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1985/04/22 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 運輸委員会 第9号
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1985/04/22 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 運輸委員会 第9号

#1
第104回国会 運輸委員会 第9号
昭和六十一年四月二十二日(火曜日)
   午後零時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     橋本  敦君     小笠原貞子君
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     小笠原貞子君     内藤  功君
     伊藤 郁男君     柳澤 錬造君
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     瀬谷 英行君     上野 雄文君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴岡  洋君
    理 事
                江島  淳君
                吉村 真事君
                安恒 良一君
                矢原 秀男君
    委 員
                梶原  清君
                倉田 寛之君
                高平 公友君
                内藤  健君
                安田 隆明君
                上野 雄文君
                小柳  勇君
                内藤  功君
                柳澤 錬造君
                山田耕三郎君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  三塚  博君
   政府委員
       運輸大臣官房長  永光 洋一君
       運輸大臣官房国
       有鉄道再建総括
       審議官      棚橋  泰君
       運輸省運輸政策
       局長       栗林 貞一君
       運輸省地域交通
       局長       服部 経治君
       運輸省地域交通
       局陸上技術安全
       部長       神戸  勉君
       運輸省港湾局長  藤野 愼吾君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        多田  稔君
   説明員
       建設省都市局都
       市交通調査室長  下田 公一君
       日本国有鉄道副
       総裁       橋元 雅司君
   参考人
       社団法人日本民
       営鉄道協会理事
       長        岩倉 多門君
       日本鉄道建設公
       団総裁      内藤 隆滋君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○特定都市鉄道整備促進特別措置法案(内閣提出
 、衆議院送付)
○港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○連合審査会に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鶴岡洋君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 特定都市鉄道整備促進特別措置法案の審査のため、本日、日本鉄道建設公団総裁内田隆滋君及び日本民営鉄道協会理事長岩倉多門君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(鶴岡洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(鶴岡洋君) それでは、特定都市鉄道整備促進特別措置法案を議題といたします。
 前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○矢原秀男君 特定都市鉄道整備促進特別措置法案について、若干の質問をしたいと思います。
 まず、この法案の趣旨、法案の内容等々いろいろと検討をしてまいったところでございます。
 では、まず最初に、この法案は大都市圏において、要約いたしますと、通勤通学等の著しい鉄道混雑を緩和するために、特定都市鉄道整備積立金制度を創設して、鉄道の複々線化あるいは大規模改良工事に充当しようとしているものであります。積立金の資金源は、乗客の運賃値上げての増加の部分であり、これは非課税扱い、こういうことになっておるようでございます。
 この中で、問い一でございますが、この法案の概要でございますけれども、積立金の支出、取り崩し対象となり得る事業あるいはプロジェクトにはどんなものがあるのか、簡単にお伺いをしたいと思います。
#6
○政府委員(服部経治君) 先生ただいまお尋ねの本制度の対象となるであろう具体的なプロジェクトでございますが、これは本来はこの法案が成立をいたしまして施行されました後に、各事業者からの申請を待ってでしか本当はわからないということであろうと思うのでありますが、私どもが今日までの過程で、恐らくというよりはもっとそれ以上にきっとこの制度の対象として名のりを上げるであろうというふうに思っておりますプロジェクトといたしましては、これは東京圏に関するものでありますが、まず東急東横線及び目蒲線につきましての計十六キロメートルの区間にわたります複々線化及び線形改良等を含む大規模な路盤改修工事が一つ挙げられます。
 それから二つ目といたしましては、東武の伊勢崎線竹ノ塚―北越谷間、十二・六キロメートルの区間及び東武東上線の和光から志木に至ります五・三キロメートルの区間、この区間の複々線化工事が出てくるであろうというふうに思っております。
 それから西武池袋線の保谷―練馬間八・一キロメートル、これも出てまいるであろう。
 それから次に小田急小田原線、東北沢から新百合ケ丘に至ります十七キロ余の区間の複々線化工事もまたこの対象として取り上げることになるであろう。
 それから最後に、京王電鉄の京王本線調布から笹塚に至ります十二キロメートルほどの区間につきましての複々線化計画、こういった計五社、七線、キロメートルにいたしまして約七十キロばかりのものが本制度にのって将来に向けて複々線化工事が促進されるような、そういう事態を私ども考えております。
 また、大阪圏につきましては、現在阪神電鉄なり阪急電鉄等の各社におきまして、本法が成立した場合に備えまして、本制度に基づいて行うべき大規模な輸送力増強工事等の内容につきまして、現在鋭意その検討を急いでいる状況であるというふうに承知をいたしております。
#7
○矢原秀男君 また輸送力増強の一環として、小さな問題になりますけれども、駅舎の改良も各駅で行われているようでございますけれども、これなどは積立金支出の対象になり得るのかどうかと
いう問題ですね。それを伺います。
#8
○政府委員(服部経治君) この制度の対象とすべき工事の内容、性格につきましては、この法律の第二条の規定に従いまして、政令でもって明らかにすることとしておりますが、その中には、その一つ一つの工事を取り上げますと大規模というには当たらないものでございましても、そういった各種の工事が将来の特定の時期に予定されます大規模なダイヤ改正等に向けましての、例えば運転回数の増加でありますとか、あるいは列車の編成長の増大でありますとか、そういった一つの輸送力改善の目的に集約されるような形で各種の工事が同時並行的に進行するという事態は十分予想されるわけでありまして、そういったケースにつきましては、その一つ一つは大規模とは言えないまでも、一つのまとまりとして一定の規模以上のものになるという場合には、その中に含まれる駅舎の改良工事等が当然入ってくる、こういうふうに考えておるところでございます。
#9
○矢原秀男君 この駅舎改良時にぜひ考えていただきたいと思いますのは、身障者用の施設について不備の目立つ駅が非常に多いと私は感じているわけなんですが、身障者用施設の完備あるいは高齢者用施設の完備した駅舎改良、こういうことも高齢化社会を迎える将来としても、そういうものが非常に大事ではないのかと思うわけですね。例えば斜路、車いす用の通路、身障者用便所、転落防止、鈴、チャイム等あるいはエスカレーター、エレベーター等の設備整備、あるところないところいろいろあることでございますけれども、将来当然私こういう非常に手厚いものが必要ではないかということを考えますときに、これはちょっと本格的に、意識的に計画を持って取り組む必要もあろうかと、こういうふうに思うのですけれども、その点局長いかがでございますか。
#10
○政府委員(服部経治君) ただいま先生御指摘ございましたように、身体障害者の方であるとか、あるいは高齢者の方であるとか、いわゆる交通弱者の方々の利便ということを念頭に置いた鉄道施設の整備ということは極めて重要であろうと思います。
   〔委員長退席、理事安恒良一君着席〕
ただ、その隠そういった施設への経費の支出ということが他の一般の利用者の運賃負担との関係において極端にアンバランスになるかどうかといった問題は内蔵しておりますけれども、基本的に申しまして、そういう交通弱者の方々の利便の増進を図るための設備整備ということは極めて重要な将来に向けての課題であるというふうに認識しておるところでございまして、私ども機会あるごとに関係の鉄道事業者にはその旨の指導を図ってきておるところでございますし、昭和五十八年の三月には、身障者のための施設整備に関するガイドラインといったようなものも運輸省において整備いたしまして、それに従って今申しましたような設備の改良拡充を図るように指導を続けてまいってきておるところでございます。
#11
○矢原秀男君 運輸大臣、これは法案等また広く出てくる問題だと思うのですけれども、総括的な交通体系の中でこういう交通弱者といったら申しわけないんですけれども、今局長も言われているから使っておりますけれども、非常に利用される方の、身障者とか、そしてまた高齢化で身障者の方々に近いそういう難渋をされる方、今伺っておりますと、五十八年の三月に整備のガイドラインというものを検討された、そうして非常に意識的に取り組んでいらっしゃると、こう伺っているんですが、こういう方々に対する運輸大臣としての基本姿勢といいますか、取り組み、そういう姿勢をまず伺っておきたいと思います。
#12
○国務大臣(三塚博君) 身障者の皆さんが都市交通を含め、交通手段を、あるいは公共施設を同様に利用できるという、そういう社会施設をつくってまいるというのは国のやはり基本的精神でなければなりませんし、法律にもその点が明記されておるわけであり、局長答弁のようにガイドラインに従いまして指導をいたしてきておるところでありますが、本件を施行するに当たりましても、そのことに十分意を用いた形の中で指導してまいらなければならない、このように思っております。
#13
○矢原秀男君 よろしくお願いをしたいと思います。
 次に、民鉄の複線化率の件でございますけれども、五十八年当時は五〇%でございましたけれども、この複線化については同じく輸送力増強の一環の事業と考えておりますけれども、この法案の積立金制度の活用というものはいかがなものか、この点はどうでございますか。
#14
○政府委員(服部経治君) 先ほどもちょっと触れましたように、この制度の対象とすべき工事の内容につきましては、本法の第二条に基づく政令の中で明らかにすることを予定いたしておりますが、その際まず筆頭に挙がってくるものは複々線化に最も準ずるような輸送改善の効果が大きいと考えられます複線化工事を取り上げる考えでございます。
#15
○矢原秀男君 次に、積立金制度を採用した場合に三%から六%の運賃値上げと推定をするわけですけれども、通勤通学定期の割引率は、民鉄十四社における通勤通学の割引率は国鉄と比較をしてかなり高率になっているようでございます。今度の積立金創設に伴う運賃値上げによってどのように変化していくのかということの懸念もあるわけなんですね。例えば大阪関係でございますけれども、阪急の場合に、梅田から阪急の三宮、この一カ月の定期が、通勤の場合が八千七百八十円、そして国鉄が一万一千四百円、通学の場合が二千七百二十円、国鉄が六千二百八十円。阪神の場合、梅田から三宮、通勤で八千三百五十円、国鉄は今申し上げた一万一千四百円、通学が阪神の方で二千六百五十円、これは阪急よりちょっと安いようですが、国鉄が先ほど申し上げた六千二百八十円、こういう差が現行であるわけでございます。これが、今から先ほど申し上げた積立金の制度を採用した場合に三から六%の運賃値上げを想定をしているんですけれども、そうなるとこの通勤通学定期の割引率というものが、今申し上げた関係から見てどうなるのかということですね。いずれにしても割高になってくるので、今私が申し上げた現実の数字というものがずっと非常にアップしてくるのではないか、こういうふうに懸念をいたしております。その点、局長の方どうですか。
#16
○政府委員(服部経治君) 通勤通学定期の割引率に関してのお尋ねでございますが、この本法で現在御提案申し上げております制度は、直接通勤通学定期の割引率に変化を与える要素は持っておりません。非常に簡単に申し上げますと、例えば本制度の適用によりまして全体の運賃レベルが三%上がることになった、通常の場合に比して一%余計に上がることになったという場合には、普通乗車券も三%上がる、定期運賃もそれぞれ三%上がるというような格好に相なるわけでございまして、その限りにおきまして本制度の適用ということが、通勤なり通学なりの定期の割引率に直接変化をもたらすということではございません。ただ、これは先生よく御承知のことでございますが、大手私鉄十四社平均で通勤定期につきましては四七・六%、通学定期につきましては八一・四%というような高率の割引が現在行われているところでございまして、この点につきましては一般利用者との間のアンバランスが問題にされることが多うございまして、これまで私ども運賃改定の機会をとらえまして、その都度、極めてわずかずつではありますが、この割引率の是正というような問題に取り組んできております。そのことは今後もいましばらく将来に向けて続けていかれることになろうと思いますが、それと本制度の適用ということは一応無関係でございます。
 ただ、なお申し上げておかなければなりませんのは、その定期の中で、通学定期につきまして本制度をどういうふうに適用していくかという問題につきましては、先般来の当委員会における御質疑の中でもいろいろと問題提起もございましたので、私どもさらに利用の実態ということをよく踏まえまして、本制度のもとにおきます利用者負担のバランスの問題ということをもう少し突っ込ん
で勉強してみたいというふうに思っておるところでございます。
#17
○矢原秀男君 次に、運輸政策審議会が五十七年の九月、運輸大臣の諮問を受け、昨年の七月十一日、同審議会に設置された東京圏都市交通部会の小委員会から「東京圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備に関する基本計画について」の答申を提出しております。
 これによりますと、二十九路線、先ほどもちょっとお話しありましたが、新線十一線を含む、の整備と新交通システム二路線の検討を提案しております。この運政審の答申に基づいて、今度の特定都市鉄道整備促進特別措置法案が策定されたものと考えているのでございますけれども、この運政審の答申によりますと、複々線化促進路線は民鉄六路線、国鉄中央線一路線、計七路線となっておりますが、この七路線の複々線化への取り組み状況、進捗状況についてどうなっているのか、簡単で結構でございますが、伺います。
#18
○政府委員(服部経治君) 順不同になりますが、例えば東急の東横線の複々線化につきましては、いまだ会社の方から工事施行の認可の申請もないという状況でございまして、今後早急に工事促進のための計画が具体化されていくものだというふうに考えております。
 それから、東武伊勢崎線の複々線化につきましては、現在全体十二キロ余のうち、約七キロの区間、具体的には竹ノ塚から草加市内に至る区間につきまして工事が進行中でございまして、順調にまいりますと六十三年中に完成を迎えることになるんではないかというふうに考えております。
 それから、東武の東上線の和光から志木に至ります五キロ余の区間の複々線工事でございますが、これはかなりの進捗を見せておりまして、営団地下鉄有楽町線の成増から和光市までの延伸に合わせまして、六十二年の秋ぐらいにはこれが工事完了する運びになるというふうに考えております。
 それから、西武池袋線の複々線化でございますが、現在そのうちの若干部分につきまして地元との協議を進めているという段階でございまして、本格的な工事着手を迎えるのは来年度、あるいは若干それ以降かなという感じがございます。
 それから、小田急の小田原線の複々線化でございますが、これは現在手前の方の東北沢付近を中心に周辺の関係地域住民の方々と鋭意この問題について交渉、折衝を進めているところでございまして、地域によって多少進捗の度は異なりますけれども、かなり関係の地元の方々の理解の度合いも進んできたというふうに承知をいたしております。
 それから、最後に京王電鉄京王本線の複々線化でございますが、これは全体としては約千二キロメートルの計画でございますが、その一番手前の笹塚から明大前に至る二キロメートルの区間につきまして、現在用地買収が進んでいるという状況でございます。
#19
○矢原秀男君 状況はよくわかりました。
 そこで、念のために運輸大臣、今局長から進捗の実態を伺ったわけでございますが、この七路線だけとりましても運政審によりますと、昭和七十五年を目標に複々線化を整備することが適当である路線として列記されているわけでありますけれども、今次の積立金創設によりまして十年以内に短縮し、早期に供用開始、こういうことになるんですけれども、これらの七路線は確実に十年以内に複々線化によるいわゆる使用開始ができるのかどうか。
 私も現実のいろいろな建設工専、方々見させていただきまして、相手もあることですから、大変だなと思っているんですけれども、この点大臣としてはどういうふうな感覚でございますか。
#20
○国務大臣(三塚博君) 今局長からそれぞれの線区のお話で五社、七線、七十一キロについて、具体的な話があったわけでございます。後ほどそれの開業の見通し等について申し上げると思いますが、運輸大臣といたしますれば、この法律が通ることによりまして、すべての線区でぜひ全力を尽くして十年以内供用開始ができ得ますように督励をしてまいる姿勢は大事であろう、このように思っておるわけでございまして、なかなか事務方の話を聞きますと、やはり先生も御指摘のように、用買その他客観的な地域社会のまたコンセンサスを得るという意味でそういう不確定要素もこれあり、パーフェクトを目指しますがなかなか大変だということも聞いております。
   〔理事安恒良一君退席、委員長着席〕
 しかし、それはそれとしても、この法律の趣旨はまさにそこにあるわけですし、大都市交通としての地域の方々の足を確保してまいるわけでございますから、全力投球で目標達成に向かって進みたい、このように思っております。
#21
○政府委員(服部経治君) ちょっと具体的にざっと申し上げます。
 東急におきましては、先ほど申し上げました東横線及び目蒲線の輸送力増強につきまして、運政審答申に挙げられておりますもの全部を本制度にのせまして、十年以内に完成したいという強い意欲を持っております。
 それから、東武の伊勢崎線及び東上線でございますが、これは先ほど申し上げましたように、部分的にはかなり進捗を見ておりますが、東武におきましても本制度にのっかりまして全計画を十年以内に完成したいという強い意気込みを持っております。
 それから西武池袋線につきましては、答申区間のうち十年間に完成できると思われますのは、その約半分程度でございます。
 また、小田急小田原線につきましても、答申路線のうち約六、七割のものが十年間にできるかなというような意気込みを持っております。
 それから最後に京王線でございますが、これにつきましては、なかなか難しい状況もあるようでございまして、全体十二キロメートルのうちの数キロメートルにとどまるかもしれないというような感じがございます。
#22
○矢原秀男君 現在昭和六十二年度を初年度とする大手私鉄十四社の第七次設備投資五カ年計画の策定に近く着手する予定のようでございます。
 第七次設備投資計画は、運政審の答申、また今度の特定都市鉄道整備促進積立金制度の創設等を基本に、大枠として一兆二千億円程度の投資規模が予定されているとの報道等もあるわけでございますが最終結論は六十一年度中にと言われておりますけれども、この第七次投資計画は六次に次いで策定されるところでございましょうが、こういうふうな点の第七次投資計画のその明確さというものは当局ではどの程度に掌握していらっしゃいますのか、その点伺います。
#23
○政府委員(服部経治君) 現在十四私鉄が推進しております第六次の輸送力増強五カ年計画は五十七年から六十一年に至ります五カ年間のものでございまして、第七次につきましては六十二年度を初年度とする五カ年計画という格好で発足するわけでございます。その内容の正確な把握につきましては、これからこの六十一年度中に詳細なヒアリングを行ってその内容を詰めてまいりたいというふうに考えておるところでございますが、ざっとした見通しを申し上げますと、五十七年から六十一年に至ります第六次の五カ年計画の総投資規模がざっと九千億でございました。で、それの延長部分としての輸送力増強工事、安全工事、サービス向上投資等の額が恐らくこの第七次では一兆をやや上回る一兆五百億程度になるのかなという感じでございますが、さらにそれに加えまして、最前先生のお尋ねにもございました本制度によります五社七線の複々線化計画のうちの約七割程度のもの、八千億円ぐらいのものがこれに上積みされるといたしますと、全体の第七次の――失礼いたしました。これは十年でございますからそれのまた半分ですね、八千億のまた半分ぐらい、四千億ぐらいですか、四千億ぐらいが上積みされますと一兆五千億前後の数字のものになる可能性が大きいかなという感じで今見ております。
#24
○矢原秀男君 この第七次輸送力増強計画も、資料を見ておりますと、日本民営鉄道協会も非常に研究資料というものを膨大に集めて、各社の投資
計画、こういうものが集められながら検討されているようでございますけれども、運輸省といたしましてもいろいろな資料を非常によく検討されていらっしゃいますので、これらの投資計画、これにはやはり大きな立場からの運輸省の指導性というのか、そういうものも非常に必要ではないか、こういうふうに考えるんですけれども、そういう点どうでございましょうか、重ねて伺います。
#25
○政府委員(服部経治君) ただいま先生御指摘のとおりでございまして、大手私鉄に課せられました社会的責務の第一は、現実の旅客流動の実態に合わせまして、多くの方々のニーズに沿うような形で将来に向けて輸送力増強なりあるいはサービス改善のための工事を積極的に進めていくことであろうというふうに基本的に認識しておりますので、先生御指摘のような方向でもって今後も関係の小業者を強く指導してまいりたい考えでございます。
#26
○矢原秀男君 それでちょっと心配しておりますのは、資料等で非常にどうなのかなと思っておりますのは、経営の現状を見ますと、鉄軌道部門の収支の実績、昭和五十八年度でその収支率が、民鉄十四社の大半が赤字体賢の数的なものが出ております。運輸省としてはこういう現状というものはどういう分析、そしてどういうふうにこれらに対応されるのか、そういうようなことをちょっと老婆心ながら心配しておるものでございますけれども、その点はいかがでございますか。
#27
○政府委員(服部経治君) 私ども大手私鉄の運賃改定に当たりましては、そういった非常に公共性の高い事業の遂行に当たっております鉄軌道事業部門の経営の健全性を確保することが何よりも肝要であるという基本認識のもとに、そういった私鉄の鉄軌道部門の収支が確保されるような格好でもって運賃の査定を行いまして、新しい運賃水準というものを決めるという心組みで作業に当たっておるわけでございますが、現実は大変残念ながらいろいろな事情もございまして、運賃改定の行われたその年におきましては若干の黒字は計上し得る状況になりますものの、その翌年度には既に若干の赤字になり、さらに三年目にはその赤字幅がふえるという格好の繰り返しが過去から現在まで続いてきておる状況でございまして、私どもその点につきましては大変事、志と違った結果を生んでおることを遺憾に思っておりまして、今後とも適正な運賃水準の査定、策定ということに十分心がけてまいりたいというふうに思います。そうでなければ、私鉄の社会的責務である輸送力増強等の工事も適切には行い得ないことになりますのでただいまの先生の御指摘、私ども十分念頭に置きまして今後とも仕事に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#28
○矢原秀男君 この件につきましては、確かに公共性また健全性いろいろあるんですが、直接また運賃値上げというものにひっかかってきますと、国民の足でございますから、これは波及的には物価にも非常に影響してきますし、そういう面のストレートでなしに、できましたら内部で経営体質改善というものがまだ那辺にあるのか、そういうようなところをまず優先順位の一つにしていかなくちゃいけないと思いますし、そういう点はよく御注意をお願いしたいと思います。
 次に、大手私鉄十四社の設備投資額の推移を一次計画から六次計画まで見ておりますと、当初の一次、昭和三十六年から三十八年、それから二次と、順次この六年間では輸送力増強工事に大半の資金が費やされてきておるように見えます。安全対策工事はそれぞれ一次一三・四%、二次が一五・六%、若干のシェアしか占めていなかったのでございますが、その後年々安全対策工事のシェアというものが伸び続けていっているわけでございますが、そういう中で質問したいことは、第六次計画では四一・一%の輸送力増強工事を抜き、四五・七%の安全対策工事を確保するに至るのでありますけれども、実質上の達成率から見た場合の輸送力増強工事と、安全対策工事のこのシェアのパーセンテージの比較というものはどうなのか、そういう点、局長掌握されておりましたら伺いたいと思います。
#29
○政府委員(服部経治君) 第六次の輸送力増強計画の進捗状況についてのお尋ねでございますけれども、これ第六次の輸送力増強計画というのは、五十七年から始まりまして六十一年度に至るものでございますが、既に四年間は経過しておるわけでございます。明確に確定された形の数字として把握いたしておりますのは五十七から五十九年度に至る三年度間のものについてでございます。その数字で申し上げますと、輸送力増強工事は予定の四千五百億円に対しまして二千四百六十億円でございますので、その進捗率と申しますか達成率は五五%でございます。それから安全対策工事は五年間で四千三百億円の支出という計画でございますが、それに対しまして三年間の消化額は二千五百八十億円でございまして、その進捗率は六〇%ということになっております。
 ただ、私どもこれは経験的に申し上げられることでございますが、この大手十四私鉄の第一次から第五次までにわたります各輸送力増強計画の進捗率というものを見ておりますと、非常に高いいい数字が残っておりまして、その五回の長期計画の達成率が九四%というような数字になっておりますので、今回の第六次の輸送力増強五か年計画の進捗率も、五カ年を経過してみれば恐らく九十数%、恐らく一〇〇%に近い数字を達成するものだというふうにこれは期待を込めて考えておるところでございます。
#30
○矢原秀男君 確かに現状では今御説明いただきましたように、安全対策工事に取り組む私鉄の姿勢も非常に努力目標を定めて着実に実行されているように感じるわけでございます。しかし、安全対策はいずれの部門にありましても、これは交通だけでなしに、やはりすべて人間社会の中で常に完璧というものはないわけでございまして、安全のためには努力をしていく、こういうことが大切であろうかと思うわけでございます。
 そういう中で七次の設備投資計画もやっているわけでございますが、ここで運輸大臣、やはりいつも申し上げておるんですけれども、安全対策工事というものは、すべての専業がなされるときに、やはりお互いが注意をしなくてもこれはこれだけのパーセンテージはきちっとしてやっていこう、こういうことは非常に大事なことでございまして、特にこういう交通輸送については非常に今後とも大事だと思うんですけれども、大臣のこれらに対する、安全に対する決意、そういう所見を伺いたいと思います。
#31
○国務大臣(三塚博君) もうかねがね矢原先生御指摘のとおり、また各委員からも、運輸行政の基本は安全の確立にある、こういうことで申し上げさせていただいておるところでございまして、複々線を進めるに当たりましても、安全工事というものがその重要な役割を果たしてまいらなければなりませんし、当然この対象工事としてその中に取り入れて行うべきものである、このように思っております。
#32
○矢原秀男君 よろしくお願いをしたいと思います。
 次に、パーソントリップ調査について伺いたいと思います。
 京阪神間においての交通の実態調査として、パーソントリップという名目で調査というものが進められております。この調査については運輸省も参画をされておられるわけでございますが、私は内容を見て、これはお金をかけて非常によくやっているなと思っているわけでございます。
 これは東京は別としまして、京阪神都市圏の都市交通のいろんな、家庭から勤務先まで行く、家庭から通学先まで行く、その交通の切りかえ、いろんなサイクルについて移動の距離、通勤の交通圏、交通手段、その中で大量物資流動とどういうふうに関連するのか、自動車の依存度との関係、そういうふうなパターンも克明に分けておりますし、また都市交通問題の背景と構造につきましても、居住地の外延化と通勤交通、そういうものを非常に克明に分けております。公共交通のシェアの低下と鉄道輸送の関連、またバス利用客の減少
と役割の変化、自動車交通の増加と道路交通混雑、そういうものに対する対応、非常によくやっております。
 そういうことで、これは私も運輸省のアドバイスが側面から非常に強く動いておると思うんでございますけれども、運輸省としては、この京阪神間においての交通の実態調査、このパーソントリップ調査について参画もされていらっしゃるわけでございますが、運輸省の役割、参画の中でどういうふうに意義づけをされていらっしゃるのか伺いたいと思います。
#33
○政府委員(服部経治君) 建設省の方で毎年おやりになっておりますいわゆるパーソントリップ調査というものが、非常に貴重なデータを提供しておるという点については私どももこれを非常に高く評価しておりまして、こういった諸データが将来における道路網の計画策定の非常に有力な、有効な武器になるであろうという意味でこれを評価しておるものでございますが、私どもの関係の仕事を進めていきますためには、またこのパーソントリップ調査とはやや角度を異にする調査も必要なわけでございまして、運輸省といたしましては、この建設省の行っておられますパーソントリップ調査とはやや趣を異にする形で、三大都市圏につきましての高速鉄道網の整備のための資料を整えるという意味合いから、これは五年に一度大都市交通センサスという格好で旅客の流れの方向及び経路、乗りかえの関係、そういった動態、動的な旅客の利用実態というものの把握に努めておりまして、今後運政審の大阪圏部会といったようなものを開設してまいります場合にもこの大都市交通センサスというものを有効に活用してまいりたいというふうに思っておるところでございます。
#34
○矢原秀男君 建設省お見えですか。――今局長がおっしゃいましたように、この調査も建設省が中核で努力をしていただいておりますが、こういう大事なことはもっとまた具体性のある提言も欲しいと思っておりますし、これらの予算、そして現況では今後どういうふうな形でまた対応されようとしていらっしゃいますのか、こういう資料ですね、その点伺いたいと思います。
#35
○説明員(下田公一君) パーソントリップ調査につきましては今高い評価をいただきまして感謝申し上げたいと思います。
 このパーソントリップ調査につきましては、先生も御承知のとおりでございますけれども、公共輸送機関のかなりシェアの高いような都市、それから今後公共輸送機関の整備が必要なような都市につきましては、私ども、都市計画の一環として主に都市計画道路の計画について検討しておるわけでございますけれども、道路の自動車の推移だけ見ておってはまずいということで、トータルとしての根源である人がどう動くかということについて調査をして、それに基づいて全体のマスタープランということをつくる作業をやっておるわけでございます。
 基本的には、私どもとしては、おおむね人口三十万人以上の都市についてはこういう手法でデータをとり、それの現況に基づいて将来の予測であるとか計画、マスタープランづくりというようなことの作業をやってまいりたいというふうに思っております。
 それで予算でございますが、現在、例えば、先生おっしゃいました京阪神都市圏等につきましてはおおむね三カ年で調査をやってございます。最初の年度が実際の、実査と申しておりますけれども、人がどう動いているかと、今先生おっしゃいましたような調査をする。それから二年度目にそれのデータを分析していく。それから三年度目にそれに基づいてマスタープランといいますか、どんな問題点があるか、今後どういうふうにやっていくべきかというふうな計画を検討する。三カ年でやっておりまして、京阪神の例でございますと、昭和五十五年から五十七年の三カ年、約十一億円の調査費を使用してやっておるわけでございます。
 ちなみに大都市圏、東京とか京阪神等でございますと今のような十億ないし十数億という経費がかかりまして、あと札幌とか地方中心都市あたりですと三億円程度、もう少し小さな三十万程度の規模の郡市であれば一億円程度というような予算で実施をこれまでにやってきておるという状況でございます。
#36
○矢原秀男君 どうも御苦労さんでございます。
 局長、今建設省の、これは道路の面から専門的な調査が積まれております。また運輸省は、これはまた大量輸送のそういう専門の立場から各省庁を含んだ調査、検討というものは全国的にやっていらっしゃるわけでございますが、この法案というものはいずれにしましてもこの大都市圏の首都、そしてまた近畿・大阪を中心とする面、そういうような点に該当すると思うんですけれども、いずれにしましても、運輸省として、私、特に京阪神だけに絞ってみたいと思うんですけれども、また明確な調査資料とか整ったものをやっぱり世に発表する必要もあろうかと思うんですけれども、そういう点は運輸省としてはどういう計画がありますか。
#37
○政府委員(服部経治君) 先ほどの御答弁の中でもちょっと触れたわけでございますが、私ども、昭和三十五年以来、三大都市圏につきましての大都市交通センサスというものを五年ごとに行ってきておりまして、最も最近の時点では昭和六十年度にこれを行いまして、現在そのデータの集計、整理、取りまとめ中でございます。この成果につきましては、もちろんその都度、まとまりました都度公表してまいっておりまして、大阪圏における都市高速鉄道の将来にわたります長期整備構想というようなものを考えていく際のこれは有力な基礎資料になるわけでございます。
#38
○矢原秀男君 次に、これは法案よりちょっと横に出ていくと思うんですけれども、関西新国際空港へのアクセスの問題でございます。
 南海本線と阪和線の二ルートのほかに、新しく大阪市営の地下鉄線難波筋線の新設を考えているように、これも運輸省掌握されていらっしゃると思うんでございますが、この地下鉄に、リニアモーターカーを利用しようとしているとのニュアンスも感じているのでございますけれども、この新設計画線、難波筋線がリニアモーターカーがいわゆる地下鉄として実際に建設し採用されるのかどうか、こういう点の御所見。
 それから大阪市営の鶴見線、鶴見緑地線ですか、こういうような点のところにも採用するのかどうか、こういう点は大阪市とか府とかとどういうふうに連携がとられているのか、伺います。
#39
○政府委員(服部経治君) ただいま先生具体的に名前を挙げられました二つの地下鉄のうち、鶴見緑地線というのは、本年の一月の末に特許の申請が大阪市から出されまして三月の末に私どものところに大阪府の方から進達があったばかりのものでございまして、それに対しまして先に先生名前を挙げられました難波筋線と申します地下鉄計画につきましては、これは現在大阪市が関西新空港への将来のアプローチ、アクセスの充実策の一つとして有力な手だてになるんではないかということで検討、勉強を進めておられる線でございまして、したがいましてこれらの線につきましてのリニアモーター駆動方式の適用の可否と申しますか、そういう点につきましては、少なくとも難波筋線につきましては今私ども何も申し上げる情報を持っておりません。
 それから鶴見緑地線の方でございますが、これは建設費の低減を図りますために、大阪市はこれをミニ地下鉄として建設する計画でございまして、断面のできるだけの縮小を図るという方向で計画されておるものでございますが、なおこの鶴見緑地線につきまして、さらにその断面の縮小を図ります手だてとしてリニアモーター駆動方式をこれに採用するかどうかという点につきましては、現在私どもが持っております大阪市の特許申請書からはそのいずれかということが確定、確認できない状況でございますけれども、これまでの間に大阪市といろいろ折衝を重ねてまいりましたその過程で私どもが把握しております点から言え
ますことは、この完成の時期との兼ね合いがございますけれども、それまでの間にそのリニアモーター駆動方式の地下鉄への採用ということが実用化の段階を迎えているということであれば大阪市としてもその方向で踏み切るというお考えであるように承知をいたしておるわけでございます。
#40
○矢原秀男君 このリニアモーター駆動方式というのは、これは国鉄が研究されていらっしゃるんですけれども、実用までにどの程度の年数の研究と実験、そして現実に使用でき得るものかというようなことは技術の面ではどの点まで進んでいるのか、お願いします。
#41
○政府委員(服部経治君) このリニアモーター駆動方式を地下鉄に採用するといったつまり技術開発が進んでおるわけでございますが、実用化段階に向けましてはなお若干の時日を要するというふうに私ども承知をしております。
 いま少し申し上げますと、現在までの段階でリニアモーターそのものの開発は、これはもう既に終わったと言っていい状況にございます。それからその走行性能、それから制御方式、そういった主要な技術の各項目についてもほぼ問題のないところまで技術開発が進んでいるようでございます。
 しかしながら、これが実用化ということになりますと、なおこのリニアモーター駆動方式に適合する信号方式の開発が必要でございますし、さらに鉄道システム全体としての信頼性につきまして、実験走行線を使った実験をなお繰り返していかなければならぬということがございます。三つ目としてはその実用化に向けまして、ランニングコストをどの程度低減することができるかといったような経済性の面につきましてもなお勉強が必要だというような状況でございますので、現在私ども地下鉄協会と共同しまして、そういった実用化に向けましての勉強を続けておる段階でございますが、なお数年かかるのではないかというふうに考えております。
#42
○矢原秀男君 運輸大臣にちょっと確かめておきたいと思うんですが、今関西新空港、もう今漁業問題が兵庫の方が残っていますけれども、いずれにしても建設が始まってくると思うんです。四国と、いわゆる紀州につなぐという海底トンネルの構想というものが、新聞紙上に前からちらほら出たり、そのままになっているんでございますが、また四全総を迎えて、整備新幹線、そういうようなことからまた全国の都道府県のデータを見ておりましても、交通の問題である新幹線の網羅というものがやはり第一、第二に要求出ているわけなんですが、これは自民党の、大臣が中心となって進められる政策の中でも、この新幹線の網羅というものは、日本全国に張りめぐらしていこうという政策の論議もあるように思うんですが、この四国と紀州の海底トンネルの構想ですね、こういうのはもう完全に消えたのかどうか、それともまだ生き続いておるのかどうか、この点だけはっきり伺っておきたいと思います。
#43
○政府委員(服部経治君) ただいま先生お尋ねの紀淡海峡を海底トンネルでもってつなぎます鉄道計画についてのお話がございましたが、私ども現在そういう格好での鉄道が敷設される可能性のある計画としては、いわゆる新幹線諸計画のうちの四国新幹線、これは大阪から徳島市、高松市、松山市を経まして大分に至る路線だというふうに承知しておりますが、その想定されるルートの一つとして、本州と淡路島の間を海底トンネルで結ぶ場合に、技術的にそれがどのように可能であろうかということのための調査を、かねてから鉄道建設公団において調査中でございます。
 なお、こういった四国新幹線という計画の扱いにつきましては、現在具体的に検討の対象になっておりますいわゆる五つの整備新幹線についての見通しが明確になった後に、改めて議論され検討されていくものだというふうに理解しておるところでございます。
#44
○国務大臣(三塚博君) 今、紀淡海峡線、また四国、九州に行く新幹線基本計画については、服部局長の言われたとおりであります。
 御案内のように、国鉄改革ということの中で、整備新幹線そして基本計画の新幹線をどうするのかというのが最大の政治課題に相なっておるところでございまして、そういう中でありますが、基本計画は決めたわけでありますし、整備計画も決定をいたしてこれは進める、こういうことであるわけですが、財政再建とそれから鉄道、国鉄改革と、この大改革にぶつかりました関係から、そのあり方をどう進めるかということで、ただいま政府に設置されました整備新幹線財源等検討委員会におきまして真剣な議論が行われておるわけでございまして、言うなれば財源をどう明確にするかというところに基本的な問題があり、国鉄に負担をかける形でこれを行うということだけはしないということが合意されておるところでございまして、国家プロジェクトとしてこれが認定をされていくということでありますれば、勢い財源もこれについて行われていくであろう。ただいま与党である自由民主党の方で、これのあり方について公共事業方式というのを決められておるわけですが、政府に認めさせるべく、いろいろ交渉をいたしておるところでありますが、いまだ平行線という段階にございます。
#45
○内藤功君 運輸省にお伺いをいたしますが、この法案の提案理由で、輸送力を増強して混雑を緩和するために、現在の利用者に前倒しの形で将来の費用の負担をお願いをする、こういうことを提案理由でも述べ、また衆議院の運輸委員会でも述べておられるわけでありますが、実際は巨額な資金が必要な大規模工事を、これまで以上にサービスを、一般利用者の犠牲において大手企業の利益を保証しようということになると私は思うんですね。私たちの党は、したがってこの法案には反対するものでありますが、お伺いしたいのは、政府は複々線工事や高架工事などの大規模工事には、新線建設のときのような開発利益は生じないと繰り返し述べておられます。しかし、これらの工事、複々線工事等によりまして沿線の地価が上昇して、そこの土地保有者、特に開発業者、この中には不動産会社それから大手の民鉄会社が入るのでありますが、そういう企業が巨大な利益を得るということは極めて当然のことではないかと思うのですが、この点はどうお考えになりますか。
#46
○政府委員(服部経治君) ただいま先生お尋ねのございました開発利益の問題でございますけれども、これは鉄道の便益を十分に享受し得ていないような、いわゆる大都市の中における、あるいは大都市圏の中における鉄道の空白地帯、過疎地帯といったような地域に新しく鉄道を敷設してまいります場合に、その沿線に先生御指摘のようなさまざまな形での開発利益が生まれるわけでございまして、私どもとしてはそういった開発利益を何とかこれをとらえまして、鉄道の建設なり運営なりというものに還元してまいりたい、そういう方向で現在いろいろと検討を続け、勉強しているわけでございますが、お尋ねの複々線化工事についても開発利益があるのは当然であって、それの吸収、還元というための方策を講ずるべきではないかという点でございますが、私どもはもちろん何がしかの程度では複々線化工事によりましてもその沿線に新たな開発利益を生むことは想定されますけれども、ちょっとこれはお考えいただきますとおわかりのように、複々線化工事というのは、原則的に、基本的に、既に高密度の人口の集積がもうでき上がっておりまして、市街地が稠密な形で形成されている、いわゆる私鉄の沿線のうちでもいわば都心寄りの地域においてそういった複々線化工事の要請が高いわけでございまして、複々線化工事と相まった形で、大規模な沿線の開発を行うと申しましても、そこにはおのずから限度もあろうかというふうに考えておるわけでございます。しかし全く開発利益がそこに生じないということではございませんので、私どもその問題も将来の問題として取り組んでまいらなければなりませんけれども、何分にもこの開発利益の還元ということは、言われ始めましてから既に二十年も経過しているようなかなり難しい問題でございまして、私どもこういった開発利益の還元の仕組みにつきましては、例えば常磐新線の建設であるとか
いったような具体的な新線建設の促進の場面で、関係の自治体と十分お話をしながら勉強をし、それのための具体的な成案というものを得るための努力を一生懸命やることがまず肝要ではないかというふうに考えて、そういう方向で現実に努力をしておるところでございます。
#47
○内藤功君 何がしかの範囲という、非常に控え目ですが開発利益はお認めになったわけですが、具体的に聞いてみましょう。
 まず、小田急の小田原線の複々線化による所要時間の短縮は、例えば町田―新宿間あるいは新百合ケ丘―新宿間というような場合でどのくらいだと思いますか。
#48
○政府委員(服部経治君) 小田急が小田原線につきまして計画しております東北沢―新百合ヶ丘間十七キロメートル余の複々線化計画のすべてが完成いたしました場合には、例えば町田―新宿間では、現在の所要時間五十分というのが十五分短縮されまして三十五分程度になるというふうに考えております。また、新百合ヶ丘と新宿の間では、現在四十一分所要時間ございますけれども、この四十一分というのが二十五分という格好で、約十六分短縮されるというような見込みでございます。
#49
○内藤功君 私ここに、高木前国鉄総裁が、私鉄の各社の社長さんと対談をしましてね、それを交通協力会から「私鉄経営に学ぶ」という本におさめられて、非常に興味深くこれ読んだんですけれども、この中で、今問題の小田急の当時の利光達三社長は、複々線のメリットについてこういうふうに述べているんですね。「輸送力増強の面で、うちは少し壁に突き当たっている――これを打ち破るには複々線の実現をおいてほかにありません。何としても目鼻をつけたい」、こう言っている。今小田急のことになりましたので、小田急のこの線の複々線化ということで、今局長答弁の町田や厚木まで延びれば、やはりこの沿線の私鉄大手不動産会社というのは莫大な開発利益を得ると思うんですね。私は、このような大手私鉄企業が複々線工事については、やはり応分の負担をするということが当然だと、これをやっぱり零細な勤労者を中心にする一般利用者に負わせるというのは、どう考えても筋が通らぬというふうに思いますが、この点御答弁を求めたい。
#50
○政府委員(服部経治君) 先ほど申し上げたことの若干繰り返しになりますけれども、私ども、開発利益の還元を図ることによって鉄道建設の円滑化を図り、さらには鉄道経営の健全化に資するということは、極めて重要な問題だろうというふうに思っております。
 しかし、先ほども申し上げましたが、この開発利益の還元ということは、既に言われ始めてから二十年余を経過している問題でございまして、総論的には、なかなかそれは結構ということで大方の理解を取りつけることはできるわけでございますが、さてそれを各論に落としまして、具体的にいかなる手法でもって開発利益を把握し、捕捉し、これをさらにいかなる手法によって具体的に吸収して、そういった鉄道事業への還元を図っていくかという問題につきましては、一口で言えば議論倒れでございまして、これまで具体的な方策を見出すことができなかった、そういった性質の問題でございます。
 したがいまして、この問題への取り組みの必要なことは私ども本当に痛感いたしておりまして、先ほども申し上げましたように、常磐新線の建設の促進その具体化を図るための関係自治体との勉強会等の場におきまして、この問題を具体的に提案いたしまして、現在鋭意この問題についての具体的な御相談、詰めを行っている最中でございます。
 そういう開発利益の還元のための具体的な手法というものができました場合には、今先生おっしゃられたようなこういった複々線化の工事につきましてもそういう手法を援用してくることについて、なお私ども勉強する必要があると、それが大事であるというふうな認識においては先生の御指摘のとおりであろうと思っております。
#51
○内藤功君 次に、法案の六条ですが、指定法人の問題です。
 衆議院の委員会で、たしか局長は、この指定法人の例を問われたのに対して幾つか挙げられているんですよ。その中に、きょうも理事長さん来ておられると思いますが、民鉄協会を挙げているんですね。私は、民鉄協会というのは、やはりその性格から見ましていかがなものであろうかと、指定法人というのはやっぱり公平で公正というものが大事じゃないか、という点についての国民のやはり疑念が生ずるおそれはないだろうかと、こういう点、さらに民鉄協会というものを指定法人の中に挙げられた、そこのところの真意と、そういう疑念はないのかという点をお聞きしておきたいんです。
#52
○政府委員(服部経治君) この法律に基づきます指定法人というものを具体的にどういう公益法人にしていくかということにつきましては、現在検討を急いでいる最中でございますが、衆議院の御質疑での答弁でも申し上げましたように、私どもとしてはその対象法人の一つとして民営鉄道協会を考えていることは事実でございます。
 この指定法人の役割というのは、運賃の前倒し負担という形で多くの利用者に御負担をいただきました、そこから出てまいります積立金というものを適正に管理し、各企業の全体の経理とは明確に分離してこれを区分経理されることを担保し、そしてそういった積立金が確実に予定された複々線化等の大規模改良工事に支出されることを確実なものにするといったような、極めて重要な役割を果たすものでございますし、もとよりその業務の運営は公正に行われることが必要でございます。
 しかしながら、先生御指摘のような、民営鉄道協会がその指定法人であることについては、いささか公正さという意味で疑念があるんではないかという御指摘については、私どもそのようには考えておりませんで、民営鉄道協会は、その定款にもございますように、「輸送力の増強と安全輸送の確保を促進し、鉄道事業の健全な発達を図り、もって国民経済の発展に寄与することを目的とする。」というようなことをうたって設立されました公益法人でございまして、私ども、そういった公益法人と、民法上の公益法人の性格からいいまして、仮にこの民営鉄道協会を指定法人として指定した場合にも、本法が求めている指定法人としての業務運営の公正さに問題があるというふうには考えておりません。
#53
○内藤功君 これは認定事業者あるいは鉄道事業者のいわば団体ですからね。そういう点で私は今の御答弁は納得できないということを申し上げておきたいと思います。
 次の点ですが、なぜ複々線工事などの恩恵を受けない利用者までが特別な運賃負担を強いられなければならないのか、この問題であります。
 例えば東急の経営する路線で言いますと、東横線、大倉山と多摩川園の間の複々線、それには新玉川線だとか池上線だとかの利用者は恩恵にはあずからないわけであります。それがなぜ負担しなければならないのか。受益者負担といいますが、受益者負担の原則からどういうふうにこれ説明するのか。非常に難しいんじゃないかというふうに思いますね。受益者でない者が負担する。衆議院でもありましたけれども、おれは受益者じゃない、だから何%分は返せという裁判だってこれは起きないとは限らない。そこらあたりの問題、どうお考えになりますか。
#54
○政府委員(服部経治君) 今先生は東急の路線につきまして例を引かれましてのお尋ねでございましたけれども、例えば東急東横線において、ある種のある程度の規模の工事が行われる、それの原価、コストというものは、これまでも既に田園都市線なり池上線なり目蒲線なりの利用者によって平等に負担されてきておるところでございます。このことは何も東急に限りませんで、我が国の鉄道が始まって以来の運賃制度の中で、鉄道投資にかかわるコストにつきましては、これをその鉄道会社の全利用者に平等に御負担していただくとい
ったような考え方でもって今日まで来ておるところでございまして、本制度で初めて新たにつくり出した考え方ということでは決してないわけでございます。
#55
○内藤功君 これはやっぱり利用する人の感覚からは、大変今の御答弁は私は離れているんじゃないかと思いますね。
 話は変わりますが、昨年の運政審の答申を見ますと、乗り継ぎ運賃制度の適用対象の拡大の部分でこういうふうに述べております。これは運政審答申の三十ページから三十一ページのところですが、「乗継利用者と非乗継利用者との負担の公平等の問題もあるので、」「適切に対処する。」、こういうふうに負担の公平あるいは平等ですか、そういう問題を出しておるんですね。ところが本法案では、負担の公平あるいは平等ということを、今私が質問したような問題についておっしゃっている。私はこの間に矛盾した考え方があると思うんですね。この間に矛盾があると思うんですね。この点いかがですか。
#56
○政府委員(服部経治君) 例えばある特定の路線、一つの会社が複数の路線を経営している場合に、その特定の一つの路線について輸送力増強等のための工事が行われた経費というものを、その路線の利用者だけに負担させるということでやってはどうかというようなお尋ねと思いますけれども、話がそこまで参りますと、これは複数の路線を経営している場合には、その路線ごとで投資の問題に限りませんで、利用者の多寡ということがその路線を利用する利用者一人当たりのコストの高い低いに直接につながってきている現実がどこにでもあるわけでございますが、現在の運賃制度におきましてはそのことも捨象いたしまして、一社一運賃制度という形の中での運賃制度の運用を図ってきておるところでございまして、例えば工事の都度、その工事のコストをその工事によって直接裨益する人にのみその工事の受益の程度においてこれを負担してもらうというようなことは、理論としては正しいのかもしれませんけれども、現実の運賃制度の運用の面では、それはいわば不可能に近いことでございます。いかなる工事をとりましても、それによって裨益する人の範囲なり、受益する程度というものは異なっておるわけでございまして、これを計数的に正確に把握するということは言うべくして不可能に近いことでございますし、仮にその点が何らかの手法によりまして把握し得るようなことに相なったといたしましても、いろんな時期にいろんな形で行われます各種の工事について、その都度それを直接の受益者の負担にはね返していくといったようなことは、今度は別の意味で運賃制度としてとりがたい、そういう現実の要請もあるわけでございます。
 このことを逆に裏返して御説明申し上げますと、現在、私どもがと申しますか、鉄道の歴史始まって以来とられてきております一社一運賃制度のもとで、この工事の費用をどうするかという問題を考えてみますと、現在ではこれを全体の利用者を一つの利用共同体としてとらえまして、平等に御負担願っておるわけでございますが、そういう形で工事の都度出てまいります投資の負担というものを全体の利用者で広く薄めまして負担することによりまして、結局、長い目で見ますと、東急なら東急の各線にわたる各種の工事というものが、その時期はそれぞれ違うでありましょうけれども、まんべんなく一巡して容易に行われ得るということにもなるわけでございまして、こういった一社一運賃制度の考え方というのは、私ども今後にもこれを踏襲してまいりたいという考えでございます。
#57
○内藤功君 その説明でいきますと、説明がつかぬと思うのは、通学生の場合ですね。これはもう明らかに無理があると思うんですが、高校生は三年間、大学生は四年間、通常卒業するのに通うと。卒業して必ずその線に乗るわけじゃありません。よそへ行きますね。そうして、そういう十年後の利益のために学生としては高額なやはり負担を強いられなければならない。ここの点の説明はどういうふうにされますか。また、これについてはどういうふうな検討をこれからされようとするのか。あわせてお伺いをしたい。
#58
○政府委員(服部経治君) 通学定期を利用されている学生の方につきましては、確かに先生御指摘のようなことがあるわけでございます。一方では、こういった複々線化工事といったような工事は、朝夕のラッシュ時間帯の混雑の緩和を図るために必要になってくる、そういう種類の工事ではありますけれども、この制度に照らして考えれば、そういう先生御指摘のようなケースもございます。
 既に当委員会でもその点につきましての御指摘を受けておるところでございまして、私ども本制度のもとにおきまして、通学定期にこの費用の前倒しの負担といったものをどういうふうに組み合わせて適用していくことが最も公平かということにつきまして、なお時間もございますので検討をしてみたいというふうに考えておるわけでございます。
#59
○内藤功君 ところで局長は、これも衆議院の委員会の答弁で鉄道事業部門の独立採算制ということを再三述べております。ところが、当事者の民鉄経営者は、鉄道経営だけで黒字が可能になるとは恐らくだれ一人考えてないんじゃないかと思いますね。
 先ほど紹介した高木前総裁の対談集「私鉄経営に学ぶ」という中でもたくさん出てまいります。例えば西武の堤義明社長は、鉄道の仕事は売り上げの面から見てどのくらいのパーセントですかという高木さんの質問に対して「一〇%ないし三〇%といったところです。中心は鉄道なんですが、今やシンボル的な存在ですね。」と、それから片や東急の五島社長は「むしろ、不動産の開発手段として鉄道をやった」と、これ随分遠慮した言い方だと思うんです。そういう割り切って考えておりますね。私はこれが本当だと思うんです。こういう大手企業に対して、なぜ本法案のような考え方でサービスをしなければならぬのかということが私は非常に疑問に思うんです。この点の御認識、伺いたいんです。
#60
○政府委員(服部経治君) 私どもは都市鉄道が社会に対して負っている第一の責務というのは、現在の通勤通学時のラッシュの状況を一日も早く解消いたしまして、将来に向けて多数市民の大事な有用な足としての鉄道の使命が全うできますように、その輸送力増強を図り、あるいはサービスの改善を図りといったようなための投資を積極的に行っていくことであろうというふうに認識をいたしております。そういった非常に社会的に公共性の高い使命を負った鉄道事業でありますので、私どもとしては、各私鉄企業の行っております鉄軌道部門の経営ということが他の兼業部門の収支に煩わされることなく、それとはかかわりを持たない形で独立して健全な採算制を維持できるような形をつくり出すことによって、初めて私鉄各企業は鉄道部門への適正なかつ必要な投資という社会的な要請にもこたえていけるゆえんだというふうに認識をしておるところでございます。
#61
○内藤功君 しかし、実態に合わないと言ったら言い過ぎかもしれませんけれども、そういう認識では今の私鉄企業の実態を把握した運輸行政とは私は言えないという感を深くするんですね。
 それでは、私鉄の現在の運賃制度でも、鉄道事業者が投資した額というのは回収できる仕組みになっていると思うんですが、適正原価、適正利潤という原則で。いかがでございますか。
#62
○政府委員(服部経治君) 鉄道の投資に伴いますコストは、一つは減価償却費でございますし、一つはその投資に要した資金にかかわる金利の負担でございます。
 前者の減価償却費につきましては、これは運賃査定の場合にその会社ごとに真実な事業資産というものを把握いたしまして、簿価をもとにいたしまして適切な減価償却費を計上するように努めておりますし、さらにこれに付加されるべき新たな投資にかかわる減価償却費につきましてもほぼ
これに準じた手法によりまして適正な数値の把握に努めております。
 一方、金利につきましては、レートベース方式という手法によりまして適正な事業報酬を確保するということを通じましてその金利部門を見ているというような格好で、仕組みの上では確かに先生おっしゃるように投資した工事費にかかわる資本費コストはそれがすべて回収できるような形になっておりますし、また私どもとしてもそういう形での運賃の査定を行うべき立場にあるということは明確に申し上げられるところでございます。ただ、なお一点つけ加えて申し上げておかなければならぬと思いますのは、そういう私どもの運賃査定の際におきます基本的な取り組みの姿勢にかかわらず、大変残念なことでございますが、現実には私鉄の鉄軌道部門というのは運賃改定が行われたその年にはなるほど若干の黒字は計上できることになりますが、その翌年には会社によりましては既に赤字になってしまう、それから三年目にはさらにほとんど全社が赤字といったような状況になってしまうということの繰り返しが過去から現在に続いてきておるわけでございまして、そういう私どもの取り組む姿勢にもかかわりませず、結果的には鉄軌道部門の収支じりにつきまして、兼業部門から補てんを受けているという状況が長く続いておりますことは大変遺憾であるというふうに考えておるところでございます。
#63
○内藤功君 私鉄の鉄道部門は、累積欠損額が非常に巨額だということを繰り返しておられるんですけれども、その言われる累積欠損額の数字の根拠、一体どこからその数字を持ってこられたか、根拠をお示しいただきたい。
#64
○政府委員(服部経治君) これは、民営鉄道協会が公表しております各私鉄企業につきましての私鉄企業の鉄軌道部門の収支の数字に基づきまして、私ども衆議院でもあるいはまた当委員会でも申し上げましたような過去十年間における十四社の鉄軌道部門の累積の赤字が約千百億円であるというようなことを申し上げてきておるところでございます。
#65
○内藤功君 会計法上から言って、配当までしたその残りを欠損というのは、私は常識から言ってどんなものであろうかと思うんですね。大蔵省から私、質問の前に聴取を受けましたが、大蔵省は継続的長期に配当するというような会社は赤字の会社とは言えない、赤字の会社とは考えられないと、こういうふうに言っておりました。当然のことであると思うんです。この四年間だけで大手私鉄十四社で五百六十三億円配当している計算になりますね、それを配当している。
 さらに、この本でもこれは今度は東武の根津社長が言っておりますが、累積赤字というのは私鉄の大手にはないというんですよ。もし不動産事業などやっていないとそれが累積赤字になって残ると思う、「まあ、大部分の私鉄は累積赤字がいまのところはないと思いますよ。」ということを、これは昭和五十七年の本ですけれども明言をしておりますね。こういう点は、この巨額の累積赤字三千二百億ですか、何度も答弁しておられますが、この大蔵省の言っておる見解についてはどういうふうに思いますか。
#66
○政府委員(服部経治君) 言葉の使い方が難しいわけでございますが、私が繰り返して申し上げておりますのは、私鉄という看板のもとで行われておる各事業トータルの話を申し上げておるのではございませんで、私鉄の行っておる鉄軌道事業部門の収支のことに触れて申し上げておるわけでございまして、東急なら東急という私鉄企業がその東急という看板のもとでいろいろな各事業をやっておられる、そのトータルとしての事業収支につきましては、なるほどずっと黒字であったということは先生御指摘のとおりであろうというふうに思っております。
#67
○内藤功君 やはり運輸行政というのはこういう実態を総合的に把握するということが大事だと私は思うんですね。その点で大蔵省のこういう説明から見ても納得はできないわけです。
 今局長言われましたように、赤字どころか私鉄の経営実態は大黒字だと思いますね。大手十四社の内部留保――内部留保というのは、私ども、大蔵省で聞いたところでは、利益準備金、任意積立金、当期未処理利益、こういうものだということであります。そういうものを計算しますと、昨年一年間だけで十四社で五百三十九億円ふえて六千三百四十三億円になっておると。これは黒字だということはお認めになった。大黒字なんですね。
 しかも鉄軌道部門を区別するというんですけれども、私鉄各社は、今や総合商社的な形態をますます強めております。
 西武の場合に、これは堤義則氏の「二十一世紀戦略」という本を私読んでみますと、西武の商法というのはこれは大したもんだと。プロ野球の球団を手に入れ、そして球場をつくり、球場のための駅と路線を敷くということで、約百億投資したけれども、しかし一年間に百十万人ですか、百十万人のお客さんがこれでふえると、こういうことをちゃんとやっぱり見越して商法をやっておられると。私は、こういう大企業集団になってきますと鉄道はまさに手段であると。それが、ある企業では大学を誘致する手段になる、ある企業では動物園を誘致する手段になる、動物園に客を誘致する手段である。ある経営では野球場である、ある経営ではスキー場でありレジャーランドであり百貨店であると、こういうふうにやっぱり経済的に見るのが私は常識にかなうと思いますね。
 これに反しまして、あなたのおっしゃるように鉄軌道部門だけ、こう微視的に見るという見方では、これは国民の納得を私得られるとは思いません。全体的の私鉄グループが鉄道事業の設備投資を負担するということで今までやっぱり民鉄大手というのはやってきたし、運輸省もそれを前提にしてやってこられたんじゃないか。それが、今回この法案は複々線工事等に限られるとはいえ、これを一般の国民、利用者の負担にするということに私は納得いかぬと思うんですね。もう一言つけ加えるならば、円高、原油差益というものの利益もありましょう。それから設備投資もかなりみんなやっておりましょう。こういう点から見て私は納得できぬということを申し上げておきたいんです。まあ御答弁は大体同じような御答弁でしょうからこのことを強く指摘をしておきたいと思います。
 そこで、来ておられますか。――民鉄協会に次にお伺いをします。民鉄協会の理事長さんにお伺いをしたい。
 私この「21世紀への礎」というパンフレットを読んだわけなんでありますが、このパンフレットはいつおつくりになったんですか。
#68
○参考人(岩倉多門君) 今先生のお示しになっておられます。そのパンフレットでございますが、昨年の十二月に作成をいたしております。
#69
○内藤功君 発行もそのころですか。
#70
○参考人(岩倉多門君) はい、さようでございます。
#71
○内藤功君 法案が提出される前からこういうものをおつくりになって宣伝をなさっているようであります。内容を拝見いたしますと、まさに今審議されておりますこの法案に内容として盛り込まれていることがそのまま既定事実のように書かれているように思うんですよ。例えば複々線化工事の必要性とか「制度のしくみ」とか「制度の概要」「対象事業」「工事資金の事前積立」「非課税による内部留保」「事前積立金の後戻し」ですか、それから「こんなに効果があります」というような、まさに法案の内容を法案が出される前からこういう形で宣伝なさっている。今国会で運輸省が説明しているとおりのことと言っていいでしょうね。しかも、これが「快適な通勤を実現する切り札です」と、これしか方法がないとまで言っておられますね。ちょうど国鉄の問題のときに国鉄は民営・分割化で元気になりますという張り紙をして、これは国会でも問題になりましたけれども、こういうことはしないようにという厳しいやっぱりおきゅうが据えられていると思うんですけれども、私はやはりこれじゃ、もう運輸省と民鉄協会とこういうふうに協議をして、なれ合いをして法
案の出る前から法案の内容を民鉄協会が宣伝している。これは私ははっきり言って好ましいことではないと思いますね。この点、理事長が来ておられるんで、どういうお考えでこれをおやりになったか、ちょっと一言お話を願いたいと思います。
#72
○参考人(岩倉多門君) 法案が作成されまして国会に提出される以前に、この問題に関しましては主として税制の問題でございます。で、この税制の問題に関しましては、自由民主党の税制調査会というところでこれの審議をいたして、六十一年度の税制どうするかということをお決めいただくわけでございます。で、私どもといたしましては、その税制のための、何といいますか、改正要望というものを運輸省からお出しになりまして、これが認められたということでございますので、その案を骨子としてこの印刷物をつくったわけでございます。で、私どもといたしましては、法案が要るとか要らないとか、そういうことはよく存じないわけではございますけれども、何とかしてこの制度の実現を図りたいと、そういう趣旨に出たものでございます。
#73
○内藤功君 理由をお述べになりましたけれども、いかにしてもこれから審議される、しかも賛成反対分かれておる法案ですからね、厳しい審議がこれから行われるという前に既定事実のはうにお出しになるということは私は不適切であるということを一言あなたに厳しく御注意を申し上げておきたいと思います。
 運輸省にもう一回伺いますが、今の法案に関連して具体的なひとつ問題を伺いたい。
 これは東急の池上線の荏原中延という駅がございます。この荏原中延の改築問題です。これは昭和五十八年から障害者団体等が現地調査も行って、各方面に要望、陳情を提出しているという状況でございます。運輸省は昭和五十八年の三月に公共交通ターミナルにおける身体障害者用施設整備ガイドラインというものを発表をいたしました。この趣旨に基づくならば、これは交通弱者対策として長期的な視点から交通施設の整備を進めていく、さらに垂直移動対策として駅施設等のエスカレーターやエレベーターの設置に十分配慮するということがこのガイドラインでは打ち出されておる。この荏原中延駅というのは、詳しくは言いませんが、半地下の大きな駅をつくろうとしておりますが、運輸省はこのような立場で、この問題についてどういう御認識であり、また今後どういうふうに関係者を指導なさるお考えか、この点をまず伺いたい。
#74
○政府委員(服部経治君) ただいま先生お引きになりました身障者対策のためのガイドラインでございますが、私ども、これがつくられましたのがたしか五十八年三月でございますが、以後はこれに従いまして公共交通輸送の任に当たります各輸送事業者がそのガイドラインに従って交通弱者のためにいささかでもそういった公共輸送機関利用の際の利便性というものが向上できるような方向で指導をしてまいっておるところでございます。本件、荏原中延駅の改良工事に当たりましても、私ども、東急に対しましてこのガイドラインの意を体した身障者施設の整備についてできる限り意を用いるように指導をしてきているところでございます。
#75
○内藤功君 ぜひ強力にやっていただくことを要望いたします。
 最後に、国鉄京葉線の問題についてお尋ねをしたいと思います。
 京葉線は、現在の総武線、総武快速の混雑緩和策として、千葉県民はもとより通過地域であります江東区の南部地域住民の期待が非常に大きいものがあるわけであります。
 残念ながら現段階における鉄建公団の工事計画によりますと、この都心ルートでは、新砂町駅と西越中島駅間、約四・六キロメートルございますが、都心部であるのに駅間の距離が余りにも離れ過ぎている、こういう実態は東京都内でもほとんど例がないのではないかと思われます。そこで、通過予定地域住民はもとより、地元の江東区議会、区長からもこの真ん中近くにもう一駅、新駅をつくってもらいたいという強い要望が来ております。私も昨年二月、地元の方々、それから不破哲三衆議院議員などと一緒に現地を調査をいたしました。その際、公団の東京支社の方からも御説明をちょうだいしたわけであります。こういう強い要望があり、千葉方面からのお客を東京駅に近づくごとに工場や会社に向かう人をおろす、同時に江東地区などのサラリーマン、学生を輸送する、駅間の距離が短くても相当数の乗降客が予想されるというふうに思うわけです。ただ、この付近の住民にとっては電車の通過に伴う騒音だけが来て駅が来ないことでは、これはもう協力はできぬぞという声も強くなってきておるという状況でございます。きょうは公団の総裁がお見えでありますから現情を、私は四月十四日にも公団に赴きまして担当者の方に強く要望してまいりましたけれども、この問題については公団として地域住民の交通の利便というものを考えて、どういうふうに対処をしておられるか、今後どのようにこれについて対処をされるか、そのお見通し、さらに差し支えなければ区との間ではどういうふうなお約束が今できており、どういうお話になっておるのかという点を含めまして御報告を願いたい、こういうふうに思うわけです。
#76
○参考人(内田隆滋君) あらましの事情は先生の御指摘のとおりでございまして、工事実施計画を運輸大臣に申請いたしましたときには、あの付近の土地の利用状況からして、駅の設置は各機関と協議をした結果設けないということで申請をいたしました。その後、先生のおっしゃるとおり地元から大変な強い駅設置の要望がございましたことも事実でございます。
 また、江東区、東京都があの付近の都市計画、事業計画というようなものをおつくりになっているということを仄聞をしておる次第でございます。また、地元と公団の間で何か取り交わしがあるかという御指摘がございましたが、これは現地支社長が、新しい線路を敷く場合には、当然地元といろいろと協議をしなければならないわけでございまして、その中で駅の新設という問題が強く出てまいりましたので、この問題については支社長の権限ではないけれども、地元と協力して、そして他の機関、上部団体に働きかけをしてこれが実現できるようなことをひとつ考えましょうという、当然その場合には地元も協力していただかなければこれはできませんよ、そういうような覚書を結んでおることも事実でございます。
 したがいまして、私たちといたしましては、この地元との協力、殊に都市計画事業がどのようになるのか、そういうようなことを今後地元並びに東京都と協議を進めてまいり、また、これと経営者である現在の国鉄、これは対応するときは会社になるかもしれませんが、あるいは運輸省等とよく協議をいたしましてこの問題を進めてまいります、こういうふうに考えております。
#77
○内藤功君 時間が来ましたので、今総裁が言われたように、私の知るところでは覚書が交わされて、その中で江東区と鉄建公団とは「京葉線の建設にあわせて新駅を設置することについて相互に協力し、その実現に努めるものとする。」また鉄建公団は「新駅の設置について関係機関との協議を促進し、その実現に最大限の努力を行うものとする。」こういうことその他がうたわれておると理解をしておりますが、そういうことでぜひひとつその実現のために公団としても御努力いただきたい、このことをさらにもう一度申し上げておきたいと思います。内容はこれでよろしゅうございますね。
#78
○参考人(内田隆滋君) 今も申し上げましたように、駅設置の権限は支社長にはございません。ただ、現地と協議をして、仕事はできなければ、これはどうにもならないわけでございますから、そういう意味で覚書を結んでおるわけでございまして、駅が設置できるかどうかということは、公団、国鉄、運輸省等の協議の末、またあらゆる調査をやって見通しをつけてからということになりますので、その辺は覚書を結んだから直ちに駅ができるというようにお考えをしていただいてはち
よっと困るというふうに思います。
#79
○内藤功君 この方向での御努力を約束されましたので、この点について強く再度要望いたしまして私の質問を終わりたいと思います。
#80
○柳澤錬造君 まず、この法案を一通り目を通しての私の感じですけれども、大変いいアイデアでもって、なかなかいい知恵を出して、何でもっと早くこういうことを考えなかったのかというのがもう率直な感じです。
 それで、そう言っても中身をいろいろ聞かしていただかなければなりませんので、最初に小田急でも東急でも京王帝都でもいいですから、その中のどの会社がどうこう言うわけじゃないのだが、一社だけで結構ですから、資本金が幾らで、そして年間の運賃収入がどのくらいあるか、それから借入金をどのぐらい今持っているか、それから過去十年間の設備投資をどのぐらいしたのか、それからその会社が今複々線というか、この法案で言っているようなことをやるについての投資というものが幾らぐらいかかるというふうに考えているかという経営の実態というものを、そういう数字でもって御説明をいただきたいのです。
#81
○政府委員(服部経治君) 小田急に例をとりまして、ただいまお尋ねの諸点にわたりまして御説明を申し上げたいと思います。
 小田急電鉄の資本金は六十一年三月末で二百八十七億円となっております。
 それから、小田急の鉄道事業の年間運賃収入は、六十年度の実績で五百五十六億円でございます。これは小田急という企業の全事業収入の五五、六%の程度の数字のものでございます。
 それから、全事業の借入金は二千五百六十六億円、これも昭和六十一年三月末の数字でございます。
 それから、小田急が過去十年間に鉄道部門の設備投資のために支出してまいりました工事費の額は九百三十三億円でございます。
 それから、小田急が現在計画いたしております複々線化工事でございますが、これは小田原線東北沢から新百合ケ丘に至る十七・三キロメートルの区間でございまして、このための所要工事費は約三千七百億円程度というふうに承知いたしております。
#82
○柳澤錬造君 そこで、旅客運賃の上に上乗せをして、それを積み立てていくというわけだけれども、今、小田急の例お示しいただいたんだから、この小田急の例でいうと、年間でどのくらい積み立てられるのか。それから今、工事費がお話だと三千七百億と言われたんですから、三千七百億のうちのどのくらいをこういう方式でもって積み立てようというのか、その辺はいかがです。
#83
○政府委員(服部経治君) まず、この制度によります積立金の積立限度額、累積限度額でございますが、これは所要工事費の四分の一を限度とするということにいたしております。
 それから次に、毎年の運賃への上乗せによりまして積立金の原資を得るわけでございますが、その積み立ての率でございますが、これは、この法案の中におきましては、特定の会社の年間の旅客運送収入規模と、それから予定いたしております複々線化等の工事費の額との見合いでその率を決めることとしておりまして、例えば予定しております工事の規模が年間運送収入の一倍から二倍までのケースにつきましては積立率は三%、それからその比率が二から三までは四%、三から四までは五%、四以上は六%というふうな格好で積立率を定めることを予定しております。
 したがいまして、小田急の例に即して申し上げますと、年間の収入規模が五百五十六億円でございまして、それから現在、同社が計画をいたしております複々線化工事の規模は三千七百億円という、ことでございます。仮に三千七百億円、十七・三キロの区間を今後十年間で完成してしまうという計画であるとすれば、今言ったような計算からいいまして、三千七百億円というのは五百五十六億円の七倍程度でございますので、六%の積立率ということに相なるわけでございますが、現実の話といたしましては、恐らく三千七百億円のうちの半分程度ないしは六割程度のものを今後十年間で完成するといったような話になろうかと思いますので、その場合には、その倍率に従いまして積立率が半分であるといたしますと五%になる、こういう格好でございます。
 いずれにいたしましても、これは本法案が幸いにして成立いたしました場合には、それに従いまして小田急の方から具体的な計画の申請が出てまいる、こういうふうに考えておるものでございます。
#84
○柳澤錬造君 そうすると、その上乗せ率は、今言ったように三、四、五、六というふうなことで各社のどの程度の複々線工事をやろうとしておるかというところから見合って決まっていく、各社一律ではないんだということ、それから、この積み立ては十年間、十年間と言うんですから、十年間ずっと続けてやるのか、それとも今工事費で、先ほどのことでいくと小田急では三千七百億、そうするとその三千七百億の四分の一が限度だというわけだけれども、その四分の一いくまで、いったらもうそこでストップしてしまうのかというささいなことだけれども、そこら辺の御判断はどうなっているのですか。
#85
○政府委員(服部経治君) 大変大事なことでございますが、先生御指摘のとおりでございます。
 もう少し御説明いたしますと、その積立期間というのは原則十年間でございますが、その十年間という期間が経過いたします前に予定しておりました工事が完成いたしました場合には、その工事の完成までで打ち切られますし、またその積み立てが毎年行われまして、その四分の一という限度額に達した場合にも積み立てが打ち切られる、こういう格好に相なります。
#86
○柳澤錬造君 よくわかりました。
 ではまた、もうちょっとそこのところ立ち入って、仮に今小田急の例でいくと、これはまだ出てこないからなんですけれども、仮に五%といたしましょうか、そうすると初乗りがあそこ幾らですか、仮に百円だとすると百五円。今百五円という運賃は決められないから百円にしておくのか、百十円にしておくのかということが出てくるわけで、だから、この上乗せ分がどのくらいあるかという算定がきちんとできるのかどうなのか。それでこれだけ上乗せしたんだからここから幾ら積み立てるんだよということのその辺の計算がちゃんとできて、後でまた指定法人のお話は聞くんだけれども、その辺の管理監督がちゃんといけるのかどうか、その辺のお考えはどうなんですか。
#87
○政府委員(服部経治君) この点は将来に発生すべき投資のコストを前倒しの形で沿線の利用者に御負担をいただくということでございますので、とにかくきっちりやらなければならないということでございます。だれにもわかるような格好できっちりやらなければならないというふうに思っております。
 ところで、その小田急の例で初乗りは現実には九十円でございますが、仮に小田急の初乗りが百円であるという前提で申しますが、実は私ども、この制度によります現行運賃への前倒し分の上乗せのための運賃改定というのは、そのためだけに行うということは考えておりませんで、この制度が発足をいたしまして最初に迎える通常の運賃改定の時期に合わせまして、この制度にのったいろいろな仕組みを働かせていくことを考えておるわけでございまして、したがって、仮に普通の通常の運賃、所要の運賃改定率が六%であるところへもってきて、この制度によります上乗せの改定率が仮に四%ということでありますと、その場合にはちょうど十円上がるということに相なるわけでございますが、そんな場合だけではございません、どうしても端数が出てまいります。小田急の初乗りが百円なら百円としてそれに四円を上乗せするといった場合にどうなるのかということでございますが、これを初乗りの区間について申し上げますと、確かに百円が百四円になるわけでございますが、そういう運賃は現在ございません。十円刻みでもって鉄道の運賃というのは決定しておりますので、百四円という数字が出てまいりまし
た場合に、この初乗りの区間の運賃につきましては、その四円を切り捨てた現行のままの百円とするか、あるいは切り上げまして百十円とするか、どちらかしかないわけでございます。
 仮に四円を切り捨てまして初乗り区間は百円のままだということにいたしますと、この初乗り区間を利用される方々からちょうだいしなければならない一人頭四円という積立金の原資が得られないことになりますので、その分につきましてはもっとより長距離の区間におきます利用者の方々に御負担をいただく格好できっちりそのあたりの運賃が十円刻みになるような格好で運賃を設定していくということになりますし、逆に百四円というものを何らかの理由で百十円といったような初乗り運賃を設定してしまうというケースになりますと、その初乗り区間につきまして一人当たり六円の超過収入を生じてしまうことになりますので、これは初乗りから先の区間の利用者の方々の運賃から初乗り区間一人頭六円の超過収入額に見合ったものが十円単位できっちり落とせるような格好で運賃調整をやってまいる。いずれにいたしましても、どの区間につきましても十円という格好の処理ができるようにこれはやってまいりますし、またこれは過去の運賃改定の経験に際しましての作業の経験からいいましても、十分に対応可能な話でございます。
#88
○柳澤錬造君 計算上はこれは一キロ当たりの単価が幾らといってやるんですから、あそこのところを仮に今言った五%なら五%ではじき出せばやり得るわけなんです。ところが、実際問題とするならば、みんなあの端数を切り上げて、国鉄でもそうだけれども、あの運賃というのはそういう形で端数切り上げのあれが莫大なものになるわけです。だから問題は、そうなって余計入ったら入ったで、ともかくいわゆる上乗せでもっていただいたお金は本来の企業経営のあれでなくて、投資のためのあれなんだから、それは全部積立金に回しますよというそこのところが百億なら百億、九十八億五千万なら九十八億五千万と、こういけば問題ないんですよ。だからそこがどうやってうまくやり得るのだろうかと思って、そしてこれ以上それは服部局長の方も答弁しようといったって私無理だと思うから理解をして。ただ、これここでもってはっきりお約束をしておいてほしいことは、道路公団の二の舞だけはしないでほしい。これは大臣の方でちゃんとしておいてもらいたい。
 道路公団は、これは私が言わなくても、いわばこれと似たような考え方でもって高速道路をつくる。そのかかったお金を割り勘でもって利用する人たちからいただいて償却をしていく。償却が済んだらそれはもうただにして一般道路に開放するというのがあれのスタートだった。ところが東京周辺の首都高速見たってわかる。あれは二百円で始めたんでしょう。あれを百円に下げるならわかるけれども、二百円を三百円、四百円、今五百円ですよ。二・五倍にしているんですよ。こんな不当なことあるかといってもう大分前にここでも言ったことがあるんですが、それがいつの間にか法律を改正してしまって、それでどんどん高速道路を建設するには建設費がかかるから、だから今高速道路の建設をするとなると非常に高い建設費用がかかるから、言うなれば既存の高速道路を利用している人たちからもいただいてそっちへ回すんですということだった。プールにしてやっています。それがそういう法改正をしちゃったから別に法に反してはいません。しかし、そんなことはあの当初に道路公団をつくったああいうことをやるときの精神からいえば、私は違反をしています。建設費がかかるからその既存の利用者にもある程度負担をしていただくんですというんならば、住宅公団も全部プールにして、住宅公団はもう御案内のとおり古い方は安い、今はもうべらぼうに高くなっている。あれは全部そのときの建設費を償却年数で割ってはじき出すからああいう家賃が出てくるわけでしょう。だったら何で住宅公団も全部プールにして、そして平均値を出して家賃幾らとやらないのかと言ったら、そのときは一言の答弁もしなかった。だからそういう道路公団のような、ペテンにかけたとは言わぬけれども、そういうことは絶対いたしませんと、それでせっかくこういういいアイデア、皆さん方がお考えになって、そうして交通渋滞と混雑を、何だかんだ言ったって今の私鉄のその人たちにやってもらわぬことにはどうにもならないのだから、そういうある程度の便宜供与をしてやるんですということなんで、そのかわり途中になって先ほどの五%で、どうも五%だ、これはもう足りそうもないから七%にするとか八%にするとか、そういうことは絶対ないんだ。道路公団の二の舞はしませんということを、これはもう大臣から答えてもらいたい。
#89
○政府委員(服部経治君) 大臣答弁の前に、私からちょっと御説明をさせていただきます。
 これは最前も申し上げましたように、多くの利用者の方から前倒しの形で運賃を通じて積立金の原資を御負担いただく、そういう制度でございまして、実際の運用に当たりましては、運輸大臣の認定を受けました整備事業計画に記載されました確実に実施されることが考えられる複々線化工事、それにのみこの積立金を支出することを認めるものでございまして、したがいまして、その法律に定められました十年という積立期間が経過した後あるいはそれ以前に工専が完了した場合には、その工事完了の時点までで積み立てということは終わるわけでございます。きっちり終わります。しかも、その工事が完成するあるいは十年という期間が経過いたしました後は、その前倒しで御負担をいただいた積立金の額に見合ったものにつきましては、これを十年間で取り崩しまして、その取り崩しを行うという形を通じまして運賃水準を、何と申しまするか、あるべき形の運賃から引き下げた形でもって運賃水準を決定する、そういう格好で前倒しの負担分を利用者の方々に十年間かかって還元をしていくということでございまして、これはもう私ともこの制度に明白に定められたところに従いましてきっちりやらしていただく考えでございまして、先生御懸念のようなことには万々ならないようにもとよりその運用を図るつもりでございます。
 それから、なお一言、先ほどの九十四円の御質疑の件でございますが、私どもその端数処理に関しまして関係事業者が超過利潤を得るような、超過収入を得るようなことには決してするつもりはございませんので、ひとつ御理解を賜りたいと考えております。
#90
○国務大臣(三塚博君) 名局長がここまで確信を持って、官僚が言ったときは大体大丈夫だと思います。私もそのとおりなければ、これだけの御審議をいただいてスタートをさせていただくことに相なりませんでいそのことでよくなりましたら還元をしていくと、サービスにこれを振り向けてまいるということでなければならぬとかたく信じております。
#91
○柳澤錬造君 いや、服部局長は正直な人ですからね、私も信用をいたします。
 ただ、政府とかお役人さんというのは、のど元過ぎれば熱さ忘れるで、大臣そんなことを言ったって今の国鉄の運賃の値上げのやり方もそうなんですよ。これも違法なんだから、黙って五十五年から見ておって、何年たってもあれしないものだから、一度予算委員会で言って、そうして運輸省のお役人さんもわからぬけれども、高木総裁はもう前からおって委員会の審議を承知しておったから、高木総裁は謝って、それで今さらそれを返せというわけにもいきゃせぬからなにですけれども、往々にしてそういうことをやられますんで、これだけはせっかくこういういいやり方を今取り入れようとしたんですから、今の計画は十年だろうけれども、将来にわたってもこういうふうなアイデアでもっていろいろと交通輸送力の増強が可能になれば、私は結果的にはみんな利用者が喜ぶと思います。ですから、そういうことだけは万々ないということを信じて次に進んでお聞きをしていくんですが、さっきから十年以内、十年以内と言うんだけれども、その十年というのは、この法案が成立してから十年なんですか、それとも整備計画のそういうものを提出してから十年になるの
か、運輸大臣の認可がおりてから十年になるのか、それとも、もっと言うなら工事に着手してなのか、その辺の点をささいなことだけれどもきちんとしておかないと、極端な言い方をすると、これから十年先になって、やっとそれじゃひとつやろうかといって整備計画を立てて大臣のところへ持ってきた。じゃ、そこから先の十年と、こういうことになるわけだけれども、そういうことも可能になっちゃうようなことになるんで、十年、十年としょっちゅう言われているんだけれども、その辺はどういうふうに理解したらよろしいんですか。
#92
○政府委員(服部経治君) 本法が成立いたしました場合には、本法の施行を待ちまして関係の各私鉄事業者は、それぞれの会社の計画に従いまして、今後十年間に完成ができると思った、確実にそれが見込めると思った工事につきまして、それを整備事業計画というものに取りまとめまして運輸大臣に申請してまいります。運輸大臣は、そこに盛られた工事が確実に実施されるものであり、かつその工事が多くの利用者の利便向上に必要不可欠な緊急度の高いものであるという観点からこれを審査いたしまして、事業者から提出されました整備事業計画の認定を行います。十年間という期限の始まりは、その運輸大臣の行います整備事業計画の認定の日から始まるわけでございます。
#93
○柳澤錬造君 わかりました。
 それで、今度こういう工事が進む上で心配になるのは、東京なんか特に住宅密集地帯、広げようにも広げられない。そうすると、立ち退きをしていただく、そのための買収をしなくちゃいけないということになるんだけれども、なかなかあれがスムーズに私いかないんじゃないかと思うんだけれども、十人のうちの九人はよろしいといって応じてくれても、一軒が頑張っておったらどうにもならなくなっちゃうんだけれども、そういう場合の対策は何かお立てになっているんですか。
#94
○政府委員(服部経治君) ただいま先生御指摘のように、沿線の住民の方の反対によりまして大きな鉄道工事が大きく遅延してしまうということは間々あることでございまして、大変残念に思っておりますが、私どもこういった事態を招かないような適切な対応を今後に向けて心がけていかなければなりませんが、そのためには何よりも必要なことは、できるだけ前広に沿線の関係住民の方々のその工事の実施、施行に関します理解と納得を得て、そういうための努力を精いっぱいやった上でやって、工事の円滑な実施を図るということに尽きるんではないかというふうに思っておりまして、その方向で、せっかくのこういった制度にのる多くの人々が期待している工事でございますので、その円滑な実施ということに向けまして関係者をより一層督励してまいる考えでございますが、不幸にいたしまして御指摘のような事態を招いた場合には、これまでの鉄道工事の例にも倣いまして、最終の段階では土地収用法上の手続を進めざるを得ないことになるというふうに考えておるものでございます。
#95
○柳澤錬造君 これもそれ以上突っ込んでと言ったって無理なことだと思います。ただ、そういうぐあいでいけば東北・上越新幹線も何も大宮から出させなくたって初めからちゃんと上野から出せたんだから、そういう点で非常に難しい問題があるんですから、強権発動するわけにもいかないんだし、ですからよほどその辺をスムーズにいくような知恵をお出しになってやっていただきたいと思います。
 これはもう運輸大臣の方でお答えいただかなきゃならぬ。「運輸大臣が指定する法人」という、いわゆる「指定法人」ですね、どういう構成で、言うならどういうふうな性格の人を集めてこの法人をおつくりになろうとしているのか。わかりやすく言って、そうまた気にさわる人もいるからいけないと思うんだけれども、お役人さんの天下りの既存のいろいろ特殊法人はだめですよ。だから少なくとも経営感覚を持っており、コスト意識を持っておるそういう人たちで構成される一つの法人にしなかったならばだめだと思うんで、どういうふうな背景の人たちでもっておつくりになろうとしてお考えになっているか。これは大臣からお答えいただきたいです。
#96
○政府委員(服部経治君) 大臣答弁の前に私からちょっと御説明をさせていただきますが、先生御指摘のとおり、この制度の仕組みの中で指定法人というものが果たします役割、機能というのは大変重要でございます。私ども公正な第三者として指定法人の業務が行われることに心がけておるわけでございますが、私どもこの指定法人につきましては、既存の民法上の公益法人の中からこれを選びたいと思っておるところでございまして、この制度の指定法人となるための新しい公益法人をつくるといったようなことは全然考えていないところでございます。この指定法人の行います業務というのは確かに大変重要ではございますけれども、例えば積み立てられます現金の扱いにつきましては、これは挙げて信用のある市中銀行に一括してこれを扱わせることを考えておりまして、この指定法人は現金の扱いには指を染めないというような仕組みを省令の中で明確にしてまいる考えでございます。
 したがいまして、業務は重大ではございますけれども、業務量はどうかというと、さしたることはないものだというふうに考えておるところでございまして、したがいまして、役人の天下り先といったようなものをこの指定法人にかこつけて考えるというようなことは毛頭考えていないところでございます。
#97
○柳澤錬造君 せっかくさっき服部さんを褒めたんだけれども、現金の金勘定なんてそんなことは小学生だってやるわけよ。さっきも言ったとおり、百億なら百億これは積み立てへ回さなきゃいけないんですという、上乗せ分ですというその百億のお金が、百億があるとかないとかそんなことは何にも調べることない。きちんと上乗せの、それがいわゆる経営感覚がないと、何千億幾らの大変なお金の中からこれは上乗せ分ですと、こうくるんだから、その辺がチェックができなければ、本来ならば百億積まなきゃいけないんですけれども、これは九十億ですといってこられても、ああそうかといって、だから現金を勘定するようなそんな人に、どうせこれ高い給料払うんでしょう、そんなものもったいない。だから、それぞれの企業を信用しないわけじゃないけれども、いろいろそうやってくる、それをちゃんと見て、そうして間違いないと判断のできる、そういうコスト意識の持っておる者じゃなきゃだめなんですと言うんです。お役人さんの中でそういうコスト意識持っているのなんかいないんだから、残念だけれども。何をやっていようとつぶれやせぬのだ。そこを大臣、だから局長の答弁じゃなくて、それで既存のなんというと私は本当に言ってなんですけれども、じゃ何の法大使うんですか。せっかく私はあなた方がいいアイデアでもっていい法案つくったと言って褒めているんだけれども、このことを扱えるような今の特殊法人の中でどこがありますかと言いたくなる。だから、これは今ここでもって既存か特殊かといってそんなことを議論したってしようがないことだけれども、その辺の性格だけは――先ほど道路公団の二の舞はしないでくださいよと言ったら万々しませんと言ったでしょう。万々しませんと言ったならば、それにふさわしい法人をつくらなかったらできないですよ、大臣、はっきり答えてください。
#98
○国務大臣(三塚博君) 新しい法人をつくって第三者法人、管理運営を明確にするというのも一つの考え方でありますけれども、昨今の行革というこういう観点の中で、やはり局長言いましたのは、そういう意味で、既存の法人の中でこの業務を担当するに適切な法人はないかと、こういうことに相なりますですね。
 そこで、例えばということで申し上げておるわけでございますが、民鉄協会、これまた公益法人であります。なかなか経営感覚もこれあり、よくおやりをいただいておるのではないだろうか、こういうことでそれを考えると、これからこれは省令の段階でこのことを明示をすると、こういうこ
とであり、でございますから、以下の柳澤先生御心配のそういう問題点も今度その担当を教育をし、またやることによって補完されて目的を達することに相なるのかな、こんなふうに思っておるところであります。
#99
○柳澤錬造君 大臣答弁だけれども納得いたしかねます。といってこれ以上申し上げませんから、発足までに――だから、既存の中でも別に何も全部悪いと言っているんじゃないんですからね、いろいろこうやってということになれば、それで何もそれがいかぬと言いませんから、よくお考えをいただいて、そしてこれはもうあとの方に入りたいから省きますけれども、指定法人の取り消しなんという条項があるんだけれども、私から言わせるならば、それは工事が終わってこの法律がもう法律の仕事が終わったというときには自然に指定法人もなくなるんだけれども、これこれしかじかしたときには指定法人を取り消すなんということを法案の中に入れるということは私は本来あるべきではないと思うんです。
 ですから、そういう点でこれはもう御答弁は省きまして、そういう意見だけ申し上げて、それで副総裁もおいでになっているし、これは国鉄の方と運輸省と両方にお聞きをしていくんですけれども、国鉄改革の問題なんです。
 いわゆる分割・民営化に向かってことしの四月からことしじゅうにいわゆる二万人の希望退職を募ることになっているわけなんです。そのための退職金の上積みをする特別措置法がいまだに衆議院が上がらなくて、それでとうとう連休前にはこちらの方に来ないことになり、連休後になる。五月二十二日が会期末はもう言わなくても御存じのとおりなんですけれども、そうすると参議院に来て二週間ぐらいしかないんであって、かなり私は難しくなったと思うんです。ですから、あの特別措置法というかなりお急ぎであったはずの法律がそういうことになっているんだけれども、運輸省としても国鉄当局としてもそういうことでよろしいんですかということをお聞きしたいんです。
#100
○政府委員(棚橋泰君) 先生御指摘のように、この法案は予算関係の法案でございまして、私どもとしては一日も早く成立をさせていただきたいということで今までいろいろお願いを申し上げてきたところでございます。この特別措置法が成立をいたしましたら、国鉄当局において直ちに希望退職を募る、こういう手はずで準備をしておるところでございます。そういう意味では一日でも早い方が希望退職に応ずる方々の募集というのがやりやすくなります。ただ、逆に申し上げますと、短い期日でも準備さえ十分できておりましたらそれなりの希望退職の方々の募集ということはできるというふうに思っておりますので、早ければ早い方がいいということでございますけれども、ぜひ今国会内で成立をさせていただきまして、その上で一日も早い募集に入りたい、かように思っています。
#101
○柳澤錬造君 あなたは国鉄の方ですか、運輸省の方ですか。
#102
○政府委員(棚橋泰君) 運輸省です。
#103
○柳澤錬造君 じゃ、国鉄の方は。
#104
○説明員(橋元雅司君) 私ども国鉄といたしまして、ひたすら審議の促進をお願いする立場でございます。私ども、ともかく予定されております来年の四月までにクリアしなきゃならないものがたくさんございます。一日一日が貴重でございまして、そういった意味で先生方の徹底的な御審議をぜひ一日も早く尽くしていただきまして、国民の御理解、御納得を得た上で円滑な実施を念願いたしておるところでございます。
#105
○柳澤錬造君 今の副総裁のお話は私よくわかるんですよね。国鉄の場合には、国鉄が法案出すんじゃないんだから。法案出しているのは運輸省なんだから。それを今のあなたの答弁なんというのは人ごとみたいなもんだよな。一日も早けりゃ早い方がいい、そんなもの子供だってそう言いますよ。問題は四月中に衆議院上がってこなけりゃ参議院は上がらないんですよと言って、今まで私なんかも随分衆議院に行って、うちの国対で注文つけて、四月中にはよこしますってやってたんだ。それがついこの間になって、もうだめになりました、連休明けですと言うから、運輸省何やってたんですかって言いたいのです。
 そういっていま聞くと、そうやって何も日にちがなくても早く上がればと言って、そういうふうな人ごとみたいなことを言っていられるんですかというの。
 そういうことだから、この新会社の発足でもそうなんですけれども、この場合ちょうどもう一カ月前のこの委員会で、私は、明年の四月一日のこのいわゆる新会社の発足が間に合うんですか、私から見てるならば、どう考えたって非常に難しいとは思うんだけれども、ここでもって御答弁はいただかなくていいから、少なくとも来年の四月一日に新会社として発足についての、それへ向かっての大日程ぐらいはつくって私のところに持ってきていただきたいですということを申し上げておいた。あれから一カ月たつんだけれども、いまだに持ってこないけれども、それはどういうわけですか。
#106
○政府委員(棚橋泰君) 前回先生からそういう御質問がございましたことは十分記憶をいたしております。ただ、私どもは何が何でも四月一日発足ということでいたしたいということで国鉄と運輸省でいろいろ手順の詰めをやっておりますが、これも同じことの繰り返しになりますが、一日でも早ければそれだけ準備は楽にできるわけでございます。そういう意味で、私ども一日でも早く関係法案を成立させていただきたいということでお願いをしておるところでございます。
 したがいまして、それでは逆に何日ならできるかという話になりますと、それじゃそれまででいいのか、こういうふうな御意見をいただいてもまた私ども困るわけでございまして、そういう意味で法案が成立をいたしましたら、その法案がまだ成立をしていないわけでございますので、法案の成立を前提といたしました上で可能な日数というものを算出しなきゃいけないということになります。そういう意味で、日程というものをお出しするということがなかなか難しい、こういうことでございます。ぜひ一日も早いということでお願いをいたしておりますので、よろしくお願いいたします。
#107
○柳澤錬造君 通産省か農水省のお役人さんに聞いているんじゃないんです。来年の四月一日に発足をするといったらもう一年ないわけでしょう。来年の四月一日に発足させるにはどこでどういうことをし何をしなきゃならぬかといったら、そこにおのずから日程ができ上がるわけなんですよ。それをただ、今ここにきてまだ一日も早いというその言葉だけで済むんですかと。日本国有鉄道として百年の歴史を持った、これが言うならばもう大変革をやるわけでしょう。そんな安直なものではないんであって、私が考えたって、こうやってさっきから言うとおり、今こんなことをしておって来年の四月一日の発足が間に合うだろうか。大変なことやらなきゃいかぬと思うんですよ。それが一日も早いというふうなそういうことを言っているようなことでは、私から言わせれば、あなたの答弁聞いていれば、一日も早い方がいいんですというその裏返しは何かといえば、四月一日に間に合わないでもいいんですといっているようにしか聞こえないんですよ。長い言葉は要らぬから、簡潔に答えていただいて、そしてその後大臣の決意のほど聞かしてください。
#108
○政府委員(棚橋泰君) 端的に申し上げますと、今からすぐスタートをした日程を組んでもなかなか大変なことだと思っております。ただ、問題は、まだ法律が成立いたしておりませんので、法律が成立をいたしましたら、そのただいまからの日程をさらに短縮してやるべく努力をする、こういうことで検討をしておるところでございます。
#109
○柳澤錬造君 大臣ちょっと待ってて。
 あなた、法律ができてから日程を組むというつもり。もしそんなことだったら、この国鉄の改革の役職から離れなさいよ。それは私にはできませんということなんだ。法律がいつまでにできなき
ゃいかぬかというものが出てくるでしょう。来年の三月三十一日になってこの法案ができ上がって、四月一日なんか発足できやせぬわけでしょう。四月一日の発足をさせるについてはいつまでに法案ができなくちゃいかぬか、その法案が成立するまでに自分らが何をしなければならぬか、それで法案ができたらそれから何をしなければならぬかといって、そんなものだれだってやっぱり考えるじゃないですか。もう一回聞きますが、来年の四月一日発足についての大日程をおつくりになって、私のところに持ってくるお気持ちがありますかどうですか、持ってきてくれますか。
#110
○政府委員(棚橋泰君) 内々に日程は当然国鉄とも相談の上組んでおります。ただ、法案が成立をいたしておりません段階でそういうことを云々するということは、これまた国会に対する問題点もございますので、内々のものは持っておりますけれども、そういう意味でなかなか御説明が難しいと申し上げておりますが、内々のものでございましたら、必要がございましたら先生には御説明をいたしたいと思います。
#111
○国務大臣(三塚博君) 政府委員から、また副総裁からもお話がありましたが、意図しておりますところは私がこれから申し上げることとほぼ同じであろうと思うのであります。
 三月二十日の本委員会におきまして、柳澤先生から今後の日程、決意について端的な御指摘をいただきました。私からも全力投球でぜひ取り進めさせていただきたい旨申し上げさせてまいったわけでございますが、関連九法案のうち、特に予算関連――六十一年度に緊急に講ずべき特別措置法、希望退職の法律であります、本法案が連休前に何としても参議院にお送りいただけますように、衆議院運輸委員会委員長を初め各党の理事にお願いを申し上げてまいったところでございますが、日程の関係で最終日、連休前は二十五日運輸委員会で質疑を終了するという御予定のように伺っておるわけでございます。前にならぬかということで、まだただいまのところ委員長にお願いを申し上げておるところでありますが、ただいまがさようなことであるわけでございまして、大変日程が各委員会混んでおられるようでありまして、政府のお願いと委員会の日程が必ずしも一致しませんことは残念であるわけでございますが、最終ここまで参ってきておるわけでございますが、今週いっぱい、さらに残された四日間の中で全力を尽くしてお願いをしてまいらなければならないと、こう思っております。万が一どうしても週内に参議院にお送りできることがかなわぬという日程上の諸状況に相なりますということでありますならば、その次は来週に御審議いただけるようにできるだけ早い採決を衆議院として行っていただく。それはもう八日しか日程上ないわけであります。
 こういうことで、本件につきましても率直な御質問でありますから申し上げますと、両院の議運委員長にこれまたその場合はという前提でお願いを申し上げておるところでございます。限られた日程、二十二日まででございまして、この日程の中でひたすら政府とすれば何としても二十二日前に議了いただき、成立をお図りをいただきたい、こう申し上げておるわけでございます。このことを政府も国鉄も一体となってこれから申し上げなければなりません。
 同時に、残りました八法案、これの趣旨説明、今週内何としても行い、付託をいただきたい、こういうことで、これまた月曜来お願いを申し上げておるところでございまして、この審議に何としても入らさしていただき、願わくばそのうち、その何本か、私が申し上げておるのは改革基本法だけでも成立を期したい、こういうことで最終のお願いを申し上げておるわけでございまして、委員長初め運輸委員会の諸先生方におかれましても、特に六十一年法、希望退職に関します問題でありますだけに、これは会期内成立を期ささしていただき、作業がそのことで、広域、適正な人員に向けてというその法制上の建前に相なっておるわけでございますが、法律が制定いたしますと、六十二年四月以降理想的な人員配置ということに向けての重要なポイントでありますということももう御理解いただいていることでありますが、一言余計なことでございましたが苦衷のほどを申し上げさせていただきまして、今後のお取り計らいをお願いを申し上げる、こういうことであります。
#112
○柳澤錬造君 これは運輸大臣ではなくて国務大臣としてお答えいただきたいんです。もう時間もなんですから簡潔に申し上げますが、さっきから言っているように、国鉄の分割・民営化ということの、これはもう大変な、国鉄百年の歴史をここでもって転換させようというんだから、これはもう大変なことを今やろうとしているわけでしょう。もう内閣が挙げて取り組まなければ、安直にいくようなものではない。にもかかわらず、最近は現職大臣や自民党の首脳が解散解散といって騒いでいるわけだ。参議院はもう決まっているからこれはしようがない。しかし、参議院の選挙が終わったらそれこそ本当にいって少し臨時国会でも余分にやってもらっていかなければこれどうにもならぬような性格を持っているんだけれども、解散解散騒いで、私から見ていると国鉄の改革法案なんかどうなろうともいいんじゃないかというふうにしか映らないんですよ。だからこれはもう国務大臣として三塚大臣に御返事を聞かしていただいて、そんな解散なんかやるどころじゃなくて、この国鉄改革法案に内閣挙げて取り組むんだというぐらいの決意表明していただかなけりゃできないと思うんだけれども、国務大臣、御決意はいかがですか。
#113
○国務大臣(三塚博君) 率直に申し上げさしていただきますと、全く御指摘いただいたとおりのことで、発言をされておる閣僚を批判する形になりますが、内閣として最重要法案として百十四年の歴史に大転換をしなければならぬ大法案を出しておりますのに、全力投球で最後の一瞬までやらなければならぬ、無念無想の境地で、内閣は連帯責任でありますからやらなければなりませんのに、さようなことを言っておるというのはこれは極めて遺憾なことでございます。残念なことであるわけでございまして、私は閣僚の皆さんにも何としても今国会に法律の制定を、成立を期していただきたい、それで全力を尽くしてやり抜いて、国会というものがあるわけですから、残りましたならば、御指摘のように参議院選挙終了直後に、お暑いところではございますが、直ちに臨時国会をお開きいただき、両院で残りました法律を御審議をいただき、成立をさしていただきますならば、辛うじて六十二年四月一日に間に合わさしていただけるのではないだろうか、こういうことでお願いを申し上げておるということであります。御指摘、肝に銘じて、他の閣僚にも伝えます。
#114
○柳澤錬造君 終わります。
#115
○委員長(鶴岡洋君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#116
○委員長(鶴岡洋君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 特定都市鉄道整備促進特別措置法案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#117
○委員長(鶴岡洋君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、安恒君から発言を求められておりますので、これを許します。安恒君。
#118
○安恒良一君 私は、ただいま可決されました特定都市鉄道整備促進特別措置法案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
   特定都市鉄道整備促進特別措置法案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項につき、適切な措置を講ずるべきである。
 一 特定都市鉄道整備事業計画の認定に当たっては、特定都市鉄道工事の工事費について適正な額となるよう厳正に審査すること。
 二 本制度によるいわゆる上乗せ運賃についての認可・実施に際しては、制度の趣旨・内容の周知に努めるとともに、鉄道利用者の利用の実態、通学定期割引及び特別加算運賃制度等に十分配慮し、利用者の負担が適正なものとなるよう定めること。
 三 特定都市鉄道整備事業計画の実施に当たっては、鉄道輸送に伴う騒音防止対策等沿線環境整備について万全を期するよう鉄道事業者を指導すること。
 四 都市鉄道の新線建設を促進するため、開発利益の還元等の具体的方策について所要の措置を講ずるよう努めること。
  右決議する。
 以上でございます。皆様の御賛同をお願いをいたします。
#119
○委員長(鶴岡洋君) ただいま安恒君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#120
○委員長(鶴岡洋君) 多数と認めます。よって、安恒君提出の附帯状議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、三塚運輸大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。三塚運輸大臣。
#121
○国務大臣(三塚博君) ただいま本案につきまして慎重御審議の結果御可決をいただきましたこと、まことにありがとうございました。附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、政府として十分の努力をしてまいる所存であります。
#122
○委員長(鶴岡洋君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#123
○委員長(鶴岡洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#124
○委員長(鶴岡洋君) 次に、港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。三塚運輸大臣。
#125
○国務大臣(三塚博君) ただいま議題となりました港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 港湾は、交通、産業、住民生活等の諸活動を支える重要な基盤であり、その整備の推進が国民経済の健全な発展にとって、必要不可欠であることは申すまでもないところであります。
 このような見地から、政府は昭和三十六年度以来六次にわたり、港湾整備五カ年計画を策定し、港湾の整備の計画的な実施を鋭意推進してまいりましたが、昭和六十年代におきましても、貨物輸送の合理化、海外に依存する各種資源の安定的確保、港湾の利用の高度化への対応、地域振興のための基盤施設の整備、船舶航行等の安全性の向上、港湾及び海洋の環境の整備などの必要性が増大しており、港湾の整備に対する要請は量的に増大するとともに、ますます多様化し、かつ、差し迫ったものとなっております。
 このような情勢にかんがみ、港湾の整備を引き続き強力かつ計画的に実施するため、このたび、港湾整備緊急措置法の一部を改正し、昭和六十一年度を初年度とする新しい港湾整備五カ年計画を策定することといたした次第であります。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#126
○委員長(鶴岡洋君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する自後の審査は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#127
○委員長(鶴岡洋君) この際、連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
 民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法案について、商工委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#128
○委員長(鶴岡洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#129
○委員長(鶴岡洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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