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1985/05/13 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 文教委員会 第7号
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1985/05/13 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 文教委員会 第7号

#1
第104回国会 文教委員会 第7号
昭和六十一年五月十三日(火曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月八日
    辞任         補欠選任
     関  嘉彦君     小西 博行君
 五月十日
    辞任         補欠選任
     岩本 政光君     杉山 令肇君
  出席者は左のとおり。
    委員長         林  寛子君
    理 事
                田沢 智治君
                柳川 覺治君
                粕谷 照美君
                吉川 春子君
    委 員
                井上  裕君
                山東 昭子君
                杉山 令肇君
                世耕 政隆君
                仲川 幸男君
                林 健太郎君
                真鍋 賢二君
                中村  哲君
                高桑 栄松君
    政府委員
        文化庁次長   加戸 守行君
    事務局側
        常任委員会専門
        員       佐々木定典君
    参考人
        日本パーソナル
        コンピュータソ
        フトウェア協会
        専務理事    清水 洋三君
        日本データベー  
        ス協会会長   宮川 隆泰君
        日本有線テレビ
        ジョン放送連盟
        監事      山田 武志君
        日本芸能実演家
        団体協議会専務
        理事      小泉  博君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○プログラムの著作物に係る登録の特例に関する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○著作権法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(林寛子君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る八日、関嘉彦君が委員を辞任され、その補欠として小西博行君が選任されました。
 また、去る十日、岩本政光君が委員を辞任され、その補欠として杉山令肇君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(林寛子君) 次に、プログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律案及び著作権法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 本日は、両案審査のため、参考人として、日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会専務理事情水洋三君、日本データベース協会会長官川隆泰君、日本有線テレビジョン放送連盟監事山田武忠君及び日本芸能実演家団体協議会専務理事小泉博君の四名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 参考人の皆様方には、大変御多用のところを本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 本日は、プログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律案及び著作権法の一部を改正する法律案につきまして、皆様方の忌憚のない御意見を拝聴いたしまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 つきましては、議事の進め方でございますけれども、まず、お一人二十分程度御意見をお述べいただきまして、その後各委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 それでは、まず清水参考人からお願いいたします。清水参考人。
#4
○参考人(清水洋三君) 私は、社団法人日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会の清水洋三であります。よろしくお願いいたします。
 私ども日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会は、パーソナルコンピューター、省略してパソコンとも呼ばれておりますが、パーソナルコンピューター用のパッケージソフトウェアの製作と販売をいたしております企業の団体でございます。パーソナルコンピューター用に、特にソフトウエアがそれ用にあるということを御認識いただきたいと思います。
 私どもの協会は、昭和五十七年、このパーソナルコンピューター用のソフトウエアの法的権利の確立とその保護のために、それを主要な目的として結成いたしましたまだ非常に若い団体でございまして、企業としても非常に小さなビジネスの集団でございます。ベンチャービジネスとでも申しましょうか、パーソナルコンピューターのユーザーであった人たちが自分のためにプログラムをつくるというところからスタートし、それが事業として進んできた、申しましたように非常に若い企業の集まりでございます。ちなみに、会長が三十八歳でございまして、副会長もまた三十八歳、もう一人の副会長は二十八歳というような若さでございます。しかしながら、これらの人たちの仕事は世界的に通用しておりまして、この三人の名前は既にウォール・ストリート・ジャーナル等にも紹介されておりますように、既に、このパーソナルコンピューター用のソフトウエアの仕事というものは、世界的な仕事になっております。
 私どものこういった仕事をしております会社は約三百社ございまして、うち会員は百五十社でございます。百五十社の会員のシェアと申しましょうか、販売を合計したものは、全体の大体八割程度になっております。
 我が国のパーソナルコンピューターはまだ歴史が非常に浅うございまして、わずか八年前の昭和五十三年の出荷が初めてでございます。これが九千数百台、約一万台でございますが、これをスタートといたしまして毎年の実績が積まれてきたわけでございますが、昭和六十年、昨年度の推定出荷数は二百十五万台に達しております。また、この間の累計のパーソナルコンピューターの台数は六百万台を超えているということでございます。
 また、皆様方も御承知のように、最近いろいろと話題になっておりますファミリーコンピューターというのは大体六百五十万台、これはコンピューターに加えるかどうかということについて意見がありますが、やはりコンピューターと認めるとすれば、また認められると思いますけれども、これが六百五十万台で、既に我が国には一千
万台を優に超すコンピューターが普及しているという実情でございます。
 このように、コンピューターが一千万台を超えた普及をしておりますが、実は、我が国にコンピューターが導入されましたのは昭和三十年代の後半でございますが、それからコンピューターといえば御承知のように非常に高いものである、数億円、数十億円もするようなものもございますが、それが五万台普及するのに、昭和三十年代の後半から大体二十年かかりました。ところが、パーソナルコンピューターは六百万台を普及するのにわずか八年で普及したということでございます。今後はパーソナルコンピューターがコンピューターの主力になるだろうと言われておるわけでございます。
 例えば、自動車などと比べてみますと、当初、戦前の自動車と申しますれば、バスであるとかトラックであるとか、そのような特別なものでございまして、乗用車というのは非常に少なかった。つまり、自動車といえばバスとかトラックとか、そういう大きな組織、大企業であるとか軍隊であるとか、国の組織であるとか、あるいは鉄道会社とか、そういう大きな組織が使うものでございましたけれども、現在自動車というふうに申しますと、皆さん方はすぐ自家用車、マイカーというものを想像される。むしろトラックとかバスとかは特別の仕様の車であるというふうにお考えだと思います。
 コンピューターの分野におきましても、現在まだ、コンピューターといいますとガラスの大きな囲いの中に入って、十数人の人がそれを動かしているということの機械を御想像になると思いますけれども、自動車・イコール・マイカーであるように、コンピューター・イコール・パーソナルコンピューターであるということになる時代は、既に二、三年先にきておりますし、通産省の方でもこのパーソナルコンピューターの普及というものを教育あるいは社会的な非常に広い範囲でとらえ、その普及を中心に情報化を図ろうとしていることは御承知のとおりでございます。
 そのように、コンピューターはガラスの大きな囲いの中に入っているものではなくて、だれの机の上にでも置いてある小さなタイプライターのようなものである、つまり今の子供は既にそのように認識し始めておりますし、これが一般の風潮になるであろうというふうに思います。
 アメリカでもこの傾向はさらに強く、昨年度のパーソナルコンピューターのいわゆるハードウェアといいますか、コンピューター本体の売り上げでございますが、これは既に三兆円に達しまして、これまでのいわゆる大型コンピューターの売り上げを追い抜いたわけでございます。
 コンピューターの価格も、歴史的に見ますと大体十年間で同じ機能のものが実質価格で百分の一、二十年間で一万分の一以下に価格が下がりまして、この情報化の時代にコンピューターの普及というものをさらに助けているということでございます。
 しかし、御承知のように、コンピューターは、ただハードウエアだけではただの金物でございまして、それを動かすためにはプログラムが必要なことは当然でございますが、そのプログラムをつくります人件費は、二十年間で実質十倍以上になっていることは御承知のとおりでございます。もちろん、その間にプログラムの製作技術等も生産性が三倍になったということはございますけれども、ソフトウエアは実質三倍の値段になっていると言ってもよろしいと思います。つまり、片一方は二十年間で一万分の一の価格になった、ハードウェア、コンピューターの本体の値段は一万分の一になったのに、それを動かすプログラムをつくる技術の人件費は三倍になっている、そういう逆現象が起きております。そのため、コンピューターの普及に対しましては要員が非常に不足になっているということは御承知のとおりでございますし、現在、既に大変な人員不足をもたらしていることは御承知のとおりでございます。
 このソフトウエアの必要性と供給のギャップはますます広がるばかりでございまして、昭和六十五年には約六十万人の技術者の不足が生ずるというふうに通商産業省は予想をしております。
 現在のこのソフトウェアの需給ギャップを解消するために、政府は、プログラム開発の効率を飛躍的に増大させるシグマ計画というのがございますが、これは、プログラムを開発させるときの非常にいろいろの手法がございます。この手法を各ソフトウェアハウスが持っているわけでございますが、そのソフトウエアハウスのノーハウを一つに集めまして、全国的にだれでもが利用できるようなネットワークを形成するということで、通産省の指導のもと、現在これが進められております。また、情報化のために、そのような人数の不足がございますので、種々の情報化のための人材育成政策も同時に通産省が推進させているところでございます。さらに、それだけではなくて、もう一つ政府が推進している中に、プログラムの商品の流通促進というものがございます。つまり、これはプログラムを、これまでの大型機が一台のコンピューターに対して一つのソフトウエアしか使えなかったのに対しまして、商品として、一つのソフトウエアを何千台も何万台ものコンピューターにも使えるように商品としてつくり上げ、それを流通させるということを政策として行っているわけでございます。これをソフトウエアプロダクツの流通促進策と申しておりますが、かようなものが今までの政策に加えて絶対必要なものとして行われております。
 先ほど申しましたように、大型コンピューターにおきましては、プログラムというものは、あるユーザーが自分たちの仕事の特殊性を生かして、そのためにプログラムをつくりますものですから、非常に手間もかかりますし、また、特殊な仕様でございますから、そのユーザーのためにしか使えないというものがほとんどでございます。そのため、数百人から数千人の人月もかかる。値段としても数百万円から十億円というようなプログラムもあるわけでございます。しかし、二十年間に一万分の一に値段の下がったパーソナルコンピューターにおきましても、そういうやり方で一つのコンピューターに一つのソフトウエアということでやっておりますと、まさにプログラムの値段がコンピューターの値段の数十倍、数百倍、場合によっては数千倍というふうになってしまうわけでございます。
 そこで、このパーソナルコンピューターが普及するためには、これはアメリカでもそのようでございましたけれども、スタートの時点から必要に応じまして、先ほど申しましたように一本のプログラムを何台ものコンピューターに使えるいわゆる汎用性のあるプログラムを普及させる必要があるわけでございます。事実、またパーソナルコンピューターの普及はそのようなソフトウエアの汎用プログラムの普及と一緒に広がったわけでございます。これが私どもが現在製作販売しておりますパーソナルコンピューター用のパッケージソフトウエアでございます。つまり、これまでのオーダーメードのプログラムに対して、レディーメードのプログラムと言うことができるわけでございまして、初心者でも、印刷されたマニュアルに従いまして、また、テレビの画面が映りますが、それに誘導されて、どこをどういうふうに動かしなさいという指示がありますが、そのとおりに動かしますと、ほとんどコンピューターを知らない人でも、自分の望む仕事をコンピューターにやらせることができるわけでございます。
 このパッケージソフトウェアというものは、パソコンの普及とともに爆発的に、昭和五十六年度から大量に登場いたしまして、この普及を助けているわけでございます。内容としては、ゲーム用のソフトウエアから始まり、学習用のソフトウエア、技術計算のソフトウエア、御存じのワープロのソフトウエア、会計でありますとか在庫計算とか、あらゆるビジネス用のソフトウェアを網羅しまして、現在ではその種類が二万五千種類、金額も千円くらいのものから百万円程度のものまで、現在日本では四百万本から五百万本以上のプログ
ラムが販売されております。売上高は大体五百億円でございます。一種類のプログラムで十万本を超える売り上げといいますか、普及しているものもございますし、御承知のようなゲームのものでは一種類で百万本を超えるという普及をしているものがございます。アメリカでは、同様に、現在日本に対して約八倍の三千七百万本、四十九億ドル、これは去年のあれでございますが、約一兆円の市場でございます。ともに日本の二十倍ということでございまして、コンピューターの世界ではアメリカの道と同じところをたどっているわけでございますから、数年後にはやはり二十倍の市場規模になろうと思われます。
 ユーザーは、これまでのプログラムに比べると、このように何十分の一、何百分の一の価格でコンピューターを利用できますし、大変便利になりましたけれども、このソフトウエア、いわゆるプログラムをつくり、売るサイドの方といたしましては、いわばこの間に流通−卸でございますとか、それから二次卸、あるいはショップというような、中間に流通が入っているわけでございますけれども、それを通していきますので、大型のコンピューターのように一対一の契約ではなくて、中間に非常に複雑な流通を通りながら、プログラムをつくった者とお使いになるユーザーとが関係ができ上がっているわけでございますので、これの法的な問題は極めて難しい。これはアメリカでも、スタート当初から非常に悩んだ問題でございまして、我々が大型コンピューターとは違って法的問題のトラブルが非常に多いというところも、本数の多さと同時に、ユーザーがダイレクトにソフトウエアのメーカーと対していないというところに原因もございます。
 そのようなことでございますので、権利の侵害は非常に激しく、しかもそれは個々に行われているだけではなくて、組織的に、また営業的に違法行為を行っているものも多数ございます。私どものパーソナルコンピューターソフトウエア業界における権利侵害の被害は、市場規模の五百億円に対しまして四倍以上と推定されます。具体的には、違法のレンタル行為におきまして六百億円、違法コピー販売において約四百億円、違法企業内コピーにおきましては七百五十億から一千億という、実体の販売が五百億円しかありませんが、コピーされたり、あるいは不正使用されたりするものがその四倍以上に達しているという、非常に考えられない事態になっております。
 今申し上げましたように、無許可のレンタル、違法のコピーの販売、企業内のコピー、企業内のコピーというのは、一本買ってきて企業が数百本コピーをして自社で使うというようなものでございますが、こういった三つのものを我々は権利侵害の三大悪というふうに申しましていろいろ問題にしておりますんですが、このほかにも違法な複製や、人のプログラムを違法に改造して使ってしまう、あるいは頒布する、あるいは盗用なども非常に盛んでございまして、種々のケースが非常に多くなっております。私どもの協会事務局にも、週に三件か四件ほどの、違法行為について会員またはその関連のところからの相談や報告があるという現状でございます。
 先ほども申しましたように、パーソナルコンピューターソフトウエアのメーカーは、数社の例外を除きますと、ほとんどが三十人以下の極めて規模の小さい企業でございまして、ベンチャービジネスの集団であります。もちろん将来性の非常に高い集団ではありますけれども、その限られた力の中で、人間や資金や物や時間を投入して苦心の末商品として世に出したプログラムが、申し上げましたような権利侵害の被害を受けておりますと、資金の回収はおろか、企業存立の基盤も危うくなる心配がございます。特に、最近ではユーザーが非常にコンピューターを高度に使う、その要求もございますので、プログラムも非常に品質の高い、したがって投下資本も多い、人数もかける、いい技術も投入するというプログラムが多くなっておりますので、そのようなものが不法に侵害されますと、本当に投入の資金も小さな会社の、自社の資本金を超えるような額の、投入額を回収するということが非常に難しくなってくる可能性がございます。
 このため私どもの協会は、発足当初からこのパーソナルコンピューターソフトウェアの法的保護活動を中心に協会活動を展開してまいりました。現在では、パーソナルコンピューターソフトウエアの法的保護監視機構というものをつくりまして、広く協会外にも呼びかけまして、まず権利の確立と侵害への対策、社会に対するソフトウエアの保護の重要性を訴えるPR活動をいたしております。
 しかし、おかげさまで昨年の著作権法の改正によりまして、プログラムの法的保護は著作権によることが決まりました。またやや実態とはかみ合わない、例えば五十年の権利期間の問題ですとか、あるいは法の適用に当たってさらに明確にしていただきたい点などもございますけれども、基本的に権利の侵害に対しまして対応し得る基礎ができたということで、私どもは心から喜んでおります。
 さて、今回御審議のプログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律案でございますけれども、私ども日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会は、ソフトウェアの製作者並びに販売する者の立場から、この法案に基本的に賛成するものでございます。これまで法的保護の及ばなかったいわゆるコンピューターを利用する技術、これが無体財産として著作保権法で保護される。そのために一連の改正が行われましたけれども、この登録法によりまして、権利確立が目に見えるように保障する制度ができ上がりましたことで、改正が一つの完結を見ることができるのではないかというふうに考えております。
 これまでのプログラムに関します法的トラブルのケースで共通して見られることは、社会一般にプログラムに関する権利意識が極めて薄いということでございます。他人が、人や技術や物や資金や時間を投入して苦心の末製作した著作物でございますプログラムを、違法に複製したり盗用したり、違法頒布したり改変するといったようなことに、今、残念ながら社会の中に抵抗感が少のうございます。また、そういったことの行為が法に違反するという感覚も乏しいわけでございまして、大変に残念でございますが、それが現状でございます。同時に、実はプログラムを製作する権利者自身にも権利意識が弱いというところがございまして、これは今パソコンのソフトウェアをつくっている人たちが、自分がユーザーであり、自分のためにつくったというところから立ち上がっているという点にも原因がございますが、非常にその権利意識が薄いということでございまして、侵害を受けてから慌てて法的対策を講ずるということが通常でございます。そしてまた、このような権利意識の薄さというものがトラブルを増大させる原因の一つともなっております。
 プログラムの登録は、権利の確認のまず第一歩でございまして、法的トラブルの際に原点となるよりどころでございます。登録されたプログラムの著作物は、公示されて、政府指定機関に登録されたことによりまして信頼性が増大すると同時に、もし不正な登録が行われた場合には、真の権利者がそれをチェックできるという利点もございます。数々の権利侵害の被害を受けております私どもパーソナルコンピューターソフトウエアの製作者、販売者たる企業は、この登録制度に大いに期待しております。特にこの制度が、権利侵害に対する迅速な判断につながることを期待しております。
 今度の法案は、私どもの意見も十分反映されていると考えておりますので、私どもはこのプログラム登録法が発足すれば、積極的にこれを進めていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上、よろしく御審議の上、ぜひ実現をお願いしたいと存じます。どうもありがとうございました。
#5
○委員長(林寛子君) ありがとうございました。
 次に、宮川参考人に御意見をお願いいたします。宮川参考人。
#6
○参考人(宮川隆泰君) 私は、日本データベース協会の会長を務めさせていただいております宮川隆泰と申します。
 本日、御審議をいただいております著作権法の一部を改正する法律案につきまして、意見を申し述べさせていただきます。
 まず、日本データベース協会という団体は、現在日本でデータベースサービスを一般に提供しております民間機関を中心にした団体でございます。一部政府特殊法人もメンバーに入っております。協会は、昭和五十四年の十二月に十九社をもって設立をされまして、現在八十六社の会員を数えております。現在のところ、私どもの協会が、日本におきまする商業用のデータベースサービスを行っております業者の大部分をカバーをしているというふうに考えております。
 初めに、本法律案に関します私どもの態度を申し上げさせていただきますが、私どもは本改正案に賛成でございます。
 次に、データベースというものがどのようなものであるか、また、それが現在我が国におきましてどういうふうに利用されているかということについて簡単に申し上げさせていただきます。
 まず、私ども日本データベース協会では、データベースというものを定義いたしまして、各種のデータを整理統合いたしまして、電子計算機によって処理することができるような形態にした情報のファイルもしくはその集合体である、そういうふうに定義をしております。
 一般に、産業活動でございますとか科学技術に関する研究調査、より理論的な学術研究、自然現象の観察あるいは政治的経済的社会的な諸現象の調査による統計というようなもので各種のデータが発生をしております。通常これらのものは、形としては文字、数字、図形それから音声というような形で表現をされております。文字で表現をされましたデータは、例えば新聞記事でありますとか雑誌論文でありますとか単行本でありますとか、その他の各種の文書がこれに相当いたします。それから、数字で表現をされましたデータは、いろいろな統計類、人口統計でありますとか経済統計でありますとか、天気予報の数値でありますとかあるいは実験によって得られました観測値、データというようなものであります。それから図形のデータというものは、一般には、例えば地図でありますとか設計図でありますとかレントゲン写真でありますとか心電図でありますとか、そういうようなものが図形のデータであります。
 これらのデータというものは、長い間印刷冊子体の形で一般に提供され利用されてまいりました。保存もその形で行われてまいりました。ところが、近年のこの情報処理に関します技術、それから電気通信に関します技術の開発と発達によりまして、電子計算機を用いましてこれらのデータを加工をし、蓄積をし、それから利用をするということが可能になってまいりました。このような機械で読み取れる形にしたデータ、これを日本語では機械可読データ、マシーンリーダブルというふうに言っておりますが、これらの機械可読の形にしたデータを集めましたものがデータベースであると、こういうことであります。
 具体的にどういうことかということを実例を挙げてちょっと御説明をしてみたいと思いますが、例えば、現在我が国の国内で発行をされております単行書は、すべて国立国会図書館に納本をされることが制度として決まっております。そして、国立国会図書館では、これをもとに日本全国書誌というものを編集をいたしまして、これを毎週発行いたしております。(資料を示す)これがそれでありまして、日本全国書誌週刊版。私どもはこれは納本週報と、こういうふうに呼んでおりますが、通常の図書館へ行きますと大体こういうものがみんなそろっております。この一週間に国会図書館に収録をされました国内刊行物はすべてここに出てきている、こういうことになっております。これは非常に長い間こういう形で使われてまいりました。
 ところが、近年日本国内で刊行されます本あるいは出版物というのは非常に多うございまして、一年間に平均約五万件というような膨大な数字に上っております。具体的に申しますと、昭和五十九年の一月から十二月まで、日本全国書誌のこれに収録をされました収録数は五万八千八百九件、これは五万八千冊ということじゃなくてそれ掛ける発行部数であります。昭和六十年の一月から十二月末までの収録件数は六万四千六百二十四件、それから今年の一月一日から――これきょう出てくるときに持ってきたんですが、今私の手元にございます納本週報の一番新しいものは四月十八日発行のものが国会図書館から届けられておりますが、その一番最後の番号は一万八千八百七十七であります。つまり、一月一日から四月十八日、第十五週ですね、今年の第十五週の終わりまでに一万八千八百七十七件の国内刊行物が国立国会図書館に納本をされたということになるわけです。
 一般国民は、これは入手できます、一冊三百五十円でありますが入手できますので、これで探しなさいということになっておるわけでありまするが、これが毎週来て、一年に六万冊のものをこういう形で探せと言われても、なかなか容易に探すことは難しいということでございまして、そこで国立国会図書館では、日本全国書誌週刊版を機械可読にいたしましたものを昭和五十六年から一般に頒布するようになりました。これが日本全国書誌機械可読版というものでございまして、これはデータベースであります。すなわちこれはJAPAN MARCという名前がついておりまして、MARCはマシーン・リーダブル・カタログの省略であります。(資料を示す)これ、ちょっと同じものを持ってきたんですけれども、これは四月十八日に終わった一週間で国内で刊行された国内刊行物を磁気テープにおさめたデータベースであります。これとこれとは同じものなんです、全く同じものです。中身は、これは人間の目では読めません、機械でないと読めないんです。だからこれは機械可読、マシーンリーダブル、こう言うわけです。これがデータベースです。こういう形にいたしますと、今度は、六万冊あるいは五万冊、過去のものを数十万件ということでありますが、その中から必要なものを必要な約束事に従って出すことができるということでございまして、これまで国立国会図書館に行きまして一日かかっていろいろ探すということが、端末さえあれば、日本全国どこからでも瞬時にして必要な本の情報を探すことができる、これがデータベースサービスであります。
 これらの同様のことは、新聞記事でありますとか雑誌論文でありますとか、あるいは各種の経済情報でありますとか株式市況でありますとか円相場でありますとか人口統計であるとか産業の活動であるとか、それぞれについてすべて利用できるようになっておりまして、現在我が国で商業的に利用可能なデータベースの数は一千二百四十二と言われております。これは通産省がデータベース台帳というものをつくっておりまして、これの一番新しいものは昭和五十九年十月一日付の業者の申告によるものでございますけれども一千二百四十二であります。このうち一番多いものがビジネス・経済系のデータベースでありまして四百六十六件、全体の三八%。それから次が自然科学・技術分野のデータベースでありましてこれが四百五十九件、全体の三七%。両方合わせますと七五%ほどになりますので、これが大部分ということになります。この中には、特許情報などもこの自然科学の中に入っています。続いて、一般という分類の包括的なデータベースが百八十一件、全体の一五%になっております。この中には、新聞記事でありますとかニュースでありますとか、あるいは各種の行政データあるいは判例などの法律に関するデータベースが含まれております。最後に社会科学・人文科学系の分野のデータベースが百十七件ございまして、これが全体の九%ということでございます。このデータベースの数は、年々国内で利用できますものは非常にふえておりまし
て、多分間もなく昭和六十年度の、六十年十月一日現在の調査が発表されると思いますけれども、数はさらにふえておると思います。
 次に、このようなデータベースがどういうふうにしてつくられて、それからどういうふうにして流通をしてどういうふうにして利用されているかということを申し上げたいと思います。
 データベースの製作者はプロデューサーと申しておりますが、これは民間機関それから公的機関、一部では大学のような研究機関でもつくっています。このデータベースをつくります際に、幾つかの作業段階があります。まず、そのデータベースを構築をしようとする特定のテーマ、主題、あるいは専門分野がありますので、その分野を定めまして、その分野についての情報であるとかデータを収集をいたします。ですから、情報の収集というのがまず第一。それから第二に、集めました情報を選択をいたします。この情報の収集と選択ということがデータベースの製作者の創作性の第一の源泉になります。ただ、これは通常の編集著作物でも同じようなことが行われまするので、そこと基本的にどのくらい違うかということは議論の多いところでございますけれども、もとになる情報の収集と選択ということが第一の問題で、ここに一つの創意工夫がある。
 それから続いて情報の加工をしなければいけない。この加工の段階はどういうことをいたしますかというと、ここでプロデューサーは、あらかじめ定めましたシステムがございまして、そのシステムに基づいてある手続、ルールがあるわけです。このルールもしくは基準に従って、集まりましたいろんな雑多な情報を標準化をまずする必要があるわけです。標準化をいたしませんと、情報やデータはいろんな形をしておりますので、こういうものには入らないので、標準化をいたします。それで、もとの情報を一次情報、生の情報、生のデータというふうに呼びますと、ここでは二次情報、セカンダリーインフォメーションというものをつくる。
 例えば、先ほどのこういう文献情報の例で申しますと、書誌事項というものを一定のルールに従いまして標準化をいたしまして、それからどういうことが書いてあるかという内容に関する抄録をつくりまして、それから関連事項のノートをつくります。例えば一冊の本がありますが、一冊の本というのは一つのレコードでございますけれども、このレコードの中に大体百ぐらいのデータがあるわけです。だれが書いたか、厚さは何センチであるか、値段は幾らであるか、いつ出たかというようなこと、それから何の続きであるかとかですね。そういうようなことでありまして、そういう一つの情報についてのたくさんの側面、あるいはその内容を示すデータを加工をいたしまして標準化をする。また、この段階で、後に利用者が情報を検索するときに非常に便利なような標識、インデックス、タック、要するにその手がかりになるような分類コードでありますとかキーワードでありますとか、そういうものを付与をいたします。このときに、キーワードは勝手につけるのではありませんで、これとは別につくりました。語集、シソーラスと申しておりますが、そういうものに基づいて必要な索引語をつけていく。
 このような情報の整理、加工の段階に、データベース製作の第二の創意の源泉があります。この標準化、それから二次情報の作成、それからコードやキーワードの付与というような作業は、データベース構築のシステムの約束に従って行われますので、恐らくこれらを総括的に考えますと、体系的な構成に基づいて情報を整理、加工するというところかと思います。大変時間とお金がかかるプロセスであります。こうして加工されました情報が磁気テープに入力をされてこういう形になる。これを今度は機械にかけて読むというわけでありますから、ここができるまでが、データベースの製作の段階がこれで終わるということになります。
 次に、今度はデータベースを流通をするというプロセスがありまして、データベースは、物によっては製作者と流通者が同一機関の中にありましてやっている場合もありますが、多くの場合に、専門的な流通担当機関というものが存在をしておりまして、これを我々はディストリビューターというふうに呼んでおります。
 流通者は大部分が民間企業であります。我が国の場合には、部分的に一部公的機関がございますが、大部分は民間企業でございまして、その流通担当者では大容量の、非常に大きい記憶装置を持ちました電子計算機を備えておりまして、同時に、データベースを管理したりそれから検索するためのプログラム、ソフトウェアでありますが、そういうものを用意しております。それで、流通者はプロデューサーからこういうテープを受け取りまして、これをそれぞれの流通サービスセンターのコンピューターに載せるわけですが、そのときにこれをこのまま複写をして載せるわけではありませんで、これもある一定の約束事に従ってこの中をばらばらにばらしまして、利用者が後でそれぞれの利用目的に従ってオンラインもしくはオフラインで利用しやすいような形にファイルをつくりかえていくわけです。ここにも流通者としては工夫があるところでありまして、場合によっては、流通者がつくります。そういうファイルというものは、もとのデータベースに対する二次著作物になるという関係もございます。それで、この流通がオンラインとオフラインと、この両方の形でサービスが行われるわけでありますが、オンラインといいますのは、それぞれが持っております、ユーザーが持っております端末を使いまして、データベースのサービスセンターの電子計算機に接続をして使うと、こういうことでございます。
 最後に、今回の法改正の内容に多少わたりまして、意見を申し述べさしていただきたいと思います。
 四点ございまして、第一は、データベースはそれを構築するのに非常に複雑な作業とそれから創造性と工夫と努力を要しますから、多額の費用がかかるものでございますので、したがいまして、このようなデータベースが著作物として保護されるようにしていただけるということは大変望ましいことであります。
 それから第二は、データベースはこういう形で機械可読の形態をとっておりますので、これは非常に機械操作によって複製の対象になりやすい特性を持っておりますので、データベースの著作物とこれを複製をする行為との間の関係が現行の著作権法の原則に従いまして処理していただけるというのは大変結構なことじゃないかというふうに思います。
 それから第三は、データベースは従来個々の契約によってその利用形態が定められてきておりますが、今回の法改正によりまして、データベースの著作者、流通者あるいは利用者との間での権利が、契約の裏にさらに法的な裏づけができるということになりましたこと、これはこれまでの業者の権利が主張できることになって大変結構なことだというふうに考えております。
 それから第四番目に、オンラインサービスということについてでありますが、オンラインサービスという利用形態は、新しい知識の伝達、情報の伝達の形態でございまして、これは一体どういう法律的な裏づけに基づいてこういうことが行われるんだろうかということでありまして、私どもこれまで著作権法上は有線放送の規定を解釈をいたしまして、これの拡張解釈をして、これに当たるんではないかというふうに考えたこともございますが、今回は、有線による送信という概念を整備されて、そういう規定を整備していただきましたことは、より現在のデータベースのオンラインサービスの実態に即した御措置でないかというふうに考えております。
 私どもは、以上のような考えをもちまして、昭和五十四年に会ができまして以来、データベースにかかわる諸権利の確立ということをお願いをしてまいりました。五十九年からは著作権審議会にも委員を、第七小委員会に会の代表を出さしてい
ただきまして、いろいろ意見を申し上げてまいりました。そういう意味で、今回の法改正には賛成をさしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
#7
○委員長(林寛子君) ありがとうございました。
 次に、山田参考人にお願いいたします。山田参考人。
#8
○参考人(山田武志君) 御紹介をいただきました山田でございます。
 私は、長野県の諏訪でレイクシナイ・ケーブルビジョンというCATVを経営している立場でございますが、本日は、社団法人日本有線テレビジョン放送連盟の役員という立場で出席をさしていただきました。
 これから申し上げますように、日本のCATV界というのはまだ揺籃期を脱しようとしているというレベルでございます。そういう立場で、今まで公の場面で意見陳述をするという機会は余りなかったわけでありますが、本日のような機会を与えていただきまして、まことにありがたくお礼を申し上げたいと思います。
 まず、CATV業界の概況を申し上げまして、本論に入りたいと思います。
 私どもの社団法人日本有線テレビジョン放送連盟は、現在、仲間が百八十七社ございまして、大きい、ある程度の規模のものから、非常に零細なものまで含まれておりますし、まだこれから施設を始めようとするものも含まれております。社団法人の公益法人の資格を持ちましたのも昭和五十六年でございますから、まだ日が浅いわけでございます。
 CATV事業について概況を申し上げますと、郵政省の公式発表は昭和五十九年のものまでが出ておりますが、この数字で見ますと、全国でケーブルによってテレビを見ております家庭が約四百二十万戸ございます。これはNHKのテレビ視聴家庭三千百万戸に対しまして大体一四%ぐらいの率でございます。この中身を見ますと、いわゆる難視聴対策というような非常な小さな規模の共同視聴というような形の方々が三百四十万ほどございます。それから、五百戸というところが一つの線になっておりまして、ここで許可施設と届け出が分かれるわけですが、五百戸以上は許可を必要としますが、この施設が八十三万くらいでございます。したがいまして、非常に零細なものが八割を占めておるという状況でございます。
 それで、その八十三万の中をもう少し子細に見ますと、いわゆる事業としてのCATVをやっていると思われるものをちょっと両面の角度で見ますと、一つは、大体五千戸以上、一つのまとまった体制と申しますか、というCATVが二十七万でございます。二十七万世帯の方に送っている形になっております。それからもう一つ別の角度で見まして、よそからソフトをいただきましていわゆる再送信を行ったり自主放送を行ったりしておるものが二十二万世帯に該当いたします。こういたしますと、事業としての規模ではまだ非常に小さいということがおわかりいただけるかと思います。
 ちなみに、アメリカの現況を見ますと、これは公式発表がありませんので人によって言い方が違いますが、大体四千万世帯から五千万世帯が見ているということが言われております。それで、アメリカの総視聴家庭は八千五百万戸と言われておりますので、大体半分はケーブルによって情報を得ているというのが概況でございますから、日本の現状から見ますと、大変にその速度といいますか、規模が違います。違う一番大きな要因は、衛星の発達ということであろうかと思います。それで、アメリカが衛星によって飛躍する今から十年前が全視聴家庭に対するケーブルの視聴家庭が一四%でございましたから、ちょうど日本の今とアメリカの十年前とが同じ比率であるということが言えるかと思います。
 こんなところが今の日本のCATV業界の概況でございます。
 それで、ケーブルによるネットワークというものの価値について少し申し上げますと、一般の空中波によるものと比べまして、ケーブルの中は我々は一つの別天地であると、別の宇宙であるということを申しておりますが、空中波は大変に割り当てが難しい時代になってまいりました。ケーブルの中は、現在、世界的に一般通念として行われておる同軸ケーブルによるケーブルネットワークの場合におきましても、大体テレビ波二十チャンネルは容易に送れます。さらに、アンプの性能を深めたりいたしますと、五十チャンネルないし六十チャンネルというような非常にたくさんの情報量が送れるわけでございます。そういう一つの多チャンネルの可能性を持っているということ。これは将来に向けまして専門チャンネルの設定、現在のNHKあるいは民放における我々の一般概念としてのテレビというもののほかに、いろいろな専門チャンネルが設定できる可能性を持っている。
 それから同時に、私どもも努力しておりますが、この地域における、非常にナローキャスティングと申しますか、非常に狭い境域の細かい情報を送れる、そういう特性を持っております。それからもう一つは、テレビ、ラジオだけではケーブルを引いてある状況から見ましてもったいないという発想がありますので、いわゆる多目的に使うという問題がございます。これは特に双方向通信、双方向による可能性というものを持っておりますので、いずれは通信への展開ができるという問題を含めております。その辺がケーブルネットワークの特徴かと思います。
 ただ、難しいことは、非常に先行投資の仕事でございますから、それの回収の努力をしなければなりません。ということは、加入の家庭をふやさなければいけない。この加入営業ということが大変難しい仕事でございます。これは日本の場合には、一般的に情報をお金を出して買うという習性がありませんので、いかにその方々に情報を買っていただくかという、その辺が経営をする者としては非常に難しい問題でございます。まあ一般論としてこういうふうに申し上げました。
 これから日本のCATVを発展させるためにどんな点が具体的な条件整備であろうかという意味の問題点を一、二申し上げたいと思います。
 まず第一は、ソフトウエアの充実ということがございます。これはまだ日本のCATVが自由にいろいろな情報を使えるという段階にまで至っておりません。これは一つは供給体制に問題がございます。これの今まで一番大きな問題が実は著作権の処理だったわけでございます。私ども自体が、割合に実力を持っておりませんし、例えば権利団体との交渉などでもなかなか弱小のものでございましたから、基本的に非常に不利な態勢と申しますか、きちんと物が言えないような状態もございましたので、著作権という一つの問題だけを見ましても、まあ言うなれば一つのきちんとした市民権が欲しいというのが業界の熱望だったわけでございます。たまたま今回のこの著作権法の一部改正という法律案がそういう意味で私どもの年来の宿願をある部分では満たしていただいたということが大変にありがたいことで、感激をいたしているわけで、そういう意味でこれが一つの出発点になって我々のソフトウエア充実の面における大きな導火線になるであろうと期待をいたしております。
 なお、供給体制としては、いろいろな業界、特に将来供給をしてくださるであろう動きがいろいろ始まっておりますので、そういう方々のお力もいただき、なお権利団体との交渉も進め、いい方法でこの問題を進めてまいりたいというのがソフトウエアに関する考え方でございます。
 それから、ハードウエアの問題につきますと、我々のケーブルは、空中共架をしてまいります。つまり、電柱を使いましてそれに共架をしてまいります。一部地下埋設という問題もあるわけでありますけれども、日本の場合は恐らく十倍以上のコストがかかると言われておりますので、現状ではなかなか困難なことでありますから、空中共架に対するいろいろな対策が必要になります。これには市町村等の道路占用の問題も含まれてまいり
ますし、それから電力会社等の電柱を借りるという問題、いろいろ問題を発生いたします。特に大都市においては非常に難しい問題であろうかと思いますが、そういう一つの問題点を抱えております。
 それからもう一つは、これは機器関係の問題ですが、端末機器がまだ日本の場合には、日本といいますか、これは世界的にそうでありましょうけれども、端末機器がまだ非常に高価であるという問題がございます。これは将来の量がふえていくという問題と連動をいたすと思いますけれども、一般家庭が買いいい状態というものの端末機開発が行われなければいけないと同時に、標準化が行われませんと、メーカーによりましていろいろ端末が違うというところは、非常に消費者から見ると迷惑なことでございますから、郵政省が今非常にこの辺に力を入れておられますけれども、さらに格段の進歩が必要かと思います。以上のような問題があるわけでありますが、ハードウエア、ソフトウエア両面にわたってこれから前進をしようという態勢にはなってきておりますので、我々としてはこれに大きな期待を寄せているわけでございます。
 なお、御参考に、ちょっと失礼ながら私どもの例を申し上げてみますと、日本のCATVの一つの姿としてお聞きをいただきたいと思いますが、私どもは、現在長野県の諏訪地方におきまして、加入戸数が二万九千戸、これはこの地方における五四%の人が加入をいたしております用地方の状況から見まして、大体四万戸ぐらいまではこれから努力によっては伸びられる場所であろうかと思います。ちなみに、日本の一番大きなCATVは、山梨県の甲府にあります五万戸のCATVが一番大きいわけで、私どもが第二位になっております。エリアとしては四市三町にわたりまして、ケーブルの総延長が八百五十キロメートルに達しております。いわゆるインフラストラクチャーという立場になってしまったというような感じを現在持っておりますが、そういうような規模でございます。
 サービスの内容を申し上げますと、現在テレビが十五チャンネル、それからFMラジオが十三チャンネル、これを放送いたしております。多分東京よりも情報量は多いのではないかと考えます。自主放送が重点なチャンネルになりますけれども、現在毎日十九時間の放映をいたしておりますが、特に地方の、ごくきめの細かいいろいろの情報を送るということに力を入れております。
 なお、あの山合いでたまたま放送大学の受信ができましたので、現在、放送大学を開校以来放映をいたしております。この地方には学習センターが当然のことながらありませんので、ただいま文部省にもお願いをいたしまして、放送教育開発センターの方のお力をいただきまして、諏訪の六市町村対文部省という形で、実験的な放送大学講座というものを開設をいたしております。これは地元の信州大学の協力を得まして、信州大学から教授を派遣していただいてスクーリング等を行うという方式をとっているわけで、正式の学習センター開設を待ち遠しく思っておる状態でございます。
 このほかに、多目的という問題につきまして、ただいま取り組んでおりますのは、町と協力をいたしまして、水道の管理の問題に取り組んでおります。一つは、集中検針の実験でございます。それからもう一つは、水源地を遠隔管理するという問題で、これはいずれも実験的には成功いたしましたので、あとはコストの問題だけで実務に入れるかと思います。
 もう一点は、厚生省の御支援をいただきまして、中央病院と老人ホームを結ぶ医療支援システムを行っております。これも実験的には成功いたしまして、もう実際の実務として行っております。
 なお、もう一つは最近の、先ほどからお話しのありますコンピューターの関連が非常に私どもの地域にもパソコンその他が発達をしてまいりましたので、センターのコンピューターから端末のコンピューターにデータ伝送を行う問題につきまして、ケーブルを使っての実験を今いたしております。NHK初め四十社ほどの協力を得まして、現在実験中でございます。おおむねハード的には実験が完了いたしております。
 こんなようなことで、私どものことを失礼ながら申し上げたことも、日本のCATVもこのくらいのレベルまでには到達してきたということでございます。あとは、これから行政にも立法にもいろいろお願いをしてまいると思いますけれども、これをいかに民活という形で引き上げていただくか、同時に、私どもがどういうふうに努力していくかという問題であろうかと思います。
 そういう中で一番大きな希望を持つのは、昭和六十三年の通信衛星の供用開始でございます。現実には六十四年でございましょうが、これに対して非常な大きな希望を抱いているわけで、今までが幼稚園の段階とすれば一躍中学校の段階に行くんじゃないかというふうな希望を持っているわけでございますが、その中でも、特に第一号衛星は六十四チャンネルの放映能力を持っているわけですから、一番問題なことはソフトウエアの問題だと思います。ソフトがいかに充実してこれに対応できるかというところが、多分日本の通信衛星が成功するかしないかのかぎであろうかと思いますので、そういう中でも今回の著作権の問題についての御理解をいただき、御審議をいただいていることは大変ありがたいことで、賛成どころか心から感謝を申し上げて、ぜひ実現をお願いいたしたい、かように思うわけでございます。
 以上でございます。
#9
○委員長(林寛子君) ありがとうございました。
 次に、小泉参考人にお願いいたします。小泉参考人。
#10
○参考人(小泉博君) 御紹介をいただきました小泉博でございます。
 本日は、芸能実演家の団体を代表いたしまして意見を申し述べる機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。
 私は、現在、日本芸能実演家団体協議会、大変長い名前でございますので略称芸団協といいますけれども、芸団協の役員をしておりますが、映画やテレビ、舞台などで約三十年間俳優の仕事もしておりましたので、本日は一実演家としての立場からも意見を述べさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 私どもの団体、芸団協は、現在五十九の芸能実演家の団体が加盟している全国組織の協議体でございまして、音楽家、俳優、舞踊家、演芸家など、あらゆるジャンルの職業芸能人五万六千人が参加している組織でございます。昭和四十年、徳川夢声を初代会長として誕生以来二十年になりますけれども、二代目は坂東三津五郎、そして現在は中村歌右衛門が三代目の会長を務めております。
 どういうことをやっている団体なのかということでございますけれども、その事業は三つに大別できまして、その中心となりますのは芸能活動の推進でございます。
 これはどういうことか、ちょっと説明さしていただきたいんですが、現在、芸能が国民生活の中で占める役割は非常に大きなものとなっておりますけれども、皮肉なことに、芸能の普及に貢献したマスメディアとか機械技術の発達は複製芸能のはんらんを招きまして、そのために、極めて安直に芸能に接する機会がふえたため、源となる生芸能に接する機会を少なくしてしまいました。その根を枯らしてしまうというような結果を招きかねない状況が生まれております。芸団協の芸能活動推進事業といいますのは、この技術革新の進む中で、いかにして質のいい、生き生きとした芸能を守り育てるかということを最重要の目的に据えまして、具体的には立法や行政の先生方に著作権法上の問題点を訴えたり、文化予算の増額をお願いしたり、入場税の免税点の引き上げ、税制の見直しとか、あるいは芸能団体への助成金の増額、第二国立劇場の建設促進と機能の充実などをお願いしておりますし、また、芸団協独自として、年一回の主催公演を国立劇場で行ったり、加盟団体の
公演や研修会への助成も行っております。また、芸能の現場、それから未来を語るシンポジウムというものも大変盛んに行っておりまして、いろいろと、この難しい状況の中でどうやって生の芸能を守るかということを語り合っているわけでございます。そのほか、子供劇場、親子劇場などの鑑賞団体や、それから諸外国の実演家の組織がございまして、それとの交流提携、それから芸能功労者の表彰などというようないろいろな事業を幅広く、精いっぱい背伸びをしておりますけれども、やっているところでございます。これが芸能活動の推進事業でございます。
 二番目は、芸能人の福祉問題への取り組みでございます。
 御承知と思いますけれども、芸能の仕事に携わる者には、ほかのジャンルで働く労働者のような社会保障制度というのは約束されておりません。どうも芸能人の気質といたしまして、将来に対する備えが不足しているケースが非常に多いわけでございます。そのために芸団協では、国民年金のわずかな給付ではとても足りないという分を自分たちの力で補い合おうという趣旨から、十年ほど前から、芸能人年金共済制度というものをつくりまして、その事務経費などを芸団協が全部負担いたしまして、掛金を全部運用に回すというようにして、芸能人にとりましてはできるだけ有利な年金制度をつくろうと努力しているところでございます。一口千円で募集しているんですが、昨年暮れには基金も三十億を突破いたしまして、既に受給者も約五百人を数えるという状況に至っております。
 また、この福祉に関連しまして、実演の現場で起きる芸能災害というのがございます。これは仕事中のけがでございますが、これは意外とたくさん起こっているんですが、仕事への影響とか力関係などによりまして、表ざたにならないケースが非常に多いということでございます。これはひとつ業界内できちんとしたルールづくりをしなくてはいけないということで、芸団協も、これを大事な仕事の一つとして取り組んでおります。
 それから事業の三番目でございますけれども、これは著作隣接権の処理業務という業務でございます。
 芸団協は、著作権法九十五条の商業用レコード二次使用料及び貸しレコードに係る報酬の実演家の受取団体として文化庁長官の指定団体となっております。そこで、放送事業者や貸しレコード業者と金額の取り決めをいたしましたり、徴収分配業務を行っているわけでございます。また、放送事業者との間で、著作権法上で定められているいろいろな権利の行使にかかわる一般的な基準を取り決めたり、それから利用の許諾、料金の設定、あるいは使用料の徴収分配などの業務も行っております。今後、放送番組の利用の多様化がますます進むことが予想されておりまして、実演家の権利処理を確実にスムーズに行うために、その窓口としての業務というのは非常に重要なものになってくるのではないかと思っております。
 以上、三つの事業を中心に、あと、それらの事業を側面から支える調査、出版、広報事業などを行っておりますが、調査の方では、五年に一回、芸能人の生活と意識の実態調査というのを行いまして、各方面から評価を受けております。日常は六つの委員会活動とそれから四つの研究会を中心に運動を展開している、これが芸団協の状況でございます。
 ところで、今回御審議をいただいておりますデータベース、ニューメディアに関する著作権法の一部改正案でございますけれども、私どもは、現在予想以上のスピードで進んでおります技術革新や社会の変化に対応して、著作権法もできるだけ素早く小まめにその変化に対応した改正を行い、権利処理上のトラブルをなるべく未然に防いでいただきたいという状況を望んでいるわけでございます。その意味では、一昨年の貸しレコードに関する改正、それから今回のデータベース、ニューメディアに関する改正などは、まことに時宜を得たものと高く評価しておりまして、今回ももちろん先生方に審議を尽くしていただくのでございますけれども、できるだけ早い国会の通過、成立を期待しているというところでございます。
 この改正は、第七小委員会の長期にわたる審議の上につくられた改正案でございますし、基本的にはもちろん賛成なんでございますが、ただ、どうもコンピューターやデータベースに比べますと、ニューメディアニューメディアと騒がれた割には、有線送信という新しい概念が加わったということと、有線放送事業者に権利義務が定められたという点が目立つ程度でございまして、実演家の立場から見ると、やや拍子抜けというのが実感でございます。このことは、技術的にはいろいろと多様な利用や情報伝達が可能となってはいても、まだまだそれらの手段が社会に大きな影響を与えるまでには実用化されていないという段階にあるためであろうと理解をしております。
 今回は、有線放送事業者の法的地位が定まるとともに、商業用レコード二次使用料の支払い義務というのが課せられまして、当然有線放送によってレコードの使用による実演家への支払いが行われるということで、その業務も芸団協が請け負うことになるわけでございますが、ただ、有線送信という概念ができまして、その送信によってもレコードの使用が予想されるにもかかわらず、まだ有線送信を業とする者の法的位置づけが定まっていない。そのために二次使用料の支払いも決められないということで、これはニューメディアが定着するまでにはまだまだ多くのきめ細かい法改正が必要であろうと考えられるわけでございます。
 なお、この機会に、今回の改正とは直接関係のない問題かもしれませんけれども、私ども実演家にとりまして、著作権に絡む幾つかの重要な問題がございますので、それを申し上げて御理解をいただき、次のステップを踏み出す参考としていただければ幸いでございます。
 現在、市場には多種多様なビデオソフトが出回っておりまして、そのほとんどのビデオソフトというのは映画の著作物としての扱いを著作権法上で受けております。そのために、実演家の権利が及ばないという実態がございまして、例えば俳優が一たん劇場用の映画に出演いたしますと、出演当時には予想もしていなかったようなビデオテープ、ビデオディスクによる販売、それから貸しビデオ店でのレンタル、さらにはカラオケビデオによる部分的な不完全使用に至るまで、全く実演家の権利が及びません。これは余りにも映画製作者の権利のみが強く保護されておりまして、反対に、余りにも俳優の権利が無視されているという状況を生んでおります。今回の改正を審議していただきました第七小委員会におきましても、この問題に触れながらも、問題点を指摘するにとどめると言っておりますけれども、そもそもビデオソフトを映画的著作物と考えて問題はないとした第三小委員会の報告でございますけれども、これは昭和四十八年、今から十三年前に出されたものでございます。今日のようなビデオソフトの多様な利用はとても想像できなかったはずでございます。
 どのようにビデオソフトが発達したかという一つの実例といたしまして、昭和五十九年度の日本ビデオ協会の統計を見ますと、ビデオ関連事業の総売り上げ、これは八百二十九億円となっておりまして、前年度に比べて二一%、一年間に二倍に伸びているわけでございます。また、レンタルビデオは百五十億円市場に成長しております。私どもは、ビデオソフトは、我が国の著作権法が想定した伝統的な映画という概念とは、利用の態様や規模、それから複製の容易さから考えまして、全く違う別個の固定物として新しい概念構成をすべきものと考えておりますけれども、少なくともビデオソフトにおける実演家の権利の保護につきましては、新たな審議をする機会を早急につくっていただくようにお願いをしたいと思います。
 それから、文教委員会の先生方は、またかとおっしゃるかもしれませんけれども、私的録音・録画の問題、いわゆるホームテーピングの問題でございます。今や録音・録画機器、機材への賦課
金方式、いわゆる西ドイツ方式といっておりますけれども、その導入は、先進諸国の間ではますます浸透しつつありまして、この問題は何より、一、二を争う機器、機材の生産輸出国である日本としましては、どの国よりも一番先にこの問題の解決に取り組む責任があるというふうに私どもは思うのですが、今の日本の姿は、世界のあちこちでいろいろと苦労して対応しているのを横目に見ながら、ひたすらその対応の引き延ばしを図り、企業の利益追求にきゅうきゅうとしているというようなふうに見られても仕方がないという感じでございます。二十年前、西ドイツが賦課金制度を導入したときの録音機器の普及率というのは一〇%でございました。今日ほぼ一〇〇%に近い普及率の日本で、私どもの調査による年間八十億八千万曲という録音が行われているという数字をどういうふうに受けとめたらいいのか、その辺からぜひこの問題をもう一度考え直していただきたいとお願いする次第でございます。
 最後にもう一つ、この問題も衆参の文教委員会で何度か附帯決議がつけられておりますので、先生方にはもうよく御理解をいただいている著作隣接権条約、いわゆるローマ条約への加盟問題でございます。
 我が国が、新しい著作権法上でこの条約にのっとった制度を取り入れましてから、もう十五年が経過しております。今や隣接権制度は日本の社会にも定着しておりまして、条約加盟に反対する理由としましては、経済的な理由、すなわち放送業者が外国盤のレコードを使った場合、外国の隣接権者にレコードの二次使用料を払わなければならないことになる。国内のレコードメーカーと実演家には二次使用料が払われているわけでございます。しかし外国盤を使った場合には、条約に入らない限り払わなくて済むということになりますので、どうしても放送業者としては、ただのレコードを使うというケースがふえてまいります。そのために、国内のレコードよりもどうしても外国のレコードを使おうという傾向に陥ります。これは我々から見て、そのお金を払わないためになるべく長い間これを引き延ばしていこうという理由以外には考えられないことでございます。今の日本が国際的ないろいろな会議などでこの経済的理由を申しましても、これは世界の失笑を買うのみでございます。今加盟国は二十九カ国になっておりまして、日本のような有力な国が早くこの条約に加盟して、インサイダーになって、この条約の不備なところを直していく上で強い力を発揮してほしい、リーダーシップを発揮してほしいという条約関係者の声が我々の耳に届くのですが、この声をいつまで無視し続けるのかという問題でございます。これも三十条の問題と同じように、日本の文化的な思考が経済優先の厚い壁に阻まれてしまいまして、日の目を見ることができないという状況のあらわれと私どもは受けとめております。
 先生方のお力で、今後政治における文化に関する問題の優先順位をぜひ高めていっていただきたいとお願いいたしまして、私の陳述を終わります。
 ありがとうございました。
#11
○委員長(林寛子君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#12
○粕谷照美君 最初に、清水参考人に質問をいたします。
 プログラムを製作するに当たって、いかに開発が大変であるか、経費がかかるかということはよくわかりました。それを守る意味で今回の法律が出される、ぜひ我々としては積極的にその登録に参画をしていきたいというお話もありましたが、今回のこのプログラム登録の特例法が成立をすれば、やがて年間数千件の登録がなされるであろうという観測が一つ。逆に言って、そういう登録をするということは、秘密が漏れてしまうのではないかというおそれが一つ考えられるという意味で、余り期待ができないのではないかという、そういう見方をする方々もまたいらっしゃいます。
 清水参考人は、これについてどのような判断をしていらっしゃいますでしょうか。
#13
○参考人(清水洋三君) ただいまの粕谷先生の御質問でございますが、確かにそのような声もあるわけでございます。
 この登録の意味と申しますと、まず権利の確定ということでございますので、これはどういう対象になるかということが一番の問題でございます。プログラムの権利を守るということと同時に、若干漏れるんではないかというリスクも考えられる。例えば、プログラムの登録をしない、自分のところで非常にもう絶対にガードをするために、大変な費用をかけてガードをするということも実は可能でございます。例えば、自分のところにしか使わせないということで、これは西ドイツのあるプログラムの、いわゆる汎用プログラムでございますが、社長しかかぎを知らない。それで、役員の三つのかぎがそろったらあけるとか、そういうような条件をつけて非常に強いガードをして、一般に売られているものはいわゆる実用的なもの、もとになるソースプログラムは西ドイツの金庫の中に保管してあるというようなガードの仕方も実はあるわけでございます。
 ところが、現状御報告いたしましたように、我々のプログラムと申しますのは二万五千種類もございまして、それを登録する人たちは、そのようなガードをできる経済的な余裕もないし、また、そのような投資をするということも不可能な人が大部分でございます。つまり、プログラムというものは、非常にクローズにするということになると、非常に秘密を守るということになりますと使われないということがございますし、使われるようになると秘密が守られないという状況にあるわけでございまして、これは、そのプログラムをつくった人が非常に普及しようということを考えました場合には、やはり盗用されるとかコピーされるとか、そういう危険性をはらむわけでございます。こちらはどれを選択するかは自由でございまして、登録が義務づけられていないのはそういったことにもよるわけでございます。
 先ほど申し上げましたように、今後小学校とかあるいは中学校を含めて数千万台のコンピューターが普及するでありましょうけれども、それがすべて社長のかぎによってしか複製できないというような状況ではこれまた困るわけでございまして、多少の危険性というものははらんでおりまして、我々のプログラムは現実にほとんどのプログラムがかぎというもの、ロックというものをソフトウエアでかけておりますけれども、ほとんどが解読されているという現状から申しまして、現在では、残念ではございますが、どんなところに置いても盗もうとすれば、この前のNHKテレビにもありましたけれども、アメリカ国防省の中にでもパソコンが潜入しようかという時代でございますので、その点に関しては、むしろ普及をさせる、コンピューターによる情報化を広めるためのプログラムは、ある程度、普及するためにはその危険を冒さなければならないという宿命は持っています。
 同時にまた権利も守らなければならないというような状況の中で登録が行われますので、そのような簡単な、もちろんお聞きしている制度ではそう簡単にコピーできるような状況ではありませんし、我々も安心しておりますけれども、仮にそのようなことが起こったとしても、権利が確定するということの意味の方が非常に大きいということでございますので、プログラムは絶対に盗めない、絶対に解読されないというようなことは神話にすぎない。ですから、できるだけ確実に国の機関でそれを守り、なおかつ登録に対しての責任を守るということをしていただければ十分であって、そのようなものを盗む費用を数億円かけるのであればプログラムはつくれるわけでございますので、その点に関しましては御心配要らないんじゃないかというふうに思いますので、この登録制度については我々は安心いたしております。
#14
○粕谷照美君 次は、日本でも前には随分その対象として指弾をされたところでありますけれど
も、パソコンのゲームプログラムなどが例えば韓国だとか台湾などで違法に複製をされて、創作者に大きな打撃を与えているというようなことが記事にしばしば載っているわけであります。
 これらの著作権条約未加入の国に対して、行政としてはどのように、何をすべきかということを清水参考人はお考えになっていらっしゃいましょうか。業界サイドの率直な御意見を伺いたいと思います。
#15
○参考人(清水洋三君) 私は、まず隗より始めよと、日本がそのようなことを外国に言える資格があるのかというのが私の率直な意見でございます。
 著作権法で現実に守られる、事実上プログラムの著作権の施行は本年の一月一日でございますが、我々は、無数の著作権の侵害を受けながら、現実には自分たちの売っている五百億円という市場の四倍に当たるような被害を受けながら、現実にそれをとめられない、それを防御できないというようなところをまず正していただくということが我々にとって一番大事じゃないか。
 特にこれは、それでは諸外国から見た日本はどうかということになりますと、我々が今のような著作権の法律を、例えば私中国へ去年参りましたが、中国でもそのようなことを、新しい法律をつくらにゃいけないということで意見を求められましたけれども、我々が、著作権法さえしいていないところに対してどうするかということと同時に、諸外国から見ると、著作権を守っていない、プログラムの権利が守られていない日本に対してどうするかということをむしろ考えているんじゃないか。我々としては、むしろそこのところを自戒し、なおかつ近隣のところに対しては、現実に非常に難しいというのが現実でございますが、まず日本としてきちっとしたそういうものを確立し、それから諸外国に対しては、そのようなものをぜひ結ばれるように、これは全世界の知的な生産物をいろいろ交流していかなくちゃいけない、情報化の社会の上ではそういうものをしていかなきゃならないので、外交の問題も含めてぜひお進めいただきたいことではありますけれども、日本が今後知的生産物を海外に輸出していく、物で輸出できないとすれば我々の知恵の産物を出していく場合に、今著作権が法律的に実施されていないところに対するような非難を我々が受けるとすれば、これは、貿易摩擦よりもっと大きな問題でございますし、我々にとっても非常に大きな将来の不安でございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
#16
○粕谷照美君 まず、日本の技術者たちがそのことをきちんと位置づけなければならないという大変厳しい自戒のお言葉、私は胸の中にずしんと受けとめたわけでありますけれども、そういうプログラム開発の技術者たちですね、それが昭和六十五年には六十万人ほど不足をすると、こういうふうに通産省が言っているという御報告を先ほどいただきました。業界としては、そういう六十万人もということになれば、技術者の引き抜きなどもありまして大変危機感などもあるのではないか、あるいは、プログラムの発展という意味では非常に問題も残るのではないかというふうに思いますけれども、今後の技術者養成で、通産省は別といたしまして文部省に対して、どのようなことを期待をされておりますでしょうか。
#17
○参考人(清水洋三君) お答え申し上げます。
 御質問の中に、技術者の責任というような意味に当たるようなお言葉があったかと思いますが、ソフトウエアをつくる技術者は、自分の製品といいますか、作品に対して、一般の著作者と同様愛着を持っておるものでございますし、また質のいい技術者は、人のものを盗むというようなことは余りやりませんので、その意味で、技術者教育の中にも、そのような人の苦心したものを無断でまねをするとか、著作権法の精神にのっとった、いわゆる他人の知的生産物を尊重するというような考え方を技術者が持つ必要があるということは言えますけれども、現状問題となっている違反が起こっているのは、技術者の責任では全くございません。それを業として行おうとする者、あるいは、企業として非常にお金がもうかっていながら、一本のソフトを買って数百本のコピーをしてそれで利益を上げているというような、いわゆる社会的なそういった存在でございまして、技術者の責任というのとはちょっと違うと思います。
 それから、教育の問題でございますけれども、今申し上げましたように、これからの教育の中で非常に重要なことは、先ほど申しましたように、例えば子供がプログラムを解くといいますか、プログラムにかぎがかかっております、簡単にコピーできないように。そういうものを解く、まあこれはハッカーといいますが、ハッカーの中には御承知のように、パソコンの通信で軍事機密に介入したり、銀行のコンピューターを動かしたりするような者から、今言ったように、プログラムにかかっているかぎを解いて業者からお金をもらっているというような状況までございます。これは決して子供の責任ではありません。
 これに対しまして、やはり制度的に、今度のプログラム登録法もそうでございますが、制度的にやはりプログラムの権利を守るという制度の確立と同時に、教育として、やはり知的な生産物、著作権の対象になる無体財産はお金と同様に財産であるので、お金を盗むあるいは人の財産を盗むということは非常に悪いことだという基本的なことを教えませんと、今やはやりとなっております小学校中学校等におけるプログラムの交換などというパーティーがそのまま商売になってきているようなケースもございますので、まさに技術者教育と同時に、ここに関する基本的な考え方の確立というものをぜひお進めいただきたい。これは情報化社会の中で生きていかなければならない日本の将来を左右する非常に重要な問題でございますので、よろしくひとつ著作権法の精神というものを、小学校からの教育の中で生かしていただく。特に、学校現場におきましては、まだこの考え方が非常に浸透しておりませんので、ぜひ文部省を初め文化庁、その他の関連の機関、また通産省を初め担当のところにおかれましてはそのような御配慮をいただきたいというふうに考えております。
#18
○粕谷照美君 先ほどの技術者と言いましたのは失礼いたしました。取り消さしていただきます。
 清水参考人には大体十五分時間をとりましたので、次に宮川参考人にお願いをしたいと思います。
 データベースの問題でございますけれども、データベースの著作権上の問題は生じていないというふうに聞いているわけですけれども、これはどうでしょうか。
 そして、従来の法改正を見るときに、いつも事後の後追いだったというふうに考えますけれども、今回は、問題が発生する前に一応の歯どめを加えるような法改正をしているというふうに思いますけれども、その辺は、参考人はどのように評価をなさっていますか。
#19
○参考人(宮川隆泰君) お答えをいたします。
 今粕谷先生が御指摘のように、データベースにかかわります著作権法上の権利侵害と解せられる問題が、判例というような形で出てきているという例はまだございません。これは、私どものデータベースサービスが始まりましてまだ非常に時間が浅いということもございますし、それからもう一つは、やはり利用が、現在のところ専門的な情報についての、いわば専門的な技術者による利用、つまり企業でありますとか大学の研究者でありますとか大図書館の情報検索担当者でありますとかあるいは政府の研究機関でありますとか、そういう方々が専門情報を専門的に検索をするという分野にまだ主として限られていますので、そういう意味では、その利用は個々の契約によって、いわば制約を受けております。個々の契約に基づいて利用をしておりますので、私どもの聞いております範囲では、今のところまだそういう深刻な問題は起きていないということでございます。
 ただ、二番目の問題でございまして、法律というものが実際の社会現象の後追いであるかどうか
というのは、またこれは別の問題でございますけれども、今回のデータベースを著作権法で保護をするという問題が、それでは問題の先取りであるかというと、私ども、必ずしもそのようには考えておらないわけでございまして、従来、先ほど申しましたように、既に昭和五十一年から日本の国内ではデータベースのオンライン利用ということは始まっておりますので、さまざまな利用形態やさまざまな、まあ著作権法的に考えれば権利の処理の問題があり得たんだと思うんですが、それをようやく著作権法によって法律的な裏づけをしていただいたということではないかと思うんです。
 ただ、このデータベースの開発と構築とそれからその利用というものには、一方で情報や学術研究の進歩と同時に、それを使います道具立て、コンピューターでありますとか、端末機でありますとか、あるいはパソコンでありますとか、あるいは情報を入れます媒体になります磁気ディスク、それから光ディスク、その他というようなものの技術的な進歩が非常に早い分野でございますので、こういう技術的な進歩が早い分野におきましては、やはり余り問題を先取りをして、細かいところまで法律的に決めていくということは、やっぱり全体の発展を考えますときにそれほど得策ではないんではないか。そういう意味では、やはり法的な措置としては、基本的な問題を、基本的に合意ができる問題を基本的に決めていくということではないかというふうに思います。
 ですから、先取りかということでありますと、今そういう法律的な問題が起きていない現状でありますから、先取りと言えないことはないかと思いますが、しかし、実際の利用の実態から見ますと、やはり後追いではないか。それから、こういう問題は、余り先取り的に問題やあるいは権利侵害のケースを予想して決めることはよろしくないんじゃないかというふうに考えております。
#20
○粕谷照美君 諸外国では、このデータベースを編集著作物と考えて保護をしているようであります。我が国では、データベースの著作物として考えようとしているのではないかと思いますが、業界から見まして、データベースを編集著作物から一歩踏み込んだデータベースの著作物と規定することに対する御所見を伺いたいと思います。
#21
○参考人(宮川隆泰君) ただいまの先生の御意見でございますが、データベースは、著作物の特性上、編集著作物によく似た側面を持っていることは御指摘のとおりでございます。
 ただ、先ほど最初に意見を申し上げたときにも申し述べましたように、データベースをつくりまするときに、種類は学術情報でありましたり産業情報でありましたり、さまざまなものがあるわけでございますが、情報の収集とそれから整理選択というところは編集著作物に非常に似た作業過程を含んでおりますが、その次の、二次情報をつくり、これを機械可読にするためにさまざまなシステムを考えて、その中へこれをはめ込んでいくという作業は、これはデーターベース独自の知的な作業ではないか、創作的な作業ではないかというふうに考えておりますので、今回編集著作物の規定とは別に、データベースの著作物としての規定をつくっていただいたというのは、業界としては大変ありがたいことであるというふうに考えております。
#22
○粕谷照美君 では最後に、本法律の改正案では、ディストリビューターの保護が必ずしも明確ではないという御意見も私ども伺っているわけでありますけれども、このディストリビューターの実情と将来的な保護の必要性などについて、御意見を伺いたい。
#23
○参考人(宮川隆泰君) 先ほど冒頭に意見でも申しましたように、データベースは、製作者とそれから流通者、ディストリビューターとは機能が分かれております。おおむね分かれております。分かれていない部分もありますが。実際に国内の利用者が、それぞれの端末機で接続をいたしますのは、ディストリビューターのサービス用のセンターに接続をするわけです。その意味では、データベースのディストリビューターと申しますのは、ちょうど高速道路の上で自動車を走らせます運送事業者と同じような役割を果たしておりまして、情報という荷物を最終的なユーザーに、利用者に届ける非常に重要な役割を果たしているのではないか。情報の生産者、データベースの生産者とそれを利用する人の橋渡しをしているというふうに考えます。したがいまして、データベースのディストリビューターの権利の確立ということは、私どもも業界にとっては非常に大事な問題であるというふうに考えております。
 特に、昨年四月に日本電信電話株式会社の法が改正をされまして、データ通信の分野における民間の参入が認められまして以来、数多くの民間のデータ通信業者が事業を始めておりまして、全国各地へ情報を、データベースを流通させるべくいろいろ努力をしております。そういう意味では、この際、データベースのディストリビューターの著作権法上の権利の確立ということは非常に強く望まれるのではないかというふうに私ども考えますが、ただ、制度的かつ技術的に見まして、まだ事態が始まったばかりでございまして、流動的な部分も相当にございます。したがいまして、今回の法改正におきまして、先ほども申しましたように、有線放送の概念とは別に、有線送信という概念と規定を今度は定められたわけでございますけれども、ディストリビューターの実際の活動が今後さらに具体的になっていく、事業が発展をしていく状況を見定めながら、有線送信を業とする事業者の地位の確立ということを先に――先にというのは今後御検討いただければ大変ありがたい。
 具体的には、これはいろいろ議論をいたしましたが、私どもも余りはっきりした結論は出せませんでしたけれども、著作隣接権制度の適用を有線送信事業者に認めていただけることができるかどうかというようなことも、将来の法律の、この著作権法の検討をすべき一つのテーマではないかというふうに考えております。
 以上です。
#24
○粕谷照美君 どうもありがとうございました。
 それでは次に、山田参考人にお伺いをいたします。
 実践を含めて、大変有益な御報告をいただいたわけでありますけれども、諸外国におきますケーブルテレビジョンの発展の仕方で、我が国にとって参考になるというところは一体どのようなところがありますでしょうか。
 また、通信衛星や放送衛星の利用などがケーブルテレビジョンに与える影響についてお伺いをしたいと思います。
#25
○参考人(山田武志君) お答え申し上げます。
 外国の問題につきましては、私もそんなに詳しくないので常識的なお答えしかできませんが、先ほども申し上げましたように、特にアメリカにおける通信衛星の発達というのは非常に際立った問題でございます。これの発達に伴いまして、HBOその他のソフト供給業者が非常に、極めて短い時間の中に発達をいたしまして、これがたくさんの情報を提供いたしました。これによって年々、ほとんど倍々というくらいな速度で大きくなったわけであります。そういう意味で、空から情報がおりてくるという力の偉大さというものをアメリカへ参りましてつくづく感じたわけです。
 これに伴いましていろいろ、これは日本でも法制上の問題も出てまいります。例えば、ハード的に申しますと、いわゆるマイクロ波の使用というような問題、電波法のいろいろな弾力的な使用といいますか、そのような問題も出てまいります。それから、先ほどの問題になっておりますソフトの方のいろいろな権利関係との絡みというような問題も出てまいります。何よりも一番我々が心配しているのは、日本の通信衛星が相当高いものであるということで、しかも十年くらいの耐用年数と承っております。そういたしますと、一年間における、それをどうやって回収するのかという点が非常に今から心配でございます。したがって、その受け皿として、まず第一に挙げられるCATVの大規模化ということが、やはり日本の場合に大きな命題になってまいります。そういう意味
で、その間における、横たわっている一つの難関でありました著作権の問題等が逐次解明されていくということは大変ありがたいことだと思っているわけであります。
 衛星についての御質問でございましたが、あわせて申し上げたと思いますが、その程度の知識でございます。
#26
○粕谷照美君 どうもありがとうございました。
 今度CATV事業者にもレコードの二次使用料の支払い義務が課せられることになっているわけですけれども、CATV事業者は、こんなことを言うと失礼になるんですけれども、零細なところが多いということを伺っておりますが、そういう支払いに耐えられるのかどうか。お隣に芸団協さんがいらっしゃるんでお答えづらいかと思いますけれども、いかがですか。
#27
○参考人(山田武志君) CATVの中で、先ほど冒頭で申し上げましたように、大変零細な部分もございますが、業としてやっている仲間としては、もう相当経営的にも確固としているものが相当できてきております。したがいまして、いわゆる共同視聴というようなレベルになってまいりますとこれはなかなか目が届きませんし、特に届出の五百以内というような非常な小さな規模になってまいりますと、これはなかなか詳細な目を届かせるということは難しい仕事になっていくかと思いますが、ただ、いわゆる自主放送というようなことを実際に進めて、今の二次使用というような問題に関連してくる仲間というのは、実はそうたくさんあるわけではございません。我々としては、従来、社団法人になる以前の任意団体の時代から、この著作権に関する注意といいますか、ということはお互いに戒めてまいりましたし、そう極端な異例事項はなかったように思っております。権利が発生すると同時に義務を負うことは当然でございますから、これは仲間で戒め合ってしっかり守っていきたいと考えております。
 以上でございます。
#28
○粕谷照美君 山田参考人が、地方の都市が情報の受け手としてばかりじゃなくて、情報をつくり出す主体にならなければならないということで御活躍をされていらっしゃるわけでありますけれども、これは加入者にとりますと、結局お金の問題があろうかと思いますね。それぞれ大きいところ、小さいところいろいろあるわけですから、加入料金などというものの差もあろうかと思いますけれども、大体どの程度のお金を必要とするのでしょうか、各家庭におきまして。あるいは事業所といいますか、このCAテレビジョンの事業所ではなくて、そういうニュースを受け取っているような事業所ではどのようなものになっておりますでしょうか。
#29
○参考人(山田武志君) これは大変千差万別でございますけれども、私どもがいわゆる自主放送をやっているレベルの仲間で申しますと、大体、加入する場合に五万円前後の加入金をちょうだいいたす、これは加入契約料でございます。私どもはそれによってその地域のエリア構築をいたす、まあ言うならば工事代でございます。それから、日常の運営のためには月々に大体千円から二千円ぐらいの間の幅であろうかと思いますが、利用料をちょうだいいたします。これによって我々のいろいろな諸経費をそれに充当させるわけで、いわゆる経営でいきますと売り上げに該当いたします。我々はその範囲内で仕事をしてまいるわけですが、私どもの実例でまいりますと、現在加入契約料は四万五千円、それから月々千六百円をちょうだいいたしております。どうやら、何となく地方におけるミニコミ誌の月々の購読料と比較をされるようなことになってまいりました。これは別に理論的な根拠があるわけではなくて、一つの相場づくりというような形であろうかと思いますが。私の場合ですと、千六百円掛ける二万九千戸という数字を月々いただいてまいりますれば、企業としてきちんとこれは減価償却も完全に行いまして、なお法人税も何がしか納めるという状態になります。
 それから、四万五千円掛ける戸数というのは一つ大きな問題がございまして、現在、私どもはこれで同軸ケーブルによる単方向の放送のシステムの工事構築をいたしております。大体それはある程度の密集度があれば計算が成り立つわけでございます。そこまで日本のハードウエアもこなれてきたと申しますか、という感じでございます。ただし、最近いわれてきているようないわゆる双方向通信とか、非常にグレードの高い設定をいたしますと、これはなかなか四万五千円では到底上がりません。それから、私どもでいいましても、密集地域はそれでいきますが、周辺地域の、特に農村地帯、まあ悪い言葉ですが過疎の地帯へ行きますと、非常にこれがまた二戸当たりかかります。この辺が経営上は大変なことでございますが。
 まあ大体そんなことで、公共的な性格を持ちつつも、経営と成り立たしていくというあたりに非常にバランスのとり方の難しさはございますけれども、それぞれ経営企業体でございますから、自衛という意味も一生懸命考えながら、その辺のバランスをとりながらやっているというのが実情でございます。
#30
○粕谷照美君 では、隣接権条約に日本は加入をしていないわけでありますけれども、この隣接権条約には、CATV事業者は規定をされていないわけです。条約加入に支障を来さないだろうかということを考えるのですが、また現在、放送事業者からの合意が得られないということもあって未加入になっておりますが、事業者として、この条約加入についてどういうような御意見をお持ちでございますか。さらに、将来この条約を改正してCATV事業者の保護を図っていくべきではないかと、こんなことも考えるのですが、参考人はどのようなお考え方をお持ちでございますか。
#31
○参考人(山田武志君) この国際間の問題につきましては、実はまだ勉強不足でよくわかりません。それ以上のちょっとお答えがいたしかねます。
#32
○粕谷照美君 先ほど、CATVを通じて放送大学の授業をやられていると、こういうお話がありましたけれども、放送大学の授業だけじゃなくて随分教育問題で取り組んでいらっしゃるというお話も伺っているわけですけれども、そういう実践についての御報告をいただきたいと思います、現況を。
#33
○参考人(山田武志君) 実は、テレトピア問題がございまして、その中で既に計画として考えてありますのに三点ございます、教育に関して。一つは放送大学でございます。一つは中学生に対する基礎教育の問題でございます。もう一つは専門的な技術教育の問題でございます。
 第一点は、先ほど申し上げましたとおり既に活動を開始しておりますし、第二点につきましては、既に二年間、これは中学生の遅進児、おくれている子供に対する数学と英語に対する教育講座を開設いたしまして、それぞれ既に二年間実施をしてまいりました。これは岡谷市という市の教育委員会とのタイアップでやっております。この地域にあります四つの中学から専門の先生方に出ていただきまして教材をつくります。教材の重点は、進学目的ではありませんので、中学生が学業の中で立ちどまってしまうところ、例えば数学でいえば分数というようなところを徹底的に一年かけても教えよう。それによって、子供が学校に対する登校拒否とか、いろいろなそういう問題の起こる要因の一つを何とか応援しようじゃないかという試みでございます。これに対して、地域の方々がある程度の経済的な応援もしてくださったり、それから教えるのは塾の先生の中で一番老練な先生がこれを教えております。これを私どものスタジオで撮りまして、週二回でございますが、数学と英語それぞれ一回ずつでございますが、あとの四日のウィークデーも、朝の時間とか夜の時間とかを使いまして放映をいたしおります。
 ただ、これ実施して非常に難しいと思うのは、私どもは一つの利益法人でございますから、どのくらいまで立ち入れるのか、その辺がなかなか難しゅうございます。今、市に対して、何とか公の立場でやってもらえないか、例えばスクーリング
というようなことが、子供たちが放課後でもどこかへ行って楽しみながらそれを見ながら勉強できるというような方法がとれないであろうかというような話で話を進めておりますが、なかなか進展いたしておりません。問題は、やっぱりテレビで見るというだけでなくて、先生との人間的な交流の中でそれが育っていかなきゃいけないというあたりが難しいことだと思っております。いずれにしても、もっといい状況に進めてまいりたいという努力でございます。
 それから、もう一つの技術教育に関しては、テレトピアの計画が進展いたしますと、特にエレクトロニクスに関するハードウエア、ソフトウエア両面の専門的な講座をCATVを使ってやりたいという話がありまして、これは割合地域の事業会社の方からも要請がございますので、余り遠くないうちに実施に入りたい。その三点を、教育としては考えております。
 以上でございます。
#34
○粕谷照美君 どうもありがとうございました。
 では次に、小泉参考人にお伺いをしたいと思います。
 昭和四十五年の委員会で、著作権法改正に係る附帯決議の中に、実演家の人格権の保護について考えるべき云々というくだりがあるわけですけれども、それから十五年経過した現在、いまだに実演家の人格権は保障されないと先ほどお話しがございましたが、この隣接権条約に日本がまだ加入していないことについて、もう少し詳しい御意見を伺いたいと思います。
#35
○参考人(小泉博君) 実演家の人格権の保護という問題に関しましては、この参議院の文教委員会で、昭和四十五年の四月に、著作権法案に対する附帯決議として、「著作隣接権の保護期間の延長及び実演家の人格権の保護問題等について、早急に検討を加え、速やかに制度の改善を図ること。」という附帯決議をつけていただいたわけなんでございますけれども、その後、この問題は何となく立ち消えになったまま今日に及んでおります。
 実演家の人格権というのはどういうことかといいますと、これちょっと映画の著作権のことをお話ししないとわからないかもしれませんが、著作権法の中で、実演家、要するに俳優などは、映画の著作者の例示の中に入っていないんです。そのために、著作者として認められなかった。ただ著作隣接権者として認めるという形になっておりまして、その場合に、著作権者として認められないということは、当然、それに伴う著作権と同時に人格権というものもまた認められないということになるわけでございます。映画の場合には、著作者の例示として、「監督、演出、撮影、美術」というのが入っております。そういう人たちは、第二十九条で著作権が映画製作者に自動的に行ってしまうのですけれども、しかし、著作権にかかわる人格権というものは残っております。そのために勝手な改変が許されないんですね。
 同一性保持権というのがございます。これで現在一番問題になっているのが、先ほどちょっと私がお話しいたしましたカラオケビデオの問題なんですが、私どもが劇場用の映画に出た映画を、四、五年ぐらい前からカラオケビデオというものにあるメジャー系の会社の映画がどんどん流用されておりまして、そこでは、例えば大川橋蔵さんであるとか里見浩太朗さんであるとか、あるいは三船さんの映画も私は見ました。そういう方たちが一生懸命お芝居をしたものが、ばらばらにされまして、そして、その映画とは関係のない歌のバックにそれが映されて、そこに歌詞が流れるということで、それを酒場で見ながら、皆さんよく御存じと思いますけれども、その歌詞を見ながら歌う、そのバックにその映像が使われてしまっている。ということは、これは私たちにとりましては、最初に出演を約束した映画ではないということです。我々がそれを見ておりますと、一生懸命俳優さんが芝居をしているにもかかわらずせりふが消されているというのは、これは非常にみっともない感じがいたします。それを見て、大体酔っぱらったお客さんが、ああ橋蔵が出てきた、浩太朗だとか言いながら、いい気持ちになって歌っているのを見ますと、もう私どもちょっと何かいたたまれないような気持ちになりまして、本当にいやな気がする。
 この問題に関して、その辺の実演家の心理を製作者の方たちがどういうふうにお考えになっているのかわかりませんけれども、とにかく、もしその例示の中に俳優とか演技というものが入っていたならば、その人格権だけは認められたわけでございます。しかし、残念ながら、これは世界的な傾向でございまして、ローマ隣接権条約の中でも、この映画の著作権に関しては、第十九条でそういうものを認めないというような形になっております。日本はまだ条約に入っていないんですけれども、しかしそれにのっとった扱いをしておりまして、この辺のところは私たち今後どういうふうな運動を展開していったらいいのかよくわからないのですが、映画製作者の方たちときちんとした話し合いをして、少なくともこの人格権の保護という問題は主張してまいりたいというふうに考えております。
#36
○粕谷照美君 一つ一つ思い当たることがたくさんありまして、本当に申しわけないことを私たちも平気でやっていたものだなと思いながら今お話を伺っていたわけです。
 どうしていいかわからないと、こういうふうにおっしゃいましたけれども、やっぱり実演家の権利保護に関して著作権法上の課題というのはまだそうするとたくさんあるということになろうかと思いますが、具体的に、今一つお話をいただきましたけれども、もう少し挙げていただけると大変ありがたいと思いますが。
#37
○参考人(小泉博君) 具体的に、人格権の保護という問題でございますね。
 これはやはり、そういう著作権法下におきましては、最初の出演時の契約でもって将来考えられるあらゆる利用についてのことを取り決めておくというのが一つの方法であろうということでございます。要するに、最初の契約をうんと大事にしろということだろうと思うんですけれども、しかし、まさかカラオケビデオなどというものが生まれてくるなどということは、十年も二十年も前に私どもは全く想像もしなかったところでございまして、そういう想像もしなかったような事態が起きたときには、事情変更の法則とか――私法律のことよく知りませんですけれども、裁判を起こして、そういうことをやってはいかぬと、そういうことを契約した覚えはないということで訴訟に持ち込むことでそれをやるということはできると思います。しかし、日本の芸能界の実情というものをお考えいただいたときに、私どもがそういう形で製作者と争うということが実演家にとってどんなに大変なことであるかということは、またおわかりいただけると思います。アメリカのように、組合の力をバックにしていろいろと取り決めを行っていくという、いわゆる契約精神、それからユニオンの思想というものが発達している国ならばまた結構なんですけれども、現在の日本では、まだまだそういう慣習ができていないというのが残念ながら実情でございます。何とかそういう形にいつかは我々も考えを改めて、きちんとした契約のもとにルールづくりをしていかなければならないというふうに考えております。
#38
○粕谷照美君 訴訟に持ち込む以外にないとおっしゃったけれども、訴訟に持ち込めばその次はもう仕事が来ないと、逆に言えばそういうおそれもないわけじゃありませんから大変難しい問題だということはよくわかりました。そうすると、何かの条件というものを整備しなければならないということが考えられますね。
 さて、その次にですけれども、複製機器などへの一律の賦課金を課した場合に、著作物の複製以外の目的で購入するものはどのように対処したらよろしいかという問題があろうかと思います。私などは全然レコードをテーピングするなんということはないわけでありますね。
 それともう一つは、芸団協に入っていらっしゃ
らないアウトサイダーがいるわけですけれども、そういう方々に対するこの配分というものは、一体どのようにお考えになっていらっしゃいますか。
#39
○参考人(小泉博君) 複製機器への賦課金の問題でございますけれども、私も、外国でその賦課金を徴収している団体が、それを複製には全く使っていない、例えば音楽の録音とか芸能の録画には使っていないんだということを証明した場合には、その分を割り戻すというふうに聞いております。そういう方法をとっているというふうに私は聞いております。ですから、それを証明できるかどうかという問題であろうかと思うんです。さもなければ、これは販売した時点で、そういう複製をする。おそれがあるというところで、その辺は法律上どういうふうにそこを踏み切るかという問題だろうと思います。ですから、そういう可能性に対しての一つの賦課ということを考えて、それがそういうものに使われるのではないということが証明されたときにはそれを戻すというふうに考えているのではなかろうかと思います、外国においてはですね。
 それからもう一つ、複製の賦課金に関しての御質問、どういう御質問でしたか、済みません、もう一度ちょっと伺わせていただきたいと思います。
#40
○粕谷照美君 著作物の複製以外の目的で機器を購入する、あるいはテープを購入するという方もいらっしゃるわけですね。一律にかけましたら、その人は大変、何というんですか心外な賦課金を課せられるということになるわけですが、その点についてどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
#41
○参考人(小泉博君) お答えします。
 その問題は、ですから今お話ししたように、絶対に複製しないんだということが証明された場合には、割り戻すということでございます。
 それから、あとはアウトサイダーの問題でございましたね。どうも失礼しました。
 芸団協に入っていないアウトサイダーにどういうふうに配分するかという問題でございますけれども、この賦課金というのは、個人に分配するお金ではないと思います。ということは、その芸能に参加した個人にどういうふうに分配していいのかという問題ではなかろうと思います。これはちょうど商業用レコードの二次使用料において、機会的失業部分というのがございます、それに対する補償という考え方が立法精神としてあるわけでございまして、その場合には、その部分は全体の芸能人のために使うというような形になっているわけですね。ですから、これは外国においてはどういうふうな配分をしているのか残念ながら正確に私知らないんですけれども、日本の場合には、そういうものが入ってきた場合には、これを個人個人に分配するということはまずできないのではないか。業界といいますか、我々芸能人のそういう団体でもってそれを全部の芸能人のために使う、あるいは芸能界の発展のために使うというような形でそれを使用することになるのではないかというふうに思います。
#42
○粕谷照美君 では、最後にもう一つお願いをいたします。
 去年、貸しレコード問題は決着したというふうに私どもは考えておりました。その使用料につきましても、お互いにきちんとお話し合いができて、いい感じで進んでいたなと、こう思ったんですが、つい先日新聞を見ましたら、レコード会社と貸レコード商業組合との間にやっぱり問題が起きて、訴訟が出ているようであります。そして、特定の新譜の貸与禁止の仮処分ということが裁判所に出されているわけですけれども、芸団協としては、一体この点をどのようにお考えになっておられますか。
#43
○参考人(小泉博君) レコード会社との間のトラブルに関しては、私どもの方としては、どういうふうに考えるかという意見はちょっと差し控えさせていただきたいと思います。
 我々芸能人の団体との間では、商業組合との間でのトラブルは全然起きておりません。
#44
○粕谷照美君 どうもありがとうございました。
#45
○山東昭子君 既に参考人の皆様方からいろいろポイントはお聞きいたしまして、もう本当に伺い尽くしたというふうな感じがするのでございますけれども、一部お伺いをしたいと思っております。
 まず、清水参考人にお伺いしたいのでございますけれども、先ほど、これからは技術者が六十万人ぐらい不足するであろうというようなことをおっしゃいましたけれども、情報化社会というもの、これからどんどん発展をしていくわけでございますけれども、また、それによって技術者になりたいという人たちも非常に多くなってくるだろうと思います。そういう意味で、技術者養成について、あるいは技術者自身について、こういうことを望みたいんだというようなことがございましたらお聞かせ願いたいと思います。
#46
○参考人(清水洋三君) 技術者が六十万人あるいは六十五万人不足する、これは非常にプログラムのソフトウェアといいますか、コンピューターの普及が広まりますと、ますます開きというのは大きくなりまして、ある論によりますと、アメリカではもう既に家庭の主婦であるとか、あるいは囚人等の人をプログラマーに教育しているというようなケースもありますし、また、一つの考え方では、人口全部がプログラマーになっても足りないんだというような説もあるくらいでございます。この場合に、現在、通産省を中心に、ただ単に人を、不足をほかの分野から移していくというんじゃなく、全体的にプログラマーが足りない、これを、情報化がますます進む中で、この需要をどう満たしていくかという観点から技術者教育の問題を取り上げなければいけないんじゃないか。それには先ほどちょっと触れましたように、いわゆるプログラムの生産性を高める、これは通産省を中心に進めておりますシグマ計画というように、つくるプログラムといいますか、プログラムを開発するソフトウエア・ツールというのがございまして、プログラムをつくるためのいろいろなソフトウエアのツールがございまして、それをみんなで共用できるようにやっていくという計画で生産性を上げる。
 それからもう一つは、技術者教育の面で、例えば今、共通一次試験と同じ人数くらいの二十万に近い人たちが、プログラムの情報処理技術者試験というものを受けておりますけれども、これが一つの標準になりまして、既に企業では技術者の養成の技術的な標準といいますか、基準をこの試験制度によって受かった人をそれによって認めるというようなことが慣習化されまして、かなり確立しております。
 そのほか技術者養成のものがございますけれども、もう一つ、今度は技術者の質を上げる。最も大切なことは、質を上げた人が一台のコンピューターのためにソフトウエアをつくっていたんでは、国家的にもその人の能力を生かすことができない。ですから、非常に優秀なプログラマーが、何万、何十万のコンピューターのために一つプログラムをつくると非常に助かるという状況がございまして、これが現在私どものソフトウエア・パッケージ、ですから、そういう意味で技術者をどのように活用するかということが一つ問題としてあろうかと思います。特に必要なことは、そのような優秀な技術者が、ただ単に専門家から出てくるだけではなくて、例えば大学の先生であるとか、あるいは非常に優秀な中学生とか高校生でも、大変ベストセラーになっているようなプログラムをつくっている人もありますから、そういう人たちの能力も十分に活用していく。現実に知り合いの方で、歌舞伎の横笛を吹いている非常に名人の方ですが、この人はパソコンに関しては非常に詳しいし、また普及の本もいいものを書いているし、プログラムも大変いいものです。こういうような方もまた活用していく必要がある。
 ですから全部をプログラマーに、必要人員だけ教育していくということだけではなくて、総合的に、国全体としてプログラムの生産性の向上を図
る、教育のそういうカリキュラムをきちっとしたものを立てる。それから今のように、優秀な人が多数の人のためにプログラムをつくり、また、それが権利を保護されて、そういう人たちがどんどんプログラムを書くという意欲が出るように制度的にバックアップをする。同時に、今計画されておりますような小学校から高校までのコンピューターの普及につきましては、非常に御理解を、特に文教委員会の皆様方には御理解をいただいて、コンピューターは新しい言語である、ですからひとつ国語を習うように学校でもそれを習うというような制度的なものがありまして、つまり、特殊としての、職業としてのプログラマーだけじゃなくて、国民の素養としてコンピューターを簡単に動かせる、またそのようにコンピューターも易しくなっておりますので、その中で解決していくという、総合的な情報化に対する技術者養成ということが各層において行われる必要があるのではないかというふうに考えております。
#47
○山東昭子君 ありがとうございました。
 次に、宮川参考人にお伺いしたいのでございますけれども、データベースといっても、株価情報、科学文献、いろいろなものがあると思いますけれども、とにかく膨大な情報を蓄積をしている中で、情報提供者というものが故意に誤った情報を流したり、それによって利用者が大きな損害をこうむるというようなケースもあると思うんですけれども、その間にあって情報提供者と協会、そしてその利用者、そうしたものの間ではトラブルみたいなものが過去においてあったのかどうか、そしてまた、どのように解決をされてきたのか、ちょっとその辺のところをお伺いしたいと思います。
#48
○参考人(宮川隆泰君) ただいまの山東先生の御質問でございますが、データベースの中に組み込まれておりますさまざまな情報の中に、万一瑕疵が、誤りがあった場合ですね、流通者はそれに対してどういう責任を負うか。また、それを知らずして利用した利用者に対してはどういう損害を償うべきかというような問題だと思うんですが、私どもの協会の方で聞いている限りでは、国内で、故意に誤った情報をデータベースを通して一般に流布をするというようなケースは、聞いたことはございません。それから、通常の契約の中に、万一もとのデータベースに欠陥があった場合に対する利用上あるいは流通上のどうすべきかという規定がある場合がございます。その場合には、最終的には、もしもとのデータベースの情報の中に誤りがあれば、それはプロデューサーが責任を負う。それから、流通のプロセスの中で、誤った情報が利用者に届けられた場合には流通者が責任を負うということかと思います。
 私が実際にぶつかりました事例を一つ申し上げますと、ある科学技術の実験を記述をいたしましたデータベースがございまして、そのデータベースが一般に利用可能となった後しばらくしましてからそのプロデューサーから通知がありまして、これこれこれこれのデータベースの中に入っているこういう情報の中に、文献の中に記載をされているところの実験をその条件のとおりにいたしますと、実験者が、場合によっては視力に障害が起こる可能性がないとは言えない、そういうことが最近わかったので、これこれこれこれの特定の文献の中にある実験をこのとおりに行わないように利用者に通達をしてほしいと、そういう御要請があったことがございました。その場合に、最終的にエンドユーザーが日本国のどこにおられるかということがわからないわけでございますから、私どもは、流通者の責任として、全国紙にそういう記事広告を載せまして、こういうデータベースを使ってこういう情報を使って実験をされる方があったら注意してほしいということを通知をした記憶がございます。
 そういうことがございますので、そういうデータベースの利用にかかわるいろいろなそういう問題点というものにつきましては、今後データベースの利用が広がるにつれまして、やっぱりいろいろと事前にそういうことを防ぐ措置をとっていかなきゃいけないのであろうと思います。私どもの協会の中で、今年度、業界のサービスにかかわる倫理綱領をお互いにつくって、こういうことは守っていこうじゃないか、こういうふうにしようじゃないかという綱領を今検討をしております。そういう形で、業界の方もお互いに注意をしながらそういうサービスを広げていきたいというふうに考えております。
#49
○山東昭子君 続いて山田参考人にお伺いいたします。
 現在、CATVでいろいろな番組を制作していらっしゃるわけでございますけれども、教育番組について、先ほど放送大学との提携みたいなことを、いろいろアイデアがあるとおっしゃっておられましたけれども、やはりCATVの特色というものを生かしたような、何か特別な教育番組みたいなものを現在お考えになっていらっしゃるのかどうか、それをちょっとお伺いしたいと思います。
#50
○参考人(山田武志君) 先ほどお答え申し上げました範囲が、今具体的に考えている範囲でございます。
 ただ、将来、例えば衛星等とのタイアップの問題が出てきますと、もっと幅の広い専門チャンネル的なものができてくる可能性があるということはありますので、むしろこれは外から受けるソフトということになろうかと思いますが、自社の場合にはなかなか、教育の問題は非常に難しい面がございますから、特に義務教育に関しては非常に慎重に取り組む必要があろうかと思いまして、これは教育委員会その他とよくお話し合いの上で進めなきゃいけないということで、その中で割り出したのが、これは三年ほどかかりましたけれども、先ほどの中学の問題でございます。現状ではそれと、あと、これから始めようとしています企業とタイアップしての技術教育の問題が当面取り組む問題と思っております。
#51
○山東昭子君 先ほど、大体十九時間放送していらっしゃるということでございましたけれども、視聴者ニーズの問題であるとか、あるいはスポンサーの問題であるとか、いろいろ問題はあるだろうと思うんですけれども、最も御苦労していらっしゃる点はどんな点なのか、伺いたいと思います。
#52
○参考人(山田武志君) 自主放送という面と考えてよろしゅうございますか、苦労しているという点は。
#53
○山東昭子君 はい、それで結構でございます。
#54
○参考人(山田武志君) やっぱり一番難しいことは、視聴者ニーズをいかにしてつかむかということであろうかと思います。特に我々の場合には、隣のおじさんであったり、親戚の人であったりというのが見ているわけでございますから、そういう非常に狭い地域の中で、人間関係を通しながらそのニーズをつかんでいくというあたりがCATVがやらなきゃいけないことであるだろうと思いますし、そのよさだろうと思っております。そんないろいろな手段を駆使して、何を視聴者が考えておられるのかというのをつかむのに一番苦労しております。そういう意味でも、CATVの場合は、経営者も社員も地元の者であるべきだというのが私の持論でございます。
 整いませんけれども、そのあたりが一番気を使っておる点でございます。
#55
○山東昭子君 最後に、小泉参考人にお伺いしたいと思います。
 現在、芸団協に所属をしている実演家の年収は、上は何億という人たちがいるんでしょうけれども、いわゆる本当に恵まれない実演家の方たちの年収は今どれくらいでございましょうか。
#56
○参考人(小泉博君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、芸団協は五年に一回ずつ芸能人の意識と生活実態調査というのを行っておりまして、それによりますと、芸団協に加盟している皆さんの年収を平均いたしますと、大体芸能生活二十年ぐらいの経歴の方が多いんですが、そして平均年齢が四十六歳ぐらいで、これは昭和五十九年の調査ですけれども、三百二十三
万円というのが平均でございました。これはその個人の収入でありまして、世帯の平均になりますと、それからまた大分上がるんですけれども。ということは、やっぱり奥さんなり何なりが共稼ぎをしているケースが非常に多いということがそこに浮き彫りにされているのじゃないかと思います。また、平均年収二百万円以下という、そういう部分が非常に多いということでございますね。二百万円以下の人が四〇%占めているという結果も出ておりました。
 これは芸能という一つの性格上、上から下まで非常に大きな格差があるというのはある程度やむを得ないことなのかもしれませんけれども、しかし、芸能というのは、トップだけで存在することはまず不可能でありまして、やっぱりそれを支える非常に大きなすそ野の部分というのがなければそのトップはあり得ないというふうに思いますので、幅広く広がったすそ野の部分を、その生活や何かをどう守っていくかというのは、芸団協としては非常に大きなテーマではなかろうかと思っております。
#57
○山東昭子君 そういう意味で、なかなか実演家の意識というもうものがいろいろ格差があって、それをおまとめになるというのは大変御苦労なことであろうと思いますけれども、先ほど外国の団体との交流があるということをおっしゃいましたけれども、具体的に、どのような問題について話し合っておられるのか、それを伺って終わりたいと思います。
#58
○参考人(小泉博君) 一番端的な例で申し上げますと、先ほどお話ししました商業用レコードの二次使用料、これは隣接権条約に入りますと外国の実演家にもそれをお渡ししなきゃならないということになるわけです。この場合に、隣接権条約に入った場合に、お互いの国同士でその徴収したお金をそれぞれの国にとどめて、その国の実演家のために使ってもよろしい、あるいはその国から実演家が訪ねてきたときの便宜のために使うとかというような取り決めがございまして、これを我々の間では簡単に二国間の双務協定というふうに言っておりますけれども、これも一つの形ではなくて、一部分は送らなくてはいけないとかといういろいろな形があるんですけれども、芸団協はそういうような取り決めを、隣接権条約に入ったときに備えて、今、ヨーロッパで七カ国、それから南米の方で六カ国、合計十三カ国とそのあれを結んでおります。これは、その国々の徴収団体と、現地に参りましてそういう協定を結んできたということでございます。
 そのほかに、実演家のいろいろ保護の問題についての情報の交換などを行っているんですが、そういう問題も含めて非常に交流が活発になってまいりました。例えば大きな音楽家の組織でFIMという組織がございます。また、FIAという俳優組織がございます。アクターでございまして、FIAと、それからFIMという音楽家の組織がございます。これに芸団協がそれぞれ、FIMの方には芸団協傘下の音楽家ユニオンが密接な交流を持っております。それからFIAの方には日本俳優連合という俳優の団体の方が加盟しているというようなことで、これが世界的にあちこちで会合を開くときにはそれに代表を送って参加するというようなことで、その国々の実演家に対するいろいろな問題点を情報交換を行っているというようなことがございます。
 それから芸団協としまして、EC共同体で、これは我々としては非常にうらやましいことなんですが、実演家の権利ということについて、ベルギーのある法学博士にそれについての研究を委託しまして、ECの実演家の保護に関する共同体法案というようなものをこしらえたわけでございます。その翻訳を、私たちがその教授と相談いたしまして、ぜひ出版させてほしいということで、芸団協の方でその本を出版している。これはやっぱりECというのがそうやって自分たちの地域の中の実演家を、お金を出してそういう研究をさして、どうやってその権利を守っていったらいいのかというようなことをやっているということは非常にすばらしいことだなというふうに思います。そういうような交流もしているわけでございます。
#59
○山東昭子君 ありがとうございました。
#60
○高桑栄松君 私は、私に近い席の方から先に質問をさせていただきたいと思います。
 小泉参考人からいろいろお話を承って、なるほどと思うことがいっぱいございました。しかし、いろいろ伺っているときに考えましたのは、法案と関係ないことを伺うんですけれども、要するに、実演家の皆さんの福祉ということがすべての原点にあるのだろうと、こう思って伺うんですが、芸団協というのはユニオンではないわけですわね。私、よく知らないんですが、この間プロ野球のところでユニオンができていろんな物議が若干あったようでありますが、芸能の団体の傘下では、ユニオンはあるんですか、いかがでしょう。
#61
○参考人(小泉博君) はい、ございます。日本音楽家ユニオンというのがございまして、これは労働組合でございます。
#62
○高桑栄松君 そうすると、年金やなんか、それから災害補償等々は、音楽だけだったら困るんでしょうが、お芝居だとか、そういうのもみんなユニオンがあっての話でしょうか、どうでしょうか。今災害補償なんかの話も出ましたね、それから年金とか。
#63
○参考人(小泉博君) そういう問題は、別にユニオンという形ではなくても、我々団体として十分取り組んでいける問題というふうに考えております。
 例えば俳優の場合ですと、歌舞伎の方は社団法人日本俳優協会、それからマスコミの方ですと、事業協同組合の日本俳優連合というのがございまして、これはやっぱりきちんとしたそういう事業協同組合でございますから、マスコミに関係する問題については、その企業主なりあるいは事業家ときちんとテーブルに着いて話を詰めるということが可能なわけでございます。ついせんだっても、俳優連合としましては、ある放送局で出演俳優が仕事中に足をけがしたんですけれども、補償が本当の涙金にすぎないということで、その問題を取り上げまして、額を約倍ぐらいに増額したという実績もございます。
 そんなようなことで、特にユニオンという、労働組合でなくても交渉団体としてそういう力を発揮しているところもたくさんございますし、また、例えば演芸家の皆さんというのは非常に結束が固くて、何か問題が起きますと、仲間内できちんと、非常にうまく解決をしているというような例もあるようでございます。
#64
○高桑栄松君 それでは、法律関係のことなんですが、双方向通信サービスというのがこれから非常に盛んになるだろう、発達する一つの大きな分野だと思うんですけれども、そうすると、商業用のレコードなどがどんどんこれにも使われていくということで、二次使用料というのはCATVまでは拡大されたが双方向通信サービスは今入っていないようでございますが、芸団協としては、これが払われた方がいいんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
#65
○参考人(小泉博君) もちろん払っていただくようになるのがありがたいんでございますけれども、ただ、今度の改正案でやっと有線送信という概念ができまして、その有線送信を業とする者が双方向の、要するにニューメディアというものを駆使して双方向のサービスができるという状態ができるんだと思います。現在は、まだ有線送信を業とする者という一つの位置づけが著作権法上なされておりませんので、それがされた時点で今回の有線放送業者と同じように権利を獲得すると同時に、そこに義務が生ずるという形で、有線送信を業とする者から二次使用料を払っていただくというような形になるのではないかと思います。
 当然、双方向のそういうサービスの中で、リクエストに応じて商業用のレコードが使われるというケースはたくさんあるというふうに考えられるわけでございますから、本当はその部分をあらかじめ考えて、今やっておいていただいてもよかっ
たんじゃないかと思うんですけれども、ただ法的な地位がまだ決まっていないので、やっぱりちょっと義務だけ課すわけにはいかないということだろうと思いまして、我々としては納得しているところでございます。
#66
○高桑栄松君 そうですね。せっかく「有線」というのだから、お金がある「有銭」の方がいいんじゃないかと思ったわけであります。
 それでは次に、山田参考人にちょっと伺いたいと思います。
 私の所属はこの文教委員会でございまして、教育放送については何人かの委員の方から御質問があって、私も大変関心が深くて、なるほどと思って興味を持って伺いましたが、普通ですと、視聴率というのが非常に問題になるわけで、視聴率を追ってスポンサーがつくとかつかぬとかどうとかあるわけですが、有線の場合には、視聴率は関係なくやれるということかどうか。
 それから、教育放送というものはためになると思ってやっておられるわけだけれども、視聴率はどうなんだろうかということがちょっと気になったんですけれども、いかがでしょうか。
#67
○参考人(山田武志君) もちろん視聴率は極めて重要なことでありますけれども、私どもは、例えばNHKさんや民放さんがおっしゃるような視聴率は、若干感覚の違う受けとめをいたしております。というのは、非常に限られた地域内の人たちに見ていただくという意味で、したがいまして、極端な例を申し上げますと、例えば選挙の開票速報などをいたしますと、多分一五〇%ぐらいの視聴率になると思います。これは完全に地域を押さえます。私どもが当確も決めますし、そういう形で地域内のことをいたしますから。
 また、昨日までありました、地域で御柱という大きな、七年に一遍のお祭りがあったわけでございますが、ビデオ・リサーチの調査を正式にしていただきましたところ、四月の第一回が八九%、二回目が九八%、昨日までの数字が――昨日のはまだ出ておりません、そのしばらく前にやりましたのが九二%というような数字が出てまいりました。これは一般的な概念からいうと大変おかしなふうにお受けとめかもしれませんが、地域放送においてはこれはあり得るわけでございます。つまり、土地の人たちのニーズにぴったり合ったものをやれば必ずそのくらいは上がるというふうな確信をある程度持っております。
 それから、教育放送との関連は、実は大変難しゅうございます。二年ほどやってまいりましたが、これがどういう受けとめであるかということは、いわゆる送りっぱなしの放送では非常につかみにくい、その辺の問題が発生してまいりまして、先ほど申し上げたようなスクーリングとか、そういう一つの反応を見る意味でもそういうことが必要であろうというふうなことを考えておりますが、これには公の力を相当かりませんと、私どもがそういうことまで入っていくのはやや行き過ぎかなという感じもいたしております。
 その辺のところであります。
#68
○高桑栄松君 もう一つ大変関心がありましたのは、私は予防医学をやっているものですから、水質管理とか水道水の管理の話をさっきされましたね。なかなかおもしろいアイデアだなと思ったんですが、現実的に管理といっても、水質検査ができるんじゃなくて、何か、見てわかる範囲での管理なのかなと思ったのが一つですね。
 もう一つは、そういう場合には、公の事業だから市なり可なりの自治体がスポンサーになってというか、やってくれるんでしょうか。いかがでしょう。
#69
○参考人(山田武志君) 水の管理の問題につきましては、ちょっと簡単にさっき申し上げました。現在二つやっております。
 一つは、集中検針でございます。検針員が歩かなくても検針ができていく、市役所の水道部の机の上でのコンピューターで全部感知ができるということでございます。現在まだ約四百ぐらいの端末と双方向で結びまして、岡谷市の中心地帯でやっております。申しおくれました、これは岡谷市とのタイアップでございます。
 それからもう一つは、水源地の水の管理でございます。これは遠隔管理という遠隔制御の形をとりまして、相当長距離に離れてあります水源の池あるいは井戸の水の量を感知する、あるいはそれに伴ういろいろの諸動作をリモートコントロールする、市役所の水道の机の上で現地へ行かずにバルブがひねれたり消毒液が落とせたりする形をしようということで、これはもう既に一カ所完全に実施に入っております。現在岡谷市に十八水源がございますが、岡谷市としては、近い将来十八水源全部これを実施したいという考えを持っておりますが、大分お金がかかりますから一遍にはできないかと思いますが、そんなことをいたしております。
#70
○高桑栄松君 もう一つは、CATV事業者が行っている権利処理について、権利処理の方法ですね、再放送とか自主放送とか番組提供とか何かいろいろあるようですが、それの種類別で何かいろいろあるんじゃないかと思うので、簡単に説明していただきたいと思うことが一つですね。
 その中で、特に自主放送に重点を置いておられることを先ほどから伺っておりますが、自主放送については、権利処理に絡んで何を望むかというか、期待するか、放送側としまして。そんなことを伺いたいと思います。
#71
○参考人(山田武志君) 現在の著作権処理の問題につきましては、既に我々の連盟が、任意団体の時代から権利団体との交渉をいたしまして、現在六団体、正確に申しますと六団体のうちの五団体と一括処理の形で著作権料をお支払いをいたしております。放送作家組合、放作組と申しておりますが、窓口で年間の利用料収入に対する一定率を掛けましてこのお支払いをいたしております。それからもう一団体のJASRACに対しましては、最近一つの原則が決まりまして、これはこれで処理が行われるようになりまして、既に動き出しております。
 なお、その上にいろいろ出てまいります二次使用の問題に関しましては、現在まだ交渉中の部分が相当ございます。我々としては、せっかくの御質問でございますからお答えいたしますと、どうしても権利団体の場合のお考えとしては、当然かもしれませんが、従来の民放さんに対するような姿勢でかかってこられるわけで、CATVとしては大変な弱小な企業でございますから、言うなれば、一、二のものを除いては零細企業でございます。これは一つの別個の何らかの原則がしていただけないであろうかということを申し上げているわけですが、これは経済条件の問題ですから簡単にいくことでないんで、少し息の長い交渉をしながら進めなければいけないと思いますが、できましたら何かその辺にいい原則が生まれてくればありがたいというふうに考えておりまして、できれば、CATVを大規模化するためにもそういう小規模のものが生きていかれる、しかも豊富な情報が使えるという方向は何かできないであろうかというのが私どもの願いでございます。
#72
○高桑栄松君 それではもう一つ伺いたいんですが、今度の改正で、CATV事業者には放送事業者並みの権利が与えられるようになった。ただ異なる部分としては、強制許諾制度というのが適用されないんですかね。これについては、CATV事業者としてはどんなふうにお考えになりますか。
#73
○参考人(山田武志君) これは、実は著作権の問題私は余り詳しくないんで、細部につきますと少々怪しくなりますが、まだ、私の受けとめとしては、これはあくまで初めてCATVが著作権に関して市民権を与えられたというふうに、隣接権の問題で考えているわけでございます。したがって、これからこの問題はもう延々と続く問題であろうと思いますし、多分その長い道のりの中で、今おっしゃるような問題もしばしば議論になっていくことであろうと。初めて今緒についた、私どもが初めて小学校へ上がったというぐらいに感じておりますので、これからもいろいろむしろ御指導をいただきたいと思います。
#74
○高桑栄松君 それでは次に、宮川参考人にお願いいたします。
 私がいただいた資料の中で、我が国のデータベースの売り上げの年次別変動というので、アメリカとヨーロッパと日本と比べますと、アメリカはもう――縦軸と横軸の取り方ですが、非常に急激に伸びている。ヨーロッパがこれくらい。日本は縦軸、横軸関係ないんですわね、結局平らなんだから。まあホリゾンタルですよね。やや上昇なんですね。それは一体どういうことなんだろうかということが私は気になったんですけれどもね。
 一つは、我が国自身のデータベース開発がおくれている。つまり、アメリカが非常に進んでいるので、それに伴う売り上げがどんどんふえているんじゃないか、これが一つ考えられるんです。もう一つは、これは先ほど来学術関係が非常にデータベースを利用しているというお話がありまして、私も大学におりましたころに、なるほどこれは便利なものだと、図書館に行くよりこっちだと思ったわけです。しかし、電話料が高くて、うかうかしているとあっと思う間にこちら側が破産をする。だから余り使えないというんで、私は、電話料が高いということがデータベースの利用が――地方の人間ですよ、東京は三分間十円だからいいでしょうけれども北海道ですと、三分間で四百円ぐらい取られますからね。大変なんですよ。打ち間違ってやり直したら改めて払い直しというようなことになります。これはアメリカへ行くと非常に電話料が安いですね。ですからこの違いが大きいんじゃないかと思うんですよ。どう思われますか。
#75
○参考人(宮川隆泰君) 御質問に二つの部分がございますので、まず最初に、我が国のデータベース産業の規模及び成長率に関するものでございますが、通商産業省で特定サービス産業実態調査報告書というものを毎年発表しておられまして、現在、一番新しいものは昭和五十九年度でございますが、昭和五十九年度のこの調査によりますと、データベースサービスの国内における売上高は九百六十五億五千四百万円、こういうことでございます。これは大体米国の五分の一、それからヨーロッパは、ヨーロッパを足した全体の三分の一なんですが、個別の国をとりますと、イギリス、フランス、ドイツという順番なんですが、イギリスより日本の方が多いということですから、日本は世界で二番目の規模であるということでございます。
 アメリカは一九六〇年代の中ごろからこういうことを始めておりますので、我が国は、先ほど申しましたように、昭和五十一年が日本科学技術情報センターが特定回線のサービスを開始した一番最初の年でございます。十数年のおくれがございますので、ほかの一般の産業でもそうでございますけれども、産業のスタートがそれだけ開きがございますと、技術的あるいは制度的な基盤も弱くなっておりますので、日米格差五対一ぐらいのところは現状では非常に歴然としてあるということでございます。
 ただ、その成長率は非常に日本のデータベース産業は高こうございまして、昭和五十四年度から五十九年度までの先ほどの通商産業省の特定サービス産業実態調査報告書によりますと、年平均の売上高の成長率は二五・一%であります。これは情報サービス産業全体が一八・四%、それからソフトウエア産業が二三・九%――同じ年次でございますけれども、その中では一番高いということでございますから、今後次第にサービスの形態が、種類がふえて、それからマーケットが広がってきつつありますので、これは大きくなるんじゃないかというふうに考えております。
 日本のデータベースサービスがおくれているか、進んでいるかということですが、世界的に見ると、ヨーロッパ全体よりは小さいですけれども、一つの国をとってみまずと、西ドイツなんかよりはややこちらの方が太さいということがございますので、主として米国との比較になりますけれども、私ども全体として見ておりますと、約一千億円の売上高の七五%は東京を中心にした首都圏に集中しております。ちょっと正確な数字は、必要なら後でお届けいたしますが、そんなものです。それで、全体の二五%が大阪を含めたそれ以外の地域ということでございまして、非常に地域格差の大きいのが現状である。したがって、今地方の時代ということでございまして、地方でもいろんな形でのこういう振興措置をとっておられますし、関心も非常に高こうございますから、これが地方に広がっていくというその地理的な広がりが一つと、それから今専門的な情報が中心ですが、これがさらに汎用的、家庭的なそういう一般的な情報までデータベース化されれば、これはもっと広がっていくのではないかというふうに考えております。
 アメリカの中で非常にパソコンのユーザーが高こうございまして、そのシェアが大きいのも日本と違う分野でありまして、これから日本は急速にその方へ伸びていくだろうと思いますけれども、そういう汎用的な個人あるいは家庭の主婦まで使えるようなデータベースをつくるということは、またこれはちょっと別の問題でありまして、なかなか難しい問題ですけれども、そういうものができていけばだんだんそうなっていくだろうというふうに考えております。
 それから、電話料の問題でございますけれども、これは確かに米国等と比べますと、電話の料金は、我が国ではまだ高いということでございますけれども、しかし、データベースサービスに関する限り、データベース利用料金の遠近格差というのはかなりここのところ縮まっておりますし、特に、データベースの流通業者がそれぞれの地方にローカルノード、地方の接続窓口を設置いたしておりまして、例えば北海道の利用者は主として札幌市内利用、それから九州は福岡あるいは熊本という形で、地方の中心までつなげば後は利用できる、そういうふうに、最近、ここのところ数年で非常に広がっておりますので、遠距離の利用者が東京のセンターまでわざわざ電話をおつなぎになるということは、昔はそうでございましたけれども、現在はもう解消していると思います。
 以上でございます。
#76
○高桑栄松君 ちょっと、昔と今のお話になっちゃったんですけれども、例えば端末が札幌にあると、これは私もよく承知していますけれども、そうすると、札幌と東京の間はフリーなんですか。ただなんですか。それとも、それはやっぱり払うことになるんでしょうか。どうなっていますかね。
#77
○参考人(宮川隆泰君) お答えいたします。
 札幌と東京の間は、サービスのシステムによって違いますけれども、大部分の現在のサービスでは流通業者が負担をしております。
#78
○高桑栄松君 わかりました。
 多分流通業者というのは、ユーザーにとにかくツケが回ることなんでしょうからね、いずれそうなっているわけでございましょうが…。
 もう一つ、この前の参考人のお話をここで出すのは恐縮なんですけれども、最初にちょっと申し上げたデータベースの我が国の開発のおくれなんですね。もう一つ意見をちょっと申し上げさせていただきますと、英国と日本がとおっしゃるけれども、それは人口が違うんですね。アメリカと日本が五分の一といっても、人口はアメリカが倍近いんだから、ですから人口当たりの利用率になると、日本とアメリカは三分の一ぐらい、三対一ぐらいかもしれません。イギリスは、人口は忘れましたが、半分ぐらいとすればやっぱり半分なわけですから、私の理解では日本はやっぱりおくれているんじゃないかなという、人口割で考える必要があると思うんです。それが一つなんですが、それよりもやっぱり問題になっているのは、開発をされたものについては、まねはできないということで、アメリカなんかで開発されたものはもう手がつけられない。パテント料を払わなければだめだという形になってしまうので、これからは開発をしたところはどんどん太っていく。日本はいつでも支払い側に回る。貿易黒字なんて言っていられないんじゃないかということがあるんで、そん
な意見を申し上げたら、まことにそうだというお返事だったんですよね。
 そこで伺いたいのは、日本の開発のおくれを追いつくには何か方法があるんだろうかということで、開発推進策についてちょっと伺いたいと思います。
#79
○参考人(宮川隆泰君) お答え申し上げます。
 開発推進策を申し上げる前に、日本の現在のデータベース、先ほど二百ほどと申し上げましたが、なおそれ以外にもいろんなものがあるわけでございまして、それに対する海外からの問い合わせといいますか、日本のそういうデータベースをもっと使いたいという要求は最近非常に強くなっております。我が国は、ありとあらゆるものを世界に輸出をしていろいろと言われておるんですが、ただ一つ、もっと輸出をしろ、おまえたちは輸入が多過ぎるといってしかられているのはこれは学術情報、科学技術情報、産業情報でありまして、もっとそれを出してくださいということをアメリカあたりでも言いますし、ヨーロッパでも、特にアジア近隣地域の諸国がそういうことを言っております。もっと輸出をしなさいと言われているものが情報なんです。ですからそういう意味では、我々は、日本の国内で発生したさまざまなデータをデータベースに組み上げて外国で利用できるようにする責任はあるなというふうに考えております。
 それから、そういうことをするためのいわば今後の振興策としてどういうものがあるかということですが、まず第一に、先ほど申しましたように、データベースを構築をいたしますには、非常に長期の長い時間とそれから大きな費用がかかるわけでして、データベースをつくりますのは、公的機関、それから民間企業、それから一部大学というようなことになっておりますが、できるだけそのような長期的な視野に立ったデータベースの構築に対する政府からの助成というものがやっぱり必要ではなかろうか、それがまず第一点であります。
 それから第二点は、我々がデータベースを国内でサービスをいたしますときにいつも感じますことは、車の販売に例えますと、ちょうど私どもは、車を販売すると同時に運転教習所もやっているわけですね。データベースというのはどういうものであるか、これはどうやって使うのか、端末はどうなっているのか、どうやってつないだらいいのか、中身はどうなっているのかということまで教えながらやっているわけです。これは非常に公共的なサービスの部分でありまして、運転教習所をやりながら車のディーラーが車を売っているというようなことになっているわけです、今現に。ですから、そういう意味では、こういう周辺のいろいろな産業基盤といいますか、サービス基盤といいますか、社会的なインフラストラクチャーといいますか、そういうものはやはり民間の業者の利益があればやっていいよ、そうでなければやらないよという形でやりますと、どうしてもおくれがちであるというのが第二点ですね。ですから、そういう面における振興助成というのが必要なんじゃないか。
 それから三番目は、さっき申しました地方の問題でありまして、やはり地方に対する、要するに地方のデータベース、あるいは地方でのデータベースの利用という、あるいは地方での利用のノーハウの蓄積ですね。地方へ参りますと、非常に関心は高いんですけれどもなかなか使わないということがあります。
 それから四番目は、やっぱりそれをやる人材の育成が非常に大事でございまして、先ほどのソフトウエアのエンジニア、システムエンジニアの不足の問題も出ておりましたけれども、データベースを利用する人材の養成ということは非常に大事なことだと思います。特に大学では、私ども昔大学の教育を受けましたけれども、こういう情報科学であるとか図書館学であるとかデータベースの利用なんということは全然教わったことがないわけですね。現在でもそれほど変わっていないように思います。毎年入ってこられる新しい学生さんを見ますとですね。やはり社会へ出られてから初めてこういうものを使うような形になっておりますので、こういう新しい情報の科学といいますか、これの利用の仕方といいますか、そういうものも、教育の面でも抜本的に考えてやっていただく必要があるんじゃないか。
 それから最後に、日本のデータベースの数が少ない理由の一つに、公的なデータベースの民間に対する利用の促進というか、そういう面をぜひひとつお願いをしたいなと思っております。先ほど日本の国内で利用可能なデータベースの数約二百と申しました。そのうち公的機関のものが約四十であります。ところが、我が国の各省庁、公機関及び省庁のつくっておられますデータベースの数が約千七百ほどあるというふうに伺っております。そのうち、民間等へいろいろな、これはお国のデータベース、各省庁のデータベースというのはそれぞれの行政の目的に従ってつくっておられますので、そのとおりにその目的に従ってお使いになればよろしいわけでありますけれども、内容的に見て、あるいはプライバシー等の保護が十分に行われるということを前提にして民間等へ提供できるファイルの数は約三百ほどあるというふうに、私どもの調査ではそういう数字がございまして、さっき申しましたように、公的データベースで現に商業的に流通しているものは約四十であります。三十九なんですけれども。ですから、そういう意味ではいろんな制度や手続を整備をしていただいて、そのような公的機関のデータベースで、かつ簡単に利用でき、流通できるようなものについてはそういう促進を図っていただきたいというふうに考えます。これはやっぱり外国に比べて日本は非常におくれている点の一つであります。
 以上です。
#80
○高桑栄松君 どうも時間が少しなくなってしまいましたが、清水参考人に、できれば二つと思っておりますけれども、お願したいと思っております。
 先ほど、プログラムというのは盗もうと思えば盗めると、どうしようもないようなお話でございました。確かに日本の教育は集団指向教育で、人がやっているんだからおれもやらなきゃ損だというふうなことがあるんだろうと思うんです。私がいつも主張しておりますのは個の確立と申しましてね、個というもの、自分の考えがしっかりしていれば、人がやったってやらくてもいい。私はいけないと思うんだという教育が日本には欠けている。いや、これは御意見承るんじゃなくて私の意見を述べさせていただいたのでございますが、そうだろうと。モラルエデュケーションというのは大事だと思うんです。このプログラムだけじゃありません。
 そこで、年間登録件数、先ほどのだと何か数千件見込んでおられるということでしたが、現実には数件だか数十件でしょう、毎年。現実の登録の制度で行っておられるのは非常に少ない。私はこれは、開発された人たちの著作権思想が欠如しているんじゃないかということが一つあります。
 もう一つは、プログラムの保護期間は、まあ五十年と考えておられるようですが、フランスでは二十五年。こんなに日進月歩の激しい世界の仕事ですから、五十年というのは長過ぎやせぬのかなと思うんですが、いかがでしょうか。これだけお伺いしたいと思います。
 以上です。
#81
○参考人(清水洋三君) 確かに教育の問題といいますか、先生のおっしゃるとおり、個人がしっかりしているということであればそういうものは守られるということは確かでございます。
 登録が数千件という話があるけれども数十件というのは、現実の著作権法のものでございまして、プログラムではございませんので、これはまた別な考えによると。それからまた、一つには、我々としては非常に、ほかの著作物と違ってもう既に無数の侵害を受けておりますので、これがもし成立すれば来年登録ということになると思いますので、いささか違うんじゃないかというふうに
考えております。それは、まだプログラムというものの権利意識が、先生のおっしゃるとおりなかなか浸透していない。これは先ほどの教育の問題のように、人がやっていれば自分もやってもいいじゃないかというような考え方が残念ながら日本の中にありますし、また、教育として、そういうものを特別に重要視しているところがございませんので、確かにその点で、初めは少ない件数かもしれませんけれども、これはいやと応とにかかわらず、権利の確立というものは、先ほどの、データベースの情報を海外に提供すると同時に、やはりソフトやプログラム、知的生産物を出していかなきゃいかぬ、また、取り入れていかなきゃいかぬということに対する、制度的に我々がやらなきゃならないことで、むしろそういうものがない、あるいは制度的に著作権がきちっと守られているということの安心がないと、非常に外国からのものも入りにくいし、そういったところには向こうも売ってこない。現実に、アメリカのソフトウエアハウスとの法的なトラブルも現実にございます。そういった面も含めまして、むしろこれは権利の目覚めといいますか、そういうものと同時に、やはり登録制度を拡充していかなきゃいけない。また、そういう制度をつくりまして、確立のために役立てるという考え方が必要かと思います。
 それから、先生の御指摘のように、非常に激しい進歩の中で五十年というような――アメリカは七十五年でございますけれども、そのような長い著作権はなじまないということは、これは私どもも数年前から主張してきたことでございますが、著作権という枠の中で、やむを得ず五十年ということになったわけでございます。国際的な関係もございましてそうなりましたけれども、これは非常になじまないということは言えると思いますし、プログラムの製作者は、これだけコンピューターが普及してまいりますと、権利者であると同時にそのプログラムのユーザーであるわけです。ですから、ユーザーはまた同時にプログラムの作成者である。ですから、パソコン一台持っている少年が非常にすぐれたプログラムをつくることもできれば、我々ソフトウエアを製作する者もまた別なソフトウエアを使って製作するという、ソフトウエアの使用者であると、こういうところから言いまして、権利を必要以上に独占するということは進歩を妨げるし、ユーザーとしても迷惑ですし、開発者としても迷惑である。こういった観点から、これは恐らくアメリカの内部でも、我々のソフトウエアの同業者の仲間に聞きますと、五十年あるいは七十五年というのは大変長過ぎると。これはWIPOとか国際的な機関もございまして、ここにおいても恐らく議論されている問題ではございますけれども、まず国際的な協調ということが中心になりましてやむを得ませんが、恐らくこれに対する改正というものは国際的にも起こってくるでしょうし、国内的にもそういった問題は論議されなければならないというふうに考えております。
#82
○高桑栄松君 ありがとうございました。
#83
○吉川春子君 四人の参考人の皆さん御苦労さまでございます。
 私に与えられている時間が大変短いので、全員の方に御質問したいんですけれどもできませんので、御了承いただきたいと思います。
 まず、宮川参考人にお伺いいたしますが、米国のケミカル・アブストラクト・サービスが計画している世界的な国際情報サービスネットワーク、STNについて、あなたの協会ではSTN研究会を設けて動向の把握に努めているというふうに聞いておりますけれども、この国際科学技術情報ネットワークが日本にどういう影響を与えるのか。あるいは、あなたの協会ではどういう対策をとられておられるのか。その点がわかりましたらお答えいただきたいと思います。
#84
○参考人(宮川隆泰君) お答え申し上げます。
 今、吉川先生の御指摘のありましたSTNというのは、サイエンス・アンド・テクノロジー・インフォメーション・ネットワーク・インターナショナルというものでございまして、起こりは、アメリカのオハイオ州コロンバスにございますケミカル・アブストラクト、これは化学のデータベースでございまして、化学抄録といいまして、一九〇七年から二次情報の製作を始めた、世界でも一番古い文献情報のデータベースでございます。これがアメリカ化学会、アメリカン・ケミカル・ソサエティーの別働隊になっておりまして、ケミカル・アブストラクト・サービス、CASということで、最初は非常に膨大な索引誌、インデックス誌、それから現在はデータベースのサービスをやっております世界で指折りのデータベースの一つでございます。このケミカル・アブストラクトとそれから西ドイツのドイツ連邦共和国のカールスルーエにFIZ・4、これはドイツ語でファッハ・インフォルマツェオンス・ツェントラル・フィーアという第四専門情報センターというものがございます。ドイツ連邦共和国では、それぞれの学術及び専門情報を約二十の専門情報センターに分けて集中をしておりまして、カールスルーエのFIZ・4といいますのは、第四センターは、物理学、数学、電気、原子力、そういうセンターであります。このFIZ・4とケミカル・アブストラクトが協定を結びまして、相互にデータベースの利用と提供をし合おうということでございまして、我が国にも呼びかけが数年前にございまして、日本科学技術情報センターが今交渉をしているということでございます。
 この計画は二面ありまして、一つは、国際的なオンラインのネットワークができるという面と、それからもう一つは、国際的な情報のいわば流通をある特定のネットワークに制限をされるおそれがあるのではないかという問題がございまして、我が国が国際的な情報の、そういう大きなネットワークに連なるということは、それ自体としては、総論としてはメリットがあると思うんですけれども、一方、そういう情報の流通のネットワークが一般のユーザー、最終的には日本国内のユーザーやあるいは日本国内のデータベースのサービスの事業者に何らかの影響を与えるということであればこれは好ましいことではありませんので、一昨年からSTN研究会というものをつくりまして、その状況のフォローをやったり専門家を呼んでいろいろ問題を検討している。ただ、状況はまだ流動的でございまして、最終的にそういうサービスが始まっているわけではございませんので、もうちょっと様子を見たいということでございます。
 なお、これにつきましては、ヨーロッパ域内でもいろいろな意見がありまして、ドイツ連邦共和国の中、あるいはフランスの中でもいろいろな意見がありますので、私どもは最終的にはやっぱり日本の国内の利用者と、それから日本のデータベースサービス業者の立場というものと、それから日本のいわば学術情報交流における国際的な地位と役割というものを勘案をして、こういうものに対する態度を最終的に決めていきたいなと思っております。優等生的な議論になりましたけれども、最終的にいいか悪いかということまではまだちょっとはっきり判断がつかないということでございます。
#85
○吉川春子君 続けて宮川参考人にお伺いいたしますが、プライバシー保護の法律の必要性について、先週の当委員会で、早急に行われることが望ましいと参考人の方が述べておられました。個人に関する情報もかなり集められ、データベースとして利用されていますけれども、業界としては、プライバシーの侵害にならないようにするなどの自主規制的なことが行われているのかどうか。それとも、価値あるデータベースであれば、たとえどのようなものでも収集して利用に供するという立場なのか。その辺、ちょっとお考えをお聞かせください。
#86
○参考人(宮川隆泰君) ただいまの御質問にお答えを申し上げます。
 データベースのサービスを行う場合に、やはりプライバシーの保護をするというようなことは基本的な問題だというふうに私どもは考えておりま
して、現在、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、倫理綱領を作成をする委員会を協会の中に設置をいたしました。この倫理綱領は、業界のいろんなデータベースサービス、これは情報サービスでございますので、これを国内及び国外に販売あるいは購買をしていく場合に、どういう契約約定を、原則としてどういうことを考えたらいいのか、それに基づいてどういう契約やあるいは提供したらいいのかということを原則的にいろいろ議論をして、お互いに守っていこうじゃないかということでございまして、その中に、プライバシーの保護ということについてもお互いに申し合わせをして、そういうことの侵害のないようにしていこうじゃないかという議論をしておるところでございまして、私どもとしては、プライバシーの保護というものは、基本的なサービスのいわば前提でございますので、ぜひ守っていきたいというふうに考えております。
#87
○吉川春子君 それとの関係で、文献データの場合に、文献や論文の著作者に対して許諾を得るという問題があると思うんですけれども、それはどういうふうにやられているんでしょうか。例えば、雑誌に載った論文が要約されてデータベースとして利用される場合に、作者の意思に反する要約に対する保護とか、あるいはデータベースに載せたくないというような、そういう意思を持っている場合に、守られる方法はあるんでしょうか。
#88
○参考人(宮川隆泰君) ただいまの問題は、幾つかの問題を含んでいると思います。
 学術的あるいはその他の文献データベースをつくりますときの原著作者とそれからデータベースの著作者との関係であろうと思いますが、これは、基本的にはやはり原著作者の許諾を得てデータベースに入れるというのが原則であろうと思いますので、今後、著作権法でデータベースの著作物としての地位が確定されれば、そのような手続に従ってデータベースはつくっていくということになっていこうかと思います。
 では、現状では許諾が行われているかといいますと、必ずしもそうでない面もありまして、例えば、これは非常に笑い話のような話なんですけれども、私どもがつくっております雑誌の中でこういうデータベースやインフォメーションサービスに関する新聞記事の要約というものを、そうですね、もう二十年ぐらい前からつくってきたわけですね。つい最近になりまして某大新聞社から、あなたのところはこういう雑誌にこういうアブストラクトを載せておるけれども、これはいつ許諾を得られたかという御質問がございまして、考えてみると、二十年ぐらい前からやっておりますから、そのころはそういうことはどなたもおっしゃらなかった。この問題がこういう議論になってから、新聞協会、編集委員会さんもいろいろ気がつかれて、これはどうかということでチェックをされるようになったということ、これは大変結構なことでありまして、それで改めてこの時点でお許しを得てこういうことにしたいと。ただ、これは新聞記事やその他のものの抄録といいましても、こちらでリライトをしていますので、部分的に複製物を入れるということではありませんけれども、とにかく許諾をお願いをしようということでお願いをいたしました。
 それから最後に、文献のアブストラクトが原研究者、原著作者の意思に反するかどうかという問題ですが、これは、アブストラクトの作成に当たりましては、なるべくもとのオーサーの意見をよく聞いてそれをつくるようにということがそれを作成する基本でありまして、例えばキーワードを付与いたしますときにも、これはそういたしませんと、文献情報のデータベースの製作者はその主題分野についての知識は持っておりませんので、物理学の専門家が物理学のデータベースをつくるわけじゃないわけでありまして、そういう意味ではなるべく原著作者の意見を入れてそういうものをつくるようにするということであろうかと思います。
#89
○吉川春子君 次に、小泉参考人にお伺いいたします。
 技術革新により、生の芸能に触れる機会がかえって少なくなったという御指摘がありました。考えてみれば、劇場や映画館に足を運ぶかわりにテレビ、ビデオ等で済ます場合が圧倒的に最近は多くなっておりますが、技術革新が生の芸能へ国民を一層近づけ、そして同時に芸能家の、さっきおっしゃられましたいわゆるすそ野の部分におられる方々の生活保障にも役立つ、こういうふうにするためには、具体的にどういうふうにしていったらいいのか、その辺についてお考えがあればお聞かせいただきたいと思うんですが。
#90
○参考人(小泉博君) 大変に難しい問題でございまして、これははっきりしたお答えになるかどうか、要するに芸能と技術革新との兼ね合いという問題でございますけれども、私ども一時はもう本当に複製機器、機材とかいうと専ら敵視をいたしまして、実演の場を、特に複製芸能というのは、一回自分の芸をそういうものに吹き込みますと、それが勝手にひとり歩きをいたしまして、自分の職場を奪ってしまうということになるわけでございますね。しかも、自分の職場を奪うだけではなくて、例えば放送というある時間帯を考えますと、それが流されている間はほかのあらゆるジャンルの芸能人の職場も奪っているということになるわけでございます。ですから、企業とすれば複製機器、機材の発達というのは、そういうものをどんどん生産して、利益追求の強力な武器になるわけでございますから、どうしてもそういう方向に走ってしまうということで、一方では、そういう簡単な芸能でもってみんなが済ましてしまうために実演の場にお客さんが来てくれないというような事態が起こってくるということで、これはもう大変な問題ではなかろうかというふうに思って、それに対しての著作権法上のいろいろな手当てとか、法的な手段というものを考えてほしいということで訴え続けてきたわけでございます。
 これから先はちょっと私の全くの私見になってしまうかもしれませんけれども、やっぱりこれからの時代というのは、そういう高度工業社会というのはどうしても避けられない。ニューメディアというものが登場して、世界で起きたことが即日本に届いて、またすぐそれの反応が向こうに届くというような、非常に発達した社会になりますと、そういう高度な工業社会になると、芸能というものは、人間性を回復するために人間の感性の部分を養うというか、そういう部分を担当するものでございますかう、逆に余計必要になるんじゃないかというふうに私は考えます。ですから、これからは何とかそういう新しいメディアと共存共栄の形で芸能というものを考えて利用していかなくてはいけないんではないだろうか。
 それでは具体的にどうしたらいいんだろうということでございますが、これはどういう方法があるのか、ちょっと私の頭では思い浮かばないんですが、一例としまして、例えばこれはイギリスの法律でしょうか、二ードルタイムという、放送時間に針を使用する時間といいますから、レコードを、まあ昔のレコードですから針を使用したということで二ードルタイムというのでしょうけれども、そういう時間を定めまして、これをレコード製作者にその権利を与えている。禁止権を与えているわけです。そのレコード製作者の権利を通じて実演家のそういう実演の場を図るというような方法を講じているということがあるんです。ごく簡単な例でございますけれども、そういうようなことを、やっぱり芸能の根を枯らしてしまったのでは、これからの高度工業社会でますますそういう感性の部分を受け持つ芸能というものが必要になってくるということを国民の皆さんが考えていけば、やっぱりそういう措置も、おのずからいい知恵を絞っていただけるのではないかというふうに考えておりますし、また、この著作権法というのも、そういうまさに共存共栄のことを考える非常に大事な法律になってくるんではないかと、そのように私考えております。
#91
○吉川春子君 時間が来ましたので、終わります。
#92
○委員長(林寛子君) 以上で参考人に対する質疑
は終わりました。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用の中を本委員会に御出席賜り、貴重な御意見をお聞かせいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして心から御礼を申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十二分散会
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ソース: 国立国会図書館
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