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1985/02/25 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 文教委員会 第1号
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1985/02/25 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 文教委員会 第1号

#1
第104回国会 文教委員会 第1号
昭和六十一年二月二十五日(火曜日)
   午後一時三十二分開会
    ―――――――――――――
   委員氏名
    委員長         林  寛子君
    理 事         杉山 令肇君
    理 事         柳川 覺治君
    理 事         粕谷 照美君
    理 事         吉川 春子君
                井上  裕君
                山東 昭子君
                世耕 政隆君
                田沢 智治君
                仲川 幸男君
                林 健太郎君
                林  ゆう君
                真鍋 賢二君
                久保  亘君
                中村  哲君
                本岡 昭次君
                高木健太郎君
                高桑 栄松君
                小西 博行君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月二十日
    辞任         補欠選任
     杉山 令肇君     梶原  清君
 一月二十一日
    辞任         補欠選任
     梶原  清君     杉山 令肇君
 一月二十二日
    辞任         補欠選任
     林  ゆう君     藏内 修治君
 二月十四日
    辞任         補欠選任
     久保  亘君     福間 知之君
 二月十七日
    辞任         補欠選任
     福間 知之君     久保  亘君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         林  寛子君
    理 事
                田沢 智治君
                柳川 覺治君
                粕谷 照美君
                吉川 春子君
    委 員
                井上  裕君
                杉山 令肇君
                世耕 政隆君
                仲川 幸男君
                林 健太郎君
                真鍋 賢二君
                久保  亘君
                中村  哲君
                高桑 栄松君
   国務大臣
       文 部 大 臣  海部 俊樹君
   政府委員
       文部政務次官   工藤  巖君
       文部大臣官房長  西崎 清久君
       文部大臣官房総
       務審議官     五十嵐耕一君
       文部大臣官房会
       計課長      坂元 弘直君
       文部省初等中等
       教育局長     高石 邦男君
       文部省教育助成
       局長       阿部 充夫君
       文部省高等教育
       局長       大崎  仁君
       文部省高等教育
       局私学部長    國分 正明君
       文部省学術国際
       局長       植木  浩君
       文部省社会教育
       局長       齊藤 尚夫君
       文部省体育局長  古村 澄一君
       文化庁次長    加戸 守行君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐々木定典君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国政調査に関する件
○教育、文化及び学術に関する調査
 (文教行政の基本施策に関する件)
 (昭和六十一年度文部省関係予算に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(林寛子君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る一月二十二日、林連君が委員を辞任され、その補欠として藏内修治君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(林寛子君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(林寛子君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に田沢智治君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(林寛子君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、教育、文化及び学術に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(林寛子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(林寛子君) 次に、教育、文化及び学術に関する調査を議題といたします。
 まず、文教行政の基本施策について、海部文部大臣から所信を聴取いたします。海部文部大臣。
#8
○国務大臣(海部俊樹君) このたび文部大臣を拝命いたしました海部俊樹でございます。
 微力でありますが、我が国の教育、学術、文化の振興のために持てる力のすべてを傾注して頑張ってまいる所存でございます。
 当委員会の御審議の趣旨を体しまして文教行政を進めてまいりたいと考えておりますので、委員長並びに委員の皆様方の御協力を、そして御指導をお願い申し上げる次第であります。(拍手)
 それでは、第百四回国会におきまして、文教各般の問題を御審議いただくに当たり、所信の一端を申し述べます。
 戦後四十年を経て、今日我が国の経済社会の発展はまことに目覚ましいものがあります。この間、我が国の教育も著しく普及、発展し、我が国の社会の発展の原動力ともなってまいりました。また、初等中等教育の水準の高さ、高等教育の著しい普及等は、国際的にも高く評価されております。我が国の教育のこのような成果は、教育に対する国
民の熱意と関係者のたゆみない努力によるものであります。
 しかしながら、今日、二十一世紀に向けて我が国が創造的で活力ある社会を築いていくためには、今後ますます進展する国際化や情報化など、我が国の社会の一層の変化や文化の発展に対応する教育の実現が強く求められており、教育改革に対する国民の期待と関心はまことに大きいものがあります。この期待にこたえて、二十一世紀の我が国を担うにふさわしい青少年の育成を目指し教育改革を推進することは、国政の最も重要な課題の一つとなっております。
 私は、このような重要な時期に再び文部大臣の重責を担うこととなりましたが、今日の教育の現状と諸課題を踏まえて、広く国民の理解と協力を得つつ、教育基本法の精神にのっとって、教育改革の推進に全力を傾けてまいる決意であります。
 教育改革に対する国民の期待を担って発足した臨時教育審議会においては、一昨年秋以来精力的に審議が進められ、昨年六月には教育改革に関する第一次答申を出されました。文部省においては、この第一次答申に示された具体的改革提言については、既に大学入学資格の拡大を図るとともに、大学入試制度の改革の推進を初めとして、その具体化のための所要の施策を進めているところであります。
 また、臨時教育審議会においては、先般、その後の審議の概要を取りまとめて公表されたところであり、今後、幅広く国民各層の意見を聞きながら審議を進め、今春を目途に、教育改革の基本的な全体像を明らかにするとの観点に立って第二次答申を取りまとめられる予定とされております。
 私は、教育改革の担当大臣として、今後とも臨時教育審議会の審議が円滑に進められるよう最大限の努力を払うとともに、その答申を最大限に尊重して、所要の施策を積極的に実施してまいりたいと考えております。
 また、文教行政の当面するその他の諸課題につきましても、着実に施策を進めてまいる決意であります。
 以下、主要な課題につきまして、私の基本的考え方を申し述べます。
 第一は、初等中等教育の改善充実についてであります。
 初等中等教育においては、心豊かなたくましい児童生徒の育成を目指して、一人一人に行き届いた教育を行うことが大切であります。
 現在、児童生徒のいじめの問題は、小・中・高等学校を通じて広範に見られ、極めて憂慮すべき状況となっております。この問題の原因、背景には、学校、家庭、社会それぞれの要因が複雑に絡んでおりますが、その解決を図るためには、何よりもまず第一に学校が教育の専門機関として責任を持って真剣に取り組むことが肝要であります。そして、これとあわせて、家庭や地域社会がそれぞれの教育機能を最大限に発揮し、学校、家庭、地域社会が緊密な連携協力のもとに一体となった取り組みを推進する必要があります。
 このため、文部省としては、学校や教育委員会におけるこの問題に対する指導の総点検を行うなど従来から種々の対策を講じてきたところであります。今後とも関係機関の諸施策との連携を一層強化し、この問題への緊急の取り組みの一層の徹底を図ってまいります。また、あわせて、児童生徒に野外で自然に親しむ機会を与え、豊かな生活体験を得させるため、自然教室推進事業の一層の拡充など、児童生徒の健全育成のための関係施策の充実に努めてまいる考えであります。
 また、これからの児童生徒の教育においては、基礎、基本の徹底を図り、しつけなどの基本的生活習慣を確実に身につけさせ、他人を思いやる心や、家族、郷土、国を愛する心などを育てることが重要となっております。このような観点から、現在、初等中等教育の教育課程の基準の改善について、児童生徒の人間としての調和のとれた育成を目指し、教育課程審議会において検討をいただいているところであります。
 さらに、過熱した受験競争を緩和し、健全で伸び伸びとした中学校教育の実現に資するとともに、生徒の多様な個性、能力等に対応して、特色ある高等学校教育を行うことができるよう、高等学校入学者選抜方法の改善に引き続き努力をしてまいります。
 次に、教育諸条件の整備につきましても、厳しい財政状況のもとではありますが、児童生徒一人一人の個性と適性等に応じた教育を行うために、できる限りの努力をしてまいる所存であります。
 学級編制と教職員定数の改善につきましては、昭和六十一年度においても、いわゆる四十人学級計画の推進を初めとして所要の改善措置を講ずることといたしておりますが、今後とも、児童生徒数の推移等諸般の事情を考慮してその改善に努めてまいります。
 公立学校施設の整備につきましては、過大規模校の解消を進めるとともに、教育方法の多様化等に対応した特色ある学校施設づくり、木材を活用した温かみと潤いのある教育環境づくりの推進など、時代の要請を踏まえた施策を積極的に講じてまいります。
 教員の資質向上につきましても、臨時教育審議会における審議の状況等を踏まえつつ、優れた教員の養成、確保及び現職教育の充実等に努めてまいる考えであり、また、義務教育教科書の無償給与制度については、引き続きこれを継続する所存であります。
 さらに、幼児教育、特殊教育及び職業教育の一層の振興充実に努めるとともに、心身ともに健全な児童生徒の育成を図るため、学校における体育の充実、豊かで魅力ある学校給食の推進、学校保健、学校安全の充実にも努めてまいる考えであります。
 第二は、高等教育の充実についてであります。
 高等教育につきましては、当面、今年から始まる十八歳人口の急増とその後の急減に留意しつつ、国公私立大学を通じて入学定員の増加を図る等その計画的整備を行うことが急務であります。また、これとともに、大学を中心とする各高等教育機関が、国民や社会の多様な要請に適切にこたえるために、それぞれ個性を伸ばし、特色ある発展を遂げ、教育研究の質的充実を図ることが極めて重要であります。そのために必要な施策を積極的に講じてまいりたいと考えております。
 大学入学者選抜制度の改革につきましては、臨時教育審議会の第一次答申の新しいテストの創設等の提言を受けて、大学及び高等学校等の関係者から成る大学入試改革のための協議の場を設け、新しいテストの実施とそれを軸としての国公私立を通じた大学入試全体の改革について研究協議を行っているところであります。その結論を待って適切に対処してまいります。
 また、国立大学の受験機会の複数化につきましては、関係者の努力により、昭和六十二年度からの実施を目指して現在積極的な検討が行われているところであり、私としてもその実現に向けて努力してまいる考えであります。
 国立学校の整備につきましては、九州工業大学に情報工学部を創設し、岡山大学に医療技術短期大学部を併設する等、努めて精選しつつも学問の発展及び時代の進展に合わせ教育研究の推進上必要な整備に力を注ぐこととしております。
 第三は、私学の振興についてであります。
 私立学校は、建学の精神に基づいた個性豊かな教育研究を推進しており、我が国の学校教育の普及及び質的充実の両面にわたって多大の貢献をいたしております。このような私学の果たす役割の重要性にかんがみ、引き続きその教育条件の推持向上に努めてまいりたいと考えております。また、専修学校についても、社会の多様な要請に即応した柔軟で特色ある教育の一層の振興を図るため、適切な配慮をしてまいります。
 第四は、学術研究の振興についてであります。
 大学を中心とする学術研究の発展は、人類にとって新しい知識を開拓し、学問の水準の向上を図るものであり、科学技術はもとより、国家、社会のあらゆる分野の発展の基盤を形成するものであります。特に、今日我が国が直面している先端的
科学技術の振興や、がん、防災対策等の重要課題の解決のためにも、独創的、先端的な学術研究の推進とそれを担う優れた人材の育成が急務であります。このため、科学研究費の充実、若手研究者の育成等、長期的、総合的観点にたった研究基盤の整備充実に努めるとともに、宇宙科学、生命科学等の重要基礎研究の推進を図ってまいります。また、学術情報体制の整備の一環として、学術情報センターを創設することといたしております。
 第五は、社会教育、体育・スポーツ及び文化の振興についてであります。
 今日、人生八十年型の社会を迎えて、国民の間には、変貌著しい社会に適応し、心身ともに健康で豊かな人生を送るために、生涯にわたって学習の機会を持ち、芸術文化に親しみ、体育・スポーツを楽しみたいという要望が高まっております。このような状況に適切に対処するため、臨時教育審議会においても、教育改革の基本的な考え方の一つとして「生涯学習体系への移行」を掲げ、活発な審議を進められているところであります。国民の一人一人が生涯にわたって学習の機会を得、芸術文化に親しみ、体育・スポーツ活動に参加できるよう、必要な施設の整備、指導者の養成、確保等に引き続き努力してまいる考えであります。また、地方公共団体等の行う社会教育事業や生涯スポーツ推進事業を奨励するとともに、新たなメディアの活用等による適切かつ多様な学習情報の提供に努めてまいります。
 なお、昭和六十二年には隣国の大韓民国でソウル・オリンピック大会が開催されますが、オリンピックを初めとする国際競技会における我が国選手の活躍に対する国民の期待は極めて大きいものがあります。このため、国際競技力の向上やスポーツの国際交流の推進のための施策の充実にも力を入れてまいりたいと考えております。
 さらに、我が国は古来、進んで諸外国の文化を摂取する一方、固有の文化との調和を図りながら独自の優れた文化を築いてまいりました。このような民族の歴史的蓄積である伝統文化の継承と、新しい芸術文化の創造発展を図ることは重要な課題であります。このような認識のもとに、芸術文化活動の奨励、助成、芸術鑑賞の機会の拡充、いわゆる第二国立劇場の施設の設計競技の実施、国民文化祭の開催など、芸術文化及び地方文化の振興を図るとともに、貴重な国民的財産である文化財の保存、整備等について諸般の施策を講じてまいります。
 また、近年における社会の急速な進展に応じ、著作者等の権利を適正に保護するために必要な措置を講ずるよう積極的に取り組んでまいります。
 最後に、教育、学術及び文化の国際交流、国際協力の推進についてであります。
 我が国の国際的地位の向上と役割の増大に伴い、国際交流、国際協力の推進はますます重要な課題となっております。このため、留学生及び研究者の交流、国際共同研究、外国人に対する日本語教育の推進等を図るとともに、日本の文化に対する国際的な理解を深めるために努力してまいります。とりわけ留学生の交流は、諸外国との相互理解と友好を深めるとともに、発展途上国の人材養成にも寄与する点で極めて重要であり、二十一世紀に向けて長期的展望に立ってその飛躍的な充実を図ってまいる考えであります。
 さらに、我が国の国際化の進展に伴ってますます増加している海外勤務者の子女に対する教育につきましては、日本人学校の増設、派遣教員の増員等その充実を図るとともに、帰国子女受け入れ体制の充実にも引き続き努力してまいります。
 以上、文教行政の当面する諸問題について所信の一端を申し述べました。我が国の教育、学術、文化の振興のため、文教委員各位の一層の御指導と御協力をお願い申し上げる次第であります。
#9
○委員長(林寛子君) 次に、昭和六十一年度文部省関係予算について、工藤文部政務次官から説明を聴取いたします。工藤文部政務次官。
#10
○政府委員(工藤巖君) このたび文部政務次官を拝命いたしました工藤巖でございます。
 微力でございますが、大臣を補佐し、全力を尽くして我が国の教育、学術、文化の振興に努力してまいる所存であります。
 委員長並びに委員の皆様方の御指導、御協力をお願い申し上げます。(拍手)
 昭和六十一年度文部省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 昭和六十一年度の文部省予算につきましては、現下の深刻な財政事情のもとではありますが、文教は国政の基本であるとの認識に立ち、教育、学術、文化の諸施策について、我が国の文教施策の着実な推進を図るため、所要の予算の確保に努めたところであります。
 文部省所管の一般会計予算額は四兆五千七百二十一億九千七百万円、国立学校特別会計予算額は一兆六千七百五十四億五千六百万円となっております。
 以下、昭和六十一年度予算における主要な事項について御説明申し上げます。
 第一は、初等中等教育の充実に関する経費であります。
 まず、義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の改善計画につきましては、いわゆる四十人学級の実施について、小学校は児童減少市町村以外の市町村の施設余裕校の第一学年について、中学校は児童減少市町村の施設余裕校のうち十八学級以上の学校の第一学年について、それぞれ実施することとしたほか、教職員配置についても所要の改善を行うこととしております。
 なお、義務教育費国庫負担金等のうち、共済年金に係る追加費用及び恩給費等について、三年間の暫定措置として国庫負担率を三分の一に引き下げることといたしております。
 次に、教職員の資質の向上を図るため、新規採用教員等研修、免許外教科担任教員研修、教員の海外派遣、教育研究グループ補助、教育研究団体への助成など、各種研修を実施することといたしております。また、教育方法開発のための特別設備についても助成することといたしております。
 次に、児童生徒の問題行動を未然に防止し、その健全な育成を切望している国民の期待にこたえるため、生徒指導の充実強化方策として生徒指導総合推進校及び自然教室推進事業の拡充を図るほか、新たに、高等学校における中退者問題に的確に対処するため、高等学校中退者進路状況調査を行うことといたしております。
 このほか、自然教室等受け入れ施設に対する補助、ふるさと交流学習促進事業、生徒指導推進会議、生徒指導担当教員の研修、教育相談活動推進事業等を実施することといたしております。
 義務教育教科書の無償給与につきましては、これを継続することとし、所要の経費を計上いたしております。
 幼稚園教育につきましては、保護者の経済的な負担の軽減を図るための幼稚園就園奨励費補助を行うほか、幼稚園施設の整備を図るとともに、幼稚園と家庭の連携のあり方についての研究委託を行うことといたしております。
 特殊教育につきましては、特殊教育就学奨励費の充実を図るとともに、心身障害児の理解認識の一層の推進等を行うことといたしております。
 教育内容につきましては、時代の変化や教育課程実施の経験を踏まえ、また、臨時教育審議会の答申に適切に対処するため、教育課程審議会において検討を行うこととしているほか、学校におけるコンピューター利用のあり方等について研究を行うことといたしております。
 また、海外子女教育につきましては、日本人学校の増設、児童生徒数の増加に対応し、派遣教員の増員を行うとともに、帰国子女教育研究協力校の拡充を行うなど、帰国子女受け入れ体制の整備を図ることとしております。
 さらに、児童生徒等の健康の保持増進に係る事業の推進に努めるとともに、学校給食につきましても、豊かで魅力ある学校給食を目指して、学校給食施設・設備の整備を図ることといたしております。
 次に、公立学校施設の整備につきましては、校舎等建物の新増改築事業について所要の事業量
を確保するとともに過大規模校分離促進を含む急増用地費補助の継続、高校新増設建物費補助の継続、学校施設への木材使用促進対策等の制度改善を行うこととし、これらに要する経費として、三千二百九十七億円を計上いたしております。
 なお、定時制及び通信教育の振興、理科教育及び産業教育の振興、道徳教育の充実、英語教育の充実、地域改善対策としての教育の振興など各般の施策につきましても所要の経費を計上いたしております。
 第二は、私学助成に関する経費であります。
 まず、私立の大学等に対する経常費補助につきましては、昭和六十年度と同額の二千四百三十八億五千万円を計上いたしております。このほか、私立大学等の研究装置等施設整備費補助についても昭和六十年度に対して四億円増の四十四億円を計上するなど、教育研究の推進に配慮いたしております。
 また、私立の高等学校から幼稚園までの経常費助成を行う都道府県に対する補助につきましても、昭和六十年度に対して四億円増の七百二十億円を計上いたしております。
 日本私学振興財団の貸付事業につきましては、政府出資金三億円及び財政投融資資金からの借入金三百二十八億円を計上し、自己調達資金と合わせて七百三十億円の貸付額を予定いたしております。
 また、専修学校につきましては、教員研修事業等に対する補助、大型教育装置に対する補助の拡充等を図るなど、専修学校教育の一層の振興を図ることといたしております。
 第三は、高等教育の整備充実に関する経費であります。
 まず、国立大学の整備につきましては、十八歳人口急増に伴う大学入学志願者急増に適切に対処するほか、九州工業大学に情報工学部を創設し、岡山大学に医療技術短期大学部を併設する等、教育研究上緊急なものについて、整備充実を図ることといたしております。
 大学院につきましては、福井、山梨、香川の三医科大学に医学研究科を設置するなど、教育研究上必要性の高い研究科、専攻の新設等を行うことといたしております。
 附属病院につきましては、新設医科大学の附属病院を年次計画に基づき整備するほか、既設の附属病院についても救急部の増設など、その充実を図ることといたしております。
 なお、国立大学の授業料につきましては、諸般の情勢を総合的に勘案し、昭和六十二年度入学者から、これを改定することといたしております。
 次に、放送大学につきましては、二年次目の学生を受け入れることとしており、運営等に必要な経費を計上いたしております。
 また、育英奨学事業につきましては、昭和五十九年度に行った制度改正を学年進行により計画的に実施することとし、政府貸付金七百四十二億円、財政投融資資金二百二十九億円と返還金とを合わせて千三百六十八億円の学資貸与事業を行うことといたしております。
 このほか、公立大学につきましては、医科大学、看護大学等の経常費補助等について所要の助成を図ることといたしております。
 第四は、学術の振興に関する経費であります。
 まず、科学研究費補助金につきましては、独創的、先端的な研究を推進し、我が国の学術研究を格段に発展させるため引き続き充実を図ることとし、昭和六十年度に対して十五億円増の四百三十五億円を計上いたしております。
 次に、重要基礎研究につきましては、エネルギー関理科学、宇宙科学、生命科学等の一層の推進を図ることとし、これら重要基礎研究に要する経費として四百五億円を計上いたしております。
 また、学術研究体制の整備につきましても、学術情報センターを創設するとともに、すぐれた若手研究者の養成に資するための特別研究員制度の拡充、大学と民間等との共同研究の充実を図るなど各般の施策を進めることといたしております。
 第五は、社会教育の振興に関する経費であります。
 まず、地域における社会教育活動の拠点となる公立社会教育施設につきましては、引き続きその整備を図ることとし、これらの施策に要する経費として九十四億円を計上いたしております。
 また、社会教育活動の振興を図るため、社会教育主事、社会教育指導員等の社会教育指導者層の充実に努めるとともに、青少年、成人、婦人、高齢者など各層に対する学習機会の提供、地域連帯意識を醸成するための地域活動の促進、新たなメディアの活用など、社会教育の幅広い展開を図ることとして所要の経費を計上いたしております。
 さらに、青少年の健全育成に資するため、家庭教育の充実に努めるとともに、青少年に豊かな生活体験の機会を提供する少年自然の家につきまして、鹿児島県鹿屋市に第十番目の国立少年自然の家を設置し事業を開始するなど計画的な整備を進めるほか、また、新たに、科学する心をはぐくむ活動を推進することとし、所要の経費を計上いたしております。
 第六は、体育・スポーツの振興に関する経費であります。
 国民の体力づくりとスポーツの普及振興につきましては、広く体育・スポーツ施設の整備を進めるため、社会体育施設、学校体育施設について、その整備に要する経費として百四十九億円を計上いたしております。
 また、学校体育につきましては、学校体育実技指導者の資質向上に努め、格技指導推進校の充実を図るとともに、学校体育大会の補助についても所要の経費を計上いたしております。
 さらに、生涯スポーツ推進事業について一層の拡充を図るなど、家庭、学校、地域における体力づくり事業の充実を図り、たくましい青少年の育成と明るく活力ある地域社会の形成に資することといたしております。
 なお、日本体育協会の行うソウル・オリンピック選手強化特別対策事業を初めとする諸事業に対して補助を行うとともに、国民体育大会の助成など各般の施策につきましても所要の経費を計上いたしております。
 第七は、芸術文化の振興と文化財保護の充実に関する経費であります。
 まず、芸術創作活動の奨励につきましては、芸術関係団体の創作活動に対する補助、芸術祭、芸術家研修等について所要の経費を計上いたしております。
 また、文化の普及につきましては、こども芸術劇場、青少年芸術劇場、中学校芸術鑑賞教室、移動芸術祭等を実施し、さらに国民文化祭を開催するための経費を新たに計上するとともに、中国引揚者や外国人のための日本語教育等に係る所要の経費を計上いたしております。
 次に、文化財保護につきましては、国民の貴重な文化遺産の保存、活用を図るため、国宝、重要文化財等の保存整備、埋蔵文化財の発掘調査、史跡の整備・公有化を進め、また、天然記念物の保護及び食害対策を進めるとともに、国立劇場の事業を充実するなど、伝統芸能等の保存伝承を図ることといたしております。
 また、文化施設の整備につきましては、地域社会における文化振興の拠点となる文化会館、歴史民俗資料館等の地方文化施設の整備を図るとともに、国立文化施設については、かねてより準備を進めてまいりました第二国立劇場について基本設計に着手することとし、そのための経費を計上いたしております。
 第八は、教育、学術、文化の国際交流・協力の推進に関する経費であります。
 まず、発展途上国への協力等の観点から、外国人留学生の受け入れを拡充するとともに、大学等における留学生受け入れ体制の整備、日本語教育の充実など、二十一世紀を目指して、留学生に関する事業を積極的に推進することとし、そのために要する経費として百十七億円を計上いたしております。
 さらに、ユネスコを通した教育協力、国連大学への協力等についてもその推進を図ることといた
しております。
 また、二国間、多国間にわたる各種の国際共同研究、拠点大学方式によるASEAN諸国との学術交流事業、先進諸国等との研究者交流の推進を図るとともに、日本文化の国際的理解の増進に努めることといたしております。
 第九は、教育改革の推進に関する経費であります。
 教育改革につきましては、現在、臨時教育審議会におきまして鋭意御審議をお願いしているところでありますが、昭和六十一年度におきましては、昨年六月の教育改革に関する第一次答申及び本年春に予定されている第二次答申を受け、これらの着実な推進を図るため、教育改革の趣旨徹底及び教育改革実施に関する研究等を行うとともに、中等教育改革推進に関する調査研究、大学改革推進に関する研究協議及び調査研究、生涯教育事業の実態調査等を実施することとし、所要の経費を計上しているところであります。
 以上、昭和六十一年度の文部省所管の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。
 何とぞ、よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
#11
○委員長(林寛子君) 以上で文部大臣の所信及び昭和六十一年度文部省関係予算の説明聴取を終わります。
 なお、本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五分散会
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ソース: 国立国会図書館
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