くにさくロゴ
1985/04/08 第104回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第104回国会 物価問題等に関する特別委員会 第5号
姉妹サイト
 
1985/04/08 第104回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第104回国会 物価問題等に関する特別委員会 第5号

#1
第104回国会 物価問題等に関する特別委員会 第5号
昭和六十一年四月八日(火曜日)
    午前十時五分開議
出席委員
  委員長 阿部未喜男君
   理事 青木 正久君 理事 岸田 文武君
   理事 二階 俊博君 理事 武部  文君
   理事 中村 正男君 理事 永江 一仁君
      尾身 幸次君    串原 義直君
      浜西 鉄雄君    小谷 輝二君
      駒谷  明君    藤田 スミ君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        長)      平泉  渉君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        事務局取引部長 利部 脩二君
        経済企画庁調整
        局長      赤羽 隆夫君
        経済企画庁調整
        局審議官    宮本 邦男君
        経済企画庁国民
        生活局長    横溝 雅夫君
        経済企画庁物価
        局長      斎藤 成雄君
        経済企画庁総合
        計画局長    及川 昭伍君
        経済企画庁調査
        局長      丸茂 明則君
        建設大臣官房会
        計課長     望月 薫雄君
 委員外の出席者
        総務庁行政監察
        局行政相談課長 北村 圀夫君
        大蔵省主計局主
        計官      涌井 洋治君
        国税庁間税部酒
        税課長     宗田 勝博君
        農林水産省畜産
        局食肉鶏卵課長 鎭西 迪雄君
        農林水産省食品
        流通局企画課長 武田  昭君
        食糧庁管理部企
        画課長     日出 英輔君
        通商産業省産業
        政策局商政課長 山下 弘文君
        通商産業省産業
        政策局物価対策
        課長      殿岡 茂樹君
        資源エネルギー
        庁石油部計画課
        長       田辺 俊彦君
        資源エネルギー
        庁公益事業部計
        画課長     林  昭彦君
        資源エネルギー
        庁公益事業部業
        務課長     川田 洋輝君
        資源エネルギー
        庁公益事業部開
        発課長     関野 弘幹君
        資源エネルギー
        庁公益事業部ガ
        ス事業課長   中尾 舜一君
        中小企業庁計画
        部計画課長   長田 英機君
        郵政省電気通信
        局電波部陸上課
        長       佐藤  進君
        建設省住宅局民
        間住宅課長   三井 康壽君
        特別委員会第二
        調査室長    岩田  脩君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 物価問題等に関する件
     ――――◇―――――
#2
○阿部委員長 これより会議を開きます。
 物価問題等に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。串原義直君。
#3
○串原委員 まず長官に伺いまして、順次尋ねてまいりたい、こう思います。
 政府は、六十一年度の国民総生産、三百三十六兆七千億円、実質経済成長率は四・〇%と見込みまして、その目標を柱にして経済企画庁長官は所信表明をなさいました。この数字は、六十一年度政府予算編成とも関連して決められたものだと思うのでありますけれども、そこで伺いたいと思いますのは、この経済成長率を決めましたときに、円の対ドルレート、いま一つは原油輸入価格の平均、いま一つは公定歩合をどの水準に置きましてこれを決められたのか、お答えを願います。
#4
○赤羽政府委員 技術的な御質問でございますので、私からお答え申し上げます。
 まず、六十一年度の為替レート、これは一ドル二百四円を前提にしております。どのように見通したのかというお尋ねでございますけれども、これは見通してはございません。見通し作業の前提ということでございます。昨年十一月の平均水準をそのまま横ばいに置いたということでございます。こうした予測の前提としてある一定の期間の実績を前提にする、これは国際的にもとられております慣行でございます。OECDなどは、そういう前提のもとで見通しをする。我々も、我が国政府もまた同じような慣行でやっております。したがいまして、見通してはございません、前提が二百四円というのが為替レートでございます。
 それから原油の輸入価格でございます。これにつきましては必ずしも毎年前提を置くということをやってきておりませんでしたけれども、やはり石油ショック以後は重要な予測の前提になるということで、これにつきましては二十七・三ドルを前提にしております。これはCIF価格、通関価格で二十七・三ドルでございます。
 それから公定歩合につきましては、特別の前提は予想はしておりません。ただし、基本的な方向といたしまして金融緩和が継続するだろう、金利は方向として低下傾向、こういう状況認識を踏まえまして予測、経済見通しを立てた、こういうことでございます。
#5
○串原委員 それに加えて、いま一つ。今お話しの前提ということでございましょうから、これはまあそのとおり了解いたしますが、いま一つは、この実質経済成長率四・〇%を算定いたします場合に、賃上げはどのくらいに見ていたのか。
#6
○赤羽政府委員 この賃上げ率についての想定ということは従来からもいたしておりません。いわゆる春闘賃上げ率というのに相当いたしますのが所定内給与の上昇率ということでございますけれども、所定内給与というのは、勤労者の所得、いわゆる雇用者所得のうちの半分とちょっと、大体五五%程度ということでございまして、その残りの部分は、例えば社会保障につきましての雇い主の負担金あるいは超勤の手当、所定外手当、給与でございます。それからボーナス、こういったような特別手当も含めて決まる、こういうことでございまして、直接春闘ベースに該当いたします所定内給与の見通しを策定せずに雇用者所得を推定する。その場合経済成長率でございますとか労働需給でございますとかあるいは消費者物価の上昇率、こういったような全体の経済的ないわばマクロ変数、こういうものを考慮して雇用者所得の見通しをつくる、こういう作業手続になっております。したがいまして、春闘の賃上げ率についての想定は従来からもしておりませんし、今年度の場合もしていないということでございます。しかし、今申し上げましたようなことで算定をいたしました雇用者所得、一人当たりで計算をいたしますと三・九%ということでございます。これは、昨年度、六十年度の四・〇%とほぼ同じ――ただいまほぼ同じと申しましたのは、四捨五入の関係で、前年度は四・〇%、今年度は三・九%、ほとんど同じ、こういうことでございます。
#7
○串原委員 その前提を基礎にして四・〇%と推定をされた。これは長官からお答えを願いたいわけですけれども、ただいまのお答えのそれぞれの前提を置きまして実質経済成長率を決めた。ところが、私が調べてみますと、民間調査機関、それぞれの機関があるいは団体がありますけれども、これと比較をいたしますと、政府の経済成長率の見込みというのはとても高い。これはどういうことなんだろう。この辺をどう受けとめていらっしゃいますか。
 例えば、時間の関係で一々民間機関あるいは団体の名前、数字を読み上げるわけにはまいりませんが、低い機関では、二・一%ではないか、こう予測しているところもあります。高いところでと思いまして探すのでございますが、政府が最も高い。あなた方の算定が最も高いものである。二・何がしというのが非常に多いわけですね。さらにまた、過去の年度当初のあなた方のその年度の経済成長率の見込み、一年を経過したその実績、十年間をずっと経過した一覧表を見ますと、実績の方が年度当初の予測よりもずっと落ちている。これらを考え合わせますと、とにかく当初の経済成長率見込みがあなた方は高いと言えるのではないか。この辺について長官から御説明を願いたいのでございます。これは政治的に若干こういう配慮があるのですか。そんなことはないでしょうな。お答えを願います。
#8
○平泉国務大臣 今のお話の点でございますが、従来の実績を見ましても、当初見通しと実績という関係で低いものもございます。実際はそれほどうまくいかなかったというのも確かにございますが、実際の方がうまくいったという場合もかなりあるわけでございます。例えば五十八年度は当初見通し三・四と見ておりましたが、実績は三・九、それから五十九年度は当初見通し四・一、実績は五・七、こういうことでございます。そういうことで、私どもとしては円高のメリットというものを十分計算に入れ、十分に政府が努力をいたしまして、内需拡大の努力、円高のメリットの十分な還元ということの実績を図る、そういう努力を前提といたしますれば私どもの見通しというものが実現できる、可能である、かように考えておるわけでございます。
 なお、最近一部の民間の団体では、最近の円高また石油価格の下落というようなことも含めましてこの三月になって見通しを改定いたしまして、従来発表しておった見通しよりもより高い成長率を出しておるところもございますので、私どもとしては、段々のお話ございますが、政府見通しというものを何とか実現してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#9
○串原委員 これはなかなか議論を要するところでございましょう。しかし、私は、後ほど伺ってまいりますためにもあえて申し上げておきたいわけでありますが、年度当初の経済成長率見通しというものはあなた方は高いと思う、そのことを前提にきょう私はこれから伺ってまいりたいのでございます。
 そこで、円の対ドルレートなんということを言わないであえて円レートとここでは申し上げますが、円レートは十二月平均二百二円八十三銭、一月は二百円七銭、二月は百八十四円六十五銭、三月平均百七十八円九十二銭で推移したようであります。昨日あたりは百八十円前後であった、けさの報道によりますとアメリカではもうちょっと高くなっていたようではありますけれども。
 ここで長官に伺いますが、円レートというのはどの辺が適当であるとお考えになっておりますか。
#10
○平泉国務大臣 これは直接には大蔵大臣が所管の問題でございますが、あえて御質問でございますので……。
 私どもとしての感じは、円の国際的な交換レートというものは幾らが妥当であるというのは、これはなかなか申し上げにくい問題ではあるまいか。ただ全体の市場の動きの中で、我々としましては取引の安定ということが非常に重要である、大貿易国家でございますし、また原料を非常に輸入に頼っている我が国にとりましては、殊に基本的なエネルギーを石油に頼っておるような我が国にとりましては、円レートというものが安定するということが非常に重要である。そういう意味におきましては、変動相場制の中である程度の変動はやむを得ないといたしまして、殊に最近の円高はいささか急激に過ぎたのではあるまいか、かように見ておるわけでございまして、これによるいろいろな被害というようなものにつきましては、我々も十分これに対する対策を立てていかなければならぬ、かように考えておるわけでございます。
#11
○串原委員 したがいまして、さっき申し上げましたように、十二月以降は申し上げた数字で推移した、きのうあたりは百八十円前後であった。あなた方は当初経済成長率見込みを算定する場合には二百四円と見た、こういうことであります。今具体的な御答弁はなかったけれども、それは大蔵大臣の所管であることは私は承知の上で伺っているのでございますが、経済を管掌する長官としてこの辺が最も好ましいという数字をお持ちであろうと思う。いかがですか。
#12
○平泉国務大臣 繰り返しになりますが、そのときの経済の情勢によってレートというのはそれぞれ変わってくる。高いからいいわけでもない、安いから必ずしもいいわけでもない、こういうことだろうと思いますので、我々としましては、現在の日本の経済のファンダメンタルズというものはもちろんあるけれども、市場の実際というものはできる限り安定した状況であることが望ましいということで私どもは考えておるわけでございます。
#13
○串原委員 その安定の程度ですが、どの水準か、お考えはありませんか。
#14
○赤羽政府委員 ただいま大臣からも御答弁申し上げましたとおり、為替レートにつきましてはやはり安定ということが大事でございます。それと、その場合のレベルはどれくらいが適当なのか、こういう点でございますけれども、これはいろいろな立場によって考え方が違うと思います。輸出をされておる方にとりましては、やはり円レートの適正なレートというのは例えば二百円以下のレート、二百円以下と申しますのは二百円よりも円が安い状態、こういうことでございましょうし、また、輸入品で商売をしておられる方にとりましては、できるだけ高い方が自分たちの商売に有利である、こういうふうにお考えだろうと思います。また、国全体、世界経済の中におきます日本経済という立場から考えてみましても、円レートだけでそれが可能であるというわけではありませんけれども、やはり黒字の圧縮、それを通ずる経済摩擦の解消、こういう面でいきますと、できるだけ高値で安定してぐれることが望ましい、こういう観点もございます。他方、国内の生産活動、こういうことになりますと、適正なレートというのは必ずしも黒字減らしという観点から考えられるほど高くはない、こういうことだと思います。
 そういうことでいろいろな観点がございます。それを全部まとめて適正なレートは例えば何円といったようなことはなかなか出しにくいと思います。しかも、これはそれぞれの立場によって違う、観点によって違うばかりではなく、そのときどきの世界の経済情勢その他にもよることと思われますので、具体的に何円ということはやはり言えないことではないか。しかし、安定が必要である。現在の状況におきましては、この安定というのは決して低位安定ではなく比較的高位の安定ということが望ましい、望ましいというよりはむしろ国際的にも求められている、こういうことではないかと思います。
 大変抽象的な答弁で恐縮でございますけれども、それが現在のこの問題に対する理解ではなかろうか、こう考えている次第でございます。
#15
○串原委員 私も安定的に推移することが望ましいと思う。
 そこで、ここ一、二カ月、百八十円前後で円レートは推移してきた。この辺をどう見ますか。
#16
○赤羽政府委員 これは、現在の外国為替市場の取引の状態は、市場のメカニズム、売買、需給の関係から成立した価格が中心になってそういったような推移がこの一、二カ月続いている、こういうことではないかと思います。
#17
○串原委員 いや、私の言わんとするところは、一、二カ月の間百八十円前後で推移してきた、これは日本にとって高過ぎると思いますか、安過ぎると思いますか、こういうことです。
#18
○赤羽政府委員 これは、先ほどもお答えいたしましたとおりいろいろな観点がある、こういうことだと思います。
#19
○串原委員 数字を挙げての答弁はなかなか難しいだろうと思うけれども、つまり安定的に推移することが望ましい。私もそう思う次第であります。
 そこで、時間が経過いたしますから次に進みますけれども、先ほど長官は、もろもろの施策を講じる中で実質経済成長率政府見通し四・〇%をことしは達成したい、こういう意味の御答弁がございました。その立場でもう一点伺っておきますが、民間企業の設備投資の伸びを政府は七・五%と想定しているようであります。しかし、ここには日経新聞その他報道している資料もございますが、今年度の設備投資は横ばいである、〇・九%程度の伸び率ではないか、製造業に至ってはマイナスではないか、四・四%くらいマイナスである、こういうふうに報道されているわけでございまして、それぞれの機関が、民間設備投資というものはほとんど伸びない、こういうふうに見ているようでありますけれども、今日時点で政府はこの点につきましてはどう判断をされていらっしゃいますか。
#20
○赤羽政府委員 六十一年度の民間設備投資の見通しでございますが、今御指摘になりました民間の調査の数字と申されますのは三月十日の日経新聞の数字ではないかと思います。
 確かに年度が始まる前の予測といいますのは、まだ設備投資計画が決まっていないといったようなこと、それから現在円高が進んでおるわけでございますけれども、それのデフレ効果、こういったようなことにつきまして心理的にも大変深刻な受けとめ方をしておられる企業が少なくないと考えます。そういったようなことで、翌年度につきましての計画の予想、こういうことになりますと、どうしても慎重な見方になるのではないかと思います。
 もちろん、私どもが政府の経済見通しを策定するに当たって作業いたしましたのは、今から大体四カ月足らず前のことでございます。四カ月前と比べまして最近、その三カ月余りの間にいろいろな客観的な条件が変わってきているということはございます。しかしながら、基本的な見方といたしまして、政府見通しにあります設備投資七%台の伸びといったようなことは、現在でも達成可能と申しますか、本質的な条件において変化がない、こういうふうに考えております。
 四カ月ほど前と最近との条件の違いといったようなことをちょっと考えてみますと、当然マイナスになりました条件、それと反対にプラスになりました条件というのがあると思います。一番大きいのは、やはり円高が当初の前提以上に進行した、こういうことでございます。円高にはプラスとマイナスの効果がこれまたございます。マイナスの効果がデフレ効果ということでございまして、前提以上の円高ということで、当然デフレ効果は当初の前提以上に強くなっている、この点はマイナスの面だと思います。それに対しましてプラスの面といたしましては、円高が想定以上ですから、またプラスの効果も大きいだろう、これが第一点でございます。
 第二点といたしましては、三、四カ月前に想定したのに比べまして欧米主要国のことしの景気に対する見方というのは格段に明るくなってきている、こういうことがございます。世界経済の中で日本経済が生きているわけでございますから、世界経済の主要な構成要素であります欧米主要国の景気が明るくなっている、これもまたプラスの要素だと思います。
 もう一つの要素は、原油の値下がりということが予想されるわけであります。三月から四月くらいにかけまして急速にこうしたことが統計上もあらわれてくると思われますけれども、これによるプラスの効果がつけ加わる。さらには、公定歩合の二回の引き下げ、こういうことで、当初予想された以上に金融政策につきましての弾力的な運用についての好条件ができた、こういうことでありまして、三、四カ月前と比べましてプラス・マイナスを差し引きいたしますと、現在の方が条件がよくなっている、こういうふうな認識をしております。
 これは経済全体についても言えることでございますけれども、また設備投資の見方についてもこうした点は当然考慮されてしかるべきだ、こう思います。
 こうした場合に、マイナスの面としての円高が予想以上に大きかった、それによるところのデフレ効果が当初の想定以上に大きかったではないか、こういったような点が直接あらわれますのが製造業の分野、こういうことで、製造業の設備投資の見通しが下方修正される、これは当然理解できることでございます。
 それに対しまして非製造業あるいは製造業の中におきましても輸入で利益を受けるようなところ、こういったようなところはむしろ条件は好転しているということでございます。そういうことで、設備投資につきまして規定いたしますいわば短期的な条件は、全産業で見てそう悪くなっているとは考えておりません。
 また、中長期的に見ますと、現在先端技術というものを中心に第三の産業革命と言われるような技術革新が進んでおります。特に円高というものに対応いたしまして世界経済の中で生き残りをしていくためには技術革新を怠ってはいけない、こういう意味で、設備投資に対する企業の意欲、気構えというのは引き続き非常に強いものがあるという認識でございます。したがいまして、七%という数字で象徴されております設備投資に対しますところの楽観的な見方と申しますか、将来を目指した動きという理解は今でも変える必要がない、こう理解しているところでございます。
#21
○串原委員 大変強気な見通しをお持ちになっていらっしゃるわけでございますが、私は、実はそこの点をとても心配しているわけですよ。この議論もやっていると時間がかかりますけれども、遠からずおのずから答えが出る。私は、政府の見通しほど伸びないのではないか、こういう見通しを立てているわけでございますが、これまた時間が経過したところで論議する機会を持ちましょう。
 そこで通産省、石油の価格見通しをするほど難しいことはない、こういうふうに言われているのでありますが、しかしそれにしても、経済の検討をする場合にある程度の見通しを立てなければならないと思います。そこで、原油価格の下落によりまして、今年度は暦年度で見る場合にある程度原油輸入価格が下がってくるだろう、こう見ておりますが、六十年度の平均輸入価格はバレル当たり二十八ドルであったと言われるのですけれども、六十一年度はどのくらいで推移していくというふうにお考えでございますか。
#22
○田辺説明員 串原委員御指摘の点でございますが、三月にOPEC総会がございまして、これはまとまりませんでした。それから、現在石油の需要が不需要期に入っております。こういうことで、大変軟化傾向にあるということは事実でございます。昨年の二十八ドルの通関ベースでの価格が二月には二十七・五七ドルということでございまして、我が国の通関ベースではまだ著しい低下は見られてないという状況でございます。
 しかしながら、冒頭申し上げましたような国際情勢の中で、今後とも軟化傾向は続いていくと思われます。四月十五日にOPECの総会がまた引き続きございます。それから、OPECと非OPECとの話し合いもいろいろ行われているやに聞いておりますので、そういう政治的なさまざまな動きいかんによって今後の見通しが決まってくると思います。したがいまして、大変不透明な状況でございますので、私どもといたしましても、よく市場の動きを注視していきたいと思っている状況でございます。
#23
○串原委員 先ほど経済企画庁の方で、経済成長率、国民総生産を算定したときには前提として二十七・三ドル、こういうことを想定して計算をした、こういうふうに言われております。私は、先ほど申し上げましたように、石油の価格を想定することは難しいということは承知しながらそれを前提に伺っているのでありますけれども、それにしても、趨勢から見まして、六十一年度は価格は相当安くなるのではないか、こう考えているわけです。ある人に言わせますと、あるいはある機関の資料によりますと、およそ二十ドルくらいで推移するのではないか、こういうふうに言われている向きもございます。その辺についてもう一度お答え願えませんか。
#24
○田辺説明員 ノルウェーで北海油田の採掘に携わっております労働者のストライキがございまして、北海油田のスポットマーケットが三月末には十ドルをちょっと割りましたが、きのう段階で十二ドルにまた上がっております。先生御指摘のように、そういうように非常に不安定な状況でございますので、何とも具体的な見通しを申し上げることができないわけでございます。しかしながら、軟化傾向にあるということは現在の趨勢として言えるかと思います。
#25
○串原委員 これはなかなか難しい算定ではありましょうけれども、現在の円レートは百八十円前後で推移をする、原油輸入価格が二十ドル前後で推移をする、こうなった場合に、差益というのはどの程度算定されることになるでしょうか。そういうことを計算したことありませんか。
#26
○田辺説明員 計算的には非常にいろいろな条件があるものですから、委員御指摘の条件を極めて単純に、機械的に計算をいたしますと、例えば昨年の円・ドルレートは平均二百四十円でございます。それが、百八十円だと五十円下がるということだと思います。それから原油価格に関しましては、昨年が二十八ドルで、ことしが、先生の仮定は二十ドルということであろうかと思いますが、そういたしまして、昨年の輸入量が横ばいという算定をいたしますと、昨年の輸入量は十二・五億バレルでございます。それで、ごく単純に計算いたしますと、三兆六、七千億ぐらいの数字が、これは原油と円高による日本経済全体としての支払い減ということで計算されるかと思います。
#27
○串原委員 なるほど相当大きな数字になるということを理解したわけでございます。
 そこで、経済成長率見通しについては相当強気な見通しをお持ちになっていらっしゃるようでありますから、この問題は、先ほど申し上げましたように、機会をいただけるならばおのずから経済の答えは出てくるということも含めて、次に譲ることにいたします。
 ただいま通産省から、仮定の数字を前提といたしまして、原油一バレル二十ドルで入るということもこれは現実になるかどうかはわかりません、しかし、二十ドルになった場合には、あるいは対ドル円レートが百八十円であった場合はという意味での御答弁をいただいて、三兆六千億くらいの支払い減、逆に利益と言ってもよろしいかと思いますが、そういうことが出るというお答えがございました。
 そこで伺いたいわけでありますけれども、対外貿易、つまり黒字を減らさなければならぬ、貿易摩擦を緩和しなければならぬ、こういうことを柱にいたしまして、けさ総合経済対策なるものが経済閣僚会議で決定を見たようであります。いただいた資料を一読いたしますと、活字としてはまことに好ましい活字が掲載されていますけれども、これはまことに中身がない。そんなに細かく掲載するわけにはいかないからということもあるでしょうけれども、内容的にはどうも私にはまだまだ理解できない、どの程度のものなのかということがよくわからない。その立場で二、三伺いたいわけでございます。
 まず大蔵省に伺いたいわけでありますが、この総合経済対策の中で公共投資の前倒し施行をやると書いてありますが、具体的にどの程度ということが書いてない。まあ建設省の考え方もあるでしょうけれども、具体的に大蔵省はどんなことを考えているのですか。
#28
○涌井説明員 お答えいたします。
 総合経済対策の中で、公共事業等の施行促進を行うこととしておりまして、この対策の中におきまして「上半期における契約済額の割合が過去最高を上回ることを目指して可能な限り施行の促進を図る。」といたしております。
 具体的に申し上げますと、過去最高の上半期の契約率は七七・二%でございました。ですから七七二一%を上回ることをともかく目指そう、かつ、公共事業ですから、用地取得が済みませんと事業が着工できません、あるいは設計書ができ上がりませんと発注できませんということで、物理的な制約があるわけでございます。そういう制約がある中で、事業実施官庁においてはできる限り前倒しの努力をするということでございまして、その場合に、ともかく過去最高は上回ることを目指すということになっているわけでございます。
#29
○串原委員 あと伺っても具体的な数字はなかなかお答え願えないだろうから申し上げますが、つまり過去七七・二%が一番高かった、最高であった、これ以上やります、単純に言うと八〇%ぐらいやろう、こういうことだろうと思う。そういうことになりますと、前倒しを八〇%やるといたしますと、六十一年度後半に、公共事業としては、単純に言えば穴があく、こうなります。それは追加補正予算等々で考えていきますということでございますか。
#30
○涌井説明員 今回の前倒しは、先週成立いたしました六十一年度予算の年度内における執行の方針でございます。そういうことでございまして、この前倒しは補正予算のいわゆる追加補正を前提としたものではございません。補正予算を組むという前提ではございません。
#31
○串原委員 なるほど。そういたしますと、公共事業をして内需拡大に貢献してもらおう、そういうことにはなりませんね。
#32
○涌井説明員 六十一年度予算におきます公共事業につきましては、内需拡大という政府の方針のもとで、実は公共事業関係の事業費は四・三%伸ばしておるわけでございます。その公共事業の六十一年度の十二カ月の中の執行をどういう配分をするかというのがこの前倒しであるわけであります。
#33
○串原委員 これは私は長官に聞きます。
 この総合経済対案というのは、内需拡大を図ろうというのでそれぞれ策定されたものですね。大蔵省が言われるように補正を考えてはいませんということになりますと、ただ今年度の公共事業を少し前にずらしたということだけである、内需拡大をねらった総合経済対策といたしましては中身がない、こういうことになるだろうと思うのですけれども、長官いかがですか。
 それとも、いや、大蔵省としてはそう考えるであろうけれども、私の立場では、経済をつかさどっている大臣としては、これはまた考えなければならぬと思っています、こういうことなんですか、どうですか。
#34
○平泉国務大臣 今のお話でございますが、先ほど円レートについて段々御議論がございましたように、この円高というのはデメリットもあるわけでございますね。その意味で、今回のこの総合経済対策というのは、さしあたりデメリットが非常に前半出てくる、そういう情勢に対して、とりあえず今このデメリットを何とかオフセットしなければいかぬ、これを補わなければならぬ、こういう意識が非常にあるわけでございます。いわば円高対策という面が非常にあります。
 ですから、例えばそのメリットの分を早く経済の中に出してこなければいかぬ、それが一部分に滞留しておるというようなことのないようにしなければならぬという施策も御承知のとおり非常に重要な部分を占めてわります。同時に、どうしてもやはりデメリットという部分も出てまいる。まずメリットよりも先にデメリットが出てくる。殊に、輸出産業、地場産業というようなところでは非常に輸出に依存している産業がある。あるいはまた、非情に景気が悪くなると、全体のその地域が経済的にダウンする、そういうときに公共事業の御出動をできる限り早目早目に願いたい、こういう趣旨がこの前倒しということでございます。
 これは非常に効果のあることである、例年行われておりますが、今回は特に特段の前倒しを行いたい、かように思っておるわけでございまして、御承知のとおりこの前倒しというのは実際には行政の執行面ではいろいろ問題がございますが、これはもうぜひ乗り越えてもらいたいというのが私どもの気持ちでございます。
#35
○串原委員 大臣、お話はわかるのですよ。デメリットがあるであろうから公共事業を前倒ししてデメリットを埋めてもらいたい。埋まることになるでしょう。効果はあると私も思う。前倒しして仕事を前半期でやった場合には、後半期に穴があいちゃうじゃないか。公共事業部門は大変困る事態になるじゃありませんか。したがって、そのことも踏まえて両々相まって考えていきませんと、実は内需拡大という路線には乗らないじゃございませんか、こういうことを言っているわけですよ。長官、そのことを認めるでしょう。いかがです。
#36
○平泉国務大臣 確かにそういう御心配をなすっておられることはよく承知いたしておりますが、今度は逆に、円高のメリットの分が後半期には非常に我が国の経済を大きく潤してまいる、私どもはかような認識を持って、全体としての経済成長率実質四%、かように申し上げておるわけでございまして、公共事業の問題はやはり前期にやるということが中心であって、それが後半逆に足を引っ張るというようなことは私ども考えておりません。
#37
○串原委員 この問題も時間の経過で明確になってくるでございましょう。
 私は、後半で補正予算をおやりにならないときょう現在では大蔵省は言うけれども、そんなぐあいにはいかないと思う。そんなことをしていたら内需拡大なんか何にもできやしないじゃありませんか。もっと総合的に考え、御答弁をしてもしかるべきだと思うけれども、きょうの段階では無理もない、こういう表現でとどめておくようにいたしましょう。
 そこで通産省、時間がちょっとなくなってきましたから端的に伺いますけれども、ただいまの総合経済対策、この中でうたっているわけでありますけれども、円高と原油価格低下に伴う電気、ガス等の差益の還元は、具体的にどういうふうにおやりになるのか。
 そこで、時間が来ましたが、ちょっと重ねて伺うわけでありますけれども、ある資料によりますと、五十五年度の円高差益、五十八、五十九年度の原油値下がりによる差益合わせて九電力会社で三千四百億円の内部留保がある。六十年度の差益は油の利益、電力九社で三千億円、ガス三社で五百億円という資料があるわけであります。六十一年度も相当な差益が生まれると思う。今回、この対策で企画された還元は何年度分についてやるのですか。
#38
○川田説明員 現在、具体的な検討を進めておるところでございますが、現在の方針といたしましては、六十一年度に発生をいたします差益についてできるだけ早く需要家のために還元をすべきであるということで検討をいたしております。
#39
○串原委員 そういたしますと、六十一年度前、五十八、五十九年度等々のものは還元する対象にはしない、六十一年度分だけでありますということでありますが、それは具体的にどういう方法で還元するのですか。
#40
○川田説明員 今回の差益還元の方策につきましては、先般来電力・ガス差益問題懇談会ということで、基本方向のお取りまとめを願ってきたわけでございますが、これによりますと、需要家に暫定的な料金引き下げ措置、あるいは電気につきましては制度面の若干の調整というようなことで還元をするという基本方向が示されておりまして、現在それを踏まえまして電気事業審議会の料金制度部会というところで具体的な検討を進めておるところでございます。
#41
○串原委員 つまり、六十一年度の差益は全部需要家、消費者に還元する、こういうことですか。
#42
○川田説明員 先ほど来お話が出ておりましたように、現在の為替レートの状況あるいは原油価格の低下の状況、こういったことをどういう見きわめをするかというのが問題になるわけでございますが、これを現在水準程度で見きわめをいたしますとすると、やはりある程度のリスク対応というのは用意をしておかなければならないのではないかということで、そこいらがこれからの一つの検討課題でございます。
#43
○串原委員 しかるべき委員会で検討なさるというお話でございましたが、あなた方の考え方としては、需要家に対する還元、会社に対する将来の投資のための留保、およそどのくらいが適当と考えていらっしゃいますか。
#44
○川田説明員 先ほど御紹介いたしました電力・ガス差益問題懇談会でもそこいらのところが議論になったわけでございますけれども、今回の差益につきましてできるだけ多くを需要家への還元に回すべきだということでございますが、やはりリスクへの対応ということも考えなければならないので、そこいらはどういう見込みをするかということとの関連もございます。できるだけ多くをという方針だけは申し上げさせていただきたいと思いますが、今のところまだ比率を具体的に的確に申し上げるということはちょっと無理かと存じます。
#45
○串原委員 それでは、建設省にいま一度伺いますが、急いで申し上げまして恐縮であります。
 住宅建設について、内需拡大の大きな柱ということでこの総合経済対策の中に計画されていらっしゃるようであります。しかし私は、内需拡大といいましても、住宅建設というのは公庫貸し付けを〇・一五%ほど利子を下げたくらいで需要がそんなに簡単に伸びるものじゃない、そんな情勢じゃない、こういうふうに考えているわけです。つまり、住宅建築に対する公的貸し付けの条件というものをほとんど条件をつけないというくらいに緩和する、こんな対策でなければだめだと思っている。
 いま一つは、これからの住宅需要の本当の柱というのは増改築、内装が一番大きな柱になってくるのじゃないかというふうに思う。この辺に対しても、規制等々を加えることではだめだ、需要はふえない、こう思っておるのでございますけれども、環境のいい住宅を建てるために貸し付けの条件等々は余り考えない、増改築に対しても余りきめ細かな貸し付け条件、縛りを与えない、加えない、こういうことにしなければいけない。増改築の場合も貸付年限を随分と延長する、例えば五年くちいは延長していく、こういうことでなければ需要はふえないと思う。内需拡大の柱を住宅建設に求めると言ってみたところでそれは演説だけである、活字だけであると思う。いかがです。
#46
○三井説明員 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、住宅建設を内需拡大の一つの柱とさせていただいているわけでございますが、六十一年度予算におきましても、内需拡大という観点も含めまして、私どもやっております第五期住宅建設五カ年計画の初年度といたしまして、居住水準の向上を図るという見地からも各種の制度改善をさせていただいております。
 御承知のとおり、規模別貸付制度を一部屋広く安い金利でお貸ししようという制度に改善いたしまして、また、貸付限度額も三年ぶりに引き上げさせていただく。その他、老人同居割り増し、そういった政策割り増しを通じまして内需拡大に資させていただいておるところでございます。
 御指摘は、特に増改築についてでございますけれども、増改築につきましては、住宅投資の約五分の一くらいというふうに私ども見ておるわけでございます。したがいまして、市場といたしましてはこれから大きく伸びていくであろうという判断をしておるわけでございます。
 ただ、御指摘の金利と償還期間につきましては、金利につきましては一般の新築住宅が三段階ございまして、一番低い金利を一般的には五・五%口と言っておるわけでございますけれども、それと六・五%口との中間の六・〇%以下ということで決めさせていただいているところでございます。
 今回の増改築関係の制度改善でございますが、一つは貸付限度額を三十万円ほど引き上げさせていただきまして、三百八十万円にさせていただいたのが限度であります。
 金利につきましては、公定歩合、財投金利の引き下げに連動いたしまして、去る一月九日からは五・九%でさせていただいておりますし、さらに今回、これから政令改正が必要でございますけれども、五・六五%台に引き下げさせていただきたいと考えているところでございます。
 また、償還期間については、現在十年というふうにさせていただいておりますが、公的な賃貸住宅関係のリフォームにつきましては二十年というふうにさせていただいておるところでございます。御指摘のような点も踏まえまして私どもも、今後とも増改築関係の融資の改善に努力させていただきたいと考えております。
#47
○串原委員 ちょっと時間がないから、端的にお答えください。
 きょう発表した経済政策、これを踏まえて、昭和六十一年度当初の計画よりも内需拡大ということで、ことしはこの計画に基づいてどのぐらい住宅建設はふえると思いますか。
#48
○三井説明員 増改築の方でございますが、六十一年度予算案では七万三千戸を予定しておるわけでございますけれども、最近は七万三千戸に必ずしも達しないという状況でございます。したがいまして、先生御指摘のような改善措置というのが今後必要になってこようかと思います。ただ、私どももいろいろ情報をあちこちからいただいておるのでございますけれども、建築基準関係とかいろいろな問題点もあるようでございまして、それを含めまして検討を進める必要があると考えています。
#49
○串原委員 いま二点ほど伺いたいと思っておりましたが、時間的に制約を受けましたので結論を伺います。
 ただいままでに伺った点で、住宅の問題についても建設省から御答弁がございまして、そう伸びるようにも見ていらっしゃらないようである。それから、先ほどのあなた方の御答弁では民間の設備投資はそんなに減りませんということでしたが、私は心配をしている。
 そこで、当初円レート二百四円くらい、石油はバレル当たり二十七・三ドルくらいを想定して経済成長率を考えた。それから油が下がる、レートが上がるということも踏まえて、仮にの数字ではあったけれども、油が二十ドルで円レートが百八十円であった場合には年間三兆六千億程度油の差益を生むでしょうという話もあった。
 そういうことを踏まえて長官に伺いたいのでございますが、今回の総合対策によって国民総生産はどの程度にふえるのですか、ふやそうと考えているのですか。経済成長率については、先ほど私が質問したときにはいろいろな対策によって何とか四・〇%を維持したいというお答えでありましたが、この総合対策を立ててみたところが四・〇%を達成するのが精いっぱいである、こういうことでございましょうか、この辺をちょっとお答えください。
#50
○赤羽政府委員 六十一年度の経済につきましては、内需主体の景気の維持拡大ということを前提として四%の成長率を見込んでいるわけでございますけれども、先生も御指摘になりましたような客観情勢の変化に対応いたしまして最近では生産活動なども一進一退ぎみでございますし、特に企業心理の面で、急激な円高に対応して景気に対する見方についてもかなりデフレ感が見られるというのは事実でございます。
 そうした状況を前提にいたしまして、経済見通しが想定しております内需中心の景気の維持拡大、こういうことをより確実なものにするための積極的努力というのが要請されるだろうということで、予算が成立したこの機会をとらえまして総合経済対策をとった、こういうことでございます。したがって、当初の経済見通しを達成する、このための努力として今回の対策がとられたということでございまして、これによってプラスアルファの成長率ということは考えておりません。
#51
○串原委員 もう一つ伺っておきます。
 プラスアルファの成長率は考えていないと明らかになりましたが、それではあなた方が当初計算した経常収支五百十億ドルの黒字は、この対策によってどのくらい減るのでございますか、減りませんか。
#52
○赤羽政府委員 私どもの当初見通し、ただいま五百十億ドルという御指摘がございましたけれども、政府の見通しは、当然自国の通貨建ての数字、こういうことになります。これで申し上げますと、六十年度の実績見込み十一・五兆円、これが十・四兆円ということに黒字は縮小する、こういう見通しでございました。これを円レートが高くなる、あるいは国際的な購買力が下がったドルで計算をすると、六十年度と六十一年度は横並びの五百十億ドル、こういうふうに見ていたわけでございますけれども、その後の情勢、特に前提以上の円高、それから石油がまた下がるという状況になりますと、先ほども申しましたように、これは経済全体にとりましてはむしろプラスになる。プラス・マイナス差し引きをいたしましておつりが来る。しかし、貿易収支あるいは経常収支という収支じりの点で見ますと、黒字は減るのではなくて若干ふえるだろう、こういうことになります。特にドルの為替レートが当初の見通し以上に安くなっているわけでありますから、ドルベースでの黒字はふえざるを得ない、こういうふうに覚悟をしているわけでございます。
 そういうことでございまして、内需中心の成長率をより確実なものとするということで日本政府としては精いっぱいの黒字減らしの努力をする、しかし、その結果としては、黒字、特にドルベースでの黒字はやはりふえざるを得ないというのが客観情勢ではないかと残念ながら考えております。
#53
○串原委員 時間が参りましたから終わりますけれども、きょう伺いました感想としては、総合経済対策を立てたけれどもなかなか成果を上げ得ないのではないかというふうに私は心配する。内需拡大をやるならば、もっときちっと腹を据えてやらなければいかぬ、少し頭の転換をしなければだめだ、従来の路線の上だけに汽車を走らせておってもだめだ、こう思う。政府の政策転換を強く要請いたしまして終わります。ありがとうございました。
#54
○阿部委員長 次に、浜西鉄雄君。
#55
○浜西委員 大変月並みな質問をいたします。これからの対策を考える場合に、原因というか、起こった理由、源を知ることも必要だと思うのでお尋ねするわけです。
 円高、円高と、いろいろなところに大変影響を与えているわけですが、この円高というものが起こった原因、もちろんG5によるところの協調介入だとかいろいろありますが、わかりやすく円高の原因とは何か、これを長官にまずお尋ねしておきたいと思うのです。
#56
○丸茂政府委員 円高の原因でございますが、御承知のように為替相場はいろいろな要因で動きますし、また決定もされますので、非常に端的にこれが原因だということはなかなか申し上げにくいのでありますけれども、この一年間ぐらいの間の円高の原因を考えてみますと、基本的には、八〇年ごろから非常な勢いで上昇を続けておりましたアメリカのドル高が是正をされた、その一環といいますか裏返しとして、円とかヨーロッパの主要通貨等が上昇しているというふうに考えてよろしいのではないかと思います。
 それではなぜアメリカのドルが下がり出したかということでございますが、これにはいろいろなはかり方がございますけれども、一九八〇年から八二年の平均から見まして、昨年の二月ごろまでに四割ぐらいドルがほかの通貨に対して高くなっておったわけでございます。このドル高に対しまして、当初、アメリカの政府等では、これは大変結構なことである、なぜかというと、これは、アメリカの経済が強くなり、またアメリカの国内での投資収益率が高まってきたということの反映なんだというような考え方をしていたようでございます。
 しかしながら、八四年の半ばくらい、それまでアメリカの経済は非常に急速な回復、拡大を続けていたわけでございますが、八四年の半ばぐらいから成長率が急速に鈍化をいたしました。その一つの大きな原因が、ドル高によりまして、アメリカで国内需要がふえてもどんどんそれが輸入に回ってしまう、食われてしまうということでございました。また一方、輸出の方もドルが非常に高いために伸びない、あるいは伝統的に生産力が非常に高く、競争力が強いアメリカの農産物さえも輸出が伸びなくなって、農産物収支さえ赤字になりそうになる、こういうような状況になってまいりました。そういうことから、アメリカ政府の考え方も、昨年ぐらいになってから、ドル高そのものも程度を過ぎるとやはり困るというような考え方に徐々に変わってきたように思われます。
 これは、アメリカ政府の見方を我々が推察をするわけでございますが、一般の為替市場の見方といたしましても、アメリカの経常収支が一昨年一九八四年には千億ドルを超える大幅な赤字になりました。昨年もさらにそれを若干上回って千百八十億ドルぐらいの赤字になったわけでございますが、昨年のことはともかくといたしまして、一昨年、千億ドルを超える、そして昨年中にはアメリカが債権よりも債務の方が大きい純債務国になってしまうだろう、こういう予測といいますか動きがだんだんとはっきりしてまいりました。したがいまして、いかに基軸通貨国のアメリカといいながら、千億ドルを超えるような大幅な経常赤字はいつまでも続けられるものではない、いずれはドル高の修正があるのではないか、こういうような空気が出てきていたと思います。
 この二つが重なりまして、昨年の二月末をピークにいたしましてアメリカのドルが徐々に下がり出したわけでございますし、これを反映いたしまして日本の円あるいは西ドイツのマルク等が高まっていったわけでございます。ただ、その進行過程は比較的緩やかでございました。
 昨年の九月の二十二日に開かれました、いわゆる五カ国蔵相・中央銀行首脳会議というところで、ドルの価値というのがアメリカ経済あるいは諸外国の経済の実力との相対関係でまだ高過ぎる、これが次第に経済のファンダメンタルズを反映するようなものになることが望ましいという合意ができまして、御承知の協調介入というような体制もできましたことがさらに契機になりまして、ドルの低下、円の上昇というものが続いてきているというふうに考えてよろしいのではないかと思います。
#57
○浜西委員 大まかな円高の要因を今説明がありましたが、これは確定的な論説というか学説というのは難しいと私は思うので、これに対しては反論しません。
 最後に言われたG5の介入というのは、円高を誘うような立場でやったのか、あるいはとれ以上アメリカ・ドルというものが緩やかであっても低落というか安い方向へいく、そういうものに対する介入という意味合いなのか、その介入のポイントというか、どんなことで介入したのだろうかという疑問がまだ私自身にあるわけですから、その辺をちょっと説明してください。
#58
○赤羽政府委員 昨年の九月二十二日におきますG5の協調介入でございますけれども、今ちょっと資料を手持ちしておりませんが、私の記憶によりますと、非ドル通貨の強化、こういう言葉があったと思います。経済の実力、競争力、よくファンダメンタルズと申しますけれども、経済の実力以上に高くなりましたドルの為替レート、経済の実力以下の円を中心といたします非ドル通貨、こういったようなものを是正する、こういうねらいがあったということだと思います。
#59
○浜西委員 この問題をいいとか悪いとか論議する気持ちはありません。これは一つの学説というか、あるいは経済学者が既に大変心配している問題なんですが、日本経済はいずれ大きなしっぺ返しを食うだろうという意味合いの論説もあり、アメリカ経済から大変な影響を受ける日本経済としてみれば、そういう専門の経済学者がいろいろなことを言っておることについてもやはりこういった場で政府の考え方をただしてみる必要があると思うので質問するのですが、アメリカ経済の空洞化という問題が最近いろいろな本にも載っておるし、私もそういう言葉を聞くわけです。この空洞化を経企庁とすればどういうふうな角度で見ておるのか。この空洞化とは、中身は大体どんなことなのか。私は私なりに空洞化とはこんなものだということを持っていますが、まず政府側が、アメリカの空洞化というものを余り気にしていないのか、あるいはこれはやはり一つの大きな問題点だというふうに考えておるのか、この空洞化について説がありましたらちょっとこれを説明してください。
#60
○丸茂政府委員 アメリカ経済が空洞化しているということにつきましてはいろいろな議論がございまして、私どももそういう議論は十分に認識をしているつもりでございます。
 特に、先ほども申し上げましたように、ここ数年来、ドル高ということも加わりましてアメリカの工業品の輸入が急激にふえております。一方また、アメリカの多国籍企業を中心といたしまして、これもドル高も影響しておりますが、世界じゅうの安いところから、あるいは安くていいものをなるべく購入してそれを自分の企業の経営のために役立てるというような方針をとっていたということとドル高が重なりまして、アメリカ企業によります外国に対する製品の発注というものが非常にふえているということも事実でございます。したがいまして、こういう点をとらえてアメリカの製造業が非常に弱体化をしている、空洞化しているというふうなとらえ方があるわけでございます。私どもも、そういう面があるということは事実であると思って注意して見ているところでございます。
 ただ、こういう現象をもちましてアメリカの製造業が全体として非常に弱くなってきているんだというふうには必ずしも考えられないのではないかと思っております。
 と申しますわけは、一つは、確かにアメリカ経済のサービス化が進んでいるということは事実でございますが、これは過去数十年来、あるいは少なくとも戦後はかなり急テンポで続いているということでございます。ことしの物かに出されましたアメリカの大統領経済報告あるいはそれに附属しております経済報告などにおきましても、アメリカの製造業の付加価値がGNPに占める比率というのは戦後一九六〇年ぐらいからほとんど変わっていないというようなことを述べておりますし、また、アメリカの設備投資の比率というものも、最近、過去に比べて決して低まっていないというようなことを考えてみますと、アメリカの工業、特に自動車でありますとかあるいは一部の半導体産業というようなところで競争力上問題が出ているということ、その他問題があることは事実でございますが、それをもってアメリカが全面的に弱くなっているんだというふうに見ることは必ずしも妥当ではないというふうな見方をしております。
#61
○浜西委員 この空洞化の問題は、また後ほど私なりの立場で再質問しますが、長官が間もなく退席されるそうですから一つだけ聞いておきます。
 物の輸出、生産物の輸出によって日本が大変黒字、つまりもうかっておるということと同時に、物ではない資本の輸出というか、資本の面における日本の力というものが、多国籍企業とも関係いたしますが、そういう金融面でかなり影響を及ぼしておると思うし、円高そのものを論じる中で、これも決して原因と無関係ではないと私は思うのです。話を非常に限定いたしますが、そういう資本の輸出というか流出というか、それによってまたその利子とか配当金が日本に返ってくるという側面も円高と深い関係があると私は見ておりますが、その問題だけ、どういうお考えか聞いておきたいと思います。
#62
○平泉国務大臣 貿易収支の大幅な黒字というものが続いておりますと、それをオフセットするだけの貿易外の収支の赤字が大きくないと、結局全体として経常収支が黒字になる。今の日本経済は全体として貿易外収支の方も非常によくなってまいりまして、経常収支が黒字になるという傾向が続いておることはおっしゃるとおりでございます。
 そもそも貿易収支が非常に強くなると、どうしてもそういう余った部分というか貿易収支の黒字部分というのは、当然そういうふうに海外投資になってしまうのですね。その形はどういう形であれ、実際理論的に、計算上それはそうなってしまうわけでありますから、どうしても金が海外に預けられるという形になるわけです。そこから資本収益も入ってくる。その点につきまして経済構造調整研究会、いわゆる前川委員会の報告というのをきょう正式に発表いたしまして、それを政府としてどう受けとめるかということにつきまして、閣議におきましてもまた経済関係閣僚会議におきましても本日そのことについていろいろ決定を見たわけでございます。その報告の中にも、今後我が国が海外への直接投資というようなものをもっとどんどん進めていかなければならぬ、そういうことで世界経済の活性化に寄与しなければならぬということも述べられておるわけでございまして、我が国の今のような大幅な経常収支のインバランスといいますか黒字傾向というものを、何とかプラスの世界経済の活性化という面で活用していくように我々としても図っていかなければならぬというふうに考えておる次第でございます。
#63
○浜西委員 私は、今のあれでそうですかと言うわけにいかない一つの考えを持っておるわけですが、時間が来られたら長官は遠慮なく退席されて結構でございます。
 話としてその続きをちょっとほかの政府の側にお尋ねしますが、今の資本の関係で、内需拡大とこれも関連をするわけです。日本の資本が流出するということは、それだけ貯蓄性向が強いということです。国民がどんどん貯金をするわけですから、その金をさらに利子をつけて返すために、それ以上の利ざやを稼ぐために資本の流出、資本の投資がある、簡単に言えば大体そういうことになるわけですが、そうすると内需拡大は国内の貯蓄を切り崩すというか、そういう資本を内需拡大に向けるわけですから、その部分だけ海外に投資が減ることになる、少なくなるということです。これとの関係を一体どう見るのか。アメリカの資本の少ない部分を日本がいつの間にかかなりカバーしてきた、つまりドルの不足部分を円がカバーしてきたという格好で、何とか国際的な金融というかそういう資本というものがそれなりのリズムを持っていると思うのです。それが内需拡大というふうに――我々は内需拡大を求めるわけです。輸出は必ず国際紛争を起こすから、輸出ももちろんやりながらも、むしろ輸出型よりか徐々に内需拡大の方向に向けていく。社会資本の建設とか、その他鉄鋼であれサービス業であれどんどん景気が回復するという意味での内需拡大に向けるとするならば、今言う海外への資本流出というか資本投資ということと内需拡大は両方いくわけはないので、その比重がどっちかにかかってくれば、どっちかがそれなりの影響を及ぼされるわけです。政府側で内需拡大を考えるときにその問題もあわせて考えられると思うのですが、今の段階でそのことをどう理解をし、とらまえておられるか、聞いておきたいと思うのです。
#64
○赤羽政府委員 内需拡大という政策をとる場合のねらいというのは幾つかあると思います。国内が不景気であるから、そのために内需を拡大して景気をよくしなければいけない、こういう場合もありますし、また、これまでの政策の動機が大部分そうでありましたように、黒字が多過ぎるからそれを減らす、そのために内需拡大が必要である。
 なぜ内需拡大によって黒字が減るかと申しますと、内需拡大によって輸入がふえるであろうというのが一つでありますし、また国内で不景気で売れないからということで、無理にと言えばちょっと言い過ぎでありますけれども、やや輸出ドライブがかかった分も国内で需要が見出される、こういうことになりますと、輸出圧力というのは弱まるであろう、主としてこういう二つの筋道を通りまして黒字を減らす、その目的のために内需拡大策がとられる、こういうことだと思います。
 昨年の場合には主としてこの二番目の点が中心だったと思います。ところが、昨年の暮れあたりからことしにかけまして予想以上の円高のデフレ効果ということで、国内に生産活動の一進一退といったような形で景気の停滞の兆候がある。それからまた、企業におきまして、心理的な面を含めまして対応が難しい、こういうことからデフレ感が強まるということがございました。そこで現在の内需拡大策というのは国内景気の維持ということが加わってきた、こういうことだと思います。それはともかくとして、そういう形で国際収支の黒字を減らす、経常収支の黒字を減らす、こういう効果をねらっているわけであります。
 アメリカの場合の資本の不足、貯蓄の不足というのはどうして起こったのか。アメリカ経済あるいは日本経済、これはそれぞれ世界経済の中の一つの国民経済、個別経済、こういう立場にございます。個別経済としてのアメリカ経済の資本不足あるいは貯蓄の不足というのは、アメリカ経済の国際収支が赤字だから起こるわけであります。
 日本が貯蓄過剰というのは、黒字だから貯蓄が過剰であるわけです。なぜかと申しますと、貯蓄というのは国民所得のうち国内で使われない部分、これが貯蓄になるわけです。国民所得は外国から稼ぐ所得とそれから国内で稼ぐ所得と二つに分かれます。そうした場合に外国で稼いだ所得、つまり輸出所得も加えた国民所得の全体に比べまして国内支出が少ないことによって黒字が拡大をする、こういうことで日本経済は貯蓄過剰になっているということであります。内需拡大策によりまして国際収支、特に経常収支の黒字が縮小する、縮小する分だけ貯蓄が減る、こういうことになるわけです。これは他方アメリカ経済あるいはそれ以外の、日本以外の経済におきましての赤字がその分だけ減る、資本不足がそれだけ減る、こういうことになるわけです。
 大臣が先ほど答弁されましたように、資本の流出と貿易あるいはサービスの貿易まで含めました経常収支の黒字、これは裏腹の関係にあるということでありますから、内需の拡大によって国内景気が拡大し、それによってまた輸入もふえる。経常収支の黒字が減れば、それによって資本流出はその分だけ少なくても、世界経済の運営に対しては差し引き特に障害はない、こういう関係ではないかと私どもは理解をしております。
#65
○浜西委員 理論上はそういうことで私は納得できますが、実際はそううまいぐあいにならない状態があるのではないかと思われるわけです。
 それは何かというと、今さっき質問しましたアメリカ経済の空洞化と関係するわけです。いろいろな学者の先生の意見を聞いたり本を読んだりしてそれを総括的に見ますと、アメリカ経済の空洞化――今政府委員からも答弁がありましたように、既に個別の企業とすれば、自分の企業の売れ行きをよくするために、先端技術など技術水準の高い日本の生産力というか技術に頼る部分、下請的な、あるいは一つの産物の部品として、いろいろ形はありますが、そういう形を通じて、個別の企業は、自分の企業の利益を上げるために、不本意であっても日本企業の部品だとか下請だとかそういう技術を買わざるを得ないところまで今行っておるというのですね。そうすると、結局アメリカ製品が輸出されたことになっても、つまり日本がそれを買ったことになっても、もともとその一つの製品が成り立つまでに日本企業がもうけたものがそれにくっついて、ラベルはアメリカ製品だなんて言ったって、それに日本の技術が付加されて、そういう形で日本は既にもうもうけている、それが日本へ輸入されるという形も出てくるわけです。既に出てきておるわけですね。
 自動車なんかは現地へ工場をこしらえたりいろいろやっておるのでなおのことですが、そういうアメリカ経済の空洞化というものから、ちょっと今説明がありましたけれども、生産部門というか、これの労働者、従業員の数がだんだん減少しておる。それがサービス業のような運送部門だとか流通部門だとかあるいは営業部門という生産よりも別な形のところにアメリカの労働者が移動しておる。そういうふうなあらわれ方があるというのですね。
 それが証拠には、これは「商工金融」の三月号の冒頭にちらっと、これは極端なことが書いてあるのですけれども、今言う日本の資本流出にも関係いたしますが、貿易摩擦をめぐってかなり日米間の感情が悪化しておる、こう書いてある。どう書いてあるかというと、「アメリカ人の対日感情は第二次大戦後では、今日が最悪であるという点では一致していた。自動車産業の中心地デトロイトなどでは、経済の復興がアメリカのお蔭であることを忘れ、恩を仇で返している日本に、もう一発原爆でもおとしてやれという、感情的な極論さえある、」こういうふうに書いてあるのですね。
 これは端的なあらわれ方で、日本の資本流出であれ、技術流出であれ、かなりアメリカの経済の空洞化というものを、片方ではアメリカの個別の企業を支えておる格好になりますが、総体としてアメリカ企業にそういう現象を起こすもとになっておるだろう。そういういろいろなものを見るにつけ、今答弁がありました内需拡大は、アメリカから見れば輸出、日本から見ればアメリカ製品を輸入するという形、そういう単純な図式ではいかないと私は思うわけです。
 大変複雑な問題ですから二言に答弁できないと思いますが、そういったこともあるということについて理解をされておりますか、どうですか。
#66
○丸茂政府委員 今御指摘のように、アメリカの産業の中で、日本だけではございませんが外国からの、アメリカ以外の国からの輸入が増加をして、そのためにその産業が縮小あるいは拡大ができないという分野がかなり出てきているということは事実でございます。また、それが一つの原因になりまして、第二次大戦後最悪であるかどうかというあたりは必ずしもわかりませんけれども、一部の人たちが日本なり、あるいは日本以外の国もございますが、日本についての警戒心を持っているということも事実であるというふうに考えております。
#67
○浜西委員 そこで、私はまだ後で少し小売関係で質問しなければなりませんから、はしょって総括的なことを先にお尋ねするのですが、円高で大変困っておる会社がふえておる、表面上そういうふうなことがマスコミで報道されておりますけれども、円高でむしろいろいろもうかったところがあるのですね。中小企業でも卸業でも大変もうかっているのではないかと私は思うのです。それは後ほど、それが小売にどうはね返っておるか質問いたしますが、経企庁に総括的にお尋ねしたいのは、この円高の上に原油の値下がり、これは十五ドルでも安いと言っておるのに十ドルということは大変な下がりようなんですが、円高と原油の値下がり、これらが一つに合体をして大変いい状態の部分の方が多いと思うのです。これがこれからの日本経済にどのような影響を与えるだろうか、これをお伺いしておきます。
#68
○赤羽政府委員 円高あるいは原油の値下がり、これの日本経済に対する影響、それぞれプラスとマイナスがございます。物事には光と影がある、こういうことを申しますけれども、メリット、デメリットがございます。円高につきましてはメリットもデメリットも非常に大きい、こういうことでございまして、差し引きどれぐらいになるのかという点が必ずしもはっきりいたしません。それに対しまして原油が安くなるメリットというのは、日本艦済だけの立場から考えますとメリットが圧倒的であり、デメリットは非常に小さい、こういうことだと思います。
 そこで、もう少し具体的に申し上げますと、円高の影響というのは二つございます。一つは、交易条件効果と申します。もう一つが貿易数量効果と申します。大変専門的な用語を使って恐縮でありますけれども、前者の交易条件効果というのがプラスのメリットであります。後者の貿易数量効果、これがマイナスのデメリットの効果、こういうことになります。
 まずプラスの効果、交易条件効果といいますのは、円高によりまして輸出価格、輸入価格ともに値下がりをいたします。これは円ベースで見た価格であります。ところが、輸出価格の値下がりの方が輸入価格の値下がりよりも小さい。最新の統計、三月中旬の卸売物価統計でこれを見てみますと、輸出価格は一六・二%一年前に比べて下がっております。これに対しまして輸入価格の方は、そのちょうど倍に当たります三二・二%下がっておる、こういうことでございまして、輸出の値下がりよりも輸入の値下がりの方が大きい。この輸入価格が値下がりをすることによって輸入代金の支払いが節約される分の方が輸出価格が下がって輸出収入が減るよりも大きい、こういうことで差し引きプラスの効果がある。この効果は日本経済全体としての購買力をふやす、所得をふやす、こういう効果になります。所得がふえるわけでありますから、当然国内需要もまたそれに応じてふえてくるだろう。こういうことで、需要拡大効果のもとになります所得増加、購買力増加効果、これが交易条件効果というわけであります。
 それに対しまして、貿易数量効果と申しますのは、輸出がしにくくなる、他方、輸入がふえる、こういうことでありまして、輸出産業の生産活動が抑制されるあるいは輸入品と競合する国内産業の生産活動が圧迫される、こうした輸入数量の増加、輸出数量の減少、こうした貿易数量効果がございます。これは当然国内の生産活動に対してデフレ的な要因を持つ、こういうことで、マイナスになるわけであります。
 このプラスの効果とマイナスの効果、差し引きしてどちらが大きいかということでありますけれども、これはそのときどきの情勢によって違うのではないか。しかし、大体ほぼとんとん、相殺されるくらいか、あるいは場合によってはマイナスの貿易数量効果の方が若干大きくなる可能性はございます。
 それに対しまして、原油価格の値下がりによるプラスの効果、これはマイナスの効果に比べて圧倒的に大きいわけでありますから、円高に原油の値下がりというのが加わりますと、円高に伴うところのマイナスの効果を相殺して、おつりが来るのではないか、このような認識をしております。
#69
○浜西委員 大変詳しい説明で、ありがとうございました。
 そこで、メリット、デメリットの大変交錯した状態で、今政府当局としても、デメリット部分というか、中小企業対策、円高が下請中小企業にしわ寄せされないようにいろいろ対策をやっておられます。結構なことではございますが、円高によるデメリットばかりが意外に表に出ておりますが、むしろ角度を変えて、円高によってもうかっておる業種あるいは企業が国民生活にどのような好影響を与えておるか、やはりこれをつかんでおく必要があるのではないか。逆に言えば、円高で、いや困った、中小企業倒産だ、特に産地中小企業あたりは目に見えて競争はできないし、もう太刀打ちできない、これはそれこそ間違いなく大変な打撃を受けておるわけですが、そういう部分だけを見るのじゃなくして、逆にメリットの部分が日本国内全体としてあるのではないかと思うので、この問題に質問を移します。
 まず、通産省関係からお尋ねした方がいいと思うのですが、私が質問する基本は、円高の状態の中で輸入されたもの、食料もあれば工業製品もあれば、日用品、雑貨品、いろいろあるでしょう。すべて並べては大変ですから、その中の特徴的なものを、一年前にこうであったものが円高によって現在こういう状態で、国民全体がメリットを受けておるというか受益しておる、価格が安くなってこうだということもあるでしょうし、そういうふうなものが特徴的にあれば出してもらいたいと思うのです。卸の段階といったって、卸の多段階制というか、第一次卸、第二次卸、第三次卸と非常に複雑なところがありますから、ストレートにここで答弁するのは難しいとは思いますが、比較的代表的なというか説明のしやすい、私の趣旨に合うようなものがあれば、ここでその点を説明してもらいたいと思います。
#70
○殿岡説明員 委員御指摘のように、今回の円高のメリットを広く国民経済に均てんさせるということは極めて重要なことだと考えております。
 御指摘の通産所管の物資におきまして、どんなものが具体的に下がってきたかという御質問でございますけれども、通産所管物資につきましては、既存統計で各個別の品目につきまして価格動向を把握しづらいところがございますので、現在通産省におきましては、主要二十品目につきまして、消費財を中心に価格動向の調査をいたしておるところでございます。この結果を早急に取りまとめまして、四月末を目途に公表したいというふうに考えております。
 一方、主要スーパーあるいは百貨店に対しまして円高活用プランの実施ということを指導いたしておりまして、この中におきまして既に約千品目にわたりまして、衣服でありますとか家具等を含みます物資につきまして、それぞれの百貨店、スーパーにおける値下げを実施中あるいは計画中であるというふうに私ども把握しているところでございます。
#71
○浜西委員 それは早目につかんでもらって、二十品目とはどんなものか、ここで聞いたって時間がありませんから省略して結構ですけれども、四月末ということですから、五月あるいは六月には発表されると思いますので、これを見てまたそれなりの奨励性向というか方向、お互いにこういうものに対する論議をしてみたいと思うのです。これは早くやってください。
 それからスーパー、百貨店――千品目というと莫大なあれになるのですが、これはいつごろになるのですか。やはり同じ四月末ごろにそういう動向が大体つかめることになるのですか。
#72
○殿岡説明員 ここ四、五月を中心といたしまして、各主要スーパーあるいは百貨店におきましていろいろなフェア等を行うことにしております。その中におきまして、先ほど申し上げました延べ一千品目にわたる値下げの計画があり、あるいは既に実行されているということでございます。
#73
○浜西委員 それでは、なるべく早くつかんで後日発表をしてもらいたいと思います。
 そうすると、ほかの省庁にこれはお尋ねしなければなりませんが、大蔵関係、来ておられますね。
 大蔵省の場合は特に酒に絞ってお聞きいたしますが、私どもは、時々愚痴をこぼすのですが、洋酒はいろいろ途中マージンがプラスされて、もっと安くなるはずだなと冗談を言いながらも酒のことはよくわかりませんから、この際ちょうど円高ということで安く輸入できるはずでありますから、今通産省の方にお尋ねしたように、それこそ酒の名前をいろいろ挙げてもらっても結構でありますが、何々が大体一年ぐらい前にこうだったのがこうだ、つまり小売、消費者にどのようないい影響を与えているかという意味でお尋ねするわけでありますから、余り余分なことは言わなくて結構ですから、酒類の一年前と今日を比較して、違い、動向を説明してください。
#74
○宗田説明員 それでは端的にお答え申し上げます。
 国税庁で所管しております物資のうち、輸入洋酒について御説明いたしますと、この二月以降かなりの輸入業者が、円高等のメリットを還元するということで小売の標準価格の引き下げを行っております。例えて申し上げますと、スコッチウイスキーのプレミアム物が一万円だったものが八千円、それからいわゆるスタンダード物というものがございますが、四千百五十円だったものが四千円とか三千八百円、それから米国産のワイン等で千二百円のものが千円、あるいは千五百円のものが千二百円というぐあいに、かなりの銘柄において引き下げが既に行われておりますし、それから四月以降、最近も急速にそういう銘柄数がふえておりますし、さらにまた引き下げを検討しておる銘柄もあるように我々承知しております。
#75
○浜西委員 余り安くなっておらぬですね。今のスコッチのあれでも一万円が八千円ぐらいですか、スタンダードは四千百五十円が四千円あるいは三千八百円というのですから、余り安くなっておりません。
 円高とは関係のない流通の複雑性をここで言うつもりはありませんが、ひところ、流通で大変輸入業者がもうけておる、本来これこれで買えるところがその四倍も五倍もの値段で売られておるということがマスコミで報道されました。こういう流通関係はそのまま推移をして、そして今発表のありました小売価格というものであれば、輸入の円高によるメリットというものはごくわずか、大体こういうことになりますが、今の円高傾向が徐々に後まだ進むとするならば、あるいはこのまま横ばいでも結構です、逆戻りしないとするならば、まだ多少安くなる傾向にあるのですか、もう大体こんなもので打ちどめの状態にあるか、その辺見通しはどうですか。
#76
○宗田説明員 今後の動きにつきましては、私どもなかなか予測することは困難でございますけれども、私どもといたしましては、円高差益が十分に消費者に還元されるようにということで、相当強力に輸入業者を中心にして指導しております。したがいまして、輸入業界の方もまた業界として、私どもの要請それから世論の要請にこたえるようにということでそれぞれの業者に対して引き下げようという呼びかけを行ったり、こういう努力を行っておりますので、私どもとしては、そういうことで今後とも差益の還元が広がっていくということを期待しておるところでございます。
#77
○浜西委員 余り酒にこだわって、私がいかにも飲み助みたいに見えるのですが、そういうわけではありません。この国税関係、大蔵省はそういう課税という立場でこのことを指導監督する、あるいはそういう協力要請をするということなのですが、私は、抽象的ながら、この酒の流通関係を是正しないとこれは安くならないと思っている一人なので、そういう流通の関係の指導というものは大蔵省なのですか、通産省になるのか。大体そういう流通の簡素化というか、流通によって消費者が高いものを買わされておることは間違いないわけですから、それを是正する指導監督官庁はどこになるのですか、それをちょっと聞きたいと思う。
#78
○斎藤(成)政府委員 お尋ねのお酒類につきましては、流通ももちろん大蔵省で指導されることになっておりますが、流通一般につきまして、先ほど来御指摘がありますように高いマージンというのが従来から批判の的になっております。これにつきましては、昨年の秋から物価安定政策会議の中に専門の委員会をつくりまして、そういった問題をひっくるめましていろいろ検討していただきまして、三月の末に答申をいただいております。
 その中で指摘をされておりますのは、いわゆるハイマージン、マージンが非常に高いものとして特に問題が多いのは、総代理店制度ということで輸入がなされているものに見受けられる。したがってそういう総代理店制度で、高ブランド価格政策というような言い方をしておりますけれども、そういったものについては並行輸入を十分行えるように、並行輸入阻害行為が行われることのないような監視その他で競争政策をもっと徹底させることによって効果を上げたらどうか。
 それからまた他方、輸入総代理店に対しましては、高ブランド品というのは輸入品の象徴的な存在であるから、価格について十分配慮をして商売をするようにという要請もいたしております。
 そういう意味で、全般についての取り組みは私ども経済企画庁で担当しているわけでございます。
#79
○浜西委員 これ以上しつこく言いませんが、それじゃもう一つだけ。
 輸入総代理店というのは、たばこ専売の小売店の権利とか酒類を売る場合の売店の権利とかいうようなものと同じように、政府として輸入総代理店というものに、昔で言えばそういう免許を与えて、それが総元締めというかそういうふうな役割で、何か法的に与えられた権益がこの総代理店制度にあるのかどうか、これだけちょっと聞いておきたいと思います。
#80
○斎藤(成)政府委員 輸入総代理店という問題は政府の関与する問題ではございませんで、外国のメーカーとそれから日本側の輸入業者の間で総代理店契約というのを結びまして、要するに日本における販売をその総代理店が一手に引き受ける、こういう形になっているわけでございます。
 ただ、政府として関与いたしておりますのは、その場合の総代理店契約、外国との契約につきましては公正取引委員会がチェックをすることになっておりまして、その契約の際に競争阻害的なことが契約に入っている場合には、公正取引委員会はそれを改めるように指導いたしております。そういう意味で、競争阻害行為に関しましては公正取引委員会が十分監視をしている、こういう体制にございます。
#81
○浜西委員 また別の機会に公取その他も含めて、これは私個人の考えですが、少しメスを入れないといけないと考えておりますので、この問題は終わります。
 それから、これは農水になると思いますね。生鮮食料品から加工品からいろいろあります、肉類あたりでもかなり輸入しておると思うのですが、いろいろありますからこれも絞り切れませんが、代表的なもので大体どういう傾向にある、つまり基本は、何回も言うようですけれども、小売の段階で消費者にどのようなメリットが円高によって起こっているか、これが知りたいわけですから、そういう立場で説明願いたいと思います。
#82
○武田説明員 お答えいたします。
 食料品価格につきましては、為替レートのほかに需給実勢でありますとかいろいろな要因、それから輸入契約から実際の輸入までの時間、タイムラグ、それから国内におきます在庫調整、いろいろな要素がございますので、本格的に円高の効果が出るまでにはやはりなお時間を要するのではないかと考えております。
 このような事情にはございますけれども、円高後の価格動向を見ますと、輸入契約の期間が比較的短い生鮮食料品、例えばレモンですとかグレープフルーツとかエビ、そういったものを中心に弱含みで推移をしております。
 それから、お話がございますように、やはりこうした円高の効果というものを、市場メカニズムを通じまして国民一般の利益に資するようにしていくことが大切だと考えております。私どもの方といたしましても、主要な十五品目につきまして調査をいたし、四月末を目途に消費者等に対する情報提供を行ってまいりたい、このように考えております。
#83
○浜西委員 それじゃ結論だけ言うと、契約期間の短いものは多少のあらわれ方をしておるが、総体として農水関係の扱うというか管轄内にあるところのそういう消費品目は円高の効果のあらわれ方はまだ先だ、こういうふうにきょうの段階は受けとめて、今の時点では顕著な円高によるところの消費者へのプレゼントはない、こういうことですね。ちょっとその辺、私の趣旨に沿って説明してください。
#84
○武田説明員 申し上げましたようなことで、品物によっていろいろ事情がございますけれども、いずれにいたしましても、今後の調査の過程を通じまして、円高の効果が広く行き渡るように、そういう趣旨で対応してまいりたいと思っております。
#85
○浜西委員 これはまだ余り完全に把握されてないようですから……。
 冒頭言いましたように、円高で大変打撃を受けたという業種、企業、こういうものが意外にクローズアップされる中で、目には見えないけれども日常の消費生活の中で円高によるメリットは国民の皆さんにこのような還元もあるのですよということは、ただ物価対策特別委員会でけしからぬ、けしからぬという諦め方よりか、むしろそういう分もお互いが表に出して国民に知らしていくということも私は必要だろうと思うのです。円高によるそういった悪い面ばかりではないということを場合によってはやっていく必要がある、こういうふうに思っております。農水とか、あるいは大蔵、御苦労さんでした。よろしゅうございます。
 そこで、円高差益によって総体とすれば日本はかなりもうかった部分がある。それは電力であり、ガスであり、あるいは石油であり、大どころそういうことになっているわけですが、これらの差益をどう扱うかということについて私は疑問を持っているのです。
 先に私の考えを言いますと、大変円高でもうかったからその部分を料金を下げて還元いたしましょうという非常に直接的な、短絡的な話が合されておるようですけれども、そうすると、逆に言えば、メリットがある場合はいいけれども、逆になった場合直ちに料金を上げさせていただきますよということに連動すると思うのです。そういう直接的な料金の下げ方に私は何も反対するものでありません。料金で返す方法もあることですから、それはそれで結構なんですが、もうちょっと角度を変えて、産地の中小企業あたりは大変困っておるところがたくさんあるわけでありますから、そういうものに対する立ち上げ資金というか、補給金というか、そういう貸付金の利子の援助とか補給とかいろいろやり方はあると思うのですが、総体として、円高というそのときの情勢によって企業努力以外に利益のあったものについては、わかりやすく言えば特別会計のようなもので別にきちっと把握をして、その中から円高によって打撃を受ける中小企業あたりに政策的にそのものをうまく連動させて補助をしたり、そういう方向での還元ということはできないかどうか。
 この辺は私の個人的な主張になりますから、我が党がそのことを決めてここで主張するわけではありませんけれども、私個人の立場ではどうもそのような感じがする。つまり、直接的に料金で還元すると、逆の場合は今度は料金値上げのいい口実になるから、どうもそれじゃまずいのじゃないかということから今言ったような方法をとることを検討されたらどうかと思いますので、そういうことについてお考えがあったら回答してください。
#86
○斎藤(成)政府委員 お尋ねの点で、例えば電力を考えていただきたい。それでちょっと例を申し上げますと、御存じのように、電力の料金というのはどういう原則で決まっているかと申しますと、原価主義の原則でございます。この原価主義の原則というのは、料金を決める際に、そのときの必要な原価をもとにして料金を決める。この場合に、一定の前提のもとに当然原価をはじくわけでございますから、その前提が大幅に狂ってまいりますと、そこに原価と実際の価格との間に開きが出てまいります。
 今電力料金について大きな差益が生じておるというのは、まさにその原価で計算をしたものと四囲の情勢とでは大きく違ってきたということによるわけでございまして、御指摘のように為替の問題あるいは原油価格の問題というのが大幅に下がった結果として、コストつまり需要者から取っておる料金よりはるかに低いコストで事業が賄えるようになってきた。そういうことによって差益が生じたわけでございます。ですから、その場合の差益というのはだれが負担してきたかということになりますと、これは電力なら電力のユーザーが負担をするわけでございます。そういう意味で原価主義という考え方に立ては、そういった四囲の情勢が変わってきたわけでございますから、四囲の情勢に合わせて料金を改定する必要がある、こういう考え方になろうかと思います。現在生じておる差益というのは、そういったユーザーが払ったものでございますから、情勢が変わった段階においてはこれはユーザーに戻してやる、つまり現在のコストに合わせた料金にすることが必要、こういう考え方になるのだろうと思います。
 従来から、電力あるいはガスの差益が大変大きいということで、これを活用したらどうかという御意見がいろいろ出ておりまして、それも一つの考え方ではございますけれども、御存じのように通産省でこういった差益についての検討の懇談会を設けまして、そこでいろいろ御議論いただいた結果というのは、やはり需要者が払ったものは需要者へ返せ、これが原則である、こういうことになったと私ども理解をいたしております。そういう意味で、御指摘のような調整ということは一つの望ましい目標ではございますけれども、ただ電気、ガスあるいはその他の公共料金にろきまして、そういった原価主義をとっておるというものについてそれをプールして使うというのは、原価主義に基づいている法律の精神にも反するということになってなかなか困難であると考える次第でございます。
#87
○浜西委員 もう時間がありませんから、この問題はこれでそうかというわけにはならない部分が私の気持ちの中にありますから、この問題については、今度は逆に料金であればその電気を使って製造するいろいろな生活必需品、食料にしたって、例えば豆腐にしたって電気を使うわけですから、それではそれがどのように安くなるだろうかということも考えなくちゃならぬし、この問題は簡単にいきませんから、円高によるいろいろな波及的効果を含めて、また後日お互いにじっくり考え合うということで、私の質問は以上で終わります。ありがとうございました。
#88
○阿部委員長 次に、武部文君。
#89
○武部委員 一時から本会議があるそうでございまして、もう時間がございませんから、私の質問は大綱を省略しなければならぬことになりまして、改めて明後日の委員会に譲る点がございますが、最初に、私は本日の理事会に欠席をいたしましてまことに申しわけございませんでしたが、理事会でいろいろ要請をいたしました参考人の問題についてちょっと委員長に申し上げたいと思います。
 私どもは、今日の円高問題あるいは原油の値下がり問題、非常に大きな内容を持っておりますので、ぜひ石油連盟、電事連及びガス協会の三者の皆さんに以前と同じようにおいでをいただきまして、当面する問題について御意見を伺いたい、こういうことを要請いたしました。委員長からそれぞれ手続をとっていただいたそうでございますが、先ほど同僚の理事にお聞きいたしますと、石油は電力やガスと価格形成が違う、原油の価格は今日非常に流動的だとか、いろいろなことをおっしゃって出席を拒否されたということであります。今まで円高あるいは原油の値下がりの際には、この三者に同席をしていただきまして私どもはいろいろな面から御意見を聞き、また御質問を申し上げてきたところでありまして、別に他意はないわけであります。このような理由で出席を拒否されるということは、今までの経過から見て大変遺憾に思うのであります。特に石油の輸入というのは、石油業法によって石油計画の枠が決まって、それに基づいて大手十三社ですか元売十三社が輸入をする、こういう建前になっておるわけでして、今まで何事もなく出席をしておられたわけでありますから、私どもとしてはその真意を解しかねるのであります。
 ただ一点、思い当たる節がございます。五十三年に当委員会で円高と原油の値下がりの問題でやりとりをいたしましたときに、自民党の堀内委員からも質問がございましたし、私の質問に対する答弁に非常に大きな金額の食い違いがあった。どうしてもそれがわからないということでそれをやりとりしておるうちに、直接差益と間接差益という言葉が出てきたのであります。このとき、石油連盟の方の御意見が若干この内容に触れた点がございました。こういう点から同席することを拒まれたのではないだろうかと私は推測するのですけれども、それはそれとして、堂々と自分たちの意見をお述べいただければ結構なことでありまして、石油連盟そのものが、とかく今まで当委員会でもいろいろ問題になったように、石油ショックのときに千載一遇のチャンスだとかそういう文書を流されて、大変国民に大きな不信を持たれた業界であった、しかもカルテルで告訴をされて、一審は有罪判決、こういう事態を招いておる石油業界です。あれから七、八年たちまして、石油業界の中には元売会社の業務提携だとかあるいは合併だとか、そういう努力をされて、我々は好感を持ってこれを見ておったわけでございまして、そういう時期にこのような立場をとられるということはまことに遺憾に思うのであります。
 明後日のことでございますから、私はぜひ、委員長が通産省等を通じましても結構ですから、やはり石油連盟の代表は堂々と出席をしていただいて自分たちの御意見をまた堂々と述べていただく、そのことが今後の石油業界の発展につながるだろう、私はそういう気持ちを持っておりますので、冒頭に、この出席を拒否された石油業界に対して委員長の方から特段の御配慮をお願いをしたい。そうでなければ私どもは石油業界に対して厳しい指摘をしなければならぬ、こう思うのですが、いかがでございましょう。自民党の側から御意見があればお聞きして結構でございます。(岸田委員「これは理事会で御相談すべき事項でありまして、それを抜きにしてこのような議論が行われるということは非常に穏当でございませんし、石油業界が拒否したというよりはむしろ理事会でさらに協議をしようということになったように思いますので、今の御発言はちょっと適切を欠くのではないかというふうに思います。」と呼ぶ)
 私の意見は要望でありますから、別にここで議論を闘わすということではございません。明後日のことですから、三者が一緒になって出てきてほしいというのが野党各党全部一致した考え方でありますから、その点はぜひ委員長として御考慮をいただきたい。こういう要望ですから、別に岸田さんとここで論争しようと思って言っているわけではございません。そのようにお聞きをいただきたいと思います。
 時間がございませんから質問に入りますが、冒頭に経企庁にお尋ねいたしたいのであります。
 私は前回、三十五品目のことを一つの例として申し上げました。経企庁は物価担当官会議等を開いていろいろ調査をしようという努力を言明されました。それはそれとして結構ですが、つい先日、経済同友会が二十三品目の数字を発表いたしました。これは、内容を見ますと数字的にそれなりの根拠がある発表のように思いました。新聞を見れば、消費者団体はなぜ騒がぬかというような見出しもついておりましたけれども、経企庁が先を越されてしまって、こういうものが民間の団体から先に具体的に出るというようなことは本来ちょっとおかしいのであります。確かに時間もかかるかもしれませんが、今日国民の注目はここにあるわけですから、やはり最大の努力をして、こういう団体に先を越されないように、いち早く円高のメリットがどういうところにどういうふうに発生しておるのかを明らかにする責任と義務があるのではないか、私はあのときにそう指摘をしたのでございます。この経済同友会の数字に対して経企庁はどういうふうに考えておられるのか、これが一点です。
 二点目は、これまた新聞に報道されたことでありますが、赤羽局長が言われたことが図式になって新聞に出ました。これは、大変詳しく各方面にわたっての数字が述べられておるのであります。石油差益と円高差益を合計して十兆三千七百億円という具体的な数字がきちんと出ておりまして、農林水産業、食料品、電力、ガスというふうにそれぞれの金額が出ておる。そして、円高と原油の値下がりによって、我が国は差し引き三兆五千億円のプラスだ、こういうことが載っておるわけでございます。この一つ一つの数字について内容を全部お持ちなのか、そういう具体的な資料を持ってこのような答弁をなさったのか、その点についてお聞きしたいのであります。
#90
○斎藤(成)政府委員 二つお尋ねでございました。
 第一の同友会の発表いたしました資料に関してでございますが、これがどういう格好で調査された数字であるか十分承知はいたしておりません。
 私が間接に聞いておりますところでは、前回の円高時に調査された品目のうち二十三について、例の総務庁統計局で集計しておりますCPIの基礎になります品目別の価格がございまして、それを拾って、上がったもの、横ばいのもの、下がったものというふうに分類をしたものと、自分で確かめたわけではございませんが、そう承知いたしております。こういう格好の調査でございますと、総務庁統計局の資料さえあればいつでもできるわけでございまして、御存じのように、毎日新聞あたりは既に何回かこういったデータを発表いたしております。
 私どもが政府として考えておりますのは、そういったCPIの基礎資料ももちろん参考になるわけでございますけれども、今後の行政指導のことも考えまして、いろいろ価格の変動の理由について掌握できるように所管省において十分調査をする、こういうことで取り組んでおるわけでございます。そこに、若干調査の内容に違いがあるということで御理解いただきたいのでございます。
 二番目の三兆五千億の積算の基礎でございますけれども、これは私どもではなくて調整局でやりましたので、詳細にはちょっと承知いたしておりません、恐縮でございますが。
#91
○武部委員 調整局の問題については、御不在のようですからまた改めてお聞きすることにいたしましょう。
 そこで、きょう発表になりました総合経済対策の中に、この間私が申し上げたような点の三十五品目ではなくて三十七品目というのがここへ載っておりまして、これを皆さんの方で調査されて、これによりますと大体四月末ごろに発表ということのようでございますが、これは調査に時間がかかることはわかりますが、一日も早く正確な数字を国民の前に明らかにしていただきたい、こう思います。ぜひ早急に経企庁としての具体的な数字を出していただきたい。
 当委員会でこの三十五品目をやったときにいろいろやりとりいたしました。五十二年ですから今から十年も前になりますが、当時の経企庁長官は倉成さんでございまして、いろいろやりとりしたときに長官からこういう答弁がございました。経企庁の態度としてはまことに正しいと私は思いますが、消費者というのは為替相場の知識に乏しい、だから、輸入業者が円高によるところの利益を価格に反映しなくてもこれに対抗する手段を持たない、だから行政が厳しく監視をして、この円高差益というものが現実に反映されるようなことを我々はやっていきたい、こういう答弁が繰り返しありました。まさにそのとおりだと思う。今日もやはりこれと同じこと。十年たったけれども、ちっとも内容は変わっていません。消費者にはわからない。ですから、この為替相場というものがどんなもので、それがどのようになって価格に反映していくのかということをやはり消費者、国民にきちっと知らせる努力は経企庁がやっていかなきゃならぬ。各関係の省庁にこれを任じたって、それはとてもじゃないが正しい数字は円ないと私は思います。そういう意味で、ぜひ早急に、本日発表されましたこの総合経済対策に基づいて経企庁の三十七品目の結果が出るように要望しておきたいと思います。
 次に、具体的な問題の一つとして、私は肉の問題をちょっとお尋ねをいたしたいのであります。
 この問題も、先日私が申し上げまして、何か農林省は直ちに次官が反論をするというようなことを行ったようでございますが、この畜産振興事業団のあり方というのはかねてから大変問題がある、我々はそのように指摘をして、畜産振興事業団の補助金の交付内容に大きな疑問を持っておるということを具体的に指摘したことを記憶しておるのであります。今回もまた、この円高問題で莫大な差益が畜産振興事業団に蓄積される。さらに国際相場の下落、そういう点について大変大きな数字が出るように私は思いますが、ひとつ具体的に農林省の見解をお聞きしたいので、農林省から御答弁をいただきたいのでありますが、まず、六十年度の輸入牛肉に対する為替差益の総額は一体幾らになるか、ちょっとこれを答弁していただきたい。
#92
○鎭西説明員 六十年度におきます事業団の輸入牛肉差益のうち、円高分ということで見込まれるものは、私ども現在のところ約四十億円というように考えております。
#93
○武部委員 その四十億円は、レートを幾らと見て計算をしたんですか。数量は幾らでしょうか。
#94
○鎭西説明員 事業団は輸入牛肉を商社から円建てで買いますので、私ども事業団予算を作成する際には特定のレートを想定して設定するということにはしておりません。したがいまして、この四十億円と申しますのは、六十年度に事業団が買い入れます契約、これは円高が九月以降進行してきたということでございますので、九月以降契約されましたものが六十年度中に入ってくる分、これは大体三カ月おくれで入ってくるわけでございますけれども、その部分について十二月から三月ぐらいで大体平均百九十円台のレートになるだろうということを想定いたしまして、そのレートにスライドされて事業団が買う輸入牛肉が下がるだろうということを前提にいたしました試算であります。
#95
○武部委員 今の六十年度の百九十円というのはいつごろですか。
#96
○鎭西説明員 一応六十年度全体で見ますと二百四十円前後のところでございますけれども、円高が進行いたしました九月以降事業団が契約いたしまして、それが大体三カ月おくれで事業団が実際に物を取得するわけでございますので、それが大体十二月から三月にかけて行われるということを前提にいたしまして、そのときの平均レートを百九十円ということで一応試算いたしております。
#97
○武部委員 私どもの計算と違うわけであります。私どもの計算からいくと、六十年度の輸入牛肉の円高差益は約六十億と踏んでおるのであります。もうちゃんとレートは、実績は出ておるわけであります。我々の計算からいくと、六十年の上期は二百四十四円六十九銭という平均レートになる、下期は百九十八円四十四銭というレートになる、したがって一年平均をすると二百二十一円五十七銭という平均レートが出る、したがってこれで計算をすると六十億、こういうふうにぴたっと出てくるわけです。あなたは三カ月おくれで出るとかいろんなことをおっしゃるわけだからこの辺のところが違うわけですけれども、私どもは六十年度に約六十億円の差益が出る、こういうふうに見ておるわけであります。
 そのほかに、売買益はどのくらいあると見ていますか。
#98
○鎭西説明員 これは去年の末に見込んだものがございまして、これでは事業団の売買差益ということで約三百三十七億円というものを見込んでおります。
#99
○武部委員 そうすると、三百三十七億円に四十億円加えて三百七十七億円程度の利益が事業団に生じた、こういうことですか。
#100
○鎭西説明員 六十年度において事業団の輸入牛肉の売買差益としてその額の発生が見込まれる、かように見ております。
#101
○武部委員 わかりました。六十年度に三百七十七億円程度見込まれる。六十一年度は大体どのくらいを想定していますか。
#102
○鎭西説明員 六十一年度におきましては、ただいま申し上げた通常の事業団の売買差益のほかに、六十一年度を通じまして円レートが百八十円ということで定着するといたしますれば、これは海外の原産地価格の動向というのが相当大きい変動要因でございますので確定的なことは申し上げられませんけれども、円高差益分として約二百億円程度が発生するであろう、かように見ております。
#103
○武部委員 わかりました。売買益はどのくらいと見ていますか。
#104
○鎭西説明員 今のところは、ただいま申しましたように原産地価格の動向等変動要因がございますが、私どもとしては通常の売買差益が約三百九十億円程度というように見ております。
#105
○武部委員 したがって、それを二つ足せば六十一年度は事業団に五百九十億、約六百億の益が生ずる、こういうことになりますが、それでよろしゅうございますか。
#106
○鎭西説明員 そのような御理解で結構でございます。
#107
○武部委員 わかりました。
 そこで、この輸入牛肉によるところの事業団の益金を消費者に還元せよ、こういう声が当然上がっておるわけでございまして、これに対してきょうのこの総合経済対策で具体的に出ております。輸入牛肉につきましては一〇%から二〇%を二〇%から三〇%引き下げるとかあるいはビーフウイークを実施するとか、いろんなことが書いてありますが、具体的に農林省としては、この膨大な金のうち、六十年度三百七十七億、さらに六十一年度約六百億、こういう金のうちどの程度のものをこういう総合経済対策の指摘に沿って計画し使おうとしておるのか、これをちょっと述べていただけませんか。
#108
○鎭西説明員 事業団の輸入牛肉の売買に伴います差益につきましては、先生御承知だと思いますが、畜産物価格安定法に使い方が書いてありまして、基本的には我が国の国産牛肉の合理的な生産振興に充てる。すなわち、生産コストを引き下げることによりまして、中長期的に消費サイドにも生産サイドにもメリットになるような、そういう足腰の強い畜産業をつくっていこうということを基本にしております。ただ、より直接的に消費者に受益するような形での使い方、いわゆる流通消費対策と申しておりますけれども、こういうものにつきましても使っていくという考え方が法律で明定されておりまして、私ども毎年財政当局と一件一件協議いたしまして、畜産振興事業団のいわゆる指定助成対象事業というものを仕組んでまいっておるわけでございます。このことにつきましては、本年の三月末に畜産物価格を設定いたしました際に、関連対策ということで生産振興対策あるいは酪農振興対策あるいは流通消費対策ということで、三月関連対策ということで仕組んでおります。
 それから、ただいま先生から御指摘ございました総合経済対策の中で考えておることにつきまして簡単に御説明いたしますと、一つはえさの価格、これは円高効果もございますが、海外における穀物の相場が下がったということを背景にいたしまして、相当配合飼料価格が下がっております。このことによりまして生産コストが下がったという状況を踏まえまして、六十一年度の畜産物価格、例えば肉で申しますと安定帯価格というものをつくっておりまして、その中で国内の牛肉、豚肉の価格を安定させるという制度があるわけでございますが、その安定帯価格を、牛につきまして、五十年に制度発足以来初めてでございますが、乳用種の牛肉でございますけれども、二・三%引き下げておりますし、豚肉につきましては五・六%の引き下げというのを行ったわけでございます。
 それから、事業団が輸入いたしました牛肉は、通常は食肉市場でございますとかあるいは卸のルートあるいは加工メーカーあるいは外食産業等に競り売りないしは競争入札ということで売り渡すわけでございますけれども、そのほかに、事業団が直接輸入牛肉の指定店というものを指定いたしまして、一年じゅう輸入牛肉の必要な部位について市価よりも一、二割安く売っておる。あるいは月に一回肉の日というのを設けまして、この指定店を含めまして一万店舗参加してもらっているわけでございますけれども、この一万店舗におきまして月に一回やはり同様の安売りを行っているわけでございますが、昨今の円高等を背景といたします。そういうメリットというのをより消費者に還元いたしますために、さらに一割程度値引き率を付加いたしまして二、三割の値引きというものを考えたい、かように考えているわけでございます。
#109
○武部委員 それで、結局持ち出しの金額はどのぐらいになるのですか。
#110
○鎭西説明員 私どもといたしましては、先ほど申し上げました六十年度に発生いたします円高によります四十億円、これを、ただいま申しました目安価格のさらなる引き下げ、それから本年の、当面ゴールデンウイークに集中的にビーフウイークということで全国の主要都市を含みます十地域で同じように輸入牛肉の値引き販売、あるいは国産牛肉についても協力をしていただいて値引き販売をしていただこう、そういう催しを考えております。
 そのほか、ただいま先生からお話がございましたように、事業団の指定助成事業、これにつきましても三月に相当の対策を組んだわけでございますが、今後におきましても、財政当局と十分協議いたしまして流通消費対策の追加的な実施を検討いたしたい、かように考えておるところでございます。
#111
○武部委員 金額ははっきりわかりませんか。
#112
○鎭西説明員 流通消費対策におきまして、三月にいわゆる指定助成事業として仕組みましたものが四十八億強ございます。このほかに追加的に今後早急に検討してまいりたい、かように考えておるところでございます。
#113
○武部委員 事業団始まって以来ということをおっしゃって、それはまことに結構なことでありますが、あなたのおっしゃった二・三%で、去勢牛肉の中心価格を二・三%下げますと、キログラムで三十円ですね。消費者は百グラム単位で買いますよ。三円ですよ。そういう程度の値下がりが一体――皆さん初めてのことだと大変威張っておられるけれども、せぬよりいいことだからいいことでしょうけれども、たった百グラムで三円。このあなたの方の計算でいって、これからどんどん下の方へ行って現場の肉屋の店頭に行ったときに、三円が本当に三円として値下がりするとお思いでしょうか。そんなものは途中で消えてしまって、いつの間にやら上がっておったということになりやしませんか。どうお考えですか。
#114
○鎭西説明員 食肉の価格安定制度におきます安定帯と申しますのは、先生に御説明するまでもございませんが、上位価格を超えますと消費が減退する、あるいは消費者にとって非常にデメリットになる。それから下を基準価格といっておりますが、それ以下になりますと生産が継続できない。そういう幅をつくりまして、その幅の中で国内の実勢価格というものを維持しようという考え方でございますので、例えば乳用雄牛の価格につきまして二・三%下げるというのは、制度的に申しますと、安定されるべき実勢価格のバンドが下方にそれだけシフトしたということでございますので、今後、事業団の輸入牛肉の定期的な売買、こういうものを通じまして国内の価格が新しい安定価格の中心水準に収れんするような方向で運用してまいりたい、かように考えております。
#115
○武部委員 ですから、やらぬよりいいと言っておるのですよ。やった方がいいのです。いいが、現実に今回それだけ、三百七十七億という膨大な差益が事業団にある、この中で、国民の側から見ればそれが、我々が毎日消費をしておる、例えば買おうと思うが高くて買えないその肉に対して、どういうふうに還元されていくものだろうかということを注目しておる。これは、新聞にもたくさんそういうことが出ておりますね。投書にも出ておる。今のお話を聞きますと、全国で三千店の指定席、このウイークには一万店、しかし現実には、放出される肉の取り扱い量は三千六百トンですね。日本の国民の全国の消費量は五十万トンと言われておるでしょう。推定五十万トンと言われておるこういう消費量の中で、たった三千六百トンを、やれ一割を二割に下げましたとかいったって、そんなものはどこへ行ってしまったのやら、どこで句が行われておるのやら、私は国民には全くわからぬと思うのです。そういう点で、三万店の肉店があるでしょう。小売店が大体三万店。これに大体均等にそれでもメリットが行くようなそういう対策ならば、三百七十七億円もあるのですから、それをお使いになったらどうだ、これが私どものかねがねの主張なんです。あなたの方は、助成事業にちゃんと規定があってどうだこうだとおっしゃるが、今御説明になったことを聞くと、消費者への還元じゃなくて、これはみんな生産者対策ですよ。生産者対策に金が使われておる。生産者にいいことをしておけば、それは回り回って消費者には少しぐらい安くなって、いい肉が行くだろう、そんな靴の上から足をかくような話をしたって、それはちょっと今の段階では国民は納得できませんね。
 この一覧表を見ますと、確かにこう書いてある。この流通消費対策、主な事業として何と書いてあるか。これは「国産牛肉特別販売対策」それから「飲用牛乳消費拡大対策」、これは試食会をやってみたり、講演会をやってみたり、生協の産直用の費用を負担をしてみたり、そんなことがこのあなた方の三百七十七億円の使い道になっておるのですよ。
 この補助事業を見ると、定員一名か二名の職員がおるような団体にいっぱい補助金を出しておる。畜産振興事業団ぐらいたくさんの団体に補助金を出しておる団体はありませんよ。それはもう十年も前から私どもは指摘しておるのですよ。たった一人や二人の職員のところへ何でそんな補助金を、肉でもうけた金を出さなければいかぬか、これは大変問題なんです。
 ですから、こういうときに、差益も出たんだし、そして売買益も出たんだし、来年は六百億も出るのですから、それを本当に――国産の牛肉との比較があるということは私も承知しています。これは全く否定できないと思います。しかしそれであっても、これだけの差益が出たならばそれが価格に反映していくような政策をとられてこそ初めてよくやったなということになる。中曽根総理みたいに肉の安売りをやりますでテレビで幾ら大きいことをしゃべったって、そんなことは国民の側では何のことだとせせら笑うでしょう、こんなことを続けておったらば。ですから、おやりになることはやらぬよりいい。肉の日を一年に十二回を十八回にした、これもいいでしょう。それから、二千四百トンを三千六百トンにした、これもいいでしょう。しかし、それだけでは五十万トンの消費量という日本の莫大な消費に比べるとまことに微々たる量であって、政府は円高差益あるいは輸入価格の値下がりによって肉をこれだけ安くしてくれた、そういう政策をとってくれたなというのが一体国民の側にわかるでしょうか。ここには麗々しく総合経済対策の中に一項目設けて書いてありますよ。しかしそんなことは、国民の全部がよくやってくれたと言って本当に感じるような政策になっていない。
 ですから私が申し上げたいのは、あなた方の補助事業という問題についてここらあたりで抜本的に検討し直す必要がありはしないか。この辺についてはいかがでしょう。あなたに質問してもちょっとぐあいが悪いかもしらぬが、農林省としてはどう考えておるか。
#116
○鎭西説明員 先生のただいまの輸入牛肉の安売りの数量につきまして、新聞報道等をごらんになっての数量でございまして一部誤解がございますので、この際はっきり申し上げますと、我が国が食べております牛肉は、おっしゃったように大体五十三万トンでございます。そのうちの約三分の一が輸入でございまして、輸入数量が大体十五万トンでございます。そのうちホテル枠だとかいろいろな特別枠等ございまして、数量でいったら大体八割を事業団が扱っている。六十年度では十二万八千トンばかり事業団が扱っております。そのうちただいま私が申しました指定席、これは全国で三千店舗ございます。最近全都道府県に拡充いたしました。それから肉の日、これは指定店を含めてでございますが、一万店参加しております。肉の日と指定店で事業団が直接安売りいたしております数量は約二万トンでございまして、事業団の取扱量の一六%ということになっております。したがいまして事業団は、畜安法によりまして、本来的には全国の食肉市場あるいは卸屋さんなり小売屋さんの団体あるいは外食なり加工メーカーの団体、ここにいわば大卸という機能で競り売りなり競争入札で肉を安定的に供給することによりまして国内の牛肉の価格を安定させるというのが基本でございまして、直接値引き販売をやっておる数量二万トン、一六%というのは私どもとしては相当の数量であろう、かように考えておるところでございます。
 それから指定事業につきましては、先ほど申しましたように法律でその使い方というのが明定されておりまして、私どもは、やはりここで御理解を得たいのは、なるべく早く日本の大家畜生産、これをアメリカなりオーストラリア並みとはなかなか難しゅうございますけれども、比較的土地条件等の似通ったEC並みぐらいには持っていきたいということで鋭憲政策を進めておるわけでございますが、そういう形での足腰の強い、コストの引き下げが可能な国内の肉用牛振興なり畜産振興ということに使っていくというのが基本で、それがひいては消費者に大変なメリットになるのだろう。ただ、今申しましたように、そうは申しましても消費者により直結するような形での使い方、先ほどお話しのございました産直だとか、あるいは最近私どもやっておりますのは経済的な肥育によります赤身の多い、歩どまりの高い牛肉、こういうものをつくりまして流通ルートに乗せていくというようなこと、あるいは調理形態の普及等を通じます消費者に対する啓蒙、普及といったような形での流通消費対策についても充実強化していきたい、かように考えておるところでございます。
#117
○武部委員 あなた方の御苦労はわかりますが、二万トンは決して多い数字ではございません。そういうことを考えると、畜産振興事業団の補助事業のあり方というものは根本的に考え直さなければならぬ時期に来ておるというふうに思います。
 おっしゃるように、回り回ってそれが結果的には消費者のプラスになる、それは確かにあると思います。それが全くないとは言いません。しかし、そういう回りくどいやり方をする必要はない。ですから、全部を使えとは言わないが、これだけの膨大な利益が上がっているんだから、やはりそのうち消費者にそれが見える形で還元されるような、そういう政策をとることが必要ではないかということを私は特に申し添えておきたいと思います。この問題はまた後の機会に譲りたいと思います。結構です。
 時間がございませんが、もう一つ、食糧庁においでいただきましたので、輸入小麦の点についてちょっとお伺いをしたいのであります。
 この輸入小麦というのは、パンやうどん、そういうめん類の価格に影響をもたらすものでございまして、これが円高によって相当な利益を生じておると我々は見ておるのでございますが、この点について、六十年度に輸入小麦の差益は一体幾ら出るとお考えなのか、六十一年度は推定としてどの程度の円高差益が出るとお考えなのか、最初にこれをお伺いいたしたいと思います。
#118
○日出説明員 まず初めに六十年度の関係でございますが、六十年度の円高差益は実は出ませんで、約二十億円程度の円安というふうに考えております。
 それから、六十一年度につきましては、百九十億円一応試算といたしましては円高差益が出るというふうに計算をしておるわけでございます。
#119
○武部委員 六十年度にマイナス二十億の差損。これは幾ら計算しても出てこないのでありまして、一体どうしてこういうことになるのか、その根拠をちょっと教えてくれますか。
#120
○日出説明員 六十年度につきましては、政府のいろいろな物資を買いますときのレートが、いわゆる支出官レートということで、六十年度の場合に二百三十七円という数字を置いてございます。他方、円高は先生御案内のとおり十月から進行しておるわけでございますが、食糧庁の小麦の買いつけの仕方は実は四百万トンに及ぶ膨大な数量を計画的にずっと買っておるわけでございます。そこで、買いつけ契約は日本の港に入ってまいります到着ベースと言っておりますが、そのベースの実は三カ月前に買いつけ契約を済ましておるわけでございます。そこで、私どもとしては、六十年度の為替レート、実は二百四十円というふうに計算してございますが、これは一般的に申し上げますれば六十年の一月から六十年の十二月までのレートが効いている、こういうふうにお考えをいただければ結構だろうと思っております。
#121
○武部委員 二百三十七円というのは私も予算ベースとしては承知いたしております。単純に計算すればこうなるのですよ、先ほども肉のところで申し上げましたが、現実にレートが上期は平均幾ら、下期は平均幾ら、年を通して幾ら、こう出てくるわけですから、それで我々の計算からいけば、六十年度に輸入小麦の差益は百二十六億円という数字が出てくる。あなたの方はマイナス二十億円ですから、大変な差があるのです。どうしてこんなことになるのか。あなたの方は、直物だ、やれ先物だ、こういうふうにおっしゃっておる。それならば、六十一年度に直ちに百九十億円出るというのは一体どういうことですか、どうしてそういうことになるのですか。
#122
○日出説明員 六十一年度は御案内のとおり支出官レートが二百九円というふうに一応予算では織り込まれておるわけでございます。そこで、大体百八十円程度で六十一年度は推移をする。もう少し言いますと、六十一年一月から六十一年十二月まで、三カ月先へずれますが、それが百八十円程度と見込みまして、その間二十九円円高ということになりますので、これをもって百九十億円と申し上げたわけでございます。
 ちょっと補足させていただきますと、先生の方の試算の中身を私どもはよく承知しておりませんが、私どもの方は先ほど申し上げましたように日本に到着する三カ月前に買い付け契約を済ませてしまうということでございますので、六十年度の為替の計算を六十年一月から六十年十二月までと三カ月前へ出しておるわけでございます。先生方の方は多分六十年四月から六十一年三月までということで、円高が効きます十月以降の分を六カ月と計算しておられるのではないかと思いますが、主としてその違いによるのではないだろうかと推察するわけでございます。
#123
○武部委員 ここでやりとりしておっても数字ですからそのまま頭の中に入っておらぬわけだけれども、それじゃあなた方は何で二百四十円の実際の契約を六十年度はやっておったのか。それが月を越したら今度は一遍に二百九円になる。この辺が私よくわからぬのですよ。あなた方の説明が納得できない。そこで数字に大きな食い違いがあるわけです。ですから、時間がありませんからもう一遍改めて説明を求めてやりたいと思いますので、この問題は保留させていただけませんか。
 そこで、これで終わりたいと思いますが、あさって電力とガスの問題でお伺いをする際に、私どもの計算でいけば別途積立金、その他の積立金と二つございまして、そういうものあるいは六十年度の差益の額、そういうものをひっくるめて六十一年度発生予定の円高差益あるいは原油の値下がり、こういうものを計算いたしますと大体月に六百円、年平均して七千円の金額が一般家庭における割引額になるという計算をしておるのです。新聞にはまた違った数字も出ておりまして、通産省の方では四百円とか五百円とかいろいろな数字もあるようでございますが、バレルの関係その他もございまして、我々はこういう数字を一応試算として出しておるわけです。したがって、この金額が間違いなら間違いというふうに反論していただいて結構ですが、この数字についての見解を通産省からあさってお伺いしたいと思いますから、その点を前もって参考までにここで申し上げておきたいと思います。
 本会議が始まるようですから、私の質問はこれで終わります。
#124
○阿部委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時五十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後一一時七分開議
#125
○阿部委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 物価問題等に関する件、特に円高差益還元問題調査のため、来る十日、電気事業連合会及び日本瓦斯協会から参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#126
○阿部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、その人選につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#127
○阿部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#128
○阿部委員長 質疑を続行いたします。駒谷明君。
#129
○駒谷委員 大臣がおくれて見えるようでございますので、大臣に対する質問は後半に回したいと思います。
 それではお伺いをいたしますが、昨年の九月に行われました五カ国蔵相会議、いわゆるG5以来、円レートがわずかに六カ月余りで、当時一ドル二百四十円台であったものが現在百七十五円、きょうは百八十二円になっておるわけですけれども、そのように円が急騰いたしまして、民間企業がその対応策をとるいとまもないほど大変急ピッチな形で円高が進行しておるわけであります。これについては、これから先、円高がどのような状況になるのか、どのように落ちついていくのか全く予想できない状況のところから、特に輸出関連企業のショックは隠し切れないような状況であり、深刻な問題になっておるわけであります。きょうは本日、経済対策閣僚会議で決定が行われました総合経済対策、この問題一本に絞りましてお尋ねをいたしたいと思うわけでございます。
 そこで、円高不況、内需拡大振興に全力を挙げるという方向で本日総合経済対策を決定されたというふうに思うわけでありますけれども、この総合経済対策を決定するに至るまでの経緯、対策の目的及びその内容について簡単にお伺いしたいと思います。
#130
○宮本政府委員 先生今御指摘いただきましたように、けさの経済対策閣僚会議で総合経済対策を決定していただきました。これは最近の経済情勢を見ますと、日本経済、景気は全体としては拡大が続いているわけでございますけれども、去年の半ばぐらいから既に輸出が高水準ながら頭打ちになってございまして、それを反映しまして鉱工業生産等の生産活動は、このところどちらかというと弱含みで推移してきておったわけでございます。その上、先生が御指摘ございましたようにG5以降、極めて急速な円高が起こりました。そういったことがございまして、企業の景気観と申しますか、先行きも含めて、なかんずく中小企業の景況感にかなりの影響が出ておる。いわゆる円高デフレ、こういう状況になっているかと思います。
 もちろん円高には、これから申し述べますようにメリットというのもあるわけでございます。交易条件が改善して、私どもが稼ぎ出した所得の実質購買力がふえるわけですから、基本的には通貨が高くなるというのは、一国の経済力が正当に評価されるということで望ましいことでございますけれども、先生御指摘いただきましたように何せ非常に急激であったために、なかなか対応が難しくなっているということでございますので、何とかこれから先、必ずや出てくるであろう円高のメリットを、できるだけ早くいわば前倒しに、しかもフルに実現できないものかどうか。
 それからもう一つは、ようやくと申しますか六十一年度予算をお通しいただきまして、実は、去年予算の政府原案をつくりましたときに、内需拡大第二弾ということで、いろいろ財政事情厳しき折からも、内需拡大のいろいろな施策があの予算の中に込められておりまして、それも予算が成立した際にできるだけ早く、できるものは前倒しをして確実にやっていこう、それによって、我が国の内需を中心とした景気の維持拡大をより一層確実なものにしていこう、こういう考え方から、そもそも今回の総合経済対策というものをやろうじゃないかということになったわけでございます。
 そこで、けさ決定いただきました総合経済対策でございますけれども、以下の七本の柱から成ってございます。
 まず第一が「金融政策の機動的運営」ということでございます。これは先生御高承のとおり既に日本銀行が二度にわたって公定歩合を引き下げまして、現在四%と史上第二位の低水準になってございます。それに合わせまして預貯金金利等、さらには長短プライム等も引き下げられまして、金利水準が全般に低下を見ているわけですが、今後とも内外経済動向、さらには国際通貨情勢を十分注視しながら、金融政策を機動的に運営していこうということで、これが第一の柱でございます。
 二番目の柱が「公共事業等の施行促進」ということでございまして、いわゆる前倒してございます。上半期の契約率をできるだけ思い切って高めようじゃないかということで、過去最高の契約率を目指して公共事業等の施行の促進を図っていこうということが決められたわけでございます。ちなみに、今までの最高が幾らだったかということでございますが、これは前回の不況のいわば底でございました五十七年度でございますけれども、このときに同じような公共事業の前倒し執行というのが決定されまして、そのときの目標値が七五%以上ということでございました。そのときの実績が七七・二%でございます。したがいまして私どもは、目標の最高値ということではございませんで、実績の最高値を上回ろうということで、五十七年度の七七・二%を上回る前倒し率を目標にやっていこうと考えております。
 それから三番目が「円高及び原油価格低下に伴う差益の還元と価格の適正化等」ということでございまして、電力九社それから大手ガス三社の円高差益それから石油価格低下に伴う差益につきましては、具体的なやり方はこれから鋭意詰めるわけでございますけれども、方針といたしましては暫定的な価格引き下げで消費者、需要者に還元するということで、それを六月から行う。仮に現在の為替レートあるいは石油価格がこのままで推移するとすれば一兆円ぐらいの還元規模が見込まれるのではないかと考えておるわけでございます。
 そのほか農畜産物につきましては、価格支持制度のございます牛肉とか豚肉とか乳製品等々が既に先月末引き下げられましたし、また輸入牛肉につきましては、畜産振興事業団の指定小売店さらには一般の店でも肉の日というのを月に一遍やっておりますけれども、そこでの値下げ目標を一割ぐらい大きくして二、三割方値引きをして売ろうとか、それから、そのほか国際航空運賃ですとか国際通信料金、これらは実は収入が円建てで入らなくてドル建てで入るものもありまして差益があるわけではございませんけれども、為替レートが変動いたしまして方向性に格差が出てまいっております。つまり日本から向こうに飛ぶ場合の料金と、向こう側で買って飛んでくる場合の料金に格差が出ておりますので、そういった格差を縮小しようとか、その他の公共料金につきましても引き下げによってできるだけ消費者に利益を還元していこうということでございます。
 そのほか、公共料金、規制料金ではございませんけれども民間物資につきましては、石油製品とか配合飼料とかいうものは既に下がっておりますが、そのほかの一般的な輸入消費財についてもしっかり追跡調査をやる。三十七品目、各省でもう既にやっておりまして、四月末までに追跡調査をやって発表するということになっておりますし、それから百貨店、スーパー等々におきまして、全国五千四百カ所ぐらいでインポートフェア、輸入品の大売り出しをやる、さらにもう少し大きいところではインポートバザールということで、これは十数カ所になるかと思いますが、そういったことを通じて鋭意消費者ないし需要者への還元をやる。これが先ほど私が申しました円高のメリットをできるだけ前に引き寄せて、前倒しで出すことによって、いわば円高のデメリットであります先に出てくる円高デフレ的なものを相殺していこう、こういう考え方でございます。
 それから四番目の柱が……
#131
○駒谷委員 あと、こちらの方からまたお尋ねさせていただくので、御答弁いただきたいと思います。
 全体、相当いろいろな政策が打ち出されておりますので、途中で御答弁を中断させていただいたわけでございますが、我が党の草川委員が、大臣の所信表明に対する質疑のときにいろいろと経済成長の問題をお尋ねいたしました。大臣その他関係の政府委員から答弁がございまして、六十一年度の経済成長率、実質で四%という内容になるわけでございますけれども、今回の全体の総合経済対策、これによって経済成長との関係はどのように見込んでおられるのか、その点について伺いたいと思います。
#132
○宮本政府委員 今回の総合経済対策は、先ほど申し上げましたように内需中心の景気の維持拡大を確実なものとするという観点から立てているわけでございまして、先生御指摘の今年度の経済見通しをつくりましたのは実質的には去年の十一月でございまして、あの当時の作業仮説というか機械的な作業前提といたしまして、作業時点の一カ月前の為替レート、丸めて申しますと二百四円だったわけでございますが、それと石油価格についても、その当時の石油価格二十七ドル三十セントだったと思いますけれども、そういったものではじいたわけでございます。
 その後、いろいろ為替レートがさらに円高になりますし、石油価格は一段と低下するというようなことが起こったわけですけれども、私どもといたしましては、実はいろいろなことが起こりましたけれども、マイナス面もあるけれどもプラス面もある。マイナス面としてすぐにでも頭に浮かびますのは、やはり今も御議論になっております円高デフレということだろうと思います。しかし一方で、原油価格の低下と申しますのは、これはちょうど円高のマイナス面がない、プラス面ばかりである。つまり交易条件の改善効果だけなわけですから、これはまさに非常なプラス面でございますし、それから、当時、私ども見通しをつくりましたときに、当然金融情勢は緩和の方向に向かうであろうということを大きな前提として、個人消費にしましても設備投資にしましてもはじいたわけですが、やはりこの二度にわたる公定歩合の引き下げ、それから今の石油価格の低下もありますし、さらにはアメリカでの急激な金利低下を受けまして、予想以上に金利低下が進んできている、こういったのは非常なプラスの要因でございます。円高につきましてもマイナスだけではございませんで、再々申し上げております交易条件改善効果もある。今申しましたように円高デフレに対しましては、きょうの総合経済対策で、いわば当面デフレ対策を相殺するように前倒しにすべてを持ってくるということで、息の長い内需中心の景気を維持していこう、こういう考え方になっているわけでありまして、いろいろおしゃべりいたしましたけれども、六十一年度の経済見通し実質四%の成長というのは、予想外の円高の影響はありますものの、今回のような総合経済対策さらには金融政策の機動的な運営という適切かつ機動的な経済運営のもとで、全体として政府見通しの実質四%を達成することが可能である、かように考えておる次第でございます。
#133
○駒谷委員 現在の日本の経済を考えてみますと、先ほどから出ております急速な円高、それと同時に、先ほどもお話のありました原油価格の下落、この二つの経済の大きな変動が同時に今進行しておる、この現況があるわけでございますけれども、これの日本の経済に及ぼす影響、先ほどもプラスの側面あるいはマイナスの側面、そのようなことについての御答弁があったわけでございますけれども、これからますます経済のかじ取りは大変複雑になって難しい問題が出てくるのではないかと思うわけであります。
 そういう意味から、今後の見通しについてちょっとお伺いをいたしますけれども、原油価格の下落、これは消費国であります我が国にとってはプラスの要素というふうに私も判断をするわけでございますけれども、六十一年度の石油事情の見通し、石油価格の今後の見通し、どのように予測をなされていらっしゃいますか、その点についてお伺いいたします。
#134
○田辺説明員 駒谷委員御指摘の石油の見通しでございますが、結論から先に申し上げますと、大変いろいろ石油事情をめぐって揺れ動いておりまして見通しが大変不透明でございます。私ども現段階では、引き続き軟化傾向をたどっていくであろうと見ているわけでございます。
 昨年の私どもの通関ベースでの輸入価格が約二十八ドルでございました。二月の段階で公表されております数字は二十七・五七ドルでございまして、二月段階まではそれほど日本へ積み込まれている油の価格は下がっていないわけでございますが、三月、四月とだんだんと安いスポット市場の影響を受けた価格が入りつつあります。したがいまして四月十五日のOPEC総会の行方それからOPECや非OPEC諸国とのさまざまな話し合いの成果いかんではありますが、当分の間、軟化傾向は続いていく、こう見ているわけでございます。
#135
○駒谷委員 先ほどの答弁で軟化傾向ということでございますけれども、相当この石油は下落がとまらないだろうという専門家等の御意見があるわけでございます。石油価格の下落に象徴されますように今、世界の景気の状況というのは下方に向かっておるというふうに言われるわけであります。いわゆるディスインフレが進行しているというふうに現状で言われているわけでありますけれども、日本の経済におきましては、その上に円高という問題が、要素が重なってきた。先ほどから説明のありましたようにデメリットの関係が今顕著に出てきておる。いわゆる円高によるところの差損による輸出関連産業のデメリット部分が出てきておる。メリットの部分については、専門家の意見等でも相当おくれてメリットの部分が出るのではないか、そのように言われておるわけでありますので、先ほどの答弁のように、それを前倒しにして早くメリットの効果を上げていこう、そういうのが今度の一つのねらいであろうかと思うわけであります。
 そういう意味からいきますと、現在の日本の景気、このデフレ効果というのが後半にどういうふうに影響してくるかということが大変懸念されるわけであります。経企庁の方では円高のプラス面を今強調されておりますけれども、先ほども言いましたようにその効果というのは恐らく後半になるのではないか、これはもっぱら経済専門家の意見等があるわけでありまして、いわゆる景気のプラス面というものが後半になるということになりますと、当初から経企庁がお考えになっております経済成長率四%という問題についても大変疑義があるという意見を出す、いわゆる民間関係の専門家がおられるわけであります。そういう点を踏まえまして、この経済成長率の鈍化という意見に対してどのようにお考えになっていらっしゃいますか、御意見を伺いたいと思います。
#136
○宮本政府委員 確かに先生が御指摘になりましたように、どうしても円高のメリットとデメリットを比較いたしますと、デメリットの方が先に出てくるという面があろうかと思います。しかも、急速な円高のような場合には、私どもの言葉で申しますと相対価格が急激に変わるものですから、得をする人たちというか部門と、それから損をする部門とが両極に非常に明らかに分化いたします。つまり、これはもう言うまでもないことですけれども、輸出産業が円高でやはり一番直接的な被害を受けますし、逆に今度は原材料を輸入している、あるいは製品でもよろしいのですけれども、輸入しているものは、より安い金で今までと同じ物を買えるわけですから非常に得をする。その得をする人と損をする人が非常に分かれてしまう。一国経済全体として締めれば、それはお互いに相殺し合い、場合によっては円高のメリットの方が大きいかもしれないのですけれども、それが直接的には損をする人と得をする人が分かれてしまう。しかも、それが一部の部門に特に強くあらわれるということが円高デフレの一番の問題じゃないかと思っておるわけでございます。
 したがいまして、こういういわば時期的な偏在と申しますか、デフレが先に出てくる、そしてそれを補うべきプラスの効果というのがおくれて出てくる、それをできるだけならす。それから、今のようなできるだけならすことが即、両極に分化して損をした部門と得をした部門との差がそのままになるのをならすことにもつながってくるわけでございまして、そういったことから今回の総合経済対策の一つの大きな柱として差益還元というのが入ったわけでございます。
 先ほど先生、世界経済全体がデフレ状態だというお話でございましたけれども、確かに石油価格それから一次産品価格も下がっておりますが、石油価格が下がっております一番大きな要因は、OPECといういわばカルテルで人工的に価格を上げてしまったために、高いものは使えないというので節約努力が非常に進んで、代替エネルギーの開発だとか省エネルギー努力が進んで石油の需要が少なくなってしまった、需給のアンバランスが人為的に生じたということのいわば是正という形で起こっているわけでございまして、世界経済全体がデフレ傾向にあるということではないんじゃなかろうかと思います。現に世界経済、去年はアメリカ経済が、おととしの急成長から鈍化したものですから世界経済の成長率が鈍化いたしましたけれども、ことしはむしろアメリカも去年よりは成長率が高まる、それからヨーロッパも去年よりは成長率が高まる、これはOECDという国際機関の見通しでございますけれども、そういったことで、もちろん石油を産出しております累積債務国等々、一部に去年よりは非常に苦しくなる国も出てこようかと思いますが、世界経済全体として見ますと、去年よりは金利低下もあるし、インフレも落ちついてきた、さらには石油価格低下も、世界経済全体として見ればオイルショックが世界経済にとってマイナスであったことの逆ですから、石油価格が低下するということは山界経済全体にとっていい影響を及ぼすはずでございまして、こういったもろもろが重なって世界経済は全体としてはことしの方が去年よりはよくなるのではないか、こういう流れになってございます。
 したがいまして日本経済も、先ほど私、最初に申し上げましたように、去年の半ばぐらいからやや輸出が頭打ちになっているために、そこに結びついた鉱工業生産等は弱含みになっておりますが、サービスですとか第三次産業はむしろ強くなってございまして、全体として拡大を続けております。したがって、円高デフレということが言われますけれども、決して底割れして不況になるという局面ではございません。拡大は続くと思います。ただ現局面で円高デフレが初めに出てくる、それを前倒しをして埋めることによって、従来続いてきた景気の持続的な拡大方向をこれからも維持していこう、こういうことでございます。
#137
○駒谷委員 時間が大分経過をいたしましたけれども、中身の問題についてお伺いをいたしますが、電気、ガスの差益還元の問題でございます。「円高及び原油価格低下に伴う差益の還元と価格の適正化等」というところの(1)の問題でございますけれども、先ほども説明がございましたが、この問題については通産省の電力・ガス差益問題懇談会の報告が出されておるわけでございます。この報告に基づいていろいろと検討が行われたと思うわけでありますけれども、今後具体的に実行くのプロセスといいますか、これについてお伺いをいたしたいと思います。六月に実施するというふうにきちっと明確に書かれておりますけれども、今後の経緯について簡単にお願いしたいと思います。
#138
○川田説明員 まず結論的に先に申しますと、きょうの経対閣の決定のとおり六月実施を目指して今、検討を進めております。今やっております仕事は、先生今お触れになりました電力・ガス差益問題懇談会の結論が出ておりまして、それを踏まえまして検討を進めているということでございます。具体的には、電気事業審議会料金制度部会あるいはガス関係の審議会がございますが、そういうところで詰めるとともに、私ども事務局としても六月実施に向けていろいろ検討をしておる、こういう段階でございます。
#139
○駒谷委員 五十三年でございましたですね、大幅な円高による差益を還元して電気、ガスの料金の引き下げが行われましたですね。そのときの全体の差益の額、そして還元された金額というのはどのような状態であったのか、その辺について簡単にお伺いしたいと思います。
#140
○川田説明員 私から電気につきまして御説明をさしていただきたいと思います。
 昭和五十三年度下期におきます措置は、五十三年度に発生をいたします、それが予想される差益総額を出しまして、それを十月から翌年三月の六カ月間で割り引きをしておるという措置でございますが、その際の数字は、円高差益総額が三千八百八十三億円、そのうち割り引き総額は二千六百六十五億円ということになっております。この差は、当時、五十四年度に料金をなお引き続き値上げをしないということを前提にしたこと、それから五十三年度中のコスト上昇などもあったかと思いますが、そういう措置でございまして、これを先ほど申し上げました五十三年度下期の一キロワットアワー当たりの単価を出しまして割り引きをした、こういうことでございます。
#141
○中尾説明員 ガス事業につきましての五十三年度の下期におきます料金割引措置について御説明申し上げます。
 電力の場合と同様、大手ガス三社につきまして割引措置を実施したわけでございますが、考え方は電力の場合と同様でございます。数字について申し上げますと、円高差益額につきまして四百三十二億円と見込みまして、割引総額は二百五十一億円割り引いております。
#142
○駒谷委員 電力の関係につきましては大体七〇%になりますか、ガスの方は大体六〇%ぐらいになるのですか、この戻した額については。双方ちょっと簡単に。
#143
○中尾説明員 はい、そのとおりでございます。平均してそういうことで考えていただいて結構でございます。
#144
○駒谷委員 今回の分でございますが、今検討が行われておるわけでございますけれども、この一兆円程度というのは、全体の差益観が一兆円ということでございますか、それとも還元をする金額として考えられるのが一兆円ですか、この点についてお伺いしたいと思います。
#145
○川田説明員 後者でございます。具体的な還元額として、これは最終的には実施段階において決定されるものでございますけれども、現在のようなレート、原油価格の低下傾向というものを前提に考えてみると、還元額としておよそ一兆円程度が見込めるのではないか、こういうことでございまして、還元額でございます。
#146
○駒谷委員 この懇談会の報告書の中には今後のいわゆる設備投資の関係で保留部分ということがうたわれておるわけでありますけれども、全体の差益の中からいきますと、この一兆円程度というのはどれぐらいの率になりますか、お伺いします。
#147
○川田説明員 先ほども御説明いたしましたように、今現在では必ずしも明確なことは申し上げられない状況でございますが、これを出します際にいろいろ検討いたしました数字は大体一兆四千億円程度ということを考えまして、その中で現時点で為替レートを見込む難しさ、あるいは原油価格低下を見込むリスクなども考慮いたしまして、大体この程度は見込めるのではないかというのが現在の段階の数字でございます。
#148
○駒谷委員 先ほど経企庁の方から御説明のありました公共事業の前倒しの執行の問題でありますけれども、この前倒しにつきましては、大体前回を上回るという大きな目標で前倒しをしようという形の決定が行われておるわけでありますけれども、前半にそれだけの事業執行の前倒しをやりますと、六十一年度の後半については公共事業の関係についてどういうふうに考えておられるのか。大蔵、見えておりますか、これについては大蔵省の考えを伺いたいと思います。
#149
○涌井説明員 今回の総合経済対策におきまして、六十一年度の公共事業については過去最高を上回ることを目指して、できるだけやるということにしておるわけでございます。これは先般成立いたしました六十一年度予算の執行方針でございます。大幅な前倒しをすることによって下半期、補正追加をするというようなことは考えておりません。
#150
○駒谷委員 現実に、そういう形で前半前倒しをやりますと後半の事業の関係等について、経済的な問題等を踏まえて大蔵としてはどういうお考えなのかということを聞いておるのです。予算を細めとか組まぬとかということは今、話をしていないのですから、前半に前倒しをした後の事業の関係について、これは地方自治体も含めてですが、こういう問題についてどういうふうにお考えになるか、経済効果について。
#151
○涌井説明員 今回、公共事業の前倒しをすることにいたしましたのは、要するに円高によるデメリットとメリットが時間差が出てくるだろう、まずデメリットが出てくるだろう、いずれ円高あるいは原油価格の低下によるメリットが今年度の下半期ぐらいになったら出てくるだろうということで、我々といたしましては、そういう円高のメリット、原油価格のメリット、それからさらに六十一年度予算におきましては公共事業の事業費は四二二%伸ばしておるわけでございます。そういうことを考えると景気は年度後半には上向く可能性があるのではないか、そう考えておるわけでございます。
#152
○駒谷委員 この六十一年度の四・三%の公共事業費の予算、これにつきましては我が党初め野党四党で、公共事業について、内需拡大の点から生活関連事業の今後の経済に及ぼす効果等を判断して追加の公共事業費を予算修正の中で要求したわけですね。そういうことで、今度の分の四・三%の事業費を前倒しして、なおかつ後半の景気の維持というのが、私としては大変疑問に思うわけであります。そういうようなことから、この点については後日いろいろと論議は行いますけれども、やはりどうしても後半におきます景気の動向等を判断して、その状況によっては補正を組んで事業の底支えをしていく、こういうふうな形の考え方を持たなければならないときが来るのじゃないか、そのように私は思うわけであります。前半にも申し上げましたように円高のデフレの傾向というものは、後半にいわゆるそのメリットの部分があらわれて景気は上昇する、回復する、そういうふうな考え方があるわけではありますけれども、その景気の回復は相当厳しいというふうに見る人たちが相当あるわけであります。したがって、この公共事業費、生活関連事業を踏まえた補正予算という問題等は、やはり将来においてそういう事態が起きたときには考えなければいけないのではないか、そのように建設国債も含めて考えておるわけでありますので、この点については同じ答弁が出てくると思いますから質問はいたしません、そういう考え方を述べておきたいと思います。
 次に、この関連の中で出ております主要輸入消費財の関係について、三十七品目について価格調査を行う、四月末を目途にして消費者等に対する情報提供を行う、こういうことになっておるわけでございますけれども、この調査の結果、情報提供をして、そしてスーパーその他の関係等に対して消費財としての価格の適正化という問題について、どういう形で今後進められていくのか。総理初めその他の大臣からもお話がありますように、国民に対してメリットの徹底していくという面から。実際に調査はしたけれども、そういうふうなメリットの面が出ていない形の場合の対応、これは関係省庁お見えになっておりますけれども、その考え方をお伺いしたいと思います。最後に経企庁の考え方もお願いします。
#153
○斎藤(成)政府委員 最後にという御指摘ございましたけれども、私の方で全体をまとめておりますので、私の方から先に全般的な話をさせていただきます。
 三十七品目の調査をやるに至りました経緯は、先般来申し上げておりますように一月に物価担当官会議で、こういった円高がどういうふうに浸透しているか、それをよく把握しよう、そして、これらは市場原理にゆだねている品目でございますから、当然のことながらほっておいても下がっていくべきものであるけれども、果たしてどうなっているか政府として十分監視をしていこう、こういうことで始めたわけでございます。
 したがいまして、これらにつきまして調査をいたしまして、円高あるいは原油値下がりといったものの効果が十分反映されていると見受けられない場合には、所管官庁において十分その背景を調査するということをまず考えております。そして普通でいけば自由経済でございますから反映していくはずなのでございますが、下がらない理由が何であるかということを調査いたしまして、いろいろな理由が考えられると思いますけれども、その他のコスト値上がり要因があって下がらない場合には、それらの原因について別途取り組む必要があるかもしれない。あるいは理由が幾ら考えてもどうもわからない、事情聴取してもわからない、あるいは時によってはやみカルテルその他という問題もあるかもしれません、そういう意味で、現実の価格をフォローいたしまして、それがなぜそうなっているかということの原因についても把握をして、その原因に応じて適切な対策をとっていこう。これはそれぞれ各省が所管物資については従来から指導を行っておるわけでございますから、それぞれ各省が取り組んでいこう、こういう考え方でございます。
#154
○殿岡説明員 通産省におきましては、国民生活に関連の深い衣料品でありますとか雑貨を中心に、全体で二十品目について現在調査中でございます。調査の結果につきましては四月末を目途に取りまとめをすることにいたしておりまして、結果が出ましたところで、その内容を消費者等に情報を提供するということにいたしております。
#155
○駒谷委員 経企庁の斎藤物価局長からまとめて御答弁がいただけましたので、大体同じような方向であろうと思いますので、各課長に御答弁いただく予定については、これは答弁は結構でございますので、よろしくお願いをいたします。
 大臣がお見えになりましたのでお尋ねをいたしたいと思いますが、もう時間もありませんので、一点だけお伺いをいたしたいと思うわけであります。
 実は大臣、経済の見通しについていろいろと担当の実務者の政府委員と質疑を行ったわけでございますけれども、経済見通しの中で今度は総合経済対策を打ち出されて、円高のメリットというものを大きく前面に打ち出そう、こういうような形の中で円高のデメリットの不況感というものに対して、これで大きく前倒しで進めていこう、こういう考え方でこの経済対策を決定なされたと思うわけであります。経済の各分野におきます専門家の皆さん方の御意見等を伺いますと、果たしてそれだけで経済の今の不況感といいますか、そういうものが経済の浮揚で乗り切っていけるかどうかということで、大変疑問を持っていらっしゃる皆さんがおるわけであります。新聞その他の報道等におきましても、いわゆる公定歩合の第三次の引き下げ、これをやらなければ円高の加速を抑えることも大変難しいだろう、将来円高の推移がどうなるかということははかり知れないわけですけれども、これ以上円高になるということは日本の経済にとってもプラスな面は出てこないという問題等も、いろいろと論議の中にあるわけであります。
 そういう点から一点だけ、この公定歩合の問題等につきまして、これは直接は日銀の問題であろうと思いますけれども、大臣の御所見をお伺いをいたしたいと思うわけであります。
#156
○平泉国務大臣 ただいまのお話でございますが、ちょっとおっしゃいましたように、この金利の問題はまさに日本銀行の専管事項ということで、政府側として大蔵大臣も私も一切発言はしないことになっておるわけでございます。そういう意味で、金利を今どうするかという具体的な問題とちょっと離れまして、ただ私どもの感触は、金利というものはあくまでも経済運営の中で極めて重要な要素をなす、こういうことで、本朝確定をいたしました総合経済対策でも、筆頭第一項に金利政策の機動的な運営ということを挙げておるわけでございます。また、最近の卸売物価の下落傾向がますます顕著になっておりますし、消費者物価もますます安定した方向をたどっておる。こういうふうなことも通貨当局は極めて注意して見ておられるものと私どもは確信をいたしております。もちろん通貨当局と私ども政府との間には十分な連絡調整が図られておることも申し添えておきます。
#157
○駒谷委員 時間のようでございますので、あと下請関係の質問をする予定でございましたけれども、前回の委員会においてもこの問題は取り上げて、いわゆる親企業に対する指導の体制をしっかりやってもらいたいということでお尋ねをいたしましたので、公取の方に来ていただいておりまして大変申しわけありませんけれども、質問を割愛をしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 以上で終わります。
#158
○阿部委員長 次に、永江一仁君。
#159
○永江委員 長官は次の予定がおありになるそうでございます。お聞きしておりますのは大体二十分過ぎまでということですので、長官に最初に二、三お尋ねいたしたいと思います。
 私たち民社党、その他野党は、特に行財政改革と同時に、円高デメリットも含めて内需拡大というようなこと、あるいは減税要求そういった点で内需拡大をすべきであると再々時期をとらえては申し上げておるわけでございます。しかしながら今日までの中曽根内閣の姿勢は必ずしも我々の期待に沿っておるとは言いがたいのでございます。が、最近、長官の所属される自民党内部からも宮澤提言あるいは河本提言というような形で、かなり従来の中曽根路線とは違った提言が出てきておる。この点、実は私たちは大変注目しておるわけでございます。実は、その二つの提言につきまして、正直申し上げまして我が党の政策の方がかなり進んでおるとは思っておるのでございますけれども、同じ自民党内から出ておる提言について、平泉長官の認識といいますか受けとめ方をお尋ねいたしたいわけでございます。
    〔委員長退席、中村(正男)委員長代理者席〕
 そこで一つは、宮澤提言におきましては、今や行財政改革と内需拡大をいかにして両立させるかを考えなければならなくなったと指摘しておるわけでございます。この点については実は私たち非常に賛意を表するものでございますが、こういう基本認識について長官はどうお考えになっておるのか。特に、この宮澤提言の中に、内需振興の観点から建設国債は削減の対象から除外すべきであろうということをはっきりと指摘しておるわけでございます。この点どうお考えになるのか、どういうふうに受けとめておられるか、お尋ねいたします。
#160
○平泉国務大臣 大変重要な問題を御指摘をいただいたわけでございますが、私どもは、何せ与党の大幹部の御提言でございますから、十分これは慎重に取り扱わなければならぬということで、私どもの役所におきましても、この御助言につきましては十分検討をいたしておるつもりでございます。また、我が方の役所はエコノミストの集団でございますから、それぞれのエコノミストとしての個人的な見解――役所としてなかなか難しい問題もあるかと思いますので、個人的な見解も実は私も伺っておるわけでございます。
 私は、この宮澤会長の御見解は、それなりに非常にごもっともな御提言である、かように受けとめておるわけでございますが、この建設国債云々という具体的なことにつきましては、もちろんこれは政府の経済政策の根幹であります。殊に所管は大蔵大臣でありますので、ここで私が直接これについての私の意見を申し上げるということはいささか適当ではないと存じますが、重要な提言であると私は受けとめておるわけでございます。
#161
○永江委員 できますれば、我々野党の提言も同じくらい重要に受けとめていただいておればよかったのでございますけれども、実は自民党の幹部の方の指摘をもとにして質問をしなければならないというのはじくじたるものがあるのでございます。しかしながら、そういう角度での質問でないと、物特その他予算委員会を通じましても、どうもはぐらかされてきたような気がするわけでございますので、今お尋ねしたわけでございます。
 そういう点で今、建設国債の点については長官としてはかなりこれを重要な提言として受けとめるとお答えになったということでよろしいですか。もう一度、えらい重ねるようですけれども、お尋ねいたします。
#162
○平泉国務大臣 与党の大幹部の御発言を十分慎重に受けとめ検討することは当然であると思います。政党内閣でございます。
#163
○永江委員 もう一点、河本提案の中には、先ほど駒谷議員も質問しておりましたけれども、いわゆる公定歩合の引き下げ、河本派の政策提言によりますと速やかに公定歩合の大幅第三次引き下げを実施するということが言われておるわけでございますが、この提言に対してはどう受けとめておられますでしょうか。
#164
○宮本政府委員 一般的に申し上げますと、公定歩合の引き下げによりまして内外金利差、これはアメリカの金利が動かないという前提でございますけれども、内外金利差が拡大することになりますと、我が国からの資金流出を通じて為替相場は円安方向に動くということになるわけでございます。しかしながら、変動相場制のもとでの為替相場の形成には内外金利差のみならずいろいろな要因が響いてまいります。各国の経済成長率これなんかも、昔は成長率が高ければ輸入がふえて貿易収支は赤字になるから、むしろ為替は弱くなるというふうに考えられておりましたけれども、最近ではむしろ経済成長率が高い経済はしっかりした経済であるという為替市場での信認が高まって、逆にその通貨が強くなるというような響き方もいたしますし、もちろん国際収支状況等も響いてくるということで、市場の評価が大きく影響してくるわけでございます。したがいまして一般論でございますけれども、金融政策は、今のように為替レートが非常に問題になっているときには、特に内外経済情勢、さらには国際通貨情勢に十分配慮しなければいけないということでございます。
 先ほど大臣から申し上げましたように、けさの総合経済対策の中で最初の項目に「金融政策の機動的運営」というのが掲げられておりますが、やはり金融政策の一番のメリットは機動的に運営できる、また、しなければならないというところにあるわけでございますから、それは大事なことなわけでして、金融政策の運営に当たりましては、今申し上げましたように「今後とも内外経済動向及び国際通貨情勢を注視しつつ、」適切かつ機動的に対処していく必要がある、こういうふうに考えておる次第でございます。
#165
○永江委員 もう一点、この宮澤提案の中には、赤字国債をゼロにしようということは大切であるが、赤字国債脱却目標年度について、若干成長ということを重視して柔軟に受けとめるべきでないかという指摘があるわけでございます。もちろん我々も行財政改革を推進していくということに基本的には賛成しておるものでございますけれども、この赤字国債脱却期間をある程度延長するといいますか、そういった形の中で積極的な財政運営をやって、大幅な税の自然増収という方向にいくべきでないかと従来から主張しておったのでございますが、その我々の主張に近い宮澤提案というものもなされておるわけでございます。この点についてどうお考えでございましょうか。
#166
○宮本政府委員 宮澤提言を読みますと「目標年次を定めて赤字国債をゼロにしようという努力は大切だ。」「目標達成には今後とも一層の努力が必要である。」こういう御提言でございまして、目標年度の変更が必要であるという御趣旨ではないのではないかと考えておりますけれども、先生御高承のとおり我が国の財政は非常に公債残高が累憎いたしまして、それに伴って利払い費が急増しておるなど、構造的になお厳しい状況にあるわけでございます。それから今後を展望いたしますと、これも御存じのとおりだと思いますけれども、我が国経済、社会はこれから急速に高齢化してまいります。それと同時に、国際社会における責任の増大も、これからますます強まってくるわけでございまして、こういった今後新たに出てくる財政需要等々を考えますと、財政の果たすべき役割はこれから一層大きくなることが見込まれているわけですけれども、現在のような厳しい財政事情が続きますと、このような課題に的確に対応していくことがますます困難になるおそれがあるわけでございます。したがいまして、今後とも「展望と指針」の対象期間中に特例公債依存体質からの脱却と公債依存度の引き下げに努めまして、財政の対応力の回復を図るという財政改革の努力目標に沿って特例公債の着実な減額を行うことが必要であると考えております。
 他方私ども、経済の拡大均衡を通じて対外不均衡の是正を図っていくために内需主導型経済成長の促進を図ることが必要であると認識しておりまして、今後とも財政改革を推進しながら、内需拡大のために民間活力の活用ですとか財源の効率的、重点的な配分等の一層の工夫をやっていくことが必要であると考えております。
#167
○永江委員 私も若干言い足らなかったのですけれども、赤字国債からの脱却だけでなくて、もちろん脱却は必要なんですが、それゆえに宮澤提言では、内需振興の点から建設国債を削減の対象から除外すべきであろうということだったわけなんでありまして、そういう意味で「建設国債は削減の対象から除外すべきであろう。」という提案がなされておるわけであります。
 昨年十一月、前の金子経済企画庁長官も記者会見において、建設国債については「増発してもいいと思う。財政再建とは本来特例公債の削減を意味するもので、その中に、大蔵省が建設国債も含めるのはおかしい」というふうに述べておられるわけであります。その点をちょっとお聞きをしたいわけでございます。
#168
○宮本政府委員 確かに、先生御指摘のとおり前金子長官が記者会見の場で、そういった議論が出ましたときに建設国債を出してもいいと思うけれども、あるいは財投だけなのかな、ただ議論としては建設国債あるいは所得減税等も聖域とせずにやる、どうしてもできないということであれば他の手として何をやるべきか、こういう順序で考える、こういう趣旨でお話しになっていると存じ上げております。したがいまして先ほど長官からも申し上げましたとおり、私ども、内部での議論は当然のことながらいろいろやっておりまして、その中で、現在の政府の財政改革の方針の大枠の中で、いかに有効に内需拡大あるいは対外不均衡の是正を図っていくか、こういうことを考えているわけでございます。
#169
○永江委員 時間の関係がございますから長官に一つお尋ねいたしますが、昨日、いわゆる経構研前川座長から一つの提言がなされまして、私もまだ要旨しか目を通しておりませんけれども、このことについて長官の御感想をお聞きいたしたいと思います。
#170
○平泉国務大臣 これはけさ正式に政府として発表をいたし、また同時にこれを受けとめた政府としての対応ぶりということも決定をいたした次第でございます。大変重要な提言であるというのが私どもの受け取め方でございまして、特に今朝は経済対策閣僚会議の席におきまして内閣総理大臣から特に発言がありまして、この提言を必ず実行しなければいかぬ、そのためには大変困難なことがあるけれども、大変な困難を乗り越えていく努力をしなければならぬということがございまして、また官房長官からも、これに対しては政府全体としてこれを受けとめて推進を図る一つの組織体をつくってまいりたい、こういう発言がございまして、着実にこれを実行していこう、こういう申し合わせが行われたわけでございます。内容は先生方だんだん御審議いただけると思いますが、私ども政府としましては、この提言の内容は十分重みを持って受けとめてまいりたい、そして総理の指示もございますように必ず実行の方角で具体的に措置をとってまいりたい、かように思っておる次第でございます。
#171
○永江委員 私も本当に要旨だけしかまだ目を通しておりませんが、個人的な見解を若干申し添えさせていただきますと、円高ということはかなり定着してくる。そうすると、これからの日本、これは提言もあったとおり、確かに国際の中での日本という生きざまは言われておるわけですけれども、そうなるといやでも応でもいわゆる水平分業というのですか、国際分業、ここに行き当たっておるわけですね。ただ提言の中には若干石炭とかあるいは農産物ということに触れておりましたけれども、もう一つ漠然としておる気がするわけでございます。ある意味では経済企画庁あたりは、これから円高が定着し、そして国際経済の中の日本の位置としての分業、何でもかんでも日本でつくるという時代ではもうなくなったということだけは確かなんですから、それがどういうものであるかという一定の指針が、もう少し具体的に出るのかと私は逆に思っておったぐらいなんです。そういう感想を持っておるのでございますが、いかがでございましょうか。
#172
○平泉国務大臣 もちろん大変重みを持って受けとめておるということは、問題の意味するところを十分に具体的に読むということであろうと思います。その意味におきまして、今先生がおっしゃるように個々の問題について細かい踏み込みが少し足りないんじゃないか、こういうお話でございますが、逆に言えば、個々の問題に余り細かく入らないことによって、全体に大きく網をかぶせたという見方もできるのではあるまいか。いずれにいたしましても特にきょうは総理の発言を御披露させていただきますが、総理は、これは小学生がエベレストに登るほどの苦労をしなきゃならぬという発言をいたしておりますし、またその後も、この問題は本当に日本民族の運命を決める大きな問題である、こういうような意気込みで受けとめておられますので、当然政府としましても全力を挙げてこの問題の消化ということに努力をしなきゃならぬと思っております。
#173
○永江委員 これは実は労働省かと思ったのですが、円高が定着し、しかも国際分業という中で日本の経済構造が一大変化を起こすのじゃないかという予感が私もするわけでございます。その場合に一つ大きな問題は失業率がかなりふえるのじゃないか。経済企画庁が出されておるパンフレット等を見ますと、失業率は二%ぐらいのままで大体安定してきた。日本は今まで諸外国に比べますと完全失業率が割合に低い水準であった。これは非常に評価すべきであると思いますが、ただ円高の定着と国際分業ということに踏み入った場合に、我が国にやはりイギリスその他のような五%あるいは時によれば一〇%ぐらいの失業率という問題が起こるのじゃないかな、こういう懸念を私自身はしておるわけでございます。この対策ということになると経企庁だけじゃないと思うのですが、経済企画庁として、これからの分業化の中での失業問題をどういうふうに見通しておられるか、お答えいただきたいと思います。
#174
○及川政府委員 政府が今持っております経済計画は「一九八〇年代経済社会の展望と指針」というのがあります。その中でも失業問題は一つの大きなテーマでありますけれども、八〇年代は二%台程度で推移できるものと現在でも考えているわけであります。長期的には、御指摘がありましたような経済構造の調整を進めてまいりますと、ある産業は水平分業で発展途上国なりあるいは先進諸国なりに譲り渡すということが出てまいりますと、産業の構造は大きく変わっていくかと思うわけでございます。その中で我が国がこれから成長する産業といたしましては、高付加価値、高い雇用吸収力を持った高度な産業構造に変わっていかなければいけませんが、その中でも情報産業であるとか、あるいは新しい消費、多様な消費を背景にした産業であるとか、そのような高付加価値産業が我が国に定着していくものというふうに考えております。
 一つの試算では、直接投資を進めることによって約二百万くらいの雇用が外国につくられるということがあります。他方それは二百万人くらいの雇用が我が国で失われるということでありますけれども、就業の機会を確保していくことがこれから構造政策として非常に大事になってくると思います。私どもの「展望」では、その就業の機会はほぼ確保できるものというふうに考えて、いろいろな構造政策を体系的に進めていこうというふうに考えているわけであります。
#175
○永江委員 一つのかなり楽観的な見通しといいますか、努力するということで、それは評価するものでございますけれども、果たして日本だけが二%ぐらいの失業率で本当にいけるのかどうか。こういう意味においては、もちろん新しい産業、通信産業その他にそういった労働力を吸収するということも大事でありますけれども、基本的に社会保障なり社会福祉というものも決しておろそかにできない。もしそのことをおろそかにするならば−イギリスあたりで一〇%からの失業率がありながら、しかしながら一定の社会的な安定があるというのは、やはり長い社会保障の積み重ねの中においてあったと私は思うのでありまして、今日のように福祉の後退を目指すような形の中で、もし失業率が一〇%にも上がるならば、日本の国は非常に混乱するんじゃないか。果たして今のアメリカ、イギリスその他西欧のように、失業率があれだけありながら一応の安定を保っておるということができるのかどうか、大変不安に思っておるのでございます。
 そういう意味で、これは経済企画庁長官だけでございますからこれ以上申しませんけれども、これから政治に課せられた任務というものは非常に重いんじゃないかなと思っております。経済企画庁といたしましても、ひとつこれから、この国際分業と同階にいわゆる労働の動き、その中での失業あるいは雇用というものを最重点で政策というものを見通してつくっていただきたいということを強く御要望申し上げておきたいと思います。ひとつ長官からも決意のあるところをお伺いいたしたいと思います。
#176
○平泉国務大臣 大変重要な御指摘だと思います。実は先般、EC委員長のドロール、前のフランスの大蔵大臣でございますが、参りましたときにもこういう発言をしておりまして、先生の御指摘と非常に似た点を言っておりましたが、要するにヨーロッパの失業率が非常に高いというのは、これは逆に言うと、ヨーロッパはいかに産業の自由化を進め、貿易の自由化を進め、そして産業調整をいろいろ努力をしておるかということのあらわれなんだ、こういう言い方をしておりまして、日本はしておらないのかという指摘を恐らく彼はしたかったのだろうと思いますが、おっしゃるとおり今後日本がさらに国際経済の中に立体的に組み込まれてくるという事態を想像いたしましたときに、我が国の労働人口の、比較的まだ年齢が壮年期であるというような問題、さらにまたいろいろな職業訓練、新しい生涯的にわたっての教育のシステム、そういったものに十分我々は対応して、なおかつ失業率が低い社会であり続けようという努力をよほどしなければならぬと思っておるわけでございまして、先生のただいまの御指摘は、私ども今後の中長期にわたっての経済政策運営の上において大変参考にしなければならぬことを御指摘いただいたと承っております。
#177
○永江委員 私がこれだけ申し上げますのには、やはり現実に世の中の経済なり社会の中にはそういう兆しがあるのでございます。事実は、今まで大企業が下請にいろいろやっておった、今までの経済の中では少々は目をつぶって下請に仕事をさせておったのですけれども、円高がここまで来た現事態においては、もういかに大企業といえどもそこまで甘くはできない。何十年つき合っておった下請であってもこれを切り捨てて、あるいは香港とかシンガポール、台湾あたりから安い物を入れる、そしてもう現実に質的にはほとんど変わらないということで、これがいわゆる国際分業が地についていっているわけなんです。しかし、そういうことをやはり個々に見聞きすれば、必ずこれは失業の問題が深刻になる。実はこの間も、そういった中小企業の人々と話をしておりまして切実に感じたから特に申し上げたわけでございます。八〇年代は先ほどの局長のお話では完全失業率が二%でいくという見通しのようなお話でございましたけれども、八〇年代といってもあと四年もあるわけでございます。果たしてずっとこれは二%で本当にいくのかどうか大変危惧いたしますので、ぜひこの点は十分に注意をしていただきたい、重ねて申し上げる次第でございます。
 長官、よかったらどうぞ。
 次の質問に移りますが、これは長官いらっしゃいませんが、これからの我が国の経済運営としては、やはり社会資本の充実ということが、内需拡大が国際的にも求められておるという観点から大変必要になってくるわけでございます。そこで公共投資がずっと今まで抑えられてきたわけでございますけれども、公共投資を今後名目経済成長率と同程度伸ばすことによって、国民生活の向上と適正成長というものを維持していくことが必要じゃないかと思うのでございますが、この公共投資を伸ばすという問題についてお答えいただきたいと思います。
#178
○及川政府委員 我が国の経済がこれほど大きくなりましたけれども、住宅とか居住環境等の社会資本の状況が国際的に多少おくれているということはよく指摘されているわけであります。ただ公共投資の規模、GNPに占める規模は世界の先進国の中で最大の規模を持続しておりまして、現在でも相当大規模な投資が行われているというふうに考えているわけであります。今後とも、生活環境を中心とした社会資本を整備していくために公共的な社会資本が整備されていくことが必要だと思うわけでありますけれども、御存じのように財政は現在のところ十分な対応力を持っていないわけであります。財政が若干のインセンティブを活用しながら民間の活力を公共的事業分野に導入しつつ社会資本の整備を中長期的な視点で進めていくことが必要であるというふうに考えておりますし、特に二十一世紀に向かっては高齢化社会が到来するわけでありますから、高齢化社会が到来する二十一世紀初頭を目指して、社会資本の整備を計画的に進めていく必要があるというふうに考えているわけであります。
#179
○永江委員 それでは次の質問に移らせていただきます。
 先ほども質問が出ておりましたが、六十一年度は公共事業予算についてはできるだけ大幅に前倒しをするということが言われておるわけでございます。実は、先ほど申しました河本提案によりますと上半期で八五%ぐらいの前倒しをするように、こういう提言も出ておるわけでございますけれども、これは大蔵省にお尋ねをしなければいかぬかもわかりませんが、経済企画庁としては大体どれくらいの上半期においての前倒しが日本経済にとって必要であるとお考えになっておるのか、できたら具体的な数字も含めてお答えいただきたいと思います。
#180
○宮本政府委員 先ほど御説明いたしましたように、けさ決定になりました総合経済対策におきましては、今年度の公共事業等の施行につきまして、上半期における契約額の割合が過去最高を上回ることを目指して、可能な限り施行の促進を図るということを決定いたしたわけでございます。過去最高というのが、これも先ほど申し上げました七七・二%でございまして、それを上回ることを目指してやるということでございまして、具体的な数字につきましては、これからさらに政府部内で詰めて数字が決定される、こういうふうになるものと承知しております。
#181
○永江委員 それとあわせまして、これも先ほど出ておりましたけれども、いわゆる下期の息切れに対する懸念というものがあるわけでございます。現に経済企画庁も「昭和五十七年経済の回顧と課題」の中ではこういうことを皆さん自身おっしゃっておるわけですね。
  公共事業の前倒し執行はそれのみでは限られた景気浮揚効果しか持ち得ず、むしろ、公共事業の絶対量の増加を前提としてその円滑な消化を図り、民間投資を誘発してはじめて十分な効果を発揮し得る性格のものといえる。その意味で五十七年度の公共事業の前倒しが十分な景気刺激効果を発揮できなかった背景には、年度当初から下期の公共工事発注の息切れが懸念されるなど、先行きの不透明感が払拭できなかったことの影響が大きいと思われる。
というふうに、五十七年度でこういうことを御自身指摘されているわけです。
 こういった反省の上に立って、六十一年度において前倒しを行う場合に、しかも今お答えあったように過去最高の七七・二%以上の前倒しをする、こういうことでありますから、下期の息切れに対する懸念を解除するためには、補正予算の問題にも絡んできますけれども、大幅な追加というようなことをやはり明言していく、政策としてとっていく、こういうことが五十七年の反省からも当然浮かび上がってくるわけなんですけれども、いかがでございましょうか。
#182
○宮本政府委員 一般的に申し上げまして、公共事業の経済に及ぼす影響ということでございますが、そのときどきの経済情勢によって大幅に変わってくることがあろうかと思います。五十七年度の場合は非常に景気が悪うございまして、建設業等の建設資材の在庫調整がおくれていたということがございましたために、前倒しが直ちに生産の増加に結びつく効果が薄かったわけでございますけれども、しかし、それも見方によりましては、おくれていた在庫調整を促進することによって次の段階の生産増へのいわば準備を引いたと言うことができるわけでございまして、そういった意味からは決して効果がなかったことではないんではないかと考えております。一般的に申し上げまして、公共事業等の施行促進ということをやりますれば、政府が契約を前倒しにするわけですから、実際にその支出が行われる前でございましても、例えば受注先が資材の調達などを開始するわけでございまして、いわゆる乗数過程というのが早目に始まるわけでございます。そういう意味で、経済に刺激を与えて内需拡大につながるものと考えております。
 今年度につきましては先ほども御説明いたしたところでございますが、むしろ年度の後半には石油価格の下落ですとか円高の交易条件改善効果等々メリットが出てくる、それから世界経済も足腰のしっかりしたものになってくるということで、むしろ年度の後半には景気情勢はよりしっかりしてくるのではないか。問題なのは年度の前半、それも夏ぐらいまで第一・四半期、現在が一番だと思いますけれども、それをいかに円高のマイナスの効果を少なくしのぐかという観点から前倒しということをやるわけでございまして、そういった観点からは、むしろ前倒しをやったから年度後半の景気がしり抜けになって悪くなるというふうには考えておりません。前倒しだけではなくて、今回の七本の柱から成ります総合経済対策、さらにはそれに先立つ去年二回の内需拡大策、二回にわたる公定歩合の引き下げ、原油価格の低下等々が両々相まって現在のいわゆる円高デフレ局面をしのげば、下半期には景気の拡大基調がより確実なものになる、こういうふうに考えておる次第でございます。
#183
○永江委員 局長御答弁のように、ことしの後半はいわゆる円高メリットが出てくる。先ほど長官も時間差ということをおっしゃったような気がするのでございますけれども、バレーじゃございませんが時間差攻撃がうまくいけば一番いいのですけれども、なかなかそれが一つ外れると、その谷間の中で国民が非常にあえぐわけでございますから、お答えのような経済動向になることを私も念願をしておりますけれども、十分監視していかなければいけない。そういう意味で第三次公定歩合の引き下げ問題等も非常に重要な側面を持つのじゃないかなと思っておるわけでございます。
 それともう一つは、公共投資も含めて内需拡大ということで一番よく言われるのが住宅建設という問題でございます。先ほど申しました宮澤提言の中にも、やはり住宅建設のための税制改革まで踏み込んだ一つの問題提起がなされておるわけでございます。昨日開かれておりましたOBサミットに出てきておる前の西ドイツの総理大臣のシュミットあたりも、日本は何といっても内需拡大は住宅建設をやるべきであると言っておりますが、これは国民のひとしく希望するところでありまして、今日本が世界第二の経済大国だとか金持ちになったと言われましても、我々の住んでおる家が欧米に比べるとまことに水準が低い、これはだれしもよく知っておることであります。特に高級官僚の皆さんは、外国に行かれたときには随分大きな家にお住まいのようですけれども、本省へ帰ってきた途端に二DKか三DKぐらいのところへ押し込められて、奥さん、子供ともども悲哀を感ずるということは皆さんも経験しておられるとおりでありますし、我々といえどもヨーロッパに比べれば決して立派な家に住んでおるわけではなくて、向こうからいえば本当に貧民窟に近いような住宅環境の中に呻吟しておるわけであります。それゆえに住宅政策というもの、ただ土地が高いということで逃げるわけにいかないわけでありまして、内需拡大というその最大の焦点をこの住宅建設に求めるべきであるということは内外から今言われておるわけですね。
 そこで経済企画庁としても、これは決して見逃すことができない内圧であり外圧であるというふうに思うわけでありますが、この住宅建設の促進のための税制改革という問題について、これは大蔵省の所管であるというような逃げでなくて、経済全体の発展のためにどうお考えになっておるのか、どう改革すべきであると、内部で議論しておるならばどういう議論をしておるのか、お答えいただきたいと思います。
#184
○宮本政府委員 私どもも住宅建設が、これはただ単に現在の局面だけを短期的に考えただけではなくて、中長期的な日本経済のこれからのあり方として非常に重要な内需の要素であるという認識では、先生御指摘いただいたとおりでございます。したがいまして今回の総合経済対策におきましても、七本柱の一本は、民間設備投資等の促進というのとあわせてでございますけれども、第五番目に「住宅建設、民間設備投資等の促進」ということで一項目入れているわけでございます。
 その際に税制の役割でございますけれども、これも六十一年度の税制改正におきまして、先生御存じのとおりだと思いますけれども、住宅に関する措置として二つのことをやったわけでございます。一つは住宅取得促進税制を新たにつくったということ、それから二つは住宅取得資金に係る贈与税の特例を拡充するということをやったわけでございまして、このうちの住宅取得促進税制におきましては、その対象を住宅金融公庫等公的機関からの借入金をも含むように拡大するほか、少額の借入者にも効果が及ぶように、足切り額による制限を廃止するなどの措置を講じておるわけでございます。また住宅取得資金に係る贈与税の特例においても、適用対象となる住宅の範囲の拡充を図ることとしておるわけでございまして、こういった住宅税制の拡充は住宅取得者の負担を軽減いたしまして、住宅建設の促進について相当の効果をあらわすものと期待いたしているわけでございます。
 そういった六十一年度税制改正で講じられた措置を、今回の対策では周知徹底を図って、その活用を一生懸命やっていこうということでございまして、住宅金融公庫についての貸付金利その他の対策とあわせて、今回も引き続き柱にしていこうということでございます。この今回の住宅減税は現在の厳しい財政事情の中で精いっぱいの努力を講じたものと考えておる次第でございます。
#185
○永江委員 いささか物足らない答弁であると言わざるを得ないのでございます。既に今回の予算で組まれたことを、そう得々とお聞かせいただいたからといって、これで住宅問題がそれほど解決するとは言えないわけであります。現にこの宮澤提言でさえも一さえもと言うと失礼に当たるかもわかりませんが、住宅建設促進のため、借入金の利子控除ではなくて取得された住宅そのものの価格の一定割合を所得税から税額控除することというような提言すら出てきておるわけでありますし、ひとつ経済企画庁としては、本当に真剣に住宅政策を解決すれば、今の内需拡大も含めて日本の経済問題、社会問題の非常に大きな解決になると思うのです。これはもちろん国土庁にもいろいろ関係あるでしょう。しかし、それは一人ずつ全部ここへ呼んで聞いたところで皆非常に総花的な話だけになってしまうわけですから、やはり経済企画庁というところは経済のありよう、今日の内需拡大という観点で住宅――外国からも住宅問題を突かれると我々日本人は一番弱いわけです、一言も返事のしようがない。農産物でたたかれようが何で言われようが。それに答えることは、かなり国の立場を擁護することはできると私は思うのですけれども、住宅の問題がいかにもお粗末である。なぜそこへ金を使わないか、なぜそこへお金が行くような経済政策をしないのかというこの指摘にはなかなか答えられない。今おっしゃったような程度では住宅問題の解決に本当にいくのかどうか、非常に不安に感じるわけなのです。そういう意味で、ではこの宮澤提言についてはどうお考えですか、ひとつ検討されますか、一度大蔵省の方へぜひ強く言うとか。
#186
○宮本政府委員 先ほど長官が御返事申し上げましたように、与党の大幹部の提言ということで内部でいろいろ検討しているところでございます。
#187
○永江委員 それでは次に、内需拡大として公共投資の問題とか今の住宅建設とかいろいろあるわけですが、これはひとつ数字としてお聞きしたいのでございますが、公共投資の追加と所得減税の実施ということが内需拡大のためにはぜひ必要であると私たちは繰り返し主張してきたわけであります。一兆円の公共投資追加と一兆円の個人減税の実施による景気浮揚効果というものを六十一年度ベースの試算で一遍お示しいただきたいわけであります。昨年のペースにつきましては前回、我が党の玉置委員の質問でお答えいただいているわけでございますが、ことし六十一年度ベースで一兆円の公共投資追加と一兆円の個人減税の実施による景気浮揚効果についてお答えいただきたいと思います。
#188
○宮本政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、公共投資にいたしましても所得減税にいたしましても、その効果と申しますのは、そのときどきの経済環境等によって非常に違ったものになると思います。さらには、例えば公共投資の場合を考えますと、その財源が公債発行によって賄われる場合と歳出削減によって賄われる場合あるいは増税によって賄われる場合、いずれによっても違ってくるわけでございます。同じようなことは所得税減税の場合にも言えるわけでございます。したがって、全体としての効果を一概に一義的に計算するというのは極めてミスリーディンクになる危険性があるわけでございます。
 しかしながら、そういった条件を重々強調させていただきました上で、私どもの持っております経済研究所の世界経済モデルというものがあるわけですが、これはモデルでございますから、私が今申し上げましたような経済情勢がどういうふうに違うかというものを一切捨象しまして、例えば公共投資だけを動かしたときにGNPがどう動くかというものをいわば模擬実験するわけでございますが、その最新の世界経済モデルによる乗数、つまり公共投資を一兆円追加したときにその年にどれだけ名目GNPがふえるかというものを計算いたしますと、そこだけを取り出しできますものですから、現実の場合にはそれがさらにふえたり、あるいはそこまでいかなかったりということがあろうかと思いますけれども、これは約五割方ふえるということで一・四七兆円になる、こういう計算結果が出ております。個人税減税の場合は、一兆円の個人税減税のその年の名目GNPに対する影響は〇・四七ということで、半分ぐらいしかその年は出てこない。後で、次年度以下おくれて出てくることになりますが、この数字で計算いたしますと、現在の政府の昭和六十年度、三月に終わりました昭和六十年度の実績見込み、これはまだ現実の統計は去年の十二月までしか出ておりませんで一−三月は出てございませんので、実績見込みに対比いたしますと、名目GNPが三百二十兆四千億でございますので、公共役賢の追加による名目GNPの増加分一兆四千七百億というのは、この三百二十兆四千億の大体〇・回ないし〇・五%ということになろうかと思います。それから個人所得税減税の方、これは四千七百億でございますが、同じように三百二十兆四千億で割り算しますと〇・一%から〇・二%のちょうど真ん中ぐらいになろうかと思います。
#189
○永江委員 この数字をお聞きしましたのは、またこれから参考にさせていただいて、いわゆる内需拡大と経済浮揚という問題で、これからも研究させていただきたいと思います。
 次に、最後の質問でございますが、円高の問題はたびたびここでも議論されておりますし、また今度、集中審議もあるようにも聞いておりますが、かつて昭和五十二年ごろにやはり円高による問題がいろいろ起こったわけでございます。そして経済企画庁として昭和五十二年の六月から五十四年三月まで、いわゆる円高が輸入品の価格にどのように反映しているかを調べた輸入品価格動向調査というものを行っておるわけでございますが、今回の円高に際しましても、こういった円高に伴う輸入品の価格引き下げを促進するために、主要品目についての価格動向の実態を調査をしておられると思うのでございますが、この公表、そしてその調査はどういうふうになっておるのか、お答えいただきたいと思います。
#190
○斎藤(成)政府委員 お尋ねの点でございますが、けさの総合経済対策の中で、主要輸入消費財の価格動向については四月末を目途に消費者等に対する情報提供を行うということが決められておりまして、内容は三十七品目ということになっております。
#191
○永江委員 それは四月末に発表するということですか。
#192
○斎藤(成)政府委員 その予定でございます。
#193
○永江委員 ぜひ四月末に三十七品目の発表をしていただきまして、円高というものが本当にメリットがある――ただ総体的に、昨日ですか三兆五千億円のメリットありというような発表がありましたけれども、あれではなかなかわかりにくいわけでありまして、この調査をぜひとも公表していただく中で、これからの論議の資料にしていきたいということを強く要望申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
#194
○中村(正男)委員長代理 次に、小谷輝二君。
#195
○小谷委員 経企庁長官はよその委員会の方で忙しいようでございますので、長官に対する質問は後回しにいたしまして、最初に農林省の関係の輸入肉の円高差益についてお尋ねをしたいと思います。
 農林水産省は四月四日、輸入牛肉の円高差益を消費者に還元する具体策をまとめて、きょうですか、四月八日の政府の総合経済対策に盛り込むことになった、このように報道されておりますが、輸入肉の円高差益還元の具体策をお聞かせいただきたいと思います。
#196
○鎭西説明員 本日、総合経済対策として政府で決まりましたものの中に「円高及び原油価格低下に伴う差益の還元と価格の適正化等」という項目がございまして、そこに具体的に、輸入牛肉について円高差益の還元でどういうことを考えているかということを書いておりますので、簡潔にポイントを御説明いたしたいと思います。
 まず、その前に御理解を願いたいのは、牛肉につきましては現在、畜産物の価格安定等に関する法律というのがございまして、一定の安定帯というのを設けまして国内の牛肉の価格をその安定帯の中で安定させるということをやっております。牛肉につきましては五十年から制度をつくっておるわけでございまして、先般六十一年度の行政価格が決まったわけでございます。これによりますと牛肉、特に輸入牛肉と競合をする乳用種の雄牛の価格でございますけれども、これについては中心価格で二・三%引き下げ、それからではございませんが、特に配合飼料を非常にたくさん使っておりまして生産性が向上しております、あるいはコストも下がっております豚肉につきましては中心価格で五・六%の引き下げ、かように行政価格を下げております。そのことが一点として総合経済対策にも盛り込まれております。
 それから二点目でございますけれども、現在そういう形で輸入牛肉につきましては割り当て制をとっておりまして、その大宗を畜産振興事業団が取り扱うという、畜産物の価格安定等に関する法律の七条という規定がございまして、ここに書いてあるわけでございますが、輸入牛肉の大体八割ぐらいを現在事業団が扱っております。それは基本的には、食肉市場あるいは流通業者あるいは加工メーカーなり外食産業、そこに競りなり競争入札で計画的に売り渡しまして、国内の実勢価格を安定させるというのが基本でございますけれども、より消費者に直結する形で、現在、事業団は輸入牛肉の指定販売店というものを全国に三千店舗指定いたしておりまして、年間を通じまして輸入牛肉を市価の一、二割安で販売しております。それから月に一回、肉の日というのをつくりまして、全国で一万店参加いたしまして月一回やはり安売りをやってもらっておる。この値引き率を一〇%−二〇%安から二〇%−三〇%安にするというのが輸入牛肉についての対策の第一点でございます。
 それから、本年のゴールデンウイークに集中いたしまして、主要都市を含みます全国土地域におきましてビーフウィークという催しをいたしまして、同じように輸入牛肉の安売り、これは事業団から牛肉を提供いたしまして安売りいたすと同時に、国産牛肉につきましても、小売店等の協力を得まして、国産牛肉の安売りをやっていきたい。
 それから第三点でございますが、現在、為替レートの変動あるいは牛肉の内外価格差、これが原因になりまして、事業団に結果的に売買差益というのが生じます。これを毎年、畜産物価格安定法に定めるところによりまして、基本的には国内の合理的な生産振興に充てるために使っておりまして、このことを通じてコストの低減と、それが長期的に消費者のメリットにもなる、こういう考え方でやっておるわけでございますが、従来から、より直接に消費者の利益になるような形の流通消費対策に使っておりまして、今回の価格関連で、六十一年度対策といたしましても四十億強の流通消費対策というのを仕組んだわけでございますが、さらに流通消費対策の追加的実施というのを検討いたしたい。これが輸入牛肉につきましての円高等に伴います政府の差益の還元の考え方でございます。
#197
○小谷委員 今るる具体的な消費者への還元策がございました。
 もう少し具体的にお聞きしたいと思いますが、とりあえず順序を追いまして昨年の秋ごろからの円高によりまして、輸入肉の六十年度分、そう余り期間はないと思いますけれども、この分でどのくらいな円差益がトータルであるものなのか、これをお聞かせください。
#198
○鎭西説明員 六十年は九月以降、いわゆる円高傾向で推移いたしたわけでございまして、事業団の輸入牛肉は、契約をいたしましてから事業団が直接買うまでに約三カ月くらいタイムラグがございます。そういうことを勘案いたしまして私ども、六十年度におきましては円高分として四十億円程度が事業団の差益という形で発生する、かように試算いたしております。
#199
○小谷委員 総合経済対策の中で盛り込まれました差益の還元分ですが、六十年度分の差益額は現在御説明のありました約四十億。これは価格の安定、いろいろな面での調整は幾分必要だとは思いますが、四十億の金額で、どのくらいな範囲までの差益額の放出といいますか還元をされるのか、この点はどうですか。
#200
○鎭西説明員 ただいま申しましたように、六十一年度におきます総合経済対策で、主として三つの方向からの差益還元というのを考えております。これは先ほど御説明したとおりですが、一つが指定席なり肉の日におきます値引き率をさらに一割高めまして、一、二割引きを二、三割引きにする。もう一つは、ゴールデンウイークに集中したビーフウイークの実施ということで、ここでも事業団の牛肉を安売りする。あと一点が、事業団の指定助成対象事業ということで従来から、消費者により直結する形で流通消費対策を仕組んでまいっておりますが、これの追加的実施ということで、六十年度に発生いたします四十億円につきましては、この三本の柱を中心にいたしまして還元いたしたい、かように考えておるところでございます。
#201
○小谷委員 その三本の柱を中心にして還元をするということで、四十億は全額放出ということになるわけですか。
#202
○鎭西説明員 第三点目の流通消費対策につきましては、従来から一件一件につきまして財政当局と協議いたしてまいっておりますので、今後早急に財政当局との調整というものが必要でございますが、私どもとしては今申しましたような基本的考え方で対応いたしたい、かように考えております。
#203
○小谷委員 六十一年度分の円高差益は、いろいろ見方があろうかと思いますけれども、これの推計はどうなんですか、四十億ですか。
#204
○鎭西説明員 事業団の輸入牛肉の売買に伴います差益は、一番最初にお話しいたしましたように、まず主たる輸出国でございますアメリカとかオーストラリアにおきます原産地価格と事業団が国内で放出いたします売り渡し価格の格差、それから為替レートの変動等が総合的に反映されまして、結果的に事業団の差益という形で発生しているわけでございます。したがいまして、六十一年度におきます原産地価格の動向がどうなるのかということによって相当大きくこれは振れるわけでございますけれども、一応円レートが一ドル百八十円で定着するということを前提にいたしまして一つの試算を私ども行っておりますが、それによりますと円高分ということで六十一年度は二百億円程度の差益が事業団に発生する、かように考えております。
#205
○小谷委員 円高による影響というのはメリット、デメリットともに非常に大きいわけでございますけれども、デメリットの分は少なくとも消費者にメリットの分の差益で還元するという基本的な考え方、これをより強く今後もとっていかれるべきである、このように考えておりますし、輸入牛肉の二百億円の円高差益というのはかなり大きいものでございますから、この差益の還元が各分野にそれぞれ何らかの形で影響を及ぼすのではなかろうか、こういうふうに思うわけでございますが、その点はいかがでしょうか。
#206
○鎭西説明員 六十一年度に発生いたしますトータルとしての差益金、これは畜安法の定めるところによりまして翌年度に事業団の指定助成事業として使うということになっております。したがいまして、私どもとしては基本的には円高分も含めまして畜安法の定める考え方、すなわち国内の合理的な生産振興を図ることによってコストを低減いたしまして、中長期的に消費者にもメリットが出るような、そういう足腰の強い我が国の畜産経営というのをつくり上げていきたいと考えておりますけれども、そのほかに従来からも、消費者により直結する形での流通消費対策、我が国はまだ消費者段階での購入数量が非常に少ないとか、あるいは外国と違いましてブロックで購入するのがほとんどございませんでスライスで購入する、しかも多頻度で非常に少量購入というような消費構造あるいは購入段階での問題というのもございますので、そういう流通なり消費の段階での改善合理化というものにも十分指定助成事業を拡充強化して使ってまいりたい、かように考えているところでございます。
#207
○小谷委員 次に最近、消費生活センターに寄せられる苦情相談で問題が起こっている点、二、三質問をしたいと思います。
 マルチまがい商法とも言われておるわけでございますが羽もの寝具販売、要するに羽布団と言われるものでございますけれども、この苦情相談が日を追って大きくなっておるわけでございます。これの実体は羽毛寝具販売会社、これは株式会社でございます。この羽毛寝具を買った人が即そのまま強制的に委託販売員として機械的に登録をしたことになっていくということでございまして、新たな購入者の紹介を強要する。したがって新たな購入者が即また委託販売員となっていくわけでございますが、新たな購入者を紹介すれば、その購入した羽布団の手数料が紹介者に支払われていくという販売方法をとっておるわけでございまして、手元にもし金がないということになれば、すぐその場でサラ金業者が準備をして金をサラ金から借りることになる、こういう商法で、これは和服にもこういう販売方法がとられておるということでございます。これもサラ金から借りて現金で支払いをするわけですから解約に応じてくれない、こういうふうな問題が起こっておるわけでございます。この商法の実態について経企庁、通産省は掌握していらっしゃいますか。
#208
○横溝政府委員 今先生、大変具体的な事例で御質問でございますが、この羽毛布団の売り方にもいろいろな商法、多岐多様にわたっていると存じます。私どもとしましては国民生活センターに来ている苦情の件数等はつかんでおりますけれども、個々の事例について詳しくは承知しておりません。今おっしゃったのとぴたり一致はいたしませんけれども、要するに知人を紹介すればマージンがもらえるというようなことで羽毛布団を購入したけれども、知人を紹介する気にならないので解約したいというようなたぐいの相談があったというようなことは聞いておりますが、先生がおっしゃったような具体的な例はちょっと存じておりません。
#209
○山下説明員 今先生御指摘の羽毛布団の販売方法でございますが、御承知のように最近いろいろな友人関係というようなものを使いながら物を売るというシステム、いろいろな呼び方がございますけれどもシステム販売とかという呼ばれ方もございます。そういうような形で人のつてを使いながら売るというような商法がかなりたくさん行われておるというふうに承知しております。ただし、今先生御指摘になりました具体的なケースにつきましては、もう少しお話しいただければ、私どもに苦情相談が来ているのかどうか、わかるかと思います。
#210
○小谷委員 これは実例でございますけれども、大阪市内に住む二十歳の娘さんですが、ことしの二月の中旬に女友たちから電話があって、二万円のパーティーがあるので、このパーティー券の二万円は私が支払いますから一緒に行きませんかという誘いがあった。その際、二万円はその友だちが支払いをしてくれた。そこでA社という大阪市内の東区にある会社に紹介をされて、そうして一緒に行ったところが会員に誘われた。会員になると、同時に羽毛寝具を買いなさいと誘われた。お金がないので断りをしたところが、元手になるお金がないんなら今紹介をしてあげますということで、直ちにサラ金業者を紹介されて、そこから借りることになった。計五十万円金を借りた。そこで、この女の人は関連会社に羽毛寝具の一式購入契約をし、その代金と、また新たな会員の勧誘のノーハウ、これを学ぶ受講料これも合わせて合計四十六万六千円、これの支払いをした。ところが、その後になって、これは解約をしたい、このように申し入れたが、いまだにお金も返してもらえないし、解約にも応じてもらえない。こういう問題で相談が起こっておるわけでございますが、このような事例、この種の商法は現行ではどんな方法で規制ができるのか、また今現在、規制がないのか、これはいかがでしょうか。
#211
○山下説明員 御指摘のケース、三月九日付の新聞などに報道されたケースではないかと推察いたしておりますが、今先生御指摘のような商法につきましては、まず第一に訪問販売法との関係があると思います。訪問販売法で、お店以外の場所で購入の申し込みを受ければ法律の適用がございますので、一応訪問販売法の対象にはなるというふうに思います。ただ、お金を全部払ってしまって商品も受け取ってしまったというようなケースにつきましては、訪問販売法で規定しておりますいわゆるクーリングオフ、七日間以内の解約でございますけれども、この規定は適用できないことになっておりますので、物の引き渡しが両方終わってしまいますと、この法律に基づく解約というのは不可能でございます。ただ、お金が残っているというようなケースであれば、この法律に基づきまして、七日以内であればクーリングオフができるということになろうかと思います。
 それからもう一つ、販売方法の関係では、いわゆる連鎖販売取引、マルチ商法と言われておりますけれども、それとの関係が問題になろうかと思います。私ども承知しております限りでは、大阪の通産局の方で、この案件につきまして十件程度いろいろな問い合わせなどを受けております。そこで承知している限りでは、現在の連鎖販売の取引の定義にございます、間に立つ人間が再販売をするという、その要件のところで、どうも合致していないのではないかというふうに思われます。詳細につきましては必ずしも把握しているわけではございませんが、契約書その他で見ておる限りでは再販売という要件がない、したがって連鎖販売取引には該当しないんではないかというふうに思います。
#212
○小谷委員 ちょっと今の説明が十分わからなかったわけですけれども、これは訪問販売法のマルチ商法、この規制にはかからないですね、委託販売という形式をとっておりますから。これは法の網をくくった全くマルチまがいといいますか、そういう販売方法がとられておるわけです。これで被害者が出てきましても、相談を受けられても、今大阪府なら大阪府の生活相談所、相談センター等で非常に扱いに困っておるということでございます。これをクーリングオフの該当にはめるような方向で法改正をするか、何か網をかぶせて規制をしなければ、かなり被害が大きくなるのではなかろうか、こういうふうに思うわけですが、いかがでしょうか。
#213
○山下説明員 今の先生の御指摘のマルチまがい商法と言われている分野になるかと思いますけれども、それにつきましても現在の訪販法のマルチ商法の規制と同じような規制をすべきではないかという御議論はございます。私どももそういう問題があるということを承知しておりまして、先般、現物まがい商法の審議をいたしました産業構造審議会の特殊取引問題小委員会におきましても、現物まがいだけでなく、いわゆるマルチまがいというものについても何か対策を考えるべきではないかというような御議論もございましたし、それから国会でも御指摘をいただいておりまして、私どもも審議会の場で引き続き研究するということにしてございます。ただ従来の議論から申し上げますと、通常の訪問販売との兼ね合い、あるいは被害の実態というようなことはどこを押さえればいいのかというような問題がなかなか難しいというような感じを持っております。
#214
○小谷委員 それからもう一つ、公団住宅の入居申し込みの代行業、これのトラブルが最近非常に多いわけでございます。これは大都市め地下鉄だとかまたターミナル等で通行人に無差別にこういうはがきがばっと渡されまして、これは公営サービスとか都市公団クラブとか、また代行サービスセンターとか公団住宅サービスとか都市公団クラブの中の公団住宅申込センター、こういうふうな腕章をはめたりして配られるわけです。これには切手は要りませんということで、住所、氏名、職業、勤務先、家族構成、世帯構成、家族の勤務先、それからさらにいろいろな内容のものがございまして、中にはゴルフの会員権は持っているか持ってないかとか、ゴルフをしたいかとか、どうとかいうふうないろいろな調査まで含まれておるわけでございますけれども、こういうふうなものが渡されまして、受け取った人は、これは無料サービスまた役所の仕事である、こういうふうに思い込んで申込書類の内容を記入して気軽に投函する。そうしたら直ちに料金が請求された。これは解約を申し出たが応じてもらえない。それで消費者相談センターの方へ駆け込んで相談に行った。このような相談が非常に多いわけでございます。
 これは一部新聞でも取り上げたことがありますけれども、まず公的機関の仕事であるように見せかけるというふうな問題点、こういう名称で代行業者が、役所というよりもつながりのある関連会社こういうふうに思われる。それから代行費用がまためちゃくちゃに高いわけです。一たび名前を記入してそこへ送れば、同時にそれが契約したことになりまして、そうして二万九千円、これは登録料が一万円、年会費一万九千円、これが請求されるわけです。代行費用を支払いましても、公団に果たして申し込みができているのかできておらないのかわからない。連絡もないし、費用は一切返さないということでございますし、もしこの代行費用を払わなかった場合には、本人の勤め先、家族、家族の勤め先、そういうところまでどんどん請求するということでございます。
 さらに、この申込書の中に極端に言ったら独立資金とか開業資金とか内装資金とか、そういう有利な資金手続、こういうものの相談をしたいかしたくないか、イエスかノーかというような問題。また法律的トラブルで相談を望んでいる人、これは望んでいるかどうかというような問題。一カ月に一度はゴルフコースに行くのか行かないのか。こういう個人の生活のプライバシーにかかわるような問題まで記入をして出してくれということに内容的になっておる。こういう問題が非常に起こっておりまして、公団の方としても自分のところの分野から離れた分野であって、公団の方とすれば、申し込みをしていただければ二百五十円の手数料ですべてのことができます、説明書も渡せますということなんですけれども、これが今野放しになっておるという実態があるわけですけれども、これは御存じですか。所管はどこですか。
#215
○横溝政府委員 今先生がお挙げになりましたような公団住宅あるいは公営住宅等、そういう公的な住宅の入居申し込みの代行サービス業が現実にあることは存じております。国民生活センター等にもそういうたぐいの苦情が参っております。特にどこが所管というのは決まってないと思いますけれども、要するに入居希望者の入居申し込みの手続を代行してくれるというサービスそのものは意味があることだと思いますけれども、御指摘のように、それがあたかも公的機関のような名前をかたり、そこを経由して申し込むと有利であるかのように消費者に思わせてやる、それでそういうふうにならないと、解約したいと思っても解約に応じないというやり方は極めて問題だと存じます。
 ですから、それにつきましては、やはり国民生活センター等で適切な苦情処理に当たるとともに、先生おっしゃいますように、公団と建設省はそういう公的な代行サービスを認めているわけではございませんから、そういう点についての消費者への啓蒙に大いに努力するとか、あるいはまさに詐欺まがい的なやり方でございますから、実態に応じて警察当局の取り締まりの対象にもあるいはなろうかと思いますし、いろいろ関係各省と協力しながら対応を図っていきたいと思います。
#216
○小谷委員 昨年の秋ごろから近畿行政監察局がこういうことについて相談を受けて、実情を調べたと聞いておりますが、これはその後どうなりましたか。
#217
○北村説明員 お答えします。
 ただいま先生の御指摘の、公団のいわゆる入居申し込み代行業の問題についてでございますが、近畿行政監察局に行政相談があったものでございます。同局といたしましては、消費者保護の立場から同公団の関西支社に対しまして有効な苦情の再発防止につきまして改善方の申し入れを行ったものでございます。この申し入れの結果、同公団の関西支社におきましては、まず公団と申し込み代行業者とは一切関係がない旨を明示するなど、苦情再発防止を目的といたしましたポスターの印刷配布、約一千枚でございますが、そういう措置をとっております。次に、貸賃住宅の募集案内書に上記趣旨の注意書とを記入することとなりました。また、これにあわせまして同近畿管区行政監察局におきましては、申し込み代行業者の実態を新聞発表いたしまして、広く市民に対して注意を呼びかける措置をとったところでございます。
#218
○小谷委員 昨年の四月東京都内でもこれと同じような内容の業者がありまして、これは名前は日本住宅事業団・公営住宅センター、こういう看板を掲げてこの種の事業をやっておって、この被害者が数千人、被害総額は一億とも言われたようでございますけれども、これは詐欺の疑いで逮捕された、こういうことが報道されておりますが、消費者保護の立場から、これは何か規制をしなければ、被害者がふえ、しかもこれが刑法による詐欺行為になるかならぬかということは、実際上入会した、四千九百円払った、それが公団に手続がなされているかどうか、なされないとするなら、これは詐欺行為だということになろうかと思いますけれども、そこまで調べ上げるということは大変なことでありまして、何かその辺こういう事業そのものに網をかぶせて消費者を保護する方法を考えるべきではないかと思うのですが、この点どうですか。
#219
○横溝政府委員 先生おっしゃいますように、消費者保護の観点から、そういう代行サービス業の悪質なものにつきましては私どもも非常に重大な問題だと思います。ただ、そういう悪質なものでない、そういう代行サービスをしている業者も恐らくあると思われますので、その辺、一気に法律で規制するかどうか、その辺はいろいろ検討する必要があると存じますけれども、いずれにしましても、そういう悪質な代行サービスによって消費者被害が広がらないように、先ほど申しましたようにいろいろな手を使いまして、関係各省と協力いたしまして被害防止のために努力を払いたいと存じます。
#220
○小谷委員 通産省にちょっとお尋ねしておきますけれども、円高の中小企業に与えた影響について中小企業庁で調査をされておるようでございますが、その調査結果はどうなっておるでしょうか。
#221
○長田説明員 昨年秋以来の円高に対処して中小企業がどのような影響を受けるか、これにつきまして私ども常時ウォッチしてきております。数回にわたりまして調査をしてきておりますが、最近の調査結果によりますと、中小企業につまましては非常に深刻な影響が出てきている。特に輸出型の産地におきましては、商談が中断するということなどによりまして受注量が減少し、手持ちの受注が減ってまいりますために資金繰りがなかなか難しくなってくる、ひいては倒産の危機にも瀕している、こういうような状況でございます。またさらに、下請企業の関係につきましては、親企業の方から単価の切り下げというような厳しい要請が多発してきておるような状況でございまして、一部にはかなりの影響が出てくるのではないかということが懸念されている、そのような状況でございます。
#222
○小谷委員 大変な状況であると私たちも認識しております。
 そこで中小企業また下請企業、この円高による影響といいますか被害の大きいところに対して、これは今いろいろな実態を把握された面の報告があったのですけれども、この救済対策ですね、これは根本的にはどのような対策を考えておられますか。
#223
○長田説明員 中小企業に対する円高対策の点でございますが、今申し上げましたように影響がだんだん深刻化してきているという状況にあるわけでございます。私どもは昨年の秋以降すっとウォッチしてきておりますが、中小企業に対する影響というものがだんだん出てきているので、これを非常に重大な事実として受けとめて、適切な対策を打たなければならない、そういうふうに心しましていろんな対策を打ってきているわけでございます。
 その中の主なものといたしましては、二月二十五日に特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法、これは異例のスピードで国会を通していただきました。この法律によりまして、商談が中断するなどによりまして資金繰りが苦しくなるというような中小企業に対しまして緊急な経営安定対策、これは融資そのほか信用補完、そのような助成措置を講ずるものでございます。それとともに、このような非常に厳しい国際的情勢に対応しまして、中小企業者がそういう環境に適応して新しい活路を見出していこうということのための事業転換対策というような、緊急経営安定対策と事業転換対策を内容といたします新法を公布、施行したわけでございます。
 また、ほぼそれと同時に、下請中小企業に対する影響というようなことを配慮いたしまして、通産省の中に下請等中小企業対策推進本部というものを設置いたしまして、いろいろ各方面からの相談等に応じているわけであります。また、あわせて下請企業に対する取引の適正化というような点からの指導もかねてより強化してきている、こういうことでございます。
 なお、本日決定されました総合経済対策におきましても、金融関係におきましては金利の引き下げ、あるいはきめ細かく産地対策を行うための対策を講じて万全を期していくという考えで臨んでおるわけでございます。
#224
○小谷委員 経企庁長官おいでになりましたので、時間もございませんが最後に長官に。
 今回の円高が日本経済に与える影響は非常に大きいわけでございます。これは民間の経済研究所で出されたものですが、日本経済の輸出依存体質は改善すべきである、こういう意見の中に、国内経済政策の転換を今こそやるべきだという考え方のもとに、一つは財政を景気刺激型に転換する、それから景気停滞の最大の理由が家計部門の疲弊にある、家計部門に比重を置いた経済運営をする、三番目に、そのためにまず所得税の大幅減税を実施すること、こういうふうな提言をしておる民間の経済研究所があるわけでございます。
 与野党合意の二兆三千四百億の減税、これは今後与野党で検討するということになっておるようでございますが、これに対して、この提言を踏まえて長官の御所見を伺っておきたいと思います。
#225
○平泉国務大臣 所得減税の問題につきましては、先般三月四日の幹事長・書記長会談の結果を踏まえまして、各党間で協議し、今後の推移を見守りつつ適切に対処するつもりでございます。税制全般の問題につきましては、先般来、予算委員会あるいは本会議で何度も総理大臣また大蔵大臣から十分申し上げておりますように、税制の抜本的改正が必要であるという認識を持っておるわけでございまして、殊に最近の、先生もおっしゃいましたそのような情勢の変化、また、それに伴いましての国会内でのさまざまな御議論というようなものも我々としては十分認識をいたしまして、今政府税調におきまして抜本的な改正案についての審議が行われておるわけでございます。先生のだんだんの御意見も、その趣旨等を税調の方にも十分伝えてまいりたい、かように思っております。
#226
○小谷委員 では終わります。
#227
○中村(正男)委員長代理 次に、藤田スミ君。
#228
○藤田(ス)委員 私は、質問を始める前に委員長に一言お願いをしておきたいわけです。きょう、私は質問をするに当たって、答弁者に通産省の公益部長を求めておりました。ところが、きょうの三時ごろになって通産省から、公益部長は商工委員会なので答弁できないという通告がありました。私はすぐ商工委員会の委員部に対して問い合わせをしますと、質問者は公益事業部長を答弁者として求めていないという返事があったのです。にもかかわらず、通産省は商工委員会委員部に対して急速追加答弁者として公益事業部長を充てたということになって、結局こちらの答弁に来られないということになりました。私はこんな不誠実な態度はないと思うのです。これは当委員会の権威にかかわる問題ですので、事実を一度調べていただいて、そういうことが事実であれば、委員会としても厳重に抗議をしていただきたい、そのことを最初に申し上げまして、質問に入っていきたいと思います。
 私は、電力、ガス料金の値下げ問題についてお伺いをいたします。
 我が党は、基本的には現在まで累積されている内部留保については料金割り引きで、そして現下の大きな変化、つまり円高と原油価格の値下げについては十九条による料金改定をという立場をとって、ことしの一月に各関係業界にも申し入れをいたしましたし、政府に対しても申し入れをいたしました。また当委員会でも、そういう立場で私はこの問題を取り上げてまいりました。
 ところで先週、資源エネルギー庁に設置されていた電力・ガス差益問題懇談会が報告書を出しました。その内容を見ますと、料金の一律値下げ、産業用の新増設備に対する特別割り増し料金制度や家庭用の三段階料金制度の手直し、設備投資、そして料金を短期間で再引き上げせずに済むように内部留保に一定額を充てる、こういう四つの点でまとめられているわけなんです。
 そこでまずお伺いをいたしますが、円高差益からある一定額を設備投資に回す、あるいは料金を再引き上げしないように内部留保に一定額を充てるといった措置は、電気事業法十九条による供給条件の変更ということでは、とてもそれを行うことはできない。これは明らかに二十一条ただし書きによる料金の割引措置を想定しているものと思いますが、いかがでしょうか。
#229
○川田説明員 電力、ガスの差益への対応問題につきましては、先生、先ほど御指摘のとおり三月末に電力・ガス差益問題懇談会の結論がまとまりまして、それから本日、経済対策閣僚会議の総合経済対策の中でも方針がうたわれまして、現在、電気事業審議会の料金制度部会などで検討をいたしておるところでございますが、今先生の御指摘の点について申し上げますと、関係各方面からの議論は、差益についてできるだけ早期に還元をすべきであるという声があります一方、現在の時点では為替レート、原油価格の動向については極めて不透明でございまして、したがいまして電力・ガス差益問題懇談会の報告におきましても、六十一年度を対象に、応急的かつ暫定的な措置を講ずることが適当であるという取りまとめをいただいておるところでございます。そういうところからいたしますと、先生ただいま御指摘のとおり、電気事業法の規定にそれを考えてみますれば、まだ結論を出しているわけではございませんけれども、第二十一条ただし書きの適用ということに相なるのではないかと思われます。
#230
○藤田(ス)委員 私は、ただし書きによる料金値下げのような、そういう小手先で今処理できる問題ではもうないというふうに思うわけなんです。今提起されているのは、円高差益と原油値下がりというその大きな経済環境の変化を背景にした問題であるわけです。
 私はここに、前回電力各社が値上げの申請をしたときにどういうことを言っておるかという本を持ってきておりますが、これを見ますと東電はこういうふうに書いています。「燃料費に他社購入電力料を含めた五十五年度の需給関係費は、五十三年度の約三倍にあたる一兆九千四百七億円に達すると見込まれ、原価高騰の約七八パーセントを占める大きな要因となっております。」中部電力は「すなわち、昭和五十三年度には、この燃料価格は、総合重油換算で一キロリットル当たり二万三千百六十円でありましたが、申請原価では六万九千八百八十六円と三・〇倍にも達します。その結果、総費用に占める燃料費の比率は、昭和五十三年度実績原価の三二パーセントから申請原価(昭和五十五年度)では五五パーセントに達し、原価高騰総額の九二パーセントを占め、申請事由の最大の要因となっております。」関西電力はこうです。「このため、当社の燃料費は、先行き膨大な負担増を強いられることとなり、五十五年度では、五十三年度に比べ約三倍に達するものと見込まれます。」こういうふうに各電力会社は燃料費の高騰を最大の値上げ理由にしていたわけです。
 では現在はどうなっているか。為替レートは一ドル百八十円、きのうは百八十一円というような数字にもなりましたが百八十円。原油価格は、先日のOPEC臨時総会で合意が成立せず一段と下落を始め、米国産の原油の標準油種は一バレル十二ドルを割るところまで来ております。それで非常に控え目に原油価格を一バレル二十ドルというふうに計算をして、一ドル百八十円で計算をしていきますと原油価格は二万二千六百四十四円になります。これはさっき読み上げた中部電力が言う五十三年の二万三千百六十円よりも低い額になっているわけです。原油水準は前回の値上げ申請を行う前の、つまり五十三年の水準よりもまだ低い水準に戻るということになるわけであります。したがって私は、直ちに電気事業法十九条に基づく料金改定による値下げを行うのが当然ではないかというふうに考えますが、この点では通産省と経済企画庁の方から御答弁をお願いいたします。
#231
○川田説明員 最近、円高及び原油価格の低下によりまして燃料費が相当下がってきておるということはあろうかと思うのでございますが、先ほども申し上げましたように現在の段階で、為替レートあるいは原油価格の動向、それからいつも申し上げておりますがLNG価格がどうなるか、そういった点につきまして将来を見通すことというのは非常に難しいだろうと思われるわけでございます。ただ一方、関係方面からの早期還元の声というのは非常に強まっておりますから、まず私どもは六十一年度を対象に応急的かつ暫定的な措置をとってやっていくというのが適当ではないかというふうに考えていることを、先ほどの繰り返しで恐縮でございますが、もう一度申し上げさせていただきたいと存じます。
#232
○斎藤(成)政府委員 経済企画庁が電気料金に関与する立場と申しますのは、直接所管をしております通産省の方で、どういう方向で行きたいとある程度案が固まったものに対して、私どもが全体の物価問題という観点から、それについて判断をするというのが従来からの基本的なやり方でございます。現在のところ、まだ通産省の方で具体的な方向をはっきり出しておりませんので、私どもはまだ相談の段階に参ってないというのが現状でございます。ただ方向として、差益還元をなるべく早くやってほしいということは私ども従来から言っておることでございまして、そういう意味で、きょうの総合経済対策の中に電力、ガスについて還元の時期まではっきり出たということは大変好ましいことであると考えております。
#233
○藤田(ス)委員 よくわからないのですよ。電気事業法は、原則として、第十九条により「料金が能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものであること。」とあるように、その点での料金改定を求めているわけです。それで二十一条のただし書きで「供給規程により難い特別の事情がある場合において」ということで、この場合においてだけ供給条件の変更を認めているわけなんですね。通産省は原油価格の下落あるいは円高による燃料費の値下がりは「供給規程により難い特別の事情」というふうに御判断されるわけなんですか。私はそこのところがどうしても納得できないわけです。
#234
○川田説明員 いろいろ御議論のあるところかと思いますが、一つの事例で申し上げますと、実は昭和五十三年度の下期に料金割引措置をとったことがございますが、このときもいろいろ御議論があったようでございます。為替レートが大幅な変動をしているもとでは料金コストの見直しも難しい、それからまた時間を要することもあるので、臨時的、緊急的な要請にこたえるために暫定的な措置をとったことが事例としてございます。現在のような非常に将来予測が難しい時点では、こういう措置をとるということも許されるのではないかと私どもは思っておるところでございます。
#235
○藤田(ス)委員 大体そのこと自身が十九条というものの力をなくしていっているというか、十九条の権威そのものを傷つけていっているというか、私はそういう思いがいたします。この十九条か二十一条のただし書きかということは直接国民の懐に響く問題なんです。例えば差益額の計算にしても、当然現在の料金体系を基礎にしているわけですから、現在の料金の査定根拠である一ドル二百四十二円、一バレル三十二ドル強をもとにして計算するべきなんです。ところが、通産省は五十九年のレートの原油価格を根拠にしようとしている。これでは差益額は非常に少なくなるわけですね。消費者はここも納得できないわけです。これは結局ただし書きで変えていこうとすると、こういうことも自由にやれるということになるわけなんです。したがって、国民に差益をきちんと還元する点からも十九条に基づく値下げをすべきである、私はやはりそういうふうに考えざるを得ません。今指摘をした、差益計算についてもまた前回の五十五年の査定根拠に基づくべきである、ここのところについてもいかがですか。ちょっと質問よくわかりませんか。十九条に基づく値下げをすべきである、また今指摘をしました、差益計算についても前回の査定根拠に基づくべきである、五十九年というようなことで計算をし差益幅を小さくすべきではないということ、この点についてはいかがでしょう。
#236
○川田説明員 二点の御質問でございますが、まず一点につきましては、先ほど来の繰り返しになりますけれども、事態が非常に流動的なもとで料金を設定いたしますと、下げた後でまたすぐ上がるというような事態になってもこれはまずいわけでございます。やはり原価変動の状況というものをよく見きわめて判断をすることが必要ではないだろうか。この懇談会でも、先ほど言い落としましたが、将来については為替レートの動向、原油価格の状況等を見きわめて、事態の推移に応じた適切な対応をとるべきことということも指摘をされておりますので、私ども、そういう点はよく考えて事態の推移を見ていく必要があるだろうということは思っておるところでございます。
 それから第二点の、差益額を算定するに当たってどういう基準をとるかということでございます。これは先般来、先生から何度がお話を承ったわけでございますけれども、現在の料金、確かに五十五年に改定をされたものではございますが、あのときの原価算定というのは、五十五年度一年間を原価算定期間といたしまして、その間の原価を厳正に査定をいたしたものでございます。しかし、その後事態がいろいろ動いてまいっております。原油価格につきましてもその後がなり上昇をいたしまして、それから現在下がってきておる。円レートにつきましても、二百七十円という円安を記録したこともございます。したがいまして、いろいろな変動はあるわけでございますので、現在の事態が起こる直近の比較的安定した時期を選んで基準とするというのも一つの考え方ではないかというふうに思うところでございます。
#237
○藤田(ス)委員 それでは違った角度からお尋ねをしていきましょう、内部留保の問題です。
 報告では「差益の一部分を内部留保の充実に充てる必要がある。」さらに六十年度の差益についても「内部留保の充実に充てられるよう配慮されることが適当である」こういうふうになっていますね。この内部留保については昨年十一月の当委員会でも私は取り上げておりますけれども、五十九年度利益処分後、電力で五千七百七十一億円、ガスで千三百九十八億円の原価変動調整積立金、別途積立金あるいは次期繰越利益が出ているわけです。これがどの程度の水準なのかということを少し計算をしてみました。電力で見れば、円高が現在の百八十円から二百二十八円にまで戻っても一年間しのげる額であるわけです。それからガスに至っては、一ドル百八十円から二百四十二円、この前の査定時の価格に戻っても、一年半以上しのげる額になっているわけです。これでも通産省は、現在の内部留保にさらに六十年度分の差益を二千億円以上、さらに六十一年度の差益を積み増さなければならない合理的な根拠というのは一体どこにあるのでしょうか。
#238
○川田説明員 九電力会社の五十九年度末におきます内部留保額は先生御指摘のとおりでございます。それから差益問題懇談会における報告の内容につきましても、いろいろな議論があったようでございますが、とにかく「六十年度の差益については、六十一年度における還元後の差益とあわせ内部留保の充実にあてられるよう配慮されることが適当であると考える。」という報告をいただいていることもそのとおりでございます。
 この内部留保をどの程度まで積み増すかということで、特段の理論的な目安というものが格別あるわけではございませんけれども、いずれにいたしましても積立金という形でガラス張りに明確に積み立てておきまして、今後の原価変動に伴うリスクに対応していきたいということで考えておりまして、金額についての議論その他いろいろあろうかと思いますが、電気料金の安定ということも重要なファクターでございますので、私どもとしては、この報告書の考えをとるのが適当ではないだろうかと今は考えておるところでございます。
#239
○藤田(ス)委員 理論的なものはない、そういう点では、極めてガラス張りだとか、これは当然のことでして、だから結局余り説得力がないわけです。
 この内部留保の積み増しの問題をどう見るかということは、現在の経済情勢をどう見るか、ここにかかわってくる問題なんですね。円高については、G5以降、政策的に円高が進められてきておりまして、その中で絶えずドル暴落の危険性をはらみながら進んでいるわけですから、円が大幅に反騰するというような情勢ではない、そのことははっきりしているんじゃないでしょうか、幸い経済企画庁長官がおられますからわかっていただけると思いますが。さらに原油価格についても、先日のOPECの臨時総会で減産についての合意ができなかったわけです、値崩れの方向に進んでいっているわけです。その背景に何があるかというと、非OPEC産油国の市場におけるシェアの拡大、逆にOPEC諸国のシェアの縮小、こういう側面と、世界的に原油が過剰状況にあるという、この二つの側面があって、ともに解決のめどが立っていないじゃありませんか、御専門の長官はおわかりいただけると思いますが。こういうふうな動向がはっきりしているときに、もしそれが逆に動いたらというような想定をするということは、これは前回の値上げのときに、もしも逆オイルショックがあったらという前提をもとにして料金査定をすることができなかったのと同じ理屈になってくるじゃないですか。私はそこのところがどうしてもわからないわけです。長官、違いますか、円高はこれから変化が急激に起こると思われますか。あるいは原油はこれから急激にどんどん上がっていくというふうに思われますか。――両方から御答弁ください。
#240
○斎藤(成)政府委員 為替の見通しは大変難しいわけでございますけれども、基本的な流れとしては、これが大幅に円安に振れることはまあないのではないかという感じで私ども見ております。ただ、それでは後、責任を持てるかというような話になってまいりますと、なかなか歯切れのいい御返事ができかねるわけでございます。
#241
○田辺説明員 原油価格の見通しでございますけれども、藤田委員御指摘のとおりOPEC総会がまとまらなかった、あるいは不需要期に入ったということで軟化傾向にあることは事実でございます。私どもも原油価格は引き続き軟化傾向を当分の間だどるであろうと見ているわけでございます。しかしながら事態は大変流動的でございまして不透明であると思っております。例えばノルウェーの開発関係の厨房労働者がストライキをやりまして、現在九十万バレルが全面生産停止されております。それを反映いたしまして四月六日、きのうの段階では十ドル台から十四ドル台へというふうに北海のブレントのスポット価格も上がったりしております。そういう不安定な状況でございますが、四月のOPEC総会を踏まえつつ推移を注視してまいりたいと思っております。
 以上でございます。
#242
○藤田(ス)委員 さらに言えば、電力、ガス会社の内部留保は、今指摘している別途積立金あるいは原価変動調整積立金だけではなく、以前から我が党が指摘してきたように、電力会社で言えば五千二十八億円の退職給与引当金というのがありますね。それから二千八十五億円の資本準備金、二千五百七億円の利益準備金、三千百二億円の原子力発電工事償却準備金、三千四百九十九億円の使用済み核燃料再処理引当金、これを全部合わせましたら一兆六千二百二十一億円あるわけです。財務内容は極めて好転しているとは言えませんか。
 我が党は、この内部留保が五十五年認可時よりふえた分については当然国民に還元するべきであるというふうに主張してまいりました。これだけの巨額な内部留保を保有しながら、さらに内部留保を積み増すということは、公共事業のあり方として認められない問題ではないかというふうに考えますが、その点について通産省は一体いかがお考えですか。
#243
○川田説明員 内部留保が最近増加をしてきているのではないかという御指摘は、たしか先回も先々回もいただいたように思うのでございますが、今先生がお述べになりました退職給与引当金、資本準備金、利益準備金、原子力発電工事償却準備金、これは物によりましては負債性引当金あるいは法定で積まなければならない準備金、租税特別措置法で積むことを認められている準備金、そういったものでございまして、いずれも積み得る状態にあれば積むのが適当であるというふうに思うわけでございます。
 それから電力産業、電気事業の財務の問題でございますけれども、最近ようやく定率償却が一〇〇%できるような状態になっており、比較的いい方向には向かっておりますものの、なお電気事業は十八兆七千億円といういわば借金産業でもございまして、支払い利息を大きく支払っておるということで、自己資本比率などもほかの産業に比べて非常に低い、一五%台であるというような産業でございますので、財務状態が非常にいいということは必ずしも言えないのではないか。ただ私ども、公益事業でございますので、そこいらはただ多ければ多いのがいいというものではないとは存じますが、そういうふうに必ずしも財務の非常にいい産業でもないということもひとつ御理解を賜りたいと思います。
#244
○藤田(ス)委員 しかし、円高不況で泣いている業者から見れば、こんなうまい商売はないというのが実感ですよ。何でそんなに電力業界の方に肩を持つのでしょうかね。しかも、この報告で触れられている設備投資についてはどうなんですか。これは前回の電力料金値上げ以降、一九八〇年五月から一九八二年一月まで続いた円高、この間円高が続きました。一九八三年の一バレル五ドルの原油の値下げ、いわゆる第一次逆オイルショックというのも続きましたね。そのたびごとに、私も聞きましたが、政府は電力会社に対して、これらのメリットを内部留保及び設備投資拡大による景気のてこ入れにせよというふうに指示をされてきたわけです。そして今回もまた政府は、原油値下がり及び円高による差益の一部を設備投資にも回せということになっているわけです。
 問題なのは、これは電力料金にメリットとして返らないでコストとしてはね返ってくるのです。ここが大変問題なんです。減価償却費は、八一年三月期と八五年三月期を比較してみますと、九電力合計で四千八百五十二億円コストアップしていますね。修繕費も同様に二千四百七十八億円ふえているわけです。合計すると七千三百三十億円、これだけコストアップになっているわけです。それだけに安易な設備投資だとか、あるいは投資効果を疑うような設備投資、電力業界の目的に反するような設備投資というようなものは絶対にあってはならないというふうに私は思うわけですが、その点いかがですか。
#245
○関野説明員 内需拡大のための設備投資等の要請に対しましては、従来から電気、ガス事業とも最大の設備投資産業として協力を行ってきたところでありますが、その場合の基本的なあり方としては、電気、ガス事業との関連性の有無等を勘案しまして、電気、ガス事業の公益事業者としての限界を踏まえていくということが最も肝要であるというふうに考えております。ただ、電気、ガス事業の設備投資というのは、非常に中長期的観点から電気、ガスの安定的供給基盤の整備を図るという必要があるわけでございまして、計画的に実行されるべき必要不可欠な投資を行っているんだということでございまして、安易かつむだな投資であるというふうには考えておりません。
#246
○藤田(ス)委員 それではお伺いいたしますが、今電力業界は通信分野に参入しようとしていますね。電気事業法に基づいて電力会社自身が通信事業を行うというようなことはできないことになっているはずであります。そのために電力会社は子会社を設立し、その会社に通信事業を行わせようとしているわけです。
 お伺いいたしますが、電力会社がこの通信事業を行うことを前提に、その事業のために設備投資を行うということは不当な投資ではないでしょうか。
#247
○林説明員 御指摘のように最近、電力会社が子会社の形で、その持ちます技術的な能力等を活用しまして通信事業に出ていくという動きがございます。ただ、今具体的になっております東京電力の子会社でございます東京通信ネットワークというのが会社として設立をされたわけでございますけれども、この設備投資というのは東京通信ネットワーク自身が行うものでございまして、東京電力が行うわけではございません。また、東京電力は子会社に対しまして事業用の設備の一部を譲渡する予定であるというふうに聞いておりますけれども、これについては私どもとしては、電気事業の的確な遂行に支障を及ぼすおそれがないということ、あるいは電気の消費者の不利益にならないような適切な対価のもとに行われるというようなことを十分チェックをしていきたいというふうに考えております。
#248
○藤田(ス)委員 ちょっと郵政省に聞きますが、先ほど言われましたけれども、現在電力業界が通信手段として使っている公共業務用マイクロ波回線、これについて首都圏と地方において能力アップができないほど込み合ってきているわけなんですか。現状と今後の方向についてお聞かせをいただきたいわけです。
#249
○佐藤説明員 現在、電力会社が使用しているマイクロ回線の周波数は、電波の有効利用を図る観点から、建設省、都道府県、ガス事業者など、他の公共機関と共用している、共同で利用している現状にあるわけでございます。また、このマイクロ回線は現在、電話、データ通信、ファクシミリなどの伝送に使用されているわけです。
 そこで、これらの無線局の設置状況というものを見てみますと、関東一円といいますか首都圏においてはその密度は高い。既設のマイクロ回線に混信を与えずに新たにマイクロ回線を設置することは、その回線を設定しようとする区間にもよるわけでございますけれども、一般には適切な場所の確保の関係から次第に難しくなっている現状にございます。他方、設置密度がさほど高くない地方におきましては、新たな周波数の使用は、今御説明しました首都圏に比較しますと容易であるかというふうに考えられるわけでございます。
 また、既設マイクロ回線のチャンネル増などの能力アップにつきましては、現在使用している周波数の伝送容量にまだ余裕があり、かつその目的が電力系統運用など電力会社の業務の円滑な遂行を図るというものならば可能ではないかと考えております。
#250
○藤田(ス)委員 電力会社が現在遂行する業務用の範疇においてはまだ余裕がある、これが御答弁であります。まして地方においては言うまでもなく余裕がある。
 私は、今ここに日経が出しました文書を一つ持っているわけです。これは「日経コミュニケーション」という雑誌のコピーなんですが、ここには東電が光ファイバー通信網建設にどう取り組んでいるかということを詳しく書いています。そして今後十年間に東電だけで千五百億の投資で六千五百キロメートルの光ファイバーケーブルを設置しようということが書かれているわけです。その光ファイバーケーブルの導入の契機として、こういうふうに言っています。「東電は一時期、マイクロ波回線の能力アップも考えた。しかし電波がもともと有限な資源として、その利用が厳しく制限されているうえ、最近では、電波しか使えない移動体通信用に電波を回すような施策がとられつつある。こうした情勢の下でマイクロ波回線の拡大はあきらめなければならなかった。」こういうふうに言っているわけです。
 先ほどの郵政省の御答弁にありましたように、マイクロ波回線は能力アップが全く不可能というような状態ではないし、まして地方でも現状では十分マイクロ波回線にゆとりがあることは、先ほどお聞きのとおりであります。とすれば、通信手段として十分役割を果たせるマイクロ波回線のかわりに、莫大な投資が必要な光ファイバー建設に取り組むことは、通信分野参入を視野に入れた電力会社として本来不必要な設備投資ではないのですか。この記事にも正直に書かれていますよ。「首都圏一円の光ファイバ通信網は新会社にとって、大きなもとで≠ニなるはずだ。」先ほどおっしゃった子会社の大きな元手になるはずだと言っておりますが、通産省として、この電力会社の光通信、第二電電への参入を目的としたその設備投資は認めないという厳しい対応をすることが当然の姿勢ではないでしょうか。
#251
○林説明員 ただいま雑誌の引用でいろいろ御意見がございましたけれども、私ども、設備計画をチェックいたします場合にも、必要か必要でないかということについては十分に検討を加えるわけでございまして、ただいまのマイクロ能力のアップ云々というのは私ども承知していないことでございます。
 それから今、光ファイバーの建設をやっているのは事実でございますが、これは東京電力が、情報化に対応いたしまして円滑な経営を進めていくということ、あるいは保安の確保というようなことのために必要なものを行っているわけでございまして、先ほど私が申し上げました通信の子会社に設備の一部を譲渡するということは、今後の問題としてあり得るかと思いますけれども、その場合に、その譲渡が適正な価格で行われるのかどうか、あるいはこれが電気の消費者の不利益になるのかどうかということについては、私どもとしてきちんと対応させていただくというふうに考えております。
#252
○藤田(ス)委員 光ファイバーを敷いていくというのは、この光ファイバーで第二電電への参入を目的としていくという、初めにその結論を持ってやっているわけです。そんなことで私をごまかせると思ったらとんでもないですよ。これは消費者だってそうですよ。それはもう全然ですわ。電力会社がNTTに対抗するために、九電力がネットワーク化することは不可欠だということも公然と言われているじゃありませんか。となると現在、通信手段としてマイクロ波回線で十分やれるそのほかの電力会社も、莫大なお金を投資して光ファイバー通信網の建設に取りかかることになるのは、これはもう目に見えているわけです。しかしながら、その投資というのは、そのお金はだれが出すのですか。結局これは消費者でしょう。こんな電力料金のむだ遣いは絶対に許すわけにはいきません。まして今回の円高差益をこの設備投資に回すなんていうようなことがあったら、それは消費者としてとても我慢のならない問題なんです。そう思われませんか。
 これは経済企画庁、国民生活の立場に立って考えていただきたいのですが、将来の光ファイバー通信網を敷いていくということを初めに結論を出しておいて、やれ電力会社のために、マイクロ波回線がもう行き詰まっているから光ファイバーにするのだと言って莫大な投資をする、そしてその運用を子会社に任せて、そこで別会社が光通信網で新たなもうけの市場を得ていく。しかし、その設備投資というのは、これはあくまでも電力料金じゃありませんか。私は最後に、この問題について経済企画庁の方からもはっきり御意見を聞いておきたいし、通産省の方からももう一回明確な御答弁をいただきたい。
#253
○林説明員 現在の東京電力あるいはその他の電力会社が光ファイバーを敷設しているというのは、例えば送配電の信頼性の向上といったようなこと、例えば停電が起こったときに開閉器を一々手であけているというようなことが今後許されなくなってくるというような情勢も踏まえてやっておることでございまして、また通信は従来マイクロのものもあれば有線のものもあったわけでございまして、決してむだな投資をしているということではないわけでございます。
 それから円高の差益をこれに投ずるというような御懸念も表明されましたけれども、今私どもの方で懇談会の答申を、考え方を受け取ったところでは、そういうことを指摘しているのではなくて、内部留保に充てるべき資金の積極的な活用ということで、配電線の地中化といったようなことを積極的にすべきではないか、あるいは電力の技術開発といったような点に有効に活用すべきではないかという御指摘を受けておるというふうに理解をしているわけでございます。
#254
○斎藤(成)政府委員 今お尋ねの光ファイバーの話などについては、私どもよく承知いたしておりませんけれども、電気料金の算定あるいは今の差益の処理などにつきましては、私どもは一貫して原価主義の原則に立って、需要家の利益を損なわないように、需要家の利益を守るようにという観点で取り組んでいるところでございます。御心配の点につきましても、今後十分監視をしてまいりたいと思っております。
#255
○藤田(ス)委員 最後になりますが、通産省のおっしゃった、光ファイバーがなければ適切な情報提供に支障が出てくるような言い方というのは、これはまさにおどしにも似た言い方です。そしてそれはむだな投資ではないとおっしゃいます、まさにそれは電力会社にとってはむだな投資ではないでしょう。しかし、それは消費者から見れば、そういうことで子会社をつくって新たなもうけの場所を提供する、その元手の設備投資に電力料金を注いでいくということになれば、これはまさにむだな投資と言うよりほかにいたし方がないわけであります。
 経済企画庁長官、私は先ほどからしばしば、電力料金あるいはガス料金の円高差益あるいは原油価格の引き下げ、この状態を、適切な原価で、適切な価格という観点で、原価主義に基づいて還元をしていくならば、これは国民の懐に非常に大きなぬくもりが返って、これこそ本当に国民本位の内需拡大になるんだということを申し上げてまいりました。今回出されてきた内容は、しかしその点では極めて不十分であり過ぎると私は言わざるを得ないわけであります。先ほどからの御答弁にもありましたけれども、いずれ十九条に基づいて対応していきたい、将来はそういうことで十九条に基づいて原価主義に立ち戻った料金改定を行いたいということでありましたけれども、円高だとか原油の値下がりによるもうけなんというのは、これは別に経営努力じゃないわけですから、それは速やかに消費者に、しかも、だれが聞いても納得のいく料金できちんと返すように経済企画庁長官として御努力をお願いしたい。最後に長官の御答弁を聞いて終わりたいと思います。
#256
○平泉国務大臣 電力料金につきましては法律の規定がございまして、なかなか難しいことになっているのは、大変御勉強されました委員のよく御存じのとおりでございます。ただ、おっしゃるとおり今回の円高の問題につきましては、殊に油の問題は、油の値段の先行きの問題というようなことがいろいろございますが、しかし、巨額の円高差益というものが発生していることは何人も否定できないことでございます。こういうものは一刻も早く完全に消費者に還元するというのが本来であることは、もう言うをまたないことでございます。ただ、そのやり方をどうするかという点については、いろいろ専門家の間で御議論があるようでございますけれども、これは政府の部内においては、殊に総理大臣また私どもの間においては、また通産大臣もこの点は総理大臣から十分御意向を承っております。十分消費者還元の実を上げるように努力をしてまいりたいと存じております。
#257
○藤田(ス)委員 終わります。
#258
○中村(正男)委員長代理 次回は、来る十日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト