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1985/02/19 第104回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第104回国会 運輸委員会 第2号
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1985/02/19 第104回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第104回国会 運輸委員会 第2号

#1
第104回国会 運輸委員会 第2号
昭和六十一年二月十九日(水曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 山下 徳夫君
   理事 小里 貞利君 理事 鹿野 道彦君
   理事 久間 章生君 理事 津島 雄二君
   理事 清水  勇君 理事 吉原 米治君
   理事 西中  清君 理事 河村  勝君
      柿澤 弘治君    関谷 勝嗣君
      田中 直紀君    近岡理一郎君
      堀内 光雄君    増岡 博之君
     三ッ林弥太郎君    山村新治郎君
      若林 正俊君    小林 恒人君
      左近 正男君    関山 信之君
      富塚 三夫君    横山 利秋君
      中村 正雄君    梅田  勝君
      辻  第一君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 三塚  博君
 出席政府委員
        運輸政務次官  亀井 静香君
        運輸大臣官房長 永光 洋一君
        運輸大臣官房国
        有鉄道再建総括
        審議官     棚橋  泰君
        運輸省運輸政策
        局長      栗林 貞一君
        運輸省国際運輸
        ・観光局長   仲田豊一郎君
 委員外の出席者
        日本国有鉄道総
        裁       杉浦 喬也君
        運輸委員会調査
        室長      荻生 敬一君
    ―――――――――――――
二月十八日
 特定都市鉄道整備促進特別措置法案(内閣提出
 第三九号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 陸運、海運、航空及び日本国有鉄道の経営に関
 する件等(運輸行政の基本施策)
     ――――◇―――――
#2
○山下委員長 これより会議を開きます。
 陸運、海運、航空及び日本国有鉄道の経営に関する件等について調査を進めます。
 この際、運輸大臣から運輸行政の基本施策について発言を求められておりますので、これを許します。運輸大臣三塚博君。
#3
○三塚国務大臣 私は、昨年暮れ、中曽根改造内閣の発足に際しまして運輸大臣を拝命をいたしました。委員長初め委員の皆さんには、日ごろ御鞭撻、御指導をいただいてまいりましたが、立場は若干違いますけれども、何とぞよろしく御鞭撻のほどお願いを申し上げさせていただきます。
 御承知のとおり、現在の運輸行政には、国家的な重要課題である国鉄改革の問題を初めとして、緊急に解決すべき数々の重要課題が山積いたしております。その職責の重大さを痛感いたしておるところであります。
 私といたしましては、運輸行政の基本であります安全の確保に万全を期しつつ所管行政に積極的に取り組み、懸案となっている諸問題の解決に最大限の努力をいたす所存であります。どうぞ本委員会の先生方の絶大なる御支援と御指導を賜りますようお願いを申し上げ、就任のあいさっといたします。(拍手)
 引き続き、第百四回国会に臨み、当面の運輸行政の諸問題に関し、所信を述べ、各位の御理解を賜りたいと存じます。
 今日、我が国の社会経済は、技術革新、高度情報化、国際化、長寿社会の到来等さまざまな面で変革が進みつつあり、これに伴い経済の構造や国民の価値観が大きく変化いたしております。我が国の将来の発展と安定を確かなものとし、活力ある社会経済をつくりあげるため、その基盤としての運輸部門の役割にはまことに大なるものがあります。私は、このような運輸を取り巻く情勢を踏まえつつ、国民の皆様が安心して、また、快適に日常生活を送ることができますように、安定した輸送サービスの確保、運輸関係社会資本の充実、運輸産業の活性化等二十一世紀に向かって新しい時代に対応した総合的な運輸行政の展開に全力を挙げて取り組んでまいります。
 もとより、運輸行政の要請は、安全の確保にあります。まことに遺憾ながら、昨年は日航機墜落事故を初めとして重大事故が相次ぎましたが、このような不幸な事故が二度と繰り返されることのないよう安全対策に万全を期して、国民の皆様の信頼におこたえをしていく決意であります。
 以上申し上げました運輸行政の推進に当たっての基本的考え方にのっとり、当面する諸問題につきましては、次に述べますとおり所要の施策を積極的に推進してまいる所存であります。
 まず、第一に国鉄改革の推進であります。
 日本国有鉄道の抜本的改革のための方策につきましては、昨年七月に提出された日本国有鉄道再建監理委員会の「意見」を最大限に尊重し、同年十月、分割・民営化を基本とする「国鉄改革のための基本的方針について」を閣議決定いたしたところであります。運輸省としては、この基本的方針に沿い、将来にわたって国鉄事業を適切かつ健全に経営していくことができますよう効率的な経営形態の確立を図ってまいりたいと存じます。これとともに、余剰人員対策を円滑に実施し、また、長期債務等の適切な処理を図ることは、改革を実現するための最重要課題でありますので、先般閣議決定いたしたところに従い、所要の施策を推進してまいります。このような方針のもとに、昭和六十二年四月における新経営形態への移行を期して、国鉄事業の再生に取り組んでいく所存であります。改革実施のための関係法律案を今国会に提出することといたしておりますので、よろしくお願いをいたします。
 さらに、当面、六十一年度において、国鉄事業の運営を改善するために緊急に講ずべき新たな措置として、長期債務に係る負担の軽減及び希望退職の促進につき所要の施策を講ずるとともに、引き続き、経営費の節減、特定地方交通線対策、増収施策の積極的展開等各般にわたる緊急対策を強力に推進する考えであります。
 改めて申すまでもなく、国鉄改革は、このたびの行政改革に残された最も重要で、かつ、緊急に解決すべき国家的課題であります。重大な経営危機に瀕している国鉄の事業を根本から立て直し、国民の期待する役割と責任を今後とも果たし続けていくことができますよう国鉄の分割・民営化の実現に総力を結集して取り組む決意であります。
 第二に、運輸に係る安全対策の推進であります。
 冒頭述べましたとおり、安全の確保は運輸行政の要請であります。輸送機器の安全性の向上、宿泊施設の安全確保、各種交通施設の整備、交通従事者の技術とモラルの高揚、運行管理体制の充実等の対策を的確かつ着実に推進することにより事故防止に万全を期し、もって国民の信頼にこたえるべく努力を重ねてまいります。特に、日航機の墜落事故につきましては、事故後、直ちに就航中のボーイング747型機について一斉点検を実施するとともに、日本航空の整備部門に対し立入検査を実施し、その結果に基づいて整備業務の改善勧告を行ったところであります。今後とも、航空機の安全運航の確保のための諸施策に全力を挙げて取り組む所存であります。次に、踏切事故の防止対策につきましても、踏切保安設備の整備、立体交差化、構造改良等の所要の施策を講じてまいります。また、昨年六月に発効した海上における捜索及び救助に関する国際条約に対応するため、今後とも広域哨戒体制の整備を促進するとともに、船位通報制度の有効な活用を図りつつ、関係諸国と海上の捜索救助における協力関係をより密接にしていく考えであります。さらに、交通事故被害者の救済対策の充実にも努めてまいります。
 第三に、運輸関係社会資本の整備であります。
 運輸関係社会資本は、活力ある産業活動と国民生活の基盤形成のために不可欠な条件であり、豊かな社会の実現のため二十一世紀に向かって着実にその整備を進めていくことが必要であります。
 まず、港湾につきましては、多様化する海上輸送需要への対応、エネルギーの安定供給の確保、地域振興等の観点から外貿コンテナターミナル、エネルギー港湾、地方・離島の港湾等の整備及び港湾再開発を引き続き推進します。また、津波、高潮、波浪等による災害を防止し、海岸侵食の進行に対処するとともに、海岸環境の保全と整備を図るため、海岸事業を計画的に推進してまいる考えであります。このため、港湾整備及び海岸事業について六十一年度を初年度とする新しい五カ年計画を策定することといたしております。
 さらに、民間活力を活用し、港湾の利用者のサービスの向上、港湾機能の充実強化等に資する施設の整備を総合的に進めてまいります。
 次に、空港につきましては、将来の航空輸送需要に適切に対応し、均衡のとれた航空輸送網を整備していく必要があります。このため、六十一年度を初年度とする第五次空港整備五カ年計画を策定し、関西国際空港の整備、新東京国際空港の整備及び東京国際空港の沖合展開の三大プロジェクトの推進を図るとともに、一般空港の整備、環境対策及び航空保安施設の整備を進めてまいります。
 整備新幹線につきましては、整備新幹線財源問題等検討委員会における検討を進め、その結論が得られた段階で、五十七年九月の閣議決定を変更した上、建設費を執行することとされております。今後精力的にこの検討を進め、早期に適切な結論が得られますよう努めてまいります。これとともに、新幹線駅周辺環境整備事業を実施するほか、各路線ごとの調査の進捗状況に応じ、所要の作業または調査を進めることといたしております。
 第四に、国際運輸と観光に関する施策の推進であります。
 貿易物資の安定輸送を確保し、国際的な人的交流を促進する国際運輸と観光の果たす役割は極めて大きく、国際環境の変化に対応した政策を総合的に推進していく必要があります。
 外航海運につきましては、引き続き我が国商船隊の国際競争力の確保に努めるとともに、現下の世界的な船腹量の過剰に起因する厳しい海運不況に対処するため、船舶解撤を促進するための債務保証制度の創設等所要の施策を講じてまいります。
 また、国際航空につきましては、航空関係の総合的均衡を達成することを目指して日米協議を三月に再開し、年内合意に向けて努力してまいります。また、その他の国との関係につきましても、我が国をめぐる国際航空需要に対応した路線の充実と企業の参入機会の拡大に努めてまいります。
 さらに、国際的な人的交流の促進及び諸外国との相互理解の増進の観点から、国際観光モデル地区構想の推進、日本人海外旅行促進ミッションの派遣等の国際観光振興施策を強力に推進するとともに、国民の健全な余暇活動に資するため、観光レクリエーション地区の整備を進めてまいります。
 次に、運輸の分野における経済摩擦問題につきましては、昨年七月に策定されましたアクション・プログラムに基づき、自動車の基準・認証制度の抜本的改善等の施策を着実に実施するほか、発展途上国の鉄道、港湾、空港等の整備等に関する経済技術協力、パナマ運河代替構想等の国際的大プロジェクトへの協力を積極的に推進してまいる考えであります。
 また、本年五月からカナダのバンクーバー市において開催される国際交通博覧会に我が国も公式参加することとしており、このための諸準備を関係省庁等の協力を得つつ進めてまいります。
 第五に、地域交通政策の推進であります。
 地域交通は、地域社会づくりの基盤であり、地域における交通のあり方について長期的な展望を踏まえた計画を策定し、この計画に基づき、地方公共団体と連携しながら効率的で質の高い交通体系の形成を図っていくことが必要であります。
 都市交通の分野におきましては、都市高速鉄道、都市バス等の整備改善を進める必要がありますが、中でも都市の基盤的施設である鉄道の輸送力を大幅に増強する必要があるため、六十一年度から特定都市鉄道整備積立金制度を創設し、これを活用して鉄道の整備を積極的に推進してまいる考えであります。
 さらに、地方交通の分野におきましては、地方バス、中小民鉄及び離島航路に対する助成、国鉄の特定地方交通線の代替輸送対策の推進等を行い、住民の生活基盤として不可欠な公共輸送の確保に努めてまいります。
 第六に、貨物流通政策の充実であります。
 産業構造の変化と利用者ニーズの高度化、多様化に対応して、陸海空にわたを効率的な貨物流通体系の形成を図る必要があります。このため、消費者物流の健全な発達の促進、国際複合一貫輸送の推進、貨物流通施設の整備、内航船舶の近代化等による物流産業の活性化、合理化を進めてまいります。
 また、国鉄改革に伴う新しい鉄道貨物輸送に対応する通運体制の整備を推進するとともに、業界の実情に応じ、構造改善対策の推進、輸送に関する秩序の確立等に努めてまいります。
 第七に、造船不況対策と船員対策の充実であります。
 造船業は、世界的な需要の伸び悩み、第三造船諸国の台頭等により、現在厳しい不況に直面しておりますが、長期的に見ても、依然として相当の需給不均衡が予測され、生産性の低下等により産業活力の低下が懸念されるため、長期的視点に立った対策が必要であります。
 このため、昨年十月、海運造船合理化審議会に対して今後の造船業の経営安定化及び活性化の方策について諮問を行ったところであり、今後、同審議会の審議結果を踏まえて、最大限の努力をしてまいります。
 船員対策につきましては、船舶の技術革新に対応した新しい船内職務体制を確立する等船員制度の近代化を一層推進するとともに、船員の教育訓練体制の整備に努めてまいります。また、依然として厳しい船員の雇用情勢にかんがみ、船員雇用対策を引き続き積極的に推進してまいります。
 第八に、運輸産業の活性化の推進であります。
 運輸産業の活性化、国民負担の軽減等を図る観点から、臨時行政改革推進審議会の答申等も踏まえ、運輸行政における事業規制その他の規制のあり方について、引き続き見直しを行うとともに、軽自動車及び小型船舶の検査業務の効率化等のため、所要の施策を講じてまいります。
 また、我が国航空企業の運営体制のあり方については、昨年十二月、運輸政策審議会から中間答申が出されておりますが、これは、安全運航の確保を基本としつつ、企業間の競争を促進することにより、利用者サービスの向上、企業基盤の一層の強化、国際競争力の強化等を図ることを基本的方針とし、国際線の複数社制の採用、日本航空の完全民営化及び国内線における競争促進施策の推進を図るべきであるとしております。今後は、この中間答申及び同審議会の今後の審議結果を踏まえ、政策の具体的推進を図ってまいる考えであります。
 第九に、防災対策、環境対策等の推進であります。
 防災対策としては、異常な自然現象の早期、的確な把握と、迅速、的確な予警報が重要であり、静止気象衛星業務の推進、気象資料伝送網の整備等を初めとする気象業務体制の一層の充実強化を図るとともに、大規模地震対策、海上防災対策の充実についても遺漏なきを期してまいります。
 環境対策につきましては、発生源対策及び周辺対策等所要の交通公害防止対策並びに国際的な動きに対応した法令の整備、監視・取り締まり体制の強化等による海洋汚染の防止対策を一層推進するとともに、公害の未然防止の観点から環境影響評価制度を活用してまいります。
 また、都市公害の防止及び自動車部門の燃料の多角化の観点から、メタノール自動車のトラック、バス部門への導入を進めてまいります。
 このほか、高齢者、障害者等が安全に交通機関を利用できるための施策の推進、国連海洋法条約採択後形成されつつある新海洋秩序への対応、沿岸海域を含めた海洋の開発利用の一層の推進、高度情報化社会への対応、技術開発等取り組む課題は数多くありますが、施策の充実にさらに努力を重ねてまいります。
 以上、運輸行政の当面する諸問題について述べましたが、これらは申すまでもなく、委員各位の深い御理解を必要とする問題ばかりであります。終わりに当たりまして、重ねて皆様の御支援をお願い申し上げる次第でございます。
 なお、引き続き、冒頭に申し上げなければならぬことではあったと思いますが、去る二月十一日の熱川大東館火災事故について一言申し述べさせていただきます。
 この火災事故で二十四名という多数のとうとい人命が失われましたことは、まことに遺憾であります。お亡くなりになられました方々に対し、心から哀悼の意を表するものでございます。ホテル、旅館等の宿泊施設の防火安全対策につきましては、消防庁を初め関係機関とも十分連携をとり、所要の対策を実施してきているところでありますが、今回の火災事故にかんがみまして、当面の対策として、防災体制及び避難誘導体制の一層の充実について、木造旅館に重点を置き指導を行ったところであります。今後とも、こうした諸施策を通じ、火災事故の再発防止に努めてまいる所存でありますので、よろしく御鞭撻のほどお願いを申し上げます。
 以上で終わらせていただきます。(拍手)
#4
○山下委員長 次に、昭和六十一年度運輸省及び日本国有鉄道の予算について、運輸政務次官から説明を聴取いたします。運輸政務次官亀井静香君。
#5
○亀井(静)政府委員 このたび運輸政務次官を拝命いたしました亀井静香でございます。
 浅学非才でございますが、三塚運輸大臣を全力を挙げて補佐してまいりたいと決意をいたしておりますので、諸先生方の御指導と御支援のほどよろしくお願いを申し上げます。(拍手)
 それでは、昭和六十一年度の運輸省関係の予算について御説明申し上げます。
 まず、一般会計について申し上げますと、歳入予算総額は、三十七億九千九百七十一万三千円、歳出予算総額は、他省所管計上分一千百六十三億九千四百二十四万八千円を含め、一兆一千三百十五億七千百二万七千円をそれぞれ計上いたしております。
 次に、特別会計について申し上げます。
 自動車損害賠償責任再保険特別会計につきましては、歳入歳出予算額一兆八千四百二億七千四百万円余、港湾整備特別会計につきましては、歳入歳出予算額三千五百二十億二千六百万円余、自動車検査登録特別会計につきましては、歳入歳出予算額三百八十一億二千五百万円余、空港整備特別会計につきましては、歳入歳出予算額二千七百四十一億八千三百万円余をそれぞれ計上いたしております。
 また、昭和六十一年度財政投融資計画中には、当省関係の公社・公団等分として一兆九千九百四十一億円が予定されております。
 運輸省といたしましては、以上の予算によりまして以下の事項を重点に施策の推進を図ることといたしております。
 まず第一に、日本国有鉄道の事業の再建を推進することといたしております。
 国鉄事業の再建につきましては、昨年十月、国鉄の分割・民営化を基本とする「国鉄改革のための基本的方針について」閣議決定を行い、六十二年四月に新経営形態へ移行することといたしておりますが、この抜本的改革の円滑な実施に資するよう、引き続き、職場規律の確立、新規採用の原則停止、設備投資の抑制、特定地方交通線の整理の促進等の緊急対策を推進するほか、新経営形態への移行に向けて所要の施策を講じていく必要があります。
 このため、六十一年度におきましては、事業運営改善のための緊急に講ずべき新たな措置として、昭和五十五年度に棚上げした特定債務五兆五百九十九億円を一般会計が承継し、一般会計は同額の長期の資金を国鉄に対し無利子で貸し付けたものとすることなどにより、長期債務に係る負担の軽減を図るとともに、余剰人員対策として希望退職の促進を図ることとし、特別給付金及び退職手当の支給に必要な資金について政府保証を付した債券の資金運用部引き受けによる財政融資を行うこととしております。
 また、予算人員二万七千人の縮減を初め経営の一層の合理化に最大限の努力を傾注するとともに、所要の運賃等の改定による増収額七百五十億円を見込み、総額三千七百五十二億円の助成を行うことといたしております。
 第二に、交通基盤施設等の整備を促進し、国民生活の安定向上を図るため、港湾、海岸及び空港の各部門について、六十一年度を初年度とする新たな五カ年計画を策定することといたしております。
 これにより物流の総合化及び高度化、臨海部の活性化及び地域の振興等を目指した港湾の整備、高潮、津波等から国土を保全する海岸の整備、関西国際空港、新東京国際空港、東京国際空港の整備を初めとする空港の整備等それぞれの事業の計画的かつ着実な推進を図ることといたしております。
 また、鉄道につきましては、都市高速鉄道の整備等を推進するとともに、整備新幹線につきましては、日本国有鉄道及び日本鉄道建設公団に所要の建設費及び調査費を計上しております。このうち、建設費につきましては、整備新幹線財源問題等検討委員会における検討を進め、その結論が得られた段階で、五十七年九月の閣議決定を変更した上で執行するものとしておりますが、新幹線駅周辺環境整備事業のために必要があるときはこれに充てることができることとしております。調査費につきましては、これにより、引き続き、各路線ごとの調査の進捗状況に応じ、所要の作業または調査を進めることといたしております。
 第三に、外航海運対策といたしまして、貿易物資の安定輸送を確保するため、財政資金により、近代化船への代替建造を中心とする外航船舶の整備を促進するとともに、現下の海運不況に対応して船舶解撤に伴う債務保証制度を創設することといたしております。
 さらに、造船対策といたしまして、造船業の経営安定化のため、船舶輸出の確保を図るほか、過剰施設の処理及び船舶解撤事業に関する助成を行うこととしております。
 船員対策といたしましては、船員雇用対策などを推進することといたしております。
 第四に、経営改善に努力している地方バス、中小民鉄、離島航路等に対し、地方公共団体と協力して助成を行い、国民の日常生活に不可欠な公共交通サービスの維持確保に努めてまいります。
 第五に、観光対策といたしまして、海外観光宣伝事業等を推進するとともに、国民の観光レクリエーション活動のための施設を整備していくことといたしております。
 第六に、貨物流通情報システム及び物流拠点における貨物流通施設の整備を促進するなど貨物流通対策の推進を図ることといたしております。
 第七に、海上における捜索及び救助に関する国際条約の発効及び国際的な新海洋秩序形成の動きに対応して、広大な周辺海域における船舶の航行安全体制を確立し、また、我が国の権益の確保を図るため、巡視船、航空機等の整備を推進するほか、海洋調査の充実強化等を図ることといたしております。
 第八に、広域的な気象観測に重要な役割を果たす静止気象衛星業務を引き続き推進し、また、気象資料伝送網の整備等気象観測・予報体制の充実を図るとともに、地震・津波・火山対策等の防災対策の強化を図ることといたしております。
 第九に、運輸行政の要請である安全の確保を図るため、陸海空にわたる交通安全対策の充実を推進することといたしております。
 なお、運輸省関係予算の部門別の重点施策の概要につきましては、お手元に配付してあります「昭和六十一年度運輸省予算の説明」及び「昭和六十一年度日本国有鉄道予算の説明」によりまして御承知願いたいと存じます。
 以上をもちまして、昭和六十一年度の運輸省関係の予算についての説明を終わらせていただきます。(拍手)
#6
○山下委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十時二十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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