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1985/05/15 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 運輸委員会 第12号
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1985/05/15 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 運輸委員会 第12号

#1
第104回国会 運輸委員会 第12号
昭和六十一年五月十五日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     工藤万砂美君     山崎 竜男君
 五月十五日
    辞任         補欠選任
     橋本  敦君     小笠原貞子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴岡  洋君
    理 事
                江島  淳君
                吉村 真事君
                安恒 良一君
    委 員
                梶原  清君
                倉田 寛之君
                高平 公友君
                内藤  健君
                森田 重郎君
                安田 隆明君
                小柳  勇君
                橋本  敦君
                柳澤 錬造君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  三塚  博君
   政府委員
       内閣審議官    中島 眞二君
       運輸大臣官房国
       有鉄道再建総括
       審議官      棚橋  泰君
       運輸省運輸政策
       局長       栗林 貞一君
       運輸省国際運輸
       ・観光局長    仲田豊一郎君
       運輸省地域交通
       局陸上技術安全
       部長       神戸  勉君
       運輸省貨物流通
       局長       武石  章君
       労働大臣官房審
       議官       稲葉  哲君
       労働省労政局長  加藤  孝君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        多田  稔君
   説明員
       日本国有鉄道総
       裁        杉浦 喬也君
       日本国有鉄道常
       務理事      岡田  宏君
       日本国有鉄道常
       務理事      澄田 信義君
       日本国有鉄道常
       務理事      前田喜代治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のた
 めに昭和六十一年度において緊急に講ずべき特
 別措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付
 )
○特定外航船舶解撤促進臨時措置法案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鶴岡洋君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○小柳勇君 おはようございます。
 きょうは三時間いただきましたから、冒頭は当面する問題を質問いたします。あとはひとつ私の愛する鉄道の将来に対するロマンをぶつけて、運輸大臣や国鉄総裁から意見を聞いておきたいと思っております。
 まず冒頭は、先般瀬谷委員が国鉄総裁に質問し、かつ注文いたしました新聞の投書、特に無人化の駅が困る、車掌でも心配だという投書に対して車掌の業務をおろすなどという処分をやられた。早急に処分を撤回して今後対策を立てよという、総裁に対して注文をしておきました。総裁は善処しますということで委員会は終わったようでありますが、どのような善処をされたか答弁を求めます。
#4
○説明員(杉浦喬也君) 一昨日の本委員会におきまして、瀬谷先生から、再度事情をよく聞くようにというようなお話もございました。昨日、本人を管理局に呼びましていろいろと当時の状況を再確認をしつつ事情聴取をいたしたところでございます。
 いろんなことが改めてわかっておるわけでございますが、一つとしましては、今回の担務の変更といいますか、そうした措置というものが処分とかあるいは乗務停止というようなそういうものではない、こういうことを現場管理者が言っていることにつきまして、本人もそれはそうでありますということを認めておるということ。それから、新聞記事の諸種の内容につきましても、区長の発言あるいは本人の真意というようなものから判断いたしまして、必ずしもそれを正確にすべて伝えているものではない部分があるということ、というようなこともわかっておるわけでございます。
 ただ、そうした事情を聞いている結論といたしましても、やはり依然といたしまして本人は安全上に問題がありという見解であり、不安を抱いておるということ。それに対しましては、当局側としては、これは安全上問題はないんだというような判断を持っておる。いわばそうした面での判断の違いがあるという、やはり大勢のお客さんの安全を守るという業務につきましてこうしたいわば食い違いがあるということはやはり好ましくないということが言えるかと思います。
 それからもう一つ、その事情聴取の中で、安全の確認が行いにくい、こういうような箇所があるという本人の指摘がございます。当局側としましては、そうした面、安全の点で問題はないというふうに思っておるわけでございますが、本人がそういうふうに言われておりますので、現地をやはり見まして本当に確認がしにくいかどうかということを再確認する必要があるというふうに思うところでございます。
 このようないろんな事情聴取の結果の今後の措置あるいは問題点ということも浮き彫りにされてまいりましたので、こうした点を踏まえまして十分早急に今の再確認等含めまして措置を行い、速やかに本案件についての判断をしてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
#5
○小柳勇君 今総裁は三つの点を述べられました。一つは本人の処置、二つ目は無人駅の危険性、三つ目は現地調査、三つの点を言われました。したがって速やかに調査して処置をするとおっしゃいました。結論はそれで記録しておきますけれども、その三つの点非常に大事でありますから、この際質問を追加していきたいと思うんです。
 第一は無人駅の問題で、危険性があるのかないのかというような発言をされました。非常にこれは重大であります。私も後で余剰人員対策のところで、もう余剰人員をどんどんどんどんつくる、九万三千名という枠をつくってこれに持っていく、それにはあとはもう無人駅をつくる、あるいは出札、改札を機械化するなど無理な作業及び無理な投資をやっていかなければ九万三千の余剰人員なんか出ない。私もずっと計算しています。したがってその問題がありますが、この無人駅についての危険性を言われました。
 これは四月二十三日の朝日新聞です。これだけ大きな記事で取り上げています。「そして…無人駅が半数を超えた」。この絵は「東京都内でも無人駅化は進む――人影もまばらな八高線東福生駅」、ちゃんと写真入りで、そして無人駅というのが全体の駅が五千駅ある中で三千百が無人駅になりましたと。そして無人駅の危険性、地元の皆さんや市町村などの苦労の実際をずっと全国的に記者が足で稼いで取り上げています。その中で、無人駅ではとにかくもうお年寄りなどは電車に乗れない、危ない、そういうことがここに書かれています。
 それからこれはけさの朝日の投書欄です。この問題は後でまた論議しますけれども、車掌さんが無人駅危険だと書いている、なぜ素直に国鉄はこれを聞いてなるべく危険がないように、無人駅をなるべくつくらぬようにしないかと。しかも車掌さんを処分しているのはけしからぬではないかと。下の方では、ある日お年寄りがドアに挟まれたのを車掌さんが助けたと、こういう二つの記事、投書が載っていますが、後の方のことは後で取り上げますけれども、無人駅をこれを今後どういうふうにするのか。例えば市町村が、町が経費を出してそこに職員を置いて、そしてたばこ販売店とか何やかんややっているところもあると、あるいは管理組合をつくって組合が駅を管理しているところもありますよと、いろいろ実例をとっています。
 私は、この際だから、総裁は、その車掌を処分する、しない、その前にもっと根本的にこういう無人駅に対する扱い、その危険があるなし、あなたはもう危険はないなんと言ったってそれはもう国民が承知しないですね。先般、瀬谷君もここでじゅんじゅんと言っておったようです。もうほとんど駅には人影はないですよと、しかも曲線のところで後ろの方はわからぬではないかと、車掌が合図するのだって前の運転手はわからぬではないかな、いろいろこう具体的に瀬谷君は言っていました。私は、こういう機会だから、もっと国鉄総裁以下幹部及び職員一体となって、世間が無人駅が危険とおっしゃるならば、その定員をふやすために、無人駅に駅員を配置するためにはどのくらい予算がかかりますと、それをひとつ政府は面倒見てくださいと、なぜそれが言えないかと思って、どうもそういう点が、まずこの処分云々よりもそのことがもう残念でならぬのです。これを投書したからこれを処分したと。なぜかと聞いたら、例えば商店で欠陥商品があるのをそこの社員が投書したらだれでも、それは社長怒りますよと、それは当然だ。そのようなただ外面的な取り扱いをする、それは行政ではないな。優秀な杉浦総裁を国鉄総裁に置く必要はないわけだ、こういうときは。したがって、無人駅の扱いについては将来もどんどんどんどんこの無人駅をふやしていくのか。今、五千駅の中で三千百の無人駅があるんだが、これをふやしていくのか、あるいは縮小するのか、基本的な考えを総裁から聞いておきましょう。
#6
○説明員(杉浦喬也君) 無人駅の問題につきましてのいわば一般原則、安全性の点についての確認という意味でのただいまの先生のおっしゃるところは全くそのとおりだと思います。今まで無人化を行いましたのは全駅の約半分ということになっておるわけでございまして、その必要性につきましては、いわば一般的な合理化という面での観点からするいわば必要な要員の最小限度の判断ということが基本になると思います。
 その場合におきまして、もう安全無視で単なる効率化だけでいいのかというその御懸念につきましては、私どもは決してそういうことはやっておりません。お客さんの輸送というものを預かる立場といたしましては、乗客を安全に輸送するということが何よりも第一の使命でございますから、そういう意味におきまして、無人化におきましても安全上の配慮というものは十分にいたしてきておるつもりでございます。人がおればそれだけ安心だというそのおっしゃる気持ちはわかるわけでございますが、人にかわるべき機械によるということのいろんな施策あるいは施設を設けるというような施策を加味いたしまして、安全面での確認をそれぞれしながら無人化を進めてきた次第でございます。そういう意味におきましては、決して安全上の問題におきまして一般の方が不安である、心配である、あるいは職員が不安であるというようなそういう気持ちと、現実の問題として大丈夫かという問題との間に乖離があるとは思いますが、私どもは安全上の観点からしまして大丈夫であるというふうに思っておるところでございます。
 この無人化の方向としましては、今までかなりの実施を行ってきておるところでございまして、今年度の合理化の中でさらに必要なものにつきましてはこれを進めるということも検討の中にあるわけではございますが、今申し上げましたような安全上の見地を十分に加味しながら万全を期しつつ進めていきたいというふうに思っております。
#7
○小柳勇君 安全性の問題も、安全であるならば車掌がわざわざ投書なんかするはずはない。それを管理者に言ってみるけれども管理者がこれを聞こうとしない。したがってやむを得ず投書したものと私は理解する。
 それで、例えば私どももそうだけれども、ちょっと汽車を間違えて駅でだれか尋ねたいと思う。助役が一人、運転助役が一人しかいない。聞きようがないよ、ずっと向こうにおるから。だから、公共性というもの、まあ企業性については金もうけしなきゃならぬから人間を減らそうという気持ちはわかるけれども、公共性、少なくとも国鉄、あるいは私鉄もそうだ、国民の足を守り、国民の大事な命を輸送する、それには汽車の時間を間違えてきたお年寄りもあるだろう、あるいは列車違って乗ろうとするお年寄りもあるだろう、そういうとき駅員を探すわけだ、どこへ行く、自分が乗る汽車はどれだろうかと。いないんだ、駅員が。それで無人駅は危険がありませんから無人駅にいたしましたなどと、少なくともこの五千駅の中で三千百が無人駅になって、一切危険でありませんなどという、確認して無人駅になったなんという、私は了承できない、そんな答弁は。
 もう一つは、私も実は、ローカル線の一次、二次の廃止があって、九州のローカル線を全部見て回った。そのときに甘木線、今度第三セクターになって今うまくやっているが、甘木線に行って、甘木駅がもう不良少年の巣窟。とにかく落書きはえらい、便所しているわ、もう晩になったらそこに不良少年が女を引き込んで暴行すると、その姿を見たから早速九州の門鉄局長に言った。そしたら、あれは先生、市役所にもう権利やっておりますからと言うから、市役所に電話してすぐ駅を取っ払った。私、そういうのがたくさんあると思う。ここに例を書いてある。いろいろ、不良少年の巣窟になっておりますとか、暴走族、非行グループのたまり場になっているとか、窓ガラスが割られ、破廉恥な落書きがいっぱい、危険で、寒冷地でもストーブを使えない、ことし佐世保の日宇駅ではトイレ内で遺失物隠匿事件が起きた、昨年、一昨年久大線云々と、駅員がいないばかりにと報告されている、たくさんこの例が挙がっています。だから、無人駅はホームで危険がありませんということだけではなくて、そういうふうなのがあるから、もしも一歩譲って駅員の人件費がないというならば、例えば民間に委託する、それも民間に委託するけれども、これはもうなかなか委託も渋っておると書いてある。あるいは町から、じゃ町が町の職員を置いて売店なんかやっていいですかとお願いに行ったら、これも許可しないと書いてある。一体、鉄道の総裁などが何を考えておるかと。ただ、もうこの際人間をぶった切ってそして九万三千名余剰人員出しましたと、それが仕事だと思ったら私は間違いだと思う。国鉄を預かる以上は、国民の財産、生命を安全に輸送いたしますと、それにはこれだけの人間が必要ですとなぜ言えぬ。みんなで寄ってたかって無人駅をつくって、人間削りましたということに誇りを感ずるような経営は私は了承できない。こういう投書があっていい機会にだ、それじゃこの無人駅を解消するためにどのくらい人間が要りますからどのくらい予算が必要でございますがどうでしょうかとなぜ国民に訴えない。私は今の国鉄は、もう中曽根総理自体の考えが本当に私は間違っていると思う。ただ、もう資本の論理で、どなたかに売るだろうが、もうけ主義でとにかくこれでもうもうかりますからやってくださいと言いたいだろう。しかし、それでは安心して汽車に乗れない。今皆さんはとにかくそうやってどんどんどんどん人間減らして、経費を少なくしてどっか民間に売ろうとしている。なぜもっと公共輸送というものに力を入れて、この際無人駅は解消します、あるいはどうしてもここではもう人件費がありませんから、これはじゃ下請会社にやらせましょうとか、あるいはこの町にじゃお願いしますよとか、何か知恵が出ないものであろうか、そしてホームで汽車に迷ったお年寄りあるいは我々も迷うときがありますよ。そういうときに尋ねる駅員が一人か二人ホームにおることは私は当然だと思う、長い十何両の列車があるんだから、運転係の助役だけが真ん中におりますけれども、後ろの車掌の合図を運転係に中継してやる。もう少し本当に使う人の、国民の身になって駅の営業というものをやる。それには経費がこれだけかかりますよと、そういう考えにこの際なってもらって、我々も日本鉄道株式会社法を出しているんだから、そういうものと比較しながら、最終的にはこれだけの人間が要りますという案を出して、もし我々が負けて皆さんが会社に売るとするならば、そのときはこれだけ要りますよと、我々の経験、国鉄の経験ではこれだけの駅員が要りますよと、それでいいですかと、そういう立場をこれからとってもらいたいと思います。その点に対する総裁の見解及び運輸大臣の見解を聞きます。
#8
○説明員(杉浦喬也君) 基本は私から先ほど申し上げましたように、安全という観点に十分に立脚しながら、しかも無人化を進めていく、両方矛盾するようではございますが、しかしそういうことにならぬようにこれからも十分に留意しながら進めていきたいというふうに思う次第でございます。
 国鉄の合理化なり効率化というものの目安としましては、現在、大手私鉄、中小私鉄といろいろとございますが、そうした私鉄が民間経営ということでやっておる。安全、効率化ともにそれぞれ使命を達しているというふうに思うわけでございます。あるいはまた、外国の鉄道のサービスあるいは安全面での要員配置というようなことも、これも十分参考になるのではないか。そうしたものも総合的に見ながら適切な要員の配置、これらを今後ともやっていきたいというふうに思っております。
#9
○国務大臣(三塚博君) 小柳先生のただいまの段段の御質疑承っておりまして、かねがねでございますが、国鉄を愛する熱情に敬意を表するものであり、ただいま無人駅のあり方についての御見解でございますが、総裁、無人駅にするにつきましての安全性という点で万全を期しましたと、こういうこと、当然そのことはお客様を預かるわけでございますから、安全第一主義でまいりませんければ無人駅というのは到底認容できない、こういうことになるわけでありまして、そのことをさらに御努力をいただくことは当然であり、完璧を期していただきたいとは存じます。
 私の経験からいたしまして、合理化、効率化を目指す国鉄再建の今日までの道筋の中で、それぞれの線区において乗降人員の少ないところをやむを得ず無人化せざるを得ない、こういうことの中で、管理局長を初め、担当者、それぞれ自治体関係者、また公職にある我々のところまで理解を求めつつコンセンサスを得て無人化が逐次進められてきたというふうに理解をいたしておるわけでございまして、やむを得ないことかなと。しかし、さはさりながらお客様を扱うわけでございますから、安全第一主義でいかなければなりません。同時に、許されるならば、小柳先生おっしゃいますように、いないよりはいたにこしたことはないわけでありまして、しかしながら、総裁もそれはわかりつつ、しかし、今日の国鉄再生、新生という究極の大目的を達成するまでこのことに取り組まなければならぬという苦衷も実はわかるわけであります。
 法案審議の段階で、また本日の段階でも御審議いただくように相なると思うんでありますが、長期債務のうち十六兆七千億という国民の御負担をお願い申し上げるということに相なりますと、国鉄が骨身を削って改善、改革の実を上げて、国民の皆様の御共感を得なければならないという、そういう考え方、これまた当然のことでありまして、私どもといたしましてもそれを激励する、こういうことになるわけでございます。しかし、田舎というか私どものような地方の無人駅ではなく、東京圏あるいは関西圏があるのか、東京圏の先般の投書の例などで、今の御案内の御指摘などを見ますと、そういうことでありまして、願わくば民間委託まで云々ということではなく、民間委託が実情に合うならばまた考えなければならぬことでありましょうし、このことは関連法案御審議の中で御決定をいただいた後に、民間会社としてスタートをいたしました際に、まさに今度はサービス第一主義でいかなければなりませんものですから、そういう手法を新経営者の皆さんかどう考えるか、そういう点について指導をしていかなければならないというふうに思います。
 ただ、それといいましても、今御指摘のようなことで安全第一というものを追求しながら、それで未然に事故を防ぎつつお客様の利便に供する、そういう点で取り組まざるを得ないのかな、こう思っておりますし、お年寄りの方がどっちに行ったらいいのかという聞くに聞きようがないということについては、総裁においては別途適切な措置をやはりサービスとして考えながらお取り組みをいただくことが大事がなと、こんなふうに実は思っておるところであります。
#10
○小柳勇君 今の御答弁の中で三つ問題があります。
 一つは、安全についても再度総裁が言われた、やっぱり安全性について検討しなきゃならぬとおっしゃる、したがって車掌の投書があったような機会ですから、やっぱり車掌が一番詳しいんじゃないかと思う、長いホームの安全性については。だからこの際車掌から、それも田舎の短いホームの無人駅はもう言いません、長い複線のホームなど安全性についてアンケートをとるとか、この際ですから総裁、部下職員に命じて各局に言って、一遍アンケートでもとってもらったら、非常に今度のこの事件が生きますね。それを一つお願いしておきたい。
 それから、運輸大臣がおっしゃったやつ二つありますが、一つは乗降客の数によって無人駅にするしない、これは全然意味違いますよ。例えば、かつて新聞に載りました、一人の幼い子が井戸に落ちました、一人の子の命を救うために、もう全市を挙げて何時間も努力しましたね、一人の人間の命のとうとさのために全市を挙げてみんなが協力して、ついにまあできなかった、あるいは救ったこともありましたが、この間は一人亡くなりました。したがって乗降客いかんではなくて、ホームの構造とかあるいは信号の扱いとかそういうものによって判断しなければ、私は無人駅などの判断はできないと思う。これが第一。
 それから、民営になりましたらもうふやしませんよ、人間はふやしません。だから私はきょう厳しく総裁に言っているわけだ。我々の案からいったら、私どもは清算会社、ちょうど今皆さんが考えているような清算会社を置きます。その後は全国一本の日本鉄道株式会社だから、我々の案でいったら今の職員をそのまま引き継ぎますから。皆さんの案では全部一応国鉄職員は切って、後会社が採用するから余分に採用するはずはないよ、今の数よりも。だから厳しくきょう言っているわけで、そういう点は後でまたこの余剰人員の問題のところで詳しく質問をいたしますが、そういうところでありまして、この無人駅の問題だけで三時間もやるわけにいかぬから、無人駅の問題についてはまず総裁が調査するとおっしゃったから調査してください。それには今回の事件を契機にして車掌、ここが一番詳しいと思うからアンケートでもとるとか、具体的なただ人数を減らすための調査ではなくて、本当に国民を輸送するのに、安全のためには何人が必要であるかという、そういう駅員の配置とかあるいは出札、改札とかそんなもの全部下から積み上げていって定員を計算するのが今までの国鉄のやり方ですよ。それを今度は逆に全然もうコンピューターで回帰式をつくって上からからがちゃっとやる。ほかから、監理委員会からがちゃっと持ってきたから、それに合わせようと今必死になっている。それに合わせたら百点満点だから、それは総裁の点数は上がるかもしれぬが、そういうものは矛盾は矛盾として、そのために国会があるんですから、きょう一日それをやります。後でまたやりますから、今この無人駅の問題については調査をしていただくと同時に、それからその、今処分と言われている車掌については、よく言い聞かして、もしイデオロギーでやったとするならば我々に――よく言ってください。例えば、デマかもしれぬけれども、これは本人が書いたんじゃないと、ほかが書いて、これをその名前で投書したんだという、そういうデマが入りました。もしそういう陰謀なり不純なものがあったら教えてもらいたい。そういうもので世間を騒がしてはいかぬ。ただ、無人駅では危ないということは、私どもが全部わかっているからなるほどなと思うわけです。しかも車掌が詳しいから当然だと。きょうの新聞の投書もそう書いてある。したがって、正しいものは正しいとして、国会では取り上げながらいかなくちゃいかぬ。
 最後の方は、きょうまでこの処置が延びたことは不満です。瀬谷君も、けさ電話がありました。まだ結論出らんですもんなと、もう一回やっておいてくださいと。したがって、二十日にまた理事などに質問しますから、二十日までにはこれについてはひとつ立派な結論を出してもらうようにお願いしたいが、総裁どうでしょうか。
#11
○説明員(杉浦喬也君) 具体的な駅名等も本人からの指摘がございますので、まずそうした駅におきまして本当に見通しがどうかとか、テレビの画像がどの程度見えるかというような点での具体的な確認をやっていきたい。これは早急にやりまして結論を出したいと思います。
#12
○小柳勇君 それから、これも最近新聞に出たのでありますが、日本国有鉄道と国鉄労働組合で経営懇談会を設置するということを新聞で見ました。これについて総裁からちょっと答弁を求めておきたい。
#13
○説明員(杉浦喬也君) 国労との間におきまして、私どもの気持ちとしましては、大変重要な時期でもございますし、職員の問題も大変難しい問題を抱えておりますので、多くの組合員を抱えておる国労との間におきましては、こうした問題につきまして日ごろから忌憚のない意見の交換をしたいということを再三申し上げてきた経緯がございます。これは団体交渉というような枠を超えまして両方ともざっくばらんに話をしようではないかという提案をしてきたわけでございます。残念ながら、いろんな経緯がございまして、そうした機会がなかなかありません。
 そこで、先般衆議院の方の御質問にお答えしたことも一つの契機になりましたが、この際私が常々申し上げているとおり、労使双方がざっくばらんに話をする場をぜひ設けたいというふうに委員会ではお答えをいたしましたが、そうしたことを具体化しようということで、国労と当局の間の労使双方の事務的な話を詰めました結果、今回両者の覚書という形で、経営問題・雇用問題に関する懇談会という、雇用問題が多くの議題になるでございましょうが、それを中心として経営万般にわたる両者の意見交換の場というものをつくった次第でございます。
 両者の間に溝があるということは好ましくないというふうに思いますので、この場をかりまして本当に議論を展開をしていく。両者が話しをしてすぐに後は疎遠になってしまうということでなしに、議論は議論としまして、言いたいことを言い合おうじゃないかという趣旨でございます。あした早速第一回を開催する予定にしているところでございます。
#14
○小柳勇君 この覚書によりましても、総裁以下各諸君、ほとんど主要な幹部がおいでになりますし、組合側も委員長以下各部長まで全部責任者が出るようであります。先般安恒理事が発起人となりまして国労の三役も来てもらっていろいろ話しました。我が党としても方針を持ってます。国労も勤労も我が党の方針については支持してくれてます。したがって、勤労の方はもう共同宣言にも、あるいは協定も調印しているようでありますが、いろいろそこにギャップがありますが、党としてはそういう面については責任を持ってやっていかなきゃならぬ。一番大事なのは、今国民の皆さんが国鉄の労使は一体うまくやっているだろうか、それが一番心配であろうと思うんです。この国鉄を再建しなきゃならぬという大きな段階で、労使がそれは大きな問題もあろう、小さい問題もあろうが、やっぱり話し合って、よしやろうと。そして、世間の皆さんに労使一体となった姿勢を示さなければ本当の再建はできないと思う。非常に今一番大事な時期でありますから、我々も外から最大の努力をいたします。
 したがいまして、これだけ立派な懇談会ができたのでありますから、よくひとつ話し合って、そしてうまく労使が一体となっていきますように期待をいたします。
 今日までの問題、これからの問題で労使交渉しなきゃならぬのにしてないではないかという問題がある。きょうは労働省からも来てもらってます。今やっぱり現代労働法のもとで組織された労働団体がある。労働組合を結成してなくとも労働者の過半数の意見を聞くというのが今の労働法の精神である。私が言うまでもないことです、総裁は十分御存じですから。そういう精神を十分踏まえて、労使が妥協できないものは妥協できない、これを世間に明らかにする、なぜできないかを明らかにする。そして、なるべく妥協しながら手を握って国民の信頼できる国鉄をつくってもらいたいと思います。この点はこれだけです。
 もう一点は、これも私の方の九州の仲間からも言われているんですけれども、前に一回ここで質問があったようですが、まだ大きな駅には、分割・民営によって生き生きとなります、こういうふうなポスターが出ている。杉浦総裁は最近総裁になられた。それでも運輸省の次官、鉄監局長をやっておられる。また、その副総裁以下今日まで営営として鉄道を守ってきた諸君が、今日までの鉄道は死んでおったんであろうかと、今度分割・民営化したら生き生きとなると、どういう感覚であろうかと。それは私も見て直観したんだけれども、今でも世間の人がそう言うわけだ。先生、九州なんかも分割されたらだめだというのに生き生きとなりましょうかと言う。分割・民営を急ぐ気持ちはわかるが、世間の人は今の国鉄を信頼しない、不安でしょうがないんじゃないかと思う。あんなポスターは一日も早く取っ払って新たな決意で――もうポスターどころじゃないよ。みんな一緒になって、労使一体となって国民の信頼を取り戻してもらいたいと思うが、総裁、どうですか。
#15
○説明員(杉浦喬也君) 今までの国鉄は、長い歴史の大部分いわば国民に愛され、日本の経済社会のいわば開拓的な役割、文化の光を到達させると、こういうような役割を演じることによりまして、重要な役割分担があったというふうに思うわけでございます。そうした中でいわば鉄道マン、国鉄マンとしての誇り、あるいは安全正確、世界に冠たる技術陣というようないろんな意味でのいいものが生まれてきておったわけでございます。これはもうごく最近までそれがそれなりに発揮されてきた。一般の国民の公共的な要請にしっかりおこたえできてきたというふうに思います。そうした意味でのいいところは、今後とも、どのような経営形態になろうとも、しっかりと引き継ぐ必要があるというふうに思うわけでございます。
 大変残念なことに、戦後、ごく最近の交通事情の大激変、特にモータリゼーションなりあるいは航空、そうしたものの他の交通手段との間の激烈な競争ということによりまして、従来のようないわば独占形態というものがなくなってしまった。そこに非常に大きな問題があるわけでございます。
 そうした意味におきまして、新しい世代に対しましては新しい入れ物が必要であるという意味におきまして、御提案をしておるような改革というものがぜひ必要であるというふうに私は思います。これは決して鉄道というものをおろそかにし、あるいは壊滅にするというそういう意図だけでその問題をとらえているのではなしに、むしろ今までのいい鉄道というものが非常にぐあいが悪くなったことを、この際もう一回、国民に安心し、良質なサービスを安く提供できるようなそういう仕組みに戻すことによって再生したいというのが眼目でございますので、そうした意味での将来展望というものをポスター等によりまして、国鉄としてはこういうふうに見ております、ただし国会の御承認を得た後におきましてという断り書きをしながら、国民の方の御理解を今から得べくポスターなりパンフレットなりでPRをしているところでございまして、決して法律を無視するつもりはございませんし、新しい、いい鉄道というものをこいねがう気持ちからそうしたことをやっているということを御理解いただきたいと思います。
#16
○小柳勇君 それからもう一つ、大事なことをこの際聞いておかなきゃならぬのですが、実は五月一日のメーデーに国鉄の労働者が参加が少なかったと、そういう話を聞きました。それでなぜかと聞いたら、メーデーに行くとにらまれると、そういうこと。後すぐ広域配転の問題について質問入りますけれども、何か管理者というのは、今もう職員を抑えつけることが仕事だと思っているんじゃないか。例えばさっきの車掌区の事件でも恐らく車掌区長には言ったであろうが、車掌区長が何か今はもう予算もないのにそんな段階じゃないと、ぱっと怒ったんじゃないかとも思うんですけれどもね。かつては例えば職場で管理者がばっともうほっぺたをたたいて仕事を指揮監督するけれども、例えば野球をやったり、晩は一杯飲んで、溶け込んで、そして手を握ってやっていた。今何か管理者というのは、もう弾圧する、職員を抑えつけることが仕事だというような指導をしておるのではないか。今度メーデーの出席が国鉄労働者が少なかったというあれを、情報をとって私も偶然としているんだが、例えば広域配転がある、希望退職がある、あるいは来年の四月一日もし法律が通れば全員解雇されて新しい会社に選別されると。もうそれに戦々恐々として、大事な労働者のメーデーに出たらにらまれると、そういう気風が全国でみなぎったとするならば、私は本当にこれはもう国鉄の行政のあり方、監督のあり方をこれこそ厳しく追及しなきゃならぬと思ったんです。今各地に連絡をとって情勢を把握しておりますが、国労、勤労の方からはそう厳しいものは言ってこないが、現地の県評からどんどん今情報が入っている。ことしはおかしいですよ、国鉄労働者が参加が少ないと。で、今総裁として、例えば労働組合を、まあ一緒にやっている労働組合あることは知っています。ただ、そうでない組合に対しては、もう突き放して抑え込むことに指導方針を持っているのかどうか、それを聞いておきたいんです。それでないと本当に言うことを言わないで、もう何ていうのか、じめじめした陰惨な閉鎖状態の職場ができやせぬかと思うから、指導方針を総裁から聞いておきます。
#17
○説明員(杉浦喬也君) 今例としましてメーデーのお話をされたわけでございますが、メーデーの参加状況等につきましては、まだちょっと私把握しておりませんから何とも申し上げられませんが、メーデーは歴史のある労働者の祭典であるわけでございまして、そうしたことに私ども管理者側として何らかの指導をするということは全然やっておりません。これはまさしくそれぞれの職員が一個人としての判断ということによりまして参加するしないかを決めたんだというふうに私は思います。
 それから全体の職場の空気としまして、非常に管理者側の抑えつけ的なムードなりそういう方向ではないかというふうにおっしゃっておられますが、今大変な変革の時期でございますし、余剰人員対策という重要な、しかもまだ職員個々人の生活にかかわる問題を非常に詰めてやっておる時期でもございますので、確かにいろんな意味でそれぞれの職員は、将来の自分の生活、あるいは鉄道の将来というものについての意見なり不安なり、そういうものも抱いていると思います。したがって、私どもとしましては、そうした職員に対しまして、現場、地方のそれぞれの管理者から十分に情勢を伝え、またそれぞれの本人をしっかりと把握し、それぞれの職員からの希望を個別にちゃんと見なさいよといことを指導をしておるわけでございまして、決して一つの方向づけだけに抑えつけをし、あるいはその他の施策、アンケート調査なり、広域異動なりそういう施策を講ずる場合に、強制、強要にわたるというような、そういうことでやっていることはございません。あくまでそれぞれの本人の自主的な判断、その材料は十分提供いたしますが、自主的な判断が可能なように、しかもまだ自主的な判断による希望というものを十分にしんしゃくするように、そういう観点からいろいろと指導をしているところでございまして、現場がざわめいているということは事実かは思いますが、そうした中からやはり将来への展望につきまして各個人個人が希望を持ち、不安を抱かないようにこれからも現場管理者には十分に指導をしていきたいというふうに思っております。
#18
○小柳勇君 今の国鉄の最高大事についてもいろいろ裏話も知っていますから、時の流れと言おうか、時代もありましょう。しかしやっぱり労使関係というものは、これはもう諸外国もそうだし、団体交渉でうんとけんかすることはけんかしても、血が通っていないと私は事業は発展しないと思う。その点は総裁、私が言うまでもない、十分御存じですから、血の通った職員の指導を、あるいは行政の指導をしてもらうように重ねてお願いしておきます。
 あとは広域異動が今当面の問題でありますから、広域異動について質問いたしますが、現状はどうでしょうか。まず、広域配転の問題の現状について説明を求めます。
#19
○説明員(杉浦喬也君) 先般広域異動の募集をいたしまして、当初なかなかそれぞれの職員が思い悩んだ点もあろうかと思います。出足は悪かったんでありますが、最終的に五月の九日に締め切りをいたしました段階におきましては、目標の三千四百というのを突破いたしまして、総数三千五百十五名、北海道から千四百三十八名、九州から千三十七名、後で拡大をいたしました地区から千四十名、そうした応募者があったわけでございまして、既に第一陣三百四名につきましては、先般三百四十名程度を既に発令をいたしまして、東京、大阪に異動を実施をいたしたところでございます。引き続き第二陣、第三陣の発令をしながら所定の目標どおり実行していきたいと思っております。
#20
○小柳勇君 希望者とそれから発令した者と違うけれども、将来どのくらいまで広域配転をしたいのですか。
#21
○説明員(杉浦喬也君) 北海道、九州の余剰人員の人数というのは非常にたくさんございます。それと現地の雇用の場というものとのギャップというものがかなりある。これはなかなかつかめないんでございますが、しかしどうしてもそのギャップというのは現地においで埋めることができません。したがいましてできるだけの数の多くを目標にしながら広域異動したいと思っておるんですが、一番そこで問題になりますのはやはり受け入れ側の住宅事情でございまして、住宅がしっかり用意されておりませんとこれはできません。したがいまして今回の三千四百も、ことしの春の住宅がそれだけ余裕ができたということで三千四百の目標を立てたわけでございますが、それから後の住宅の実は確保の見通しをまだ立てておりません。どの程度住宅がさらに確保されるのか、場合によりましてはこれは受け入れのための住宅を新設することも考えたいと思いますが、それらの住宅を、何人ぐらい受け入れられるような住宅があるかということをまず具体的に算定をいたしまして、その上で第二弾の措置を考えていきたいということでございますので、目下のところちょっと数字的にはめどを立てていないということであります。
#22
○小柳勇君 第二次、第三次につきましても受け入れ側の住宅問題などがあるから現在ははっきり人数は決めていないと、こういうことですか。何か語尾の方がちょっと余りよく聞き取れぬ点がありますから、語尾の方はっきりひとつ願います。
 それからもう一つは、東京、大阪及び名古屋地区ですけれども、おたくからもらった表によりますと、東京三局で四千九十人、大阪天王寺で四千百八十人、名古屋で千八百人の余剰人員があります。その地区でも余剰人員があるのに、今度は九州や北海道からそこに持っていけば、これはそこの余剰人員プラスになるのか、いや今度九州から北海道から行ったこの諸君はもう余剰人員の看板は、背番号は外しておきますと、そういうことですか。どちらでしょう。
#23
○説明員(杉浦喬也君) 詳しくは担当常務からまたお話しいたしますが、余剰人員を、だれだれが余剰人員であるというふうに、これ一般論でございますが、そういうやり方をしてはおりません。ただ、本務につくかあるいは教育訓練が、そういうような意味での分け方はございますが、余剰人員のレッテルを張るということは実はしていないということでございます。
 それから現在でも余剰人員があるところへさらにそれがプラスされれば玉突き現象かというふうな御指摘もございますが、これはやはり余剰人員対策は全国的な配慮のもとに解決をいたしませんと、地域的な偏在があるということでございますので、そうした点の配慮のもとに今回広域異動を実施したということでありまして、部分部分をとりますと、おっしゃいますようなことが起こるかとも思いますが、これはあくまで全国の人をどうしたらいいかという観点からする判断でございます。
#24
○小柳勇君 ちょっと今の表現がわからなかったんですが、余剰人員ではございません、職員の異動でございますと、こういうことですか。
#25
○説明員(澄田信義君) ただいま総裁が申したとおりでございます。今度の広域異動で異動をいたしました職員、東京へ参りましたりあるいは大阪へ参りましたりいたします。これは本務グループに入れることにいたしておりますけれども、それによりまして余剰人員を特定化するとか、この人たちは余剰人員であるというような特定の仕方をするというようなことは考えておりません。あくまでも所属長の判断で要員の運用をやっておりますので、そういった特定をする、今まで、本務に入った人が玉突きで出て余剰人員として特定されるといったような運用は考えておりません。
#26
○小柳勇君 それではその余剰人員の、今度の法案の問題でもあるけれども、著しく余剰人員があるから二万名の希望退職を募るなんてあるけれども、あと今の広域異動というのは、余剰人員の多いところで将来処理に困るからこの際広域配転いたしますというのが今までのふれ込みだったんだが、それと違いますか。
#27
○説明員(澄田信義君) 今おっしゃるとおりでございまして、北海道、九州等余剰人員が非常にたくさん発生しており、しかも雇用の場の少ないところから雇用の場の多いところへ職員をあらかじめ異動させていくという趣旨が今回の広域異動の趣旨でございます。全国的に考えてそういった施策を講じておくことが、余剰人員問題、雇用先の確保、そういったいろんな観点からの全体的な施策といたしまして最も適切であるという判断からそういうやり方をしたわけでございます。
#28
○小柳勇君 じゃ総裁の答弁と違うじゃない。総裁の答弁では、余剰人員を持っていって、向こうに余剰人員があるけれども余剰人員プラスになるんじゃありません、ただ職員の異動ですとおっしゃった。あなた今余剰人員として、余剰人員が多いから異動するとこう言っているけれども。
#29
○説明員(杉浦喬也君) あくまで余剰人員は全国的に見まして全体でどのぐらいあるか、ことしの四月一日で再計算いたしまして三万八千人、こういう余剰人員が出ているということでございまして、それが地域によってそれぞればらばらとあるわけでございます。その中でいわゆる余剰人員と考えられる人数が、計算上は北海道、九州に非常に多いというその判断から、バランスを欠いておるということで今回の措置を行ったわけでございまして、余剰人員があるということはもう確かでございますが、私先ほど申しましたのは、それぞれ個々の人をお前は余剰人員であるというふうに指名をしてはいませんという意味でのお話を申し上げたわけでございまして、それぞれ担務があり、それぞれの仕事があるということで現在は行っておるわけでございます。お前は余剰人員だよというふうに決めつけてはいないという、個々の人の問題でございます。
#30
○小柳勇君 九州、北海道から、ホームで見送り人あるいは家族と手を握って奥さん方涙出して配置転換に応じているわけだ。その諸君は、おれたちは九州におったら余剰人員だと、そういう意識じゃないかと思う。がしかし、東京や大阪や名古屋へ行ったらもうこれは余剰人員でなくなると、恐らく配置転換に応じた人は家族も一緒にそういう気持ちで行っていると思うが、余剰人員は同じですと、それではちょっと――これからどれだけ配置転換されるのか、これはやっぱり大問題だと思いますが、どうですか、もう一回答弁してください。
#31
○説明員(杉浦喬也君) 余剰人員といいますのは、現在いる人の現在員と、それと現実に必要とされる所要員との差し引きの数が、これが余剰人員というふうになるわけでございまして、個々の人がそれぞれA、Bと分けられて余剰人員であるというふうにはなっていない、数の上での差し引きの数字であるということでございます。
#32
○小柳勇君 数の上といったって、現場の方ではみんな仕事しているのよ。あなたも恐らく若いときやったかもしらぬけれども、各運転、施設、営業あるいは工作、全部自分の職場では仕事をちゃんと皆やっておるわけだ。あなた方こそれの上で、ただ、これが余剰人員何名でございます、三万八千名、私も各局の余剰人員ここに持っているけれども、あなた方の頭の中では、いや、これは数だけでございますと言うけれども、本人たちは今まで、例えば機関区におったけれども、私の仕事はほとんど本務はなかったと、よし、それじゃ次の大阪の職場に行って仕事をやるぞと、それが配置転換に応じた人の本当の気持ちじゃないかな。そんなものを無視して、いや、これはもう余剰人員、こっちも余剰人員ですと。そうしたら今度大阪におる、今余剰人員と言われておる人、さっき申しましたように、大阪、天王寺合わせて四千百八十名、その人たちに余剰人員がプラスということになって、大阪の余剰人員と言われる人たち、これまたたまらぬわな。どういう気持ちであなた方が今広域配転などやっておられるか、もう一回――運輸大臣もこれはOKしているんでしょう、あなたの気持ち聞いておきましょうか。
#33
○国務大臣(三塚博君) 今総裁、澄田常務理事の話、大体軌は一で、表現がちょっと先生に御理解をいただけないという部分が一部あったのかなというふうにお聞きしておるわけでございますが、率直に申し上げまして新生鉄道を目指すということで取り組まさしていただくということでありますれば、今日ただいまでも軽量経営に徹してまいりますということが経営の基本であることは間違いがない。各企業、各会社において、これは民間のことを私は例に出しておるわけでありますが、経営の危機を脱しますときにはやはり人員整理を行って軽量経営の中でまいりますと、こういうことなんですね。ですが公企体でございますから法律によって身分を保障されておりますと、こういう中にあり、なおかつ国鉄としても軽量経営とは言いながら、民間が行いますように、人員整理をしてまっしぐらにこれに取り組むというととはしない。雇用対策、法律ができて清算法人ができての雇用対策は、総理が言われますとおり一人といえども路頭に迷わせることはありませんようにと、それぞれの皆さんの能力に応じてそれぞれのパートに御就職をいただくように全力を尽くしますと、このように申し上げ、私もそう申し上げ、国鉄にもそのように指導をし、努力をいただいておるわけでありますが、これはこれとして、今日ただいま軽量経営に根差すという意味で物を考えました際に、九州あるいは北海道、雇用の機会の少ない地域、東京あるいは阪神、東海、こういうところに比べまして非常に企業数が少ない、こういうことでありますれば、その地域において完全就職はなかなか難しいなと。よって地方で広域配転に応じてくれる方、これは余剰でそちらに行けというのではなくして、鉄道マンとしてこの際ひとつスタートをしてくれぬかと、こういうことでありましょうし、また本人は鉄道マンとしてさらに新天地で、新天地といいますか今度その赴任した地域で頑張る、こういうことである。同時に、仲間である九州の皆さんに、自分がそういうことで行くことによって、こちらはその分だけ何といいますかバランスがとれていく、こんなことなども考慮の中にあってのことかな、こんなふうに思いますし、今大阪局、天王寺局四千幾ら、ここに余剰プラスアルファじゃありませんかということについては、この地域はやはり西の産業の中心地でございますので雇用の機会が九州に比べますと相当高い。よってこの地域にお願いを最終的に申し上げてそれぞれ就職をしていただく。こういうことでその辺のところを考えられ、取り進められたと聞いておるわけでありますし、私自身も報告を受けまして、まことにテレビを見ますと今御指摘のように住み慣れた故郷を後に、涙ながらに別離をしながら東京に赴任していったという、きのうかおとといのテレビにありましたが、本当に胸を刺されるような思いをいたすわけであります。改革、さらに新生鉄道員というプロセスの中で乗り越えていかなければならないつらさかなと。しかしそれは全体の中で協調し合いながら取り進めてまいりますならば、鉄道、国鉄の伝統、使命が生かされて、新しい鉄道にこれが生まれ変わる、ある意味の産みのつらさかなと。よって私どもは雇用対策というものについては、さらに万全を期していかなければならぬなと、こういうふうに実は昨今痛感をいたしておるというのが率直な感情であり、前段、先生の御質問にお答えをさせていただいたと、こういうことであります。
#34
○小柳勇君 私どもの日本鉄道株式会社法の経営見通しも私の方でつくったんですけれども、私どもの考えでは、例えば六十五年度にはあなた方が考えているように大体二十一万五千、職員の、持っていますよ。しかしそれは何も、全国一社制ですから、広域異動あるいは希望退職などしないでも、毎年間の特退とかあるいは若干の希望とか言えば、大体六十五年ごろには二十一万五千になるだろうと。我々の考えなら、今総裁や副総裁が言われたことでも、ああ、おれは九州から大阪へ行くぞと、それで済むわけだ。あなた方は、もしうちの法案が通らぬであなた方の法案が通ったとすれば、来年の三月三十一日には国鉄職員は全部解雇、あと新会社が採用、そういうものがあればこそ今質問しているわけですよ。我々の考えなら何も要らぬわけだ。広域、ああいいよ、大阪へ行くよ、東京へ行くよで済むわけだ。あるいは余剰人員であるならそこでそのまま余剰人員だ、我々の案なら。あなた方のではそうじゃないんだよ。あとはもうちゃんとそこの東日本、西日本、東海などに定員を決めておいて、今無理して、だんだんだんだん職員を削減しておいて、さあこれで会社をやってください。そのときには会社が、会社よりも、指名した特殊な人が、一々職員を指名するようになっている。これも後で労政局長に聞きますけれども、そういうやり方については私はまだ納得できない。
 そこで九州から大阪へ行った、あるいは北海道から東京へ来た、今配置転換された人はもうそのときには後の新会社の社員ですね、そう聞いているわけですよ。端的に、総裁どうですか。
#35
○説明員(杉浦喬也君) 長年住み慣れた故郷を離れるということでございますから、私どもの提案に対して、それを、希望を申し出る気持ちの整理のためには、本人の希望というものをできるだけ聞いてあげたい、そういうようなことでないと、無条件にどうですかと言っても、なかなか応募に応じてくれないであろうという判断があったわけでございます。したがいまして、そうしたことのいわばインセンティブといいますか、そういうような意味におきまして、できるだけ本人の希望を聞きますということを、いわば募集の条件にしたわけでございます。ただ、希望を聞きます。その希望というのは、個々人によってばらばらであると思います。多くの希望は、依然として鉄道として将来も自分は働きたいというふうに思っている人が多いと思います。ただ今回の異動では、若い人がかなりあるわけでございますが、若い人の希望の中には、公的部門、国家公務員、地方公務員になりたいという、そういう希望も相当あるのではないかというふうに思うわけでございまして、その辺の希望は個々人に実は聞いておりません。これからお聞きするわけでございますが、私どもの可能な限り希望を聞き、希望に沿った措置を講じたい。
 ただ、それじゃ鉄道へ行きたいという人はみんな鉄道へ行けるのかということでございますが、これも法的には、私どもの判断がこれは最終的には加わることはできません。私どものリストの中に入れるということはあるでしょうが、採用は、法律的にいえば、設立委員、これが採用を決定するということになりますから、私どもが採用するわけではないということでございますが、しかしながらそこに至る過程におきましては、できるだけ希望に沿った行動をしていきたい、こういう意味でございます。
#36
○小柳勇君 私が質問したことに端的に答弁してないんだ。非常に回りくどく、わからぬようにわからぬように答弁しよるものだから、よくわからぬ。
 では、ここで具体的に、「広域異動の実施について」という書面がありますから、これ最後読みますよ。「異動先における将来の配属に際しての希望は、可能な限り、優先的に配慮する。」、これはどういうことですか。
#37
○説明員(杉浦喬也君) ただいま申し上げましたように、将来の自分の行き先、職場の中の問題、あるいは法律が通った後におきましては、将来の会社なり、あるいは公的部門への転出、いろいろとあろうかと思いますが、そうした意味での将来の本人の希望というものをできるだけかなえてあげよう、こういう趣旨であります。
#38
○小柳勇君 それで、本人たちは鉄道に希望して入った。大阪も、九州の人も北海道の人も、国鉄職員であるために入ったわけだから、今度、広域配転に応じたら、大阪の国鉄職員として永久にやれるだろうと思って応募しているわけですよ。ほとんどがそうだと私も聞いている。それで、それはかないますかと。だから少なくとも特別にこの配置転換に応じて、広域配転に応じた人は鉄道人として、わずか半年か一年もないんでしょう、今、もうね。当然じゃないでしょうかね、本人は。それはかなえてやるんですかと。端的に答弁してくださいよ。
#39
○説明員(杉浦喬也君) できるだけかなえるように努力をいたしますということでございまして、必ずできるかといいますと、先ほど申しましたように最終段階では決定権がございません、国鉄には。したがって、必ずかといいますと、そうは言えないわけですが、できるだけ本人の希望に沿うように努力をいたしますということであります。
#40
○小柳勇君 私はそう聞いてないんですよ。本人、出ていく人たちの家族も、鉄道に入ったんですから、これ広域異動に応じたら鉄道におれますから行きますと言う、みんなほとんどそう思って行ってしまう。
 それでは、もう一歩突き進んで、おのおの、国鉄には組合が六つ、今度一つできましたが、労働組合の組合員なんですが、これだけの広域配転、何千名もの広域配転については大まかな数字、今あなたがおっしゃったような数字を、例えばここに書面がありますけれども、このくらいの大筋は労働組合と交渉して、あとは個人の希望意思を聞くべきであるが、労働組合との交渉をいたしましたか。
#41
○説明員(杉浦喬也君) 広域異動という仕組みについての話は、これは今までの中で大変な重大なことでございますから、各組合にこういうことでやるつもりでございますということはよくお話しをしておりますし、それからまた広域異動に伴いましていろんな労働条件上の要求等もあるでしょうから、そうした点については、申し出がございますれば十分に交渉いたしましょうというふうに申し上げておるところでありまして、既に三組合におきましては具体的な提案がありまして、わりかし短期間に解決をし、それから国労との間におきましても何回も交渉を行ってきておるところでございます。相当な回数を重ねておるということでございます。
#42
○小柳勇君 では、この広域配転をやること及びここに文書書いてありますね、今私が質問いたしましたのでも、総裁は、いや、皆さんの言う新会社に残るんですということは説明されませんでしたけれども、そういうところまでは、この文書などについては交渉妥結じゃないわけですね。どうですか。これまではっきりもう交渉しているんですか。
#43
○説明員(杉浦喬也君) その文書そのものを交渉の結果決めたということではないんで、当局としてはこう考えておりますというその中身は、組合によくお話をしました。今の将来の本人の希望を聞くというその条項も含めましてお話をいたしました。そうした全体の問題についての労働条件にかかわる部分については、団体交渉をいたしましょうということで実施してきたところであります。
#44
○小柳勇君 その結果によったとなりますと、広域配転に応じました各現場のずっと表をもらっていますけれども、組合員によっても偏っておりまして、だから納得した組合あるいは問題のある組合があったと思いますけれども、結果的に非常にアンバラがあるものですから、したがって労政局長もおいでのようでありますが、労政局長に質問したいのは、今回のこの国鉄の再建に名をかりました分割・民営化、それによりまして広域配転なり、これからまた問題にいたします希望退職二万人の募集などあります。基本的には、これも後で総裁やあるいは運輸大臣から聞かなければなりませんが、国鉄が一体破産しているんでしょうか、いやそうじゃないんだ、破産はしていないけれども社名変更だと、どちらかになるでしょうが、いずれにいたしましても今労働組合という組織がある。その組織がこういう広域配転であるとかあるいは二万人の希望退職を募るとかというようなものについては、当然団体交渉をして、大筋の大綱については団体交渉した上で、そしてあとは個人の希望なり条件を聞く、それが現代の労働法では一番基本だと思う。それが憲法に保障された労働基本権あるいは労働法の労働者の基本的権利、そういう原則に返って言う必要はないが、私はそう思うんだけれども、労政局長から意見を聞いておきたいんです。
#45
○政府委員(加藤孝君) 今回の国鉄の職員の広域異動の問題につきまして私ども労働省といたしまして考えておりますことは、広域異動計画それ自体はこれは管理運営事項である、こんなふうに考えておるわけでございますが、管理運営事項に該当すれば全く団体交渉の余地はないというものではない。その管理運営事項によって影響される労働条件、これは当然団体交渉の対象になるものである、こう考えております。
 現実にこの広域異動に際しまして、職員の労働条件に関しまして団体交渉の申し入れが行われ、そしてこれに基づいて国鉄当局もそれぞれの組合といろいろ交渉なり話し合いなりというものが行われてきておる、こんなふうに考えておるわけでございまして、往々にして管理運営事項であれば全く団体交渉と関係がないというふうに思われがちでございますが、少なくともそれに伴って起きてくる労働条件の問題、そしてまた、その労働条件の問題が円滑に労使間の話し合いで解決する前提として、管理運営事項の点についても、なぜそういうような計画なり方針なりというものを持ったかということは、その前提として説明をされる、こういうようなことは民間においてもしばしば行われておるところでございますし、今回の国鉄においてもそういうような対応がされることが必要であろうと思っております。また現にそういうような話し合いも今なお行われつつある、こんなふうに考えておるところでございます。
#46
○小柳勇君 労政局長は何かお忙しいようですから、もう一問です。
 さっきちょっと言葉に出しましたけれども、今回のこの政府の国鉄再建計画なるもの、国鉄を六分割してそして民営化するということでは、来年の三月三十一日に国鉄職員全員解雇しまして、そしてある機関が指名をして新社員を任命してまいる。後でまたこれは論争しなければなりませんが、一体国鉄が破産宣告されたいわゆる破産会社であるとしましても、後に今度また別の類似の会社ができていきますから、現在ある労働組合というものもこれは無視することはできないと思います。あるいはそうでなくて社名変更して移行するといたしましたら、なおさら現在ある組織というもの、それは重視しなきゃならぬと思う、管理者としては、資本家としては。それに対しましての労働省の見解を聞いておきたいんです。
#47
○政府委員(加藤孝君) 今回の国鉄改革案におきます考え方でこの労使関係の問題を考えました場合、現在国鉄におられる方々の今後の帰趨ということになりますれば、それを包括的に承継いたしますのはこの清算事業団の方へ承継をされる、こういうことでございます。そういう意味におきまして、今後の、今の国鉄そして清算事業団を含めましてのこの労使関係なり労働条件というものはこれまでどおりの交渉によって決まっていくものである、こんなふうに考えるわけでございます。
 しかし、新しく会社が設立されてそれに新規採用される、そういう方々の労働条件問題については、これは新しい会社がそれぞれの地域なり企業の実情に応じて設立をされる、また設立の考え方はそれぞれの新会社の設立委員において定められるというものでございまして、それが新規に採用をしていく、こういう形になるものでございますので、そういう意味で新会社における労働条件というものについては、旧国鉄の組合との間で団体交渉をする、そういう性格のものではない、こんなふうに考えております。
#48
○小柳勇君 まだ少しこっちの方からの質問あってからの方が答弁しやすいでしょうが、例えば鉄鋼産業、工業などなら、会社が一応三月三十一日でこれは破産です、終わりました、後は清算会社で新会社ですと、そういうものも考えることは十分可能、妥当だと思う。ところがこの輸送事業、例えば列車が東京駅を三月三十一日の夕方出ます。そうすると九州に着くのは四月一日の朝です。そういうような中断できない、遮断できない事業というものが、その三月三十一日に全員解雇だというようなことが、今の憲法なり労働法上可能であろうかどうか、私はずっとここ半年ばかり考えてきたんですが、そういうことで、そして全員解雇して、翌日それを全部採用しますと。普通の会社ならわかりますよ。こういう輸送産業で、列車はそのまま動かしていかなければならぬ。
 それじゃ例えば三月三十一日に大阪まで行きました。ここで私は解雇されたからやめます。汽車は動きませんね。そういうようなことは法律上も現実上も私は許せないと思うが、まずひとつ働く労働者の側に立っての労働省の見解を聞いておきたいんです。
#49
○政府委員(加藤孝君) 先生のそういう御心配になる点がこの改革法案を策定するに当たりましても一番にやはり問題になったところの一つであり、また私ども労働省としても一番気にしたところでございます。そういう意味におきまして、先生おっしゃいますように、解雇ということが三月三十一日に行われるのではなくて、これは少なくとも自動的にその時点で清算事業団に身分が移行する方と、それからその時点で新会社に採用されるという形で身分が移行される方とに分かれるわけでございまして、その三月三十一日という時点において解雇をされるという方は一人も起こらないようなそういう法律の仕組みになっておる、そういう改革案の仕組みになっておる、こんなふうに私どもは考えての策定がなされておるというふうに理解いたしております。
#50
○小柳勇君 現在要員は大体二十七万七千人ですけれども、その諸君は所要員とか現在員とか余剰人員とか言っていますけれども、おのおのの部署について一日千八百万ぐらいの人が動いているわけです。貨物列車も動いてますね。そういう事業で、今労政局長言ったように、いや、この者はもう三十日解雇ですと、この者は二十九日解雇ですと、それができない。この法律上は三月三十一日に全員解雇と、そして後は新会社に辞令発令だと、そういうふうになっています。そういうようなこと、この輸送事業では、私のあれでは清算事業団への移行ではなくて社名変更だと、日本国有鉄道のその事業を別の会社が今度は引き継いでいく。言うなら事業の継続、そういうものを考える。この法の立法のときに皆さんかどういう論争をされたかわかりませんが、ただ表面に出た、私どもが今資料をもらっているところでは三月三十一日に全員解雇ですと、それで今論争しているわけですよ。広域配転の問題もそういうことですよ。そういうことですから、今棚橋さんが何かあるようだから、まず棚橋さんが答弁して、その後局長の意見を聞いておきましょう。
#51
○政府委員(棚橋泰君) 先生、全員三月三十一日で解雇だというふうなお話でございますけれども、労政局長からお話もございましたように、基本的にその新しい会社へ行かれる方はその時点までに新しい会社への採用が決まっておりますから、それは三月三十一日時点で退職をされて自動的に新しい会社に採用されるということになるわけでございます。
 それで、その余の方は今回お願いをしております改革法の中では、国有鉄道は六十二年四月一日で清算事業団となるものとする、こういうことになっております。したがいまして、国鉄というものは六十二年四月一日で自動的に清算事業団となりますから、したがって、その職員はそのまま身分が解雇というような形なしに清算事業団へ移行すると、こういうふうに私どもは考えておるわけでございます。
#52
○小柳勇君 それでは、その新社員というのはいつ発令しますか。
#53
○政府委員(棚橋泰君) 新しい会社の社員は六十二年四月一日の午前零時で新会社の職員に発令をされる、こういうことでございます。
#54
○小柳勇君 じゃ、私が言っているのと同じじゃないか。では、労政局長、今言ったとおり新社員は四月一日から発令です。それで旧社員というのは三月三十一日、全部国鉄職員は三月三十一日で解雇ですよ。そういうことが、どうですかね。この輸送事業、列車はそれはとまればいいよ。列車というのは東京駅出たらもう九州まで行かなきゃならぬのだから、そういう事業、そういう輸送事業というものは、こんなことはこの法律が――私ども聞いたときもあのとおりなんです。棚橋さんが言うとおりなんです。こんなこと許せますかね。許せますじゃなくて労働法上どう考えますか。
#55
○国務大臣(三塚博君) これは大変大事なことですから私からもお答えをさしていただきます。
 純理論的にまいりますと、今度御審議をいただく法律では棚橋審議官が言われたような手続で移行をすると。ですから、解雇ではなく退職そして新会社、例の旧国鉄と私どもは言っておりますが、いわゆる法律的には清算事業団ということでこれにかわるわけでございますから、お一人の解雇者もなくこれが移行をしていくと。ここが実は政府が苦心をいたした最大のポイントなわけです。
 そこで、運輸大臣として、かねがね当委員会でも、衆議院の委員会でも、衆参両院の予算委員会でも申し上げさしていただきましたのは、何とか早いうちに御審議をいただき御成立をお願いをいたしたいと。というのは、新会社に移行いたしますのには、今国会出ささしていただきましたのは、先生方から言うと、そんなおまえ一国会でとおしかりをいただくことは十分に承知をしながら、しかし事柄が重要なものでありますので今国会で何としても成立をさせていただけませんでしょうかと。そういたしますと、十カ月足らず、二十二日で、仮の話申し上げますと十カ月あるわけです。その間準備がずっと進みまして、希望に応じいろいろなそのきちんとした設立発起人が今度採用するということになるわけでありますが、既に内示が行われると。人の採用でありますから、瞬間タッチはこれはぎりぎりの法律的なことでありますと。もう二月いっぱいにきちっとそういうこともそのあらかじめの内示が準備行為として法律が成立をいたしておるわけでありますから許されるわけであります。
 そういうことでいきますと、極めて輸送体系の上からいいましても、運転している間にぱっとこう国鉄が今度東日本会社に変わっちゃったということではなく、あらかじめそのことの意識の中で行かれるわけですし、当然その場合はこれは輸送業務でありますから、西に行かれる方についても既にその会社、所属する会社はどこになりますか、そこに自分は決定をするのだと、なっておるんだと、こういうことで行かれるということになるんだろうと思うんであります。
 そんなことでぜひ御審議をいただいているわけでありますが、準備が行われてまいりまするとそういう形の中で行われてまいりまして、先生言われますような御不安といいますか、そういうことが十二分にクリアできて、この法律ができて準備に入りますと、なるほどそうかと、こういうことを御理解がいただけるのではないだろうかと。こんなふうに実は、これは法令上、また取り進め方としても、また主管大臣としても、その辺のことは働く方にとりましても大変大事なポイントでありますのできちっとやるように指導してまいる、こういうことでございます。
#56
○小柳勇君 いや、私の質問に満足な答弁できないと――法律通らぬのですよ。法律通してからやるんじゃなくて、それは普通の工場ならもう社名変更でもあるいは破産宣告してでもそれはいいです、もう仕事をぴしゃっととめていいんだから。翌日から看板掲げて、それでさようならやってまた出発。だが輸送事業というのは、だから一日、三月三十一日に全列車とまりますよと国民に宣言すればまたそれも一つの方法かもしれぬ。いや、それはもう全部そのまま通りますと、そして名前だけ変わるだけですと、そういうことで三月三十一日までが国鉄職員で、四月一日から新社員でありますと。私は、今の憲法でも労働法でもそんなことは素直に皆さん国会でも通らぬと思うんですよ、私が納得できないもの、そういうことは。したがって、私は、これはもう違憲、違法、訴訟しなきゃならぬと思っていたんだけれども、この法律をぶっつぶすためには。またあなた方の法律をつぶすためにはそう思っているんだけれども、それはそれとして、まあ労政局長はお忙しいから、例えばあと希望退職というのが二万名ある。これ二万名は私はもう必要ないと思うけれども、それもこれは個人の希望退職だからそれは団体交渉は必要ない、今の問題、これが移行いたしますと、今の国労とか勤労とか施労ありますけれども、一遍これ全部職員がやめますから、もうこれは組合の交渉権などなくなるという判断をするか、いやこれは団体はこのままいきます、したがって新社は社長とまた組合が交渉しなさい、労働省としては、まず今のこの質問から答弁してください、どう判断してこの国鉄改革法に労働省はサインしておられるか、御答弁願います。
#57
○政府委員(加藤孝君) 法律論的、観念的に言えば、四月一日午前零時というものでぱっとそうなるということでございますが、実際の扱いとしては、今運輸大臣がお答えになりましたような形で現実的な不都合な事態というものは十分避け得る話であろうと思いますし、少なくとも午前零時時点で走っておる列車は、零時から、今までは国鉄の車両であったものが新会社の車両になるというような法律の性格上の変化というものはありますが、物は、これは同じ物が走っておる。こういうようなことに法律上はなると思うわけでございます。そのこと自身の労働法上の問題点というのは、これは民間におきましても何も必ずしも会社が破産したという場合でなくとも、例えば新しい会社にある会社が吸収合併される、それが四月一日に吸収合併されるということであれば、まさに午前零時を期して新しい会社の社員になるというようなことはあるわけでございまして、そういう意味で労働法上特におかしいとか問題があるというふうには見ていないわけでございます。それはそういうケースも大いにあり得ることであるというふうに見ておるわけでございます。
 一方、先生お尋ねの労働組合の関係でございますが、労働組合は、これはいかなる人をもって我が組合の組合員にするかということは、これは労働組合のみずから決定できる、自由に決定できる事柄でございます。したがいまして、新会社の労働条件について、新会社の従業員になった人の代表として、ある組合がもちろんこれは交渉できる話でございまして、新会社にまだなってない、だれが行くかわからぬ、そういう状態での、これまた雇用関係にない人についての交渉というのは、これはできないだろうけれども、雇用関係に入った人の交渉というのは、雇用関係に入った人の代表、要するに雇用関係に入った人を組合員に持っておる組合というものが交渉を当然なし得る、こんなふうに見ておるわけでございます。
#58
○小柳勇君 現在の国労とか勤労とかありますこの組合が、今度は四月一日以降新会社にいくけれども、そこで労働条件などを交渉する権限はあります、こういうことですね。
#59
○政府委員(加藤孝君) 四月一日以降新会社の従業員になられる方が出るわけです。その方々を組合員として持っておる労働組合は、その新会社と当然に団体交渉ができる、こういうことでございます。
#60
○小柳勇君 さっきの話になりますけれども、今度は希望退職二万名の話、後で、もう時間がありませんから午後になると思います。けれども、希望退職については個人だから、これはもう団体交渉の対象ではないというようなことを聞いておりますが、二万名という一つの大きな枠を国鉄で決めて希望退職を募るよと。その二万名というものは、例えば再建監理委員会答申の九万三千名の中の二万名であるということも大体みんなわかっていますからね。とするならばその二万名の希望退職を募る大綱ぐらいは各組合の団体交渉事項として処理すべきである。私はそう考えるわけです。局長、いかがですか。
#61
○政府委員(加藤孝君) 先ほどもお答えいたしましたように、何人の希望退職者を募集するか、それによって経営をどうするか、こういう問題は管理運営事項であると考えます。しかし、それによって起こってまいります労働条件に関連する問題、例えば希望退職者の、今後の例えば退職金の問題をどうするか、あるいはまた再就職先をどうするか、こういうような問題等労働条件に関係する問題は、団体交渉事項であると考えます。その場合におきまして、なぜ二万人の希望退職者を募集しなきゃならぬのかというようなことについて十分組合に対して必要性を説明し話し合いをするということは、結構なことであり、必要なことであろうと思うわけでございますが、そのこと自身がこの二万人ということ、そのことがずばり厳密な法律的な判断としてそれが団体交渉事項かどうかとなりますと、これは管理運営事項であろう。しかし、そういう法律的な、ここまでは管理運営事項、ここからは団交事項というような形の厳密な仕分けをやって話し合いをするということではなく、当然労働条件事項の中にも、その前提となる管理運営事項的な問題でも、話を聞かしてもらわなければよく理解できないというものもあるわけでございます。そういう意味で、例えば厳密な意味での団体交渉ではないかもしらぬが、事前の協議制であるとか、あるいは話し合いであるとかいうような手続というようなものは、民間においては一般に行われているところでございまして、そういう意味では国鉄においても、こういう経営問題、雇用問題に関しましての労使の、総裁、委員長を含むトップレベルでのこういう懇談会の場が今度つくられまして、そういう広く話し合いが進められるということは非常に結構なことではないだろうか、こんなふうに見ておるところでございます。
#62
○小柳勇君 労政局長御存じのように、国鉄職員は公企体の職員であるために公務員なみでありまして、失業保険などないんですよね、雇用保険ないし。それだけに例えば希望退職いたしまして後どこかに就職するのでも、相手の労働条件などによって幸不幸が出るわけですね。したがいまして、そういう点はやっぱり希望退職を募って、今度応募した諸君に対し、労働者に対して、やっぱり親切に先の職場の確保といいましょうか、職場の労働条件などもやっぱりできるだけあらかじめ本人に言って、そして希望退職させるのが、労働者保護として非常に必要なことだと思うが、いかがですか。
#63
○政府委員(加藤孝君) いずれにいたしましても、厳密な意味での団交事項であるとか、あるいは管理運営事項であるとか、そういうような法律判断というのは、例えば、それが、拒否が不当労働行為になるかとか、ならぬかとか、そういうぎりぎりの法律論としてのまた議論であるわけでございまして、そういう現在少なくとも組合員がいろいろ心配をするような問題等々、とにかくいずれにしても労使の間でそれが団交という形でなくともいろいろ話し合われ、理解を深め合って、そして現在の国鉄の置かれた厳しい状況をどう改善していくか、そういう形での労使協力体制というものが、そういう話し合いの中で、相互理解の深まる中で出てくるという意味において、ぜひ問題を限定しないでいろいろ話し合いが行われていくということを期待をいたしておるところでございます。
#64
○小柳勇君 どうも労政局長ありがとうございました。
 広域配転の最後の質問ですが、総裁、さっき例えば九州から、あるいは北海道から配転に応じた者が新鉄道会社に残りたいというような者があれば、それはできるだけそれを希望を聞くとこういうような答弁がございましたが、その程度でございますか。広域配転をした者は大体新会社の鉄道員ですよと。そこのところをちょっと説明をしておいてください。それでこの広域配転の質問を終わります。
#65
○説明員(杉浦喬也君) これは最初の募集のときの条件、これはもうちゃんと職員に示しておるところでございますが、その中の一項目に、職員の将来の希望については十分にこれを尊重して達成できるように努力するというふうに一項目書いてございます。まさしくそのとおりでございまして、先ほど言いましたように、その希望が何であるかは実は確認をしておりませんが、想像すれば、それはやはり将来も鉄道マンとしてやっていきたいという希望は多いんだろうと思います。しかし、それが全部であるとは思いません。やはり公的部門へ行きたいという希望も相当ございますから、新しい任地におきまして公的部門へ行きたいんだという希望も必ずやあると思います。そういうものも全部含めまして、本人がどこへ行きたいかという希望はできるだけかなえてあげたい、こういうことでございます。
#66
○小柳勇君 家族も本人も大変な決断です。私も何人も聞いていますから。したがって、その一家あるいはその周辺の皆さんがひとつ安心して将来とも働けるように、十分希望を聞き、万全の対策、最高の対策をとっていただくように希望いたします。
 時間がありませんので、希望退職の問題に質問入りとうございますが、運輸大臣、ほかの通産大臣とか経企庁との相談もありましょうから、ちょっと昼飯前に質問をいたしておきたいんです。そして午後の再開のときに希望退職の問題を質問いたします。
 私はこの間の本会議でも質問いたしましたように、産業構造の地方分散とかあるいは地方交通線の強化、先般予算委員会で質問しましたように、自動車洪水を解消して、地方都市の県庁の皆さんがマイカーで今通勤しておりますが、渋滞でほとんど通勤通学不可能です。したがって、何か地方交通線に快速電車を走らせたいと思うわけです。そして電車で通勤通学、あとマイカーは自分の駅まで、そういう構想のために、これから地方交通線は高速道路の自動車と競争するような体制をとらなきゃならぬ、そう思いましていろいろ調べました。高速道路を一キロつくるのに幾らぐらいかかるかと調べてみますと、大体平均が一キロ当たり約四十九億円かかります。しかもなかなか土地の買収難で進みませんで、高速道路網もなかなか伸びません。国鉄の方の、今百キロで走るためにはレールが小さい。また、路盤が弱いから強化しなきゃならぬ。それで複線電化、そして六十ないし五十キロ軌条にかえてそして百キロで走らせるためにはどのくらい経費がかかるかと調べました。最近のではありませんが、四、五年前の計数を掛けまして、一キロ大体十億ないし十二、三億。それからもう一つは、今鉄鋼産業がまた不況になりました。私の地元でも新日鉄や住友金属がありますけれども、鉄鋼産業は不況であります。だから、この二万人の希望退職に今年度予算千九百三十六億円、皆さんの御努力を感謝しますが、そういう金の一部あるいは全部でもいいが、六十キロ軌条にこれを切りかえる。そして、とにかくこの二、三年の間に、今余剰人員が二万おるとするならば、その人をその方に振り向けて、急速度に地方ローカル線など、あるいは地方交通線の強度化をして、快速化をして百キロ電車をつくって高速道路の自動車と競争する、そういうことも考えたらどうかと思ってずっと各省の資料をまとめておりますよ。
 鉄鋼産業も特に最近円高もありますし、輸出が落ちまして、今大変だといっておりまして減益になっております。内需拡大の今中曽根総理も円高で苦労しておるようでありますが、内需拡大などはそういうふうに目に見えた地方交通線の強化、それは産業構造の地方分散、こういう大義名分を立てて、そして快速電車を走らせる。あるいは今電車じゃなくとも、この間四国をずっと調査しました。四国の総局長が言うのは、先生もう六十五キロが精いっぱいですよというんだ。ちょっと九十五キロまで走らせましたけれども、これは四十五億ぐらい金がかかりましたと、音を上げてますから、国家的な仕事として、ガソリン税などを少しそっちの方に回して、鉄道にあれをおんぶさせないで、国家的な内需拡大方策として百キロ電車の構想を三塚名運輸大臣がぶち上げられたらどうかと、こう思うわけですよ。したがって、昼休み中に運輸大臣だけでは答弁もできぬかもわかりませんが、通産大臣や経済企画庁とも相談し合って、何か前向きにこの際ひとつ打ち上げたら国民もああそうかというような、電機産業についてもやっぱり不況ですから、この際ひとつ田舎の線の快速電車方式というものを運輸省なり国鉄がぶち上げたらどうかと思いますので、まずひとつ運輸大臣の見解を聞いておきたいんです。
#67
○国務大臣(三塚博君) かねがね交通行政、総合交通体系について御造詣の深い小柳先生の御研究の御提言、既に運政局長、棚橋審議官を通じまして、実は十二分に検討をしろ、こういうことで寄り寄り協議をするようにということで、けさ方委員会に臨むに当たり勉強してきたところでございます。
 御指摘のように、経企庁及び通産あるいは財政当局、さらに警察庁、関係省庁、建設省も入るわけでありまして、総合交通政策として、もちろん国土庁も入ります。そういうことで取り組まなければならぬ問題であります。
 鉄道事業の特性はどの分野に生かさしめていくべきであろうか、こういう点で先生の御指摘も一つの示唆に富んだ御提言でございます。モータリゼーションとは言いながら道路建設がそれに到底追いついていけないのも昨今の状況でございまして、特に大都市交通はまさに鉄道がその優位性を発揮いたしておりますことも御指摘のとおりでございます。都市間輸送の通勤通学にこれまた優位性も発揮されております。あるいは新幹線が今成果を上げておりますが、今後新幹線のあり方を、ナショナルプロジェクトとして、盛岡以北なり北陸なり九州なりあるいはせっかく青函トンネルがあくわけでございますから、考えなければならない。しかし、これは財源検討委員会等で目下検討中であるわけでございますが、主管大臣とすれば、その方向で全力を尽くさなければならぬなとかねがねの御指摘をいただいておるところでございます。
 要は、思い切ってこの政策をどう展開をするかという点で、要すれば財源の問題、先生今ガソリン税、道路だけに使わぬでやれと。かつて私ども運輸省と一体となりまして道路交通の整備特会で鉄道事業の財源をねらったのでありますが、あえなく道路の方が重要で人の財源に手を突っ込むなというので、大変激しい反対に遭いましてだめでありましたが、しかし、決してあきらめておるわけではございません。そういうことで、また御援助をいただきながらこういう問題に全力を尽くして構築をしてまいり、財源をひとつめどをつけ、そしてこういう鉄道をきちっとやっぱり、先生の言うように複線化、また百キロに耐え得るその六十キロ以上と、こういうものにも前向きに取り組んでいかなければならぬ、これは運輸省として当然かなと。御指摘のように、他の関係省庁とよく協議をしつつ取り進めてまいりたいと、鉄道の特性が生かされる分野にやはり思い切ってこれを助長していくことが鉄道再生につながることである、こう存じておるところでございます。
#68
○小柳勇君 もう一問ですが、それはおとといのNHKの放送でしたが、交通事故がやっぱり年間九千九百名、減らない、ふえる状況であります。この間の本会議でも提案しようと思ったけれども、時間がありませんで提案しませんでした。これは午後労働基準局長に来てもらいますが、白トラの取り締まりその他ありますが、一番大事なことは政府全体でこの事故対策の閣僚会議をつくるべきではないか。それは事故対策といって余り具体的であり過ぎるならば、交通渋滞、何ていうのかな、交通渋滞解決のための閣僚会議とか、何か後藤田長官にもひとつ相談しようと思っておったんですが、交通事故対策あるいは交通渋滞解決のための閣僚会議ぐらいの、運輸大臣が中心になって、警察庁長官でも一緒でいいですが、そういうものもこの際ひとつ提案しておきたいんですよ。そうしませんと、これ四、五年しましたら、本当に、きのう飛行場から来ますのに車の混雑で一時間半かかりますものね。使い物にならぬようになりはせぬかと心配いたしますから、何かあるときには、もうマイカーはどこか制限するような何か閣僚会議でも設置するような方向でひとつ政府で検討してもらいたいが、そのことも含めて、前の問題と含めて政府部内で御相談の上、午後の再開のときにひとつ見解を聞きたいと思います。
 以上です。
#69
○委員長(鶴岡洋君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五分開会
#70
○委員長(鶴岡洋君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#71
○小柳勇君 運輸大臣、午前中に申し上げました二つの問題、一つは百キロ電車の問題、それから一つは交通問題、渋滞対策及び事故防止のための閣僚会議の設置はいかがでしょうか。
#72
○国務大臣(三塚博君) 百キロ列車につきましての構想、大変今後の都市交通として一つのポイントを突いた御提案でありますことは率直に評価をさしていただくわけでございますが、何しろただいまのところ再建ということで、必要最小限度の安全性、その他の設備充実ということに向けて本年度取り組んでおるということであり、六十二年度以降、法律を通さしていただきますならば新会社に移行するわけでございますから、その中で、経営の基本といたしまして本問題をどう考えるか、都市交通として、大都市圏交通として重要な提案でありますので、それは、経営者は本問題を真剣に考慮するでありましょうし、運輸省としてもそういう観点から取り組まさしていただきたいと思っております。
 また、渋滞に関する閣僚会議等設置をし、取り組んでほしい、こういうことであります。小柳先生、既に政府に中央交通安全対策会議と、言うなれば総理大臣を長とする十六閣僚の閣議がありますことを御案内の上で御質問をいただいているものと思います。
 ただ、五十六年開いたきり、本年三月二十八日、第四次交通安全基本計画を決めることについて開きました。五年に一遍という、これは何だと、そうはおしかりいただきませんでしたが、それを含めて言われたのかなと、実はお聞きをしてそう感じました。
 よって、この交通安全対策会議、基本計画を立てるときにだけ開き、あと事務方にお願いをしておくということではいかぬだろう、こういうことで、この会議のときに、関係閣僚十六人全部集まらぬでも、御指摘のように警察担当の自治大臣でありますとか、建設大臣でありますとか、国土庁長官でありますとか、私、運輸大臣、こういうことで協議の場を持ち、やはり交通渋滞対策等について検討を進める。この中央対策会議の中のまず最初幹事会のようなもので練っていただき、必要があるわけでございますから、今申し上げましたような少数メンバーの関係閣僚で協議を取り進め、本問題の解決のために努力をしてまいりたいと、こう考えておるところでございます。
 なかなか他の閣僚、そうですね、急に言われてもということで頭を抱えておられたようでありますが、引き続き運政局長をしてそういう幹事会のようなもので取り進めさすことについて取り組んでまいりたい、こう思っております。
#73
○小柳勇君 後段の方の政府の御努力を要請いたします。
 前段の方は、我々は新会社設立を肯定しているものではありませんので、その点はひとつ十分了承してもらいたい。そして、新会社になればやっぱり採算を重視するから、設備投資にその金を使わぬだろうと思って、その点を心配しながら提案したわけです。我々の案でいけば、日本鉄道株式会社ですからね。しかも、政府が年間千五百億ぐらい、これは地方ローカル線などの、あるいは三島の補助として一定限度、千五百億ぐらいは政府が補助するという立場で経営見通しを立てておりますものですから、ただし、それも五、六年の間でして、五年しますと大体黒字になるという新日本鉄道株式会社を我々は提案していますから、またこれは今度あと衆議院の方で論争いたしましょう。
 したがいまして、今の百キロ電車の問題は、日本の鉄道の将来の夢として、どうぞひとつ運輸省もそれから国鉄も腹に入れておいてもらいたいと思うところであります。それでは希望いたしまして、次に本題の法律の希望退職の問題で質問いたします。
 二万人の希望退職を、千九百三十六億の金を使って一年間に希望退職を募るうとされておりますが、法案成立後に国鉄はどのようなプログラムで募集をやられるか、時間が少ないので簡明に御答弁を願います。
#74
○説明員(杉浦喬也君) 法案が成立し次第なるべく早く、それまでにも準備をさしていただきたいと思いますが、希望退職の募集の方法、これを具体的に決めまして、職員に周知徹底を図り、若干の周知期間を置いた上で直ちに募集にかかりたいというふうに思っておるところでございます。
#75
○小柳勇君 おとといの公明党の矢原先生の質問で、余剰人員、九万三千名も要らない。後で余剰人員問題は私もまた徹底的に論争いたしますが、四万一千名の清算事業団に残る職員もそう数は、もう四万一千名より少なくなるだろうという話もあったらしいが、二万名希望退職募集しないでもいいではないかという見解を私持つんですが、いかがですか。
#76
○説明員(杉浦喬也君) 若干の人数の実績が出ておるところによりますと、数字が若干変わってはきておりますけれども、ただ、もう現在時点におきまして三万八千人の余剰人員が既に発生をしておるわけでございまして、これからそれがふえていくということは間違いないことでございますので、やはり今年度の通常退職者の数、これもまた推定でございますので、若干名出ることをも予想をした上で、なおかつ余剰人員対策の円滑な遂行ということのためには二万人の目標で希望退職を募るということが必要であるというふうに思っております。
#77
○小柳勇君 この問題の質問の途中ですが、労働基準局の政府委員見えておりますね。一時半までの約束ですから今質問いたします。
 それは、今運輸大臣がおっしゃいました交通渋滞の解消なり交通事故を絶滅するために、今一番心配なのは八百三十万台ぐらいの白トラが、自家用並びに白ナンバーのトラックが自由に横行しておりますが、それには運転手の労働条件の規制である二七通達が適用できない。したがって、我々としては今の交通安全を守る上では二七通達の法制化、これが本当の基本であると再三再四この委員会でも本会議でも予算委員会でも言ってきたのであります。それで、先年私が東ドイツの長距離トラックの協会長と会談いたしましたときに、その会長が言われるのは、トラックの運転手なりあるいは汽車の運転手なりあるいは飛行機のパイロットも同じであるけれども、交通機関のパイロットの労働条件を平等にすることが国の流通機構の一番基礎である、あるいは物価の基礎でありますよと。したがって、短距離のトラックについては自由に野放しでもいいけれども、長距離トラックだけは運転手の労働条件をぴしっとしておくことが国の経済の流通の一番基礎ですとおっしゃいました。それが今でも腹にずっとあるのでありますが、二七通達の法制化について再三問題にしているけれども、労働省の確固たる決意をお伺いしたいと思います。
#78
○政府委員(稲葉哲君) 先生御指摘の二七通達につきましては、これが拘束時間とかあるいは運転時間、さらには休息時間といいましたいわば労働基準法で規制されていない事項を主たる内容としておりますことから、私どもとしてはこの問題を全産業に適用されます労働条件の最低基準でございます労働基準法体系の中で、特定のこういった職種に適用されます事項を取り入れて法制化するということにつきましては困難だというふうに考えているところでございます。
 ただ、昨年十二月に労働基準法研究会から最終報告が出されておりまして、その中で二七通達につきましてこれを法制化することの是非を含めて自動車運転者の特性に応じた労働時間の規制のあり方を検討すべきであるというような御提言がなされておるところでございます。
 私どもといたしましては、この問題につきまして今後中央労働基準審議会にお諮りして検討してまいるわけでございますけれども、その審議結果等を踏まえまして、またその審議状況を踏まえまして、また先生御指摘のような外国の法制の状況等もよく調査いたしまして、また関係省庁いろいろわたりますので、それらともよく相談しながら検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#79
○小柳勇君 非常に何か今の答弁でも熱意がないのよ。あなた任せで、審議会に任せるとか、これは中曽根総理もそうだけれども、みんな諮問機関に全部任せておいて、自分がいいのだけとって、これ、好かぬのは全部諮問会、諮問会とやっている。労働省は一番労働条件を守るというのが労働省の生命でなきゃならぬ。労政局長は労働行政の方針を言われるが、労働基準局長というのはぴしゃっと法制化して、それで国の秩序を守る、流通の秩序を守ることが基準局の仕事ですよ。労働大臣に来てもらいたいが、労働大臣は参議院だからちょっと情状酌量して、もう少し基準局、ちゃんとしてもらいたい。
 もう一つは、先般私は朝日新聞の古い記者、ベテランの記者と話したときに、二七通達を御存じないわけ、内容を。あれだけの立派な労働条件の基準があるのにベテランの新聞記者が御存じないということは、これは労働省の怠慢だと思うよ。あれをわかるだけでも運転者が自重しますよ。しかも、経営者が自重しますよ。そういうことでありますから、もう少し世間にわかるように、トラックの運転手の労働条件はこんなものだ、これを守らぬと事故起こりますよとPRでもやってください。その点どうですか。
#80
○政府委員(稲葉哲君) 私ども当面は二七通達の実効あるような施策をとってまいりたいというふうに考えているところでございまして、先生御指摘のようなPRの欠けている点につきましては、今後傘下の労働基準局、監督署を通じまして、さらにはそれを通じての関係団体等への指導徹底につきましてさらに一層努力させていただきたいというように存じます。
#81
○小柳勇君 せっかくそれまで答弁されましたから、局長や大臣と御相談をしてもう少し具体的にあなたの今の感想を言ってください、PRの方法。
#82
○政府委員(稲葉哲君) 私どもとしては、やはり地方の行政機関を持っておりますので、具体的に監督課長会議等におきましてこの二七通達の一層の徹底につきまして指示をいたしたいというふうに考えております。
#83
○小柳勇君 それじゃどうぞ政府委員、退席していただいて結構です。
 国鉄総裁なり運輸大臣、失礼いたしました。そこで、次は希望退職の問題でありますが、さきの広域異動でも問題となりましたが、国鉄の回答は、必要な説明はする。組合から労働条件について申し出があれば団体交渉は行う。職員には周知徹底するというものでございました。今回の希望退職については労働組合との関係はどういたすつもりでございますか。
#84
○説明員(杉浦喬也君) これは、今御審議いただいております法律が定まった後におきまして、この法律の定めによりましてやる部分、これが大部分だろうと思いますけれども、法律の定めに従って諸準備、諸施策を講じていきたいということが第一番でございます。しかし、これを有効に活用していくためには、やはり労使が相携えまして共通の認識に立つということが必要であるというふうに思います。
 まあ、そこでその手続や手順等を具体的に早期に決めまして、案をつくりましてこれを労働組合に提案をいたします。組合と話し合いをしていきたいというふうに思っておるところでございますし、また、それに伴いましていろんな労働条件にかかわるいろんな問題が出てくると思います。具体的な労働条件につきましては、これもまた団体交渉によりまして十分に話を詰めていきたいというふうに思っております。
#85
○小柳勇君 具体的ですけれども、例えば募集開始の時期とか数とか、それから認定の基準とか募集方法など労使で協議すると、こういうことですね。
#86
○説明員(杉浦喬也君) 十分に話し合いをしていきたいと思います。
#87
○小柳勇君 それから広域配転のときには、本人の希望といいながら若干強制があったようです。何回も呼んで、一回呼んで私はその意思はないかと言うと、また次に呼んで、少し強制的に、おどしもあったというような事例がありますけれども、それは公の場ですからね。もしそういうものがあればそれは大変な問題ですが、絶対に強要はしないと、本人の希望ですよと約束できますね。
#88
○説明員(杉浦喬也君) 希望退職は、その名前のとおり希望による退職でございます。あくまで本人が希望しないものを強要、強制することはございません。
#89
○小柳勇君 政府案では、本法律の四条に、「業務量に照らし著しく過剰である状態を緊急に解消するため」と、こう書いてあります。で、この「著しく過剰」とは一体何事かという国鉄職員からの苦情もあります。まあ、きのう審議官といろいろ話した過程で、いや、それは法文としては「著しく過剰である」ということによって予算も取れますと、あるいは法律もちゃんとつくれますと。著しく過剰でないなら何も別に法律は要らぬですよと言われて、その点は労働組合あるいは職員は納得しないわけだ。との「著しく」を削除せいと、そんな意見はたくさんあるわけですよ。私は審議官の言うあれも、やっぱり政府で予算、例えば千九百億円も取るのはなかなか大変だったろうからそれはわかるが、ただそれで雇用の確保をするというには、希望をした人は今度は次にやっぱり生きなきゃならぬ、生活しなきゃならぬ。そのための本人が希望した人の将来の就職先などについての職場の確保、就職先の確保、その点についてのこれは大臣と総裁から決意を聞いておきたいんです。
 どうぞ大臣から。
#90
○国務大臣(三塚博君) お答えを申し上げます。
 希望退職で応ぜられて退任をされる方につきましては、事業体の最高責任者である国鉄総裁が中心となりましてしっかりと再就職ができ得ますように措置するものと考えておりますし、運輸省としてもでき得る限りのことはしてあげなければならぬなと、このように思っておるところでございます。
#91
○説明員(杉浦喬也君) 希望退職の一応の目標の二万人の雇用の場というものはしっかりとこれは確保したい。私どもでできる範囲、関連企業等にも既にお願いをいたしております。その他政府全般の御努力、御協力によりまして一般産業界あてにも働きかけ、何とか雇用の場というものを十二分に確保した上で、希望退職者がその就職先を選定できるようなそういうような方法にいたしていきたいというふうに思っております。
#92
○小柳勇君 二万名の中で八千名ぐらいはもう関連事業に大体就職決まりましたと、そういう話聞きましたが、確かですか。
#93
○説明員(杉浦喬也君) 関連企業へのお願いの数字は、全体で五年間に二万一千人というようなことで、それぞれの会社でどのくらい御協力いただくかという数字は全部詰めでございます。それの総合計が二万一千人、それの年度割りをいたしたわけでございますが、昭和六十一年度いっぱいまでで約八千人の関連企業への雇用の場というものを確保できるというふうに詰めておるところでございます。
 ただ、これを希望退職者のうちでどういう年齢層を、また職種別にどういう地域で受け入れさせるかということにつきましてはまさしくこれからの詰めでございまして、法案が通り次第具体的に、個人別にこれを当てはめていくというふうにしてまいりたいと思います。ただ、総枠は八千名は確保できているということでございます。
#94
○小柳勇君  その八千名が、関連企業に行きますと関連事業はどう待遇するかと、それが明らかでありますと、今度は希望する者にこういうところがあるがどうか、こう言えますね。大体八千名はそれは希望先の関連事業の中で八千名の就職先、労働条件など見当ついているという意味ですか。
#95
○説明員(杉浦喬也君) 会社別に細かく数字をはじいております。したがいまして、どの地域のどの会社が何名受け入れられるかということはこれはつかんでおるわけです。
 労働条件につきましては、ちょっとまだ必ずしもはっきりいたしておりませんが、現在のその会社の労働条件はわかっておりますから、そうした労働条件の前提で考えることも可能であろうと。したがって、あとは個人ごとにその希望に沿った形で年齢別、職種別、地域別のはめ込みがどういうところにいけるかということを今度は具体的にやるというのが法案通過後の措置だと思います。
#96
○小柳勇君 一応それで置いておいて、一万二千名はどうされますか。あと今八千名があったが、今年度中に、三月三十一日までに二万名というでしょう。あと一万二千名の職域についてはもう大体見当ついておりますか。
#97
○政府委員(中島眞二君) 希望退職者の二万人の再就職先といたしましては、現在政府におきましては全体六万一千名の国鉄職員の再就職の場を確保するということで対処しておりますが、この六万一千人というのは希望退職者二万人を含んだものでございます。そういうことで、六十一年度から六十五年度初めまでにかけまして六万一千人分の雇用の場を確保しようということで基本方針を決めまして、今関係者の間で努力を重ねているところでございますが、この六万一千人の中の希望退職者二万人の再就職先といたしましては、その中から六十一年度とそれから六十二年度の当初に採用していただける分、この中から二万人分が当てられるということになるわけでございまして、現段階でそれに当たるものとして明らかになっておりますものが国鉄関連企業の八千人分でございます。残りにつきましては一般産業界と公的部門の採用の中から充てるということでございまして、それぞれの分野につきましていろいろと求職の申し込みがございます。それらの数字を積み重ねまして、そしてこの八千人を上回る分の希望退職者の雇用の場も確保していくということで、今努力を重ねているところでございます。
#98
○小柳勇君 今は国鉄職員ですから、国鉄職員の中から二万名希望退職を募るうというのでしょう。しかも、それは今年中にやめる人に特別給付金ですよというのでしょう。あなたの話では、今八千名は総裁から話を聞きましたけれども、国鉄の方では一万二千名についてはどうですか、責任ないのですか、総裁、八千名のほかは。
#99
○説明員(杉浦喬也君) 公的部門の問題がございまして、これは全体ここ四、五年間を通じてのお願いでございますが、私を初めといたしまして、国鉄の現地の管理局長が地方公共団体の皆様方にお願いに再三再四参っておるところでございます。
 また一般産業界につきましても、経済団体の東京におきます四団体、関西の一団体、あるいは各地方地方での経済団体を通じまして、産業界での受け入れにつきましてお願いをしておるところでございまして、既にこれは本年度のみでなしに、五カ年分全体にわたりましてのお申し込みが次々となされている。これはまだ総体六万一千人に到着いたしておりませんが、かなりの数が今申し出が出ている。その中で六十一年度中、また六十二年度首、この両方にまたがる数字の受け入れにつきましてこれから具体的に詰めていくということに相なろうかと思います。
 公的部門につきまして、既に六十一年度首の採用がかなり決まっておることもございますが、そうした前倒し分も含めましてこれから具体的な詰めをやっていきたい、政府の御支援をいただきながらやっていきたいというふうに思っております。
#100
○小柳勇君 この法律だけはできましたけれども、まだ一応募集をするときに、こういうところにあるが君どうかと、そこまでの体制はまだないような気がする。国鉄で今八千名あるけれども、関連先で労働条件もまだそこまでいきませんと、それから運輸省の方もあるいは公的機関などもありますけれども、まだ一万二千名の者も今年度中かあるいは来年当初、六十二年度の方にも入るような話ですが、それでもう一つは、公務員になりました者は特別手当やりませんと言うから、民間だけですから、そうしますともう少しこの法律をつくるときに、法律を通す前に、もう少し具体的に希望退職こういうところに大体ありますと、募集していいでしょうか、だから法律出しますとなりませんと、運輸大臣、法律だけどんどこどんどこ先に出しておいてまだ五里霧中ではこれは論議できないわね。これはちょっと無理だな、委員長。この法律をこの国会で通すことは、これは無理じゃないかな、全然あいまいもこだもの。どうですか、運輸大臣、全然まだあいまいですね。これで、例えば労働組合との団体交渉にしましても、私が今言ったようなことを組合は聞きますよ。答弁できないでしょう。そうしたら、いや答弁できないから個別にやるよと、そうすると今度は強制になりますね。君どこへ行けとか、手当十カ月やるから君やめいと、先は先何とかなるわと、そういうようなことでは私はならぬと思う。いけぬと思う。少なくとも国の、公共企業体の職員です。だから失業保険もない、雇用は将来確保する、五十五歳定年まではちゃんと雇用を確保することで皆試験受けて入っているのだから、それを募集するなら、もう少し確固たる就職先なり、条件なりがあって、こういうところがあるがどうか、それがこの法律を出す基礎になければならぬと思う。ちょっと論議できないのじゃない、この法律は。どうですか、運輸大臣。
#101
○国務大臣(三塚博君) 本件は先ほどもちょっと触れられました著しく過剰な状態を解消いたしまして、経営の合理化に資するという提案の理由、その「著しく」は、小柳先生いみじくも御指摘いただきましたように、二万人の希望退職を予定し、これに対応する特別給付金、これを確保してまいらなければなりません、こういうことだと、それも一つかと思いますが、基本はやはり経営合理化、効率的な経営をさせていただく、これが一点であり、それともう一点、これは政治家として申し上げさしていただくわけでありますが、先生方もその辺はお口に出す出さぬは別に、頭の中でなるほどそんなことかいな、こんなふうに御理解をいただいていることは、法律が御審議いただき、可決決定直後からスタートを切らさしていただくことに伴いまして、やはり新経営体が展望の立った形で取り組まさせていただく。もちろんその二十一万五千人体制というのはここにあるわけであります。清算事業団がその職員を抱えまして、先ほど来御議論がございましたとおり、その中で再就職の方向を確立をしてまいるわけでありますが、そういうマクロで見まして、そこで方向づけをさせていただく。一応それはおくといたしまして、本論の、著しく過剰な状態を解消いたします、予定いたしましたのは二万人程度であります。こういうことの論議の中で申し上げさしていただきますならば、ただいま八千人、国鉄総裁から、また中島審議官からございましたとおり、それは出ております、こういうことなんですね。二万人予定でありますから、一万二千どうするのか、こういうことでありまして、本件は法律を通させていただいた時点で初めてこの具体的な行動に入るわけでありまして、かねがね御指摘のように、法律が通らぬのに君ら何をしておるのだ、こうおしかりを受けるわけでありまして、そういう中で今後これが御審議をいただき、成立をさせていただきますならば、十カ月間これはあるわけでございますから、先ほど来申し上げておりますとおり、政府の責任において第一次的には国鉄総裁が中心となり、国鉄が全力を挙げてその方途を講ずる。しかし、それは六万人のうちでありますから、雇用対策本部、本件についてしっかりとこれを支えまして取り組まさしていただく。よって今地方公共団体及び電力関係と産業界の年度内採用についてお願いを申し上げております。これからの集計分も出てこようかと思います。そういうものをプラスさせていただきながら、希望退職をいただく職員の方については、残されたそれまでの期間、また行かれる会社によって定年といいますか、勤務年数というのはそれぞれ違うわけでございますから、そういう点で十二分の対策を立てまして取り組まさしていただく、こういうことで取り進めておる、こういうことであります。
#102
○小柳勇君 ちょっと今大臣の答弁でも納得できませんから、この問題は保留いたします。質問、委員長保留いたします。
 お願いしておきますけれども、国鉄も運輸省の方も今交渉先を、国鉄は八千名ぐらいは何とか関連企業にとおっしゃっている、運輸省は一万二千名いろいろ公共企業体とか公務員とか民間にとおっしゃいますから、それを文書で十九日までに出してください、大体見当を。それから質問しましょう、今これでは答弁、そんなことではこの法律通すわけにまいりません、それは。
 そこで、もう一つは十カ月プラスというのは一体根拠は何ですかと、それをお聞きしておきます。
#103
○政府委員(棚橋泰君) 特別給付金、基準内給与の十カ月ということで計算をいたしまして、予算のときの積算基礎になっています。これにつきましては政府部内でもいろいろ検討いたしました。国鉄から進んで希望してやめていこうという職員の方々でございますから、できるだけ多くの特別給付金というものを報償的な意味で支給をしたいというふうにも考えるわけでございますが、一方民間企業等におきまして同様の希望退職を募っておる例もございます。
 それから、御承知のように過去に政府関係としては電電公社に例があるわけでございます。そういうようなことも勘案をいたしまして、いろいろ議論はございましたけれども、大体十カ月というあたりで十分な対応ではないかと、かように考えた次第でございます。
#104
○小柳勇君 資料もいただきました。だから、他の民間会社なりその他の基準もここにいただいて為ります。ただ、今の御答弁、さっきの答弁などを考えまして、若い者も希望するでしょう、五十二、三だけではないかもしれぬ。それらを考えますと、例えば十カ月にいたしましても、二、三カ月すればこれはもう生活費に使ってしまう。したがって、就職先の確保とかなどを考えます。それからもう一つは、退職時の昇給の問題などございまして、最後の問題ございますけれども、それは後の希望退職の問題のこの次に皆さんの御答弁が来た後、重ねて質問しましょう。希望退職の問題については一応問題保留したまま次の問題に入ります。
 著しく過員を生じたというその問題について、余剰人員の問題について質問いたしておかなければなりません。余剰人員を九万三千名、このおたくの方の文書、この間いただきましたのにこういうのを書いてあるんです。現在員及び所要員、余剰人員を出してくださいと言ったらこう書いてあるんですよ。「昭和六十一年度首の現在員は、二十七万七千人であるが、今後の余剰人員対策の枠組みからすれば、これを希望退職及び年度末退職等により昭和六十二年度首においては、二十五万六千人以下の職員数とすることが必要であり、そのために最低限二万一千人の縮減を目指していくことになる。」、とにかく余剰人員を先に枠がありまして、それにどんどんどんどん現在員も所要員も合わしていくような体制、これは根本的に私は鉄道経営間違っていると思う。先般の本会議でも質問いたしましたように、ここ数年来労使は団体交渉によりまして企業合理化によりまして二万ないし三万人ずつずっと毎年減ってきているわけだ。そして、監理委員会すらことし二十八万六千人だろうという目標を立てておったのがもう二十七万七千人になってしまっている。なぜこういうように要員削減がテンポが速いか、いろいろ私も何でそんなに速いかなと思ってみたら、とにかくこの文書は、これは国鉄からもらった文書だけれども、この余剰人員に合わせるためにどんどこどんどこ強制的に要員削減を図っているような気がしてならぬ。朝、午前中のあの無人駅の問題も一緒。駅を無人駅にして職員を削減する。それから、ここに、後で九州鉄道のときに質問しようと思っているけれども、要員を削減するために、例えば大井町、日暮里地区電力指令統合、あるいは横浜地区電力指令統合などに四億九千万あるいは二億五千万の金を投資して指令室をつくる。これで二百五十人を、そのためにはもう即断即決。金が足らぬといいながら、二百五十名のとにかく要員を削減せい、そのためにひとつこれへ金ぶっつけいと。もっとほかに金を使わなきゃならぬのに、大事な設備投資の金を要員削減。もちろん、それは要員削減も必要。必要だけれども、この九万三千名の余剰人員を今生み出すことに精いっぱい、それが国鉄の幹部の仕事のような気がしてならぬ。それでは汽車は動かぬです、安全には。九万三千名算出した根拠について説明してもらいましょう。私はずっとこの回帰式も分析してきた。国鉄の線区を五百ぐらいにずたずたに切って、そして民間の大手と小私鉄を一緒にして、六十一社平均して、これで計算していくと運転士がゼロになるところがある、保線区員がゼロになるところがある。しようがないから〇・四の係数を掛けたり〇・二三の係数を掛けたりして無理に一を生み出している。なお人数が余りにも少ないものだから、二割足しましょう、それでも少ないから一割、一割八分プラスしましょう。それでも、なおどうしてもちょっといかぬから、三万二千名は、これは新会社に持っていきましょう。全然もう考え方が逆です。駅員の安全のために何人要るか、運転士が何人要るか、施設の線路を保守するために何人要るか、あるいは管理者が何名要るか、そういうのを全部下から積み上げていって定員は今まで決まってきたんだから、現場で、我々も決めてきたんだから。全然逆に、外から、九万三千名は余剰人員ですと、その計算したのが二十八万六千人がことしの当初の予定であった。ところが、もう二十七万七千人になっている。急激に要員が削減している、その根拠を説明してもらいましょう。
#105
○説明員(杉浦喬也君) 要員の合理化につきましては、私どもはやはり効率的な経営、コスト削減というようなことが非常に重要な事柄であるということでございまして、そういう意味におきまして昨今懸命な努力をここに傾けておることは事実でございます。既に昨年の十月に六十年度の当初におきます要員規模二十八万一千五百人、これをどの程度の人数に持っていけるかということの全体の検討を既に行ってきておるわけでございまして、十九万五千人というような数字を我々は本社段階におきまして地方と連絡をとりながら一応の目標を立てまして、そこでそうした十九万五千人の具体的な内容につきまして、これは本社事項、地方事項というふうに分かれますから、本社の事案として処理すべきものにつきましては、既に今まで労働組合との間で懸命な交渉を行い、継続中でございます。
 それから、地方におきましても各管理局別にそうした要員につきましての目標を指示しながら各管理局におきましてはそれぞれの組合との間で具体的な合理化の中身についての交渉を現在継続をしつつございます。
 そうしたことが、一つはダイヤ改正ということにも具体的に結びついてくるわけでございますが、その具体的な中身が完全にセットいたしますと、ここに全体の合理化の全容が浮かび上がるということに相なるわけでございます。
 六十年度中の合理化の進展につきましては、各般の項目につきましての検討並びに組合との交渉ということの結果、当初の目標数字よりも約一万二千名も上回ることができました。当初約三万名という合理化の予想でございましたが、これを上回りまして四万二千五百人の合理化がまとまったわけでございます。引き続きまして、六十一年度中の合理化事案につきましてただいま申し上げたような交渉を行い、いずれこれが解決するものというふうに思っておるわけでございまして、その結果、すべての総体の数字といたしましては、約十九万五千人というような数字、これも関連企業への、新会社への充当人員というものを考えますと、これにプラスした数字でございますけれども、そうした数字がここに完結してくるであろうというふうに思っておるところでございます。
#106
○小柳勇君 そんな数字は監理委員会からもずっと先に出ていますよ、十九万五千人。どうやって国鉄が合わしたのかわからぬけれどもね。じゃ、その数字は現地の労働者、労働組合なりあるいは職員が十九万五千人に団体交渉でオーケーしておりますか。
#107
○説明員(澄田信義君) ただいまの十九万五千人体制というのは、監理委員会から言われた数字じゃございません。私どもが私どもの手で十分に検討した結果、先ほど総裁申し上げましたように、昨年十月に十九万五千人の体制を実現しようということで、二カ年間にわたりまして約八万六千人の合理化をやろうということで、各部門別に検討をいたしました結果、組合に提案いたしまして、今目下交渉中の事案でございます。したがいまして、そのうち、先ほど総裁申し上げましたように、四万二千五百ばかりは六十年度中に既に実施いたしました。残りの四万四千人ばかりを、これから十一月一日のダイヤ改正へ向けて今鋭意組合と折衝中でございます。
#108
○小柳勇君 そういうことを――組合からそんなことは話聞いてないですよ。十九万五千人の提案をして団体交渉に入ったなんて話聞いてない。そんな勝手な話をしたって国会通らない。
 この間の本会議でもちょっと言ったように、適正要員の問題で民鉄並みと言うけれども、これも何回も言う必要もないけれども、民鉄は今五千五百キロ営業キロ持っておるが、約十万人職員が働いていると。キロ当たりは十八人。国鉄の場合は、要員が二十五万人としてやっと十二・五人。二十一万五千の要員規模でいくと十・七五人にしかならぬ。また、この間もちょっと言ったように、千葉管理局と近鉄を比べてみても、千葉の方が七千七百七十七人、近鉄は九千九百九十六人。回帰分析でずっと私鉄を、六十一社を大手も小さいところも一緒くたにして、そしてこの計算方式でやってきて、大体皆さんが言っている十九万五千ぐらいが一応出て、それもずっと加算してきてです。回帰分析でやったものは十万人出ていません。しかも一番大事なことは、安全性もあります。職員がどういうふうに働くかという労働条件もあります。それから、今日まで日本国有鉄道の職員の就業規則で働いたそのなれもあります。だから一年間のうちに、今までずっと百十何年やってきたその仕事が、一年間のうちに九万三千名がたっと減らして、そしてそのままの安全性を守れと言ったってそれは無理です。常識上無理だ、それは。
 ここにもありますけれども、いろいろ予算が、例えば線路の安全が不安な点もある、それには金使わないというような非常な無理をしながらその保線区の従業員を削減している。そういうような余剰人員というものは私ども認めるわけにはまいらぬ。したがいまして、我が党は余剰人員対策としての二万人の希望退職については認めたくない。ただ、労働組合と当局がいろいろ団体交渉やって二万五千五百人の余剰人員を、これはもう合理化によってやむを得ぬと認められた。それは認めておるから、我々としては、その中の二万人の人が十カ月のプラスの退職金でやめるならこれはやむを得ぬなと、そういう気持ちもあります。この法案とは、法案は初めからもう九万三千の中の二万ですよと、あと四万一千が清算事業に行きますよ、三万二千だけは新会社に持っていきましょうと、そういうような数字合わせは納得できないのです。それでは輸送事業の安全は確保できぬのです。その点はもう一回運輸大臣も総裁もゆっくり話し合って、そして現場から、今団体交渉でいろいろ十九万五千をはじいたとおっしゃるから、そいつは資料ください、私に。私も検討します、資料ください。その上でまた二十日の日に論争しましょう。十九万五千、団体交渉で提案していると言うから、組合にも早速聞きますよ。そういう提案がなされたかどうかを聞きますから、それでまた二十日の日に論争しましょう。そういうことで、余剰人員の問題、希望退職の問題についても二十日の日にもう一回、私は保留をして、問題を、質問したいと思います。
 あと時間が六分しかございません。長期債務の問題と、それから三島の鉄道のやれるかどうか、いろいろ問題がありますけれども、二十日の日の問題は保留はいたしましたけれども、九州鉄道だけはちょっとやっておかなきゃいけません。
 三島の資金が、債券で三千億なら三千億、資金、債券やっている。これから十年間清算事業団が面倒見るというようなことでありますが、「老朽施設の取り替え先送り」と、これはフクニチという新聞が出している。「安全より黒字優先 老朽施設の取り替え先送り 維持更新費異常な抑制」、こういうことを言っております。したがいまして、国鉄の長期防災計画、これを資料を出してください。私は、九州だけじゃなくて、九州、北海道、四国、とにかく老朽施設の取りかえもできないまま発足して、そしてもう五年もしたら経営できなくなるんじゃないかと心配しています。
 長期債務の返済の問題に絡んで、きのうは三島の基金の問題も説明を受けました。これも納得できません。今七分三厘、七分五厘で資金が運用できるだろうか。恐らくできないでしょう。大体あの監理委員会の答申は、七分三厘ぐらいで十億の黒字ということになっているんですよ。そんな計算できないんですよ。したがいまして、まずこの三島の、きょう最後の質問になってしまいましたが、三島の、この新聞だけは帰ったらすぐ聞かれるから、施設常務が来ておるから、これ説明してくださいよ。
#109
○説明員(岡田宏君) 先日、九州の新聞に掲載をされておりました九州総局作成の長期防災計画ということが御質問の対象だと思いますけれども、この長期防災計画と申しますのは、九州総局の本局、すなわち旧門司局でございますが、旧門司局の工事グループが部内検討の際に参考とするために作成している仮定段階の資料でございまして、九州総局としてこれをオーソライズをしたというような公式資料ではないわけでございます。
#110
○説明員(澄田信義君) 先ほどの小柳委員の御質問に対しまして、若干正確を欠くあれがございましたので、訂正させていただきたいと思います。
 先ほど十九万五千体制我々考えておるというのはそのとおりでございますが、二カ年にわたりまして八万六千人の合理化を計画いたしまして、四万二千五百人については組合と話し合いがつきまして、四万二千五百については既に実施しております。残りの四万四千につきまして、今後、十一月のダイヤ改正を目指して、その中の事案について具体的にこれから詰めまして、組合の方に提案すべきものは提案をすべく用意をしておるということでございます。それが厳密な言い方でございまして、訂正さしていただきます。
#111
○小柳勇君 きょうはこれで保留だ。
#112
○柳澤錬造君 私は最初に、二、三基本的な考え方ということでお聞きをしてまいるわけですが、今回のこの法改正というのは、国鉄百年の歴史を大変革をするというか、こういうことは初めてやるわけなんです。本格的な改革法の方はまだ衆議院にあるわけで、これもその一部でもって提案されているわけですが、これは再建監理委員会から言われたからおやりになるという気持ちにおなりになったんですか、仮に再建監理委員会の方から言われなくても、もう今日の国鉄からいくならばこれだけの改革をやらなきゃいけないというふうなことをお考えになっていたんですかということを大臣、総裁、お二人からお伺いしたいんです。
#113
○国務大臣(三塚博君) 御指摘のように百年の歴史の中における大改革をやらさしていただく趣旨は、まさに国鉄、鉄道の再生を目指す、こういうところに視点があったわけでございます。
 柳澤先生も御案内のとおり、たびたびの国鉄再建計画がつくられ、国会にも提出をされ、五十五年あるいは五十七年と、最近では五十八年に再建監理委員会法が国会の御承認を得て再建監理委員会がスタートいたす。これは実は国会自身の論議の中で、また政府みずからの論議の中で行うべきことを放棄したわけではございませんで、専門的に第三者の方に御論議をいただき、分析検討をいただき、答申をちょうだいをいたしたい、こういうことであったわけであります。
 率直に言いまして、国鉄は政治そのものでございます。改革の必要の一つの理由に政治と行政の介入を拝しまして、国鉄が本来の経営というものに専念できるような状態をつくっていくことが大事だということはかねがね言われてきたわけでございまして、そういう点でフランクに本質的な御議論をいただいた答申を得て、その答申を尊重するという形の中で改革案を練らさしていただこう、こういうことをいたしたわけでございまして、その理由はまさに百年の大改革でありますだけに、念には念を入れましてこれに当たらなければならない。失敗は許されない。何回もこれが最後の再建案、これが最後の計画と言われて失敗をし、先延ばしをし、改定をしたという過去の苦い体験の中で、待ったなしのまさに最後の改革案という決意の中で、政府みずからの責任で出ささせていただいた、このように思っておるところであります。
#114
○説明員(杉浦喬也君) 国鉄改革問題につきましては、かなり長い歴史があるわけでございますが、私自身もそうした改革の問題に参与させていただいたときもございます。長年の経過の中で、再建計画ができ上がります傍らから現実の事態が非常に大きな変化を生じて、将来計画、将来見通しが狂ってしまうというような事柄に相なりまして、なかなか再建計画が軌道に乗らなかったという長い経緯をたどってきたわけでございますが、それが積もり積もりまして相当なることに相なりまして、この期に及びましてはやはり抜本的な原因に対して大きなメスを振るう必要がある。こういう気持ちで国鉄自身も考えてきたことは事実でございます。しかしながらなかなか経営形態、みずからどうするかということについて、国鉄自身の発案として思い至ることができなかったということもあるわけでございます。第二臨調の審議の過程あるいはそれの報告、さらにまた監理委員会へのバトンタッチ、監理委員会の審議というような過程を経る中に、次第に経営形態論、そういうものに根本的にメスを入れない限りなかなか時代に対応していく新しい鉄道の再生というのはできないというような次第に認識が出てきたというふうに思うわけでございまして、それが最終的には昨年の監理委員会答申ということに実を結んだということでございまして、紆余曲折の中に、現実、そうした大根本的な改革というものが答申として出された段階におきましては、もはやこれ以外に道はないなというふうなことで決意を固めてきたところでございます。
#115
○柳澤錬造君 続いてもう二、三大事な点お聞きもしていくし、それからまた今の運輸大臣、国鉄総裁に申し上げること自体が私は若干無理があると思うんです。だけれども、やはり今も言われたように、再建案をつくっては崩され、つくっては、解されたのか自分が崩したのかですが、私の記憶では国鉄の経営というのはあれたしか昭和三十九年に赤字になったはずなんで、これは企業が赤字になるということはそれほど珍しい、珍しいと言っちゃおかしいけれども、どこにもあることなんです。四十六年になったら償却前赤字になった。ここはもう赤信号なわけです。民間の企業だったらもうこれは大変な騒ぎをするわけだけれども、その償却前赤字になっても真剣にお考えになっておらなかった。そして五十年度末で繰越欠損金が三兆一千六百十億円になったといって積立金から若干取り崩して、二兆五千四百四億というものを特定債務整理特別勘定として棚上げをおやりになった。それでその翌年の五十二年のあの国鉄の運賃法定制緩和法案がかかったとき、私は本会議でもって最後の討論に立ったときも申し上げたんですが、国鉄をここまでしたのはその責任というものはだれなんですか、もちろん国鉄の当事者にも責任はありましょう、しかし同時に政府にも責任はあるし、この国会にも責任があったんです。その認識を持たなければ、とてもじゃないけれども国鉄の再建なんかできるものじゃないし、今の国鉄をだれがやったって百点満点の再建案の答案なんて書けるものじゃないでしょう。だったら、八十点でも七十点でもいいから、少してもいい方にいくというならば、それを通して努力をすることじゃないですか。
 最後にお願いしておきたいがといってあのときも言ったんですが、この法改正によって国鉄当局は当事者能力を持てることになったんでしょう。だから、労働組合にもいわゆるスト権を含んだ労働基本権を与えて、労使が真剣になって取り組むようなそういうことにしなきゃいけないし、それで労使が真剣に再建に取り組んでいただきたいんです。本会議が終わった後、国鉄の当時の総裁も副総裁も私のところへ参りました。襟を正して聞かしていただきました、十分に反省をしてこれから取り組みますと言いましたし、時の大臣に至っては、ここで申し上げませんけれども、それ以上の私が驚くようなことを言って、言うならば感銘を受けたとの言葉をくれたわけなんです。
 ただ、それから後が、じゃそれに基づいて少しでも改革に向かったかどうか、結局私が見ておって一番国鉄に感じるのは、経理というものがどんぶり勘定で、企業体は大きいかわからぬけれども、やっていることは中小企業のあの町工場がやっていることと同じことしかしていない。責任体制の欠如、信賞必罰の欠如、そうして生産性向上とかそういうことについての欠如というふうなことが私は結果的にこういうふうなことを招いた。再建案はおつくりになるけれども、実際に実行しないでもってそういう積み重ねで今日に来たのであって、その辺について、これは冒頭申し上げましたように、今の大臣なり総裁に申し上げるのは若干酷なことなんですから、それを承知の上で、今日この改革をやろうとなさっている大臣自身としてどうお考えになっておるか。若干、細かいことはよろしいですから、自分はこう思っているというお気持ちをお聞かせをいただきたい。
#116
○国務大臣(三塚博君) まさに政治は連続性でございます。特に行政ということでありますれば、一貫性、連続性、こういうことで私も総裁も責任を免れるものではない、こういう実は認識を持っておるわけでございます。
 ただいまお触れになりましたように、三十九年、四十六年、償却前赤字、まさにここは深刻な事態であります。そこからマル生運動があり、それが失敗をしていく、不幸な労使の時代を迎えるということでございまして、五十二年運賃弾力法、率直に言いまして、成立が企図したところから三年ずれたわけであります。収入がそこで欠落をいたした。私はそれ以上に、やはり経営であります以上、労使一体となりましてこれに取り組まなければなりません時期に、そのことが達成でき得なかったこと、極めて残念なことであるなということが一点であります。
 そのことを知りつつ政治、行政が、これは決して野党の皆さんのことを言うつもりはございません。政府・与党という意味で、的確な手だてを講ずることを怠った、あるいはやろうとしたがその手だてがタイミングを外れておった、このことは率直に私も運輸問題をやらさしていただいた者として認めざるを得ないな、こう思います。
 それと、我が国鉄道は公共性という分野の中で取り組んできたわけでございますから、本来こういう危機的状況に相なりましたときには、設備投資というものに対して補助、利差等が導入をされてやられておりましたけれども、大型工事等においてもっと有効な手だてがなかったのかな、こんなふうにも思いますし、そういう点をもろもろ考えながら今日の国鉄がここまできましたことについて考えますれば、まさに必要なものであり、国民生活の重要部分を担い、足であるわけでございますから、何としてもこれは再生をさせなければなりません。
 そのためには、過去のしがらみと言われる部分の中で是正しなければならぬものはこれは勇気を持って是正をして新しくスタートをしませんと、過去の延長線上の中でこれを行っていくということでありますならば、なかなかもってまた同じ失敗を繰り返すのかなと、そういう点で政府も大いに責任があるわけでございますから、過去債務の解消についてできる範囲の努力をしてまいる、こういうことが一点挙げられます。かねがね本委員会でも議論をされました構造的欠損と言われる部分の追加費用等については、これは明確な措置を講じていかなければならぬ、こういうことで法律もお出しし、御審議をいただいてきたわけでございますが、国家公務員共済及び電電、専売等の共済の皆様にも理解を得て、協調を得て、辛うじて今その方向を得たということなどもあるわけでございますので、これからは自前でいける一つの措置、改革案をお示しをさせていただいたわけでございますから、全力投球の中でこの改革案を成功をせしめなければならない、このように実は思っておるわけでございます。
 と申しますのは、政府一体の中で考えますのは、過去の反省の中で再び失敗をしてはなりませんし、失敗は許されないな、こういうことで思い切った措置をお願いを申し上げる、こういうことで分割案も御提示をいたしたわけでございます。大変提案まで論議が相当あったわけでございますが、論議の中で最終的にこの法律を提案することに、やむを得ない、最終的にはこれしかないな、こういう最終の党内手続の段階でもございまして、政府・与党一体ということでお出しをさせていただいたわけでございます。
 各党からも立場は違いますが、それぞれの中で強い御支持もいただいた党もございますし、また御注意もいただいた党もあるわけでございますが、政府・与党だけでやり得る問題でないことも、実は率直に私は認識をいたしておるわけでございまして、ぜひひとつそういうことで今後とも御指導、御鞭撻を賜りたいと思っておるところであります。
#117
○柳澤錬造君 大臣、ありがとうございました。
 それで、もう一つこれも今大臣言われたように、過去のしがらみにとらわれちゃいかぬのだからなんですけれども、私も自分が国鉄の再建ということにはそれなりの情熱を持ってずっとやってきておっただけに、何で政府がもう少し本気になって取り上げてくれなかったかなといって、もう一点だけそういう点で大臣お聞きもいただきたいし、あるいは三塚大臣がもう十年早く運輸大臣になっておったらこんなことでごたごたしないでも私は済んだと思うんですが、それはこういうことです。今も言ったように、五十一年に二兆五千四百四億円を棚上げをいたしまして、それで、それから五十一年から五十四年の四年間に三兆四千五百六十五億の累積赤字をまた出しちゃった。五十年度末の赤字を全部棚上げにしてきれいにしたにもかかわらず、たった四年間でもってそれだけの赤字を出して、それを五十五年に再び二兆八千二百二十億を再度棚上げをしたわけなんです。このわずか四年間の実績というものを年平均でもって計算すると、運輸収入に雑収入も含めても年間で二兆一千七百六十五億、それだけの収入があったということになるわけです。で、損失はといえば八千五百八十三億で、三九・四%の赤字だった。さらに国の助成が年間四千八百七十七億ずつあったんです。じゃこの赤と国の助成と両方足せば一兆三千四百六十億になります。それはもう売り上げから見るならば六一・八%になるんですよ。どう考えたってこれはもう企業体の体をなしていないんですよ、これは、この時点で。それで、資本金というものは、あの四十何年になりましょうか、あのときの再建案のときはもっと資本金をふやすということをお決めになりながら一年だかやってやめちゃって、で、五十年から四千五百六十億のままにずっとほっておいた。それで毎年毎年助成金のお金をかなりつぎ込んだ。私の考えで言わしていただくならば、そういうひもつきの融資をやって借金をふやすんじゃなくて、年間五千億ぐらいのお金を国が国鉄に出資をして、そして国鉄の資本金をそれだけふやして、それくらいのことを十年間やれば五兆円でしょう。それは今の国鉄でもって資本金五兆円といえばちょっと大きいという感じもしないでもないけれども、そうしてやったならばその十年間の五兆円の金というものは七兆三千億から八兆五千億ぐらいの効果を持つわけです。それだけの借金が減るんです。大臣がこの法案の提案の説明するときにも、繰越欠損が十二兆幾らとかと言っておりますし、さらにその後の六十年度末の繰越欠損を見ても十三兆九千四百六十七億と、ここへ出ているわけです。八兆円近くのそういうものの借金が消えておったならば、政府が出資をしてやっておってくれたならばそうなるんであって、そうするならば今ごろになったってこれは繰越欠損といってそこへ出てくるのというのは五兆か六兆か七兆かなんかですね。ですから、その辺の点が、死んだ子の年を考えるんであってもしようがないことだけれども、何回再建案、再建案と言って政府がお考えになってはこの国会に提案をなさったか。決してそれはいいかげんなものだとは思わぬけれども、同じおやりになるならば、今私が言ったようなやり方をしてやってくださっておったならば、今日こんな大きな繰越欠損なんてものを抱えて、にっちもさっちもいかないような国鉄にならないで済んだはずなんです。その辺のところ、今の三塚運輸大臣にこれに答えると言ってもそれは酷なことはよくわかりますけれども、政府を代表して、なるほどそうだったなというお気持ちになれるかどうか。それがこれからのこれに取り組む上の大事なかぎになるのでお聞きをしておきたいと思うんです。
#118
○政府委員(棚橋泰君) 最初に私からちょっと事務的なことをお答え申し上げます。
 先生のような御計算、御趣旨はよくわかります。御承知のように、出資で行うということを途中でやめましたのは、さっき先生のお話の債務の棚上げをいたしまして、それの利子を助成するという形を決めましたときに、いわば出資に見合うものが助成に振りかわったと、こういうようなことで出資というものを行うことをやめたわけでございます。したがいまして、一つの考え方といたしましては、出資に見合うものが助成金という形で国鉄の中に入った。したがって、その分だけ単年度の収支というものの赤字の額を減らす方向に働いたわけです。で、したがって、もしこれを助成というものでなくて出資という形で行いましたら、先生おっしゃるように、資本金の方は確かにそれだけの額の資本金ということになったと思いますが、逆に同じ単年度損益というものがやはりふえてしまって、その結果累積債務というものは似たような額になったということではないかというふうに思います。したがって、助成と出資と併用して行えば先生のおっしゃるような形になり得たというふうに思います。
 ただ、その時点では、先生が先ほど来御指摘になっておりますように、棚上げをして助成をすれば単年度赤字がふえないでやっていけるであろうと。そういう考え方でいったわけでございますけれども、御承知のように、合理化のおくれとか、その他もろもろの条件が重なりまして所期の目的のごとくはならなかったと。したがいまして、そこらあたりのところに今日の事態を招いた基本的な問題があったというふうに認識をしておるわけでございます。
 それについての政治的な感覚ないしは行政責任者としての感覚ということには大臣からお答えをいただくのが適当かと思いますけれども、事務的にはそんなことではないかというふうに考えております。
#119
○柳澤錬造君 棚橋さんね、それが私から言わせるとお役人的な考え方です。
 助成金出して、あるいはこれだけもう借金がたまった、そいつは利子を国鉄が払えないからといって、これはその利子の払いといってはこうやって、それで利子が利子を生むような形でもって、わかりやすく言えば雪だるまみたいになって借金ができてきたわけです。だから、私が言っているのは、年間に五千億なら五千億の出資をして、それでそれは国鉄が好きに使いなさいと、極端に言えば、借金の返済に使おうが新しい何かに使おうが。そうしてそれは国鉄総裁が最も有効に、資本金になるんですから使って、そうして国鉄の経営がどうやったらうまくいくかといってやらしたならばこんなにはならなかったんですよというんです。
 だから、助成、助成と言うけれども、さっきも言ったあれは全部ひもつきなんですよ。政府の監視でもってこの金どっかへ使おうたって、そんなもの一銭もありゃせぬで、全部政府が、おまえこれはここへ使う金だぞといってやっているんですから国鉄として有効にお金を使うことができなかったんですが、そこのところを大臣おわかりいただいたと思うんだけれども、ああいうお役人的な感覚が今日の国鉄の危機を招いたんですよということもつけ加えて言って大臣のお答えをいただきたい。
#120
○国務大臣(三塚博君) 国家公務員は、法令に従って忠実にそれを実行するという枠があって、やはり助成はひもつき助成という形にどだい財政当局が使用目的を明定してやると。また、使うときはさらに許可を得て支払えと。こういう立場、国民の税金でありますから、その点はわからぬわけではないし、そういうことだなと私も思うわけであります。
 ただ、今言われましたとおり、公共企業体としての鉄道、これは企業性、同時に公共企業体というように公共性という二つの目的を追求していかなければならないと。これはもともと相反する概念なんですけれども、しかし、その長所を一つにまとめ上げてまいりますならばいいものができるであろうという、法律が意図したところがそこにあると思うんです。
 そういう点から言いますと、柳澤先生言われますように、まさに難しい命題を抱えて進む公共企業体、それも四苦八苦の中で赤字になってきたなと。そうであるならば、総合交通体系の中で鉄道として頑張り抜いて他との競争で勝ち抜けということであるならば、物の考え方としてただいまの発想もあるわけであります。そういう中で損益計算では棚橋審議官の言われる形になりますが、いわゆる実態収支でまいりますならば、その分だけは減っていくでありましょうし、またその目的が有効に時の経営陣によって活用されていく場合も想定できないわけではございません。そういう点で、まさにそういうもろもろのよかれということの政策、あるいはその都度の財政当局の収支のバランスの中で、計算の中で査定が行われていったということもまるきりないとは言えないわけでございまして、そういう点で政府財政当局も親方日の丸的な発想なしとしなかったのではないだろうか。私は、親方日の丸は国鉄労使だけではなく、そういう意味で政府にも地域住民の皆さんにも市町村にもこれありましたねと、こう実は率直に言とそんな感じがあるわけです。しかしそれはあえてどうだと言われますから今申し上げたわけでありまして、そういうものをもろもろの反省の中でやはりこれからは企業として、会社として自由濶達な行為能力を持ったことで取り進めさせていただきまして成功せしめていかなければならぬ、こう思っております。
#121
○柳澤錬造君 基本的な点で若干お聞きしておきたいというのはそのくらいにして、あと今度これはもう大臣じゃなくて事務当局の方でいいですから、若干事務的なこと少しお聞かせをいただきたいと思うんです。
 債務が全部で今幾らになっちゃったんですか。それから、その発生の原因別に、細かくなくて大枠でもって、こういうところの原因でどうだこうだという、そういう分野別に分けて内訳をお示しをいただきたいと思うんです。
#122
○説明員(前田喜代治君) 五十九年度末で国鉄の債務が二十一兆八千億ございます。ちょっと端数をとりまして申し上げますが、その間国鉄の累積欠損金でございまして、これが累積赤字でございますが、これが十二兆三千億、累積欠損のうち本当に償却前の赤字といいますか、運営資金の不足によるものが約七兆八千ございます。したがいまして、まず借金が、一部借金と欠損金と相対しましてこれに充当されたろうというふうに考えますと、この借金二十一兆八千億の一部が七兆八千のいわゆる運営費の不足に充てられたということでございます。残りました分は設備投資、その他いろいろ流動資産とかなんかでまだ途中の段階もございますけれども、設備投資に充てられたもの、非常に大まかに申しますとそうなります。この設備投資したがいまして約十四兆になるわけでございますが、これ本来国鉄が黒字で内部留保ができておりますと一部は借り入れによらないで設備投資ができたことになりますけれども、この辺も全部直接の赤字ということになりますとこの辺の資金もすべて借金に頼ったということになりまして、かなり設備投資の取りかえ、あるいは公共投資に向けられました設備投資にかなり充当したという結果になります。
#123
○柳澤錬造君 これも簡単で結構だから、細かいこと抜きにして長期債務の返済方法というのはお決まりになったんですか。どういう格好で処理しようとしているのか。
#124
○政府委員(棚橋泰君) 長期債務の返済方法というのは二つの面がございます。
 一つはどういうふうに現実にある債務を返していくか、これは御承知のようにそれぞれの債務に約定がついておりますから、約定に従って従来も返済しておりますし、今後も返済をしていくわけでございます。
 もう一つの考え方は、そのような膨大な長期債務、これを新しい国鉄改革を行う際にどういうふうに処理をするかという問題でございます。それにつきましては、一応先ほど前田常務理事から、五十九年度末でございましたけれども、国鉄の改革を六十二年の四月から予定をしておりますので、それまでの間にまた債務がふえまして約二十五兆何がしというものになるというふうに考えております。そのうち約八兆四千億は新しい事業体、すなわち旅客会社とか貨物会社、そういうものに経営を悪化させない範囲で債務をしょわせる、こういう形で引き継ぎをいたします。残りの十七兆というものは国鉄清算事業団という方に承継をいたしまして、最終的には国において処理をするという形の中で処理をしたい、こういうことで計画をしておるところでございます。
#125
○柳澤錬造君 それからもう一つ、お金のこれも細かいことで、法案にある特定債務五兆五百九十九億ですか、一般会計に承継させるというんだけれども、一般会計に承継させることのメリットというものは何があるんですか。
#126
○政府委員(棚橋泰君) 今回の六十一年度緊急措置法でお願いいたしています五兆五百九十九億、一般会計に振りかわりまして、同額の債務を無利子で国鉄に国が貸し付けたことにする、こういうことになっております。したがって国鉄の債務そのものは減るわけではございません。ただ五兆五百九十九億、御承知のように、先ほど先生のお話のございました昭和五十五年度に棚上げをいたしました額でございます。その際は五年据え置きという条件になっております。五年が過ぎまして、実は六十年度から償還が始まったわけでございます。ところが国鉄の今の情勢でございます。またその際には国がこれを無利子で貸し付けて償還をするということになっておりましたが、国の財政からもそれだけの膨大な額を国鉄に貸し付けるということはなかなか難しいというような事情がございまして、六十年度、実は元本の返済ができなかったわけでございます。それで一年間元本をさらに猶予していただいております。また六十一年度でまた返済が発生をしておるわけでございます。したがいまして、今回の措置はそのようなものをまず一つは無利子貸し付けに振りかえるのと同時に、さらにその据え置き期間を延ばすという措置を論ずることができるということで、まず元本の償還からしばらくの間猶予ができる、こういう点が第一でございます。
 それから第二点は、そもそも五兆五百九十九億棚上げをいたしまして、それのための利子三千何がしを毎年払わなければいけないわけでございましたが、それは国から助成金でもらって支払っておったわけでございます。それを毎年毎年助成金で受けておったわけでございますが、今回の措置を講ずることによりまして無利子貸し付けに切りかわりますので、そのような利息の支払いということは国鉄において行う必要がなくなる。大体大きくいってその二つの点のメリットというふうに御理解をいただきたいと思います。
#127
○柳澤錬造君 それから、今度は雇用の問題の関係でもってこれももう事務的なことを若干お聞きをしていくんですが、六十一年四月現在での国鉄の職員の数というものは何名になるんですか。
#128
○説明員(澄田信義君) 六十一年度首の現在員は約二十七万七千人でございます。
#129
○柳澤錬造君 再建監理委員会の見解だと、六十二年の四月の職員数を二十七万六千名というふうにあれしているわけですね。それでこれは再建監理委員会が考えた数字、それで政府なり国鉄が考えている数字というものはこれと違うんですか、それともこの数字を同じように確認するというか、何かしているんですか、その点はどうなんですか。
#130
○政府委員(棚橋泰君) 先生御指摘のように再建監理委員会の御意見では二十七万六千というふうに見込んでおります。ただ、今国鉄の常務からお答えがございましたように、昭和六十年度末の特別退職者が予定を大幅に増加をいたしました関係で、今後の一般退職、今年度内にさらに一般退職を見込んでおりますが、そういうものが順調に進んだといたしますと、さらにこの現在法案でお願いをしております希望退職二万人というものも順調に進んだということになりますと、監理委員会の推定の二十七万六千を若干下回るんではないかというふうに想定をいたしておるところでございます。
#131
○柳澤錬造君 それで、さっきからもお話が出ている希望退職の募集をやるわけだけれども、六十一年度の予算でこの希望退職者の対策として計上しているのが千九百三十六億円、この金額の算定根拠というのはどういうことになっているんですか。
#132
○政府委員(棚橋泰君) 本年度予算の中の千九百三十六億のうち千四百七十三億が二万人の希望退職者の退職手当、それから残り四百六十三億が基準内賃金の十カ月という特別給付金でございます。
 そこで、それぞれ退職手当千四百七十三億、特別給付金四百六十三億の積算基礎でございますけれども、二万人の希望退職、どのような年齢層、どのような勤務年数の方々から出るかというのはなかなかちょっと推測がつかないところでございますので、各年齢層からほぼ平均して退職の希望者が出るというふうに想定をいたしまして、それぞれの退職金及び基準内賃金というのを基礎に一応計算をしてございます。
#133
○柳澤錬造君 そこで今度、再建監理委員会の答申では新会社の適正人員が十八万三千人だ、そうしてくると余剰人員が九万三千人になるということで、この九万三千人をどういうふうにしてやっていくかというので、先ほどからお話の二万人を希望退職で募っていく、新会社の方に三万二千人を移す、それから旧の国鉄にまあ言うなら特別対策対象者ということで四万一千人を残すという割り振りをしているわけなんです。この職員の人たちにすれば特別対策対象者ということでもって旧の国鉄に残されるということになると非常に不安を感じて、だったら十カ月分の特別給付金をもらってこの際どこか再就職しようじゃないかという気になる人が多いんじゃないかと思う。要するに、予定した以上に希望退職が出てくる。そうすると、この千九百三十六億というお金では足りなくなるということになるんですが、その辺の点はどういう御見解をお持ちなんですか。
#134
○政府委員(棚橋泰君) 二万人というのは一応の積算の基礎でございまして、この現在の過剰状況を解消するためにはできるだけ多くの希望退職の方が出ていただくというのが望ましいということでございます。それが二万人を超える、さらには二万人の中で国家公務員等に行かれる方には給付いたしませんから、そういうものを差し引いてなおこの千九百三十六億で不足を生ずるというような事態がございましても、その時点におきまして他の経費等の使いぐあい、予備費の状況というようなものを勘案しまして、それらの希望退職の方に応ずる退職金ないしは特別給付金の支給に支障を生ずることがないよう対処をするということにいたしております。
#135
○柳澤錬造君 なるべく多くって当然そうお考えになると思うんですが、今度はその反面に、なかなか希望退職募集しても集まらない。目標を大幅に上回っていわゆる新会社に移る前に二十五万六千人体制にするんだということになっていたのがそのとおりにならなかったときはどうなさるんですか。いわゆる日鉄法の二十九条四号を発動をしてそういう数字までに持っていこうとしているのかどうなのか、この辺は国鉄総裁の方からお答えをいただかなきゃいけないと思うんですが、その辺の御見解はいかがですか。
#136
○説明員(杉浦喬也君) 二万人の希望退職者につきましては雇用の場の確保ということを十二分に行い、あるいはまた職員に対する周知徹底等を行うことによりまして何とか目標を達成したいというふうに考えておるところでございます。
 仮にその二万人が達成をしなかった場合にどういうふうに措置するのかということでございますが、ただいま先生が国鉄法の二十九条四号の点にお触れになったわけでございますが、私といたしましてはこの二十九条四号という、そういった法的な可能性、これは可能性があるわけでございますが、そうした可能性に着目をしてこれを発動するかどうかということについては、発動したくないというふうに思っておるところでございまして、全力を尽くして希望退職等余剰人員対策を推し進めることによりまして一人のまじめな職員を路頭に迷わすことのないという、そういうことで貫徹をしてまいりたいと思っております。
#137
○柳澤錬造君 総裁、私がお聞きしたのは、四万一千人の方に残されたら嫌だなという不安を持って、それだったら十カ月もらってやめちゃった方がいいって、多くなったらどうするかって開いたら、先ほど棚橋さんは、いよいよになればそれは予備費から出すなりするし、また国の機関に行けば十カ月分出さないんだから何とかやれるでしょうと言ってお答えがあった。だから、そのまた逆で今度は、いろいろ募集してみたけれども二万人も集まらない、どうしてももうそれ以下だというときにどうなさるんですかと言って、もうこれはまた後でなんですけれども、来年の四月一日に新会社というのが先ほどは午前零時なんというようなお話も出たくらいにきちんとしているわけでしょう。だから、そんなものは発動しないでやられる方が私もいいと思うの。しかし国鉄総裁として、そうなったときに経営の最高責任者としてどうなさるんですか、発動してでもそのときは二十五万六千人の体制には持っていきますというふうな御決意でいるのかどうか、そこをきちんとお聞きしたいと聞いているんです。
#138
○説明員(杉浦喬也君) 新会社への移行といいますか、職員への配慮というものはこれは二十一万五千人ということで、これをふやすつもりはありません。
   〔委員長退席、理事安恒良一君着席〕
したがいまして、残る人たちを適切に処遇をしなければいけないということでございますが、何もしないでほうっておきますと、二万人が欠けた分は法的に言えば自動的に清算事業団の職員となります。そういうことの増加が四万一千人を上回るというような事態にならないように一生懸命雇用対策を講じたいというのが私の気持ちであります。
#139
○柳澤錬造君 そうすると、希望退職の二万人という数字も減れば減ったで構わない、そのときは旧国鉄に残す四万一千人がふえるんです、そういうこと、総裁。
#140
○説明員(杉浦喬也君) そういうふうには申し上げておりませんで、二万人をぜひとも達成をしたいというふうに考えております。
#141
○柳澤錬造君 明確に総裁お答えしていただかなきゃならないんで、考え方、お気持ちを聞いているんじゃないんであって、これはもう数字がはっきりしているんだから、どうしても二万人希望退職に応じていただかなければスタートができないんですということになるならばそれは三万二千人は新会社へ持っていってもらう、四万一千人はこっちへ残すという形になって、それでどうしても二万人の人たちの希望退職をということをやらにゃいかぬということになるわけでしょう。それが満たされなかったときどうするんですかと聞いているんです。はっきりお答えいただきたい。
#142
○説明員(杉浦喬也君) それを満たすように努力をするということでございます。
#143
○柳澤錬造君 そんな子供だましみたいな答弁じゃなくて、私が聞いているのはその目標に到達しなかったときどうするんですかと聞いているんですよ。努力をしますなんて、そんな、それが先ほど、だから冒頭に基本的なことで過去のことだけれどもと言って聞いたのもそこにあるわけなんです。過去において何回あの国鉄再建案をおつくりになったんですか。それはもう杉浦総裁だって鉄監局長経験なさっているから御存じのとおり。それがいつの場合でも、あの再建案のものがそのとおり実行されておったならば今日私はこんな事態は招かなかったでしょうと。案はつくられたけれども実際にそれを実行しないできては、またこれじゃ大変だ、どうにもならない、また再建案だということを繰り返してきたわけでしょう。だから、そういう点に立って、大臣は先ほどからもうこれは不退転の決意でというか、至上命題で来年の四月一日はと前回のこの委員会でもおっしゃっておったんですから、肝心な国鉄の方がその辺についての決意のほどをきちんと聞いておかなけりゃ前へ進まないじゃないですか。お答えいただきたい。
#144
○説明員(杉浦喬也君) 決意としましては、二万人の希望退職を実行いたしますということは決意であります。
#145
○柳澤錬造君 私が聞いているのはそれが達成できなかったときはというんですから、できなかったら、じゃ総裁責任を持って、おやめになりますか。
#146
○説明員(杉浦喬也君) 一生懸命努力いたしまして、その時点で責任を追及されるならそれはどのようなことにもお受けいたしますが、現時点におきましては懸命の努力をすると言う以外にはありません。
#147
○柳澤錬造君 これから冒頭言った国鉄の百年の歴史が大転換をする、言うならば、分割、民営化の改革をなさるわけでしょう。そのスタートとして、この六十一年度中に二万人の希望退職だけは募集をしていかなければその先に進まぬというのがこの法案でしょう。今衆議院がやっている本格法案の方は後から来るけれども、これだけは早いところやって、本年度中にこのことを解決をしておかなけりゃ前に進まぬからということをやっておるんであって、今の総裁の御答弁ならば、努力をいたしますと、努力をいたしまして、結果どうなってもそれはいたし方がないんですというふうに解釈するんですが、それでもよろしいんですか。あわせてそれについて大臣はどういうふうにお考えになりますか。お二人にお答えいただきたいです。
#148
○説明員(杉浦喬也君) 余ってもどうでもいいというふうには私は申し上げておりませんので、二万人の希望退職の目標は達成するように最大限の努力をいたしますと、こういうふうに申し上げておるところです。
#149
○国務大臣(三塚博君) 段々の御論議を聞いておりまして、今回の積算の根拠は二万をベースにやらさしていただきました。法文には書いておりませんけれども、二万を目標として何としても達成をする。四万が清算事業団でしてまいりたいと、雇用対策本部の既定方針でもこれあるわけでございます。
 そういう点で、総裁をトップに国鉄の関係者全員打って一丸と相なりまして二万人を達成をしていただく。また、先ほど来小柳先生の御質問にもありましたように、二十日までにその出先を明確にしろと、就職先を、これはきちっとお願いをしているところは出るわけであります。ですから、私どもは政府として二万人の受け皿、八千人は国鉄が関連企業にこれをきちっといたしますということでありますから、残り一万二千人、これについてはどんなことがあってもこれ当てはめるんです。これを約束しているわけですから、これは逆立ちしてもこれ当てはめなきゃいけませんし、ですから国家公務員グループ、政府の責任においてやると言う以上はこれやるんですね。最終的にはそうなるわけです。しかし、国家公務員グループもそれなりに採用計画がありますから、政府として民間団体にもこれひとつお願いしようと、こういうことで、この点は最終的な責任は負いますとこういうことでありますものですから、ぜひそれは二万人ということで達成されると、私は打ち合わせではなっておるわけでありますし、柳澤先生ができない場合という仮定の問題で聞かれますならば、総裁正直に、その場合はとこういうことで、その仮定の場合のことが対人間関係なもんでありますから、それはあり得る仮定であるなど、こう常識的に考えますれば、六万一千の枠組みの中でこれが処理されるべきものかなと。ただ、それが大幅に、仮定であっても一万九千五百までまいりましたと、五百が足りませんというならまさにこれ清算事業団四万の枠内と見てもそうおしかりを受けませんし、全体計画が前に進むかなと。ただ、それが一千を超えて二千も足りませんでしたというのではこれはいかぬなと。だから、それは今日の事態を国鉄の皆さんが理解をいただいておるわけでありますから、労使ともにその辺は国鉄再生ということで、総裁だけじゃなくもう役員も職員も打って一丸となって努力をしてまいりますなら、誇り高さ、プライドを持った国鉄の皆さんでありますから、そういう形の中で目標は達成されるであろうし、また達成されなければならない、こう実は思っておるところでございます。
#150
○柳澤錬造君 国鉄では労使共同宣言というものを調印なさっているはずなんですけれども、これは雇用安定協約を締結するための前提条件になっているんですか、どうなんですか。その辺をお聞かせいただきたい。
#151
○説明員(杉浦喬也君) 雇用安定協約の締結の問題は昨年からいろいろと経緯がございました。要は労使間の信頼関係が確立されるというふうに判断をできるかどうかということにかかっておったわけでございます。他の組合、国労以外の他の組合におきましてそうした面での判断が割合早くできたということで、雇用安定協約は昨年の十一月末期限が切れた時期におきまして直ちに締結をいたしました。問題の国労との間におきましてはそれまでのいろんないきさつがありまして、なかなか国労と私どもの間に明確な信頼関係ありというふうに断定はできなかったというような事情から、そうした面でのいわば信頼関係を樹立するということを両方とも努力をした上で雇用安定協約を結びたいというふうに私どもは考え、申し上げてきたところであります。
 本年に入りまして、事態は非常に切迫をしてまいる中で、特に雇用の問題等、非常に重要な課題を実行するに当たりまして、これは労使一体となりまして懸命な努力をするんですということを一般の国民に知っていただきまして、その上で雇用のお願いを一般の国民にもしていかなければならないというような事態になりましたので、私どもの提案によりまして労使共同宣言ということを各組合に提案をいたしたところでございます。
 雇用安定協約が結ばれておりました組合は、直ちにこの趣旨を理解していただきまして、共同宣言に調印をしたわけでございます。
 国労との間におきましては、やはりこれも双互の理解ができないままに、現時点で労使共同宣言に調印ができない状態でございます。私どもの考えといたしましては、先ほどの労使間の信頼関係の樹立ということの一つのあかしといたしましては、お互いに労使共同宣言というものの締結ということがそれの一つのあかしであるというふうに私どもは考えておりますということで、国労に対しましてもぜひともこれは労使共同宣言を一緒に締結してくださいということを提案をしておるわけでございますが、現時点に至るもなお、そうしたことが行われないままに、結果といたしましては雇用安定協約の締結されないままに現在に至っている状況でございます。これからはやはり労使共同宣言の中身につきまして、なおよく国労の諸君に話をし、理解を求め、これを締結をしていただくことによりまして、我々は信頼関係を樹立するということを確信を持った上で、雇用安定協約を締結したいというふうに考えて、粘り強く国労との間では話し合いを続けていきたいというふうに思っております。
#152
○柳澤錬造君 それは国労との間でも御努力をいただきたいし、ただ総裁のお話というのは山手線みたいにぐるぐる回っていて回りくどいから簡潔にしていただいて、結局雇用安定協約というのは労使共同宣言が調印されなければ、その協約は結ばないんですという、そういうことになっているんでしょうという点、いかがなんですか。
#153
○説明員(杉浦喬也君) 私どもはそういうふうに国労には申し上げておりますし、これからもそういうふうに申し上げて、共同宣言に調印していただきたい、こう思っております。
#154
○柳澤錬造君 本当、努力を重ねていただかなきゃいけないと思うんです、やっぱり再建していくのにはですね。
 次には、これはどっちかというと大臣の方にお聞きをしなくちゃいかぬかと思うんですが、過去の歴史の中のことを取り上げているともう時間がありませんから、ただ何かと国鉄の問題というのは、政治的に取引をされてきたという例は多々あるわけなんです。そういう結果が、どっちかといえば国鉄の労使関係を悪くしたんじゃないかということ、これは大臣なり総裁も御存じだと思うんです。したがって、そういう点でもって、今申し上げました雇用安定協約というものも早く結ばれるようにしなくちゃいけないし、そのためには国鉄の労使が自主的な判断をしてこの問題を解決をするんだと、そういうふうなことが政治的な取引の云々ということはやらないんだという、その点についてきちんと明確にしておいていただきたいと思うんですが、その点はいかがですか。
#155
○国務大臣(三塚博君) 全く本来労使関係は労使の基本問題でありまして、相互間の信頼関係、協調の中で取り決められていかなければならぬということであります。これに過去指摘される幾つか政治的取引の中でと言われるようなことがあったことは、そうだとすれば大変残念なことであり、これからはさようなことでない形で、今総裁言われましたとおり根気強い努力、話し合いの中で、話し合い、協調の中でそういうものは理解をいただく。置かれておる環境、立場はどうあろうとも、私はいつも申し上げるんでありますが、組合はこれは尊重しなくちゃいけません。近代法の中で組合というのはこれあるわけでありますが、その前に会社の一員であると。公企体という鉄道の一員である、国家公務員の一員であると。こういうそれぞれの立場の中における労働組合ということでお取り組みをいただく、こういうことでまいりますならば、必ず共通項が見出され、いい形にこれはいくものであると、総裁にもそのことを申し上げ、根気強いひとつ話し合いの中で取り進めてほしいと、こういうことであり、さようなことの、言われておりますようなことのありませんように、私自身は戒めておるところであります。
#156
○柳澤錬造君 総裁の方もその点はよろしいでしょうね。やっぱりけじめはきちんとしておかなければ、新会社発足するのにうまくいかなくなっちやうし、その点のけじめだけはきちんとつけておいてほしいと思うんですが、総裁の御所見はいかがですか。
#157
○説明員(杉浦喬也君) 労使関係にかかわる問題につきましては、労使両当事者がその自主的な判断のもとで、全責任を負って解決をしていくということが当然のことだと思います。
#158
○柳澤錬造君 ありがとうございました。ぜひそういうふうにしてやっていただきたいと思います。
 今度は余剰人員対策というか、余りいい言葉じゃないですけれども、そちらの方を聞いてまいりたいと思います。
 一応余剰人員として九万三千人というものがはじき出されて、そのうちの三万二千人は新会社に行くんだと。あと六万一千人は、先ほどのあれは旧国鉄とそれから国の方にとか、いろいろ言われたので、この六万一千人を今どういうふうに割り振り、割り振りというか、はめ込もうとしておるのか、その辺の内訳お聞かせいただきたいんです。
#159
○政府委員(中島眞二君) 六万一千人の雇用の場でございますけれども、その枠組みといたしましては、まず国鉄の関連企業におきまして二万一千人、それから国、特殊法人、地方自治体などの公的部門につきまして三万人、それから一般産業界におきまして一万人という枠組みといたしております。
#160
○柳澤錬造君 その公的部門の方の三万人という数については、今までの衆議院や何かの審議の経過を見ましても、後藤田官房長官は、この監理委員会が示した大枠に従って三万人を採用するということを明確な御答弁をなさっておりますし、江崎総務庁長官に至っては、三万人を公的機関で雇用するということは、これはもう公約事項だという、そういう表現で答弁なさっているわけです。また、運輸大臣も再三にわたって三万人は政府の責任である、公的部門の三万人が明確になることが他の産業界に一万人以上の理解を得る唯一の基本であるということを断言なさっているわけなんです。この三万人という目標値がどうもうまくいかないからといって下方修正するなんということがあっちゃならないと思うんですけれども、その辺について、これはもう絶対この三万人は達成いたしますといってお約束をしていただけますかどうか、そこのところをお聞かせいただきたい。
#161
○国務大臣(三塚博君) この点は閣議決定をいたしておりますところであり、私一人がここでお約束をしておるわけでございませんで、総理大臣以下、関係閣僚が決め、そして閣議において決定をし発表を申し上げておるところであり、この点が下方修正などということは毛頭考えておりません。
#162
○柳澤錬造君 じゃ今度は、今それだけ大臣から明確に御答弁いただいたんだからもう絶対にそれは達成するというふうに私も理解をして、雇用対策本部の事務局の方にお聞きをするわけなんです。
 今の三塚運輸大臣の御答弁を確認をいたしますか。で、何かこれも今までの議事録ずっと読んでいくと、分野別採用計画は秋までに策定するなんという答弁をなさっているわけなんです。私、そんな悠長なことでもって希望退職の二万人ですら達成できるのかどうだろうか、そんなお考えでこれだけの大事業の国鉄改革ができるんですかと思うんですよ。ですからそういう点でもう一回、衆議院の方でもって御答弁なさっていた点を修正して、今運輸大臣が言われたことと全くそのとおり同じですということを言われるのか、あちらで言われたようなことをまた言うのか、そこのところをちょっと確認したいんですが、いかがですか。
#163
○政府委員(中島眞二君) この秋までに分野別の採用計画を策定するということを申し上げましたのは、昨年十二月の十三日に政府としての雇用対策の基本方針を閣議決定いたしたわけでございますが、その中の一つの項目といたしまして政府は、国鉄余剰人員の受け入れ分野別の採用等に関する国鉄余剰人員採用計画というものを六十一年秋までに策定することとするということを閣議決定したわけでございます。そのことを申し上げておるわけでございますが、なぜ秋までにしたかということは、一つは新事業体の要員計画の内容の確定を待つ必要がある、それから、各省庁を初めといたします公的部門の今後の採用数なりあるいは退職者数、これは六十五年度初めまででございますので、その辺について確かめをする必要があるということから秋までということにしたわけでございます。
 そこで、新事業体の要員計画の内容につきましては、再建監理委員会が指摘いたしました二十一万五千人体制とすることで固まっておりますので、あと二点のことにつきましては総務庁が中心になりまして各省庁から現在資料を求めまして事務的な作業を積み重ねているところでございます。したがいまして、閣議決定におきましては秋までということにいたしておりますけれども、私どもとしては少しでも早く策定できるようにということで目下事務的な作業を急いでいるところでございます。
 それから、三万人の目標達成につきましては、ただいま運輸大臣からお答えがありましたとおりでございます。十二月十三日のこの閣議決定に際しまして官房長官の談話を出しまして、雇用対策の基本方針を決めたけれどもその中でも一番大切なのは雇用の場の確保でありまして、それにはまず国を初めとして公的部門が進んで雇用の場を提供する必要があります、そういうことで、政府として国などの公的部門における採用目標数を三万人といたしまして、その達成に政府全体が一丸となって全力を挙げて取り組む所存でありますという政府としての決意を表明しているところでございます。私ども雇用対策本部の事務局といたしましても、この官房長官の談話、それからただいまの運輸大臣の御答弁、そういう趣旨を踏まえて現在鋭意努力をしているところでございます。
#164
○柳澤錬造君 じゃ、中島さんの方も――中島さんというか、雇用対策本部の事務局の方も、公的部門の三万人についてはもう官房長官談話もあったとおりであって、それをはっきり確認をしているということで、そして秋までと言ったけれども、少しでも早くといった今御答弁あったと理解をするんです、ただ、私が心配するのは、この前もここで言ったように、来年の四月一日スタートと言って、それで三月ごろに法案が成立したってそんなもの間に合いやせぬのであって、その準備期間にどのくらい要りますか、その間にさらにって、こうなってきたときにこれは大変なことでしょうと言って、一度か二度ここでもって随分きついことも言ったのもそこなわけなんです。だから、中島さんは今、秋までにと言っているけれども、少しでも早くと言っているんだけれども、そんなことでもって間に合うんですかどうですか。
 だから今度は角度を変えて、いわゆる公的の国とか特殊法人とか地方公共団体がありますわね、そういうふうなところ、さらには民間とか、そういう分野別にして年度別にしたらどういう数字がそこにはまり込むんですか。
#165
○政府委員(中島眞二君) 全体としての分野別の採用等に関します採用計画につきましては、今言ったようなことで鋭意急ぎまして、秋までというのをなるべく早めるということで進めておるわけでございますが、一方、各分野別の実際の雇用の場の確保ということは、既にその確保作業に入っているところでございまして、関係者の間でいろいろ努力をしているところでございます。例えば公的部門について申し上げますと、六十五年度初めまでに三万人という目標でございますが、六十一年度につきましては具体的に二千六百名という目標は既に掲げまして、それぞれの分野別に今積み上げ作業を行っているところでございます。既にかなりの申し入れもございまして、六十一年度この二千六百名という目標は達成できると考えておりますし、それから関連企業につきましては、六十五年度初めまでの二万一千人につきまして国鉄関連企業八百六十五社についての採用の申し出が既に行われているところでございます。また、一般産業界につきましてもこれまでは運輸省関係の業界団体を中心にまとめ作業が行われまして、大手の民鉄の三千五百六十人、民営バスの千三百人、貨物流通関係、トラック、通運、倉庫等でございますが、約六千七百名というような申し出がございます。これらは国鉄関連企業分との重複もございますので、それを差し引きますと約九千人程度の既に申し入れがあるわけでございまして、さらにこれ以外の分野につきましても、電力とか銀行、証券、そのほか各種の分野につきまして現在具体的な折衝を行っているところでございまして、近いうちにまたこの数字は積み増しされるという見通してございます。
 そういうことで、計画ができなければ具体的な採用の申し出がないというわけではございませんで、現に今申し上げたような数字が積み上がってきているわけでございまして、全体としましては約三万七千人分の採用の申し出があるという状況でございます。
#166
○柳澤錬造君 この点は午前から小柳先生がいろいろ細かく聞いておられたから、なるべく私は同じことは省略しようと思っておったんだけれども、今聞いておってもそうなのよ。おっしゃられているその数字と、小柳先生もさっきも言っておったように、ことしの二万人のとの関係というものがそこに関連性がないんですよ。それで、時間もあれだから――六十五年度までのお話をしているでしょう。もう一つ片方は、今この法案の一番のポイントは六十一年度中に二万人という、だから六十五年度までの何年度で国は、地方は、民間はというふうなその数字は後で資料を私の方に下さい、もうここでやっているとまた言いたくなっちゃうし、つじつまの合わないところ、もう小柳先生一生懸命やったから同じことを言うのはやめます。
 ただ、希望退職の二万人をおやりになるわけだけれども、その再就職の先には公的部門というものも含まれるんだというふうに確認してよろしいですか。そこのところは大事な点だからはっきりしておいていただきたいです。
#167
○政府委員(中島眞二君) 先ほどもお答えいたしましたように、関連企業以外に公的部門と一般産業界がその対象となります。含まれます。
#168
○柳澤錬造君 じゃ、今度は特別給付金の方、十カ月分加算することになっているんですが、平均ベースのところでよろしいから希望退職に応じてやっていったならば退職金が幾らぐらいになって、その加算される十カ月分はどのくらいになるのかというのを金額でちょっとお示しいただきたい。
#169
○説明員(澄田信義君) 平均年齢約三十七歳でございますので、この三十七歳で申し上げますと、退職手当が約七百四十万円でございます。それに対しまして、特別給付金が約二百三十万円、合わせまして九百七十万円でございます。
#170
○柳澤錬造君 それで、特別加給金ということについてはこの中に十カ月と、こう書いてあるんだけれども、これについてはさらにこれだけの大変なことをおやりになるので、もちろん財政的にもうどうにもならないからこういう形になっているんだから余裕はないことはわかるわけだけれども、さらにこれに上積みをするお考えがないかどうか。私が申し上げたいのは、大臣も総裁もよく聞いておいていただきたい。今余剰人員だから人を減らさなきゃいかぬわけでしょう。だったら少しでも早く減らしていくことの方が負担が軽くなるわけです。法案のをただそのまま何すれば来年の三月三十一日までお勤めになってそれで私はじゃ希望退職に何しますといってやめていって十カ月の加給金、加算金をもらってやめることができる。だったら半年前のことしの九月末でもって私はやめますということを言えば、国鉄とするならば六カ月分の給料を払わないで済むわけです。六カ月分の給料を払わないでそれだけ負担が軽くなるということになるならば二カ月分や三カ月分をそこに上積みして出したっていいではないか、あるいはさらには今度はそれではその次が十二月末だったならば、これも十二月末でおやめになると言えば三カ月分の給料を払わぬで済むんだから、じゃ一カ月分ぐらいそれに上積みしてお支払いになっても国鉄として得になるという言い方おかしいけれども、負担が軽くなるわけだから、そういう点で人が余っていて少しでも減らすんだということになれば、そういうふうな知恵も働かして、法案は法案だけれども、そういうふうなことの配慮もやって、そうしてできるだけやっぱり負担軽くするという、そういう知恵を働かすというお考えはないんですか。
#171
○政府委員(棚橋泰君) まず、全体に基準内賃金の十カ月分が妥当かどうかという話でございますが、これは政府部内でもいろいろ議論ございました。今先生おっしゃるように、なるだけ手厚く上乗せの特別給付金が支給できないかという考えもございます。ただ、他の産業の例、それから過去に政府の機関でございました電電公社の例、その他に徴しますと、やはり国鉄だけが非常に手厚いと、もちろんこういう国策で希望退職を募るわけでございますから、そういう問題もございますけれども、やはり余りそこのところは手厚くするということはこれはまた難しいのではないかということでいろいろ民間の例等も調べました。民間の中にはほとんど特別上乗せの退職金もなくて希望退職を募るところもございますし、また、希望退職を募ったところでも、そもそも国鉄は退職金のベースが非常にいいわけでございまして、それと同時に支給されるというような例を考えますと、この十カ月というのは私どもとしてはかなり手厚いというふうに判断をいたしたわけでございます。
   〔理事安恒良一君退席、委員長着席〕
 次に、今先生のおっしゃいました、少しでも早くやめた者にはそれなりの上乗せをしたら、結局のところは支給する額が少なくて済むじゃないかと。これはまことにごもっともなお話だと思います。ただ、今回の特別給付金の考え方というのは、法律が通りましてから六十一年度中に希望退職を希望した職員に支給する、こういう思想でございますから、いろんな都合で早く決断をしたから給付金が多いとか、ないしは、再就職先が早く決まったからたくさんもらうと、そういうふうなことになるのはやはり望ましくないじゃないか、やはり六十一年度中に手を挙げた方には平等な形での給付金というふうに考えるべきではないかというふうに考えてこのようなことにいたしておるところでございます。先生の御意見は大変よくわかりますが、ひとつ御理解をいただきたいというふうに思うわけでございます。
#172
○柳澤錬造君 だからお役人さんは困ると言うんですね。道路の拡張するとかいろいろやるのなんかもみんなそうでしょう。結局のところいってごねた人が得をするような結果になっていることは、これはもう枚挙にいとまないほど皆さん方も御存じだと思うんです。だから、何というんですか、いかにして効率的に、今この人たちが必要なんで、来年の三月三十一日になると余るんですと、だから、そこでさあ皆さん、それじゃ二万人の人たち、こういう就職先も探しましたからお引き取りくださいというんならば、これはまた別。現実に今もうこれだけの人たちが計算してみたら余裕がありますという数字が出てきた。そして、今二万人が達成できるかできないか、一生懸命言ったって、さっきの総裁、何回聞いたって、努力をしますというふうな言い方するようなふうに、確かにこれは難しいこともあると思うんですよ。ですから、それだったら少しでも半年早くやめるという意思表示もしたならば、それは六カ月分の給料払わぬでいいんだから、二カ月やそこらのものをそこへ加算してお支払いになったってよろしいことだし、だからこの法律のあれが改正しなきゃそういうことできないんだというならば改正されたらいいと思うし、それで棚橋さん、御無理ごもっともな御意見だと言う。いいと思ったらおやりになりなさいよ。一度決めたらもうこれはどうにもこうにも、何でね、やっている、そういう――それで自分が責任を追及されると困るから、後生大事に自分の回りだけ防壁を築いて頑張っているというのがお役人さんだと言うんです。絶対にそういうことがやれないのかどうなのか、もう一回どう、そこのところ。
#173
○政府委員(棚橋泰君) 私も三十年役人をやっておりますものですから役人が身についておるのかもしれませんけれども、また先生の御意見に対して決して私、御無理ごもっともと申し上げたつもりはございません。先生の御意見は十分理解はできるということでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、早くやめて多く支給されるという方の考え方と、希望退職を希望したけれどもいろいろな都合でやめるのが年度の終わりになったという方のまた立場からの判断というものも必要ではないかということを私申し上げたつもりでございます。
 そういう意味で、いろいろ検討いたしまして、六十一年度中いつの時点でもお手を挙げられた方には十カ月を支給する、こういうことでお願いをしょうということでこの法案を準備したということを申し上げておるわけでございます。
#174
○柳澤錬造君 時間もないから、きょうは大分私は持ち時間を一時間以上もカットをしまして、何とかこの法案も通らにゃ困るだろうと思ってやってきたわけだけれども、なかなか満足した御答弁はいただけないしするけれども、しかし大臣も総裁にもお願いしておきますが、本当にそういう点をなるほどなと思ったら、やっぱりそういうことのやるというふうな、勇気というか、そういうものをお持ちをいただきたいということを申し上げて、最後に私が申し上げておきたいのは、特に大臣と総裁お聞きをいただいて、それについてやっぱり御所見を私は聞きたいと思うんです。
 それは、いろいろ議論されてきましたけれども、これの実施をする対象者というのはこれは人間なわけなんですね。機械や機関車やなんかをあっちにあるのをこっちへ運べというふうなのとわけが違うんで、人間を対象にしてこの法案を扱うんだというそこのところだけはどうか忘れないでいただきたい。
 それで、昔は国鉄マンといったら立派な人たちで、言うなら誇りを持っておったわけでしょう。田舎なんかでもってあのうちの息子は国鉄へ勤めているといえばいかに頭がいいかというものの一つの代名詞みたいになっており、そしてあそこの娘さんは国鉄へ勤めているだれさんと一緒になったということは、非常にいい意味でそういうことを言われてきたわけだ。それがいつの間にか、国鉄の経営そのものもこういうぐあいでもってがたがたになっちゃう。それで国鉄の中もがたがたになっていって、特に、暴力事件なんというのはあっちこっちでもって起きて、暴力事件が起きたって、今度は管理職の人たちは知らぬ顔をして見て見ぬふりするような形になってしまった。甚だしいのは、暴力ざたを起こして刑事事件になって、起訴になって有罪になった。有罪になったその人を国鉄は再雇用したんです。殴られた人は嫌になって、そして国鉄をやめていったんです。そのことがおかしいとも思わぬような状態に国鉄の職場がなってしまったというところが私は非常に残念ですし、だから、この国鉄という法案を随分何回もやってきましたけれども、私が一番感じたのは、国鉄には重役はいるけれども経営者がいないという、企業のマネージする人たちが果たしているんだろうかということを何回思ったかわからないんです。ですから、そういう点でもってどうか今回のこの法案を取り組むについて、これは大臣も言われておりましたけれども、分割・民営化の方針というのはもう進むしかないんでしょう。引き返せないんでしょう。そういうふうな、言うならばこの改革はやるしかない、やめるわけにはいかないんだという私は性格を持っていると思うんです。やめたらこれは国鉄の破産でしょう。もう何としてでも、皆さんの協力をいただいて、そして前へ進んで改革をしていくしかないんですというものだと思うんです。とするならば、どうやってスムーズに来年の四月一日になったときにその新会社がスタートができるか、私が考えてもなかなかそれはもう大変なことだと思うんです。
 ですからそういう点からいくならば、来年四月一日新会社発足ということはこれはもう至上命題として取り組まなきゃいけないと思うし、そこでお願いをしておきたいのは、これから国鉄に残られる方もいる。それから希望退職その他でもっておやめになっていく人もいる。おやめになる人も、国鉄に残る人も、ともかく自分が国鉄で働いていてよかったなと言って、そして自分は国鉄マンだったということに誇りを持ってこれからも生き抜けるようにしてやっていただきたいと思う。そのことが私は大変大事なことでもって、なかなか今までいろいろなことがありましたけれども、これを機会に、それこそ先ほど大臣が言いましたように、そういうしがらみをきれいに捨て去って、そして心機一転で新生国鉄としてスタートできるように、御指導というか、指示というか、そういう形をとってやっていただきたいと思いますので、最後にそういうことを希望申し上げて、大臣、総裁、それぞれからの御所見を賜って終わりたいと思うんです。
#175
○国務大臣(三塚博君) 大変現状を憂えられて、国鉄の将来に深い洞察と愛情をお示しいただいたことに敬意を表するわけであります。
 まさに御指摘のとおりでございまして、立ちどまったり振り向いたりということをやりましたならば国鉄の再生はできないだろう、アウトになるだろうという実は認識を私自身持っております。政府もそういうことで一面反対される方々からはドラスチック過ぎると、分解、崩壊に導くものだという御批判をいただいておるわけでありますが、しかしこれは論議をしその協議をしてまいりますなら、必ず立場は立場としても御理解をいただけるものかなと、また御理解をいただくべく全力を尽くさなければならぬなと、こう実は思っておるわけでありますし、そういう点で今回希望退職をされる二万人の方、この方々に対して大事にしていかなければならぬと思うんです。もともと国鉄マンで入ったわけでありますから、国鉄として行く末を見届けていきたいというのは、一人残らず全部そうだと思うんですね。それをその退職をされる方は後進に国鉄の栄光と将来を託してやめられていく方だと思うんです。それだけに残った者よしっかりやってくれということで行かれるわけでございますから、私はそういう意味で大事にしてあげなくちゃいけないなと。言うなれば最終的に十カ月というこの決め方が高いのか安いのかという議論はありますが、今審議官言われましたとおり、過去のいろんな関係でそういうことに、十カ月に決めさしていただいたわけでございますが、私どもはそれをそこまで高めさしていただいたわけでありますけれども、今後今言われましたようなことの中で早くおやめをいただく、年度内でありますが、年度ぎりぎりではなくそういうことで転身を図られるということに相なりますれば、そういうことについて再就職先を万全なものにすることはもとよりでございますが、いろいろ運営でございますから、内部運営に法令上、また常識上だれが見ても許される範囲という、許容範囲というものはあるのかなと。私当事者じゃありませんですから、総裁以下が考えられることではあろう、こう思います。退職金及び給付金は法令に定められた中でしっかりとやらさしていただかなければなりませんし、また柳澤先生言わんとするところも体しつつ、今後しっかりとやらさしていただきたいと思っております。
#176
○説明員(杉浦喬也君) 国鉄の職員の諸君は、先生おっしゃいますように、非常に誇り高い人々であり、また非常にまじめな人々でございます。派遣等でそれが非常に証明をされておりますが、そうした個人個人のまじめさというものは、やはり日常の安全、正確さというものに反映されているというふうに思うわけでございまして、経営形態がどのようになろうとも、そうした立派な精神というものはちゃんと引き継いでいかなければならない、これが大事な役目だというふうに思っております。
 また、希望退職に応ずる職員の皆さんは、広域異動の際もそうでございましたが、やはり鉄道という分野を離れるという決断をされるわけでございまして、自分は一生そこに働きたいと思っていたことを、違った分野への決断をすることは非常に大きな勇気と決断力が要ると思います。そうした面におきまして私どもは希望退職制度の中身、法律が通りましたならば十分に周知徹底を図り、一人一人の希望を十二分にくみ上げて温かく送り出していくように万全の措置を講じていきたいというふうに覚悟しておるところでございます。
#177
○委員長(鶴岡洋君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#178
○委員長(鶴岡洋君) 次に、特定外航船舶解撤促進臨時措置法案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。三塚運輸大臣。
#179
○国務大臣(三塚博君) ただいま議題となりました特定外航船舶解撤促進臨時措置法案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 我が国外航海運は、貿易物資の安定輸送をその使命とし、外国との貿易に多くを依存している我が国の経済的安全保障を確保する上で、極めて重要な役割を担っております。しかしながら、二度にわたる石油危機など経済的事情の変化により、近年の外航海運をめぐる情勢はまことに厳しいものがあります。特に油送船、ばら積み貨物船などを中心として、大幅な船腹過剰による不況が長期化しており、我が国海運企業の経営は極めて悪化している実情にあります。
 このような深刻な事態に対処し、引き続き外航海運の健全な振興を図っていくためには、従来講じてきた近代化を中心とする船舶整備面での施策に加え、海運事業者の自主的努力と相まって、過剰化し、かつ、老朽、不経済化した外航船舶の解撤を促進するための所要の施策を確立することが喫緊の課題となっております。また、このような解撤促進施策を世界の主要海運国たる我が国が率先して推進することは、諸外国における船舶解撤促進機運の醸成に大きく貢献し、国際海運市場の健全な発展にもつながるものであります。
 以上のような観点から、外航船舶の解撤を緊急に促進するため、基本指針を定めて、海運事業者が行う解撤の努力を一層喚起しつつ、解撤の際に必要な資金につきまして債務保証制度を創設することがこの法律案の趣旨であります。
 次に、法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、船腹量が過剰となり、かつ、老朽、不経済化している特定外航船舶の解撤を促進するため、運輸大臣が基本指針を策定することとするとともに、海運事業者は基本指針に従って解撤を行うよう努めなければならないこととしております。
 第二に、海運事業者は、その所有する特定外航船舶について解撤計画を作成し、運輸大臣の認定を受けることができることとしております。
 第三に、運輸大臣の認定を受けた解撤計画に係る特定外航船舶の解撤に必要な資金などについて、産業基盤信用基金が債務保証を行うこととするため、所要の事項を定めております。
 その他、関係船員の雇用の安定に関する事項、特定外航船舶の解撤を行っていない海運事業者に対する勧告などについて定めております。また、この法律案は、臨時的な措置を定めるものであり、三年間の限時法といたしております。以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#180
○委員長(鶴岡洋君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する自後の審査は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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