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1985/04/17 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 商工委員会 第7号
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1985/04/17 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 商工委員会 第7号

#1
第104回国会 商工委員会 第7号
昭和六十一年四月十七日(木曜日)
   午前十時四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十日
    辞任         補欠選任
     鈴木 省吾君     岩本 政光君
 四月十一日
    辞任         補欠選任
     石井 道子君     守住 有信君
 四月十五日
    辞任         補欠選任
     服部 信吾君     田代富士男君
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     岩本 政光君     石井 道子君
     守住 有信君     志村 哲良君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         下条進一郎君
    理 事
                前田 勲男君
                松岡満寿男君
                市川 正一君
    委 員
                石井 道子君
                大木  浩君
                佐藤栄佐久君
                斎藤栄三郎君
                志村 哲良君
                杉元 恒雄君
                降矢 敬義君
                梶原 敬義君
                浜本 万三君
                田代富士男君
                伏見 康治君
                井上  計君
                木本平八郎君
   国務大臣
       通商産業大臣   渡辺美智雄君
   政府委員
       通商産業政務次
       官        大坪健一郎君
       通商産業大臣官
       房長       児玉 幸治君
       通商産業大臣官
       房総務審議官   鎌田 吉郎君
       通商産業省通商
       政策局長     黒田  真君
       通商産業省貿易
       局長       村岡 茂生君
       通商産業省産業
       政策局長     福川 伸次君
       通商産業省機械
       情報産業局長   杉山  弘君
       通商産業省生活
       産業局長     浜岡 平一君
       資源エネルギー
       庁長官      野々内 隆君
       資源エネルギー
       庁石油部長    畠山  襄君
       資源エネルギー
       庁公益事業部長  山本 幸助君
       中小企業庁長官  木下 博生君
       中小企業庁計画
       部長       広海 正光君
       中小企業庁指導
       部長       遠山 仁人君
       中小企業庁小規
       模企業部長    照山 正夫君
       郵政省通信政策
       局長       奥山 雄材君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        野村 静二君
   説明員
       総務庁行政管理
       局企画調整課長  八木 俊道君
       経済企画庁調整
       局財政金融課長  大塚  功君
       法務省刑事局刑
       事課長      原田 明夫君
       外務省アジア局
       南東アジア第二
       課長       小林 秀明君
       大蔵大臣官房参
       事官       塩田 薫範君
       国税庁直税部所
       得税課長     加藤 泰彦君
       文部省初等中等
       教育局中学校課
       長        林田 英樹君
       文部省高等教育
       局技術教育課長  小林 敬治君
       文部省高等教育
       局私学部私学行
       政課長      中林 勝男君
       林野庁林政部林
       産課長      脇元 裕嗣君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○情報処理の促進に関する法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○中小企業指導法及び中小企業近代化資金等助成
 法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
○民間事業者の能力の活用による特定施設の整備
 の促進に関する臨時措置法案(内閣提出、衆議
 院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(下条進一郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る四月十日、鈴木省吾君が、四月十一日、石井道子君が、四月十五日、服部信吾君が委員を辞任され、その補欠として岩本政光君、守住有信君、田代富士男君がそれぞれ選任されました。
#3
○委員長(下条進一郎君) 情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案並びに中小企業指導法及び中小企業近代化資金等助成法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 両案に対する趣旨説明は、既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○浜本万三君 情報処理促進に関する法律の一部を改正する法律案の質疑を行います前に、当面の問題について二、三御質問をいたしたいと思います。
 昨日来の報道によりますと、撚糸工連の事件がさらに政治家に拡大をしておるようでございまして、まことに遺憾にたえないところでございます。この点につきましては、後で我が党の梶原委員から、また大臣に詳しくお尋ねをさしていただきたいと思います。
 私は、もう一つの当面の問題といたしましては、先般総理がアメリカに参りましてレーガン大統領と会談をされました内容の中で、特に通産省に関係のある問題だけについて、閣僚としての大臣の所信を承りたい、かように思います。
 まず第一は、経済構造調整研究会は、総理の私的諮問機関というふうに伺っておるわけでございますが、先般同委員会が答申いたしました内容は、内閣の所定の手続を経まして政府の方針になっておるのかどうかという点についてお尋ねをいたしたいと思います。
#5
○国務大臣(渡辺美智雄君) いわゆる前川委員会というのは、総理の私的諮問機関でございます。したがって、臨調の答申のように、その答申を尊重しなければならないというような法律上の義務づけはございません。ございませんが、やはりかなりの日本で立派な実務家、学者等をお集めになって、今後の日本のあるべき姿について真剣な討議をいただいた結論でございます。その内容も、我々が拝読をさせていただきまして、通産省でかつて勉強したことと大差ないような内容であります。したがいまして、これらについては私は評価したいと思っております。
 これは閣議決定をしたものではございません。しかしながら、総理大臣が談話を出しまして、その内容を評価いたしまして、今後政府のいろんな政策、審議会等において十分参考にさしていただきますということの意味を総理大臣談話で言っておりますし、その談話は閣議で了解をされたものでございますから、それなりの政治的な重みはあるというように考えております。
#6
○浜本万三君 確かに、今大臣から仰せられましたように、昭和六十一年四月八日の経済対策閣僚会議におきましてもそういう趣旨が載っておりますが、しかし、その中には次のような文書が記載されておるわけであります。読みますと、
  政府は、この報告を参考として、与党とも十分な連携を図りつつ、関係審議会等における調査審議も含め、早急に必要な検討を行う。
 また、我が国の経済構造調整を政府・与党を挙げて積極的に推進するため、所要の体制整備を図る。
ということがその前提条件として申されておるというふうに私は理解をいたしております。
 ところが、総理がこのたびアメリカに渡られまして、大統領に対してその内容を外交折衝の中で公約されるということになってまいりますると、問題があるんじゃないかという気がいたします。したがって、その総理の大統領との会談における公約を、閣僚のお一人としてどのように受けとめておられるのか、どう評価されておるのか、重ねて大臣の所信を承りたいと思います。
#7
○国務大臣(渡辺美智雄君) 総理大臣は、今浜本先生がお読みになった部分に続いて、総理大臣談話の中で、「私は世界に向けて訴えたいと思います。」と、やはり経構研の答申に付随した談話の一部でございます。我が国は、世界経済において歴史的な転換期を迎えている、経常収支の不均衡の継続というものは、これは直していかなければならぬ、そしてそいつをまさに国民の目標にするように実現をしなきゃならぬ、世界経済の発展のために各国との努力と協力が不可欠だというようなことを言っております。
 これは「世界に向けて訴えたい」と、こう言っているわけですから、当然新聞にも載ってお力まずし、アメリカなどでも非常に注意深く、前川答申というのはどういうものが出るのか、総理大臣が、そいつをやはり受け取った以上は、与党とも十分な連携を図りながも早急に必要な検討を進めてまいりますということでございまして、これはアメリカに行って公約といいますか、私はこういうようなもので勉強をしていただきましたが、これらについては、やはり非常に今後の日本のあるべき姿を訴えたものであるので、そういうものについて十分これから世界のためになるようにかじ取りをやっていきたいというような意味のことを言ったんでしょう、私はそばにいたわけじゃないからわかりませんが。
 したがって、公約というのですか、一方的に向こうも評価しておりますと、こちらもこういう線については、十分これを土台にして経済政策の運営を進めてまいる方針でありますというような程度のことをおっしゃったように私は聞いておりますが、特別にそれによって何か大きく変わるということは私はないと、大体その線に沿って今後の政策運営をやりたいという総理の御意向といいますか、意見というものは、これはにじみ出ておるというように察知をいたします。
#8
○浜本万三君 大臣が中曽根総理のもとで主要な閣僚をおやりになっておるんですから、多少そういうふうに防衛をする御発言があるのも当然だろうというように思います。しかし私は、非常に問題があるというふうに思いますので、今社会党を初め各野党が要求をしておりますように、総理が帰国をされましたので、アメリカでの会談内容について緊急にお尋ねをしたいことがありますので、それは緊急質問を本会議でさせていただくように要望をしておりますから、その中で明らかにさせていただきたい、かように思います。
 ところで、その約束の中に、通産省にかかわる重要な問題があるやに報道されておりますので、その部分についてお尋ねをいたしたいと思います。
 これはMOSSというのですか、要するに市場指向分野別協議の中に、新たに自動車の部品を加えることになったという趣旨が報道されておるわけでありますが、これに対する大臣の評価並びに態度について伺いたいと思うわけです。
 ある新聞の報道によりますと、総理が向こうにおいでになる前に、あらかじめこの部分だけは言っちゃいけないぞという注意が大臣に述べられたということも報道されておるんですが、にもかかわらず、あえて総理がそういう発言をなさっておるということは、通産省にとってもこれは大変なことではないか、かように思います。私も地元の自動車工場などに聞いてみますと、既にライトでありますとか、それからタイヤでありますとか、それからガラス類でありますとかいうものも相当入っておる。この上にこういう約束をなされて具体的に部品が入ってくるということになると大変だというような意見もあるわけでございますので、大臣からひとつ、しっかりした御答弁をいただきたいと思います。
#9
○政府委員(黒田真君) アメリカでの事情について、私随行させていただいておりましたので、ちょっと御報告をさせていただきます。
 MOSS、市場指向型特定分野の協議というものにつきましては、昨年中電気通信等の四分野について協議が行われてまいりまして、それなりに相当大きな成果も上げ、評価もされてきたという状況がございます。そしてことしの一月に、外務大臣と国務長官の間で従来の交渉の経緯を評価をいたしました際に、このやり方を今後引き続き進めていこうではないか、こういう合意が出されたわけでございます。
 しからば何についてやるかという点につきましては、必ずしもその後はっきりしないままに今回の総理の御訪米になろたわけでございまして、その際は、外務大臣と国務長官の間、あるいは総理と大統領の間でも、MOSSのやり方を今後も続けよう、そしてその中に新しいものも加えようということは述べられているわけでございますけれども、何を新しいものにするかということが今回決められたということでは必ずしもないということでございます。
 ただし、大統領の御発言の中に、アメリカ側として個別品目でなお関心のある品目として、ワイン、たばこ、半導体、自動車部品というようなものが言及をされたということはございます。したがいまして、現時点で新しいMOSS協議の対象というものが両国間で合意されているということではないということを御報告させていただきます。
#10
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も総理大臣からじかに聞いたわけじゃありませんが、今黒田局長が答弁いたしましたように、そういうような大統領の言及した具体的品目については、農産物とか半導体とか、それから新しいMOSSとか航空機については、責任者同士で話し合ってくれ、そういうような程度の話しかなかったというようにしか聞いておりません。
#11
○浜本万三君 いずれにしましても、今までの日米交渉の結果を見ておりますと、話題が出ると、必ず向こう側の言い分を大部分のまざるを得ぬという事情になっておるケースが多いわけですよ。その点を私どもも心配をするわけなので、これは委員長に特にお願いしたいんですが、そういう日米交渉の全体の全像並びにMOSSの折衝状況、あるいはまた新たに話題になった内容等についての実情を調査するために、当委員会として関係の参考人をお呼びいたしまして調査をするということを、ひとつ理事会で御検討いただきたいと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。
#12
○委員長(下条進一郎君) 理事会において協議いたします。
#13
○浜本万三君 じゃそういうことで、この問題については終わらせていただきまして、次の法案に対する質問に入らせてもらいたいと思います。
 まず最初にお尋ねするんですが、今度改正されました内容を見ますと、従来は一般会計で取り扱っておりましたIPA、これは特定プログラムの開発でありますとか買い上げ、普及の事業を進めておりましたのに、今回は産投特会から出資を受けるようにしておるわけなんでございますが、なぜそのようにされるのかということをお尋ねいたしたいと思うわけでございます。
 この問題のいきさつを考えてみますと、郵政省との関係で縄張り争いがあったとかなかったとかいうことも伺っておりまするし、また、産投特会の仕組みからいえば、収益納付を行わなきゃならぬという事情もございますので、収益納付ができるような見込みがあるのかないのかということについてお伺いをいたしたいと思います。
#14
○政府委員(杉山弘君) ただいまお尋ねのございました情報処理振興事業協会が、今回産業投資特別会計からの出資を受け入れまして、汎用プログラムの委託開発業務を行うに至りました背景についてまず御説明を申し上げますが、御案内のとおり、日本の情報化というのが極めて目覚ましく進展いたしておりますが、この状況が今後も続き、日本の高度情報化社会が実現されますには、やはりソフトウェアに対する需給ギャップというものが非常に心配されております。いわゆるソフトウェア危機というような名前でも呼ばれているわけでございますが、この問題が解決をいたしませんと、高度情報化社会への課題の解決ということにはならないわけでございます。そのために通産省といたしましていろいろな対策も講じておるわけでございますが、その一環といたしまして、情報処理振興事業協会が行っております先生御指摘の汎用プログラムの委託開発業務というものを、さらに一段と拡充をしたいと考えたわけでございます。
 昨今の財政事情から考えますと、従来のような一般会計からの資金だけでこれを実現をするということは極めて難しい状況にございます。幸い、最近までの状況で、情報処理振興事業協会がやっております汎用プログラムの委託開発業務につきましては、直ちに収支採算が好転をするということは無理でございますが、少し中長期的に考えますと、大体私どもの試算では、十年後には単年度の収支ベースでは黒字に転換できます。さらに十五年ぐらいたった先で考えますと、累積赤字も解消して収益納付ができるような状況になる。
 基本にはこの事業につきまして収支採算がとれ、したがって産業投資特別会計からの投資事業として行うのに十分たえる適当な事業ではないか、こういう判断もございまして、昨年の年末の予算編成の段階に財政当局と御相談をしまして、財政当局の御理解をいただき、今ここに御提案申し上げているような格好で産業投資特別会計からの出資を受け入れて、情報処理振興事業協会が汎用プログラムの委託開発事業を拡充することができるような格好にしていただきたいということで、御提案を申し上げているわけでございます。
#15
○浜本万三君 今、大臣、情報化社会の進展という言葉があったんですが、私もよくその言葉を聞くんですが、どうしてもわからない、はっきりしない。そこで、高度情報化社会とかニューメディア社会ということは、一体どういうふうにとらえたらよろしいんでしょうか、その点についてひとつ高いところから大臣の御高見を承りたい。
#16
○国務大臣(渡辺美智雄君) これも定義の仕方もいろいろあるんでしょうが、コンピューターが産業とか社会、国民生活に自然な形であまねく普及し、利用されるような社会を高度情報化社会、みんなにあまねく、無理がなくて自然な形で利用されるような社会を総合して高度情報化社会と。学問的でないかもしれませんが、その程度わかっていればいいんじゃないかと、私はそう思っております。
#17
○浜本万三君 わかったようなわからぬような話なんですが、わかったことにいたしまして次に進めます。
 日本における高度情報化の進展は、諸外国、とりわけアメリカとの比較においてどういう状態であろうかということが一つと、それから高度情報化の効用と言える要因、高度情報化社会の効用と裏腹の関係にあるんですけれども、同時に副作用の発生が考えられるんじゃないかと思うんです。その副作用というのは、情報化の悪影響ということなんですが、これについてはどうお考えでしょうか。
#18
○政府委員(杉山弘君) ただいま御質問のございました、アメリカと比較して日本の情報化の進展の程度はどのくらいかという点についてまずお答えを申し上げます。
 情報化の進展の度合い、いろいろなデータで測定することが可能かと思うわけでございますが、情報化社会の重要な役割を担います電子計算機の生産の規模というものがどうなっているかということで申しますと、米国の電子計算機の出荷金額と申しますのは、日本のそれに比べまして昭和五十九年、二年ほど前でございますけれども、約四倍でございますし、それ以外の、例えば情報処理サービス業の売り上げでございますとか、ソフトウエアの売り上げといったものも、おおむねこの電子計算機の出荷額の規模の差に見合うように四倍前後になっております。全体のGNPの差等から考えますと、こういった形式的な数字ではそう遜色ないというようなあるいは御意見もあろうかと思いますが、実際に電子計算機の使われ方等を考えてみますと、米国の場合にはオンラインで、しかも例えば産業界でございますと、産業の各分野を通じて広くネットワークが組まれて使われている、こういうような状況になっているのに対して、日本の場合にはそういう点についてはまだまだ不十分でございます。
 また、先ほど大臣の御答弁にもございましたように、国民の各層が電子計算機を無理なく抵抗なく使えるというような感じからいたしますと、日本の場合はまだまだと思います。例えば学校教育課程でのコンピューターの導入状況という数字を一つとりましても、日本の場合には、小学校ではまだ全国の一%に満たない小学校にしかコンピューターが導入されておりませんけれども、米国の場合には、八割を超える小学校で既にコンピューターが導入されているというようなことからまいりますと、一般的な数字の比較はともかくといたしまして、その実質的な内容におきまして相当の差があるんではないか、かように考えるわけでございます。
 それから、二番目に御質問のございました情報化の進展というのは、明るい面もあるけれども、それに伴っていろいろ問題も出てくるんじゃないか、副作用があるんじゃないかというお尋ねでございますが、この副作用の主要な点といたしましては、やはりコンピューターの安全性、セキュリティーの問題、さらには情報化社会特有のプライバシーの保護の問題というようなことがあろうかと思います。情報化社会のメリットを享受すると同時に、こういった陰の問題についても、十分我々としては注目して対策を考えていかなければならないというふうに考えているわけでございます。まだ日本におきましては、こういった点につきましての取り組みもおくれておるのは事実でございますけれども、関係各省庁、さらには政府間で関係省庁横の連絡会議等も開催をいたしまして、これらの問題につきまして今一生懸命取り組んでいる最中でございます。
#19
○浜本万三君 その問題はこの次に伺うんですが、情報化関連の施策が各省に最近できつつあるわけですね。例えば郵政省のテレトピアでありますとか、それから通産省のニューメディアコミュニティー構想でありますとかというものが出ておるんですが、そのほかまだいろいろ構想が発表されておるようでございますが、各省にそういうふうに多数に存在することになりますと、各省間の調整をよほどうまくやりませんと問題が発生するんではないかと思うわけです。特に今後通信と情報の融合が進む中で、仕事の内容がますます複雑化するということが考えられます。
 そこで、たくさんお金をかけて、たくさんの省庁が縄張りを持っておやりになるというよりも、一元化する方が合理的なのではないかということが考えられますが、この点についてはどうかということと、それから各省間の協調されるというのは、今局長がお答えになったわけなんですが、そういう点、なお詳しく考えられておれば重ねてお尋ねをいたしたいと思います。
#20
○政府委員(杉山弘君) お尋ねのように、情報処理とそれから通信の融合ということで最近の情報化が進展しているわけでございます。これに関連をいたしまして、通産省と郵政省との連絡調整問題というのが世上いろいろ喧伝されておりますが、それ以外にも、情報化問題につきましては、例えば先ほど申し上げましたセキュリティーの問題にいたしましても、私どもコンピューターを生産し、その利用促進を図るという観点からの立場のほかに、コンピューターを利用しております各事業を所管する、例えば金融業におきますコンピューターの安全問題ということになりますと、銀行、保険等を監督されます大蔵省が、また運輸事業の場合には運輸省がというような問題もございます。また、犯罪問題に関しましては法務省、警察庁等とも関連をいたしてまいりまして、情報対策につきましては、関係省庁にまたがる問題が多くなってきておりますことは御指摘のとおりでございます。
 これに対して、一元的に処理する省庁を設置する必要がありはしないか、こういう御指摘でございますけれども、情報問題に限りませず、高度化してまいります最近の経済社会におきましては、従来の各省庁の所管を越えた、また所管にまたがる問題がいろいろと出てきておりまして、そういう問題につきまして、その都度一元的に所掌する組織をつくっていくということになりますと、これはまた組織の肥大化を招くという問題もあろうかと思います。
 こういった問題を処理いたしますには、基本的にはやはり各省庁が十分密接な連絡をしてやっていくということが必要ではなかろうかと思うわけでございまして、情報問題につきましても、例えばプライバシー保護の問題、さらには安全性の問題等につきましては、関係省庁間の連絡の組織等も既に発足をしているような状況にございます。むしろ、こういう方向をこれからも進めていくということが基本になるのではなかろうか、こういうふうに考えるわけでございます。
#21
○浜本万三君 確かに、政府の方でも陰の部分の解決のためのいろんな方策がなされておることは、私も承知をしております。
 三月五日の新聞報道によりましても、クレジット、サラ金利用者に対するプライバシー保護に関する統一基準の構想が、大蔵、通産両省で出されておるということも聞いておるわけでございますが、今局長から御答弁のありました、解決の方法としての行政機関が持っている個人情報のプライバシー問題については、行政情報システム各省庁連絡会議で検討するということになっておるわけですね。さらにセキュリティー問題については、内閣審議室を中心とした関係各省連絡会議で検討するということになっておるんですが、この二つについては、これは早く検討結果を出して具体化すべきだと思うんでございますが、一つとして解決方法が打ち出されていないわけです。これいつごろ結論を得られる見込みなのか、おくれておる理由はどこにあるのか、あわせてお尋ねしたいと思います。
#22
○政府委員(杉山弘君) お尋ねのございましたプライバシー問題につきましての行政情報システム各省庁連絡会議、これは五十八年の六月に設置をされました。行政庁が保有をいたしております個人情報につきましてのプライバシー保護問題について、どうしたらいいかということを検討いたしてきております。この問題につきましては、一方では、やはり国民の知る権利ないしは表現の自由といった基本的な人権に関することもございまして、その二つの問題をどう調和していくかということが必要でございまして、法制化するといたしましてもなかなか問題が多いところでございます。今までかなり時間をとって検討しておりますが、基本的には、将来そのための法制化の準備をする、そういうことで各省間鋭意検討を進めているところでございます。
 また安全対策に関します内閣審議室が中心となりました関係省庁の打合会議、これは昨年の四月に設置をされまして、毎月一回ぐらいのペースで約一年検討をいたしてきました。先ほども申し上げましたように、安全問題につきましては、各業種を所管いたします省庁が関心を持つことはもとよりでございますが、また犯罪予防、犯罪防止、さらには消防等々の問題もございまして、こういったものをどう調整していくかということがあるわけでございますが、それまでの検討の結果といたしまして、直ちに法制化ということについては無理があるので、とりあえずのところはガイドラインというような行政的な基準をつくるということにしてはどうかということについて、大方のコンセンサスが得られているというふうに承知をいたしております。
 その行政的なガイドラインにつきましても、各省がばらばらに出すということになりますと、国民の方でいろいろ混乱を生ずるといった問題もあろうかと思いますので、まず横断的なガイドラインと、それから各業種固有の基準といった二つに分けまして、前者、横断的な一般的基準につきましては政府一本として取りまとめていく。その下に、各論というべき各業種ごとの問題等につきましては、各省庁がこれを作成するという方向ではいかがかという、大体大きな方向づけはできてきているというふうに承知をしているわけでございます。
#23
○浜本万三君 大臣、ちょっとお尋ねするんですが、私はもともとこういう問題については、一省だけでなしに、各省庁にまたがる国民的な問題でございますので、環境のアセスメントのような情報のアセスメント制度をつくる、あるいは情報化の基本法、情報化関連の基本法をつくったらどうかという気持ちを持っておるわけなんですが、そのことが今局長から答弁された基準づくりと同じようなものであるかどうかはわかりませんけれども、情報のアセスメント並びに情報基本法というようなものをつくることについて、大臣の所見を承りたいと思います。
#24
○国務大臣(渡辺美智雄君) よく基本法、基本法と、農業基本法だ、環境基本法だ、森林基本法だ、何基本法だ、随分基本法をつくりましてね、それでこんな厚い本をつくって国会にみんな出して読んでもらうというんだが、どれくらいあれ読んでいるか、非常に私は疑問が実はあると思うんですね。だから、基本法をつくるという、手続を非常に複雑にするということが果たして効果的なのかどうなのか。基本法をつくるということになれば、プライバシーの保護、コンピューターのセキュリティーの確保、広いいろんな分野にわたって勉強をもっとしなければならない点がかなり残されておる。基本的人権にかかわるもう非常に重要な問題でもございますので、今のところつくるともつくらないとも、どちらとも申し上げられない。勉強してみましょうという段階なんです。
 ただ基本法つくったから必ずしも、今までの経過見ますと、もう本当におざなりになっちゃいまして、名ばかり基本法であれはやっぱり私は反省する必要があるんじゃないか。膨大な事務量をかけまして、恐らく何十本とあるんじゃないですか、基本法というのは、何とか白書なんか皆出しましてね。大変な事務量で、それが果たして有効に皆国会議員やなんか読んでいるのかどうなのか、ここらも非常に私はむしろ疑問を持っておって、そういうような過去の反省の上に立って、基本法はつくるのがいいのか、つくらなくても、もっと簡略な方法で、各省庁の連絡を密にしてやれる方法は何かないのか、連絡会議でも何でもいいです、それは。そういうところで、まだ勉強不足なものですから、一つの御意見として承っておきたい、そう思います。
#25
○浜本万三君 ソフトウエアの問題点と将来像についてお尋ねをするんですが、先ほど、局長の答弁によりましても、情報化の適切な対応は、ソフトの開発が非常に必要なんだというお話ございました。これまでの資料を見ておりますと、ハードウエアの生産性はこの二十年間のうちに約四十倍になっておると思うんですが、ソフトウエアはその期間に三倍程度というふうに非常に少ないわけです。その理由についてはどのように理解をされていらっしゃいますか。
#26
○政府委員(杉山弘君) ハードウエアの生産性と申しますか、規模の向上が図られました背景には、最近までの技術進歩、特に電子計算機に使われております集積回路の飛躍的な向上というものがあったように思うわけでございます。一方、ソフトウエアの生産性につきましては、私どもの調査によりますと、年間約四%ぐらいの生産性の向上しかない、こういう状況でございます。
 ソフトウエアの生産性がかくも停滞をいたしておりますのは、ソフトウェアの生産過程を見ますと、マニュアルに、手作業に依存をしている部分が非常に多うございまして、現在約八割程度が技術者の手作業によっている、残りの二割程度のものが電子計算機等を使いまして機械化されている、こういうふうに考えております。したがいまして、このソフトウェアの生産性をもっと向上いたしませんと、先ほど申し上げましたソフトウェアの需給ギャップの問題がますます深刻化してまいりますので、私どもといたしましては、このソフトウエアの生産性の向上の点につきまして、特にソフトウエア生産過程を手作業主体から機械作業主体にということで、生産性の飛躍的な向上を図る必要があるのではないかということで、昨年来そのためのシグマ計画といいますソフトウエア工業生産化システム、それの開発に向けましてスタートした、こういう状況でございます。
#27
○浜本万三君 それでは、ちょっとそのシグマシステムの問題についてお尋ねをいたしたいと思います。
 重要なソフトウエアの生産性を向上させるために、通産省が民間と協力をいたしまして、二百五十億円の資金を投じて国家的な事業として昨年からスタートしたわけでございましょうが、その成果も恐らく期待される人が多いのではないかと思うのです。このシグマシステムの究極の目標はどこに置いておられるのか、またシグマシステムの現在の進捗状況、これはどの程度になっておるのかということについてお尋ねいたします。
#28
○政府委員(杉山弘君) シグマ計画のねらいは、先ほども御答弁の中でも申し上げましたように、ソフトウエアの生産性を向上させる、そのためには、現在手作業に頼っておりますソフトウエアの製作過程を、電子計算機主体の機械を使った、いわば工業生産というプロセスに変えたい。そのためには膨大なソフトウエアが要りますので、そのソフトウエアの開発をこのシグマ計画でやろう、こういうことでございます。
 現在までの進捗状況でございますが、これは五年計画でつくり上げようということでございまして、昨年がその初年度で、具体的には昨年の十月から民間企業百二十五社の参加を得まして、この百二十五社のうちから約四十名の技術者の出向もお願いをいたしまして、情報処理振興事業協会におきましてシグマシステム開発本部というものを設置いたしまして、本格的な作業に取り組んだわけでございます。
 六十年度の計画は、このシグマ計画のプロジェクトの基本設計をやろうということでございまして、この基本設計の大部分を実施いたしました。六十一年度は、この基本設計に基づきまして、詳細設計、プログラム設計というものを順次行っていく、こういうことにいたしておりまして、これまでのところ、参加企業の御協力等もございまして順調に作業は進展をしておる、こういうふうに判断をいたしております。
#29
○浜本万三君 このシグマシステムの構築に当たって、標準化の問題が重要なことになるんではないかと思っております。
 五十九年の末だったと思うんですが、情報技術標準化特別委員会ですか、これが標準化について検討しておるというような話も伺っておるわけですが、いわゆるJISの問題でありますとか、それから国際標準としてのISOの問題や、それからセキュリティーの問題などについてはどのような配慮をされておられるのか。特に、情報化の急速な進展の中においてシグマセンターの信頼性を向上させること、それからデータを保護すること、それからセキュリティー対策に十分意を用いることが必要ではないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。
#30
○政府委員(杉山弘君) 二点のお尋ねがございました。
 まず第一に、標準化の問題でございます。これは、御指摘のように、日本工業標準調査会のもとに、先生名前を挙げられました特別委員会を発足させまして、情報化に関連をしたハード、ソフト等々の標準化問題について今熱心に取り組んできております。こういった情報関係の標準化問題が進展をいたしますことは、シグマ計画の構築に当たりましても極めて望ましいことでございますし、シグマ計画の構築自身、こういった標準化問題の進展状況を見定めながら、それを十分反映したものにしてまいりたいと思っております。
 また、この標準化問題と申しますのは、日本だけの標準ということだけではなくて、国際的に通用する標準化でなければいけないと思います。そういう点から、工業標準調査会におきましても、ISOその他の国際的な標準化機関との連携を密にして作業を進めていくべきだと、こういうような御提言もいただいております。したがいまして、このシグマシステム自身も、こういった我が国の標準化問題の国際的な調整問題も十分に反映したものにしていく必要があろうかと考えております。
 第二に、シグマ計画におきますセキュリティー、信頼性の問題でございます。
 情報化問題全般について申し上げましたと同じように、このシグマ計画におきましても、各種のデータに対するセキュリティー問題、さらにはシステム全体の信頼性の問題というのを確立することがやはり重要だということは十分認識をいたしております。特に、データの漏えい等の問題につきましては、このシステムに対するアクセスにつきまして十分注意をして、おかしな人がアクセスすることがないようにという点については配慮をしていかなければいかぬと思いますし、また、万一の場合に備えまして暗号化処理というのも進めていく必要があるのではなかろうかと思います。
 また、シグマシステムが実際に使用されました場合に、システムがダウンいたすということになりますと、これをお使いいただいている方々に大変御迷惑をかけることになりますので、こういった面につきましても設備面の多重化、さらには地震なり火災なりに対する十分な設備を備えるというようなこと等によりまして、システムダウン等に対する十分な対応が図れるようにしていきたい、こういうふうに考えております。
#31
○浜本万三君 まあ機械のことですから、完全なことばかりはないと思うんですが、ソフトウエアの障害によってオンラインシステムに混乱を生じた例をしばしば新聞等で拝見するわけなんですが、どのぐらいあるのでしょうか。
#32
○政府委員(杉山弘君) ソフトウエアに起因するシステムの混乱、障害といった点についてお尋ねがございましたが、残念ながら全国的な統計というものは、この点については整備されておりません。ただ、私どもが五十九年の七月から昨年の六月までの一年間、千四百の事業所について調査をいたしました段階では、システムダウンの原因というものを回答してもらいましたところ、一番原因として多いのはハードウエアに起因するものでございまして、これが年間三・九回、それに次ぎますのがソフトウエアに起因するもので一・九回というふうになっておりまして、ソフトウエアに起因いたしますシステムダウンというものもかなり現実には問題になってきているのではないかと思います。
 具体的な例で申しましても、NTTの電子交換機が故障をして回線がつながらなくなったとか、さらに航空会社の座席予約のオンラインシステムが停止をしちゃったとか、証券会社の証券売買システムが停止をしたとか、こういうソフトウエアに起因して多くの混乱を引き起こしたという事例も枚挙にいとまがないところでございます。
#33
○浜本万三君 ソフトウエアの信頼性を向上させるということは、そういう意味からも非常に大切だということが理解できるわけでございます。これは国際的につながっておるわけでございますから、世界的にも大きな問題になっておるということも考えられます。したがって、政府としては、品質の向上とか信頼性の確保ということが非常に大切なので、これに対する十分な対策が必要だと思いますが、大臣としてはこの点いかがお考えでしょうか。
#34
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は結論的に言えば全くそのとおりであると思います。
#35
○浜本万三君 次は、ソフトウエアの流通問題についてお尋ねするんですが、アメリカにおきましては、ソフトウェア業の売り上げのうち、五、六〇%以上が汎用ソフトウェアで占められておるというふうに聞いております。我が国は一〇%程度だと言われております。日本がおくれておる理由はどこにあるのでしょうか。また、その阻害要因というものはどこにあるのでしょうか、あわせてお尋ねいたしたいと思います。
#36
○政府委員(杉山弘君) 御指摘のように、我が国におきましては、ソフトウエアの汎用化率と申しますのが非常におくれております。これが先ほど申し上げましたソフトウェア危機の一つの要因にもなっておろうかと思います。汎用ソフトウェアの使用比率が社会全体として高くなってまいりますと、全体としてのソフトウエアの生産性が上がってくるということにもなるわけでございますが、この点につきまして欧米との間では大きな懸隔がございます。
 その理由でございますが、需要面、供給面、それぞれに原因が求められようかと思うわけでございます。まず需要面におきましては、我が国のユーザーがやはり自前のソフトウエアを持ちたがる、やはり自分のところの情報処理のためにはそのためにだけつくったソフトウエアというものが必要であるという意識が非常に強いのではないかと思います。それから供給面におきましては、我が国のソフトウエア業と申しますのは、御案内のように極めて企業規模その他の面におきまして劣弱でございまして、すぐれた汎用ソフトウェアというものをこれまで世の中に送り出すという面におきまして必ずしも十分でなかった、また、そういったことがユーザーからどうしても自前のソフトウェアを求める、こういうような二つの要因がそれぞれ循環を繰り返してきたんではなかろうかと思っているわけでございます。
 こういう点を何とか解決しようということで、私ども今回御提案を申し上げておりますような情報処理振興事業協会におきます汎用ソフトウエアの委託開発ということもやってまいりました。これによりましてユーザーの方の理解も深まってまいりましたし、また、ソフトウエアのメーカーの方の実力、技術力というものも次第についてきたと思いますので、これから欧米諸国並みの水準に向かってソフトウエアの汎用化率が次第に上がっていくということを私ども期待しているところでございます。
#37
○浜本万三君 実績はどういうふうになっていますか、本数で結構ですが。
#38
○政府委員(杉山弘君) これまで情報処理振興事業協会で委託開発をいたしました本数が、ソフトウエア、数にいたしまして二百五十七でございまして、それが使われております件数といたしましては約一万七千件というところかと思います。
#39
○浜本万三君 昨年のIPA法改正のときの当委員会で、「健全なソフトウエアの流通市場を形成することの重要性にかんがみ、ソフトウエアの適正な評価の在り方について早急に検討すること。」という附帯決議がなされておりますが、その後、政府はこの問題についてどのような検討をなされておられるでしょうか。
#40
○政府委員(杉山弘君) ソフトウエアに対します適正な評価の手法、基準といったものが決まっていないということがやはり問題でございまして、前回改正時の附帯決議におきまして、その点について早急に検討するようにという御指摘をいただいたわけでございます。ソフトウェアの評価の基準、手法につきましては、技術的な面と、それから経済的な面、価格的な面という二つに分けることができようかと思うわけでございます。この点につきましては、まず技術面における評価の手法、あり方等につきましては、情報処理振興事業協会におきまして現在研究中でございます。ただ、この点は非常に技術的に難しい問題がございまして、現在、どういう基準にしたらいいか、そのための評価の手法をどうしたらいいかという点について検討を重ねているところでございますけれども、早急な結論はなかなか難しいんではないか、こういうふうな感じを持っております。
 それから、価格面におきます評価の問題につきましては、社団法人情報サービス産業協会におきまして、専門家を煩わせましてこれも研究をお願いをいたしております。これもなかなか難しい問題がございまして、従来までのソフトウェアの価格と申しますのは、それにかかった技術者の時間数、工数をベースにして評価するということになっておりますが、時間数、工数をベースにいたしますと、時間をかければかけるだけ、工数をかければかけるだけ価格が高くなるということになりまして、これまた極めて不都合なことになりますので、単なる時間数、工数だけではなくて、その内容、すなわち質的な面をどうやって評価をしていくか、こういう点についての評価の方法が難しいというような問題もありまして、こういう点を今生として検討をしていただいているところでございます。
#41
○浜本万三君 次は、技術者の養成の問題についてお尋ねするんですが、通産省の資料によりますと、昭和六十五年には技術者が六十万人不足する、こういう資料を出しておられるわけでありますが、そのために、情報処理技術者の不足を解消するためということで、高度情報処理教育システムの開発を、六十一年度から四億円の産投出資を経て進めようとされておるわけでございますが、その内容について伺いたいと思います。
#42
○政府委員(杉山弘君) 今後の問題といたしまして、情報処理技術者の絶対数が不足してくるということでございます。この点についての対応をいろいろ考えておりますが、現在までのところ、情報処理技術者の供給ソースといたしましては、専門学校、大学の卒業生をそれに充てるということのほか、大部分を社内の研修育成ということで各社とも調達をしておられます。こういった各社が社内で行っておられます情報処理技術者の育成をバックアップするという意味におきまして、私ども六十一年度から、ただいま御指摘のございました情報処理技術者育成用のプログラム開発というものを、情報処理振興事業協会に委託をいたしまして実施をするということを考えているわけでございます。これにつきましては、今後、開発のため数年間が必要かと思いますが、その成果ができますと、各企業、産業の分野におきましてこれをお使いをいただいて、情報処理技術者の育成に利用をしていただくということが可能になってまいりますので、情報処理技術者確保のための対策として効果を発揮してくるのではないか、かように期待をいたしているところでございます。
#43
○浜本万三君 確かに五十八年度の情報処理技術者の補充状況を見ておりますと、四万四、五千人のうちで、社内の開発が三千二百人程度で、非常に少ないわけなんですが、ただ、今言われたCAIシステムを開発いたしましても、ハードの標準化を含めてCAIシステムを標準化いたしませんと、メリットが余り期待できぬのではないかという気持ちがしております。反面また、標準化を進めると問題があるのではないかという逆な心配もあるわけなんですが、その点はいかがお考えでしょうか。
#44
○政府委員(杉山弘君) 私どもが開発をいたそうと思っておりますCAI用のプログラムにつきましては、産業の各分野でお使いをいただくということを考えておりますので、御指摘のように使い方ができるだけ統一されている必要がございます。こういう面での標準化というものについては、我々も作成過程において十分注意を払っていきたいと思っております。また同時に、産業の各分野で使われておりますコンピューター等の情報機器がまちまちでございますから、こういった違った情報機器共通に利用をしていただくということも必要でございます。こういう観点から、できるだけ多くの情報関連機器に共通して接続でき、お使いをいただけるというような、いわゆる汎用性を持ったものにもしていかなければならないと考えております。
 いずれにいたしましても、標準的なもので統一できる部分についてはできるだけ統一をいたしますが、一面ではまた広くお使いをいただくという意味におきまして、汎用的な性格も持たせる必要がある、こういうことで考えておりますので、御心配のような標準化だけに絞ってしまいますと、あるいは非常に使われる分野が限られるというようなことにもなりかねませんけれども、この点につきましては、ただいま申し上げました二つの面双方に十分目を配って開発を進めていくことにいたしたいと考えております。
#45
○浜本万三君 今、コンピューター教育システム、CAIシステムというのが普通教育にどの程度導入されておるかということについては、先ほど局長から、日本は一%でアメリカでは八〇%程度だという報告が行われたわけなんですが、文部省来ていただいておりますがどういう状況ですか。
#46
○説明員(林田英樹君) お答え申し上げます。
 コンピューターの学校への導入ということでございまして、必ずしもCAIと目的を限ったものではございませんので、その点お許しをいただきたいと思いますけれども、私どもが調査いたしましたものと、それから諸外国で調査いたしましたものを比べられますのは、昭和五十八年でございますけれども、その当時の数字で申し上げますと、我が国の導入状況は小学校で〇・六%、中学校で三・一%、高等学校で五六・四%ということであったわけでございます。
 そのほぼ同じ時期の外国の数字を申し上げてみますと、イギリスでは、一九八三年末で初等学校の四三%が一台から二台のコンピューターを保有し、中等学校のほとんどが五台から十台保有しておるというふうに聞いております。それからアメリカでは、一九八三年当初で、初等学校の四二%、中等学校の八五%が一台以上保有しているというふうに報告があったわけでございます。ただこの点につきましては、最近の調査が進められておりますものの報告を見てみますと、このような数字は、例えばイギリスでは、ほとんど全小中高等学校に少なくとも一台導入されておるというふうに報告がございますし、アメリカでは、小学校ではほぼ九〇%に普及して、平均五台程度は所有しておるというふうに報告されております。
 なお、文部省の方でも、昨年十月の時点での調査を、今団体に依頼して実施をしておるところでございますけれども、近々報告が出る予定でございますが、その数字では、中学校、高等学校につきましてはある程度の前進があったというふうな形になろうかというふうに聞いておりますけれども、小学校ではまだそれほど伸びてはいないという実態かと思います。
#47
○浜本万三君 このシステム導入による功罪なんですが、まず情報処理技術者の育成にどの程度効果があるのかということ、逆に言えば、特に普通の学校教育の場合にマイナスの影響があるんではないかということも伺っておるわけなんですが、マイナスの影響とはどういうことなのか、その二つの点についてお尋ねいたしたいと思います。
#48
○説明員(林田英樹君) 私の方の所管しておりますところでは、初等中等教育でございますので、高等学校の職業教育におきましては、かなり早くから専門家の養成にもだえ得るような専門的な教育も行っておるわけでございますけれども、普通教育で申し上げますと、普通教育の場合にコンピューターを利用するというのは、私どもとしては基本的に二つあろうかと思います。一つは、将来子供たちが情報化に生きていくために必要な基本的な資質を養うということが一つと、もう一つは、教師の指導の方法の改善のために有効であるという面がかなりあるであろうというふうに思っておるわけでございます。こういうような目的を適正に達成いたしますためには、私どもとして慎重な検討が必要であろうかと思っておるわけでございまして、昨年来、文部省の中にも検討会議を設けましたり、それから現在審議をしております教育課程審議会におきましても御検討いただいております。
 先生御指摘のように、有効活用ないしは情報化に対応した必要な教育ということもある一方、いわゆるテクノストレスなどの心身への影響というふうなこと、それから人間や自然などと触れ合いの確保というふうなことを考えなければならないということ、それからコンピューターが適切に児童生徒の理解を助け、思考力を鍛え、創造力を発揮させるというふうな点で有益な利用がされなければならないだろうというふうに思っておるわけでございまして、こういうふうな点での慎重な検討と実際の具体的な利用指導方法の研究というものが必要であろうかと思って取り組んでおるわけでございます。
#49
○浜本万三君 技術者の養成の状況を見ておりますと、現在は専修学校に負うところが非常に大きいと伺っております。ところが、専修学校の実情を拝見しますと、設備でありますとか教師というんですか、先生というんですか、そういうものに非常に大きなばらつきがあるということを伺っております。実態はどういうことかということ。
 それから、ばらつきが認められるということになってまいりますと、情報処理技術者の質的向上を図る上からも大変問題だと思うので、その対策を早急に考えなきゃなりませんが、どういう対策をとろうとされておるのか、二つの点について通産並びに文部省からお答えをいただきたいと思います。
#50
○政府委員(杉山弘君) それでは、まず私どもの方から先にお答えをさせていただきます。
 まず、情報処理技術者の主要な供給源になっております専門学校の段階についての実態をどう考えるかということでございますが、産業界側の意見といたしましては、情報処理関係の専門学校の卒業生の質につきましてかなりの不満があるようでございます。それから、私どもがやっております情報処理技術者試験、これも専門学校の卒業生が受験をされますが、合格率で見てみますと、かなり合格率が平均よりも低いということでございますので、こういった産業界の不満が裏づけられるのかなというふうに考えているわけでございます。
 まあ原因はいろいろあろうかと思いますし、あるいは文部省の方が十分実態を御存じかと思いますが、私どもが見ておりますところでは、やはり専門の講師、教師といったものが不足をしているのではないか。また、コンピューター関係、情報処理関係の技術の進歩というのは非常に速いわけでございますが、専門学校におきますカリキュラムというものが、こういったものに十分見合って見直しされているのかどうかという点についても問題があろうかと思います。それからまた、専門学校に入学されます生徒の能力でございますが、どうも無試験入学というようなものがかなり多いようでございまして、そういう面で入ってこられる生徒の能力の側にも問題があるのかなというふうに考えておりますし、また使われておりますハードウエアの設備そのものの絶対数なり機能なりという点についても問題があるのではないかというふうに考えております。
 こういった点につきましては、これからこの問題を所管いたします文部省の方においていろいろと御努力をいただかなければならない問題もあるのかと思いますけれども、私どもなりにこういった問題についても対応をする必要があると考えておりまして、これまで情報処理技術者に関する育成指針というものをお示しをし、専門学校での情報処理学科の教育内容の参考にしていただくということも考えておりますし、先ほど申し上げました情報処理技術者試験制度というものもやっておりまして、これによって技術者の目標をつくるというような効果も期待しているわけでございます。
 それから、これからの問題といたしましては、先ほど申し上げましたようなコンピューターを使いましたCAI手法によります情報処理技術者の育成プログラムというものも開発をいたしますので、こういったものも開発ができましたら、その成果を専門学校等におきましても十分御利用をいただくということが考えられるかと思います。
 こういった個別的な対策のほかに、最近、産業構造審議会情報産業部会の中に情報化人材対策小委員会というものをつくりまして、情報化進展のために今後の人材育成対策をどうしたらよいかということで幅広い観点から御検討をいただいております。この検討の結果が出ました場合につきましては、またそれぞれ御関係の向きに通産省としてもいろいろそういう方向に沿って御努力をいただくようにお願いをしてまいりたい、かように考えております。
#51
○説明員(中林勝男君) 専修学校におきます情報処理教育の実情でございますが、近年の高度情報化社会の進展などを背景といたしまして、御案内のとおり専修学校が急速に普及、拡大をしております。
 この中で、コンピューター技術者の育成と情報処理に関する専修学校に当たりますのは、専門課程を持っております専修学校でございますが、学校数、生徒数で申し上げますと、専修学校発足当初、昭和五十三年でございますが、それぞれ二十九校、約一万人であったのでございますが、昭和五十九年には、学校数百十四校、約四万二千人の生徒がここで学んでおるわけでございます。この急増はこの二、三年で特に著しいわけでございます。このように、量的な拡大とともに、社会一般の専修学校に対します評価も全体としては高まってまいっているわけでございますが、今後ともなお内容を充実をして、一層専修学校の発展をしていくためには、いろいろと課題を克服していかなければならないと、このように思っているわけでございます。
 私立の専修学校の内容充実につきましては、まずもって自主的な努力に期待すべきところでございますし、また、専修学校は都道府県が所轄庁でございまして、専修学校の振興策につきましても都道府県において推進されることがまず期待されるところでございます。文部省といたしましては、この内容の充実という観点から、昭和五十八年度から専修学校専門課程に対しまして、大型の教育装置の整備に要します経費に補助を行っているところでございます。年々それの増額に努めておりまして、六十一年度も二億六千万計上させていただいております。
 教員の資質向上の関係でございますけれども、財団法人の専修学校教育振興会がございますが、この振興会に対しまして必要な補助をいたしまして、本年度から新規な事業でございますけれども、情報処理関係職員の研修会をスタートすることといたしておりまして、東京と大阪で専修学校の情報処理教育に携わる教員の資質向上のための研修会をスタートする、こういうことでございまして、通産省の専門官の御協力も得ているというふうに承知いたしているところでございます。
 なお、このように専修学校は、今日的な実践的な専門技術教育機関として次第に力をつけてまいっておりますけれども、その質的な向上についてはなおいろいろと課題がございますので、十分に努力をしてまいりたいと、かように思っているところでございます。
#52
○浜本万三君 やはり技術者の資質の向上、それからたくさんの技術者の養成ということが当面の非常に重大な課題でございますので、通産省、文部省とも一層その努力をしていただきますように要望いたしまして、他に予定した質問は終わりますから、どうぞ引き取っていただいて結構でございます。
 それから最後に、時間が来ましたので、大臣に要望をいたしたいと思います。
 それは、この種業務は派遣労働者が非常に多いわけです。派遣労働者の実情を調べてみますと、千人規模の派遣企業でございましても就業規則がないところが非常に多い。また労働条件や勤務態様というのは、派遣元の企業と派遣先の企業で決められますので、派遣労働者がよく承知していない、こういう状況でございますから、したがって、トラブルとか人権無視とかいうことが派遣先の事業場でたくさん起きておることを承知しておるわけでございます。
 通産省といたしましては、そういうことのないように労働省と協力していただきまして、十分指導していただくように要望をいたしたいと思いますが、大臣何か一言あればお答えいただきたいと思います。
#53
○国務大臣(渡辺美智雄君) 労働者の派遣事業法を所管する労働省と連絡を密にして、ソフトウエア産業を適切に指導してまいりたいと存じます。
#54
○浜本万三君 時間が来ましたから終わります。
#55
○梶原敬義君 私は主に、中小企業指導法及び中小企業近代化資金等助成法の改正案について質問をいたしますが、これは内容もそう問題もないし、私ども賛成であります。したがいまして、以下三つの問題について最初にお尋ねをいたします。
 一つは撚糸工連の問題であります。もう一つは、中曽根・レーガン会談の問題に関する経構研の問題であります。それから三番目に、円高差益の問題について、この三つについて最初にお尋ねをいたします。
 日本撚糸工連事件につきましては、昨日から報道されておりますように、高沢前公害立地局工業再配置課長らが起訴されまして、さらには政界汚職に発展し、東京地検特捜部は、国会議員数人に事情聴取が及ぶと、このような情報もこれあり、通産大臣はこの事態に対しましてどう受けとめ、責任を感じておられるのかお尋ねをします。
#56
○国務大臣(渡辺美智雄君) 四月の十六日に、撚糸工連事件に関連して、さきに収賄容疑で逮捕された二名の通産省の職員が起訴されたということはよく承知をいたしておりまして、このような事態に至ったことは、通産大臣といたしましてまことに遺憾に存ずる次第であります。したがいまして、こういうようなことが再発されないように、まず省内においては綱紀問題委員会をつくりまして、その中で綱紀の粛正に万全を期してまいりたい、こう考えております。
 もう一つは、やはりそういうようなでたらめがやりやすいような仕組み、ここに構造的な問題が私はあると思っておりますので、この買い上げ制度の存廃を含めまして抜本的にこれは検討をし直す必要がある、そのように考えております。
 また、政界に波及されたということは新聞報道等で承知をいたしておりますが、これまた政治倫理確立というようなことを言っている中で、まことにこれも遺憾なことである、そう考えております。
#57
○梶原敬義君 日本撚糸工業組合連合会に対しましては、これは私も調査に入りましたが、通産省の日常の行政指導、言うなら、もっと本当に目を光らせ、やることをちゃんとやって、チェックをしておればこういうことは防げた、私はこういう感じを強く持っておるんです。相手がでたらめなことをやるから、だからこうするというより、今まで相手に対して、日常の通産省の手落ちといいますか、チェックがやっぱり弱かったと、この反省を最初に強くしてもらわなければいけない、こう考えます。
 いつも浜岡局長が心を痛めて答弁をされるのに追い打ちをかけるのは非常に私もつらいんですが、こういうときはやっぱり事務次官ぐらいが来て、浜岡さんばかりに責任を持たせぬで、通産省全体として、ずっと携わってきた者として責任を一体どう感じているのか、この辺の答弁をいただきたいわけであります。
#58
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはもう、もちろん事務次官が来なくても、私が大臣がありますから、私が最高責任者でございますので、こういうことが起きないように厳重に指導していきたい。
 問題は、通産省がチェックをするといっても、何万台という織機がありまして、役人の数には限界があるわけですから。したがいまして、その織機を、これはちゃんと登録された織機であるか、そうでないかというものは、現場に行かなければ皆わからぬわけです。現場で古い織機と新しい織機と差しかえちゃって、レッテルだけ張り直してやったとかいうようなことがこの中にもあるらしい、私は全部を知りませんが、今までの新聞報道によるとですよ。そういうものを点検をするのに、通産省の役人が、織機一台に一人ずつ全部ついて歩いて現実に調べるなんていったって、これは実際問題として、言うべくして不可能に近い、私はそう思っておるわけです。
 それを知っているのは現場の担当者ですから、現場の人がやはり横に相互牽制の何か組織をこしらえて、仮にそういうふうな買い上げをするときに、それはインチキなものを買い上げた場合は、やはり残存の人が一緒にかぶる。その場合は、自分たちの負担がふえるというようなことなどが、歯どめというものがなければ、何か政府から取れば取り得みたいな話になっちゃって、到底これは難しい問題がある。ですから、私はこのやり方については、もし残すとすれば、そういうようなことは根本的に改めていかなきゃならないし、もうやめるんならやめてしまえと、いずれかである、私はもう腹を決めておるのであります。
 実際問題として、二度と起こすなど言われても、管理、監督ができない、不可能なものであればやめた方がよろしい、やむを得ないことである、私はそう思っておるわけであります。
#59
○梶原敬義君 管理、監督ができるかできないかという問題については、私は相当大臣は責任逃れをしておる。これは後日やはりこの問題について、もう少し事態が明らかになったときに集中審議でもして、その点については我々も明らかにしていきたいと思っております。
 ただ問題は、高沢課長にしましても、何回も一緒に業者とお酒を飲み、いろんなことをやっているということは、それを上におる者が薄々わからないはずはないわけでありまして、そういうような事態を日々刻々と掌握しておれば、工連側との癒着の状況というのは、おい、気をつけなければいけないぞと、こういうような問題がわかるはずなんです。それが結局わからなかったというのは、全体にやはり問題がある、これは私は言っておきたいと思うんです。
 それからもう一つは、私も現地の石川県に行きまして、機械を破砕する状況でなぜわからなかったのか、こういうことで県の皆さんにも聞きました。もちろん石川県の撚糸工連の組合の役員あるいは小松の役員の皆さんもおりました。その席で県の皆さんが言っているのは、この寝たままの、倒したままの機械について、これはおかしいじゃないかと確かに県の担当者は言っているんです。それに対して、いや、これは時間の関係で、六台についてはもう崩した役なんだと言って、立っている写真を見せられて、県の担当者もしぶしぶ認めざるを得なかったという状況なんです。
 そういうようなやり方では、一々機械の番号と帳簿とをチェックしなければそれは破砕と認めない、こういうことははっきりしているんですから、そのチェックは、一台何百万もあるいは何千万もするような機械を破砕するときに、それに一台一台立ち会えないことはないわけです、大変な金額ですから。それが立ち会えないような実態で、通産省はそういう状況であると言うのなら、その資料を後日出してください。その機械を破砕する現場に、だれか、その県あるいは通産省の代行なりの者がなぜ立ち会えないのか、立ち会えないという物理的な問題で何か原因があるなら、それは後日出してください。それをもとにして私は今の大臣の答弁に対してこれからじっくり議論をしていきたいと思います。
 次に移ります。撚糸工連の不正の実態の把握については、通産省独自としては、警察に全部資料が行っているからということでも、できるだけのことはやっているはずですが、この点についての実態の把握はどこまで進んでいるか、それを最後に聞きます。
#60
○政府委員(浜岡平一君) 確かに仕組みの問題とあわせまして、仕組みの動き方を監視するサイドの問題というのもあるわけでございまして、ただいま先生のお話のございました破砕の際の立ち会いのやり方等につきましては、今振り返ってみますとやはりもっときめ細かいマニュアルなどをつくっておけばよかったのではないかというような思いがあるわけでございまして、今後、制度の問題と同時に、これの動かし方を考えます際の重要な足がかりにしなければならない。この委員会でも先生から御指摘をいただいている点でございまして、今後私ども深く心にとどめていかなければならないと思っております。
 なお、確かに、年々眼光紙背というくらいの気持ちで経理関係書類をチェックしていればという思いも現在あるわけでございますけれども、結果的には見抜けなかったわけでございまして、大変残念なことであり、申しわけないというぐあいに思っております。
 この問題が表面化いたしましてから後も、たびたび国会の各委員会での御督促もございまして、私どもいろいろ関係者から事情の聴取には努めたわけでございますけれども、説明を回避するというような姿勢がとられておりまして、そのうちに関係者が逮捕される、あるいは関係書類が工連サイドからも、あるいは最近では通産省からもほとんど押収されるというような状況になりまして、私どもも司直サイドでの捜査あるいは調べが進むにつれまして、初めて承知したというような事態がいろいろと発生しておるわけでございまして、大変残念に思っておりますけれども、実態的にはそういうような状況にあるわけでございます。
#61
○梶原敬義君 今非常に混乱している状況ですから、これ以上突っ込んだ話にはなりませんので、次に移ります。
 渡辺通産大臣、中曽根総理大臣は私的諮問機関を大変多用しておりまして、今度の国際協調のための経済構造調整研究会、これも総理大臣の私的諮問機関であります。私は何回か決算委員会等でこの私的諮問機関の不法性について指摘をしてまいったのですが、ただいまから、総務庁もお見えですから、この問題についで若干質問をしてまいります。通産大臣は、陳情もお見えのようですからちょっと席を――結構ですが、できるだけ早くお願いいたします。
 総務庁の行政管理局、いらっしゃいますか。――国際協調のための経済構造調整研究会につきましては、国家行政組織法第八条との関係等から見まして、私はもうこういうやり方は本当にけしからぬ、しかもそれをもとにして中曽根・レーガン会談をアメリカでやり、そして既成事実をつくる、私はもう国会軽視も非常に甚だしいと思うんですが、この私的諮問機関について総務庁の基本的な考えを最初にお伺いをいたします。
#62
○説明員(八木俊道君) ただいまお尋ねの審議会等と私的懇談会、いわゆる私的懇談会等との関係でございますが、審議会等、審議会とか調査会、審査会等のいわば制度的な合議制機関、これは国家行政組織法の第八条及び各省庁の設置法、組織令等によりますいわば制度的な存在でございます。そして合議制機関といたしまして、機関意思の決定を行うというところが制度的に見ますとその最大の特徴でございまして、答申等の形で委員個々の意見とは別個に独立の機関意思を決定し、これを公の権威をもって表示する、こういう性格のものでございます。
 これに対しまして、いわゆる懇談会でございますが、これは有識者による行政運営上の意見交換、懇談、研究等の場でございまして、したがいまして、各省庁におきまして、当面する問題について関係各界から随時有識者のお集まりをいただいて、さまざまなテーマにつきましてその意見を聴取する、こういう行政運営上の措置でございます。
 この間の区別ということでございますが、一方の制度的存在としての審議会、これにつきましては、やはり国家行政組織法の八条の趣旨を踏まえまして、きちんとした制度化された存在でございますが、他方、懇談会とは、機関意思の決定その他の制度的な表式の面において異なる存在でございますので、その間の区別は制度的には一応ございます。この点につきましては、各省に対しましてもその制度的な区分を明確にするように随時お願いを申し上げているところでございます。
#63
○梶原敬義君 昭和三十六年の三月二十三日に、参議院の内閣委員会におきまして当時の池田内閣総理大臣の答弁、林内閣法制局長官の答弁、それから昭和三十八年の三月十八日に、行管庁のこれは通達だと思うんですが、「審議会と懇談会の差異について」というのが出ておる。それから一昨年、五十九年の四月十日に、参議院の予算委員会において、公明党の峯山議員の質問に対して当時の後藤田国務大臣が答弁をしておる内容、ちょっとそれを読み上げてみます。
  この際、懇談会等と審議会等との区分につきまして申し上げます。すなわち、審議会等にありましては、審議会等を構成する個々の委員の意思とは別の合議機関そのものの意思が答申等としまして公の権威を持って表明されますが、懇談会等行政運営上の会合にありましては、合議機関としましての意思が公の権威を持って表明されるものではなく、単なる行政運営上の意見交換、懇談会等の場にとどめるべきものであります。したがいまして、懇談会等の運用に当たりましては、各省庁はこの点を今後とも十分に留意する必要があり、特に聴取しました意見を合議機関の意思決定と紛らわしい形でここが問題ですね、紛らわしい形で取りまとめることなどのないよう留意すべきものでございます。
こういう明確な答弁をいたしておる。
 したがいまして、当時の池田総理の国会の答弁、それから昭和三十八年の行管庁の通達、それから五十九年の後藤田国務大臣の答弁、これは全く一貫をしているわけであります。
 したがいまして、個々の私的諮問機関をつくった場合に、個々の委員の皆さんから意見を聞くのはいい。しかし、座長を置いたりして、そしていろいろなさまざまな意見があるのを、無理やりに総理大臣なら総理大臣の求める方向に誘導して、しかも答申を無理やりにつくって、そしてそれがあたかも国民世論をすべて結集しているようなやり方で国民を誘導していく。そして国会で我々が、内需の拡大の問題についてももっとやるべきではないか、輸出主導型じゃなくて、要するに内需拡大型の経済政策を中曽根総理時代になってから言い続けてきている、そういうことには耳をかさないで、国会より先に今度の私的諮問機関で対応している、こういうやり方をしている。
 こういう一連のやり方に対して、行管庁の方で先ほど答弁されました一連の池田総理からの流れと、何か情勢が変わったのか。今多用している中曽根総理の私的諮問機関のあり方について、もう一度明確に意思表示をしていただきたい。
#64
○説明員(八木俊道君) いわゆる懇談会というものがしばしば各省の行政において活用されるわけでございますが、その趣旨は、私ども各省の行政運営の問題でございますので必ずしも全貌をつまびらかにいたしませんが、ごく一般的に申し上げれば、行政運営が独善に陥ってはならない、そのために随時重要諮問について関係有識者の意見を承る、こういう懇談の場であろうかと思うわけでございますが、ときどき懇談会の御議論の結果が報告書の形で、いわば研究報告のような形でまとめられることがあるわけでございます。
 しかしながら、私どもといたしましては、組織法第八条による正式な審議会、これは一つの機関意思を決定する存在でございまして、委員もまた正式な任命行為を受けて任命されるわけでございますが、議事規則を持ち、場合によっては多数決等も行われ、そして機関意思を形成する。その結果が答申という形で、公の権威を持って表明され、政府は法律上もしくは条理上これに対して尊重義務を負う、こういう関係でございます。
 その間の区別は、やはり制度的には質的なものとしてはあるというふうに私ども考えております。
#65
○梶原敬義君 私もそう思います。
 こういう諮問機関をたくさんつくって、そして、そこで何かをまとめ、世論を形成していくやり方が今後どんどん多用されていけば、これはもう国会は要らぬわけでありましてね。今度の問題は、特に国際経済あるいは日本の経済の問題を一体どうするか、こういう問題ですから、経済企画庁も通産省も、あんまりこれはたくさん優秀な役人を抱えておく必要ない問題であります、そういうところで骨子がつくられるならば。どう考えてもこういうやり方については納得がいかぬのですよ。
 そこで、渡辺大臣、一体こういう諮問機関を多用して、国会軽視も甚だしいやり方を繰り返し、そして出た答申を持ってアメリカに飛んで、これをもとにして急遽、日本はこういう姿でいきますよ、こういうやり方を繰り返しておりますが、どうも私は腹が立ってしょうがないというより許せない。大臣はどうお考えですか。
#66
○国務大臣(渡辺美智雄君) まあこれは総理大臣の私的諮問機関であって、総理大臣に勉強しちゃいかぬと言うわけにはいきませんでしてね。総理大臣がやはり総理大臣個人として勉強なさるということは、私は大いにやってもらって結構だと、そう思っております。
 したがって、この諮問機関の答申というものは法的な位置づけはないわけです。臨調答申だった場合は、その答申はこれを尊重しなければならないといって国会で決まっているわけですから。しかし、これは別にそういうことは決まっておりません。したがって、それは法律的にはどこまでも総理個人の私的諮問機関である。しかしながら、そこに集まったメンバーは日本を代表するような各界の名士であって、いわゆるかなり高度な見識を持った人たちですよ。その人たちが何回も集まって、しかも役人も、お役所の方も、それは表では参画していないけれども、裏ではいろいろな便宜供与も、資料の提供等もやっているんだろうと思いますよ、それは。したがって、現実は半公共的なような政治的重みは持っておると、そう見ても私は差し支えないと思います。
 これは、閣議にはかかっているわけではありませんが、経済閣僚会議で説明は受けました。そしてまた、総理談話というものは閣議にかかっておって、総理大臣はこれに対する談話を発表しておるわけです。我々はその談話について了承を与えておるわけですから、そういう意味においては私どももその責任がある。談話の中身を見てもらえばわかるように、この談話は、これは日本の生きる道というものはこういうようなことしかないということが書かれておって、政府は、この報告を参考として、与党とも十分な連携を図りながら、関係審議会等における調査審議をも含めて早急に必要な検討をいたしますと、世界に対しましても訴えていきたいというようなことを言っておるわけでございます。
 したがって、これは表にオープンになっておりますから、アメリカの方も中身についてよく知っておりまして、それに対して、そういうような方向で日本が自由貿易を守っていくために、しかも内需の拡大をやっていくという、世界の要請にもこたえていくという内容になっておりますから、それに対しましてはやはり評価されたものと考えておりますし、総理大臣は、やはりそういうようなものを中心に今後の日本のいろんなかじ取りの上において参考にしてやっていきたいと言ったことだけでありますから、私、それ自体が国会軽視ということには面接はつながらないんじゃないか。その後でいろいろな法案が出てきたときに、それぞれに対して賛否の機会というものはもちろん国会にあるわけですし、議論の機会もあるわけですから、ですからそれは御批判あるいは御叱咤、それは大変私はたくさんやっていただいて結構なことであると、そう思っております。
#67
○梶原敬義君 まあ答弁は要りませんが、大いにやると言ったって、これは私的諮問機関ですが、国の金で謝金とか旅費とか全部払ってるんですよね。恐らく一つの委員会に何百万か何千万か知らぬが使っているんですよ。これは私も調べましてね、大いにやるならやってくださいよ。だから、国の金を使わないような形で諮問機関を何ぼでもつくればいい、ポケットマネーから出してやればいいじゃないですか。国家行政組織法第八条で問題だと、こう言ってる。国会答弁で問題だと、こう言ってる。それをどんどんやるんなら、個人的にやるんならポケットマネーでやってもらいたい、これが私の言い分です。
 それから、日本を代表する委員の皆さんが集まっておると言うが、大臣ね、いいですか、ほとんどが戦前の教育を受けたような人たちばっかりですよ。この中には本当に苦しい中小企業の代表者もいない。今度の貿易摩擦で一体生きるか死ぬかということを反映できる代表者もいない。この問題をアメリカで話をした内容からいきますと、農家の皆さんこれ困りますよ。そういう代表者が入っていない中で答申なさっている。婦人も入っていない。これは偉い人かなんかわからぬですが、本当に国民の考え方が集約されるような形になっていないんです。これは問題なんですよ、この人選自体。だから、この人選も、勝手に好きな人を選ぶから行政組織法とは区別をしなきゃいけない、こうなっているんですよ。好きな者だけ集めて好きな結論出す。平和問題研究会もそうでしょう。そして、そこで出かかった結論に、中曽根さんがまた鉛筆で手を入れて、一%問題を扱うときには曲げていった。今度の経構研も総理大臣が不満を示したんです。新聞報道に出ているじゃないですか。問題なんですよ、そういうあり方で世論をつくっていくというやり方は。これは大臣とは議論になりませんから、改めて引き続いてやります。
 そこで、大臣、前川前日銀総裁が座長を務めておりまして、この人が本当かうそかわかりませんが、これは新聞で言っていますから、新聞社の方もいるからうそだって言えば、呼んで私も一回聞かなきゃいけないんですが、この新聞の内容を見ますと、けしからぬことを次々に言っているんですよ。
 毎日新聞の四月九日の内容です。囲み欄に出ておりますが、ちょっと読み上げてみますと、「提言は日本が国際社会で生きていくための道筋を示したもので、日米首脳会談や東京サミットの場で披露し、」、披露しですよ、ここ問題ですよ。「わが国の国際公約≠ノすべきだ」と、この経構研の答申を、こう言ってるんですよ。それから次に、「国内によほどの推進力、首相の指導力がないと提言内容の確実な実行がむずかしいかもしれない」、さらにこう言ってるんです。「内閣が代わったら方針変更では困る。かといって国内からつねに実行くの推進力を働かせるのはむずかしいので、外圧≠用するしかない」、最後に、「提言の実行は歴代内閣で保証していくべきだ」と、こう言っている。これは座長ですよ。ここまで、国会の審議に入ってくるようなことまでこの座長が言ってる。内閣の裏に、さらにこういう院政をしくような、こういうようなやり方が次々に出る。これはもうけしからぬと思うんですよ。この点について一体どうお考えか。
 それからもう一つ、これは新聞でしかわからないんですが、日経の四月十五日によりますと、総理大臣はレーガンとの間で、これをいろいろやっていくと十一兆円の内需拡大に及ぶだろうと、こう約束している、十一兆円。ところが、経済企画庁は、いやそれは一兆一千億の間違いじゃないかということで、電話をやりとりしているんですが、総理大臣は、ある試算によればと、こういう言い方をしておりますし、後藤田官房長官も、総合経済対策で二兆三千億、円高差益分が三兆五千億円、原油価格低落分が二兆二千億、等々合わせればそれくらいになるんじゃないかと、こう言っているんです。
 これは中曽根総理大臣が十一兆の内需拡大をこれでやりますよということの約束を一体したのかどうなのか。この事実の問題と、経済企画庁に聞きますが、そういうようなことに一体なるのかどうなのかですね。二点お尋ねをいたします。
#68
○国務大臣(渡辺美智雄君) 先に私の方から答弁しますが、前川さんが何という記者会見でお話したか私は知りません。その新聞も読んでおりません。おりませんが、やはり皆さんを督励をして、半年がかりで心血を注いでつくった自分の答申ですから、答申をつくった人から見ればこれがもう最高最上のものである、したがって何が何でもこいつはぜひ実行していただきたい、我々が進言したんですからそいつはやってくれと、そこを言うのまで責めるということはちょっとこれは酷なような気がいたします。しかし、外圧を利用してなんというのは、ちょっとこれは少し言葉が多過ぎて、だれかと同じようなことでありましてね、ちょっと多過ぎるというような感じもいたします。
 それから、十一兆円云々の部分につきましては、私もちょっと見当がつきませんので、どういうことでそういうようにおっしゃったか、会って聞いてみないとわかりませんから、ここではお答えできません。
#69
○説明員(大塚功君) 今回の総合経済対策の効果につきまして、経済企画庁といたしまして試算をしたところを申し上げます。
 今回の総合経済対策につきましては、七本ほどの項目が含まれておりまして、金融政策の機動的運営であるとか、あるいは公共事業の施行促進、あるいは円高差益、原油価格低下のメリットの還元、それから中小企業対策等々でございますが、そのうちには、例えば規制緩和によります市街地再開発のように計量化が困難なものも入っております。
 そこで、私どもといたしましては、計量化の可能なものだけを取り出して計算をしてみたわけでございますが、それは例えば電力、ガスにつきまして、円高差益、原油価格低下のメリットを約一兆円ほど還元をするというようなことが含まれておりますし、それから、電力でありますとか、NTTの投資の追加を行う、こういった計数的に出ておる施策がございます。それを計算してみたわけでございます。そういたしますと、上半期につきまして、六十一年度の上半期でございますが、年率にいたしまして二兆円を上回る効果が期待できるという計算ができました。
 上半期につきましてやりましたのは、今回の総合経済対策の趣旨といたしまして、年度の後半には円高のプラス面、いわゆる交易条件改善効果でありますとか、それから原油価格低下のプラスの効果、これが本格的にあらわれると期待されるわけですが、年度の前半につきましては、円高のマイナス面、輸出数量の減少等のマイナス面でございますが、これがやはり出ますので、その円高とか原油価格低下のメリット面をなるべく早く経済全体に均てんさせるというのが主眼でございましたので、上半期についてやってみたということでございます。
 ただいま先生御指摘の十一兆円という効果につきまして報道がなされたのは承知いたしておりますが、その内容については、私どもは承知をいたしておりません。あるいは今お話になりましたように、一つの計算によりますと、円高のいわゆる交易条件改善効果が三・五兆円という計算もできますし、それから原油価格が一バレル当たり十ドルほど低下いたしますれば、二・二兆円ほどの輸入節約効果が出てくるというような計算もできますので、そういったものがベースになって発言がなされたとすれば行われたのかもしれませんが、内容につきましてはいずれにいたしましても承知をいたしておりません。
#70
○梶原敬義君 また経企庁長官がおるときにこの問題はちょっと突っ込んで聞かしていただきたいと思っております。
 ただ一つは、この新聞によりますと、すぐ経企庁はアメリカと電話をしてやりとりをしたというような内容になっておりますが、それは事実関係はあるのかどうなのか、それだけ。
#71
○説明員(大塚功君) 報道がなされましたので連絡をとりまして聞いてみたわけでございますが、中身につきましては明確にはわからなかったということでございます。
#72
○梶原敬義君 日本の国会の中でいろいろ内需拡大とかあるいはそういう問題を言っても、総理大臣はなかなか聞かない。アメリカから言われるとほいほいほいほい全部聞いてくるといった本当に奇妙な現象ですが、大臣よく閣議でちゃんと抑えていただきたいと思うんですね。
 次に移ります。円高差益と円高差益の還元についてお尋ねしますが、今、いいですか大臣、後藤田さんは閣僚の重要な一人ですよ。この人が三兆五千億円高差益があると、こう言っているんですね。資源エネルギー庁は、円高差益は昭和六十年の九月から三月までと、それからこれからの一年の見通し、これについて最初に出してください。
#73
○政府委員(野々内隆君) これは見通しの問題でございますので、一定の前提を置いて計算をするということしか申し上げられないかと思っておりますが、まず原油につきまして、これをバレル二十ドルとし百九十円としますと、三兆六千億ぐらいになると思います。これを百八十円としますと三兆九千億ぐらいになるというふうに考えます。これは油の値下がりと円レートの問題でございます。
 それから、あとエネルギーとしましては石炭とLNGがございますが、石炭とLNGにつきましてはまだ価格が変動いたしておりません。従来の契約どおりでございますので、円レートだけで計算しますと、八五年の石炭の輸入金額が五十二億ドル、それからLNGの輸入金額が七十二億ドルでございますので、足しますと百二十億ドル強になろうかと思います。これを同じく五十円ぐらい上がると仮定いたしますと六千億円、こうなると思いますので、両方足しますと、三兆六千億及び六千億で四兆二千億というのが一定の前提を置いた計算であろうかと思います。そのほか、今後LNGあるいは石炭価格が契約の更改交渉によりまして下がってくれば、これに上積みされるというふうに考えていいかと思っております。
#74
○梶原敬義君 そうすると、おおむね後藤田さんの言っている数字というのは合っているということですね、前提を置けば。
#75
○政府委員(野々内隆君) どうも官房長官がおっしゃったのは、新聞でしか拝見しておりませんのでよくわかりませんが、四兆から五兆程度になろうかというふうに考えます。
#76
○梶原敬義君 大変結構なことでありますが、そこで円高差益の還元について、もう六月からやると言うのですが、相当検討が進んでおると思いますが、審議会とか何かに数字を出す。その審議会だって資料は外へ出ますからね。だから国会に大体今ここまで来ておりますよと、何も審議会だけに資料を出さぬで、マル秘だマル秘だと言ったって、審議会の中の人はどれだけ信用できるか。国会議員の方がもっと信用できますから。今進んでいる段階について出していただきたいと思います。
#77
○政府委員(野々内隆君) 実は、具体的な差益なりその還元額と申しますのは、各協力会社並びにガス会社が計算をいたしますので、審議会におきまして具体的な議論というものはいたしていないわけでございます。
 ただ、全くめどなしに議論をいただくというわけにもまいりませんので、懇談会におきましては、大体一兆円ぐらいの差益という感じで御議論いただきましたが、現在私どもが御議論の前提としてお願いいたしておりますのは、一兆四千億程度を前提に議論をいただいております。これは原油の価格を二十二ドル、それから為替レートを百八十円という形で計算をしていただいておるわけでございまして、これはトータル、マクロとしての議論の前提条件でございまして、今後六月実施に向けまして各社がそれぞれ差益の計算をいたしますときには、必ずしもこれによるということではございません。
 もし今後一年間二十二ドル、百八十円が続いたと仮定をし、またLNGの価格が原油のスポットと同じように下がったというふうに仮定をすると一兆四千億程度になり、その七〇%、これは五十三年のときも将来のリスクを考えましてほぼ七割ほど値下げに使っておりますが、同様な考え方をとるとすれば値下げ額に充てられるのは一兆円程度であろうと、こういう前提で現在議論を行っております。
#78
○梶原敬義君 ですから、四兆か五兆かわかりませんが、そういうメリットが出る。その中で一兆円と、これではなかなか内需が回復しない。国民ももっと要望が強いのではないか、そう思うんです。あと前向きな検討を期待をします。
 六十年度分の還元については、これも私は還元すべきだと、去年の九月から三月までは。こう思うんです。みんなそう思っております。この点についてはいかがですか。
#79
○政府委員(野々内隆君) 先ほど四兆あるいは五兆と申し上げましたのは、これはエネルギー全体を申し上げましたわけで、一兆円というのはそのうちの電気・ガス料金にはね返る分を申し上げましたので、若干数字の計算の根拠に差があるかと思います。
 それからその次の、今のお尋ねの六十年度分についての扱いでございますが、実は六十年度分につきましては三月をもって切れておりますので、料金に対する対応というものを今すぐするわけにはいかないというふうに考えております。したがいまして、これにつきましては、利益分は当然約半分が税金として国庫あるいは地方公共団体に入るわけでございますが、残りにつきましては積み立てておきまして、内需拡大の設備投資の資金繰りあるいは基本的には将来のコストアップを考えた内部留保ということになろうかと考えております。
#80
○梶原敬義君 六十年度分というのは、電力会社で言いますと、六十年度九月から三月まで発生している円高差益の分というのは大体幾らと見ているんですか。
#81
○政府委員(野々内隆君) これはちょっと今、三月の決算が出てまいりませんと明確にわかりませんが、円高差益につきましては去年の秋以降、それから原油値下がりにつきましてはことしの初めからでございまして、現実には多分ほとんど影響しなかったと思われます。概算でございますが、電力九社、ガス三社を足して大体三千億程度ではないかと思っておりますが、ちょっとまだ決算の確定がないと、これ以上正確なことを申し上げるのは困難かと思います。
#82
○梶原敬義君 問題はどういうような数字をとるかでありまして、多分電力会社あたりも契約のやり方あるいは在庫の見方で移動平均法とかあるいは後入れ先出し法とか、いろいろな払い出しの方法、恐らく原価の計算のやり方があるでしょうが、前に高いものを持っておったから、そして後から安くなったけれども平均していくと高いものだから、結局利益は少ないというような形の決算をやるでしょう。恐らくそれが、今言われておりますように三千億というような数字になるんではないか、実際はもっとなるんではないかと、私はこう見ているんですが、いかがですか。
#83
○政府委員(野々内隆君) これは原価計算の方法によりまして、しかもこれは税務上適当に変えるということはできませんで、継続的に今行っております。したがいまして、その利益が今期三月までの決算期に出るか、あるいは四月以降の決算期に出るかという計算の問題だろうかと思っております。
#84
○梶原敬義君 だから、私は発生ということを言っておるわけですね。発生というのは、そのときから発生をするわけです。それはまた、今度は先になりまして逆に石油が上がったりあるいは円安になったりした時点、もうそのときに厳しくなった。厳しくなったけれども、まだ前に円高差益の分があるじゃないか、それはまた国民に返せと、こういうことにはなかなかなりにくいんじゃないの。
 だから、やっぱり発生時点でとらえていかないと、先になってうまくいかなくなったときには、これはまた値上げをするとかなんとか、そういうことになりますからね。あくまで移動平均法をとろうがどういう方法とろうが、やっぱり発生の時点で、発生したときから一体どのくらい発生したのか、こう政府としてはとらえて計算をすべきだ、それが国民の側に立った私は物の考え方、処理の仕方だろうと思うんです。強くその点については一考をしていただきたいと思います。それから、この還元の仕方ですが、四百六十円とか、どうしてああいう数字が新聞でちらちらちらちら出るのかわからぬ。国会には出さぬで、審議会があるいはどっかで先に出すんでしょうが、そういうようなやり方じゃなくて、やっぱり早目に出してもらいたい。
 同時に、私は月々に出すんじゃなくて、七月なら七月、八月なら八月にまとまって、割引月間みたいなものではっとまとめてやる。しかし、その前の分の金利の分は、四月に例えば五百円なら五百円の分に相当する分は、また八月だから、それは小さく計算してやらないと、やっぱり国民は不満を持つと思うんですよ。だけど、内需の拡大や何かから考えると、月々にちょっとずつ払うんじゃなくて、八月なら八月にまとめてずっと料金の引き下げをする、そういうようなやり方を私は希望したいと思います。御意見があればちょっと聞いて次に移ります。
#85
○政府委員(野々内隆君) 移動平均法がいいのか、後入れ先出しとか、どの方法がいいのかというのはそのときの経理状況によりますが、一般的には移動平均法の方がどちらかというと安定いたしておりまして、値上がりのときにも値上がりが遅く出る、そのかわり値下がりのときにも値下がりが遅く出るという形で、いずれにしましても安定的な経理が必要かと思っております。
 それから還元額、実はいろんな新聞がいろんな計算をなさいますので、私どもも困るんですが、むしろこれからは各社それぞれの計算、九電力会社それぞれの計算になりますので、余りマクロとして計算をいたしますのもいかがかと考えておりまして、私どもはトータルとしての計算というものは最近はいたしておりません。むしろこれから各社がそれぞれ自分の見通しによって計算をし、それが五月になって認可申請が来るというふうに考えております。
 それから、まとめて返すのも実はいろいろ考えたわけではございますが、前回、五十三年のときに、月二百七十円で少なかったので、まとめた方がより受け取った方に喜びが大きいんではないかという御意見もあって、いろいろ考えたん。ですが、結果的にはやはり無理であろう。例えば上半期まとめて返すというようなことになりますと、上半期だけ電力を使って下半期に引っ越してしまった方は、違う還元になるということもございますし、それから電気税、ガス税の支払いの問題もございまして、なかなか難しいということで、原価主義からいいましてやはりその月々にやった方がいいんではないかということでございます。
 ただ、四月にさかのぼりますと、これはもう四月分を払いませんので、十二カ月分につきましては十カ月にまとめるという程度のことはいたしております。
#86
○梶原敬義君 エネルギー庁ありがとうございました。
 それでは、中小企業指導法及び中小企業近代化資金等助成法の一部を改正する法律案に関しまして、以下質問をいたします。
 通産大臣に最初お伺いいたしますが、この法律案というのは中身が二つになっております。一つは、もう時間の関係で中身は繰り返しませんが、この法案の提出を、今なぜこれを急いでやらなければならないのか。具体的に各県なりあるいは中小企業の皆さんから強い要望が具体的に出ているのか、こういう点について最初にお伺いをいたします。
#87
○政府委員(木下博生君) コンピューターの利用による情報化というのは、経済全体の効率化のために極めて重要なことでございますが、中小企業と大企業を比較した場合に、そのコンピューターの利用の度合いは大企業の方に相当進んでおりまして、中小企業はおくれておるという状況があるわけでございます。そのようなことで、中小企業者のコンピューターの利用を進めて、それによって情報化を進展させていくということのためには、単に個々の企業の努力だけではなくて、全国的に中小企業者の指導を図っていく必要があるという考え方があるわけでございます。
 御承知のように、中小企業者は各地方に多く存在するわけでございますので、各県におきましても、従来から中小企業者のコンピューターの利用の促進を図ってきておるわけでございますが、この際、各県にあります。そのような組織を十分活用いたしまして、中小企業者にコンピューターの利用についての診断と指導をより強化するような方策を講じた方がいいんじゃないかということでございまして、これは各県からの御要望の線にも沿ったものでございます。
 そのようなことで、今回中小企業指導法と中小企業近代化資金等助成法の改正を行いまして、そういう診断、指導を強化すると同時に、コンピュータープログラムについても中小企業者が導入しやすくする方策を考えたわけでございます。
#88
○梶原敬義君 わかりました。
 次に、二つまとめて聞きますが、情報化という表現がたびたび出てくるわけであります。この情報化と言っている中には、私は一つは経営管理といいますか、決算をやったり、賃金を払ったりする、それにコンピューターでやれば便利だと、先々安くつくと、こういうような内容のものと、要するに経営戦略上何かのデータを分析をして、その分析結果をもとにして経営戦略に役立てる、あるいはそれによって情報を集めて、その情報を先取りして中小企業の経営に役立てる、こういうことだろうと思うんですが、どうも情報化、情報化という表現の中には、後者の経営戦略的な意味にとられてしょうがないんですが、この点は一体どうお考えですか。
 さらに中小企業の場合、この情報化、要するにこういうことをコンピューターに入れて業務を進めていく上で問題になるのは、中小企業者の多くの皆さんがこの情報化の進展に対する見通しがわからないと、不安感を抱いているというような調査結果をたびたび見るわけでありますが、通産省といたしましては、中小企業の情報化の必要性を認める場合に、中小企業者に対する情報化の啓蒙の必要性について一体どうお考えになるのか、この二点をお尋ねいたします。
#89
○政府委員(遠山仁人君) 二点のお尋ねでございますが、最初の情報化というものが企業経営の中でどういうふうに役立つかということでございます。
 御指摘のように、情報化は、一つはコンピューターの利用等によりまして経理処理、事務処理等を合理化しよう、こういうことでございます。これも非常に重要なことでございます。それからもう一つは、御指摘のように経営戦略上その情報を積極的に経営戦略に使っていこう、こういうことでございます。
 中小企業の情報化の実態を見てみますと、その中でどちらかといえば定型的な業務、つまり経理処理とか事務処理を合理化していこうという範囲にとどまっているのが、多くの中小企業の情報化の現状じゃないかと思うわけでございます。中小企業におきましても、そういう情報を高度に使った経営戦略上の使い方ができるんではないかと思いますけれども、おいおいそういうふうな高度な情報化という方にも進めるように、中小企業の経営規模だとか、業種、あるいは業態に応じた適切な指導をしてまいりたい、そういうふうにしていく必要があるんじゃないかと考えております。
 それから、中小企業がそういう形で情報化を進めます場合に、何と申しましても情報化の意味がどういうことにあるのか、あるいはどういうふうに具体的に進めたらいいかということを具体的に知っていただくことが重要でございまして、そういう意味で御指摘のように啓蒙と申しますか、そういうふうなことが非常に大事でございます。いろんな形で啓蒙していく必要があると思いますけれども、一つの重要なやり方としては、具体的に進められました事例、あるいはその効果等を集めまして、それを情報提供という形で中小企業の方々に知っていただく、こういうことが必要なんじゃないかと思っております。
#90
○梶原敬義君 前の問題は、もういいです。次にいきます。
 一つは、中小企業の情報化を進めていく中で、中小企業地域情報センター、これは公益法人ですが、これを診断、指導機関としてこの法律の中では位置づけようとしておりますが、これは今全国で幾つあって、大体うまくいっているのかどうか、その体制は十分なのかどうか。それから、これからどう育成、強化しようとしているのか、それが一点。
 それから、第二点は、この情報処理技術を有する指導担当者が地域情報センターに、果たして皆さんが考えているように、そう全国に散らばっておるのかどうなのか。これはもっと勉強しながらといったって、中小企業はそのときで厳しい企業競争をしながらですから、やっぱり即役立たなきゃいかぬわけですから、その点、二点お尋ねいたします。
#91
○政府委員(遠山仁人君) 中小企業地域情報センターについての御質問でございますが、中小企業地域情報センターは各県域ごとに設ける、こういうふうな方針で進めておりまして、五十四年度から進めておりますが、現在三十九カ所設置されておりまして、六十一年度にはさらに新しく二カ所設置する、こういうふうな予定でございます。
 地域情報センターは、従来中小企業者に役立ちます情報の提供というのを中心にしておりましたけれども、そのほかコンピューターの利用等についての指導等もいたしております。このたび都道府県知事が指定いたします指定法人ということになりますと、さらにそういった診断、指導の面でも大きな役割を果たしてくるんではないか、こういうふうに期待しているところでございます。
 それから、地域情報センターの体制、能力等の問題でございますが、地域情報センター三十九カ所、職員数が全部で三百人以上になるわけでございまして、一つのセンター当たりにいたしますと八名程度でございます。その中でもいろいろコンピューターを使った方もおりますし、中小企業の経営に詳しい人もおるわけでございまして、中小企業の情報化の中核機関として十分能力と申しますか、機能を果たしていく体制にある、こういうふうに考えております。また今後ともそういうふうな体制を一層充実していきたいと、こういうふうに思っております。
#92
○梶原敬義君 それから企業の場合、浜本委員からも少しありましたが、中小企業の場合にはなかなか人材がやっぱりいないわけです。もうその日その日一体どう食うか、即戦力ですから。これは養成するのは非常に重要ですが、この施策は一体どうやっていくのか。
 それから昭和六十五年には六十万人ソフトのわかる人が不足すると、こういうようなことですが、この計算は間違いないのか。それから、ICの場合、半導体は本当に、いつか皆さんから説明聞きました当初は、相当な将来売り上げになるなんと言ったが、私は競争が激化しますと、半導体の売り上げ高も下がってくるから、数量は伸びるかもしれぬけれども、金額は皆さんが計算したようにはならぬのじゃないかと、何回か私は聞いたことがあるんですが、そのようになりました。これは六十万人足らぬというのが本当に見通しとしてある程度当たっているのか。当たっているのなら私どももやっぱり真剣になってこれは対応をしていかなければならないと思うんですが、この点。
 さらに先ほどお話がありました、特に今中小企業の皆さんには事例集を見せて宣伝するとやっぱり飛びつくし、動くと思うんです。ただ、私も調べてみましたが、この法律の関係で当面大分県の場合、小さな百分の一の県でありますが、一体何件ぐらいを考えているのかと言ったら、六十一年度においては、要するに協業組合みたいなような団体でやるところは二件、それからあと個人のところはせいぜい十件ぐらいじゃないか。そんなことですから、まあ芽を吹いたといっちゃ芽を吹いたような語でありまして、やっぱり事例集あたりが、こうすれば成功して企業の経営にも中小企業はもうかりますよと、経営に役立ちますよと、こういうような形の事例集をぜひ早く、うまくつくっていただきたいと思うんですが、その三つについて。
#93
○政府委員(杉山弘君) 最初に、ソフトウェア関係の技術者の不足の問題についてお尋ねがございました。詳細は差し控えたいと思いますけれども、私どもソフトウエアの需要を想定します際に、過去におきますソフトウエア業の売り上げの伸びというのをベースにして算定をしたわけでございます。これを二六%増というふうな前提で需要の方を考えたわけでございますが、最近時点、例えば五十八年度から五十九年度にかけましては、ソフトウエア業の売り上げの伸びというのは四〇%になっておりまして、一段と加速されているような状態でございます。これ自身が物理的なソフトウエアの需要本数の伸びとイコールというふうには申せませんけれども、私ども想定をいたしました前提以上の伸びになっておりますので、このままの状況が続きますと、私ども想定いたしました六十五年度六十万人というものについては、この予想を下回るようなことはまずないんじゃないかという感じがいたしております。
#94
○政府委員(遠山仁人君) 人材養成の問題でございます。
 中小企業の方々が情報化になじむように人材養成いたしますことは非常に重要なことでございます。
 私ども、中小企業事業団にございます中小企業大学校におきましても、その方面の人材養成に力を入れているところでございます。特に、その中におきましては、東京校とか関西校におきまして、中小企業者あるいは従業員に対しますコンピューターの利用、あるいはメカトロニクス化をどう進めたらいいかというコースを設けております。それからそのほかの地方校におきましても、生産管理、経営管理の中でコンピューターをどう活用したらいいかということについての人材養成を進めているところでございます。
 それから、啓蒙の必要性につきましては、先ほども申し上げました事例集等を作成しておりますが、全国的にそういう中小企業が成功しております事例、あるいはまたコンピューター等を導入しましたけれども十分使いこなせないという事例も集める必要があると思いますけれども、そういうものも中小企業事業団等で集めていただいたり、あるいは各地域の地域情報センターにおきましてそういう地域の事例も集めていただきまして、それを地域間でも交換し合って全体として利用できるように、そういうふうに考えて進めているところでございます。
#95
○梶原敬義君 どこもここも情報が全部入り合ったら、どっかがまたもうからなくなりますからね。これは難しい問題だと思いますが、ぜひそのように対応していただきたいと思います。
 それから、地域情報センターが地域の情報化の中核的機関となっていくためには、その財政基盤の強化というのはぜひ必要だと思いますが、一体この点についてはいかに考えておられるか。
 もう一つ、これは最後になると思いますが、今回申小企業設備近代化資金貸付制度の中にプログラムが追加をされました。私も今どういうようになっているのか、説明を聞いてもなかなかわかりませんから、きのう通産省の係長の方に案内をしていただきまして、日比谷の日本電気の展示場を見て回りまして、初めてコンパクトされた磁気テープも見てきたんですが、それを示していただきながらもう一度、このプログラムがハードよりもこれから金がやっぱりかかっていく、こういうことでありますから、その辺のことを最後にお聞きをいたしまして、なぜプログラムの方に近代化資金の貸付制度で貸し付けていかなきゃならない必要性があるのか、その点について質問いたしまして終わります。
#96
○政府委員(杉山弘君) それでは、私どもの方からまずプログラムの重要性についてお答えを申し上げたいと思います。
 先生現地でごらんになったんだろうと思いますが、ここに持ってきておりますこれがフロッピーディスクと言われているものでございます。
#97
○梶原敬義君 それは幾らするやつですか。
#98
○政府委員(杉山弘君) 一つ十万ぐらいするそうでございます。
 ハードウエアとソフトウエアの重要性の問題でございますけれども、最近はハードウェア非常に技術進歩がございまして、値段等も大分下がってきております。最近私ども調査しましたところでは、コンピューター関係に要する費用のうちの六割以上がいわゆるハードウエア以外のソフトウエア、メンテナンスのための費用ということになっているようでございます。こういうことから、最近ソフトウエアの重要性というのが急速に認識をされ出してきたということであろうかと思いますし、これから中小企業庁から御答弁があると思いますけれども、中小企業の情報化に際しても、そういうソフトウエアの重要性に着目されて今回の改正というふうに相なったものと考えております。
#99
○政府委員(木下博生君) 地域情報センター、現在規模は平均して八人ぐらいの規模でございますので、今後これを強化していかなくちゃいけないわけでございますが、都道府県におきましては、財団法人形式、社団法人形式でこれを設置しておるわけでございますので、まず地元の方々からの拠金によってできるだけ自主的にその活動が強化されるようにお願いしたいとは思っておりますけれども、国としてもその事業に対してできるだけの御協力を申し上げるということで、今年度の予算ではすべてのセンターではございませんが、基金補助のために五カ所で七億五千万、一カ所一億五千万の基金補助金を出すことにいたしておるわけでございます。これと県から出た金等によりましてまず財政的基礎ができまして、それによって事業活動が円滑に進むように協力していきたいと考えておりますし、また各種の事業費に対する補助金も考えておりますので、そのようなことで、この地域情報センターが各地域における中核的存在として活躍できるように持っていきたいと考えております。
 それから、プログラムをこのたび中小企業近代化資金等助成法の対象といたしましたのは、今機械情報産業局長からも御説明申し上げましたように、今後情報化を進めていく場合には、ハードウエア、いわゆる機械の値段よりも、むしろプログラムの値段の方が高くなる傾向があるわけでございます。国全体として見ると、八対二というような割合でソフトの割合が高いというふうに言われておりますけれども、中小企業者が個々にコンピューターを導入する場合にも、相当プログラムの負担が高くなるということになるわけでございますので、プログラムだけを導入するということも今後出てくるわけでございますので、そういう資金負担の高いものについてやはり助成の必要があるだろうということで、今回沖小企業近代化資金等助成法の対象とすることにいたしたわけでございます。
#100
○委員長(下条進一郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時三十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十分開会
#101
○委員長(下条進一郎君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#102
○佐藤栄佐久君 情報促進に関して御質問をいたしたいと思います。
 コンピューターは十年で百倍の進歩をしてきていると聞いております。また、通信技術は人工衛星あるいは光ファイバー等により驚異的な発達をしてきております。この二つが結びついて高度情報化社会の到来を招きつつあるのは御承知のとおりです。そしてそれは、二度にわたる石油ショックにより日本沈没とまで言われ、二十一世紀に向かって希望というよりは世紀末の様相を見せていた日本の経済、産業にとりましても救世主であり、希望の星でもありました。また国民にとりまして夢を与えているのも確かであります。そしてその条件あるいは基盤づくりは、石油ショックによるダメージを省エネ等を通して何とか乗り切ろうとした国民の努力によって、図らずももたらされたものと私は考えます。
 さて、質問でございますが、その国民の夢の中に、情報化社会になれば三大都市圏あるいは大都市圏と地方の格差が縮まるのではないかと期待するものがあるわけです。地方においても末端機器を取りつけて在宅勤務をすればよろしいとか、テレビによる会議とかはその象徴的な考え方でもあります。また反対のことも考えられます。情報がますます都市に集中してきまして、より以上に都市集中化が起こるということです。通産省も、ニューメディアコミュニティー構想あるいはテクノポリス等々、地域開発に関しても、もろもろの施策を行っておりますが、高度情報化社会と国土づくり、あるいは地域格差についての考え方をお聞かせ願いたいと思います。
#103
○政府委員(大坪健一郎君) 今佐藤先生がおっしゃいましたように、情報化が非常に進展してまいりましたので、この情報化をどういうふうに我が国の全体的な発展に役立てるかというのが大変重要な通産省のテーマになっております。おっしゃいましたような中央集権的な状況の方がむしろ先行しております。本来、情報社会であれば全国的に同じような状況進展があるべきでございますけれども、ただいまの状況では、東京とか大阪のようなところに全体の約四六%程度のコンピューター利用が集中しているようでございます。したがいまして、地域の情報社会化と申しますか、そういったことのために通産省としては幾つかの政策を準備して、都道府県と協力いたしまして地域の発展を促そう、こういうわけでございます。
 一つは、仰せの中にございましたようなニューメディアコミュニティー構想というものでございまして、昭和五十九年度に八地域、六十年度に七地域ほど指定をいたしまして、それぞれの地域の最も個性的なテーマを中心にその活動を活性化する、こういうことに着手しようとしております。
 それから、御案内のとおり全国にございます通産局、これはブロックごとに置かれておりますが、この通産局で地域情報化ビジョンといったようなものを策定いたしまして、これを全体の情報化に資するために使っていこう、こういうことでございますが、これは実は本年度のこの間お通しをいただきました予算によって現実化する予定でございます。
 それから、これから御審議賜りますいわゆる民活法に基づきまして、コアシティー構想と申しますか、情報化の基盤になるような施設を地域地域に整備していただきまして、それを地域情報化進展のいわば拠点にしていこう、こういう構想が生まれて現実化しようといたしております。
 こういった政策を幾つか使いまして、仰せのような事態を全国的に活性化していきたい、こう考えておるわけでございます。
#104
○佐藤栄佐久君 情報処理振興事業協会、すなわちIPAにより昨年シグマ計画がスタートしたわけです。この計画は内外企業百二十五社が参画したソフトウエア生産工業化計画でありますが、この計画と新世代コンピューター技術開発機構との関係を質問いたします。実は三月十二日付読売新聞に次のような記事が載っております。ちょっと読んでみますと、
  日本電気は、十一日、コンピューターのソフトウエアを自動的に組み上げることのできる本格的な「プログラム自動生成システム」の試作開発に世界で初めて成功したと発表した。これまで、手作業による人海戦術≠ナ行っていたソフトウエアづくりが大幅に機械化できるので、プログラマーの人手不足問題の解決に大きな道を開くものになるという。十一日から東京で開かれている情報処理学会第三十二回全国大会で、金融機関向けに作った試作システムを発表する。年内にも実用機を開発し、社内で使うことにしているほか、将来はコンピューターを利用する企業にも販売する。
 このような記事が載っております。
 このシステム開発は、この記事の中で、新世代コンピューター技術開発機構による国の委託開発の一環として研究をしてきたとも書いてあります。シグマ計画の目的とも同じ趣旨の研究であると思われるわけですが、この二つのプロジェクトの関係について御質問いたしたいと思います。
 また、この計画には、ATT、富士ゼロックス、日本ユニバック等々外資系の会社も参加しておりますが、世界市場の六割を占めるIBMが参加しておりません。これはいかなる理由によるのか、あるいはこれから参加する予定があるのか、お聞きいたしたいと思います。
#105
○政府委員(杉山弘君) ただいまお尋ねの件でございますが、確かに最近日電がプログラミングの自動作成システムの開発に成功したという記事が出ております。これは、新世代コンピューター技術開発機構に同社が参画をいたしておりまして、開発中の第五世代コンピューターにおきますアーディフィシャルインテリジェンス技術を使ってのものということも言われているわけでございます。
 こういった民間での問題と、それから今お話のございましたLPAで行っておりますシグマ計画との関係でございますけれども、まずシグマ計画でねらっておりますのは、全国レベルでのソフトウェアの一貫した工業生産システムを開発しようというものでございます。日電が試作に成功したと言っておりますのは、全面的なプログラムの開発の自動化ということではなくて、その一部分についての自動化ということのようでございます。もちろん民間でこういう技術が開発されますことは非常に結構なことでございまして、私どもやっておりますシグマ計画での工業生産化システムの開発にも、こういった民間での成果というものが取り入れられるものなら積極的に取り入れてまいりたいと考えておるところでございます。
 それから、日電は第五世代コンピューターでの技術開発をもとにこのプログラミングの自動化システムに成功したと、こう言っておりますが、私ども今新世代コンピューター技術開発機構で開発をいたしております第五世代コンピューターは、十年の期間をかけてやろうと思っているものでございまして、いわば将来技術のベースになるものを相当長期間かけて開発をしているわけでございます。
 一方、シグマ計画の方は昨年度からスタートいたしまして、御案内のように五カ年計画でございますので、六十五年度には完成させ、しかも完成したものは直ちに実用的に使えるものを目標にいたしておるわけでございまして、したがって、そういう意味で二つの開発計画はフェーズに違いがあるわけでございますが、もちろん第五世代コンピューター開発過程での成果が、日電が使いましたように自動プログラミングに使えるというようなことになってまいりますと、我々としても今やっておりますシグマ計画の中にはもちろんそういう技術は十分に取り入れていきたい、こう考えているわけでございますが、いずれにいたしましてもこの二つの開発計画は直接的には関係のないものと、こういうふうに御理解いただいてよろしいのではないかと思っております。
 それから、その次に外資系企業のシグマ計画への参加のお話がございました。既にこの計画につきましては外資系企業、たしか八社でございましたか、参加をしていただいておりますが、まだIBM自身は参加をいたしておりません。ただ、私ども内々承知をいたしておりますところでは、IBM自身も参加の希望を持っているようでございまして、六十一年度にまた新しく参加企業を公募をしたいと思っておりますので、私どもといたしましては、その過程におきましてIBMの参加が実現することを希望いたしておりますし、こういう時代、世の中でございますので、日本だけでの開発ということじゃなくて、国際的な共同開発プロジェクトという性格もぜひ持たしていきたいと思っておりますので、そういう面からもIBMの参加については、我々としても歓迎をしたいと考えております。
#106
○佐藤栄佐久君 このシグマ計画が考えられ、そして誕生する段階で、五十九年三月には四十万人の情報処理技術者がおったわけです。六十五年度は百六十万人必要となるのに対して百万人の技術者になるので、約六十万人不足するということであったわけでございますが、現在それから二年余たっておるわけでございますが、現在の技術者は何人ぐらいになっており、そして六十五年度に対する見通しは、二年前の見通しとどのように変わっておるか、お答え願いたいと思います。
#107
○政府委員(杉山弘君) 二年前に、通産省が今後の情報処理開発技術者の需給関係について想定をいたしました段階では、現存の技術者が四十万人というふうに考えておりましたが、その後五十九年度の調査の結果では五万人ほどふえておりまして、四十五万人という数字を把握をいたしております。
 六十五年度に六十万人の人材不足の見通しというのを出したわけでございますが、この想定の前提といたしましては、これからのプログラム、ソフトウエアの需要というのが一体どのくらい伸びていくのか、それに伴って技術者の数が将来どの程度需要されるのかということをまず考えたわけでございます。その段階では、ソフトウェア業の年間の売り上げの伸びというものをもちまして、ソフトウエアの需要の伸びと同じというふうに想定をいたしております。その段階では年間二六%のソフトウエア業の売り上げの増加が実現しておりましたので、これからも同じテンポで二六%程度のソフトウェア業の売り上げ、換言すればソフトウエアの需要が伸びると、こう考えたわけでございます。
 その後、新しく五十八年度から五十九年度にかけましてのソフトウェア業の売り上げの伸びというのが出てまいりますと、これが四〇%という極めて高い伸びになっております。したがいまして、むしろ状況は、私どもが二年前に想定した過去の実績よりはもうちょっとテンポが一段と強まってきているような感じもいたしますので、六十五年度六十万人の人材不足というのはあながち過大なものではなくて、その程度のものはこのままでいきますとどうしても出てくるんではないかというふうに判断をしているところでございます。
#108
○佐藤栄佐久君 シグマシステム開発本部発行の「シグマニュース」というこういう創刊号がございます。このあいさつの中に「「生産者としてのソフトウェア開発者の地位の確立」。これが、Σプロジェクトの究極の目的」であるというふうに書いております。大変すばらしい目的だろうというふうに考えております。そして同じようにその文章の中で「しかし、ソフトウェア開発の大部分の現状は、未だソフトウェア技術者個々の技術力・知識に大きく依存した労働集約的形態を脱しておらず、これが、派遣労働、長時間労働といった問題を生み、ソフトウェア産業の自立の大きな障害ともなっています。」このようにごあいさつの中で述べられております。
 現在のプログラマーというのは、コンピューターばかと申しますか、コンピューターが好きで好きでたまらないといった、条件等余り考えないプログラマーによって支えられているのが現状ではないかと思います。私の友人等でも、一生懸命もう徹夜徹夜でコンピューターに張りついて、そしてコンピューターがあればもうコンピューターを操作しているというふうな友人もいるわけでございますが、これでは産業としては、先端産業あるいは高付加価値産業になる可能性はあっても、成長が将来的に余り期待できなくなるおそれがあるわけです。そういう中でのシグマ計画だろうというふうに考えるわけでございますが、その点に関して通産省で考えていることがありましたらお聞かせ願いたいと思います。
#109
○政府委員(杉山弘君) 御指摘のように、ソフトウエア業と申しますのは極めて労働集約的な産業でございまして、全体としての技術者の需給も先ほど御答弁申し上げましたような状況でございますので、どうしても仕事に追われる、そのために勤務時間が長くなることも顧みないというような傾向がかなりあるのではないかと心配をいたしております。私どもそういったソフトウエア業の労働条件の問題についても無関心ではおれませんので、私どもなりにいろいろ調査もいたしておりまして、労働省がお持ちの統計で全般的な動向等どうなっているかというようなことも突き合わせているわけでございます。
 今私どもの調査にあらわれました限りにおきましては、そう一般的な傾向と隔絶した悪い就業条件ではないようではございますが、これからますます技術者の不足状況というものが強まってまいりますと、楽観も許されないということでございますし、先ほど先生御指摘になりましたようなシグマ計画につきましても、ソフトウエアの機械的な生産、工業生産ということが目的でございまして、これが実現いたしますと、今のように仕事に追いまくられるという状況から技術者を少しでも解放することができるのではないか、こういうふうに期待をしているところでございまして、そのためにも一日も早く実用に供し得るようなものをつくり上げていくということが必要かと考えております。
#110
○佐藤栄佐久君 次に、情報処理サービス業電子計算機システム安全対策実施事業所認定制度についてお尋ねしたいと思います。
 この制度は情報処理業の建物やコンピューターに記憶されている情報の安全を守るために昭和五十六年制定された制度ですが、これに認定されるために防災や地震対策等で多額の投資をしているわけです。六十一年十月からは基準がまた厳しくなると聞いております。しかし、それに伴うメリットが余りないということも事実でありまして、認定事業所としての利点をはっきりさせなければ認定を受ける事業所の数は増加しないし、制度をつくった意味がなくなるのではないかと考えるわけでございますが、特に認定事業所としての税制、制度資金面等でどういう施策をしておるのか、あるいは官庁関係の仕事を優先して発注等をしておるのかどうか、その辺についてお聞かせ願いたいと思います。
#111
○政府委員(杉山弘君) 情報処理サービス業におきます安全対策の確保を図りますために、私ども安全対策基準という一つのガイドラインをお示しいたしておりますと同時に、そのガイドラインに沿った対策を講じておられるところを認定事業所として認定をいたしております。現在百七の事業所がございます。こういう事業所が認定を受けることによりまして、お客との関係で信頼のおける事業所であるという評価が得られることを期待しているわけでございますが、一部にはそういう効果もあらわれてきておりまして、地方自治体の中には地方自治体の計算業務の委託先については、通産省の認定を受けた事業所に限るべきであるというような運用をされているようなところもあるようでございます。
 ただ、これもまた必ずしも十分ということではございません。おっしゃいますように、認定を受けるためにいろいろ設備投資等もされなければいけない。それに対して直接的なインセンティブがないという面の御不満もございましたので、私どもささやかではございますが、六十一年度から日本開発銀行の融資をする際に、認定事業所等につきましては通常の金利よりも若干安い金利でお貸しをするようなことも開始をいたしております。これを手始めに、認定事業所についてのインセンティブの付与という問題についてはこれからも心がけてまいりたいと思っております。
#112
○佐藤栄佐久君 情報技術分野の進歩が著しく、情報化が急速に進展している現在、健全な高度情報化社会を実現していくためには、情報機。器やデータ等の間の自由な接続が重要であると考えます。また、国際的レベルで情報ネットワーク化が進展しつつある今日、情報機器やシステム間の自由な接続の確保は不可欠であると考えます。特にユーザー側においてその期待が強いと聞いております。
 先般、ISO、すなわち国際標準化機構の会長に日本人として初めて山下勇氏が選出されたこともあり、今後日本が世界の先頭に立って、国際的視野で情報分野の標準化に取り組むべきだと考えます。標準化の担当官庁である通産省としては、大型プロジェクトであるインターオペラブル・データベースシステム・プロジェクト等を実施しているようですが、情報分野の標準化に対する取り組み方を伺いたいと思います。
#113
○政府委員(杉山弘君) 情報分野におきます標準化の問題につきましては、日本工業標準調査会という通産省の附属機関がございまして、ここが昨年通産大臣に対しまして情報関係の工業標準について建議をしていただいております。その中では、情報関係の標準化を促進すべしということ、及びその標準化に当たっては国際的な標準との十分な整合性を保つように、こういうことでございます。
 私どもといたしましては、こういった工業標準調査会の建議に対応いたしまして、これからも積極的に工業標準問題を特に情報の分野で進めていきたいと考えております。
 また、国際標準との調整の問題につきましては、ISO、国際標準化機構等の国際的な標準機関との連絡を日ごろから密接にいたしておりますし、また最近では、政府間レベルで情報通信分野の標準化の推進に関しまして、日・ECの間で第一回の会合も持っております。また業界間でもそれぞれ相当の組織がありまして、この間の連携についても密にしていただくようにお願いもいたしております。こういったことを含めまして、情報関連技術につきます標準化の問題については、これまで以上に私ども今後力を入れていく必要があるというふうに考えているところでございます。
#114
○佐藤栄佐久君 情報化社会が進むと、考えられないような犯罪がいろいろ現出しておるわけです。また、物の価値と全然違う価値が存在してくるわけでございますので、そういう面でも余り悪いことをしていないというような感じての犯罪も出てくるわけでございます。そういう意味で、過日、公益法人の軽自動車協会の一千万台のデータ盗難という犯罪がございましたけれども、これは通産省にお聞きするのがいいのかどうかは別にしまして、こういう犯罪に対しての通産省としてのコメントをいただいて、最後の質問にいたしたいと思います。
#115
○政府委員(杉山弘君) ただいま御指摘のございました社団法人全国軽自動車協会連合会の持っておりますデータの漏えい問題につきましては、現在捜査当局の手によりまして事実解明の努力がなされておるわけでございますが、これに関連をいたしまして、私ども新聞で報道されました自動車会社から事情聴取をいたしましたところ、昭和五十二年まではこの連合会から、自動車会社はデータをすべて提供していただいておったようでございますが、プライバシーの保護の問題等もありまして連合会が公表を差し控える、こういうことになったようでございます。
 ただ自動車メーカーといたしましては、製造にふぐあいがあってリコール等をやりました場合に、それを円滑に進めるためにもこういうデータが必要だということで、自動車工業会と連合会との間のお約束で、各社がそれぞれ自社の分について提供したデータについてはもう一度フィードバックをしていただく、ただし、相互の間でこのデータの交換はしない、こういう条件つきで連合会からデータをいただいておったようでございますが、残念なことに、何社かの間でそれぞれいただいたデータの交換をしておった、こういうことのようでございます。それで、それも五十八年に問題になりまして、それ以降は中止をしておったということのようでございますが、どうもそういうことを背景に、どうしても仕事上欲しいデータというようなことがありまして、今回どういう経緯か存じませんが、データが外部に漏れたということのようでございます。
 私ども、自動車業界に対しましては、こういった約束を守らないということ自身は極めて遺憾なことであるということで、本日もきつく注意をいたしておりますが、情報化時代になりますと各種のデータが外部に漏えいされ、思わぬ問題を引き起こすというようなこともございますので、やはりプライバシーの保護の問題なり、先ほどもお尋ねのありました安全性の問題ということについては、さらに力を入れていく必要があると考えるわけでございます。
 この問題につきましては、通産省だけで対応するということはなかなか難しゅうございますので、各省庁挙げてこれに取り組むということで、役所側が持っておりますデータに関するプライバシー保護の問題につきましては総務庁が中心になり、またコンピューターの安全問題につきましては、情報処理の安全問題につきましては内閣審議室が中心となりまして、各省庁との間の連絡会議を鋭意進めているところでございまして、大体今までの議論でかなり方向も出てきたと思っております。通産省もその一員として参加をいたしておりますが、こういう場を通じて積極的にこれからも努力をしてまいりたい、かように考えております。
#116
○杉元恒雄君 一番先に、先ほどお話に出ましたIPAの中小企業向け汎用プログラムの開発についてお尋ねしたいと思います。
 きょう私質問させていただきますのは、いずれも中小企業に向けての質問に絞りたいと思います。したがって、そういうところに焦点を合わせて御答弁をいただきたい、こう思っているわけです。
 大部分の中小企業は、人材や資金が十分でありませんから、ソフトウエアを自分が開発する、あるいは金を使って他に委託して開発をする、こういうことが大変困難であります。このことから、俗に言えば大部分のこういった中小企業は、いわばソフトウエアのオーダーメードを手にするという、そういう実力がございません。したがって、言ってみれば既製品に期待する、こういう意味で、情報化の進展に対応していかなければならない中小企業が、IPAの汎用プログラムに期待するものは日増しに大きくなってきております。この要望にこたえるために、通産省も、IPAはもちろんでありますが、その責任がだんだん重くなってくるわけでありまして、我々の期待にぜひこたえてほしいと、こういうふうに思っております。
 IPAは、四十五年の十月に発足いたしましたが、汎用プログラムの開発にずっと努力をして成果を上げてきております。三年前から中小企業向け汎用プログラムを開発してきているわけでありますが、その内容と申しますか、状況というか、どのくらい強く中小企業に関心を向けてやってこられたか。また、実際に具体的に中小企業のためにこういうぐあいに役に立ちましたよ、こういうことを話していただきたい、こう思うわけであります。これが一つでありますが、それで御答弁いただきましょうか。
#117
○政府委員(杉山弘君) 情報処理振興事業協会、IPAにおきましては、お話のように、五十八年度から中小企業の方々に比較的手軽な料金でソフトウエアの御利用をいただけるようにということで、中小企業向けの汎用ソフトウエアの開発をやってまいりました。これまで三年度にわたりまして毎年度十五件ずつ開発を、六十年度は十六件でございますので、三年度にわたりまして四十六件の開発をいたしました。既に五十八年度及び五十九年度最初の二年度間に開発をいたしました三十件につきましては、御希望がある中小企業の方々にそれをお使いいただくということにいたしておりますが、現在までのところ延べ三百二十四件御利用をいただいております。
 内容につきましては、中には相当多くの御利用をいただいたのがありまして、あるプログラムにおきましては百二十四の中小企業の方々から御利用いただいているのもございます。
 こういった開発の成果につきましては、なるべく広く中小企業の方々に御利用いただくことが必要かと考えておりまして、私ども地方公共団体なり中小企業団体とも連携をいたしまして、説明会をやりましたり、また実際にソフトウエアを使うプロセスを見ていただくということで、デモンストレーションなんかもやっておりますが、今後は開発だけではなくて、こういった普及の面につきましても力を入れて、広く成果を中小企業の皆さんにお使いいただくようなことで努力をしてまいりたいと思っております。
#118
○杉元恒雄君 今回の中小企業指導法の改正と情報処理促進法の改正の趣旨は、いずれも中小企業の情報処理システムの導入に大きく寄与するものだと存じます。これによって、IPAは今後中小企業向けの汎用プログラムの開発、普及のために大きな力を発揮してくれることを期待しているわけでありますが、さて、開発したプログラムが具体的に現場で活用されて、初めてこの施策が生きてくる、こういうことだと思います。
 一方また、今回中小企業指導法の改正によりまして地域情報センターはより大きな力を与えられる。そこで、この地域情報センターは、今日の中小企業の情報化対応に関する要望あるいは表に出ているものだけじゃなく、積極的に潜在的なものにも目を向けて、そうしてそれを、ニーズのあるものをIPAに連絡をする。IPAはそれを尊重して、研究開発をしっかりやってもらう。同時に、地域情報センターは、IPAの持っておるソフトについてしっかり自分のところの情報を持っておって、それによって中小企業が汎用プログラムを利用できる、活用できるように、いわばきめ細かい努力をしてもらいたい。両者がそういう意味で連携を密にしてもらいたい、こういうように思うんですが、いかがでございますか。
#119
○政府委員(杉山弘君) 今回、中小企業の情報化促進のために今御提案申し上げておりますような法律改正をお願いしているわけでございますが、そういうような環境にもなってまいりましたので、私どもといたしましては、IPAのやっております中小企業向けの汎用プログラムの開発事業につきましては、これまでも中小企業者のニーズの把握についてはそれなりに努力をしてきたつもりではございますけれども、今回の法律改正に関連いたします中小企業情報センター、さらには指定法人、そういった中小企業関係の情報化について、それこそ情報を持っておられる団体との連携を密にして、中小企業の情報化についてのニーズがどこにあるか、またどういう汎用プログラムの製作を求めておるかということをまず十分伺い、またその結果開発したものについては、こういうものがありますので、できるだけ御利用いただきたいという、お使いをいただく面でのPRも、またこういったセンター等にもお願いをしたいと考えておりますので、できましたら、中小企業情報センター等とは定期的な連絡の機会等もつくって意見交換、情報収集をやっていきたいと、かように考えております。
#120
○杉元恒雄君 中小企業庁の方々の意気込みはどうなんですか。
#121
○政府委員(遠山仁人君) 中小企業の多くは、みすからプログラムを開発したりすることがなかなかできないわけでございまして、汎用プログラムで使いやすいものを利用していくというのは非常に重要でございます。そういう意味で、情報処理振興事業協会の方で開発をしていただきます中小企業プログラムは非常に重要でございます。
 先生の御指摘の中小企業地域情報センターは、通豊から中小企業に対しまして情報提供等いたしておりますが、これから中小企業の情報化についてより大きな役割を果たしていくことが期待されているわけでございますので、そういった中小企業からの相談等も踏まえまして、中小企業が真に求めているプログラムを、IPAの方でも開発していただくようにお願いをしたいと思っております。
#122
○杉元恒雄君 ありがとうございました。
 その次に参りたいと思います。
 中小企業事業団の高度化事業について、昨年から、コンピューター導入に伴うソフトウェアの開発、取得をその貸し付けの対象に加えております。今回は、このソフトウエアについて近代化資金等助成法の改正によって対象にすることになるわけであります。
 御承知のように、ソフトはハードと一体になって使用されるものでありますから、これらの措置は、今日の中小企業が情報化に対応していくために強く求めていたもので、それにこたえるという意味でも極めて適切な施策であると思うのであります。私はなお、今度の改正は、中小企業の情報化の進展に対応していく、こういう中で行われたものであるけれども、その奥には、やはり今、国の内外から求められておる内需拡大ということにずっとつながっていると思うわけであります。そういう意味からも、時宜に適したものだと評価しているわけであります。
 そこで、同様の趣旨から、税制面の助成措置としてメカトロ税制の対象にソフトウエアを加えてはどうか、またさらに、このほかにも対象機器の拡充を考える時期に来ている、こう思います。
 そこで、伺いたいわけでありますが、このことについては、既に衆議院商工委員会で議論されましたが、その際に大蔵省は、財政上の理由ということから否定的な答弁をしておるように、議事録を通じまして見受けられます。私があえて主張したいのは、このメカトロ税制もまた民間の投資を活発にする、そしてやはりその奥につながるものは内需拡大というところにずっとつながっているということになりますと、先ほど申し上げたこととおおむねルーツは同じであって、ただ単に財政的にこういうときだからということでなく、一歩そこのところへ突っ込んで見直してもらいたい。そういう意味で、ソフトを今度はメカトロ税制の対象にする、またあわせてお願いするわけでありますが、情報化関係のそのほかの機器についてもひとつ御検討をいただきたい、こう思いますが、御答弁をそれぞれにいただきたいと思います。
#123
○説明員(塩田薫範君) ただいま先生から御指摘のございましたメカトロ税制でございますけれども、中小企業の事業の高度化に資するということで、厳しい財政事情のもとで中小企業に対する精いっぱいの配慮ということで、御承知のように昭和五十九年度の税制改正において創設されたものでございます。御指摘のように、対象の施設としては、電子の特性を高度に利用した機械あるいは装置、そういったものに限定しておりまして、コンピューター等は対象としておりますけれども、御指摘のようにプログラムは対象にしていないということでございます。
 こういうふうに現在の制度がなっておりますのは、中小企業の設備の近代化あるいは事務処理の効率化等、そういったことに必要な機械の設置を促進するために設けるということでございますが、先生今おっしゃいましたように、財政的に乏しいといいますか、厳しい状況にございますので、そういう制約条件の中で、できるだけ幅広く中小企業に利用していただけるような電子機器利用設備を対象としたということでございます。そういうことで、政策目的にかんがみまして、機器に限定したということでございます。
 なお、先生御指摘の対象設備といいますか、対象を拡大してはどうかということでございますけれども、今回の改正によりまして、厳しい財政事情のもとではございますけれども、対象設備の拡充をしているところでございますので、御理解をいただければ幸いでございます。
#124
○政府委員(遠山仁人君) メカトロ税制につきましては、今もお話がございましたけれども、情報化の進展に対応しまして、中小企業がメカトロ機器あるいはコンピューター等の導入を促進し、その生産性の向上あるいは経営の近代化等を図りますために必要なことでございますし、また、中小企業の設備投資の促進にもなるわけでございます。それを通じまして内需拡大にも結びつく、こういうものでございまして、私どもとして、中小企業のそういう近代化等におきまして非常に重要な税制である、こういうふうに考えておるわけでございます。
 今もお話がございましたが、六十一年度の税制改正におきまして、その適用期間を二年延長しますとともに、メカトロニクス機器、新しい装置等を含めまして、三十一装置を新たに追加をして拡充をしたところでございます。こういう状況でございますので、技術革新の進展に伴いまして対象設備の見直し等は今後とも進めてまいりたい、こういうふうに思うわけでございます。
 なお、ソフトウェアの問題でございますけれども、ソフトウエアの問題につきましては、税制上の取り扱い等、種々の問題がございますので、その対象に含めるということにつきましては難しいのではないかというふうに考えております。
#125
○杉元恒雄君 なかなか難しいことのようでありますが、私の申し上げたところをひとつ御理解いただきまして、それぞれよろしくお願いしたいと思います。
 先へ進まさせていただきますが、このごろ第二次流通革命という言葉が時々耳に入ってくるようになりました。前に流通革命という言葉が出てまいりましたが、そのときは、高度成長期で、大量生産、大量販売、大量消費というような中であったわけであります。そして、このことは、量販店とメーカーとが直接つながってやっていく、あるいは小売業が協同組合をつくって、ボランタリーチェーンなんかをつくりました。そういう動きがございまして、その中で小売が協同組合の協同購入を進めていく、こういう中では、問屋はどうなんだと、問屋の価値が、卸売の価値が非常に低くなってきたというような経験をしております。
 今日、再び一部の識者から問屋無用論というようなものが指摘されるようになりました。今回の背景は、言うまでもなく情報化の進展とかかわり合っているわけでございます。これからの卸売業者は、物流のみを扱う、それでいいという消極的な姿勢でなくて、もしそういうようなことでありますと、その企業の発展が望めないばかりじゃなく、その卸売業は競争場裏から脱落していくおそれさえあるというように、今の経済社会はそう進んでいる、こう思うわけです。
 ここに通産省の産業政策局商政課が編さんしました「情報武装型卸売業ビジョン」、副題に「情報ネットワーク社会における卸売業のあり方」という冊子がございます。この中で、情報武装型卸売業についてこう書いてあるわけです。「「情報武装型卸売業」とは、オンライン・ネットワークを構築し、コンピュータを高度に使いこなし、「モノ」を販売するだけでなく、ネットワークにより収集・蓄積される「情報」や、補充発注等の「システム」を販売する卸売業」のことですと、こういうふうに書いてございます。これは高度情報化社会に向かって進んでいる現実、この中にあって激動する経済環境のもとで、卸売業はこれからどうあるべきか、どうやっていったらいいかということを非常に丁寧に示してくれておると思うのでございます。
 私も考えますのに、卸売業が生き残るためには、私は、具体的には得意先である小売業に対して、ただ物を売ればいいということでなく、有効な情報を持ってその小売業を指導する、あるいは小売業の先にある消費者、これは今日の姿ではもうニーズが多様化し、個性化しておるわけであります、そのニーズをくみ取る、あるいは商品に関する情報を小売業が消費者に提供する、こういう関係に立って、小売業を、自分の得意先、そこまで体を運んで、突っ込んで引き出していく、そうじゃないというと、卸売に対する存在価値というのがなくなってきて、したがって企業の発展は望めない、こういう時代に来ている、こういう認識に立っているわけであります。
 そこで一方、小売業者の多くは情報化の進展に関心は持っていて、不安も持っております。何しろ情報化の問題は、耳にはたくさん入る、このままでいけば、近所は、競争の相手になるものはどんどん武装化してくる、こっちの方はおくれてしまう、そういう心配を持っているわけですね。時間がないので結論だけ言わせていただきますが、私は、一つ提案させてもらいたいと思うのは、卸売がホストコンピューターを導入するようになって、そしてそのお得意である小売業がグループをつくって、そしてPOSとかEOSとかいう末端の機器を導入させて、そして卸売とオンラインを結ぶ、こういう方向に進んでいくことが望ましいし、そうなってくるだろうと思うんだが、こういうときには、例の地域情報センターが高度化資金を導入してリースをやるという考えが出てきているわけですから、情報アドバイザーの制度とも絡んで。そういうときにはそれをひとつ対象にして助成してやってほしい、こういうことを提案したいんですが、御答弁をいただければ幸せだと思います。
#126
○政府委員(遠山仁人君) お話しのように、最近の消費はニーズの多様化あるいは短サイクル化という、非常に多様化した形になっておりまして、昔とは違った消費の形態でございますし、また生産の形態もそういうニーズに合わせた形でいかなければならない。また、それに合わせまして、流通部門におきましても従来とは違った流通が求められているということは御指摘のとおりだと私も思うわけでございます。
 そういう中で、情報化が非常に進展をしているわけでございまして、お話もございましたけれども、情報ネットワークの進展によりまして卸売業が新しい行き方をしていかなくちゃならないということでございます。従来とも卸売業が、メーカーから小売に移ります流通の中心にありまして、情報というものを非常に把握し得るところにありましたけれども、別の、その他の業種におきましても、情報化をてこにしまして、卸売が持っておりました情報機能みたいなものもこれからやっていく、こういうふうなことで、卸売自体の行き方も新しい行き方が求められておるわけでございます。そういう中で情報化が進んでおりまして、情報化も情報ネットワーク化の時代でございます。
 御指摘のように、卸売業が小売業とオンラインのネットワークを結ぶというのは、受発注業務の合理化のためばかりではなくて、小売業に役立つ情報の提供等につきましても非常に重要なことだとは思っております。
 御提案いただきましたそういう手法、つまり中小の卸売業と小売業の情報ネットワークを具体的にどういうふうに結ぶかということにつきまして、中小企業地域情報センターがいろいろ指導、調査等を行ったり、あるいは高度化資金を活用して具体的にどういうふうに進めたらいいかというような方策につきまして鋭意検討してまいる所存でございます。
#127
○杉元恒雄君 時間が半端になりましたから、これで終わります。
#128
○田代富士男君 実は、法案の審議の前に今日的な問題といたしまして、撚糸工連の質問を大臣にする予定でございましたが、大臣が本委員会へおいでになる時間が十五分ぐらいおくれられるということでございます。大臣がおいでになるまで法案の質問をいたしまして、法案質問の途中でございますが、大臣が御出席になりましたならば、撚糸工連の質問に一部移させていただいて、それが終わりましたならば、本法案の質問へ入らせていただきたい 前もって御了解を得ておきたいと思います。
 最初に、昨今世間では、序く情報という言葉が飛び交っておりますけれども、この情報化の推進が本法案の大きな目的でもあると思っております。この際、情報化の定義を私は明確にしておきたいと思うものでございます。
 というのは、なぜかといえば、大半とは言わないまでも、一般の中小企業者にとりまして、情報化というものはすなわち情報機器を導入することであるというような考え方をされていることであります。私はこの情報化というのは、機器導入、それもそうかもしれませんけれども、それに先立ちまして、この情報の機器依存度やあるいは情報機器化によるメリットの分析などの前提条件の把握あるいは整備が必要ではないかと考えますので、まず最初にこの情報化の意義、また中小企業にその前提条件は整ったとお考えになっているかどうか、ここからお尋ねをしてまいりたいと思います。
#129
○政府委員(木下博生君) 現代社会におきましては、コンピューターが非常に広い範囲で使われるようになってきておりますが、大企業分野と中小企業分野を比較しました場合に、中小企業分野においてコンピューターの利用がおくれているというのも、また私どもの調べたところでも事実でございます。
 問題は、今先生御指摘のように、情報化というとすぐコンピューターという機械を入れることを考えがちになるわけでございます。これは従来中小企業者がいろいろ事業をやります場合には、まず設備を入れるということを考えるということをやって、それを工作機械であろうと何か物をつくる機械であろうと、そういう形ですぐにそういうことを考えてやっておったわけでございますから、情報機器の場合でも同じような考え方に基づいてまずコンピューターを入れるということを考えてやっておるわけでございます。
 ところが、現実にはいろいろ聞いてみますと、コンピューターは入れてみたけれどもうまく使えない。したがって、入れたものが半分はほこりをかぶっているというようなところもあるのも現実であります。もちろん中小企業者の中には、うまくコンピューターを使って工場の近代化をやり、自動化をやりというようなことをやっているところもございますけれども、必ずしもすべての中小企業がそういう状況ではないということが言われております。それは一つは、コンピューターを入れます場合に、コンピューターを入れればそれが自動的に動いてくれて、会社のためにやってくれるという期待感で入れるんでしょうが、コンピューターは機械よりも、むしろそれをいかにして使うかということにあるわけでございまして、使うことの重要性、言ってみればそのコンピューターを動かすソフトウエアがどういうものがあって、それをいかに自分が使いこなすかというところの重要性についての認識が十分でなかったということもあろうかと思います。
 また、コンピューターメーカー、売る方も責任の一端を担っているのかもしれませんが、何しろ機器を売り込むことを中心に物事を考えているということで、実際に買った人たちがそれをいかに有効に会社のために利用するかということについてまで十分なアドバイスを与えていないというようなところもあるような気がするわけでございます。そういうような反省があって、入れたけれどもうまく使えないという声を私どもよく聞きますものですから、むしろやはり中小企業者の方々にとってはコンピューターというものがいかなるものか、また、そういうふうにハードよりもむしろソフトの方が重要なんだということを十分認識した上で、その上でその企業に合った機械を、コンピューターシステムを入れていくということが重要ではないかと考えるわけでございます。
 そういう意味で、普及、啓蒙というのが極めて重要だと私ども考えておりまして、地域情報センターにおいて、地方における中小企業者の方々にコンピューターに関する知識を十分に与えていく。それから、必要に応じて研修等の業務も行っていくというようなことで、コンピューターに対する知識を高めてもらった上で、その企業に即したコンピューターを入れていただければ、必ずやそのコンピューターはその企業にとって有効に使われ、企業の発展のために役立つものになるだろうというふうに考えるわけでございます。
#130
○田代富士男君 中小企業の情報化について、例えば中小企業白書などに見られますように、社会のあらゆる面で情報の重要性が飛躍的に増大しているのに比べまして、この機器の利用率やオンライン化率が低い、そういう立場から直ちに情報化が立ちおくれをしているというような、こういうことが言われておるわけでございます。しかしそこには、中小企業にとって何ゆえに情報化か、あるいは情報機器導入が必要なのかという、言うなればベーシックな分析がなされていないように私は思うんですけれども、この辺の認識はいかがでございますか。
#131
○政府委員(木下博生君) まさに先生御指摘のとおりだと私どもも考えております。工場設備を動かすのにコンピューターを使っていくということになりますと、工場設備全体がうまく動くように仕組みをつくっていくわけでございますから、比較的目的もはっきりするわけでございますが、会社の経営あるいは取引にコンピューターを使っていくというようなことになりますと、十分にコンピューターを使ってどんなことをするのかという点についての意識がはっきりしていないと、宝の持ちぐされになってしまうということかと思います。
 コンピューターをうまく使って、例えば流通業の場合でございますと、在庫管理あるいは売れ筋情報を十分に早くつかむというような意味でうまくコンピューターを使っていけば、会社の、企業の経営に非常に有効になるわけでございますけれども、何となく機械を入れてワープ債みたいな格好に使っていくとか、あるいは単に会社の売り上げの統計がなんかをつくるだけに使ってしまうというようなことで、またそれを会社の経営の実践にうまく活用していくという面が足りない面も多いだろうと思います。そういう点で、私どもも、中小企業者の方々に対して十分今後とも指導、啓蒙等をやっていく必要があろうと思っております。
#132
○田代富士男君 日本情報処理開発協会の産業情報化動向実態調査によりますと、中小企業におきましては、「情報化について検討を行ったことはない」とする回答が二四・一%、こういう数字、約四分の一出ております。この四分の一近くもの中小企業者が、検討すら行ったことがないというのであるならば、この政府の情報化施策が十分であるとは考えられないのではないかと私は思うのであります。
 また、このような実態のままでは、今回趣旨説明でも述べられておりますし、同僚の質疑を通じても指摘されておりますが、この法改正が行き届かぬものになりはしないかという心配が私はありますけれども、この点はいかがでございましょうか。
#133
○政府委員(遠山仁人君) ただいま先生の御指摘の日本情報処理開発協会の調査で、御指摘のような数字があるわけでございますが、ただ私どもといたしましては、中小企業は非常にいろいろな業種、業態、それから経営規模、経営サイズもいろいろでございます。零細な中小企業もあるわけでございまして、そういうふうな全体の中で、今お話のような二四。一%が「情報化について検討を行ったことはない」、こういうふうに回答しているわけでございます。
 私どもの方としては、むしろ「情報化について検討を行ったことがある」というのが四社に三社、零細なところも含めまして四社に三社が検討を行ったことがあるという回答の方に着目しまして、むしろ中小企業の情報化についての意識と申しますか、関心は非常に強いんじゃないかなと、こういうふうに思っているわけでございます。いずれにいたしましても、そういう関心はそういう数字で示される程度のものでありましても、具体的に、それじゃ中小企業がそういうものになじめるか、情報化になじめるかと、こう申しますと、なかなかそうではない面があるわけでございます。
 こういった状態になる原因といたしましては、やはりそういう機器の扱いが難しい、あるいは人的な知識、人材等がそぐわないというふうな面があるようでございまして、情報技術の進展に伴いまして、コンピューター等の機器が安くなったりあるいは使いやすくなる、そういったことも必要でございますし、それから、そういうものになじめるような中小企業側の対応も期待されるわけでございまして、したがいまして、先ほどからもお話が出ておりますが、情報化に対します知識を高め、あるいは円滑にそういうものになじめるように普及、啓蒙策を進めていくということが必要なのじゃないか、こういうふうに思っております。
#134
○田代富士男君 ただいま御答弁にありましたとおりに、監督官庁といたしましてこの知識を高めるように努力をされていることは事実でありますけれども、同じ調査によりますと、中小企業が情報化に対し「不安を感じている」という回答が六〇%の数字が出ております、御承知のとおりでございますが。その内訳は、「情報化への対応の仕方がわからない」とするものが二九%、また、「情報化を進めるための人材の確保・育成ができていない」とするものが二三%あります。しかし、これはいずれも同じ不安でありましても、最初と役との二者の間では大きな違いがあります、今数字の面から指摘したとおり。一方では情報化に対し全く何といいますか、五里霧中であるというものに対しまして、もう一つの方は問題点をしっかりと認識している。言うなればこのような二極化に対しまして、情報化施策におきましてもそれぞれ異なった取り組みが考えられるべきではないかと思いますけれども、この点はいかがでございましょう。
#135
○政府委員(遠山仁人君) ただいまのお話にございましたように、「不安を感じている」というのが六割でございますが、「対応の仕方がわからない」とか、あるいは「人材の確保・育成ができていない」というのが二割から三割、こういう状況でございまして、それ以外の方々、不安なんだけれども、その不安の原因もなかなかわからないというふうな中小企業の方もおられるんじゃないか、こういうふうな感じがするわけでございます。したがいまして、中小企業は一般的に申しまして知識、人材が不足している、特に情報化になじむような知識、人材が不足しているということでございますので、きめ細かな相談、指導、あるいはそういう中小企業のレベルに即したような形での人材の養成、そういうのが必要なんじゃないかと思います。
 具体的に申しますと、中小企業地域情報センターが、中小企業にわかりやすくそういう情報化についての啓蒙、普及をいたしましたり、あるいは相談に応じたりすることが必要でございますし、それから中小企業大学校等におきます中小企業者に対するそういう人材の養成等もいたしていく必要があるのじゃないか、こういうふうに考えております。
#136
○田代富士男君 ただいま御答弁がありましたとおりに、中小企業は知識、人材が不足をしている、そういう意味できめ細かな相談が必要である、こういう御答弁でありますけれども、私もそのとおりではないかと思います。
 そういう立場から、この情報化とは何か、あるいは情報化の必要性、さらにいかに情報化を推進するのか、するのがよいか、こういう問題点等、より基本的な面で相談に乗るシステムが中小企業者から必要とされておりますけれども、現行の中小企業情報化施策の中でこうした役割を担っているものはあるのか、あわせて今後の中小企業に対する情報化の啓蒙をどのように考えていらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。
#137
○政府委員(遠山仁人君) ただいま御指摘いただきましたようなこと、非常に重要だと私ども考えでおりまして、中小企業の情報化を具体的にどのように進めたらいいか、どういうふうなやり方か中小企業に効果的なのかというふうなことを非常に検討する必要があるということで、実は私ども、一昨年から昨年の六月にかけまして、中小企業近代化審議会の中に分科会を設けまして、そこでいろいろな御検討をいただいたわけでございます。その検討結果によりましても、今御指摘のございましたように、中小企業が業種、業態いろいろでございます。経営サイズもいろいろでございますが、そういうものに応じまして情報化を、例えば事務処理の合理化とか自動化とか、そういうふうな形で使うのか、それとももう少し経営戦略的に使うのか、そういったような情報化の目的あるいは進め方につきましても、できるだけやりやすいところから段階的にやっていくとか、そういうふうなことを御検討いただいたわけでございます。
 そういうふうなものをベースにいたしまして、先ほど申しました中小企業地域情報センター、それから中小企業事業団に設けております中小企業OAシステムセンター、そういったところを通じまして、そういう中小企業者に対しまして基礎的な相談に乗れるようなきめの細かい相談体制をこれからもより充実していく必要がある、こういうふうに考えているところでございます。
#138
○田代富士男君 渡辺通産大臣がお見えになりましたから、最初お願いしましたとおりに、今日的な問題であります撚糸工連事件に対しましてちょっとお尋ねをしたいと思います。
 渡辺通産大臣も御存じのとおりに、今回の事件というものは、もう昨日のテレビ、新聞等を通じまして、政界絡みの様相を呈してきております。今後の展開は現在のところ予断を許しませんけれども、いずれにいたしましても、まことに残念なことと言わねばなりません。憲法にも明らかなように、すべての公務員は全体の奉仕者であって一部の奉仕者ではなく、その使命はまことに重大であります。その重大塚使命を忘れまして私利私欲に走る者がいるとするならば、それを指導監督する者の責任もまた重大であります。
 渡辺通産大臣は、政治家としてまた通産省という省の長たる大臣として、日ごろよりどのように心がけ、またどのように指導されているのか、まずお聞かせいただきたいと思います。
#139
○国務大臣(渡辺美智雄君) 四月十六日に、撚糸工連事件に関連をいたしまして通産省の職員が逮捕をされました者が起訴をされるということになりまして、まことに残念至極に存ずる次第でございます。
 当省といたしましては、今回のこのような事態は至ったことを改めて厳粛に受けとめ、さきに設置をいたしました綱紀問題委員会におきまして検討を進め、一層綱紀の粛正に努めてまいりたい、そう考えておることでございます。いずれにいたしましても、公務員としては常に身を慎んで、いやしくも国民の疑惑を招くことのないよう心がけていくべきであると考えております。
 今後とも、国民の信頼を回復するために、全省を挙げて努力してまいりたいと存じます。
#140
○田代富士男君 そこで、政府が、この厳しい財政事情にもかかわらず、撚糸など不況産業に対しまして金融あるいは財政上種々の対策を講じるのは、関係業界の窮状を救い、ひいては国民生活に不安を与えないようにするものであります。このことは私も理解をいたします。それだけに、この関係業界の指導者には自戒自重を望むところであります。今大臣もちょっと申されましたけれども、私はこういう立場からも通産大臣としての所信を再度お尋ねしたいと思いますが、いかがですか。
#141
○国務大臣(渡辺美智雄君) まさに田代委員がおっしゃいましたように、非常に窮乏した財政事情の中にあって不況産業である、その原因が過剰生産だと。これは本来からいえば、自分たちだけで、私企業でありますから当然に自分たちで話し合いをして生産調整をするというのが、私は自由社会における原則だと思います。しかしいろんな諸事情があって、政府としては温かい手を差し伸べてやろうというようなことから、政府資金を出してその過剰施設を買い取って、それでお金を払ってやると。しかも過剰施設を買い取るに当たりましても、簿価の何倍とか時価の半分とかいって、実際それだけの高い基準を本当に出す必要があったのかどうなのか、私自身今まで不勉強でよく知っておらなかったものですからなにですが、ちょっと甘過ぎたんじゃないかという感じもいたします。
 さらにそこに今度は悪乗りをして、それで正規の織機でないものと差しかえてしまうというようなことは、まさに詐欺まがいみたいな話でございまして、これは国民の税金で本当に困った人を面倒見ようという、国会並びに国民を代表する政府の意図したところよりもはるかにまずい結果に、結果的にこれなっちゃったわけでございますから、構造的な問題も私は非常にあるんじゃないかと。そういうような観点も踏まえまして、これはそういうことのないように厳重にやっていく必要がある。だから、制度の存廃も含めて、これは一遍本当に根本的な洗い直しをしないというと、とても責任が持てないというようなことに発展しかねないわけであります。
 特に業界の方は、信頼の関係において、これはもう本当に経済援助みたいなものですよね、ある意味では確かに。ですから、そいつが裏切られるというようなことになったのでは、これは大変な問題なんです。したがって、これは本当にそういう趣旨をよくわきまえていただいて、国民がみんなで協力してそういう窮状を、本来自分たちだけでやるべきものを、国民の税金で協力をして救ってやろうということをやっているわけですから、それらの点もよく趣旨を理解をして当たっていただきたかった。今後そういうことを仮に洗い直した上でやるとすれば、一層その趣旨を徹底をして、業界の方に厳粛に私は申し渡す必要がある、そう思っておるわけでございます。
#142
○田代富士男君 今、渡辺通産大臣が、大臣に就任するまでは余りこういう具体的な問題については知らなかったけれども、これは非常にまずいことであるし、悪乗りしたものであるし、こういう困った人を、本来であるならば自分たちで立ち上がらなくちゃならないのを、経済援助というような立場ともいうべき国民の税金でやろうという趣旨を間違えて、こういうことをやったということは許されないことである。構造上の問題がある、制度上も根本から洗いざらいやっていかなくちゃならない、今大臣の御答弁でございました。私もそうしなければならないと思うんです。
 そこで、撚糸工連がこのような事件を起こしまして私思うのは、国民の目がそちらに向いておりますけれども、忘れてならないことは、今申されたとおりに撚糸工業界全体のことではないかと思うんです。だから通産省はこの業界の現状を洗いざらいするとおっしゃるけれども、根本から、構造的な問題だからやるとおっしゃるけれども、現在どこまで掌握していらっしゃるのか。今申されるとおりに私はお聞きをいたしましたが、そういたしますと、今回の事件を契機にいたしまして政策の方向転換というようなものも考えていらっしゃるのか。国民の税金、これを経済援助の形でやっておるけれども、趣旨を踏まえていないということであるならば、こういうことも考えられるのか、私はそれもただしておきたいと思います。
 この問題については今国会今日まで質疑等がなされましたけれども、そのときに資料の提出等がなされました。当然のことでございますが、司直にあるため通産省として事件の捜査を進めることができないというような答弁等もなされておりますけれども、本当に通産大臣が、制度上、構造的な問題を根本的に洗い直すというその気になるならば、職員からもこの事情を聴取することができるのではないかと思いますけれども、こういうことを含めましてお答えをいただきたいと思います。
#143
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私はそういう気持ちでやっておりますが、何分これ物理的に時間がないわけです。毎日昼間は衆議院、参議院と両方持っておりますし、日曜にやるというわけにもなかなかいかない。したがって、局長も同じなんです。しかもそこへもってきて、書類は全部持っていかれて何もないというようなことであって、本当に進んでいないと言っても過言でありません。
 したがって、国会終了後は速やかに、少なくともことしまた概算要求というのを出さざるを得ないわけですから、予算要求を出す前に、果たしてこういうことを継続してこのまま今のとおりやるのかやらないのかこれは決めざるを得ないわけですから、だからやはり、これはここだけしか本当に全然そういうふうなインチキはないのか、何かわからぬわけですよ、これ実際は。私は絶対ないと思っておりますがね。だけれども、これ制度上の問題もありますから、やはり国会終了後概算要求等を前にいたしまして、その担当者は全力を挙げて真相をきちっと解明をする。
 そのうちに、検察の方も必要最小限度の書類はなにするでしょうが、その他のものは返してよこすでしょうから、そういうのも受け取って、やはり我々としては一体どうなっているんだということをしっかりつかまないと、またぞろでたらめやられちゃったと――汚職関係はこれは論外ですよ、論外だけれども、現場ででたらめやられたのではわからぬわけですから、これは。わからぬで済まぬわけですから、私の方は。後で出てきたときにはもう謝るほかないわけで、そのときは、もう本当に申しわけないと言ったって、それは事前になぜやらなかったと言われるに決まっておるので、それは本当に抜本的に、もう末端の事態をつかんでいるかどうかが問題なんです、一番最末端を。そういうことも含めまして、これは洗い直しをするとお約束いたします。
#144
○田代富士男君 今、洗い直しをするということをお約束いただきまして、今さっきの答弁で大臣は、信頼関係で経済援助のようなものであるのを裏切られてしまった、こういうことがあってはならないと。しかし、通産省という監督官庁は、直接そういう企業との結びつきの一番強い省庁であることを私も理解をしておりますし、このような、撚糸工連のみに限らずいろいろ現在不況産業があります。こういう不況産業に対しても、いろいろな政策で措置されていると思いますけれども、今後の不況産業も含み、そういうものに臨む通産大臣としての決意をお聞きいたしまして、この撚糸工連の問題に対する質問は終わりたいと思います。
#145
○国務大臣(渡辺美智雄君) 今後さらに不況産業で同じように、施設を買ってくれとか、廃棄したいとか、転換したいとかというようなときに、これに似たようなことをやるかやらぬかということはまた決まっておりません。おりませんが、こういう問題が起きたことでもございますから、慎重に対処しなきゃならぬと、そう思っております。
#146
○田代富士男君 では、次に法案の質疑に入ります。
 中小企業近代化審議会が三月にまとめました「中小企業情報化施策のあり方について」という提言には、中小企業情報化の支援体制の整備に当たって、人材の養成・確保が急務の課題であると述べられております。この人材の養成のような問題は、私が申し上げるまでもなく速成できるようなものではなく、長い目で見なければならないと思います。しかし、反面、今問題を提起されております中小企業情報化のためには焦眉の急を告げる問題であります。このような相反した命題解決のため、いかなる哲学を持って臨まれるのかお聞かせいただきたいと思います。
#147
○政府委員(木下博生君) 中小企業の情報化を進めますためには、それらをうまくやれる人材がどうしても必要なわけでございまして、その人材の確保、養成が急務であるという点は先生の御指摘のとおりだと思います。
 ところが、中小企業分野におきましては、そういう人たちの数が極めて少ないということがございますので、従来から中小企業関係では、中小企業大学校におきまして、主として東京校と関西校におきまして、コンピューター関係の研修をやってきておったわけでございますが、本年度からはほかの地方校におきましても同じような研修をやるということを考えております。この中小企業大学校における人材養成は、非常に中小企業者の間でも好評でございますので、こういうコースを今後とも拡充していきたいというふうに考えております。
 それと同時に、各地方においてそういうコンピューターを利用できる人たちを指導していけるような人たちもやはり必要になってくるわけでございますので、そういう指導できるような人たちの研修もあわせて行っていきたいということを考えておりますし、昭和六十一年度からは、中小企業診断士というのがございますが、その診断士の中に、特に情報部門について専門的な知識と能力を有する人をつくっていこうということを考えておるわけでございまして、そういう人たちによって地方レベルでの各中小企業に対する指導を行うというようなことで、時間はかかりますけれども、人材育成に最重点を置いて進めていきたいというふうに考えております。
#148
○田代富士男君 また、同じ提言の中で、OJTによりまして中小企業の人材育成を図ることも必要と言っておりますけれども、しかしこの中小企業の実態からして、OJTを実施できる企業というものは数が少ないのではないかと私は思うのでございまして、その日その日の業務に追われて、ノーハウの蓄積あるいは人材の育成まで至らないのではないか、そういう立場から具体的なOJTの進め方についてどうお考えになっているのかお聞かせいただきたいのが第一点。
   〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕
 また、この提言の中に、中小企業の経営管理等に関する実態と情報システムの双方に詳しい人材の早急な養成が必要であると、こういうことが述べられておりますけれども、こういうことは言うことはやさしいですけれども、行うことは難しいのではないかと思います。
 そういうことで、ただいまも御答弁の中に出ておりましたけれども、中小企業大学校において情報コースが今年度から新設されることもそのための対策の一つであろうかと思いますけれども、それ以外にはどんな対策を考えられているのかお尋ねをしたいと思いますし、あわせて中小企業大学校における情報コースの運営方針、研修生の採用数、資格、研修内容等についてもあわせて御説明をいただきたいと思います。
#149
○政府委員(遠山仁人君) 中小企業のオン・ザ・ジョブ・トレーニング、OJTでございますけれども、御指摘のように、中小企業は一般に業務を行いながら仕事を覚える、トレーニングをする、こういうことが非常に難しいわけでございます。特に中小企業の情報化ということに対しましては、なかなか社内でそういうシステムがなかったり、あるいはそういうのになじめなかったりということで難しいわけでございまして、できればそういうふうな格好が実際の情報化を進めるのに効果的な人材養成の手法である、こういうふうなことで、その提言にもそういうふうな指摘があるわけでございます。
 しかしながら、中小企業の中でそういうことをいたしますのは、やはり人材、資金力不足等によりましてなかなかできないわけでございますので、先ほども長官からちょっとお答えがございましたけれども、中小企業大学校で中小企業向けの研修事業といたしまして、パーソナルコンピューター等を使いまして、実際に機械を動かしてトレーニングをする、人材養成をする、こういうことをいたしておるわけでございまして、そういうやり方が非常に効果的なんではないか、こういうふうに思っております。
 それから人材の養成、特に指導員の養成につきまして、中小企業の経営とそれから情報化と両方に詳しい人の養成というのはなかなか難しいんじゃないかと、こういう御指摘がございました。私どももいろいろ難しい面があろうと思いますけれども、ただ、中小企業の情報化を進めます指導員、あるいはアドバイスをします指導員、こういうふうに指導員といたしましては、やはり情報化にも詳しいし、それから中小企業の経営の実態等にも詳しい知識が必要でございます。
 そういう面で、先ほども申しました中小企業診断士の養成課程は、これは一年間の長期にわたりまして、中小企業大学校東京校におきまして養成をするコースでございまして、こういう面につきましても、先ほど申しました両方の分野に詳しい知識を取得していただくように、それぞれ詳しいカリキュラム等を用意したいと思っております。それから、そのほか既存の中小企業の指導員、商工会とか商工会議所、あるいは全国中小企業団体中央会、そういったところの指導員等につきましては、もう少し短期のコースで、三カ月ぐらいのコースで当面情報化に詳しい人材を養成したい、こういうふうに思っております。
 それから、そういう養成のほかに、中小企業診断士の情報部門を新たに設けたいと思っておりますが、それになります一つのやり方といたしまして、中小企業診断士の試験制度がございますけれども、その情報部門につきましてもそういう制度を設けまして、そういう人材の確保を図っていきたい、こういうふうに思っておるところでございます。
#150
○田代富士男君 今回の法改正によりまして、情報化にかかわる中小企業指導事業の一部を指定した法人に行わせることができるようになっておりますが、指定法人としては中小企業地域情報センターを考えているようでありますけれども、たとえ情報にかかわる事業とはいえ、指定法人に代行させるのはどういう理由によってなされるのか、これをお聞きしたいと思いますし、このセンターの情報に関する能力はそれほど高いのか、それに対しまして従来どおり自治体が実施していく上で何か支障があったのか、この点もあわせてお尋ねをしたいと思います。
 それと同時に、地域情報センターは、現在三十九カ所設置されているのではないかと思いますが、この各センターの能力はどの程度であるのか、活動状況について把握していない部分もあるようでありますけれども、今後のためにも具体的な掌握をしていく必要があるのではないかと思いますが、この点いかがでございましょうか。
#151
○政府委員(遠山仁人君) 今回御提案をさせていただいておりますこの法改正によりまして、都道府県知事が指定いたします法人に、中小企業情報化にかかわります診断指導事業を行わせることができるようにすると、こういうことでございますが、従来中小企業の診断指導事業は都道府県におきまして直接実施しておりましたが、情報化というコンピューターの利用等がなり専門的な知識を必要とするものでございます。現在の都道府県の実施体制がこの面で必ずしも十分ではなかったと、こういうことによるわけでございまして、したがいまして、その指定法人にそういう十分実施できる機関を指定していただく、こういうことが私ども期待しているところでございます。
 そういった機関といたしまして、ただいまお話にございました中小企業地域情報センターというのが一応あるわけでございまして、これは現在、六十年度末でございますけれども、全国に三十九カ所設置をされているわけでございます。このセンターの体制でございますけれども、従来その地域の中小企業に役立ちます情報の提供あるいはコンピューターの利用等につきましての相談に応じるとかいうことを主としてやってまいりましたが、先ほどもちょっとお話が出ておりましたその地域情報センターにおきましては、中小企業の経営にも詳しい、それからコンピューターの利用等情報化にも詳しい職員がいるわけでございまして、そういった職員が現在でも地域の中小企業者にいろいろ相談に乗ったり、指導したりしておりますけれども、指導法に基づきます診断指導事業ができる体制にあると、こういうことでございます。
 そうは申しましても、これから情報化というのがますます進んでいくわけでございまして、さらに一層この面での中小企業からのニーズが高まってくると思いますが、そういう態勢に応じられるようにこれからも強化をしてまいりたいと、こういうふうに考えているわけでございます。
#152
○田代富士男君 実際行われていることに関連いたしましてお尋ねをしたいと思いますが、埼玉県の商工会議所においては中小企業を技術指導する、そういう専門家を登録したエキスパートバンクを設けてあります。そしてこのエキスパートの派遣を始めたようであります。これは技術面でのエキスパートということでありますけれども、同様に情報化の人材をプールできるようなシステムを考えられないのかという点が第一でございます。
 さらに、今重要なことは、情報化のノーハウの蓄積でありますが、せっかくの中小企業地域情報センターを活用し、ノーハウのデータベース化を進めたらどうかという問題であります。例えば千葉県の情報センターでは、パソコンネットワークによる経営あるいは技術情報の交換などをことしの秋からテスト的に始めるようでありますけれども、このような事業を全国的ネットワークで進めたらどうかと思うわけなんですが、これに対するお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 また一方では、中小企業団体中央会の動きも活発でございまして、千葉県の中央会では、加盟八百団体の情報を集めまして、希望団体に提供する業務を始めたようであります。また東京の中央会では、希望する組合に専門家を派遣して、助言、指導する組合指導コンサルティング事業を始めるようでございますけれども、このような民間の事業と連携して中小企業の情報化の推進に資するような事業は考えられないのかと、具体的に動いている面からの質問でございますけれども、どうでしょうか。
#153
○政府委員(遠山仁人君) 幾つか御質問をいただきましたけれども、最初の、人材をプールしてというところでございます。
 情報化が非常に進んでおりまして、それを指導し得る人材というのが限られております。したがいまして、そういうふうな人材を中小企業関係の団体あるいは行政機関、それ以外にも、民間等におきましてもそういう人材がいればそれを活用し、しかも一つところで活用しないで、お互いにプールしてそれを活用を図る、こういうことは非常に重要なことでございます。私どももそういうふうな人材のプールシステム、登録をしてそれでいろいろ共通で利用できると、こういうふうなことになるかと思いますけれども、そういうことはこれから進めていきたい、こういうふうに思っております。
 それから、情報化につきましてのノーハウの蓄積等が非常に重要で、そういうものをベースにして情報化の指導をする方がよろしいんじゃないか、こういうふうな御指摘でございます。御指摘のとおりだと思います。そういうノーハウの蓄積ができるように、中小企業地域情報センターでそういうノーハウの蓄積をしていただくのはもとよりのことでございますが、さらに中小企業事業団におきましてデータベースをつくっておりますが、そういうデータベースの中にも、そういう情報を蓄積をし、活用ができるやり方を進めていきたい、こういうふうに思っているわけでございます。
 それから、中小企業関係団体、いろんな団体がございますが、そういうところとも十分連携をとって情報化の指導等を行うのがよろしいんじゃないかという御指摘でございます。商工会とか商工会議所、中小企業団体中央会あるいは下請企業振興協会、そういったいろんな団体が中小企業に関しましていろいろ指導等をいたしているわけでございます。そういう中に情報化も含めまして進めていく必要があるわけでございまして、そういう職員の養成、先ほど申しました中小企業大学校におきましてそういう指導員の情報化についての養成をいたしますと同時に、お互いに十分情報を交換し合いながら進める必要があると思いますし、それから場合によっては情報提供に関しましてネットワークといったものをつくって対応していくのも必要なんじゃないか、こういうふうに思っているところでございます。
#154
○田代富士男君 ただいまも御答弁の中に出ておりました地域情報センターの設置場所というのは、御存じのとおりに県庁所在地あるいはそれに準ずる地方都市が多いわけでございますが、これはこの地域から離れたところに居住する中小企業者にとっては利便が悪い場合もあります。その際、センターの機構整備も必要と思いますけれども、何よりも現在第一線で日々中小企業者と接しております商工会あるいは商工会議所の経営指導員が重要な役割を果たすことになるのではないか、私は乙のように思っております。この経営指導員に対する情報関係の教育が急務となりますけれども、このような対策として六十一年度はどのようなものを考えていらっしゃるのか。指導員のための情報関係の研修事業を始めたらどうかと思います。
 残余の質問がありますが、私の質問時間が参りまして、準備をしていただいた各局ありますけれども、この質問で私の質問を終わらせていただきたいと思います。
   〔理事前田勲男君退席、委員長着席〕
#155
○政府委員(照山正夫君) ただいま御指摘の、商工会。商工会議所における指導体制の中で情報化を進めるというお話につきまして御答弁申し上げますが。御指摘のように、現在、商工会、商工会議所で、第一線で中小企業者のために経営指導、技術指導あるいは労務、税制等の指導を行っているわけでございますが、最近の情報化の中では、確かに経営の面で情報化をいかに生かしていくかということもまた今後の中小企業の重要なポイントになるわけでございますので、従来は必ずしもそういう点については十分でなかったと思いますが、これからは経営指導員がそういった情報化を生かすという点につきましても十分指導していかなければならない、このように考えておるわけでございまして、そのために情報化指導担当者養成、先ほどからお話ございます中小企業大学校での研修にも指導員を出していくという形で、指導員自身の資質の向上、これも今後大いに力を入れていきたい、このように考えるわけでございます。
#156
○伏見康治君 商工委員会に出入りする前に、遠くの方から通産省のおうわさを承っておりますと、何でも日本株式会社というのがあって、それの中核が通産省だというようなお話を伺っておりました。そして日本の経済成長における諸善の根源及び諸悪の根源はみんな通産省だというお話なんですが、私も外の方から眺めていた限りにおきましては、半導体工業を育成されたのはすばらしい御業績であったと思います。近ごろ貿易摩擦でそれもまた悪いことになるおそれがありますけれども、私はそうは思いませんので、大いにその線でまだ諸善を積んでいただきたいと思っているわけです。
 ところが、一応大型コンピューターをつくれるような会社をたくさん西成されまして、大変めでたいわけですが、コンピューターの発展はどこまでいくかわからないというわけで、次の将来に向かって、通産省としてはいろんなことをお考えになっている、そういう将来のコンピューターというものに対する手の打ち方というものが幾つがあったんだろうと思いますが、これもうわさの程度で申しわけないんですけれども、第五世代コンピューターというものの研究開発ということを指揮しておられるというお話なので、そのお話をまずちょっと承りたいと思います。
#157
○政府委員(杉山弘君) 第五世代コンピューターの開発でございますが、第五世代コンピューターにつきましては、従来のコンピューターとは基本的な考え方が全く違った、いわば新しいアーキテクチャーというものに基づくものでございます。平たく申しますと、人間の知能と同じような作用ができるもの、推論機構を持つもの、こういうふうに言われているわけでございまして、私どもこれにつきましては十カ年間で開発をしようということになっておりまして、今年度、昭和六十一年度はその中期計画、四年日の第二年度目に当たります。
 したがいまして、これまでに既に四年間開発に時間を使ってまいったわけでございます。第一期の三年間では、新しいアイデアに基づきますコンピューターの基本的な考え方についての開発を進めるということでございまして、これにつきましては、ほぼ当初の目標どおりの成果を得ることができました。その成果につきましては、五十九年の十一月に開催をしました国際的なシンポジウムでも発表をいたしまして、高い評価をちょうだいをいたしております。中期計画は四年を予定をいたしておりますが、ここでは前期計画で開発をしました基本的な構想に基づいて幾つかの基本部分についての設計をやり、また試作もやろう、そういうことを踏まえて、今度は後期の三年間で全体をつくりあげていこう、こういう構想によるものでございます。
#158
○伏見康治君 まず、その第五世代コンピューターの計画が順調に進行しているというお話を承りました。第一期での成果は国際的な評価を受けているというようなことで、お祝い申すべきかなと思っているんですが、そういういわば赫赫たる成果を上げておられるプロジェクトの予算が、今年度逆に減っているということを伺ったんですが、それはどういう事情なんでしょうか。
#159
○政府委員(杉山弘君) 予算は、御指摘のように、六十一年度は四十五億円を計上いたしております。六十年度が四十八億円でございますので、三億円ほど減少になっているわけでございますが、これにつきましては、先ほど申し上げましたように、十年という長期をかけてやってまいりますので、その年々によりましては、その年にやります計画との関係で予算が必ずしも常にふえていく、そういうものでなくてもよろしいのではないかと考えております。
 全般的にはこういった財政事情でございますし、予算要求のシーリング等の関係がありまして、我々は本来もう少し予算金額として大きなものをいただきたいと思って要求もしたわけでございますが、結果的には今申し上げましたような数字に落ち着いたわけでございまして、ただ、こうなったからといって、六十一年度の開発について大きな支障が生ずるかということになりますと、何とかやりくりをしてまいりましたら、予定をしておりました計画については、本年度内一応進める見通しがあると、こういうふうに考えているところでございます。
#160
○伏見康治君 財政不如意の段階でございますから、いろいろなプロジェクトの予算が締めつけられているというのは当然でございますが、こういう財政緊縮時代におきましては、要するにうまらないプロジェクトをやめにして、いいプロジェクトだけを残すという行き方でないとよくないと思うんですが、全部一様に減らすという考え方は余り適当でないように思います。そういう意味で頑張っていただきたいと思います。
 ところで、これだけの自信のあるものがどんどん進行しているのは大変結構でございますが、しかし、第三者の意見というものもやっぱり伺ってみないといけないと思うんです。このプロジェクトは日本の産業界としてはどういうふうに受け取っているか、またよその国では似たようなプロジェクトがあって、それと競争的なことになっているのかどうかといったような点を説明していただきたいと思います。
#161
○政府委員(杉山弘君) 産業界の本プロジェクトに対する、認識がどうか、こういうお尋ねでございますが、産業界と申しましても、私ども直接身近に感じておりますのはやはりコンピューターのメーカーでございます。コンピューターのメーカーにつきましては、やはり次の世代の新しいコンピューターの開発計画ということで、これについては極めて大きな関心を寄せていただいているというふうに承知をしております。既に御案内のように、財団法人新世代コンピュータ技術開発機構というものをつくっておりますけれども、ここには主なコンピューター関連メーカーの御参加をいただいておりまして、研究も実際上分担もしていただいております。
 それからまた、海外で同種の構想があるかということでございますが、私ども承知しておりますところでは、アメリカ、イギリス、ドイツそれからEC全体、くしくも一九八四年から同じような考え方の新しいアーキテクチャーに基づくコンピューターの開発、関連するいろんな計画がスタートをいたしております。先ほど申し上げましたように、日本の計画の方が先にスタートをしたわけでございますので、あるいは日本が先にスタートをしたということは、各国のそういった研究開発をスタートさせる刺激にもなったのかなという感じもしているわけでございます。いずれにいたしましても、各先進国が競ってこういう問題について技術開発に当たるということは、全体的な技術水準の向上のためにも極めて好ましいことであり、我々としても各国の開発に劣らないような成果を上げるように努力もしたいと、かように考えております。
#162
○伏見康治君 日本がもし世界をリードして新しいことをやるということになれば大変おめでたいことだと思っております。同時に、パイオニアとしてのいろんな責任も背負わなければならないということになると思うんですが、この第五世代コンピューターのお話と、今議論になっております情報処理の促進に関する法律の対象としていることとは格段の差のある、レベルの違う話になっていると思うんですが、このレベルの違う方のお話、つまり情報処理の促進の方は、コンピューターのハードウエアは非常に進歩したものができてしまったけれども、それとそれを社会に実際に生かす上での措置というものがいささか手おくれであったという感じを受けるわけですね。もしそれを今経験して、ある意味でしまったということになっているとすれば、この第五世代コンピューターというものが本当に実現したときに、それが社会の中でどういう役割を果たすであろうかというようなイメージも相当描いておく必要があると思うんですが、その方の手当てはしてあるんですか。
#163
○政府委員(杉山弘君) 第五世代のコンピューターの開発が成功した場合に、それが社会でどう使われ、どういうふうに社会活動、経済活動等が変革されるのか、こういうお尋ねでございます。
 私ども、まず十年かけて新しいものをつくっていこうという点に重点を置いておりますので、それが利用された場合に、果たしてどういうインパクトを与えるのかということについてまで、余り具体的なイメージを持っているわけではございませんけれども、先ほど申し上げましたように、第五世代のコンピューターと申しますのは、人工知能、推論機能を持つもの、こういうふうに言われておりますので、今までのコンピューターでございますと、例えば企業経営の経営戦略を決定するというような場合には、もちろん各種のデータ等の提供はいたしてくれますが、最終的な判断になりますと、必ずしもコンピューターは役に立たなかったわけでございます。
 今私どもがやっておりますコンピューターは、うまくいきますと、こういう経営戦略、経営判断にわたるような部分についても、最終的に経営者が判断を下す際の幾つかの貴重なそれに先行する判断、情報というものを与えてくれるんではないかと思います。かなり今までのコンピューターの使い方とは違った使われ方が社会、経済の各分野でされてくるのではないか、こういうふうに考えております。
#164
○伏見康治君 その予測は随分難しいと思いますので、今のお話もその一面を描かれたんだと思うんですが、私は識者を集めた何か懇談会というか、審議会というか、そういったようなものをおつくりになって、今から将来のコンピューターの社会におけるあり方について御議論を重ねられておいた方がいいのではないかということを感ずるわけですが、もう既にやっておられるのかもしれませんが。
 それで、先ほどもちょっと申し上げましたように、今この法案で問題にしているようなレベルのお話と、第五世代のコンピューターのお話との間には非常に大きなレベルの差がある。その間を埋めるものが幾つかあると思うんですが、例えばシグマシステムの計画というものがあるというふうに伺っているんです。そういうふうに、その中間にあるものとして僕は位置づけてみたんですが、そんなふうに考えてよろしいのでしょうか。つまり非常に最先端のものと非常に現実的なお話と、全体の見通しみたいなものはどういうふうにしておられますか。
#165
○政府委員(杉山弘君) 私どもが進めておりますシグマ計画と第五世代のコンピューターの研究開発との関連についてお尋ねがございましたが、先ほど来御説明いたしておりますように、第五世代のコンピューターにつきましては、全体で十年かけて開発をする、現在はようやく五年度目に入ったところでございます。また、その目標も、先ほど申し上げましたように、従来のコンピューターとは基本的に違ったアーキテクチャーに基づくものと、こういうことでございまして、十年たった後、成功したら直ちにそれが実用になるのかというと、私ども必ずしもそこまでの自信を持っているわけではございませんので、さらに改良が加えられてその後実用になるものがあらわれてくる、こういうものではなかろうかと思います。
 これに対しまして、シグマ計画の方は、むしろ現実に今使われておりますコンピューター用のソフトウエアをできるだけ機械的につくろう、そのための大規模なソフトウエアの開発ということでございますので、これは開発期間は五年を予定しております。最終年度は六十四年度でございますので、開発年度が終了しましたら直ちに、成功した場合にはその成果を実際ソフトウエアの開発にお使いをいただこう、こういうものでございます。もちろんその過程におきまして、第五世代コンピューターで開発しておりますような人工知能技術等、シグマ計画にあるいは反映できるものも出てくる可能性もありますし、現に一部はそういうものも生じてきておりますので、そういったものについてはこのシグマプロジェクトの中に取り入れていくことは可能でございますが、計画全体としては、二つはちょっとフェーズの違ったもの、こういうような理解をしているわけでございます。
#166
○伏見康治君 先ほど同僚議員の質問の中に出てまいりましたNECがプログラムを自動的につくることを考え出したといったようなお話があるんですが、それはシグマ計画の中、あるいは第五世代、どっちなんですか。
#167
○政府委員(杉山弘君) お尋ねのありました日電が開発した自動プログラミングの問題につきましては、第五世代コンピューターの研究開発の過程で得られました技術的な成果を使ってソフトウエアを生産する場合の工程の一部を自動化をする、こういうものでございます。私どものシグマ計画は、工程の一部と申しますよりは、工程のほとんどすべての部分にわたって自動化を考えているということでございます。いずれにいたしましても、両者の間では全体か一部がという問題はありますが、関連性はございます。そういう意味におきまして、私先ほどの御答弁の中で、第五世代コンピューターの開発による技術成果等利用できるものがあればぜひシグマ計画の中に取り入れていきたい、こういうふうに申し上げたわけでございます。
#168
○伏見康治君 これは今思いついた質問なんですが、前回の商工委員会で問題になりました航空機のお話なんかですと、いろんな省庁に話が分かれていて、非常にアドバンストの先端的なところは例えば科技庁でやっている。通産が面倒を見ているのはもっと今日的な生産にすぐ結びついているようなものであるというようなことであったわけですが、コンピューターの場合にもそういう考え方はあり得ると思うんです。非常に先端的なものは例えば科技庁のようなところにやらせる、通産省はもっとあしたもうけにつながるというようなものをやる、そういう分業が考えられるようにも思うんですが、そうしない理由があるんですか。
#169
○政府委員(杉山弘君) むしろ先生御指摘のように、科技庁と通産省の間では研究開発につきましてもある程度段階によります仕分けができていると承知をいたしております。私どもの方は、ある具体的な実用化への見通しにつながるような段階での研究開発をやっておりますし、むしろ科学技術庁の方では、もう一つより基本的な段階での、例えば直接どういう目的に使うかは別として、新しい技術開発の可能性があり、萌芽があればそれを何とか育てていこう、こういう関係で、今私ちょっとプロジェクトの名前は忘れましたが、数年前に科学技術庁の方でそういう制度も発足をしておりますので、むしろ横の分担と申しますよりは、研究の進化の過程におきます縦の段階での分担ということで、科学技術庁と通産省との間ではある程度の仕分けができている、こういうふうに考えます。
#170
○伏見康治君 いろいろお聞きしたいんですが、まず今度の法案の改正の趣旨というものはどんなところにあるのか、ちょっと説明してください。
#171
○政府委員(杉山弘君) 今回御提案いたしております法律案提出の背景でございますが、コンピューターの設置というのは急速に進んでおりまして、全体で約十八万台でございますか、になっておりますが、コンピューターを使いますソフトウエアの需要というものは、これまでのところ大体年率二〇%以上の伸びで来ております。こういった状況が続きますと、コンピューターを設置しても、それを使うためのソフトウエアの供給が追いつかなくなる可能性がある。またソフトウエアの値段が非常に高くなる可能性がある。そういう面から情報化の進展が阻害されるおそれがある。これに対しましては、先ほど来御説明をいたしておりますシグマプロジェクトによりますソフトウエア生産工業化によります生産性の向上ということも一つございますし、また技術者の量的な確保ということもそのための対策の一つになろうかと思います。もう一つの対策といたしましては、できるだけ汎用のソフトウエアを多くの方々に使っていただくということが、社会全体として見ますと重複投資を避けることにもなりますし、ソフトウエアの技術者の不足というものをカバーする手だてにもなるわけでございます。
 そういう意味合いにおきまして、これまで情報処理振興事業協会がやってきております汎用ソフトウエアの開発事業というものを、この際拡大をしたいと考えたわけでございますが、昨今の財政事情から、従来のような一般会計からの資金に依存している限りはこれが難しい、こういうことでございまして、昨年の予算編成の段階で、財政当局の御理解もいただきまして、産業投資特別会計からの出資を仰ぎ、それによってこの事業をやっていこうと考えたわけでございます。幸い、情報処理振興事業協会がやっております汎用ソフトウエアの開発事業は、中長期的に見ますと収支採算が十分とれる、出資対象事業として適格性を持っているということでございまして、今回そのためにこの法律案を改正しまして、汎用プログラム開発事業のために産業投資特別会計からの出資を受けることができるようにするということがその主たるねらいになっているわけでございます。
#172
○伏見康治君 この汎用プログラムというものが、アメリカなんかのと比較いたしますというと、いわば利用率、普及率といったようなものが極めて劣っている、非常に低調である、ハードウエアの方は非常にいいところへ行ったのに、ソフトウェアの方で非常におくれをとっているとよく言われているわけでございますが、その主な理由はどういうところにあるとお考えなんでしょうか。
#173
○政府委員(杉山弘君) 理由は、供給サイド、需要サイド、それぞれにあるように思います。どちらが先かという点については、なかなかお答えしにくい点があるわけでございますが、供給サイドの問題といたしましては、ソフトウエアの生産に携わっておりますソフトウエア業、これが極めて脆弱でございまして、優秀な汎用ソフトウエアをつくって世の中に提供するに足るだけの十分な資金的な余力、財政的な余力がない、したがって、そのためにこれまで優秀なソフトウエアの供給がされなかったということも一つあろうかと思います。また、そういう状態を受けまして、電子計算機の利用者の方でも、各利用者の利用目的に応じたいわばオーダーメードのソフトウエアの発注、むしろそれが最も効率的なものだということで、オーダーメードのソフトウエアを選好するというような意識がユーザーの方にもあったのではなかろうか。
 そういった二つの要因がそれぞれ相乗作用をいたしまして、これまでのところ、日本の場合にはソフトウエア業の売り上げに占めます汎用ソフトウエアの割合というのはわずか一〇%程度、アメリカの場合にはそれが五割を超え、むしろ六割に近い割合まで行っている、こういうようなことになったのではなかろうかというふうに推察をしているところでございます。
#174
○伏見康治君 まあ通産省ですから、そういう経済的な仕組みみたいなものに原因を求められるのは当然だと思うのですが、私はもう一つ、日本人のサイコロジーが物を言っていると思うんですね。江戸時代の日本の数字というものは非常に高度な発達を遂げたのですけれども、関孝和のような偉い人が出ているのですが、残念ながら和算家というものは、みんな自分の考えたことを、いわば独立して世間に売るということを考えなかった、みんなその一町のいわば秘術であって、門外不出の高度な知識であると考えていた。それと同じメンタリティーが今のそのいろんな大きなコンピューターをおつくりになっている会社の中にあって、自分で考えたソフトウエアはハードウエアに結びつけてのみ売るという、そのソフトウエアを単独で売りに出すといったような思想がなかったのじゃないか、少なくとも育ちにくかったのじゃないか。その日本人のサイコロジーが私は非常に物を言っていると思うので、まあそれもお考え願いたいと思うのですが、それを質問しても無意味ですかな、あるいは何か考えられますか。
#175
○政府委員(杉山弘君) 御指摘のような、日本人特有のサイコロジーというのもあったと思いますし、また、ハードウエアというものは非常に重視をいたしますけれども、目に見えないソフトウエアというものについては余り関心がいかなかったという、これまでの日本のやはり社会の全体的な傾向というものも、今お話しのようなことに加えてあるいは理由に挙げられるのではないかと思います。
#176
○伏見康治君 今のお話は、私は行政全般にとって、ある意味ではよく考えなければならない問題だと思うんです。そもそも、ここには大蔵省のお役人がおられないのが残念ですが、大蔵省が予算を出すときに、ハードウェアには予算を出すけれども、ソフトウエアには予算を出さないという傾向が非常に強いですね。つまり、例えば研究所なんかをつくりますときに、建物といったような目に見えるもの、そういう物質の塊に対しては割合に予算がよくつくのですが、ところがその研究の内容をよく吟味するために外国に出張して、外国の研究状況を調べてきたいという出張旅費になると、金額にしてみればはるかに小さな額であるにもかかわらず、大蔵省の方から言わせるというと、出張の費用といったようなものは後に残らない、目に見えるものとしては後に残らないものだからと言って、しばしばお出しにならないわけなんですね。その辺のところから、つまり大蔵省のサイコロジーから少し改造してかからないと、コンピューターの正しい使い方というものはできないのではないかと思うのですが、まあそれに同調を求めても余りはかばかしいお答えは得られないと思うから、言うだけ言っておきますが。
 それで、ソフトウエアが世の中に単独に売られたり買われたりするということのためには、ソフトウエアがある特定の機械に結びついて、その機械以外では使えないというような形では実は困るわけですね。そのことのためには、コンピューターに一つの汎用性というものがあって、Aというコンピューターで役に立つものはすぐBというコンピューターにも役立つという、そういう意味の汎用性ができていないといけないと思うのですが、そのためには、何らかの意味の規格というものがあって、統一された仕組みになっていないといけないと思うのですが、そういう意味の規格という面ではどういうことをお考えになっていますか。
#177
○政府委員(杉山弘君) 情報関係の規格化の問題につきましては、私どもの附属機関としてございます日本工業標準調査会に情報技術標準化特別委員会というのがございまして、ここで情報技術分野におきますハード、ソフト両面に関する標準化問題についていろいろと御検討をいただいておりますし、またその方向について建議等もいただいております。私ども、こういうものを受けまして、情報技術分野におきますJISの早期制定というようなことに力を入れているところでございます。
 標準化というものももちろん重要でございますが、余り画一的な標準化を進めますとまた技術進歩を阻害するというような側面もないわけではございません。したがいまして、ある程度まで標準化を進めると同時に、そうした中でも幾つかのバラエティーがあるシステム、ハードウエアというものを相互に互換性を持って運用できるようにしていく必要がある。
 そういう観点から、私ども昨年度からインターオペラブル・データベースシステムの開発というものを工業技術院の大型プロジェクトのテーマといたしまして、研究開発に着手をしたところでございまして、こういった両面、すなわち標準化を一方では進める、そうしてまた他方では違ったシステム、ハードウエアというものを結びつけられるようなソフトウエアを開発していく、こういうことで、今先生御指摘の問題の解決に当てたいということで努力をしているところでございます。
#178
○伏見康治君 通産省の行政としては、私はもう少し早目に規格ということを考えてよかったんではないかという、少し手おくれのままにいろんな機種がともに栄えてしまったという感じを受けるわけですね。
 ビデオでVHSとベータ方式が並んで併存してしまって、近ごろ勝負がついたのかもしれませんけれども、大変なむだをさせるということになったんではないかと思うんですが、その辺のところは、お役所としては早目に何か手を打つべきではなかったかという印象を免れがたいんですが、ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。
 今おっしゃったことに該当するんですが、違った会社が相互によその会社の道具を使おうという意識をまず持っていただかないといけないと思うんですが、それを奨励するような相互に乗り入れるといったようなことがしやすくなるような何か施策は講じておられるのですか。
#179
○政府委員(杉山弘君) ただいまの御質問の中でも申されましたように、異なるシステム、機械、ハードウェアを相互に連携利用できるようなソフトウエアの開発というものをやっておるわけでございますが、こういうものがうまくできますと、一方で標準化を進めながら他方で技術開発から出てきた幾つかの異なったタイプのシステム、ハードウエアというものが円滑にまた運営され、利用されるということになるように思うわけでございます。
 それからまた、こういった問題は、単に国内の問題だけではなくて、やはり国際的にも同じようなことをやっていく必要があろうかと思っております。標準化を進めます場合には、国際標準との調整ということも考えていかなければいけないと思っております。特に情報技術関係の国際標準につきましては、ISOがつくっておりますオープンシステムズ・インターコネクション、OSIというものがございます。こういったものとの調整をこれから図っていくことになるわけでございますが、政府間レベルでもつい先ごろ、ECと私どもとの間で情報通信技術に関する標準化問題につきまして、できるだけ力を合わせてやっていこう、こういうことで会合を持っております。これから年に数回同じような会合を持ちまして、ECとの間の連携も深めていきたい、こういうふうに考えてやっているところでございます。
#180
○伏見康治君 一つのソフトウエアが方々で使われるようになることを私は大いに希望したいんですが、そのためには、ソフトウエアが商品としてちゃんとした自分の値段を持っていて、その値段が皆さんに尊重されるということが必要だと思うんですが、そのことについては何かやっておられるんですか。
#181
○政府委員(杉山弘君) あるいはお尋ねが、ソフトウエアのいわば価格的な面における評価の基準、スタンダードといったものについてのことかと存じますけれども、この問題につきましては、前国会におきまして、この法案の改正の御審議をいただきました際の附帯決議の中で、ソフトウエアの価格的、技術的な面における評価方法、評価問題について検討をするように、こういうような御決議もいただいておりますので、私どもこの点につきましては、業界団体にお願いをしまして有識者にお集まりいただいて、評価方法等についての確立をお願いをしているところでございますが、なかなかやはり客観的な基準となりますと難しいようでございまして、必ずしも順調に進捗しているということにはなっておりませんけれども、私どもこの研究会においてなるべく早く妥当な結論を出していただけるようにお願いもし、協力もしてまいりたいと思っておるところでございます。
#182
○伏見康治君 一つのソフトウエアというものがほかの人に大いに利用されるということが必要だと思うんですが、これも日本人のサイコロジーの中に潜んでいるんですが、Aという人が苦心してつくったソフトウエアを、Bという技術者が、おれにだってそれくらいのことはできるという対抗意識みたいなのがあって、Aが開発したものと同じものをまたBも開発するという傾向が強いと思うんですね、ほうっておきますとね。つまり、Aが先にやった仕事をみんなが尊重して、後から行く人はそれを使うということにしないと、私はむだな重複を省くという意味では余りよくないと思うんですが、それについては何か手当てはあるんですか。
#183
○政府委員(杉山弘君) 今お話しの点につきまして、特に行政的な手当てと申しますと、私ども余り用意がないわけでございますが、確かにおっしゃいますように、同種のものを競って開発をするということになりますと、費用、マンパワーの点でも重複投資になるわけでございますが、そういうものを余り制限いたしますと、今度は相互の間の競争という点において欠けてくることになるのではないかという心配もいたすわけでございます。
 工業所有権法の体系で申しますと、先行発明者だけに権利が与えられ、独立してやりますとその権利外ということにはなるわけでございますけれども、行政的に、おっしゃるように何か手当てをするという点については、極めて難しいんじゃないかと思います。これは研究者の良識にまつということが基本になるのかなという感じもいたしております。
#184
○伏見康治君 話をかえまして、情報処理技術者の養成問題について二、三お伺いいたしたいと思います。
 既に同僚議員が何度も同じことを質問しているわけですが、六十五年度には六十万人情報処理技術者が不足するという、その見通しというものはどういう根拠に基づいて出されたんですか。
#185
○政府委員(杉山弘君) これは、二年ほど前に通産省の方で作成をした見通しによるものでございますが、端的に申しますと、まず将来におきますソフトウエアの需要がどうなるかということを過去の傾向から推定をしたわけでございます。ソフトウエアの需要というものについて数量的な指数はございませんので、私ども、ソフトウェア業の売り上げの伸びをもちましてソフトウエアの需要に代替するということで想定をいたしまして、二年前でございますと、それまでの傾向が年率にいたしますと二六%ぐらいの伸びになっております。これからもそういった伸びが続くんではないかと、こういうことでソフトウエアの需要を想定をいたしました。
 一方では、それに必要な技術者の供給というものが、これもまた過去のトレンドからどの程度供給が見込めるものかということを考えてみますと、一三%ぐらいの年率の伸びしか期待できない、そういたしますと、あとはソフトウエアの生産性がどれだけ上がっていくかということで、このギャップが幾ら埋められるかということになるのでございますけれども、これも過去の経験から照らしますと年率四%ぐらい、そうしますと、生産性の伸びと技術者の供給増とで一三プラス四、一七%の伸びでございます。一方需要の方は二六%伸びるということになりますと、差し引き年率にしますと九%ぐらいの技術者の不足ということが出てくるわけでございます。それを六十五年度という時点でとってみますと、六十万人の需給ギャップが出る、こういう試算をしたわけでございます。
#186
○伏見康治君 いろんな予測というものはとかく食い違うものなので、六十万人という数字はいささか大き過ぎる数字なものですから、ちょっとぎょっとするわけなんですが、定性的に相当人が足りなくなるであろうということは見通しとしていいのではないかと思うんですね。ただ、余り六十万人という数字にこだわらない方がいいのではないかという感じを受けるわけですが。というのは、一つは質の問題があるんですね。同じ一人の技術者といっても、質のいい技術者であるか、非常にぼんくらであるかによって、まるで生産性が違うと思いますので、数だけでもって議論はなかなかできないのではないか。今のお話の中には、大企業では企業の中でみんな社内教育でつくっていると思うんですが、その数字も入っているんですか。
#187
○政府委員(杉山弘君) 技術者の増加の割合と申しますのは、おっしゃいますように、各企業が社内で研修をして技術者をつくり上げるという数字も入っております。
#188
○伏見康治君 ところで、そういう技術者を養成する研修のプログラム、カリキュラムといったようなものは一応でき上がっているんですか。
#189
○政府委員(杉山弘君) あるいは各企業が社内におきましてそのための特殊なカリキュラム、プログラムというものをつくっているかもしれませんけれども、私どもは、そういった点について各企業の努力にまつだけではなくて、むしろ積極的に役所の方でコンピューターを使いましたCAI手法を使った技術者研修用のプログラムを一般的、共通的に御利用いただける形でつくり上げまして、それを御希望になる各方面に御利用いただくということで技術者不足対策のお手伝いをしようということで、今回御提案申し上げております情報処理振興事業協会の汎用プログラム開発事業の中にそういうものも入れ込みまして、今年度からスタートをしたいと考えているところなんでございます。
#190
○伏見康治君 うっかりして時間がそろそろ迫ってきましたので、文部省の方に来ていただいておりますので文部省に伺いますが、文部省としては情報化時代に備えて、情報処理技術者ばかりでなくて、もっと高度のこともやれるような人も含めて、文部省としては従来どんな計画で情報化時代に当たる人材を育ててきたか、今後どうするつもりかといったようなところをお伺いします。
#191
○説明員(小林敬治君) お答え申し上げます。
 情報化の急速な進展に伴いまして、コンピューターを開発したりあるいはこれを十分に使いこなす多様なレベルの人材がますます今後必要になってまいるわけでございますが、その中でも特に高度の情報処理技術者あるいは研究者を養成するということは大学の大きな役割だと考えております。そのため文部省といたしまして、これまでもハードウエアあるいはソフトウエアの開発あるいは運用等に当たる技術者や研究者の養成を目的とする学科といたしまして、工学部を中心に情報工学科あるいは電子情報工学科等の情報関係の学科を設置いたしてまいりました。それから大学院の研究科に情報工学専攻科を設置してまいっております。
 昭和六十年度で申し上げますと、国公私立の大学通しまして六十七大学七十八学科、入学定員が五千三百二十名でございます。これと比較する意味で、十年前の昭和五十年を申し上げますと、同様に国公私立を通じまして四十二大学五十学科、入学定員は半分の二千六百九十四人ということになっておるわけでございます。それから昭和六十一年度におきましても、国立大学について申し上げますと、三十大学で四百十人の入学の定員増をいたしておりますし、大学院につきましては四大学に専攻を増設をいたしまして、修士課程で六人、博士課程で十六人の入学定員増を図っておるところでございます。このほかに、九州工業大学に昭和六十二年四月から学生を受け入れるための情報工学部を新設することといたしまして、現在法律案を国会で御審議いただいておる段階でございます。
#192
○伏見康治君 今のは大学のお話で、それはそれで結構なんですが、もっと小中学校、高等学校といったような、そういうところの情報化時代に対する対応、例えばアメリカではほとんどの小学校にコンピューターが置いてあるけれども、日本にはないというような話を聞かされているんですが、その辺のところもちょっと。
#193
○説明員(林田英樹君) お答え申し上げます。
 初等中等教育におきます情報化への対応でございますけれども、この問題は私どもも非常に今後の重要な課題と考えておるわけでございます。学校へのコンピューターの導入につきましては、先生御指摘のように、アメリカ、ヨーロッパの各国に比べまして、我が国の導入状況は非常に低いものがございます。特に小学校などでは、まだまだ日本の場合はほとんど導入されていないような実態ではございます。ただこれ、かなりここ数年の間に相当導入の傾向は出てまいりましたし、文部省といたしましても、昨年度から二十億円を予算措置をいたしまして、パソコンを含みます新しい教育機器を導入するというふうなことを始めております。既に昨年度では、ほぼ五千台程度のパソコンが導入されるであろうというようなことも推測されておるわけでございますけれども、そういう機器の整備も進めてまいりたいと思っております。
 また一方、初等中等教育でございますので、専門技術者の養成と申しますより、基礎、基本の教育を充実するという観点で、情報化への対応を考えていただかなければならぬだろうというふうに思っておるわけでございまして、その教育内容、方法のあり方につきましては、現在関係の審議会でございますとか協力者会議を設けまして、適切な教育内容、方法の指針を示していただきますとともに、学校におきます具体的な実践というものも、研究指定校などを通じまして実践例を積み上げまして適切な対応をしてまいりたいと思っております。
#194
○伏見康治君 最後の質問になると思いますが、小学校にパソコンを置くというのも大事かもしれないんですが、それこそソフトウェア的な様相もいろいろあり得ると思うんですが、CAIというのですか、要するにコンピューターを使って教育という面もあるんでしょうし、それから小学生、中学生あたりは、ファミコンとかいう不思議な道具を既に持っていて、自分で勝手にいろいろなことを、いわゆるスターウォーズをやっているんじゃないかと思うんですが、そういうものと教育の場との関係といったようなものについての考え方みたいなものを教えていただいておしまいにしたいと思います。
#195
○説明員(林田英樹君) 御指摘のように、ファミコンと言われるものが最近非常にたくさん家庭の中に入ってきておる。特に、小中学生がこれに非常に熱中しておるというふうなことが言われておるわけでございます。
 その事態のよしあしは、利用の仕方などもいろいろあろうかと思います。また、よい面、悪い面もあろうかと思います。小さいときからそういう機械になれ親しむというふうなことはいい面もあるわけでございますけれども、一方では、友達と遊ぶ時間がなくなっておるとかいうふうなことでの弊害もいろいろ指摘をされておるわけでございます。まだまだ状況が進んでおる段階でございますので、事の功罪というふうなことも十分考え、学校において教育すべきこと、家庭において配慮すべきことも含めまして、今後検討していかなければならないと思っているわけでございます。
#196
○伏見康治君 ありがとうございました。
#197
○市川正一君 本委員会において、私は撚糸工連事件をたびたび取り上げて、特に政治献金絡みでの政界との癒着問題を指摘し、繰り返し追及してまいったことは御承知のとおりであります。遺憾ながら、私のこの指摘は、昨日既に報道されているような事態に発展をいたしました。この段階において、改めて冒頭この問題を取り上げざるを得ないのであります。
 まず法務省に伺いたいんでありますが、報道などによりますと、日本撚糸工連の小田理事長らが政界にばらまいた金は数億円と至言われ、中には一人で三千万円ももらった政治家もいるとも伝えられております。それには、政治献金もあれば、パーティー券あるいは盆暮れのつけ届けなどもあるとされておりますが、要するに日本撚糸工連からのこうした政界への金の流れを、法務省としては当然把握されるべきだし、また把握されていらっしゃると思いますが、いかがでしょうか。
#198
○説明員(原田明夫君) お答え申し上げます。
 お尋ねの件につきましては、現に捜査中の具体的事件に関連する事柄でございますので、この段階におきます御答弁は差し控えさしていただきたいと思います。
#199
○市川正一君 しかし、金の流れを調べられるということは、これは法務省としては当然のお仕事だと思うんですが、いかがですか。
#200
○説明員(原田明夫君) 検察当局におきましては、いろいろ国会においても御論議がなされ、また各種報道機関によって報道されている事実に関しましても関心を持っていると存じますし、必要な捜査は遂げるものと考えております。
#201
○市川正一君 そうしますと、きのうの報道によりますと、例えば設備共同廃棄事業について通産省に圧力をかけた国会議員が数名おり、その謝礼の総額は数千万円とされておりますが、もしこれが事実であるといたしますと、これらの議員も昨日事情聴取された議員同様、受託収賄に該当すると考えられますが、そのようにお考えですか。
#202
○説明員(原田明夫君) 具体的事実に関しまして、いかなる犯罪が成立するか、あるいは構成要件上どのような問題があるかという点に関しまして、具体的な事実自身が明らかになりませんと何とも申し上げかねるところでございますので、その点御了承いただきたいと思います。
#203
○市川正一君 それでは一般的にお伺いしますが、そのほかにも単純収賄が成立するケースがあると考えられるんですが、すなわち国会議員の一般的職務権限からして、日本撚糸工連側が、廃棄事業の継続などを有利に取り計らってもらいたいという意図をもって金を渡した場合、これは単純収賄が成立する可能性があると思いますが、いかがですか。
#204
○説明員(原田明夫君) お尋ねが具体的事件に関するものでございますので、ある一定の事実を仮定いたしまして、それにつきまして犯罪の構成要件に該当することになるのかどうかという点に関しましてお答え申し上げるのは適当でないと考えるのでございますが、あくまで一般論ということになりますと、公務員がその職務に関してわいろを収受するということになりますれば、収賄罪が成立するということは明らかであろうと思います。
#205
○市川正一君 私は、いずれにしても、金の流れを徹底的に解明すべきである、そして国民からの疑惑にこたえるべきであるということを強く主張したいんでありますが、重ねて伺います。
 金をもし受け取っていた場合に、当然これは政治資金規正法に基づいて届けているはずであります。これが届けられているのかどうか。これは、金の流れを把握しておりますならば、政治資金規正法に違反する虚偽の届け出になっているかどうかも明白になると思いますが、その点はどのように認識されていますか。
#206
○説明員(原田明夫君) 政治資金規正法との関係につきましても、具体的な事実に基づきませんと、そのそれぞれ定められている事項に違反する事実があるのかという点に関して具体的に申し上げるのは適当でないと考えるわけでございますが、いずれにいたしましても、検察当局におきましては、本件の捜査の過程を通じまして、できるだけ捜査の徹底を期して事案の解明のために努力するものと考えております。
#207
○市川正一君 私は、一般論としてもお伺いしているんでありますが、政治資金規正法の十二条及び同二十五条の一項などに基づいてその究明を進めていただきたいということを望みます。
 次に、大蔵省国税庁に伺います。
 もらった金額が数百万円、あるいは三千万円に及ぶ政治家もあると聞いておるんでありますが、こういう金は当然雑収入として申告しなければならぬものであります。しかるに、これが申告されているかどうか。濃厚に脱税の疑いを経過から見て持たざるを得ぬのでありますが、国税庁としては徹底的にそれについて究明されるべきであると私考えますが、いかがでしょうか。
#208
○説明員(加藤泰彦君) 個別の事柄につきましては答弁を差し控えなければならない立場にありますので、御理解をいただきたいと思います。
 ただ、一般論として申し上げまするならば、国税当局は適正、公平な課税の実現を図るために、国会で論議された事柄や新聞、雑誌等で報道されている事柄を含めまして各種資料情報の収集に努め、これらの諸情報と納税者から提出された申告書を総合検討し、課税上問題があると認められる場合には、実地調査を行うなど適正な課税に努めているところでありまして、今後とも適正課税の実現のために努力してまいりたいと考えております。
#209
○市川正一君 渡辺大臣に最後に伺いますが、この問題について私たびたび指摘してまいりましたように、日本撚糸工連への融資というのは、無利子で十五年返済という、言うならば国の補助金にも匹敵するようなそういう国民の血税である。そこからの金を受け取るということは、これは政治家としてあるまじきことであるということについて、大臣も、私なら受け取らない、こういう答弁をなすったことがございますが、今日のこういう事態のもとで、政治家として大臣の所見を承りたいと思います。
#210
○国務大臣(渡辺美智雄君) 撚糸工連というのは何をやっているのか私よくつまびらかではありませんが、国から借りた無利息のお金だけ運用をしておって、そういうようにところから政治献金を受けるということは適当ではない、そう思っております。しかし、あの団体は何か他に収益事業もやっているとかいう話もありますから、撚糸工連から政治献金を受けたこと自体が、不法性、不当性があるかどうかは、その金額その他によって判断すべきものではないか、そう思っております。
#211
○市川正一君 この金はどの金で、この金はあの金でというふうに仕分けはできぬので、この点は、今までもやってまいりましたが、引き続き、また事態の進展に応じて明らかにいたしたいと思います。
 そこで、法案について審議に入っていきたいと思います。
 まず、情報処理振興法でありますが、今回の法改正の趣旨は、昨年の改正でシグマ計画を推進するために産投出資の道を開きましたが、これに引き続いて、IPAの従来の業務である汎用プログラムの開発にも産投資金が使えるようにしたことであると考えるんであります。
 そこで伺いたいのは、ここにIPAのソフトウエアカタログの八四年版を持ってまいりました。IPAが開発したプログラムの総数は何本なのか、そのうち中小企業が特に利用しているのは何本なのか、あるいは中小企業の利用率はどのくらいになるのか、最近の状況を明らかにしていただきたいと思います。
#212
○政府委員(杉山弘君) 情報処理振興事業協会、IPAがこれまで開発をいたしました汎用プログラムの数は、合計で二百五十七本でございます。その中で、中小企業向けの汎用プログラムの開発本数でございますが、合計で四十六本になります。中小企業向けの汎用プログラムのうち、実際に中小企業の方々に御利用をいただいております本数は、五十八、五十九の両年度に開発をいたしましたプログラム三十本についてでございますが、現在まで、その三十本につきまして延べ三百二十四件の御利用をいただいております。
#213
○市川正一君 私は、前回この問題について、ちょうどここにいらっしゃる木下さんが、当時機械情報産業局長でありましたので、この問題お伺いしましたが、後で少し触れたいと思いますが、中小企業者のソフトウエアに関するニーズを通産省としてはどういうふうに把握していらっしゃるのか伺いたいと思います。
#214
○政府委員(杉山弘君) 情報処理振興事業協会が中小企業向けの汎用プログラムの開発をするに当たりましては、基本的にはソフトウエア業者からのテーマの公募というのをやるわけでございますが、ただ、IPAといたしましても、中小企業サイドにどういう汎用プログラムについてのニーズが高いかということについても、あらかじめ十分承知をしておく必要があるということでございまして、そのために、中小企業団体でございますとか、パソコン業界等と広く協力をいたしまして、どういう中小企業分野における汎用プログラムについてのニーズがあるかということの調査をいたしておるところでございます。
#215
○市川正一君 先ほど私引用いたしました去年の改正の際に、当時の木下局長とのやりとりの中で、昭和五十八年度から中小企業向け汎用プログラムの開発普及制度を開始したとして、その運用実績が、六十年三月末時点で、十四本のプログラムが開発され百四十二件が普及している、こういうふうにおっしゃいました。本日は、延べにして三百二十四件である。若干の前進はありますけれども、そしてまたそのニーズの把握の上でも、私は今おっしゃったように、確かに業界、団体その他にいろいろアンケートをとるなどの措置はとっていらっしゃるんですが、実際の業者のニーズから見ると、その要望とプログラムとの間にいわばかなりのギャップがある。そして、お仕着せでなしに、もっと自分たちの求めているものというのが熾烈な要求としてやっぱり善通的にある。
 ですから私は、今日のこの普及率が、去年の御報告では一本平均で十件です。ことしは四十六本で三百二十四件ですから、いわば十件以下の状況なんですね、平均しまして。そういう状況では、やっぱり数百万と言われる中小企業を対象とする場合に、もっとそこに大きな力と努力を注ぐべきだということを私はこの機会に重ねで指摘をしておきたいと思うんでありますが、もし杉山さん何かありましたら。
#216
○政府委員(杉山弘君) IPAが汎用プログラムを開発するに当たって、中小企業向けのニーズを十分くみ上げるべきではないか、この御指摘は、私どもまことにそのとおりであろうかと思います。これまでもいろいろ努力はいたしておりますが、今回中小企業関係の情報化を進めるために法律改正をお願いいたしておりまして、各地の中小企業情報センター、さらには今回の改正によります指定法人等において、中小企業の情報化に対していろいろ施策も講ぜられることになりますので、そういうところとも今まで以上に連絡を密にいたしまして、中小企業向けのニーズを十分把握し、またそれと同時に、開発されたプログラムについてもできるだけその周知を図って御利用をいただくように、これらの団体との連携は一層緊密にいたしてまいりたいと思っております。
#217
○市川正一君 次に、中小企業指導法等の一部改正についてお聞きします。
 これは中小企業の情報化対策を促進するために、一定の措置をとる内容として我が党も賛成できるものであります。同時に、情報化対策ももちろん必要でありますが、今中小企業が直面している深刻な問題は、やはり円高問題であるということを指摘しなければなりません。
 そこで伺うんでありますが、円高による緊急経営安定対策の指定業種は何業種で、どのくらい指定されたのか、また国際経済調整対策等特別貸付制度の利用件数、金額はどれくらいに相なっているのか承りたいと思います。
#218
○政府委員(木下博生君) 二月二十五日に施行いたしました特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法に基づきまして、三月四日に業種指定をいたしたわけでございますが、いわゆる円高対策の対象となる業種といたしましては百二十八業種を指定いたしております。それ以降、それに基づいて別枠の信用保証等の措置がとられておるわけでございますが、別途政府関係金融機関からの低利融資が行われておりまして、低利融資が行れました金額は三月末までで約千七百三十件、四百五十億円でございます。それから、法律に基づきまして各都道府県におきまして事業者の認定を行っておるわけでございますが、それは四月三日現在で千五十八件ということになっております。
#219
○市川正一君 東京商工リサーチの調べによりますと、円高による倒産が二月の十三件から三月には三十三件と急増し、また今後の見通しとしても円高倒産の急速な増大傾向を指摘いたしております。
 日刊工業新聞社が実施いたしました聞き取り調査、これは三月三十一日付に出ておりますが、これによりますと、全国各地の深刻な、あるいは悲痛とも言うべき声が紹介されております。例えば、新潟県の燕の金属洋食器では、一ドル二百円になった時点で県や市の緊急融資にわっと殺到しました。それが一ドル百七十円台になるに及んだ中ではもうあきらめに似た状況にあって、最近は洋食器の仕事を廃業したいんだ、生産設備を買い上げてほしい、こういう意見さえ出てきたと、ここには述べております。
 前回、兵庫県の西脇の播州織のことを長官にもお聞きいたしましたけれども、こういう燕のような深刻、切実、悲痛な事態というものを政府はどう受けとめていらっしゃるんですか。お聞きしたい。
#220
○政府委員(木下博生君) 円高は急速にかつ大幅に進展いたしました結果、各産地におきまして、今先生御指摘のような厳しい事態が起こっているのは事実でございます。中小企業庁といたしましても、過去四回にわたって調査をいたしましたが、調査をやるたびに事態は深刻だという感じになっております。
 そういうことでございますので、先ほど申し上げました法律が二月の二十五日に施行されて以降も、対策についてさらに充実したものをする必要があるかどうかをずっと見てきておったわけでございますが、四月の八日に総合経済対策が実施されまして、内需振興というようなものを含めまして、中小企業対策がさらに一段と強化されたわけでございますが、その内容といたしましては、五・五%の融資を事業転換部分については五%に下げると、それからその他のつなぎ融資的な融資については五・三%にするということをいたしますと同時に、下請企業対策あるいは先生今御指摘の事業転換についても、もうこれ以上従来の仕事を続けられないという声も相当私ども聞いておりますので、それについて各都道府県におきまして協議会を設ける、それからまた企業経営に経験のある方々を派遣してアドバイザーとして今後の経営の方向についても助言、指導するというような対策を打ち出したわけでございます。
#221
○市川正一君 具体的に伺うんですが、かくのごとく円高による影響を受けているにもかかわらず、まだ緊急経営安定対策の対象になっていない業界が幾つか残っているんです。私大阪から聞いた中でも、例えば製品の六割から七割を輸出している堺の自転車業界、また円高で二四%値下がりした非鉄金属スクラップ加工処理業界などがございます。私はこれらの業界も含めて、指定の対象をもっと広げるように図られるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
#222
○政府委員(木下博生君) 今御指摘の自転車の業界につきましては、私どもの円高の影響調査の対象業種でもあったわけでございまして、相当厳しい情勢にあるということはわかっておったわけでございますが、ただ三月四日に指定いたしますときに、やはり一応の客観的な基準に基づいて業種を指定するということにいたしました結果、自転車の場合には昨年の輸出がその前年よりもふえているというような事態があったために、その客観的な基準になかなか適合できなかったために指定から外したわけでございます。
 ただ、御承知のように、法律には個別の企業ごとに認定をするという制度がございますので、その個別の企業ごとの認定という制度をできるだけ弾力的に運用いたしまして、同じような状態にある個々の企業に対しましては十分な対策措置を講じたいというふうに考えておりまして、その旨は都道府県にも十分私どもの方からお伝えしてあるわけでございます。
#223
○市川正一君 その点、もっと温かいまた実効のある指導措置を強めていただくことを大臣にもこの機会にあわせてお願い申し上げます。うなずかれましたんで、心強く次の質問に入ります。
 政府は、四月八日に総合経済対策を発表されて、今長官も触れられましたが、金利について年五・五%を五・三%にいたしました。もともと我が党は、この国際経済調整対策等特別貸付制度の金利については三%にすることを主張し、本委員会でも力説をいたしました。渡辺通産大臣も、そのとおりだけれども、銭がないんやと、こうおっしゃった。しかし、今やこの我が党が提起いたしました三%すら深刻な事態の進展の実態には合わなくなってきております。
 すなわち、この間に公定歩合は、〇・五%の幅で、一月三十日とそれから三月十日と、二回で合計一%引き下げられました。さらに、通産省は三月二十七日、円高と市況低迷に苦しむ非鉄金属業界の支援のための緊急融資制度の金利二・七%を、〇・五%下げて二・二%にされました。こうした公定歩合の下げ幅やあるいは非鉄金属業界への金利などの実例からしても、今回の総合経済対策の国際経済調整対策等特別貸付制度の金利引き下げは、余りにも私小な過ぎる、小さ過ぎる。ですから、具体的には非鉄金属業界の緊急融資という実例もあるんですから、せめてそれ並みにまで引き下げるという決断は大臣ございませんか。
#224
○政府委員(木下博生君) 法律案を御審議いただきますときから、低利融資をすべきだという御指摘をいただいておったわけでございますが、御承知のように、政府関係金融機関から貸し出します金利につきましては、一つの大きな体系がございまして、郵便貯金を原資といたします資金を使ってお貸しするわけでございますので、基準金利あるいは財投金利等を考えて、それ以上の金利で貸すのが普通の状況でやっておるわけでございますが、特別に今回は五・五%の融資で低い金利を適用するということにしたわけでございます。そのときにも住宅金融公庫の金利等とのバランス等を考えて実施いたしたわけでございまして、今回の総合経済対策の中で住宅金融公庫の金利は五・二五%に引き下げられたわけでございます。
 事業者の立場からすれば、このように非常に厳しい情勢でございますから、金利はそれは幾らでも安い方がいいというお気持ちがあるのは十分私どもわかるわけでございますけれども、全体のそういう政府関係金融機関の金利体系の中で、特別の異例ともいう低い金利を適用したというのが、今回の五%及び五・三%の金利だということで御理解いただきたいと思います。
#225
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、金利というのは横並びというのがありましてね、
#226
○市川正一君 非鉄の二・二……
#227
○国務大臣(渡辺美智雄君) いやいや、横並び。大きな例えば征宅とかなんかなんて横並びがあるんですよ。そこで、〇・五仮に下げるということになりますと、そのものだけ下げるというわけにいきませんので、それは何千億円という金のやつを下げますから、予算措置が必要になってきます。そういうような関係で、非鉄金属の方は特別に予算がついているやつがありますから、金額がちっちゃいし、そういうのはできたんですが、非常に大きな金額になるものですから、今回はぎりぎりのところまでやったと。しかし、将来さらに金融事情が変わって、また金利を下げるというような事態にもしなれば、なればですよ、そのときにはその状況に応じて考えていきたいと思います。
#228
○市川正一君 時間がありましたら、私この問題を少しやりたかったんですが、そういうふうにおっしゃっている一方では、例えば二月二十六日に、輸出関連中小企業への低利融資などの緊急対策を、アメリカがガット違反だと文句をつけてきた、いちゃもんつけてきた、これに対する弁明資料を発表されているんですが、それによりますと、例えば融資規模の三千億というのは、中小企業向けの事業用資金融資残高全体のわずか〇・一七%にしかすぎない。貸付限度額六千万円は、平均的中小企業の数カ月の資金繰りを賄う程度の規模にしかすぎません。あるいは融資対象中小企業は一万ないし三万で、全中小製造業の一・三八ないし四・一四%にしかすぎませんというふうに、アメリカ向けにはいかにもこれはもう大したことないんだと。
 このことを報道した新聞によれば、「円高にともなう中小企業への悪影響を極力回避することが今回の緊急融資の狙いのはず。それが、こんなわずかな政策効果しか望めないのなら、政策として意味がないのでは、と思えるほど徹底した逆宣伝ぶり。」と、こう皮肉っているんですね。
 私はこの問題自身、もう少し今度時間をかけてゆっくりやりますから、そのときにひとつ、中小企業庁長官、心得て臨んでほしいんですが、私はこれはやっぱりアメリカ向けに言っていることが本音であって、国民向けにはええことをいろいろ、この新聞によれば、「いつもなら針小棒大ともいえる大げさな宣伝が得意な通産省・中小企業庁が」と、こういうふうにまで言われているんです。私は、この問題はぜひ検討願いたいということを、今の大臣答弁をきょうの新しい討論の出発点にしながら、次回にひとつやらさせていただきたい、こう思うわけでありますが、私、時間の関係で、中小企業の一分野でもある木材業界の問題に関連して質問を進めざるを得ないんであります。木下さん、次の機会をひとつよろしくお願いします。
 けさの新聞報道によりますと、フィリピン政府は、木材輸出の全面禁止の方針を明らかにしたと言っております。先日も、フィリピンの木材密輸の問題で、日本の商社がこれに関係していたということが明らかにされております。この問題は、日本の木材関連の中小企業、さらには我が国の林業経営にもかかわる問題なのでありますので、ただしたいんであります。
 実は、私は三年前の一九八三年三月二十三日の本委員会でこの問題を取り上げ、その際にただした疑惑が、今度はフィリピン側の調査でも明るみに出され、当時の疑惑が根拠のあるものであることを証明したものだと思うんでありますが、ここ数年間におけるまずフィリピンとの木材貿易において、フィリピンから日本向け丸太の輸出数量と、日本のフィリピンからの丸太の輸入数量との間に相当の乖離があると思うんですけれども、外務省でも林野庁でも結構でありますから、御答弁を承りたいと思います。
#229
○説明員(小林秀明君) お答えいたします。
 過去五年間、一九八〇年以降のフィリピン側の統計によりますフィリピン側が提起するところの丸太の対日輪田統計でございますけれども、一九八〇年は五十万立方メーター、それから一九八一年は四十八万立方メーター、一九八二年は五十五万立方メーター、一九八三年は四十八万立方メーター、一九八四年は六十一万立方メーターということでございます。
#230
○市川正一君 日本。輸入の方。
#231
○説明員(小林秀明君) これは日本側の通関統計と承知しておりますが、一九八〇年につきましては百十七万立方メーター、それから八一年につきましては百四十七万立方メーター、八二年につきましては百四十五万立方メーター、それから八三年につきましては七十一万立方メーター、それから八四年につきましては百一万立方メーターというふうに承知いたしております。
#232
○市川正一君 私どもの調査でも、今の外務省のお答えと大体匹敵しておりますが、それを比率的に見ると八〇年が二・三四倍、八一年が三・〇六倍、八二年が二・六四倍、八三年が一・四八倍、八四年が一・六六倍というふうに、いずれもそのギャップというか、乖離があるわけであります。
 なぜこんなに食い違いがあるのか、それをどう見ていらっしゃるのか。どちらからでも結構ですが、解明していただきたい。林野庁の方がいいんじゃないですか。
#233
○説明員(脇元裕嗣君) 丸太の我が国への輸入につきましては完全に自由化をされております、御承知のとおりでございますが。つまりフィリピン側の輸出業者が生産、販売するものを我が国の輸入業者が買い付ける、こういう格好で行っております。一方、輸出につきましては、フィリピン国内におきまして適切な手続を経て輸出されているものと考えておりますが、現段階で私どもとしてフィリピンの現実的な輸出の形態、承知しておりませんので、具体的にはよく承知をしておりません。
 ただ、丸太の輸入の手続に関して申し上げますと、丸太が我が国の港湾に到着後、輸入業者によって再検量された上で税関に申告することになっておりますし、また一方では港湾施設の使用等を要するために密輸入があるということは考えられないと思います。我が国の法令上は、丸太の輸入業者におきましては、品名と再検量に基づきます数量等を記入した輸入申告書を提出することになっておりますが、その際には相手国の輸出業者の発行する貨物の品名、数量雑を記入した仕入れ書を添付することになっておりまして、これに基づいて輸入をしております。
 したがいまして、以上のように我が国の木材輸入につきましては、我が国の法令に従って適切に行われていると考えておりまして、林野庁としては今後とも木材貿易が適切に行われるよう対処してまいりたい。しかしながら、今のお話のように、我が国の通関統計上の輸入数量と、今外務省からお話のありましたフィリピン側における輸出数量との差が何に起因するものかということについては、私ども現段階でわかりません。
#234
○市川正一君 わからぬならわからぬで責任ある答弁をすればいいんで、長々と時間とって何ですか。それで、結果わからぬという、そんなふざけた答弁ないですよ。
 外務省に伺いますけれども、フィリピン政府が八二年から八三年にかけて、この食い違いについて調査団を派遣したいという公電が入ってきた、しかし我が国の方が積極的な調査協力をしなかったということを前回の質問のときに私は明らかにしたんですが、それ以来の三年間に、フィリピン政府から我が国に対して何らかの協力要請はございましたですか。
#235
○説明員(小林秀明君) 御質問の件につきましては、フィリピン側よりは、昨年来、我が国のフィリピンよりの丸太の輸入量についての情報の入手につき、我が方の協力を得たいという要請はございました。それで、既に我が方より、我が国の通関統計に基づきましてフィリピンよりの丸太の輸入量をフィリピン側に伝えでございます。
#236
○市川正一君 結局、フィリピン側からもこの問題を解明したいということで正式に申し入れがあったんだけれども、日本の政府の方は今日まで何も積極的にはやっていないんです。
 そこで、なぜこういう食い違いが出るのか調べてみたのでありますが、わかりやすく話を進めるために、委員長の御了解を得まして資料をお配りし、それに基づいて説明をいたしたいのでありますが、お許しを願いたいと思います。
#237
○委員長(下条進一郎君) よろしいです。
  〔資料配付〕
#238
○市川正一君 この図の向かって右の上にある日本の木材輸入業者、例えばここに日商岩井、三井物産、伊藤忠などと書いておきましたが、これが香港にある自分の会社の支店に木材を、例えばここに三万立米というふうにしておきましたが、この買いつけを指示します。この間は本店と支店の間の取引になります。次にその日本商社の香港支店は、香港にあるスイッチャー、仲介業と申しますか、仲介人といいますか、三万立米の契約をそれと結びます。そのスイッチャーは、フィリピン国内の木材の伐採権とか輸出枠を持っているブローカーとまず一万立米の契約を結ぶ。しかし、これには裏契約があって、三万立米をちゃんと積むことになっておりますし、代金の決済もその三万立米分ということに相なっておるんです。
 ブローカーは、フィリピン政府から一万立米の輸出許可を取り、フィリピン税関に提出します。その際に、フィリピン税関を買収して、実際は三万立米を船積みし、書類もちゃんと三万立米につくりかえるんです。そして、三万立米の木材はフィリピンから日本へ直行し、陸揚げされる。日本の通関実績は、書類もちゃんと整っておるわけですから、三万立米に相なるわけであります。
 一方、代金はどうかというと、日本商社の香港支店からスイッチャーに三万立米分を支払います。スイッチャーはブローカーに三万立米分の代金を支払うんですが、フィリピン向けには一万立米分だけしか送金いたしません。残りの二万立米分は、ブローカーの指示に従って香港なりその他の第三国の銀行の隠し口座に振り込みます。かくて、フィリピンでは一万立米輸出をし、一万立米分の入金で決済完了です。日本の方も、三万立米輸入し、三万立米分支払って決済完了であります。こうして、この仕組みの中で浮かされた分、今のこの例で申しますと、二万立米分の中からマルコス前フィリピン大統領に政治献金がなされ、不正蓄財の一部になる。こういう、いわば疑惑が今日報道されているところであります。
 この点について、業界筋は、日本側が密輸と知りながら買っていたというのは一方的やと言って盛んに弁明をいたしておりますが、こういうからくりは、常識から言っても知らずにできるものではありません。また、双方の合意なくしてはできぬものです。ですから、その事実を私は関係者から確認しているところであります。証言もあります。私は、林野庁がこういうことを全く知らぬでさっきのような答弁をなさったのかどうか、もう一度責任ある答弁を伺いたいと思います。
#239
○説明員(脇元裕嗣君) ただいま先生がお配りの、この資料を見させていただいたわけであります。
 輸入商社の集まりであります木材輸入協会というのがございますが、こことも常々私ども連携をとっておりますが、輸入協会におきましても、個別の商社の輸入のシステムについて詳しく承知していないということもございますが、私どもも、こういう形態がなされているということについては、実は林野庁として承知はしておりません。
#240
○市川正一君 そうしたら、これを一遍洗ってくれませんか、今大きな国際的な、社会的な問題になっているんですから。
#241
○説明員(脇元裕嗣君) 先生御指摘のように、関係業界とも連携をとりまして、調査をいたしたいと思います。
#242
○市川正一君 権威を持ってやってくださいよ。向こうの言いなりに聞いておったらあきまへんよ。
 そこで伺いますが、この当時、フィリピンはどういう林業政策や原木の輸国政策をとっていたか、外務省、林野庁、どちらでもわかっておられたら聞かせてください。
#243
○説明員(小林秀明君) 簡単に申し上げますと、八二年五月以前は、丸太の輸出量をフィリピン政府は会社別に割り当てていたわけでございます。八二年の五月に丸太の全面禁輸という政策がとられましたが、八二年の七月には一部、条件づきでございますけれども、丸太の全面禁輸という措置は解除されております。八五年、去年の七月以降は、前年度の製材、製品の輸出量と同等の丸太輸出を認めるという政策をとってきておると承知しております。
#244
○市川正一君 フィリピンの木材資源は、今、外務省からもあったように、こういう日本の商社によるフィリピン木材の乱伐あるいは密輸出の幇助もあって、荒れほうだいになっておりました。さすがのマルコス政権も、森林資源の保全と付加加値を高める輸出という立場から、一定の規制措置をとらざるを得なかったのであります。そして同時に、我が国も、経済協力の一環としてこういうフィリピンの森林資源保全のためにいろいろ協力をするという措置をとっておりました。
 ところが、他方では、それを内部から突き崩すような今紹介したようなやり方、手口で密輸入を遂行する。同時に、そういうフィリピン木材を初めとした輸入木材の影響で、我が国の林業経営と木材関係の中小業者を危機的状態に追い込んでいる。これは、さきに発表された一九八五年度の林業白書でも、日本の森林が荒廃し、そしてまた林業が危機にあるということを指摘しているじゃありませんか、林野庁。そうでしょう。そうなりますと、私は、こういう商社の活動の実態をよく調査し、そして横暴な企業活動を是正させる指導が今非常に重要になってきていると思うのであります。
 本日の報道によりますと、フィリピン政府は、この問題で合同特別調査委員会を設置し、日本の業者が密輸にかかわっていたかどうかという調査の対象を明らかにしております。したがって、これは外交問題にも発展しかねない大事な問題であります。
 外務省に伺いたいのでありますが、独自にこの実態を調査して、そしてまた企業活動のあり方を是正させる必要があると思うのでありますが、その見解をしかと承りたいと思います。
#245
○説明員(小林秀明君) 外務省といたしましても、フィリピンからの原木の輸入に関して密輸等のうわさがあるということについては注目してきておりまして、ただいまの委員の資料に基づく御説明を参考にさせていただきたいと思います。
 本件は、基本的にはフィリピン側の問題かと思います。今のところ、委員御承知のとおり、フィリピン側より日本政府に対して特段の調査等の具体的な要請がまいっていないわけでございますけれども、我が国といたしましては、今後仮にフィリピン政府から何らかの協力要請というものがなされる場合には、これがなされた段階で具体的な要請の内容を踏まえまして、いかなる協力が可能かということを検討していきたいと思っております。
#246
○市川正一君 ぜひ厳重な調査をお願いします。
 最後に、時間の範囲でもう一つフィリピン関係の問題について伺いますが、林野庁お引き取り願って結構です。しっかりやってください。
 マルコス文書では、東陽通商がフィリピン沿岸警備隊のLST、揚陸艦とも申しますが、その軍用艦船の修理を受注し、一五%のリベートをマルコス側近に支払ったとされております。先日ちょうだいいたしました資料に出ております。
 ここで問題にいたしたいのは、このLSTが米軍から自衛隊に供与され、自衛隊が使用していたものが含まれていたということであります。しかも、このLST等の船舶はフィリピン海軍、ネービー直属の沿岸警備隊船舶、すなわち軍事用として使用されていたという事実であります。
 通産省に伺いますが、一つは、自衛隊がかつて使用していたLST等の船舶は、民生用としてフィリピンに送られたのか、軍用として送られたのか、どうだったのか。もう一つは、東陽通商の関係者は、米軍籍と日本籍と両方あったと証言をいたしております。籍の移しかえは行われたのか。それはどういう経過であったのか。二点についてまず伺います。
#247
○政府委員(杉山弘君) 二点のお尋ねがございました。
 軍用として出したのか、それとも汎用のものとして出したのか、こういうことでございますが、本件につきましては省内の内規によります文書の保存期間が既に経過いたしておりますので、私どもフィリピンに関連いたします円借款の問題とは直接関連のない件ではございますが、お尋ねの武器輸出三原則等との絡みもございますので、この点については関心を持っていろいろ調査を進めておりますが、まだ必ずしも詳細を十分把握し切ってはおりません。
 第二点でお尋ねのございました、東陽通商が日本船籍と、それからアメリカ船籍と両方あったと、こういうようなお話でございますが、これについても事実関係の確認がまだ相済んでおりませんが、自衛隊が使用をいたしておりましたものが不要になりました際に、これを米軍に返還するということが決められております。これは日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定、MDA協定ではっきりと書かれておりますので、自衛隊が使っておりましたものが不要になった段階では、日本政府から米国政府に返還の申し出が当然されているものというふうには考えますが、この時点で船籍がいずれにあったかということの事実の確認はまだいたしておりません。
#248
○市川正一君 私はいずれにしても、かつて自衛隊が使用していた軍艦がフィリピンで軍用に使用されていた、ネービーに。しかもその船を日本の民間会社が修理したということが今明らかになってきたので、その修理内容が武器輸出三原則に触れないのか触れているのかという問題が浮上せざるを得ないのです。私は、通産省は資料がもうないとおっしゃるけれども、大事な問題なのでこのLST等の船舶修理が武器輸出三原則に抵触しないのかどうかということについて、修理申請された船名と、あるいは修理内容というものをつまびらかにすべきであると思いますが、御調査願えますか。
#249
○政府委員(杉山弘君) ただいまも申し上げましたように、私どももこの問題について関心を持っていろいろ調べておるところでございますが、いかんせん、かなり年数も経過していることでございますので、調査をいたしましても限界はあろうかと思いますが、できるだけ努力はいたしたいと思います。
#250
○市川正一君 例えば東陽通商、それから実際にこれを修理したのは住友重工と佐世保重工などであります。また防衛庁も絡んでいるわけでありますから、そういうところから事情を聞いていただきたいと思うんですが、そういう努力をなさいますか。
#251
○政府委員(杉山弘君) 御指摘のありましたような方面からの事情聴取を初めとして、できるだけの努力はしてみたいと思います。
#252
○市川正一君 府間が参りましたので、最後の質問でありますが、そうしますと、この東陽通商が、修理の際に一五%もの高額のリベートをマルコス側近に支払うということを、当時の手続として日本政府がこれを認めたということになっているのであります。
 そうしますと、結果的にはそういう一五%というリベートを政府が公認をしたという極めて重大な問題も含まれております。通産省は、当時の資料がもはやないというふうなことで事をあいまいにするのじゃなしに、やっぱりこの点はっきりさせる必要があると思うんです。ですから重ねて厳重に調査して責任ある報告を提出されることを求めまして、私の質問を終わりたいと思います。
#253
○政府委員(村岡茂生君) ただいまの船舶の修理に関連いたしまして一五%の手数料を通産省が詳可したと、そのような新聞報道がございましてそのような御質問があったわけでございますが、私どもの局の調べによりますと、船舶修理に伴いますコミッションの支払いは通産省の権限ではございません。かつまた、その当時、支払いは自由化されておりました。したがいましてその新聞の記事は誤りと考えております。
#254
○市川正一君 この点はやりとりいたしませんが、大蔵省が絡んでくると、そして当時のいわゆる貿易管理令との関連があるということは承知しております。
 したがって、通産省というふうに私は申しましたか。政府というふうに言わなかったですか。(「言わなかった」と呼ぶ者あり)言わなかった――それじゃその点は、政府というふうに広く訂正をいたします。通産省という名指しは謹んで訂正をいたしまして、これで私の質問を終わります。
#255
○井上計君 法案の質疑に入る前に、大臣にお伺いをいたしたいことがあります。
 けさほど来、撚糸工連にまつわる不祥事件等についての同僚議員からいろいろと質疑がなされております。
   〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕
既に御承知のように、私どもとしては、我が党の同僚議員のこととして大きく昨日から新聞あるいはニュース等で報道されておりました。大変なショックを受けておるわけであります。
 そこで、けさほどの梶原議員の質問に対して、梶原議員が政界までついに波及したと、これについて大臣はどうお考えであるかというふうな趣旨の質問をなされました。そこで大臣の御答弁、私記録したのでありますが、間違いなかろうと思いますが、明らかに大臣は、政治倫理が叫ばれている折からまことに遺憾に思いますと、こういうふうな御答弁をされたと思います。私は大臣の言葉じりをつかまえて食いつくわけじゃありませんけれども、この大臣の御答弁を聞きますと、考えようによっては、我が党の同僚議員が新聞に報道されているようないわば被疑事実があったと、このように実はお考えになってのこういうふうな御答弁だとすると、いささか大臣にお尋ねを申し上げたい、こういうことであります。
 私どもとしては、昨日来大変なショックを受けておりまして、したがいまして、本人から我々は、昨晩も、またけさもいろいろと実情を実は聞きました、本人の釈明も聞きました。どうしても合点がいかぬことがあります。
 といいますのは、おとついの夕方ごろ地検特捜部から電話があって、極秘でお会いをして事情聴取をいたしたい、あしたの御都合のいい時間に来てほしいという連絡があったそうであります。そこで、おとついの夕方ごろでありますから、あした、すなわち昨日の時間を約束したそうであります。向こうの方では、こちらから行くといろいろと周囲に漏れて目立つといけないので、こちらの方に来てほしいということであったので、実は行くことを決めたそうであります。ところが既に、一昨日の晩、報道陣からの問い合わせがあり、昨日、朝七時過ぎに宿舎を出ましたら、報道陣の車がもう数台並んでおって、彼が出たところ、直ちに報道陣がおりてきて、地下鉄に乗るまでずっとカメラで写真を撮り続けたということ、これが第一点。
 したがって、我々は昨日の午前の段階では全く知らなかったわけでありますが、彼が地検特捜部に行きまして事情聴取を受けて、いろいろと率直に彼は説明したそうであります。また後日を約束して、帰りに乗った車の中でラジオのニュースを聞いたら、ついに政界に波及と、こう言われたので、だれであろうかと思って聞き耳を立てたら、実は自分のことを言われてびっくりした。同時に、既に家宅捜索が議員会館等々始まっておるということで、全くびっくり仰天したということを彼は言っているのであります。
 この問題については、大臣の御答弁と違いますが、もうそれ以上は言いませんけれども、我々は、そういうふうないきさつから見て、現時点においては本人の潔白を実は信じております。本人もまた、天地神明に誓ってこのように言っておるわけでありますから、現在新聞報道、ニュース等によって、明らかに金銭授受があって、すなわち全くの不祥事件であるというごとき報道については、私どもとしては大変な不満と疑義を持っておるわけであります。
 したがって、大臣の先ほどの御答弁のように、政治倫理が叫ばれておる折から大変遺憾に思いますという御答弁は、新聞報道等によって本人が明らかに金銭授受を行っておる、したがってそういうふうな、言われておるような事実がある、こういうお考えでおっしゃったとすると御訂正を願わなくてはいかぬ、こう思います。言葉じりをつかまえるわけではありませんけれども、そのことをまずひとつ大臣にお伺いをしたいと思います。
#256
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、事実関係は一切調査をいたしておりませんからわかりません。わかりませんが、政界全体にそのようなうわさとかその他でもあるということについて、一般論として、そういうふうなことはない方がいいというような意味で申し上げたんですが、それが個別の案件と重なるというような誤解を与えるとすれば、それは取り消さしていただきます。
#257
○井上計君 ありがとうございました。
 大臣、どうか中座をしていただいて結構であります。
 それでは法案の質疑に入ります。
 既に、けさほど来同僚議員からも詳細な質疑が行われておりますから短縮をして、重複するものを省略して、特に私が感じております点を二、三点お伺いをいたしたい、こう思います。
 どのような法律、あるいはどんないい制度をつくっても、問題は、それを動かす人あるいはそれを利用する人が上手でなければ全く意味をなさぬ、こう思います。したがって、今審議中の二法案については、私どもとしては一日も早い実施ということについて切望しておるわけでありますけれども、ただ問題は、これらの特に中小企業等に対して、現在の中小企業者の、言えば情報というものに対する認識あるいは知識の程度が、果たして十分これらのものを活用できるかどうかということについては、やはり私は大きなまだ実は不安を持っておるということであるわけであります。
 そこで、いろいろと教育等についても、先ほど御答弁もありましたからもう省略しますけれども、何といっても、機械、特にコンピューター等々の情報機器にまず頭より先に体がなじんでいけるような、そういうふうな教育というものがやっぱり絶対必要だ、こう思いますから、杉山局長が同僚議員への答弁で、小学校教育等々いろいろおっしゃっておられましたが、ぜひそういうふうな面を通産省としても積極的に文部省に強くお申し入れをいただいて、そういうふうなことをお願いしたい、これが第一点。
 それから問題は、中小企業等については、現在いる従業員の中で、どうしても企業内で配置転換をしてそういうふうな技術者を持っていかなければ、雇用の問題があるわけです。新しい技術者をどんどん入れれば、では要らなくなった社員、従業員をどうするかという問題、これは重要な問題なんですね。ですから、現在いる従業員をそのような技術者に養成をするための方法を、これは特に細部にわたって考えていかなくち。やいかぬと、こう思うんです。
 これは、直接各地域にできる情報センター等々によってそういうふうなものが、具体的に細部にわたっての教育はなかなか困難だと思うのですけれども、そこで、業界と連絡して、業界の中でそういうふうな技術者への転換をするような教育を業界が独自でやれるような、そういうふうな制度、指導をひとつお願いできないものであろうか。教育の問題についてそのようなことを希望し、お尋ねをするわけであります。まず、これをひとつお願いいたします。
#258
○政府委員(杉山弘君) 学校教育課程におきますコンピューターの導入問題等、体がコンピューターになれるようなことを考えたらいかがか、こういう御指摘でございます。
 よく言われることでございますが、昔は、読み書きそろばんと言ったようでございますが、最近はもうそろばんのかわりにパソコンということになるようでございまして、私どももできるだけ、国民各層が余り異和感なくコンピューターに接していただけるということがこれからの高度情報化社会にとっては必要なんではなかろうか、そのためには、どうしてもやっぱり感受性の鋭い学校教育課程からこういったものになれ親しんでいただくことが必要ではないか、こう考えております。
 学校教育課程におきますコンピューターの導入状況につきましては、日本は小学校では一%足らず、これに対して米国ではもう八〇%強が導入されている、こういうような状況でございまして、ハードウエアの導入問題については文部省の方の御努力をお願いせざるを得ないわけでございますが、私どもの方としてもできるだけこういう問題についてはお手伝いをしたいということでございまして、文部省と一緒になりまして近くこのための財団法人をつくっていきたいと考えているわけでございます。名称は、仮称でございますが、コンピューター教育開発センターとでも名づけようかと思っておるのでございます。
 この財団法人におきましては、教育用のコンピューターシステムにつきましての標準的な仕様をつくりますとか、さらにCAIシステムを高度化していくための技術開発の問題についてやっていただく、さらにはコンピューター教育の普及、啓蒙、実態調査といったようなことをやりまして、学校教育課程からのコンピューター教育のあり方の問題についてぜひ力をかしてもらいたいということで設立を急いでおりまして、できましたら六月にでもスタートをしたいと考えているところでございます。
#259
○井上計君 そのような教育を、ぜひそういう面で実施されることが大いに期待できると、こう思います。
 私に関係することを申し上げて恐縮でありますが、印刷業界で、今から約十年あるいは十五年ほど前まではいろんな、文字どおりタイプをほとんど使っておった。したがって、タイプを使う従業員が非常に多かったわけですね。ところが現在、タイプというものはほとんど使われておりません。そういう従業員をどこに転換したかというと、コンピューターによる文字組み版機というものに全部転換したわけですね。それは全部企業内、それからメーカー等々とタイアップした企業内訓練でやったわけですよ。
 ですから、私は今後、コンピューターの使用等について、やはり国が、今おっしゃったような教育開発センターもできる、あるいはまた地域の情報センター等々、これらのもので教育をするわけでありますが、そういう教育だけでは急速に進む情報化、情報機器の普及というものになかなか対応できないんではないか、こういうことを懸念するものですから、そういう面もひとつお考えいただきながら、言えばそれぞれの企業が、企業内で、国の指導を受けながら、自主的にそういうふうな職場内の転換による技術者養成ができるような、そういう制度を今後運用の中でぜひお考えをいただきたい、これはひとつ要望しておきます。
 それから、やはりこれも同僚議員からお話が午前にあったと思いますけれども、ことしから実施されている人材派遣業の登録であります。これについては、今後コンピューターの技術者等が人材派遣業の中でかなりウエートを占めるであろうというふうに私も思っておりますが、現在、労働省の人材派遣業の認可といいますか、等々かなり厳しいんですね。したがって、中小企業が必要とする人材、特にコンピューター関係の人材は、現在の人材派遣業では実際はどうであろうかと、当初からそう思っておるんですけれども、したがって、この人材派遣業法について、やはり実態的に、中小企業が派遣を受けることができるような、そういう面についてもこれは通産省としてもお考えいただいて、労働省にもまた十分御協議いただく必要があるんではなかろうか、こう思います。これは要望であります。
 それから次に、先ほどこれまた話がありましたが、コンピューターといえば高いもの、全く難しいものというふうな固定観念がありますから、なかなかなじめない、入り込めないというのが大体ほとんどの中小企業であろうと、こう思います。特に商店なんかはそういうふうな傾向が強いと思いますが、言えばファックスにしても、一種の情報機器なんですから、そういうものからでも入っていくことがこれまた高度なコンピューター等になじむ、先ほど申し上げました体でまず入っていく一つの手段、方法であろう、こう思うんです。だからリース等々によって、資金助成の中でファックス等についても何らかの助成ができるような方法をも今後考えていくことが、やはり言えばコンピューター化、そういうふうな情報化を進めるために効果があるんではなかろうかというふうにも考えております。
 それから、ついでにもう一つですから申し上げます。
 まず私は、中小企業等に対してはなかなか個々にといってもそう容易なことでは入れません。そこで、それぞれ地域にありますところの商工組合あるいは協同組合等々と、それらのものと連携をして地域ごとにどこかにやっぱりそういうふうな、句といいますか、中小企業の集団的な共同事業による情報センターのようなもの、モデルを一つまず早急につくってもらう。そうすると、モデルがあれば、それを見れば、あっということで人がふえてくる、参加者がふえてくるというふうなことは、これはもう過去いろんな例からしてそれがあるわけでありますから、まず論より証拠で、一つ形をつくって、百聞は一見にしかずということで、実際にそれを見せることによって実地教育というふうなものをやることが、情報化に対する対応策を進めていくために、特に中小企業としては重要、必要だと、こう考えますが、そのようなモデル設定も今後の指導等の中でお考えがあるかどうか。
 あれこれ申し上げましたけれども、まとめて幾つかお伺いをして、時間を短縮する意味で私の質問は以上で終わりますので、御答弁よろしくお願いをいたします。
#260
○政府委員(杉山弘君) 三点お尋ねがございましたが、人材派適業法の問題、それからファックス等のリースによる供給の問題について私の方からお答えを申し上げます。
 まず、人材派遣業法に基づきます情報処理関係の利用者の規制でございますが、これはもう届け出だけで人材派遣ができるということになっております。したがいまして、新法施行後、私ども特別な問題を承知いたしておりませんけれども、もし何か問題がありますようでしたら、私どもの方、労働省と十分連絡をとってこの問題の処理に当たってまいりたいと思っておりますので、お聞かせをいただきたいと思います。
 それから、人材派遣問題といいますのは、現在情報処理関係では約二〇%ぐらいがそういう派遣形態をとっているようでございますが、長期的な問題として考えますと、私ども、こういう派遣の形をいつまでも続けるということが果たしていいのかどうかという点については問題を感じておりまして、むしろ、最終的にはこの法律の適用を受けなくても正規の委託形式で十分処理できるようになっていくということが、今後の情報処理業のステータスの確立のためにも必要ではないか、そういうことで業界の指導に当たってまいりたいと考えているところでございます。
 それから、ファックス等コンピューターに似たような機械類について、リースでの普及等を考えるということが、コンピューターに対してなれ親しむという観点からも必要ではないか、こういうお話でございますが、リースの問題につきましては、通産省も幾つか制度を持っております。御案内の機械保険もその一つでございますし、それから情報処理業に対してIPAが債務保証をやっておりますが、その対象にもなり得ると思います。機械保険の方につきましては、私、今断定的に申し上げることはできませんが、おおよそ情報関係の機械は入っているはずでございますので、多分そういう面ではやっておるはずでございますけれども、もし対象になってないようなことでもございましたら、これは改めて勉強さしていただきたい、かように思っております。
#261
○政府委員(木下博生君) 中小企業分野でコンピューターの利用がおくれておりますのは、今先生御指摘のように、結局、何か可能性はある機械だとは思いながらもなかなか使えないと、わからないという、中小企業者にとってなかなか難しい機械だというような感じがあるためにそういう問題が起こっているのだろうと思っております。
 そのような汎用のコンピューターでございますと、確かにコンピューター ソフトなければただの箱と言われるように、ソフトがちゃんとしていなくちゃいけないし、そのソフトについての知識がないと何にも使えないということになるわけですが、専用のものでございますと、ただいま先生御指摘のように、印刷の機械、言ってみれば、これはもうコンピューターと組み合わさったものでございますし、NC工作機械であれば、その中にコンピューターが入っておりますが、最近は女性の従業員でも十分にそれを動かすことができる、それからワープロもコンピューターでございまして、これもだれでも使えるようになっているということで、割合そういう専用的なものであれば相当の人たちが使うような世の中にもうなってきていると思うわけでございます。
 今後は、先ほども伏見先生等から御指摘もございましたけれども、汎用のソフトウエアで、それから中小企業が十分にそれを容易に、言ってみればバカチョンみたいな形で使えるような形になってくれば、これはどんどんみんなの人が使えるようになってくるわけでございまして、人材の養成あるいは使い方の勉強と、いうことと同時にそういうソフトの開発あるいは機器の開発等でも、十分サプライヤー側の方でも勉強を今後もしていただきたいというふうに考えております。
 現実には、中小企業でもう既にうまくコンピューターを使っている分野がございまして、中小のスーパーでも、POSシステムを入れて非常に有効にそれを使っているという例もありますので、むしろ今後は、そういう実際にうまく使っている商店街あるいは組合と、そういうものをほかの人たちが十分に勉強するというような形のものも必要になってくるだろうと思っております。
 それで、中小企業庁といたしましては、そういう意味で、中小企業の情報化を進めるに当たりましては、でき得る限りそういう組合ベースあるいは商工会ベース、商工会議所ベースで、そういう中小企業の一つの組織の中でうまくみんなが勉強し、使えるようなものをモデル的につくっていくというようなことに対してもいろいろと助成をしていきたいというふうに考えておりますので、そういう面から私どもとしては情報化を進めていきたいと思っている次第でございます。
#262
○木本平八郎君 また例によって、私今回は質問をいろいろ七項目ぐらい用意したんですけれども、ほとんど全部言い尽くされてしまったので、それからこの法案の内容については、けさ方からもう皆、各委員からいろいろと細かいところまで突っ込まれていますので、私はこの法案には賛成ですから、今後の対応の仕方という点から、せっかく時間を五十分初めでいただきましたので、少し使わしていただきたいと思うわけです。
 それで初めに、私非常に勉強不足で申しわけないので。二、三のことをちょっと教えていただきたいと思うんですが、まず、地域情報センターでいろいろコンサルタント、それから相談、指導に乗っておられますが、それは無料で全部やっておられるのかどうか、まずお聞きしたいんですが。
#263
○政府委員(遠山仁人君) 中小企業地域情報センターは、公益法人でございまして、その中には社団法人、それから財団法人とありまして、財団法人の方が数が多いわけでございます。中小企業地域情報センターは、そこと結びます中小企業事業団のデータベース、そこからの情報提供もいたしておりまして、中小企業者に対しまして情報提供をいたしておりますが、そういう情報提供は社団法人の場合でも広く海外に対しましても提供しておるわけでございまして、そういう情報提供は原則として無料でございます。
#264
○木本平八郎君 それからまた、ちょっと飛び飛びになって申しわけないんですけれどもね、IPAは今現在自分で相当プログラムを開発なさっていますね。私は、むしろIPAは、民間のいろいろのところが開発したソフトを買い上げて、そしてそれをユーザーに有料で貸す。ということは、ユーザーに使ってもらえないようなソフトを買い上げたら、これはもう購買の失敗ですからね。そういうシステムはとれないかどうか、ちょっとお伺いしたいんですが。
#265
○政府委員(杉山弘君) IPAの汎用ソフトウェアの開発につきましては、IPAみずからが開発するという格好はとっておりませんで、民間に委託開発をするという形をとっております。
   〔理事前田勲男君退席、委員長着席〕
委託開発をいたします際の手続といたしましては、ソフトウェア業者からどういうプログラムの開発を希望するかという希望をとりまして、学識経験者から成る審査委員会でその適否につきまして意見を求めまして、適当と思われるものについてIPAとして正式に応募をしてきたソフトウエア業者に委託開発をお願いをする、こういうシステムをとっておりますので、現状はほぼ先生御指摘のような状況になっているんではないかと考える次第でございます。
#266
○木本平八郎君 もちろんそういうことをこのなにからうかがえるんですけれども、今まではそれでもいいと思うんですけれども、これだけ財政が厳しくなってきて、政府は金がなくなってきていますから、できるだけこういうIPAのようなところも独立採算に持っていった方が、指導した方がいいんじゃないかということが一つですね。
 それからやはり国家的な見地から必要な、有用なソフトを開発しろと、こういいますと、私このIPAはよく知りませんけれども、会社のEDP部門でも、自分の好きなプログラムを非常に一生懸命開発するんですね。それで、実際は立派なものはできるけれども、全然営業では役に立たないというものが開発されかねないんです。したがって、今後のIPAのあり方としては、やっぱり開発したらユーザーに使ってもらえる、どんどん使ってもらえるようなものを目指すべきである、私はそう思うんですけれども、しかし政府として考えた場合には、学問的といいますか、技術的といいますか、そういった見地から、余り売れなくてもこういうものが必要なんで、個々にそういうものをIPAにやらせるというふうな要素があるかどうかお伺いしたいんですがね。
#267
○政府委員(杉山弘君) IPAの汎用プログラム開発事業につきましては、二つねらいがございまして、一つは、ソフトウエア業者が技術的に極めて弱いという観点から、何とか高度の汎用プログラムの開発をやることを通じてソフトウエア業者の技術のレベルアップをしていこうというねらいが一つございますし、もう一つは市場性と申しますか、なるべく広いユーザーに使っていただけるようなものを開発しようと。従来どちらかといいますと、二つのねらいのうち、技術性の方に重点を置いて私どもはやってきたように感じております。
 採算性については、努力はしておりますが、これまでのところ、まだ単年度で収支採算がとれる状況には残念ながらいっておりません。これからは、おっしゃるような状況でございますので、むしろ市場性のあるものを開発をしていくというところにスタンスの重心を置きましてやっていきたい、そういう結果としまして、私どもの見通しては、これから十年ぐらいたちましたら単年度での収支採算はとれるようにぜひしたい、十五年ぐらいたちましたら、これまでの累積で考えましても何とか収支が黒になるように、そういうところまで持っていきたい、こう考えておるわけでございます。
#268
○木本平八郎君 まあ十年、十五年とおっしゃらずに、できるだけ早くやっていただいて、こういう財政の非常に破綻状態がありますと、何をやるにももうぎくしゃくぎくしゃくして、必ずそれにひっかかってきますので、できるだけこういうところにでもそういう採算がとれるように努力していただきたいと思います。
 それで、次に木下長官にまたお伺いしたいんですがね。ここで中小企業とおっしゃっていますけれども、いつもの質問なんですけれども、いわゆる零細企業といいますか、小規模企業といわゆる中小と、こう分けた場合、この法案の対象はどちらかといえば、どちらにウエートがあるのかまずお聞きしたいんですが。
#269
○政府委員(照山正夫君) 先生御指摘のように、中小企業、またその中には中小企業並びに小規模企業、零細企業と俗に申しますか、そういうことでいろんな規模のものがあるわけでございますが、私どものところの設備近代化で申しますと、これは資金力の乏しい中小企業ということで、どちらかといえば零細企業、俗に言えば零細企業にやや重点を置いて運用するということでやっておるわけでございます。
#270
○木本平八郎君 そうすると、私ちょっと、非常に知識がないんで申しわけないんですけれども、中小企業の方ですね、いわゆる零細を除いた、そっちの方は先ほどのここの説明にありましたように、大企業に比べてコンピューター化されている比率が三十何%とか何かありましたね。あれから見れば大分高いわけですか。大企業にほとんど等しいぐらいコンピューター化されているのかどうか、その辺どうでしょう。
#271
○政府委員(木下博生君) 中小企業にもいろいろの種類があるわけでございますが、比較的規模の大きい中小企業、言ってみれば中企業に当たる企業で、しかも製造業を営んでいる企業の場合には、相当部分がもうコンピューターを使っておるということではないかと思います。
 このコンピューターの利用状況を見ましても、特に利用度の低い分野は小売サービス業であるわけでございますが、小売業といいますのは、結局一人、二人の従業員を雇っている零細小売店が大部分でございますので、そういうところはなかなかやっぱりコンピューターは使えないということでございますから、分野的に見ると、そういう零細企業の分野の方がやはりコンピューターを使う度合いが非常に低いということは一般的には言えるだろうと思います。
    ―――――――――――――
#272
○委員長(下条進一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、岩本政光君及び守住有信君が委員を辞任され、その補欠として石井道子君及び志村哲良君が選任されました。
    ―――――――――――――
#273
○木本平八郎君 これは、必ずしも法案とかそれの説明にあるわけじゃないんですけれども、情報が企業の死命を制する時代になったというふうなことがうたわれていますね。これは当然、常識的にはしょっちゅうそういうことが言われるわけです。それから、あるいはこの説明で、どうしてこういう法案が改めて出てきたかということで、企業競争が激化したとか、需要が多様化しているとか、あるいは需要の高度化とか、経営の効率化を急がなきゃいけないことになったとか、それからあるいは今までどうしてこういうコンピューター化ができなかったかという点では、企業自身が余りそう必要だとは思っていないとか、あるいは非常に値段が高いので資金負担が大きくてちょっと手に負えないとか、あるいはそれをマネージする人材がいないとか、あるいは適当な機器がなかったとか、それからそのリスクが大きいとか、導入のメリットが余り考えられない、情報化の今後の見通しが立たないとか、どういうふうに対応していいかわからぬとか、いろいろこうあったわけですね。
 そういうものが新しく出てきたわけですけれども、今ここでコンピューター化というのは、ねらっておられるのは、いわゆる事務処理じゃないかと思うんですけれども、マネジメントサイエンスの管理情報をとるとか、そういうことも少しうかがえるんですが、マーケティングだとか市場情報とか。その点で、今いわゆる零細企業とおっしゃいましたけれども、事務処理とそれからMSと二つに分けますと、どちらをねらっておられるんですか。
#274
○政府委員(遠山仁人君) 企業が情報化をいたしますのに、情報化がどういうところにねらいがあるか、こういう御質問かと思いますが、情報化というのはいろんなやり方がございますし、いろいろ業種、業態によって、それからまた企業の規模等によっても、いろいろ、それをどういうふうに利用するかというのは非常に多種多様だと思います。
 特に中小企業の場合には、その中でどういう面が中心かという御質問かと思いますけれども、大きく分けますと、中小企業の場合、情報化をいたしますのに、コンピューター等を利用しまして事務処理の効率化あるいは生産工程の自動化とか、そういうふうないわば企業活動の一部を効率的にやるという面がございます。それから、その次の段階としてというか、それとは違う段階として、情報をよく、うまく活用して、例えば在庫管理を適正にするとか、あるいは生産活動を例えば消費者のニーズに合わせて効率的に行うとか、配送を合理化するとか、そういうふうな問題がございます。それから、さらにそれを企業経営に高度に役立てるという意味で、例えばそういうニーズ情報等を分析して、どういう方向で生産活動をやったらいいか、あるいは流通、取り扱う商品を決めたらいいか、そういうふうな問題があると思います。
 中小企業にとりましてはいずれも大事なんですけれども、業種、業態によっていろいろなんでございますが、その中でも特に自動化あるいはOA化とか、そういうところから入っていくのが入りやすいんじゃないかなという感じがいたしますが、ただ、それも中小企業の対応の仕方によって、さらに情報をいろいろな面で活用していくということも必要でございまして、私どもとしてはそういうふうないろいろな面で活用できるような万策を考えていきたい、こういうふうに思っております。
#275
○木本平八郎君 今のお話で、それはもういろいろ、八百屋みたいに何でもかんでもやりたいというなには、それは理想論としてはわかるんですけれども、実際問題としては、これはむしろ杉山さんの方にお聞きした方がいいのかもしれませんけれども、現在、大企業でもほとんど事務処理の範囲を出ていないですね。私、もう会社やめてから三年になりますから、三年間にどう変わったかしりませんけれども。それで、MSなんていうのは、いろいろやっていますけれども、本当にそれは社内でそこまで利用というのはなかなかできてない。私はまあ、前に言ってたんですけれども、コンピューターなんていうのは巨大なおもちゃで、体裁上各企業は持っておるだけで、余り有効に使われていない、事務処理は別ですよ。そういうふうに思うんですがね。そういう点からいきますと、やっぱり中小企業、あるいは殊に零細企業になりますと、まず事務処理にもうコンセントレートすべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
#276
○政府委員(木下博生君) 中小企業の場合、確かに事務処理の分野、例えば経理処理とか、そういう分野で非常にコンピューターが有用であるのはもう申すまでもないことでございますが、ただ、流通関係で、最近特に顕著な、いわゆるPOSシステムでございますですね、バーコードのついたものをレジスターでそのままとってやる。その制度は、事務処理を非常に合理化させると同時に、事務処理をしている過程において情報を集め、在庫管理も一緒にする、あるいは売れ筋情報をフランチャイズチェーンや何かの場合には、全体をまとめて、どういう商品が今どういうところでよく売れているかというようなところの情報まで一緒にとりますので、何というんですか、情報処理も一緒にやっているわけでございますね。したがいまして、単にそういう事務処理の分野だけではなくて、その事務処理をやる過程において非常に大量の情報をうまく分析して、それをまた経営活動に当てていくという面も今後出てくるだろうと思っております。
 ただ、個々の零細な個人商店が直ちにそういうシステムを一緒に導入できるかどうかという点は非常に難しいところかと思います。
#277
○木本平八郎君 やはりそこで情報を取ることは簡単にできると思うんですね。ある意味じゃハードですからね。さっとやればそれ登録されちゃうわけですね。ところが、先ほどありましたように、それを分析してマネージする人材の問題なんですね。中小企業というのは、大体社長さんが情報を全部集めて、自分で判断してやっておられるわけですね。余り科学的じゃないかもしれぬけれども、やっておられる。今の情報の問題は、私ある国に長期出張しておりまして、それで日本からやる電報から電話から全部盗聴されて、全部コピーとってあるんですね。ところが、その内部の人に聞いたら、わあっととるけれども、もう分析するなにがないんで、テープなんかは古いやつからまた順番に出して、またどんどん新しくとっていくと。とるだけで、コピーはわんさわんさあって、もうしようがないから、何カ月かたつとそれを皆捨てているというふうな情報収集している風もあったわけですね。
 したがって、幾ら情報をとってみても、結局分析して、それを利用する能力がないと、これもいわゆる紙のむだ、製紙会社を喜ばせるだけということになっちゃうわけですね。したがって、私はやはりそこをどういうふうに周りでバックアップしていくか、サポートしていくか、この点を考えないといかぬと思うんですが、その辺はどういうふうにお考えになっていますか。
#278
○政府委員(木下博生君) 確かに、おっしゃるように非常に難しいところでありまして、通産省にもそういう情報検索システムがありますけれども、使っている人は使っておりますが、全体のコストとして見てどのくらいそれじゃ使っているかという点になると、必ずしもまだ十分ではないという面はあろうかと思います。
 ただ、先ほど申し上げましたような流通関係でございますと、一つの商店でそういうものを全部処理していくということは実際上不可能でございます。しかし、例えば薬屋さんのチェーンが、そういう情報でネットワークのチェーンがありまして、薬屋さん同士で自分のところで販売した情報をあるセンターに流していくと、センターでそれを分析して、分析した上で必要な情報をまた加盟者に渡すというような仕組みで、うまくやっているところもあるわけでございまして、それは個々の企業者が独立して事業を行いながら、一種の協同組合みたいな形でやっておるわけでございます。
 そのときに、自分の店の情報をほかの店に渡すことがプラスかマイナスかという問題がいつも起こってくるわけでございますが、全体のシステムに入っている人たちの話を聞きますと、むしろ自分のところの情報は競争相手であるほかの薬屋さんに渡しても、お互いにそういう情報交換し合うことが結局みんなのためになるというような判断をしているようでございまして、そういうような形での利用の仕方というのは、難しいですが徐々にふえてくるのではないかと思います。
#279
○木本平八郎君 それで、やはり中小企業のコンピューター化していくときに、私なりに考えなきゃいかぬことがいろいろあると思うんですね。それはまず、大きいことを皆望みたがるんですけれども、今ほとんど何にもないという状況なら、とりあえず手近なものから、簡単なものから、やれるものからやっていくということがまず必要だろうと思うんですね。それでその範囲は使いこなしていく、少なくとも買った物と売った物とどれだけもうかっているか。例えばこの商品はいかにももうかっているけれども、回転期間が非常に長いとか、そういうことが少なくともわかる範囲のことでやっぱりやるということが必要なんじゃないかという気がするわけですね。
 それから、やはりそういう人手のないところでやるためには、コンピューターも、先ほどのテレビとか電話みたいなもので、理屈も仕組みも何もわからぬけれども、ただボタンを押せばぱっと出てくるというふうなやり方が必要なんじゃないかという気がするわけですね。私はそういうふうなことをやるためには、むしろこの際というか、今後なんですけれども、地域情報センターとかそういったところに、国で大きなコンピューターをでんと置いてやって、そこへ電話線がつながっていて、それでレジならレジにこうやれば、そのまま情報が行ってしまう。それで後で、夕方あるいは店が閉まってから必要な情報をそこへ入れていって、大きなコンピューターの中に全部入っている、タイムシェアリングで入っているというふうなコンピューター化が一番いいんじゃないか、共同利用というのがいいんじゃないかと思うんですが、その辺はどういうふうにお考えになっていますか。
#280
○政府委員(遠山仁人君) 中小企業にとりましては、なかなか高度なシステムを利用するわけにはいかないので、とりあえず手近なところから利用できるようにしたらどうか、こういう御指摘だと思います。
 私どもも、昨年、中小企業近代化審議会の分科会におきましておまとめいただきました報告書でございますが、そういう中でも、中小企業の場合、無理な情報化というのをやりますと、かえって経営上負担になるという場合もあるので十分注意しなければならないということが指摘されておるところでございまして、そういう点十分考えなければいけないと思いますし、それから情報化を進めます場合にも、先々は高度なシステムを使うにしても、やはりそれも段階的に使っていく必要があるんじゃないか、こういうふうなことも感じているわけでございます。
 具体的に、地域情報センターで、そういうふうなだれでも使えるような、簡単に使えるようなシステムをつくって、中小企業の情報化をそういう面で進めたらいいんじゃないか、こういう御指摘でございますけれども、私どもとしても、できる限りそういうふうな方向で、地域情報センターが、そういった形で具体的に中小企業がなじめるように、例えばOA機器の展示をしまして、それで実際にさわってみてどういうことができるのかということがわかるようなものをやるとか、あるいは共同のデータベースをつくりまして、そういうデータベースを利用しますとこういうことがわかるのだというふうに知っていただく、そういうことが必要なんじゃないかと思いまして、そういう方向で活動をしていただくことを期待しているわけでございまして、私どもとしてもその方向で推進したいと思っております。
#281
○木本平八郎君 やはり私はその物の考え方に、中小企業の人がユーザーであって自分で使うということは、もちろん気持ちとしてはそれは必要なんですけれども、形としてはその人たちはもうスイッチ押すだけ、あるいは必要なものを機械的にインプットするだけということにして、あとは、大きなコンピューターが全部動いている、そして必要な情報が入っていますから、そこからアウトプットされたものを地域情報センターのエンジニアなりコンサルタントが見て、あなたのところはどうも在庫の期間が長いとか、あなたのところはどうも平均の仕入れが悪いとか、いろいろなことをアドバイスする。要するにコンサルタントが使えるようなシステムにしなければいかぬということなんですね。それをユーザーにやらせようと思ったら、なかなか使いこなせない。したがって、私は今の地域情報センターにおられるそういうエンジニア、技術者の方々がどのくらいの指導をされているのか知りませんけれども、やはりその方がそのデータを見て、それで指導できるというサイドから考えなければいけないんじゃないかと思うんですね。
 したがって、今度そういう大きなコンピューターに入れるのも、入れる方はもう機械的に入れて、何かわけがわからぬけれども言われたとおり入れています、それで出てきたそのMS情報というのは、そういう方々が見て分析して、判断して、そして指導なさるというシステムがやっぱり必要なんじゃないかと思いますけれども、通産省のお考えになっているのは、あくまでユーザー中心で動かそうということなんですか、それともコンサルタント中心、私の言ったような考え方も含まれているのか、その辺はいかがですか。
#282
○政府委員(遠山仁人君) 中小企業の中には、いろいろな情報を得た場合に、その情報も非常に基本的な、例えば先ほどの例で申しますと、POS情報そのものがどういうふうにこれからの経営に役に立っていくのか、販売戦略に役に立っていくのかなんということを判断できるような能力の中小企業もおられると思いますけれども、多くの中小企業、特に零細な中小企業にとりましては、どういうふうに経営面で使ったらいいか、どういうふうにそれを役立てたらいいかということがなかなかわからないわけでございます。
 地域情報センターにおきましては、そういうふうな情報の処理あるいは情報の提供だけではなくて、その提供された情報が、あるいは処理された情報が、それぞれの中小企業の経営にどういうふうに役立てていただけ得るのか、そういうところまで含めまして指導あるいは助言をしませんと十分ではない、こういうふうに思っているわけでございます。したがいまして、地域情報センターにおります。そういう職員の方々は、やはり中小企業の経営面に詳しくて、しかもそういう情報処理にも詳しい、そういう方が必要になるわけであると思います。そういう面で、地域情報センターにはそういう人材はおりますけれども、さらにそういう人材面の強化を図っていきたい、こういうふうに思っております。
#283
○木本平八郎君 そこで、少し不謹慎なことを提案したいんですけれども、中央の集中の大きなコンピューターへの登録あるいは事務処理、それからコンサルタント、一切ユーザーには無料でやってやる、国が全部やるわけですね、相当金がかかるわけです。ところが、通産省としても大変なんですけれども、日本全体としてやれば、私は十分にペイできると思うんですよね。
 なぜかといいますと、ちょっと不謹慎な言い方なんですけれども、私どもが承知している範囲では、今コンピューター余り入れたくないという中に、それやりますと、貸借対照表から損益計算書までが全部出てきちゃうわけですね。そうすると節税の、あえて節税と言いますけれども、節税の通を閉ざされちゃうんで困るというなにがあるんですね。そうしますと、これで全部クリアになると、国税庁おられるかどうか知りませんけれども、大喜びになると思うんですね、税金ががっさり増税になるから。だから、これを無料にしたって、国としてはツーペイで必ずペイできると思うんです。
 そこで問題は、やはり企業側に立ってみた場合、国のそれに全部情報を預けて、そのかわり税金の方はがっちり取られる、しかしながら、それでも結局はトータルすれば得なんだということにならないと、そこまでいかないと私はコンピューター化する意味がないと思うんですね。
 その辺、合いきなりお聞きしても無理かもしれませんけれども、いや、結構ですと、全部登録してくださいと、それで税金がかるかもしれぬけれども、そのくらいのことは全部ちゃんとカバーできますというふうな自信があると、お聞きしたら悪いかもしれませんけれども、その辺について御所見を承りたいと思うんですがね。
#284
○政府委員(木下博生君) 今の御提案、なかなか興味ある御提案でございますけれども、ただ国の財政システムというのは、税金は税金、取る方は取ると、それから予算は、それで配分されたら各省庁で配分された予算を使うという仕組みでございまして、全体としてこの使い方をうまくやれば、こちらの方の収入が多くなるじゃないかという企業経営的発想が余り国の財政にはございませんので、なかなか今の御提案のような形での使い方というのは難しいのではないのかなという感じがするわけでございます。
 といいますのは、各企業が、地域情報センターのコンピューターを使うのを、結局国が全部面倒を見てやって、ただで使うということになるわけでございますから、言ってみれば、現在たくさんあります計算センターやなんかの仕事を、地域情報センターが中小企業者のためにはただでやってやるということになるわけでございまして、民業圧迫という意味もあるわけでございます。
 それから、中小企業庁の中小企業行政では、やはり企業の自主的努力を助成するというような考え方でございますので、個々の企業者に対して直接そういう補助的なものが行くというものは余りやっていないわけでございまして、あくまでも特別の場合には低利の融資を行うというようなことが政策の限界であろうかというふうな気がするわけでございます。したがいまして、モデル的なものをどこかに置いて、それをみんなにモデル的に使っていただくということなら別でございますが、一つのそういう援助システムというようなものをやっていくのは、やはりコスト的にも相当かかりますし、難しいことではないだろうかなというふうに思っております。
#285
○木本平八郎君 民業圧迫という点はまた後で、また別の提案があるんですがね。それで、それは先ほど大蔵省と通産省とは違うということは確かなんですけれども、我々の方から見たら、まあ同じ政府だからそれは何とかなるだろうというふうな感じはあるわけです。渡辺大臣は大物大臣ですから、内閣全体として、国全体としてその辺は将来お考えになっていただきたいと思うわけです。
 それでちょっと話を変えまして、コンピューター化するときにいろいろ問題があると思うんです。まず、先ほどもありましたけれども、例えば小売なら小売を考えた場合、卸屋さんはあっちこっちと複数取引しておるわけです。この卸屋さんのコンピューターシステムは全部違うわけです。問屋自身は例えば鉄なら鉄で、新日鉄だとか住金とか、いろいろなところと取引していて、みんなそれ違うんです。現在、鉄なんかの場合は、発注なんていうのはテープをデリバリーしてくるだけなんです。伝票もないわけです。それをこっちのコンピューターに入れてやると、ずっとオーダーから何から、納期から値段から何から、全部出てくるわけですね。それに基づいて今度は、これ例えばトヨタ自動車だとか三井造船とか、そういったところに納めるものも全部テープでやっているわけです。全然伝票なんか動いていないわけですよ、大企業の場合ですけれども。
 将来、そういう小売屋さんでも、あっちこっちから仕入れをコンピューターで全部やっちゃうということになりますと、そこでシステムが違うわけですね。そのシステムを、それをどういうふうにやるか、これは翻訳するプログラムとか、いろいろ解説できていると思うんですが、その辺はもう問題は解決されているんですか。
#286
○政府委員(杉山弘君) 今御指摘の点は、これまでの問題でもございましたし、まだ十分な解決がされておらないところでございまして、二つの方向からのアプローチがあろうかと思うわけでございます。
 一つは、それぞれの相手先との取引に使います伝票その他の、いわゆるビジネスプロトコルというものが違うことによって、複数の端末機械を置かなければならないという問題がある。これはできるだけ同一業種の場合には同一のビジネスプロトコルにしようという、ビジネスプロトコルの統一という問題を私どもは力を入れて今やり始めております。
 それからもう一つは、やはりハードウエア及びそのシステムそれ自身が違うことによる問題、これにつきましてはできるだけ標準化も進めていく。ただ、標準化を進めますが、単一機種に全部統一する、単一のシステムに全部統一する、これは難しゅうございますので、ある程度標準化されたシステム相互間では、これが自由にやりとりができるようにという、いわゆるインターオペラビリティーの問題、この技術開発にも今私どもは着手をいたしておりますので、そういった二つの方向からできるだけ取引先との関係で、普通の端末機械を持つようなことは避けるような方向で努力をしていきたいと思っております。
#287
○木本平八郎君 それで、それよりもまだ一番大きな問題は商品のコードなんです。だからこれは、私は結論的には商品コードを早くJJSにしていただきたいと思います。
 それからもう一つは、商品というのは企業によって詳しさが全部違うんです。例えば、我々は魚といったら何百とありますけれども、アフリカの真ん中の方で余り魚を食わないというようなところでは、魚という商品コード一つなんです。そういうふうにレベルが違うわけです。これをどういうふうにやるかということです。
 それで、こういったことは、やはりほっておけばほっておくほどやりにくくなりますし、複雑になりますんで、通産省として今後ぜひその点は強力に進めていただきたいと思うんですが、いかがですか。
#288
○政府委員(杉山弘君) 商品コードの統一の問題につきましては、私ども、できればJIS化するということが最良であろうかと思うんでございますけれども、今直ちにJIS化に持っていくということについては、なかなか実際上の困難がございます。そういう意味で、私ども、できましたら業界単位で、同一の業種内では同一の商品コードを使うといってとがまず手始めとしてできないだろうかということを考えておりまして、これは昨年改正をしていただきました法律の中で、電子計算機の連携指針をお示しをするということにしていただきまして、この四月一日からその部分が施行されまして、手始めといたしまして鉄鋼業の電子計算機の連携利用についての指針をお示しをしたところでございますが、そういった中におきまして、とりあえず各業種単位におきまして、その中で使われる商品コードについては統一をするということを、連携利用の際の基本的な問題としてやっていただくようにお願いもしていきたいと思っているわけでございます。
#289
○木本平八郎君 いやいや、きょうは五十分時間をもらったんですけれども、どんどん時間がなくなりますんでね、かいつまんで、技術者養成の問題について、ちょっと私のアイデアじゃないんですけれども、一つお願いしたいのは、プログラマーなんというのは、極めて労働集約的で、なかなかこれ大変なんですけれども、そこで私、結論的に、これ男女雇用平等法に反するかもしれないんですけれども、このプログラマーというのは、私は女の人の方がいいと思うんですよ、私の経験でも。粘り強いし、もうきちっと間違いなくやりますしね、男みたいな大ざっぱなことをやらないから。これはやっぱり女の人をできるだけ養成して、それで資格試験を段階的に細かくして、資格を取ればそれだけの月給をちゃんと払うということで、だから資格が上なら、男よりも当然月給余計取っていていいわけですね、そういうこと。
 それから、今奥様方がパートに相当出ておられますね。相当な教養のある奥さんでも、パートしかと言ったら失礼ですけれども、職がないという場合があるわけですね。ところが、そういう奥さん方も、このプログラマーなんかには少し養成すれば非常にうまくいくんじゃないかと思うんですね。そういう点で、これは通産省中小企業庁の方もお考えになっているようですけれども、私は、CAIとかそれからビデオとかそういったもので、家におっても学習できるようなシステムですね。これはもちろん専門学校に対してはちゃんとしたカリキュラム、それから私は、専門学校に対してもそういうビデオとかなんとかを通産省でつくって、無料でもいいんですけれども、安くやっていただいて、トータルのレベルを上げてもらいたいと思うんですけれども、今ここでは家庭の奥さん方でこれを勉強したいという人には自宅でもやれるように、まあできればNHKへでも頼んでコンピューター講座か何かやってもらうというふうなことで、そういうところにターゲットを絞っていただくというのはどうでしょうか。
#290
○政府委員(杉山弘君) 情報処理技術者に女性をできるだけ活用したらいかがかと、こういう御提案と承りましたが、私ども現在、情報処理技術者試験というのをやっておりますが、年々女性の方の応募がふえてきておりまして、プログラマーでは、これ段階的というほどではございませんが、二種類、上級プログラマー試験と、それから一般のプログラマー試験があるわけでございますが、最近では女性のプログラマーが三〇%ぐらい、三人に一人は女性の合格者という感じになってきておりますので、まあ、こういう傾向はこれからも続くと思います。
 また、女性でも、やはり上級プログラマー試験を受かっている場合には、男性の下級プログラマーに比べれば、職場内での待遇も当然よくなっているわけでございまして、ほぼ御趣旨の方向に沿ってやってきているんじゃないかと思っております。
 それから、CAIの手法を家庭にも持ち込むようなことを考えたらどうか。これはむしろ、まだ今我々といたしましては、企業内の技術者の研修なり専門学校における生徒教育用のCAIプログラムの開発をやっているところでございまして、手始めにはまずその辺からやりまして、そういうものについて十分行き渡りましたところで、御指摘のような点についてもこれからの課題として考えてみたいと思います。
#291
○木本平八郎君 それで、最後じゃないですけれども、ちょっとここで、いわゆる地域情報センターのあり方に戻りまして、私は、けさほどからのずっといろいろの議論を聞いていますと、ちょっと失礼な言い方になるかもしれませんけれども、どうも政府はこの問題に対するとらえ方が極めてハード的だと、ハードウエア的だという感じなんですね。金を出してこういうファンドをつくるとか、こういうシステムをつくるとか、こういう法人をつくると、それでもうおしまいという感じが非常に強いんですね。むしろそのユーザーだとか、それからあるいは使う人の都合とか便宜とかというのは余り発想がいかないと。これは先生が自分の都合だけを考えていて、生徒のことを考えていないのと同じようなんですね。私はもうずっと生徒の立場できたものですから、今まで長い人生、それでついつい先生のそういう嫌なところがすぐ目につくんですがね。
 そこで、地域情報センターというのは、そこに政府のお声がかりでコンサルタントがおって、いろいろ指導してやるということなんですけれども、私はそれよりも、結論的には、むしろ地域情報センターに、個人でもいいし、それから会社でもいいし、コンサルタント、システム会社ですね、そういったようなのを全部登録しておくわけですね。登録しておいて、それでユーザーがいますね。ユーザーとその登録したコンサルタントが直接契約するわけですね。それで自分のところをこういうコンピューター化したいと、こう言うわけですね。それで値段幾らでどうのこうのとやるわけですね。それが終わりましたら、両方が金出して保険つけるわけです。それで、この地域情報センターは保険を引き受けるわけですね。それでこのシステムがうまくいかなかったら、この情報センターが補償するわけなんです。
 それで、補償するということは、要するにそういうクレームがありましたら、今度は情報センターの別のコンサルタントが行ってちゃんと動くまで面倒を見る。そうしますと、ユーザーの方は安心していられるわけですね。今一番不安なのは、うまくいくかどうか、金ばっかりかかっちゃうんじゃないかとか、金はかけたけれども、後うまく動くかどうかとか、極めて不安があるんですね。ところが、それを保険つけておけばいいということであれば、これは安心してやれるし、相当普及するんじゃないかと思うんですが、その辺の、こういうアイデアについてはいかがですか。
#292
○政府委員(遠山仁人君) 地域情報センターが、本当に地域の中小企業者のニーズにこたえて具体的に情報化の指導ができるようにという御指摘はそのとおりだと思いますし、私どもとしてもそういうことができるように、ただ単にシステムを導入したりあるいは機器等の展示をしたりということじゃなくて、本当に中小企業の経営の合理化や改善、近代化に役に立つようにということで、人材の面でもそういう点の強化を図っていく、こういうふうに思っているわけでございます。
 それで、そういう情報化を具体的に進めるために、その情報化というのが非常に成功するかどうかというのがわからないので保険の制度を設けたらどうかと、こういう御提案だと思いますけれども、情報化につきまして、いろいろ情報関係の機器等の事故があったときの保険というのはあるようでございますけれども、中小企業が情報化を推し進めます場合のそういった、それがうまく経営面で役に立つかどうかという面での保険かと思いますが、そういう点の保険につきまして、私どもも今伺っただけであれでございますけれども、そういうふうなものを考えます場合に、いろんな考えなきゃならない点があると思います。一つは、情報化というもののねらいをどこに置いて、どこまでを目的にして情報化をするのか、コンピューターを導入しても、どこまで経営改善に役立てていくのかということをはっきりさせなければいけないわけですし、それが成功したかしないかというところにつきましての評価もなかなか難しいんではないかと思いますので、そういった点につきましてどういうふうにするかという問題がとりあえず考えられるわけでございます。
 いずれにいたしましても、十分中小企業者がそういう情報化を具体的に進められますように、地域情報センターできめ細かな指導をしなきゃならない、相談に応じなきゃならないということは必要だと思います。私どもとしても、そういう点につきまして十分配慮してまいりたいと、こういうふうに思っております。
#293
○木本平八郎君 私がこういう突拍子もない提案をするというのは、三つばかり理由がありまして、これはいつも申し上げていますように、こういう財政が非常に厳しいときに、やはり補助金とか交付金とか助成金とかということよりも、むしろ政府が持っている大きな信用を担保にして保証していく、それによってうまくやっていくというふうな方向に持っていくのがいいんじゃないかということ。それから、民活、民活と言われますけれども、やはり先ほどのように、コンサルタントとそれからユーザーと両方が、自主性を持って自分でリスクテーキングをして、自分の計算でやっていくというふうなことがやっぱり必要だろうと思うんですね。それでうまくいったかいかないかというのは片一方のクレームでもって行動を起こして、そこで裁定までやっぱりやらなきゃいかぬだろうと思うんですね。この程度は、これ以上はやっぱり無理ですというふうなこともあると思うんですね。
 それから、やはりこういうものをやっていくのに、この中にも書いていますけれども、指導、相談する機能ですね、大企業でいえばEDP部門というふうなものが一番大事なわけですね。ところがそれがやっぱり大変だと思うんですよ。それで、地域情報センターのそういうスタッフがなかなか大変なんじゃないか。
 したがって私の考えるのは、システム会社とかコンサルタント会社、これは複数置いておきまして、それに元請的にやらせるわけです。この企業を調べて、この企業にはこういうシステムがいいんじゃないか、それでハードウエアは何々メーカーのハードウエア、ソフトはこういうなにで、商品コードは小分類、細分類のこれを使うとか、そういうことをやって、それであとは、具体的にはハードウェアメーカーにハードウエアを研究させるし、あるいはソフトの専門家にはソフトをやらせる、あるいはもう既成の汎用プログラムを持ってくるとか、そういうことをやらしていって、そういうシステムにした方がいいんじゃないかということで、こういうちょっと突拍子もない提案なんですけれども、提案を申し上げたわけです。
 したがって、いろいろ難しい問題ありますけれども、考え方の方向としてはそういう方向もあるということをひとつ踏まえていただいて、今後こういうコンピューター化を進めなきゃいかぬことは確かだろうと思いますから、ぜひそういうことをプロモートしていただきたいと思うんです。最後に、長官あるいは大臣に何か御所見がありましたらそれを伺いまして、私の質問を終わります。
#294
○政府委員(木下博生君) ソフトは大事だということを強調しながら、今御指摘のように、我々のそういう予算や何かの措置が非常にハード的な考え方じゃないかという御指摘は、確かに肝に銘じてそうならないように今後もいたしていきたいと思います。
 できるだけ情報化の促進のための施策自身もソフト中心の施策で、例えば中小企業大学校におきます人材養成、それから先ほど申し上げました地域情報センターにおきましても、そこに人をうまく配置して、そのうまく配置した人が企業に対してきめの細かい助成をするというような形で、できるだけソフト志向の行政を今後も進めてまいりたいと思います。
#295
○委員長(下条進一郎君) 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#296
○委員長(下条進一郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより両案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#297
○委員長(下条進一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、中小企業指導法及び中小企業近代化資金等助成法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#298
○委員長(下条進一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#299
○委員長(下条進一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#300
○委員長(下条進一郎君) 次に、民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。渡辺通商産業大臣。
#301
○国務大臣(渡辺美智雄君) 民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 御高承のとおり、近時、技術革新、情報化及び国際化の進展等、我が国経済社会を取り巻く内外の環境は急速な変化を遂げておりますが、今後も我が国経済社会が内外ともに調和のとれた発展を遂げていくためには、こうした変化に対応し、経済社会の基盤の充実に資するような新しい施設の整備を促進することが緊要の課題となっております。また、このような施設の整備は、現下の内需拡大の要請にこたえ、地域経済社会の活性化を図る上でも極めて重要であります。このような施設の整備は、民間事業者の資金的、経営的能力を最大限有効に活用する形で、これを推進することが望ましいものであります。しかしながら、これらの施設は、前述のような意義を有するものの、これまで整備の実例に乏しい上、収益性が低く、投資の懐妊期間も長期にわたるため、民間事業者がその整備を行うためには、税制を初めとする呼び水的な政策支援措置が不可欠であります。
 以上のような観点から、特定の基盤的施設の整備を行う民間事業者を支援するための法律的枠組みをつくるために、本法案を立案いたしたものであります。
 本法案の概要は、次のとおりであります。
 まず第一に、本法案において「特定施設」として整備の対象としておりますのは、次の六種類の施設であります。すなわち、
 一 工業技術の研究開発及び企業化の基盤施設
 二 電気通信業等の技術の開放型研究施設
 三 情報処理の事業の発達のための複合型施設
 四 電気通信業等の発達等のための複合型施設
 五 国際経済交流等の促進のための国際見本市場施設及び国際会議場施設
 六 港湾の利用の高度化のための施設であります。
 第二に、特定施設の整備を促進するため、主務大臣は、特定施設の整備の基本的方向等を定めた基本指針を策定するとともに、民間事業者が作成した特定施設の整備計画について、基本指針等に照らし認定を行うこととしております。
 第三に、認定を受けた整備計画に従って特定施設の整備の事業を行う事業者に対し、特別償却等の課税の特例措置を講ずるとともに、事業の実施に必要な資金の確保、「産業基盤信用基金」による債務保証等の支援措置を講ずることといたしております。
 第四に、特定施設の整備の事業を円滑に推進するため、都市及び港湾の基盤整備事業と連携を保ちつつ計画的に実施するという仕組みをとることとし、特定都市開発地区及び特定港湾開発地区の指定並びに当該地区における開発整備の方針の策定等の所要の規定を設けることとしています。
 以上が、この法案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようよろしくお願いを申し上げます。
#302
○委員長(下条進一郎君) 本案に対する質疑は後日行うこととし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時二十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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