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1985/05/15 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 商工委員会 第11号
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1985/05/15 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 商工委員会 第11号

#1
第104回国会 商工委員会 第11号
昭和六十一年五月十五日(木曜日)
   午前十時四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     対馬 孝且君     浜本 万三君
 五月十五日
    辞任         補欠選任
     岩本 政光君     林 健太郎君
     浜本 万三君     菅野 久光君
     三治 重信君     井上  計君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         下条進一郎君
    理 事
                前田 勲男君
                松岡満寿男君
                市川 正一君
    委 員
                佐藤栄佐久君
                斎藤栄三郎君
                杉元 恒雄君
                林 健太郎君
                降矢 敬義君
                松尾 官平君
                梶原 敬義君
                菅野 久光君
                田代富士男君
                伏見 康治君
                井上  計君
                木本平八郎君
   国務大臣
       通商産業大臣   渡辺美智雄君
   政府委員
       公正取引委員会
       事務局取引部長  利部 脩二君
       通商産業政務次
       官        大坪健一郎君
       通商産業大臣官
       房長       児玉 幸治君
       通商産業大臣官
       房総務審議官   鎌田 吉郎君
       通商産業大臣官
       房審議官     松尾 邦彦君
       通商産業省産業
       政策局長     福川 伸次君
       資源エネルギー
       庁長官      野々内 隆君
       中小企業庁次長  見学 信敬君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        野村 静二君
   説明員
       警察庁刑事局保
       安部経済調査官  緒方 右武君
       経済企画庁国民
       生活局消費者行
       政第一課長    里田 武臣君
       経済企画庁国民
       生活局消費者行
       政第二課長    河出 英治君
       法務省民事局参
       事官       濱崎 恭生君
       法務省刑事局刑
       事課長      原田 明夫君
       大蔵大臣官房企
       画官       坂  篤郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○特定商品等の預託等取引契約に関する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(下条進一郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、浜本万三君が委員を辞任され、その補欠として菅野久光君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(下条進一郎君) 特定商品等の預託等取引契約に関する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○梶原敬義君 最初に、この特定商品等の預託等取引契約に関する法律案の立法に至る経過について、私も大体まあ聞いておりますが、確認の意味でひとつ整理をしていただきたいと思います。
#5
○政府委員(松尾邦彦君) 豊田商事の問題につきましては、昨年の春以降、社会的にこれを放置し得ない大変大きな問題になりまして、六月には関係六省庁で連絡会議を設けまして、この問題についての対応のあり方、それから再発防止の考え方を鋭意御議論いただいてまいってきたわけでございますけれども、その過程におきまして、昨年秋には総理を座長といたします消費者保護会議におきまして、立法措置を含め豊田商事あるいはそれに類似する商法の再発防止を検討するという旨の決定がなされたところでございます。
 その後引き続きまして、関係六省庁で、現行法ではいかなることまでが可能であるだろうか、現行法において十分な対応がなし得ない場合があるとすればどのような形で今後対応していったらよろしいかというような御議論を詰めていただきまして、関係六省庁の合意のもとに、通産省の産業構造審議会におきましてその対応のあり方を検討すべきであるという合意に達しまして、通産省といたしましては、本年一月から、大臣がいわゆる現物まがい商法再発防止のあり方につきまして産業構造審議会に諮問をいたしまして、本年三月まで累次の議論を重ねていただいた結果答申を得まして、その答申の線に沿いまして今回の法案を作成し、御提出さしていただいた次第でございます。
#6
○梶原敬義君 次に、立法のねらいですね。消費者被害の再発防止、悪質な取引については実質禁止の効果を持つ云々と、こういう説明をなされておりますが、この立法のねらいについて尋ねてみたいと思います。
 まあいろいろ読んでみまして、どうも少し力点の置かれ方が中途半端な感じがするんですが、要するに、商品等の預託取引を前提に、いわゆる自由な商取引の中にはこの種の商売もあってもいいんじゃないか、その拡大も通産省のスタンスとしては悪いことではない。こういう立場にまず前提は立っておるという気がします。それは一体どうなのかということが第一点ですね。
 次に、商品の預託取引は、私はもともとオーソドックスな商売というか、取引ではないという気がしてなりません。何かああいう形で利殖をふやしていくというやり方については、どうもインチキのような気がしてならない。したがって行き着くところは、大勢の消費者にどうも大変な被害を与えるような結果になる可能性の方がこの商法というのは強いと思うわけです。だから規制をかける、商売を制約する、こういうところに重点が置かれているのかどうなのか。どうもさっき言いました前と後の関係がぴんと来ない。ウイスキーをお湯で割って飲むような、表現は悪いですけれども、やっぱりそんな感じになってきているような気がしてならないのですが、この点についていかがでしょうか。
#7
○政府委員(松尾邦彦君) ただいま御指摘の点につきましては、産業構造審議会の議論の中におきましても大変真剣な御議論が行われた基本的な部分でもございます。
 と申しますのは、確かに豊田商事の商法、これは大変あくどいものでございまして、まさに禁止に値するものだと思っております。しかし、私どもに課せられた使命と申しますのは、豊田商事を一〇〇%コピーしたような商法だけがこれから出てくるのではなくて、やはりいろいろ悪知恵の働く悪質業者が、少しずつ趣向を変えて、しかし似たような消費者被害をもたらすような、そういう商法を進めてくる可能性があるのではないか。私どもに課せられました豊田商事由法及びその類似商法の再発防止という観点に立ちますと、豊田商事が行ってまいりました商法に加えまして、ある程度脱法行為を防止するような規制が行われることが必要だということになるわけでございます。
 つづけて申しますと、豊田商事の商法は、法律的に構成いたしますと、商品等を預かって、その預かったことに見合って対価を支払う、こういう法形式が基本形になってまいるわけでございます。もちろんそれに対して幾つかのバリエーションと申しますか、変形した形も幾つかあるわけでございますけれども、基本形は、預かって、その預かったことに対応して対価を支払うということ自体を考えてみますと、これは決して反社会的なものでも何でもない、しかしその中で、やり方を悪くやると大変豊田商事のようにあくどいものが出てくる、そういう意味で、これは悪い業者に対しては実質禁止の効果が出るようにしなければなりませんが、一方において健全な商活動を著しく阻害するようなことがあってはならないということで、消費者保護とそれから商活動の活力あるいは健全性の確保、その両者のバランスをどのようにとっていくかということが大変難しい選択の道だったわけでございます。したがいまして、私どもは産業構造審議会の中での御議論で、その両者の適切なバランスをとる、そのためにはこの御提案申し上げております法律のように、行為規制法によって対応することが適切である。
 行為規制法の中身としましては、御案内のように、契約前、契約締結時、あるいは契約締結後におきまして、消費者にこの契約がどんなリスクを負う可能性があるものか、どんな危険を伴っているかということについては十分認識していただけるような情報の公開も行いますし、また一たん契約してしまいましたけれども、やはりこれは考えてみるとまずかった、心配だというときには、クーリングオフの期間であればもちろん無条件、クーリングオフの期間を過ぎても、中途解約によりまして所要の手数料を支払うことによりまして、いつでもこの危険な状態から逃げ出せるという選択権を与える、あるいは行政府に対しまして報告徴収、立入検査あるいは業務停止命令等の行政的な措置を加える、こういうことによりまして、健全な業者もあり得るわけですが、その健全な業者、例えば銀行や証券などが行っております金投資口座、金貯蓄口座のほかに、クレジット会社が行っております同種の商法もございます。あるいはさらに一般的に、確かに物を預かって、その預かったことに見合う対価を支払うものは、幾つか例示的には私どもとしても承知しているものがあるわけでございます。
 そのようなものについてはある程度の規制は甘んじていただきますけれども、それは健全な業者にとりましては、それなりに法令に従って義務を遵守することを通じてもなお活力は維持できるであろう、他方、悪質な業者にとりましては、自分たちにとって都合の悪いことをどんどん消費者に知らせなければならない、また逃げ出されちゃ困るのに消費者がいつでも逃げ出せる、こういうことになれば、なかなか悪質業者といえども商売を続けることは難しい、実質的な禁止の効果が出る、そのような法体系を今回御提案さしていただいたわけでございます。
#8
○梶原敬義君 後から少し、御答弁ありました内容について、私の方から具体的に質問をさしていただきます。
 そこで、次に移りますが、私の考え方としては、法律がなければやれない、あるいは法律をつくったからどうこうという考え方だけでは、物の対応の処理の仕方というのは絶えず後手後手になって問題が絶えない、そういう考え方に立っております。
 そこで、豊田商事事件を思い出していただきたいのですが、国会でも多分昭和四十七年の秋ごろ、私は今ちょっと詳しい資料持っておりませんが、指摘があったと思っております。それから、私は決算委員会にも所属をしておりますが、多分我が党の目黒議員でしたか、早々と決算委員会の中でも、問題だということで指摘をいたしました。それから、各県にあります消費生活センターですか、それから経済企画庁の国民生活センターですか、そこに対する苦情の発生状況というのは逐一報告が入っておりますし、また、こういう苦情を持ち込まれた弁護士の皆さんもそれぞれ問題を提起をしてまいりました。
 通産省あるいは経済企画庁がこの豊田商事の商法が問題だと、こういう把握というか意識を持ったのは一体いつごろでございますか。まずそれをちょっと法案審議する上において、この問題について少し聞いていきたいと思っております。
#9
○政府委員(松尾邦彦君) 豊田商事が私どもの消費者相談の窓口である程度目につく件数の苦情ないし相談が出てまいったり、あるいは国会で問題の所在を御指摘いただいたりしたのは、おおむね昭和五十七年ごろからだったと思います。さようなことで、私どもその当時から問題意識は持っておったと申し上げるべきだと存じます。
#10
○梶原敬義君 企画庁。
#11
○説明員(里田武臣君) 私ども同様に、五十七年ごろからそういう苦情がふえているということで、先ほども御紹介ございましたけれども、政府の消費者保護会議の中でもこの問題について対応を決めているところでございます。
#12
○梶原敬義君 先ほどの四十七年は、五十七年の間違いです。
 法務省、大蔵省はいかがでしょうか。
#13
○説明員(濱崎恭生君) 私どもが豊田商事問題につきまして認識を持ちましたのは、新聞紙上等を通じて認識を持ちましたのが最初でございまして、正式に私どもがこの問題に取り組むようになったのは、先ほど御答弁ございましたように、六省庁連絡会議のメンバーとして加えさせていただいて御相談にあずからせていただいたというのが正式に関与いたしました最初でございます。
#14
○説明員(坂篤郎君) 私ども大蔵省も、各省庁さんと同じようなものでありまして、私どもも消費者保護会議のメンバーでもございますし、六省庁連絡会議のメンバーでございますので、そういうところを通じまして、あるいは新聞報道等を通じまして、同じころから承知しておったわけでございます。
#15
○梶原敬義君 ちょっと私も時間の関係で、この種の質問につきましては事前にお伝えすることができなかったのですが、大蔵省は税務調査というのやりますね。いろんな関係で実際にその豊田商事が安心してああいう商売やれるような企業内容であるのかどうなのか、税務調査をやればわかるはずなんですね。その点については恐らく、私も前に皆さんにお知らせしてなかったから大蔵省としても答弁困ると思うのだけれども、ちょっと今の答弁では、問題が新聞に出たり何やらしてしか知らないという意味では、私もそうかなと、大蔵省、大蔵大臣の下には税務機関もあるわけですから、ちょっと疑問を持つのです。その辺は少し、後で調査するとかなんとかなりませんかね。
#16
○説明員(坂篤郎君) 実は私、銀行局の人間でございまして、国税庁の方でどういうふうにやっていたかということは、ちょっと存じていなくて、所管外でございますので恐縮でございますが。
#17
○梶原敬義君 わかりました。
 公正取引委員会も、これは誇大広告とかそんな関係でも問題の指摘があったと思うのですが、いつごろからこの問題意識を持たれたかですね、この問題についてお伺いします。
#18
○政府委員(利部脩二君) 通産省なんかが関心を持たれた時期とほぼ同じだと思います。国民生活センターなりほかの消費者行政関係の窓口にそういう苦情が出てきている段階から関心を持って注視しておりました。
#19
○梶原敬義君 そこで、問題の核心に入る前に、この豊田商事の関係で、これは経済企画庁でも通産省でもいいですが、答えていただきたいんです。
 今確定している被害者数あるいは被害総額、豊田商事に関してどのくらいになっているのか、あるいは豊田商事の流れをくむ純金ワイド契約あるいは大泉商事の純金ビッグ契約ですか、これ。それから、三和商事のダイヤモンド証券、これらの豊田商事以外でも一体どのくらい被害が出ているのか、その辺のことについて、できればわかりいいように教えていただきたいと思います。
#20
○政府委員(松尾邦彦君) 私ども手元の資料で見ますと、豊田商事そのものにつきましての破産に伴います債権の届け出につきましては約二万八千件、金額にいたしまして千百億強でございます。それから、大きなものだけ申しますと、日本相互リース、もとの名前は三和信託でございますけれども、この会社の場合には一千五百七十人、約五十億円、それから東京信金、これにつきましては約千人で二十三億円、それから大泉商事、これにつきましては四百八十人で十三億強というところでございます。あとまだ一、二社金額の小さいものがございますけれども、必要ございましたら申し上げさしていただきます。
#21
○梶原敬義君 豊田商事の場合は、届け出していないのを入れますと千百億というより、実質はもっと大きいものになっていただろうと思っております。これは推測ですが、あのまま仮に、国会でもあるいはマスコミやその被害者の皆さんが、弁護士の皆さんが騒がないで、もうちょっと時間がたっていたら、さらに私は豊田商事の被害というのはもっともっと急速に大きくなっていたんではないだろうか、こういう推測をするんですが、この点の認識はいかがでしょうか。
#22
○政府委員(松尾邦彦君) 仮定の問題でございますので、なかなかつまびらかに私どもとして申し上げる自信はございませんけれども、昨年の春以降急速に豊田商事の自転車操業的なひずみが拡大してまいりましたので、早晩あの企業が破局に至るのではないかという感じでございましたけれども、その破局の時期が、おっしゃいましたように現実の六月の時点であったのか、あるいはもっと後だったかによって金額に差があり得たと存じます。そういう意味では、もっと大きな被害が生じた可能性も秘めておったというふうに考えます。
#23
○梶原敬義君 従いまして、私は昭和五十七年、五十八年前後早い機会にもう少しつかむところをつかんでおれば、お年寄りがなけなしの金を失うとか、あるいは家庭の御婦人に被害がたくさん出るとか、こういうことは相当程度防げたと思っておるんですね。
   〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕
 大臣、聞いていただきたいんですが、例えばそこに川がありまして、川の中で子供が何人がおぼれておるのを見て、そして結局国としては出資法も信託業法も訪問販売法も適用はできない、警察もなかなか飛び込めない、そういう状況で、いわばおぼれている者をおぼれるまで見捨てた、結果的には。これは国会にも今度は責任がないかといったって、我々国会にも責任は、ただ指摘しただけでは結局だめで、やっぱり問題があった。それは立法措置をするとかせぬとかということは別です。法律とかなんとかは別にしても、結果としては、私はもうそのことは反省をしなければならない、こう思うんですが、この点いかがでしょうか。
#24
○政府委員(松尾邦彦君) 確かに豊田商事につきましては、先ほども御指摘がございましたように、昭和五十七年ごろから消費者相談、苦情が目立ち始め、国会での御指摘もいただいておったわけでございます。
 私どもといたしましては、その時点から豊田商事に対しましては、事情聴取をするから役所に出頭するようにと何度も求めましたけれども、相手が一向に応じない。何の権限があって通産省は自分に来いというのかということで、私どもといたしましては強制権限を有さなかったために、相手方の任意の協力を前提とする行政指導による対応しかできませんでしたので、なかなか機動的な対応をその時点で行うことができませんでした。ただし、それは豊田商事に対する直接の関与はそういうことで大きな制約がございましたけれども、私どもとしては幾つかの措置を通じて消費者が被害をこうむることのないような措置を講じてまいったつもりでございます。
 一つは、例えて申しますと、金地金を購入するときには信用のできるお店からぜひ買うようにということで、かねてから登録店制度というのを推進してまいっておりましたけれども、もし金地金のことについて売買等行われる場合には、ぜひそういう信用の置ける登録店を通じてお求めになるようにということについて消費者にも十分PRいたしましたし、登録店に対しても適正な業務の執行につきまして指導もいたしてまいったところでございます。また、五十八年に入ってからの例で申しますと、「かしこい消費生活へのしおり」という消費者啓発の資料がございますけれども、その中で一日で豊田商事とわかるような固有名詞に準じた名前を付しまして、この会社の取引がいかに消費者にとって危険をはらんでいるものであるか、したがって慎重な上にも慎重にこの企業との対応はするようにということを明記いたしました資料を配布する等、消費者啓発にも最大限の努力をいたしてまいったところでございます。
 しかしながら、遺憾ながら事態はその後も、先ほど御指摘のような社会的に大きな問題に至りましたわけでございますが、その過程で昨年の六月には、新規の勧誘行為等をやめるようにという行政指導を最終的には行うことにいたした次第でございます。
#25
○梶原敬義君 経済企画庁いかがでしょうか。
#26
○説明員(河出英治君) 私どもも先ほど御説明いたしましたとおりに、五十七年ごろから豊田商事の相談を受け付けていたわけでございますけれども、当時としては比較的件数が少なかったという問題がございます。ただ、私どもとしまして、できる限り国民生活センターあるいは地方の消費生活センターを通じまして消費者に対する啓発活動、こういった商法には気をつけるようにということで注意を呼びかけてきたところでございます。
#27
○梶原敬義君 これは責めるつもりで言っているんではないんですが、言うつもりはないんですが、通産省あるいは経企庁、両方ともそれなりに問題意識を持って対応したお話を今お聞きしました。この点については本当に努力を私は多とするところであります。
 ただ問題は、結果でありまして、結局私は、やっぱり物事というのは結果でしか評価できないと思っております。あのときああすればよかった、あのときこうした、こうしたと言ったって、これは言いわけになりまして、結果が悪ければやっぱりそこに責任というものが出てくると思います。これは国会も同じですね、我々が言いっ放しで済むものではないわけです。ここは真剣にやっぱり考えなければならない問題と私は思うんです。そういう意味では、ここを逃げて、だから法律をつくるんだと、一足飛びにそこに問題がいくところに、私はどうしてもこれは納得できない、また危険なものを後々感ずるのであります。
 大臣にお考えをお尋ねしますが、憲法第二十五条が国民の生存権をうたっておりますし、二十九条が財産権をうたっておるわけでありますが、法律で手に負えないならば憲法もありますし、もっと超法規といいますか、そこにおぼれているのを見て、どうかしてくれ、このままにしたらどうにもならぬ、本当にもうたくさんの人がおぼれてしまう。そういう状況に対して打つ手がないということは非常に残念でありますし、私はないで済まされる問題ではない。今後とも法律をつくって、そしてその法律が間尺に合わない間何か問題が起こったら、それはそれまでは泣き寝入りだということは、余りにも憲法第二十五条あるいは二十九条からしても私は情ないし、それで済むものではないだろうと思っております。
 今度、東京サミットのときに警察官をたくさん動員されまして、そして、私もそこの紀尾井町の宿舎におりますが、宿舎に出入りするときにはチェックがありますし、それから羽田の飛行場へ行くときには、国会のマークがついた車でも、参議院の通行証がついたやつでも、警察官はちょっととまってくださいと言って後ろのバッグを見ます。これなんというのは、それに応じなきゃならないということもないわけですから、恐らく協力要請だろうと思うんですね。これはまさに超法規というか、そういうようなやり方であるわけですね。だから、私は本当にこの問題を、お互いが問題意識をとらえて、五十七年ごろから、これは問題だと本当に調査をやっておったならば、通産大臣があるいは経済企画庁長官かわかりませんが、閣僚会議なりどこかで問題を挙げて、そこで一体どうするのかと、そういうような打つ手というのは必ずやっぱりあるはずです。ないといったって、サミットのときにあそこまでやれたわけですからね。
 しかも、やり方がいい悪いは別としたって、みんな一般の人もぶうぶう言いながらああいうことを次々にやられるのも、これは問題があると思うんだけれども、豊田商事の問題については、問題意識のとらえ方が私はやっぱり最初から弱かったんじゃないか。あるいは弱かったんじゃなけりゃ、何か政治と豊田商事の癒着があったのかと、こう逆に疑わざるを得ないわけでありまして、豊田商事の問題については、私はもっとあれもこれも、今、通産省から答弁がありましたが、これではいけぬからもう手に負えないと、あるいは大蔵省も出資法でもいかぬ、警察もなかなか踏み切れない、見る見るうちにおぼれていったわけですからね。この点については、逃げじゃなくて、これをどうする手があったのか、同じような問題が起こった場合、法律で間尺に合わないんだけれどもどうするのかと、この点について大臣のお考えといいますか、今いろいろ議論してきたことについてお聞きをしたいと思います。
#28
○国務大臣(渡辺美智雄君) 日本は法治国家ですから、人を取り調べたり、縛ったりするということは、やはり罪刑法定主義で一定の手続によらなきゃできないということは、それは憲法で決まっておることであります。豊田商事が起きたから、かわいそうな人が他方にいると、だから法手続は関係なく、何でも警察ができるんだというようなことにいたしますと、これはそれだけがひとり歩きをするということになって、むしろいろんなそういうものに籍口して、国民の人権が踏みにじられるというような習慣をつけることになる。そういうような観点から、やはり一定の法律が国会で決められて、その範疇内でしか取り締まりとか罰則というようなわけには、憲法を認めなくてもいいと言うんなら話は別だけれども、憲法を守れと言われれば、これは私はできないと思います。
 この間のサミットの問題は、法律に全くなくてというんじゃなくて、それは警察官職務執行法とかいろんな何かがあるんでしょう。そういうような法的根拠によってそれはやっておるわけでありますから、あとは一般の御協力を得てやっておるということでありまして、超法規的な、行き過ぎた、過剰警護があったかどうか私は知りませんが、世界の元首を集めて、元首というのはその国の最高の権力者ですから、その元首を集めて何か事故でも起きたときには、それは豊田商事ところの騒ぎじゃないですわね、実際の話が、国際大問題ですから。ですから私は、そういう面において念には念を入れた警護体制を国民の理解と協力のもとに行ったと言うことができると思います。
 今回の場合も、豊田商事が理解と協力をしてくれるんならば、話はこんな難しいことに何もならないわけであって、再三理解と協力を求めても一切それには応じない。応じないときには、これはもうお手上げたということですな、実際は。私はやはりこの事件というのは、むしろ現物まがい商法というよりも詐欺まがい商法みたいなものじゃないかと私は実際思っております。法の盲点をうまくついて、それで強引に商売をしたと。被害者は比較的老人とかなんかが多かった、しかし、それ以外の人ももちろんあるわけですよ。詐欺にかかるという場合、一般的に言えば、これは欲があるからひっかかるわけですね、詐欺にかかるというのは。損すると思って詐欺にかかる人はない。もうかると思うから詐欺にかかるわけです。
 この場合は、しかしもうかるからというよりもむしろ催眠術というかな、詐欺でも催眠術を併用した高等詐欺というやつじゃないのか。目ざとく老人のところへ入り込んでいって、それから身の回りから何からもう一切合財、三日も四日も世話をするという例があったそうです。そして、ほれてしまえばあばたもえくぼで、全く信頼されちゃって、その上で判ことかなんとか取り上げてこういう契約を結ばしたというケースがかなりあるというふうに聞いております。全くここのところ、だますわけですが、本当に余り親切過ぎて、ほれてしまえばあばたもえくぼになっちゃったケースなんですね、これは。
 そういう弱みにつけ込んで、しかもそういうことをやったということですから、人道上から言えば本当に許されざる問題である。しかし、法的にうまく盲点をつかれたということも事実であって、手おくれであったんじゃないかと言われれば、それは見解の相違がいろいろあるでしょう。あるでしょうが、私はそういうことが再び起きないように、この際はいろいろな法律を整備をいたしまして、強制権を持たして、今度は出頭するとかしないとかいうんじゃなくて、来なかったらこっちから乗り込んでいっても調べるよというようにしているわけですから、前よりははるかに前進である、そう思っております。
#29
○梶原敬義君 はいそうですかと言うわけにもまいりませんでね。これは法務省、職務執行法がなんかで今大臣答弁されましたが、サミットのときに、警察が通る人通る人を皆あれをしたのは、あくまで任意の協力要請ですよ、あれは。私は多分この問題について、参議院の地方行政があるいは法務委員会が、どっちかの委員会でこの問題を取り上げた話を聞いているんですよ。これはやれるというわけじゃない、協力をあくまでお願いするということなんですよ。だから、大臣のさっきのお話はちょっと違っているんじゃないでしょうか。
 それから、何でもかんでも警察が踏み込んで人権まで踏みにじるようなことをやっちゃいけない、これはそのとおり、私もそう思います。だから豊田商事の問題については、あれこれ言う間に実態の把握、とにかく裏に本当に金地金、金がそれ相当の物があるかどうか、あるいは豊田商事の採算がとれているのかどうか、いざというとき、みんなが金返してくれというときに、金返すだけの中身になっているのかどうなのか。これに対する調査は、いろんな法律でできぬならば、もっと高い次元で調査の協力要請をやる。そうでなければ、今憲法論議やりましたが、やっぱり憲法第二十五条あるいは二十九条の点からしますと、国はその責任をこれは果たしているとは言えないじゃないですか。この点について大臣、少し私は大臣のお話には承服できません。
 それから、欲があるからひっかかると言ったって、それなら欲のない人おりますか、国民に。ほとんど欲があって今この社会、世の中ある程度成り立っているんじゃないですかね。みんなその欲の範疇をどういう欲に考えるかで、大臣の言っているのは非常にもう一部の人に……(「程度問題」と呼ぶ者あり)だけれども、みんなやっぱり株を買ってもうかろうとか、あるいは銀行でも、ちょっとでも高いところを探して預金しようとか、みんなそういう気はあるんです。そこをうまく突かれておるんですよ。それでお年寄りも、わけがわからぬ、もう判断もできぬような人にぶっつけられたらころっと参ります。
 そういう点で、これはいろいろ揚げ足取っているつもりはありませんが、そこを前提にいつも、毛針じゃないですけれどもひっかかる。(笑声)そういうものもむしろ僕は性悪じゃなくて、善として考えてかからなければいけない。しからばそういう問題が起こったときにどうするかという問題。法律をつくったからいいんだというような考え方にすべて立ちがちですが、その辺について、大臣・まだちょっと時間ありますから、いかがでしょうか。
#30
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は欲があって悪いと言うわけじゃないんですよ。欲があって世の中動いているんだけれども、何でも程度問題というのがありましてね、そんなにうまい話が、銀行の三倍にも五倍にもなるような話はそうざらにないわけですよ。ですから、株ですったとかトラブルがしょっちゅうありますよ。やれ商品相場ですったとか、それから先物取引ですったとかして、トラブルでしょっちゅう裁判があったり、苦情の申し立てがあったりするけれども、大体調べてみるとやっぱり、勧誘の仕方が悪い点もあるけれども、こっちが、そいつに乗っかる方も悪いというふうな節もある。
 ただ、この豊田商事の場合は、私が言ったように、催眠術かけるぐらいに、弱者のところへ入り込んでいって、三日も泊まり込みで世話をして全く全人格をほれ込ませちゃって、その上でやったケースがあるというんですから、これは本当に高等詐欺みたいなものだと、法律学は知らぬよ私は、知らぬけれども、そういうようなものだけれども、紙一重でなかなか現行法では直ちに逮捕というわけにはいかないところに困った問題があったんでしょう、恐らく警察にしたって連絡会議やっているわけですから、それが法律に明らかに違反であるということがわかれば、それは当然私は取り締まる。それから、注意をしたり、勧告をしたりしても相手が聞かないわけですから。そこで、サミットの場合は全部法律ずくめじゃないでしょうけれども、国民のもう九九・九九九%は理解をして協力をしてくれたと。テロはあっちゃいかぬというようなことで国民は協力してくれたということでうまくいったわけですが、この場合は相手が聞かぬわけですから、だからそこにやっぱり問題が私はあったと、そう思っております。
 しかし一方、消費者啓発ということは非常に必要なことであって、そんなにうまい話ばかり世の中にはごろごろ転がっているわけじゃありませんので、そういう点は特にいろんな機会を通しまして、政府としてもこういうことが起きないようにしなきゃならぬ。法律ができたから、じゃこれからそういうふうな事件は起きないかと言ったら、私は起きるかもしらぬと思うんですよ。刑法があって、ともかく人を殺したら死刑になる、泥棒、強盗をやったら懲役何年になると、それだけ言ってもやるやつはあるわけだからね、これは。だから、法律ができたから絶対皆無になるということはないでしょうが、歯どめになっていることは間違いない。ですから、こういう法律をつくって、単発的なやつまではどうかしらぬが、組織的にやるようなものは、私は事前に抑えることができる、そう思っております。
#31
○梶原敬義君 私も五十七年の暮れから選挙に出るようになりまして、私の大分の事務所の前にちょうどそのころ豊田商事の支所が、支店ではない支店のちょっと下ですが、店を出した。そこのパンフレットが金のきれいなパンフレットで、それがずっと回ってきた。それで、ふうふう言って一回りして帰ってきたらば、みんなそれ見ているわけですよね。これは、おお、こんないい商売あるのかということで、特異な人間がひっかかるんではなくて、選挙するのに金がないから、何かいい方法ないかなって考えるときですから、おおっと言ってみんな見ておったんですよ。
 だから、そういうことは、特別、特殊な人間がひっかかるんじゃなく、大臣が言われたように何日もかかってというのは、特殊な例外です。しかし、一般的にやっぱりこれは、あのパンフレットを見れば、あるいは説明を聞けば、金ですからひっかかる可能性があるんですよ。これは私は、この問題もう商工委員会でも決算委員会でもやりまして、調べていますから、大臣より相当詳しいと思うんですよ。だから、そこはひとつ静かに聞いてください。
 私はやっぱり問題は、通産省や経済企画庁も、さっき言いましたように、一体裏づけに金があるのかどうなのか、お金に見合う、あるいはそこの経理内容がどうなのか、返せるだけの余力があってのことか、この調査を早く速やかにやるためには、法律つくらなきゃやれないのか。先ほど言いましたように、やはりサミットのときはあれまでのことをやれたんだから、警察を入れてやるということを言ってるんじゃないですよ、任意に相手に調査の協力をさせる、一歩踏み込む、これは何も人権を侵害するあるいはまともな商売を阻害することにはならぬわけですから、ここのところについては私は余り強弁されても困るんですが、通産省、経済企画庁、いかがですか。
#32
○政府委員(福川伸次君) 今御指摘ございましたように、五十七年以来確かにいろいろ問題がございました。先ほど松尾審議官からも御答弁申し上げましたように、行政としてできる限りの対応をしようということで行政指導等をいたしたわけでありますが、行政指導というのは、やはり相手方の協力が前提になるものでございますから、相手方がそれをしない。もちろん今お話しのように、これが例えば刑法上の詐欺に当たるかどうか、あるいは御指摘の税務上の調査でわかるかどうか、いろいろそれは確かに問題があろうと思いますが、それぞれの法律の目的に従ってそういう強制捜査権というのはあるわけで、その目的の範囲の中でそれぞれいたすわけでございます。
 私どもの省庁に関します限りは、やはり相手方の協力の上でこれを求めるということになるわけで、私どもとしても、現在の法律の中では強制的に、向こうがいやだと言っているところに踏み込んで、帳簿を出せ、見せろ、あるいは帳簿を提出しろということが、今法律上認められていないわけでございまして、そういう意味でややいろいろ御見解はあろうかと思いますが、私どもとしては消費者の啓発、あるいはまた個別の相談についての相手方への伝達、指導という形でやりましたのが限界であったわけでございます。
 ほかの法律でどうなるかという点については、それぞれの省庁でお答えすべきものと存じます。
#33
○説明員(里田武臣君) 豊田の現物まがい取引につきましては、五十七年ごろから既に問題になっておりまして、消費者保護会議でも、先ほど申し上げましたようにその対策について考えたわけでございます。ただ、やはり現行法の適用というのがなかなか難しいということが一つございまして、それで私どもとしても啓発、相談というところに一層力を入れてきたわけでございますけれども、現行法の適用という問題につきまして若干時間がかかって遺憾のような結果になったということについては、非常に私どもも反省しているとこちでございます。
#34
○梶原敬義君 もうこれ以上言ったってしようがない。
 まあ、福川局長、私は努力を否定しているわけではないんです。だから、これからはやっぱり皆さんだけじゃなくて、各関係する省庁の大臣に集まっていただいて、一晩か二晩、この問題どうするか。今おぼれているじゃないか、これは早う救わにゃもう大変な被害が出るぞ。だから、それについてはやっぱり現地の調査を、現物調査をせにゃいかぬ。それで、関係大臣に全部集まってもらって、そこであなたたちがキャッチした情報を全部出して、これは何とかひとつ憲法の二十五条、二十九条もあるから何か手はないかと、こういうぐらいの相談をやってもらいたかったし、これからもそんな問題起こったときには、それぞれ、おれはこの範囲だ、おれはこの範囲だと言う間にこれは燃えてしまうか、あるいはおぼれてしまうんですから、そこのところはひとつ提案ですが、工夫をしてくださいませんか。それが悪かったら逆に国会に問題提起してもらう、国会も責任があるわけですからね。もう答弁要りませんが、その辺をぜひ考えていただきたいと思います。
 次に、少しこの法案の中身に入りたいと思うんですが、アメリカのケネディ大統領の一九六二年の消費者保護に関する特別教書によりますと、消費者の四つの権利として、安全である権利、知らされる権利、選択する権利、聞くことのできる権利を挙げておりますが、さらに消費者の権利を高めて、この権利意識については、政府もあるいは行政も、そういう面からの何というか、国民に対する姿勢といいますか、指導というのか、やっぱりちょっと弱いような気がしてなりません。この点いかがでしょうか。
 それから、これを高めていくためには一体どうすればいいのか、この点について通産大臣の見解をちょっとお聞きをしたいと思います。
   〔理事前田勲男君退席、委員長着席〕
#35
○政府委員(福川伸次君) 御指摘のように、一九六二年の二月にケネディ大統領が連邦議会に送った消費者保護に関する特別教書で、御指摘の点が示されております。
 我が国におきましても消費者保護基本法というのがございまして、御承知のとおり、国の責務として、「経済社会の発展に即応して、消費者の保護に関する総合的な施策を策定し、及びこれを実施する責務を有する。」ということになっておるわけでございまして、この消費者保護と消費者の利益擁護増進も図るため、私どもとしても関係法令の厳正な運用、消費者啓発等に努めるべき責務があると考えております。
#36
○梶原敬義君 アメリカの場合は食品、薬品、化粧品法等では、特別の異議申し立てや司法的救済によって消費者の権利を確立している制度があるようでありますが、我が国にはここまで踏み込んで消費者の権利性を承認した立法例はございません。行政側では、消費者に特別に司法的救済を与えると乱訴の弊が生じると懸念しているような感じもいたします。しかし、訴訟申し立てに伴う莫大な費用等を考えた場合に、そのような事態が何にもないのにどんどんどんどん発生するような、そういうことは余りない、私はこう見ております。特に我が国の消費者行政は、先ほども言いましたようにおくれている、こう思っておりますが、政府の認識はいかがでしょうか。
#37
○政府委員(松尾邦彦君) 私ども、確かにアメリカとは法制の違いがある点は御指摘のとおりでございますけれども、一つは消費者保護関連の法令も多数ございます。これらの法律の厳正かつ機動的な運用が一つの柱であろうかと思いますが、もう一つは、また先ほど大臣からお答え申し上げましたように、消費者に対する啓発、情報提供というものをきめ細かく行っていく。この二つが消費者行政を進める際の大きな基本になっているわけだと存じますが、ひとつ例えて恐縮でございますけれども、私ども今回御提案申し上げておりますこの法律案におきましては、例えば、今先生が例にお出しになられました外国の場合には、しかるべく行政が差しとめ命令とか何かを裁判所に求めることができるような法制のところもございます。
 我が国の場合には、法制の違いもございますけれども、その点につきまして考えてみますと、私どもの法律案の場合には、業務停止命令、その他立入検査、報告徴収、その他行政にいろいろな権限が付与されておりますけれども、これらの権限を、消費者からの苦情相談を的確に把握いたしまして、機動的にこれを発動してまいるということが、今御指摘になられた御趣旨を生かしていく道ではないかというふうに考えておりますので、私どもといたしましては、消費者からの相談、苦情につきましては、できる限り幅広く情報を把握するような体制を組み、かつそれに対する処理を的確に行うような省内体制も整備いたしております。
 このような体制をもとにいたしまして、かつまた必要に応じまして関係省庁とも連携を密にいたしまして、このような行政的な措置を機動的に発動してまいることで対応したいと考えております。
#38
○梶原敬義君 次に、消費生活センターを初めとする行政レベルにおける苦情処理機関の関係でございますが、この活動状況あるいは全国の設置状況、大体中央と地方の連絡調整をどのようにやっておるのか、この点についてお尋ねします。
#39
○説明員(河出英治君) 消費者からの苦情の相談を受け付け、処理をする機関といたしましては、国に特殊法人として国民生活センターがございますし、また各地方公共団体がつくっております消費生活センターが全国で二百七十カ所ございまして、これによりまして各消費者のきめの細かい苦情相談処理に努めているところでございます。
#40
○梶原敬義君 その調整ですね、中央、地方の調整。
#41
○説明員(河出英治君) 中央、地方の調整につきましては、私どもは各都道府県等との各種の会議あるいは私どもからのいろんな通知等によりまして地方を指導してまいっているところでございます。
#42
○梶原敬義君 コンピューターで全部結んで、中央の情勢も地方に行くし、地方の情勢もすぐ中央に入るというような形で、これは私はいつか、法案か予算かの審議でやったことがあるんですけれどもね、これはどうなっているんですか。
#43
○説明員(河出英治君) 消費者からの苦情相談処理が迅速に把握され、かつまたそれに対する対策が機動的にとれますように、昭和五十九年度から消費生活情報ネットワークシステムというのを私どもと各都道府県との間につくっておりまして、現在二十六の都道府県等をコンピューターで結んでいるところでございます。今年度はこれがさらに四十五の都道府県あるいは政令市と結ばれる予定になっておりまして、各都道府県あるいは政令市に入ってまいりました苦情相談が迅速に国民生活センターにございます中央コンピューターに蓄積される、それをかつ機動的に検索できるという体系になっている次第でございます。
#44
○梶原敬義君 だから、これをやっぱり一つの方法とすれば、まあ通産省ともタイアップして、これをどう機能を果たさしていくかというのは非常に重要だと思うんですよね。そのような方向で進んでいると思うんですが、それらの予算とかあるいは拡充策、こういうものについてはいかがな方針で進んでおるのでしょうか。
#45
○説明員(河出英治君) このシステムによりまして問題商法、問題苦情等が判明しました場合には、私ども毎月一回関係省庁と担当課長会議をやっておりますので、こういった場を活用しまして、関係省庁にも御連絡をいたしまして、必要な対策をとってまいる所存でございます。
 また、予算面につきましては、必要な予算は確保しまして、各都道府県等に交付している次第でございます。
#46
○梶原敬義君 ぜひ強めていただきたいと思います。地方に行きますと、やっぱり地方の消費生活センター、皆さん真剣に仕事しているんですよ。一つの苦情に対応して。だって、地方に行きますと、苦情を言ってくる人はどこのだれそれ、住んでいる人がもうわかるわけですよ。それで、あなたたちだったら、課長というのは二年ぐらいしたらくるくるくるくるかわるわけですよ。その人たちは、また苦情を受ける人たちは、これはもう動かないわけですよ。かわっても、どこに住んでいるだれかというのはもうわかっているんだから、真剣に一つ一つの問題については対応しているんですよ。その点については、中央の方は自分が担当のときだけは一生懸命やって、またくるくるくるくるかわるからね、どうもちょっと姿勢にお役人的な発想が中央にあるような気がしてならない。ぜひもっと真剣に、実のある対応をしていただきたいと思うんです。
 次に、神奈川県など一部の地方公共団体では、不当取引業者名を公表する制度をつくろうと、こういうようなことが言われておりますが、この点については地方公共団体のこの公表制度についてはどう見ておられるのか、いいことだと、やれやれと、こういうことなのかどうなのかお尋ねをします。
#47
○政府委員(松尾邦彦君) 御指摘ございました神奈川県の考え方につきましては、私どもも県に問い合わせをいたしまして伺ったところですと、現在、不当な訪問販売等を行ったような場合には、事業者の名前などの情報を消費者に提供する制度を現在検討中だということのように伺っております。したがいまして、まだ制度の具体的内容についてまで承知しているわけではございませんけれども、伺った範囲で申しますと、一定の基準に該当するような不当な訪問販売等がございまして、それについて苦情が出てまいったという場合には、事業者の名前、それからトラブルが発生いたしました地域などの情報を広く県民に知らせるということであるというふうに承知いたしております。
 私どもの立場から申しますと、訪問販売の法律の運用を補完する一つの措置といたしまして、昨年の五月に訪問販売トラブル情報提供制度というのを発足させておりまして、昨年の十一月には、大変消費者が被害をこうむりやすい悪質な手口の情報提供を行ったところでございます。このような制度は、私どもとしまして、消費者の被害、トラブルの未然の防止に役立つ、消費者保護上大事な施策の一つであると考え、私どもといたしましても、この情報提供制度を的確に運用してまいるようにしたいと考えているところでございます。
#48
○梶原敬義君 後で時間があれば、いろんな商法、手口というのを私は出してみたいと思うんです。やっぱりこれは、大臣の答弁じゃございませんが、歌もあると。これはしかし、だれも欲があるから、皆ひっかかる可能性がありますしね。次々に似たようなのがやっぱり出てくると見なけりゃいけない。だから、業者名の公表については、被害が出る前に適切にやる。そのような、非常に時間のすき間を置かぬようにやるような制度というのは、これは奨励をしていただきたいと思うんです。
 次に、法案の関係に入りますが、この法案の運用の徹底を図るために、現物まがい取引等いわゆる悪徳商法の実態の把握に努めることが喫緊の課題だろうと思いますが、そのために政府としてはどのような対策を考えていくのか、この点についてお尋ねをします。
#49
○政府委員(松尾邦彦君) 私どもといたしまして、確かにこのような、この法案で対象にいたしておりますような取引、あるいはそれを行う業者についての実情の把握が極めて大切な問題だと考えております。
 基本的には、このような業者の実情把握は、全国的に網を張りめぐらして、先ほど御指摘ございました消費者相談窓口に苦情なり相談なりがまず参ります。それを私どもとしましては、通産省の中の組織で申せば、通産局からすぐ電話連絡で本省に上げてもらうようにしておりまして、その後書類を整えて、本省に提出をされるのを受けまして省内の関係課長会議を定期的に開催して、実情の把握をいたしておりますが、あわせて、先ほど御指摘ございましたように、関係省庁間におきましても、あるいは都道府県との関係におきましても、できる限りこのような連絡体制を密にいたしまして、実情の把握をまずさしていただきたいと考えておりますけれども、あわせて同時に、この法律では、報告徴収、立入検査等の行政権限も付与されることを規定いたしておりますので、このような行政権限を直接使い、あるいはこのような権限を背景といたしまして、機動的に実情の把握を図ってまいることにいたしたいと考えております。
#50
○梶原敬義君 そうすると、これができれば、摘発する場合、警察にやってもらって、それから後出ていくということではなくて、この行政権限である程度やると、こういうことですね、考え方は。そして、実態をとにかく把握をして、問題の起こらないようにする、こういうことですね。
 次に、この木法は、保護の対象となる物品を政令で指定することになっておりますが、私はどうもここのところがわからないんですが、なぜ、全商品を一応逆に対象としてしまって、例外的にこの対象から外していくというやり方をとらなかったのか、この点がやっぱりいつまでも問題になることだろうと思います。当面政令で指定される物品にはどのようなものを考えておるのか、これが一つ。
 それから、現実にどのような物品について被害が生じているかを知って、これに弾力的、機動的に対処するためには相当な努力が必要とされると考えますが、政府はどのような姿勢で政令指定を弾力的にあるいは機動的に、ということは、これはおかしいと思ったらすぐ指定するという話を審議官、きのうもちょっとしておりましたが、その辺のことについてお尋ねをいたします。
#51
○政府委員(松尾邦彦君) この法律案で対象となるべき物品あるいは施設利用権を、あらかじめ政令によって指定したものだけに限らないで全般的にしてはどうかという御議論は、被害の後追いにならないために必要ではないかという御指摘であろうと思いますけれども、私どもとしましては、やはり考えておくべきことは、一方において営業の自由、経済活動の自由の原則がある。もう一方に消費者保護の原則がある。そしてこの法律案は、悪質な業者に対しては実質的な禁止をしてまいろうということで、民法等の原則に対する大変大きな例外措置も設けており、いろいろな規制も課しておるわけでございます。したがいまして、消費者保護上必要のないものについてまで過剰な規制を行うことは避けなければなりません。
 一方において、もとより消費者の保護に欠けるところがあってはならないということで、私どもといたしましては、政令によって指定をいたすことにいたしますけれども、これにつきましては、後ほど申し上げますように機動的に行いたいと考えております。
 物品あるいは施設利用権にどのようなものを指定するかにつきましては、今後さらに実情に応じて弾力的に考えていくべきことではございますけれども、現在頭にございますのを例示いたしますと、金、ダイヤモンド、ゴルフ会員権、これらのものについては当然政令指定されてしかるべきものだと考えております。
 では、そのほかのものを今後どうしてまいるかということにつきましては、機動的な指定によりまして被害の後追いにならないようにしたいということでございますけれども、それは具体的に考えてみますと、先ほど御指摘もありましたように、消費者相談の窓口、これを機動的にかつ関係各省あるいは都道府県の垣根を越えて、連係プレーで前広に把握してまいるということが一つの大事なきっかけでもありましょうし、また、具体的に被害が生じてからそれを何件か積み重ねなければ指定しないということではなくて、被害発生の蓋然性がある、これは危ないというふうに事前に感じましたときには、果敢にかつ素早く指定をしてまいることによりまして、後追いにならないような実効を上げ得るものと考えております。
#52
○梶原敬義君 これは後で時間があればまた議論したいんですが、自由な営業活動、経済活動を阻害する云々、こういうことですが、どうも私はそんなに金と銀とダイヤモンドですか、ゴルフ会員権、このくらいなら、何もそういろいろ逆に議論することないわけで、問題は、この種の商法というのは、そう国民のために営業の自由とかなんかを振りかざさなきゃならぬようなものかどうか。あんまり価値も生まないようなことに一生懸命、それをどうも奨励するような物の考え方については、一番最初にちょっとそこのところをスタンスを聞いたんですが、私はどうもぴんとこないんです。これはちょっと考えた方がいいのではないかと思っております。時間があれば、その辺についてはまだ用意しておりますので触れてみたいと思います。
 それから、先物取引の件ですが、昭和五十七年に公布、施行されました海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律でも、規制の対象となる物品と海外市場を政令指定するシステムになっているが、よく言われるように、政令指定が常に後手に回り、真の消費者保護法としてはうまく機能していないと批判されているわけでありますが、政府はこうした批判にどのようにこたえるのかですね。この先物取引法が施行された五十七年以前と施行後とは、海外先物取引をめぐる被害の発生状況に非常に大きな差異が見受けられるが、この点についてはいかがでしょうか。
#53
○政府委員(松尾邦彦君) 御指摘のように、海外先物取引規制法につきましては、対象となる海外の商品市場につきまして政令で定めることにいたしているわけでございます。これにつきましても、なぜ政令指定制になりましたかという点につきましては、この法律の目的が一般委託者の保護にあるということで、一般委託者に対してほとんど勧誘や受託等が行われず、被害の発生していないようなものにまで規制するのはいかがかということで、被害の発生の蓋然性のあるものについて過剰規制にならないように、一般委託者の保護を図っていくという趣旨から出たものでございますことは御高承のとおりだと思います。
 それで、この対象となります市場につきましては、御案内のように、昭和五十八年の一月に四つの市場について指定をいたし、引き続きまして六十年に八つの市場の指定をいたし、さらに本年の五月に四つの市場を指定いたしまして今日に至っているわけでございますけれども、最近の海外先物取引についての苦情相談の状況から見ますと、例えば六十年は五十九年に比べまして一割程度減少しておりますが、特に最近四半期で苦情の相談の件数を見ますと、昨年の十−十二月期には前年に比べて三割も減っております。そして、このようなものの中には、今回政令指定を五月から行いましたものについての相談、苦情も含まれていたかと存じますので、これらにつきましては、今後当然政令指定に伴いまして消費者の相談、苦情等もその必要がなくなってくるものになると思いますので、相談苦情件数等は安定して、落ちついた推移をたどっていくものではないかと期待をしているところでございますが、なお、引き続きまして、私どもとしては必要に応じまして、消費者の被害の実情に応じまして政令指定を今後とも機動的に進めてまいりたいと考えております。
#54
○梶原敬義君 次に移りますが、第七条を見ますと、「主務大臣は、預託等取引業者が第三条から前条までの規定に違反する行為をし、かつ、当該行為を引き続きするおそれがあると認めるとき、又は勧誘者が第四条第一項若しくは第五条の規定に違反する行為をし、かつ、当該行為を引き続きするおそれがあると」、要するに、過去悪いことをしたと、しかし、かつ、なおですね、先でするおそれがある者については一部を営業停止をさせると、そういうような形になっている。これはまあいわばやり得なんですね。たくさんやっちゃって、気がついたときはつぶしちゃった。それで取るものだけとってどっかへどろんした。この場合は、もう結局やられっ放してあります。なお、悪いことをしておって、さらにまた悪いことをしそうなと、こうなっているんですからね、これはちょっと、この辺はどうだろうかと思うんですが、この点。
 それから、命令を出すという、公表するという、その命令を出した業者について、これは消費者にそれがわかれば非常に役立つんですね。この命令を出したときに、本当に広い国民にそれがぱっと知れ渡るような方法でないと、これはなかなか効果がないと思うんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
#55
○政府委員(松尾邦彦君) この第七条の業務停止命令は、先生十分御高承のところでございますけれども、直罰の規定がございます条項につきましては、もとより罰則はこの業務停止命令の発動の有無を問わず罰則が適用されるわけでございまして、具体的に申しますと第五条以外、第三条から第六条までの規定につきましては、罰則がずばり違反行為があればかかるわけでございますけれども、それとは切り離しまして、この業務停止命令につきましては、主務大臣がどうも法に違反する行為をしていると認めたときということでございまして、別に裁判等でこれは違反であるということが確定する必要はないわけでございます。
 したがいまして、主務大臣が種々の情報を勘案して違反する行為をしていると認めるということが第一でございますが、特に先生が強く御指摘になられました「かつ、」「引き続きするおそれがあると認めるとき、」という趣旨は、その違反行為が、引き続きたび重ねて繰り返し行われていることを必要とするわけでは必ずしもございませんで、私どもといたしましては、違反行為をしたと認められる業者が、引き続き再発防止のための有効な措置をとらないでおるような場合には、当然また引き続き違反行為をするおそれがあると認めることは十分私どもとしては可能なことだと思っております。
 したがいまして、そういう意味で、ぜひともこの規定につきましては繰り返し繰り返し違反行為が行われなくとも、引き続きするおそれがあるような、つまり再発防止の有効な措置もとっていないような企業につきましては、機動的に適用してまいりたいと考えております。また、その命令の公表につきましては、消費者に対する重要な情報提供と存じますので、私どもとしましてはいろいろな消費者啓発の手段を持っておりますから、特に消費者相談の中できめ細かく行うべきは、老人とかそういうなかなか隅々まで消費者啓発が行き渡らない方々にも気配りをいたしまして、民生委員等を通じてこのような情報が十分に流れるように留意してまいりたいと考えております。
#56
○梶原敬義君 要するに、消費者への効果ある情報提供というか、これはまあ一番大事なことに恐らくなるでしょうが、新聞、テレビ、あるいは各県の消費生活センター、随分これはまたお金がかかると思うんですよね。まあいろいろやってみても、これは行き渡る方法を組むというのはなかなか難しいと思うんですが、この辺について、まあ大丈夫でしょうかね、よし任せておけと、いざというときはぱっとやりますと。予算も伴うことでありますから、この点については予算をひっくるめまして、どのように対応されるおつもりでございましょうか。
#57
○政府委員(松尾邦彦君) 確かに消費者啓発というものはかなりお金を必要とすることは御指摘のとおりでございます。ただ、私どもの既往の消費者保護のための予算、三億円強を有しておりますけれども、それに加えまして、本年度の予算におきまして新たにこの財政の大変厳しい折でございますけれども、八百七十五万円余の新規の予算を計上いたしまして、被害の未然防止のために役立つようなパンフレット、リーフレット、ポスターの作成、あるいは関係者との連絡の緊密化のための費用、あるいは被害の内容の調査の予算等を活用してまいるようにいたしております。
 あわせて同時に大事なことは、先ほど先生も御指摘ございましたけれども、関係省庁あるいは都道府県との連係プレーも極めて大事だと思います。私どもは、関係都道府県の担当者との会合、あるいは通産局の担当者との会合、あるいは消費者の相談員との連絡会議なども省内でやっておりますけれども、関係省庁にもあわせて御協力を賜り、御指摘になりましたマスコミの手段も駆使しながら、できる限りのきめ細かい広報活動をしてまいりたいと考えております。
#58
○梶原敬義君 まあひとつ予算の方も、そういう面ではやっぱり情勢情勢に対応して組んでいかなければいけないと思います。ぜひそのようにしていただきたいのであります。
 次に、この法律に対しまして、消費者団体あるいは弁護士会の方からも、いろいろ我々も書類をいただいております。一応目を通しましたが、大体逆な見方からいきますと、この法律というのは、逆に詐欺集団の行為を一応そういうことも容認をしたような形になっておる。国が犯罪者に対してお墨つきを与えるようなものではないか。先に広くそういうことをして、それから競って今度は悪いのを取り締まるというような形というのは逆ではないのか。こういうような批判も強く出ているのは御承知のとおりだろうと思います。この批判に対しまして、まあそれにどう通産省こたえるのか。本法が成立した場合に、その運用に万全を期して、あるいはこれだけではないですが、いろんな関係法令との関係もあるわけですが、悪徳商法が要するにどんどんはびこらないようにしなければいけない、それが目的ですから。そのためにはどうしていくのかという問題が非常に大きな最大の課題なんですね。もう一度この点について考えをお尋ねをします。
#59
○政府委員(松尾邦彦君) 悪徳商法そのものは、いろいろ多種多様な形態があり得ると思いまして、私どもは、この法律はもとよりでございますけれども、それ以外にも割賦販売法、訪問販売法あるいは海外先物法など、各種の消費者保護立法を機動的にかつ適正な運用を図っていくことがもとより大前提でございます。この法律案には、先ほど来申し上げましたように、いわゆる行為規制法をとっておりますけれども、悪質な業者にとりましては実質的に禁止の効果が出ますように、契約のあらゆる段階を通じて、また行政的な権限におきましても、また罰則におきましても、通常の例の倍ぐらい重い罰則を設ける等、悪質な業者にとりましては大変きつい内容の法規制をかぶせてあるわけでございます。
 したがいまして、今御指摘のような趣旨にかんがみますと、私どもとして大事なことは、この法律の機動的な運用、厳正な運用ももとより必要でございますが、この法律成立の暁には、この法律の趣旨を消費者の方々によく御説明し、御理解を賜るということとあわせて、この法律だけですべてが律し切れない点につきましては、先ほども大臣もお答えになられましたような、消費者啓発それから法の趣旨の徹底、厳正、機動的な運用、これらを総合的に行うことによりまして、悪質業者がいやしくも助長されることのないよう、そして悪質業者による被害の拡大がないように、この未然防止の趣旨が生きるように運用してまいりたいと考えております。
#60
○梶原敬義君 マルチまがい商法について、答申の中には、これは時間もないから別にやろうと、やるべきじゃないかと、こういうように答申の最後に出ておりますが、これはやっぱり早めに法律をつくるかどうするか、問題が起こらないように取り組む必要があると考えておりますが、これに対する姿勢をお聞きをします。
 それから、マルチでひっかかった人というか、被害を受けた人というのは、いずれにしてもこれは大変でありまして、
   〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕
このマルチ商法がこれからも日本では、まあ後から少し言いますが、まだどんどん出てくる可能性が非常に強いわけであります。そのような状況把握について、今わかっている範囲においてマルチ商法の状況についてお尋ねをいたします。
#61
○政府委員(松尾邦彦君) 一つは、先生御指摘ございましたマルチまがい商法でございます。この点につきましては、先生お述べになられましたように、産業構造審議会の先般の答申におきましても、引き続き検討を進めるべきである旨、指摘されているわけでございますので、私どもといたしましては、審議会に鋭意今後検討をお進めいただくよう努めてまいりたいと考えているわけでございます。
 一言だけ申し上げさせていただきますと、マルチ商法と違いまして、マルチまがい商法の場合には、一般の消費者が大量の在庫を抱え込むというような具体的な被害が問題とされるわけではない、つまり現在の訪問販売法でマルチ規制をしておりますけれども、これは商品の再販売ということを規制の対象にいたしておりまして、その場合には、売れもしない商品を自分で買ってしまって、それをだれかお客様を探して売る、こういうことで在庫がたまる危険があるわけでございます。それに対しまして、マルチまがいと称されている商法は、いろいろな形態がございますけれども、消費者が具体的に多額の被害を生ずるようなことになるのかどうか、またそのマルチまがいと言われている取引形態も多様なものがいろいろございます。
 したがいまして、私どもとしては、具体的な被害の態様はどういうことになっておるのか、また取引形態がそれぞれどのような形のものがあり、どのような形について政策の対応をしていったらよろしいのか、かつまた紹介販売とか委託販売というようなものの中には、正常な商慣行として行われているものも幾つもあるわけでございます。そのような健全、正常な商慣行との関係というものも十分留意をしながら、今後のあるべき政策の方向を検討してまいることが必要だと思っております。
 次に、マルチ商法そのものでございますけれども、これにつきましては、御案内のように、現在訪問販売法の中で規制をされているわけでございますけれども、私ども五十一年に法律を施行して以来、直ちにこのマルチ商法の苦情受理状況公表制度というのを創設いたしまして、自来消費者から苦情がございます案件につきましては随時公表を行ってまいりまして、公表してまいりました業者の数は三十五社に及んでいるわけでございます。
 このような随時消費者相談に応じまして機動的な公表を行いました結果、現在公表しなければならないような、消費者被害を見逃すことができないような苦情のある企業は、現在私どもとしては承知していないという実情でございます。今後とも十分消費者相談の窓口で目を光らせまして、マルチ商法が消費者の被害をもたらすような形ではびこることのないよう厳正に法の運用と消費者相談の的確な把握をしてまいりたいと考えております。
#62
○梶原敬義君 そのようにぜひ強くお願いをします。
 それからノエビア商法ですね。これも私もちょっといろいろ調べてみましたが、これまた大変なことでありますが、このノエビア商法の実態についてどのように把握をされておるのか。請願が国会に出ておったり、衆議院の商工委員会でも取り上げ、議論をされておりますが、この点について通産省の姿勢をお伺いをします。
#63
○政府委員(松尾邦彦君) 御指摘のノエビアの商法につきましては、先生もおっしゃられましたように、これはマルチ商法ではないかという問題の御指摘が、一昨年でございましたか、ございましたわけでございます。
 この会社は、私どもとしては、従来から委託販売という形を採用してきており、訪問販売法で規制の対象にしております再販売の形態はとっておらない、したがいまして訪問販売法の規制対象となるマルチ販売ではないと、かように理解しておりますけれども、会社の方でも、このような点は疑義のないように明確にするということで、契約書の中身について改善を加えて、これがあくまで委託販売であるということを明確になるようにしておると承知いたしております。そういったことも背景にございまして、通産省の相談窓口におきましては、最近特段この会社につきまして消費者からの苦情が寄せられているということはございません。
#64
○梶原敬義君 業界に参入しまして十年余りで千五百億円程度急激に売り上げるような形になっておりますね。それはやっぱりどこかに問題があるからそういうような形になっておるのではないでしょうか。全然問題がないというとらえ方なのか、やはりこの種の問題は少し疑わしいと、こういう感触なのか、その点についてはいかがでしょうか。
#65
○政府委員(松尾邦彦君) 先ほど先生から、マルチ商法に限らず、マルチまがい商法につきましても検討を進めていくようにという御指摘もございました。
 マルチまがい商法とは何かという定義もなかなか難しいわけでございます。したがいまして、何がマルチまがい商法か、したがって、このノエビアは一体何なのかということについては、確たる定義もないわけでございます。いずれにいたしましてもマルチ商法ではないことは確かでございますけれども、マルチまがい商法という問題が、今日先生御指摘のように問題提起されてあるという実情を十分踏まえまして、この企業の動向につきましても、今後とも注意をいたしながら動向を見守ってまいりたいと考えております。
#66
○梶原敬義君 次に、ベルギーダイヤモンド商法ですね、これにつきまして私も少し調べておりますが、もう時間の関係で通産省の方で把握されている点についてお尋ねをします。
 疑問が持たれているのは事実でありまして、通産省のOBであります小城剛さん、まあ通産省も何でもOB、OBと、それは人数多いから出てきて迷惑でしょうけれども、しかしいろいろ疑惑を晴らしていく意味からも頑張っていただかなければいけないと思うのですが、このベルギーダイヤモンドについてお尋ねをします。
#67
○政府委員(松尾邦彦君) ベルギーダイヤモンドにつきましては、ダイヤモンドの販売方法につきましては、御承知のようにダイヤモンドを購入してメンバーとなった人が、自後新しくダイヤモンドを買う人を紹介するということにいたしますと、一定の紹介料をメンバーに支払うということになっている、いわゆる何と申しますか、紹介商法なわけでございます。したがいまして、訪問販売法で規制の対象にしております再販売ということには当たらないわけでございますので、訪問販売法における規制の対象としておりますマルチ販売取引には該当しないわけでございます。しかし、昨年豊田商事の一連の関連企業が問題にされました際には、訴訟も何件か起こされているわけでございます。
 そういう意味で、私どもとしては、今後マルチまがい商法について検討してまいる際には、このベルギーダイヤモンドの案件についても十分分析をいたしまして、今後の行政上、ベルギーダイヤモンドはいかなる位置づけとして行政的に考えていくべきか貴重な検討の資料とさしていただきたいと考えております。
#68
○梶原敬義君 時間が少し切迫をしましたので、ちょっとゴルフの会員権の商法について、これもどうも会員権が特定商品の対象になるというのも、私これもぴんとこないんですが、どうせ対象になるゴルフ場というのは、つぶれるかどうかわからぬようなゴルフ場かもわかりませんが、これは一体どういうことなのか、この点についてお尋ねします。問題はないのか、ですね。
#69
○政府委員(松尾邦彦君) ゴルフ会員権につきましては、御高承のように、豊田商事グループの中で鹿島商事という会社がこの会員権を販売し、それを預かって運用益を消費者に渡すことを約するという商法を行ったわけでございます。したがいまして、今回御提案さしていただいております法律案の中で、やはり商品と並んで施設利用権を対象にいたす場合には、政令でこのゴルフ会員権というのをやはり対象にしていくことが必要じゃないかと考えておりますけれども、ゴルフ会員権に関する権利保護というのは、預託取引に限るものではもちろんないわけでございます。例えばあらかじめお金を預けておいて会員になる資格を得るというような預託会員制のゴルフ会員権などもいろいろあると思いますけれども、消費者相談の窓口でも、そのようなことについて何件か最近でも問い合わせ、あるいは苦情相談などまいっているわけでございます。
 したがいまして、私どもとしては、法律とは別途離れまして、役務の取引、つまりサービス、役務の取引等に関する適正化のための研究会を省内に設けまして、関係各界の学識経験者の方々にお集まりいただきまして、消費者苦情の相談の実態把握、対応策について検討をしているところでございまして、この法律において預かること、そして預かったことに見合って利益を供与することを約することにつきましてはこの法律案によりまして対応いたしますけれども、そのほか一般的なゴルフ会員権をめぐります消費者苦情につきましては、ただいま申し上げましたような研究会で、どのように会員権にかかる消費者の権利保護を図ったらよいかということにつきまして鋭意検討を進めてまいり、この検討結果に基づきまして所要の対応を別途いたしてまいりたいと考えております。
#70
○梶原敬義君 だから、私は逆に全部指定をしちゃって、そしてその中から今度は問題のところだけをばんとやるとか、問題が起こったときに指定をするやり方ですね。だから、この政令指定で、あるいは省令指定でやる場合に、消費者被害の実態を踏まえることが非常に大事で、急がなければならないわけでありますので、消費センターとか、あるいはすぐ弁護士のところへ相談持ち込まれますから、弁護士会等の意見を聞いて迅速的、機動的にこの対応、あるいは運用をする必要がある、こう思うのですが、この点はいかがでしょうか。
#71
○政府委員(松尾邦彦君) 確かに、この法律の運用においてもそうでございますが、そのほか消費者保護に関連する法律の運用に当たりましては、厳正であると同時に機動的であることは極めて基本的な命題だろうと考えております。したがいまして、私どもといたしまして、この御提案申し上げております法案が成立した暁、機動的な運用を図るという観点からは、先ほど来申し上げております通産省の消費者相談窓口、あるいは都道府県あるいは関係省庁の相談窓口に寄せられました苦情相談などは迅速に分析、把握いたしまして、機動的な運用を図ってまいることが必要だと考えておるわけでございまして、そのために、全国各地の消費者センターとの情報交換筆についても緊密にしてまいりたいと考えております。
 もとより、今先生御指摘になりました弁護士の方々も、消費者からの苦情相談を受けられる大変大きなパイプだろうと存じております。したがいまして、私ども法の運用に当たりましては、このような意味で、消費者相談ともども弁護士の方々から、あるいはその他関係の方々いろいろあろうかと思いますけれども、各方面の方々から御意見がございますれば、十分これを参考にさしていただいて、法の機動的な運用に遺憾なきを期してまいりたいと考えております。
#72
○梶原敬義君 次に、本法の第三条、第四条に基づく書面に織り込むべき事項についての省令指定に当たっては、商品または施設利用権の運用方法及び保管状況等、これは集めたお金をどう保管しあるいは運用するかというような問題ですね。さらに、当該預託等取引契約の重要な内容を含ませること等、私はそういう措置を講ずべきと思いますが、いかがでしょうか。
#73
○政府委員(松尾邦彦君) 御指摘にございました、預かる商品等の保有あるいはその運用の状況についての消費者への情報開示のことでございますけれども、確かに商品等の保有状況につきましては、産業構造審議会の答申でも指摘されてございますとおり、交付される書面の内容に含めるべきものだと考えておりますので、私どもとしては、省令でその旨の規定を設けることにいたしたいと考えております。
 ただ、その預かります商品等の運用方法につきましては、実は、これは業者が預かりました品物をどのように運用するかということにつきましては、物にもよりましょうけれども、経営環境の変化などを踏まえて、そのときどきの最適の選択を目指して行動するのが一般的な企業行動の原則であろうと思いまして、世の中がどんなふうになろうとも、あらかじめお客との間で一義的、端的にかような方法で必ず運用いたしますというふうにきちんと決めてかかることは、必ずしも実情に合わないのではないかということでございますので、私どもとしては、保有状況につきましては省令で明記いたしたいと存じますけれども、運用方法につきましては、当面書面の内容に含めることは考えておらないわけでございます。
#74
○梶原敬義君 書面交付の場合、参考人の日弁連から来ました弁護士さんのお話では、小さな字を書いても、大きい字を書いても、それはどっちみちそう変わらないだろう、こんなお話もありましたが、私はやっぱり書面交付のときには、あの人若かったから小さい字も見えるんでしょうが、私は余り小さい字は見えませんから、これとこれ、これは落としちゃいけないというようなところはや一はり大きな字で――調子の悪いところだけ小さな字でちょちょっと書いて、変なところ、自分の勝手のいいところだけは大きく書くというやり方というのは、これは困りますので、これはちょっと一工夫をぜひしていただきたいと思います。
 それから、運用方法についても、しかしこの種の問題の被害を少なくするためには、やっぱり業者に対して運用が――それは運用はどうでもいいというんなら、これはまたハイリスク・ハイリターンを考えて、何に運用するか、これまだわかりませんから、この運用の仕方というのはやっぱりもうちょっと検討してもらう必要があるんではないか、こう思うんですが、この点についてまた後ほど意見があれば聞かしていただきたいと思います。
 次に、預託等取引契約により被害が生じた場合には、悪質な取引を実質的に禁止するとの立法趣旨が全うされますように、政省令の迅速な改正や、さらには本法の見直し等、随時適切な検討を加えていただきたいと、こう思うんですが、いかがでしょうか。
#75
○政府委員(松尾邦彦君) 三点御指摘がございましたので、それぞれ簡単に申し上げさせていただきます。
 第一点は、三条の書面におきます様式の省令の定め方でございます。この点につきましては、先生御指摘のとおりでございまして、まず、字の大きさも相当大きな字でなければいけないと思います。何が書いてあるか、ごちゃごちゃしてわからないようなことのないように、大きさも規定したいと思いますし、それから書く内容につきましても、特に大事なところは四角い枠で囲むとか、あるいは赤い色で印刷するとか、いろいろ、いやでも消費者の目につきやすいような形で記載されますよう省令で定めたいと考えております。
 それから、第二の運用の方法、これは先生のお考えも一つの考え方と思いますけれども、先ほど申し上げたように、なかなかこれをあらかじめ一義的に決めることは、生きた経済の実情からして難しゅうございます。しかし、例えば第六条に「書類の閲覧」という規定もございまして、業者が一体どのような業務、財産の状況になっているかということにつきましては、随時消費者が企業に、業者に閲覧を求めることができるような規定もございます。そのような規定も含めながら、業務が適正に行われるような歯どめにいたしたいと思いますし、このような閲覧書類について適正な記載がしてない場合には罰則もありますし、また、これがうまく閲覧が行われない場合には業務停止命令もかかるというような担保措置もあるわけでございます。
 それから、第三におっしゃいました、悪質な業者によります被害の再発防止を本来この法律は目的といたしているわけでございますので、悪徳業界がどのような事業展開をしてまいりますか、その実情に応じまして機動的、弾力的に政省令の改正等を行ってまいりたいと考えております。
#76
○梶原敬義君 さらに、訪問販売法と、特にマルチあるいはマルチ類似の取引及び役務提供を考える場合に、先ほど私が言いましたように、これは少し早めに、また本気で手を打っていただかないと、法律がないからやれないと、こういうさっきからの考え方でありますし、どうもたくさん次々に問題が出てくるような気がしてなりません。私もいろんな商法を今持っておるんですが、時間の関係で省略して、多分通産省もいろいろ、若い者向け、年寄りは年寄り用、婦人は婦人、いろんな形で、これは恐らくマルチまがい商法を巧みに入れたり、あるいは本法のような関係をうまくアレンジしたような商法というのが出てくると思うんですが、特にマルチあるいはマルチ類似商法の問題については、これからあちこちに、全国的に大がかりでぼんと出るんじゃなくて、地域、地域に小さな形で出てくるような気がしますから、この辺についてひとつ十分な取り組みをお願いをしたいと思います。これにつきましては、先ほど申し上げ、答弁ありましたから、答弁は要りません。
 それから、問題は、出資法、信託業法、それから訪販法、そして今度のこの法律と、こういうことになるわけですね、関係法令というのは。これ一つだけ、これでやれるというわけではないわけですから、この辺を総合的にやっぱり連絡調整をする。その各省庁間の連絡調整は、一体経済企画庁なのか、通産省なのか、あるいは大蔵省なのか、そこのところをちょっとお聞きしたいのと、それから、やっぱり私は通産省がやるべきだと思うんですが、しっかり関係法をそれぞれ有効に適用して、問題の起こらないような協力体制を万々つくっていくことが非常に要求されておるわけですから、この辺に対する取り組みの強化についてひとつ御意見を賜りたいと思います。
#77
○政府委員(松尾邦彦君) 先生御指摘ございましたように、この法律案とは別個、出資法は出資法として厳正な運用が今後も期待されるところでありまして、この法律案が成立いたしますということと出資法の規定との間に、何らの影響は及ばないと私ども考えているわけでございますし、信託につきましては、この法律で、第二条におきまして、別途信託法及び信託業法において法的な手当てがなされておりますので、この法律は適用しないことにいたしているわけでございます。
 いずれにいたしましても、消費者の保護のための法律は、このような出資法、信託業法もございますし、私どもが所管しております割賦販売法、海外先物法、訪問販売法等各種の法令がございます。先生御指摘のように、関係各省相寄りまして、これらの法律を有機的に、機動的に、また連係プレーで発動していくことが大切なことだと存じているわけでございますので、例えば豊田商事の事件が起こりましたときに関係六省庁会議が機動的に編成されましたように、今後も何か大きな問題が起これば、必要に応じました関係省庁の機動的な会議も必要になりましょうし、それとは別に、一般的にも、経済企画庁が恐らく窓口になられるんじゃないかと思いますけれども、経済企画庁にもよくお話をいたしまして、関係省庁間の密接な連携体例についてはよくまた御相談をさせていただきたいと考えております。
#78
○梶原敬義君 消費者保護の立場に立ちます経済企画庁としてはいかがですか。
#79
○説明員(里田武臣君) この悪質商法といいますのは、先ほどからるる御説明ございましたように、非常に変形自在でございまして、いろんな多様なものが今後とも出てくるということは十分考えられます。それから、やはりこういう業者というのは変わり身が非常に早いものでございますから、お金を集めた段階で逃げてしまうということもございます。したがいまして、機動的にやっぱり対応するということは、先ほどから御指摘になっておられますように非常に重要なことであると思います。
 私どもも消費者行政の総合調整という役を一応担わされておりますものですから、関係省庁の御協力を得まして、こういう問題については、今後とも迅速に対応するような体制につきまして一層考えていきたいと思います。
#80
○梶原敬義君 消費者保護の立場に立って、薬者の手口、それから悪質薬者の氏名の公表、この公表は今までどのくらいやっているのか、この点と、それから消費者啓発活動、この点について、今までの反省の上に立って、もう一度通産省あるいは経済企画庁から決意をお伺いをしたいと思います。
#81
○政府委員(松尾邦彦君) 先ほど来いろいろ御指摘もございましたように、悪徳商法の再発を防止していくためには、法律の厳正な運用と相まちまして、消費者啓発が極めて大事な柱だと思っております。そういう意味で、悪質な手口の公表、場合によりましたら悪質な企業名の公表、そういった問題も大事なことだと存じておりまして、先ほども御説明申し上げましたけれども、訪問販売法の運用の一環といたしまして、消費者トラブルの情報を公開する制度を発動いたしまして、既に昨年の十一月には悪質な手口について詳細に消費者にPRをさせていただいておりますし、またマルチ企業につきましては、先ほども御答弁申し上げましたように、企業名の公表を行って、このようなマルチ企業のばっこをしないような対応を行ってまいってきたところでございます。今後も情報提供の中でこのようなことが非常に大事なことだと考えております。
 企業者の名前を公表することにつきましては、一方において公表制度の乱用のおそれ、あるいは業者の営業活動に対する影響が非常に大きいということについて慎重な検討も必要なわけでございますが、いずれにいたしましても、業者の手口についての情報提供等具体的な啓発活動は力を入れて進めてまいりたいと考えております。
#82
○梶原敬義君 最後になりますが、豊田高萩の場合には、今審議官の答弁では六省庁会議で機動的に対応した、こういうことであります。各省庁、行政の皆さんの立場からしますと確かに機動的であったかもわかりませんが、何回も議論しておりますように、機動的であったかもしれないけれども、ああいう大きな被害を出した、人数から言いますと、一説にはやっぱり五万人ですか、もっといっているんですか、二万三千とか五万とか言われておりますが、金額にしては一千百億と、こう言っておりますが、もっと高いかも、一千百億ないし二千億と言われておるんですね、幅がありますが。大変な被害を出しておるわけです。私は大臣、行政は確かに六省庁何とかやった、これはある程度認めますが、しかし国家という、あるいは一番上に立つ者から考えますと、やっぱり結局は非常に手の打ち方がおくれた。それであれだけの被害者を出した。そしてしかもそれは弱い者が被害をこうむった。こういうことに対しては、やっぱりある程度、大臣全く責任がないということでは済まされぬ。現に生活できない人も、あるいは生活保護は欲しいけれども、昔は派手ないい生活をしていたから、生活保護を申し込むのも周りからどうも難しい、気が乗らないと、非常に困っている人も多い。最近では健康障害を起こしているわけですね。こんなことが続けば健康というのも、病は気からと言いますから、これはやっぱり病気になりますよ、なけなしの金全部あれして先が真っ暗になりまして。こういう健康被害者がお年寄りに随分出ている、こういうことも聞いております。
 だから、この豊田商事の問題については、そういうお年寄りあるいは健康被害の出ている人、生活に困っている人、商工委員会での経済企画庁長官の前国会での答弁では、やっぱり優先的に速やかに対応しようと、生活保護なんかの申請があれば。そんな答弁も多分いただいたと思っておりますが、やっぱり反省の上に立って、もう過去のことは知らぬ、先はこれでいくんだと。これだけではちょっと手落ちではないか、こう思うんですが、高い次元で、行く行くは大臣も日本の一番上に立つ人かもわからぬわけですから、ちょっと高いところからひとつ豊田商事の被害者の問題についてお考えを賜り、前向きに対応していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#83
○国務大臣(渡辺美智雄君) 豊田商事で被害を受けた方は大変お気の毒な方だと存じます。しかし、法律上いかんともそれはすることができません。今後こういうような問題が起きないように万全の措置を講じてまいりたいと存じます。
#84
○梶原敬義君 そこまでは、それ以上のことをやっぱり私は前に大臣の答弁を聞いているんですよね。ちょっと後退を――いやそれは本当に困った人があったら、やっぱり各県なり窓口に行ってくれ、できる範囲で対応をしようと、こういうところまで、できる範囲で、それはいろいろ限界はあるでしょう、それもよくわかった上での質問でありますので、もう一度お願いします。
#85
○国務大臣(渡辺美智雄君) 現行法の中で、できるだけ暖かい処遇を考えてまいります。
#86
○理事(前田勲男君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時五分まで休憩いたします。
   午後零時五分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五分開会
#87
○委員長(下条進一郎君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#88
○田代富士男君 本案の質問に先立ちまして、渡辺通産大臣に今日的な問題についてちょっとお尋ねをしたいと思います。
 もう御承知のとおりに、最近の円高の傾向は異常な状態でありまして、昨日は一ドル百五十九円をのぞかせて、その後百六十円台に戻すなどの動きも見られましたが、本日、今さっき私聞いたところでは、百六十円台に乗るなど大きく反騰しております、これは大臣御承知のとおりでございますが。この先どこまで円高傾向が続くのかわからない状態ではないかと思うわけでございますが、この円高はもちろん差益と差損という二つの側面を持っていることは言うまでもありませんが、それは一方では何の苦労もなく巨利を得さしめて、他方ではいかに賢明なる対応をしようとも焼け石に水となりまして、その結果は常に理不尽に財の偏在を招来するということになっているわけでございまして、そのために、常に政府の適宜適切な対応がなければ、国民の間に大きな政治不信を招くことになると思いますけれども、通産大臣としての所信をお聞かせいただきたいと思います。
#89
○国務大臣(渡辺美智雄君) この円高問題というのを、日本だけの視野で見るか、世界的な視野で見るかで非常に実は見解が分かれてしまう。私どもはある程度の円高はやむを得ないにしても、いずれにしても半年間で二百四十円から百七十円を割り込むというようなことは、これはとても中小企業に対しても困っておる。したがって、これらについては共同で何とかならぬかという話も、実は個々にはいろいろしてみたこともあるんですよ。
 しかし問題は、彼らの認識からすれば、困っている、困っていると日本はおっしゃるが、何が困っているんですかというのが第一の質問ですよ。それじゃ日本は貿易では赤字なんでしょうかと。貿易は、ともかくかつてサウジアラビアが集めたぐらいの金を今集めているわけですからね、一国で。ぐうの音も出ないですわね。失業率は何ぼですかと、二・七%。私の方は一三%ですよと。フランスやドイツは九%とか八%とかいう数字。失業者はいないんじゃないですか、困ってると言って何で失業者がいないんですか。物価はどうなんですか、インフレはどうですかと。いやインフレは二%、卸売物価はあるいはマイナスになるかもしらぬと。私の方はまだ五、六%インフレありますよと。それから経常収支はどうなんですかと。一々言われますと、そうだそうだという話になっちゃう、会議でなんかやったら。日本だけが困っている、困っていると。困っているものを出してみるという話になっちゃいましてね、それは袋たたきに遭っちゃいますから。下手げに会議で持ち出せない。これも事実なんです。
 裏返しに言いますと、今までそれじゃ不当な円安でもうけ過ぎたんじゃないのかと、今までそもそもが。だから、もうけたものを吐き出せと。簡単に言えば連中――連中と言ってはなんだが、彼らから言わせればその程度の感覚ですよ、簡単に言って。かつてサウジなんかにだけ金がみんな集まっちゃって、世界じゅうがみんな貧乏したと、これから日本にだけ毎年五百億ドルだとか七百億ドルの金が続いて集まったら、世界じゅう貧乏しちゃう。そんなことになったら大変だという危機感ですね、一つは。ですから、貿易は保護貿易にはできないと。したがって自由貿易は守っていかなきゃならないが、それについては我々も加担をするから、貿易のバランスをとらせろと、片貿易でなくしろと。そのためにはこれは貿易に円高になってブレーキがかかったら内需拡大をやって、そこで職業転換をどんどん進めたらいいじゃないですかという大体話ですわ。そう簡単に言われたって、内需拡大、職業かえるわけですから、そんな右から左というわけになかなかいかない。そこに今の生みの苦しみがあると。
 この円レートの問題は下手げに言えないんですね、ちょっと言っただけで新聞がいろいろなことを書くからね。それで下手げなこと言えませんが、いずれにせよ安定をするということ以外にはないと。我々はほとんど岩盤にぶつかっちゃって、もうともかくこれ以上高くなることはない、もう少し安くしてもらいたいという願望を訴えておることは事実でございます。ただ、願望どおり世の中が動くかどうかわかりませんが、私は安定の方向で、多少の振れはありましても、次第に落ちつくところに落ちついていくというように思っております。
#90
○田代富士男君 そこで、今回の電気及びガスの円高差益の還元についてお伺いをしたいと思いますが、今回の許可は暫定料金ということで、しかもその内容は、今日の百六十円台という円高を十分に反映したものとは言いがたいのではないかと、私はこのように理解をしておりますが、その差益の大きさに比べまして還元幅が小さく、また内部留保が大き過ぎると、こういうわけで、適時適切な対応となっていないのではないかと、私はこのように思っております。通産大臣も一貫して主張していらっしゃるのに、今ほど内需の拡大を求められているときはないわけでありますから、その即効性からいいましても、消費者への還元幅というものは大きければ大きいほどよいわけでありますから、このような内部留保は将来の設備投資のためとは言われましても、今日急がれている内需の拡大に役に立たないと言ってもいいんではないかと思いますし、再考すべきではないかというのが私の主張であります。
 また、今回の還元策の基準レートが御承知のとおりに百七十円台でありますが、伝えられる総理の認識などから、今後は百六十円台が一つの目安ではないかと考えられておりますけれども、そうなれば再度の料金改定も考えねばならないのではないかと、私はこのように主張するんですけれども、渡辺通産大臣の御所見を伺いたいと思います。
#91
○国務大臣(渡辺美智雄君) この差益還元問題というのは、予算委員会中もいろいろ出まして、至急に還元しろというお話がありました、もう四月からでもやれと。しかし、私といたしましては、四月からということになると、石油の値段も二十七ドル、二十八ドル近い、二十七ドル七十七とか五十幾つとかいうような数字であって、全体的に見て石油の値段はもう少し落ちるんじゃないかという私は一つの見込みを持っておりました。ただ、円もこれは幾らになるか全くこれこそはわからないんですけれども、円高傾向で進んでいるという認識に立ちますと、余り早く還元をやってしまえば、とても先の見通しなんというとわからぬわけですから、過去の実績、直近の二カ月とか三カ月の実績を基礎にしないと、何を基準にしてそういう数字を出したと言われたときに、それはいいかげんに出しましたと言うわけにはいきませんので、やはり過去の実績で出さざるを得ない。そうすれば還元幅が非常に小さくなってしまう。
 そこで、うんと今度は延ばして、八月とか九月というときまで待つということになると、これは政治的にもたない、さあ早くまけろ、早くまけろ、こう言われましてね。それも適当ではないという考え方から、早くやれという人からは遅いというなにが出ますけれども、六月一日の検針から実施をするというのが大体いいじゃないかと。そうすれば世界の方向もおおよそ、サミットも終わって大体もうある程度見当がつくんじゃないかと。もともとそう考えておったんです。
 そこで、結局は為替レートをそれじゃ幾らに見るということでありますが、これは先行き幾らになるなんということで見るということは不可能なわけです、実際、だれも責任持てる人は一人もいない。したがって、これは機械的に過去三カ月間の平均をとった。そうすると百七十八円という数字が出たというだけであって、きょう現在の為替レートなんというのは、こんなものはすぐどっちへ動いちゃうかわかりませんので、責任が持てない。だから、説明がつくのには、過去三カ月平均をして、安定したとすればこの程度だということは一つの説明になる。五カ月にすればもっと、二百円とかになっちゃいましょうが、それも困る、したがって過去三カ月というふうに見たんですよと。
 それから、石油価格はこれもごく最近まで見ておるわけで、二カ月間の平均にしたんです。三カ月にしますと高くなっちゃうんですよ。石油価格は現実にもう安い方向で大体来ておりますし、少しはね上がっておりますが、一年ぐらいはそんな急激に上がっちゃうということもないんじゃないかというのが世界の常識ですから、したがって二カ月平均で見るということにいたしまして、十九ドルという見方にしたわけであります。手持ちで高いやつもあるんですよ、あるけれども平均で十九ドルと。
 それから、ここの中で見ていませんが、LNG、天然ガスですね。天然ガスはいまだに値下げになっていないんです、買っているものは。二十七ドルなんです、石油換算にいたしましてね。しかし、これはインドネシアの大臣などとも話して、あそこから半分買っていますからね。そんな、長期契約で決まっているんだと言われても、少しはまけてくれよと。向こうは、石油が三十二ドルだ、スポット四十ドルのときはこっちは二十七ドルで売ったじゃないかと、だから石油が下がったからといったって、長期契約なんだから、それだったら、じゃ上がったときに上げていいのかという話にすぐなってくるわけですね。それは理屈はそうだけれども、当分そんなに上がるはずないんだし、需要が減るのだからまけてやってくれという話を私らもしまして、電気会社とは交渉いたしましているんですが、まだはっきりした安い価格でというところまでいってない。
 しかしながら、これは石油が十九ドルなんだから、今買っている二十七ドル足して二で割って、二十三ドルというぐらいのところで、まだ下がってないんですよ、下がってないんだけれども、大体二十三ドルぐらいまでは下げるという大体ニュアンスをつかんでおりますから、これはかなり、こいつはちょっと見切り発車で無謀だと言えば無謀なんですよ。現に二十七ドルで買っているものを何で下げた値段で計算するんだと言われたときには、私も本当に下がらなかったら立ち往生になっちゃう。
 そういうようなこともございますから、円レートでは今六十五円ということならまだ十円幅があるじゃないかとおっしゃいますが、十円ぐらいのものはどっちへ転ぶかわからない、正直な話が。片っ方では高いものを安く見込んじゃって見込み発車しているということになると、ある程度の安全係数を持たないとそれはもう危なくて、認可した以上私の今度は責任ですから、それはでき得ませんよ、実際は。したがって、いろんなこういう御議論もございましょうが、安全係数を見込みまして、今のような価格で電気会社にものんでもらって申請どおり認めるということにしたわけでございます。
 今後さらに、石油が大幅にどおっと下がっていくとかなんかすることがあったり、円がもっと強くなってと、それは困るわけですからね、日本にとっては円がこれ以上強くなることは。だから、円がうんと強くなることを見込んじゃってなんてわけにはいかない、実際のところ。もう少し安くなってもらいたいというのが国民感情ですから。ですから、まあことし一年はこれでやっていただく。そうしてまた来年は来年で、世界の情勢がどう変わるか知りませんが、そのときにはもう一遍見直しをどっちへ転んでもせざるを得ないということで、とりあえず一年の措置ということで料金をきのう認可したわけでございます。
#92
○田代富士男君 そこで、このような急激な円高に対しまして、体力のない中小企業は次から次へと倒産の憂き目を見ているわけでございますが、それに対する政府の対応というものも、いろいろ諸政策が用いられておりますけれどもはかばかしくない。これは現実です。
 このことにつきましては、先日もこの商工委員会において私も質問をしたところでございますが、昨日、実は衆議院の商工委員会におきまして、我々公明党の長田委員が質問をいたしました、中小企業の問題に対しまして。政府の前向きの姿勢はわかりますけれども、私それも後で聞きましたけれども、関係輸入業界の差益還元の具体策というものがもう一歩明確にされていない。私はそういう意味で、改めて渡辺通産大臣にこの差益還元の具体策、どこまで示されるのか、検討段でもあるということも理解の上に質問をいたしますけれども、お答えいただきたいと思います。
#93
○国務大臣(渡辺美智雄君) まず、この一兆円からの例えば電力・ガスの問題で差益還元をするわけでございますが、電力だけをとってみましても、小口電力――小口というと大体中小企業ですね、これが三千億です。だから、中小企業に、しかも製造業とかそういうふうなところに三千億の減税をやったと同じ効果があらわれてくる。一方、三千億金貸す話がありますね。これ貸す話だから。ここで例えば一%金利が安い、補助金だと。三千億の一%といったら三十億ですよ、たった。一・五%として四十五億の話ですよ、これ、仮に補助金だと言われたとしても。そこから見れば、電力料三千億円おまけしますということの方がどんなにでかいメリットであるかということは、これは実際の負担という点からすれば非常に私はわかりやすいのじゃないかと。片っ方は金繰りが必要だから金借りられればありがたいということだけれども、こっちはもらいきりと。負担したものは少なくて済むという話ですからね。これがまあ一つ。
 それから、プロパンガスも、これは管理価格という、政府がやっているわけじゃないけれども、これはガソリンスタンドのように競争が激しいといいんですが、ボンベを持ち込んじゃうものですからね、でかいものを。だから、もうあんたが嫌いだからすぐかえて別なボンベ持ってきてというふうにはなかなか簡単にいかないんですね。ガソリンスタンドなら、あんたの店が嫌ならこっちの店へ行きゃいいんだから。したがって、ガソリンスタンドの方は競争が激しくて値段が下がるが、プロパンの方は黙っておいたら、このことをいいことに懐に入れほうだいということになるわけですよ、実際の話が。それじゃちょっと偏り過ぎるわ、幾ら何でも。だからこれはだめですよということで、メーカーを呼びまして、ともかくまけろということで今指導しまして、これが本当に末端まで徹底すれば、大体一年間に約一千億いくだろう、一千億円、この還元分が。だから、これはぜひ徹底をさしていかなければならぬ。
 だから、家庭の主婦なんかにも、要するにプロパン屋がもう全然まけなかったらまけなさいと――ここへ来ていますけれども、消費者団体か何か知らぬけれども、あなた方もよく言ってちょうだいよ、プロパン屋にね、向こうがまけるんだからあんたもまけなよ、ガソリンだってまけているんだからと。こういうことを言わして、それは取りかえますよと、まけてくれなければ。八%かそこらはまけさせようという今指導を実はやっております。
 そういうふうなことやら、食料品ですね、これはやはりアメリカあたりが怒っているのは、安い小麦を日本に売ったにかかわらず、日本政府が途中でピンはねして懐に入れちゃう、それで高いのを国民に売りつける、アメリカの農民の犠牲において日本政府が金もうけという話になっちゃっている、実際は。だからここらも、まあ食管赤字の穴埋めに使うのもさることながら、ある程度仕方ないにしても、やはり円高メリットというのは政府自身ができるわけですから、牛肉にしてもそうだからね、だからこういうのは少し安く売れというように我々も要求をしたいと、そう思っておりますし、農業等のえさですな、今えさがだんだん値上がりをしてきて、特にアメリカから買っているものは安いんですよ。ヨーロッパの関係は、日本の円との関係で案外開きが少ないものですから、ヨーロッパからのは案外そんな安くならぬが、アメリカから買うものはごそっと安くなるんですよ。したがってえさなんかはもう三割その後も安くなっていますから、これは全農ばかり腹膨らんで、農民が困っちゃこれも困りますからね、だから農林省に言ってそれを吐き出しということをやってもらう、商社系もやってもらう、競争がありますから。
 そういうようなことでこれ設定させるとか、日用雑貨品、ウイスキーその他に至るまで、ウイスキーも二千円ぐらい、ジョニ黒で一万円が八千円になったとか、もっと下がったっていいんだこれは、本当から言えば。だから、こういうようなものなども政府が言ってやらせますが、どっか政府に協力する店を応援して、それがイタチの役を果たしまして、ネズミ千匹のところにイタチ一匹放すとネズミがだあっと逃げるのと同じく、どっか一軒が安売りのチラシをまくわけですよ。そうするとそこの店にお客が殺到するから、ほかは上がったりと。みんなまねするということになりまして、そういうような行政指導等もこれはスーパーその地やりまして、せっかくの円高が途中の流通業者の金もうけにだけ使われるということでは困る。だからそれは、もう田代議員の御趣旨に従って今後とも徹底をさせるようにいたします。
#94
○田代富士男君 さすが通産大臣の私は御答弁だと思いますが、問題はいかに実行するかということです。これひとつ私も、しかと大臣のお答えを肝に銘じまして、我々、今アンケート調査もやっておりますから、またそれがどういうふうに結果が出てくるか、大臣に現状報告をして、おっしゃったとおりにいっているかいっていないか。もしいっていなかったら、やったけれどもできなかったという結論にならないように、督励してやっていただきたいことを希望いたします。
 それから、これはさきの閣議で、三塚運輸大臣より、現在の円高傾向を反映していない経済見通しを見直すべきではないかという発言があったというようなことが一部報道で伝えられております。私は一つの見識ではないかと、このように私自身では思っておりますけれども、これに対する渡辺通産大臣の御所信を伺いたいと思います。
#95
○国務大臣(渡辺美智雄君) 三塚大臣の言ったのは、見直せと言ったんではないんです。要するに、現在のような円高になってくると、二百四円で計算したときの経済見通しが今のままでは実現しないのではないでしょうか、それは国際的にも困るんじゃないでしょうかと。したがってやはり、経済成長というものは見通しですから、国際公約じゃもちろんありませんが、政府としては、貿易は売り上げはこれぐらい、輸入はこれぐらいふやす、内需はこれぐらいふやすというようなことをいろいろ言ってつくったわけですから、そこで世界じゅうの人が、日本は本当にそれでやるんですねと、はいやりますよ、頑張りますと言っているんですから、これは信用問題にかかわるわけですね。ところが、円高になって、円高デフレの面が出てきておるから、その穴埋めをしなきゃならないと。当然の話なんですよ。
 したがって、やはりサミットのようなサーべーランス、国際相互監視というのは、各国がそういうふうなみんな経済見通し、OECDやなんかに報告出していますから、その見通しを違わせないように十分ひとつ努力してくださいよと。三カ月に一遍ずつ集まって、どうなった、あなたのところどうだ、貿易はどうだ、予定どおりか、それで輸入はさっぱりふえないなとか、何だこれGNPは四%と言ったけど二%しかならぬじゃないか、その分貿易の輸出量伸びちゃっているじゃないかといってやられるわけですよ、こっちは。だから、それはやっぱり内需拡大ということには、これは特に力を入れなきゃならぬ。ここで日本経済が失速する、スピードが落ちちゃうということは別な貿易摩擦を起こす可能性が実はあります。
 したがって総理大臣も、こういう異常なときですから、事態の推移いかんによってはそれは公共事業もふやすこともあるでしょうし、その手段はどういうふうにするにしても、とりあえずは、今お盆に盛っただけの公共事業どさっとあるわけですから、それを九月までに早く食べてちょうだい、食べ終わったらすぐやるよ、その程度はやっぱり約束しないわけにいかぬと思うんですよ、私は。だからそういうこともやりましょう。各省に対してともかく円高デフレにならないようにもっと知恵を絞れと言われまして、私どももぼんくら頭だけれども、利口なのがいますから、大臣がばかでもこういう利口な人がいますので、そういう人に頼んで今勉強している最中でございますから、極力これも御趣旨のとおりに進めていきたいと思っております。
#96
○田代富士男君 質問を次に移します。
 現代のように多種多様な商品やサービスがはんらんしできますと、企業の意図的または意図しない危険、あるいは欠陥、欺瞞的な商品あるいはサービスによる消費者被害というものは重大化してくるわけでございます。特に最近では、財テクなどの言葉に象徴されますように、利殖への関心がこれまでにない高まりを見せておりまして、知識、経験の乏しい消費者が、何といいますか、悪徳商法のわなに陥る危険性がこれにつれまして増大している、これは現実の姿ではないかと思います。
 しかし、このような資産形成に関するトラブルに対する消費者行政の対応はまちまちであります。これは現実です。相談あるいは啓発活動を実施しているところあるいはしていないところの格差が大きくなっている、これも現実です。そういう意味から、この消費者保護への基本的な取り組みをどのようにお考えになっているのか、これは経企庁の方からお答えをいただきたいと思います。
#97
○説明員(里田武臣君) 先生御指摘のように、資産形成に絡むいろんな悪徳な商法というのは最近の大きな特色かと思います。そういうこともございまして、毎年政府が決めてございます消費者保護会議におきましても、昨年十一月の第十八回の消費者保護会議では、悪徳商法、特に資産形成関係の悪徳商法の取り締まりということを最重点項目にいたしまして、現物まがい取引を初めとしまして、各種の対策について決めたところでございます。その中の一環としましても、現物まがい商法につきましても現行法の対応が非常に難しいということでございますので、新しい法律をつくるということも決めてございまして、今日御審議いただいているということかと思います。
 こういうものとあわせまして、関係六省庁でも機動的に対応するように、それぞれの所管の事項につきまして協議をしているというところでございますし、それから、私どもの方の国民生活センターあるいは都道府県の消費生活センター、現在二百七十もございますけれども、こういうところで盛んに啓発活動、苦情相談ということについてやっているわけでございます。先ほど御指摘いただきましたように、何分にも経験が十分ありません分野でございまして、非常にちぐはぐな分野がございますけれども、できるだけ連携をとって推進していきたい、こういうように考えでございます。
#98
○田代富士男君 経企庁は、昨年の夏でございましたか、資産形成と消費者トラブルに関する調査報告書を出されておりますけれども、今後の消費者の資産形成動向をどのようにお考えになっていらっしゃるのか。また、最近の消費者トラブルの傾向及び予測される消費者トラブルについてどうお考えになっているのか、あわせてお答えいただきたいと思います。
#99
○説明員(里田武臣君) 最近、資産形成に絡まるいろんなトラブルがふえてきました背景はいろいろございますけれども、一つは、やはり国民の貯蓄がふえてきてこういうものの関心が非常に高まったという先ほどの御指摘のことがあるかと思います。そんなことで、今後はますますこういう問題というのは大きな問題になっていくんではないか、そういうような認識に立っているわけでございます。
 それから、先ほど御指摘いただきました実態調査でございますけれども、これはこういう新しい取引の問題の実態を把握するということが一つ目的にございましたけれども、もう一つの大きな目的は、地方公共団体におきましてはこういう問題の取り組みが非常にちぐはぐでございます。中におきましては、この問題はやっぱり投資の問題であって、消費者問題ではないんではないか、そういうふうにお考えになっている方も少なからずあったわけでございます。そんなことでございましたものですから、ひとつこういう資産形成の取引の実態がどうなっていて、果たしてそういう問題に対してどういうような取り組みが必要なのかということにつきまして、こういう問題について造詣の深い識者の方々の御意見等を踏まえて取りまとめた資料が、今御指摘いただいたような資料でございます。これは各都道府県にもお配りをいたしまして、そういう意味では、現在各都道府県の認識も非常に改まってきているんではないかと思います。
 それから、第一線の消費生活センター等の相談員でございますけれども、これも今までこういう問題には全然経験がございませんし、それからこういう取引の問題というのは、法律が絡まっておるものですからなかなかそういう知識がないと対応し切れない、そういう面がございます。そんなことでございますので、私どもの国民生活センターでも相談員の研修というのをやっておりますけれども、ここでもこの資産形成取引に関する苦情相談というカリキュラムを格段に拡充いたしまして、現在、積極的にそういう方面で相談員の指導ということに当たらしているわけでございます。今後ともこういう面につきましては一段の拡充を図って対応してまいりたい、このように思っております。
#100
○田代富士男君 ただいまも、今の調査についてお答えをいただきましたけれども、その調査を私も見さしていただきました。その調査によりますと、この資産形成に係る消費者トラブルについての各地の消費生活センターの対応といいますか、それは大部分が相談として受け付けておりまして、内容によってはあっせんも行っているところがあります。これは進んだところではないかと思いますけれども。こういうところは消費者にとって心強いところではないかと思います。
 あるいは今の御答弁の中にもありましたとおりに、受け付けていないところでは、なぜ受け付けていないのかと言えば、これまでの知識、経験ではそういうものへの対応が困難であったというようなことも示されておりますし、それと同時に人的配置というものが不十分である、こういうことも明らかになっておるわけでございまして、そういう意味から政府は強力に支援すべきである。これに対して、今、答弁の中にも相談員の研修を拡充しているというような対策も述べられましたけれども、これだけではまだこの解決に対する支援にならないと思いますけれども、これ以外にどういう支援の方法等を考えていらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。
#101
○説明員(里田武臣君) 一応いろんなことは考えておりますけれども、一つはこういう法律の問題につきましては、できるだけ地域の弁護士会と御協力するようにということで、この連携関係も大変進んできてございます。
 それからもう一つは、こういう問題といいますのは、個別の小さなセンターではなかなか十分対応がし切れないということもございまして、現在、全国のセンターをネットワークで結ぶ情報ネットワークというのをつくってございます。ここで各センターが受け付けました情報を国民生活センターの方に全部集中的に集めるようにいたしまして、そこで重要な問題につきましては関係省庁にもお諮りを申し上げ、必要な手段をとっていただくような形で、全省庁がうまくこれにかんで対応するようなことも早急に考えなければいかぬということで、現在そういうことについても関係各省とお話をしている、そういうところでございます。
#102
○田代富士男君 では、法律についてお伺いしたいと思いますけれども、この法律の及ぶ範囲は、政令で指定する特定商品に限定されておりますけれども、この特定商品を指定する基準は何なのか、またこの指定を解除したりあるいは追加したりする基準は何であるのか、ここらあたり、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#103
○政府委員(松尾邦彦君) 先生御指摘のように、この法律案の規制の対象といたします物品あるいは施設利用権につきましては、政令によって指定されることが規定されているわけでございますけれども、政令指定に当たりましては、消費者被害の発生の蓋然性があるものを機動的に指定してまいりたいと考えているわけでございます。
 具体的には、消費者相談の窓口、これは通産省の中にも通産局を含めましてたくさんございますけれども、今先生お触れになられましたように、都道府県の消費者相談窓口あるいは関係省庁の相談窓口なども含めまして、緊密な連係プレーのもとに前広に消費者の苦情、相談の事情を把握いたしまして、機動的に指定してまいりたいと考えているわけでございます。
 また、あるいは解除したりすることにつきましては、やはり消費者相談の窓口等を中心にいたしまして、あるいは報告徴収権、立入検査権等も私ども権限を有しております。政令に指定してはございますけれども、この報告徴収、立入検査その他の強制権限の行使を通じて、あるいは消費者相談の窓口を通じて、もはやこのような規制をしておくことは必要ないし、むしろ過剰規制になるというような場合には指定から外す、かような考え方で、いずれにいたしましても機動的に進めてまいりたいと考えております。
#104
○田代富士男君 追加基準はどうですか。
#105
○政府委員(松尾邦彦君) 追加につきましても、先ほど申し上げたような消費者相談窓口等、あるいは私どもが有しております報告徴収、立入検査権等の行政権限を背景にいたしまして、被害発生の蓋然性がございますれば可及的速やかに、機動的に追加指定してまいりたいと考えております。
#106
○田代富士男君 そこで、今一つだけ心配なことがあるのは、政令指定制をとることによりまして、悪質業者に指定外商品等を用いた規制回避を許す危険性はないのか。例えば御承知のとおりに、五十八年の一月施行の海外先物取引規制法でも指定制をとり、その後指定外商品市場を舞台とする悪質業者が後を絶たず、本法案にも同じような過誤を犯すおそれはないのかという心配な点があるんですけれども、この点どのように配慮していらっしゃるのですか。
#107
○政府委員(松尾邦彦君) 御指摘のように、海外先物取引規制法につきましては、規制対象となります海外商品市場を政令で定めていくことになっておりますけれども、五十八年に四市場を指定したのに続きまして、六十年には八市場を加え、また本年五月にはさらに四市場の追加をいたしてまいってきておりまして、このような政令の指定に伴いまして、最近苦情相談は減少の傾向が見えているわけでございます。
 確かに、政令指定によりますと被害の後追いにならぬかという御心配もあろうかと思いますけれども、確かに審議会でも、政令指定によらずして全体を対象にできないのかというような御議論もありましたのは事実でございます。しかし、何と申しましても、この法律案は民法の大原則に対して大きな例外措置を設けるような立法でございます。一方においては、取引の安定性、商活動の健全性を確保することも必要でございます。しかし、他方において消費者の保護も必要である。かような観点から商品指定制をとりましたが、いやしくも後追いになるようなことのないように、消費者相談の窓口等を通じまして前広に、悪質業者の動向等はもとより、預託等取引業者の動向につきまして的確な把握に努めまして、機動的な商品指定を行うことによりまして、御心配のような点のないようにしてまいりたいと考えております。
#108
○田代富士男君 さらに、この種の商法が新規顧客から次々と資金を導入いたしまして、御承知のとおりにさきの契約者に対する元利金の返済を続け、そして内実は負債を累積させまして、一挙に多数、多額の被害を顕在化させるという形態をとることから、政令指定されたときには既に取り返しのつかない状態になっているのではなかろうかと私は心配するのです。
 それで、今さっき質問で、追加するときの基準というものについても私は質問をいたしましたし、それに対して、後のそういうようなことのないように手配もするということでございますけれども、指定されたときにはもう既に取り返しのつかない事態になってしまっているのではないかという、こういう危惧の念を持つのですけれども、この点に対してはどのように配慮され検討をしていくのですか。
#109
○政府委員(松尾邦彦君) 政令の指定に当たりましては、被害が何件か発生し、相当程度これは被害が実績があるから初めて指定をするというようなことになりますと、先生御指摘のようなこともあるいは起こるかもしれません。
 私どもといたしましては、被害が現実に起こらなくても、被害発生の蓋然性がある程度認識されましたらば、私どもとしましては現実の被害の発生を待つまでもなく機動的に政令指定をしていく、こういう考え方で臨んでまいりたいと考えておりますので、御心配のような点はないようにきちっと運用いたしたいと思います。
#110
○田代富士男君 では次に、契約内容の開示についてでございますが、これでかなりの被害発生を防げるように期待したいのですけれども、これには心配な点があります。契約書面には事細かに記載されておりますが、その内容が真実か否か素人では十分に判断できるかどうか、この点どのようにお考えであるのか。
 実は先日、当委員会で参考人をお呼びいたしまして、参考人の意見聴取をいたしました。そのときにも、こういうものはまず読まないんだと、消費者の皆さんは。またセールスマンが読ませないんだと、こういうような参考人からの意見が出されておりましたけれども、そういうところから考えまして、契約内容の開示、この点についてどのようにお考えであるのか。
#111
○政府委員(松尾邦彦君) 私どもといたしましては、この法律案におきまして、契約書面を契約締結前及び契約締結時に消費者に渡すということは、非常に大事な情報の開示ではないかと思っているわけでございます。
 その際、おっしゃいますように、書面が小さな字でとても見る気の起こらないような書面でございますれば、なかなか消費者は形だけ受け取るけれども、中身は見ないということになるかもしれませんで、せっかくの趣旨も生きないわけでございますが、この省令で定める記載の内容、それから様式等につきましては、ぜひこれは、いやでも消費者がここのところは読まずにおれないというように、大事なところにつきましては字を特に大きくするとか、四角く枠で囲むとか、あるいは赤い字で印刷するとか、あらゆる可能な工夫をこれから凝らしまして、大事な点はどうしても目に入ってしまうというぐらいのところまで持っていけるようにいたしたいと思っております。
 先ほどいろいろお話ございましたけれども、内容が虚偽の事項を記載しておりますれば、もちろん罰則の適用も当然あるわけでございますし、私どもといたしましては、そのような工夫を凝らして書面の交付を義務づけますれば、消費者にとって、この契約を結ぶことがどれだけ自分にとってリスクがあるのかないのか十分わかっていただけるようになると信じておりますし、そのように持ってまいりたいと考えております。
#112
○田代富士男君 この被害防止の観点から申し上げますならば、業者が顧客から預かり、保管する商品の保管方法、また運用方法などの開示が不可欠でありますけれども、この点について法文上不明確でありますけれども、この点についてはどのようにお考えでございますか。
#113
○政府委員(松尾邦彦君) 確かに商品等を預かるわけでございますから、どのように保有するか、どのように運用するかというのは、消費者にとって大変関心の大きなところでございますと思います。
 それで、商品等の保有状況につきましては、産業構造審議会の答申でも指摘してございましたけれども、消費者に交付される書面の中にきちんと記載されるよう、省令で所要の規定を設けたいと考えております。ただ、預かりました商品等の運用方法ということは、なかなかこれは、私どももいろいろ検討いたしたのでございますけれども、業者にとりましては、経営環境の変化などを踏まえましてそのときそのときの一番望ましいやり方で運用をするということが商活動の上で必要だと思いますので、あらかじめ消費者との間で一義的に、客観的に、必ずこの方法で運用すると規定することは現実的ではないと存じますので、交付される書面の内容にこのことまで含めることは考えてはおらないわけでございます。しかし、この法案の中にはその点は、例えば第六条に「書類の閲覧」という規定もございまして、ここで、一体この業者がどのような業務あるいは財産の状況でおるかということにつきましては、消費者がいつでも閲覧を求めることができるようになっております。そのような形を通じまして業者の動向を把握できるように配慮いたしたつもりでございます。
#114
○田代富士男君 今お答えの中に、省令で決めるというお答えでございましたが、この省令で決める事項とは具体的に何を予定しているのか、もうちょっと詳しく答えていただけませんでしょうか。
#115
○政府委員(松尾邦彦君) 第三条に定めております、契約を締結しようとするときに記載すべき内容につきましては、省令において定めることにいたしておりますけれども、例えば第三条第一項の中の第一号の省令、これは契約の内容、履行に関する事項で省令で定めるものということになっておりますけれども、この点につきましては、第二項の各号に記載してある事項を中心に定めることになると思います。
 具体的に例えて申しますと、取引業者の名称、住所、対象となる商品の種類、数量、価額、あるいは業者が預託等を受ける期間、供与される財産上の利益の内容等々でございます。また第三条第一項第二号の省令におきましては、会社の設立年月日でございますとか資本構成、営業の概要、財産、損益の状況、特にそういうところではただいま御指摘がございましたけれども、商品等の保有状況を含ませて記載させたいと考えておりますが、そのほか業務、財産に関する書類を業者の事業所に行けば閲覧できるということを消費者に知らしめるような内容も記載さして、周知徹底を図りたいと考えているところでございます。
#116
○田代富士男君 最近、御承知のとおりにマルチまがいの商法についても被害が相次いで起こっております。この点についてお伺いをしたいと思いますが、昭和四十年代後半から五十年代初めにかけて、まだ訪問販売法というものがなかった時代に、公正取引委員会は独占禁止法の第十九条を発動しまして、ホリデイ・マジック社、またエー・ピー・オー・ジャパン社を摘発いたしまして、勧告審決を行ってこの問題解決に一役買っておるわけでございますが、この昭和五十一年に訪問販売法が施行されて以来、公正取引委員会がこの種の勧告を行った例はちょっと見当たりません。
    〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕
 そこで、公正取引委員会が独占禁止法運用上の方針を転換したとは思えないのでございますが、このマルチまがい商法に対する独占禁止法の運営はどうなっているのか、ここをお聞かせいただきたいと思いますが、これは公取の方からお願いいたします。
#117
○政府委員(利部脩二君) ただいま御質問の中にございましたように、昭和五十年にホリデイ・マジック社に対して正式の独禁法に基づく措置をとりましたし、同じころに、エー・ピー・オー・ジャパンにつきましては警告の措置で問題の行為を是正させております。その後はマルチまがい商法につきましての法的措置はとっておりませんけれども、その面につきましては、訪問販売法によって規制され、予防されたところが大きかったと思います。独占禁止法を発動すべき案件、あるいは独占禁止法によって効果的に規制できるような問題というのはほとんどなくなっていたということだろうと思います。
 ただ、独占禁止法だからそういったたぐいのものに何も措置をしないんではありませんでして、現に昨年十一月に、訪販化粧品について独禁法上の問題を指摘したガイドラインを出しました。これを出しました理由の一つが、訪販法では商品の販売の取引を対象にして、委託の場合は対象にならないという条文上の問題がございまして、それが一つの抜け道になって、訪販化粧品についてのマルチまがい的商法による被害が出たような面もございました。そういう点を考えまして、独占禁止法に基づきましてそういうマルチまがい商法の被害を防止するように、あるいはそういう商法の問題点を是正させるようなガイドラインを示した例がございます。
 そういうことでございまして、独禁法の適用、運用をマルチまがい商法に対して行うことをちゅうちょしていることは全然ございませんで、独占禁止法で問題になるもの、効果的な規制ができるものにつきましては、厳正な規制に何らためらうものではございません。
#118
○田代富士男君 もう一つお尋ねをいたしますけれども、独占禁止法十九条により、不公正な取引方法が禁止されております。御承知のとおりでございますが。
 具体的には二条九項によりまして、「公正な競争を阻害するおそれがあるもののうち、公正取引委員会が指定するもの」となっておるわけなんです。この一般指定の中には、欺瞞的顧客誘引、それから不当な利益による顧客誘引などがありますけれども、これらのうち、特に欺瞞的顧客誘引の禁止規定を弾力的に適用していわゆる悪徳商法を取り締まることも考えられるわけでございますが、もちろんその分野に訪問販売法のような専用法があればその適用が優先されますけれども、そのすき間を埋めるといいますか、そういうためにもこの独占禁止法十九条の、何といいますか、弾力的な運用というものは考えられないのか、この点について再度お尋ねをしたいと思います。
#119
○政府委員(利部脩二君) 御質問の御趣旨のとおりの方向で運用したいと思っております。弾力的運用と申しますのが適当かどうかわかりませんが、まず関連した問題について、他の法律がありましたからといって、独占禁止法の発動が効果的であり、それが必要であるという場合には、当然独禁法の発動あるいは他の法律の運用とあわせて行うことによって効果的な防止が図られると思います。独占禁止法の不公正な取引方法の規定、御指摘のようなものでございますが、相当一般的、抽象的な規定になっております。そのことによってメリットの面、デメリットの面ございますけれども、抽象的であるがために、あるいは他の法律ではカバーし切れない部分を逆にそこまでカバーできるという面もございます。
 そういう問題がございましたら、先ほどお答えいたしましたような、例えば訪問販売化粧品のマルチまがい商法是正の一つの方法として、訪販法との関係も考えながら独占禁止法の問題点を是正させる方向でガイドラインをつくったという例もございますので、そういう方向でも考えていきたい、そういうことで弾力的、効果的な運用を図っていきたいと考えております。
#120
○田代富士男君 この豊田商事事件の際、公取は独禁法でこの不公正な取引の廃除勧告を、また景品表示法で誇大表示の排除命令を行えるようになっておりましたけれども、国会や、御承知のとおりマスコミで豊田商事の商法が批判されていたにもかかわらず、こうした法的措置を講じなかったのではないかという批判が出、それが怠慢ではないかという、そういうところの批判まで出ておりますけれども、今の御説明もお聞きいたしましたけれども、こういう批判に対してどのようにお答えになりますか。
#121
○政府委員(利部脩二君) 豊田商事の問題につきましては、残念なことに、たまたま独禁法の公正競争阻害行為という観点からの規制にはなじまないものでございまして、また独禁法を発動したとしても、現在問題になったことが明らかになった、ああいった不当な結果を防止することはできなかったんではないか、そういう効果的な規制が望めなかったということがございますが、一般的に悪徳商法に対しまして独禁法の規制をちゅうちょするものではございませんでして、独禁法の規制が適当であるもの、さらにまた効果的な規制が可能であるものにつきましては、当然のことながら厳正に対処していくことでございまして、たまたま豊田商事について効果的な措置がとれなかったからといって、悪徳なものに手を出さないということでは全くございません。今後は厳正に対処していくつもりでございます。
#122
○田代富士男君 今のお答えもわからないわけではありませんが、現実にはそういう批判が出ていることも再度私はここで問題を提起しておきます。
 それと同じように、通産省も批判をされております。通産省は金銭トラブルの消費者相談を扱っていたけれども、公正取引委員会に被害拡大防止のための協力を要請しなかったのがいけないと、こういう批判になっておりますし、通産省といたしまして、消費者相談窓口に寄せられた苦情あるいは相談をどのように扱い、その処理をどのように行っているのか。また、警察、公正取引委員会にはその都度相談の内容に関する情報提供を行っているのかどうか、こういう問題に対してのお答えをいただきたいと思います。
#123
○政府委員(松尾邦彦君) 私ども通産省におきましても、確かに消費者相談窓口に豊田商事に関する相談、苦情等がございましたわけでございますので、これに対応いたしまして、その相談、苦情の内容に応じまして、例えば弁護士に早く相談をした方がいいですよというような個々の消費者に対する助言等も行いましたし、必要に応じまして、先生御指摘になりましたように、警察、公取を含めました関係省庁に随時連絡はとってまいってきたところでございますけれども、私の方といたしましては、このようなことはいたしてまいりましたけれども、なかなか現行法における適用の難しさがあったということだったと存じます。
 関係六省庁会議が昨年の六月には結成されましたけれども、そこにおきましても、現行法上いかなることが可能であるかというような議論から始まりまして、やはり新たな対策が必要だということから産業構造審議会に諮問をいたし、今回法律を制定する、こういうことの必要が生じたわけなのでございます。
   〔理事前田勲男君退席、委員長着席〕
#124
○田代富士男君 昨年の十二月の衆議院商工委員会の流通問題小委員会で、公正取引委員会は、独占禁止法十九条に基づく一般指定が現行の流通体制に不適格であればこの一般指定を見直すつもりはないのかという、こういう質問が出されました。これに対しまして、理由を述べずに、現行の一般指定の規定でやっていく趣旨の答弁が行われておりますが、そこで、私は再度同じ質問をしますが、訪問販売法の改正がなかなか行いにくいというそういう立場であるならば、この独占禁止法の不公正取引の規制を用いて取り締まりを強化していくつもりはないのか。まあここらあたりに対する理由を述べてお答えいただきたいと思いますが、どうでしょうか。再度の質問です。
#125
○政府委員(利部脩二君) 先ほど若干御説明いたしましたように、訪販化粧品のマルチまがい商法を含む問題の是正につきましては、独禁法の不公正な取引法に関連するガイドラインを出しました。そのガイドラインを出しました主眼点の一つが、訪販法では効果的な規制が及びにくい面を意識しまして、それをカバーしようという目的もあったわけでございます。同様の考え方が訪販法との関係の他の部面でもとり得ることだと思いますし、それが有効な対策になる場合には、もちろん独禁法に基づくそういう措置を今後も考えていきたいと思います。
 ただ、一般指定の見直しの問題につきましては、メリット、デメリット両面あるように思います。とかくこういう悪徳商法の場合は、規制の基準が明確になりますと、それをもとにしてさらに抜け道を考える者が出てくるおそれがございます。それに対しましては、相当包括的な網をかけておくことの方が効果的である。具体的な不当な行為が出てきたときに、それをねらったようなガイドライン的なものを出すことによる規制の方が有効である場合もございます。そういう点も含めまして、効果的な規制というのは考えていきたいというふうに思っております。
#126
○田代富士男君 公正取引委員会は、このベルギーダイヤモンドについても調査を行っていたのでありますけれども、同社が倒産状態に陥ったために調査が進んでいないと、このように述べられておるわけでございますが、一方、本年四月には、ベルギーダイヤモンド社をネズミ講防止法違反で調べておりました名古屋地裁が、同社の幹部をいずれも御承知のとおりに不起訴処分にしております。
 そういたしますと、同社の商法というものは、訪問販売法にもネズミ講防止法にも違反していないということになるわけなんです。また、独禁法でも規制できない野放しの状態になるのではないかと、このように見られても仕方がないわけなんです。このマルチあるいはマルチまがい商法はその後も増加しているのが現実であります。そういう場合に、迅速な対応が必要であると思います。法律の上からの御答弁はわかりますけれども、現実のこの問題をどうするかということですが、いかがでございますか。
#127
○政府委員(利部脩二君) 今までの問題の行為の発生の状況、それに対する公正取引委員会のいろいろな行政の経験、他省庁のいろんな試み等も参考にいたしまして、理屈はともかくといたしましても、可能な限り効果的な規制を考えていきたいというふうに思っております。
#128
○田代富士男君 今、公取からお答えいただきましたけれども、これ渡辺通産大臣、この問題は通産省にも間接的には大いに関係がある問題ですが、現実問題として今私、指摘いたしましたけれども、これは私の今の質疑を通じましていかにお考えでしょうか。通産大臣からお答えをいただきたいと思います。
#129
○政府委員(松尾邦彦君) 今先生御指摘になられましたマルチまがい商法及びマルチ商法に関しましてでございますけれども、マルチ商法につきましては、私どもは訪問販売法の規制の実効が十分上がっていると存じておりまして、現段階でマルチ商法そのものが消費者に被害をたくさん及ぼしているということは決してないと考えているわけでございます。
 もう一つ御指摘ございました、ベルギーダイヤモンドなどを例にされてお話がございましたマルチまがいの商法に関してでございます。確かにベルギーダイヤモンドの場合には、ダイヤモンドを再販売するのではなくて、紹介という形をとりましたので、訪問販売法におけるマルチ商法の規制の対象にはならなかったわけでございますけれども、ただ私どもは、今回御審議いただいております法案の審議のために、産業構造審議会へいろいろお諮りいたしました際、その答申の中にも触れてございますけれども、いわゆるマルチまがい商法につきまして、引き続き産業構造審議会等において検討を行うべき旨御指摘をいただいているわけでございます。
 もちろんマルチ商法そのものと違いまして、具体的に消費者が大量の在庫を抱え込んで、大変財産的にもうのっぴきならぬような大被害を受けるということは、マルチまがいの場合にはないのではないかとは思います。しかし、いろいろ具体的な商法の態様が必ずしも明確でございませんし、また多種多様でございます。また被害の内容も必ずしも一義的ではなく、多様でございます。他方、この紹介販売にいたしましても委託販売にいたしましても、マルチ商法に該当しないものに、健全な商慣行として確立したものも多々あるわけでございます。したがいまして、そのような点を十分審議会で御審議いただきまして、今後必要な対応のあり方を鋭意検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
#130
○国務大臣(渡辺美智雄君) マルチまがい商法というのは、どこが悪いのかということでいろいろ検討はしているようなんですが、お客様をお世話したらば手数料をくれる、これ自体は普通やっているんですね、こんなことは、どこでも。お客さんを世話してくれたお礼ですよと、取引で商売を。それがだんだんその率がうんとふえていくとか、そういうようなところに弊害が出てくるというようなこともありまして、どういうように取り締まるか。
 取り締まりの仕方を間違うと、普通の商売も規制するようなことになってしまう。そこが非常に難しい問題が技術的にいろいろあるようで、私も専門家じゃないからよくわからぬのですが、専門家の間でもう少しひとつ詰めて、正常な取引に悪い影響を及ぼさない、本当に極度にまずいものだけが取り締まれるというふうなことを何か、一つ罰するつもりでもほかまで全部、いい人まで罰しちゃったらぐあいが悪いわけですから、そこらのところの垣根を、どういうふうに線を引っ張るかということで、今勉強中であります。
#131
○田代富士男君 わかりました。ちょっと通産省とは直接のあれはありませんから、勉強中とのことでございますから、問題解決のためにやっていただきたいと思います。
 そこで、本法案とは直接関係ありませんけれども、同じ消費者保護という観点からちょっと質問をしたいと思いますが、御承知のとおりに最近、消費者信用の市場規模が近年急速に拡大をしております。昭和五十年には新規信用供与額が九兆八千三百七十八億円ありまして、残高は七兆四百九十七億円、これは御存じのとおりでございますが。これに対しまして昭和五十八年度、それぞれ新規信用供与額が二十九兆三千八十三億円、残高が二十四兆四千六百九十億円となっておるわけです。この伸びは、可処分所得の伸び、国民最終消費支出の伸びを数字的に上回っております。これは最近の消費者の性向をよく示しているのではないかと思います。また、最近の消費者金融の動向というものを、こういう立場からどのように把握をされておるのかお尋ねしたいと同時に、政府としては、今後この市場の伸びをどのように予測し、かつそれに対してどのような態度で臨もうとしていらっしゃるのか、まずお答えをいただきたいと思います。時間も余りありませんから、要領よく簡単にお答えいただきたいと思います。
#132
○政府委員(松尾邦彦君) 先生御指摘のとおり、最近の消費者信用の伸びは年率十数%ということで、高い伸びを示しておりますが、今後の動向につきましては、確かに国民生活の向上あるいは国民生活の多様化を反映いたしまして、今後とも一定の成長は期待されるわけではございますが、既にかなり大きな金額になってきていることでもございますので、必ずしも従来同様の高い伸びを期待することは難しいのではないかと考えております。
 一方、このような信用供与を担っておりますクレジット産業については、当然のことでございますけれども、今後とも業務の適正化を進めてもらうことが必要なことでございますけれども、割賦販売法の厳正な運用等によりまして、私どもとしては今後ともその厳正な業務の執行を指導してまいるとともに、最近は御案内のように多重債務者問題等も起こってまいっております。このような問題につきましても、未然防止あるいは現に多重債務者に陥った者に対するカウンセリング等につきましても、きめ細かな対応をしてまいりたいと考えております。
#133
○田代富士男君 質問時間が余りありませんからまとめて質問をいたしますけれども、前にも述べましたとおりに、今後とも消費者信用市場というものは伸び続けていくだろうと、私はこのように思っております。その影響というものは、我が国の国民経済全般に及ぶことになるでありましょうし、それはそれでよいことなのかもしれませんけれども、市場が伸びるに応じまして新規参入があり、新手の取引形態が発生することは否めないと思います。場合によっては、脱法的手法を持ってこの割賦販売法に規定する消費者保護規定を、何といいますか、うまくくぐり抜けようという者が出ないとも限らないし、事業者と弁護士など、法律専門家が結託すれば容易に行えることになるのではないかと思います。その場合には、機動的に法改正を行う必要があるし、常日ごろから取引の形態の把握にも努めなければならないと思いますけれども、この点についてどのようにお考えであるのかお聞かせいただきたい。
 それと、昨年、商工委員会で私はお伺いしましたけれども、この割賦販売法改正の際に、ローン提携販売においては損害賠償等の額の制限、契約の解除等の制限、抗弁に関する規定の運用がないが、それはどういう理由からであるのか、再度お伺いをしたいと思います。
 それと同様に、消費者信用市場の構造変化を見ておりますと、ローン提携販売の比率というものが、この数年だんだん低下をしてきております。いわゆる提携ローン方式によるものの比率が今度は反対に高まってきているのがわかりますけれども、この理由は何であるのか、あわせてお答えをいただきたいと思います。
#134
○政府委員(松尾邦彦君) 割賦販売法につきましては昭和五十九年に改正が行われまして、消費者保護規定の大幅な整備が図られたわけでございます。私どもといたしましては、この改正されました割賦販売法の厳正な運用に努めているところでございまして、いやしくも脱法的な取引の生じることのないよう、今後とも、第一には取引実態の迅速、的確な把握、第二には法の機動的な運用に努めてまいりたいと考えているわけでございまして、そういう意味で、消費者相談窓口に寄せられます苦情相談につきましては、省内に担当課長レベルの会議を設置いたしまして、取引実態の把握、脱法的取引の監視を機動的に進めてまいるような体制を整えたところでございます。
 それから第二に、ローン提携販売につきまして、損害賠償の額の制限等の規定の適用がないということに関してでございますけれども、ローン提携販売は、先生御高承のとおり、金融機関と購入者との関係を見ますと、これは金銭消費貸借契約に基づく関係でございまして、この分野につきましては、金融機関については銀行法あるいはその他貸し金業法等の業法あるいは利息制限法、出資法等が既に存在しておりまして、一般にこうした金融秩序の中で取引の適正化が図られているところでございます。また、私どもの窓口に寄せられた相談事例を見ましても、御指摘のローン提携販売につきまして、消費者トラブルが発生しているというような事実は見られないというところでございます。
 なお、最後に御指摘ございましたように、最近ローン提携販売よりも、提携ローンの比率がむしろ高まってきておるという点でございますけれども、これは信販会社がみずからの資金を用いなくても、生命保険会社などの金融機関の豊富な資金を活用いたしまして、消費者に与信を行うことができるということで、近年クレジット取引の中で比率を高めているのが実情でございます。その背景には、やはり専門的な信販会社というものの進出があり、これらの専門的な業務がこのような実態を招来しているんだろうと考えております。
#135
○田代富士男君 ただいまも質問いたしましたけれども、いわゆる提携ローンというのはどのような取引形態を言うのか。提携ローンとローン提携との相違は何であるのか。同じ言葉のようでありますけれども、これは違いがありますが、ここらあたりが一般の消費者にも明確にされておりません。そういう立場からお尋ねをいたします。
 それと、提携ローンを割賦購入あっせんと考えるということでありますけれども、それでは信用販売、生命保険、消費者との間は、法律上また実態的にはどういうふうに考えればよいのか、お答えをいただきたいと思います。
#136
○政府委員(松尾邦彦君) 確かに提携ローンといい、ローン提携販売という紛らわしい言葉もありまして、わかりにくい点がございます。
 いわゆる提携ローンは、これは先生御承知のことでございますけれども、一般に消費者販売店から商品を購入する際に、その代金を決済するために信販会社がみずからの保証によりまして金融機関の資金を導入してきてそれを販売店に交付いたし、そしてその交付いたしました金額につきまして、信販会社が消費者から分割してその金額を受領してこれを金融機関に返還する方式をいうとされているわけでございますが、これに対しましてローン提携販売の場合には、消費者が販売店から商品を購入する場合、その代金決済のために消費者が金融機関から代金相当額を借り入れる際に、販売店が保証を行う方式ということでございますので、この二つの取引形態が次の点で根本的に異なっているであろうと考えております。
 一つは、ローン提携販売の場合でございますと、販売契約の当事者である販売店が、販売促進のためみずから保証人となって金融機関の資金を導入するわけでございますが、提携ローンの場合でございますと、売買契約の当事者から見て第三者であるところの信販会社が、手数料収入を目的として消費者に対する信用供与を行うと、こういうことでございまして、このような提携ローンにつきましては、割賦販売法の定義規定あるいは信販会社が実質的なリスクを負担するという経済実態から見まして、割賦購入あっせんに該当するというふうに解しているわけでございまして、この点は先生御指摘のとおりなわけでございます。
 そこで、このような提携ローンにつきましていろいろな当事者が出てまいるわけでございますけれども、今申し上げたような提携ローンの関係者の法律的な関係はどうなるか、あるいは実態上どうなるかということにつきまして、まず形式面から申しますと、信販会社と金融機関の間は保証契約が結ばれるわけでございますし、金融機関と消費者の間は金銭の消費貸借契約が結ばれる、そして、消費者と信販会社の間では保証委託契約が結ばれると、こういうのが法的な関係ではございます。
 しかし、実態面から見ますと、貸付金の交付とか返済金の受領は、信販会社を通じて行われているわけでございますし、また消費者の返済が遅滞したような場合には、信販会社が保証債務を履行することにいたしておりますので、実質的には信販会社がリスクを負っているということから見まして、金融機関と消費者との間の金銭消費貸借契約はございますけれども、信販会社が信用供与を行う際に、自分のお金を使わないで金融機関からお金を導入するために締結された便宜的な形というふうに理解をいたしております。
#137
○田代富士男君 そこで、形式的にせよ、消費者と例えば生命保険との間に法律上消費貸借が生じる以上、その事実を消費者が明確に認識でき得る必要があると思うんですが、約款はどのようになっているのか、これをお尋ねしたいと思います。
 私の調べたところによりますと、契約書のどこにも生保の名前が書いてないような実態がほとんどであります。しかも電話での確認もされていないのが実態ということでございますが、こういう実態に対してどのように認識をし、考えていらっしゃるのか。取引の形態について消費者にきちんと説明されるのか、その実態を通産省として把握をしていないのではないかと、私はこれを指摘いたしますけれども、どのようにお考えであるかお聞かせいただきたい。
 それから最後に、これは渡辺通産大臣に、本法案の質疑を通じまして私は一貫して申し上げたいことは、消費者が安心してローン契約ができるということは、ひいては消費者動向を活発にさせまして、我が国経済にも寄与する大事な問題ではないかと、このように思うわけでございます。そのためにも、契約締結の段階で少しでも、何といいますか、不安を取り除き、トラブル発生の根を絶つことが重要ではないかと思うんです。そういう意味で、通産省としても明快な契約の取り交わしが実行されるように監視し、あるいは問題があるときにはきちんと指導すべきであると思うんですが、これは最後に通産大臣にお答えいただきたいと思いますが、最初に私が申し上げました生保との関係等についてはお答えいただきたいと思います。
#138
○政府委員(松尾邦彦君) 確かに提携ローンは仕組みが複雑でございますので、消費者にとってわかりやすいとは言いがたい面があるわけでございます。このため私どもといたしましては、従来から提携ローンを含めまして割賦購入あっせん契約を締結する場合には、取引の仕組みにつきましてわかりやすい説明を記載した書面を交付しなければならないと関係業界を厳重に指導してきているところでございます。しかし提携ローンの場合には、一般に契約を申し込む時点、消費者との間で契約申し込みを行う時点におきましては、まだだれから資金の供給を受けるか、生命保険会社等金融機関の名前が確定していない場合が多いものですから、信販会社といたしましては、消費者に具体的な金融機関の名前のところは空欄にした契約申込書面をとりあえず交付して、後日金融機関の名前が決まりました段階で、書面やあるいは電話で通知するという場合が多いように私どもも承知いたしております。
 しかしながら、契約後におきましても依然として金銭消費貸借契約の相手方となる金融機関がだれなのかわからないということは消費者にとって大変問題だろうと存じますので、こうしたケースにつきましては、例えば契約申し込みのときにはあらかじめ金融機関は複数名リストにして提示しておきまして、この中でどれかに決まるんだと、決まりました後で電話あるいは書面でこれを通知するとか、あるいは取引の仕組みも大変複雑でわかりにくい点がございますから、わかりやすい説明を例えば図示したような書面を交付するとか、いろいろ関係業界に対して指導を徹底さしてまいりたいと考えているわけでございまして、このように金融機関の名称が知られていないケースにつきましては、消費者保護上好ましくないというような見地に立ちまして、早急に改善するよう関係業界に趣旨を徹底さして指導さしていただきたいと存じます。
#139
○国務大臣(渡辺美智雄君) 確かに保険の約款でも何でも、あんなちっちゃな虫眼鏡で見なきゃわからないようなのを持ってこられたって、実際は読む人ないですよ。後になって、しかし問題が起きると、あなた、ちゃんとこれ約款に書いてあるじゃないかと言われるとこっちが負けちゃう。こうなることが多いんで、そういうような定型的な大量に頒布される文書、契約書等については、やはりインチキ、ごまかしがあって素人がひっかからないように、そういう点についても十分に配慮をしていくということは大変大切なことだろうと、そう思っておりますので、できるだけ消費者擁護という立場から、今後も消費者行政を進めてまいりたいと思っております。
#140
○市川正一君 先ほども同僚議員が円高問題に触れましたけれども、最初に渡辺大臣の円相場についての認識をお伺いしたいのであります。
 本日の日経新聞などの報道によりますと、昨日の中曽根派の総会で渡辺通産大臣は、一ドル百六十円から百六十五円の間で安定することを望む旨の発言をされたとなっておりますけれども、この発言の真意が那辺にあるのか伺いたいのです。為替相場というのは、もちろん乱高下するより安定していた方が望ましいことは言うまでもないんでありますが、問題はそれがどういう水準で安定するかであります。通産省が実施した円高影響調査でも、産地の採算点というのは大体二百円から二百二十円というところが圧倒的でしたし、三月末に中小企業団体中央会が全国百五十八組合を調査した結果でも、採算限界レートは約半数の組合が二百円と言っております。それ以上でやっていけると答えたのはわずか十七組合でしかないんでありますが、きょうの新聞でも、現に今回の円高で既に百十件以上が直接円高を契機にして倒産しております。
 「商工リサーチ」持ってまいりましたが、その調べでも、本格化するのはこれからだ、こういうふうに論じております。こういう現実からしても、今回の大臣の百六十円から百六十五円説というのは、大部分の中小企業がつぶれるのを放置するのに等しい議論と言わざるを得ぬのでありますが、いかがでしょうか。
#141
○国務大臣(渡辺美智雄君) そういうことは言っていない。この新聞はでたらめだ、これは。でたらめ新聞。第一、この新聞社に会ったことはない。私が中曽根派で言ったら、そのうちのだれかが、アバウトな人が聞いていて、アバウトな発言をして、アバウトな記者が、アバウトに書いたというのがこの日経新聞五月十五日号、調べなきゃならない、これは。
 私はこういう話をしたんですよ。要するに、円高メリットの話をいたしまして、それで中小企業対策をしなきゃなりませんが、円高のメリットというのもあるんですというお話をいたしました。ところが、円が幾らぐらいで落ちつくんだろうかという話がありまして、さあこれはわからぬと、円の行き先、だれだってわかる人はいないわけだから、一人も。乱高下は困ると、しかしもう底じゃないか、底。岩盤にぶつかったということになれば、そこからはね上がって、はね上がるというか、もとへ戻してくるだろうと、しかしながら、恐らく全体の世界の大勢から見ると、それは百八十円とか二百円とかというのはありがたい話ではあるが、現実はなかなかそこまで甘くは見れないんじゃないのと。百六十円から百七十円ぐらいのところで行ったり来たりというのが当分続くのかなというような話をしましたよ。
 いずれにいたしましても、余り乱高下で非常に、百六十円を切っちゃった、それでまた十円以上はね上がって、十五円もはね上がるとか、はね上がるというか下がる方だな、そういうようなことで、二十円ずつも行ったり来たりというようなことは望ましくないという趣旨のことを申し上げまして、いずれにせよ落ちつくところに落ちついて安定をするというのが私は望ましい。安定をすみのが望ましいと言ったのであって、百六十円から百五十円に落ちつくのが望ましいと、そういうことを言った覚えはございません。
#142
○市川正一君 大臣はさっきも、ちょっと言っただけで新聞は書きよると、こう言われたけれども、しかし今のお話だと、大体百六十円台で底をついたと、底をついたということはこれで乱高下しないということで、いわば落ちついていくということをおっしゃったわけでしょう。それから、朝日新聞も、これは通産首脳というんで、首脳が大勢いらっしゃるかしらぬが、やっぱり最高首脳は通産大臣ですから、百六十円台ならば何とか対応できるというのを日経だけでなしに朝日も言っているわけですね。ですから、私は、次第に落ちついていくところに落ちついていくというのも先ほど大臣ここで公式におっしゃった。そうすると、その落ちつくところというのは大体百六十円台で、それだったら何とかやっていけるという認識なのかどうかということをちょっと新聞記者に対して、きょうおられるかどうかしらぬけれども、私に、はっきり言っていただきたい。
#143
○国務大臣(渡辺美智雄君) こういうことを出すんならば、ちゃんと本人に会って、本人に確めてから出してもらわぬと困りますよ、実際は。また、私が内部でしゃべったことを表にそれは言ってもかまわぬかもしらぬが、アバウトに言われても困るんだ、実際の話が。だから、アバウトな人が、アバウトな話を聞いて、アバウトにしゃべって、アバウトの記者が、アバウトに書いたと。
#144
○市川正一君 大臣もアバウトに入るんですか。
#145
○国務大臣(渡辺美智雄君) いやいや、私もアバウトかもしらないけれども、こういう話は、まず最初に確認をしてもらわなきゃ困るわけですよ、実際のところ。私は別に百六十円で望ましいと……安定することが望ましいんだと。計画が立たない。もうともかくどんどんどんどんこれから高くなってしまうのか、またうんと安くなってしまうのかということでは、私は産業界の人にもいろいろ聞いてますよ。だから、計画をきちっと、大体この程度で当分二、三年とか一年とか続くというのであれば、じゃやめたとか、じゃ別なものをやろうとか、いやこれならいけるとか、計画が立つ。しかしこれ以上もっと強くなるのか安くなるのか、わけがわからなくちゃ計画が立たぬと思うんですよ。そのことの方がむしろ重大だと、みんなそう言ってますよ。現実に、それは二百円になってもらいたいという気持ちありますけれども、それは気持ちだけ言ったからといって世の中動くわけじゃない、気持ちだけで計画つくったらひっくり返っちゃうからね。
 だから、世界の流れというものを見ると、それは百八十円、二百円になってもらうことはありがたいことで、ぜひお願いしたい話だが、そうはいっても、これはすぐに二百円に戻るというふうな見方で事業をやったら、なかなか成功するかどうかわかりませんよ、それは、正直な話が。だから、やはりこういうことは感情論でなくて、世界の大勢から見て、落ちつくところへ落ちつくんだろうが、見通しはどうかというようなことを聞かれれば、百七十円かなあるいはそれ前後かなとか、もう少し強いかなとか。わからないんだから、もともとが。もともとがわからない。しゃべらないのが本当は一番いいんだ、実際は。だから、わからないということが一番いいと思いますから、わからない。
#146
○市川正一君 それでは政治にならぬわけで、今のお話だけでも、安定が重要であって、水準よりも安定だと。そうすると、その水準が仮に百六十円台であっても、それで安定した方がよりましたという、論理的に言えばですよ、通産大臣の認識になるわけです。
 まあちょっとそれだけが本論ではないんで、続けて聞くんですが、そうしますと、いずれにしても中小企業の危機というか、深刻な事態というのは、「リサーチ」が言っているように、これからが本番だということになりますと、本委員会でも私繰り返して主張し、また再三にわたって政府申し入れも行いましたが、今こそ効果的な中小企業への対策、特に緊急融資の金利を三%以下にするということを早急に実施すべきときであると思いますが、重ねてこの点、大臣の所信を承りたいんです。
#147
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは、希望と現実というものは必ずしも一致するとは限らぬわけですよ。現実に商売やっているわけですからね、商売の方は。ですから私は、商売人の方が、それは安値安定になることは輸出業者にとったはいいでしょう。輸入をする側から見たら余り安値安定は因るでしょう。だからその中間に立つ我々としては、幾ら幾らということは言えないというのは原則論なんですよ。
 ただ見通しは、まあとにかく落ちつく先というのはどうなのかなということになれば、世界の大勢からわからないけれども――頭にはわからないとついているわけだ、わからないと。けれども、そんなに百五十円台になることもないんじゃないか、あるいは二百円になることもないんじゃないかというぐらいのことは、やっぱりこれは常識ですよ、一種のね。しかし、これは常識外れることだってあるいはあるかもしれません。いずれにしても、現在になっては安値に安定するということを考えて商売やったら失敗すると私は思いますよ。ですから、現実を踏まえて、そこで対策を立てなきゃならない。これ安値になって、二百円になるんだというんだったら何も対策要らぬわけですから、最初から。だから、対策を立てろとあなたがおっしゃるのは……
#148
○市川正一君 それで金利の話……
#149
○国務大臣(渡辺美智雄君) だから、対策を立てるというのは、高いから、大変だから立てろというんでしょう。やっぱり高いということを認めているわけでしょう、これ。だから必要なわけでしょう、対策が。だから、円は高目に現実になっちゃっているということをあなたも認めているわけですよ。だから対策が必要だと言っているんですよ。私だけ責めたってしようがないんだよね、実際は。
 だから対策については、金融の問題等についても、まあ三%がいいかどうかは別として、現実に財投金利というのは六・〇五で、もうそこから以下には貸せないということになっているわけですから、そうじゃなかったら利子補給してやれと。財政は非常に苦しくてできないということになれば、郵便局の方が一・五%も利ざやがあって、この方はがばがば太っちゃっているわけだ。だから、こういうものはやはり法律を直してでも利ざやを少なくしてやっていけるんだから、臨時異例の措置として、法律を改正してでも何でも、臨時の措置として何か対策が必要だろうと、そういうことを言いました、それは。だから、今それは三%がいいのか、何%がいいのか、私はここじゃお約束できませんが、何とかもう少し政府機関の貸出金利を安くできないかということで頭を絞っておるということです。
#150
○市川正一君 そうすると、今の議論のその中でもうこちらからも山ほど反論したいことはあるけれども、これは前へ進みますよ。商売しているのは大臣じゃなくて、商売人、業者が商売しているんですからね。
 ちょっと話進めますが、三%か何ほどか言わぬけれども、とにかく金利を引き下げるという方向に今知恵を絞っている。そうすると、今のお話にもちょっと出てくるんだけれども、法改正をせぬといかぬというふうなお話があって、ということは、臨時国会を開いてこの法改正をせぬといかぬということなんですか。私は、これは別に臨時国会をやらなくても、政府の行政措置として金利引き下げをどんどんどんどんやってきているじゃないですか。したがって、こういう点でも、やっぱり政府の責任でやる気ならば、臨時国会開いて、それで何か解散絡みの話に無理に連動せぬでも、やる気やったらできるんじゃないですか、すぐにでも。その点どうでしょうか。
#151
○国務大臣(渡辺美智雄君) 市川さんも長いこと国会議員をやっているんだから御存じだと思いますが、政府のお金を、財投資金を借りるという場合は、要するに資金運用部から借りるわけですよ。そこへ預けておく人は、厚生省の年金の金預けるとか、郵政省の郵貯の金預けておくわけですね。したがって、彼らはそこから利息をもらうわけです。したがって、その利息を払うということが決まっていれば、それより安く貸せば穴があくわけですね。赤字になるでしょう、安く貸せば。払う利息より安く貸せば赤字になるわけだ。それを補正予算を組んで穴埋めするならできるんですよ、それは。赤字になったって構わないってぶん投げておくわけにいかぬのだから。補正予算を組むとすれば、またこれは何か補正予算の法案と予算を出さなきゃならない、現実問題として。
 したがって、そうすると銭がないというわけだ。予算が、財源がない、大蔵省は。だから要するに、預けておく金が六・〇六であっても、それで一・五%も安く今度は国民から預かっていれば利ざやが大きいわけだから、その利ざやをもう少し減らしたっていいじゃないかと私は思っているわけですよ、利ざやを。そうすれば、安く貸せて赤字にならぬわけですから。だからそれには、要するに法律の問題とかいろいろの今度は利害関係があるわけですよ、役所間の利害関係が。郵政省の方はしこたまもうかるところがもうからなくなっちゃう、それは嫌だと、こう言うだろうしね、郵便何とか特別会計というのがあって。厚生省の方は厚生省の方で、六%でちゃんと、それ以上で年金の計算をやっているんだから、そいつが狂ってきたんじゃ困ると、こう言うわけですよ。
 だから臨時措置以外はない、臨時措置。そうすると三日や四日では解決つかないのです、正直な話が、幾ら詰めても。だから極力詰めて、一週間や十日かかるかもしらぬ。詰めてやるとすれば参議院選挙後がいいのか、その前にやった方がいいのかという、これは政治判断なんですよ。だから、参議院選挙前にやるとすれば、少し時間がまだあるから、その場合は臨時国会でも開かなければならないと。それは内閣のことで、私が開くんじゃない、総理が発議しなきゃいかぬわけですから。だから、私はただそういう感想を述べただけであって、私は聞かれれば、それは臨時国会を開いてでも早目にやった方がいいじゃないですかという私の見解だね、聞かれれば。私一人で決めるわけじゃありませんから。
#152
○市川正一君 那辺にあるかという問いかけで、今まで十五分やってまいりましたが、大体感触はわかりました。
 結論として私は言いたいのは、中小企業が、今のこういう状況のもとで緊急融資の金利を少なくとも三%以下にするというような措置ですね。これはもう本当に切実な願いですから、また総理自身もこのことは指示なすっているんだから、それを受けてこの問題については、臨時国会云々のことはこれは一応置いておきましょう。これをやり出したら今度また何をおっしゃるやら、もう危ないですから。だからそれはまあ政治論ですからやめておきますが、その点についてはひとつ真剣に、三日かかるか一週間かかるかとおっしゃったけれども、私は二、三日でこれはひとつ結論を打ち、財政措置をとるような段取りをひとつ取り組んでいただきたいということを強く要望いたしたいですが、いかがでしょうか。
#153
○国務大臣(渡辺美智雄君) 財政措置をとるといったら予算が伴うわけですね。予算が伴うといったら、国会を無視して予算をつけちゃうというわけにいかないわけですよ、これ。そうすればこの今の国会に……
#154
○市川正一君 性質が違うんだな。
#155
○国務大臣(渡辺美智雄君) 性質が違ってもそうでしょう。勝手に予算をつくっちゃうわけにいかぬわけですから、国会の承認を得なきゃならないわけですから。だから、それにはちょっと時間が足りませんなと、これは常識から言ってね。それならすぐやってやるというならどうかわかりませんけれども、また政府の内部でもそれは意見が対立しているわけですから、通産省とこれは大蔵省、大蔵省と今度は郵政省、大蔵省と厚生省とかね。利害が対立しているんだから、これがね。だから、そこのところは急に二日や三日でちゃっと、共産党はできるかもしれないけれども、うちの方はなかなかそう簡単にいかない。だから、そこで時間がかかりますということを言っているわけです。
#156
○市川正一君 それじゃ法案に入ります。
 最初に、豊田商事のようなこの種の被害の実態をまず確かめたいんですが、おとついの三木参考人の話では、被害者数が三万ないし四万、総額が千五百億に及ぶだろうと、こう述べております。私は昨年の六月二十一日の本委員会で、豊田商事被害者一一〇番の設置を提案をいたしました。幸い通産省も早速これを設置して、被害者の訴えを聞くなどの措置をとられたようでありますが、その実態はどうであったのか。例えば受け付け件数、被害額、被害の特徴、解決した件数、金額などを要点を説明していただきたいと思います。
#157
○政府委員(松尾邦彦君) 豊田商事一一〇番は、ただいま先生御指摘ございましたように、先生の御示唆もありまして、昨年の六月二十五日から八月三十一日までの間、通産省の本省と全国の通産局など、合わせまして十カ所に窓口を設置したわけでございますけれども、一一〇番には、開設が決まったということが一般に報道されました六月二十二日から八月三十一日までの間に、合計一万四十二件の相談が寄せられました。この件数は、私ども通産省の通産局を含めました全国の窓口の一年間の相談件数を上回る、大変大きな件数だったわけでございます。
 この一万件余の相談の中で、消費者の方で支払った金額がはっきりしておりました者についてだけ集計してみますと、これは八千九百二十九名分になるわけでございますけれども、これらについての合計額は四百十五億円ということで、一人頭約四百六十五万円ということになろうかと思います。
 この一一〇番におきましての消費者トラブルの相談状況でございますけれども、一一〇番におきましては、どういったトラブルがあったかという状況をもちろん詳細に承るところから始まりまして、ちょうど豊田商事の破産手続の進行している時期でございましたので、その破産手続はどのように今後展開していくのか。それから相談された消費者が、どうやって自分の債権を確保するための手続をしたらよいのかというようなことについての詳細な情報の提供、あるいは特に弁護士のお手をかりた方がいい問題につきましては、各地の弁護士会の紹介等を行ったわけでございまして、このような開設の時期が、おおむね豊田商事の破産手続の進行に合わせて生じたことでございますので、この相談を通じて具体的に被害が救済されたというよりも、被害を救済するための手順を円滑に踏んでいただくというための御示唆等をいたしたということでございます。
#158
○市川正一君 今度の特徴は、被害者の数や被害金額が、今確認されたように膨大であったということとあわせて、被害者が主婦とか、あるいはお年寄りなど、いわば社会的弱者をねらい撃ちにした悪質なものであるということだと思うんですね。そういうことと関連して、私は通産省を中心にした政府の対応が全く無責任だったと言わざるを得ぬのです。
 というのは、我が党は四年以上も前からこの規制を求めてまいりました。例えば一九八二年の四月二十八日、衆議院の商工委員会で、我が党の小林議員が、当時の大阪豊田商事の純金ファミリー契約証券の例を挙げまして規制を要求いたしました。これに対して、当時担当の植田守昭審議官、今は鉄鋼連盟にいらっしゃるんですか、植田審議官は、金地金流通協会の「指導並びに取り締まり当局との機動的なタイアップ」とか、行政運用並びに法規制などあらゆる角度からの努力で問題の解決に当たると、こう言って、自信満々の答弁をされているんです。しかし、その後の事態の経過は、豊田商事のやりたいほうだいを事実上放任してきているんです。私はその点で、政府、特に通産省の責任を明らかにすべきだと思うんですが、その点いかがでしょうか。
#159
○政府委員(松尾邦彦君) 確かに豊田商事の問題につきましては、昭和五十七年ごろから私どもの消費者相談窓口に相談あるいは苦情が申し出られる例が目立ってまいりましたし、国会でも五十七年、御指摘をいろいろいただいた経緯がございます。私どもといたしましても、この問題につきましては、早速五十七年の段階で、豊田商事に対しまして、事情聴取を行うのでぜひ役所に出頭するようにということを大変何度も迫ったのでございますけれども、残念ながら、強制権限を有していない通産省には、豊田商事側は、何で行かなきゃならぬのか、何の権限があって来いと言うのかということで、けんもほろろで、なかなか行政指導による対応に限界があったわけでございます。
 しかし私ども、それ以降、手をこまねいていたわけでは決してございませんで、ただいまお話にもございましたけれども、金地金の購入につきましては、安心して買えるお店として登録店制度を設けておりますけれども、ぜひ消費者の方々はこういう安心して購入できる金地金の登録店で、金地金を貫いたい場合には買われた方が安全ですということについての啓発も盛んにやってまいりましたし、また、いろいろな形での消費者啓発の中で、五十八年には「かしこい消費生活へのしおり」というパンフレットの中で、豊田商事とすぐわかるように明記いたしまして、この会社の商法については大変消費者にとって不安の大きいものであり、消費者の方々がこの会社と相対される場合には、極力慎重な上にも慎重に御判断の上、相手と契約するかしないか考えていただきたいということについてもいろいろ啓発もいたしてまいってきたわけでございます。
 それから、昨年の春になりまして、いろいろ社会的にも大きな問題となって出てまいりましたこの消費者被害の実情にかんがみまして、六月になりまして、大変異例なことでございましたけれども、新規勧誘行為の中止等の行政指導も行ったようなわけでございまして、私どもといたしましては、直ちにはなかなか企業の実態に迫れない。したがって、企業の実態に迫れないために、例えば法律を制定するというようなことについての実態把握もなかなか困難な面がございましたけれども、可能な限りの行政上の手だてを講じてまいってきたのが私どもの実情だと存じます。
#160
○市川正一君 今あったように、社会問題になって、ほうっておけぬようになったから手を打ったというのが事実です。
 それで、私言いたいのは、理時点においても、やはり被害者や、その対策に当たっている弁護士ともよく話し合って、政府として何らかのやっぱり救済策をとるべきでないのか。御承知のように圧倒的に老人や主婦が多い。そして、その日の暮らしにも困窮している人が非常に多いという状況のもとで、私が言った一一〇番というのは、あれはただ電話を受け取って、泥棒やでと言うたら、そうでっかというだけじゃないんですよ。一一九番して、それで火事ですと言うたって消防車が行がへんというのとは違うんですよ、私の言うたのは。
 一一〇番でやっぱりよく相談をして、身の振り方やその他相談に乗って手を打つということを私は望んだのでありまして、提案したのであって、そこで先ほど例えば経企の里田課長も、地域の弁護士会ともよく相談するというふうにおっしゃったけれども、被害者代表とか、その対策に当たっている日弁連内の例えば消費者問題対策委員会などと、そういう弁護士団とも話し合うという機会を持って相談をするように通産省として対応なさる意思はないかどうか、それを伺います。
#161
○政府委員(松尾邦彦君) 豊田商事の問題につきまして、昨年大きな社会問題になりましてから後、私どもに課された課題は二点ございましたと思います。一つは再発防止を徹底して行うということと同時に、もう一つは、被害に遭われた方の救済をいかに図っていくかということであったと存じます。
 この被害の救済に関しましては、基本的には民事の手続にまたなければならないわけでございますけれども、生活に困窮していらっしゃる方が現にいらっしゃるという場合には、関係六省庁の会議等でも寄り寄り協議をいたしまして、厚生省にお願いをいたしまして、生活保護について特別の運用をしていただくというようなこともいたしてまいったわけでございます。
 なお、今回の立法過程におきましても、また消費者相談を一一〇番で承りました際におきましても、弁護士の方々とは可能な限りの連絡をとってまいってきたつもりでございます。
#162
○市川正一君 それでは、今度のこの法案が本当に効果のあるものかどうかということに沿って質問いたしたいんですが、大分時間がたってまいりまして、私も要点を要領よく質問いたしますので、要領よくお答えいただきたいと存じます。
 一つは、第二条で本法の適用対象となる預託等取引契約について定義がなされております。それによりますと、「省令で定める期間以上」というのと、それから「政令で定める物品」または「施設の利用に関する権利であって政令で定める」という、二つの枠がはめられておるんですね。ということは、期間という要件と指定物件等という要件と、この二つが整わないと本法の規制対象にならぬ。つまり、事実上は、ほかは野放しにしておくということに相ならぬかと思うんですが、いかがですか。
#163
○政府委員(松尾邦彦君) 私どもといたしましては、対象となります商品あるいは施設利用権は政令で定めることになっておりまずけれども、この点につきましては、消費者相談窓口を、通産省の窓口ももちろんでございますけれども、都道府県あるいは関係各省庁におきます窓口とも連携をいたしまして、被害がもう発生してしまって火が広まってからではなくて、被害の発生の蓋然性がある段階で、前広に機動的に政令指定をしてまいりたいと考えております。
 また、この期間につきましては省令で定めることになっておりますけれども、私どもの感じとしましては、余り短い期間でございますと、なかなか基本的にこのような預託等取引契約というものは普通は行われないのではないかと思いますので、そのような余りにも短い期間のものまで、消費者にとって保護すべき法益が必ずしもないものまで過剰に規制するつもりはございませんけれども、一応私どもとしては、三ないし六カ月程度を今目安にして、三ないし六カ月でございますが、しかし、もし三ないし六カ月という期間で決めたといたしたときに、非常に悪質業者がこれを悪用するようなことがある場合には、機動的に省令を改正して、実情に合うようにいたしたいと考えております。
#164
○市川正一君 今の問題は、後でもう少し角度を変えて伺いますが、今度の法案の一つの基礎になった産構審の三月十一日付の答申を見ますと、この参考資料の九ページでは、「一般的にも、商品等を預かり、運用するという事業を健全に行い、顧客に安全に高収益を提供することは極めて困難であると言える。」、こう述べております。言うならば、常識的には認められないビジネスといいますか、商売だというふうにも指摘しているわけであります。また十七ページでは、「規制の具体的内容」についても、悪質な取引について実質的に禁止の効果を持つ措置が必要であるとも述べております。しかるに本法案のどこに禁止の効果があるかということを、私はこれを読みまして、逆に法律でこういうビジネスを公認するというのは、この答申の趣旨にも反するのではないかというふうな読み方をいたすのですが、いかがでしょう。
#165
○政府委員(松尾邦彦君) 確かに豊田商事のように、一割の運用益を必ずあらかじめ保証しておくということは、必ずしも私どもとしては常時成り立つものではないと思います。答申もそのようなことを規定したんだろうと思います。
 しかし、私ども豊田商事あるいはその類似企業の商法によります被害の再発を防止するという観点からいたしますと、豊田商事のあくどい行為そのものの禁止はもとより、豊田商事の商法を少しひねって、工夫して変化させるような形も当然脱法行為としてはやられる可能性があるので、その点についても抑えていかなければならない。そのような観点からいろいろ考えてみますと、規制対象とする内容は何かということを法的に構成しますと、品物を預かり、預かったことに見合って対価を支払う、こういうことが基本になるわけでございます。
 そういたしますと、物を預かって対価を支払うということは、いろいろ賃借関係などによくあることでございまして、このこと自体が反社会的なものではないわけでございます。ただ問題は、豊田のようにあくどい方法でやることについて非常に問題があるということでございますので、この答申にもございますように、悪質な取引については、実質的に禁止の効果が出るような法規制をとるということにいたしたわけでございまして、具体的には、契約締結前、契約締結時、契約締結後にわたりまして、まず消費著には、一体この契約を締結いたしますとどのようなリスクがあるのか、消費者にとってどんな財産的な被害が生ずるかもしれない危険性があるのかということについて十分認識していただく。それから業者において不当な行為を行うことのないような措置を講ずる。
 そしてまた、もし消費者がこれはやはりぐあいの悪いことをしてしまった、何とか逃げ出したいというときには、いつでも中途解約ができるような道を開く等々の消費者保護の規定を盛り込む。また報告徴収、立入検査等の行政措置、さらには通常の法律に比べて倍ぐらい重い罰則を科す。このような規定によりまして、悪質な取引については班実上禁止と同じ効果が出るものというふうに考えている次第でございます。
#166
○市川正一君 では、具体的に入っていきますけれども、預託笠取引契約の対象となる商品や施設の利用権の対象に、先ほど来ずっと通産省が挙げられているのは、当面金などの貴金属、それからダイヤなどの宝石、それからゴルフの会員権が考えられているようでありますが、対象は決してこれだけに限るものじゃないわけです。ということは、悪徳業者は指定されていない商品や施設利用権を使って、規制を逃れて次々と悪徳商法をやっていくということは今までの経過や事実で明らかです。
 先ほど松尾審議官は、危ないという蓋然性が見られるとき、果敢に素早く対処するという歯切れのいい答弁をなすったんだけれども、そういう概念的な観念的なことじゃなしに、本当に期間と指定というこの二つの要件を外さなければ真の効果は出てこぬのじゃないですか。私は、そういう蓋然性とか果敢、素早くというふうな言葉ではなしに、この二つの枠を外すのが根本だと思うんですが、いかがですか。
#167
○政府委員(松尾邦彦君) 確かに審議会の議論でも、政令指定によらずして、すべての商品を対象にしてはどうかとかという議論はございました。しかし、考えてみますと、この法律案は、民法の契約の原則の基本的な原則を大変大幅に変更する内容のものでございますし、また種々の義務を業者に課しておるわけでございまして、一方においては消費者の保護も大切でございます。
 これについては一生懸命考えなきゃなりませんけれども、他方において、やはり健全な商活動に対する阻害要因となることは慎まなければならない、かような両者のバランスを考えて、このような行為規制の立法という形を審議会の答申に即しまして立案いたしたわけでございまして、私どもは、先ほど申し上げたことの繰り返しになって失礼でございますけれども、政令の指定にいたしましても、期間の指定にいたしましても、消費者相談の窓口等あるいは本法に基づきます報告徴収、立入検査の行政権限を駆使いたしまして、決して後追いにならないように機動的に指定をしてまいり、実効を上げていきたいと考えておるわけでございます。
#168
○市川正一君 今までそう言って結局後追いになってるんですよ。例えば、海外先物取引規制法のときも、私も取り上げましたが、そうだった。割賦販売法の個品割賦購入あっせん契約を、裁判所の判決が出てさえなかなか対象にしなかったという実例が実際にあるじゃないですか。その結果被害が大きくなった経過から見ても明らかです。
 私は、この政令指定を要件にしなければ被害が出る時点で規制できるけれども、この法案の仕組みでは、実際に被害が発生してからそれを政令指定にして規制するまでには、かなりのやっぱりタイムラグがあるんです。そういう間の被害は現実に防げないんです。私は、そういう今までの経過から見ても、現実の実態から見ても、確実にそういう事態が予想されるのに、あえて通産省が承知の上でやられるということは、どうしても納得がいかぬのですが、いかがですか。
#169
○政府委員(松尾邦彦君) 御懸念の点につきましては、私ども昨年の豊田商事の経験にかんがみまして、省内に消費者の苦情相談の情報を全国の通産局から、もう電話連絡を含めましていち早く収集するという体制もつくりましたし、担当課長レベルの会議を定例的に開きまして、果たしてこの問題は、件数はまだほとんどないけれども、どんな展開をしていくのかということについて鳩首協議をいたしまして、必要な手を迅速に打っていこうという省内体制も整えたわけでございます。
 したがいまして、このような省内挙げての機動的な体制づくりも進んでおるわけでございますので、この法律案の施行に当たりましては、以上のような体制のもとに機動的に進めていくことは、十分私どもとして自信を持って進めてまいりたいと考えております。
#170
○市川正一君 それじゃ、商品の指定制を外すべきであるという主張を前提にしながら、立ち入った形で議論を進めますが、あくまでもそれを政府は固執なすっているんで、じゃ聞きますけれども、少なくとも現時点で被害が予想されているものをあらかじめ指定をしておく必要があるんじゃないんですかということです。例えば家具の問題、あるいは真珠のネックレスですね、あるいはパラジウム、特に最近問題になっている抵当証券、これは豊田の残党がやっている、第二の姓田商法だとも言われておりますが、こういうものを指定する意思はございませんか。
#171
○政府委員(松尾邦彦君) 具体的に政令でどのような品物を指定するかにつきましては、今後の悪徳業者の事業展開も考えながら具体的に考えてまいりたいと思いますけれども、そのような被害発生の蓋然性がございますれば、今御指摘のようなものも十分政令指定の対象として考えなけりゃならないわけでございます。
 ただ、ちょっと一言だけ補足さしていただきますけれども、抵当証券につきましては、現在主として問題になっておりますのは、被担保物件の価値以上の受益証書を分割して発行して、そのために受益証書を購入された方の権益が保護されないのではないかというところに主たる問題点があるように承知しておりますので、この点につきましては、今後の抵当証券のあり方をよく見きわめた上、必要とあらば機動的に対応してまいりたいと考えております。
#172
○市川正一君 抵当証券についてはまだ目立ってはおりませんけれども、償還期限が来ていないだけのことであって、これから重大な社会問題になるであろうということだけ、私ははっきりと指摘しておきたいと思います。
 それでもう一点、今度は、クーリングオフの期間経過後の解約で一〇%の違約金ということに修正されてこちらへ参っておりますが、私はこの違約金というものは必要でないという主張であります。実際に金口座を設けている西武クレジットは手数料三千円です。銀行のそれは無料であります。私は受託業者のみに高額の違約金を認める必要はないと思うのでありますが、この点はいかがでしょうか。
#173
○政府委員(松尾邦彦君) この点につきましては、消費者利益の保護という観点に立ちますと、また途中解約を使いやすくするという観点からいたしますと、できれば違約金は安ければ安いほどいいということになるわけでございますけれども、他方、この法律案におきましては、先ほど申し上げましたように、脱法行為を防ぐ観点から、それ自体反社会的でない健全な商活動も含まれる形になっているわけでございますので、取引の法的安定性ということについての観点も無視するわけにまいらないわけでございます。
 したがいまして、取引の安定性と消費者利益の調和をどこで図るかということが極めてこの判断の難しいところでございますけれども、私どもといたしましては、急に消費者が前ぶれもなく何年契約ということであった品物をすぐ返してくれと、こういうことになったときには、業者は何らかの資金を市中の金融機関から調達しなければならない。コストもかかりましょう。それからまた、通常の取引におきましては、何らかの違約金というものも契約者間においては通例ございます。そのようなことを考えますと、やはりある程度のそのような違約金的な性格の資金の負担というものは、消費者にとっても負担してしかるべきものと、こういうことで、両者のバランスをとった数字として、政府としては一五%を御提案いたしたわけでございますが、衆議院におきまして一〇%への修正が行われたわけでございます。
#174
○市川正一君 葉者は解約に至る間に、実際にその金を運用して利益を上げているわけです。それから、現に私が例として申し上げた西武クレジットの問題あるいは銀行のそれは三千円ないしは無料なんです。だから、そういう意味からいっても、この業者だけにそういう違約金を保証するというのは問題であると同時に、今まで取っていなかった業者までこれを取ることに今度はなるわけです、お墨つきをもらって。そして解約それ自体を商売とする業者、言いかえれば解約業者というのも今度は存在してくるんです。これは単なる懸念ではなしに、現実に三和信託がそういうことをやって、そしてぼろもうけをやってきたじゃありませんか。御存じのとおりです。私は、そういう点で違約金はなぐすべきだということを強く主張いたします。
 最後に、もう時間が参りましたので一点お伺いしたいのは、解約した後の問題についてでありますが、委託契約を解約しても戻ってくるのは買わされた品物であります。金地金の場合はそれ自体としてまだしも、つぼだとか家具だとかゴルフ場の会員権、こういうものが戻ってくるんです。これでは預託者が満足できぬのです。また、老人の場合に、ゴルフ場の会員権もらってもこれは役立たぬのです。豊田商事の場合は、そのゴルフ場すらいいかげんなものを持ってきよったんですね。ですから、私は最後に、解約する場合は原則として現金で返却するということを義務づけるべきであるということを強く要求し、またその立場からの見解を承りたいと思います。
#175
○政府委員(松尾邦彦君) 確かにこの法律案によりますと、この解約権を行使した場合に、直ちに契約に関する民法上の効力に影響が及ぶわけではないわけでございます。ただ、もとより民事上の効力が民法に基づいて処理されるといたしましても、詐欺でございますとか、錯誤でございますとか、公序良俗違反その他民法上主張し得る点は当然のことながら主張して、消費者の権益を保護することは当然行われるわけでございます。また、行政的な措置として、罰則や業務停止命令等の規定もあるわけでございまして、このような規定を通じまして消費者の保護に道徳のないようにいたしたというのが私どもの立場なんでございます。他の立法例におきましても、基本的にはこのような形がとられているわけでございまして……
#176
○市川正一君 第五条と違いまっせ、私が聞いているのは。
#177
○政府委員(松尾邦彦君) それで、例えばゴルフの会員権が返されても、ちっとも財産……
#178
○市川正一君 時間がないから、そこは飛ばしてまへんやろか。現金で返せ言ってますのや。
#179
○政府委員(松尾邦彦君) ですからこれは、現金まで返せということになりますと、これについては結局、例えばこれは司法上の解釈によることになると思いますけれども、契約の実態に応じて司法当局の判断によっては現金が返されるケースも当然あるわけでございます。例えば売買契約と預託等取引契約が一体となっている、あるいは預託等取引契約の成立を条件として売買契約が結ばれているようなケースについては、当然現金が戻ることもあり得るというふうに考えております。しかし、これは司法当帰の個別判断にまつ問題でございますけれども、先生御指摘のような場合も十分あり得るというふうに御理解いただきたいと思います。
#180
○市川正一君 終わります。
#181
○木本平八郎君 この法案につきましては、けさほど来もう相当各同僚議員から細かい点まで突っ込んで話がありましたし、そしてまた参考人の意見を聞いたりして問題の所在をはっきり浮き彫りにされたと思うわけです。したがって私は、こういう個々の問題を突っ込んでいくよりも、むしろ物の考え方ということで少し話に応じていただきたいと思うわけです。それで、松尾審議官、朝からもう非常に一人で奮闘されてお疲れだと思いますので、私の時間の間はどうぞ休憩していただいて、少し福川局長と話したいと思うんですね。
 まず私、この話をずっと聞いていまして、これは法律の網をかぶせるのは非常に難しいんじゃないかという感じがするんですね。やっぱり詐欺やるやつは順もいいし、努力もしているし、そればっかり四六時中考えているわけですね。だまされている方はある意味じゃ無防備だと。それで取り締まる方も、敵が出てきて初めて、泥縄じゃないけれども縄をなうというふうなことにならざるを得ないわけですね。そうすると、これ考えますと、次から次から、どんどんどんどん新しい詐欺を考えてくるだろうと思うんですね。そういうものに対処していくのに、それじゃ一体どういうふうにやったらいいだろうか。けさほどの大臣の御答弁でも高度の詐欺だと、こうおっしゃっておるわけですね。普通の程度の詐欺なら、これは今までのやり方で対応できるんですけれども、こういうふうに巧妙に高度になってくると、少し我々の方も知恵を絞らないと難しいんじゃないか。
 そうすると、今までのような行政の対応でこういうものがあるから法律をつくってこうやるとか、これをやっているとどうしても後追いになっていくし、むしろ私は法三章といいますか、概括的に何かぽかっとやっておいて、そこで運用の妙を大岡越前守みたいにやれるような方法が私はいいんじゃないかという気で、ずっとやりとりを聞いていたんですが、福川さんどういうふうにお感じになっていますか。
#182
○政府委員(福川伸次君) 確かに御指摘のように、この悪徳商法というのは、法の網をくぐっていろいろなところをねらってやってくるということは御指摘のとおりなんでございます。私どもも、実は本来の原則はどこにあるかといえば、それは一つは営業は自由でなければいけないし、消費者の選択というのはなるべく自由な、幅が広い方がいい。しかし、消費者の利益、便益はもちろん保護されなければならない。したがって、そういう意味では必要な規制というのは置かざるを得ない、こういうふうに思っているわけでございます。もとより、こういう行政官庁等が国民の権利を制約をするということは、必要最小限度にとどめるべきであろうと思いますし、またそういうときはもちろん公共の利益ということを前提に考えなければならない、そういう問題であろうと思うわけでございます。
 そういたしますと、じゃ一体この豊田商事のような、まさに確かに豊田商事そのもののやったやり方というのは、これは本当に批判されるべき、もちろん抹殺されるべきやり方をいたしたわけでありますが、しかし、どういう形であれを抑えるかというのは、法律に構成要件をつくるのがなかなか難しい、こういうことがございます。したがって、私どもは従来この消費者の保護を図るという場合には、どういう形態のものが悪いか、それからそもそも商法そのものが悪であるというような、例えばネズミ講のようなものというのは、これはもちろん禁止しなければなりませんが、そうでないいろいろな商法というのは、これは商法そのもの自身が悪というんじゃなくてそのやり方が悪い、こういう場合には、そのやり方を規制をするということにならざるを得ないんであろうと思うのでございます。
 そういたしますと、今度、先ほど申しましたように、消費者の自由な選択ということは十分考えなければならないと思います。また一方、消費者があるいは本当なら知りたいことも知らされない、あるいはこういうことをちゃんと言っておいてくれればいいのに、こういうことであるならば、そこは消費者に判断の材料を十分与えていく、こういうことになっていくことが必要であろうと思うわけでございます。
 したがいまして、実は本来この法律をつくるときは大変、審議会の諸先生方の御意見も聞いていろいろ苦心しながらつくった法案でございます。もちろんある方面から見れば、あるいはなまぬるいというような御見解も実はあろうかと思いますが、今申しましたように、そういった営業の自由の制約と、それから消費者の保護という立場から、どういう形がいいかというバランスを考えますと、私どもとしては、この行為規制という形できっちり抑える。しかもそれも相当きつい負担を課すということで、豊田商事のようなものが実質的に生じないような形にしたということでございまして、もちろん後追いじゃないかという当委員会の御指摘もございましたが、それは私どもとしてもできるだけ情報を前広にとって、それについて消費者の利益が侵されることのないような運用上の努力ということをあわせ行っていく。また、消費者啓発、消費者教育ということについても十分の努力をしていく、こういうことでこの問題の将来の再発防止に資する、こういうふうなことを考えている次第でございます。
    ―――――――――――――
#183
○委員長(下条進一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、三治重信君が委員を辞任され、その補欠として井上計君が選任されました。
    ―――――――――――――
#184
○木本平八郎君 確かに今おっしゃったとおりだと思うんですね。それでこういう法案をやるときに、やっぱり一番、けさほどもありましたけれども、人間に欲があるわけですね、もうけたいとか。こういうものがある以上、これは必ずそれにつけ込むワルが出てくるので、そういうふうなことをいかに規制していくか。それで今話がありましたように、やっぱりはっきりこれは詐欺だとか違法だとかということになりますと、これはもうすぐ即座に警察が出動するし、刑法でやられるわけですね。
 ところが問題は、その時点になったら遅いので、それ以前の段階に疑わしきをいかに罰するかというか、疑わしきをいかに防ぐかというところが非常に難しいわけですね。したがって、行政の段階でこれをやる。といってこれ行き過ぎますと本当に、無実の罪じゃないけれども、本当にちゃんとやっている人まで引っ張り込んじゃうということになりますしね。それから、例えば情報にしても必ずしも正しい情報ばかりとは限らないわけですね。あの会社とかあのセールスマンはこういうインチキをやっていると言われて、それですぐ行ってみたら、それは何というのか、反対派の人たちがざん言、いわゆる指すためにブラックレターを出していたなんていうこともあるわけですね。その辺が私は非常に難しいんじゃないかと思うわけですね。
 そこで私は、日ごろの考え方とちょっと違うんですけれども、むしろこの際、こういうことがなり得るかどうかしりませんけれども、国会としては行政官庁に相当大幅な裁量権をぼんと与えちゃって、これは通産省なら通産省性善説で、我々もう通産省を信ずるしかないということにして、それである意味のフリーハンドを通産省が持っていて、自分で判断してビビッドにぱぱっと動くというふうなことができれば一番いいんじゃないかと思うんですけれどもね。それについては福川さんどういうふうに思われますか。
#185
○政府委員(福川伸次君) 今、通産省を御信任いただける御発言で大変感謝いたしておるわけでございますが、どういうふうな形でそれをするかということでございます。
 例えば、行為規制を仮にするということをいたしましても、その行為に背いた場合にはやはりそれなりの罰則の担保と、こういうことになってくるわけでございまして、やっぱりこれはきょう午前中にも大臣が御答弁申し上げましたように、罪刑法定主義というのは、私はやっぱり守らなければならない原則であろうと思います。したがって、もちろん行政庁として私どもは襟は正して行政に当たるわけでありますけれども、やはりそこの構成要件を明確にしておくということであろうと思います。
 私どもも、今申し上げましたように、この行為規制をいたしますいろいろ運用ということについては、それはもちろん前広に情報もとり、どういうことが問題であるかということはしなければなりませんし、またここでも一応書面の交付を事前、事中、事後、事前とその時と事後とやっておりますから、それなりに私どもも消費者相談の窓口等に来るきっかけというのは、従来に比べればかなり格段に出てくると、かように思っているわけでございまして、もちろん行政庁が自由にやればいいやということは、私はありがたいお言葉だとは思いますが、その法の執行ということからいうと、やはり構成要件を明確にした罪刑法定主義というのは守らなければならない原則ではないだろうかと思っております。
#186
○木本平八郎君 何も通産省にごまするつもりは全然ないんですけれども、やはり私も行政官庁が権限を余り持ち過ぎるということは非常に反対でしてね。もう許認可とか行政指導なんてできるだけやめて、フリーにしてもらいたいというのが私の日ごろからの主張なんですけれども、このなにだけを考えますと、やはり行政調査権みたいなものを大幅に与えないとうまく運用できないのじゃないか。例えばけさほどの説明でも、豊田商事を一生懸命呼び出しても、何の権限があって通産省は調べるのだといって応じない。これ、応じないということで、それがいいとか悪いとかじゃなくて、出てこい、いや出てきませんなんてがちゃがちゃいって一カ月延びると、その間にもうどんどん被害が大きくなっちゃうわけですね。
 そうしますと、やはりもう少しそういう点をやりやすくするように権限を付与するというか、そういうことをやっておかないと、結果的には今行政というのは相当行動を制約されていると思うんですね、いろいろなことで。そういう中で手足を縛られて、それで泳げと言われてもなかなかいかない。一つ一つ法律に基づいてやらなきゃいかぬことは当然なんですけれども、そのときに包括的にやっておく方がいいんじゃないか。
 それからもう一つ、私はこれを運用していくときに、例えば松戸市にすぐやる課というのができたという話がありましたね。やはり電話がかかってくるなりすると、すぐぱっとビビッドに動かなきゃいかぬと思うんですね、まず。それが動けないとやっぱり困るし、動けるようにしておいて動かないのはもっと困るわけですよね。そういう点で少し行政調査権みたいなものを拡大するというのは、私これよくわからぬものですからね、立法とそれから行政のそういう仕組みというのはよくわからない点があるんですけれども、そういうふうなこと。私はこの法案は、これ自身は今回はこれでもういいと思いますし、これいわば次善、三善の策だと思いますけれども、将来これではやっぱり対処できなくなるんじゃないかと思って、そういう点で将来少し考え直すときには、もう少しそういう行政調査権を与えるというふうな方向から検討する必要があるんじゃないかと思いますが、もう一度いかがですか。
#187
○政府委員(福川伸次君) この豊田商事の商法につきましては、先ほど申し上げたように、私どもとしてももう社会的にも全く非難される、批判されるべきものでございます。今回この定義は、この法案御論議いただきましてもおわかりのように、やや若干その範囲が広目になっておりまして、したがいましてそれだけに私どもとしてもまたその商法そのものにお墨つきも与えない、しかし行為はがっちり抑える、こういう形で、いい行為をしている人はそのとおりやっていただけばいい。しかし、そういうことによって今度は消費者が十分判断をして、そういう悪いのは判定できるような形にする。しかもまたそれで問題があれば業務停止命令ということがかけられる、それで必要な範囲の報告徴収というのがとれる、こういうことでございまして、確かに行政調査権をもっと広目に与えろ、こういうことでございます。
 それはもちろん私ども先ほど申しましたように、襟を正して慎重に行政には当たるわけでございますが、私はそういった行政調査権というものの乱用はやっぱり防がなければいけない。したがって、やっぱり私はその法律の必要な範囲でその調査権があるのがいいということでございまして、したがってこういった特定商品の預託という形でそういうある程度消費者の保護、消費者の権益が侵されるおそれがあるというようなものについて今中したような行為規制をやって、そしてそれについて問題がある場合には必要な報告徴収あるいは立入検査ができる、こういうことでございますので、私どもとしてはこういったたぐいのものとしての一つのバランスがこの法律の中にできているのではないだろうか、私はかように考えております。
#188
○木本平八郎君 私先ほど性善説と言ったのは、今の日本の官僚機構というか、役所は、私は世界的に見ても極めて常識的というか、良心的に一番動いているところだと思うんですね。それで、役所が自分の権限だとかそういうものを行使して悪いことをするというふうにはちょっと――世界各国に比べて非常にいいんじゃないか。したがって、日本の場合は大幅にそういう行政調査権のようなものを与えてもいいんじゃないかというのが私の一つの判断なんですが。
 次の問題は、実はこういう被害が起こりますと、どうしてもこれはけしからぬ、根絶しろ、絶無を期せと、こう言われるわけですね。これはほかのケースも同じことで、何かの事故が起こりますと、事故は絶対に防げということを要求するわけですね。しかしながら、私はそういうことを要求すれば、結論的に言いますと、そういう絶対ゼロというふうなことを要求すると、結果は建前論だけになっちゃうんですね。結果はやっぱりまた同じことが繰り返される。したがって、完璧を要求するんじゃなくて、被害をミニマイズするということに重点を置かなきゃいけないんじゃないか。悪い言い方をしますと、もう被害は絶無にはできない、したがってある程度の被害が発生するのはやむを得ない。しかしできるだけその被害を少なくしていくというふうに考えなきゃいけないんじゃないかと思うんですね。
 したがいまして、先ほどのように、一カ月おくれて対策をとれば完璧な対策がとれるし、それからあるいは国民からも国会からも非難されないように手が打てる。しかしながら、その一カ月おくれたことによって被害が増大するということですね。逆に言えば、まあ次善の策であっても拙速をとうとぶということで、早く手を打つということの方が必要だという判断ももちろんあるわけですね。したがって、我々の方ももちろん気をつけなきゃいけないのは、そういうふうな拙速であったがために少しミスがあっても、余りそれをやかましく責めますと、またどうしても役所の方が守りについちゃう、そうすると被害が大きくなるというふうなことが考えられるんじゃないかと思うんですよね。
 要するにゼロにしようと思うと、社会全体としてはコスト高になっていくと思うんですよ。したがって、全体のコストを考えた場合には、それをミニマイズするというふうなことで妥協していかざるを得ないんじゃないかと思うんですよね。その辺はいかがでしょうか。
#189
○政府委員(福川伸次君) 確かに、法律制度というのは一種の社会の制度でございますから、もちろんそれについてそれを犯そうという人があらわれることはあろうかと思います。それからまた、厳密な要件をつくろうと考えようとすると確かに手おくれになる、こういう面があろうかと思います。私どもも、先ほども申し上げましたが、やはりここである程度こういう行為規制という仕組みができて、そしてそれについて必要な措置が講ぜられる、こういうことでございますし、またそういう仕組みができれば、もちろん消費者もその問題の所在ということがより明確にわかることになると思いますし、そういう意味では早目の手が打ててくる、こういうことでございます。できるだけ被害をミニマイズさせる、縮小するということが、確かにおっしゃるように非常に重要でございますから、早目早目に手を打たなければいかぬということでございます。
 また一方、豊田商事のようなのは、もちろんああいうものは別に営業の自由を認める必要はないという点は私どももそう思いますが、しかし、なかなかどの程度になってきたときにそういう行政上の措置、例えば極端に言えば営業停止命令というように出るかということでございますが、そこは確かに一つのバランスがありますが、これだけの仕組みができますと、例えば行政指導を仮にするという場合、行政指導はもちろん相手方の理解と協力の上で行うわけでありますけれども、しかしその行政指導を仮にとるといたしましても、将来それが本当に悪いということになれば、そういう営業停止命令みたいなものが後ろについておれば、それはまだその行政指導というものについての相手方の理解の仕方も変わってくる、かように思うわけでございます。
 そういった意味で、今おっしゃったような被害をミニマイズするという点の行政指導あるいは行政上の運用ということは、私はこの仕組みでやりやすくなる。もちろん私どもも乱用にならないように身は慎んで対処いたしますけれども、おっしゃったような趣旨にこれによって運用できる道は開けるのではないかと、このような期待を感じております。
#190
○木本平八郎君 まあ参考人の意見にもありましたように、こういうふうにだんだん巧妙になってきて、しかも逃げ足が非常に速くなっていると思うんですね。今までのようにのんびり――のんびりじゃないけれども、問題が大きくなる前にもう彼らは知恵がついていますから、ぱっぱっと集めてさっと逃げちゃう。そうすると、こっちが出動していった場合にはもう敵はいなかったというふうなことが今後ほどんどんアクセレートされていくんじゃないかと思うわけですね。したがいまして、これはやっぱり行政の方もビビッドに動くということが必要になってくると思うんですね。
 そこで二つあると思うんです。したがって、私がお願いしているのは、通産省自身が自分でもうリスクテーキングをするということが必要だと思うんですね、これからは。通産省がリスクをとらずに逃げちゃうと、やっぱり被害がぱっと広がってしまう。したがって、多少後で問題になりそうになっても、早くぱっと出動して、早く手を打っていくということが必要だと思うんですね。そうすると、局長さんの首が一つや二つすぐ飛んじゃうかもしれませんけれども、その辺はもうこういう時代になってきて、こういう社会になってきたら、やっぱりそのぐらいのことは覚悟してやっていただかなきゃいかぬようになるんじゃないかと思うんですね。
 そこで、ひとつ具体的に、こういう問題というのは、参考人の意見にもありましたように、初期の段階で、業界仲間では割合に早く情報が来るわけですね、あいつはおかしなことやってるとか、あの会社はどうもインチキくさいというような、セールスマン仲間ではすぐわかるわけですね。したがって、あのときも私申し上げましたけれども、例えば訪販協会に全面的に協力してもらって、そういうニュースがあればすぐその訪販協会から提起してもらうというふうなこと、それからあるいは投書なんかもすぐ来ると思うんですよね。そのときに、通産省もそういう取り締まりとか法律については詳しいけれども、商売というのははっきり御存じないわけですよね、これが本当に詐欺的な商売なのかということを直観的になかなか見抜けないと思うんですよ、商売の経験がないだけに。
 そうしますと、それを審議会でやるのがいいか知りませんけれども、何かこうアメリカの陪審員制度じゃないですけれども、そういうものをさっと招集して、その人たちにそういう情報をそのままぼんと与えて、直観的に皆さんがどういうふうな判断をするかというふうなことをやる必要もあるんじゃないかと思うんですけれども、その辺はどういうふうにお考えになっておりますか。
#191
○政府委員(福川伸次君) まず第一点で、通産省がリスクテークをしてもっと積極的に踏み出すべきではないかと、こういうことでございます。私どもも、今の消費者相談というようなことを講じて情報の提供を求めておりますというのも、それが本当に社会的に問題であるということであるならば、早目早目に行政指導しようということでそういう仕組みをいたしているわけでございます。
 それについては、先ほども申しましたけれども、相手方の営業の自由をある程度制約するということになるわけでありますから、そこにはもちろんある程度の事実の疎明ということもなければならぬと思いますが、私どもとしては、気持ちとしてはもちろん消費者保護を図るということで、それは早目早目に手を打っていかなければならぬ、こういう気持でおるわけでございます。また、いろいろ情報は来るじゃないか、あるいはまた業界の中の情報をもう少しうまく収集できないか、あるいは投書等もあるじゃないか。確かにそういうことで、そういった情報を収集するという点は非常に、これはまさに行政が動き出す第一歩でございまして、この情報の収集には十分私どもも気をつけていかなければならないと思っておるわけでございます。
 消費者相談ということも、実はいろいろなものが御不満が寄せられるわけでありますが、こういう仕組みができますと、やっぱりその仕組みに照らしてどうだろうかということをやらなければならないわけでございまして、私ども先ほど申しましたように、もちろん悪徳商法というのは消費者の選択によってそういう社会悪が追放されるというのが基本ではあると思いますが、もちろんそれだけではできないわけでありますから、それに合わせた仕組みということをあわせてつくって、そういった社会の悪徳商法というものを追放していこう、こういうことでございます。
 そういった情報の収集という点については、確かに私ども商売をやったことはありませんから、まあ一番だまされやすい人種の一つかと思いますけれども、それについては例えば専門の相談員で十分その商売も勉強してもらう、それからまたこの道に明るい弁護士にも手伝っていただいておりますから、問題があれば直ちにそういった弁護士とも相談をするということで、そういった専門的な知識、私どもの不足しているものは外部の方のお知恵をかりるということで、ぜひ御指摘のようなことにならぬような組み合わせ、補完措置をもちろん講じてまいりたいと思います。
#192
○木本平八郎君 そういう情報があって、そこから手を打たれるまでの流れを、川をきれいにしていつでもすっと流れるようにしていただくことがぜひ必要だと思いますね。
 その消費者保護という観点からですけれども、この問題についての一番大きな問題点は、やはり消費者が非常に老人だとか弱者に偏るということですね。しかし、これはある意味じゃ生物界の原則みたいなものでして、一番やっぱりねらわれるのは弱い方からねらわれるわけですね。シマウマがライオンにねらわれているときも、やっぱりけがしているとか病気だとか老いているとか、そういうシマウマがやられるので、若いぴちぴちしたのはなかなかライオンもねらわないというのと同じことで、彼らがねらうのもやっぱり弱者をねらうわけですね。
 ところが、それは一般的なことがあるんですけれども、ここで一番ねらわれやすいのは老人だということで、それじゃなぜ老人がねらわれるかというと、一番やっぱり将来に対する不安があるわけですね。欲だけじゃなくて、不安があるんで、何とか持っている金を少しでもふやしておきたいというふうなことが根本的にあるわけですね。逆に言えば、もしも将来に対する不安がなければ、ひっかかるというのも半減以下になっちゃうと思うんですね。そんなに欲ぼけということだけならまだ少ないと思うんですね。したがって、これは通産省だけの問題じゃないですけれども、これから低金利になっていって年金生活者が本当に困ってしまうわけですね。そうなるとますますこういうようなものにつけ込まれるということがあるんで、政府全体としては、そういう人たちの老後保障みたいなものを拡充していかなければいけないんじゃないかと思うんですね。
 それを同時にやっておかないと、幾らこっちの取り締まる方ばかりやってもやはり抜けちゃうんじゃないかと。したがって私は、これはいつも言っているんですけれども、例えば武蔵野市がやっている居宅担保の貸付制度だとか、これはほかのところで言っているんですけれども、トンチン年金制度とか、そういったもので、老人がある程度自分の財産を政府機関なんかに渡しておけば後は保障してもらえるような方式を、やっぱり真剣に政府としても考えていく必要があるんじゃないかと思うんですね。これはこの商法だけじゃなくて、今後の日本の老人福祉というのを考えた場合、そういうことも片一方でやらないとこの問題はなかなか根本的な解決策にならないというふうに思っているわけです。したがって今後、これは厚生箱かどこか知りませんけれども、政府全体としてこういう点に配慮していただく必要があるんじゃないかと思うんですが、その辺はいかがですか。
#193
○政府委員(福川伸次君) 確かに今回の事件というのは、被害者が御老人に多いという点で大変私どもも遺憾に思うわけでございまして、言ってみれば、確かにおっしゃるように、先々の不安ということがあるためにもう少し金をふやしたいという気持ちがあることは事実だと思います。そういう意味で言えば、今後のいわゆる年金制度とかいわゆる一般の福祉制度というものをどういうふうに組み立て、補完していくかということが重要であるわけでございます。もとより、これから高齢化社会に進むということでございますから、若年層の負担というのがこれからまた大きくなるわけでございまして、したがってこの年金制度をどういうふうにしていくのか、あるいはまたもうちょっと広く、いわゆる社会福祉制度をどういうふうに組み立てていくかということは、これは確かに非常に財政の立場も加味はしなければならぬと思いますが、大変重要な問題だと思います。
 私どもとしては、もちろん年金というのは素人でございますので、どういうふうに対応策が出るか、具体的にはちょっと知恵はございませんが、確かにそういういわゆる社会の安定と申しましょうか、そういうことと組み合わせていくという非常に広い問題、広い立場で検討しなければならない問題をはらんでおるという御指摘は、私も同感でございます。
#194
○木本平八郎君 この法案の問題はこのくらいにしまして、ちょっと時間食っちゃったんですけれども、円高差益の還元の問題について少しお伺いしたいわけです。
 今、百七十八円で十九ドルを基準にして円高差益を還元されると。これは還元していただくということはありがたいわけですけれども、ただこの率が一〇%なんですね。前回、五十三年ですか、なんかのときにやっぱり差益を還元していただいたのは七%なんですね。ところが、その後でちょっと為替がおかしくなったら値上げが今度五〇%なんですね。返すときは七%しか返さずに、上げるときは五〇%上げてくる。今度も一割返していただいて、また七、八〇%返っていくんじゃないかという不安があるわけですね。
 日本の電力料金、見方にもよりますけれども世界では安い方じゃない。そうしますと、消費者としてはむしろ現行の、今現在百六十円ですね、為替が百六十五円ぐらいと。しかし百七十八円と百六十五円のこの差はもう返していただかなくてもいいと。そのかわり今回のレートで十五年なり十年凍結していただきたいと、フィックスしていただきたいという、それの方が結果的には消費者としてはありがたいと思うわけですね。
 それがどうしてそういうことになるかといいますと、要するに今のままでしたら、ちょっと時間がなくなったんで申しわけないんですけれども、要するに売り上げがあってそれのコストがありますね。それで利益が出てきますね。この利益をもってその七割とか八割を返すということなんですね。ところが、問題はこのコストをそのままにして、かかったものはコストだというふうに算入されるんですよ、今のままだったら。電力会社といえども今後は、やはり経営の省力化、合理化を進めてもらわにゃいかぬのですね。ところが、今のようなシステムだったら、ろくすっぽ合理化もやらずに置いておいて、赤字になってきたら値上げ申請だと。それでもうかったら、そのうちの一部こうやっておけばいいということになるわけですね。そういうことではやはり国民としては困るんで、もっともっとそのコスト部分を合理化してもらって、電力料金を下げていただくということがやっぱり必要じゃないかと思うんですね、長官いかがですか。
#195
○政府委員(野々内隆君) 合理化の必要性というのは当然あるわけでございまして、けさも今回の暫定引き下げについて大臣から各社長に認可証を渡すときに、大臣から経営の一層の合理化を要請をしているところでございます。
 公共料金を長期に安定させるというのは大変望ましいことだと思いますが、しかしやはりこれは原価主義ということでやるべきであろうというふうに考えております。したがいまして、原価が下がれば値下げをし、原価が上がれば値上げをするということで、原価主義でいくのが望ましいと思っておりますが、ただ、それも放漫経営で勝手にむだ遣いをしたものをコストに入れるということではなしに、電気事業法上も「能率的な経営の下における適正な原価」というふうにはっきり書いてございまして、今後とも経営の合理化というのはもう当然の義務であるというふうに考えておりまして、電力会社自体もその方向で努力してくれると思いますが、私どももそういう方向で電力会社に要請をし監督をいたしたいというふうに思います。
#196
○木本平八郎君 今、円高で中小企業が非常に問題になっておりますけれども、大企業も大変なことなんですね、これ。今後どういう混乱が起こるかわからぬという状況ですね。そういう各社つぶれるかどうかということで必死になっているわけですね、社長以下。
 ところが、私はこれ放漫経営だとはいいませんけれども、こういうシステムの中に、温室の中に囲われているというのは非常にある意味じゃ楽なわけですね。厳しさという点でどうしてもやっぱり欠けるんじゃないか。したがって、私は放漫経営はもちろんけしからぬですけれども、そうじゃなくって、本当に骨身を削るような努力を各企業がやらなきゃいかぬ。これは何も電力会社に対して批判で言っているわけじゃなくって、社会の中の一部分にそういうちょっとのんびりしたムードがあると、日本全体の経済界の活性化が損なわれる。特に電力会社というのは非常に大きな影響力を持っておるわけですね、産業界、財界において。そういうところがのんびりということになりますと、ちょっと例えて悪いですけれども、大相撲で横綱がのんびりしているようなもので、これじゃやっぱり全体がもうだめになっちゃう。そういう点から私は電力会社にやっていただかなきゃいかぬと。
 それで、今後電力会社も技術開発とかそれから投資もありますね、ケーブルの地中化をしていかなきゃいかぬとか、そういうふうな非常に厳しい条件が押しつけられてくるんですけれども、こういうエクスキューズがありますと、ついついこれもやらなきゃいかぬ、あれもやらなきゃいかぬから値上げしてくれというふうなことになりがちなんですね。これは実際に、もう民間の人間としたら当然そういうことは考えるわけで、私はしたがって糧道を断つという意味で、今後十年間値上げできませんよとなったら、明くる日から彼らも必死になって合理化やると思うんです。また、今の電力会社はそれだけの技術も知識もノーハウもあるから、やる気になればもう物すごい合理化が進むと思うんですね。したがって、行政改革じゃないですけれども、糧道を断つという意味でそういうふうに指導していただく必要があるんじゃないかと思うんですが、もう一度いかがですか。
#197
○政府委員(野々内隆君) 電力が地域独占であるという観点、それからすべての国民並びに経済についての基本的なエネルギーということから、どうしても料金認可制度というものは導入せざるを得ないというふうに考えておりますが、ただ、それにあぐらをかくということではもちろん許されないわけでございまして、地域独占ではございますが、隣の電力会社との間の料金格差というのは各社長とも大変気にいたしておりまして、やはりそれなりの合理化努力というのは行われていると私どもも判断をいたしておりますし、今後ともそうでなければならないというふうに考えております。
 今後とも電力会社が一層の合理化に努め、かつ変動いたします国際的なエネルギー情勢の中で、安定的なエネルギーの供給ということが可能になるように指導をし、また努力を要請していきたいと考えております。
#198
○木本平八郎君 それで、私が非常に心配しますのは、もう日本の今の経済の状況、先行きを見ますと、そう電力需要がふえないんじゃないか、頭打ちなんじゃないかと。そうすると、売り上げがもう頭打ちになってくるということですから、電力会社の経営も非常に厳しくなると思うんですね。したがって私は、この際、電力会社が本当に経営の合理化に踏み切らせるような、何か踏み板をやはり周りが用意してやるということも必要なんじゃないかと思うわけです。
 私は、これはこのままの状況で、長官のような御指導が厳しく続けばいいんですけれども、ちょっと指導が甘くなりますと、私は第二の国鉄になる心配があると思うんですよ。あれだけの設備を抱えていて、それから人員とかそういったこと。これは長官の管轄ですけれども、私はいつも毎回商工委員会で申し上げているんですが、石油会社が、やはり行政の指導の私はミスだと思いますけれども、そのためにリファイナリーが世界的な競争力を持てなくなっちゃった。したがって、ある程度のところでは厳しく彼らにやっぱり自決させるというか、対処させるというのが本当の愛情じゃないかと思うんですね。そういう点で、第二の石油リファイナリーにならないように、あるいは第二の国鉄にならないように、ひとつ長期的にお考えいただいて御指導いただく必要があるんじゃないか。
 実は私、こういうことを申し上げているのは、私の友達の、これは相当の電力会社の重役なんですけれども、彼ら自身が私のこういう意見にやっぱり賛成なんです。それは、そこでもしもそういう料金の枠をかけられると、これは必死になってやらなきゃいかぬ。それで、今だったら、やったら合理化できるし、社内も活性化できるということで、非常に彼らも内部にはやっぱりそういう危機意識を持っているのがおるわけですね。そういう点から、ひとつぜひそういう今後行政指導をしていただきたいということをお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思うんですが、できれば最後に大臣の何か御感想をいただければ……。長官でもいいですけれども……長官でいいです。
#199
○政府委員(野々内隆君) 実は今私ども、二十一世紀のエネルギーというのの勉強をいたしておりますが、その中における特徴は、需要家においてエネルギーの選択幅が広がるであろうということ、それから他方、エネルギー供給側において競争が激しくなるであろうという、この辺が一つのポイントになっております。
 例えば現在、電力は電力会社によって供給されておりますが、今後コゼネレーションあるいは燃料電池という形で、電力をガス会社、石油会社、電機メーカーと、こういうものが供給し始めるようになるし、また需要側においても、電力、ガス、石油というものを最も安い便利なものをその場で選択可能になるということで、エネルギー間の競争あるいはエネルギー供給者間の競争というものが非常に激しくなってくるであろう。そこで電力会社あるいはガス会社の経営のあり方というものも、現在よりもより厳しくなってくるであろうというのが一つの検討の流れでございます。したがいまして、今後そういう形でより競争的な体質を持った企業経営というものになっていかざるを得ないんではないかというふうに考えております。
#200
○木本平八郎君 終わります。
#201
○井上計君 もう既に、同僚議員から微に入り細に入りいろいろ質疑が行われて解明をされておると思いますし、私もほかの委員会へ行っておりましたから、重複する点もあろうかと思いますから、私も簡単に質問をし、また簡単にお答えをいただければ結構であります。大臣初め皆さん大変お疲れのようでありますから、早く切り上げることにいたします。
 最初に、警察庁にお伺いいたしますが、豊田商事事件の発生以来、あるいはその他の類似企業の悪徳商法が随分と問題になっています。詐欺罪あるいは出資法違反によって告訴や摘発が行われて、現在、警察庁大変御努力されておるようでありますが、最近の状況はどうなっておりますか。簡単で結構ですからお伺いいたします。
#202
○説明員(緒方右武君) お答えいたします。
 御指摘の商法につきまして警察がこれまで検挙した事例を幾つか申しますと、本年五月七日までに大阪府警が、大阪市のアド・インベストメント株式会社が主としてお年寄りを対象として金地金の預かり余名下に、五十九年夏ごろから昨年の秋ごろまでに数百人のお客から数億円の金を年四%ないし一二%の利益を支払う約束でだまし取ったものということで、被疑者四名を詐欺罪で逮捕しております。
 また、本年四月十八日、同じく大阪府警が、大阪市の大和信用債券株式会社が主としてこれもお年寄りを対象として金の取引を装い預かり金を募り、五十九年の春ごろから最近までに数百人のお客から十数億円の金を年七%ないし一五%の利益を支払う約束で受け入れ、出資法で禁止する預かり金をしたというもので、同社の本店等十七カ所を捜索し、現在捜査中のものがあります。
 また、本年三月十八日までに福井県警察本部で、日本実業株式会社が、主としてお年寄りを対象として金地金の預かり余名下に、五十八年春ごろから六十年夏ごろまで、五十数名から数億円の金を年一〇%の利息を支払う約束でだまし取っていたというもので、被疑者九人を詐欺罪で検挙しております。
 このほかにもありますけれども、大体お年寄り、主婦等が多くやられた事件が多いということです。
#203
○井上計君 依然としてそのような悪徳商法による事件が引き続いてあるようでありますが、警察当局は大変御苦労願っておることは十分承知をいたしておりますが、さて、そこで今審議中のこの法案、新法については、警察当局はどのような評価あるいは期待と言っていいですか、されておりますか、お伺いします。
#204
○説明員(緒方右武君) 今回の法律につきまして、いわゆる豊田商事由法等につきましては、従来にない規制になったんじゃないかと思っておりますし、本法律ができれば、新法で規制されるようなものについては厳正な法執行を行っていきたいと思っております。
 ただ、悪徳商法、悪徳業者というものは、そのときそのとき、悪知恵を働かして巧妙に法の枠を越えたことが予想されます。そのようなもので、我々としては、すべての悪徳商法を何とかして取り締まりをやっていこうと思いますけれども、なかなかうまくいかない面もあります。その際には、関係省庁と速やかに協議し、対策を立てていきたいと思っておりますし、また、警察としましては、消費者、特にお年寄り、主婦等弱い立場の人たちを守るためにも、今回の法律ないしはあらゆる法律を適用して、厳正に法執行をしていきたいと思っております。
#205
○井上計君 ちょっと念のためにもう一度お伺いしますけれども、まだまだこの新法が施行されてもさらに法の網をくぐっていく、あるいはちょっと言い方おかしいですが、さらに高度な悪質商法が出てくるであろう、そういうふうな懸念をお持ちであるからまだ十分ではない、今こういうふうな意味の御答弁ですか、どうですか。
#206
○説明員(緒方右武君) 現在予想されるものにつきましては、我々も通産省さんなりといろいろ協議しながら進めてきたんですけれども、ただ現在の消費者保護ないしそれから取引の自由という点を考えて、現在ではこれで十分と思いますけれども、ただ悪質者、犯罪者というのは、我々が予想もしないようなことをその都度その都度考えていくので、そういう点が懸念視されますけれども、ただ我々としては、関係省庁と十分協議しながら、それから早くそういう情報を入手し、早目に対処していきたいと思っております。
 ただ、こういう大型化になるような犯罪というのは、証拠隠滅等いろいろな難しい面がありますので、速やかな対処をしていく方針をとっておるところであります。
#207
○井上計君 わかりました。警察庁お引き取りいただいて結構であります。
 石川五右衛門が言ったように、「浜の真砂」と何とやらで、まずこれ、どんな法律をつくりましてもこのようなものがなくなることはなかろうと思いますし、またどんな取り締まりをしても、完全にそのような悪徳者を取り締まり、あるいは事前に防止することはもう不可能だ、こう考えますから、もちろんこれからもいろいろと警察当局も御努力願わなくちゃいけませんけれども、予想されるような場合には事前にいろんな面でまた予防策をお考えいただく必要があろう、こう思います。要望をしておきまして、お引き取りいただいて結構であります。
 それから、法務省にお伺いいたしますが、この新法が成立した場合、現在係争中のいろんな案件、民事案件あるいは刑事案件等々がかなりあると思いますけれども、それらについて悪影響を及ぼすというふうな議論があると、こう聞いておりますけれども、その点どうでしょうか。果たして悪影響があるのかどうか、そういう議論はあることは承知しておられると思いますが、その点ちょっとお伺いをいたしたいと思います。
#208
○説明員(濱崎恭生君) まず、民事関係から答弁させていただきます。
 豊田商事問題をめぐります被害者の方々から、豊田商事関係者に対する民事上の請求といたしましては、例えば会社に対しましては不法行為に基づく損害賠償請求であるとか、あるいは契約の無効等を理由にする支払った金銭の返還請求であるとか、あるいは取締役やセールスマンに対しましても不法行為等に基づく損害賠償の請求というようなことが考えられるわけでございまして、現実に、もうそのような請求訴訟が多数提起されているように伺っております。これらの請求が成り立つかどうか、裁判所で認められるかどうかというのは、この法律案が成立するかどうかにかかわりませんで、現在の民法とかあるいは商法とか、その規定及びその解釈によって定まってくるものでございます。
 それで、この法律案につきましては、所管の通産省から事前に相談を受けてその内容を承知しておりますが、この法律案が成立したからといって、現在の民法あるいは商法の規定の適用あるいはその解釈に影響を与えるということはないのではないかというふうに考えております。したがって、現在係属中の民事訴訟事件に悪い影響といいますか、被害者の方々にとって不利になるような影響を与えるという懸念は、理論的に考えられないとい。うふうに思っております。
#209
○説明員(原田明夫君) お答え申し上げます。
 今回の法案につきましては、私ども法務省の刑事局といたしましても、六省庁会議の一員ということもございまして、種々相談にあずかり、また意見も申し上げさしていただいたところでございますが、この法案につきましては、現実に社会でそれなりの需要があって行われているさまざまな営業活動あるいは経済活動につきまして、これまで格別の行政的ないし民事的規制がなされていなかったところを、消費者の保護という観点に立ちまして必要な規制をしていこうというものと承知しております。
 その限りで、現在各地の警察当局におきましては、豊田商事関係の事件も引き続き捜査しているところでございますが、この法案によって講じられている新たな規制とは別に、これらの行為につきましてはその行為当時の法律、具体的には刑法とか出資法でございますが、それらに触れるものがあるか否かという点に関しまして捜査をしているものでございます。そういう観点から、今回の法律の成立が、その現実に捜査しております事件の捜査処理に格別の影響を与えるものとは考えておりません。
#210
○井上計君 刑事案件並びに民事案件とも、新法によって係争中のものについては全く影響はない、こういうことを承りまして安心をいたしました。ただ、そういう議論がかなり私どものところにも方々から、あるところから寄せられておりますのでいささか懸念しておりましたが、承って安心をいたしました。法務省はどうぞお引き取りいただいて結構であります。
 それでは通産省に伺います。
 今、警察庁あるは法務省等から答弁がありました。その点については安心をいたしましたが、ところで、今あえて新法が必要とした理由についてはわかります。ただ、法案では預託等取引契約というふうな形で規制対象を定義をしておりますけれども、じゃなぜ現物を渡さない取引全般にわたって規制するという方法がとられなかったのかどうか、若干それ疑義があるわけであります。特に最近は、豊田商事のようないわば悪質なといいますか、非常に各方面で表面化しない面まで随分とふえております。同時に、新聞広告、チラシ広告等々見ますと、連日のように、レジャー施設等の利用権といいますか会員権、あるいは従来からありますけれども、ゴルフ場、ゴルフ権も言えば預託制度であろうと、こう思いますし、そのほかマンション投資なんというのが随分とふえておるようでありますが、そういうふうなものは今度の新法との関係といいますか、対象といいますか、それはどうなるんですか、ちょっとお伺いしたいんですが。
#211
○政府委員(松尾邦彦君) 確かに最近、この種の悪徳商法と申しますか、いろいろな資産形成のための手段としての商法は多種多様にわたってまいっているわけでございます。それで、私どものこの法律案では、政令に定める物品のほかに施設利用権も対象にいたしているわけでございます。
 したがいまして、施設利用権の中には、今先生がおっしゃいましたレジャークラブあるいはゴルフ会員権も当然政令で指定する対象になり得るわけでございますので、特にこの中でもゴルフ会員権につきましては、鹿島商事という豊田商事のグループの中で大きな被害を生んだという経緯もございますので、私どもとしましては、法律制定の暁にはすぐ政令の指定をいたしてまいりたいと考えておりますが、その他の品目につきましても、被害の発生の可能性のあるものについては機動的に政令指定をいたしたいと思っております。
#212
○井上計君 特に、今から二十年ぐらい前でしょうか、ゴルフ場等については、ある程度集めてそのままゴルフ場も何もつくらないで倒産したとかというようなケースが随分ありました。最近は余り聞いておりませんが、やはりあるようでありまして、これからますますふえていくんではなかろうかと思いますから、そういう面についての十分なる行政指導、監督というものがますます必要になってくるであろうと、こう思います。ただしかし、余り行き過ぎますと、善意なといいますか、まじめな業者が逆にそれで過剰規制をされて、また問題が起きるというふうな面、大変難しい問題もあろうかと思いますので、この点についても十分配慮が必要であろう、これは要望しておきます。
 それから、経企庁にお伺いしますけれども、いずれにしても、先ほど申し上げているように、石川五右衛門が言ったとおりであります。これからも、いずれにしても人間が生存する限り欲は限りがありませんし、また次々と我々が予測できないような新しい商法が誕生するわけでありますから、消費者とのトラブルは今後とも続くであろう、どんな法律をつくろうと、どんな指導をしようと、どんな監督をしてもトラブルがなくなることは絶対あり得ない、こう考えるんですが、しかし、できるだけそのトラブルをなくしていくために、やはりいろんな努力が必要であります。それについて経企庁は、従来からもこれらの消費者等に対していろんな指導はしておられますけれども、今後もっと啓蒙指導が必要であろう、こう考えますけれども、今後どのような啓蒙指導をお考えになっておるのか、これは経企庁の所管であろうと思いますから、お伺いをいたします。
#213
○説明員(里田武臣君) 最近特にふえてまいりましたのが、御指摘になっております資産形成に関する悪質な取引でございまして、私どもは啓発ということについては非常に、特に悪質な取引に重点を絞りまして啓発活動をやっているというところでございます。
 ただ、対象になりますのが意外と老人が多いということでございまして、そのために私どもも、できるだけそういう老人の福祉機関と連携を非常に密にして提携をしておるのでございますけれども、今回感じますのは、豊田商事の場合も、地域の人なり家族なりが温かく老人を見守っておられるところは、割とそういう被害に遭っていないのでございますが、老人が孤立しているところというのはやはり被害に遭っているということが非常にございました。
 そういうことで、私どもは家族の連携といいますか、コミュニティーといいますか、そういうものは特に都会を中心に最近非常になくなってきて、それが今日の大きな問題でもあるわけでございますけれども、こういう問題をもう一度基本からよく見直していかなければいけないんじゃないかと思います。それで、ことしは「消費者の日」のテーマを、消費者の連帯ということを大きなテーマにいたしまして、こういう面についても力を入れていきたいというぐあいに思っております。
 それからもう一つは、やはりこういう資産形成の問題というのは、日本の場合まだまだ歴史が浅くて、国民の間にもなかなかそういう知識はございませんけれども、こういう問題は、アメリカの事例を見ましても、やはり学校段階からこういう教育をしていくということが必要ではないかというぐあいに思いまして、その手始めに、私どもの消費者政策部会でも、現在学校における消費者教育のあり方を御検討いただいておりまして、いずれこういう成果を踏まえまして文部省にもよくお願い申し上げたい、こういうぐあいに考えておるわけであります。
    ―――――――――――――
#214
○委員長(下条進一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 ただいま岩本政光君が委員を辞任され、その補欠として林健太郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#215
○井上計君 今、経企庁から資産形成等について、これはやはり学校の教育の段階からと、こういうお話がありました。全くそうであろうと、こう思います。特にこれから高齢化社会がますます進んでいく、お年寄りが、言えば将来いつまで自分が生きていくのであろうか、同時にまただれにも頼らないで余生をさらに安楽に全うしていきたいというふうな願いがますます強くなってきますと、どうしてもやはり資産形成を強く考えます。ところが、余り十分な知識がありませんから、ついうまい話に乗っかっていって被害が起きるということがある。今後もそういうふうなことが多くなっていくんではなかろうか、こう考えます。
 先日も私のある知り合いのお年寄りが、今幾ら幾らお金がある、しかしこれだけでは、これからまだあと十年、十五年生きていくについては不安である、だからこのお金とこれから入ってくる年金で、自分が十年、十五年、二十年生きても何とかなるようなそういう施設に入って、安心して人生を終わりたいというふうな、相談ではありませんが、そういう希望があるんですね。そういう人がますますふえてくると思うんです。ですから、ある意味で私は、国の施設としてそういうふうなものをもっとこれからつくっていくということも、こういうふうなことの予防のためにぜひ必要ではなかろうか。
 現在、個人であるいは若干の地方自治体で、あるいは財団法人等々がそういうふうなものをつくっている施設がありますけれども、もっと積極的に間がいわばそういうふうな資産を預かって、そうしてそういうふうな施設をつくって、お年寄りが安心してそこで余生を送れるようなものを考えていく必要が今後あるんではなかろうかなという感じを、特に最近強くしておるわけでありますから、これは経企庁の所管あるいは通産省の所管ということじゃありませんけれども、そういう面についても今後連絡される各省庁間の中でそんなこともひとつお考えをいただいて、国の政策として立てていただく必要もあるんではなかろうかと、こう思います。
 そこで最後に、大臣に、今の私申し上げました意見等含めて、いずれにしてもこれからもっと周知徹底を図って、このようないわば悪徳商法がはびこらぬようにしなくちゃいけませんし、悪徳商法自体がどんないいことを考えても勘定に合わぬということになればやらぬわけですから、そういうことのために取り締まりも十分やっていかなくちゃいけないと、こう思いますけれども、大臣、今私が申し上げた、国が、これはすぐの問題じゃありませんけれども、お年寄りが安心して余生が送れるような、いわばそんなふうな悪徳商法の甘言にだまされないような、そんなふうな何か施設をやっぱり岡が積極的に取り上げていくというふうなことも考える必要な時期に来ておるんではなかろうかと、こう思うんですが、特に的確な御答弁でなくてもいいですけれども、大臣がこれから資産形成等についてどういうふうなことを考えることが必要であるか、その他お考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
#216
○政府委員(福川伸次君) 確かに今何御高齢の方が被害に遭われたということでございまして、これについては、既にいろいろ木本委員からも御議論ございましたように、やはり先行きの不安をなくすということは一つであろうと思います。それから、企画庁の方からも御答弁がございましたように、やはりいわゆるコミニュティーあるいは家庭というようなものでの相互扶助ということも非常に重要なポイントであろうと思います。
 もちろん、老人の生活を送るいろいろな仕方というのは、これはまたいろいろ多様な手段が必要であろうと思います。例えばアメリカなどでも、いわゆるシルバーポリスというような形で、ある程度働きながら、あるいはまたコミュニティーを形成しながら過ごすというような動きもあります。したがって、いろいろといろんなものが、多様な問題が出てくると思いますが、まずとにかく、これはこれとして私どもとしても厳正な運用をいたしますとともに、老人が不安をなくしていくということについて、社会全体の問題として考えていかなければならぬと、そういうごく一般的なことで恐縮でございますが、そういう感じは持ちます。
#217
○国務大臣(渡辺美智雄君) 質問の御趣旨がよくわからぬのですが、老人の保護対策として、寝たきり老人は病院が収容するし、今考えられているのは中間施設というのを一つ考えておって、ぼけ老人ですな、体は丈夫で、病気じゃないんだけれども、精神病ではないし、精神病院には入ったがらないというので、厚生省で考えているのは中間施設、老人ホームでもない、病院でもない、どちらかというと少しぼけた老人を収容する施設というのが、これはまじめに武見さんの時代から検討されているのが一つございます。まだ実現はしておりませんが、私は一つのいい構想であると。しかし、そのことがこの悪徳商法に直接つながるかどうか、これはわかりませんけれども、やはりいろんな老人クラブ等を通して、やはりそういううまい話ばかりはないんだということを、社会教育というものは生涯教育としてしていくことがやっぱり一番手っ取り早い。それから、それにもかかわらず組織的に根強く詐欺まがいの商法を継続するものは、こういう法律で早目にチェックするということ以外にはない。なかなか絶無を期すといってもそれは困難かもしれませんが、最大限の努力をしてまいりたいと考えます。
#218
○井上計君 大臣、私が抽象的な質問の仕方をしたんですけれども、じゃもうちょっと具体的に申し上げますと、熱海であるとかその他温泉場等々で、最近立派なマンション風のものをつくっている。そうして、そこで幾らかのというか、かなり高額の、マンション買い取りもありますけれども、そうでなくて利用権ですか、そのようなものを取って、そしてそこで夫婦なら毎月幾ら、あるいは単身なら幾らということで、永久にそこで面倒を見ると、死ぬまで。そうして、ちゃんと専属の医者がいて、看護婦がいて、給食から一切やる。こんなふうな施設が最近大分できつつありますね。そして大分募集していますね。
 だから先ほど大臣言われたのは、老人ホームそれから中間の、体は元気だが頭がぼけてきたという、これは国なり地方自治体の施設でやるべきですけれども、そうでなくて、体も健康である、精神的にも健康である、ある程度の資産を持っておる。しかし、だからといって、その持っておる資産とこれからの年金等の収入だけで自分がこれから生きるのが、夫婦が、あと五年とか十年とか限られておればいいですけれども、そうでなくて、いつまで生きるかわからないという、あるいはいつまでも生きたいというみんな願望を持っていますね。それが現在のままではなかなか十分でないからというので、若干でも持っている資産をふやそうというところに欲が出てくるから、悪徳商法にひっかかると、こういう問題もあるわけです。
 だから、それを私は今民間の、必ずしもこれがまた善良な人ばかりがそういうものをつくるとは限りませんので、そういう面で悪徳的なものが出てくるとこれまた大変なことになる。せっかく入っても途中でつぶれるとか、無理な経営を、無理な資金集めをしておるから続かなくなって途中でパンクして、せっかく高い金を払って、保証金を払って入った人が、保証金返してもらえなくて追い出される。事実そういうケースが一、二ありますよね。そのような今申し上げたようなものを、採算が十分とれれば私は国が施設として考えていくことも将来考えたらどうであろうかと、こういう思いつきみたいな提案ですけれども、そういう意味で申し上げたわけですから、今何もすぐお答えをどうとかじゃありませんが、やはり今後そういうことを国が考えることも私は必要な時期に来ておるであろう、こういうことで申し上げたということであります。特に御答弁は要りません。
 以上で終わります。
#219
○委員長(下条進一郎君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#220
○委員長(下条進一郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#221
○市川正一君 私は、日本共産党を代表して、特定商品等の預託等取引契約に関する法律案に対し、反対の討論を行います。
 今回の豊田商事に代表される悪徳商法による被害は、はかり知れない甚大なものであり、しかもまだ、被害者は家庭の主婦やひとり暮らしの老人など、社会的弱者がその過半数を占めるなどを特徴としております。
 被害をここまで大きくした原因は、我が党の四年以上も前からの規制要求をも無視し、政府が現行出資法等による対処を怠り、悪徳商法を野放しにしてきたことにあり、反対討論に当たって、私は政府の責任を厳しく糾弾するものであります。
 そこで、今回政府がこうした悪徳商法を規制するとして提出された本法案でありますが、規制の内容は甚だ実効に乏しいものであるばかりか、悪悪商法を助長するおそれさえあり、反対であります。
 その理由の第一は、行為規制自体不十分な上に、政令で指定された商品等以外は本法案の対象とならないことから、新手の商品による悪徳商法は野放しになる危険性すらあるからであります。
 第二に、勧誘行為の規制が不十分であり、また、不当な行為の禁止についても、威迫する言動のみが対象になっておりますが、被害の実態から見れば、そのほかにも長時間あるいは深夜に及ぶ居座り、執拗な勧誘なども規制しなければその効果を上げ得ないからであります。
 第三に、クーリングオフ経過後の解約について、高額な違約金の請求を認めている点であります。
 質疑の中でも明らかにしたように、受託業者は、この間現に運用して利益を上げているのであり、違約金の必要はありません。かえって、違約金それ自体を目当てにした悪徳商法が横行する危険性すらあるからであります。
 第四に、参考人意見の中にもあったように、本法案の成立が、現行出資法などをもとに訴訟などで闘っている被害者、弁護団の活動に悪影響を及ぼすおそれがあるからであります。
 問題点は、これらに尽きるものではありませんが、本法案の成立によって、悪徳商法が規制されるどころか、新たな被害が発生するおそれさえあることを指摘し、反対討論を終わるものであります。
#222
○委員長(下条進一郎君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#223
○委員長(下条進一郎君) 御異議ないものと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 特定商品等の預託等取引契約に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#224
○委員長(下条進一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、梶原君から発言を求められておりますので、これを許します。梶原君。
#225
○梶原敬義君 私は、ただいま可決されました特定商品等の預託等取引契約に関する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、サラリーマン新党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    特定商品等の預託等取引契約に関する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法施行に当たり、消費者保護に万全を期する見地から、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一、本法運用の徹底をはかるため、消費者行政窓口等を通じ、預託等取引契約の実態の把握に極力努めるとともに、本法違反の防止に遺憾なきを期すること。
 二、預託等取引契約の今後の動向を把握し、悪質な取引を実質的に禁止するとの立法趣旨が全うされるよう、政・省令の見直し等につき、随時適切な検討を加えること。
 三、預託等取引契約による被害を防止するため、老人を初めとした消費者に対し、業者の手口等を周知徹底するなど、きめ細かな啓発と情報の提供に努めること。
 四、本法の制定は、出資法違反行為や無許可信託業務を容認するものでないことにかんがみ、今後ともこれらの違法行為には厳正に対応すること。
 五、訪問販売法等訪問販売をめぐる消費者保護のための諸施策に関し、引き続き消費者被害の実態把握に努め、施策の充実を期することとし、特に連鎖販売取引類似取引及び役務提供に係る諸問題について早急に検討を進めること。
 六、最近の社会情勢の変化にかんがみ、今後新しく出現すると予想される多様な取引形態について、消費者保護に遺漏なきよう、関係省庁間の協力を強化し、実態の把握に努めた上、適時適切な対策を講ずること。
 右決議する。
 以上です。
#226
○委員長(下条進一郎君) ただいま梶原君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#227
○委員長(下条進一郎君) 全会一致と認めます。よって、梶原君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、渡辺通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡辺通商産業大臣。
#228
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重して、本法案の適切な実施に努めてまいる所存であります。
#229
○委員長(下条進一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#230
○委員長(下条進一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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