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1985/05/08 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 内閣委員会 第6号
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1985/05/08 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 内閣委員会 第6号

#1
第104回国会 内閣委員会 第6号
昭和六十一年五月八日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月七日
    辞任         補欠選任
     伊藤 郁男君     柳澤 錬造君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         亀長 友義君
    理 事
                曽根田郁夫君
                村上 正邦君
                太田 淳夫君
    委 員
                板垣  正君
                源田  実君
                沢田 一精君
                桧垣徳太郎君
                堀江 正夫君
                穐山  篤君
                小野  明君
                内藤  功君
                柳澤 錬造君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  今井  勇君
   政府委員
       厚生政務次官   丹羽 雄哉君
       厚生大臣官房総
       務審議官     北郷 勲夫君
       厚生大臣官房審
       議官       木戸  脩君
       厚生省健康政策
       局長       竹中 浩治君
       厚生省保健医療
       局長       仲村 英一君
       厚生省保健医療
       局老人保健部長  黒木 武弘君
       厚生省社会局長  小島 弘仲君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        林  利雄君
   説明員
       文部省初等中等
       教育局特殊教育
       課長       山田 勝兵君
       自治省財政局準
       公営企業室長   磐城 博司君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○厚生省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(亀長友義君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨七日、伊藤郁男君が委員を辞任され、その補欠として柳澤錬造君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(亀長友義君) 厚生省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨説明は前回既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○穐山篤君 最初に、今回厚生省設置法の一部を改正する法律案というものが提出をされたわけですが、この提出に至ります背景、それから内容について、ごく簡単に御説明をいただきたいと思います。
#5
○政府委員(木戸脩君) それでは御説明を申し上げます。
 六十一年度の予算におきまして、いわば国立病院・療養所の質的機能の充実を図るための再編成の一環といたしまして国立精神・神経センターというものが認められたわけでございます。私どもといたしましては、今後の国立病院は他の医療機関が行うことが困難な、あるいはそれをバックアップするような質的機能の高い医療というものを目指しているわけでございまして、従来いわゆるナショナルセンターとしてがんセンター、循環器病センターというものがございましたが、さらにいわば第三のセンターとして国立精神・神経センターが予算化されましたのを機に、今後はいわゆるナショナルセンターを高度専門医療センターというふうに設置目的を類型化いたしまして、今後機動的にナショナルセンターが設置をできるようにいたしたいということで今回の設置法の改正をお願いしているわけでございまして、今回の設置法におきましては、設置目的といたしまして、特定の疾患その他の事項に関し、診断、治療、臨床研究、それから研修と、こういったものを行うということを設置法の設置目的に書かせていただきまして、名称とか所掌事務は政令に譲らしていただくと、こういう改正でございます。
#6
○穐山篤君 そうすると、従来は厚生省設置法の中で法律上の位置づけがされていたわけですが、今回政令に任せるという意味はどういう意味でしょうか。
#7
○政府委員(木戸脩君) 五十八年に国家行政組織法というものが改正をされました。それから、これに伴いまして関係する各省の設置法というものも改正されたわけでございますが、その中でいわゆる附属機関のうちのいろいろ国民の皆様にサービスを提供する施設等機関の組織につきましては、行政需要の変化に即応した組織の機動的、弾力的な編成と運営を図るという観点から、原則としてその設置は政令によるとする国家行政組織法上の整理方針に従い関係法令の整理が行われたわけでございます。
 実は、今回の設置法の一部改正というのもこの整理の基本方針に従っているわけでございます。なぜその五十八年のときにそのような改正を行わなかったのかという点でございますが、この点につきましては、当時国立病院を将来どうするかという大問題がございまして、まだ現在のように施設等を集約して質的強化を図っていくという国立病院・療養所の再編成の大方針が決まっておりませんでしたので実は見送ったわけでございまして、今回、国立病院・療養所については質的強化を図る、その一環として本年十月から国立精神・神経センターの設置を予算で認められた、こういうことを機会にいたしまして設置法の一部改正を行いまして、先ほど申し上げまして、設置目的は法律で特定をいたしまして、各センターの名称及び所掌事務については政令で定める、こういうことにいたしたわけでございます。
#8
○穐山篤君 厚生省からいただきましたこの図によっても、一応法律第八条を改正をしてそれから政令にする、こういう手順になっているわけですが、国立がんセンターあるいは循環器病センターいずれも内容の充実はあったにいたしましても、その性格、機能というものにつきましては変化はないわけですよね。
 それから、今回提案されております国立精神・神経センターにつきましては、これは新設のものでありますけれども、あえて政令でなくても、法律で掲上をしておっても差し支えない問題ではないかというふうに法律体系上私は思いますけれども、その点いかがですか。
#9
○政府委員(木戸脩君) 先ほども申し上げましたように。関係各省の内部部局あるいは施設等機関につきましては五十八年の国家行政組織法の改正あるいはそれに伴います関係各省の設置法の改正におきましていわば大方針というものが示されたわけでございまして、そのうち公権力を行使しないいわゆる施設等機関については、原則としてその設置は政令によるというふうな大方針が立てられたわけでございます。
 それから、私どもといたしましては、先ほどもお答え申し上げましたように、これから国立病院・療養所の質的機能の強化を図っていく、そして国民の期待にこたえていくということで、これからいわゆる高度専門医療センター、ナショナルセンターというものは機動的に設置をしていく必要がある、こういう二つの理由から、設置目的を法律で著かせていただきましてそれで大枠をはめておく、そして具体的に名称とか所掌事務については政令で定める、こういうような扱いにしたわけでございます。
#10
○穐山篤君 どうも余りすっきりした答えではありませんけれども、前に進みます。
 それで、現在東京にあります国立がんセンター、それから大阪にあります循環器病センター、この概要を説明してもらいたいと思います。
#11
○政府委員(木戸脩君) 御説明申し上げます。
 国立がんセンターでございますが、これは昭和三十七年にできまして、がんその他の悪性新生物に関して診断、治療、研究、それから技術者の研修を行うということで、現在五百三十のベッドを持っておりまして、職員が約七百五十人ということで、この中には医療職、お医者さんが百十二人、看護婦さんが三百七人、その他いわゆる他の医療機関にない研究職が百五名、こういったような内容でございます。
 それから、循環器病センターでございますが、これは五十年代の初めにできまして、循環器病に関し診断、治療、調査研究、技術者の研修を行うということで、ベッド数は六百四十ベッド、職員数が約八百九十人ということで、お医者さんが百十三人、看護婦さんが四百十七人、それから研究職も約百名、こういうことでございまして、設置目的にかないまして、がん、循環器病とこういう高度先駆的な医療、あるいは臨床研究、あるいは技術者の研修、こういうことで、国民の負託にこたえて逐次その充実を図ってまいったところでございます。
#12
○穐山篤君 その国立がんセンターの方ですが、昨日いただきました昭和五十九年度の実績の数字が提示をされておりますが、例えば入院患者数、一日平均四百五十九人、外来患者、一日平均五百九十六人、年間手術件数が一万四千五百二十三件、それから研修の実績を見ますと外国人を含めて三百六十七人、こういう数字が出ているわけですが、これは他の病院と比較をして機能的にはどの程度の水準になっているのか、この点はいかがでしょうか。
#13
○政府委員(木戸脩君) まず国立病院の内部で申し上げましても、がんにつきましてはほかに九州に九州がんセンターというのもございますが、患者数あるいは手術件数、それから研修の受け入れの実績、それからいわゆる研究、こういったものにつきましても、国立病院が約百ございますが、その中でもがんについてはもう群を抜く、こういう水準にあると思います。
 それから、がんにつきましては都道府県立のセンター病院クラスにもがんセンターのようなものがあるわけでございますが、独立の研究所というのを持って研究を行い、あるいは外国人を含めて大幅に研修者を受け入れているというものは他にはないわけでございます。
#14
○穐山篤君 吹田の循環器病センターの方の数字を見ますと、これまた入院患者数が一日平均五百三十八人、外来が一日平均六百二十七人、かなり人数も多いような感じがします。ただ、日が浅いということもあるんでしょうけれども、循環器病センターの方の研究費あるいは研究委託費といいましょうか、それが非常に小さい枠であるなどいう感じがするわけです。循環器系統の問題につきましては、特定疾患の方でも篤と研究をされているわけではありましょうけれども、最近の疾病の状況から考えてみまして、がんセンターの方もあるいは循環器病センターの方も、研究費が研究者の数あるいは研究の課題数から見まして非常に枠が小さいような感じがするわけですが、その点大臣、どうでしょうか。
#15
○政府委員(仲村英一君) 御指摘のように、国立がんセンターは昭和三十七年から発足いたしまして、がん研究助成金ということで一括がんセンターが運営するという仕組みをとっております。同様な形で循環器病センターにつきましても、これは昭和五十二年から発足いたしたものでございますから予算的にやや厳しい時期に発足したということもございまして、がん研究助成金の十六億円に対しまして循環器疾患につきましては四億五千万円ということで、御指摘のような形で額はがんより循環粋の方が少ないという実態になっておるわけでございます。
 国民の疾病の保有状況から考えますと、当然循環器疾患というのは非常に多い病気でございますので、私どもとしてはもっと力を入れていかなくてはいけないわけでございますが、ただいまの御質問の中にもございましたように、循環器に関しましてはここの循環器病センターで扱ってないその他の研究、難病その他そういう関係の研究も、一応私どもとしてはできるだけそちらの方へも力を入れていきたいということで考えておる次第でございまして、循環器の研究費の増額というのは私ども今後とも進めてまいりたいと考えておるところでございます。
#16
○国務大臣(今井勇君) 確かにおっしゃいますように、研究費が必ずしも十分であるとは、私も残念ながら、もうちょっとやはりふやしていかなきゃならぬという感じはいたしております。しかしながら、今の御時勢でございますのでなかなか一遍にふえませんが、やはりできるだけのことをしていかなきゃならぬ。特にがん研究などにつきましては、国家的な使命でもございますから、例の対がん十カ年総合戦略というようなことに基づきまして、昭和六十年度では相当の研究費を確保しておるわけでございますが、なお一層今後ともこの研究費の問題につきましては、できるだけの努力を私もいたしたいと思っております。
#17
○穐山篤君 中曽根総理はしばしばがんの撲滅という問題について非常に意欲的ではありますけれども、それがただかけ声だけであったのではこれはつまらないと思うんですね。具体的な医療施設とかあるいは医者であるとか、そういうものを含めて全体の予算措置というものがしっかり行われていなければ、ただ演説だけで済ましているのでは今日的な問題の解決にならないと思うんです。これはまあことしはことしの予算で終わるでしょうけれども、昭和六十二年度に向かってはさらに大臣の御努力を特に要請しておきたいと思うわけであります。
 それから、今回この設置法が提案をされました背景は、先ほど審議官からお話がありましたけれども、ずっともとを正していきますと、どうしても臨調行革の答申というものが基軸になっていると思うわけですね。
 そこで、今度の百四国会には、厚生省設置法の一部改正の問題とそれから国立病院あるいは療養所の統廃合という問題が、同時にセットのような形で提案されているわけです。その意味では、それぞれ審査する委員会は違いますけれども同一のテーブルの中の問題だ、こういうふうに私どもは認識をしますが、その点いかがでしょう。
#18
○国務大臣(今井勇君) やはり今回の問題は、それぞれ関連した一環の問題であると私は理解をいたしております。
#19
○穐山篤君  そうしますと、昨年の三月二十八日に厚生省から出しました「国立病院・療養所の再編成・合理化の基本指針」というものがあるわけですが、その中で「国立病院・療養所の果たすべき役割」というものが述べられていますけれども、ここはどういうふうな考え方で提案されてい
るんでしょうか。
#20
○国務大臣(今井勇君) 国立病院あるいは療養所の再編成の基本方針ということについてのお尋ねであろうと思います。
 私どもは、これから本格的な高齢化社会を迎えるわけでありますが、やはり高齢化社会になりますれば当然医療の果たすべき役割というものもますます重要になってくるわけであります。その中で、いつでもどこでも良質の医療が適切に受けられるというような医療供給体制をつくることが私ども極めて大事だと思っているわけであります。そこで、昨年には医療計画の策定などを内容とします医療法の改正というのをやっていただいたわけでありますが、こういった状況のもとで我が国の医療機関というものが全体的に有効でしかも適切に機能するように、役割の分担と連携というものが強く私は要請されているものだと思っております。
 そこで、国立病院・療養所というものの再編成というのは、このような観点から国立の医療機関としてふさわしいような指導的な役割を果たせるように、質的な機能の強化を図りたいということを私は第一の目的にせにゃいかぬと思っておりまして、そのためにもやはり再編成というのはスクラップ・アンド・ビルドというふうに私も考えまして、と申しますのも、人員、機材等々がこの厳しい情勢下で国立の各医療機関全部についての充足をなかなか果たすことができないような事情でございますので、この際スクラップ・アンド・ビルドをいたしまして、国立医療機関として国民の負託にこたえたいというような気持ちで、私は今回の再編成という問題を取り上げているわけでございます。
#21
○穐山篤君 確かに国立あるいは公立の病院もある。それから各県には医科大学並びに附属病院もある。あるいは法人の民間の病院もある。大学の病院もある。いろいろ医療機関というものがありまして、それぞれがそれぞれの立場で国民医療を行っているわけですが、なかんずく国立の医療機関というものにつきましては、長い歴史と伝統も持っておりますし、また信頼もあるわけですね。地域におきます医療機関としても十分機能を発揮しているし、親しまれていると言う方が適切かもしれません。実は、私のおやじにしろおふくろにしろ、ほとんど国立病院に御厄介になっていました。それはすぐ近くにあるということの利便性もありますけれども、やっぱりその国立病院に対する信頼度という問題が気持ちの上では非常に支配的でありまして、そういう意味では国立の病院が地域の医療に果たしている役割というのは非常に大きいと思うんですね。
 ところが、今回の提案によりますと統合あるいは廃止をするということで、地域の住民から言わせますと、なぜこの際統廃合をするのかという意味で非常に疑問を持っているわけです。それから不安も持っているわけです。国の医療に対する考え方に疑惑を持ち始めている、そういうことが率直に言えると思うんです。したがって、国立の医療機関が本来果たさなければならない役割あるいは機能というものをこの際明確にしてもらいたいと思うんです。もう一度ひとつお願いします。
#22
○政府委員(木戸脩君) 国立病院・療養所の果たすべき役割につきましては、先ほど先生から御指摘がございました昨年の三月二十八日に厚生省が作成し、翌日閣議に報告いたして了解を得ました「国立病院・療養所の再編成・合理化の基本指針」の中に「国立病院・療養所の果たすべき役割」というのが書いてあるわけでございます。
 先ほど大臣から御説明をいたしましたように、今後医療供給体制をどう持っていくかというのは非常に政府・厚生省にとっては重大な課題でございますが、先生も先ほどおっしゃいましたように、各種医療機関がたくさんございます中で国立は何を受け持つか、こういうことでございまして、基本的に先ほど御答弁申し上げましたように、他の医療機関がやることが困難な高度先駆的な医療、あるいは専門的な特殊な医療、こういったようなものを国立病院は主として担当していく、その他のいわゆる基本的、一般的な医療はできるだけ地域の他の医療機関にゆだねる、こういう考え方でございます。
 ただ具体的には、今先生がおっしゃいましたように、昭和二十年以来長いこと地域にやはり根差して地域住民の信頼にこたえてきたという問題がございますものでございますから、具体的にどうするかという問題については地元とよく協議をして、いわゆる後医療の問題については万全を期さなければならない。
 それから、今後国立病院あるいは療養所が具体的に地域でどういう機能を担っていくかという問題につきましては、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、昨年十二月に医療法が通ったわけでございまして、大体これから一年から二年かかって各都道府県が医療計画というものをつくるわけでございます。医療計画におきましては、基本的、一般的な医療を行います二次医療圏というものを設定し、さらに都道府県単位、あるいは大きな県、人口の多い県につきましてはある程度都道府県単位を複数に分割するということもございますが、そこの三次の医療圏という医療圏が設定される。その三次医療圏の中で具体的にどういう機能を国立が担っていくかという点につきましては、具体的にはその段階で各県と御相談しながら明らかにしていく、こういうことになるわけでございます。
#23
○穐山篤君 この国立病院あるいは療養所の全体の施設の数、これが日本のすべての医療機関の割合からいえば飛び抜けてたくさん量的にあるわけではないわけですね。それから歴史的に言いますと、かつての結核療養所を改編した診療所、病院というものも数あると同時に、地域的にも偏在をしているわけですね。厚生省の方はそこに目をつけて統合あるいは廃止ということになったんだろうと思いますけれども、受ける国民医療の立場からいいますと、じゃ離島はどうしてくれる、あるいは僻地はどうしてくれるというふうな、そういった政治的な配慮を当然求めているにもかかわらず、皆さん方の方の十年計画でいきますと相当の数が統廃合をされる。その意味でいいますと、地域医療から撤収をする、こういうことにならざるを得ないと思うわけです。これは、我々としてはそう簡単に承知をするわけにいかない問題です。
 そういう点について各地、各病院から相当厚生省に対しても陳情なり要請というものがあると思うんです。その点いかがですか。
#24
○国務大臣(今井勇君) これは、おっしゃいますように私のところへも随分ございます。私はそのときいつを言うんですが、今回の問題というのは、先ほど申し上げましたように、国全体の極めて厳しい財政状況等々がありまして、ある一定方針のもとでこれの再編成というのは避けて通れない、ひとつその私どもの考え方をまず御理解いただきたいということを申し上げると同時に、しかし私どもの考えでおります再編成というものは唯我独尊であってはいけないと思っているわけです。先生おっしゃいますように、やはり地域に随分長いこと密着しておりますし、愛されてもおるわけでございますから、よく地域の方々とのお話し合いといいましょうか意思の疎通といいましょうか、御納得の上でしなければならぬ。したがって、これは十カ年で一応のピリオドを打ちまして十カ年の中でやってまいるわけでございますから、その間私は一度でなければ二遍、二遍でなければ三遍、何遍でもよろしいのでありますが、対話を繰り返しながら、じゃ後医療はどうするんだ、ここがなくなった場合どうするんだということについての御納得を得ながらやっていくことが極めて大事だというふうに事務当局にも申しまして、そのようなことで今事務当局も、年次の計画等については地域の後医療に心配のないようにひとつお話し合いをしたいということで督励をさせているところでございます。
#25
○穐山篤君 この厚生省から出されています指針の中で、基本的、一般的という意味が私にはよくわからないんですが、まあ風邪だとか腹痛であるとか、あるいはけがであるとか、そういったよう
な一般的なものは町の病院で受けなさい、国立の病院というならばもう少し高度のものを扱うのが国立らしいと、こういうふうに言われていると思うんです。しかし、それだけでは国立病院の機能、性格からいってみて無理があるんじゃないかと思うんですよ。
 卑近な例でありますけれども、私の出身の山梨県、私のうちの周りにも病院がたくさんあるわけです。個人の病院、法人の病院もあります。それから、歩いて三十分ぐらいで国立病院に行けるわけです。近くに県立中央病院もあるわけですが、いずれも満杯の状況なんですね。それは、治療を要するものもあるだろうし、ごく簡単な通院というようなものもありますけれども、もし国立病院が統廃合になりますと、この厚生省が言っております一般的あるいは基本的なものは、別の県立中央病院とか法人の病院というものに全部理屈上行くようにならざるを得ないわけです。しかし、そういうふうな設備になっているわけじゃないんですよ。
 それから、例えば国立病院の場合には、どういう分野では信頼のある先生が多いとか、あるいは設備が非常にいいとか検査器具がなかなか立派であるとか、そういう幾つかの要素が絡んで国立病院が地域医療に果たしている役割というのがあるわけですよ。
 もし提案をされておりますように、地域医療から一般的なものはもう撤収してしまう、御遠慮願うということになるとすれば、これは治療、診断を受ける国民の側からいいますと、不便この上もない出来事になろうと思うんです。そういう点についての利便だとかあるいは国立病院の信頼性をさらに高めるというふうな面でもっと研究の余地はなかったでしょうか。私は、自分の地域にあります国立病院あるいは一般的な病院のことを考えてみまして、どうしてもそういう感じがしてならないわけですが、その点いかがですか。
#26
○政府委員(木戸脩君) 今、穐山先生から地元の甲府病院なり療養所の実例を引かれての御質問でございますが、私どもといたしましても基本的な方針としては先ほど来申し上げているとおりでございます。ただ、一般的、基本的な医療と高度先駆的な専門医療というのが全く別のものであるかといえば、それは連続をしているものでございまして、ある高度な医療機関が全く一般的、基本的医療をやらないかといえば、そういうことはないわけでございます。
 ただ、先ほど先生も御指摘になりましたように、国立病院の数というのは極めて限られているわけでございますので、やはり国立病院というのはいわば国民全体にできるだけ公平にサービスをするという観点に立たなければならないわけでございますので、私どもといたしましては、専ら一般的、基本的な医療だけ――もう少し具体的に申し上げますならば、いわゆる今度通りました医療法に基づきます医療計画の二次医療圏の医療というものを専らやるという国立病院は今後は持たない、こういう考え方でございます。
 それで、具体的な医療の確保、先生利便性の問題を御指摘になりましたが、この利便性という問題と高度性と申しますか専門性の問題、これをどう調整するかというのは非常に大きな難しい問題でございます。具体的な医療の確保につきましては、やはり当該地域から統合によって医療機関がなくなった場合にどういうものが必要かというのは、やはり地元市町村あるいは県あるいは医師会あるいは関係の地元の病院協会等々とよく相談をいたしましてやらなければいけない問題だというふうに考えているわけでございまして、今回の再編におきましても、後医療の問題については十分配意するということが再編成の基本指針の中にも入っているわけでございます。
#27
○穐山篤君 その指針を読んでみますと、政策医療に専念をするといいますか、重心を置いていくというふうに書かれているわけですが、これは当然のことだと思うんですよ。あえて政策医療を国立病院がやるということを書かなくても、本来それは国立病院の任務ではないかな、こういうふうに思うわけですね。そして、一般的な、基本的な診療、治療というものの上にその高度専門的なものが乗っかる、こういうことでなければ、医療体系としても私はどうかなという感じがするわけです。あえて「政策医療」というふうに指針には書かれていますけれども、これは当たり前のことであって、これをあたかも国立病院がやるものだというふうに書かなくても当然のことだというふうに私どもは考えるわけですが、あえてこういうところに政策医療に中心を置いたねらいといいますか、意図というものは那辺にあるんでしょうか。
#28
○政府委員(木戸脩君) 先ほどから大臣も申し上げておりますように、医療供給体制におきまして国公私がどういうふうな機能分担をするかというのはやはり大きな問題でございまして、ある地域で国立と公立とあるいは公立に準ずる日赤、済生会が同じようなことをやって、同じように機能が競合するというようなことは、やはり国民経済的に考えましても、病院計画という点から考えましても、それは望ましいことではないわけでございます。
 それから、国立病院・診療所の数は、先ほど先生もおっしゃったように極めて限られているわけでございます。先生御指摘のように、まさに医療というのは一般的、基本的医療の上に高度医療あるいは専門医療というものがあるわけでございますので、やはりその中で限られた数、限られた人、限られたお金で国民の皆さんにできるだけ公平にサービスが行き届くようにするというためには、やはり今回の再編成の基本指針あるいは基本指針に基づきますいわゆるリストアップというものが必要であったわけでございまして、そういったような観点からリストアップをさせていただいたわけでございます。
#29
○穐山篤君 もう一度政策医療のところをただしていきたいと思うんですが、この政策医療には項目が幾つかあるわけですが、第一ががんとか循環器、神経あるいは精神疾患というものが一つの柱ですね。それから、結核であるとか重症の心身障害、これも当然のことだと思うんですね。それから、その次が原因の究明及び治療法の確立という意味で難病、特定疾患のことが指摘をされている、これも当たり前のことであろうというふうに思うわけであります。それから、その次が一般的な医療機関が実施をしております救急医療の問題について補完的なことをする、これもごく通常のことでありますね。
 それから、二十一世紀を展望してみて高齢化社会が相当スピードアップをしてくるわけですが、最近お年寄りの問題というのは深刻な諸問題を抱えていますね。これは国民医療という立場からいえば、老人の問題、ぼけ老人の問題、そういう問題を含めてこれまた国がやるべき当然のことであります。また、その研究の結果あるいはそういうものを広く医療機関に情報を公開していく、こういうことも当然のことでありまして、あえてこれが政策医療というふうに言われますと少し我々考えさせられます。
 それから、その次に開発途上国からの研究生の問題、これは国際的な協力関係では当然日本の現状からいってみて、財政的に許す限りできるだけ研究生を受け入れる、これも国際的な役割であろうというふうに思うわけですね。一般的な民間の医療機関が受けているところもありますけれども、やっぱり種々の外交上の問題も考えてみれば、これは国立の病院が受ける、研修生を引き受ける、これが当たり前のことだと思うんです。
 それから、広域災害医療の拠点整備の問題ですが、地震災害の問題もあるでしょう。それから、ごく最近の例としては国外からの放射能の拡散という問題もあります。そうなりますと、これまた国の医療としても当然率先垂範してかからなければならぬ問題だと思うんですね。どうしてこの政策医療という名前をつけて特定なものだけを国立は、あるいは国の医療は、何といいますかエリアを、限界を示しているのか、どうもそういう点が私ども素人にはわかりづらいわけですが、この点についていかがでしょう。
#30
○国務大臣(今井勇君) 先ほどもちょっと申しましたが、確かに一般医療をなぜやらないのかというお話でございます。ただ、国立病院というのは、先生御存じでしょうけれども、全体の病院の数から見ましても、最近非常に民間の病院あるいは公立、公的病院がふえてまいりまして、私の手元にあります資料で見ましても、病院の数が全体で九千五百八十あるわけでございますが、そのうち私どもが今お願いしておりますのは二百三十九、約二百四十の病院でございます。あとは公立あるいは私的でございますし、診療所にしましても、全体で七万八千五百四十九という総数がありますうち、国が今やっておりますのはたかだか数百という感じでございます。
 そういうことから考えますと、やはりこれだけいろいろ一般的な、公的な、あるいはまた私的な病院、診療所というものがだんだんと全国的に広がってまいっているわけでございますから、しかも先ほど私が申し上げますように、国立病院・療養所というものの人員、機材というものが極めて厳しい制約下に置かれますと、やはりどこかの重点的な施策を打ち立てまして、従来からやっておりましたものでもありますけれども、さらにそれを厳選して重点を置いていって、それにひとつさらに傾斜をしていこうというふうに私どもは考えざるを得ないところで実はございます。
 そんなことで、今先生がおっしゃいますように、政策医療といってもほかでもできるんじゃないだろうかとおっしゃいますればそのとおりでございましょうけれども、しかしながらそれに国としてさらに傾斜をしていこうというのは、一般の民間医療というものがだんだんとプリベイルしてまいりましたにもかかわらず、国というものが非常に人員、機材がふえないものですから、そこに的を絞ったというふうに御理解をいただければ大変ありがたいと私は思っております。
#31
○穐山篤君 医療法の改正に基づいて地方公共団体が地域医療についての計画を策定していく、こういうことに相なったわけですが、またそれが具体的に完全なものに手がつけられていないわけですね。都道府県の長も、医師会であるとか、あるいは国立病院であるとか医科大学であるとか、いろんな広範囲に知恵を集めてやるんでしょうけれども、そういうものがまだ完全に整備されていない状況の中でこの統廃合というのは混乱を招くだけではないか、そういう気持ちがしてならないわけです。
 それから、医療の水準からいいますと、僻地もありますし離島もありますし、あるいは山間地もあります。そういうものを考えてみますと、この医療の水準の向上という点についても不安を感ずるわけです。そういう点についてはどういう勉強をされたんでしょうか。
#32
○政府委員(木戸脩君) 政策医療という言葉を使いまして、国立病院・療養所は政策医療を主としして担当すると、こういうふうにいたしたわけでございますが、政策医療につきましては、先生御指摘のように、従来から一般的には、常識的には国立あるいは公立というものはやはり他の医療機関がやらないような先駆的な医療とか不採算医療というものをやる、こういう考え方はあったわけでございまして、いわゆる医療計画は、医療法の改正が昨年通りまして、そこで医療計画というのが法律的には明確に位置づけられたわけでございますが、従来から医療計画という考え方は学問的にと申しますか関係の実務者の間ではあったわけでございまして、いわゆる保健医療計画というものを持っている都道府県というのもかなりの数あるわけでございます。
 また、全般的な医療計画ということではございませんが、この政策医療の中に掲げてございます、がんでございますとか循環器病でございますとか、あるいは母性・小児医療といったようなものにつきましてはやはり全国的に体系的な整備が必要であるという考え方で、厚生省といたしましても、国立についてはみずから、それから都道府県立、市町村立その他の公的医療機関についてはいろんな助成をしてということで普及を図ってきたというような実態にございます。特に、救急医療のうちの高度の救命救急というものについてもそのような考え方になってきているわけでございます。
 したがいまして、医療法が通ったのは昨年十二月、医療計画はこれからということでございますが、私どもはやはり医療計画の考え方というのを頭に置きながら、それから先ほど言った国公私の役割分担というものを頭に置きながら、このリストアップということにつきましては各都道府県とできるだけ意見交換をしたり情報をもらったりしてやったわけでございます。
 しかし、先ほど申し上げましたように、具体的にある地域においてある病院はどういう医療をやるんだということにつきましては、これから医療計画というものをつくっていく段階でいろいろ御相談をしなければならないということでございまして、医療計画の進捗状況も見ながらやはりこの国立病院・療養所の再編成の問題というものも進めていきまして、地域医療に支障を生じないようにしなければならないというふうに考えているわけでございます。
#33
○穐山篤君 大臣、去年の医療法の改正に基づいて医療計画を策定するというものについて、実際どこまでそれぞれの県が作業を進めているかという部分について掌握されていますか。
#34
○政府委員(竹中浩治君) 医療法改正に基づきます地域医療計画でございますが、先ほど木戸審議官が申しましたが、医療法改正以前に独自でそれぞれ医療計画をつくられた都道府県が約十ばかりございます。ただこの医療計画、まあいろいろ勉強しておつくりをいただいておるわけでございますが、今度考えておりますような例えば必要病床数といったような考え方が導入されておりませんので、今回の法律に基づく地域医療計画につきましては既につくられたものを若干修正していただく必要があろうかと思っております。
 それから、それ以外の全体的な進み方でございますが、まず厚生省が各都道府県に地域医療計画を策定する場合のガイドラインを作成するということになっておりまして、既にそのガイドラインの案を各都道府県に示しまして、それについての意見をほぼ全部いただいております。今回の医療法改正の内容の施行時期は大部分が六月末でございますので、私どもは七月にも早速このガイドラインの御審議をいただくための新しい医療審議会を設置いたしまして、八月ごろにはガイドラインを確定いたしまして各都道府県にお示しいたしたい。それに基づきまして、各都道府県では遅くとも来年の末には大多数の都道府県が医療計画を完成するようにお願いしていきたいと考えております。
#35
○穐山篤君 その場合に、当然都道府県知事が中心になるんでしょうが、この周りにはどういうスタッフを集めてガイドラインに基づいた研究あるいは調査、勉強をする仕組みになっているんですか、そこはどうですか。
#36
○政府委員(竹中浩治君) 都道府県知事が医療計画を作成される手順でございますけれども、まず関係の専門団体、具体的には三師会になろうかと思いますが、三師会からいろいろ意見を聞く、それから各都道府県に医療審議会を、県の医療審議会を設置していただきまして、その中には各般の専門家その他の方々に入っていただきまして、そこで御審議をいただく、同時に医療計画の案につきまして市町村長の意見を聞く、そういった作業を積み重ねまして各都道府県の医療計画が作成されるということに相なっております。
#37
○穐山篤君 この再編合理化の一環としての今回の提案でありますので、私は統廃合の問題について言及をしましたけれども、専門的には社労委員会で審議がされるでありましょう。しかし、私どもといたしましては、この統廃合の問題についてはそう簡単にオーケー、賛成というわけにはいかない。これはもっとじっくり研究を積み重ねると同時に、地域の方々の意見を十分に聞かなければならないし、当該の病院の責任者の意見もしっかり聞くべきだと思うんです。そうしませんと、先
ほどから私が申し上げておりますように、国立病院・療養所というのは地域医療から撤収をしてしまう、医療の水準が偏在をする、あるいは水準が下がる、そういう危険を秘めているだけに、私ども片方の統廃合の問題については納得するわけにいかないということだけを意思表示しておきたいと思います。
 さて、そこでもとに戻りますが、形の上ではがんセンター、循環器病センター、精神・神経センター、こういう三つのもりが並ぶわけですが、このかんセンター並びに循環器病センターについても充実をしていくということで説明がされているわけですが、具体的にこの二つのセンターについてはどのような充実の方法を考えているのか、説明をいただきたいと思います。
#38
○政府委員(仲村英一君) 築地にございます国立がんセンター、あるいは大阪の国立循環器病センターでございますが、先ほど数字を御質問の中でおっしゃいましたように、非常に評判がいいといいますか医療需要が多いわけでございまして、私どもといたしましては医療スタッフの充実をまず第一に掲げなくてはいけないわけでございますが、これもなかなか定員事情という関係もございまして、一挙にはなかなか増員も図れておりません。しかしながら、私どもといたしましてはレジデントの制度その他活用をいたしまして医療スタッフの充実に努めてまいりたいというのが第一点だと思います。
 それから、こういうナショナルセンターでございますので、全国の患者を全部ここへ集めてというふうなことは実際上は非常に無理があるわけでございますので、こういう医療施設へ国立病院その他のお医者さんが来ていただきまして実習、研修をしていただく、その方たちが地元の病院へ帰られて高度の技術を身につけたお医者さんがさらに高度の手術その他を地元でおやりいただいて、日本の医療の水準を上げていくというふうなことで考えてまいりたいと思っております。
 同時に、設備施設の関係でいいますと、もちろん考えられます最新の医療機器の整備というのも図ってまいりたいと思っておりますし、研修機能も非常に重要でございますので、図書館機能というのも私どもといたしましては重視をしておるところでございます。あるいは先ほどもちょっとお触れになりましたけれども、外国からの研修生も大いに受け入れをいたしまして国際化も図ってまいりたい、このような方向で考えておるわけでございます。
#39
○穐山篤君 それでは、今回新設をされます精神・神経センター、この対象ですね、どういうものをここでは扱うのか、それからここのセンターの機能はこういうものを考えているというのを御説明いただきたいと思います。
#40
○政府委員(仲村英一君) ただいまお願いしております国立精神・神経センターの基本構想についてのお尋ねだと思いますが、まだ名称につきましては仮称でございます。先ほど申し上げました国立がんセンター、国立循環器病センターと同様に、私どもといたしましては臨床の場でございます病院と、それからこの分野の先端的な研究を行う研究所と、それから全体を運営いたします運営部というこの三位一体と申しますか、そういう形の組織を現在考えておるわけでございまして、この国立精神・神経センターにつきまして、仮称でございますけれども、申し上げますと、国立の精神衛生研究所、それから国立の武蔵療養所、これを再編成いたしまして、いわゆるナショナルセンター、全国の中心的機関として高度先駆的な医療あるいは調査研究、さらには技術者の研修を行うというふうな目的でナショナルセンター化をいたしたいと考えているわけでございます。
 具体的な組織といたしましては、総長を置きまして、その下にただいま申し上げましたような病院部門と研究部門、それからそれ以外の各部署との連絡調整を行います運営部門を設けまして、これらの密接な連携のもとに、精神疾患あるいは神経疾患等に関します医療、研究、研修を総合的かつ効果的に実施したいと、このように考えておるわけでございます。
 研究部の内容その他はいろいろ細かく分かれておりますが、当然いわゆる精神衛生の分野あるいは神経の疾患の分野、それからそれにオーバーラップしてまいります疾患の分野、あるいはそういう患者さんたちのリハビリテーションその他社会的の問題も含めまして研究も推進し、実際の診療もさらに推進してまいりたい、このような構想で私どもとしては考えているところでございます。
#41
○穐山篤君 素人なものですから少し教えてもらいたいんですが、精神疾患それから神経疾患とこうあるわけですが、世間の病名で言いますとどういうふうに区別をされていますか。
#42
○政府委員(仲村英一君) なかなか難しい質問だと思いますが、脳の活動も分野別に言いますと神経の活動だというふうに私ども教わったわけでございますけれども、一般的に症状の方から申し上げますと、例えば精神分裂症のような私ども、私どもと申しますか一般の方たちと非常にコミュニケートできにくくなるような病気というのは、どっちかというと精神病というふうな大きなカテゴリーになろうかと思います。
 それから、ややわかりやすく申し上げさせていただきますれば、神経疾患というのは、例えば簡単に言いますと手が動かなくなるとか、脳卒中でいろいろごらんいただいているような神経症状が出るというふうなのは、大きく言いますと神経系統の病気ということでございますけれども、実は私どもといたしましては、そういうふうに便宜、分けてはおりますけれども、例えば神経病理学的な問題でございますとか、あるいは脳内の生化学的な異常でございますとか、さらには遺伝子の問題でございますとかを考えますと、共通部分があるというふうに私は理解をしておるところでございます。
#43
○穐山篤君 素人のような話で恐縮なんですが、いずれ質問が精神病院の方に逐次いくわけです。そのために必要な材料として神経と精神の病名を、代表的な病名です、例えばうつ病とか躁病とか躁うつ病とか、そういうものはどちらの方のグループに入り、アルコール依存の慢性化の方はどちらの方に入るというふうに、素人にわかりやすいようにひとつ区別をして説明してもらいたいんですが。
#44
○政府委員(仲村英一君) 私ども一般的に精神疾患ということで考えますれば、代表的なものは精神分裂病でございます。そのほかに、今おっしゃいました躁病、うつ病、躁うつ病、あるいはアルコール依存も精神疾患でございます。薬物依存につきましても精神疾患に入る部分もございます。あるいはノイローゼ、神経症、そういうものを精神疾患というふうに私ども分けておりまして、神経疾患といいますと例えばてんかんでございますとかパーキンソン病、お耳なれないかもしれませんが、パーキンソン病でございますとか、難病で研究を進めております多発性硬化症とか、そういうふうな病気が挙げられるわけでございます。
#45
○穐山篤君 例えば自律神経失調症というふうなもので、ごく軽いのは別にして、重い場合はどちらの方に入るんですか。
#46
○政府委員(仲村英一君) 自律神経失調だけですとやはり神経疾患の方に入るのではないかと考えられます。
#47
○穐山篤君 それから、逆行性の健忘症というのはどちらに入るんでしょう。
#48
○政府委員(仲村英一君) 健忘症というのは物忘れが非常に多いということでございまして、私どももよくあるわけでございますが、例えば、非常に変な例えかもしれませんが、酔ぱらって翌日何も覚えていないというのも、これも逆行性健忘症の一部でございますが、それがひどくなった場合には、やはりある基礎疾患があってその逆行性の健忘症が症状としてあらわれたということになれば、一部は精神疾患に入る場合もあろうかと思います。
   〔委員長退席、理事村上正邦君着席〕
#49
○穐山篤君 それから、実は私の近所にこの種の
病院がたくさんあるわけですが、被害をこうむったこともありまして若干勉強もしたことがあるんですが、幻覚と妄想に取りつかれるという言い方が適切であるかどうかわかりませんが、通称パラノイア、偏執症という名称があるそうですが、これはどちらの方に区別をされるんですか。
#50
○政府委員(仲村英一君) これは精神疾患でございます。
#51
○穐山篤君 わかりました。
 そこで、仮称ですけれども国立精神・神経センターで、精神保健のようなものは別にして、実際の精神疾患についてはどの程度の規模まで扱うのか。それはどういう状況を予定しておりますか。−意味がわかりませんか。具体的にこれらの疾患、症状を持った人たちを直接このセンターで受け付けをする、少し悪い言葉で言えば収容もするというふうな業務も全部含まれているんですか。
#52
○政府委員(仲村英一君) 先ほどもちょっと御説明いたしたつもりでございますが、この(仮称)精神・神経センターにつきましては、基礎となると申しますか、中核となる臨床の場でございます病院が国立武蔵療養所でございまして、現在の病床規模で申し上げますと八百六十床入院定床を持っておるわけでございまして、ここへそういう必要な患者さんは入院をしていただくということになるかと思います。
#53
○穐山篤君 その場合に、ここの武蔵療養所ですか、ここの病院といいますかセンターでは、自由入院の形をとる場合、あるいは緊急措置で収容する場合、それから強制入院という場合、それから緊急入院という場合、いろんなケースがあると思うんですが、これは一応センターの性格から全部を取り扱うというふうに考えていいんですか。その点どうです。
#54
○政府委員(仲村英一君) 精神衛生法上で申し上げますれば措置入院、同意入院、自由入院、それぞれあるわけでございますが、扱います患者はすべてが対象になり得ると。ただ、数のウエートがどのようになるかは別でございますけれども、対象としてはすべてを扱い得るということでございます。
   〔理事村上正邦君退席、委員長着席〕
#55
○穐山篤君 そこで、ガイドラインの問題についてお伺いをしますが、去年の十月十九日でしたか、「精神病院入院患者の通信・面会に関するガイドライン」というものがいろいろないきさつを経て厚生省から出されたわけであります。過去のいきさつはともかくとして、このガイドラインを出されて、その後それぞれの病院あるいは病院の集団からこの運営についての注文なり意見なり苦情というものはあるんでしょうか、ないんでしょうか。
#56
○政府委員(仲村英一君) 昨年の秋に、御指摘のとおり保健医療局長名で、精神病院の入院患者さんにつきましての通信・面会に関するガイドラインというのを都道府県知事あてに御通知を申し上げたところでございます。その後も、全国の衛生部長会議でございますとか精神鑑定の主管課長会議という機会を利用いたしまして、私どもこの通信・面会に関するガイドラインについての指導指針の徹底ということで指示をしてまいってきたわけでございます。
 お尋ねのどの程度の効果というのは、数量的に把握するのは非常に難しいわけでございますけれども、私どもの担当の課のところへも直接電話が入るようなことも従前に増してふえてきておりますし、いろいろの関係の方々からの御意見から判断いたしまして、通信、面会の状況というのは改善されてきておると私ども考えておるわけでございます。今後なお、ガイドライン通知後の電話の設置等の実施状況でございますとか、あるいは実施に当たりまして生じたトラブル等については、当該精神病院に通じるなりいたしまして、その情報の収集にさらに努めてまいるようにしたいと考えております。
#57
○穐山篤君 きょうは電信電話株式会社を呼んでいないんですけれども、NTTと厚生省との間には、設置後の状況について意見の交換なり相談というものはされたんでしょうか。
#58
○政府委員(仲村英一君) このガイドラインに基づきまして私どもNTTの方へこの趣旨を添えまして便宜供与してほしいという文書で要請をしてございます。
#59
○穐山篤君 このガイドラインの問題は、昨年の秋、紆余曲折があったけれども厚生省がまとめて。出された。ですから、しばらくの間は状況を見る、その上に立ってまた新しい対策が必要かどうかということになろうと思いますので、また改めて私はその際に意見を出したいと思っております。
 さて、このガイドラインの作業と並行的に厚生省と関係の皆さん方との間には、作業あるいは作業療法の問題、それから保護室の使用のあり方の問題について勉強していたものと私は承知をしているわけです。相当の部分勉強が進んでいたと思うわけですけれども、結果としてこの作業及び作業療法、保護室の使用問題につきましては、一定のものに固めてそれを公表する、あるいは指導要綱にするというところまでいっていない理由は、これは物理的な問題でしょうか、内容的な問題でしょうか、お伺いします。
#60
○政府委員(仲村英一君) 御指摘のように、昨年の秋、ガイドラインで保護室あるいは作業療法に関しての問題はお示ししておりません。と申しますのは、精神病院の入院患者の処遇としてこれらが非常に重要なことは、私どもとしても十分認識をしてございますけれども、非常にこれが個々の患者さんの医療内容と密接にかかわりがある部分が極めて多いわけでございまして、その点で行政が医療に立ち入る分野にもなりかねないというふうなことから、私どもとしては通知を見送ったところでございますが、先ほど御質疑がございました通信・面会の問題について、その状況が改善されることによって間接的にこれらの問題の改善がなされることが十分期待できるというふうなことの判断もあったわけでございます。
 なお、私どもといたしましては、保護室の問題あるいは作業療法の問題のあり方については、さらに現状を踏まえながら引き続き検討を進めたい、このように考えておるところでございます。
#61
○穐山篤君 厚生省の立場としては医療内容に介入をしたくない、表現が適切かどうかわかりませんけれども、そういう意味でこの二つの問題については、勉強はするけれども介入をしたくない、そういう気持ちなんでしょうか。それとも、もし最終的に関係の医療機関などと合意ができるならば、この二つの問題についてもガイドライン的なものを出してもよろしいと、こういう発想に立っているのか、どちらの方なんですか。
#62
○政府委員(仲村英一君) 今のお尋ねの限りで御返事をさせていただきますれば、前半のような考え方でございます。
#63
○穐山篤君 私は、精神・神経の患者、全国、皆さん方の方では昭和五十八年度、最近お調べになったようですが、これもかなり抵抗があって絶対数を全部きめ細かく調査することが不可能であったというふうに私は資料を見てわかったわけですが、しかし私の個人的な気持ちを言いますと、できるだけ社会復帰ができるようなことを考えるのが我々の仕事であろう、そういうふうに考えるわけです。そういう面から見ますと、作業及び作業療法というのは、後ほど聞きますけれども、一定の効果を持つわけですね。限界のある部分もあります。しかし、相当成功している部分もあるわけです。
 それから、保護室の使用の問題につきましては、これも昔のような、自分でけがをする、他人に害を与えることだから保護室を使用するというふうなものとは、多少最近は保護室の使用について性格が変わってきています。
 そういうことを考えてみますと、一刻も早く療養が成功して、それから社会復帰が可能な条件をつくってやるという意味では、この二つの問題はもう少し積極的にタッチした方がいいのではないか、こういうふうに私は意見として持っているわけですが、その点はいかがでしょう。
#64
○政府委員(仲村英一君) 精神疾患を持たれた患者さんができるだけ早い機会に社会復帰をしていただくということは、私どもとしても今後さらにこの施策の進展に重点を注がなくてはいけないと考えているところでございまして、その点につきましては先生の御指摘のとおりだと思います。
 そのために、例えば作業療法でございますとか精神病院の中で行われます運動会でございますとか、社会に早くなじませるようなことをやっていただくということについては私どもも大いに歓迎するところでございますが、一方におきましてはやはり受け入れ側の家庭の問題でございますとか社会の問題ということが非常に障害になっている場合もございますので、私どもといたしましては、今後そういう方向でもさらに社会復帰を進めるということから、そういう方向へもいわゆる地域精神衛生と申しますか、そういう形で施策をできるだけ展開していきたいというふうに考えているところでございます。
#65
○穐山篤君 先ほど私の質問に対して直接医療にかかわる問題については介入をしたくないという、非常に謙譲さある態度ではあろうと思うんですけれども、しかし関係の医療機関あるいは学会などと意見がもし合意がされるなら、私は強制力を持たないでもいいと思いますけれども、ガイドライン程度のものでこれを尊重してやってもよろしいと、積極的に取り上げるところはそれを取り上げたらどうかというふうなものは、これだけ患者がふえてまいりまして、それから長期入院の者も非常に最近は多いわけです。これを単に地方の精神病院、脳病院にお任せをしておくというだけでは能のない話だと思うんです。その点もう一度検討していただけないだろうか、あるいは関係の学会、業会、医師団と十分に話し合いをしてもらいたいなという希望を持っていますが、その点いかがでしょうか。
#66
○政府委員(仲村英一君) 個々の医療内容につきまして行政が介入――介入という言葉が適当かどうか問題があろうかと思いますけれども、それは精神医療に限らず非常に微妙な問題を含んでおるとは思いますけれども、ただいま先生がお尋ねのような方向で学会でございますとか、まあ言ってみれば精神病院協会とか、そういう方たちとの合意が成り立ちますれば、それが行政的な拘束力がない形ででも患者さんの処遇の上に非常にプラスになるということになれば、私どもとしては、そういう合意の上に成り立つという前提がありますれば、何らかの形で対応することについてはやぶさかではございません。
#67
○穐山篤君 大臣、今答弁がありましたように、私が先ほども指摘をしておりますように、患者の数が非常に最近ふえてきた、まあ病院側からいえば需要がふえたというんですか、そういう問題。それから、患者の昭和五十八年度の実態調査の状況を見ましても、あるいは長野県で調査しました長期に入院している病院の実態調査を調べましても、これが入院患者の平均年齢は五十何歳というふうな状況になりますと、社会復帰というのはなかなか難しくなるわけです。
 ですから、国の行政、医療政策としては、一刻も早く退院ができて世間になじんで社会復帰が十分に可能になる、そういう医療行政をしてほしいという余りに私はそういうことを申し上げているわけですが、答弁がありましたように、ぜひ関係者との間に十分話し合いをされまして、合意が成り立つようならばひとつ実行に移してもらいたいと、大臣に特に要望をしておきたいというふうに思うわけです。
 さてその次に、今の問題にも関連をするわけですが、最近仄聞をするところによりますとこの法改正の問題が持ち上がっている、こういうふうに聞いているわけであります。問題の所在がどこにあるのか、端的にひとつお話をいただきたいと思うんです。
#68
○政府委員(仲村英一君) 宇都宮病院等精神病院におきまして患者の処遇をめぐる問題が続出をいたしたりしたわけでございますし、同時に国際的にも患者さんの人権という問題で取り上げられたという経緯もございました。したがいまして、私どもといたしましては、この精神衛生法がそういうことのないような形でもう一遍見直すべきではないかと、こういうふうなことを考えまして現在、来年の春をめどに改正案を作成するように作業を進めておるところでございます。
#69
○穐山篤君 その法改正のポイントですね、こういうもの、こういうふうなものでありますと。もちろん結論を言ってもらわなくていいです。どういう筋立ての問題が法改正の対象事項になっているんだろうかという点はどうですか。
#70
○政府委員(仲村英一君) ただいま申し上げました同意入院制度、これにつきましては種々の問題があるという御指摘もございますので、当然研究の対象になろうかと思います。あるいは精神病院の中におきます行動の制限の問題も当然そうでございましょうし、それから先ほど御指摘ございましたけれども社会復帰対策、それに関連いたしますいわゆる中間施設と申しますか、そういう形の問題を法体系の中でどう取り入れていくか。その他アルコールの問題でございますとか、思春期の精神保健の問題あるいは覚せい剤の問題等、昭和四十年に改正して以来いじっておりません法律でございますので、各般の事項につきましての検討をしていかなくてはならないのではないかと考えております。
#71
○穐山篤君 まだ研究段階ですから結論を求める必要はないと思いますけれども、同意入院問題について言いますと、日本の歴史的な伝統もあるんでしょうけれども、アメリカとかイギリスとかその他の国に比較をしましてかなり厳しい現実にあるわけですね。こういうものについて他の国からの指摘も文献を見ますと書かれています。したがって、どちらかといえば、人権を尊重するという立場でそれは研究を進めて結論を求めていくんだと、そういうふうに理解をしていいんでしょうか。
#72
○国務大臣(今井勇君) 細部についてはまだ局長から答弁させますが、今の同意入院の問題は、お話しのようにいろいろ問題点が指摘されまして、しかも入院患者の人権面の規定の見直しを中心としてやっぱりこの際いろいろ検討しようじゃないかということでございまして、局長が答弁いたしましたように、私どもは関係審議会に諮りました上で六十二年の春の通常国会に改正案を出したいと思っております。
 また、医療機関だとか弁護士団体、あるいは地方関係団体の二十四団体に対しまして、法改正につきましていろいろ意見を求めているわけでありますが、そのほか各界の有識者の参加を得まして、精神保健の基本問題に関します懇談会というのを設けまして、こういった意見を踏まえまして、これからこの問題についての私どもの検討を鋭意進めて、必要ならば先ほど申し上げたように法改正もいたしたいと思っておるものでございます。
#73
○穐山篤君 もう少しそこのところをお伺いしますが、出入院の専らそれをやっているところは別にしましても、しかし実際は自由入院とはいいながら強制入院というそういう現実ですよね。特に閉鎖性の病院の場合には、そのことはもうそのとおりだというふうに思うわけです。
 そこで、同意入院の問題が出るわけですが、現行法では全然それが保障されていないのは、例えば強制あるいは同意入院でありましても、本人の抗弁があるいは防護権というものが全く今保障されていないわけですね。全然何でもないけれども強制措置をされる。本人は文句言うけれども、アピールするけれどもそれは受け入れられないというような問題が現実にあるわけですが、そういう問題についても当然これは勉強の対象になっているんでしょうか。
#74
○政府委員(仲村英一君) 御指摘の問題についても、当然検討の対象になってございます。
#75
○穐山篤君 それから、措置入院あるいは緊急入院をされた人の財産上の問題についても十分明文化されたものがないような感じがするわけですが、そういう問題についてはこの研究、勉強の対
象になっていましょうか。
#76
○政府委員(仲村英一君) 同様に検討の対象になると考えております。
#77
○穐山篤君 それから、現行法には保護義務あるいは保護義務者の問題については一応書かれておりますけれども、これも言ってみれば問題が非常に多いような感じがするわけです。これも勉強の対象になっているんでしょうか。
#78
○政府委員(仲村英一君) 御指摘のように、仕組みといたしまして市町村長による同意というのがございまして、これについては既に一部でも運用が不適正であるという御指摘も受けております。したがいまして、この制度についても、当然検討いたさなくてはいけないと考えております。
#79
○穐山篤君 先ほども申し上げましたように、私の実家の裏にそういう病院がありまして、しばしばいろんな問題にぶつかるわけです。
 そこでまた伺いますが、精神障害者が精神病院に入院をしていた、死亡した、こういう事例があるわけですが、その遺体引き取りの義務者であるとか、あるいは解剖についての同意を与える者はだれであるのか、そういうものについて十分まだまだ現行法では明確に書かれていないような気がするわけですが、そういう点はいかがですか。
 それからもう一つは、直接私も見たことがあるわけですけれども、おなかの大きい中年婦人が入院していた場面を見たわけですけれども、こういう場合の妊娠中絶、優生保護法の適用というものについての考え方なんかは、現行法からいってみて改正をする余地があるやに感じますけれども、その点いかがですか。
#80
○政府委員(仲村英一君) 前半の死亡の問題でございますが、これは精神衛生法には特に規定はございません。したがいまして、解剖その他につきましては、恐らく死体解剖保存法とかそちらの方の法律の関係になろうかと思います。
 それから、患者さんの中絶の関係につきましても、これは精神衛生法とは直接関係の条文はございませんのでないわけでございまして、優生保護法その他の対象になるのではないかと考えておりますが、具体的な事例によりましてどういうふうになりますか、一概にはただいまここでは申し上げられないのではないかと考えております。
#81
○穐山篤君 時間の都合で私は疑問に思っていた点を全部お尋ねしたわけではありませんけれども、今私は典型的な問題を抽出して申し上げたわけですが、そういう意味でいいますと、かなり広範囲に勉強を余儀なくされている。そのうち一定のものについては来年の法律改正に提示をされる、提示する準備を進めている、そういうふうに理解をしてよろしいんでしょうか。
#82
○政府委員(仲村英一君) 御指摘のとおりでございます。
#83
○穐山篤君 それでは、またもう一度前の問題に戻りまして、この精神・神経性疾患の全国的な数、それから入退院の動向というのは五十八年度の資料で見るよりしようがないと思うんですけれども、私の見た目でいきますと、例えば短期間のうちに退院をしてある意味でいえば完治した者もあるし、社会復帰をした者も相当ある。ところが、それを過ぎますと長期に入院をしている。それから、家族の面会の数も調べてみますと、入院の期間が短い方につきましては割合に面会をしているわけです。ところが、長期にわたって入院をしている場合には一年に一遍も来ないという、もう放置をしたままというふうな状況もあるわけですね。
 そこでお尋ねをするわけですが、そういう全国的な状況の中でどうやったら治癒されるかという問題と、できるだけ早く退院ができるような治療なりあるいは訓練なり何なりをやって社会復帰をさせる。それから、長期入院者の問題については、先ほども指摘をしましたように、家族が一遍も会いに来ない、世間からも放置をされているということでなかなか社会復帰が難しい条件にあるわけです。そういう意味でいきますと、最近東京、横浜その他若干のところで社会復帰施設をつくられてはおりますけれども、それが全国的に全部完備しているわけではないと思うんです。ぜひ社会復帰が一刻も早くできるような条件をつくる。あるいは復帰したくとも手に何にも職を持っていないという意味で、なかなか準備が不足をしているわけですね。そういう問題についての厚生省の指導のあり方といいますか考え方、これをちょっとお尋ねしておきたいと思います。
#84
○政府委員(仲村英一君) 御指摘のように、早期に治療を開始いたしますと最近では治癒をするケースも非常にふえておりまして、平均在院日数も短縮をしておるというのも事実でございます。したがいまして、先ほどの同意入院制度につきましても、運用の問題は別といたしまして、早期発見、早期治療ということで、措置入院にまで至らないうちに早く治療を加えるということで成功する例もあり得ると私どもは考えております。
 しかしながら、ただいま御指摘ございました長期入院の方たちでございますけれども、例えば精神分裂病につきましては、その最終的な経過というのはいわゆる人格の荒廃と申しますか、そういうやはり経過をたどると私ども習ったわけでございますけれども、したがいまして長期に入院される方については、特にリハビリテーションも難しいということも言えるかと思います。しかしながら、私どもといたしましては、今後精神疾患の患者さんが早く退院していただく、そのためにはいろいろの施策を講じなくちゃいけませんけれども、例えば病院に入院することでなくて同じ病院の敷地内に共同住居というふうなものを設けるような仕組みも一部の県では行われるようになっておりまして、そこは何と申しますかハーフウエーハウスみたいな形で、病棟とは違った意味で患者さんが準社会的な生活を送れるような場を提供する、こういう仕組みもふえてきております。
 あるいは職業を非常に持ちにくいということでございますけれども、いわゆる職親制度と申しますか、そういう形で私どもとしても若干ではございますけれども補助金も出すような形でやっておりますので、そういう形でさらに精神疾患の患者さんの牧会復帰に努めてもらうように各病院を督促いたしたいと思います。いろいろの工夫をしておる病院もございまして、患者さんと家族の方たちが集まっていただいて運動会ですとかいろいろの会をやるとかということで、社会との接触がなくならないような工夫をしている病院も幾つかあるわけでございまして、私どもそういう事例をさらに集めまして、日本の精神病院全体が、社会復帰、さらには入院より外来へという形で日本の精神医療を変えていくような方向へ努力を重ねてまいりたいと考えております。
#85
○穐山篤君 私の出身の山梨県でも、知事が音頭をとりまして精神・神経障害者の就労の問題について非常に積極的に最近取り上げているわけであります。これも、正確な数字は把握が非常に困難ですが、山梨県内だけで現在入院患者というのは三千人いるそうです。それから通院患者が八千人。ですから一万一千人、かなりの人数になると思う。こういう人たちが治癒して社会復帰をするためには相当地域の方々の協力というものもいただかなければならないし、どうしてもこの種の病気については、地域の人たちも偏見を持っているわけでありまして、なかなか近寄りがたいものを持っていると思うんですね。しかし、いずれの場所でも一刻も早く社会復帰をして健常者と同じように地域社会に参加をしていく、それが大きな希望として知事なんかも持っているだろうと思うんですね。
 ところが、私が最近読みましたある雑誌によりますと、この患者さんの、階層別と言っちゃ語弊がありますけれども、例えば生活保護の適用を受けている人が二、三〇%、それから老人保健法、退職者医療の保険証を持っている人が何%、国民健康保険が何%というふうに区分けをしている資料があったわけです。そこで、生活保護を適用されている方々の入院患者あるいは通院患者の場合には、世間の目も冷たいし、食っていくのにも大変だし、一番楽なのは入院をしていることだと、そういうふうになりかねないですね。ですから、そこを十分にほぐしていきませんと、精神・神経
患者の問題については抜本的な解決が非常に難しい、こういうふうに思うわけです。その意味では、何も厚生省の専売特許でなくして全体が連帯をしなきゃならぬと思うわけですけれども、そういう点については何か工夫がおありでしょうか。
#86
○政府委員(仲村英一君) 非常に難しい問題だと考えております。先ほどちょっと申し上げましたけれども、地域精神保健と申しますかそういう形で、社会の中にありながら、精神障害者が入院をせず外来治療等で社会生活に参加しながら治療できるという体制がとり得れれば最上だと考えておりますけれども、実際上は地域の方々の理解が十分でないという面も御指摘のようにございますし、あるいは地域福祉という観点で考えましても、民生委員制度その他ございますけれども、病気に対する考え方がいろいろでございまして、実際問題としてはまことに難しいわけでございますけれども、一部には、先ほどお示ししましたような職親制度でございますとか、それから地域でその患者さんを十分に抱えながらいわゆる地域ぐるみで対応しておるというところもあるわけでございますので、非常に例は少ないかとは思いますけれども、やはりそういう例をさらに今後だんだん広めていくという方向をとらざるを得ないと思います。
 同時に、制度的な問題として、例えば職親制度でございますとかいわゆる中間施設、あるいはデーケア、ナイトケア、いろいろな形のリハビリテーション活動があり得るわけでございますが、そういうものについてさらに進展すべきところがありますれば、私どもとしてもさらにそういう方向の努力を重ねてまいりたいと考えております。
#87
○穐山篤君 そこで、長期に入院中の患者の方々の調査資料を見ますと、平均年齢が五十歳台に男女ともなっているわけです。そうしますと、どういう問題が発生しているかというのを記録で見ますと、いわゆる成人病、合併症というものがどうしても出てくる。ですから、病院側にしてみても、当該本人にしてみても非常に厄介な状況にあるわけです。ところが、こういう例えば精神分裂症の方で成人病あるいは合併症というものが出た場合に、そこの精神病院だけでは措置し得ないというそういう問題が現実に出ているわけですね。このグループの方々のことを何か沈殿グループと言っているそうでありますけれども、そういう精神病とそれから成人病との合併症が逐次長い入院患者の場合には発生しているわけです。そういう数字になっているわけです。
 今も言いますように、そこの精神病院ですべてのものが診療ができる、治療ができるというものではないと思うんですけれども、こういうものについての指導といいますか、そういう点はどういうふうになされているんですか。
#88
○政府委員(仲村英一君) おっしゃいますように、成人病を抱えた精神障害者の入院の数というのは、恐らく統計的に把握は非常に難しいかと思いますけれども、ふえておるのではないかと考えられます。そういう時代でございますので、私どもといたしまして期待すべきことは、一つにはやはり精神科の専門の先生であられても、やはりそういう年齢階層を相手とせざるを得ないという状況でございますので、成人病に関します医学知識、臨床経験をさらにふやしていただくという方向を一つ考えざるを得ませんし、さらには近隣の施設との連携をとるということも、まさに地域医療という中でとらえられる問題だとは思いますけれども、不可能ではないと考えております。
 実は、これは精神障害とは全く関係ございませんけれども、いわゆるハンセン病の患者さんにも同様の問題が出ておりまして、これにつきましても近隣の県立病院あるいは国立病院の療養所から応援に行って成人病の治療に当たるというふうなことも実際に行われておりますので甘そういう形での連携プレーと申しますか、そういうものもとっていくということで対応していくべきではないかと考えます。
#89
○穐山篤君 そこで、仮称の国立精神・神経センターは、内部的な状況というのは一応わかりましたが、さてここのセンターが果たす日本的な役割といいますか、国内の医療機関に及ぼす影響ですね、これはどういうふうに研究をされておりますか。
#90
○政府委員(仲村英一君) これからの運営でございますので、私どもの希望的な内容も含めまして申し上げますと、国立がんセンター、国立循環器病センターが日本の医学界に果たしております先進的と申しますか、開発的な役割というのは非常に大きいわけでございます。治療成績につきましても、あるいは特殊の医療機械の開発につきましても、さらには病気の本体の研究究明につきましても非常にパイオニア的と申しますか、そういう役割を十分果たしてきておるわけでございます。同様に、私どもといたしましては、この仮称国立精神・神経センターでございますけれども、先ほど御答弁申し上げましたように、病院と研究機関とそれを三位一体といたします運営部とがうまく運営をしてまいりまして、日本の精神・神経疾患の文字どおり中核的な施設として育っていくように、私どもとしても大いにバックアップしてまいりたいと考えております。
#91
○穐山篤君 具体的にもう一つ今の分野でお伺いしますが、例えば発達障害の問題についてこのセンターで扱うということになるわけですが、このケースで言えば精神薄弱、それから重症心身障害ということになりましょうか、こういうものの研究が具体的に治療に当たられたり研究をしたり、そういうものを国内的に、どういうふうに情報の公開をして高度専門的な機能を果たされるか。ただそれが入院される患者だけを対象にして診療したというだけでは、国立の意味、センターの機能というものは十分果たされたとは思えないわけですが、これからそういう意味では、こういう発達障害にしてみましても相当広報の分野、これが大きく作用すると思うんですが、具体的な何か計画はおありになりましょうか。
#92
○政府委員(仲村英一君) がんセンターにいたしましても、循環器病センターにいたしましても非常に優秀な論文がたくさん出ておりまして、それは年報といたしまして関係機関に配付されております。同様に私どもこの精神・神経センターについても、ここで行われました研究あるいは臨床治験等につきまして、おっしゃるような広報と申しますか、学会の関係者にあまねく知っていただくような活動を進めていかなくてはいけないと思いますし、そういう成果をまた研修の内容として組み入れるというふうなことで技術移転を図るということも私どもとしては考えておるところでございます。
 さらに、運営部の方で集中的に扱うように今考えておりますこの関係の研究費の配分につきましても、そういうチームワークが発揮できて非常に効果の発揮しやすいような研究班の組み方、そういうことも含めまして、発達障害を含めていろいろの対象疾患についての研究の推進も図ってまいりたい、このように、考えております。
#93
○委員長(亀長友義君) 午前の質疑はこの程度とし、午後零時五十分まで休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後零時五十分開会
#94
○委員長(亀長友義君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、厚生省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#95
○小野明君 大臣が最初におられるようでございますから、まず一問だけお尋ねをいたしたいと思います。
 今回の国立病院・療養所の再編計画をつくらざるを得なかったというのは、年間一千億円を超える赤字を大蔵省に責めたてられて、そして五十八年の臨調答申で、国立医療機関の果たすべき役割を明らかにし再編計画を実施せよ、こういうふうに迫られて、のっぴきならぬところに追い込まれまして、財政難の中で単なる赤字減らし、こうい
う道具に使われたのではないかと思われるのであります。
 いろいろ大臣の苦しい御答弁も記録で読ませていただいておりますが、今回の再編成計画というのは結局国鉄の赤字ローカル線廃止の病院版、こういうふうに受け取れますが、大臣の再編成計画の本音といいますか、これほど建前と違うところはないと思うんですが、いかがでございましょうか。
#96
○国務大臣(今井勇君) 私は今回の再編成が、きっかけというものが先生おっしゃいますように財政の問題から出たということはある一面ではあり得ると思うんですが、しかしながら私考えてみますと、本格的なこれから高齢化社会を迎えるわけでありますが、そのときにいつでもどこでも良質の医療が受けられるというふうな供給体制を我々はどうしてもつくらにゃいかぬと思っておったわけでありまして、そういうことで昨年には医療法の改正が行われまして、医療計画というものを今各県につくってもらっているわけであります。こういう状況のもとで、我が国の医療機関というものが全体として有効、適切に機能するように役割の分担というものをやっぱり決めていくことが極めて大事だと私は思っているわけであります。
 そこで、国立病院・療養所の再編成といいますのは、こういう観点から国立の医療機関としてふさわしいようなやっぱり指導的な役割というものを果たせるように、ひとつ国立の病院・療養所というものを再編成しようというふうに思いましてやったものでございまして、こういった再編成ということはやはり避けて通れない道であるというふうに考えております。
#97
○小野明君 今、大臣の御答弁の中で、いつでもどこでもよい医療の供給を受けられる、これは非常に重要なお言葉だと思います。私が見ますところ、地域医療をばっさり切るという悪影響が出てくることは御存じのとおりですが、いつでもどこでもよい医療を受けられるというお言葉と矛盾する内容になっておるのではありませんか。
#98
○国務大臣(今井勇君) 最近の医学医術の進歩と同時に、やはり病院・診療所というものがだんだんと私どもは日本全国的にふえてきておると思います。具体的に申しますれば、先生御案内だと思いますが、病院の数にいたしましても九千五百八十ありますし、そのうち公的なものあるいは私的なものというものが約九千ぐらいあるわけであります。それからまた、一般の診療所につきましても、七万八千何がしかあるうちに私的なものでも七万三千余あるわけでございまして、そういう意味で、おかげさまでこのごろそういう病院、診療所というものが全国的に相当の数になってまいりました。確かに偏在をしておるところは私はあると思います。これは否定はいたしませんが、しかしマクロ的に見ますれば大分整ってまいったと思うわけでございます。
 こういう状態を踏まえて考えますと、やはり今の国立病院・療養所というものも特化をしてまいりまして、それでやはりそのほかの病院等と一緒になりまして、国の医療機関の果たすべき役割というものを明確にした上で残していくことが極めて大事だろう、こう思っているわけでございます。もとより人員、機材等々が十分に調達できるならばまた話は別でございますが、それが極めて厳しいという状況であるならばやむを得ざる私は道であろう、こういうふうに考えておるものでございます。
#99
○小野明君 大臣、どうぞ。
 じゃ、政府委員にお尋ねをいたしますが、私は福岡の出身なものですから地元の問題に集中してお尋ねをいたしてみたいと思います。
 国立福岡中央病院と国立久留米病院が昭和六十一年度中に統合ということに相なっておるわけですが、この具体的な内容というのはどうなっておりますか。
#100
○政府委員(木戸脩君) お答えを申し上げます。
 六十一年度中ということではございませんで、六十一年度から着手してしかるべき時期に組織の統合を行う、こういうことでございます。まず福岡中央病院は、がんや腎移植等を中心とするいわば高度の総合診療機能を有している病院でございます。そして、総合診療機能以外に医療従事者の教育研修機能を持っているわけでございますが、現在の施設は非常に場所が狭隘でございまして、施設の移転整備が緊急の課題となっているわけでございます。一方の久留米病院は、久留米市を中心といたしまして一般的、基本的な医療を主とした総合病院でございますが、病床の規模及び周囲の久留米大学の附属病院あるいは聖マリア病院あるいは社会保険の久留米病院等々の整備状況、機能の状況等を勘案いたしますと、単独で機能強化を図ることは難しい、こういうふうに考えたわけでございます。
 このため、両病院を統合することによりまして、統合と申しましても久留米病院の機能の全部を福岡中央病院と統合するということではございませんが、循環器機能を中心とする機能を福岡中央病院と統合する、こういうことでございますが、これによりまして九州ブロックの中心的な国立病院として機能強化を図ることが期待できる、こういうことから統合の対象としたものでございます。
 統合後は、九州ブロックにおきます高度総合診療施設として位置づけ、診療機能面においては特に循環器病の分野に力点を置いて、三次の医療を中心といたしました高度の総合的医療を提供するとともに、臨床研究、研修機能、地域医療研修といったような機能を持つ病院として整備いたしていく方針でございます。
#101
○小野明君 統合をすると新しい場所に建てるわけですか。その辺はどうなっておるんですか。
#102
○政府委員(木戸脩君) 新しい福岡中央病院と久留米病院の機能の一部を統合した施設といたしましては、今申し上げましたように現在の福岡中央病院の場所が非常に狭隘でございます。それから久留米につきましては先ほど申し上げましたように医大初め高機能の病院がございますので、私どもは第三の地、具体的には福岡市が今埋め立てをしておりまして、そこへ公共的な施設を誘致したいと言っているところを有力な候補としてこれからいろいろ具体的な検討に入ってまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#103
○小野明君 福岡中央病院のベッド数は五百だったですね。それから、久留米病院は二百八十ベッドですね。それで、五百ベッドと二百八十ベッドですが、この入院患者数、それと外来の数、それから外来患者が通院する範囲、テリトリーといいますか、それはそれぞれどういうことになっておりましょうか。
#104
○政府委員(木戸脩君) まず、福岡中央病院の方から申し上げます。
 福岡中央病院は、まず五十九年度の患者の数でございますが、一日平均で、入院の方が四百八十一・九人、外来の方が五百二十三・七人、こういうふうになっているわけでございます。
 それから久留米病院の方でございますが、入院が二百六十五・九人、外来の方が二百八十人、こういうふうになっております。
 それから診療圏でございますが、福岡中央病院は、福岡市の全区にわたるほか、福岡県の前原町、太宰府町、大野城市、志免町、志摩町と福岡市及び隣接市町村の入院患者で見ますと、八二%が福岡市及び隣接市町村から来ている、こういうような状態でございます。また外来患者につきましては、やや入院患者よりは診療圏が狭まりますが、かなり遠くから来ている、こういう状態でございます。
 それから久留米病院でございますが、入院患者につきましては、久留米市、それから隣接する広川町、田主丸町、八女市、三潴町、北野町以外に、少し離れました黒木町、浮羽町、太宰府町、吉井町等からも患者さんが来ておりまして、市と隣接市町村ということになりますと大体七〇%を超えるぐらい、それから外来患者の方は、久留米市と隣接市町村で九五%、大体こんなような状態になっております。
#105
○小野明君 そうすると、両病院ともこれはほと
んど満床に近いわけですね。それから、国立の久留米病院も、今、外来の通院圏といいますか、そのお話を承ると、久留米市だけでなくて広川、八女、三潴あるいは黒木と筑後一円になっておりますね。私の聞いておるところでは、大分も割合近いものですから、そちらからも来ておる、こういうふうに聞いております。
 それで、この福岡中央病院と久留米の距離も、急行電車で三十分以上、かなり離れておるわけですね。それぞれ、これは独立した機能を発揮しておるといいますか、国民に、県民に医療供給をしている、こういうふうに見ざるを得ない。国立福岡中央病院、これを拡充するということはよろしいかと思いますが、この地区の地域医療のセンターとも言うべき国立久留米病院、これを廃止する理由は全くないと私は言わざるを得ないと思うわけでございます。
 なお、この久留米病院では、今、消化器疾患、循環器疾患、腎不全あるいはがん等、民間医療機関では対応できないような難病、あるいは採算だけでは推しはかれない適正医療のセンターとして中心的な役割をこの久留米病院は果たしていると思われます。
 この統合の理由は、今、大臣がおっしゃったように、いつでもどこでもよい医療を受けられる、まさにそのとおりこの二つの病院は果たしていると思うんですが、これを無理に統合するということは、この地域の皆さんに、国民の皆さんに非常に不便を与える結果になるということが言えると思いますが、いかがでしょうか。
#106
○政府委員(木戸脩君) 今、先生のおっしゃいました久留米病院についての機能、役割というものは先生のおっしゃるとおりだと思うわけでございます。
 ただ、私どもといたしましては、「国立病院・療養所の再編成・合理化の基本指針」として、国立病院は他の医療機関がやらない困難な医療あるいは他の医療機関が行います医療のバックアップということで、具体的には三次医療圏の広域を対象とする高度の医療あるいは専門医療、こういう大前提、基本方針があるわけでございます。その基本方針に照らして久留米病院というものを見ますると、先ほど申し上げましたように、久留米には久留米医大がございます、聖マリア病院がございます、あるいは社会保険の病院がございます。こういうことでございまして、じゃ仮に久留米病院を残すとしたらどういう機能でどういう整備をするんだと、こういうことになると非常に困難な問題があるということで統合ということにしたわけでございます。
 ただ、先生がおっしゃいました、いろいろな機能を持っておる、それからいろんな患者が今たくさん来ておられる、これを仮に国立久留米病院がその場所からなくなった場合どうするかといういわゆる後医療の問題につきましては、我々も非常に真剣に考えているわけでございまして、この辺につきましては県あるいは地元市町村あるいは地元の医師会、その他関係者と十分に協議をいたさなければならないというふうに考えておるわけでございますが、具体的にどうするかにつきましては、まだ予算が通過したばかりでございますので、実は全体計画として筑後、大牟田の統合問題と久留米病院の機能も絡むものでございますから、その辺は十分に広く関係者の意見も聴取いたしまして慎重に事を進めてまいりたいというふうに考えております。
#107
○小野明君 それでは、次の統合というところで国立療養所大牟田病院、国立療養所筑後病院、国立久留米病院、こういう三つが統合されるようになっておりますが、国立久留米病院が二つに分かれておりますね、今の分と。これはどういうことになるわけですか。
#108
○政府委員(木戸脩君) 私どもといたしましては、遺憾ながら久留米病院を単独で将来国立として残すということは考えておらないわけでございますが、現在持っております久留米の機能、それから具体的な医療スタッフというものは、基本指針にもございますように、他の残存する医療機関に医療スタッフ等を振り分けまして医療職の充実を図る、こういうことでございますので、久留米病院の循環器を中心とする一部の機能を福岡中央病院の方へ、それから残余の機能を大牟田病院と筑後病院の統合後の新病院に役立てたい、こういうことでございます。
 筑後病院は、先生も御存じのように神経・筋疾患の九州でも代表的な施設でございます。それから、大牟田病院は結核、慢性呼吸器、肺がん等の機能を持っておりますが、両施設とも非常に医療スタッフが希薄な状態でございます。それから、両施設の今後の機能というものを考えますと、その専門機能に付与するにやはり総合的な機能、具体的には相当総合的な診療科というものも必要だと考えますので、福岡中央病院と統合する機能の一部を除きます残余の機能は大牟田、筑後を統合した新病院の機能充実に役立てたい、こういうことでございます。
 ただ、具体的にどういう診療科を置くのか、どういうベッド数にするのか、それから医療スタッフをどう分けるのかというような問題につきましては、先ほど申し上げましたように、関係者の慎重な協議の中でこれから検討してまいりたいというふうに考えております。
#109
○小野明君 この大牟田と筑後と国立久留米の循環器ですか、この三つの統合の具体的な構想というのは今のお話ではまだしっかり私にはわからない。どういうふうにするんですか、これは。
#110
○政府委員(木戸脩君) 今も申し上げましたが、筑後と大牟田を統合しました医療施設をつくるわけでございますが、筑後と大牟田の今持っている機能はどちらかといえば専門機能でございますが、これに一般的、総合的な機能というものを付与いたしまして、それで統合後の新しい専門医療施設としての機能の充実強化に役立てたいということでございますが、具体的にベッド数を幾つにするか、それから診療科をどういうものを設けるかというような問題については、いろいろ地域の他の医療機関との兼ね合いもございますので、現在まだ申し上げるだけの具体的な計画案というものは持っておらないわけでございます。
#111
○小野明君 そうすると、大牟田、筑後、久留米の一科目ぐらいですか、これは新しい病院をつくるわけですか。それぞれどこに統合するということになっておるんですか。どういうことですか。
#112
○政府委員(木戸脩君) 大牟田病院、筑後病院の統合後の病院につきまして、病床数とか診療機能とともに大事なのは一体どこへ立地をするか、こういう問題があるわけでございますが、それにっきましては先ほども申し上げましたように、関係者の意見を広く聞きまして決めてまいりたい。特に、大牟田、筑後の単なる機械的な統合だけではございませんで、久留米病院の今持っております循環器の機能を除く残余の一般的な機能というものを付与するということになりますと、いわゆる久留米、大牟田、そういう総合しました三潴圏というのでございますか、そこにもほかのいろいろ医療機関がございます。いろいろやはり関係者の御意見もあると思いますので、統合の場所につきましても、病床数それから具体的な機能とともに、現在の段階で申し上げるには至っていないわけでございます。
#113
○小野明君 大牟田病院、それから筑後病院のベッド数あるいは入院患者数はどういうふうになっておりますか。
#114
○政府委員(木戸脩君) 筑後病院から申し上げますと、ベッド数は二百四十でございます。それから、五十九年度の一日平均患者数は、入院患者が二百二十五・五人、それから外来患者が十九・八人、こういうことでございます。それから大牟田病院でございますが、ベッド数は三百八十、こういうことでございまして、それから入院患者が三百七十七人、それから外来患者は七十八人、かようになっております。
#115
○小野明君 この大牟田の地域にしても、特に筑後の地域にしても医療施設の少ないところと言えると思います。今お聞きをいたしますと、いずれも満床に近い患者数を持っておりますね。これを
廃止して新しく建てるというのには相当私は問題があるように思いますが、これをそのまま存置をして現在地で拡充していくというか、そういう方途はとれないものですか。
#116
○政府委員(木戸脩君) 現在、大牟田病院、筑後病院の医療スタッフというのを見ますと、大牟田病院は入院定床が三百八十でございますが、医師は十五人しかおらないという状態でございます。それから、筑後病院につきましては二百四十床ございますが、医師も八人ということで、非常に地域あるいは九州ブロックで期待はされているけれども、先ほど大臣も申し上げましたように、非常に国立病院・療養所の定員事情というものは厳しいわけでございます。やはりどうしても自助努力で強化をしてまいらなければならないということを考えますと、患者の将来の動向等考えてみますると、大牟田の場合、結核、慢性呼吸器等の患者の数というのはかなり今後は減ってくるというようなことも勘案に入れますと、やはりこの際医療スタッフを両方あわせて充実するということが何より大事でございますので、やはり統合いたしまして、統合しただけですぐ機能が強化できるというものではございません。また、国全体の再編成の中でこの大牟田、筑後の統合後の病院につきましても、久留米病院の機能で足りなければ、また全国的に医療スタッフの定員の応援等をすることによって、大牟田、筑後の統合後の病院というのが、若干現在のありますところに通っておられます患者さんにとっては不便にはなるかと思いますが、この辺の施設はいわゆる専門の医療施設でございますので、若干不便になっても、なるほどこの統合後の病院というのは非常に専門機能の高い高度の機関だというふうにする、したいというふうに考えております。
#117
○小野明君 それぞれ三百八十に対して三百七十七、二百四十に対して二百二十五と言えば本当に満床ですよね、これは。そうなってなお医療スタッフが足りない、だから統合する。統合すると医療スタッフが急にふえたりなんたりするような御答弁ですが、大変これは矛盾したお話ではないですか。
#118
○政府委員(木戸脩君) 今、大牟田病院に十五人、それから筑後病院に八人、こういうふうにおるわけでございますが、やはり医療スタッフが二十三人ということになれば、例えば具体的に、今まではある診療科はお医者さん一人であったというのが二人ということになれば、やはりそこは診療機能が強化をされたということになると思います。
 それから、私どもは、これは再編成の基本指針の中にも書いてございますが、今後統廃合によって、例えば共通管理部門という点については人員の節約ができる。もちろん浮いたからといって職員を整理退職と、そういうふうにするわけではございませんが、その職員が他へ転勤をする、あるいは退職をするといったような場合には、後は行政職を医療職に振りかえるというようなこと、それをやらなければ医療スタッフの充実はできませんわけでございますが、統合によってある程度そういうふうに、今言ったような一人診療科がなくなるというような余裕もできますし、それから統合によって共通管理部門を合理化して人員の余裕というものができれば、これを医療職に少し時間はかかっても振りかえていく、こういう考え方でいるわけでございます。
#119
○小野明君 どうも患者数が変わらない、医師の数も変わらない、それで二つ合わせると何か医師の数がふえたような、医師だけはふえるでしょうけれども、患者数に対しては同じじゃないですか。そういう今疑念を持ったわけです。
 それでは、もう最後のもう一つの病院ですが、国立療養所田川新生病院、これはどう扱うわけですか。
#120
○政府委員(木戸脩君) 田川新生病院は百二十ベッドということで、結核の患者さん、それから脳卒中の後遺症の患者さん、それから結核に準じます慢性呼吸器の患者さんというのが中心でございまして、非常にお年寄りが多い施設でございます。しかしながら、ベッド数は百二十というふうに極めて限られておりますし、入院患者、外来患者の状態を見ても、非常に診療圏も狭いということでございまして、将来とも国立病院として残すということは困難なわけでございます。しかしながら、非常によくまとまっておられて、非常に結核のリハビリ等には工夫をしてやっておられるという面もございます。それから、田川の市民病院あるいは社会保険の田川病院とのいわゆる連携もよくて、それらの急性病院のいわゆる後医療と申しますか、やや中間施設的なそういうような役割も果たしておりますので、私どもは、これはやはり医療施設としては残した方がいいと。で、適当な移譲先を地元とよく相談して探してまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#121
○小野明君 結局、移譲先を探すということは国立にしないということですよね。それは国の経費を出すことをやめるということ、国のサービスをなくするということですね。地方自治体がどこかの負担にするということでしょう。もう一回その辺を一つ。
#122
○政府委員(木戸脩君) 国立でなくするということは、経営主体を変えるということでございますので、国立でなくなりますので、国立病院特会から、いわゆる一般会計からの繰り入れと申しますか、いわゆる赤字補てんはしないということになるわけでございます。
#123
○小野明君 そうすると大臣、結局、私はさっき大臣にお尋ねをして、国が国民に医療サービスを提供する、いつでもどこでもよい医療を提供するという。ところが、今、田川の病院のように国から国はもう放す、せっかくよい医療施設でありながらこれを切っていくというのは、大臣のお言葉と反するんではないかと思うんです。
 続けて大臣にお尋ねいたしますが、国立病院とか療養所というのは地域病院として定着をしておるわけですよね。国立ということで名前からくることもありましょうが、それだけに住民の信頼というものもある。だから、そこに定着しておる病院、療養所の機能を充実して住民の信頼をさらに増していく、あるいは民間がやりたがらない日常の医療に力を入れる、こういうことが国の責任ではないか。国民は税金を納めて何をサービスを受けるか、医療の供給、サービスこそ公共性の最たるものだと私は思います。それぞれ定着をしている中でこれを切っていくというのは、まさに反国民的な私は医療政策ではないのか、こう思います。
 それで、高度医療、こういうことが目的であるというふうにおっしゃっておられますけれども、どこの県でも大学病院というのがあるんですよね。大学病院があるんですよ。だから、大学病院がこの高度医療というものを担ってセンター化しておるんですよ。そうすると、統廃合による今回の計画の国の大型機関というのは、結局この大学病院の出先みたいになってしまうんじゃないかという感じもいたしますが、以上二問。
#124
○国務大臣(今井勇君) まず第一点は、定着しているじゃないかというお話でございます。確かに先生のお話のとおりだと思いますが、ちょっと時代的な変遷を見てみますと、終戦直後あるいはまた終戦間近のように他の医療機関が必ずしも十分でないという時代と、それから最近のようにたくさんの民間あるいはまた公的な、自治体を含めてでございますが、医療機関がだんだん出てきたということの変遷を見てまいりますと、確かに非常に愛しては、地域に密着した医療をやっていたことは、私は決して否定するものじゃありませんが、時代の変遷とともにやはりだんだんと内容的には私は変わってきていると思っているわけであります。
 特に、私が当初申し上げたように、定員とか機材等の制約のもとに、せっかくそこにありながらも十分な力が発揮できないということであるならば、やっぱりこの際は、国民の期待に沿うためにも、合わせて一本というと大変言葉が過ぎるかもしれませんが、幾つか統合することによってより高度な医療に耐え得るようにしたらどうだろう
か、そして一般の医療のようなものはやっぱり地方公共団体あるいは民間にひとつゆだねていったらどうだろうかと思うわけでございます。
 それから、もう一つの高度医療の問題でございますが、大学病院があるじゃないかとおっしゃるわけでございますが、確かにそうだと思いますが、私はやっぱりこれは国としてやらなきゃいかぬというものが幾つかあるだろうと思います。先ほど先生にも御答弁申し上げましたが、がんであるとか循環器病あるいは神経疾患というようなものもありましょうし、それから重度心身障害、それから進行性の筋ジストロフィー、それからハンセン病なんかもそうでございましょう。そういうふうに、やっぱり国が指導的なものを握ってやっていくことが国民に対する務めであるというものも確かにあろうと思いますので、そういう面に国はこれからやはり重点を置くべきじゃなかろうか、こう思っているわけでございまして、やはり私どもは、そういうふうに国がやるべきことというものをこの際仕分けをして、やっぱり民間に、あるいは公共団体の医療にゆだねてもひとつ何とかやっていただけるものはそれにゆだねて、国でなければやれない、また国がそれをやることが極めて大事なことだというふうに、ある意味の仕分けをしていくということが私、大事なことじゃなかろうかと思って実はこの法案を御提案しておるわけでございます。
#125
○小野明君 もう時間もないんですが、今、田川の新生病院の問題で地方医療の問題が出たんですが、自治省見えておりますね。
 六十年六月六日に、「国立病院及び療養所の再編成・合理化に当たって、その統廃合とともに」云々と、慎重に検討せよという通達が出されておりますね。同時に、昭和四十三年四月に衆議院大蔵委員会で「国立療養所の大幅な整理統廃合、地方移譲を行なわないこと。」という附帯決議がされております。この二つから見て今回の整理統合の方針をどうお考えになるか、御見解をいただきたいと思います。
#126
○説明員(磐城博司君) 今回の国立病院等の再編計画は、近年における医療を取り巻く情勢の変化を踏まえまして、国立病院や療養所について、国立医療機関にふさわしい機能の強化を図るために行われるものと承知をいたしております。その実施に当たりましては、地域医療の確保等に十分配慮するとともに、地元とも十分協議し、その理解を得て進める必要がある、このように考えております。
 また、地方公共団体といたしましては、現在行政改革が喫緊の課題となっておりますので、現在の自治体病院を取り巻く厳しい経営環境や地方財政の厳しい現状等にかんがみまして、この問題については慎重に対処すべきであると、このように考えております。
#127
○小野明君 最後に、これは昭和六十年の三月末に厚生省から出た文書だと思いますが、「国立病院・療養所の再編成について」というのがございますね。これに「統廃合及び経営移譲を行う施設の選定基準」並びに「統廃合・経営移譲を実施する際の配慮」、四項目がございます。「統廃合・経営移譲を実施する際の配慮」というのにア、イ、ウ、エ、オと五項目ございます。なお、「上記イ及びウについては所要の立法措置を講ずる。」、こうありますね。この「配慮」は書かれたとおりと了解してよろしゅうございますか。
#128
○政府委員(木戸脩君) 先生おっしゃるとおりでございます。
#129
○小野明君 終わります。
#130
○太田淳夫君 午前中からも同僚委員から今回の設置法の改正案につきましていろいろと質疑がございましたが、私も引き続き質問をさせていただきたいと思いますが、この内容を見てみますと、厚生省の施設統合機関として国立高度専門医療センターを設置しようということでございますけれども、しかしこれ見てみますと、こういった名称のセンターが実際に設置されるんじゃなくて、国立がんセンターあるいは国立循環器病センター、あるいは国立病院、国立療養所の統廃合の一環として設置を予定されております国立精神・神経センター、これを総称するものとなっていますけれども、なぜこのような形式をとったのか、その理由を述べていただきたいと思います。
#131
○国務大臣(今井勇君) 従来からその施設等機関の組織につきましては、行政需要がだんだん変化してまいりますと、それに即応する組織も変えていかなきゃいかぬということから、原則としてその設置は政令によるといたします国家行政組織法上の整理方針に従いまして、いろいろ関係の法令の整理が行われてきたわけであります。
 今回のこの設置法の一部改正と申しますのは、この整理の方針に従いまして、先ほどから局長もたびたび御答弁申し上げているんですが、本年の十月に予定されております国立精神・神経センターの設置を機会に、このセンターそれから国立がんセンター及び国立の循環器病センターというものを国立高度専門医療センターというふうに総称いたしまして、その設置目的というのは法律で特定した上で、各センターの名称だとか所掌事務については政令にゆだねようと、こうしたものであるわけです。
 そこで、今回政令で定めることにいたしました個別のセンターの設置などにつきましては、これは国家行政組織法に基づきまして、国会にその都度御報告をするということにいたしておるわけでございます。
#132
○太田淳夫君 今るる大臣からお話がございましたけれども、昭和五十五年の第九十一回国会で、いわゆる附属機関、地方支分部局等に関する規定の整理等に関する法律案というのが成立をして、その各省庁設置法が統一的に整理されたわけですが、そのときに、各省庁附属機関については、一つは同一類型に属する機関が複数設置されているものについては、機関の総称は法律で定め、個別の名称、位置及び内部部局は府省令で定める。二番目は、単一の附属機関については機関名は法律で定め、位置及び内部組織は府省令で定めるとの基準で各省庁設置法が整理されまして、第百回国会の国家行政組織法の改正、このときにおいてもこの考え方は踏襲されていたはずなんです。
 このような基準から、先ほど大臣からお話がありましたように、厚生省設置法についても国立がんセンターと国立循環器病センターという単独機関の名称は法律で定められて、それぞれの位置及び組織は厚生省令で定められていたわけですけれども、今回この国立高度専門医療センターというような抽象的な名称だけを法律で制定し、個別の名称、所掌事務は政令で規定し、位置及び組織は厚生省令で規定しようとするのは、先ほど申し上げましたような従来の政府の基準というものを変更したんじゃないか、こう思うわけです。
 従来の政府の基準からいいますと、本年十月一日から設置することを予定しておりますこの国立精神・神経センターという単独の施設等機関を、やはり国立がんセンターやあるいは国立循環器病センターと併列に、これは厚生省設置法に規定するのが筋だと思うわけですが、これはどうしてこのような規定の方法をとらなかったのでしょうか。
#133
○政府委員(木戸脩君) 五十八年の国家行政組織法の改正におきましては、いわゆる施設等の機関は行政機関に知識、情報を提供し、また国民にサービスを供給する機関ということで、国民との関係において権力的な権限を行使するものではないということで、原則としてその設置は政令によることとするなど、弾力化を図るという方針で関係法令を整理したわけでございます。
 それから、先生から一般国立病院・療養所については省令で定めるというふうになっているではないか、こういうお話もございましたが、私どもやはり高度専門医療センターにつきましては、国立病院・療養所という範疇とは、基本的には国立病院・療養所の一種ではございますが、やはりその中でも高度のものということで、個別センターごとに所掌事務等は定めていきたい、やはりそれだけの重みがあるものが高度専門医療センターだというふうに考えているわけでございまして、そ
れで今申し上げましたように法律で設置目的はきちっと書いておくと、それで個別の高度専門医療センターについては政令で名称、所掌事務を書くと、こういうことにしたわけでございまして、法律設置から政令設置とされた例はほかにも国立大学の共同利用機関などがあるというふうに理解をしておるわけでございます。
#134
○太田淳夫君 その五十五年の附属機関の規定の仕方の基準によりますと、個別の名称、位置及び内部組織というのは省令で規定することになっています。現に厚生省設置法でも多数あります国立病院あるいは療養所の名称、位置及び組織は厚生省令で定められることになっているのに対して、今度の法案を見てみますと、国立高度専門医療センターの名称及び所掌事務は政令で規定し、あるいはその位置及び組織は厚生省令で規定するとなっておる。
 そこで、このように名称及び所掌事務は政令で、位置及び組織は省令でというように二段構えで規定しようとしているのはどういう理由なんですか。
#135
○政府委員(木戸脩君) 先ほども御説明を申し上げましたが、私どもは国立病院、国立療養所とはやはり質的にはより程度の高いものとして国立高度専門医療センターとしての類型化をしまして、その性質として「特定の疾患その他の事項に関し、診断及び治療、調査研究並びに技術者の研修を行う」ということで、「特定の疾患、その他の事項に関し、」と、こういうふうにしているわけでございます。そういう面で国立病院・療養所は同一所掌事務の機関を複数設置する場合の名称、位置等を省令で定めるというところには該当をしないということで、やはり私どもは特定の疾患その他の事項ということで、がんセンター、循環器病センター、それから第三の特定の疾患群ということで、精神・神経のセンターというものをつくることにしたわけでございまして、これはやはり個別の国立病院・療養所とは異なるものだというふうに考えてこういうような整理をいたしたわけでございます。
#136
○太田淳夫君 先に進みますけれども、厚生省の考え方としましては、特定の疾患等に対して、一つは診断及び治療、あるいは二番目は調査研究、あるいは三番目は技術者の研修を行う機関はこの国立高度専門医療センターという抽象的な名称で締めくくっておる。現在では国立がんセンターと国立循環器病センター及びことしの十月一日から設置を予定している国立精神・神経センターというものを含めるという考え方だと思うんですが、このような規定の方法は提案理由にもあるように「今後の疾病構造の変化等に機動的に対応する」ということのためだろうと思うんですけれども、もう少し具体的に、このように改めるメリットについてはどのように考えていらっしゃるんですか。
#137
○政府委員(木戸脩君) 具体的なメリットという点になりますると、やはり最後は、私どもといたしましては、従来がんセンターが昭和三十七年にスタートした、五十二年に循環器病センターをスタートしたということで、その後国立病院・療養所の中から第三のナショナルセンターというのはできなかったわけでございますが、このたびの国立病院・療養所の再編成を機に、高度あるいは専門医療というのがやはり国立の病院の基本的な役割ということでございますので、我々としては再編成の中でニードの高いものについては、この精神・神経センターに限らずニードの高いものについては、やはりこれから再編成の中でできるだけ国民の皆さんの要望にもこたえて、できるだけたくさんつくって要望にこたえていきたい、こういうふうに考えているわけでございまして、それが機動的に今後国立高度専門医療センターを整備するということに当たるわけでございます。
#138
○太田淳夫君 国民のいろんな医療に対するニードに対応していこうということでございますけれども、この法案を見てみますと、特定の疾患については政令で規定することになっていますけれども、そうすると今後、診断及び治療、あるいは調査研究、その技術者の研修を行う機関というのは、すべてこの国立高度専門医療センターの中に入り、政令で設置していくという道が開かれる、このように見られるわけですが、その点はどのように考えていますか。
#139
○政府委員(木戸脩君) この法案の設置目的に合致しますものにつきましては、政令で設置していく道が開かれるというふうに考えております。
#140
○太田淳夫君 今後ほどのようなことを考えてみえますか、具体的に。
#141
○政府委員(木戸脩君) 再編成の中でこれからいろいろな強化を図っていくわけでございますが、当面私ども、近々やはりぜひこれはやらなければいけないというふうに頭に置いて検討しておりますのが母性・小児に関する高度専門医療センター、それから非常に国際医療協力が大切でございますので、国際医療協力、これを全部この国立病院あるいは療養所がやるというわけにはまいらないわけでございますが、国際医療協力というものにつきましても、その中心的な低廉の部分につきましては、やはり国際医療協力に関する高度専門医療センターというようなものが必要だというふうに考えております。現在具体的に頭の中にありますのはそのような施設でございまして、その他のものにつきましては今後いろいろ要望が出ているものもございますので、再編成の進捗状況を勘案しながらまた検討していかなければならないと考えております。
#142
○太田淳夫君 せんだって参議院の予算委員会で、同僚の高桑委員からもエイズの問題とがんの問題、いろいろと大臣からなかなかうんちくのある答弁がございましたんですが、こういうようなエイズのような問題についても今後は対応していくのか、これは国際協力センター、今お話があったけれども、そういうような概念の中に入るんでしょうか、どうでしょうか。
#143
○政府委員(仲村英一君) エイズにつきましてはウイルス性の疾患ということで感染症でございます。したがいまして、患者さんの発生に対応する対応の仕方と、ウイルス学的な研究、検索の方法といろいろのアプローチがあるわけでございまして、現在例えばエイズについて申し上げますれば、ウイルス学的な研究、検索につきましては国立予防衛生研究所の方で対応するという形でやっておりますし、臨床、つまり患者さんの対応につきましては個々の病院でおやりいただくということになっております。特に、ウイルス学的な、あるいはワクチンを含めました予防的な研究を推進する際には、当然先進国と申しますか、多発をしておりますアメリカとかフランスとかという国の研究者ともタイアップを現にもう始めておりますけれども、そういう形で対応する。
 したがって、感染症についてナショナルセンター的なものを考えるというふうにはまいらないと思いますけれども、もちろん研究、予防対策その他おさおさ怠りなく準備はしなくてはいけないと考えております。
#144
○太田淳夫君 先ほどお話の中にもありましたし、私も質問しましたが、提案理由に「今後の疾病構造の変化等に機動的に対応するため」と、こういうふうにあるわけですけれども、機動的に対応ということはどういうことかということを再度お聞きしたいと思うんですが、内閣委員会的に考えますと、法律で設置することは機動的でなくて政令で設置することが機動的なのかと、こういう私は疑問をこの提案理由の中で感ずるわけです。その一つの機関をつくるためには、これは予算措置も必要でありますし、いろんな準備も必要となるわけですけれども、これはなかなか急につくれといってもできないと思うわけでございますけれども、国会も合理的な理由があればこれには十分機動的に対応することになっているわけでございますから、この機動的な対応ということを我々はどのように理解していいのかと思っているんですが、その点どうでしょうか。
#145
○政府委員(木戸脩君) 大変難しい御質問でございますわけでございますが、もう正直に申しますれば、いわゆる高度専門医療センターも国立病院
・療養所の一種でございまして、これもいわゆる施設等機関でございます。施設等機関につきましては、先ほどからるる御説明を申し上げておりますように、五十八年の臨調答申、あるいはそれを受けました国家行政組織法あるいは関係各省の設置法の改正ということにおきまして、公権力の行使等特別の理由のないものについては政令に落とすと、こういうことの方針が出たわけでございますので、その方針に忠実と申しますのはやや不謹慎とは思いますが、そういう統一的な処理という面に従わさせていただくというのが本音でございます。
#146
○太田淳夫君 大臣、どっちが本音なんですか。
#147
○国務大臣(今井勇君) 今、局長が答弁いたしましたが、やっぱりこれからの疾病構造というものはいろいろ変わっていくというので、もたもたしてたんじゃいけないからというふうな、迅速に対応できるような形ということで、一つはいろいろ私どもの考えた末の考え方が今御提案をしているような形のものであろうと、私もそういうふうに考えております。
#148
○太田淳夫君 これは厚生省だけの責任ではないと思いますが、やはり今まできちっと設置法等の審議を経ながら国会でやってきたのが、政令になればこれは自由にそちらの方でできるようになるわけでございますから、そういった点での何か国家行政組織法の改正以来の国会の審議などを逃れていこうかというような、そういう機動性ということも私は感じて仕方がないわけでございますけれども、機動的という言葉で対処しようとしていらっしゃるけれども、やはり医療の問題というのは人命尊重の基本的な問題にもかかわってまいりますので、慎重に一つ一つ事を運んで、いろいろなところで論議を得ながらやっていくことも必要じゃないかと思うんですが、この点どうでしょうか。
#149
○国務大臣(今井勇君) おっしゃるとおりに、医療の基本的な問題というのは、人命尊重という本当に基本的な観点を忘れちゃならないと私も考えており、全くその点は先生と同感でございます。今回の設置法の改正では、そういったことを踏まえまして、高度の専門医療のセンターの設置目的というのは、先生おっしゃいますように、法律で特定した上で名称あるいは所掌事務というものを政令で規定させていただきたいというふうなことでございます。
#150
○太田淳夫君 提案理由の中にもございますし、先ほど同僚委員からも事細かに御質問あったようでございますが、国立精神・神経センターを設置することを予定しているようですけれども、具体的な構想はどのようになっておりますか。
#151
○政府委員(仲村英一君) 仮称でございますけれども国立精神・神経センターにつきましては、現在ございます国立武蔵療養所と国立の精神衛生研究所を中核といたしまして、精神・神経疾患等に関します全国のいわゆる中心的な機関として高度先駆的な医療、さらには調査研究あるいは技術者の研修を実施しようとするものでございます。
 先ほども御答弁いたしましたけれども、具体的には臨床部門を担当いたします現在の武蔵療養所の臨床部門と、それから研究部門といたしましては現在の国立精神衛生研究所等が中心になります研究所、それからそれらの部門との連絡調整を行います運営部、そこでは医療情報の収集、処理、あるいは研究、研修の外部のいろいろの機関との連携、交流を行うというふうな任務を持ちますいわゆる運営部門、これら三位一体となりまして、我が国の精神・神経疾患の医療研究あるいは研修の推進的な中心的な役割を果たすような機関にしてまいりたい、このように考えております。
#152
○太田淳夫君 そこで二、三お尋ねしたいんですけれども、国立国府台病院と国立武蔵療養所を統合して精神・神経センターを設置することになっているようですけれども、当面六十一年度においては、国立精神衛生研究所と国立武蔵療養所を再編成して精神・神経センターをつくることになっているようですが、この国立武蔵療養所というのは都下の小平市にありますし、一方の精神衛生研究所は市川市にある。かなり離れたところにあるものを一つのセンターとすることについては、なかなかセンターの長も監督できないという問題があるんじゃないかと思うんですが、一つの機関にすることによって不都合は生じないんでしょうか。その点どうですか。
#153
○政府委員(仲村英一君) おっしゃいますように、国立武蔵療養所と現在国府台にございます精神衛生研究所は物理的にかなり離れていることは事実でございます。
   〔委員長退席、理事曽根田郁夫君着席〕
ただ、私どもがねらいとしております、ただいまも御答弁申し上げましたような精神、神経センターに附属いたします研究機能につきまして、それを非常に適正に運営していくという点に関して言いますれば、総長のもとに研究所長、臨床の長、運営部長等がありまして、そこが全体の運営をしていくわけでございますし、現在武蔵療養所の中にございます研究部門は、どちらかといいますと、より医学的と申しますか生物学的な領域でございますが、精神衛生研究所、これは将来は統合されるわけでございますけれども、こちらの方はどちらかといいますと社会の中に置かれておる精神障害者の、言ってみればやや社会学的なアプローチを含めた研究というのが中心で、あるいは心理学的な問題も含めまして、研究の手法がそういう主流になっております。
 したがいまして、そういう医学と申しますか、病理学的あるいは顕微鏡学的な研究の部門と社会学的、心理学的な研究部門とが必ずしも同一施設内に、もちろんあればそれにこしたことはない部分もあろうかと思いますけれども、相互補完的に研究費の運営等を行いますれば、私どもといたしましては一体的な運営が必ずしも不可能ではないというふうに考えておりますし、そのように私どもといたしましても心がけていきたいと考えておりますので、直接まことに不都合が生ずるというふうには私どもとしては考えておらないところでございます。
#154
○太田淳夫君 また、この再編成の中で、先ほど話があった国際医療協力、あるいは母性・小児ということもナショナルセンター化しようということで計画もあるようですが、その他、再編成の基本方針で高度先駆的医療を行うべき分野として指摘されておりますところの腎不全について、これについても国会の論議の中でも取り上げられたこともございますし、あるいはナショナルセンターの設立を要望する趣旨の請願も提出されているわけですが、これらについてはどのように考えておりますか、今後の方向としては。
   〔理事曽根田郁夫君退席、委員長着席〕
#155
○政府委員(仲村英一君) 腎不全対策でございますけれども、これもしばしば今国会でも他の委員会で御指摘受けまして、私どももさらに力を入れるようなことで御答弁申し上げております。
 確かに腎不全対策というのは、従前からは難病の一環と申しますか、難病対策の一部としても取り入れておりまして、それに対応いたしますように基幹施設等国立病院の整備も行ってきたところでございます。そういう観点からいたしますと、地方腎移植センターでございますとか腎臓バンクの問題でございますとか、その周辺をめぐる問題というのは、まだまだ我が国の場合はまことに残念でございますけれどもアメリカ等にかなりおくれをとっておるわけでございまして、十分な力を入れていかなくてはいけないわけでございますけれども、腎移植そのものにつきましては、情報と申しますか、ソフトウエアの部分が非常にまだ私どもとしても未発達ではないかということでございまして、ナショナルセンター化すれば直ちに日本じゅうで、あちらこちらで腎移植が行われるというふうにはまだならないように感じております。
 しかしながら、当然私ども、将来腎不全対策の中核的なナショナルセンターというのが必要だというふうに考えております。時期を御明示できないわけではございますけれども、将来のねらいといたしましては、腎に関しますナショナルセンタ
ーというのを当然の方向といたしまして検討してまいりたいと考えております。
#156
○太田淳夫君 国立病院・療養所の統廃合について先ほど個別のお話がございました。私も後ほど個別の案件で質問したいと思いますけれども、その基本的な考え方を一口で言いますと、国が行う医療は高度先駆的医療を中心としていく、地域一般医療は地方自治体に責任を持たせて国は地域医療から撤退するということになるんじゃないかと思うんですが、統廃合の基本的な考え方を再度お聞きしたいと思うんです。
#157
○国務大臣(今井勇君) 先ほども同様な趣旨の御質問ございましたし私もお答えいたしましたが、これから高齢化社会を迎えまして、また同じことを申し上げて大変恐縮でございますが、いつでもどこでも良質の医療が受けられるようにというふうに考えていかなきゃならぬわけでありますが、そのために去年は医療計画の策定を内容といたします、要するに医療法の改正が行われたわけであります。それについて各県でそれぞれのお立場から医療計画の策定の準備をしておられるわけでありますが、こういうふうに考えますと、我が国の医療機関というものは国立のものあるいは私あるいは県立等々ありますが、そういうものが全体として有効適切に機能できるように、役割の分担とそれからその連携というものはこれから強く要請されるものだろうと私は思うんであります。
 それで、国立病院・療養所の再編成というのは、こういう観点から、やっぱり国立の医療機関としてふさわしい指導的な役割を果たせるように質的なものを強化していくということでありまして、一般的な医療というものはやはり私的な医療機関あるいは地方公共団体等にだんだんと任せていったらどうだろうかというふうな考え方で、私はこれからの医療行政を進めてまいりたいというふうに考えているものでございます。
#158
○太田淳夫君 今いろんな医療機関の連携整備ということでお話がありましたけれども、医療、公衆衛生の向上、増進に努めなければならない国の責任からいいましても、地域における医療供給体制、特に救急医療あるいは僻地医療などにおける不採算医療については、やはり国が責任を持って対応していかなきゃならないんじゃないかと思うんです。幾ら整備しても、私的医療機関ではやはり何といっても経営ということが主眼になるわけですからね、個人、民間でございますから。あるいは自治体にしたって、先ほどもお話がありましたけれども、経営状況というのは必ずしも芳しくない、非常に苦労している、そういうところも多いわけでございますから、特に離島、僻地あるいは山間地に対する国の責任ということは非常に重いんじゃないかと思うんですが、その点はどのようにお考えでしょうか。
#159
○政府委員(竹中浩治君) お話がございましたように、厚生省は医療、公衆衛生の向上、増進に努める、つまり公衆衛生、医療の行政主体でございまして、その意味におきまして、地域におきます医療供給体制の確保というのは厚生省の責任だと考えております。
 ただ、いろいろの資源があるわけでございますから、具体的にどういうふうに医療供給体制を確保していくかというのはいろいろの手段、方法があるわけでございまして、御承知のように我が国は自由開業医制に立脚をいたしておるわけでございますから、個人病院あるいは医療法人の病院、こういった病院につきましても、一般医療あるいは場合によれば救急医療等々につきまして主役的な役割を果たしていただけるし、またいただいておるわけでございます。
 各地域におきます医療供給体制につきましては、そういったものを踏まえまして、地方公共団体においてそれぞれの地域の実情に応じて整備をしていただく。具体的には、先ほど申しましたような民間病院が立地をする、やっていくというのが必ずしも十分できないような僻地あるいは二次医療、二次救急医療、そういったような面につきましては、これはひとつまた地方公共団体でその辺の役割を務めていただきたい。もちろん厚生省は、先ほど申しましたようなことで行政責任の主体でございますから、民間の病院のそういった面での立地につきまして、あるいは誘導あるいは低利融資の道を開くというようなこともいたしておりますし、また地方公共団体が実施をする場合につきましても、所要の指導、援助を進めていくというようなことでやっておるわけでございます。
 そういった上に立ちまして、先ほど来から大臣から御答弁がございましたように、国としてどうしてもやらなきゃならぬ都道府県域を越えたような広域な医療体制、そういったものを中心に国が自分自身で医療体制の確保を図っていく、そういうことで責任を果たしてきておるわけでございます。
#160
○太田淳夫君 厚生省は、五十九年八月に群馬県にある国立療養所の長寿園の廃止計画を発表して、その後、六十年三月二十八日の「国立病院・療養所の再編成・合理化の基本指針」に基づいて、六十年八月に十八施設の統合により八施設に統合する第一次計画を示した。さらに、今年の一月九日には国立病院・療養所の再編成の全体計画を発表していますけれども、この統廃合の基準はどのようになっていますか。
#161
○政府委員(木戸脩君) 統廃合の基準につきましては、今、先生が御指摘の基本指針の中で決めているわけでございます。統廃合計画は、今後十年をかけて八十八の施設を統合し、三十四施設を移譲する内容となっております。これにより再編成後は、国立病院は現在の百施設が三十四施設減少などして六十九施設に、国立療養所は現在の百三十九施設が四十施設減少などして九十六になるわけでございます。
 施設の選定、統廃合の基準でございますが、まず統廃合でございますが、近隣に類似の機能を有する相当規模の医療機関がある場合であって、病床数などから見て国立病院・療養所としての機能を果たすことが難しいというのが一つの条件でございます。それから、二番目といたしまして、近接して国立病院・療養所があり、統合した方がより機能の充実が図れるものというのが第二の要件でございまして、いずれにいたしましても施設の立地条件とか診療機能、近隣の医療機関の状況等を総合的に勘案して選定したものでございます。
 それから、経営移譲でございますが、経営移譲と申しますのは、当該医療機関は地域の一般的医療を確保するためには不可欠だ、つまり相当規模の医療機関がない、あるいはあるけれども非常に病床が不足をしている、こういうことでどうしてもその施設自体は地域の一般的医療を確保するためには必要だと、しかしながら現在及び将来の見通しに立っての診療機能、それから病床数などを総合的に見て、国が直営するよりも地域と関係の深い他の経営主体が経営するのが適当と考える施設というものは経営移譲というふうに考えたわけでございまして、経営移譲につきましても、近隣の医療機関の状況、それから将来を含めました現在の診療機能、それから各施設ごとの特殊事情あるいは地域の要望等々を総合的に勘案して移譲施設のリストアップを行ったものでございます。
#162
○太田淳夫君 予算委員会でも長寿園の問題はいろいろと論議されましたが、この廃止計画はいろいろと報道されておりますが、正確にどのようになっていますか。
#163
○政府委員(木戸脩君) 長寿園と申しますのは、結核あるいは老人の脳卒中を主体とした非常に小規模な施設でございまして、これは厳密に申しますと、再編成計画とは別個に、いわば従来の統廃合の延長ということで、六十年度の末をもって西群馬病院と統合したところでございます。
 しかしながら、非常にお年寄りが多いということと、それから医療機関が比較的少ないというようなこともございまして、現在、いまだお年寄りで動けない人、あるいはもう少しいたいという人等々の事情も考えまして、人命尊重という見地から、現在もまだ患者さんは、少数は西群馬病院の方に移動いたしましたが、従来おられます患者さんはおられる。新規の入院患者さんは入っておりませんし、それからいわゆる周辺の一般的医療の
ためには、国の方で診療所というものを町の方に県と一緒に助成して建てまして、現在のところは、さしずめ国が直接国立医療機関から医師等を派遣して、そこで診療所を開き、そこの地域の、主にはこれは従来長寿園の外来に通っていた人でございますが、その人たちの医療に当たっている。こういうことで、いわば人命尊重という観点からの暫定措置として現在も患者さんが残っている状態にございますが、私どもといたしましては、できるだけ早い機会に患者さんたちともよく話をいたしまして、それから後の診療所については地元の要望もよく聞いて、充実をいたしまして、名実ともに西群馬病院の方に統合するというふうに考えているわけでございます。
#164
○太田淳夫君 暫定的な措置としても、そういう人命尊重の立場からそういうような措置をとられたことは多とするわけでございますが、やはりそれと同じように各地域の状況等も、プランだけでははかれないいろんな問題等がそこにあろうかと思います。そういうときも人命尊重の立場からいろいろと対応をしていただきたい、こういうように思います。
 この国立病院・療養所の統廃合につきましては、地方議会でもいろいろと問題にされまして、全国三千二百三十二地方議会のうちの九〇%ですか、それに達しようとするような二千九百三十五議会で今、国立医療機関の存続、拡充を求める決議がされていると、このように私たち聞いておりますけれども、この決議の実情を厚生省としてはどのように把握して、どのように対応されるお考えですか。
#165
○国務大臣(今井勇君) おっしゃいますように、私のところへも随分廃止はけしからぬというふうな御要請がございます。
 したがいまして、私はこの再編成というものが地域にとって極めて大きな問題だなというふうな認識を十分持っているものでございますが、先ほどから申し上げますように、今回の再編成と申しますのは、やはり国立病院などが、より広域を対象とします高度の専門医療を扱います国立の医療機関としてふさわしいような役割を果たすためにはどうしても避けては通れない道だと、こう思っておるわけでございます。
 しかしながら、その計画の実施に当たりましては、私もたびたび両院の委員会でも御答弁を申し上げていますが、やっぱり後医療の確保ということがどうしても大事でございますから、都道府県だとかあるいは地域の、もちろんその病院のあります市町村それから関係者というものとよくお話し合いをいたしまして、皆さんの理解と協力を得ながらやっていかなきゃならぬ。きょう御説明したからあしたからやりますなんということを私はするつもりはありません。一遍で御説明して御納得いただけなきゃ二遍でも三遍でもやりますし、それでいけなきゃなおお話し合いを繰り返しながら、御納得いくようにひとつこちらの誠意を尽くしていこうというふうなことで、私は、今の国立病院・療養所というもの全部が今までのようにどんどん生々発展をしていくような人員、機材というものも確保でき、財政的なものも確立されるというならばまた話は別でありますが、現在のような厳しい情勢下、財政状況下におきましては、確かに今そのようなわけにまいらないというわけでありますから、十分な話し合いをして、ひとつ皆さんの御理解を得るように努力いたしたいというふうに考えておりますし、そのように関係者にも言明をいたしておるところでございます。
#166
○太田淳夫君 先ほど経営移譲の点につきましてもいろいろと御答弁がございましたけれども、この移譲に当たりましては、移譲しやすいように、移譲先に無償から五割引きで譲渡することを内容とする法律案も今国会に別途提出をされていますけれども、やはり移譲先として考えられるのは地方自治体であり、あるいは医療法人あるいは共済組合等が考えられると思うんですけれども、これもこういったいろんな手当てによって十分それが、厚生省が考えてみえるような方向で推進できる、このようにお考えになっていらっしゃいますか。
#167
○政府委員(木戸脩君) 再編成の特別措置法も国会に提出をいたしまして、衆議院の本会議で趣旨説明を終わらせていただいたところでございます。
 先生おっしゃるように、公的医療機関のほかに、学校法人、社会福祉法人等の民間活用、あるいはいわゆる医師会病院等による活用というのも考えているわけでございます。何さま、まだリストアップをしたばかりでございますので、今後よく都道府県あるいは関係の先と話をしながら移譲先というものを探してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
#168
○太田淳夫君 自治省、先ほど同僚委員の御質問もありまして御答弁されておりましたけれども、この国立病院・療養所の統廃合については、「昭和六十年度地方財政の運営について」という中で、地方自治体が国立病院等の移譲の受け入れについては慎重に対処するようにと、こういう次官通達も出しているようですけれども、今厚生省からお話があった、また法案が成立をするということになりますと、これまた事態がいろいろ変わってくるんじゃないかと思うんです。そういう厚生省としての国家財政上の立場からのいろんな検討、そういうことから考えますと、自治省としても慎重に対応をしながら、なおかつこれは十分対応できるものは対応をしていくという方向にならなきゃならないと思うんですが、その点はどうでしょうか。
#169
○説明員(磐城博司君) ただいまの国立病院・療養所の再編成に当たっては、その経営移譲の相手方として公的医療機関等を考えていたわけでございますが、その一つとして地方団体も挙げられているわけでございます。
 この地方団体への経営移譲につきましては、御承知のとおり地方における行財政改革というものも非常に重要な喫緊の課題になっておりまして、現在の自治体病院を取り巻く厳しい経営環境、特に半数を超える事業主体が赤字を出しているというようなこととか、地方財政を取り巻く厳しい現状等にかんがみまして、将来の採算性や一般会計負担の見通し等について十分検討して自治体として慎重に対処をしていく必要があると、このような考え方でおります。
#170
○太田淳夫君 自治省、結構です。
 次に、またこの再編成についてなんですけれども、「再編成によって患者の診療に支障を来さないよう、統廃合後の受診先の確保、福祉施設との連携等に配慮する」、こういうふうになっております。これは当然のことと思うんですけれども、職員への配慮についても「職員の身分、勤務条件、給与処遇等に関する事項について十分配慮するもの」と、このように基本方針の中にありますけれども、この点について厚生省としては具体的にどのように考えておられますか。
#171
○政府委員(木戸脩君) 先生おっしゃるとおりに、やはり施設というのは職員が大切でございますので、再編成に当たっての職員の身分の取り扱いにつきましては、統廃合については統廃合後の施設に異動するというのを原則といたしますが、本人の希望によりまして、事情が許せば他の国立病院等への配置がえをいたしたいというふうに考えております。
 また、経営移譲につきましては、移譲というのは原則やはり過半数の職員が行くから経営移譲と、こういうことになるわけでございます。したがいまして、移譲が行われれば施設の職員になるということでございます。しかしながら、引き続き国家公務員として他の国立病院等で勤務したいということがあれば、職員の希望をできるだけ尊重して対応をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。職員にも非常に、勤務期間等の長短もございますし、それから家庭の事情等もございます。できるだけ本人の意思というものを尊重して弾力的に対処することがやはりこの再編成を円滑に進める大切な選択肢だというふうに考えているわけでございます。
#172
○太田淳夫君 当然それは、個々にいろいろと本人の意思を尊重されて、十分な対応をしていただきたいと思います。
 仮に経常主体が民間、例えば医療法人に移譲された場合等は、今までの国立病院の職員でございますれば公務員ですけれども、それが公務員でなくなる場合も出てくるわけですし、あるいはそうなりますと、移譲先の給与あるいは処遇の問題もありますけれども、移譲の際の退職手当の問題も当然出てきまして、この退職手当の問題については、短期在職者よりも長期在職者を優遇する仕組みとなっていることから見ますと、これは十分に配慮してやらなきゃならない、こういうような問題も当然出てくると思うんです。これは仮にこの問題でございますけれども、その点については厚生省としてどのように対応されますか。
#173
○政府委員(木戸脩君) 先ほども申し上げましたように、移譲の場合でございましてもできるだけやっぱり職員の希望というものを考えまして、職員が移譲先の施設に勤務するか、引き続き他の国立病院・療養所に移って公務員として勤務するか、できるだけ職員の意思を尊重したいというふうに考えておりますが、しかし先生も御存じのように、学校法人あるいは社会福祉法人等に行くということになれば給与体系も違ってくるわけでございますので、職員の意思を尊重した上で、いわゆる移譲施設の方に移るという場合については、退職手当法に従いまして退職金というのが支給されるというのは当然でございますが、具体的な取り扱いについては、今いろいろ関係の省庁と研究をしているところでございます。
#174
○太田淳夫君 大臣、今の問題について。
#175
○国務大臣(今井勇君) 今の退職に当たりましての考え方は、今、局長が答弁いたしましたとおりでございまして、やっぱり具体的な問題につきましてはその都度関係省庁と十分な協議をして、御本人に不利のないようにいたしてまいったいと思っております。
#176
○太田淳夫君 それでは大臣、改めてお伺いしたいと思うんですが、今まで統合の問題も話してまいりましたが、この国立病院あるいは国立療養所が今日まで国民医療に対して果たしてまいりました役割について、これをどのように評価されているか。あるいは国立病院がそれぞれの地域でやはり大きな役割、貢献というものをしてきたんじゃないかと思いますが、その点に対するどのような評価をされているか聞きたいと思うんですが。
#177
○国務大臣(今井勇君) まず、国立病院の方でございますが、国立病院というのは、先生御案内のように、戦後もとの陸海軍の病院を転用いたしまして発足して以来、地域の一般的な医療を担う一方、がんであるとか循環器病あるいは母子医療、腎不全それから難病、救急医療及び僻地医療といった我が国の医療政策上特に肝要とされました医療の推進において、大きな役割を私は果たしてきたところであると考えております。
 一方、また国立療養所の方でございますが、これは日本医療団から厚生省の所管に移されましてから、結核それから精神病、らい、それから重症心身障害、進行性の筋ジストロフィー症などの政策医療を行いまして、国民病とされました結核の撲滅、らいの激減に大きな貢献をしてまいったところであるというふうに私は高く評価をいたしております。
#178
○太田淳夫君 そこでお伺いしたいんですが、この厚生省さんの資料を見ますと、六十一年度に着手分ですか、統合の。これが北海道に一カ所、千葉県に一カ所、それから先ほど同僚委員からもいろいろ質疑がありました久留米の病院の問題、そしてもう一カ所は三重県の国立津病院と国立療養所静澄病院、この統廃合計画が六十一年度着手になっておりますけれども、この三重県の方はどのような状況でしょうか。
#179
○政府委員(木戸脩君) 三重県には現在六つの施設があるわけでございますが、そのうち静澄病院と津病院が統合する、一部患者が三重病院に行くというのがワンケース、それから明雄病院はこれは他の経営主体へ移譲、こういうことになっているわけでございます。
 津病院でございますが、津病院は三百床ということでございまして、一般的な総合医療を行っているところでございまして、大変院長も熱心でございますが、何せ非常に定員事情が厳しゅうございまして、医療スタッフが、お医者さんが二十五人というような状態で一生懸命やっているわけでございます。一方の静澄病院でございますが、現在二百五十床ということでございまして、患者さんの中身を見ますると、結核が八十五人、その他慢性呼吸器、肺がんと、いわば胸部疾患というのが四十人ぐらい、そのほかに脳血管、脳卒中の後遺症の患者さんが八十人ぐらい、それから重心の患者さんが四十人ぐらい、こういうふうになっておるわけでございます。
 今後の患者さんの結核あるいは脳血管障害等につきましては、結核については減少をしてまいりますし、脳血管障害につきましてはいわゆる社会的入院の方もかなりおられるわけでございまして、今後いわゆる老人保健施設等の整備がされてくれば退院の方も出てくる、こういうような将来の見通しを立てますと、近接して十七キロの距離にあるわけでございますので、これを統合いたしまして、重心の患者さんは三重病院の方に移っていただいて、新しい病院はいわば三重県南部の高度の機能を有する総合診療施設ということで機能の充実強化を図ることにいたしたい、こういうふうに考えているわけでございます。
 具体的に、新しい病院をどこに立地するか、どのような病床規模にするか、診療科目をどうするか等につきましては、現在はまだ六十一年度の予算の成立を見たばかりでございます、今後地元三重県あるいは両施設が存在します市なり町なりあるいは関係者の御意見も十分伺いましてこの作業を進めてまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#180
○太田淳夫君 今お話がありましたように、国立の津病院は三百床の病床を持っている。常にこれが満員という状況ですし、外来の患者も一日約四百人を超えるという盛況で、非常にこれは一〇〇%以上の稼働状況にあるわけでございますし、それだけ市民の期待と信頼というのは大きいわけですね。また、静澄病院にしましても、これは白山町という、距離的には十七キロかもしれませんけれども、白山町という地域にありまして、これは地域医療のかなめとしての存在は、その価値が非常に高くなっているわけです。
 今お話ですと、静澄病院を将来は津病院にこれは合併をするというわけですか。で、そのスクラップ・アンド・ビルドでなくなった部分は面へ、三重県南部へ一つ新しいものをつくるということでいいんですか。地元の人たちのいろいろ話を聞いてみますと、この二つを合わせて廃院にして別なところに新しいものをつくるんじゃないかという、そういういろいろな不安感を持っているようですが、その点は間違いありませんか。
#181
○政府委員(木戸脩君) やや不正確でございました。これは、三重病院と静澄病院の統合ということは統合でございます。ただ、第三の地に行くか、あるいは現在の三重病院の場所につくるかという点につきましては、現在地元でもいろいろ協議を――失礼しました。津病院と静澄病院につきましては、これは現在の津病院でもない、あるいは静澄病院でもない第三の地に行くか、あるいは現在津病院がございます地に立地するか、この問題につきましては、病床数、診療科目等とあわせまして、立地場所についてはこれから具体的に検討してまいりたいというふうに考えております。
#182
○太田淳夫君 要するに統合の部分は津病院と三重病院と静澄病院があって、三重病院というのは津の市内なんです、津市内ですね。津の国立病院というのは、津病院という名前がついているけれども久居市にあるんですね、そうですね。瀞澄病院は白山町だと、この三つを統合してしまうというわけですか。
#183
○政府委員(木戸脩君) 津病院と静澄病院の統合が主でございます。ただ、静澄病院に今重心の患者さんがおられますので、この重心の患者さんは三重病院の方に移っていただく、こういう考え方
でございます。ですから、形式的に言えば三つを二つにするということでございますが、実態的には津と静澄病院の統合と、ただし重心の患者さんは三重病院の方に移っていただく、こういう考え方でございます。
#184
○太田淳夫君 やはりそれぞれが、津には先ほどもお話がありましたが、津の三重大学の医学部病院があって、それぞれ地域医療の中核としてこれは存在しているわけです。地元の皆さん方は、この津病院はそのままに残しておいてもらいたい。これは先ほど三重県の南部というお話もありましたけれども、久居市は大体中西部、津と並んで中西部のこれかなめの地域となって、今までやはり国立病院としての信頼の上に立ってそれぞれの医療も行ってまいりましたし、非常なこれは住民の支持を得ているわけです。新しい病院を建設しようとなりますと、これは最低でも約五十億円の巨費がかかるんじゃないかと言われておりますし、そういう財政難の中でやはりそういったいろんな巨額な経費、建設費が使われるより、むしろこの津病院あるいは静澄病院そのままで、それぞれの機能がもっと発揮できるようなやはり整備をする方が中西部の発展のためにもこれは大きく寄与するし、住民の医療に対する不安感を除去することになると思うんですが、その点どうでしょうか。
#185
○政府委員(木戸脩君) 先ほどから大臣からもお答えをしておるところでございます。
 地元の皆さんのお気持ちからすれば、それぞれを残してそれぞれを充実してほしい、こういうことかと思いますが、まずその静澄病院というのを見てみますると、先ほども申し上げましたように、結核あるいは慢性呼吸器、肺がん等のいわゆる胸部疾患の患者さんがかなり多い。それから、いわゆる脳卒中の後遺症の患者さんで、急性病院から送られてきて、この静澄病院に入っておられて、いわば社会的入院の状態にある方もおると、こういうことでございます。
 今後やはり結核というのは減ってまいると思いますし、それから脳血管障害という患者さんたちは、今後いわゆる老人保健施設というものが整備されれば社会的入院というものも解消してくる。こういうことになりますれば、その静澄病院の方は、これは一般医療ではないわけでございます。もちろん老人の方で通院をしておられるような方もおられるかとは思いますが、私どもといたしましては、やはり国立というのは、国立病院については総合診療施設、それから療養所につきましてはやはりきちんとした他の医療機関がやらない専門医療施設というふうに、将来どういう形で残すかということを考えますと、私はやはり厚生省としてはこの津病院と静澄病院を統合して総合診療施設にするということにしなければならないんじゃないか。
 大臣からも申し上げておりますように、とにかく現在持っている定員の中でやりくりをして機能強化を図るというためには、やはりこの二つの施設は統合して、そのかわり静澄の後医療の確保については支障のないようにする、こういうふうにするのが残された道だというふうに考えております。
#186
○太田淳夫君 ですから、静澄病院につきましても一般医療でないというお話でございますが、話の中にも地域のお年寄りの方がやはり病院としてそこへ通ってみえるという姿も現実にあるわけです。
 また、話は岐阜県の方へまいりますけれども、岐阜県の長良病院なんというのは私のうちのすぐ目の前にあるわけですが、やはりそこに長良病院が存在すれば何かあったときには長良病院の方へ通院をする、そこでいろいろと見てもらうという地域の人たちのコンセンサスはできているわけです。救急の医療の場合でもそこへ運んでいただいてやっております。ただ、その岐阜県の場合も、やはり同僚の委員からも予算委員会の分科会等でいろいろとこの問題についての提起もございましたけれども……。
 今度は、話は変わって、長良病院の場合は進行性筋ジストロフィーの施設がございますね、何人か今一生懸命リハビリで頑張っておいでになる方方がおみえになります。あるいは小児ぜんそく、そういった小児性の難病に対して、あるいは重度心身障害者のリハビリ施設といった機能を有してこれはいろいろやっておりますけれども、やはりその中でも住民の皆さん方の一般的な治療ということもときには行われて非常に頼りにしているわけです。あるいは一方の、統合する相手の岐阜病院は大体循環器系統の病院とかいうことでございいますし、この二つは今までの経緯を見ましても非常に機能的にも異なった病院になっているわけです。
 これが統合するということになりますと、非常に私たちも疑問を抱かざるを得ないし、あるいは岐阜病院の収支率あるいは長良病院の収支率を見ましても非常に堅実な経営ということが今まで行われているわけです。まあ国会の答弁でも収支率というだけが問題ではないということでございますが、この収支率をよくすることが目的でないにいたしましても、やはり地域に定着をして、しかも収支率の悪くない病院同士の統廃合というもの、あるいは機能のそれぞれ異なった存在として住民のコンセンサスを得ているようなそういう場合には、病院同士の統廃合ということは非常に地元の皆さん方の理解もできにくいんじゃないかと思うんです。やはりそういう住民の納得できるようなことでなければこの統合ということは進めるわけにいかないんじゃないか、こういうふうに思うわけでございます。
 最後に、この点どのように大臣としては所信をお持ちになってみえるかお聞きして、質問を終わりたいと思います。
#187
○国務大臣(今井勇君) やはりこの問題は、統合というのは、私どもとしましては先ほどからるる申し上げておりますように、今後の医療行政を考える上で、特に非常に窮屈な医者等々、人的なものあるいは機材的なものを考えた場合に、統合の道はやっぱり避けては通れない、こう思いますので、これはよくお話し合いをいたしまして、御納得の上でひとつさせていただきたいと思いますが、いずれにしても後医療の問題については、皆様方とよくお話をしましてひとつ進めてまいりたいと思っております。
 特に、先ほどから申し上げますように、こういうものはやはり十分な御納得が得られなければできるものではありません。一方的にやるからというわけにはまいりませんので、私どもは情理を尽くして、また御説明するところは十分御説明をいたしますので、ぜひひとつそれを聞く耳を持っていただきたい、おまえのことは聞けないとおっしゃらないで、ひとつ十分その話を聞いてやっていただきたい、このように思うものでございます。
#188
○柳澤錬造君 今回のこの厚生省設置法の一部改正案というのは、国立病院の役割とか医療センターのあり方についての法改正でありますから、そういう観点でこれから質問をしてまいりたいと思うんです。
 まず、昭和六十年三月二十九日に閣議に報告をした「国立病院・療養所の再編成・合理化の基本指針」、その後これは十二月の二十八日閣議決定もされているわけなんです。その中で「国立病院・療養所の果たすべき役割」として、さらに「政策医療」として幾つか取り上げているんですが、その第一番目には、「国民の健康に重大な影響があるがん、循環器病、神経・精神疾患、母子医療、腎不全等の分野における高度先駆的医療」というのが一番最初に掲げられて、あと幾つかあるわけです。ここで言っていることは、どういうことを言わんとしているんですかということを解説していただきたいんです。
#189
○政府委員(仲村英一君) ただいまお尋ねの国民の健康に重大な影響のある分野における高度先駆的医療ということでございますが、例示的に申し上げさせていただきますと、例えばがんの場合には、かつて肝臓がんというのは全く不治でございましたけれども、細葉切除術という手術法が築地のがんセンターで開発されまして、これも非常に治癒率が高くなっております。
 あるいは循環器病でいいますと、いろいろの診断機器、例えばシネアンギオグラフィーというふうなことで、体をあけないでも外側から診断できるような先駆的な診断機器の開発でございますとか、あるいは精神・神経疾患でいいますと、またこれは実験段階の部分もございますけれども、核磁気共鳴の原理を活用いたしました新しいCT、レントゲン線を使わないCTの機器で脳の性格的な機能をも推測しようというふうな新しい診断の方法でございますとか、あるいは母子医療に関係いたしますと、世界で今日本は乳児死亡率一番低いわけでございますけれども、それでもなおかつハイリスクの、ハイリスクと申しますか、いろいろ妊娠の合併症を起こしやすい妊婦の方たちについても予防的に管理をする技術でございますとか、腎臓関係で申しますれば、石を衝撃波で外から破砕いたしまして、手術しないで取り出してしまう技術とか。
 そういうような技術を私どもの国立病院のこういう先駆的な技術をどんどん国民に均てんするために、それぞれのセンターが技術的な向上を図ると同時に、先ほどから申しておりますけれども、国立病院だけには限りませんけれども、各医療機関にその技術が移転されて、将来的にはどんな小さな、小さなど言っては語弊があるかもしれませんが、かなりの数の病院でこういうような高度先駆的な医療が、国民が近くで受けられるような方向へ私どもの国立病院が率先垂範と申しますか、身をもってまず体得いたしまして、それを他に移転いたしまして、国民の医療水準をさらに向上させる、こういう意味の高度先駆的医療ということで御理解いただきたいと思うわけでございます。
#190
○柳澤錬造君 じゃ、そういう高度先駆的な医療の設備を持った、言うならば指導的な役割の果たせるような国立病院というのは大体幾つぐらいあるんですか。そして、その病院は、この病院がそうなんですと言って少し例示を挙げて聞かせていただきたいんです。
#191
○政府委員(仲村英一君) 具体的な名前を全部羅列いたしますと、当たらない病院の院長さんに怒られるかもしれませんが、基幹病院的なものといたしまして、私どもといたしましては国立病院の中では十カ所というふうに考えております。それから、がんのナショナルセンター、これは築地もございますし、地方がんセンターというのは四カ所、それから循環器に関しましては大阪のナショナルセンターのほかに地方循環器病センターが八つ、それから母子関係で二十二、救命・救急では十二、難病その他では七つ、腎移植につきましては、腎移植センターが一つでございますけれども、地方腎移植センターが二というふうなことで、それぞれ高度の機能づけをしておるわけでございます。
#192
○柳澤錬造君 合計幾つ、国立病院の数の中の何%くらいに今おっしゃった数がなるんですか。
#193
○政府委員(仲村英一君) 程度が多少極めて高い程度の基幹施設とそうでないところ等もございますけれども、国立病院で申し上げますと、私どもとしては、例えばそういう高度の医療のほかに臨床研究とか周りの病院のお医者さんの研修まで行っている病院を、国立病院で申し上げますと四十六カ所、国立療養所で言いますと十一カ所というふうに私どもは考えているところでございます。
#194
○柳澤錬造君 何%。
#195
○政府委員(仲村英一君) 二百三十九が国立病院・療養所の総数でございますので、四十六足す十一でございますので五十七カ所、約二割五分か三割ぐらいだと思います。
#196
○柳澤錬造君 わかりました。
 大阪の循環器病センターというかあれは、私も行って見てますから本当にすばらしい病院だと思うんです。だから、何でこういうことを聞いたかというと、どの程度の病院を指してそういうふうな高度の先駆的役割を果たせるような病院だというふうに皆さんがお考えになっているか知りたかったから、名前を挙げてくださいと言ったんだけれども、挙げていただけないから、大体四分の一ぐらいはそう見ていますという判断をして、それで次にお聞きしたいことは、きのう大臣御説明のときに提案理由の中で、「近年、疾病構造の変化、人口構造の高齢化、医学を初めとする諸科学の急速な進歩等に伴い、医療内容は著しく高度化、専門化しております。このような状況の変化を踏まえ、国立病院等につきましては、高度専門的な医療を初めとする国の医療政策上特に推進すべき医療、研究及び研修等の推進を図ることとしております。」と、大変いいこと言ってくださっているし、このことはもう大賛成で、そうあってほしい。
 それで、ここでもって大臣が、そういう法改正の言うならば精神として提案をなさっていることと、具体的な内容になってくると、この中でもって今後十年間を目途として相当数整理合理化するんだ、昭和六十一年度に八カ所ほど統廃合するんだというのが具体的な中に出てくるわけです。
 それで、この高度先駆的な医療機関にしましょうというそのことと、病院の統廃合をいたしますよということとは、私はこれは次元の違う問題だと思うんです。そこのところを一緒くたにしちゃってお考えいただいているところがおかしいんだし、特に病院というようなところは、私は大事なことは医者と患者の関係、やはり医者と患者の間にお互いの信頼関係というものがなかったら、病気もよくならないしその病院としての役割も果たせない。だから、その関係がうまくいっているところというのは、患者も、ああ、あそこへ行けばといってやっぱり信頼して来て医者にかかって、薬をもらい、治療をしてもらい、そして治っていく。あんなところへ行ったってだめなんだということになると、もうそれは患者が来なくなるわけでしょう。
 だから、そういう格好になって、あの病院は国立病院であってももう極めて患者も来なくなった、利用もされなくなった、大変経費ばかりかかってこれはもう採算上もとても合わないからというならば、この辺は統廃合の対象にということもわかるんですけれども、何か画一的に、私は机上作戦と言うんだけれども、地図の上を見て、こことここは近いからくっつけてしまえとかなんとかというふうな格好の今回の統廃合の計画は果たしていかがなものだろうか。国立病院を充実させて、そして国民の皆さん方に喜んでいただけるようにすることが厚生省の大事な使命だと思うんだけれども、そこのところはいかがなものでしょうか。
#197
○国務大臣(今井勇君) また細部については政府委員から答弁させますが、基本的な考え方は私は二つあると思うんですが、やはり国立病院・療養所が確かに人員、機材等が我々の要求するように、また思うように増強できる、そういう見通しであるというふうなことでありますならば、今まで国立病院・療養所が果たしてまいりました役割、また地域の住民に信頼されているという現状から見て、極めて私はおっしゃるとおりだと思うんです。
 ところが、現実はなかなかそうならないのでありまして、やりくりをしながら人員、機材を確保せにゃならぬということであるならば、しかもそれがどうも一年で終わるとか二年で終わるというふうなことではなさそうだ。それならばやはりこの際、他の医療機関もだんだん昔と違いまして充実をされてきているのだから、そういうことも横目でにらみながら、国立病院・療養所というものは自分の持てる力を地域により貢献できるような形で統廃合ができないかというふうに私どもは実は考えているわけでございます。
 だから、統廃合するにしても、全般をにらんでやれないのか、地域的にやったらおまえの言うような感じにできないじゃないかというお話もあろうかと思います。ただ問題は、図上でやるわけでもございませんが、やはり地域地域の医療機関というのはその地域になじんでいるわけですから、その地域の中でいろいろ今までの歴史などを考えながら、ひとつ地域的にまとまるものはまとめていこうというふうに実は考えたのが一つでございます。
 それからもう一つは、やはり統廃合をしまして
一緒になって医療機関としてやっていけるもの、国が人間を集めてやっていけるものはそうするし、それからどうしてもそれでもなおかつ国としてお守りができないというか、十分な活動ができないものはやはり経営移譲をしていって、そして地域の医療にお任せをしてやっていったらどうだろうという二本立てで私どもはやろうとしているわけでございます。
#198
○柳澤錬造君 今、大臣から御答弁いただいて、その辺ももう少し後でまた掘り下げてお聞きもしたいと思うんです。
 次に私が触れていきたいのは、日本が急速に高齢化社会、いわゆる高年齢化の社会になっていくということはだれもが指摘しているとおりなんです。平均寿命が、これはもう皆さん方の方が専門でおわかりのとおりに、男が七十四・五歳、女が八十・二歳。それで、六十五歳以上の人たちが全人口の中で一〇・三%、千二百万人になってきた。これがさらに、六十五歳以上の人たちというものが、西暦二〇〇〇年になれば一五・六%で二千万人、二〇二〇年になったら二一・八%で二千八百万人になるというのが今推定されているわけです。これは大変な数字だと思うんです。この数字は、今六十五歳以上で皆さん方のところで計算されてこういう数字がはじき出されている。
 しかし、今の日本の社会でいけば、定年は五十五歳とついこの間まで言われておって、やっとそれが少しずつ上がってきて、労働省の方でもことしのこの国会に、定年は六十歳にしろよといってそういう一つの法案を出されたところなんです。だから、全体的に言うならばまだ定年が六十歳にも達していない。じゃ、まあ六十歳ということを見て、六十五歳以上じゃなくて、いわゆる高年齢化のその六十歳以上の人たちといったらどのくらいいることになるんですか。
 これだけの言うならばもう世界一の長寿国になったわけなんです。この老人の保健対策というものが極めて重要になってくるし、そういう点で厚生省の医療行政も大変重要な意味を持ってくるんですが、その辺のお考えはいかがなものでしょうか。
#199
○国務大臣(今井勇君) おっしゃいますように、高齢化の社会というのは極めてこれから急ピッチに進んでまいるわけでございます。そこで、どうしてもこのためには社会保障制度というものをきちっと決めておかなきゃならぬということで、私どもは今いろいろそのための施策をあれこれ考えているわけでございます。
 これまで行ってまいりました年金制度の改革あるいは老人保健制度の創設、それから今回の老人保健の改革というものはこういう観点から行うものでございまして、今後寝たきり老人に対します施設の整備あるいは在宅サービスの充実ということを進めまして、高齢者に対します施策の総合的な推進を本当に図ってまいりたい、こういうふうに考えております。
#200
○政府委員(北郷勲夫君) 数字についてお尋ねがございましたので補足して申し上げます。
 六十歳以上ということで区切りますと、一九八五年、昭和六十年でございますが、このときがパーセントで申しまして全人口に対する割合が一四・七%でございます。実数は千七百八十三万人でございます。それから二〇〇〇年の推計でございますが、今度実数から申しますと二千七百五十万人、割合で二一・五%でございます。それから二〇二〇年、昭和九十五年でございますが、三千四百九十三万人、率で申しまして二七・三%ということに推計されております。
#201
○柳澤錬造君 大臣、今お聞きのとおりに大変な数です。約二割の人がいわば、老人という言葉が適当かどうかは別問題にして、日本の今の社会の中では一応六十歳になれば縁が切れて、保険や年金の関係やなんかは、それは今、大臣言われましたけれども、話はまるきり逆で、年金でも何でもどんどん後へずらしていってもらえなくしているわけでしょう。老人保健も、これからこの国会はもう間に合わないからあれだけれども、そういうことを考えておやりになっていると言い切るかどうか。
 この辺はさておいて、私が言いたいのは、高齢化社会を今迎えている人たち、いわゆる戦前派、それから戦中派もそろそろそこへ該当するわけだが、言うならば、戦前の昭和初期のころの大不況から何から昔のあの時代のところを経験、してきて、そしてあの戦争の時代の長い間もまたいろいろと苦労をしてきて、それで戦後になったら、今度はまた食糧難や何やかやといってずっとそういう苦しい時代を歩んできたわけなんです。そういう人たちが今言うならば高齢化老人という形になって、今の対象になってきているわけです。
 戦後の昭和二十年代のような時代ならば、もう国の中全体がああいう時代だからお互いにわがままも言えないし、ぜいたくもできないようなことなんだで済むけれども、言うなら、これだけの経済大国になって、これだけの経済力を持った国家になったならば、今お年寄りだと言われる方々は、かつて戦前から戦中、戦後にかけてずっと長い間、ほとんどの生涯かけて苦しい時代を歩んできたんですから、だったらせめて、政府としても、厚生省としても、皆さん方御苦労さまでしたの一言ぐらい私言われでもいいと思うんですよ。そして、そういう感謝の心を持って、この人たちに対するそういう対策をどうしていくか、その辺の点が、本当に愛情を持ってお取り組みをいただいていいんではないだろうか、そういうお気持ちはお持ちになり得ませんでしょうか、どうですか。
#202
○国務大臣(今井勇君) これは、私はおっしゃるとおりで、今までの苦労されたお年寄りに対して大切にしたいという気持ちはもちろんございます。したがって、そんな意味から、例えばひとり暮らしのお年寄りが急な病気になったときにどうするかということで、行政上の直接な対策といたしましては、例えば緊急連絡網の整備だとか、それからホームヘルパー事業の拡充というようなこともやっておりますし、さらにまた、そういったひとり暮らしのお年寄りの方々にも生きがいのあるような、ぬくもりの感ぜられる生活を送っていただけるようにするために、地域住民の積極的な参加と連帯を基盤といたします地域社会を再構築したいというのが私がかねて考えていることでございまして、そういうことから、関係省庁とも協力しながら、私は私なりにいろいろ方策を考えておるものでございまして、例えば地域活動に必要な施策を整備するとかあるいはボランティア活動というものの促進をするとかいうことで私なりに努めているつもりでございます。
#203
○柳澤錬造君 理解をしていらっしゃるというお話だけれども、今の御答弁から私が受ける感じというものは、理解はしていただいてない。
 それで、先ほどもお聞きいたしましたように、現在ですらもう約千八百万人、一四・七%、七人に一人のいわゆる六十歳以上の人たちがおるわけなんです。それで、その人たちが年金をもらって暮らせるような状態にもないわけなんです。それで、ここへたどり着くについて、ほとんど若い時代からずっと長い間苦労をしてきて、そして昭和四十年代、五十年代になって多少は高度成長になってよくなったかわからぬけれども、生涯かけて長い間御苦労なさって、それで本当に御苦労さまでしたというそういうお気持ちがおありになるならば、感謝のお気持ちがおありになるならば、こんな国立病院の統廃合なんて言わないで、何かあったときはすぐ来てください、そして病気が悪くなる前に治療をして、いつまでも御健康でもって、お元気でもってお暮らしいただきたいですといって、そういうふうに考えるのがあれだと思うんです。
 それから、先ほども同僚議員の話を私はずっときょう朝から聞いてたんですけれども、なかなか財政的にも苦しいから云々と。お金がないならばなおのこと、統廃合してひっつけて、そこへまた病院をつくって云々なんということでお金を使うわけですから、私はおやめになった方がいいと思う。私から言わせたら、今の六十歳以上の方というのは日本の国家にとって功労者だと思うんで
す。だから、その功労者に対して、もう少しやっぱり御苦労さまという、そういう気持ちを持ってお取り組みになるのが厚生省皆さん方のお仕事じゃないですかと思うんですが、いかがですか。
#204
○国務大臣(今井勇君) 先生の御質問の趣旨を私なりに含んだつもりですが、今の国立病院・療養所の問題とのつながりでおっしゃいますとするならば、私は先ほどから何遍も御答弁申し上げて先生の今御指摘を受けましたが、やっぱり医療機関というものは、たくさん民間のものもありますし、公立のものもできてまいりましたんですから、そういうものの全体の中で国立病院というものの果たの役割は何かということをやはり考えていかなきゃならぬと思うんです。それは、戦前のいっときのように他の医療機関が極めて少ないという場合とはだんだん変わってきているわけでございますから、したがってそういう新しい時代の中で国立は何をやるべきであろうかということを考えていかなきゃならぬと考えているわけです。
 特に、それに先ほど申し上げたのは、国立病院・療養所を全部立派なものにしたいという気持ちは私どもあるんですけれども、現実の問題としてなかなかそれができない。そんなことを言えば、おまえがもっと頑張って金も人員も減らさぬようにせい、金を持ってくればいいじゃないかとおっしゃればそのとおりであろうと思いますが、現実の問題なかなかそれが難しい状況でございますので、万やむを得ず、やはり少しでも皆さんのお役に立つように機能分担をしていこう、そして民間で民間の医療機関がこれだけ普及してまいりましたから、そういうものの役割分担も考えていったらどうだろうかというのが私どもの今回の発想でございまして、お年寄りに対して、何といいましょうか、より苦労をおかけするとか、それからその御苦労に対して十分なおねぎらいをしないというようなつもりでやっているつもりはさらさらございません。
#205
○柳澤錬造君 さらさらないという大臣の御答弁を信じて、それで本当にそういうことになるのかならぬのか、またこれは後で答えが出てくるわけですけれども。
 次に、同じことばかりやってもしようがない、今度は具体的にお聞きしたいんですが、国立長野病院のことで、これは私の生まれふるさとなんです、ここのところは。戦争から帰ってきても私はこの病院にしばらく通った方だから、もう今は相当古くなっているとは思うんですよ。しかし、この長野病院を何で東信病院と合併して廃止をなさるようなことをなさるんですか。外来患者、私が調べてみたら、延べだけれども七万八千五十八人、日曜も含めて一年三百六十五日、毎日二百十四人ずつ来ていることになるわけなんです。しかも救急患者が千九百五十三人というんですから、これも毎日、平均の数字だけれども五・四人、かなり多いです、こういう地方にしては。
 そうすると、それだけの人たちが大変利用しておる、地域住民の皆さん方から感謝されている。何でそれを廃止なんかなさるんですか。いささか酷じゃございませんか。それだけ地域の皆さん方から利用されているならば、喜んでそれがもっともっと活用されるように考えるのが私は厚生省のお仕事だと思うんですけれども、厚生省というところはそんな冷たいお役所なんですかと言いたいんですけれども、そこはどうですか。
#206
○政府委員(木戸脩君) お言葉を返すようでございますが、御説明をさせていただきます。
 柳澤先生おっしゃるように、非常に長野病院が地元のお役に立っているのは事実でございます。実は、衆議院の予算委員会でも、三月七日の日に衆議院の中村議員からも御質問があったところでございます。国立長野病院は、主として上山田町を中心にいたしまして、周辺の市町村を含めまして非常にお役に立っているのは先生おっしゃるとおりでございます。
 ただ、今後の国立病院の役割というのを、いろいろ御意見もございますが、私どもといたしましては、他の医療機関がやらないような高度の医療あるいは専門的な医療をやる、こういうふうに基本的な役割を設定したわけでございまして、それではこの長野病院、東信病院がそれぞれ独立して、それぞれ残して、いわゆる三次医療による高度な医療機関としてそれぞれを整備できるか、こういうことでございますが、私どもの基準、それから大臣からたびたび申し上げておりますように現在の予算と定員――再編成というのは、率直に申し上げますならば、現在の五万三千人の定員の中、あるいは一般会計の繰り入れが千二百億少しでございますか、いわばその中でこれを考えていかなければならないということになりますと、大変申しわけないということになるわけでございますが、長野病院と東信病院を統合いたしまして、長野県の北部を中心とした総合診療施設に、特に母子医療、難病等の機能の充実を図っていくということにならざるを得ないわけでございます。
 なお、三月七日にも御答弁申し上げました、それでは後の医療には困るではないかというお話があるわけでございます。この辺の点につきましては、いわゆるリストアップをしたときにも長野県の部長さんなり関係者といろいろと話をしたわけでございますが、後医療の確保については関係者と十分協議をして、やはり長野病院というのが温泉を中心にしたリハビリという特色のあるものでございますので、後医療として現在の土地、建物を活用していくということがやはり適当なのではないかというふうには考えるわけでございます。
#207
○柳澤錬造君 再編成計画の中に、ベッドが三百床未満の小規模施設は統合をしてある程度大きな規模にして、先ほどから言うようないい設備にしようということも書かれているんですが、この長野病院の場合には約二百五十ベッドあるわけですね、調べたら。それで、入院患者が延べ八万一千四百九十四人、そうすると一日当たり二百二十三・二人ということですから、かなり利用されているということは言えるわけです、効率がいいというか。
 それで、今も審議官言われたように、ここは温泉がありますから、その温泉のリハビリの設備も持っているわけです。そういう温泉を利用しながらリハビリをやるということがどれだけ効果があるかということは皆さん方もよく御存じだと思うし、だから患者の皆さん方からも感謝されてこれだけ利用されておるわけです。温泉がある国立病院というのは大体幾つぐらいあるんですか。そして、ある程度のところはなにだろうけれども、そういう点から考えたならば、何もそんな廃止をしなくても、むしろこれは有効に活用するようにお考えになるのが、いろいろ先ほどから言われている理念からいったらそういう結論になると思うんですが、そこはいかがですか。
#208
○政府委員(木戸脩君) 温泉がある国立病院は十五カ所ございます。
 先生おっしゃる温泉を利用した医療というものの位置づけでございますが、私どもといたしましては、温泉を利用した医療というものは非常に特色のあるものだというふうには考えておりますが、温泉を利用した医療というものが国がやるべき政策医療というふうには考えていないわけでございます。したがいまして、温泉病院というのは、長野病院はかなり規模が大きゅうございますが、温泉病院というのは概して、やはり温泉ということでございますので遠隔地それから小規模ということもございましたわけでございますので、十五カ所のうち大部分は統合あるいは移譲というような扱いにしているわけでございまして、そういう点からいいますと、長野病院だけというわけにはまいらないわけでございます。
#209
○柳澤錬造君 だから、私は審議官が言われるのを朝から聞いていて、余りにもお役所的な、人間の心の温かさがないんですよ。私は、これはまた後でその辺のところも触れたいと思いますから、今は一応後回しにします。
 この統廃合の条件の中にもう一つあるのは、経営効率の面が三項目の中に触れてくるわけだけれども、国立病院の収支率の全国平均というのはどのぐらいの数字が出ているんですか。
 それで、私が調べたのでは、長野病院の場合に
収支率で九七・六%、それから東信病院が九六・五%。これは金額もわかっていますけれども、それはもう微々たるもので、九十幾つというのですから多少それは下がっているわけだけれども、しかし地域から期待され、利用され、喜ばれていることだけは、これはもう事実間違いないことなんです。ですから、そういう点からいくならば、何でこういうみんなから喜ばれているものを廃止なさるようなことをお考えになるのかということがどうしても私は理解できない。そういう点で、この収支率の全国平均がどのくらいな数字なんでしょうか。
#210
○政府委員(木戸脩君) 五十八年度の国立病院だけの全国平均は九九・六%でございます。
#211
○柳澤錬造君 いや、だからそれに基づいて、今の長野の場合も東信の場合も言えば全国平均の水準にあるわけですよ。そういう点に立ては、経営の収支率という面から「統廃合の対象」云々ということの条件からは外れるというふうに理解してよろしいわけでしょうか。
#212
○政府委員(木戸脩君) 私ども、再編成の基本指針には「再編成・合理化」というふうに申し上げておりますが、臨調の答申でも、これはお金を減らせということではございませんで、国立医療機関として守備範囲を明確にしろと、こういうふうに言っているわけでございまして、私どもは、収支率というものが、それはよいにはこしたことはございません。それから、日常の経営努力によって、あるいは統廃合によってむだを省きたいということはございますが、収支率がいいから悪いからということは、統廃合の基準としては直接使用してはいないわけでございます。
#213
○柳澤錬造君 ないと言ったって、ここに書いてあるじゃないですか。一つとしては、「国立医療機関にふさわしい指導的役割を果たせるよう政策医療」云々というのは、これは先ほどなにしたもの。それから二つ目には、「国立病院・療養所の機能、経営効率の両面から原則として近接する三〇〇床未満の小規模」なものは統合していく。それから三つ目には、「地理的条件、疾病構造等にも配意しながら、」と言って、この中に「経営効率の両面から」と言うから私はなにしたんです。そういうことから考えていないというのは、どこからそういう審議官の御答弁が出てくるんですか。
#214
○政府委員(木戸脩君) 「機能、経営効率の両面から」と申し上げましたのは、やはり機能面で言えば、小規模の施設にそれぞれ少人数の医療スタッフがいるよりも、近接しているものを統合すれば、先ほどもお答えを申し上げたわけでございますが、お医者さんの数がふえれば例えば一人診療科というのはなくなる、そういった機能面の問題があるわけでございます。
 それから、経営効率の面で申しますれば、小規模な施設といえどもやはり最低限必要な事務部門とか給食部門とか管理部門とかそういうものが要るわけでございます。これを統合いたしますれば、そういういわゆる共通管理部門の合理化というのができれば、それはそこでむだが省ければやはり経営効率はよくなる、こういうことでございまして、私どもはやはり小規模の施設というのは経営効率がよくないという前提には立っておりますけれども、東信病院なり長野病院の経営効率が何%だから排除した、そういう直接的な指標としては使っていない、こういうことでございます。
#215
○柳澤錬造君 いろいろお聞きしているんだけれども、それにやっぱりわかるようなお答えを聞かせていただきたいと思うんです。
 それで、これは御答弁はほかの方でもいいけれども、大臣、本気になってお聞きをいただきたいけれども、大きくしていけばいろいろいい設備ができることは事実。しかしながら、同時に、病院というふうなものはある程度の地域の近くにあることによって、病気になった、それっといって、それっと言っちゃあれだけれども、駆け込むことができるからそれだけの価値があるわけでしょう。どんなに立派ながんセンターがあるといっても、それは先ほどの大阪の吹田の循環器系統の病院もあれだけれども、あんなところは大阪のあそこへ行かなきゃあれはない、がんセンターは東京の築地に行かなきゃないというふうなものを、どんな立派なものをつくったってそれは地方の人には役に立たないわけなんです。
 郵便局を考えていただきたいと思うんですよ。あれだけ細かく地域にいっぱいあって、そうしてみんな住民が近くのところへ行って利用できるから、それが積もり積もって、何だかんだ言ってもう百兆円突破したお金が集まって、今銀行が目のかたきにしているわけでしょう。郵便局が、やっぱり規模が大きくすることによって効率がいいんだというような格好で、いや東京に一つ、どこに一つはというような格好であれをやっておったら、あの百兆円のお金なんか集まりますか。
 だから、そういう点からいけば、先ほども午前にも出ているけれども、特殊の病気のようなのは、これはどこもかしこもそんな高度の設備の病院はできはせぬ。しかし、一般的な、国民が普通病気になる、そうしてやっぱり入院をしなくちゃいかぬ、手術をしなくちゃいかぬというふうな一般の病気のそういうのっていうのは、極力地域にあることによって効果があるわけなんですから、だからそういう点からいくならば、今私がここで民間との関係のそれは申し上げませんし、民間の病院があるといったって、今民間の病院に入って何したならば、入院でどのくらいお金がかかるか、これは皆さん方おわかりのとおりであって、ですから、そういう点で、郵便局の例が適当かどうかはさておいて、ああいうふうにある程度地域に細かくあることによってその効果をあらわしているんです。
 だから、そういう点からいくならば、ここでもって国立病院の統廃合を何が何でもやらなければ、今の日本の政府としてどうにもこうにもならなくなるようなそういう性格のものかどうか。恐らくみんなから反発を受けていると思う。せめてそれぞれのその病院の地域の市町村長の意見ぐらいお聞きになったかどうかと思うんですが、その点、何かお聞きになったんですか。
#216
○政府委員(木戸脩君) 再編成計画を立てるに当たりましては、都道府県の衛生主管部長あるいはその上のクラスの方に意見を聞いたりあるいは情報を聞いたりはいたしたわけでございます。具体的に各市町村に意見を聞いたか、こういう点につきましては、聞いていないものもございます。ただ、再編成計画は全体計画をリストアップしたばかりでございますので、具体的に再編成計画の実施に当たりましては、これは当然、再編成の基本指針にもありますように、地元の市町村等の意見を十分に聞かなければ後医療の問題等が解決をしないわけでございますので、その点につきましては、計画の実施に当たっては十分に協議をして地元との話を詰めていく必要があるというふうに考えております。
#217
○柳澤錬造君 もう厚生省としては、あの統廃合のああいう一つの案がもうでき上がっているんですから、実施に当たってはじゃないんです、私が先ほどから申し上げていることも。そういう案をおつくりになるについて、各府県の県庁のお役人さんのあれを聞くのもそれは結構でしょう。しかし、実際にそれぞれの地域の病院を利用しているところのそれぞれの市町村の、せめて市町村長ぐらいの御意見を聞いて、その上でもってどういうふうな再編計画を――だから、それはたくさんのあの中には、先ほども言ったように余りこう利用されないで、お医者さんが何人おりますわ、看護婦さんは何人おりますわ、それはちゃんと定員どおりいるんだけれども、過疎地の小学校のように、実際にそこで利用される患者はそれほどいない。ですから、そうするとこういうところへ国立の病院なり療養所なりを置くことが果たして国家として税金のむだ遣いになるんじゃないか、これはやめなくちゃいかぬということは、やっぱりそれは私はあり得ると思うんです。
 だから、それを皆さん方が、さっき冒頭にも言ったように、机の上でもって案をつくっちゃって、実施に当たっては、ではないというんです
よ。そういう案をおつくりになるときに、せめてそういうところの御意見をお聞きになってやっていただきたかったんですが、その点はどうしてそういうことをおやりいただけなかったんですか。
#218
○政府委員(木戸脩君) 関係市町村の意見もできるだけ伺うようにはしたつもりでございます。再編成の計画の詰まってまいります段階で、各都道府県の担当の責任者には、関係市町村の方にも厚生省の意向を伝えて、御意見があれば伺うようにしたいということは申し上げたわけでございます。現実に、長野病院につきましても、昨年の五月二十三日、それから十二月十日、それからことしになりまして四月にもお見えになりまして、今、柳澤先生おっしゃったように、何とか地域に役立っているのだから存続の道はないかというような御意見は承ったわけでございます。
 ただ、私どもといたしましては、ありていに申しまして、国立病院・療養所は現在やはり歴史を持ち、患者さんもほとんどの病院が相当数の患者さんが入っておる状態でございまして、患者がほとんどいなくなったというようなところはまあ皆無に近い状態であるわけでございます。そのようなことは現状に踏まえましても、私どもはやはり今後、二十一世紀に向かって国立病院・療養所が国全体の、国民全体の御要望にこたえていくためには、先ほどから大臣が申し上げているように、やはり再編成というのは避けて通れないというふうに考えているわけでございます。私どもも十分地元の御意見も伺っておりますし、現に長野の地元の町長さんあるいは議長さんからもいろいろ御意見を伺ったところでございます。
#219
○柳澤錬造君 審議官、私が聞いているのは、厚生省として案をおつくりになるときに、地元のそういうそれぞれのところの――患者の人たちは、それはあった方がいいから置いてくださいと言うことなんかは私だってわかりますよ。せめて市町村長ぐらいに、今度は君のところはどうなんだというふうな格好の意見を聞いて、そういうものを吸い上げた上でもって、厚生省としてじゃ再編成どうするかといって御検討いただくのが大切なことではないか。
 決して私は、これは皆さん方だけじゃなくて私たちもそうなんですけれども、私も自分で党の組織局長をやっておりますから、党本部の中でよく言うんです。党本部というものは下部に向かって指令を出したり指示を出す、それが党本部の主たる任務ではないんだぞと。その自分の組織の下部がどういうふうにしたら運動がしやすいようになるか、そのサービスを提供するのが本部の仕事なんだよというのが、これが私の自論なわけです。政府の場合も同じであって、それは各官庁どこでも同じだけれども、何かそういう一つの方針を決めちゃ上から下へおろすだけのそういうのが官庁の私は仕事じゃないと思う。時代の変遷でもっていろいろ政策も変えなくちゃいかぬし、変わっていくと思うんです。
 それで、それに対応していくのについて、そしてその下部がどういうふうにして、言うならば国民にどうやってサービスを提供していったならば政府としての値打ちがあるか、価値があるかという、私はそういうものであって、上からただ下へ何かおろすだけが能ではなくて、それで実施に当たるときには十分皆さん方の御意見を聞きますよ、実施をするときには皆さん方の決めたことをおやりになる。じゃ、そのときに地元の市町村長、その関係の人たちが、いや困ります、ノーですと言ったら、皆さん方それはおやめになるんですか、そこどうですか。
#220
○政府委員(木戸脩君) 私どもといたしましては、後医療の問題について十分理解を得まして、再編成というのは実施をしてまいらなければならないというふうに考えております。
#221
○国務大臣(今井勇君) それ、大事な話ですからちょっと。
 この問題は、私も何遍も衆議院、参議院でお話し申し上げましたように、私どものこの案というものをお示しいたしましたが、これについては先生がおっしゃいますようにいろいろ御意見があろうと思います。だからこれは、しかも十カ年計画ということで案をお示ししているわけです。案がなければいろいろ――先生おっしゃいますように案をつくる前にというお話もございましたが、今度の段階に至りまして、私も来ましてから、やっぱりそういうことであるならばまず早くお示ししなさい、それについてやっぱり御意見を聞こうじゃないか、その御意見はよく聞こうと、しかしきょう朝示して晩にやるようなことはやっちゃいけないよ。したがって、何遍でも御説明し御意見を承ることにして、絶えず往復をしながら進めていかなきゃいけないよと。あくまでこの実施は地元の方々が納得されなければできない問題だし、そういう慎重な態度でやろうということを実は私もはっきり申し上げておりますし、国会でも御答弁をしているわけでございますから、ひとつ今後ともお話し合いをさせていただいて、どうすればこれができるのかということについてのまたいろいろサゼスチョンもいただきたい、こう思います。
#222
○柳澤錬造君 十分地元と話をして、地元が納得しなきゃやらないんだというそういうことで理解をして、それでそういうお話を十分していただきたいと思います。
 それ以上そこのところを続けていても仕方がないんで、これは先ほど大臣ですか、触れられたけれども、その国立病院の統廃合もいいけれども、もっと大事なことがいろいろある。その中で皆さんにやっていただきたいのが、さっきも出た寝たきり老人、私は昭和五十六年のところの数字で調べたのが三十二万四千人いるという数字なんで、今ならばもう少しふえていると思うんですよ。だから、新しいところの数字がどのぐらいかわかったらお教えいただきたいことと、この人たちの対策こそ私はもう緊急を要することだと思うんです。だから、その辺のところの方にこそ私は厚生省として緊急課題として取り組んでいただきたいと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
#223
○政府委員(小島弘仲君) 寝たきり老人、五十九年の調査でございますが、総数で四十八万、大体六十五歳以上の人口に対比いたしまして四%ちょっと切れるくらいの数字になっております。この内訳、どういうところで寝たきりの状態で御生活なさっているか。病院に入っていらっしゃる方が約十万、それから特別養護老人ホームで御生活なさっていらっしゃる方が約十一万、それからその残り二十七万が在宅というような形になっております。
 したがいまして、まだ特別養護老人ホームの入所対象者の方がいらっしゃいますので、社会福祉施設の整備計画の中では特別養護老人ホームの整備を最重点に取り上げております。六十年度も百四十四カ所の整備をいたして、現在で施設数の総数は千六百四十九カ所というふうな形になっております。まだまだこれは設置の御要望も強い、また対象者もあるというようなことで、地方の条件が整ったところから逐次整備を進めております。
 ただ、これは全般調査ではございませんが、在宅の老人の方々、これは大都会と、それから県庁所在地三十万都市ぐらいのところと、それから農村部と三カ所抽出調査をしてみました。そのときに、寝たきり老人御本人の方で施設に入りたいという御希望のある方が約一割ございます、地域に多少の差はありますが。ただ家族の方々が、施設に入ってほしいという家族の御希望は二割五分、二五%ぐらい。やはり本人はできるだけ家庭にいたい、家族もできるだけ面倒を見たいとおっしゃっておる気持ちはわかるんですが、本人よりも上回る数で入所を希望なさっている、やはりこれは介護は大変だなと。
 したがいまして、今後の施策、収容施設の整備も重点として進めなければなりませんが、このような御老人の方々の希望をできるだけかなえていくような施策ということになりますと、在宅でできるだけ過ごしていただけるような家族の介護の新システムというものを、在宅対策の充実ということを最重点に取り上げていかなくちゃならぬだろうと考えまして、デイサービスセンターとか、
これはいわゆるリハビリをいたしましたり入浴のお世話をしたり、いろいろな御相談に乗るような総合センターでございますが、あるいはショートステイ、家族の方々が御旅行になったりやむを得ない場合に短期間お預けになるような、あるいはホームヘルパーというような制度の拡充に努めてまいりたい。
 特に、デイサービスとそれからショートステイにつきましては、従来の三分の一補助を二分の一補助に格上げしまして整備を図っていきたい、こんなふうに考えております。
#224
○柳澤錬造君 その施設が大分進んでいる点はありがたいことだと思いますし、それから今の在宅の二十七万のうちのやっぱり私が心配するのはひとり暮らし。それで、ときどき新聞を皆さん方もごらんになるからおわかりだと思うけれども、隣のうちがさっぱりおかしいと言って、お巡りさんが来て、あけてもらって、中へ入って、そしたらもう死んでいた。そして、医者が来て検視したらもう一週間前だとか、やあ十日前だとかというね。私は理由がどうあろうが、事情がどうあろうが、人間が最後に死ぬときにだれにもみとってもらえないで、いわゆる死に水を取ってもらえないで死んでいくという、これほど私は切ないことはないと思う。しかも、一週間も十日もそのままほったらかされている。
 私は、自分が労働運動をやってきた方ですから、そのころもよく言ったんですけれども、どんなに日本の国が経済力を持った経済大国になろうが、ひとりでもって死に水も取ってもらえないで死んでいくような人が存在するような社会というものは、決して私は経済大国なんて言えるものではないんだと。
 ですから、そういう点でもって、家族との関係も難しいけれども、まだ家族と一緒にいるところは御家族がいらっしゃるんだから、もしもというときには病院に入院させるとかいろいろと方法もあるだろうが、ひとり暮らしをしている人たちのことをどういうことにしていくかということは、これはぜひお考えをいただきたいと思いますし、そういう点でもってこれだけの先進国になったんですから、そういう言うならば人間性のある国といいましょうか、そういう国家にしなくてはいけないと思うし、この点では私は大臣から御見解をお聞きしておきたいと思うんです。
#225
○国務大臣(今井勇君) 先ほど実は、今の先生のお話を私は勘違いをいたしまして、前取りしたような形でとんちんかんな御返答をしたわけですが、まさにおっしゃいますようにこのひとり暮らしの問題というのは私の選挙区にも多いんです。そういった方々がだんだんふえてまいりますので、やっぱりだれも知らないで死に水も取ってもらえないで、死後一週間もたったというような、そういった痛ましい事態を生じておりますことはまことに遺憾なことだと思います。現に私も、私の選挙区でもそういうことを耳にすることがあるわけです。それを防ぐにはどうすればいいかというと、行政上の措置としては、先ほどちょっと申し上げましたように、やっぱり緊急に連絡をするそういう手段をつくっておくこと、それからホームヘルパーの事業の充実を図ることというふうなことが極めて大事だと思っておるわけです。
 しかし、そういった事態の抜本的な解決を図って、ひとり暮らしの老人の方々にもやっぱり生きがいのある、ぬくもりのある生活を送っていただけるようにするためには、やっぱり住民の積極的な参加とお互いに助け合うという連帯を基盤といたします地域社会というものを再構築することが私はどうしても不可欠だと思っております。そういうことで私どもは、できるだけのそういう活動を支援し助長するために、例えば先ほど申し上げましたように地域活動に必要な施策を整備するとか、あるいはまたボランティア活動のいろいろやっていただきますための活動に対しまして、いろいろ助成し促進するという施策を今後とも続けてまいりたい、このように思っておるところでございます。
#226
○柳澤錬造君 ありがとうございました。
 それで、これは大臣ね、誤解なさらないで聞いていただきたいんですけれども、私なんかは、まあさっき定年の話しましたけれども、言うならばなるべく早く働くのをやめてそれで年金生活をするような方向で進んでいるわけだけれども、果たしてそういうふうな社会に持っていくことがいいかどうかということ。それで、私なんか党の中でもあれですから、そういう点でむしろ年金をもらって年金生活で左うちわまでいかないけれども暮らせるというようなそういうことにするよりかも、できるだけ働ける仕事をつくって、そして無理をしちゃいかぬけれども、働ける間は働けるようにしてあげることの方がその人のためには幸せなことになるんじゃないんでしょうかと思うんですよ。
 ですから、厚生省というところは何だかんだ言っても人間様を対象にしたところなんで、そういう意味でもって非常に大事な官庁だと思いますから、そういう点で私は、民主主義というのは何だかんだ言っても人間が大切にされる社会ですというのが私の考え方なんです。だから、いかにして人間が幸せに暮らしていけるか、健康でもって生活ができるかという、そういうことをしなくちゃいけないんだと思いますので、今の大臣のお話の中にも、そういうふうな意味で厚生省がやろうとしていることのお話が若干お聞きになれましたので、そういう厚生省がこれから二十一世紀に向かって何をしようとしているんだというふうなことで、何かお聞かせいただけることがあれば聞かせていただきたいと思うんですが、いかがですか。
#227
○国務大臣(今井勇君) 私はこの問題は、やはりお年寄りが健やかにまず老いるという言葉がありますが、健康で老いていくことが極めて大事だと思うわけです。そのために我々がやらなきゃいかぬことは、やはりそれに対します健康を維持するためのいろいろな手段あるいは病気になったときにそれをすぐ治せるような手段、方法というものをまずやらなきゃいかぬと思います。そのために私どもは健康保険法をいろいろいじったりなんかしているわけです。
 同時に、やはり老後の保障というものについての安心したことをやっていただくためには年金、そういったもののやっぱり突っかい棒がなければどうにもなりません。そういう意味では、年金の一元比等を含めまして、日本の皆さん方がやっぱり安心して老後を支えるようなことのできるように、何とかして年金の充実を図ってまいりたい、そんなことを私大きな柱の二つに考えているものでございます。
#228
○柳澤錬造君 これはむしろ要望的に申し上げておいて、それで質問になにしておったんですけれども、若干内容が難しい――難しいというよりかも、うかつに取り上げられない性格を持っておりますのでやめておいたんですが、きょう午前聞いておりまして、精神病というか精神衛生という、この辺はお答えいただかなくてよろしいですからぜひお考えになって、どういう対策をとったらよろしいか。アメリカの大統領だって、これは大臣は御存じだと思うけれども、定期健診を受けているわけでしょう。あの大統領が頭おかしくなったら大変なことになるんだから。
 だから、そういうふうに、かなり十年も前に大体十人に一人は精神的におかしいということが言われたんですから、今恐らく八人に一人ぐらいになってきているんです。ですから、そういう点で今日のようなこういうふうに社会が急ピッチで進めば進むほど、そういういわゆるストレスというふうな言葉でも言われているんだけれども、いろいろの病気と言える病気になるかならぬかは難しい問題があるんだけれども、そういう精神衛生の面なんかでどういうことをやっていくかということなんか、これは大変難しい課題になると思うんです。
 ですから、そういう点で先ほどのときも人権の問題に絡んでいろいろ御議論なされているのをじっと聞いておりましたんですが、非常に社会がこういう急テンポで進めば、そういう病気というものは必ず進むものなんですから、そういうことに
ついていろいろお知恵をお働かさせていただいて、そして言うならば、ああこういうやり方やった、そのことによってそういう病人がふえずに済んだということになれるように御努力を賜りたいということ、これはもう御要望だけ申し上げて、これで委員長、終わります。
#229
○内藤功君 本法案によりますと、本年十月一日より国立武蔵療養所及び同神経センター、これは東京都小平市にあります。それと国立精神衛生研究所、千葉県市川市国府台にあります。これを統合することになっているんですが、統合して果たしてうまくいくか、こういう懸念が起きておるのを私聞いております。これは私のような医学についての素人が言うのではなくて、精神医学の専門家である医師あるいは研究者のプロの方の意見として私は承っておるのであります。
 それは、現在の武蔵療養所神経センターにおいての研究の手法、それから研究の対象というものは、脳神経系の生理学的分野、いわゆる人間の体のメカニックといいますか、メカの部門に重点を置いた研究対象あるいは研究手法であると。一方、国立精神衛生研究所の方は、これと対比しますと、職場や家庭の人間関係の影響など、こういう社会学的な側面の研究ということに重点を置いておる。それぞれ独立した特徴を持っておる。そういうふうな研究対象あるいは研究方法において非常に違う。そして、今まで戦後一つの伝統といいますか、そういうものをそれぞれつくってきたのだと思うんです。
 本来、この二つの機関は、それぞれ別個に機能強化を図って二つのセンターとして存在し、共存し、場合によっては競争するということが適切ではないかと考えるわけなんです。また、安易に組織統合をしたところで果たしてうまくいくかどうか。うまくいくかどうかというのは、一つは研究者の研究スタイルというものが従前のものが維持されて守られていくのかどうかという点が一つ。もう一つは、運営管理上これが適切にいくかどうか、この二点であると思うんです。
 そこで、私がお伺いしたい点は、今私の指摘した諸点、諸問題について、厚生大臣としてはどういうふうな御認識をされておるか。また、配慮はどういうふうにしていくつもりか。それから、私が今紹介をした職員や研究者の方々の心配というものをどういうふうに認識してどういうふうにこれを解決する対策をお考えであるか。こういう点についてまずお伺いをしたいと思うんです。
#230
○政府委員(仲村英一君) 精神疾患につきましては、例えば精神分裂症でございますとか躁うつ病等、いわゆる精神症状を有する疾患を言うわけでございますし、神経疾患等につきましては、例えば筋ジストロフィーでございますとか脳性麻癖とか神経、筋の異常に起因する疾患のグループでございます。ただし、病気の根源そのものは、午前中もちょっと申し上げたつもりでございますけれども、精神現象というのは脳の高次の機能ではございますけれども、しょせんはやはり神経の活動によって起きる状況であるわけでございますが、そういう点で私どもなりには全く違うものとは考えにくいのではないか。
 しかしながら、今、先生もおっしゃいましたように、研究のアプローチにつきましては従前、精神疾患につきましては、どちらかと言えばいわゆる心理学的な手法でございますとか、あるいは社会学的な家族のバックグラウンドとか、あるいはその他のいろいろな状況を発病メカニズムとかけ合わせてと申しますか、兼ね合わせて臨床研究をしてきたという一つの流れがございます。それから神経疾患につきましては、文字どおり神経の細かい病理学的な変化でございますとか、それの実験病理的な、あるいはもっと細かく言えば遺伝子レベル的なDNAレベルの実験等、最近は特に進んできておりまして、確かに従来の精神疾患関係の研究アプローチとは違うアプローチをとっていたということは私どもも十分承知をしているつもりでございます。
 それからこの精神・神経センター、仮称でございますけれども、これに統合するに際しまして御両者と申しますか、両方から今先生が御指摘のような御意見があったことも十分承知をしております。ただし、私どもといたしましては、その中でもやはりオーバーラップする部分もあり得る。したがいまして、やはりこの研究所の運営は相互補完的にうまく運営していく方が私どもとしては国のためにもなるのではないか。当然のことながら、ただいまも直前に柳澤先生のお話もございましたように、社会とともに私どもが習いました精神分裂症と、今新しく発生しております精神分裂症の病型というものもだんだんやっぱり変わっておるというふうに聞いております。これはやはり社会が病気に影響を与えるという面もあるわけでございますので、そういう点を含めた研究もしなくてはいけません。
 したがいまして、私どもといたしましては、ただいま御指摘のあったような神経学者の御意見あるいは精神関係の御意見も十分承知の上でナショナルセンター化をいたしまして、以上のような背景を踏まえた上で運営に遺憾なきを期したいと考えているわけでございます。そのために私どもといたしましては、武蔵療養所とそれから六十二年度以降国府台病院につきましては、そのような方向に沿った機能を強化しながらナショナルセンターとして精神・神経の日本のトップレベルの研究所と申しますか、ナショナルセンターにしていきたい、このようなことで考えておるわけでございます。
 先生からただいま御指摘のあった問題点は十分認識をしているつもりでございますし、今後この施設をどのように運営していくかということで委員会も設けておりますので、そういうところでさらに具体的なことを詰めながら、そういう問題が起きないような方向でナショナルセンター化を図ってまいりたいと考えております。
#231
○内藤功君 そうすると、小平の武蔵療養所の方にはそれなりの研究手法がある、それから国府台の方にもそれぞれの研究手法がある、それぞれの研究手法あるいはそういう科学的な研究の伝統というものはそれぞれ尊重するということはお認めになるわけですか。
#232
○政府委員(仲村英一君) 先ほども申し上げましたが、研究アプローチとしてそのような形で多少違うアプローチもあり得ますけれども、社会を離れて病人というのはあり得ないわけでございますので、そのようなバックグラウンドも、両方のいいところを取り合って研究が進むような方向も考えなくちゃいけませんし、何が何でも片っ方の方の手法をやらなくてはいけないという、そういうことではかえって学問の進歩を妨げるということでございますので、それぞれの研究所あるいは研究部の自主性というものも当然尊重しながら、日本全体で精神・神経の研究がさらに進むような運営を図るように私どもといたしましても支援してまいりたいと考えております。
#233
○内藤功君 次に、国立病院・療養所の再編成の第一段階として本法案が出されたということに関連して聞きたいのでありますが、この武蔵療養所及び同神経センターと精神衛生研究所、これを統合することによって国立精神・神経センターの発足を予定しておるわけでありますが、厚生省組織規程というものを拝見いたしますと、現在組織の中枢である事務部門はそれぞれの組織ごとに別個にあるわけですが、統合されるとこの事務部門はどのようになるのか。私は、当然それぞれに設置されている事務部門は施設が機能する限り重要な部署であると思うんですが、統合されるどちらか一方、具体的には小平市か市川市国府台か、そのどちらか一方の施設に他方が移動する、物理的に地理的に移動する、こういうような計画になるのでしょうか、こういう点が一点。
 関連して。あるいは従来どおりそれぞれの既存の施設に付随をして現状の体制を維持してやっていくというのか、この点をちょっとお伺いしたいと思うんです。
#234
○政府委員(木戸脩君) 統合後の事務部門の組織でございますが、運営部は小平、現在の武蔵療養所に置くことにして、運営部には庶務課、会計
課、医事課を置くことにしております。それから市川市の精神保健研究所、これは仮称でございますが、こちらには庶務課を置きまして日常の庶務的な事務処理の運営に支障がないように配慮をしていくつもりでございます。精神保健研究所にはそういうことで庶務課を設置いたしますので、運営部と密機な連携をとりますれば研究業務に支障があるということは考えられませんので、運営部の方は小平の方に置くと。市川の精神保健研究所には庶務課を置きましてお互いの庶務課同士が連絡して運営部がそれを統括するということでやってまいりたい、こういうふうに考えておるわけであります。
#235
○内藤功君 この統合に伴って人員の削減を強行するというようなことは、私は万が一にもとるべきではないしあってはならない、こういうふうに思っているんです。ただ、今の国の状況の中で、具体的に言えば大蔵省とか総務庁とか、何でも機関を一緒にすればそこで人が浮くから必ずそこで人を減らせると。ほかの機関と違うんですからね。人間の健康を預かっているところですから、私はあってはならぬと、こういう考えを持っています。この点についての大臣の御見解、厚生省の基本的な姿勢をお伺いしたいと思います。
#236
○政府委員(木戸脩君) 大臣からお答えする前に御説明を申し上げます。
 全体としては定員はふやしてございます。ただ、合理化できるところはやはり合理化をして、そして研究部門に人を回すということでございますので、合理化による減というのも事務部門にはあるわけです。トータルとしては定員は減っておりません。
#237
○国務大臣(今井勇君) 私は、こういうものの統廃合というのは人間減らしじゃないと思っているんです。やはり国としてやるべきことがある。それをなるべくすっきりした形でやりたいと思っておりますので、今審議官が答弁いたしましたようなことでございまして、その目的として人間減らしをするからこういうものをやるんだというふうには私は考えておりません。
#238
○内藤功君 今の大臣の基本的なお考え方は承りました。断じてこういうことで、言葉は悪いんですが、いわゆる人の生首を飛ばすというようなことはあってはならぬということを申し上げておきたい。
 次に、国立病院・療養所の再編成とも密接な関係がある問題ですが、法律の附則の児童福祉法の一部改正と関連して御質問いたします。
 まず厚生省に伺いますが、本年一月九日、全国二百五十三カ所の国立病院・療養所の三割に当たります七十四カ所の施設を切り捨てる統廃合、移譲の全体計画というものを発表しております。これによりますと、全体計画の一部として第一次分の統廃合の着手にかかれるように、昭和六十一年度分の予算として全国で八ケース、対象施設数として十八カ所のプランを挙げておるようであります。
 そこで伺いますが、この中の一つに四国の国立高知病院、それから国立療養所東高知病院が統合をされるということが出ております。私の方でいろいろ調べたところによりますと、この東高知病院というのは重症心身障害児の方のいる療養所で、敷地は約八万坪と大変広い。この中には池も含まれておりまして、非常に自然に恵まれて環境がよみしい。こういう子供たち、こういう方々のためには大変よい環境である。養護学校も併設をされておるということであります。これが一つ。一方、高知病院の方はこれより狭くて、敷地が約一万坪で総合病院である。ただし、歯科は休診中だそうであります。
 そこで、今地元では、この統合につきまして専ら――療養所東高知病院八万坪の方、これが高知病院一万坪のより小さい方に移設する、大きい方から小さい方へ移る、こういうことを私聞いておるわけなんですよ。一万坪のところに八万坪でゆったりして自然環境もよろしい方が移ってくる。どう見てもこの結果として二つのことが起きる。
 一つは、高知病院、つまり彩られる方、一万坪の方の小さい方の病院施設の増改築が必要になってくる。その結果三階以上の高層の建物にならざるを得ないんじゃないか。これが一つ考えられますね。こういう場合に、重症心身障害児や筋ジストロフィーの患者さんたちの施設は、普通私の知るところ低層であります。ほとんど平家あるいはせいぜい二階建てというふうに思うわけです。これは防災対策上も、早く避難ができるという点から出ていると思います。もともと重症の患者さんですから火災、地震等の場合、職員の皆さんの誘導にも時間がかかりますし、低層よりも危険度が高いのはだれが見ても明らかだと思うんです。
 そこでお伺いしたいわけですが、この高知病院と東高知病院の統合は、今私の言ったようなことになるのか、あるいはそうではないのか、ここのところをはっきりひとつ厚生省のつかんでおられる御認識、情報をこの場でお承りしたいことが一つ。
 もう一つは、仮にそういう計画があった場合に、地元自治体や病院の管理者、それから労働組合の職員団体の方、それから患者さんたち地元の方々にこういうことで説明し御協力を求めるというふうな当然の公の活動をしておられるのかどうか。こういう点について御説明を願いたいと思います。
#239
○政府委員(木戸脩君) 高知病院と東高知病院の統合問題でございますが、統合後の施設の機能といたしましては、重心の方あるいは長期慢性の方等の医療とともに、統合後の施設は腎不全の先端的医療でございますとかあるいはいわゆる高度の救急機能の一部を持ってほしいという、実は県のいわば統合を受け入れるための一つの条件として県議会なり県から要望がされているわけでございますので、新しい施設は現在の国立高知病院あるいはその周辺というものを考えているわけでございます。
 ただし今、委員御指摘のように、重心の患者さんについてはやはり特別な配慮が必要だという点につきましては、地元の議会あるいは知事あるいは患者さんの団体等からも当然そういうような要望がございますので、私どもといたしましては、現在の高知病院の敷地では狭いんではないか。拡張をするなりあるいは多少敷地を移るなり、そういったようなことが必要になるんではないか。そういうふうにいたしまして、いずれにいたしましても特別な状態にある重症心身障害児等の患者さんでございますので、療育上皮陣がないように、建物についても療育上不都合が生ずることのないように十分配慮するということで、今いろいろ具体的に地元の高知県あるいは高知市と御相談をしているところでございます。
 もとより両院長には十分この話もいたしまして、特に現在の東高知病院の院長には、重心の患者のための療育の施設長としての御意見は十分我我にも伝えるように、こういうことでいろいろ厚生省にも来てもらって協議をしているところでございます。
 職員につきましては、今後話を進めていくに従いまして、当然労働条件ということになりますから、それはこれからいろいろ協議をしていく、こういうことになろうかと思います。
#240
○内藤功君 重度心身障害児の子供たち、筋ジストロフィーの患者の方々にとって非常にすぐれた環境と広さというものがある東高知病院ですね。これは患者のためでもあり、家族のためでもあり、またそこで働いている職員の方々のやはり大きな願いでもあります。私はそういう意味でこの移転については非常に大きな疑問を持つわけであります。
 先ほどから国の責任ということについていろいろ同僚議員からも御質問ありましたが、言うまでもなく、国は公衆衛生の分野について向上、増進を図ることを任務とする、憲法第二十五条第二項ですね。厚生省設置法第四条、厚生省は、社会福祉、社会保障、公衆衛生の向上、増進を図ることを任務とする役所なんですよ。これは大事ですよ。このいい環境をほかへ移してここをなくしてしまうということは、私はこういう法の精神から
いっても大きな問題だと思うんですね。
 じゃ、こういう高知の地元自治体や病院の管理者、職員団体等からこれは反対であると、こういうはっきりした意向が出たらどうなさいますか。
#241
○政府委員(木戸脩君) 地元の高知県議会からは、いわば統合を受ける条件といたしまして、新しい統合後の施設が国立らしい高度医療、専門医療をやるとともに、重心の患者の療育に支障のないように十分なスペースをとるようにというような文書による意見の提出が来ておりますので、私どもはそれに従って今いろいろ地元と協議をしているところでございます。
 患者団体にも、そのような事情はこれから逐次お話をしていく。当然職員にも、労働条件とも絡む問題でございますから話をしていく、こういうことでございまして、地元高知県としては、統合についていわば条件として、今私が申し上げたような統合した後の十分なスペースの確保等について意見が言われているわけでございます。
#242
○内藤功君 自然環境というのは医療にとって非常に重要だと思いますので、地元自治体、患者団体等の意に反した強行をしないように重ねて私、大臣に強く要望しておきたいと思います。
 次に、文部省にお伺いしたいんですが、日本国憲法第二十六条には、すべて国民は、法律の定めるところにより、教育を受ける権利、教育の義務ということについて規定をしております。申すまでもないことであります。また、教育基本法におきましても、教育の機会均等、義務教育についても規定されております。当然のことながら、重症心身障害児の方、肢体不自由児の方たちも国民の一員として教育を受ける権利を持つことはもう明らかであります。
 しかし、現在養護学校のあります国立療養所と病院の統合が行われますと、養護学校も連動して移動せざるを得なくなる。厚生省のさっきの全体計画を拝見いたしますと、療養所と療養所を統合して病院にする場合、養護学校が両方に併設されであるときは一カ所にまとめるのかどうか、こういう問題を一つ伺いたいと思うんですね。
 これは例えば、厚生省がお出しになっている資料から私一つ例を言うと、北海道の例ですが、札幌、西札幌、小樽、このそれぞれの療養所を統合して、三つの療養所を統合して二カ所に今度は再編成する、こういう案が一つあるようでありますが、そういう場合、養護学校はどういうふうにお考えになるのかという点が一つ。
 それから、関連して、入所しておられる方、入院しておられる方の、私がさっき憲法を読み上げました教育を受ける権利と深いかかわりが出てまいりますけれども、この点については具体的にどのような御認識であり、またどういうふうにその点は検討されているのか。
 それからまた、もう一つ関連をして、その場合に生徒や職員の定員や処遇は一体どういうふうにお考えになっているのか。これは文部省に対して、こういう点の具体的な明確なお答えをこの場でいただきたいと思います。
#243
○説明員(山田勝兵君) 現在、厚生省において進められております国立病院、それから療養所の再編成計画の対象となっております施設は百二十三あるというふうに伺っております。その中で四十四の施設には、各都道府県におきまして、病院に隣接して養護学校を設けたり、または養護学校から先生を派遣するなどして、ここに入院中の子供たちに対する教育の場の確保に努めているということでございます。
 それで、この国立病院・療養所の統合あるいは移譲等によります具体的なこの施設の整備それから病院の移転等については、現在厚生省におきまして慎重に検討されているというふうに聞いております。
 各病院等におきまして入院して養護学校の教育を受けている子供たちは、ぜんそくとか腎疾患とか進行性筋ジストロフィー症などのため長期にわたり医療が必要な者であるというふうに考えておりますので、国立病院・療養所側において関係教育委員会や学校と十分話し合い、また厚生省におきましても、病院等に入院中の児童生徒の教育に支障のないよう十分配慮していただきたいものと考えております。
 具体的なことは検討中でございますということでございますので、個々の事例についてここで述べることは差し控えたいと思いますが、教育委員会、地元におきまして十分話し合っていただきたいと、かように考えております。
#244
○内藤功君 一番具体的な問題は、さっき私が指摘した子供たちの教育を受ける権利との関係なんですね。
 重ねて開きますが、私は養護学校に通っている方々、いろいろ具体的に知っておりましてあれこれと頭に思い浮かんでくるんですけれども、本来体にそういう欠陥があり弱い方ですから、長時間を要する道のりと交通機関を要する通学、通院はなかなか大変ですね。非常に困難だと言わなければなりません。養護学校に通わせるために親御さんがその近くに引っ越したり、それから中には職場を変えたり職業を変えたりする人もかなりいらっしゃるわけですね。一カ所にこれがもしまとめられてしまうようなことが起きますと、これは通学するにも大変時間がかかり過ぎる。中にはもう子供さんを通わせることもできない、こういう場合も出てくるわけなんです。これではもう教育を受ける権利、これは国民の中で少数か少数でないかなんということは問題なく、一人一人が大事な権利あるわけですが、行使できなくなるんじゃないかと、こういうことが心配されるわけなんであります。
 重ねて文部省にお伺いしたいんですが、養護教育を預かる文部省としてはどういうふうに対処するのか。今まで、この問題で厚生省にいろいろ期待をする御発言もあったけれども、厚生省と具体的な綿密な打ち合わせをしておられるのか。この点を重ねてお伺いしたいと思います。
 というのは、去る四月に参議院の補助金特別委員会におきまして、我が党の吉川委員の質疑に対しまして、海部大臣から児童には迷惑をかけるようなことがないようにしたいという強い、明快な答弁がありましたが、この線でひとつ私どもやってもらいたいと思うので、この教育を受ける権利というのは大事なものですから、重ねてその点をまず文部省に伺っておきたいんです。
#245
○説明員(山田勝兵君) 五十四年に養護学校教育の義務化を行いまして、教育の機会の拡大にはいろいろ施策を講じてきたところでございます。六十年の五月一日現在で、学齢児童生徒数というのは千七百万ほどいますが、いわゆる就学義務猶予・免除を受けている者は千人ぐらい、その中には病気ということだけでない理由もございますが、それは心身障害児ということで、言うならば千人を割っているような状態でございまして、ほとんどの子供たちに教育の機会を提供しているわけでございます。
 それで、そういう養護学校の整備を進めますときに、やはり国立病院とかそれから療養所に入院している子供がいるわけでありまして、そこにもやはり教育の手を差し伸べていきたいということで、病院の隣に学校を併設したり、あるいは病院内に学級をつくったり、そういうことをやってきたわけでございます。したがいまして、いろいろ国立病院・療養所、目的を持って再編計画を進めていることと思いますが、やはり子供たちの教育に支障が生じないように、その辺は十分配慮をしていただきたいと思っておるわけでございます。病院に入院している子供たちが大部分でございますが、その子供たちの教育についても文部省も見守ってまいりたい、かように考えております。
#246
○国務大臣(今井勇君) 先日も、私もちょうど同じ席におりまして、文部大臣の御答弁も拝聴をしておりましたし、そのときも文部大臣から私にもお話がございました。この養護学校の問題につきましては、児童生徒の教育に支障のないようにひとつ十分な配慮をしてまいりたい、こう思っております。
#247
○内藤功君 次に、私は、今回経営移譲の対象となっておる病院、療養所の問題についてお尋ねを
したいと思います。
 経営移譲の候補となる病院、療養所は全部で三十四カ所あると承知をしておりますが、その多くは医療に恵まれない地域にあります。例えば、山間僻地あるいは離島などにある佐渡療養所、それから対馬病院、壱岐療養所あるいは明石病院岩屋分院などはその典型的なものだと承知をいたします。これらの国立医療機関の果たす社会的な役割は、非常に大きいものがあると思うのであります。
 私は、厚生省の保健医療局の高木管理課長おられますか。高木さんのお書きになった、法律雑誌のジュリストの八百五十八号、四月十五日号の論文、「国立病院・療養所の再編成について」、これを読ましていただきました。これ読みましたが、この中で、「これまでに国立病院・療養所の果たしてきた役割は極めて大きなものがある。終戦直後の荒廃した社会の中で、地域医療を確保し、とりわけ国民病といわれた結核の撲滅等に残した足跡は大きい。また、昭和三十年代に入ってからは、がん、循環器病、重症心身障害児医療等への取組みには注目すべきものがあり、医療専門職の養成の面でも、看護婦、理学療法士、作業療法士等その不足が深刻な悩みであったが、多大の貢献を果たしてきた。」というふうに冒頭の部分で書いております。
 私は、この論文の内容すべてを肯定するものではありませんが、この部分についての認識は私も一致するところであります。もともとこのような山間僻地、離島などというところは、民間で開院、開業しても、人口が少なく、なかなか採算がとれないんです。だから医療過疎になっていると思うんですが、地元自治体や民間で今の国立を引き取って経営が成り立つんでしょうかね。私は絶対黒字にならないと思います。民間では黒字にならないということは、これは倒産であります。倒産すれば、その後その地域住民は医療が受けられなくなっちゃうわけですよ。そういう結果になるわけですよ。これでは、国が地域住民の健康と生命を見殺しにするような結果になりませんか。規模が小さい地方自治体では財政面で病院経営なんかはできませんよ。さっき、それが期待されると言っておられたけれども、私は期待できないと思います。
 だからこそ、多くの県知事、それから市町村長初め地方議会の反対決議が相次いております。全国三千三百二十五自治体の約九〇%に当たる二千九百三十五自治体(三月末現在)、これは「行政総務週報」という雑誌にはそういう数字が出ております、これが決議をしておる。大臣は政治家でいらっしゃって、御出身は愛媛県と私は承知しておりますが、そうですね。大臣の地元の愛媛県からもたくさんの陳情が来ておりますよ、私のところにもたしかあります。こういう多くの地方自治体議会の決議の受けとめを、政治家としての大臣は、これはもう率直に受けとめられているのは当然だと私は思います。これはどういうふうにお考えになりますか。この点をちょっと伺っておきたいと思います。
#248
○国務大臣(今井勇君) 私の選挙区にも離島、僻地がありますが、そういう場合の医療の確保というのは、私どもでは宇和島の市立病院というものが中核になりまして、それから医師を派遣する形で実はやっているわけです。私はこういうように、一般的に申しまして、離島、僻地におきます医療の問題というのは、私のところと同じように、従来から地方公共団体あるいは日赤、厚生連といった公的な医療機関などが中心となって医療を確保してまいってきたわけでございまして、国がどちらかといいますと僻地の診療所だとか僻地中核病院の整備ということを進めてまいったということでございまして、今後ともやっぱりそういう考え方でまいりたいと思っておるわけでございます。
#249
○内藤功君 国の責任というのは、やはり現在ある医療給付、医療を国民に対して供給する、もって公衆衛生の向上、増進に努める、向上、増進を図る、これはやはり憲法と厚生省設置法第四条、これに定めた責務を少しでも減退したり後退しちゃならぬということだと私は思うんですね。その点で厚生大臣としての今の御答弁、私はそういうお考えにおいてやや不満のところがあります。きょうの私の質問の中に入っている具体的な面において、どういうふうに厚生省がこれからおやりになるかということを私どもは厳しくやはり監視をしていかなきゃならぬと思っております。
 時間が来ましたので、まだありますが、次回の質問にこれは譲りたいと思います。
#250
○委員長(亀長友義君) 本案に対する本月の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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