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1985/04/08 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 社会労働委員会 第6号
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1985/04/08 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 社会労働委員会 第6号

#1
第104回国会 社会労働委員会 第6号
昭和六十一年四月八日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月三日
    辞任         補欠選任
     福間 知之君     対馬 孝且君
     佐藤 昭夫君     神谷信之助君
 四月四日
    辞任        補欠選任
     神谷信之助君     佐藤 昭夫君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩崎 純三君
    理 事
                大浜 方栄君
                佐々木 満君
                高杉 廸忠君
                中野 鉄造君
    委 員
                石井 道子君
                石本  茂君
                斎藤 十朗君
                関口 恵造君
                田中 正巳君
                前島英三郎君
                糸久八重子君
                和田 静夫君
                中西 珠子君
                佐藤 昭夫君
                藤井 恒男君
                下村  泰君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  今井  勇君
   政府委員
       大蔵省理財局次
       長        足立 和基君
       厚生大臣官房総
       務審議官     北郷 勲夫君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部長  森下 忠幸君
       厚生省年金局長  吉原 健二君
       社会保険庁年金
       保険部長     長尾 立子君
       兼内閣審議官
       労働大臣官房審
       議官       稲葉  哲君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        此村 友一君
   説明員
       大蔵省主計局共
       済課長      坂本 導聰君
       大蔵省主計局主
       計官       中島 義雄君
       大蔵省理財局資
       金第一課長    石坂 匡身君
       厚生省年金局資
       金課長      丸山 晴男君
       自治省財政局交
       付税課長     遠藤 安彦君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正す
る法律案(内閣提出)
○年金福祉事業団法及び国民年金法等の一部を改
 正する法律の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○環境衛生金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫
 法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岩崎純三君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る三日、福間知之君が委員を辞任され、その補欠として対馬孝且君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(岩崎純三君) 廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案並びに年金福祉事業団法及び国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の両案を便宜一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○和田静夫君 きょう、廃棄物処理問題全般にわたって、まず厚生省の見解を尋ねていきたいと思うんです。
 廃棄物問題、言いかえればごみ問題、私は、今日の産業社会の根本問題の一つであるとまず認識をいたします。単なる目先の短期的な観点から対策を講ずるべきではないだろう。百年の計をもって対処すべき課題だろう。ということは、ごみ問題は、社会における一切の生産物がごみとして廃棄されるからであります。生産と消費のあり方がすべてそこに反映をされて、生産と消費のすべての問題点がそこに集約をされると考えなければなりません。そして、ごみは、大気や水や土壌に堆積されていくのでありますから、私たちの子や孫の世代の環境にも重大な影響を及ぼす。例えば水銀は、現在の排出量が人体に影響を与えないもので仮にあったとしても、それが長期にわたって排出をされ続ければ、これはいつの日か取り返しのつかない事態を生むことはもう明らかであります。
 したがって、私は、ごみ問題を長期的な観点からとらえなければならない重要な今日的課題である、そういうふうに考えますが、この認識について、まず大臣の認識を伺いたいと思います。
#5
○国務大臣(今井勇君) 私も、全く今の御意見には同感でございまして、非常にショートスタンスと申しましょうか、極めて当面の対策というものだけでなくて、将来を見越した対策を講ずべきであるということにつきましては、先生のおっしゃるとおりだと思っております。
#6
○和田静夫君 そこで近年、国民生活の向上及び多様化、並びに産業社会の変化、そういうものに伴いまして、一般廃棄物も多様化をしてきています。廃棄物によっては適正な処理の困難が議論されるようになってきておるわけでありますが、どのようなものを適正な処理が困難なものであると厚生省は認識をされていますか。
#7
○政府委員(森下忠幸君) 今のところ、個別、具体的には申し上げる段階にはございませんが、つまり、一般廃棄物の方から申し上げますと、市町村の通常の廃棄物の処理事業の中で、技術的に処理できないもの、あるいは処理いたしますために大変コストがかかるというものは、適正処理が困難であるというふうに理解するわけでございます。
 そこで、この適正処理困難物につきまして、今後の廃棄物処理行政の基本的な考え方というふうなことで、五十八年に生活環境審議会の方から御答申をいただいておりますが、その中で「適正処理の推進」というのは大きな柱だということでございますので、直ちに生活環境審議会の中に適正処理専門委員会というものを設けまして、そこでいろいろと検討しております。
 その中では、廃棄物の適正処理に関して生じた問題に対する具体的な対応措置に関する事項とか、事業者による自己評価の円滑な実施ができるようなガイドラインをつくるというふうなことが御提案されておりまして、これに沿って今いろいろと作業を進めておるところでございます。
#8
○和田静夫君 いや、私は、適正な処理の困難なものとはどういうものを指しているのかということを伺っているんですよ。
#9
○政府委員(森下忠幸君) でございますから、今のような手続でいろいろと検討してまいりますが、直ちに考えて、今思い浮かぶものといたしましては、廃棄物に含まれますものの中で、除去とか無害化の困難な有害物質を持っている、あるいは環境汚染物質、あるいはその原因物質を含有しているものということで、主として化学的、生物学的な性状を有するものということがありまして、PCBのたぐいなどはそれでございますし、あるいはある種のプラスチックごみも考えられる場合もございます。それからもう一つ、非常に廃棄物の重量が重い、あるいは容積が大きいということで市町村の清掃事業で対応できないようなもの、大型の家庭電気製品とか、こういったものが考えられますし、もう一つ、市町村の清掃事業の中で、危険が生じる、爆発するおそれのある例えばガスボンベのたぐい、こういったものは、ただいまの段階でも一応適正処理が困難な廃棄物というふうに考えられるのではないかと思っております。
#10
○和田静夫君 そこで、適正な処理の困難な廃棄物について、現行廃棄物処理法というのはどうすべきだと規定をしていますか。
#11
○政府委員(森下忠幸君) 適正な処理の困難な廃棄物についてでございますが、廃棄物処理法第三条の中に「事業者の責務」というのがございます。ちょっと詳しくなりますが、その第一項の方が、「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。」というのがありまして、その次に第二項でございますが、ここに御関連の表現がございます。「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物の再生利用等を行なうことによりその減量に努めるとともに、」、その次でございますが、「物の製造、加工、販売等に際して、その製造、加工、販売等に係る製品、容器等が廃棄物となった場合においてその適正な処理が困難になることのないようにしなければならない。」、抽象的でございますが、このような規定がございます。
#12
○和田静夫君 この規定に基づいて、事業者は具体的にどういうような責務を持っていると考えられますか。
#13
○政府委員(森下忠幸君) お答えいたします。
 この規定に基づきまして、事業者、製造業者もありますし、下りまして、いろいろ使う人あるいは市町村という流れになるわけでありますが、事業者は、とにかく自分のつくりました製品は、いつかは廃棄物になるわけでありますから、その廃棄物になりました場合に、先ほど申しましたような現状の処理技術、あるいは現状の処理体系で処理が困難になるようなものをつくってはまずい、困るということでございます。
#14
○和田静夫君 従来から、製品等の製造に際して、当該製品等の目的、機能を中心に、効率性、安全性、衛生性、経済性等に関する評価、これは実施されてきましたが、一般に廃棄物処理の困難性については十分に評価されてこなかったのではないだろうか。したがって、処理困難性の低下を目的とした製品等の改善も行われてこなかった。そのための行政指導も行われてこなかったのではないだろうか。
 よって、廃棄物処理法三条二項に基づいていかなる行政指導を行ってこられたのか、具体的にひとつ挙げてください。
#15
○政府委員(森下忠幸君) 例えば使用済みの乾電池などにつきましては、市町村が集めました後、先生申しましたように、将来にわたって影響が出ないように、水銀の量を低下させるというふうなことで指導し、着々とその効果を上げておるところでございますが、仰せのとおり、事業者の責務につきましての三条二項の規定がかなり抽象的でございますから、これを事業者が、自分でつくります製品がやがて廃棄物になったときに清掃の段階でどのような影響が出るか、そういうことをみずから判断できるような、言うならば自己評価ガイドラインというものをつくろうということで、ただいま作業に当たっているところでございます。
#16
○和田静夫君 法第三条二項は、これは訓示規定にすぎません。したがって、事業者が適正処理困難物であると認識をしていても、何ら規制もされないわけです。当然のことながら罰則もない。私は、せっかく三条二項において事業者責任をうたっているのでありますから、その趣旨を生かして、法律を強化していくべきだろうというふうに考えますが、さしあたっては、法律改正を展望しながら行政に法の趣旨を生かす、そういうように改善強化をしていく、そういうことが必要だと考えるんですが、大臣、いかがですか。
#17
○政府委員(森下忠幸君) この趣旨を踏まえて事業者にそれぞれ役割を分担していただくということになりましても、とにかく物差しがないということではどうにもしようがないわけでありまして、まず、技術的にそういった先ほど申しました自己評価のガイドライン、こういったものをつくるということをただいま進めておりまして、これに基づいて事業者はそれなりの努力をしていただくというところからスタートしたい、このように考えております。
#18
○和田静夫君 従来、こういった適正処理困難廃棄物問題について取り組みが非常におくれていたと考えますが、どういうような解決策を今後講じていかれるお考えですか。
#19
○政府委員(森下忠幸君) 先ほどもちょっと申し上げましたが、生活環境審議会の方で専門委員会からの御報告がありましたものですから、まず当面、自己評価のガイドラインをつくりたい。そのためには、私どもももちろんいろいろ調査をいたしますし、それから御専門の先生方の御意見をちょうだいするということで、先般、生活環境審議会の中に廃棄物調査専門委員会というものをつくったわけであります。この中で、ガイドラインといいましても、事業者が、製造業者が見て十分自分で判断できるようなものでなければなりませんから、ガイドラインに織り込むべき評価項目あるいは評価の方法、評価の尺度、これは御要望があれば後ほど御説明いたしますけれども、こういったものの技術的内容について、今いろいろと詰めておるところでございます。
#20
○和田静夫君 そのガイドラインのつくり方ですね、そういう構想は。
#21
○政府委員(森下忠幸君) まず、このガイドラインは、廃棄物が集まり、廃棄物の処理の流れ、保管から始まりまして収集、運搬、焼却等の処理あるいは最終埋め立ての処分、こういう流れの中で問題が出るか出ないかということで評価をしていく必要があるかと思います。
 評価項目でございますが、例えで申しますと、この流れの中で問題になりますのは、出ました廃棄物が非常に散らかりやすいものかどうかとか、あるいは家庭でまとめて出すことがやりやすいのかやりやすくないのか、あるいは運搬しやすいのかしやすくないのか、あるいは焼却場へ持っていって焼却する場合に問題がないかどうか、あるいは前処理として廃棄物を破砕することについて問題はないかどうかとか、燃やした後の排ガスの問題がないか、あるいは排水について処理ができるのかできないのかというふうなところでまず項目を拾い上げたいと思っております。
 それから、その次に問題となります廃棄物の持っております特性、属性といいましょうか、こういったものについてさらに絞っていく。つまり、生産量がわずかなものでしたら清掃事業の上では問題にならないわけでありますが、これが大変大量につくられるものであるかどうか、そしてそれが寿命がそう長くせずして廃棄されるのであろうかどうか、それから廃棄物としてどこで発生するのかというふうなこと、それから、場合によっては重量が単位当たりどのくらいであるか、あるいは爆発性があるかないかというふうなことも項目として取り上げていきたいと思っております。
 そうして、その次に今度は、そういったものからそれぞれの廃棄物が実際清掃サイドから見て処理が困難であるかどうかというものを評価するための調査をひとつ研究していかなきゃならぬだろう。調査方法を研究し、明らかにしなきゃいけないだろうと思っております。それは、先ほど申しました廃棄物の発生量の予測の問題もありますし、それから廃棄物に含まれますいろいろな物質の、含有の分析の問題もありますし、それから焼却その他の処理が可能であるかどうかの試験もしなきゃなりまぜんし、さらには、製品がそういった面から改善の可能性があるかどうかというふうな研究もしなきゃならぬということで、それぞれの問題となります廃棄物について点数をつけていこうと。
 最後に、そのつけました点数を評価することを考えなきゃならぬ。この評価でアウトになりますと、やはりこれは清掃事業の方から見て好ましくない製品であり廃棄物であるというふうに思わざるを得ないわけでありますが、最後の評価の段階では、その製品が廃棄物になった段階で市町村の清掃事業において技術的に対応できるのかどうか、市町村の清掃事業で処理コストの面で十分対応できるのかどうか、あるいは、もろもろの環境等の規制がございますが、これについて規制基準をクリアできるのかどうか、安定して処理ができるのかどうかというふうなことを最後に評価いたしまして、製造側でもって、これはどうもこういう製品を今直ちに世の中に出すには不適当だというふうなことであれば、それはやめていただくというふうなことを考えているわけでございます。
#22
○和田静夫君 今の最後の評価尺度の方法とでもいいますか、これは具体例を挙げて何か説明できますか。
#23
○政府委員(森下忠幸君) 今お尋ねのありましたのは、評価の尺度だと思いますけれども、今私がるる申し述べましたのは、これは、ただいま御審議いただいております専門委員会の方でまだ御検討に入る前の段階の、私どものドラフトといいましょうか、調査研究の結果でございまして、この尺度の問題が一番難しい問題でございます。つまり、技術的対応性、処理費用、それから規制等の遵守可能性、安定した処理ができるかどうか、あるいは場合によっては、この研究会にはいろいろな経済関係の学者の方も入っておられますから、社会的公平さというふうなものも議題になるのではないかと思っておりますが、尺度の例といたしましてはただいまのようなものを考えております。
#24
○和田静夫君 何といいますか、評価尺度の設定の方法とでもいいますかね、そういうようなものを具体的にはどういうふうにお考えですかね。
#25
○政府委員(森下忠幸君) これは今、尺度の項目を羅列しただけでございまして、それを数値化するというふうなことにつきましては、実はこの専門委員会が去る三月二十七日にスタートしたところでございまして、この辺につきましてはこれからじっくり専門の方々に御審議いただこうと思っておるところでございます。
#26
○和田静夫君 今までのような、廃棄物処理困難性の自己評価が今言われたような形で行われていく、また処理対策が講じちれるとしましても、処理主体の市町村などの関係者、これからこういった廃棄物を適正に処理することが困難であると指摘をされる、また関係者の責務と役割をめぐる議論、そういうものがたくさん生ずる可能性というものが想定されますね。そういうような場合にどういうように対処されますか。
#27
○政府委員(森下忠幸君) 実は、今回三月に設置いたしました廃棄物調査専門委員会と申しますのは、二つの大きな任務をお願いしておるわけでございまして、一つが、ただいま申しました、事業者がみずからつくりました製品が廃棄物になった場合に、それが円滑に処理できるようなガイドラインをつくるということが一つでございます。
 もう一つは、今申しましたようなガイドラインに即して事業者がいろいろな物をつくったとか、あるいは現在出ておる物について廃棄物処理の上でいろいろなトラブルが出てきたというふうな場合に、廃棄物の適正処理に関して生じましたいろいろな問題に対しまして、具体的にどうしたらいいかというふうなことをこの委員会で、これは経済学者も入っておりますし、工学系の学者も入っておりますし、消費者団体の方も入っておりますし、また実際に清掃の現場で働いておられる方々の代表の方も入っておりますし、それから製造サイドの方も入っておられる、こういった方々の集まりで十分議論をしていただいて、ここで一つの方向づけをしていただこうと、このように考えて設置したものでございます。
#28
○和田静夫君 その委員会あるいはこの専門委員会報告書による調査会、今言われている委員会というのは、その専門委員会報告書に言われる調査会を指しているわけですね。
#29
○政府委員(森下忠幸君) さようでございます。
#30
○和田静夫君 そうしますと、この調査会を設けるということは私も評価をいたしますが、その設置主体なんですが、これは市町村をも想定するといいますか、そういうふうに理解しておいていいんですかね。
#31
○政府委員(森下忠幸君) さっき申し落としましたが、市町村の清掃事業の責任者の方も数名入っておられます。
#32
○和田静夫君 いや、私の言っているのはそうじゃなくて、設置主体は市町村をも想定しているということでいいんですか。
#33
○政府委員(森下忠幸君) ただいま申しました専門調査会は、厚生大臣の諮問機関でございます生活環境審議会の中につくりました専門委員会でございます。
#34
○和田静夫君 そこなんですがね、例えばこの報告書八ページですが、「これらへの対応は、国及び必要に応じ市町村等において行われるべきものであり、」となっているんですよ。「そのために」云々ということになっていましょう。「学識経験者、市町村、関係業界、消費者代表等より構成される調査会を設置することが適当である。」と。そうすれば、国の段階で今言われていることについて私は評価をいたしますが、市町村でも同様のものがつくられていつでもおかしくはないし、つくられるべきでしょう。そのことを私は問うているんですがね。
#35
○政府委員(森下忠幸君) 今、国の方が先にやっておりますのは、ガイドラインというふうな極めて技術的なところがスタートのところであったわけでありまして、これに基づきましていろいろと問題も出てまいりましょう。それはもちろん国でもやりますし、仰せのように、地方でこのような問題が生じてくるという場合には、必要に応じまして地方におきましても同じような趣旨の調査会なり専門委員会なりをつくることは適当だと考えております。
#36
○和田静夫君 この調査会は、関係業界が出席を拒むことも考えられますね。考えられるというか、想定されますよ。そういう場合、これは大臣、どういうことになりますか。
#37
○政府委員(森下忠幸君) 私は、関係業界がここに出てこないということが、それ自体が関係業界にとって不利なことになると思いますから、出てこないということは考えておりませんし、また、その上部団体でありますいろいろな経済団体を通じましてこのようなことについて御理解を図っているところでございますから、そのような心配はただいまのところしておらないわけでございます。
#38
○和田静夫君 いや、私の方が心配することじゃなくて、あなた方の方が実は心配されて、そういう想定を置くべきだろうと思うんですがね。全然心配ないですか。もし出てこなかった場合、どうされますか。
#39
○政府委員(森下忠幸君) 昭和五十八年にこの専門委員会をやりましたが、この段階では、やはり問題となっておりました廃棄物、プラスチックとか電池とか、こういう関係の方々も、渋々ではあったかもしれませんけれども、出ていただきまして、何遍も申しますけれども、現在の考え方の中では、こういった会に出てこないということによる社会的な影響の方が私は大きいと思いますから、私は当然出ていただけると思っておりますし、そうでない場合には、もちろん国の方からも業界並びに業界の上部団体に対して十分働きかけをいたしたい、このように考えております。
#40
○和田静夫君 私は想定できますが、さらにもっとあるべきケースとでもいいますか、そういうものを考えてみると、事業者に調査会が製品の組成や製造方法など「調査審議に必要な情報の提供を求める」、そういうふうにされていますね。これを企業が、いや、それは企業秘密だと、企業秘密を盾にとって拒否するケース、そういう場合も想定されますね。いかがですか。
#41
○政府委員(森下忠幸君) 非常にレアなケースとして全くないとは申せませんが、しかし、廃棄物となりますものが製品のほとんどの部分がなるわけでございますから、私どもにとっても、製造方法などについてのノーハウみたいなものについて若干製造側でお漏らしにならないということでありましても、製品そのものにつきましては、私どももいろいろな調査あるいは関係省庁からの情報によって、その物がいかなる性状であるか、いかなるものを含んでおるかというふうなものにつきましては十分フォローできるわけでありますから、そういうことをもって事業者が内容について公開することを拒否するということは私はないと考えております。つまり、製造方法とか製造プロセスとか、どのくらいの効率で、どのくらいもうけて安くできるのかというふうなところについては恐らく出したがらぬと思いますが、物そのものにつきましては、そういう情報は別にもとれますし、必要があれば私どもで分析もできるわけでございますから、そのようなことは業界はしないと考えております。
#42
○和田静夫君 それでは、そういう場合には製造販売を許可しない、あるいは差しとめる、そういうような措置はとられるわけですか。
#43
○政府委員(森下忠幸君) これは、その根底にありますのがこの第三条第二項でございますから、これはそういった強制力は伴いません。したがいまして、これはあくまで事業者の自主的な責任においてそういうものをつくっていただかないということ、あるいはそういうことがまた社会的に広く知られるということによって、みずから製品の製造を自粛していくことになるだろうというところを期待しておるわけでございまして、そういう意味では、この三条二項というのは、昭和四十五年当時、大変苦心して入った条項でございますが、これにこれ以上強制力を持たせるというのはなかなか難しいのではないかというふうな考えがいたします。
#44
○和田静夫君 今、私が申しましたようなことが想定されますから、冒頭、三条二項が訓示的規定であってという話をしたわけですね。
 そうすると、事業者が企業秘密というようなことを層にとって拒否した場合にも、少しも強制力を持たない、社会的な審判を待つだけだというようなことでは、実効性が上がらないんじゃないですか。
#45
○政府委員(森下忠幸君) 廃棄物処理という観点から申しますと、実はその品物は私どもも十分手に入れることができますし、それから、それをある程度使って使い古すこともできますし、それからそれを処分することもできるわけですから、その段階で、私どもの持っております技術力でこれが処理できるのかできないのかというふうなこと、それについては自前の情報も十分とれるわけでございまして、先生が御心配になりますのはそれ以上の、製造側にとって、生産の合理化とかそういったことについての情報が明らかにされないのではないかというふうにお話しになっているのではないかと感じておりますが、少なくとも処理のサイドからすれば、場合によっては、私どもが研究所あるいは清掃事業体の研究部門の力をかりながら、その製品をばらして、何が入っているか、どんなものがあるか、どのくらいの温度で処理したらどうなるかというふうなことについては、十分自前の情報を集めることは私はできると思っております。
#46
○和田静夫君 調査会は処理困難を審査する。適正処理困難か否かを判断する。そして何人によっても困難と判断される、そうすると製造等の取りやめ等を行う。こういうふうにされておるわけですね。そうすると、この「何人」の中には当該の製造者も含まれるということになれば、これは大臣、ざるじゃないですかね。
#47
○政府委員(森下忠幸君) 若干私の考えを述べることになるかもしれませんけれども、これは、そもそも廃棄物の処理という立場から処理できないもの、できるものというふうな定義でございまして、そういうことでございますから何大もということではなくて、私どもやはり、清掃サイドで通常の持っております技術、それから費用負担でできないもの、こういったものを現在適正処理が困難だというふうにして定義づけるのが正しいのであろう、このように思っております。
#48
○和田静夫君 そんなことですかな。
#49
○政府委員(森下忠幸君) 三条二項のところには、「何人も」というふうな表現はございませんが、実態上、今の段階で、今の技術で、市町村の持っております技術でできないというふうなものにつきましては、例えばPCBというものはあるわけでありまして、こういったものは、この法律がつくられました四十五年当時、実はこの三条あるいは三条二項については、あの物質が頭にあったというふうに私も当時の関係者でありましたから思っておりますが、私どもが今考えております適正処理困難物というのは、清掃のサイドでということですから、清掃のサイドで処理ができない、処理が困難であるというふうな観点から判断すべきものと、このように考えております。
#50
○和田静夫君 ちょっとそれ答弁になってないな。
 報告書の八ページに何と書いてある。
#51
○政府委員(森下忠幸君) 報告書を引用されておりますので、報告書の例えば八ページを拝見いたしますと、「例えば、適正処理が何人によっても困難と判断されれば製造等の取り止め等を行い、」と、こうございます。これはまさにそういうことでありまして、市町村の清掃事業ではもちろん処理できませんし、我が国の持っております現在の技術では、あるいは現在保有しております技術では処理できないというふうなものについては、これはやっぱりつくっていただいては困る。それで、この代表的な例がさっき申しましたPCBのようなものでございまして、これは日本でもつくっていただいては困るということになっておるわけでございます。こういう市町村のレベルを超えて、我が国の持っております技術、それから我が国の持っております装置、こういったものでできないものについては、やはりこれはつくっていただくのはまずいということは当然の答えではないかと思っております。
#52
○和田静夫君 私が言っているのは、この「何人」から当該の製造者を外すことが当たり前のこととして必要なんじゃないんだろうか、そういうことを言っているんですね。「例えば、適正処理が何人によっても困難と判断されれば製造等の取り止め等を行い、また、」云々と、こうなっているでしょう。
#53
○政府委員(森下忠幸君) あるいは先生、専門委員会の組織あるいはメンバーの内容についてお尋ねであろうかと思いますけれども、これはその中には、例えば製造グループの団体としての専門家といいましょうか、責任者の方は入っておりますが、こういった個別の物について議論をいたします際には、もちろん個別の業界などからヒアリングもいたします。それから個別の物については私ども分析はいたします。しかしそれは、例えばその会議の席においでになるにいたしましても、オブザーバーといいましょうか、レポーターといいましょうか、そういう形で御参加いただくわけでありまして、この全体の会議について議論の中にお入りいただくということは考えておりません。
#54
○和田静夫君 そこがはっきりすればいいんですがね。
 それから、廃棄物の処理困難性を構成する要素なんですが、その中には、処理コストが相当大きな因子となっている場合がありましょう。そういった場合に、廃棄物処理のための財源確保策、これはどういうふうに行っていくわけですかね。
#55
○政府委員(森下忠幸君) 一般廃棄物につきましては、市町村が設置いたします一般廃棄物処理施設につきまして国庫補助をいたしております。その補助裏につきましては特別地方債で手当てをしておりますし、それからいわゆる運転費といいましょうか、作業にかかわります費用につきましては地方交付税で手当てがされておるわけでございます。
#56
○和田静夫君 これはしかし、それだけじゃないでしょう。それだけですか。
#57
○政府委員(森下忠幸君) 一般廃棄物の処理を市町村が行います場合には、施設の整備につきまして、焼却施設であろうと、し尿処理施設であろうと、あるいは粗大ごみの処理施設、あるいは一部資源化に役立ちます施設、こういったものについて補助対象としておるところでございます。
#58
○和田静夫君 私がさっきから適正処理専門委員会報告書をもとにしながら論議をしているときに、一般論でするする逃げちゃ困るんですよ。この行方を僕は問うているわけですから、ちょっとまじめに対応してくださいよ。
#59
○政府委員(森下忠幸君) 適正処理困難物という問題になりますと、やはりその処理の技術の開発もあわせて考えていくということになると思います。処理技術と申しますのは、中心は市町村が設置いたします施設ということになりますが、それにつきましてどちらかといいますとその技術開発がおくれていたのではないか、あるいは国も十分な力を入れていなかったのではないかというふうなこともございます。基本的に国といたしましても、そういった廃棄物の処理についての調査研究はいたしますが、さらに市町村の清掃部局が中心といいましょうか、になって組織しております全国都市清掃会議の中に廃棄物処理技術開発センターというものを設置いたしまして、ここで新たな技術の対応を考えることによって、結果的に市町村の処理がしやすくなり、財政の負担の軽減につながるというふうなことも研究していきたいと考えております。
 あわせまして、これは先のことでございますが、費用負担というふうなものについても当然考えなきゃならぬと思っております。
#60
○和田静夫君 一番最後のそこのところを聞いているわけです、私は。財源確保策はどうかと聞いたんですから、そこのところを答えてもらえばいいんだけれども、例えば、ここに「一般財源又は手数料徴収による財源確保を図る必要がある。」とあるでしょう。これはどういうふうに構想されますか。
#61
○政府委員(森下忠幸君) これは、手数料について従来からいろんな経緯がありまして、なかなか関係者の合意を得るということは難しい面もあろうと思いますけれども、しかし、特に通常の排出の形と違うとか、一般には、一般家庭からは通常は出さないけれども、まあ一生の間に一遍ぐらい出す非常に処理のしにくいものとか、こういったものについて特別の料金を徴収するというふうなことは、これは社会的にもお認めいただけるのではないかと思っております。
 例えば、粗大ごみなんかにつきまして東京都がとっておりますのはそうでございますが、さらに非常に処理のしにくいものについても同じような考え方を導入するかどうか、これはひとつこの会での検討の大きな課題だというふうに考えております。
#62
○和田静夫君 どうもかみ合わないんだな。この「一般財源」、その後読むと、これ時間ばかりたつんだが、「一般財源による対応が困難ならば、手数料の徴収についても、関係者の合意の可能性を踏まえつつ、検討を行う必要がある。」、その内容は。
#63
○政府委員(森下忠幸君) まさにこのとおりであります。
#64
○和田静夫君 そのとおりであるというのは、手数料云々というやつは事業者に課せられるということでいいわけですか。
#65
○政府委員(森下忠幸君) ですから、この徴収先をどこにするかというのが一つの大きな問題になるわけでありまして、その物の流れぐあいと、とにかく、まずその適正処理困難物というものをきちっと定義いたしまして、そうしてその物の流れ方、扱われ方、そういうものを見ながらどの段階で取ることができるかというふうなことを、やっぱりこれはこの御提言の中では大きな問題というふうに私ども受けとめております。
#66
○和田静夫君 いや、大きな問題であろうから私は取り上げているんで、これは大臣、一般論でいいですが、法的裏づけがなくて金取れますか。
#67
○国務大臣(今井勇君) 私は、法的な裏づけがなければ取れないと思いますね。
#68
○和田静夫君 そのとおりだと私は思うんですよ。
 そうすれば、この手数料について、私は、法律を改正して事業者に義務づけるというようなことの必要が当然出てくると思うんですがね。それが法的根拠というものになるわけでしょう。
#69
○政府委員(森下忠幸君) 廃棄物処理法では、住民、排出者から取るということができることになっておりますが、さらに非常に厄介なものについては、やはりそれが住民でいいのかどうかというふうなことも含めまして、非常にこれは慎重に検討しなきゃならぬというふうに考えています。
#70
○和田静夫君 検討されるのは結構なんだけれども、そのときには法的措置をとられるということですか、今の答弁は。
#71
○政府委員(森下忠幸君) 住民の方から取るということになりますれば、これは条例などで、手数料条例でよろしいわけですが、これを排出源までさかのぼって、例えばPCBをつくる人から取るとか、厄介なものをつくる人から取るとか、これはやはり大変な法改正が必要になると思います。ただ、そこまで踏み込むかどうか含めまして検討したいと思っております。
#72
○和田静夫君 先ほど述べられた国の財源保障、これは具体的にはどういうふうにされますか。
#73
○政府委員(森下忠幸君) 先ほど一般的なことを申しましたが、一般廃棄物、つまり可燃性の一般廃棄物につきましては申し上げましたけれども、それ以外に、粗大ごみのたぐいとか、若干処理はしにくうございますけれども、完全に市町村で手に余るという、そういう完全に処理のできないような処理困難物ではないけれども、普通の車に積んできて普通の焼却場に入れるのにはちょっと処理がやりにくい、例えば粗大ごみの処理、それから粗大ごみの破砕、選別あるいは一部の資源化と、こういったものにつきましては、従前から行っております施設の国庫補助の延長の中で手当てをしてまいりましたし、今後もしていきたいと考えております。
#74
○和田静夫君 ちょっと予算委員会の癖が抜けないんですがね、委員長、委員会成立してませんね。
#75
○委員長(岩崎純三君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#76
○委員長(岩崎純三君) 速記を起こして。
#77
○和田静夫君 ちょっと答弁が全然がみ合わないような状態を委員会が成立していない中で続けるわけにはいかぬわけですがね。
 昨年、八王子市の戸吹の処理場で汚水の流出事故があったんですが、その経過、概要をまず説明してください。
#78
○政府委員(森下忠幸君) 御指摘の処分場の事故といいましょうか、ケースでございますが、部か八王子の戸吹最終処分場で、恐らくごみの浸出液に汚染されたと思われる地下水が下流に流出して、そこで去年の七月でございますけれども、それが谷地川という川に流れ込んでおりますが、その河床に、この処分場から出た水に起因すると思われる藻の発生があったということで、これは上流で何か汚染があるんだろうということで直ちに対応が検討されまして、これが、藻の発生を発見しましたのは七月の七日でございますが、翌七月八日には応急対策ということで調整池から水を放流いたしますのをとめましで、一遍出ました水をさらにポンプによって埋立地の中に戻して、そして埋立地から、これは通常埋立地の中の水は浸出液処理装置というのがありまして、生物学的、化学的な処理をした後放流いたしますことになっておりますので、そちらのルートに流して万全を期したわけでございます。
 それからもう一つ、地下水が汚染されているということになりますと、これは地下水をきちんと始末しなきゃならぬということで、雨水と地下水を分離して処理するような配管の変更工事をいたしました。これは十月でございますが、こういうことをいたしまして手当てをいたしました。
 そうして、今回の汚染が一体どういうものであったかと。例えば底部の遮水工に亀裂が入ったのではないかということも含めましていろいろと検査をすると同時に、構内に検査用の井戸をつくりまして、地下水の状況をモニタリングすることになっております。とりあえず、三月でございますが、担当の課長を現地の方に派遣させました。
 その原因は、まだ完全には究明されておりませんが、先般、三月十日現在で、埋立処分場の底部に張っております遮水のシートが一部破損しておったということでございます。それ以外めところをいろいろ探しておりますが、ほかに破損箇所はまだ発見するには至っておりません。それからまた、その破損も、どうも自然破損ではなくて、何か外部的な大きな力が加わって、例えば投棄処分中に非常に大きな外力が加わったというふうなことも考えられるわけで、さらにそのほかに漏れているところがありはしないかということも含めまして、継続的な調査をしております。
 もちろん、そこから外へ出ます水につきましては、先ほど申しましたような処理プロセスを通じて出しておりますから、問題はありません。
#79
○和田静夫君 今言われたシート説の方が強いわけですかね。
#80
○政府委員(森下忠幸君) 発見いたしましたところは、シートがかなり大きく、大きさで申しますと幅が一・五メートル、長さで二メートルというふうな穴があいていたということでありますから、これが一つの原因であることは間違いありませんが、そのほかにもあるかないか、これは地下水調査等を並行しながら調査しておるところでございます。
#81
○和田静夫君 このゴムシートをつくっているメーカーは、私が聞いているところでは、五十六年間ぐらいまでの実験をやった、もう五十六年間ぐらいの実験室における調査で破れがこなければ、将来にわたってもないだろうと言って、そこで実験をやめてしまった。ところが、今言われたような形でもって実際は破損状態が起きた。こういうことに今なっているのが実情のようですね。
 そうすると、薄い厚いは別問題として、一・五ミリぐらいのゴムシートが未来永劫的に完全なものであるのだろうか、あるいは東海地震などというようなことが喧伝をされる今日の時代において、そういうような揺れが来た場合に保証があるのだろうかなどというようなことについてはいかがでしょう。
#82
○政府委員(森下忠幸君) この処分場について歴史が短いと仰せられればそういうことでありますが、ほかの継ぎ目につきまして調査いたしましたところ、この処分場では問題がない。
 それから、類似の事故があっては困るわけでありますから、このケースがあったと同時に、全国のこのような処分場の状態について都道府県を通じまして調査いたしました。今のところ三十六の道府県から回答がございますけれども、この遮水のシートに起因するような汚染の問題ということは報告されておらないわけであります。
 ゴムについて寿命が何十年かというふうなことについては、専門家等の意見を待つわけでありますけれども、廃棄物そのものも経年的に安定してまいりますし、ゴムシートにつきましても、一・五ミリというのは今の技術をもってすればかなり安全性があるというふうに考えておる次第でございます。
#83
○和田静夫君 いや、私は、例えば実験室で実験をされての安全性というものが実体上保証されるなら、ジャンボ機のあんな事件は起きないと思うんですよ。したがって、実験室の実験必ずしも実用をすべて満足させるものではないということが想定をされますから、そういう認識の上に立って、未来永劫の間ごみを抱え込んでいるわけですから、未来永劫にわたって大丈夫だと言われることにはならぬでしょう、これは。
#84
○政府委員(森下忠幸君) これは、埋立処分場から出ます排水については、長期にわたってモニタリングをいたしますし、処分された例えば腐敗物などについては、相当年間がたちますと安定化するわけでございますから、そういうものとあわせて長期間安全であろう。特に、先ほど破損したという場所でございますが、これが搬入路の側面であるというふうなこともありまして、どうも機械的な外力で破損したという見方をするのが私は今の時点では一番妥当ではないかと思っております。
 それから、会社などでやります試験も、非常に苛酷な条件で、例えば日光に照らしたり、温度を変えたりというふうなことをいたしまして、水の中で長期安定した状態にあるということは、シートの寿命にとっては、これはむしろプラス側になるというふうに考えております。
#85
○和田静夫君 私は冒頭に、ごみ問題は長期的視点で対応しなければならないということを述べて、大臣からも同意をまず得ておいたのは、実はこの辺の論議を詰めたいからなのであります。
 今の答弁では非常に気に食わぬわけでありますが、原因で詰めておきたいことは、シートの上に五十センチぐらい土を覆うということになっていますが、当初は直接ごみを捨てた、あるいはシートの上を覆ったところの土が薄かった、そういうようなことも考えられるんですが、この辺の調査はどうですか。
#86
○政府委員(森下忠幸君) 先ほど申しましたとおり、破損したところが側面でございますから、そういう上に土が置いてなくてクッションの効果もなかったということは、十分予想されるわけでございます。
#87
○和田静夫君 これ大臣、排水の汚染度から見て、かなり大きな穴があいているというふうに思われます。よって、綿密な調査を行うよう要請をいたしますが、よろしいですか。
#88
○国務大臣(今井勇君) 私も今、先生の御質問を通じて政府委員の答弁も聞いておりましたが、やっぱり十分な調査をしまして、これはきちっと、どういうことであるかということの原因究明は極めて大事だと思います。
#89
○和田静夫君 同時に、地下水汚染についてもこれ十分に調査をされるべきですが、いかがでしょうか。
#90
○政府委員(森下忠幸君) 私ども水道の方も所管しておりまして、そういう観点からも、特にこれは慎重に今後ともモニターしていきたいと思っております。
#91
○和田静夫君 この処分場は、排水を浄化して川に流しているわけですね。そうすると、大雨が降りますと処理能力を超えてオーバーフローしてしまう、そういうことはあるんですが、こういう処分場はある意味では、大臣、僕は基本的な欠陥を持っているんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
#92
○政府委員(森下忠幸君) これは、処分場からはオーバーいたしましても、それを下流で一遍貯留いたします調整池がございます。そういうことで、直ちに河川にそのまま出ていくということはない構造になっております。
#93
○和田静夫君 そうですか。全然オーバーフローしでも大丈夫ですか、これ。
#94
○政府委員(森下忠幸君) まあ特別な大雨量でもあった場合は別でございますけれども、通常予測できる雨の量に対しては、これで機能できるという容量の調整池を用意しております。
#95
○和田静夫君 私は、どうも基本的な欠陥があると思うんですが。
 しかも、この立地ですが、立地が飲料水の水源にもあるわけです。これはここだけの話じゃありませんが、日の出町谷戸沢処分場もそうなんですよ。また羽村もそうなんですね。水源に処分場をつくるということですが、これは「ゴミをつめて一応密閉したビニール袋を、飲用貯水槽にほうり込む状態に似ている。」と、そういうふうに比喩した人がいますがね。これはNHKブックスのソーラーシステム研究グループ「都市のゴミ循環」の中に、こういうふうに表現しているわけですがね。まさに私はそのとおりだと思っておりまして、いつかビニール袋は破れて飲用水を汚染していく。この場合はゴムシートですが、ビニール袋が破れないというそういう保証はないわけですね。そうすると、破れたときには全部掘り返してみなければ原因がわからぬと、こうなりますね。しかも、未来永劫に地下水汚染はないか、あるいは土壌汚染はないのか、河川の汚濁はないのか、モニタリングしていかなければならぬということですよ。
 私は、こういうような処分システムを抜本的に見直していく、そういうことがあってしかるべきだと思いますし、少なくとも水源立地は直ちに改めるべきだと考えるんですが、いかがでしょうか。
#96
○政府委員(森下忠幸君) 一つ、ごみ袋を投げ込んだというふうな表現もございましたが、生ごみをそのまま埋め立てるということは実はあるわけでございますが、そうしますと、これは分解するまでに非常に時間がかかる、あるいはそこから浸出する液に問題があるということで、処分場から出てまいりました水を一遍処理いたしまして、これもかなり水道よりも高度な処理をして河川に流さなければならぬということをしておるわけでございます。でありますので、基本的には、ごみを焼却して安定した形にして埋める、そのことによって全体のごみのかさも減るということでございますから、そういう方向を目指すのが一つだと思っております。
 それから構造面で、これは先ほど先生からもちょっと関連の御発言があったんですが、何と申しましても、大きな処分場を全く一塊にして片端からどんどん埋めていくというやり方もありますけれども、むしろこれからのやり方としては、処分場をブロック化して、そこにまさにきめ細かく物を入れながら、モニターもでき、かつまた、問題のあったときにはその問題点にそう大きく手をかけなくても到達できるような、そういう仕掛けを考えていくべきじゃないか。
 最終処分場につきましては、構造指針というものがありまして、これも少し古くなっておりますから、今までいろいろと御指導いただきました内容も踏まえながら、そういった構造面の改善も今後考えていきたい、このように考えております。
#97
○和田静夫君 これは小諸の例なんですが、小諸でも、ごみ焼却施設建設をめぐって地元住民と設立主体である事務組合との間で対立が続いています。この経過は厚生省十分御存じなわけですが、実情をどのように把握されておりますか。
#98
○政府委員(森下忠幸君) 小諸では焼却施設の建設を予定しておりまして、これは小諸のほか三つの町が一緒になりまして、一市三町で構成いたします浅麓環境施設組合というもので四十トンのごみ焼却炉をつくろうとしております。
 これの建設予定地の中で、一部の住民の方に設置の反対がおるということで、六十年度につきまして仕事をやりたいということで補助金の内示をいたしましたけれども、もう少し調整に日数がかかるのでということで、現在その予算については繰り越しの状態になっております。
#99
○和田静夫君 私は、八王子のケースで、水源地にこみ処理施設をつくるべきでないということを先ほど述べたんですが、ここでも水源地にごみ焼却場がつくられようとしているわけですね。
 小諸市開発規制条例が、水源地から「おおむね三百メートル以内の地域」については開発は原則禁止、このことを御存じであって認可されたといいますか、そういう結果になっているんですが、この辺はどうなんですか。
#100
○政府委員(森下忠幸君) その条例の中に、三百メートルという制約条件があることは承知しております。
 それで、今予定されております建設予定地でありますが、この予定地のどの部分をとりましても水源地から三百メートル以上離れているということでありますので、そういう意味からはこの条例には違反しておりませんし、また、もちろん私どもへこういった施設をつくりたいということで申請を上げてまいります段階では、市の特殊計画審議会あるいは市議会、あるいは組合の議会、あるいはアセスメントなどのいろんな手順を経てまいっておりますから、私ども、そういう書類を拝見いたしましても、これは妥当であるというふうに考えた次第でございます。
#101
○和田静夫君 昨年の八月七日に住民が厚生省に陳情に行っていますね。施設の敷地は明らかに二百二十メートル、敷地からの地下水が水源地に流れ込む可能性が高い、そういう地形になっていると指摘をしていますね。こういう問題の多い地点に立地される施設を認可するというのは、私は大変不用意だと思っているんですよ。
 一体、現地調査をされたんでしょうか。
#102
○政府委員(森下忠幸君) まさにその二百二十メートルという数字が大変ここではお話の焦点になっているというふうに思いまして、私ども、ただいまの段階では現地には赴いておりませんが、三百メートルを超えているということについては、昨日も何度も市の当局に確認をいたしまして、どの地点をとってもこの用地は三百メートル以上であるというふうなことでございます。
 でございますが、二百二十メートルという数値に皆さんが非常に御懸念あるいは御不審を持っておるということでございますれば、これはひとつ厚生省も、そういった距離につきましては、場合によっては現地調査をいたしてもよろしいというふうに考えております。
#103
○和田静夫君 これは私はぜひ現地調査をやるべきだと思うのです。
 それから、この条例は、今言われるように、水源地からとはなっていないのでありまして、「水源地等の附近から、おおむね三百メートル以内の地域」と、こうなっている。それは、付近からはかれば二百二十しかない。このことはもう明確に条例に違反をしているのですよ。今、調査を約束されましたから、これは調査結果に基づいてまた論議をすればいいと思うのですがね。
 私は、地元では、こんな問題の多い地点につくるよりも、反対していないわけですから、立地を別にということを言っているわけですから、その辺の意見は十分に聞いて、代替地の提案までされているわけですから、対応することが私はしかるべきだと思うのですよ。このままいけば、これは非常に大きな問題になる可能性を持っていますし、既に地元では、住民と業者の衝突がありますからね。地元住民の声というのを謙虚に聞いて善処をされる、調査結果に基づいては。よろしいでしょうか。
#104
○政府委員(森下忠幸君) 今、予定されておる地点で、その地域の方が九軒ですか、それからその他関連あるところの方が十三軒、二十二軒のお宅で反対をされているということでありまして、一方、このほかに今反対されている方々が、もっといい場所があるじゃないかというふうに申されてもおるようでございますが、そちらもそちらで反対の決議も実はされておるということであります。
 でございますから、これは十分地元で慎重に調整をしていただくということが第一でございますが、何分にも手続上にいろいろな問題があるとすればこれは問題でございますから、そこのところはひとつ厚生省が、ちょっと先走るようでございますが、見させていただいて、その上で判断をしたい、このように考えております。
#105
○和田静夫君 時間がなくなってきましたけれども、廃棄物の減量化、再資源化という問題なんですが、これはごみ問題にとっては非常に重要であります。自己処理責任の原則の中でも最も基本的な問題と言うことが私もできると思うんですが、我が国廃棄物行政の中でこの減量化、再資源化ということはなぜ重要なのか、まず認識を承ります。
#106
○政府委員(森下忠幸君) 一つは、我が国は資源のない国でありまして、燃料も含めますと年間七億トンもの品物を外国から入れてまいりまして、一億トンぐらいを外へ出しておるというふうなことであります。その資源をできるだけ有効に使おうということは、これは当然なことだと思います。
 それからもう一つ、資源もないと同時に、廃棄物の最終処分場にも非常に恵まれていないということでありますから、最終処分に回す廃棄物の量を減らすという意味からも再資源化、減量化は非常に有効であり、我が国の産業政策の、これは少し差し出がましいのですが、これはまさにポリシーでもあってほしいというふうに思っております。
#107
○和田静夫君 私は、この減量化、再資源化についての事業者に関する三条二項の規定、これも非情に抽象的規定ですね。何ら事業者に対する義務づけという実効性が期待できないだろうと思うのですが、それはいかがですか。
#108
○政府委員(森下忠幸君) 三条二項から直ちには出てまいりませんわけですから、私どもは、正しい処分場に正しく処分をしていただく、そのためには監視指導も厳しくする必要もありますが、一方、排出側にとってはいろいろ厄介な始末をしなきゃならぬとか、下手をすれば罰金を食らうとかいうふうなことで、正しく始末するには相当のコストがかかるということで、コスト面から事業者に対して再生、減量化を促していくというのが今のこの廃掃法の体系の中での我々のできる限界ではないか、このように考えております。
#109
○和田静夫君 この廃棄物処理法の四条、「国は、廃棄物の処理に関する技術開発の推進を図るとともに、」と規定されているわけですが、この産業廃棄物は事業者の自己処理責任とされている。そのために、基本的には事業者の採算性の範囲内でしか減量化、再資源化の努力がなされてこなかったということが言えるのではなかろうかと、こう考えるんですよ。かえって有害廃棄物に関しては、コンクリートなどによる固型化によって安易に廃棄物の増量が行われてきたという、そういう実情ではないでしょうかね。
#110
○政府委員(森下忠幸君) おっしゃるとおり、採算性に乗るもので再資源化できるものはそれなりにされておりますから、物ごとに非常に再生の利用率が変わっておると思います。再生利用の低い有害物にとっては、やはりそれをもってしても新しい技術で資源化できるというものがあればよろしいわけでございますが、今のところ、残念ながら一部の物を除きまして、環境保全の立場からコンクリート固型化のような形で安定化しておるということが実情でございます。ただ、幾つかの物によっては、今後さらに資源回収の立場から再生利用率を高めるということも、これは関係省庁、私どもの研究部門も一体となってやってまいりたい、このように考えております。
#111
○和田静夫君 現行廃棄物処理法の十四条で、産業廃棄物処理業を都道府県知事の許可事業にかからしめているわけですが、「もっぱら再生利用の目的となる産業廃棄物のみの収集、運搬又は処分を業として行なう場合」云々と、許可の対象から除外しておりますね。これは本法が産業廃棄物の減量化、再資源化という問題について消極的な姿勢しか持っていない、そういうあらわれと見ることができるのじゃありませんか。
#112
○政府委員(森下忠幸君) 扱いますものが廃棄物でありますれば、それは本当に右から左に材料として使われるような、こういうものについては、一般のそれは、材料を購入して製品をつくるという観点からこれが対象から外れておるわけでありまして、少なくとも廃棄物という形で引き取ってきたものについては、やはり廃棄物の処理業という形で私どもも把握し、そのような規制をかけていくという立場は、実は実態は変わっておらないと思います。
#113
○和田静夫君 私の手元に、この産業廃棄物の処理の流れを五十年度と五十五年度と比較したものがあるんですが、また、五十四年度の通産省調査による産業から総排出物の種類別再資源化率が発表されているわけですが、その後の実態というのは、これ把握されていますか。
#114
○政府委員(森下忠幸君) 厚生省では、五十年度、五十五年度と五年ごとにやってまいったわけでございますが、私ども六十年度につきまして今後やろうということであります。それから、通産省でも五十八年の調査が行われるというふうに聞いております。
#115
○和田静夫君 この事業者責任は、第三条によって訓示的に規定されているだけで、さっきも指摘しました。専門委員会報告にある調査会の設置やら、企業情報の調査会への開示、あるいは事業者からの手数料徴収などについて、これは厳格を期すために、私は法律の改正がどうしても必要になってくる、そういうふうに考えています。したがって、今後の課題としては、第三条の事業者責任を明確化して、行政裁量で可能な範囲でぎりぎりまで規制することとあわせて、法改正の準備に入るということでなければならないと思うんですが、大臣の所見を承ります。
#116
○国務大臣(今井勇君) いずれにしても、今まで随分部長が答弁しておりますが、行政指導でまずぎりぎりやらせまして、それで足りないものについてはやはりこれは法改正にいかざるを得ないだろう、こう考えます。
#117
○和田静夫君 廃棄物処理法の最後ですが、ごみ問題は、消費者の自覚なくして解決が困難であるという側面がありますね。そこで消費者への啓蒙が必要ですし、消費者が自主的にこみ問題に取り組むことへの援助がどうしても必要であります。大臣ね、行政として積極的に消費者の前向きな取り組みを支援する姿勢とでもいいますかね、そういうのをおとりになるつもりありませんか。
#118
○国務大臣(今井勇君) おっしゃるとおりだと思います。
#119
○和田静夫君 東京の清掃事業の区移管問題で一問だけちょっと述べておきますが、私は、つまみ食いの区移管というのはこれ絶対反対であります。行政は、やっぱりそこの行政区域の中で集結をするということならば話は別でありますがね、そういうふうにはならない。これは、自治の発展ではなくて、清掃行政の混乱を招くだけである。したがって厚生大臣、これは関係者の合意が得られる前に見切り発車をすべきではない、強く要請をしますが、いかがですか。
#120
○国務大臣(今井勇君) おっしゃいますように、この問題につきましては、本年二月の都区の協議会で、区に移管することが基本的な方向として了承されたと聞いておりますが、いずれにいたしましても、特別区におきます清掃事業というものが長年現在の体制、すなわち都が実際行っておりますことでございますから、区へ移管するという場合には、当然清掃事業に混乱が起きることのないように留意しながら、やっぱり関係省庁と十分に協議して対処してまいりたい、こう思っております。
#121
○和田静夫君 本来ここで自治省からの見解も承るところですが、時間がなくなりましたので、今私が申しましたように、やりやすいところだけつまんでいくという行政ね、そういうやり方というのは誤っていますから、そのことは厚生省も自治省もしっかり頭に置きながらこの問題には対処していただきたい、そういうふうに思います。
 清掃事業の労働災害が依然として絶えないわけであります。八一−八五年の過去五年間に、何と八十六名の清掃労働者が労災で亡くなられている。昨年は十八名。労働省、おたくの統計でも清掃労働者の労災発生件数、これ断トツなわけであります。
 最近の死亡災害は、収集車のテールゲートの落下あるいは回転板への巻き込まれといったものが非常に多いわけであります。そういう傾向が顕著であって、この原因というのは、車体の構造的欠陥によるのではないかと思われるわけであります。
 簡単に、労働省の見解をまず承ります。
#122
○政府委員(稲葉哲君) 清掃事業の労働災害防止につきましては、私ども昭和五十七年に関係の政令を改正するとともに、「清掃事業における安全衛生管理要綱」の全面的な改正を行いまして、これをもとにいたしまして、関係事業所に対する指導等を実施いたして現在に至っておるところでございます。そして、さらに五十八年には、清掃事業を労働災害防止の重点業種というふうに指定いたしまして、この要綱の特段の周知を図るとともに、また本年からは、特に自主的な安全衛生活動推進のための職長に対する教育ということをやっておるところでございます。
 今、先生お話しのように、最近、昨年におきましてはテールゲートによる死亡事故が特に多く発生しております。そんなこともございまして、私ども、このごみ収集作業におきますテールゲートに挟まれる災害につきまして、メーカーを呼んでその間の事情も聴取いたしまして、ごみがテールゲートに挟まった場合、テールゲートが上がらないようにごみ収集車の改善をするように指導いたしまして、現在その改善措置を進めておるところでございます。
#123
○和田静夫君 この死亡災害について、自治が八五年五月二十三日、厚生が八五年十二月九日、労働が八五年十二月十六日、それぞれ通達を出されています。ところが、出しているのはいいんですが、どこでも通知が県段階でとまっていまして、市町村におりていない状況であります。これは再度十分に周知徹底されるように求めます。もう時間がありませんから、答弁は一括いただきます。
 それから二つ目は、死亡災害に関して労働安全衛生規則の九十七条によりますと、事業者は発生後直ちに労基署に報告する義務を負っている。にもかかわらず、三月二十四日に北海道の中札内で発生した死亡災害でも、当局は労基署に報告をしていない。これは自治省、何か理由があるんでしょうかね。
 それから、発生を労基署に報告しないばかりか、私たちの調査では、安全衛生委員会がなかったり、安全教育が不十分である、そういうケースがいっぱいあるわけであります。労働省、これでは事故が発生するのは当然過ぎるほど当然なんでありまして、これはきちんとした指導を徹底されるように求めます。
 それから、死亡災害の原因として、下層部分の構造的欠陥が考えられるわけであります。下層部分の定期点検を義務づけるべきでないだろうかということを私は思うんです。フォークリフトやあるいは車両系建設機械は年一回の定期点検が義務づけられているわけでしょう。横並びにそういうことを義務づけることが必要ではありませんでしょうか。
 それから、ごみ収集車の二人乗務体制が多くなってきているわけでありますが、これだけの死亡災害がある現状からしますと、やはり三人乗務が適切でありましょう。三人乗務で災害を防げたケース、これは名取市の場合そうでありますが、ある。そうすると、三人乗車体制を自治体に強く指導すべきだと、こう考えますが、ここのところの答弁を求めます。
 最後に自治省、地方交付税の安全対策費が余りにも少な過ぎますね。清掃費の標準団体行政経費に上げる備品購入費中、安全器具はわずかに十六万六千円でしょう。これで何が買えるのだろうかと思うんです。ここのところは改善されるべきだと思うんですが、逐次答弁をお願いいたします。
#124
○政府委員(稲葉哲君) 私ども関係の通達につきましては、各都道府県段階あるいは監督署の段階でもって自治体との会合等を持ちましてその徹底を図るとともに、通知等もしておるつもりでございますけれども、なおその徹底が図られていない面があれば、その点についてはさらに徹底を図っていくということをいたしたいと思います。
 それから、御指摘の中札内の件でございますけれども、三月二十四日、不幸にして死亡事故が起きたわけでございますけれども、北海道労働基準局といたしましては、一応その災害調査はさしていただきました。その結果でございますが、お亡くなりになった方は村の技術職員でございまして、労働基準法の適用からいいますと、第八条の十六号のその他の官公署ということでもって、監督権限としては、労働基準局ではなくて、人事委員会の所管に当たるものであるというような判断をしておるところでございます。
 なお、検査制度のお話がございましたけれども、ごみ収集車につきましては、ごみが詰まってしまうということによる故障でございまして、その修理作業において事故が発生しておるわけでございます。こういった修理作業におきます危険の防止につきましては、検査制度を導入するということで十分に効果があるとは必ずしも考えられないのではなかろうかというふうに考えておりまして、修理作業の安全を確保するために、先ほど御答弁申し上げました「安全衛生管理要綱」によりまして、作業の安全に必要な器具、装置の使用、あるいは作業の指揮者の氏名といったようなことを具体的に定めておりますので、こういった「安全衛生管理要綱」のさらに一層の徹底を図ることによりまして、この種事故の防止につきまして今後とも努力をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#125
○説明員(遠藤安彦君) お答えいたします。
 交付税の算定基礎に安全対策関係で備品購入費が余りにも少ないではないかという御指摘でありますが、実は私どもの公務員部の方で検討いたしましてよく相談の上、中身といたしましては酸素呼吸器、送気マスク、粉じん計、騒音計等、合計いたしまして六十六万三千円ほどの総費用になりますが、これは耐用年数がございますので、耐用年数分の一ということで、し尿とごみ双方で三十三万二千円、ごみについてはその二分の一の十六万六千円を計上していると、こういう中身でございます。
#126
○和田静夫君 乗務体制はどこでやるんですかな、厚生省。
#127
○政府委員(森下忠幸君) 今の配置基準でございますが、地方交付税の算定基準では、一台当たり二・六人ということで今下がってまいっております。厚生省といたしましては、ぜひこれは三人乗車ということでやっていただきたいというふうに御要望しておるところであります。
 ただ、現実にどうかということになりますと、これは最低私ども作業は二人以上でやれと。二人以上でやるというのは、収集する人が二人の場合には運転手の方がもう一人になりますが、運転手の方が一人で収集の方が一人の場合には、運転手の方がおりてきて、少なくとも積むときには二人でやるということで現場ではやっていただくように、いろいろと関係の会議あるいは全国都市清掃会議などのネットを通じまして指導しておるところであります。
#128
○糸久八重子君 続きまして、廃棄物関係について若干お伺いしたいと思うのですが、ただいまの問題で、ごみ収集草の乗員体制が二・六人だと、そして通常積み込み等については二人でやるように指導していると、二人しか乗車をしていない場合には運転手がおりてやるということなんですが、その場合に、運転をする方は二人分の仕事をするわけですね。そうしますと、その辺の手当の関係というのはどうなっているんでしょうね。
#129
○政府委員(森下忠幸君) 運転される方は、通常の運転のほかに積み込みという仕事があるわけでございますから、それに相応した報酬が支払わるべきではないかと思っておりますが、その辺につきまして、個々のそれぞれの自治体あるいはそれぞれの処理業者でどのような給与の体系になっているかということにつきましては、ただいま資料の持ち合わせがございません。
#130
○糸久八重子君 通常二人で積み込みをするようにという指導をするということですから、やはりこれは厚生省の責任もございますので、きちっと調査をしておいていただきたいと思います。
 廃棄物の処理施設については、和田委員の指摘にもございましたとおり、いろいろ立地とか場所の選定等について、周辺住民の反対運動がある場合が多いんですけれども、都市部においては特にそうだと思うのですね。
 特に都市部の焼却施設についてお伺いしたいと思うのですけれども、どんな強い反対運動の場合でも、例えば他に適当な代替地がないとか、それから総合的な生活施設になるんだとか、それから減量への努力が本格化するとかというようなことが確認できれば、大体円満な解決をするのが通例ですね。その場合に都市部の焼却施設について、プールとか、それから緑地とか、公園とか、福祉施設とか、集会施設などを組み合わせました総合生活施設型の焼却施設という制度はつくれないものなのでしょうか。
#131
○政府委員(森下忠幸君) 今、先生から都市型総合生活施設というお言葉をちょうだいいたしまして、実は初めてお伺いする言葉でありますが、まさにこれからの清掃施設というのは、そういう方向を目指していくべきだと思っております。
 御指摘のように、こういった廃棄物施設をつくります場合には、地域の方々の御理解と御協力がなければできないわけであります。そういうことで、まず厚生省といたしまして今までやっておりますことは、その施設が周辺と調和した施設でありますように、建設の段階で十分な環境影響評価、つまり環境アセスメントをするということ。それから、せっかく都市部でごみを燃やして熱が出るわけでございますから、その余熱を活用して温水プールとか老人福祉施設などをつくるというふうなことで、仰せのとおり、公害が出ず、地域住民から歓迎されるような、私どもの言葉を使わせていただくならばアメニティー施設化する、廃棄物施設をアメニティー施設化していくというふうなことで今後進んでまいりたいと考えております。
 この場合、プールの問題だとかあるいは老人福祉施設、公園など、このような附属施設につきまして、それぞれの自治体では設置の費用について大変苦心をされておるわけでございますが、その中でも、それぞれの自治体におかれましては、現在ございます各省庁の補助制度、これを活用いたしまして、それぞれの部局と調整をとりながらうまくつくられているということでありますし、そういったものを活用されたいというふうに考えております。
#132
○糸久八重子君 ただいまの御答弁の中に、各省庁の補助制度を活用すればということをお話しになりましたけれども、その各省庁の補助制度、どういうものがございますか。
#133
○政府委員(森下忠幸君) まず一つは、文部省所管の社会体育施設整備費補助金というものがございまして、これで温水プールをつくります場合には三分の一の補助が受けられます。それから、農林水産省所管の地域農業生産総合振興事業費補助金、これは都市部につくりますときはちょっと対象外になるかと思いますけれども、園芸団地などをつくります場合に三分の一あるいは二分の一の補助が受けられます。それから、厚生省所管の社会福祉施設等施設整備費補助金によりまして老人福祉センター及び障害者更生センターにつきまして三分の一の補助を受けることができます。それから、建設省所管の公園事業費補助金によりまして都市公園につきまして三分の一あるいは二分の一の補助を受けることができるということでございます。
 これはまあ、こういうふうに私どもがこういうものがあるよあるよということでお話ししただけでは、実際に清掃サイドを担当される市町村ではそういう情報が伝わらないわけであります。厚生省といたしましては、昭和五十五年から三カ年にわたりまして、こういった周辺整備の状況につきましていろんな調査を行いました。どんな施設が整備されているかとか、その整備した施設の財源、つまり、ほかの補助制度にどんなふうに乗っかったかというふうなことについて研究をいたしたところでございます。この研究がまとまりましたものですから、この成果を関係の市町村にお見せして、これから施設計画を立てられるところには、できるだけいろんなところからの補助金を導入しながら、私どもの施設整備の補助金も加えまして、さっき先生の仰せになりました都市型総合生活施設、こういった形の清掃施設をつくっていただくよう指導してまいりたい、このように考えております。
#134
○糸久八重子君 それでは、今の補助制度を十分に活用すれば、例えばその都市型の場合には、どの程度の施設が可能になりますでしょうか。
#135
○政府委員(森下忠幸君) まあ先生の御地元ですと、北谷津清掃工場というのがあると思いますけれども、あそこは焼却場につきまして国庫補助、厚生省の補助をしておりますが、そのほか温水プールあるいは老人福祉センターというものがついておりますから、ああいった形のものを当初の計画の段階からうまく各省の補助金を導入しながらやれば典型的なものになるのではないか。そのほかに、都市公園とか公民館というものもあわせてつくることが可能だと考えております。
#136
○糸久八重子君 それでは、廃棄物の排出状況はどうなっておりますでしょうか。特に有害産業廃棄物についてはどのくらいでございますか。また、これらの処理についての実績はどうなっておりますでしょうか、お伺いいたします。
#137
○政府委員(森下忠幸君) 産業廃棄物でございますが、有害な産業廃棄物を出します事業場では、そこで発生量、処分量を記録し報告しなきゃならぬことになっております。また、自分で処理をせず他人に委託した場合も、その委託量などを記載した報告書を都道府県知事などに提出することになっておるわけでございます。
 そこで、まず産業廃棄物の有害産業廃棄物ということになりますと、処理場が中間処理をいたしましたものが年間百二十三万七千トン、中間処理をいたしまして量が減りますから、かさが減りますから、最終的に処分したものが百万一千トン、こんなふうなようでございます。
 産業廃棄物全般について申し上げますと、発生長といいましょうか排出量といいましょうか、事業所で発生いたします量は、五年ぐらいのスパンで見ますと多少ふえておりますけれども、事業所の中でいろいろと再生利用を工夫したり、あるいは減盤化するというふうなことで、最終的に処分する量は実は減っております。減っておりますが、まあ一般廃棄物に比べれば大変大きな量になっております。
#138
○糸久八重子君 有害産業廃棄物以外の他の産業廃棄物は、どう処理されておりますでしょうか。
#139
○政府委員(森下忠幸君) 有害廃棄物以外の産業廃棄物につきましては、これは自動的に報告をするというふうな仕掛けにはなっておりませんので、大量に発生するというふうなところにつきましては、都道府県の方から報告を求めるというふうなことで実態を把握しております。
 一方、私どもも全国レベルでどのくらい産業廃棄物が出ているのかということを知る必要があるということで、一つの推計でございますが、これはやっております。これは原単位という方法を用いまして、例えばいろいろな事業別に、製品を何億円つくったらそこでどういった種類の廃棄物がどのくらい出るかというふうなこと、これを幾つかのモデルについて調べたもので全国を推定するというやり方でやっております。でございますから、有害産廃以外のものについては、一部の大きな事業場からの報告を除きましては推計ということでございます。
#140
○糸久八重子君 処理業者が処理を引き受けているものは、どのような種類のものになりますか。
#141
○政府委員(森下忠幸君) 個別の処理業者ごとになりますと、それぞれ得意とするものがあると思いますから、まあガラスくずだけやるとか、建設廃材だけやるとかいうこともありましょうが、まず処理業者の手に渡っている産業廃棄物というのは、すべての産業廃棄物の種類というふうに考えて差し支えないと思います。
#142
○糸久八重子君 先ほどの御答弁の中にもございましたけれども、有害産廃以外の産業廃棄物については、事業者みずからが処理、処分したものについては報告を直接求めてはいないわけですね。現行法の十八条では、都道府県または市町村は事業者に必要な報告を求めることが可能だというわけですね。ですから、これを根拠として今後は報告を求めるような方向にすべきだと思うのですけれども、その辺の御見解はいかがでしょう。
#143
○政府委員(森下忠幸君) 報告を、つまりさっき申しましたのは、自動的に報告をしなきゃならない義務があるかということになりますと、有害産廃はそういう義務がございますが、それ以外の産廃はないわけでありまして、そこは十八条の方で、県の方から出向いていって、あるいは命じて報告をしなさいということをやらせるわけであります。ところで、これは全部報告を求めるかということになりますと、産業廃棄物を排出する事業所というのが大変多うございまして、全国で六百五十万事業所とも言われております。有害産廃の関係は六千六百ということですから、どちらかというとつかまえやすいということ。全体六百五十万くまなくやるかというと、この辺になりますと、私どもは量については推計ということでやっておりますが、しかし、あるいはその六百五十万の中で、種類によって特に問題のある廃棄物がまだ有害廃棄物以外にあるのじゃないか。例えば不法投棄の多いものは、建設廃材だとか建設廃木材ですね。でありますから、一遍に全体について報告を求めるというのは、これは都道府県あるいは政令市の事務能力からしても困難な面もありますけれども、とにかく大量に排出して、そしてそれがいろいろと問題を起こしているというものについては、ただいまございます報告の徴収というところできっちり重点的に調査をする、そして指導をするということがまず必要ではないか、このように考えております。
#144
○糸久八重子君 分別収集のことについてお伺いをしたいんですけれども、厚生省は、焼却炉の効率を高める見地から分別収集の徹底を呼びかけておりますけれども、どのような行政指導をし、そして分別収集の徹底を図っていらっしゃいますでしょうか。
#145
○政府委員(森下忠幸君) 焼却炉の効率を高めるために分別というふうなお話もありましたが、昭和四十五年、六年、七年、あのころつくられておりました焼却炉とか、あのころのごみの排出状況を見ますと、とてもこれは紙くずとほかのごみとを別にしなければ、当時の炉では十分燃やせないというふうなこともありまして、そこでそういったことを提唱したこともございました。今の考え方は、焼却炉の保全ということもございますが、さらに廃棄物処理事業を円滑に進めるというためには、市民の方々の十分な理解とあるいは積極的な御協力が必要であろうということで、分別収集を介して清掃事業に対する御認識を深めていただくというふうな観点も加わっておるわけでございます。
 ちなみに、今どのくらいやっておるかということでございますが、五十七年度のデータでちょっと古うございますけれども、全国の三千三百市町村のうち、可燃物と不燃物とを分けておりますものが三千市町村、それから、粗大ごみ、資源ごみまで分けておりますものがそれぞれ千六百それから五百ということであります。何もかも合わせて集めているというものは三百町村ということでございます。これは全部合計いたしますとちょっと三千三百を超えますが、これは複数の回答が出ているわけでありましてそういうことになっております。
 そういうことで、さっき申しました、当初は焼却炉の保全からスタートいたしまして、今では清掃事業に対するより深い認識を深めていただくというふうな趣旨から、そしてまた資源の保全、有効利用という観点から分別をお願いしている、こういうことでございます。
#146
○糸久八重子君 分別収集の方法は、確かに市町村によって、例えば二分別、三分別いろいろありますけれども、やはり可能な限り細かな分別をして出すようにということの指導をきちんとすべきだと思うんですね。これらについては市町村が一番苦労しているわけなんですね。だから、厚生省が徹底したその指導をすべきだと思うんですけれどもね。
   〔委員長退席、理事大浜方栄君着席〕
 例えばラジオだとかテレビだとか新聞等の政府広報のチャンス、そういうものを活用して、そして全国民に絶えず分別についての呼びかけというものはできないものでしょうかしらね。
#147
○政府委員(森下忠幸君) まず、厚生省としてやってまいったことでございますが、環境衛生週間というのがございます。これは年に一度でございますが、九月二十四日を中心にいたしまして一週間、こういうところ、この期間を通じまして、廃棄物処理事業に対する地域住民の理解と協力を求めてまいったところであります。
 このほか、環境美化デーとか、そういうところにも、ポスターだとか、あるいは、経常的ではございませんけれども、そういう時期になりますと、テレビとか短波放送とか、そういうところから出演の依頼がございまして、私どもも出てこの必要性などについてるる御説明するわけでございますが、さらに、いろいろな機会をとらえまして、また政府広報の番組もあるわけでございますから、そういうところも活用しながら、この問題について住民の御理解を深めていただくように努めてまいりたいと考えております。
#148
○糸久八重子君 再生利用についてお伺いいたします。
 再生利用については、現在、都道府県の許可なしで営業できるちり紙交換などがございますね。それから粗大ごみの再生利用の場合には特段の補助をするというようなことも伺っておるわけですけれども、令国で粗大ごみ再生利用の処理施設というのは、どのくらいございますか。
#149
○政府委員(森下忠幸君) 粗大ごみ処理施設でございますが、これはいろんなタイプがありまして、粗大ごみをほうり込んで砕いてしまうやつ、それからプレス、圧縮するのと、その両方に使えるというふうなもの、こういったものが全国で、五十七年度末のデータでちょっと古うございますけれども、四百四十カ所ございます。
#150
○糸久八重子君 瓶や缶のようなそういう不燃物のうち、再生利用されているというものは大体どのくらいあるでしょうか。
#151
○政府委員(森下忠幸君) まず瓶でございますが、瓶を集めましてカレットにしてもう一遍瓶をつくり直すというものを見てまいりますと、昭和五十九年、これは新しいデータでございますが、昭和五十九年度には四二・四%の瓶が再生されておる。これは、昭和五十五年には三五・五%でありましたから、かなり上昇しておる。それから、缶につきましては資料を持ち合わせておりませんが、古紙の話がさっき出ましたのでちょっと申し上げますと、古紙も五十八年度では四九%ということで、五十年度の三九%が一〇%も上がっておるところでございます。
#152
○糸久八重子君 瓶の四二・四%というのは、これはつぶしてまた新しく瓶にするということですか。それとも、ある瓶をまたもう一度使う、そういうことなんでございますか。
#153
○政府委員(森下忠幸君) これはつぶしてまた新しく瓶にするということでございますから、ビール瓶のように、あの姿のまま何遍も流通するというものは、これらのほかの数になるわけでございます。
#154
○糸久八重子君 再生利用をしてない不燃物というのはほとんど埋め立て等に使われているわけですから、こういう不燃物の場合にはもう何千年たっても土には戻らないわけですね。やはり再生利用についてはうんと本腰を入れて考えていかなければならない問題でないかと思います。このまま推移しますと、ごみというのはもうふえても減ることはないわけですから、廃棄物の改革とでもいった腰を据えた取り組みが必要ではないかと思います。ごみゼロ運動とか、いろいろそういうことで厚生省はしていらっしゃるということなんですけれども、もう少し大きな運動にしていっていただきたいと思うわけです。
 そこで、大臣に二、三提言を申し上げたいと思うんですけれども、例えば昨年科学万博がございましたけれども、そういうようなときに、リサイクル館の企画など、そんなものもあってもよかったのではないか、もうこれは既に終わったことなんですけれどもね。それでは、それにかわるようなものとして、例えばナショナルイベントとしてリサイクルフェア、そんなものを開催してみてはどうなのか。例えば国体などは各県持ち回りでやっておりますけれども、これも各県持ち回りで開催地を毎年変えていけば、当該県の取り組みなども非常に徹底をするのではないか、そして刺激を与えていくのではないか。それからあともう一つ、リサイクルの研究所みたいなものをつくってみてはどうなのか。そんなような提言をしたいと思うんですけれども、大臣の御見解、御意見をお伺いしたいと思います。
#155
○国務大臣(今井勇君) 私は今の御提案、極めてありがたいことだと思いますね。とにかくリサイクルというのは、御案内のように、廃棄物そのものを減らすという意味からも、また省資源といいますか、省エネルギーの観点からも極めて大事でございますから、厚生省といたしましても、環境衛生週間だとか、あるいは環境美化行動の日程を通じましていろいろやっているわけでございます。したがいまして、例えばリサイクルの研究所なんかも、私ども、実は昨年の十一月に全国の都市清掃会議というのがございまして、その中に設置されました廃棄物の処理技術開発センターというものにおきまして、リサイクルの研究を含めまして、ごみの広域回収だとか、あるいは処理につきまして研究が行われるところでありますので、これを生かしていきたいと思いますし、おっしゃいますようなリサイクルフェア、そういうことにつきましても私は大変ありがたいことだと思いまして、言ってみれば、ごみ国体とでもいいましょうか、そういうものの御提案はまことに結構なことだと思いまして、ぜひひとつ参考にさしていただきたいと思っております。
#156
○糸久八重子君 それでは、内容をがらりと変えまして、年金の方に入りたいと思います。
 まず、大蔵当局にお伺いをしたいと思いますが、財政投融資の計画枠に対して資金需要はどんな状況にあるのでしょうか。財政投融資の資金は足りないものなのかどうか、それともまだ未消化額があるものかどうか、このところの推移をお伺いしたいと思います。
#157
○説明員(石坂匡身君) 財投の資金の利用状況というふうなお尋ねでございます。
 財投は、六十一年度の財投規模で申しますと二十二兆一千五百五十一億円、前年度対比六・二%ということでございまして、ここ五年ぶりの非常に大きな伸びとなっておるわけでございます。財投は従来から、ときどきの経済情勢でございますとか、社会的な要請とか、そういったものを踏まえまして、重点的、効率的な資金配分に努めてまいったところでございます。
 六十一年度の財投計画について申し上げますと、内需拡大という強い要請がございました。また、地方財政の円滑な運営といった、そういう政策的な必要性というふうなものが非常に強く訴えられたわけでございます。そういった政策的な必要性に積極的にこたえていくという観点に立ちまして、公共事業の実施機関につきましては一一・九%の財投の伸び、住宅公庫につきましては一〇・五%の財投の伸び、地方につきましては九・五%というふうなことで、全体といたしましてそういった内需振興あるいは地方財政の円滑な運営という点に配慮をいたしまして、重点的な資金配分を行ったところでございます。
 今後とも、そのときどきの経済情勢でございますとか、社会的な要請でございますとか、そういった点を踏まえまして、効率的な資金配分を行ってまいりたい、かように考えております。
#158
○糸久八重子君 財投の未消化額は年々増加の方向にある。それで、これは明らかに財政投融資がその役割を減じてきている。戦後の復興とか高度成長期を通じて果たしてきた役割が、かなりの分野においても相対的に低下をしてきていると思うのです。この点は臨調の最終答申にも指摘してありますけれども、財政当局はどのようにこの点を御認識していらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
#159
○説明員(石坂匡身君) 財投の大きな流れというふうなお尋ねでございます。
 確かに、今、先生御指摘なさいましたように、戦後の復興期におきましては、産業復興というふうなことが急務とされたというふうなことから、産業政策的な観点から、基幹産業を中心の資金配分が行われましたし、それに続きます高度成長期におきましては、道路とか鉄道といったような産業基盤の整備、さらにそれから住宅とか生活環境整備というふうなところに重点を移してまいっておるわけでございます。石油ショック後の現在の安定成長期に至りまして、公共部門の資金不足がかなり顕在化してきているというふうなことを踏まえまして、国あるいは地方公共団体への資金不足に対する対応というふうなことにも意を注ぎまして、国、財投機関、地方、こういった三者のバランスを考えながら財投の配分に努めてまいっておるところでございます。
 先生のお尋ね、恐らく五十九年度に約一兆円の不用を出したというふうなことを中心にしてのお尋ねであろうかと存じます。
 この中身を詳細に見てまいりますと、その大半は、輸銀で約四千七百億円の不用が生じました、それから中小公庫で三千百億円、この二つの機関がその不用の大宗を占めたわけでございます。
 ただ、御承知のように、輸銀は非常に海外の事情に左右される機関でございまして、プラント輸出の不振でございますとか、あるいは資源需要の低迷による開発実施のおくれでございますとか、あるいは債務累積問題に伴いますところのプロジェクトのおくれといったような悪条件が重なったというふうなこと。それから中小公庫につきましては、非常に急激な金融緩和の時期に遭遇をしたというふうなことでございまして、逆に金融がタイトになった場合、あるいは非常に海外からの需要が出てまいりますと、こういった機関は非常に大きく逆に膨らむというふうな要素もございます。
 ただ、先生御指摘のように、五十九年度におきましては、こうした機関が主体となりまして約一兆円の不用を生じたことは事実でございます。この点は私どもも非常に深く反省をし、重く受けとめまして、こうした不用額につきましては、六十年度の財投計画におきまして、これをあらかじめ原資として見込むというふうな財投編成をさせていただきますとともに、現実に不用を出しました輸出入銀行につきましては、二四%の財投減の計画をつくりましたし、中小公庫につきましても、約六%減の計画というふうなことで、余った資金は活用いたしますと同時に、こうした不用的な分野を出しましたものにつきましては、その規模を厳しく現状に合わせて抑え込むというふうな措置を講じたところでございます。
 六十年度につきましては、まだこれから計数を整理しないとわかりませんのでございますけれども、このような大きな不用が生ずることはないというふうに考えております。
#160
○糸久八重子君 臨調の答申の中にも「かなりの分野においては、財投資金を配分する必要性が従来に比べて相対的に低下している。」と、そう書かれてあるわけです。そういうような意味から考えると、財投の有力な原資であります年金資金についても、その役割については根本的に見直す時期が来ているのではないか、そしてその必要があるのではないかと思うのですけれども、厚生省、それから大蔵省にもお伺いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#161
○政府委員(吉原健二君) 私どもは基本的には、今、糸久先生がおっしゃったような実は考え方を持っているわけでございまして、過去におきましては、財投事業の中でその原資として年金資金はそれなりの役割なり活用がされてきたというふうに思っておりますけれども、これから財投のあり方についてもいろいろ議論がございますし、それから一方、年金制度の立場で申し上げますと、将来の年金財政の長期的な安定を図っていく、あるいは保険料負担の将来の被保険者の保険料負担を軽減していくためには、やはり年金資金につきましては、できるだけ安全確実であることはもちろんでありますけれども、もっと有利、高利回りの運用を図っていく必要があるという認識を持っておりまして、財投制度の将来のあり方の中で、こういった年金資金にふさわしい運用というものを同時に考えていかなければならないというふうに思っております。
#162
○説明員(石坂匡身君) 年金資金は財投の原資といたしまして、先ほど来るる申し上げましたように、極めて重要な原資、財投の重要な原資であるというふうに考えております。
 私ども基本論といたしましては、国の制度、信用を通じまして集めた資金というものは統合して運用させていただいて、財投の原資といたしまして公共の利益のために有効に活用させていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
 今、厚生省の方から御答弁ございましたように、厚生省の方でそういう強い御要求をされておられるということも十分承知しております。
#163
○糸久八重子君 年金の積立金は、現在財政投融資原資においてどのくらいの比重を占めておりますでしょうか。
#164
○説明員(石坂匡身君) 全体のストックベースで申し上げますと、百五十兆のうち約五十兆、ストックベースでございますが約三分の一が年金でございます。フローベースで申し上げますと、ことしの二十二兆の財投のうち四兆円が年金資金でございます。
#165
○糸久八重子君 大変な比重を占めているわけですね。
 そして、財政投融資が政策金融として積極的な意味を持つためには、どのようなことが要請されるでしょうか。
#166
○説明員(石坂匡身君) やはり財政投融資といいますものは、いわば国の制度、組織を通じていただきますところの資金を公共の利益のために使用させていただいているという立場でございます。したがいまして、そのときどきの社会情勢あるいは経済情勢からどういうものが必要なんだろうかというふうなことを踏まえて運用させていただくということであろうかと思います。
 六十一年度の財政投融資計画に即して申し上げますれば、先ほども申し上げましたけれども、住宅でございますとか、あるいは内需拡大の見地からの公共事業でございますとか、あるいは地方財政が逼迫をしておるという状況を踏まえまして、その円滑な運営のための運用でございますとか、そういったそのときどきの国、地方あるいは財投機関、そういった全般の情勢を踏まえながら弾力的、効率的に運用させていただくというふうなことであろうかと考えております。
#167
○糸久八重子君 財投の資金配分機能という視点からすると、当然低利の融資が要求されるわけですね。一方、年金加入者からすれば、厚生年金、国民年金の積立金は、年金給付のための重要な資金であるわけですから、その運用は当然効率的な高利運用が要請されるわけですね。
 このように、財政投融資の資金としての要請とそれから高利運用の立場というのは、まさに相反する要請ではないかと思います。この相反する要請を財政当局な力年金担当省はどのように認識して、どこに活路を見出そうとしていらっしゃるのでしょうか。大蔵、厚生、両方からお伺いしたいと思います。
#168
○国務大臣(今井勇君) 私は、おっしゃいますように、年金積立金につきましては、やはり年金財政の長期的な安定や保険料負担の軽減といった観点から、できるだけ高利に運用することが極めて大事だと思っているわけです。そこで私どもは、年金積立金の別建ての高利運用ということにつきまして、私の前の大臣でございましたが、厚生、大蔵の両省でこれをいろいろ御協議をしたんですが、六十一年度はなかなか意見の一致を見ませんで見送りになったわけですが、意見の相違はあるものの、引き続き検討協議をしようということになっているわけです。
 厚生省といたしましては、やっぱり年金資金にふさわしいような別建ての高利運用というものの実現に向けて努力をしてまいりたい、このように私は基本的に考えております。
#169
○説明員(石坂匡身君) 今、大臣から御答弁ございましたように、六十一年度の要求の過程で、厚生当局から別建て高利運用の御要求があったわけでございます。今、大臣おっしゃいましたとおりでございまして、意見の相違が大蔵、厚生両省の間にはございます。引き続きこの問題については検討協議をしていこうということになったわけでございまして、そういった経緯を踏まえる必要はあろうかと存じております。
 ただ、私どもの立場といたしましては、統合運用というふうなことで財投の重要な原資という認識のもとに主張をさせていただいているということでございます。
#170
○糸久八重子君 厚生省の高利運用の構想というのはどういうものでございましょうか。
#171
○政府委員(吉原健二君) 高利運用の考え方をざっと申し上げますと、先ほど大蔵省からお話し申し上げましたように、現在、厚生年金、国民年金の積立金がストックベースで六十年度末で大体五十三兆ぐらいになるわけでございまして、六十一年度の新規増加額が四兆円という金額になるわけでございます。それから同時に毎年度の回収金が約四兆あるわけでございまして、新規増加額と回収金を合わせまして約八兆になるわけでございますが、私どもの考え方は、その新規増加額と回収金の約二分の一程度、したがいまして約四兆という金額になるわけでございますけれども、その四兆を資金運用部に預託せずに、それを別建てで民間機関に委託をして運用いたしまして、できるだけ有利、高利回りで運用をする。そしてその利子、運用利益につきましては、将来の年金財政の長期的な安定、それから保険料負担の軽減に資するために年金の会計の中に繰り入れていくというような考え方でございます。
 運用の範囲といたしましては、国債なり地方債、あるいは事業債、金融債、そういったものに運用をするという考え方に立っておりますし、運用の委託方法といたしましては、先ほど申し上げましたように、民間の活力を活用する観点から、信託銀行その他民間機関に委託をして運用をするという考え方でございます。
 私どもの運用利回りの目標といたしましては、現在、厚生年金基金の年金資金につきまして信託銀行あるいは生命保険会社に委託をされて、五十八年度あるいは五十九年度におきまして八・六分程度の運用利回りを上げておりますので、そういった形でこの年金資金につきましても運用したいというのが厚生省の高利回り、高利運用の考え方でございます。
#172
○糸久八重子君 四兆円の自主運用で収益増というのは大体どのぐらいになりますか。
#173
○政府委員(吉原健二君) 四兆円を運用いたしますと、先ほど申し上げましたように、厚生年金基金並みの利回り、資金運用部に預託しますよりか約一・五%程度高い利率で運用できるという前提で計算をいたしますと、一年間に約六百億円、それから七年間の累積で約二兆三千億円の運用益が生ずるということになります。
#174
○糸久八重子君 大蔵省にお伺いするんですけれども、今、厚生省が申しましたように、積立金の一部の四兆円を自主運用して、そして六百億円の収益増を図るということを要求したということは、やはり当然理にかなった主張だと思うのです。来年度以降、そういうように前向きに取り組むお考えはあるのかどうか、それをお伺いしたいと思います。
#175
○説明員(石坂匡身君) 私ども、この年金が非常に重要な財投原資であるというふうに認識をしてございます。財投規模二十二兆円の中で、ことしの数字をもちましても四兆円がその原資ということでございますから、非常に重要な位置を占めておるわけでございまして、これに対しまして、ただいまのように六十一年度で四兆円の別建て運用をされますと、財投の編成が非常に困難というふうな事態に逢着をするというわけでございます。私どもは、統合運用というふうな原則、国の特別会計事業として集めていただいているお金でございますので、統合運用させていただいて財投を編成させていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
#176
○糸久八重子君 今回の改正案の中身を見てみますと、年金福祉事業団の一部改正によって、事業団の「業務を将来にわたって安定的に実施するための資金の確保」事業として還元融資枠の一部、三千億円の自主運用が認められる方向にあるわけですね。これは年金積立金本体の自主有利運用の第一歩に結びつけることはできないものでしょうか。
#177
○政府委員(吉原健二君) 先ほど、御質問に大蔵、厚生、両省お答え申し上げましたように、自主運用自体につきましては、まだ大蔵省、厚生省の間で意見の一致が実は見ていないわけでございまして、この問題につきましてはさらに引き続き検討、協議をしていこうということになっているわけでございます。
 今回、六十一年度の予算で認められました三千億円の事業団での運用事業というものも、私どもが先ほどお話し申し上げました本来の自主有利運用あるいは別建て高利運用とは違う、別なものでございまして、そういった意味では、私どもの要求が六十一年度においては実現を見なかったわけでございますが、この新たな事業団での資金運用事業につきましても、将来の還元融資を安定的に実施をしていく、そのための財源を確保していくということにおきまして、私はやはりそれはそれなりに非常に意味のある、有益な新しい事業だということで実施をさせていただきたい、こう思っておるわけでございます。
#178
○糸久八重子君 自主運用の三千億円ですけれども、もう少し細かくお伺いしたいんですが、どんな運用方法がとられることになりますでしょうか。また、その場合に、財政投融資の貸出利率に比べてどの程度の高利率が見込まれることになるのでしょうか、お伺いさせていただきます。
#179
○政府委員(吉原健二君) 三千億の実際の運用でございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、できるだけ民間の活力あるいはノーハウというものを導入していく、あるいは活用していくという観点に立ちまして、現在、厚生年金基金等の資金につきまして、既に長年の運用経験なり運用実績を持っております信託業務を行っている銀行に対しまして、厚生年金基金の運用例を参考にしながら、金銭信託の方法で運用の委託を行うということを今念頭に置いておるわけでございます。
 それから、実際の運用利回りでございますけれども、先ほど申し上げましたように、これまでは比較的厚生年金基金等の資金の運用利回りは八・六%程度、実際の事務費、手数料等を除きまして、その程度のかなり高い利率で運用されていたわけでございますけれども、御案内のとおり、最近非常に金利が全体として下がってきておりますので、なかなかこれからもその程度の高い金利を確保できるかどうかにつきましては、私ども率直に言ってなかなか難しくなってきたという感じは持っておりますけれども、ただ、資金運用部に預託をした場合の預託金利、現在、四月の一日から六・〇五%というふうに非常に低い預託金利になっておりますけれども、それに比べますと一ないし一・五%程度の高い利回りで運用できるのではないかというふうに思っております。
#180
○糸久八重子君 年金資金について自主運用を認めると、郵便貯金にも波及するという懸念を財政当局が抱いているというようなことも聞いているわけですけれども、そもそも金利選好の可能な郵貯などと違って、強制徴収された保険料の集積である年金積立金については、政府としても可能な限りの高利運用をする責任を負っているわけです。今後の年金制度を見通しますと、倍以上の負担を国民にさせなければならない状態にあるわけですから、政府の責任というのは一層重くなってくるわけです。郵貯と年金積立金とは明らかに性格が異なると私は考えるんですけれども、大蔵省の見解はどうなのか、お伺いをしたいと思います。
#181
○説明員(石坂匡身君) ただいま先生御指摘なさいましたが、確かに年金資金は将来の年金給付のために積み立ててある資金でございます。片や郵便貯金は、国民に対する簡易で確実な貯蓄手段を提供するということでございますから、その性格は違うという点は確かに御指摘のとおりでございます。
 ただ、いずれも国の制度、組織あるいは信用といったようなものを通じて特別会計事業として行われているという点におきまして、共通点があるというふうに認識をしております。
#182
○糸久八重子君 それでは、厚生年金以外の他の公的年金制度、例えば国家公務員とか地方公務員共済組合、その他いろんな共済組合があるわけですけれども、その積立金運用はどういう状況になっておりますか。
#183
○説明員(坂本導聰君) 私どもは国家公務員共済組合担当でございますので、国家公務員共済組合について申し上げますと、一つは、ただいま御議論になっております資金運用部預託ということで、厚生年金と共済年金の均衡がとれるようにという法律の規定がございまして、したがいまして、その規定の趣旨に沿いまして、一定額を資金運用部に預託するというのがまず一つございます。
 それからもう一つは、民間企業と違いまして、国家公務員の場合には予算統制がございまして、諸制約があってなかなか福祉事業が実現できないということもございます。したがいまして、その肩がわりとしてこの積立金を運用して組合員への貸し付け、例えば住宅資金の貸し付けというような、そういった組合員貸し付け等を行っております。それから残余の資金につきましては、有価証券等に有利に運用しているということでございます。
 ただ、先ほど申しましたように、組合員簿へ低利で運用いたしておりますので、全体としての資金運用利回りは、全額資金運用部に預託した場合よりも多少下回っているという実情にございます。
#184
○糸久八重子君 国家公務員の共済組合の場合を今お伺いしたわけですけれども、多少その利回りが下回っているということなんですが、できたら資料を後でいただきたいど思いますけれども、今、簡単にお答えできますか。
#185
○説明員(坂本導聰君) ちなみに最近五年間の数字を申し上げますと、全体の資金運用利回りは昭和五十四年で六・四四%でございますが、うち資金運用部へ預託している利回りだけを取り上げますと六・九一%というふうになっております。それから、五十五年は同じように六・九四%に対して七・一三%、五十六年は六・八一%に対して七・二六%、五十七年は六・八五に対して七・二三%、五十八年は七・〇九に対して七・三〇%、五十九年は六・九〇に対して七・二一%、これは先ほど申し上げましたように、組合員に低利で融資しているということが相当影響していると思います。
#186
○糸久八重子君 年金一元化のこの前の制度改正の中でも、制度間の格差がいろいろ論じられたわけですけれども、いわゆる給付体系上だけの格差ではなくて、資金運用面の格差もやはり改善されなければならないのではないかと思います。年金の一元化という観点から考えても、資金運用についても統一をとっていかなければ、やはり特定グループの被保険者が不利といったことになるのではないかなというような気がするんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
#187
○政府委員(吉原健二君) 私どもも大体同じような考え方を持っておりまして、年金の一元化というのは、制度をできるだけ整合性をとる、一本化するということだけではなしに、やはり資金運用面、その制度を支える資金運用のあり方についてもできるだけバランスのとれた共通のものにしていくということが必要だろうと思うわけでございます。そういった意味におきまして、共済制度、国家公務員もそうでございますし地方公務員の共済制度、それから農林、私学、すべて考え方としては原則自主運用の考え方に立っているわけでございます。これも国の制度なり信用、組織でもって集められる資金という点では私どもは同じではないかと、厚生年金や国民年金と同じではないかというふうに思っているわけでございまして、やはり年金制度は制度として資金運用も含めた整合性のある統一的な運用、同じような運用方法をとっていくべきではないかというふうに思っております。
#188
○糸久八重子君 今の各制度間の統合ということも考えれば、今までの財政当局のかたくなな考えというのはやはりおかしいのではないかと私は思うわけですね。
 それで、単年度の余裕金と積立金の年金資金だけでなくて、保険料収入全体の資金効率を最大限に高めるという必要が出てくるのではないかと思いますけれども、そのためにはどんなことが考えられますでしょうね。
#189
○政府委員(吉原健二君) ちょっと御質問の意味をどういうふうに理解していいのかわからなかったものですから、もう一度。
#190
○糸久八重子君 例えば、厚生年金でほかに何か積立金の利用がございますね。病院をつくるとか施設をつくるとかというようなものがあるわけですけれども、どういうものがございますか。
#191
○政府委員(長尾立子君) 厚生年金の例をもちまして御説明をさしていただきますが、厚生年金の会計の中で福祉施設費という項目がございまして、これは福祉施設費としての金額を業務勘定に繰り入れまして、今、先生御指摘のような被保険者、年金受給者のための福祉を増進するような施設の建設等の事業をいたしております。六十一年度予算では、厚生年金保険の福祉施設費の総額は、全体といたしまして二千四百三十七億円という金額になっております。この場合、年金福祉事業団という特殊法人がございますが、ここへの出資金がこの中に含まれております。
 先生御質問の、被保険者や年金受給者等のサービスに直接かかわっております施設の整備等が、全体といたしまして今申し上げました二千四百三十七億円のうちの七百七十五億円でございます。それから、年金福祉事業団に対しまして事業団交付金がございますが、これが三百九十九億円でございます。そのほかの千二百六十三億円が年金福祉事業団が行います貸付事業等に充てます経費といたしましての出資金になっておると、こういう形になっております。
#192
○糸久八重子君 厚生年金保険の現在の福祉施設は、大半が財団法人の厚生団というんですか、で運営が行われていると。現在行っているような各種の福祉施設、今申しました会館とか老人ホームとか病院とかスポーツセンター、こういった方法で、つまり財団法人厚生団で運営をしていく必要があるのかどうなのか。また、こういう施設はこれから皆年金時代になるわけですけれども、加入者との結びつきをどのように考えたらよろしいのか、もうそろそろ再検討する時期に来ているのではないかと思うんですけれども、その辺のところはいかがでしょうか。
#193
○政府委員(長尾立子君) 先生御指摘のように、厚生年金保険の福祉施設につきましては、財団法人厚生団に一括経営を委託いたしております。厚生団は、実は戦前から設立をされました非常に古い財団法人でございますが、本来、年金の場合には障害年金の給付を持っておりますので、リハビリテーションでございますとかそういった施設を、諸外国でも大きな施設を持っておるわけでございますが、厚生団はそういった施設をいわば現物給付的に実施をするものとしてスタートをしたという経緯がございます。現在は、こういった厚生年金病院、それから保養ホーム等のほかに、先生お話しの厚生年金会館とかスポーツセンターとか、そういう施設が全国で八十七カ所あるわけでございますが、そういった施設を全体といたしまして厚生団が経営委託を受けておるということでございます。
 一方、もう一つの大きな年金制度でございます国民年金につきましても実は同じような福祉施設を持っておるわけでございますが、これにつきましては、同じく施設整備を中心といたしましたサービスを約二百二十九億ほどやっております。これは六十一年度予算でございます。この部分につきましては別の法人を設けまして、国民年金の福祉施設は、その性格からいいまして非常にその地域と密着した事業でございますので、各都道府県に一カ所程度の施設をつくっておるわけでございますが、各都道府県でその法人をつくりまして施設の運営をしていただいておる。中央会館のみが連合会が設置をしておるという形になっておるわけでございます。
 この施設の経営でございますけれども、やはりそれぞれの今までの伝統に基づきます施設運営についてのいろいろな蓄積がございます。私どもといたしましては、今までの施設の経営、大変良好にやっていただいておりますので、被保険者の皆様、受給者の皆様の声を十分に反映する形で運営にもそれぞれ参画をしていただいておるわけでございますが、こういった形で今後も運営をしていきたいというふうに思っております。
#194
○糸久八重子君 四十八年に構想が打ち上げられました大規模年金保養基地、これは年金福祉事業団の還元融資で建設が行われていると思うのですけれども、その融資累計額はどの程度になっておりますでしょうか。
#195
○政府委員(吉原健二君) 大規模年金保養基地の建設につきましては、昭和四十八年度から建設整備を進めてまいりまして、現在、兵庫県の三木を初めといたしまして、既に七つの基地が開業をいたしております。昭和六十二年度までに全国十一の基地、箇所数で申し上げますと十三カ所あるわけでございますけれども、すべての基地について建設工事が完成するという予定になっているわけでございます。
 この大規模年金保養基地の建設のための投資額を申し上げますと、昭和六十年度までの累計で約千二百四十五億円ということになっておりまして、この財源は全額資金運用部からの借入金で充てているわけでございます。六十一年度及び六十二年度の投資予定額は、ちなみに百六十八億円というのを見込んでおります。
#196
○糸久八重子君 現在開業している施設が七カ所と今お伺いしましたけれども、こういった事業の収支は中長期に見て黒字となり得るものなのでしょうか。またオープンしていない基地については建設予定はどうなっておりますか。今、六十二年度とおっしゃいましたか。
#197
○説明員(丸山晴男君) お答え申し上げます。
 現在オープンしている七カ所に次ぎまして、残る六カ所につきましては六十二年度いっぱいで整備が完了いたしまして、全基地そろいますのは六十三年度冒頭でございます。
 なお、各基地の収益につきましては独立採算を原則といたしまして、現在七基地オープンしてございますが、そのうち六基地分、第七番目の基地につきましては先月オープンしたばかりでございますので、六基地分につきましては、合計いたしますとほほ収益はとんとんといった状態でございます。
#198
○糸久八重子君 この用地の取得は四十九年から五十一年にかけてなされておりますけれども、十年を経過してまだ開業にこぎつけられないというのは、当初の構想と現実との間にギャップがあったのではないか。こういう形で一千億円も超える金額を凍結させてしまっているということが、一方で効率的な高利運用を提唱しているのと合致するのでしょうかね。
#199
○政府委員(吉原健二君) 従来、この年金積立金の運用につきましては、有利、高利というよりか、むしろできるだけ被保険者なり受給者の福祉に直接還元するような運用を考えるべきであるという声が強かったわけでございます。そういったことで私ども、先ほども申し上げましたように、厚生年金について各種の福祉的な施設、会館でありますとか、スポーツセンターでありますとか、病院でありますとか、そういうものもつくってきておりますし、いわばそういった施設の大型版といたしまして昭和四十九年度に、ああいった御案内のような経済情勢を背景にいたしまして、大規模な年金保養基地というものの構想が実はつくられたわけでございます。
 その後、経済的な事情、社会的な情勢も大変大きく変わってきておりまして、それから同時に、年金制度についての将来のあり方、そういった議論もその後に強く出てきたわけでございまして、今の時点で考えますと、確かにこれからはそういった大規模の福祉的な施設あるいは保養基地といったようなものを必ずしも積極的につくっていくもう時期ではないというふうな認識に立っておりますけれども、やはり当時におきましてこういった基地の計画、それはそれとして計画をしたわけでございますので、計画どおり整備をして運営さしていきたい。
 ただ、この基地の整備につきましては、一応現在計画中のもので終わりとするという考え方を持っているわけでございます。
#200
○糸久八重子君 それでは、最後になりますけれども、大臣、年金の自主運用について、やはりもう積極的に進めていくという大臣の御決意のほどをお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
#201
○国務大臣(今井勇君) 先ほども私は、年金積立金につきまして厚生省といたしましては、例えば別建ての高利運用の実現に向けて一生懸命やりたいというふうなことも申し上げました。私もそういう気持ちでございます。せっかく皆様方からお預かりいたしました大変な有効なお金でございますから、それをできるだけ高利運用いたしまして、皆さんにお返しするという基本的な考え方に立って今後とも頑張ってまいりたい、こう思っております。
#202
○糸久八重子君 ありがとうございました。終わります。
#203
○理事(大浜方栄君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時三十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十二分開会
#204
○委員長(岩崎純三君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案並びに年金福祉事業団法及び国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の両案を便宜一括して議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#205
○中野鉄造君 私は、初めに廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案に関連してお尋ねいたします。
 けさのテレビの報道でも言っておりましたが、千葉県では廃棄物処理についていろいろな規制の条例が出たということを言われておりました。こういう事例は今後ほかの自治体でも出てくるんじゃないかと思うんですが、この辺についての今後の国の指導の方向というものがあればお聞かせいただきたいと思います。
#206
○政府委員(森下忠幸君) 廃棄物処理施設、特に、常に問題になりますのが最終処分施設でございます。これは、一定規模以上のものにつきましては、設置前に環境アセスメントをして適切な施設ができるようにということで指導してまいっておるわけでございます。これは国の方で一定規模以上のものをやっておりますので、それに準じてより小さなものにまで県が環境保全の観点からそういうことをおやりになるのは結構だと思いますが、なお、具体的にマニュアルのような形で示していくということを研究してまいりたいと考えております。
#207
○中野鉄造君 ひところ問題になりました使用済み乾電池の処理状況は、今どういうふうになっていますか。
#208
○政府委員(森下忠幸君) 使用済みの乾電池で、ただいまそれぞれの市町村がストックしておりますものにつきましては、これを広域的に処理いたしますというか、広域で集めまして水銀を回収するという制度をつくりまして、そちらの方でできるだけ処理をしていくということを進めておるところでございます。
 これは、ただいま北海道に一カ所だけそういうプラントがあるわけでございますが、できれば全国に何カ所かそういうものがあった方が効率的でございますので、さらにそういった回収工場ができることを望みながら調査をしておるところでございます。
#209
○中野鉄造君 次に、年金福祉事業団法の一部を改正する法律案、本法律案について私は基本的には賛成でありますが、この際、この事業団に関する問題でお尋ねいたします。
 本法案の事業団の高利自主運用資金三千億円、これは厚生積立金一部自主運用要求とは別建てとなっております。これが今後どのような方式でどの程度の利回りになるかということについては、午前中の質問によっても大体明らかになりましたけれども、円高による急激な金利引き下げ等によって、率直に言ってある程度の影響が出ているんじゃないか、こう思いますが、この三千億円の自主運用によって得られる利子、これはどのくらいになりますか。
#210
○政府委員(吉原健二君) 私ども、三千億円を還元融資の財源に将来充てるということで、できるだけ有利、高利回りに運用したいということを考えているわけでございますけれども、先ほども申し上げましたように、本来、私ども厚生年金基金の運用利回りが五十八年度、五十九年度まで大体八分合、八・六%あるいは八・八%というような利回りで運用されてまいりましたので、その程度の運用というものを考えていたわけでございますけれども、御案内のとおり、最近金利が全体として大変低くなってきておりまして、そういった状況の中で、私どもが当初考えておりましたような金利での運用は、率直に言ってなかなか難しくなってきたなという感じは持っているわけでございます。
 ただ、そうは申しましても、資金運用部の預託金利は現在六・〇五%というふうに、今までの預託金利の中でもいわば最低の金利水準になっているわけでございまして、それに比べますと、この三千億円の運用利回りは、それよりも一ないし一・五%程度は高い利回りで運用が可能なのではないか、相対的に考えまして、その程度の高い利回りは確保できるんじゃないかというふうに思っておるわけでございます。
#211
○中野鉄造君 「六十一年度予算参考書類」を見ますと、その九十ページに載せられておりますが、投資収益受入金、これが十二億二千四百四十二万八千円、こうなっておりますね。これは、今の御答弁のあれからいきますと、これをかなり上回りますか、それとも下回ってきますか。
#212
○説明員(丸山晴男君) お答え申し上げます。
 資金運用事業の実施に当たりましては、いわば借入金利息につきまして、当面運用収益から返済をしていく、こういう計算に基づきまして、当時の資金運用部の預託金利六・八%分につきまして投資収益受入金十二億円ということを計上いたしまして対応する、こういう考えでございます。したがいまして、その後預託金利が下がったこともございますので、この十二億円につきましては、現在のところこの金額で考えておりますけれども、さらに検討することは必要かと思います。
#213
○中野鉄造君 下がりますね。
#214
○説明員(丸山晴男君) 金銭信託の方法といいますのは、最低一年単位の運用でございまして、この資金運用事業は原則五年程度の運用を考えておりますが、その際に、預託金利相当分を一年間の運用益として計上するということで、それを利息分の利払いに充てるということで設計をしてはどうか、こういうことを議論いたしております。したがいまして、資金運用部への返済分だけを運用収益として現金化する、元加する、こういう考え方でございますので、御質問のとおり、六・〇五%になりますと、実現する運用収益は下げるということでございます。
#215
○中野鉄造君 かねてから、年金財政の安定と、保険料をできるだけ抑制しながら収入をふやす方法として模索されていたのがこの公的年金積立金の高利回り運用でありますけれども、基礎年金法案審議の際にも強くこれは主張してきたところであります。これに対し大蔵省は、財投資金の効率的運用ができなくなるということでこれに反対されまして、あくまでも統合運用を続けているわけでございますけれども、その後、自主運用については大蔵、厚生の継続審議ということになっておりますが、今日までの経緯と、今どういうふうになっているのか。
#216
○政府委員(足立和基君) 年金資金の自主運用につきましては、今御指摘のように、六十一年度予算編成に際しまして厚生省から要求がございましたが、大臣折衝を通じまして六十一年度は見送りとなったわけでございます。その際、両省間で意見の相違はありますが、今後とも引き続いて十分協議をしていこうということで現在まできておるわけでございます。
 私どもの考え方は、今、先生がおっしゃいましたように、財投原資として重要な要素を占めるものでございますので、ぜひ統合運用をしていきたいと考えておりますが、厚生省からの強い御要望もありまして、今後ともひとつ両省間で六十二年度予算編成過程を通じまして協議を行っていきたいと考えております。
#217
○中野鉄造君 先ほども申しましたように、今回のこの法案は、一つの方向として私は非常に賛成できるわけですけれども、希望として言わしてもらうならば、本当は丸が一つ少ないのじゃないか、こういう気持ちもあるわけなんですね。今も申しますように、基本的には賛成ではございます。しかし現実を見ますと、現在行われている年金運用について、今回の法案あたりとは全く逆の、年金保険者にとっては全く不利益となるような運用が行われているところから、この点について、この前と重複しますけれども、再びお尋ねをしたいと思うのです。
 財政投融資計画の見直しが最近特に言われておりますけれども、特にその中で、極めて基本的なお尋ねですけれども、年金福祉事業団、これはどういう事業をやっていますか。概略で結構です。
#218
○政府委員(吉原健二君) 年金福祉事業団は、年金資金をできるだけ被保険者あるいは受給者の福祉のために還元する事業を行うという趣旨をもちまして、昭和三十六年に設置をされたわけでございます。
 現在行っております事業を申し上げますと、第一が被保険者住宅資金の貸し付けでございまして、被保険者がマイホームの夢を実現できるように、住宅の建設あるいは取得に必要な資金を融資する事業をやっております。
 それから第二が、各種の福祉施設の設置、整備資金でございまして、被保険者の福祉向上のための病院、体育館、社会福祉施設あるいは保養施設、レクリエーション施設などの整備、設置に必要な資金の融資をしております。
 第三が年金担保資金の貸し付けでございまして、年金受給者が年金を担保にして一時的な資金の借り入れを行うことができるような事業をやっております。
 それから第四が、大規模年金保養基地の設置でございまして、全国十三カ所十一基地につきまして、昭和四十八年から大規模の保養基地、年金の被保険者及び受給者のためのレクリエーション等のための基地の建設を進めている。
 以上が現在やっております年金福祉事業団の主な事業でございます。
#219
○中野鉄造君 今もお答えがありましたように、被保険者への貸付事業及び施設事業、こういったようなものが中心であろうと思うのですが、これに対する資金計画は昭和六十一年度の場合、資金運用部資金、出資金、交付金、こういったようなもので構成されているわけですけれども、この資金計画で特徴的なことは、最近非常に交付金と出資金が急激にふえてきた、こういうことが言えるのじゃないかと思うのです。交付金は五十年度で四十三億円だったのが、六十一年度では四百二十五億円と約十倍にはね上がった。この交付金の使い道は一体何ですか。
#220
○説明員(丸山晴男君) 交付金の使い道につきましてのお尋ねでございますが、年金福祉事業団におきます各種事業を実施いたします場合に、いわば資付資金の低利融資を行います場合の利子補給金、あるいは銀行を通じましての業務処理を行います場合の銀行に対する業務委託手数料、あるいは年金福祉事業団の事務費、こういったもので年金特別会計からの交付金をもって充てるようにいたしたわけでございます。
#221
○中野鉄造君 これは同じことは出資金についても言えるわけですけれども、五十年度出資金は三億円だったのが、六十一年度では実に一千三百四十四億円、ここまで急増いたしました。特にふえ方が著しいのが昭和五十五年度以降なんです。いろいろ調べてみてわかるのですが、昭和五十四年ころまでは、この出資金というものが、どちらかといえば固定資本というものに対する出資が多かったんじゃないかと思いますが、その後はもうほとんどが流動資本ではないかと、こう思うのです。五十四年度十九億円から、五十五年度には一挙に九百七十億円とふえました。その後一貫してふえ続けてきておりますけれども、どうして五十五年度以降急激にこのようにふくらんだのか、また出資された資金というものはどのように使われているのか、この点をお尋ねいたします。
#222
○説明員(丸山晴男君) 年金福祉事業団に対します出資金の増加でございますが、年金福祉事業団に対します政府出資金につきましては、五十年六月の年金福祉事業団法の改正によりまして、政府から出資ができるということとされたわけでございますが、五十五年度から被保険者住宅資金の貸付原資の一部に充当するという趣旨で出資を行うこととされたわけでございます。
 この考え方と申しますのは、年金住宅の資金貸し付けに当たります場合に、原則といたしまして資金運用部からの財投資金をもって充てるわけでございますけれども、その際、年金特会からの出資金を一部充当することによりまして、全体としての金利負担を軽減いたしまして、低利の資金貸し付けの事業に資する、こういったことでございますが、出資自体は、還元融資事業の基盤の安定ということでございまして、いわば年金福祉事業団の事業基盤を安定させることによりまして安定した還元融資事業の円滑な実施を確保いたしたい、こういったわけでございます。
#223
○中野鉄造君 しかし、この出資というのが、今もお話がありましたように、ほとんどが借入金の返還四十三億円と、金利引き下げの原資千三百億円に使われているわけなんです。出資金を借入金の返済に充てる、こういうことはちょっとおかしいんじゃないかと思うんですが、これは厚生省と大蔵主計局、いかがですか。
#224
○説明員(丸山晴男君) 財投からの借入金の元本の返済に充てるわけでございますけれども、財投からの借入金といいますのは、年金の保険料を一たん財投に入れまして、そこから引き出してくるということで、もとを正せば年金の保険料でございます。その保険料によりましてつくりました建設資金、いわば大規模年金保養基地の土地、建物につきまして、その償還資金として六十一年度は四十三億円の出資をいたしているわけでございまして、年金福祉事業団の不動産として残るものでございます。
 また、貸付原資につきましては、六十一年度千三百億円を財投から出資をいたしまして貸付事業の原資の一部に充当しているわけでございますが、これもいわば被保険者に対する貸付原資として活用し、かつ住宅の金利程度の利回りは確保しているわけでございますが、それによります住宅資金としての償還を得ました場合には、年金福祉事業団の回収金として年金福祉事業団に残るということでございまして、いわば流動しているわけでございますけれども、固定資産、現金あるいは回収金、そういった形でお金としては利息を生んで残っている、こういった性格でございます。
#225
○説明員(中島義雄君) ただいま厚生省の方から答弁がございましたとおり、この出資金につきましては、一部は施設となり、一部は貸付原資としまして利息を生んでいるわけでございまして、いずれも年金福祉事業団の資本金として累積しているものでございますので、これは年金福祉事業団の事業基盤の安定に資するものであるというふうに考えております。
#226
○中野鉄造君 いろいろお答えはありますけれども、端的に言って、いわばこういう借金返しのために国がそれを出資という形で、そういうような形でみなすことができるのかどうか、ここのところが私どうしても釈然としないんです。
 また、先ほど厚生省の方からお答えがありましたけれども、それはいずれまた利子を生んで事業団の方に戻ってくるとおっしゃいました。それは事業団にはそうでしょうけれども、一面、年金をかけて積み立てている一般の年金保険者についてはどういうことになりますか。
#227
○説明員(丸山晴男君) いわば年金加入者の生活向上のための還元事業ということで、その事業を実施するためにつくられた団体の資産として残るわけでございまして、事業として活用されている間は、年金加入者のための各種事業に充当するわけでございますし、将来仮にその還元融資事業が終了した場合には、恐らく年金福祉事業団から特会の方へ返済をするというような仕組みであろうかと考えております。
#228
○中野鉄造君 仕組みとしてはそうなっているかもしれませんけれども、現実にそういうことができるのかどうか。
 ちょっと今度は方向を変えますけれども、それじゃ、出資の大部分が今おっしゃったように住宅金利引き下げのための措置なんですね。金利引き下げのための、いわば無償の資金を入れることで金利引き下げの元本としておりますから、補給金と違って、これは完全に消えるものとは違い、今おっしゃったように、年金福祉事業団に資産として残るわけですけれども、出資する年金会計から見た場合に、結果としてこれは何にも利益は生まない、いわば出しっ放しがこれは常態じゃないかと思うんですが、いかがですか。これ、大蔵省と厚生省。
#229
○説明員(丸山晴男君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、出しっ放しでございますけれども、仮に将来年金財政上大変財政が逼迫いたしまして、例えば積立金も取り崩したといった場合に、年金福祉事業団に数兆円の資金がある場合には、これは親元がいわば火事になったわけでございますから、出先の方は当然応援に駆けつけると、こういう関係は当然あろうかと思っております。
#230
○説明員(中島義雄君) 年金事業におきましては、年金の給付事業とあわせまして、長年にわたって保険料を拠出しておられる被保険者に対する還元事業である福祉施設という事業は、ある程度必要なものと考えております。年金福祉事業団に対します出資金、交付金もこのような福祉施設事業の一遇をなすものというふうに考えておるわけでございまして、私ども、この種の出資金というのは、年金福祉事業団にとりましては一応無コストの資金として入り、それを貸付金という形で運用しながら利息を生みつつ蓄積されていくというものでございまして、年金の被保険者の利益につながるものではないかというふうに考えておるところでございます。
#231
○中野鉄造君 この事業団の現在の欠損金が約百億ですね。そういうことから考えると、年金事業団が、これ遠い将来はわかりませんけれども、現実に積立金を取り崩して何にもなかったときに、親元に対する助けの云々というようなお答えがありましたけれども、今のところそういったようなことにはならないんじゃないですか。事業団そのものが今百億でしょう、赤字が。年金福祉事業団への出資は一般会計、つまりこれは税金ではない。厚生年金だとか、ほかの三会計、すなわち将来の年金給付のもととなるこれは国民の保険料なんですな。それがこの三つの会計に利益を生まない形で出し続けているという、こういうやり方というものは、本来資金運用部へ預ければ幾らかでもそれは金利がつく、金利収入があるのに、それをいわば犠牲にしていることになりはしないかと、私はこういうように思うんですが、いかがですか。
#232
○説明員(丸山晴男君) お答え申し上げます。
 冒頭の欠損金百一億円の件でございますけれども、これはいわば政府関係機関、特殊法人の財務処理上、固定資産を償却いたします際に、固定資産は特殊法人の場合に一・五%ずつ償却をいたすわけでございますが、逆に負債及び資本の部でそれに見合う減価償却引当金と、こういったものを一般の企業会計の場合は計上するやに聞いておりますが、特殊法人の場合はその引当金の仕組みがないというために、欠損金ということでバランスシートをとっているという、いわば見かけ上の欠損でございまして、現実問題といたしましては何ら赤字がたまっていると、こういったわけではございませんので、お断りをさせていただきます。
 また、これで非常に利益を生んでおらないのではないかという御指摘でございますけれども、年金制度におきまして還元事業といいますのは、いわば長期にわたって保険料負担をしていただく加入者にとりまして、現役の時代における生活の安定向上のために年金制度が何がしかのお役に立つ必要があると、こういう考え方で仕組みをつくられた還元事業でございまして、給付事業と並んで年金制度におきます二つの柱であると、こういうふうにも考えておるわけでございますし、類似の公的年金制度を見ていただきましても、各種共済年金等におきます組合員への住宅貸し付け、こういったものとほぼリンクしたような仕組みで構成をされているわけでございます。
 そういった還元事業というのが極めて過大がどうかと、こういう点にもなろうかと思いますけれども、私ども、ほかの公的年金のそういった資金量と比べた場合に、平均して一割から二割程度であろうかと思っておりますし、必ずしもその還元事業として過大なものを加入者の方にお返ししていると、こういうふうにも必ずしも今の段階では考えられないのではないかと思ったりもしております。
 また、還元事業全体としての収益性ということも御指摘でございますが、幸いにして、今回御審議いただいております還元融資内の資金運用事業も、全体として見て還元融資の枠内の運用事業でございますので、還元融資全体としての収益性の向上につながるものではないだろうかと、かようにも考えておるわけでございますので、よろしくお願いいたします。
#233
○説明員(中島義雄君) 先ほどもお答え申し上げましたように、年金福祉事業団に対する出資金、貸付金というのは、あくまで被保険者に対する還元事業の一つとして行っているものでございますから、これをすべてやめまして高利運用に回せばその方が利益を生むのではないかという点は、確かに利息を得るという点ではそうでございますけれども、年金制度を支える一つの柱というものとしてこの福祉還元事業が意義づけられております以上、私はある程度はこの種の事業も必要ではないかと考えておるわけでございます。
 ただ、今後、年金の財政というのは、先生も御指摘のように、大変厳しさを増してくるわけでございまして、そういった観点から、この資金の使い方につきましては、従来にも増して効率的に使用していく必要があろうかと思っております。したがって、むだのないように十分配慮しながら事業を行っていく所存でございまして、今後、毎年の予算編成の過程で、厚生省とも十分協議しながら適切に対処してまいりたいと考えております。
#234
○中野鉄造君 私はもちろん、この還元事業を一切やめてしまって、すべて有利運用に回せなんて、そんなことを言っているんじゃないんです。当然還元事業はこれは必要だと思いますよ。
 そのやり方ということについて今論議しているんでありますけれども、通常、出資というのは一般会計から行われるものでありまして、これは税金なんですね。また特別会計もありますけれども、産投会計の場合、これは原資というものほかっては一般会計からの繰り入れ、過去の収益金が大部分なんです。極端な話、いざとなったら、出資分がゼロになってもいいお金なんですね。ところが、年金福祉事業団への出資というのは、先ほどから申しておりますように、保険料つまり有償資金なんです。それが金利の引き下げといったようなことに使われ、したがって出資は、先ほどもおっしゃったように出しっ放しと、こうなってくると、三つの年金関係保険、ひいては保険者が非常に不利益になってくるということになりはしませんかと。
 今、還元事業のこともおっしゃいましたけれども、確かに住宅の問題あるいはいろいろな保養基地の問題、そういったようなところ、これはしかし言ってみれば、例えがちょっと不適切かもしれませんけれども、いわば小の虫を生かして大の虫を殺す、こういったようなことになりはしないのかなと、そういう気がするんですよ。
#235
○政府委員(吉原健二君) 出資金を年金の資金をもって充てるということについての御意見、御疑問かと思いますけれども、年金の資金ではなしに一般会計で出資をするという考え方も、確かに考え方としてはあろうかと思いますけれども、ただ、年金の積立金を一部被保険者なり受給者のために還元をしていく、それが年金制度に対する国民の理解なりあるいは参加というものを得るために必要ではないかということで始められて今日まで来ているわけでございまして、そのような考え方は、私はこれからもある程度必要ではないかと思っているわけでございます。一方また、将来の年金財政を考えますと、できるだけ有利に運用していくという考え方もこれからますます強くなってくると思います。
 いわば、その両方の考え方の調和点を一体どの辺に求めていくかということだろうと思うわけでございまして、今も御質問にございましたように、余りこれが大きくなり過ぎますと、私はいろんな問題が出てまいると思いますし、いろいろ御批判も受けなければならないと思いますけれども、現在のような規模の輝元融資、還元福祉事業、あるいは出資金、交付金でございますと、それほどまだむちゃくちゃに大きいというようなところまでは来ていないんではないかというふうに思っているわけでございます。
 ただ、将来もこのような考え方でさらに続けていっていいかどうかになりますと、いろいろ御意見があると思いますので、そういった先生の御指摘いただきましたような御意見も十分踏まえながら、両方の調和点を求めながら考えてまいりたいというふうに思っております。
#236
○中野鉄造君 くどいようですけれども、出資した場合、将来そこから利益が出た場合、利益としてこれは配分されるということを前提としているわけです。例えば輸銀だとか開銀の例を言いますと、これは産投会計から出資を受けておったわけですけれども、今ではもう利益を生じて逆に国庫納付しておりますね。年金福祉事業団への出資が、先ほどから申しておりますように、将来厚年特別会計あるいは年金加入者の利益となって戻ってくるという、そういう見通しがおありですか。
#237
○政府委員(吉原健二君) 利益として戻ってくる、輸銀なりそういったところでどういうことで戻ってきているような形になっているのか、詳細存じておりませんけれども、年金の出資金について利益を持って戻ってくるというようなことになるのかどうかについては、今の時点ではそういうことは申し上げられないかと思います。
#238
○中野鉄造君 大蔵省。
#239
○説明員(中島義雄君) 年金福祉事業団に対します住宅貸付原資としての出資金といいますのは、貸し付けのコストを低めるためでございます。したがいまして、要するにあくまで無コストの貸付原資を出資金という形でお出ししておるわけでございまして、これによって金利、被保険者貸付住宅を利用される被保険者の方々が借りる金利が下がるというところに意義を見出していただくということが、この出資金のいわばあえて言えば意味づけでないかというふうに考えておるわけでございます。
#240
○中野鉄造君 それは私もよくわかっております。また先ほどから申しておりますように、私は、住宅政策が重要なのはもちろん十分理解しておりますけれども、保険料を集め、あるいは一部住宅に貸し付けていくという、こういう運用の仕方は当然ほかでもやっていますね。それも承知しております。そういったようなことは国家公務員の共済組合の中で住宅貸し付け、低利でやっていると、そういうことはありますけれども、先ほどから申しておりますように、集めた保険料の一部を出資の形で金利引き下げのために使用していますかと、ほかのところが。そこをお聞きしたい。
#241
○説明員(丸山晴男君) 集めたお金を低利のために使うということは、調べた範囲ではございませんけれども、共済年金につきましては、積立金を福祉運用として組合員への貸し付けあるいは有利運用、さらには財投協力ということで運用いたしておりまして、みずからの積立金のいわば一部につきまして比較的低利で組合員への住宅貸し付けを行っているわけでございます。
 厚生年金、国民年金の場合は、積立金を一たん財投に預けるという仕組みをとっております関係上、財投から引き出してきた財投金利のついた原資を、いわば積立金になる前の出資金を入れまして、金利を薄めることによって加入者への比較的低利の住宅貸し付けの資金に充てているということでございまして、全く同じかといえば違う面がございますけれども、共済年金の組合員住宅貸し付けというものとほぼ類似した仕組みと言えるのではないだろうか、かようにも考えておるわけでございます。
#242
○中野鉄造君 私はそうは思いませんね。ほかはそういう運用は、今のお答えの一番冒頭に言われたように、こういうことをやっているのはほかにないんですよ。その後で共済制度の例を引かれましたけれども、すべてそういったようなことはその保険団体の自己努力の範囲内でやっているんです、これは。年金福祉事業団の出資は、これは将来の年金保険給付に必要な資金を出資という名のもとに本来得るべき利益を失わせていると、こういうところが私はどうも釈然としない。大蔵省、どうしてこういうことを認めているんですか。
#243
○説明員(中島義雄君) 厚生年金、国民年金等の場合は、積立金を一たん財投にお預けし、それを還元融資という形で年金福祉事業団が受け入れてそれをお貸しするという仕組みになっておりますために、そこで出資金という形をとっているわけでございます。
 共済制度は、共済がみずからの積立金をお貸しするという格好になっておりますために、出資というような形態がないわけでございまして、行われている形態は、本質的には大変相似たものではないかという気がいたしております。
 そこで、先生のお尋ねの件でございますが、先ほどの一部繰り返しになりますけれども、年金福祉事業団に対する出資金、交付金というのは、やはり現役の保険料を掛けておられる被保険者に対する利益還元事業の一環として、ある程度の意義を見出してやっているものだということになろうかと思うわけでございます。これが将来の年金給付財源の安定、充実のためにマイナスではないかという御指摘かと思いますけれども、確かにそのような利益還元事業は、将来の年金給付の原資というものをふくらませるという意味合いにおいてはマイナスでございますけれども、そこは先ほど年金局長からの答弁にもございましたように、やはり調和といいますか、バランスの問題ではないかと思うわけでございまして、私どもとしましては、年金事業として、将来の年金の給付事業と現在の被保険者に対する還元事業は、ともに必要なものであると考えておるわけでございます。
 ただ、どちらが本質的かと申しますと、これはもとより年金の本来の事業でございます将来の年金給付というものを安定、充実することの方が大事なわけでございますから、私どもといたしましても、そのバランスは厳しく判断しつつ、いわゆる福祉事業が行き過ぎとならないように、資金の効率的な使用に努めてまいりたいというふうに考えております。
#244
○中野鉄造君 お答えのように、確かに年金保険の原資について、今、有利運用が緊急なときなんですね。将来、年金の掛金がだんだんふえていくということは目に見えているわけですから、したがって、そういう時期に、名前は出資という形であっても、それがいわば出しっ放しで年金保険に返ってこないかもしれない、恐らく返ってはこない、そういう金を使うのは保険者の利益を損なうものではないかと、こういうことを今お尋ねしたわけです。
 もう一つもっと問題なのは、今度は交付金なんですね。
 この交付金というのも、これももちろん保険会計から出ているわけですけれども、これが年々四百億を超えております。この交付金は、事業の運営に必要だということは先ほどお答えがありました。しかし、これはもう先ほどの出資と、出資だって出しっ放しですから、まあいろいろ理屈はつけられましたけれども、交付金ということになると、これはもう完全に出しっ放しなんですね。そういう金なんですけれども、将来の年金の原資たる保険料が出資というものに上積みされてさらに空費されていく、こういうことになりはしないかと、こういうことをお尋ねします。
#245
○政府委員(吉原健二君) 交付金につきましても、先ほど来お答えを申し上げておりますように、いわば福祉施設費の一つとして交付をされているわけでございまして、本来還元福祉事業、還元融資事業というものの意味といいますか、理由といいますか、そういったものを前提にする限りにおきましては、そういった事業を行うために必要な資金を交付金として交付をするというのは、これは認めていただけるものではないかと、私どもはそう思っているわけでございます。
 ただ、これにつきましても、先ほど来御指摘のございますように、余りこれが大きくなり過ぎますと、本来の年金給付の事業に支障が出てくるということも将来は十分あり得るわけでございまして、そういったことのないように、常にバランス、調和というものを考えながらこれからやっていきたいというふうに思っております。
#246
○中野鉄造君 大蔵省。
#247
○説明員(中島義雄君) 御指摘の交付金といいますのは、いわゆる貸付金の利息を埋めるものでございますけれども、これは被保険者貸し付けを利用された被保険者に対して、いわば利益が帰属するという形になろうかと思うわけでございます。したがいまして、これはいわゆる被保険者に対する利益還元事業の一部をなすわけでございますが、したがって、これを空費と考えるかどうかという点でございますけれども、一部そのように被保険者に対する利益還元事業は必要なものではないかというふうに私どもは考えておるわけでございます。
 問題は、それが行き過ぎにならないように、バランスをとってこれを管理していくということではないか。私どもはその場合に、先ほど来申し上げておりますように、本質的に重要なのは、将来の年金給付を安定するということでございますから、そちらの方に重点を置きながら、福祉事業につきましてはあくまでもバランスを重視しながら、今後とも厚生省と十分協議して、適切に対処していきたいと考えておるところでございます。
#248
○中野鉄造君 僕は、先ほどからいろいろお話を聞いておりまして、やっぱり感ずることは、どうも年金と税金と同じような感覚で取り扱われているんじゃないかなと、そういう気がしてならないんですね。これはもうこの間も申しましたように、年金の原資というものは、これはいわば年金加入者からの預かり金なんですから、それを、今もおっしゃったように、還元事業に対するいろいろな必要な経費だからといったような、ほとんどすぐ還元するから還元するからと、それはずっと間接的にはそういうことになってくるかもしれませんけれども、どうしたってこれは、やっぱり預かり金を税金と同じような感覚で使われちゃ困ると思うんですね。その点いかがですか。
#249
○説明員(中島義雄君) 被保険者の方々から拠出していただいております保険料でございますから、私どもはこれを税金と全く同じものというふうに考えておることはございません。やはり厳しさをこれから増してまいります年金財政の安定のために最も効率的な使用、それからむだのない使用というものに心がけていくべきものと心得ておるわけでございます。
#250
○中野鉄造君 だから、本当に少しでも多く有利運用をすべきだと、そうして、年金加入者に将来返ってくる見通しの薄いようなそういう金の使い方はしてもらっちゃ困るということを先ほどから言っているわけなんですけれども、年金福祉事業団の交付金、出資金の問題は、単に年金福祉事業団だけの問題じゃなくて、財投全体の問題だとも思うんです。この件については午前中にもちょっといろいろお話があっておりましたけれども、したがって、個々の財投対象機関自体のあり方ないしは統廃合を検討すべきだと、私はこう思いますね。
 政府金融においても、従来は資金不足であったから、これは民間の補完として存立の意義があったというものもあると思います。しかし、また一面、重複するようなものも許されたかもしれませんけれども、今や資金が余剰の時代ですから、抜本的に存立を検討すべき機関があるのじゃないかと思うんですが、その点いかがですか、対象機関。
#251
○政府委員(足立和基君) 財投対象機関の見直しの問題でございまして、私どもは、そういう財投対象機関に財政投融資資金をお貸ししている立場でございますので、関係はもちろんあるわけでございますが、それぞれの財投対象機関というのは所管官庁がございまして、そちらの方からそのあり方について御答弁いただくのが適当かと思いますが、便宜私がこの席ではかわりに答弁させていただくことになります。
 今、確かに金融の自由化の進展に伴いまして、財投そのもののあり方というものが大変変化を来しつつございます。特に、政策金融機関につきましては、量的な補完から質的な補完への転換というものがなされつつございますので、私ども財政投融資資金を融資する立場からいえば、そういった資金の効率的な運用ということを十分念頭に置きながら、監督官庁と相談をいたしまして、効率的な有効な財政投融資の編成に努めてまいりたいと考えております。
#252
○中野鉄造君 その点、今までの実態を見ても、どうしても親方日の丸的な傾向になりやすいわけです。だから、今後運用に必要な資金の原資自体を市場から調達させる方式、例えば政保債の発行枠の拡大をさせる一方、資金運用部資金等の政府資金を減らしていく、こういうことも考えられるんじゃないかと思うんです。そして残った分は国債の引き受けなどにふやしていく。たしか今年度六十一年度は五兆円だったですか、そういったような財投のあり方を大いに抜本的に見直していく、こういうことは考えられませんか。
#253
○政府委員(足立和基君) 今、先生御指摘ございましたように、財政投融資計画策定に当たりましては、そのときそのときの時代の要請に対応いたしまして、重点的な資金配分を行っておるところでございます。
 例えば、本年度昭和六十一年度の財政投融資につきましては、大変一般会計が厳しい状況にございますので、財政投融資を活用いたしまして内需の振興ということを図りたい。そういうことを主眼に、例えば住宅対策あるいは道路公団を初めとする公共事業実施機関の方に重点的に資金を回す、あるいはまた地方公共団体に対する資金配分について重点的に措置をする、あるいはまた先生も御指摘のように、国債についても五兆円というものを措置するというようなことで、一方では政策金融機関について厳しい抑制の措置をする。そういう時代の趨勢に応じまして、十分財政投融資のあり方についての検討を進めておるところでございますし、今後ともそういう方向でやってまいりたいと考えております。
#254
○中野鉄造君 この際、関連した事項で、年金保養基地についてお尋ねいたしますけれども、ことしはこの建設事業が三十二億円だったですかね、去年が四十四億円、こういうようになっていますけれども、現在ある基地の土地、建物の所有はどうなっていますか。
#255
○説明員(丸山晴男君) 大規模年金保養基地の土地、建物につきましては、一基地平均百万坪ということで十一基地、約千百万坪土地がございまして、大体四十九年から五十一年にかけまして年金福祉事業団が土地を取得いたしまして、さらにその上に建物を整備いたしまして、現在七カ所の完成を見ているわけでございます。したがいまして、土地及び建物につきましては、年金福祉事業団の所有に属するというものになっているわけでございます。
#256
○中野鉄造君 私が調べましたところ、三木、大沼、指宿、津南、この四基地は年金保養協会が事業を運営している、こういうように聞いておりますし、現在の基地で田老、安浦、この二つについてはそれぞれの自治体が事業運営を任せられている、こういうふうに聞いておりますが、そのとおりですか。
#257
○説明員(丸山晴男君) そのとおりでございます。
#258
○中野鉄造君 これは、なぜ片方は自治体が運営している、片方は保養協会が運営している、どうしてこうなったんですか。
#259
○説明員(丸山晴男君) 大規模年金保養基地の完成後の運営の方法につきましては、当初からいろいろな仕組みを検討した経緯がございますけれども、スタート時当初につきましては、いわば全国民的な利用といいますか、全国を一にして、要するに全国一つつくっております年金保養協会が運営を受託するという考えでスタートをしたわけでございますが、その後、オイルショック等を契機といたしますこの事業の見直しを機会にいたしまして、むしろ地域に密着した施設のあり方ということから、原則として規模を四分の一程度に縮小いたしまして、なおかつ完成後の運営主体につきましても、地元の都道府県が運営を受託するというような仕組みに切りかえたわけでございます。
 したがいまして、当初スタートいたしました四基地につきましては、財団法人の年金保養協会が運営を受託いたしておりますが、それ以後の三基地につきましては、地元の県が運営を受託いたしておるわけでございます。残る六基地につきましても、同じような考え方で開所後の運営方法を決めるような仕組みでございます。
#260
○中野鉄造君 そうすると、この事業運営は年金福祉事業団として任せておる。そこで収益が上がった場合、あるいは欠損が出た場合、事業団にはどういうようなことになってくるんですか、全然無関係ですか。
#261
○説明員(丸山晴男君) 各基地の運営に当たりましては、原則として独立採算ということで契約をいたしております。現在オープンしております四基地につきましては、同一の団体が運営を受託しております関係上、各基地相互の財政調整と申しますか、仮に赤字の基地があった場合には他の基地からその収益を回す、こういったこともやっておるわけでございますけれども、いわば独立採算ということで責任を任せて運営をお願いするということで、その反対に、収益が上がった場合でも直ちに年金福祉事業団にその収益を返してもらう、こういう仕組みにはなっておらないわけでございます。
#262
○中野鉄造君 そうすると、委託料といったような、そういうようなものも払っているわけですか。
#263
○説明員(丸山晴男君) 委託料というのは払っておらないわけでございます。
#264
○中野鉄造君 そうすると、建物を建ててやって、そしてもし利益が上がった場合は、自治体ならその自治体の収益になる、事業団には何の別にメリットもない、こういうことですね。
#265
○説明員(丸山晴男君) 実際の仕組みといたしましては、各地元の府県に運営を受託していただきますけれども、各府県におきましては、いわば第三セクター、地元の県、市町村も入ります第三セクター、例えば財団法人紀南グリーンピア、こういったような第三セクターをつくりまして、そこへ運営を受託いたしておるわけでございます。したがいまして、収益がございました場合でも、一次受託といいますか、地元の府県に対する収益ということにはならないようになっておるわけでございます。
#266
○中野鉄造君 そうすると、そこで働いていらっしゃる従業員の方々の身分は、どこに所属するんですか。
#267
○説明員(丸山晴男君) 実際に運営を受託しております多くは財団法人でございますが、財団法人グリーンピア紀南とか津南とか、そういった法人の職員というような身分でございます。
#268
○中野鉄造君 現在あるこの基地で収益が上がっているところ、欠損が出ているところ、教えてください。
#269
○説明員(丸山晴男君) 実は、現在稼働しております実質六基地のうち、四基地が六十年の四月からオープンでございますので、したがいまして、六十年四月から十二月までの収支が報告されておりますが、それによりますと、合計いたしまして六基地で、収益が赤字になっておりますところが二カ所、黒字になっておりますところが四カ所でございます。
#270
○中野鉄造君 そうすると。先ほどもおっしゃったように、赤字が出ようが黒字が出ようが、事業団には直接何ら関係はない、こういうように理解していいんですね。
#271
○説明員(丸山晴男君) いわば年金の加入者から払っていただいた費用でございますので、そういった利用者に還元をしていく、こういうことでその使途は考えていくだろうと思いますけれども、直接事業団との関連といいますのは、原則としてございませんけれども、将来、利益を施設の減価償却に引き当てる、こういうことも検討をしているわけでございます。
#272
○中野鉄造君 そうしますと、要するに事業団として土地、建物をそこに建ててやった、そして損が出ようが利益が出ようが別に関係はない、ただ目的は年金加入者のための還元のためだと、こういうことなんですけれども、果たしてどうも私は、それが全加入者にとまではいかなくても、それこそ全国津々浦々にこういう施設があるならば、それはもう確かに還元の目的は果たされると思いますけれども、ぽつんぽつんと全国に、しかもどちらかといえば極めて不便なところにあるようでして、そういうところに交通費を使って行く、それが還元というようなことに果たしてなるんだろうか、そういう疑問もわいてくるんですけれども、その点いかがですか。
#273
○説明員(丸山晴男君) 大規模年金保養基地がオープンして以来、合計で三百六十万人の利用を数えておりまして、全国十一カ所でございますので、ブロックで一ないし二カ所ということで、大変いわば利用する場合の距離はあろうかと思いますけれども、非常に大規模な施設をもとにして、親子孫三代にわたるレクリエーションとコミュニケーションの場ということで、二度利用していただいた加入者の方にとっては大変思い出の深い施設として引き続き利用もしていただいておりますし、私どもとしては、さらに親しまれる施設になるように指導してまいりたいと考えておるわけでございます。
#274
○中野鉄造君 要するに、先ほどからいろいろと申し上げましたけれども、私は、あくまでも還元融資といったようなこういう事業そのものを否定しているわけじゃないんです。特に、かつての財投が企業に非常に偏重していた時代、年金部分を保険者に還元させようとする、そういう意図はよく理解できるわけですけれども、しかし問題は、あくまでもそのやり方の問題だと思うんですね。先ほどから何回もいろいろ申しておりますように、年とった人たちがだんだんふえてくる、そして国民の皆様にまた年金を支払っていくために保険の掛金額を将来ふやしていかなくちゃいけないということは目に見えているわけですから、その運用についてはよりひとつ慎重であっていただきたいと同時に、有利な運用をお願いしたいわけなんです。低利の住宅政策もこれは重要ですけれども、それを年金事業団でやるのか、それとも住宅公庫を一層拡充し、そこで集中させていくか、あるいは住宅税制の改革といったようなことをやるとか、要はそこいらのやり方の問題だと思うんですね。
 したがって長期観点に立つと、厚生省として、年金福祉事業団の出資による低利の住宅政策、これは今も申しますように、そういうものは住宅公庫に任せて、保険料収入はむしろ少しでも、還元事業は還元事業としてやりつつも、有利運用にやっていくという方向をとるべきじゃないかと思うんですが、最後にこの点お尋ねいたします。大蔵省と厚生省。
#275
○政府委員(吉原健二君) 年金資金の使い方、運用の仕方として一体どうあるべきか、還元融資あるいは還元福祉事業をやっていく場合には、一体どの程度の規模で、具体的にどういう方面に使っていくべきか、こういった問題につきましては、今いろいろ御指摘なり御意見ございましたけれども、やはり考え直すべき時期に来ているということは私ども十分意識をしているわけでございます。
 ただその場合に、先ほど来申し上げておりますように、年金制度全体の将来の長期的な安定ということを考えると同時に、年金制度をさらに国民の被保険者の方々の理解なり参加なり協力を得ながらこれからも維持していかなくてはいけない。そのためには、一体どういうふうにその年金の資金というものを運用していく、あるいは還元福祉事業として使っていくのがいいかということを十分考えていきたいと思うわけでございます。やはり保険料拠出者の意向、そういったものも十分踏まえつつ、将来の年金制度というものを念頭に置いて、適切な運用なり使途というものを今後とも探っていきたいというふうに思っております。
#276
○政府委員(足立和基君) 年金資金の運用につきましては、今後とも厚生省と御相談いたしながら進めてまいりたいと思いますが、還元融資事業につきましてどういうようなあり方があるか、これは六十一年度にもいろいろ検討いたしまして、還元融資事業の一環として、その枠内で御案内の資金確保事業も新たに認めたところでございますので、今後とも年金資金全体として、還元融資事業も含めまして、どのような運用が一番望ましいか、両省間で話し合っていきたいと思います。
#277
○中野鉄造君 最後に一つ。
 今もお答えがありましたけれども、両省間で協議をしていく、このことについて先ほどもお尋ねしましたように、いつになったらこの協議の結論というか、そういったようなものが見出せるのか、非常に私はこれ関心を持っているんですけれども、いかがですか、その点。
#278
○政府委員(吉原健二君) 六十一年度につきましては、御案内のような形で引き続き検討協議と。ただ、年金事業団の新しい事業として、資金の運用事業というものが認められたわけでございますけれども、今後さらにどういうふうな運用にしていくかということにつきましては、さしあたっては私は、六十二年度の予算編成時までに両省間で協議をして結論を出すと、こういうことになろうかというふうに思っております。
#279
○国務大臣(今井勇君) 先ほどからずっと先生の御質疑を通じて感ずることがございますので、一言申し上げたいと思いますが、今、年金の積立金の別建ての高利運用の問題は、局長も答弁いたしましたが、私も、この問題はやはりどうしても大蔵との話を詰めまして、できるだけ早くやっぱり高利運用の問題の実現に向けてしなければならない、こう考えております。ぜひひとつ、また何かとお助けをいただきたいと思うものでございます。
 同時にまた、大規模年金保養基地の問題、あるいはまた年金の福祉事業団の出資金の問題等々、いろいろ先生からお尋ねがございましたが、やはりこの際、今までのあり方をよく振り返りまして、先生の今のお気持ちに十分沿えるような努力をさらに私といたしましても続けたい、そうしなければならぬという気持ちでございますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
#280
○中野鉄造君 終わります。
#281
○佐藤昭夫君 廃棄物処理法ができて十五年がたち、この処理施設整備計画もことしから第六次計画に入るわけでありますが、この間、ごみ問題はその内容に応じて大きな変化を遂げてまいりました。かつての清掃法の時代の都市の清潔維持、衛生向上の時代から、高度経済成長期の大量ごみ対策の時期、そして今日のごみ問題は、ごみの質的変化にあると言っていいだろうと思います。特にプラスチックや乾電池などの製品ごみの増大、これは次々と処理困難物を生み出して新たな都市問題、社会問題となっています。
 したがって、こうしたごみ処理対策は、ごみは市町村の仕事だといった次元では済まされない、まさに社会問題としての国の責任が問われてくる極めて重大な問題となっていると思うんでありますが、まず、この点についての大臣の基本的認識はどうでしょうか。
#282
○国務大臣(今井勇君) お説のように、廃棄物処理法、これが施行されましてちょうど十五年になろうと思いますが、この間、我が国の社会経済の急速な発展によりまして、国民の生活水準というのは極めて飛躍的に伸びております。同時に、廃棄物の星も、今までのようでなくて、量的にもまた質的にも非常に変わっているわけであります。お説のように、家庭の電気製品、それから粗大ごみ、それからプラスチックといった問題で、大変今までのものとは変わったいろんな課題を私どもは抱えております。こういった面に対しまして、適切な処理をすることに極めて難しい廃棄物というふうな新たな問題に的確に取り組みまして、国民の生活環境というものの保全にさらに一層努めていこうというふうな決意でございます。
#283
○佐藤昭夫君 そこで、試みにちょっと数字を示してほしいと思うんですけれども、今の処理困難ごみといいますか、例えば家電製品、これの廃棄物の量は、一般のごみと対してどれぐらい一年間に出ているか、厚生省でまとめている数字があれば御説明ください。
#284
○政府委員(森下忠幸君) 家電製品のたぐいでございますが、これについて例示的に申し上げますと、これ台数で申し上げたいと思いますが、排出される台数も大変ふえておりまして、カラーテレビとか電気冷蔵庫、電気洗濯機、電気掃除機、いずれもごみとしての排出量が増加の傾向にございます。ちなみに五十七年の排出量を見てまいりますと、カラーテレビで五百二十万台、電気冷蔵庫で三百十万台、電気洗濯機で三百七十万台、掃除機で三百二十万台ということでございます。
 五十三年度の実績と比較いたしますと、カラーテレビが二百二十万台もふえているとか、電気冷蔵庫が五十万台、電気洗濯機は三十万台、掃除機が八十五万台というふうにふえております。特徴的なことは、カラーテレビが非常にふえて捨てられている、それから冷蔵庫なども大型化されたものが捨てられているというところが大きな特徴であります。台数で申し上げました。
#285
○佐藤昭夫君 今ありましたように、膨大な家電製品のごみに、いわば自治体の清掃現場は泣かされている。燃やせば炉が痛むわけですし、壊れにくいので破砕機が必要だと。多くの自治体が、適正処理困難物に指定して製品の下取りも指導しているということで、四苦八苦しているわけであります。
 廃棄物処理法三条の趣旨、すなわちその一つ、「事業者は、」「廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。」、第二、「その製造、加工、販売等に係る製品、容器等が廃棄物となった場合においてその適正な処理が困難になることのないようにしなければならない。」というこの趣旨に沿って、家電メーカー、プラスチック製造業者に強力な指導を、業者自身による回収、再資源化、こういった問題について政府としての強力な指導が求められるところだと思います。
 ところが、実情はもう多くの例を引くまでもないと思いますが、例えば「経団連月報」八四年六月号、ここに「廃棄物処理をめぐる課題と産業界の対応」ということで、財界の代表がいろいろ座談会をやっているわけですけれども、その中で、松下電器産業専務取締役の鶴田さん、この人などは、私どもは、PCBを含むコンデンサーを抜き取った後の家電製品は原則として一般廃棄物として処理すべきものだと考えていると。これはもう一般のごみと同じだと、PCBを抜き去れば。それから、一たん下取りをすると、厚生省が下取りした以上は産業廃棄物だと主張されるので、うかつに下取りもしないという、こういう発言に示されるように、さっき引用いたしました廃棄物処理法三条の趣旨、この方向に沿って産業界、財界の対応が進んでいるというのはおよそ言えない、こういう実情にあるんじゃないかと思うんですね。
 こうした点で、午前中も和田委員がちょっと触れられておりました、昨年七月の厚生大臣の諮問機関であります生活環境審議会の適正処理専門委員会、ここが報告を出しているわけでありますが、この報告の中で、適正処理困難物処理に関して事業者に対する製品等の評価に関するガイドラインの作成、これを答申をしているわけであります。もう一遍、答弁が非常にあいまいもことして、私、横で聞いておってもわけわからぬ感じがしておったんですけれども、ずばりお聞きしますけれども、厚生省としてこういうガイドラインを今後作成検討していくに当たって、事業者のそういう責任といいますか、適正処理困難物について回収責任、処理責任、こういうものをひとつできるだけ負わせていこう、こういう方向での対応、検討作業をやろうと、こういう考え方はあるんですかね。
#286
○政府委員(森下忠幸君) 午前中も御説明いたしましたけれども、三条二項の事業者の責任という中で、いわゆる適正処理困難物という、いわゆるというふうな言い方が世の中にされておるわけでありますが、何が処理が困難であるかというふうなことについてどうも客観的な物差しがないではないか。それで、私どもが事業者側に物を申すときにも少し迫力を欠く点もございます。それから、市町村の方にとっても、一体これは私ども市町村のレベルで力が足りないから処理ができないのか、あるいは現在の日本で使える技術の最大のものをもってしてもこれはできないのかというふうなことで迷っている向きも多いわけでございます。
 そこで、私どもが今考えておりますのは、調査専門委員会でガイドラインをまずつくっていただきます。それで、そのガイドラインというのは、つまり、今の清掃事業でそういった製品が廃棄物となったときにうまく処理できるかできないか、それにはこれこれのチェックリストを突破できない限りは現状ではお引き受けできませんよということが判断できるようなガイドラインだと思います。そういうものをつくりまして、今度はメーカーの方がそれを見て、自分でおつくりになろうとしている製品、あるいはつくっておられる製品を判断されるわけですが、そこで何がしかのトラブルを生じた場合に、その専門委員会で、またそれに対していろいろと御調整をいただこうということであります。
 けさからも申しておりますけれども、三条第二項というのが強制力がないといえばないわけでありますが、そういったガイドラインを世の中に出すということで、メーカー、品物をおつくりになる方に自己反省をしていただいて、こういったものは清掃事業の方へ紛れ込んだ場合には大変な迷惑になるんだという観点から、その製品を差し控えていただくように誘導していきたい、こういうものでございます。
#287
○佐藤昭夫君 六十年の十一月二十七日に全国の町村長会、ここが国に対する要望書を出していると思うんですね。その中でも、今の新素材を使った多様な新商品が生産されて、その廃棄物問題に悩んでいる、その廃棄物の影響度の調査研究、あわせて製造、販売業者の監督をぜひ国として強化をしてもらいたいという、こういう要望書。まさにこの問題は、個々の自治体がいろんな産業界、業界、ここと対応しようなんて言ったって、それはもう力の限界を超えた問題、どうしても国の指導がそこに求められてきているという、こういう問題だと思うんですね。
 ぜひ、その点を大臣としてもよく念頭に置いてもらって、作業をスピードアップして、本当に効果ある対応方針、これを早く確立するということで大臣としても努力をしてもらいたいというふうに思うんですが、その方向についてどうでしょうか、大臣。
#288
○国務大臣(今井勇君) 今、委員会ができましたので、先生おっしゃるような方向を踏まえまして、ひとつ委員会で極力議論を詰めていただいて、なるべく早く適正な処理ができるようにいたしたいと思います。
#289
○佐藤昭夫君 ところで一方、自治体の側は、日々現実のごみ処理をしなくちゃならぬということで四苦八苦をしているわけでありますけれども、これまでの施設整備の現状に照らして焼却炉がどういう現状にあるか、その施設数と処理能力、この実情はどうでしょうか。
#290
○政府委員(森下忠幸君) ごみ処理施設について申し上げます。
 まず焼却炉、いろいろな形がございますので、型式別に御説明申し上げますと、固定バッチ式、これは御承知かと思いますけれども、ごみをトラックで持ってまいりまして、上からどすんと入れるタイプでありまして、クレーンなどはついていないタイプであります。これが三百三十六カ所、後で処理能力を申し上げます。機械化バッチ式、これは持ってまいりましたごみをピットに入れましてクレーンで上から投入するという機械化式バッチ方式、これが千三十五カ所ございます。それから三番目に、準連続式と申しまして、二十四時間フルではございますが、十六時間とか二十四時間とか連続して動かすタイプでございます。これが百八十三カ所、これもクレーンで投入いたします。それから全連続式焼却炉と申しまして、これは一番進んだタイプのものでございまして、二十四時間連続運転をいたします。もちろんこれもクレーンで上から入れるタイプでございますが、これが三百六十一カ所でございます。それから、ごみの中の有機物を主といたしましてコンポスト、肥料と言ってはちょっと言い過ぎかもしれませんが、土壌改良剤などに使える新たな物質を生産するというコンポストプラントというのがございまして、これが二十三カ所ございます。
 それぞれの能力でございますが、最初に申しました固定バッチ式のものが一日の処理能力で四千二百四トン、それから機械化バッチ方式が二万九千六百一トン、それから準連続方式のものが一万四千三百四十六トン、それから全連続式、これは一つ一つの規模が大変大きいわけでして、全体で十万五千百五十二トン、それからコンポストが三百八十九トン、合計いたしまして十五万三千六百九十二トンの処理能力、これは五十八年度末のデータでございます。これだけの処理能力を有しておるわけでございます。
#291
○佐藤昭夫君 そこで、今回の第六次計画、これは施設の老朽化対策がその重点の一つに挙げられていると思うんでありますが、この焼却炉の能力アップをどのように位置づけているのかという問題であります。先ほど来のプラスチックにしましても、その焼却に高熱を発生するために、旧式の炉しか持たない自治体は焼却炉の能力不足で燃やせないという話を聞くわけであります。バッチ式の場合は焼却温度が五百度だということでありますが、これではプラスチックの焼却に適さないと言えるんではないでしょうかね。
#292
○政府委員(森下忠幸君) バッチ式でも、最近は性能が大分よくなってまいりまして、例えば昔、どうして焼却炉はプラスチックが入るとだめになったかと申しますと、プラスチックが初めに溶け出してしまって、炉のストーカーと申しておりますが、火格子の下に一遍プラスチックが落ちてそこで燃えるというために、火格子が下からあぶられて溶けてしまうというふうなことがあったわけでございますが、今は、機械化バッチ式炉でも、その辺のところは火格子の改善によって大分よくはなっております。
 しかし、こういったものはやはりある程度規模が大きくて、連続して運転するというふうなことが管理上あるいは公害の防止の上からも適当でございますので、これから寿命が参りまして建てかえる施設につきましては、できるだけ、小規模なものを統合いたしまして、大型のものにしていくということが望ましいわけでありまして、現実に最近の傾向を見ましても、この五カ年間で一番小規模の形のバッチ式、つまりクレーンを用いておらない一番簡単な形の炉でございますが、これが二百三十一カ所減りまして、逆に連続式のものが百二十一カ所ふえているというふうなことで、これからの建てかえにつきましては、施設につきましてもできるだけ高度なものへ移行していくように、これは型式が背どおりだから性能が悪いということじゃございませんで、同じ型式でも、十五年前よりは大分よくなっておりますから、そういうことも含めましていいものをつくれるように支援してまいりたい、このように考えております。
#293
○佐藤昭夫君 しかし実情は、この間五次にわたる年次計画をつくって取り組んできているわけでありますけれども、それぞれの計画年度、その二次計画、三次計画、それぞれの計画に対してのこの廃棄物処理施設の達成率、これをずっと調べてみますと、第二次計画の場合一二〇%、第三次一九一・五%、それが第四次になりますと一〇二・一%、第五次八三・一%ということで、むしろこの計画に対する施設の達成率は後退、低下をしてきているという姿にあるんじゃないかというふうに見ざるを得ないんですけれども、一体その問題はどこにあるんでしょう。
#294
○政府委員(森下忠幸君) 第一次、第二次、第三次あたりまでが計画よりも余計の事業量ができたというのは、御承知かと思いますけれども、かなり国の予算も、高度成長時代でございまして、前年の計画よりも次の年の予算の方がふえるという時代が続いたわけでございまして、その当時は五カ年計画というものはありましたけれども、それに余りとらわれず、それ以上の仕事ができたというのが実情でございます。
 五次計画が非常に下回っております。これはごみの焼却率で申し上げますと、六十年度末で九一%、可燃物の九一%が燃やせるようにごみ処理施設を整備したいと、こう思っておりましたが、実情はそれを三%下回って八八%と予測されるわけでございます。それから、し尿につきましても九一%の衛生処理を目標にしておりましたが、これも二%下回って八九%になってしまうということが予想されるわけであります。これは、やはり中心となります施設整備が国庫補助事業をベースにして行われておりますので、ちょうどこの計画期間中、つまり昭和五十五年から六十年という時期は、非常に財政状況が厳しいというところで、その補助金が十分に行き渡らなかったと、これは他の公共事業におきましても同様でございますが、このことが一番大きな原因ではないかというふうに考えております。
#295
○佐藤昭夫君 事業の進捗のおくれの原因に、国の予算措置の不十分さ、これがあるということは否めないということだと思います。
 私の地元の京都市の南第一清掃工場の例をちょっと調べてみました。ことし、六十一年度完成の予定でありますが、一日三百トンの処理能力を持つものを二基つくると、連続焼却炉をつくるのでありますが、総事業費二億二千三百万円。
   〔委員長退席、理事佐々木満君着席〕
 この焼却炉に対する国庫補助金、これが四分の一だというんですね、聞きますと。全く補助単価が実態に見合ってないと。京都市の場合、補助単価は焼却場に対して一トン当たり千五百三十万円、実施単価は三千七百十六万円、トン当たり。焼却炉の建設費のみで見ても三千三百六十六万円。いわゆるこの超過負担として二億一千八十六万円、これだけの超過負担があるという京都市の実情を聞きました。要するに、国の見積もりの倍以上の費用が実際にはかかっていると。さらにそのほかに、建設に当たって地元対策費だとか、環境影響調査の費用だとか、公害防止の設備だとか用地費だとか、こういう膨大な多額の費用がかかる。加えて、最新の電気集じん機とかばい煙清浄機、こういうものを設置しようという、これは国の基準よりも高度だというので全く補助対象にならないと、こういうことを聞きましたけれども、今の国の補助の実態はこういう姿にあるんでしょうか。
#296
○政府委員(森下忠幸君) 全国平均で申しますと、国庫補助基本額とそれから国庫補助の対象事業費との間にそれほどの乖離がないように、年々単価の改善に努力してまいったわけでございます。
 これはマクロの数字としては申し上げることができますけれども、ただいま京都の例を一、二仰せられたわけでありますけれども、どうも単価としては、詳細はこれから勉強したいと思いますが、いささか高い感じがいたします。それは、いろいろな地元とのお約束で、公害防止のための装置がつけ加えられているのではないかと思われます。例えば、国で決めております排出基準よりももっと厳しい基準をかけているとか、これはちょっとつまびらかではございませんが、あるいは市の条例などで決めている数値よりももっと厳しくばい煙の防止をしているのではないかとか、あるいは国で規制している物質以外のものまで除去できるような装置がついているのではないかとか、あるいはできるだけ煙突を高くして拡散の範囲を広げようとか、いろんな試みがされておるかと思いますが、ただ、私少し計画の内容について電話等で聞いた範囲ですと、あわせて古い工場の建物を建て直すといいましょうか撤去するとか、あるいは道路工事もかなりのものを一緒にやらなきゃならぬとか、そういうこともありまして、京都の南工場の場合はかなり割高にはなっているような感じもいたします。
 でございますけれども、私ども、ごみを焼却する本体のところは、これは国で決めました、あるいは条例などで定められました規制値は十分クリアできる設備を、いわゆる超過負担という形でなく建設できるように、いろいろな形で今までも補助対象の事業の範囲を広げたり、あるいはわずかずつではございますけれども、実勢単価に合わせて単価の改良といいましょうか、アップもしてまいったわけでございますので、そういう努力は今後も続けてまいりますが、京都につきましては、さまざまな理由でこのような単価になっておるのではないかと思います。
 ただ、先生今二億というふうな数字を事業費でおっしゃいましたが、これは単年度事業費のことでございましょうか。いずれにいたしましても、あそこは公害防止計画地域でございますから、国庫補助対象事業費につきましては二分の一の国庫補助が行くことになっております。
#297
○佐藤昭夫君 私もちょっと数字を言い間違えたかもわかりませんね。京都市の南第一清掃工場の総事業費、二百二十三億です。失礼、間違えました。
 京都の例というのは一つの実例ですけれども、例えば去年の八月の読売新聞の連載「にっぽんガボロジー」というので、福島市の市民部長の誉田さんですか、その方もやっぱり、余りにも国の補助が低過ぎると、絶対必要な施設なんだから、八割補助ぐらいにしてもらいたいということを発言されておる。
 その他の例から見ましても、本当に今まさに社会問題となってきておる廃棄物処理、このための必要な処理施設ということで、国の補助率の問題については、もう一遍ひとつ十分検討をするということで対処をしてもらいたいというふうに思いますが、大臣、どうでしょう。
#298
○国務大臣(今井勇君) お説のように、昨今非常に厳しい財政状況のもとでありますけれども、廃棄物の適正な処理を推進するという観点から、おっしゃいますように、やっぱり国庫補助の改善にも努力をしてまいりたいと思います。
   〔理事佐々木満君退席、委員長着席〕
しかし、おかげさまで今のところは補助単価の引き上げ、あるいは補助対象事業の拡大というようなこともぜひやってまいりたいなというふうに思っております。
#299
○佐藤昭夫君 さて、それで次の問題は、産業廃棄物といった場合、その中の膨大な部分を占める問題として、土木工事、建設工事から出てくる土砂、コンクリート、アスファルト、庭木材、こういういわゆる建設廃材、これが膨大な部分を占めております。しかも、これがかなり不法投棄があるということで、一般的に有害産業廃棄物の場合、これは規制があるわけでありますけれども、これらの有害産業廃棄物でもないということで、安定型廃棄物と呼ばれて行政上回収命令もできない。都道府県の許しておる業者であれば、免許取り消しとかの処分による指導ができるわけでありますけれども、無許可業者の場合には捨て得だという姿に放置をされておるわけであります。
 こうした点で、「建築年報」という雑誌がありますが、その八二年八月号、建設省建築研究所の第二研究部有機材料研究室長島橘春一さん、この方が「建設廃棄物の現状と課題」と題する論文を書かれております。その中で、建設残土処分上の主な問題として、「(1) 発生量が膨大であるため、処分地が不足している。(2) 遊水池地域や市街化調整区域・農用地等に残土が大量に処分されており、土地利用計画面で問題が生じている。(3) 不法投棄、処分地内での作業騒音、道路の汚れ、砂ぼこり被害等残土処分が住民苦情の原因となっている。」等々、幾つかの問題を指摘されておるわけであります。確かに処分地の不足、確保が難しいという問題もありますが、同時に、建設業界のこの問題に対する対処のあり方、これが問われてきていると思います。
 すなわち業界内で、残土に伴う汚泥であるとかコンクリート廃材が産業廃棄物であるとの認識が極めて薄いということ。しかも二つ目に、建設業特有の下請構造があって、産廃処理においても元請から下請、孫請へと責任が転嫁されて、いわゆる事業者責任、PPPの原則が徹底していない、ここに重要な原因があるんじゃないかというふうに私は見るんでありますけれども、この点の認識はどうでしょうか、厚生省。
#300
○政府委員(森下忠幸君) これは警察庁の統計でございますけれども、昭和五十九年の産業廃棄物の不法投棄の事犯は九百六十七件ございまして、不法投棄された産業廃棄物の総量は約三十六万六千トンということでございます。この中で、どういう人が捨てているかということでありますが、無許可の業者が八十五人、許可を受けた業者が四十七人、排出源である事業者、この場合は建設業界の方も入ると思いますけれども、こういう方が八百三十五ということでございます。
 それから、不法投棄された産業廃棄物の中では、建設廃材が二十九万六千トンということで、全体の八〇・八%を占めております。そういうことで、やはり捨てられたもののうち、大変目立って困るというものは建設系の廃棄物であるというふうに思っております。
#301
○佐藤昭夫君 いや、私が聞いているのは、そういう建設廃棄物、これを産業廃棄物であるという認識が業界の中に果たして徹底しているであろうかという問題と、それを下請、孫請ということで責任転嫁をしていく風潮ですね、こういうものが強いのじゃないかというここの問題ですけれども、余り時間がありませんから、話を進めます。
 そこで、この点についても少し実情を関係の人に聞きますと、処分地の指定をきちんと定めているのは公共事業ぐらいだと。多くの民間建設工事のところでは、処分地探しまでダンプ業の方へ、ダンプ屋の方へ押しつけられてくる、独自に農家と契約したりして残土処理をしている。ところが、ダンプ屋の人たちは残土と汚泥の区別がはっきりしない。含水率八五%以上の残土、汚泥では中間処理が必要だが、そのまま投棄して検挙されたりしている、そういう例もあるという。
 この根本には非情に安い運賃にある。首都圏の場合、一日の運賃が三万七千円から三万八千円という、こういう非常に安い運賃にあって、したがって、その中に処分料も込みで請け負うと、こういう形のために勢い非常にルーズな対応にならざるを得ないという業界の実態にあるということなんかは、厚生省はおおよそつかんでおられるでしょうか。
#302
○政府委員(森下忠幸君) 先ほど佐藤先生が仰せのこういったこと、不法投棄が多いのは、建設業者である事業者についてそういう産業廃棄物としての意識が低いのではないかというようなお尋ねもありました。その辺はまさに私どももそういうふうに思っておるところであります。
 そこで、建設業界いろいろなのがございますが、まず、建設業の方々にこういった建設廃材についての意識を高めてもらおう、つまり、産業廃棄物としてどう始末してもらわなきゃならぬかというふうなことについて意識を高めてもらい、かつ自分たちで立派な処理をしてもらおうということで、いろいろな建設業界の団体がございますが、例えば日本建設業団体連合会ほか七団体、トンネルの業界とか道路の業界もございますが、こういう八団体の中に廃棄物対策連絡会というものをつくっていただきまして、今言ったまず事業者責任の認識、それから建設廃棄物の処理、発生の現状、分析、それからそこでの下請へ至るまでの責任の分担のあり方というふうなことを今いろいろと研究をしていただいております。その研究を通じながら、もちろん最終的にはそういうことで立派な始末ができることを期待しておるわけでありますが、その研究を通じて廃棄物に対する建設業界全体の御認識が高まることを期待しておるところでございます。
#303
○佐藤昭夫君 そこで、もう時間が迫っていますけれども、最近東京都の公害審議会、ここが建設廃材の適正処分のための答申を提出したということは厚生省も御承知のところだと思いますけれども、この答申の中に、都として、当局として廃材処理指導要綱をつくるべきだとか、その中で建設元請業者に処理計画書、これをきちっとつくらせて、最後まで元請業者に責任を持たせる、その運搬処理コスト、こういうものもきちんとさせる、こういった内容を含む建設廃材の適正処分のための答申でありますけれども、これは一つの大いに参考になる方向じゃないかというふうに私は思うんでありますが、ぜひ国として、東京都の公害審議会が出しましたこうした答申も参考にしながら、ひとつ業界に対して、また各地方自治体に対しても適切な指導をやってもらいたいというふうに思うんですが、どうでしょう。
#304
○政府委員(森下忠幸君) 去る四月一日に発表されました東京都の公害対策審議会からの御答申、これは中を拝見いたしますと、今、先生が申されましたように、処理計画の策定、委託する場合の文書による三者契約、処理責任者を置くことというふうなことが定められておりまして、いずれ東京都の方では、要綱のような形で行政のベースにお乗せになるというふうに推察するわけでございます。
 私どもも、実は産業廃棄物の不法投棄防止対策につきまして調査を行っておりまして、これは五十八年度から、学者の方や行政担当者の方で構成しました産業廃棄物適正処理検討委員会というものでいろいろ研究してまいりました。こちらの結果も大体これと似たような結論でございまして、その中でも指摘されておりますのは、排出事業者の管理体制が不十分であるとか、意識が低いとか、処分コストを予算の中に入れてないとかいうふうなことがございまして、それを廃棄物の流れという中で的確にとらえていくために、今回の東京都の御提案というのは、まさに私どもの考えでおった方向とぴったりでございますので、まず、これが要綱の形で動き出し、その内容を見ながら、私どももこれが全国レベルで応用できるものであるかどうか、そういったものも検討しながらさらに前進してまいりたい、このように考えております。
#305
○藤井恒男君 私は、年金問題に限って若干質問をいたしますが、国民の側から見て、年金に対する信頼というものを崩してはならないと私は思うわけです。とりわけ、これから長寿社会を迎えていくわけでありますから、やはり公的年金というものが老後の生活の柱であるわけで、その意味からも、年金の信頼というものをきちっと守っていかなければいけない。そのためには、年金制度が長期的にその財政が安定したものでなければならないのは論をまたないところです。
 その意味からも、年金財政安定化にとって、積立金の高利運用の道を開くということが今後極めて重要であろうと思うわけですが、今、提出されておりますこの法律案、つまり、来年度予算では還元融資のうち三千億円を新たに運用事業に充ててよいということになっているわけです。この運用益は還元融資の原資になるだけであって、今、私申しました年金の財政、つまり積立金そのものへの収入とはならない。このことについて局長、あなたこれで満足しているのかどうか。どうでしょう。
#306
○政府委員(吉原健二君) 年金の積立金を安全確実かつできるだけ有利、高利回りに運用して年金の財政の安定に寄与させる、保険料の軽減にも役立つようにするということは、私どもの強い願いでございまして、そういった趣旨で六十一年度、大蔵省にも厚生省の正式の要求として提出をしたわけでございますけれども、残念ながら、先ほど来いろいろお話しございましたように、この問題につきましては、大蔵省あるいは財投の立場としては、統一運用の原則を今の時点では崩せないということで、実は大変残念な結果にはなりましたけれども、六十一年度は見送ることにし、これからさらに引き続き検討、協議を続ける、こういう結論になったわけでございます。
 そういった意味で、端的に言いますと、この問題はいわば六十二年度以降の継続審議事項ということになったわけでございまして、私どもの本来の要求が認められたとは思っていないわけでございますが、ただ、それはそれといたしまして、還元融資事業につきましても、将来、私どもできるだけ安定的に運用、維持できるようにしていきたいという気持ちを持っておりまして、そのためのいわば財源確保に備えまして、わずかではございますけれども年金資金についての運用事業が認められた。これはこれで大変意義のある、また保険料の拠出者の意向にも一部沿った運用の仕方ではないかということで法律改正をお願いしているわけでございます。
#307
○藤井恒男君 還元融資の運用事業と年金積立金の自主運用とは全く別の問題だというふうに私は考えているんです。年金財政本体に組み入れられるように法改正すべきだと私は思っているわけですが、引き続き継続審議といっても、話の内容がかみ合っていないわけですね。そういった中で、厚生、国民両年金の保険料積立金が六十年度で五十三兆円でしょう。六十年度一般会計を超しているわけですね。六十一年度になると五十七兆円。これが大きくなればなるほど、今のかみ合わない論議の中で大蔵省が方針転換ということは、今のままで語を続ければ、私どもが求めている自主運用というものは実らないんじゃないかという気がするわけです。
 あなた自身、今おっしゃったように、本質的に私どもと同じ考え方を持っているわけだけど、そういったこれからのいわば継続審議というものに具体的にどう取り組んでいくのか。余りこういった場所で手のうちをさらすことはいかがかとも思うわけだけど、普通に話をするだけでは私は話はかみ合わないと思うわけなんで、もう少し具体的にその辺の取り組みについてお聞きしたいと思うんです。
#308
○政府委員(吉原健二君) 年金積立金の別建て有利運用につきましては、大蔵省は、国の制度なり信用で集めた資金の一元的な運用、統一的な運用の原則は崩せないということと、仮に年金資金の要求の趣旨は趣旨として率直に言いましてわからないわけではない、しかしそれをそのまま要求を認めますと財投の編成ができなくなる、財投の編成ができないということは一般会計予算の編成もできなくなるということを言っておるわけでございます。同時に、資金運用部の大きな原資になっておりますのが、年金だけではございませんで、御案内のとおり、郵便貯金も大きな原資になっているわけでございまして、郵便貯金の資金につきましても、かねてから別建ての自主運用、有利運用の要求が出てきている、これへの影響ということも率直に言って考えなければならないと。したがって、大蔵省としてはあるいは財政当局としては、年金の積立金の別建て有利運用ということは、趣旨としては理解はできるけれども、何としても今の時点で要求をそのままの形で認めるわけにいかぬというのが、率直に言いまして大蔵省の考え方だったわけでございます。しかしながら、この問題につきましては、大変大きな問題でもございますので、引き続き検討、協議をしていこうということになっているわけでございます。
 私ども、今後の見通してございますけれども、大変この問題は難しい問題だという認識は持っておりますけれども、将来とも果たして私どもの要求が全く実現不可能かというと、率直に言いまして、必ずしもその見通しがないというふうには考えていないわけでございます。
 一つには、先ほど来いろいろ議論ございましたように、財投のあり方そのものにいろんな議論が出てきておりまして、見直すべき時期に来ているということがございます。
 それからもう一つ、金融の自由化といいますか、金利の自由化といいますか、そういったような状況の中で、政策金融のあり方そのものがやはりその必要性を根本から問われてきているというような時期にもあるわけでございまして、年金資金の運用のあり方というサイド以外に、そういった面から資金運用部資金の運用の仕方、あるいはその原資の確保の仕方、そういったものについていろんな意見、議論というものが既に出てきているわけでございまして、そういった中で私は、私どもの年金の立場からの議論なり意見というものはある程度だんだんと反映をされてくるのではないかというふうに思っているわけでございます。
 それからもう一つ、年金事業団のいわば還元融資事業としての運用事業でございますけれども、先ほども申し上げましたように、あるいは今、先生から御指摘ございましたように、本質的には別のものでございますけれども、ただ年金の資金についてのいわば有利運用、ごく小規模ではございますけれども、有利運用事業という点においては共通の性格を持っているわけでございまして、こういったことから、資金の運用についての一つの経験なり実績を積み重ねることが、いずれ大きな規模での年金資金の運用というものが実現した場合に、非常に有益な経験なり実績になるのではないかというふうに思っているわけでございますし、さらにこの運用益というものを将来の還元融資の財源に充てるというのは、今の私どもの考え方、そこまでしか大蔵、厚生両省の間で意見の一致が現時点では見なかったわけでございますけれども、この運用益が出た段階で、どうこれを使っていくかということについては、将来の問題として、年金の会計に直接組み入れていくという道も全く考えられないことではないのではないかというふうに思っているわけでございます。
#309
○藤井恒男君 大臣にお伺いするわけだけど、前大臣の増岡さんは、これから高齢化社会を迎えていく中で、年金を含む医療その他社会保障について先々を展望するなら、社会保障特別勘定あるいは福祉目的税というようなものでもつくらなければ厚生予算はもう組めないというふうにおっしゃっていたわけです。年金それ自体も、今言ったように膨大な資金を抱えて、積立金を持っているわけですから、国として財投資金、資金運用という面で当てにされる、もてることは結構なことだけど、これは私は、今、局長もおっしゃったんだけど、郵便貯金と年金の積立金というのは全く異質だと思うんですよ。これは、財投資金として大蔵省が見る目は一つかもわからないけど、積み立てられているもの、それは郵貯と積立金とは全く異質なものなんでね。だから、これを認めたら郵貯に来るかわからぬという発想は、それは大蔵省の勝手な発想であって、私は許さるべき問題ではないと思うんですよ。いずれ機会があれば、また大蔵省と我々もこれはやらなきゃいかぬとは思うんだけど、その面について私は大臣の考えをお聞きしておきたい。
 それから、大臣も先刻御存じのことでありますが、共済年金の積立金は自主運用を認められているわけですからね。だから、それやこれや考えますと、一歩前進というふうに局長は受けとめておられるのかもわからぬけど、私は、本質をついたことにはなっていない、お茶を濁した程度のものであって、これから正念場で大臣に汗かいてもらわにゃいかぬというふうに思うわけだけど、あなたのお考えをお聞きしておきたいと思います。
#310
○国務大臣(今井勇君) まことにありがたい御意見でございまして、まず郵貯と年金は別だ、これはお説のとおりでございます。これはもう峻別されなきゃいけない問題だと思っておりまして、それはまさに先生のおっしゃるとおりでございます。
 それから、前大臣が、社会保障予算につきまして一般会計から切り離して社会保障に関します給付と負担の関係を明確に示すということを言われた。私は、この考え方というのは今後のやっぱり社会保障を考えていく上で極めて示唆に富んだ考え方であると思いまして、この委員会でもあるいは予算委員会でも、同様な御質問に対しまして絶えず今と同じような答弁を繰り返してまいりまして、私も全くそのように考えておるものでございます。
 ただ、この問題をこれからどうするかという問題につきましては、やっぱり財政構造全体にも、また今後の社会保障の進め方にも大きくかかわる問題でございますので、私は、この考え方を含めて幅広い角度から検討を行ってまいりたいと思いますけれども、絶えずひとつ、今おっしゃいました、また前大臣がおっしゃいましたこの私案というものについては、少しでも前進するように頑張ってまいりたいと思いますので、御支援をいただきたいと思います。
#311
○藤井恒男君 ひとつ、この問題は極めて重要なことでありますので、今井厚生大臣も力いっぱい頑張っていただきたいと思います。
 それから、次に話を進めますが、ことしの四月から基礎年金の導入を柱とした新年金制度が発足したわけです。今後は年金一元化に向けての論議を進めなければならないわけでありますが、厚生省は、昭和七十年度を目途に一元化するという考えを発表しておりますが、そのための将来ビジョンというものをまだ明確にしていない。年金一元化に向けての今後の取り組み方についてお伺いしておきます。
#312
○政府委員(吉原健二君) 年金一元化のこれからのスケジュールといいますか、取り組み方でございますけれども、おかげさまで、先般の新年金制度の発足によりまして、いわば基礎年金部分につきましては全く統合された、あるいは一本化されたということが言えると思いますし、基礎年金の上の二階建ての報酬比例部分につきましても、今まで官民格差ということで指摘をされてまいりました厚生年金と共済組合との違いも、おおむねその整合性はとれたわけでございますが、まだ細かい点につきましては違いが残されているということでございます。
 それからもう一つ、今まで七本の、厚生年金、国民年金、船員保険、四つの共済組合というふうに分かれておりましたのが、船員保険は厚生年金に統合されたわけでございますけれども、共済についてはなお四つの共済制度が分立をしていると、こういう状態でございます。
 したがいまして、これからの公的年金の一元化の課題というのは、実質的な面では、内容的な面ではなお残されている二階建て部分の給付をどういうふうに調整をしていくか。それから、給付の面だけではなしに、保険料なり掛金の負担の面において、それぞれの制度の成熟度の違いも反映をいたしましてかなりの差があるわけでございます。それをどういうふうに調整していくかというのが二番目の課題だろうと思いますし、同時に、もう少し大きな問題といたしまして、厚生年金、国民年金といういわば民間の年金制度と四つの共済制度というものをそのまま分立した形で持っていくのか、あるいはそれをさらに一本の制度に、制度的にも完全な一本の制度にしていくのかということが課題になるわけでございますが、大変いずれも大きな問題でございますし、それぞれの制度なり関係者に大変大きな利害のある問題でございますので、これをどういうふうに具体的に進めるかにつきましては、実はこれから関係者との話し合いといいますか、理解を深めつつ調整を進めてまいりたいというふうに思っておるわけでございまして、現時点で、具体的にどのようにしたいということを申し上げられる段階では、率直に言ってないわけでございます。
#313
○藤井恒男君 年金の行政面における一元化というものをまず果たすことも必要だろうというふうに思うわけですが、その前提に立って、社会保険庁に例えば年金行政をまとめてしまうというようなことができないものなのか。どうでしょう。
#314
○政府委員(吉原健二君) 私どももできればそのようにしたいというふうな気持ちは持っておりますけれども、制度自体がまだ、先ほども言いましたように、若干の違いがある。それから、特に共済制度につきましては、それぞれの省庁におきまして、それぞれの省の行政といわば一体的な関係で業務が進められている。具体的に言いますと、国家公務員の共済組合なり地方公務員の共済組合につきましては、国家公務員の人事行政といいますか、公務員行政といいますか、そういうものと一体的に進められているというような側面を持っておりますので、なかなかそういった中から共済制度だけを社会保障という観点から切り離してしまうというところまで、いわば時期的にもあるいは意識的にもそこまでの決断ができないといったような問題があるようでございます。
 ただ、やはり大きな流れといたしましては、今おっしゃいましたように、社会保険庁がいいかどうかは別にいたしまして、どこかで年金の制度だけではなしに業務そのものを、保険料の徴収から、あるいは年金の裁定、支払いといった業務そのものを一元的にやっていくことが被保険者なり受給者、組合員のために私はこれからの方向として考えるべきではないか、私どもはそういう方向で進めたい、また関係省庁とも話し合いをしていきたいというふうに思っておるわけでございます。
#315
○藤井恒男君 私は、やはり年金受給者ということを考えると、納めているときは各省庁に分かれているんだけど、受給者という立場から考えると、報酬比例部分、二階建て部分が多少違っていても、その行政面、実務面というものが一つにまとまることが必要だろう。それを私は社会保険庁というふうに申したわけなんだけど、これはひとつ十分御検討いただきたいというふうに思います。
 それから、今、国会に労働省の方から六十歳定年の法律案が出ているわけですが、これは満場一致で恐らく可決されることと思うんです。これは六十歳じゃなく、将来展望すると、いずれ六十五歳定年法というものが我が国では必至の状況だろうというふうに思うわけです。六十歳定年法それ自体でも、多くの国民の要望を受けて、労働省も六十歳前半層の雇用拡大ということを一つの大きな政策テーマにしているわけで、それを考えても、やがては六十五歳定年法というものが制定されねばならない。そうなってくると、また別な面から六十歳前半になると個人差が非常に出てくるわけだから、就労それ自体も個人差によって、六十五歳定年の場合には就労することができない人も出てくるんじゃないか。
 先のことを言うようだけど、そういったことを考えると、前にも私、局長に質問した経緯もあるんだけど、先進国等で導入されておる部分就労、部分年金という制度ですね。これはやはり我が国でももうぼつぼつこれを導入することについての検討を進めるべきだろうと私は思うんだけど、いかがなものでしょうか。
#316
○政府委員(吉原健二君) この問題につきましては、年金法審議の際にもいろいろ御指摘をいただいたわけでございますけれども、部分就労、部分年金の問題、これは支給開始年齢の問題とも絡みますし、いわば年金と雇用というものをどう関連づけて、老後、高齢者の方の所得保障なり生活保障というものを保障していくかということだろうと思います。
 スウェーデンなんかでは、できるだけ高齢者の雇用時間を短縮させまして、その短縮された労働時間、雇用時間に見合う所得保障として全額事業主の負担で、いわば年金の形で所得保障をしている、こういうことが行われているわけでございます。
 ただ、これを日本の場合に年金制度との関連でどう考えたらいいのか、どう調整していったらいいのか、あるいは年金制度よりもむしろ雇用対策として考えた方がいいのか、これは実はいろんな考え方があるわけでございまして、年金のサイドで考える場合には、現在の在職老齢年金との関係というものを十分頭に置きながら調整を図っていく必要があると思いますし、スウェーデンで行われているような部分就労、部分年金というのは、どちらかといいますと、いわば雇用対策の側面を非常に強く持っているという性格のものでございまして、若い人の失業が多い、高齢者の引退を促進する、そのために高齢者についてはできるだけパートの労働時間にしていく、こういう制度、政策というものが一つ前提としてございまして、その短縮された労働時間を保障するものとして全部会社といいますか、事業主の負担で所得を保障していく、こういう仕組みになっているわけでございます。
 したがいまして、これが一体、こういったような制度なり対策というものが我が国にそのままなじむかどうか、それから雇用情勢にそれがどういう影響を与えるかということは、これはちょっとスウェーデンやなんかと日本の場合には違った要素があるのではないかというふうに思っているわけでございます。
 それからもう一つ、財源が全額事業主負担で行われているというようなことも十分考えなければいけないと思いますし、それから、高齢者に対して一律にパートタイム雇用を促進するというような考え方がスウェーデンなんかの場合には前提になっているようでございます。そういったもろもろのことがございますので、十分そういったことも頭に置きまして、私は将来、在職老齢年金支給開始年齢、それからこういった諸外国の制度、そういったもの全体を見ながら、日本の場合にはどういうふうなやり方が一番いいのかということを少し時間をかけて検討さしていただきたい、こう思っているわけでございます。
#317
○藤井恒男君 最後に、企業年金のことで御質問いたしますが、物価スライド制の導入とか企業間の通算問題など、企業年金、今後に多くの問題を抱えているわけです。公的年金を補完する意味でも、企業年金はもう随分普及してきているわけです。今言ったような具体的な問題も今後派生してくるわけですが、この企業年金の今後の育成策についてどう考えていらっしゃるかお聞きして、質問を終わります。
#318
○政府委員(吉原健二君) 公的年金につきましては、おかげさまで、先般の年金法の改革、それからこの四月からの新しい制度の出発によりまして、まあ二十一世紀を迎えましてもまずまず心配がないという基盤が確立てきたというふうに思っているわけでございますが、やはり国民の多種多様な老後生活のニードというものを充足さしていくためには、公的年金だけでは不十分でございまして、それを補うものとして企業年金なり個人年金というものを育成発展させていかなければならない、こういう基本的な考え方を持っているわけでございます。
 企業年金の問題、特に厚生年金基金を中心にした企業年金のあり方については、実はいろんな考え方、いろんな検討事項がございます。今、御指摘のございました企業年金間の通算の問題、それから物価スライド、それも大きな課題の一つでございますし、そもそも企業年金なり厚生年金基金の持つ役割、あるいは公私の年金制度全体の中での位置づけの問題から始まりまして、給付水準のあり方でありますとか、あるいは設立要件の問題でありますとか、それから年金数理のあり方でありますとか、あるいは年金税制のあり方でありますとか、あるいは資産運用、資金運用のあり方でありますとか、そういった実はもう大変多くの問題があるわけでございまして、私どもこういった問題を、ひとつ腰を入れて本格的に、しかも総合的に勉強してみたいという考え方を持っておりまして、今月中にでも学識経験者を中心にした研究会といいますか、勉強会というものを省内に発足をさせまして、ひとつ一年ないし二年かけでじっくり勉強して、将来の企業年金のあり方についての案をつくってみたいというふうに思っているわけでございまして、その案ができましたならば、また関係方面の御意見も十分踏まえまして、法律改正が必要であれば、その時点におきまして法律改正までお願いをしたいというふうな気持ちを持っているわけでございます。
#319
○下村泰君 お尋ねをする前に、四月四日の予算委員会の総括の締めくくりで、小規模作業所の問題で総理に大変ありがたい御答弁をいただきました。そのことについて、厚生省の社会局の方も大分お困りのようだったようですけれども、月曜日に厚生省の方々がお越しになりまして、それで総理大臣のお気持ちとして、私のところへ行ってよく説明せよというようなことで厚生省の方が参りました。で、いろいろとお話をいたしました。その結果、今すぐにというわけには私も請求しておるわけじゃございません、要求もしておりません、近い将来に向かって何とかして助成をしていただきたいというのが私の真意でございます。そのことにつきましてもろもろの相談をいたしました。お話し合いもいたしました。関係者一同の英知を集めて、その方向に向かって何かいい策がないかというようなことをこれから先も研究していきましょうということになりました。
 そういうふうな結果が出てまいりましたので、どうぞ厚生大臣におかれましても、その方向に向かって関係者一同が知恵を絞り合おうということでございますので、何かとひとつまたこれからも御誠意を示していただきたいと思いますので、その件につきまして一言お礼を言いますとともに、何か厚生大臣の方でお気持ちがあったらお聞かせください。
#320
○国務大臣(今井勇君) 私どもの方にも総理からの御指示がございまして、関係省庁と知恵を出し合って、どんなことができますかひとつ十分に考えてまいりたい、こう思っております。
#321
○下村泰君 ありがとうございます。よろしくお願いします。
 もう年金のことについてはほかの方々がいろいろお伺いしております。で、できるだけダブりたくはないと思うんですが、いろいろ係の方に伺いましても、それは先般出ました、そのお話も出ましたということで、だんだん私のお尋ねすることがなくなってしまっておるんですけれども、もう一度念のためにお尋ねをいたしますけれども、障害者問題に私は関心を寄せておりますので、障害者の年金によってカバーされる人がふえたということは大変もうありがたいことだと思っています。お礼を申し上げます。
 ただ、第三号被保険者、奥方たちですね、奥さん方というのは意外とこういうことに気がついてないんですね。私のうちの近所にも、たまたま私のとしろに来て、もう私は受給資格があるんだけどちっとも年金が来ないんだと、どういうわけなんだって。それだめだよ、こっちから届け出なきゃと言ったら、ああそういうものですか、向こうから来るんじゃないんですかというような人が意外と多いんですよね。そうしますと、奥様方でもこういう方が随分いるんじゃないかと思うんです。
 そこで、今どのくらいの方々が届け出されているのか、そしてどのぐらいの方が残っているのか、その残った人たちに対してどういうお知らせをなさいますのか、それを聞かしてください。
#322
○政府委員(長尾立子君) いわゆるサラリーマンの奥様方、第三号被保険者の方のお届けの状況でございますが、昨年の十月末から十一月にかけまして、従来国民年金に任意加入をしておられました奥様方にお届けの用紙をお送りいたしまして、その旨のお届けをお願いするということで準備を始めております。一月の三十一日までに届け出ていただきたいということでお願いをしておりますが、その期限までにお届けをいただいた方が四百三十六万人でございます。私どもの方から届け出用紙をお送りいたしました方は六百七十七万人でございますので、届け出率では六四%ということでございますが、これは共済組合の組合員の奥様方につきましては、大体百三十万人ぐらいと思いますけれども、別途お届けをお願いするということといたしておりますので、実質的な届け出率は八〇%というふうに考えております。
 共済組合の組合員の奥様方につきましての適用準備事務は二月末に開始をいたしまして、また従来国民年金に任意加入しておられなかった方々につきましては四月一日から、この一日から実施をいたしておるところでございます。
#323
○下村泰君 そうしますと、今の単純計算でいきますと、六百七十七万、それから四百三十六万に共済組合百三十万を足して引きますと、まだ百十一万残るということになります。こういう方たちの後のフォローというのはどういうふうになさいますか。
#324
○政府委員(長尾立子君) まず、従来の任意加入しておられた方でお届けをいただいてない方につきましては、お届けいただきたいということで、お送りいたしました。紙では三月末までにお届けをいただくということでお願いをいたしまして、いわば締め切り日を延ばしたわけでございます。それから、国民年金に任意加入されてない方はこの四月一日からということでございますので、これはある意味ではもう全く新しくお願いを始めたということでございますが、先生から御指摘いただきましたように、今度の改正ではすべての方が国民年金に加入をしていただくということでございますので、相当数の方が漏れてしまうということがありましては大変でございますので、積極的なPRをさせていただきたいというふうに思っておるわけでございます。
 これは、市町村広報とかそれから一般のテレビ、新聞、ポスター等によります積極的な広報をいたしたいと思っておりますが、もう一つは、事業主の方に御協力をいただきたいと思っておるわけでございます。奥様方の御主人がお勤めの事業主の方に対しまして、奥様方分の届け出用紙をお送りいたしまして、従業員の方の奥様がお届けをくださるように事業主の方の方から働きかけをお願いするということを一つ考えております。また、市町村の方で住民台帳等の公簿によりまして、この方はお届けをいただかなくてはいけない方だということが、いわゆる未届け者でございますけれども、こういう方々の確認ができます場合には、直接お届けをお願いするというような、いわば三種類の方向、一般的なPR、事業主の方の御協力、市町村からのお届け出書の促進というような三種類でやらせていただきたいと思っております。
#325
○下村泰君 そこまで丁寧にやれば大抵徹底するとは思うんですが、しかしうっかりしている人も多いもんですからね、私自身もうっかりしていますから。
 今回の改正で、海外在住者についても国民年金に任意加入する道が開かれたんですが、こういう方々の具体的手続、それから海外在住の厚生年金加入者の奥方ですね、妻の届け出、こういうのはどういうふうになさるんでしょうか。
#326
○政府委員(長尾立子君) 在外におられます方につきましては、今回の改正によりまして、海外にお住まいの期間も国民年金に任意加入することができるという改正になったわけでございます。
 御質問は、その場合の手続をどういうふうにするかということでございますけれども、御本人が海外に住んでおられるわけでございますので、御自身で加入手続をしていただくということは困難であると思います。
 したがいまして、私どもとしては二つの方法を考えておるわけでございますが、一つは、海外におられる方の御家族が日本の方にお住まい、例えば奥様だけは日本におられる、または御両親は日本におられるという方がおられると思いますが、そういった方々を協力者ということにいたしまして、その方にいろいろな加入手続とか保険料の納入の手続を代行していただくということを一つ考えております。
 それから、ずっと海外におられまして、そういった協力者が国内におられないという方がおられると思うのでございますが、こういった方につきましては、社会保険庁長官の指定する法人、具体的には日本国民年金協会を考えておりますけれども、そこに今申しました加入手続とか保険料納付の手続を代行するように依頼をしていただくという、この二つの方法を考えておるわけでございます。
 それからもう一つ先生の御質問は、海外に在住しておられる第三号被保険者の手続でございますが、これは例えば外交官等の場合には、御主人はその共済組合の本人、奥様は第三号被保険者該当ということになるわけでございますけれども、この場合につきましては、今申し上げましたとほぼ同じような形で手続をしていただくということを考えております。この場合には、その配偶者の事業主がこちらにおられる会社等で、商社等の方でございますと、事業主の方は日本国内におられるということが原則でございますので、勤務先の事業主の協力をいただきまして手続をしていただくということが便宜かと考えております。
#327
○下村泰君 大きな企業におられる方々はわりかたそういう手続その他はやってくれるんでしょうけれども、そうでない方々においては、大変こういうことに周知徹底というのは難しいと思いますので、よろしくどうぞお願いをいたします。
 それから最近、新聞、雑誌等でいろいろな形の個人年金の広告が目につきます。事実、郵便箱の中にいろんなものが入ってきます。今回の年金制度の改革によって、サラリーマンの妻の国民年金への任意加入の保険料が不要になったということで、サラリーマン家庭などに対する個人年金の売り込みが激しくなっていることはもう事実ですわね。その際、公的年金と個人年金を比較して、公的年金の短所をいろいろとこうついてくるわけですね。それで、こんなものは当てになりませんよとか、そのうちにもっと下がるかもわかりませんと、それで、掛金が上がってもらうものは少なくなりますよとか、いろんなことを言ってきますわね。それは向こうは商売ですから、そういう穴をついてくるのはうまいもんですわ。そうすると、奥様方がこれはふらふらするわけですね。こういうことに厚生省はどういうふうに対処するんですか。
#328
○政府委員(吉原健二君) 私ども、公的年金とそれから個人年金あるいは生命保険、いわば両方とも今後とも充実、発展をさせていかなければならない。それぞれの役目なり役割は違うと、したがってそれぞれの役目、役割を十分果たし得るように、公的年金も基盤をしっかりし、長期的に安定をさせると同時に、個人年金についても育成をしていく必要がある、こういう基本的な考え方に立っているわけでございますけれども、今御指摘のございました、公的年金がもう将来だめになるから個人年金にお入りなさいとか、あるいは生命保険にお入りなさいというような勧誘をされているようなお話を今までもよく聞いたことがあるわけでございます。そういったことでは大変国民に誤解を与えるといいますか、公的年金に対する信頼を失わせる、あるいは不安を持たせる、こういうことになりますので、そういったことのないよう、関係の生命保険業界などにはその都度厳重に実は注意をしてまいってきているところでございます。
 それで、今度の公的年金の改革に際しましても、今お話しのございましたように、サラリーマンの家庭については保険料の負担がなくなったのだから個人年金にお入りなさいというような、いわば新たな商品を発売する、そういったことで発売をすると。その発売の仕方、勧誘の仕方にも実は御指摘のような国民の方に誤解を与えるような言動といいますか、パンフレットといいますか、そういうものがあったということを聞いたものですから、関係の会社、業界には十分そういったことのないように改めて実は注意をしたということでございます。
#329
○下村泰君 そういう注意をなさったとはおっしゃいますけれども、実は世の中にはそういうマルチ商法がたくさんありますでしょう。現在、いろんなのが出てきていますよね。いろんな形でいろんなものが出てきて、しかもそういうものを取り締まる法もないというために、全省庁がよりによって頭を悩ましたという件もございましたわね。ですから、前線基地にいる人間というのは――言うことは古いんですけれども、そういう方々と一番接するところにいる人たちの頭の中には、とにかく売り上げをふやす、ノルマを課して、それ以上のものを上げればそれだけ自分の営業成績になるんですから、そんなパンフレットなんかなくたって何を言い出すかわかりませんし、またそういうことは法に触れないんで、ここまで言っても法に触れないよなどという悪知恵を入れる専門の方もいらっしゃいましょうし、ですから、ただ単に企業にそういうことぐらいの通達で果たしておさまるかどうかというのが私の心配なんですけれどもね。
 それから、個人年金の売り込みに際しまして、自営業者の方には定額の国民年金、基礎年金だけしかないということを盛んに言うんですね。確かに、サラリーマンには報酬比例年金があるのに、自営業者にはこれがないということが国民年金を魅力の乏しいものであるというふうに指摘するわけです。それで、自営業者の年金も二階建てにすべきであると考えるんですけれども、どうでしょうか。
#330
○政府委員(吉原健二君) 国民年金、自営業者の方についても報酬比例といいますか、所得比例の年金があれば望ましいということは私どももそう思っているわけでございます。ただ、そうは言いましても、国民年金の適用者の方というのは大変所得の低い方も多いわけでございますし、また職業的に見ましても業態が非常に千差万別でございます。サラリーマンのように、皆さんがサラリーマンで月給なり賃金を受け取っておられる、その中から保険料を一定の率でいわば源泉徴収をさしていただければ保険料を払っていただける、そういう形がとれないわけでございます。また、所得の全くない方も相当の割合で実はおられるわけでございますから、そういった方々を対象に、果たしてどういった形で所得比例、あるいは保険料なり給付という二階建ての年金の仕組みをつくっていったらいいかということになりますと、具体論としては非常にその困難さが大きいわけでございます。国民年金ができたときからそういう議論は御意見としてはあったわけでございますけれども、なかなか実際問題として国民年金の対象者についての二階建て年金というのは、今なお具体的にこうしたらいいという自信の持てる案ができないというのが、率直に言って現在の時点でございますけれども、あくまでも気持ちとしては私どもも、もう少し保険料なり掛金を払って高い年金をという気持ちは、できるだけ制度の上でもそういった道をつくりたいということで、今後の研究検討課題にしているわけでございます。
#331
○下村泰君 年金積立金の有利な運用もなんですけれども、これはもう藤井先生からも御質問がありました。
 ただ、私らの庶民的感覚で申し上げますと、ここにいらっしゃる諸先生方は政治を志して、お若いときから御苦労なさってここにお入りになった方なわけで、ですから、すべてそういった国会でなされるもろもろのことはもう政治的判断ということでおわかりになるんでしょうけれども、私ら庶民の出というのはさっぱりわからないんですよね、先ほどのお答えでは。
 その私がわからないところを率直に伺いますが、大企業を中心に設立されている厚生年金基金や公務員の共済年金は有利に運用されていて、厚生年金や国民年金の積立金が低く抑えられている。これは何か大蔵省の方がそういったことでどうのこうのおっしゃっているというんですが、そういうことを言っている大蔵省の感覚というのは私には全然わからないんですよね。先ほどの局長の御説明聞いていてもわからないんですよ。人の積立金何だと思っているんだ、このやろうと言いたくなるわけですね。だから、だれだって有利に運用されることを望むはずですわ。そして、将来に不安がなくなり、しかも掛金も上がらずに済むというようなことになれば、こんな有利な展開はないし、また、積み立てしている人にとってこれほどの朗報はないんですけれども、これはやっぱりあれですかね、大企業とかこういうところの圧力がかかるんですかね、大蔵省へ。そんなことはないと思いますけれども、そういうことはあるんですか。
#332
○政府委員(吉原健二君) 御指摘のようなことではございませんで、先ほども大蔵省が言っておりましたように、何といいましても、大蔵省の青葉をかりますと、国の制度なり信用で集められた資金というのは、大蔵省が資金運用部資金として一括して統一運用するのが一番資金のあるいは資源の効率的な配分に役立つんだということが一つでございます。
 確かに、今までの資金運用部、財投の資金の配分といたしましては、産業基盤の整備でありますとか、あるいは道路だとか鉄道といった社会資本の整備、それから住宅でありますとか生活環境施設でありますとか、そういった国民生活の安定に資するための事業、そういった分野に、それぞれの時代の必要性といいますか、ニードに応じて財投の資金というのは有効に使われてきた、その原資として郵便貯金と同時に年金の資金も大きな役割を果たしてきたという、これは率直に言ってそういうことは認めてよいのではないかというふうに私は思っておりますが、これから、今の時点で、そういった財投の役割というものがさらに今後とも今までのような形で続いていくかどうかということになりますと、私どもとしては、財投の事業の見直し、あるいは資金運用部の運用制度の見直しということがいろんな面から要請をされてきている、時代は変わりつつあるというふうな認識を持っているわけでございます。
 それからもう一つ大蔵省が言いますのが、実際問題として、財投の資金の中で年金の資金を、例えば私どもの要求で言いますと四兆円というものが財投の原資として使えなくなりますと、今、大体二十兆の規模の財投事業が行われているわけでございますけれども、財投の予算編成ができなくなる。その財投の予算編成というのは一般会計の予算編成と実は裏腹といいますか、一体的な要素を非常に強く持っておりますので、ひいては国の予算編成全体ができなくなってしまうというのが大蔵省の言い分でございます。
 私ども率直に言って、そういった言い分が全くわからないわけではないんですが、だからといって今までどおり年金の資金を全部財投の資金で資金運用部に預託しなければならないかというと、そうは考えておりませんで、やはり年金の資金は、先ほど来も議論がございますように、郵便貯金とも性格が違いますし、これからの年金財政の長期安定を考えますと、何といっても年金資金にふさわしい、より有利な、被保険者の本当の将来の年金原資、年金財政の安定に寄与するような、場合によっては保険料の軽減に資するような運用というものをぜひとも実現したいというふうに思っているわけでございます。
#333
○下村泰君 大臣、あれですよね、百円や二百円の金じゃないんですからね。それ相当の財源なんですからね。何も大蔵省に弱腰になる必要はないと思うんですよ。ですから、どんどんひとつ大蔵省の方に大臣も体当たり攻撃かけてくださいよ。少なくとも積み立てている人が安心のできるような制度にすべきがやっぱり厚生大臣のお務めだと私は思いますよ。頑張ってください。
#334
○国務大臣(今井勇君) お説のとおりに、私どももこの問題については簡単に引っ込まないつもりでおりまして、あくまで頑張ってみたいと思っておりますので、よろしく御支援を賜りたいと思います。
#335
○下村泰君 ありがとうございました。
#336
○委員長(岩崎純三君) 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#337
○委員長(岩崎純三君) 御異議ないと認めます。
 それでは次に、廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、討論はないものと認めます。
 これより採決に入ります。
 廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#338
○委員長(岩崎純三君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 高杉君から発言を求められておりますので、これを許します。高杉君。
#339
○高杉廸忠君 私は、ただいま可決されました廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、二院クラブ・革新共闘の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、次の事項につき、格段の努力を払うべきである。
一、廃棄物の適正な処理が国民の生活環境の保全上必要不可欠であることにかんがみ、新五箇年計画の完全達成を期するとともに、地方公共団体の財政負担の軽減に配慮すること。
 また、三年後の見直しの検討に当たっては、整備の進捗状況等を勘案しつつ、特に耐用年数の延伸を含め、所要の事業費の確保に努めること。
二、廃棄物の処理に当たっては、減量化及び再生・資源化を促進しつつ、最終処分場の確保に当たっては、地域住民の合意を得る努力をし、あわせ、効率的な処理技術の研究開発を積極的に行うこと。
 また、特に、廃棄物処理事業における近年の労働災害発生状況にかんがみ、関係省庁間の密接な連携のもとに、安全衛生教育等労働災害防止対策の徹底に努めるとともに、車両の構造改善等の技術的検討を進めること。
三、産業廃棄物の不法投棄を防止するため、地域の実情に応じて、環境衛生指導員を適正に配置することなど、広域的な監視、指導の強化に努めること。また、産業廃棄物に関する事業者処理責任の一層の徹底を図るとともに、中小企業に対しては公共的な施設の整備等所要の措置を講ずること。
四、適正な処理が困難となる製品、容器等の製造、加工、販売等が行われないよう努めるとともに、事業者に対して、必要に応じこれを回収・処理させるよう、指導を徹底すること。
 右決議する。
 以上でございます。
#340
○委員長(岩崎純三君) ただいま高杉君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#341
○委員長(岩崎純三君) 全会一致と認めます。よって、高杉君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、今井厚生大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。今井厚生大臣。
#342
○国務大臣(今井勇君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
#343
○委員長(岩崎純三君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#344
○委員長(岩崎純三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 次に、年金福祉事業団法及び国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について、佐々木君から委員長の手元に修正案が提出されております。修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。
 この際、本修正案を議題とし、趣旨説明を聴取いたします。佐々木君。
#345
○佐々木満君 ただいま議題となりました年金福祉事業団法及び国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党・自由国民会議を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 修正の要旨は、原案の施行期日について、「昭和六十一年四月一日」を「公布の日」と改めるとともに、老齢福祉年金の額の引き上げについては昭和六十一年四月一日から適用することであります。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
#346
○委員長(岩崎純三君) 別に御発言もないようですので、本修正案に対する質疑はないものと認めます。
 これより原案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、討論はないものと認めます。
 これより年金福祉事業団法及び国民年金法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、佐々木君提出の修正案を問題に供します。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#347
○委員長(岩崎純三君) 全会一致と認めます。よって、佐々木君提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。
 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#348
○委員長(岩崎純三君) 全会一致と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。
 以上の結果、本案は全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 高杉君から発言を求められておりますので、これを許します。高杉君。
#349
○高杉廸忠君 私は、ただいま可決されました年金福祉事業団法及び国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、二院クラブ・革新共闘の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    年金福祉事業団法及び国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、次の事項について、適切な措置を講ずべきである。
一、年金積立金の管理運用については、その趣旨にかんがみ、適切なあり方について鋭意検計を進めるとともに、あわせて極力有利運用を図るための方策を講ずること。
二、老齢福祉年金については、老後の生活実態等を踏まえて、今後ともその充実に努めること。
三、新年金制度は、国民生活に密接に関連するものであることにかんがみ、特に第三号被保険者に関する届出その他必要な事務手続等について広く国民に周知徹底を図り、新制度として円滑な実施が確保されるよう配慮すること。
 右決議する。
 以上でございます。
#350
○委員長(岩崎純三君) ただいま高杉君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#351
○委員長(岩崎純三君) 全会一致と認めます。よって、高杉君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、今井厚生大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。今井厚生大臣。
#352
○国務大臣(今井勇君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力をいたす所存でございます。
#353
○委員長(岩崎純三君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#354
○委員長(岩崎純三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#355
○委員長(岩崎純三君) 次に、環境衛生金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。今井厚生大臣。
#356
○国務大臣(今井勇君) ただいま議題となりました環境衛生金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 環境衛生関係営業につきましては、環境衛生金融公庫及び沖縄振興開発金融公庫において、施設の設置等に要する資金の貸し付けを行っているところでありますが、今回、環境衛生関係営業の衛生水準の向上及び近代化の促進を図るため、環境衛生関係営業者の営業等に要する運転資金の貸し付けを行うこととし、環境衛生金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正しようとするものであります。
 以下、その内容について御説明申し上げます。
 まず第一は、環境衛生関係営業者に対し、その営業の衛生水準を高め、近代化を促進するために必要な政令で定める資金を貸し付けるものとすることであります。
 第二は、環境衛生同業組合等に対し、環境衛生関係営業の衛生水準を高め、近代化を促進するために必要な事業を行うのに要する資金であって政令で定めるものを貸し付けるものとすることであります。
 第三は、理事及び監事の任期を、現行の四年から二年に改めることであります。
 なお、この法律の施行期日は、本年十月一日からとしておりますが、理事及び監事の任期の改正につきましては、公布の日からとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#357
○委員長(岩崎純三君) 以上で趣旨説明聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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