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1985/04/03 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 大蔵委員会 第8号
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1985/04/03 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 大蔵委員会 第8号

#1
第104回国会 大蔵委員会 第8号
昭和六十一年四月三日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二日
    辞任         補欠選任
     鈴木 和美君     山田  譲君
     桑名 義治君     服部 信吾君
 四月三日
    辞任         補欠選任
     丸谷 金保君     赤桐  操君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 富雄君
    理 事
                嶋崎  均君
                藤野 賢二君
                矢野俊比古君
                竹田 四郎君
                多田 省吾君
    委 員
                伊江 朝雄君
                岩動 道行君
                梶木 又三君
                河本嘉久蔵君
                中村 太郎君
                福岡日出麿君
                藤井 孝男君
                藤井 裕久君
                宮島  滉君
                吉川  博君
                村沢  牧君
                山田  譲君
                鈴木 一弘君
                服部 信吾君
                近藤 忠孝君
                栗林 卓司君
                野末 陳平君
                青木  茂君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  竹下  登君
   政府委員
       大蔵省主税局長  水野  勝君
       大蔵省証券局長  岸田 俊輔君
       大蔵省銀行局長  吉田 正輝君
       大蔵省国際金融
       局長       行天 豊雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        河内  裕君
   参考人
       日本銀行総裁   澄田  智君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する
 法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山本富雄君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二日、鈴木和美君及び桑名義治君が委員を辞任され、その補欠として山田譲君及び服部信吾君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(山本富雄君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁澄田智君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(山本富雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(山本富雄君) 次に、外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○鈴木一弘君 これは通告してなかったことですが、けさの日経の一面を見て、ひとつ証券局長から答えをいただきたいんですが、投機筋の過熱を警戒して、いわゆる銀行貸し出しの抑制を図るということが出ておりました。この影響というのは一体どういうふうに出てくるものか、大体の予測で結構ですからひとつお伺いをいたしたいと思います。
#7
○政府委員(岸田俊輔君) 今朝の日経新聞に、日本銀行が金融機関に対する貸し出し抑制をするというような記事が出てまいりました。
 市場の反応でございますが、先ほど出てまいります現在では、既に相当市場も活況が続いておりますものでございますから、若干警戒感が昨日ぐらいから出ておりまして、この記事の影響かと思いますが、本日の株式市場は若干のダウンという形になってきております。
#8
○鈴木一弘君 記録的な連騰を続けて、中休みがあったりなんかしましたけれども、今までにないような膨大な取引量の膨らみでございます。そういう点からここずっと警戒なさったと思うんですけれども、一応はそういうことがあっても、一面では外国の投資家とかいろいろなものがございますので、そういう点の配慮というものはこれから見ていかなきゃならないと思うんですが、その点についてはどうお考えでしょうか。
#9
○政府委員(岸田俊輔君) 私どもといたしましては、市場が過熱をし不安定な状態に入ることは非常に注意をしていかなきゃいけないということで、最近の市場につきましては十分その動向について監視をいたしておる状況でございます。
#10
○鈴木一弘君 これはあとまた状況を見て御質問したいと思います。
 法案についてお伺いしたいんですけれども、昨日の御質疑等を通じて大体疑問点が明らかになってきたんですけれども、今回の内外市場分断規制、これがだんだん緩和が進んでくるだろうと思うんです。そういうときにこのオフショア市場ができる、しかも遮断がはっきりされるということですけれども、どうしてニューコーク型にしたのか。きのうも説明がありましたけれども、オフショア市場よりオンショア市場というふうに、ロンドン型の方がよいという意見がかなり審議会ではあったんだということを聞いております。そこで行く行くはロンドン型に移行していくというのがこれは本当の筋だろう。そうしないと国際金融市場として本当に育っていくということにはでき得ないんではないか、障害が出てくるんじゃないかと思いますが、この点について、行く行くはロンドン型に移行する考えがあるのかどうかを伺います。
#11
○政府委員(行天豊雄君) 確かに理想といたしましては内外一体の、かつ非常に自由な市場というものが望ましいということは言えると思うのでございます。ただ、現実の問題といたしまして、日本の金融・資本市場にはいろいろ法律上、制度上、慣行上の伝統もございますし、その姿というものは、その善悪ということとは別にいたしまして、ロンドンなどと比べますと相当大きな差があることは事実でございます。したがいまして、この時点で、ロンドンのように全く規制のない、かつ内
外が一体化しているような姿をそのまま日本に導入しようということになりますと、予想される摩擦と申しますか、ひいては混乱というようなことはかなり容易ならざるものがあると言わざるを得ないと思うわけでございます。したがいまして、一方で東京市場の円の国際化を図るためにできるだけ非居住者も自由に参加できるような市場をつくりたい、つくる必要があるという要請との接点といたしまして、現在お願いしておりますような内外分離型のオフショア市場というものを考えておるわけでございます。
 その意味での考え方というのは、俗な言い方でございますけれども、小さく産んで将来大きく発展することを期待していきたいという気持ちが込められておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、当面いわゆるニューヨーク型の内外分離ということで始めさせていただきたい。それからまた、将来展望といたしましては、今後の我が国の国内におきます自由化の進展、あるいは国際金融情勢全体の動きというものを見ながら、そのときどきに適切な対応を図っていくというのが現実的でもあり、かつまた望しいことではないかというふうに考えておる次第でございます。
#12
○鈴木一弘君 今言われた中で、大蔵省の行き方としては、最初から大きく市場を開放してしまうんじゃなくて、一歩一歩という非常に堅実な姿をとらえているようですけれども、ロンドン市場型の方がいいという意見が相当あった、それに対して混乱を招くということがありまして、混乱を招くというのはどういう御心配をなさっているんでしょうか。
#13
○政府委員(行天豊雄君) 先ほども申しましたように、我が国の資本・金融市場というものには長年培われてまいりました法制的、制度的、慣行的な特色がございまして、現在行われております金融取引というものはそういった仕組みの基礎といたしまして行われておるわけでございますし、またそれが相当程度、何と申しますか、一つの日本的なあり方ということで定着をしている面もあるわけでございます。
 もちろん今後広い意味での国際化、自由化ということが必要であるわけでございますけれども、それを進めていくに当たりまして、余り急激な変化を一時に導入いたしますと、そういった既存のものがバランスがいろいろな形で崩れていくということから、金融取引上あるいはそれを享受しております一般の顧客等々の中にも無用、不測の混乱が起こるおそれがあるというようなところから、やはり全体の堅実な進歩という意味で、今委員御指摘の一歩一歩というようなやり方が一番日本にとってはふさわしく望ましいのではないかというふうに考えておる次第でございます。
#14
○鈴木一弘君 きのうもステップ・バイ・ステップということを言われていましたけれども、一歩一歩ということは、一面はそうであり、一方では、外から見る方からいえば、日本の対応は大変おくれているというそういう見方をせざるを得ないだろうと思いますね。だから、その点では第二歩、三歩になるときには勇気ある前進をしていただきたいというように思います。
 このオフショア市場の開設に関しまして、どうも市場のイメージというものが明確ではない。それは、具体的な点は政令で決めるとか、あるいは大臣の告示で決めるとかというふうになっておりまして、その政令とか大臣の告示というものがはっきり示されていないということにあると思うんです。例えば、非居住者の定義で「その他政令で定める者」とあります。これは具体的にどういう内容なんですか。
    ―――――――――――――
#15
○委員長(山本富雄君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、丸谷金保君が委員を辞任され、その補欠として赤桐操君が選任されました。
    ―――――――――――――
#16
○政府委員(行天豊雄君) 委員御指摘のように、今御審議をお願いしております法案の中には政令に委任をするという規定が若干入ってございます。
 政令委任をお願いしております事柄というのは、大きく申しますと、銀行の経理に関するというような技術的な問題、それからもう一つは手続的な問題というようなことでございますので、こういった問題につきましては、まず法律でこの趣旨、範囲を明確にしておいた上で、具体的な規定については政令で定めるということにさせていただきたいというふうに思っておるわけでございます。また、こういう技術的かつ手続的な事項と申しますのは、今後金融の取引の形態とかあるいは金融環境等が非常に変化を続けていくであろうということが予測されておるわけでございますので、そういった変化に対しましても適切に対応できるというようなことが必要ではないかと思っておるわけでございます。
 これから、もし法案を御承認いただければ、この政令以下の事項について早速検討をする必要があるわけでございますけれども、それに当たりましては、当然のことでございますけれども、この法案につきましていろいろ国会で御審議をいただきました際の御意見、あるいはまた関係各界の御意見を十分参考にしながら進めてまいりたいと思っておるわけでございます。
 そこで、具体的な今御質問のございました事項でございますけれども、確かに法律では外国法人につきまして政令に委任しておりますが、私ども今考えておりますのは、例えば外国政府であるとか国際機関、それからまた日本にあります外為銀行の海外支店というようなものがこのオフショア市場におきまして取引に参加をできる主体ということで、将来政令でその範囲を決めさせていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
#17
○鈴木一弘君 昨日の質疑でも、非居住者との間の預金契約で政令で定めるものということについて詰めた話がありました。最低預金の単位は一億円とか、あるいは預け入れ期間の問題は最低預け入れ期間を設けるとか言われたんですが、最低預金の単位がどうして一億円なのかということが一つです。それから、預け入れ期間について最低というのは一体どのぐらいを考えているのか。いま一つは、譲渡性預金が除外されているわけですね、これについてどうして除外をするのかということを、初歩的なことですが伺いたいんです。
#18
○政府委員(行天豊雄君) まず、御質問のございました預金関係でございますけれども、昨日来御説明申し上げておりますように、このオフショア市場につきましては、内外遮断という原則をいかに確保するかということが一つ大きなテーマになっておるわけでございますが、その際に、預金につきまして全くこれはどんな形のものでも自由であるということにいたしますと、どうしてもこの内外遮断というものが非常に難しくなるということが予想されるわけでございます。
 そこで、一つには、市場参加者といたしまして個人を排除したということは御承知のとおりでございますけれども、その上に、もし個人の参加しない、いわば金融のプロ的な参加者の間での市場であるということであれば、この預金の規模については、端的に申しまして何千円、何万円というような預金を認めるということは、恐らくこれを取り扱います銀行の方の手続が非常に複雑になりまして、そのことはまた、相手が本当に非居住者であるかどうかというような確認が事実上難しくなるというふうなおそれがあるわけでございます。そこで預金の最低単位につきましても、これは政令事項でございますけれども、私ども今一応金融機関を除きましては一億円ぐらいということを考えております。
 どうして一億円かという御質問でございますが、これは御承知のとおり、国内の預金につきましても現在だんだんと大口預金から小口預金への自由化が進んでおりますし、また、海外のユーロ市場などを見ておりますと、これも概してプロの世界でございますが、やはり大体取引の単位というものには一つの慣行的な限度があるようでござ
いまして、実際にはユーロ市場などで取引が行われております単位というのは、日本円にいたしますとかなりの金額になっておるのが現実でございますので、そういったもろもろの事情を勘案いたしまして、最低単位一億円というようなところが妥当なのではないかというふうに考えておるわけでございます。
 それから期間についての御質問もございましたが、これは先ほど申しましたように、いわゆる決済性の預金というものを導入しますと、どうしてもこれは、非居住者性の確認であるとか内外遮断という面で十分な対応ができなくなるおそれがございますので、少なくとも私ども今、金融機関の行うものにつきましてはオーバーナイト、それ以外につきましては二日ぐらいの預入期間を置いて、資金の出どころ、行き先というものを当該銀行が十分確認できるようなものを考えたいと思っておる次第でございます。
#19
○鈴木一弘君 CD除外の理由。
#20
○政府委員(行天豊雄君) 失礼しました。
 CDの御質問でございます。実はこれは、確かに外為審等で本件が御審議をいただいておりましたときに大変関心があった問題でございましたが、CDというのは御承知のとおり転々流通する性格を持っておるものでございますから、こういったものの発行をこのオフショア勘定に認めますと、先ほどから申しております非居住者性の確認であるとかあるいは内外遮断という面で非常に難しくなるおそれがあるということで、CDにつきましては当面この発行を認めないということにしておるわけでございます。
 多少技術的な話でございますけれども、現在我が国で発行されておりますCDというのは指名債権譲渡方式のものでございますが、一方、現在ユーロ市場などで一般的に利用されておりますCDというのは持参人払いのものでございまして、その間に多少性格の違いがあるわけでございますので、このオフショア市場、物理的には日本の中にあるけれども、その仕組み、動き等については非常にユーロ市場に近いというような市場でございますと、なかなかこのCDというものを導入する技術的な難しさもございまして、そういう諸般の事情を考慮いたしまして、今回の発足に当たりましてはCDの発行は認めないということにしておるわけでございます。
#21
○鈴木一弘君 さらにこの中で、「その他政令で定める取引又は行為」とあるんですが、この政令というのは何を指していらっしゃるんですか、大体。
#22
○政府委員(行天豊雄君) これはもちろん外国為替管理法の政令ということを考えておるわけでございまして、ここに言っております取引は、御承知のとおり、このオフショア市場の基本は、まず日本にございます為銀に大蔵大臣の承認を得たオフショア勘定という勘定が設けられる。その勘定を通じて取引をする相手方というのは、先ほどもお話のございました外国法人とか外国政府、国際機関というようなものでございますけれども、実際には外国銀行のオフショア勘定相互の取引ということもこれは当然考えられるわけでございます。したがいまして、それは形の上ではいわゆる外−外ということではなくて、物理的には日本にある銀行の行うオフショア勘定相互間の取引ということになりますものですから、これは法律ではなく政令でその他の取引ということで読ませていただきたいというふうに考えておるわけでございます。ですから、その他の取引というところでは、オフショア勘定相互間の取引というふうに御理解いただいてよろしいかと思います。
 それからまた、先ほど申しましたが、このオフショア市場での取引は将来いろいろと金融情勢の変化に従って変化していくことがあるものでございますから、そういったことも含めまして政令指定ということでお願いを申しておるわけでございます。
#23
○鈴木一弘君 昨年の九月十八日に出された「東京オフショア市場の創設について」という外為審の報告の中で内外遮断の措置を示しているけれども、具体的にどうなるかということは不明です。迂回取引で源泉所得税の回避を防止する、こういうためにオフショア市場から国内勘定への資金の取り入れについては準備率を課す、こういうことになっております。ということは、きのうも答弁がございましたが、外−外取引であるのに外−内取引というものを認めているということです。だから、そうすると一体どの程度かということです。昨日は数%というお話があった。しかし、数%といっても日によっては一〇%いくときもあるだろう、あるいは日によってはゼロのときもあるでしょう。
 そうすると、この数%という答弁は、一カ月を平均したような形のものを言っているのか、あるいは瞬間で言っているのか。そこのところは、毎日毎日の日報で、それじゃ数%と、こういうふうに抑えにかかっているのか。中によっては、一方にお金が余って困るという場合は運用を考えなきゃなりませんから、若干は出てくると思います。そのときに、一〇%ぐらいまでは結構だということで、平均したらば数%になればいいというのか。こういう考え方はどうなっておりましょうか。
#24
○政府委員(行天豊雄君) 御指摘のとおり、オフショア市場創設に当たりましては、原則としてオフショア勘定と国内勘定との間の資金の流出入は禁止をするという立場をとっておるわけでございますけれども、現実には、委員御指摘のとおり、非居住者が預金を持ってくる、その預金が非居住者に対して貸し出されるという形をとるわけでございますが、その間にタイムラグ等もございますし、必ずしも同じ金額のものがすぐ右から左へ調達、運用がマッチするということばかりではないわけでございます。そういったいわゆる調達、運用のミスマッチングというのが起こりましたときに、これはやっぱり、何と申しますか、一時駐車と申しますか、金が一時滞留をしておくような仕組みを考えてやりませんと、金利のダンピングの問題であるとか銀行経理への問題とかいう摩擦が生ずるものでございますから、私ども必要最小限の範囲でこの一時的な国内勘定との振替ということを認めていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
 その範囲でございますが、ただいま私どもが考えておりますのは、毎日毎日の残高につきまして、最高、オフショア勘定におきます負債の数%の限度、つまりこれは毎日毎日でございますので、一日ならば一〇%でいいというようなことは考えておりません。一日一日の残高でもってまあ多くても四、五%というようなことで抑える必要があるんじゃないか。さらに、今私ども考えておりますのは、こういった毎日の動きを一カ月を通してならした場合にはゼロ、つまりネットの貸し出しも借り入れもないという状態にするというふうな仕組みを考えておるわけでございます。
#25
○鈴木一弘君 平残でゼロはわかったんですけれども、場合によると、どうしてもそういうタイムラグが起きてくるというか、かなりの金額を動かさなきゃならないということが出てくるんではないかということを考えるわけですね。わずかなことでも銀行には響いてくることですから。
 その次は、オフショア勘定と国内勘定を通してこれは外と内がつながるわけですけれども、その際の貸借のレートというのは一体どうなっているんでしょうか。
#26
○政府委員(行天豊雄君) これは、オフショア勘定が受け入れます預金につきましては、御承知のとおり、国内でのいわゆる金利規制というものの適用を免除するということになっておりますので、これは現在ロンドン等の、例えば円の場合には、ユーロ円市場で行われております付利というものは当然大きな裁定関係を通じましてこちらの方にも適用されてくることになるであろうと思います。
 それから、オフショア勘定と国内の預金との間の振替勘定につきましては、これは同じ銀行の中のオフショアアカウントとそれから一般アカウントとの間の取引でございまして、一つの銀行の中の話でございますから、これには金利をつけると
かいう問題は起こらないわけでございます。
#27
○鈴木一弘君 間接経費の費用について、オフショア勘定の方と国内勘定とどういうふうに配分をしたり、あるいは経理上どういうふうに処理していくかということが出てくると思うんですね。ぐあいが悪いと国内勘定でやってしまうということにもなりかねないし、オフショア勘定でやっているかもしれないしということで、この辺の配分と割り振りといいますか、そういったものについての考え方はどうなっておりますか。
#28
○政府委員(行天豊雄君) この問題は確かに御指摘のとおり、今後法律を御承認いただきました後、政令、省令、それからさらには経理基準といった段階までかなり技術的に詳しい仕組みを考えていかなければならないわけでございます。
 そこで、今お話しのようなオフショア勘定と国内一般勘定との間の割り振りの問題というようなことも、当然大きなテーマとして私どもこれから関係者等の専門的な御意見も伺いながらやっていきたいと思っております。基本的には、今申しましたように、これは銀行の内部の経理処理の話でございますので、振替によって両勘定間で損益が起こるというようなことはつくるべきじゃないんじゃないかというふうに原則的には考えておる次第でございます。
#29
○鈴木一弘君 それは原則論しか出ないと思いますので。
 それから、報告書の中で、預金者が適格者であることの確認義務ということがありますね。どういうふうに適格者であるかどうかということを確認するかということは、これはやりようによってはおかしなことになりますし、余り厳しければ困りますしということで、確認の必要もないものもいっぱいあると思うんです。その判定の基準についてはどう考えるでしょうか。
   〔委員長退席、理事矢野俊比古君着席〕
#30
○政府委員(行天豊雄君) オフショア勘定の外−外制を確保するために、取引の相手方が資格を持った者である、つまり非居住者であるということを確認する必要があるわけでございます。
 現在お願いしております法律の体系といたしましては、オフショア勘定を持っておる銀行が取引を行うに際しまして、その都度相手方が確かに非居住者であるということを確認することを義務づけることとしておるわけでございます。まず個人を排除してございますので、その点は楽になっておると申しますか、かなり有効性が高まっておると思いますけれども、その他の政府であるとか国際機関の場合はこれはそれほど難しくなく非居住性の確認はできると思います。
 問題は外国法人でございますけれども、この問題につきましては、銀行が貸し出し、借り入れ等を行います場合に、相手から何らかの形で確かにこの顧客が日本の居住者でなくて外国において設立をされておる外国法人であるという、言うなれば証拠と申しますか、を徴求をしてその非居住性を確認させるようにしていきたいと思っています。具体的にどういう手続でこれを実施いたしますかについては目下鋭意検討しておりまして、これは率直に申しまして、御指摘のとおりかなり面倒な面も出てくるかと思います。
 ただ、一つ私ども考えておりますのは、先ほど来申し上げておりますように、この市場は相当プロの世界になることであると思いますので、そう新規参入の顧客がしょっちゅう出たり入ったりということではない市場であろうとも予測されますので、一たん一つのルールが確立されていきますれば、それほど将来的にこの問題が大変、片方では銀行にとって耐えがたい負担になる、あるいはまた反面非常にルーズであって全然内外遮断の実効がないという、いずれの事態も起こらないようなスムーズな運用ができるのじゃないかなと期待はしております。いずれにしましても、目下この非居住性の確認手続につきましては鋭意検討をしておりまして、できるだけ、今御指摘のように、面倒過ぎもせずかつ実効も上がるというような技術的な方法を考えてまいりたいと思っておる次第でございます。
#31
○鈴木一弘君 第二十二条による特定の資本取引に係る事前届け出義務の規定が、この改正案で、オフショア勘定で経理する場合は届け出を要しないということになるわけですね。
 そういうふうになってくると、これはフィリピンの問題を挙げるわけじゃありませんけれども、そういうような何か不正行為というようなものが発覚したとき、こういうときにはどう対応していくかということが出てくるだろうと思うんです。だからそういうチェック機能についてどう考えているか。必要がないものなのか。それはそれで結構です、お金のことですから御自由にということなのか。そういうことが発覚したとき、また出ないようにするチェック機能というものは設ける必要がないのか、それともあるのか。よくわからないんですけれども、伺いたいんです。
#32
○政府委員(行天豊雄君) 内外金融取引につきましては、従来からできるだけこれを自由にしていこうということで自由化を進めさせていただいておるわけでございます。例えば、外国為替公認銀行というものはそもそも大蔵大臣の特別の認可を得てそういった営業を認められておる銀行でございますので、その点は、そもそも出発点といたしまして、そのしぶり等につきましては私ども通貨当局といたしまして監督が行き届くような仕組みにはなっておるわけでございます。したがって、そういうことを前提といたしまして、外国為替公認銀行が行います取引につきましては従来からも自由化をできるだけ進めて、届け出義務等につきましても実際上これを包括的に緩和するというようなこともやってきておるわけでございます。
 今度法律でお願いしておりますのは、そういう預金取引に加えまして、対外的な貸借行為につきましても現在の事前届け出義務というものを免除させていただきたい、そのことによって市場が本当に非居住者にとってもあるいは日本の金融機関にとっても自由な市場にしたいということでございます。ただ、届け出をしないからと申しまして私どもがその銀行の取引について全く知り得ないかと申しますと、これはそうではございませんで、外国為替公認銀行である以上報告の義務というのがございまして、私どもその営業活動につきましては少なくとも報告という形で徴求をしておるわけでございます。したがいまして、外国為替公認銀行の営業行為につきまして全く届け出義務を免除したから私どもの目が届かなくなるということではない点は御理解を賜りたいと思います。
 したがって、私どもとしては、そもそも外為公認銀行でございますから、当然営業に当っては十分な健全性なりあるいは公共性というものを自覚して商売をしてくれているものと思っておりますし、また、事後的にそういった報告という形を通しまして私どももそのしぶりについては指導監督を続けてまいれるものというふうに考えておる次第でございます。
#33
○鈴木一弘君 ちょっと関連して伺いたいんです。これは銀行になるかと思いますが。
 今回の東京オフショア市場の開設、これも政府が進めている金融自由化の一環でございますが、この金融自由化についての政府の基本的な姿勢とその進め方について伺いたいんです。つまり、自由化の対象となっているのは金利規制の自由化、業務分野規制の自由化、いわゆる銀行、証券の分離の規制とか、長短金融分離の規制とか、信用組合、信用金庫それから相互銀行、地銀、都銀の分野の規制とか信託分離の規制とか、こういうものがいっぱいございますが、そういった規制の自由化、それから内外市場分断規制の自由化ということにこれからどうしても取り組まなきゃならないだろうと思うんですけれども、それぞれについての基本的な進め方について示してほしいと思うんです。
#34
○政府委員(岸田俊輔君) まず、銀行、証券の問題についてお答えをいたしたいと思います。
 銀行と証券の業務を分離いたしておりますのは、証券取引法の六十五条の規定でございますが、これは銀行と証券の職能を分離して、間接金融と直接金融の競争的併存を図ることによりまし
て金融証券市場の健全な発展を期し、もって国民経済の適切な運営と投資家保護を図ろうとするものでございます。このように銀行、証券の分離政策は戦後の我が国の金融制度の基本理念を定めたものでございまして、大変大きな意義を有しておると思っております。これから金融の国際化、自由化の流れの中におきましてもこの基本理念は堅持していく必要があるものと私どもは考えております。
 しかしながら、最近の金融をめぐりますいろいろの環境の変化を背景にいたしまして、国債市場とか短期金融市場におきまして銀行と証券の業務分野の競合がいろいろ出てまいっております。また、最近は機械化の進展に伴いまして銀行と証券の業務提携もいろいろな形で進んでいるという現状でございます。このような変化に対しましては、私どもといたしましては、それぞれ銀行、証券の固有の業務の分野につきましてはお互いに尊重し合う、その分野につきましては業務提携というような形で勉強していく、それ以外の分野につきましては競争条件の均衡を図りつつ漸次相互乗り入れを図っていくということが必要かというふうに考えております。
#35
○政府委員(吉田正輝君) 我が国の例えば長期信用銀行とか中小金融機関の存在とか、そういうようないわゆる業務分野規制のことについての今後の展望についてのお尋ねでございます。
 御承知のとおり、戦後を振り返ってみますると、我が国ではいわゆる専門金融機関制度というのがございます。普通銀行のほか長期信用銀行、これがいわば長期の金融を担当する。これは金融債というものの長期のもので主として資金調達を行いながら確実な担保を供給しつつ長期の設備投資を行う。信託銀行は、銀行でありながら信託を兼営して信託業務を行い、やはり長期の分野を担当する。そのほかに中小金融機関、信金もありますれば相銀もあり、信用組合もその中に入りますでしょう。それらについては、業務区域について地域規制もございますものもあれば、あるいは貸出対象を中小企業に限るというような形で中小企業金融の専業を行わせるというような形での制度的な分野調整が図られているのが、一語にして申しますると専門金融機関制度でございます。
 それが専門性を発揮しつつ相互補完的な機能を果たして、我が国の成長についても戦後これを金融的にファイナンスすることによってその成長にも貢献してきたことも事実であるという認識に立っているわけでございますけれども、金融をめぐる環境の変化がございますわけで、端的に申しますれば自由化、国際化という言葉に要約されることでございましょうけれども、それぞれの業態間の関係にも変化が生じつつあることも事実でございます。
 時間をとりますと恐縮でございますけれども、例えば普通銀行が長期の分野に資金運用を行う、あるいは長期信用銀行が逆に短期の分野で行う、あるいは金融国際化が進展してまいりまして、先ほど行天局長なども申しておるような中長期ユーロ円市場の発展ということで内外の資金が交流してまいりますと、国内だけで長短を分離していても中長期の資金が入ってくるというようなこと、あるいは自由化が進展してまいりますと金利変動リスクというものも高まってきまして、負債の方は短期で、運用の方は長期というようなことになりますと、期間対応というような銀行の健全性にかかわるような問題も出てくるというようなことなどが種々の問題として指摘されていることも事実でございます。
 そこで、こういう問題についてはやっぱり国際化、自由化の動きを含めながら時代の流れに沿うように漸次これを改めていくことになろうと存じますけれども、この問題は制度の問題でございますので、歴史的経緯等にも十分配慮する必要があるということで、我が国の金融機関制度をどういうふうにしていくかというのは重要な問題であるということではないかというふうに考えられるわけでございます。
 そこで、私どもといたしましてはただいま、法令の範囲内で許すことについては、行政の自由化あるいは業務の自由化ということでコンセンサスを見出すもの、それから、法令の範囲内ではできるだけ弾力化しながらニーズに合わせることにいたしますけれども、制度の問題についてはこれは基本的にじっくり勉強しなければならない面もあろうかと思うわけでございます。
 そこで、昨年の七月に出ました行革審大綱などでも、長短分離の問題あるいは信託分離の問題については、自由化、国際化の流れを踏まえつつ制度の見直しを図るということで、中期的課題としての御提言をなされているのもこのような考え方によるものであろうかと思われるわけでございます。
 申し落としましたけれども、中小金融機関につきましても、これは普通銀行と同質化現象も生じている、そういう問題も入っているわけでございまして、制度問題には、そういう中小金融機関を普通銀行の同質化に対してどのようにやっていくかという問題も入っているわけでございます。
 今申しましたようなことで、中期的課題になっているというようなこともございますけれども、そこで私どもは、金融制度調査会で専門金融機関制度を設けまして、これは通称制度問題研究会、大蔵大臣の諮問機関のもとでの勉強会ということになりますけれども、ただいま申し上げましたような金融の自由化、国際化が進展する中で我が国の専門金融制度がいかなる影響を受け、いかなる問題を生じているかについて幅広く検討しておるところでございます。このようないわば専門の研究を踏まえた上で本格的な展望を見出すのができれば一、二年のうちに始まるというふうに、やや大まかな言い方でございますけれども、考えているところであるわけでございます。
#36
○鈴木一弘君 一、二年、一年と二年じゃ倍違うんですからね、これは。なるべく早くしてあげないと私はいけないんではないかということを思うんです。
 金利の自由化一つ見ましても、大口預金、それからいわゆる市場金利連動型のMMC、それからCDというふうに、その自由化はそれが進めば進むだけ銀行の資金調達のパイプが太くなるわけです。また大企業等の余剰の資金の運用先を拡大させる。したがって銀行の資金のポジションが改善されるというか、悪くなることを防ぐというか、そういったことが出てくるんですが、これだけではこの金融の自由化による一般庶民へのメリットというのはないわけです。自由化というのは金融機関の業務拡大策だけではないというふうに僕は思うわけです。やはりこれから先は小口、いわゆる今までの日本の金融は、先ほど直接と間接の話がありましたけれども、間接金融が主流になっている。
 今回のオフショア市場の創設、こういうことから考えていくと、小口預金の自由化をいつまでも進めないでいると金融媒介機能というものが低下するんではないか、そういうふうに思われてなりません。今物価も安定していますし、金利も低下しているから金融の媒介機能の崩壊なんということはあり得ないだろうというふうに思いますけれども、逆に高騰に転じたときにはそのおそれが大きくなってくる。やはりこの辺で小口の預金金利の自由化を進めて大口預金との格差を縮めておかないと、規制商品から自由金利商品の方へと資金のシフトが起きるということはもう明らかでございますので、これはオフショア市場との関連で動くと言っていいかどうかわかりませんけれども、そういう引き金の一つにはなるということは確かだと思うんです。
 こういう点について、小口の預金金利についての自由化、これは早くすべきだということに対してどう考えているか。それと、先ほどのように業務拡大策だけではだめだということについてどう思っていらっしゃるか。この二つを伺いたいんです。
#37
○政府委員(吉田正輝君) 一口に金融の自由化と申しておるわけでございますけれども、その中には業務の自由化と金利の自由化、あるいはそのた
めの環境整備としての長短金融市場の整備、それから忘れてはならぬことは、そういう自由化を進める上で信用秩序の維持の機構、メカニズムを確保して、銀行の健全性も確保して全体として預金者保護も図っていくというようなのが全体的な進め方でございまして、一つだけこの中で業務の自由化あるいは金利の自由化というようなことではないという委員の御指摘の点はそのとおりでございます。
 したがいまして、業務の自由化につきましても、先ほど申しましたように、法令の範囲内ではございますけれども、短期金融市場の整備につきましては、例えばCDあるいはBA等について証券業者の流通取り扱いを認める、あるいは短期国債の発行を行っていくというようなこと、あるいは長期金融市場について申しますると、銀行あるいは信用金庫までも含めまして長期金融市場でディーリング業務を拡大していくというようなこと、あるいは債券先物市場におきまして証券業者のみならず金融機関も参加していくようなこと等幾つかの業務の自由化などを進めているわけでございます。店舗規制の自由化につきましてもかなりの速度で進んでおるということが内外店舗の展開についても言えるのではないかというふうに考えておるわけでございます。これが業務の自由化についてやはり金利の自由化よ並行して行うべきであるという考え方で精いっぱいの努力をしているというふうに私どもは考えているわけでございます。
 それから預金の自由化のことでございますが、小口預金金利の自由化についての先生の御指摘の点について全くそのとおりであるということでございます。
 そこで私どもとしては、全体としては主体的、前向き、漸進的に進めるということでございますけれども、ただいま大口の自由化を着実に実施していると思っておりますけれども、大口から小口へ順次段階的に推進していくことが必要であるというふうに考えておるわけでございます。その場合に、日本の特殊性といたしましては、小口の分野では実は郵貯の存在というのが極めて大きな存在になっておりますので、昨年のアクションプログラムにおきましては、「預金者保護、郵便貯金とのトータル・バランス等の環境整備を前提として、具体的諸問題について早急に検討を進め、大口に引き続き自由化を推進する。」という考え方を政府として示したところでございます。したがいまして、この環境整備が前提として整えば大口に引き続き自由化を推進するということでございます。
 そこで小口預金でございますけれども、これは確かに大口、小口で考えますときに、小口預金は大衆性預金でございますために、大口が主として金利、収益性をもとにして動きますのに対しまして、収益性のみならず安定性、利便性、それから安全性というようなことなどの点も重視して、小口預金の特性にも配慮して、この自由化が金融政策あるいは金融機関に与える影響等々もこの小口預金の特性として検討する側面があるというふうに考えられまするので、ただいま大蔵省にございます金融問題研究会において、学識経験者で構成されているわけでございますけれども、そこで、小口預金金利自由化の着手時期も含めて、関係省庁、民間金融機関等各方面の意見をお聞きした上で理論的に幅広く検討を進めているところでございます。今後の進行状況にもよりますけれども、可能であれば本年夏ごろまでに何らかの中間的な取りまとめを行っていただけるのではないかというふうに考えております。
 そこでもう一つは、郵貯という、これは元利保証が行われ、税金の分野とか預金準備率あるいは預金保険制度その他の面でも官業の恩典を持っているような制度がございますので、それが自由化という市場原理を反映したメカニズムの中で溶け込んで整合的になれるような形のものを確保する必要があるというのが、先ほどの郵便貯金とのトータルバランス等の環境整備と存じますので、郵政省とも側面的にお話を進めながら、できるだけ早く小口預金金利自由化の展望を見出したいというふうに考えて鋭意努力中のところでございます。
#38
○鈴木一弘君 最後に大蔵大臣に。
 今の小口預金金利の自由化について私はスケジュールを少し今伺ったわけですけれども、やはり間接金融の主流は、小口預金が集まってきたものを貸すということがあるわけですから、今までのような大口預金とかMMCというと金額がかさむわけでございますので、そういうのじゃないものでもやはりきちっと自由化していかないと、これはいわゆる大口預金者だけの保護、優遇ということになりかねないわけですね。その点で郵政省とも積極的に話し合っていただきたいわけですけれども、大臣として、これからこのスケジュールをきちっと示していくということについて、それから郵政省とどういうふうに話を詰められるのかということについて伺いたいんです。
#39
○国務大臣(竹下登君) 先ほども申し述べておりましたように、できることならば今年夏ごろまでにいわゆる研究会のおまとめをいただく、それが一つのお話し合いをする土台になるんじゃないかなと実は思っております。本当のところ、今事務当局間でもいろんな面で接触いたしておりますが、大臣ベースでもやっぱり接触を始めなきゃいかぬじゃないかということについては、郵政大臣の方も別に異論を唱えていらっしゃいません。ただほかの問題も絡んでの話を期待していらっしゃるかもしれませんけれども。したがって、夏ごろまでに出る、ちょうどそのころから、事務当局同士でも今いろんな話をしておりますが、を含めてやっていかなきゃいかぬなと。
 そこでこれからの課題は、第三者と申しますか、時に仮に利害が対立するとか、そういう場合のものをどういうところで、前には三大臣協議というのが一応官房長官を入れたのがあった経験はございますが、その辺も折々私の頭の中で考えておるというのが昨今の実情でございます。だから、やっぱり研究会のおまとめを大体夏ごろまでにちょうだいするというのが、我が方の一つの基本的な考え方とかいうものをまとめるわけでございますので、
   〔理事矢野俊比古君退席、委員長着席〕
それがスタートになるのかなと、こんな感じで今おるところでございます。
#40
○近藤忠孝君 まず大蔵大臣に伺いますが、我が国におけるオフショア市場についての最初のまとまった案として細見卓氏のいわゆる細見私案があります。この細見さんは社団法人金融財政事情研究会主催のオフショアバンキング調査団の団長でありますから、大変影響の大きい案だと思いますが、この細見私案によりますと、東京オフショア市場を将来の東京市場の完全な自由化、国際化に至る中間的な段階として位置づけております。最初は制限されたものとしてつくりますが、やがて国内市場が全面的に自由化された暁には、その役割を終えて消滅すべきものと構想されているわけでありますが、これについて大臣はどうお考えか。
 そして、今回創設されるオフショア市場について、大蔵省はアメリカのIBF型だと言っておりますが、このような大きな構想との関連で考えますと、将来はロンドン型の内外一体となった完全に自由な市場を目指しておりまして、今回の改正はその第一歩となるわけでありますが、この点について大臣の見解を伺いたいと思います。
#41
○国務大臣(竹下登君) 細見さんのは細見さんの確かに御意見でございますが、一歩があると二歩があるということになりますので、きのうもちょっと申し上げましたように、最も現実的な、いろんな長い間時間をかけて工夫をしましたので、一つは、やらせてみてください。もう一つは、きょういみじくも行天局長から私どもが平素話しておる表現でお答えがありました、小さく産んで大きく育てる、非常に観念的な表現でございますが、そういう気持ちで対応をしておることは事実でございます。
#42
○近藤忠孝君 そうしますと、その大きい方はロ
ンドン型の完全な自由化、今の大臣の論理の運びからいうとそういうことになりますが、どうなんですか。
#43
○政府委員(行天豊雄君) ただいま大臣からお話がございましたように、私どもまず、現在日本の金融市場が置かれております現実ということを出発点にしなきゃいけない、これがもう大前提でございますが、同時に、世界の金融情勢というのは日々刻々動いておりますし、それからまた、その中で日本の経済なり金融市場が果たしておる役割というものもだんだん大きくなり、かつ変わっていっておるわけでございますので、将来の姿というものは、まさにそういう変化した環境の中で適切な対応をしていかなきゃならないんだろうと思います。
 そこで、このオフショア市場につきましてニューヨーク型、ロンドン型というような御意見がございます。そういう場合には、ニューヨーク型というのは内外遮断が行われておって、どちらかというと制限的であるけれども、ロンドン型というのはもう内外一体で全く自由だということでございます。
 私ども、一般論といたしまして、今申しましたように、まずは現実からスタートして、その後はまさに環境の変化に応じた日本としての望ましい発展を遂げていくということでございますけれども、必ずしもニューヨーク型、ロンドン型というその言葉が絶えず念頭にあって物を考えているというわけじゃございません。オフショア市場をつくります以上、それができるだけ自由で使いやすいものであることが望ましいということも当然でございますけれども、反面、そういった自由の導入ということも国内の事情との平仄において考えていかなきゃならないわけでございますから、私ども今この法案をお願いいたしますに当たりまして、これはあくまで一歩である、必ずその後は二歩、三歩があって、ロンドン型というのが我々のはっきりとした目標であるというようなことは必ずしも考えておりません。私どもは、あくまで現実に即したものをまずお願いして、その後の発展はまさに世界経済環境、日本の国際的な役割の変化というものの中で適応をさせていただきたいというふうな考え方でございます。
#44
○近藤忠孝君 今の答弁の関係で、これは我が国の税制あるいは金融上の大変重大な問題と絡みますのでまた後で質問しますが、次は金融政策のしり抜けの懸念についてであります。
 内外遮断措置をとっているといいましても、我が国企業が海外子会社を通じてオフショア勘定と自由に取引できるわけですから、例えば金融引き締め期にあってもこれがしり抜けになるおそれは従来以上に出てくるんじゃないかと思いますが、この点どうですか。
#45
○政府委員(行天豊雄君) 今度お願いしておりますオフショア市場に参加でき参加主体と申しますのは海外法人というものが中心になるわけでございますが、今委員御指摘の、日本の会社が海外に設立をしております海外法人、現地法人というのは大変たくさん数もございます。これはもちろん法律的に申しましても、海外法人でございますからまさにこのオフショア市場に参加する適格者になるわけでございます。
 そこで、今御質問のとおり、もしこういう海外の子会社がオフショア市場で資金を調達してそれを日本の国内にある親会社に流すというようなことが起こると、例えば今御指摘のように、国内では引き締め政策をとりたいというときにしり抜けになってしまうのではないかという御質問であったと了解いたしますが、確かにそういうことは理屈から申しますと起こり得るようなことになるわけでございます。
 しかし、まさにその点が私どもこのアイデアをお願いするに当たりましていろいろと意を用いたところでございます。つまり、オフショア市場というのはあくまで非居住者の間での預貸あるいは借り入れ、貸し付けという業務に限定をしておるものでございますから、オフショア市場で調達した資金というのはあくまで海外で使用されるというのが原則になっておるわけでございます。それを担保いたしますために、将来政令等の段階でもって、銀行がオフショア勘定から非居住者に貸し付けを行います場合には、その金が確かに国外で使われる、意図的にこれを国内に持ち込んだり国内で運用というようなことはしないという確認をとらせることを外為銀行に義務づけることを私ども考えております。したがいまして、ただいま委員の御指摘になったような事態はこの内外遮断の措置によりまして回避できるというふうに私どもは考えておりますので、御懸念の点は起こり得ないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
#46
○近藤忠孝君 その政令は、この法律成立後すぐつくるという意味ですか、それともかなりそういう状況が出てからという意味ですか。
#47
○政府委員(行天豊雄君) 法律を御承認いただきますればできるだけ早い機会に、その法律において委任をされております政令その他につきましても作業を始めて行いたいと思っておりますので、決してそういう事態が起こってからということではなくて、そもそもこの市場が実際に運営を始めるときには、今申しましたような貸し付けについての使途制限の問題を含めまして、政令以下の段階ではっきりとした規定をつくってマーケットとして始めさせたいというふうに考えております。
#48
○近藤忠孝君 澄田日銀総裁、御苦労様です。
 金融政策の当局として日銀は、現在法案になっておりますこのオフショア市場の開設についてどういう見解をお持ちか、まずお聞きしたいと思うんです。
#49
○参考人(澄田智君) 私ども、東京オフショア市場の創設に関しては、外国為替等審議会の専門部会が審議をしてその報告書が出ておりますので、その報告書によって承知をいたして判断をしている次第でございます。
 オフショア市場ということのメリットという点についても認めることはやぶさかではないわけでございますが、外国為替等審議会の専門部会の報告のように、ニューヨークのIBF型ということで内外市場を遮断するということでありますので、オフショア市場を迂回して資金が流れる、こういうことについての内外遮断ということについては十分その目的が達成し得る。しかも、オフショア勘定から国内勘定へ資金が取り入れられる場合には預金準備率を課する、こういうことなどでもって実効ある内外市場の遮断ができるという前提で考えておる次第でございます。そういうものとしてオフショア市場を創設するということは適切である、こういうふうに私どもは判断をいたしている次第でございます。
#50
○近藤忠孝君 西ドイツのブンデスバンクのペール総裁が最近における講演の中で、これは少し前の講演ですが、こう言っています。「オフショア市場の創設により、重要な金融政策手段の有効性が失われる危険性があることは否定できない」。この金融政策との関連でいかがですか。
#51
○参考人(澄田智君) 東京オフショア市場の具体的な仕組みにつきましては、先ほど政令のお話もございましたが、今後技術的な点を含めて検討されるということになると思いますが、私どもといたしましては、今申し上げたように、報告書の考え方に沿って実効ある内外遮断の措置がとられるということでありますれば、市場の創設ということが、国内のマネーサプライの管理を難しくするなど、金融政策の運営にとって大きな障害になるというふうには考えておりません。
#52
○近藤忠孝君 もう一点は、先ほど大臣にお聞きしたことですが、先ほどの細見私案、終局的には内外一体となった完全に自由な金融市場をつくることが構想されておって、今回はその第一歩というふうにされている。こういう構想を日本において実現することについて総裁のお考えはどうですか。
#53
○参考人(澄田智君) 御承知のように、オフショア市場においては、税制の問題として源泉徴収が免除されるとか、それから準備預金制度も適用されない、こういうことがございます。しかし、私
ども国内市場を考える場合に、国内市場において、税の問題は私どもの立場からは除外をいたしまして、準備預金利度という点について申し上げれば、準備預金制度の国内における維持は必要である、こういう立場をとっております。したがいまして、内外一体型の市場というような場合に、国内市場を準備預金もかからないオフショア市場と完全に同様であるというふうにするということは考えにくいところである、こういうふうに現時点においては観念をしております。
#54
○近藤忠孝君 総裁、もう結構です。
 大蔵省、今話の出た税制問題ですが、今回は二年限りの措置として利子所得について非課税とされていますが、なぜ二年の時限措置となったのか、これが第一点。それから、外為審議会の専門部会の答申でも、源泉課税のほか地方税、印紙税の減免を検討の対象としていますが、二年後見直しの際、新たな税制上の特別措置をつくることを考えているのか。地方税は考えていないでしょうけれども、関係のある部分についてお答えいただきたいと思います。
#55
○政府委員(水野勝君) 今回の課税の特例措置につきましては、いわゆる政策税制として措置することとしたものでございます。その利用状況等、政策税制としての有効性を見きわめる必要があるわけでございます。そのため、先般本委員会でも御審議いただきました租税特別措置として一般的な二年間の適用期限を付するということにさせていただきまして、先般御承認をいただいたところでございます。
 これは源泉徴収等の問題でございますが、そのほか印紙税等の問題につきましては、こうしたオフショア勘定、国際金融市場としてどのように今後発展し、その過程におきましてどういうふうな文書が作成されるか、そこらの点を見きわめる必要があるわけでございます。オフショア市場の動向等を踏まえながら今後とも印紙税等の取り扱いにつきましては慎重に対処することといたしてまいりたいと考えております。
#56
○近藤忠孝君 慎重に対処するというのはどちら側の方に慎重なのか、大分それ方向違うんでしょうがね、どうですか。
#57
○政府委員(水野勝君) ただいま申し上げました、オフショア勘定、国際金融市場としてどのように発展し、その過程でどういった文書が作成され、それが国際金融市場、オフショア勘定の取引におきましてどういう影響をもたらすのか、まだそこらにつきましては判然としない面もあるわけでございます。今後のその発展の状況を見て判断をさせていただくということでございます。
#58
○近藤忠孝君 次に、内外遮断措置の有効性についてですが、先ほど話も出ましたCDですね、これは先ほど答弁のとおり、預金等が転々流通するものですから、これを許すと内外遮断が困難になると思うんですが、先ほどの答弁では当面認めないということです。すると今後これを認めるつもりなのかどうかですね。
#59
○政府委員(行天豊雄君) CDにつきましては、検討の段階でいろいろ議論もあったわけでございますけれども、まさに今御指摘のとおり、CDというものが有しております転々流通する性格というところから、このオフショアの大原則でございます内外遮断という問題に非常に困難をもたらすのではないかということから、現在お願いをしておりますオフショア市場においてはその発行を認めないということにしたわけでございます。
 将来の問題につきましては、これは今私どもその意味では白紙でございます。決してどちらの側に何か意見を持っているということではございませんで、やはりこれはこの市場の将来の発展の姿を見た上で考えていく問題だと思いますが、現在のところはそういう意味で認めないという立場をとっておるわけでございます。
#60
○近藤忠孝君 将来認める可能性もこれはあるわけですね。
 もう一つの問題は、一般勘定とオフショア勘定との間での貸し借りを認めておりますが、これが無制限に行われますと内外遮断が効かなくなる。有効な歯どめを設けるべきだと思いますが、いかがですか。
#61
○政府委員(行天豊雄君) 今、オフショア勘定と一般勘定の貸し借りを認めているという御質問でございましたが、私ども実は原則といたしましては、そういったオフショア勘定と国内一般勘定との間の資金の振替は認めないという立場でございます。それを認めますとまさに資金が外と中を自由に行ったり来たりしてしまうために、金融政策上あるいは脱税防止というような観点から問題が生ずるということで、原則としては認めない、禁止をするという立場でございます。
 ただし、これを全く例外なしにやってしまいますと、どうしても金の動きというのは予測ができないものでございますから、オフショア勘定の立場に立ちますと、調達の方と運用の方が、金額の問題あるいは時間的な問題等でいわゆるミスマッチングというようなことが起こる。これはまた逆に大変金融市場に対して摩擦的な悪影響を及ぼすことになりますものですから、そういった摩擦を回避するための最小限の振替だけを認めよう。その最小限度の限度につきましては、これは国内への遮断をするという観点から相当厳しいものを実は考えておるわけでございまして、毎日毎日の振替の残高の資産、負債に対する比率を抑えるとか、あるいは一カ月というような一定の期間を通して見ると、このオフショア勘定と一般勘定の間には全く資金の振替がない、つまりチャラの状態になっているということを義務づけるとか、いろいろな手段によりましてこの両者の間の資金の漏出入というものを防ぐように手だてを考えていきたいと思っております。
#62
○近藤忠孝君 時間が来ましたので終わります。
#63
○栗林卓司君 まずお尋ねをします。
 二十一条を拝見しますと、二十一条の二項に、大蔵大臣の許可を得なければいけないぞよという義務を課する条件が書いてあります。列挙してありますのでちょっと読んでみると、一としまして「我が国の国際収支の均衡を維持することが困難になること。」、二としまして「本邦通貨の外国為替相場に急激な変動をもたらすことになること。」、三として「本邦と外国との間の大量の資金の移動により我が国の金融市場又は資本市場に悪影響を及ぼすことになること。」、以上三項ですが、これをお書きになったということは、こういう可能性がもう十二分にあるということを当局自身がお認めになったということだと思うんです。
 オフショア市場というのは、オフショアを平たく言えば出島なんですが、出島を出したおかげでこういった被害があるというんだったら出島を出すのをやめてしまえ、これは理の当然だと思うんですね。こういった可能性があるのかないのか。
 あわせてもう少し伺いたいと思います。
 今私が列挙いたしました。現在日本経済の大きさが国際経済の中で占めている位置に着目いたしますと、例えばここに挙げたようなことがあったとしたって、大蔵大臣がいやだめだよということが言えるんだろうか。今円というのは相当の国際的な責務をしょっている。こういう出島を出した国にとってみるとまさに迷惑至極なんだけれども、そのときに、それを理由にしてだめよということが言えるような国際状況なんだろうか。あわせて御説明をいただきたいと思います。
#64
○政府委員(行天豊雄君) 現在の外国為替管理法は昭和五十四年に全面的な改正をさせていただきまして、従来、いわゆる原則禁止、例外自由、つまり、対外的取引というのはそもそも基本的にはやってはいけない、許可を要することなんだけれども、その中で一部分だけは自由にやってよろしいという体制から、これを逆にいたしまして原則自由、例外禁止ということになったわけでございます。つまり、対外取引というのは基本的には自由であるけれども、必要がある場合に限ってこれを届け出制あるいは許可制ということにしようということで現在の法改正をさせていただいたわけでございます。
 その際、日本経済の今後の動向というのはなか
なか予測が難しいではないか、したがって、余り自由化を一挙に進めてしまうと、将来何かが起こったときに取り返しのつかぬことになるじゃないかというような心配も実はあったわけでございます。そこで、今委員が御指摘になりました条項というのは、まさにそういった事態が起こりました場合に、この資本取引につきまして、その自由になっているものでもこれを許可制のもとに置くことができるよという規定でございまして、俗に有事規制と言われておるわけでございます。その有事規制が発動され得る条件というものは、まさに御指摘のとおり、我が国の国際収支の均衡を維持することが困難になるとか、あるいは本邦通貨の外国為替相場に急激な変動をもたらすことになるとか、あるいは本邦と外国の大量の資金移動で日本の金融市場や資本市場に悪影響を及ぼす、そういうことが想定されておるわけでございます。
 このオフショア市場をつくりました趣旨は、るる御説明しておりますように、できるだけ自由な市場をつくって、内外の市場参加者がそこで円を含めた通貨でもって自由な取引をすることによって日本の金融市場の国際的な役割を大きくしようということでございます。ただ、これはそういう意図のもとにつくられておることではございますけれども、それじゃ、日本経済自体がまさに今ここに書いてございますような非常に異常というような事態になったときに、その出島は出島だけでほうっておいていいのかということは、実は私どもも検討の過程で随分議論をしたのでございますが、やはりそれは例外視すべきじゃないじゃないかということで、将来万が一こういった事態が起こって、御指摘の有事規制を発動しなきゃならないというようなことが起こりましたときには、このオフショア勘定についても同じような措置をとる必要があるだろうというふうに考えております。
 ただ、これはあくまで仮定の話でございまして、今後の日本の役割、特に円の役割というようなことを考えてみますと、まさに御指摘のとおり、こういった規制措置をとるということは相当やはり影響の大きな話でございますから、そういう時点におきましてはよほど慎重に考えていかないといかぬのではないかというふうに思っております。
#65
○栗林卓司君 出島というのは、歴史をたどるまでもなく、出島を出したときの状況はどういったことかといいますと、我が日本は鎖国状態でしてね。したがって、オフショア市場をつくるということは我が日本は国際金融の面で鎖国でありますということを改めて宣明したに等しいんですね。そんなことで今後やっていけるわけがありませんから、同僚議員が指摘したように、では、預金準備率の面でもあるいは金利規制の面でも為替管理の面でも、いかに国際金融情勢に対応できるような体質に一日も早くなっていくか、これを急ぐことが一番国民各層に心ある配慮だと思うんです。
 御答弁を伺っていますと、いかにも引っ込み思案なんです。へっぴり腰なんですよ。へっぴり腰でやっているというのは、一見慎重ですけれども、決して国民のためになると私は思いません。やがて出島から寒い風が吹いてくるんだったら、おい乾布摩擦をしておけよということはきちんと言ってもらわないと、中小金融機関も含めて、一体これからどうやって外に向かって開かれた出島のあらしに対応していくのか、これは気持ちの準備もできない。そういった意味では、確かにこの出島を出すというのは大きな一歩だと思います。これはどこへ向かって一歩かということばやっぱり国民にわかるように御説明をいただきたい。
 今私が読み上げたような、出島を出して国とするとまことに不都合至極な状態があったとして、それじゃそのときに日本の役所とするとこの法律を盾にとってだめよと言えるかというと、それは言えない。恐らくそのときには、OECDが舞台になるのかG5が舞台になるのか、いずれにしても国際機関を通しでのさまざまな相談を積み上げての対応というふうになってこざるを得ない。なぜそうかといいますと、国民がそれを目指してやってきたわけではないけれども、結果的に言うと、円はどうやら基軸通貨に近づきつつある。その責任をしょうかしょわないのか。ドルにだけ基軸通貨の責任をしょわせて一体これから日本がやっていけるのかどうか、そういった問題を提起しているのが今回の私はオフショア市場の創設問題だと思うんです。
 したがって、私は方向として全く賛成ですよ。賛成だけれども、御答弁を伺っていて、そんなへっぴり腰では私はとてもだめだと思う。ドルと一緒になって基軸通貨の責任を大胆に果たしていくかどうか。これは意欲と迫力を大蔵当局が持つかどうかですよ。恐らく大蔵大臣もこれからさらに従来に増してさまざまな国際会議にお出になると思います。そのときにあなたがしょって立つのは単に日本だけではありませんぞ。世界を引っくるめてどうやっていくのか。
 そういった意味では、小さく産んで大きく育てるじゃなくて、そんな言葉でごまかすんじゃなくて、一歩を踏み出したからにはやっぱり堂々と踏み出すんだし、それは理の当然として、これを御提案になるんだったら国内の自由化についてもっと詳細なスケジュールを本委員会に提案なさるべきなんです。前の租税特別措置でも申し上げたんですが、非常に御丁重のように見えながら大変本委員会に対して失礼なんです、今の大蔵省というのは。だから、今後スタートをなさるわけだけれども、そういったことを踏まえてぜひ御努力を願いたいと思います。
 以上私は申し上げまして、基軸通貨としての円というのはまことにとっぴに聞こえますけれども、しかし、そろそろそれを我々はまじめに考えなければいけない時代に来たんではないだろうか。
 この点について大蔵大臣の御見解を求めて私の質問を終わります。
#66
○国務大臣(竹下登君) 確かに、いわゆる経済力にふさわしい役割を果たしていくために、円の国際化を進めることによって効率的な資源配分を行って内外経済の発展に寄与する、基軸通貨ドルの役割を補完していくというのが我々が今言っていることですよね。確かに通貨大国あるいは通貨強国になりつつあるかもしらぬ。
 しかし、私の感想を一つ述べますと、先般ロンドンへ参りまして、オフショア市場といいましてもあそこはオンショアも一緒でございますが、そこで、やっぱり百聞は一見にしかずというので、ディーリングをやってみました。そうしたら、それはまさに円対円の問題でございましたが、すぐこっち側へそれがドル換算したのが出るようになっているんですね。ああまだやっぱり基軸通貨にはなっていないのかなという気持ちがいたしましたが、さらに、この国際化を進めるのみでなく、私は、例えば輸出は四〇%ぐらい円建てでございますけれども、輸入問題等についても円建ての契約を進めるような、我々にも、まあ相手のあることではございますけれども、我々にもその気構えが必要であるということは常日ごろ感じております。
#67
○青木茂君 どうも栗林先生のあれとちょっと方向が違うかもしれないんですけれども、私どもは基本として、日本という国は、生活者大国であれば、経済は大国ダッシュと申しますか、中国、真ん中の国と申しますか、でいいし、行政は小国でなければならない、小さな国でなければならないというのが基本的な物の考え方なんですけれども、このオフショア市場というのをつくるのは非常に結構だと思いますね。思いますけれども、何かちょっと、世界に冠たるやつを早くつくりたいという意欲が先に立ってしまって、少し無理な優遇と申しますか、恩典を与え過ぎているんではないかという気がしないでもないんですよ。
 あれはもう既に法案として租特でやっちゃったことですけれども、税制上の優遇措置ですね、あれをやりました理由はどういうことなんでしょうか。
#68
○政府委員(行天豊雄君) このオフショア市場をそもそもつくらせていただきたいと私どもが考え
ましたのは、まさに先ほどからお話ございますように、日本の金融的な役割というものが世界の中で非常に大きくなっております。現に、日本の金融機関であるとかあるいは日本の企業、個人の方々が海外との取引あるいは海外での金融活動というものを非常に活発にやっておられるわけでございます。これはもう現実の問題でございます。それに対しまして、同じような自由な場を日本にも設けるべきではないかということが海外からも非常に要望が強うございますし、それからまた、我々といたしましても、そういう形で海外の金融機関がたくさん日本に進出をしてくる、あるいは海外の企業、個人が日本でもってそういう資金の運用、調達をするということが日本の経済にとってもプラスであろうということでお願いをしておるわけでございます。
 そういう場合にどういう手だてをとればそういうふうに日本の市場というものを魅力のあるものにすることができるかということを考えます場合に、やはりどうしてもほかの国の同じような市場との比較という問題になってくるわけでございます。
 実はオフショア市場というものは現在既にニューヨーク、ロンドン、シンガポール、香港と各地にございまして、それぞれ活発に発展をしておるわけでございますが、その最低の条件と申しましょうか、非居住者がそこで資金活動を行っていくというときに、国内の税制と全く同じであるということではなかなか魅力がわかないということで、少なくともオフショア勘定で支払われる利子についての源泉徴収は免除をされる、そういうものがないということが、現在世界じゅうに幾つもございますオフショア市場のいわば共通の最低の条件になっておるわけでございます。それ以上にもそれぞれの市場によりまして優遇措置をとっておるところもございますけれども、少なくともこの部分は必要最低限の部分だというのは事実でございます。
 私どもも、これをお願いするに当たりまして、少なくともそういう国際的に見て、それがなければ全く魅力がわかないというものではやはりこれはぐあい悪いんじゃないかということで、この支払い利子に対します源泉徴収免除については、税当局とも非常に長期間にわたりましていろいろ慎重な議論を経ました上で、先般租税特別措置法でお認めいただいたような措置を行いたいというふうに考えておるわけでございます。こういうことによりまして、私ども確かにそれだけの優遇措置をとるわけでございますけれども、先ほど申しましたような我が国にとってのメリットというものもそこから出てくるんではないかなというふうに期待をしておるわけでございます。
#69
○青木茂君 やっぱり世界に冠たる魅力のあるものにしたいということでもってこういう措置がとられたわけですね。そうなりますと、別に期間を限定した特別措置でむしろない方がいいような気がしますし、また、それはおきましても、私は税制というものは、内−内の不公平はもちろんいけないけれども、外と内の不公平も一つの不公平だと思わざるを得ない点があって、この問題少しやっぱり優遇に過ぎるんじゃないかという気は依然としてしておるわけです。
 それはそれといたしまして、これはちょっと老婆心というのか、心配が二つばかりございますものですからちょっと申し上げておきます。これはあくまでも未来予測のことでございますから、老婆心的心配にすぎないんですけれども、それを大蔵当局としてどういうふうに把握なさっていらっしゃるかということですね。
 一つは、円の国際化、非常に円が強くなりますわな。それで将来にわたって円高により一層の拍車がかかってしまって、これが国内経済に悪影響をするようなことがないであろうかということ、これが一つ。
 それからもう一つは、今は証券業務の参入はないわけですね。ないわけだけれども、これから証券業務までオフショアが広がってくること、そうなると、外−外ですから国内そのものに影響はないにしても、非居住者がこの市場のいわゆる証券活動で仮に大きな損害が出た場合、これが対日不信感みたいなものにつながってこないであろうかというような心配、まさに不確定な将来を予想しての心配にすぎませんけれども、あるんじゃないかという気がするんですけれども、それに対するお考えをちょっと伺っておきたいんです。
#70
○政府委員(行天豊雄君) まず円高との関連でございますが、円相場の動きの背景にございます要素は非常に多岐にわたっておりますので、なかなか一概に申し上げられないわけでございますけれども、基本的に申せば、円に限らずどこの通貨でも、その通貨が非常に便利である、かつ魅力のあるものであるということになれば、その通貨はその国の本当の実力というものを発揮した価格で取引されるということになるであろうと思います。その意味でオフショア市場というものがそういう円の魅力を高めるいろいろな手だての中の一つであろうということは御指摘のとおりであると思いますけれども、ただ、この措置によってそれが直ちに現在以上の円高になるかどうかという点につきましては、これはそういう直接的な関係は恐らくないのではないかなというふうに私ども考えておるわけでございます。
 それから二番目の御質問の証券業務の関連でございますが、実は私どもこのオフショア市場をお願いするに当たりましては、そこで行われます取引はあくまでいわゆる金融業務、銀行業務、つまり預金であるとか預貸業務であるとかいうことに限っておりまして、ここで証券業務を行わせるということは考えておりません。したがいまして御質問のような心配は起こらないものと思っております。
 一般的に申しまして、このオフショア市場というのは個人が参入いたしませんし、大体が金融機関とか法人といういわゆる金融のプロの世界になると思われますので、当然そこに参加する人たちはいろいろなリスクというものを考慮に入れた上で活動をすることになると思われます。もちろん商売でございますから金利変動、為替変動というようなことがありますわけで、その損得が生じてくることは当然だと思いますけれども、そこはやはりあくまで参加者の自己責任と申しましょうか、自己のリスクにおいて行うということになるわけでございます。
 それから金融機関につきましては、これはその公共的な性格にかんがみまして、当然経営の健全性につきましては私どもいろいろな手だてで指導をしておるわけでございますし、オフショア勘定と申しましてもこれはあくまで銀行の中に置かれる一つの勘定でございますから、銀行本体の経営は前と同じように健全に行われていかなきゃなりませんし、私どももそういう意味で、別にオフショア勘定だから健全でなくてもいいというようなことを考えているわけでは全くございませんで、同じように指導監督を続けていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#71
○青木茂君 最後に大臣に二つお願いを申し上げて質問を終わります。
 第一は、これはいわゆる外−外で、外−内の関係については非常に厳しく垣根をおつくりになった、これは非常に結構だと思います。思いますけれども、どうも戦後財政の歴史というものが、垣根を取っ払ってきた歴史を我々はもう痛いほど見ているわけですね、特に国債の問題を中心といたしまして。ですから、これから何年間ですか、せっかくつくった垣根が壊されないような特段の御決意をまず伺っておきたいということが一つ。
 それからもう一つは、ちょっとテレビの見過ぎかもしれないけれども、国際金融市場というものはとかくブラックが入りやすい。日本が今度新しいものをフレッシュ・アンド・クリーンにつくって、日本の市場に一番最初にブラックが入っちゃったなんというとえらいことですから、そこら辺の規制というものも、行政というよりも政治の立場において十分な監視というものをしていかなければならないだろうと思うわけですね。
 この二つの点について大臣のお考えを伺って終
わります。
#72
○国務大臣(竹下登君) 外−外、外−内の問題、一番長く議論したのは税の問題ですよね、今先生も御指摘なすっておった。したがって、外−外の原則というものはこれはきちんとして出発するわけです。一番長く議論したのが、今先生おっしゃった外−内の税制の不公平といいますか、それがオープンマーケットの魅力とどっちが優先するかという大変大きな問題でありました。
 それからもう一つは、ブラックマーケットあるいはブラックマネー、一番気をつけなきゃいかぬのは、黒い目の外人が出ないようにということは、きちんと議論の末にスキームを決めたわけでございますから、御趣旨を体して厳正に対応してまいります。
#73
○青木茂君 終わります。
#74
○委員長(山本富雄君) 他に御発言もなければ、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#75
○委員長(山本富雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#76
○近藤忠孝君 私は、日本共産党を代表して、外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案に対し反対の討論を行います。
 まず第一に、この措置は、アメリカに従属しながら西側同盟国の一員として、資本主義陣営第二位の経済大国に発展した経済力を背景に、日本政府と財界がドルの補完としての円の役割の強化、さらには環太平洋経済圏への資金供給の中心的役割を果たすことなどにより、日本経済の国際化、多国籍企業化を一層推し進め、国際的なリーダーシップを果たそうとする国際化戦略の重要な一環であります。
 第二に、現在世界に存在するオフショア市場は、その形態がロンドン、香港型、ニューヨーク型、バハマ型のいずれのタイプに属するかを問わず、非居住者の源泉利子課税、預金準備率の適用免除、金利規制を排除した自由な市場を特徴としており、主として多国籍企業や多国籍銀行によって国内規制逃れの手段として利用されているのであります。
 本法案は、東京に国内規制の及ばないオフショア市場を創設することにより、内外の銀行に非居住者取引の拡大等で収益機会の増大を保障するものであります。さらに、ロンドン、ニューヨーク、東京と結び、投機を含め二十四時間取引を可能にし、多国籍銀行等の収益確保を増大させようとするものであります。
 第三に、オフショア市場の創設が国内金融市場に及ぼす悪影響を回避するため、外−外取引に制限すると言っておりますが、特別国際金融取引勘定との適格取引相手として日本企業の海外進出法人が含まれているため、この海外子会社を通じた国内金融市場への流出入が行われる可能性や、そもそも遮断措置のない香港、シンガポール市場を経由して国内に還流させるという抜け道が残されているのであります。
 第四に、オフショア取引は一応は外為法上の有事規制の対象とされておりますが、そもそもその対象となる可能性のある特定の資本取引が事前届け出制から除外されているため、その実効性はほとんど期待できないものであります。
 第五に、オフショア取引に限るとはいえ、預金利子に対する非課税措置を講ずることは、今日特に求められている資産所得に対する課税強化の方向に逆行するとともに、国内取引にかかる利子所得課税と比べ公平を欠く結果となるなど、利子所得に対する源泉課税を原則とする我が国税制にゆがみをもたらすものであります。
 また、金融業界が地方税、印紙税さらには法人税の減免税を要求している実情から、今後これを突破口として、内外企業が課税逃れの手段としてオフショア市場を利用する可能性さえ憂慮されるのであります。
 以上の理由により、本法案に対し反対の態度を表明し、私の討論といたします。
#77
○委員長(山本富雄君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#78
○委員長(山本富雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#79
○委員長(山本富雄君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#80
○委員長(山本富雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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