすることがやめられる方に対するせめてもの心であろう、施策であろう、このように実は思っておるところであり、同時に基本法は、これも御審議をいただき御成立をいただいておりますならば、諸準備がそのことによって進まさせていただき、次の国会で残ったものが、どうしても残ったというものがそういうことで処理をさせていただきますならば、六十二年四月は確実にスタートでき得るのではないだろうか。折り返し点に国会が来たわけでありますが、全力を尽くして今国会でできるだけその成立を期して、基本的なものは御成立をお願いを申し上げるべく運輸、国鉄、政府一体となりましてこれからお願いをしてまいりたい、このように思っております。
#175
○柳澤錬造君 今の二万人の希望退職の方は、それはちょっと後でまた取り上げて聞きます。
 問題は、大臣今この国会でと言うけれども、もうあと二カ月しかないわけなんです。だからだれが考えても、この二カ月間でこれだけの百年の歴史を持った国鉄を民営化しようというんですから、それだけのものがはいそうですかといくような状態にないわけなんです。我が党は、これは賛成ですと御存じのとおり言っている方なんです。それだけに、じゃ来年の四月一日にスタートさせるについてはどうなっていくだろうか、これは今ここでもって私大臣からお答えいただこうと思いませんから、運輸省の方でもって四月一日スタートするについてはいつまでに法案を上げなくちゃいかぬ、いつまでに何をしなくちゃいかぬという大日程を恐らくおつくりになっていると思うんです。ましてや汽車を走らせればすぐ時間表をつくる方だから。そういう大日程を後でいいから私のところへ届けていただきたいと思うんですよ。
 それで、それは大臣、本当に今国会はと言われることはわかるけれども、二カ月しかない。だからその大臣のお答えはそこはそのままにしておいて、それで今度は杉浦国鉄総裁の方に申し上げるんだけれども、総裁が本当に一生懸命なさっていることを私は評価もしたいし、杉浦総裁がもう十年早く国鉄総裁に御就任になっておったらこんなことにならないであるいは済んだんじゃないかという気もしますけれども、本当言って。それほど今一生懸命になっておやりになっているんで、そういう点を認めてもまいりたいと思うが、ただ過日の新聞を見ておって、決意の披瀝の一端として、管理職のボーナスを〇・六カ月分カットした。私に言わせれば、前の高木総裁のときのあの五十五年の再建法のときに国鉄の幹部諸君との話の中でも言ったんだけれども、大体民間ならば重役がボーナスなんか一銭ももらいませんよ、そういう認識を持たないでなんで再建ができますかと言ったことがあるんだけれども、それは別に、たとえ〇・六でもそういう決意のほどでやったんだから総裁を責めようとは思わぬ。思わぬけれども、総裁としてもよほど真剣にお取り組みいただかなければ国鉄の改革というものはできないだろうと思いますので、総裁としての御決意のほどをお聞かせをいただきたいと思います。
#176
○説明員(杉浦喬也君) ただいま御激励、御叱正をいただきましたのでございますが、私といたしましても、今度はようやく法律が国会に上程されるような運びになりましたが、その中に盛られました再建策というものが実行されますと、いよいよ今まで何年にわたりまして悲願でございましたが国鉄の再建がここに成就するというふうに確信を持っておるところでございまして、職員、役職員全員が打って一丸となり、政府の御指導のもとに今一生懸命いろんな意味での準備をしておるところでございます。
 それにいたしましてもやはり大変な大きな改革の問題でございます。一般の国民の皆様方の御理解、あるいはまた諸先生の御指導なくしてはとてもこれだけの大きなことはできません。そういう意味におきまして、先ごろから国鉄自身のぎりぎり決着の努力、こういうものをお示ししなければならないというふうなことで、大変差し迫った問題としましては、数万人に及ぶ合理化をこの際一気にまた実行するということ、あるいはまた、余剰人員の問題は難しゅうございますが、その中でまず国鉄の関連事業の皆様方に呼びかけをいたしまして、どうぞ我々と苦楽をともにしてくださいということで、二万一千人の受け入れを既に決定しておるということ、あるいはまた、この際労使は、従来の労使の壁を乗り越えまして、一体としましてこの問題に当たるということを国民にお示しする必要があるではないかということで、労使共同宣言の呼びかけをいたしまして、これを御理解いただいた組合もあるわけでございます。
 そういうようなことでやってまいっておりますが、先般、今御指摘のように、日夜改革に取り組んでおる幹部諸君から、この際、自分らの決意のほどをボーナスのカットということで示したいという申し出がございました。私といたしましては、それぞれの諸君の努力とそれぞれの生活を思いますとまことに忍びがたいものがあったわけでありますが、そうした意気込みというものに深く感銘をいたしましてこれを受けた次第でございます。
 今後とも、この法律の御審議に当委員会の絶大な審議の進展をお願い申し上げまして、私どもも渾身の努力をし、改革の道に邁進をするつもりでございますので、今後ともよろしく御指導のほどをお願い申し上げる次第でございます。
#177
○柳澤錬造君 時間もなんですから、先ほど大臣が言われた、いわゆることしの二万人の希望退職、これもう始めなくちゃいかぬわけなんで、その退職金の加算なんかも決めなくてはいけない。これは、総裁、いつごろまでに決めればよろしいんですか。そして大臣の方としても、その辺についての見通しからいって、この辺までなら可能であるというふうな、そういうタイムリミットというものはどの辺に押さえているんですか。
#178
○説明員(杉浦喬也君) 希望退職の問題は、昭和六十一年度いっぱい、その限りの問題でございます。その間に二万人という希望退職を円滑に実施しなければなりません。したがいまして、その最前提でございますインセンティブを与える希望退職法案というものは、本当に期限がいつかと言われましても、できるだけ早く御審議をいただき、これが施行されまして、施行の後に直ちに私どもは希望退職の募集にかかりたいというふうに思っておるところでございますので、よろしくお願いを申し上げる次第であります。
#179
○国務大臣(三塚博君) 今、総裁申されたとおりでありますが、私は、これは予算関連とあえて申し上げさせていただきましたのはまさにそういうことで、今年度末までということでありますと、今月の三十一日、こういうことになるわけでございますが、なかなかもって付託にも相ならぬものをと、こういうことに相なっておりまして、厳しい状況にございますが、一日も早い運輸委員会に対する御付託をいただきまして、これに全力で御審議をいただき、ずれておりますけれども、これは四月中には、前半にはこのことの衆参における御審議を煩わして御決定を賜りますならば――これがこの四月も五月もだめだというようなことに相なりますと、事実上、希望退職のこのことが前に進まない。進まないということは雇用対策の根幹にかかわってきますものですから、これだけは何としても取り組んでまいらなければならぬ。委員長を初め委員の先生方の格段の御理解と御協力をお願い申し上げる次第でありますし、また、衆議院の方の各党また議運の方にもさらにお願いを
続けながら、一日も早い成立を期してまいりたい、このように思っております。
#180
○柳澤錬造君 だから総裁、できるだけ早くというのは、結果的にはいつでもいいということになっちゃうんですよね。だから、今、大臣の方は四月の前半というか、言えば真ん中ごろということですよね、予算の関係があるから。ですから、四月末なら四月末と言ってはっきりと歯どめをかけて、それで、それまでに何としたってもうこれを通してもらわなければ、これからの国鉄の分割・民営化の全体的な第一歩なんだから、その最初の関門のここのところでもって突っかかってこの作業に入れなかったら、これは全部ぱあになるという言い方もちょっとオーバーだけれども、そういうことにして、そうしてこの衆議院段階の方からこの法案の取り組みをといって皆さん方やっぱりやらぬことには、日の目は見るだろうけれどもなかなか難しくなりますから、その点はむしろ私は要望で申し上げておきます。
 次は、これは事務的なことでそちらに言っておりました、借金が一日幾らということですね、それから来年の三月三十一日のちょうど切りかえ時になったら累積債務は大体幾らになるんですかという、これはもう本当の数字的なところ、お答えを聞かせてください。
#181
○説明員(前田喜代治君) 今御審議いただいております六十一年度の予算でございますが、これによりますと、一兆六千三百六十三億という損失を予定いたしております。ことしよりは減るのでございますが、来年は、新年度希望退職等特殊な事情もございますが、こういうものを織り込みましての結果でございますが、一兆六千三百六十三億、一日にいたしますと約四十五億の赤字ということでございます。
 それから、六十二年三月末の債務残高、借金の額でございますが、これは二十五兆八百四十六億と、ちょっと細かい数字はあれでございますけれども、こういう結果になろうかと思います。いずれにいたしましても、この数字を多少でも改善すべく努力はいたしたいと思っております。
#182
○柳澤錬造君 これは本当に総裁、二十五兆の借金をつくったのはだれが悪い、かれが悪い、そんなことを今言っているときじゃないんだけれども、世界の中で、国として債務を背負って、利子も払えないで困っているという国ですらここまではいかないんですから、それが一つの会社でこれだけの借金ができちゃったということの点をやはり考えて、そして、どうしてもこの分割・民営化でもって、新会社で発足しなければどうにもならないんだということ、これはやっぱりお互いに肝に銘じてやらないと大変なことだと思うんです。
 そこで今度は、これはやっぱり総裁にお聞きした方がよろしいと思うんだけれども、昨年の電電公社が民営化されたことについては大変うまく――うまくいったと言っちゃおかしいですけれども、私もあちらこちらでよく、どうしてそんなにあそこはうまくいったんですかということを聞かれて、私なりのお答えをするんだけれども、国鉄なり国鉄の総裁として、あの電電が民営化するについて大変スムーズにうまくいったということ、成功したことについてどういうふうな把握の仕方をなさっておるかお聞かせいただきたい。
#183
○説明員(杉浦喬也君) 公社の民営化というものの最初のスタートを切られたNTT真藤社長さんには、私何回もお会いいたしました。ぜひとも先輩といたしまして、これから我々は民営・分割をやります、どうぞいろんな意味での御教示を賜りたいということでいろいろとお話を承っておる次第でございます。
 中身は、たくさん学ぶところがございますが、何といいましても民営の本髄といいますか、時代に合った、スムーズに適応し、時代に先駆け、民間経営のあり方というものを十分につかんだ真藤経営というものにつきましては非常に学ぶところがございます。私どもは、そうした意味におきましていろんな問題があるわけでありますが、このNTTのあり方について、民間経営のあり方のもとというものをぜひともつかんでいきたい。
 ただ、いろいろと真藤さんとお話をする中で、実はいろんな違いがございます。電電は全国一本であり、またなお独占形態を現在までとっておる、すぐれて技術的な技術集団であるということ、そういうような点国鉄の現況と比べますと、国鉄は実は大赤字でございますし、またこれから分割をしなければならないということ、あるいは多くの余剰人員を抱えること、あるいはまた労使間の問題があること等々、いろんな意味でNTTとの間の違いはたくさんございます。したがって困難性は非常に大きいと思いますが、これから目指すところの基本というものは全く同じであるというふうに思っておるところでございまして、大いに電電にあやかりこれを成功させていきたいというふうに今後も頑張るつもりでおるところであります。
#184
○柳澤錬造君 総裁、私がお聞きしたかったことは、電電にあやかるではなくて、こういう点でもって私たちは学ばなければいけないことがありましたというふうな具体的なことでないと、ここで今私がそのことを言ってしまったのでは身もふたもないですから私は申し上げませんから何ですけれども、そういうことをおつかみになってください。そうでないとやはり何にもなりませんし、電電は一本だった、こちらは分割だ、そんなことは問題外なんです。もっと根本的なものがあるわけなんで、その辺のところをおつかみいただかないとこれも取り返しのつかないことになるんです。それが私が最初に言った来年四月一日に本当にスタートできるんですか。今ここでお答えしろと言ったら無理ですから、後ほどでよろしいですからその大日程ぐらいおつくりになってみてください。そうしたらどういうことになるかといって、それはもうからから山のあれじゃないけれども飛び上がるぐらいびっくりするようなことにならなかったらうそなんです。私が線表を引いたって、どうやってこれで来年の四月一日スタートできるだろうかということですよ。だからその辺のところをよく考えていただきたい。
 あと最後に大臣、先ほど同僚の矢原議員の方から造船の問題が出されました。きのう予算委員会でやったのできょうはもう造船のことは私は申し上げるつもりはない。十分じゃないけれども時間もないから。きのうも申し上げたとおり、この十年間で従業員だけで十万以上減らしている。協力工も五万から。これでまだことしから来年にかけて少なくても二万ですよ、今減らそうとしているのが。五十四年にはわずか一年間で五万人からを減らしてしまった。生易しいことではないことを、言うならば五十四年のときなんかだって大臣、それやらなかったら企業がつぶれちゃうといって組合はその合理化に応じて、そのかわりこれだけの割り増しを出しなさいよということでもって、そうして希望退職を組合の幹部が後ろを向いて組合員にあのときは募ったんです。それで出てきた人たちを今度は労使が一緒になって方々へ頼んで歩いてそうしていろいろ口を探した。
 私は、この間の議運でも官房長官も国鉄についてはこうこうしかじかやっていますと言うから、五十四年のそのときの造船が、一年で五万人からのをやるときに――五万人から人を減らさなければならないんです。政府でもって何とか就職口を探してといってきましたか。したがってどうか民間のそういう苦しんでいるところのこともお考えをいただいて、それでこの間、運輸大臣の所信表明を私じいっと聞いていてこの点だけは情けないなと思った。それは第一は国鉄の改革、さっきから言っている。どうやってこれやるかということが、それは運輸大臣としては生命かけなければならぬほどの問題、それがだんだんだんだん行って造船不況対策七番目に出てくる。何もこれ順番で後ろの方で出てきたから軽く考えているとは言いませんけれども、しかし造船不況対策が運輸大臣の所信表明の七番目ぐらいで出てくるのじゃ私いささか情けなくなったんだけれども、その順番でどうこうではございませんが、別な次の機会にまた造船の問題もいろいろ御見解も承り、いろいろおやりいただきたいと思いますけれども、それを
申し上げて何か一言あればお答えだけ聞いて終わりたいと思います。
#185
○国務大臣(三塚博君) いつも的確な御指摘をちょうだいいたしましてありがとうございます。
 七番目は決して本意ではございません。私も一瞬そう思ったんでありますが、かねがねの施政方針演説の省における局の配置がさようなことでありますということでありましたものですから、それならそれで理解するが、しかしやはり海運造船不況というのは、深刻な問題として受けとめるべき事実である。こういうことで申し上げ、私の受けとめ方は展望に立つ国鉄改革、しかし緊急に講ずべき最大の運輸行政の基本は何かと言われれば、海運造船不況対策をどう乗り切るかということであろう、こんなふうに思っております。同時にその緊急性、政治スケジュールの中で六十二年四月を目指しましてきちっとしたスケジュールを、総裁は総裁としてつくられるでありましょうし、運輸省もそれなりに持っておるわけでありますが、またいずれ、お見せしておしかりを受けますと困るわけでありますから、柳澤先生初め各党の先生にそれなりにお見せを申し上げまして御理解を得て、後がない不退転の決意でこれに臨まさしていただきたいと、このように思っております。
#186
○委員長(鶴岡洋君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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