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1985/05/09 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 本会議 第15号
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1985/05/09 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 本会議 第15号

#1
第104回国会 本会議 第15号
昭和六十一年五月九日(金曜日)
   午前十時二分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十五号
  昭和六十一年五月九日
   午前十時開議
 第一 民間事業者の能力の活用による特定施設
  の整備の促進に関する臨時措置法案(内閣提
  出、衆議院送付)
 第二 港湾整備緊急措置法の一部を改正する法
  律案(内閣提出、衆議院送付)
 第三 新住宅市街地開発法の一部を改正する法
  律案(内閣提出、衆議院送付)
 第四 外国人漁業の規制に関する法律の一部を
  改正する法律案(農林水産委員長提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、ソ連邦チェルノブイル原子力発電所の事故
  に関する決議案(馬場富君外六名発議)(委
  員会審査省略要求事件)
 一、昭和六十一年度の財政運営に必要な財源の
  確保を図るための特別措置に関する法律案
  (趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(木村睦男君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 馬場富君外六名発議に係るソ連邦チェルノブイル原子力発電所の事故に関する決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(木村睦男君) 御異議ないと認めます。
 よって、本案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。馬場富君。
    ―――――――――――――
   〔馬場富君登壇、拍手〕
#5
○馬場富君 ただいま議題となりました自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合各会派共同提案に係るソ連邦チェルノブイル原子力発電所の事故に関する決議案につきまして、発議者を代表して提案の趣旨を御説明いたします。
 まず、案文を朗読いたします。
    ソ連邦チェルノブイル原子力発電所の事故に関する決議案
  去る四月下旬、ソ連邦チェルノブイル原子力発電所で発生した事故は、我が国を含め、世界各国に強い衝撃を与えている。
  よって、政府は速やかに関係諸国と協力しつつ、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一、事故の状況、原因等に関する情報の速やかな公開及び提供をソ連邦に求めること。
 二、国際原子力機関を中心とし、事故の原因究明、情報分析等に努めるとともに、本件のような事故が発生した場合の国際的対応のあり方について討議し、早期実現を図ること。
 三、国内の原子力発電所における安全の確保と安全規制に事故の教訓を十分反映させること。また、環境放射能調査体制を充実強化するなど放射能対策に万全を期すること。
  右決議する。
 以上であります。
 今回の事故は、国境を越えて広範囲に放射能汚染をもたらすなど、史上最悪の事態となり、世界じゅうの人々に不安を与えております。すなわち、事故で大気中に放出された放射性物質は、周辺の欧州諸国は言うに及ばず、去る三日には、八千キロメートル離れた我が国でも放射性物質が検出され、その地域は日ごとに広がりつつあり、我々に事故の深刻さを印象づけております。関係諸国に正確で詳細な情報を速やかに公開、提供することは事故当事国の責務であると考えます。これについては、ソ連邦政府からは事故についていまだ的確な情報の公開が行われておりません。原子力発電がエネルギーの重要な位置を占めており、その安全性に信頼感を損なうようなことがあってはなりません。
 かかる観点から、事故に関する情報の公開を速やかに求めるとともに、今後、国際原子力機関を中心に、事故に際して報告及び情報交換を義務づける等国際的対応のあり方について早期実現を図っていくことが急務と考えます。
 また、今回の事故を他山の石として、その貴重な教訓を生かし、より一層、原子力発電の安全確保に努力することが重要であります。
 さらに、事故はまだ終息していないこと、我が国で引き続き放射能が検出されていることなどから、その監視を強化する等放射能対策に万全を期し、国民の不安を取り除くことが重要であります。
 以上の理由により、本決議案を提案する次第であります。
 何とぞ議員各位の御賛同をお願いいたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#6
○議長(木村睦男君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#7
○議長(木村睦男君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
 ただいまの決議に対し、河野国務大臣から発言を求められました。河野国務大臣。
   〔国務大臣河野洋平君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(河野洋平君) ただいま、ソ連における原子力発電所の事故に関連し、御決議がなされましたが、政府といたしましては、御決議並びに先般のサミットにおける声明の趣旨を十分に体しまして、原子力安全行政に遺憾なきを期する所存であります。
 本件は、事故の生じたチェルノブイルより八千キロメートルも離れた我が国におきましても重大な関心事項となっておりますので、この機会に政府としての考え方を申し述べたいと存じます。
 まず、本件事故に起因する放射能の問題についてであります。
 科学技術庁といたしましては、この事故の報道に接しまして、直ちに原子力発電所等の周辺の環境放射線モニタリング及び全国三十二都道府県から成る放射能監視網による観測を強化し、放射能の監視に努めてまいりました。また、五月四日には、放射能対策本部におきまして、沃素131等の核種分析に重点を置きました放射能調査の一層の充実強化を図ることを決定したところであります。
 昨日までの放射能調査の結果を見ますと、各地で検出された放射能は、比較的短い時間の経過とともに減衰する沃素131を主体とするものであって、学識者の判断によっても、国民の健康に影響を与えるようなものではありません。この旨につきましては、十分国民に周知方、努めているところであります。なお、念のため、今後とも引き続き観測を継続することといたしております。
 次に、我が国の原子力発電所の安全性について申し上げます。
 今回ソ連において事故を起こした原子炉は、ソ連が独自に開発した黒鉛減速軽水冷却型炉であり、我が国に設置されている原子炉と異なったタイプのものであります。また、我が国の原力子発電所については、アメリカ・スリーマイルアイランド原力子発電所の事故なども含め、内外の原力子発電所の事故、故障の経験を十分踏まえて、格納容器、緊急炉心冷却装置等の安全対策に万全な措置が講ぜられております。さらに、入念に定期的な検査を実施するなど、その運転面におきましても安全性、信頼性が確保されております。このようなことから、我が国の原子力発電所においては、その安全性は十分確保されていると考えております。
 申すまでもなく、我が国の原力子研究、開発、利用は、原子力基本法に基づき、安全確保を大前提として進められております。仮に炉型が異なりあるいは安全装置が異なろうとも、今回の事故を警鐘として受けとめ、我が国の原子力安全対策の参考とするという謙虚な姿勢は忘れてはならないものと考えております。特に、運転、保守等では不断の努力が必要であることを再認識し、これを機会に一層の安全確保に努めてまいる所存であります。(拍手)
     ―――――・―――――
#9
○議長(木村睦男君) この際、日程に追加して、
 昭和六十一年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(木村睦男君) 御異議ないと認めます。竹下大蔵大臣。
    〔国務大臣竹下登君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(竹下登君) ただいま議題となりました昭和六十一年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、我が国財政を取り巻く環境には一段と厳しいものがあり、我が国経済の着実な発展と国民生活の安定向上を図るためには、引き続き財政改革を強力に推進し、財政の対応力の回復を図ることが緊要であります。
 このため、政府は、昭和六十一年度予算におきまして、特に歳出の徹底した節減合理化を行うことを基本とし、あわせて、歳入面についてもその見直しを行い、これにより公債発行額を可能な限り縮減することとして編成したところであります。
 まず、歳出面におきましては、既存の制度、施策の改革を行うなど徹底した節減合理化を行い、全体としてその規模を厳に抑制することとし、その結果、一般歳出の規模は前年度に比べ十二億円の減に圧縮されております。これは昭和五十八年度以降四年連続の対前年度減額であります。
 他方、歳入面におきましては、税制について、その抜本的見直しとの関連に留意しつつ、税負担の公平化、適正化を一層推進する等の観点から必要な見直しを行い、また、税外収入についても、可能な限りその確保を図ることといたしております。
 しかしながら、これらの措置をもってしても、なお財源が不足するため、昭和六十一年度におきましては、特例公債の発行を行うこととするほか、国債費定率繰り入れ等の停止などの措置をとらざるを得ない状況にあります。
 本法律案は、以上申し述べましたうち、昭和六十一年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置として、同年度における特例公債の発行、国債費定率繰り入れ等の停止、政府管掌健康保険事業に係る繰り入れの特例について定めるものであります。
 以上、昭和六十一年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#12
○議長(木村睦男君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。竹田四郎君。
    〔竹田四郎君登壇、拍手〕
#13
○竹田四郎君 ただいま議題になりました財源確保法案について、私は、日本社会党を代表して、主要な点について質問をいたします。
 本論に入る前に、財政運営に関連して、東京サミットについて数点ただしたいと思います。
 中曽根さん初め、皆さん御苦労様でした。しかし、東京サミットにかけていた国民の期待は全く外され、逆に、外国首脳の円高容認発言で一層の円高に直面させられました。きのうもまた大変円高になってまいりました。今後の日本経済の景況はますます厳しく、場合によっては、世界経済を不況に陥れるとの海外の批判に拍車をかけることになりかねません。中曽根総理は円高歯どめの失敗をここで率直に認めるべきであろうと思いますが、いかがでしょうか。
 為替介入によって貿易政策を調整するというのは本来ではなく、基本的には内需重視の産業構造への転換計画を提示して、国民の合意のもとに大胆かつ速やかに誘導して実施することではないでしょうか。特に被害の大きい小零細企業については、低利長期の資金をつぎ込んで転換をしやすくするように援助と指導をすべきであります。また、円高は中小企業にとっては非常事態であります。必要な分野に対しては、財政引き締めの枠を外しても財政が主導的な役割を果たすべきである
と考えますが、総理並びに通産、経企の各大臣からも所信を求めたいと思います。
 第二に、今次経済宣言で採択した国際経済政策調整について、この中で言うサーベイランス、監視の対象となる可能性は日本ということになるであろうと考えられます。この政策調整は、自由な貿易を規制し、外国の内政干渉に公然たる道をあけることになるのではないか。総理並びに通産、経企の各大臣の判断を求めるものであります。
 次に、財確法案の質疑に入ります。
 中曽根さん、あなたは行財政改革を掲げて政権を担当してから二期目を終わろうとしております。戦後四人目の長期政権担当者だということであります。この間、第二臨調やあるいは行革審を利用して財政改革を進めてまいりました。防衛や海外協力の予算は要請によって突出して増額をし、福祉、医療、教育等はマイナスの概算要求基準をつくって圧縮し、公務員のベースアップも極力抑制して、同本の賃金水準を低位に押し込めてまいりました。公共事業費も五年以上にわたる伸び率ゼロを続けてまいりました。確かに一般会計の伸び率はここ数年鈍化をし、国債費や防衛費を除けば減額となっております。これはまさに官僚的な一律減分主義、増分主義の反対でありますが、それによって財政需要を無理やりに抑え込んだ結果であります。
 これは後ろ向きの消極的な財政改革であって、健全な財政改革ができるものではありません。他会計へのツケ回し、先送りをやっているだけでありまして、そのツケは現に十兆円にもなろうとしているのであります。また、国債発行の減額においても顕著な改善の跡を見ることはできません。国民生活水準は格差を生じ、国土保全や経済発展についてもひずみを生じつつあります。もちろん、事態の進展もあり、必要な改革は進めるべきであり、それは私どもも賛成でありますが、改善もできないのに、財政収支均衡を第一義として、国民生活や経済の発展を犠牲にすることは全くの本末転倒であります。生活関連公共事業や住宅事業や福祉関連部門はむしろ充実強化をしなければなりません。そのために今財政は出動すべきであると考えますが、総理、大蔵大臣はどうお考えてありますか、明快にお答えをいただきたいと思います。
 特に、今日、日本は莫大な貿易黒字によって世界各国から非難をされ、東京サミットでは一層の円高環境がつくり出され、諸外国から内需拡大政策への強い要求が提出をされたのであります。このままいけば、本年度の経済見通し、名目五・一%、実質四%の達成は不可能であり、既に民間経済調査機関では実質二%台の予測を発表しているのであります。今、経済の縮小を選ぶのではなくて、その拡大を求めるべきであろうと考えます。総理は、この前この席で、「必要な場合には補正予算を組んで公共事業や中小企業対策その他の経済対策をやりたい」と述べたのでありますが、この「必要な場合」という文字は削除をして数歩前進すべきであろうと思います。内需拡大のための大幅な予算追加を早急に、八月中にでも実施すべきであります。これと同時に、来年度を待つことなく、大幅な減税を少なくとも野党共同要求の規模を最低限度として実施すべきであります。
 第二に、政府は全く可能性のない昭和六十五年度特例国債ゼロの旗印をおろそうとしないのは全く不可解と言わざるを得ません。今日のままですと厳しいデフレを招き、本年度において巨額の歳入欠陥を生ずるであろうと、予算成立後一カ月もたたないのに各方面から厳しい指摘がされております。鈴木前総理が、昭和五十九年度の赤字国債脱却目標達成の見通しを失って挂冠を余儀なくされたその前夜と全く同じ状態に今日あると思うのであります。できもしない再建目標を掲げ、総理の交代によって先送りをし、国民に期待を抱かせて裏切るというのが自民党の政策手段であろうとは私は思いません。
 六十五年度ゼロの計画を実現するには、財政の中期展望によれば毎年一兆数千億円以上の特例国債を減額しなければならないはずでありますが、中曽根内閣の手によってこれを実現した年が一年でもありますか。逆にこの政策によって、公共事業や国民の最終消費支出を極小にし、経済成長の足を引っ張り、国内市場を狭くし、輸出ドライブをかけることになってしまったのではないですか。あなたの政権になっていろいろなことはいたしましたが、毎年のように貿易黒字は激増をしているのではないでしょうか。私ども社会党は、特例国債ゼロ計画を緩和し、内需拡大の提言を今までしてきましたが、どうお考えですか。また、最近においても、政策構想フォーラムの研究集団が、深刻な不況を避けるために、政府は財政再建の二年半の棚上げを緊急に宣言し、GNP比一%の範囲内で今年度の補正予算で財政赤字を拡大すべきだと提言しているのでありますが、私は当然な提言だと思いますけれども、どうお考えになりますか。
 第三に、日本では国債の返済計画を担保するものとして減債制度というものがあります。国債発行残高の一定割合の金額を減債基金に繰り入れ、また決算に剰余金が出た場合は、今日では全額を基金に繰り入れて、国債の元利金の償還に充てることにしております。今日この基金の残高は底をついてしまっております。利払いだけの国債費も、本年度は既に一〇・七%の伸びで、歳出のうち二一%の構成比を示し、既に国債発行額を上回る状況になってきております。NTTの株式を売却しても埋まるものではありますまい。最近、満期の長期国債の償還に当たっても借換債の発行によってかえようとする動きが伝えられておりますが、これでは利子だけを支払って元金を払わない永久国債ということになるのではないでしょうか。減債制度は実質的に廃止するつもりなのであるかどうか、この際明確にしておいていただきたいと思います。
 最後に、財政法についてであります。
 現行財政法は、国債発行は原則禁止、歳入は税収でという建前でできているのであります。しかるに自民党歴代政府は、原則禁止を免れるために一方的に、恣意的に特例措置を法律的につくり出し、戦後の二十年以上、建設国債、特例国債を発行してきました。歴代総理のうちで、だれ一人として巨大となった国債の処理や厳重な管理について明確な政策方針を示すことなく、安易な国債発行に依存して恥じるところがなかったのであります。確かに歳入構造については税収だけに依存できない環境変化もありましたが、既に述べましたように、減債基金制度を停止したり、現金償還をやめて借りかえを通常化し、短期国債の導入により建設、特例債の区分も不明確にしてしまい、六十年の完全償還という公約も崩れて、財政法の目指すところの健全財政からは全く逸脱しております。国民にとっては複雑であり難解となり、財政民主主義を総理は唱えておりますけれども、財政民主主義は通らなくなってきているのが現実であります。
 戦後政治の総決算と総理は言っておりますけれども、まさに財政こそその対象にすべきであろうと考えます。半分近くは裏づけのない特例債で占めている百四十三兆円というGNPの四割にも及ぶ累積国債をどう処理し、どう管理するのか、全く五里霧中なのであります。発行残高が多くなればなるほど、財政法の抜け穴を利用しようとする悪知恵だけがたけてくるであろうと思うのであります。日銀引き受けなどの悪用もこれから日常化しないという保証は私はないと思います。
 中曽根総理の任期も残り少ないわけでありますが、この怪物処理に向けて、健全財政を取り戻すための計画や国債発行の常態化した現実の財政運営に誤りないためにも、私は新財政法をつくるべきであると提案をしたいのであります。どうか総理は、身を挺してこの問題を推進すべきであると考えますし、またニューリーダーと言われております竹下大蔵大臣もこの点については責任がある
と思いますので、御答弁をいただきたいと思います。また、議会もこれに対応する態度をとっていただきたいということを申し添えまして、質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(中曽根康弘君) 竹田議員にお答えをいたします。
 まず、サミットの問題でございますが、サミットが無事に終了しましたことにつきまして、国民の皆様方の御協力を心から感謝申し上げる次第でございます。一昨日も申し上げましたが、交通関係等について東京都民や皆さんに大変御迷惑をおかけいたしました。
 私は、今回のサミットは歴史的成果を生んだと思っております。それは第一に、これだけ黒字を抱えている日本に対して、日本を非難するということを私は一回も聞いたことがありません。いわゆる初めは日本だたき、あるいはジャパンプロブレム、日本問題というものが中心になるであろうと新聞等も予測したのでありますが、そういう日本に対する非難がましいことは一切ありません。
 第二に、日本の政治的発言力というものが非常に強く出てきたことであります。今御決議になった原子炉の災害に関する決議は、我々が根回しして、我々の発想によってあの決議をつくったということも御報告申し上げたとおりであります。
 第三に、日本の経済的重みというものが非常に出てきたということであります。今世界の各国は日本の動向がどう行くかということで自分たちの経済の問題を考えざるを得ない。日本を無視してはもはや政治も経済も動かないということが歴然と出てきたのが今度のサミットでありまして、そういう意味におきまして、今まで日本外交が努力してきました蓄積がここで一挙に発揮されたと私は確信して、必ずや後世史家から高く評価されるであろうと期待しておるものであります。
 次に、サミットにおきましては、政策協調あるいは構造調整を行うという約束をいたしまして、特に、保護主義と断固闘おう、アメリカで今いろいろ保護主義法案を提出しようとしておりますが、これを牽制して頭打ちをやって出させない、そういう決意をこの関係各国において確認したところであります。これはレーガン大統領も非常に重い負担を背負って帰ったところでありまして、保護主義法案を防圧するということについてはレーガン大統領も非常に責任を背負って帰ったと私は考えており、さらにガットのニューラウンドの推進についても、九月に閣僚会議を発足するという暗黙の了解ができておりまして、それをさらに強く推進するという方向で一致しておるわけであります。
 次に、通貨の問題につきましては、前に申し上げましたように、サミットは個別通貨、ドルとか円とかマルクとかポンドとか個別通貨を議論する場所ではないのでありまして、政策協調を行う、そういう意味の討議が行われた場所でございます。その中で、ウィリアムズバーグ・サミットで我々が約束した、必要あらば協調介入を行うということも確認して明記したところでありまして、いよいよ我々はこれを活用するという段階になってきつつあると思うのであります。
 サーベイランスの問題、つまり監視の問題で御質問がございましたが、これは日本が監視されるというだけでない。アメリカの膨大なる財政赤字、これをどうするか、ヨーロッパにおける産業の不活発やあるいは労使問題、失業問題、これを解決しなければ問題は解決しないじゃないか、日本の貿易のアンバランス、膨大な黒字、これを解消しなければ世界経済は順調に運行しないではないか、みんな責任を背負ってそれらをお互いが監視し合って是正していこうと、そういう約束をしたのでありまして、内政干渉ではありません。あの言葉の中に、初めアグリーという言葉があったのであります。私はそれを消させまして、そしてアンダースタンディンク、そういう言葉にも直させたのでありまして、おのおのの国内法に従ってこれは行うということを確認しておった次第でございます。
 次に、日本経済の問題につきましては、私は各国の経済情勢説明の項の中で、日本経済が今、円の急上昇によって非常に苦難な状況にあるということを詳細に説明もした次第でございます。これらにつきましては、内需の喚起というやり方でみずから努力するところも必要ではありますが、この余りにも急激な為替通貨関係の変動というものは決して国際関係において長続きするものでもないし、安定させるものでもないのであります。そういう問題について、各国が中長期的観点から、適正な為替レートで長期にわたって安定するように今後とも努力していく、そういう話し合いはいたしてきたところでございます。
 なお、中小企業の打撃等については、内需喚起を中心にして今緊急対策を急がしておるところでありまして、けさも閣議において各閣僚にそれを督促した次第でございます。
 産業構造転換の問題でございますが、内需中心の経済の成長を図って国民生活水準を高めると同時に、世界経済に調和した日本国民経済を実現していく、そういう方向で努力してまいりたいと思い、五月一日の経済対策閣僚会議においてこの推進要綱を決定して、これを前進させるということを決めた次第でございます。
 円高是正の問題については、先ほど申し上げたとおりでございます。
 次に、補正予算の問題でございますが、私は、先般の参議院本会議におきまして、公共事業の前倒しを行ったと、その結果、秋になったら公共事業は残り少なくなる、そういう心配も考えられる、もし必要な場合には補正予算の検討もあり得る、そういうことも申し上げました。しかし、最近の物価やあるいは利子の低落等によって経済情勢はよくなると自分は確信しているとも申し上げてきました。つまり、今後の推移をよく見守りながら機動的な対応を考えていると、そういうことでございます。いずれにしても適切に今後も善処してまいるつもりでおります。
 減税の問題については、税調におきましてこの間中間報告が提出されましたが、いずれ秋に示される包括的指針を待ちまして、適切に対処してまいりたいと思います。
 六十五年度赤字公債依存体質脱却という問題に関する御批判でございますが、近時の公定歩合の引き下げに伴い、金利水準全般の低下が促進され、あるいは厳しい財政事情のもとでありますが、公共事業費も昨年三・七%増に対して四・三%増とふやしてもおりまして、また今後さらに各般の努力を行いまして、我々は景気の上昇に努めるつもりでおります。六十五年度赤字公債依存体質脱却という旗をおろせばこれは今までの努力が水泡に帰する、そういう危険性もあるのであります。いずれにせよ、この臨調答申を基調にいたしまして、この臨調答申の線を基調にしつつ機動的に今後対応していく、そういう考えに立って、これは行革審もその基本ラインは認めておるところなのでございます。
 次に、財政法の問題でございますが、我が国の財政法は、一面において財政民主主義の原則に立つと同時に財政節度の保持、いわゆみ健全財政という面についてもかなり注意深い規定があるわけであります。この財政法の精神はやはり維持することが適当であると考えております。この財政法の精神を尊重しつつ、適切かつ現実的な国債管理を行い、また財政改革を推進し、健全財政を実現していくという点について我々は今後も努力し、毎年度の予算編成についても慎重に対応してまいりたいと考えておる次第でございます。
 残余の答弁は関係大臣がいたします。(拍手)
   〔国務大臣竹下登君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(竹下登君) まず、総理からもお答えがございましたサーベイランスの問題でございます。
 今日までもG5、これはまだインフォーマルな段階ではございましたが、またいわゆるG10、これはオーソライズされた組織でございますので、サーベイランスを今日までにも行ってまいりました。今回決められましたのは、G5でもきちんとやろう、そしてなおG7でもやろう、そういうことをきちんとお互いが合意したわけであります。しかし、お互いとも、従来ともいろいろな指標を議論し合っておりますけれども、やはり大事なことは政策主権、これはお互いがきちんと堅持すべきものであります。したがって、内政干渉への道を開くというようなことには相互ともに私はならないし、また、なるべきものでないというふうに考えておる次第であります。
 それから下期の景気上昇等につきましてのお答えも総理からございました。
 きょう、一般公共事業の前倒し等の方針を決定いたしたところでございます。下期には円高のプラス面、いわゆる交易条件の改善を通じます実質所得の増加に伴います内需拡大効果、あるいは三次にわたる公定歩合引き下げの効果、これにしたところで今月の十九日から実行に移されるわけであります。そして、原油価格が三月入着分からかなり低下しておりますが、これだって今後のいわゆる消費者還元とかいうような問題が予定されておる。したがって、今後の経済情勢全体を見ながら機動的財政運営をしなければならぬというふうに思っておるところであります。
 減税につきましては、毎度議論をしておるところでありますが、私どもは、税制調査会の答申に基づいて六十二年度税制改正、こういうことを申し上げておるわけでありますが、一方、与野党幹事長・書記長会談で、今年中に成案を得る、こういうことが申し合わされておることも十分承知をいたしておるところであります。
 それから、いわゆる減債制度そのものについての、これは竹田先生の持論から来る今後の国債に抱かれた財政というようなものも含めての御意見を交えた御鞭撻の御質疑でございます。
 私どもといたしましても、おっしゃったとおりの経過を経て今日に来ております。昭和三十九年までは公債は一銭もなかった財政であったわけでありますし、昭和四十九年までは赤字公債は一銭もなかった財政運営を行ってきたわけでありますが、恵まれた我が国のいわゆる貯蓄率が高いということに支えられて、公債政策はその都度効果を上げた政策選択であったと私は思います。しかしながら、今日その重圧というものにお互いが非常に困っておる状態であります。そういうところからして、減債制度というものについて、今御意見にもありました永久国債論でございますとか、いろいろなことが私どもにも提言とかあるいは激励とかいう意味においてお話があるわけでありますが、この問題につきましては、まさに今日まで持ってまいりました減債制度の基本を維持しながらも、どのような対応をしていくかということは、六十二年度予算編成までに迫られるであろう選択肢の重要な問題であろうというふうに私も理解をいたしております。
 それから財政法というのは、やはりこれは読めば読むほど、本当は随分勉強されてつくられた財政憲法でございます。その運用ということにいろいろな変化が来ておるわけでございます。が、私は、やはり財政法の精神を維持しながら、中長期的な観点に立って財政改革を推進していくということになれば、結論から言うと、毎年毎年の歳入歳出の見直しによって対応すべきものであって、今財政法の改正というものを考えておるということは全くございませんが、国債に抱かれた財政という現実に対応したいわゆる財政運営の問題については、ただいまも御意見にもございましたように、議会も対応してもらいながら、問答を続けていくべき重要な課題だというふうに私も考えております。(拍手)
   〔国務大臣渡辺美智雄君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(渡辺美智雄君) 輸出型の産業から内需型の産業に構造転換を促進しろ、特に中小企業対策に対して財政措置等を具体的に明らかにしなさい、大体そういう御趣旨であると考えております。
 日本の現在の経済状況というものは、例えていえば、糖尿病患者が異常にダイエットしてきたのだけれども、風邪を引いて風邪薬を与えなければならぬ、一口にいえばそういう感じではないかと思います。つまり、輸出問題で円高になったということは値引き販売ということでございますから、そんなに値引きしたのでは採算が合わないというところで問題が起きておるわけでございます。しかし、この薬というのは、これはもう内需拡大ということをどこの国でも言うのでありますが、非常に難しいんです。この薬は、大体政府の関与するものは決まっています。
 一つは金融の大幅緩和、これはもう大体ほとんど緩和し切るぐらいしておるわけでありますが、しかしながら中小企業に対しましては、内需志向のものについて特に特別立法をこの間もお願いいたしまして、事業の転換を積極的にやらせる、そのために金利も下げましょう、五・五%を五%にしましょう、あるいは五・三%にしましょう、こういうこともやってまいりました。信用保証枠も倍に広げましょう、これも法案をつくったばかりでございます。
 その次は金利の引き下げですが、これは全般的にも公定歩合三・五を、ドイツと同じで世界で一番低い金利、さらに下げられるのかどうなのか、これはなかなかそう簡単にはいかないところに来ておるわけであります。その次は所得税減税、法人税減税、これも一つのお薬ですが、財源をどうするのかと、この話がなかなかついていない。しかしながら、投資減税と住宅減税は既に法案を通してありますから、これは大いに利用して。もらう。全般的な問題は今税調で話し中と。その次は公共事業拡大、これは財源はどうするのか、去年よりも四%余拡大はしておりますが、さらにもっともっと広げるのかどうか、そういう状態に今なっているのかどうか、もう少し様子を見なければならぬのではないか。
 その次、規制の緩和、これも法案を出して随分やっておりますが、もう少しやるところがあるかないか、これは問題点の一つであろうと思います。次は民間活力、これについても特別立法をつくって、東京湾を初めいろいろやらしていただいておるわけでありますから、政府としては内需拡大についてはいろいろなことをやっております。また、円高メリットの直接還元、電気料、ガスの値下げを六月からやります。一兆円、直接返します。間接的にはまたガソリン、プロパン、自然的にこれは還元になります。おとといですか、プロパンの社長を呼びまして通産省では値下げを要請いたしておりますから、近いうちにこれも下げることになってまいります。そういうようなことで、最大限いろいろな手を用いまして、御趣旨に沿うように最大の努力をしてまいりたい、そう思っております。
 その次には、国際経済宣言で、サーベイランスは日本だけを対象として、日本いじめではないかという点につきましては、ただいま総理、大蔵大臣からそれぞれお話のあったとおりでありまして、我が国も外国に対して、もっと金利を下げろとか財政赤字をもっと減らしなさいとか言ってきておるわけですから……(「言ってないよ」と呼ぶ者あり)いや、言っているんですよ。それはお互いさまの話でありまして、あの中でお互いに監視しましょうということは、日本だけ監視ではなくて、お互いに財政赤字の問題だとか貿易収支とか、インフレ率とか金利とか、通貨の供給量とか外貨準備とか、全部お互いにそれを見合って、最初の予定より外れていったときには、お互いにそれは監視し合って、お互い了解が得るように是正に努力しましょうと。だから日本だけのことを書いてあるわけではございませんので、これはお互いが協力し合って世界経済をよくしようというこ
とでございますから御了承を願います。(拍手)
   〔国務大臣平泉渉君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(平泉渉君) もう既に総理、大蔵大臣、通産大臣からかなり御答弁がございましたが、特に竹田先生のおっしゃった中小企業への救済援助政策の問題でございますが、経企庁の見ておるところでは、最近の急激な円高によりまして既に相当の影響が出ておると見ております。さらに、最近の円高の状況で影響の一層の拡大が懸念されておるところでございます。政府としては、四月八日の中小企業対策を含む総合経済対策を着実に進めつつあるところでございますが、なお一層、現下の状況にかんがみまして、特に輸出関連の中小零細企業の状況にひとつ措置を考えなければならぬと、かように認識をいたしておりまして、関係省との間で今現在鋭意対策を検討中でございます。
 それから今もう一つお話のございました、いわゆる国際的な経済政策の協調についてのサミットでの合意の問題でございますが、今回のこのサーベイランスと言われておることは、従来のベルサイユ・サミット以来の流れの中に、国際通貨制度の機能の改善という流れの中で出てきておったことでございますが、今回の合意の中にはまた一歩進んだ線が出てきておるわけでございます。その点、私どもといたしましては、国際的な政策協調を推進するに当たっては、国内政策との整合性などに十分配慮してこれは慎重にやっていかなければならない、かように見ておるところでございます。(拍手)
#18
○議長(木村睦男君) 多田省吾君。
   〔多田省吾君登壇、拍手〕
#19
○多田省吾君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました昭和六十一年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案につきまして、中曽根総理並びに関係大臣に対して質問をいたします。
 初めに、我が国の財政を取り巻く経済問題について、その基本的態度を伺いたいと思います。
 我が党は、従来より政府に対し、内需拡大の推進、大幅所得税減税、公共投資の追加等を早急に行うよう強く要求してきたのでありますがい政府は何ら効果的対策を講ぜず、そのため急激な円高による不況に突入し、中小企業の倒産、国民生活の苦難はとどまるところを知らない状況であります。さきに開催されました東京サミットでも、急激な円高を是正するための逆介入等の協調体制について合意の取りつけに失敗し、サミットの最中に円の史上最高値を記録し、さらに連日円高の最高値を更新しつつあり、日本経済に重大な打撃を与える結果となりました。特に、円高不況に苦しむ輸出産業、関連中小企業を初めとする国内産業全般への影響はいよいよ深刻の度を増しております。このような現状に対し、総理はいかなる見解を持っておられるのか。また、今後の円高是正策の明確な方途及び経済運営の基本的態度について、総理、大蔵大臣、経企庁長官に明確な御答弁を要求いたします。
 次に、竹下大蔵大臣もしばしば口にされている金利政策についてお伺いしたいと思います。
 これまで三次にわたり公定歩合の引き下げが行われてまいりましたが、その効果は目に見えるほどあらわれてはおりません。現在の円高局面において、第四次公定歩合の引き下げを含めた金融政策についてどのような対策を考えているのか、総理並びに大蔵大臣の御所見をお聞きしたいと思います。
 また、預貯金金利の動向につきましては、国民生活にとりましても大きな関心事でありますが、この点につきましてもあわせてお伺いいたします。
 次に、貿易黒字の解消策についてであります。
 六十年度の速報値によれば、貿易収支黒字幅は六百十六億ドルに達し、経常収支黒字でも五百五十一億ドルと、いずれも史上最高を記録いたしまして、対外経済摩擦は一向に解消せず、ますます激化する一方であります。最近、我が国の主要民間調査機関も、ここにきて一斉に六十一年度の経済改定見通しを打ち出し、成長率の下方修正、経常収支の大幅な黒字上方修正を発表しております。なおまた、OECDにおきましても、我が国の六十一年の経常収支は七百七十億ドルの黒字に達するとの見通しを立てております。いわゆるJカーブ効果をはるかに超える黒字が予測されているのでありますが、この経済摩擦の解消、貿易黒字改善策につきまして、総理並びに大蔵大臣、経企庁長官の御見解をお伺いしたいと思います。
 次に、財政運営の基本的姿勢についてであります。
 内需拡大、財政再建、対外貿易摩擦の緩和、円高デフレの解消、これは我が国が当面する重要課題であります。そこで、財政再建について見るとき、ただ緊縮予算のみで財政再建に当たっていたのでは目標の達成は到底不可能であることがこの四年間で明らかに証明されたと言えます。昭和六十五年度まで財政の特例公債依存体質を脱却するという目標は、今やだれの目にも実現不可能であると言わざるを得ません。六十五年度特例公債依存脱却について、さらに総理の明確な答弁を求めます。
 次に、内需拡大の問題についてでありますが、総理は一昨日の本会議におきまして、急激な円高対策として、公共事業の前倒し実施のほか、必要があれば補正予算でも公共事業を追加するなどの景気対策をとりたいと答弁されましたが、その財源措置として建設国債の発行を検討している旨の報道もありますが、それは事実であるのかどうか。ただいまも、機動的に考えるとの御答弁もありましたが、さらに明確にしていただきたいと思います。内需拡大につきましては、国内のみならず、諸外国からも、約束はするが実行が十分ではないという強い批判がなされております。貿易収支改善も、内需拡大によってこそなされるべきであります。国民の強く要望するこの内需拡大策につきまして、総理、大蔵大臣の確固とした答弁を求めたいと思います。
 次に、減債基金制度についてであります。
 政府は、五年連続して、減債基金制度の根幹であります国債費定率繰り入れを停止するというまことに安易な財源調達策を強行し、その結果として、国債整理基金の枯渇という危機的状況を招いているのであります。六十一年度におきましても、基金の不足分を予算繰り入れで補てんし、さらにNTT株式売却収入金を計上して現状を糊塗しようとしていることは、減債制度の機能を麻痺させ、全く場当たり的な国債償還財源の調達を行うもので、到底容認できるものではありません。減債制度に関する大蔵大臣の基本的見解をお伺いいたします。
 また、国債整理基金の資金枯渇を理由に現在の国債償還ルールを根底から変更し、全額借換債の発行でという構想もあるやに伺っておりますが、もしこれが事実だとすれば大問題であり、国債に対する国民の信頼を根底から揺るがすものであります。この問題について大蔵大臣の答弁を求めます。
 次に、歳入欠陥問題についてであります。
 六十一年度の特例公債発行額は五兆二千四百六十億円で、財政当局が目指した減額幅一兆円強に対して大幅に下回る四千八百四十億円の減額規模にとどまっております。なおかつ、円高に伴う円手取り輸出価格の低下、輸出数量の減少、輸入数量の増加等によって総額十兆円の円高デメリットが予想されております。企業収益の減退に伴う種々の悪影響なども考え合わせるとき、この円高デフレの進行がもたらす税不足は、六十年度において既に大幅な落ち込みが生じており、六十一年度はさらに巨額の歳入欠陥を生ずると懸念されております。財政当局として、六十年、六十一年度の税収見込みと歳入欠陥の問題についてどのような見通し、分析をなされておられるのか、大蔵大臣の見解をお聞きしたいと思います。
 最後に、国債管理政策の基本的姿勢についてお伺いいたします。
 政府は、六十年度に一兆円の借換短期国債の発行を行っておりますが、今後、将来、金利の状況を見ながら年度内償還の短期国債を積極的に発行していく方針のようであります。短期国債の発行増発は、国債償還の負担を過重にし、国債の平均残存年数の短縮化によりまして金融政策の運営を困難にさせるという重大な問題をはらんでいるのであります。大量の国債償還期に入った今日、国債管理政策の基本的あり方についてどのように考えておられるのか、大蔵大臣の御所見をお伺いいたします。
 以上、財政、経済の諸問題について総理並びに関係大臣の率直にして明確な答弁を求め、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(中曽根康弘君) 多田議員にお答えをいたします。
 まず、サミットについて御質問でございますが、私は、現在日本が世界的にどう見られているか、どういう国際的地位にあるかということを国民の皆さんにこの機会にお訴え申し上げたいと思うのです。
 今までややもすれば、日本人は利己主義的で、自分で汗や血は出さないで、いつも要領よく立ち回って金もうけをしているアンフェアな国民である、そういう印象を持たれておった。ですから、この議場におきましても、アンフェアという言葉を日本語に直せばインチキという意味です、そういうような、日本人が不名誉な言葉を浴びせられるということは耐えられないことであって、断じてそういう言葉を消させなければならぬと、そういうふうに私は申し上げてきたところであります。日本の名誉と地位というものをここでもう一回考えてみなければならぬ。その場合には、サミットの場合におきましてもこれを痛み分けでやるべきである。日本だけが勝手にここでまたうまいことをしようというようなことをやってサミットがうまくいくはずはないのであります。
 そういう意味において、今回は痛み分けのサミットという形で、アメリカのレーガン大統領も保護主義法案と闘う、そういう重い荷を背負って帰っておるわけです。イタリーのクラウン首相は、我々の要望に対して、制限しているクォータを倍に上げます、ふやしますと、そう言って我々にも約束をして実行することになりました。そういうように、各国とも痛み分けをやりながら、世界経済の順調な発展、それから発展途上国や債務国のためにこの際思い切って汗を出そうと、そういう約束をしたのでありまして、そういう意味におきましては、私はサミットは実質的には大きく前進しているし、世界のインフレなき持続的拡大に向かって前進する大きな動機、転機を得た、そのように考えておることなのであります。
 円高の問題がよく言われますが、サミットというのは御存じのように、さっきから申し上げますように、一般政策を話し合う場所であって、マルクであるとかポンドであるとか円であるとか、そういう個別通貨を話す場所ではないのです。しかし私は、各国の経済情勢を述べるという場がありますから、その場所で、この円の急上昇がいかに日本の国民経済に大きな被害を与えているか、特にこれによってドルと連係している韓国や台湾や香港が日本と比べて四〇%も割安になっているものですから、これが日本に殺到している。鉄鋼においても、もはや韓国の鉄鋼は日本に相当入ってきている。こういう実情も述べて、日本の中小企業の苦難や現状をよく訴えて、認識を深めた。したがって、日本を非難するとか、いわゆる日本問題、ジャパンプロブレムというような言葉は一切なかった。みんなで痛み分けをしながら、みんなでまあまあよかったと言って帰ってくれたのですから、これは成功じゃないですか。私はそう確信しておる。少なくとも日本の名誉、日本人に対する誤解というものは明らかにこれで解消しつつあると私は確信しておるものなのでございます。
 次に、今後の経済運営の問題でございますが、四月八日に決定した総合経済対策を着実に実行してまいります。このためには、内外の経済動向、国際通貨情勢等を注目しつつ、適切な内需刺激策等もこれから実行してまいるつもりでおります。
 円高の問題につきましては、経済条件を適切に反映した為替レートというものが長続きをするのが好ましい状況です。現在の急激な円上昇というものは決して経済条件を適切に反映しているものとは考えない、前から申し上げているとおりです。しかし、そういうことに対してどういう対処をするかということは日本銀行やその他専門機関が実行することでございますから、我々はそれを、特に日本銀行を干渉しようとは思いません。思いませんけれども、今申し上げたように適切とは思っておらぬと。そういう意味におきまして、我々は適当な時期に適当な措置をするように大蔵大臣等を通じて要請しておるところなのでございます。今後とも、この経済条件を反映した適正な円レートというものを維持するように努力してまいる考えております。特に今回、サミットにおきまして、為替市場に介入するとの約束を再確認しました。これを大いに今後活用してまいりたいと思っておるのでございます。ドイツなんかも日本と同じような立場にありまして、そういう点においては、ドイツの総理大臣や大蔵大臣も非常に共鳴していたところなのでございます。
 公定歩合については、四月二十一日から〇・五%引き下げまして、金利水準というものは全般的に低下が進んでおる。ただ、今このようにコンピューターが発達しておりまして、数字の入れかえをやるという点については相当な時間がかかるわけです。そういう意味で、若干の時間をいただかないというと末端にまでその恩恵は及ばない。今それをやっている最中でございます。
 郵貯金利につきましては、先般の第三次引き下げに伴いまして、今月の十九日からさらに引き下げる、そういう予定でございます。この郵貯金利の問題については、従来、公定歩合その他の金利の動向や経済、金融情勢を総合的に勘案して決めておりまして、今後ともこの方針に従って適切かつ機動的に運用していくつもりでございます。
 次に、経済摩擦の問題でございますが、これは先ほど申し上げましたように、各国がおのおの痛み分けで荷物を背負って帰る。我々にとって一番大きな問題は、アメリカの保護主義を防圧して、今議会に出ているオムニバス法案と言われておる法案を成立させないということなのであります。そういうようにして保護主義を防圧すると同時に、貿易制限を軽減、撤廃する、そしてニューラウンドを推進する、そういうコミットメントを我々はここで獲得したのでありまして、これをさらに推進してまいりたいと思っておるところであります。また、一面におきましては、現在の急激な円高の是正というものを、適正レートにこれを実現していくというそういう考え方と同時に、内需の拡大を図りつつ、積極的な市場の開放や輸入の促進等についても適切に進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
 六十五年度赤字公債依存体質からの脱却の問題は、先ほど申し上げましたように、この間の行革審の答申というものも、臨調答申を基調にして、それを基調にしつつ機動的に運用するということを認められておりまするので、その方針に従って考えてまいりたい。しかし、六十五年度赤字公債依存体質脱却というこの旗をおろしますと、やはり人間のことですから、安易な要求も出るし、経済にも締まりがなくなってくる、そういう危険性もございまして、今までの努力が水泡に帰さないように、我々はこの目標のもとに努力してまいりたいと思うのでございます。
 補正予算につきましては、公共事業の前倒しを今まで最大規模行うと言っておりますがら、秋になって仕事がなくなるという情勢も考えられない
こともない、そういうことも考えまして、補正予算の検討もあり得る、そういうことも申し上げておるわけなのでございます。これらは将来の検討課題として我々は慎重に検討してまいりたいと考えておるところでございます。いずれにせよ、中小企業対策は急を要しますから、先ほど申し上げましたように、けさの閣議でも関係各大臣に、至急対策を提出し、官房長官が取りまとめるようにと指示しておいたところなのでございます。
 次に、内需拡大と財政の問題でございますが、既に公共事業については昨年の三・七%を四・三%に増大すると同時に、さらに規制解除あるいは大型公共事業の実施あるいは地方単独事業の推進、地方の公債の枠を広げるとか、そういうようなさまざまな政策をこれから推進いたしまして、所期の目的を達するように努力してまいりたいと思うのでございます。
 残余の答弁は関係大臣がいたします。(拍手)
   〔国務大臣竹下登君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(竹下登君) 多田さんの御質問に対して総理からもそれぞれお答えがございました。
 まず、今後の円高是正の方途ということでございます。
 これは、基本的には何としても各国の政策協調が何にも増して重要であります。したがって、その政策協調をやるための環境整備として相互監視、いわゆるサーベイランスの強化が一番重要であるということが合意されておるわけでございます。総理からもお答えがございましたが、いわゆる為替相場自身を仮にいろいろ議論いたしますと、当然のこととして主要国の中央銀行の参加というものが必要なわけであります。したがって、サミットはその具体性に踏み込んだ議論をする場ではございません。ただ、先ほど来お答えがありますように、政策の方向としての、いわば相互監視、そして有用と認められる場合の介入、こういう基本方針を確認いたしておるところであります。
 次に、第四次公定歩合の引き下げを含めた金融政策についての御意見も交えたお尋ねでございます。
 総理からもお答えがありましたが、郵貯金利自身が、また短期プライムレートが五月十九日に初めて効果をあらわすわけでございますから、したがってこのことは金利水準全般の低下ということになって、いわば景気の維持拡大に資するであろうということが大いに期待できると考えております。いずれにせよ、この公定歩合の問題に連動する金利をいろいろ議論いたします際、普通預金、御案内のように〇・五%、ここまでまいりますと、そうすると公定歩合と連動いたしたといたしますと将来は預け賃を出さなければ貯金をしていただけない、こういうような言ってみれば公定歩合三・五%というドイツとともに世界で一番低い金利になっておるというところに、いわば預金金利の決定に当たりましては選択の幅は非常に縮まっておるというふうに御理解を賜りたいと思っております。
 さて、その場合における、いわば今度は預貯金金利に対しての、恐らくおっしゃった意味は、福祉年金等をおもらいになっていらっしゃる方々の預金金利等についてのあるいはお考えもあろうかと思いますが、そのような状況を十分勘案して対応していかなければならぬ課題だと思っております。
 それから次が貿易黒字の問題であります。
 これはとにかくアクションプログラムの実施、それから市場の開放、輸入の促進、いろいろなことをやってまいります。一朝一夕に解決できる性格のものでは確かにございません。いろいろなことを積み上げて、しかも国民のコンセンサスを得ながらやっていかなければならぬ問題でございますから、大変な重要な問題であるということで今後とも御鞭撻を賜りたいと思っております。
 それから補正予算発言は総理からもお答えがございましたが、今この予算の基礎になる財源を確保する法律を審議していただいておるところでございますので、確定的なことを財政当局者が話すというようなことは、これはみずからを戒めて絶対に言ってはならぬと思っております。
 それから内需拡大策、財政政策の具体性の問題でございます。
 これは、先ほど通産大臣からもお答えがありました原油価格低下の問題とかいろいろな課題を総合的に組み合わしてやっていかなければならぬと思っております。六十五年度特例公債依存体質からの脱却、現行の仕組みそのままを維持しておったならばこれはできないではないかという議論は、私どももたびたび承っております。したがって、狭い選択の幅の中でこれから御議論をしながら、いわゆるコンセンサスを求めていきたいというふうに思っておるところであります。
 減債制度、これはこの基本を何としても維持していかなければならぬ。しかし、おっしゃいますように、五年連続定率繰り入れはやめた、そしてことしは予算繰り入れと、そしてNTT株式の売却に期待をしておる、こういう状態であります。そこで、来年からどうするかということがポイントでございますが、税収の動向、あるいは株がどれぐらいに売れるか、そういう問題を見極める必要がございますが、やはり減債制度の基本というのは、国債の信認を維持するということからしてもこれはギブアップするというわけにはまいらないというふうに、みずからの心にも言い聞かせておるところであります。
 それが、御意見にもございましたいわゆる全額借りかえ問題にもつながっていくわけでございます。この問題も、こういうことを考えたらどうだという意見を含めての御提言もございます。したがって、それこそぎりぎりの汗と知恵を絞って、時には悪知恵と言われましょうとも対応していかなければならぬ、本当に苦しい場面だというふうに理解しております。
 それから次の税収見込みでございますが、七八・八%が今の進捗割合でございますので、前年同月七九・〇%を若干下回っております。ただ、これはたばこ消費税を除いた場合で見ますと、進捗割合は七九・四%と、前年同月を若干これは上回る。こういうことになるわけでございますけれども、まだウエートの大きい法人税の三月期決算、これが残されておりまして、結果が判明するのはこれは七月上旬、こういうことになりますので、今、確たる見通しを申し上げる段階にはございません。が、五十六年、五十七年、あるいは三兆円とか六兆円とかそういう歳入欠陥の時代もございましたけれども、その後、一%は誤差のうちなどと申し上げておりますが、いずれにせよ、そういういわば狭い幅のものであらねばならぬというふうに思っておるところでございます。それから六十一年度税収ということになりますと、これはまだ税の収納が始まったばかりでございますので、どうも見込みを申し上げるわけにはまいらない。
 それから最後に、国債償還期を迎えて、いわば新規短期国債とかいろいろな仕組みを考えたが、根本的な国債管理政策についての見識を持つべきだと、こういう趣旨の御意見を交えた御質問であったと思うわけであります。
 やはり国債管理政策というのは、常識的に申しますならば、まずは新規財源債の発行額を縮減すること、これは引き続き最大限の努力を払わなければならぬ。したがって、安易に財政再建期間を延ばしたらどうだということと、その素朴な新規財源債の発行額の縮減というものとの矛盾というものをいつも感じながらお答えをしております。それから借換債を含めた大量の国債が発行、消化、流通などの各局面において国民経済に円滑に受け入れられるような市場実勢というものを尊重した発行条件の適切な設定とか、あるいは国債の種類でございますね、発行方式、この多様化には今までも種々工夫しておりますが、これからも工夫をしてまいります。
 そして、昨年度の制度改正でお願いしました短期国債の発行や借換債の年度越え前倒し発行といった新たなる方策、これも適切に活用していかなければならぬ。そして償還、借りかえが一層円滑に行われるよう努めなければならぬと思っておりますが、いわばその時期における長短期金利水準の状況というものと、それから残高の満期構成がどういうときにやってくるか、こういうことを、これは多田先生のいつもの御質問でございますが、そういういわゆる借りかえ負担を平準化していきながら、一方、金利の動向も眺めていくというような複雑な環境の中にありましても、御趣旨のように国債管理政策の誤りを生じてインフレーションを招来するとか、そういうことはどうしても気をつけて対応すべき問題であるというふうに理解をさせていただいているところであります。(拍手)
   〔国務大臣平泉渉君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(平泉渉君) お答え申し上げます。
 大体、総理及び大蔵大臣から御答弁もございましたが、私に対する御質問の中で、今後の経済運営の基本的な方針について述べよ、こういうことでございましたが、今般の東京サミットで、インフレなき経済成長の推進、為替レートの安定性の向上ということを目的としてサミット七カ国の間で合意がなされた。殊に為替の問題ではウィリアムズバーグ・サミットにおける約束が再確認された、こういう状況でございますので、政府としては四月八日の経済対策閣僚会議で決定した総合経済対策を着実に実施に移す、こういうことが重要であろうかと存じております。本日の閣議におきましても、先ほど総理からもお話がございましたが、昭和六十一年度上半期における公共事業の施行促進について具体的な取り進め方を決定したところでございます。今後とも、内需を中心とした景気の持続的拡大を図るために、内外の経済動向及び国際通貨情勢を注視しつつ、機動的な運営に努めてまいる所存でございます。
 それから最近の成長率、六十一年度の成長率予測は下方修正されておるではないか、また、OECDにおける我が国の経常収支の見通しについても大変大幅な黒字が見込まれておるではないか、こういうような御指摘がございます。
 その点につきまして、私どもといたしましても十分現下の経済運営は注意をしてまいらなければならぬという認識は持っておるわけでございます。現下、やはり保護主義はあくまでも防圧をして巻き返していかなければならぬ、こういうコミットメントはサミットで行われたわけでございますが、こういう中で、我々としてはやはり内需の拡大を図ってまいるということが非常に重要であるし、他方、市場の開放努力は一層促進していかなければならぬ、かように考えておるわけでございます。さらに、我が国経済の構造的な問題につきましては、五月一日に決定した経済構造調整推進要綱にのっとって、今後、中長期的に努力をしてまいる所存でございます。
 なお、この主要民間機関の見通しの問題でございますが、おっしゃるとおり、最近の円高デフレの傾向というものを反映いたしまして、昨年に比べまして下方に成長率を改変した民間の研究所もかなりございます。ただ、同時に円高のメリットというものを反映して上方に改定したところもかなりございます。我々といたしましては、いろいろな見通しはございますが、政府の当初見通しというものを何とか完遂できると、かような努力を続けてまいらなければならぬと思っておるところでございます。(拍手)
#23
○議長(木村睦男君) これにて質疑は終了いたしました。
     ―――――・―――――
#24
○議長(木村睦男君) 日程第一 民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。商工委員長下条進一郎君。
    ━━━━━━━━━━━━━
   〔下条進一郎君登壇、拍手〕
#25
○下条進一郎君 ただいま議題となりました民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法案につきまして、商工委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、民間事業者の資金的、経営的能力を有効に活用することによって、経済社会の基盤充実に資する新しい施設の整備を促進しようとするものであります。すなわち、研究開発施設、国際会議場施設、港湾利用高度化施設等特定施設の整備に関する指針の策定及び整備計画の認定等について定めるとともに、施設整備を行う者に対し、課税の特例、債務保証等の呼び水的な政策支援措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、民活の定義と民活導入の背景、関係四省庁が個別に準備してきた民活法案の一本化された経緯、プロジェクト実施に伴う地方財政の負担増、プロジェクト運営面における公共性と収益性の関係、地域振興への配慮、候補に挙げられている各プロジェクトによる内需拡大効果等について質疑を行うとともに、運輸委員会及び逓信委員会との連合審査会を開会するなど慎重に審査を進めてまいりましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本共産党市川理事より本法律案に反対の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#26
○議長(木村睦男君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#27
○議長(木村睦男君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#28
○議長(木村睦男君) 日程第二 港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。運輸委員長鶴岡洋君。
    ━━━━━━━━━━━━━
   〔鶴岡洋君登壇、拍手〕
#29
○鶴岡洋君 ただいま議題となりました港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案につきまして、運輸委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、港湾整備事業の緊急かつ計画的な実施を引き続き促進するため、昭和六十一年度を初年度とする新たな港湾整備五カ年計画を策定しようとするものであります。
 委員会における質疑の詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党小笠原委員より反対の意見が述べられ、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#30
○議長(木村睦男君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#31
○議長(木村睦男君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#32
○議長(木村睦男君) 日程第三 新住宅市街地開発法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。建設委員長小山一平君。
    ━━━━━━━━━━━━━
   〔小山一平君登壇、拍手〕
#33
○小山一平君 ただいま議題となりました新住宅市街地開発法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、健全な住宅市街地の開発を図るため、新住宅市街地開発事業について、施設立地の多様化、住区の規模要件の緩和、建築義務期間の延長等の措置を講じようとするもので、その主な内容は、第一に、良好な居住環境と調和する事務所、事業所等の特定業務施設を新たに事業地内に立地できることとするとともに、準工業地域を含む区域について新住宅市街地開発事業を施行することができることとすること。第二に、住区の規模要件を緩和し、住区をおおむね六千人から一万人までが居住することができる地区とすること。第三に、宅地の譲り受け人の建築義務期間を二年以内から原則として三年以内に延長すること等であります。
 委員会における質疑の詳細は会議録により御承知願います。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して上田委員より反対の意見が述べられ、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、工藤理事より、各派共同提案に係る三項目から成る附帯決議案が提出され、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#34
○議長(木村睦男君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#35
○議長(木村睦男君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
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#36
○議長(木村睦男君) 日程第四 外国人漁業の規制に関する法律の一部を改正する法律案(農林水産委員長提出)を議題といたします。
 まず、提出者の趣旨説明を求めます。農林水産委員長成相善十君。
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   〔成相善十君登壇、拍手〕
#37
○成相善十君 ただいま議題となりました外国人漁業の規制に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、農林水産委員会を代表して、その提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 近年、二百海里体制の定着に伴いまして、我が国の遠洋漁業をめぐる情勢には極めて厳しいものがあること等から、国民の食生活の安定を確保する上で、沿岸漁業及び沖合漁業の振興が重要な課題となっております。しかるに、近年、我が国の近海には外国漁船の進出が著しく、領海内での不法操業等外国人漁業の規制に関する法律の違反が多発しており、我が国漁業の正常な秩序の維持のため、関係者からその発生防止を強く要請されているところであります。
 外国人が、我が国の領海内において漁業または水産動植物の採捕を行った場合には、同法により、三年以下の懲役または二十万円以下の罰金等に処することといたしておりますが、その罰金の額は、昭和四十二年の法制定以来据え置かれてきております。しかしながら、この間、物価上昇等経済事情は著しく変動しており、同法の罰金の額は、現在の経済事情等に必ずしも適合したものとなっておらず、抑止力として十分であるとは言いがたい状況にあります。また、近隣諸国における外国漁船の違反操業に関する罰金の額も高額化しており、同法の罰金の額は、国際漁業情勢にも対応したものとなっておりません。
 この法律案の内容は、このような情勢を勘案し、外国人漁業の規制に関する法律に規定する罰金の多額を現行の二十万円から四百万円に改定しようとするものであります。
 以上がこの法律案の提案の趣旨及び内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
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#38
○議長(木村睦男君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#39
○議長(木村睦男君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十七分散会
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ソース: 国立国会図書館
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