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1985/04/02 第104回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第104回国会 安全保障特別委員会 第3号
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1985/04/02 第104回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第104回国会 安全保障特別委員会 第3号

#1
第104回国会 安全保障特別委員会 第3号
昭和六十一年四月二日(水曜日)
    午後零時三十二分開議
出席委員
  委員長 栗原 祐幸君
   理事 有馬 元治君 理事 椎名 素夫君
   理事 宮下 創平君 理事 上田  哲君
   理事 左近 正男君 理事 渡部 一郎君
      衛藤征士郎君    大村 襄治君
      中川 昭一君    森下 元晴君
      奥野 一雄君    小林  進君
      山田 英介君    東中 光雄君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 安倍晋太郎君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 加藤 紘一君
 出席政府委員
        防衛政務次官  北口  博君
        防衛庁長官官房
        長       宍倉 宗夫君
        防衛施設庁長官 佐々 淳行君
        防衛施設庁総務
        部長      平   晃君
        外務政務次官  浦野 烋興君
        外務省北米局長 藤井 宏昭君
        外務省情報調査
        局長      渡辺 幸治君
 委員外の出席者
        特別委員会第三
        調査室長    鎌田  昇君
    ―――――――――――――
委員の異動
一月三十一日
 辞任         補欠選任
  天野  等君     渡部 行雄君
四月二日
 理事小渕恵三君一月二十七日委員辞任につき、
 その補欠として宮下創平君が理事に当選した。
同日
 理事前川旦君同日理事辞任につき、その補欠と
 して左近正男君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の辞任及び補欠選任
 国の安全保障に関する件
     ――――◇―――――
#2
○栗原委員長 これより会議を開きます。
 理事辞任の件についてお諮りいたします。
 理事前川旦君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○栗原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次に、理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。
 ただいまの理事辞任による欠員のほか、委員の異動に伴う欠員一名、計二名の理事が欠員となっております。この際、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○栗原委員長 御異議なしと認めます。よって
      宮下 創平君 及び 左近 正男君
を理事に指名いたします。
     ――――◇―――――
#5
○栗原委員長 国の安全保障に関する件について調査を進めます。
 防衛庁長官から、防衛政策の基本に関し、また外務大臣から、我が国の安全保障問題について、それぞれ説明を求めます。加藤防衛庁長官。
#6
○加藤国務大臣 衆議院安全保障特別委員会の御審議に当たり、防衛政策の基本に関し、私の所信の一端を申し上げたいと思います。
 昨年十一月に開催された米ソ首脳会談において、世界の平和と軍縮に向け話し合いのスタートが切られたことは、まことに有意義であったと考えます。しかしながら、今日の国際軍事情勢は、ソ連による核及び通常戦力両面にわたる一貫した軍事力増強とこれを背景とする周辺諸国及び第三世界への勢力拡張の動きや地域的な紛争の継続もあって、依然として厳しいものがあります。我が国周辺においても、ソ連の軍事力増強とその行動の活発化には憂慮すべきものがあります。
 このような国際軍事情勢のもとにあって、米国を初めとする自由主義諸国は、抑止力の信頼性の維持強化を図るため、国防努力を継続し、その効果も徐々にあらわれつつあります。
 米国は、核戦力及び通常戦力の全般的な整備、近代化を進めており、このような国防努力を背景に、より低いレベルでの軍事力の均衡を達成するため、ソ連に対し実質的かつ公正な軍備管理・軍縮に応ずるよう求めてきたところであります。現在米ソ両国間で進められている軍備管理・軍縮交渉において実質的な進展が図られることを強く期待するものでありますが、その成り行きはなお慎重に見きわめていくことが必要と考えております。
 依然として厳しい国際軍事情勢を踏まえれば、我が国としては、総合的な安全保障政策を積極的に推進するとともに、日米安全保障体制を堅持し、自衛のため、必要な限度において、質の高い防衛力の整備を図っていく必要があります。政府は、このような基本的方針に従って、昨年「防衛計画の大綱」に定める防衛力の水準の達成を図ることを目標とする「中期防衛力整備計画」を策定し、国会においても御報告申し上げたところであります。
 昭和六十一年度の防衛予算は、この計画の着実な実施に努めることとし、厳しい財政事情のもと、国の他の諸施策との調和を図りつつ、経費の効率化、合理化に極力配意し、必要最小限の経費を計上いたしたものであります。なお、この予算においては、隊員の処遇改善施策にも意を用い、隊舎、宿舎などの生活関連施設の充実に努めているほか、技術力が防衛力の質的水準の維持向上にとって極めて重要であるとの認識に立って、各種の技術研究開発を推進することとしております。また、業務の実施に当たっては、効率化、合理化の徹底を図る観点から、庁内に業務・運営自主監査委員会を設け、業務の点検、検討を積極的に進めているところであります。
 我が国の防衛のあり方についての指針である「防衛計画の大綱」は、平時における基盤的なものとして必要最小限の防衛力の水準を定め、節度ある防衛力整備の方針を示すとともに、防衛力がどこまで増強されるのかといった国民の不安にもこたえているものであります。政府としては「大綱」の目標としている限定的かつ小規模の侵略事態に対処できる防衛力を可及的速やかに達成することに最大限の努力を払うべきものと考えております。
 「防衛計画の大綱」については、いろいろ御意見があることは承知いたしております。私としては当安全保障特別委員会を初めとして国会等において、日本の国情にふさわしい節度ある防衛力のあり方、防衛戦略体系といった高い視点から御議論いただき、防衛問題についての国民の理解が深められることを願うものであります。
 また、防衛力の整備と並んで、我が国の防衛のかなめである日米安全保障体制の信頼性を維持向上させていくためには、不断の努力が必要であります。このためには、防衛首脳の会談を初め、あらゆる機会をとらえ、間断のない対話を進めると同時に、日米共同訓練の積極的実施、「日米防衛協力のための指針」に基づく共同作戦計画の研究等の推進に努めることが、日米両国間の防衛協力面における信頼関係を一層強固なものとして定着させていく上で、大変重要なことだと確信しております。
 これに関連して防衛施設の問題について一言申し上げたいと思います。
 日米安全保障体制の堅持を防衛の基本方針とする我が国としては、我が国の防衛にとって必要不可欠な自衛隊や在日米軍の施設の機能の維持と安定的使用を確保するため、周辺地域の民生の安定と調和を図るべく、今後とも防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する諸施策を積極的に推進してまいる所存であります。特に、懸案となっている米艦載機の夜間離着陸訓練場の確保などの問題については、我が国としても可能な限り精いっぱいの努力を行っていくことが極めて重要であると考えております。
 いずれにいたしましても、我が国の防衛は平和憲法のもと、専守防衛に徹し、非核三原則を堅持し、近隣諸国に軍事的脅威を与えるような軍事大国にならないなど、厳格な制約のもとにあります。我が国の各般の防衛政策は、かかる制約を厳守し、かつまた厳しい文民統制のもとにおいて実施されるものであります。もとより、防衛政策は、長期的視点に立って継続性を持って進めていくことが必要であります。その基礎となるのは安全保障に関する国民の理解と協力であります。今後とも機会をとらえて、より深い国民のコンセンサスづくりに努力してまいりたいと考えております。
 以上、防衛政策に関する私の所信を申し上げましたが、私は、国民の理解と支持のもと、我が国の安全確保のために全力を尽くしてまいる覚悟でありますので、粟原委員長を初め委員各位の一層の御指導と御鞭撻をお願い申し上げる次第であります。(拍手)
#7
○栗原委員長 次に、安倍外務大臣。
#8
○安倍国務大臣 引き続きまして外務大臣に留任をいたすことに相なりました。よろしくお願いいたします。
 衆議院安全保障特別委員会の開会に当たりまして、我が国の安全保障問題について、所信の一端を申し述べさせていただきます。
 我が国は、第二次大戦の荒廃から復興し、今や、先進工業諸国の中で指導的国家の一つとなり、平和とかつてない高い生活水準を享受するに至りました。これは、国民の絶えざる努力の成果であることはもとよりでありますが、同時に、我が国もその一員である国際社会の秩序のあり方が我が国の平和と繁栄の実現に幸いした面が大でありました。これまで、我が国は、とかく国際社会の受益者にとどまりがちでありましたが、今や多くの分野で、自由民主主義諸国を初めとする各国と協力しつつ、世界の平和と繁栄維持のために率先してその責任と費用を負担すべき段階に至っております。
 世界の平和と安定にとって直接的な関連を有する東西関係、なかんずく、米ソ関係は、基本的には依然厳しい状況にありますが、昨年には、米ソ軍備管理交渉の開始、六年半ぶりの米ソ首脳会談の実現等東西関係の大きな動きが見られ、さらに本年予定されている第二回米ソ首脳会談を控え、現在重要な局面を迎えております。
 米国のレーガン大統領の米ソ軍備管理交渉に関する種々のイニシアチブは、核兵器の究極的廃絶に向けて米ソ両国が努力を傾注すべき分野を特定し具体的指針を示したものであり、より現実的な軍備管理・軍縮への道を開くものとして高く評価しております。しかしながら、米ソ軍備管理交渉に関する両国の立場の隔たりは依然大きく、交渉の先行きは楽観を許しません。今日、世界の平和は核を含む力の均衡により維持されているというのが現実であります。我が国としては、かかる現実を踏まえ、両国間の交渉が世界の平和の達成と軍縮の促進に向けて永続的かつ実効ある成果を上げるよう希望し、このため働きかけていく考えであります。
 我が国自身が東側諸国との間で対話を行っていくことも重要であると思います。先般、八年ぶりに開催された日ソ外相間定期協議におきまして、領土問題を含む平和条約交渉が再開され、さらに、これを継続することが合意されたこと、及び、最高首脳レベルをも含めて日ソ間の政治対話の一層の強化につき合意を見たことは、今後の対ソ政策を進めるに当たって重要な第一歩であったと考えます。
 今日の国際社会において、開発途上地域の平和と安定及び経済的発展は、山界の平和と繁栄のために欠くべからざる要件であります。特に、アジア・太平洋地域につきましては、我が国はアジア・太平洋地域の一員であり、この地域の諸国との友好協力関係なくして我が国の平和と繁栄もあり得ません。今後とも、国と国との関係だけでなく、人と人とのつながり、心と心の触れ合いを大切にした外交を進めてまいりたいと考えております。
 アジア地域の平和と安定を希求する我が国にとりまして、最近のフィリピンの緊張した対立状態が流血の惨事に至ることなく平和裏に解決されたことは、大きな喜びであり、アキノ大統領が率いる新政権のもとで、フィリピン国民が結集し、国づくりを進めていくことを期待しております。我が国は、フィリピンの発展のためできる限りの協力をする所存であります。
 我が国は、朝鮮半島における緊張緩和、カンボジア問題やイラン・イラク紛争解決のための環境づくり、アフガニスタンからのソ連軍の全面撤退を含む政治解決等、世界各地の平和と安定のため関係諸国と協力しつつ引き続き努力してまいる考えであります。
 また、開発途上国の安定と発展に協力することは、我が国が国際社会において果たすべき重要な責務であります。この観点から、政府は、政府開発援助を引き続き拡充すべく、昨年九月、ODA第三次中期目標を設定しました。本目標の初年度に当たる六十一年度予算においては、厳しい財政事情にもかかわらず、対前年度比七・〇%増のODA予算が計上され、目標達成に向けてよきスタートを切ったものと考えます。
 我が国の安全保障政策は、このような積極的な外交の推進とともに、日米安全保障体制の円滑かつ効果的な運用と適切な規模の防衛力の整備を主たる柱としております。
 日米安保体制を基盤とする米国との友好協力関係は、我が国外交の基軸であり、この関係が良好に保たれ発展することは、アジアひいては世界の平和と安定にとって重要な要素であります。日米安保条約に基づく米国の日本防衛の義務は、我が国の究極的な安全保障のために不可欠であり、このようにして国の安全に不安なきを期してこそ、我が国と政治信条や社会体制を異にする諸国との外交を積極的に進め、平和を一層強固なものにしていくことができるのであります。我が国としては、適切な規模の防衛力を整備するとともに、我が国の安全保障の基盤である日米安保体制の信頼性を向上させるため、さらに努力していく考えであります。
 以上、我が国の安全保障政策に関連し所信の一端を申し上げました。
 最後に、この委員会に御出席の皆様方は、安全保障問題に精通され、多年にわたってこれに真剣に取り組んでこられた方々であります。今後とも、皆様のよき御指導と御鞭撻をいただき、引き続き外務大臣の重責を無事果たせますよう、皆様の御協力をお願い申し上げます。(拍手)
#9
○栗原委員長 以上で説明は終わりました。
 この際、外務政務次官及び防衛政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。浦野外務政務次官。
#10
○浦野政府委員 このたび外務政務次官に就任いたしました浦野でございます。安全保障特別委員会の開会の機会に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 我が国は、四十年余り前の終戦に際し、戦争の残した惨禍の中で、平和で豊かな国をつくることを決意しました。その後、我が国は国民の努力と恵まれた国際環境によって、かつてない繁栄を達成し、今やその経済規模は、世界全体の約一〇%を占めるまでになりました。自由世界第二の経済力を持つ安定した民主主義国としての地位を確立した現在、我が国は、自由民主主義諸国の一員及びアジア・太平洋地域の国としての基本的立場に立って、国際社会の平和と繁栄に積極的に寄与していかなければならないものと存じます。
 今日、我が国をめぐる国際情勢には依然厳しいものがあります。我が国は、適切な安全保障政策を進めることにより我が国の平和と繁栄を確保し、さらには、世界の安定と発展に貢献するという重要な課題に取り組んでおります。私も、安倍大臣を補佐いたしまして、国民の理解を得つつ、最善を尽くしてまいりたいと存じますので、どうぞよろしく御指導のほどを賜りたいと存じます。(拍手)
#11
○栗原委員長 次に、北口防衛政務次官。
#12
○北口政府委員 このたび防衛政務次竹を拝命いたしました北口博でございます。
 微力ではございますが、加藤長官を補佐し、重大な責務を全うしてまいりたいと思います。
 委員長初め各先生の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
#13
○栗原委員長 次回は、来る四月九日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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