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1985/03/20 第104回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第104回国会 科学技術委員会 第3号
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1985/03/20 第104回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第104回国会 科学技術委員会 第3号

#1
第104回国会 科学技術委員会 第3号
昭和六十一年三月二十日(木曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 大久保直彦君
   理事 塚原 俊平君 理事 平沼 赳夫君
   理事 与謝野 馨君 理事 小澤 克介君
   理事 矢追 秀彦君
      有馬 元治君    伊東 正義君
      櫻内 義雄君    若林 正俊君
      大原  亨君    八木  昇君
      遠藤 和良君    小川  泰君
      山原健二郎君    近藤  豊君
出席国務大臣
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)      河野 洋平君
出席政府委員
       科学技術政務次
       官       前島英三郎君
       科学技術庁長官
       官房長     矢橋 有彦君
       科学技術庁原子
       力局長     中村 守孝君
       科学技術庁原子
       力安全局長   辻  栄一君
委員外の出席者
       科学技術委員会
       調査室長    曽根原幸雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月八日
 辞任         補欠選任
  不破 哲三君     山原健二郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 科学技術振興の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○大久保委員長 これより会議を開きます。
 科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。塚原俊平君。
#3
○塚原委員 きょうは大臣、政務次官ありがとうございます。
 まず最初にお伺いをしたいのでございますけれども、大臣は結構政治経験も長いわけでございますから、いろいろな面で若いころから科学技術を御担当になられたこともあるような気もいたします。政務次官は、政治経験は結構になりますけれども、科学技術の分野は今まで余りおやりになっていなかったのじゃないかというような気がいたします。そういうことから大臣と政務次官にちょっとお伺いしたいのでございますけれども、科学技術庁というと割に幅が広いのですが、原子力というのがどうしても一つのメーンになるわけでございまして、原子力というものに抱いていたイメージが、大臣、政務次官、就任前と就任後とでどれだけの形で変わったか、あるいは全然変わらなかったか、ちょっとその辺のところをお伺いいたしたいと思います。
#4
○河野国務大臣 いろいろと委員の皆様方にこの国会お世話になりますことを最初にお願い申し上げておきます。
 今塚原先生お尋ねでございますが、原子力の責任者といたしまして勉強を改めてさせていただきましたけれども、率直な感じは、日本の原子力が最初の火をともして三十年という時間がたっているわけでございまして、この三十年間の実績、重みというものを非常に重いものとして感じました。実は、長官就任以前も、原子力というものが日本のエネルギーを考えますときに非常に重要なものだという認識は持っておりましたけれども、長官就任前の原子力に対します印象というものはまだまだなまな印象でございまして、科学技術庁の役所の中で、あるいは現地で御苦労なさっておられる皆さんからのお話を伺いますと、三十年間の実績の重さというものをしみじみ感じた次第でございます。この三十年間に安全ということを非常に大事にしながら慎重に作業を進めてこられた、こういう先輩の努力に心から敬意を表する次第でございます。エネルギー政策を考えます上に、今日の国際情勢あるいは日本の社会経済の仕組み、いろいろな面から考えてみましても、この原子力の開発利用あるいは安全性、いろいろな面でもっともっと努力をして育てていかなければならないというふうに改めて感じている次第でございます。
#5
○前島政府委員 私も実は原子力というのは、日ごろ恩恵にあずかっている、特に電力の部分などで恩恵にあずかっていながら、はっきり言いまして大変距離感を持っていたことも事実でございます。政務次官就任後、大変勉強する機会をいただきましていろいろ勉強していますと、取り組む方々の労苦、それにまた今後のエネルギーを含めて展望したときの重要性、こういうことを見て学んでまいりますと、大変重要であるということをさらに強く認識いたしました。
 それと、原子力といいますと電力という分野にとかく見られがちでありますが、特に放射線などの利用によりまして、がん対策とか命を守る原子力という部分も非常に熱心な研究をしているところに接しまして、今後とも大変重要な振興の必要性があるというふうに考えると同時に、今後の日本のエネルギーという観点に立ちますと、さらに原子力というものをもっと私たちは身近に真剣に取り組んでいく必要を痛切に感じた次第でございます。
#6
○塚原委員 私は国会議員になるまでは、原子力というのは怖いという恐怖心だけがあったわけです。大臣、政務次官にまたお伺いいたしますが、そういう恐怖心というものを、就任前、就任後、お抱きになったことはございますか。
#7
○河野国務大臣 怖いというのにいろいろ種類があると思いますが、例えば先日東海村へ伺いまして施設を見てきたわけでございますけれども、施設を見せていただくときに、相当厳重な前後にチェックがございます。しかも、見た後も相当神経質なチェックがある。時に少し、こんなに神経質にチェックをし過ぎるとかえって恐怖心が出るのじゃないかとおっしゃる方もおられましたけれども、あれだけ丁寧にやるということがやはり大事なんだな、そして丁寧にやることによって本当の安全性というものが確認できるのだなというふうに思った次第でございます。人間ですから、心を入れまして丁寧にやってくれることで非常な安心感を持つ場合と、余り丁寧にやり過ぎて恐怖心がかえって出るのじゃないか、そんなふうに感ずることもあるのだといって私におっしゃる方もなくはありませんけれども、やはり一定のマニュアルに従ってきちっとやるということが、恐怖心、怖さを除く一番大事なことではないかというふうに思った次第でございます。
#8
○塚原委員 政務次官にも同じことなんですけれども、今の大臣のようなお答えじゃなくてもよくて、単純に――私の場合は原子力というものを、東海村という私の父親の選挙区に原子力の研究施設ができるのだということを、昭和二十九年か三十年ごろの話でございますけれども伺ったときに、当時はまだ小学生で、ちょうど久保山愛吉さんの第五福竜丸事件なんというのがございまして、そんなのが来たら大変だ、単純にそういうふうに思ったわけです。そういうような単純な気持ちとして、政務次官は原子力に対してそういう恐怖心をお抱きになったことが就任前におありになったか、就任後はいかがか、その辺をちょっと伺います。
#9
○前島政府委員 私たちの子供のころの印象としますと、原子という言葉になれるには若干、これは原子爆弾が広島、長崎に投下されたときの経緯を、客観的でありますけれども体験しておりまして、しかしそういう意味では、安全性ということを前提にするということに大変強い取り組みをいたしておりますから、今はむしろ日本の科学技術の進歩に信頼を寄せ、しかもその原子力というものが平和利用され、また私たちの生活の中に有意義に利用されているという点では、非常に日本は、特に科学技術庁は安全性を最優先に考えていますから、今そういうものはございません。むしろ今は飛行機とか車の方に恐怖心を抱いております。
#10
○塚原委員 大変にすばらしい御答弁をいただきました。
 実は私どもの地元に動燃事業団というのがございまして、再処理工場を持っているわけです。ことしに入ってからも、アメリカとかイギリスとかで核燃料施設のトラブルが幾つかあったということが新聞にも報道されているのですけれども、私はどちらかというと余り程度の高い方の人間ではございませんでしたから特に恐怖心を持っていたのかもしれませんが、やはりどうしても新聞を我々は信用してしまう。ですから、地元で国会報告会なんかをやりましても、実際はこうなんだと言っても、それは違うと地元では言われるわけです。何で違うのかといったら、きょうの読売新聞にこう書いてあった。別に読売新聞が悪いというのじゃないのですけれども、新聞がどんな間違った報道をしていても、我々は現場にいるわけですから、国会の内部のことというのは、特に国対なんかやっているときはよくわかっているわけですけれども、それでもそれ以上に新聞の方が信じられる。大久保委員長なんかも大分それで国対委員長のときには御苦労になられたこともあるのじゃないかというふうに思いますけれども、大久保委員長は新聞を割にうまく利用していた方かもしれませんが、報道の仕方によっては大分いろいろな影響があると思うのです。
 それで、私ども動燃の内部にも友人、知人は多いわけでございますが、その中から、別に内部からという話でもないのですけれども、割に小さなトラブルも逐一新聞等に報告をされるというような現状があるというふうに伺っております。私も地元でおりますと、地元の新聞社、地元でも大きい新聞社はいいのですけれども、小さな新聞社なんかは、まさに報告をされた内容を実際に理解する力がありませんから、原子力あるいは再処理の事故、故障というと大きく扱うという形になるのです。再処理工場が何か危険な工場のように印象、誤解を与えている部分もあるのでございます。
 そこで、これは事務方の方でよろしいのですが、東海の再処理工場で最近発生したトラブルで、三年間ぐらいさかのぼって、新聞等に公表された件数がどれぐらいあったのかということ、それから、法律に基づいて規制当局に報告しなければならないような重大なトラブルはそのうち何件あったのかということ、ちょっとお伺いしたいと思います。
#11
○辻政府委員 昭和五十八年から六十年までの三年間におきまして、動燃事業団が新聞発表を行いましたトラブルの件数は十二件ございました。このうち原子炉等規制法に基づきましていわゆる事故報告ということで報告を受けましたものは、昭和五十八年二月十八日に発生いたしました濃縮ウラン溶解槽からの漏えい、それから五十八年二月十九日に発生いたしました酸回収蒸発缶からの放射性物質の少量の漏えい、この二件でございます。
#12
○塚原委員 十二件御報告になったわけでございますが、法令に基づいて報告しなければいけなかったものが二件であるというふうな話を聞きますと、余り報告するほどのことでもない、報告を要しないトラブルが多いような感じを受けるわけです。
 それで、去年の五月に再処理工場の中でクレーンのブレーキが不調になるというトラブルがあったわけですけれども、これは地元の新聞では六段抜きで、でかでかと「再処理工場運転を中断」と大変大きく取り上げられたわけです。何かこれは、それこそさっき政務次官が言っていた交通事故の範囲に入るようなブレーキが壊れたというようなことらしいのですけれども、こんなに取り上げられると、これはひょっとするとかなり深刻な事態が再処理工場内に起こったのではないか、もう我々地元に住んでいて大丈夫なんだろうか、そういうような受けとめ方をする方も大分いらっしゃったわけでございます。これはあくまでも私どもいろいろな話を聞いた範囲のことでございますので、クレーンのブレーキの不調の、去年五月ですかにありました事故は、どんな内容のものであったのか、それから、そのことによって従業員や地域環境にはどんな影響があったのかということにつきまして、もしわかっていたらお教えいただきたいと思います。
#13
○辻政府委員 トラブルの概要は次のとおりでございます。
 六十年四月二十六日に、東海再処理工場のセルの中のクレーンのブレーキの性能が低下していることがわかりました。このためブレーキの点検を行いましたところ、ボルトの緩みが原因であるということがわかりました。ボルトに回りどめ剤を塗布しました上でもう一度ボルトを締め直し、四月二十九日にクレーンを復旧したわけでございます。なおその際、念のため他のブレーキにつきましても点検、調整を行いましたため日数がやや延びまして、五月一日にすべての作業を完了したということでございます。
 このトラブルの処理のために一時再処理施設の運転を数日間停止したわけでございますが、トラブルの内容そのものは比較的単純なものでございまして、復旧ももちろん難しい話ではございませんし、御質問にございました従業員及び環境への影響というものは全くございませんでした。
#14
○塚原委員 十二件さっき全部であったうちの二件が法律に基づいて報告しなければいけない内容というと、あとの十件も大体こんなものなんですか、クレーンの故障くらいのものなんですか。
#15
○辻政府委員 種類はいろいろございますけれども、法令に基づかない部分というのはこれに似たようなものでございます。
#16
○塚原委員 たまたま私どもの地元でありますからよくわかるのですけれども、こういう記事が出ることによって二種類の反応があるのですね。もう出たら大変だということで物すごい不安を持ってしまう人がいるわけですけれども、それとは逆に、いや原子力は何でも記事になるんだ、だから全然心配ないんだよという連中もいるわけです。これは科学技術庁は公表その他のことについて、これから原子力をいろいろと開発していく上で危険を伴うことも随分出てくるかもしれない、そのためには麻痺さしておいた方が、いざでっかいのが出たときにうまく何となくごまかせるからいいんじゃないか、そんなお気持ちでやっているのですか。
#17
○辻政府委員 原子力施設の事故につきましては、従来から、法令に基づく報告を要するものばかりではございませんで、これは何も東海の再処理工場だけに限ったわけではございません、ほかの原発その他の施設におきましても、法令に定めるもの以外の軽微なトラブルを含めまして、努めてこれを公表するというふうに事業者を指導してきているところでございます。これは、原子力施設の安全性につきまして、国民の方々、周辺住民の方々の正確な御理解をいただくというためには、やはり事故が隠されているのじゃないかというような不安があってはならないわけでございまして、そういう観点から、我々もそういう方針でございますし、事業者としてもそのような方向で対応しているのが実態でございます。
 例えば、昔もあったわけでございますが、ある作業員が汚染区域で作業していた。そこで作業衣あるいは手等に多少の汚染が生じた。それを今度は区画から出るときにモニタリングをしてチェックされたところ発見された。それで手を洗ったり顔を洗ったり、そういうことで除染した上で区域から出る。こういったようなことがおるときあったわけでございますけれども、そのことについてある特別の新聞が抜きまして、大きく事故隠しというような報道をした件もございます。これなどの例は、事業所といたしましては、通常の放射線管理が適切に行われていたということから、特にトラブル等として取り上げるべきことではないし、我々としてもそういうふうに思っていたのですが、そんなようなことでも取り上げ方によっては事故隠しということでかえって大きく報道される、それがかえって住民の方々に不安を与えるもとになるというような事例もございます。
 こういうようなことを踏まえまして、従来、事故というべきでないようなものにつきましてもかなり幅広く発表する、こういう態度をとってきております。こういった方針については今後とも堅持してやっていくことが必要ではないかというふうに私ども考えております。しかしながら、先生御指摘のように余り公表内容が過度になり過ぎる、あるいはトラブルの実態が正確に伝わらないで原子力施設の安全性について誤解が生ずるというようなことは困りますので、今後ともその公表に当たりましては正確に報道させていただくように配慮してまいりたい、かように考えておるところでございます。
#18
○塚原委員 ちょっと大臣と政務次官にも御理解いただきたいのですけれども、今割に全体的な話もありましたが、この東海村の再処理工場は昨年も七十トン以上の使用済み燃料の再処理をしております。大変に順調に運転も行っているし、かなりの成果を上げていると私自身は評価をしているわけです。だから、トラブルの公表について科学技術庁やあるいは動燃事業団が、動燃事業団は科学技術庁の指導でやるわけだと思うのですけれども、この取り扱いが東海再処理工場の印象を悪くするという方に貢献をしている。本来は、今安全局長おっしゃいましたように、ともかく住民に不安を与えないようにと思ってやっていらっしゃることが、逆に貢献をしているのではないかというような感を受けるのです。
 今安全局長は、そうは言っても事故かくした何だと言われるからだめだよというような趣旨の御答弁があったわけでございますけれども、別にトラブルを隠せなんと言っているわけではないので、トラブルの公表につきましてももうちょっと慎重に、変に不安を与えたり、あるいは変に感覚を麻痺させたりするような感じのことはしない方がいいと思うのですよ。それにつきまして、大臣はどうお考えでございましょうか。
#19
○河野国務大臣 先生から御指摘の部分は、私もよくわかるところがあるわけです。ただ、安全局長からも申し上げましたが、少なくとも事故隠しとかそういうことはあってはならないというふうに思います。
 問題は、仮に現在の姿勢、つまりできるだけ公表していこうという現在の姿勢にもう一つ工夫を加えて、公表する場合には、どの程度のものであって、あるいはどういう原因によって起こったもので、影響はあるのかないのかとか、もう少し親切丁寧な公表を工夫してみてはどうだろうか。そして事故が大きなニュースになるということは、本当を言うと余り事故がないから、つまり塚原先生よく御承知のとおり、犬が人間にかみついても記事にならぬけれども、人間が犬にかみつくと記事になる、ニュースになるというのと同じようなことではあるかと思うのですが、動燃ともよく話をして、いかに安全であるかということもよくPRするという必要があろうと思いますから、これらメディアの方々との接触にはもっと親切な工夫が必要だということを伝えたいと思います。
#20
○塚原委員 しつこいようなんですけれども、最近は割に東京の方におりますとマスコミを見る力というのがみんなついてきておりまして、例えば、こういう記事が出ていたら裏側は何なんだろうと五大新聞なり四大新聞なりを見比べてやれば真実がわかる、そんなことで結構読者の方も訓練されているかのように見えると思うのですよ、東京に住んでいたり中央のお役所なんかにいたりすると。でも、地方の方に参りますと、一日一日の生活も大変ですし、なかなか新聞を裏側から読む余裕はございませんし、細かい字を読むだけの時間もないですし、そうなると結局は見出ししか見ないということになってしまいます。
 ですから、どうかそういう点につきましてぜひとも御配慮をいただきたい。無論公表される場合には、今大臣から大変にありがたい御答弁をいただいたわけでございますが、こういうことがあったけれどもこれは全然大丈夫なんだよというような真相が十分に伝わるように、発表する側も精いっぱいの努力をしていただきたい。これも我々政治家なんかの場合には、しゃべるポイントというのを決めて、しゃべり方によって、何を重点に置くかで随分相手の方の受ける印象も違うのですよ。だから、その辺をうまくマスコミの方にも御理解をいただけるような、あるいは一般の皆様方にも御理解をいただけるような御配慮ある公表をぜひともしていただきたいと思います。
 何か地元のことばかりで申しわけないのですけれども、科学技術委員会、原子力といいますとどうしても東海村が一つのメーンだものでございますから、別に地元の利益でやっているわけではないので、それはお許しいただきたい。ちょっとは選挙の目的もあるのですけれども……。
 核融合についてちょっとお伺いをいたします。
 核融合のエネルギー利用の実現は、人類の未来を担う有力なエネルギー源として世界的に期待されている。特に資源に恵まれない我が国としてはその意義は大きく、精力的に研究開発を進めるべきであります。これは自民党の核融合議員連盟が言っていることでございますけれども、JT60が今建設をされているわけでございます。昨年四月に本体が完成しまして、ファーストプラズマの点火に成功したということで、おめでとうございますと地元で私どもも拝見をさせていただいて、見に行ったけれども何が何だか全然わからなかったですが、昨年の四月にそういうようなファーストプラズマの点火に成功したということがございました。その後余り記事を見る機会もなくなっておりますので、プラズマに点火をされましてから今日までどうなっているのかということと、それから今後、二十一世紀のエネルギーだ何だかんだと言っていますけれども、どうなっちゃうのかということにつきまして、ちょっと大臣から。
#21
○河野国務大臣 ちょっと事務方からきょうまでの経過を……。
#22
○中村(守)政府委員 お答えいたします。
 JT60につきましては、先生今お話ございましたように、昨年の四月に本体部分が完成しましてプラズマの初点火に成功しました。その後六月まで実験を続けまして、非常にいい成績が出てまいりまして、このJT60よりも先行いたしまして既に実験をしていた米国のTFTRとかヨーロッパ共同体のJETというような装置で得られた成果と比べましても、遜色のない実験結果が非常に短期間の間に得られたわけでございます。
 その後、最終的には臨界条件を達成するということが必要でございますので、そのためにはプラズマの温度を一億度まで上げることが必要でございます。その温度を上げるための装置、すなわち加熱装置でございますが、これを取りつけるという工事が行われまして、昨年十二月までその工事を行ってまいったわけでございます。そういうことでこの工事も終わりましたので、三月三日から実験を再開いたしておりまして、本年の七月までの予定で、より高密度で閉じ込め時間の長いプラズマの生成を目標とした実験を行っているところでございます。
 さらに今後の予定といたしましては、昭和六十一年度中に本体と加熱装置との結合試験、結び合わせまして総合的な試験を行うわけでございますが、いよいよ六十二年、来年四月から実際に加熱装置を稼働させましてプラズマの加熱実験を行う、こういうことで六十二年末にいわゆる臨界プラズマ条件を達成する、こういうことで鋭意研究を進めている次第でございます。
#23
○河野国務大臣 今局長から御答弁申し上げましたが、このJT60が六十二年末に臨界プラズマ条件を達成いたす予定をいたしておりますが、その後の具体的な研究計画につきましては、昨年の夏から原子力委員会の核融合会議で検討がなされておるわけでございます。ちょうど先月の分科会におきまして幾つかの原則が固まってまいりまして、中間報告がございました。その内容は、一つは次期の大型装置はトカマク型でいく。二つ目は、その主要目標は重水素と三重水素との反応による自己点火と長時間燃焼とする。三つ目は、トカマク以外の方式については大学などにおいて引き続き研究を進める。こういう中間報告でございます。
 しかし、いずれにいたしましても次期の大型装置につきましては相当なお金もかかりますし、それから人間の英知を結集しなければ進まないということもございまして、国際協力をどういうふうにしていくかということが大きな問題でございます。この国際協力につきましては、我が国のイニシアチブというものを大事にしながら、でき得べくんば、条件が整えば国際協力ということを前向きで検討したい、こんなような相談がなされているところでございます。
#24
○塚原委員 核融合は、割に将来明るい見通しのあるもののような気がするのです。どうも歴代科学技術庁長官というとお年の方ばかり見えまして、たまに中川先生みたいに若く来たと思うと早死にしちゃうとかいうことがあったわけでございます。前の長官も、割に当選回数は上であったけれども若かった。今度も割合に若い大臣が見えた。政務次官も決してお年じゃない政務次官が見えた。だから、何年くらいに最終的にうまくいくのかわかりませんが、結構目で見れると思うのですね。そういう面では、これから将来かなり長い間にわたって核融合に対して温かい御理解と、大臣の場合はこれからも恐らく政権の中枢で御活躍をなさると思うので、中心的に進めていっていただける一人の有力な、現在大臣であるわけでございますが、ある意味では将来にわたってもすごい強力な応援団になっていかれるだろうと思うのです。
 大臣と政務次官に、この核融合の今後の取り組みに対する決意表明なんかをちょっとしていただければと思います。
#25
○河野国務大臣 核融合を目指しておりますのは、二〇二〇年、三〇年というところを目指している、こういうことで、研究に従事なさる方は真剣に取り組んでおられるわけでございます。と同時に、今申し上げましたが、この核融合の研究が次のステージに移りますときには、アメリカの研究、ヨーロッパの研究、それと日本の研究、これが世界の三つの進んだ研究と言われているわけでございますから、こうした三つの研究がどこかで情報の交換もし、お互いに協力をし合う。さらには、今ソ連の研究もかなり進んでいるという話もございますが、こういった国際的な協力関係ができていくということも、我々から見ますとどういう形で協力関係が進んでいくのかなと非常に興味を持つと同時に、しかしこれは人類の究極のエネルギーと言われるほど極めて重要なものでございますだけに、慎重に扱いながらも国際協力という夢を持っておるわけでございます。塚原先生も茨城県で原子力のメッカにおられるわけでございまして、この動きにどうぞこれからも大きな御関心をお持ちいただきたいと思っております。いろいろお世話になると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
#26
○前島政府委員 核融合は人類究極のエネルギー源と言われておりますので、人類のあらゆる英知を結集してちゅうちょすることなく積極的に取り組む必要がありましょうし、これはいわば我々の子々孫々に対する偉大な英知の遺産であるという思いに立ちますと、積極的にこの面は、アメリカ、それからまたソビエトもやっておりますし、ヨーロッパもやっておりますし、日本も国際社会の中での位置づけも大変高いところにいるわけでありますから、当然のように今後推進していくべきだ、このように思っております。
#27
○塚原委員 今後とも原子力の最重要課題の一つでございますので、大臣、政務次官としても強力にお役所の方に推進するように御指導いただきますとともに、自由民主党の科学技術部会は非常に積極的に進めているものでございますから、なかなか大臣も難しい事情はあるかもしれませんが、できるだけ早い機会に御参画をいただきまして、強力な御推進をお願いできればと思います。
 次に、原子力の非電力分野への利用ということで、多目的高温ガス炉というものの研究開発をしている。これは熱効率が高いとか非常に安全性が高いとかいうことで、すばらしい内容なんだということでたたき込まれていたのですけれども、何か朝日新聞の六十一年三月十九日によると「高温ガス炉開発を大幅に縮小 原子力委中止含め検討」、原子力委員に原研の理事長がなったからこんなになっちゃったのかどうか知らないですけれども、まだなってないのかもしれませんが、高温ガス炉開発計画を見直し、原子力委に計画専門部会を設置と書いてあるのですね。この新聞記事の内容、朝日新聞は持っているか持っていないか、お読みにはなっていると思います。(河野国務大臣「あります」と呼ぶ)これはだれから聞けばいいのかちょっとあれなんですけれども、実際にはどうなのか、ちょっと教えてください。
#28
○中村(守)政府委員 お答えいたします。
 高温ガス炉につきましては、先生今御指摘いただきましたように、千度Cに近い高温の熱エネルギーが得られるということ、それからまた固有の高い安全性を持つという利点があるわけでございます。非常に高温の熱エネルギーが得られるということから、原子力を単に原子力発電という電気をつくるということに利用するだけではなくて、もっと広く熱利用に原子力を活用していくことが重要ではないかということで、従来この高温ガス炉の研究開発を進めてまいったわけでございます。
 我が国で高温ガス炉の研究開発を始めた当初におきましては、いわゆる原子力製鉄ということが華々しく打ち出されたわけでございますが、その後そういう原子力の熱を利用しようとする需要産業界の方はどうもさっぱり気勢が上がらなくなりまして、そういう意味での需要という面から着目いたしますと、今すぐこれが必要だという時期ではなくなっているというような事情はあるわけでございます。
 原子力研究所の研究成果は、これまで大型の構造試験装置、通称HENDELというものでございますが、そういったような大規模な試験装置、それから大洗研究所の材料試験炉などを駆使いたしまして、非常に豊富なデータを集めてまいりました。そういうことで、世界的にも我が国のそういう基盤になる研究について高い評価も出ておるわけでございますが、いよいよ原子力研究所としましては、次にこの高温ガス炉の実験炉を建設するという段階にここ二、三年来ておるわけでございます。しかしながら、このプロジェクト自身が何分にも一千億程度の大きなプロジェクトになるということもございまして、いわば一つの研究としての新しい段階に突入していきますというか、踏み込んでいくという段階にあります。そういう段階でございますので、先年来いろいろ御議論いただいておりますように、科学技術開発のプロジェクトが進展する段階では研究評価というものをきちっとやって、その上に立って進むべきだという各般からの強い御指摘もあるわけでございまして、私どもは、この高温ガス炉の研究開発が一つのステップに来たということで、研究評価をどうやって今後の進め方を考えていくか、こういうことのために今回高温ガス炉の研究開発の進め方についての専門部会を設けまして、各方面の方々からいろいろ御意見をちょうだいしようということでございます。
 そういうことで、この専門部会の御検討の結果を慎重に我々としても検討させていただきまして今後の方針を考えていきたいということでございまして、今から一概にどうこうしようという考えを持って、特定の方向に持っていこうというようなことでこの専門部会をつくったわけではございませんので、この専門部会の御議論を踏まえて今後の方針を検討していく、こういうことでございます。
#29
○河野国務大臣 ただいま局長から御答弁を申し上げましたとおり、新聞の見出しになりますと開発大幅に縮小とか中止を含め検討と、こういう非常にセンセーショナルな見出しになるわけでございますが、御検討をお願いいたしておりますのは、別に中止をするために検討をお願いしているわけでもございませんし、開発を大幅に縮小するということを目指して御検討をお願いしているわけでもございません。新聞社の方々は、財政事情とかいろいろなことをお考えになる、あるいは目的が、例えば製鉄などが今こういうものに余り合致しなくなったんじゃないかとか、そういういろいろなことをお考えになってこういうふうに書かれたのだと思いますけれども、私どもはもう少し長い将来を考えてやっていくべきものではないかというふうに思いまして、この検討につきましては、例えば外国の事情がどうなっておるかとか、あるいは将来どういう問題が起こってくるか、あるいはどういう問題に対処するかというようなことを、少し長期的にもあるいは国際的にも、いろいろな角度から御検討をいただいたらいいのではないかというふうに考えておりまして、検討結果を注視しているところでございます。
#30
○塚原委員 どうも時間が過ぎているのですけれども、どっちにしろ与謝野さんと平沼さんがその分を減らしてくれますので……。
 核融合が二〇二〇年だということを言われたし、今大臣が短期的な視野にとらわれないというようなすばらしい御答弁をいただきまして、満足をいたしております。二〇二〇年というと物すごく先のようですけれども、二〇二〇年になっても私はまだ七十一歳でございます。太っているから七十まで生きるかどうかわかりませんけれども、二〇三〇年で八十一歳ということでございます。これは多目的ガス炉と違いますけれども、二〇二〇年は遠いと思ってもそんなに遠いほどじゃないものですから、我々の世代の中での話でございますので、もう一度繰り返しますが、どうか目先のことにとらわれずに、長期的視野に立って我が国の将来のために技術開発を進めていただきたいことをお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
#31
○大久保委員長 長与謝野馨君、
#32
○与謝野委員 きょうは、大臣所信の中で表明されております原子炉等規制法の改正につきまして御質問させていただきたいと思います。
 我が国の原子力発電設備は既に二千三百万キロワットを超えまして、全発電量に占めます原子力発電の割合も二三%というレベルに達しまして、原子力発電は我が国の欠かせぬ基盤的なエネルギー源となっているわけでございます。今後とも私どもといたしましては、原子力発電をさらに充実発展させていく必要があると考えておりますが、一方では、原子力利用に伴いまして発生いたします放射性廃棄物の処理処分の問題を解決する必要があるわけでございます。
 低レベル放射性廃棄物の発生量を見ますと、現在ドラム缶換算で約六十万本、二〇〇〇年には百五十五万本に達すると推計されております。また、使用済み燃料の再処理に当たって発生いたします高レベルの放射性廃棄物では、現在百二十リットルのキャニスター換算で約二百本、これが二〇〇〇年には海外からの返却廃棄物や民間再処理工場の稼働で数千本から一万本の高レベル廃棄物が発生するであろうと見込まれております。国民の理解を得て原子力の開発利用を円滑に進めてまいりますためには、これらの放射性廃棄物の処理処分を確実に実施していくことが極めて重要な課題であると思っております。この点につきましては、先般の大臣の所信表明において放射性廃棄物の処理処分の具体的対策が述べられておりますが、ここで改めて我が国の放射性廃棄物の処理処分を今後どうするのか、政府の基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
#33
○河野国務大臣 放射性廃棄物の扱いについては、与謝野議員かねてからいろいろ御提言あるいは御忠言をいただいてきたと伺っておりまして、大変感謝を申し上げているところでございます。今お尋ねの基本的な考え方いかんということでございますので、少し私どもから考え方を申し上げさせていただきたいと思います。
 原子力発電、先ほども申しましたようにもう随分長い歴史が刻まれてまいりまして、二十年、三十年と歴史が刻まれてきた今日我々が直面する一番大きな問題は、この放射性廃棄物の問題ではないかというふうに考えております。
 まず、原子力発電所などで発生する低レベル放射性廃棄物につきましては、議員御承知のとおり、現在原子力発電所などの敷地の中で安全に十分注意しながら貯蔵中でございます。これが最終的な処分の方法といたしましては、陸地処分と海洋処分、この二つがあるというふうに基本方針の中でうたわれております。陸地処分につきましては、現在、電気事業者が中心になりまして設立をいたしました日本原燃産業株式会社が青森県の六ケ所村におきまして計画の具体化を推進中でございます。一方、海洋処分につきましては、既に科学的にはその安全性が確認をされ、法令の整備などの諸準備はでき上がっておりますけれども、関係国の懸念があるというようなことから、科学的な面ばかりではなく政治的、社会的な側面にも十分着目をいたしまして、我が国としてはこれを無視して強行はしないという方針をとっておりまして、慎重に対処していく所存でございます。再処理工場で使用済み燃料から分離されます高レベル放射性廃棄物につきましては、安定な形態に固化処理をいたしまして、三十年ないし五十年の間冷却のため貯蔵した後、深い地層中へ処分することが基本方針となっております。御案内のとおりでございますが、ガラス固化及び固化体の貯蔵につきましては、既にフランスなどにおきまして実績が積み重ねられておりまして、我が国におきましても、これまで動燃、原研などにおいて多くの研究開発が行われ、その結果、ガラス固化プラント及び貯蔵プラントを建設するために必要な技術的基盤が確立をされているというふうに考えております。
 最終的な処分につきましては、今後深地層試験などの研究開発を進めて処分技術の確立を図るとともに、これと並行して全国的な調査を行い、これらの成果を踏まえまして最終的な処分場の選定を行っていくことといたしております。この最終処分場の選定に当たりましては、次のような手順を踏んで段階的に進めていく予定にいたしております。まず、全国的視野に立った処分予定地の選定を行いまして、処分予定地につきましては模擬固化体による処分技術の実証を行った後実固化体の処分を開始する、こういう計画になっているところでございます。
#34
○与謝野委員 具体的なプロジェクトが進展しておりますことは大変喜ばしいことでございますし、今回の大臣の所信表明にもございましたように、放射性廃棄物の処理処分に関しまして原子炉等規制法の改正案が国会に提出されましたことは極めて時宜にかなったことであろうと思います。そこで、今回放射性廃棄物に関する原子炉等規制法改正案を提出されるに至った背景と法改正の基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
#35
○辻政府委員 ただいま先生と長官の間でございましたように、廃棄物の処理問題、極めて重要な課題であるということでございます。このために、原子力委員会及び原子力安全委員会におきましてかねてから慎重な検討を進めてきたところでございますが、昨年の十月、放射性廃棄物の処理処分のあり方及びその安全規制の基本的考え方につきまして報告が行われたところでございます。
 すなわち、放射性廃棄物の安全規制のあり方といたしまして、両委員会は、専門の廃棄事業者が集中的に放射性廃棄物を処理処分する場合、その処理処分が本来の原子力事業とは独立した業務とすることができる場合には、その処理処分を行う者を廃棄事業者として安全確保に関する法律上の責任を負わせることが、安全確保の責任を集中し、効率的な処分を行うなどの観点からはより適切な方法であるという指摘がなされておるわけでございます。また、現在青森県におきまして原子力施設に保管されております低レベル廃棄物を集中的に処分する計画、あるいは海外に委託しました使用済み燃料の再処理に伴って生じます放射性廃棄物を受け入れ貯蔵する計画がまさに具体化しようとしてきているわけでございます。
 こうした背景から、今回の原子力両委員会の提言を踏まえまして、今般原子炉等規制法の一部改正によって放射性廃棄物の廃棄の事業に関する規制を新たに設けます。そのことによりまして、放射性廃棄物の処理処分に対する安全確保あるいは損害賠償責任についての法的責任を明確にいたす。と同時に、放射性廃棄物に関する安全規制をより充実強化したものにしようとするものでございます。
#36
○与謝野委員 具体的には、電気事業者を中心に設立されました日本原燃産業株式会社また日本原燃サービス株式会社は、それぞれ低レベル放射性廃棄物の埋設と海外再処理に伴う返還廃棄物の管理を行う廃棄事業者として位置づけられ、安全規制を受けるとともに、原子力損害賠償法に基づく賠償責任も負うことになるわけでございます。
 この法律改正によりまして、放射性廃棄物の安全規制の充実強化を図る、また地元住民に対しても責任の明確化を図るなど、この法改正の意図する目的は十分理解できると思うわけでございますが、改めましてお伺いしたいのは、原子炉等規制法の改正により具体的にどのようなメリットがあるのかを明らかにしていただきたいと思います。
#37
○辻政府委員 第一に、現行法では、複数の原子力事業者が同一箇所で集中して処理処分を行います場合、共通の下請業者に行わしめるのが効率的であるが、この場合でも個々の原子力事業者が安全確保の法的責任を分散して負うこととなっているわけでございます。このため、各原子力事業者の廃棄物を共通の下請として実際に処理処分する者は、各原子力事業者を通じまして間接的に処理処分の行為を規制する、こういうことになっておるものでございまして、これで安全の規制ができないわけではございませんけれども、実際に処理処分を行います事業者が原子炉等規制法上の法的責任は負わないという面もあるわけでございます。したがいまして、今回の法改正によりまして、一元的に廃棄事業者に安全確保責任を負わせ、直接廃棄事業者を規制することによりまして安全確保にかかわる法的責任が一層明確になるというのが一つのメリットであろうかと存じております。
 第二に、今回の原子炉等規制法の改正によりまして、放射性廃棄物の処理処分に関して廃棄の事業の許可あるいは原子力両委員会のダブルチェック、それから埋設に関する確認、それから廃棄物管理施設の設計、工事方法の認可、検査、保安規定の認可等の規定が整備されまして、放射性廃棄物の安全規制が充実強化されるということでございます。
 第三に、現行法では、複数の原子力事業者が同一箇所で集中して処理処分を行います際に、万一その処理処分が原因で被害が生じました場合、原子力損害賠償責任は各原子力事業者に分散しているという現状でございますので、被害の原因となりました廃棄物が特定されない場合には、その損害を賠償する直接の責任者を特定するのは難しいという面がございましたが、今回の法改正によりまして、一元的に廃棄事業者に無過失損害賠償責任を課すことによりまして責任の所在がより明確になるものと考えておるわけでございます。
 こうしたことによりまして、今回の原子炉等規制法等の改正によりまして放射性廃棄物の処理処分に関する規制がより適切に行われることになるのではないかというふうに考えている次第でございます。
#38
○与謝野委員 大臣所信を改めて読みますと、「原子力発電の円滑な推進を図るためには、自主的な核燃料サイクルの確立が不可欠であり、ウラン濃縮、使用済み燃料の再処理、放射性廃棄物の処理処分等について所要の技術開発等を進めるとともに、民間における核燃料サイクル施設立地計画の推進に必要な措置を講じ、円滑な事業化を促進することとしております。」これに関しまして私は質問を続けさせていただきます。
 この問題を一体いかにするかということは、長年電力事業者の間でも、あるいは原子力委員会の中でも、あるいは附係省庁の中でも議論をされてきたわけでございます。そこで、いろいろな議論がその間あったわけでございますけれども、施設外貯蔵をする場合に一体責任が明確になるかどうかということが長い間実は議論をされてきたわけでございます。すなわち、原子力発電所の施設の中に低レベルの廃棄物が貯蔵されている場合には、その安全管理に対する責任あるいは原子力損害賠償法上の責任は明確にその当該電気事業者にある、こういうことだったわけですが、それが施設の外に出た場合に一体どうなるのか、第三者が集中管理する場合の責任は一体どうなのか、またそういう場合に、もともとの持ち主であった電気事業者の責任は拡散し不明確になり、最終責任は非常にあいまいになるのではないかという議論もずっとされてきたわけでございます。そういう点につきまして、電力会社の責任は一体どうすべきか、どういう議論をされてこられたのか、その点についてお伺いをしたいわけです。
#39
○河野国務大臣 与謝野議員から御質問の事項は、科学技術庁といたしまして今国会で御審議をいただきたいと考えております原子炉等規制法の改正について、いろいろと今までの経過等がございますのでお尋ねと承知をいたしておりますが、今与謝野議員御指摘の点が、まさに私どもにとりましても非常に問題だと考えておりました。つまり、発生者責任をあいまいにしてはいけないという点でございます。
 そこで、私どもが法律の改正案を検討いたしております際にも、今回の法律改正によって発生者責任があいまいになるというようなことであってはならぬ、その点は十分に留意をして法律の改正案を考えなければいけない、こう考えたわけでございます。しかし、この点につきましては原子力委員会でも、発生者の責任というものはあるんだということをきちっと御指摘になっておられます。したがいまして、今回の改正によって発生者の責任があいまいになるということのないように私は指導してまいりたい、こう考えておるわけでございます。
 実際に放射性廃棄物の処理処分を行う者が、廃棄事業者としてその廃棄の事業に係る安全確保の法的責任を一元的に負うことにしようと考えてはおるわけでございますけれども、電気事業者すなわち発生者は、廃棄事業者へ放射性廃棄物を引き渡す場合には十分な事前の処理を行った上で引き渡す、ここにも発生者の責任ということをきちっと指導するつもりでございますが、引き渡した後におきましても、発生者責任の一環として、処理処分が、かなり長期的にわたりますけれども、長期的に確実に実施されるように適切な支援をしていく責務を有するというふうにしていかなければいけないと思っております。電気事業連合会の会長も、我が国の原子力利用に携わる者としてこのような支援を責任を持ってしていくということを明言していると伺っておりますけれども、私はさらに直接的にあるいは正式にそうしたお考えをきちっと伺っておこうというふうにも考えて、そうした計画を持っておるわけでございまして、与謝野議員御指摘の発生者の責任についてははっきりさせた形でいきたい、こう考えております。
#40
○与謝野委員 そこでお伺いしたいのですが、そのいろいろな議論をされた過程で、低レベルの放射性廃棄物を所有権を移転するのがいいのか、あるいはただ預ける方がいいのか、こういう議論はされたでしょうか、安全局長。
#41
○辻政府委員 この問題につきましては、現在原子力事業者の間でどういうぐあいにするかという検討が進められているところで、最終的な結論はまだ得ておらないわけでございますが、先ほど大臣からも申し上げましたような発生者の責任が十分果たせるような形で今後検討が続けられるものというふうに理解しております。
#42
○与謝野委員 そこで、一般的な質問でございますけれども、どこからどこまでが低レベルの放射性廃棄物か、どこから先が高レベルかということは、実は原子力開発の非常に初期の段階で決めたわけでございまして、そのときには極めて保守的と申しますか、安全サイド、安全サイドということで、範囲を広く低レベル放射性廃棄物について定義をしたわけでございます。しかしながら原子力安全委員会は、放射性物質につきまして、レベルが非常に低くて、あるいは一定のレベル以下の固体廃棄物については、放射性廃棄物として考慮しなくてもよいとする考え方を打ち出されている、こういうふうにお伺いしております。また、そういうことにつきまして、提出されます原子炉等規制法の中で科学技術庁のお考えが提示されると思いますが、一方では低レベルの放射性廃棄物の定義について変更するべきでないという議論と、いやそんなことはない、我々日常生活の中でもバックグラウンドの放射線レベルと考えて、今の低レベルの廃棄物の定義は余りにも幅が広過ぎる、こういう議論があるわけでございます。
 そこで、一定レベル以下の極めて低レベルの放射性廃棄物、現在定義の中に含まれている放射性廃棄物の部分でももう考慮する必要のないものがあるのではないか、こういうことについて科学技術庁の現在のお考え方を伺いたいと思います。
#43
○辻政府委員 御指摘の原子力発電所等の原子力施設の中におきまして発生いたしますところの固体廃棄物、法令上は放射性物質により汚染されたもの、こういうことになっておるわけでございますが、これにつきましては、現在のところ法令上の取り扱いといたしましては、放射能レベルについての区分を特にいたしておりません。そのために、一たび放射性物質に汚染されたもの、これは、いろいろ除染等を行いまして放射能レベルが非常に低くなったもの、あるいはそのおそれがあるとされたもの、特定の放射線管理区域にあった、汚染されていたかどうかわからぬけれども汚染されたかもしれない、そういうおそれがある、そういうものまで含めまして放射性廃棄物というふうに取り扱っておるわけでございます。
 その結果、先生御承知のように放射能の汚染度合いが極めて低い、物によりましては自然界に存在する放射能レベルよりもはるかに低くなってしまう、この国会のビルディングもコンクリートでつくられておるわけでございますから、その中に放射性物質が含まれておるわけでございまして、こういった自然的に存在する放射能より低いものでありましても、その放射能レベルの低さには無関係にすべて放射性廃棄物として規制されておるというのが現状でございまして、その処理処分問題をそれほど厳しくやることはいかがなものであるかということが問題になっておりまして、このような取り扱いはいかにも不合理ではないかということで何とか改善する必要があるということが、これは国内的だけではございませんで、国際的にも大いに議論が進められてきたところでございます。
 このため原子力委員会は、固体の廃棄物につきましても放射能レベルに応じましたより合理的な処理処分方策を定めていく必要がある、放射性廃棄物と放射性廃棄物として扱う必要のないものを区分する必要があるという趣旨の報告を行っているところであります。
 また一方、原子力安全委員会におきましても、昨年の十月の同委員会の放射性廃棄物安全規制専門部会の報告書といたしまして、「低レベル放射性固体廃棄物の陸地処分の安全規制に関する基本的考え方について」という報告書を取りまとめたところでございますけれども、この中でもこの問題を検討しておるわけでございます。すなわちこの報告書では、放射能濃度が一定の濃度以下の固体廃棄物は、その処分に当たっては放射性廃棄物としての特殊性を考慮する必要はないものといたしまして、この一定の濃度を無拘束限界値、こう呼んでおりまして、その設定の仕方についての考え方をこの報告書で明らかにしているわけでございます。
 この無拘束限界値につきましては、日本だけではございませんで、原子力に関する国際機関でございます国際原子力機関、IAEA、あるいは国際放射線防護委員会、ICRP等におきまして、この安全規制を免除できる線量、エグセンプションレベルと言っておりますけれども、そのレベルにつきまして検討が行われておりまして、年間十マイクロシーベルト、これはある廃棄物が無拘束限界値以下のものとして取り扱われた場合に、それがいろいろなケースを通ってその放射能の影響が人体に及ぶ、その及ぶのをいろいろケーススタディーをして推計するわけでございますが、その結果として一般の公衆が受ける被曝線量の増加が十マイクロシーベルト、これは年間一ミリレムでございます、これが提案されておりまして、じゃこれに対応しますところのその放射能濃度はどのぐらいにしたらいいのかということが今検討されているところでございます。これらの国際的検討も十分踏まえまして、現在安全委員会の専門部会におきまして審議が進められているというのが現状でございます。それは具体的数値をどうするかということについての審議が進められて、近く答えが出ることになっております。
 私どもといたしましては、この安全委員会の審議結果を十分に踏まえまして慎重に法令整備を図り、運用を図っていくということで、いささかも安全確保に遺漏のないようにこの問題を解決してまいりたいと考えておるところでございます。
#44
○与謝野委員 そこでお伺いしたいのですが、原子力発電所あるいは再処理工場、その他もろもろの原子力施設、こういうものが建設されるときにいろいろな検査が行われるわけですが、最も頻度が高く、かつ重要な検査というのは一体何でしょう。
#45
○辻政府委員 原子力施設の検査につきましては、いろいろな検査がございます。まず、原子力施設を建設する場合に使用前検査というものが行われているわけでございます。これについては、構造検査と性能検査とあります。どれが重要かとおっしゃられると私大変困るわけでございますが、いずれも重要でございます。その中でまた、構造検査の中に溶接検査という部分がございます。これまた相当の検査の業務量を有するし、さらに専門的な知識を持った適切な検査が必要な部分でございます。
#46
○与謝野委員 原子力施設の検査体制について、臨時行政調査会の答申の中で指摘された点はございますでしょうか。
#47
○辻政府委員 申しわけありませんが、寡聞にしてちょっと聞いておりません。
#48
○与謝野委員 そこで、今国会に原子力施設の検査強化に対して新たな御提案をする用意があるかどうか、その場合の基本的な考え方はどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
#49
○辻政府委員 原子力施設の検査を行っていくわけでございますけれども、最近高速増殖炉原型炉の「もんじゅ」の建設が開始されております。さらに商業用の再処理工場、これが青森県六ケ所村に建設されようということで建設計画が進展しているなど、原子力の研究開発及び利用の進展に伴いまして、原子力施設に関します検査の業務量が今後急激に増加するということが予想されるわけでございまして、私どもといたしましても、従来から原子炉施設検査室の設置であるとかあるいは原子炉施設検査官の増員等、所要の措置を講じてまいったところでございますが、このような業務量の急増という状況に対応しまして、適時に厳格かつ入念な検査を実施していく必要があります。そのためには、早急に検査体制の一層の充実強化を図っていくことが必要不可欠となっているというのが現状でございます。
 このために、今度法改正をいたしまして、検査業務のうち、先ほど申しました溶接の検査につきましては、専門家を結集した中立、公正な指定検査機関に行わせることができるようにするということを考えておるわけでございます。これは、溶接検査のように基準が明確である、それから手法も確立されているというようなことで、定型的な検査の処理ができるというものにつきましては、その道の専門家に検査をさせた方がより適切であるということもあるわけでございまして、当庁といたしましては、このように指定検査機関に溶接検査を実施させるとともに、国の検査体制につきましても一層充実に努めまして、両々相まちまして今後の原子力施設の検査の業務量の増大に対処していき、安全確保に遺漏なきを期してまいりたい、かように考えておるところでございます。
#50
○与謝野委員 先ほど河野長官の御答弁の中で、低レベルの原子力発電所外での貯蔵についても発生者責任をあいまいにするようなことはしない、原子力委員会も発生者に対して指導するし、あるいは自分としても電気事業連合会の会長に話をしたい、こういう御答弁がございましたが、そういうことで果たして発生者責任は担保されるのかどうか、原子力損害賠償法上さらに明確にする必要があるのではないか、あるいはもし仮に規制法、現在既に院に提出されておりますけれども、その中で法律的な仕組みとして一体発生者責任はどう担保されているのか、その担保の方法で十分なのかどうか、私はそこをはっきりさせていただきたいと思うわけです。
#51
○辻政府委員 今回私どもが考えております原子力委員会の決定に沿いましたところの改正は、廃棄物事業者、各原子力施設者すなわち発生者でございますが、これが六ケ所村の今回の計画のようにそれを一カ所に集中して共通してやるという場合には、安全規制の責任を直接そのハンドリングをする事業者にやらせるというようなこと、あるいは原子力損害賠償の問題につきましても、各発電所から廃棄物が集まってくるわけでございますから、地元の住民にとりましても、もし万が一損害賠償が発生した場合に、いろいろな電力会社を相手にするのではなく、直接その廃棄事業者を相手にするというふうな方面での改正を行うことにより、責任がより明確になるということをねらいとしているわけでございますので、安全規制の責任あるいは損害賠償の責任というものは、直接はこの廃棄事業者にいくということに相なるわけでございます。
 しかしながら、原子力発生者の責任というものが、具体的なハンドリングにつきましてはそういうことになるわけでございますけれども、その発生者責任そのものはやはり基本的に残っているという考えでございまして、これらに対する措置といたしましては、発生した廃棄物の処理といいますか、その廃棄物をきちっと廃棄できるような格好にする、その責任はもちろん事業者にございますし、廃棄事業者に移します場合にも、しかるべきしっかりとした事業許可を受けた廃棄事業者に引き渡す、そういうような形で責任を全うするという格好になっておるわけでございます。
 したがいまして、その辺ははっきりしているのですが、問題は、今いろいろ議論されておりますのは、その廃棄事業者の廃棄の処理業というものは非常に長期間にわたるものでございますので、その事業者の事業の継続性といいますか、そういうところが非常に問題になってくるであろう。これに対しましては、先ほど大臣が申し上げましたように、原子力委員会の決定で発生者責任を明確に述べるとともに、また電気事業連合会の方も、その会社の健全な運営については責任を持って支援をする、こういう格好によりまして、将来もし万が一その廃棄事業者が経営的に不安定になるというような場合には、こういった発生者責任の原則のもとに、しかるべき政策問題として対応してまいる、かような方向で対処すればよろしいというふうに考えておるところでございます。
#52
○与謝野委員 改めて今の点についてお伺いしますが、発生者責任は残る、こういうふうにおっしゃるわけです。発生者責任が残るという意味は、社会的責任として残るとおっしゃるのか、民法上の責任として残るとおっしゃるのか、あるいは原子力損害賠償法上の責任として残るのか、あるいはそれをどう担保されているのか、その点についてもう一度お伺いしたいわけです。
#53
○辻政府委員 規制法上の安全規制の責任あるいは原子力損害賠償については、今度の法改正によって原子力事業者の方が持つということにいたしたいというのが私どもの考えでございます。したがいまして、発生者責任としては、自分が発生し、かつ廃棄事業者に委託した者が、最後まで健全にやるように、社会的責任という言葉が適切であるかどうかはわかりませんけれども、そういったたぐいの、今後廃棄事業者が健全に、廃棄物を適切に処理処分する、それをきちっと支援するという点において、発生者の責任があるというふうに考えておるわけでございます。
#54
○与謝野委員 ありがとうございました。
#55
○大久保委員長 平沼赳夫君。
#56
○平沼委員 私も、大臣の所信表明に関しまして若干質問をさせていただきたいと思います。
 大臣は、その所信表明の第五で、原子力発電の重要性について言及をされております。改めまして今のエネルギーの確保に当たって、原子力発電に関する大臣の基本的なお考えを承りたいと思います。
#57
○河野国務大臣 エネルギー政策について考えますのに、国のエネルギーの需要の動向でございますとか、あるいは資源がどこでどういう形で存在しているかというようなことも頭に入れながら、その政策を組み立てていかなければならないわけでございますが、日本の国の現状というものを考えますと、そうエネルギー資源に恵まれた状況にあるというふうには考えていないわけでございます。ということになりますと、例えば石炭でございますとか石油でございますとか天然ガスでございますとか、いずれも輸入に頼らなければならない、そういう状況の中で、もっと別のエネルギー源に頼っていかなければならぬ、こういう状況に我々は直面をしていると思います。そうしたときに原子力の開発利用左いうものは、いろいろな問題があったとしても、その問題を解決しながら進めていくということは、我々にとって大事なことだというふうに考えております。
#58
○平沼委員 大臣の今の御答弁の中で、資源の乏しい我が国にとって、原子力発電というのはやはりどうしても選択をしなければならない一つの重要なエネルギー確保の手だてである、こういうことがよくわかったわけであります。
 私は、実は岡山県選出の代議士でございまして、岡山県は原子力発電にとっては非常に因縁の地でございます。それは、県北の県境に近いいわゆる人形峠というところに良質なウラン鉱山が発見され、それが一つの中心地となりまして、今ウラン濃縮の原型プラントの展開、こういうような一つの大きな事業も行われているわけでございまして、そういう中で私ども、原子力発電に非常に関心を持っているところでございます。
 ただ、中国地方というのは、原子力発電に関しましてはよそに比べまして若干後進性がある、こういうふうに言ってもいいのではないかと思います。大分前のことでございますけれども、電力料金の値上げを全国の電力会社が一斉にやりましたときに、中国地方の、いわゆる中国電力の管轄下の電力料金の値上げ幅が一番多かったわけであります。それは、中国地方には当時、島根県にたった一つしか原子力発電所がなかった。そういったことで非常に高い油をたきまして発電を行っていた。その結果、電力料金が高かった、こういうことでございます。今島根県におきましてももう一基つくろう、こういうことで着々と具体化をしているわけでございますが、ここで中国地方選出の代議士として、中国地方における原子力発電の現況に関しましてお答えをいただきたい、このように思うわけであります。
#59
○中村(守)政府委員 お答えいたします。
 今、中国電力の管内にございますといいますか、中国電力が運営しております原子力発電所は、島根原子力発電所の一号機、これが四十六万キロワットでございます。これに次ぐ原子力発電所といたしまして、同じ島根原子力発電所の構内に二号機の建設計画を進めておりまして、これは五十九年の七月に着工いたしまして六十四年の二月に運開予定でございますが、これが八十二万キロワットということでございますので、この二号機が完成いたしますれば、合わせまして百二十八万キロワット、こういうことになろうかと思います。
#60
○平沼委員 一つ計画として、山口県の上関町にこういう計画があるようでございますけれども、これの進捗状況についてお答えいただきたいと思います。
#61
○中村(守)政府委員 お答えいたします。
 中国電力の管内におきまして、今原子力発電所の具体的な計画ということで地元といろいろお話し合いが行われているのは、山口県上関町の原発の計画があろうかと思います。これは、昭和五十九年の十月に上関町の方から中国電力の方へ立地可能性調査実施の要請がございまして、この町からの要請を受けまして中国電力は立地可能性調査を実施したわけでございまして、この立地調査の結果、六十年の五月に、ここは発電所の立地点として適格性がある、こういうことで町の方にも御報告申し上げたわけでございます。
 その結果、町の中でもその報告を受けて町としてどうするかということについていろいろ御議論がございまして、昨年の九月に町の議会で原子力発電所の誘致を決議されました。この町議会の決議を受けまして、町長から昨年の十二月に中国電力に対しまして、今度は原子力発電所の立地に向けての具体的な、いわゆる環境調査と申しましょうか、そういった必要な調査を実施できるよう条件整備を行ってくれという要請が行われたわけでございまして、現在中国電力におきましては、立地環境調査の内容等につきまして地元に対する説明会を行うなど、地元の理解と協力を得るための活動を鋭意進めている、このように承知いたしております。
#62
○平沼委員 重ねてお伺いしますけれども、その進捗状況の中で見通しはいかがでございましょうか。
#63
○中村(守)政府委員 まだ町の議会それから町長さんからの――行政当局もそういう原子力発電所を誘致するという方向で決まっておるわけでございますが、いろいろ御批判の向きもございまして、まだ中国電力として地元の御理解を得るといういろいろな、何といいますか、作業をいたしておる段階でございますので、いつからどういう具体的な次のステップに入っていくかということについて、明確なことをまだ私ども聞いておりません。
#64
○平沼委員 そこで大臣にお伺いしたいと思うわけでございますけれども、大臣は科学技術庁長官であると同時に、新自由クラブの党首でいらっしゃるわけでございます。地元の上関の問題に関しまして、特に御堂の山口県の支部が強力な反対運動を展開されている。その支部の本部には、一年三百六十五日反対の垂れ幕が下がっている。しかもまだ、選挙カーで大変強力な反対運動も党として、支部としてやっているやに聞いております。
 そこで、大臣の所信は、この原子力発電というものはエネルギー源の乏しい日本にとっては必要不可欠のものである、したがって、積極的に進めていきたい、こういう御所信でありますけれども、長官としての御方針と、また、やはり公的な立場でございますけれども新自由クラブの党首として、その傘下の支部がそういう一大猛反対をしていることに関して、私どもは、大臣が行政を進めていく上でも非常にやりにくい問題だと思いますし、私どもとしては、長期的な展望に立って中国地方における電力の安定的な、しかも安価な確保、こういう見地に立ては、この上関の原子力発電というのは積極的に推進をしていかなければならない問題だと思っています。その中で、大臣としてこのような御自身の党の中の反対運動に関しまして、今後どういう対処をされ、そしてどういう指導をされるか。その辺私ども一番心配しているところでございますので、お答えをいただきたいと思うわけであります。
#65
○河野国務大臣 いろいろ御心配をおかけをして、大変恐縮に存じます。
 先ほども御答弁申し上げましたように、私の考え方あるいは新自由クラブといたしましても、エネルギー政策に対します考え方は先ほど申し上げたとおりでございます。これはもう何党と言わず、恐らくどなたも原子力発電の建設につきましては、その安全性でございますとか、あるいはまた、これは少し角度が違うかもわかりませんけれども、そうした大きなプロジェクトを行うために引き起こされる環境保全の問題でございますとか、あるいは当該地域におきます住民の合意でございますとか、こういったいろいろな角度から考えるという必要もあろうかと思っておるわけでございます。
 私ども、今平沼先生御指摘の山口県内におきます新自由クラブの支部組織がこの問題にどう対応してきたか。多少歴史的な経過もございますけれども、その当初におきましては、「鳩子の海」というテレビのドラマでございましたか、ございましたが、あの上関町一帯の海は、あの地域の方々の中には、きれいな海で、このままの形で残したい、あるいは漁業を営む方々にとっても大事な海なのだというお気持ちがあるということも言われておりまして、私どもの組織の中の人間もその点に着目して、当初、環境保全という意味から、上関におきます立地については慎重であってほしいということから運動がスタートしたようでございます。しかし、その後、双方の−双方という言い方はどうかわかりませんが、促進派と慎重派との間の議論がだんだんに突きつけ合う状況の中で慎重論が反対論にエスカレートして、そして上関町における原発については賛成できないという議論にエスカレートしたようでございます。
 そのあたりから私ども新自由クラブの党本部は、我が党のエネルギー政策というものは十分理解しているだろうなという注意喚起を山口県連合に再三いたしたわけでございます。当初、党のエネルギー政策は十分了解をしておるという返事がございましたけれども、どうも客観的に、新聞の報道なども私どもは注意をして取っておりましたが、運動が大分エスカレートをいたしまして、環境保全という立場を少し越えて、原発そのものに対しても反対だという意見を述べるようなことも時としてあったようでございまして、これにつきましては、指導を強化するために、党本部から何度か本部の人間を派遣いたしまして注意をいたしたところでございます。
 もちろん、私どもは地域住民の意思を尊重する、そういう意味から、地域の声を本部が抑え込むというわけにはいかない部分もございます。これは我が党に限らずどの党でも、党本部の考え方と地域の利害が時として対立することもあると思いますけれども、私どもも、そうしたことで大分山口県内当該地域の方々と本部との意見のそごを来したことも、率直に申し上げてあるわけでございます。
 しかし、エネルギー政策の基本については県連も了解をいたしておりまして、私どもとしては、党の名を冠してエネルギー政策あるいは原子力政策について本部の基本政策と異なる主張をとることは本部として了解できない、その点は、党の名を冠してそうした作業、行動をすることは本部として一切認められない、これはやめてもらいたいという通告をいたしております。ただし、一市民として、環境問題でございますとかそういう点で声を上げるということまで、これを抑え込むということはなかなか難しいというふうに思いましたので、もしおやりになるなら、一番極端な言い方をすると、党を離れて一個人としておやりになることまで我々は規制はいたしません。しかし、党の名を冠して、党員としてそういう行動をするのは限度がありますよ。私どもも極めて民主的な党でございますから、一字一句党本部の政策と異なる主張をしてはいけないなどということを申し上げているわけではございませんが、考え方は基本政策に沿ってください、そして立地に当たっては住民の意思というものを尊重するという考え方をとってもらいたいという指導を行っているわけでございます。
 大変御心配をおかけいたしておりますが、本部の基本政策ははっきりしたものでございますし、そうした基本政策が進みますように今後とも指導をしてまいるつもりでございます。また何か御注意があれば、御注意は御注意としてお伺いしたいと思いますが、現在そうした作業をいたしておりますことを申し上げたいと思います。
#66
○平沼委員 これは町議会で一応議決をしていることでございます。私の選挙区にもあった事例ですけれども、町民が選んだ町議会で議決したことを一部反対をして覆す。私は、これがエスカレートすると議会制民主主義の破壊につながると思います。したがいまして、大臣が党首をなすっておられます新自由クラブが真っ先駆けて町議会で議決したことを反対をしている、こういうことになりますと、それが非常に大きな弾みになる可能性があるわけでございまして、せっかく科学技術庁長官に御就任になり、そして科学技術立国の日本の基本政策をお進めになるわけでございますから、要望として、この機会にもまたそういう御支部の反対をなすっている方々をひとつ根気よく説得をしていただいて、そして中国地方の将来にとってエネルギー確保、それの安全の生きを期していただくように御指導をここでお願いをする次第でございますので、ひとつその点ぜひよろしくお願いいたしたいと思います。
#67
○河野国務大臣 御意見、御趣旨を踏まえて指導をしてまいるつもりでございます。山口県と申しますか、中国地方には大変美しい自然も存在する、そういう美しい自然を残そうという住民の意思、これはこれで考えなければならぬことでございますが、エネルギー政策との整合性その他を十分考えまして指導をしていくつもりでございます。
#68
○平沼委員 それでは、次に移らしていただきます。
 原子力発電を行っていく場合には、言うまでもなく濃縮ウランが必要なわけでございます。現在我が国は、一方において独自技術で将来濃縮ウランを確保すべく鋭意検討しているわけでございますけれども、現在は全量輸入に頼っているわけであります。原子力委員会の一つの答申によりますと、一九九〇年代我が国が必要とするウラン濃縮の燃料というのが九千トンになるであろう。いわゆる安全保障の見地から、その三分の一ぐらいはとにかく国産化をして、そして将来後顧の憂いなきように期していきたい、こういう一つの基本方針があるようでございますけれども、この我が国の原子力開発利用の自主性を確保する、そういう前提の中で、長期的かつ安定的な濃縮ウランの確保策に関しまして、国としての基本的な考え方をこの際お伺いをしておきたいと思います。
#69
○河野国務大臣 現在のところ、電気事業者はアメリカ・エネルギー省及びユーロディフ社と濃縮役務契約を締結しておりまして、これによって昭和六十年代中は必要な濃縮ウランをほぼ確保しておる、こういうことでございます。御指摘のとおり、我が国としては、濃縮ウランを将来にわたって長期的に安定的に確保するとの観点に加えて、核燃料サイクル全体の自主性を確保するとの見地から、ウラン濃縮の自主技術開発に努めてきたところでございます。
 現在、動燃事業団において、パイロットプラントの経験を踏まえまして、濃縮プラントの信頼性、経済性の実証のための原型プラントを建設しているところでございます。商業化についての見通しがそれによって得られておるわけでございます。原型プラントに続く商業プラントにつきましては、昭和六十年三月に事業主体である日本原燃産業株式会社が設立をされて、青森県六ケ所村に建設をすべく所要の準備を進めているところでございまして、国といたしましてもこの計画を積極的に支援をしてまいる所存でございます。
#70
○平沼委員 我が選挙区の人形峠におきましていわゆるテストプラントが非常に成功裏に推移をして、そしてデモンストレーションプラント、原型プラントというものがまさに着工になったわけでございますけれども、この進捗状況について御答弁をいただきたいと思います。
#71
○中村(守)政府委員 お答えいたします。
 おかげさまをもちまして、地元の上斎原村、岡山県の御理解を得まして、人形峠においてウラン濃縮の技術開発のプラントの建設をいろいろお願いしておるわけでございます。ただいま先生御指摘のように、いわゆるデモンストレーションプラントの第一期工事分ということで、これは約百トンSWUパー年相当の設備でございますが、五十九年の十月には土地造成を開始いたしまして、昨年十月に原子炉等規制法上の許可を得まして、さらには第一回の設計及び工事方法の認可を昨年の十一月に得ましたので、こういった手続を経ましてこれまでに土地造成を既に終わっておりまして、建屋についても基礎のくい打ちを終了したところでございます。
 その後、雪が深うございますので現地工事が中断しておるわけでございますが、去る三月三日付で第二回目の設計及び工事方法の認可も得ましたので、遠心分離機及びプラント機器の工場製作を既に開始してございます。四月には第三回目の設計及び工事方法の認可が得られるのではないかと思っておりますので、これが得られ次第、六弗化ウランの貯蔵設備などの工場製造を開始する、こういうことでございまして、現地での建屋工事と並行いたしまして機器、設備等についての工場生産を急ぎまして、現在の予定では昭和六十二年度の後半には年間約百トンSWUの能力を有する濃縮設備が稼働することとなっております。
 それから第二期工事分につきましては、昭和六十三年度の後半に同じく約百トンSWU程度のものを運転を開始したいということでございまして、昭和六十一年度中にはこの第二期工事分についても建屋の建設に着手したい、かように考えておる次第でございます。
#72
○河野国務大臣 進捗状況については今局長の申し上げたとおりでございますが、私もあす人形峠に伺いまして両プラントをよく拝見をしてくるつもりでございます。本来ならもう少し早く見に行って、きょう御答弁を申し上げればよかったわけでございますが、一歩おくれて甚だ残念でございますが、あす十分よく視察をしてくるつもりでございます。
#73
○平沼委員 大臣が我が選挙区にお足を運んでいただくことはまことに光栄でございまして、雪深い山村でございますので、ひとつゆっくりごらんになっていただきたい、このように思うわけであります。
 そこで、もう少しウラン濃縮に関して御質問をさせていただきたいと思うわけでございますけれども、聞くところによりますと第二期工事もいわゆる集中型遠心分離法、こういうことでやるやに聞いております。そしてさらに、いわゆる原型プラントの次に展開を予定されております商業プラント、コマーシャルプラント、これはまず第一段階は青森県の六ケ所村に展開をされる予定だ、こういうふうに聞いているわけでございますが、この二期分も含めて、六ケ所村のウラン濃縮の規模を大きくして、そして大量生産に結びつく工場の方式はやはり遠心分離法でいくかどうか、その辺ちょっと承りたいと思います。
#74
○中村(守)政府委員 お答えいたします。
 現在我が国でウラン濃縮技術として確立しておりますのは遠心分離法でございまして、これは先ほど先生御指摘のように、人形峠におけるパイロットプラントを初めといたしまして、長年の我が国の技術開発の蓄積の上に立ったものでございまして、まずこれをコマーシャルプラントとして建設するというのが我が国の基本的な考え方でございます。人形峠におきます第二期工事はもちろん遠心分離法で、コマーシャルプラントに続く第一期工事よりもさらに技術向上した遠心分離機を使いまして建設をするわけでございますが、青森県六ケ所村に民間が予定しております濃縮工場につきましては、御承知のような日本原燃産業株式会社というものがこの建設、運転に当たるわけでございますが、ここでは年間約千五百トンSWUの濃縮能力のあるプラントを建設するという計画でございます。このプラントにつきましては、人形峠のデモプラントにおきまして実証をされました技術を駆使しまして建設をするということでございます。
 現在この遠心分離法につきましては、いわゆる金属製の胴を使ったほかに、カーボンファイバーを使いましたさらに効率のいい遠心分離機の技術を開発をしてございまして、こういう新しい技術もこの将来の民間の濃縮工場において活用していく、できればそういうぐあいにしたいと思っておりますし、いずれにいたしましても、遠心分離法ということで下北に計画されております濃縮工場の建設は進めていくわけでございます。
#75
○平沼委員 よくわかったわけでございますけれども、実は我が自由民主党はアメリカの科学技術委員会に所属する議員との交流を持っておりまして、また他党の皆様方にも入っていただいて、日米科学技術議員連盟、こういうのをつくっているわけでございます。その日米科学技術議員連盟の総会がせんだって東京で開かれました折に、アメリカの科学技術委員会の中で特にウラン濃縮に造詣の深い、女性議員でございましたけれども、マリリン・ロイドさんと私いろいろディスカッションをさせていただきました。アメリカは、新聞紙上等にも一部出ておりますけれども、ウラン濃縮に関しましてこれからは新しいレーザー法で展開をしていく、こういう意見がございました。アメリカがレーザー法で展開をする一つの根拠は何かということを私質問をしましたところ、やはりそれは非常にコストが安くできるし、また工場の形態も非常にコンパクトである、そういうことで経済性全般から考えてレーザー法がアメリカとしては一番いいということで選択をした、こういうことでございました。
 今局長の御答弁にもありましたが、日本はいわゆる遠心分離法でやってきた。しかも日本人特有の創意工夫を行って、カーボンファイバーまで使って新しい一つのタイプのものも可能性が出てきて、こういうのもコストダウンにつながる、こういうことでございますけれども、将来六ケ所村までは遠心分離法で展開する、こういうことでございますが、二十一世紀に向かっての必要量を確保するに当たっては、六ケ所村だけの商業プラントでは量の充足はできない。当然六ケ所村以外にもコマーシャルプラントを建設していかなければいかぬ。そういう計画もあるわけでございますけれども、こういう長期展望の中で、政府としては遠心分離法をずっと選択し続けるのか、あるいは一部理研とか原子力研究所で研究に着手しているレーザー法、これを採用するのか、その辺の見通しに関しまして、コストの問題も含めて御答弁をいただきたいと思うわけであります。
#76
○中村(守)政府委員 お答えいたします。
 先生今御指摘のように、ウラン濃縮技術といたしましては、レーザーを使いました、これは原子法と分子法とございますけれども、特にアメリカで技術開発が進み、かなり実用性の見通しを得たという原子法のレーザー技術につきましては、お説のようにコンパクトな設備で高能率な濃縮ができる、こういう利点があるということは原理的にはまさにそのとおりでございます。その結果といたしまして、かなり経済的にも安いものができるということが、米国のエネルギー省等での分析の結果としては出ているわけでございます。
 アメリカが昨年この方法を選択いたしまして、今後遠心分離法についての研究は中止する、こういう決断をしたわけでございますが、これにはアメリカとしての国内の事情があるわけでございます。現在アメリカでは既に拡散法によりますウラン濃縮施設が十分ございまして、これで今世紀中の、アメリカ国内はもとよりのこと、国際的市場でアメリカが獲得してくる需要に対しましても十分に賄えてなお余りあるというような状況にあるわけでございますし、一方アメリカ側としては、財政事情が非常に厳しいということから追加投資は極力避けなければいけない、こういうことがございます。したがいまして、そうすると遠心分離法をねらって近い将来拡散法よりもより経済性のあるものを開発するよりも、もう少し長期を見て、二十一世紀の先を見て、むしろ経済性として有望視されているレーザー技術の開発に焦点を絞ったらいいではないか、こういうことから選択されたというぐあいに私どもは理解しておるわけでございます。しかも、このレーザー技術と申しますのは非常に機微な技術でございまして、これを将来日本が技術導入しようとしても、なかなかできるという性格のものでもございません。
 一方、国内的な事情を申し上げますと、長年の技術開発によりまして遠心分離法というものが技術として確立した。一方、レーザー法につきましては、これも有望な技術として数年前から基礎的な研究を始めておりますが、まだまだ技術は非常に低い水準にございまして、我が国の自主的な技術開発を今後進めるといたしましても、やはり相当長期にかかるわけでございます。そういうまだ確立されていない技術と申しますか、アメリカでもそういう見通しは得ておりますものの、具体的なプラントの計画をどうするかということになりますと、まだまだあいまいな点がいろいろ残されておるところでございます。そういう状況にもございますので、我が国としては、まず遠心分離法によってきっちりとした濃縮ウランについての国内の産業基盤を確立するということが何よりも大前提でございます。
 そういう意味で下北におきますウラン濃縮工場も計画いたしておりますし、それの増設等につきましても、ウラン濃縮の技術を商業的に確立していくというときには、やはりある程度の規模も必要でございますので、そういう意味から千五百トンで遠心分離法は終わりだというようなことではないのではないか。そこら辺は現在原子力委員会のウラン濃縮懇談会でもいろいろ御議論をいただいているところでございまして、私どもとしては、ここまで築いた遠心分離法で、先ほど先生が御指摘のようなカーボンファイバーなどを使えばますます経済性も向上されますので、そういったもので相当の期間やっていけるのだろうと思っております。
 ただ、レーザー技術の有望性というものも事実でございますので、この研究もおろそかにはできないし、できればできるだけ加速したい、こういうぐあいに考えております。ただ、今の日本の技術から申しまして、またここ数年間はいわゆるフィージビリティースタディーをやるような段階でございますので、原子力研究所あるいは理化学研究所におきます研究成果、あるいは民間におきます並行して行われるであろう技術開発等を踏まえまして、あと四、五年先に日本としての具体的なプロジェクトというものは検討していかなければならないのじゃないか、当面はフィージビリティースタディーをやっていくという段階ではないか、さように考えている次第でございます。
#77
○平沼委員 さっきコストの問題もということを御質問したのですけれども、今の段階で優劣を決めるのは難しいと思いますが、技術的に見て、レーザー法は遠心分離法に比べてコスト的には有利だということは断言できるのでしょうか。
#78
○中村(守)政府委員 お答えいたします。
 私どもはレーザー法についての確たる技術情報というものを持っておりませんので、正しい評価をすることができない。アメリカのエネルギー省の分析結果をそのまま信ずるとすれば六十ドルというような話もございますので、そういう数字であれば、遠心分離法のカーボンファイバー等を開発していくものよりも安くなるということは事実でございます。
#79
○平沼委員 長い間かかってせっかく遠心分離法で技術を蓄積してまいりました。したがって、私はこの遠心分離法というものはやはり極限まで追求をしていただきたい、こういう気持ちがございますし、そこで蓄積しました技術というのはいわゆるハイテクの技術でございますから、国家的に見てもいろいろな分野に応用できるように、監督官庁としてそういう一つの方向を常に見きわめて指導していただきたいと思うわけでございます。
 時間が参りましたので、私の質問はこれにて終わらせていただきます。ありがとうございました。
#80
○大久保委員 長次回は、来る二十五日火曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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