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1985/04/10 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 商工委員会 第6号
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1985/04/10 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 商工委員会 第6号

#1
第104回国会 商工委員会 第6号
昭和六十一年四月十日(木曜日)
   午前十時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月三日
    辞任         補欠選任
     対馬 孝且君     福間 知之君
     井上  計君     三治 重信君
 四月四日
    辞任         補欠選任
     三治 重信君     井上  計君
 四月九日
    辞任         補欠選任
     岩本 政光君     鈴木 省吾君
 四月十日
    辞任         補欠選任
     守住 有信君     石井 道子君
     田代富士男君     服部 信吾君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         下条進一郎君
    理 事
                前田 勲男君
                松岡満寿男君
                市川 正一君
    委 員
                石井 道子君
                大木  浩君
                佐藤栄佐久君
                斎藤栄三郎君
                杉元 恒雄君
                降矢 敬義君
                松尾 官平君
                梶原 敬義君
                浜本 万三君
                服部 信吾君
                伏見 康治君
                井上  計君
                木本平八郎君
   国務大臣
       通商産業大臣   渡辺美智雄君
   政府委員
       経済企画庁調整
       局審議官     宮本 邦男君
       通商産業政務次
       官        大坪健一郎君
       通商産業大臣官
       房長       児玉 幸治君
       通商産業大臣官
       房総務審議官   鎌田 吉郎君
       通商産業大臣官
       房審議官     松尾 邦彦君
       通商産業省産業
       政策局長     福川 伸次君
       通商産業省機械
       情報産業局長   杉山  弘君
       通商産業省生活
       産業局長     浜岡 平一君
       資源エネルギー
       庁長官      野々内 隆君
       資源エネルギー
       庁次長      小川 邦夫君
       中小企業庁長官  木下 博生君
       中小企業庁次長  見学 信敬君
       中小企業庁指導
       部長       遠山 仁人君
       中小企業庁小規
       模企業部長    照山 正夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        野村 静二君
   説明員
       科学技術庁研究
       調整局宇宙企画
       課長       石井 敏弘君
       大蔵省主計局主
       計官       秋山 昌廣君
       運輸省航空局監
       理部航空企画調
       査室長      小山 正宣君
       運輸省航空局監
       理部航空事業課
       長        黒野 匡彦君
       運輸省航空局飛
       行場部計画課長  堀井 修身君
       運輸省航空局技
       術部運航課長   赤尾 旺之君
   参考人
       日本航空機開発
       協会理事長    長谷川謙浩君
       日本航空機エン
       ジン協会理事長  稲葉 興作君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○航空機工業振興法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○情報処理の促進に関する法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○中小企業指導法及び中小企業近代化資金等助成
 法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(下条進一郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る四月三日、対馬孝且君が、また、昨四月九日、岩本政光君が委員を辞任され、その補欠として福間知之君及び鈴木省吾君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(下条進一郎君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(下条進一郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に福間知之君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(下条進一郎君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 航空機工業振興法の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会に日本航空機開発協会理事長長谷川謙浩君及び日本航空機エンジン協会理事長稲葉興作君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(下条進一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(下条進一郎君) 航空機工業振興法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○梶原敬義君 私は、全般的には航空機工業振興法の一部を改正する法律案につきましては賛成の立場でありますが、幾つがこの法案を読みまして気になることがありますので、順次質問をこれからさしていただきます。
 まず、通産省にお尋ねいたしますが、我が国航空機工業の位置づけといいますか、これは一体どう考えておられるのか、最初にお尋ねいたします。
#9
○国務大臣(渡辺美智雄君) 日本は世界でも有数な経済大国であり、また技術的にも、先端産業はコンピューターその他世界に引けをとらないような技術を持っています。しかし、残念ながら戦後、戦争の余波もありまして、航空機の研究さえもしてはいかぬというようなことで工場は解体をされて、そういう点から非常に日本の航空機産業というものは私はおくれている、航空機産業というのは大変高度の知識あるいは技術、そういうようなものが必要な産業であって、日本に向く産業であるにかかわらず、実際には非常に立ちおくれておって、インドネシアやブラジルでさえもジェット輸送機をこしらえて外国にまで輸出しているというようなのに比べますと、いささか心もとないといいますか、さみしいような気がしておるわけであります。したがいまして、今後航空機の分野でもっと研究開発を進めなきゃならぬわけですが、これにつきましては莫大な資本といいますか、経費を必要とし、しかもその成果が確実に得られるかどうかもわからないというような状況にありますので、やはりそういう面からも政府は何らかの応援をして、日本の航空機産業を先進諸国に追いついていくようにさしたい、そういうふうに考えております。
#10
○梶原敬義君 次に、ちょっと具体的な問題に入りますが、今大臣が言われましたような方針に沿ってこれから振興を進めていくわけでしょうが、六十一年度一般会計予算では、YXX関係の予算が七億一千三百五十六万円、V二五〇〇関係の予算が三十九億八千六百九十九万円計上されております。
 そこで、これまでYXXとV二五〇〇計画に国費が一体幾ら投入されておるのか、それを最初に明らかにしてください。
#11
○政府委員(杉山弘君) お答えをいたします。
 V二五〇〇計画につきましては、昭和六十年度までに補助金が総計二百四十三億円投入をされております。またYXXにつきましては、昭和六十年度までの補助金の投入総額は六十九億円、こういう数字に相なっております。
#12
○梶原敬義君 六十一年度の予算を合計をいたしますと、YXXはしたがいまして七十六億、V二五〇〇については二百八十四億円、こういうことに合計しますとなるわけでありますが、これらの資金は、まあ我々、考え方によりますと、大変大きな額でありまして、一体貴重な国のお金がどのような形で研究開発の中にこれまで投入をされてきたのか、その成果もあわせて御報告をお願いをいたします。
#13
○政府委員(杉山弘君) ただいま申し上げました補助金総額、まだ開発の途中段階でございまして、これからも開発は続くわけでございますが、まず開発の当初といたしましては、やはり独自の市場調査等から始まるわけでございますが、その後本格的な開発に入りますと、試験用のエンジンなり機体なりをつくり上げていく、こういうことになるわけでございまして、V二五〇〇につきましては既に六十年度で地上試験用のエンジンの製作等も終わっておりますし、これからはむしろ実際に飛行機につけて航空をいたしまして飛行上テストをするというようなこともやってまいるわけでございます。
 YXXにつきましては、若干開発のテンポがV二五〇〇よりおくれておりまして、御案内のように、つい先ごろボーイング社との間で第二次の了解覚書を締結をいたしました。これから近く想定されております本格開発を目指して事業を進めていこうと、こういう段階になっているわけでございます。
#14
○梶原敬義君 きょう参考人として、日本航空機開発協会と日本航空機エンジン協会の代表のお二人においでいただいておりますが、この二つの組織につきまして、通産省の方から概略説明をお願いをいたします。
#15
○政府委員(杉山弘君) まず、財団法人日本航空機開発協会の方でございますが、これはYXXの開発を実施する主体となっておりまして、財団法人でございますが、基本財産一千万円でございまして、三菱重工業、川崎重工業及び富士重工業が、それぞれ三分の一ずつを設立時に寄附行為として寄附をされております。なお財団法人日本航空機開発協会はその前身が日本反間輸送機開発協会でございまして、昭和四十八年に設立をされておりまして、YXの開発主体としてYXの開発に携わってまいりましたが、五十七年の十二月に名称変更をいたしまして、現在の日本航空機開発協会になっております。
 また、財団法人日本航空機エンジン協会につきましては、V二五〇〇の開発を担当をいたしておりますが、石川島播磨重工業、川崎重工業、三菱重工業が、それぞれ基本財産五千万円に対しまして、石川島播磨重工業がその六〇%を、川崎重工業が二五%を、三菱重工業が一五%の比率で設立時に寄附をいたしております。なお、設立の時期は昭和五十六年の十月でございます。
#16
○梶原敬義君 稲葉参考人にお尋ねをいたしますが、V二五〇〇計画は、今説明がありましたように、昭和五十八年三月に協会が正式にできまして、今既に五カ国で共同開発事業としてスタートをしておりますが、現在の開発状況、それから開発に当たって今非常に苦労しているというか、非常に問題になっている点、それから地上テストの状況、こういう点について最初にお尋ねをいたします。
#17
○参考人(稲葉興作君) 稲葉でございます。
 現在V二五〇〇につきましては、五カ国による共同作業が順調に進んでおりまして、初号機は昨年の十二月にアメリカのイーストハートフォードで運転を開始いたしております。続いて、本年に入りまして二号機の運転に入りました。また来週ごろから、英国のダービーというところで三号機の運転が始まる予定になっております。したがいまして、試験項目が非常に複雑多岐にわたっておりまして、それぞれスケジュールによって現在順調に試験が行われております。
 現在問題になっている点がいかがかという御質問でございますが、これは長期にわたる試験プログラムが決まっておりまして、それを一つ一つ試験をして、それを確かめながら進むということでございます。したがいまして、まだ試験が始まったばかりでございますので、これから出てきた問題点を一つ一つ解決しながら前へ進む、こういう状況になっております。
 なお、地上運転につきましては、各コンポーネントの性能の計測、それから全体の性能の計測を終わりまして、さらに耐久運転をやり、先ほど局長が御説明しましたように飛行運転に入る、こういう順序になっております。
#18
○梶原敬義君 同じく稲葉参考人にお尋ねしますが、我が国の開発プロジェクトチーム、これは国内でもやっているのか、全部海外へ出てやっているのか、その辺はいかがですか。そして何人命これに携わっておるのか。
#19
○参考人(稲葉興作君) お答えいたします。現在開発は五カ国で行っておりまして、日本の担当部位と申しますのはファンの部分で、日本はこれだけのことを開発をやるというところが決まっております。その部分につきまして当初基本的な設計から入りまして、日本の分担をきちんと決めて、日本自体で開発作業をやっております。しかしながら全体のエンジニアリング、取りまとめ等につきましては、英国のダービーに五カ国の人を集めまして、ここで設計を行っております。それからさらにアメリカのイーストハートフォードにおきましても、必要な作業員を集めて五カ国で共同して設計を進めております。さらに、もちろん日本においても設計が行われておりますし、それからエンジン協会を構成しております三社においても、さらにいろんな部品の設計等も行っております。
 人数でございますが、JAEC、エンジン開発協会で現在国内で八十名の人が、設計以外も含めますが、作業をやっております。海外におきましては、現在二十人から四十人の間、これはしょっちゅう人の出入りが非常に激しゅうございまして、最低二十名、多いときには四十名、その程度で現在作業をやっております。
#20
○梶原敬義君 国内の八十名というのは、もうこのV二五〇〇だけにタッチしているのか、その他の仕事をしながらこれをあわせてやっているのか、この点が一つ。
 それからATP、アドバンスト・ターボ・プロップ・エンジンですね、この関係についてあわせてお尋ねしますが、私はまあ新聞情報ぐらいしかないんですが、これを見ますと、いろんなことが書いてあるんですが、ATPの開発状況というのは、現状を一体どうとらえておるのか、いつごろこれは実用化される見通しなのか、この点についてわかっている範囲で結構ですので、お願いをいたします。
#21
○参考人(稲葉興作君) このエンジン協会は、V二五〇〇だけをやっているかということでございますが、主としてV二五〇〇の開発、大部分の仕事がV二五〇〇の開発をやっております。ただ、エンジン協会の使命といたしまして、新しい航空機エンジンの開発に関する調査等も行っておりますので、そういう仕事も若干やっているということでございます。
 なお、ATPでございますが、これは今申されましたように、アドバンスト・ターボ・プロップ、進んだターボ・プロップという意味でございまして、まだはっきりした定義も決まっておりません。ただ、十数枚の非常に幅の広い大きなプロペラを高速で回すことによって、現在の高バイパス比を持ったターボ・ジェット・エンジンよりも亜音速において非常に効率のいいエンジンができるということが理論的に提案をされまして、現在主としてアメリカで開発が進んでおります。既に一社では試作エンジンができて、運転に入っているとこうでございます。
 将来の有望なエンジンとして我々も調査、研究をこれからやらなければならないというような環境にあるかと思いますが、このV二五〇〇との関係につきましては、これは我々としては全く別なものとしてとらえておりまして、このATPというのはまだ非常に初期の開発段階にございまして、可能性はあるけれども、まだ商業用としてこれが使えるということの判定を下すまでには至っていないというふうに了解しております。
#22
○梶原敬義君 朝日新聞の六十一年の二月十五日、「力をつけた日本の技術 日米共同の航空機開発」、これは「みんなの科学」という欄ですが、この欄によりますと、「ボーイング7J7の完成予想図」があるわけですが、ATPのエンジンらしきものがこの絵に載っておるわけですね。
 それから、これはやはり六十一年二月二十日の新聞でありますが、これによりましても、これは「ボ社の新型旅客機7J7開発 三菱重工など三社、全面参加」ということで、これもやっぱりエンジンの後ろに羽根がついておる。これはATPのようなんですね。ですから、今言われましたように、ATPが非常に未来のものだ、とにかくV二五〇〇とはそう競合はしないんだと、こういうような今お言葉であったんではないかという気がいたしておりますが、果たして、そうですね、ゆっくりしておれるのかどうなのか、V二五〇〇の商品寿命が、果たしてATPが急速に追っかけてくれば、莫大なお金を投資をしたが、なかなか簡単にはうまくいかない、こういう問題が起きてこないのかどうなのか、非常に私はいろいろ見てみますと心配がありますので、重ねてその点についてお尋ねをいたします。
#23
○参考人(稲葉興作君) ただいま御指摘の点でございますが、まずその前に、V二五〇〇の現在の販売状況について一言申し上げますと、現在これは開発段階でございますが、既に世界の多くのエアライン、あるいは航空機を製造している会社から受注をしております。この数が予想した以上の七倍以上になっておりまして、現在三百台以上のエンジンの受注を得ております。それからさらに、このV二五〇〇は双発だけじゃなくて、四つをつけまして、非常に長距離の中型の航空機のエンジンとしても使えるということで、さらにこの販路が開けるということも我々期待しております。したがいまして、現時点におきましては、このV二五〇〇の開発によった成果が十分予想どおり生かされるというふうに我々は確信しております。
 一方、このATPにつきましては、御指摘のようにいろんな絵にこれが載っておりますが、これは既にアメリカでも一九九一。年には一つ目標のターゲットとしてやっていくというふうなことも既に述べられておりますけれども、その実態につきましては、今私が申し上げましたように、非常にまだ開発の初期の段階にございまして、今御心配のこのV二五〇〇の開発というものは決してむだにならない、予定どおりいっているというふうに申し上げていいかと思います。
#24
○梶原敬義君 V二五〇〇の受注をあらかじめしていると。もう既に三百台のうちに販売しているのがあるのかどうなのか、先の見通しなのかどうなのかですね。それから、開発費というものは莫大にかかるわけですが、一体何台受注をすればこれで大体元が取れるのか、採算がとれるのか、今までの投資が回収できるのかどうなのか、これが一つと、ATPが一九九一年とすると、もうあと五、六年先なんですね。ですから、その点で心配がないと、こういうお話で、非常に心強く思っておるんですが、その点について先にちょっとお尋ねをします。
#25
○参考人(稲葉興作君) ただいま三百以上と申し上げましたのは、既に航空機会社等から、五カ国でつくりました合弁会社IAE、インターナショナル・エアロ・エンジンズという会社がスイスにございまして、これが開発、販売の窓口になっております。そのIAEに対して既に三百台以上の実際の注文があったということでございます。
 今後どのくらい見込めるかということでございますが、これは今後いろいろ変動するかと思いますが、我々としては、西暦二〇〇〇年ぐらいまでには四千台ぐらいの注文は一つ目標として持たなきゃいかぬというふうに考えております。
 なお、この開発費の回収でございますが、航空機のエンジンというのは膨大な開発費が必要でございまして、飛行機と同じぐらいの開発費がかかる。しかも、開発期間は航空機の機体の倍ぐらい時間がかかるということで、開発費、それから販売費に相当大きな先行投資がございまして、国の御援助がなければなかなか実現が難しいわけでございますが、やがてはこれが販売によって利益が出て、それをお返ししていくという時点、すなわち我々企業からいたしますと、これが採算に合ってくる時点と申しますのは、今後やはり十年以上かかる、西暦二〇〇〇年以降に我々としては採算が合ってくる、こういうふうなもくろみをしております。
#26
○梶原敬義君 ちょっと通産省、そこを補足していただきたいんですが、通産省としては、時間は今二〇〇〇年というのはわかりましたがね。結局、後でどのくらい投入資金が要るのか聞きますが、何台ぐらい売れば今の相場というんですか、今の競争条件の中で、既に三百台注文を受けて売ったということですから、何台売れば採算に乗るんだと、これをちょっと。
#27
○政府委員(杉山弘君) 採算の問題につきましては、いろいろ前提条件もございますので、必ずしも確定的な数字を申し上げられるかどうか自信がないわけでございますが、ただいま稲葉参考人からも御返事がございましたように、日本としては約四千台を売りたいということを考えておりますので、私どももそのぐらい売れますと、全体としての開発費は回収でき、それ以上売れた分につきましてはむしろその部分はプラスになってくる。収支採算のとれる販売目標台数というのが約四千台というふうに考えておるわけでございます。
#28
○梶原敬義君 さあそんなに売らなきゃ採算が合わぬというんじゃ、勘ですが、ちょっとぴんとこないんですが、一台幾らするんですか、幾らで見て四千台と言っているんですか。
#29
○政府委員(杉山弘君) 四千台と申しますと非常に大きい数字ではないかと、こういう御感触を持たれるわけでございますけれども、百五十席クラスのエンジンと申しますものにつきましては、私どもの現在の需要予測では、二〇〇〇年代までの間に世界全体で七千台以上需要があるんじゃないかと思われます。現在、V二五〇〇の競合エンジンといたしましては、CFM56−2というのがございますが、これまでの受注状況から見ましても、V二五〇〇が競争相手でありますCFM56−2に比べますと相当好調に推移をいたしておりますので、全体の需要との関係から申しますと、この四千台というのはそんなに難しいことではないんではなかろうかと思います。
 なお、単価についてお尋ねでございましたが、これも今想定をいたしておりますのは、一台約三百万ドルというくらいの値段を想定をいたしておるわけでございます。
#30
○梶原敬義君 ちょっと後でまたそこひっかかってきますから、三百万ドルで、今の円相場で四千台売ったときの円に直した金額をちょっと計算しておいてください。
 次に、YXX計画について、日本航空機開発協会の長谷川参考人にお尋ねをいたします。
 ボーインク町機の開発に当たっては、日本側は当初八〇年代の就航を強く希望しておったようでありますが、ボーイング社側は技術革新を十二分に取り入れた省エネ、ハイテク機にしたいと主張して、九二年就航の方針を立てているという報道がなされておりますが、このボーイング社側の主張の省エネ、ハイテク機にしたいというのは、どういうところをねらって言っているのか、最初にお尋ねをいたします。
#31
○参考人(長谷川謙浩君) ただいま御質問の、YXXのボーイング社がねらっております省エネ、ハイテクということでございますが、現在考えております点は、できるだけ燃料消費が少なくなるような省エネの航空機にしようというような問題、さらにハイテクとしましては、最近の新しい空力あるいはそれ以外の新しいエレクトロニクスの採用あるいは新しい材料の採用等々を、この開発計画の中に盛り込んで現在やっておるという状況でございます。
 以上でございます。
#32
○梶原敬義君 省エネという言葉が新聞なんかでたびたび出ておりますが、新聞報道の写真の中にもATPエンジンがついた写真がずっと出ていますね。そうしますと、早く日本がやらしてほしいというのに一九九二年にこれを延ばしているということは、エンジン部分にATPエンジンをボーイング社側としてはぜひ積み込みたい、これによってエネルギーは非常に節約される、こういう見通しに立っているのではないか、こういうことが推測をされるんですが、いかがでしょうか。
#33
○参考人(長谷川謙浩君) 今回のYXXの計画につきましては、ただいま申し上げました省エネという問題でございますが、その中のエンジンにつきましてはいろいろの点、いろいろの新しいエンジンにつきまして模索をしていることは事実でございまして、その一つといたしましてこのATPのエンジンもある、こういうことであるというふうに私どもは理解しております。しかしながら一方におきまして、ATPエンジンの実用のためには、さらにさらに技術的な解明を要するという問題がございますので、果たしてこのATPエンジンが採用されるかどうかという問題につきましては、最終決定にはなお時間を要するであろうというふうに私どもは考えております。
#34
○梶原敬義君 通産省はそこのところをどう見ておられますか。
#35
○政府委員(杉山弘君) 先ほど来参考人の方々からのお話にもございましたように、ATPエンジンにつきましてはかなり燃費の改善にもなる革新的なエンジンという評価はございますが、一体いつごろから実用化されるのかということにつきましては見方が分かれておりまして、先生御指摘のように、比較的早く実用化され得るんではないかという楽観的な見通しもございますけれども、革新的なエンジンでございますだけにいろいろ問題点も多い、そういうものを開発した上、研究した上で実用に耐え得るようになるのは大分先になるんではないかという見方もございます。
 私どもといたしましては、我々自身もこういったエンジンの開発についてはこれから考えなければならないと思っておりますけれども、当面はV二五〇〇、これはもう六十三年度に型式証明を取りまして、実際に機体につけて飛ばせるような状況にもなっておりますので、むしろそういう開発の進行状況からいきますと、将来の可能性としては先生御指摘のような競合の可能性というのも全く否定し去るわけにはいかないと思いますけれども、当面はこのV二五〇〇開発が進んでいるということからいきまして、先ほど来御答弁申し上げておりますような、世界全体の需要の中においてかなり大きな割合にはなりますけれども、その程度のことは十分可能性があると、かように考えているところでございます。
#36
○梶原敬義君 先ほどV二五〇〇のエンジンは四千台、もっと売れるんじゃないかと、通産省の希望的な観測もあって四千台売ってとんとんぐらいと。数字出ておりましたら、さっきの円に直した金額、ちょっと教えていただきたいんですが。
 YXXは、ひょっとしますとこのATPのエンジンを積むかもしれない、そうこうしていると、V二五〇〇をATPエンジンが市場で追っかけてくる、エネルギー関係対策やなんかもあって追っかけてくる。なかなか厳しい問題が想定をされますが、この点について通産大臣、見通しは大丈夫ですか。
#37
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは見通しのことですから神様でないとはっきりわかりませんが、今までの推算ではまず大丈夫であろうと、そう思われております。
#38
○梶原敬義君 ちょっと円の……
#39
○政府委員(杉山弘君) 一台三百万ドルということを申し上げました。換算はレートをどう見るかということでございますが、比較的簡単な計算のために仮に一ドル二百円ということで計算をいたしてみますと、一台当たり円換算は六億円になるわけでございまして、それの四千台分ということになりますと二兆四千億円、かようになろうかと思います。
 このV二五〇〇の総開発費は約四千億円ということを想定いたしております。四千台の生産をいたします場合の生産経費及び販売経費、これが約二兆円と考えますので、開発費と生産・販売費を合計いたしますと二兆四千億円、したがいまして売り上げと開発費及び生産・販売費の総計が四千台売れましたところでとんとんになっていく、こういう想定をいたしているわけでございます。
#40
○梶原敬義君 稲葉参考人、最低四千台売らなきゃこれはなかなか大変だというような数字で、そういう見通しで、あなたは実業家としてそういう判断をされているのかどうなのか、それが一点。
 両参考人にお尋ねいたしますが、今回のこの法改正によって新しい方式ができるわけでありますが、この方式についてどのように評価をされておるのか、あるいは国に対する要望を別に持っておられるのか、この点についてあわせてお尋ねをいたします。
#41
○参考人(稲葉興作君) 我々企業といたしましては、このV二五〇〇に、社運をかけて開発に協力をしております。したがいまして、今御指摘の四千台という数字はあくまでも目標でございまして、我々は目標を実現させなきゃいかぬということで全力を尽くしております。非常につらい仕事でございますが、日本の将来のためにどうしてもこれはやっていかなきゃいかぬという気持ちで現在いるわけでございます。
 なお、今度の新しい助成スキームについてメーカーとしてどういう意見かという点でございますが、民間航空機あるいは民間航空機用のエンジンというものは非常に技術的に高度のものでございまして、その開発には非常に長い時間と膨大な費用、それからいろんな技術的な困難が伴うものでございまして、結果として非常なお金と長い期間が必要だということ、さらに、先ほどからるる申し上げた、特に開発費の回収に非常に長期を要するということで、いわゆる開発のリスクが非常に大きいということが他の産業に見られない特徴でございます。しかし一方では、これを開発することによってハイテク産業あるいは技術の波及効果、あるいは産業構造の高度化、あるいは技術立国を目指す我が国において極めて重要な、将来性の高い産業だというふうに考えております。
 こういう背景の中で、我々の希望といたしましては、この開発が順調に進むためには、やはり国として長期的視野に立った適切な助成の制度がどうしても必要だ、これなくしては日本の航空機産業の発展は望めないというふうに考えております。こういう点で、国の財政事情がますます厳しくなっております昨今で、これまでの補助金制度にかわる新しい助成のスキームへの移行は我々としてはもうぎりぎり間に合った、時宜に適したものと考えております。
 さらに希望を言わせていただければ、さらにこういうものが量的にも、また長期にわたって永続的に実施されることを切に希望するものでございます。
 以上でございます。
#42
○参考人(長谷川謙浩君) ただいまの新しい制度に対する意見ということでお答え申し上げます。
 航空機産業は、私が今さら申し上げるまでもなく、その技術的先導性から技術波及効果の高い産業でございまして、また知識集約度の高いものでございます。産業構造の高度化あるいは技術立国を目指します我が国にとりましても、大変重要な、かつ将来怪の高い産業であると私は思っております。
 しかし、この民間航空機の開発につきましては、技術的な困難性が高く、また開発に膨大な資金を長期間にわたって必要といたします。さらには、この開発費の回収に大変長い時間がかかってまいりますために、開発リスクが極めて大きいということでございまして、ほかの産業には見られない特質がございます。
 また、我が国民間航空機産業は戦後七年間のブランクがございまして、この影響が大変大きく響いております。その後、YS11の自主開発とか、あるいはボーイング社とのの767共同開発等々によりまして懸命の努力を続けておりますけれども、この狭隘な国内市場等の制約もございまして、先進諸外国に比べましてその地位は低く、産業基盤はまだ脆弱でございます。このため、日本の航空機産業の発展のためには、長期的視野に立った適切な国の助成制度がぜひとも必要であるというふうに思っております。このYXXにつきましては間もなく本格開発に入るところでございまして、今後、資金需要が急激に増加する見込みでございます。
 国の大変厳しい財政事情下にありまして、これまでの補助金制度にかわる新しい助成制度への移行は、まことに私は時宜を得たものであるというふうに思っております。我々メーカーとしましては、ぜひこの制度の実現を切に願っておるわけでございます。同時に、先ほど稲葉参考人も申しましたように、長期間にわたりまして量的にもひとつ十分にお考えのほどをお願い申し上げたいというふうに思うわけでございます。
#43
○梶原敬義君 今長谷川参考人のお話にちょっと出たんですが、通産省にお尋ねします。
 YXX計画はもうすぐだと、こういうことですが、これとV二五〇〇計画が、要するに計画がうまくいって実用化されるまで、国の資金があと幾ら必要なのか、これの見通しについてお尋ねをいたします。
#44
○政府委員(杉山弘君) まず、V二五〇〇について申し上げます。
 これまでの国の補助金の投入額については、先ほど御答弁の中で申し上げましたので、六十一年度以降、国からの補助金、交付金というものがどれくらい必要かということについて申し上げますと、六十一年度からは先ほど来お話しのございました新しい助成方式に移行をいたしますが、これは六十一年七月以降新しい方式に移行するということになりますので、それ以前におきましては、従来の方式に準じました補助金の交付をするということになるわけでございまして、したがいまして六十一年度は補助金、交付金の二本立てでまいることになります。
 六十一年度に交付いたします補助金は三十九億円見込んでおります。七月以降は新方式に移行をいたしますので、交付金という格好になるわけでございますが、六十一年度以降の交付金が百七十億円というふうに見ております。したがいまして、V二五〇〇計画に対しますこれから国から出ていくお金と申しますのは、三十九億円と百七十億円の合計ということになりますので、二百九億円ということになろうかと思います。
 それからYXXでございますが、六十一年度以降、これも先ほどのV二五〇〇につきまして申し上げたと同じように、七月までは従来の補助金の形での国庫からの支出、七月以降につきましては交付金という形での国庫からの支出ということになるわけでございますが、六十一年度の補助金という格好での国庫からの支出は七千万円でございまして、交付金という形での六十一年度以降の国庫からの支出が六百三十七億円ということになりますので、合計をいたしまして、六十一年度以降国庫から支出される額は約六百三十八億円ということになろうかと思います。
#45
○梶原敬義君 今YXXがちょっと聞き取れなかったんですが、合計しますとこれから六百三十八億円。そうすると、V二五〇〇が二百九億円、こういうことでいいんですね。そうすると、YXXは倍以上、三倍ぐらい結局がかるというわけですね、エンジン開発に。わかりました。
 次に、今言われましたように、非常に多額の国の資金をこれから投入するわけであります。これは先ほど両参考人から言われましたように、非常に技術立国を目指す我が国としては大事なことだ、やってもらいたいという切望がありました。理解をいたしますが、国もそうそう金がないときであります。
 もう一度確認の意味で、通産省に、これまで要った金、そしてこれからつぎ込む、さらにこれにはリスクがつきまとう、こういうことですが、この航空機工業をさらにこれからどうしても育成したい、そのメリットがあるんだ、こういう考えに立ってのことでありますが、その点についてさらにもう一度、なぜそこまでしてやらなきゃならないのか、この点について質問をいたします。
#46
○政府委員(杉山弘君) 航空機工業振興の必要性につきましては、先ほど来大臣からも御答弁申し上げましたし、両参考人からもこもごもお話があったわけでございます。
 日本だけではなく、世界各国もこの航空機工業の産業構造の中に占める重要性にかんがみまして援助をいたしております。私ども考えますと、日本の場合には、これまでの政府の助成も含めまして、海外諸国と比べますと、航空機工業振興に対する政府の力の入れ方というのはやっぱり若干差があったんではないかということを痛感いたしておるわけでございます。
 御指摘のように、財政事情も非常に苦しいところでございますが、この両計画につきましてはこれまでもやってきておりますので、先ほど来御答弁の中で申し上げましたように、六十一年度以降は新しい助成方式を採用いたしまして、従来の補助金形式によります場合よりは財政的な負担を軽減をするということで考えたわけでございます。開発期間通算をいたしますと、V二五〇〇で総開発費約四千億、YXXで七千二百億という非常に大きな金額が必要でございます。日本のそれぞれに対しますシェアというのは二〇%を超える程度でございますが、それでも負担金が膨大な額になりますし、現在の日本の航空機工業の実力からいたしますと、そういうものすべて自己の負担でやるということにつきましてはリクスの大きさに耐えられない。そういう観点から、今までも政府の助成をいたしてきたわけでございますし、これだけの助成をする効果は十分にあるものというふうに私ども確信をいたしておるわけでございます。
#47
○梶原敬義君 またその点については後で若干お尋ねします。
 次に移ります。
 この新しい、今回提案されております改正案の方式でありますが、財団法人でとにかく何か指定機関をつくるということですが、どうも通産省の最近の法律は、法律で大きな骨組みだけつくって、あとは行政でやるということで、これは私もこの前質問をいたしましたが、基盤技術研究促進センターの中身の問題も、我々がその法案審議するときには中身がなかなかわかりにくかった。できてみると、どうも法案審議をしたときの頭に置いた内容と大分食い違っておる。それから、この前、特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法のときも、どういう業種を指定をするのかという業種の問題については非常に大ざっぱで、一体何と何がどういうように含まれるのかというのがなかなかわかりにくい。
 通産省は、法律をつくるときに、そういう非常にあらましなやり方というか、通産省独自のこうやり方、それが、撚糸工連とかあるいはフィリピンの円借款や何かの問題を引き起こす、直接関係がないにしても。一応国会は大筋だけぼっと通しておけば、あとはこっちで勝手にやるんだというような、そういう物の考え方がどうも基本的にあるんではないか。私は、ですから、やっぱりこれは一々疑って、裏をひっくり返して、この法案を審議するときにかからなきゃいけないんじゃないか、そんな気さえ今強くしておるんです。
 そこでちょっとお尋ねいたしますが、この新しい指定機関、一体どういうことを考えているのか。交付金あるいは補助金の流れは指定機関からどういうように配られていくのか。それが第一点。
 それから、実体のないトンネル機関になりはしないのかどうなのか。これは一応つくった以上は、民間でやるとはいっても金はどんどん流すわけですから、これはやっぱり政府や国会に責任があるわけですから、一体それはどう、監督というんですか、指導を強めて、行政指導もやっていくのか、責任を持つのか、その点について第二点。
 第三点は、この新機関の役員構成みたいなものは一体どうするのか。基盤技術研究促進センターを開いてみますと、通産省OBが二人、それから郵政省OBが二人、あと開発銀行から一人、常勤役員が決まっておりまして、これは、中小企業の人もあるいは一般の人もなかなか中に入れないような形でありましたし、ちょっとそれは、こうするんだとあらかじめその辺についてはもっと事前に説明があってもいいわけですが、どうも――多額な金をやはり補助なりあるいは交付していくわけですから、もうちょっと明らかにこの点についてはすべきじゃないか、そう思うんですが、この点についてお尋ねします。
#48
○政府委員(杉山弘君) 三点のお尋ねがございました。
 まず第一点は、国庫からの金の流れがどうなるのかということでございますが、私どもこの指定法人制度を考えましたのは、新しい助成方式によります場合には、従来の補助金の際の収益納付以上に対象事業者からの収益納付を強化しようということを考えておりまして、政府から交付をされた限度を超えて収益が上がった場合にはそれを返していただいて、しかもそれを積み立てておいて次のプロジェクトに使っていこうということでございます。
 通常、収益納付で国庫にお返しをいただきますと、国庫の雑収入ということになってしまいまして、それを、ただいま申し上げましたような格好で次代の新プロジェクトに使うということはなかなか難しいということがございますので、収益納付金につきましては、この指定法人に積み立てておきまして、そして助成資金の原資として使うということにいたしたわけでございます。
 収益が上がりますのはまだ先の話になりますので、当面は国庫からの支出金がこの指定法人に参りまして、指定法人がそれぞれの補助主体、V二五〇〇、YXXにつきましては先ほどからお話のありました二つの財団法人がそれぞれ別個にあるわけでございますが、そこに対して必要資金を助成金として交付をするということになりますので、国庫と助成対象団体との間にこの指定法人が介在をするということになるわけでございます。介在いたします理由につきましては、今申し上げましたような回転基金構想ということにいたしますために必要だということになるわけでございます。
 第二点が、トンネル機関にならないかということでございますが、これにつきましては、法律案の内容をごらんをいただきますと御了解いただけるかと思いますが、いわば国にかわりまして資金を交付し、また収益納付されたものを管理をするという重要な役目を担うことになりますので、通産大臣がその事業計画、事業のやり方につきました業務規程といったものを認可をいたしますし、収支決算等につきましても認可の対象にいたします。また、資金的には国庫からの助成金及び助成事業者から納付されました納付金の管理につきましては、区分経理をしてやるというような詳細な規定を設けておりますので、単なるトンネル機関に終わるということはないはずでございます。
 また、役員構成につきましては、法律上、財団法人を指定法人といたします際に、役員構成が業務の実施をする上で適正なものであるということが指定の際の基準として上がっているわけでございます。先ほど基盤技術研究促進センターの例を引いて、役人だけになるのではないか、こういうお話がございました。この指定法人につきましては、できるだけ既存の団体を活用したいものと考えましていろいろ調査をいたしましたが、相当する適切な財団法人が存在しないということもございまして、私ども今財団法人を新設をする方向で考えておるわけでございます。
 まだ、そのための設立準備を手がけたばかりのところでございまして、詳細を申し上げる段階にはなっておりませんが、この財団法人の役員につきましては、基金を拠出をしていただいた企業を中心として、民間の方々にも役員として御参加をいただくということを考えておりまして、その中で実際に仕事を取り仕切るということになってまいりますと、これは助成対象が民間の事業者ということにもなりますので、むしろ中立的な立場にある、公正に業務を執行できるという人が常勤役員になることが必要なのではないかと考えておりまして、そういう観点から今人選を進めているところでございます。
 繰り返すようになりますが、役員は相当多数に上る、非常勤役員も含めますと二十人を超えるような役員構成になるかと思いますので、そういう中におきますいわゆる役人OBというものの数というのは、極めて限られたものになるのではないかと思いますので、御懸念のようなことにはならない。ただし、一方ではやっぱり業務の厳格公正な執行ということもございますので、全く役人出身者が入らないというわけにもいかないのではないか、こんなことを今考えているところでございます。
#49
○梶原敬義君 私が言いたかったのは、ちょっと誤解を招いたと思うんですが、基盤技術研究促進センターの場合、五人の役員の中に何も通産OBが二人、郵政OBが二人も常任に入らぬで、一人、一人にしても、その分あと民間から入れなくても、人数は絞ってもやれるんじゃないか。そうすれば経費も少なくて済むし、ちょっとそういう感じを強く持ったんです。
 それで、今聞きにくかったんですが、例えばV二五〇〇の開発については、指定法人に政府が交付金を渡しますね。その交付金が、三つの企業が参加しておりますから、それをどこに幾らというような形でそういう配分の仕方をするのかどうなのか、ちょっとそこのところがわかりにくかったんです。
 それからもう一つは、時間が来ておりますから簡単に申し上げますが、指定法人が、ある程度YXXとV二五〇〇が成功したというか、収入あるいは利益が出だした場合に、何がしかの形を指定法人に逆に納付するという形ですが、どうもこれも納付が幾ら、一体どのような形で、額をだれが決めるのか、これは国会に諮って決めるというのか、通産省で決めるのか、これがさっぱりわからぬ。だから、こういうような形で出されても、ああなかなかいいですなと、こう言いにくいわけですよ。その点について、あなた方の法律をつくるときの姿勢というものが、どうも通産省の姿勢というのは少し反省をしてもらわなきゃ、何でもやれる、何でも勝手に強引にやって、後から問題が出ても困るわけですから、この点について簡単にお願いをします。
#50
○政府委員(杉山弘君) 先ほどの御答弁が若干舌足らずでございました。
 国庫からの支出金は一たんこの指定法人に入りますが、指定法人から助成金として交付をされますのは開発プロジェクトの実施主体でございまして、V二五〇〇につきましては、財団法人日本航空機エンジン協会でございますし、YXXにつきましては財団法人日本航空機開発協会ということになるわけでございまして、財団法人に基金を拠出をしている企業に直接指定法人からお金が流れるということではございません。
 この交付を受けました財団法人は、それぞれ参加企業から、補助金の部分につきましては自己負担分に相当する額、それから融資の場合の利子補給につきましては七〇%を開銀から借りますし、残りの三〇%は企業が負担をするということになりますので、そういった負担部分につきまして、すべてこの開発主体である両財団法人が各企業からの出捐を受けまして、財団法人段階で開発事業それ自身を実施をいたしますので、直接お金が各企業に流れるということにはならないわけでございます。
 それから、収益納付についてのお尋ねがございました。収益納付の率がどうなるのかということにつきましては、この法律上では、交付をいたしました助成金の開発費に占めるウエートその他を考慮した上で、省令で決めるということになっております。この省令を決めるに当たりましては、通産省単独ということではございませんで、財政当局とも十分相談をいたすわけでございますし、先ほど申し上げましたように、従来の補助金適正化法によります収益納付義務を越えたものを助成事業者にお願いをするということになっております。
 助成の程度その他、今の段階から必ずしもはっきり確定をして数字をお示しすることができませんので、省令に委任をしているわけでございますが、いずれ省令の形ではっきり出てまいりますし、繰り返すようでございますが、財政当局とも十分御相談をしてやってまいりますので、御心配のようなことで、実際にはしり抜けになってほとんど収益が納付されないというようなことにはならないと思いますし、また、省令が出ました際に、もしその内容につきまして御懸念のような点がございましたら、また国会の場で十分御議論もちょうだいをしたいと考えているわけでございます。
#51
○梶原敬義君 今まではもうかったときの心配ですから、ぜひもうかるように頑張っていただきたいと思うんです。
 最後になりますが、日本航空機製造株式会社の問題について、これは今度は悪いことを想定して質問しますが、これへの出資及び補助金の額について、何年に増大したからというのはもういいですから、今まで政府が出しましたこの日本航空機製造への出資金の合計、それから民間が出した出資金の合計、それから補助金の合計、これをちょっと最初にお尋ねをします。
 それから二番目に、結局は余り効果が、少し上がったのかどうかわかりませんが、結局これを破産会社にして、会社を清算をしたわけです。相当程度国がこれはひっかぶったわけですが、ちょっとこの点について説明を先にお願いをします。
#52
○政府委員(杉山弘君) 日本航空機製造株式会社に対します、まず出資金でございますが、設立されました昭和三十四年度以降四十二年度までの間に、政府は合計四十二億円の出資をいたしております。これに対しまして、民間からの出資が同じ期間に累計三十六億円、合計いたしまして、出資金は七十八億円ということに相なっております。
 また、政府が支出をいたしました補助金でございますが、これは開発段階におきます開発費に対する補助金、それから御案内のように、量産に入りましてからは販売面で十分な成果が上がりませんでしたので、収益的には赤字が出てまいりました。その赤字の穴埋めと申しますか、赤字対策、それから最後にこの会社が解散をいたします場合に、解散対策として若干の政府補助金を出しておりますが、そういったものを合計をいたしまして、三十四年度から五十七年度解散をいたします時期までの間に、二百七十三億円余りの補助金が政府から支出をされているわけでございます。
#53
○梶原敬義君 最後になりますが、きょうは両参考人もおられまして、結局は、航空機の開発事業というのはリスクが非常に大きい、それで国にも力を入れてもらいたい、こういうことですが、やってみたが、日本航空機製造のようになってしまえば、これは皆さん方の会社もそれはひっくり返るかもわかりませんが、これは国にとってもお金のないときに大変痛手でありまして、そういう意味では、本当に国民のためになる航空機開発、ここに重点を置いていただいて、やはりぜひ結果がうまくいくようにやってもらわないと、これは何にもならないわけでありますから、一言ずつ両参考人に御決意を聞かせていただきまして終わりたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#54
○参考人(長谷川謙浩君) ただいまの件に関しまして、私どもといたしましても、このような国の助成を受けるわけでございますし、ぜひともこの航空機産業の振興のためにも一層努力をいたしまして、ぜひこれを成功させたいと、こういうふうに思っております。
 現在の見通しといたしましても、航空機のいわゆる航空輸送の需要というものは着実に伸びておりますし、また我々が目指しておりますような、こういう新しい飛行機に対しまして代替需要も出ておるというふうに思っておりますし、そういう意味におきましてぜひこれを成功させるようにやっていきたいと、こういうふうに思っておりますので、よろしくひとつ御援助のほどをお願い申し上げたいと思います。
#55
○参考人(稲葉興作君) ただいまの御指摘でございますが、国の膨大な費用、お金を使わせていただくということで我々も責任を感じております。
 我々企業といたしましても、この膨大な開発費の約半分は我々が負担するわけでございまして、半分といえども大変な金額でございまして、我々も非常につらいことでございますが、決意をかたくして、どうしてもこれを成功させたいということで、今後全力を尽くしてまいりたいと思います。
#56
○委員長(下条進一郎君) 長谷川参考人並びに稲葉参考人には、長時間ありがとうございました。御退席いただいて結構でございます。
    ―――――――――――――
#57
○委員長(下条進一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、田代富士男君が委員を辞任され、その補欠として服部信吾君が選任されました。
    ―――――――――――――
#58
○浜本万三君 航空機工業振興法の一部を改正する法律案の審議に当たりまして、若干関係することをお尋ねいたしたいと思います。
 まず、最初にお尋ねをいたしたいのは、通産省の方でございますが、航空機の需要の見通しについてお尋ねをいたしたいと思います。
 運輸省の資料によりますと、国内線の旅客は今後五年間に年五、六%の伸びが見込まれて、昭和六十五年度時点になりますと、六千万人から六千三百万人というふうに予測をされておりますが、通産省もそのとおり見込まれておられましょうか。
#59
○政府委員(杉山弘君) 国内の航空旅客需要が今後どうなるかというお尋ねでございました。
 私ども承知いたしておりますところでも、運輸省の試算によりますと、大体これから年率六%前後の伸びで、六十五年度には御指摘のように六千万人から六千三百万人ぐらいになるんではないかという試算をされているようでございます。私どもは、この国内旅客輸送につきまして、必ずしも運輸省と同じような知識を持っておりませんので、独自の想定はいたしておらないわけでございますけれども、航空輸送の高速性、快適性、利便性ということを考えますと、運輸省が試算しておられますような需要の伸びというのは、私どもの目から見ましても十分今後期待できるのではないか、かように考えているところでございます。
#60
○浜本万三君 その場合の航空機の需要状況なんでございますが、大体現在四千万人の旅客が想定されておりまするし、六十五年度に六千万から六千三百万ということなんでございますが、現在の時点で使用されておる航空機のクラス別の機数、これは四、五百人のジャンボクラス、三百五十人のトライスタークラス、二百五十人の767、さらに百五十人の727、DC9というクラスに分けて、現在の状況、六十五年を見通した数字が予測できればその数字をお示し願いたい。
#61
○政府委員(杉山弘君) ただいまお尋ねのございました我が国のエアラインの保有機の機種別の構成でございますが、日本航空を初めといたします定期航空運送事業者、七社ございますが、私どもがこの四月現在で把握をしております七航空会社の総保有機台数は、二百八十四機というふうに承知をいたしております。
 クラス別に申し上げますと、一番大きな四、五百席クラス、これはボーイング747でございますが七十二機、その次の大きさの三百五十席クラスにつきましては三十一機、機種で申しますとロッキード一〇一一、DC10というようなところでございます。三番目の大きさの二百席から三百席クラスでございますが、これが四十九機ございます。ボーイング767、YXでございます。DC8、A300といったようなのがこれに相当いたすかと思います。それから百五十席クラスは合計五十八機ございまして、機種といたしましてはボーイング727、ボーイング737、DC9、それから百席クラス以下のYS11等が七十四機、こういう機種構成になっております。
 六十五年までの先ほどの航空旅客輸送の増加に伴います保有機数の増加につきましては、私ども想定しておらないわけでございますけれども、今私どもがYXX、V二五〇〇ということで共同開発を進めております百五十席クラスの航空機、これにつきましては、これから二〇〇〇年にかけましてかなり退役するものがふえていきまして、その需要をねらっているわけでございますけれども、航空会社が持っております百五十席クラスの保有機の中でも、昭和六十五年度までの間に恐らく十数機が退役して、新しい同じ大きさの航空機にかわっていくというようなことになるのではないかと思いますし、さらにその後は退役し、入れかえるテンポが速まっていく、こういうふうに見ておるわけでございます。
#62
○浜本万三君 もう一つ、最近話題になっておるのかどうか、話題になろうとしておる程度なのかわかりませんけれども、コミュータークラスの航空機の需要という問題が出ているんですが、この動向はどのようにお考えですか。
#63
○政府委員(杉山弘君) お尋ねのございましたコミュータークラスの航空機、具体的に申しますと八十席以下の小型の航空機ということになろうかと思うんでございますが、ちょっとデータは古いんでございますが、一九八三年時点で、世界全体で約三千四百機程度という数字がございます。
 世界的に申しますと、コミュータークラスの航空機につきましてはかなり伸びていくんではないか。米国の例で推定をした数字がございまして、米国の場合には、一九七八年以降の規制緩和以来、年率八%以上コミュータークラスの旅客需要が伸びているということでございまして、この程度の伸びが全世界的に期待できるということになりますとY西暦二〇〇〇年には先ほどの三千四百機というのが五千機を超えるところまで伸びるんではないかということが言われているわけでございます。
 我が国の場合どうなるかということにつきましては、現在我が国では四社がコミュータークラス機の運航をいたしておりますが、保有機数は十数機ということで、極めて少ない状況にございます。
#64
○浜本万三君 先ほど梶原議員から、YXX並びにV二五〇〇の開発計画並びに開発資金等についてお尋ねをいたしましたので、重複して伺おうとは思いませんが、二、三だけ伺いたいと思います。
 まずその第一は、YXX並びにV二五〇〇の販売開始の時期ですね。これは先ほどいろんな議論があるんだというお話を伺いましたが、本当のところいつごろになって、しかも実際供用開始されるというか、飛べるようになるのはいつになるんですか。
#65
○政府委員(杉山弘君) V二五〇〇につきましては開発がかなり進んでおりまして、現時点での計画では、六十三年ごろに型式証明をとりまして、実際実用に供し得るような初号機の機体メーカーへの引き渡しを予定をいたしているところでございます。
#66
○浜本万三君 その際の、西暦二〇〇〇年を目標にした販売台数等については先ほどお触れになったんですが、日本国内ではどういう需要があるだろうかということなんです。日本の資本当資が大体二五%程度だということなんでございますが、その程度日本の関係航空会社の方に受注してもらえるような自信はおありなんでしょうか。
#67
○政府委員(杉山弘君) 日本国内で開発参加のシェアが二十数%というところになるわけですが、そこまでの販売が期待できるのかというお尋ねでございますけれども、現在の我が国の航空会社の百五十席クラスの飛行機の保有状況等から見まして、残念ながら、日本国内では、YXX及びV二五〇〇につきましても参加シェア並みの販売を期待するのは難しいということではなかろうかと思っております。
 YXXの場合でございますと、全体の売り上げ機数は少なくとも六百機ぐらいには持っていきたいと思っているわけでございますけれども、その売り上げ台数の目標からしますと十分の一以下になるんではなかろうか。また、エンジンの場合には全体で四千台という売り上げの目標を先ほど御説明をいたしたわけでございますが、それとの関係で申しますと、四%ぐらいということでございまして、日本国内での販売についてはそう多くのものを見込むことは無理ではなかろうか、こういうふうに考えております。
#68
○浜本万三君 今回の改正内容によりますと、共同開発については借入金と政府の援助される資金で運用されるということなんですが、そうして開発が成功いたしまして販売利益が出れば、一定の割合で、後ほど決める省令の定めるところによって納付をする、こういうことになっております。
 そこで、これに関連して二、三伺うわけなんでございますが、先ほど既に、YXXとかV二五〇〇の開発、販売費用とかあるいは政府でお出しになる資金の量については伺いましたので、これは省略をいたします。
 ただ問題は、既に日本は共同開発でYXの開発に成功されまして、これに対する出資金の出資であるとかあるいは技術の分担であるとか、それから収益金の納付ということが既に行われておるように伺っております。したがって、YXの場合について、日本の出資総額、その割合、それから日本の技術分担の内容、それから収益金の納付状況などについてお答えをいただきたいと思います。
#69
○政府委員(杉山弘君) YXのケースについて申し上げますが、まず、日本の分担割合は開発作業の一五%でございまして、具体的に開発を分担いたしましたのは、胴体及びフェアリングと申しますか、主翼のつけ根部分が中心でございます。それ以外にも、ボーイング社と共同で機体全体の設計等には参加をし、作業の一部も分担をいたしておりますが、メインは胴体及びフェアリングといった部分の開発を担当いたしました。YXの開発に対しまして国庫から支出をいたしました補助金は、たしか総計百四十七億円だったかと思いますが、現在までに、そのうち六十億五千万円が国庫納付金として国庫に納入をされております。
#70
○浜本万三君 技術の担当分野は胴体とフェアリング部分だというふうにお話がございましたんですが、今度のYXXとV二五〇〇の場合の、V二五〇〇の場合は先ほど参考人からファンの分野というふうに御報告をいただいたんですが、YXXの技術担当分野というのはどうなるんでしょうか。私が伺いましたところでは、日本得意のICとか光ファイバーの分野に技術提供をされるようになるのではないかといううわさがあるんですが、その点いかがでしょう。
#71
○政府委員(杉山弘君) YXXの開発分担部分ということになるわけでございますが、これは今ボーイング社との間で日本側が交渉をいたしておる段階でございまして、現在まで決まっておるわけではございません。
 ただ、日本側の希望、オファーといたしましては、これまで担当をしたことのない部分をぜひやりたいということでございまして、そういう部分といたしましては、尾翼部分それからコックピット内の電子装備といったものをぜひ担当をさせてもらいたい、これまで担当をいたしておりました胴体部分については、これは引き続き担当をしたいという希望を申し述べておりますが、まだボーイング社との間で最終的な合意には至っておらない状況でございます。したがいまして、今回本格的なジェットエンジンの旅客機の開発については二度目の参画でございますが、できるだけ開発経験を積むということから、私どももこの日本側のオファーにつきましてはぜひ実現できるように側面的にバックアップもしていきたい、かように考えているわけでございます。
#72
○浜本万三君 納付金の時期なんですが、借入金をまず返済して、それから収益が出た場合に納付金を始める、こういうことになるんですか、一緒にやられるわけですか。その点ちょっともう一回伺わせていただきたい。
#73
○政府委員(杉山弘君) 収益金納付の時期につきましては二通りございまして、補助金部分につきましては、これは従来と同じように単年度で収益が出た段階で補助金部分については収益納付をやっていただこうということを考えております。したがいまして、V二五〇〇などにつきましても、九〇年代の初めごろには、もう単年度収益が出、プラスが出てまいりますので、その段階から補助金部分につきましての収益納付を始めていただくということを希望いたしておりますし、利子補給部分につきましては、むしろ全体としての累積収支がプラスに転ずる時点から収益納付をしていただくということを考えておりますので、この時期につきましては、補助金部分よりちょっと十年ぐらいおくれまして、二〇〇〇年の初めぐらいから多分収益納付をやっていただけるようなことになるんではないか、こう期待をしているわけでございます。
#74
○浜本万三君 そこで、大臣に要望しておくんですが、最近の状況でございますから、日本が国際的に進出をすることもあるんでしょうけれども、共同開発に参加するということは大変結構なことだというふうに私は思います。しかし、その場合に注意をしなきゃならぬことは、日本の持っておる技術を提供することはもちろんでございますが、同時に諸外国のすぐれた技術を日本に吸収をいたしまして、総体としては日本の航空機工業の発展のために寄与できる、こういう体制でなくてはならぬと思います。そういう意味での共同開発の参加でなくてはならないというふうに思います。その点、十分ひとつ御注意をいただきまして、日本の航空機工業の振興に役立つような方法で共同開発に参加をしてもらいたいと思いますが、大臣の御見解を承りたいと思います。
#75
○国務大臣(渡辺美智雄君) 承知いたしました。
#76
○浜本万三君 では次は、運輸省の方においでをいただきましたので、飛行場の整備計画について伺うわけでございます。
 先ほどもお話がございましたように、航空機の利用状況というのは、昭和六十五年、六千万から六千三百万人ということでございます。それに伴う飛行場の整備拡充計画というものが必要だと思うんでございますが、その計画はどうなっておるか、できれば第五次空港整備計画の内容についてお答えをいただきたいと思います。
#77
○説明員(堀井修身君) お答えをいたします。
 先生今御指摘がございましたように、航空輸送と申しますのは、近年急激な発展を遂げてまいりまして、現在におきましては輸送の主要な担い手、あるいは国民の足というような位置づけになってきておるわけでございます。私ども、今後とも着実にその役割は増大するであろうというようなことで、六十五年度の輸送需要といたしまして、御指摘がございましたように六千万ないしは六千三百万人というような需要予測をしておるところでございます。
 このような航空輸送需要の増大に対処をいたしまして、従前から五カ年計画を策定をいたしまして、計画的にまた着実にその整備を進めてきておるところではございますけれども、今後の航空需要の増大を考えますと、その基盤でございます空港の整備がまだ十分であるというふうには言えないというような状況にあろうと思っておるわけでございます。このようなことから、第四次の空港整備五カ年計画が昨年度、六十年度で終わったわけでございますが、したがいまして、六十一年度を初年度といたします第五次の空港整備五カ年計画を現在策定中でございます。先般この新しい五カ年計画の事業規模といたしまして、前計画の一二・三%増に当たります一兆九千二百億円を閣議了解をちょうだいしたところでございます。
 具体的な計画の内容につきましては、現在作業を進めておるところでございますが、この計画の策定の基本的な考え方を申し上げますと、一つは国際及び国内航空輸送の増大に対処するということではございますが、年内に事業が本格化いたします関西国際空港、新東京国際空港の整備、並びに東京国際空港の沖合展開、いわゆるこの三大プロジェクトを最重点課題として進めてまいりたい。つまり、首都圏なり近畿圏におきます空港容量を増大させたいということがまず第一点でございます。それから、一般空港といたしましては、御存じのように、六十一年度新規事業着手ということで認められております新広島あるいは庄内、福島の三空港を含めまして、さらに進めてまいりたいというふうに考えてございます。これはジェット化なりあるいは大型化を進めていこうということでございます。このほか環境対策の推進並びに航空保安施設の整備、こういったものに十分配慮して進めていこう、こういうふうに考えておるところでございます。
 先ほども申し上げましたように、具体的内容につきましてはまだ現在作業中ではございますけれども、できるだけ早く計画を策定して空港の整備を強力に進めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
#78
○浜本万三君 あわせてコミューターの計画についての空港整備は何かございますか。
#79
○説明員(堀井修身君) コミューター空港についてどういう方針があるのかという御質問かと存じますが、先ほど申し上げましたように、五カ年計画の中で事業規模を閣議了解をちょうだいいたしまして、現在個別の具体内容については作業中と、こういうように申し上げたわけでございます。したがいまして、コミューター空港の取り扱いにつきましても、この五カ年計画の策定作業の中で十分検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#80
○浜本万三君 それでは引き続きまして、今コミューターの問題が出ましたので、運輸省の立場でコミューター航空の定義、どういうふうにお考えでしょうか、ちょっとこれ知らせてもらいたいと思います。
#81
○説明員(小山正宣君) お答えいたします。
 コミューター航空につきましては、法律上特に決まった定義があるわけではございませんが、小型の航空機を使用いたしまして、二地点間を定め、定期に準じた形で行われるような地域的な航空輸送、こういったものを通常コミューター航空というふうに呼んでおります。
 最近各地で検討が進められておりますコミューター航空構想のねらいといたしましては、他の交通機関の利便が悪く、また通常の空港をつくるほどの需要のない地域、こういった地域と大きな都市等との間での高速輸送として活用するとか、あるいは海越えとか山越えなどの航空輸送の特性を発揮できるような分野、例えば西瀬戸内海地域のようなところでございますけれども、こうしたところにおきまして大量の輸送需要が期待できないので、小型航空機によるネットワークを形成するとか、こういったねらいがあるようでございます。
#82
○浜本万三君 通産省に伺うんですが、そういうコミューター航空の現状について一応わかりましたんですが、コミューター航空機の開発ということについて通産省はどのようにお考えでしょうか。
#83
○政府委員(杉山弘君) 小型の航空機の開発につきましては、これまで我が国といたしましてはYS11の開発経験があるわけでございます。先ほど御答弁の中でも申し上げましたように、世界的にはコミューター航空需要というものはかなり伸びるのではないかというような見通しもございまして、私どもといたしましても、国際的な共同開発の形で、こういうものに何とかYS11の開発経験というものを生かしたいと考えているところでございまして、その具体的な話が、今一、二起こりつつございます。
 一つは中国との共同開発でございまして、これは三十席ないし四十席クラス、YS11よりもう一回り小さな飛行機になるかと思いますけれども、これの日中の共同開発をやったらどうかという話が持ち上がっておりまして、とりあえずは開発のフィージビリティー調査をやるという方向で、今、日中の関係者間で話し合いが行われておりまして、順調にまいりますと、この五月ごろには、フィージビリティースタディーの開始につきまして両方での合意が行われる可能性があるのではないかと考えております。
 また、もう一つはインドネシアでございますが、これはまだ日中ほど煮詰まっておるわけではございませんが、島嶼国家としてのインドネシアで、国内の旅客輸送需要がこれからどうなっていくかという調査をJICAが主体になって開始をすることになっております。
 その調査の中では、飛行艇によります旅客輸送の問題というものも一つの調査ポイントになってくるはずでございまして、またこれは調査の段階でございますが、そういう調査をもとに、さらに具体的な航空機の開発という段階まで行きますかどうかは、これ調査が終わってみないと何とも申し上げられないわけでございますが、今現在、そういった二つの具体的な動きがあるということを御報告申し上げておきたいと思います。
#84
○浜本万三君 その場合の日本が持っておる技術といたしましては、YS11というものが基本になって共同開発への準備をなさるというふうに受け取ってよろしゅうございますか。
#85
○政府委員(杉山弘君) 先ほど来御報告をいたしましたように、YS11、技術的には評価をされておりましたけれども、経営的にはかなりの赤字を出してしまったわけでございますが、この貴重な経験をぜひ日中間の問題で生かしていければ幸いだと、こう考えておるところでございます。
#86
○浜本万三君 次に運輸省の方にお尋ねするんですが、例の、今申しておりますコミューター航空の安全性の問題なんですが、先般、私広島なんですけれども、広島に帰っておりましたら、広交航空というコミューター機の運航をする会社が認可をされた、そして広島と大分と松山の地点を結ぶ運航をなさると、こういう報道がなされておるわけなんでございますが、これは安全性が大丈夫なんだろうかという心配がございます。小さい飛行機で、しかもこの種のものがたくさん認可されまして各地に分散をする。それで安全性の検査は大丈夫なんだろうかという心配があるわけなんでございますが、それは大丈夫でしょうか。
 また、こういう広島などに今認可されたコミューター航空のような航空会社の使う空港は、広島は新しい新広島空港ができますと、施設等は全部新空港に移転をするということになっておるわけなんですが、この場合には一体どこの空港を使用するということになるのでしょうか。その点についてお尋ねをいたしたいと思います。
#87
○説明員(赤尾旺之君) お答えいたします。
 先生御承知のとおり、広交航空は、昨年の十一月に不定期航空運送事業及び航空機使用事業の免許を取得した航空会社と承知しております。
 航空機を使用して行いますコミューターサービスにつきましても、安全の確保ということが第一の課題でございます。したがいまして、当該航空会社からこういうコミューターサービスを行いたい、こういう申し入れがある場合には、航空機の安全性ですとか、飛行方式、運航乗務員、運航管理の体制、それから整備の体制、こういったものを逐一審査をいたします。そうして、その審査に合格した場合に事業が開始をできるわけでございますが、今現在広交航空から申請は上がってきておりません。しかしながら、上がってきた段階におきましては、今申し上げました点を十分審査をしてまいりたいと思います。
#88
○浜本万三君 そうすると、これは前向きで認可の方針でございますか。
#89
○説明員(赤尾旺之君) お答えいたします。
 私ども広島航空の実態といたしまして、小型機を二機程度持っておるというふうに聞いております。当該社がどの地点を日に何便飛ぶのか、こういうことにつきましてまだ承知しておりません。したがいまして、そういう事業計画を提出いただきまして、これが安全性に十分合致しているものかどうか、こういうものを精査をしていきたい、かように考えております。
#90
○浜本万三君 次は、運輸省の方に、引き続いて広島新空港の整備の計画についてお尋ねをいたしたいと思います。
 ことし、六十一年度予算で広島新空港は一応調査費がつきまして、いよいよ着工への軌道に乗せられた、かように思います。今後どのような日程で建設が進められるのか、伺いたいと思うわけでございます。
 特に工事着工までの手続といたしましては、いろんな問題があると思うのですが、当面予定告示をいたしまして、そして公聴会を開いて、そして設置告示ということになるのではないかと思いますが、設置告示はいつごろの見通しになっておるか、その点お尋ねをいたしたいと思います。
#91
○説明員(堀井修身君) お答えをいたします。
 新広島空港につきまして、昭和六十一年度に新規事業着手ということで予算を計上さしていただいておるところでございます。
 今後の進め方につきましては、先生から御指摘がございましたように、航空法の諸手続を経なければならないわけでございます。具体的には設置の予定告示なり、あるいは現地での公聴会並びに設置告示というような段取りを踏んでまいります。
 これらの作業と並行いたしまして、実は広島県には独自に広島県環境影響評価の実施に関する指導要綱、つまり環境アセスメント要綱がございまして、航空法の手続と相前後いたしましてこの手続も経なければならないということでございます。私どもこの手続を鋭意早く進めたいということで作業を進めておるところでございますが、新空港の設置告示は本年度の上半期ぐらいには終えたいというふうに考えておるところでございます。
#92
○浜本万三君 運輸省も御承知のように、運輸省の資料によりますと、広島新空港は六十年代の後半に完成を予定しておるわけでございます。しかし、既に広島市は一九九四年にアジア大会を招致したい、こういう決定がございましたし、三月二十八日には閣議決定も行われておるような状態でございます。したがいまして、一九九四年のアジア大会の開催を引き受ける飛行場といたしましては、それ以前、少なくとも一年ぐらい前には完成をし、供用を開始されるという状態になっていなければならないと思うのでございますが、現在の進行状況から見てそれは十分可能である、間に合わせるというような御答弁はいただけませんか。
#93
○説明員(堀井修身君) お答えをいたします。
 昭和六十九年に開催が予定されておりますアジア競技大会までに新空港の供用開始をしてほしいという地元の要望等を十分私ども承知をしておるところでございます。
 ただ、新空港の事業規模は相当の規模でございます。したがって、いかに用地の取得を早く行うか、あるいは空港の建設工事をいかに効率的に行うか、このようなことで工事の完成を早めなければならぬわけでございますけれども、現在工事の工程計画等の検討の詰めを行っておるところでございまして、現時点では何とも申し上げかねる状態でございまして、その点御理解をいただきたいと思っております。
#94
○浜本万三君 それではなかなか納得できないのですが、できるだけ努力するぐらいのことは答弁してもいいじゃないかと思うのですが、どうですか。
#95
○説明員(堀井修身君) 地元における御希望等につきまして、私どもよく承知しておりまして、できるだけこの方向が出ますように詰めておるところでございますが、なかなか難しいということも御理解いただきたいということでございます。
#96
○浜本万三君 難しいが努力はするの。
#97
○説明員(堀井修身君) はい、努力はいたします。
#98
○浜本万三君 次は、そういう新空港の設置を早くしなさいということを要求しながら次の質問をするということは、なかなか勇気が要ることなんですが、あえて申し上げたいと思うのでございます。
 運輸省の方では一県一空港という考え方をお持ちだとかというふうに聞いておりますが、最近いただいた資料によりますと、山形の実例を見ますと、必ずしもそうでもないということなのでございます。
 そこで、広島の場合をちょっと参考に申し上げて御検討をいただきたいということがあるわけなんです。つまり、広島に新しい空港ができますと、広島市内からおおむね五十キロほど離れておるわけです。予定したアクセスは、山陽自動車高速道路、それから新幹線の東広島駅ということになると思うのですが、これが完成し、これを利用したといたしましても一時間半前後かかるわけでございます。そういう事情が一つございます。
 それからもう一つは、先ほどお話しになったコミューターの運航というものがこれから普及してくる可能性があるとするならば、これはまあ市内に近い方がよろしいわけでございます。
 それから第三番目は、地域の経済発展のことを考えますと、最近の事情はやっぱり空港と切り離すことができないというふうに私は思います。
 以上のような事情を考えますと、新空港はつくりなさいと言いながら、今の広島空港も残す必要があるのではないかという議論が出てくるわけです。現に広島の財界を中心にしてそういう議論もあるわけでございますが、そういう地元からの要望が出た場合には検討される余地がもちろんあると思うのですが、どうでしょうか。
#99
○説明員(堀井修身君) まず運輸省に、空港設置について一県一空港の基本方針があるのかということでございますけれども、これまで空港整備に当たりましては、航空需要の見通しなりあるいは当該地域の社会経済状況、あるいは近隣の地方空港へのアクセス交通の整備状況、あるいは他の航空以外の交通手段の整備状況、こういったところあたりを総合的に勘案をいたしまして、緊急性の高いものから財源の範囲内で措置をしてきたということでございまして、結果論として一県一空港というような程度の配置になっているのかもしれませんけれども、一県一空港で整備するというような一律的な基本方針を持っておるわけではございません。したがって、このような観点から申し上げますと、一県に複数空港が整備されるということはあり得るということでございます。
 それから、新空港が供用された後、現空港がどうなるのかという御指摘かと思いますけれども、例えばコミューターに使えないかというような御質問かと思いますが、コミューター航空につきましては、その事業の成立につきまして、採算性等まだ解決すべき問題が残されておるというようなこともございまして、コミューター航空がどのように今後発展していくのかというような見通し、あるいはその中で広島の新空港あるいは現空港がどのように機能していくのかというようなことは、ちょっと現時点ではなかなか把握しがたいということでございます。
 ただ、新空港が整備をされる基本的な目的と申しますのは、現空港の拡張整備が困難であるというようなことから、現空港の機能をそっくり引き継ぐ形で新空港を整備する、こういうことでございますので、運輸省として新空港が供用開始されました後、現空港を設置、管理するというような考え方は、運輸省としては現在は持っておらないということでございます。
#100
○浜本万三君 時間が近づいておりますので、あと一、二問まとめて運輸省の方にお尋ねをいたしたいと思うのです。
 六十年十二月に、それまでの航空憲法を改められて、できるだけ住民サービスを強化する、向上させるために、競合路線のようなものをたくさんつくったらどうかというお考えが出ておるようでありますが、例えば広島空港のように比較的需要が多いところについては、そういうお考え方をこれから実施される予定でしょうか。
#101
○説明員(黒野匡彦君) 先生御指摘のとおり、現在私どもにおきましては、運輸政策審議会に諮りまして新しい航空政策の立案中でございます。
 昨年十二月に中間答申をいただきまして、その中に「利用者利便の一層の向上を図るため」、「路線の需要規模、空港整備の進捗状況等に応じ、ダブルトラッキング、さらにはトリプルトラッキング等の競争促進施策を推進すべきである。」、かような意見をいただいております。現在この中間答申を踏まえまして最終的な結論を出すため審議を急いでいただいている状況でございまして、それを待ちまして具体的な施策を展開してまいりたいと思っております。
 今先生御指摘の、例えば広島−東京といったような路線は、非常に現在でも需要規模の大きな路線でございまして、この現在の考え方からいたしますと、ダブルトラッキング対象路線になり得る可能性は十分あると申し上げてよろしいかと思います。ただ、現実にこれをダブルトラッキングにするとなりますと、空港の能力、これは広島、羽田両空港の能力でございますが、この辺の問題もあわせて解決しないとなかなか実現は難しいという点もあることを御理解賜りたいと思います。
#102
○浜本万三君 次は、通産省の方にガソリン原価の状態とかあるいはジェット燃料の価格の変化等についてお尋ねしようと思いましたが、時間がないのでこれは省略をいたします。
 運輸省の方にお尋ねするんですが、常識的に原油の価格が下がっておることはもう言うまでもありません。それに並行いたしまして、ジェット燃料の価格も低下しておると、かように思います。
 そこで、先般の政府の発表によれば、すべての円高差益や原油価格の低下したものについては、国民に差益を還元するんだという方針が出ておるんですけれども、航空運賃については、国際線の一部を引き下げるだけで、他は一切今回は引き下げない、還元しないという方針が出されておるようですが、これはなぜでしょうか。
#103
○説明員(黒野匡彦君) 航空の場合、円高のメリットをまず面接受けますのは、外国におきます例えば事務所経費あるいは燃料の調達、要するに外貨建ての経費が節減できるという点がございます。ただ、こちらの方は外貨建ての収入がございまして、ほぼ全体の三割ずっということで、この点につきましてはいわゆる差益というのはほとんど出ないというのが実情でございます。
 一方、間接的な円高あるいは原油安の影響を受けますのは、御指摘のとおり燃油費の低下でございまして、これはこれから徐々に顕在化してくるんではないかと思っておりますが、今私どもの調査いたしました範囲におきましては、現時点におきましては必ずしも大きな引き下げまでは至っていないというのが現状でございまして、この点はこれからの状況を見ながら適切に対応してまいりたい、かように考えております。
 ただ、その際あわせて考慮しなければいけないと考えておりますのは、不幸にいたしまして、昨年の事故以来航空需要が急激に低迷しておりまして、各企業とも極めて厳しい経営状態を強いられているということ、その点につきましてあわせて考えなければいけないと思っております。
 なお、今先生御指摘の国際運賃の一部の引き下げにつきましては、これは円高差益の還元という観点とはまた別に、いわゆる方向別格差という問題に対する対応措置でございます。方向別格差というのはどういうことかと申しますと、為替相場が変わることによりまして、日本発の運賃と相手国発の運賃とが、両者を円価に換算いたしますと乖離が出てまいります。その点をなるべく合わせた方がいいということで、できる範囲において日本発の値下げ、場合によっては相手国発の値上げもあわせてやりまして、両者の格差を縮めたい、かように考えておりまして、第一弾といたしまして、ヨーロッパ向けの運賃の引き下げをなるべく近いうちにやりたい、かように考えておるところでございます。
#104
○浜本万三君 それはまことに残念なのでございまして、やはり多少でも差益が出ておることはもう間違いないわけなんでございますので、引き下げるように努力をしていただきたいと思います。
 それから、何か競合路線では割と運賃の割引があるんだけれども、単独路線ではほとんどない、こういうことで随分苦情が出ておるわけなんでございますが、単独路線の場合にも、ぜひサービスを向上してもらうように要望しておきたいと思います。
 その一つかどうか知りませんが、回数巻については、一〇%程度の割引を今度一五%程度に拡大したいというようなうわさも聞いておるんですが、この事実は後で答えてください。
 時間が来たので、最後に大臣に私の希望を述べて、決意を承りたいと思います。
 今回の法案の改正によって、航空機等の「国産化」の促進による航空機工業の振興から、航空機等の「国際共同開発」の促進による航空機工業の振興というように、「国産化」から「国際共同開発」というふうに性格が変わっておるわけなんでありますが、しかし日本の現状を考えますと、広範な技術が航空機工業の場合には波及をする効果を持っておるということ、それからハイテク産業の基盤を一層強化する要因になる産業であるということ、それから知識集約性が高くてすそ野が広い産業であるということ、それからハイテクのシステム化によって個別技術の水準が向上できるんだというようなことを考えますと、日本の国で航空機工業の振興を積極的に図っていくということを忘れてはならぬと思うのでございますが、その点についての大臣の決意をあわせて承って、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
#105
○国務大臣(渡辺美智雄君) 結論的に言えば、浜本さんのおっしゃるとおりという一語に尽きると思います。
 ただ、今回の開発については、非常に大型なものであって、国産、日本単独で開発をするということは、財政的にもあるいはまた技術の面においても、我が国は立ちおくれておりますから、なかなかできない。したがって、こういうような共同開発を通じていろんな技術を習得をし、また開発しても飛行機が売れなければ何にもならぬわけでありますから、日本はYS11で売った経験はありますが、相当多額の金額を必要とした高価な飛行機を外国に販売する訓練というか、技術というか、そういうようなノーハウを持っていない。したがって、そういうようなものも学びとるという点で非常に私は意義があると。しかし、終局的にはやはり国産で、単独で、これだけの国ですから、飛行機ぐらい本当はつくれなければみっともない話なんで、そういう点は十分に中長期的な観点から留意をしてやっていきたいと考えております。
#106
○委員長(下条進一郎君) 手短に願います。
#107
○説明員(黒野匡彦君) 私ども、昨年二月以来、国内の営業割引制度の弾力化を図りまして、利用者の利便の向上、あるいは需要喚起のために、なるべく事業者の自主性あるいは創意工夫を尊重するという前提で制度の弾力化を図りました。
 その結果、幾つかの制度が新たに出てまいっておりまして、先生御指摘のように、回数割引の引き下げを五月十日からと方あえず一年間、幹線において実験的にやってみる。その結果を見まして、またその程度の拡大、場合によっては、余り好評でなければ廃止ということもあり得ますが、これからの対応を考えたいと、かように考えております。
#108
○浜本万三君 どうもありがとうございました。
#109
○委員長(下条進一郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十分まで休憩いたします。
   午後零時十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十一分開会
#110
○委員長(下条進一郎君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#111
○斎藤栄三郎君 通産当局に対して、この航空機工業振興法の問題と、八日に決定した景気総合対策について質問いだそうと思います。いただきました時間三十分でございます。
 午前中の質疑応答で大体の輪郭がわかったのですけれども、なお私がわからないところがあります。
 第一は、価格決定権はどちらが持っているかということです。その点を一つ。できた飛行機を売るときの値段とか、あるいはエンジンを売るときの値段というものの決定権をどちらが持っているかということです。
 それから第二点は、前の日本航空機製造が失敗した原因は販売の不振だということなんですが、この今度新しくできる飛行機も同じような経過をたどる心配はないか、こういうことなんです。
 この二つ、まずお伺いいたします。
#112
○政府委員(杉山弘君) 価格決定につきましては、これは共同開発でございますし、具体的には、ジェットエンジンV二五〇〇の場合には、インターナショナル・エアロ・エンジンズという開発参加パートナーが共同出資をした開発主体を国際的な合弁企業としてつくっておりますので、そこで開発参加者が協議をいたしまして決めるということに相なるかと思います。
 日本航空機製造が失敗をいたしましたことにつきましては、いろいろ理由もあるわけでございますが、日本が戦後初めて本格的な旅客機の開発に乗り出したばかりでございまして、国際市場におきまして日本航空機製造株式会社ないしは日本の航空機工業に対する知名度というものが少なかったことに加えまして、やはり販売面でのノーハウというものが乏しかったというようなこと、さらには国際的に販売をいたします場合に長期の延べ払いでやらざるを得ないこと、プロダクトサポート等の事業につきまして、当初見込み以上にお金がかかったことというようなことがございまして、採算的に申しますと、かなりの額の赤字を累積せざるを得なかったということでございまして、こういった経験をこれからの共同開発に生かしていくということになろうかと思うわけでございます。
 この販売面につきましても、共同開発に参加をいたします各パートナーが、それぞれの持ち分に応じてリスクをシェアするということになると思いますし、YXXの場合には、ボーイングと申します国際市場での販売経験豊かなものがパートナーでございますし、V二五〇〇の場合にも、プラット・アンド・ホイットニーという米国でも有数なエンジンメーカーが参加をしているというようなこともございますので、あるいは楽観的というおしかりを受けるかもしれませんけれども、日本航空機製造株式会社が巨額の赤字を累積したと、こういう事態にはならないように済むと思いますし、そういう方向にぜひ持っていきたいと考えておるわけでございます。
#113
○斎藤栄三郎君 まだそういう点についての覚書の交換はできていないんですか。
#114
○政府委員(杉山弘君) YXXにつきましては、つい先ごろ第二次の了解覚書を結んだわけでございまして、いわゆる本格的な開発、ゴーアヘッドというものはまだ先でございます。その過程におきまして、これまでの開発成果を踏まえまして、パートナーとして、日本側としても本格開発に乗り出すことになるかどうか、これをボーイングとして決めるということになりますので、今すぐ全部の開発をこれからやっていくということに必ずしも決めてしまっている、引き返せなくなっているということではございませんので、本格開発の前に、もう一度それまでの開発経緯を振り返って、さらに前進するかどうか決める余地があると考えております。
#115
○斎藤栄三郎君 そうすると、共同開発でやったすぐれた技術を日本の会社が使って、日本独自で飛行機をつくってもよろしいかどうかまだ決まっていないということですね。もしもそれが決まっていないと、アメリカの下請をやるだけの話ですわね、今。
#116
○政府委員(杉山弘君) 今私がまだ決まっていないと申し上げましたのは、本格的なゴーアヘッドをするかどうかということについては、日本側として再考の余地があり得るということを申し上げたわけでございまして、本格的なゴーアヘッドまで行くということになりますと、開発から生産、販売、全段階を通じて日本側の持ち分に応じたリスクを負担するということは契約上はっきりいたしておりますので、単なるボーイングの下請ということで終わるわけではございませんので、開発に参加したシェアに応じた開発からプロダクトサポートまでの全過程を通じた責任を日本側としても負うということになっておりますので、これは単なる下請ということには当たらないのではないかと思っております。
#117
○斎藤栄三郎君 通産大臣にお伺いいたしますが、日本では大正十二年に東京の渋谷に快進社という自動車会社をつくりました。そこでつくった自動車が脱兎のごとく走るので、名づけてダットサンと言った。そのときに、アメリカの自動車会社は、こんなものを残しておいたんじゃ将来のライバルになるというわけで、猛烈なダンピングをやって、とうとう快進社をつぶしたという実例があるのであります。今度もせっかくこちらが貴重な金を出し協力しましても、将来日本が飛行機をつくろうと思った場合に自動車と同じようなケースになるんじゃないかと懸念をいたしますが、その点いかがですか。
#118
○国務大臣(渡辺美智雄君) 商売の戦略上から言えば考えられるかもしれません。
#119
○斎藤栄三郎君 そういう点をはっきりしないで置いておいて、こういう貴重な出資をしたり補助金を出すことがいいんでしょうか。
#120
○国務大臣(渡辺美智雄君) そういうことも念頭に置きながら、やはり余り世の中甘く見ちゃいけませんから、仮に日本がそういうことで飛行機の輸出まで将来やれるようなことになったのではという懸念は、かなりやはり商業戦略から言えば持たれても一つもおかしくないことでありますので、そういうようなものも頭に入れた上でやはり取り組んでいくということが大切でありますが、だからといって、そういう可能性、危険性があるから日本は飛行機の問題で新しく開発努力をしなくたっていいというわけにはならないわけですから、それはやはり別な問題だと。開発をしていく以上は、やはりそれが大きくなれば商売の邪魔が入ってくるということは当然これはあり得るんであって、したがってそういうことを予想しながら、やはりしっかりした開発研究体制をつくっていくということがいいのではなかろうかと思います。
#121
○斎藤栄三郎君 また自動車の例になりますが、一台の乗用車をつくるのに二万の部品が必要で、その八割は下請が受ける、二割だけ親会社がつくる、したがって波及効果は非常に大きくて、自動車産業のおかげで中小企業が非常に潤っているわけです。
 航空機工業の場合に下請の受け持つ役割並びにその波及効果についてお伺いしたいと思います。
#122
○政府委員(杉山弘君) 現在進んでおります共同開発に直接参加をいたしておりますのは、日本側の企業はそれぞれ三社ずつでございますが、この開発自身は全部三社の手によって行われるというわけではございませんで、また日本側の企業から、日本国内にあります企業の技術、知識等を利用するということもあるわけでございますし、またそれとは別に、ボーイング社の依頼に応じて日本側企業がその技術、知識を提供する場合もあり得ると思います。
 現に、これまでやりましたYXの場合におきましても、日本側の航空機関係の三社のみならず、その部品関係では、例えば油圧関係の部品であるとか、小さいものに至りましてはねじなどにつきまして、中には中小企業に相当するような企業もそれを提供して、開発をしているということになりますので、非常に日本側としては、直接参加する企業以外にも多くの企業がこの開発によるメリットというものを直接、間接に受けることになるというふうに判断をいたしております。
#123
○斎藤栄三郎君 一つの企業の中でやる仕事ですから、なかなかここまでが民需用、ここまでが軍事用と区別をすることは難しいかと思いますが、こういう出資をしたりなんかすることによってソビエトロシアなどに与える影響とか、向こうからの批判というのはどうお考えでしょうか。
#124
○政府委員(杉山弘君) 今回御提案を申し上げております法律改正の中でも、この国際共同開発の主体は民間航空用ということは、はっきりとうたわれております。
 それから、これまでは法文上必ずしもそこは明確ではございませんでしたが、国会におきます法案審議の過程でちょうだいをいたしました附帯決議等によりまして、政府が国産化のための助成をするものにつきましては軍用機は除くんだと、民間航空機だけを主体としてやっていくんだということは、はっきりいたしておりますので、この点につきまして国際的な誤解を受けることはないのではなかろうかと考えているわけでございます。
#125
○斎藤栄三郎君 大体この法律についての私の質問は以上で尽きますが、まとめて自分の意見を言いますと、私は、航空機産業というのは非常に大事だと思いますから、この法律に賛成であります。
 それにつけても、飛行機というとすぐ日航の惨事を思い出すので、ああいうことは再び繰り返されてはならないと思いますから、この機会に、日航のあの惨事についての総決算をひとつ聞きたいと思うんです。
 補償は全部済んだかどうか、その金額は幾らになったか、また日航の経営に及ぼした影響はどうか、こういう問題について運輸当局から御説明を伺いたいと思います。
#126
○説明員(黒野匡彦君) お答え申し上げます。
 まず、補償の件でございますが、お客様で亡くなった方が五百五名おられます。現在のところ、そのうち約三十名の方が示談が済んでおります。残りの方は示談交渉中、もしくはまだ示談に入っていない方もおられます。
 具体的な金額につきましては、日航と被害者の方との話し合いでございますものですから、私ども正確には承知いたしておりません。
 それから、日本航空がこうむりましたその他の経済的な影響でございますが、救助、捜索のために約五十億ほどの経費を使っております。この中には群馬県あるいは群馬県警、関係市町村に御協力いただいた分ということで、群馬県からの請求に基づきまして五億一千万円お払いした額がございます。
 それから、墜落いたしました機体でございますが、これが簿価で四億円でございます。ただ、こちらの方は保険ですべてカバーされております。かなり古い機体でございまして、償却が済んでおりまして、簿価としては四億円でございます。ただ、これは後々保険料の高騰という形で経営にはじっくり影響が出てくるということになります。そのほか、事後処理といたしまして慰霊塔をつくるとかいろんなことが残っておりますが、この辺につきましては金額的にまだ未定でございます。
 さらに、最も重大な影響といいますのは、何と申しましても旅客数の減でございまして、五十九年度に対しまして一〇・六%の減でございます。ただ、六十年度は前半までは比較的好調でございまして、五から一〇%ぐらい対前年増が期待された状況でございますものですから、差し引きいたしますと十数%のお客さんが減ったということになろうかと思います。
 ちなみに、日本航空が六十年度に運びましたお客さんが、国内でございますが八百四万人でございます。この数字は日本航空が五十二年度に運んだ数字とほぼ同じでございまして、約十年前までにさかのぼってしまったと、かような状況でございます。
#127
○斎藤栄三郎君 運輸省にお伺いしますが、あの事件が起きた直後、アメリカのあれを売った会社が自分の方にも責任があるということを述べておりましたが、その後、この交渉はどうなっていますか。
#128
○説明員(黒野匡彦君) 相手はボーイング社でございますが、ボーイング社は、例の大阪空港におきますしりもち事故、この修理につきましてミスがあったということは、はっきり認めております。ただ、現在のところ、事故原因が正式にははっきりしていないということで、当該修理のミスと事故原因とについては、まだボーイング社としては明確な態度を示しておりません。
#129
○斎藤栄三郎君 交渉はしておられるのですか。
#130
○説明員(黒野匡彦君) 日本航空とボーイング社の閥におきましてこの損害額をどのように負担し合うかという問題がございまして、現在のところ、事故原因が明確になった段階において分担割合を決めようということになっておりまして、現在、遺族の方々との交渉はボーイング社の分も含めて日本航空が代表して行うと、かような処理になっております。
#131
○斎藤栄三郎君 わかりました。
 運輸省は結構です。ありがとうございました。
 次に、八日の閣議でお決めになった「総合経済対策」を拝見しますと、どうも私は浅学非才だからわからないのかもわかりませんが、こういう表現をしておられます。これがいただいた原文ですが、「保留人口フレームの解除を促進する。」、一体何のことなんでしょうね。これを読ませてみてもわかる人がいないんです。これを書いたのは経済企画庁かどちらかは知りませんが、もう少しわかりやすく書いていただきたいと思うのです。これをひとつお知らせ願えますか。どういうことですか。
#132
○政府委員(宮本邦男君) これは制度上こういう名前がついているということでございまして、確かにわかりにくいことは事実だと思います。
 簡単に制度を御説明いたしますと……。
#133
○斎藤栄三郎君 いや、制度はいいんだ。制度は知っているんですよ。だけれども、これはだれに読ませるためにつくったのですかということですよ。経済企画庁の人間が自分たちの自己満足のためにおつくりになったんじゃないんだろうと思うのです。少なくとも緊急対策としてお書きになったのに、こんな言葉で、これを発表すればこれで能事終われりとするような態度ではだめだということを私は申し上げたいのです。
#134
○政府委員(宮本邦男君) 確かに難しいということで、解説を加えればわかるわけでございますけれども……。
#135
○斎藤栄三郎君 今、義務教育は中学までだから、中学の人にもわかるようにちょっと説明してください、そうすれば私にもわかるだろうと思うから。
#136
○政府委員(宮本邦男君) それでは御説明をいたします。
 ちょっと長くなって恐縮なんですが、やはり制度の御説明をいたしませんと中身がはっきりしないわけでございます。
 そういうふうに、長くなりますものですから簡単にということで、こういう文章になったのだと思いますけれども、中身を御説明いたしますと、市街化区域とそれから市街化調整区域の線引きは、これは先生御高承のとおり大体五年ごとに見直しが行われることになっております。この線引きの見直しの時点におきまして、市街化区域に編入するまでに熟していない土地、その上に将来の市街化区域人口の一部をあらかじめ予定しておく方式を、「保留人口フレーム」と言うわけでございます。
 すなわち、市街化調整区域内にある土地を次の線引きの見直し、これはまあ非常に大がかりな作業となりまして、大体五カ年ぐらいの間隔でやっているわけですけれども、それまでの間に段階的に市街化区域に編入できるようにするということで、弾力的な線引きの見直しの方式でございます。五十七年からこういう方式が取り入れられたと聞いておりますが、したがいまして、この「保留人口フレームの解除」ということは、今申し上げました方式にのっとりまして、あらかじめ指定されていた市街化調整区域内の土地を市街化区域に編入していくということでございます。
#137
○斎藤栄三郎君 あなたが今日で言ったように、要するに線引きの見直しをすると、こう書けばわかるんですよ。それをこんな難しい、舌をかむような表現をして、これじゃ国民に正しく理解きしている努力とは思えませんね。いかがですか。
#138
○政府委員(宮本邦男君) 線引きの見直しとは今申し上げましたように違うものですから、線引きの見直しということではございません。
 線引きの見直しというのは、おおむね五年ごとに行われるものでございまして、それとは別の、その中で弾力的な方式の一つだ、こういうことでございます。正確を期さないといけないものですからこういう書き方になっておるわけでございます。
#139
○斎藤栄三郎君 頭が悪いせいか、線引きの見直しじゃどうしていけないんですか。市街化調整区域を市街化区域に画すというのでしょう。それを我々線引きと言っているんだ。どこが違うんですか。
#140
○政府委員(宮本邦男君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、線引きの見直しの中の特殊な一部の形態でございまして、それを正確にあらわすためには、やはり「保留人口フレームの解除」と、こういうことで書かざるを得なかったということでございます。
#141
○斎藤栄三郎君 もうあなたと議論してもしようがありませんからこれは打ち切りますが、もう少し広く国民にわかるような表現をなさることが、お役所の努力が国民に理解される道だと思いますから、今後こういう文字は使わない方がいいと思いますね。だれでもわかるような表現をなさることが政治を民衆に近づける道だと思います。
 次に、大臣にお伺いいたしますが、この特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法で三千億円を御用意くださったことは非常にありがたい。三月の末現在での実績を調べてみましたら、三政府系金融機関で二千八十件、金額で六百二十四億円だと。あんなに困っている、困っていると騒いでいるのに、申し込み件数が割合に少ないような気がいたしますが、この際これをどう大臣はお考えになりますか。
#142
○政府委員(木下博生君) 確かに私どもは、三月末ぐらいまでに千億円ぐらいの希望があるんではないかということを予想しておったわけでございますが、まあ意外と少なかったわけでございます。それは、既契約がございますために、すぐに資金需要となってこないということでそういう状況になったわけでございまして、三月にかけて急にふえてきておりますので、四月五月と相当件数が伸びて、また貸し出しもふえることになると思います。これは五十三年のときも大体同じようなテンポでいっております。
#143
○斎藤栄三郎君 そこで大臣にお願いといいましょうか、商工中金を一般金融機関に改編しろという議論が一部にあるようですが、もしもそういうことをやれば、大企業にばかり貸しちゃって、中小企業には金が回らなくなる心配がある。やはり政策金敵をやる機関としての商工中金というものは、私は残した方が賢明だと思います。中小企業対策としてはぜひそれを要望したいと思いますが、御意見いかがでしょうか。
#144
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御趣旨のとおりであります。
#145
○斎藤栄三郎君 今度の景気対策を見ますと、大都会中心であって、どうも地方の方々はこれでおれのところの景気よくなると思えるでしょうか。私は残念ながら思えないと思うんですね。靴の上からかゆいところをかくような政策であって、ぴんとこないですよ。むしろ、実例で申し上げるならば、私はこの間京都の知事選の応援に参りました。京都の西陣へ参りましていろいろと聞きましたが、すぐ電話をかけて聞いたんだ。今度緊急対策できたからこれでいいかと聞いたら、全然問題にならぬ、こんなことで景気がよくなるくらいなら何も心配しませんよ、こういうような話が西陣の業者から返ってきました。あそこで困っているのは生糸の問題なんです。
 大臣は実力者であられるし、もう農林大臣の御経験もおありですから、問題の所在は私がこれだけ言えばわかると思うんですけれども、日本の生糸が国際価格の二倍もしている。しかも一元輸入で農林省の手に握られている。原料価格を倍にされていて西陣の振興なんかできっこないですよ。日本の生糸はこのままでいけば、私は国内の産業としても成り立たなくなると思うんです。現実には十六万俵生糸をつくる、しかし製品輸入の生糸が十三万五千俵もある、もう五年たってごらんなさい、今度製品輸入の生糸の方がはるかに多くなっちゃいますよ。ところが、依然として従来の政策を続けておられる。これでは京都もだめになるし、製糸家もだめになるし、養蚕家もだめになっちゃう、全部がだめになっちゃうと思うんですね。どうぞひとつ、大臣は力のある方だし、通産行政も農林行政もよくおわかりなんですから、その辺をよくお考えくださることが実は景気対策として非常に大事なことではないかと思いますが、いかがでしょう。
#146
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは難しい話でありまして、もう経済合理性から割り切れば先生のおっしゃるとおりなんですね。ところがその反面、例えば西陣あたりで、それじゃ生糸のコストに占める割合は幾らかといえば非常に少ないわけですね、加工賃が大半ですから。だから、恐らく一割いっているかいっていないか、その程度じゃないですか。したがって、生糸がそれが五%に仮になったとしても、全体としてはそれによってたくさん西陣が売れるというわけでも実際はない。そういう問題もあり、一方、養蚕農家というものの保護政策もあってああいうことをやっておるんですが、これも限界がありましてね、実際問題とすれば、永久に今のような制度で一元買い入れというようなこともやっていった方がいいかどうか、これは抜本的にいずれ見直しをしなければならない一つの産業調整の一環である、そう思っております。
#147
○斎藤栄三郎君 最後に、かつて輸出を振興するためにジェトロをつくりました。そのころは、輸出に貢献した企業は内閣総理大臣の名で表彰しています。今アメリカ側の要求に基づいてもっと輸入をふやさなきゃならぬときに、官民ともに努力をしておられるわけですけれども、ひとつ通産大臣が輸入促進企業に対して表彰でもしてみたらどうでしょうか。
#148
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは部分的ではありますが既にやっておるのであります。ジェトロも昔は輸出のためにその予算の七割を使っておりましたが、今は輸入のために予算の七割を使っておるというように、まるっきりがらっと変わっておりますから、大体先生の御趣旨のようなことは、実は着実に今進めておる最中であります。
#149
○斎藤栄三郎君 この景気対策の基礎になった為替相場は幾らなのか、それが維持できるかどうか、維持できなくなって、もしもその相場が変わった場合にはどういう対策をまた用意なさるのか、これをもって終わります。
#150
○政府委員(宮本邦男君) 為替相場につきましては、これは昨年九月のG5の結果を反映いたしまして急騰して現在に至っているわけでございます。この円レートの今後の見通しということでございますけれども、これは言うまでもございませんが、為替市場を取り巻く諸要因が不確定でございまして、見通しを立てることは極めて困難なわけでございます。基本的な考えといたしましては、円高、これは我が国の大幅な黒字の改善につながるということで基本的に歓迎すべきことであるわけですけれども、円高が我が国経済に及ぼす影響にはプラスとマイナスの両面があるということで、円高のプラスの面ができるだけ国民経済全体に及ぶようにということで今回の対策も考え、今後の経済運営も行っていきたいと考えておる次第でございます。
#151
○伏見康治君 少し古いことからお伺いいたしたいんですが、私は原子力の専門家だということにされておりますが、原子力の研究というものは占領下では禁止されておりました。一九五二年にサンフランシスコ平和条約が発効いたしましてから、初めて原子力の研究開発が許可されたわけでございます。
 同じように、日本の航空機に関する研究開発といったようなものも占領下は禁止されていて、一九五二年から日本の戦後の航空機が始まったと思うのでございます。そのとき、まず日本のいわば航空機産業を再建するということについてはどういうようなイメージで出発されたのか、少し古いお話で恐縮ですが、お願いいたしたいと思います。
#152
○政府委員(杉山弘君) ただいま御指摘がございましたように、戦後七年間、日本の航空機産業はその事業活動を禁止されておりました。御指摘のように、講和条約発効後、主として当時米軍特需というような格好だったと思いますけれども、航空機の修理というところから細々と始めたわけでございます。ただ御案内のように、戦前におきましては、優秀な軍用航空機等も製造をした経験がありますので、やはりこれからの日本の産業を考えた場合に、航空機の製造開発技術というものは何とかして保存をしなければいけないということで、当時から航空機関係の技術者の維持と申しますか、そういう観点で若干の作業を進めておりましたが、昭和三十三年に至りまして、現在御提案申し上げております航空機工業振興法という法律を制定をいたしまして、さらに三十四年には、戦後初めての旅客機YS11を開発、製造するということで日本航空機製造株式会社を発足させ、そこらあたりから基本的な航空機産業の育成、振興が始まったというふうに理解をしているところでございます。
#153
○伏見康治君 戦争に負けたんですから、いろいろなことがだらしがなくなったのは当然だと思うんですが、それにしても航空機産業の再生といったような点が極めてまだるっこしかったような感じを受けるわけです。
 それで、最初の本格的な再建の仕事としてYS11というものが取り上げられる。それは大体どういう計画でどういうふうに進行したかという点をひとつ説明していただきたいと思うんですが。
#154
○政府委員(杉山弘君) YS11につきましては、座席数六十席、ターボプロップエンジン搭載ということで開発に入りました。先ほど申し上げました日本航空機製造株式会社におきまして開発を終了した後、量産に移ったわけでございます。量産の規模は全部で百八十機でございまして、国内で百四機、海外で七十六機が売れたわけでございます。
 そういう意味で、日本初めての開発旅客機といたしましてはかなりの数も売れましたが、終わってみますと、事業採算的には相当額の赤字累積をやむなくさせられたということでございまして、この原因はいろいろと考えてみますと、戦後初めての本格的な開発、製造でございましたし、今まで余りなれておりませんでした販売面、さらにはプロダクトサポートといった面におきます経験不足、海外市場で売ります場合の知名度の低さといったような幾つかの要因があるわけでございますが、その後我が国がYXの共同開発に参画し、最近はYXX、さらにはV二五〇〇の国際共同開発に参加できるようになった、その基盤をYS11の製造によって我々は得ることができたのではないか、かように考えておるわけでございます。
#155
○伏見康治君 技術的には大変立派なものであったと私は思います。私自身もYS11に何度か乗って、大変乗り心地のいい飛行機であったと思うんですが、せっかく純技術的には成功だと思われるものが、ほかの要因で失敗と言われるようなことになってしまったわけですが、その余りよく売れなかった一つの理由としては、競争機があって、そっちの方に販路を奪われてしまったといったようなことが言われている。そういうことになった一つの理由は、要するに販売を始める時期が一年か二年おくれてしまったといったようなことを聞かされているんですが、その辺の事情はどうなんですか。
#156
○政府委員(杉山弘君) 振り返ってみますと、YS11につきましては、昭和三十八年の十月ごろに型式証明を取得をいたしましてデリバリーをしたいという考えであったようでございますが、初期の試験飛行の結果、やはりちょっと手直しをする必要があるという部分が見つかりまして、その手直しのために型式証明取得の時期が当初計画より約十カ月おくれたわけでございます。御指摘のように、当時YS11の競合機種といたしましてフォッカーF27、それからホーカーシトレーHS748といったような機種が存在をいたしておりまして、YS11のデリバリーのスタートがおくれまして、そういう意味で国際的な商戦に参加をする時期がおくれたという面のハンディキャップを負わざるを得なかったということが、全体としてのYSの量産化計画に影響を与えたということは否定できないところではないかというふうに反省をいたしております。
#157
○伏見康治君 技術の方も多少トラブルがあったということにもなるのかもしれませんが、大局においては技術の方は割合によかったけれども、要するに商売が下手であったというふうに言えるのではないかと思うんです。
 結局、このYS11のプロジェクトは、政府としてはこれを失敗であると考えるのか、成功と考えるのであるか。何か失敗とお考えになったから途中でYS11の生産をやめてしまい、それから日航製というんですか、日本航空機製造株式会社も解散させるというようなことになるんだろうと思うんですが、その辺の論理をちょっと聞かしてほしいんですが。
#158
○政府委員(杉山弘君) YS11につきましては、私ども我が田に水を引くわけではございませんが、技術的には国際的にかなり高い評価をいただいているのではないかと思います。既に実用開始以来二十一年がたっているわけでございますが、現在でも約百六十機、正確には百五十九機ということになりますが、運航に供されておるわけでございますし、特に短距離で離着陸できるという利点がございまして、滑走路の短い地方空港等におきましては非常に珍重されておりますが、現在までのところ適当な代替機がない、こういう状況でございます。したがいまして、技術的にはかなりすぐれたものを持っているという評価であろうかと思いますが、経営的には先ほども申し上げましたように、多額の赤字を計上せざるを得ませんでしたので、昭和五十七年に日本航空機製造は解散をせざるを得ないということになりました。
 ただ、このYS11の開発、製造を通して得られましたいろいろな経験が、その後のYX、さらには現在のYXX、V二五〇〇の国際共同開発に参加し得る素地となったという意味におきましては、多額の赤字を記録はいたしましたけれども、それが必ずしもむだではなかったということが言えるのではないかと、こう考えているところでございます。
#159
○伏見康治君 先ほどのお話の中にありましたように、現在百五十何機ほどが運航しており、そしてよその国に売ったものを日本へ買い戻したりしているというようなお話も承っておりまして、現在YS11というものはなかなか世界的な評価が高いんだと思うんですけれどもね。
 それで、質問したくなりますのは、つまりYSは失敗だと考えてそれを中断してしまったことがまたエラーであったのではなかろうか、もう少し辛抱して持ちこたえていれば、もっと売れたんではなかろうかという考えも出てくるわけですが、その辺はどうですか。
#160
○政府委員(杉山弘君) 確かに先ほども申し上げましたように、現在でも百六十機近くのものが実用に供されておりますし、エアラインの中には現在でも生産されていればぜひ買いたいんだと、こういうような御希望を持っているところがあるわけでございますから、今になって考えますと、あるいは製造を続けていてもよかったんではないかという御意見が出てくるのも当然かとは思いますが、当時といたしましては、政府及びこれの開発に参加いたしておりました民間航空機業界も、それまでと同じような状況で量産を続けていきますと、累積する赤字が拡大する一方で、負担の限度という考え方から百八十機で量産を打ち切り、解散をするということになったのかと思います。
 続けていたらよかったんではないかという批判もありますが、続けていった場合に、今日まで果たして持ちこたえられたのか。むしろ、そこのところはそうではなくて、やはり当時生産を打ち切り、解散せざるを得なかったというのは、もう当時として限界になっていたんではないかということになりますので、ちょっと今日まで継続ということについては、必ずしも現実的な方策ではなかった、こういうふうに考えるわけでございます。
#161
○伏見康治君 この日航製という会社は、このYS11をつくるというプロジェクトしか持っていなかったのでしょうか。僕は、一つの商売をする組織が、たった一つの商品しか扱っていないというのは、これはもともと無理な話だと思うんですね。商品というものは市場に対して売るもので、市場が絶えず変化している限り、売れたり売れなかったりするわけで、そのたった一つの商品だけ抱えていたらばたちまちだめになることは明らかなので、一つの組織があれば、私はそれには複数のプロジェクトを持たせるのが当然だと思うんですが、そういう考えは全然なかったんですか。
#162
○政府委員(杉山弘君) 日本航空機製造株式会社は、現在御審議をいただいております航空機工業振興法に基づいてできた会社でございまして、YS11のみの製造を目的として設立された会社ではございませんで、民間航空機の製造のために設立された会社でございますので、法律的にはおっしゃいますようにYS11の後継機の開発、生産等もできたわけでございますが、先ほど来申し上げましたように、量産化事業に入りましてから会社の収支採算が思わしくございませんで、多額の累積債務を擁するようになりましたので、次のプロジェクトに着手する前に解散をせざるを得ないということになったわけでございます。別にYS11だけに当初から決めていたということでは必ずしもない、会社の成績が次のプロジェクトの着手にむしろ踏み切ることができなかった大きな原因であろうかと思っているわけでございます。
#163
○伏見康治君 赤字が続いてどうにもならなかったということであろうと思うんですが、それを終結するときに、しかし、日本の航空機産業全体の次の世代でどうするかという見通しがあってつぶしたんだろうと思うんですが、その時点では日航製の後をどういうふうにするという予定であったんですか、その時点では。
#164
○政府委員(杉山弘君) 日本航空機製造株式会社が昭和五十七年に解散をいたしましたが、そのときには既にYXの開発計画が、これは別途の団体の手によりまして着手をされておりました。したがいまして、日航製を解散します場合にも、そういう次の新しいプロジェクトに、それまで日航製におきまして蓄積することができました技術的な知識、人材というものを継承する必要があるということで、日本航空機製造株式会社の職員の新しい転職先といたしましても、YXの開発を担当をいたします団体、その他航空機関係の団体、会社等に転職をしていただきまして、できるだけ技術者、技術ノーハウの温存ということを考えたつもりでございます。
#165
○伏見康治君 まあ、そういうことで次のフェーズに移っていったんだと思うんですが、今、以上、YS11についてくどく伺いましたのは、この過去の経験が今度の航空機工業振興法についてどういうふうに生かされているか。つまり、前のまずかった点は今度は直す、前のよかった点はますます生かすといったようなことが当然あるべきだと思うんですが、今度の法律面ではそれがどういうふうにあらわれているか伺いたい。
#166
○政府委員(杉山弘君) YS11の量産化事業が、事業採算的には思わしくなかったということは繰り返し御答弁を申し上げたわけでございますが、その理由の一つには、日本航空機製造株式会社、これが御案内のように特殊法人、その出資の過半数を政府がするという事業主体でございまして、その特殊法人という事業形態が必ずしも航空機の開発、製造という事業に十分適したものであったかどうかという点について御批判もあり得るわけでございます。むしろこういう事業については、できるだけ民間の効率性、創造性というものを生かすべきではないかという反省もいたしまして、自後はYX、それから現在進めておりますYXX、V二五〇〇にいたしましても、開発主体は民間法人がこれに当たるというふうに切りかえてきておりました。政府はそれに対して財政的な面で援助をするということにとどめるべきという基本方針を打ち立てておりまして、この面ではYS11の貴重な経験というものを我々これからも生かしていかなければならないというふうに考えておるわけでございます。
#167
○伏見康治君 それでYS11のいわば次の計画であるYXといったようなものが、日航製がなくなった段階ではもう既にYXのプロジェクトが始まっていたというふうに今お答えをいただきましたが、それはどういう趣旨で、どういうふうに進行したかということをちょっと簡単に教えていただきたい。
#168
○政府委員(杉山弘君) YS11の後継プロジェクトになりますYXの開発計画でございますが、これは昭和五十二年の十月に、我が国の航空機業界とボーイング及びイタリアのアエリタリア社との共同開発ということで、本格開発に着手をいたしたわけでございまして、約四年近い開発段階を経まして、五十七年の七月に型式証明を取得をすることができたわけでございます。なお、我が国はこの開発段階に一五%のリスクテーキングをして参加をしたわけでございます。
 具体的に我が国の航空機業界が開発を分担をいたしました部分でございますが、これは胴体と主翼のつけ根部分に当たりますフェアリングという部分が中心でございますが、それ以外にもボーイング社との間で機体全体の設計等の一部も分担をするということでやってまいってきております。
 このYXの開発費のうち、我が国が分担をいたしました部分が約三百七億円でございまして、そのうち約半分に相当する百四十七億円を国庫からの補助金ということで支出をいたしております。
 このYXは、御案内のようにボーイング767という形で結実をいたしておりまして、このボーイング767のこれまでの確定受注機数が二百三機でございました。そのうち百三十三機を既に引き渡し終了をいたしております。ちなみに我が国のエアラインでは、全日空が四十機の確定発注をいたしておりますし、日本航空は九機の発注をいたしております。全体といたしまして、YXにつきましては五百機程度売れますと、累積の収支におきましてほぼバランスをするということになるのではないかと考えておるところでございます。
#169
○伏見康治君 今までの経過を伺うと、大体YXの方は成功の方へ入るのではなかろうかという希望が持てますが、その際、政府はこれに対して、百四十七億と言われたかな、これは補助金なんですか、投資ではないんですか、どういう形で援助したんですか。
#170
○政府委員(杉山弘君) 日本側が開発で負担をします事業費に対する補助金という形で政府から交付をしたものでございます。
#171
○伏見康治君 それでYXが一応成功の方向に動いているというので次のYXXというのが出てきたと思うんですが、これについてのねらい、それから進行状況といったようなものが現時点ではどうなっているかといったような点をちょっと。
#172
○政府委員(杉山弘君) YX計画は、我が国として初めて本格的なジェット旅客機の開発に参加した経験でございますが、その開発参加の過程におきまして我が国の航空機業界の技術ポテンシャルというものが高く評価をされました。例えば高精密の加工技術といったようなものについては非常にすぐれている、こういうような評価を得ました。
 YXX計画につきましては、YXでは一五%でございましたシェアを大きく伸ばすことができたわけでございますし、またYX計画の場合には開発段階への参加でございまして、それ以降の生産、販売、さらにはプロダクトサポートというような、いわば航空機の開発のすべての過程を通じての参加ということも可能になったわけでございます。
 なお、今パートナーとなっておりますボーイング社が、このYXX計画におきまして日本側に期待をいたしております技術といたしましては、先ほど申し上げました精密加工技術のほかに、ロボット等を使いました生産応用技術というのが非常に効率的であって、コスト低減に資するという点での注目もいたしておりますし、機内の通信制御技術といったものにも非常に注目をしているということを聞いておるわけでございます。
#173
○伏見康治君 もう既にYXXというのは進行中だと思うのです。つまりこの新しい法律ができる以前から始まっていると思うのですが、現時点では、政府はどういういわば援助をしているんでしょうか、このプロジェクトに対して。
#174
○政府委員(杉山弘君) 御指摘のように、YXXの開発計画は既にスタートをいたしておりまして、我が国の航空機業界は、先ごろボーイング社との間で第二次の了解覚書に着手をいたしております。今後数年の間に本格開発、いわゆるゴーアヘッドという時期を迎えたいということで鋭意やっておりまして、政府といたしましては、このボーイング社との了解覚書を締結する以前から、我が国の航空機業界が国際共同開発に参加するに際しては、独自の設計思想等を持つ必要があり、また独自のマーケットリサーチもする必要があるということで、いわば開発の前段階としてのいろいろな調査、設計等を開始をしたいという段階から、これに対して補助金等の交付をいたしまして助成をいたしてきておりますが、ボーイング社というパートナーとの間での共同開発計画が一応締結されまして、これから本格開発を迎えるということになってまいりますと、全体としての所要資金量もふえてまいります。これからが本格開発を迎える時期でございますので、今回御提案申し上げておりますようなスキームでこれからの事業の本格化に対して対処をしたい、こういう考え方でございます。
#175
○伏見康治君 では次に、V二五〇〇のエンジンの方のお話で同じような質問を繰り返したいと思いますが。
#176
○政府委員(杉山弘君) V二五〇〇のジェットエンジンの開発計画でございますが、これにつきましては、当初日本と英国のロールスロイスとの間の共同開発ということで考えておりましたんですが、途中から米国のプラット・アンド・ホイットニー及びドイツ、さらにはイタリアというものが参加をいたしまして、現在では五カ国によります共同開発ということになっております。
 御案内のように、百五十席クラスの航空機に搭載をいたします低騒音、低公害のファンジェットエンジンということでございまして、これはYXXに比べますとかなり開発が進んでおりまして、六十年度には既に地上試験用のエンジン等も試作をいたしておりまして、六十三年度に型式証明を取得できるようにということで、さらに今年度以降開発のピッチを上げていく、こういう予定をいたしておるところでございます。
#177
○伏見康治君 YS11が売れなかったという話の後ですから、ついでに、これの方は売れそうだという見通しはあるんですか、それをお聞きします。
#178
○政府委員(杉山弘君) V二五〇〇につきましては、全体といたしまして約四千台程度の販売をぜひとも実現をしたい。四千台程度販売をいたしますと、現在での想定では、開発段階から含めまして、累積収支におきましてほぼバランスがとれるような状態が実現すると考えるわけでございます。現在までのところ、この競争相手となりますエンジンが一つございますが、これまでの両者の受注の動向を見てまいりますと、V二五〇〇の方は、既に六十年だけで三百三十九台の受注をしておりまして、競争相手の方は、その前から受注をいたしておりますが、V二五〇〇に比べますとまだ受注台数が少ない状況でございます。
 全体としての百五十席クラスのエンジンの需要につきましては、西暦二〇〇〇年ごろまでかけて約七千台ぐらい総量としての需要があり得るのではないかと思いますので、その七千台のうちの四千台をV二五〇〇の需要として確保するということは、決して実現できないことではないのではないかと思っておりますが、なお我々といたしましても、受注の確保等につきましては航空機業界に対して力を入れていくように指導をしたいと考えておるところでございます。
#179
○伏見康治君 特殊法人基盤技術研究促進センターで何か開発しているATP、アドバンスト・ターボプロップというエンジンがあるそうですが、これと今のV二五〇〇とは何か関係があるんですか、ないんですか。
#180
○政府委員(杉山弘君) 基盤技術研究促進センターとの関係については後ほど御答弁を申し上げますが、お話のございましたATP、アドバンスト・ターボプロップ・エンジンでございますが、これは従来のジェットエンジンに比べますと、二五%から三〇%程度の燃料の消費効率の向上が期待される、しかも新しい構想に基づいたエンジンでございます。これが実用に供されるということになりますと、今私どもがやっておりますV二五○〇と競合関係に入るということに伝るわけでございますが、ただ、新しいアイデアに基づくものでありますだけに、いろいろ技術的な難点もあるやに言われております。
 既に御案内のことかと思いますが、裸出をいたしております大型のブレードが高速で回転をするということになりますので、その高速回転の制御ができるものかどうか、また、騒音対策等について十分な効果が期待できるものかどうか。楽観的な見通しによりますと、一九九〇年代の初めには実用になるんじゃないかということも言われております。そうなってまいりますと、V二五〇〇の手ごわい競争相手になることもございますが、むしろ否定的な見方をする向きは、その実用化というのは西暦二〇〇〇年代に入るんではないかというようなことも言われております。
 私どもとしては、むしろ今のところ後者の見方をとっておりますので、V二五〇〇との関係についてはもちろん十分注意はいたしておきますけれども、それがためにV二五〇〇の開発が失敗に終わるということはないようにしたいと思っております。
 ただ、このATPにつきましては、次の時代のエンジンとしてはやはり画期的な構想であると考えておりますので、私どもといたしましても、将来こういったものの国際共同開発に参加できる基盤、実力というものは養っておく必要があるだろう。そのためにはということで、基盤技術研究促進センターの出資を受けて、民間の共同開発、共同基礎研究をやったらどうかという構想があったわけでございますが、残念ながら、現在までのところ、基盤技術研究促進センターからの出資が受けられるということにはなっておりませんが、我々としては、できるだけそういう方向での研究を六十一年度からでもやれるように、今からでも努力をしていきたいと考えておるわけでございます。
#181
○伏見康治君 では次に、法案そのものの方に入っていきたいと思うんですが、先ほど斎藤君からもお話があったんですが、この新しい法案の目的に、「航空機等の国産化」の促進による「航空機工業の振興」という従来の言葉を、「航空機等の国際共岡開発」の促進による「航空機工業の振興」というふうに改めたわけなんですが、つまり国産化が国際化というものにとってかわられているわけですが、これは一つの大きな方針変更といったようなものなんですか。どういう意味に解釈すべきものか教えていただきたい。
#182
○政府委員(杉山弘君) 法案の目的にもございますように、この法案自身は、我が国の航空機工業の振興ということを究極の目的にいたしておるわけでございまして、その手段といたしまして、今回の改正では、「航空機等の国際共同開発を促進する」ということにいたしておりまして、改正前にはこれが「航空機等の国産化を促進する」ということになっておりましたのと著しく対照的だという御指摘、ごもっともでございます。
 改正前につきましては、先ほどの日本航空機製造の例等で申し上げましたように、我が国だけで航空機の開発をするというような基本的な姿勢がございました。ところが、最近の国際航空機の開発状況を見てまいりますと、開発される航空機がジェット化され、大型化されたこともございまして、非常に多くのリスクを伴うようになってきております。先ほど来御説明を申し上げておりますYXXの開発計画につきましても、総開発費は現在のところ約七千二百億円ぐらいと見られておるわけでございまして、日本の航空宇宙業界の売上高が年間で合せいぜいその程度でございます。したがいまして、我が国の航空機業界だけで世界の航空機市場に通用するような大型の旅客機を開発することは難しい。そうなってまいりますと、国際共同開発に志向せざるを得ないということでございます。
 ただ、国際共同開発を促進するといいまして竜、この法律によります助成金の交付等の手段を通じてやりますのは、航空機の国際共同開発ということだけに限る、こういう趣旨でございますので、航空機全体について、例えば小型のものを含めて国産化を政府として断念をした、そういうわけではございませんで、こういった小型のもの等についての国産化問題につきましては、本法で規定された助成手段以外に許される助成手段がございますれば、例えば税制面とか金融面とか、そういうものを通じて助成することも考えられると思いますし、何よりも国際航空機の共同開発を通じまして我が国の航空機業界の技術的なポテンシャルが上がること、それ自身が航空機の国産化に対する実力を高めていくことにもなる、またそれが最も効率的な道であるということで、この法律の中では、「航空機等の国際共同開発を促進する」ということに変えた、こういう次第でございます。
#183
○伏見康治君 つまり、前の法律では「国産化」ということが何か目的であったようなんですが、今度の場合の「国際共同」という言葉は、手段を意味しているんだというふうに理解すれば、それほど真っ向から対立しているわけでもないということになると思うんですが、またその点については後で大臣の所見をお伺いいたしたいと思います。
 この国際的に共同開発をするということのいいところは、二、三挙げられたと思うんですが、技術的にはどういう、つまり例えば日本はその一部分だけを担当するといったようなことになると、つまりほかの部分に対する知識が結局獲得できないのではないかといったようなことにもなりかねないと思うんですが、その辺の技術的な意味では国際共同製作ということのメリット、デメリットというものはどんなところにあるか。
#184
○政府委員(杉山弘君) 技術的な観点から国際共同開発のメリットということを考えてみますと、先ほど御答弁の中で申し上げましたように、我が国の航空機業界の技術力については一部でかなり注目されている分野もございますが、全体といたしましては、やはり欧米の航空機メーカーとの関係ではかなりの懸隔があると申し上げざるを得ないと思います。したがいまして、そういうすぐれた経験を持つ欧米の航空機メーカーとパートナーシップを組むことによりまして、技術的におくれている部分についての吸収をするということがメリットとして考えられると思います。ただ、それは開発分野をどう選ぶかということとも関連をしてくることかと思います。日本の得意な分野に参加しているということだけでは、今申し上げたような効果を期待することができないわけでございます。
 そういう面から、私どもYXXにおきましては、YXの開発段階では担当できなかった分野、部位につきましても日本側に担当させてほしいということをボーイングに申し出ておりまして、具体的には尾翼の部分でございますとか、操縦室内の電子計器等関連する部分という新しい分野について、この際技術的な経験を積みたいということでオファーもいたしておりまして、この希望がかなえられるかどうかは、これからの双方の交渉いかんによるわけでございますが、実現をされますと、今まで国際共同開発で担当したことのなかった分野についてまた新しい経験を積むことができるというふうに期待をしているわけでございます。
#185
○伏見康治君 今度できる、何と言うんでしたかね、お金を預かるところは。とにかく何かあるんですね。そこがV二五〇〇とかYXXとかいうプロジェクトを取り上げる。これは何もその二つに限ったことではなくて、あと次から次へといろんなプロジェクトが取り上げられることを予想しているわけですね。
#186
○政府委員(杉山弘君) 今回御提案を申し上げております新しい助成方式でございますが、二つポイントがあろうかと思います。
 一つは、従来は開発段階につきます助成につきましては、補助金という形で助成をしてまいったわけでございますが、この補助金という助成形態をとります限りにおきましては、これからYXXにつきましてもV二五〇〇につきましても、開発テンポが進んでまいりますと、最近の財政状況のもとでの予算シーリング等、いろいろな問題がありまして、事業継続が困難になりかねない。したがいまして、そういう観点から助成の主体を利子補給に切りかえるという点がポイントの一つでございます。
 それともう一点は、御指摘のございましたように、新しいこれから出てくるプロジェクトについても、政府として助成を続けるという考え方を明らかにしたい。そのためには財政事情等もございますので、従来の補助金の場合の収益納付の考え方を強化をいたしまして、従来でございますと、政府からもらったお金の範囲内でしか収益が上がっても返さなくてよろしかったわけですが、成功いたしました場合には、政府からの助成金の額を超えても収益の一部を納付をしていただき、それを次代の新しいプロジェクトの開発資金として使っていくという、回転基金構想と称しておりますけれども、そういう考え方をこの法律の中にも明らかにしたわけでございます。
 この構想がうまく実現してまいりますと、財政的な面での負担を、追加負担を新しくすることなしに、現在やっております二つのプロジェクト以外の新しい航空機開発の国際プロジェクトに対して助成を続けていくことができるのではないかと、かように期待いたしているわけでございます。
#187
○伏見康治君 国際共同開発ですから、お金も国際共同でパートナーの間で分担して出すんでしょうね。もうけの方もちゃんと何か、どういうふうに分割するかといったような契約はもうできているわけですか。
#188
○政府委員(杉山弘君) YXの開発の場合には、開発段階だけのリスクシェアでございました。ところが今回の場合は先ほど来御説明いたしておりますように、生産、販売すべての過程を通じて一定のリスクシェアをするということになっておりますので、もちろん収益が上がりました場合にも、その持ち分に応じて利益の配分を受けるということが可能になると思います。
#189
○伏見康治君 また後で似たことを質問いたしますが、この段階でちょっと伺っておきたいのは、YXXとかV二五〇〇とかいうようなプロジェクトは、ある程度現実化の濃いプロジェクトであろうと思うんですね。
 先ほど、例えばATPといったような問題はやや遠い将来のものではないかというようなお話があったわけですが、そういう判断というのはなかなか難しいと思うんです。やや遠いものはどっか別のところでやって、この組織で考えるのは、まあ現実性が非常に濃いものだけを取り上げていくといったような、そういう意向があるんですか。それとも少し遠い将来だけれども、大いにやってみようというようなこともあり得るんですか、どうなんですか。
#190
○政府委員(杉山弘君) 御提案を申し上げております助成方式で国際共同開発を進めていこうと考えておりますのは、いわば実用化のための開発段階のものでございます。したがいまして、先ほども申し上げました、例えば日本の航空機業界のATPエンジンに対する基盤技術研究促進センターの助成を受けての基礎研究といいますように、直ちに実用化には結びつかないもの、こういうものにつきましてはこの助成対象ではございませんので、基盤技術研究促進センター、その他既存の別の助成を受けて進めていくということに相なろうかと思います。
#191
○伏見康治君 また売れる話を聞きたいんですが、新しい航空機を技術的には開発実用化できたとして、それが売れるか売れないかというのは、既にある飛行機がどうなっているかということが大いに問題だと思うんですが、現に存在して世界じゅうを飛び回っている飛行機といったようなものは十分実用性があって、みんな旅客者は満足して乗っているんじゃないかと思うんですが、少しぐらい燃料費が安くなるとか、あるいは少しぐらいスピードが速くなるとかという程度のことで、既存のマーケットの中に本当に入るのかどうかという点が私にはよくわからないんですが、その辺の考え方、あるいは現に動いている飛行機というものは、ある段階で生産をやって、その後は生産しないでただ寿命だけで飛んでいるというのか。そういう、要するに出ている飛行機の栄枯盛衰みたいなものの見通しをちょっと聞かしてほしいんですが。
#192
○政府委員(杉山弘君) 非常に難しい御質問でございますが、例えば今私どもがやっておりますV二五〇〇エンジンにつきましては、現在までございます既存のエンジンに比べて二五ないし三〇%ぐらいの燃料消費効率のいいものを開発目標といたしておるわけでございます。これだけ燃費効率がいいということになりますと、従来のエンジンの代替が十分可能だというふうに思うわけでございます。
 ただ、また昨今のように油の値段が安くなっているというようなことになりますと、むしろ燃費効率を求めるのか、それとも全体としての価格の安さを求めるのか、そのあたりは運航する航空機会社の選択の余地もまた変わってくるかと思いますので、こういった経済条件の変動といいますのは、やはり開発段階を通じて常に気を配って、それに応じて最もよく売れる可能性のあるエンジンなり航空機なりをつくっていくことが必要なんだろうと思っております。そういう意味で、V二五○〇につきましても、YXXにつきましても、今後のいろいろ経済情勢の変動というものを頭に入れながらやっていくということになると思います。
 また、YXXの方が少しおくれぎみになっておりましたのは、これは競争相手でA320というヨーロッパの航空機がございまして、こちらの方が若干先行をいたしております。そういうマーケットの中で新しく商売をしていこうというようなことになるためには、先行しているものにはない特色のある航空機をつくっていかなければいけない。そういう点で、それじゃどのあたりをセールスポイントにしていくかということをボーイング社との間で十分詰めてきているところでございまして、御指摘のようなことは我々開発段階におきましても十分配慮をして、常に最新の経済情勢の変動に対応できるような機種の開発を心がけていく、そういうつもりでおるわけでございます。
#193
○伏見康治君 これも前に御質問があったと思いますが、昔は飛行機というものは非常に技術集約的なものであって、飛行機をつくればそれに関連してほかの産業がみんな刺激されて、飛行機をつくるということは、要するに牽引車的な要素を備えているという考え方が非常に強かったと思うんですが、現在のような国際共同開発という観点では、そういう意味での牽引車的効果というものは非常に限定されてくると思うんです。つまり航空機産業というものの位置づけが戦争前あたりとは大分意味が変わってきていると思うんですが、その辺はどう考えますか。
#194
○政府委員(杉山弘君) 国際共同開発になると、技術開発等の面についての牽引車的なインパクトが薄れるのではないかという御質問かと承知をいたしますが、私ども必ずしもそうはならないんではないかと思いまして、やはり国際共同開発でございましても、先進的な技術を航空機なりエンジンなりという一つのシステムにまとめていくわけでございまして、そういう過程で得られました技術的な知識というものは、他の産業分野におきます技術水準の向上のインパクトとして大いに役立つものと考えております。
 具体的な例で一、二御説明を申し上げてみますと、YX計画の段階で複合材の成形技術というものを日本の航空機業界は勉強したわけでございますが、複合材の成形技術といいますのは、その後開発に参加をいたしました日本の航空機業界が、例えば人工衛星の製造等にこれを応用することができたという例もございますし、また航空機なりエンジンなりの設計におきましては、コンピューターを使いました設計技術というのが非常に重要になってまいりますが、こういったコンピューターを応用いたしました設計技術は、工作機械なり自動車なりの設計にそのままもう既に使われているということでございまして、やはり航空機関係の技術の先進性といいますのは、国際共同開発になろうと単独開発であろうと、各産業分野の技術向上にもたらしますインパクトというものは変わらない、こう考えております。
#195
○伏見康治君 そういう観点十分成り立つと思いますが、それは相当やはり意識して実りを刈り取るということでないといけないと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 次に、航空機の安全性の問題で、ちょっと日航機に余り即しない方のお話を伺いたいと思うんですが、航空機行政で安全性というと直接には運輸省が担当なさって、例えば日航機が五百人の人を殺してしまったというようなときの当面の責任は運輸省がおとりになるんだろうと思うんですが、しかし、常識で考えて、運輸省というものは機体の検査とか整備とかいったようなものをにらんでおられると思うんですが、飛行機をつくるという方はやっぱり通産の方の責任であろうと思うわけです。飛行機をつくるときに安全性を十分考えておかなければいけないことは明らかなんですが、とにかく通産省がそういう意味では責任を持っているんだということをまず確認してみたいと思うんですが。
#196
○政府委員(杉山弘君) お話のように、航空機の安全問題につきましては、完成されました機体なりエンジンなりの安全性のチェック、さらには運航の面におきます安全確保の問題、これはいずれも運輸省が担当をしておられます。私どもは、設計、製造段階におきまして安全性に対する配慮が必要でありまして、このあたりにつきましては通産省の任務だと心得ております。そういう意味におきまして、航空機の開発段階におきましては、安全性と経済性の二つの面が追求をされることになりますが、私どもといたしましては、まずこの二つの要請のうち、安全性の問題に最重点を置いて、それが確保をされた後に経済性を追求すべきと、こういうことで常々臨んできているところでございます。
 これから航空機の開発が進みます段階では、これまでの航空機の事故の経験といったようなものも当然生かされてくるんであろうかと思います。御指摘のありました日航機の事故につきましても、油圧装置が尾翼の部分に集中をしていたために、あの部分が破損をしましたときに油圧系統がきかなくなってしまったと、こういうことがありますので、こういった点につきましては、あるいは今後のYXXの開発の段階におきましても、一つの安全性に対する配慮として、設計面で十分考慮が払われる点になるのではないかというふうに考えておるところでございます。
#197
○伏見康治君 お話はよくわかるんですが、しかし特にお伺いしたいのは、つまり運輸省と通産省と同じ安全性の問題の違った面を担当しておられる、つまり何かその間の要するに連絡が悪い、おのおのの自分の担当したところはベストを尽くしておられたとしても、全体として眺めると何かちぐはぐなことをやっているといったようなことがあり得ると思うんですが、その間の連携はどういうふうにやっていらっしゃるんですか。
#198
○政府委員(杉山弘君) 不幸にして航空機の事故が起こりました場合には、御案内の航空機事故調査委員会がその原因究明に当たるわけでございまして、この航空機事故の究明は、その性格上、メーカー、ユーザー、さらには関係の行政機関からも独立のものということで発足をしているわけでございます。したがいまして、私どもこの事故調査に直接参加するということにはなっておりませんけれども、その原因究明が行われました場合には、調査過程及び調査結果というものについては十分配慮をいたしておりますし、メーカーサイドにおきましてもその点については十分これを考慮をいたしまして、これから起こってまいります航空機の設計、製造段階に生かしていく、そういうような体制づくりを進めていきたいと思っております。
#199
○伏見康治君 安全性に関して私が近ごろ感じていることをちょっと申し上げてみたいんですが、一言に言ってしまえば、マン・マシンの関係ということになるんですけれども、日航機でもって、しっぽがもげてしまっているということを、パイロットが三十分間悪戦苦闘している間どうも知らなかったのではないかと思うんですね。もし動物であったら、自分のしっぽがなくなっているということはもっと早く気がつくはずだろうと思うんですが、つまり、今のいろんな操縦系統とかそういう計器類の配置の仕方というものは、一つの機械的論理というのかな、そういうものだけで貫かれていて、つまり人間性というか生物性というか、そういう要素が欠けているように思うわけですね。
 これは原子力の方で申しますと、TMIの原子炉の事故のときに、オペレーターは計器の行列の前でもって茫然自失していたという話があるんですが、つまりたくさんのアラームが全部一どきに鳴り出したら、どうしていいかわからなくなってしまうということじゃないかと思うんですけれどもね。ですから、そもそもたくさん計器をつければより安全になるといったような考え方は、人間が関与する限り間違いであって、どこかでやっぱり人間性ということを考えた設計でないといけないと思うんですがね。そういう方向で設計上の新しい要素をひとつ考えていただきたいと思います。
 また法案そのものについて伺いますが、この真ん中にあります基金ですか、共同開発基金というのは、これは元来の案は基金であったんですね。それを変更した理由と、それから今法律に掲げられている案はどういう組織なのかということのちょっと説明をしてください。
#200
○政府委員(杉山弘君) ただいま御提案を申し上げております改正案を、当初、昨年末の予算要求の段階までは、回転基金の運用についてはこれを特別認可法人に行わせるということで、特別認可法人国際航空機共同開発基金というものの設立を私ども要求をいたしていたわけでございます。
 その趣旨は既に御了解をいただいているかと思いますが、この基金の行います仕事が、いわば国がやるべき事務を国にかわってやる、そういう性格のものでございますので、できるだけ国に近い組織である特別認可法人でやらせるのがいいのではないか、こういう考え方であったわけでございますが、残念ながら昨今の行政改革の関係で、特別認可法人といえどもそれを新しく設立する場合には、既存のものを一つスクラップをしないと認めないという厳密なルールができておりまして、このルールに適合するような廃止すべき特別認可法人というのを通産省の所管の認可法人の中で見出すことができませんでしたので、やむなくこの構想を断念をいたしまして、御提案申し上げておりますように、民間の財団法人を指定をいたしまして、その指定をした財団法人に対しましては、通産大臣が法律に基づいて十分な監督、規制をし、その上で基金の業務を行わせるということにしたわけでございます。
 したがいまして民法上の財団法人を指定するわけでございますが、その監督面におきまして私ども十分に注意をしてやっていきたいと思いますので、ほほ当初の構想に準じたような効果は期待できるというふうに考えております。
#201
○伏見康治君 今度の新しい法人ですか、その法人はYXXから仕事が始まる、今もう既に始まっちゃっているYXそれ自身は、かかわりがあるんですか、ないんですか。
#202
○政府委員(杉山弘君) この法律が成立いたしました場合に指定法人が行います仕事は、YXX及びV二五〇〇の開発をいたしております事業主体に対しまして、新しい方式によります助成金を交付をするということになるわけでございまして、いわば従来政府がやっておりました助成の仕事を、新しい方式によりましてこの指定した法人の仕事として引き継いでいくということになると考えております。
#203
○伏見康治君 話がうまくいっているときはその収益をそこへデポジットしていって、後でまた使いたいときに使うという大変いいお話だと思うんですが、上がるはずの利益が全然上がらなかったというときには、結局立ち往生するんですか。どういうことになるんですか。
#204
○政府委員(杉山弘君) YXX及びV二五〇〇計画とも十分なマーケットリサーチ等を経まして進めている事業でございますので、私どもといたしましてはその成功を確信をいたしておりますし、うまくいかなかった場合のことというのは余り考えてもいないわけでございますが、ただ理論的には、先生おっしゃるような事態というのも考えられるわけでございますが、今御提案申し上げております方式によりますと、十分な収益納付がなかったからといって新しいプロジェクトを助成しないということではなくて、むしろ新しい適当なプロジェクトがあればそれを助成をしていく、継続的にやっていきたいという政府の意思を示しているわけでございます。
 したがって、万一御指摘のように、十分な収益納付が上がらなくて、新しいプロジェクトに対する助成原資が不足するというようなことに立ち至りました場合には、私どもの気持ちといたしましては、必要な金額をその際政府から出していただくように財政当局にはお願いをするということでございますけれども、繰り返すようでございますが、十分な市場調査をやって取り組んでおりますものでございますから、これは失敗するようなことはないと思いますし、また失敗するというようなことになりますと、これからの我が国の航空機工業の前途に対しても暗い影を投げることになりますので、こういう事態は絶対ないようにやっていきたいと考えております。
   〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕
#205
○伏見康治君 万一にも失敗しないように、万全を期してやっていただくようにお願いいたしたいと思います。
 それで、今考えられている具体的なV二五〇〇とYXXのほかに、新たなるプロジェクトとしてやがて取り上げるかもしれないというのは、何かイメージはあるんでしょうか。それともそれは何年か先になって考えるということなんでしょうか。
#206
○政府委員(杉山弘君) 現在着手しております二つのプロジェクトの後どういうプロジェクトがあり得るかと、こういう御質問でございます。
 私どもといたしましては、御提案申し上げている法案が成立しました場合に、共同開発指針というものを法律に基づいてお示しをするということになっておりますので、これから十分な調査をやりました上、新しいプロジェクトの対象としてなり得るようなものがどんなものとしてあるか、それを調べまして共同開発指針の中でお示しをしたいと思っておるわけでございますが、例えばというようなことで、私ども頭にありますことを申し上げてみたいと思いますが、一つは先ほど来御議論のございましたATP、アドバンスト・ターボ・プロップ・エンジン、これは次の世代のエンジンとしては極めて画期的なものだという評価では一致をしておりますので、こういうものはひとつ候補として考えられるだろうと思いますし、機体の方で考えますと、今やっておりますYXXが百五十席クラスでございますが、ボーイング747の後継機というものも機体の国際共同開発の候補としては挙がってき得るものではないかと思っております。
 ただ、いずれにいたしましても、こういった幾つかの候補の中から具体的にどういうものを選ぶかというのは、これからの調査の結果でございますし、具体的にはそれを共同開発指針という形で必要な時期にお示しをするということになろうかと思うわけでございます。
#207
○伏見康治君 今のお話は、国際というか、大陸間の交通のようなことを主に念頭に置いておられるんですが、いわゆるコミュータークラスのもの、小さい方のものは余り念頭にないのは、そういうものは余り大きなリスクにならないから、いわば民間がそれぞれの独自性でやればいいといったようなお考えなんですか。
   〔理事前田勲男君退席、委員長着席〕
#208
○政府委員(杉山弘君) コミュータークラス機の国際共同開発につきましても、法律上この助成の対象にならないということではないわけでございますが、ただ、私ども現実の問題として考えますと、現在の二つのプロジェクトだけでも、財政的に見ますと、これからの負担を考えますと手いっぱいという感じでございます。
 それから、現に幾つか考えられておりますコミュータークラス機の国際共同開発を考えてみますと、その開発経費は今やっております二つのプロジェクトに比べますと、けたが一けた少ない金額になろうかと思いますので、そういったものにつきましては、この際できるだけ民間の負担においてやっていただくしかないのではないかと思っておりますが、この助成の制度上対象にならないというものではないわけでございまして、あるいはこの回転基金などがうまくいきまして余裕が出てきた場合に、将来出てくるプロジェクトについてはあるいは考慮する余地が出てくるという可能性もあろうかと思いますが、当面は非常に難しいと思います。
#209
○伏見康治君 ついでに伺いますが、昨年末、何か中国との間でコミュータークラスのものの共同開発を決めたといったような話があるんですが、これはどういうことですか。
#210
○政府委員(杉山弘君) 昨年来中国との間で、三十席ないし四十席クラスのコミューター機を共同開発したらどうかという話が持ち上がっておりまして、我が国から航空機業界ミッションを出しまして中国側と話し合いをいたしておりました。日本側といたしましては、とりあえずフィージビリティースタディーを始めるということにつきましては決心を固めておりまして、それに関する了解覚書の案をつくりまして、日本側としてはサインをいたしまして中国側に送っておりまして、今中国側でそれを検討をしていただいている状況でございます。順調にまいりますと、五月ごろには中国側から正式のサインをされたものが届きまして、フィージビリティースタディーが開始されることになるかと思いますが、実際の共同開発というのは、そのフィージビリティースタディーの結果を見た上で決めるということになるかと思うわけでございます。
#211
○伏見康治君 今のお話の日本側の主体はどこなんですか。政府なんですか、民間ですか。
#212
○政府委員(杉山弘君) 現在、日本側といたしましては、日本航空宇宙工業会という業界団体がありまして、これが中国側に対する交渉の窓口となっております。したがいまして政府ではございませんで、民間が日本側の主体になるわけでございます。
#213
○伏見康治君 航空機に関連して幾つかのお役所が関与しているわけですね。通産省は飛行機をおつくりになる方を考えておられるし、運転する方は運輸省がお考えになっている、それからもちろん防衛庁は軍用機を考えておられる、それから科技庁はSTOLのようなやや遠い将来に物になりそうなものをやっていられるというわけで、少なくともこの四つの省庁が航空機に関連していると私は思うんです。
 これを一つの何か委員会あるいは審議会といったようなもので眺める必要があるいはあるのではなかろうか。例えば、宇宙の方でいろいろな目的の衛星が上がりますが、それを一つのところでやっぱり宇宙開発審議会というもので全体の取りまとめをしているというような面があるわけですが、航空機の方ではそういうまとめるところはなくていいものなんでしょうかどうなんですか、その辺のところを伺いたいと思います。
#214
○政府委員(杉山弘君) 御指摘のように、航空機に関しましては幾つかの省庁がそれぞれの立場から関与をいたしておりまして、科学技術庁が開発いたしましたSTOLにつきましては、通産省が大型プロジェクトで開発したエンジンを積んでいるというふうな状況にもあるわけでございます。相互のやっておりますことが関連をいたしておりますが、先生御指摘のように、そのために今特別の審議会とか組織とかというものを一つつくって、そこに全部集中をするというようなことが必要かどうかということにつきましては、私ども今の体制のもとで相互の間の連絡調整をうまくやっていけば乗り切っていけるのではないかというふうに考えております。あるいは将来の問題としておっしゃるようなことが必要になるかしれませんが、とりあえずのところは私どもまだそこまでの必要はないんではなかろうか、こういうふうに考えております。
#215
○伏見康治君 私は必ずしもそう考えないんですが、例えばレーガン大統領がオリエント・エキスプレスなんという非常に派手なプロジェクトを打ち出しておられますが、それを受けて、新聞によると、科技庁の航空技術研究所の方は、それに見合うような何か派手なプロジェクトを考えておられるというふうに伺っているわけですが、本当かうそか、新聞にそう書いてあったのを読んだんですが、そういう非常に新しい領域を冒険的に進むという面と、非常にしっかりと産業に結びついてやっていくというテンポと、その両方が全く別々に動いていくというのはどうかと思うんですがね。
 最先端の技術を何とかしていこうというパイオニア精神というものと、それから本当に役に立つものをつくっていくという通産のお考えとの間のつながりがもう少しあるべきだと私は思うので、その点何らかの意味の、何も非常にリジッドな組織である必要はさらさらないと思うんですが、全体を見渡すようなそういう組織というものがあってしかるべきだと思うんですが、時間がなくなりましたので、その点について大臣の御所見を伺いたいわけです。
 ついでにもう一つ大臣に伺っておきたい。
 今度の法案に盛られているのは、国際的共同で物事をやろうというわけで、従来の、何でも国産化しようという日本人の一種の性癖だと思うんですが、そうですね、ウイスキーも国産にしよう、ワインも国産にしようというようなことでもって、世界じゅうのあらゆる産物を全部日本でつくってみせようという、そういう国産化精神というものからいうと、随分大きな後退だと思うんですが、通商産業大臣としては、国産化という日本人の何か本能的なものと、それから国際共同部に物事をやっていかなくちゃならぬという、特に国際的にうまくやっていこうと思うと当然国際分業論的にいかないといけないと思うんですが、その辺の通産大臣の大方針を伺いたいと思います。
#216
○国務大臣(渡辺美智雄君) 最初の質問ですね、今局長がお答えをしたところで私は尽きておるんじゃないかと思います。
 問題は、科学技術庁は先のことを見ている。防衛庁は戦闘機とか、爆撃機はないけれども、戦闘機やなんかで、それでこれは戦闘用の飛行機。我々の方は民間の、しかも現在と将来、これについてはやはりみんな用途が違うし、ユーザーも違う。しかしながら、全くばらばらでもこれ問題があるわけですから、四省庁がうまく連絡をとってやっていけば、何か制度をつくるとまた複雑になってきますし、だからそれは実行の面でやっていけば、先生の趣旨、その精神を体してやれば私は当面必要ないんじゃないかという気がいたします。
 それから国際分業論の話、何でも日本人は国産したがる、これはどこの国でもやはりそういう気持ちはあるんでしょう。特に日本人は強い。これは事実です。事実ですが、飛行機のようなものは国産化したがったってなかなか今できない。金額が大きい、それから経験が非常に立ちおくれておって少ない。まして民間航空機は数多く売らなければ、つくるだけだったら、つくれても売れなければ何にもならぬわけですから、そういう意味で、とりあえず共同開発というようなことで、もっと知識、経験を豊富にするということであろうかと、そう思っております。
 何でも国産がいいとばかり考えません、私も。それはもう石油の国産といったってできない世の中ですから、だから食糧でも全部一〇〇%国産という必要はないんであって、現に小麦なんというのは九割以上外国から買っているわけですから、国産するといったってする場所もないし、値段も高くてできない。ですからこういうような点は、やはりどっちが利便にかなうかということを見ながらやればいいのではないか、そう思っております。
#217
○伏見康治君 終わります。
#218
○市川正一君 先ほど与党委員からも御質問がありましたが、四月八日の「総合経済対策」について冒頭伺いたいと思います。
 まず、円高差益の還元でありますが、電力九社の場合に、一円の円高になることによって、年間で合計約百二十億円の差益が出るというのが通説になっておりますが、そう理解してよろしゅうございますか。
#219
○政府委員(野々内隆君) 一年間続くという前提では、そういうことが言えるかと思います。
#220
○市川正一君 ところで、電力料金の認可時点のレートは三百四十二円でありました。これがもし一ドル百八十円とすれば、二百四十二円との差額は六十二円となり、以下算術計算でありますが、したがって一円当たりの百二十億円にこれを相乗しますと七千四百四十億円となります。同様の手法をもってガス三社を見ますと、円高一円について年十四億円の差益となりますので、年間八百七十億円となります。さらに原油の値下がり差益を見ますと、電力九社合計で、一バレル当たり一ドルの値下がりで、年間約一千億の差益となることも、これまた公知のところであります。
 最近の動向から見まして、バレル二十ドルを大きく割るということすら予想されております。さしあたってCIF価格二十ドルとして計算しますと、これが一兆二千億となります。以上の合計で約二兆円の差益になるんであります、そのほか内部留保、いろいろ別として。
 ところが、今度の総合経済対策を拝見いたしますと、一兆三千億という計上になっております。しかも国民への還元はその約七割にすぎぬのですが、私はこれをやはり全額計上して、そして国民、消費者に還元すべきであると考えるんでありますが、いかがでしょうか。
#221
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは見方なんです、見方。例えば、国民の間では一ドル百九十円ぐらいになってもらいたいと、サミットが終わったらなるんじゃないかと待っている人もたくさんいるわけですな、実際は。今は百八十円ちょっと、ちょびちょびと、前後というところですから、これ幾らに見るかということですね。非常にこの前のときは円高だったけれども、半年したら円安になっちゃったということもある。今回は私はなかなか百九十円とか二百円に戻るということはないだろう。しかし、これはわかりませんよ、わからぬのですから。だから、しかし、そこは多少安全係数を見なきゃならぬから百八十円台ぐらいに見なきゃならぬ、これは当然だと思います。見方が甘過ぎると言う人は恐らくないでしょう、国民の中には。
 だから、今度は石油の話ですが、スポット物は今のところは安い。しかし、ノルウェーで三日ぐらいストライキをやったら、スポット物が九ドルぐらいのものが十四ドルにぽんと上がる、たった三日間ぐらいで。八十万バレルしかつくっていないですよ、あそこは。だけれども、したがってこれは生産調整がOPECでまとまるということになれば、直ちにばあっと上がってきちゃう、そういうような状態がある。一方、スポット物だけ買っておるわけじゃありませんから、みんな契約で買っておるんですから、徐々に下がってはおりますが、そう急には下がらない。まして天然ガスをたくさん今は使っておりますから、これは必ずしも連動してわりませんから、契約で数量と年限とを決めてやっておるわけですから、これも交渉して、二十二、三ドルに下げるようにぼつぼつ交渉が整っているというのが実態なわけです。
 石油は恐らく不需要期に向かって下がっていくだろうというのが通説にはなっています。しかし、そうなれば彼らが非常に苦しくなりますから、九月には生産調整の痛み分けがまとまるというのも通説になっておる。そうすると、そこから需要期に入って、反転して暴騰してくるということが常識的に言われているということになりますと、下げちゃうのは簡単だが、後で上げるよといったって容易な話じゃない、実際は。ということになると、少なくとも一年間くらい通して見るということになれば、やはり二十二、三ドル、それで百八十円台というくらいに見るのが常識ということであります。そうすれば、それは二兆円にはならぬのですよ。あなたのような計算をすれば二兆円になるし、百六十円に計算すればもっと、二兆何千億になるかもわからぬ。そこらのところは多少安全係数は持っているということであります。
#222
○市川正一君 これは見方の問題というよりも、やはり事実の問題だと思うんです。
 その点では、三月二十日付の日経の報道によりますと、通産省の計算をここで試算といいますか、紹介をしております。これによると、電力九社で一兆二千億、ガス三社で一千億だというのが紹介されているんです。これは今度の総合経済対策の数字と極めて照応するものと読み取れるんでですが、大臣、わからぬとおっしゃるけれども、わからぬなりに数字はやっぱりはじかにゃならぬわけですから、だから今の御答弁でわかったんですが、この合計一兆三千億のうち約三割か四割、すなわち五千億から四千億は企業利益だと書いてあるんですが、これもそのとおりに出てきておるんですよ。そうすると円レートは何ぼやといって伺うと、大体百八十円ぐらいやと。原油のCIFはというと、大体二十二ドルから二十三ドルぐらいやと今おっしゃったので、そうすると、計算すると一兆二千億はやっぱり上回るはずなんですよ。これは後で計算しましょう。
 私が言いたいのは、やっぱりそういう点では、確かにCIFの価格の動向は、たしかNHKのテレビ討論で大臣が、通関統計を見ると余り下がっておらぬ、こう言われたけれども、しかし実際に陸揚げして、通関統計にこれを反映するまでの時差といいますか、時間的ずれはあるわけですから。
 きょうここに持ってきたのは、四月十日の石油連合会の機関紙「ぜんせき」ですが、三月のCIFを見ますと二十二・三八ドルです。大体もうずっと前月比で五・一九ドル安くなっています、ダウンしています。そうすると、二十ドルという線は、これは、やっぱり出てくるのですね。ですから、安全係数を見ると言うけれども、やっぱり事態を、見方じゃなしに、事実に即して言うと、例えば伺いますけれども、二十ドルを割るという見通しは大臣はお持ちでしょうか。どうですか。
#223
○国務大臣(渡辺美智雄君) 結論はわかりません。それはわからぬのですから、だれだって。だから、我々としては先ほど言ったように、二十二、三ドルと、平均、ならしての話ですよ。それはもっと安くなればありがたい語。見通しの話ですから、すってんてんになるわけにはいかぬのです。
 それから、百八十円じゃなくて、百八十円なんか見られません。百八十二円になったり百八十円ちょっとなにしたりというところで動いているわけですから。ですから、それよりももう少し安いところで見ざるを得ない、現在の段階では。そこで、結局は総合的に判断して、大体一兆三千億円ぐらいのものが計算をされます、それはあなたのおっしゃるとおり。
 そこで、これは各野党の中においても、要するに公共事業が足りない、足りないために国債まで発行しろとさえも言っておるし、それから地中化の前倒しもじゃんじゃんやれと、いいですか、市川さん、地中化の前倒しもじゃんじゃんやれと、これはみんな言っているんですよ、あなたは言わないかもしれないけれども、ほかの人はみんなこれ、あなたも言っているわな、言ってる……。
#224
○市川正一君 言わぬ。
#225
○国務大臣(渡辺美智雄君) 言わない。だけど、ほかの人は言っているわけね。ですから、そういう意見も入れなきゃならぬわけですよ。したがって、設備投資の前倒し、それから設備投資もふやせということでそういうのも見ております。したがいまして、その利益については、一兆三千億とかそこらの数字は、それは想像をされるんですが、そういう前倒しの問題というようなものも考えているわけです、したがって、これは全部裸になってきれいに、事業はやらない、地中化もやらない、それから設備の増加もやらないというんならまた別ですよ、これは。ですから、そういう意見がいっぱいあるから、そういう人の意見も入れて、国会の議論等も十分参考にして考えますと私はずっと言ってきておるわけですから、ですからそういうようなことで、大体ここらが妥当じゃないかなというふうに思っておるわけです。
 これは一年限りの措置ですから、仮にレートが変わったり、それから石油が暴騰してきちゃったりすれば、来年は直さざるを得ませんが、ことし一年間はこれでいく。しかし、もっといい方向に向けば、それで安定すれば来年はまた還元ということだってあり得るわけですから、余り慌てないで、大体この辺が極めて、多少おっかなびっくりのところもあるんですよ、私も実際は。だけど、思い切ってそれは清水の舞台から落ちたぐらいのつもりで、これは一兆円、丸めてですよ、本当はもう少し下なんだ。だけど、そこは丸めてやるようにしたわけですから、あなたの意見も十分に取り入れてやるということはひとつ御理解をいただきたい。
#226
○市川正一君 本論でないんで、もう一度、私の主張を理解していただくというならば、ため押し的に言っておきますけれども、少なくとも私は二兆円の差益はある、それは国民に還元すべきである、これをぜひ脳裏に刻み込んでひとつ御検討願いたいということを重ねて言っておきます。
 もう一つは、私は本当に内需拡大というならば、大幅な賃金引き上げと労働時間短縮こそ、最大の柱として打ち出すべきものであると考えます。これなくして、対外経済摩擦の解消もあり得ないということは今や公論になっておると言えます。
 産構審の中間報告を見ましても、あえて引用いたしませんが、第一に可処分所得の増大ということで賃上げを強調し、第二に自由時間の増大ということで時短を強調し、目標数字まで出しております。
 報道によりますと、四日に開かれた経済対策閣僚会議で、金丸幹事長が積極的賃上げを強調され、この発言に渡辺通産大臣も、「(労働者、国民の)可処分所得はだいぶ減っている。だから払えるところは払うべきだ」という賃上げ論をぶち上げた。ぶち上げたというのはなんですが、要するに強調したというふうに伝えられているんです。ところが、今回の総合対策には賃上げも時短もどこにも見当たらぬのでありますが、通産大臣としてはまさにこれを織り込むように主張すべきであったと思うんですが、いかがですか。
#227
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは、うちの中の話をしたのが表に漏れちゃったわけですようちの中の話をね、与党の首脳部会議ですから。私も言ったこと、それは言ったか言わないか知らぬけれども否定もいたしません。しかし、春闘を前にいたしまして、内閣の決定として賃金を上げるということを織り込むということはこれまたいかがなものか。もともと賃金というのは労使の交渉によって決まるというのが大原則ですから。しかしそういうことがちらちらっと漏れていれば、中には多少それは払えるところは少し払って、何も右倣えじゃなくったっていいわけですから、そういうようなふうに効果があれば、それまた漏れても私は結構なことだと、そう思っておるんです、これは閣議決定ですからね。したがってそこには賃金をもっと上げろというようなことはあえて盛り込まなかったものと考えます。
#228
○市川正一君 内向け外向けは別として、要するに大臣の本音というか、本心というかは、やはり可処分所得、要するに賃上げは大いにやってよろしい、やるべきであるというのが真意であるというふうに理解してよろしゅうございますか。
#229
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私はできるところは上げたらいいだろう、そう思っております。しかし、これはやっぱり自民党は共産党ほど、何といいますか、決定したことに対して文句言う度合いは少ない――あっ、多いのか。皆さんの方はやはりいろいろ意見があっても、幹部会で決まったらもうそれは文句言わぬでしょう。それほどでもないが、私の方も大体そうなんですよ。だから一応決まったら、これはどうだこうだと言っても始まらぬわけですから、私としては、本心としては上げられるところは上げていただいて結構であります。
#230
○市川正一君 それが真意であるということとして受けとめますが、ただ我が党は、これはまた時間をとりますが、党内民主主義が保障されておりますから、決定に対しては大いに意見も述べるし、そしてまた論議もするということは保障されているということをこの際明らかにしておきたいと思います。おたくとは大分違いますからね。
 それで、私言いたいのは、財界も含めたこれは世論になっているという点で、さきに五島日商会頭の発言について、今度は佐治大阪商工会議所の会頭も、労働省はだまされているということで賃上げを大いに支持する発言を行っておるんでありますが、これは国民の購買力を高めること、すなわち国民の圧倒的多数を占める勤労者の所得を引き上げることなしに、今の経済的な諸矛盾を打開する道はないということを示すものだと思うのですが、私はそういう立場からいえば、賃上げにしろ時短にしろ、政府の政策としてその気になればすぐにもできるんだというふうに言いたいんです。例えば人勧をとっても、これは値切らずに完全実施すべきであります。また、最低賃金制をとってみましても、産業別最賃にしろ地域別最賃にしろ、政府主導のもとにこれは行われるわけでありますから、そこに諮問する政府の原案を積極的なものにすることによって状況は変わると思うんですね。私は経済対策閣僚会議の主要メンバーのお一人である大臣が、そういう立場に立って、先ほど真意は聞いたんですから、奮闘されることを要望したいんですが、いかがでしょうか。
#231
○国務大臣(渡辺美智雄君) 人勧は完全実施をするように今後も努力をしてまいります。
#232
○市川正一君 それでは本論に入りたいと思いますが、経企庁の方お越しいただいたんですが、大臣がもう全部答弁を買って出られたので、お引き取り願って結構であります。
 今度の改正案でありますが、その目的は、従来の「航空機等の国産化を促進」というものから「国際共同開発を促進」に改めることにあると思うんでありますが、その際に、最小限必要なことは、一つは、参加者の自主性が確保されていること。二つは、研究開発の成果が十分に享受できること。三つは、その成果が民主的に利用できるとともに、軍事目的ではなしに平和利用に徹するなどの点だと思うんでありますが、そういう立場から以下質問をいたしたいんであります。
 航空機の開発を時系列的に見ますと、開発、製造、販売、プロダクトサポートという四段階になると聞いております。そこでB767の場合に、アメリカのボーイング社、イタリアのアエリタリア社、それに我が国の三菱、川崎、富士の三重工各社による共同開発プロジェクトであったんですが、我が国各社の分担した部位といいますか、パートですね、及びその段階といいますか、レベルといいますか、それはどうだったのかということをまず簡潔に伺いたい。
#233
○政府委員(杉山弘君) YXの国際共同開発におきまして我が国が参加をいたしましたのは、開発段階だけでございまして、参加の比率は一五%でございます。
 担当いたしました部位は、胴体及びベアリング、主翼のつけ根部分に相当する部分が主たる部分でございます。
#234
○市川正一君 今お話しがあったように、結局胴体と主翼リブですね。そして開発レベルでは、開発どまりだったとすれば、私は結論的に言うと、これはボーイング社の下請的役割を担ったというように言わざるを得ぬのです。B767を開発したYXプロジェクトで我が国企業として相当の成果があったのかどうか。例えば分担したところでパテントはどのくらいあるのですか。あるいはまたアメリカとイタリアが担当した部分のノーハウ、パテントなどを全部成果を入手しているのかどうか、この点を伺います。
#235
○政府委員(杉山弘君) YX計画への参加の意義でございますけれども、先ほど御答弁いたしましたように、開発段階での参加にとどまったわけでございますが、日本側が分担をいたしました先ほど申し上げた胴体等の部分以外にも、全体の共同設計作業も一部分担をいたしております。
 何よりもまずこのYX計画は、日本の航空機工業界がジェットエンジンの旅客機の国際共同開発に参加した最初のプロジェクトでございます。したがいまして、最初の段階から開発、生産、販売、プロダクトサポート全段階を通じてのパートナーとして参加をするということ自身は非常に難しかったと思います。そういう意味におきまして、あるいは見方によっては先生御指摘のように、下請的ではないかということもありますけれども、全体の共同設計への参加等もございますので、これをすべて下請であると、こういうふうに決めつけられるのはいかがかというふうに考えるわけでございます。
 それから、我が国がこの開発に参加をいたしまして取得をいたしましたパテントでございますが、これは現在まで一件でございます。したがいまして、工業所有権の件数としては非常に少のうございますけれども、日本としては約三百億円を超える開発費を分担をしたわけでございます。政府の補助金が合計百四十七億円出ておりますが、残りの百六十億円近くは民間の負担でございます。
 こういった巨額な額を三社で負担をいたしまして、開発の経過に不満足であるということでございましたら、その後のYXX、V二五〇〇計画というものへの参加も各企業ともちゅうちょをしたのではなかろうかと思いますけれども、引き続いてこういう計画に参加をしているということそれ自身が、パテントの数にはあらわされないそれ以外の面において、ノーハウその他獲得することができたことがいかに多かったかということの間接的なあかしにもなるのではないか、かように考えております。
#236
○市川正一君 じゃ、このYXの共同開発に当たって、ボーイング社はボーイングという名前による総合信用力からの利益があるということで、いわゆるのれん代が日本側から支払われた、あるいは収入配分格差もあったというふうに聞いておるんですが、通産省は御存じですか。
#237
○政府委員(杉山弘君) YXにつきまして、具体的にのれん代というような格好で向こうから金額を要求されたことはないと思いますし、またその収益の配分云々というお話でございますが、日本側として先ほど申し上げた開発分担部位につきまして必要な金額を支出したわけでございまして、これは日本側として支出した部分についてでございますので、全体の収益についての配分云々ということについては特に御指摘のようなことはないと思います。
#238
○市川正一君 しかし、これは世間のもう常識です。私はこういういわゆるのれん代とか収入配分格差の押しつけというものがまかり通っている状況で、現在行われている二五〇〇計画あるいはYXX計画についても同様の危惧を表明せざるを得ぬのです。
 そこで、まずV二五〇〇計画についてお聞きしたいんですが、ジェットエンジンの開発プロジェクトであるV二五〇〇というのは日、米、英、それに西独、イタリアの五カ国共同プロジェクトでそれぞれ分担をしておるんですが、五社が担当部位ごとに上げた成果というのはすべて五社の共有になるんですか。
#239
○政府委員(杉山弘君) V二五〇〇の開発に当たりまして、開発成果の帰属の点についてお尋ねがございました。
 これは取り決めによりまして、それぞれの参加者が個別に開発し、取得をしたものについては、それぞれの所有に帰するということになっておりますし、共同作業の結果取得されたものにつきましては共有になるということになっております。
 ただ、それぞれが個別に取得したものにつきましても、他の開発参加者がその参加者の開発部分の作業のために必要とされる限りにおいては、これを利用できるということになっております。
#240
○市川正一君 今のような杉山さんの見解といいますかお答えだと、ある技術的成果が共有すべき本来の技術なのか、それとも派生技術なのかという判断は大変難しいんですね。複雑なんですね。どういう基準でそれを行うのかという問題が出てくると思うんです。そしてまた、それが明確でないことからする本当の意味での共同開発にならずに、トラブルの根源になる可能性もあると思うんですが、その点の契約はそもそもどういうことになっているんですか。
#241
○政府委員(杉山弘君) これは当事者の間で契約がございまして、その契約に従いまして先ほど私申し上げましたような成果の帰属になるということになっております。
 具体的な件につきまして見方が違ってくるという場合におきましては、これはその当事者間での話し合いによって決めるということになると思いますので、だれかそのうちの一人の判断でその帰属を決めるということではなくて、関係する当事者が、問題があった場合には協議をしてその帰属が決まってくるものと、こういうふうに理解をいたしております。
#242
○市川正一君 そこらは非常にあいまいで、僕はトラブルの要因になることを懸念するので、やはり明確にすべきだと思うんです。
 次に、B767を開発したYX計画の後継プロジェクトとしてYXX計画がある、こう理解しておりますが、これはまだ要素技術の研究段階というふうに受けとめております。この場合も、そうした技術に参加したものの共有にその成果はなるんですか。
#243
○政府委員(杉山弘君) YXXの場合につきましても、私V二五〇〇のケースにつきまして御答弁申し上げたと同じようなことかと思います。
#244
○市川正一君 非常にやっぱりその点懸念いたします。
 もう一つ伺いたいのは、今進行している三つの共同開発プロジェクトがセットされる本拠地は、それぞれどこになっているのかお伺いしたいと思います。
 というのは、補足いたしますと、共同研究を進める場合、今回のように各部位に分けて研究開発して一つの飛行機なりエンジンを組み立てる際には、それがどこでだれの主導のもとに行われるかによって、成果の受け取りには非常に大きな差が出てくると思うんですね。そういう意味において、どこでこれが根拠地になるのかということをお聞きしているわけです。
#245
○政府委員(杉山弘君) 御質問の根拠地という意味が必ずしも定かに理解できませんが……
#246
○市川正一君 組み立てと言ってもいいです。
#247
○政府委員(杉山弘君) どこで実際に行われるかということで申し上げますと、V二五〇〇の場合には先生御指摘のように五カ国の共同開発でございますので、その開発部分についての参加者の所属をしている国で行われるということになりますし、YXXの場合には、現在のところ我が国とボーイングでございますから、これは我が国の部分につきましては日本で行われますし、ボーイングの部分についてはボーイングのアメリカ・シアトルあたりがその実際の開発活動が行われる地点になる、こういうふうに理解をいたしております。
#248
○市川正一君 そればらばらにやりまっしゃろ。それで、それどこかでドッキングせんならぬわけでしょう。あなた、空中でひっつけるわけにいかぬでしょう。組み立てはどこでやるんですか。アメリカでやるんでしょう。
#249
○政府委員(杉山弘君) YXXの場合について申し上げますと、日本側が開発した成果と向こうが開発した成果をドッキングするということにつきましては、ボーイングのありますシアトルで行われるということになると思います。
#250
○市川正一君 シアトルというのはアメリカですね。
#251
○政府委員(杉山弘君) はい。
#252
○市川正一君 ということになるわけです。ですから、結局、例えばYX計画でいいますと、日本のシェアが一五%で開発から製造のレベルまでだし、組み立ての本拠地はボーイング社、すなわちアメリカ・シアトルだと。YXX計画は少なくともボーイング社のシェアが五一%で、日本は約二五%で、予想される開発方式は各部位ごとに分担して、組み立ての本拠も大体アメリカになるというふうに、V二五〇〇エンジンもアメリカが三〇%のシェアであります。
 こういうふうに見てみますと、明らかにアメリカの主導権のもとで開発が進められているということを意味するんでありますが、こういう状況のもとで共同開発を進めても、これは三月二十五日の衆議院の商工委員会で、田原政務次官が答弁なさった一節でありますが、「我が国産業関係者が世界の最先端技術に接し」「その習得効果をも期待し得る」というふうにおっしゃっているんですが、そうなるかどうかというのは甚だ疑問なんです。
 研究開発を行う際に、要素技術の開発や一定部分に限って開発することはこれはあり得る姿として私どもよく理解いたします。しかし、航空機は部分品や要素技術だけで飛ぶわけではないんで、共同開発の参加者がそれぞれの責任を果たすと同時に、航空機をシステム全体として仕上げ、実際に飛行させるためには、ハード面の技術だけでなしにソフトの面での技術も必要であります。これらを全体として習得できることが共同開発のメリットだし、また我が国もそういう立場で臨むべきだと思うんです。
 ところが、今進められている共同開発は、結局アメリカが魅力を感じない分野で、日本の資材と人材と、そして知恵といいますか、知力といいますか、そういうものを下請的に使われることになる危険性があるというふうに私思うんです。貴重な国民の税金を使って開発するのでありますから、今言ったような事態になることを防止して、自主性が確保され、その成果が十分な形で活用されるような共同研究になるように、通産省が大いに指導性を発揮する必要があると思うんですが、この点いかがでしょう。
#253
○政府委員(杉山弘君) 御指摘の点、私どもとしてもわからないわけではないわけでございますが、完全に対等なシェアを持って参加するというのがあるいは理想かと存じますし、そういう事態になりましたら、先生御心配のようなことは起こらないで済むんではないかと思いますが、残念ながら、今の段階で日本の航空機業界の実力からいたしますと、五〇%、五〇%の対等なシェアで共同開発に参加をするというところまでは至っていないと思うわけでございます。それではその過程を全く捨ててしまうのかということになりますと、それではいつまでたちましても対等のパートナーには成長できない。そういう意味で、現状につきましては、あるいは若干我々の側から見ますと不満は残るかとは思いますけれども、将来の完全なパートナーとして成長する過程ということで、ある程度のことはこれは甘受せざるを得ないのではないかと思います。
 ただ、先生がおっしゃいますように、それでは全く下請的なものではないかというような御発言もございましたが、そうではございませんで、YXの場合に比べますと、YXXでは開発からプロダクトサポートまでの全過程において、しかもシェアが増加をした形で参加もいたしておりますし、そういう意味では先生おっしゃるように、個々の要素技術ではなくて、それをシステムとしてまとめるそういうプロセスにも日本側として参加をするチャンスが出てきているわけでございますので、そういう意味では、それなりに我が方の望む方向に動いてきているということが言えるんではないかと思います。
 我々の理想としましては、おっしゃいますように、五〇、五〇の完全なパートナーとしての参加でございます。なるべく早くそういう日が来ることを期待したいと思いますし、その過程におきましても、できるだけ御心配になるような点が少なくなるような格好で我々としても指導をいたしておるところでございます。
#254
○市川正一君 私が指摘しているような懸念やあるいは不満というのは、例えば日本航空宇宙工業会の飯田庸太郎会長、この人は御承知だと思いますが、三菱重工の社長です。ですから今度の問題のいわば当事者でありますが、この飯田社長も「WING」という雑誌の昭和六十年の九月十八日付でありますが、「航空機産業はまだ米国に振り回されているような気がする。V二五〇〇、YXXと共同開発が進められているが、はやく対等になって推進したい。」というふうに申しておられるわけですね。だから、局長のように、耐えがたきを忍びとかいうんではなしに、やっぱりこの点はもっと姿勢として確立する必要が私はあると思うんです。
 次の問題に私は進めざるを得ないのでありますけれども、共同開発を進める航空機は民間航空機であるというふうにされております。しかし、通産省の資料を拝見しますと、我が国の航空機工業の生産高の八一・八%、これは一九八四年の数字ですが、これが防衛需要というふうになっております。したがって、これら企業への助成が結局日本の軍需産業の育成ということにならざるを得ない状況が背景としてあるんですけれども、私は民間航空機の開発にのみこれが使われるという保証、あるいは開発された技術成果が軍事用には転用されないという保証、それをやはりこの際明確にしていただきたいと思います。
#255
○政府委員(杉山弘君) 今回御提案申し上げております法案の中でも、この助成の対象は民間航空用の旅客機の開発、こういうふうになっておるわけでございまして、従来とは違いまして、従来も運用上はそういたしておりましたが、今回は特に明文をもってその点をはっきりいたしたわけでございます。
 ただ、先生おっしゃいましたように、開発された技術がほかに流用されることはないかということでございますが、技術には色がございませんので、全く流用される可能性がないということを申し上げるわけにはいかないと思いますが、一般的に申し上げますれば、むしろ諸外国の場合には軍用に開発された技術が民間航空用に流用される、利用されるということはあるようでございますけれども、むしろ民間用に開発された技術それ自身が特に軍用に利用されるというケースというのはほとんどないんではなかろうかというふうに考えるわけでございます。
 ただ、技術のポテンシャルとしましては、航空機に関する技術の日本側のポテンシャルも上がってまいりますので、御指摘のありましたように、現在の売り上げのうち八割が防衛関係需要ということになりますと、そういう面での技術力の向上につながるわけでございますが、だからこの助成自身をやるべきではないということにはならないと思いますし、防衛用の技術の向上につながるということ自身は我々として特に否定すべきことでもないと考えております。
#256
○市川正一君 この点は後で大臣に最後に確かめたいと思いますが、持ち時間が迫ってまいりましたので、次の質問に移っていきたいと思います。
 指定開発促進機関についてであります。この財団法人は重要な役割を担うことになるんですが、したがって役員には高い識見と同時に公正さが要求されると思います。例えば交付金の交付対象となる企業と利害関係のある人物が役員になるということは望ましくないと思うんですが、大臣この点はどうお考えでしょうか。
#257
○政府委員(杉山弘君) 役員の構成につきましては、法律上、業務の適正な執行に支障のあるような役員構成であってはならない、こういう基準があるわけでございます。これから具体的に法人を指定する段階でその役員の構成等につきましては我々も注意をしてまいりますが、今お話のございましたように、助成の対象になる事業に関係する者がこの法人の役員に全くならないかというと、必ずしもそうではなくて、そういう方々が多数を占めるというようなことにはしてはいけないと思いますが、一部の役員の方に関連業界の方がなっていただく、これはむしろ事業の全体の運営を円滑にするという意味におきましても必要なことではなかろうかというふうに私は考えております。
#258
○市川正一君 私は、李下に冠を正さずということわざがあるように、大臣、これはやっぱりいろんな癒着を導き出す懸念をもたらすものであり、社会良識から見てこの点は厳正に対処されること係を強く要望いたします。
 同時に、私もう一つ聞きたいのは、大蔵省お待たせいたしましたが、V二五〇〇とYXX計画について、毎年補助金を使い残して、繰り越しているんですね。金額はもうあえて申しませんが、V二五〇〇について言えば、補助交付額の二一%にも達しています。YXXについては二五%にも及んでいます。大蔵省はこうした状態を正常なものと考えられるのか、望ましいものと見られているのか見解を承りたいと思います。
#259
○説明員(秋山昌廣君) お答えいたします。
 御案内のとおり、YXX、V二五〇〇の両プロジェクトにつきまして、各年度補助金が繰り越されているというのは事実でございます。財政法の規定によりまして、繰越明許あるいは事故繰りというものが認められているわけでございますが、これらの繰越明許あるいは事故繰りの承認に当たっては厳格なる審査をして認めているわけであります。ただ、このYXXあるいはV二五〇〇のようなプロジェクトの開発経費につきましては、例えば開発機種の規模の拡大による設計の変更ですとか、あるいは大変競争が激しくて航空機購入につきましての航空会社の購入決断がおくれるとか、あるいは日本単独でやっているわけでございませんので、共同開発の相手会社とのいろいろなその契約上のおくれといったようなものがございますので、これはその当初の予算を計上するときから明許繰越の対象に該当するということで、これは国会の御決議をいただいているわけでございます。
 それからその繰越明許のみならず、実際に支出負担行為をいたしましても、いろいろな事由でその当該年度中にその支出ができないというケースがございまして、これも毎年大蔵省の方で審査をいたしまして事故繰りの承認をしている、まあいわば予算の弾力的な執行のために、かかる性格を持つ経費については、こういった繰り越しが出てくるのはやむを得ないのではないかというふうに考えております。
#260
○市川正一君 これで終わりますが、最後に伺います。
 今の問題について言えば、必要な手続はとっているというふうにおっしゃるけれども、一方では厳しい財政事情を理由にして、教育や福祉など国民生活関連の予算をずばずば削り込んでいるわけでしょう。そういう事態なのに、一方ではこういう繰り越しをどんどん認めている。私はこの補助金をとりあえず返却さすべきだということを強く主張いたします。
 それから、杉山機械情報産業局長が、軍事生産との関連の問題を述べられましたが、防衛上やむを得ぬというように肯定的な発言をなすったことは、これは私は看過できないので、この点はやっぱり追って明確にせざるを得ぬと思う。
 そこで最後に、大臣にぜひ伺いたいし、また要請したいのは、今国際共同開発が進められているこの大型旅客機だけではなしに、例えば数十人クラスのコミューター機というふうに言われているんですが、そういうものの開発に力を入れる必要があるんじゃないかと私は思うんです。例えば東京都かでも伊豆諸島とか、あるいは沖縄、奄美群島など外洋性の離島を結ぶ航空路は、関係住民にとって非常に切実に求められております。こういう要求にこたえて、安全で利用しやすいコミューター機の開発に積極的に私は力を入れるべきだという点について、通産大臣の所見を承って、質問をきょうは終わらしていただきます。
#261
○国務大臣(渡辺美智雄君) コミューター機の開発も重要であります。この法案に賛成をしてくれれば一生懸命やらせますから。
#262
○市川正一君 賛否は関係ないです。賛否にかかわらず、こういう提案については取り組んでいただけますか。
#263
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは市川さんが重要であると、これは同じですからね。コミューターの飛行機でも、やはり中小企業じゃできないんですから、やはり大きな開発事業ですから。それは同じことですから、ぜひともそれやりますから御賛成を願います。
#264
○市川正一君 国際共同開発の問題とそれは別なんですよ。
    ―――――――――――――
#265
○委員長(下条進一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、守住有信君が委員を辞任され、その補欠として石井道子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#266
○井上計君 午前から、同僚議員からこの法案については詳細な質疑が行われておりまして、ほとんど解明されておる、こう考えますので、私、通告した質問とかなり変わって御迷惑かけますけれども、少し角度を変えてお尋ねをしてみたいと、こう思います。
 まず最初に、ちょっとこれは勉強のために急遽お願いをしたんで御迷惑をかけましたけれども、航空機の法定耐用年数がどのようになっておるのか、これをちょっと一つお聞かせをいただきたいと、こう思います。
#267
○政府委員(杉山弘君) 航空機の法定耐用年数でございますが、大きな航空機になりますと十年、それから百五十席くらいの中型のものということになりますと八年、それからもっと小さな三十席クラスの、いわゆるコミューターというものになりますと五年というのが税制上の法定耐用年数であるというふうに承知をいたしております。
#268
○井上計君 それは貨物専用機も同じですか、旅客機も。
#269
○政府委員(杉山弘君) 旅客機と貨物専用機との区別はないようでございます。
#270
○井上計君 なお、ついでに、今度この法案による国際共同開発の相手国である米、英、独、伊もお聞きしたかったんですが、何かまだ調査していないということですから、また後日わかりましたらお知らせをいただきたいと、こう思います。
 実は、これをお伺いしたのは、先ほど斎藤先生の御質問の中にありましたけれども、運輸省が先ほど日航事故機のことについて、残存帳簿価額が四億円だと、こういう答弁がありました。実は余りにも少ないと思ってびっくりしてお聞きをしたわけでありますが、そこで、これは通産省の問題ではありませんけれども、先ほどちょっと調べてもらいますと、昨年事故を起こしました日航のジャンボ機、購入価格が七十八億一千九百万円で、稼働が、就航が四十九年の三月から。したがって、使用期間が十一年。でありますから、帳簿残存価額は四億四千万円、これは少ないのは当たり前だと、こう感じるんです。今お伺いした耐用年数が大型機十年ということでありますから、耐用年数を若干というか、かなり経過しておる。もちろん飛行機でありますし、また、いろんな整備等が要って、耐用年数が終わったから使えないということじゃありません。途中でオーバーホール等、かなり大修理しておりますから、これは使っておっても一向に差し支えがありませんけれども、しかし、これではかなり途中の、いわゆるオーバーホール等の修理価格が非常に少ないな、この残存価額から逆算をしてそんなことを感じるんですね。これは運輸省の問題でありますけれども、これらのことがやはり事故の一つの要因、遠因になったんではないかなという感じをしておりますので、今後の開発等についてもこういうような点をやはり留意をする必要があるなど、こんなふうなことを感じましたので、あえてこのことをお伺いをしたということであります。答弁は要りません。
 次に、我が国の航空機製作メーカーといいますか、今三社に限定されておりますけれども、それらの企業の航空機製作にかかわる機械設備の法定耐用年数は何年になっておりますか。
#271
○政府委員(杉山弘君) 航空機並びにその部分品の製造設備に関します機械設備の耐用年数は十年というふうに定められております。ちなみに、自動車の製造設備の耐用年数も十年のようでございますが、船とか鉄道車両等の製造設備になりますと少し長くて十二年、こういうような状況でございます。
#272
○井上計君 この機械設備等の法定耐用年数については、斎藤栄三郎先生もしばしば本院で発言されております。また、私も数年前から、米欧諸国に比べて我が国の機械設備等の法定耐用年数は非常に長い、これでは国際競争力に対応できなくなるということを盛んに申し上げておるんですが、航空機のような非常に最新の技術を導入をする、また最新のいわば技術によって最も安全性を求めるものを製作をするこの機械設備、特に国際共同開発等をやっていく中で、私は十年という法定耐用年数はもう長過ぎる、こういう感じがするんですね。だから、この法案では税制上の助成も云々ということがありますけれども、これはまた大蔵省と関係する問題でありますけれども、法定耐用年数については、これらの設備について、これについては今後さらに特別に短縮あるいは特別償却等々のことについてはお考えがあるんですか。
#273
○政府委員(杉山弘君) 設備の法定耐用年数の問題につきましては、私の記憶が必ずしも定かではございませんが、三十年代の末に全面的な改正がされましてからは、ごく部分的な手直しだけで、全面的な見直しはされていないのではないかと思います。
 通産省におきましては、むしろ最近の各方面からのこの問題についての御要望も踏まえまして、この際むしろ全面的に法定耐用年数の見直しをすべきではないかという問題意識を持ちまして、機会がありましたらそういう要求を打ち出すべく、省内ではいろいろと検討をいたしているところでございますし、私どもといたしましても、特に航空機産業の振興という観点からは、そういう機会がありました場合には、今御説明いたしましたような十年というものにつきましては、必ずしも実情にそぐわなくなっているというふうな判断をいたしておりますので、ぜひ重点的な見直しの対象として考えてもらうように努力をしたいと思っております。
#274
○井上計君 全般的な法定耐用年数の見直しというのは、ぜひ今後とも御努力願わなくちゃいけませんが、特に私は、この法案をさらに機能的に進めていくためには、やはり少なくとも航空機の製作、研究開発に要する設備等についての耐用年数が、現状十年というのは余りにもこれは長過ぎる、こういう感じを改めて強くいたしますので、あわせてひとつこれらについては御努力をいただくことが必要であろう、こう思います。
 本当ですと、大臣に御答弁いただきたいんですが、もう時間短縮で、結構でありますから、十分御承知でありましょう。
 そこで科学技術庁、済みません、急に呼び出しをしてお越しいただきましたが、例の国産機と言われておりますけれども、STOL、例の飛鳥、これは先ほど来話がありますけれども、中型機になるんでしょうか、それともコミューター機になるんですか、どちらですか、まずそれをお伺いします。
#275
○説明員(石井敏弘君) 現在、科学技術庁の航空宇宙技術研究所におきまして開発しております飛鳥は、コミューター機とかそういった形で議論する際、まあコミューター機というものの定義は非常にあれでございますので、現在のこの実験機のお話に限って言いますと、重量は三十九トンでございまして、これを人間がどの程度乗り得るかというもので換算いたしますと、ほぼ九十人乗りクラスの大きさである、かように御理解いただければ結構かと思います。
#276
○井上計君 わかりました。
 そこで、飛鳥の開発費に伴って、それに助成した政府の支出等についてお聞かせいただけませんか。
#277
○説明員(石井敏弘君) お答えいたします。
 この飛鳥といいますか、STOL機の開発は、昭和五十二年度から設計、製作というものを進めてまいりまして、昭和六十年度に一応製作完了し、メーカー段階における飛行試験を行い、今後六十一年度から六十三年度までにわたりまして、航空宇宙技術研究所におきまして各種飛行実験を行うというような形になっておるわけでございます。
 それに要しました経費並びに今後かかります経費について申し上げますと、五十二年度から昭和六十年度までにかかりました経費といたしましては、二百八十七億円でございます。今後三年度にわたりまして飛行実験を行っていくわけでございますが、これにほぼ八十九億円程度の金がかかるということで、総合計三百七十五億円でございます。これは科学技術庁の航空宇宙技術研究所でやっておりますので、全額国費でやっておるということでございます。
#278
○井上計君 飛鳥の、これが六十三年度まで実験飛行等行われるわけでありますが、それから生産に入るわけでありましょうけれども、かなり先のことになりますが、この生産計画あるいは販売計画、すなわち販売の予定機数であるとかあるいは価格だとか、さらに販売の先予定というもの等についてはもう当然お考えになっておろうかと思いますが、その点ありましたらお聞かせください。
#279
○説明員(石井敏弘君) このSTOLの開発でございますが、これはSTOL機の実現に必要な各種新技術の確立を図るということで、科学技術庁といたしましてはその開発を進めてきたということでございまして、具体的に申しますと、USB方式の高揚力技術、これは翼の上面に排気ジェットを吹きつけまして揚力を上げるとか、このような技術でございますとか、あるいは安全性とか飛行性を向上せしめるためのコンピューター飛行制御技術、かような各種もろもろの新技術を実証する、自主技術で開発し、これを実証していくということで開発を進めておるものでございまして、したがいまして、あくまでもこの開発の目的は、技術実証のための実験機であるということでございまして、私どもといたしましては、この研究開発によって確立されました各種の新技術というものが、将来の民間航空機等に広く適用できるものであり、加えて我が国の航空技術全般の基礎といいますか、その技術基盤の向上に役立っていく、かようなものとして寄与していくものであろうと、かように考えておりまして、したがいまして、あの飛鳥自身がすぐに実用機につながるというよりも、技術基盤形成というようなことでの新しい技術の実証、基盤の確立ということで進めておるというふうに御理解いただければと思います。
#280
○井上計君 わかりました。
 とすると、これは杉山局長にお伺いするんですが、飛鳥は、今科学技術庁お話しのように、我が国の航空技術の開発等々のためのいわば従来の研究あるいは実験、製作であると。したがって、その後の飛鳥そのものを生産をするとかあるいは販売するとかということについては、全く考えがないということはよくわかりました。
 そこで、この航空機工業振興法と飛鳥の問題、先ほど来話が出ておりますけれども、国産機の開発、研究等々の問題とこの飛鳥とはどのように結びつけていかれるんですか、お伺いします。
#281
○政府委員(杉山弘君) 科学技術庁でおやりになりました飛鳥の開発それ自身につきましては、今後の我が園の航空機工業の開発能力を高める上で非常に効果があったものと考えております。私どもといたしましては、今後の航空機工業の研究開発につきましては、やはり航空機工業がいわば各種の先端技術を利用いたしまして、それを一つのシステムとしてまとめる、こういう業種でございますので、一つのまとまったプロジェクトでそれをどうこうということよりは、むしろ航空機工業に利用される各種の基礎的な技術の開発というのを進めていくべきではなかろうかと思っております。例えば新素材の開発でございますとか、それから新しい加工方法の開発ですとかといったようなものがいろいろあり得るかと思います。
 では、そういう中で何か具体的に身近なものとしてどういうことを考えていくか、こういうことのお尋ねがあろうかと思うわけでございますが、とりあえず私どもといたしましては、具体的なプロジェクトとしては、次の世代のエンジンと言われておりますATPの開発につきまして、これは実用化を目的とした研究ではございませんで、基礎的な段階での各種の研究ということになるわけでございますが、これをできましたら、昨年成立をさせていただきました基礎技術研究促進センターの出資も得まして発足させたい、できたら六十年度の出資対象にしたいということで、実はもう既に会社もスタートをしたわけでございますが、残念ながら、基盤技術研究促進センターの予算の枠等の制約がありまして、六十年度の出資は断念せざるを得ないということになりましたが、六十一年度の出資については何とかしたいということで今鋭意努力をいたしております。
 それから、航空宇宙工業会の中で、要素技術の研究に資するために各種の技術情報の収集等をいたしますセンターを既に発足をさせておりますので、そういう幾つかの計画なり組織なりを利用いたしまして、今後の我が国の航空機業界の研究開発能力の向上に役立てていきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
#282
○井上計君 飛鳥が完成をしましたときに、私も御案内をいただきまして、素人でよくわかりませんけれども、各務原市にこれを見に行きました。いろんな説明を伺ったときに、またその説明の中にもありましたけれども、離着陸距離が非常に短くて済む、それから爆音が大変低い、そのような面でこれは国産機として、特に近距離用の飛行機として非常にこれはもうすばらしいものだ、こういう印象を受けたことがあります。
 私どもの考えでは、生産コストの面いろいろあるとは思いますけれども、これが近い将来国内のそのような近距離用の飛行機として具体的な生産計画がなされるであろうという期待があったわけですね。今もお伺いしますと、いえば実験機ということで航空技術の今後の大きな進歩には大分役立つでありましょうけれども、実際には余りそれがまだ具体的に考えられていないということがよくわかりました。したがって、率直に言うと、三百七十五億円という国費全額を投入してできたすばらしい飛行機が、まだそういう状態であることについてはいささか残念だな、こういう気がするわけであります。
 先ほど来、やはり小型機の開発ということ等について同僚委員からいろいろ質問がありましたが、離島等だけでありませんで、最近各地で地方の地域開発のためにも小型飛行場をというふうなものが随分と論議をされております。我々考えるに、大体陸上交通に要する時間の三分の一以内で飛行機で行けるというところは、今後必要性がますます高まっていくであろう、こう考えます。現在でも離島だけではありませんで、例えて言うと広島から九州あたり、広島から四国あたりには、陸上、船を使うともう五時間も七時間もかかる、飛行機なら三十分程度で行ける、このようなところが非常に多いわけでありますから、あのような飛行機がもっと具体的な生産計画がなされるということについては多くの人が期待しているのではなかろうか、こう考えますから、これは今後、将来の問題でありますけれども、通産省も科学技術庁もぜひひとつお考えをいただく必要がある、こう要望しておきます。
 時間がありますけれども、短縮して、最後にもう一つお伺いします。
 今後、さらに米、英、独、伊等々と共同でこれらの開発をしていく、開発についての問題点等々も先ほど来いろいろと質疑が行われておりますが、要は技術者、研究者の養成ということがやはりまた一番最重要課題であろう、こう考えますけれども、物の開発それから投入する資金等々とあわせて、これらの技術者あるいは研究者の養成については今後どのような計画をお持ちであるのか、これをお伺いして私の質問を終わります。
#283
○政府委員(杉山弘君) 航空機工業の振興のためには、御指摘のように技術者、研究者の養成が必要でございます。ただ残念ながら、今日本の航空機工業というものが技術者、研究者にとって果たして魅力のある産業と言えるかどうかということになってまいりますと、その点私どもも若干御返事に窮するようなことになります。
 先ほどの御議論の中にもございましたように、最近での日本の航空機業界の売上高はまだ五、六千億の段階にとどまっております。したがいまして私どもといたしましては、まず技術者、研究者の養成ということももちろん重要ではございますが、できるだけ航空機産業それ自身、技術者、研究者にとって魅力のあるものに仕立て上げることということの方が必要ではなかろうかとも思っております。今、手元に正確な数字がないんで恐縮でございますが、各大学の航空工学科を卒業した学生さんの就職の先を見てみますと、航空機工業というのはたしか二〇%まで達していなかったと思います。自動車、機械、その他商社等々に残りが全部とられている、こういう状況でございますので、やはり優秀な研究者、技術者に入っていただくためには、産業それ自身を魅力あるものにしていくということがまず必要だと思います。
 そのためにも、国際共同開発等を通じまして、できるだけ航空機産業の体質を強化し、技術力をレベルアップし、研究者や技術者にとって魅力あるものにしていく、そういうことの過程におきまして、また産業内部におきまして技術者、研究者というものは育っていくんではないか、また優秀な新人が入っていただけるんではないか、こういうふうに考えているところでございます。
#284
○井上計君 今、局長のお答えを伺っておってちょっと思い出したんですが、これはむしろ通産大臣に要望というとおかしいのですが、お考えいただく必要があるであろうと、こう思い出したことを申し上げます。
 今、局長お答えのように、やはり魅力のある業界、航空機産業ということになりますと、当然そこに売り上げが多くなって、将来性洋々たるものがないとなかなか魅力ができません。したがって優秀な技術者、研究者が養成されない、集まってこない、これはもう当然であろう、こう思います。
 そこで売り上げをふやすという面でありますけれども、たしか五、六年前であったかと思いますが、川崎重工と西ドイツのメッサーシュミットであったかと思いますが、共同で中型ヘリコプターの開発をして、そしてシェアが、ちょっと細かい数字、正確な数字忘れましたけれども、西ドイツがたしか二百五十機で我が国が百五十機ですか、百機ですか、そんなふうなシェア割り当てがあったそうであります。ところが我が国では需要先といいますか、販売先がほとんど国内に限られる、しかも国内も防衛庁あるいは海上保安庁程度で、したがって台数が売れないから非常にコストが高くなって大変不利だということを実は聞いたことがあるんです。ヘリコプターにしても大体東南アジアあるいは海外での需要というのはほとんど軍用に限られる。しかしその場合、我が国の武器輸出三原則からいって、したがって需要があるけれども、発注引き合いがあるけれども、実は相手が軍であるから全く輸出できない。そういう大変難しい面があるので、販売をふやすことは不可能だ、こんなふうなことを聞いたことがあるんです。
 今局長お答えの、何といってもやはり航空機の販売がふえなければ業界が大きくならない、業界が大きくならなければ魅力がないから優秀な人材が集まってこない、これはもう当然だろうと思います。しかし実際に開発されても、限られたところしか販売できないとすると、やはりそこにどうしても売り上げがふえない、販売機数がふえないというふうな、当然そういう事態が起きるわけでありますが、私は、少なくとも平和的に利用するものであれば、航空機であっても武器輸出三原則の除外規定にしてもいいんではないか、かねがねそういうことを感じておるんですが、大臣もしお答えをいただければ結構ですし、難しい問題ですからお答えがしにくければ結構でありますけれども、今後それらの問題等についても十分考えていく必要があるのではなかろうか。思い出したことで恐縮でありますけれども、これを一つ申し上げておきます。
 以上です。
#285
○政府委員(杉山弘君) ちょっと私から、三原則の問題に関連いたしましたのでお答え申し上げますが、御指摘の西ドイツとの共同事業でのヘリコプター、これが武器に該当するものかどうかという問題でございますが、御案内のように、武器三原則上は直接戦闘の用に供するものということになっておりまして、ヘリコプターで、その需要先が仮に外国の軍隊でございましても、汎用性のあるものでございましたならば、これは三原則との関係では何ら問題がないわけでございます。
 ただ、一般的な風潮からいたしますと、取引先が外国の軍隊であるということになりますと、どうしても商売を進めるのをちゅうちょするというような趣はあるのかもしれませんが、法制的な面で申しまして、汎用的なものであるならば武器三原則との関係は特に問題ではない、こういうふうに理解をいたしております。
#286
○木本平八郎君 私はいつも一番最後になるわけですけれども、この法案に関しましては私賛成いたしますので、一応この法案に直接、まあ関係あるんですけれども、別の面からいろいろ御意見をお聞きしたいと思うわけです。
 私は、この法案に賛成するとは申し上げましたけれども、必ずしもこれがベストな方法だとは思っていないわけです。やはり私に言わせれば、これは次善の策であるというか、暫定的にあるいは緊急避難としてこういうものはとりあえずは要るだろう。V二五〇〇あるいはYXXというようなものを開発を進めていくためには、こういうふうなものはなければどうしようもないから、とりあえずこの法案は通して、そしてやっていただく。しかしながらその次の、例えば先ほどちょっと話がありましたATPのエンジンだとか、あるいはYXXXというふうなものの開発を考えるときには、ぜひもう少し発想を転換して方法を考えていただく方がいいんじゃないかと思うわけですね。その辺を、私の考えを交えながら通産当局のお考えを承りたいわけなんです。
 私この法案に非常にひっかかりを感じるというのは、これは非常に役人主導になるんですね、やっぱり。この役人主導というのは、例えばコントロールするとか、管理するとか、ブレーキかけるとか、そういう面においては役人主導というのは非常にいいと思うんですけれども、物を売るとか開発するとか、何かプロモートしていくということは、役人さんというのは、やってやれぬことはないでしょうけれども効率が非常に悪いということを、私は何回もいろいろなことを経験して感じるわけですね。したがってこういう航空機の開発というふうな、特にこれだけのものを開発するということになれば、むしろ役人さんに手を引いてもらった方がいいんじゃないかと私は感じるわけですね。その辺はどういうふうに、自覚しておられると言ったらおかしいんですけれども、杉山さんのまず御意見を承りたいのですがね。
#287
○政府委員(杉山弘君) 航空機の開発について役人が口を出さない方がいいんじゃないか、こういうお尋ねでございます。
 私どもも、戦後最初のYS11の開発につきましては、特殊法人日本航空機製造株式会社でやりました。結果的には多額の累積債務を抱えて五十七年に解散せざるを得なくなったわけでございます。原因はいろいろございますが、その原因の一つには、特殊法人ということでやったということがあるんではないか。私どもも率直に考えまして、その御批判、かなりの部分当たっているところがあるんではないかという感じもいたしますし、これまで累次航空機・機械工業審議会におきまして開発体制について御議論がありました際にも、むしろ今後の開発は民間主体でいくべきであるということがはっきりうたわれておりますので、これは最近では一般的な原則になってきているのではないかと思います。
 したがいまして、私どもYS11の開発以降は、YX以降すべて政府が補助金等の助成の措置は講じますが、開発それ自身の事業はすべて民間にお願いをしておりましたし、これからもそういう方向で臨みたいということで現在の法律案改正をお願いをしているところでございます。
#288
○木本平八郎君 局長もいろいろ御経験もあるし、よくおわかりになっていると思うんですよね。
 それで、これを拝見しておりまして、民間のメーカーにとって非常に手続が面倒くさい。これだけの金をもらったり、利子補給してもらったり、金を借りたりするわけですから、当然のことといえば当然なんですけれども。例えば事業計画を出さなきゃいかぬとか、それの事業報告、それから収支予算とか決算とか業務規程まであるとか、こういう非常に手続のための手続で振り回されるおそれがあるんじゃないかという気がするわけですね。
 それから、もう少しなにしますと、例えば役所の場合ですね、政府の場合どうしても予算で施行されるわけですね。そうしますと、この予算というのは、前の年の夏、八月の終わりぐらいに概算要求が出されて、少しの修正はあるにしても、それで翌年度やってしまう。少なくとも予算をオーバーするということはできないわけですね。ところが、こういう開発をやっていきますと、相手のパートナーがあることですから、もう競合機種が出てきているから、相当アクセレートしなきゃいかぬというふうな事態があるわけですね。
 そうすると、例えばボーイングならボーイングから、日本側もこういう点で少し開発研究を進めてくれと言ってくる、ところが予算がありませんと。予算がなければまあメーカーが立てかえりゃいいじゃないかということになるんだろうと思いますけれども。先ほど議論がありました、予算が五十六年度か何か繰り越されているということですね。これもやっぱり予算だからなんですね。民間ならこういうばかなこと絶対ないわけですね。そういうことがあるという点で、こういう予算を抱えている限り弾力性は極めて低いと覚悟しなきゃいかぬわけですね。弾力性が低いというのは、開発には非常に障害になってくるんじゃないかという私は気がするわけなんですね。
 先ほどの役人というなにでは、役人、役所の立場、政府の立場ならどうしてもこれは性悪説に立たざるを得ないと思うんですね。性善説でそうそうやっているわけにいかないから、あらゆることを想定して、例えばここでも従業員は公務員並みに扱われるわけですね。それから余裕金の運用なんかも、これ見ていますと、国債を買えとか郵便貯金だとか、何か特定の信託だとか、こういうものは、私たちの考えだと、やっぱり一番有利に動かした方がいいと思うんですね。ところが政府が関与しますと、それは有利に動かして金利を稼ぐことよりも、むしろ安全確実ということがまず優先しちゃうわけですね。これはやっぱりやむを得ないことだと思うんですよ。
 それで、ここに出てきます指定開発促進機関、財団法人ですね、日航製がこれで解散していますけれども、私はこれ日本航空機製造の二の舞になるんじゃないかという気がするんですね。この辺がしっかりしてくれなきゃ困るんだけれども、これが余りしっかりし過ぎると、日航製の二の舞をやって、結果的にはうまくいかないんじゃないかという気がするんですよ。
 私も、YS11のときは南米におりまして、日航製の人が来られて、あちこちの航空会社に売ってくれということで一緒にも行きましたし、いろいろやったんですけれども、いやとてもじゃないがこの調子じゃ売れないなという感じがしたんですね。もう何というか、セールスマンというのは全然違うんですよね。それで、これはいかぬと私はあのとき思いまして、今度も、この機関がしっかりしてくれなきゃ困るんだけれども、特に販売なんかが、金出すのはいいんですけれども、口出されると、これはまた日航製の二の舞やるんじゃないかというふうな気がするわけですね。
 その辺、日航製の失敗については、けさほどから大分いろいろ反省の弁が出ているようなんですけれども、やはりその辺が二の舞にならないようにということは、通産省の方でももちろんお考えになっていると思いますけれども、念のためにどういうふうにお考えになっているか、ちょっと意見を聞かしていただきたいんですがね。
#289
○政府委員(杉山弘君) この法律によります指定開発促進機関が日航製の二の舞にならないかと、こういう御心配でございますが、むしろ私ども今考えておりますのは、この指定機関それ自身は、いわばこれまで政府が行ってきたような助成金の交付でございますとか、収益納付金の収受とかという業務をやりますので、やはりある程度国が監督せざるを得ないということで、法律上も幾つかの規定を置いているわけでございます。したがいまして、政府とこの指定機関との間での監督というようなことはございますが、指定機関と助成金を交付をいたします開発主体との関係は、法律上決められた業務方法書等でやられている限りにおいては、もうお金を出すだけでございまして、実際の開発事業についてはこの機関が口を出すということにはならないと思います。
 したがいまして、開発主体がお進めいただきます開発事業それ自身は、もっぱら開発主体の御判断、お考えで進めていただき、そのために必要な資金をこの機関が出すということになりますので、私は御心配の点については、特に日航製と同じような状態になるのではないかというあたりについてまでの御心配は御無用なのではないかと思いますが、いずれにいたしましても、余り口を出し過ぎるとうまく進まないという御指摘はごもとっもでございますので、今後法律が通りましてこの機関ができました段階では、そのあたりは十分頭に置いて仕事を進めていくようにいたしたいと思います。
#290
○木本平八郎君 飛行機の販売について少し、表現が非常に難しいんですけれども、今、マルコス疑惑の問題があるときですから、そういうことを私が言うとまた物議を醸すかもしれませんけれども、実は三菱商事は、かつて飛行機の機体を、グラマンだとかロッキードとか、相当いろいろなことをやっておったんですね。ところが、機体から全部撤退しちゃったんです。今やっているのはエンジンだけなんですね。
 それはなぜかと言うと、飛行機の商売には必ずリベートがあるわけですね。一五%なんというとんでもないものじゃないけれども、必ずあるわけです。そのリベートが社内で処理できないんですね、手続がうるさくて許可されないと。したがって、もう機体の商売やめてしまおうということでエンジンだけに撤退しちゃった。日航製のこのときも、まずあそこで非常に困ったのは、そのリベートがちょっと出せないんですね、この会社自身が。それで我々の方が、それじゃ手数料もらってやりゃいいじゃないか、代理店にやらせりゃいいじゃないかと言っても、これはやっぱりなかなかそうはいかないんですね。そういうところが一つのネックだった。その後どういうふうに解決されるか知りませんけれども。
 今度もYXXを、これは多分ボーイングがほとんど売ると思うんですけれども、そのときに、ボーイングがどういうからくりで売っているか全然知りませんというわけにもいかないでしょうし、それをここでやると、もう役人さんが入っていればこれは見逃すわけにいかないですね。その辺が私は非常にネックの一つにもなるんじゃないか。やっぱり今後要領をどういうふうにやるか、その辺をボーイングとよく詰めて、我々としては、この法律でこれでいく以上手は汚せないわけですから、その辺をうまく知恵を働かさなきゃいかぬじゃないかと思うんですけれどもね。局長いかがですか。
#291
○政府委員(杉山弘君) やはりつくったものは売らなければなりませんので、そういう意味で、売る段階で、できるだけ弾力的にやれるようにということは十分我々頭に置いていきたいと思います。ただ、やはり違法なことは、これはするわけにはいきませんので、その点の監督についても弾力的にやると同時に、違法なことがないようにという点については、十分我々監督もしていきたいと思っております。
 ただ、今のところはまずつくり上げるということに精いっぱいでございまして、販売段階以降どういうふうに政府としてかかわっていくかというのは、これから私どもとしても考えなきゃいけませんので、今の御指摘は十分頭に入れて対応したいと思います。
#292
○木本平八郎君 ぜひ頭の隅に入れておいていただきたいと思いますね。やはりこのままじゃボーイングに販売の方を握られて振り回されてしまうということになっていくと思うんですね。
 それで、リベート、リベートと言いますけれども、金額が大きい、一五%とかなんとかというのはめちゃくちゃですけれども、それ相応の、代理店攻勢に準ずるようなものは、これはもう世界的な常識なわけですから、余りそこをピューリタン的に考えると、インターナショナルな商売はできなくなるということを私は申し上げておきたいわけです。
 一方、この法案をやる場合、私がメーカーの場合、私も民間にずっとおりましたので、この法案を実施していく場合を考えますと、まずメーカーサイドで、仮に単独でこれだけの飛行機を開発するということになりますと、いろいろあると思うんです。まず、資金が膨大にかかるということ。それから、相当の技術を持ってこなきゃいかぬということですね。それから、日本で一社、まあ数社寄ってもこれだけの技術はなかなか今のところないから、技術の問題。それよりも一番大きなのがやっぱり開発のリスクだと思うんですよ。資金の問題は、むしろ今の四重工かなんかの実力なら、これは自己調達だ保ってできると思うんですよ。金利の高さなんかは別ですよ。それから、この技術の問題は、ボーイングと一緒にやるということで相当カバーされるでしょうし、先ほどのSTOLの問題のように、日本でもやろうと思えば相当な技術ありますからね。
 ただ、開発のリスクというのは、これは大変なんですね。少なくとも約二十年近くかかるわけですね。その間に世の中とうなるかわからない。それから、ボーイングのように、ずっといろいろシリーズでやっていますと蓄積もありますし、その知恵もあるし、うまくやっていけるけれども、初めてこれだけのものをやるといったら大変なことになるわけですね。しかも、先の見通しがつかないというふうなことがあると思うんですね。そこで、私は、この開発のリスク、これをいかにして政府がめんどう見てやるかだと思うんです。開発のリスクというのも二通りあると思うんですね。通常のリスクで企業リスクと、それから不可抗力に近い、この仕事、飛行機の開発そのものに伴う特殊なリスク、この二つに分けて考えなければいかぬと思うんですね。
 まず企業リスクというのは、これは自己負担あるいは企業の採算で賄うべきものであると思うんですね。それをまさか補助金だとか利子補給だとか、そんなことでやっているわけじゃないんでしょうけれども、最後に納付金か何かあって、もうかったら返せというふうなことがありますね。それで、何か回転基金構想というのをやっているわけですが、私は、企業利益の面まで政府が関与するというのは余り、民活ということにおいて、むしろ企業の方が甘えちゃって、親方日の丸的になる可能性があるんじゃないかという気がするんですね。したがって、通常のリスクはむしろ企業に持たせるということで、不可抗力あるいは特殊なリスクだけを政府の方でめんどう見てやるということが必要なんじゃないかと思うわけですね。この点につきましては、後から、私が考えているこういう不可抗力のリスクというのはどういうことかということを申し上げますけれども。
 それからもう一つ、メーカーの立場としては、果たしてこういう、この法案でもって本当に必要な資金が適切に、タイムリーに十分調達できるかどうかなんですね。例えば政府の手続に時間がかかっちゃって一カ月間おくれるとか一一カ月ならいいんですけれども、先ほどの予算措置ができないものだから来年回しになるとか、例えば利子補給のなにの予算措置がつかないかも、ことしはちょっと借りられないとかね、そういうふうなことがやっぱり出てくる可能性があるんじゃないかと。
 それからもう一つは、これちょっとV二五〇〇と違いますけど、例えばATPですね、これは何か非常に高速で回転するから、強度の問題だとか、そういうちょっとメカの問題だけらしいんで、金をかければ開発期間というのは短くなるということですね。ところが、もしもこれを政府のこういうなにでアプライズしますと、計画があって、ことしはもう何百億以上使えないということになってしまいますと、柔軟性を失って、今金かけてすぐ、一年でも二年でも短縮したいというときに、これ間に合うかどうかという心配があるんじゃないかということですね。
 それから、やはりメーカーサイトとしては、大きいのは投資リスクだと思うんですよ。例えば風洞実験、風洞とか私どんなのがあるか知りませんが、各種の試験装置が相当ありますね、大きな水槽で機体をつぶすと、これはボーイングがやるのか知りませんけれどね。そういうふうなことに対して、私は全面的にやられると思うんですけれど、その辺お確かめしたいのは、政府が持っている設備なんかを廉価で安くどんどん貸与してやるというふうなことがちょっと出ているようですけれどね。その辺御説明いただきたいんですが。
#293
○政府委員(杉山弘君) 何点かのお尋ねがございました。
 最初は、リスクというものは、本来企業リスクないし不可抗力に近いリスクに分けて考えるべきじゃないか、企業リスクは企業に負担させるべきだと。
 お話理解できないわけではございませんが、現実の問題といたしまして、どの部分までが企業リスクになり、どこから以上が不可抗力に近いリスクかという問題についてはなかなかはっきりいたしてまいりません。むしろ両者を総合したリスクというものが特に航空機の場合には大きいのではないか。言うなれば企業リスクより航空機産業の場合には不可抗力に近いリスクが多いんじゃないか。そういうことで政府としてこれまで助成をしてきているわけでございます。
 それから、資金調達が果たして円滑にいくのかどうか。
 この点、先ほど来御指摘のございますように、予算制度をとっておりますと、とかく単年度主義で窮屈になりがちでございます。ただ、実際問題といたしましては、これも別の委員の方から御指摘をいただきましたように、これまでのところは予算に計上したものを全部消化し切れないで明許繰り越しないしは事故繰り越しをやっている、こういう状況でもございますので、私どもといたしましては、その事業がその年度通常に進行した場合にはどの程度の資金が要るかということにつきまして、あらかじめ十分吟味、検討いたしまして、それを予算要求をしたいと思っておりますので、制度的な面での制約はございますが、その中で精いっぱい研究が円滑に進むような予算措置もしてまいりたいと思っております。
 それから、投資リスクという点で、莫大な金の要る試験研究設備を設置させることは企業に負担になるし、政府が持っている設備を十分利用させるべきではないか。
 この点につきましても、航空機工業振興法は旧法の時代からそういう必要性を認めておりまして、国有の試験研究設備の廉価使用の規定がございました。今回の改正におきましても、それはそのまま設置をしてございます。従来も幾つかの研究所の施設を民間の方々に御利用いただいておりますけれども、この問題については、この改正後も従来どおり御利用願える、こういうことになっておりますので、申し添えたいと思います。
#294
○木本平八郎君 先ほど話が出ました基盤技術とか、こういうものがやっぱりプロモート、せっかく政府主導でやられるわけですから、総合的に協力援助していただいた方がいいと思うんですね。
 それで、ちょっと財団法人について。これ財団法人ですから寄附でもってつくられると思うんですね、基金を。その金額は十億でも二十億でもいいんですけれども、これは寄附には政府も出資されるのかどうかですね。その辺ちょっとお伺いしたいんですが。
#295
○政府委員(杉山弘君) これは民間の財団法人を予定いたしておりますし、したがいまして政府からの寄附行為というのは一切考えておりません。
#296
○木本平八郎君 そういう、ある意味じゃ口出しが少なくなるという点ではいいんですけれども、ただ、後でこれお聞きしたいんですけれどもね、ナショナルプロジェクトの性格づけをどうするかという問題があるので、ちょっと今お聞きしたわけです。
 それから、衆議院の議論の中にでも、通産省の答弁の中に、杉山局長だったと思いますけれども、何か民間のメーカー単独で取り組むには、これは少し限界があるということをおっしゃっているわけですね。これお聞きしたいのは、まずどういうことを限界とお考えになっているのか。先ほど申し上げましたような不可抗力のそういう開発リスクというのは、これは今の現状では、日本の現状あるいはメーカーの現状では負担し切れないと、したがってこれが限界であるとお考えになっているのか。それ以外の線をお考えになっているかということをお聞きしたいわけです。
#297
○政府委員(杉山弘君) 衆議院のときの御審議の過程で私どもからお答えをしましたのは、日本単独の開発でなくて、国際共同開発を迫られている理由ということであったかと思います。
 具体的に申し上げてみますと、今進めております二つのプロジェクトにつきまして、現時点での開発費総額はYXXの場合が約七千二百億円、V二五〇〇にいたしまして約四千億円、こういう金額になろうかと思いますが、これが日本航空機業界として単独で負担できない理由として私ども御説明いたしておりますのは、現在の年間の日本の航空機業界の売り上げが約六千億前後ということになります。失敗をいたしました場合には、開発費の回収は全く不可能になるわけでございます。その規模は、先ほど申し上げました我が国の航空機業界の年間の売上高にも匹敵するものということになりますと、これはもう到底日本側単独で負担できないということは明らかなのでないか。そういうことからいたしましても、また昨今世界の航空機の開発状況を眺めてみましても、日本のみならず、各国とも共同開発を志向するようになってきている、そういうこともあわせて御答弁を申し上げたかと思うわけでございます。
#298
○木本平八郎君 確かにそれだけの七千億とかそういうなにになりますと、これはメーカーでも失敗したらすっ飛んでしまうかもしれないんです。これは後で言いますけれども。しかしながら企業サイドから考えますとね、投資金額が幾ら大きくたって損さえしなきゃいいわけですね。金を調達すれば、金の調達力もあるわけです。したがって、リスクだけが問題であるというふうに私は受けとめたいと思うわけです。
 そこで、時間がなくなってきたんで、私のアイデアみたいなものをちょっと申し上げたいんですけれどね。
 今回はこういうことでいろいろ政府が助成されるわけです。しかしながら、これはもう再三申し上げていますように、今現在日本の財政は破綻状態になっているわけですね。やりたくても金がないということなわけです。ところが、それから補助金とか交付金というのは、性格にもよりますけれども、やっぱり行革の精神から言ってなるべく減らしていこうという方向にあるわけですね。しかしながら、私が再三申し上げましたように、日本政府には信用があるわけですね。この信用を担保にして保証するということは幾らでもできると思うんです。そういう方向に、実際に金を出すよりも保証するというふうな方向にやれぬものだろうかということが一つ。
 それからもう一つは、これも何回も申し上げていますけれども、現在貿易摩擦が非常に大きいわけですね。アメリカとの間で五百二十億ドルですかのインバランスが生じておる、そういう点からアメリカの負担をできるだけ日本が肩がわりするという方向が必要なんじゃないか。これも私再三申し上げているとおりなんですがね。
 そこで、やはり話が大きくなりますけれども、日本の総合安全保障みたいな考え方から、こういう航空機の開発というものも日本の世界に対する貢献の一つというふうに考え方を変えてもいいんじゃないかという気がするわけです。したがって、これはけさほどからの議論の中にもありましたけれども、このYXXなりV二五〇〇を開発するということが、我が国に対してどういうメリットがあるかということよりも、むしろとりあえずアメリカに対してどういう貢献ができるかということから考える必要があるんじゃないかということがあるわけです。
 そこで、私の提案なんですが、日本は今財政の方には金はないですけれども、例えばこのプロジェクト、ボーイングも全部丸抱えにして、七千二百億円、ドルにして、百八十円換算で約四十億ドルになると思うんですね。これを日本が丸抱えにしてこの開発資金を全部輸銀なり経済協力基金みたいなああいう政府資金で、安い金利で、利子補給はしなくてもいいと思いますけれども、三%ぐらいの金利で二十年なら二十年、経済協力並みにどんと日本が一切面倒を見る。その結果は、ボーイングもアメリカも、もちろん利益を得るわけですね。そういうことを考えてみてもいいんじゃないかと思うんですが、少々とっぴかもしれませんけれども、どういうふうにお考えでありますか、できれば大臣の御所見をお伺いしたいんです。
#299
○政府委員(杉山弘君) 極めてユニークな御提案があったわけでございまして、その一つは、私どもが今御提案を申し上げているような助成制度ではなくて、例えば開発費の五〇%について保証をする、失敗したときに政府がそれを出してやる、こういうことでよくはないかということでございます。
 一つの御見解とは存じますが、今私どもが御提案申し上げておりますのも、主として開発費に必要な資金の七割に相当する部分についての利子補給ということでございまして、この利子補給は、失敗した場合には返していただかなくても結構だということになるわけでございます。それで、開発費総額の五〇%の政府保証と、今私どもが御提案いたしておりますような利子補給の方式とで失敗した場合に、どれだけの政府の負担になるかといいますと、これはもちろんすぐおわかりいただけますように、五〇%の政府保証の方がむしろ負担が大きくなるわけでございます。そのかわり、単なる保証ということで年々国庫から出ていく金は必要なくなるという意味のメリットはあるわけでございますが、私どもといたしますと、最終的にどれだけ国庫に返ってくるかという点が一番の関心事になりますので、それの額の多少ということで今の利子補給の方を選んでおるということでございます。
 それからもう一つは、国際的な貢献ということで、ボーイングの分も含めて低利の融資をやったらどうかと、こういうお話でございました。
 もし実行可能であって、それができるということになりますと、海外諸国からも評価をされることになるのかと思いますけれども、やはり昨今のような財政事情のもとでまいりますと、日本側の負担部分について、御提案申し上げておりますようなことが精いっぱいということでございまして、開発段階で海外のパートナーの分まで低利の融資をやるということは、現実の問題としてはなかなか困難ではなかろうかと思います。
 ただ、でき上がりました飛行機を売ります場合ないしは日本に航空機会社が買って入れる場合に、何か金融面での助成ということは考えられないかという点については、一つの新しい方法としてこれから私どもも考えていかなければならないことと思っておりますので、十分検討させていただきたいと思います。
#300
○木本平八郎君 今のように、販売にうんと金がかかりますので、開発は四十億ドルですけれども、生産には約六倍、二百四十億ドルぐらいかかるわけですね。販売の割賦の資金というのは大変なものなんですね。しかも、向こうは低利で欲しいものですから、やっぱり円借なんかを出してやるということを考えなきゃいけないと思うんですね。したがいまして、開銀の問題なんかも、日本のメーカーには日本の内地で、円で、外国にはドルでというふうなことを考える必要があるんじゃないかと思うんですね。
 ちょっと時間がなくなりましたので、これは御検討いただくとして、もう一つの、先ほどから申し上げておりますリスクの問題ですね。不可抗力なリスク、通常、リスクというのは、例えば売れなかったとか、見込み違いをしたとか、それから、やってみたけれども採算が合わなかったとか、その結果企業が赤字で倒産するとか、それから技術面の、開発を失敗したとか、こういうふうなのは、言い方は悪いですけれども、企業の自業自得というか、責任の範囲というか、ほかの仕事でもそういうことはいっぱいあるわけですね。
 ところが、飛行機の開発ということにおきます、ちょっと企業としては予測できないというリスクがいっぱいあると思うんですね。設計を変更せざるを得なくなったとか、途中で競争機種が出てきたとか、あるいは市場が大きく変化しちゃったとか、それで今までやっていたのがもう要らなくなったとか、あるいは何かの理由で開発を中止しなきゃいかぬとか、あるいは戦争とか、それから、こんなことはあり得ないかもしれませんけれども、日米の国交がぐあい悪くなって、やめたということになるかもしれない、あるいは世界恐慌みたいなものが来るかもしれないし、あるいは今度のような、逆に為替レートの物すごい変動が来ちゃってどうしようもないということだってあるかもしれない。あるいは公害規制、空気の環境規制、例えばNOxだとか、まあSOxは余りないでしょうけれども、COなんかの規制が非常に厳しくなってしまって、V二五〇〇ではもうクリアできないとか、あるいは騒音規制、そういうものが世界的に非常に厳しくなってくると、特にこれは成層圏なんかを飛びますから。そういうことで、メーカーの責任じゃない範囲でいろいろリスクがあるわけですね。
 こういうリスクをカバーしてほしいというのがメーカーサイトの一番大きな希望だと思うわけです。これを、今現在プラントなんかに輸出保険がありますね、通産省は非常にリスクの大きいものはどうも引き受けを決られるらしいですけれども、そういうのと同じように開発保険みたいなものを日本政府でやっていただいて、そして保険をかけていくということになると、メーカーとしては、こういうものがカバーされればあるいはこれほどの助成をいただかなくても単独でやれるんじゃないかと思うんですが、その辺の御意見を最後に伺いまして、私の質問を終わります。
#301
○国務大臣(渡辺美智雄君) 木本先生のお話は、非常に本音の話が多いし、実務家ですから、形式論でなくて実態的なお話が多くて、大変実は参考になるところが多いと私も思うんです。開発保険の問題にしても、それから政府保証債の適用拡大というような問題にしても、民間活力ということを言っているんですから、政府丸抱えみたくなっちゃって、おんぶにだっこでも、これはみんな倒産で全部がぶっちゃ困りますから、それは工夫が必要だと私は思います。思いますけれども、一つのアイデアでもありますし、将来とも非常に勉強に値するお話だと、そういうふうに私は考えております。
#302
○委員長(下条進一郎君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#303
○委員長(下条進一郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。市川君。
#304
○市川正一君 私は、日本共産党を代表して、航空機工業振興法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。
 我が党は、航空機やそのエンジンであれ、国際的な共同開発によって技術的な水準を高めていくことは重要な課題であると考えております。その際、最小限、この共同開発に各参加者の自主性が確保されていること、研究開発の成果が参加全員に十分に享受できるものであること、同時にその成果が国民生活を豊かにするために民主的に活用できること、その成果が軍事目的ではなく、平和利用に徹することなどが求められているところであります。この立場から本法案を検討すると、以下述べる理由により反対せざるを得ません。
 その理由の第一は、国際共同開発と言われるものの中身が、アメリカの航空機産業の経営戦略を下請的に補完し、これへの従属を深めるものであるからであります。それは質疑の中でも指摘したように、民間航空機YX計画、YXX計画、ジェットエンジンV二五〇〇計画の開発経過からも明らかなところであります。
 その第二は、助成措置の内容が、大企業奉仕と産・軍・官の癒着を拡大するものであるからであります。
 改正案は、助成機関を創設し、これまでの補助金に加えて、国の利子補給による無利子融資制度まで導入するとしています。新たなこの種機関の創設は、助成金の流れを複雑化し、使途を国民の目から覆い隠したり、高級官僚の天下りの場となる危険性も持つものであります。
 もとより、我が党は、日本の航空機工業の自主的、平和的発展を求めております。しかし、本法案では、その発展方向に逆行し、国際共同開発の名のもとに対米依存の方向が一層強まることは明らかであることを強く指摘し、私の反対討論を終わるものであります。
#305
○委員長(下条進一郎君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#306
○委員長(下条進一郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 航空機工業振興法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#307
○委員長(下条進一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、梶原君から発言を求められておりますので、これを許します。梶原君。
#308
○梶原敬義君 私は、ただいま可決されました航空機工業振興法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、サラリーマン新党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    航空機工業振興法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法施行に当たり、航空機工業に対し国から多額の助成が行われることにかんがみ、新たに設けられる指定開発促進機関に対しては、適正な業務の運営と効率的な資金の運用が行われるよう、厳正な指導、監督に努めるべきである。
 右決議する。
 以上でございます。
#309
○委員長(下条進一郎君) ただいま梶原君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#310
○委員長(下条進一郎君) 多数と認めます。よって、梶原君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、渡辺通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡辺通商産業大臣。
#311
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を尊重いたしまして、今後行政を進めてまいりたいと存じます。
#312
○委員長(下条進一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#313
○委員長(下条進一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#314
○委員長(下条進一郎君) 次に、情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案及び中小企業指導法及び中小企業近代化資金等助成法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 まず、情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案について趣旨説明を聴取いたします。渡辺通商産業大臣。
#315
○国務大臣(渡辺美智雄君) 情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 本法に基づき情報処理振興事業協会が設立された昭和四十五年以来、我が国の情報化は広範かつ急速な進展を見せ、今や電子計算機の実働台数は十八万台を超えるとともに、その増加スピードには日をみはるものがあります。
 このような情報化の進展に伴い、ソフトウエアに対する需要も急速に増大しておりますが、その供給体制はいまだ脆弱で、需給ギャップは深刻化してきております。
 ソフトウェアの需給ギャップが深刻化する中で、情報処理振興事業協会が中核的業務として行っている汎用プログラムの開発等の業務に対する期待はますます高まっており、その一層の充実を図り、従来にも増して高い品質と信頼性を有するプログラムを供給していくことが要請されております。
 このような状況にかんがみ、情報処理振興事業協会が行う汎用プログラムの開発等の業務をより積極的に展開するしととし、この業務に必要な資金について出資を受けることができることとするため、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 情報処理振興事業協会が特定プログラムの開発等の業務に必要な資金について出資を受けることができることとし、これに伴い、同協会の資本金、利益及び損失の処理、出資者原簿、解散等に関する規定を整備することとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#316
○委員長(下条進一郎君) 次に、中小企業指導法及び中小企業近代化資金等助成法の一部を改正する法律案について趣旨説明を聴取いたします。渡辺通商産業大臣。
#317
○国務大臣(渡辺美智雄君) 中小企業指導法及び中小企業近代化資金等助成法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 近年、経済社会のあらゆる面で情報化が著しく進展しております。特に、産業分野におきましては、大企業を中心として、企業内の各部門ごとの情報化からそれらの統合化、さらには企業間情報ネットワーク化という新しい段階に入りつつあります。
 このような中で、中小企業の情報化は、知識・人材不足、資金力不足等から大きく立ちおくれているのが現状であります。もし、これをこのまま放置すれば、大企業と中小企業との情報化格差により、両者の経営力格差は一層拡大するおそれが大きいと考えられます。
 このため、電子計算機を利用して行う経営管理に関する中小企業指導事業の実施体制を整備するとともに、プログラムを中小企業設備近代化資金の貸付事業の対象に追加することにより、人材、資金の両面から中小企業の情報化を支援、促進すべく、本法律案を提案することとした次第であります。
 次に本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 まず、中小企業指導法についてであります。
 第一に、都道府県知事が、民法第三十四条の規定により設立された法人であること等、一定の要件に該当する者を当該都道府県に一を限って指定し、その指定法人に、当該都道府県の行う中小企業指導事業のうち、電子計算機を利用した中小企業者の経営管理に関し経営の診断・指導を行う事業など特定指導事業を行わせることができることとしております。
 第二に、指定法人が行う特定指導事業に対し、都道府県がその経費を補助する場合に、その補助する経費の一部を、国が都道府県に対して補助することができることとしております。
 次に、中小企業近代化資金等助成法についてであります。
 情報処理に係る費用のうち、ソフトウェアに係るものの割合が近年増大していることにかんがみ、中小企業設備近代化資金の貸付事業の対象にプログラムを追加し、当該貸付事業を行う都道府県に対し、国が助成できることとしております。
 以上が、本法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#318
○委員長(下条進一郎君) 以上で両案の趣旨説明聴取は終わりました。
 両案に対する質疑は後日行うこととし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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