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1985/05/21 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 運輸委員会 第14号
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1985/05/21 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 運輸委員会 第14号

#1
第104回国会 運輸委員会 第14号
昭和六十一年五月二十一日(水曜日)
   午後一時一分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴岡  洋君
    理 事
                江島  淳君
                吉村 真事君
                安恒良一君
                矢原 秀男君
    委 員
                伊江 朝雄君
                梶原  清君
                倉田 寛之君
                高平 公友君
                内藤  健君
                宮島  滉君
                森田 重郎君
                安田 隆明君
                梶原 敬義君
                小柳  勇君
               目黒今朝次郎君
                橋本  敦君
                柳澤 錬造君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  三塚  博君
   政府委員
       運輸大臣官房長  永光 洋一君
       運輸省運輸政策
       局長       栗林 貞一君
       運輸省国際運
       輸・観光局長   仲田豊一郎君
       運輸省海上技術
       安全局長     間野  忠君
       運輸省海上技術
       安全局船員部長  広瀬 好宏君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        多田  稔君
   説明員
       労働省労働基準
       局監督課長    菊地 好司君
       労働省婦人局婦
       人政策課長    松原 亘子君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○特定外航船舶解撤促進臨時措置法案(内閣提出
 、
 衆議院送付)
○交通損害保険士(仮称)の業務資格認定制度創
 設に関する請願(第二三一号)
○長野県内国鉄線の三分割反対に関する請願(第
 二四八号外一件)
○運転代行業のタクシー類似行為撲滅に関する請
 願(第三九九号)
○国鉄の分割・民営化反対等に関する請願(第四
 〇〇号外一四件)
○国鉄の分割・民営化に反対し、民主的再建に関
 する請願(第五〇八号外一件)
○国鉄の分割反対、全国ネットワーク維持に関す
 る請願(第七二二号外一一三三件)
○韓国漁船の取締り強化等に関する請願(第一四
 二三号)
○車いす重度身体障害者の運輸行政改善に関する
 請願(第一六八二号外二三件)
○国鉄再建に関する請願(第二〇八三号)
○北陸新幹線の早期開通、車両基地設置等に関す
 る請願(第二二二四号外三件)
○ハイヤー・タクシー、観光バス事業の公共交通
 としての確立に関する請願(第二二四八号外四
 件)
○民営・分割による国鉄の改革に関する請願(第
 二九四一号外一件)
○国鉄の分割・民営化、ローカル線廃止反対等に
 関する請願(第三〇五〇号外一三件)
○ハイタク事業における行政改善に関する請願
 (第三〇六四号外一件)
○国鉄を分割・民営化するための関連法案の制定
 反対に関する請願(第三〇六六号外一件)
○国鉄バス「手稲公営住宅、樽川通り線、曙通り
 線」増便に関する請願(第三一八〇号)
○国鉄の分割・民営化、ローカル線廃止、運賃値
 上げ反対、国民本位の再建に関する請願(第三
 一八一号)
○国鉄分割・民営化法案反対に関する請願(第三
 一八二号)
○日本国有鉄道の分割・民営化法案反対に関する
 請願(第三三二九号)
○民主的な総合交通政策の確立に関する請願(第
 三三三〇号)
○継続調査要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鶴岡洋君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 特定外航船舶解撤促進臨時措置法案を議題といたします。
 本案につきましては、既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○安恒良一君 これから持ち時間で質問をいたしますが、質問通告をしてなかったものですから、その点についてはお許しを願いたいと思います。
 まず、この法案を提案される「目的」といたしまして、「外航海運をめぐる経済的事情の著しい変化にかんがみ」、こういうことなのであります。そこで、ここに言われている「経済的事情の著しい変化」ということの中身はどういうことなんですか、ちょっと答えてみてください、
#4
○政府委員(仲田豊一郎君) 外航海運は現在非常な不況に見舞われておりますが、ずっと以前からこういう形であったわけではございませんで、例えば定期船の部門を見ますと、大手六社というのがほとんど配当をしていたような時期もございます。それが現在では二社しか配当をしていないというような形になっておりますが、これの原因を突き詰めて考えますと、基本的には、海上荷動き量とそれからそこにおいて供給される船腹との間の需給のバランスが非常に崩れてきたというところにあるかと思います。それぞれの分野でそれぞれの特別の理由もございますが、定期船、不定期船それからタンカー、その三部門で申し上げまして、共通いたしますのは、今申し上げた船腹過剰による著しい変化というふうに考えてよろしいかと思います。
 その中身につきましてもう少し立ち至って御説明させていただきますと、例えばタンカーをとりますと、昭和五十二年当時、この当時がちょうどタンカーマーケットの最も大きな時代でございました。最大のタンカーの輸送マーケットがあった当時でございます。第一次オイルショックが四十八年でございまして、その直後でございますが、その当時の石油の輸送量、トンマイルベースであらわしました石油の輸送量というものが、現在、昭和六十年で比較をいたしますと、五十二年のおよそ四七%に縮小をいたしております。これは、同じ量の油送船を持っていてもその半分は要らなくなるというような、非常に重要な事態であったわけです。ところが、タンカーは、御承知のように昭和四十年代の末から五十年代の初めにかけまして、大量の船舶建造というのが行われました。これが今の時点で考えますとちょうど十年ぐらいの船齢を持っているわけでございますが、この辺が
大きなだんご状態になって現に存在するわけでございます。このタンカーの船腹量は、五十四年に比べましておよそ七七%までは減っている。しかしながら、ただいま申し上げました海上荷動き量としての石油の減り方に比べればまだまだ少ないわけでございまして、したがいまして、世界的に非常に過剰な船腹が存在しているということになるわけでございます。
 それからもう一つ、ばら積み船と申しますか、それ以外の貨物船を一般的にひっくるめて申し上げますと、これは単一品目ではございませんで、御承知のように鉄鉱石とか石炭とか穀物とか、いろいろな種類のものを専用船で運ぶものもあるしまたすべてに汎用的に使われるような船もございますが、これは需要の方を申し上げますと、その中でいろいろ出入りはございます、例えば石炭がふえているとか貨物が減りぎみだとかいうことはございますが、大体において横ばいかちょっとふえているぐらいである。しかるに、世界的な船腹量で申しますと、これが横ばいというよりはややふえぎみである。五十四年からの統計で考えますと、六十年においてはおよそ一八%、七年間かかっておりますがその間に一八%ふえている。やはりこちらも船腹が過剰ぎみであるということになっております。ですから、両方とも、五十年の初めに予想したような需要の増というものがなく、片やまた予想されたようなスクラップ、古い船舶が解撤されるだろうと思った分が解撤されないで世界のマーケットにまだ存在をしている、そういう状態が起きているということであるかと思います。
 定期船の……
#5
○安恒良一君 担当局長は今淡々と、経済情勢の変化でいかにもやむを得なかったような印象を与える説明をされていますが、この法律は「経済的事情の著しい変化にかんがみ、特定外航船舶の解撤を促進するための措置を臨時に講ずる」ものである、そして「国民経済の健全な発展に資する」、こう書いてあるわけですね。そして三年間の債務保証規模四百億という債務保証をやるわけですから、やはり少し中身をきちっとしておかなければならぬ。なるほど、私の方も資料をいただいていますから、この資料を見る限りにおいて、あなたが今おっしゃったように荷物は非常に減っている、ところが船の方はなかなか減らぬ、もしくはふえている、こういうことなんですが、それだけのことで、金をこれだけ出して、船をつぶしたところを助けなけりゃならぬのかどうか。
 それはなぜかというと、我が国は自由主義経済ですから自由競争の原則になっているわけですね。ですから、その限りにおいて、船をつくるつくらぬは何も特別なあれはないわけです。ただ、運輸省としては、いわゆる大きい意味の行政指導というのがあるわけですね。例えば一つ例を言いますと、臨時船舶建造調整法という法律が一方においてある。ですから、運輸省のある局は、ある程度船はつくれつくれという指導もやっぱり一応するわけですね――担当局長来ていない。一方の方は、これは不況になったから今度はもうつぶさにゃいかぬ、つぶすためには金が要る。これだけで、そういう数字を追っただけで国民が納得するんだろうか。
 今おっしゃった不況の中の原因というのは、例えば一つは、今日で一番大きい問題は、私はいわゆる円高が与える影響がどうかということは、これは十分に後から御説明願わなきゃならぬことだろうと思います。これが一つありますね。それからいま一つは構造的不況という問題、ただしこの構造的不況の中には、例えば、もうけということを頭に置いて思惑投資をやって大量に船をつくった、これもあるわけですからね。それが思惑どおり当たらなかった。荷物がふえるだろうということで船を一方においてはどんどんつくっているという現象があるわけです。これはもうかるであろうという思惑の投機ですね、自由主義経済ですから。ところがそのとおりにならなかった、世界の経済なり日本の経済が。そこで不況になっちゃった。不況になったんだからこれは助けなきゃいかぬということを国民に説明して、納得できるのだろうかどうか。
 だから、同じ不況の場合でも、円高による不況、構造的な不況、それから思惑投機による船舶の過剰、こういう問題についてきちっと整理をした中で、しかし今困っているからいざどういう救済策をやるのかということ。それから、運輸省としての指導として、運輸省は政策局になったわけですから、なるほど縦割りでですね、きょうは両局長に来ていただいていますが、片っ方の方は海造審等でいろいろ議論しながら、船をある程度更新しながらつくっていく。一方の方は、そうはいってももう不要不急といいますか、効率の悪い船はつぶしていくんだ、つぶしていくには金が要るんだと。船をつくるときもいろいろやはり過去においてはかなり手厚い援護を政策としてやってきているわけです。しかしそのコントロールは、いわゆる船をつくる場合には船主が考えてつくる、こういうことになるわけですからね。
 そこらのことをきちっとしておかないと私は、これはきのうも先輩の目黒議員からあれがあったように、撚糸工連の二の舞になったらいかぬぞというお話がきのうございましたね、そんなことにはならぬだろうと思いますけれども、何となく、この「目的」のように不況になって困っているから助ければいいということだけでは、ちょっと納得がいきかねるんです。そこらの点についてどうお考えですか。
#6
○政府委員(仲田豊一郎君) 御指摘のとおりでございます。
 私どもは、この際外航海運の不況というものに現実に対処をするということでこういう対策を考えたわけでございますが、これは今まで海運業界が行ってきた、また個々の海運業者が行ってきた思惑的な投資によるもの、そのとがめを助けようということを考えていたわけではございません。それは、御承知のように今の時点まで、いろいろぐあいが悪くなって裁判所の助けをかりたり、また銀行、親会社の助けをかりておかしくなっている会社がございます。そういうところを子細に検討いたしますと、それは必ずしも構造的なものと断定するのは若干はばかるような面があるということもよく承知をしております。
 したがいまして、私どもがこの海運不況をとらえている視点と申しますのは、今までにいろいろと倒産とかそういうのが生じている、それを見てやっているということではなくて、申し上げましたような今の海運不況の状態、船舶過剰の状態が続きますと、恐らく後一年のうちには、地道に非常にまじめにやってきた中小の船主さんも含めてそういう海運企業が、これもきっと債務超過とか、非常にそういう悲惨な状態、銀行の融資も受けられないような状態になるのではないか、そういう先行きを見まして、そういうことではまずいということで早目に、この解撤の促進法というものはそれに対する万能薬というわけではございませんが、少なくともこういう形で全般の不況に対しててこ入れをし、個々の企業を身軽にするということが何らかの助けになるのではないか、そういう視点でこういう対策を考えたわけでございます。
 したがいまして、もちろん御指摘のように、海運不況対策は構造的な問題としてまず把握されなければならない、それから昨今の円高というものが非常に海運企業をさらに深刻な状況に陥れております。そういうことを重視してこの法律の運用に当たらなければならないということは、先生のまさに御指摘のとおりだと思います。
 それから、もちろん自由競争の原則でございますから、海運もその中で自己責任の原則、先ほどの海造審の答申にもございますように、各企業の創意と工夫によってこれからの国際競争の中で生き抜いていくという原則を打ち立てたわけでございますから、私どもは海運企業にそういう環境の中でぜひ生き残ってほしいということを念じている次第でございます。同時にまた、海運自身が日本にとって欠くことのできない重要な産業であるということも、これは皆様がよく御存じのことで
ございます。
 そういう意味で、企業の自主性を尊重しながら海運というものの自主的な努力、創意工夫を生かせる方策は何かということで私どもも政策を考えているわけでございまして、この解撤促進をするための債務保証を行うというのも、そういう発想においての一つの対策というふうに御理解をいただければありがたいと思います。
#7
○安恒良一君 もちろん私も、日本は貿易立国でありますから海運の仕事が非常に重要であるし、その健全な発展が国民経済の健全な発展に寄与することは否定をするものではありません。しかしながら、このような一つの救済策を行うときには、中身をやはりきちっとお互いがつかんでおかなきゃいけない。例えば、今海運が困っているのが、円高で困っているという部面がどれだけあるのか。これはお互いに理解できるところなんです。それから、構造的不況ということについても、中身をきちっとすればお互いが理解できる。しかし、思惑投機で船をつくっちゃって、そしてそれが外れたから、そこで救うということにはならぬのですよ。それは救うということにはならないんです。
 ところが、いただいている資料を見ても、いわゆる荷物のふえた時期、その時期を見たら、これは荷物が動きそうだということで、逆に荷物が減っておるにかかわらず、船だけはやたらにつくっているというずれが大きくあるわけです。私から言わせると、これはやっぱり思惑投機だと思うんです。そうしますと、そういうところをまずお互いにこの法律について、私も賛成をしたいと思いますが、きちっと認識をして今回の救済をする。例えばこの法律によりますと、「解撤計画の認定」、「特定海運事業者は、特定外航船舶の解撤に関する計画を作成し」運輸大臣の認定を受けなきゃならぬということになりますね。そこで、運輸大臣が認定されるときには今言ったところをきちっと注意をしてですね、それがためにはまず基礎データがなけりゃならぬのですよね。
 今言ったように、この海運不況というものの中身について、円高による打撃はこうこうこういうふうにあるじゃないか、構造的不況による打撃というものはこういうものだ、それから、いいことじゃないけれども、やっぱり思惑投機をやったことも事実なんだから、思惑投機によるところの不況がこういうふうにあるじゃないかということをまずきちっと示されて、認定が出てきたとき、大臣はその資料をしっかり見ながら、この分はだめだよ、この分はいい、こういうふうにしてもらわぬと、思惑投機の分まで含めて、とにかく日本は貿易立国だ、海運は重要だから救えばいいんだ、こういうことだけじゃいけないですね。船をつくるときも援助をもらう、つぶすときも援助をもらうというのは、ちょっと何ぼ何でも虫がよ過ぎますよ。思惑でやった分については虫がよ過ぎる。しかも、やはり船をつくるならつくる場合も、日本がいわゆる貿易立国として必要だということできちっと計画を立てて、それに基づいてつくった分ならわかりますけれども、率直に言ってやっぱりつくるときも思惑があるんです。
 ですからそこのところを、何となしに目的からだけ見ると立派なことが書いてありますが、私が今聞いていることは、今日の不況ということ、著しい経済情勢の変化と言われているが、そういう中身について、例えば円高不況というのは、まあほぼ百六十円台で今もう定着した感じです、一時百五十円まで行きつつありましたけれども大体百六十円台で今定着しつつあります、しかもこれは前回の円高不況と違ってかなり長期に続くでしょう。そういう中における円高不況によるところの打撃をどういうふうにこれが受けているのかということ、それから今言った構造的な問題についてどう見る。
 それから、私どもはやはりこれをやらなきゃならぬのは、いただいている資料を見ますと、過去の実績は全部、この調査室がつくってくれた資料を見ますと、例えばいわゆる世界の船腹量の推移とか、我が国の船腹量の推移とか、それから世界の海上荷動き量の推移というのは、昭和五十四年から六十年ぐらいまでの資料がここに出ていますけれども、問題は六十一年、六十二年、これから先どうなるのかということです。
 今はこうだけれども、これから先において、例えば世界の海上の荷動きというものについて、あなたがおっしゃったように、石油類というのが昭和五十四年に比べると六十年は五二%になる。その他の貨物は若干一〇%ぐらい程度ふえている。一方、油送船の場合は、我が国の場合は船舶は八四%までこれは下がっていますね、油。その他の貨物船は、逆に一五%ふえている。それと同時に、今度は世界の場合を見ますと、油送船は七七%まで下がっている、油ですね。貨物船は一八%ふえている。こういう状況の中で、しかもこの法律を見ますと、我が国は唯一の大きい海運国であるから、我が国がこういうことをやれば、それを見本にして、世界各国も船舶過剰についてやってくれるだろう、こう書いてある。やってくれるだろうだけじゃなくて、自由主義経済ですから、日本が減らせばおれの方はふやすというところも出てこぬとも限りませんから、そこらのことまでちゃんと手当てをした上で救済をする。
 例えば、外国におけるところの船舶過剰、日本も大きな船舶保有国ですが、日本よりもまだ船を持ったところが何カ国かあるわけですから、そういうところともお互いに話し合いをきちっとした中で、この際世界的な船舶過剰についてお互いに解撤をしようじゃないか。そんな中で日本もやらなけりゃならぬということならわかりますが、どうもこれは法律を見ますと、我が国が率先してやってそれで諸外国にも影響を与えようということですが、それはG5でも同じことですね。G5でいわゆるドルと円の関係、話し合いをしてきた。それから、このサミットで中曽根さんが一生懸命頑張ったけれども、円高問題について各国は色よい返事をしないんでしょう。今回の場合もこれは、何となく我が国がまずやれば各国も、ほかの国も同調してくれるだろうとか、そういう期待感がこの法律の中に込められていますが、果たしてそういうことになるのかどうか。
 それから、一方、いわゆる臨時船舶建造調整法に基づく船舶の建造状況はどういうふうに考えて、この解撤法とそっちの方の法律は、同じ運輸省の中で担当局長は違うんですが、どう調整をしてやろうとされているのか、そこらも全部聞かせてください。
#8
○政府委員(仲田豊一郎君) まず認定計画に関しての御意見でございますが、もちろん現在の緊急の課題である円高の問題とか、それから申し上げました構造的な不況、こういうようなものは十分念頭に置きながら考えていかなくてはいけない。円高の方も数量的に把握をしておりまして、定航の六社だけでございますが、もしも百六十円というレートで六十一年度がずっと続くという仮定をいたしますと、大体六社合計で六百二十億ぐらいの差損が出るだろうというようなことになっております。六百二十億というのは、簡単には申し上げられますが、現在の海運の不況の中で痛手を受けている海運業界としては非常に大きな額でございます。こういうことももちろん考えつつ、この法律の認定等について対応をいたしていきたいと考えております。
 それから貨物の先行きの見通してございますが、これは、今まで見通しが外れてこういうような船腹過剰になったということにもあらわれております。なかなか難しいのでございますが、今一般的に考えられておりますのは、石油そのものは二十一世紀に至るまで横ばいぐらいの需要量でいくであろう。その中で石油の供給源がどこになるか、どこに重点が置かれるかということはなかなかわかりにくいのでございます。
 と申しますのは、今まで中東が大体中心でございました。それがアメリカが中東から余り買わなくなった、また北海油田ができたということがマーケットの縮小に非常に大きく貢献したという事情もございますし、このような事情がどういうふうに変わっていくかというのはなかなか難しい
と思います。あと、石炭、これは石油の代替でかなりふえましたが、これからそうふえるようなことはないであろう。穀物に関しましては、これはなかなか天候との関係がございますので、その年その年で相当の変動がございますが、既に世界的にかなり過剰な在庫がございますので、そう大きな動きになることはあるまいということで、一般的にタンカーを含め貨物量はほぼ横ばいのまま推移するというのが大方の見方ではないかと思います。
 したがいまして、そういう需要の想定の中で、これから船をどういうふうにつくっていったらいいのか、またスクラップをしていったらいいのかということを一般の事業者も考え、我々も政策を展開するに当たっての一つのベースにしているわけでございます。
 定期船の分野は若干違う様相がございまして、これはアメリカの海運法というものが、何と申しますか、かなりダンピングを慫慂するような形で新しい法律ができまして、この法律のために今太平洋航路はかなりの混乱に陥っております。しかしながら、これも、こういうことは非常にばからしいという雰囲気が定期船会社の中に出てまいりまして、それで今ようやく運賃を修復しようという芽生えが出てきております。これがうまくいけば、一つの会社で年間百億も損をするというような、現在の状態はそういうことでございますが、そういう状況が改善されてくるのではないかと思っております。
 国際的な働きかけでございますが、これは御承知のように、日本は世界の輸送量の中でトンマイルベースで二五%を上回る貨物を運んでおります。それだけに非常に世界的な影響度というものは強うございますのでまず日本は率先してということを考えたわけでございまして、しかし、それだけではございませんで、もう直ちに手をつけております。本年の一月に開催されましたOECDの海運委員会でも、私の方から代表を派遣して、この解撤計画、解撤法案について西欧諸国、アメリカに対して説明をし理解を求めたところ、非常に大きな反響がありまして、できたら我々の国でもやりたいというような大きな関心が寄せられております。それはまだ現実化しているという段階ではございませんが、この法案の成り行きを注視しているという状況でございます。もちろん政府ベースだけではなくて、民間の団体、インタータンコというタンカーの団体がありますが、それとか、ほかの金融機関、船舶金融機関の団体、そういうようなものも非常に興味を持ってこの成り行きを注目している。そういう雰囲気の中で我々も、世界的な規模で共同して船腹の過剰に対する対策として解撤を進めていくということに努力をいたしたいと考えております。
 それから、一つつけ加えますと、今回のこの法律の目的は直接に助成をするとか融資をするということではございませんで、これは御承知のように債務保証をするということにとどめているわけでございまして、そういうものを使いたいという海運業者があればそれに対して便宜を提供しようという極めて緩い形、それじゃ効果がないじゃないかという御批判もあるかもしれませんが、そういう中での非常にやわらかい援助という形をとっておりますので、その辺も同時に御理解をお願いしたいと思います。
#9
○安恒良一君 いや、そういうことが大体気に入らぬのや。三年間の債務保証規模四百億ということで、――金を借りるときは債務保証というのは非常に重要なんですよ、そうでしょう、だからこの法律を出したんでしょう。私はわかりやすくそれを助成とこう言っているだけであって、三年間の債務保証規模四百億ということでこれは保証をされて、これを利用できる制度になっているんです。ですから、私は、それを利用されることによって、それが健全に利用されて、本当に構造的不況が改革されて健全な発展に寄与することについて反対をしているものじゃないんです。
 ないんですが、例えば、私が幾ら聞いてもあなたは答弁をされないんですが、一定の時期にやっぱり思惑投資というのもあったんじゃないですか。それがどのくらいあったのだろうかということについて、何回聞いたってお答えになりませんね。
 それから、いま一つ私さっきから何回も聞いているのは、同じ運輸省の中における行政の問題として、いわゆる海運行政と造船行政とそれぞれ二つ担当局があるじゃないか、この整合性はどうなっているのか。
 だから、私から言わせると、いわゆる海運業界の問題もありますと同時に、それを我が国では行政上運輸省としていろいろ今やっているわけですから、そういうものの本当に連携のとれた行政指導というものがされておったのかどうだろうかということです。これはやや相反する部面もあるわけですね。造船不況になると、できるだけ船をつくってもらわぬと造船業界はたまらぬから、船をつくってくれつくってくれということでその方面もやる。しかし、やたらにつくり過ぎると、今度は余っちゃったらつぶさにゃならぬから、またその方も何かしなきゃならぬということになる。
 そういうものを自由主義経済の中でどこでコントロールするかということになると、やっぱりそれを担当している運輸省の中で、縦割りじゃなくて運輸大臣のもとに総括的にコントロールしていかないと私はなかなかうまくいかないと思うんですよ。いわゆる自由主義経済ですから、思惑投資でも何でもかんでも勝手にやれるのが今の自由主義経済のいいところでもあるし悪いところでもあるわけなんですから、その悪いところをコントロールするのが今の場合運輸行政だと思いますね。それは、行政自体が、国家自体が助成を何らかの形でも一切していない単なる自由競争のところだったらなかなかコントロールがきかぬと思いますが、事この造船についても海運についても、戦後の歴史を見ると、かなりやはり温かい助成をやってきておるわけでしょう、率直なことを言って。
 だから、その意味からいうと、そこらの問題についての反省なり今後の考え方なりということも聞かせてもらわないと、ただ単に、困っているんだから、困っているものについてこういう法律で融資を、補助をしてやればいいじゃないかということでは  私はきのう国鉄法案の審議のときも言ったように、国鉄当局にもまずみずからの反省を求めたわけです。だから私は、今までの行政上に問題があるところはお互いに明らかにし、今後はこうしていきたいとか、そういうことを言ってもらわぬと、何か当然の状況であって、当然のことをやっているんだから理解してくれ理解してくれと言ったって、なかなか理解はできない。そういう点もあわせて私は聞いているわけですよ。
 後からそのことは大臣に聞きますが、まず、行政を担当しているそれぞれの局長が来ているわけですから、そういう点について、本当にあなたたちは、自由主義経済のもとにおける、しかし整合性のある経済発展をしていかなきゃならぬということで、運輸省の指導ということについての問題がなかったのかどうかということ、あるのならあると。それから、思惑的投資というもので船舶過剰になっておる実態があるならば、これぐらいはありますぐらいのことは言わないと、何となくかばったってだめですよ、それは前に進みませんよ。
#10
○政府委員(仲田豊一郎君) 思惑投資があったのかなかったのかという御質問に関連して、また臨調法の運用の問題の御指摘でございます。
 確かに、現在の時点において振り返ってみますと、ある時期の建造、日本の造船所における建造が結果的に船舶の過剰ということになったということは、私は事実ではないかと思います。それが思惑であったかどうかというのは、建造をいたしました折には、これは御承知のようにいわゆる臨調法の適用を受けまして、一々許可をもらっているわけでございますから、運輸省といたしましてはそれなりの検討をしたわけでございますが、当時の考え方としては、その建造された船舶というものは、当時の船腹構成、船の形ですね、それか
らその用途、そういうものから見まして、決してこれだけつくっても過剰ではないという一つの判断があった。それからもう一つは、その当時存在した船の中で、そのうちに老朽度がかなり高くなるという見通しがあったわけでございます。ところが、それが解撤が進まなかった、で結果的に過剰になった、私どもはそういうふうに考えているわけでございますが、いずれにしましても、それが思惑投資であったかもしれないし、また結果的に過剰になったということは私どもも認めざるを得ないかと思います。
 臨調法の運用に当たりましては、これは非常に難しい法律でございまして、御指摘のように、造船業と海運業というものを二つあわせてそれがうまくいくように、日本の造船業もうまくいき、海運業、国際海運という面から見ても非常にスムーズな発展が図れるということを目的にしてつくっているわけでございまして、そのときそのときに、時々その両方の利害関係と申しますか、視点が若干ずつずれるということはどうしてもございます。そうでございますが、基本的には、海運業、造船業ともに御指摘のような一つの自由競争という中でやっているわけでございまして、そういう一つの経営判断も尊重しなければならないし、また同時に、日本はこれだけ大きな海運国であり、また造船国でもある、そういう世界の中での一つの役割ということで、節度のあるやり方をとらなくちゃいかぬ。こういう面も考え合わせながら、これからの臨調法の運用というものは考えていかなくちゃいかぬ、こう思っております。
#11
○安恒良一君 衆議院でも、具体的数字を挙げて、例えばその根底の日本の便宜置籍船を中心とした投機的な建造、とりわけ一九八三年を中心とした問題等も同僚議員からいろいろつかれていますが、日本の場合は、世界の船舶建造のうち日本の造船というのは約五、六〇%その当時やっぱり船を建造していっているわけです。自由主義経済というのは一面ではいい面がありますが、日本のように狭い国土で一億二千万人ぐらいの人が生活していますから、何かもうかるとか、この企業はいいなと思うと、わっと殺到しちゃうわけです。そしてそれが過当競争になっているのが私は今日の日本のいろいろの問題点だと思うんです。
 ですから、その意味からいいますと、今あなたがおっしゃったように、臨時船舶建造調整法というのがあるわけですから、その法律に基づいてやっていくということになれば、海運行政と造船行政というものが一元的にやれるのは運輸省なんですから、運輸省がそこのところをしっかりとにらみをきかせながらやっていけば、やたらに船をつくって、ある場合になると今度はもう、余っちゃったからつぶさなきゃいかぬなんということにはならぬと私は思うんですね。ところが、今私が言ったように、根底に自由主義経済というものがあるものですから、そこのコントロールが甘かったんじゃないかと私は思うんですよ。
 それで、お役人さんというのはなかなか過ちを認めようとしないんですね。今のあなたの言葉を聞いても、その当時はよかったと思ったんですが結果的にはと、こう言ってやたらに、何もここで謝ったからといって責任追及を――というのは、局長というのは歴代がわっておるわけで、あなただけが局長じゃないんだから。十年前ぐらいの話をしているんですから、大臣もかわっておれば局長もかわっているんです。ただ、私がここで厳しく言っているのは、今後のことがあるから言っているんです。大臣もどんどんかわっていく。今の三塚大臣だけ責めたってこれはしようがないことなんですよ。担当局長ももう十年なら十年の周期の中でずっとどんどんかわっていくわけです。しかしやっぱり行政というものは一貫性を持って、そこのところをきちっとしてもらわなきゃいけません。
 私から言わせると、幸い運輸省の場合には、縦割りといいながらいわゆる海運行政と造船行政両面を一省の中で握ってやれる機構になっているわけです。特に今度は機構改革をして、いわゆる政策全体は政策局が中心になりながら各局縦割りを横にらみにしてやろう、こういうことになっているわけなんです。これは幾ら言ってもなかなか局長は認めようとしませんから、大臣、今までの論争を聞かれてあなたの考え方、それから、これからどうしようとするのか、一遍ちょっと言ってみてください。
#12
○国務大臣(三塚博君) 本件は、局長からずっと詳細な説明があったわけでございますが、要するに御指摘のポイントは、こちらは解撤、こちらは新造船、どうなっておるんだ、こういうことであります。
 率直に申し上げまして、自由主義経済社会でございますからなかなかもってコントロールがききにくい、よって、御指摘のように思惑また投機でやられたものをどうするんだということも、当然新制度がスタートいたします際にはチェックしていかなければならぬ問題であろう、このように実は思います。そういう点で幾つかの会社が、何といいますか倒産、和議、清算法人、また会社更生法適用等々ありましたものがすべてそうだとは言いませんけれども、大変その辺のところの経営戦略の誤りの中で、見通しの甘さというよりも急激な国際情勢、経済情勢、こんなことでありますから大変だとは理解をいたさないわけではございませんけれども、いずれにしてもそういう問題の処理はどうするのか。いつも倒産寸前に相なりますと、それが進むことによって及ぼす連鎖倒産、あるいは失業されるであろう過員及び従業員の皆さんに対する手当て、政治問題に相なり、これの対応を運輸省を中心としてやらざるを得ない。また、倒産にいきませんように会社更生法で再生できますようにという、それらの手だても、法律の許す範囲でぎりぎり追求するということもあったわけでございます。ですから、その辺のところの整理はなかなか限界がございまして、これが確実にその思惑であります、これは正常の場合だと言うことは難しいのかな、交互に相錯綜している問題であろうということであります。
 問題は、今局長が答弁しましたように、構造的な不況、急激な海運業界の変化、油の暴落等々もあると思います。それと、過剰な船腹というのが構造的な原因に相なっておるわけでございまして、そういう意味で大手十社名立たるところは自力で解撤もやり得るでありましょうし、売船もやり得るでありましょうし、転換はでき得る。しかし、中小海運業というのはなかなかもってこの辺が大変だな、こういうことで、措置を講ずるべしという声も受けて、それはそれとして内航海運についてはやっておりましたが、いよいよ外航に手をつけることによって、船腹の調整をすることにより過当競争を廃止し正常な状態にこれを戻さなければならぬという、手始めにこれをやらさせていただく。なかなかこれで決め手になるものではないとは思います。しかしながら、やはり進めることが解決のためかなというのが一つの重要なポイントである。
 もう一つ御指摘の、それじゃ造船はどうするんだ。おっしゃるとおり、やはり造船業界、これもまた海運業界がそういうことなものでありますから、受注減ということで大変な状況にあります。しかし、名立たる重工業のやつは船舶部門が一〇%とか一五%であります。これはこれでいいとは言いませんが、総合経営でやられているわけでありまして、中小造船が深刻な状態に相なっておる、そういう点でこれに手だてを講ずることがこれからの視点であろう。そういう意味で、海造審から六月に、間もなくもう六月ですが、答申が出てまいります。これが出ましたらこれに基づいて具体的に対応策をとる。いわゆるカルテル、こういうことでやらなくちゃいけませんし、また中小造船、船台が一つしかないのにおまえさんはやめろと言うのは死ねということでありますから、そうであれば大手さんに御遠慮をいただくなど、その辺の調整をしながらいかなければならない問題だ、大変その辺の調整が本当に総合行政としてこれはやはり御指摘のとおりすきっといくということが大事だ。こういうことで、両局長がおられるわけでありますが、その辺はよく御指摘を外しま
して、両々相まった効果が出るようなことに相なりますように運輸大臣として指導監督をしながら取り進めていかなければならぬ。しかし、やはり私だけではとてもこれは大問題なものですから、国会の先生方の御指摘、御指導もいただきながら、いい知恵、提言はこれを取り入れ対応してまいらなければならぬ、こんなふうに思っておるところであります。
#13
○安恒良一君 ひとつ大臣のところで両局長、整合性のある行政ということに、今までも努められたと思いますが、さらに努めていただきたいと思います。
 そこで、少し中身に入っていきます。
 船腹量が過剰だ、こう言われていますね。そうすると、日本の船で過剰の船腹量というのはどのくらいなのか。それと同時に、こういうものは今だけ見ておったってだめなんです。少なくとも我々がこういうことを議論するときには、もうあと十五年すると二十一世紀になるんですから、二十一世紀を目指して日本の船というものはどの程度必要なのか。十年や十五年先のことを見ながら行政というものがないと、今余っておるからつぶせばいいじゃないかとか、今足らぬからつくればいいじゃないかということになると、過去のことを繰り返すことになりますね。ですからやはり、二十一世紀に向けての日本の経済構造の中で日本の船腹量はどの程度必要なんだ、それから、何もそれは日本の経済だけではなくて、世界における大きな海運国ですから、世界経済の発展の中における我が国の船腹量というものはどの程度必要で、どういう役割を果たすのかということについての検討をされておったら、その中身について説明してください。
#14
○政府委員(仲田豊一郎君) 初めの御質問、どの程度過剰かというお話でございます。
 これは非常に計算の難しい話でございますが、少なくとも世界の海上荷動き量と船腹量の対比においてどれだけ過剰であるかという計算は、かなりいろいろな方面でなされております。それも大体一致をいたしておりまして、現在世界の船腹量、六十年におきましてタンカーがおよそ一億三千万トン、貨物船が二億八千万トン、両方合わせまして四億一千万トンあるわけでございます。どれが過剰か。特にそれを象徴的にあらわしますのは係船というのがありまして、船をつないでおくわけですが、この分が過剰であることは間違いないのです。油送船については非常に係船という状態が顕著でございまして、今若干減っておりますが、およそ二千五百万トン近くの係船があるだろうと言われております。このほかにまだ減速航行と申しまして、わざわざスピードを落として走っている。これも過剰になるわけでございます。それからまた、わざといっぱい油を積まないで走っている。こんなようなことを工夫いたしましてやっているわけですが、そういうものを合わせて計算すると大体五千万トン近くになるのかな、そうするとトータルでタンカーの場合には四割ぐらい過剰ではないか、世界においてですね、というのが一応の通説になっております。
 貨物の方は、やはり同じような計算をしますが、いろいろ出入りもありますが、専用船なんというものがありますのでほかに使えないというのもありますが、これが大体同じような感じで計算したものを見ますと、世界的に先ほど申し上げました数字のうちの二割ぐらいがやはり係船とか、減速航行とか、いろいろな手段によってこれが余っているというふうに言われております。
 問題は日本でございますが、これは日本というのが完全に閉鎖的なマーケットでしたらそれなりに計算ができるのですが、これまた世界の一つのマーケットと連動して流動しているという状況でございます。だから完全に流動的でしたら今申し上げた数字は過剰だと申し上げていいと思うんですが、ところが日本も非常に大きな荷主国でございまして、ここの荷動きが非常に大きな影響を与えて若干の非流動的部分もある。そういうことを考えますと、今日本で大体係船が百十万トンほどあると言われておりますが、世界の過剰状況よりは若干少ないのではないか、タンカーの場合にはおよそ三割程度の過剰、貨物船の場合にはおよそ一割程度の過剰、大体その程度に見ておいてよろしいのではないかというふうに考えております。
 それから、もちろん現在の時点だけをとらえてこれは余っているからということの検討も必要でございますが、将来の日本船腹のあり方としてどうなんだという御質問でございます。
 これは、実は昨年の夏に海運造船合理化審議会の日本海運のあり方という答申をいただきまして、その中で、決して現在あるような円高なんかを見通してはいなかったんですが、六十五年における日本の商船隊の一つの想定し得る規模というものを示しております。それによりますと、日本の商船隊、これは用船として持ってきた外国の船も含めての商船隊といたしましては、当時およそ五千七百万トンありましたのが、六十五年ではおよそ五千万トンの規模になるであろう、そのぐらいはまたできるだろうということ、日本船というレベルで考えますと、当時三千四百万トンございました、それが六十五年の段階においておよそ二千九百万トン、このレベルは保持したいし、また努力によってできるであろうというような一つの絵をかいております。
 いろいろ日本の建造能力の問題とかこれからのリプレースの問題、それから海上荷動き量の伸び、伸びというよりもほとんど横ばいでございますが、それから海造審当時の船の過剰状況、そんなことを全部考え合わせまして、大体そんな、六十五年にこのくらいの規模になる……
#15
○安恒良一君 六十五年は幾らかもう一遍数字を言ってください。
#16
○政府委員(仲田豊一郎君) 六十五年に日本船で二千九百万総トン、そういう規模を想定して、これからの船員問題も含めましていろいろな対策を講じていかなくてはならないということが、海造審の答申で示されております。
#17
○安恒良一君 今現在における世界の船腹量の過剰状況、それから日本の船腹量の過剰状況はわかったんですが、私は二十一世紀と言ったんですが、そんな長いのはできないということで五年間のことを言われた。
 なるほど、五年で見ると、日本の場合三千四百万トンを二千九百万トンにしたいということですからそれだけ減っていくわけですが、五年だけでなくて、せめて私が今言ったように十年か十五年ぐらい先のことは見通しておかないとあれですが、そういう場合について、あなたたちの考え方というのは、今、日本が持っている油送船なり貨物船の合計総トン数三千三百四十七万トン、もうこれがピークで、これからは大体減っていく。それから世界の場合も、今六十年で世界の総トン数が四億一千二百六十七万総トンになっていますね。これも余り長い、そんな百年も二百年も先を議論してもしようがありませんけれども、二十一世紀というのはもう目の前ですから、そこらを目指したときに、世界の船腹量というものは、日本の場合は今五年で見る限りにおいてはやっぱり減らしていこうということのようですが、そこらの相関関係はどう考えられているんですか。
 少なくとも、我々がこんなものを議論するときには、十年や十五年ぐらい先のことをある程度頭に置きながらしておかなければならぬものだ、海運行政とか造船行政というのはそういうものだと思うんですね。一年や二年先のことだけを単純に考えてやるべき性格のものではないと私は思うんです。そうすると、せめて十年や十五年ぐらいの将来の見通しを持ちながら、どうするかということの議論をお互いがしておかなければなりません。そこで、私はあえて二十一世紀ということを区切って、どうなるかと聞いたんですが、あなたはたまたま海造審が六十五年を言ったからその数字を言われたんです。
 少なくとも運輸省の局長としてはそれぐらいの将来の見通しのことはやっぱり、運輸省内ではいろいろ研究をされて――この前港湾労働法をやったら、何か「二十一世紀への港湾」ということで二十一世紀まで目指した立派な本があって、それ
をあれしてやったのですが、今度おたくの方になると何か五年先ぐらいのことにしかならぬ。そこらはどうなるんですかね。少なくとも僕はこの船の問題というのも、十年や十五年ぐらい先のことをお互いに考えながら、当面どうしていくかという議論を少ししたいものだと思うんです。二十一世紀を目指して、世界はどうなっていくのだろうか。我が国も、今あなたがおっしゃった六十五年まではわかりましたが、我が国の船腹というものは世界の中でどういう位置を占めていくのだろうかというようなことですね。
 というのは、私は、荷物の動きというのは、例えば石油なら石油なんかは、あなたがおっしゃったように、今まで中近東だったが北海ができたとか、インドネシアとか、それから今度はメキシコからとか、いわゆる中南米ですね、そういうのはありますけれども、その他のいろんな荷物について、率直なことを言って世界の人口はまだどんどんふえているわけですからね。しかも、先進経済諸国よりもいわゆる経済未開発国地域の方にどんどん人口がふえているということはこれは事実なんですからね。そういうところの関連で、今までの例えば穀物なんかの生産についての生産地域の分布というのはわかりますし、それから先進工業国、これがだんだん付加価値の高い製品をつくっていく、この傾向も十年や十五年先のことはそれぞれの統計によって見通しがきくわけでしょう。
 そうすると、世界的な荷物がどういうふうな流れになって、どういうふうに総トン数がふえていくかということも、それはきちっとは当てられないにしても、かなり私は見通しが立つと思うのです、そんなに難しい課題ではないと思いますね。そうしますと、その中で世界的な船腹はどうなっていくだろうか、日本はどうなっていくだろうか、また世界的な荷物の動きはどうなっていくだろうかというぐらいの展望を聞かせてもらって、そして、こういうふうにしたいんだというぐらいの説明をしてもらわぬと、政策局ですからね、政策をということで生まれ変わった運輸省というものが五年先ぐらいの話だけでは、ちょっとお粗末じゃないかと思いますが、そこらはどうですか。
#18
○国務大臣(三塚博君) 私から二十一世紀に向けた海運、造船の展望として申し上げておき、経済の展望、マクロのカウントの中におけるただいまの御指摘を局長からお答えをいただく。
 率直に申し上げまして、海運業界は構造不況によってこのようなことも措置しなければならない。なぜだろうかということになりますと、世界に冠たる日本商船隊も便宜置籍船等で総合経営ということで立ち向かわなければならないようなところまで来たことは事実であります。加えて、中後進国、後進国は中進、中進は先進国になっていく、こういうことで厳しい競争の中にさらされておるわけでありますから、近代化をさらに進めていく。もう巨大なタンカーが十数人で運航されるというようなところまでやってきておって、なおかつ大変厳しい。これはやはり、コストということもさることながら、世界の荷動きの中の問題もあるわけでございますから、それらをにらみながら対応をしなければならないわけであります。
 それと、造船の場合、これは関連するわけでありますが、まさに造船は日本が世界の市場の相当部分を占めておったわけでありますが、何せ後進、中進の韓国が昨今急激にのしてまいりまして、トンで二万円も違う、こういうようなことを先般造船の責任者から聞きました。そんなことで参りますとこれは韓国に追い上げられる、こういう諸状況の中で我が国造船業界をどう改組して進めるかというのが至難な課題に相なってきたことだけは事実でありまして、その辺が政策局、また造船担当の局長のところでもなかなか頭の痛いところか、こう思って、五年ぐらいのところでひとつきちっとベースをつくって展開をしたいということが実は諸状況かな。
 ただ、荷動きの中でどう対応するかという、造船計画あるいは海運の進め方というのはまさにそこがベースになりますから、その辺のところは局長から、世界経済の動きの中でどういくかというやつは答弁をさせていただきたい、こう思います。
#19
○政府委員(仲田豊一郎君) まことにお恥ずかしい話で、二十一世紀にわたった長期的なしっかりとしたビジョンは現在持っていないわけでございます。目先のことに追いまくられているという状況でございますが、二十一世紀、先を見通すときに一番難しい問題はやはり国際競争力をどうやって保っていけるかということではないかと思います。
 一般的な経済情勢といたしましては、ただいま大臣からも御説明がありましたような状況でございますし、荷動き量という面では恐らく横ばい、世界的に横ばいがせいぜいではないか。どうしても軽薄短小と申しますか、こういうような時代になってまいりますと、臨海工業地帯がどんどんできて鉄鉱石を運んだような時代ではもうなくなってくるのではないか、そういうような漠然とした見通しを持っております。
 穀物とかそういうものにいたしましても、一方で国際分業が進むということはありましても、ヨーロッパなんかは自給体制にだんだんいっております。昔でしたら植民地から来て、それが船の輸送量というものにはね返ったのが、ほとんどもう自給自足という格好になっておりますし、そうすると、なかなかふえる面というのが予想しがたい。二十一世紀を見通しても、現状と横ばいという前提で考えなくてはいかぬだろうと思います。
 それから二番目はコストの問題、これはいろいろ、特に海運だけではございませんが、ほかの製造業も含めまして、円高の問題もあり、それだけ人件費というものが、特に発展途上国との対比において非常に変わってまいりました。今まで船員費の場合には韓国、フィリピンに比べて三倍から四倍のコストがかかっていたわけですが、この円高で五倍から六倍と言われております。そういうような高コストをどうやって吸収してやっていくか、この点は一つには造船の方の能力というか技術的な進歩の問題の予測も必要かと思います。
 こういうようなものを予測を含めて二十一世紀の問題というのは考えていかなくてはいけないと思っております。中ではじっくりと検討したいと思っていますが、残念ながら今のところそういう確とした見通しは持っていないということを申し上げざるを得ないと思います。
#20
○委員長(鶴岡洋君) 午後二時五十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後二時三分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時五十四分開会
#21
○委員長(鶴岡洋君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、特定外航船舶解撤促進臨時措置法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#22
○安恒良一君 もう私の時間はわずかしかありませんので、最後の質問になりますが、この法律の中で雇用安定について触れられています。その中で、「特定海運事業者は、解撤が行われる特定外航船舶に係る船員について、解撤促進基本指針に定めるところに従って、失業の予防その他の雇用の安定を図るため必要な措置を講ずるよう努めなければならない」と言われている。この「必要な措置」というのはどういうことなのか。
 それから、一緒に質問しますから一緒にお答え願いたい。今度はそれは「国は」と断りまして、やはり「失業の予防、再就職の促進その他の雇用の安定を図るため必要な措置を講ずる」ことというふうに文章がなっていますから、特定海運事業者の雇用安定政策、それから国が何をやるのか、このことについてひとつ中身を説明してください。
#23
○政府委員(広瀬好宏君) ただいまの御質問は、当法案の五条並びに九条に関連する質問だと思われます。解撤に関係いたします船員の雇用の安定に関しましては、まず雇用関係にある事業者におきまして雇用の安定のための措置を講じていただ
きたいというのが、基本的考えでございます。したがいまして、事業者は離職者の発生を未然に防止する観点から、陸上部門への配置転換、関連会社などへの出向などの措置を講ずることが必要でございまして、その旨を法第五条の解撤計画の中に明記させることとしております。
 法九条に関連いたしましては、まず第一項におきまして、失業の予防その他の雇用の安定を図るための事業者の責務を明らかにしたものでございます。また、事業者の自主的努力のみでは雇用の安定に万全を期することは困難である、そうして国の支援が必要な場合が出てくることが考えられますので、やむなく離職を余儀なくされました船員に対しまして、職業安定所における就職のあっせん、職業指導及び職業訓練の指示などの措置を講ずる旨の国の方針及び責務を同法の九条二項において明確にしたものでございます。
#24
○安恒良一君 いや、そんなことは、今あなたが言われたようなことは、こんなことを明記しようと明記しまいと、当然国が今、失業者に対しては一般的にやっていることでしょう。今あなたがおっしゃったような職業訓練とかなんとかかんとか、そんなものは、わざわざここに、第九条の第二項に「国は」云々、こういうことを書かなくとも、今あなたが言われた範囲のことであるならば、我が国の労働行政として当然これはやっていることなんですから、わざわざここにですね、この解撤に当たって第九条の中で、国はこういうことをやるんだということになると、何かそのほかに措置がなければ――というのは、この雇用問題というのは非常に重要な問題ですから、まず業者が第一義的にいろいろ任務づけられていることはよくわかりますよ。しかし、あなたもおっしゃったように、業者だけではどうにもならぬという場合があるから、さらに「国は」と断ってある。で、国は何をやるんですかと聞いたら、一般の労働行政、失業問題に対する行政と同じようなことをおやりになるという答弁ではいささか納得しかねます。
 国として、これだけ法律の中に、麗々しくとは言いませんが、きちっとお書きになった以上、労働省がやっていることと同じようなことをやる、それでこういうことを書いたんですか、何か国として特別なことをおやりになるんですか。そこを聞かせてください。
#25
○政府委員(広瀬好宏君) 現在のところ、私ども考えておりますのは、船員で離職者が出てまいりますと、その就職あっせんをすることがまず基本的に必要であろう、こういうふうに考えておるわけでございます。そして一つは、外国船への配乗、こういう問題がございます。この点につきまして、日本船員福利雇用促進センターというのがございまして、このセンターの活動を通じまして、失業船員の外国船への配乗のあっせんを現在行っておりますし、また、外国船に乗るために英語などの訓練とかが必要でございます。そういう訓練を行うとか、それから、部員の場合についてでございますけれども、上級資格をとりますと職員化されます。そうしますとより就職的には非常に有利な立場に立つわけでございますので、そういう訓練をこのセンターを通じまして実施していく、こういうことをとりあえずの措置として考えているところでございます。
#26
○安恒良一君 そうすると、例えばそういう訓練を受けている間の生活保障というのは、あれですか、失業保険法に基づいてやっている。そうすると、今あなたがおっしゃったようなそういう訓練の費用とか何かは国が持つんですか。「国は」と、こう書いてあるから、何か国がこういうふうなことについて――というのは、きのう御承知のように国鉄の希望退職について議論をここでして、大臣からも国の責任ということで、解雇手当等のプラスアルファについてもいろいろ議論し合ったことです、私はあれはいいことだと思うんですが、やっぱり民間の場合でもこのような構造的な不況が集中的に出てくるとか、その中で雇用問題が出てくる場合には、国自体も私はそれなりに必要な財政等を投じながら、民間の雇用安定ということにもやってもらわなきゃいかぬと思うんです。ですから、その意味からいうと、今回この法律を出され、その第九条の中で、「安定を図るため必要な措置を講ずるよう努めるものとする」ということになると、ある程度財政的な裏づけということもあるんじゃないか、何か精神的な条文だけでは余りいただけないものですから。例えば失業中の生活は失業保険なら失業保険でやらせるとか、それが切れた場合どうするとか、例えば訓練に必要な金については国が助成するとか、それともどうするのか、そこらを聞かせてもらいたい。
#27
○政府委員(広瀬好宏君) ただいまの御質問でございますが、訓練に関しましては二種類のケースが考えられるのじゃないかと思います。
 一つのケースは、現在雇用されながら、なお新しく職種を転換していく場合のケースでございます。そのような場合につきましては、結局技能訓練の派遣助成金ということで、これは事業者に対しまして助成措置を現に行っておりますので、そちらの方で対処させていただく、こういうことになるかと思います。現にこれは船員福利雇用センターを通じてやりますと、そちらの方から助成金が渡ることになっておるわけでございます。
 また、二番目のケースでございますが、離職された方についてでございます。これは先生のただいまの御質問の中に入っておりましたけれども、これにつきましては失業保険金が給付されておりまして、なお指示がありますと受講手当などとか、それから適所手当、寄宿手当などの制度がございます。これらの方法を活用して訓練に関連する方々の援助を行っていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#28
○安恒良一君 それじゃ最後になりますが、今回の解撤に伴って大体どの程度の失業者が発生するというふうにお考えになっているか、数はどの程度になりますか。
#29
○政府委員(広瀬好宏君) この法律に基づきまして離職者が出る場合でございますけれども、基金が保証対象にしております船腹量、これが三年間で約百九十万トンということでございます。これらに関係いたします船員数、これはラフに計算いたしますと、大体一隻当たり二十五人ぐらいが乗り組んでいると推定いたしまして、適正予備員率というのがございますから、予備員なども含めまして大体三十数名になるのじゃないかと思います。それで解撤に伴う保証に伴います船が約三十隻程度でございますので、一応約千名程度になるのじゃないか、こういうわけでございますが、このうち約半数程度につきましては、他の業種、その企業内の他の職に転換をしたり、出向したりすることを考えておりまして、したがいまして離職される方はほぼ半数程度、三年間で約五百名程度ではなかろうか、こういうふうに推定している次第でございます。
#30
○安恒良一君 最後に、大臣にお願いしておきたいのですが、数は今言われた一応千名程度、その中で離職される人は五百名程度だろうということでありますが、船員の他への配置というのもこれもなかなかそうは簡単にいかないんですよね、陸上に揚がってつぶしがどの程度きくかという問題もいろいろございますから。私は、せっかくこの法律ができましたなら、やはりこのように九条の第二項に「安定を図るため必要な措置を講ずるよう努める」、国も努める、こう書いてありますから、まず一つはできるだけ失業者を出さぬような前段の指導が非常に必要だと思います。
 それから、どうしても例えば今担当から言われましたように五百名程度出たならば、その方の再就職については、一義的には民間の場合だから海運業者だということを言われることはわかりますけれども、そこだけではなかなか、今日の構造的不況の業者になるわけですからできないと思いますから、雇用問題については格段の御努力を、もちろんこれは運輸省と労働省との協力も必要だろうと思いますが、やっていただきたいということをお願いして、大臣のそのことに関する所見を承って、終わりにしたいと思います。
#31
○国務大臣(三塚博君) ただいま船員部長もお答
えをいたしたわけでございますが、今後ともこれらの諸制度というものを活用し、雇用対策の充実を図ることはもちろんであります。
 しかしながら、これだけでは到底解撤を進めてまいります過程の中で、昨日御審議のような国鉄の余剰人員というよりも今回の場合は失業者のようなことに相なるわけでございますから、官公労使参加をいただいております中央労働委員会におきましても、船員雇用対策の基本的方針というものの見直しなどもお願いをしておるところでございまして、それらを踏まえつつ、海運、造船という深刻な場面に対応して犠牲になって職を失うということが極めて重大な生活上の問題でもあり、これは諸事業が着実に進まぬことにも相なりますものですから、真剣に取り組まさせていただき、対応してまいる決意でございます。
#32
○矢原秀男君 特定外航船舶解撤促進臨時措置法案について数点にわたって質問をいたしてまいります。
 まず一つは、円高の外航海運業への影響に関する質問でございますが、五月十三日の日経の報道によりますと、「海運千3百億造船は3百億1ドル160円での損益悪化試算」という形で、
 運輸省は十二日、円高が海運、造船業界に与える影響を試算した。今後一年間一ドル=一六〇円の状態が続くと、六十一年度の営業損益は一ドル=約二四〇円だった五十九年度に比べ外航海運業界(欧米向け航路)で約六百億円、近海海運業界(東南アジア航路)で約七百億円、造船で約三百億円悪化する。試算は外航海運六社、近海海運二百五十一社、造船九社を対象にした。売上高ベースで外航海運は業界全体の約八〇%、近海海運で一〇〇%、造船で約六〇%を占める。
 各社のドル建て、円建てそれぞれの売り上げ、費用が五十九年度当時と変わらず、ドル一円レートだけが変わると仮定すると、円高による損益の悪化は三業界合わせて千六百億円になるという。
こういう報道も出ているわけでございますが、運輸省が試算したという海運業界で千三百億円の営業損益の悪化が生ずる、この内容は事実かどうかということですね。また、この一ドル百六十円程度の為替レートが続くとすると、海運各社の今期決算はどういう事態になると予想されるか、これが一つでございます。
 二番目には、これは引き続いて御答弁をお願いしたいと思うんですが、円高に伴う国内輸出産業の不振が深刻な事態となっております。円高に伴う輸出数量の減少、あるいは急激な円高に伴う輸入契約の手控え等輸入数量の減少が生じております。この海上荷動き量の低下が運賃収入の減少、あるいは過当競争による運賃の低下に結びつき、二重三重に海運企業を打撃するのではないか、こういうふうに懸念をいたしているわけでございます。
 いろいろの円高倒産の内容を見ておりますと、鉄鋼金属二十一、機械二十、繊維十五、電機十三、光学機械十一、化学七、海運が六、陶磁器五のほか、木材木製品、食品、雑貨、多種多様でございますけれども、海運の六を含んですべて物流によるものでございますから、この円高によりますすべての企業の影響というものがこの海運関係に来ているということで、二番目に先ほど申し上げた質問をしたわけでございますが、まずこの一と二について簡単に伺いたいと思います。
#33
○政府委員(仲田豊一郎君) 御指摘の新聞の記事でございますが、おおむねそこに載っているような形の、非常に深刻な影響を海運業界は受けております。御承知のように、五十七年ごろから外航海運は全般的に船舶の過剰とか荷動きの低迷、それから定期航路にあっては競争の激化、こういうようなことで三部門が同時不況の状態に陥っております。企業経営の面で非常に厳しい場面に直面しているわけでございます。
 また、企業の性質上ドル建ての比率が非常に高いものでございますから、その中で特にドルの収入が多いということは、円高という現象が生じますと経営上極めて致命的な状態になってきているわけでございまして、具体的な数字を申し上げますと、若干その記事とは違いますが、一ドル百六十円で六十一年度において為替レートが推移したと仮定した場合、大体一円円高になるごとに八億円の差損が出る。この八億円の計算の根拠には石油の関係も入っております。石油の値下がりによる差損を少なくする要素も入れて八億円の損が出る。合計いたしますと、大手の六社で約六百二十億円という数字を計算しております。
 それから、近海海運企業に関しましては、これは中小企業関係のいろいろな施策を講じておりますが、この関係も非常にドル建ての比率が高いものですから、いろいろ精査いたしました結果、近海海運業だけでおよそ三百八十億円の差損が出るというふうに現在の段階で計算をいたしております。したがいまして、海運業を合計いたしますと、先ほどの六百二十億と三百八十億で年間約一千億という円高差損が発生するというふうに、これは外航海運の方は実は大手六社でございますので全部かき集めるとどのぐらいになるかというのはございませんが、はっきり数字をつかまえているだけでは、一千億という数字は少なくともつかまえられているということでございます。
 それから、これによる日本船に対する影響いかん、円高による競争力の低下その他影響いかんということでございますが、御指摘のように、一つは、一般産業にも見るように日本関係の荷動きが減少の傾向にございます。これはもちろん日本経済自身の需要が圧力が低下しているということと同時に、また特に対米関係につきましては、為替レートの関係で日本よりも東南アジア、韓国の方が非常に有利になってきている、定期船のマーケットでは向こうはふえているけれども日本はちっとも伸びないというような状況が現在出てきておりまして、こういうような傾向は非常に好ましくない、日本の輸送産業、外航海運産業にとって決していい環境ではないということがまず第一に申し上げられると思います。
 二番目は、先ほどもちょっと触れましたが、外航海運企業の収支構造がドル建て収入のウエートが非常に高い。この分が円で計算すると減るわけでございます。それもちょっとした減り方ではなくて、御承知のような二百四十円から百六十円、三割以上もその分が減ってしまうという状態にございますので、こればかりは企業損益上極めて大きなマイナス効果を与えるということでございまして、例えば先ほどの大手六社で計算いたしますと、五十九年度の決算全部合計して、利益を上げているところもあるんですが、六社で赤字を大体二十三億程度で食いとめてきた。そこにいきなり円高だけで六百二十億、油の値下がり分があってもさらに六百二十億加わるということは、海運企業の企業収益の面で非常に大きなマイナスを生んでいるということが言えると思います。
 第三番目には、日本船の競争力という面、コスト面でどうかということでございます。これも御承知のように日本の船員費というものが日本船の競争力にとってかなり大きなファクターになっているわけでございますが、今まで発展途上国の船員に比べまして、例えば韓国の船員、フィリピンの船員、こういう者を日本の船会社がかなり使っておりますが、この船員のコストに比べまして、日本人船員の場合は非常に優秀でございますから少ない人数でできるのですが、それでもなおかつ三倍から四倍の船員費コストが必要であったわけでございます。これが円高によりましておよそ五倍から六倍になるのではないかということになりますと、日本船のコスト面ということでさらに国際競争力の面から厳しい状況に直面することになったというふうに申し上げられるかと思います。
#34
○矢原秀男君 大臣、今局長のお話を聞いておりまして、もっともだと思います。この円高の外航海運業の将来ということでございますが、今もお話がございましたように、日本船の船員の費用のデータを見ましてもやはり、円ベース、為替レート、ドルベースの中での船員費の推移を見まして
も、国際競争力の点からはどうしても日本の場合は競争力低下、そこへ円高により日本船の競争力というものに追い打ちがかかった、そこへまた製造業等もコスト高を避けるためには東南アジアとかいろいろなところからの調達、そういうことで二重三重に、外国用船に切りかえていくのではないかという事態もあるわけでございます。
 そういうところへまたでっかい海運の円高倒産という事態の追い打ちも来るのではないかなと、がんじがらめの中で、先ほども見通しについてのいろいろの見解の伺いがございましたけれども、運輸大臣、改めてもう一回こういう中での見通し、非常に厳しい状況でございますけれども、簡潔で結構でございますけれども伺いたいと思います。
#35
○国務大臣(三塚博君) 御指摘のように大変厳しい環境に相なりましたものでありますから、本法に明記いたしました諸方策を講じまして海運業界の安定的な発展の方向をつくり上げよう、こういうことで御提案をさせていただきました。
 見通しからいいますと、構造的不況と言われておりますさなかに円高という問題、軽薄短小という荷の容積の矮小化等々によりますさらに船腹の過剰への拍車等がございますものでありますから、それに対応する造船政策、海運政策というものを構築していかなければならぬだろうということであります。海運日本でございますから、また貿易国家日本でありますので、このことは前途が厳しかろうともしっかりと対応していかなければならない点だな、こう思っておるところであり、海造審の答申も間もなく出ますものですから、そちらの答申を受けた諸施策を着実に実行することによりまして所期の成果を期してまいりたい、このように考えております。
#36
○矢原秀男君 二点目には、長期化する海運不況と過剰船腹問題に関する質問でございます。
 経常損益の推移を他の業種と見ておりましても、海運関係というのは最低であるという図表が出てくるわけでございます。また、経常利益率の推移から見ましても、大変な様相になっているわけでございます。
 まず一つ目。二度にわたる石油危機によって多くの業種が不況、景気後退に襲われましたが、多くの業種は構造的な改善、改革をすることによって不況を乗り越えている、そういう体質をつけているところも多くあるわけでございます。外航海運業は例外的に不況が長期にわたり持続している業種の一つでございますが、運輸省当局として、この外航海運の不況の長期化の要因、先ほどからいろいろ質疑がありまして重複すると思いますけれども、簡潔にまず一つ伺いたいと思います。
 二番目には、タンカー、ばら積み貨物船等の膨大な過剰船腹が海運市況を圧迫している最大の要因となっておりますが、世界におけるタンカー、ばら積み貨物船の過剰船腹の現状、それらの数値に対して我が国商船隊ではきょう現在ではどの程度なのかということですね。
 時間がございませんのでちょっと端折って言いますけれども、三番目には、タンカーとばら積み貨物船のここ数年の過剰船腹量の推移を見ておりますと、タンカーは依然として四割近い過剰が減少しておりません。ばら積み貨物船は二割程度の過剰状態が増大する傾向を示しております。これらの過剰船腹量は今後どのように推移するものと見込まれているのか。また、これらの船腹の解撤はどのように進むと見通していらっしゃるのか、簡単で結構でございます、説明していただきたいと思います。
#37
○政府委員(仲田豊一郎君) 初めの御質問、海運不況の長期化しているその要因いかんということでございます。これは、昭和五十九年におきまして世界の海上荷動き量は五十四年以来五年ぶりに回復をした、回復というよりその年には若干増加したというような一時的な現象は見られたわけでございますが、この十年余りの間、一般的に申し上げますと、運賃市況の低迷、特に油送船部門、不定期船部門におきましては船腹の過剰状況、それからまた発展途上国の外航海運企業の参入、こういうことによる競争の激化、定期船部門ではアメリカの新海運法の影響、こういうようなものが重なりまして、通常、海運が不況だと申しましてもどこかの部門はまあまあとか非常にいいとかいうことで相補っていたわけでございますが、この三部門が同時に不況ということに直面いたしまして海運企業は非常に困難な状態を迎えているわけでございます。
 それぞれの部分につきまして細かくいろいろ御説明もできますが、一般的に申し上げて世界経済全体、特に典型的なのは油の分野でございますが、油の消費が大幅に伸びかつ輸送の距離も伸びるであろうということを昭和五十年あたりの専門家は予想していたわけでございます。それに応じてどんどん船腹量も整備したわけでございますが、ところが反対にそれをピークとして石油の消費量は低迷し、かつ輸送の距離は短くなる、両方が相乗効果で結局半分以下にトンマイルベースではなってしまった、こういうこと。一つは、世界経済の読み間違いであったかもしれませんが、そういう需要と供給とのアンバランスというものがやはりこのような長期化する海運不況の原因であったというふうに申し上げられるかと思います。
 二番目に、特に今例に申し上げましたタンカー等の過剰船腹についてさらに申し上げますと、まず、見通しと全然逆の方向で、石油の消費ベースでほぼ三割近くの減少、世界的な石油消費の減少があったということが一つでございます。もう一つは、これは石油の供給地の変化ということでございます。日本はほとんど六割余りを中近東に依存しておりまして、現在におきましてもその割合はそう変わっておりませんが、ヨーロッパ特に北欧とアメリカでございます。これの中近東の依存の度合いが五十二年当時と現在と比べますと非常に変わってきております。すなわちそれは、一つは北海油田が開発されたということ、もう一つはラテンアメリカにおける石油供給をアメリカがふやしたということによりまして、中近東から北欧に行きまた中近東からアメリカに行くという石油が非常に減りまして、これが世界的に石油の輸送量の平均輸送距離というものをほぼ三割近く減らしてしまった。この二つが相乗効果を持ちまして、五十九年の荷動き量は五十二年の荷動き量に比べましてトンマイルベースで四七%に下落をしているということでございます。
 それで、この過剰の傾向が将来どういうふうになるかということでございますが、石油の消費量に関してはいろいろな見通しがございますが、現在の状況でそのまま推移するのではないかということが大体大方の見方ではないかと思います。これ以上急激にふえるということもなければ、また減ることもないであろうということでございます。輸送距離に関しましては、これからの新規の油田の開発、世界各地でいろいろな試みが行われておりますが、そういうものとの関連でございますのでなかなか難しゅうございますが、一応現在の状態で考えるしかない。とにかく、将来を見通して、そうふえるような要因は需要面では見当たらないということでございます。
 そういうことで現在、船腹、タンカーをつくる建造意欲というのは非常に衰えておりまして、特にVLCCなんかになりますとリプレース以外にはほとんどつくられていない。VLCC自体が、大体世界のVLCCのうち半分は要らなくなるのではないかというような認識がされているわけでございまして、ただこれらの大量建造が行われましたのが昭和五十年近辺が多うございます。そういたしますと、大体十年を経過いたしてまいります。十年を経過いたしますと、通常オペレーターはこれをスクラップするべきか否かということについて検討を始めますので、この辺の大きなこぶを十年が経過いたしますので、この辺の大きなこぶが早くスクラップされればこれは海運のマーケットの回復に対して大きく貢献するのではないかというような見通しがございますが、何しろその需要面が、先ほど申し上げましたようなせいぜい横ばいではないかということでございますの
で、決して現在の海運業界、外航海運業界の方は、積極的にタンカーの建造に走ろうというような機運には全くございません。したがいまして、しばらくの間この過剰の状態がまだ続くのではないか。同じようなことが大体不定期船、一般のばら積み船についても言えるかと思いますが、今の見方でございますと、ばら積み船の方がもう少し過剰の状況が長く続くのではないかというような見方が一般的ではないかと思います。
 簡単に申し上げると以上のとおりではないかと思います。
#38
○矢原秀男君 今世界の船腹過剰、解撤状況を見ますと、昭和五十八年には約一千七百万総トン解撤されておりますが、五十九年では約三千八百万総トンの船舶が係船されている状況にある、かつ世界の海運市況がなお低迷を続けている、そういう中で、大臣、海運造船合理化審議会の答申でも三点についての希望をいたしております。一つは、過剰船腹の解消に対して各国はどのような取り組みをしているのか、国際的な問題としまして。二番目は、それについてまた我が国は、国際的な場においてどのような働きをしているのか。三番目には、今後の過剰船腹の解消に対する国際協調をどのように見通しをしているのか。
 この解撤の問題については台湾、韓国、パキスタン、日本も今度はそうなりますが、スペイン、イタリア、ユーゴスラビア、その他と、今数字を申し上げたように解撤の状況等があるわけでございますけれども、今申し上げた三点について、大臣の国際的なお考えを伺っておきたいと思います。簡単で結構です。
#39
○国務大臣(三塚博君) ただいまの三点でございますが、我が国のように解撤に政府が主体的な役割を果たしておるというところはございませんけれども、本年一月に開かれました、OECDの海運委員会で我が国の本制度を御紹介申し上げましたところ、英、仏、独、ノルウェーから関心が寄せられたわけであります。そういうことで、民間の国際団体であるインタータンコ、これは国際独立タンカー船主協会の略のようであります、IMIF(国際海事産業協議会)においても、このような制度の効用について評価が行われるなど、本制度は国際的にも大変機運を醸成いたし、海運不況脱出のために効果があるものだというふうに考えられておるわけでございますから、我が国がこの解撤事業をきっちりと取り進めさせていただきますことが、世界的な解撤協調という意味で船腹過剰、御指摘の係船をなくしていくということにもつながるわけでございますので、果敢にやはり取り組まなければならない。
 そういう意味で、東南アジア諸国に対する技術援助など、また今言われました海運先進国のこの解撤事業に対する御紹介あるいは協調等についても運輸省として、政府として積極的にこれを推進するための協力、協調をとってまいりますことが、世界の中の日本の海運界の不況脱出の基本的なスタンスでなければならない、こんなふうに思い、真剣に取り組むつもりであります。
#40
○矢原秀男君 第三点目に、本題でございます特定外航船舶解撤促進臨時措置法案に対する中身の質問に入ります。
 一つは、過剰船腹のスクラップを促進するために債務保証制度を創設するという構想が、昨年の夏に発表されました。原資百億、債務保証の規模が最大一千億円と報道されてもおりましたけれども、規模が縮小した事情。
 二番目には、また当初の構想では独自の海運業信用基金を創設するように構想していたようでございますけれども、最終的に通産省所管の産業基盤信用基金に含まれた事情も説明をしていただきたいと思います。
 三番目には、先ほどもいろいろ質疑があったと思いますが、本法案が三年の時限立法となっておりますけれども、三年とした理由は何か、まずこの三つお願いします。
#41
○政府委員(仲田豊一郎君) 初めに信用保証の規模の問題でございますが、これは当初はいろいろ構想がございました。そこで、そういう規模が予算的に可能であるかとか、またそれが有効に使える最小限の金額で最大限の効果を上げるためにはどういう形がいいかとか、そういういろんな面を検討いたしました結果、保証規模四百億、百九十万総トンの解撤を三年間に行えば、これはそれなりの効果を見込めるし、またそれなりの意味もあるという結論に達しまして、御承知のような形に行政当局の中で決めさせていただいたわけでございます。
 二番目に、産業基盤信用基金というものを利用いたしましてこの債務保証制度が行われるわけでございますが、この産業基盤信用基金を使うというのは、実は運輸省と大蔵省、それから通産省との折衝過程のうちでこういう考えが出てきたものでございまして、私ども当初は独自の形で一般会計または産投会計から基金をいただいてということを考えていたわけでございますが、たまたまこういう基金が百四十億程度現実に特定不況産業のための基金としてある、海運業は適用されていなかったわけでございますが、これが民活基金に衣がえをするというそういう時点に差しかかったということと、それから組織的になるべく小さな組織でこの事業を効率的にやるという、そういう一つの判断、そういうようなものが重なりまして、それではこの産業基盤信用基金で、今までも例えばアルミ産業とか、石油化学とか、そういう不況業種に対する対策、債務保証業務を続けているわけでございますから、その中にこの海運業も入れていただいて、千四百億の保証規模の中で四百億の枠をちょうだいするという合意が行政当局の間で成立したわけでございます。
 私どもも、その形、組織またはどこからの資金であるかということでは当初の考えとは違ったわけでございますが、同じような独立した機関で、産業基盤信用基金ではあるが海運に関しては運輸省の考え方がこの中で十分生かされるような運用方式がとれるということを確認いたしまして、こういう形に持っていこうという決心をいたしました次第でございます。したがいまして、これからいろいろ細かい点を大蔵、通産省と詰めていくことになりますが、十分これを活用して、効果のある解撤、海運不況対策としての解撤の促進ができるものと考えております。
#42
○矢原秀男君 本法案に基づく債務保証の規模として、一つは船舶の担保の解除資金として二百六十億円、二番目には離職船員の退職金等の資金として百四十億円の合計四百億円が予定をされておりますが、先ほども質疑があったと思いますけれども改めて答えていただきたいんですが、一つは、どの程度の隻数の船舶の解撤が可能か。もう一つは、何人の退職者の手当てが可能な額であるのか、この点を答えていただきたいと思います。
#43
○政府委員(仲田豊一郎君) 四百億円の債務保証をいたします内訳は、――内訳と申しましてもこれが固定しているわけじゃございませんで単なる想定ですが、想定というベースでお答えしますと、解撤のために二百六十億円、それから退職金の資金の保証として百四十億円というものを一応の枠として考えております。対象船腹の総トン数は百九十万総トン、人間はおよそ五百四十人がその企業から離れる、退職をするという形を一応の形として想定しております。
#44
○矢原秀男君 時間が参りましたので、最後に運輸大臣、私ちょっと懸念しておりますのは、これは運輸省だけであれば心配はないんですが、通産省所管の産業基盤信用基金というところへ入ってきましたので、撚糸で通産省もいろんな問題を起こしていますから私、通産省の皆さんには悪いけれども、やっぱり嫌な感じがします。私も、京都の西陣織の問題で、兵庫県にも織機問題で福田総理大臣のときに、私一対一で地元の要望とかでどう対応したらいいのか、当時の田中通産大臣にも、三年間、地元がやかましく言いますので……。で、こういう事件がばっと起きて、もうえらいことをしているなと思ったわけです。
 そういう意味で、通産省というまた所管のあれが少しちらほらしますので、これは運輸大臣も運輸省の皆さんもまた事業をされる方々もある程度
は嫌な感じだろうなと思うんですけれども、やはり、すべて公正でなくてはいけませんし、そしてまた、こういう不況産業の一つの方途としてこういう形のものが出てきているわけでございますので、景気回復のためにもきちっとした、すっきりしたものに、あれは通産省だけの問題ということでなしに、ひとつそういうふうな決意も込めて、ある程度の、通産省の場合はチェックの怠慢が大きな原因と言われておりますがやはり大臣の指導というものが必要になろうかと思いますので、最後に伺いまして終わりたいと思います。
#45
○国務大臣(三塚博君) 撚糸工連事件が最近政治に対する不信を大変増幅するという意味で、私どもこれを他山の石とせず、深い反省をし、万全を期していかなければならぬ。これはひとり運輸省だけではなく、政府全体として深刻に受けとめるべき問題でありますことは御指摘のとおりであり、かりそめにも本件がさようなことの誤解を受けるようなことがあってはなりませんし、ましてや第二の撚糸工連事件に相なりましたなどということで国民の皆様におわびをして済む問題でございませんものですから、本問題は完璧を期してまいりますし、さようなことがあるはずもないとは思いますが、念には念を入れつつ、共管に相なっておりますものでございますから、特に、その管理、業務、財務・会計に関しまして、大蔵大臣及び通産大臣の認可等に関する規定と両大臣の一般監督規定を設けておることもございまして、この業務を適切に行うべく運輸大臣として筋を通して取り組んでまいります。
#46
○橋本敦君 労働省にお願いしておきましたので、まず労働省からお尋ねをしておきたいと思います。
 昨年の五月二十一日に当委員会で我が党の小笠原議員が、大手海運会社の男女差別問題について質問をして、調査をお願いいたしました。きょうは法案の質問に入らなくてはなりませんが、海運会社のことでありますので関連もないわけではございませんので、その前にこの問題についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 小笠原議員の質問の要旨は、家族手当、住宅手当、福利厚生、この三点について、昭和海運や商船三井など八社の海運会社において男女差別があるのではないか。あるとすれば、これを調査して是正してもらいたいということをお願いいたしまして、当時、菊地説明員の方でも、「御指摘の点調べまして、改めるべき点があれば是正させたい、かように考えております。」という御答弁をいただいております。
 そこで、現在においてお調べいただいた結果どのような状況であったのかお話しいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#47
○説明員(菊地好司君) 御指摘の点でございますが、いわゆる賃金の男女差別の実態につきまして、私ども労働基準監督機関を通じて調査した結果、家族手当、住宅手当につきまして男女異なる取り扱いをして労働基準法第四条違反が認められた会社が二社ございました。住宅手当の違反に係る事例につきましては、昨年の七月一日に是正した旨の報告をいただいておりますし、家族手当の違反に係る事案につきましては、労働協約との関係もございまして、現在改善に向けて労働組合と協議中であるというふうに承知しております。
 以上でございます。
#48
○橋本敦君 各会社別に、例えば川崎造船はどうか、山下新日本はどうかというふうに会社別に具体的にお話しいただけますか。
#49
○説明員(菊地好司君) 監督権限にかかわることでもございますので個別企業名を申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思いますが、今申し上げました住宅手当で一社、家族手当で一社、それ以外については違反の事実はございませんでした。
#50
○橋本敦君 その今おっしゃった二社の名前は、ここではお述べいただけないというわけですか。
#51
○説明員(菊地好司君) 差し控えさせていただきたいとは思いますが、住宅手当については昭和海運、それから家族手当についてはドッドウェル・アンド・コンパニー・リミテッドでございます。
#52
○橋本敦君 わかりました。今の二社以外は違反の事実はないということですが、小笠原議員はその当時、五十九年十月発行の資料に基づいて具体的な事実を指摘したはずなんですが、違反の事実はないという意味は、全く平等に就業規則上もまた実質上も差別なしにやられているという、そういう意味で違反がないという意味ですか。
#53
○説明員(菊地好司君) 私どもの機関で調査した報告によりますと、今お話しになったような状況と把握しております。
#54
○橋本敦君 この点はまた事実関係を私どもの方も調べますけれども、もう少しやっぱり調査を詰めていただかなくちゃならぬのじゃないかという気もいたします。
 それでは、福祉手当について調査の結果をお願いできますか、福利厚生。
#55
○説明員(松原亘子君) 昨年五月小笠原先生が、海運の三社につきまして福利厚生について男女差別的取り扱いがあるというようなことで、御質問がなされました。そのとき当時の婦人局長は、先生の御指摘のような事実があるとすれば均等法第十条の福利厚生の措置に関する規定上問題があるというお答えをいたしております。
 ただ、その時点におきましては、男女雇用機会均等法は国会において可決成立をされたわけでございますけれども、まだ施行には至っておりませんでした。施行日はことしの四月一日からということでございます。したがいまして、先生が御指摘になられました事実があったとしても、そうしてそれが男女差別的取り扱いであったとしても、その時点においては法律に違反する行為であるということは言えなかったわけでございますし、また行政機関としてもそういったことについて、明確でないものについて調査をするといったようなことは権限として与えられているといったような状況でもなかったものですから、その時点においては調査はいたしておりません。
#56
○橋本敦君 それじゃ現時点ではどうですか、問題はありませんか。
#57
○説明員(松原亘子君) 男女雇用機会均等法はこの四月一日から施行になりまして、今御指摘の点ももちろん申し上げますけれども、それ以外の募集、採用ですとか、それから教育訓練など私ども幾つかの企業において改善がなされたという事例を聞いております。それは、たとえ四月一日以前において仮に男女差別的取り扱いがあったとしても、法律が施行されたということで多くの企業において自発的に改善がなされたことのあらわれであろうかと思います。
 この御指摘の点につきましては、私ども十分調査したということではございませんが、ちょっと事情を聞きましたところによりますと、必ずしも昨年の時点における制度が制度として、仮に法律が施行されていたとした場合ですが、いわゆる男女差別的取り扱いであったかどうかということは、なお詳細は明らかでないわけでございます。
   〔委員長退席、理事安恒良一君着席〕
しかし、過去のことはいずれにいたしましても、四月一日以降、最近聞いた時点におきましては、御指摘のあったところの三社のうち二社につきましては、既に均等法の規定に照らしまして問題がない制度であると、現在ですね。それからもう一社につきまして、近くそういうことになるということがはっきりめどとして立っているというふうに聞いているところでございます。
#58
○橋本敦君 一社が近くめどが立っているというのは、均等法に照らして問題がないように今是正検討中だという意味ですか。
#59
○説明員(松原亘子君) 私どもが聞いておりますのは、検討中というよりは、もう既に検討は終わって中身も固まっている、そしてそれが発効するといいますか、実際に動き出すのが今ではなくもうちょっと先だということで、それは具体的な日付も明らかになっておりますから、もうその日が来れば均等法上問題ない状態になる、こういうことでございます。
#60
○橋本敦君 そうすると、その日が来れば三社と
も問題がなくなる、こういうことですが、その日というのはいつかおわかりでしょうか。
#61
○説明員(松原亘子君) 具体的に何日というところまでは聞いておりませんが、確定日付であるということは聞いております。そしてその日が来れば、先ほど申し上げましたこととあわせまして、三社とも福利厚生の措置につきましては均等法上問題ない状態になるということでございます。
#62
○橋本敦君 わかりましたが、その一社というのはどこですか。
#63
○説明員(松原亘子君) 既にもう改善のめどが立っているということでございますし、私の方から具体的にその会社がどういう企業であるかという個別名を挙げるというのも必ずしも適当ではないかと思いますので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
#64
○橋本敦君 それじゃ、近くというのはいつかというのを私聞きたいので、もうごく近くなら私もいいと思うんですがね。それがいつかとお聞きすると、いつかということは、確定日付はあるけれどもいつかということはおっしゃらなかったから、大分先ならばやっぱりはっきりしてもらわなきゃいかぬので、近いことなら私ももう問題にする必要はないという意味で伺っているんですが。
#65
○説明員(松原亘子君) その辺につきましては、詳細聞きまして、また後ほど御報告をさせていただきたいと思います。
#66
○橋本敦君 それじゃ、この場でなくて私のところへ報告してください。
#67
○説明員(松原亘子君) はい、わかりました。
#68
○橋本敦君 労働省関係は以上で終わります。
 それでは運輸省関係でお尋ねをいたしますが、先ほどからも議論をされたところでありますけれども、結局のところ、船舶過剰になった原因をどう見るかということがやっぱり問題の基本解決の上からも大事だと思うんです。その点について言いますと、だれもが否定できないところは、一つの特徴として、どんどん船をつくり過ぎたということ自体は言えるのではないか。その船をつくり過ぎたということの中に便宜置籍船の問題もこれはもちろん入っているわけでありますけれども、世界の便宜置籍船の中で七割ないし八割が日本で建造されているという実情もある、こういう実情にあることは運輸省間違いありませんか。
#69
○政府委員(仲田豊一郎君) 便宜置籍船の性格上なかなかその実態はつかみにくいのでございますが、かなりの部分が日本と関係のある海外置籍船であるということは間違いないと思います。
#70
○橋本敦君 今度は日本の側から日本商船隊の外国用船、これを見てみますと、最近の資料ではリベリア、パナマ船が非常に大きな割合を占めてきておる、その比率が年々上がってきているわけですね。私の手元に運輸省海運局調べから使った資料があるんですが、これによりますと、五十八年当時で日本の外国用船の国籍別構成推移を見ますと、リベリア、パナマ、これが全体の中で七八%を占めている。五十一年当時は大体六〇%台だったんですが、八割近くをリベリア、パナマ、これが占めるという状況になっている。こういう事実もほぼ間違いございませんね。
#71
○政府委員(仲田豊一郎君) 日本商船隊の中で日本船と外国用船と両方ございますが、そのうちの外国用船の中でかなりの部分がリベリア籍、パナマ籍によって占められているということは間違いございませんが、その数につきましては私どもは大体横ばい、数字によって、リベリア籍などは最盛期に比べるとかなり減っておりますが、両方加えて大体横ばいぐらいじゃないかなと、そういうような感覚を持っております。
#72
○橋本敦君 その推移は横ばいということで結構ですが、それじゃ外国用船全体の中でリベリア、パナマがどれくらいの率を占めているかという点の検討はどうですか。五十八年で七八%ぐらいというのが私が聞いた数字なんですが。
#73
○政府委員(仲田豊一郎君) ちょっと今ここでパーセントの計算ができないのですが、生の数字しかございませんが、先生の数字と一緒かどうかわかりませんが、五十八年の年央におきまして外国用船の全体が一千三十五隻でございますね。そのうち三百五十隻がリベリア籍、五百十五隻がパナマ籍でございます。
#74
○橋本敦君 大体そういう数字でございます。ですから、大体八〇%近いということになるんですね。
 時間がございませんから次へ論点を移しますけれども、もう一つの問題としては、海運企業が船の建造段階から関係を持っておりますいわゆる仕組み船の問題ですが、これの大量建造ということも近年ずっと進められてきた。これも、船舶の供給過剰になっていく一つの要因をつくっているのではないか。とりわけこれは、外国船員を多く乗せているという実情が根底にある。そしてその外国船員は非常に低コストで乗ってくるし、運賃も低コストである、言ってみればダンピングに近い格好でとり合うということになっていきますから、結局マーケットを押し下げているということが出てくるわけですね。だから、こういう日本企業が関係している仕組み船の大量建造も、結局は船舶の絶対的過剰にも、あるいはバランスの上での供給過剰にも、大きな要因をなしているのではないかと私は思うんですが、どう見ていらっしゃいますか。
#75
○政府委員(仲田豊一郎君) 全体の需給関係に仕組み船がどのような役割をしたかということは私は必ずしも一義的には申し上げられないと思うんですが、と申しますのは、仕組み船だけが非常にふえたというようなことではなくて、建造の実績を見まして、非常に大量建造が行われたときは日本船もふえておりますし、また単純な外国船というのもふえておりますし、そういう世界的な一つの建造ブームの中でもってふえたという実態はあるかと思います。
 この仕組み船自身、外国船員を乗せております。また、それを目的で仕組み船にしているというのもたくさんございます。それが低コストということでダンピングということになるわけでございますが、御承知のように海運というのは、何というんですか、国際的に完全な開放マーケット、ですから日本の荷主さんでも外国の船はいつでも使える状態にあるわけでございまして、そういう中で日本の船会社、オペレーター、運航する会社が外国の安いものにも対抗してやっていくというためには、純粋の日本船の飛び切りいいサービスを提供するそういう日本船の部分と、それからまたコストで動いてほかの外国にも負けないような部分、これをうまく組み合わせてやらないと一つの日本の船会社の商売がやっていけない。そういうような非常な苦しい時期にございまして、その中の一つの要素である、日本商船隊の中の商船隊というものを維持していく上でどうしても必要な要素であるという認識で、昨年も海運造船合理化審議会の答申におきまして、将来の日本商船隊は中核である近代化船と、外国から用船する単純用船、それから海外に置籍する船、そのほかにもまだ日本船でありながら外国人を乗せる船というカテゴリーもありますが、こういうものをうまく組み合わせて荷主のニーズにこたえるように、また全体としてコストを下げて国際競争力をつけるように、そういう工夫を凝らして生き延びていかなくてはならない、そういう答申をいただいているところでございます。
#76
○橋本敦君 数からいいますと、国連貿易開発会議の資料ですが、便宜置籍船の受益船主国を一九八三年の資料で見てみますと日本が一番多いんですね。隻数が九百九十七あります。次いでギリシャが九百七十八、こういうことで、どっちにしても日本が仕組み船をかなり持っているという事実は明らかだと思うんですね。
 一つの問題として運輸大臣、こういうことなんです。日本船をスクラップしても、日本がこういうふうにたくさん保有している仕組み船ですな、これが今度の法案でスクラップの対象にも何にもならぬわけです。それ自体はどれだけの効果があるかということになると、一つここに問題がある。私はこれが一つの問題点だと思うんですけれども、どうお考えでしょうか。
#77
○政府委員(仲田豊一郎君) それはもちろん日本船をスクラップするということだけで世界のマーケットがどうなるかということは必ずしも明らかではないわけでございますが、それだけではなくて、私どもは、別に便宜置籍船に限らず一般の外国の船につきましても、それぞれの国がやはりスクラップというものを積極的に推進するようにということでいろいろな国際会議の場でもってスクラップの促進を提唱し、それぞれの国で努力をしていただくようにお願いしているわけでございまして、そういうような国際的な場における努力も必要であるということでは同感でございます。
#78
○橋本敦君 債務保証を今度の法案では問題にしているわけですが、解撤に伴う退職資金、この問題でどれくらいの該当船員を見ているか、そして何人分の予算を組んでいるか、この点お答えいただきます。
#79
○政府委員(広瀬好宏君) 基金の保証対象と考えております解撤船腹量といたしましては三年間で約百九十万総トン、これが約三十隻ぐらいになると思いますが、そういうことでございまして、その内訳はタンカーが約百六十万トン、その他の船舶約三十万トン、こういうふうに見込んでいるところでございます。
 これらの船舶にかかわります船員数は、一隻当たり平均二十五人乗り組んでいると推定いたしまして、必要な予備員率、適正予備員率というのは私ども大体四五%ぐらい置いておるわけですが、それで計算いたしますと全体で約千名ないし千百名ぐらいになる、こういうことを見込んでいるところでございます。それでなお退職を余儀なくされる方々につきましては、この数の半分程度と見ておりまして、五百名から五百五十名ぐらいの線、こういうふうに考えておるところでございます。
#80
○橋本敦君 これはもう時間が来ましたので最後の質問ですが、船をスクラップする、今度は船乗り、つまり船員さんもスクラップにして陸に揚げてしまう。退職をさせて船に乗れないようにする、陸に揚げてしまう。つまり人間もスクラップにしてしまうということになるのは私は問題だと思うんですね。窮余の策として退職資金の債務保証ということは考えられているんですが、そうならないように、船のスクラップと一緒に人間もスクラップにしない処置をこそ政府は検討すべきじゃないか。例えば、今私が指摘した支配仕組み船に乗せるという方向を積極的に検討するということも一つじゃないか。つまり、船員の皆さんに船員としての仕事を確保するという方向を探求すべきではないか。
 この点は、運輸省が責任を持って何とかならぬのかということを船員の皆さんは言っているんですが、最後にこの点の政府の見解を伺って、時間が参りましたので質問を終わります。
#81
○政府委員(広瀬好宏君) 私の方から先に一応、個別具体的になりますので説明させていただきたいと思います。
 法律の第九条で、国の雇用安定の措置について規定してございます。したがいまして、私どもといたしましては、全国に六十一カ所船員職業安定所というものがございますので、それを通じまして就職のあっせん指導、こういうことを行う、これが一般原則でございますが、そのほかに船員雇用促進センターというのがございますので、この促進センターを通じまして、外国船への配乗のあっせんを行いましたり、また現在部員の方々、この方々に技能教育をいたしまして職員等の資格を取らせまして、また外国船に乗れるように、英語の研修などをいたしまして外国船へ乗っていただくような準備をするとか、それからもう一つは、やはり海だけでは措置でませんものですから、陸上に転換していただくための技能訓練、陸上の職業安定所などとも十分連絡をとりながらそういう技能訓練等に努めていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
#82
○橋本敦君 陸に乗せるというのは問題だと私、言っているんです。
#83
○国務大臣(三塚博君) ただいまの御指摘について、船員部長からも現在講じております対策について御説明がございました。同時に、ただいま御指摘のように、スクラップが船員のスクラップにつながるというのでは、御指摘のとおりでありまして、私どももそうであっては海運日本にならぬ、また優秀な船員諸君についてそういうことでいくのであればこれも問題だな、こういうふうな視点に立ちまして、どのような方法があるのであろうか。
 先ほどもちょっと答えました船員中央委員会、そこでどうするかということを官公労使一体となってやるというのが一つ、今部長が言った方式も一つ、そういうものを複合してこれは取り進むわけでありますが、御指摘の仕組み船にお乗りいただく、これは大変いいことですから、それはどんどん進めなくちゃいけないんですね。船会社によっては、郵船のようなそういうところは、転換を図りながらやられておるところがございますが、いろいろやられても、これからも指導しますが、実際の計算からいきますと、なかなかもってそれだけで船員の安定ということにはまいらぬものでありますから、どうしてもこれが余ってまいりますということで退職金制度、中小の船会社になりますと退職金も払えないわけです、そういうことの中で転換を図ってまいらなければならぬ。そのためにはやっぱり海上、なれた仕事でおやりをいただきたいのでありますけれども、なかなか競っておりますものですから大変だ、こういうことでやむを得ず陸上勤務に振り向けさせていただきますための訓練もしつつ、この慢性的な深刻な状態をまず打開したいな、こういうことで取り組まさせていただきます。
 御提言を踏まえ、これからも努力をいたします。
#84
○橋本敦君 終わります。
#85
○柳澤錬造君 最初に、質問に入る前に、大臣、若干私なりの見解を申し上げて、それでこの所管の運輸省がいろいろ仕事をやっていく上について参考にしていただきたいと思うんです。
 これは私の意見ですけれども、日本の三十八万平方キロというこの国土が大陸の中にあったならば、今日の、世界のGNPの一〇%を生産するというこの日本経済はできませんでしたのです。その辺の認識をまず第一にお持ちいただかなければならない。
 じゃなぜこれだけの日本経済が築き上げられたかと言えば、世界一の海運産業があり、世界一の造船産業があったからできたのである。それで、日本の鉄鋼産業、これはまだ世界一までいかないで世界の二番目ぐらいですけれども、今日本の国にあるこの鉄鋼産業ですらも、これがもしも大陸の中にあってそれで鉄道輸送でもってあの鉄鉱石と石炭を運ぶとするならば、今の日本の国鉄のあれだけの輸送力があってもこれは皆運び切れないんです。それほどの量を必要とするわけです。幸いかどうかはさておいて、こういう島国であって、それで海岸のところへみんな製鉄所をつくった。そこへ船が、鉄鉱石も運んでくれば、石炭も運んでくれば、それででき上がればまたその船が製品を積んで外国へ持っていくというふうな、それが今日のこれだけの日本経済を築き上げたのですということを御理解していただきたいと思います。
 そうして今日、先ほどから局長も言われておりますけれども、国際的な経済情勢の変化というものがどうして起きたのか。第一次石油ショックのときを思い起こしていただきたいんです。あのときにああいうふうな大変ないわゆる石油ショックと言われるような事態になったので、総合エネルギー調査会というかなり権威のある調査会をつくって、これからの日本の長期のエネルギーをどうするかということで検討がなされました。それで、昭和五十年のときの日本の油の輸入というのは二億八千八百六十万キロリットルを輸入しておったんです。
 とてもじゃないけれども、省エネをやらなくちゃいけない、原発もつくらなけりゃいけない、石炭でやれるところは石炭でやらなきゃいけない
といって、総合的に長期エネルギー政策を立てて、それで昭和六十年には相当な省エネをやってもなおさらに四億八千五百万キロリットルの油の輸入が必要となるだろうというのが、その結論なわけであります。ところが、みんなが省エネを一生懸命やったもので、想像もつかないような形でエネルギーの節約が進んで、昭和六十年の昨年は一億九千三百三十四万キロリットル。あの権威のある総合エネルギー調査会が、五十年を実績にして昭和六十年にはこうなるだろうといってはじき出した四億八千五百万キロリットルの四〇%で済んだということなんです。もしこれが調査会の計画どおりに四億八千五百万キロリットルの油を輸入するということになれば、二十万トンタンカーが二百四十杯ぐらいまだ要るんですよ。恐らく今日本の中でもって遊んでいるタンカーを全部動員して、稼働して油を運ばなければ間に合わないくらいの量なわけなんです。
 それほどの国際的な経済情勢の変化が起きて、それが皆さん方がこういう法案をおつくりになるような要因になっているのだという点も御理解を十分にしていただいて、いろいろの諸政策にお取り組みをいただきたいということを冒頭申し上げまして、私は幾つかの点でお聞きをしていきたい。
 第一は、この法案の第三条です。「運輸大臣は、政令で定める審議会の意見を聴いて、特定外航船舶の解撤を促進するための基本的な指針を定めなければならない」。これで、細かいことは時間がないからあれですが、大きな、こういうことを考えているんだという、その構想を御説明いただきたいんです。
   〔理事安恒良一君退席、委員長着席〕
#86
○政府委員(仲田豊一郎君) 第三条の解撤促進の基本指針でございますが、これはその中に盛り込むべきことは第二項の各号に書いてございますが、例えば第一は、船腹の需給に関する見通してございます。これは非常に難しいのでございますが、全般的な世界の経済情勢とか……
#87
○柳澤錬造君 書いてあることはいいの。
#88
○政府委員(仲田豊一郎君) はい。そういうことから始まりまして、具体的に申し上げますと、今後の需給関係の過剰状況、それからそれがどういうような何というんですか、船齢構成ですね、老朽度と申しますか、そういう質的構成になっているかということを一般的に審議会にお諮りして出していただくということが一つでございます。
 それから、目標時期とか目標の解撤量というのも定めていただこうと思っておりますが、目標時期はこれは三年間に限っておりますから六十四年ごろというのを一つの目標にして、今まで申し上げております百九十万トンというのを解撤いたしたい、この債務保証の中に載せていたしたい。しかしながら、解撤はそれだけではございませんので、ほかの自主的な解撤の分もございますし、リプレースとして解撤される分もあります。そういうような部分も含めまして、トータルの解撤目標量何万総トンという形で出るものと思います。
 それから、解撤を促進すべき特定外航船舶に関する基準、この基準と申しますのは、各事業者が解撤を促進する一つの義務、努力義務を負うわけでございますから、そのときにどれを判断基準としてどういう船を解撤したらいいかということでございまして、具体的には例えば船齢とか機関とか船型とか、そんなものについての一つの判断を示すことになるかと思います。船齢と言いますと、例えば十年から十三年というのが適当であるかどうか、その辺に重点を置きなさいというのが適当であるかどうか。それから主機関という観点からは、例えばタービンエンジンの船がこれは余り経済的じゃないからここに重点を置いて解撤をしていただきたいということになるかどうか。また、船型としては、VLCCとか大きなのが余り過ぎておりますので、十万トン以上というところに焦点を当てたらいいのかどうか、そんなことの御審議をいただいて決めていくということになると思います。
 船員の雇用につきましては、これは前からもいろいろ申し上げておりますが、その事業者における雇用の確保は大前提としながら、それでもうまくいかないときには海での雇用ではなくて中での社内の配置転換、それでもまだどうしても過剰が出る場合には離職、再就職の促進、再就職の援助ということに関する事項を考えて御審議をいただかなくちゃいけないのじゃないかというような、大体そういうようなことがここの指針の中身になるかと思います。
#89
○柳澤錬造君 条文で書いてあることは私も読めばわかりますから、その中の大事な点で、具体的にこういうことを考えているんだという、そういうポイントだけお話をしていただきたいと思うんです。
 次に、今もちょっと出てきていますけれども、この九条の雇用の安定の方、「国は、解撤促進基本指針に定めるところに従って解撤が行われる特定外航船舶に係る船員について、失業の予防、再就職の促進その他の雇用の安定を図るため必要な措置を講ずるよう努めるもの」なんだ、こう言っているわけなんで、この雇用の安定について、具体的にどういうことをお考えになっておるか御説明いただきたい。
#90
○政府委員(広瀬好宏君) 九条、雇用安定措置でございますけれども、まず失業者が発生いたしましたときに、やはり再就職の問題がございます。したがいまして、全国に船員職業安定所がございますので、それを通じて広域的就職あっせんを私ども行っております。そのルートに乗せるというのが一つ一般的対策でございますが、そのほかに、船員雇用促進センターがございます。これは外国船への配乗のあっせんなどを行っているわけでございますけれども、それによる外国船への配乗あっせん、それからまた、同じく外国船に乗られる方々につきまして技能を高めなければなりません、英語等の勉強をしなければなりませんし、また部員の方につきましては、やはり職員である方がより就職が易しいものですから、部員の職員化の訓練を実施する、そういうことをまた考えておるわけでございます。それから、先ほどちょっと、それでもなお対応できないようなケースにつきましては、また本人の御希望があるような場合につきましては、陸転をするためにいろいろな職業訓練がございますが、そういうものを労働省の職業安定所などを通じましてそれぞれ訓練を行っていくということを考えておるわけでございます。
 以上でございます。
#91
○柳澤錬造君 わかりました。それで、今お話が出てきたことは今もやっていること、雇用促進センターももうできてずっと何年になるか、だから、この法律をつくらなくても、今まででもこういう事態が起きればということでやっていることはもう卒業しているわけなんだから、この法律をつくるなら、そのことによって新しく今度はこういうことを考えたらいい知恵が浮かびました、やりますというものでなかったら、せっかく法律をつくった意味がないから、そういうふうなことも知恵を働かせていただきたいという、これは希望を申し上げておきます。
 今度は、十条の方のいわゆるアウトサイダー、この解撤促進基本指針に定めるところに従っていわゆる解撤をやらない場合、結局勧告するというわけでしょう。ここのところは、言うならば指針に従わなかったわけなんで勧告するということだけなのか、言うことを聞かなかったらこうだぞというものがあるんですか、ないんですか、そこは。
#92
○政府委員(仲田豊一郎君) これは法律の立て方として非常にきつい義務を負わせるという形で全般ができておりませんので、やはり基本的にはそれぞれの事業者の自主的な努力をお願いする、その部分についてももちろん法的な、罰則的な裏づけはないわけですが、そういう一つの流れの中でこの対策自体が船舶過剰のために共同してマーケットの回復を図ろう、それが全体のためにもいいしその人のためにもいい、そういう認識でできているわけですが、まあ何かのぐあいでそうじゃない行動をとった方が万が一もうかるというよう
な事態ができたときに、それを担保するためにこの勧告権限があるわけで、これは、こういう方針に従わなかったのだということを勧告によって決めつけるということはやっぱり海運事業者にとっては非常に大きな不名誉な事柄だと思いますし、そういうようなことが起きないようにということはやはりそれなりの担保的な価値、まだ抜かない刀という意味で、抜かれたら困るという意味での予防措置としての意味はかなりあるのではないかというふうに考えております。
#93
○柳澤錬造君 それ以上のことを答弁を求めてもそれは仲田さんも言いにくかろうと思いますが、ただこれは、外航船舶の方はかなり大手が主体になっていてそれほど一杯船主というのはいるわけじゃないけれども、近海航路なんかになるともう七割近くが、大臣、これは一杯船主なんですよ。なかなか言うことを聞かなくてみんな勝手なことばかりしているのが多いから、できるだけそういうみんなで連帯責任を負ってそして苦しいところは同じように耐えて犠牲を払い、やるということでなかったらこれは成功しないから、その点で十分行政指導をしていただきたいと思います。
 次にもう一つ聞いておきたい点は、これは三年間の時限立法、それでさっきも出ていましたけれども、百九十万トン解撤をやる、こういうふうにしているわけです。それで、百九十万トンまでいくのかいかないのか。いかなければそれは資金的にはいい。それがもっとたくさん出てきちゃったら、そうしたら今度は資金的にはちょっと困るけれども、その辺は、三年間は三年間の時限立法でこれは守らにゃいかぬですけれども、仮に百九十万トンがオーバーしてもこの際、そういうぐあいでもって解撤、スクラップをやることがいいことなんだということになれば、それはやらせますのですか、どうなんですか。
#94
○政府委員(仲田豊一郎君) 現在の見通しで申しますと、その百九十万トンというのは、十分であるし、またそれだけやることによってかなりの意味があるというふうに考えております。これは数量的にはなかなか立証できませんが、将来それと違う見通しが出てくることが絶対にないとはちょっと言い切れませんので、それはやはりその時点で判断をするしかないと思いますが、四百億の保証枠をいただいたということはこれは国の一つの財政の中では相当のことでございますし、まずこれを有効に活用して十分成果を上げるように当面は考えていくべきだというふうに思われます。
#95
○柳澤錬造君 最後に大臣、今までのことをお聞きになっていてそれで――今大臣の頭の中は国鉄の問題でいっぱいだと思うんです、余分なことはもう考える余裕はないと思うんですが、しかし海運産業、造船産業もなかなかこういう大変な事態にあるので、そういう点について、短い時間ですけれども今私の若干の見解も含めて申し上げたのですけれども、総括して大臣の方からまとめての御見解をお聞かせいただいて、終わりたいと思うんです。
#96
○国務大臣(三塚博君) ただいまの、今日まで日本が参りました地理的、経済的、社会的要件、それはまさに海洋国家であり臨海産業型ということで長大重厚を初め取り組んでまいり今日の国家を形成したことはやはりよく知られておることであり、これを基点とすべきであろうということは私も全く同感でございます。我が日本が生きてまいります道は、やはり海洋国家という基本的なスタンスを守り続けること、貿易立国という枠組みをしかと据えた形の中で取り組まなければならないといたしますれば、やはり船舶、商船隊による輸出入というものがどうしてもその基本になるだろう。もちろん航空輸送というものが昨今大変軽薄短小という意味で強くなっておりますが、主要なものは依然として海運であろう、このことは言をまちません。
 そういう意味で、世界的な展望に立てという先ほど来御指摘もございましたわけでございますから、やはりこの機会に運政局中心に運輸省全体を挙げて二十一世紀の展望、青写真というものを明記することが、この解撤事業に参加しこの不況を乗り越えていこうという海運、造船界、特に海運の船員諸君に希望を与えることに相なるであろう。しかとそのこともやらなければならぬな、このように思います。さらに陸に揚がらなければならない、鉄道マンが他の職業に行くのと全く同様のつらい立場が実は出てきたわけでございまして、この点の職業再訓練を通じながら再就職への道をしっかりと模索し、諸制度を活用しながら何があるかということも真剣に考えてやらなければならない事態に今日の行政、政治が来ておるという意識を強く持ちます。
 よって、解撤事業が、このことはインパクトが強いことであり、三年でなおかつ先に生きなければならぬ、こういうことであり、あるいは前倒しでこのことは対応をされて前進が見られるというのであれば、その時点でさらに新しくこれにその保証料なり解撤のトン数をふやすなり、もちろんまた国会にお諮りを申し上げ御承認をいただかなければなりませんけれども、そんな諸方策も弾力的に考えながら対応していかなければならない事態に来ておるな、こんなふうに痛感をいたしました。本日の各党代表の諸先生の御質疑、御提言をしかと受けとめさせていただきたいと存じます。
#97
○委員長(鶴岡洋君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#98
○委員長(鶴岡洋君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#99
○橋本敦君 私は、日本共産党を代表して、本法案に対し反対の討論を行います。
 反対の理由の第一は、政府は大手企業で占められている外航海運業界に計画造船に対する利子補給など、これまでさまざまな助成を行い、船舶の拡大を図ってきました。その上、便宜置籍船などの建造を容認したまま船舶の過剰状態をつくり出し、その失政を省みず、今度はスクラップのための資金を再び国家資金の投入によって出すというこういう形で解決しようとしています。まさに大企業奉仕政策の延長と言わざるを得ません。重大なことは、石油ショック以降の輸送量の停滞にもかかわらず、便宜置籍船やマルシップなどの投機的な大量建造を事実上野放しにしてきたことにあります。このことが船舶過剰の主要な原因となっていることは明白であります。したがって、本法案のように便宜置籍船対策には手をつけず、スクラップ促進への助成だけを行うということでは、過剰船舶問題の根本的解決には決してなり得ないのであります。
 反対理由の第二は、本法案の解撤計画により船員労働者の人減らしが促進されることであります。つまり、今回のスクラップ事業に該当する船員数は約一千百名と言われ、予算上もその半数に当たる労働者の退職資金を計上しています。我が党は、労働者の雇用を守り抜く立場からも、本法案のように雇用の安定に努めるとしていてもそれは単なる配慮を求めるにすぎず、実際には労働者の職場を奪うことになることには反対せざるを得ません。質疑でも指摘したように、船舶のスクラップが直ちに船員のスクラップになる、こういうことは断じて容認できないからであります。
 以上、簡単でありますが、反対の理由を明らかにして私の討論を終わります。
#100
○委員長(鶴岡洋君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 特定外航船舶解撤促進臨時措置法案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#101
○委員長(鶴岡洋君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議
ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#102
○委員長(鶴岡洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#103
○委員長(鶴岡洋君) 次に、請願の審査を行います。
 第二三一号交通損害保険士(仮称)の業務資格認定制度創設に関する請願外千二百十四件を議題といたします。
 本委員会に付託されております請願は、お手元に配付の付託請願一覧表のとおりでございます。
 これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、第三九九号運転代行業のタクシー類似行為撲滅に関する請願、第一四二三号韓国漁船の取締り強化等に関する請願及び第一六八二号車いす重度身体障害者の運輸行政改善に関する請願外二十三件は採択すべきものにして内閣に送付することを要するものとし、第二三二号交通損害保険士(仮称)の業務資格認定制度創設に関する請願外千百八十八件は保留とすることに意見が一致しました。
 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#104
○委員長(鶴岡洋君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#105
○委員長(鶴岡洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#106
○委員長(鶴岡洋君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 運輸事情等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#107
○委員長(鶴岡洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#108
○委員長(鶴岡洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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