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1985/05/20 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 運輸委員会 第13号
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1985/05/20 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 運輸委員会 第13号

#1
第104回国会 運輸委員会 第13号
昭和六十一年五月二十日(火曜日)
   午前十一時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十五日
    辞任         補欠選任
     高平 公友君     田代由紀男君
     倉田 寛之君     福岡日出麿君
 五月十六日
    辞任         補欠選任
     田代由紀男君     高平 公友君
     福岡日出麿君     倉田 寛之君
     小笠原貞子君     橋本  敦君
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     瀬谷 英行君     和田 静夫君
     柳澤 錬造君     伊藤 郁男君
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     藤田  栄君     伊江 朝雄君
     山崎 竜男君     宮島  滉君
     和田 静夫君     梶原 敬義君
     伊藤 郁男君     柳澤 錬造君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴岡  洋君
    理 事
                江島  淳君
                吉村 眞事君
                安恒 良一君
                矢原 秀男君
    委 員
                伊江 朝雄君
                梶原  清君
                倉田 寛之君
                高平 公友君
                内藤  健君
                宮島  滉君
                森田 重郎君
                安田 隆明君
                梶原 敬義君
                小柳  勇君
               目黒今朝次郎君
                和田 静夫君
                橋本  敦君
                柳澤 錬造君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  三塚  博君
   政府委員
       内閣審議官    中島 眞二君
       日本国有鉄道再
       建監理委員会事
       務局次長     吉田 耕三君
       運輸大臣官房長  永光 洋一君
       運輸大臣官房審
       議官       熊代  健君
       運輸大臣官房国
       有鉄道再建総括
       審議官      棚橋  泰君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        多田  稔君
   説明員
       日本国有鉄道総
       裁        杉浦 喬也君
       日本国有鉄道常
       務理事      岡田  宏君
       日本国有鉄道常
       務理事      須田  寛君
       日本国有鉄道常
       務理事     山之内秀一郎君
       日本国有鉄道常
       務理事      岡田 昌久君
       日本国有鉄道常
       務理事      澄田 信義君
       日本国有鉄道常
       務理事      前田喜代治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のた
 めに昭和六十一年度において緊急に講ずべき特
 別措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付
 )
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鶴岡洋君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○小柳勇君 先般質問いたしました東神奈川車掌区で車掌が新聞に投書したために不当な処分を受けたという問題についてのその後の経過について報告を求めます。
#4
○説明員(杉浦喬也君) 中身につきまして、事は安全の問題でございます。よく本人の意見といいますか、見解、あるいは不安に思っている事柄等等を実際に秋葉原等の駅に本人と助役が付き添いまして確認を行ってまいりました。
 そうした事柄を通じまして我々判断をしたところでございますが、本日から本人を所定の行路に乗務をさしておる状態でございます。
 本人に対しましては、きのうまで本人がいろんな点での安全上の危惧があるという問題がございましたので、なおしばらくの間、本日の乗務につきまして管理者と一緒に乗っていただきまして、なお秋葉原以外の川口、王子等の駅につきましても、施設につきましての問題点について解明をしつつ、所定の行路の乗務を続けていただくと、こういうような処置を講じたところでございます。
#5
○小柳勇君 処置については総裁がいろいろ配慮されたものと理解いたします。
 ただ、この前にも言いましたように、無人駅などをたくさんつくることによって合理化を、定員減らしを進めるということは反対です。やはり、一人の今も大事にしていかなきゃなりませんから、例えば経営についての経費その他についてはあろうとも、無人駅をふやすことによって赤字経営を修正するなどということは、そういうことはもう一切これはやるべきじゃない。例えば、民鉄におきましても、もしそういうのがあればそれは国がやっぱり社会福祉として補助するぐらいのことをやって、公的な輸送機関については人命を尊重するという立場を今後も貫いてもらいたいと思います。希望だけ申しておきます。
 それから、第二の問題は、先般希望退職の問題で国鉄関係八千名、関連企業その他で一応めどがついたと。二万名といたしますと、あと一万二千名。一万二千名は運輸省から説明を受けました。私は説明を受けたところで合計三万七千ありましたから、ずっとそれが先入感がありましたが、ずっとこれを読んで見ますと、六十一年度から六十五年度までというような間にありまして、もう少しこれを運輸省から詳しく説明を求めたいと思います。
#6
○政府委員(中島眞二君) 内閣の雇用対策本部の事務局でございますが、先生御指摘のとおり、今日まで各部門から採用の申し出のありました数は合計いたしまして三万七千人でございますが、これは年次といたしましては六十一年度から六十五年度当初の採用分まででございます。この中で希望退職者二万人の再就職先として充てるものは、この中から六十一年度と六十二年度当初の採用分でございます。それに該当するものといたしましては、国鉄の関連企業については八千人、それから一般産業界につきましては全体で九千人の申し入れでございますが、その中で六十一年度と六十二年度当初の採用分につきましては、現在国鉄におきまして各申し入れのありました企業との間で詰めを行っている段階でございまして、まだ具体的な数字まで申し上げるところにはなっておりませんけれども、相当数出てくる見込みでございますし、それからまたこの九千人のほかに情報通信とか、電力とか、証券、金融、建設などの各業界についても精力的に働きかけを行っておりまして、さらにより多くの採用申し出ができるものと、近日中に出てくるものと期待しているところでございます。
 また、本年度からは労働省の指導によりまして各都道府県ごとに関係者によります国鉄職員再就職促進連絡会議が発足いたしまして、希望退職者の雇用確保の活動に入る体制も整備されてまいっておりまして、逐次雇用の場の確保はできていくものと考えております。
 公的部門につきましては、昭和六十一年度の目標は二千六百人でございまして、これについてはほぼ達成するめどがついてまいっております。六十二年度の当初分につきましては、これは六十二年度から六十五年度まで全体についての採用計画をこれから政府において策定をするということになっておりまして、六十二年度当初におきましても相当数が期待できるわけでございます。そういうことでございまして、現段階において具体的数字をお示しできませんけれども、全体といたしまして二万人の希望退職者に見合う再就職先というのは十分確保できるものと、また我々関係者一同それに向けて努力していくということにしているところでございます。
#7
○小柳勇君 それで、いろいろ運輸省、国鉄で苦労しておられることはわかりますが、この前にも申しましたように、私は監理委員会答申の九万三千名の余剰人員の前提に立っての二万名希望退職は反対です。ただ、ずっと今国鉄が経営上労働組合に合理化を提案しながら、ダイヤ改正ことに余剰人員が出ている、そういうものが私の腹の中にあるということはまず前提に申し上げておきます。でないと九万三千名の余剰人員を認めた上で、その第一段階の希望退職二万名の論議をしておると誤解されては困りますから、前提としておきます。
 それでもう一つは、年齢を構わないで募集していきますから、例えば五十五歳以上で年金が取れますと、普通は年金プラス次の職場の給与で現職の給与を補う、そういうようなのが今までの大体我々が聞いている常識ですが、若い人が希望退職をする場合は年金がありませんね。したがって給与が、現在生活しているんですから、現在の職員の給与以上のものがないとなかなか希望退職、こういうところがありますよと言っても希望しないと思うが、そういう点の配慮がありますか。
#8
○説明員(杉浦喬也君) 関連事業につきましては、今先生お話しのように、今までは大体いわば勧奨退職年齢に達した方のお世話という場合におきましては、年金プラス給与というのは今までの給与と変わらないというような仕組みでございますので、給与自体はレベルの低いということはもう事実でございます。その場合に、若年の場合はこれは年金がございませんからその給与レベルでいきますと非常に落っこちてしまうことに相なるわけでございます。
 おっしゃいますように、今までの給与水準から非常に落ちるということではぐあいが悪いというふうに思いますので、その辺の労働条件につきましては、今まで余り関連企業に若年を採用しておりませんが、この際各企業と話をしながら従来の給与水準を維持するように努力をしていきたいと思います。
 その他の一般産業界につきましては、これはなかなか給与水準がまちまちでございますけれども、関連企業で申し上げましたとおりの従来の給与水準はできるだけ守れるようにそれぞれの企業に話をしていきたいと思っております。
#9
○小柳勇君 そこで、希望退職の問題の最後ですけれども、先般来質問しましたように、この法律が通りますと、ある時期から希望退職を募っていくんですが、先日申しましたように、職員というものはいろいろ組合が違いますけれどもみんな一応組合に組織されておる。したがって、今の日本の労働法のもとでこういう法律が通りました、これから希望退職をやります、二万名退職を募りたい、そういうものを一応組合に提出した上で、団体交渉で、それは条件いろいろ今我々がここで論議しているようなことが各組合から出るでしょう。そういうものを一応十分に論議された上で調印して、その上で個人の希望退職に入る。しかもそのときはちゃんと向こうの方の今総裁がおっしゃったような労働条件あるいは給与条件その他を明確にして募集する、このことをお約束願えますか。
#10
○説明員(杉浦喬也君) この法律が通りました暁には、基本的にはその法律の条項に該当する部分につきましては、これは法律どおり実施するということではございます。しかしながら希望退職制度の実行に当たりましては労使が一緒になってやらなければならぬことがたくさんあると思います。したがって、できるだけ早く私どもはその中身につきまして、基本的に方向を決めまして手順等を組合にお示しをして十分に話し合いをし、また労働条件にかかわる部分につきましては十分に団体交渉を行うということで組合と一緒になってやっていきたいというふうに思っております。
#11
○小柳勇君 わかりました。そういう方向でやっていただきます。また、この法律に関しましては、後同僚議員もいろいろ質問しましょうから希望退職に関する質問はこれで終わります。
 次に、先般、澄田常務理事から説明がありました。その中で昨年十月に十九万五千人の体制を実現しようということで二カ年間にわたりまして約八万六千人の合理化をやろうということで云々。そこで、目下交渉中の事案でございます、組合に提案いたしております、そういうことで先ほど総裁申しましたように四万二千五百ばかりは六十年度中に既に実施いたしましたと、残りの四万四千人ばかりをこれから十一月一日のダイヤ改正に向けて今鋭意組合と折衝中でございますと、これは少し誤りを訂正されました。四万二千五百については既に実施しておりますと、残りについてはこれから具体的に詰めて組合の方に提案いたしますということであります。この事実はそうですか。
#12
○説明員(澄田信義君) ただいま先生のおっしゃいましたとおりでございまして、後ほど先ほどのお話のように後で訂正させていただきましたけれども、訂正した内容が正確な内容でございます。
#13
○小柳勇君 二カ年間で十九万五千人体制というのはどういう計算でもっていったんですか。
#14
○説明員(澄田信義君) この十九万五千人体制というものは、私ども営業系統あるいは運転系統各部門ございますけれども、それらの部門で私どもが十分にいろいろな角度から検討いたしまして一つの目標を立てたわけでございます。その目標に従いまして二カ年間に八万六千五百人の合理化を計画したわけでございまして十分各系統を通じましていろいろな角度から詰めを行った数字でございます。
 なお、これにつきまして先ほど申し上げましたように二カ年間で八万六千五百、そのうち四万二千五百につきましては六十年度中に組合に提示いたしまして交渉を持った結果、既に実施済みでございます。あと残りの四万四千ぐらいにつきましてこれから鋭意詰めを行いまして、ダイヤ改正関連につきましてはことしの夏ごろまでにはほぼ成案を得て組合に提示して交渉を持っていく段階でございます。
#15
○小柳勇君 現在員と所要員と今皆さんが言っている余剰人員というのは幾らですか、現在で。
#16
○説明員(澄田信義君) 六十一年度首の現在員は二十七万七千人でございます。六十一年度首の所要員二十三万九千人でございます。
#17
○小柳勇君 それで余剰人員は。
#18
○説明員(澄田信義君) 余剰人員は三万八千でございます。
#19
○小柳勇君 私どもがずうっと監理委員会の答申が出て以来、監理委員会はそのころ三十万何がしの職員を来年の四月一日には十八万三千人が妥当であるという案が出た。しかもそれは私鉄六十一社の大も小もひっくるめて回帰式に編入して、それからはじき出しました。これはうんと数が少ない。それにもういろいろとプラス、プラスやって十八万三千。これは、私ども、組合はけしからぬと、こういうことで今反対をしております。で、杉浦総裁の前の総裁方が基本方策なるものを決められた。これでは五カ年ぐらいかかって十九万何がし、大体二十万程度のものが出ておった。現在二十七万七千でやっているが、所要員二十三万九千と言われるのにも、例えば自分でやらなきゃならぬ仕事を下請にやっている面もあろう、あるいは先般から問題になっているように、無人駅を、五千駅の中で三千百も無人駅をつくるようなむちゃな、無理な合理化、そういうもので三万八千の余剰人員を無理に出しておると思うけれども、私は澄田さんももう古い国鉄の幹部であると思うが、三十万人からがたっと二十七万七千人に合理化で押しつけてきた。その二十七万七千人今いるのを二カ年間のうちに十九万五千人体制に持っていきますと。そして、もう既に四万二千五百は合理化で話をもう縮小いたしましたと。私は、国鉄の幹部というのは今まで、ここ三十年と言いません、ここ五年なり十年の間にどういう一体仕事をしてきたんであろうかともう唖然としている。何のために、何のためといいましょうかね、現在二十七万七千でやっているその企業というのを十九万五千体制に持っていくんだと。で、組合に調べましたところが、組合側の言い分は、十九万五千体制はこれは管理運営事項であるからといって組合には問題は提示されておりませんと。ただ、この四万二千五百の合理化だけを各局ばらばらで合理化体制に入っております。集計したものが多分四万二千五百でございましょうと、こういうことを組合は答弁しています。日本国有鉄道、公共企業体である国鉄がとにかくそのときどきによってどういうふうに作業が変わっていくのであろうか。就業規則の変更も聞いていません。日本国有鉄道法の改正も聞いていない。みんな一人この辞令をもらったら、その仕事を自分の天職としてその規則どおりに仕事をみんなやっている。その集積がこの二十七万七千人であるはずだ。例えば私鉄のように、一人で辞令を、駅もやるし、あるいは信号もやると、あるいは切符の販売もやると、そういうような辞令を今までもらってない、国鉄の職員は。そういうものをまずずっと一つ一つ職場を点検しながらサムアップして、全部集積して、その上で結局十九万五千になりましたというならわかるけれども、私はここに朝日新聞のあれも見たけれども、例えば下請産業が新幹線のボルトを締め忘れて事故になる寸前であったと、そういうものも見ました。例えば車両基地に行きますと、そこで今まで国鉄職員がやっていた仕事を下請の人が来てやっている。もちろん関連事業の皆さんも雇用の場が必要でありますから、今すぐ方向変換しようとは言わないけれども、そう無理しながら下請にやる。そうすると、これは人件費が物件費になりますから定員が減ります。そのことを管理者であるから、定員を減らしましたという自慢するためにこういう合理化をやっているような気がしてならぬのです。それでは日本の将来の鉄道経営というものについて甚だ私は心配する。我が党ももちろん日本鉄道株式会社法というのを出しております。民営的手法をもって合理的に鉄道を経営することについては異議ありませんけれども、こういうような数字を出すために無理に合理化なるものを進めるとするなら、私はこれはもう断固として反対せざるを得ないわけです。総裁からその基本的な方向を聞いておきたい。この二カ年間で十九万五千体制を我々は考えておりますと、これを基本的なものを聞いておきたいんです。
#20
○説明員(杉浦喬也君) 基本的な問題としましては、国鉄の置かれている今の財政状況、それに至る各交通機関との激烈な競争というような、環境としては極めて厳しい、そういう状態に今国鉄が置かれていると思います。これを勝ち抜いて国鉄を生かしていくためには、やはり他の交通機関との間で十分に競争ができるようなそういう体質にいたしませんと、依然として収入が上がっていかないというふうに思うわけでございまして、そういう意味では効率化ということあるいは合理化ということの必要性というのは、これは一般の民間並みの効率性を発揮するという、そういう必要性は十分にあるというふうに思うわけでございます。
 ただ、今先生がおっしゃいましたように、最近時におきまして急角度にそれを実行するというところに、若干の数字的に大きな数字ということに相なりますので、いろいろと問題が出てこようかと思います。もう少し前から、今そういうふうに申し上げてもしょうがないのでございますが、前からそうした面では十分に合理化の中身について検討をし、組合に提示をし、早目に一般の社会情勢に対応できるような仕組みにすべきであったなというふうに反省はいたしております。
 しかしながら、やはり現状の状態から一刻も早く効率化、健全経営というふうに持っていく必要がございますので、いささか数字的に、時間的にかなりスピーディーな合理化ということには相なるわけではございますが、一つの大きな目標を頭に描きながら具体的に各部門別に検討をいたした数字が十九万五千人ということに相なったわけでございまして、それの個別の問題につきましては、各管理局、地方機関におきまして組合と検討をしながら詰めておる。六十年度分につきましては既に、先ほど答弁がありましたように、詰めを終わり、六十一年度分を現在詰めておると、こういう状況でございます。
 その中におきましても安全の問題、あるいは今お話ありましたような下請の問題等につきましては、これはある程度の見直しをしながら、また安全の問題につきましては十分に配慮をしながら合理化の推進を図っておるところでございます。
#21
○小柳勇君 この監理委員会の答申の三万二千名が、これは余分に新会社に持っていきますと。これも何も言わぬでもいいのに、実際は二十一万でいいけれども、三万二千持っていきますよと。また今度は四万一千名は新たに背番号をつけて、これは清算事業団、旧国鉄に残しますと。その諸君がこれから三年間あるいは五年間どんな気持ちであろうかと。我が日本社会党の案では、もちろん昭和六十五年ごろには二十一万体制に持っていかなきゃならぬと思いますけれども、五年間かけて、例えば希望退職も一年間に一万ずつぐらいあるだろうと。五年間かけてやれば、それはもうみんな同じ、職場にいる人はみんな国鉄職員だ。そして自然的に持っていく体制を考えています。そしてやっぱり全国ネットワークで清算会社だけは別につくるが、全国ネットワークの鉄道で運営しようという案を持っていますけれども、余りにも監理委員会の答申も、皆さんの考えていることも、国鉄職員を人間として考えていない。非常にもうペーパープランといいましょうか、冷たい、やり方が。そういうもので、それはまあ皆さんはそれが仕事だからやりますと言えばそれまでだが、もう少しやっぱり血の通った経営方針を、これから反省してもらいたいと思います。
 あとまた同僚議員が具体的にやりましょうから、時間がありませんから、希望、意見だけ言っておきたい。
 最後に、九州、四国、北海道、三島、その三島の経営、なかなか大変だと思う。経営者団体の意見も聞いてきました。九州などは、四、五年したら二百億ぐらいの赤字じゃないかと経営者団体言ってます。この間資料をもらって、三島会社の基金九千億をどういうふうに運用するかなど聞きましたら、記述としては「概ね十年間で造成」と書いてある。十年間で基金をうまくやって、そしてこれ経営しましょうということでありましょうが、金利がどんどん下がりました。これから何年この低金利が続くかわかりませんが、監理委員会が計算しておったころは大体七分三厘ぐらいで運営できるだろうというようなものも聞いておる。最近はとてもそんな金を借りる人はいない、借りる会社はいない。一体この三島はやっていけるのか。私はやっていけないと思う。したがってこの三島会社基金の運営、その他経営について運輸省から責任ある答弁を求めておきたい。
#22
○政府委員(棚橋泰君) まず最初に、先生のお話のございました三島の基金、金利の関係でございます。
 三島の基金のいわゆる造成と申しますか、の仕組みは十年間をかけまして三島の基金の利息と元金に相当するものを均等で三島会社に渡していく、その結果、金利の部分は三島会社がその年度の収益の補てんに用いる。基金部分はそのまま積み立てて果実を生ませていく、そういうふうにいたしますと、十年たちますと、三島の会社には今監理委員会の御試算では約一兆円という基金が残り、以後はそれから生ずる利息というものを経営の改善に、補てんに充てていく、こういう考え方でございます。
 そのとおりやるかどうか、今いろいろ検討をいたしておりますけれども、基本的には大体そういう考えでいいということになりますと、まずおっしゃるように金利というものは、監理委員会が計算いたしたときに比べまして最近は非常に低くなっております。ただ、金利というのは非常に変動するものでございまして、このような低金利がいつまで続くということも保証はございません。したがいまして、やはり将来の金利を想定するときは過去の平均金利というようなもので想定して考えていくというのが至当ではないかというふうに考えております。
 ただ、当面は非常に低金利でございます。したがいまして最初から一兆円の基金を会社に渡して、その利息で補てんをしていくということでは、おっしゃるように不足する部分が出てまいります。ただ、今申し上げましたように、元利を十年に分けて支給してまいりますから、最初の年度は金利に相当する部分を支給する額が非常に多いわけでございます。その部分は、これは幾らの金利で計算するかというのはもう計算上の問題でございますから、七分なら七分、七分三厘なら七分三厘に相当する金利というものを計算して三島会社に支給をいたしますから、そのときの実勢金利が安くても想定いたしました金利に相当する利息分の収入はあると、こういうことになります。
 ただ、元本分がだんだんふえてまいりますから、その間に金利がどうなっていくかという問題がございますけれども、したがいまして、そういう意味で、ただ当初は元本分に相当する金利というのはそれほど大きくございませんので、その間にまた将来の金利変動というものも想定をされるということでございまして、三島の基金の造成につきましては、今申し上げましたような仕組みで、一定の金利を想定いたしますけれども、長期的に見て大きくその収益に影響がないような形で基金の造成というものを考えていきたいというふうに考えております。
 三島の経営、大変苦しいんではないかということでございますけれども、現在、最終的に、いろいろな試算のやり直しを行っておりますけれども、最終的には今国会に提出をしております諸法案が成立いたしました後、引き継ぎ計画とか基本計画というような中で、その最終的に基金の額というものも確定してまいるつもりでございまして、基本的には能率的な経営を行えばその基金の金利とあわせまして三島会社が健全な経営が行っていけるというような形でスタートをできるように十分な配慮をしてまいるというつもりでございます。
#23
○小柳勇君 この問題だけでもたくさんの時間がかかりますが、時間が参りました。
 私は国鉄分割については反対であります。とにかく今の公共交通が全国ネットワークで、――もちろん経営方針についてはよくしなきゃなりませんが、そういうことを期待し、希望し、質問を終わります。
#24
○目黒今朝次郎君 私は大分休んでおりましたから、代理の人がかわって質問をいたしてまいりました。しかし、最終日でありますので、どうしても会期内に通す前に二、三点聞いておく必要があると、こう思いまして、時間をもらいましたので、そういう意味を含めて大臣並びに総裁から御返答を願いたい、このように思います。
 まず最初に、運輸大臣にお伺いしますが、勤労などが労使共同宣言を結んでおる、あるいは広域異動、あるいは派遣など、こういう問題については細田運輸大臣当時から随分この問題を私が提起をして結ぶべきだ、こういう提起をしておったんですが、現実にこの問題が提起され、しかも結ばれておる、こういう問題については運輸大臣として御承知かどうか、まず話の冒頭、運輸大臣からその認識についてお答えをいただきたいと存じます。
#25
○国務大臣(三塚博君) 今回置かれております国鉄の状況の中で、新しい鉄道再生を期して諸改革を御提示させていただき、お願いを申し上げておるところでございますが、ただいま目黒委員御指摘の共同宣言、広域異動、派遣等々につきまして、目黒委員が細田大臣、山下大臣の当時から労働者の地位保全と申しますか、生きがいを持って頑張り抜けるような状況をつくるべきだという点で真剣な御提言をいただき、御議論をいただいておりますことは引き継ぎ等によりよく承知をいたしておるところであります。
#26
○目黒今朝次郎君 運輸大臣から答弁をいただきました。
 それで、今総裁も含めて同じことを質問しますのは、特に労使共同宣言、この問題については本来で言えば国会に持ってくる問題ではないと、私は考えます。労使において具体的にどうするか、こういう筋合いのものであるというふうに私自身考えております。不幸にしてこの問題は、結んだ組合と結ばない組合があるために、結ばない組合の方から国会の方に問題が提起されていろいろ議論されておる、こういうふうに聞いております。
 それで、大臣と総裁にお伺いしますが、私も勤労の書記長を長くやりました。勤労の委員長も長くやりました。涙をのんで国労が結んだ協定あるいは鉄労が結んだ協定、それらについてこういうふうにここを変えれば私はできるぞ、こういう思いながらも、しかし一たん結んだものについてはどんな理由があろうともやはりこれと以下同文でなければならぬ、こういう意味で、書記長を十年、委員長を十年の間、私は涙を流しながら同じ協定を結んでまいった経過がございます。しかし、しこうしてこの労使共同宣言なるものは、結んだ組合と結ばない組合があります。結んだ組合はいざ知らず結ばない組合が最近徐々に動いておるようには思っておりますが、大臣として、あるいは総裁として、私がかつてなめた経験を振り返ってみて、やはり文句はあろうけれども、この労使共同宣言の問題については、総裁、大臣とも結んだ内容と同じ内容を結ぶべきだ、しかる後においてそれ相当の具体策をとるべきだ、こう私は全面的に思うわけでありますが、総裁並びに大臣、両方の責任者の見解を、まず総裁から聞きたい、このように思います。
#27
○説明員(杉浦喬也君) 労使共同宣言は、現下の国鉄の厳しい情勢に対しまして国鉄が労使一致協力いたしましてこの難局に対処するということを国民に示すという趣旨で提案をいたしたものでございます。既に勤労等の三組合とは直ちにこれが結ばれたわけでございますが、残念ながら一番大きな国労との間では現時点におきましてなお労使共同宣言の締結に至っておりません。私は、ぜひともこれは国労との間で速やかに締結をしたいという気持ちは全く変わらないところでございます。
 先般もようやく国労との間で、同じ土俵に着くという意味におきまして懇談会を設けることができました。既に第一回を行っておるところでございます。私は、この懇談会を中心とし、またその他の機会をとらえまして労使共同宣言をぜひ締結するようにこれからも組合に粘り強く働きかけをしていくつもりでございます。また、国労もその中身につきまして十分に理解をし、討論をし、早く結んでほしいというふうに思っておるところでございます。その中身につきましては、先生のおっしゃるとおり、各組合ともにすべて公平、平等の気持ちで私は接しておるところでございますので、基本的に同一内容のものとしてこれを理解していただきたいというふうに思っておるところでございます。
#28
○国務大臣(三塚博君) ただいま杉浦総裁から直接の担当責任者としての御回答がございましたわけでございますが、私もそのとおりであろうと実は思います。本来本問題、労使共同宣言は現下国鉄の置かれております諸状況を打開し、真に国民の期待される鉄道に生まれ変わってまいりますためには労使一体となりまして取り組まなければならぬことは言を要しません。取り組みますためには、置かれております現状の正しい認識、こういうことがその基本的な前提にあるだろう、こう思っておるわけでありまして、その御苦労を見守りつつ、締結が一日も早からんことを願っておるわけでございます。
 本来この問題は、国鉄内部、労使の間の協約にかかわる事項でございまして、基本的に労使が真剣にひとつ話し合いの中で判断をされるべきであり、国鉄の中における第一組合といいますか、国労がまだそこまでの認識に至っていない、また国鉄当局もそのことについてそこまでまだ到達をしておらないということは残念なことであり、なお一層の努力をお願いを申し上げ、期待をして、相協力をされまして労使が国鉄改革の円滑な実施のために努力されますよう強く期待をいたしておるところでございます。
#29
○目黒今朝次郎君 両責任者から現状における問題点と、それから公正無私、それからどの組合とも甲乙をつけない、一言一句同じ文で結ぶよう最大の努力をし、あるいは組合を説得中である、こういう努力についてお話がありましたが、そのように確認していいですか、大臣、総裁。
#30
○説明員(杉浦喬也君) 先ほど申し上げましたように、各組合に対しましては常に私は公平、平等、そういう気持ちでおつき合いをし、申し上げているところでございます。共同宣言の内容につきましては同一内容というものを基本にして理解をしてもらうように努めているところでございます。
#31
○国務大臣(三塚博君) そのように申されましたとおり理解いただきまして結構でございます。
#32
○目黒今朝次郎君 では確認いたします。
 それから、広域異動の問題についても、ここにありますとおり原文をもらっております。しかし、この問題について私は余り国会で質問するには的確でないな、こう思うわけでありますが、時期が時期であるだけにやっぱり涙をのんで言わざるを得ない、こういう心境であります。ここに六十一年五月十日、広域異動の募集の数があります。五月十日現在で言いますと勤労が二千九十、国労が八百三、鉄労が三百四、真国労が五、全施労が三、その他三百十、この数字を見ますと勤労が圧倒的に多い、このように考えられます。この点は、いわゆる広域異動についてこの内容を理解し、あるいは細田運輸大臣も言ったとおり、いわゆる勤労提言、こういうものについて理解をして今日置かれておる国鉄の現状、こういうものに対する御意向並びに意見の開陳の結果だと、このように私は理解をいたします。こういう問題について、組合別に国労の方が余り、八百三というのは現在数から見てちょっと理解に苦しむわけでありますが、国労は国労の実情がありますから強いて言いませんが、こういう現状について勤労が二千名余を超えていると、約三千名に現在ではなんなんとしていると、こういう現状については総裁は御存じかどうか、まず総裁の認識の点についてお伺いいたします。
#33
○説明員(杉浦喬也君) 広域異動という大変重要でありかつ難しい問題を提案をいたしまして希望者を募ってまいったところでございまして、それの動向、職員の受け取り方、希望者のあらわれ方につきましては、重大な関心を持ちまして毎日数字を見ておるような状況でございます。当初は、やはり非常に問題があったと思います。出足が非常におくれた状態でありましたが、最終的には目標の三千四百をかなり突破をいたすような数字に相なったわけでございまして、まあ大変困難な問題をよく職員が理解をし、決断をしてくれたというふうに私は敬意を表する次第でございます。
 各組合の受けとめ方は、それぞれ組合の事情ございまして、それの対応の仕方というのもそれぞれあるわけでございまして、一概に数字がどうのこうのというふうには申し上げにくいところでございますが、これからもいろんな問題を提案をしてまいります。各組合が全体の広い視野に立って判断をしていただくように切に希望をしておるところでございます。
#34
○目黒今朝次郎君 それで、北海道から約一千名近く来ておるわけですが、(資料を示す)この文章はちょっといただけないと、こういうふうに思うんです。総裁、一も二も三もおのおの意味があると思うんですが、特に二の「荷物をまとめて北海道へ帰れ」とゴシックで勤労のボックスの中にどんどん入っていると。これは組合が違ったとしてもちょっと問題があると私は思うんでありますが、総裁はどんな認識を持っておられるか、一応総裁の認識を聞きたい、こういうふうに思います。
#35
○説明員(杉浦喬也君) なかなか、長年の住みなれた故郷を離れる、そういう決断をして東京、大阪に来た職員につきましては、まあいろんな問題があろうともその受け入れ側におきましては温かい気持ちで職員は迎えてほしいということは、私ども何遍も申し上げたところでございます。しかしながら、受け入れ側といたしましてもいろんな考え方、複雑な心境はあったのかと思います。
 そうしたことから、今先生の示されましたような、いわば受け入れに対する拒否反応的なそういう行動があったことも事実であるというふうに思うわけでございまして、先般の国労との間の懇談会におきましても私どもの方から一つの議題といたしまして、参考資料を添えて、こういうようなことについては大変残念である、やはり職員を温かく迎え入れる、そういう大きな気持ちになってほしいということをその場で申し上げたところでございます。
 まあ、いろんな見方、考え方があるかと思いますけれども、そうした事柄を十分にそしゃくをしながら、それぞれの職員の生活がかかっているそういう状況に対しましては、各組合ともに温かい対応をしていただきたいというふうに思いまして、これからもそのように私は申し上げていくつもりでございます。
#36
○目黒今朝次郎君 では、総裁承りましたから、大臣、私は、私の心持ちの中ではこれを撤回してくれと、このくらいの気持ちはあります。しかし、事柄が事柄ですから撤回なんという子供っぽい言葉は使いません。使いませんが、今総裁が言ったとおり、機会があったならば、やはり先祖代代のうちを犠牲にして国鉄のためにと、国鉄に残るためにと言って千名近くの同僚がやっぱり北海道を、生まれ故郷を離れてくる、こういう心境を大いに買って、機会があれば関係組合にも総裁同様、やはり大臣の方から関係組合に十分に話をしてもらうということを大臣にお約束を願いたいと、こう思うんですが、いかがでしょうか。
#37
○国務大臣(三塚博君) 今も総裁からお話がありましたとおり、非常に今回の希望退職等につきましても、各組合、耐えがたきを耐え、国鉄の再生、新生ということで御苦労をいただいておると理解をしております。
 特に北海道、九州等、一万三千人、一万一千人と出ます余剰人員は、九州あるいは北海道では転職、配転が極めて難しいことの中で、雇用機会の多い本州と、こういうことでありましょうし、特にそういう中にございまして、国鉄労働組合という連帯、協調の中で、お互いが鉄道再生という観点の中で、そこは協調し合いながら、助け合いながら取り進めていくというのが労働者連帯であろうと、御指摘のとおり私もそのように痛感をするわけでございまして、労働者同士が敵対意識を持ち、これを排除する、あるいは帰れなどということでやりますことは極めて私自身も悲しいことであり、残念なことだなと、こう思います。そういう点で、機会がございますれば、また国労の幹部の皆さんといろいろなことでお話を申し上げる機会がありましたときには、この辺のところは労働者連帯ということで、やはりそこは深い理解と協調でお取り組みをいただけないだろうかと、それは申し上げるつもりでございます。
#38
○目黒今朝次郎君 では、共同宣言と広域異動は以上をもちまして終わります。
 次に、雇用問題につきまして、私も病院にいる間、これは毎日新聞ですが、総裁の行動等も見ていますし、うちの家内がまとめたやつをすべて持っています。それから、きのう余剰人員の問題について中島事務局長より、先ほど説明を伺ったきょうも含めて一応聞きました。聞きましたが、私は国鉄関連産業の労働組合の諸君の雇用ということも考えておりますので、その中で特に衆議院で問題になった鉄道荷物、現在三千七百名おると聞いております。それが認可の取り消しあるいは認可の停止、そういうものを含めて千七百名から二千名程度滅ってしまう、残りが二千名を割ってしまう、半分になると、こういう鉄道荷物の原因と背景などを聞きたいんですが、余剰人員問題は国鉄本体の問題であるという認識から政府としては余り関心がないと、こういうふうには理解をしておるわけですが、この鉄道荷物の問題については、弘済会なり日本食堂と同様に、やはり国鉄職員に準じて取り扱うのが正当だろうと、このように考えて、二千名弱の雇用についてもやはり鉄道荷物の職員については考えるべきではないかと、こういうふうに関連産業の一員として、責任者として思うわけでありますが、きょうは交通公社とか弘済会の例を言えば一番いいわけでありますが、最も手近な貨物に影響する鉄道荷物、こういうふうに限定して、鉄道荷物について再考の道があるかどうか関係者の意見を聞きたい、こういうふうに思います。
#39
○説明員(岡田昌久君) 先生御案内のように、昨今、小量物品の輸送についてはさま変わりいたしております。私の手元にある資料によりましても、この六年間で国鉄の手小荷物輸送は七〇%減。しかるに民間宅配便は一六〇〇%、十六倍にふえているという事実がございます。この事実を踏まえまして、このダイヤ改正を機に抜本的にこの荷物のシステムを変更しなければならないというふうに考えておりまして、それに伴いまして、荷物専用輸送力を原則として廃止いたしましてトラック輸送に一部転換、それからまた荷貨一元化ということでコンテナ輸送の活用等で努力してまいりたいと思っております。なお、ブルートレーン、新幹線の余力輸送力の活用等につきましては従来どおりやっていこうということで、このダイヤ改正を機に抜本的なシステムチェンジを考えておる次第でございます。
 そこで、先生御指摘の荷物会社、二十一社ございまして、現在四月一日の年首の要員を見ますと約五千八百名でございます、この五千八百名の方方の雇用問題につきまして今各社と具体的に――実は二十一社ございまして、会社によって大変ニュアンスが違うわけでございます。と申しますのは、国鉄の荷物輸送が大体平均では四〇%関与しておりますが、会社によっては八〇%とかあるいは二〇%とかの関与率でございますので、会社によって非常に違いますが、先生御案内のように、この会社は国鉄の出資じゃなくて弘済会を中心とした出資会社でございますが、御案内のように三十年来一緒にやった会社でございますので、私どもとしてもその辺は一体となって、今後まず雇用の確保のための仕事の充実、これについて全力を挙げていきたいと思っておりますが、ただ昨今申しましたように大変さま変わりして、非常に厳しい小荷物輸送の現状でございますのでやはり企業の効率化は避けられないと思いますけれども、先ほど申しましたように、できるだけ仕事を確保するように一緒になってやっていきたいと、そういうふうに考えております。
#40
○目黒今朝次郎君 抽象的な話はわからないわけではないんです。しかし私がこの問題は、私もちょっと体を壊す前に関係者を全部個別に呼んで、労使とも、経営者は経営者、労働者は労働者、それから組合を組織してない関係者ですね、五千八百名から三千七百名といいますから、二千名は組合を結成してない方々だと思うんですが、しかし当時の約束としては、この関連会社の問題についても、関連会社に働いておる諸君は内容からいえばほとんど国鉄職員あるいは国鉄職員に準ずる方方だと、こういう駅員のためにこういう余剰人員を得る場合にはやはり関連会社の諸君についても十分に頭に置いて、給料、労働条件その他は若干下がるかもしれないです。下がるかもしれないけれども、雇用という問題については何らかの措置をするように最大限の努力をする、労働条件は若干下がるかもしれぬけれども、雇用条件についてはきちんと守りますよと、関連会社については。こういうふうにあなたの前任者が私と穐山君に連携あるいは連絡をしている、こういうふうに思い、私もそれを信じておるわけです。ですから、今抽象的な言葉を言われましたけれども、やはり具体的に労働条件は若干下がったとしても雇用についてはきちんと守るように責任を持ってやってもらいたいな、こう思うんですが、再度答弁を求めます。
#41
○説明員(杉浦喬也君) 雇用の問題は、国鉄の現在おる職員の問題の解決だけでなしに、関連企業全体の問題にも及ぶ事柄でございます。今関連企業に対しましては、むしろ国鉄職員の余剰の人を受け入れてくださいということで二万一千人の無理なお願いを申し上げたところでございますが、逆に、こうした荷物会社のようにその会社自体が合理化しなければならないというようなところもあるわけでございまして、それぞれの問題を抱えておる、そういう状況であることは十分承知をしているところであります。国鉄自体が余剰人員の問題を抱えているだけにほかのところになかなか目が行き届かないということはございますけれども、お願いをし、またお願いをされる、今まで一緒にやってまいりました仲間でございますから。そういう意味におきまして今、常務が答弁をいたしましたように、できるだけ仕事の場を見つけ出すということが第一、また他へ転じる雇用問題につきましても、私どものできる限りのお世話をする気持ちで接触をしてまいりたい、こういうふうに思っているところでございます。
#42
○目黒今朝次郎君 時間が参りましたが、総裁が一例を挙げた貨物の問題についてお話ししましたが、それ以上は追及いたしません。どうかそういう気持ちで他の関連産業にも努力をしてもらいたい、このように思います。
 最後に、実は特定外航船舶解撤促進臨時措置法案、こういうのが次の委員会に出される、こういう連絡を受けております。ただ老婆心ながら、これは運輸省に関係あると思うんですね。私は去年の九月二十日と十月二十三日に撚糸工連の問題についてお話を決算委員会で提起いたしました。当時、通産省の浜岡だと思いますが、当時の政府委員は、絶対ありません、絶対ありませんと口を酸っぱくして私の一方通行になりました。しかし私は、あなた方がどんなに言われようともどんな説明をしようとも三人の侍はおるぞ、あと十数人のこういう人がおる、合計十五、六人はおるぞ、こう申しましたが、政府委員は絶対にありませんと、再三再四、二十三日の段階でも言いました。ところが、私がベッドに若干休んでいる間に民社党の代議士が五月一日起訴される。それから、三羽がらすの一羽で自民党のある人が離党してやはり五月一日起訴される。私の九月の段階で言ったことが、九、十、十一、十二、一、二、三、四、五と、九カ月かかって私の言ったことが実を結んでいるというふうに、はっきり明白になっておるわけで、ですから私はこの特定外航船舶解撤云々と、この点はわからないわけではないですが、運輸委員を十二年もやってますからわからないわけではありませんが、時期的に見てちょっと問題があり過ぎる問題だな、こういうふうに私は感じております。ないないと言っていながら九カ月たったら二名があらわれた、こういう経過、状況を考えると、私はこの問題は余りやりたくありませんが、そういう経過があるから、慎重の上にも慎重を期してほしいということを要望申し上げて、私の質問を終わります。以上です。
#43
○委員長(鶴岡洋君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十三分開会
#44
○委員長(鶴岡洋君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#45
○和田静夫君 まず運輸省、一九八四年の十月八日に国鉄車両検査周期の延伸について特別承認を出しているわけですけれども、その内容を御説明ください。
#46
○政府委員(棚橋泰君) ちょっと手元に今ございませんけれども、御承知のように、国鉄の車両は国有鉄道運転規則によりまして検査周期が定められておりますけれども、運輸大臣の承認を受けました場合にはこれを縮めることができるということになっております。それに従いまして、たしか先生御指摘のは一昨年だったと記憶しておりますけれども、運輸大臣の特別承認で検査周期を縮める承認を行っております。
#47
○和田静夫君 三十カ月を三十六カ月に延ばしたというやつですね。で、九十万キロ。
 そこで、国鉄総裁、五月の十六日に国鉄本社車両局の小野課長が仙台工場に行って訓示を垂れているんですが、その内容をちょっと言ってください。
#48
○説明員(杉浦喬也君) ちょっと私、事実関係はよく存じておりません。至急に調べさせていただきたいと思います。
#49
○和田静夫君 総裁自身も四月七日の訓示で安全面について胸を張ったんですが、どういう内容でした。
#50
○説明員(杉浦喬也君) 安全の問題は我々の仕事の基本的な第一の条件であるというふうに思っているところでございまして、常に具体的な各職場におきまして個人個人が安全面について十分に配慮するように、また合理化あるいは現在のような大変な状態の中で職員それぞれの気持ちの動揺が安全に逆に結びつくことのないように、これから一層安全面で現場におきまして指導者も管理者も十分に気をつけるように、こういう趣旨のことを言っておるわけであります。
#51
○和田静夫君 ところが、その舌の根も乾かないうちに東海道新幹線で大事故が起こる条件にまでつながるような事態になりましたね。あの原因というのは一体何ですか。
#52
○説明員(杉浦喬也君) 新幹線のボルトの緩みの問題ではなかろうかと思いますが、そうした一部の指摘がございまして、私どもの方も早速関係者から事情を聞き、問題の本質は何であるかということを十分に検討いたしたところでございます。やはりそのボルトの締めぐあいというものが緩んでおるということは好ましくないということでございまして、それを請け負った業者あるいはそれを監督する立場の者がある時期に適切な確認、検査をしてはおるのでございますが、確認、検査の段階におきまする一部の手抜かりがあったというふうに思うわけでございます。
 ただ、その中身を詰めてみますと、ボルトの緩みを克明にトレースをいたしましたが、道床の更換時には若干のそうした緩みというものが発生をするようでございまして、それらを後でトレースをしながらボルトの締め直しをしていくということが必要であるというふうに思うわけでございます。当日、発見者と、それをどうしたらいいかという判断をした助役等との間で若干の意見の違いがあったようではございますが、総体として、その場におきまする安全性の問題は、直ちに修繕ということでなしに、夜間における修繕で足りるという判断をしたことについては間違いがなかったというふうに思うわけでございます。
 いずれにいたしましても、そうした緩んでいる状態ということは決して安全上好ましくないというふうに思いますので、これからも万遺漏のないように指導していきたいと思います。
#53
○和田静夫君 これは、きょうの運輸委員会の問題等もあり、私はすぐに調査いたしましたら、決して皆さん方が当初言ったような下請の締め忘れではない。下請業者関係者は、前日、作業終了時点でボルトを全部点検をしている。ところがああいうような状態が起こった。私は原因は別にあると思う。総裁、これは十分に調べる必要があるが、そうお思いになりませんか。
#54
○説明員(杉浦喬也君) 現に十分に中で関係者が寄り集まりまして、その真相、今後の対策につきましては引き続き検討、審議をやっている最中でございます。
#55
○和田静夫君 これはきちんと調査をされるように要求をしておきます。そしてその結果の報告を求めます。よろしいですか。
#56
○説明員(杉浦喬也君) 結論が出次第また御報告を申し上げます。
#57
○和田静夫君 ところで、東北新幹線でも四月の十九日の朝、上野発のやまびこ三一号が大事故を起こしていますが、その概容を報告してください。
#58
○説明員(杉浦喬也君) ちょっと私確認をしておりません。後ほど、担当の者を今呼んでおりますので、またその時点におきまして御質問にお答えしたいと思います。
#59
○和田静夫君 ちょっと別の問題に入っていきますが、五月の十三日、松本駅であずさ六号の飲料用水をとって水質検査をした。そしたら一般細菌が多数に検出された。検査を行った長野県薬剤師会の検査センターでは水質基準に不適合であると判定をした。国鉄当局、この事実承知していますね。
#60
○説明員(須田寛君) 詳細な事実につきましては必ずしもつまびらかにいたしておりませんが、そのような水質検査が行われたことは承知いたしております。
#61
○和田静夫君 検査結果によりますと、水道法による基準では一般細菌というのは一ミリリットルに百個以下でなきゃならぬわけですね。このあずさ六号の飲用水は八・五掛ける十の二乗、八百五十個検出しているわけですが、国鉄はこの飲用水を乗客が飲んでいったらどうなるというふうに考えているのか。
#62
○説明員(須田寛君) やはり先生御指摘のように、省令で定められました基準を遵守すべきものでございますし、やはり今おっしゃいましたような事態が起こらないように定期的に昭和五十六年から検査基準を決めまして検査をいたしておるところでございます。今の松本等につきましてはタンクの方にいろいろ問題があるというふうな検査結果でございますものですから、タンクの清浄をいたしましたり、いろいろその方の対策をとっておるところでございます。
#63
○和田静夫君 これは明確に水道法違反ですよね。御存じですか、大臣。
#64
○説明員(須田寛君) 省令の一つの基準でございますので、直ちに法律違反になるかどうかちょっと私も法律の問題つまびらかにいたしませんが、不適正な事実であることは事実でございますので十分に改善方について努めてまいりたいと存じております。
#65
○和田静夫君 これは大臣、水道法違反なんですよ。分割・民営にばかり現場の管理者の頭がいっていて、こういう基礎的な安全衛生対策がおろそかになっている。こういうことについては大臣どうお考えになりますか。
#66
○国務大臣(三塚博君) 安全運行、また運行だけでございませんで、御指摘のような問題も含め安全に対応してまいるということは基本的なスタンスでなければなりません。そういう意味で、安全性という問題については当委員会を中心にそれぞれの関係委員会においても御指摘をいただき、運輸省といたしましても本件については国鉄総裁にその都度申し上げ取り組みをいただいておるところでございます。ただいまの御指摘の水道水の問題については政令、省令で決められておる基準という意味で、御指摘のことがそうであるということでありますれば早急に改善をされなければならぬ問題であろう、このように思うわけであります。
#67
○和田静夫君 大臣、これはやっぱり全国的に再点検をされる必要があります。乗客がこれ飲んでいるわけですからね。そういうことを求めますが、いかがですか。
#68
○説明員(須田寛君) 五十六年につくりました詳細な検査基準はございますが、先生御指摘のような実例が最近もあったということは残念ながら事実でございますので、なおよく検査基準等を再検討いたしまして遺憾な点のないように十分措置してまいりたいと、かように存じます。
#69
○和田静夫君 先ほどのやつはまだ答弁間に合いませんか。
#70
○説明員(杉浦喬也君) 今こちらに参りますので、もうしばらくお待ちください。
#71
○和田静夫君 国鉄職員を関連企業に天下りさせるという雇用計画になっているわけですが、当然のことながら今度は関連企業労働者に、これ予算委員会でも私ちょっと指摘をしましたが、玉突き的な退職の現象が生じることになるのではないだろうか、ここで生首が飛ぶということになるおそれが私は非常に強いと思っているんですが、これはどういうふうになりましょうか。
#72
○説明員(杉浦喬也君) 関連企業八百六十五社ございますが、長年国鉄と一緒になって仕事をしてきた間柄でございます。国鉄本体の方の余剰人員問題というものにつきまして、関連企業も一緒になって協力してくださいということで申し入れをしお願いをしたところでございます。
 その具体的な中身としましては、毎年新規採用をする場合には、ほかの人でなしに国鉄の人を採ってくださいということが一つ。
 それから定年制の問題でございますが、今国鉄は大体五十五歳で勧奨退職をしているわけでございますけれども、関連企業の職員におきましては、企業によってばらばらではございますけれども、六十歳以上の方がかなりおられるということでございますので、ひとつ国鉄の現状等も考えていただいて、定年制を六十歳まで落としてくださいということのお願いをし、それぞれこの二つの点について各社個別にお話をした結果、各社におきましてもそれぞれ問題はあったんでしょうけれども、国鉄の本体の大変な状態に対応いたしまして協力をいたしますということで、関連企業への採用を総体で二万一千人了解をしていただいたわけでございます。
 今までの定年の仕組みというものはかなり高い年齢であったということからいたしますと、国鉄から参りますとその分だけは余計にはじき出される、いわば玉突き現象ということは起こり得るかもしれませんが、しかし国鉄の現状とそれから関連企業のそうした定年制の現状との間にかなり開きがあると思いますので、そうした点も御辛抱いただきまして受け入れてください、またそうしたことを考えて受け入れましょうというふうに関連企業も了解をしているところでございますので、総体といたしまして余剰人員対策に対しましてはいろいろな問題はあろうかとは思いますが、関連企業の御協力を得ているところでございます。
#73
○和田静夫君 どうも関連企業の首切りとでも言いますかね、定年制をダウンをさせる、そういうことを政府が奨励をしているということにほかならぬわけですね。大臣、関連企業での玉突き解雇やあるいは玉突き希望退職は行わない。これぐらいのことはしっかり認めておいてもらわぬと困ると思うんですが、いかがですか。
#74
○国務大臣(三塚博君) 今、総裁も心構えとして、方針としてのお話を申し上げたわけでございますが、八百六十五社にいろいろと二万一千人について詳細な打ち合わせをさせていただきお引き受けをいただいておると、こういうことであります。もちろん五カ年計画であるわけでございますが、本年度八千人程度、こういうことのように聞いております。そういう中で関連企業が押し出されてそこに労働問題が起きてまいりますことは、これまた重大な問題であります。このことは承知をいたすわけでございますが、そういう点で、五十五ということ、そちらは六十二でありますとか、それぞれによって違っておりますようでありますが、その辺の、新採停止等でスムーズに埋め込められる人員の問題、埋め込められず、それがそこに玉突き現象が出るということにつきましては、極力さようなことのありませんように、同じ関連の職場であるという点で協調、調和を図っていってほしいものだと、こう願っておるわけでございます。総裁を中心にその辺のところは万全を期しながら、おやめいただく場合につきましてもいろいろとまた御配慮をいただけるものと期待をいたしておるというのが率直な見解でございます。
#75
○和田静夫君 十一月のダイヤ改正で鉄道荷物関係で二千人ほどの関連企業従業員の余剰が生まれることは必至ですね。この対策はどうなりますか。雇用を確保できますか。
#76
○説明員(岡田昌久君) これにつきましては、荷物専用列車につきましては原則として全廃するわけでございますが、そのほか、これを荷貨一元化ということで貨物輸送にシフトしようと考えております。したがいまして、コンテナあるいは場合によっては一部代行も含めました輸送関係、あるいは今度はトラック専用にいたしまして、これは許可あるいは登録が要るわけでございますが、積み合わせ関係への進出等を図ってまいりたい、これは個別に各社と、その会社の力もございますものですから、具体的に今議論を詰めておる段階でございます。
 そのほかブルートレーンとかあるいは新幹線の一部利用を行っておりますが、これにつきましては引き続き制度を若干簡便にしまして充実してまいりたい、そういうことでできるだけの雇用の確保を図っていきたい、そんなふうに考えております。
#77
○和田静夫君 鉄道荷物に関してですが、私の調査では駅どめが九〇%と圧倒的なんですね。そういうことの理由はどういうふうに分析されておりますか。
#78
○説明員(岡田昌久君) 昨今、約五千万個ございました手小荷物が現在千五百万個とこの六年間に七〇%減ってしまったわけでございます。
 その中で、大変宅急便が進んでまいりましたものですから、非常に限られた荷物が正直言いまして残っておるということになっております。
#79
○和田静夫君 昨年の汐留駅の取扱実態の調査結果を見ますと、映画フィルムあるいは新聞原稿、あるいは証券やら実験動物、血清などといった、トラック輸送では代替できない荷物が圧倒的ですよね。この点は確認できましょうね。
#80
○説明員(岡田昌久君) この二年間におきましても、例えば証券は、個数で申しますと一日分二百二十六個あったのが七十七個と減っております。そのほか、血清につきましても百三十八個ありましたのが九十七個というように、映画フィルムにつきましても千八百六十五個あったのが千百五十三個というように減っておりまして、これは必ずしも独占というよりも、全体として数量の莫大なものはむしろトラック輸送に既に転移していると考えております。
#81
○和田静夫君 国鉄はコンテナとあるいは鉄道荷物各社のトラック輸送で対処する、そういう案を持っているようですけれども、しからばそれで何個の荷物が残ると予測しますか。
#82
○説明員(岡田昌久君) これは私どもの計算でございますが、今千五百万個の荷物輸送を持っておりますが、私ども、これは計算値ではございますが、千二百万個は残るというふうに思っております。
#83
○和田静夫君 広域異動についてですが、北海道では東京への異動応募が千四百三十八人あったとされていますけれども、そうなると、北海道の余剰人員は千四百三十八人分減って、東京の余剰人員がその分ふえる、そういうことになりますか。
#84
○説明員(杉浦喬也君) おっしゃるとおりでございまして、それが結果的なねらいでございます。北海道では非常に雇用の場が狭い、東京に参りますればそれだけ雇用の場が広がるということでございますので、その間の余剰人員の調整を行ったということでございます。
#85
○和田静夫君 玉突き現象で、東京地区では余剰人員をふやすということになるわけですね、これは。
#86
○説明員(杉浦喬也君) 数字的にはそのとおりになるわけでございます。
#87
○和田静夫君 これの意見はまとめて後で言います。
 ちょっと大臣のことですが、仙台のお宅の前に二階建てのプレハブ選挙事務所というのか、後援会事務所がありますね。これは国鉄用地の上に建っていますね。
#88
○国務大臣(三塚博君) 自宅のその下が事務所でありまして、そのプレハブは事務所ではございませんで、恐らく何かの本にちょっとそれらしきものを書いたわけでありますが、和田先生、そこを見ていただければすぐわかると思うんですけれども、これはそのとき、私のところには直接記者が来ませんでしたが、自宅の方の事務所の担当に行きまして聞いたそうでありますが、それでほぼ理解したというふうに聞いております。
 といいますのは、お隣にラブホテルみたいなものがございまして、三角で十坪ぐらいでしょうか、そこにいろいろごみを捨てて極めて不衛生で、隣にまた人家がございまして、困っておりましたものを、何とかせいということで町内会からもお話があり、そこを何か整理させようということであったようで、国鉄とも協議をしておったようであります。それで、当後援会事務所がそれでは借りてプレハブを建てて、一部、倉庫にしようというので一年契約で借りたということを聞いております。
 その際、私、相談を受けたものですから、借りるのであれば一番高い値段で借りろ、値段を値切ったりしちゃいかぬ、国鉄再建のさなかでありますのでと、こういうことで、たしか三十数万円であったというふうに思います。通常の二倍か三倍程度の地代かなと。率直に言いまして、事務責任者は借りるのをやめろ、そんな高いものはと、こういうことであったということなども率直に取材に来ました記者さんに申し上げたというふうに聞いておりまして、御拝見いただければよくわかるとおり、もうレールの根っこでありまして、私の家も電車のレールと踏切の根っこにある家でありまして、朝夕のチンチンで朝と夜がわかるわけであります。そういうところでありますので、事務所に適当であるかどうかは、見方でありますが、皆さんは不適当であると、こういうことですから、小さなプレハブ、一間半に三間でしょうか、四間でしょうか、こんな程度の建物であります。
#89
○和田静夫君 これは週刊現代が書いたから私はやっているわけじゃなくて、予算委員会のときから実は登記簿をとったりいろいろしましたけれども、国鉄の用地というのはなかなか地番が出てこないものですから、余り調査が不十分なものを予算委員会でやるのもどうかと思って黙っていたんです。しかしながら、ちゃんと写真を入手しまして、(写真を示す)今いかに抗弁をされましたところで、あなたの後援会のポスターもちゃんと張ってありますし、表示があるわけでありますから。
 これは賃貸契約をされていると秘書の方も週刊現代にも答えられている。賃貸契約をされているとするのならばその契約書があるはずでありますから、これは現職の大臣、運輸大臣ですから、そこのところはあなたの名誉のためにも資料として提出をされて明確にされるべきである。三十万円なら三十万円でよろしい、賃貸契約があるのなら出してください。
#90
○国務大臣(三塚博君) 早速出します。
 運輸大臣でありますからそれはやめておけと言ったわけですが、もう契約が、なる前の更新契約でございまして、間もなく切れるはずであります。それをもって終わるということに相なっておりますので、御指摘の書類は直ちに出させていただきます。
#91
○和田静夫君 国鉄当局に伺いますが、全国の国鉄用地で政治家の選挙活動のために土地を貸している例のすべてを挙げてもらいたいと思うんですがね。何党でも構いません。何党のだれに貸しているのか、すべての固有名詞を明らかにしてもらいたい、総裁。
#92
○説明員(杉浦喬也君) ちょっと私も把握をいたしておりません。調べればあるいはそういうのあるかもしれませんが、現在はちょっとお答えできません。
#93
○和田静夫君 これは総裁ね、ちょっと調査して出してください、私の方がいろいろ申し上げるのをはばかりますから。出てきたものに基づいて論議をする。
 次の質問に入りますが、総裁ね、井手正敬さんという方が国鉄におられますね。
#94
○説明員(杉浦喬也君) 今総裁室長という役割で本社におります。
#95
○和田静夫君 総裁室長でいらっしゃる。この井手さんは分割・民営を、分割を先頭に立って推進しておられる方ですが、この人が昭和五十九年に東京西鉄道管理局長に就任したときに、本来ならば幹部用のアパートに入居されるところなんでしょうけれども、二戸建ての官舎に入られた。しかもこの官舎は、私はすべての書類ここに持っていますが、廃止予定でほうっておかれた家を三百十七万五千円かけて改築して入居されましたね。世田谷区の松原一の三十三の二十一。赤字で民間ならば倒産という経営状態のときに、自分の生活については公費を使って改築をする、こんな人物というのは真の国鉄改革ができるに相当する人物ですか。
#96
○説明員(杉浦喬也君) 本件もちょっと私事実関係よく存じません。調べてみませんとどういう状態であったかお答え申し上げかねます。
#97
○和田静夫君 私はここに工事見積通知書から全部持っていますよ、これ全部持っている。普通の経営状態でも公私混同の甚だしい話なんですがね。今はいわば国鉄にとって非常時でしょう。自分が入っている住居には三百万円も超すようなそういう公費を使うということを平然とやる。一方では国鉄に働く関係従業員の首はとっていくなどというようなことが行われるわけですね。これは調査してというわけにいきませんよ。ここで答弁求めます。
#98
○説明員(杉浦喬也君) 事実関係、私知りませんので何ともお答えしようがございません。調べさせていただきます。
#99
○和田静夫君 じゃ、待ちましょう。
#100
○委員長(鶴岡洋君) どなたか担当者おりませんか。
 ちょっと速記とめて。
   〔速記中止〕
#101
○委員長(鶴岡洋君) 速記起こして。
#102
○説明員(山之内秀一郎君) 四月十九日の東北新幹線やまびこ三一号の車両故障の件について、概要でございますが、四月十九日の六時三十三分に、大宮と小山間の四十一キロ六百メーター付近で突然新幹線の信号がゼロ信号になりまして列車が停車いたしました。調べたところ、床下等が損傷いたしておりましたので、大至急手当てをいたしまして小山駅まで二時間ちょっとおくれて到着いたしまして、そういった状態では前途の運転が不安でございますので、最寄りの小山の車両基地に収容いたしました。その後調査いたしましたところ、この電車の最前部のブレーキのディスクというものが破損いたしておりまして、それがこういった事故を起こした原因だということでございます。
#103
○和田静夫君 もう一つ、五月十六日、さっき言ったやつですね。あなたでしょう、仙台工場で行った小野修車課長の訓示の答弁はどうなっているんです。
#104
○説明員(山之内秀一郎君) 仙台工場の演説の中身について私は聞いてないんでございますが。
#105
○和田静夫君 一番基本のところを答弁してから後の答弁するなら話は別だけれども、あなた、違うような答弁されとったら困るじゃないの。
#106
○委員長(鶴岡洋君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#107
○委員長(鶴岡洋君) 速記を起こして。
 暫時休憩いたします。
   午後一時五十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時十二分開会
#108
○委員長(鶴岡洋君) 委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を続けます。
#109
○説明員(山之内秀一郎君) 御質問のございました仙台工場における訓辞の趣旨でございますが、早速調査いたしました。
 仙台工場に車両業研の表彰に行きまして、そのときのあいさつの内容でございますが、我々車両関係者が携わっている車両の検査修繕というものは、国民の生命、財産を預かる大切な仕事であるということが第一点でございます。それから第二点で、安全で安定した輸送を支える仕事について一番大切なことは、責任を持ってきっちりと心を込めて実行し、自分のやった仕事に誇りを持てるものとすることだというのが第二点でございます。それから三点目でございますが、我々車両関係者のやっている仕事は、それゆえに自信と確信を持ってでき上がったものであるはずであるということでございます。四点目に、いろいろと不安全だという一部の声もあるけれども、関係者というものは批評家であってはならない。我々がやっていることは正しいことをやっているという確信で仕事をしようということを言っているということでございます。
#110
○説明員(岡田宏君) 先ほど先生からお話がございました井手総裁室長の宿舎の件についてでございますけれども、井手氏が西鉄道管理局長として発令になりましたときに、西鉄道管理局の所掌の範囲が中央線を初めといたしまして首都圏西部の地域に偏っておりますので、現場視察等の観点から見まして、そちらの方面にある宿舎に入ることが望ましいということで、たまたま数年間空き家になっておりました宿舎がございましたけれども、そこに入居をしたわけであります。入居に当たりましては、極力修繕費をかけるというようなことにつきまして回避をするようにいたしたわけでございますが、何分にも長年人が住んでいなかった宿舎でございますので、最小限の手直しを行って入居をしたということで聞いております。
#111
○和田静夫君 そこのところはあなた方は廃止予定だったんですよね。廃止予定であったものに多額の金をかけて入居をさせた、こういうところですからね、私の言っているのは。その後。
#112
○説明員(岡田宏君) 細部につきましては今鋭意調査をいたさせておりますので、もうしばらくお待ちをいただきたいと思います。
#113
○和田静夫君 事故の方は。今岡田さんのやつはわかりました。あと少し待ちますが、事故の方。
#114
○説明員(岡田宏君) 東海道新幹線のボルトの緩みの件でございますけれども……
#115
○和田静夫君 いいえ、それは済んでいる、それは済んでいる。東北新幹線。
#116
○説明員(山之内秀一郎君) 東北新幹線の車両故障は四月十九日の六時三十三分にやまびこ三一号が大宮を発車いたしまして小山に行く間に起きたものでございます。
 現象は、運転中にATCの信号が、車内信号でございますが、ゼロになりまして、その他の故障表示灯が点灯いたしましたので急遽停止をいたしました。で、調べましたところ、床下にございますモーターの点検カバーというか床下が損傷いたしておりましたので、急遽低速運転で小山駅まで運転をいたしまして、その後の運転の継続は不可能と判断をいたしまして小山の車両基地に収容いたしました。その後関係者でもって点検をいたしましたところ、新幹線のブレーキディスクというのが破損をいたしておりまして、その結果こういった故障が起きたというふうに考えております。
#117
○和田静夫君 その程度のことを先ほども言われたんですがね、私は先ほど総裁にも見せたとおり写真も全部持っている、それからそのいきさつも全部調査したのを持っていますがね。ブレーキ盤がまず床をぶち抜いたわけでしょう。それから車両の下にある機器も壊れた。それからちぎれたブレーキ盤の一部は防音壁に当たってはね返って後部の車両に激突をしていますね。破片は何と六両目にまで飛んで車両の外壁を損傷させている。この防音壁がもしなかったことを考えますと、沿線に被害が生じたに違いありません。それから、これがはね返ったのが窓にでも当たっていれば負傷者が出たかもしれない。そういう性格の事故ですよ、これは。あなた方はこういう事故の本当の内容というものをずっと隠ぺいをしてきた。総裁も、あるいは先ほどの仙台における課長も、安全については立派な訓示をされている。訓示は立派だけれども、こういうような事故というもので安全が保障されるような状態というものは一つもないんですね。そういう点をどういうふうにお考えになるんですか。
#118
○説明員(山之内秀一郎君) 今回の事故は、おっしゃるとおりかなり影響も大きな事故でございまして、私どもとしても対策についてはかなり重視をして取り組んでおるつもりでございます。
 事故が起きました原因は、直接的原因は雨が当日降っておりました関係で空転によって異常な状態になったというふうに考えております。したがいまして、まず第一は、残る車両の全車両につきましてこういったブレーキディスクに例えば傷が入っているかどうかの総点検をやりまして異常がないことを直ちに確認をいたしております。
 それから第二点目は、こういった破損をいたしましたブレーキディスク等を研究所に送りまして、そういった車両の構造の中身等について現在詳細調査をいたしておりまして、こういった構造の変化を含めて対策を現在検討中でございます。
 それから三番目には、やはりこういった空転が大きくなることが大きな問題でございますので、空転が大きくならないような運転操作を含めた指導を大至急行いまして今運転をしているところでございます。
#119
○和田静夫君 こうしたいわゆる状態でありながら、私が言いたかったのは、冒頭したがって聞いたんですがね、車両検査の周期をいわゆる延ばしたことについて。延ばすような状態に本当はあるのではなくて、総裁、安全を考えるのならば周期はむしろ短縮すべきだろう。私はもちろん運輸の問題については素人ですよ。しかしながら、客観的に考えればそうあるべきじゃないですか。周期を延ばしていく、したがって点検もおろそかになるというような、まあおろそかになるならないは別として、そういう延ばした状態の中でこういうような安全を阻害するような問題が起きる。短縮するのが当たり前じゃないか、そういう論理を実は展開をしたかったからなんです。いかがです、総裁。
#120
○説明員(杉浦喬也君) 技術的な中身の詳しい点は山之内常務から答えさせます。
 車両の検査周期の問題につきましては、おっしゃるように短くすればするほどそれは丁寧に車両を見ることになりますから、そういう意味におきましてその方がいいんじゃないかとおっしゃられれば、それは人とお金の余裕があれば、それはそれにこしたことはないと思います。ただしかし、私どもが今やっておりますのは、いかにして経営の観点からコストをできるだけ安くしながら、しかも安全で、またサービスも十分に行き届くような、そういう仕組みはどうかということを一生懸命探っておるわけでございます。特に安全にかかわる点につきましては、これはもう非常に重大な事柄でもございますので、念には念を入れましていろいろと施設の関係についての調査、検査あるいは過去のデータ等につきまして詳細な検討をした結論といたしまして、検査周期を延ばしても差し支えないという、そういう判断に立った結論であるわけでございます。
 そういう意味におきまして、決して私どもは検査周期の延伸の結論が事故につながる、故障につながるというふうには考えておりません。しかしながら、事実そういうことが起こっておりますので、そうしたことにつきましては十分に事故原因というものを探求いたしまして、その後の事故が発生しないように万全を期したいというふうに思っておるところでございます。
#121
○和田静夫君 重要な改革を行うと口ではおっしゃっているわけですが、あるいは国鉄の経営が危機的状況にあると言いながら、国鉄の幹部の姿勢というのはどうも事ほどさように、ずっと今幾つかの問題を言ってきたんですが、感心できない。
 駆け込み工事も私はそうじゃないかと思っているんですよ。六十年八月の監査委員会の提言では、今後の設備投資については、特に緊急度の高いものを除き原則として停止すべきである、そういうふうに指摘している。それにもかかわらずここに来て工事量がぐっと増加していますね。これは総裁、一体どういうことです。
#122
○説明員(杉浦喬也君) 最近の工事予算の総額全体は非常にひところに比べましてかなり圧縮されております。そういうような予算の中で、私どもまず重点的に行うという方針にいたしておりますのは、各種施設の老朽化に伴う取りかえ工事、そういう安全面での工事を一番重点的に行っておるつもりでございまして、したがいまして、従来ございましたような、例えば複線化、電化工事というような、これも地元で非常に御要望が強い工事内容でございますが、そうした面におきましてはかなりこれは制約をされておるというふうに思っておるところでございまして、全体の工事量がここでふえているというふうには私は見てないんでございます。
#123
○和田静夫君 それじゃ、東京周辺でも桜木町の駅の改良あるいは国分寺駅の改良あるいは御茶ノ水駅の改良、そういう工事が進められようとしているわけですけれども、総裁、これはどういうような意味で緊急度が高いんですか。
#124
○説明員(岡田宏君) 桜木町駅の改良につきましては、あの周辺におきましては三菱ドックの跡地を使ってみなとみらい21という計画がございますが、その計画を主導いたしております横浜市の全額工事負担金によって工事をいたすものでございます。国鉄の自己資金を使う工事ではございません。
 なお、国分寺の駅の改良の問題でございますが、これもいわゆる駅ビルあるいは南北の自由通路の新設ということで、地元の御要望並びに駅ビルということが引き金になっておりまして、地元の負担金あるいは駅ビル計画での民間資金の導入というものを図りながら、その一環として行うということでございまして、今までもそういう事例は幾つかございまして、むしろそういったものについても抑えぎみのやり方で仕事を進めているところでございます。
#125
○和田静夫君 御茶ノ水は。
#126
○説明員(岡田宏君) 御茶ノ水の駅の改良工事につきましてはまだ計画が具体化いたしておりませんが、前々からの問題といたしましては、ホームが曲線中にございますので何とかしたいという考え方は前々から持っておりますが、現在のところ計画が具体化している段階にはない次第でございます。
#127
○和田静夫君 車両費はどうなってましょうかね。ディーゼル機関車はまずどうなってますか。
#128
○説明員(山之内秀一郎君) 貨物輸送の減少に伴いまして、最近は機関車の需要が大変減ってきておりますので、ここ数年はディーゼル機関車は製造いたしておりません。最近はディーゼル機関車の新製はいたしておりません。
#129
○和田静夫君 六十一年度の百四十五億というのは。
#130
○説明員(山之内秀一郎君) それは旅客用の、私ども、気動車もしくはディーゼルカーと呼んでいるものだと思います。これは特に四国等を中心にいたしました地域が非常に古い車がふえておりますので、そういった古い車を重点的に取りかえるために今そういう新製に取り組んでおるところでございます。
#131
○和田静夫君 バスはどうです。
#132
○説明員(須田寛君) バスにつきましては経年に大体合わせてつくっておりますので、ちょっと新しい数字は私今持っておりませんが、大体百両内外の製作をいたしておると思います。
#133
○和田静夫君 バスの場合は、私の言っている数字間違いならば訂正してもらえばいいけれども、当初の計画では五十九年度十九億円だったですね。それが二十一億円。それから六十年度には当初二十億円だったのが二十三億円。六十一年度には二十三億が二十八億。ふえてますね。これは明らかに駆け込み工事、駆け込み発注ではありませんか。
#134
○説明員(須田寛君) 確かにバスは計画に比べまして実績がかなり大きくなっておるんでございますが、実は、高速道路が開通をいたしまして、そういったところへ新規のバス路線をお認めいただいたようなものがございますことと、それから例の監理委員会の御意見等も拝聴をいたしまして各地で貸し切りバスの新製をいたしたりいたしておりまして、いろいろな面で業務量に若干の変動がございますので、そういったことも若干発注量がふえた原因かと存じます。
#135
○和田静夫君 大臣ね、いろいろなことを言いたいんだけれども、結果的に、ちょっと一言申し上げたいのは、国鉄が、まあ民間であれば破産状態に等しいような状態であるというような監理委員会の指摘、予算委員会で何遍もやったことでありますが、そういうのにもかかわらず、国鉄の幹部が、自分の官舎を必要以上の経費でもって改築をしてみたりというようなことがずっと行われる、こういうことで再建が一体できるんだろうか。いかがですか。
#136
○国務大臣(三塚博君) 今、官舎の話は、最終の報告のあるまでと思っておりましたが、ただいまの御質問にお答えをさせていただきますと、岡田常務理事の説明にありましたとおり、住んでおりませんものを業務遂行上最小限の改築でこれを行う、こういうことでありますならば、それも現下の状況の中で最小限やむを得ない措置かなと。また、車両、バスは、私は全国を回って歩いておるわけでありますが、特に北海道知事、四国知事会の面々から、またそれぞれ各党の先生方からも、北海道と四国と九州には本州で使い古した古い車両を渡しておいて、これでサービスの向上か、こんな車両はないよ、こういうことで強い御指摘をいただいておるところでありまして、私からも本件についての、できる限りのその改良、いい車を入れてあげることが三島の今後の地域鉄道として重要なことではなかろうか、このように申し上げさしていただき、その促進を努めておるというふうに思います。
 バスは、まさに今、常務が御指摘のとおり、バスはバス部門として自動車部門は鉄道ではございませんが、独立をしてぜひ遂行をしてまいりたい。そのことが、鉄道とバスがリンクすることによりまして旅客需要がふえて全体の収支にプラスになりますということを自動車部門、これまた全国各地から御陳情をいただいてまいったところであります。もちろん、前年、前々年、前々々年と、私が運輸大臣を担当しないときにも、衆議院の運輸委員会の理事をいたさせていただきました関係から、そんな請願案件などもございまして、私の方からも国鉄、運輸省に申し上げた経過がございます。
 また、有料道路のバスも、まさに高速バスが非常に昨今のバス需要にこたえられるという意味で収支に改善が著しいわけでありますものですから、運輸省はそういう意味では既存業者の調整の意味で必ずしも賛成ではなかったようでありますが、しかし国鉄再建という意味でこのことも重要なことかなと、こういうことどもの中で運輸省の深い理解を得て当時からその既存のバス業者とのバランスをとりまして免許をし、新しい車両が入れられておるということであります。
 いろいろ御心配、御指摘をいただいておるわけでございますが、総裁を中心に国鉄はまなじりを決して民営・分割後の新鉄道に向けて奮闘いたしておりますことはよく見とれるわけでございます。そういう意味で、大局的な観点から和田先生にひとつ御監視、御指導、御鞭撻を賜ってまいりますならば、ただいまの御指摘、総裁以下皆さん全部聞いておられるわけでございますから、有効適切な方式の中で、これが真の再生に向けてリンクされていくのではないだろうか、こんなふうに思っておるところであります。
#137
○和田静夫君 希望退職の本題に入る前にもう一つだけ質問しておきますが、国鉄の庁舎、国鉄用地の中にありますね。それで適格がある。そういう通路というのは国会議員は自由に通行できますか。
#138
○説明員(須田寛君) 庁舎とおっしゃいますのは本社ないしは管理局のことかと思いますが、最近いろいろ警備上の問題もございまして、守衛の方でいろいろ御来意を拝聴いたしましたり、そういったようなことをやらしていただいておりますけれども、国会議員の先生方でも当然そういうふうなことで守衛の方でチェックをさしていただければ自由に御入場いただける、かように考えております。
#139
○和田静夫君 入り口のところは自由に入れるが途中行ったらつまずくということはありませんかな。
#140
○説明員(須田寛君) 入り口で先生方の場合は御来訪箇所を拝聴いたしまして御案内を申し上げますので、途中でつまずくというふうなことは私ちょっと考えられないのでございますが。
#141
○和田静夫君 実は私はきょうもまだ左の耳が不自由なんですがね。それでは五月十六日の午後五時五十分から六時十分の間、国鉄新宿庁舎前で、国会議員である私に対して何が行われたか、答弁してください。
#142
○説明員(須田寛君) 具体的な事実を挙げての御指摘でございますので、早速調べましてお答え申し上げます。
#143
○和田静夫君 これは念のために申し上げておきますが、国鉄の労使間の問題あるいは私たちの調査の問題については、国鉄総裁は予算委員会で、十分にまじめに対応する、そういう答弁がなされています。したがって、私はきょうの質問の用意のために新宿駅構内の視察に入りました。それに対して何が行われ、そして私の左の耳が今――どれだけのホンであったかも調べてもらいたいんだが、十五台のスピーカーに囲まれてピーピー鳴らされて、そして不自由な状態になっている。そのときの状態とその責任者、それに対する措置、含んで持ってきてください。何なら写真をここで渡してもいいよ。
#144
○委員長(鶴岡洋君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#145
○委員長(鶴岡洋君) 速記を起こして。
 暫時休憩いたします。
   午後二時四十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時二十五分開会
#146
○委員長(鶴岡洋君) 委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を続けます。
#147
○説明員(杉浦喬也君) 先ほど和田先生から新宿の駅の周辺の問題が指摘をされたわけでございます。私ども、事実関係を早速調べさせていただいたわけでございますが、なお詳細に事実の調査をこれからいたさせていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、こういうような労使間のトラブルというものがあるということは非常に残念でありまして、決して好ましい状態ではございません。このようなトラブルが起こらないように、労使関係が信頼関係が結ばれるように、私としましてはこれからも一生懸命努力をするつもりでございますし、またその間に、先生が現場にお入りになったときに若干の問題なり御無礼があったやに聞いておりますが、その辺も十分に調査をいたしまして、その事実に基づいて善処をしたいというふうに思います。
#148
○和田静夫君 スピーカーが使われた状態などというのは、初めから用意をされていまして、専門家に聞けば、これは保線用に使うスピーカー、危険を知らせるときにピーと非常な音量を出すスピーカー、したがって私は、言ってみれば危険を知らされる状態、電車並みの扱いを受けたわけです。こういう状態であります。私が行ったときでさえこういう状態でありますし、しかもそのピーと鳴り出したのは、日本社会党東京都本部委員長、参議院議員和田静夫にこの現場の状態を見るために来ていただきましたと言った途端に鳴り出したわけですから、私が存在をしなかったということは言わせません。したがって、私が行って調査をするという状態、こういう状態でありますから、今総裁が危惧をされていますように、大臣ね、日常的にはもっとばかげたような労使関係が先走った管理者側の動きによって起こっている。そういうふうに指摘をしておきたいと思うんですよ。こういう状態は非常に不幸な状態でありまして、総裁あるいは大臣の予算委員会からきょうまでの今の答弁を踏まえて、本当に末端の管理者諸君までがそういう意を体しながら国鉄問題に対処をする、そういう姿勢が生まれてこなかったならば労使関係の正常化などというものは、それはなかなかでき上がるものじゃないだろう。そこのところを十分に考えてもらって、私は今回の事件に対する責任者に対しては厳格な処置を求めておきます。よろしいですね。
#149
○説明員(杉浦喬也君) 先ほど申し上げましたとおり、よく事実を調査いたしまして、事実に基づき善処をしたいと思います。
#150
○和田静夫君 希望退職でありますが、予定されている二万人の根拠というのは何でしょうか。
#151
○政府委員(棚橋泰君) ただいまお願いいたしております法律、この法律は著しく過剰な現在の国鉄の職員の数、それを緊急に解消するため当面今年度において行う措置と、こういうことでございます。現在、国鉄の推計によりますと約三万八千人の余剰の人員があるということでございます。この法律の根拠になっております、予算要求等を行いました時点でも二万五千五百人、さらには六十一年度では三万七千人という余剰人員があるというふうに推計をされておったわけでございますので、このような状態を緊急に解消するためには、できるだけ多くの方の希望退職に応じていただくということが望ましいわけでございますけれども、その数については実現可能性その他を勘案いたしまして、予算の積算上は二万人ということで算定をしておるところでございます。
 ただ、今申し上げたようなことでございまして、その二万人という数は予算の積算の根拠でございます。特段法律上二万人ということになっておるわけではございません。
#152
○和田静夫君 再建監理委員会が希望退職二万人とはじいたときの六十一年度首の現在員、要員、これは何人ですか。
#153
○政府委員(吉田耕三君) 監理委員会、昨年の七月に意見を出したわけでございますが、そのときにおける六十一年度初の現在員といたしましては二十八万八千人ということを前提といたしておりました。
#154
○和田静夫君 それで要員は。
#155
○政府委員(吉田耕三君) 現在員が二十八万八千人でございまして、そして六十一年度の所要員、これは二十五万一千人というように推定いたしておりましたので、余剰人員は六十一年度三万七千人ということでございます。
#156
○和田静夫君 今言われたように、六十一年度首の現在員が二十八万八千人で、要員が二十五万一千人というふうに予定されていた。ところがこの実績は、現在員が二十七万七千人、要員は二十三万九千人。現在員で一万一千人、要員で一万二千人計画よりも実績が減になっているわけですね。
#157
○政府委員(吉田耕三君) そのとおりでございます。
#158
○和田静夫君 ということは、希望退職二万人の計画というのは当然縮減される、そういうふうに承っていいんですか、これは。
#159
○政府委員(吉田耕三君) 監理委員会の意見で、希望退職者の募集を二万人程度の応募を目指すというように述べておりますけれども、この二万人の根拠につきましては、国鉄の余剰人員が極めて膨大であるということにかんがみまして、新経営形態への移行前においてもできるだけその数を減らすということが必要であります。そういう観点から、監理委員会の、それまでの実績を勘案いたしまして、六十一年度末の予測職員数、これを二十七万六千人と一応予測いたしまして、それの一割弱に当たる二万人というのを希望退職の募集人員とめどをつけたわけでございます。
 その一割弱というような数字の根拠につきましては、過去の、昭和五十年代の前半にいろいろ行われました民間企業の雇用調整の実態等をいろいろ調べまして、大体そういう民間企業における希望退職の募集率が一割前後というような数字でございましたので、一応そういうことをめどに、一割弱の約二万人という数字を意見に書き込んだわけでございます。
 その後いろいろな監理委員会が予想していなかった実績の推移によりまして、所要員とか現在員が変化したわけでございますが、意見を出す時点では一応それまでの実績を勘案していろいろ数字をはじいたところでございます。
#160
○和田静夫君 今言われた監理委員会の予想していなかった実績の推移というのはどういうことですか。
#161
○政府委員(吉田耕三君) 先ほど来申し上げましたように、六十一年度は現在員が二十八万八千人、それまでのいろいろな退職率などを勘案して二十八万八千人であろう。あるいは合理化などそれまでの合理化のテンポ等を勘案して、所要員は二十五万一千人であろうというように推定して、そして六十一年度末の数字をいろいろ出したというときの前提となった実績の数字でございます。
#162
○和田静夫君 そうしますとね、例えば清算事業団に行く四万一千人、これは減らすわけですか。
#163
○政府委員(棚橋泰君) 問題をちょっと整理して申し上げますと、この今お願いをいたしております法律の希望退職、これにつきましては、先ほど私からお答え申し上げましたように、これは六十一年度の現在において著しく過剰になっておる状態を緊急に解消する、そういう考え方からこの法案をお願いをいたしておるわけでございます。
 したがいまして、国鉄改革全体の見通し、今先生のおっしゃいました清算事業団へ移行する職員とか、そういうものとは一応別の考え方で、当面の緊急措置としてお願いを申し上げておるわけでございます。その予算の積算根拠としての二万人というのは、先ほど申し上げたとおりでございます。
 なお、再建監理委員会の方も希望退職二万人ということでございますが、これは国鉄改革全体ということでございまして、その全体は、最終的な要員というのが二十一万五千人体制ということで新しい会社がスタートする。したがって、その差が六万一千人になる。その六万一千人は、四万一千人が清算事業団で、二万人が希望退職を募る、こういうようなお考えで御意見をいただいたわけでございます。
 したがいまして、その今の先生のお話のことでの国鉄改革全体というような考え方でまいりますと、二十一万五千人というものは、これは国鉄等の積算におきましても、大体そういう形で新会社をスタートさせるという点については、私どももそういうことではないかというふうに今現在考えております。
 いずれにしろ、精査は、現在お願いをしております改革法が成立いたしました後に承継基本計画、承継計画等で要員数をはっきりするわけでございますけれども、そうしますと、一応二十一万五千人ということになろうかと思っております。そうなりますと、二十一万五千と希望退職を募ります数の差というものが自動的に清算事業団に移行すると、こういう形になろうかというふうに考えております。
#164
○和田静夫君 いや、そうすると私が言ったとおりでしょう。どこが違うの。
#165
○説明員(澄田信義君) ただいまの御質問でございますけれども、六十一年度首で二十八万八千人の予想でございましたけれども、実績は今お話しのとおり二十七万七千人の現在員でございます。六十一年度中ですね、今年度中に、今の希望退職とは関係なく、いわゆる通常退職という形で恐らくやめるであろうと思われる数が私ども四千五百人程度という推定をしております。仮に四千五百人程度が希望退職以外でやめるといたしますと、それに今の希望退職二万人、これを私ども何とか実現したいと思っておりますけれども、この二万人と四千五百人が現在員の二十七万七千人から減るということになりますと、先ほど来お話の出ておりますように新事業体へ移行する要員の数が二十一万五千人ということになりますと、先生おっしゃるように清算事業団へ行く予定の四万一千が若干減りまして、私どもの予想ですと、もし今の四千五百という数字が仮にそのとおりいくといたしますれば、三千五百程度減りまして四万一千が三万七千五百程度になるんじゃないかという、これは想定でございます。
#166
○和田静夫君 そうだから私はそう言った。言ったのに随分長い答弁だったものだからさっぱりわからなくなっちゃった。
 そこで、六十一年度首の現在員が二十七万七千人で、監理委の意見では六十二年度首は二十七万六千人ですね。そうですから、その差は一千人でしょう。そうすると、六十一年度における自然退職は今言われた四千五百人ですか。四千五百人、間違いないですか。
#167
○説明員(澄田信義君) 私どもの今の推定では四千五百人程度ではないかという推定をしております。
#168
○和田静夫君 そうするとどうなるだろう。自然退職を四千五百人と見積もっても、この再建監理委員会ベースの二十七万六千人を割り込むと。
#169
○説明員(澄田信義君) 再建監理委員会ベースでいきますと、六十二年度首の現在員は二十七万六千人ということでございますが、先ほど申し上げておりますように、既に今年度首で二十七万七千という現在員でございますが、そこから二十七万六千万までは、今おっしゃいますように一千人の差でございます。しかしながら、私どもの予測では、そういった通常退職の見込みが四千五百でございますから、この二十七万六千が、恐らくそれから二十七万二千五百程度に、仮に四千五百やめるといたしますればそういう数字になろうかと思っております。しかしながら、この二十七万六千が大幅に減るという感じではございませんで、今の話で、私どもの予測では四千五百程度ではなかろうかと。そうしますと、この二十七万二千五百の現在員のベースから、希望退職二万人が出ますれば、それから二万人が落ちてくるわけですから、先ほど申し上げましたように、二十一万五千人という移行ベースをそのまま移行すると、二十一万五千人という新会社へ移行する数でございますね、これが二十一万五千で移行しますとするならば、しかも希望退職二万人が完遂されるという前提に立ては、清算事業団へ行く四万一千人が三万七千五百程度になるであろう、こういう推定でございます。これはあくまでも推定でございます。
#170
○和田静夫君 でしょう。
 そうすると、もう一つだけ聞いておきますが、余剰人員の数字というのは監理委員会の意見のベースとは異なったものになる。そうでしょう、それは。監理委員会のベースというのは、余剰人員が九万三千人で、新会社に三万二千人、それから清算事業団に四万一千人、希望退職二万人だったわけですよ。今の御答弁ずっと聞いていると、異なったものになるんでしょう。そう理解しておいていいわけでしょう。
#171
○説明員(澄田信義君) そのようなことになります。
 今の六万一千人のうち、希望退職は二万人、これは所定どおり募るということになりますれば、移行をいたします四万一千人が若干減るわけでございますから、そういう解釈になろうかと思います。
#172
○和田静夫君 なりますね。私もそう思うんだ。
 ということは、希望退職の二万人、それから清算事業団の四万一千人、新会社の三万二千人、これらすべては再検討されることになる、当然ですね。
#173
○説明員(澄田信義君) これは実績に伴います微調整と申しますか、そういったことになろうかと思います。
#174
○和田静夫君 微調整……。
#175
○政府委員(棚橋泰君) これは、毎々そういうふうにお答え申し上げておりますけれども、再建監理委員会は五十八年度という決算を使いまして、その時点において一つの推計をされたものでございまして、それに基づいて御意見が組み立てられております。しかし、私どもが最終的にこれを今、国会に提出をしておりますこの法律のほかの七本の改革法というのが成立をいたしまして新しい経営体というものに移行いたします際には、当然新しいデータ、最新のものを使いまして積算をいたしまして正確な数字において処理をする。それは、先ほど申し上げましたように承継基本計画というものを運輸大臣が定めますけれども、その中において最終的な数というものは確定していくということになるわけでございます。したがいまして、先生のおっしゃいましたように、再建監理委員会は当時としての御推計はされましたけれども、最終的には政府においてきちんとした数を定めるということと御理解をいただいて結構だと思います。
#176
○説明員(澄田信義君) それからもう一つつけ加えさせていただきたいと思いますが、余剰人員の数というのは常に変動しておることは、もう既に先生方御承知のとおりだと思います。たまたま今申し上げました数字は、四月一日の時点で区切ってみた場合の一断面でございます。したがいまして、私どもといたしましては、雇用対策を立てるとかいろんな観点からいいますと、先ほどの、今までの枠組みを目標にいろんな仕事を進めてまいりたいというぐあいに考えております。
#177
○和田静夫君 結局、二万人の希望退職なんですが、この二万人というのは監理委の数字ですね。ところが、この監理委員会の適正人員数というのは、これは私に言わせれば、鉛筆をなめて計算したものと言うほかない代物だと思うんですが、現在は二万人もの大量希望者を募集するというのであるならば、個別に必要人員を積み上げていって、そして余剰人員を何人、そういうふうに再計算したというふうに理解していいんですか、これは。
#178
○政府委員(棚橋泰君) 先ほどちょっとくどいように申し上げましたけれども、現在お願いしております法律は、国鉄改革の全体の大改革というものを行いますまでの間の緊急措置として、当面余剰である人員を解消するための希望退職を募集する、こういう法律の位置づけになっております。したがいまして、残り七本の法律とは別途、この法律だけ予算関係法案として緊急に御審議をお願いいたしておりますのもそういう事情でございます。
 したがいまして、先ほど申し上げましたが、現在三万八千人という現実に余剰の人員がおるという事態を踏まえまして、できる限り多くの方というものの希望退職に応じていただくというのが本来の目的でございまして、必ずしも二万人にこだわるものではございません。二万人より多い場合でも、必要なものでございましたらそれなりの所要の措置を講ずるということは、この委員会でもお答えを申し上げているとおりでございます。二万人というものについては、したがいまして予算の一応の積算の基礎ではございますけれども、法律の中に二万人と書いてあるような性格のものではございません。したがいまして、監理委員会が全体の国鉄改革の予想をされましたときの二万人の数字というものとたまたまこの二万人、同じ希望退職の人員になっておりますけれども、そういう意味でお願いをしておりますのは、六十一年度の緊急措置であるというふうに御理解をいただきたいと思います。
#179
○和田静夫君 そうすると、やっぱり個別に必要人員というのをずっと積み上げていった、そしてこの余剰人員を再計算したというか、そういうことで理解していいわけですか。
#180
○政府委員(棚橋泰君) 三万八千人現在余剰人員があるということは、これは国鉄の計算でございます。国鉄から御答弁申し上げるのが正確かもしれませんけれども、その三万八千人というのは、当然業務の現状と現実の人員との差という現実の積み上げであるというふうに理解をしております。
#181
○和田静夫君 私は、言いたかったのは、何かいろいろなことを言ってきたけれども、大体この回帰分析などという手法、こんなものを用いて一人一人の労働者の生活にかかわる問題を処理するというのは、私はもってのほかだと思うんだ。これは大臣、そう思いませんか。
#182
○政府委員(棚橋泰君) 先生のおっしゃる回帰分析は、再建監理委員会が要員数を推定するときに用いたものでございます。これは当時の監理委員会の審議といたしましては、一定の前提のもとに推計を行うということはこれは当然なことだったと思いますし、それはそれなりの意味があることであったと思います。
 ただ、現実に国鉄改革を最終的に行います場合には、これは当然のことながら最終の必要人員というものは、先生おっしゃるように現実の積み上げに基づいて計算し、そして必要な人員というものをはじき出して処理をすべきものだということは当然だと思っております。
#183
○和田静夫君 大臣、回帰分析を用いて、政府関係機関ですが、経済見通しは当たったことがありますか。
#184
○国務大臣(三塚博君) 経済見通しは、もう和田先生、予算の理事で専門家ですから御案内のとおりそれぞれを積み上げて見通しを立て進むわけであり、税収の基礎的ベースにもこれがなる意味で相当精査をした形で取り組まさしていただいておるわけですが、何せ経済は生き物でございまして、世界経済の中の日本経済という形の中で諸要素がそこに組み込まれまた修正をされるという意味で、当たっておるか当たっておらぬかということになりますと、時に当たらず時にまあまあいいラインなのかなということなどもあって過ごしてきておるように思うのでありますが、この回帰方式は、今棚橋審議官が申されましたとおり、監理委員会が一つの方式としてこれを採用され、それぞれの因子、要素と申し上げますか、こういうものを当てはめて計算をしたものとして一つの基本的なベースをあらわしているものであると、こういうことで政府としてもこれを基本といたしまして、それぞれ精査をし、国鉄側もこれに基づいてカウントをいただいておるように思っておるわけであります。
 参議院予算委員会におきましても、回帰方式による算定方式が、社会党小柳先生の御質疑にありましたとおり、小柳式算定方式と政府の回帰方式、特に監理委員会の回帰方式による算定はかみ合わないと、こんなことで御論議があり、その後それぞれ政府も小柳先生のお手元でその誤差修正と申しますか、基本的な枠組み、ベースを当てはめるという意味でいろいろやられて、それを当てはめてみますと、大体そう間違ったものではないというようなことに相なったというふうに聞いておるわけでございます。
#185
○和田静夫君 大体回帰方式を用いた政府関係機関の経済見通しというのは、大臣がよく御存じのとおり、当たったことないんですよ。
 私は、そもそも必要人員を割り出すのに回帰分折を用いるというのはどうも納得ができない、おかしいと思っているんですけれども、この回帰分析はあくまでも推計ですよね、先ほど来御返事があるように。そうすると、推計をそのまま実行するなどというのはこれはもってのほかだということになりますね。その辺を大体きょう認められてくると、どうも監理委員会の答申というものの根底が私との議論の中では崩れていっている。そういうことになろうと思うんですけれども、そこのところはきょうなおおいておいて、本格的な法律案の論議のときの論議に深くかかわるでしょうから。私はきょう言いたいのは、その回帰分析の手法がどうも著しく客観性を欠いているんじゃないだろうか、そう思うんですよ。
 大臣ね、監理委員会の回帰式が発着人員と列車キロに関しては対数を用いていますね。これは私も言ったし、小柳さんも予算委員会で触れたとおりなんですね。対数を使っている。ところが、営業キロに関しては直線使っているでしょう。ここのところはどう見たって納得できないんだけれども、だれかちょっと。
#186
○政府委員(吉田耕三君) ただいま先生がおっしゃいました回帰式のつくり方でございますが、例えば駅職員につきましては、発着人員、列車キロというのは対数になっているけれども、定数項として営業キロが入っているという点でございます。これにつきましては、定数項がない方程式でございますと、発着人員とかそういう輸送量が非常に小さい場合にそのグラフが原点を通りますから必要な要員数も極めて少なくなるという関係になります。そういう輸送密度が非常に低いようなところでもある程度の職員数は必要でございますので、したがって一定の営業キロがあればある程度の職員は必要であるというような観点から営業キロを定数項として方程式の中に組み入れたということでございます。このようにいたしまして方程式をつくりますと、先ほど回帰分析というもの自体が問題であるということでございますが、我我がつくりました回帰式の相関係数というのは非常に高うございまして、決して不当な推計ではないと思っております。
#187
○和田静夫君 どうも直線回帰ではなくてログを使う。初めに数字ありき、そこに合わせるために対数を使ったと。これは邪推ですか。
#188
○政府委員(吉田耕三君) 初めに結論があって方程式、回帰分析の式をつくったということは絶対にございません。
 それから、直線でなくて対数関数、若干曲線でございますが、そういうものを使いましたのは、一般的にこういうたぐいのもので業務量がふえたり、輸送密度がふえたりした場合に直線的に必要要員数がふえていくというようなことは通常そうではございませんで、規模の利益が出てきて輸送密度が多いところはもちろん絶対必要な職員数というのは多うございますけれども、それほど直線的に比例的に上がっていくものではないということでございまして、こういう対数関数の方がそういう現象をうまく説明できるというのが通常のことでございます。
#189
○和田静夫君 いや、僕はよく本当わからないんですがね。それじゃ、どういうかな、回帰分析の本質を最も端的に表現する数学上の概念というのはどんなことですか。
#190
○政府委員(吉田耕三君) ちょっと私も事務屋でございまして数学上の概念というのはちょっと説明いたしかねるわけでございますが、わかりやすく申し上げますと、グラフで申し上げますと、これは変数が、説明変数が一つではございませんから、縦、横のグラフだけでは書けないわけでございますが、簡単にいたしまして縦軸、横軸のグラフで考えますと、私鉄の六十一社につきまして、例えば駅の発着人員が多い会社、乗降客が多い会社は駅の職員が多い、少ない会社は少ないということがございます。それぞれの私鉄の六十一社につきましてそういう駅職員と駅の発着人員との関係をグラフ上に落とします。そういたしますと、ある程度のばらつきが出た図になりますが、それを一番表現するのに適切な対数関数で線を引きまして、それを純粋私鉄並みのグラフであるというようにいたしまして、そのグラフに対して昭和六十二年度における国鉄の一定の線区の駅の発着量等を推計いたしまして、その推計値を横軸に入れて、そして関数の曲線とぶつかる点を縦軸の方に引っ張ってきて必要な私鉄並みの職員数というのを計算するわけでございます。今、グラフで説明したわけでございますが、そういう関係にあるのを必要要員数を駅の発着人員で回帰するというように申すようでございます。
 そのようにして純粋に私鉄並みの駅職員というものを算定いたしたわけでございますが、私鉄と国鉄におきましては業務の実態が異なります。私鉄では、例えばでございますが、路線が短いので大体切符は自動販売機で売るとか、そういうのが多うございますが、国鉄においては遠いところまで行く中長距離の切符を売るということにいたしますと自動券売機などでは対処できない。みどりの窓口も要る、精算窓口も要るというような、国鉄において中長距離の輸送を行っているという実態から、国鉄事業の特殊性として私鉄並みではあらわせられない必要職員数が要ります。そういうものを積み上げ計算をいたしまして、その結果を参考にして純粋私鉄並みの要員数に二割増しの国鉄事業の特殊性という要員数を加味いたしまして、国鉄における私鉄並み生産性のもとでの適正要員というものを算定した次第でございます。
#191
○和田静夫君 私はどうも再建監理委員会の回帰式というのは、さっきも言ったんですが当てはまりをよくするために本来の回帰分析では使ってはならない手法を使ったのではないだろうかと思うんです。
   〔委員長退席、理事安恒良一君着席〕
例えば三つの説明変数ですね。このうちのあらかじめ営業キロの係数をこれは恐らく単純回帰によって求めた。そこから発着人員あるいは列車キロの方を何というか重回帰させるわけでしょう。こういうやり方というのはアンフェアでしょう。そうじゃないですか。
 それから、説明変数のとり方も実はおかしいと思うんですよ。経営という観点からすればこれは職員一人当たりの運賃収入をとってもいいんじゃないですか。さらに言えば、国鉄の特殊性については回帰分析で得た数字に加算という手法を用いてあるわけですね。これは、私に言わせればどうも木に竹を接ぐ方法ですよ。いかがでしょう。
#192
○政府委員(吉田耕三君) まず例えば説明変数として発着人員とか列車キロ、営業キロ等をとったことでございますが、こういう説明変数がいろいろな説明変数の中で最も相関係数が高うございましたのでこういう説明変数をとったわけでございまして、十分に説明し得るものと考えております。
 それから、こういう説明変数をとらずに職員一人当たりの運賃収入というようなものに基づいて推計するということはどうかというお話でございますが、そういうやり方もあろうかと思いますけれども、我々がやりましたのは言うなればもっと緻密にやったつもりでございまして、各現場の職員を駅職員、運転手、車掌、施設保守、電気保守、車両保守というように分けまして、仕事の実態が違いますので、それぞれにそれぞれの現業部門を一番説明し得る説明変数をとって分けてございますので、運賃収入というもの一つでいろいろ比較するよりも緻密なのではないかと考えております。
 それから、国鉄事業の私鉄と異なる特殊性というのを最後に加味したことでございますが、これは、今回の推計のやり方を同じ鉄道業をやっている私鉄の鉄道部門というものの生産性を基礎としている限り、国鉄と私鉄との事業の実態は異なるわけでございますから、その異なる特殊性をこれは積み上げ計算でいろいろ計算して、その結果を私鉄並み生産性をもとにした純粋の回帰分析値に付加するということにつきましても、適切なものではないかと考えております。
#193
○和田静夫君 いや、あなたの方が緻密でおまえの言っていることは雑なんだと言われてしまえば、それはそれで終わりになるんだけれども、しかし大臣ね、これ対数の回帰を使ったためにどういうような結果が生じたかといいますと、これは私の理解ですが、例えば今私鉄等のお話がずうっとあったんですがね、私鉄と比べると営業キロで四倍ですよ、そういう国鉄がこの回帰方程式を用いて私鉄並みにやる、そうなると九万五千三百人で運営できることになってしまった。私鉄の会社合わせて、今も言われましたが、社員は十万一千人ですからそれ以下になるんですね、それ以下になってしまった。私鉄の四倍の営業キロを持つ国鉄がそれよりも少ない人数でうまくやれるという奇妙きてれつな結果になるんですよ、なってしまっているんですよ。こういう結果はまさに対数回帰をとったからなんですよ。したがって、私はこのテクニックというのは非常に気に食わぬわけです、わからぬ、間違っている。大臣、私の言っていること間違っていますか。大臣もそこに並んでいる人と一緒に緻密ならそっちの方だろうけれども。
#194
○国務大臣(三塚博君) 今、応答を聞いておりまして、和田先生も一つの前提、基本を踏まえてどうだと、監理委員会の事務局次長はそれの積み上げ方式でそれぞれの現場を当たる、さらに計算方式を回帰方程式と、こういうことであるわけでありますが、営業キロだけでこれを比較するというのも一つかと思いますが、しかし同時に乗車人員というのがございまして、これまたそこに段差があることは先生も御案内のとおりであろうと思います。ですから、鉄道経営のそれぞれの実態面を吸収するとどういう形になるのかなと、こういうことで今質疑応答をお聞きをしていた限りではそんな感じを受けたわけでありますが、引き続き政府委員の方から本件についてさらにもっとわかりいい形でひとつ答弁をいただきたいと思います。
#195
○政府委員(吉田耕三君) 運輸大臣が御答弁いたしましたとおりでございますが、国鉄と私鉄の要員数を営業キロ一キロ当たりで比較するということだけでは若干不十分ではないかと思います。と申しますのは、大臣申されましたとおり輸送量が違うということでございまして、国鉄の輸送密度は大体二万五千人でございますが、大手私鉄六十一社合わせまして輸送密度はその倍以上でございます。したがいまして、営業キロ一キロ当たりの必要要員数というのは私鉄の方が若干高くなるということでございまして、輸送量の問題を考慮に入れないといけないのではないかと思っております。
#196
○和田静夫君 それじゃ、ちょっと僕はもっと具体的な設問をしますが、私鉄と国鉄という比較困難なものを私は回帰分析などという単純手法でやろうとするからとんでもない結果になっているんだというふうに考えていますから、ずうっとそういうことで計算をし続けてきたんですがね。
 具体的に聞きますよ。監理委員会の回帰式によって千葉から錦糸町間の駅職員を求めると何人になりますか。それは現在員に比べると何%減ですか。
#197
○政府委員(吉田耕三君) 推計そのものは全国の国鉄の線を経済計算単位、一定の線区単位ごとに推計いたしておりますが、先生今御指摘の線区につきまして適正要員が何人かという資料を持っておりませんので、後日御説明申し上げたいと思います。
#198
○和田静夫君 これ後日じゃ間に合わないんだな。後日って、この委員会あしたあさってまで続くんならいいんだよ。
#199
○政府委員(吉田耕三君) 一定の線区単位、四百九十七の単位でコンピューターに入っておりまして、御指摘の単位を取り出すのはコンピューターを動かさないと出ませんので、今直ちにということはちょっと、物理的に御提出しかねます。
#200
○和田静夫君 あなたの頭の中のコンピューターを動かせば出るんじゃないの、これぐらい。
 千二百人で大体九百八十五人で約二割だろうと思うんです、僕は。それでね、監理委の回帰式を使うと二割の削減なんですよ。今否定するならしてくださいよ。そうなる。そうすると、この線区を統括する千葉鉄道管理局ですか、これは近鉄と営業キロあるいは運輸収入ですかね、これはともどもほぼ同規模ですよ。そうすると、営業キロで言うと千葉鉄が五百六十七キロメートル、近鉄は五百四十三キロ、運輸収入は千葉が三億四千万、近鉄が三億二千万。ところが職員数は千葉が七千七百七十七人、近鉄は九千九百九十六人、近鉄の方が二割以上多くなっていますよ。これをさらに監理委の回帰式は二割削れというふうに指示しているんですね。大臣、これはどう見ても常軌を逸していますよ。そう指摘せざるを得ません。これでまともに電車が走りますか。したがって、となるんですがね、いかがです。
#201
○政府委員(棚橋泰君) 先生のおっしゃること、十分理解ができる点もございます。したがいまして、監理委員会あの時点においてはやっぱり一定の前提を置いて推計計算をされて、そのためにはそれなりに緻密と思われる式を使って計算をされたんだと私ども理解をしておりますけれども、最終的には先ほど申し上げましたような考え方で積み上げでいたしたいと思っております。
 それで、今先生の近鉄と千葉局の比較でございますけれども、確かにおっしゃるような数値でございます。ただ、もうちょっとその数値を別の面から眺めてみますと、例えて言うと列車キロ、これは千葉局に対して近鉄が二倍以上の列車キロがございます。それから駅の数、この駅の数も近鉄の方が倍以上あるわけでございます。したがいまして、千葉局という一つの局が総武線というのを中心に、そこに非常に多量のお客さんを抱えておると、しかしその他閑散線区も抱えておる。近鉄にもそういうところもあろうかと思いますけれども、全体的に分布しておるというようないろいろな観点から考えますと、単純な比較というものはできないんではないだろうか。先生のおっしゃるのも一つの比較である、かように思います。
#202
○和田静夫君 大体予測したような答弁ですよ。結局監理委員会方程式はあくまでもトータルの比較だということなんでしょう、一言で言えば。しかし私の計算これ間違っていませんから、大臣ね、間違ってない。よって国鉄、これから政府が今言われるようにどうやっていくかの問題がありますが、なぜ僕はこういうような計算結果になるのかということを考えてみたんですよ。そうすると、監理委員会は私鉄大手十四社も中小私鉄も一緒くたにして回帰式つくっていますよ。回帰式を使うのであったならばさっきからきめ細かい細かいと言われているが、私の方がきめ細かい。もっときめの細かい方式を使って出さなかったら国鉄に働いている皆さん気の毒ですよ、わけもわからずに減らされて切られていくという結果になる。こういう状態というものをしっかり大臣踏まえてもらいたいと思う。したがって、私は、政府はどういう試算をやっているかということを聞きたいんです。これから積み上げると、こう言われているんだけれども、法律案もう出て、向こうの国会でやっているんでしょう。
#203
○国務大臣(三塚博君) 関係法は衆議院運輸委員会で本日お教読みの予定でしたが、明日お教読みで審議に入らさせていただくわけであります。今、具体的にその積み上げをどうするか、政府としてきちっと対応策を講ずるべく精査をいたしておることは事実であります。要すれば、一般抽象論で恐縮でございますけれども、今御指摘の数々の問題点、現実の経営の中でどうするかということになりますことは御説のとおりであります。特に、前段、安全性の問題の御指摘をいただきました。まさに交通事業であります限り、安全というものはそのベースになければなりません。同時に、使っておる職員の営業形態、対応、労働基準法等々、これに適合する形の中でこれまた行われてまいらなければなりませんことは当然であります。ですから、ケース・バイ・ケースということになるのでしょうか、いよいよスタートということの現実の中で、どの形態が鉄道経営としてぎりぎりいっぱいのところであり得る姿なのかなと、これは、実務者である国鉄の皆さんも真剣にそれは計算をされていることでありましょうし、それの突き合わせということの積み上げでそういう問題がきちっと構築をされていっておるものというふうに考えるわけでございまして、一般論として申し上げますれば、こうやってみまして、なるほど安全性の問題、これではオーバーワークでとてもいかぬのではないかということでありますれば、その増員について提起があるでしょうし、理想的な形で配置をいたしたのでありますけれども、やってみましたところ、これまたやはり相当、このことはもっと振り分けができるのではないだろうかなどの実態面に合わした形の中で、経営の中で行われていくことは当然のことだと思うんであります。ですから、基本的なベースの考え方は基本にあってしかるべき、そうでありませんければ経営思想というものははじけないだろう、こんなふうに思うのでありますが、実態が生きた経営でありますから、そういう中で修正があり得ますことは当然のことかなと、こんなふうに思います。そうすれば、何だと、ベースがぐらぐらしているのかという御反論があろうかと思うんでありますが、一般論としてそういうことでありますが、しかし、今度の改革は待ったなしと言われる状況の中の設定でありますので、厳格と、やっぱり何といいますか、正確さを求めてそれが積み上げて構築をされていかなければならぬと思っておるところでございます。
#204
○和田静夫君 大臣言われることもっともなんだけれども、その正確さが求められていないもんだから論議しているんでしてね、大変正確でないですよ。さらに言えば、基礎となる私鉄のデータには下請や外注比率勘案されていますか、これ。
#205
○政府委員(吉田耕三君) 私鉄にももちろん外注している面がございまして、外注比率がございます。国鉄の外注比率と私鉄の外注比率比べてみましたけれども、具体的な数字、ちょっと今資料持っておりませんが、ほぼ似たようなものであるというような比率が出ております。修繕費の中における外注費の比率でございますが、ほぼ似たような数字であったと記憶いたしております。
#206
○和田静夫君 本来なら、これ出てくるまで待つんですけれどもね。まあ本格的な法律案の論議のときの参考にしてもらえればいいけれども、今勘案していると言われるんだから、勘案していると言われるのなら、それらのデータの全部を提出してください。よろしいですか。
#207
○政府委員(吉田耕三君) 私鉄及び国鉄におきます修繕費の中における外注費の比率、これは後ほど資料で御提出をさせていただきたいと思います。
#208
○和田静夫君 下請もね。
#209
○政府委員(吉田耕三君) 下請費率もでございます。
#210
○和田静夫君 それで、要するに希望退職二万人、余剰人員九万三千人、必要人員十八万三千人、これらの数字というのは、私が今まで論議をしてきたのは、かなりない知恵絞って論議をしてきたのはすべてフィクションだと。政府は改めて積み上げ計算をやると言っている。したがって、やるべきです、それは。積み上げ計算をやって、さらに六十二年度首の現在員を正確に見積もって、希望退職者数、清算事業団の人数を再計算する、これすべきですよ。こんなずさんな人員計画というのは認められないわけですからね。これは先ほど来約束されておるのと同じことでありますが、大臣よろしいですね。
#211
○政府委員(棚橋泰君) 先ほど来申し上げておりますように、最終的には、現在国鉄において積み上げ計算を行っております。ただ、希望退職二万人というのは、先ほど来申し上げておりますように、現在著しく過剰になっている状態というのは事実でございますので、それを解消するために極力多くの方の希望退職を募集するということで、予算上の二万人の積算根拠でございまして、法律上、今お願いしている法律上、二万人ということではございませんで、その点は御理解をいただきたいと思います。
#212
○国務大臣(三塚博君) 棚橋審議官今答弁いたしましたとおり、この六十一年緊急措置法はまさにそういうことでございまして、経営形態が変わる四月一日以降、もちろん大前提は当然のことながら国会の御審議の結果の可決決定を得た後スタートを切らせていただくことに相なるわけでございますが、そういう中における人員配置は前段申し上げましたことが基本であろうと思うし、きちっとした積み上げの中でなされなければなりませんし、和田先生が御指摘のように、その御指摘のポイントも十二分に踏まえつつ、やはりその正確性を期するということでまいらなければならない、このように思っておりますし、さようなことで今後謙虚に、また大事な改革でありますので、そのことに対応するデータなども御提示をさせていただきながら、御議論の中できちっとしたものに構築をしていかなければならない、このように思っておるところであります。
#213
○和田静夫君 二万人の雇用の確保、つまり受け皿、これはどうなっていますか。
#214
○政府委員(中島眞二君) 内閣の雇用対策本部の事務局でございます。
 希望退職者向けの雇用の場といたしましては、希望退職者は六十一年度中に退職するわけでございますので、六十一年度とあるいは六十二年度当初まで、これまでの採用が行われる求人の申し込みということになるわけでございます。
 そこで、政府といたしましては、昨年十二月十三日に雇用対策の基本方針を閣議決定いたしまして、各分野別に雇用の場の確保についての具体策を決めまして、その推進を今図っているところでございますが、今日までに六十一年度から六十五年度当初までの全体でもって約三万七千人の申し出があるわけでございます。その中で今申し上げた六十一年度と六十二年度の採用に当たるものといたしましては、国鉄の関連企業につきまして八千人が出ております。
 一般産業界につきましては六十五年度当初までの全体で約九千人の申し出がございますが、その中で六十一年度から六十二年度当初の採用分につきましては、現在国鉄において申し出のありました各企業との間で詰めを急いでいるところでございまして、まだ数字を申し上げるまでには至っておりません。
   〔理事安恒良一君退席、委員長着席〕
 なお、この九千人につきましては運輸関係業界が中心となっておりますが、さらに情報通信とか電力、証券、金融、建設などの各業界につきましても精力的な働きかけを行っておりまして、近いうちに相当多くの採用申し出が出るものと期待しているところでございますし、また、本年度から労働省の指導によりまして各都道府県ごとに国鉄職員再就職促進連絡会議が発足しておりまして、ここで地域に密着した求人の開拓ということが行われることになっておりますので、全体として一般産業界においての求人の申し出、また、その中に含まれる六十二年度当初までの採用申し込みも相当数出てくるものと考えております。
 さらに、公的部門につきましては、六十一年度につきましては国、特殊法人等、それから地方公共団体合わせまして二千六百人という目標で、現在関係者の協力を得ながら積み上げを行っているところでございまして、ほぼこの目標は達成できる見通しとなっております。
 六十二年度当初分の採用につきましては、この閣議決定の中で六十二年度から六十五年度当初までの公的部門の採用の目標、その内訳につきましては、本年秋までに策定するという国鉄余剰人員採用計画というものの中で明らかにするということになっておりまして、これを少しでも早く策定すべく今作業を行っているところでございまして、六十二年度当初分としてはまだ数字としては固まっておりませんけれども、公的部門全体として六十五年度当初まで三万人という目標でございますので、六十二年度当初分につきましてもかなりの数が見込まれるわけでございまして、そういうことで一般産業界及び公的部門も合わせまして相当数の希望退職者向けの採用先を確保いたしまして、全体として二万人の雇用の場の確保は可能であるし、また、関係者の間でそういうことで努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#215
○和田静夫君 大臣ね、一言で言えば、再就職先を希望する希望退職者については一切の条件をつけずに一人も漏れなく再就職を保証する、そういうふうに承っておいてよいですね。
#216
○国務大臣(三塚博君) これは和田先生、予算委員会の際も御質問をいただいたわけでございますが、総理も、その点はお一人といえどもさようなことのありませんように万全を期する、こう申しております。担当者として私も雇用対策本部の本部長、以下事務局長、関係者と絶えず連携をとらさしていただいておるわけでありますが、国の決定によって行われる経営形態の変更でありますので、さような意味においてお一人といえども就職ができない、再就職ができぬ、生活が大変困るというようなことはあってはならぬことでありますので、政府の責任において最終的にきちっとこれは処理をしてまいらなければ、措置をしてまいらなければならぬことでありまして、御説のとおり取り組まさしていただくことを申し上げさしていただきます。
#217
○和田静夫君 再就職先の賃金、労働条件というのはどうですか。
#218
○説明員(杉浦喬也君) 関連企業につきましては、従来いわば退職時におきまして年金が支給できるような高年齢層が関連事業に、参っております。そこでは年金プラス当該会社の給与と合わせまして従来の給与ベースに合致させるというような仕組みがとられておりますので、給与水準そのものは大変低うございます。そこで、仮に関連企業に高年齢層でない、つまり年金が支給されていない年齢層というような方が参りますと、これはそうした低賃金ベースになってしまいますと、従来の賃金水準から相当落ちますので、そういう点については関連事業と個々の会社と十分に折衝をいたしまして、従来ベースの賃金水準をできるだけ維持するように、そのように努力をしたいというふうに思います。
 それから、公的部門につきましては、これは若干やはり差はあるとは思いますが、押しなべて申し上げますれば国鉄の賃金水準とそれから公的部門の賃金水準とはおおむね同一水準にあると、その当てはめが問題でございますけれども、従来の経験年数その他で大体妥当なランクに落ちつくことができますれば、賃金水準上の問題は余りないのではないかというふうに思います。
 一般の民間企業につきましては、これは関連事業と違いまして個々の企業、賃金水準ばらばらでございます。したがいまして、これはもう具体的個別的に従来の職員の賃金水準、こういうものはできるだけ維持できるようにそれぞれの会社に交渉をいたしまして、余り生活設計上問題のないように維持していきたいというふうに思っております。
#219
○和田静夫君 就職のあっせんの開始、それはいつで、終わりはいつですか。
#220
○説明員(杉浦喬也君) 現在の法律が通りますれば、早速具体的な手順、その他につきまして組合とも交渉を持ち、できるだけ早くその希望退職に踏み切りたいというふうに思いますが、やはりその準備ができ次第、希望退職者を募り、それからその時点におきまする雇用先が把握されておるものにつきまして、雇用先の各種の労働条件等を提示をいたしまして、ここで希望退職を募るということに相なるわけでございまして、この希望退職の開始時期につきましては、そうした準備が整い次第というふうに申し上げられます。
#221
○和田静夫君 退職してから再就職するまでのタイムラグは、これどうなりましょう。例えばその間、宿舎などは保証されるわけですか。
#222
○説明員(杉浦喬也君) 普通でございますと退職後その宿舎におられるのは、今の規定によりますと六十日以内というふうになっております。しかしながら、退職とそれから就職先の間にそうした六十日以上の期間が経過するであろうということも予想されるわけでございまして、そういう場合には特段の措置ということで規定を改正をいたしまして、その間宿舎を利用できるように、そういうように措置をしていきたいと思います。
#223
○和田静夫君 例えば看護婦さんなどの専門職が大量に希望退職に応じたとしますね、そういう場合には、今度は要員不足という問題が出るわけですけれども、それは補充される。
#224
○説明員(杉浦喬也君) 看護婦さんの場合におきましては、なかなか一般の職と違いまして特殊な技能職でございます。仮に希望退職者が集中いたしまして看護婦さんが一気になくなってしまうということでは、これはもうとても現実に病人がおりますので、そういうわけにもまいりません。したがいまして、必要な看護婦さんについては、仮にそういう希望が多くなった場合におきましても何とか本人に対しまして、あなたは大事な人だからもうしばらくおってくださいというような慰留を行いまして、病院の円滑な業務が遂行できるように何とか工夫していきたいというふうに思っております。
#225
○和田静夫君 内部異動などが出てくるというふうなことも十分考えられるわけですけれども、そういう場合の労使協議はこれは当然保証されますね。
#226
○説明員(澄田信義君) この希望退職自身につきましては、総裁が先ほど申し上げましたように、法案が通りますれば、その内容等々は十分説明をいたしまして、関係する労働条件については協議してまいりたいと思います。
 今の看護婦さんの内部の異動等々につきましても十分組合には内容を説明し、関連する労働条件につきましては協議いたしたいというぐあいに考えております。
#227
○和田静夫君 受け皿についてちょっと具体的にもう一遍聞きますが、国は何人、自治体は何人、特殊法人は何人、関連企業と産業界は何人、合計何人の受け皿が決まっているんですか、端的でいいですよ。
#228
○政府委員(中島眞二君) 先ほど申し上げましたように、関連企業の八千人は固まっておりますけれども、公的部門と一般産業界につきましてはまだ具体的な数字を申し上げる段階には至っておりませんけれども、先ほど申し上げたような事情がございまして、二万人に見合う再就職先としては十分確保できるものと考えております。
#229
○和田静夫君 ただ、私は非常にさっきの答弁気になるのは、六十五年まで、これでは話にならぬのでね。今度の二万人すなわち六十二年度までですね、六十二年度まで二万人埋まりますね。
#230
○政府委員(中島眞二君) 三つの分野を合わせまして合計して二万人の雇用の場の確保は十分可能だと考えております。
#231
○和田静夫君 これは今も言いましたように、六十二年度まででしっかりやってもらわなければならぬわけで、そこのところがないとこの法律案は全く空文化するということになります。
 それから改革法としては一括されている再就職促進特別措置法、本法と一体のもの、つまりワンセットでとらえなければならぬというふうに私は考えるんですがね、これは違うんですか。
#232
○政府委員(棚橋泰君) 改革法はこの法律のほかに七本お願いをいたしておりますけれども、それは基本法である改革法とそれに関連をいたします法律、それに鉄道事業法、施行法、再就職の促進法というようなものでございます。これはいずれも国鉄の民営・分割ということを前提といたしまして、それに進む過程の問題について所要の法律案を提出をしておるところでございます。それに比較いたしまして、ただいま御審議を願っております法律は、根拠を国鉄再建の緊急措置法に求めておりまして、この緊急措置法は基本改革について再建監理委員会を設置するということを決めてていることのほか、そのような基本的な改革ができるまでの間でも、日々国鉄の経営状態が悪化するということを防止するために緊急の措置というものを講ずるということが定められておりまして、その一環として今回の著しく過剰な状態を解消するための希望退職の募集、それに伴います特別給付金等々を内容といたしますこの法律をお願いをしておる、そういう法体系になっておるわけでございます。
#233
○和田静夫君 私は読み方があれだと思うんですがね。再就職法の第一条に、改革前においても「再就職を希望する者について再就職の機会の確保等に関する特別の措置を緊急に講ずる」とあるわけでしょう。本法の希望退職者もこれに入るでしょう、これは。
#234
○政府委員(棚橋泰君) 先生の御質問は「日本国有鉄道退職希望職員及び日本国有鉄道清算事業団職員の再就職の促進に関する特別措置法案」、このことだと思います。
 確かにおっしゃいますように、その第一条の目的には、今先生がお読みになりましたようなことが書いてございます。これと現在の法律との関係でございますけれども、この再就職促進法というのは、国鉄改革全体の一環として、できるだけ多数の再就職というものを希望する職員というものに、再就職の機会の確保とか再就職の援助のための措置を講ずるということになっておるわけでございます。それに対しまして現在お願いいたしております特別措置法というのは、六十一年度での緊急の過剰な状態をできる限り解消するということでございまして、そういう意味では観念的にはこの二つの法律というのは若干違っておるわけでございます。ただ、おっしゃるようにいずれも希望退職という点では同じでございますから、そういう意味ではこの再就職の促進に関する特別措置法という方が観念的には概念が広い、そういうふうなもので包含されておるというふうに御理解をいただいていいんではないかというふうに思います。
#235
○和田静夫君 包含をされていると。再就職法の五条の国鉄退職希望職員の中に今回の二万人もカウントされていると考えるわけでしょう。そうすると本法案の施行に先立って再就職法第五条に言う再就職促進方針が策定されていなきゃならぬということに私はこれはなると思うんですよ。仮に本法が成立をする、施行されたとする、そうするとこれに応じて希望退職者が出てくる、ところが再就職促進法は否決されたということになりますと、この希望退職者はどうなりますか。再就職保障の法的根拠はないということになるはずであります。そうすると行政の裁量だけであるということになるわけですね。私はここのところ非常にわからぬ。この法律の出し方というのは、そういう意味では非常におかしいと思うんです。私も十八年間ここにいたわけですけれども、こういう法律の出し方というのは一体あっただろうかということをきょう質問するに当たっていろいろ考えてみたんだが、どうも納得できない。
 二万人は分割というプロセスの中で出てくる余剰人員ですね。ところが今の段階では、分割・民営は実施されるかどうか決まってはいない、いわゆる改革法が成立しなけりゃ本法の施行はできない。大臣、これが道理というものですよ。
#236
○政府委員(棚橋泰君) 確かに先生おっしゃるように、この二つの法律の間というのは大変難しい関係だと思いますし、先生のような御意見というのが出るのもこれは私どもあり得ることだというふうには考えておりますが、この二つの法律を同時に出しましたときには、改革法というのは全体の一環でございまして、六十二年度以降の民営・分割というものも踏まえた形での一環の法律として位置づけ、そしてこの法律はそういうこと自体がなされようがなされまいがと言うとちょっと語弊がございますけれども、いずれそれはお願いをするわけでございますけれども、当面の事態を解消するためという法律で単独の法律、こういう形でございます。
 したがいまして、そこの六十一年度法の方というのは主として特別給付金というものを交付するということによって促進を図るということが主眼になっておるわけでございます。
 ただ、おっしゃるようにその再就職の機会とかそういうものにつきましては、それじゃ特別措置法の方が成立しないと何もしないのかということではないということで七条というのがございまして、そこにおいて退職する職員の就職のあっせん等について特別の配慮をするという規定を特に置いておる、こういうことでございます。
#237
○和田静夫君 そういう答弁はだめですよ。本法によって生ずるところの希望退職者は再就職促進法に言う国鉄退職希望職員なんですよ。したがって、これは再就職促進法が成立しなけりゃ希望退職の施行はできませんよ。これは法の道理ですよ。したがって、順序逆ですよ。これはもう話にならぬ。
#238
○国務大臣(三塚博君) 法理論的にこれはよく法制局とも詰めながら、国会に御提出をさしていただく以上しっかりしたものでなければならぬことで申し上げさしていただいておるわけでございますが、ただいま審議官が言われましたように、構成と事実関係は説明のとおりであります。よって、改革法が否決された場合ということに相なりますと、事態はさようなことになるであろう、私もそれはそのとおりだと思うんです。よって、改革法は何としてもお通しをいただきたいし、再就職促進法もこれまた関連ということでお願いを申し上げたい。こういうことで全力を尽くして各党にこれからもお願いを申し上げ理解を求める、またいろんな御意見も賜る、こういうことであろうと思います。
 今回の特別措置法は、この希望退職を予定する六万一千の余剰人員のうちの二万人というふうに分析の上からは相なります。法令上は、著しく過剰である、言うなれば新しい経営形態に移行するについて現在の経営においても軽量経営、いわゆる効率的な経営へ生まれ変わらさしていただきますためにこの際御理解を得たい、同時に御理解を得るだけではなく、先ほど来御質問がありましたとおり、これに御参加いただきます方につきましては特別退職給付金はもとより、お一人といえども就職先について不安のないようにきちっと政府の責任においてこれまた措置をさせていただきますと、こういうことをとらさしていただく。もう一つは、御案内のように長期債務の問題を検討してほぼその方向が出つつあるわけでありますが、これも最終的には政府の責任で十六兆七千億円きちっとやるわけでございますが、まずもって本年度の国鉄会計にその御負担を軽くせしめるという意味におきまして、五兆六百億円余の一般会計振りかえを行わさしていただくという、二つの構成に実は法制上やらさしていただきましたのは、さような意味においては改革の前駆的といいますか、先駆けのような形にこれは事実上相なっておるわけでございますが、法制上はあくまでも六十一年度に緊急に講じさせていただく特別措置と。そのことが、いずれにいたしましても経営形態は法律成立後でありますけれども、現国鉄経営について長期債務のこの振りかえ、それと二万人の希望退職、それに対するもろもろの措置、こういう点で国鉄本体の経営が現形態の中におきましても一歩前進をした形の中に置かれるのではないだろうか、こういうことでございまして、そのやらさしていただいた経過は作為的なものではなく、率直にそういう法制が正解であろう、こういう法制局のことなどもございまして、こんな形で提出をさせていただきました。
 しかし、和田先生御指摘のとおりに法律がなった場合はどうするんだということについて申し上げますならば大変なことになります。ですから、前段それは決して頭に置かないわけではありませんが、このことは改革七法何としても御成立をさせていただきますための御審議、また御理解というものをいただかなければならぬというのが実は率直な見解、考え方でございます。
#239
○和田静夫君 法制局長官呼んでおかなかったのは間違いだったんですが、これ政府、法制局も間違っていますよ。私は警告をしておきます。
 それから、大体あなた方この法律、五十八年法に基づいているというふうに言っているわけですね。現場では次々に分割・民営の布石を打っているんですね。私はここにある電気工事局の昨年九月の通知を持っていますが、資産台帳の作成について、分割・民営に伴う保有資産の区分原案を年内に策定することとなり、固定資産の実態を調査することが急務となった、そういう内容ですよ。これはあなた方既に分割に備えて資産台帳つくっている、こんなんですね。これは国鉄総裁、どういうことですか。
#240
○説明員(杉浦喬也君) 財産の問題につきましては、これは改革法が成立をいたしますると、これは直ちに作業をいたしまして、いわば各会社あるいは事業団への引き継ぎのための資産の区分を明確にしておかなければなりません。これはなかなか膨大な対象の土地等でございますので、もう今からそうした準備をしませんと、これはなかなか時間的に間に合わないし、また、こうした財産の区分についての諸先生方いろんな意味での御関心、御審議もあるわけでございますので、そうした御審議への準備、対応ということも必要であるというふうにも思いまして、早目に線引きをしておるところでございます。
#241
○和田静夫君 もう時間なくなってきましたからあれですが、一般会計承継についてちょっと聞いておきますが、なぜこの未償還特定債務五兆五百九十九億円だけを切り離して処理するのか。国鉄の債務全体と一体のものとして処理するのが私は当然ではないかと思っているんです。全体の長期債務の処理と今回の一般会計承継とがどう関係するのか、これは明らかにされるべきだと思うんですね。この五兆五百九十九億円は、仮に改革法が成立したとすると、どこが引き継いでだれが負担するのか。
#242
○政府委員(棚橋泰君) 五兆五百九十九億、まあ今回切り離しをお願いいたしました理由ということのまず第一点でございますけれども、これ歴史的に先生御承知のことと思いますけれども、昭和五十五年度にこの五兆五百九十九億の棚上げをしたわけでございます。そのときの条件は、五年据え置きということになっておりまして、その据置期間が終わりまして、実は昨年度、六十年度から元本の償還が発生をしておったわけでございます。これにつきまして、本来であればこの元本を償還しなければいけないわけでございますが、国鉄の財政、国の財政という見地から、これを直ちに償還することができないということで、実は一年間だけ特例的に猶予措置を講じたわけでございます。また今年度、六十一年度も同様に発生をしておるわけでございます。したがいまして、この債務というものを一般会計に振りかえるということにいたしまして、同額の無利子の貸付金を国鉄に貸し付けるという形で、まず元本の償還というものを当分猶予していただくということが効果の一つでございます。それからもう一つは、毎年この五兆五百九十九億の利息に相当いたします分を一般会計から助成金で国鉄がもらいまして、これを支払っておったわけでございますけれども、この支払いというものも今回はこれを一般会計に振りかえますので、この利息支払いからも免れる、こういうことでございます。
 第二番目に、他の国鉄の長期債務との関係はいかんと、こういうことでございますが、これは先ほど申し上げましたように、昭和五十五年度でこれを棚上げをいたしまして、特定債務処理特別勘定という中に別計算をしております債務でございますので、そういうものを他の債務と区分して従来から取り扱ってきた。その区分してきた債務を今回こういう措置を講ずるという意味で、他の債務とは区別をしておるということでございます。
 三番目に、その他の債務はそれじゃどうするんだということでございますが、これはもう予算委員会来繰り返し大蔵大臣等からも御答弁申し上げておりますとおりでございまして、閣議決定に基づきましてこれを国鉄清算事業団、こういうものの中に移しまして、そしてその処理については、用地の売却とか余剰人員対策というものの見通しが明らかになります時期まで一応その清算事業団に置きまして、その上で財源その他の処理を決めながら、最終的には国において処理をしていくと、こういうことといたしておるところでございます。
 また最後に、この五兆五百九十九億はどこが持っていくんだと、こういうお尋ねでございますが、これは国鉄の長期債務全体にどの債務をどこへ張りつけるかということについては、最終的には承継基本計画等で明らかになるわけでございますけれども、本件債務は全額資金運用部の資金でございますので、現在の考え方ではこの債務は、国が借りました無利子貸付金というものの債務というものもそれに相当する国への債務でございますので、これにつきましては清算事業団の方に移して処理をするということになろうかと思っております。
#243
○和田静夫君 私は、一般会計に特定債務五兆五百九十九億円を振りかえたからといって、それを究極のところだれが負担するのか、今の段階では、今も言われたようにはっきりしない。あるいは他の長期債務との関連においてこの債務はどういうように位置づけられるんだろうか、そういうことがはっきりしなければ問題の解決には何にもならないわけですよ。全体の長期債務の償還計画をここで示すことがなければ問題の解決にはならぬ、そう実は考えています。
 これは本当はここのところをもっと時間をかけて論議をすべきところなんですが、残念ながら持ち時間の関係がありますから、本法の方の論議になお譲って、論議が深まることを期待しておきますが、私は先ほど来申しましたし、皆さん方も認められましたように、六十一年度法案はこの国鉄改革法と一体のものだと考えているわけです。したがって、この機会に次の資料を要求しておきます。
 一つは、分割・民営の各新事業体、旅客会社、貨物会社、新幹線保有機構、清算事業団、基幹通信網の承継債務の項目別内訳。二つ目は、分割・民営の各新事業体の承継資産の項目別内訳。三つ目は、分割・民営の各新事業体の六十二年度発足時の貸借対照表、損益計算書。四つ目は、分割・民営の各新事業体の六十二年度発足時の経営諸元及び経営収支の見通し。それから五つ目は、分割・民営の各新事業体の六十二年度以降五年間の経営諸元及び経営収支の見通し。それから六つ目は、国鉄長期債務等の新事業体等別の償還計画を具体的に明らかにしたもの。それから七つ目は、国鉄長期債務等の処理の具体的方策、これ一月二十八日の閣議決定は具体策がないという観点で言うのであります。それを明らかにしてもらうと一緒に、国費負担にかからしめる長期債務等についての財源措置を具体的に明らかにしてもらいたい。これらの資料とあわせて、実は予算委員会で僕が要求したことで出てきてないものがある。これは本来、きょう予算の理事懇があったんで、そこで問題にしようと思ったんだが、きょう質問に立つからやめておいたけれども、予算委員会以来私が要求した全資料を今ここで提出してくださいと言いたいところだが、それじゃ皆さん方また立ち往生だろうから――出してもらいたいが、いいですか。
#244
○政府委員(棚橋泰君) 先生、今いろいろお述べになりました諸種の資料、これらの資料は改革法を御審議をいただく際にいろいろな角度から御議論をいただくために必要なものであろうというふうに理解をいたしております。従来から、衆議院におきましても参議院におきましても申し上げておりますように、改革法の御審議の段階で御審議に支障のないような資料は提出をさせていただくという所存でございます。
#245
○和田静夫君 実は大臣ね、今の答弁というのは、私は本当は非常に気に食わない。本来ならばこの運輸委員会、もっと時間をかけて、私は時間をもらわなきゃならぬと思うんです。今の答弁というのは、予算委員会のときも何遍も申し上げましたけれども、監理委員会の意見だけが絶対のものだと今はもう大臣言われなくなったけれども、当初言っておった。関連法の審議に当たっては、なるほどと納得していただける精密データを用意すると何遍も予算委員会で言われた。ところが、これ関連法、既に衆議院で始まろうとしているわけですから。したがって、国鉄改革の内容について資料を要求しますと、関連法審議の際に出します、答えますと。これはもう非常に不親切な話でね、こんなこと本当は許せませんよ。私はさっきから指摘したように、本法と改革法は一体なんです。改革法を衆議院本会議で趣旨説明聞いているわけですからね、これはもう正確には今ここで、今言った資料ぐらいはお出しになるのが当然でありますが、我が方の理事ちょっと席外していますから少し進めますが、そもそも国鉄改革法が国会に提出されているわけですから、法律は提出されているが資料は提出されていないというのが本当はナンセンスなんです、これ。ナンセンスのきわみですよ。資料がなければ、提出されなければ審議ができないというのはこれは当然であります。私は、今指摘しましたように、国鉄内部では分割に向けた準備が着々と進められている、国会に資料は出さずに、もう少し後だもう少し後だと言って内々では見切り発車をしている、こんな国会軽視というのは私は議員生活十八年を通じて初めてだと思っているんです。まあ十六日の日にもマルコス特別委員会で国会に資料を持ってこいと言ったら、国会に資料を持ってくるんじゃなくて、どこかずたずたにして焼き場にやっちゃったという、こんな状態も出ていますね、これもきょう問題にしておきましたけれども。どこを見ても大変不親切な状態、国会軽視の状態が続いている。私はこういうのは民主主義が守られているという状態ではない。中曽根内閣によって、中曽根政府によって民主主義が大変崩されていっている状態だと思うんですね。大臣、こういうふうなことが続かないようにしっかりした対応を求めたいと思いますが、いかがですか。
#246
○国務大臣(三塚博君) 棚橋審議官が言われましたことは、基本は当然御審議に間に合うよう資料は提出することは当然であるということであろうと思います。ただ一点、財源の明確な資料と、こういうことでございますが、これはまさに大蔵大臣もずっと答弁をいたしておりますように、清算法人がスタートいたしました後において五・八兆プラスアルファどれだけ相なりますか、非事業用資産の売却、さらに雇用の状況等を勘案をし、収入、支出の国家予算の状況の中からこの決定をし、政府の責任においてこれを処理すると、こういう形にさせて統一見解にさせていただいておるわけでございますが、本来でありますと直税方式、再建税ということなどもかねがね言われましたが、それは考えないということにさせていただきまして、行革、財政再建の時代でありますから、何かその方式はないのかということで、監理委員会指摘でありますが、二十五年方式、一兆三千億円ずつ一般会計に一般支出として出ささしていただく形の処理方式、これは十六・七兆という方式でありますが、こんなことなども出ささしていただき、そしてこれはこれ以上出ないだろうというふうに思いますし、それともう一つ御理解をいただきたいのは、非事業用用地二千六百ヘクタール余の箇所数、膨大な数だと思うんです。これは既にいつでもスタンバイの状況にあるわけでございます。そう理解しております。しかし、これはやはり審議スタートのときにお出しをしましてお経読みをした段階かと、こういうふうに言われるわけでありますが、そのときに御審議をいただくことの方が正解かなと。そうでありませんと、余り早目にあれしますと、そのことで思惑とかいろいろなことがあることもよろしくないのではないだろうかという非常に慎重な意見もございまして、そういうことであり、価格については予知を与えますから、この分は勘弁をしてくださいと、こう言っておるわけでありますが、出せる方式のものはこれはやっぱり出すべきであろうと私は思いますし、監理委員会の計算方式を尊重しつつ、それをベースとして、政府は政府として手を入れた形で計算、試算をさせていただくわけでありまして、今先生が御指摘のように、具体的なその問題の中で審議に間に合うように出す、しかし基本的にやはり審議を進めることについて大事なもののベースになるものは、やはり国会軽視と言われませんように措置をしていかなければならぬものかなと、こんなふうに思っております。
#247
○橋本敦君 まず、法案に関連をしてお伺いするのでありますが、先ほどから政府の答弁を聞いておりまして、この法案の位置づけが全く私は納得がいかないのであります。言うまでもなく、六十二年四月からの国鉄の分割・民営、職員の体制からいうならばいわゆる二十一万五千人体制を目指して今から余剰人員の整理をやるようにして、順調にあなた方の言うところの分割・民営化をやっていくための重要な布石としてまず緊急の措置としてこの退職法案、これが出ているのではないか。そういう意味で分割・民営という国鉄の改革そのものと直接関係がないと先ほどからしきりに政府は答弁しているけれども、全くそれは一つの法的観念論であって、実際は密接な関連がある法律だということはだれが見ても明らかではありませんか。もう一遍答弁してください。
#248
○政府委員(棚橋泰君) 先ほどと同じ答弁の繰り返しになりますけれども、今回の法律は、もちろん政府としては分割・民営を中心といたします抜本改革を図るということで関係法案は既に提出をしておりますので、その姿勢ははっきりしておるところでございます。ただ、民営・分割までの間まだ時間がございますし、法案もまだ御審議をいただかなければならない。しかしその間においてもいろいろ国鉄の経営というものを悪化させないような措置というものは講ずる必要がある。この思想は国鉄再建の緊急措置法という国鉄改革の抜本改革を図らなければいけないということで提出して国会で成立をさせていただきましたいわゆる監理委員会法、監理委員会をつくって抜本策を講ずるという法律の中でも、それはそれとして当面の緊急措置というものは着実に講じていくということをその法律の中に明記をしておるところでございます。したがいまして、今回のこのお願いをしております法律は、そういう考え方からこの緊急措置法のその規定というものに根拠を置いて今回の措置を講ずるということでお願いをしておるものでございます。
 もちろん、しかし先生おっしゃいますように、今回やりますことが国鉄の抜本改革と無関係がといいますとそれはそうではない。それは今回の法律でお願いをしております措置を講ずることが抜本改革を行う際にそれに対してプラスになると申しますか、それなりの効果があるということは御指摘のとおりだと思っております。
#249
○橋本敦君 だからその点をはっきり初めから答弁されていれば問題が空転しないわけですよ。だから逆に言いますと、余り改革法そのものと関係がない関係がないとおっしゃると、大臣、これが廃案になってもあなた方の言う分割・民営化を進めるのに特段の支障がない法律なのか、こう言いたくなりますよ、どうですか。
#250
○国務大臣(三塚博君) 橋本先生御指摘のとおりでございます。これは表と裏、不即不離の関係でございまして、先ほど和田先生の御質問にありましたとおり、六十一年まず前駆的に緊急に講じさせていただく、こういうことで申し上げさしていただきました、長期債務と余剰人員の問題。ところが余剰人員の問題は六万一千という、前提としてお一人といえども政府の責任で路頭に迷うようなことはいたさせませんという形の中で処理をしてまいる、措置をしてまいる員数であるわけなんですね。そうしますとそこでダブるわけであります。その点は認めつつも、まずこれに取り組まさしていただく理由は、しかしやはりその六十二年四月にスタートされる改革の関連法案は膨大なものでございますから、まず前駆的に、その著しく過剰な状態という国鉄の現状を少しでも身軽なものに、また移行できることについてやりやすい形のものに、あるいは国会でありますから、六十二年四月がそのとおりいくかいかぬかはまさに国会の意思でありますので特定できません。先ほど申し上げましたように、ぜひそうさせてほしいというのが政府の立場でありますが、そういう場合なども法理論的には想定しつつ効率的な経営を目指さしていただくということで切り離さして緊急措置としてまず取り組まさせていただくことの方が、後四万人の方々が、やはりお一人といえどもその転退職に心配のない形の中でいけるのではないだろうか、その辺も含めて実はスタートさせ提案をさせていただいたというのが実は率直な形であろうと、御指摘のとおりであります。
#251
○橋本敦君 そこで、私どもの立場からすれば、根本的な国鉄改革ということが分割・民営としてある。まず先駆けとして、まずは労働者の首を切っていく、要するにこれは退職させるわけですから、というところから手をつけていくというのは、私は全然納得がいかないわけです。国鉄の監理委員会の答申で、この分割・民営の移行前においても二万人程度の希望退職募集を行うということはこの答申ではっきり言っておるわけですが、先ほどの政府答弁聞いていますと、監理委員会が言う二万人とこの法案で言う二万人とは、二万という数は同じだけれども、これはたまたま同じ数になったわけで、それは違うものであるという趣旨の答弁があったように思うんですが、どういう意味ですか。
#252
○政府委員(棚橋泰君) これは、先ほどお答えいたしましたことと同じことになるわけでございまして、監理委員会から抜本改革についての御答申をいただいたわけでございます。したがいまして、その中で六万一千人余剰の人間が出る、それをできる限り二万人を希望退職を募り、残り四万一千人を旧国鉄において処理をする、こういうお考えでございます。それはそれなりの御答申として、最大限尊重して関係法案を出しておるわけでございますが、この法律は先ほど申し上げましたようなことでございますので、そういう抜本改革に資するものであることは事実でございますけれども、抜本改革の一環ということではなくて、抜本改革までの講ずる措置の間にも緊急に講じなければならない措置ということで講じておる措置であるという意味で、監理委員会のおっしゃったものと観念的に違うと、こういうふうなことを申し上げておるわけでございます。
#253
○橋本敦君 そうすると、簡単に言えば国鉄の再建監理委員会がいろんな指示やあるいは答申の中で、やるべきことをいろいろと政府に対しても答申という形でやっておるんだけれども、この法案は再建監理委員会の答申とは関係ない、だから再建監理委員会がやれと言っているものじゃないんだ、こういうことですか。そういうことでしょう。
#254
○政府委員(棚橋泰君) 監理委員会に政府がお願いをいたしまして御意見をいただいたのは、国鉄の基本改革というものでございます。したがいまして、それはそれとして関係法案の中で具体化をいたしております。で、それまでの間の緊急措置としてこの法案をお願いをしておるということでございますから、そういう意味では必ずしも監理委員会の御意見の具体化とは、直接、観念的には関係がないということを申し上げております。
 ただ、それは先ほど先生がおっしゃいましたこと、私も認めましたとおり、そのこと自体が全体改革の円滑な実施に資するものであると、この点については否定するものではございません。
#255
○橋本敦君 そういうことなら、この法案はそんなに重視しなくたっていいですよ。国鉄の再建監理委員会の答申から出てくる重要なステップだからということで、至上命令としての分割・民営に向けて、あなた方はもうまさに至上命令として受け取ってやっているんですから。この法案は、そういうような再建監理委員会の言っている二万人の退職募集ということとは関係ないというんですから、これは独自の問題として考えたらいいわけでしょう。
 質問は先に進めますけれども、再建監理委員会が当初六十一年度四月一日現在、つまり六十一年度首の人数として想定をした二十八万八千人から見ると、現在の二十七万七千人は一万一千人の差がある。この差はどこから出てきたと理解していますか。
#256
○説明員(澄田信義君) 今の御質問の二十八万八千人が、現在の現在員二十七万七千人、これはどこから出たかと、こういうお話でございます。当初一万九千人の退職人員を予定しておりました。六十年度首で三十万七千人の現在員を持っておりまして、それから一万九千人の退職が出ますと二十八万八千人、これが当初の予測でございます。これに対しまして、約三万人の退職が出たわけでございます。その結果、二十八万八千人が二十七万七千人になったというのが実態でございます。
#257
○橋本敦君 わかりました。だから、したがって、当初予定したよりも退職が多かったという、そういう事実があるわけですよね。
 そこで、いいですか、監理委員会の答申から言うならば、監理委員会の見積もりを考えた上で、分割・民営以前に二万人程度の希望退職募集をしておくことが国鉄の抜本改革にスムーズにいく道だという想定で出した二万人ですから、それが実際は今言ったように一万一千人の差ができてきたのですから、この再建監理委員会の答申からいくならば二万人整理する必要がなくて、もう一万一千人減っているんですから、一万人程度希望退職を暮ればよろしいということになる、理屈から言えば。そうなったら困るもんだから、この答申、再建監理委員会の答申とは関係のない別の二万人をこれは切るのだ、整理するのだ、こう言い続けていると私は勘ぐらざるを得ないのですが、どうですか。
#258
○政府委員(棚橋泰君) 若干先生の御認識とは違うんでございまして、そもそもこの法律を提出する準備作業に入りました時点、さらにはそのための予算要求をいたしました時点、その時点で既に二万人程度を積算基礎にしておるわけでございますが、その時点では今先生のお話のありましたように一万一千人、八千人ですか、現実には。余分な退職者が出るということは実はまだ予想されていなかったわけです。これは年度末に生じたことでございます。したがいまして、そういう意味でそのつじつまを合わせるためにそういうこの法律の体系をとっておるということでは私どもないというふうに考えております。あくまでも考え方は先ほど申し上げましたように、できる限り多くの希望退職を現時点で生じておる過剰な人員のためには講ずるべきである、こういうことでこの法律をお願いをしておるというふうに御理解をいただきたいと思います。
#259
○橋本敦君 過剰人員、過剰人員という問題で、きょうはその問題を私は特に質問で詳しく追及しませんが、基本的には、六十二年からの国鉄の分割・民営に向けて合理化、合理化で当局の政策的につくり出す過剰人員という問題があるんですよ。政策的に過剰人員をつくり出して、そして三万数千、これだけできたから緊急に二万切らなくちゃならない、まさにこれは労働者を整理するための政策を貫徹するという、そういうことにしかすぎない面を持っているんですよ。
 次に伺いますけれども、現在、職員の中で退職を前提として休職をされている数はどれだけありますか。
#260
○説明員(澄田信義君) 先ほど申し上げましたとおり二十七万七千人、六十一年度四月一日現在でございますが、このうち四月一日現在で退職前提休職に入っております職員は千九百六十三人でございます。
#261
○橋本敦君 この千九百六十三人については、本法による特別給付金は支給するんですか、しないんですか。
#262
○説明員(澄田信義君) この退職前提休職に入っている職員については適用はございません。
#263
○橋本敦君 先ほど和田委員の答弁で、この希望退職以外の退職が四千五百人見込まれるというお話がありましたが、この四千五百人という先ほどの数字は、今答弁なさった約二千人、千九百六十三人とは別の数字ですか、含まれていますか。
#264
○説明員(澄田信義君) ただいま申し上げました千九百六十三人、六十一年度中には年度末に勧奨退職が見込まれる者及び既に退職前提休職に入っている者、これを合わせまして約四千五百人程度が希望退職とかかわりなく退職していくものと考えております。
#265
○橋本敦君 希望退職とかかわりなくということは、重ねて確認しますが、その四千五百人は特別給付金を支給する対象にならないと、こういう意味ですか。
#266
○説明員(澄田信義君) そのとおりでございます。
#267
○橋本敦君 それ以外に公的部門への就職、転職という問題があるわけですが、これは公的部門への就職は六十一年度、数はどれくらい見込まれておりますか。
#268
○政府委員(中島眞二君) 六十一年度におきます公的部門に対する就職は二千六百人を目標といたしております。
#269
○橋本敦君 この二千六百人の皆さんについては、本法による特別給付金は支給しますか、しませんか。
#270
○政府委員(棚橋泰君) 国家公務員等公的部門は特別給付金の対象にいたしておりません。
#271
○橋本敦君 そういたしますと、本法の給付の対象としない退職者四千五百、それから公的部門二千六百、合わせると約七千名の退職が、本法の特別給付金の給付を受けない本法外の退職として見込まれるわけです。この人数、約二千六百と四千五百ですからこれを足せば七千になりますから、二万人という数からこの七千を引けば、一万三千人だけ希望退職すればあなた方の言う二万人という目標にほぼ達する。にもかかわらずあえて二万人は希望退職を募りたいという御意向ですか。
#272
○政府委員(棚橋泰君) 二万人というのは、実は法律上は二万人ということが出ておるわけではございませんで、予算の退職金と特別給付金の支給の積算基礎として二万人をベースに計算をしておるということでございます。したがいまして、その際、今おっしゃいましたように、例えば公務員になる人間というものも見込めばもう少し少ない積算でいいではないかということもございます。ただ、予算は、各年齢層から平均に退職者が出るとかいろいろな前提を置いて計算をいたしておりますので、実際の予算執行の際にはかなりのずれが出るということでございますので、予算の積算上の根拠としてはマキシマムで二万人を積算の基礎の中に見込んである、こういうふうに御理解をいただいていいと思います。
#273
○橋本敦君 私は非常に大事なことを聞いていますよ、それにまともに答えてほしい。予算の積算基礎として二万人ということを言っている。しかし、この給付の対象外の退職が七千もう既に見込まれるわけだから、いいですか、だから当局の本法による希望退職を募っての退職者の募集というのは予算がそれだけあっても二万人も募集しなくていいだろう、それでも無理やり二万人募集するんですか、そんな募集というのはまさに首切りのための募集じゃないですかと、そう言っているんですよ。どうなんですか。
#274
○説明員(澄田信義君) 私ども二万人の希望退職を募集したいというぐあいに考えております。今この二万人の予算上の積算根拠について審議官から御説明がございましたけれども、私ども、この希望退職二万人につきましては広い意味に考えております。この中には再就職の先といたしまして国鉄の関連企業へ再就職される方もおりますし、それから一般産業界へ就職される方もおる。それから公的部門へ行かれる方もおる。したがいまして、この二万人の方々がすべて、いわゆる本法に言う希望退職、割り増しの退職金を受けられて行かれる方のみとは考えておりません。したがいまして、この希望退職二万人の中には、今の積算根拠でお話がございましたように、二十代から五十代まで均等に退職者が出るという前提で積算をされた根拠でございまして、私ども、実態といたしましては、例えば高年齢者、五十歳代にこの希望退職の方が集中するかもわかりませんし、もちろん我々といたしましてはあらゆる年齢層から希望退職を募集したいと考えておりますけれども、実際に応募される方々にはいろいろな年齢的な偏りもございますでしょうし、あるいは今の関連業界へ行かれる方の数、あるいは一般経済界へ行かれる方の数、いろいろございます。そういった観点で、積算上の予算の問題と、私どもが実態として今の希望退職を募集していく場合とはおのずから別のものでございまして、私どもといたしましては、希望退職につきましては二万人の方々を今の希望退職でぜひとも応募していただきたいということでお願いしたいと思っておる次第でございます。
#275
○橋本敦君 大臣、お聞きのように、理論的に言うならば二万人も希望退職を募らなくてもいいという状況があるにもかかわらず、それはそれとして二万人はこの際切っていきたいという意図がもう丸見えですよ。私はまさに整理するための整理だと言わざるを得ないと思うんですね。
 話題を変えますけれども、こういうような人員整理をまず突破口にしながら国鉄の分割。民営ということを進めていくという上において、労働組合との関係というのは私は非常に大事だと思います。これは多くの委員からも指摘をされました。ここで大事だという意味において一つ確認をしておきたいのですが、企業内に幾つかの組合が併存する場合、特定の組合に有利に計らうとか特定の組合には不利益に計らうとか、そういった不当労働行為的な態度は政府としても国鉄当局としても一切とってはならぬということは自明のことだと思います。その点については総裁も大臣も問題はございませんね。
#276
○説明員(杉浦喬也君) 今先生おっしゃるとおり、各組合完全に公平平等の対応をしておるつもりでございます。またそうすべきだと思っております。
#277
○国務大臣(三塚博君) 総裁と全く考え方は同じであります。
#278
○橋本敦君 具体的にお尋ねをしたい問題があるのでありますが、まず国鉄本社の労働課の職員は、組合員になれるのかなれないのか、公労委の示した基準がありますが、どうなっておりますか。
#279
○説明員(澄田信義君) 労働省の基準によりまして非組合員の指定を受けた者は組合員になれませんけれども、非組合員の指定を受けてない者については組合員になれるということでございます。
#280
○橋本敦君 それでは具体的に伺いますが、本社の労働課勤務というだけで組合には入れないんですか、入れるんですか。
#281
○説明員(澄田信義君) 労働課勤務というだけでは、その仕事の内容によりまして非組合員の指定をいたしましたり、あるいは非組合員の指定をしない場合もございますので、その非組合員の指定をしない場合においては組合員になれるということでございます。
#282
○橋本敦君 今度鉄労の専従企画部次長になられた佐藤正男さんというのは御存じと思いますが、この方は五十六年一月以降ですか、仙鉄局の労働課、それから中央鉄道学園講師などを勤められ、本社労働課にも勤務されておった。これは間違いないと思いますが、この方は組合員資格は、本社労働課の課員としてあるんですか、ないんですか。
#283
○説明員(澄田信義君) 今事実を調査してお答えしたいと思います。
#284
○橋本敦君 この方が五月一日付で仙鉄経営改革実施準備室、ここに勤務がえになったわけですが、その直後から組合の専従になられているのであります。私が指摘をしたいのは、この佐藤正男さんが組合の専従企画部次長になられるについて、五十六年からずっと今言った経歴があって、本社労働課勤務であったわけでありますけれども、公労法四条二項の規定からいくと、非組合員の範囲は国鉄関係については、本社関係では労働関係事務担当の係員はなれないことに指定されておりますから、そのままでは組合員資格はないということになってもいけないので、急拠仙鉄経営改革実施準備室に身分だけを移して、実際はここで仕事をするいとまもなく専従企画部次長に就任されたということになっているのではないか。まさにこれは当局が、専従企画部次長に就任するについて仙台へ一時身分を移すということによって組合員資格があるということにするための便宜を計らってあげたということがうかがわれるのではないかという意味において調査をお願いしたわけ
であります。
 大臣に伺いたいのでありますけれども、大臣は五十八年の総選挙に際して鉄労からあるいは鉄労の仙台地本から推薦をお受けになったと思いますが、御記憶ございますか。
#285
○国務大臣(三塚博君) 推薦とまでいかなかったのではないかと思います。鉄労の代表の方が第一声のときにたしか支援演説をいただいたことは事実でございまして、御案内のように宮城県一区は公明、民社の共闘地域でございまして、当然同盟傘下はそういうことで最終的にはそうであったのかなと、しかし支援演説をされて、また個人的に郷里が同じでありましたり、友人も何人かおります。そういう点で役員の方にも私の友人が何人かおることも事実でございまして、定かではございませんが、なお必要であれば調べますけれども、推薦ではなく支援演説のように思います。
#286
○橋本敦君 選挙でお世話になったら忘れちゃいかぬわけですね。
#287
○国務大臣(三塚博君) 恐れ入りました。
#288
○橋本敦君 仙台地本の辻本書記長が大臣の後援会の事務局長もなさったというふうに私は聞いているんですが、御記憶ありませんか。
#289
○国務大臣(三塚博君) これだけは覚えておりますが、全然そういうことはありません。
#290
○橋本敦君 大臣は御存じないと思いますが、私は手元に一昨年の一月十八日から二十日まで東京・九段会館で開かれた同盟二十回定期大会の全国大会、ここに議事録があるんですね。この議事録で私は鉄労の皆さんが大臣を推薦して運動なさったということをはっきり知ったわけですよね。ここではこれは問題になりまして、今大臣がおっしゃったように宮城では公・民協力の地帯ですから、だからしたがって鉄労の皆さんがこれにはっきりした姿勢をとらないで、三塚自民党運輸大臣をこれを応援なさったということはこれは問題だという議論が出たわけですよ。当然ですわな、組合として。それははっきりとこう書いてありますね。「自民党の交通部会長である三塚博という前職の議員について、鉄労中央本部の決定で仙台地方本部が取り組みますと、こういうことだ。選管が発表いたしました選挙公報紙にも、中央本部の書記長さんのご氏名が推薦欄に記載されておりました。同時に地本の書記長さんが、三塚氏後援会事務局長ということで、この選挙期間中、張りついて選挙対応したと。中央本部からは、約三千五百票の票を取りなさいという指導、指示があった。」これは同盟の社会的な立場を著しく失墜させるという意味で責任があるのではないか。こういう疑義が代議員から出されているんですよ。それに対して、辻本当時書記長ですか、仙台の地本の組合長ですか、その後組合長におなりになりましたね。この方が答弁なさっているんですが、その事実は否定なさらないで、こういう答弁をなさっているんですよ。鉄労は「今日まで国鉄におきます現状は、官僚と社会党、とりわけ国労とが完全に癒着をいたしまして、たとえば違法なストライキをやっても経営の側がこれを認める、こういう状態であったわけであります。そういうやり方に対する反発、また、それが誤りだと決起をしたのが鉄道労働組合でございますが、その鉄労運動に対しまして、」次が大事なんです。「ここ二、三年、とりわけ自民党内部におきます国鉄問題小委員会」この委員長は大臣ですな。この「委員会等が、いわゆる国鉄経営者のやり方に対する徹底した批判、追及、こういうものが行われまして、漸次よくなりつつあるわけであります。」こつきまして、「自民党内部から国鉄における現状批判をし、これではいけない、こういう形で積極的な政治の場における協力が国鉄の体制をよくする方向になってまいりました事実の上に立って、民社党、同時に民社党候補のいないところは中道諸政党を応援する。同時に、その上に鉄労運動に対して政治的に協力する人を、私どもは応援しようじゃないかと。」こうなっている。つまり、政治的に協力する立場で大臣はいらっしゃると、こういう意味ですよ。そこで、「そういう二つの問題になりましたので、私どもは、いろいろ問題があって皆さん方に」、つまり同盟の皆さん方に「ご迷惑をおかけすることを承知しながら、ある意味で自民党の三塚候補の支援をした、こういうことでございます。」、こう言っているんですね。おわかりですか。選挙運動やっていただいたことは、御記憶はっきりよみがえりますか。
#291
○国務大臣(三塚博君) 辻本組合長さんは、本部組合長さんで、この方はたしか大阪鉄労地本の御出身かと思います。橋本先生言われます、党事務所でいろいろお手伝いをいただきましたのは、後藤仙台地方労働委員長でございまして、私のまた友人でもあります。そういうことで後藤さんにごあいさつなどもいただき、大変御支援、御鞭撻をいただきました。そういう正式推薦書という形かどうかは――忘れちゃいかぬと怒られますが、これはもう忘れたわけではありませんが、そういうことではなく、事実上そんなことで、当時、後藤さん委員長さんでありまして、中心となられまして、大変御激励、御支援をいただきましたことは事実でございます。
#292
○橋本敦君 そういう関係があって、今日のいろんな事態の中で、鉄労に対して、今私がお話ししましたが、佐藤さんの専従企画部次長就任というふうな問題についても特別な配慮、便宜を図ってあげるというような事態が生じたのではないかという疑いすらあるんですよ。いかがですか。
#293
○説明員(澄田信義君) 先ほどの件で調べてみましたところ、本社の労働課に在勤しておりますときには非組合員の指定を受けておりました。その後、仙台の経営改革準備室へ転勤になりました。今は組合員となっております。
   〔委員長退席、理事安恒良一君着席〕
#294
○橋本敦君 おわかりでしょう。やっぱりそのまま専従企画部次長にはなれなかったんですよ。
 そこで大臣、この私が紹介した議論の中でも出てまいりましたが、自民党の国鉄基本問題調査会国鉄再建に関する小委員会、大臣が委員長をなさっておりましたね。ここで、今議論されているように、自民党の議論が鉄労の運動を支持するような方向に事実こう大きく行っているんだ、だから、そういう意味で支持してもいいんだということがあったわけですが、読んでみますと、実際そういうことが本当に議論されているんですね。これは自由民主党が五十九年二月にお出しになったその小委員会の会議録ですから、これは公開されているものですが、例えばこれの第八回の三月二日の議論を見ますと、元運輸大臣をなさった細田委員ですね、こういうふうにおっしゃっていますね。いろいろ労働組合のことを議論して、「それから組合はけしからんことには間違いないんだが、国労・勤労はけしからんことには間違いないんだが、」、二回も繰り返している、「やっぱり政治的なひとつの勢力を持っておるもんですから、この勢力をどうしたら変えられるかというところに問題がつながっていると。これは社会党勢力や共産党勢力あるいは新左翼までつながってる、いったいそれとどう立ち向かうか。鉄労の言われることはそのとおりなんですよ。できればこれ」、つまり国鉄再建問題、「これでいけるんでです」。ここが大事ですよ。この国鉄再建問題で組合対策を進めるんだということを堂々と言われているわけですよ。いいですか。で、「ただ問題は、いったい政治的にはどうしたらこれができるんだということを、これからもう少し掘り下げていただきたい。」という意見が出ている。まさに組合を敵視して、組合つぶしという言葉を我々よう言いますけれども、それに近い方向を堂々と議論をして、今度の国鉄再建問題というのは、それはもう大事な突破口になるんだということを言っているわけですよ。こういうような姿勢でこういった国鉄改革問題やるというのは、これは私はもってのほかだと思うんですよ。大臣の御所見いかがですか。
#295
○国務大臣(三塚博君) それは公開されておる会議録で、当委員会の速記のように、国鉄再建小委員会は百十年余の国鉄の経営形態にまで議論をすることであり、後世に明確にせしめる意味でもというので速記を全部つけさしていただきましたことは御案内のとおりであります。
 その間、最初は経営形態からずばり入ったわけではございませんで、国鉄の現場、特に現協――現場協議という、マル生後にさらに一つの形態が確立をいたしました現場協議制というものが非常に問題が多くなっておる。時に現場管理者のつるし上げの場所になり、そのことによって現場の機能が非常にアウトになっておるなどという、指摘が数多くなされたことにかんがみまして、それでは正常な労使関係ではないのではないだろうかというようなことから、やはり国鉄が赤字であります限り、正常な労使関係の中でこれに対応してほしいという、こういうことも強いその目的でございまして、議論をさせていただいたときに、国労の委員長、三役、企画部長の皆さん、勤労の皆さん、鉄労の役員の皆さん、それと全施労の皆さんという執行部の皆さんをお招きを申し上げまして、国鉄再建、国鉄労使のあり方について御意見などを求め、同時に委員から一時間ぐらい御質問をさせていただいたと、こういうことでございます。
 特定の組合をどうという意図を持ってやられたわけではございませんが、鉄道労働組合も国鉄の組合として国鉄の再建、再生のためには労使の一体化というものが必要であるだろう。というようになれば協約に基づいた、また経営、労働問題等等きちっと進められてほしいと、小組合だからといって取り上げられないことではいかぬのではないだろうかというようなことが議論されたことも実は記憶をいたしております。そんな点で、細田先生がそういうような陳述をされた内容を今お読みをいただいて思い出すわけでございますが、細田先生も国鉄の置かれておる労使の現状を何とか正常なものにしていきたい、特に現場が国鉄を動かしておる原動力であるわけでございますから、そういう意味で現場が正常な形に進めさしていただく意味でどうあるべきかということで、鉄道の大先輩でもあられるわけでございますから、具体的な意見開陳、また指導者の一人としていろいろなサゼスチョンをいただき、私も小委員長として取り組まさせていただいたわけでございます。そんなことでありますので、よろしくお願いします。
#296
○橋本敦君 大臣がおっしゃったように、国労、勤労、鉄労それぞれの組合長に来てもらって、みんな並びの中で議論したんじゃありませんよ。今私が言ってるのは、この日は鉄労の組合長が来た。国労の組合長はまた全然別のときですよ。ですから、公平なパネルディスカッションじゃないですよ。だから、鉄労の組合長が来たときの議論として、言ってみれば問題の見方、本音が出ているんじゃないかということで大事なんですよ。こういう考え方が国鉄の最大の組合である国労と、いわゆる協定を結ばないというような状況にもなっているということにもあらわれているんじゃないかという意味で私は大事だというんです。
 そこで大臣、もう一つね、組合によって一切不利益扱いはしない、そういうことはやらないと先ほどおっしゃいました。本当にそうなのかどうか。私は大臣自身の発言についても、この議事録を読みまして、これは絶対に大臣に聞かなくちゃならぬというのが一つあるんですよ。これは、この本の四百四ページから四百五ページにかけて、第十七回、これは五十七年の四月二日のことなんですけれども、三坂常務理事と加藤六月委員との間で鉄道弘済会に毎年国鉄のOBが採用されている問題の議論がありまして、それで三坂常務から「今年度で申し上げますと、二万三千人の退職者のうち、二千六百人を弘済会及び関連企業に採っていただいております。」というお答えがありました。それから話が発展をしまして、給与条件はどうかいろいろ議論がありました。それから、三塚小委員長、ここからあなたの問題の発言が始まるんです。正確に読んでみますよ。「それで常務さん、この二千六百人ですが、駅長さんや助役で悪戦苦闘した人を中心に採ってて、国労、勤労で威張りくさったやつは採らんでしょうなあ。」と、こう書いてある。「このへんたいへん心配をして指摘してる人がおりますものですから。」。そうすると、三坂常務は「主として管理職。」と、こう言いかけたら、あなたは「主として?そうすると国労、勤労出身者をなんぼか採るんですか、主としてということは。」。絶対採ったらあかんという言い方ですよ、これは。いいですか。日本語、これはどう解釈してもそうでしょうが。こういうようにあなたは言っておられる。これを受けて三坂常務理事は「いわゆる弘済会の傍系事業では一般職員もおりますが、そこは厳重に勤務評定をいたしておりまして、職場の困り者がいい目にあうということにはなっておりません。」とこう言っている。けしからぬじゃないですか。国労の労働者をつかまえて「職場の困り者」だとか「国労、勤労で威張りくさったやつは採らぬでしょうなあ。」とあなたは言ったり、こんなことは許せませんよ、これ。どうですか。弁解の余地はありますか。
#297
○国務大臣(三塚博君) そのくだりは定かに記憶はいたしておりませんが、速記録でありますからそのとおりであろうと思います。自由民主党という政党は非常にオープンな政党でありまして、ですから、こうやって公開をさせていただいて批判を仰ぐということであります。
 それの趣旨は、前段の流れから、第一回からお読みをいただいていきますと、決して個々の問題を取り上げてやるわけではなくして、先ほど御答弁申し上げましたとおり、現場協議の中で二十四時間にわたるそのつるし上げとも見られる状況がありますというようなこと、十時間程度がしょっちゅうありますというようなことで、現場長がそれこそノイローゼになって病気になりますとか、特に長崎、この自殺をされたなどということなどまで当時の報道がなされておった事実もあるわけです。そんなものですから、現場協議は本来労使のための現場をスムーズに進める意味の問題であろうという指摘は明確に出るわけですね。そういう中で国労という使い方をいたしておりますのは、第一組合、まさにそれは国労であるわけでございまして、その中においてやはりそれぞれその行動が、言われますように何派、何派、何派、こんなことでこれあるわけでございまして、本来私どもが考える労働組合は、法制上大事なものであるわけです。しかしながら、同時に労働組合の前に国鉄職員であらなければならぬというのも、これ公労法の要請するやっぱり側面なわけでありますね。そういう点で労働組合だけが先行する形で、すべてこれによって進めるんだ、時にこの労働運動の中で社会改革という問題にまで突き進むということなども宣言をされたり、いろいろ議論をされたりすることなどもありますものでございますから、そういうことでは公正という意味で問題ではないだろうかというのが小委員会ができたまた最大のポイントでもあるわけです。そういう意味で、やはり国鉄関連のところで採用をするということであれば、五十五で肩たたきでやめられるわけでありますから、一生懸命国鉄のためにやり抜いた者が採用されていく、こういうことが、これがやっぱり世の中の常識であろうということで申し上げたわけでありまして、決して、だからといって国労といっても、国労の大半の人はまじめでようやっているわけですから、一握りの方がえらいことで革命的なことなものですから、その人たちを対象にお採りするのではないでしょうねと、こういうことだったわけでありまして、決して全体を差別するなどということは一つもないわけであります。
#298
○橋本敦君 私は、大臣の能弁な弁解にはとても納得できませんね。
 大体、「国労、勤労で威張りくさったやつは採らぬでしょうなあ。」、言葉がいかぬですわ、これ。「威張りくさったやつ」というのはどういうことですか。積極的な組合活動家はいかぬという意味でしょう。そうじゃないですか。そこで、こういうような会議録から見られるように、政府あるいは当局の労働政策ということに対しては重大な疑義を持たざるを得ないということで次の問題にいきます。
 国鉄の職場は本当に今大変ですよね。自殺者がどれだけ出ていますか。昨年一月から今日までの数を一遍言ってみてください。
#299
○説明員(澄田信義君) 自殺につきましては、六十年一月から六十年十二月までの一年間に四十五人でございます。六十一年一月から、五月十八日現在でございますが、現在まで十六人発生しております。
 多くの職員を預かる者として、その原因のいかんを問わず、このように自殺が発生していることにつきましては大変残念に思っている次第でございます。
#300
○橋本敦君 本当に、希望退職どころじゃなくて、今までみずからすり減らし犠牲にしていくという状況が国鉄の労働者の中に出ておるという問題は深刻ですよ。こういうような犠牲をつくり出しながら、生み出しながら国鉄改革とかなんとか言ったって、人間の命をないがしろにするような改革は許せませんよ。
 つい最近の話で言いますと、二月二十一日の夜に、東京新宿駅の出札係の高杉さん、五十九歳が自殺をなさった。これは御存じのとおりです。高杉さんはまじめな人で、助役室の入り口の真ん前にある自分のロッカーに、退職強要には応じませんと、こう印刷してある国労のメモ帳を切り取って張りつけて、常にそれを見て、自分は国鉄で頑張ろうと、こう思っていた人ですよね。で、管理職はおれの顔を見るとやめろと言う、しかしまだやめないよと、こう同僚にも話しておった高杉さんですが、二十一日の夜十時ごろ、夜遅く亡くなった。その直前の午後八時ごろに高杉さんは二人の出札助役に呼ばれたようですが、どんな話をしたんですか。
#301
○説明員(澄田信義君) 退職勧奨の話をしたと聞いております。
#302
○橋本敦君 それですよ。やっぱり退職勧奨の話をされて、どうにも断り切れないという気持ちになったのか、希望を失ったのか、あれほど頑張ると言っていた人が亡くなったわけですよ。この高杉さんについては、同僚の皆さんがこう言っておられます。とにかく仕事が好きな人でした。朝七時半から夜遅くまで、それに公休日にさえ出て働いていた。公休日ぐらい休んだらと言ったことがあるんだけれども、好きだからやっているんだよと、こう言っていた。それに、ちょっとぐらいの風邪を引いても、横になって自分で治すような人だった。昭和三十九年から同駅に残されている資料をのぞいても、無遅刻、無欠勤で、休んだのは忌引の一日、組合のスト参加による賃金カットのみ、こういうまじめな人だった。まさに高杉さんにとっては国鉄の職場そのものがこの人の人生だった。こういう人に対してしつこく退職勧奨をやったということが、まさにこのとうとい命を失う、自殺を誘発したという、直接の動機ははっきりしているじゃありませんか。総裁、どう思われますか。
#303
○説明員(杉浦喬也君) 自殺者が職員の中から出るということはまことに痛ましいことでございまして、私の部下でございます、そういうことがあってはならないというふうに日ごろから思っておるところでございます。よく事情調査をいたしておるわけでございますが、そうした自殺の原因というものが、なかなか自殺そのものの性格上つかむことができません。しかしながら、いずれにいたしましても職場におきましてこういう痛ましいことがあってはいかぬという気持ちは変わらないわけでございます。
 いろんな意味におきまして、あるいは精神衛生、教育等の問題もあろうかと思いますが、いろんな工夫をしながらこうしたことのないようにこれからもこいねがい、また何らかの施策を講じていきたいというふうに思っております。
#304
○橋本敦君 この高杉さんだけではありません。四月二十二日には品川保線支区の高浜管理室桑原さんがこれまた倉庫の中で帰らぬ人となっています。この桑原さんもいつも仕事がきつい、あすの仕事はどうしようということを言っておったようでありますが、私が得た資料によりますと、合理化によってその職場は八名から六名に人減らしをされて大変な労働強化になった。そしてさらに一人が出向する。そうすると五名になる。そしてその中で管理職が病気で休まれるということで四名になるときもある。この四名で横須賀線や品川駅構内の線路の安全確保、保守管理、こういう責任を持って本当に大変だったという過労状況だということも言われておりますね。だから、こういうことを考えますと、本当に私は今国鉄の職場の労働者は大変な状況に置かれているというこのことに目を向けて、抜本的な改善策をまずこの点で講じなくちゃならぬということは当然だと思うんです。
 ところが当局はどういうことをやっていますか。私が我慢がならぬのは、六十一年二月二十一日付で「職員の自殺について」という厚生課長通達が出ている。間違いありませんか。
#305
○説明員(澄田信義君) 今の各管理局等に「職員の自殺について」という書面を出したのは事実でございます。それはこういった自殺者の把握につきまして、今までも部内の規程によりましてもろもろの業務外の傷病者の報告の中でその件数の把握などをしておったところでございます。
 今回、こういった報告をとることにいたしましたのは、先ほど総裁が申しましたように、この自殺の死因につきましては十分何が本当の原因であるかということはなかなかつかみにくい点がございますけれども、私どもといたしましては、精神衛生管理を健康管理の一環としてとらえるとか種種の対策を講じまして、とにかく万全の対策を期するためにまず自殺の発生状況というものをできるだけ早くかつ詳細に調査することが必要であるということがその起因でございます。また、特に最近派遣に出ておる方、いろいろな要素も出てまいりましたので、そういったことから私どもといたしましてはそういった自殺の発生原因等々をできるだけ早くつかむためにこういった書面を出したような次第でございます。
#306
○橋本敦君 私は、どこの企業が自分の職場に対して自殺者が発生したら報告せよというような通達を出しているか、国鉄だけじゃないですか、ほかにこんな企業がありますか、こう言いたくなりますね。それはまさに、当局自身がこれだけの自殺がふえるというこの状態に対して、これを根本的に改善するということではなくて、こういう通達を出してちゃんと報告せよというようなことで対応しようとしている、まさに形式的なことだと言わざるを得ませんよ。
 これを生み出した原因は何か。一つは、まさに国鉄の労働者に、国鉄に希望を持たせるような政策をしないで、解体して、分割して、国鉄をなくしてしまう、ここですよ。もう一つは、行き過ぎた合理化、労働強化、これによって職場は本当に大変になっている、労働者は過労だ、こういうことです。そしてさらに、やめなさいという肩たたきですよ。
 だから私が言いたいのは、こういう通達を出すのではなくて、この法案によって希望退職を二万人から集めるんだと胸を張ってやるんではなくて、本当に労働者の意思を尊重して、退職強要、労働者が命を捨てるような、そういうことは絶対に起こさないために、退職強要は絶対にしないということを固く誓う、これが大事じゃありませんか。先ほどの高杉さんでも退職勧奨について話をしたその直後に亡くなったということは認められたとおりです。
 この問題について、労働者には退職は絶対に強要するような態度、そぶりを含めて、一切当局はそういうことはやらないということを厳に自戒してもらいたいと思いますが、いかがですか。
#307
○説明員(杉浦喬也君) 企業は、いろんな事情で職員管理というのが必要でございます。定年制が国鉄ではとられておりませんけれども、長年の慣習によりまして勧奨年齢というものがあるわけでございまして、平常時におきましてもそうした年齢層に対しまして、後進に道を譲るという、そういう意味での話し合いというものは、新陳代謝ということの必要性から私は必要であるというふうに思います。
 ただ、その場合に、結果としてそれが、本人の精神、気持ちに非常に大きな動揺を与えて、最悪の場合は不幸な事態になるというようなことは、これはやっぱり、その当該職員の直接の上司である幹部、管理者としましては十分にその点を配慮して、温かい気持ちで、本人と腹を割って話をするというような対応がぜひ必要である。なかなか、長年にわたって自分が一生をかけて働いてきた職場でございますから、それを離れるということについては大変なショックがあると思います。そういったことを十分に管理者がわきまえて対応をしていかなければならないというふうに思うわけでございまして、悪い意味での強要、強制ということはやはり避けなければならない。十分に話をし、温かい気持ちで説得をするということが必要であるというふうに思います。
#308
○橋本敦君 総裁、もう一つ大事なことは、労働者個人、一人一人というのは当局の大きな力の前にはやっぱり弱いのですよ。だから労働組合という団結が必要なんです。だから、こういう問題については、不当な退職強要はやらないという総裁のお言葉はありましても、やっぱり労働条件の変更の問題あるいは退職をめぐるいろんなこれからの条件の問題、本人の意向の問題も含めて労働組合と窓口を開いて交渉し、話し合いをするということで、労働組合員の利益を組合は守る立場ですから、その組合ともこういう事故が二度と起こらないように、退職勧奨を含めて今後のやり方について十分協議をしてもらう必要があると思うんですが、いかがですか。
#309
○説明員(杉浦喬也君) 既に退職勧奨の問題につきましては一応ルールができ上がっていると思います。そういうルールの運用方であろうかと思います。運用に当たりましては、先ほど申しましたように、本人の身になりまして十分に幹部がお話をするということを貫いていくように指導していきたいと思います。
#310
○橋本敦君 今答弁なさったように、異常に自殺者がふえているというこの事態について、この問題についての最後の質問として総裁と大臣に伺いますが、こういう事態についてどう認識しておられるか、重ねて伺っておきたいと思います。
#311
○説明員(杉浦喬也君) そうした職場におきます自殺者が出るということ自体は、その原因のいかんを問わず、私としましては非常に心痛むところでございます。そういうことの起こらないように、いろんなことで職員の対応をしてまいりたいというふうに思っております。
#312
○国務大臣(三塚博君) 御指摘のとおり、みずから命を絶つということは、とうとい生命でありますからこれほど悲しいことはないわけであります。さような意味で、担当常務、総裁も言われますように、いろいろな手だてを講じていかなければなりませんでしょうし、特に国鉄が改革に進むという厳しい今日の状況の中におけるただいまの例の勧奨、肩たたきのようなことでありますとすれば、まさに相手の立場の身になり、痛さを十分かみしめる形の中でそのお話がなされなければならない、愛情を持ってこれがなされなければならない、これは管理者として当然過ぎる基本的な腹構えであろう。そういう点に欠ける点があるとすれば、これはやはり総裁として、人事権者としてきちっと管理監督をし指導すべきことであろうと思います。
 辛い昨今の状況でありますものですから、連帯の中で、また思いやりの中で本問題に対応し、かつての国鉄、鉄道をおつくりをいただきたいものだと、こう思っておるものであります。
#313
○橋本敦君 次に私は安全問題に質問を移してまいりたいと思いますが、その前に、先ほども議論になりましたが、車両費について五十七年からの実績をお伺いしたいのであります。数字が今すぐわかりましたら御答弁いただきたいんですが、いかがでしょうか。
#314
○説明員(山之内秀一郎君) 五十七年度以降の車両費を申し上げます。
 五十七年度が千三百三十二億円、五十八年度が八百八十億円、五十九年度が六百七十二億円、六十年度はまだ最終的な数字でございません、予定といたしまして八百六十一億円、六十一年度もこれ予定でございますが七百九十一億円でございます。
#315
○橋本敦君 わかりました。
 これは五十八年の八月に監理委員会が第一次緊急提言ということを出しまして、その中で「設備投資の抑制」を言ってきたことは、これは御存じのとおりであります。それを受けてか、今お話しのように、五十七年度に比べて五十八年度は約五〇%減、五十九年度は五十八年度に比べてさらに約四〇%減、こういうようになってきたわけですが、六十年度から急にふえ始めて、今御答弁のように六十年度八百六十一億、六十一年度七百九十一億、こうなってきているわけですね。これはもう目の前に、あなた方の言う国鉄抜本改革の民営への移管、新会社への移管ということを目前にして車両費がこういうふうにふえているということは一体、緊急提言で言う「設備投資の抑制」とは逆になぜこうなっていくのかということが問題にならざるを得ないと思うんですね。こうしてふえたこれらの車両費は、結論的には今の国鉄財政からいきますと借金として残っていくのじゃないかと思いますが、どうですか。
#316
○説明員(山之内秀一郎君) 国鉄のこういった設備投資の金の個々のものがどうなるかということについては、一つ一つ対応していると思いませんですけれども、全体といたしましては、国鉄の現在の運営形態の中では遺憾ながら借金はふえる傾向でございますので、車両費が即どうかということは別にいたしまして、何らかの格好でそういった意味の負担はあるかと思います。
#317
○橋本敦君 そうなんですよね。だから、要するに借金として残っていく。その借金の処理はどうするか、これも後で議論しますけれども、かなり議論されているように、結局その借金の大きな部分の、十六兆を超える部分は国民全体にツケが回っていくということですから、まさに国民にツケが回る形で今車両費がどんどんふえていく。そうして、この車両費によって賄われた施設が新会社に引き継がれていくと、こういうことですから、まさに国民にツケを回す形を承知の上で、駆け込み的に新会社へ回してやるための車両の整備その他をやっているというように受け取れるわけですが、どうなんですか。
#318
○説明員(山之内秀一郎君) 先ほども数字を五カ年間にわたって申し上げましたが、車両費と申しますのはやはり年度年度によっていろんな状況がございます。ある年度は非常に輸送力増強のプロジェクトの完成が大きいとか、またある時期には非常にある時期につくった車がたまって取りかえ時期に参りますとか、そういった変動がございます。六十年度は、例えばの話が埼京線が開業いたしまして車両をつくりますとか、そういった個々の変化がございましてこういった変動が出てまいりますが、先ほど御案内のように、五十七年度から比べますと全体としては減少ぎみでございます。
#319
○橋本敦君 個々の事情は、今おっしゃったように、理由としておっしゃっていることは先ほども聞きましたよ。しかし、電車の新製が、これが五十九年度は二百四十八、五十八年度は三百四十、こういう億単位の金であったのが、六十年度急に四百六十億にふえて電車の新製がぐっと入ってくる。あるいは新幹線の電車の新製も六十一年度で百五十三億ということでぐっと伸びてくる。こういうように見ましたら、私はあなたのおっしゃるような理屈だけで納得できない。そういう要素というのはあると思うんですよ。それで、車両費にこうして、言ってみれば設備投資抑制という方針に反しても金をふやしていきながら、それじゃ一方で安全対策費がどうなっているのかということを検討してみる必要がある。
 ここで、委員長、ちょっと資料を委員長と理事の皆さんと、大臣と国鉄の方にお渡しさせていただきたいと思います、「経費の節減について」という資料がありますので。
#320
○理事(安恒良一君) 資料を配付してください。
   〔資料配付〕
#321
○橋本敦君 今お配りした資料は、答弁資料としてお手元に差し上げたんですが、これは国鉄本社施設局が会議のためにつくった資料でありまして、私が独自の調査で入手したものであります。この「経費の節減について」という表題で、今後の土木修繕費がどうなっていくかということがそこで一目瞭然であります。
 まず、一枚目の表の上の表を見ていただきますと、昭和五十九年度の土木修繕費の実績が、これが単位億円で出ておりますが、北海道が十七億円、四国が五億円、九州十四億円、三島とってみるとこうなっております。ところが、六十二年度の土木修繕費想定、これは監理委員会の計画から国鉄が推定したんでありますが、どうなるかといいますと、北海道はこれが五億円に減らされますから、何と五十九年度の二九%になってしまいます。四国はこれがたった二億円に減らされますから四〇%に減ってしまいます。九州は土木修繕費実績が十四億あったのがたったの六億に減らされてしまいますから四三%、こういう状況になってしまうのであります。これはまさに安全対策ということから見てもゆゆしい問題ではないかと思うのでありますが、こんなにまで、新会社、民営移管ということになれば、土木修繕費が激減をしてしまうというような状況を許してよいのでしょうか。総裁、どう考えられますか。
#322
○説明員(前田喜代治君) ただいま先生おっしゃいましたこの資料に基づきまして、ここで拝見さしていただいたわけでございますが、ちょっと具体的なその将来想定につきましては、ちょっと詳細に後で見せていただきたいと思っておりますけれども、一般的に申し上げますと、修繕費といいますのはいろいろな施設の利用状況との絡みもございますし、それから施設の強度、基礎となります設備の状況等にもよります。したがいまして、いろいろな兼ね合いがございますが、一方で、安全につきましては工事経費等も投入いたしまして基盤を強化しているというようなこともございます。一方で、またそこで稼働いたしますいろいろな資産、車両数あるいはロード等でその修繕の度合いというのは変わってまいりますから、そういうものの兼ね合いを検定して、将来はこのぐらいでやったらどうかというようなことでこの想定数値が出ているのかと思います。
 具体的には、国鉄といたしまして今後これからの計画は詰めてまいることになろうかと思います。したがいまして、必ずしも金額が減ったから、あるいは少ない金額だから工事あるいは安全について手抜きをしているというようなことでは決してないかと思っております。
#323
○橋本敦君 これはもう問題ですよ。土木修繕費というのは、北海道やらあるいは四国やら九州やら、こういうような線の安全を確保する上では、これはもう大切な資金ですよ。これを今私が指摘したように五十九年度の三〇%以下にしてしまう、四割台に減らしてしまう。これだけ切って、これで本当に全線路にわたっての安全確保できると本気で考えておるんですか。まさにこういうことが出てくるのは、北海道、四国、九州という三島、この三島の新会社が黒字経営を基盤として考えた上で計算をするならば、修繕費はこれぐらいに抑えなくちゃならぬという採算ベースから来ているとしか思えませんよ。
 この表の右側の一番上を見てください。(3)としてどう書いていますか。「六十一年度を新事業体への移行のためのトレーニング期間として取り組む」ということで、「下級線に対する本社特修工事は全面抑制する。」。下級線というのは言うまでもありませんけれどもG4以下の一日当たりの輸送人員が四千―二千以下、そういう少ない下級線に対しては、まさに六十一年度で新会社移行のためのトレーニングとして本社特修工事は全面抑制する、こういうこともやろうというんですよ。
 それから、その次見てください。「国鉄としての最終年度に、幹線系の健全度ランク「A1」構造物をできる限り多く解消することが、新事業体への良好な引継ぎと考える。」、今度は幹線部分については――いいですか、幹線部分については「A1」の危険区域は全部なくしてしまって、完全に補修してしまって健全体として引き継いでいくようにする、幹線は大事にそういうことを守るが、下級線は切り捨てる、これを六十一年度トレーニングとしてやると、ここまで言っておるんです。まさに国会でまだ通りもしない分割・民営化そのものを大前提にしてこのためのトレーニングをやってこういった費用を抑制していく。もってのほかじゃありませんか。
 総裁に聞きますが、トレーニングとしてこういうことを国鉄でやらしておるんですか。ここにそう書いてある。弁解のしようがないでしょう、これは。
#324
○説明員(岡田宏君) 私は、今先生から御指摘いただきました資料がどういう形でいつの段階でだれの手によって作成されたかということはよく存じ上げないのでありますが、それを前提として答弁をさしていただきます。
   〔理事安恒良一君退席、委員長着席〕
 今先生からお話ございました「六十一年度を新事業体への移行のためのトレーニング期間として取り組む」ということでございますけれども、本社特修工事と申しますのは、本社で特別に修繕費を手当てして配付している工事でございます。したがって、そういうものは全面抑制をするということを言っているんだと思いますが、ということが即修繕費の全面抑制、下級線を切り捨てるということにつながる性格のものではないわけでございます。
 なお、今後の修繕費の投入の仕方というものについて考えてみますと、今まではどちらかといいますと全国の線区を非常に大分けをいたしまして処理をしてまいりました。今後の考え方といたしましては、それぞれの線区の実態、すなわち通過トン数でございますとか、あるいはその上に走っております列車のスピードでございますとか、いわゆるそういった土木、建造物に与える破壊力の大きさ、それから並びに現在の設備の持っている状況、そういうものに対応いたしましてきめ細かく修繕費を投入を、管理を行っていく必要がある、そういう考え方に基づきまして、いろいろなトレーニング期間として取り組むという精神でつくっているというふうに考えております。
#325
○橋本敦君 納得できません、そういう答弁は。
 次の紙見てください。次のページ、「節減施策及び内容」、まず左側を見ましょう。左側の下ですね、「線工雑設備修縫の全面抑制(一〇〇%カット)」と書いてあるわけ。「安全さく等の修繕の抑制」、いいですか。これは「直接運転に影響を及ぼさない」、こう書いてある。安全さくが破れて子供が入ってきて、死んだらどうするんですか。「一〇〇%カット」。「直接運転に影響を及ぼさない」から、こういうことで、五十九年度実績一・九億円、これが六十二年度にはゼロ、ゼロになるんですよ。それで国民に対する安全の責任を持てるんですか、安全さくが壊されて、ほっておいていいんですか。これが一つの問題。
 右側、どうですか。「ペイント塗替の見直し(二〇%カット)鉄けた保守上、極めて重要ではあるがこそれはそうですね、ペイントを塗るのは。鉄がさびますから。「修繕費全体節減の中では、抑制を考慮しなければならない。」、こうして国鉄自身が鉄けた保守の上で極めて重要だということを認める分についても二〇%カットをして、五十九年度実績三十五・六億円を二十七・八億円に絞ろうというんです。これも心配じゃありませんか。
 さらに私が許せないのは、次の問題です。
 「地交線安定輸送レベルの見直し」、地方交通線。今言ったように、幹線についてはそれなりに金を使うけれども、そして新会社に移行する、健全な状況で移行するというようなことを言うんだが、地方交通線、これについてはどうですか、「安定輸送に支障が生じてもやむなしとする施策」、こういうことを本気で考えておるんですか。五十九年度実績三十二億円ありますが、これを十億円削って二十・八億円にする、まさに地方交通線の切り捨てじゃありませんか。こういうことが国鉄の分割・民営という名で行われるということは、私は絶対に許せないことだと思います。
 こういうことを、これが今は国鉄がやってますが、新会社で民営に移管するならば、黒字採算ベースを追求する、そういう建前の上でもっとひどくなるという心配があるというのが我々の常識ですよ、今でもこういうことをやってるんですから。そういう意味で、国民の安全という面から見て極めて問題だと思うんですが、こういうことを今現に実施しつつあるということは間違いありませんね。どうですか。
#326
○説明員(岡田宏君) 先生御質問ございました各項目についてお話を進めてまいりますけれども、まず、線工雑設備修繕の全面抑制ということでございますが、これは、安全さく等の修繕を外注でやることは極力抑制をしようということでございまして、必要のある部分、どうしても安全さくがなければいわゆる沿線住民の方々の安全が保ちがたいという部分については直轄施工によってこれを対応していこうという考え方であるというふうに考えます。
 それから二番目の、「ペイント塗替の見直し」という点でございますけれども、御承知のように、ペイントの老朽劣化の度合いと申しますのは、その地域地域の自然環境条件によって非常に大きな差がございます。そういった意味で、一律的に、例えば四年周期で塗りかえる、三年周期で塗りかえるということではなしに、必要な部分、しかも構造的に問題があるような部分については、ともかく安全を確保するという点では極力進めていく。しかし、それ以外のものについては、保守状況のいいもの、自然環境条件のいいもの、そういったところについては、技術力、知恵を使いながら経費の節減を図る、そういう趣旨であるというふうに考えております。
 それから、「地交線安定輸送レベルの見直し」ということでございますが、ここにつきましては、安全はいかなる場合においても確保するということでございますけれども、例えば多量の降雨があった場合の運転規制、そういったものの強化でございますとか、冬期の輸送障害、そういった問題についてはある程度考慮をしていかざるを得ないのではないかという考え方を述べているのだというふうに考えております。
 なお、一番最後に、こういった施策で今進めているかということでございますが、鉄道の経営の効率化を図るということは、やはりこれはどうしても必要なことである。そのためには個々の輸送の実態に応じ、設備の実態に応じまして技術力を使い、安全を確保しつつ、使命を達成をしていく必要があるという意味で大いに知恵を使ってほしい、技術力を活用してほしい、そういう指導はいたしているところでございます。
#327
○橋本敦君 一枚目に戻っていただきますと、一枚目の上の方の左の(2)の一番下に、こう書いてある。下級線区のことでありますが、「安全対策として修繕費のみに解決策を見い出すばかりでなく、監視強化・運転規制の強化を実施する。」これはどういうことかと言えば、修繕費、安全対策費はもう出しませんよと、できる限り減らしますよ。そうじゃなくて労働者の監視を強化し、あるいは運転規制を強化するというふうな体制を当局がつくるというようなことで、まさに労働者の労働強化の犠牲の中でやっていきなさい、金は出しませんと、こういうことですよ。今、あなたの御答弁はあったけれども、私は今の国鉄がこういうような面で、安全対策という問題について、非常に重大な姿勢をとっていることを厳しく指摘せざるを得ません。
 職場の労働者は希望退職という名、余剰人員という名で職場を追われ、長年の国鉄マンとしての誇りをもぎ取られようとしておるし、自殺して今まで亡くされる方がある。そして国民に対しては、安全問題は、経営採算ベースを最優先するという、将来の民営化に備えて、こういうような切り捨ての方向がトレーニングという形で現に国鉄で行われようとしておる、許しがたいことだと私は思うのであります。
 ちょうど切りのいいところでございますので、ここで休憩いたします。
#328
○委員長(鶴岡洋君) 午後七時に再開することとし、休憩いたします。
   午後六時二十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後七時五分開会
#329
○委員長(鶴岡洋君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#330
○橋本敦君 引き続いて質問をいたします。
 休憩中にお調べいただいたかと思いますが、先ほど私が示して質問をいたしました「経費の節減について」と、こう題する文書ですが、これは本社の施設局で作成され、会議の資料として配付されたという資料に間違いないと思いますが、確認していただけますか。
#331
○説明員(岡田宏君) 本社の施設局において招集をいたしました会議において配付をした資料でございます。
#332
○橋本敦君 その会議は、いつごろ、どういう名称の会議だったのですか。
#333
○説明員(岡田宏君) 本年五月だと思います。工事課長会議において配付をいたした資料でございます。
#334
○橋本敦君 念のために、一枚目の「AA」とか「A1」とか書いてある、これについて注釈をいただいておきたいと思いますが、御説明いただけますか。
#335
○説明員(岡田宏君) 国鉄におきましては、橋梁とかトンネルとか、あるいはのり面もそうでございますが、そういう土木建造物の健全度と申しますか、逆に言えば危険度と申しますかをランクづけをいたしておりまして、その中でAAランクというのは、やはり変状がありまして、変状が進行している、したがって何らかの措置を必要とするというものでございます。A1ランクというのは、変状がありまして、変状が進行しているので、今後十分監視を続ける、そういう措置をとる必要がある、またランクづけされている建造物でございます。
#336
○橋本敦君 よくわかりました。
#337
○説明員(岡田宏君) 日付、大変そこつで間違っておりました。四月十八日、工事課長会議において配付をした資料でございます。訂正させていただきます。
#338
○橋本敦君 それでは、次の問題について質問をさせていただきます。
 前に我が党の小笠原議員が質問をした問題でありますが、監理委員会の委員長である亀井さんが会長をしていらっしゃる住友電工が、国鉄の工事、資材をかなり受注をしているわけですが、小笠原議員は、五十四年から五十八年、この五年間でどれだけの受注があるかということの資料を当時請求をしていただきました。それによりますと住友電工は、昭和五十四年が十五億、五十五年二十億、五十六年十億、五十七年十五億、五十八年十億、合計七十億、これは五十四年から五十八年までの総合計でありますが、全国で国鉄の受注関係、これは総額七十億という資料をいただいております。これは改めて確認しますが、間違いございませんね。
#339
○説明員(岡田昌久君) 間違いございません。
#340
○橋本敦君 当時いただいた資料は五十八年まででございましたが、その後五十九年、六十年、六十一年と、こうなるわけですが、その後の受注関係はどうなって為りますか。
#341
○説明員(岡田昌久君) 大変言いにくいことでございますが、本来は会社別の受注高というのは、次の二点におきまして言わないことに本当はなっております。
 と申しますのは、一つは競争関係にございますので、どの会社がどこに納入したかということは言わない。第二点としましては、会社への国鉄の発注高も毎年工事のあり方によって変わってくるわけでございますので、対前年増減があったからといってその会社と余り関係がないことが公になりますと、大変会社にとってマイナスになるということで、従来信義上言わなかったわけでございますが、今こういうお尋ねでございますので、あえてそういうことではございますが、お答えさせていただきますが、五十九年度は十七億弱でございます。
#342
○橋本敦君 ついでに、六十年度、言ってください。
#343
○説明員(岡田昌久君) 同じ横ばいでございます。十七億弱でございます。
#344
○橋本敦君 そういたしますと、五十四年から五十八年までは大体十五億、十億。五十五年が二十億ですが、こう推移しておりますが、ふえる傾向にあるということがわかりました。
 そこで、私が関東地区、関東地域ですね、関東地域だけで私の方で入手した資料によりますと、受注品目は電線ケーブル、光ファイバーを含みますが、国鉄の発注で関東地域に限っての受注額を住友電工について見ますと、五十七年度が三億三千万、五十八年度が五億三千万、五十九年度が二億七千万、六十年度が十六億九千万と、こういうようになっておる資料を私は手にしておるんですが、御確認いただけますか。
#345
○説明員(岡田昌久君) 本社調達でございますので、その都度の地域別の発注は、全部契約は本社でしておりますが、納地がきっと変わっていると思います。それについては、数字を今持っておりませんので、ただ金額的にはちょっと数字を正確には確認できません。
#346
○橋本敦君 今すぐ確認できないということですが、調べればわかる数字じゃありませんか。
#347
○説明員(岡田昌久君) 調べればもちろんわかります。
#348
○橋本敦君 それじゃ私の質問はまだ九十分からありますから、その間に調べておいていただきたいと思います。
 私の手にしたこの数字でいきますと、五十九年度二億七千万、先ほど全国的には十七億とおっしゃいました。六十年度も全国的に十七億、横ばいとおっしゃいましたが、関東地域には十六億九千万と非常に大きな伸びでございまして、この五十九年度はその他の企業の受注、これを見ますと五十一億九千万円とこうなっておりまして、住友電工はそのわずかと言ってもいいんでしょうか、五%です。六十年度になりますとぐっとふえまして、十六億九千万はその他の会社の受注額二十二億七千万、だから四三%を占めると、こういうことで非常にシェアが大きくなっています。私がなぜこの問題を指摘をするのかということはほぼおわかりだと思うんですけれども、六十年度になって、今言った数字が事実とすれば、五十九年が二億七千万ですから、六十年、それも六十年度九カ月分の資料で十六億九千万ですから前年の六・三倍と、こう急増しているわけですね。シェアはこの地域で他の企業との関係でいけば四三%になっている。
 そこで、この問題は全体の設備投資が国鉄としてどうなっているかということとの比較で一遍考えてみたいのです。
 監査委員会の報告によりますと五十六年から五十九年まで設備投資額が出ておりますが、五十六年から五十九年、今すぐお答えいただけますでしょうか。
#349
○説明員(前田喜代治君) お答えします。
 国鉄の工事経費の決算額でございますが、五十七年が八千八百億、五十八年が七千五百億、五十九年が六千四百九十億といったところでございます。
#350
○橋本敦君 ついでに予算になりますが、六十年、六十一年おわかりになりますか。
#351
○説明員(前田喜代治君) 六十年は工事経費が四千三百二十九億、それから六十一年が四千百十四億であります。
#352
○橋本敦君 私の調べた数字でもそうなっておりますのでこれは間違いないと思います。つまり国鉄の設備投資額の全体の推移を見ますと、今おっしゃらなかったけれども五十六年は一千百八十五億で、五十七年からおっしゃっていただきましたが八千八百億、それが六十一年四千百十四億、今お答えのとおりで半分以下に減ってきているわけです。つまりこれは監理委員会の設備投資抑制というような方針に沿ってもいるわけでありますが、全体としてこういうふうにずっと国鉄全体の設備投資額というのは減ってきている。そういう中で今私が指摘しましたように住友電工の受注額というのは、減らないところか関東地域について言えばこれは六十年は前年度の六倍、十六億余にも及んでいるわけです。全国的に見ても五十八年の十億に比べて五十九年十七億、六十年十七億とふえている、こういう関係になっているわけですね。そこで運輸大臣あるいは総裁に御意見をお伺いしたいのでありますけれども、本来国鉄の職員について言いますならば、国鉄と密接な取引関係があるということになれば役員その他に就任できないということはこれはもう当然のことである。監理委員会については全然野放していいんでしょうか。いかがですか。お考えをお聞きしたい。
#353
○政府委員(棚橋泰君) 法律的には、国鉄再建監理委員会委員については役員とかそういうのと並ぶような規制は特にございません。
#354
○橋本敦君 法律的にはない。法律的にはないというのはそのとおり私も知っています。しかし、法律的にはないということで、それでいいのかということなんです。なぜならば、現在の監理委員会の持っている権限と機能は、国鉄の分割・民営化に向けて積極的にこれを推進するということで非常に大きな権限を持っている、そういう位置づけになっていますね。だから国鉄の一役員というような立場以上に、再建監理委員会の委員長という立場は、これは国鉄の今後の経営あるいは合理化を含む体質改善の問題、それからさらには設備投資全体の抑制をどうするかという問題の基本方針の策定、さらには具体的な分割・民営化に向けてどういうように進めていくかということについての全般的な方針、これについて非常に強力な権限と発言権を持っているそういう機関だ、こう思いますが、大臣どうですか。
#355
○政府委員(棚橋泰君) 国鉄再建監理委員会は、内閣総理大臣に対しまして国鉄の改革に関する基本的な重要事項に関して意見を申し述べる機関でございます。したがいまして、国鉄の業務そのものの個別の問題について何らかの権限を持つというものではございません。そういう意味で法律的にも先ほど申し上げましたように理事とか監査委員というようなものとは一線を画しておるわけでございます。そういう意味で先生おっしゃるように、国鉄に対して強い権限を持っておるというような機関ではないというふうに御理解をいただきたいと思います。
#356
○橋本敦君 そうすると監理委員会は、総理大臣に答申は出すけれども、その後国鉄の具体的な方針に向けての作業あるいは分割・民営化に向けてのいろんなプロセスについて、その答申どおり進んでいるかどうかについてこれはもう全然無関係、無関心でいいわけですか。何の発言権もないんですか。
#357
○政府委員(棚橋泰君) 私が申し上げておりますのは、国鉄の改革というそういう一般的な政策方針について意見を述べたりそういう権限を持っておるわけでございまして、個々の国鉄の業務運営そのものに対して云々するという立場にはないということを申し上げておるわけでございます。
#358
○橋本敦君 その一般的な根本方針について意見を述べる権限があるというのが大事じゃないですか。まさにそれが今国鉄改革ということの基本路線として問題になっている。根本的な問題について答申をし意見を述べる、そういう権限を持っているそこのところに、今お話ししたように、いいですか、巨額の国鉄との取引受注をやっている会社の会長である亀井さんが座っているという問題は、今私が指摘した、国鉄法等で国鉄と取引関係にある者は役員になれない、監査委員になれない、こう規定している法の趣旨からいっても野放していいということにはならぬのじゃないか。当たり前じゃないですか。もう一度重ねて、大臣の御見解を今度は伺いたい、大臣のひとつ御見解を述べていただきたい。
#359
○国務大臣(三塚博君) 今議論を聞いておりますと、国鉄再建監理委員長の職責を利用するといいますか、あるいはその権限の影響力で仕事が余計にいったのではないだろうか、(橋本敦君「そんなことは言ってない」と述ぶ)というふうに聞こえるんです、トーンに。
 私は、その辺から申し上げさしていただきますと、亀井さんはなるほど住友の会長職であるわけですが、大変、橋本先生もお会いになって見られるとおり、非常に廉直な方であります。国家の大事、また鉄道という大変大事な経営方針を打ち出すことに、二年余、精力的に社業を投げる形で努力をされたわけでありまして、私は土光会長と並び称される立派な方だと尊敬を申し上げておるわけでありますが、あの方が自分の職を売り物にしてけちなことをするとは私は信じがたいし、全然信じません。
 同時に、監理委員会が、棚橋再建審議官が言われますように、一般的な面において政策提言がありますとか、同時にまた、政府を通じ、運輸省を通じ、国鉄にやはりこういう方向、今御指摘のように設備投資でおりますとかいろいろな経営改革でありますとか、こんな点でということもありますことは事実であります。そういう意味で行われておりますことはもう既に今日まで答申を出されるまでの間の形で先生も知っておられるとおりでありまして、そういう点から言いますと、亀井個人ということではなく、法律によって設立をされました国鉄再建監理委員会というこの機構がその提言権を持つ、政策提案権を持って政府に対して申し上げると、こういうことで法制上の構築になっておるわけでございまして、それとこれがどう絡み合うのかは、これは先生の言われる立場と私どもが見ておる立場では相当な懸隔があるなと、こういうふうに思います。
 工事量が年々こう減っておるのに、電線部門がそちらが多いのではないか、発注量が多いのではないかということは、まさにそれは三十管理局、工事二十八局でしょうか、その中で局に全部委譲をいたしておるという国鉄の現在の経営の実態から見まして、それぞれの工事担当、あるいは施設なんでしょうか、その辺が入札なりあるいは時に随契なり、いろいろ規則に基づいた形の中でやられておるものであるというふうに私は聞いておるわけでございます。
#360
○橋本敦君 大臣、私は亀井さん個人が仕事を自分のところに引っ張ってきたというようなことを言っているんじゃないんですよ。まさに政治の仕組み、行政の仕組み、そういうことの中で国民に対する公正の担保を貫くという、そういう政治姿勢の問題として考えた場合にこれでいいのかという問題提起をしているんですよ。ですから、国鉄法等で国鉄とそういう利害関係を持っている人が、国鉄の総裁、役員になってはならないと決めている趣旨は、今日の事態において再建監理委員会に対しても適用してしかるべき大事な節度と問題を含んでいると、こういう意味で指摘しているんですよ、大臣、多くもう議論しませんけれども、労働者にとったらたまらぬですよ。希望退職で国鉄やめなさい、そしてまた将来は新会社へ行けるのか行けないのかの不安もありますしね。清算事業体へ行かされてしまったらそれこそ三年以内にどこかへ行かなきゃならぬという運命でしょう。労働者はそういうことになっているんだが、そういう労働者の整理合理化をやりなさいと号礼をして旗を振っている国鉄再建監理委員会の委員長が会長をしていらっしゃるその会社は、国鉄から年十七億を超える受注をどんどんやってそれなりの利益を得ているというのは、国民から見て、労働者から見て納得できるような話じゃありませんよ。だからそういうことは政治の場でなくしていくということが大事な課題になっているんじゃないか、私はこういう問題として指摘をしているんですよ。それは大臣がお考えになってもそうでしょう。労働者の首を切って合理化やれと、二十一万人体制やれと旗を振っている人が、その人が会長である会社は赤字になるどころかどんどん受注をして大きくなっていくということをこのままほっておいていいのか。こういうことですよ。
 亀井委員長は、国鉄の公正担保という趣旨からいっても、国民の信頼をきちっと国鉄の民主的な改革という方向で貫いていくという路線を確立する上からいっても、会長をおやりになるならみずからの会社の受注は遠慮なさったらいいし、どんどん受注なさって何の遠慮もないというなら会長をおやめになるという道をお選びになったらよろしい、こういうふうに私は思いますが、大臣の御見解を簡単で結構ですが重ねていただきたいと思います。
#361
○国務大臣(三塚博君) 長谷川運輸大臣のときだと思うんです。この法律が通りまして監理委員会が設置されました際、内閣総理大臣と相談をし、三顧の礼をもって委員長に御就任をいただいたと聞いておるわけでありますが、今御指摘のように、そうでありますならば、公正のために委員長をおやめをいただく、あるいはどうだと、こういうことの問題でありますが、なかなかそこは就任の契機が、なる方が実際問題としておらなかったわけでありまして、それを御懇請をし、これにおなりいただいたという点で、まさにきちっとした形で御就任をいただいたわけでありますが、恐らく亀井さん自身も受注がこんな形になっておるというふうには理解をしておらないのかなと思いますし、その十七億という額が、国鉄全体の中で、他の関係専門業者の中でどれだけのウエートを持つものか、私も今初めてここでお聞きしておるわけでありまして定かでありませんで、総合的に全体を見てこれは亀井さん自身が判断をされるべきものであって、政府とすれば懇請を申し上げて御就任をいただいたという経過がある、こういうことで御理解をいただけないだろうかと、こう思っておるところであります。
#362
○橋本敦君 じゃこの問題は、議論のすれ違いもありますが、私としては先ほど指摘したとおりしていただくのが筋だと、こう思っておりますが、次に質問を移してまいります。
 それについて先ほど調査をお願いいたしました数字でございます。調査をお願いしたいと思います。それじゃここに書いてございますから、もし必要でしたら。(資料を手渡す)
 次に、私は品川貨物跡地問題について質問をしたいと思います。
 これはもう既に、新聞等でも報ぜられて大きな話題にもなった事案でございますが、品川貨物跡地、面積にして四万六千平米、売却価格は一千十一億五千百万円、大変な高額で売却できたということで、当時の新聞報道を見ますといずれも予想外の高額、時価の三倍か二倍かといったような記事が随分と出ているところであります。
 これにつきまして、これは興和不動産という会社が取得したわけでありますけれども、入札に至るまでの経過を御説明いただけますか。
#363
○説明員(岡田宏君) 本件用地につきましては貨物の合理化によりまして発生した跡地でございます。ただ、考え方としては二つに分かれておりまして、一部はこの売却の時点で既に発生をしていた跡地でございます。約半分、残りの半分につきましてはまだ使用中でございましたけれども、土地利用の観点からさきの用地と一体的な活用が望ましいということで判断をいたしましたので、当該施設の取り扱いについて検討をいたしました結果、六十年三月までに移転が可能であるという見通しがつきましたのでこれらも含めて売却することに決定をしたわけでございます。それで売却にすることにいたしましたのは五十八年の年度末、すなわち五十九年の三月でございますが、売却公告を五十九年の三月三日、朝日、毎日、読売、日経、交通の各新聞に掲示をいたしました。それに基づきまして三月六日の日に境地説明を十三時三十分から行っております。
 入札保証金の納入につきましては十分の一以上、御自分が入札をなさる予定の金額の十分の一以上の金額を納めていただくということで、三月十三日を入札保証金納入の期日と定めたわけでございます。開札は五十九年の三月十四日の十時に行いまして、かねてからの公告条件等に従いまして五十九年の三月十五日に土地の売買契約を締結をいたしております。
 土地の引き渡しにつきましては、約半数の土地については五十九年三月三十一日に移転登記を終わっております。第二期の土地につきましては六十年三月二十九日に土地の引き渡しを行っておりますが、国鉄がなお使用をいたしておりましたので、この間は無償使用ということで、実際に更地化いたしましたのは六十一年三月三十一日でございます。
#364
○橋本敦君 売却入札価格一千十一億五千百万円、これはそのとおりですね。
#365
○説明員(岡田宏君) そのとおりでございます。
#366
○橋本敦君 今お話にありました入札保証金、つまり入札価格の一割を保証金として入れるという仕組みですが、通常これは入札当日にその場で一割を納入すればよいという仕組みで行われているようですが、そうですか。
#367
○説明員(岡田宏君) 各官公庁ともいろいろな事例があるようでございますけれども、国鉄の場合におきましては、現金を納入して、納入した現金を、現金あるいは証券等でございますが、入札保証金として納めていただいたものを管理する窓口と、それから入札行為を行う窓口とが違っております。異なっておりますので、そういったことから前日に行うというケースも大変多うございます。
#368
○橋本敦君 当日やるのもあるし前日にやるケースも多いと、こういう意味ですね。本件の場合は五十九年三月十三日、これは入札の前日であったわけですね。
#369
○説明員(岡田宏君) 本件につきましては、入札の前日、三月十三日に行いました。
 なお、今私が申し上げましたのは、国鉄の場合におきましては、入札の日の一日前に行うというケースが在来から多かったということでございます。
#370
○橋本敦君 三月十三日は、資料によりますと、保証金の納入は、午前は九時から十一時半まで、午後にも入札保証金の預託ができまして十三時から十四時三十分、こういう二回に分けて受け付けておるようですが、間違いありませんか。
#371
○説明員(岡田宏君) 間違いございません。
#372
○橋本敦君 この入札保証金の様子を、いろいろな報道もあり資料もあるんですが、それによって見ますと、十四日は七社が参加して落札をしたようでありますが、入札保証金を見ますと、いずれも一坪当たりの価額で、秀和という会社が六百万、森ビルが六百六十万、落札をした興和不動産が七百二十六万、こうなっているんですが、間違いありませんか。
#373
○説明員(岡田宏君) 今先生おっしゃいましたのは入札保証金の単価とおっしゃいましたか。私、混乱いたしましたので、先生の数字をちょっと聞き漏らしてしまってまことに申しわけございません。
#374
○橋本敦君 それぞれ落札のために入札した価格、あるいは保証金で入れた価格、それぞれについて言っていただいたら結構です。
#375
○説明員(岡田宏君) 入札の経緯と申しますか、入札それぞれの御参加いただいた方がどういう札をお入れいただいたか、幾らの値段をお入れいただいたかということにつきましては、公開をいたしかねる点でございますので御容赦をいただきたいというふうに考えます。
#376
○橋本敦君 十四日の落札の結果、我々が得ている資料から明らかなことは、今言ったように坪当たりに引き直しますと、秀和が六百万、森ビル六百六十万、興和不動産七百二十六万、こうなっているんです。
 今、それぞれ言えないということですが、国政の調査という観点から私は、ほかの会社はいいです、この三会社について、ほぼこういうことかどうかという見当ぐらいは答弁していただけないかと思いますが、いかがですか。
#377
○説明員(岡田宏君) 入札価額につきましては、ほぼ先生の御指摘のとおりであるということでございます。
#378
○橋本敦君 そこで、大変不思議だと言われていることは、森ビルは秀和が入れた六百万にちょうど一割加えて六百六十万、落札した興和不動産はそれにまたちょうど一割の六十六万を足して七百二十六万、妙に一割ずついっているわけなんですね。これは奇妙な符合といえば符合なんですが、私が指摘したいことは、前日の日に自分が入札したい価格の一割を保証金で入れるわけです。そうしますと、その情報が漏れたりすると、すぐ一割積めますよ。あるいはそういう情報が漏れたりしなくても談合ということもあり得ますけれども、前の日に札を入れたい価格の一割を入れさせるということについては、一切の不正を完全に根絶するということが本当にできるかどうか。情報が漏れれば一割を積む。一割積んだなという情報が入れば、自分もまたその一割を積むというようなことさえできるという疑惑が払拭し切れない、こういう疑惑があるのではないかという点について、どうお考えですか。前の日に一割の価格を入れさせるということは。
#379
○説明員(岡田宏君) 今御指摘のございました前日の件につきましては、今まで国鉄の売却の事例におきまして前日という件が非常に多かったものでございますので、ここの場合においても前日ということを選んだわけでございます。
 それから、時間が午前と午後にまたがっているという点につきましては、大変、何と申しますか、目玉商品と申しますか、かなり多くの入札者がおられるのではないかということを予想いたしましたので、そういった意味で午前と午後に分けさせていただいたわけでございますが、実態的には、参加の方は七社でございまして、皆様が午後に入れておられる状況でございます。
 それから、もう一遍事実関係だけをちょっとお話しを申し上げておきますが、これも具体的な数字を申し上げるのは御勘弁いただきたいと思いますが、入札保証金の額は十分の一以上という決めをいたしておりまして、実際に各社が積まれました入札保証金と、入札のときにお入れになりました金額とを見てみますと、十分の一以上ということでございますので、ぴったり十分の一にお入れ願った方もございますし、十分の一をかなり上回って入札保証金をお入れになった方もいらっしゃる。そういった意味で、入札金額が一位の方が必ずしも入札保証金一位の方ではないというような事態もございますので、今、六百万、六百六十万、七百二十六万ということで、ちょうど一割ずつになっているのは何かおかしいじゃないかというお話がございましたけれども、私どもとしては、この入札は適正に行われたということを確信して疑わないものでございます。
#380
○橋本敦君 この土地は建設行政上の区分でいきますと、いわゆる準工業地域である、で、容積率は、敷地に対する建設床面積の割合、これは最大四〇〇%、こういうようにして活用限度が決められている地域であることは間違いないですか。
#381
○説明員(岡田宏君) 間違いございません。
#382
○橋本敦君 そういうような規制もあって、国鉄としてはこの土地が大体幾らぐらいで売れるかという予想もそれなりには立てていたと思うんですが、興和不動産が落札をしたこの一千億を超える金額というのは国鉄当局にとっても予想外の高額であったんではないかと思いますが、どうですか。
#383
○説明員(岡田宏君) 契約に当たりましては、国鉄といたしまして予定価額を作成いたします。で、公開競争入札の場合に、指名競争契約も同じことでございますが、その予定価額を上回り最高の札を入れられた方が落札をするということでございます。しかしながら、その予定価額につきましては、これも公開を差し控えさせていただきたいというふうに思っておりますが、今の先生のお話で、もちろん私どもは予定価額を上回っていましたので落札をいたしているわけでございます。それは間違いございません。
#384
○橋本敦君 それはわかっていんです。私が言うのは、予定価格をかなり上回った金額だったということじゃないかと、こう聞いているんです、経緯の問題。
#385
○説明員(岡田宏君) かなりと申しますか、相当と申しますか、若干と申しますか、上回っていることは事実でございます。
#386
○橋本敦君 日本語はようけあり過ぎて困るわけです。まあかなりのものであるはずなんですよ。
 それで、国鉄としたら高い値で売れて、それはいいということかもしれません。しかし、このために地域の地価が高騰するという現象が実際起こっている。これはもう避けがたいんです。
 それからもう一つは、この地域で――これは東京都でいえば、これは何区でしたかな。――港区ですね。港区自身が、公的な計画として宅地化を進めたいということで、港区全体の人口減少に歯どめをかけたいという構想も持っておりまして、何とかこの地域の活用で、土地も手に入れたい、そして住宅を張りつけて宅地化も進め、住宅もふやすということにして活性化を図りたいということで宅地化運動というものを考えておったんですが、かなり金額が高いのでこれはあきらめたんです。それなら住宅・都市整備公団、公的なところに買い取ってもらいたいという意向も持っていたんですが、それが実らなかった。これだけ高額だったら手が出ないというわけです。こういう問題について、国土庁はどういう見解か。当時の新聞を見ますと、国土庁は余り高過ぎることは国土利用計画の問題からいってもやっぱり困ると言っているんですね。これは私はよくわかるんですよ。例えば、一定面積以上の土地売買ですと、普通はこれは国土庁が所管をいたしますし、それから当該地域を管轄する知事がその価格についても、その取引価格が異常な場合には適正になるように指導する権限、そのための必要な処置も講じられるというようなことにして不当な地価高騰が起こらない、思惑の投資で地価高騰が起こらないような、そういう建前もこれは持っているわけです。ところが、国鉄が土地を売買する場合にはこれは国土利用計画法、これによって規制をするという適用を受けないわけですね。そこで、いいですか、大企業が高額な入れ札をやって手に入れると、自治体は手も足も出ないというようなことで、地価はどんどん値上がりするという現象をあふりながら大企業が手にするということが入ってきやすい条件がある。そういうことになりますと、国土庁の土地利用調整課の方でも、今回のようなそういう高値の取引が行われるということになりますと、これは国土利用計画法の適用外だけれども、国土利用、そういうものを全体、地価の問題から見て問題なしとしないという意見も言っていることが新聞で出てますよね。大臣はどう思われますか。
#387
○国務大臣(三塚博君) この品川の土地売買がもたらしましたショックは、当時のマスコミまた政府間においても議論がございましたことは承知をいたしております。
 今回の国鉄改革は国民共有の財産を非事業用地という名のもとにこれを売却処分をする、あるいは付加価値をつけて高い値段で公開入札のもとにお買いをいただく、そういうことでできるだけ国民負担を軽くすると、これも大義名分であり、公の利益という意味では国民負担を少なくするという意味で正解だと思うんです。
 ただ、先生御指摘のとおり、この例にとられました問題、これは大東京の問題であり、今度は各府県県庁所在地あるいは中核都市の中心は駅舎、駅広であります。そういう点になりますと、その地域がそのことによって地価の高騰をもたらす、国鉄非事業用地の売買が大変そういうことでこれまた公益に反する、国土庁の、政府としての土地政策に反するという指摘、これも正解だと思うんであります。
 ここが実は今回私どもこの改革案をつくるに当たりまして大変苦心をしたところであり、いわゆる仮称清算事業団、旧国鉄、この法律をつくらさしていただき、その方式を第三者機関で検討し、どうするか、こういうことでここにお任せをしょうとしたのもそういうことであり、よって原則として公開入札をいたすと。時に随契もあり得ると。この随契もあり得るというのは、まさにその相手は公共自治団体であると。これが大原則に、基本原則になっておるわけです。買って、転売をしてもうけるという公共自治団体でもこれ困るわけでありまして、ましてやそれに類似するものは対象にならない、こういうことでございまして、再開発、都市計画という意味で、県なりその所在市町村、市が一体となりまして基本計画をつくり、明確なものでありますならば清算事業団がそれを審査をし、時価相当額でこれを譲渡すると。その場合、地価の配慮がどう行われるかは、第三者機関の算定基準の決め方、またそのやり方を御審査いただくためにつくっておるわけでありますから、そちらに任せ、適正な方式をつくらさせていただき、今御指摘のようなことで地価高騰でマイホームもつくり切れない、あるいはその土地が公的なものの施設も建ち切らぬということであってはならぬということだけは踏まえていかなければならぬのかなと、こんなふうに思っております。
#388
○橋本敦君 この興和がこの土地を取得しましてから、今お話をした準工業地域としての最大四〇〇%という限度を設けられた容積率、この問題が変更される動きというのは具体的に出てきておるわけですね。まず都知事と建設大臣との間で都心再開発計画というのが合意されたわけですが、これは従来の容積率の全面見直しがこれによって浮上してきている。総理もデレギュレーションということを民間活力の活用ということで強調されておられたわけですが、そういうことで規制緩和という方向へずっと問題が進んできておる。そして、具体的にこの港区でも国鉄の汐留用地あるいはその周辺土地の活用をめぐって、容積率の最大は一七〇〇%にしたらどうかというような緩和提言、これも出てくるというありさまになっております。したがって、興和不動産は時価よりもはるかに高い金で一千億も出してこの土地を取得したということは、結局は中曽根総理のおっしゃる民間活力の活用、規制緩和という方向をにらんで、容積率が四〇〇%からさらにふえるということをにらんで、こういった高価なこともあえて採算ペースに将来は合うという見通しのもとに落札をしたということが状況として考えられるんですね。
 その証拠に、この興和不動産がこの土地について利用計画というようなものも出しておるんでありますけれども、これによりましても四〇〇%のときはこの土地には三棟の建物、しかしこれが規制緩和されれば四棟の建物が建てられるというような見取り図もつくっておるのを入手しておりますが、その巨大なビルにはIBMが入り、規制緩和でできるもう一つのビルには工事受注の大林組がまるっきり本社をそこへ移転させて入ってもよいというような話もあるというようなこともささやかれておるように、国民の財産である国鉄の土地がこうしたことで大きな企業に高値で売られますと、庶民は寄りつけない。大企業がまさにここを地盤にしてそれぞれの企業収益を上げるために、庶民とははるかに違う大きな次元での何百億、何千億を動かしてのプロジェクトに邁進をしていくという状況がここにもあるわけであります。
 私はこういう状況を見まして、国民の財産である国鉄の売却ということを通じて民間活力の活用と、こういいますけれども、結局は大企業の活力をますます強めていくという方向が目に見えてくるように思うわけであります。したがって、国民の財産である国鉄の財産は、これはやっぱり国民全体の利益ということを守るという原則を何としても守る姿勢を貫いていただきたいということを、先ほど大臣の答弁もありましたが、重ねて政治姿勢として要求を申し上げるんですが、いかがでしょうか。
#389
○国務大臣(三塚博君) 大変難しい問題であろうと思います。当時、国鉄が品川用地を得ることにつきましては、年度末に毎年の国鉄予算編成をいたすわけでございますが、財政当局の編成方針は、できるだけ借入金を少なくいたしまして自己資金をこれに投入をし進んでほしい。これは当然なことだと思うんです。何せ一兆数千億円の利払いではとても自分の首を絞めることになりますから、そんなことで行われる。その際に非事業用地を一千億売れとか、この際この予算であれば一千六百億売れとかということでやられる。運賃値上げというのも限界があるわけでありますから、そういう点で行われた中にこれが当てはまる物件の一つであったと。その当時は大変高いもので売れて、国鉄の総裁以下皆さんは、やあよかった、高く売れてと、こういうことで乾杯したとかしないとか私も聞いたわけであります。ところが、政府で物議を醸し出すほどの高さでありましたが、橋本先生御指摘のように、今度は容積率が変わる、指定の色が変わるということで土地の価値がまた出るということは、何ともはや、政府がこれを追いかけ回すことはできない。しかし、御指摘のように、民活の中でそういうことである、こういうことであれば政府のまた決定がそこに関与するという意味では御指摘のとおりであろうと思うのです。
 ただ、その場合に、これをどのように公平に社会に還元するかということでありますれば、税制でこれを見る以外にないのかなと、こんなふうにも思いますし、その辺のところは明らかに先行投資のような形ではありますが、あるいは経営戦略で先の目があったということになるのかもしれませんが、常識を外れた、国民の合意を外れた利益ということであれば、これは国庫にやはり返してもらうというようなことをここまで来ますれば考えなければならぬことかなと。ただいまの御指摘をしかと受け収めながらその辺のところを研究してみたいと思っております。
#390
○橋本敦君 それともう一つ、国鉄について疑惑を完全になくす、そういう建前をきちっとするためにも私は、さっきおっしゃった入札保証金はきっちり一割とは限らぬという話ですが、前の日にやるというようなシステムではなくて、その日にきちっと入れてもらうということで、情報の収集や談合や、情報が漏れているというような疑惑が一切残らないというようなシステムの工夫も一層してもらいたいと思いますが、いかがですか。
#391
○説明員(岡田宏君) 先生の御指摘を踏まえて、事務的に可能な限り、極力そうしたいということでございます。現に、最近の入札におきましては、例えば同日午後から入札をする、同日の午前に入札保証金を入れてもらう、そういう仕組みも考えております。
#392
○橋本敦君 次の問題にテーマを移します。
 労働者の雇用安定の問題でありますが、蒲田電車区では、現在、実働現在員が三百九十五人、そのうち三十九名が余剰人員とされているというように聞いておりますが、そういうことでしょうか。
#393
○説明員(澄田信義君) 現場の話でございますので、今手元に資料は持っておりませんので、確認はさせていただきたいと思います。
#394
○橋本敦君 じゃ、後でまた調べていただいたらいいと思いますが、間違いないと思うのであります。
 問題の広域配転によりまして、先ほども議論があったんですが、北海道から四十九名の皆さんが蒲田電車区の職場に配属されるようになってきた。来られる方も、はるばるとふるさとを捨て、住みなれた北海道を離れていらっしゃるのですから大変ですが、今度は、受け入れる側にしても、今でも三十九名の余剰人員があるとされているそのところに四十九名が広域配転で入ってこられますと、この四十九名の皆さんは余剰人員にしない、こういう約束で入ってくるというわけですから、その分だけまたここで余剰人員を玉突き状況をつくり出す。先ほど議論がありました。そういうことになる。つまり、現場で労働者と労働者が、同じ国鉄で働く仲間でありながら本当につらい反目をしなきゃならぬということが政策的に行われているというのは問題なんですよね。
 私が聞きたいのは、先ほどから、こういう広域配転というのは、余剰人員の全国的平準化を図るためだということをしきりにおっしゃいますが、それを受け入れる具体的なその場では、平準化という名前によって余剰人員がそこではやっぱりふえるんだということになることは間違いないのではないか、その点はどうですか。
#395
○説明員(澄田信義君) その広域異動で行った先におきまして、そういった数の上でふえるということは事実でございます。しかしながら、私どもといたしましては、数の上では余剰人員というのは今のお話のように例えば四十九人の人がそこへ行けば四十九人ふえるわけでございますけれども、私どもの運用のやり方といたしましては、A君、君は余剰人員だよという個人的に余剰人員を特定するというやり方は避けておりまして、今のそういった要員の運用と申しますのは、今の現場において要員の操配をやることにしておりまして、余剰人員のそういう特定化というものは避けるように極力いたしておるということでございます。
#396
○橋本敦君 極力避けるようにされるのは結構ですが、いずれはやっぱり余剰人員という枠の中で処理していかなきゃならぬのですから、余剰人員という特定はいずれはやらなくちゃならぬのじゃありませんか。
#397
○説明員(澄田信義君) 現場の仕事には、それぞれ本務グループあり、いろんな仕事に従事しておるわけでございますけれども、そういった要員の操配につきましては現地の管理局におきまして操配をやっておるわけでございますが、極力今おっしゃいますような余剰人員の特定化は避けるような方向で運用していくということにしておるところでございます。
#398
○橋本敦君 いつまでもそれでやっていけないときがくるのではありませんかと、こういう質問です。そうでしょう。
#399
○説明員(澄田信義君) 今の中には、みずから希望して派遣に出る人もおりますし、やがて法案が通りまして新事業体という段階になりますと、いろんな形で公的部門へ行く人、あるいは今の一般経済界へ出ていく人、また現にそこまで至りませんでも現在既に数の上では三万八千人も余剰人員が生じておりますので、国鉄の中におきましてはセールスに従事したり、あるいは直営売店等をつくりましてそこらで従事したり、それからまた派遣に出て行ったり、いろいろな形で余剰人員の活国策を講じておるところでございまして、いろいろなところで働いております。そういった方々を余剰人員ということで名札をつけてしまえばそういった言い方もできるかと思いますが、私どもといたしましては、そういった行き方ではございませんで、あくまでも国鉄の内部における活国策あるいは外へ出て派遣で働いていただく方、またその派遣で出て働いておられる方もまた帰ってくる、帰ってくればまた本務に入るわけでございまして、あくまでも私どもといたしましては、今の現状におきましては、そういった余剰人員の特定化は極力図らないという方向でやってまいりたいというぐあいに考えております。
#400
○橋本敦君 国労との間に雇用安定協定、これを当局は締結をしないとしておりますが、その理由は何ですか。
#401
○説明員(杉浦喬也君) 雇用安定協約につきましては、昨年の十一月いっぱいでこれが期限が参ったわけでございます。それまでの間いろいろないきさつがあったわけでありますが、余剰人員対策の諸問題の解決に当たりまして、各組合に対しましてどうか協力をしてくださいというような呼びかけをした経緯がございます。その一環としての活国策あるいは調整策につきまして各組合と協約を結んだわけでありますが、残念なことに国労の出方といたしましては、協約があるにもかかわらずそうしたことについての反対運動といいますか、妨害活動をやる、そんなようなことがはっきり出てきておるという状況でございますので、雇用安定協約というものはあくまで労使の相互の信頼関係に基づいてこれが締約されるべきものだというふうにも考えておるわけでございます。残念ながら国労との間ではその当該期限が切れてしまったという状況になっております。
 その後、私ども何遍も国労に対しましていろいろな働きかけ、呼びかけをしまして、雇用安定協約が結び得るような信頼関係を樹立したいというふうに呼びかけをしてきたわけでございます。その間、労使共同宣言あるいは広域異動、いろんな時々刻々の提案も各組合にそれぞれ投げかけてきたわけでございます。
 なかなか国労との間では信頼関係を樹立するような状態に至っていない、非常に残念なことでございます。私どもは、そういうことであってはならぬというふうに思っておりますので、今後とも粘り強くお話し合いを続けながら、労使共同宣言、ひいては雇用安定協約というところに、締結に至るように努力をしてまいりたい、こう思っておるところでございます。
#402
○橋本敦君 今も労使共同宣言問題の話に触れたんですが、もともとの経緯を言うならば、いわゆる三項目合意、これを国労だけがやらないというような問題があって、雇用安定協定は結ばぬという当局の姿勢があった。国労では、大激論の末にこの三項目合意、これをやるということに踏み切った。そしたら、雇用安定協定を締結するということにならなきゃいかぬのに、今度は労使共同宣言を持ち出してきて、これに協力をしないから雇用安定協定を結ばない、こういうようになってきた。私は、ここに一連の当局の国労に対する労働組合政策の問題として重要な問題があるというように思うんですね。
 例えばこの労使共同宣言、これは一体どういうものかというように考えた場合に、はっきりとこれは「今後の鉄道事業の健全な運営に向けた国鉄改革」、これをやっていくんだということをうたい文句にして、「国鉄改革が成し遂げられるまでの間、労使は、信頼関係を基礎として、」お互いに「協力して取り組む」と、こうなっている。
 問題はこの「国鉄改革」です。国鉄が国鉄として民主的に改革されて健全になっていくならだれも反対をしませんよ。しかし、この労使共同宣言で言っているところの「国鉄改革」は、言うまでもなく改革法案で出てくる国鉄の分断・民営化そのものでしょう。それ以外のことではあり得ないでしょう。総裁、いかがですか。
#403
○説明員(杉浦喬也君) その辺が、私ども、この原案作成に当たりましてはいろいろと気を使ったといいますか、相手方の組合の受けとめ方というものにつきましてもどうであろうかというようなことも考え、「民営・分割」というようなそういう表現、これはもうあえてとりません。やはり、国鉄改革の必要性というのはどなたも今認めるところであり、組合におきましても当然であろうというふうに思いまして「国鉄改革」という表現にした次第であります。
#404
○橋本敦君 総裁がおっしゃるように、表現はそうであっても、表現ということが合意する内容の実態として何かということが大事なんですよね。そうでしょう。そうしなかったら何を合意したかわかりませんよ。
 例えば、労使共同宣言の次の項の問題としても、「鉄道事業の再生を図る」という観点から「将来を展望し得る企業体質」をつくるんだ、これは民営・分割、新会社ですよ。そうして「労使が一致協力して積極的に推進」しようという「鉄道事業の再生、」「事業運営の体制を確立」――これも言うまでもなく分断・民営化そのものでしょう。それ以外にないですよ、再建監理委員会からの答申以後、それ以外のものは出ていないですよ。
 だから、私が言いたいことは、この労使共同宣言というのは国鉄の今の現状を打開するために労使が一体になるんだという、うたい文句はきれいにおっしゃいますけれども、しかし、その内実はまさに分断・民営化、これを目指して進むという路線を労働組合との合意の中ではっきり打ち立てようという当局の意図がある文書ですから、労働組合として、国鉄の分断・民営化は反対ですと、国の責任で国鉄の再生をやってもらいたいということをあくまで主張するという――これは労働組合の考え方は自由がありますから、それはそれでいいんですが、そういう組合に対しては、これはその労働組合の体質なり労働組合の闘争方針なり政策なりを変えなければ素直にやすやすとは受諾できないようなものとして出されてきているここに問題があると私は言いたいんですよ。そういうものでしょう。そういうものでなかったら、当局はこれを組合に結ぶことを要望し、これを結ばなければ雇用安定協定結ばぬぞという意味はないじゃないですか。
 この問題は、総裁も百も御存じだと思いますけれども、我々不当労働行為という問題を学問的に言う場合にいわゆる差し違え条件の提示による不当労働行為という問題なんですよ。幾つかの組合がある、二つなら二つ、三つなら三つある、その組合に対して、同じ問題、同じ条件を提示するように見えるけれども、ある組合に対してはその組合の本来的な活動目標や体質や政策目標や考え方からいったら到底のめないようなことを百も承知の上でその問題を提示をしている。そして、それを受け入れた組合には雇用安定協定を結ぶなり何なりの利益は及ぼすようにするけれども、これを拒否した組合には雇用安定協定を結ばない。こういうことで不利益を事実上与えるというようなことは、いわゆる法学上差し違い条件の提示による労働組合に対する不当労働行為、支配、介入、こういうことになるというのはこれは労働法勉強している者にとってはだれもが知っている問題ですよ。現につい最近の五月十五日号のジュリストで早稲田大学の竹下英男教授が、この問題についてはこれは今私が言った不当労働行為に当たるということをはっきりと指摘をしてこうおっしゃっていますよ。この三項目の合意の成立を前提としながら、この合意内容の実効性を根拠として雇用安定協定の再締結を国労に対して拒否して、さらに、それに加え、労使共同宣言の調印を条件として提示していることなどの事情、この一連の事情から判断すれば、この当局の一連の態度は、そのことによって、国労の運動方針の変更ないし体質改善を意図し、かつ客観的に見てそのことに固執していると見ざるを得ないのではないか。そうなれば、労組法七条一号、三号の不当労働行為にも該当する。こう言っておられます。私はまさにそのとおりだと思うんですよ。まさに労使共同宣言に調印しないから雇用安定協定を締結しないというのは、これは不当労働行為ですよ。組合の積極的な闘争方針や組合の自主的な方針に介入する不当労働行為に該当すると私は思いますよ。総裁、どうお考えですか。
#405
○説明員(杉浦喬也君) この記述の内容をごらんいただくとおわかりのとおり、この中身は社会的に世の中の人が見ましてもごく当たり前の事柄であります。また、鉄道事業として遂行するに当たりましては、どの組合を問わず基本的にこれは守っていただき、遂行すべき中身であるというふうに私は考えます。そういうようなことをやりますよということを労使相携えて一般の国民に宣言するということが不当労働行為であるというふうには私は思いません。
#406
○橋本敦君 重大な見解の相違があるわけですね。私は、三塚運輸大臣が小委員長をやっていらっしゃる自民党の国鉄問題の小委員会の議事録を提起をして、細田委員の発言なども引きながら、組合問題というのは、これはやっぱり今度の国鉄改革の中で組合の力を弱めるというようなことを意図されているという疑いがあることを指摘したんですけれども、組合対策として不当労働行為の問題というのは、これはやっぱり明白だと私は思うんですよ。
 それじゃ、総裁伺いますけれども、国労は最大組合でありながら雇用安定協定締結拒否されている。今後、国鉄改革をずっと進めていく上で、希望退職を募る相手方の選定にだれを入れるかという選別の問題も起こるでしょう。あるいは、先ほどから議論しておりますけれども、余剰人員としてどこかへ配転をして行ってもらう、あるいは最終的な場合には清算事業体に四万一千人の中に入ってもらうという選別をしなきゃならぬ。そういうようなことをやっていく上において、雇用安定協定を当局と締結をしてもらっている組合と、国労のように雇用安定協定の締結を拒否されている組合と、その組合に対して一切の不利益、差別扱いは絶対にないと言えますか。それとも、雇用安定協定せっかく結んでいる組合の組合員には、結んでいない国労の組合員と違った扱い方があり得るということになるんですか、その点どうなんですか、これははっきりしてくださいよ。
#407
○説明員(杉浦喬也君) 雇用安定協約はその中身のとおりでございまして、これが結ばれていることと結ばれていないこととはかなり法的な違いがございます。法律的には日本国有鉄道法二十九条の四号の適用が可能になっておる状態であります。しかしながら、この法律を活用するかしないかということはこれも重大なことでございまして、私としましては、そういうようないわば伝家の宝刀でありますから、こういうものを抜くというような気持ちは今のところ持っておりません。できれば、雇用安定協約を今結ばれてない組合ともこれから粘り強く話をした結果結ばれるような状況になるということを期待をいたす次第でございますし、また、今後そういう状態にならない場合におきましても、心情的にはこれを活用したくないというのが私の気持ちであります。
#408
○橋本敦君 積極的に総裁がそういうお気持ちがあるならば、国労との間で雇用安定協定が締結できるように当局としても一段と努力をしてもらわなくちゃならぬ。私はこれを拒否しているそのこと自体が当局の不当労働行為に類する行為になりますよという指摘をしているんです。
 今総裁ははっきりとはおっしゃいませんけれども、伝家の宝刀は抜きたくないけれどもということですから、それは抜きたくないことはわかりますし、抜いちゃならぬと思いますが、最後のぎりぎりになったら、やっぱり雇用安定協定を結んでいる組合とそうでない組合とは法律的に大変な差が出てくるんです。だから、つまりこの雇用安定協定を結ばせることを手段として労使共同宣言の調印を迫るということは、調印をするならば利益が受けられるが、そうでなければ利益が受けられないというんじゃ不当労働行為なんですよ、やっぱり。だから、そこのところは私は私の持論は撤回するつもりはありませんけれども、本当に総裁が締結をする意思がおありだというなら、当局のそういう不当労働行為になる態度を反省するということも含めて御検討をぜひやってもらわなくちゃならぬと思うんですよ。
 さらに次に聞きますが、新会社への採用の問題です。この場合は新会社に対して名簿を提出するということをしなくちゃならぬ。この名簿を作成しなくちゃならぬ。これはどこが作成するんですか。
#409
○説明員(杉浦喬也君) 設立委員がその新会社の職員の採用条件、労働条件を作成をいたしまして国鉄に示します。国鉄がその条件と労働条件に従いまして職員の選定をし、名簿をつくる、設立委員に提出するという運びでございます。
#410
○橋本敦君 その基準、それからさらに具体的な名簿の作成について、労働者に対して思想、信条による差別、あるいは組合活動の活動歴や役員がどうかによる差別、あるいはどの組合に所属しているか、これによる差別、そういうような労基法三条に違反し、あるいは不当労働行為になりかねないような、そういった差別は一切やらない、そういうことは基準の作成において明確に断言できますか。
#411
○説明員(杉浦喬也君) まだどういう採用基準が設立委員において作成されるかは定かではございません。まだ法律も通っておりません。これからその採用条件についての検討が行われてくるわけでございまして、今の段階でどういう条件になるであろうということの想定で事を運ぶということは国鉄としてやっておりません。しかしながら、いつ何どき、そうした状況に対応することができるように、私どもは職員の個々のいわば希望あるいは個々の人の勤務成績というようなものについては、現場の管理者が十分に把握しておけよということは指導をいたしておるわけでございまして、個人個人の気持ちというものをしっかり把握をしまして、いつ何どき、そうした状況に対応できるように用意はしておきたいというふうに思っております。
#412
○橋本敦君 総裁、私が指摘したことは、組合員がどの組合に属するかによって、あるいは組合員の組合活動歴がどうかといったような職務上の問題以外のそういった問題で判断を左右するような基準を考えたり、あるいは差別扱いをするようなことは一切しないと、これははっきり約束できますかと、こういう質問です。
#413
○説明員(杉浦喬也君) どの組合に所属するからどうかというのは、そういう判断はなかなかすべきではない。やはり、その当該個々の職員の勤務成績というものは相当参考になるのではないかというふうに思います。
#414
○橋本敦君 その勤務成績の評価ということがこれまた問題なんですよね。恣意的、主観的な評価、判断ということが入り込む余地がないとは絶対に言えませんしね。その勤務成績をどう見るかということが、将来の名簿の中に登載されるかされないかの重要な事項だというように総裁がおっしゃるということになりますと、これはある意味では管理者の職場管理体制を強化し、労働強化を促進していくという一つの重要な条件にさえなってくるんですよ。今そういうことはやっぱり総裁として言うべき筋合いじゃないと私は思いますね。客観的採用基準なり名簿登載基準を公平につくって、その基準がどうかということを論議すべきであって、勤務成績がどうこうという判断がどういうように入るかということになれば、どうやって管理職の恣意的判断を排除して正しい勤務成績評定をやるかという問題だって組合としては意見ありますよ。意見を言う必要がありますよ。そういう基準の作成について、労働組合とどういう基準をつくるかについては、当然労働条件に関する事項ですから団体交渉をすべきだというのが私の考えですが、いかがですか。
#415
○説明員(杉浦喬也君) 個々の職員の把握、特に勤務成績の把握をするということは、これは国鉄に限らずどの企業であっても管理者側としてはごく当然なことだと思います。そういうことがなければ企業活動はできません。人事管理はできません。したがって、できるだけ個々の人を先生今おっしゃったように客観的公平な物差しでこれはいつもはかっておくということがぜひ必要であるというふうに思います。
 また、新しい会社の採用基準についてどうかといいますと、これはまた先ほど申し上げました繰り返しになりますが、現時点におきましてはまだそこまでに検討は至っておりません。
#416
○橋本敦君 私は、今の国鉄の当局の組合政策から見て、将来こういった名簿の作成に関しても労働組合から見れば重大な心配があるということははっきりしたと思いますよ。はっきりと団体交渉でその基準を明確にするということも言えないというのはこれは問題ですよ。
 次に伺いますが、国鉄がそういう新会社への名簿を作成しても、採用するかしないかの決定権限は新会社にあるんですか。
#417
○説明員(杉浦喬也君) これは法律で設立委員が採用をする、こういうことになっております。
#418
○橋本敦君 つまり事実上新会社が採用決定権を持つということに等しいんです。だから、名簿に登載される段階でまず不当な選別をされないかという心配があり、今度は、名簿に登載されても、そのとおり採用されるかどうかという心配がある。
 そこで、運輸省に聞きますが、運輸省令によって労働条件をこれを決めるということで、今度の改革法では、労働条件の内容となるべき事項、採用基準の提示の方法、これは運輸省令で決めるということになっておるようですが、間違いありませんか。
#419
○政府委員(棚橋泰君) 省令でその事項を定めるということでございます。
#420
○橋本敦君 これはどういう意味があるんですか。本来、労働条件は労使が対等の団体交渉で決めるというのが原則ですよ、近代労働法の。いいですか。それを今度の新会社への移管について今あなたが答弁なさったように、運輸省が、使用者でもありませんよ、労使関係の当事者でもありませんよ、それが今お話しなさったようにそういった労働条件の内容となるべき事項の基準を決めるというのはどういう意味なんですか。
#421
○政府委員(棚橋泰君) 今申し上げましたように、事項の中身を決めるわけではございませんで、その事項を決める、運輸省令で決めるわけでございます。
#422
○橋本敦君 例えばどういうことを決めますか、事項というのは。
#423
○政府委員(棚橋泰君) 例えば、労働時間とかそれから給与とかそういう事項を省令で指定するということでございます。
#424
○橋本敦君 労働条件そのものじゃないですか。
 だから、今度の国鉄改革法案は労働組合の団結機能、団体交渉機能を全部奪い取っているんですよ。本来団体交渉で決めるべきことですよ。そして、組合員に対しては、今言ったような差別が入り込むという危険な余地も残っているわけですね。これはもう大変な問題法案です。国鉄は分断、民営化するわ、労働組合の機能は低下させるわ、大変なことですよ。
 もう一つ伺いますが、新会社は国鉄の権利義務関係を承継するということは当然あり得るんですが、その権利義務関係の承継ということは具体的にどういうことが内容として考えられますか。承継計画について言ってください。
#425
○政府委員(棚橋泰君) 承継計画で決めますものは、基本的に新しい会社に現在の国鉄から引き継がせるものの内容でございます。例えていえば、どの範囲の資産を引き継がせるか、どの範囲の債務を引き継がせるか、どの程度の人間を、職員を引き継がせるか、そういうことを承継計画において定めるということとしております。
#426
○橋本敦君 その承継計画はだれがいつごろ立てますか。
#427
○政府委員(棚橋泰君) まず、法律が成立いたしますと、運輸大臣が承継基本計画というものを定めます。これは運輸大臣が定めます。恐らく閣議にかけて定めるということになると思います。その承継基本計画に基づきまして、それぞれの新しい会社となるべきところの設立委員が承継実施計画というものを定めます。その中で――失礼しました。国鉄が定めます。で、国鉄が定めまして運輸大臣の認可を受けます。その中で具体的に、基本計画に定められました事項の具体的な細目というものを定めるわけでございます。
#428
○橋本敦君 その問題で一つ聞きたいのは、先ほどから私が問題にしております雇用安定協定、あるいは特定の労働組合と締結した労働協約、こういった労働関係に関する協定や協約関係、これは承継されるということがあり得ますか、あり得ませんか。
#429
○政府委員(棚橋泰君) 新しい会社に参ります者は、新しい会社に採用されるという形でございます。したがいまして、労働協約その他は新しい会社と新しい職員との間には発生いたしますけれども、国鉄時代のものは引き継がないというふうに考えております。
#430
○橋本敦君 入った途端に労働組合を新会社でつくらなければ、即時交渉能力というのは出てこないということになるのか。それとも、組合気がその会社へ事実上移っていくわけですから、現在の国労なら国労、あるいは勤労なら勤労、鉄労なら鉄労、こういった組合がそれぞれこの新会社との関係について、承継計画の基準を含め、労働関係を含め、交渉権を持つと解してよろしいか、その点はどうですか。
#431
○政府委員(棚橋泰君) 新しい会社ができました後の、そこの職員となる人間、その人間と新しい団体との間には労使間の関係が成立いたしますので、その新しい職員となる人間が所属しておる団体、それとの間には必要に応じては労使関係が成立するということだと思っております。
#432
○橋本敦君 最終的に清算事業体に四万人が残されていく、その四万人を最終的に清算事業体に残すという、この最終的な四万人の選定は何を基準にして行いますか。
#433
○政府委員(棚橋泰君) 新しい会社には、先ほど来御説明をいたしたような形で職員が移るわけでございますけれども、清算事業団はそういうふうなことで新しい承継体に移りました残りのもの、その残ったものが国鉄でございます。その国鉄は清算事業団となるものとするということでございますので、新しい会社等に引き継がれなかったものは、職員も、資産も、債務も、自動的に清算事業団に移行するということとしております。
#434
○橋本敦君 それは建前としてはわかるんですが、私が聞いているのは、実際上人間としていけば、新会社に行かない限りそこに残るわけでしょう。だから、つまり新会社の名簿に登載されない、あるいは登載されても採用されない、いろんなハードルがありますが、結局行かなかった者は清算事業団に残ると、こういうことになる、いいですね、結論的には。
 そこで、そういう選別をきちっと不当労働行為あるいは思想、信条差別が入らないようにやっていくための客観的公正な基準をつくらなくちゃならぬじゃないか。それを一体今度のどこにあるんだということを私はさっきからしきりに聞いているんです。それをきちっと公正に、不当労働行為が入り込まないように、あるいは思想、信条による差別という人権侵害が起こらないように本当にやれるというようなことなのかどうか、どう考えておられますか、その何か基準があるんですか。
#435
○政府委員(棚橋泰君) 新しい事業体に移る職員は、新しい会社の採用でございますから、新規に会社に採用されると同じ形で先ほど申し上げましたような諸手続を経て決まるわけでございます。ただ、その具体的手続は、国有鉄道が設立委員の基準に従って行うと、こういうことになっております。そういうことで新しい会社の職員とならなかった者はすべて自動的に清算事業団の職員となると、こういう形でございますので、新規の採用という行為が行われると、その選別の候補者名簿その他については、国鉄がその職務を行うと、その外の者については国鉄に残り、その残った国鉄が自動的に清算事業団になる、こういう自動的な承継計画の形になるわけでございます。
#436
○橋本敦君 結局わかりません。やっぱり不安と問題がつきまといますよ、労働者にとっては大きな不安が残りますよ。どういう客観的明白な基準があるかといったって、それは結局示されないですから。
 そこで総裁、もう私時間がありませんから最後に伺いますが、私はこの後まだ財源問題、あるいい十六兆長期債務問題、いろいろ聞く予定だったんですが、時間がありませんから、労働問題を質問の最後にしますけれども、最後に清算事業体に残った四万余りの人たち、そしてこれは一人も血を出すようなことはしないと、どこかの会社への就職あっせんか、配転かということを通じて必ずやっていきますと、こういうことをあなたはおっしゃったわけですが、しかし先ほどの言葉で、やりとうないという気持ちはいっぱいだが、最後にはやっぱり伝家の宝刀を抜いて首を切らなくちゃならぬということもあり得ないわけじゃないということを、先ほどは私は披露されたと思うんですよ。そうなった場合に、残された中で、その目に遭うその労働組合員が雇用安定協定を結んでいる組合の組合員がそうでないかによって決定的な相違が出てきますよ、最後のぎりぎりの段階になって。そうじゃありませんか。こういう意味で、雇用安定協定を結んでいないという問題がとっても大きな労働者にとっての大事な問題だということをあわせ考えますと、私はそういうようなぎりぎりの不安を解消するためにも、労使関係、団体交渉を通じて雇用安定協定を国労とも結ぶということに一層の努力をしてもらわなくちゃいかぬのだというように思いますが、最後に、今のぎりぎりの問題として総裁の御意見を伺って私の質問を終わります。
#437
○説明員(杉浦喬也君) 今、大変な難事業の時期でございます。特に、職員の問題が非常に大きな問題として私ども一生懸命やらなければならぬ時期でございます。そういう時期だけに、労働組合との間では信頼関係に立ちまして雇用安定協約をしっかり結ぶということが最も望ましいというふうに私は考えておるところでございます。
 今結ばれていない国労におきましても、そうした信頼関係が一刻も早く確立をされることによりまして雇用安定協約が結び得るような状態になる、これを私どもは期待をしておるところでございまして、一つの機会といたしまして国労との間の懇談会も先般でき上がったことでございます。この懇談会等を通じまして、両者の間に忌憚のない意見の交換を行い、信頼関係を樹立していきたいというふうに思っております。
#438
○橋本敦君 終わります。
#439
○安恒良一君 最初に大臣にお聞きをしたいんですが、きょうも朝十時からもうやがて二十一時になろうというのに、延々とこの問題の重要性にかんがみて審議をしています。これから私の持ち時間は百四十八分あるわけであります。でありますから、その質問が終わり、そして討論、採決ということになるとほぼ二十四時になってしまうのではないかと思います。私は、これからこの中身を詰めることについて努力をすることはやぶさかではありません。
 ただ、大変気になりますのは、どうも周辺の方で、特に中曽根総理を中心に、臨時国会をこの国会が終わったら早急に召集したい、円高問題でと、これをめぐりましていろいろな国務大臣がいろいろなことを言われていますね。竹下さん、安倍さん、その他もういろいろな大臣がいろいろなことを言われているんですが、三塚さんもいわゆる中曽根内閣の有力な国務大臣の一人でありますが、この点について率直なことを言って、この通常国会が終わってすぐ臨時国会を召集されるならば、私は何も今晩こんなことこれからまたお互いに議論をする気はないのであります。する必要はない、それは臨時国会でやればいい。ただ、私はこれを十分議論したいというのは、じゃこれが通らぬやったらまた臨時国会すると中曽根さん言いかねませんから、何言うかわかりませんから、言いかねませんのでこれは審議したいと思いますが、この臨時国会召集問題について国務大臣としてどうお考えになっているのか、このことはひとつお考えを聞かしておいていただきたいと思います。
#440
○国務大臣(三塚博君) きょう実は閣議後、恒例によりまして各閣僚、閣議の模様をそれぞれの担当記者に共同記者会見の中で申し述べる慣例に相なっております。その席上でそれぞれ記者団の代表が、共同通信、毎日新聞のアンケートということで、同時選挙をどう思うか、あるいは臨時国会召集、開会に賛成か反対かという旨の型どおりの質問を全閣僚にしたようであります。私も当然受けたわけでございます。
 その際申し上げましたのは、私は、国鉄改革というこの国民的課題を国民の理解を得て、特に国会の審議を得て決定をいたしたい。それで、十分な準備期間を設けさしていただいて、四月一日のスタートが可能になるようにしてまいりますことが内閣の責任であり、主管大臣の責任でありますと。よって、私自身は同時選挙というようなことを考えたこともありませんし、願わくば、毎回申し上げておりますとおり、参議院選挙後できるだけ早期な臨時国会の召集、それも真夏にかかって大変申しわけありませんが、大幅な会期の中で御審議をいただき、何とか十一月ごろには御決定をいただいて、そうしますと辛うじて半年の準備期間ということでスタートでき得るのでありましょうか。こんなことを申し上げさしていただいたところでございまして、まさに国鉄は国民の大変な監視のもとに行われておるわけでございますから、このことの審議が平穏の中で行われますことを心から願う、このように申し上げたところでありまして、このことは前からずっと変わらざるところでございます。
#441
○安恒良一君 国務大臣として現在審議しておる法案はぜひこの国会でと、それがためには、直ちに、例えば二十二日閉会して間もなくすぐ臨時国会などとか、衆参同時選挙は考えてない、こういうことが明らかにされましたし、臨時国会を万が一中曽根さんが召集をするということになれば国務大臣の御意見を聞いてやられると思いますから、その際はそういうことはだめだ、こうおっしゃるというふうに私は承っておきます。
 周辺問題を整理して、それから中身に入っていきます。
 いま一つの問題は、これは国鉄総裁にお聞きをして総裁から考え方を明らかにしていってもらわなきゃなりませんのは、実はきょう十時から直ちに私ども小柳先輩の質問に入りたいと思ってそのような段取りをしておりました。ただその場合、国鉄の労使が信頼関係を持つ、それがためにはやはり雇用安定協定を結ぶことが必要だ。その前に共同宣言というものがいろいろ問題になっているというのを聞きましたから、その中身についても何とか話し合いがつくものならということで、私は私なりにいわゆる労使の雇用協定を結ぶために必要だと思って努力をし、実は与党の理事の皆さん方ともきのうは夜遅くまで議論をしましたし、また国鉄の副総裁、橋元さんにも夜遅くまで来ていただいて最終的に私の考え方を示して、一晩十分相談をしたい、そしてきょう九時に私の部屋で返事をもらうということになりました。
 そこで私はけさ九時に私の部屋でお待ちをしておったのでありますが、実は職員局長ですか、担当の常務と課長さんがお見えになりまして、橋元さんは交通事故でおくれている。それは交通渋滞でおくれる場合がありますからそのことを私は責めようとは思いません。例えばそこで十分待ってほしいとか二十分待ってほしいという話であればいいんでありますが、中身について説明したいということで一課長さんがいろいろ説明をされて、私がそれは私としてはのめない案だと言ったら、これはもう最後案です、こういうことのお話があった。そこで私は、君、失礼じゃないか、帰りたまえ、最終案を持ってくるならば、それは国鉄総裁が私のところに安恒さん、ここはこうしたい、ああしたいということで来るのが礼儀じゃないか、こういうことを言ったのであります。
 その問題を解決をするために理事会が少しかかりまして各先生方には――開会がおくれたのでありますが、こういうやり方は、私はこれからも国鉄の重要法案の審議をしなきゃならぬときに、それぞれの主張の相違はあってもやむを得ないと思うんです。しかし、きちっとしたお互いのルールというものは守っていきながら議論をしていかなければ私はいかぬと思いますが、この点について既に理事会においては総裁から謝られて解決しておりますが、これは公の席上できちっとしておかないと、何のために開会がおくれたのかということにもなりますので、総裁の考え方を聞かしてください。
#442
○説明員(杉浦喬也君) 先般来、安恒先生が労使の間の信頼関係の樹立という点に関係いたしまして大変御尽力をいただいておられまして大変ありがたく思うところでございます。
 昨晩も遅くまでいろいろと御協議をいただいたわけでございますが、本日、朝九時に私の代理としまして副総裁がお伺いをし、いろいろとお話を申し上げる、そういう手はずになっておったわけでありますが、交通渋滞のために遅刻をいたしまして、気持ちの上でやや勇み足の形で、別の者が説明をさせていただいたわけでございますが、先生おっしゃいますように、大変重要な問題の、いわば結論的なお話でございますので、この点は最高責任者である私あるいはまた私の指名しました代理人が先生のところへお伺いをしましてお話をすることが筋であるというふうに私も思っておるところでございまして、そうしたことによりまして審議がおくれ、またそれが理事会の遅延ということにもつながりました。大変私も心苦しく遺憾に思うところでございます。
 そうした諸問題の対応に当たりましても、十分にそうした点も今後気をつけまして、誠心誠意当たらしていただきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
#443
○安恒良一君 これよりこの問題追及しませんが、これはこれからもお互いに法案審議に当たっての基本的なルールですから、やはり最高責任者が出てくるべき必要のあるときは当然やっぱり出てきてお互いに話し合いをする、こういうことは、ひとつしかと私は意見を申し上げておきますからそうしていただきたい。
 そこで、既にもう十三日から十五、きょうまで、私どもの小柳先輩、瀬谷先輩、その他多くの同僚議員から、今回の問題についてたくさんの質問がありましたし、また他の野党の先生方からもたくさんの質問がありました。できるだけ私は重複を避けたいと思いますが、最終的な締めくくりでありますので、それらの点について、何点か重要な点についてまず確認をしていこうと思います。
 そこで、まず第一でありますが、この法案は大臣もたびたび言われますように、今議論しているのは、これから行いますところの国鉄改革の前提となる重要な法案の一つだと私は思います。
 そこで、この法案の中でやはり一番必要なことは、この問題が起きまして、総理がたびたびこのことを発言をされております。それは、いわゆる雇用問題が円滑に解決できなければ国鉄の再建はあり得ないんだと、一人の国鉄の労働者も路頭に迷わせたり迷惑をかけることはないんだと、政府の責任でもってこれに対処するということをしばしば私どもの本会議やあらゆる委員会等での質問に答えられています。また大臣もそのことを答えられていますが、国務大臣、運輸大臣としての最高の責任者でありますから、この総理のお気持ちと変わってないなら変わってないと、同じであるなら同じであると、このことについてお答えを願いたいと思います。
#444
○国務大臣(三塚博君) 総理大臣が院の会議を通じまして明言をされたことは、まさに重みのあることであり、方針であります。閣僚の一員として特に運輸大臣という任命を受けております者として、総理大臣、雇用対策本部長という立場に総理があられるわけでありますから、その一員である私がそれを誠実に、そのことの実現に向けて全力を尽くし、総理の発言、また私も同様趣旨申し上げさしていただいてきておるわけでございますから、全力を尽くし、違背のございませんよう取り進めてまいります。
#445
○安恒良一君 そこで、具体的問題に少し入りますが、本法の第四条に、日本国有鉄道総裁は、その職員が「著しく過剰である状態を緊急に解消するため」云々とあります。そこで私は、その「著しく過剰」の認識について、また、著しく過剰にもしもしたとするならば、その責任はだれにあるのか、こういうことについて少しこれから中身を聞きたいと思うものであります。
 まず、私はこれは既に私どもの先輩の小柳議員それから瀬谷議員からもいろいろこの点について、著しく過剰ということについての質問がありましたが、私は交通産業の最大の使命は、いわゆる安全、そして乗客に対するサービスの確保、このことが交通産業にとっては最大の命題、課題であるというふうに思います。それを基準にしていわゆる業務量が決定されなければならない。そのことが、いわゆる安全性それから乗客に対するサービスの確保、こういうことを忘れて業務量を決定するということは、取り返しのつかない大事故を起こしかねないというふうに思いますが、この基本的な認識、私も交通産業で長らく仕事をしてきた者の一人であります。私は何といっても交通産業の場合の最大の使命は、いわゆる安全性、そして乗客への大切なサービス、こういうところをきちっと踏まえて業務量を決めていかれるということが最大の交通産業における課題だというふうに思いますが、この基本的認識について、大臣と総裁、簡単に御答弁お願いいたします。
#446
○説明員(杉浦喬也君) 今先生おっしゃいましたように、交通事業の根幹、基本は安全輸送でありサービスの充実であるわけでございます。そうした観点に立ちまして、私ども国鉄といたしましても最大限の努力をいたしておるところでございますし、諸般の施策、合理化を行い、あるいは工事部門の割り当てを行う等の配慮におきましても安全第一というようなスタンスでこれらのことを行っておるところでございます。これからも十分、万が一にも事故が起こらぬということを私どもは考えまして、これを最重点に置いて施策を講じたいと思います。
#447
○国務大臣(三塚博君) 総裁も申されましたわけですが、安恒先生御指摘の安全性、乗客へのサービス、こういう点についてはそのとおりであります。そういう形の中で業務量を確定しなければなりません。ただ、競争相手との間にサービスで勝負をしていかなければなりませんという意味で、大変ただいまの国鉄と新しい会社が法制定の後にスタートをした場合にニュアンスの違いは出てまいることは事実でありますけれども、いずれにいたしましても、基本はやはり交通企業として安全性であり、乗客に対するサービスで業務量がきちっと決まってまいることは御説のとおりであります。
#448
○安恒良一君 そこで具体的事例について。今二人とも、やはり業務量の決定の最大の基準は安全性である、それから乗客サービスヘの確保である、これを基準にして業務量を決定しなきゃならぬということは私と同意見であると言われました。
 そこで、一、二の具体的事例を聞きたいと思います。
 まず、これももう既に議論されたことですが、四月の二十一日の二十二時五十五分ですか、川崎駅の一番ホームで二人の乗客が転落し、ひかれて即死した事故がありました。そのことが新聞に報道されたことは皆さん御承知のとおりだと思いますが、この一番ホームは、従来から、いわゆるホーム立ち番が二人いたのであります。ところが今度一人に削減した。もしも、私が考えるならば、この立ち番が二人もしくはそれ以上あって配置をされれば、最悪の事態が回避ができたのではないだろうか。一人ではとてもこれ、川崎駅でありますから乗降客も多いわけであります。しかしこの時間は二十二時五十五分ということでありますから、二人なら二人おればそういうお客同士がもみ合っていると、そして落ちると、そこに電車が入ってくると、こういうことについても私は回避し得たのではないかと思うんでありますが、この点について総裁どうお考えでありますか。
#449
○説明員(杉浦喬也君) そうした不測の事故が起こらないように私ども万全の備えを講じておるつもりではございますが、一方ではホームにおきまする要員につきましても、これもラッシュアワー時におきます充当あるいは万一の乗降客等に対応しまする配置の必要性のあるものについての適切な配置というようなことで、片や合理化という面の考慮もしながら対応をしてきている状況でございます。私どもはそうした事故というものが無人化あるいはホーム要員の削減の結果であるというふうには思いたくないし、また事実そういうことではないと思いますが、なお今後とも要員の配置につきましては十分に留意をいたしまして、乗客の様子、機械化の設置の状況等々十二分に勘案をしながら適切な配置をし、事故につながらないように気をつけてまいりたいと思います。
#450
○安恒良一君 それは、思いたくないというのは総裁、あなたの主観であって、いわゆる乗客同士が二人でもみ合っているという状況の中で、一人しかいなかったと、二人おればやはりそれは一人はそういうもみ合いを避けに、とめにも入れるでしょうし、それからいわゆるその乗客二人がホームから線路に転落をしたと、そこに列車が入ってきて二人とも即死をしたと、こういうことは私は避けられたと思うんです。それを思いたくないとおっしゃっても、だれが考えても客観的なんです。あとの問題は、二人置けるのか一人置けるかというのは経営の問題だとあなたは言いたいところだけれども。
 ですから、私はそこで聞いたことは、やはりそういう経営の問題もあるが、交通産業の場合にはやっぱり安全性と、乗客に対するところのサービスということをきちっと考えてやっておかないと、ただ単に採算性だけのことを考えると問題があるぞということを私は言ったのでありますから、この点については今これからも、まあきょうは後から附帯決議の中にもこういう問題を付しますから、十分にいま一遍ホームにおける人の、しかも川崎駅というのは乗客密度は高いところなんですよ。それからこの路線というのは採算が十分とれている路線なんですよ。そうでしょう。東京周辺の路線というのは採算は十分とれている。そういうところにおける人員の問題はひとつ再検討をしてもらいたいということを申し上げておきます。
 時間がありませんから、一つ一つどんどん進めていきます。
 それから、これも同僚議員から問題になりました四月二十五日に新幹線のボルトが六十二本が緩んでいた、そして新幹線三十本が徐行したということをいろいろ聞かれました。この点についてもちょっと私は聞いておきたいんですが、この原因はわかりましたか。簡単に答えてください、簡単に。
   〔委員長退席、理事江島淳君着席〕
#451
○説明員(岡田宏君) 今回締結装置のボルトが緩んでいた箇所は、十日ばかり前に道床更換の際、締結ボルトを一たん緩めましてまくら木を移動して施工した箇所でございます。このように締結ボルトを一遍緩めますと、そこで締めつけましてもその後の列車の走行に伴いまして、なじみによりまして緩みやすくなるということがございます。したがって、こういったものは施工後におきまして十分管理をいたして、さらに締結ボルトの締め直しを行っていく必要があるということでございます。原因から言いますと、まくら木更換の際締結ボルトを一たん緩めた。その後の締結力の管理、あるいは一遍緩めた、締め直したものの、その後の締め直しの管理といったものが適切でなかったというふうに考えております。
 今後は、関係職員、請負業者ともさらに一層こういった問題につきまして指導を徹底していきたいというふうに考えます。
#452
○安恒良一君 原因は何だったかと聞いたんですから、原因だけ言ってください。今後の対策まであなたに聞いていません、まだ。
 だから私はお聞きしたいのは、もう一遍簡潔に答えてもらいたいんですが、起こったことは大変遺憾なことですが、今後の対策をどうしますか。こういう事態が起こらないようにするためにどうしますか。
#453
○説明員(岡田宏君) ちょっと先にお答えをしてしまったわけでありますが、今後このような事態が起こりませんためには、こういった締結を緩めた場合の締結力の管理並びに工事施工後の締結ボルトの再締め直し、そういったものに対する管理、そういったものについて十分の指導を徹底をしたいというふうに考えております。
#454
○安恒良一君 管理指導徹底というのは、あれでしょう、国鉄のいわゆるこれは下請にやらしたわけでしょう。下請だけに任しておったらそういうことはできませんね。やはりそれがきちっとされたかどうかということを管理、あなたが言うようなことをやるためには国鉄の職員がやらなければならぬと思いますが、どうですか、そこは。
#455
○説明員(岡田宏君) 国鉄の職員におきましてもそういって請負業者の施行の状況について監督をする、検視をするという必要はあるというふうに考えております。
#456
○安恒良一君 ところが、これも奇妙なことですが、新聞報道によりますと、現場の職員はすぐ列車をストップさせて修理すべきだという意見を言ったそうですが、事実はそうでなかった。なぜストップして修理しなかったんですか。
#457
○説明員(岡田宏君) 現場の職員から締結ボルトの緩みの状況を発見をいたしまして報告がございましたのが当日、二十五日の十五時十分ごろでございました。それで、この連絡を受けました当該の小田原支所の助役は直ちに現地に急行いたしまして、ここで列車を徐行いたしまして線路内に立ち入りをいたしまして検査をいたしました。その結果、ボルトの緩んでいる箇所があるということは発見をいたしましたけれども、確認をいたしましたけれども、ボルトの締結力が全くなくなっているというのは一本のみである、レールの横押さえばねがございますが、その横押さえばねがすべて所定の位置にあるということを確認をいたしました。また、ボルトの著しい緩みが集中しているような箇所はなかったという点についても確認をいたしました。さらに、列車の通過時に目視により確認をいたしました結果、レールの変位に全く異常は認められなかった。また、当該現場の線形は直線でもありまして、軌道状態は良好でありまして、大きな横圧でございますとか、列車動揺の発生するおそれはないということから直ちに列車をとめて補修をする必要はないという判断をしたわけでございます。
 なお、念のために終列車まで現場に監視をつけるということと、終列車まで時速百六十キロの徐行を実施することといたしまして、終列車後において補修をしたものでございます。
#458
○安恒良一君 総裁ね、私はやっぱりそこの答弁納得できないんです。なぜかというと、新幹線は高速運転されていますから、万が一事故が起これば私はあの飛行機の惨事と同じようになると思うんです。だからこそ徐行運転をされ、監視を置かれたんだろうと思うんですね。そんなときは、やはり現場からそういう声があればボルトをぴしっと締め直して、運転を一時その間列車の進行をとめてまず完全にして運転をするのが私は常識だと、私も鉄道の出身ですからね。いやそれは徐行して監視つけておけば何とかなるわいと、いわば列車さえ通せばいいんだ、これは御承知のように新幹線一定の時間おくれると払い戻しがありますから、そんなことを考えられたのかどうか知りませんけれども、本当に安全を第一とお考えならそのボルトを直ちに締め直す作業をされたらどうですか。そして、それから列車を通過させる。そういう配慮がないと、私は、本当に口では安全だ安全だと、安全が第一だと言いながら、やっておられる現場の行動というのは徐行運転、そして監視をつける。これでは国民は信頼しない。国民に聞いてもらったらいいんです。私が言っていることが正しいのか、担当常務が言っていることが正しいのか、国民がどっちを支持するかといったら、国民は、それはやっぱり列車をとめても、まずボルトをきちっと締めてから走らせてくれというのを、百人おったら百人まで国民か言いますよ。そんなことはしなくてもいいんだ、とりあえずは徐行運転して、監視さえつけておけばいいんだ、終わった後で締めればいいんだという、そういう感覚に既にあなたたちは、安全性についての感覚は少し麻痺をしているんじゃないですか。その点、総裁はどうですか。
#459
○説明員(杉浦喬也君) 私も実は、具体的な事柄についてよく把握をしておりませんし、また技術的な判断力がなかったものですから、最初は今先生がおっしゃったように、これは危ないなと、すぐに列車とめて締めたらいいなという、そういう感じがいたしたわけであります。それで、関係者が全部寄り集まりまして、よくその状態の分析をいたしまして、一体このときの当該助役さんですか、保線支所の助役さんの判断というものが正しかったのかどうか、安全上の問題でございますから、非常に重要なポイントでございます。そういうことで、いろいろと検討をいたしまして、おっしゃいますように直ちにとめて締め直すということは最善の措置だろうと思います。
 ただ、この助役が判断をいたしました、当面、さしあたり、長期ではございませんが、さしあたりの翌晩のところまでの安全性というものについては問題ないという判断、これは私はそれなりにうなずけるものだなというふうには思いました。そういうところで御疑念があるかとも思いますが、今常務がるるその判断のもとになることを数項目にわたりまして申し上げたとおりだなというふうに私は感じたわけでございます。
#460
○安恒良一君 大臣、総裁、私は納得できません。それはなぜかというと、当面安全だと、事故を起こすときにはみんなそう思っておるんですよ。日本航空機であの大きな事故が起こったときも、当面はやっぱり安全だと思ってやったんです。ところが、安全でなかったからあれだけの人が死んじゃったんですよ。ボルトが六十本も緩んでいるときに、それは通過させれば通過できるかわからぬ、当面は安全かもわからぬ。しかし、そのときに列車をとめて直して事故を起こさないことと、万が一列車を通して、万が一事故が起こったときにどう責任をとるんですか、とうとい人命を失ったとき。私はやっぱりそういうものが発見をされたら、たとえ列車が、そこでおくれるでしょう、何分間か時間がおくれるでしょう、おくれても私は直すべきだ、私は交通労働者としてそう思います。それを技術的に判断したから、緩んだまま当面徐行で走ればいいんじゃないかと、そして列車ダイヤが全部終わったとき、夜中に直せばいいじゃないかというところに、私はそれはいけないと思う。そのことは妥協できませんね。大臣これをどう思いますか。私は、そういうものが発見されたら、そんなに半日も何日もとめるわけじゃないんですから、ボルト締めるのにそんな時間かかるわけじゃないんですよ。何でその間列車をストップさせて、ストップというのもその前後に待たせておけばいいわけです。そうして直して走らせる。それはなぜかというと、新幹線というのは非常に高速なんですよ。そういう点をおれたちが技術的に――しかし、万が一事故が起こったときは、今度はどうするんですか。万が一事故が起こったら、いや、あのときそれをしておけばよかったじゃないかということを言ったときはもう遅いんですよ、交通関係の事故というのは。ああいうことをした方がいい、こうした方がいいということじゃない。そういうことは明確にしてくださいよ。冗談じゃないですよ。
   〔理事江島淳君退席、委員長着席〕
#461
○国務大臣(三塚博君) 総裁が御答弁されたようでありますが、私は運輸大臣として、安全性というのが当委員会の基本的合意であり、私も本法案ではない別の交通安全五カ年計画の御審議の際にも申し上げておりますことであり、特に高速鉄道でありますから、そのことが明らかにわかりました際は、それはストップをさせてもきちっと措置をすべきものであると、安恒先生の御指摘はそのとおりであり、今後さように指導してまいります。
#462
○安恒良一君 大臣からそういうことでありましたから、総裁どうぞ今後はそういうふうにしてください。わかりましたね。
 それから、それではその次のことを申し上げます。
 私、職員の自殺問題、これも少し問題になりましたが、過去十年間の職員の自殺者数、それから動機、職種、こういうことについて、それから年齢別等々について資料をお願いをしておきました。その資料について、これも十年間全部説明すると時間がかかりますから、ごく簡単にひとつこれを説明して、総裁としてこの資料を見られてどういう御認識をお持ちになるのか、ちょっと聞かしてみてください。
#463
○説明員(澄田信義君) 過去十年間の自殺者数いかんということでございます。国鉄における昭和五十一年一月から六十年十二月末日までの十年間の自殺者数でございますが、総計三百七十三人でございます。
 その職種別の内訳は、運輸系統で百十七人、運転系統で九十三人、施設系統で六十四人、電気系統三十五人、その他六十四人となっております。
 動機につきましては、おおむね家庭不和とか、あるいはノイローゼ、精神神経疾患、病気苦、金銭苦等々と推定され、過去のケースは別といたしまして、最近の昭和六十年につきましては四十五人の自殺者がございましたけれども、そのうち精神神経疾患、ノイローゼ、うつ病等でございますが、こういった原因が十一でございます。それから、家庭不和が七件、病気苦が二件、金銭苦が二件、不明が十七件、その他、失恋とか交通事故苦あるいは看病疲れ等々でございますけれども、これが六件、合わせて四十五件というのが六十年の実態でございます。
#464
○安恒良一君 そこで、その実態が明らかになったから、総裁、大臣、ちょっとここを見てください。私は十年間の原因別を出せとこう言ったんですが、数は調べているけれども、原因別は調べてないというのです。何が原因で自殺したかは調べておりませんと、ただ六十年はありましたと、こういうわけですね。それで私のところに六十年が来たのですが、その中でいわゆるノイローゼ等等、これが十一だと、それから不明が十七ある。両方合わせると四十五名中二十八名がこういうことで死んでいるというのですね。このことは私は非常に重要だ、これは六十年だけでもそうですよ。五十九年は四十二人でしょう、五十八年は四十四人ということで、この三年ぐらい国鉄の自殺者が非常にふえているんですね。例えば五十一年は十八名です。ある場合は、五十三年に四十とありましたが、その後三十。ところが、ここの三年ぐらいはもうすべて四十の大台を超えて自殺者が出ているわけです。しかも、自殺者の職種は今私がお聞きをしたとおりのいわゆる運転系統等々にかなりやはり多いわけですね。運輸、運転系統、それから施設、そういうところに多いわけです。このことは私は今の国鉄における、やはり職員の非常な精神上の不安、こういう問題が起こっているんじゃないか。いわゆる百年の国鉄の大改革が行われる、その中における雇用問題等、自分たちの行き先、将来ということをいろいろ考えると悲しい犠牲がこういうふうに出ていると思うんですね。ですから、今度は今さっきの同僚議員の質問でありますように、今度はあなたたち自身が職員の自殺の報告方についてということで、厚生課長名で、今後、職員の自殺者が発生した場合は、その都度、別紙様式により厚生課長あて速やかに報告願いたい、ということで、恐らくこんなことは今まで国鉄はやったことないと思うんだ。初めてだろうと思うが、国鉄はこういうことを下部に通達を出して、職員が自殺した場合の中身をこれから調査するということで、いわゆるここにいろんなことが書いてあるわけですね。私は、今まで国鉄はこういうことをやったことはないが改めてこんな通知を出さなきゃならぬほど国鉄の職場における職員の精神の不安定といいますか、こういう状態が起きているということについて大変実は憂慮するわけです。国鉄の再建というのは、労使が信頼をし合って、協力をし合ってやらないと私はできないと思う。ところが、こういうふうにいわゆる原因を聞いても、私のところへは不明が十七名、ノイローゼが十一名とこう言う。家庭不和とかいろいろなことを言われるが、家庭不和は七名、病気苦は二名、金銭苦は二名しかいないんです。主として二十八名というのが私から言うと精神不安定、自分の不安感、こういうことから自殺を一年間でされているというこの実態について、こういうことを食いとめていくために総裁はどういうふうな方法をお考えなのですか。それから大臣、このようなことを聞かれてあなたの所見を聞かせてください。
#465
○説明員(杉浦喬也君) こうした数字を見るまでもなく自殺者が私どもの国鉄の職員から出るということは大変痛ましいことでございまして、私といたしましては、こうした大変な難局に差しかかっておりますこういう時期におきまして、先生が今おっしゃいましたような職員の不安、動揺というものが自殺に結びつくようなことがあってはこれは大変だというふうに心配をいたしまして、実はその自殺の動機というものについて調べていただいたわけでございます。本質的に自殺という事柄が非常にいろんな複雑な解明しにくい要因を抱えて悲惨なことに相なるだけに、調べましてもなかなか本当のところがどうであるかということがよくわかりません。今の御指摘のような数字でノイローゼ十一件、不明十七件というのが端的にこれを示しておると思うんでございます。
 いずれにいたしましてもこういうことはあってはならないというふうに思います。それがまた職員の現在の雇用問題等の不安、動揺の結果であっては絶対ならぬというふうに思うわけでございまして、全般的には一刻も早く鉄道の将来の明るい姿というものに職員が希望を抱く、そういう姿に持っていくことが大事であり、また当面は雇用関係におきまして十分な対策を講ずることによりましてその面での不安を除去する、その他万全の対策を講ずることにより、またあわせまして各種の精神衛生面での対応をも講ずることによりましてこうした痛ましい事故がないようにこれから努力をしてまいる所存でございます。
#466
○国務大臣(三塚博君) ただいまの御指摘、さらに過去十年の自殺者の動向、ここ三年は四十人台、四十五人と、こういうことであり、御指摘のとおり二十八名が原因不明、精神疾患、ノイローゼということで亡くなられておると、こういうことは総裁も言われましたが、極めて残念であり、痛ましいことである、このように率直に思いますし、胸の痛む思いであります。
 要すれば、これは職場においてお互いが連帯、助け合いの中で、励まし合いの中で取り組んでいきますれば本問題は解決に踏み出していくであろう、こうは思いますけれども、いずれにしても職場が快適な状況であるように、ともに労使一体となりまして取り組まさせていただきますように今後見守っていきたいし、そういうふうに慫慂をしてまいりたいものだとこう思っております。
#467
○安恒良一君 私はやはりこれだけたくさんの自殺者が出る、しかも私から聞かれて、六十年度は理由はつかんでいるが他は数だけしかつかんでない、こういうところにまず国鉄の人事管理の欠落があると思います。これが一つです。問題を指摘しておきます。
 それから二つ目は、なぜこんなに自殺者が出るかということは、私はやはり国鉄の職員というのは、各地域において採用を受けたときには、それぞれ地域の中においてエリートとして希望を持って国鉄に入ったと思うんです。そして今日まで営営とやってきた。その国鉄が国鉄の百年の歴史の中の大改革が行われようとしているそのときに、自分たちの将来に対して、自分の行き先ほどうなるんだろうか、あれだけ希望を持って、国鉄マンとして誇りを持ってきた自分の将来がどうなるんだろうか、この不安というものが私はここ数年間の自殺が大きくふえている原因だろうと思います。ですから私は、まずこれを考えていくときには、ただ単に痛ましいということだけじゃなくして、そういうやはり原因をなくすためのことをしなきゃならぬ。
 そこで、いわゆる著しい余剰ということを平気で使ったりされますが、著しい余剰人員が出てきた責任はどこにあるかということを私は聞きたいわけなんです。
 例えば私も鉄道でありました。私は九州の西日本鉄道であります。いろいろ大臣や総裁が申されておりますように、モータリゼーションが進んでおります。その中において、適正な業務量、安全と公共性を守る適正な業務量、どれだけの人が要るだろうか、こういうことで常に経営者側から組合に対して問題が投げかけられて、それを組合側も団体交渉の中で議論をして、例えば私の出身は一万八千おりましたが今は一万三千を割っています。しかしそれは労使がきちっとした団体交渉をし、議論をし、時代の流れの中でどうしたら公共交通としての交通が守れるか、安全性が守れるか、乗客に対するサービスができるかということの議論の中でずっとやってきた。私は何も今の杉浦総裁だけを責める気はありませんが、歴代の総裁並びに歴代の理事がそういうことについて、あなたたちは時代の流れの中で積極的にずっと取り組まれたんですか。今になったら九万人余っているとか十万人余っているとか、そういうことで、とにかく希望退職も募らなきゃならぬ、やめてもらわきゃならぬ、そのことに一生懸命血道を上げているじゃないですか。
 なぜ時代の変化に応じて、今私が言ったように、あなたたちは簡単に私鉄並み、私鉄並みという言葉をお使いになりますが、単純に私鉄並みという言葉を私は使ってもらいたくないんですよ。そんなことを今までの総裁なり副総裁なり常務でやったことありますか。それは提案すれば組合はいろいろ議論があるでしょう。あっても何回か議論を重ねる中で順次片づけて、私は私鉄でありますがやっています。そういう努力をあなたたちはしたんですか。しないで、監理委員会が来て国鉄再建だ、とにかく今の体制を将来二十一万五千にしろ、それがために合理化をやれ、首を切れ、希望退職を暮れ、そういうことになって慌てて、杉浦さん、あなたになって盛んにボールを今投げているんじゃないですか。
 そこのところのことを、私はあなたたちがまずみずから、何も今のあなただけを責めているわけじゃないですよ、歴代の総裁が本当に時代の流れに即応した国鉄のあり方というものを考えて労使の間でやってきたのかどうか。そして今になったらもう余剰人員だ、そして余剰人員をつくった原因は何か労働組合にあるがごとく言う、こういうやり方では私は同じ交通労働者の一人としてどうしても納得できない。そこのところをどう反省されますか、今までのことについて。
#468
○説明員(杉浦喬也君) 余剰人員の大量の発生の背景につきましての先生からいろいろと御指摘があったわけでございます。国鉄がこういう状況になりましたいろんな原因の中に、やはり時代の変革、特に他交通事業の大きな伸び、変革というものに対応いたしまして、そうした競争裏におかれました国鉄を、より効率的な経営に脱皮していかなければならなかった、これはかなり早い時期の問題であったというふうに思います。私自身も運輸省の国鉄に担当を命ぜられる、そういった職場にありまして再建計画等をやってきた経緯もございますから、私自身も責任を感じておるところではございますが、そうした時々刻々の激変に対応するスピーディーな、特に管理者側の対応、労働組合を十分に説得するだけの管理者側の対応というものにつきましても、私自身も反省をしながら十分に対策を講じてこなかったんじゃなかろうかというふうに思っておるところでございます。
 しかしこういうふうに申し上げましても、時代はどんどん変わってきております。やはり現時点におきまする最善の方向といたしまして、かなり荒療治ではございますけれども思い切った合理化というものをやりまして、国鉄の体質を改善をするということが急務であると思います。職員の皆様方は大変であるし、そこからいろんな問題が出てくることはもう百も承知ではございますが、政府全体のお力添えもいただきながらぜひとも本問題をなるべく早く解決をすることが将来の明るい展望につながるというふうに思っておるところでございます。
#469
○国務大臣(三塚博君) 御指摘、御叱正はそのまま受けとめさせていただきます。
 全く経営というのは労使がペアであるものであります。しかし同時に、やはりそれは経営者の責任というものが第一義でありますことは、これは大原則であります。
 先ほどいみじくも安恒先生言われましたが、私鉄における経営改善、そして会社としての発展のためには、たびたび立場の違う組合でありましょうとも、何回か大議論のうちに結論を得て前に進めたという体験のお話を承らせていただきましてその感を強くいたすものであります。
 そういう点で、そのことが早く行われておりましたならばという意味で悔恨はございます。しかしながら政府として、また我々政党という立場の中で物を考えさせていただきますならば、国鉄の総裁以下常務理事、幹部の諸君、その責任をそのとおりと認めつつも、なお我々に責任なしとしないのかということでありますと、政府の責任、政治、政党、私どもの与党という立場の中で反省すべきものはありますと、このことを率直に私も認めざるを得ない。そういう反省の中で、二度とこれが失敗をしてはなりませんし、新しい鉄道として再生、新生をしてまいりますためには、基本的なコンセンサスを得させていただきながら今回は取り進めさせていかなければならない問題であるなど、このように実は思うのであります。
#470
○安恒良一君 この問題ばかりに時間をかけるわけにいきませんので次に進みますが、その前に明確に私は申し上げておきたいと思うんですが、やはり国鉄当局の自己反省というものが明確に全従業員に示されなけりゃならぬ。それはなぜかというと、時代の流れというのは、交通機関の流れ、飛行機の発達、自家用車の発達等々は目に見えてどんどん進んでおるわけです。貨物が列車からいわゆるドア・ツー・ドアという輸送に変わりつつあることも目に見えているわけです。そのときに国鉄の果たす役割は何なのかということを明確にし、その業務量をはっきりしてそして組合とお話をされる。ところが、今までの歴代総裁並びに担当の常務理事、まあまあおれの時代だけはやっときゃいいわいと。民間会社だったら一期か二期欠損が出て赤字になればどうしてもそのことにいやでも取り組まざるを得ないんですよ。いやでも、どうするかということ、会社は倒産するんですから。ところが国鉄の場合はたまりにたまって、あんなにたまったって倒産しなくて今日に来ておるわけですから、そこの感覚があるから時代がどんどんどんどん変わっているときにあなたたちは積極的に国鉄の持つウエート、任務、そしてそれに必要な業務量、それに必要な人員、そして労働条件をどうするかということについてのあれを、今も大臣がおっしゃったように、こういう問題については私は組合は全く責任はないことはないと思う。しかし八割から九割は経営者の責任にあることは間違いないんですよ、経営者の責任であることは間違いない。にもかかわらずあなたたちは今までやってこられなくて、そして、さあここになった、さあ大変だ、もう再建の道はこれしかない。一番手っ取り早いのは何か、それは人件費減らすことが手っ取り早い、そこで人をですね。これでは信頼関係を持とうとか協力してくれと言ってもなかなか協力ということにならないのですよ。私はそこのところをきちっとまず自己反省をされて、そしてこの法案が通過した後の処理はされないと、そこのところがはっきりしないまま、そこをあいまいにしたまま何か合理化に協力しない組合は悪い子ちゃんだと、こんな感覚で取り組んだのでは私はうまくいかないと思う。私が聞くところによると、この次本法案の審議のときにはその証拠書類を持ってこようと思いますが、日の丸の鉢巻きした人がこれで国労とひとつ対決をするんだ、こんなことをやっておる幹部職員もおるそうですから、後からこの次の本体のときにはその写真を持ってきて証拠資料として、そういう幹部は直ちに排除せよということで私は迫ります。きょうは写真持ってきておりませんから、持ってきまして、そういうばかげたことまでやったんではとっても私は再建はできないと思うんですね。まず自分たちの非は非として認め、そして協力を願う点は協力を願う、このことが大前提としてなければ、この法案の施行ももちろんのこと、これから後に来る、国会に来る七本の重要法案というのは大変なことだと思いますから、私はこのことを申し上げておきます。
 そこで、次の問題の雇用確保について入ります。
 まず、十五日の本委員会で小柳先輩の質問に対しまして運輸省から明確な答弁がありました。明確な答弁が、必ずしもはっきりしなかったのですが、いわゆる二万人の希望退職について、十五日の説明では、八千人については関連企業で、そして一万二千人については地方公務員、一般産業界にお願いをしているという答弁があったのであります。ところが、これからいわゆる希望退職を募るときに組合員が知りたいことは、まずどこの会社がどのような職種で賃金はどういう賃金で、例えば国鉄の今の賃金とそれからどうなるのか、社宅はどうなっているのか、こういう条件がすべて明示をされないと、希望退職に応じると言ったって応じようがないんですよ。その作業がどこまで進んでいるんですか。私のところに手元にこの資料をいただいています。こんなものを今さら読み上げてもらう必要ない。これ小柳先生にもこの説明がありました。しかしながら、私がこの資料を見る限りにおいて、どの会社がもしくはどの産業が、例えば私は私鉄の出身であります。私鉄大手、民鉄が三千五百人したいと言っています。六十一年度から六十五年度にかけてやりたいと、こう言っていますね。ところが、この募集はこの法案が通るといわゆる来年の三月三十一日までにこれは全部解決しなきゃならぬことでしょう、募集、そこで。そうすると、行き先がわからぬまま募集に入ったんじゃ応じようがないんです。そういうことについて、この雇用確保について具体的にきちっとそのことがどうなっているのか明示されるのかどうか。それがないと私は希望退職を募っても応じようにも応じようがない。何となく希望退職に応じてくれ、はい応じます、そんなばか一人もいません。おれは今こういう仕事をしている、自分が行き先があるのかどうか、賃金はどうなるんだろうか、社宅はどうなるんだろうか、勤務地はどこなんだろうか、こういう点。このことは総裁はこの前の同僚議員の質問に対して、まずそれは受け入れ態勢側の会社名とか条件とか地域、こういうものをまず明らかにしなきゃならぬだろうということは答弁をされてます、衆議院の段階で。その点について作業が具体的にどこまで進んでいるんですか。
 例えば、この法案が今晩採決をする、あした本会議にかけられる、そういう中で、いよいよ皆さん方はこの法案に取っかかられるんですが、肝心の雇用確保の状態がどこまで作業が進んでいるのかということについて明確に、例えば関連事業の受け入れでも六十一年度についてどれだけなのか、六十二年度どれだけなのか。いわゆるこの八千名、どうも聞くところによると、関連事業でも六十一年度が二千名、六十二年度のが六千名、こんなことを言われているようでありますが、こういう点について、いわゆる雇用の確保についてどういうふうにされているのか中身を聞かしてください。
 この説明なら要りません。この説明だったらこの前から何回も聞いてますから。時間がもったいない。今私が聞いているのは、どこの会社とか、どこの産業に何名受け入れて、地方公務員だったらどこの地方公務員で、条件はどうなるんだ、賃金はどうなるんだ、そして社宅はどうなるのか、その他雇用条件はどうなるのか、こういうことについての調査をされているんですか。されておったらそれをはっきりしてください。
#471
○政府委員(中島眞二君) 希望退職者向けの再就職先といたしましては、六十一年度と六十二年度の当初の採用分でございます。
 今御指摘の一般産業界につきまして、それに当たるものというのは、先生お手持ちの資料の中で、具体的に九千人の申し出の中身といたしまして、採用の時期なり、勤務場所なり、年齢なり、職種などの具体的内容について目下国鉄において個別各企業との間で詰めを急いでいるところでございまして、まだ御指摘のように具体的にそれが何人に固まっているという段階に至っておりません。
 それから、関連事業につきましては、六十一年度と六十二年度当初を合わせまして約八千名ということで、これについては国鉄側において既に詰めを終わって為ります。
 公的部門につきましては、六十一年度分といた、しましては二千六百名という目標を掲げまして、もうほぼその目標は達成できるという見込みになっておりますが、六十二年度当初分につきましては、まだ具体的に数字までは出てまいっておりません。
#472
○安恒良一君 大臣、総裁、私は、このことは重要だと思うんですよ。二万人の希望退職を募って、ぜひそれでやりたいし、それぞれ関係組合も協力してくれとおっしゃっているんですね。おっしゃっておきながら、例えば私は西鉄の出身です。私のところは、何名受け入れる、何年度はどういう職種ということをはっきり言ってありますよ。
 ですから、私は、まずこの四月から来年の三月までに二万人の募集をされる場合には、その人の分だけはとりあえず、どこがどういうふうな条件でどう受け入れるかということがまずはっきりされなけりゃ、希望退職の募集のしようもないじゃないですか。
 今聞いたら、国鉄において個々のところと折衝中でありますと。しかも、これは来年の三月三十一日までに申し出た人に限りこれは適用すると、こうなっているんですからね。それだったら、まずその方を先に急がれて、こういう会社とこういう企業とこういうのがある、それは賃金はこうなるとか、こういうことがはっきりしなけりゃ、何ぼこの法案通っちゃったって希望退職のあれは出てこないんじゃないですか。そんなことで希望退職に応ずる人、従業員、組合員というものは私は一人もいないと思いますよ。どうしてそれを早急におやりに――まだ今国鉄において関連企業と話し中だと。
 それじゃ聞きましょう。今私が言ったことができ上がるのはいつですか。この法案が通ったら、いつにそのことができ上がりますか。いわゆる二万人の受け入れ態勢を公的部門、関連部門、民間部門、そして企業名、賃金、労働条件、そういうものができ上がるのはいつですか、それを聞かしてください。
#473
○説明員(杉浦喬也君) 今先生御指摘のように、まず受け入れ先というものがはっきりしませんと希望者が出てもどうにもなりません。おっしゃいますように、今鋭意その受け入れ先につきまして、まず最大限の確保をお願いし、また既に提示がありましたものにつきまして詰めをやっておるところでございますし、さらに、もう少し詰めをやりまして、地域別、職種別、年齢別の受入先の希望等も、各業種、会社別にこれを固めていきまして、それらはできるだけ多くの受入先をまとめて提示をして、それによりまして全国各地の職員の受入先というものが明らかになり、労働条件が明らかになり、そして希望の申し出の具体的な内容になると思います。
 そういう意味におきまして、本法案が通過させていただきますれば、直ちにその準備作業というものをいたすわけでございますが、手順の問題につきましては、約一月ぐらいをかけまして、十分にまずどういう方法でやるかにつきましてこれを固めてまいりたい。同時に並行して、今やっております具体的な雇用先の会社名、地域、職種、そういったものも固めていきたい。一月後の具体的な中身以後そうしたことを詰めてまいりまして、この夏以降には希望を申し出ることができるように、そういうふうな段取りにしてまいりたいと思っております。
#474
○安恒良一君 いや、大臣、手順とか手続とか労使交渉のあり方というのはこれからいろいろ聞いていくんですが、私は、そのことはちょっと横に置きまして、今私が言ったように、希望退職を募るとすれば、その受入先が明確にならなきゃならぬじゃないかと、地域別に、職種別に、賃金や労働条件別に、そういうものなり労働条件が明らかにならなけりゃ、そういうことを明示しないで希望退職者を募るというわけにはいかないんですよ、これね。いいですか。例えば企業がもう倒産して清算会社に入ったというときの希望退職とは違うんですから、そうでしょう。しかもあなたは、この希望退職については強制や強要は絶対しませんと公のここで何回も言われている。強制も強要も絶対しないということになると、本当に国鉄の従業員、組合員が自主判断をするんです。その自主判断をするときの一番大きい資料というのは何かといったら、どこがどういう職種で、どういう賃金や労働条件で受け入れてくれるのかどうか、まずその作業が終わらないとできないことは、これはもう常識なんですよ。希望退職を募るときの常識。それがいつごろまでできるんですかということを聞いていると、あなたは何か一カ月ぐらい準備期間を置いて、それからうーうーと言うけれどわからぬので、いつごろまででき上がるならでき上がるとか、そこをまず言ってみてください。
#475
○説明員(澄田信義君) ただいま総裁からもお話ございましたように、まず国鉄といたしましては、関連企業八百六十五社に呼びかけまして、今の……
#476
○安恒良一君 いつごろまで、時期だけ言えばいいんだ。中身要らないの。
#477
○説明員(澄田信義君) 今お話のございました八千人につきまして、これは全部固め終わっておりまして、したがいまして、地域別、職種別、それから今の会社個々に当たっておりまして、この法案が通りまして募集開始ということになりますれば、私どもは、関連企業につきましては、今の労働条件を個々具体的に希望される方とそれから相手方の具体的な条件を煮詰めるべくもう用意してございます。
 それから、一般産業界でございますが、今雇用対策本部からお話ございましたように、全体の枠、今申し出数が九千という数字がございます。この中身につきまして、私ども全国的に各社と個別折衝を現在重ねておりまして、今や具体的に、例えばどこそこの地域で大体何歳ぐらいでどういう条件でというのもかなりの数出ておるところもございます。しかしながら、まだこれからの努力を要するところもございますので、そういったところが固まったところから逐次お示しして、今の募集とあわせてまいりたいというぐあいに考えております。
#478
○安恒良一君 それは困るんだよ。いつごろまでできるかと聞いているだけで八千人のことを聞いてない、一万二千人。安恒さんあなたの御質問で、例えば七月なら七月までに完了しますとかいう、それだけ答えてくれって。時間稼ぎしたら困るようどうどうどうど言って頭が悪い証拠じゃ。こっちが聞いておるのは、いつごろまでにできるかって聞いてる。だから、総裁、いつごろまでにそれができるか。というのはね、固まったところから順次やられてもかなわないんですよ。やっぱり組合員なり従業員見ると、できるだけ自分の希望に近いところを見るためにはずらっと企業名なり、それから労働条件なり、賃金面を見なけりゃ選択のしようがないじゃないですか。とりあえず一万二千名あるけれど――四千名だけ話し合いついて、四千名分だけ発表して、これで希望しなさい。希望してみて、後から残った四千名の方が出たら、あっちの方がよかったといったらこれ困っちゃうでしょう。だから、少なくとも八千名は関連企業に、一万二千名は民間なり地方自治体と言うなら、その条件を速やかに調査をして、そしてまずそれを周知徹底させるべきじゃないですか。それに応じて、それなら私は希望退職したいという人が初めて申し出るのであって、そこのところを何か今澄田さんの話を聞いておると、固まったところから募集開始する、そんなばかげたやり方はないじゃないですか。受け皿をまず明確にする。ですから、あなたたちがいつごろまでということを言い切らぬならやむを得ません。総裁、まず受け皿を明確にする、それから募集開始をする、それはいいですね。今申し上げたように職種とか、地域とか、年齢とか、それからいわゆる賃金、労働条件等々が明確になる、それを全従業員に告知をして、そして募集に入る、そのことは当然のことですが、それはいいですか。
#479
○説明員(杉浦喬也君) ちょっと中身によりまして少し時期が余りはっきりしない面もございます。関連企業については再三申し上げましておるとおり、直ちにこれは八千名は一般に周知ができます。それから、民間産業につきまして今九千名でございますが、これはもう五カ年間でありますから、約三分の一ぐらいはこれは確定できるのではないかということでございます。
 残りはやはり公的部門が非常に問題でございます。本年度中の目標の二千六百名は、これは大体目標が達成しつつありますが、問題は来年度の六十二年度首の採用、この分につきまして、今雇用対策本部の方で、各省の関係がございますので、これは夏までに詰めることになっております。したがいまして、この部分を詰めていただきますれば、夏までには全体がすべて固まってくる、こういうふうに思います。
#480
○安恒良一君 大臣、これは聞いとっていただきたい。私はやはりこの募集をやるのには、やはり夏なら夏でも結構ですよ。八月でも九月でも結構ですが、その全体をきちっとしてから募集に入らなければ、一部から募集に入るというやり方は邪道なんです。邪道なんですよ。あなたたちは、できれば二万人希望退職に応じてくれと、こう言っているんですから。そうしたらね、まず受け皿をきちっとする。
 それをなぜ私が言うかというと、実は私はここにこういう通達を持っているんですがね。いわゆる北局の通達で、公的部門に職員が四月一日付で五十名が採用された。ところが、「このたび内定辞退及び採用辞退という憂慮すべき事態が発生」をしているというんですね、通達で。こういう通達。そして、今度はこういうことをしょうと。「給与については、現給を下回る場合が多いことを周知し了解を得る」ようにこれから努力をしようとか、「宿舎については、望むことは困難であることを周知し了解を得ること。」などといういわゆる通達がこれ出ているわけですね。いいですか。公的部門を望んでいる。望んでおっても、行ってみたら話が違うからおれは嫌だというのが出てきよるんです。それはなぜかというと、当然そういうことのまず受け皿をきちっと固めて、その上で理解と納得を得て本人の希望退職を募らぬから、こういういいかげんな話でやるから、行ってみたら話が違うじゃないかと戻ってくる。戻ってきたらこれは大変だから、今度は行く前から、あんたは現行よりも賃金が下回ることが多いんですよと、社宅もないことが多いんですよということでやろうじゃないかと、こういうこんなばかげた通達、これ出しておるじゃないですか。総裁、どうですか、この通達を。「国・地方公共団体などへの職員の推薦等について」ということで、人事課長、雇用対策課長、六十一年四月三日で関係各長殿ということで出ている中に、「給与については、現給を下回る場合が多いことを周知し了解を得ること。」「宿舎については、望むことは困難であることを周知し了解を得ること。」。これじゃあなた、希望退職とかどこかへ行ってくれと言ったって、行く人ないですよ。こういう通達を出されていますね、これ。総裁、知っているでしょう、この通達。どうですか、この通達。
#481
○説明員(澄田信義君) 今御指摘の通達が出ていることは、これは事実でございます。今の公的部門に今年度採用になりました人が、今私の記憶では八百二十四人あったかと思います。北局関係でそのうちの三名程度が辞退しております。しかしながら、それを調べてみますと、その三名いずれも自己都合により辞退をしております。
 しかしながら、確かに先生御指摘のように、私どもといたしましても、その宿舎の事情とかあるいは給与の問題とか、もちろん事前に周知徹底はさしておりますけれども、念には念を入れて、余りに過度の期待を持ったりいろんなことをしないように、そういった趣旨の通達を北局では出したかと思われます。私どもとしては、そういったことにつきまして、職員によくそういった条件等を周知させるということは当然のことでございまして、なおそういった努力はしてまいりたいというぐあいに考えております。
#482
○安恒良一君 総裁、何ですか、こんな通達出ていることを知っているって平気でうそぶいているじゃないですか。どういうことですか。「給与については、現給を下回る場合が多いことを周知し了解を得ること。」とは何ですか。「宿舎については、望むことは困難であることを周知し了解を得ること。」、そういうことを当然知っているんだと平気で職員担当常務は言ってますよ。そんなことで希望退職が出ますか。それで、今言うたら、いや、わずか二名ぐらいでそれは自己都合でと言っている。そんならこんな通達出すはずもないじゃないですか。この通達は、これからおまえたちは、組合員や従業員にこれから行く先は賃金が下がることの方が多いんだよ、宿舎もないことが多いんだよと、こういうことを周知徹底しようと書いてあるじゃないですか。この通達は書いてあるじゃないですか。そんな姿勢で、総裁、運輸大臣、希望退職を募るんですか。賃金も下回るよ、社宅もないよ、しかし希望退職に応じてくれと、こういうことでおやりになるんですか、この通達。この結末どないつけてくれますか。(「委員長」と呼ぶ者あり)いや、あんたに聞いてない。あんたに聞いてない。指名した人に答えてもらえばいいんだ。総裁とそれから大臣に聞いているんだ。こんな姿勢でやるんですかと。賃金も下回りますよと。下回る場合が多いと書いてあるんだから。たまに一人か二人あったと書いてあるんじゃないんだ。これから「給与については、現給を下回る場合が多いことを周知し了解を得ること。」と書いてある。「宿舎については、望むことは困難であることを周知し了解を得ること。」と書いてある。こういうことであなたたちは希望退職を募るんですかということを総裁と大臣に私は聞いているんです。
#483
○説明員(杉浦喬也君) たくさんの人の中にいろんな事情で思いどおりにいかない、そういう例が出てくると思います。この北局の例も本人が合格後に自己都合により辞退をしたということでございまして、北局としまして一生懸命やっている結果の一部そういうことがあったということで若干やはりショックがあったんではないかと思います。しかしながら、今、私もきょう初めて見たんですが、こういうような余り先をおもんぱかって大事をとり過ぎるような通達というのは、これはやはり希望退職を募るという立場からいきますと、余り妥当ではないんじゃないか。やはり本当のところどうなのか、それから一番心配な宿舎なんかはどうするのかというようなことをむしろ親切に皆さんに周知をすべきではないかというふうに思います。なおよく事情を調べたいと思います。
#484
○国務大臣(三塚博君) 今やりとりをお聞きさせていただき、この通達を読まさせていただいておったところでございますが、御指摘のそのものずばりのことのところだけ、今お聞きしておりますと無理からぬことかなとも思います。同時に、今、総裁の話を聞いておりまして、また担当常務の話を聞いて、この文面、ちょっと前段のところを読まさせていただきますと、辞退をしたことに伴い、二度と再びそこではなく、引き続きやはり国及び地方公共団体の職員の採用について取り進めるためにはかくかくの心構えも必要でありますよということかなと、こうは思います。思いますが、今、総裁いみじくも言われました、それを考えるの余りこういうことでこの二項目、二項目が問題なわけですから、この点が宿舎もありませんよと、給与も下回る場合が多いことを周知し、了解を得ることというと、何かそこでそのことをやるみたいなことで、そうでありませんければ推薦しませんよというがごときことはいかがかなと、私も率直にそう思うわけであります。
 同時に、これを見て思いますのは、国、地方公共団体は国鉄の給与ベースとほぼ同じなんですね。そういう点からいうと、これは言わずもがなのことをなぜ言うんだろうと、おれもそう思います。こんなことをなぜ言うんだと。だから、こんなものはやめて、やっぱりきちっと言って、断る人はしようがないの、断る人は。だから、やっぱりそこのところはきちっと言って、できるだけ全力をつくしてやるのだということがやはり本問題に対応する者の基本的構えかなと、こんなふうに思います。
#485
○安恒良一君 大臣、こう書いてあるんですよ。「今後辞退者を絶対出さないため、特に下記の点に留意のうえ今後の推薦等を行なうよう願います。」と書いてあるんですよ。皆さん方があっせんするときに、賃金が大幅に下回って、行くばかはいないんですよ。家族を含めて生活しているんですよ。三十万円もらっている人が、十五万円のところへ行けとか二十万円のところへ行けと言われて、だれが行きますか、あなた。その意味からいうと、ここに書いてあるように、「給与については、現給を下回る場合が多いことを周知し了解を得ること。」とか、「宿舎については、望むことは困難であることを周知し了解を得ること。」という通達を出す感覚が、こういうことで世話しようというその精神が気に入らないんですよ。まず就職をあっせんするならば、本当なら、長い間国鉄で御苦労だったと、ちょっとでも条件のいいところを世話してあげようということが気持ちじゃないですか。しかしそれはなかなか難しいでしょう、今日の雇用情勢なら。せめて労働条件や賃金は同じところに、下がらないところに、生活環境が変わっても収入は変わらぬところへという世話の態度が当たり前じゃないですか。それが、こういう通知を平気で出して、これでやろうなんというところが私は絶対納得できないと言っているんです。そういう気持ちでどうして希望退職が募れるんですか、どうして今後の雇用対策ができるんですかと言っているんです。
#486
○国務大臣(三塚博君) 御説のとおりであります。
 私は、かねて申し上げておりますとおり、去るも地獄残るも地獄、特に去る方については、新生国鉄の再生に悲願を込めて他に転職をしていくわけでございますから、今、後段御指摘のとおり、本当に御苦労さんというその愛情を持って、できるだけいい条件のところにあっせんし、御就職をしていただく、また、この間の予算委員会でも御指摘のように、お子さんの学校の問題についても、宿舎の問題についても、建設大臣もそのことについてしっかりとやらさせていただくと。私も所管大臣として関係閣僚にこのこともお願いを申し上げておる点でありまして、やはり物事を進めるときには真心、この心構えが大事だという意味で、おしかりはしかと胸に秘めまして、そのとおり指導してまいります。
#487
○安恒良一君 総裁、こういう紛らわしい通達については直ちに調査して善処してください。こんな通達が出ておったのではだめです。とても労使が円満に事を運ぶことになりませんよ、こんな通達を出しておったら。これは時間がありませんからこれ以上言いませんが、ほかのところを聞かなければならぬから善処してください。いいですな。
 それでは次は特別給付金について少し、中身はもう聞いていますから私はぜひ大臣にひとつ骨を折ってもらいたいと思ってこのことについて聞きますが、いわゆる特別給付金は退職に対する優遇となるのかどうかということなんであります。これはどういうことかというと、政府案によれば本法に基づいて希望退職に応じた者は基準賃金の十カ月分が支払われることになっています。この特別給付金の性格は何だろうかということが一つであります。
 それから第二番目は、日鉄法は今次の国鉄改革において生じる雇用上の諸問題、これは全職員を一たん解雇して希望退職等の募集等を行った中で、さらに新会社に引き継いでいく者、それから清算事業団に残る者、こういうふうにいろいろやっていくというふうにこれから出てくる法案で提案をされるんでありますが、問題は国鉄の職員には民間の職員と違って雇用保険というのはないんですね。雇用保険の適用除外なんであります。このことは、国鉄の職員というのは公務員と同様に終身雇用、それが前提になっている。それが前提になっていなければどうしても雇用保険というものが――民間の労働者みんな労使で掛けているんですから。ところが、国鉄の場合には雇用保険というのは労使では掛けていないわけですから、その限りにおいては国鉄の労働者というのは公務員も同じでありますが、終身雇用というのが大原則ですね。そうすれば、この終身雇用というのが大原則なのに今度は終身雇用ができない。こういうことでいわゆる希望退職を募るうということですね。とりわけ五十五歳以下の方と、こういうことになっています。なっていますが、高年齢者の場合に再就職というのは、一人も路頭に迷わせないとか、世話をすると言いながら、私が前段で聞いたようにまだ一万二千人の受け皿すら明確でない。賃金や労働条件や社宅はどうなるかということについても、今やりとりをしたような感覚をお持ちだ。そういう感覚の中で、私は十カ月上積みをすればそれでいいじゃないか、いわゆる電電の前例もあることなんだからと、こういう打ち切り保障ではなかなか納得はできないことであります。
 そこで、大臣、これは後から附帯決議等も付すことにいたしますが、ぜひとも今申し上げたような特別給付金、この十カ月ということについてのやはり主管大臣としての配慮をぜひ私はされてしかるべきだと、こういうふうに思いますが、この点は総裁に聞いても総裁の方は受け身でありますから、主管大臣である大臣として、今も大臣もおっしゃったように本当におれは一生国鉄で骨を埋めたいと思ってきている人がやむを得ず希望に応じて離れていくときに、そういう者に対して、しかも民間と違って終身雇用は保障されている制度のもとに今日まで働いてきた人が離れる場合の措置については、温かい配慮があってしかるべきだ。こういうふうに思いますが、そこのところ大臣お考えを聞かしてください。
#488
○国務大臣(三塚博君) 本件につきましては、かねがね御案内かと思うんでありますが、十カ月はそれぞれの対応、NTT等々勘案をしてこれが最高のものであるというようなことで、その根拠なども御説明を申し上げつつ衆議院段階各党の御質問にお答えをさせていただいたところであります。まあ各党から、さはさりながらもっと考えるべきではないかということであったのでありますが、これで御理解をいただくという意味で、最終的に採決という形で決着をつけさせていただき、参議院に参りまして、非常に熱心な長時間をかけた御審議の中で段々の御議論、そうして、ただいま安恒先生を初め、また前段、各党の御質問をいただいた方々からも本件についての再考を促す御熱心な御要望をいただいておるわけでございまして、大変、財政当局からそれなりに厳しいことを、政府原案なものですから言われておるわけでございますけれども、これはやはり主管大臣ということで、前段のいろいろな御指摘等々考え、極めて深刻な事態における特別希望退職ということで対応しなければならぬことなどをかんがみますれば、本委員会のただいまの論議を踏まえて、主管大臣としてベストを尽くして対処をしてまいりたい、このように思います。
#489
○安恒良一君 それでは、これは後から与野党の共同の附帯決議等も提案をさせていただきますので、それを受けて、今、大臣がおっしゃったように、最大の、ベストを尽くしていただきたいということを強く要望して、この問題を終わります。
 次は、いわゆる労使の交渉のルールの確立の問題について少しお聞きをしたいんですが、その前に、これはもう何回も確認をされておりますが、希望退職でありますから強制、強要はしないということは何回も総裁も言われておりますし、大臣もそうはさせないと言われておりますが、やはり同僚議員からいろんな事例が指摘をされました。広域異動の場合に、あくまでも本人の希望だと、こう言っておきながら、現場の管理長のいわゆる脅迫まがいの言動や利益誘導があった、そして本人の進退を決定する重要な問題にいろんなことをしたということは、もう私は繰り返して申し上げません、同僚議員からいろんな事例が出ておりますから。
 そこで私は、今回の募集をする際に考えなければならぬことは、いわゆる組合員、従業員の一人を職制が呼んで、何回も何回も、あなたは希望退職に応じてくれませんかと、こうやることは、これはやっぱり組合の立場なり本人の立場からいうと、管理者側は熱心さの余りやっておるとお答えになるでしょうが、それは熱心さを通り越してやはり強要になるんですよ、これは。
 ですから、ここのところは、総裁、確認しておきますが、あなたと同僚議員との間のやりとりの中で強制、強要はしない。それからこういう議論もありますね、二万人に向けて最大に努力します。しかし、二万人出なかったときはどうするんだと言ったら、それはやむを得ません。例えば一万二千人しか出なかった、その場合の八千人は清算事業団の方に引き継がざるを得ません。こういうやりとりも何回もされています。
 私は、最後でありますからここのところをもう一遍、いわゆる希望退職の募集に当たっては今私が言ったような強要や強制はしない、あくまでも本人の希望に応じてやるんだ。それから、いろいろ努力したが残念ながらその数に達しなかった場合はやむを得ないとあなたはおっしゃっておりますが、そのことの確認はよろしゅうございますね。
#490
○説明員(杉浦喬也君) 希望退職は、あくまで文字どおり本人の希望に応ずる制度でございます。その間に、職員に対しまして、先ほどから申し上げておりますように、雇用先の中身の問題なり労働条件なり、そうしたもろもろのいろんな内容につきましては、職員に十分に周知徹底する必要がございます。そういう意味では、いろんな意味で話をすることがあると思いますが、決して強要、強制をするということはいたしません。このことは今までも何遍もお答えしているとおりでございます。
 また、最終的に二万人の希望退職の目標で一生懸命やってまいるつもりでございまして、ぜひとも二万人というものを目標どおり達成したいというふうに思っておるところでございまして、最終的にこの数字というものが若干の食い違いがあるといたしましてもこれはある程度やむを得ない。しかしながら、努力目標といたしましては、二万人の目標を絶対達成するように、労使も十分に話をしながら努力をしてまいる所存であります。
#491
○安恒良一君 今またあなた重大なことを言われましたね。若干の食い違いとはどういうこと、今までのあなたはそんなこと言われていませんよ。具体的事例を同僚議員等が挙げて、例えば一万二千人しか出なかったと、一生懸命努力したけれども八千人出なかったらどうするかと言ったら、それは清算事業団が引き継ぐことになりますと言われている。私はそういうふうに理解しているんですが、今あなたの、努力されることはいいですよ、しかし若干の食い違いということになるとまたこれ後からややこしい話残るからね。だから、あなたたちが努力して出た数字で処理をするということでしょう、これは。若干とかね、やってみなければわからぬでしょう。若干出るのか余計出ないのか、それはやってみなければわからぬでしょう。それを今から、若干の場合はいいけれども、若干じゃなかった場合にはあれですか、また強制退職に踏み切るんですか、あなた。そんなことの議論になって時間がもったいないから、やっぱり今まで答えたことは同じようにきちっと答えてもらいたい。答えてください。
#492
○説明員(杉浦喬也君) 若干といいますのは、もう万が一達しない場合もそれは若干程度にとどめたいという気持ちのあらわれでございまして、先生おっしゃるとおりでございます。
#493
○安恒良一君 それでは今度は具体的に、労使の信頼を回復して労使が協力をし合わないと、私は国鉄の再建というのはあり得ないと思うんです。
 そこで、そのことについて問題を絞って聞きたいんですが、労使の信頼を回復することを目的として、国労と当局との間に懇談会を設置し、第一回の会合が五月十六日に行われましたね。しかも、このことは衆議院における、この法案を通過させるに当たって我々の同僚議員の清水議員その他の質問等に答えられて、それを具体的に実行する方法として総裁は行われたと思いますが、その点は間違いございませんか。
#494
○説明員(杉浦喬也君) 国労との間の話し合につきましては、なかなか今までちょっとした溝のために思うようにまいっておりませんでした。たまたま衆議院におきまして御質問がございましたことにお答えしまして、ぜひともそういう共通の場というものを設けて忌憚のない意見の交換をしたいということをお答え申し上げました。そうしたことを実行するということで国労と話し合いいたしました。懇談会を設置いたしまして、先般十六日に第一回の懇談会を開催したところであります。
#495
○安恒良一君 そこで、御承知のように、今のところを整理してみますと、総裁は、今までの国労との間の経緯にとらわれることなしに、労使共通の場、労使協議機関を設け、雇用問題、経営問題を含めざっくばらんに協議し、相互理解を深めたい。また、そういう議論を深めることによって雇用安定協定が結ばれるように私は期待をしている、こういうことを衆議院で答弁されましたね。それに基づいてこの懇談会があったというふうに私は理解をしていいのでしょうか。衆議院の答弁に基づいてその懇談会が、今あなたが答弁されたことは私は大体記録を読み上げているんですが、そういう答弁だったと思いますが、それでいいんですか。
#496
○説明員(杉浦喬也君) その衆議院で答弁したとおりでございます。
#497
○安恒良一君 そこで、そうだとしますと、今度は五月十六日の懇談会の経過と概要、当局が作成し地方に伝達した資料があります。この資料によると、多くの問題がありますが、特に、Bにこう書いてあります。当局としては「労使の信頼関係回復には労使共同宣言に調印することが、今考えられる唯一の道である」と当局が主張したと記してありますが、これは衆議院の清水勇議員に対する答弁と内容が著しく異なっているのではないでしょうか。あなたは清水さんにいわゆる共同宣言に調印することが労使の信頼関係を回復する唯一の道であるというふうに言われましたか。これは清水さんとあなたの話のやりとりの議事録から読むと、私は背信行為ではないかと思うんでありますが、この点はどうですか。これはおたくの方が下部に流されたことに書いてあるわけですから、私の方でつくったわけじゃないんですから。どうですか、総裁。
#498
○説明員(杉浦喬也君) 共通の場におきまして忌憚のない議論を展開することによりまして信頼関係というものは徐々に生まれてくるであろうと。そういたしますと、私どもはぜひとも共同宣言というものを国労におきましても締結してほしいと、そういう気持ちは持っておりますから、この前の第一回の懇談会でも早速共同宣言の中身についての説明をしたい、また意見を聞きたいということを第一議題で申し上げたところでございます。
 衆議院で御答弁申し上げましたのは、そういうような共通の場におきまして次第にやはり共同宣言を締結してもいいんじゃないかというような気持ちになってくることを期待し、さらにそれが雇用安定協約の締結に結びつくことを期待すると、こういう意味で申し上げたわけでございますが、その共同宣言という文言が隠された形になったことは事実でございます。
#499
○安恒良一君 あなたは従来の経緯にとらわれることなくという答弁ですね。その意味は、信頼回復をした上で共同宣言を将来結んでもらいたいとか、さらに雇用安定協定へいきたいというお気持ちはあっても、この文章のように、まず共同宣言を結ぶことが第一だと、それが信頼回復の第一だということであると、依然として従来の経緯にとらわれることなくということじゃなくて、従来の経緯にとらわれているんじゃないですか。いわゆる六〇%以上の多数を持っている国労は嫌だと言っている。その他の組合は結んでいる。嫌だという組合と話し合うときに、まずそれが大前提だということでどうして話し合いなり信頼関係が進むんですか。まずざっくばらんに、雇用問題なり経営問題なりに中身についてまずざっくばらんに議論することじゃないですか。それが従来の経緯にとらわれることなくというあなたの答弁になってるんではないのでしょうか。でないと、あなたがそういう希望を持たれることはいいが、あなたの方がつくられた議事録まがいのものにはそういうことが明確に書いてあるものですから、私はこれから議論を展開していきますが、この懇談会を続けてもらいたいと思いますから、続けるために従来の経緯にとらわれないということで中身に入っていかないと、従来の経緯だけにこだわられたんではなかなか進まぬのじゃないかと思います。また清水さんの質問に対して答えられたあなたの答えというのは、私たちはそう読み取っているんです。とにかく労使が一遍会って雇用問題なり、経営問題なりいろいろなことについてざっくばらんに懇談しようじゃないか。そしてその中から労使の信頼関係を、お互いが信頼関係をつくり上げるように努力しょうじゃないかとそういうものの発展の中で、場合によれば共同宣言という場合もあるでしょう、場合によれば、わかったから、それじゃ雇用協定という場合もある。これは中身の議論をしてみなければいけないことじゃないですか。それをいきなり入り口であなたの方が共同宣言が唯一だというふうにこだわられると、それは従来の経緯にとらわれたことになるのじゃないですか。杉浦さん、そこはどうですか。というのは、あなたがどういう発言をされたということも私は知っています。そしてさらに横におったあなたの取り巻きがいろんなことを言ったことも知っています。しかし、おたくの流れている文章はそういうことになっているから、私はこれは最高責任者であるあなたの気持ちをしっかり持ってもらわなければいけないと思ってこのことを聞いているわけです。
#500
○説明員(杉浦喬也君) 従来の経緯にとらわれずというのは、過去一年間ぐらいの状況の振り返りの中で、国労との間で大変いわばわだかまりといいますか、なかなか意思疎通を欠くような、そういう状態を一応さておいて、例えば労使共同宣言の提案をいたしたときも、国労の受け取り方としましては、これはまことに話も何もなしにいきなり唐突に出されたことは非常に遺憾であるというようなことで、中身も見ずに別れてしまった経緯がございます。従来の経緯というのはそういう経緯も含んでおるわけでございまして、共同宣言の提案の前後をめぐる経緯、そうしたことによる両者のわだかまり、溝というものを一応取り外しまして、私どもの方は共同宣言を結びたいんです、中身はこういうことですよというふうにざっくばらんに話をし、国労はそれに対してこういう点が気に入らない、こういう点がだめだというふうにざっくばらんに話をしてくださいと、こういう意味で申し上げておるところであります。
#501
○安恒良一君 いや私は、総裁、あなたがこの懇談会を通じて労使の話し合いを深める、その中から共同宣言についても理解をしてもらいたいというお気持ちをあなたが持たれることについて何も言っているわけじゃないんですよ。しかし、それが唯一の条件だということで、そこで、そこだけで議論したらまた話が進まぬでしょうと私は言っている。勤労やその他二、三の組合が結んでおるといっても、六〇%以上を組織している国労が嫌だと言っている。嫌だと言っていることをそこばっかりやったって話は進まぬでしょうと言っているんです。
 だから私は、あなたがそういう気持ちをお持ちになっているとしても、国会で約束されたことは忠実にやってもらわなきゃなりませんので、いわゆる労使の信頼関係の確立ということについて懇談会の中で協議の場を何回も深めていく必要があるんじゃないですか。いわゆる協議の場をまず持ったら、あなた気持ちをお持ちになることはいいけれども、まずそこからだ、そこが信頼関係だということを言えば、またそこでデッドロックに乗り上げるだけじゃないですか。ですから、あのようないわゆる協定文書の中には、経営問題なり雇用問題なりについてざっくばらんに話し合おうじゃないかという協定文書になっているじゃないですか。ですから、私は、いわゆる労使の信頼関係確立のためには、やはり懇談会の中で、雇用問題、経営問題、こういうものについてまず協議を深められるべきだと思います。何回となくこの懇談会を開催されるべきだ、こう思いますが、その点はどうですか。
#502
○説明員(杉浦喬也君) この懇談会はせっかく設けられたものでございまして、両者の信頼を回復する場であるというふうに私は思っております。したがいまして、議題は私の方からは共同宣言の議題を提示いたしましたが、国労から別な議題も出ておるわけでございまして、決して共同宣言のみに終始をしてそれを解決しなければ前進しないというような懇談会ではないと私は思っております。したがって、これからはそれこそ雇用問題、経営問題各般にわたりまして全般的な討論、意思疎通の場という本来の意味でお互いに言いたいほうだいのことを言い合う、そういう場にしていきたい。ただし、労使共同宣言の問題は私どもの方の気持ちとしてはあくまで受けてもらいたいわけでございますから、何回でもそれはお話を申し上げたい。しかし、それにのみ議題を固執するものではございません。広く組合からのいろんな提案があろうかと思いますから、それも十分に議題に提起をさしていただいて何回もこの懇談会を持ちたい、このように考えております。
#503
○安恒良一君 それじゃ、この点についてこれからもこの雇用問題等を中心にしながら何回も懇談会を持ちたいということでありますから、私は、ぜひとも懇談会を持って、そしてその中から労使の信頼関係をつくり上げてもらいたいと思うんです。そして、そのことが、いろいろここで同僚議員からも問題になりましたように、いわゆる今雇用安定協定がない、そのことが一つの労使の信頼関係を損なっていることになりますから、私は、そういう懇談会の中の議論の中から労使の信頼をから取り合って雇用協定が早く結ばれることを希望します。
 それと同時に、いま一つ私はここで総裁に申し上げておきたいのは、同僚議員からも日鉄法二十九条四号の発動についていろいろの議論がありました。総裁は総裁なりのお気持ちを、答弁を衆議院でもされましたし、本委員会でもされました。そこで私はこのことを確認をしておきたいんですが、すなわち、現在のところは残念ながら雇用安定協定は国鉄労働組合と当局の間にありません。しかし、この懇談会がこれから持たれるわけですから、その中で、労使の信頼を確立をするためにあらゆる議題について突っ込んだ議論をしたいとおっしゃっていますから、ぜひやってもらいたい。問題は、この懇談会が持たれている限りにおいて日鉄法二十九条の四号の発動はない、こういうふうに確認してよろしゅうございますか、どうですか、総裁。
#504
○説明員(杉浦喬也君) これは、二十九条四号の発動につきましては、私も何遍も御答弁申し上げているとおり、法律的な問題と事実行為は違います。私の気持ちといたしましては、この条項を発動したくないというふうに思っております。
#505
○安恒良一君 いや、あなたの気持ちだけ聞いているんじゃなくて、私は具体的に言っているんですよ。あなたもおっしゃったように、こういう懇談会が双方のトップレベルを挙げてあらゆる議題についてこれから議論をしようということになって、そして、その中から労使のまず信頼関係を回復したいというねらいでこれがされたんだから、私が聞いていることは、懇談会が持たれている、そういう状態の中において日鉄法二十九条の四号の発動があったんではどうにもならぬわけですから、懇談会で議論しているのに、まさか日鉄法二十九条四号の発動をするなどということはないでしょうねと聞いているんですから、ないならないということを、総裁のお気持ちをきちっと聞かせてください。これは非常に重要な側面ですから。
#506
○説明員(杉浦喬也君) 両者が忌憚のない意見を交換する場という趣旨で設けられたそういう懇談の状況が続いておる、そういう段階におきまして、二十九条四号というようなことは私先ほどしたくないと申し上げましたが、実際上そういうことはあり得ないことだと思います。そうしたせっかくの懇談会が破裂することのないように一生懸命話し合いをしたいというふうに思います。
#507
○安恒良一君 それじゃそこのところをきちっと確認をしておきます。
 それから、私は、希望退職の募集に当たって、企業名や仕事の中身や賃金や労働条件、それを私は現場に告知をせよということを申し上げましたが、それと同時に、希望退職がスムーズに行えるかどうかというのが、やはり労使で、この問題、特に労働条件に関することについては十分な話し合いをされなけりゃ私は成功しないと思います。その点については、希望退職を、いわゆる私が言ったようなことを、まず例えば企業名、仕事、賃金、労働条件等々が決まったならば、組合ときちっとした団体交渉を持ち、話し合いをして、こうこうこういう条件でこのようにしてやりたいんだ、こういうことを労使の中で十分話し合いをしてやってもらいたいと思いますが、その点よろしゅうございますか。
#508
○説明員(杉浦喬也君) 法律が通過した後におきましては、速やかに手順等を私ども案をつくりまして組合側にお話をし、また労働条件に関しましては団体交渉を十分に持ちたいと思います。
#509
○安恒良一君 ぜひとも、私は、国鉄のすべての組合との間にわたって、ひとつきちっとしてもらいたい、このことを申し上げておきます。
 それから、いま一つ、これは、この共同宣言の中身については、あなたは、結んでもらいたいということを言われているわけですから、これからも議題になるでしょう。そのときに私はやはり明確にしておかなきゃならぬことが一つあるのは、既に数組合と結んでいる、だから大多数の組織を持っている組合にそれと全く同じことを結べということを言われても、私は、無理がある。私も経験があります。私の方の組合の中で、残念ながら第一、第二、第三という組合がある場合があるんであります。その場合に、往々にして経営者は少数組合と話をして、そこと話がついたから大多数の組合へ従え、もしくは、今度は大多数の組合と話がついたから少数組合従え、こういうやり方があるわけですが、前例の場合、少数組合と話がついたから文句なしに大多数の組合に従えといっても無理があるんですね、これは。残念ながら組合が分かれているときには、そこのところを配慮しながら経営者側というのは、それぞれの組合と結べる条件について話し合いをして、しかもそれは不当労働行為にわならないように、差別にわならないように配慮しながらいろんなことをちゃんとやっていくのが近代経営者の私はセンスだと思います。でありますから、まあこのことについて今少しここで私は時間をかけて議論をしようと思いません。まだまだそこに懇談会の議題がいっておりませんから、私は議論をしようと思いません。しかし、またこのことは私どもが国会で、ここで、ああでもないこうでもないと言うことよりも、本来は労使で十分お話し合いをされるべきことだと思います。そのことも私はそう思います。ですから、私が申し上げたようなことで、もしもあなたが信頼関係を回復して、共同宣言を結びたいというお気持ちをお持ちならば、やはり近代経営者のセンスをもってそこをお進めにならないと、既に締結したものがある、だからこれに従え、こういうことだけでは私は話は進まないと思います。このことを申し上げておきます。答弁は要りません。そういう気持ちをきちっともっと持たないと、簡単に既成組合と既に結ばれている、だから国労もこれは結ぶのが当たり前だ、一言一句変えないぞ、こんな姿勢では私は進まないと思いますから、このことを申し上げておきたいと思います。
 そこで、いま一つこのことも確認しておきたいんでありますが、強制や強要を行わないと再三答弁されてますが、もしもそのような行為が行われた場合はどうするのかということ。例えばNHKが特集で四月十八日に放映されました門司機関区の例は私は強制、強要だと思います。あなたたちの見解もあるでしょう。ですから、万が一これから今言ったような手続を全部踏んで、いわゆる当該所属長が強制、強要をしたという事実が出てきた場合にはどうされるんですか。私たちの耳に入る場合もありますよ、いろいろある。組合が提起する場合もあるでしょう。その場合には、私はそういう行為が、強制、強要を伴う募集行為は直ちにやめてもらわなければならぬと思いますが、その点はどうですか、強制、強要の問題。
#510
○説明員(杉浦喬也君) 今NHKの報道の例が出ましたが、私もあれを見ましたんですが、後で聞きますと、いろんな場面を撮ったその中の一つであるようでございます。多くの場面の一つの断面でございますので、なかなか判断が難しいと思います。あれを見る限りは、かなり強く言っているなという感じはいたしましたが、決して強制、強要ではないというように私は確信をいたしておるところでございます。
 今後のあり方につきましては、先生おっしゃるように強制、強要はいたしません。仮にそういうようなことが耳に入りましたら、すぐに調べまして事実がありますれば直ちに停止をいたします。
#511
○安恒良一君 わかりました。それじゃ十八日のNHKの放映についてあなたはそう見られますが、これもやはり見た国民の判断で、あれを国民が受けとめた多くの目は強制、強要というふうに見ていますから、このことはあなたと私は見解が違う。しかし、そのことよりも万が一所属長が募集行為で強制、強要、その事実があったときには直ちに中止をさせると、こういうことでありますから、そのことは確認をしておきます。私たちも円満に行えるように、このことについて――この法案に反対であります。反対でありますが、またそこでトラブルが起こることはよくないことでありますから、そのことはこれからも十分注視をしていきたいと思ってることをこの際申し上げておきたいと思います。
 以上、私は数点にわたっていろんなことを議論いたしました。私の持ち時間はまだあります。まだありますが、総裁からなり、それから大臣からかなり明確な答弁をしていただいたと思います。
 そこで、私の持ち時間はこれで終わりにしますが、どうか大臣、何回も申し上げておきます、総裁何回も申し上げておきますが、まず受け皿をきちっとして、そしてそれを労働組合と団体交渉をする、それから強制、強要は一切伴わないで募集するなら募集する、この原則ですね、受け皿というのは今申し上げた賃金、労働条件、勤務場所。そしてあくまでもこれは希望退職である、そして、残念ながら数に到達しなかった場合はそれはやむを得ない、いわゆる清算事業団が引き継ぐものである、こういうことについては、きょうここで大臣や総裁が答弁をされたことは議事録にも正確に載っておりますし、私も正確にそのことを受けとめました。また、労使の信頼を回復をするための懇談会をこれからしばしば開催をして、懇談会を通じて信頼を回復したいということ、また懇談会が続いている以上日鉄法の発動もしない、こういうこともしかと受けとめました。国会はこれからも続きます。また重要法案が七本もあることでありますから、どうぞ今ここで大臣なり総裁が答弁されましたことが忠実に、誠実に履行されることを強く要請をいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#512
○委員長(鶴岡洋君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#513
○委員長(鶴岡洋君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#514
○安恒良一君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました法案に対し反対の討論を行うものであります。
 冒頭私は、本法案が政府の進めようとしている国鉄改革の前提となる重要法案であると考え、若干の意見を申し述べます。
 政府は、国鉄改革は一刻の猶予も許されないと主張し、国鉄の分割・民営化が既に決定され動かしがたいものであるかのごとく振る舞っています。また、全国一元的運営による現行の公社形態こそが国鉄の経営の破綻の元凶だと決めつけ、一切国民の声に耳をかそうとせず、強引かつ性急な既成事実づくりを国鉄の改革と称して断行しています。
 我が党は、もとより、国鉄の再建を無為におくらせる意図は全くありません。しかし、国鉄が国民の共有財産であることから、国鉄の改革は、国民の共有財産を国民のために生かす方向を見つけることでなければならないのであります。その際、主権者である国民にその判断の材料となる情報、資料を公開し、国民的な合意が得られる適正な手続を経なければならないことは至極当然と言えます。
 国民からかけ離れた密室の審議ですべてを決定し、しかも国会の審議の始まる前から大々的に宣伝をし、既成事実をつくり上げていくというやり方、国民には何も具体的な判断材料を提供せずに結論だけ押しつけるやり方、これこそ国民の合意形成のルールを踏みにじる行為であり、民主主義の否定と言わざるを得ません。
 国鉄改革に対する国民の合意を拒絶する中曽根内閣の姿勢に強く反対し、以下、数点にわたり反対の理由を述べます。
 第一に、国鉄再建に当たって、解決しておかなければならない国鉄の長期債務等の処理について、政府は全くの糊塗策で済まそうとしている点であります。
 我が党は、本法案の審議に当たって、長期債務の処理の仕方や国民の負担に係る財源措置の具体的方法を明らかにすべきことを政府に強く訴えてまいりましたが、政府は、今年一月二十八日の閣議決定において解決済みであるとの答弁を繰り返すばかりであります。一月二十八日の閣議決定のうち具体的な措置と言えるのは、本法案に規定する棚上げ債務の一般会計承継だけてあります。
 国民が最も知りたい長期債務全体の処理、財源対策を将来に先送りをし、全くその場限りの対応で通り過ぎようとしているのがその主な内容であります。ここに政府の進める分割・民営の国鉄改革法案が、その第一歩において破綻を来していることが明らかであると言わねばなりません。私は、そうした政府の対応に反対せざるを得ません。
 第二は、長期債務の一部を一般会計が承継した場合だけが本法案で取り上げられ、あたかも国鉄の負担がなくなったかのように規定している点です。これは結局のところ国民負担に含まれる債務の先取りであり、到底容認できないのであります。
 すなわち、長期債務の根本原因は、政府・自民党が国鉄の財政状態とは無関係に大企業の景気回復策として膨大な設備投資を押しつけ、しかもすべて国鉄の借金で賄い、赤字を単年度で処理せず、毎年累積させてきたためであります。したがって、国民負担を求める前に政府の責任を明確にすることこそが先決であります。国民をいたずらに惑わせ、国民に負担を押しつける本法案には賛成できません。
 第三は、余剰人員なるものの積算根拠が全くでたらめな点であります。
 政府の改革案では、余剰人員九万三千人のうち二万人を本法案について希望退職を募り、十カ月の割り増し手当を支給しようとしておりますが、そもそも九万三千人を余剰人員とする根拠は全く納得できません。しかも、余剰人員が九万三千人も発生するという重大な事態にもかかわらず、政府や国鉄当局は一方的にこれを決定し、当該労働組合との交渉を一切否定しているのであります。正常な労使関係を故意に妨げているとしか思われません。
 まず政府は、余剰人員の積算根拠について、国民が納得できるよう説明をすべきであります。同時に、労働側から十分な意見を聞くことから私は再出発すべきであると思います。
 政府が今行おうとしている国鉄改革は、雇用主たる国の都合により一方的に労働者にしわ寄せを行っているものにほかなりません。私は、これらの違法な人員整理の強行を断じて許せません。
 第四は、この間においても政府の要員合理化政策が絶え間なく繰り返されている点であります。
 国鉄の現在要員は、政府が予定していたのに比べ一万二千人も減少し、極めて早いテンポで人員の削減が進んでいることを見逃すことはできません。このまま六十二年度に立ち至れば、要員が予定より大幅に減少することは確実であります。言いかえれば、この余剰人員九万三千人を大幅に圧縮できることでもあります。当然、本法案における希望退職の募集も大幅に少なくて済むはずであります。政府はこうした事実に対し、要員を切り詰めることのみに執心し、あくまでも半強制的な人員整理の手を緩めようとはしないのであります。まことに遺憾であります。私は断じて賛成できません。
 第五は、希望退職の募集を進めながら、再就職先の確保が極めて不十分な点であります。
 六十一年度において、政府は二万人の希望退職を募ることを予定しておりますが、再就職受け入れ先の確保は、六十一年度だけを限ってみると一万人分程度しかありません。残りの一万人は民間で対応することになりますが、円高等の経済情勢から、その確保は絶望的であります。十カ月の特別給付金を政府は手厚い措置であると強調して職員の選別を行っていますが、実は職員の受け入れ先はないというのが政府が進めている余剰人員対策の実態であります。加えて、再就職に応じたとしても、住宅や子弟の教育面での配慮は極めて不完全と言うほかありません。政府は、国鉄職員を路頭に迷わせないと言いますが、言行不一致そのものと言わざるを得ず、賛成はできません。
 最後に、国鉄の改革の前提となる政府の長期債務の処理と余剰人員対策が完全に行き詰まってきていることを指摘し、政府の国鉄改革案の破綻が明らかであるということを訴えまして私の反対討論を終わりたいと思います。
#515
○吉村眞事君 私は、自由党主党・自由国民会議を代表いたしまして、本法律案に賛成の討論を行うものであります。
 国鉄の経営は、昭和五十九年度末において繰越欠損金が十二兆円を超えたほか、長期債務残高も二十一兆八千億円に達する等まさに危機的状況にあり、その事業の再建は、今次行政改革に残された緊急かつ最重要の国家的課題となっております。
 このため、政府、国鉄は、昨年七月の国鉄再建監理委員会の国鉄改革に関する意見を最大限に尊重する旨の対処方針に従い、分割・民営化を基本とする国鉄改革に総力を結集して取り組んでいるところでありますが、これと並行して、日本国有鉄道の経営する事業の再建の推進に関する臨時措置法第三条の規定に基づき、国鉄の経営する事業の適切かつ健全な運営を実現するための体制整備に資するために緊急に講ずる必要があると認められる事項について所要の措置を講じてきているところであります。
 本法律案は、このような緊急に講ずべき措置として、昭和六十一年度において、国鉄の長期債務に係る負担の軽減を図るとともに国鉄職員の退職の促進を図るための特別措置を定めることとするものであり、私は以下申し上げる理由により本法律案に賛成いたすものであります。
 国鉄の長期債務等については、新経営形態への移行に際し、一定の長期債務等を新会社等に承継させ、残りは国鉄清算事業団に残置し、これについては用地売却等による自主財源を充てることとしておりますが、なお残る長期債務等については、最終的には国において処理するものとし、そのための新たな財源、措置については雇用対策、用地売却等の見通しがおおよそつくと考えられる段階で決定することとされております。一方、新経営形態移行前においてもその危機的状況を改善することがぜひとも必要でありますので、本法律案により、国鉄の長期債務に係る負担の軽減を図るため、昭和六十一年度において、既に棚上げ措置を講じている特定債務五兆五百九十九億円を一般会計に承継させることとし、一般会計は同額の資金を国鉄に対し無利子で貸し付けたものといたしますことは、まことに時宜にかなった措置であると存じます。
 また、このような措置によりまして、国鉄は、昭和六十一年度末以降特定債務に係る利子の支払いを免除されるほか、既に無利子で貸し付けられている財政再建貸付金二千六百二億円についても、償還期限等を延長する旨の特約をすることができることとなっており、これにより昭和六十一年度中の支払いが猶予され、国鉄の長期債務に係る負担の軽減が図られることとなりますが、これは、国鉄事業の運営改善のための緊急措置としてはまことに適切なものであります。
 これが、本法律案に賛成する第一の理由であります。
 次に、国鉄職員の退職の促進を図るための特別措置についてでありますが、国鉄は要員合理化等の結果、職員が業務量に照らし著しく過剰である状態にあり、昭和六十一年度首におきましても三万八千人が過剰となっており、この数は新経営形態移行までにますます増加するものと見込まれております。このような状態を緊急に解消するため、昭和六十一年度において、退職希望職員の募集を行うこととし、退職希望職員の募集を行う場合において所要の措置を講ずる必要があると考えられます。本法律案により、国鉄の行う退職希望の職員の募集に応じて退職を申し出、国鉄総裁の認定を受けた職員が昭和六十一年度中に退職したときは、その者に対し、特別給付金を支給することといたし、また、この特別給付金の額を、旧電電公社や民間企業における事例、基礎となる国鉄における退職手当の水準等を総合的に勘案し、俸給、扶養手当及び調整手当の合計額の十カ月の額に相当する額といたしますことは、退職の促進を図る措置として、まことに時宜にかなった、また適当なものであると存じます。
 これが、本法律案に賛成する第二の理由であります。
 最後に、政府、国鉄においては、希望退職者に対して本人の身になって十分な就職あっせんを行うとともに、本人がその能力を十分発揮できるよう、また本人の少しでも有利になるような配慮をし、気持ちよく再就職できるようにしていただきたいと強く要望いたしまして私の賛成討論を終わります。
#516
○橋本敦君 私は、日本共産党を代表して、本法案に反対の討論を行います。
 反対理由の第一は、本法案は百余年の歴史を持つ国鉄を解体し、国民と労働者の犠牲で財界本位の分割・民営を強行する、そのための地ならし法案だからであります。
 国鉄の経営危機をつくり出した最大の原因は、田中内閣の列島改造論による過剰な設備投資の押しつけ、しかもこれをほとんどが借金政策で行ってきたことにあることは明白であり、そもそもこの点で自民党政府の責任は重大なのであります。
 にもかかわらず、その財政破綻の原因と責任に目をふさぎ、赤字のツケを国民と国鉄労働者に転嫁するという分割・民営化路線は断じて容認できるものではありません。
 本法案は、本委員会の審議でも指摘しましたとおり、その先取り的法案であり、真の国鉄の再建に逆行するものであります。
 反対理由の第二は、分割・民営の前提となる九万三千人のいわゆる余剰人員対策の一環として、希望退職と称し、二万人にも上る国鉄労働者に退職を迫る、いわば不当な首切り法案であるからであります。
 国鉄は、二十一万五千人体制への大量の人減らし、合理化を推し進め、ホーム要員の廃止や無人駅の拡大、車両検査周期の延長、超過勤務が前提の運転乗務などにより意図的に余剰人員をつくり出してきたのであります。このことは同時に、国民のための安全やサービスを低下させるという極めて重大な問題であります。
 また、質疑でも明らかにしたように、分割・民営のねらいには労働組合の弱体化も意図され、また、個々の労働者への差別、選別や権利の制約など不当労働行為も続けられているのであります。現に、退職強要などの理由により、自殺する労働者までが続出しているのであります。これらの状況下で退職を一層促進する本法案は絶対に容認できるものではありません。
 反対理由の第三は、希望退職や人員整理より、長期債務の解決が国鉄再建の根本的課題であるにもかかわらず、これには何ら具体的措置がとられていないことであります。当面の対策も、五兆円余の財投資金を国に肩がわりさせ、同額を国鉄に無利子で貸し付けるというもので、結局は分割・民営による新会社の重荷は取り除き、国民には負担を強いるということになっているのであります。しかし、まずなすべきことは、莫大な長期債務を生み出した原因と責任を明確にし、その上で政府の責任で長期債務の抜本的解決を図ることであります。
 以上が反対の主な理由であります。
 最後に私は、かかる重要法案を、連合審査や、参考人質疑すら行わないまま、本日議了、採決することには断固反対するものであります。十分な審議を尽くすことこそ、議会に求められている国民の負託にこたえる道であります。そのことを改めて強く指摘して反対討論を終わるものであります。
#517
○委員長(鶴岡洋君) 他に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#518
○委員長(鶴岡洋君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、安恒君から発言を求められておりますので、これを許します。安恒君。
#519
○安恒良一君 私は、ただいま可決されました日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出をいたします。
 案文を朗読いたします。
 日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案に対する附帯決議(案)
 政府及び日本国有鉄道は、次の事項について配慮すべきである。
 一 本法による希望退職を円滑に推進するため、労使の信頼関係を確立し、国鉄職員の理解と協力を得るよう努めること。
 二 退職希望職員に対する特別給付金の給付については、運用上、一層の配慮を行うこと。
 三 退職希望職員の募集に当たっては、再就職先の確保を期すとともに、当該職員の意思を十分尊重して行うこと。なお、移転等に伴う住宅及び就学問題などに関し配慮すること。
 四 国鉄の駅の無人化に当たっては、ホームの構造、保安施設の整備状況等につき安全性を確認して行うこと。
 右決議する。
 以上でございます。皆様の御賛同をお願いをいたします。
#520
○委員長(鶴岡洋君) ただいま安恒君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#521
○委員長(鶴岡洋君) 多数と認めます。よって、安恒君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、三塚運輸大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。三塚運輸大臣。
#522
○国務大臣(三塚博君) ただいま日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案につきまして慎重御審議の結果御可決をいただき、まことにありがとうございました。
 また、附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、政府として十分の努力をしてまいる所存であります。どうもありがとうございました。
#523
○委員長(鶴岡洋君) なお、審査報告書の作成につきましては。これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#524
○委員長(鶴岡洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後十時五十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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