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1985/05/08 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 地方行政委員会 第8号
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1985/05/08 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 地方行政委員会 第8号

#1
第104回国会 地方行政委員会 第8号
昭和六十一年五月八日(木曜日)
   午前十時十七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     近藤 忠孝君     神谷信之助君
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     瀬谷 英行君     上野 雄文君
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     出口 廣光君     井上 吉夫君
     上野 雄文君     鈴木 和美君
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     井上 吉夫君     出口 廣光君
     鈴木 和美君     上野 雄文君
 五月六日
    辞任         補欠選任
     上野 雄文君     村沢  牧君
 五月七日
    辞任         補欠選任
     村沢  牧君     上野 雄文君
 五月八日
    辞任         補欠選任
     古賀雷四郎君     小林 国司君
     上野 雄文君     青木 薪次君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         増岡 康治君
    理 事
                松浦  功君
                吉川 芳男君
                佐藤 三吾君
    委 員
                上田  稔君
                加藤 武徳君
                金丸 三郎君
                小林 国司君
                嶋崎  均君
                出口 廣光君
                上野 雄文君
                丸谷 金保君
                中野  明君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    小沢 一郎君
   政府委員
       内閣法制局第三
       部長       大出 峻郎君
       警察庁長官官房
       長        鈴木 良一君
       警察庁警備局長  三島健二郎君
       自治大臣官房長  津田  正君
       自治大臣官房審
       議官       持永 堯民君
       自治大臣官房審
       議官       小林  実君
       自治大臣官房審
       議官       渡辺  功君
       自治省行政局公
       務員部長     柳  克樹君
       自治省財政局長  花岡 圭三君
       消防庁長官    関根 則之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高池 忠和君
   説明員
       自治省財政局交
       付税課長     遠藤 安彦君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(増岡康治君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る四月二十二日、近藤忠孝君が委員を辞任され、その補欠として神谷信之助君が選任されました。
 また、四月二十三日、瀬谷英行君が委員を辞任され、その補欠として上野雄文君が選任されました。
 また、本日、古賀雷四郎君が委員を辞任され、その補欠として小林国司君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(増岡康治君) 地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○丸谷金保君 地方交付税の中で警察関係の費用というのを大体措置しておると思うんですが、それは大体どういう費目について基準財政需要額の中で見ておるんですか。
#5
○政府委員(花岡圭三君) 警察費の基準財政需要額につきましては警察官の人件費あるいは活動費、こういった都道府県警察に要する経費につきまして所要の経費を算入しておるものでございます。
#6
○丸谷金保君 その活動費というのは、もちろん旅費その他も含むわけですね。
#7
○政府委員(花岡圭三君) 含んでおります。
#8
○丸谷金保君 今回のサミットを中心にして一連の東京都内の警備に全国都道府県では三十五府県から応援が来ておると聞いておりますが、間違いございませんか。
#9
○政府委員(三島健二郎君) 全国からの応援を得ております。
#10
○丸谷金保君 全国というのは全国各都道府県というふうに理解してよろしいですか。
#11
○政府委員(三島健二郎君) 三十五の都道府県だったと思います。
#12
○丸谷金保君 ちょっと、質問をよく聞いておいてくださいね。私は三十五と聞いていたけれども、三十五かどうかと思ったから、確認の意味で御質問したのに対して、全国からというのはちょっと答弁としてはいかがかと思うんですよ。そういう点はよく私の方の質問を聞いて御答弁願いたいと思います。
 そうしますと、当然都道府県の警察の活動費、旅費等はそれぞれの都道府県で措置する、予算措置をするわけなんです。今回の警備に当たっては出張ということになるんですか、出向ということになるんですか、どういう形になっておりますか。
#13
○政府委員(三島健二郎君) 出張という扱いになっております。
#14
○丸谷金保君 出張ということになると、当然出張旅費は当該都道府県が持つ、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。
#15
○政府委員(鈴木良一君) 出張の関係につきましては都道府県が持つことになりますけれども、これに関します費用につきましては、活動旅費等につきましては国が所要額を補助するという形になっております。
#16
○丸谷金保君 これは、その所要額を直接国が補助するんですか。行政局来ていますね。この補助したものはどこで受けるんですか。
#17
○政府委員(鈴木良一君) ちょっと訂正いたします。
 出張旅費につきましては国支弁になります。私ちょっと勘違いいたしまして、出張して参ります超過勤務等につきましては国が補助をいたしますが、今申しました出張につきましては国支弁ということになります。
#18
○丸谷金保君 どうもちょっとよくわからないんですがね。出張の命令権者はだれになりますか。
#19
○政府委員(鈴木良一君) 応援をいたします府県の警察本部長が出張命令を出すことになります。
#20
○丸谷金保君 府県の警察本部長が出張命令を出して、国が直接出張旅費を出せますか。
#21
○政府委員(鈴木良一君) 警察本部長は二つの性格を持っておりまして、この場合は国の機関としての警察本部長が出張命令を出すという形になります。
#22
○丸谷金保君 だんだんわからなくなってくるんですよ。わからないのでひとつわかるように御説明願いたいと思うんですがね。
 そうすると、国の予算の執行権と都道府県の予算の執行権と両方を本部長が持って、二つの予算をいつもそれぞれ操作しているんですか。
#23
○政府委員(鈴木良一君) そのとおりでございます。
#24
○丸谷金保君 それは、制度的にどういう仕分けになっているんですか。そうすると、交付税で見るというのはどういうことなんですか。
#25
○政府委員(花岡圭三君) 交付税で見ております経費というのは、先ほど警察の方でお答えになりましたもの以外でございまして、都道府県警察に要する経費として見ておるものでございます。ただいま警察の方でお答えになりましたのは、警察法第三十七条の「警備に要する経費」ということで国が支弁するものでございます。
#26
○丸谷金保君 そうしますと、都道府県の警察官というのは二重の身分を常に保有していると、そういうふうに理解してよろしいんですか。
#27
○政府委員(鈴木良一君) 身分はそれぞれの都道府県に属するという形になっております。
#28
○丸谷金保君 私の理解が違っているかもしらないんですが、出張旅費というのは身分の属する団体から出るということでないかと思うんですが、どうなんでしょう。それはほかからもらっていいものなんですか。身分が都道府県に属していれば当然都道府県自治体職員ですね。そういう点で、例えば、活動費という形のものについても交付税で所要額を計算して出していくという形をとるわけでしょう。それの身分の者に対して、別な機関から直接お金が行くというのはどういうことなんでしょうか。そんなことができるような根拠の法があったら教えてくれませんか。
#29
○政府委員(鈴木良一君) 警察の活動というのは、御存じのとおり国家的な性格と地方的な性格を有しておるということでございまして、費用の負担区分が警察法で定められておるわけでございます。警察法の三十七条の規定がございまして、それを受けました施行令の第二条の七号におきまして、「警衛及び警護並びに騒乱、大規模な災害その他の場合における警備のための出動、機動隊の運営、警備訓練、長距離にわたる移動警察、不法出入国の監視その他の警備活動に必要な経費」は法律第三十七条第一項の規定により国庫が支弁するものとするという形に書いてあるわけでございます。
#30
○丸谷金保君 そうすると、二条の七号ですか。今読み上げました、今回はどの項に属するというふうに判断して国庫が支出したんですか。
#31
○政府委員(鈴木良一君) ただいま申しました「騒乱、大規模な災害その他の場合における警備のための出動」、こういうことに当たると考えております。
#32
○丸谷金保君 重ねてお伺いします。
 騒乱……。
#33
○政府委員(鈴木良一君) 項目といたしましては、「騒乱、大規模な災害その他の場合における警備のための出動」ということでございます。
#34
○丸谷金保君 それで、そのうちの「騒乱」なのか、「災害」なのか、「その他」なのか、それを聞いているんです。
#35
○政府委員(鈴木良一君) 「その他」ということに当たると思います。「その他の場合における警備」ということに当たると思います。
#36
○丸谷金保君 そうすると、「その他の場合」というのについては、内規かなんかでこういう場合にその他にするというのがありますね。それをちょっと読み上げてください。「その他」がその他だけでひとり歩きするわけはないんで。
#37
○政府委員(鈴木良一君) 格別に内規のようなものはございませんけれども、私どもが一般にいわゆる治安警備といっているものがこれに当たるというふうに考えておるわけでございます。
#38
○丸谷金保君 法令でその他というふうになった場合に、大体その他の内容は省令なり政令なり、何らかに委託して、何らかの枠組みがないということは、ちょっと法の立て方からして不思議なんですが、本当に全くないんですか。
#39
○政府委員(鈴木良一君) 私どもの中では、治安警備あるいは災害警備というふうなものは内容的には画然といたしておりまして、いわゆる国の公安にかかわるものというものは、いわゆる「その他の場合における警備」というふうに考えて運用をしておるということでございまして、その意味では明確になっておるというふうに考えておるものでございます。
#40
○丸谷金保君 今読み上げていただいた法令で列記事項がございますね。災害とか治安とかそういうものは前の方にあるんだから、「その他」というのはごく限定されてくるわけですよ、列記事項以外のことなんだから。
 では、今回の「その他」というのは何を「その他」としてこの法を適用したのか。その他はその他だ、そんなことはないでしょう。列記事項以外ですよ。災害とかなんとかは前にあるんだからいいんです。列記事項以外で一体何があるんだということです、「その他」の中に。何でも「その他」だなんというばかな法律はありませんのでね。
#41
○政府委員(鈴木良一君) やや繰り返しになるわけでございますけれども、「国の公安に係る」という問題につきまして、先ほど申しましたように災害あるいは騒乱あるいは治安警備というようなものがあるわけでございまして、そういう形で先ほど申しました……
#42
○丸谷金保君 それは列記してあるんです。
#43
○政府委員(鈴木良一君) はい。しかし、今も申しましたように、「その他の場合における警備のための出動」というのが当然そういうものを予定して書いておるというふうに考えて運用をしておるというところでございます。
#44
○丸谷金保君 今おたくの説明しているのは列記事項ですよ。列記事項以外のことを想定するから「その他」なんでしょう。「その他」ですよ、いいですか。
 だから、列記事項以外に何をこの場合には想定したのか。災害とかそういうことは列記にあるんだから「その他」は適用しないでもいいんですよ。だから、「その他」とした場合のものは何なんだと「その他」の中身を聞いているので、列記事項の説明は要らないんですよ。
#45
○政府委員(鈴木良一君) 国の公安にかかわる事案というのはいろいろあるわけでございますけれども、例えばデモ警備というようなものがここに入ってくるということになろうと思います。
#46
○丸谷金保君 この場合、デモ警備のために全国三十五都道府県から出てきたわけじゃないでしょう。
 というのは、私がここで聞いたのは、交付税の基準財政需要額の中における警察の活動費と、「その他」の中で今回発動させて国庫で支出するというのは、タブっているかタブっていないかということを明らかにしたいために聞いているんです。それじゃちょっと聞きようがないんですよ。
#47
○政府委員(鈴木良一君) 例としてデモ警備を挙げたわけでございますが、今回のサミット警備であれば当然のことながらゲリラがばっこする、テロもあり得る、デモでもってそういうふうな静穏な秩序を乱すということもあるわけでございます。そういうもろもろの関係で、国の、公共の秩序
を乱すそういうものを予防し、検挙するという活動、そういうすべてのものがこの警備の対象になる、かように考えております。
#48
○丸谷金保君 どうも説明を聞いてもよく理解できないんですがね。
 今おっしゃったようなことは列記事項の中にあるんですよ、騒乱だとか災害だとかは。いろんなところでそれらは別に取り締まる法令があるでしょう。今おっしゃったようなデモだとか、あるいは騒乱だって、例えば成田の問題とか、そういうものでもそれぞれいろんな取り締まりの場合を想定した法令があると思うんですよ。それを全く、それらでなくて、特にこの場合「その他」だと。「その他」はその他だということではどうも何でもやれるということになりかねないんですが、大臣、今お聞きになっていてどうですか。
#49
○国務大臣(小沢一郎君) 今の警察法と施行令の解釈等につきましては、法律の解釈ですから専門家の方から答弁するのが適当と思いますが、今のサミットの警備が「その他」の場合か、あるいはその前段に警衛とか警備とか列記してありますが、それを受けて「警備のための出動、機動隊の運営」等々となっておりますが、「その他」の、先生御指摘の問題につきましては国の治安あるいは災害等々の防止、その態様につきましては非常にいろいろさまざまな形のものがあると。したがいまして、完全にすべての現象を列記してここに書くということはなかなか難しい点もあるのではないかと思います。
 したがいまして、もしこの列記以外の「その他」ということがあれば、それは警察行政として当然これをしなければいけないという法の運用解釈が行政の運用の中に任されておると。その判断を正しく適正にして運用していかなければならない、そういうことに帰するのではないだろうかというようなふうに私としては考えております。
 したがいまして、ただいま御指摘の点、明快に「その他」は何と何と何だというふうになかなか法律で規定することが難しい。したがって、答弁もその意味においては全部を網羅した形の答弁はできないということではないだろうかと。私どもとしてはあくまでも厳正、公正な法の運用に相努める責任を行政が持っておるということではないかなと考えておるわけでございまして、それがもちろん「その他」に全部何でもひっくるめてできるんだということになればそれは法の乱用であり、また行政として妥当ではないという判断が下されるのではないか、そういうふうに考えております。
#50
○丸谷金保君 大臣、日本は法治国家なわけです。立法府が決めた法律に従って行政を施行していくわけでしょう。そうしますと、それは必ず、「その他」としてもおのずからなるその中身というのはこういうものだと想定している。何でもいいということにならぬと思うのです。ところが、今の答弁では、「その他」の中身は何だと言うと、列記事項の方を説明される、概括的な。それでは何でも「その他」でやれるじゃないかということになって、まさに立法府の存在価値がなくなるんですよ。だから、当然「その他」というのはできるだけ狭義に解釈して、こういう場合というものがなきゃならないんですよ。何が出るかわからぬから全部「その他」でひっくくるというふうな法律というのはおかしいので、そういうことはあり得ないのです。
 これは、この法律制定の時期に「その他」についての論議が行われていたかとも思いますし、当時の記録も私は見ていませんからそれ以上のことは申し上げませんけれども、当然「その他」というのは何だという議論は立法段階でもあっただろうと思うし、現にそれを実施する段階でももう少しきちっとした答弁をお願いしたいと思うんです。
#51
○政府委員(鈴木良一君) 国庫で支弁をいたしますものは、先生御指摘のように、法律自体に三十七条で列記をされておるわけでございます。その中で、「警衛及び警備に要する経費」それから「国の公安に係る犯罪その他特殊の犯罪の捜査に要する経費」ということが明確になっておるわけでございます。それを具体化しましたものが政令という形になっておるわけでございます。今申しました、私が先ほど七号を申しましたが、これはお話のとおり、今度のサミット警備になりますと、「騒乱、大規模な災害その他の場合における警備のための出動」こういうことでございまして、縛りはその他すべて何でもということではなくて、あくまでも「騒乱」あるいは「大規模な災害」に準ずるようなそういう「警備のための出動」、こういうものに当然限定をされるということになろうと思います。それからそのほかに大臣が申しましたように「警衛及び警護」ということにも今度の場合はもちろんかんでおりますし、あるいは「機動隊の運営」にもかんでおりますし、この七号の多くのものに該当すると考えております。今申しましたように、あくまでもすべてのことにできるというんじゃなくて、ここにありますような、「騒乱、大規模な災害」、これに準ずるようなそういう「警備のための出動」、こういうことに限定されるという運用をしておるつもりでございます。
#52
○丸谷金保君 そうすると、この場合は災害ということはあり得ないんで、騒乱に準ずるような行為の防止のための警備、こういうふうに理解してよろしいですか。
#53
○政府委員(鈴木良一君) 先ほど申しましたように、「騒乱、大規模な災害その他の場合における警備」ということでございますから、ある程度この例示をその他の警備は受けておるというふうに考えられるわけでございます。したがいまして、何でもかんでも入るというものではないというふうに考えております。先ほどちょっと例として申しましたようなデモであるとか、あるいはゲリラに対処するためのものであるとか、そういうものは当然これに準ずるものという形で読めるというふうに考えておるものでございます。
#54
○丸谷金保君 ようやく何かこうわかってきましたが、災害ではなくて騒乱に準ずるということで準用したと。
 それで、経費の問題なんですが、まだ終わっていませんね。イギリスの皇太子もおいでになるし、そうするとずっと一連の特殊な事情なんで、これは大体去年からわかっていたんです。そうしますと、当然それらの経費は予算に盛ってありますね。七十億というのは前に聞いたんですが、これは正規で、そうしたいわゆる旅費その他、何といいますか、物件費的な活動費というふうなものでは、およそ予算としてはどれくらい六十一年度の当初予算で提案しておりましたか。
#55
○政府委員(鈴木良一君) こういう警備に当たりますための活動経費につきましては、大体百五十億余りを六十一年度予算で計上しておるというものでございます。
#56
○丸谷金保君 百五十億で上がりますか。
#57
○政府委員(鈴木良一君) これは、全国のこういうふうな活動に対しますものを見込んで一応計上したものでございますけれども、サミットに関係しましてまだ今のところは正確なものは出ませんが、かなりの費用がかかるというふうに見られておりまして、この予算だけではちょっと年度内難しいかなという感じでおるところでございます。
#58
○丸谷金保君 年度内でなくて、この予算で、陛下の御在位六十年以降すっと、それからイギリス皇太子が来ますね、この間の一連の経費が百五十億でもっておさまるんですか。
#59
○政府委員(鈴木良一君) 難しいと考えております。
#60
○丸谷金保君 自治省にお伺いしたいんです。
 私たちは、予算のない債務をしょっちゃいけない、予算の範囲内でしかというふうに自治省から指導を受けていたんですが、それは間違いございませんね。
#61
○政府委員(花岡圭三君) もちろん、経費の支出は予算の範囲内で行われるべきものでございます。
#62
○丸谷金保君 今の御答弁だと、百五十億当初予算で持っている、百五十億でちょっと上がりそうもないんです、どう見ても、素人が見てもそう思います。そうすると、年間所要額として当初予算に百五十億、これは僕は予算の提案の仕方自体に問題があると思うんですよ。あらかじめ三月時点では、相当に、これくらいかかるということがわかっているんですから、もちろんその他の経費を持ってきて、予備費流用とかいろいろなことで埋めると思いますよ。さしあたっては埋めると思います。しかし、予算案が成立して一カ月です。いいですか。あらかじめわかっている行事のこうした経費を、当初予算に提案しただけじゃ足りなくて、いろいろな形で流用して、法令に適合した財政支出のできるような形づくりをするということは大変なことなんです。大変だと思いますよ。財政操作、いろいろな操作をしなきゃならぬと思います。
 そうすれば、当然、大臣、予算案を提案したときにこれらはもっとはっきりと見るべきでなかったか。どうもそこが、僕らのいろいろ聞いている範囲では、余りそういうことを考えないで都道府県に配分した嫌い、配分というか、一応の予算のあれがありますがね、という気もするんです。これはどうなんですか。大臣はこの程度で間に合うと思ったんですか。提案権者としてお聞きするんです。これはどうですか。
#63
○政府委員(鈴木良一君) おっしゃるとおり、サミットもあり、チャールズ皇太子御夫妻も来られるということも事前にわかっていることはおっしゃるとおりでございます。そういうことで所要の額を見込んだわけでございますが、御存じのとおり、サミットのああいう形でゲリラが多発する、予想を上回る事態になってきておるという形で、動員の関係もある程度前倒しで厚く配置をしなけりゃならぬという事態になったわけでございます。おっしゃるとおり、ある程度のものを見込んで予算措置を講じたところでございますけれども、そういう新たな事態になりまして、どうも残念ながらちょっと現状のあれでは難しかろうということになったわけでございまして、これはまた関係当局とも相談をしながら所要の措置をとってまいりたい、かように考えておるところでございます。
#64
○丸谷金保君 どうもこの間のやり方というのはいろいろ非常に問題があると思うんです。本来、こういう予算案が三月末に成立してもう一カ月余りで、もうあらかじめわかっているこういう問題、当然、予算案を議決した国会に対して政府は何らかの形で、予算案を可決していただいたけれど、決めていただいたけれど、これでは、一カ月余りでもうどうにもならなくなる状態ですというふうなことは報告するくらいの義務があるんじゃないかと私は思うんですが、いかがでしょうね。そういうことを聞いていないんです。いつも、そういう話を、全然どこでもしてないんです。遺憾ながらこういう状態だから御提案した予算の範囲内でおさまらないので、とりあえずは予備費流用なりいろんな形で執行していくと、いずれもうこれは補正予算ですね。しかし、予備費流用しちゃったら補正予算にもなりませんね。
 これは一体幾らかかったんだということを私はよく聞かれみんです。七十億、そんなはずないですよと、素朴に聞かれるんですが、そのとき答えようがないんですよ。やっぱりあらかじめこれらについてはこれくらいの経費がかかる、これくらいかかりそうだということは何らかの形で――これは終わったことですから希望として申し上げておきます。
 それで実は、今度は、私いろいろ聞かれることで、新聞に出ていたやつが一番いいからこれ一つ引用させていただきます。ある新聞で、四谷に降りた麹町に居住している人が、警察官に呼びとめられてどこへ行くと、いや私はここの住人だと、もちろん荷物も調べられて何もない、そしてそのうちの前まで今度は二人ついてきた、ここが私のうちですと、玄関まで来たというのですよ。まあ上がんなさいと、上がってお茶を飲ましたら、これから後は、ニュースによれば、いや我々の仕事も大変だと、何か別にいい職業はないだろうかと聞かれて――いや、これは出ていたとおりを言うのですよ、書いてあったのをそのまま言うのですからね。いや、警察官の警備している人もなかなか大変なんだなと思ったという話が出ているんです。お読みになった方も何人もいると思いますよ。
 それで、この警備で女性のハンドバッグまであけるのは、法的根拠は一体何なんですか。
#65
○政府委員(三島健二郎君) 今回のサミットの警備につきまして、極左暴力集団、これがこのサミット並びに天皇陛下の御在位六十年記念式典を一体のものと見まして、激しい反対闘争を組むという姿勢を持っておったわけであります。その中で、既に御存じのとおり、三月の後半から各種の発射弾等を発射するといったふうな非常に凶悪な事件が続いたわけであります。したがいまして、そういったふうな事態に対応するために、警察といたしましては警察法二条に定めます責務に基づいて国民の方々に御理解を賜り、御協力を賜っているということでございます。
#66
○丸谷金保君 その二条をちょっと読み上げてください。
#67
○政府委員(三島健二郎君) 「警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもってその責務とする。」と書いてございます。
#68
○丸谷金保君 その責務はわかるんですよ。責務はわかるんだが、それでとにかく通行中の女性のハンドバッグまであける権限がその責務の中にあるんですか。
#69
○政府委員(三島健二郎君) 警察といたしましては、ただいまの法に定められました責務を遂行するという立場にあるわけであります。したがいまして、それぞれ国民の方々の御協力を得てやるということでありまして、あくまでも任意の処置でございます。
#70
○丸谷金保君 そうすると、拒否ができるわけですね。私のかばんの中身は、この二条では納得できないということで拒否はできるわけですね。
#71
○政府委員(三島健二郎君) これはあくまでも任意の処置でございますから、拒否される方にはさらにいろいろとこちらから御説明申し上げて、理解をしていただき、できる限り任意にそのような処置ができるように我が方といたしましてもいろんな形の御協力のお願いを申し上げるということでございます。
#72
○丸谷金保君 それで、これが根拠法令だとすれば、これだけでは通行中の女性のハンドバッグをあけさせるということはできませんね、権限として。本人が嫌だと言った場合にはできませんね。それができるかできないかだけ聞いているんです。それはできないんでしょう。
#73
○政府委員(三島健二郎君) 強制的にあけさせるということはできません。
#74
○丸谷金保君 ところが、大臣、この期間を通じて、嫌だと言えないような形で現在の警察法の二条が走っていました。いかがですか、大臣もそう思いませんか。この二条が根拠だとすれば、これはそこにも一つ問題があると思うんです。
 その場合は例えば、ひとつ御協力ください、こういう事態ですからあけさしてください、いいんですよ、あなたが嫌だと言えばそれはできないんですと言うくらいのことは相手方に通告しなければならないですね、裁判の場合でさえそうなんですから。あなたに不利になるような証言は、あなたがしたくなければしないでもいいんですよと裁判官が言うような今の法治国家ですよ。すること自体がいけないというんじゃなくて、その場合に理解を得て、協力してくださいということでなければならないはずなんです。これは強制ではないんですよということは当然説明がなされなければならないんじゃないかと思うんです。私は寡聞にしてそういう説明がなされているという話を聞かないんです。どうなんでしょうか。
#75
○政府委員(三島健二郎君) ただいまの点につきまして、現場的な話でございますので御説明申し上げたいと思います。
 現にそこで検問を行っている、そして荷物等について調べさしていただきたいという段階で、本人が必ずしも十分現状というものの認識をお持ちになっていないというふうな場合もございますので、そういう場合には我が方といたしましては、先ほど申し上げましたように、ゲリラ事件等が発生している、そういったふうなことをいろいろと申し上げをして、そして本人の理解をいただきまして、任意に協力していただくという努力を繰り返していくということでございます。
#76
○丸谷金保君 そんな説明はしていませんよ。また説明をできるような状態でもなかったです。一々説明していたら車は今の十倍もまた渋滞したかもしらぬ。まさに強制的に検査をしているという印象を都民はひとしく持ったと思います。まるで戒厳令下みたいだという話も、東京都で乗った車の運転手からも聞きました。これらはこれらとして問題はあります。
 今ずっと一連のことを申し上げたのは、こういう問題が起きるのはサミットとかそういうのを東京でやるからなんです。東京でなければこんな騒ぎにならないんです。七十億、百五十億、こんなものでは足りませんよね。そのほかに都民の受けた潜在的なマイナスからいけば、これはもうこれのまた何倍かになります。それだけあれば外国から――サミットをまた何年か後にやるようになるかどうかわかりませんが、いろんな形で来ますから、もう少しどこかちゃんとしたところで――前回も、北海道の道南に大沼といういいところがあるし、知事もあそこへ国際会議場をぜひ誘致したいと言っているんですよ。そういう発想の転換をして、東京でこういうことはもう二度とやらないような、こういうことについて大臣、何かそういう点での、国務大臣であり国家公安委員長という立場で物を言ってくださいよ。どうですか。こんなことをしていたらかなわぬですよ。
 警備をする方の人たちだって大変だと思うし、法的な根拠だって極めてあいまいです。法治国家ですからそんな強制的にやれるわけがないんです。都民がこのことを聞いたら、そんなんだったらおれたちあけさせるんじゃなかったと言うのがたくさんいますよ。何だ、そんなことかと、任意で、嫌だと言ったらできないんだと。特に被疑者の場合は別ですよ。これはおかしいと思うような場合はできるでしょう。いろんな工夫があるでしょう。しかし、善良な一般の都民のすべてに今回のような措置は、もう当然人権問題が起きてきますよ。それを拒否したから別なところへ連れていって全部裸にするなんというようなことをしたら、できませんよ、それはできないんです。また、やるべきでもない。
 そうすれば、無理してなぜ東京でやらなきゃならなかったか。それから、それだけの金があれば、金がないからとか、東京でなければホテルでもたくさん泊まるところがないからとかそんなことないですよ。何回もいろんなことで使うんですからね。これでもう今回限りにしていただきたい。国家公安委員長として、その点についてはひとつ頑張っていただきたいと思うんですが、いかがですか。
#77
○国務大臣(小沢一郎君) 前段の、実際上の警備の問題についての御指摘は、筋道として先生のおっしゃるとおりでございまして、私どもも皆さんの理解を得ながら警備の万全を期するようにこれはくどいほど申し上げてきたところであります。しかしながら、実際上いろいろ御指摘のようなことも具体的にはあったかもしれません。そういう点については、今後また反省しながら第一線の皆さんにもよく注意してやっていただくようにお願いをしなければならない、そう思っております。ただ、今回の警備につきましては、いわば警察力で無言のうちに拒否できないような雰囲気をつくり上げてしまったではないかというような感じの御指摘もございましたが、これはだれも警察官と言い合ったりなんかしますとおっかないですから、実際上はそういう面ももちろん全然ないとは言い切れないかもしれませんが、ほとんどの国民の皆さんは理解して、そして警察官もできるだけ御協力をお願いして、その中で行われたのではないか、私はそのように解釈をいたしております。
 後段の、国際会議場等の問題でございますが、これは警備等の面からいいましても、それだけの要素で決められるわけではありません。御指摘のように、北海道の広い原野の中にきちんとしたものを建ててやればそれだけ警備あるいはその他の問題もなくなるということも事実でございます。しかし、国際会議場を地方にももっと立派なものをという念願は私も個人的には先生と同じように持っておる一人でございます。そういう建造のための費用だけではなくて、それ以後のいろいろな維持管理等々の問題も具体論としてはあるわけですし、基本的には東京ばかりではなくして、ほかの地方におきましてもそういったきちんとした国際会議場あるいは宿泊施設等完備できるような施設をつくっていくということも非常に大きな地域の対策という面から見てもいいことではないか、私もそのように考えておりますので、今後そういうような問題等が提起されました際におきましては、折に触れ私もそのような考え方を主張してみたい、そのように考えております。
#78
○丸谷金保君 それはせひお願いしたい。
 ただ、御答弁の中でちょっと認識の違いがあります。北海道の原野の中とおっしゃいましたけれども、大沼公園は国定公園、風光明媚な、非常にいい温泉もある、しかも土地は豊かにあるところです。ただ、私は必ずしもそこということだけ言っているんじゃないんですよ。あるいは山中湖畔もあるだろうし、島もあるだろうし、いろいろあると思うんです。たまたま、北海道の場合は知事が一生懸命そういうことを言っているので、私も頭にあるから申し上げたんで、決して原野の中へ持っていくという話をしているんじゃないんです。いいですか。
#79
○国務大臣(小沢一郎君) はい、訂正いたします。
#80
○丸谷金保君 日本にはそういういいところがたくさんあると思うんです。これだけのいろんな潜在的なマイナスも入れれば相当なものができる、どうせ使うなら。そして協力をいただいて親切に警察官の方がやって事なきを得たというふうに御答弁がございましたけれども、事実はなまらな話で、あなたどうぞ見せてくださいというふうな調子でやれる仕掛けのものでないし、だから私はそれはやむを得ないと思うんですよ。東京でやるからああいうことになったんで、そんなやわな話で、トランクあけれ、ハンドバックあけれ、はい、そうですかなんてなりますか、あなた。そんなやわな、どこを歩いたってそんなことはなかったでしょう。大臣の今言うような。それだからといって、その警察官が悪いというんなら、それはもう任務を遂行するために一生懸命にやったんですから、それは大変だったと思うんです。だから、そんなことをさせないようにという意味ですよ。いいですか。
 何か言いたいことがあったら……。
#81
○政府委員(三島健二郎君) 訂正いたします。
 先ほど御答弁申し上げました中に、各県からの応援の数につきまして三十五都道府県と申し上げましたが、それは間違いでございまして、東京都はもちろん応援を受ける方でございます、都はございません。全体の数は四十四という数字でございましたので、訂正させていただきます。
#82
○丸谷金保君 そうすると、沖縄は抜かしたんですか。
#83
○政府委員(三島健二郎君) 沖縄と千葉が抜けております。
#84
○丸谷金保君 わかりました。どうぞ警察関係結構です。
 消防の交付税の問題でお聞きしたいんですが、この前も東伊豆町のことで御質問申し上げましたけれども、この交付税の中で大体消防力の基準というのは、自治省の交付税の消防費の中で、標準団体行政規模というふうなもので作成しているそれは十万人単位ですね。私はこれではやっぱりうまくないと思うんですよ。基準が十万人ではしご車なんというのは一台ですよ、十万人で一台なんです。こういうことから交付税の費用を算定していますね。ですから、東伊豆町が貧弱消防体制、はしご車もなしなんてこう文句を言われるんです。十万人に一台の基準の中で、一万数千人の町には
しご車もなしとたたかれるようなこんな基準でありますか、もう少し幾つかの基準を設定して交付税をやってもらわないと。おたくの方では、それは必置規正とかいろんなことをやっているというかしらぬけれども、やはり見る人はこれを基準で見て言ってしまうんですよ。これは交付税を改正するときですから、こういう基準の取り方を直す考えはありませんか。
#85
○政府委員(花岡圭三君) 先生御承知のように、地方交付税というものは画一的な算定をしなければならない宿命にあるわけでございます。特に単位費用をつくりますときにどういう団体を想定するかということで、現在十万人を基準にしておるわけでございます。これまでも例えば、大都市とかあるいはもっと人口の大きな都市とか、十万都市とかあるいは町村とか分けたらどうかという御議論もあったわけでございますが、私どもいろいろ技術的な問題もありまして、研究してまいりましたところ、やはり今の制度をさらに複雑にするのも非常に難しい点があるというふうなことを考えて、現在の段階では十万人というものを基準にせざるを得ないという状況でございます。ただ、先ほど消防のことについてお話しございましたけれども、特に温泉地等につきまして、最近は昔のような木造の小さな温泉じゃなく、非常に高層のビルもできるというふうな時代でもございます。ただ温泉地につきましては、例えば入湯税のようなものもございますので、こういったことで消防施設の整備ということも図っていただかなければならぬのではないかというふうに考えております。現在の消防力の基準というものをできるだけ反映するように交付税の中で算定いたしておりますけれども、現在の段階で、そういった人口比例によりまして結局十万人の基準よりも小さくなってくる団体について、さらに細かく分類してはしご車も設けられるようにというのは、今の普通交付税のシステムの中ではなかなか難しい問題じゃなかろうか。いろいろ問題もありますものですから、私ども十分研究させていただきたいと存じます。
#86
○丸谷金保君 入湯税の問題が今ちょっと出ましたけれども、入湯税というのは基準財政収入額の中に見ないんですか。
#87
○政府委員(花岡圭三君) 見ておりません。
#88
○丸谷金保君 そうすると、決算の基本税収の中には出てこないんですね、決算報告の。
#89
○政府委員(花岡圭三君) 税収の決算の中にはもちろん入ってまいりますが、交付税の基準財政収入額としては算定はいたしません。
#90
○丸谷金保君 そうすると、入湯税等があるから温泉地などの消防施設はそれでもって賄える、こういう政府見解だというふうに理解してよろしゅうございますね。大事なことなんですよ。温泉地を抱えている観光連盟なんかの自治体の会合もありますけれども、みんな頭を痛くしているんです。
#91
○政府委員(花岡圭三君) 結局、入湯税は目的税でございまして、そういった消防の整備等というふうなことにも充てるように設けられているものでございますから、必ずこれで賄えというものじゃございません。もちろん、支出につきましては地方団体の裁量もございます。ただ、そういうことに充て得る目的でございますから、そういったことも考え得るということでございます。
#92
○丸谷金保君 今度は消防庁の方へお聞きしますけれども、消防庁の消防施設の基準のとり方というのはどういうものなんですか。
#93
○政府委員(関根則之君) 消防力の基準はいろいろな指標をもとに算定をいたしますけれども、そのうちの主なものは、人口でありますとか中高層建物の数でありますとか、あるいは危険物の所在数でありますとか、また季節風等の風が非常に強いところか強くないところか、そういったような指標をとって計算をするわけでございます。
#94
○丸谷金保君 消防庁の方は、交付税の基準になるところの人口十万によるいわゆる消防関係の行政規模というふうなものとは別途な基準でやっているというふうに理解してよろしいですか。
#95
○政府委員(関根則之君) そのとおりでございまして、交付税の算定の際には市町村につきましては標準団体という設定を十万ということでしておりますけれども、消防力の基準の方はそういった標準団体設定ということをいたしておりません。個別の市町村ごとにその町村の人口がどの程度あるとか、あるいは高層建築物が何棟あるとか、そういうことで指標をとりまして判断するということでございます。
#96
○丸谷金保君 この前、有毒ガスの問題をやりましたけれども、そういうこともありまして、空気呼吸器と言うんだそうですね、ガスマスクじゃなくて。間違いないですね。空気呼吸器ですね。これはどういう基準で設置させるようにしていますか。
#97
○政府委員(関根則之君) 消防力の基準の方では個人装備につきましては格別基準を定めておりません。いわゆる基準外ということでございます。
#98
○丸谷金保君 自治省にお伺いしますけれども、自治省のこの十万単位の中でそういうものがあるかどうかと思ってあれしたら、化学防護服というのがあるんです。これは十万人で七万四千七百円の八人分の四分の一の十四万九千円が入るということなんですが、この中にはそういう空気呼吸器なんていうものも含まれるのですか。
#99
○説明員(遠藤安彦君) お答えをいたします。
 消防費の基準財政需要額の中身を計算する場合に、単位費用を人口十万人でつくりますけれども、そのときにどんなものを入れるかということにつきましては、消防力基準それから実態、そういったものにつきまして消防庁とよく相談をして決めておるわけでございますが、お尋ねの化学防護服につきましては、そういう装備を含んでいるものとは理解をいたしておりません。含んでいないと思っております。
#100
○丸谷金保君 私もそれは含んでいないんじゃないかと思うんです。
 同じく、ガス災害、放射性物質災害等対策用資機材というのがあるんです。この放射性物質というのはどういうものを想定したんですか。同じページにありますね。
#101
○説明員(遠藤安彦君) ちょっと今つまびらかにできませんので、質疑中に調べて御返事を申し上げます。
#102
○丸谷金保君 実は大臣、交付税の算定基準というのはかくのごとく難しいんですよ。書いてあって、これはやっぱり説明できないんです。わからないんですよ。まして都道府県や自治体へ行ったら、交付税の問題がわかっている、自分で計算できるなんて人はほとんどいないんです。町村の場合は都道府県に全部計算してもらうんです。それから市の場合は自治省と直接計算して、これで間違いあるとかないとかやりながら詰めて、両方で頭ひねりひねりこうなるんじゃないかというふうなことでないと……。
 しかし今、要するにガスマスク、我々ガスマスクと言いますが空気呼吸器、こういうものは絶対要るんですよ、消防をやる場合に。演習でもそれやらせますしね。あのガスの中へ入っていく場合、東伊豆の場合でも、はしご車こっち側から向けたとしても、ポンプ車が並べなかったんです、煙の有毒ガスで、国道の方面には。こっちへ風が吹いていたからそこはできないんですよ。空気呼吸器でもやっていればできるけれども、そうしなきゃできないですからもう必需品になってきているんです、今のような状態で。しかも、こういうものは全然基準に入っていないんですよ。そういう点で基準を改正する、こういうものを入れるというふうな基準に直していくというお考えはございませんか。
#103
○政府委員(関根則之君) 消防力の基準そのものにつきましては、これは大きな資機材等につきましての基準でございますので、格別消防力の基準の方にこれを入れていくということはちょっと考えられないと思います。
 一方、財源措置といたしましての交付税措置でございますけれども、これは現実の消防の用に要する経費を、一般財源として必要なものにつきましてはできるだけ交付税できちんと措置をしていただく、こういうことを毎年お願いいたしておりますし、毎年度の単位費用の算定におきましても増加、拡充をお願いし、実施しているところでございます。また、来年度以降におきましても引き続き実態に合うように改善充実をお願いしてまいりたいと考えております。
#104
○丸谷金保君 それは消防庁の方の答弁なんですよ。交付税の方では細かく基準をつくっているんです。消防庁の基準ではそんな放射能の問題だとか放射線対策だとか防護服だとかという基準はないんですから、おたくが言うのはわかるんです。おたくの方にはもともとそういう基準はないんですから。
 しかし、自治省の方はどうですか。自治省の方には細かく基準があるんですよ。細かくやっているんです。
#105
○政府委員(花岡圭三君) 単位費用の算定につきましては、毎年度関係の各省庁の御意見を十分にお聞きしながら改善に努めておるところでございます。御指摘のガスマスク等につきましても、消防庁の方からどの程度入れたらいいかというふうなお話も聞きながら、実態にできるだけ即したような算定をしてまいりたいというふうに考えております。
#106
○丸谷金保君 交付税というのは、素人ところか玄人でも大変わかりにくいような要素がたくさんあります。特に特別交付税というのは全く蚊帳の中だというのが従来の常識です。
 そこで、一つ具体的な函館市の問題なんですが、実は函館に電話をいたしまして地方ではこれだけ大問題になっているが、東京へ来ると全然まだあれなんだなと。これは新聞の切り抜きのコピーなんですが、こんなにあるんですよ。要するに、やみ手当支給問題なんですが、市長さんがこれが引き金になってとうとうおやめになったという状態なんです。ところが、中央へ来るとそういうことに余りぴんと来ていない、それはたくさんの数があるからやむを得ないかとも思います。
 ただ、このやみ手当の問題については私はかねがねいろいろ問題があると。一番これのもとになるのはラスパイレスなんです。ラスパイレスというふうなことで、自治省が厳しく地方自治体の人件費について締めつけをするようになってからこういう問題が起こってきたんです。その前にはないんですよ。それからの話なんです。しかし、これを取り締まるというか、抑え込むためにはペナルティーをかけるということになっていますね。例えば北海道だけでも、昨年から一昨年にかけて五カ町村くらいペナルティーがかかっているのがあるんです。ですから、全国的には随分多いと思うんです。
 東京都が退職手当の問題等で自治省と何年か前にがたがたやりましたね。勧奨退職する場合の退職手当の上積みだったですか、そして起債制限ということでやったことがございますね、鈴木知事になってから。それから神奈川県にも問題がありましたね。ところが、これ不交付団体だと特別交付税を減額するという方法はありませんね。その場合には起債制限をするんだと、こういうことになるわけで、それがペナルティーということになるんですか。
#107
○政府委員(花岡圭三君) いろいろ要素はございますが、特別交付税で差し引いておりますものは、いわゆる期末・勤勉手当の国を上回る支給額についてでございます。
 先ほど御指摘がございました東京都に関しては、たしか国を上回る給与改定の問題であったと思います。それから神奈川県につきましては、期末・勤勉手当でございました。
 御承知のように、都道府県の不交付団体には特別交付税は全然行っておりませんので、これは差し引くことができません。そういうことで、大体結果といたしまして減額というのはできないわけでございますけれども、私どもがこの期末・勤勉手当の超過支給額を差し引いておりますのは、特にペナルティーという意味合いで差し引いているわけではございませんで、これはそれだけの支給できる財政の余力ありということで、昭和三十九年度以来これを減額するということを省令に書いておるものでございます。
#108
○丸谷金保君 省令には書いてありますけれども、実行するようになったのはいつごろからですか。
#109
○政府委員(花岡圭三君) 昭和三十九年度からでございます。
#110
○丸谷金保君 実際には、この交付税の減額措置をするようになったのは三十九年からやっていますか。
#111
○政府委員(花岡圭三君) 昭和三十九年度から減額いたしております。
#112
○丸谷金保君 それではお聞きしますけれども、三十九年度にどれくらいやりましたか。
#113
○政府委員(花岡圭三君) この当時、最初でございますから、超過支給額の三割を減額するということで、この当時は十三億円でございます。
#114
○丸谷金保君 どれくらいの自治体が対象になりましたか。
#115
○政府委員(花岡圭三君) 六百十七団体でございます。
#116
○丸谷金保君 当時、例えば北海道なんかでもプラスアルファをほとんど超勤という形に切りかえてやっていたわけです。全国で六百というが、実際はそんなものじゃなかったと思うんですよ。
 これは時効がありますね。
#117
○政府委員(花岡圭三君) 時効ということではございませんけれども、減額すべきものが、交付税のいわゆる錯誤額と申します普通交付税で錯誤の取り扱いがございますけれども、これが普通交付税の場合は五カ年間ということにさかのぼってできることになっておりますから、これとのバランスをとって、超過支給額についても五年を限度といたしておるということでございます。
#118
○丸谷金保君 そうすると、それは五カ年をさかのぼっても減額する気になればできるという意味ですか。しっかり答弁してください。
#119
○政府委員(花岡圭三君) これは、その気になればそうかもしれませんけれども、交付税法のいわゆる全体の仕組みから見まして、いわゆる数値の錯誤のようなものについても過去五年ということでございますから、それをさらにさかのぼってもっと前までということは、交付税制度の安定性を維持する上からも問題ではなかろうかと存じます。
#120
○丸谷金保君 重ねて申し上げますが、日本は法治国家ですわ。局長さんがその気になれば取れるという答弁はちょっといかがかと思うんですよ。あなたがその気になったら、あるいは国が、自治省がその気になれば取れるけれども取らないんだと。取れるものを取らないとすれば、それはやっぱり問題ですね。不作為の行政権の放棄ですよ。そこはやっぱりはっきりしないとね。五年なら五年以上取らないんだとか、その気になれば取れるけれどもそれはこういういろいろ問題があるからやらないと、行政というのはそれがいけないと僕は思うんですよ。いろんなやみカルテルの原因の一つになってくるんです。なあなあがそこに発生するんです。もっときちっとやってもらわなければいかぬと思うんですが、いかがですか。
#121
○政府委員(花岡圭三君) 用語に間違いがあったという点は訂正いたします。
 結局、法律に書いてあるのかということでございますので、法律に時効という制度はないということで申し上げたわけでございます。この真意は、先ほど申し上げましたように、法律の解釈上からは錯誤ですら五年間ということでございますから、私ども特にペナルティーというふうに考えておるわけでございませんで、財源的な余裕があるというふうな考え方でこれを減額しておるものでございますから、錯誤よりもさらに軽いものという観点から見ればこれはそれ以上やるべきではないというふうに考えております。
#122
○丸谷金保君 それはもちろん解釈でよろしゅうございますか。錯誤でさえも五年なんだからもちろんそうでないものについてはそれ以上にさかのぼるということは難しいと、こういうふうに解釈していいですか。
#123
○政府委員(花岡圭三君) そのように解釈いたしております。
#124
○丸谷金保君 それで五年と、これは函館の場合も五年なんですがね。実は私も経験あるんですけれども、みんなやっているのになぜ期末手当のプラスアルファをやらないかと、昭和四十二、三年ごろですが随分労働組合とやり合ったことがあるんです。庁舎の周りじゅう赤旗で取り巻かれてね。しかし少なくとも時間外としてプラスアルファを出すことは公文書偽造をやらなければできないんですね。みんなやっているじゃないかと。そのときは、はっきり申します、道もやっていました。間違いなくやっていた。だから、以下全部ですよ。そういう状態だったんです。この問題は、例えば函館市のほかいろんなところありますでしょう。これは公文書偽造をやらなければ支出の方法はありませんね。どうですか。
#125
○政府委員(花岡圭三君) 私もインチキなやり方ということができるかどうかまで詳しく考えたことはございませんけれども、考えようによっては、細かくやるならば、超過勤務ということでやるならば、各人に超過勤務命令を出して、そしてその号俸に応ずる差を一々計算しながら出せばやれないことはないかもしれませんけれども、どのようにいわゆるプラスアルファ部分を超過執務手当で支払っておられるのかという実態については、やり方といいますか、その方法についてはつまびらかに私どもいたしておりません。
#126
○丸谷金保君 自治省がそういうことだからこういう問題が後を絶たないんです。もう少しきちっとしていただかないと、これは函館あるいはその他の、千葉でもそうでしたが、他から問題にされて出てきて初めて問題になるんです。だから、言うなれば免れて恥なしですよ。見つからなきゃよかったということであって、そういう状態を自治体の空気の中につくり出したというのは僕はやっぱり一半の責任は自治省の今のような姿勢にもあると思うんです。それはいけませんよと、公文書偽造になるし、当然詐欺行使にもなるんだと、そういうことをやったら刑法の問題にも触れかねませんと、いろいろ通達を出したり指導しているあなたたちが毅然としてそこまでの踏み込んだ言い方がなぜできないんですか。そうすればびたっとおさまるんですよ。函館の場合はまた別の問題がありますけれども、もう少し毅然とした態度でなぜできないんですか。
#127
○政府委員(花岡圭三君) いわゆる期末・勤勉手当について、国を上回るような支給はすべきでないということは事あるごとに地方団体に要請をいたしておるところでございまして、毎年度の通達あるいは会合の席でもこの点は徹底をいたしておるところでございます。
 ただ、交付税におきまして、これがはっきりつかめない点がありますのも、御指摘のように、地方団体の方からのいわゆる申告と申しますか、私どもは普通交付税あるいは特別交付税の算定の資料というものは地方団体からいただいて算定をするわけでございますので、結局その交付税制度の運用というものは地方団体との信頼関係の上において成り立っておるということでございます。したがいまして、私どもの方からいたしますと地方団体から申告しないということは初めから考えておりません。時に、ある団体におきましていわゆる基礎数値をごまかすというふうな非常に遺憾な事態があったこともございます。
 しかし、いわゆる交付税制度においてこういった信頼関係を破るようなことになりますと制度そのものが成り立たなくなるという点は私ども非常に心配いたしておりまして、地方団体につきましてもこの点は重々申し上げておるところでございます。特に、先ほどのいわゆるプラスアルファ問題につきましては財政当局のみならず、これはもちろん行政当局におきましても適正な支給をされるようこれは事あるごとに指導いたしておるところでございます。
#128
○丸谷金保君 指導しても後を絶たないですね、どうしても後を絶たない。行政というのは何も言わなくてもちゃんとなっていればいいんですよ。百万遍通告を出したってそういうふうになっていなければこれはいけないことです。直るようにするためにはどうしたらいいかということを考えたら、通告したり通達を出しているからいいというものじゃないでしょう。通達を出しているからこういうことが起きてもおれたちの責任じゃないということですか、自治省には責任ないと。
#129
○政府委員(花岡圭三君) これは、好ましくないということはあえて申し上げるまでもないわけでございますが、現在の段階で法律上この支給が違法であるかどうかという問題につきましてはまた別個の議論があろうかと思います。先ほど申しておりますように、私どもといたしましてはこのプラスアルファの支給部分というものはその団体に財政余力ありということで減額をいたしておるということでございます。
#130
○丸谷金保君 まさにそのとおりだと思うんです。そうしますと減額されることを承知で、覚悟して期末・勤勉手当等の上積みをした場合には方法がないですね。今の自治省の指導から言うと。
#131
○政府委員(花岡圭三君) これは、地方団体の判断によりまして直していただくほかはございません。
#132
○丸谷金保君 地方団体がそれでいいというふうに判断したらそれでいいわけですね、今の御答弁を裏返しに言うと。
#133
○政府委員(花岡圭三君) それでいいというわけではございませんで、これは直していただきたいということでございます。
#134
○丸谷金保君 直さない場合はどうなんですか、ペナルティーを覚悟して払った場合はどうなりますか。
#135
○政府委員(花岡圭三君) 結局、労使の関係におきましてはそれが事実行為として行われ、交付税の方ではこれが申告があった場合には減額をするということでございます。
#136
○丸谷金保君 それで住民が納得すれば、それはそこまでですね。
#137
○政府委員(花岡圭三君) これは、住民の方々におかれましても、住民の支払われた税でございますから、そういったことは適正に行われるように十分監視していただかなければならないということでございます。
#138
○丸谷金保君 監視すると言いますが、もう少し整理しましょう。長が提案して、議会が議決して、住民がそれに対して異議を言わないで支出して、そのために特別交付税が減額された、これは仕方がない。その場合に、自治省としてそれ以上に踏み込んでアクションを起こせますか。この問題についてですよ。
#139
○政府委員(花岡圭三君) それ以上について、とにかくやめてほしいと言うこと以上には出ません。
#140
○丸谷金保君 だから、やめなかったらどうだと聞いているんです。やめなかった場合にただやめてほしいと言うだけということは、そこまでということでしょう。
#141
○政府委員(花岡圭三君) そういう意味ではそのとおりでございます。
#142
○丸谷金保君 あとは函館のように、住民から問題があって理事者が責任をとってやめるということは、これは別の問題ですね。
 そこで、そうすると、やみ手当ということはないんですよ。今の御答弁を聞いていても。それだけ財政力が豊かであれば、省令に基づいてペナルティーではなくて特別交付税は計算上減額しますよというだけのことですね。どうなんですか。
#143
○政府委員(花岡圭三君) 私どもやみ手当と言ったことはございませんし、それはマスコミ等にそういった表現があったかもしれませんが、事実は先生御指摘のとおりでございます。
#144
○丸谷金保君 自治省としてはやみ手当ではないと言えますね。自治省が言っているんじゃない、やみ手当と言ったことはないし、やみ手当というふうに理解をしていないと。よろしいですね。
#145
○政府委員(柳克樹君) 函館市のことで御質問だと思いましたので……
#146
○丸谷金保君 函館市を聞いているんじゃないんだ。やみ手当を聞いている。
#147
○政府委員(柳克樹君) やみ手当とおっしゃいましても、どういうやみ手当ということになりますと、ただいまの御質問の中では函館市の例を引いておられますので恐らく函館市のことではないかと存じます。やみ手当、確かにこれは一般に新聞等で言われておる言葉でございまして、法律的にそういう言葉があるということではございませんが、一般的にやみ手当と申しますのは法律または条例に基づかない手当でございまして、函館市の場合にはそれに該当するのではないかというふうに考えております。
#148
○丸谷金保君 そうすると、局長の答弁とちょっと違うんですね。これはやみ手当だと言うんですか。
#149
○政府委員(柳克樹君) 函館市の場合で申しますと、超過勤務手当というのは条例に基づいて出さなければいけませんし、条例に基づいてといいますか、具体的に超過勤務の実態がないといかぬわけでございまして、函館市の場合には一律に支給しておる、しかも、それを期末・勤勉の支給時期に支給しておるということから考えますとこれは条例には合致しないんではないかというふうに思っております。
#150
○丸谷金保君 今私は、函館市と限定して聞いているんじゃないんです。いいですか。違いますでしょう、今の答弁。私の聞いているのは、長が提案して、議会が議決して、もちろんそれは条例その他ですね。そして、特別交付税の減額は承知して、住民もそれを了解すれば、これはやみ手当でないでしょうと聞いているんですよ。その方のことを聞いているんです。函館のことはさきに聞いたけれども、今は問題がずれているんですよ。それに対しては、それはやめてくれと言うだけのことだという局長答弁なんで、それはやみ手当というのとはちょっと違うんじゃないですか。
#151
○政府委員(柳克樹君) 議会で議決されるという場合、条例で決めますのはあくまでも仕組みでございまして、その仕組みに合った実態がないといかぬわけでございます。ですから、その実態を見ないと先生おっしゃるように直ちにそれがやみ手当であるかないかということは議論ができないんではないかと思います。
#152
○丸谷金保君 今私の言ったように、例えば、それじゃ函館市でもいいし東京都でもいいです、具体的に条例を出して予算議決も経て期末・勤勉手当の支出をするわけです。そして、それが住民から問題がなければそれらはやみ手当と言えないんじゃないかと。どうなんですか。
#153
○政府委員(柳克樹君) 先生がおっしゃっておりますのは、期末・勤勉手当として、例えばこれは年間四・九カ月ということが定まっております。それに準じた条例について、さらに例えばそれを年間五にするというような条例を定めた、それに基づいて支給されるという場合には、そのやみ手当の議論で言いますと、これをやみ手当として書いておる新聞もあるようにも思いますけれども、私どもの方といたしましては、それはあくまでやはり地方公務員法に基づく権衡の原則からしてプラスアルファーには少なくとも当たるというふうに考えております。
#154
○丸谷金保君 なるだけ十二時までに終わりたいと思っているんで、御協力してください。
 それはやみ手当ではないでしょうと聞いているんです。どっちなんですか。
#155
○政府委員(柳克樹君) 最初にお断り申し上げましたように、やみ手当といいますのは法律上の言葉ではございませんものですから、正確な定義というものがないわけでございます。したがって、それがどちらに挙がるかということをここではっきり申し上げるわけにはいかないのではないかと思います。
#156
○丸谷金保君 それじゃ質問を変えます。
 法律上やみ手当ではないでしょう。
#157
○政府委員(柳克樹君) 法律上やみ手当という言葉自体がないわけでございます。
#158
○丸谷金保君 ですから、法律上のやみ手当ではないでしょう。
#159
○政府委員(柳克樹君) 法律上のやみ手当ということが成り立たないんじゃないかと思います。
#160
○丸谷金保君 函館市の場合は、もうしたがって、法律上に用語がないんだから、地方自治法上のやみ手当というものではないですね。
#161
○政府委員(柳克樹君) 函館市の事例の場合には条例に基づかないものでございますから、そういう手当、そういう意味でやみ手当とおっしゃるんならこれはやみ手当ではないかと思います。
#162
○丸谷金保君 自治法上、函館市の場合も自治法上やみ手当ではないですね。
#163
○政府委員(柳克樹君) 地方自治法とやみ手当という言葉をつないで議論をいたしますと非常に難しゅうございますけれども、地方自治法では、先生御承知のとおり、給与、手当は条例に基づかなければいけないと書いてあるわけでございます。その趣旨からいたしますと、函館市の今回の問題になっております手当の支給というものは、地方自治法からいたしますとおかしいということが言えると思います。
#164
○丸谷金保君 地方自治法上の違法、違法でないということと私の聞いていることと違うんで、地方自治法上私は問題はあると思いますよ。まだほかにもたくさんあります。そのことを聞いているんじゃなくて、函館市の場合も地方自治法上やみ手当ではないですねと聞いているんだ。地方自治法上ですよ。やみ手当という言葉がないんだからやみ手当ではないでしょう。
#165
○政府委員(柳克樹君) 地方自治法には、先生のおっしゃるように確かにやみ手当という言葉はございません。これは私も先ほど申し上げたとおりでございます。やみ手当といいますか、再々申し上げますように、これは一般の世間で言われておる言葉でございますから、これを地方自治法の法律上の仕組みとあわせて議論するというのは非常に無理があるんではないかと思います。
#166
○丸谷金保君 委員長、これじゃ質問できないですよ。無理だと言うんだから。どうしますか。
#167
○委員長(増岡康治君) どうですか、またほかに答弁される方ありますか。
#168
○政府委員(柳克樹君) 言葉が足りませんでしたらおわび申し上げますけれども、やみ手当という言葉を法律では使っていないわけでございますから、先生のおっしゃっておられる、お考えになっておられるやみ手当、その範囲が自治法上でどこに当たるかという議論になりますと、この範囲であるというふうにはなかなか申し上げられないということを申し上げておるわけでございます。
#169
○丸谷金保君 私は、やみ手当というマスコミ用語があっても、地方自治法上は法令に基づいた違法行為はあっても、地方自治法上やみ手当という言葉はない、そのことを聞いているんです。私は今、地方自治法の交付税の論議をやっているんですから。十二時までに終わるように御協力いただこうと思ったけれども、とてもこんなことではきょうは終わりませんよ。こういう答弁をさせていたら、十三日もう一日もらいますよ。じっくり交付税の問題やらせてもらいますよ、こういうばかな答弁では。
#170
○政府委員(柳克樹君) 再々申し上げますけれども、要するに、地方自治法上にはやみ手当という言葉はございません。
#171
○丸谷金保君 だから、函館市の場合も、いいですか、よく聞いてくださいよ、地方自治法上に言う場合には、法令違反はあっても地方自治法上それを即やみ手当とは言わないですね。
#172
○政府委員(柳克樹君) 地方自治法上はあくまで問題のところがあると存じますけれども、地方自治法上はやみ手当という言葉はございません。
#173
○丸谷金保君 まあこのぐらいにしておきましょう。
 全国的にやみ手当という言葉が、いかにももらっている方も悪いような印象を住民は受けるんです。しかし、もらう方まで責任はないんですよ。もらう方はどういう形にしろもらえばいいんで、くれるからもらうんであって、それは出す方が考えることなんです。財政局長そうですね。支出費目は提案権者の方が考えることですね。それで議
会が議決することですね。どうですか。
#174
○政府委員(花岡圭三君) どちらがいいとか悪いとかいう問題ではなく、私どもの方から見れば出すこと自体それはよろしくないというふうに考えておりまして、その結果特別交付税の算定上差し引くという作業をやっておるということでございます。したがいまして、善悪の問題を判断しながら交付税の算定をいたしておるわけではございません。
#175
○丸谷金保君 私の申し上げているのは、もらう方に団体交渉でどうだから仕方ない、押し切られたなんということは世間には通らない話です。最終的には提案権者が予算案を提案して、議会が決めて、それに基づいて出すんだからやみじゃないんですよ、公開の席でちゃんと予算審議してやっているんですから。本来やみ手当という用語自体もおかしいんです、やみからやみではないんですから。議会の議決をとっているんです。しかも、この場合は団体交渉とかなんとかなんて、管理職がみんなもらっているんですよ。そうすると、これは労働組合と理事者との団体交渉の結果でも何でもないんです、管理職はもらっているんですから。市長さんも自分が管理職のときにもらっていた。だから、市長になってもなかなか抑え切れなかったんじゃないですか、そう思いますけれどもね。超勤を管理職ももらっているということはこれこそ問題だと思うんです。一般職員が超勤としてもらっているのとこれは全然問題が違うんです。
 したがって、これを同一視して、出した方の責任が薄れて、もらっている方の職員が悪いということにはならないだろうと私は思うんですが、大臣、今の点間いていていかがですか。
#176
○国務大臣(小沢一郎君) 私どもとしては、例えば手当は四・九、国を基準にして考えておりますから、それ以上出すということは好ましくないということで指導し、しかしながら、先生御指摘のように、地方自治体におきましてそれが議会も首長も、また最終的には地域民の判断でございます。したがいまして、それを法令に基づいてやって、その結果私どもとしてはそれは余裕があると見るから交付税は減額する、そういうことであると思います。
 ただ、その手当をあるいは超勤という名前にしようがどうしょうが、それを出すとするならば、条例なり法令にきちんと基づいてそれはすべきではないかと私は思います。地方団体でそういう形をとらないで仮にやるとすればそれは違法なやり方ですからよくないと、そのこと自体。しかし私どもは、そのようにいっぱい出すことは好ましくないという考えを持っていますから、そのように指導はいたしますけれども、筋道としては先生のおっしゃるような先ほど来の御議論ではないかと思います。
#177
○丸谷金保君 整理して御質問申し上げますが、長の提案権に基づいて議会が議決をして職員に支給をする、その額が多くても、所定の手続を行った場合に、自治省は特別交付税の減額要因にはするけれども違法とは考えていない、しかし好ましくない、好ましくないというのは違法だと言い切れないから好ましくないと言っているんですからね。私は、好ましくないなんというのは随分何遍も言われましたから全然気にしないんです、好ましくないというのは。好ましくないと言われたって何でもないんです。そのままやったって違法ではないんです。好ましくないと言われることは。
 財政局長さん、好ましくないということと違法だということとは違うということですね。
#178
○政府委員(柳克樹君) 先生おっしゃるように、条例によって所定の手続が定められてありまして、その所定の手続に基づいて支給されたものであればそれはよろしゅうございます。しかし、お話の場合はそれに当たらないんではないかと思います。
#179
○丸谷金保君 それで、函館の場合はそれに当たらない。しかし、それはあくまでそういう措置をとるのは職員でなくて理事者と議会でしょう。理事者と議会の責任ではあっても、それを受け取った職員が同列の責任だと、道義的にはいろいろあるかもしれませんけれども。この場合、法的に所定の手続をやらないのは職員ではないんですから、提案権もなければ議決権もない者がやれないんですから。こういう方法で出そうといって、しかも職員だけでなくて管理職まで全部含めて出したということについては理事者や議会には責任があるかもしらぬけれども、職員には責任はありませんね。大臣、どうですか。どう思いますか。普通の判断としてこんなことは議会人なら当然理解できる話だと思うんですよ。
#180
○政府委員(柳克樹君) 先にちょっと手続を御説明申し上げます。
 この賃金の問題につきましては、最終的には先生おっしゃるようにあくまでも議会あるいは理事者側が決定をいたすものであることは間違いございませんが、地方公務員法に基づきまして勤務条件については交渉する、職員団体との交渉を受けてやるようになっております。そういうことでございますから、その交渉に基づいて支給されたというような場合には……
#181
○丸谷金保君 交渉でないんだ。管理職にまで出ているんだ、管理職にまで。何が交渉だ。いいかげんにせい。
#182
○政府委員(柳克樹君) それはしかし、先生、一般の給与の場合でも賃金のアップをいたしますとこれは管理職にまで及ぶわけでございます。それは同じ話であろうと思います。
#183
○丸谷金保君 違うんだ。
 もうそれは、黙っておとなしく聞いていたけれども、ちょっとほどほどにして、時間があると思うから僕の方はなるたけ先に進みたいと思うのに、交渉で決まったんならなぜ管理職には出るの。管理職にずっと出ているんですよ、一律に。交渉でも何でもないでしょう、これ。交渉ならそれは労働組合との交渉で管理職以外の者で出したというのは交渉というものはあり得るよ。管理職も全部同じに出ているんだよ。じゃ管理職も交渉したのか。そんなことではないでしょう。実態はそうでないの。
#184
○政府委員(柳克樹君) 一般に勤務条件を改める場合には職員団体と交渉をいたします。その妥結をする場合あるいはそれに関して意思決定をする場合には、当然ながら管理職も含めましてその他の職員についても支給するかどうか決めるわけでございまして、先生おっしゃるように管理職の方に支給されておるからこれは交渉の結果ではないというふうには、そういう議論にはならないかと存じます。
#185
○丸谷金保君 あのね、管理職は超勤をもらえないことになっているんだよ、あなた。いいですか。それに出している。いいですか。それが交渉の過程で一般の会社の給料の上がるやつと違うんだよ、地方自治体におけるところの管理職と一般職と。だから管理職は組合員になれないんでしょう。函館の場合そうなんだよ。だから、私はこれは労働組合に属する一般職員の責任だということにはならないと。相互の交渉だけだったらそれはいろいろ問題もあるだろうけれども、管理職にも全部すっと出しているんです、毎年同じように。団交でどうして管理職の分まで出せなんて労働組合は言うんだ。そんなことにはなっていないんだよ。だから、これは労働組合と理事者の間であれしたんなら労働組合ももちろん責任があると言えるかもしらぬけれども、そんな団交とかなんとかでなくて、もう慣例として――もっと本当はたくさん言いたいことあるんです。五十五年一遍ペナルティーを受けているんです。何も直っていないと同じように出ているんです。自治省は一体何を調査していたんだと。五十二年からもうずっと出ていてそして一遍とって、また同じことをずっとやっている。これはとてもじゃないけれども、そういう答弁されているんならちょっときょう終わりませんよ。冗談でないね。それでは実態をもう少し調べなさい。
 これは委員長、とてもじゃないけれどもあれにならぬです。
#186
○政府委員(花岡圭三君) 管理職に対してプラスアルファといいますか、超勤を出すのは私はこれは適法ではないと、かように考えます。
 なお、いわゆる職員の責任であるかどうかというお話でございますが、私どもの職員がいいとか悪いとかは考えておりません。特に判断はいたしませんが、これはやはり理事者の方でこのようなものは出すべきではないと考えます。
#187
○丸谷金保君 大臣、よろしゅうございますか、それで。
#188
○国務大臣(小沢一郎君) 基本的にはいわゆる法的、制度的な手続に基づいて給与を支払うのは首長さん、そして議会の議決ということでやるわけですから、その意味においては議会とその自治体の行政の方での制度的な手続によるものであると、その責任で出すものであると、その点については一般論として私はそう考えております。
#189
○委員長(増岡康治君) 交付税課長、さっきの、追加してください。
#190
○説明員(遠藤安彦君) 先ほどお尋ねの交付税の単位費用の積算の基礎にあります放射性物質災害対策用資機材の中身でございますが、GMサーベーメーター及びディジタル蛍光線量計と言われるものでありまして、いわゆるガイガーカウンターのことでございます。
#191
○委員長(増岡康治君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時五分まで休憩いたします。
   午後零時六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時六分開会
#192
○委員長(増岡康治君) 地方行政委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#193
○中野明君 財政局長にお尋ねをしますが、サミットが終わりましても円高がますますひどくなって、きょうは百六十三円ということなんです。先日も私、愛媛県の今治へちょっと行ってきましたが、あそこはタオルで輸出一本のところなんですが、もう悲鳴を上げておりました。こういう状況で早々と予算が通った直後から補正の話が出ているわけですが、地方の税収にも多大の影響が出てくるのではないかと非常に心配をしておるわけです。それに加えて来年は大幅減税ですから、当然いわゆる国税三税のはね返りの交付税の絶対額も減ってくるんじゃないかということで地方財政の計画について非常に心配をしているんですが、そこら辺を含めて財政局長の地方財政に対する見通しといいますか、お考えがあればおっしゃっていただきたいと思います。
#194
○政府委員(花岡圭三君) 私どもも、最近の地方財政の状況を見ておりますと、六十年度におきましても税収につきましていわゆる平均的な伸び率を示してなく、ばらつきの多い各団体の税収入の状況が見えております。この状況が六十一年度においても続くのではなかろうかということで見ておるわけでございますけれども、特に先ほど御指摘のように、六十一年度におきましては急激な円高が進んでおりまして、これに対応するといたしますればやはり内需振興のための歳出の需要が要る。あるいはその円高の影響によって企業の不振による税収の減が見込まれるというふうなこともあろうと見ております。この円高の影響が恐らく徐々に浸透してくると思いますけれども、こういうふうなことに対する対策というふうなことで、今後国におきましても内需振興のいろいろな方策が考えられると思いますけれども、これに呼応いたしまして地方財政の対策もとっていかなければならないという考え方を持っております。
 また、大きな話といたしまして、御指摘のありましたようにいわゆる今年度におきます税制の抜本的な改正ということになりますれば、国税三税に関する影響と、これによる地方交付税の影響というものも当然出てまいるわけでございますから、この際にはもちろん私どもといたしましてもいわゆる減税に係る部分の穴埋めと申しますか、これについてはいわゆる臨時税目をどうするかということも含めまして、交付税の確保というものはこれは当然やっていかなければならないというふうに考えております。しかし、こういうふうな状況でございますから、一般的に地方財源を確保いたしましても個々の団体におきましては大変財政の運営が難しい。税の伸びるところでは、例えば福井県のように原発関係もあってかなり税が伸びているところもございます。しかし、一方東北あるいは北海道、九州の方では、昨年度におきましても税収が二%程度しか伸びない、こういうふうな状況でございますから、やはり個々の団体の財政運営というものを十分に見ていかなきゃならぬということで、これは六十年度におきましても、個々の団体の事情をよくお聞きいたしまして、枠外の起債等で措置をいたしたところでございます。
 全体的に地方団体がそれぞれの地方財政運営を的確にやっていかれるように、私どももそのお手伝いと申しますか、財源措置というものは個別に十分見ていかなければならない。同時に、いわゆる行革審等のいろんな提言もございますから、これらに対するいわゆる地方財政全般の制度の問題についても十分注視しながら対応してまいりたいと考えております。
#195
○中野明君 それで、先日、補助金カットの一括法は終わったわけですけれども、地方財政というのは去年、ことしと補助金のカットさえなかったら収支が均衡する、こういうふうにされておったわけなんです。収支が均衡するというのは減税がなかったというのが一つのやはり大きな要素になっていると、私はこう思うわけです。減税があるということはそれだけやはり地方財政に減収をもたらすということですから、そういうことできている中で補助金が一律にカットされた。一律というのは率は少しことしは変わっていますけれども、そういうことが起こる。要するに、交付団体の中でこういうことを繰り返しておるとますます財政力の格差が拡大してくる。このことがかねがね我々も心配していることなんです。
 自治省は、福祉事務事業の一部見直しが伴った、こういうことを理由にしてこの三年カットも万やむを得ず受け入れざるを得ないというふうに決められたと、こういうふうに伝えられているわけですが、こういう地方財政の事情のもとで、事務権限が地方に移譲されたということだけで、財源が余り伴ってきていない状況の中ではかえって福祉の地域格差を生じさせるという心配が我々はのかぬわけなんですが、自治省というのはどういう判断で今後三年間、この三年間というのも根拠があいまいで余りはっきりしなかったわけですけれども、自治省がこれを万やむを得ず受けられた根拠といいますか、判断はどこら辺に持たれたんだろうか。去年よりも倍のいわゆる地方負担を受け入れたということになるわけですが、その辺はどういうふうに理解をしたらよろしいでしょうか。
#196
○政府委員(花岡圭三君) 六十一年度におきましては、御指摘のように、六十年度よりもさらに補助率のカットが大きくなっております。もちろん国の厳しい財政事情のもとでこのような措置がとられたわけでございますけれども、六十年度と違いまして、六十一年度分につきましては補助金問題検討会においてこの事務事業の見直しが行われたわけでございます。この点につきましては、昨年度地方団体におきましても、事務事業の見直しをしないで一律カットをするのはやり方として極めておかしいではないかという問題を指摘しておったところでございます。そういういきさつもあって六十一年度は事務の見直しが行われた、そういうことでございます。
 私どもといたしましては、事務事業の見直しが行われた、そして検討会の報告というものはやはり今後国、地方の財源配分のあり方についての抜本的な見直しということが課題になっておる、また今後とも引き続いて事務事業の見直しをしなければならないということで、今回の措置は暫定措置とすべきであるという報告をいただいたわけでございます。
 また、地方団体の側におきましても、毎年毎年この補助率のカットが行われるというのは困る、制度の安定がやっぱり必要なのではないかというふうな御意見もありまして、地方制度調査会の答申でもそのような御指摘がなされております。そのようなことで今回三年間というふうな措置にしたわけでございますが、これらにつきましては、一兆一千七百億円のこのカットに対する影響につきましてはそれぞれ財源措置をいたしておりますので、地方団体間におきます格差というものがこのために生ずるということは私ども考えておりませんけれども、先ほど申し上げましたように、各団体におきます税収の伸び率というものがいろいろばらつきがございます。そういう意味では各団体における財政運営というものはこの補助率のカットの影響を受けてやはり難しくなるところも出てくるのではなかろうかと。ただ、これは補助率カットと直接の影響はないと私ども考えておるわけでございます。
 結局、なぜこういうものをのんだかという基本といたしましては、国の財政というものは極めて厳しいということがやはり前提にあったことは否めないわけでございまして、これは地方団体におきましても国の財政事情というものはよく了解いたしておりますし、国の補助率のカットというものは、これは事情が事情であるならば受けてもよろしいけれども、しかし、それはやり方が問題であるというふうな地方団体の考え方があったわけでございます。そういうふうなことから今回の措置というものが行われたと。いわゆる事務の検討がなされまして、そして財源措置もいわゆるたばこ消費税の税率の引き上げという臨時異例の措置があったというふうなこともありまして、地方団体とも協議の上私どももこれをのむこともやむを得なかったという事態でございます。
#197
○中野明君 ただ、私ども心配しますのは、昨年の倍ですね。その一兆一千七百億円を地方財政で賄うという、財源措置はあったにしても賄うというこの措置をとられたということは、去年どことしと地方財政を見たときに倍も肩がわりというんですか、国の財政の苦しいのを地方が肩がわりで受け持ったということになるわけですが、去年の倍も受け持つだけの地方財政に大きな変化があったのかどうかということ、いろいろ議論はあったんでしょうけれども、こういうことを安易に認められるということは、今盛んに心配をされているというか、言われている地方富裕論を自治省みずからが認めたといいますか、そういうことになってしまったんじゃないか、そういうふうに我々は懸念をするわけです。
 去年、結局五千八百億を地方に持ってもらった。何とかやってくれた。余り文句もその後に出てこないと。それでことしはその倍でしょう。それでこれまた何とかやってくれるということになると、これはもうこれから先将来にわたって何ぼでも地方へ無理を言うたら幾らでも言うことを聞いてくれるんだというような、そういうことを、自治省としては富裕論に手をかしたというか、そういうふうに取られてしまっているんじゃないかというような気がするんですが、その辺はどういうお気持ちですか。
#198
○政府委員(花岡圭三君) 六十年度の場合におきましては、先生御承知のように、例の五十九年度国会に提出いたしました地方財政の参考試算、これによりますと一兆円を超える赤字になる見通しということでございましたけれども、結局六十年度におきましては地方税の伸び、それから地方交付税の伸びというふうなものに支えられまして、六十年度におきましては収支が均衡したわけでございました。そこへ補助率の一律カットで五千八百億円の影響をこうむったわけでございます。六十一年度におきましては、現在の状況、いわゆる六十年から六十一年度における推移と申しますと、結局特段の税収のいわゆる変動というふうなものもないわけでございますが、ある程度の伸びが確保できるというふうなことからいきますと、結局地方単独事業につきましても三千数百億円伸ばすということができたわけでございます。これを伸ばすことによって収支が均衡したわけでございます。
 そのような財政状況でございますから、収支が均衡したというのも別に無理をしたわけではないわけでございますけれども、そういった財政状況がなぜもたらされておるのかというのも根っこには五兆七千億円に上ります交付税特会の借金、これを六十六年度以降に送っておるからである。これを返していけば、当然これは収支均衡するわけじゃございません。たまたまそのようなことがあるものですから収支が均衡しておるわけでございまして、その意味で地方財政が決して余裕があるわけではないわけでございますので、国と地方のどちらが苦しいかというだけのことだろうと思います。
 今回の補助率の問題につきましては、昨年よりも非常に大きな額になっておりますけれども、先ほど申し上げましたような事情で、地方団体と十分連絡をとりながらその辺についての納得をいただいてこの措置を講じたということでございまして、これは地方財政に余裕があるからということではございません。この辺は地方団体ももちろんそんな余裕があるというふうな運営をしておるわけでもございませんし、非常に厳しい財政運営をしておるわけでございます。しかし、今国の財政が予算が組めない状況であるならばそこは一応協力はじょう、しかし筋は立ててほしいというふうな実情であったわけでございます。
#199
○中野明君 昨年、私どもが一番心配した一番悪い形で今回の一括法が出てきているわけですね。それも結局抜本改正、抜本的に物を見直すんじゃなしに暫定で、しかも一年が三年という、こういう状況になったことを、私たちは去年はそれを一番心配したからかなり国会でも大きな問題にしたわけなんです。その一番悪い事態に今なっているわけなんですが、自治省自体が確かに国の、公経済の中の一つの機関で、内閣全体の、政府の機関ですからある程度国の財政とにらみ合わすということはわからないではないです。しかしながら、ちょっと押されっ放しというんでしょうか、こういう自治省の姿勢というものが、一般の人たちの地方はまだまだ余裕があるんだという地方財政に対する考え方、そういう誤った方向づけを推進さしているんじゃないかという心配がこれから次々出てくるんじゃないかと思うわけです。
 それで、最近発表された行革審の状態を見てみますと、調査小委員会の報告の素案というものが先日出ましたね。あれなんかにも端的に次々畳み込んでこられるような感じを我々受けるわけです。その小委員会の素案の一つとして、地方交付税率の見直しということがまず一番目にあります。それから財源均てん化のための財政力に応じた留保財源率、補助率格差の導入ということが二番目に出ていますね。三番目には国保の保険運営への府県負担の導入などを打ち出して、地方六団体の大変な反発を受けているという状況に現在あるわけです。ですから、自治省としてこの小委員会の状況はどういうふうにとっておられるのか、素案の素案でしょうからこのとおりになるとは断定はできませんけれども、既にもう一般にも公表されている。もう今から地方交付税率の見直しなんというようなこと、恐らく行革審の言っている見直しということ、交付税率を上げるというような見直しはまさか考えていないだろうと思うんですね。見直しということは交付税率を今よりも減らすという思想がここに流れていることは明らかだと思うんです。そうなってくると、自治省が去年からことしにかけてよかれと思ってやってこられたことが全部追い込まれてくる、一つの下敷きになっているんじゃないかというふうに我々は心配をするわけなんですが、この小委員会の状況についてどう掌握しておられますか。
#200
○政府委員(花岡圭三君) 地方財政の余裕論が出てまいりますのはいわゆる公債費の比率の問題、あるいは公債依存度の問題、公債残高の問題、こういう数字を比較すればこれは国の方が厳しい、この数字自体に別に誤りがあるわけではございませんけれども、そのようなことを基礎にして言われるものだと私も思っております。しかも、現象的にはいわゆる地方団体の給与が高いではないか、あるいは庁舎も立派なものをつくっているではないかというふうなこともあわせて言われるわけでございますけれども、先ほど申しておりますように地方に別段財政の余裕があるわけじゃございません。
 ただ、この行革審等、あるいは昨年も出ておりましたけれども、経団連の意見なんかを見ておりましても、交付税についての内容というものを余りよく御存じないような点も見られる。例えば、地方財政がいろんなことをやっておるのは、いわゆる交付税率がそのまま三二%に固定されているからだというふうな考え方が出ている。地方団体が交付税の借金をしているということは十分御承知ないんじゃなかろうかというふうに見られるところもあるわけでございます。私どもといたしましては、行革審のこの素案に対しましてこのような認識で物事を考えてもらっては困るということは十分申し上げております。いろいろ現在交付税率の問題を含めまして地方財政に関する提言を行うべく議論をされておるわけでございますけれども、行革審の小委員会のヒアリング等におきまして地方財政の厳しい現状というものは十分に説明いたしております。
 ごらんになったと思いますけれども、この小委員会の報告は四月二十八日に出ておりまして、もとの素案と申しますか、こういうふうなお話しをするのもどうかと思いますけれども、やはり交付税率というふうな問題は出ておりました。しかし、今回の報告ではこの交付税率というふうな直接そういった表現では出ておりません。そのようなことで、私どももこの行革審の小委員会の理解を得るべくできるだけの努力をしてまいっております。地方団体の地方財政の状況というものは十分に御説明をしてまいっておるところでございます。
#201
○中野明君 今のお答えにもありましたように、十分説明しておるというふうにおっしゃっているわけですけれども、先日の補助金の問題に戻りますが、補助金問題検討会でも、自治省からいただいた資料を見ると随分丁寧に現状をそのまま説明しておられるように私は理解をしております。ところが、幾ら自治省が説明をされても、それがもう全然受け入れられなくて、事志と違うような結論が導き出されてきているというところに我々は心配があるわけです。ということになると、これ自治省の言い方が弱いのと違うんだろうかとか、こういう姿勢でやられると、今国の方の考え方というのは、もうとにかく地方にも行革ということをやかましく言って、そして減量経営をして財政の収支均衡、これが至上命題のように押しつけてきているわけですね。そうなりますと、これは地方の自治の保障とかあるいは福祉の維持というのが第二義的になって、とにかく国の基本的な考え方である財政の収支均衡、そしていわゆる行革をもっとやれやれ、こういうことで本末転倒してくるような形になる心配があるわけです。
 ですから、自治省から出された資料を見ると、まことにもっともな話で当然だ、だからこれがどうして用いられないんだろうというぐらいに私たちも非常に不満を感じますし、財政局長が先日、「昭和61年度の地方財政の展望」の中でお書きになっているように、この補助金の問題にしても、
  地方団体は、明年度の国の財政が極めて厳しいことは承知しており、ある程度の協力はやむを得ないと考えていた。地方団体が反発するのはその金額に対してよりも補助金等の削減の手法に対してであり、筋の通った補助金等の整理ならむしろ地方団体が引き受けてもよいという姿勢ですらあった。しかし、地方団体の主張は各方面の強い反対にあい、補助金等の整理は地方団体の納得するやり方で行わなければならないという立論は十分に実るにいたらなかった。と、こう局長みずからもお認めになっているわけですね。
 こういうふうに正しく事情を説明したことが各方面からの反対を受けるというんですから、結局これは地方富裕論というのが各方面に浸透しておるという一つのあらわれじゃないかと思うんですね。その点、地方自治ということを守っていき、地方自治の本来の姿を維持していくためには自治省がよっぽどしっかりしていただかないと、自治省が国に対して余り物わかりがよくなられると結局地方自治は後退するということなんですからね。その辺いろいろ努力はなさっておられるように見えまして、最終的にはもう全部譲っておられるという、そして各方面の納得も理解も得られぬで、結局事志と違うような結論が出てきている、こういうことになっているわけですね。この行革審でも今随分御説明になっているようですし、反論もしておられるようです。
 この行革審のことについても私非常に気にかかります。ですから、この行革審に対する対応を、素案に盛られたことについてもうちょっと議論をしてみたいと思うんですけれども、地方交付税率の見直しというのは、行革審は私がさっき申し上げたように、もっと地方交付税率を上げろというんじゃなしに率を下げろと、こういう見直しの議論になっておるのかどうか、その辺をもう一度説明していただけますか。
#202
○政府委員(花岡圭三君) 行革審の当初言われておったことにつきましては、御指摘のように、地方交付税のあり方ということにつきまして、いわゆる交付税率等も含めて所要の見直しを行うという考え方が示されておったわけでございますけれども、いろいろ説明をいたしまして、そういった交付税率というふうな問題あるいは交付税という言葉、こういうものは消えておりまして、現在出ておりますのは「国・地方間の調整」という形になっております。ところが、これだけ読んだのでは余りよくわかりませんけれども、「国・地方の歳出需要の動向、財政状況の推移等を踏まえ、国と地方財政との間の調整の在り方について所要の見直しを行う。」という形になっておりまして、交付税の税率の引き下げというストレートな表現というものはなくなっている。
 私ども、この行革審に対する説明におきましては、交付税というものも、先ほど御指摘のございましたように、いわゆる税制の抜本改正というものがあるならば、交付税の総額を確保するためにはこのリンク税目等の問題を含めて何らかの措置を講じなきゃならぬ、そういう意味合いでは交付税のといいますか、国、地方間の財源配分の問題というものは、それは検討をしてもらっても構わないという趣旨の説明はいたしております。その結果がこのような表現になったものだと私ども理解しておるところでございます。
#203
○中野明君 大臣、行革審の交付税率の見直しということで、行革審の素案ですけれども、ぽんと出てくるということはこれはゆゆしき問題だろうと我々も思うわけです。この点については交付税率は我々としてはもっと上げるべきだという考えをずっと年来持っているわけなんです。それをここへ来てこんなことを言い出すというのは、これはよほど説明不足だったのか、それとも向こうの認識不足なのか。この点については大臣、それ相当の覚悟で行革審にも説明もしてもらいたいし、そういうものじゃないということを大臣の立場からもぜひ頑張っていただかなきゃならぬと思うんですが、その辺御決意はどうですか。
#204
○国務大臣(小沢一郎君) 先ほど来御指摘の補助率の問題にいたしましても、あるいは今の交付税率の問題にいたしましても、自治大臣としてまた自治省といたしましてもっと強く主張し、その筋道を通さなければいけないのではないかという点につきましては私どもも同様に認識しておりますし、精いっぱいやっておるわけであります。なお、今後とも本来の趣旨に沿って努力をしなければならないということは深く認識をいたしております。
 行革審の問題につきましては、交付税率あるいはその他の問題につきましても、全部の委員の皆さんがそうであるわけではないと思いますが、一部の皆さんの中には地方の財政あるいは国と地方の仕組み等について誤解されたりあるいは理解が不足しておられると思われるような面も見受けられておりまして、自治省といたしましてもその点については強く主張し、理解を得られておると思ってはおります。いずれにしても、私どもといたしましては行革審に対しましてももっと強い立場で、国の財政事情ということがありますけれども、筋道は筋道として主張しなければならないと思います。
 また、どうも私の全くの暴言、私的な意見でございますが、いろいろな問題についてこそくなやり方というのは余りとるべきではないのではないか。どうせ――どうせと言っちゃ語弊がありますが、考えるならばもっと大きな発想のもとに取り組んでいってもらいたいものだなという考え方はいたしております。いずれにいたしましても、そう言いながらずるずると譲る結果になったのでは結果としてその責任を免れることができませんので、先生の御指摘を踏まえまして今後とも言うべきことは言って、通すべきことは通すというふうに、結果としても自分たちが目指したと違った結果になってしまったじゃないかということのないように努力をいたしたい、そのように認識いたしております。
#205
○中野明君 大臣にはいずれ当委員会でたびたび質疑をする機会があるので補助金のときには余り大臣に申し上げませんでしたけれども、お聞きいただいておったと思いますが、先ほど財政局長も補助金問題でも検討会が設置されてということを、去年とは違った面で一歩前進だという意味のお話がありまして、我々も去年よりは一歩前進していることは認めているわけです。認めているんですけれども、補助金問題検討会の性格そのものがいいかげんなものだったということを言ったわけです。せっかく総理大臣の諮問機関で地方制度調査会というものがあって、そしてそれがもう二十日も前にちゃんと正式の答申を出している。それから補助金問題検討会はわざと発表をおくらしたのかどうか知りませんけれども、予算編成の二日ぐらい前に結論を出させて、しかもその方の意見をもう一〇〇%聞いている、補助金問題検討会から参考人として来てもらったのですけれども、あいまいもことして何か余り権威のある審議をなさったようにも思われないわけです。
 こういうやり方をずるずる認めておったらそれこそ何のための、法律に基づいた調査会が権威ある報告をしているのに、それをもう全然無視して、私的諮問機関のようなわけのわからぬような、呼ばれたから行きましたというような人が集まってやっているところ、そういうところの結論を一〇〇%信用して予算を組む、こういうやり方。それをこういう手続を経たんだからしようがないという政府の統一した見解として答弁をなさっているんでしょうけれども、それでは私はこれから先ますます困るのじゃないかなと。
   〔委員長退席、理事吉川芳男君着席〕
いわゆる国家行政組織法に基づいたきちっとした委員会があるのならばやはりそこを尊重するという考え方。そうしないと、何か同じ答申でも総理が自分がみずから任命をして諮問をしたところの言うことは全然聞かないで、私的な諮問機関の言うことだけ聞くというようなこういう変なやり方、それをまた正当づけるようなそういう国会での答弁の仕方というものに非常に私たちは不満と反発を感じたわけです。
 補助金の問題は終わりましたからこれ以上あえて申し上げませんけれども、この行革審の問題はこれは行革審としての権威は持っているでしょう。しかしながら、そこも同じように自治省が今まで物わかりよくずっと認めておったことがあだになってくるようなことになっては大変だと、私はそのように思って今言っているわけでして、自治大臣や自治省の答弁はいつも地方財政の現状を我々に説明されて、留保財源率にしてもこれらは下げる状態にはないということを繰り返して国会でも答弁なさっているわけです。ところが、この行革審では逆の方向でちゃんと盛り込まれてきているんでしょう。ですから、どうしてこういうふうに行革審のいわゆる素案といいますか、行革審の中で議論されていることが国会で自治省幹部なり自治大臣が答弁しているのと逆の方向で出てくるのか、そういうことについて我々非常に理解に苦しむんですけれども、自治省としてはこの原因はどこら辺にあるというふうに思っておられるんですか、お答えいただきたいと思います。
#206
○政府委員(花岡圭三君) なかなか難しい御質問でございますけれども、この留保財源の問題につきましては五十七年の臨調の基本答申のときからそのような答申が出ておるわけでございます。今回の行革審におきましても、臨調の答申をそのまま踏襲いたしましてこれはやるべきであると。その考え方の基本と申しますのが、臨調におきましてはいわゆる地方公共団体の独自性に基づく行政というものは基本的には住民の選択と負担において行われるべきであるという考え方を打ち出しておるわけでございます。という趣旨といたしましては、いわゆる地方団体が何か新しい仕事をやるという場合には、住民が希望する場合にはこれを一体やるのか、やるのであればそれは住民の負担においてやれという考え方でございます。そういう考え方に基づいてであろうと思いますけれども、留保財源の問題を含めて地方財政の均てん化と申しますか、そのようなことを推進しようというのがこの基本答申に出ておるわけでございます。
 当時、私どももこの考え方というものに一部誤解があるのではなかろうかというふうなことでいろいろ物を申したことがございます。と申しますのは、留保財源の引き下げをやればそれだけ交付税が浮くのではないか、それだけ国家財政が助かるであろう、そういう誤った認識のもとに言われておるんだったらこれは問題であるというふうなことをいろいろ言ったことがございますけれども、そのようなことを受けまして、地方制度調査会におきましてはこの留保財源の引き下げについては慎重に対処すべきであるというふうな御答申もいただいておるわけでございます。もとより留保財源の問題につきましては、留保財源率を一体どう設定するかということは地方財政計画上の標準歳出というものをどの程度まで画一的な算式によります基準財政需要額として捕捉するかという問題でございますから、したがって、仮に留保財源率を引き下げる場合にはそれに対応する増加財政需要額と申しますか、基準財政需要額を増加することが必要になるわけでございますから、
   〔理事吉川芳男君退席、委員長着席〕
そういう意味では留保財源率の問題と交付税総額とは全く別個の問題でございます。
 しかし、そういう臨調の答申というものを見ておりますと、この率の引き下げ等の方法による財源の一層の均てん化を検討するということになっておるわけですから、その限りにおきましては地方団体の税源が偏在しておるという点については直すべきである、そういうふうに受けとめる場合にはそれは一つの考え方であろうかと私どもも見ておるわけでございます。もとより、地方交付税の財源調整機能が十分発揮されますように交付税のより適切な配分がなされますように私どもは常に検討してまいらなければなりませんから、その場合にはこの基準税率のあり方、留保財源率のあり方というものも検討の対象となり得る課題の一つであるということは私どもも否定はいたしません。しかし、先ほども申し上げましたように、これを変更いたします場合にどのような経費について基準財政需要額を増加させるのか、あるいは団体ごとにこれは相当な財源の変動を来します。これをどのように調整していくのかという非常に難しい問題が出ております。
 したがいまして、特に現在のように税の伸びない時代におきまして、このような基準税率の変更ということをやります場合には非常に慎重にならざるを得ないというのが現在の状況でございますけれども、冒頭申し上げましたように、地方団体の税収の伸びに非常にばらつきが出てきておる。これが構造的なものかどうかということも問題がございますけれども、もし仮にそういうふうな状況であるならば交付税の財源配分、財政調整というものも十分にこれは機能するように考え直していくべき使命も持っておるわけでございます。そういった意味で臨調答申を別に否定をしておるわけでもございません。十分に検討していかなければならない。ただ、これが地方団体を全部均一化してしまって、そしてみんな同じような団体にしてしまうというのが地方自治の考え方に合うかどうかという点については私どももそれは疑問だというふうに考えておりまして、その意味では不交付団体等があるのもまた一つの当然だろうと思います。すべて財政の効率性の点から物事を考えるという点については私どもはこれは間違いである、はっきり行革審等にも物事を申しておるところでございます。
#207
○中野明君 大臣、結局今の国の考えというより財政当局の大蔵の考えなんでしょうけれども、結局、補助金の問題にしても補助率を三分の二とか二分の一とか三分の一と補助率を簡素化するという名目のもとにこれをまず固定してしまって、そしてそれに事務事業を当てはめていこう、しかも、今度は率を固定してしまって、補助の対象を盛んに削ってこよう、そういう考え方が非常に最近露骨に出てきていますね。だから、そういう点をいろいろ考えますと逆じゃないかなと、地方の自治というものを考えていきましたときに、国と地方の役割分担の見直しが先だということはしょっちゅう問題になりましたね。それを何もしないで、率だけ固定さしてこれへ当てはめていく。そして大体それが格好がついてきたら今度は補助対象をぼんぼん切っていって、学校の先生で言えば、先生だけあったら学校教育はできるみたいな感じで、外の部分は全部補助対象から外していこうというような考え方が濃厚なんですよ。だからこの点は、いわゆる補助金の大半を受けるのが地方公共団体ですから、よほどしっかりしていただかないとこれは大変だなという感じで私たちは見ているわけです。
 それで、今御答弁がありましたけれども、補助金につきましても財政調整制度というものは本来地方交付税制度で行われるべきものでございますね、地方の財政のばらつきについてはね。ところが、不交付団体に対してはある程度補助率の調整をされてきた例もあるというふうに私たちも承知しておりますが、ただ、安易に進めていきますと国庫負担金にまで波及してくるという心配が出てきますので、財政調整の手段として補助率を切り下げるというのは危険だ、私たちはそう思うわけです。
 この点は同感だろうと思うんですけれども、そういうことをいろいろ考えますと、局長さんもここでもおっしゃっておりますが、本当にこれから地方のいわゆる交付を受けている地方団体間の財政力格差が非常に注目される時代が来た、こういうことで、地方の財政調整というものは今のままの状態ではいかぬのじゃないか、何か工夫する必要があるのじゃないかということを最後の結びのところでもおっしゃっているんです。財政力格差の動向をある程度掌握されておられるんでしょうけれども、いわゆる財政調整制度についてどういうお考えを持っておられるのか。幾つか何か考え方があるんでしたら、素案でもいいんですが、腹案を示していただいたらと思うんですが、どうでしょうか。
#208
○政府委員(花岡圭三君) 財政調整制度をどのように行うかというのは非常に難しい問題でございますが、私どもは、基本的には財政調整制度というものは地方交付税のシステムにおいて行わなければならない。その意味におきまして、補助率等に差を設けていくということはいたずらに制度を複雑にするだけである。また、国と地方とが共同責任のもとに費用を負担して実施することとされておりますいわゆる国庫負担事業の場合には、地方財政の財政力のいかんにかかわらず国の責任には変わりがないのではないかという問題もあろうかと思います。
 そういった意味で、交付税制度というものをよりよく機能させるというためには、毎年度できるだけの見直しをしていっておるわけでございますけれども、最近の地方財政の状況から見ますと、毎年度行っている程度の調整ではどうかというふうな、これだけで足りるのかという問題も出てまいります。結局、現在におきましても、小さな団体につきましては段階補正とかあるいはいろいろな補正等において財政需要の割り増しをいたしておりますけれども、こういうふうな団体について財政需要の割り増しだけでいけるかということになりますと、やはりそこには留保財源の問題というものも検討課題に加えざるを得ないのではないかというふうには考えております。
 しかし、非常に難しい問題でございますから、早急に結論を得るわけにはまいりません。手段といたしましては需要をつつくか収入をつつくかしかないわけでございますから、その意味におきましてそのような地方団体が、財政力の弱い団体について需要が盛り込めるような方法、それがしかも合理的でなければならない。やみくもにふやすわけにもまいりません。そこら辺の限界というものがあるわけでございます。しかも、現在の税収のばらつきというものも、何も小さな団体が税の伸びが悪いわけじゃなくて、小さな団体の中でも税の伸びが非常に大きな団体があるというふうな状況になっておりますから、需要における調整というのは非常に難しくなってきたのではないか。そうなれば、いわゆる税の基準税率の方についても検討をしなければならないなというふうなことを考えておるところでございます。
 しかし、一つこういうものをつつきますと、その他、地域特例におきますかさ上げという問題が現在行われております。これらをどうするかという問題も絡んでくるわけでございますので、各団体の財政の状況といいますか現状というものをそう変えないでこれを実施するというのは大変難しい問題だなと考えております。
 したがいまして、現在具体案というものがあるわけでございませんけれども、基本的にそのような考え方のもとにいろいろなデータを集めて分析をしておるというのが現状でございます。
#209
○中野明君 局長の頭では留保財源も含めてお考えになっているんじゃないかと思いますけれども、いずれにしてもこれ大事な問題ですので、よほど慎重に御検討いただきたいなと思います。
 それで、もう一点は、行革審の素案では国保の保険運営に府県負担を導入しようというようなことがうたわれているんですが、これはどうなんでしょう、いろいろ異論があるふうなんですけれども、この点についてはどういう見解をお持ちですか。
#210
○政府委員(花岡圭三君) 国民健康保険は、もう私から申し上げるまでもないわけでございますけれども、現在市町村が保険者というふうになっておるわけで、そういうことから地域保険という言い方もあるようでございますけれども、本来、国民健康保険というものも国の責任のもとに行われる国民皆保険の一環としてあるべきものでございますから、他の医療保険と同様に国費、それから使用者負担及び保険料によって支えていかなければならないものだろうと。そういう意味からいたしますと、国民健康保険に関して都道府県にしろ市町村にしろ一般会計からの負担を導入するということは、これは適当ではないだろうと。また、各保険制度間のバランスを欠くことになりますし、また国保の被保険者に対してのみ地域の住民の税金を支出するということは、住民相互間の負担の公平を欠くということにもなるわけでございます。
 それで、地方財政法十一条の二の規定も、そのような考え方のもとに国保に係る経費につきましては交付税で措置をする所要経費とされていないというふうなことでございますから、私どもはもちろん都道府県の負担を導入するということは適当ではないというふうに考えております。現在、都道府県に国保の指導監督の責任があるということが理由がどうかわかりませんけれども、都道府県の負担を導入すべきであるという意見もあるようでございます。まあしかし、都道府県のこの事務は国の機関委任事務でございまして、都道府県負担の導入の理由にはなり得ないという考え方を行革審にも説明をいたしております。
 現在出ております行革審の小委員会報告によりますと「都道府県の役割の在り方等について、早急に結論を得るよう検討を進める。」というふうになっておるわけでございますが、当初議論されておりました負担の導入という考え方は、この文面からは消えてなくなっております。ただ、この点につきましては、この、あり方の検討という中にどのようなものが含まれてくるのか、これは検討しなければわからない問題でございますけれども、厚生省の内部での検討におきましてもこの国保の広域化の問題、こういうふうなものを取り上げておられるようでございます。そういった点もございますので、十分その辺は議論をしていかなければならないというふうに考えております。
#211
○中野明君 私は、ある程度皆保険ですから、いわゆる余りにも規模が小さな、前にも申し上げたことがあると思うんですけれども、人口の少ないところは病人が一人出たらもうお手上げというようなそういう状況で、非常に経営基盤が脆弱ですね。そういうのをやはりある程度大きくせなければならぬという考え方を私たちは持っているわけですけれども、それと相見合うんでしょうか。今回の行革審の分科会で市町村合併の話が最終案として出たというようなことが出ております。これも強制的にやるということになると地方自治ですから問題があるんでしょうけれども、市町村合併をしてある程度補助金もこれほどどんどん率もカットされてくるということになると、余り小さなところは行政の体をなさぬようになるんじゃないかという心配を私たちも持っているんです。この広域行政といいますか、市町村合併のことについて、自治省としてはどういう考えを持っておられるか、そこのところ最後に大臣の御見解も聞いて、終わりたいと思うんです。
#212
○政府委員(花岡圭三君) 合併の問題につきましては、基本的には市町村の自主的な意向によって行うべきであるというのが考え方の基本をなしておりまして、国の方で推進するというふうなものではないんではないかということで行革審の方に十分説明をいたしておるところでございます。また、行革審の方では、合併ということは自主的にやれということは理解する、しかしやっぱり合併は進めなきゃならぬという意向が非常に強いようでございまして、その考え方の基礎に、これでいろいろ効率的に財政運営ができるということが念頭にあるのかもしれませんけれども、その辺の意向が非常に強いように私ども見受けるわけでございます。いろいろと合併促進のための考え方というものも示されておりまして、それらについて一々いろんな意見を申し上げたわけでございます。
 ともかく、自主的な合併ということにつきましては御理解を得たと思いますけれども、しかし、なお現在町村会におきましては、こういったことを町村会の意見も十分聞かないでやるというのは問題ではないかというふうな意向が非常に強いように承っております。今後、これが行革審、いわゆる審議会そのものにおきまして議論されると思いますけれども、なお地方団体の意向というものも十分よく反映してこの合併問題というものは進めていただきたいというふうに考えております。
#213
○国務大臣(小沢一郎君) 市町村合併の個別の問題については、今、局長が答弁したとおりであります。先ほどの国保の医療の問題にいたしましてもあるいは市町村合併という問題にいたしましても、その後ろに基本的な政策とか理念とか、そのためには市町村合併も必要だとか、あるいは国保というものはどうあるべきだとか、そういうような形で出てくるならばそれも一つの議論だと思いますけれども、最近のそういった議論は、単に国の財政がきついからまずそっちで持てやとか、それ式の形の発想がどうも多いような気がいたしております。したがいまして、医療の問題であろうが、今の市町村合併の問題であろうが、あるいは国と地方の間の問題であろうが、その背景に基本的にどうあるべきかというような議論の中で私は本来筋道として議論しなきゃいけないんじゃないかなという考え方を強く感じるわけであります。
 いずれにいたしましても、私どもといたしましては地方自治の本来のあるべき姿を目指して、御指摘を踏まえながら、機会あるたびに主張し、そして努力していかなければならないということだけは強く心に入れて対処していかなければならない、そのように考えております。
#214
○委員長(増岡康治君) 速記をちょっととめてください。
   〔速記中止〕
#215
○委員長(増岡康治君) 速記を起こして。
#216
○丸谷金保君 午前中の質問について重ねて確認の意味で御質問申し上げますが、地方自治体の給与は、長が提案し、議会の議決によって長が執行するものであり、その内容いかんは地方自治法上の手続上は一般職員の責任ではなく、あくまで首長と議会の責任であると、このように考えておりますが、大臣、それに間違いございませんね。
#217
○国務大臣(小沢一郎君) 午前中に私から答弁いたしましたが、今、先生のおっしゃったとおりに考えております。
#218
○佐藤三吾君 きょうは私、中野委員に次いで、補助金カットの問題は地方財政に重大な影響がありますからやりたいと思ったんですが、これは、嶋崎委員長が余りに手際よくやり過ぎたものですから、今余韻が残っているわけです。これに加えてまたやったんじゃきょうは委員長も在席ですから、これは十三日に譲りまして、きょうはほかの問題をやりたいと思います。
 そこで、これは重大なことですから冒頭に大臣にお聞きしておきたいと思うんです。
 今井厚生大臣が、補助金特別委員会の中で、さっきの国民健保の問題について、私の質問にははっきり、そういう考えはございませんと明確に答えたんです。ところが、あの人は、衆議院の委員会では、そのときには私は大臣やっていませんなんて言って大分物議を醸したんです。これは私は大臣というものが何かもう羽ものように軽い存在になるんじゃないかと思うんです。一言きちんと言ったらそれに沿って行政がきちっとなる、こういう重さがなきゃ大臣。の発言という意味がなくなってくる。今一つの確認もございましたが、ここら辺私は国務大臣としてももっと閣議を含めて、大臣の権威もあることですから、きちっとしてもらう、そういう心構えが大事ではないかと思うんですが、いかがですか。
#219
○国務大臣(小沢一郎君) 小沢一郎個人はちりのような存在でありますけれども、国務大臣としての職責、そしてまたその立場の発言、責任、それは先生の御指摘のとおり、国政、行政の長としての非常に重い、また大事な仕事であり、責任を有するものであると、そのように自覚いたしております。
#220
○佐藤三吾君 そういう意味で、これは蛇足ですけれども、大臣になって、テレビなどで、派閥の会議にちょろちょろ行くのは余り格好がよくないですね。そこら辺は自重して、そして国民の選んだ大臣としてその責務を全うする、こういうありようが基本でないといけないと私は思うんですよ。これは私の蛇足ですから、耳にとどめる程度にしていただきたいと思うんです。
 そこで大臣に。
 東京サミットが一昨日終わったんですが、先ほどもいろいろ警察関係の議論がございましたが、なかなか華やかなサミットだったと思うんです。いろいろ論評もございます。日本にとっては失敗だったとか、いろいろ評価されておりますが、国民の皆さんから見ると何かむなしさを感じたのではないか、こういうような気もするんですが、大臣の認識はいかがですか。
#221
○国務大臣(小沢一郎君) サミットに対する評価は人それぞれの考え方、立場からいろいろな評価はあってこれは当然であろうと思います。国民の立場、目から見ればということでありますけれども、それぞれまた国民もいろいろな考え方があることは当然だと思います。やはりサミットは世界の各国の首脳が一堂に集まって今後の世界全体の平和、福祉の増進のために会議をやるということそれ自体は、私はいろいろの評価とは別に非常に有意義なものであろうと、そのように考えており
ます。その会議の結果が必ずしも日本のためにうんと効果があったかどうか、具体的に何をしたのか、そういう議論はこれは常にあると思います。しかし、世界のそれぞれ異なった民族、それぞれの歴史を持つ国の責任者がそうして集まって議論をする、そのこと自体だけでも私は意義を見出していいのではないかなあと、そのように思っております。
#222
○佐藤三吾君 きのうも、盛んにテレビで町の声が収録されて、サミットに対する意見が流されておりました。私もそれを見たんですが、ですから、正確にどうだということは国民全体の意見ですからなかなかわからないと思うんです。ただ、私は西側のいわゆる指導国というか、七カ国が中心になってそういう意味合いでやられておるんですけれども、日本は経済大国であり資本大国だと、こう言われて参加しておるわけですけれども、七カ国と対比してみますと、例えば、勤労者の労働時間が異常に長いとか、異常に長いから時間当たりの賃金になると七カ国で最下位である。それから有名な話では住居はウサギ小屋とか、道路の舗装率とか、一人当たりの国民の公園の面積とか、下水道普及率とか、こうなるともう飛び離れて低い。こういう実感というものが国民の中に、華やかであればあるほど一体何だというものが私はあるんじゃないかと思うんです、国民の皆さんから見るとね。それで、そういう状況だから物価はそれだけ安いのかといえばそうじゃなくて、牛肉にしても、魚にしても、アメリカの五倍、六倍。こういうようなこともサミットを通じてだんだんわかってくる、国民の皆さんに実態が。そうすればするほど私は国民の皆さんのサミットに対する目というのは厳しくならざるを得ない、こういうような感じがしておるのです。そういう意味でむなしさを感ずると、こう言ったんですが、その点はいかがですか。
#223
○国務大臣(小沢一郎君) 先生御指摘のように、日本は経済大国になったと言われておりますけれども、例えば、下水の普及率、道路、御指摘のような社会資本の蓄積、それから個人の財産の蓄積、そういった面から見れば、まだまだ世界の先進国に比べれば後進国と言ってもいいぐらいの状況にあることは事実であろうと思います。したがって、私としては、日本の経済がこれだけ大きくなったという、みんなの力でここまで来たという意識を持つことは大事であろうと思いますけれども、それと同時に、サミットを通じてでもあるいはその他のいろいろな機会を通じながらも、まだまだ日本はそういった面でおくれているではないかと、やはり今後とも一生懸命努力しなきゃいかぬじゃないかと、そういうことをむしろ素直に国民がわかって、また政治家ももちろんですが、私はそういう中からさらに将来に向かっての進歩があるんじゃないかなという感じがいたします。
 ですから、どっちかに偏ってもいかぬと思いますけれども、そのような現実のありのままの認識はお互いがしていくということはいいことではないでしょうか。それを将来の糧にしていくということの意味で、私は、国民の認識がそれなりに深まるならばそれもまたいいのではないかなという感じを持っております。
#224
○佐藤三吾君 そういう意見も国民の中に多いということも国務大臣としてちょっと声を大きくしてほしいなと。どうも自治大臣、閣議に出ると声が何も聞こえない、見えないんですね。聞こえるというより新聞に出てこない。そこら辺が今あなたがおっしゃったようなことを含めてどんどん出てこないと、小沢自治大臣一体何をしよるんだろうというような声しか残らぬのじゃないかと思うので、その点ひとつぜひよろしくお願いしておきたいと思います。
 そこで大臣、さっきちょっと中野委員からもお話が出ておりましたが、行革審の問題もいろいろあるんですが、きょうはその中で特に大臣の写真が出ておるんです、こういうふうにね。これをちょっと聞きたいんですが、「地方議会改革を推進 自治省、年内に指針」ということであなたの写真が出ておる。この内容を見るとなかなか張り切っておるんですね。地方議会の定数が法定数に対して一九・七%削減しておる、大分進んでおるけれどもこれは自治体に格差が大きい、そこを地域ごとに定数基準や指針を定めて具体的に指導したい、こういうふうに出ておるのですが、これは大臣、どういうふうな具体的な指導をするつもりですか。
 いや、こう出ています。こんなに大きく、あなたの写真だ、間違いなく……。なかなか写真の写りぶりもいいじゃないですか。(資料を手渡す)
#225
○国務大臣(小沢一郎君) どうも新聞にこんなに大きく出ていたことわかりませんでしたけれども、まあ新聞の報道はそれぞれの立場も交えながら報道いたしておると思うわけであります。基本的には地方の自治の範疇の問題でございますから、地方自治体が自主的に判断し考えていくことでありまして、私どもといたしましては、その政策の実効が上がるようにいろいろ相談に乗り、あるいは指導していくという立場であろうと思います。この新聞に具体的に書いておりますことにつきましては、今拝見いたしまして、必ずしも私が話したことでもございませんので具体的にお答えできる状況にございませんけれども、そういう地方自治に対する私の気持ちをそんたくしつつこういろいろ記事になってあらわれたのではないかなと思っております。
#226
○佐藤三吾君 何かさっぱりわからぬけれども……。
 私はそれがいかぬとかいいとかいうんじゃなくて、定数基準を地域ごとに定めて指針を出す、こういうんですから、その中身を聞きたかったんです。ただ、たしか決算か何かで梶原委員の質問に対して、高裁判決ですか、東京都の都会議員定数の問題で、あなたが全国的に指導をやりたい、こういう例がたくさんあるのでと、こういう意見を出しておったのも新聞で私は見たんですね。ですからそのことを言うのかと思うと、今の答弁を聞いてみると何が何だかさっぱりわからぬ。こういうふうなことで、まずあなたがやらなきゃならぬのは、地方議会も大事ですけれども国会じゃないですか。
 所管大臣だから、定数是正を九増九減とか九増七減とかそんな場当たりじゃなくて、本格的な定数是正、例えば例を見ますと、熊本二区の定数、この人口よりも多いところは三十二選挙区があったり、そこはあれになったり、これは全国的に見ると国会議員の定数の方が私は地方議会よりも問題が大きいと思うんですよ。そこは所管大臣としてサボっておって、そうして地方議会にそういうものを打ち出すというのは少しいかがかという感じがしたものですからちょっとお尋ねしたんです。いかがですか。
#227
○国務大臣(小沢一郎君) こういった問題につきましても、あるいはほかの問題でもそうですが、国会、国みずからがその範を垂れながら地方自治体を指導していくということは当然のことであろうと思います。国会の定数、暫定的な改正、是正という一とにつきましては今盛んにやっておりますので必ずできるものと思いますし、私もいろいろ、ちょっと来い、ここはこうしろと言われた問題につきましてはお手伝いも一生懸命いたしております。
 ただ、先生御指摘のように、全国を見ますと、本当にそういった人口の面ではアンバランスがあるのは事実でございます。これは選挙法は人口をもとにしてというふうに、基本的な考えになっております。この点につきましても、人口だけの基準で果たしていいのか、あるいはその他の要素もあるべきではないかとのいろんな議論がありますけれども、いずれにしても、議会、国会の定数を是正する、議会の土俵づくりの問題でありまして、例えば、ほかの国などを見ますと、一つの選挙区の是正のシステム、機関を設けまして、こうこうこうなったときにはもう自動的にこういうふうに決めるとか、あるいはアメリカでしたか、裁判所でもってきちんと決めてしまうとか、そういうシステムになっておるようであります。
 何といっても、私がもう政府の立場としてとやかく言う話ではありませんけれども、一議員として考えれば、議会の基本的な土俵であり、しかも議員あるいは政党の個々の身分、立場、勢力の消長、そういうことに直接影響を持ってくるものですから、なかなか言うべくして公正な、あるいは迅速な結論を導き出すというのは難しい面も現実問題としてはあるのではないかという感じを持っております。したがいまして、そういったような問題については、今ちょっと例を引いたわけでありますが、そういうような仕組みというものもこれ考えていかなければいけないんじゃないかなと。自分ではこう思っても、自分自身のことというのはなかなかそう明快に結論というのは出がたいのがややもすれば人間でありますので、そういう面ではそういった例も参考にしながら、この問題については国会の中において議論されることでありますけれども、考えなくてはいけないのかなというような感じは持っておるところでございます。
#228
○佐藤三吾君 いただけないですね、今の答弁は。
 私は、予算委員会で地方財政富裕論の問題とかいろいろやりましたが、そのときもあなたは、竹下さんの方に気兼ねしておるのか、自治大臣の立場をなぜかすきっと言わない、今みたいに。年はお若いようですし、もっとすぱっと言うかと思ったら、なかなか言わない。所管大臣という立場からすると、私はもっとすっきりした方がいいんじゃないかと思うんですよ。それは何かと言えば、選ばれる側じゃなくて選ぶ側、この立場に立ってきちんと律すべきですよ。そうしなきゃ、政党の消長とかそんなことを言ったら各党皆ありますよ。そういうのは問答無用でずばっとやらなきゃだめですよ。それはそうですよ。そうしなきゃこの民主政治の根幹そのものが私は崩れると思う。
 東京都の周辺を見てみなさいよ。ほとんどあなた、投票に行かないじゃないですか。こういう状態をつくり出していったのは一体何かというと、やっぱりそこにあると思う。所管大臣の場合は国務大臣にならぬで、自治大臣としてずばっとやって、国民から拍手喝采を浴びるようなそういう小沢自治大臣になってほしいと思うんですよ。そうしないと、所管大臣がそんなにくにゃくにゃウナギが曲がったみたいなことを言うような、それを聞いただけで国民の皆さんはもう絶望しますよ。だから、そこら辺は、私この問題で深追いしておると時間がたってしまいますからしませんが、その点だけは申し添えておきたいと思いますので、ぜひひとつ検討なさって、自治大臣として早くきちっとしてほしいことが一つ。
 それから、政治資金規正法はもう十年たった、ロッキード事件以来。あれは五年後に見直すというのが三木さんの約束だった。だから、これもくにゃくにゃ言わぬですぱっと出して、出した結果がわあわあ言うのは結構ですよ。そういう点はずばっとやらないと、せっかく若いのに何か私みたいにしらがに見えますよ、率直に言って。そこら辺は若さを大いに発揮して出していただきたいと、この点もお願いしておきたいと思います。
 そこで、交付税に入りますが、まず、附帯決議をしたときには、大臣が立って、その御趣旨を十分に尊重いたしまして対処してまいりたいと思いますと、これはいつの場合でも言うんですが、去年の附帯決議で八項目ついているんです。これはそれぞれございますが、きょうはそのうちの一、二、三についてどういうふうに対処してまいったのか、それを聞きたいんです。これは大臣がいいんじゃないんですか。もう決議した瞬間に忘れちゃうんじゃないですか。
#229
○政府委員(花岡圭三君) 附帯決議の第一点でございますが、これは「地方独立税源の保障等十分な財源確保を図り、地方財政を圧迫しあるいは地方行財政運営に支障を来さぬよう特段の配慮を払うこと。」ということで御決議いただいたわけでございますが、地方六団体との協議の問題につきましては、私ども六十一年度の地方財政対策を講ずるに当たりましては事あるごとに地方六団体とよくよく連絡をとりまして、地方六団体の御意見を踏まえながらこの措置をしてまいったわけでございます。
 ただ、この中の地方独立税源という問題になりますと、これは税制調査会で今年度から抜本的な改革をやる、議論を行うというふうなことにされておりますために、現在直ちにこれが実現できておるということではございませんけれども、この「地方行財政運営に支障を来さぬよう特段の配慮」という点につきましては、今回の一兆一千七百億円の補助率カットにつきましては、その財源措置をしたところでございます。
 それから第二点でございますが、これは「交付税総額の安定的確保を図る」ということが一点ございます。この点につきましては、この六十一年度の地方財政対策におきまして、地方交付税の額の不足する部分につきましては、これにかわる措置としての一応臨時異例の措置ではございますけれども、たばこ消費税の税率の引き上げ、これを行いまして、また、国のたばこ消費税の増収額相当額は交付税に加算ということで確保をしたつもりでございます。
 それから「基準財政需要額については、公債費比率の上昇、一般行政費の増大等に適切に対処するよう、その算定方法について検討し、」ということでございます。公債費比率につきましては、五十年度の減収補てん情あるいは五十一年度の財政対策債等の償還が終わってまいりましたものですから、六十一年度におきますこの公債費というものはかなり前年度より伸びが鈍化してきておるという状況でございます。これらのことを踏まえながら交付税の算定方法につきまして適切な措置を講じてまいって、現在法案の御審議をお願いしておるということでございます。
 それから「六十年度において発生した財源不足額については、国が後年度において補填する等の措置を講ずるとともに、今後行政制度の見直し無くして財政的措置を先行させることを慎むとともに、国は地方への財政転嫁により財源不足を生じさせぬこと。」ということでございます。六十年度におきます財源において発生した財源不足額につきましては、これは地方団体におきまして元利償還金の措置は十分これに対する財源を確保して、地方財政の運営に支障を来さないようにいたしております。
 また、六十一年度の補助率につきましては、いわゆる補助金問題検討会の結論を踏まえまして措置をいたしたわけでございまして、いわゆる昨年度のような一律カットというふうなことはいたしておらないわけでございます。これに対します財源措置につきましては、先ほど申し上げましたたばこ消費税の税率の引き上げ、あるいは交付税の特例加算、あるいは建設地方債の増発というふうなことで地方財政の財源不足を生じさせないように措置を講じたという状況でございます。
#230
○佐藤三吾君 これは、たしかここにいらっしゃる松浦委員が財政局長のときに私とここでやり合った問題ですね。――聞かぬだってあなたすっとわかると思うんだけれども、地方交付税法第六条三の二項の問題ですね。「引き続き」「著しく」ということですね。あれ、たしか当時の松浦財政局長は、二年間続いて、三年目も不足する場合が「引き続き」で、そして「著しく」は一〇%以上と。この場合には交付税率を改正する、引き上げると。これがあのときの解釈だったと思いますが、それは今でも変わりませんか。
#231
○政府委員(花岡圭三君) 地方交付税法六条の三、二項に該当する事態というのは、著しい財源不足が二年度連続し、また三年度目以降もずっと見通してあるという事態でございます。で、この場合、著しいとは、財源不足額が普通交付税総額のおおむね一割程度以上になる場合を指すものと解されております。その意味におきましては松浦先生のお答えになったのと同じでございます。
#232
○佐藤三吾君 そこで、ことしの場合一兆一千七百億の財源不足、影響額ということなんですが、これはことしの交付税の九兆八千三百九億に対比しますと一一・九%になりますね。これから例えば社会保障関係などもどんどん支給水準が毎年上がってくることは間違いない。そういうことがありますし、それに伴ってラインがどういうふうに変動してくるかわかりませんが、暫定措置三年間ということで見た場合に、三年間一〇%を超すという現象が起こるんじゃないかというふうに私は思うんですが、そういう場合には今あなたが示された解釈に基づいて当然これは交付税率の引き上げをする、こういうふうに理解をしていいわけですね。
#233
○政府委員(花岡圭三君) 御指摘のように、この第六条の三第二項の規定に現在該当するかということになりますと、六十一年度はこの状況にあるということはそのとおりだろうと思います。ただ、明年度以降の財源不足の見込み額は現段階ではわかりません。仮に六十二年度もそういう状況になったといたしましても、六十二年度に直ちに地方交付税法第六条の三第二項に該当する事態になるものではないわけでございまして、地方財政の運営に支障が生ずることのないように措置をしてまいりたいと考えております。
#234
○佐藤三吾君 私は、今そういう一つの想定が続いた場合という前提に立っておるわけですから、そこら辺は六条三の二できちんと、あのときはああ言ったけれども今度は違いますというのではなくて、きちんと一貫していなきゃいかぬと思うのです。それはいいですね。
#235
○政府委員(花岡圭三君) 明年度以降の財源不足の額が定かではございませんが、見通しが明らかになった時点で、御指摘の地方交付税法第六条の三第二項の趣旨も踏まえまして、適切に処理をしてまいりたいと存じます。
#236
○佐藤三吾君 これは大臣いかがですか。
#237
○国務大臣(小沢一郎君) そういう仮定に立ては交付税法の六条の問題にもなってくると思います。
#238
○佐藤三吾君 そういうふうにきちっと覚えておいてくださいよ、三年間。そうしないと、よくちょいちょいごまかすのだな。その辺は確認しておきましょう。
 そこで、次に細かく入りますが、不交付団体の問題、この動向を見ますと近年非常に増加しておるんですね。六十年度は百六十六になったんですが、六十一年度はどういう見通しを持っておりますか。
#239
○政府委員(花岡圭三君) 六十一年度の不交付団体の数につきましては、これから個々の試算をしてみなければわからない状況でございます。現在の見通しては収入の伸びが若干高いようでございますから不交付団体は若干ふえるのではなかろうかと存じます。
#240
○佐藤三吾君 内容を見ると、四十九年度は五十四団体、五十年度は八十九団体、それが財源不足の中で五十三年はまた四十九団体に下がるんですね。ところが、その後に国、地方の財政が厳しくなるのにもかかわらず増加しておるわけですね。この理由は一体何なのか。さっきちょっと中野委員からも質問がございましたが、中野委員の御指摘では、減税をやっていないところにもあるんじゃないかという御説もございましたが、私はそれもあると思うんですが、もう一つの問題は、国、地方の歳出削減が進むために起こるのじゃないか。言うならば、必要な財政需要を基準財政需要額の中から削り落としておるのじゃないか、こういう気がするんですが、この点はいかがですか。
#241
○政府委員(花岡圭三君) 不交付団体の増減と申しますのは、一口で言いますと基準財政収入額の伸び率が基準財政需要額の伸び率を上回ったときには増加し、反対の場合にはこれは減少する、こういうことになるわけでございます。市町村の場合の例で言いますと、四十年代は基準財政需要額の伸び率が基準財政収入額の伸び率を上回った年度が多かったということから不交付団体数は減少傾向を示しております。一方、五十年代の後半以降は若干ではございますが、基準財政収入額の伸びが基準財政需要額の伸びを上回ることから不交付団体数が増加する傾向を示しておるわけでございます。特に五十八年度及び五十九年度は地方交付税の総額が前年度より減少するという事態もあったわけでございます。このことも不交付団体の増加に影響があったのであろうと考えます。
 なお、全国ベースでの基準財政収入額の伸びが同じであっても、例えば伸び率の大きな団体がある一方に低い団体もあったというようにばらつきが大きいと不交付団体数の増減は変わってまいりますが、最近財政力の高い団体におきます住民税所得割あるいは固定資産税等の伸びが堅調であることから、いわゆる不交付団体に近かった団体と申しますか、こういうふうなところが不交付団体になっていくというふうなことでの影響もあるのではなかろうかと私どもは考えております。
#242
○佐藤三吾君 そこで、交付税の標準団体の行政規模を見ると、まず労働費について、六十一年度は失業者数が七百十人となっておるわけです。これは五十六年度を見ると千百七十からずうっと一方的に減少しているわけです。しかし最近の完全失業率の労働省統計を見ると逆に増大しておるわけです。五十六年が二・二%、五十九年が二・七%に増大しておるんです。こういうところに何か行政の手抜きというか、ギャップがあるんじゃないかと思うんですが、これはいかがですか。
#243
○政府委員(花岡圭三君) 完全失業率につきましては御指摘のように五十五年の二・〇から五十九年度二・七になっておるわけでございますが、交付税の労働費において算定しておりますのは緊急失業対策法に基づく失業対策事業に係る地方負担でございます。失対事業の対象となる者は昭和四十六年制定の中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法に基づいて従来からこの事業に就労しております一定の範囲の者だけでございます。新たに発生する失業者については対象外となりますために失業者就労事業吸収人員は減少を続けておりまして、最近では五十五年度の一日当たり七万六千九百人から六十年度は四万三千七百人まで減少してきております。交付税の算定に当たりましては国の予算の積算基礎となっております失業者就労事業吸収人員をもとに標準団体の吸収人員を算定しておりますので、予算上の吸収人員の減に対応して標準団体における吸収人員も減少しておるということでございます。そういう意味でいわゆる完全失業率と失業者就労事業吸収人員とが異なる概念でございまして、別の算定をいたしておるということでございます。
#244
○佐藤三吾君 それはわかるんです。わかるんですが、問題は、結局自治体の側に立つとそれだけでは割り切れない。なぜかというと、例えば若い人の場合は大体六カ月以内で失業保険が切れるまでには再就職できますよ。ところが、中高年というか、高年以上になってくると結果的にはなかなか適切な職はない。そこで自治体で工夫して単独財源でそこら辺を救済しなきゃならぬ。そこでいろいろな知恵が、シルバー何とかということで出されておるわけですね。こういったギャップの結果出てくる現象に対してこれは全然私どもの関知しないことですということだけでは私は済まされないような感じがしてくるんですけれども、ここら辺についてはどういうような認識と対応を考えておりますか。
#245
○政府委員(花岡圭三君) 現在地方団体におきましては高齢者対策ということで能力開発とか生きがい対策とかいろいろの事業をなさっておるわけでございまして、軽易な就業機会の紹介等を行うわけでございます。失対事業というふうなことをやるかどうかということになりますと、これは地方団体だけの手には負えない問題じゃなかろうか。これは労働省ともよく相談しなければなりませんが、国の制度の中で解決していただかなければ、これは地方団体も大変なことになるだろうと私ども考えております。御指摘の点、労働省ともよくお話をいたしまして、今後、高年齢者のいわゆる雇用対策というものは重要な問題になってくると思いますので、私どもも真剣に考えてまいりたいと存じます。
#246
○佐藤三吾君 私も今の制度の中ではなかなかこの問題は地方団体の手に負えない。しかし、石原次官は、失対とか高齢者問題というのはやはり自治体が主導的に対応しなきゃならない今日の問題だと、こういう類の論文を私はどこかで読んだんですが、そういう認識がないと、これは労働省だこれはどこだという調子にはいかない、地域におる高齢者の皆さんの場合に。そこら辺は、労働省との御相談も結構でございますが、もっと自治省自体が主体的にとらえていただいて対応すべきじゃないか、こう思うんですが、大臣、いかがですか。
#247
○国務大臣(小沢一郎君) 私は、具体的な仕組みについて余りよく理解はしておらないのでありますが、ただいまの先生の御議論を聞いておりまして、この点につきましても地方の自治体のいろいろな状況もあるとは思いますけれども、自治省といたしましてもその点を踏まえまして、今後とも十分検討し対処していかなければならないと思っております。
#248
○佐藤三吾君 次に、生活保護費の標準団体行政規模についてお伺いしたいんです。各年度の交付税の単位費用の積算基礎になる一般生活扶助者の数は、六十一年度は前年度を大きく下回っておって、都道府県で五百三十六人減になっておるわけですね、自治省の資料によりますと七千八百十九人です。市町村が六十七人減で九百七十七人。このような大幅な減というのは過去にはないんですが、これはどういう理由なんですか。
#249
○政府委員(花岡圭三君) 交付税の生活保護費の算定上の標準団体におきます生活扶助者数は、その年度におきます厚生省の当初予算の積算基礎に用いられた人数を基礎にして設定しておるわけでございます。したがいまして、予算人員によって増減することになるということでございまして、御指摘のように、六十一年度も標準団体の生活扶助者数が減少しておりますが、これは厚生省の当初予算の人員が百三十三万人から百二十八万人に減少しておるためでございます。
 交付税の算定におきましては、生活保護費の算定におきまして測定単位である人口と被生活保護者数とが必ずしも比例しないということがありますために、御承知の密度補正によりまして各団体の被生活保護者数の実態に即したものとなるよう算定を行っておるところでございます。そしてまた、年度途中におきまして、被生活保護者数の増加が著しい団体につきましては、特別交付税によって措置するという措置を講じておるところでございます。
#250
○佐藤三吾君 今厚生省の資料による状況がございましたが、それは何のあれですか。
#251
○政府委員(花岡圭三君) 当初予算でございます。
#252
○佐藤三吾君 なるほど。
 厚生省社会局保護課が出しております資料を見ますと、生活扶助の実人員は、五十年が百十五万九千九百人、五十九年が百三十万一千二百九十九人、この間、年々増加しておるわけですね。指数で見ますと、五十年を一〇〇にした場合に、五十九年が一一二・二になっておる。交付税の行政規模の推移では、都道府県が、五十年に対して五十九年が一〇二・三になっている。六十一年度は一〇〇・八になっていますね。いわゆる五十年の状態に戻っておるわけです。
 このことは、生活扶助者を五十年当時に抑え込むというようにとれるわけですけれども、確かに、どこだったですか、田川かどこかで暴力団が生活保護を受けたとかいうことで問題になったというようなことが影響しておるのかどうかわかりませんが、まさかこのふえた分は全部暴力団、だからこの際打ち切る、こういう論理ですか。
#253
○説明員(遠藤安彦君) 交付税の積算の基礎になる事項でございますので、私から御答弁をさせていただきたいと思います。
 実際の一般生活扶助に係る実人員につきましては、先生御指摘のとおり、五十九年度までずっと増加をいたしております。
 ただ、厚生省が当初予算でどのくらいの人員を見込むかということがベースになりまして、それを交付税の単位費用で落とす作業を私どもするわけでございますが、これをちょっと申し上げますと、厚生省の当初予算におきましては、昭和五十六年度に約百二十五万人、それから五十七年度から五十九年度までは百二十六万人と、変わっていないわけであります。それから五十九年度は百二十六万人で、六十年度が百三十三万人。これは先ほど局長が答弁したとおりでございます。そういうふうな状況にありまして、厚生省の当初予算の積算人員が年間を通します実人員と若干乖離しておるという原因がございまして、交付税の単位費用では厚生省の当初予算人員をベースにした人口、県分で言いますと八十万人、市町村分で言いますと人口十万人の標準団体で幾らになるかという数を計算するものですから、若干数が減っているというような形になります。
#254
○佐藤三吾君 その説明はそれなりにわからぬことはないんですが、これはしかし、大臣、事実は今申し上げたように、課長も認めたように、増加しておるわけですね。五十年に百十五万九千九百が五十九年には百三十万一千二百九十九になっておるわけですね。それを厚生省の当初予算がどういうわけか抑えておると。それで、今の課長の説明では、したがって交付税の場合もこうならざるを得ないということですが、しかし、自治体の方ではこれはくたびれるんじゃないですか、率直に言って。自治体の対応としては、何らかの形で支給要件を絞る、こういうような格好にならざるを得ないんじゃないかというような感じがするんです。
 そこで、私はさっき暴力団がとこう言ったんだけれども、これはどうですかね、これは局長、こういうことで自治体では困るんじゃないかと私は思うんですが、いかがですか。
#255
○政府委員(花岡圭三君) 確かに生活扶助者数というのは増加傾向にあったわけでございますが、先ほど申し上げましたように、当初予算を使っておりますことを是正いたしますために、密度補正によりまして各団体の被生活保護者数の実態に即するように補正をいたしております。さらに、年度途中でふえますときには特別交付税での算定を行うということで、地方団体の生活保護費につきまして支障のないように私どもはやっておるつもりでございまして、特に交付税上、生活保護者の数値を抑え込もうというふうなことを考えてやっておるわけではございません。
#256
○佐藤三吾君 まあ、そういう説明も一面ではわからぬではないんですが、私は、せっかく今交付税の改正案を出しておるんだから、何も十三日が予定日じゃなくてずっと延ばしたっていいわけだから、修正して、正すところは正して、中曽根内閣みたいに、予算が通って一カ月後にもう補正予算を組むなんて総理が言うようになるんだからね。あんなみっともないことを言うぐらいならあのときに修正すればいいんであって、今はちょうどその時期でもあるから、そういうことで考え直すのも今じゃないかと思うんですが、大臣、いかがですか。
#257
○国務大臣(小沢一郎君) 先ほど来政府委員から答弁ありますが、これは厚生省のその人員、予算に基づいて交付税措置をしておるわけでございますので、交付税がそっちと違うというのもこれまたおかしなことになってしまうと思います。その間に、お話のあった補正予算云々の問題、これはまた別でございますけれども、私どもといたしましては、とにかくその実態としてもっと多い人、多かった場合等々につきましては、先ほど来の答弁のように、特別交付税等できちんと見ていくということに尽きるのではないかと思います。
#258
○佐藤三吾君 これは今何ともならぬと思いますが、来年もあることですから、そこへもう一つ検討を加えて――厚生省は、さっき言ったように、今井さんは、もうそのときにはやめておりますから知りませんなんと言うような人だから、余りそこら辺は信頼せぬ方がいいんじゃないですか。そういうような感じもしますよ、これは冗談ですが。
 そこで、時間がございませんから二、三ちょっとはしょっていきますが、さっきの問題とちょっと重なるんですが、自治体で財政調整基金というのがございますね。言うなら貯金みたいなものでしょうね。ところが、この取り崩しが非常に相次いでおるんです。官庁速報などを見ますと、都道府県で一部取り崩しというのが四十二県、全額取り崩しが五道県、こういう実態にあるんですが、この原因をどのように認識しておるのか。私はここにもやっぱり国庫補助負担率の引き下げが影響しておると思うんですが、それは間違いですか。
#259
○政府委員(花岡圭三君) 財政調整基金は、御承知のように、年度間の財源調整を行うために設けておるわけでございまして一財政事情に応じて、ゆとりのあるときには積み立てる、また財源の厳しいときにはこれを取り崩して安定した財政運営に資するというふうな運営をしておるものでございます。
 地方団体におきまして、六十年度及び六十一年度にこの取り崩しをかなり行っております。それ以前におきましても毎年度この取り崩し額というのはかなりの額に及んでいるわけでございますが、私ども見ておりますと、五十九年度においてはかなりまた崩したものを積み増ししております。したがいまして、五十七年度、五十八年度、五十九年度を見てみますと、財政調整基金の積立額というものはむしろふえておるという状況でございます。ただ、五十九年度は御承知のようにかなり年度内において税収が伸びたということがございます。ところが、六十年度におきましては、ようやく地方財政計画の経常額を全体として確保できるという状況でございますから、団体によっては今後積み増しを全部もとへ戻すというのはかなり難しい状況になっておるのではないか。特にまた、六十一年度におきましても、税収のばらつきというものがかなりございますから、そこら辺の問題もあろうかと思います。そういうふうな現在の財政の状況といいますか、景気の状況というものを反映したのが御指摘の姿だろうと思います。
 先ほど御指摘ございました補助率引き下げの問題というのは、各個々の地方団体に対しまして、基準財政需要額の算定あるいは地方債の配分等によりまして財源措置を講ずることとしておりまして、補助負担率の引き下げによって財政運営に支障が生ずるわけのものではないわけでございますから、これを原因として基金を取り崩したりしておるというふうには見ておらないところでございます。
 ただ、当初予算の段階ということになりますと、各団体におきまして税等について的確な見積もりが難しいという問題がございます。そういう点からこの基金の取り崩しというものが行われておるわけでございますが、今後、各地方団体の財政状況を個々によくお聞きしながら適切に対処してまいりたいと考えております。
#260
○佐藤三吾君 もう一つ、二つ聞きたかったんですが、時間が来ましたから、緊急な課題でちょっと聞いておきたいと思うんです。
 円高が進んでおりますね。これは何日の新聞ですか、歳入欠陥の公算が大というのがどんどん報じられてきています。この地方財政計画を策定したのは四カ月前になるんですね、ベースが。そういうことになると、地方財政にも無視できない状況が起こるんではないか、私はこういうような感じがしておるんです。企業収益も落ちてくるでしょうから、この点について、地方で交付税の影響などについてどういう見通しを持っておるのか、これをお伺いして時間が大体切れるかな、そういうことのようですから……。
#261
○政府委員(花岡圭三君) 円高の影響と申しますものが結局どのようにあらわれてくるか、いわゆるプラス面、マイナス面があるわけでございまして、最近の新聞を見ておりましても、大体の経済研究所では成長率は下がるのではないかと修正をしておりますが、中には引き上げた研究所もあるという状況でございます。この影響というのは徐々にあらわれてまいってくると思いますが、地方財政にどのような影響をもたらすか、現在のところ的確に見通すという状況にはないわけでございますが、御指摘のように、景気が悪くなってくるということであれば明らかに税収への影響というものが出てまいります。同時に、地方団体といたしましても、内需の拡大ということも地域経済活性化のために行わなければならないとすると、財政の需要というものも出てくるという意味におきまして、地方財政の運営というのは今後難しくなってくる可能性は否定できないと思うわけでございます。
 この点につきまして、政府全体としてどのようにこれに取り組んでいくかということが大きな問題になろうかと思います。現在、政府全体としてこの対策をどのようにしようかということで検討が始まるようでございますけれども、各関係省庁とも十分連携をとりながらこの対策をとってまいりたいし、また、各個々の地方団体につきましても、それぞれどのような状況であるか、またどのような対策を講じられるのか、そういった事情をよくお聞きしながら、適切な財政運営ができるようにしてまいりたいと私ども考えております。
#262
○佐藤三吾君 そこでもう一つ。
 今、メリット論が出ましたから、ちょっとお伺いしておきたいんですが、六十一年度の交付税特会借入金の利子負担について三千五百四十七億円計上していますね。これは、円高で、今、各種の金利がぐっと下がりよるわけですね。下がってきておると、この分がもう下がるだろうと私は思うんですが、その辺はどういうふうに計算なさっておるのか、そこら辺が今度は交付税の配分の中に加わっていくのかどうなのか、ここら辺はどうなんですか。
#263
○政府委員(花岡圭三君) 交付税特会におきます借入金の利子につきましては、利子が下がれば下がったような計算をいたして借り入れの利子を払うわけでございます。その浮いた金というものは交付税特会にそのまま置いておくわけでございます。
#264
○佐藤三吾君 それじゃメリットはないね。
 じゃ、もういいです。
#265
○委員長(増岡康治君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 次回の委員会は、五月十三日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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