くにさくロゴ
1985/04/09 第104回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第104回国会 逓信委員会 第7号
姉妹サイト
 
1985/04/09 第104回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第104回国会 逓信委員会 第7号

#1
第104回国会 逓信委員会 第7号
昭和六十一年四月九日(水曜日)
    午前十時五分開議
出席委員
  委員長 宮崎 茂一君
   理事 関谷 勝嗣君 理事 畑 英次郎君
   理事 吹田  ナ君 理事 鈴木  強君
   理事 田並 胤明君 理事 中川 嘉美君
   理事 西田 八郎君
      足立 篤郎君    亀岡 高夫君
      近藤 鉄雄君    佐藤 守良君
      谷垣 禎一君    額賀福志郎君
      野中 広務君    森  喜朗君
      渡辺 紘三君    阿部未喜男君
      井上 普方君    武部  文君
      松前  仰君    竹内 勝彦君
      山田 英介君    田中 慶秋君
      永江 一仁君    佐藤 祐弘君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 佐藤 文生君
 出席政府委員
        内閣法制局第二
        部長      大森 政輔君
        総務庁行政管理
        局長      古橋源六郎君
        郵政大臣官房長 中村 泰三君
        郵政大臣官房経
        理部長     成川 富彦君
        郵政省郵務局長 高橋 幸男君
        郵政省貯金局長 塩谷  稔君
 委員外の出席者
        大蔵省主計局主
        計官      兵藤 廣治君
        大蔵省銀行局銀
        行課長     藤原 和人君
        逓信委員会調査
        室長      古田 和也君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月八日
 辞任         補欠選任
  田中 慶秋君     伊藤 昌弘君
同日
 辞任         補欠選任
  伊藤 昌弘君     田中 慶秋君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第四九号)
 郵便法等の一部を改正する法律案(内閣提出第
 五一号)(参議院送付)
     ――――◇―――――
#2
○宮崎委員長 これより会議を開きます。
 郵便貯金法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。阿部未喜男君。
#3
○阿部(未)委員 法案の審議に入る前に、郵便貯金事業全般の問題について二、三点質問をさせていただきたいと思いますので、御了承願います。
 中曽根総理はいろいろな諮問機関をつくるのが大変好きで、国会を軽視しながら諮問機関の答申がどうだとかああだとか言って、すると役所がそれに倣って大臣の諮問機関だとか局長の諮問機関といって、雨後のタケノコのようにこのごろ出ています。これは国会軽視につながる非常に悪い風潮であると私は思いますので、大臣は非常に近い仲ですから、総理に諮問機関をたくさんつくるのは好ましくないぞと一言申し上げていただきたいと思います。
 実は、これも諮問機関にかかわるのですけれども、国際協調のための経済構造調整研究会、経構研というのがありまして、私の方は政構研ですが、この経構研なるものが、非課税貯蓄制度を廃止したらどうかという内容の答申をするやに先般報道されております。この委員会でも今まで随分議論してきたところでございますけれども、税金を取られて残った可処分所得の中から零細な少額貯蓄をする、それは貯蓄奨励の意味もあるし、郵便貯金が財投として国の経済運営に大きな役割を果たしておる、そういう観点から郵便貯金に対する非課税制度があるし、少額貯金保護の意味から民間の預金に対してもマル優という制度ができている。これにまた税金をかける。これは国の財政運営、国民の貯蓄に対する意欲、そういうものを削減すること甚だしいと思うのです。
 大臣からかねて聞いておりますから多くは言いませんが、こういう新しい、いわゆる経構研なるものの答申が仮にあったとしても、我が郵便貯金については非課税制度を断固守り抜く、この決意を大臣に聞かせてもらいたいのです。
#4
○佐藤国務大臣 昨日の経済閣僚会議に出まして、今先生が言われた経構研の内容の説明それから経済全般にわたっての施策の説明があった後、私あえて発言を求めまして、総理の私的諮問機関である経構研で郵貯に対するいろいろな論議をなされて、その優遇税制の廃止を含めて検討するという表現があった、こういうことについては税制全般について慎重に考えるべきことであって、廃止を含めて検討するという言い方は納得できません、こういうことを一応発言いたしておきました。そして、かねてからの持論である郵便貯金制度の少額優遇税制については堅持していきたい、こういうことを改めて申し上げておきたいと思います。
#5
○阿部(未)委員 この委員会の意思とも全く一致しておりまして、大臣のお考え、大賛成でありますから、これからも努力をしていただきたいと思います。
 二つ目に、これも私はこの委員会における議論の経過を踏まえて結論だけを申し上げるのですけれども、高齢化社会に対応して、かねて歴代の郵政大臣がシルバー貯金制度というものをぜひつくりたいということで、大臣も先般来そのことについて非常に努力をなさっておることを承知しておるのですが、今日まだ日の目を見るに至っておりません。しかし、高齢化社会で老後の生活設計をするに当たっては、ある程度の金は非課税で、年々この程度のものが利子として入ってくる、それが公的年金なりに上積みされて老後の生活設計ができるということは非常に大事なので、歴代大臣がシルバー貯金、ひところは一千万という金額まで提示して議論した経過があるのですが、このシルバー貯金制度をぜひ実現させてもらうように努力を願いたいと思いますので、結論だけ大臣の方から……。
#6
○塩谷政府委員 先生お尋ねのシルバー貯金でございますが、高齢化社会、長寿社会という時代の状況、あるいは日本の社会、年齢構造が、欧米に比較しまして大変急テンポで高齢化が進んでいる、こういうこともありまして、私ども、郵便貯金として、政策的な配慮で何とかしてこれに対応したいということで、昨年、六十一年度予算要求で、若干趣を変えまして、シルバープラン貯金ということでその構想をまとめて、予算折衝した経緯がございます。
 これは一般の人、高齢になる以前からもやれる、三十歳以上の個人を対象として積み立てもできるということでございまして、五十五歳以上の人には一千万円の預入限度で非課税ということで、これで夫婦二千万、あるいはマル優の枠、非課税貯蓄の枠も入れますと三千万で、大体公的年金プラスこれの利子などで老後の生活設計ができるのではないか、こういった構想で折衝したわけでございます。残念ながら実現は見なかったわけでございますけれども、今後とも鋭意努力してまいりたいと考えております。
#7
○阿部(未)委員 一層の努力をお願いいたします。
 三点目は、金利の自由化に伴って郵便貯金がどう対応しなければならないか。これもまたかねて議論をしてきたところでございますから繰り返しませんけれども、ことしの四月からは、五億円以上の大口は金利が自由化されましたし、小口の金利の自由化ももはや焦眉の急だと思っておりますが、そうなってきますと、一体今のような制度で郵便貯金の運用ができるだろうか。市場金利の趨勢に対応して郵便貯金を運用しなければ、これは行き詰まってしまうだろうと思うのです。その意味からは、郵便貯金の自主運用というものを、もっと真剣に取り組んで進めてもらわなければならないのではないかと思うのですが、この点についての郵政省のお考えをお聞かせいただきたい。
#8
○塩谷政府委員 阿部先生おっしゃいますように、大口の金利の自由化が急テンポで進んでおりまして、小口預貯金金利の自由化も目前に迫っております。私どももこれに積極的に対応していかなければならぬと考えているわけでございまして、そのためには、郵便貯金の預金の金利はもとよりのこと、運用面、貸し出しの金利まで一貫して市場金利が反映する仕組みにすることが大事ではないかと思うわけでございます。国債等に直接運用して、市場金利による資金運用制度を創設したらどうかということで、これも昨年、予算要求で、市場金利による資金運用制度の創設、国債三兆五千億の購入、そういう要求を掲げたわけでございます。これも実現は見なかったわけでございますが、金利の自由化ということは、資金運用面でも、現在の財政投融資のあり方などをめぐって、あるいは国債が大量に出回っている、それの消化の問題ということも含めまして、大いにこれから、そういった状況に対応して、何とかこの辺の願いを実現したいと考えております。
#9
○阿部(未)委員 大変結構でございます。ぜひひとつ続けて努力をお願いしたいと思います。
 もう一つお伺いしておきたいのですが、大臣、国債を郵便局で窓口販売をすべきだと私は思っておるし、かつてはやっておったわけですが、今は中止になっておりますので、これを再開してもらいたい。その理由は、国債を普及する上からも、一般の市民が非常に買いやすく、どこでも買えるという格好にするために、郵便局の窓口を通じて買えるのは非常にいいことだと思います。もう一つは、国債を郵便局が扱わないなどと言ったら、社会通念としておかしいなと思うのですよ、国債を郵便局がなぜ扱わないのだろうかと。そういう意味からも、いわゆる財産の選択といいますか普遍性、それから同じ国の仕事であるという意味からも、郵便局の窓口で国債の販売をするように再開してもらいたい、こう思っておりますが、これはどなたからでもひとつお考えを。
#10
○塩谷政府委員 郵便局の国債販売でございますが、今、毎年二十兆円を超す大量の国債発行が予定されている状況の中で、国のために役立って、国民が待望する時宜にかなった施策ではないかと考えております。私ども、調査いたしましたところ、国民の六〇・五%が郵便局で国債を買えるようにしてほしいという要望を持っておりまして、それを実現することになるだろうということにもなります。それから、先ほど申し上げました長寿社会の建設に向けて、国民の健全な資産形成を支援することにもなるだろう。それから、何といっても、郵便局で販売するということは、個人消化――機関投資家などは銀行などで消化すると思いますけれども、個人消化が促進されて、国の重要課題であります国債の安定的な消化に寄与することになるだろうということでございます。
 そして、こういう個人消化を促進することは、いわば国債保有を通じて財政再建に対する国民の理解を深めることに貢献するのではないか。かつて神戸市で、神戸の市債を市民が購入することによって市への愛着心といいますか、オーナーシップを持ったというような話も聞いておるわけでございますが、こういった形で国への理解を持つことも大事ではないかと思うわけでございます。さらには、民間金融機関の国債負担が、郵便局で販売することによって軽減されまして、その公民間資金が公共事業等へ有効活用されることにもなりまして、現下の重要課題である内需拡大にも貢献することになるわけでございます。
 阿部先生おっしゃいますように、これは昔やっておりまして、一たん中断しているわけでございます。これを私ども、販売の再開ということで何とかして早期実現を期したいということでございます。
#11
○阿部(未)委員 委員長、今申し上げました四点は、かねて申し上げましたように、この委員会で大方議論を尽くし、皆さんの賛同をいただいておる内容でございますし、また、郵政省としても特段の異論はない、むしろ推進をしたいという意向のようでございますから、これはできましたら理事会でひとつ御協議をいただいて、今までも附帯決議等に盛り込んできた経過もございますので、そういう附帯決議等についてのお取り計らいを理事会で協議を願いたいということを要望しておきます。
 それでは、次に法案の内容について少し質問をさせてもらいます。
 郵便貯金振興会の今日までの経過を振り返ってみますと、郵便貯金振興会というのは、昭和四十四年に財団法人として発足をしております。
 ところで郵政省は、郵政省設置法第四条に基づいて、郵便貯金会館を設置し、その貯金会館の運営をこの郵便貯金振興会に委託をしてまいりました。ところが、昭和五十年の国会だったでしょうか、参議院では予算委員会、衆議院では決算委員会でこれが問題になりました。問題になった理由は二つあったわけです。
 一つは、振興会の設置が、法的な根拠が薄弱であり、拡大解釈ではないかという意見。もう一つは、国有財産の管理を委託する郵便貯金振興会というものが、民間の法人である財団法人であることには問題があるではないか、こういう指摘を受けて、昭和五十二年の国会で、民間法人である財団法人を解散して、郵便貯金振興会を認可法人として設立をして、その業務を承継させてきた、こういう経過があるわけでございます。
 ところが今回、臨調の最終答申で、郵貯振興会を民間法人化するように指摘をされて、政府は、行革大綱によって、民間法人化のための法改正を行うということで今回の法律の提案が行われた、こういう経過になっておるのですけれども、その歴史的な歩みを振り返ってみますと、民間法人である財団法人郵貯振興会に国有財産の管理を委託することは好ましくないというので、わざわざ認可法人に切りかえたのです。その認可法人をまた民間法人にしなさい、こう臨調が答申をした。臨調の声は天の声、そこで行革大綱でまた民間法人に返す。しかし、常識で考えても、国有財産の管理を一民間法人に委託するのはおかしいんですよ。おかしいから郵政省も困って、認可法人という形式は残しながら民間法人的な手法を取り入れる、例えば役員の大臣任命を認可制度に変えてみるとか、財務諸表の提出にとどめるとか、これは小手先の仕事であって、基本的な発想として、臨調が答申をした民間法人にせよというこの発想が正しいのか、正しくないのか、正しいのならなぜ認可法人で残すのか、その辺を明確に聞かしてもらいたいのです。
#12
○塩谷政府委員 現在認可法人であります郵便貯金振興会がたどってきました経過は、先生おっしゃるとおりでございます。当初は、財団法人である郵便貯金振興会に、国有財産である郵便貯金会館の運営を委託しておりまして、それが国有財産を委託するには、民間法人ではもう少し法律的な根拠といいますか、薄弱だということで、法律で郵便貯金法に認可法人の規定を設けて、その運営を法律的な基盤をつけて任せたわけでございます。
 これはそういうことでやってきたわけでございますけれども、最近この認可法人を含めて特殊法人、こういった法人についてこれをできるだけ民間法人化する、なるべく国がそういった法人に関与していろいろ規制するのを排除して、できるだけ民間法人化していったらいいのではないかというような発想で、その対象としてこの郵便貯金振興会も挙げられたわけでございます。
 ただ、この民間法人化ということの意味でございますが、これは前のと同じような財団法人に戻すということではございませんで、ちょっと言葉が、あるいはお聞きになって、その意味内容と比べて必ずしも正確でないのかもしれませんけれども、民間法人化するということの意味は、現行の認可法人という経営形態は維持しながら、その運営でありますものとして、例えば役員の任命などについて自主的な選任をするというようなことなどで、なるべく国の規制を排除していこう、そういうような形での民間法人化といいますか、民間的な運営を期待したいということで今度の改正になったわけでございまして、全体としてその流れを見ますと矛盾しないのではないかと考えているわけでございます。
#13
○阿部(未)委員 これは行革大綱が決まったから、何とか当面糊塗しなければならないという小手先の措置をしたのが今度の修正の法案だと私は思うのです。
 きょうは行政管理局長においでいただいておりますから、行政管理局長、今私が申し上げたこの郵便貯金振興会というものが財団法人として、民間法人として発足をし、それから国会で問題ありとして認可法人に変えられた、それをまた臨調が民間法人に返せと言った、そこで行革大綱が決まった、その経緯を考えてみて、ちょっとおかしいとお思いになりませんか。どうお考えですか。
#14
○古橋政府委員 私どもといたしましては、一つもおかしいとは考えておらないわけでございます。
 今先生御指摘のように、この郵便貯金振興会というものができましたときの経緯は、従来財団法人であったものが、二つの理由、一つは設立根拠があいまいであるということ、それからもう一つはその業務を委託しておる、そこが不完全であるから認可法人にいたしましょう、法律に設置根拠を書き、業務の運営をちゃんと法律を根拠にして委託したわけでございます。
 今回のこの民間法人化というのは、先ほど郵政省の局長から申しましたように、民間法人化の定義の問題ではございますけれども、そこの認可法人であるというところ、設置根拠は明らかに法律に書いておく、業務運営はちゃんと法律の根拠に基づいてやるという点は変えないで、その点につきましては、五十年当時の国会の御決議に従いまして、その中で経営の部分の活性化、その認可法人の中において、国の関与なしにある程度自由に行えるような雰囲気をつくっていこう、こういう経営の活性化という観点から行っているものでございます。したがいまして、この点につきましては、従来の考えと決して矛盾するものではない。逆に今後いろいろな規制が緩和されまして、ますます活発な企業活動が期待される、認可法人の活動が活発に行われるということを私どもは期待しておるわけでございます。
 なお、行革大綱におきまして民間法人化をするといいましても、その民間法人化の中には三つございまして、一つは民法上の法人にするということ、あるいは商法上の法人にするということ。二番目がいわゆる準則法人といいまして、数を複数の法人にする、社会福祉法人であるとかああいうようなものにするということ。それから第三番目は今回のタイプのものでございまして、独占の形態をとらずに、その中において政府からの出資もなく、かつ経常的な補助金もなく、そして役員の任命について政府の関与はできるだけ少なくするもの、こういう第三類型というものがございまして、今回のこの郵便貯金振興会というのは第三類型に基づく民間法人化でございますので、この点をひとつ御理解賜りたいと思います。
#15
○阿部(未)委員 臨調の発想は、あなたがおっしゃるようなものじゃなかったと思うのです。民間法人にしてしまえというのが大体臨調の発想だったと思うのです。しかし、いよいよ作業をしてみると、今局長がおっしゃったように、いろいろな問題に行き当たってきたんですよ。国有財産の管理を委託するものは、本当に民間の法人でいいのかどうか。そこで困ったから、認可法人の形式は残しながら、あなたのおっしゃった第三番目の法人の形態をとらざるを得なかった、これが私は実際の内容だと思うのです。したがって、民間法人化という言葉を使っていますが、例えば役員の任命を認可に変えるとか、あるいは財務諸表の承認を提出に変えるとかいうことによって、一体どれだけ振興会にメリットがあり、活性化ができるのでしょうか。それによって具体的にどういう活性化が期待できるのですか。私は、内容は変わらないと思っているんですよ。
#16
○塩谷政府委員 もう既に阿部先生御指摘のところに入っているわけでございますけれども、今回の改正は、まず第一点といたしまして、評議員会をつくる。この評議員会に民間の知恵を結集いたしまして、郵便貯金振興会の重要事項の審議などにつきまして、民間の活力を十分に生かしていきたいということでございます。
 それから第二に、役員の定数を法定事項から定款記載事項にするということで、この数も振興会が自主的に決める。もちろん定款の認可は要るわけですが、そのようにしたいということでございます。
 それから、たびたび出ております役員の選任を、従来の大臣の任命から大臣の認可に改める、評議員会が選任したのを大臣が認可するということでございます。これによって、法人が役員を自主的に選任することができる。
 それから、予算等の認可の面で資金計画を削除する、決算書類の届け出承認を届け出のみ、こういったことでいろいろ振興会の自主性を確保するということと、評議員会によって幅広い御審議をいただくというようなことで、郵便貯金振興会はより自主的に責任を持って活動できるのではないか。御承知のとおり郵便貯金振興会は、郵便貯金の普及に寄与するという目的を持っておりますので、こういった活力、活動の活性化が図られることが、この普及に寄与するという面での活発化を促して、よってもって郵便貯金事業にも好影響を与えるものではないかというふうに期待いたしているところでございます。
#17
○阿部(未)委員 私は、この法案に反対するとか、つぶしてしまえとか、そういう趣旨で言うのではないのですけれども、一体この法律を改正してどれだけのメリットがあるのだろうかと考えてみますと、内容的にはほとんど変わらない。変わるのは、今局長がおっしゃった評議員会をつくるという、これだけは新しい構想ですね。あとは、例えば今お話がありました役員の数を法定から定款で決めるように変更する。しかし、その定款は郵政大臣が認可することになっているのです。大臣がその定数について気に入らなければ、何名にしろと言えるわけでしょう。大臣が認可しなければ成り立たないのですから。そうすると、定数を法定することと、法人の方で自主的に定款で決めるということと、いかほどの違いがあるのだろうか。定款が認可事項である限り、内容的にはほとんど変わりはないではないか。言葉の上では変わっても、内容的には変わらない。
 あるいは役員の任命ですけれども、今まで大臣の任命であったものが、今度は認可になる。しかし、これだって、大臣が認可しなければ効力を持たないとちゃんと決めてあるのでしょう。大臣が認可しなければ効力を持たないなら、任命とほとんど同じくらいの力を持ってくるのですよ。幾らか弱い、強いはあるでしょう。例えば発議権の問題があります。役員の発議をどこがするかという問題。認可するかしないかということと任命するという行為と、力の上でどれだけの変わりがあるだろうかと考えてみますと、余り大きな変わりがない。それがあったから活性化することにはならぬだろうと私は思うのです。
 あるいは資金計画を認可事項から外した。これは法第九十条。しかし、事業計画、それから予算を出すわけですから、そうしてみると資金計画なんかそれに付き添って当然出てくるものであって、それが認可にかかろうと、あるいは除外されようと、実質的にはこれも変わらない。財務諸表にしてもそうです。承認をするとか、提出をするとか、言葉は変わっても、大臣のところに出ていくわけで、郵政監督官庁が見るわけですから、そう大きな変わりはないし、今までも恐らく財務諸表について認可をしなかったという例はなかったろうと私は思うのですよ。どこが一体変わったのか。評議員会をつくるというのだけは変わったような気がするのです。
 私が言いたいのは、これだけの騒動をして法律の改正までしなければならないほどの問題だっただろうか。結局は臨調ができ、行革大綱ができたから、その顔を立てる。碁を打つときでも、石を一つ置きますと、その石の顔を立てて次の石を打ってやらぬと、碁は成り立たないのです。恐らく臨調の答申の顔を立てた、私はこれがこの法案を出した最も大きい理由だろうと思うのです。ですから、反対しませんけれども、余りにもむだなことはこれからしないようにしてもらいたい。今のままで結構やれるじゃないか、そういう気がするわけです。これが私の結論です。ですから、反対はしませんが、余り意味のあるものではありませんよ、こう言っておきたいのです。大臣、お考えはどうですか。
#18
○佐藤国務大臣 阿部先生の御理論は、それなりに御理論があるように私も感じますけれども、しかし、今度の改正によって自主的な運営がよりできるということだけは事実だと私は思うわけでございます。したがって、資金計画を削除するとか、財務諸表いわゆる決算書類の届け出承認を届け出のみにするといったようなことは、簡単なようでございますけれども、評議員会を通じて自主的な、より活発な民間の意見がどんどん導入されて運営されていくようなことになると思いますので、この点御理解をお願い申し上げたいと思います。
#19
○阿部(未)委員 なるべく自主性が尊重されて活性化するように、努力を願いたいと思います。
 しかし、私が申し上げたことも、皆さん大体よくおわかりだったろうと思うのです。これから余り、臨調が言ったから、行革大綱だからといって、無理だけはしないようにしてください。いいものは今まであったものでもいいのですから、何も無理に変えることはない。これだけはひとつよく考えてください。
 具体的な内容ですけれども、郵便貯金法第四条一項に言うところの施設というものには、今郵政省が持っておるものでどういうものがございますか。
#20
○塩谷政府委員 郵便貯金法第四条によります郵便貯金の普及のための周知宣伝施設は郵便貯金会館でございまして、現在十五会館ございます。以上でございます。
#21
○阿部(未)委員 郵便貯金法第四条第一項の施設における国有財産の管理の委託に関する政令という政令がございますね。これによって大体郵便貯金会館も委託されておると思うのです。今ある郵貯法第四条第一項の施設と呼ばれるものは郵便貯金会館以外にはない、そういうことですか。
#22
○塩谷政府委員 おっしゃるとおりでございます。
#23
○阿部(未)委員 郵便貯金会館に限られるわけですけれども、今日まで郵便貯金会館に投資したというか出資をした金額は、総額どのくらいになりますか。
#24
○塩谷政府委員 昭和六十年度までの十五会館を合わせました建設予算でございます。これはできているものの改修も含めます費用でございますが、総額で約三百六十億円になっております。
#25
○阿部(未)委員 これは郵便貯金の特別会計の中で扱っていくのですか、郵便事業特別会計の中で扱っていくわけですか。
#26
○塩谷政府委員 ただいま申し上げました郵便貯金会館の建設のための経費でございますが、これは郵便局や貯金事務センター等の建設費と同様でございまして、設備負担金ということで郵便貯金特別会計から郵政事業の特別会計へ繰り入れております。郵便貯金会計というのは一種の資金会計でございますので、郵便貯金の預託金の利子収入であるとかいった収入の中から、郵便貯金事業の経営に要する人件費とか物件費を郵政事業特別会計へ繰り入れまして、郵貯負担分、保険も同様で繰り入れているわけですが、その繰り入れの一部に会館の建設費が含まれているということでございます。
#27
○阿部(未)委員 その根拠があるはずですね。どういうものを繰り入れていくのか。今おっしゃった人件費とか、いわゆる割り掛け金ですね、それ以外のものは全部一般会計に入れてしまうというのはわかります。わかりますが、その中で郵便貯金会館に振り向けることを目的として郵政事業特別会計に入れていく。例えば私の知っておる限りでは、郵便貯金が十カ年たって払い戻しをしなくてよくなった、余った財産を大体充当していくというように聞いておったのですが、そういう一つの根拠があってやっておるのですか。繰り入れた全体の中から貯金会館の経費はまた別に出す、こうなるのですか。
#28
○塩谷政府委員 郵便貯金を長い間御利用いただかないで権利消滅時効にかかって、これは没入金ということで雑収入になるわけでございますが、これも先ほどの郵便貯金特別会計の収入になっているわけでございます。
 この雑収入、主な預託金利収入というものも含めました郵便貯金特別会計の歳入の中から郵政事業特別会計へ繰り入れる。これは郵便貯金職員の人件費でありますとか郵便局舎の分担分、あるいは貯金の事務センターの建物分、それから郵便貯金会館の分。この設備負担金は、例えば六十一年度予算でいきますと全体として二百五十億あるのですが、うち郵便貯金会館分としては十七億あります。これはあくまで、郵便貯金会館を例えばことし改修するのは幾らか、そのための経費として幾らかということで出てくる数字でございまして、もとに、例えば没入金が幾らあるから、その没入金を郵便貯金会館に充てるのだということではございません。話の発端としては、没入金がそのまま雑収入として一般の収入と同じように消えてしまうのは何か釈然としない。この没入金の趣旨を生かすいわば無縁仏等を供養する方策はないかという議論が出まして、じゃ例えば郵便貯金に入っておられる方が利用するようなことで会館みたいなものを建てたらどうかという発想が出てきた歴史的な経緯はありますけれども、現実の経営費の仕組みとしては、没入金をもって直接この会館分に充てるという仕組みにはなっておりません。
#29
○阿部(未)委員 そうすると、今の局長のお話ですと、没入金が必ずしもその郵便貯金会館等預貯金者に還元をされておるということではないですよ。没入金もすべて郵政事業特別会計に入っていく、その中から貯金会館に充当する分がまた改めて出されていく。そうすると、郵便貯金の没入金は、その限りにおいて郵政事業特別会計の中でどんぶり勘定になってしまって、郵便貯金から出た分というのはわからなくなってきますね。それはどんぶり勘定なんですか。
#30
○塩谷政府委員 おっしゃるとおり、これはその没入金も含めていくものですから、一部は会館の経費になっているかもしれませんけれども、そのものがひもつきで、没入金だからこれはそっくりそのまま会館分へ、こういう仕組みにはなっておりません。その意味では一種のどんぶり勘定と申し上げてよろしいかと思います。
#31
○阿部(未)委員 郵便貯金の没入金というのは、本来郵便貯金をした人たちに何らかの形で還元をするのが趣旨だと思うのです。しかし、今局長のお話しのようになりますと、言いかえれば没入金が多いほど郵政事業特別会計は楽になる、没入金が少ないほど郵政事業特別会計は苦しくなる。今だって没入金は年間三十億超しておるでしょう。三十億を超す没入金が、今まではある程度年間十何億とかそれに近い分が預貯金者への還元として、貯金会館等に振り向けられてきたと私は理解しておったのですが、今度の言い方からすると郵便貯金の没入金が郵政事業特別会計をどんぶり勘定の中で助けていく。とすると、郵政事業特別会計としてはなるべく没入金がたくさんあって、ほかの貯金利用者に還元せぬで済む方が楽になってくる。結果的にはそういうことになりますね。
#32
○塩谷政府委員 ちょっと誤解のないように、私舌足らずで恐縮しておりますが、郵政事業特別会計へ繰り入れられる経費、これは郵便貯金特別会計から郵便貯金負担分ということで人件費、物件費いきます。それから設備負担金いきます。その中に、その充てられる歳入としては預託金利子収入等、没入金も含めたものの中からその負担分だけいくということでございます。ですから、その郵便貯金特別会計から郵政事業特別会計へ郵貯負担分としていった限りでは、やはり没入金もそういう郵便貯金の事業運営のために使われているわけでございますから、郵便貯金のそういう使い方によって、例えばその中で会館をつくるとかということでは、預金者にサービスといいますか還元できているのではないかと思うわけでございます。
 それから会館の経費でございますが、これは確かにおっしゃるとおり、六十年の数字では十二億で、貯金の権利の消滅高は六十年の場合二十四億ということで、半分くらい会館の経費としては充てられていることになっておりますので、その限りではそっくりそのまま権利消滅のお金が会館の分にはいっていない。数字だけを比較してみれば半分しか回っていない勘定にはなるわけでございますが、仕組みとしては、全体としてその歳入の一部としていくという格好になっております。
#33
○阿部(未)委員 郵貯特会から一般会計に繰り入れるものは、それぞれ分担分として人件費が幾ら、局舎使用の分担が幾ら、あるいは何が幾らと大体決まっておるはずですよ。逆に言えば、その残ったのが郵貯特会にならなければならないわけです。保険の場合ですと、例えば割り戻し金をうんとするとかということになるわけですよ。そうすると権利消滅による郵貯の残ったお金は大体郵政事業特別会計に入れるべき筋のものだろうか。郵政事業特別会計に入れる筋のものは、今申し上げた郵貯特会に割り振らるる人件費とか局舎使用とか、大体そういう目的のはっきりしておるものが郵政事業特別会計に入っていくのであって、それ以外のものは郵貯特会に残るのが本当じゃないですか。
#34
○塩谷政府委員 私もちょっと舌足らずの点がありましたので、ここで整理してもう一度申し上げます。
 郵便貯金特別会計でございますが、これの歳入の主たるものは、郵便貯金資金を資金運用部に預けて、その預託金の利子収入、預託利子で収入が入る利子収入それから貸付金、これは郵便貯金の定額などの貯金で預金者にお貸し付けをするその貸付金の利子収入、それから雑収入、これが今申し上げました没入金でございます。そのほか、前の年に剰余が出たお金が翌年に繰り越されて剰余金受け入れということで、これが全体として歳入になっているわけでございます。
 それから歳出の主なものは、まず支払い利子、これは預金者に利息をつけるその支払い利子ということ。それから郵政事業特別会計へ郵便貯金特別会計から繰り入れるお金でございます。これは人件費、物件費を含めた事務費と郵便局舎関係、事務センター、貯金会館などが入ります設備負担金があります。
 こういう仕組みになっておりますので、郵政事業特別会計へ繰り入れられた事務費と設備負担金は、郵貯特会から出るときにもう幾らと決まっていますから、このうち建物、郵便局舎幾ら、事務センター幾ら、貯金会館幾らというのが内訳で決まっている、そのお金が郵政事業特別会計へ繰り入れられる、こういう仕組みになっております。
#35
○阿部(未)委員 ですから、ほかの例えば局舎設備費の分担分とか人件費の分担分というのは、これは初めから数字がはっきりしているわけですよ。ところが権利消滅による貯金のお金ははっきりしていないだけでなく、年々多かったり少なかったりする性格のものなんです。だから、それは郵便貯金事業の特別会計の中で何かに使うというのなら私はわかるのだけれども、その収入の根拠がはっきりしない金、郵政事業特別会計に出さねばならぬという根拠がはっきりしない金、余った金はみんな持っていくということになるのですか。郵貯特会の方で余った金は全部郵政事業特別会計へ持っていってしまうことになるのですか。逆に、郵政事業特別会計に納めるものはこれこれだということになるのか、それとも郵貯特会で余ったお金は全部郵政事業特別会計の方へ持っていってしまうのか、その辺の経理の区分はどうなのかということです。
#36
○塩谷政府委員 おっしゃるとおり、郵政事業特別会計へ繰り入れる経費はそれぞれ計算して決まっております。それは郵便貯金特別会計からいくわけですが、その残りは郵便貯金特別会計の利益ということで、翌年に剰余金ということで繰り越されるわけでございます。おっしゃるとおりでございます。
#37
○阿部(未)委員 そうすれば、どんぶり勘定になるおそれもあるから、この権利消滅に伴う郵便貯金の金は郵貯特会の中で処理をしていった方がいいのではないか。一遍郵政事業特別会計に入れてしまって、そこからまた出して貯金会館をつくるというやり方よりも、これは郵便貯金の権利消滅分だ、だから郵便貯金特別会計に保管をして、その中から施設として必要な――郵便貯金法の第四条の目的は大体そういうものだと思うのです。郵政事業特別会計に入れてしまって処理をしなさいということでなくて、宣伝のために必要な施設は郵便貯金事業の会計の中から出していくのが私は正しいのではないかという気がするのですが、これはどうですか。
#38
○塩谷政府委員 議論がどうも大変いろいろ遠回りして恐縮でございます。おっしゃるとおり一つの考え方として、この没入金はその理由、成り立ってくる根拠から、別なものとして郵便貯金特別会計にもう最初から、これは没入金の収入ですよ、それでこれは繰入経費とは全然別な項目として置いておいて、それで、これがたまりたまればまたそれを元に何かやる、そういう考えはあろうかと思いますが、実は今の郵便貯金特別会計というのは、この会計自体が何か物を買ったり人を雇用して仕事をするということになっておりませんで、郵政省全体の三事業の経理の仕方が、保険、年金特別会計あり、郵便貯金特別会計あり、それぞれがそれぞれの資金あるいは保険の掛金、積立金で経理して、そしてその会計から実際に何をするかという政策的なあるいは事業的な経費はその経費として、負担分を郵政事業特別会計に繰り入れる。郵政事業特別会計からすれば、これは言葉の表現としては私は必ずしも穏当ではないと思うのですが、それは一種の受託業務収入という表現をとっているのですが、そういう形で受け入れをして、郵便、貯金、保険それぞれの三事業の経営をやっている、こういうことになっております。
 一つの考え方としてはいろいろ傾聴したいと思いますけれども、これを現在の郵便貯金の特別会計の仕組みの中で没入金だけをそういう経理をして、そして没入金だけを別途、郵政事業特別会計の繰り入れとは別に経理して何かやるというのは、没入金だけを大変際立たして、いろいろそれなりの特色のある使い方があるいはできるのかもしれませんが、現行の会計システムではなかなか難しいということで、この権利金の趣旨というものをもっとよく考えていく、そしてそれを経理の上でどう考え直すかという、そのための御意見として私は大いに参考にさせていただきたいと思います。
#39
○阿部(未)委員 これは大臣、私がくどく申し上げているのは、郵便貯金事業の中で出てきたお金であることは間違いないのです、この没入金は。それを一般会計といいますか、郵政事業特別会計へ繰り入れてしまう。ところが、貯金事業それ自体は今は黒字になっておるけれども、赤字の時期だってずっとあったのですよ。郵便貯金事業特別会計が大きな赤字を抱えておるときに、郵政事業特会から金を持ってこれるか。持ってこれないでしょう。それならば、郵便貯金事業でできたお金だから、郵便貯金事業の中に保管をして、例えば場合によったら赤字の補てんといいますか、全体的な貯金事業の中で操作をする方が、貯金事業の独立性を守る上からも正しいのではないか。それは、没入金だからといって一般会計の郵政事業特別会計に持っていった、それなら、貯金事業が赤字になったときには郵政事業特別会計は返してくれますか。返してくれないでしょう。そういう性格のものだから、私は、これは別にしておく方が正しいのではないか、こういう趣旨からくどく質問したのですが、そういう趣旨なんですよね。それはまあわかりましたから……。
 それで、次にお伺いしますけれども、そうすると、この郵便貯金事業の振興会というのは、郵便貯金会館の運営を委託されておる。これは一つの大きい事業です。あと、周知とか宣伝とか印刷とかいろいろあるようですけれども、これはどういうことになっておるのですか。
#40
○塩谷政府委員 郵便貯金振興会でございますが、これは会館の運営が主たる業務でございますけれども、そのほかに、郵便貯金の普及のための調査研究というようなことをやっております。
#41
○阿部(未)委員 事業計画を見ますと、会館運営に関する事業計画というのはほとんどないようですね、今見るところ、これは昭和五十九年度分ですけれども。一つは、「郵便貯金に関する調査研究について」、これが七項目あって、その次に「郵便貯金に関する出版物の刊行」、これが三項目あるようでございますけれども、一番肝心な郵便貯金会館の運営に関する事業計画というものは全然ないのですが、郵政省の方はお持ちですか、これ。
#42
○塩谷政府委員 この会館の運営につきましては、私ども、「振興会が運営する郵便貯金会館は次の表のとおりである。なお、運営に当たっては、会館設立の目的を従来どおり十分に踏まえて運営する。」とありまして、会館の所在地、名称、それからそれぞれの会館についての経営状況といいますか概況、周囲を取り巻いております。その経営環境、そういったものを紹介してもらって、あと、いろいろ健全、安定した経営に努めるという報告を受けております。
#43
○阿部(未)委員 振興会そのものの事業計画は、例えば、今申し上げたように、調査研究についてはこれだけのことをやりますとか、あるいは出版刊行についてはこういうことをやりますと、こういう事業計画が出ておるけれども、会館の運営については、私の知っておる限り一言も触れられてないのですが、郵政省もその程度ですかということを聞いておるのです。
#44
○塩谷政府委員 会館の運営ということにつきましては、その年々で特に変わった計画というものはございませんで、宿泊設備あるいはホール、プール等の運営、それから、そこの会館の設備を利用して郵便貯金の周知宣伝のために催しますいろいろな会合、催し物、イベント、そういったことを、これは一種の定型化といいますか、しておりますので、まあそういうことを例年やっておるということの報告にとどまっておるということでございます。
#45
○阿部(未)委員 仮に昭和五十九年度の振興会の損益計算書を見ますと、六億二千八百万円の剰余金が出ておりますね。こういう剰余金が幾ら出ようと、欠損金が幾ら出ようと、郵政省としては我関せず、こういうことですか。
#46
○塩谷政府委員 おっしゃるとおり、五十九年度六億の収益が出ておるわけでございます。これの大半といいますか、これはその他事業であります会館の運営から生ずるものでございますので、振興会の運営に多大の影響があるということでございます。
 しからば、それをどうやって担保するかということでございますが、それは個々の会館の運営に当たりましてそれぞれの会館の、地理的な環境に置かれた状況から、どこの会館は経営上どういう弱みがあるかといいますか、平たく申し上げますと、会館で例えば公益的な、それぞれの地元に公共的なサービスとしてお役に立っているホールでありますとかあるいはプール、こういったものを抱えておるところはなかなか経営が、そちらの方に足を引っ張られて、そういうのがないところに比べると比較的困難である。逆に、地理的に、例えば名古屋でありますとかあるいは横浜のように、環境に恵まれて多大の利用客があって人気がある、そういったところは割合順調に収支が行われておるということでございますので、それぞれの会館の状況に応じたきめ細かい経営指導を振興会の本部がやるように、私どももあれこれ指導しているところでございます。
#47
○阿部(未)委員 これは幾つですか、たくさんあるが、そうすると、この貯金会館は全国均一料金になっておるわけですか。
#48
○塩谷政府委員 地域の実情に応じて若干違っております。全く同じというわけではございません。
#49
○阿部(未)委員 原則的には、全国の会館の分を本部で一応プールして処理をしておる、しかし、実情に応じて若干の料金の差はある、そういうことですか、各会館ごとの独立採算なんですか、どっちですか。
#50
○塩谷政府委員 私ども、この会館につきましては、全体として、それぞれ各地の会館の水揚げの収入を全体の収入とし、それから支出はそれぞれトータルで経理をしているわけですが、それぞれ経営の指標というのを見るために、会館ごとの経費が幾らかかっているか、収入がどれだけ上がっているか、会館ごとにどの会館は黒字経営、どの会館は赤字経営というのを把握しております。それに基づいて、赤字経営のところの会館は経営努力をして、なるべく収支相償に持っていくように努力させておるところでございます。
#51
○阿部(未)委員 努力の目標はわかるのですが、基本的に幾つかの会館の収入を全部合わせて、そしてプールしてまた予算みたいなものをやるのですか、独立採算を建前にしておるのですかということです。
#52
○塩谷政府委員 全体としてはプールしてやっております。
#53
○阿部(未)委員 実は、プールしてもらわないと地域によって差が出てくる。今でも幾らかの差があるというのですが、各会館ごとの独立採算になってくれば、地理的な条件の悪いところは相当高い料金を取らなければならないから、それでは当初の目的は達せられない。前の政務次官の畑先生のところなどは、これは保険の方ですけれども、あるのです。これを独立してやらされると非常に高い料金になってくるから、やはりプールしてやるところに妙味がある、そう思ったのでお伺いしたわけです。
 そこで、今この振興会の従業員の数は大体何名ぐらいですか。
#54
○塩谷政府委員 お答えいたします。
 昭和六十一年三月末現在で職員が千三百二十九人、これに役員が五名おりますので、全体として千三百三十四人ということでございます。
#55
○阿部(未)委員 やはり経営上管理職というようなのがその中におるわけでしょう。管理職というのは何人ぐらいおるのですか。
#56
○塩谷政府委員 管理職員、これは課長代理以上の職にある者でございますが、百七十二名おります。
#57
○阿部(未)委員 これは十人に一人ぐらい管理職みたいな者がおりますね。ちょっと多過ぎるような気がしますが、それは運営に必要なら構いませんけれども。
 振興会全体の従業員の給与というのは、大体どこら辺に依拠してやっておるわけですか。
#58
○塩谷政府委員 これにつきましては、郵便貯金法第九十三条第三項に規定されているとおり、運営に関して通常必要とする費用の中で賄うということで、予算案を認可するわけでございますけれども、その認可した予算の範囲内で、それから仲裁裁定に準じて給与改正を行っているところでございます。
#59
○阿部(未)委員 仲裁裁定に準ずるのはいいけれども、大体基本的なよりどころがなければ、仲裁裁定は何ぼ引き上げよというのが基本になるから、大体郵政職員ぐらいとか地方公務員ぐらいとか、何かよりどころはないのですか。
#60
○塩谷政府委員 これは私どもよりどころとしては、これと同種の会館といいますか、そういうサービスをやる公益施設、そういったところの職員の給与などをよりどころにしてやっております。
#61
○阿部(未)委員 これは非常に抽象的で、そうなると地域ごとの差が出てくるおそれがあるのですよ。東京あたりの会館の従業員はかなり高いですよね。田舎の方に行きますと安くなるでしょう。周囲がですよ、我が貯金振興会がというのじゃないですよ。それを横目でにらんでやったら、給与に差がついてくるおそれがあるのです。しかし、実際は振興会の職員は全国大体同じ給与の水準でやっておるわけでしょう。
#62
○塩谷政府委員 同じでございます。
#63
○阿部(未)委員 それでは、かなり利益も出ておるようでございますから、監督官庁の立場としては、大体郵政職員に準じて扱うという程度のことをひとつ腹に入れておいて、監督指導をお願いしたいと思います。
 最後に、さっき申し上げた貯金会館以外の事業、いわゆる調査研究、それから書物の発刊がありますね。その経費は郵政省からは補助も何にも一切しないわけでしょう。そうしますと、例えば調査研究というものは金にならないのです。本を出した場合は本を売って金になる。郵政省も幾らか買い上げてやるということがあり得ても、調査研究は金にならないのですよ。金にならない仕事を振興会はやるわけです。これは恐らく会館の運営費等から持ってこなければやれないと思うのですけれども、そういう形になっておるのですか。
#64
○塩谷政府委員 おっしゃるとおり、会館の運営によって生じました収益金の一部を調査研究等の公益部門に回しております。お金にならなくても、郵便貯金に対して理解を深めていただくためには、この調査研究というのはやはり大事な仕事でありますので、会館の収益部門からこういった公益部門に向けてその辺の補助をして、全体として振興会の活動を活発にしたいというふうに考えておるわけでございます。
#65
○阿部(未)委員 宇宙開発事業団というのがありまして、宇宙開発の調査研究などや、時々はロケットも打ち上げますが、そういうことを国が委託した場合には、委託のためのお金をやるわけですね。おまえのところは調査研究をしてくれ、それを目的に振興会があって、一銭も金をやらぬというのもいかがなものか。しかし世帯は苦しいし、今ここで私は補助を出してやれとは言いませんが、そのままほうっておくと会館の運営の方だけにその中心が移っていって、大きな目的である調査研究等がおざなりになっていく心配がないだろうか。さっき私が申し上げたように、もし没入金の中で、これが貯金事業特別会計で処理できるものならば、その中からそういう調査研究費を振興会に幾らか回してやるというような方法も講じられるのではないかという気もします。
 といって、私、今貯金事業特別会計から振興会にどんどん金を出してやれなんて、そういうことは決して言いません。それよりも、預けておる預金者のために金は使ってもらわなければ困りますから、言いませんけれども。ただ心配になるのは、調査研究というもうからぬ仕事を押しつけてあるのに金をやらぬとすれば、いつまでたってもこれは大きくはならない。金がなければないほど調査研究の体制がだんだん小さくなっていく。その辺に懸念がないわけではありませんということは申し上げておきます。
 それから、きょうは内閣法制局の方からもおいでいただいて、さっきの法律についてもう少し議論したかったのですが、せっかく来ていただいたのですけれども、もう大体おわかりになったと思いますので質問しませんから、お許しをいただきたいと思います。
 終わります。
#66
○宮崎委員長 田並胤明君。
#67
○田並委員 先ほど私どもの阿部委員の方から大臣に対して、経構研が総理大臣に出した意見の中に非課税貯蓄制度の廃止というのが出ておって、それに対しての大臣の考え方も聞いたから、それで理解をしたわけでありますが、第一回の私の大臣の所信表明に対する一般質問の中でも、非課税貯蓄制度というものは守るべきであるということを強く要請をし、大臣も断固守り抜きます、こういう回答を得たわけでありますから、これはそういう方向で、今後とも国民の利益を守るという観点から非課税貯蓄制度というものを守り抜くということで、ぜひ頑張っていただきたい。このことをまず第一点の要望として申し上げておきたいと思うのです。
 そこで、貯金振興会の方から質問に入らせていただきますが、第一点は今度の法改正、八十一条、八十二条の中で、役員の定数を法定から定款に変えるわけであります。現在まで役員は五名だったと思うのですが、これを法定から定款に変えた理由というのはどの辺にあるのだろうか。
 例えば今度の法改正でいきますと、財務諸表については、従来は振興会の方から郵政大臣に提出をして、郵政大臣の承認を受ける、このように監督が非常に強められておったわけですが、それが緩和をされて、今度提出のみということになります。そうしますと、勢い心配されるのが、監査一名で内部監査の体制が十分とれるのだろうかどうだろうかという面を含めて、法定から定款に変えた理由、役員の増減というのが考えられているのかどうか、これについてまず第一点お聞きをしたいと思います。
#68
○塩谷政府委員 今回、役員の定数を法定制から定款記載事項といたしまして、この変更については郵政大臣の認可といたしましたのは、先ほど来申し上げておりますように、法人の自主性を高めるという見地からしたわけでございます。それで、御指摘の役員の増減につきましては、郵便貯金振興会の自主的な判断が必要でありまして、この意向を尊重してまいりたいと考えております。
 しかしながら、今回役員の選任機関としての役割も持つ評議員会を設置したことになっておりまして、この評議員会で、役員の増員等についても、法人自体においてチェックがなされることになっておりますので、みだりに増員というシステムにはなってないのではないか。それから、役員の定数の改正につきましては定款の改正が必要となっておりますので、そしてこの改正が認可事項でありますので、郵政省といたしましては、役員定数の定款認可に当たっては、今後の郵便貯金振興会の業務内容の移り変わりでありますとか、他の類似法人の状況なども留意しながら慎重な配慮を図ってまいりたいと考えております。
#69
○田並委員 そうすると、前段言った内部監査体制の充実ということでの監事の複数等についても振興会の自主的な判断に任せる。もちろんそれは定款の中に入るわけでありますから、その定款を認可をする際に、郵政省の方できちっと調査をして慎重な配慮をする、こういうことなんですが、実は定款の中身について、今度かなり変更があると思うのですね。そうしますと、この法案を出した以上は、振興会が考えている定款の内容というものについては、郵政省としても既につかんでいるのではないか、このように思うのですが、私どもの審議の資料としては、定款の変更を含めたものが出せないのかどうかということについて、ちょっとお聞きをしたいと思います。
#70
○塩谷政府委員 今度の法律改正に伴いまして定款の変更というのが当然予想されるわけでございますが、今のところ私どもが予想しておりますのは、まず評議員会の新設でありますとか、それから役員の認可の事項、それから今まで参与制というのがあったのですが、この参与の廃止、それから資金計画の認可を削除するというようなこと、これは法律改正に伴うものです。それから、財務諸表を承認じゃなくて提出にとどめる、こういった点の改正があり得るというふうに想定しております。
#71
○田並委員 わかりました。
 それでは、今度の法改正の中で役員の選任に当たっては、もちろん今までは郵政大臣の任命でしたが、今度は振興会の方で選任した者を郵政大臣に一応認可を得るということになっておりますが、「郵政大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。」このようにあるのですが、この認可の基準というのは特別に郵政省としては考えているのかどうか、これをお聞かせを願いたいと思います。
#72
○塩谷政府委員 役員でございますが、これは学識経験の豊かな方が望ましいわけでございます。特に、「郵便貯金振興会は、」「郵便貯金の普及に寄与することを目的とする。」こととなっておりまして、法人活動の中心的な役割を担う役員につきましては、その法人の性格から、省と一体となった整合性が必要でありまして、この意味から、郵便貯金に関する専門的な知識経験を有する者が望ましいのではないかと考えております。役員の認可に当たりましては、この点を踏まえて対応してまいりたいと考えております。
#73
○田並委員 そこで、今度の改正法の八十一条によりますと、「定款記載事項」の中の五項目目に、「役員の定数、選任方法その他役員に関する事項」ということになっているのですが、この役員の選任はどういう方法で選ぶのですか。
 というのは、評議員の選び方というのは「郵政大臣の認可を受けて、理事長が任命する。」このようになっていますね。では、その理事長である役員はどういう方法で選ばれるのか。評議員を選ぶのに、理事長が大臣の認可を受けて任命するということになっていますね。そうすると、今度理事長を含める役員というのはどういう方法で選ばれるのかということについて、条文を読んだ限りではちょっとよく理解できないものですから、役員は最終的にどこがどういう方法で選任をするのだろうか、その点についてちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#74
○塩谷政府委員 この法律の施行のときに現に振興会の役員である理事長、監事、理事が、その時点で評議員会によって選任されたとみなしまして、そしてそのまま役員として存続していく、その理事長が評議員を選任する、こういうことになるわけです。自後、理事長がかわったときには、存在しております評議員会が理事長を選任する、こういうことになるわけでございます。
#75
○田並委員 ちょっと、いろいろ行き違いができるようなときも多分あると思うのですよ。評議員も役員も一遍にやめるなんということはないでしょうし、また一遍に解散するということはあり得ないかもしれませんが、ただ、時期的に見て、それらが重なるようなときだってないわけじゃないと思うのですね。そういうとき、どういうふうにされるのだろうということで、ちょっと心配をしたものですからお聞きをしたのですが、そうなりますと、評議員会というのは重要事項を審議をするために設置をするということになっております。その評議員会がいろいろ議する重要事項というのは、では具体的にどういう中身なんだろうかと思うのですが、これはどういう中身を考えられているのでしょうか。
#76
○塩谷政府委員 重要事項といたしましては、例えば定款の変更、事業計画あるいは役員の選任、こういったところを想定しております。
#77
○田並委員 もう一回局長、役員の選任について、現在の振興会の役員がそのままこの法律施行のときの役員として選任をされたものとみなすわけですね。それで、そこから今度は郵政大臣の認可を受けて理事長が評議員を任命をする、こういう格好になりますね。そうすると、その理事長が交代をするときは評議員会がそれを選ぶということなんですか。そういうふうに理解をしてよろしいわけですか。
#78
○塩谷政府委員 おっしゃるとおりでございます。
#79
○田並委員 そうすると、今の条文で役員の改選期に特段のトラブルは考えられない、心配ないということで理解していいわけですね。
 それでは次に、評議員会というのは、今言われたような大変重要な事項を審議をする機関として設置をされるわけでございますが、これは常設にするのか、それともその都度、例えば年に一回とか二回とか、特に定款の変更が生じた場合あるいは新年度の事業計画、予算を決める際にということで、非常に回数を少なく効率的にやるのかどうか。その辺はどういうふうにお考えになっているのでしょうか。
#80
○塩谷政府委員 評議員会としては、常設というか、評議員会という組織があるのでございますが、その会議がどういう頻度で開催されるか、これは評議員会にかけるべき重要事項が生じたときにその都度適宜開催されるものと想定しております。
#81
○田並委員 次にお聞きしたいのは、先ほども阿部委員さんの方からお話がありましたが、振興会の行う調査研究について、五十九年度もかなり濃密な調査研究をされているようでありますが、これは郵政大臣の諮問でやるのではなく、自主的に振興会の方で行うものなのか。しかも、郵政審議会や行政の各種審議会、私的諮問機関まで含めますとかなりの数、特に貯金の関係についてはあると思うのです。それとの整合性はどう考えているのか。
 例えば、郵便貯金の振興に関係する基本的な部分の調査研究なり、金融自由化に対応するために郵貯はどうあるべきか、そういう当面の問題を中心に調査研究して郵便貯金の振興に資するようにするのか、その物差しがあるのかということ。もう一つは、この調査研究の結果を、郵便貯金事業の振興に役立たせるための方策として郵政省としてはどのように生かしているか、この辺をお聞かせ願いたいと思います。
#82
○塩谷政府委員 お尋ねの件でございますけれども、今郵便貯金振興会の本部に貯蓄経済研究センターというのが設けられておりまして、ここで振興会が自主的に経済、金融に関する文献などの基礎資料の収集、整備でありますとか、諸外国の郵便貯金制度に関する調査研究、貯蓄経済理論の研究、貯蓄機関国際シンポジウムの運営、こういったところの研究を行っております。
 それから、調査研究の結果につきましては、郵便貯金の運用制度のあり方についての方策とかエレクトロニクス化、金融自由化対応策などについて、郵政省としては前広にその成果を活用しております。
 なお、郵便貯金振興会は独立した認可法人でありますので、御指摘の郵政省のいろいろな審議会とは一切関係ございません。
 参考までに、今この調査研究の成果として挙げられているものを御紹介申し上げますと、郵便貯金資金の地方還元と金融の地域構造分析、金利自由化と郵便貯金資金の運用、金利自由化と個人金融サービスのあり方、エレクトロニクス化の進展と国民生活、貯蓄経済モデルに関する理論的研究、こういったものが調査研究の成果として挙げられるわけでございます。
#83
○田並委員 わかりました。
 そうすると、郵政大臣の諮問によって行うのではなくて、あくまでも自主的な判断でこれを行う。結果的には、今言ったように郵便貯金を取り巻く諸環境に対応するような、あるいはこれからの郵貯のあり方等についての具体的な課題についての調査研究をされる、それを郵政省が参考になるものは一応受けて具体的に事業に反映させている、こういうように理解をしてよろしいわけですか。
#84
○塩谷政府委員 おっしゃるとおりでございます。
#85
○田並委員 次に、今度の法改正で振興会の役員の選任、評議員会の設置、財務会計の規制緩和、このように限定されているのですが、このことによって振興会の行う事業の拡大というのは何か考えられているのか。例えば先ほども阿部委員さんも言われましたように、会館の運営が主体で、それ以外の新しい事業というのがなかなか見えない。もちろん郵便貯金振興に関係する認可法人ですから、それ以上手広く何かほかのことをやるなどということは言えないのかもしれませんが、いろいろな意味で郵便貯金を利用している人たちのための事業の拡大というのが考えられているのか、今言った三つだけに限定して、振興会としてはそれ以上の新規の事業は考えておらないのか。
#86
○塩谷政府委員 郵便貯金振興会の業務として、郵便貯金の普及に寄与するために必要な業務ができることになっているわけであります。これは、郵便貯金法の第八十八条に「振興会は、次の業務を行う。」とありまして「郵便貯金に関する調査、研究及び出版物の刊行」、それから「第四条第一項の施設の運営」、これは会館の運営でございます。それから「前二号に掲げる業務に附帯する業務」、この調査研究と会館運営の附帯業務。第四号に、「前三号に掲げるもののほか、郵便貯金の普及に寄与するために必要な業務」というのがありまして、これはどういうものがあるかということなのですが、私ども、時代の進展に伴いまして、預金者の利益を図るための業務の開拓など、多様化した預金者のニーズに対応した業務の展開も必要と考えているわけでございます。今さしあたって特にこれといって具体的に挙げられるものはございませんが、むしろ私どもは、振興会というせっかくの受け皿があり、かつ、今度の法律改正でいろいろ活力をつけようということでございますので、何か格好な事業がないかということを鋭意考えまして、心がけてまいりたいと思っております。
#87
○田並委員 今のところは漠としたもので、具体的な事業というふうにはならないという話でございますが、先ほども、評議員会が設置されることによって、民間の知恵の結集を図りながら、貯金振興会の事業が郵便貯金を利用している人たちのためになる、また振興に役立つようなことをやっていきたいのだというお話があったものですから、それならば具体的な中身があるのかということでお聞きしたのですが、民間でもいろいろやっている仕事がありますので、民間の事業に圧力にならぬような形で、しかも具体的に民間の知恵を絞りながら、振興会がさらにさらに発展するような努力をしていかなければいけないのではないだろうか、このように思いますので、その辺の十分な検討をお願いしておきたいと思うのです。
 そこで、郵便貯金会館の利用状況については、ここ何年か大変伸びてきておると思うのですね。五十九年度で大体六百五十万人の利用者があった。昭和六十年度はどのくらいを見込まれておるのか、それを参考までに聞かせていただければありがたいのです。
#88
○塩谷政府委員 今、郵便貯金会館は十五都市に置かれましていろいろ御好評をいただいて、開設以来十五年間で六千二百万人御利用いただいておるわけでございます。
 五十九年に六百五十万人御利用いただいたということで、六十年から六十一年、これの五%増しぐらいに持っていけたらと私ども見立てております。
#89
○田並委員 五%増ということでも、約七百万人になるのでしょうか。
 郵便貯金会館の新増設を、臨調の第五次答申で今のところストップさせられている格好になっていますね、大臣。これは先ほどから話を聞いておりましてわかるように、郵便貯金振興会というのは、国からの交付金だとか補助金だとかというものを一切受けてないわけですよ。あくまでも独立採算で、もちろん会館の建物とか何かは郵政省がらお借りして、それをもとに運営をしておるわけですが、いずれにしても、交付金、補助金というのはないわけですね。そうすると、そういうところまで臨調が、はっきり言って口を入れて、利用者の側からすれば今の十五の会館では不足だ、もっと多くつくることによって――これはもちろん民間を圧迫しない程度ですが、民間だって同じようないろいろな施設があるのですから。それにしても、会館の新増設というのを望んでいる人はかなり多いと思うのですね。特に、私なんかが住んでいる関東地方では、東京と横浜にしかないわけですよ。北関東にはないわけですね。私は埼玉ですから、北関東というと群馬、栃木、茨城の方になっちゃうのですが、いずれにしても北関東にはない。
 ところが、ある地方では、一つのブロックに二カ所もある。決して二カ所あるからいけないんじゃなくて、大いに結構なことなんですが、そういう人口の分布から考えてみて、利用者が偏在をしているんじゃないか。そういう意味では、郵便貯金を利用している人にとってみると、地域の偏重をしている、利用したくてもなかなか利用できない、こういう側面も出てきておるので、確かに臨調の第五次答申ではそういうような指摘があるにしても、郵政省としては決意を新たにして、国民のためになる、利用者のためになる、しかも郵便貯金の振興に役立つ、こういう観点からこの第五次答申についてよく臨調の方とも話をして、我が方としてはこういう国の補助金も交付金も出ておらない振興会のやる事業について、ぜひもっと幅広く国民の皆さんの利用をいただけるようにしたいんだということを言って、新増設の方向に踏み切るべきじゃないか、そのことによって地域の利用者の偏重をなくしていく、こういう努力もあわせて行うべきであろう、このように考えるのですが、いかがなものでしょうか。
#90
○塩谷政府委員 おっしゃるとおり、この臨調答申があるわけでございますけれども、もう一つ、この会館の新設というもの、先生おっしゃるとおり、あるところ、大都会とかそういったところはともかくとして、既存のところでないところでその新設についての需要といいますか、必要が大変高まっている、そういう声が大きいというのも私ども承っているわけでございます。
 この臨調答申で歯どめをかけた一つのねらいは、こういう会館サービスが類似の民間の企業を圧迫するのではないか、民業圧迫論、民業補完論の発想から出ている面もあろうかと思いますけれども、やはり今の時期はある意味で、官民を問わず、いろいろこういったホールなり宿泊施設ができて、活発に活用してもらう、そういうものを建てることによる設備投資の効果といいますか、地元への景気の面での非常な促進効果もあるわけでございますから、そういった民活といいますか、そういった面での要素も考える必要があろうかと思うわけでございます。
 そういった観点から、この辺についての歯どめをもう一度考え直すことも必要なんではないかということで、私どもこの辺の諸般の状況を総合的に考えまして、こういった内需拡大を図る見地からも考慮することが必要だということで、いろいろ考えてまいりたいというふうに思っております。
#91
○田並委員 それは大臣も同じ見解だということで理解をしてよろしいですか。
#92
○佐藤国務大臣 臨調答申で、公営の宿泊施設とか大広間とかこういうものが全国に――私の記憶では郵政省でなくして、各省入れまして千四百ほどあると聞いております。それが数年前にいろいろと民間との摩擦ができまして、それでこれは衆議院、参議院も通じてだと思いますが、社労委の方で民間団体からの陳情を受けて、そしてしばらくそれなら状況を見ようということで、臨調で取り上げてこういう結果になったと思います。
 しかし、時代は大きく変わってきて、やはり内需の拡大とか、それからお泊まりになる人とか利用される方のニーズに応ずる時代が地域には出てきているのではないかという、その変化が私わかるような気がいたします。そこで、先生の言われるような、地域でもって需要と供給のアンバランスの地域が出てきておると思いますが、会館を建てることにおいて民間を圧迫しない、共存共栄ができる、こういう地域は私はあると思うのです。そういうような地域については、むしろ私の方は積極的に臨調の方にその解除方というか、そういうことも言うべき時期が来ているなどいう気持ちは、私は持っております。
 それと同時に、会館の運営でございますけれども、地域でもって民間の宿泊施設がたくさんある、しかし会館がないんだ。会館がもしもできれば、ぜひつくりたいというところもあると思うのですね。したがって、郵貯会館というものがそういう面において地域と共存共栄しながら、しかも経営もできる、こういうようなことがもしも全国的な調査の結果あれば、私は積極的にそのニーズに応ずるのが一つの方向ではなかろうかと思っておりますので、先生の御意見を貴重な御意見として承っておきたい、こう思います。
#93
○田並委員 それじゃ、ぜひそういう方向で一層の御努力をお願いしたいと思います。
 もう時間が参りそうですので、一つだけ、例の事務手続的事項の省令委任の問題でお聞きをしておきたいと思うのですが、通常郵便貯金に関する権利の消滅の問題で、今回の法改正でいくと利子の記入が今度は自動的にされるということになりますね。今までは預金者の方の請求があって利子記入をする。そうしますと十年間の時効の中断というのがそこで発生する、こういうことだったのですが、今度は利子の記入の部分が十年間の時効中断から削除されております。そうなりますと、実質的に権利の消滅期間の十年というのに変更があるのかどうか、この辺、ちょっと理解できないものですからお聞かせを願いたいと思うのです。
 その一点で終わります。
#94
○塩谷政府委員 結論から申し上げますと、変更はございません。
 利子記入の請求を改正法案の第二十九条の権利消滅の中断事由から条文上削除しておりますのは、これは通常郵便貯金の利子記入の取り扱いを、特に預金者から請求がない場合でも行うことにする、そのために二十条を改正する、その技術的な規定の整備によるものでございまして、この二十九条に法定されている中断事由以外のものも省令で定めることができるわけでございます。利子の通帳記入に関する請求等につきましても、省令で中断事由として定めることとしておりますので、今申し上げましたとおり、実質的には貯金の権利消滅を中断するものに変更はございません。
#95
○田並委員 わかりました。終わります。
#96
○宮崎委員長 中川嘉美君。
#97
○中川(嘉)委員 今回の郵便貯金法の一部改正案の柱の一つは、行政改革の一環として郵便貯金振興会の経営の自立化を図るということでありますけれども、臨調が指摘した内容と今回の改正の内容とでは、まだまだかなりの隔たりがあると思われますが、まず、こういった点についてどう受けとめておられるか、伺いたいと思います。
#98
○塩谷政府委員 郵便貯金振興会の業務でありますが、これは行政財産の管理委託、郵便貯金会館の運営を委託しているあれでございます。それから郵便貯金に関する調査研究、出版物の刊行という二つの面がありまして、郵便貯金の普及に寄与するという行政目的の代行機関の性格を有するものでありまして、いわばこの点で国との結びつきが極めて強い公的な性格を有する。そういうところから、この法人格は、この点を考慮して、いわゆる認可法人となっているわけでございます。
 それで、ちょっと歴史的なことを申し上げますと、郵便貯金振興会が当初四十四年に財団法人でスタートしまして、五十年当時の国会審議で会館の設置の根拠について議論が出まして、会館の運営を財団法人に委託することについては問題があるという衆議院決算委員会の警告決議がなされまして、政府におきましても、行政財産の管理委託先は少なくとも特殊法人または認可法人でなければならないという大蔵省の判断もありまして、五十二年に認可法人として再発足したわけでございます。このような行政財産の管理運営委託などを行うことから、この法人に対し駐して国は管理委託した財産運営について管理権限を全く失うことはできず、管理の受託者であります郵便貯金振興会の管理作用を監督する権限と責任を有する必要があろうかというわけでございます。
 こういった点を勘案いたしまして、今回の法改正におきましては、民法上の財団法人または商法法人に変更することは困難であると考えたわけでございます。つまり、郵便貯金振興会については、現行認可法人の形態を維持しつつ、できる限り国の規制の緩和を図ったわけでございます。このような考え方は、臨調最終答申においても想定されているものと私ども考えております。
 ちなみに申し上げますと、今回の措置は、臨調最終答申で求められている民間法人化の三つのパターンのうち、役員の自主選任に該当するものでございます。
#99
○中川(嘉)委員 臨調は、認可法人を含む特殊法人のあり方について、「特殊法人等は、政府資金等に依存する体質から脱却し、自立的に経営を行うよう努めなければならない。自立できることとなった法人は、民間法人化することを原則とする。」民間法人化するとは、その事業が制度的に独占とされていないことである、このようになっているわけであります。
 郵便貯金振興会が全国十五カ所の郵便貯金会館の経営を一手に引き受けているのが現状でありますけれども、これは独占ではないのかどうか。すなわち、振興会が民間法人化できないということになるわけですけれども、この点は一体どうなんですか。この点をひとつ伺っておきたいと思います。
#100
○塩谷政府委員 先生おっしゃいますとおりに、臨調最終答申では、民間法人化について制度的に独占とされていないことが必要とされているわけでございますが、臨調最終答申に言う制度的独占というのは、かつての電電公社あるいは専売公社の事業のように、制度的に独占とされているものを言うのではないかと思うわけでございます。郵便貯金振興会の行います事業分野、今申し上げました郵便貯金に関する調査研究でありますとか出版物の刊行、あるいは会館、一種の宿泊施設、ホテル事業でございますが、これについては民間においても同種の事業が行われているものでございまして、臨調最終答申に言う制度的独占とは考えていないわけでございます。
#101
○中川(嘉)委員 制度的にということでありますけれども、郵便貯金法第八十八条一項二号において、「第四条第一項の施設の運営」、すなわち郵便貯金の普及のためその周知宣伝に必要な施設の運営を行うことを法で定めており、他の者がこれを行う余地はないではないかと思うわけで、これではまさに制度的独占と言わなければならないと思いますけれども、この点はいかがですか。
#102
○塩谷政府委員 会館の運営あるいは郵便貯金の調査研究、こういったことはほかの同種の民間企業なりなんなりが自由にやっているわけでございまして、それをこの振興会がやっているということで、郵便貯金振興会がこれを独占しているとは考えられないのではないかと思っております。
#103
○中川(嘉)委員 郵便貯金振興会の経営の自立化を図るための改革として、今回四項目を改正しようとしているわけですけれども、この中身を見ますと、経営の自立化を図るという大義の割には、内容のない、見せかけのものになっているのではないかと言わざるを得ないと私は思いますけれども、そこで、具体的な自立化への改正が今回行われていない理由を明らかにしていただきたいと思うわけです。いかがですか。
#104
○塩谷政府委員 今申し上げましたように、郵便貯金振興会は国からの出資、補助金も一切なくて独立採算、収支相償の原則で運営されております。臨調最終答申に、民間法人化するパターンとして、「その事業が制度的に独占とされておらず、かつ、次のいずれかに該当する法人にすることをいう。」ということで三つを示しているわけでございます。一つは、「商法又は民法上の法人で、国又はこれに準ずるものの出資が制度上及び実態上ないもの」、二つ「@以外の法律に基づき設立された法人で、法律上数が限定されておらず、国又はこれに準ずるものの出資が制度上及び実態上ないもの」、三つ「@及びA以外の法人で次のすべての要件に該当するもの」、振興会はこれに該当すると私は考えるわけでございます。「(a)国又はこれに準ずるものの出資が制度上及び実態上ないこと。」これは、今申し上げましたように、出資、補助金も一切受けて狂いから、これに該当する。それから「(b)役員の選任が自主的に行われていること。」実はこれがないわけでございます。これを法律改正で実現することによって、自立化、民間法人化が果たされることになるわけでございます。「(c)事業の経常的運営に要する経費が、その事業による収入で賄われており、国又はこれに準ずるものからの補助金等に依存していないこと。」つまり、この三パターンのうちいずれかのパターンを具備していれば民間法人化されるということで、役員の自主選任化によって三パターンと(a)、(b)、(c)の条件を具備している。これによって、臨調最終答申に言う民間法人化に該当したと考えております。
    〔委員長退席、畑委員長代理着席〕
#105
○中川(嘉)委員 役員の選任の問題も出てきましたけれども、今回の改正は、役員数を法定から定款記載事項に変える、また役員選任自体、大臣の任命から認可に変えるというものでありますけれども、実体的にどう変わるのか。逆に役員を自由にふやそうということなのかどうか。もしそうならば、臨調の指摘しているものとは全く逆のものになりかねないと考えざるを得ないわけですけれども、この点はいかがですか。
#106
○塩谷政府委員 役員数を法定から外しまして、役員の選任を任命から認可にするという今回の改正でございますが、これは先ほど来申し上げております、法人に対する国の関与をできるだけ少なくするという臨調最終答申中の趣旨に沿って、法人に一定の自主性を付与することとしているものでございます。一方、郵便貯金振興会の運営に関する重要事項について審議する機関として評議員会を設置して、役員の選任等につきましても評議員会で選任をするということで、郵便貯金振興会の自主性の確保の面で実体的にも変化があるものと考えておるわけでございます。
 そうすると、役員がふえちゃって、何か行革臨調の趣旨にそぐわないのではないかという中川先生の御指摘でございますが、これは一応郵便貯金振興会の自主的判断にまつわけでございますけれども、振興会自体に役員の選任機関としての役割を持つ評議員会を設置しておりまして、恐らく民間の知恵を生かした、知恵を発揮すると期待される評議員会は、これは法人の職員を増員するということについてはチェック機能を働かすことになるのではないか、その辺のチェックシステムが働くのではないかと期待できるわけでございます。また、役員の定数の改正につきましては定款の改正が必要となっておりまして、この改正が認可事項であることから、私ども、この役員定数の定款認可に当たっては、貯金振興会の業務内容の推移でありますとか他の法人の状況等も留意しながら慎重な配慮を図っていきたいということで、その辺の御懸念はないのではないかというふうに考えております。
#107
○中川(嘉)委員 質問のところで申し上げたとおり、そういった臨調の指摘しているものと全く逆のものにならないように、これだけは十分また注意をしながら進めていただきたい、こう思うわけです。
 今評議員会の問題も出ておるようですけれども、評議員会を設置するというふうになっているわけですが、振興会の運営に関する重要事項の審議ということについて、今も若干内容的なことの御答弁があったようですけれども、この評議員会で何を審議しようとするのか、実は非常に不明確であったわけで、さらに、どういう構成になるものかも不明確なような気がしてならない。これまで運営に関する重要事項はどういうふうに検討されてきたのか、また、最近ではどんな問題が事実上あったのか、これらの点についてここでお答えをいただきたいと思います。
#108
○塩谷政府委員 評議員会で審議されること、これは重要事項という表現になっておりますが、考えられるものとしては、例えば法人の基本的事項とも申すべき定款の変更でありますとか、役員の選任あるいは当該年度の活動の基本となる予算、事業計画、こういったものが想定できるわけでございます。この評議員は郵便貯金振興会自体が人選、選任するわけでございまして、いろいろな知恵を生かして活性化を期待したいわけでございます。
 ただ、郵便貯金振興会で最近においてどういうような重要事項が問題になったかというお尋ねでございます。これは、現在評議員会がございませんので、この辺の機能は全部理事会でやっているわけでございますが、恒常的に年間、通常行われる予算、事業計画、その他経営の基本に関する事項、これを理事会で審議し、決定しております。最近審議された重要事項としては、昭和六十年度の給与改定、昭和六十一年度の予算、事業計画等がございまして、おかげさまで振興会の運営が順調にいっておりますので、特段突発的な重要事項について審議したということは受けておりません。
#109
○中川(嘉)委員 予算認可の件について、今回の改正で資金計画を外すとしておりますけれども、これはどのような意味があるのかという点ですね。これまで資金計画と実際の資金繰りとは相当異なっておって、これまでも余り意味がないものじゃなかったかと思うわけですけれども、だからこそ予算の認可に当たってしっかりした、明確な資金計画というものを求めるべきであるはずが、それを外すということ、これは理解できないものがあるわけですけれども、この点について明確なところをひとつ御答弁をいただきたいと思います。
#110
○塩谷政府委員 郵便貯金振興会の資金計画に掲上されております項目は、これはすべて貸借対照表及び損益計算書に集約されております。予算が提出されるときに、その予算の中身として、その年間の予定貸借対照表あるいは予定損益計算書というものがつけ加えられるわけでございますが、これに盛られている項目はすべて資金計画に掲上されておるわけでございまして、認可の対象から排除しても特段の支障は生じない、予算の認可がきちんと行われておれば別段支障はないということでございます。
 それから、これは臨調最終答申の趣旨にのっとりまして、できるだけ事務の効率化を図るという見地からも、この資金計画の大臣認可の法定を削除した次第でございます。
#111
○中川(嘉)委員 今度は財務諸表になりますけれども、この財務諸表の提出、承認ですね。これを提出のみに改正するとしておりますけれども、実体上は何ら変わらないのではないか。変わるといえば、むしろ郵政省が法的責任を逃れるだけじゃないのかというふうに思うわけです。財務諸表は決算の重要書類であって、これを承認しないということは、国有財産の運営を委託しておるものとしては甚だ不自然である、こういうふうに言わざるを得ないわけですけれども、この財務諸表を外された理由を伺いたいのと、予算を認可してどうして決算だけ提出なのか、この点もあわせてお答えをいただきたいと思います。
#112
○塩谷政府委員 財務諸表でございますが、郵便貯金振興会は、御承知のとおり、国からの出資、補助金を受けておりませんで、独立採算、収支相償ということで、民間法人化に際しましてできるだけ国の規制緩和を図るという見地から改正する次第でございまして、財務諸表の承認につきましては、実体的にはこれまで事後の改善を図ることを主眼として対応してきたわけでございます。この点につきましては、「予算等の認可」でその予算に盛られていることを認可して、これがきちんと行われることを見定めればよろしいでしょうし、それから「監督命令」、これは貯金法九十四条に「郵政大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、振興会に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。」ということで、この「予算等の認可」あるいは「監督命令」の適切な運用によって、届け出のみでも特段の支障は生じないと考えております。
 それから、振興会におきましては監事がおりまして、監事が振興会の業務を監査して、具体的には、振興会がその設立目的に沿って業務を適切かつ能率的に運営しているか否か、及び会計経理に関する事務を適正に処理しているか否かを検査しているわけでございます。したがいまして、財務諸表について提出のみとしても、監査体制などについて特段支障はないものと考えております。
#113
○中川(嘉)委員 経営の自立というものを強調されるのであれば、細かい部分まで厳密に規制している省令を大幅に改めなければ意味がないわけですけれども、この点について今後どう改めるのか、明示していただきたいと思います。
#114
○塩谷政府委員 今回、郵便貯金振興会におきまして、評議員会の設置でありますとか役員の任命方法の変更など、民間法人化を図りまして画期的な改正を行ったところでありまして、これによって経営の自立が十分図られるものと期待しているわけでございます。こういった法律を改めて、その運営に新鮮な味を発揮してもらえるということが行政改革の趣旨にもかなうわけでございまして、私ども、今後とも郵便貯金振興会に課せられた周知宣伝、郵便貯金の普及、こういったことの使命を踏まえつつ、時代の変化に対応して経営の自立化が一層確保されるよう努力してまいりたいと考えております。
#115
○中川(嘉)委員 いろいろ御答弁をいただいてきたわけですが、私がこのように申し上げてきたのは、非常に重要なことは、郵便貯金会館自体、土地も含めて国有財産である。経営だけを独占的に行っている点に最大の要因があるのではないかと私はとったわけで、そこで抜本的な大改革を行う必要があるのではないかと考えますけれども、大臣、いかがですか、この点についてお答えをいただきたい。
#116
○佐藤国務大臣 郵便貯金会館、私も数カ月間の経験でございますけれども、時代の流れに沿ってどのような運営をしていくかということと、魅力のある会館づくりをしなくちゃならぬのじゃないかということを私なりに考えておるわけでございます。
 まだその意図がはっきりと伝わっていないし、また、私もまとまっていませんけれども、一つの例を申し上げますと、例えば貯金会館に大きなホールがあります。それもすばらしいホールである。そのホールの利用の仕方が非常に国際的になってきて、私のある友人が、中国からある劇団が日本にやってくるということで、郵便貯金会館ホールは内容も大変立派なのでぜひお使いくださいといって勧めました。ところが中国の劇団の方が、三等郵便局の裏小屋みたいなところで、我々をえらいランク下げするのはけしからぬということでトラブルが起こりまして、連れてきましたところが、こんなすばらしいホールであることを知らなかったということでやったというようなことも聞きました。
 郵便貯金会館ホールという名前も、それはいいんですけれども、前売り券を売る場合に、例えばローズシアターというような名前をつけて、そして何とか何とかの郵便貯金会館七階大ホール、こういうようなことで前売り券を売りますと、外国の人は帝劇と同じようなランクに見るそうです。したがって、アメリカのそういったような一流のいろいろなチームが来た場合にはある程度高く取って、一般大衆には安い使用料でその地域の方に使ってもらう、こういったようなことが柔軟に行われるべきではないか。短期間ですけれども、こういう意見も私の耳に入ってきました。
 一つの例でございますが、そういうことでいま少し運営の仕方について時代に合った仕方をやるべきではなかろうか、こういうぐあいに考えておる次第でございます。
#117
○中川(嘉)委員 外国の方々に限らず、確かに日本人の場合でも、郵便貯金会館というこの表現、いい悪いは別として、さまざまなイメージというものを持って、まだまだ理解がされてない面もあるじゃないかということ。今大臣の方から非常にユニークな、時代に合った運営の方法という意味のお話がありましたので、ひとつ新しい時代に対応できるような立場で物を考えて、そういった方向にこのことをますます推進していっていただきたいと思います。
 大臣が今せっかく御答弁いただいたので、あわせてここで、実は先ほど来も出ております経構研ですが、これは阿部委員とか田並委員からも御質問があったわけでありますが、非常に重要な問題なので、我が党としてもこの件に関する質問をカットするというわけにもいかない気がいたします。これを聞きおいていかなければならないなと私は思うのですが、税制改革の抜本的な方向を明確にしないで非課税貯蓄制の廃止のみをうたうのは、私どもとしても納得できるものではない。本年一月から、マル優枠を悪用しないために、本人確認の強化などの措置が実施されていることでもあって、非課税制度は個人貯蓄残高全体の六割にも及んでいる、国民の間にがっちりと根をおろした制度であることは間違いがないわけですけれども、深刻な高齢化社会を迎えて、非課税貯蓄制度の役割はますます重要なものとなりつつあることは言うまでもないわけです。
 こうしたことから、マル優預金や郵便貯金といった少額貯蓄非課税制度はぜひとも存続させなければならないと、先ほどもいろいろ御質問が展開されていたわけで、私ども全くそのとおりだと思いますが、大臣としては、本件について、今後具体的対応を講ずることによってこの非課税制度を存続させるんだということを、当委員会で果たして約束し得るものかどうか。くどいようでありますけれども、いま一度確認をさせていただきたいと思います。
#118
○佐藤国務大臣 先生には本当に大切なところを御質問していただきました。私自身も耳に入ってくるのに、少額貯蓄の非課税制度の堅持という声も入ってくるし、一方では、すぐ周辺の親しい友人からも、国がこういうような金融機関をやる時代はもう既に過ぎた、明治、大正の遺物を追っているんだ、だからこれはもう民間にやって分割すべきであるという、何か国鉄みたいなことを簡単に言う友人もいるわけでございます。
 そういった中で、経構研が廃止を含めて検討する。ところが経済界はこの三月に、存廃を含めて検討する、存廃と、こう言っておるわけです。市中金融機関をバックにした経済界の主張が、この三月にそういう考え方を発表している。そういうときに、廃止を含めてという廃止が先行してしまう。私はこの件についてこういう懸念もございましたので、私自身もいろいろ検討しました。
 実は私の頭の中に、それならば国際的に少額貯蓄を守っている国があるのだろうか。ある同僚に聞きましたら、もうない、日本だけだと言う。冗談じゃないということで、初めて、これは後刻先生方に、とりあえず逓信委員会の先生方に配ってほしいということで、したのですけれども、国際電話をかけまして、きょうの時点を調べました。フランスは日本と同じような利子非課税方式でもって少額貯蓄を守っておる、貯蓄の奨励をしている。
 それからイギリスは、やはり日本と大体同じような利子非課税方式でやっております。島国であるイギリスが七万四千三百ポンドですから、円に直して約二千万円でございます。二千万円の貯蓄元本の利子が非課税になっておるのでございます。同じ島国で貿易立国であるイギリスはそうやっている。日本は御承知のとおりに財形貯蓄、財形年金貯蓄、郵政省ではない分野も入れまして、勤労者に対して千四百五十万円までが非課税貯蓄になっている。イギリスは二千万まで非課税貯蓄をやっている。アメリカの方を調べてみますと、所得控除方式と今までやっている日本の利子非課税方式の両方を兼ね備えて、少額利子非課税制度を堅持しておる。西ドイツは所得控除方式でございます。
 こういうぐあいに先進国が全部やっているときに、なぜ貯蓄心を減殺するような考え方が安易に出てくるかということに、実は私は憤りを感じておる。先生と同じ気持ちでございます。したがって、比較金融理論といいますか、国際的な比較金融理論の上に立っても、また、国内の貯蓄心を大切にするという意味においても、消費を美徳だと考える理論と闘っていかなくちゃならぬ時代が来たな、こういうぐあいに考えているわけでございます。したがって、今から税制改正の中でいろいろな議論が――私の方の党も検討すると言っておるわけでございまして、廃止とは言ってないのです。検討をする時期が来た。それから、政府税調もそのように考えているというときに、経構研が廃止を含めて検討するという突出した考え方が出ましたので、これに対応する理論武装をひとつ我々も考え、先生方もどうぞお教えを願いたい、こういうぐあいに思っていることを率直に申し上げまして、私の考え方を申し上げる次第でございます。
#119
○中川(嘉)委員 先ほどからこの問題については、重ねて申し上げるようですけれども、社会党さんからも御質問があったことですし、それだけ非常に関心事であるということ、そしてまた先ほどの質問の中で申し上げたとおり、高齢化社会を迎えてこういった制度の役割は非常に大きく重要なものになってきているということとあわせまして、今大臣の御答弁にあった諸外国の例を十二分に踏まえ、国際的な視野に立って、今私はどちらかといえば前向きな答弁を引き出したいがために重ねて御質問したということですけれども、どうかひとつこの問題については積極的に取り組んでいっていただきたい、このように思うわけでございます。
 次に、郵便貯金の自動支払い機、いわゆるCDとかATMについてお尋ねをしたいと思います。
 CDについては五十四年から導入されておりまして、さらに五十八年からはCDの小型化したものが加わって、六十年度末には千五百八十一台設置されているように聞いております。ATMに至っては二千三百三十台というふうになっているようですけれども、設置基準とでもいいますか、使用件数のガイドラインというものが果たして設定されているものかどうか、この点をお聞きしたいと思います。
#120
○塩谷政府委員 CD、ATMの設置につきまして、これは利用が多く見込まれる郵便局から順次設置しております。中でも利用がなお多いところは優先的にATMを設置していくということでございます。それから、局舎狭隘のためATMを設置できない郵便局、あるいは利用度がATM設置局より少ない郵便局にはCDを設置して、先ほど先生がおっしゃったような数字の配置状況になっておるところでございます。
#121
○中川(嘉)委員 郵便局の場合、民間金融機関、特に都市銀行といったように、人が集まりやすい、また交通量の多い一等地であるとかあるいは繁華街にあるとは限ってないわけです。ましてや全国に普通局が一千局、また特定郵便局が一万八千局あるわけですけれども、もっと効果的に使用されるように、地域住民を初め貯金者に対してPRをしっかりと行うべきだ、このように私は思うわけです。また局外設置についても当然同じでありまして、例えば東京郵便貯金会館には五十九年度から設置されているようですが、少し調べてみたところ、さほど利用されているようには見受けられないわけですけれども、これらの点について今後どのように対応していこうとされるか、伺っておきたいと思います。
#122
○塩谷政府委員 郵便貯金会館などにCDも設置したわけでございます。これは最近のことでございまして、郵便貯金会館に設置されていることは余り知られていないこともありまして、中川先生おっしゃるとおり、郵便局に置いたものよりも残念ながら利用が少ない現状であります。私ども、せっかくの便利なものでございますので、今後多くの人に利用していただくために、PRに工夫していきたいと思っております。
 それから、確かにこれは一種の窓口が郵便局舎を離れて自動的に機能する役割を持った機械でございますので、郵便局以外の場所へ設置すること、いわゆる局外設置も結構なことではないかと思うわけでございます。これにつきまして、郵便局につけることはもとより、郵便局のない大学、デパートなど人の出盛るところに設置の要望が強いわけでございまして、私どもこの局外設置につきましても、事情の許す限り手がけてまいりたいというふうに考えております。
#123
○中川(嘉)委員 時間も来たようなので、最後に一点伺っておきたいと思います。
 こういうことに関連して東北郵政研修所というのがありますが、これは非常に閑静な住宅地の中に置かれているわけですけれども、この研修所は郵政の職員のみが利用する研修所である。その門のところに、地域住民も利用できるというようになっているわけですけれども、三月に新しく設置されたことで正確なデータとはならないと思いますけれども、最高利用件数が一日三十六件ということだったそうであります。CDとかATMというのは決して安いものではないわけなんで、ATMは一台一千万円もする機械であります。利用者サービスを図るために、利用が多く見込まれる郵便局に設置することになっているわけですから、もっと市場調査といったことを事前にしっかり行って進めていくべきではないか、このように指摘しておきたいと思いますが、最後にこの点についてお答えをいただきたいと思います。
#124
○塩谷政府委員 このATMの利用状況、これは私どものデータでは全国一日平均七十件でございまして、御指摘のところは半分ぐらいしかないということでもったいない話でございますので、その辺の効率的な利用の増加といったことをよく検討し、また指導してまいりたいと思っております。
#125
○中川(嘉)委員 以上で終わります。
#126
○畑委員長代理 永江一仁君。
#127
○永江委員 郵便貯金法の改正につきまして、午前中ずっと審議が続いておるわけでございますが、若干重複するところがありますけれども、党という立場もございますので、質問させていただきたいと思います。
 今回の郵便貯金法改正は、いわゆる郵便貯金振興会の自主性をできるだけ強化していくという方向での改正でありますから、私たちは基本的には賛成でございます。しかしながら、この郵便貯金振興会のパンフレットもいただいておるのでございますが、「調査研究」あるいは「出版物の刊行」というようなことも書かれておるのでございます。我々今までも余り目にしたことはないわけでございますが、もう少し具体的にそういった「調査研究」あるいは「出版物の刊行」の現状について御説明いただきたいと思います。
#128
○塩谷政府委員 会館の運営と並んで、郵便貯金振興会の仕事の大きな一つといたしまして調査研究、出版があるわけでございます。
 この調査研究の現状でございますが、目下郵便貯金を含めて金融全体が当面しております経済状況あるいは問題意識、これは金融の自由化ということでございまして、金融の自由化というのは業界の自由――金融全体をやる証券業でありますとかあるいは銀行業務、そういった業種間の垣根を越えて、いろいろな業務を多角的に銀行業界、証券業界を問わずやれるようにするというようなこともあります。
 また、もう一つ大きな問題点といたしまして、金利の自由化ということがあります。現在まで預貯金金利は、法律で規制されております規制金利のもとにあるわけでございますが、現実の市場の金利の動きは、こういった規制金利で預貯金が動くこととは別に、大量に国債が発行されておりまして、この国債が市場の値段で売買される、そこで長期の金利が決まってくる、それに関連して短期の金利も決まるということで、自由市場での市場メカニズムによる金利の決定というのが、現実に日増しに力を増してきているわけでございます。こういった自由化に相応して、ではどういうことを考えたらいいか、どういう対応をしたらいいかということが、これからの調査研究の大きな問題でございまして、特に郵便貯金の場合は、これは資金の運用が全部資金運用部に預託されて、財政投融資の一環として運用されている。そして片や預貯金、これについては民間の臨時金利調整法あるいは郵便貯金法などで、法律、政令に基づいて金利が決まっているという仕組みにある。この辺は、これからの金利自由化の状況にどう対応していったらいいか、こういうことが研究の主な対象、テーマでございまして、これに関連して幾つかの研究成果をいただいており、私どももそれを参考にしてこれからの政策決定を心がけていきたいというふうに考えておるところでございます。
#129
○永江委員 今御答弁ありましたように、これから金利の自由化も含めてこういった郵貯の問題、金利の問題、国民に理解を深めていただく、そのために調査研究ということがますます重要になってくると思うわけでございます。
 これは予算の関係もあると思いますが、第一線で郵便貯金に走り回っておる職員からいたしますと、本当にこのいわゆる郵便貯金振興会が役立っておるのかどうか、もう一つ実感を感じないという声をよく聞くわけでございます。もう少し目に映るというか、調査研究、出版もいいけれども、テレビ等も使って、本当にわかりやすく国民にアピールしていくというような方向も大いに研究すべきでないかという、本当に第一線の職員からの声を聞くわけなんですけれども、こういう点についてはいかがでございましょうか。
#130
○塩谷政府委員 調査研究と並びまして、この郵便貯金会館におきまして、これは会館の運営を振興会に委託しているわけでございますが、この郵便貯金会館というのは郵貯の普及を目的とした施設ということで、周知宣伝のため広く一般国民の利用に供する、それによって郵便貯金の制度内容や郵便貯金の果たす役割などについて国民の理解と認識を深めることになる、あわせて地域社会の文化に貢献するということになるわけでございます。
 現場の要望ということで、いろいろその辺、もっとイメージが強烈に結びつくようにというようなこと、そのためにテレビ等を活用して宣伝をしたらどうかということも聞くわけでございます。私ども、テレビ等を活用した郵便貯金会館あるいは郵便貯金の周知宣伝について、節度を持って配慮したいと思いますし、また、あるいは永江先生も御存じのケースだと思いますけれども、郵便局によっては現場の諸君が郵便貯金の利用者に、郵便貯金会館と具体的にイメージが結びつくように、例えばその郵便局の利用者団体、預金者の会の皆様方をいろいろ、例えば料理講習会でありますとか、あるいはいろいろな財テク的な相談の講習会、そういった会合を郵便貯金会館を使って行うことによりまして、郵便貯金をすることがこういった会館の設置、運営に結びついている、それがまたそういった会合でいろいろな知識なり利便を受けることによって郵便貯金のもう一つの利益を受けるというようなことで、そういう結びつきに成功している例も聞いているわけでございます。
 なおまた永江先生の御意見も私ども参考にいたしまして、現場の皆さん方がもっとそういった点について熱意が持てるような積極的施策を考えてまいりたいと思っております。
#131
○永江委員 と申しますのは、この郵便貯金振興会は、もちろん会館の運営も大事なことでございますけれども、ただ、会館の運営だけがすべてということであるならば、果たしてこういった振興会が必要なのかどうかという基本問題まで若干考えざるを得ない気もするわけでございます。
 もちろん私は、こういった会館がさらに充実していくことを決して否定するものじゃございませんけれども、この振興会がやはりそういった調査研究と同時に、当初局長言われたように、これからの金利自由化の中でさらに国民に、先ほど郵政大臣がここで力強く言われたそういった郵便貯金あるいは金利の問題も含めて、消費が美徳だけでなくて、そういう貯蓄が必要だ、こういうことも含めて宣伝といいますか、国民に対する教育というか、そういった周知徹底に力を入れるというところにやはりこの振興会という、文字どおり振興会ですね、郵便貯金を振興するというこの会の意義があるのであって、会館の管理運営であれば、ホテル業者に任じておる方がもっと上手にやるかもわからぬわけでありますから、そういう点で私は、この郵便貯金振興会のあり方として、そういった方向により力を入れるべきでないかと思うわけでございますが、局長なり大臣のお考えを聞いておきたいと思います。
#132
○塩谷政府委員 今まで私ども調査研究でいろいろこの振興会にやってもらっていることがございまして、先ほど自由化との関連でいろいろ、例えば金利自由化と郵便貯金資金の運用でございますとか、金利自由化と個人金融サービスのあり方でございますとか、エレクトロニクス化の進展と国民生活、こういったようなこと、はたまた貯蓄経済モデルに関する理論的研究、こういうようなことでいろいろ調査研究も充実してもらっているわけでございます。
 もう一度それとは別に私ども、郵便貯金振興会、会館の運営、調査研究以外に、その他郵便貯金の普及に役立つといいますか、普及に資するような業務、これを大臣の認可によって振興会ができるように法律で規定しておりますので、この項目に盛られる振興会の新たな業務といいますか、時代のニーズに即応した新たな業務ができるように、鋭意研究して指導してまいりたいと思っております。
#133
○永江委員 大臣、いかがでしょう。
#134
○佐藤国務大臣 振興会の仕事の中に、郵便貯金の調査研究、刊行物を発行する。実は私はまだその刊行物を見たことがないのでございまして、非常に恥ずかしい次第でございますが、そういうところで、郵便貯金がどのように使われているかということをいま少し国民にわかりやすく説明する刊行物が出ているのかどうか、私はわかりません。けれども、預かった郵便貯金を大蔵大臣にお預けして、そのお金の百兆円の中から十二兆円を全国の都道府県に財投という名前のもとに使っていただいておるとか、それから住宅政策は大切であるからといって住宅金融公庫あたりに二十兆円もお金を貸して、それが皆さん方の住宅を建てる資金に使われているのだとか、そういうことをわかりやすく話すようなパンフレット、刊行物を発行する振興会になれば、私は非常にまたいい結果が出るのじゃなかろうかと思っておりますので、ちょっと目を配らせまして、そういうぐあいに指導していきたい、こう思っております。
#135
○永江委員 もう一点のこの振興会の仕事といいますか、この会館運営でございますが、午前中にもいろいろ御議論がございましたけれども、いろいろ見ますと、かなり場所によって差があるそうですが、利用が多い。これはこれで結構なんでございますが、こういった例えばこの会館の宿泊の場合は、何か制約はあるのですか。申し込みがあれば宿泊者は、あいておればだれでも入れるわけですか。
#136
○塩谷政府委員 別段、御利用の向きに特段の制約はございません。先生おっしゃいますとおり、申し込みをいただいて、こちらに余裕があればお受けする、こういうことになっております。
#137
○永江委員 これも個人的な意見のような面もありますが、郵便貯金会館に入学シーズンなどに申し込んでも、ほとんど入れないという声も実際に聞いておるわけでございます。その理由をいろいろ聞いてみますと、一つの企業がかなりの長期間借りておる、そしてこれを利用して出張に使っておる。そういうことで非常にローテーションが悪いというか、会館から見ればだれでもお客さんはお客さんだからいいわけですけれども、単発的にこういった入学シーズンに入りたいと、郵政省の職員あたりが子供さんの宿泊で申し込んでも、なかなか泊まれない、こういう苦情を二、三聞いたものですからこういうお尋ねをしておるわけでございますが、実態はどのようでございましょうか。
#138
○塩谷政府委員 会館の利用についてでございますが、これは広く国民の皆様各層に公平に開放されておりまして、この予約の申し込みは、六カ月前から先着順という仕組みで受け付けをしているところでございます。先生御指摘の会社の通年貸し切りなど、これは全会館ともそのような事実はございません。また、郵政省が優先利用するというようなこともございません。これはあくまで広く一般の皆様に公平に御利用いただくというのが趣旨になっているわけでございます。
 ただ、郵便貯金の宿泊部門は、十五館平均で一館当たり約四十室でございます。絶対的な部屋数が少ないために、お客様の御要望に十分こたえられない状況にございます。ある意味では、それだけ人気沸騰で多数御利用いただくのはありがたいことでございますけれども、絶対数が不足するということでございまして、今後の施設改修計画などにおいては、御指摘の点も踏まえまして十分検討してまいりたいと考えております。
#139
○永江委員 次に、少し質問の観点を変えまして、いわゆる郵便貯金の給与預入というのですか預け入れの件ですが、最近は普通のサラリーマン、我々も含めて銀行等に給料の振り込みというのがほとんど定着しておるわけでございますけれども、郵便貯金のそういった給与預入の中で、国家公務員はできないということを現場の諸君から聞いておるのでございますが、この事実関係について御説明いただきたいと思います。
#140
○塩谷政府委員 郵便貯金の給与預入の取り扱いでございますが、これは受け入れ側の郵便貯金として、一般の人々が通常郵便貯金に口座をつくりまして、そこに給与支払い者が給与金を預入する、こういう取り扱いになるわけでございます。これが民間の場合でございます。
 国家公務員の給与振り込みは、現在日本銀行を通じて、日本銀行が指定した金融機関の職員の預金口座への振り込みの方法によって実施されているという状況でございます。その結果、現在郵便貯金を利用した国家公務員の給与預入は取り扱っていない状況にありますので、これから公務員の方々の利便の向上を図るために、関係の向きと十分協議して、改善に向けて努力したいと思っております。
#141
○永江委員 そこがちょっと、今まで銀行には振り込みができたけれども、郵便局の方へはなぜ給与振り込みができなかったのかという理由がなかなか納得できないのです。実は私も、この話を聞くまでは、まさかと思っておったのでございます。郵便局の貯金を集めることを一生懸命やっておる者がいろいろ努力をして、私の聞いておりますところによると、八千四百事業所から約五十五万人が郵便局に給与振り込みをもう既にやっておるそうでございます。これには現場で皆かなり努力をしておるわけですけれども、肝心の国家公務員にそういうことをしてもらおうと思うと、いや何か法律でできない、こういう答弁が出てくるのでございますが、今の日本銀行を通じてというところに何かネックがあるわけですか。
#142
○塩谷政府委員 これは、日本銀行が指定した金融機関云々という点についての会計法規の解釈などについて、まだまだ関係の向きとの協議が十分でなかった、その結果そうなっておると思います。この辺、要望が強いという先生の御指摘のとおりでございますので、その方々の利便の向上を図るために努力したいというふうに考えております。
#143
○永江委員 これは何か会計法の関係ということでございますが、きょうは大蔵省の方にも来ていただいておるのでございますけれども、大蔵省と郵政省との話し合いが依然としてついてないために、郵便局に国家公務員の給与振り込みができない、こういうことですけれども、大蔵省の見解はいかがでございますか。
#144
○兵藤説明員 お答え申し上げます。
 ただいま郵政省からお答えがございましたとおり、郵便貯金の給与の預入の取り扱いにつきましては、受給者の通常郵便貯金のところに、給与の支払い者が給与相当額の現金なり証券を提出いたしまして、郵便局の窓口から預入するという形で行われておりますが、公務員の給与振り込みの場合は、御指摘のとおり、会計法第二十一条の規定に基づきまして、国庫金の取扱機関である日銀を通じて、日銀と取引関係のある指定金融機関との間の資金決済でやっておる、そして職員の給与の預金口座への振り込みが実施されているものでございます。実はこれは、物品の購入代金や請負工事の代金等、一般の歳出金の支払いについて、かねてから預金口座振り込みによる支払いが実施されておりまして、給与もそれに乗ったというような経験を踏まえて移行になったものでございます。
 給与の振り込みは、給与の支払いを、職員への現金払いにかえて直接預金口座へ振り込む形で支給しますので、所定の給与日に確実に短期間振り込みで実施されませんといかぬという担保が必要であると考えておりまして、この点は、取り扱い方法なり事務手続なり、十分検討いたしまして対応しなければならぬのかなと考えておる次第でございます。
#145
○永江委員 ちょっとわかりにくいのですね。きのうも郵政省の方に聞くと、郵政省の方は現業であるからできる、しかし、例えば国立大学の先生とかいった人の給料は振り込めない、こういう違いも聞いたわけなんですけれども、我々の常識では、銀行あるいは郵便局に給料が振り込まれるのはもう当然だと思っておったのですが、国家公務員の、しかも一部の人々については、郵政省の場合は特別会計だから、ここから払える給料はできる、しかし一般の職員はちょっと難しいということで、同じ国家公務員でも差があるそうなんですけれども、その点の詳細はいかがでございますか。
#146
○兵藤説明員 郵政特別会計の職員の方の給与の取り扱い方法は、実は事前に十分取り扱い方法、手続を御協議を受けて実施されたということではございませんでしたので、その点お答えが難しいのですが、郵政省の御説明によりますと、郵政官署は元来、歳入金と歳出金とそれから郵便貯金の歳入歳出外現金、一団として繰りかえ払いで支払いができる。いわば手元に日銭がありまして、それで支払いがどんどんできていくという繰りかえ払い出納官吏の制度があるわけでございます。
 先生御指摘の会計法二十一条の規定は、一般の歳出の場合は、現在の国庫預金制度のもとでは、国庫預金、つまり国庫金の出納機関である日銀を通じて支出がなされるという関係になりまして、一般の支出はすべて日銀を通じて支出がされるわけでございます。日銀が各省の支出官から小切手を受け取りますと、国庫預金から現金を営業勘定に引き落としまして、それでその銀行間決済で振り込みを実施している。これは銀行取引を通じてコルレス先とやっておる。それは、一般の歳出についてもそういうやり方をやっているところへ給与が乗っかったということでございます。
 お話のように、郵政職員だけの場合は、手元の現金で同じ出納官吏が、先ほど言いましたような払いと預金の受け入れと一体でいわば預入という形ができるのですが、いわゆる預金決済を銀行と郵貯が直接できないというところが一つの壁ではないかなと思っておるのです。なかなかその御理解があるいは難しいのかもしれませんが、そこのところの点がありまして、十分検討させていただきたいなと思っております。
#147
○永江委員 大臣、おわかりになりましたか。我々も実際は、肝心というか、国家公務員の中に、我々が銀行に振り込まれておるような形で給料を郵便貯金のところへ振り込みができないという一部の人があるということだけはわかるわけなんですね。その理由はなかなか我々もわからない。ちょっと今の話では、郵政省の職員は、現業というか、特別会計の中で日銭があるから、現金があるからこれはできる、普通のやつは、日銀を通してそこから行くから銀行にしか行かない、こういうことのように聞こえるわけでございます。しかしながら、先端で郵便貯金を一生懸命集めておる者からすれば、少なくとも民間企業からは郵便局への振り込みによって給料を振り込ましておる、ところが、肝心の国家公務員のところへそれを頼みに行くと、法の壁によってできない、こういうことになっておる。まことに不可思議というか、納得できないということなんでございます。
 このことについて、郵政省としてはどうお考えになっておるのか、今後、大蔵省あるいは日銀との間の交渉の中でどういうふうになさろうとしておるのか、これは放置しておくのかどうか、お答えいただきたいと思います。
#148
○塩谷政府委員 私ども、国家公務員の給与預入に当たりまして公務員の皆さんから、郵便貯金を利用して給与預入をしたいという希望者が多くなっている、ニーズが高まっておるということは十分承知しておりまして、現在これを取り扱っておりませんけれども、いろいろ法令面の解釈などを鋭意詰めまして、日銀あるいは大蔵当局とも協議いたしまして、何とかこの実現に向けて努力したい、できるだけ早期に実現したいと考えております。
#149
○永江委員 時間も来ましたので、最後に大臣から今の点につきましても、これは国家公務員の中にも郵便局を利用したいという希望もあれば、あるいは郵政省の本当の先端で貯金集めに苦労しておる職員からも非常に切実な声として、一番身近な国家公務員がそれができないというのは納得いかないという、まことに素朴であり、また当然な疑問が出ておるわけでございまして、この点御指摘申し上げましたので、大臣としてもひとつ取り組んでいただきたいと思いますが、お答えをいただきたいと思います。
#150
○佐藤国務大臣 問題点がわかりましたので努力していきたい、こう思います。
#151
○永江委員 終わります。
#152
○畑委員長代理 佐藤祐弘君。
#153
○佐藤(祐)委員 最初に、郵便貯金振興会についてお聞きします。
 いろいろやりとりがありました。最初に確認しておきたいのですが、今回の改正は、民間法人化せよという臨調の最終答申、これの具体化である、今度の改正によって臨調答申の趣旨は充足された、そういうことでしょうか。
#154
○塩谷政府委員 臨調答申の趣旨が充足されたというふうに考えております。
#155
○佐藤(祐)委員 この問題ではいろいろ経過のやりとりがありました。当初財団法人だったのが、問題があるという議論がありまして、昭和五十二年から認可法人になった。そのときに我が党は、もともと郵便貯金会館などは郵便貯金の剰余金で建てられておりますし、国民にとって福祉施設になっている、そして国の責任が一層明確になるという点で賛成をしたわけです。ところが、今回の臨調答申が出されまして、認可法人の形式は残しながら民間法人化するということでありまして、どうも逆行しているというふうに私は思うのですね。
 問題は、今回の改正によって、国民、利用者の立場から見て、具体的に何がどう変わるのかという点が大事だと思うのです。そういう点はどういうふうに考えておられますか。
#156
○塩谷政府委員 佐藤先生、言葉を返すようでございますけれども、認可法人という形式を維持したままで民間法人化するということでございまして、これは、認可法人という形態を維持したままという意味では、昔の財団法人をもっと根拠をはっきりさせて認可法人にした、法律上根拠を持つ法人にしたということは変わっていないわけでございます。その点では、その当時御賛成いただいたことと変わってはいない。
 民間法人化ということの意味、これがちょっと誤解を招くのでありますが、これは民営化、民間資本の所有になったわけではない、財団法人あるいは民法上、商法上の法人になったわけではないわけでございまして、運営といいますか、その活動を期待する基盤に、民間的な手法といいますか民間的な考え方を導入すべく、例えば評議員制度をつくったということでございますので、何とぞその辺の趣旨を御理解いただきたいと思うわけでございます。
 それから、ではこれで一体国民、利用者にどういうはね返りがあるのかということでございますが、やはりこういった民間法人化、民間活力を生かす、その経営、運営について非常にサービスというものも心がけていくということで、会館の運営などについて活性化して、利用者のニーズにより一層こたえられるように会館サービスなどが向上する、私は、こういったことも一つはね返りとして大いに期待しているところでございます。
#157
○佐藤(祐)委員 運営の活性化ということですが、問題はやはりその中身だろうと思うのですね。臨調の最終答申では、その中身についても言及があるわけです。原則として会館の新設を行わないこととするとともに、会館運営については利用料金の見直しなどを進めるんだということが言われております。先ほども議論がありましたけれども、会館は国民にとって非常に便利な施設なわけです。ですから、これはもっとふやしていいのだと私は思うのですね。そういう点からいいますと、原則として新設を行わないというような臨調答申は、国民の要望に反しておると思うわけです。
 この点に関連して大臣は、先ほどの答弁で、地域の状況によってアンバランスもある、地域の状況によっては建てることを考えていいんじゃないか、そういう状況の変化もあるんだというふうにおっしゃいました。しかし、ちょっとそこで疑問を感じるわけです。今回の改正で評議員会というのを新しく設けるわけですね。そこで重要事項を決定していく。この評議員会には民間の知恵を集めていくんだということですね。そうしますと、この評議員会というのは臨調答申の方向で活動する、そういうことになりますよね、当然。とすれば、答申で言っております、新設をしてはいけないんだとか料金を見直せとか、そういうことが縛りになっていくというように私にはどうしても思えるわけですね。いや、そうじゃないんだということであれば改正する必要はないと思うのですが、いかがでしょう。
#158
○塩谷政府委員 会館でございますが、これは国有財産、行政財産ということで、国が国の経費で建てるわけでございます。それで、できた会館の運営を振興会に委託する。振興会の評議員会がその会館運営に当たって、役員の選任も含めましてそういった基本的な問題を審議するということでございます。ですから、臨調答申をどう受けとめて、この会館設置にどう取り組んでいくかというのは、あくまでこういった行政財産といいますか、周知宣伝施設を行政の一環として計画し実施する私ども郵政省にあるわけでございまして、郵政省の考えとしては、臨調答申に盛られている趣旨が、当時の時代環境の背景のもとに、いたずらに同種の民業を圧迫してはいかぬという趣旨でそういう歯どめが設けられたんだと思いますけれども、もう一つの視点として、先ほど大臣から申し上げましたように、地域の活性化あるいは最近の貿易摩擦問題などからくる内需拡大ということで、地域経済の振興にも役立つという観点から、この辺の見直しを私ども関係の方面に働きかけていく必要もあろうかと思うわけでございまして、そういったことからいけば、別段、振興会の中の評議員会がその線で縛られて身動きならぬということにはならないのではないかと考えております。
    〔畑委員長代理退席、委員長着席〕
#159
○佐藤(祐)委員 その辺がどうも考えが違いますね、認識が違うというのか。今答弁にありましたように、臨調の動機は民業を圧迫してはならぬ、つまり国民の側から見て会館のいい点は、比較的いい場所に建っておりますし、それから利用料金も比較的安いということですね。そのことが結局、民業との関係でいいますと一つの大きな点になるわけですよ。結局、そういう便利なものがどんどん建っていくと民間のものが利用されにくくなる。料金の点でも、近くにそういう安い施設があると、民間の方も料金が縛られることがあるということだと思うのですね。そういう点からいっても、そういう施設を敵視するといいますか、臨調答申は、私ははっきり言ってこれを敵視していると思うのですよ。もう新設はするなと封じ込める。しかも、料金についても見直せというのは、これは値上げを検討せいということでしょう、具体的には。値下げをやれということは言いませんからね。そういう点でいうと、やはり今の説明のようにはなかなかいかぬだううと思うのですね、実際問題。
 評議委員会の議論も結局、仮にさっき大臣おっしゃっていたように、この地域では共存共栄が可能だというような判断で新しく建設するという提起をするとしましょう。そうしても、その場合にじゃ料金はどうかという、やはり国民にとって一番大きい関心のある問題点ですね、そのあたりがかかわってくると思うのです。従来の会館のような安くて便利ということでは認めない。臨調答申の趣旨からいって、それを認めたんじゃ趣旨に反するわけですから、認めないということになっていくんじゃないかと思うのですが、その点、どう考えますか。
#160
○塩谷政府委員 私ども、郵便貯金会館の趣旨といいますか存在理由というのは、今先生おっしゃいますように、一般の同種の民間施設の料金よりは安い、それで比較的いいサービスが提供できるということと並んで、それだけに営利企業では提供できないような、多少公共的な役務も提供している。例えば横浜の貯金会館にはギャラリー、これは横浜市の熱望にこたえてつくっております。それから会館の、大きな演奏会のできるホール、あるいはプール、そういった運動施設、こういうのは採算上必ずしも営利ベースになじまない、多少足を引っ張る施設なんですけれども、それを提供することが、単なる営利企業の施設とは違って、郵便貯金の周知宣伝として国が設置する施設たるゆえんであると考えて設置しているわけでございます。
 そういったところからすれば、臨調答申にある民業圧迫論自体も、私はもう少し掘り下げて議論する必要もあろうかと思うわけでございますので、そういった点から臨調答申ももう一度考える必要もあろうかと思いますし、それともう一つ、臨調答申が考えておりました時代の背景、事情の移り変わりという要素、内需拡大、その周辺の民間活力の活用、こういったこともあわせ考えれば、やはり見直すことも可能なんではないかと考えるわけでございます。
#161
○佐藤(祐)委員 最後の民間活力との関係はどうも論旨が不明確ですけれども、会館をふやすというのとはやはり衝突する概念だろうと思います。
 後の問題もありますので進めたいと思いますが、私は結論的に、現在全国に十五カ所ある施設は大変いいわけですし、資料などでも非常に利用も多いということですね。むしろこれはもっとふやしていくという方向で考えられるべきだと思っております。ですから、今回の改正はどうもそれに逆行している。料金も値上げの方向が出てくるのではないかという心配が強いわけです。そういうことでは、国民のためのせっかくの施設が、利便性が損なわれる方向に進んでいくのではないかと思わざるを得ないわけです。国民にとっては民間法人化しなければならぬ、してもらいたいという要望はまずないわけでありますから、そういうことで今回の貯金法改正、この点では我が党は反対であるということを申し上げたい。
 次に、貯金事業についてお聞きをしていきたいと思います。
 改正案にあります、郵便貯金の取り扱いに関して、「貯金業務の総合機械化の進展等に伴い関係規定の整備を図る」、こういうことは必要であろうと思います。貯金業務の進め方について、幾つかただしておきたい問題があるわけです。
 実は昨日も参議院の逓信委員会で我が党の山中郁子議員が、勤務時間の見直しの問題等でお尋ねをいたしました。それを踏まえまして、なお疑問がありますので、お聞きをしたいと思います。
 郵政省は、事業改善計画の一環として、勤務時間の弾力的運用による貯金、保険の営業活動の推進のためにということで、始終業時間、始業時間と終業時間の繰り上げ、繰り下げ、そういったものを実施しようとしておられるわけですが、どういう業務について、どういう勤務時間の見直しを考えておられるのか、それを最初に説明していただきたい。
#162
○塩谷政府委員 私ども考えております勤務時間の弾力化の内容でございますが、これはまず勤務時間の始まる時間、終わる時間、始終業時刻を二時間を限度として繰り上げ、繰り下げすることによりまして、お客様の在宅時に訪問できるようにするということが一点。
 それから第二点は、昼の休憩時間をずらすことによりまして、事業所の昼の休憩時に訪問できるようにすること、これが第二点でございます。
 それから第三点でございますが、土曜日に一日勤務をしまして、そのかわりにウイークデーの一日を半日勤務にするということでございます。
 理由でございますけれども、これがどういう業務ということのお尋ねの答えになろうかと思いますが、貯金、保険事業、これは窓口、外務両方営業活動をやっておるわけで、とりわけ外務職員につきまして、訪問先においてお客様と面会できて初めて契約を取り交わすことができる、それが期待できるわけでございます。
 それから、これはお客さんのニーズによるものでございますけれども、家庭婦人の余暇活動などによって、日中不在家庭が増加している、こういったことからお客様が帰宅後に訪問を希望するケースが多い。こういうことで、日々お客様と接触している外務職員から勤務時間の弾力的運用の意見がある、そういうようなこともありましてこれを実施したいというふうに考えておるわけでございます。
#163
○佐藤(祐)委員 関連して。大蔵省来ていただいていますね。お聞きをしたいのですが、大蔵省は一昨年十一月三十日付で「金融機関の資金獲得行為のあり方について」という事務連絡文書を出されました。これは各金融機関あてに出したわけですが、その内容、それと、なぜそういう文書を出したのか、経過、背景、そういうものをあわせてお答えいただきたい。
#164
○藤原説明員 お答えを申し上げます。
 私どもは金融機関の経営のあり方につきまして、実は昭和四十年に「金融機関経営の刷新について」という通達を発出したわけでございます。そこで行き過ぎた資金獲得行為の自粛等を求めているわけでございますが、昭和五十九年、御指摘のございましたときに、金融機関の資金獲得行為について、なお適切を欠く取り扱いの事例があるのではないかということがございまして、ただいま申し上げました四十年通達の趣旨を十分踏まえて、いやしくも他から非難を受けることがないよう厳に注意されたき旨、金融機関に対して要請をしたというのが経緯でございます。
#165
○佐藤(祐)委員 そういうものが出されておることは、郵政省は御存じでしょうか。
#166
○塩谷政府委員 存じております。
#167
○佐藤(祐)委員 大蔵省にちょっと重ねてお聞きしたいのですが、そういう通達を受けて、全銀協とか相銀協が行き過ぎ自粛の通達を出しておりますね。その中で勤務時間の関係はどういうような内容になっておりましょうか。それと、大蔵省としてどういう指導をしてきておられますか。
#168
○藤原説明員 二点お尋ねがございましたが、初め、民間金融機関がどういう対応をしているかということでございます。全国銀行協会連合会におきましては、昭和四十五年に「業務管理等の改善について」という申し合わせを行っているわけでございますが、その中で、行き過ぎた預金獲得行為の自粛ということで、「外訪活動等の正常化」ということで、具体的には「行き過ぎた外訪活動の自粛」という表題がございまして、「休日出勤による外訪活動や勤務時間外における店内事務要員を含めた外訪活動等の行き過ぎた業務活動についてはこれを行なわないこととする。」という申し合わせをしておるというふうに承知をいたしております。
#169
○佐藤(祐)委員 土曜日もありましたね。
#170
○藤原説明員 土曜日につきましてはちょっと今持っておりませんので、後で……。
 それから次に、その後大蔵省がどういう指導をしておるかというお話でございますが、私どもといたしましては、金融機関に対し四十年に出しました通達及び五十九年に出した事務連絡等に基づきまして、行き過ぎた預金獲得行為の自粛を求めてきているわけでございます。最近におきましても、金融機関の預金獲得行為につきまして情報等がございますと、適宜事情聴取をいたしましたり、必要な場合にはしかるべき指導をしておるという状況でございます。
#171
○佐藤(祐)委員 今度は郵政省にお聞きしますが、さっきの答弁では、土曜日も一日勤務にする、それから振りかえて平日の半日勤務をやるというような答弁があったですね。特にそのあたり、いろいろひっかかりが出てくるのですが、民間の金融機関の方はいろいろな経過がありまして、勤務時間外活動はできるだけしない方向をとっているわけですね。特に集金については、時間外集金は全廃を目指すということをやっております。また土曜日については、先ほど答弁ありませんでしたので言いますと、「「勤務時間」とは、各行所定の勤務時間を指すので、銀行間では若干の格差はありうる。ただし、時差出勤やシフト制の導入により、本申合せの趣旨に反する活動は行なわないこととする。」つまり勤務時間をずらして一日勤務にするとか、そういうことはしないというようなことになっておるわけですね。これは議論の経過というのは社会的な公器としてのあり方ということがありますし、もう一つ大事な問題としては労働者の労働条件を過大にしていかない、時間短縮が世界の大勢ですけれども、そういうことの要求の反映もあってこういうものが出されておるということなわけです。
 その点で、今回の郵政省の出されておる方向は、こういう現在の民間金融機関のやっていることと衝突をするのではないかという感じを持つわけです。もちろん共働きの家庭がふえておるとかという状況があることは私も承知をしております。これについても、共働き家庭の増加というのは今に始まったことではないわけですね。これまでもそういうケースについては、特にそういう要望のあるものについては郵政省としても超勤などで対応するということをやってきておられるわけです。それをあえて今回一挙に勤務時間全体をずらすとか、あるいは九時まで時間外をやる。それも募集活動を午後九時までやろうということが出されておるわけですが、結局そういう時間をフルに貯金や保険の勧誘、募集、こういうものに使っていこうということではないかというふうに思われるのですが、その点どうなんでしょうか。
#172
○塩谷政府委員 私は銀行の方とそう変わってはいないのではないかと思うわけでございます。
 今、佐藤先生がおっしゃいました、全銀協が昭和五十二年八月、所属する金融機関に対しまして、土曜日の勤務時間外における外訪活動について、外訪というのは外務のことでございますが、外訪担当者であると否とを問わず行わないという指導をしておるわけでございますけれども、これも私ども承知しておる限りでは、土曜日の勤務時間外の外訪浜動についてすべて禁止しているものではない。必要やむを得ない場合は除外している。お客様から訪問要請があった場合はこれに当たることはもちろんでありまして、あるいはまたボーナス、退職金等の支給期など貯蓄増強が期待できる時期における勤務時間外の外訪活動も認められているというふうに聞いております。現にそのような外訪活動が行われているようでありまして、私ども土曜日の日勤につきましてこれを実施しようとしておりますけれども、これも常時実施するのではなくて、その実施事由については限定的に決めております。そういうわけですから、おおむね全銀協の方針と一致しているのではないかということでございます。
 それからもう一つ、勤務時間外の外訪活動を行わないということで、郵政省の勤務時間の弾力化は逸脱した行為ではないかということでございますけれども、今申し上げましたように、全銀協が事務連絡で言っておりますのは、勤務時間外の外訪活動、これは店内の事務要員による、いわゆる内勤の人による勤務時間外の外訪活動の自粛をうたったものでありまして、渉外担当職員による外訪活動まで自粛するものではないということを聞いておりますので、こういったわけで私ども、この点についてもそう食い違いはないのではないかというふうに考えております。
#173
○佐藤(祐)委員 少し違うのですね。必要やむを得ない場合はやるということで、それは実際にやられております。それから、休日出勤で今読み上げた項に続けて「時間外集金」というのもあるのですが、「今後とも時間外集金については全廃することを目標として、」整理していく。時間外は全廃する、こういうような方針ですね。全体としては時間外はできるだけ少なくしていく、必要やむを得ないものに限るということでやられているわけです。
 そういう範囲ではこれまでも郵便局もやってきたわけですよ、郵政省もやってきたわけです。そのことは知っているわけですよ。あえて体制的といいますか、今回提起されておるのは、繰り上げ、繰り下げを二時間の範囲でやるのだ、さらに午後九時までの募集活動もやるのだということを提起しているわけです。それは違うのですよ。これまでのやむを得ないお客様の要求にこたえてやる例外的な、特例的な対応とは違うわけです。それはそういう時間帯まで、七時あるいは九時まで大々的に募集活動をやろうとしているのではないか。それでは社会的な常識にも反する。午後七時といえば夕食どきです。あるいは午後九時まで勧誘に来るというようなことは論外だと思うのです。そういう行き過ぎた提起はやはり正しくないというふうに思うわけです。そこで、そういうことでお聞きしているわけです。
 私が聞くところによりますと、郵政省が繰り上げ、繰り下げ等、午後九時までの募集活動、そういうことを職員の方に提起したときに、これは大蔵省に知られては困るのだというふうな話まであったというふうに聞いているのです。そういうことをやはりやるべきではないというふうに思うわけですが、いかがでしょうか。
#174
○塩谷政府委員 私ども、貯金事業あるいは簡易保険事業を運営するに当たりまして、それぞれ事業の当面しております環境、それから最近職員、労働組合もその事業を守るといいますか、こういう状況の中で、将来とも事業が生々発展していくためにどういう政策をとったらいいかということについて大変建設的な意見を承っておりまして、その辺についていろいろ施策を進めているところでありまして、別段私どもが進める施策について大蔵省に知られては困るとかなんとか、そんなことは決して思ったこともございません。むしろ私どもがやることがいろいろ関係各省にも理解され、また銀行業界などの実情なども十分承知した上で、私どもこういった施策をとってまいりたいというふうに考えております。
#175
○佐藤(祐)委員 結局、これまでは民間の方ではできるだけ時間外はやらない、必要に限るということで自粛をやってきているわけですね。ところが、今度は郵政省の方はまさにその時間帯に、七時あるいは九時までという――九時までなんというのはまあ論外だと思うのですが、そういうところまで大々的に出ていって大いに貯金を集めてこよう、あるいは保険を集めてこようということになるわけですね。そうしますと、民間がそれにあおられて、民間の方もまたこれまでの自粛を捨ててそういうことをやっていくという危険性が大変あると私は思うのですね。これはやはり労働者の権利の問題としても重大なことだというふうに私は考えているわけです。
 まずこの点で、大蔵省はこういうことをどう考えておられますか。
#176
○藤原説明員 お尋ねのことでございますが、金融業務のあり方につきましては、いわゆる消費者のニーズでございますとか、金融機関のコストもかかるかもしれませんし、また労使問題もあるかもしれません。そういう問題を総合的に勘案して、基本的には金融機関が自主的に判断をしていくという問題ではないかと思うわけであります。ただ、その行き過ぎた資金獲得行為ということになりますといろいろ問題もあるわけでございますから、先ほど来お話のありましたようなことで私どもは自粛を求めているということでございます。
 郵政事業との関連につきましてはいろいろ御議論があるのだと思いますが、臨調の答申では、例えば「簡易で確実な少額貯蓄の手段である官業としての立場を守りつつ適切な運営を行っていく必要がある。」というような御指摘もあるわけでございまして、基本的には郵便局の個々の業務につきましても、こういうような原則に従って進めていくのかなというようなことを考えておるわけでございますが、郵便局の個々の具体的な問題ということになりますと、当然のことながら基本的には郵政省が諸般の事情を考慮の上お決めになることではないかというふうに考えております。
#177
○佐藤(祐)委員 最後に大臣に要望したいわけですが、大いに貯金をふやしていこうということ自体は結構かと思いますし、また、ニーズにこたえなければならぬという側面はあります。しかし、夕方の食事どきとか夜九時までというところまで広げていくのは非常に常識に反すると私は思うのですね。そういうことはやはりやるべきではない。それと、やはり労働条件を悪化させるということがあってはなりませんし、労働者の合意、納得がなくてそういうものを強行するということはやるべきではないというふうに思います。いかがでしょうか。
#178
○佐藤国務大臣 一つはこの運用を絶妙にやっていくということで今度そのような指導をしたわけでございますから、朝の八時半から夕方の五時十五分までぴしっと決まっている就業規則を守りながら、今度は少しそれを活用してお客さんのニーズに応ずる動きをしようということを組合の方と相談してやはりやっていくべきだと思うし、私は組合の方と相談をしてやらせていきたい、こういうぐあいに思っております。
 現実に、私が簡保に四十九年に入って、この前もここで話しましたけれども、入るときには毎日来たのです。入ってからは毎月二万五千円ずつ十年間私はまじめに納めました。ところが、会館の方は、集金以外はしてはならないということで、私のところは十年間集金にだけは来るが、あと限度額が上がりましたよなんていうことを言うたら悪い、こういうことで集金だけ来る。それから、宿舎の方も最近はなかなか入れない、こういうことで、私は十年間ついに郵便局の人と会うことができなかった。そのために私は三百万までで、もう一千万から千三百万円になったのに、限度額を上げることができなかった。
 お客さんからいえばそういうこともあると思いますので、そういうところも見て、今度は少し幅を広げて就業規則を守りながらやっていこうということですから、先生の御心配になっているような夜間の安全性の問題とか強制労働とか、そういうようなことはないわけでございますので、その点は御理解を願って、自由競争に入っていく貯金政策の中で組合の皆さん方と一緒に頑張ってやろう、こういうような姿勢であることを御理解願いたいと思います。
#179
○佐藤(祐)委員 これまで対応してきた超勤などによる対応も可能でありますから、一斉に勤務時間をずらすとか九時までの超過勤務とか、そういうことはぜひなしにしていただきたいということを重ねて申し上げて、終わります。
#180
○宮崎委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#181
○宮崎委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 郵便貯金法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#182
○宮崎委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#183
○宮崎委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、関谷勝嗣君外三名より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。関谷勝嗣君。
#184
○関谷委員 ただいま議題となりました郵便貯金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、提案者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    郵便貯金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  この法律の施行に当たり、現下の郵便貯金事業をめぐる厳しい環境にかんがみ、政府は、次の各項の実現に努めるべきである。
 一 郵便貯金会館の利用に対する地域住民の強い要望に応えるため、今後とも一層その充実に努めること。
 一 国民の強い要望である郵便貯金の利子非課税制度を存続させるとともに、国民が老後に備えて蓄える郵便貯金について特別の優遇措置を講ずること。
 一 国民に対するサービスを向上させるため、郵便局の国債販売を早期に再開するとともに、市場金利による資金運用制度を創設し、金融自由化に適切に対応すること。
以上のとおりであります。
 この附帯決議案は、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の四派共同提案に係るものでありまして、案文は、現在の郵便貯金事業をめぐる厳しい環境にかんがみ、また、当委員会における質疑等を参酌して作成したものでありますから、説明を省かせていただきます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#185
○宮崎委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#186
○宮崎委員長 起立多数。よって、本動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
 この際、佐藤郵政大臣より発言を求められておりますので、これを許します。佐藤郵政大臣。
#187
○佐藤国務大臣 慎重なる御審議をいただきまして、ただいま郵便貯金法の一部を改正する法律案を御可決いただきましたことに対し、厚くお礼を申し上げます。
 この委員会の御審議を通じて承りました御意見につきましては、今後為替貯金事業を運営していく上で十分生かしてまいりたいと存じます。
 また、附帯決議につきましては、今後その趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。まことにありがとうございました。(拍手)
    ―――――――――――――
#188
○宮崎委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#189
○宮崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#190
○宮崎委員長 次に、郵便法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。佐藤郵政大臣。
    ―――――――――――――
 郵便法等の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#191
○佐藤国務大臣 郵便法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主な内容を御説明申し上げます。
 この法律案は、郵便事業の現状等にかんがみ、利用者に対するサービスの向上を図るため、書留としない小包郵便物に対する損害賠償の実施、料金受取人払い制度の改善等の措置を講ずるほか、簡易郵便局に委託する事務に厚生年金保険の給付の支払いに関する事務等を加えること、及び郵便切手類売りさばき所の名称を改めるとともに、同所において郵便の利用上必要なものを販売することができることとする等の必要があるので、郵便法その他関係法律について所要の改正を行おうとするものであります。
 まず、郵便法の一部改正の内容について申し上げます。
 第一は、書留としない小包郵便物に対する損害賠償の実施についてであります。
 現在、書留としない小包郵便物については、棄損等した場合、その損害を賠償する制度はありませんが、これを、省令で定める小包郵便物以外の小包郵便物について、棄損等した場合、省令で定める額を限度とする実損額を賠償することとするものであります。
 第二は、料金受取人払い制度の改善についてであります。
 現在、料金受取人払いの取り扱いは、特殊取り扱いとしない通常郵便物について受取人からの申請がある場合に行うこととしておりますが、これを、小包郵便物及び特殊取り扱いとする郵便物についても取り扱うほか、省令で定める郵便物について差出人から申請がある場合にも取り扱うことができることとする等の改善を行うこととするものであります。
 このほか、料金後納に係る担保を免除する者として、後納する郵便に関する料金の概算額が省令で定める額に満たない者で、その料金を納付すべき期日までに納付できないおそれがないと認められたものを加えること、市内特別郵便物についても転送の取り扱いをすること、罰金の額を相当額に改定すること等を内容といたしております。
 次に、簡易郵便局法の一部改正の内容について申し上げます。
 現在、簡易郵便局に委託できる事務は、郵便・貯金・保険の三事業の郵政窓口事務のほか、国民年金の給付の支払いに関する事務とされておりますが、これらの事務に加えて、新たに厚生年金保険の給付の支払いに関する事務及び道路交通法に定める反則金等の受け入れに関する事務を委託できることとするものであります。
 最後に、郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部改正の内容について申し上げます。
 第一は、この法律の題名を「郵便切手類販売所等に関する法律」に改めるとともに、郵便切手類の「売さばき人」を「販売者」に改めること等とするものであります。
 第二は、現在の郵便切手や印紙等のほかに、郵便切手類販売所において、小包郵便物包装用品等郵便の利用上必要なものについて販売できることとするものであります。
 なお、この法律の施行期日は、昭和六十一年七月一日といたしております。ただし、簡易郵便局における厚生年金保険の給付の支払い関係については公布の日から、道路交通法に定める反則金等の受け入れ関係については昭和六十二年一月一日から施行することといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び主な内容であります。
 今後とも安定した郵便の送達を確保することはもとより、利用者のニーズに即応したサービスの改善を図り、国民各位の期待にこたえるよう努力していく所存でございます。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#192
○宮崎委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ります。
 次回は、来る四月十六日水曜日午前九時五十分理事会、十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後一時二十八分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト