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1985/04/15 第104回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第104回国会 運輸委員会 第10号
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1985/04/15 第104回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第104回国会 運輸委員会 第10号

#1
第104回国会 運輸委員会 第10号
昭和六十一年四月十五日(火曜日)
    午前十時二分開議
出席委員
  委員長  山下 徳夫君
   理事 小里 貞利君 理事 鹿野 道彦君
   理事 久間 章生君 理事 津島 雄二君
   理事 清水  勇君 理事 吉原 米治君
   理事 西中  清君 理事 河村  勝君
      加藤 六月君    柿澤 弘治君
      関谷 勝嗣君    田中 直紀君
      近岡理一郎君    堀内 光雄君
      箕輪  登君    若林 正俊君
      小林 恒人君    左近 正男君
      関山 信之君    富塚 三夫君
      横山 利秋君    浅井 美幸君
      石田幸四郎君    中村 正雄君
      梅田  勝君    辻  第一君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 三塚  博君
        国 務 大 臣
        (内閣官房長官)後藤田正晴君
 出席政府委員
        内閣審議官   中島 眞二君
        内閣法制局第四
        部長      関   守君
        運輸大臣官房国
        有鉄道再建総括
        審議官     棚橋  泰君
        運輸省運輸政策 
        局長      栗林 貞一君
        運輸省地域交通
        局次長     松村 義弘君
        運輸省貨物流通 
        局長      武石  章君
        労働大臣官房審 
        議官      田淵 孝輔君
 委員外の出席者
        首席内閣参事官 森  幸男君
        大蔵省主計局共
        済課長     坂本 導聰君
        大蔵省主計局主
        計官      佐藤  謙君
        文部省初等中等
        教育局高等学校
        課長      阿部 憲司君
        建設省住宅局住
        宅政策課長   内藤  勲君
        自治省行政局公
        務員部公務員第
        一課長     紀内 隆宏君
        自治省行政局公
        務員部福利課長 松本 英昭君
        日本国有鉄道総
        裁       杉浦 喬也君
        日本国有鉄道常
        務理事     岡田  宏君
        日本国有鉄道常
        務理事     須田  寛君
        日本国有鉄道常
        務理事     長谷川 忍君
        日本国有鉄道常
        務理事     岡田 昌久君
        日本国有鉄道常
        務理事     澄田 信義君
        日本国有鉄道常
        務理事     前田喜代治君
        日本国有鉄道職
        員局次長    葛西 敬之君
        運輸委員会調査
        室長      荻生 敬一君
    ―――――――――――――
四月十四日
 国鉄の全国ネットワーク維持等に関する請願
 (阿部未喜男君紹介)(第三三一八号)
 同(天野等君紹介)(第三二一九号)
 同(網岡雄君紹介)(第三二二〇号)
 同(五十嵐広三君紹介)(第三二二一号)
 同(井上泉君紹介)(第三二二二号)
 同(井上一成君紹介)(第三二二三号)
 同(井上普方君紹介)(第三二二四号)
 同(伊藤茂君紹介)(第三二二五号)
 同(伊藤忠治君紹介)(第三二二六号)
 同(池端清一君紹介)(第三二二七号)
 同(石橋政嗣君紹介)(第三二二八号)
 同(稲葉誠一君紹介)(第三二二九号)
 同(岩垂寿喜男君紹介)(第三二三〇号)
 同(上田卓三君紹介)(第三二三一号)
 同(上田哲君紹介)(第三二三二号)
 同(上野建一君紹介)(第三二三三号)
 同(上原康助君紹介)(第三二三四号)
 同(小川国彦君紹介)(第三二三五号)
 同(小川省吾君紹介)(第三二三六号)
 同(小川仁一君紹介)(第三二三七号)
 同(小澤克介君紹介)(第三二三八号)
 同(大出俊君紹介)(第三二三九号)
 同(大原亨君紹介)(第三二四〇号)
 同(岡田利春君紹介)(第三二四一号)
 同(岡田春夫君紹介)(第三二四二号)
 同(奥野一雄君紹介)(第三二四三号)
 同(加藤万吉君紹介)(第三二四四号)
 同(角屋堅次郎君紹介)(第三二四五号)
 同(金子みつ君紹介)(第三二四六号)
 同(上西和郎君紹介)(第三二四七号)
 同(川崎寛治君紹介)(第三二四八号)
 同(川俣健二郎君紹介)(第三二四九号)
 同(河上民雄君紹介)(第三二五〇号)
 同(河野正君紹介)(第三二五一号)
 同(木島喜兵衞君紹介)(第三二五二号)
 同(木間章君紹介)(第三二五三号)
 同(串原義直君紹介)(第三二五四号)
 同(小林進君紹介)(第三二五五号)
 同(小林恒人君紹介)(第三二五六号)
 同(兒玉末男君紹介)(第三二五七号)
 同(後藤茂君紹介)(第三二五八号)
 同(上坂昇君紹介)(第三二五九号)
 同(左近正男君紹介)(第三二六〇号)
 同(佐藤観樹君紹介)(第三二六一号)
 同(佐藤敬治君紹介)(第三二六二号)
 同(佐藤徳雄君紹介)(第三二六三号)
 同(佐藤誼君紹介)(第三二六四号)
 同(沢田広君紹介)(第三二六五号)
 同(渋沢利久君紹介)(第三二六六号)
 同(島田琢郎君紹介)(第三二六七号)
 同(嶋崎譲君紹介)(第三二六八号)
 同(清水勇君紹介)(第三二六九号)
 同(城地豊司君紹介)(第三二七〇号)
 同(新村勝雄君紹介)(第三二七一号)
 同(新村源雄君紹介)(第三二七二号)
 同(鈴木強君紹介)(第三二七三号)
 同(関晴正君紹介)(第三二七四号)
 同(関山信之君紹介)(第三二七五号)
 同(田中克彦君紹介)(第三二七六号)
 同(田中恒利酒紹介)(第三二七七号)
 同(田邊誠君紹介)(第三二七八号)
 同(田並胤明君紹介)(第三二七九号)
 同(多賀谷眞稔君紹介)(第三二八〇号)
 同(高沢寅男君紹介)(第三二八一号)
 同(竹内猛君紹介)(第三二八二号)
 同(竹村泰子君紹介)(第三二八三号)
 同(武部文君紹介)(第三二八四号)
 同(辻一彦君紹介)(第三二八五号)
 同(戸田菊雄君紹介)(第三二八六号)
 同(土井たか子君紹介)(第三二八七号)
 同(富塚三夫君紹介)(第三二八八号)
 同(中西績介君紹介)(第三二八九号)
 同(中村茂君紹介)(第三二九〇号)
 同(中村重光君紹介)(第三二九一号)
 同(中村正男君紹介)(第三二九二号)
 同(永井孝信君紹介)(第三二九三号)
 同(野口幸一君紹介)(第三二九四号)
 同(馬場昇君紹介)(第三二九五号)
 同(浜西鉄雄君紹介)(第三二九六号)
 同(日野市朗君紹介)(第三二九七号)
 同(広瀬秀吉君紹介)(第三三九八号)
 同(藤田高敏君紹介)(第三二九九号)
 同(細谷昭雄君紹介)(第三三〇〇号)
 同(細谷治嘉君紹介)(第三三〇一号)
 同(堀昌雄君紹介)(第三三〇二号)
 同(前川旦君紹介)(第三三〇三号)
 同(松浦利尚君紹介)(第三三〇四号)
 同(松前仰君紹介)(第三三〇五号)
 同(水田稔君紹介)(第三三〇六号)
 同(武藤山治君紹介)(第三三〇七号)
 同(村山喜一君紹介)(第三三〇八号)
 同(村山富市君紹介)(第三三〇九号)
 同(元信堯君紹介)(第三三一〇号)
 同(森井忠良君紹介)(第三三一一号)
 同(森中守義君紹介)(第三三一二号)
 同(八木昇君紹介)(第三三一三号)
 同(矢山有作君紹介)(第三三一四号)
 同(安井吉典君紹介)(第三三一五号)
 同(安田修三君紹介)(第三三一六号)
 同(山口鶴男君紹介)(第三三一七号)
 同(山下八洲夫君紹介)(第三三一八号)
 同(山中末治君紹介)(第三三一九号)
 同(山花貞夫君紹介)(第三三二〇号)
 同(山本政弘君紹介)(第三三二一号)
 同(横江金夫君紹介)(第三三二二号)
 同(横山利秋君紹介)(第三三二三号)
 同(吉原米治君紹介)(第三三二四号)
 同(和田貞夫君紹介)(第三三二五号)
 同(渡部行雄君紹介)(第三三二六号)
 同(渡辺嘉藏君紹介)(第三三二七号)
 同(渡辺三郎君紹介)(第三三二八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のた
 めに昭和六十一年度において緊急に講ずべき特
 別措置に関する法律案(内閣提出第二〇号)
     ――――◇―――――
#2
○山下委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。河村勝君。
#3
○河村委員 運輸大臣、この前の私の質問のときに、国鉄用地の売却問題に関連をしまして、非事業用地とみなされるものは全部売却をして借金の償還に充てるのだというお話があって、私の方から、私鉄の状況等も考えて慎重に扱ってほしいということを申し上げましたが、私鉄関係の経営状態の数字につきまして、あのときは正確な数字を持っておらなかったので概数で申し上げましたけれども、もう一遍正確に私から申し上げますから聞いてください。
 私鉄大手の十四社の収支率、収入総計を費用総計で割ったもの、これが収支のバランスを見る数字でありますが、民鉄協会で発表した数字で昭和五十八年度は九七・八、ですから完全な赤字ですね。ただ、私鉄の鉄道部門だけですよ。鉄道部門だけを取り上げるとこういうことになる。ただし、これは配当所要額を比例配分して支出の方に入れてありますから、絶対額が赤字というわけではないけれども、配当もできない状況である。それから五十九年度は運賃値上げがあったものですから、その年だけはどうやら一〇一・五とかつかつで黒になっている。これもとても配当して相当なる株価を維持できる状態ではない。そして地方私鉄になりますと、五十九年度の営業成績を見ますと、全体の七五%に当たる四十七社が経常損失を計上している。経常部門だけだとそういう数字なんです。ですから、それを何で補っているかといいますと、鉄道の収入に対して七〇%に該当する額、これを鉄道以外の収入で賄っているわけです。そのうちの半分以上が不動産関係の収入、そういうことです。ですから、これを見ますと、結局鉄道事業というのは、それだけでは商売にならぬ、こういう数字になるわけです。だから、これから国鉄を民営化してやっていくのには、鉄道外の収入を相当確保しなければ到底成り立っていかないということが明らかになっているわけであります。それだけに、今後だんだん育っていって、資金のめどでもつけばいろいろな方法があるでしょうけれども、当面、新しく民営に移管した際には、少しでも利用し得る土地を残しておかなければ鉄道外収入を獲得するだけの種もなくなってしまうわけですね。ですから、非事業用資産を全部投入するというようなやり方は、私は間違いだと思う。再建監理委員会ですから三千ヘクタールのうち四百ヘクタールは残すということを言っているわけですね。それを考えて近々集約されるそうですが、そういう点を考えて結論を出してほしい、それを私から重ねて要請をしますが、いかがですか。
#4
○三塚国務大臣 河村先生のただいまの御所存の趣旨、心情的に私も理解できるわけであります。問題は十六兆七千億という国民負担をお願い申し上げるということにつきまして、国鉄が自助努力の中でどれだけのことがやり得るのであろうかということで、二千六百ヘクタール程度、五・八兆円というものが積算されたわけでございまして、これも国民の皆様にアバウト十七兆円の御負担をお願いするということでありますればやむを得ぬことかな、こう思うわけでございます。
 そういう点で、しからばただいまの大手十四社の経験あるいは中小私鉄の収支率の御開陳がございました。関連事業で収益を上げてバランスをとっておりますことも、現状の私鉄経営の実態であろう、こんなふうに思うにつけましても、さような意味の行為能力というものを弾力的に鉄道会社に残しておくことが大事なのかとも思うわけでございますが、前段申し上げましたことの中で、この際、スタートを切るに当たりまして、この程度のことは御辛抱をいただきましても、今後の事業経営戦略で十二分に収支相償うだけのことが行い得るのではないだろうか、こんなふうに思うわけであります。
 特に、空中権の活用という問題なども今後の中で読み取れるわけでございますし、また権利として確立はしておらぬようでありますが、最後に残された東京における重要なポジション、名古屋における重要な地域、大阪における重要なセンターであるわけでございますから、そういうような活用の方法などを考える。また事業用地としてそれなりに事業遂行上必要なものが行われるわけでございますから、直轄事業がその事業用地の中でどう展開できるのか、こういう問題も今後の経営の戦略の中で新経営者が考えられると思うのでありますが、そういうことを運輸省としても最大限サポートすることによりまして、ぜひとも経営が合理的に、また健全な方向でしむけられますようにしていかなければならぬのかな、こんなふうに思っておるところでございます。
#5
○河村委員 二千六百ヘクタール、五兆八千億というのは、一応数字として出ておるわけですね。これはそう突拍子もない数字ではないはずだし、売却の仕方によってはまずこれより上回ることだけは間違いないでしょうね。ですから、なるほど確かに国民負担を極力軽減するということは大事でありますけれども、それはこの二千六百ヘクタールだけだって最低限度のものは少なくとも可能性があるし、実際これは売ってみなければわからない話ですね。今、さしあたり五千億でも六千億でもふやしていけば、それは後の国民負担が助かることは事実ですけれども、それによって商売の能力を小さくしてしまえば、結局角を矯めて牛を殺すようなもので、借金償還の一番大きな材料になるのは、民営に移して、本当に民間に株を放出して、その株が相当な額になれば、これは大幅に償還が可能になるわけですね。私鉄でも今通常平均でも五百円から六百円ぐらいの株価をしているわけですから。そうなることが望ましいわけでしょう。ですから、それを考えたら、無理に五兆八千億にこれでもかこれでもかというぐあいに積み上げるというのは余り利口な方法ではないと私は思う。ですから、一定のところで線を引いて、後はやってみなければわからぬことです、何年かかかって。ですから、まだ出そうにないから、また積み上げ積み上げということだけは絶対やめてほしいし、ある一定のところで線を引いて、それで両方とも、株価も十分に維持できるように、五兆八千億は少なくとも十分にカバーできるだけのものにというぐらいのところで線引きをぜひともやってほしい、それをお願いをします。大体そういうふうに了解してよろしいですか。
#6
○三塚国務大臣 大専門家の河村先生の御発言でありますし、できるだけ行為能力を束縛しないような形で、また一生懸命やれば確実にいけるのだということで、これを支援しなければならぬだろうと思います。
 しからば、二千六百ヘクタールを三千ヘクタールに上げてまでもこれをやるのかという御趣旨かと存じますが、さようなことのありませんように、そこまで私ども考えておらないわけでありまして、五・八兆プラスアルファ、どれだけの金額が出るのかな、こういうことでかねがね御答弁を申し上げておりますように、売り方、付加価値をつけるなどいたしまして、できるだけこっちは国民負担の軽減を図るようにしていくべきでありまして、売り方を重点に考えていくというのが一つであります。
 ただ、二千六百ヘクタール、監理委員会の積み上げでありますけれども、今運輸省は運輸省として精査、ずっと最終的なことをやって国鉄と協議をいたしておるところでありまして、若干の数字の動きがあるのかな、こう思います。しかし、それが今私が申し上げました三千ヘクタール、また積み上げ積み上げでとめどもない、エンドレスのような形はありません、こういうことでありまして、御趣旨を体してよく見てまいりたいと思います。
#7
○河村委員 また、この用地に関連をいたしまして、運輸大臣、こういう問題があるのですよね。
 これは過渡的な問題でありますけれども、一昨年の夏に監理委員会の答申が出て以後、国鉄の用地の処分は一切凍結されてしまっている。ところが、長年かかって、国鉄というのはその周辺の都市とは非常に密接なかかわり合いがありますから、都市の再開発あるいは経済の振興、そうしたものの強い協力の要請があるでしょう。そういうものに対して、土地を売るのではなくて、それを活用して、地元の市町村、経済界と協力して、それで一つの開発計画をつくるという例は数多くあるわけですよ。それが現実に進行して、まとまってしまった段階でストップを食ってしまって、現在凍結されてしまって、それで非常な不協和音ができてしまって困っている例が全国に幾つかあるようでありますが、運輸大臣はそういう状況があるのを御存じですか。
#8
○棚橋(泰)政府委員 確かに、先生御指摘のように、国鉄が従来から地元といろいろ御相談を申し上げながら、一体となって駅周辺の開発をやっていこうということで御協議申し上げておる案件がたくさんございます。その後、監理委員会の御意見が出まして、基本的に売却に回せ、こういうことでございますので、それらにつきましては、ある意味で一たんストップをかけて、いろいろ精査をいたしております。
 ただ、御承知のように、最終的に清算事業団へ持っていって売却するもののほかに、年々千六百億円ずつは収入の予算上売らなければならないという問題もございます。そういうこともございますし、また地元との関係で相当熟度が高くなっておるというものもございます。そういうものにつきましては、千六百億の当面の処理との関連等も考えながら、やるものはやらなければいけない、こういうことで現在国鉄といろいろ精査をしておる段階でございます。
#9
○河村委員 国鉄は、そういうものは何とか売った方が高くてもうかるという事情は私にもわかります。だけれども、それだけでは済まない国鉄と地元市町村との関係があるわけですから、一緒に生きていかなければならぬような世界でありますから、少なくとも数年かかってやっとまとまったようなものを、いつまでも結論を引き延ばしておくというのは望ましいことじゃないのですよね。ですから、私は何とかして早急に結論を出してほしい、そうお願いをしたいと思うのです。とにかく結論がいつ決まるんだかわからぬという状態が一番困るわけですよ。その点は一体どうお考えになっているのですか。
#10
○棚橋(泰)政府委員 今申し上げましたように、現在国鉄といろいろ検討いたしておりますけれども、先生おっしゃるように、いつまでも引き延ばすというようなことのないように、早急に検討をいたしたいと思っております。
#11
○河村委員 この問題は、具体的な話をいたしますと生臭くなるから、この辺でやめておきますが、意のあるところはおわかりだろうと思うので、とにかく極力早く結論を出してほしい。要請をしておきます。
 この問題は、それで終わりまして、余剰人員の処理、退職金の関係をお尋ねをいたします。
 希望退職者の特別給付金を基準内賃金の十カ月分という額に定めたのは、電電公社の電話の自動化に伴って電話交換手に適用したものが一つの根拠であるというお話でありましたが、根拠というのは一体それ以外にはあるのですか。特にないのだろうと思いますが、いかがです。
#12
○棚橋(泰)政府委員 国家公務員とかそれに類似した職種としましては、過去において電電公社の例があるということでございますが、それだけで決定をしたということではございませんで、民間もいろいろな意味で特別退職金とかいう名目で上乗せ金を出している例が数多くございます。そういう例はいろいろばらばらでございますけれども、そういうようなものを参考にしながら検討をしてきたわけでございます。
#13
○河村委員 民間の場合にはそれぞれいろいろなやり方がありますし、雇用保険法を適用して相当手厚いものも現実には可能になっているわけですから、電話交換手との比較であるならば、その深刻さの程度においては電話交換手の場合と今度の場合とは大分違う。電話交換手の場合は電電公社という本体が厳として栄えておる状態ですから、そう深刻な問題にはならないけれども、今度の場合は、待ったなしの、これだけはどうしても余剰人員を処理しておかなければ後がやっていけぬという状態のものですから、これよりはふやしてもいいのじゃないか。主張する根拠は私らも持っておりませんけれども、少なくとも電話交換手の五割増し、十五カ月分ぐらいのところになさる意思はありませんか。
#14
○棚橋(泰)政府委員 このあたりはどこに基準を置くかとかどういう判断をするか大変難しいことではあると思いますけれども、先日来お答え申し上げておりますように、この特別給付金というものの性格は、希望退職に応じて進んでやめていこうという方に対する報奨的な意味でございます。そのほかにと申しますか、基本的には、その根っこに特別退職手当というものがあるわけでございまして、この措置自体がかなり優遇された措置である。そういうものにプラスして支給をするというものでございますので、そういう意味では、必ずしも電電公社ということを申し上げるわけではございませんけれども、諸種勘案して、基準内賃金の十カ月というところは私どもかなりの額であるというふうに考えております。一部には国鉄の退職者に対する措置が非常に優遇されておるという見方をされる方もあるわけでございます。私どもは必ずしもそうは思いませんけれども、そういうこともございます。民間の特に非常に苦しい会社の場合の例等も考えますと、国鉄の現状を考えまして、十カ月というのは、私どもとしては最大限の上乗せではないかというふうに考えた次第でございます。
#15
○河村委員 今度の希望退職に対して、資金手当として退職金に千九百三十六億円、それから特別給付金は四百六十三億円というふうになっておるようでありますが、この計算基礎はどうなっているのですか。退職人員が幾ら、特別給付金の対象人員は幾らという根拠があるのだろうと思いますが、一体それはどういうことになっておりますか。
#16
○棚橋(泰)政府委員 今、先生がおっしゃいましたことを若干修正させていただきますと、千九百三十六億というのは、希望退職の二万人の総額でございまして、特別退職手当は千四百七十三億、特別給付金が四百六十三億ということでございます。
 これはすべて二万人を予定しております希望退職の職員に係る部分でございまして、このほかに別途の退職というのはあり得るわけでございます。
#17
○河村委員 国家公務員その他公的部門にその後就職する者は、特別給付金から除外するということになっておりますが、四百六十三億は、希望退職の場合は、全部が民間にその後行くのだあるいはどこも就職しないのかどっちかであって、公的部門に行く者はないという考え方でこれは計算してあるのでしょうか。
#18
○棚橋(泰)政府委員 この二万人の分につきましては、どういう層からどういう方が希望退職されるかというのを想定するのは非常に難しゅうございますので、一応各年齢層から平均的に希望退職が発生するという前提で計算をしてございます。したがいまして、額そのものが必ずこの範囲の中でぴたりになるかどうかという確証はございませんけれども、予算でございまから、一定の積算基礎に基づいておるわけでございます。そこで、お説のとおり、国家公務員に彩られる方がありましたら、その分は要らなくなるわけでございます。ただ、今申し上げましたように、一定の算式で予算として考えられる額を想定したわけでございまして、そういう意味では、万一と申しますか、全部民間へ行かれたとしても大丈夫だというような観念のもとに額の算定をしてあるわけでございます。
#19
○河村委員 今度の希望退職を募集する際に、これは国鉄の問題だと思いますが、就職口をあっせんして希望退職を募集するというのが大部分だろうと思います。その場合、就職の受け入れの時期が六十一年度末にあるとは限らないわけで、これがずれるような場合には、希望退職者の取り扱いは一体どういうふうに扱うつもりなんですか。
#20
○杉浦説明員 希望退職の募集期間は六十一年度いっぱいということでございますので、その間に全部完了をさせたいというつもりでおるわけでございます。したがって、六十一年度中に会社への就職というものを確定したいというふうに思っておるわけでございまして、希望退職金の支払いは、そうした本人の希望退職の決定というものが前提になると思いますので、そうした時期はやはり年度内、六十一年度内でなければならない。ただ、現実に就職先が完全に決定してないというようないろいろなケースがあろうかと思います。いずれにいたしましても、退職という時期は六十一年度ということになろうかと思いますが、若干会社の就職が翌年度にまたがっても、積み増し金込みの退職金の支払いは可能ではないかと私は思いますけれども、もう少しその辺は検討させていただきたいと思います。
#21
○河村委員 公的部門の受け入れ三万人を確保するというお話であります。これはいずれ年度別に採用人員が決定すると思いますが、六十一年度分としては幾らになるかというのは、もう大体見当はついているのですか。
#22
○中島(眞)政府委員 六十一年度分の公的部門での採用の目標数でございますが、六十一年度については、閣議決定をいたしました時期には既に試験等が実施されているものもございますので、全体の年間計画の中からすれば少ない数字になりますけれども、公的部門全体で二千六百人を目標といたしております。その内訳といたしましては、国家公務員と特殊法人、いわゆる国という関係で約千六百名、それから地方公共団体関係が約一千名でございます。
#23
○河村委員 今、国鉄で、いわゆる広域異動、北海道、九州から東京、大阪、名古屋地方への転勤を募集して、配置人員のアンバランスを是正することをおやりになっているようでありますが、その目標と実施状況は一体どういうふうになっておりますか。
#24
○杉浦説明員 第一次の目標の人数としましては、当初、東京、名市屋、大阪地区への北海道、九州からの広域異動としまして三千四百人という目標を立てました。三月二十日から募集を開始いたしておるわけでございますが、現在時点での応募者数は、北海道地区から千二十九名、九州地区から七百四十三名、合計いたしまして千七百七十二名、こういう状況になっております。
 さらにまた、この応募状況を見まして、追加をいたしまして、雇用の場と余剰人員とのバランスがとれないものといたしまして、やはり本州の中でもそういう地区がございますし、四国がやはりそういう状態でございますので、こういう地区からの募集も開始をいたしておるところでございます。
#25
○河村委員 北海道、九州が一番余剰人員が多いわけで、北海道などは二人に一人が余剰人員になるという計算になろうと思いますが、内地への異動が予定に比べて半分ぐらいしかないわけですが、その原因というのは一体どこにあるのですか。
#26
○杉浦説明員 やはり長年住みなれました国を離れるということについての御本人のそれぞれの判断というものが大変難しいであろうという予想は私どもいたしておりました。しかしながら、将来の展望、それぞれの生活設計というものを十分考えていただきますれば、当初の三千四百人程度、これは住宅の事情から割り出した数字でございますが、この程度の人数の応募があるものというふうに考えておりましたが、やはり現実といたしましては、それぞれの住みなれた地域を離れてまで新しい土地で働くということについて相当抵抗があったのではなかろうかというふうに思うわけでございます。その辺は、あくまで希望を聞いた上での本人の希望に沿っての措置でございますから、これもまたやむを得ないかなというふうに思うわけでございます。
 そういう意味におきまして、先ほど申しましたように、若干対象の範囲を本州内及び四国に拡大をすることに決めたわけでございまして、第一陣の三千四百人という目標がどの程度まで充足されるかどうか、今後も十分に注意して見守っていきたいというふうに思っております。
#27
○河村委員 しかし、北海道や南九州の場合に、将来余剰人員になって就職の機会を求めるとしても、北海道内あるいは南九州にあるというのは常識的には考えられない。だから、いずれにしても、将来、内地という言葉は余りいい言葉じゃないが、本州へ出てこざるを得ないというのは、大体わかっているはずだと思うのですがね。住宅は三千四百人準備してあるのですか。それにもかかわらず来ないというのは、ちょっと我々には解せないのですが、何かほかに原因があるのじゃないですか。
#28
○杉浦説明員 主たる原因は、先ほど私が申し上げましたような、それぞれの個人あるいは個人の御家庭でのいろいろな御検討の結果だというふうに思うわけでございまして、先生おっしゃいますように、将来、雇用の場と余剰人員のアンバランスというものは、特に北海道、九州はどうしても避けがたいものがございますので、私どもは、そうした事情を今後ともよく各職員に伝えまして、まだこれからの判断をそれぞれしていただくようにお願いをしてまいりたいと思っております。
#29
○河村委員 この広域異動をやる目的は余剰人員のでこぼこ調整でありましょうが、北海道あるいは九州から本州に連れてきて国鉄の中で仕事につく。そうしておいて、さらにそれをもう一遍余剰人員として就職あっせんをするというのは、論理上どうもむだなことというか、何か来る人に対して矛盾があると思われるのですけれども、本州に連れてくる以上は、これは将来新会社に必ず行かせる、そういう前提で異動するというふうに考えてよろしいのですか。
#30
○杉浦説明員 住みなれた故郷を離れるという大変重大な決意をそれぞれの希望者にしていただくわけでございますので、その他のいろいろな御希望、住宅、教育あるいは自分の将来の進路といろいろな御希望がたくさんあろうかと思いますが、私どもとしましては、なかなか無理の中を決断していただくそれぞれの職員に対しましては、職員の希望にできるだけ沿ってあげたいというふうに思うわけでございまして、将来自分が鉄道会社に行きたいという希望があるとすれば、これもまた十分そういう方向に向かうように努力いたしたい、こう思っております。
#31
○河村委員 この前、六十年度の特退が二万七千見当であるというような答弁があって、その後精査して、またこの委員会に報告するというお話でありましたが、結局どのぐらいになったのですか。
#32
○杉浦説明員 まず、私から総数だけちょっと申し上げますと、その後精査をいたしまして、六十年度末のいわゆる勧奨退職者、合計いたしまして二万七千九百人でございます。このほかに一般の自然退職者、病気その他一般の方がございますので、それらを合わせますと、全体の減少といいますか、退職総数は約三万人ということに相なります。
#33
○河村委員 当初はどのくらいの退職者を六十年度中に予定していたのですか。
#34
○澄田説明員 当初予定は一万九千でございます。
#35
○河村委員 そうすると、当初に予定していた余剰人員から一万一千人余剰の数が少なくなる、こういう数字になるわけでありますが、その場合には、その少なくなった分、それをどこに持っていくのかというのは変な言い方ですが、例えば四万一千人の清算法人に持っていく分を減らすのか、あるいはそのほかを減らすのか、その辺は一体どういうこと。になるのですか。
#36
○澄田説明員 今、六十年度中の合理化数を精査中でございますが、合理化数が当初目標の三万五百よりもかなり上回っておる状況でございます。恐らく四万を超えるかと思いますが、その辺を精査いたしますと、余剰人員につきましても、恐らく当初予想三万七千に対しまして三万八千程度ではなかろうかという推定をいたしております。
#37
○河村委員 余剰人員が減った分を、あるいは新しい会社の中の余剰人員を減らすのか、それとも清算法人に行く人数を減らすのか、そういう仕分けの仕方は一体どういうふうに考えているのですか。
#38
○澄田説明員 今、現時点で約三万八千程度の余剰人員と推定で申し上げましたが、あと今年度中に、特に十一月一日のダイヤ改正を目途にさらに合理化をこれから進めてまいりまして、当初予想の余剰人員とほぼ見合うものが出てくるというぐあいに考えております。
#39
○河村委員 ところで、清算法人に移籍するものが結局同じ四万一千人ということに相なるとすれば、その中で、この間も賃金をどうするかという話が出ておりましたが、清算法人の中で法人固有の仕事に従事する者は別としまして、それ以外の者、将来他の職場への転職を前提として入ってくる者、これに対する賃金の扱いというのは、一体今現在どういうふうに考えておりますか。
#40
○杉浦説明員 清算事業団に参る職員は、現在の国鉄の職員の中から新しい旅客会社等の事業体へ採用された者以外、これはもう自然といいますか、そのまま清算事業団の職員となるというふうに法律上に規定をされております。
 その場合、労働条件につきましては、これから詰めていかなければなりませんが、職員の方たちがそのまま移行するということでございますれば、原則的には今の賃金体系というふうなもので移行をさせたいというふうにも思っておるわけでございます。しかし、清算事業団の中の働きの度合い、その職種は、今先生おっしゃいましたように、中で具体的に仕事につく人あるいはまた教育訓練を受ける人あるいは派遣される人、いろいろな態様があろうかと思います。そうした働きの度合いに応じまして、やはり諸手当等々の問題につきましては、それなりの賃金体系があってしかるべきだというふうにも思いますので、鋭意検討をしているところでございます。
#41
○河村委員 自動的に清算法人に残るということであれば、日本全体でもってそれぞれの地域にそういう人員が発生するわけでありますが、一体、移籍をしたからといって、一カ所に集めるというわけにはもちろんいかないわけでありましょうが、その居住地等の扱いはどういうふうに考えておりますか。
#42
○杉浦説明員 現在、全国に三十万人の人がそれぞれ各地で職について働いているわけでございますが、そうした中から、いわば平均的な四万一千人ということでございますれば、それぞれの地にそうした四万一千人が存在するということになろうかと思います。その四万一千人をどこにどのように集結して、それぞれの仕事をしていただくか、これは今中で精査中でございますが、やはり全国にばらまかれているというふうに考えるわけでございます。
#43
○河村委員 常識的に考えて、全国にばらまかれたものを、例えば九州なら九州で一カ所に集めることすら非常に難しい話だと思うのですが、そのまま過員扱いのような形にしておくわけにもいかないのでしょうが、大体の構想というものは、今まだ何もないのですか、そういう取り扱いについては。
#44
○杉浦説明員 本来の仕事があるわけでございます。清算事業団本来の仕事としましては、まず大変な膨大な債務の返還業務ということ、それから債務を少しでも少なくするための土地の売却に関係する仕事、それから売却の金額をより高めるための基盤整備事業というような仕事、あるいはまた四万一千人のそれぞれの就職先への教育指導訓練、あるいは職業あっせんというようなものに従事する本来職員というようなふうに本来的な仕事をやるという人がかなりおると思います。それ以外の人は、これはやはり三年間のうちに雇用の場を見つけまして、適切な職業指導、教育訓練を経た後に他へ転職するということになるわけでございますが、それらの人数等々を今内部で詰めて精査しているところでございます。
#45
○河村委員 勤務の態様がいろいろありますから、一律にいかないと思いますが、最低限度基準内賃金は確保するということでなければならないと思いますが、どうお考えですか。
#46
○澄田説明員 今の御質問に対しまして、基本的には、法案が通過いたしましてから、設立準備委員等、新しい事業体で考えるべき問題でございますけれども……(河村委員「清算法人」と呼ぶ)はい、清算法人につきましては、私ども今後、先ほど総裁が答弁いたしましたように、仕事の実態、現在の鉄道事業というものはもうやらないわけでございます。それ以外にいろいろな仕事の態様がございますので、その仕事の態様を十分勘案いたしまして、今後関係方面と相談をしながら検討を進めてまいらなければいかぬ事柄であると思っております。
 今の基準内の問題につきましても、あわせて検討をさせていただきたいというぐあいに考えております。
#47
○河村委員 十一月に時刻改正の発表がありました。旅客関係は一応見当がつきますが、貨物関係について非常に大幅な改正があるようであります。これによって新しい貨物会社の構想にある五千五百万トン輸送、二十万五千列車キロの体制ができる、そういうことになっているわけですか。
#48
○棚橋(泰)政府委員 御承知のように、昨年の十一月末に一応の試算と申しますか、貨物の構想を運輸省と国鉄でまとめてお示しを申し上げました。今回は若干それを精査をいたしたわけでございます。一応その結果、今先生御指摘のように、輸送トン数は昨年十一月にお示しいたしました五千五百万トン、大体そういう線でございます。ただ、列車設定キロは若干動きまして、二十万キロと言っておりましたのが若干ふえまして、二十万五千キロということでございます。
#49
○河村委員 要員の査定のことですけれども、全体の要員規模というのは、本来なら全部積み上げていかなければなりませんけれども、まだ全体としてそこまでは恐らくいってないと思いますが、貨物関係の規模ぐらいならばそれも可能であろうし、特に乗務員関係が大半を占めるはずであろうと思いますから、乗務交番等を積み上げていけば人数はおよそつかめるだろうと思います。これでもって今度のダイヤ改正を前提として要員規模は幾らになるのですか。
#50
○杉浦説明員 今度のダイヤ改正の際に、要員の体制というものも具体的に詰めております。駅の関係要員あるいは運転関係、それから構内作業に従事する人、あるいは今まで持っておりました列車掛、あるいは車両の検査業務、こういうようなところをできるだけ効率化を図ることを細かく詰めておりまして、その結果、総員一万二千五百人の要員規模ということでやるという見込みを立てておるところであります。
#51
○河村委員 一万二千五百人といいましても、今度の列車の設定の仕方を見ても、輸送量の少ないところからもかなり列車をつくっているわけでありますから、そこでは列車を運転するにしても、一人の人間がフルにやるだけの仕事は恐らくないはずだと思います。だから、そういうところは旅客会社の人間に一部仕事を委託してやるというような格好になるのだろうと思いますが、実人員で言うと、一体どのくらいになるのですか。
#52
○岡田(昌)説明員 現在、貨物に充当しておる人間が四万六千六百人と試算されておりまして、ただいま申しましたように、今度の大幅な列車ダイヤ改正におきまして、直行化を図るということで一万二千五百人と考えております。したがいまして、今先生御指摘の、具体的な駅あるいは機関区における具体的な要員の配置はこれからでございますが、確かに相互に受委託はあろうかと思いますが、それはまず相殺される範囲内だと思っておりまして、実人員一万二千五百人で会社をスタートさせたい、そういうふうに考えております。
#53
○河村委員 この場合、収入の方の想定、これは今度の列車ダイヤを前提として六十二年度の貨物運賃を上げるのか下げるのか、その辺の見当は私もよくわかりませんが、大体この列車ダイヤを前提として運輸収入はどのくらになると想定しているわけですか。
#54
○岡田(昌)説明員 今回の収入の想定に当たりましては、コンテナを主体にし、物資別輸送を重点的に配置いたしまして輸送確保をいたそうと思っておりまして、試算は運賃の改定は見込んでおりません。約千六百五十億程度の収入を見込んでおります。
#55
○河村委員 千六百五十億円で一万二千五百人ということになりますと、収入に対して人件費率は幾らになりますか。
#56
○岡田(昌)説明員 約四二%と計算いたしております。
#57
○河村委員 収入に対して四二%で採算はとれる、そうお考えでしょうか。
#58
○棚橋(泰)政府委員 若干数字を私どもの把握しておりますのは、もうちょっと、千六百五十でなくて千五百五十だったと――ちょっと後で精査をいたしますが、人件費率は四二%でございます。基本的には、貨物会社を健全にやっていくためには三〇%台というのが一番望ましいであろうとは考えております。そういうことでいきますと、今の一万二千五百が一万人近くになるのが理想ではないかと考えております。
 ただ、貨物会社もそのスタート時点では若干余裕を持った人員配置をいたしませんと、すぐに完全に徹底的な、効率的な形も難しいであろう。それから将来的には関連事業等へも若干人間を出していかなければいけないというようなことを考えまして、おっしゃるように、ちょっときついのでございますけれども、四〇%を若干超える人件費率で会社をスタートさせるという計算をしておるわけです。
 ただ、その面につきましては、収入その他の面との関係におきましては、今の人件費でも、わずかではございますけれども黒字は計上できるというふうに考えておるわけでございます。
#59
○河村委員 この設定した列車が実際フルに活用される、実際に実入りで走れるかどうかというのは非常に大きな問題なんですけれども、これは大体どのくらいの見当ではじいてあるのですか。
#60
○岡田(昌)説明員 コンテナ列車につきましては、現在、実際は六割程度の乗車率でございますが、今回はそれを七五%ぐらいまで上げられるというふうに考えております。
#61
○河村委員 なかなか大変ですね。これから先にいくと、もう何か本体の議論ばかりになってしまうので、きょうはこのくらいでやめます。とにかく貨物会社が一本立ちになるというのは常識的には非常に難しいように思われるので、なお御勉強を願いたいと思います。
 これで終わります。
#62
○山下委員長 横山利秋君。
#63
○横山委員 質問をするに先立って官房長官にお伺いをいたします。
 まことに奇怪なことでございます。もう質問をするのも本当にばかばかしいような政府の大失態でございます。我々は今この六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案を審議しておる。ところが何ぞ図らん、三月三十一日、本体の法案はまだ本会議で質問もしてない、審議も全然してない、その本体に関するものが、法律が通ったものとして官報号外特第一号で「六号で公布された法令のあらまし」として、驚くなかれ「地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律」として国鉄に関する地方税、それから旅客会社、貨物会社から清算会社からもうすべて、電気税から自動車取得税から軽油引取税、事業所税、もう地方税のあらゆる分野にわたって、通りましたので、どうぞ勉強してください。これは何事ですか。国会軽視も甚だしい。我々はまだそこまで行かないで、本年度やめる人間の十カ月分の特別のお金を審議しているのに、全部通ってしまって、もう通ったから国鉄の税金はこうだというようなばかげたことが一体どこにありますか。
#64
○後藤田国務大臣 ただいま横山さん御指摘のような失態が官報登載をめぐって発生をいたしましたことは、まことに遺憾な出来事でございまして、深くおわびを申し上げたいと思います。
 なぜこういうような考えられない失態が起きたかということでございますが、これはやはり長い間のなれから来る過ちであろう、こう私は考えるわけでございますが、許されないような失態でございますから、責任者に対しては十分私の方から注意もいたしますし、何よりも仕組みそのものをこの際やり変えるということによって、再びこの種の誤りが起きないように厳重に処理をしてまいりたい、かように考えまするので、お許しをいただきたい、かように思うわけでございます。
#65
○横山委員 今、官房長官はそういうなれというかというふうに答弁をされましたが、私は政府全体にわたって言いたいことは、いかにも分割・民営化が既成の事実のような感覚が横隘しているということを指摘したい。この既成の先入主というものが、単に政府全体のみならず、運輸省、国鉄を含んで今始まっておる広域配転からこの希望退職からすべてそれのおぜん立てとして行われているから、一事が万事、法律案と「あらまし」の原稿があなたのところに出たら、うん、そうかと言うつもりでぱっとやってしまったという先入主があると思いますが、いかがでしょうか。
#66
○後藤田国務大臣 このような国鉄の大改革という問題がいかに重要なことであるか、これはもちろん国会でも縦横の御論議を賜らなければならないし、事柄の重大性はすべてわかっているわけでございまして、今回の失態は、横山さん御指摘のようなこととはまるきり違う、そこだけはひとつ理解をしていただきたいと私は考えておるわけでございます。
 先ほど申しましたように、やはり官報登載といったような仕事の重要性、これは中身によっては非常に重要なわけでございますね。そこらを従来の長い間のなれによって下部まで委任をし過ぎておったというような点が誤りのもとであろうと私は思いまするので、そういった点については、失敗を繰り返さないように、今回の過ちを教訓として軌道の大修正をやりまして、間違いないようにいたしたいと思います。ただ、横山さん御指摘のようなことで今回の過ちが起きたというのではないということは、ぜひひとつ御理解をいただきたいと思います。
#67
○横山委員 あなたはそうおっしゃるけれども、私は事ほどさようにいろいろな問題でそれを痛感しておるわけであります。単に中央ばかりではありません。国鉄の全職場にわたって分割・民営化がもう既成の事実として、それを受け入れるためのすべてが準備をされておる、私は現場を歩いてそう思うのであります。そうなりますゆえんのものは、政府・運輸省、国鉄当局がそれをもう既成の事実として仕事を進めておる。法律は全然通っておらぬ、審議もまだ片りんも行われておらぬ、そういう状況の中であるからこそ既成概念というものが、こういう間違いを、間違いではない、ああ、そうかそうかということになっておる。長官はその運営のこういうことになってくるシステムを御存じですか。法律案と「あらまし」との原稿があなたのところへ来る。法律案は閣議で通る、「あらまし」が一緒に出てくるわけですね。一緒に出てくること自身が私はおかしいと思うのですよ。法律案は国会に付託される。「あらまし」は通ってからの話であります。一緒に出てくること自身が既成概念がもう既にあると私は思う。そしてチェックをしなければならない当たり前の常識がそこで働かなかったのは一体どういうことだと言いたい。そしてこれは後で気がついて八日に全文削除したのですか、そして十一日に今度はこの訂正が行われた。訂正といってもまるきり、「三月三十一日本号で公布された法令のあらまし欄は、次のとおりとする。」と書いてある。「次のとおりとする。」といったって、前に書いたものが全然載っていなくて、全く違った「次のとおり」が出ておるわけであります。全く違った「次のとおり」が出ておる。こんなばかな取り扱いがありますか。あなたは見ているのですか、この官報を。「次のとおりとする。」訂正じゃないのですよ。前についておったものと全く違ったものが「次のとおりとする。」そんなばかな理屈がありますか。
#68
○森説明員 今、先生御指摘の点でございますが、官報に載せる場合に、法律そのものと、それから今ここで問題になってございます「あらまし」と両方載せているわけでございます。法律を載せますのは、これは正規の公布の手続に従ってやるということでございますので、これは閣議で決定をいたしたものを載せるということでございますから、当然官房長官の御決裁をいただいてやっている……(横山委員「決定した案を官報に載せる」と呼ぶ)成立をいたしました法律を……(横山委員「成立だろう、案は出せないよ」と呼ぶ)はい。
 それから、「あらまし」の方でございますが、これは官報の利用者と申しましょうか、読者の方に御理解をいただく便宜のために載せておるというようなことで、事務的な整理でございますので、私どもの事務的な立場で処理をいたしたものでございます。したがって、私どもの誤りであったわけでございます。「あらまし」の方につきましては、今御指摘のように、私どもの事務的な段階で処理をいたしたということでございますので、あくまでも私どもの責任だと思っております。
#69
○横山委員 とにかく官房長官、これは一事が万事だと私は何回も言いますよ。こういうようなことが起こるということは、分割のこの法案が通る、だからその準備をする、そういう既成事実、既成概念、先入主というものが政府内に横隘しておる。けしからぬ。全く国会軽視です、これは。単なる事務上の誤りではないと私は見る。だから、あなたが、そうじゃない、横山さん、ほかはそんなことはないだろうと言うなら、私は次から次へと問題を提起しますからね。今回は特にけしからぬ。承れば、あなた、これから議運へ行くのかね。参議院の内閣委員会に行くのかね。八万頭を下げていらっしゃい。この問題の処理は議運、国対でいたしますから、きょうは詰めをいたしませんが、厳重に失態を指摘しておきます。どうぞお帰りください。
 次に、この間小林委員が質問をして、次の運輸委員会までに提示をすると言った二月、三月にかけての希望退職者の数、各局別、それから職種別、それはきょうの運輸委員会に出してもらえるものだと私は思っておったが、ちょっとも出てこぬ。どういうわけだ。
#70
○葛西説明員 先回の委員会で御要望のありました資料につきましては、用意いたしまして提出できるように準備してございます。
#71
○横山委員 今もらえぬのか。今配付できぬのか。
 一遍言っておくが、さっきも見ておったのだが、質問しておると三人そこで手を挙げるのだな。国鉄総裁と澄田さんか、葛西君か、三人手を挙げる。一体どういうことだと私は思った。この間から本委員会の運営を見ていると、偉い様は抽象的に言う。話の締めくくりは下っ端がやる。どういうところだろう、国鉄というところは。責任ある話は責任ある人間が言わなければいかぬ。運輸委員長がいやしくもこの間こうしろと言ったことを、何で総裁が責任を持った答弁をせぬ。こういう風習はよくないよ。
#72
○山下委員長 これは政府委員、説明員、それぞれ答弁できる立場にありますから。おわかりだからいいでしょう、それで。
 澄田常務理事。
#73
○澄田説明員 ただいまの御質問に対しまして数字を申し上げたいと思います。
 六十年度末系統別、島別特退者数でございます。総数で二万七千九百でございます。総局、鉄道管理用、営業で九千八百四十、運転で六千九百七十、施設で二千六百九十、電気で千二百六十、その他、非現業等でございますが三千二十、総局、鉄道管理局以外の地方機関、工場、工事局、自動車等でございますが、これら四千百二十、合計二万七千九百でございます。
 地域別に申し上げますと、北海道で三千五百四十、本州で二万六百二十、四国で六百七十、九州で三千七十ということでございます。
 以上でございます。
#74
○横山委員 何でそういうことを早く、ちゃんとあるなら、事前に配って私どもが質問をしやすいようにしておかなければいかぬ。本当に不親切だな。何か作為的にやっているような気がしてしょうがないよ。これは一遍検討します。
    〔委員長退席、津島委員長代理着席〕
 この際、大臣にひとつ考え方を伺いたいと思います。
 私は、国鉄駅へ給仕として就職をした人間です。長く国鉄の飯を食ってきました。私どもが国鉄へ入ったころは、娘やるなら鉄道員へ、やめたら退職金で晴耕雨読。そして後藤新平氏でありましたか、提唱いたしました国鉄大家族主義、まことによかれあしかれ国鉄魂、そういうのが、終戦のときに、全日本すべて動いていないときに汽車だけが動いておったというエピソードも生んでおるわけであります。この国鉄の長い間の伝統は、世界にうたわれた、例えば安全、正確、輸送一体。つまり汽車を動かすためにあらゆるセクション、あらゆる層がそれに結集するという協同の精神。そして現場では嫌と言うほど無事故。無事故達成のために嫌なことまでやっていく、ごまかしてでも無事故の統計をつくる。そこまで無事故の問題というのは国鉄の一つのシンボルになっておったわけであります。しかし、今こういうときになって、この国鉄のよくもあしくも大家族主義は崩壊をしようとしています。それにとってかわるのが合理主義です。そして公共性は企業性にとってかわろうとしている。そして全国輸送一体の精神が、分割による会社の対立、あらゆる面において利害の対立という精神を生もうとしています。
 私は今、一方がすべてよい、一方がすべて悪いと必ずしも言いはしません。けれども、この伝統の国鉄が、このような大きな形式的な問題よりも、国鉄に働く人々の精神の大きな変革をもたらそうとしている。大体累積債務が原因であります。ほかに国鉄をこうしよう、分割・民営化しようというような基本的要因は余りないと私は思うのであります。累積債務こそまさにその基本的要因だと認識をしています。こういうように、赤字だからやる、赤字を解消するために国鉄の大改造をするということだけで、過去営々として築いてまいりました先人の努力、先人の足跡が崩壊するのが一体いいだろうかと私は思われてならないのであります。もし万一、先般も当委員会で私が言ったのですけれども、大災害があったとき、大事故があったとき、あるいは会社間で利害が対立して調整が困難になったとき、国家的な非常時になったときに、今回政府が国会に提案をしようとしておる分割のこの法案は、必ず将来崩壊することになるのではないかと私には思われてならないのであります。そのとき後世で、時の大臣、三塚運輸大臣は悪名をとどろかせることになるのじゃないかと私は思います。大きな改革であるから、時の流れであるから、そして監理委員会がやったからということで、とうとうとしてこの道を進もうとしておるのであるけれども、先人が通ってきた国鉄の歴史を踏みにじるような結果になることについて、本当に心に悔いることはないのか、大臣の所見を伺いたいと思います。
#75
○三塚国務大臣 横山先生御指摘のとおり、日本の鉄道はまさに日本の近代化を支えてきましたし、あの敗戦の大混乱の中でも日本国有鉄道だけはしっかりと運行され、戦後の国民に大いなる希望を与えました。復員をされてきた方々も鉄道が走っておることに随喜したお話も承っております。日本の国有鉄道というのは、近代化だけではなく、まさに日本のバックボーンであった、私もさような意味で全く同感でございます。
 しからば、こういうことで長期債務の処理という一面的な面だけでどうだという先輩の御指摘でございますけれども、それも一つの大きな原因であります。同時に、鉄道をこのままの状態で全国一体的な運営が果たして可能なのかどうなのだろうかということに対しまして、再生をせしめるためには分割・民営の手法もとらざるを得ない、こういうことに相なってきておるわけであります。というのは、監理委員会の答申もさることながら、政府としてももろもろ検討いたしました結果、鉄道再生、新生のために、現状に合った鉄道機関としてこれを運行する以外にないのではないか、こういうことであります。
 米国の例を申し上げて恐縮なわけでありますが、パイオニア、開拓鉄道、大変な歴史の中で米国の繁栄を導いたことも事実でありますが、戦後モータリゼーションの中で、縦横に張りめぐらされました高速道路、自動車道路の中で鉄道は埋没をしていってしまいました。アムトラックが今辛うじてそれを運行いたしておるという諸状況の中で、今日の経済、社会の大変革は、まさに米国だけではなく、先進国家に相なりました日本の全列島にもこのことは大きな影響力をもたらしたわけでございますし、このまま従前の方式でまいりますならば、鉄道は自然に撤退をせしめられていくのではないだろうか。自然死であってはならないということで、新幹線をつくり上げた鉄道、そしてこれを運行しておる国鉄全体、さらに在来線、地方線の中でも、確実に地域鉄道としての使命を果たし、現在も果たしておる線区もあるわけであります。
 そういう中で、ただ残念ながら特定地方交通線に指定をさせていただきました線区は、そういう意味で完全に機能を果たし得ないということに相なり、再建のためにこのことを法律に基づいて進めさせていただきましたのも、何とか一体的な鉄道としてこれを運営してまいりたいということであったわけでございますが、激しい時代の流れの中で、それだけでは到底鉄道としての再生、新生は難しいという最終判断に立ちました結果、今日の改革案をお示しを申し上げながら国会の論議に備えさせていただいておるということでありまして、私自身、鉄道の持つ公共性が地方において全くないと言うつもりは一つもございません。北海道、四国、九州、こういう地区において、公共性の中でこれを維持しなければならぬ線区のありますことは承知いたしておりますけれども、全国一本で内部補助制度でこれをやるのではなくして、地域鉄道、北海道鉄道あるいは四国鉄道という形の中で、この線区を維持する方式の方が地域の幸せになり、鉄道の使命達成に相なっていくのではないだろうかということで、今回の基本的な考え方を明示させていただいております。
 言うなれば、国鉄が一体となって果たしてまいりました輝かしい伝統、また実績というものをさらに二十一世紀以降に延ばしてまいりますためには、ここが先生と考え方が違うわけでございますが、今の公企体の中で、全国一元的な中で、これを取り進めるということではなかなか国民の鉄道への理解、またその活用というものを全体的に図ることは難しいなということで、コンパクトな形でこれを取り進めさせていただき、鉄道の持つ特性というものを地域と一体となって取り進めさせていただく、あなた任せではなく、その地域も自分の鉄道という形でこれを取り進めることの方が鉄道のよさというものを将来に展開できるのではないだろうか、こんなふうに考え、いろいろな法律を国会に提案をさせていただいておるということでございます。
#76
○横山委員 私の意見とすれ違いが起こっていますね。今日まであなたがおっしゃる国鉄の伝統というものは、一つは安全、正確であり、一つは輸送一体性であり、そして一つは公共性である、あるいはよくもあしくも大家族主義である、そういうものが今回の改革をなさろうとしている中でどうなっていくのか、それを含めて国鉄精神というものが崩壊し始めておるということを私は言いたいのです。あなたは自分の都合のいいことだけをおっしゃっているけれども、私の指摘に何も答えていないのですよ。
 去年の春仁杉さんが更迭されました。ここにこの間の土曜日、仁杉さんの「鉄道を愛す」という随筆が載っています。これからどういうことをお書きになるかしらぬけれども、要するに、前総裁は「六十二年度に民営化はするものの、分割は六十五年度までに検討する内容だったため、再建監理委や運輸省から激しい批判を浴びた。」こうして取り込まれて、結局はやめたけれども、「縄田副総裁以下六人の役員のことを考えると、「私一人辞めればいい」と思っていただけに、いまでも胸が痛む。」と書いてある。これはひとり仁杉さんの問題ではない。国鉄内外から今言われておることは、マッカーシー旋風が吹いた、いわゆる仁杉派全国大掃除、こういう雰囲気が充隘している。それが現場にも伝わって、現場長も口を繊して自分の意見を言わなくなった。分割の大きな波の中で、余分なことを言うわけにいかぬ。
 その上、もう一つ国鉄の内外で言われておることは、総裁が、あるいは大臣がここで言うけれども、実際に切り盛りしているのは国鉄の三人組だという話がある。だれだかはよう知らぬ。総裁が言っても大臣が言っても三人組が動かしている。中国の四人組と一緒だ。その連中が頑として総裁の言うことを聞かぬ。そして自民党の某々とツーツーになって、トラの威をかりて仕事をしておると現実に言われておるんですよ。新聞の解説でもそれらしいことが出ている。下剋上じゃないか。中枢部に三人組がおって、そしてマッカーシー旋風が吹いて、現場長は口をつぐんで、言いたいことも言えないような雰囲気で再建ができますか。まさに国鉄の内部は人事で縦割りになっている。分割派と無言派あるいは黙っておって協力をしない者。いわんやOBの諸君は何と言っておるか。中枢部におって退職した人々は何と考えておるか。聞いたことがありますか。総裁や副総裁の指導力が疑われておる。前の仁杉総裁のときもそうだった。一体これで世紀の大改革と言われるようなことが、衆知を集めて、現場の職員の意見も集めてやることができるだろうか、私はそう思っています。今私が指摘したことについて総裁はどうお考えですか。
#77
○杉浦説明員 大臣への前の御質問をも含めまして、私の考えを申し上げたいと思います。
 長い歴史を持ちました国鉄の将来展望というものに当たりまして、分割・民営はさておきまして、やはりこれだけの長い歴史を持った国鉄の中に非常にいいものがたくさんあります。その第一番は、今先生がおっしゃいましたように、長年培われました鉄道人としての魂といいますか、誇りといいますか、そういうものがある。これはやはり職員一人一人の中に根強く残っている。それが世界に冠たる安全、正確無比な列車運行、しかもかなり過密の列車運行を毎日安全に行っておる源泉だというふうに私は思っております。将来の経営形態がどうあろうと、やはりこうした歴史的に培いました立派な鉄道魂というものは、将来にわたって絶対残していく必要があるというふうに思います。これが一つ。
 それから、鉄道そのものとして将来展望はどうかということでございますが、鉄道は世界各国皆赤字で斜陽でございますが、日本の鉄道は、鉄道の特性というものに着目すれば、やはりこれは日本の特徴としまして、鉄道事業というものは特性分野というものが必ずあるというふうに思っておるわけでございまして、そうした特性分野を十分に生かしていくような仕組みにすれば、鉄道は将来明るい展望になる、こういうふうに思っておるところでございます。
 そとで、分割・民営というふうに経営形態論というふうなことをとらえましたのは、この二つの、先人が残しました大事なものを、いかに鉄道として将来に残していくかということの手段だというふうに思っておるわけでございまして、先生先ほど御指摘のように、今の国鉄の状態というものは、歴史的に百年以上の中で大部分を占めました独占形態、こういうものが今や喪失されております。他のすぐれた交通手段と激烈な競争裏に置かれてしまっておる。これはもうどのように見ましても、その事実は変えられません。やはりこういう競争裏の中でどのようにして鉄道というものを生かしていくか、そういう観点が大事であろうかと思いますが、今までのような公共性だけに着目をいたしまして、すべてそこに焦点を合わせるというだけでは、なかなかその競争に勝っていけない。それがまた鉄道自身を衰微させるもとになるというふうに思うわけでございまして、私は、特性のある分野の公共性を決して疑うものではありません、公共性はあるというふうに思いますが、この鉄道を生かすためにこそ、やはり民営化する必要があり、また分割する必要があるというふうに思っておるところでございます。
 そうした私自身の基本的な考え方につきまして、職員三十万人それぞれいろいろな考え方があるかとは思います。とりわけ一番大事なのは、管理者あるいは役員、上に行けば行くほどそうした考え方の方向づけというものは極めて大事であるというふうに思うわけでございまして、私は、総裁を受けるに当たりまして、一緒に仕事をする者、特に一緒に仕事をする役員につきましては一人一人に意見を聞きました。私はこう思うが、あなたはどうか、ということで意見を聞きました。こういう大変な時期でございます、心を一つにしてとよく言いますけれども、少なくとも上に立つ者は、心は一本となって事に当たらなければ、これだけの大きな仕事はできません。そういう意味から、外部からいろいろと御批判があろうかと思いますが、私なりに人事もやらせていただいております。私は国鉄全体の最高責任者であります。三人組その他の話がございましたが、私自身最高の指導力を持って断固としてやっておるつもりでございます。そうしたことで、今後とも皆様方の御意見を十分にお承りしながら、これからの改革の道に進んでまいりたいということでございますので、御理解を賜りたいと思います。
#78
○横山委員 綸言汗のごとし。この間から大臣や総裁がここで言われた、例えば雇用についてもそうでありますが、言われたことは、そこに、後ろに並んでいる運輸省の諸君あるいは国鉄の幹部の諸君、本当に肝に銘じてそのとおりにやってもらいたい。これから私どもと大臣並びに総裁と話が合って、多少それが曲がっておっても、よし、それならコンセンサスができたというようなことを、途中で曲げたりひねくったりしないようにしてもらいたい。それを希望したいのです。
 それから、総裁にもう一つ嫌な言い方をしますけれども、大臣もおっしゃるように、あなたもおっしゃるように、国鉄の独占体制が崩れた、これが基本的な問題であったと私は思います。崩れたからこそ三十七兆にわたる累積赤字の問題が我々の目の前に厳として現実の問題としてあると私も認識はしています。しかし、それはともあれ、今まで特に総裁は運輸省にあって五回もこれにタッチされている。あなたがいわば責任者でなかったか。独占体制の崩壊に備えて貨物の推移やあるいは多角経営、いろいろなことがもっと勇敢に行われておったとすれば、よもやこんなとことんまで来なかったであろうにと私は思うのです。まさにそういう意味では、あなたは最高の責任者であったから、実務の総帥であったから、あなたは本来そこに座るべき資格がないのですよ。自分が失敗しておって、今度はおれがやるということではあかんですよ。その点についてあなたは責任をお感じになっているのでしょうかね。
 それから、よく言われることで、今ではそんなこと言う人はいないのですけれども、三十七兆円の累積赤字があたかも労働者に原因があるかのごとき雰囲気が一部に前はありました。まさかそんなことはないと私は思うのですが、どうお考えですか。
#79
○杉浦説明員 国鉄の今日に至るもろもろの原因がございます。今一つ一つ申し上げることは差し控えさせていただきますが、過去そうした原因に向けまして、それを分析し、将来計画というものをつくりまして、何回も再建計画をつくったわけでございますし、そのかなりの部分に私自身が運輸省に在籍した立場から参画をさせていただいたことも事実でございます。これがことごとく思うようにいかなかった、はっきり言えば、失敗したということも事実でございますので、反省をいたしておるわけでございますが、言いわけではございませんが、やはり再建計画をつくる場合におきます一番重要なポイントというものは、国鉄の鉄道というものの将来展望、それを数字であらわせば、旅客のお客様がどのくらいになるか、貨物はどのくらいふえるか減るか、そういう将来の輸送展望というものを立て、それに応じて適切な対策を講じ、国の助成を考え、あるいは職員の合理化を考え、いろいろとやってきたわけでございます。なかなかうまくいかなかった根本的な要因は、先ほども御指摘がありましたように、やはり時代の変革、輸送構造の激変というものがその背景に極めて強くあった。我々がやりましたそうした作業というものも、この輸送革命ともいうべき輸送構造の大変革を将来にわたりまして的確に見抜くことができなかったという点が、やはり一番大きな原因であったかなというふうに反省をいたしております。
 我々はそうした反省のもとに、今回基本的な問題にメスを入れて、これこそもう唯一の改革であるというふうに思ってはおるわけでございますが、私自身が過去におきまして、ある種の責任者としましてやったことについてどうかというような御指摘も今までも受けております。私の気持ちは、確かにそうした実際の仕事に携わった者の責任を感じてはおりますが、やはりこの際、いよいよこれでもって本当に国鉄が再生できる、明るい鉄道ができるんだというような一つのめどのもとに、私自身をその渦中に投じまして、全身全霊を挙げて再建に邁進することがこれまでの経緯から見ました私自身の責任であるというふうに思いまして、私は毎日仕事をしているところでございます。
#80
○横山委員 大臣も総裁もしばらくちょっと私の申し上げることを聞いておってもらいたいと思います。
 私が先ほどからるる申し上げております一つのポイントは、総裁以下幹部から職員に至りますまで、今まで累積してきた、この先人者の後をたどってきたその精神が崩壊しておるということを言いたかったのであります。特に本年度は余剰人員九万三千人、旅客が三万二千人、希望退職二万人、旧国鉄に四万一千人、昨年度の退職を含みますと、実にまあ十二万人ぐらいの問題でありまして、これは私が体験いたしました下山総裁の七万五千人に比較いたしましても、また世界の労働運動史上におきましても、日本の炭鉱離職者の問題に比べましても、もう前例のないものであります。しかも各会社に残ります者も、すべて全職員がこの政府案が通過をいたしますと、職をかわる、肩書が変わるという全三十万すべてにわたる問題であります。ですから、今職場では動揺、不安、不信、そういうものがないのが不思議なんであります。全職員がすべて不安、動揺のもとにさらされておるのであります。不安、動揺にさらされているからこそ、本人たちも生きる道を自分で探す、組織的に探す、こういうことになってきておるわけであります。
 この間、金沢の元保線区の大熊博君、五十五歳、二月一日に退職して、家出して捜索願を出したら鉄道自殺をしておった。家出前に家族に、おまえらに仕事をやめた気持ちがわかるかということを言い残したそうであります。新宿駅では出札の職員便所の中で自殺をしたことも御存じのとおりであります。
 ここに読売新聞の例がございますが、一つの例、稚内機関区です。
  家族会議。長い沈黙を破ったのは、地元に就
 職している長女(二二)と二女(二〇)だっ
 た。「お父さんの仕事がなくなるんだったら、旭
 川を離れるのも仕方ないと思う。私たちは、こ
 っちでがんばるから大丈夫よ」
  夫の気持ちの変化を察していた妻(四三)は、「あなたの気持ち次第」と言いながら、覚悟を
 決めた様子だった。女の子三人の五人家族に、
 思ってもみなかった”国鉄倒産”余波。「一家
 離散」という言葉も畑さんを苦しめた。しか
 し、三女(一八)がこの春、京都市内の観光バ
 ス会社のガイドに就職が決まった。それを慰め
 に、畑さんは心を決めた。「あいつ(三女)の
 どこに近くなるからな」。
 また一方では、これは四日市の例でございますが、
  ある主婦(五二)。夫は十月に廃止の稲沢車
 掌区に勤めている。
  「毎日のように、夫はやめるように肩たたき
 されているようだ。夫婦の会話はいつやめる
 か、そのことばかり。しかし、夫も五十三歳。
 近くのスーパーに置いてある『就職情報』を見
 ても五十歳以上の求人はほとんどない。まだ下
 の娘は大学一年生だし、私は陶磁器会社に付設
 の保育所に勤めていたが、円高不況でこの一
 月、廃止になり、クビを切られた。たとえ草取
 りでもガラスふきでもいいから、夫は国鉄に残
 ってほしい」
  夫が桑名駅に勤務する主婦(三七)。
  「主人は、家族に心配をかけないためか、職
 場のことはほとんど話したがらない。新聞など
 で国鉄の情報を熱心に読むが、政治家たちが自
 分たちの利権のために赤字線をどんどんつく
 り、そのしわ寄せを私たちに押し付けるのはど
 うしても納得できない。国鉄マンとして誇りを
 持って入った人たちが、お好み焼き屋や喫茶店
 で働いている姿をみると、やりきれない」
 美濃太田機関区で二件、稲沢で理由不明で一件、大垣機関区で一件、自殺であります。
 こういうことを考えてみますと、私はこの間真国労ができたという新聞記事を見ましたけれども、国労であれ勤労であれ真国労であれ施労であれ何であれ、その根底にあるのはイデオロギーじゃないんです。今の大改革によって職員の心理が不安、動揺にさいなまれておるから、そういうところへいろいろな形で発生していくのであります。これを労使関係だけに区切って見れば、国鉄総裁も、あるいは真国労ができた、ああ調子がいいと思っておるかもしれぬ、ひょっとしたら。けれども、一つの職場で四つも五つも組合ができて、そして意見が全く違って内輪げんかが起こって、すべての職員が、みんな組合もなかなか思うようにいかぬ、駅長や区長はやめろやめろと言わんばかりで、本当に我々は一体どうなるんだという不安の中に全員あるということを忘れぬでもらいたい。
 私が言いたいのは、今法案の審議にかかっているけれども、政府案が出ているけれども、人間の心をつかむということ、働いている職員の心理を本当に十分に温かい心で見守って面倒を見てやるという気持ちがないんではないかと痛感されてならないのであります。分割すればいい、おまえはどこかへ連れていってやる、余剰人員はここにおって何も仕事せぬでいい、給料だけは出す、そういう合理主義が今政府の出しておる法案なりあるいは施策の根底にあり過ぎるんではないか、それでどうして人間の心をつかむことができるだろうか。
 大臣も総裁もそうおっしゃるんだったら、一遍現場であなた方も職員とひざを交えて話をしてみたらどうです。ただ役所に頼めば入り口があるから行ってくれとか、そういうことでなくて、本当に職員の心をつかんでみる必要があるのではないか。施策の中でもっと人情あるやり方をせいと大臣も総裁も言ってもらいたい。この法案審議に当たっても、今の職場の現状から私が本当に痛感していることはそういうことなんですが、大臣、総裁はどうお考えですか。
#81
○三塚国務大臣 先ほど来横山先生の国鉄を思う、また現状を憂えるお気持ち、私も胸を打たれますし、私も総裁もまさにその視点は全く同じだと思うのです。でありますから、つらいことではありますが、やり遂げていかなければならない。これを今やりませんければ、国鉄は崩壊をしていく。このことだけは現実の今の姿、社会経済状況の中で、先ほど来お話がありますように、独占体系でございませんし、私鉄、民鉄が大変な努力をしておる、他の交通手段がこれまた努力をしておる、こういう形の中で国有鉄道が新しい鉄道としてこれに対抗し、拮抗し、そして使命を果たしていく。鉄道の先人が築き上げたこの伝統をしっかりと踏まえていかなければならないのではないだろうか、こういうことで私どもはその改革に立たさしていただいておるわけであります。
 それと同時に、私はこの問題をずっと国会議員の一人として勉強さしていただき、また皆様方と議論をさしていただきながら、また現場もそれなりに歩かしていただき、組合の方々ともいろいろ話をいたしたわけでございますが、特にこの点は大事なポイントですから言わさしていただきたいのでありますが、マル生運動の挫折ということが国鉄に与えた深刻な影響というものを忘れてはならぬだろうというふうに思うのであります。生産性向上運動、そして国鉄を守り抜こうというその視点が、不幸な不当労働行為というのも一つあった。それから激化して、いわゆるマッカーシー運動とも言われる旋風がそれぞれの現場に吹きすさんだことも、このことは事実として私どもは看過できない問題であったなというふうに思います。それをお互いが矯正しながら、いい形の本来の国鉄へということで努力をしてきたことも事実であります。
    〔津島委員長代理退席、久間委員長代理着席〕
 そういう中で、しかしながらこの激しい社会経済の流れの中で、やはり現状のままではなかなかこれは鉄道を生き残させ、また使命を果たす活力ある鉄道企業として持ち続けることは不可能であるな、こんなことの中で、今日の改革に進ましていただいたわけであり、御指摘のように、国鉄の皆さん方、国鉄一家とよく言います。国鉄一家は現状の一家だけではなく、百十余年の歴史の中で一家であり、今後、これから二十一世紀から二十二世紀に向けての一家意識こそ、日本の文明開化を支えた誇りと使命感が二十二世紀に生き延びていく国鉄マンの高いプライドであるであろうというふうにも思うのです。そういう意味で、現実、今働いておられる方は非常につらい、これは歴史の中で改革の時点に立たされた者がよけて通れない宿命だというふうに思うのであります。
 そういう意味で、先人がなし遂げてきたこと、そして後進に対して、この鉄道を守り育て、この伝統をしっかりと受け継がさしていくという形の中で、この改革が行われなければなりませんし、そういう精神的なバックボーンの中で、総裁も非常につらい中で、このことをやり遂げなければならぬだろう、こう思っておられることをたびたびの懇談、また打ち合わせの中で私も読み取れますものでありますから、総裁の改革の路線、運営の方針というものを、主管大臣として、また運輸省としてしっかりと支えてあげなければならない、そうすることが鉄道の再生だなと思います。
 私は、今、先生、その手紙の中で読まれましたとおり、政治の責任なしといたさない。特に政治の責任は大であった。国鉄再建のこの道筋の中で、十年前あるいは七年前あるいは五年前、やり得べきことがあったのではないか、そういう意味で私は政府・与党の責任大だというふうに思うのです。ですから、それだけにこの改革はたじろいではなりませんし、また逡巡してもならぬ。つらいことではあるが、このことを国鉄の皆さんにお訴えを申し上げて、この改革を前に進まさしていただかなければならぬと思っておるわけであります。
 そういう意味で、雇用の安定、生活をいたしておるわけでございますから、お一人といえども、総理大臣も言われておりますように、路頭に迷わしめることがあってはならない、これが国鉄の改革を進めさしていただく我々政府の側の最大の責任であるだろう、こんなふうに思いますものでございますから、昨日も、小林先生の通告があったわけでありますが、御理解をいただきながら、大阪に飛びまして、知事以下関係者にお会いを申し上げながら採用方について実はお願いを申し上げたわけであります。去る人もつらい、残る人もつらい、去るも地獄、残るも地獄、それをそうではなく、明るいようにしたらどうだという御指摘もいただきました。しかし、現状はまさにそういうことの中でこの改革を進めることが、そしてスタートを切ることが、今度は去ったことで、後輩の諸君がなるほどよくやっておるな、また残った者は先輩の去っていった方々の心を心として、この鉄道をしっかりと前に進めなければならぬな、こういうことで展望の開けた明るい鉄道経営に進んでいくのではないだろうか。
 そういう意味で、私どもはこの鉄道経営を今度の論議の中で、原案を出さしていただいておりますけれども、各党の御論議の中で気づかしていただき、また建設的な、こういう方法があるのではないかという点については、率直にお聞きをさしていただくことにいたしておりますし、決してこれでどうだということではございません。しかしながら、改革の基本的な路線は、これは御理解をいただく、そしてその基本的な路線、君らはそう言うけれども、その路線を進めるに当たってこういう問題、こういう問題があるのではないか、この点をどう補てんをするんだということで御指摘をいただきますならば、その点は私ども真剣に、これは政府全体のコンセンサスとして進める。今回やればいい、後は野となれ山となれなどという気は一%もO・の一もありません。今度はまさにこれで再生、生まれ変わった鉄道としてやっていただかなければならぬという最大の正念場を迎えておりますものでございますから、あるいは財政のいろいろな反対がありましょうとも、長期債務の問題についても、やるべきことは国会の意思として、これはやはりやらなければならぬな、実はこんなひそかなる決意を持ちながら、この点は総裁も全く同じ気持ちであり、私ども上に立たさしていただく者の悲壮な決意という形の中で、百十余年の国鉄の築き上げたその伝統、使命感、歴史というものをさらに前に進めていくために全力を傾注してまいりたい、こんなふうに思っておりますものでございますから、また格段の御理解を賜りながら、御叱正、御鞭撻を賜りたい、このように思っておるところであります。
#82
○横山委員 私の時間は限られておりますから、大臣なるべく簡潔にお願いをしたい。演説を聞きたいと思っておりません。私の質問の焦点は、働いている人の心を十分とらえて、世話役活動なり人情味のある施策をしなければいかぬよという点がポイントでございますから、その点だけをお答え願えればいいのでございます。
 同じく総裁にお伺いをいたします。先ほど私が申し上げたように、七万五千人の首切りを私は体験いたしました。そのときに下山総裁が亡くなられました。下山総裁が亡くなったことによって、あの定員法の政治的情勢は一挙に終息に向かいました。今でも総裁が自殺したか他殺であったかわかりません。もし自殺であったとしたら、下山総裁はどんなに深い責任感を持っておったかという感じがいたします。もし他殺であったら、どんな大きな謀略の手が伸びたかということを想像いたします。先ほど申しましたように、今回は七万五千どころじゃありません。三十万全職員であります。しかも、先ほど例示いたしましたように、大臣がああいうふうにおっしゃったけれども、現場では三十七件の自殺だとか家出だとか不安、動揺限りないのであります。私は第二の下山事件が起こるとは思いませんけれども、今の職場におけるこの混乱、不安、動揺を軽視してはなりませんよ。また大臣のおっしゃったように、国鉄の例の先年あったマル生、マル生を大臣が言及されました。あのマル生なかりせばということをだれしも思います。しかし、あのマル生を当時の磯崎総裁がやりましたためにぬぐいがたい問題を労使に残しました。
 私は、その意味では、大臣のおっしゃるようなことの中から二つのことを言いたいのですが、第一は、いかなればとて不当労働行為はしてはなりませんよ。また不当労働行為というものは、客観的に考えられることで、あなたが不当労働行為ではないと言っても、組合があると言っても、争いになることです。ですから、不当労働行為の疑いを持たれるようなことをしてはなりませんよ。これは労使の立場を超えて国鉄の立場からいって私は言いたいのです。
 かつてマッカーシー旋風にひっかかって退職された太田職員局長、就任当時私のところへ来ました。そして私と個人的な話でございますけれども、横山さん、絶対に不当労働行為はいたしません、私の信条ですと約束をされました。退任されるときにあいさつに来られました。私は心から、あなたは約束をお守りになりましたと言ってお人柄を褒めました。今はどうでしょうか。まだ私は具体的な問題を言うつもりはないのですけれども、不当労働行為の疑いのあるようなことで、この問題を推進してはなりませんよ、それが一つであります。
 それから二つ目は、とにかくこの職員の気持ちを十分酌んで温かいやり方をしなさいよ。下山事件はトップでございます。あなたのことを言っているわけじゃありませんが、第二の下山事件に類するようなことを起こしてはなりませんよ、起こってはなりませんよ。それを防御することを考えなければいけませんよ。それには働いている人たちの気持ちを十分酌み取らなければいけませんよ。この二つがあなたに対する注文ですが、総裁いかがですか。
#83
○杉浦説明員 私も総裁になりましてから、真っ先に思い、また実行したことは、現場の職員の諸君がこうした事態に対して何を考えておるのか、不安はあるのか、将来をどう思っているのか、こういうことを私自身の目で見、耳で聞きたいという気持ちから、来た早々からできるだけ全国を回りまして、職員に全部会うわけにいきませんが、現場の駅長さん、助役さんの管理者層あるいは直接の窓口の人それぞれにお会いをいたしました。遠慮ない意見を言ってくださいということを各地で回ってお伺いをしたわけでございます。特に現場の中間管理層の方のお気持ちを非常に私心配をいたしましたが、そのときの印象、なかなか正直に皆さんお伝えなかったかとも思いますが、わりかし感じといたしましては、それはそれなりに判断をされまして、それぞれしっかり気持ちを落ちつかせて仕事をやっているなという感じを持ったわけでございます。
 しかし、その後いろいろと段階が進んでまいりまして、余剰人員対策、その他急を要する問題といたしまして、各種の提案を本社からいたしております。特に職員に関するいろいろな問題、アンケート調査あるいはまた最近の広域異動の問題等々具体的な例をもちまして現場に指令をいたした結果といたしまして、各それぞれの職員に直接つながる問題だけにいろいろと不安、動揺というものがあるのではないかというふうに私は心ひそかに心配をいたしておるところでございます。しかし、不安、動揺の中で、将来の明るい鉄道への展望というものを自分自身で見きわめながら、ひとつ遠慮なく上司に相談をしながら自分自身で考えてください、というような気持ちでおるわけでございますが、なかなか一人一人に会うわけにはまいりません。先般三十万人の職員の家庭に私の気持ちを率直に伝えたいということで手紙を差し上げました。いろいろな受け取り方で御返事が返ってきております。各般の御意見がそこに盛られております。私は、それを聞いた上で、またさらにお手紙を差し上げる、いわば手紙の通信というような形でしか現場の諸君に、じかにお目にかかれませんから、そういうことを繰り返しながらやっていきたいというふうにも思うわけでございます。
 いずれにいたしましても、先ほどお話がありましたような自殺というような行為、この原因が非常に複雑でございますから、私心配でいろいろと調べております。なかなかこれが一つの原因だというふうに究明できません。しかし、万が一にもこうした改革の中の不安、動揺というものあるいは将来の雇用の不安というものでそうした不幸な事態に追い込むことのないように、これからも先生今おっしゃいましたように、温かい気持ちで職員に接してまいりたいというふうに思うところでございます。
 それから、もう一つの御指摘の不当労働行為にわたるなということにつきましては、もう全く私もそのとおりである、これから私どもの対組合への姿勢というものにつきましても、一切そういうことにならぬようにみずから戒め、また皆に申し上げているところでございまして、各組合とも全く平等な対応をしておるつもりでございます。それの御返事はなかなか一本ではございません。いろいろな御意見がある、協約ができない、いろいろな障害がございますけれども、私の気持ちとしましては、どの組合に対しましても、全く同じ姿勢で対応し、これからも辛抱強く各組合に呼びかけをしてまいる、こういうつもりで今後もいきたいと思っておるところであります。
#84
○横山委員 御返事に満足します。ぜひそうしてもらいたい。これはくどいようですけれども、あなたの趣旨は後ろにいらっしゃる皆さんよく聞いていらっしゃると思うのです。もし総裁の今の御返事に違背するようなことがありましたら、絶対に私は責任を追及しますからね。
 今、労使の問題が出ました。私は、客観的な言い方をしてなんでございますけれども、それぞれの組合と共同宣言なり雇用安定協約が結ばれておるけれども、八〇%を占める組合、国労との間に話がついていないということを大変残念に思います。それぞれ意見の相違はございます。けれども、この際、雇用についてはどうしてもやはり接点を見つけてもらいたい。そのために、あなたの方も少し譲歩して、弾力性を持って話ができないかと思われてならないのであります。
 共同宣言については、私がいろいろな意見を聞きますと、あの共同宣言について憲法あるいは法律に基づく団結権を否定したものではないと自分たちは受け取っておる、こういうことを勤労はおっしゃいます。総裁、そう理解していいんでしょうか。もしそうなら国労との間に接点があるはずでございます。憲法並びに法律に基づいた団結権を前提にしながら、当面、安全だとかあるいは雇用だとか、国鉄の再建についてルールを持つことは可能だと思います。特に雇用についてはいろいろな意見がありましても、現実、今日の前にあるのですから、雇用に関する特別のルールを設けることも可能だと私は思います。前提条件をつけないで雇用についてのルールをつくるということが可能だと思います。それから団体交渉の対象事項でない問題につきましても、労使の間に経営に関する懇談会など、私は可能だと思います。
 今のままではよくありません。立場の相違はありますけれども、これだけの大きな問題のときに、全面的な接点があるはずはないと思いますが、少なくとも今申し上げたような点については、お互いに努力して接点を見つけてルールをつくること、これはどうですか。
   〔久間委員長代理退席、委員長着席〕
#85
○杉浦説明員 私も今の状態はよくないというふうに思っております。多くの組合員を持っております組合との間で基本的な協約ができてないということは、まことに遺憾でございます。
 そういう意味におきまして、先ほど申しましたように、粘り強くお互いに話をしてまいりたいというふうに思うわけでございます。特に、当面の一番大切な、重要な問題であります雇用の確保という問題、これはこの改革の有無にかかわらず、どうしても出てくる問題でございますので、そうした雇用の確保という点におきましては、共通の基盤、土俵というものがあるはずであるというふうに私は思っておるわけでございまして、そうした点に着目をしていただき、両者が話し合いをし、一つの共通の土俵に上がってくるということは可能であるし、またしなければならぬというふうにも私は思っておるところでございまして、今後とも努力をしてまいりたいと思います。
#86
○横山委員 私が申し上げました共同宣言について、勤労の理解としては、憲法及び法律に基づく団体交渉権は否定されていないという説明で了承をしておるようですが、あなたもそうお考えですか。
#87
○杉浦説明員 勤労の立場は、現実の問題といわば理論的な背景の法的な問題との両方をうまく合わせることができるのじゃないかというような判断だと思います。そういう面におきまして、国労におきましても、そのような判断がやっていただけるならば、私としましては、大変ありがたい、前進であるというふうに思うところであります。
#88
○横山委員 よくわからないのですが、私の質問に対して答えていらっしゃらないのですよ。憲法並びに公労法、日鉄法、特に憲法と公労法、それに基づく団結権を否定されてはいない、そういう立場で勤労は理解し、私も結構だと言っているんですよ。この理解をあなたの方もしているかと言って聞いているのです。
#89
○杉浦説明員 憲法その他の法規に従う団結権、その他の労働問題につきましては、私も全く否定しておりません。
#90
○横山委員 それでは、今のお答えで、私も、八〇%を占めております国鉄労働組合とそれから国鉄当局との接点、共同の土俵の場ができることを衷心希望いたしますから、今のお答えを基礎にして話し合いをしてもらうように努力をいたしますから、総裁もぜひ今の決意を実践に移していただきたいと思います。
 次は、よく言うところの選別の問題であります。
 国鉄労働者をいい労働者と悪い労働者に選別するという印象を現場に与えているわけであります。この間、小林委員があなたに質問をいたしましたね。全国的に各局でやっておったものを、本社が一括して同じパターンで職員の調査をするという話で、この間、問題になりました。そのときも私聞いておったのですけれども、一体そういうことは、評価をすることによっていい労働者と悪い労働者に区別をするということなんでしょうか。私はまさかそんなことはなさるまいと思うのです。悪い労働者と烙印をつけられた者は、それじゃどこへあなたの方は送り込むつもりでしょうか。悪いやつは外へ出ていけ、いいやつだけ残すというのでしょうか。では、受け入れ側の県や市や地方自治体、民間は悪いやつを引き取ることになるのでしょうか。それからいいやつが優先採用でいいところへ行くなら、悪いやつだけは旅客会社や貨物会社や余剰人員の中へ入れるのでしょうか。余剰人員に入ったところで、結局は、教育し、訓練し、どこかへ採用してもらおうとあなた方は御努力なさるのでしょう。そうだとすると、これは悪いやつですけれども、受け取ってちょうだいということになるのでしょうか。
 その選別ということ、評価ということの職員に与えている印象は非常に悪い。本当の趣旨は何でしょうか。私は、少なくとも自治体、あるいは民間会社にしても外郭団体にしても、受け入れ側の希望、条件、本人の希望、そして本人の経歴、そういうものが尊重されて適正な配置につかせるためだと信じたいのです。違いますか。
#91
○杉浦説明員 これから新しい雇用の場を求め、そうした余剰人員対策の一環といたしまして、各職員をそれぞれのところに適切に配置をしていくということが大変重要な仕事であるというふうに思います。
 その場合に、それぞれの職員一人一人の適性、お仕事ぶり、あるいはその方々の気持ちの持ち方等々いろいろな角度からのとらえ方、あるいは本人の希望、そうしたものを一人一人的確に把握する必要がある。これはふだんの場合におきましても、どの企業であろうと国鉄であろうと、職員の管理というものはそうでなければならない。それに応じて本人の希望に応ずる今後の体制もできる。それこそ我々管理者の責務であるというふうに思うわけでございまして、いい子悪い子というふうな分け方をする、そこに意味があるわけではございません。今後の雇用の場を見つけるための一つの資料であるというふうに、今先生がおっしゃいましたような角度で我々も考えておるところでございます。
#92
○横山委員 職員だけやるのですか。管理者もやるのですか。
#93
○杉浦説明員 管理者も全く同様な仕組みでやるところでございます。
#94
○横山委員 ちょっとついでに聞きますが、管理者の中で勤務中にゴルフヘ行ったりあるいは女性問題を起こしたり、そういう人があったとしたら、それは勤務評定に入るのですか。
#95
○杉浦説明員 勤務中の本人の態度、行動というものについての評価というものは、管理者であろうとしっかりとしなければならぬと思います。
#96
○横山委員 あえて私が言うのはなぜかといいますと、この評定も、これならばわからぬことはないという印象を職員に与えていないで、いい子悪い子に選別をするという印象を与えているのです。
 もう一つは、今おれたちばかりやって管理者は何をやっておる、我々だけやって管理者はやりたいことをやっているではないかということなのです。ですから、やはりやるならばまず管理者からやらなければいかぬ。管理者が、今私が言うように、勤務中にゴルフヘ行ったり女性問題を起こしたり、飲み屋へ行って支払いが滞っておったり、そういうものを評定の中へ一体だれがつけるのですか。だれがそれを記入するのですか。どうしてわかりますか。
#97
○杉浦説明員 管理者の勤務状態の把握というものは、今までも既に行っております。これは今回の職員管理の全体の中身と若干違いますけれども、より厳格に既に評定をいたしております。
 その本人の行動がどこまで把握できるか、それはなかなか難しいと思いますが、いわば行動全般の中からする本人の評価というものを的確に行うように、それぞれの管理者には皆それぞれ上司がおりますので、その上司がそれぞれ評価をするということに相なるわけでございます。
#98
○横山委員 私が老婆心ながらあなたに御忠告したいのはこういうことなのです。それは、先ほどからるる言っておりますように、職場では不安、動揺、憎しみ、対立、そういうものが横隘している。少し私の判断とあなたの判断と違うかもしれない。私はそういう一面だけとらえ過ぎているかもしれない。けれども、現にあることは事実なのです。ですから、そういう雰囲気が妙な方に走って内部告発が起こる可能性がありますよ。あなた方ではそんなことはわからぬけれども、現場の労働者や局の労働者は皆知っていますから、内部告発が起こりますよ。そういうときにはこれはまた混沌としてしまいますよという警告をしたいのです。そのつもりでひとつ善処をしていただきたいと思います。
 それから次に、この法案は二万人希望退職をとることになっています。先ほどの質問の内容も、私はそこで聞いておりました。来年の三月三十一日にやめなくても、やめたというあかしさえすれば、十カ月分は出すという趣旨のお話がございましたが、二万人に達しなかったら、何か強制措置でもなさるつもりですか。それから二万人に達しなかったら、さらに来年四月以降も継続をなさる余地があるのですか。
#99
○杉浦説明員 希望退職の問題につきましては、全般的な余剰人員対策の一環として、政府全体を挙げまして支援をしていただき、また一般産業界、地方公共団体等々にもお願いをしておるところでございまして、二万人の一つの目標といいますか、そうした人数は、私は必ず達成できるというふうに思っておるところでございます。
 万が一、仮に達成できない場合におきましても、それを強要するようなことはいたすつもりはございません。
#100
○横山委員 これはひとり国鉄だけではございません。玉突き人事といいまして、関連会社に全部及ぶのであります。今まで三塚運輸大臣は、総評との懇談の中で、下請関連の玉突きは起こらないよう配慮するようにしたい、それから広域配転など既に雇用対策を行っているが、広域配転は管理運営事項として行っている、労使間のルール問題については、雇用を中心にして労使のコンセンサスを確立するように指導をしたい。後藤田官房長官は、強制、強要は当然のことながら行わない、あくまで希望退職として実施する。その労使間ルールについては当事者で話し合ってつくっていただきたい。それから中曽根総理も、一人も路頭に迷わせないと公約しており、雇用保障については国鉄問題の中心課題として考えておる等の話し合いの結果がございますが、時間の関係上、大臣、これらのお話を確認してよろしいでしょうか。
#101
○三塚国務大臣 先般、黒川議長以下幹部の方々と懇談をいたしまして、問題は、やはり基本的に労使の問題でありますので、コンセンサスを得つつしっかりやってほしい、玉突き人事の問題も、こういう時期ではありますが、やはりそこも折り合うところは十二分に折り合いながら、コンセンサスを得つつ取り進めたい、大要御指摘のとおりでございます。
#102
○横山委員 労働省に伺いますが、広域配転が今いろいろな問題をはらみながら行われています。今、国鉄のみならず、戦後最大と言われる船の方、海運関係も大変な雇用不安に襲われています。また炭鉱においても、最近、次から次へとこの雇用問題が起きています。ある意味では、全労働者的な雇用不安があると思います。その中で、労働省は国鉄の広域配転をどういう位置づけをしているのでしょうか。聞くところによりますと、労働省は国鉄から相談を受けていないと言い切る人があります。お手並み拝見だと言っている人すらあるようであります。労働省は国鉄の広域配転についてどういうお考えでしょう。
#103
○田淵政府委員 お答え申し上げます。
 労働省としましては、雇用問題を預かる責任官庁でございますので、国鉄の余剰人員問題につきましては重大な関心を持っておりますし、国鉄改革の成否を握るのも国鉄余剰人員対策という認識のもとに、政府に置かれました余剰人員対策本部とも十分緊密な連絡をとりながら、労働省自身におきましても対策本部を設けまして、大臣を初めとして、余剰人員対策には十分な対応を図っているところでございます。
 具体的には、各都道府県ごとに労働関係の県庁職員あるいは国鉄の鉄道管理局の幹部の方々、あるいは商工会議所、経営者団体等の関係機関との連絡会議を設置することを既に指示いたしておるところでございますし、また国鉄当局ともそれぞれの地域において、また中央においても十分な連絡をとっておりまして、全国の局長課長担当会議等でも国鉄総裁にもおいでをいただきまして、国鉄の実情について十分御事情をお伺いをいたすとか、いろいろな形で十分緊密な連絡をとりながらやっているところでございまして、今後の対応においても、政府に置かれました対策本部あるいは運輸省と緊密な連絡をとりながら万全を期していきたい、かように考えておるところでございます。
#104
○横山委員 この間、車両産業の労使双方から私ども要望を受けました。本件については大臣にも面会をしてもらったのでありますが、この国鉄の今回の大きな変革によって、六十年度は対前年比四〇%受注減、六十一年度は二〇%さらに減、六十二年度は全く計画が立たない状況に加え、頼みの輸出も円高で、雇用不安はもとより産業基盤すら破壊しかねない状況にあると訴えられています。これは労使双方の問題であります。それでさらに進んで三つの要望を私どもにしてきました。
 それは、一つは、世界に誇る鉄道技術研究所、車両設計事務所、保安・安全システム部門、信号・建設部門の技術者は、集団として残す組織にしてもらいたい。第二番目には、仮に分割されたとしても、鉄道車両の標準化、形式の統一、コスト減につながる発注の集合化、資材の共同発注などは、統合された組織の設置を法律で明記をしてもらいたい。第三番目は、当面する一、二年の大幅需要減、六十二年度の国鉄の需要動向が全く不透明の中で、雇用の危機があるから特別な配慮をしてもらって、産業を維持する最低限の需要が確保してもらえるようにしてもらいたい。この三項目の要望はまことに察するに余りがあります。もちろんこれは車両産業ばかりではなく、これは一つの例証でございますが、国鉄の改革が及ぼす影響の特徴的なものとして取り上げました。この点についていかがお考えですか。
#105
○棚橋(泰)政府委員 先生御指摘のように、先日そういう御陳情がございまして、大臣もお目にかかったわけでございます。
 基本的に、私ども今回の、今法案を出して御審議をお願いをいたしております国鉄改革におきましては、それぞれの新しい会社というものが最終的には健全な民間企業として自分の判断で立っていくということができるというような形を目指しておるわけでございます。そういうような形の中で、車両の発注とか車両の開発、そういうものは基本的には新しい会社の判断というもので行っていくべきである。現在の私鉄でもそうでございますけれども、そういう考え方でいくべきであろうというふうに考えております。
 ただ、国鉄には御承知のように、長い伝統によりますいろいろな技術の問題もございます。そういう研究開発というようなものにつきましては、これをそういう会社とは別に財団法人というような形のものをつくりまして、そこに技術者を集めまして、それぞれの各会社からの出捐金等によりまして、これを引き続き行っていくというふうなことを考えておるわけでございます。したがいまして、そういう意味で技術的な面については、それなりの配慮ということはしていかなければならないと考えておりますけれども、車両の開発の技術を一元化するということは、現在の私鉄でもないわけでございまして、なかなか難しいのではないか。
 それから、共同発注というのは、おっしゃるように、今回の場合は国鉄であった線路をお互いに相互乗り入れで行うわけでございますから、当然そこで使用される車両につきましては、同じようなスペックのものを使用するのが望ましいわけでございます。したがいまして、当然のことながら新しい経営体同士におきまして、相互においてそういう方向での御協議がなされていくものだというふうに考えております。
 さらに、需要減の問題でございますけれども、これは基本的に今国鉄の車両というものの代替期の問題とかいうような問題もいろいろございます。ただ、当面は国鉄の車両の中で老朽なものを極力現在の国鉄時代に更新して、いい形で新しい経営体に引き渡したいということで、それなりの車両等の関係の予算は見込んでおるところでございます。六十二年度以降、さらに減になるかどうかということは、これは新しい会社の経営判断の問題でございますけれども、車両がある程度の時期に来ましたら、これは更新するのは企業としては当然のことでございますから、国鉄であるがゆえにとか、民営の会社になったからといって急激な減ということではなくて、それなりの需要はあるのではないかというふうに考えております。
#106
○横山委員 本件は、さらに適切な質問を後刻続けたいと思います。
 この法律案について若干伺います。調査室のつくってくれた資料をお開きください。
 まず、最初に十七ページ、特別給付金の支給でありますが、(2)の三で「退職の日又はその翌日に、常勤の国家公務員若しくは地方公務員又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立される法人その他これに準ずるものとして政令で定める法人の常勤の職員となった者」は特別給付金十カ月分はやらぬ、こういうことでございますね。
 そこで、質問の趣旨は、「その他これに準ずるものとして政令で定める法人の常勤の職員」とは一体何か。弘済会はこれに含まれますか。
#107
○棚橋(泰)政府委員 弘済会は予定する法人の中には入っておりません。
#108
○横山委員 入っていない。それじゃこの「準ずるものとして政令で定める法人の常勤の職員」の「法人」とはどんなものがありますか。
#109
○棚橋(泰)政府委員 これはよく言われております認可法人というものを予定しておるわけでございます。
#110
○横山委員 そうすると、弘済会へ入った人は十カ月分もらって、認可法人へ入った者は十カ月分もらえない、こういうことですか。
#111
○棚橋(泰)政府委員 そのとおりでございます。
 ただ、認可法人全部ではございませんで、認可法人の中で給与とか役員とかについて国の規制というものが行われる、いわゆる安定的な特殊法人に準ずるような認可法人、そういうものを指定をいたしまして、そういうものに行きます職員は、特殊法人へ行くのと同じような性格であるという意味から対象外にしよう、こういう趣旨でございます。
#112
○横山委員 気持ちはわかりましたが、内容を知らなければ、これは就職するときに非常に困るのです。ですから、私はこれを含めて政令案をこの審議中に提出してもらいたいと思いますが、いかがですか。
#113
○棚橋(泰)政府委員 一般に法律案を御審議いただきますときも同様でございますけれども、政令案というものは、これは政府の中でいろいろ手続がございますので、その政令の考え方というものにつきましては、御要求に応じて提出をいたしたいと思っております。
#114
○横山委員 こればかりでなくて、この法案の中にあります政令にゆだねるその政令の内容について、要綱でいいですから――私の心配いたしますのは、「その他これに準ずるものとして政令で定める法人の常勤の職員」というものがもらえるものともらえないものとがあるという話ですね。これは極めて重要なことなんで、どんなものがもらえてどんなものがもらえないかということをはっきりしてもらわなければ審議に差し支えます。
 それから、その同じところに、二行目に「特別の設立行為をもって設立される法人」とあります。大臣、あなたは非常に常識的ですから――後ろからささやかないように、大臣にだけ聞きたいのです。後ろからしゃべってはいかぬよ。「設立される」ということは、これから設立される法人と理解してよろしいですか。そばから要らぬことを注文つけてはいかぬ。「設立される法人」とあるのは、これから設立される法人と理解していいか。
#115
○三塚国務大臣 これはいろいろケースがあると思うのですが、(横山委員「常識で言ってください」と呼ぶ)一応常識で言うとそういう感じになるのですが、大体法律というのはややこしいもので、これはそうでないものを想定しているところにまた問題が……
#116
○横山委員 あなたの言うのはどういう意味ですか。「設立される法人」とあるのは、これから設立される法人と理解してよいかと聞いているのですよ。
#117
○三塚国務大臣 これはそうでないのです。反対に御理解をいただきますと、問題認識とすれば、そうでないというのがこの法令の考え方なんです。
#118
○横山委員 そうでないというのは、今まで設立されておるというふうにあなたは理解するのですか。今まで設立されておる法人と理解するのですか。
#119
○三塚国務大臣 そうです。現にもう設立されておる、こういうことなんですね。
#120
○横山委員 しかし、あなたも私も常識家ですから、またあなたは私が何か意図を持って質問したと思っているかどうか知らぬけれども、「設立される法人」となったら、これから設立する法人じゃないですか。いいですか。あなたは設立された法人と理解していると言うのでしょう。おかしいじゃないか。それなら何で「設立された法人」と書かないんでしょうね。おかしいでしょう。
#121
○棚橋(泰)政府委員 大臣がお答え申し上げましたように、法律用語というのは一つのパターンがございまして、これは特殊法人というものの定義を書いておるわけでございまして、設立されるという性格を持っておる法人、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
#122
○横山委員 棚橋さん、設立されており、かつこれからも設立される法人、これが正しい答えじゃないんですか。
#123
○棚橋(泰)政府委員 その者に対しまして特別給付金を交付するという判断をするときまでに設立されておれば、先生おっしゃるとおりでございます。
#124
○横山委員 これは委員長、ちょっとあなたもおかしいと思うでしょう。法律用語というものは法律家しかわからない、これは常識用語じゃないです。そう思いませんか、委員長。
#125
○山下委員長 難しいですな。
#126
○横山委員 こういうことは国民の中に通用しないですよ、こういう用語の使い方は。
 それから、次は二十四ページ、これは「退職手当の返納」というところでございます。これも大臣、どうですか。十二条の二、「退職した者に対し一般の退職手当等の支給をした後において、その者が在職期間中の行為に係る刑事事件に関し禁錮以上の刑に処せられたときは、」返させるとありますね。これは在職期間中の職務にかかわる行為によって刑事事件、職務にかかわるという意味だと理解していいでしょうか。大臣、どうです。
#127
○三塚国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。
#128
○横山委員 それで議事録終わっていいですか。それでいいんですね。何か文句あるか。
#129
○棚橋(泰)政府委員 在職期間中の行為に係る刑事事件ということでございまして、いわゆる職務関連の犯罪行為ではなく、刑事事件一般がこれの対象になる、こういうふうに考えております。
#130
○横山委員 大臣、違うですね。在職期間中に職務にかかわる行為によって起きた刑事事件と大臣は極めて常識的にお答えになりました。ところが棚橋審議官は、そればかりでなくして何でもいかぬと。棚橋さん、そうでしょう。
#131
○棚橋(泰)政府委員 これは在職期間中に係るというところでございまして、刑事事件一般を指しております。
#132
○横山委員 だから、在職期間中に職務にかかわらぬでも、交通事故を起こしたり、選挙違反で引っ張られたり、他に殺人事件が起こったり、職務に関係なく起こったときはどうなんですか。
#133
○棚橋(泰)政府委員 職務の有無にかかわらず刑事事件であれば該当いたします。
#134
○横山委員 だから大臣、違っていましたよ、あなたの答弁は。訂正しますか。大臣、ちょっと聞いてください。私の意見は違うのです。あなたの正当解釈が私はいいと思っているのです。職務に関係なく、例えば国鉄を五時に終わって自転車で帰っていった、自転車でおばあさんと突き当たった、おばあさんは死んだ、それで不注意であるから罪に問われた、これもここへひっかけることになるのですよ、今の棚橋意見では。選挙違反もひっかかるということになるのですよ。それは私は従来から酷であると言っているのです、職務に何も関係ないじゃないかと。関係ないことで、おまえは国鉄の面汚したとか会社、役所の面汚したということとは少し問題が違いやせぬかと言っておるのですよ。大臣の最初のお答えが正しいと思いませんかね。
#135
○棚橋(泰)政府委員 これは国家公務員等退職手当法の解釈の問題でございまして、国家公務員等退職手当法にそういう規定がある、したがって、それに該当するようなものに関しましては、国家公務員等退職手当と同様に取り扱う、こういう趣旨でございまして、そのことの可否という問題については、直接所掌する官庁でございませんから、意見を申し述べる立場にはございませんけれども、解釈といたしましては、在職期間中に刑事事件が発生をして、それによって刑に処せられますと退職手当がもらえません。それが発覚しないまま退職手当を支給されて、後になって発覚した場合には返納させる、こういうことになっておるわけでございまして、常識的には、そういうことを厳しくすることがいいか悪いか、これは私どもの判断ではございませんけれども、法令としては至当な法令であるというふうに考えます。
#136
○横山委員 それは大いに意見が違うところなんであります。
 その次は、十六ページ。十六ページの最初の行、特別給付金の支給について「退職を希望する職員である旨の認定を行うことができることとする。」私はやめたいと言ってきた人間に対して、おまえは認定しない、だから特別給付金やらぬということがあるのですか。
#137
○棚橋(泰)政府委員 これはたしかこの前の委員会のときにも御同様の御質問があってお答え申し上げたと思いますけれども、この種の法令で「できる」ということは、それに該当する者は認定を行うということでございます。
#138
○横山委員 これは、今私が仮に修正案を出すとすれば、違った修正案を出したいと思うのですが、少なくとも事実問題として、この「認定」という言葉が私はぎらぎらするのです。認定には拒否権があるというような印象を与えるのですね。おれはやめたいと言った者を、おまえはやめてはいかぬというのがこの三項かと私なりに解釈するのです。「前二号に掲げるもののほか運輸省令で定める要件に該当する者」は、おまえは認定はしないということですね。この三項はどういう人を考えているのですか。
#139
○棚橋(泰)政府委員 先生、三項ではなくて三号でございますけれども、この三号の思想は、わかりやすく申し上げますと、こういう希望退職がなくても、ある時期になれば、例えて言えば、管理者等はある時期になれば、それなりの、自動的にといいますか、従来の慣例からいって退職していく対象となるような職務があるわけでございます。そういうようなものについてまで、たまさかこの時期にぶつかるからといって特別給付金というのは支給しないということで、この法令上の表現は現在政府部内で検討中でございますけれども、管理者などの一定の職務というものを指定をしようということを考えております。
#140
○横山委員 こういうものはないのですか。得がたい人材、得がたい特別な職。あなたはやめたいか、そうか、だけれども、悪いけれども代替がきかないから、もうしばらくやってくれぬかというような人はあり得ないかね。
#141
○棚橋(泰)政府委員 ここは特別給付金の対象として認定するかどうかということでございまして、やめていいとか悪いとかいう意味ではございません。ここで言っているのは、特別給付金の対象となるような退職者としての認定をしないということでございまして、それは先ほど申し上げましたようなものを省令で明確に規定をして、その省令の解釈から当然発生するものについては認定を行わない、こういうことを考えております。
#142
○横山委員 例えば私がちょっと入院しておる、いつかはよくなるだろうと思うが、十カ月分くれるならもうやめると申し出たとする。何を言っている、横山、おまえは病気でどうせ自己都合でやめるのではないか、認定をしてやらぬ、十カ月分はやらぬというようなことも認定の中へ入れるという水臭い話があり得るかね。
#143
○棚橋(泰)政府委員 先生の今の例は、それだけではなかなか判定しにくいわけでございまして、例えば当然自己都合でやめるというような方なら別でございますけれども、希望退職という趣旨に応じて、それに応募しようという方は対象になるというふうに考えております。
#144
○横山委員 ちょっと時間がなくなりましたが、現場を回っていましたときにいろいろと質問を受けました。この質問というのは、政府案がどういうことなのかという具体的な質問でございまして、私はそんなことはおれは知らぬ、一遍聞いておいてやると言ったことをちょっと質問をします。
 少し先走る話でありますが、例えば米原駅であります。北陸線は西日本鉄道の所管になるらしい。新幹線は東海会社、東海道線も東海会社。そうすると米原の駅長さんは兼務するのか、駅長さんが二人できるのか。それから北陸線だけ、ここからこっちは西日本鉄道、ここからこっちは東海会社と、職員も向こうとこっちと給料が違うということになるのか、その点はどうお考えですか。
#145
○棚橋(泰)政府委員 まず接点になりますところは、駅の中の区分といいますか、その駅そのものが東日本に所属させるか西日本に所属させるかということを決めなければいけません。これは承継計画というものの中で決めるということに一応考えております。そうしますと、その駅はどちらかの所属になりますが、その上でそこを共用することになります。それは今、例えて言えば、私鉄と国鉄が駅を共用いたしております。あれと同じような形で、明確に区分できるもの、ホームとかそういうものは東日本が保有するという部分が出てくると思いますけれども、そこらは従来の私鉄と国鉄、私鉄相互の接続している駅と同じような形になるというふうに御理解いただければいいのではないかと思います。(横山委員「駅長さんは二人か」と呼ぶ)私鉄の駅でもそうだと思います。国鉄の駅に乗り入れているところで、私鉄がかなり大きなポジションを占めておれば、そこに駅長さんがおられるという場合もございましょうし、単に国鉄のホームの横に入る程度では、駅長さんのいないというところもございましょう。それはその会社といいますか、相互の接続点の乗り入れぐあいとか、そういうものから判断をされるべきだと思っております。
#146
○横山委員 米原に国鉄の駅長さんが二人できるとどういうことになるかね。
 次は出札、切符のセンターへ行ってきました。フルムーンは五十億の売り上げがあるそうですね。これは大成功でしたね。このフルムーン、それからナイスミディ、これは女性の三人がこうやっているものだと思いますが、それは全国的な企画は本社で今お考えになっておると思うのです。こういう全国的な企画がこれから一体どうなるだろうという心配をしておりました。私の聞いたのは、東海会社の枠内の出札でございますが、恐らく東海会社としては、今やっておるユーロライナーだとかあるいはお座敷列車だとか「風の盆」だとか、そういう自分のところでもうかるものをやろうと思うが、フルムーンなんてやったって、一体どこでおりたかどこで乗ったか、その利益の配分はどうなるのか、そんな全国的なものを東海会社でやったって仕方がないじゃないかということで、全国的な企画をやることがだんだん少なくなっていくんじゃないだろうか。この発想から出てくるいろいろな問題がございますが、どうですか。
#147
○須田説明員 今、先生御指摘ございましたように、フルムーンは非常に御好評をいただいておりまして、これから新しくできると考えられます旅客会社も、こういった商品は非常に大切にすると思います。現在におきましても、周遊券等で国鉄、私鉄を自由に乗りおりできるフリーきっぷというものが各地にございます。この場合は、実態調査を双方の協議の中でいたしまして、それで収入を分けるようなルールをつくってやっておるようなものが多くございます。したがいまして、これからもフルムーンというような全国的な商品は、各会社が協議をいたしましてどんどん設定することになると存じますし、また収入の方につきましては、そういった協議によりまして、配分方法を考えてやることができると思いますので、こういった商品はこれからもどんどん発行される、また大いにこれから営業上伸ばしていく、このような考え方になろうかと存じます。
#148
○横山委員 どうでしょうかね。皆さん、今のお答えはどう思いますか。それはやれと号令をかけるのはやすいですけれども、今までは本社の旅客課がフルムーンを発売して、全国的に号令をかけてやっていたわけだ。それを各局で勝手にやれ、そしてお互いに援助しようといったって、それはちょっとどうかと思うのですが、まあいいです。
 次に、天理教へ行きました。天理教へ行きましたら、昨年は百万人の団体参拝を天理でやったわけですね。これは三年前から国鉄と相談し、国鉄が専門家会議をやっておるというわけです。こればかりじゃありません。都市対抗、高校野球、創価学会、救世教、全国的な団体というものは、今までは、私も経験があるけれども、本社で関係のところを全部集めて会議をして、それで漏れないようにきちんとやっていくものです。政府案でいくと本社がなくなってしまうわけだな。今までですと、本社がみんな並べておいて、お前、どうだ、客車の運用どうだ、お前のところ何台、お前のところ何台、それじゃこういうふうに調整して、ダイヤはこういうふうに編成するからということをやっておったわけだ。大臣、わかるでしょう。これは一体どうなるとあなたは思いますか、あなたの常識的な感覚で。各社、対等平等ですよ、政府案は。対等平等で、そこに貨物会社が一人入って、新幹線貸与会社が入って、六つ、七つ、八つの会社が対等平等で、だれがきょうのお茶を出すのだ、菓子はだれが持つのだ、宿屋はどうやって手配しておるのだ、知らぬよ、みんな対等平等なんだから勝手にさらせ、こういうことになるのではないですか。こういう現場の諸君は、政府案に対して、分割反対はもちろんだけれども、技術的、具体的問題で山ほど私のところへ持ってきましたよ。どう思いますか、大臣。
#149
○三塚国務大臣 旅客は六つでありますけれども、もともと国鉄というのは、先ほど来触れられておりますとおり、国鉄一家であり、ノーハウをお持ちでありますし、鉄道運行については大変なものであります。ですから、その辺のところは、今須田常務が言われましたとおりうまくいくのではないでしょうか。(横山委員「それが崩壊するんだよ」と呼ぶ)いや、ですから、そこのところは、運賃の場合もいろいろな乗りかえがあってどうだと言われますけれども、そこはちゃんとクリアできまして、相互乗り入れという知識もありますし、そういう点で特に完結型といいますか、旅客流動が九七、八%ということでありますことなどにかんがみますれば、理論的にはいろいろそういう問題点があると思うのですけれども、ほぼクリアできるな、それが六分割という苦心を重ねました案でして、これなら今横山先生御心配のような、そういう個々の問題もクリアできて、なるほどスタートしてみましたらこれはうまくいった、こう御評価いただけるのではないだろうか、こんなふうに思っております。
#150
○横山委員 時間が参りましたので、私の質問はまたの機会に譲りますけれども、きょう私が冒頭に口をきわめて言いましたことは、ぜひお忘れないようにしてもらいたいと思います。
 また、最後に一、二の例証を挙げましたけれども、大臣は現場の様子はそうは御存じない、私の方がまだよう知っておる立場でございます。そういう点では、それがなぜうまくいかないだろうか。私が心配いたしましたのは、冒頭言ったように輸送一体、そして国鉄のよかれあしかれ共同の大家族主義とかあるいは協力精神とかというもの、そういうものが合理性、それから採算性、企業性、そういうものに行ってしまって崩壊をする危険があるということを言い、さらにそれが発展して、国鉄に働いているすべての人々に今不安と動揺がある、それを忘れてはならぬ、分ければいい、何とかなるだろうということでは済まぬ、ここらの問題が一番力説したかった点でございます。
 それでは、これで終わります。
#151
○山下委員長 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後一時三分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十六分開議
#152
○山下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます、
 質疑を続行いたします。梅田勝君。
#153
○梅田委員 私は、日本共産党・革新共同を代表いたしまして、日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案につきまして質問をさせていただきます。
 先ほども官房長官の陳謝がございましたように、官報にあのようなまだ通っていない国鉄関係法を「あらまし」とはいえ過って載せる、こういう重大なミスが発生するということは、政府当局の姿勢がなし崩しに分割・民営の方向にひたすら突っ走っておる、そういう事態の中から発生した問題だということで、まず最初に私も抗議をしておきたい。大臣よろしいですね。(三塚国務大臣「はい」と呼ぶ)
 ところで、この法案は国鉄改革のための緊急措置と銘打っておりますが、本当のねらいは国鉄解体を準備するものであることは明らかであり、そして国鉄を今日の状態に陥れました自民党政府と財界の責任を不問にしながら、国鉄に働く労働者には耐えることのできないような屈辱、過酷な労働強化、そして今度は首切りによって生活権さえ奪おうとする、そういう重大な内容を持った悪法であります。また、国民に対しましては、極度の合理化推進によりまして、安全サービスの面におきまして被害が出てくることは必定でありまして、将来にわたって財政負担のツケを含めまして大きな負担をもたらすものであります。さらに重大なことは、これほどの重大な労働者の権利問題、首切りといったような事態が発生するにもかかわらず、労働組合に対して団体交渉権を認めない、まさに権力によって労働者と労働組合の権利破壊が行われる。これが国会の立法活動を通じて行われていくということになりますと、ゆゆしき重大事だと私は思うわけであります。ですから、私どもは党として断じてこの事態は認めることができない。私はまず日本共産党・革新共同のそういう立場を明らかにしながら、以下、運輸大臣に対しまして質問をさせていただきたいと思います。
 運輸大臣の提案説明によりますと、本案は、第一には、「国鉄の長期債務に係る負担の軽減を図るため、」と言っております。いま一つは、「国鉄の職員が著しく過剰である状態を緊急に解消するため、」必要な措置を講ずるとされておるわけであります。しかしながら、あなたが提案説明の中で言っているような、まさに「危機的状況」、こういった今日の国鉄の経営危機というものはどうしてできたか。これは主として歴代自民党政府が無責任な交通政策によって国鉄に借金による過大投資をさせた、いわば押しつけたということによって生じたことは、今日では周知の事実になってきております。この根本的反省なしに再建はできない、私はかように考えております。
 まず、政府はこの反省をどのようにしているのか、この点を最初にお伺いしたい。
    〔委員長退席、久間委員長代理着席〕
#154
○三塚国務大臣 国鉄がなぜこのような経営危機に突入をしたのかということは、今日までいろいろ問題提起をされてきたところであり、御指摘の設備投資もその一端なしとしないという点においては私も回避いたすつもりはございません。ただ、東海道・山陽新幹線など大きな成果を上げて走り続けておる線もございますし、さらには大都市交通圏という形の中で成果を上げておることも事実でございまして、地方ローカル線という問題についての御指摘は、一つそういう方向もあろうかと思います。
 それはそれといたしまして、私ども基本的に国鉄改革の反省として、これに対応しなければなりませんことは、国鉄が独占企業体でありましたときから、今日のような社会経済体制の大変革についていくことができ得なかった、これを政治が見逃したということであるし、また企業体としての国鉄も、このことに対して弾力的な対応がなかったということも言わなければなりません。
 それと第二点は、運賃が法定主義でございまして、私鉄のように、その都度その都度改定が行われる対応が行われずして大幅なおくれが出ました結果、収入面において穴があいてまいりましたということも見逃すことができませんし、さらに合理化が今日真剣に行われておるのでありますが、もっと早くこのことが軽量経営に向けて行われておりますならばという点も、私どもは見逃すことができない点であろうというふうに思います。
 先ほどもお答えを申し上げたわけでございますが、さような意味で、国鉄労使にだけ責任を押しつけるつもりはございません。政府、国会という立場、特に与党でありますから、政府・与党という立場の中で、この深い反省の中から、これ以上改革をおくらせてはならぬ。おくらせることは、国鉄に働いておる諸君が職場を失うことになりかねませんし、国民の足という鉄道の機能をアウトにすることにもつながる。国益にとっても地方の発展にとっても大きなマイナスであり、この際、この改革を再生、新生への道として取り進めていくということ以外にないのではないかということで、スタートを切らさせていただいておる、こういうことであります。
#155
○梅田委員 大臣の御答弁を聞いておりますと、全然反省ができてない。そういう姿勢でやると、また同じような誤りを犯しますので、いやでも応でも繰り返し申し上げなくちゃならぬわけであります。
 昭和三十九年に、国鉄が単年度赤字になりました時点で、御承知のように、国鉄の最初の対応としては設備投資を抑制していくという方向がとられたと思うのですね。ところが、後でさらに詳しくやりますが、結果として事態はそうはなってなかったのですね。あなたは今、国鉄が独占的な鉄道交通面における地位を今まで持ってきたけれども、道路が発達してどんどん自動車が走る、あるいは空の飛行機がどんどんふえてくる、こういう中で交通面における独占的な地位というものが崩れてきた、このようにおっしゃって、それに対応はできなかった、あるいは運賃の値上げが適時適切にできなかった、いろいろお挙げになったわけでありますが、しかし、それは政府として総合的な交通政策をしっかりと持って、道路や空港に対する手厚い施策と同じように、鉄道に対しても適切な援助を与えて、そして全体がバランスのとれた発展をしていくという政策をとっておったならば、もっと事態は変わっただろうと思うし、特に昭和四十三年の十一月の「国鉄財政再建推進会議意見書」で、向こう十カ年の投資はおおむね三兆七千億円とした、こういう政府みずからが考えていた投資の規模をはるかにはみ出して、昭和四十七年に田中内閣ができまして、いわゆる列島改造論、これも今まで何回か口を酸っぱくして申し上げてきたことでありますが、一挙に十兆五千億円という三倍の規模に拡大をしていった。三塚運輸大臣も一九七二年、昭和四十七年の総選挙で当選されてこられたんじゃないかと思いますが、私はあなたのように五回連続の当選ではありませんが、最初は一緒に出てきたわけです。そして運輸委員会で、そのときの国鉄の再建計画というものがいかに無謀なものであるかということを口を酸っぱくして申し上げた。これは全然反省がなかったのですね。まだこれでも足らぬぐらいだと言って強行したわけですよ。大臣、覚えておられるでしょう。だから、我々がその当時から警告をしてきたことを全然聞かずに、そしてこれが再建だと言ってやってきたことがことごとく失敗をした。計画がうまくいきませんで、今やりくりに困りました、緊急に必要なことはこれでございますと言って持ってこられましても、私どもとしては、はいそうですかとは受け取れない。まして根本的な反省がなされているかどうか。その点で全然反省がなかったら、なおさら受け取るわけにはいかない。ですから、先ほどの御答弁では極めて反省が足らぬと思うのでありますが、いかがですか。
#156
○三塚国務大臣 決して反省が足らないわけではございませんで、反省するところはしておるわけです。ですから、これ以上言いますと、先輩何をしておったのか、こういうことにもなりかねませんし、またそのときの国会はどうなっておったのだ、こういうことにもなるのですね。議会制民主主義ですから、決定をそのまま行うというのがルールである以上、そのとおりになるわけであります。
 それと同時に、こういう設備投資というのは、国民的な渇望の中でAB線なり地方交通線あるいは新幹線への対応が行われてまいりましたということも事実であります。そういう中で、この運輸委員会を中心としたかんかん諤々の議論の中で、また我が党の国鉄再建特別委員会なりの意見の中で、国鉄に負担を負わせるいわゆる従来の財投方式で鉄道建設はすべきではない、これからの建設は国家的な観点から取り行うべきではなかろうかということで、特に整備新幹線についてはその方式を打ち立てようということで、党の方でおやりをいただいておるわけでありますし、政府もそれを傾聴いたしておるということであるわけであります。
 さようなことで、今日の現状に合った形の改革を進めていかなければならないということで今全力投球をしておるわけであります。同時に、その間政府も七千億円近い助成金を毎年支出をいたしながら健全経営の道を模索をいたしてきましたことも事実であります。そういう中で親方日の丸は国鉄だとよく言われますが、親方日の丸は国鉄だけではなく、地域も、また政治も、地方自治団体にもそういう形があったのではないかという深い反省の中で、これからの改革を真の意味の鉄道再生に仕向けていかなければならないのではないだろうか、こういうことで取り組んでおるということであります。
 そういう意味で、運輸委員会こそがこの再生への道を与野党のコンセンサスを得ることでこれを進めなければなりませんし、お立場はお立場ではありますけれども、政府のその提案の中にも、なるほどと、こう思われる点も梅田議員にもあると思うのですね。それはそれとして、このコンセンサスを得べくお互い討論の中でやはり取り組みを進めさせていただくというのが大事なことではなかろうかということでありまして、心からこの点のお願いを申し上げておく、こういうことであります。
#157
○梅田委員 とんでもない話だ。今までも、青函トンネルのときでも、ほかの整備新幹線をやるときでも、ちゃんと財政を保障します保障しますと、一々言わぬが、いっぱい言ってきたのだ。証拠は幾らでもあるのだ。これからだって今あなたが言ったことは信用できないのですよ。大体過去、現在、未来というように事態は発展していくので、過去はどうであったか、現在はどうであるか、将来どうなるか、ずっと流れを見ておると、自民党政府の路線というのはこっちの方向へ行くのだな、今このように言っておっても、過去にこうだったからうそをついておるなということはわかるのだ。そういうことを言ってごまかしてもだめですよ。
 けさの朝日新聞の投書欄「声」というのを私拝見をいたしましたら、なかなか痛烈な国民の批判がございますね。「国鉄は国民の歴史ある財産」立川市の岩見さんという方の声ですよ。ずっと述べておられますが。
 国鉄は国民一人ひとりの大切な財産なのに、国有化の過程も政府の責任も討議せず、膨大な赤字だからと言って、民営・分割を力によって推し進め、貴重な用地を売却しローカル線を廃止しながら、整備新幹線を計画するというのでは、あまりにも一方約なやり方としか思えない。
今あなたが整備新幹線のことを言ったけれども、またあの手口でやるんだなと、国民の皆さんはちゃんと見通しなんだ。よく心しなければだめですよ。
 それから松本市の杉本俊子さんという五十八歳の主婦の方は「分割民特化は「既定」でない」、こういうことで、
  先日のニュースは、国鉄民営化まであと一年と、民営化がすでに既定の事実のような報道をしていましたが、現在国会で審議中ということをもっと考慮した方がよいのではないか。現在、国鉄勤務の人たちが余剰人員などといわれて、本人も家族も毎日どんな思いかしらと察すると、何ともやり切れません。
  膨大な赤字といっても、すべてが国鉄の責任ではなく、採算を度外視した多くの政治路線のつけが、皆国鉄の責任のようにされては立つ瀬がありません。選挙民に対して点数かせぎをし、そのつけを国鉄にかぶせた自民党運輸族に、費用弁償をさせたいと思うのは、私だけではないと思うのです。
  分割民営化ですべてがうまくいくような報道も見受けられますが、本当にそうでしょうか。うまくいくよりも、赤字路線が切り捨てられる心配の方が大きいと思います。私のように分割民営化に反対の人もいます。この際広く国民の真意を問うべきです。一度民営化されれば、間違っていたとて、元へ戻すことは絶対出来ないのですから。
これは痛烈な批判ですが、大臣、どのように思われますか。
#158
○三塚国務大臣 国民の真意を問えというのは、解散をして出直せ、こういうことなんでしょうけれども、なかなかそうもばかりまいりません。これはやはり大事な法案の御審議をいただきながら、どうしたならば国鉄の再生、新生ができるか、こういうことで論議をしてその道を探りますことが、確立することが国民の信頼にこたえることであり、国鉄で一生懸命頑張っておる皆様の再生、新生への信頼をつなぐことにもつながる、こういうことで取り組んでまいらなければならぬ、このように思っておるところでございます。
#159
○久間委員長代理 この際、休憩いたします。
    午後一時五十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時三十分開議
#160
○鹿野委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。梅田勝君。
#161
○梅田委員 委員長に申し上げますが、ちょっと定数が足らぬのじゃないですか。
#162
○鹿野委員長代理 間もなく参りますから、どうぞ質疑を続けてください。
#163
○梅田委員 それは非常に不当ですね。
#164
○鹿野委員長代理 そんなことはございません。どうぞ続けてください。間もなく参りますから。
#165
○梅田委員 定数が足りないときには法案の審議はできない。
#166
○鹿野委員長代理 梅田君、どうぞ続けてください。――梅田君。常識的に――来ますから、どうぞ続けてください。格好をつけなくてもいいですから。どうぞ梅田君。――梅田君、委員長として指名をいたします。どうぞ質疑を続けてください。
#167
○梅田委員 きょうは予定によりますと、七時三十分までやられることになっております。そしてただいま本会議で三十分おくれておりますので、八時までこの予定表でいきますと審議が続行されるということになる。幾ら重要法案か知りませんが、審議の強行、こういう格好で運営されるのは私は非常に遺憾に思いますから、委員長に厳重に抗議をいたします。
 さて、運輸大臣、先ほど投書を読みましたが、国民は国内のどこかに住んでおられるわけであります。中には外国へ行かれる方がございますが、それは一時的なことでございまして、常時国内のどこかに居住をしている。必要に応じて移動するわけでございまして、そのときの交通手段というものは、昔だったら歩いていったでありましょう。
    〔鹿野委員長代理退席、津島委員長代理
    着席〕
 だんだん交通手段が発達をしてくる中で、今日のように鉄道や自動車あるいは航空機というものができてきたわけであります。時代の発展に伴いまして、国民の交通権というものの概念も変わってきたと思うのでありますが、大臣のお考えになっております国民の交通権というものはいかがなものでございますか。
#168
○三塚国務大臣 交通権という概念は、これは新しい概念だと思うのです。近代国家におきましては、鉄道さらに陸上交通、海上交通、それから空、こういう分類ができると思うのでありますが、これらの交通手段を的確に与えるという意味では国家の必要な重要な要件であろう、こういうふうに思いますし、これを国民にしっかりと与えておる国家が近代国家という名に値する国家ではないのか、こんなふうに思います。
#169
○梅田委員 時代の発展とともに、その概念は変化するものでございまして、普通陸上だったら道路は自由に行けるわけですよ。今日、車の通る有料道路というものもございますが、普通の一般道路は無料で行く。しかし少し遠いところになりますと、鉄道なりあるいは自動車に乗っていく、こういうことになるわけであります。免許のない者は、当然何らかの、乗り合い自動車、つまりバスあるいはより遠方になりますと鉄道ということになるわけであります。当然それを利用して自分の行きたい、用を足したいというところへ行く。そういう手段は最低、国として保障していく、これが私は国民の交通権に対する国の物質的保障だと思うのですね。
 そういう考え方に立つならば、先ほど朝日新聞の「声」で紹介いたしましたように、鉄道が全国的なネットワークとして果たしてきた今日までの役割、今日までの歴史的役割だけではなくて、今後も果たしていくであろう現在並びに将来にわたっての重要な役割というものを考えた場合、国の国鉄に対する姿勢というものはいささか欠けていたのではないかと思うのですね。今日、借金で苦しんで運営面における経営危機が起こっておる、過大投資が大きな原因だという私どもの指摘がございます。同時に一方では、国民が必要としている路線に対して、少なくともその基礎建設部分に対して必要な資金的手当てをしておれば、今日のような経営的な危機を招くことがなかったのじゃないか、そういう点で国民の交通権と関連して厳しい批判があるわけでありますが、その関連でどうでございますか。
#170
○棚橋(泰)政府委員 先生が最初におっしゃったのは、いわばナショナルミニマムとかシビルミニマム、そういうようなものだと思います。確かに交通に関しましては、シビルミニマムないしはナショナルミニマムという観点から交通というものを考えるのは、交通政策の最も重要な点だと思います。ただその場合に、その提供する交通機関というのは、今の多種多様な交通機関がある時代におきましてはそれぞれに適した交通機関というものがそれぞれあるわけでございまして、わずか数人のために鉄道というものをシビルミニマムとして確保するということは、これは交通政策としては考えられないわけでございまして、やはりそれぞれ特性のある交通機関で最低限の交通ないしは国として必要な交通というものを確保するということではないかというふうに考えます。
 先生が後半におっしゃいました設備投資との関係につきまして申し上げますと、確かに設備投資というものが今日の国鉄の大きな借金の中身を構成してきたということは事実でございますけれども、ただ鉄道の設備投資というものは、元来非常に長期的な見地で投資というものを考えていかなければならない性格でございまして、よく懐妊期間が長いということを申しますけれども、実際に現在の鉄道でも投資をした時点においては、これは必ずしもペイしておったものではないわけでございます。非常に長期間をかけてこの鉄道というものを維持してきて、初めて鉄道というものが採算の成り立つ鉄道になるわけでございまして、そういう意味では、国鉄が行いました投資というものも、それなりに長期的には採算がとれるものということで考えられた部分が多かったのではないか。ただ、それだけでは必ずしもいかない部分がございますし、それから懐妊期間が長い当初の部分の負担というものが後々まで後を引きますので、それに対しましては所要の手当てというものを国で行う必要がある、こういう観念から、御承知のように、設備投資につきましては一定以上の金利の助成とか、ないしはAB線のごとく資本費を全額国で持つとか、いろいろな形での施策というものを講じてきたわけでございます。
 したがいまして、国鉄が現在のような状態になりました債務の中に、そういう資本費というものが含まれているのは事実でございますけれども、国鉄が今日のような状態になったのは、そのことが直接の原因ではなくて、基本的には、変化してきた交通という実態に対して鉄道として特性を発揮するような、特化できる経営というものができなかった、独占時代の経営というものから基本的に脱却できないということが累積して今日の事態を招いたんだ、そういうふうな観念から、大臣も繰り返し申し上げておりますように、そういうことを痛感をいたしまして、今回の改革というものを考えてきたということと御理解をいただきたいと思います。
#171
○梅田委員 あなたの話は何遍も私は聞いたのでよく知っているのです。しかし、そういう考え方だからうまくいかぬわけです。
 次の質問に入りますが、今回の措置によりまして、特定債務五兆円余りを一般会計に承継させるといたしておりますが、これが大臣の提案説明のように、国鉄の長期債務に係る負担の軽減を図るとするなら、特別勘定だけでなくて一般勘定の財投資金、少なくとも資金運用部資金ぐらいは同様に肩がわりをさせるべきではなかったかと私は思うのであります。一般勘定を含めまして計算いたしますと、それはどれぐらいになりますか。利子もあわせて言ってください。
#172
○前田説明員 特定債務以外に資金運用部からお借りしておりますのが六兆九百六十九億でございまして、五十九年度の利子額が四千七十五億でございます。そのほか簡易保険局から七千三百五十八億ほど借りております。五百六十四億、これは五十九年度の支払い利子でございます。その他一般会計から八百三億お借りしております。利子が十一億でございます。
 以上でございます。
#173
○梅田委員 それができない理由をひとつ言ってください。
#174
○棚橋(泰)政府委員 これは、この法案の御審議の始まる際に、御質問の方にもございましたし、私どもの方からも申し上げましたけれども、今回お願いしておりますこの法律による措置は、六十一年度において当面緊急に講ずべき措置というものとして位置づけておるわけでございまして、先生今御指摘のございましたような長期債務全額の処理という問題は非常に膨大な額にもなりますので、今御審議をお願いを申し上げております国鉄改革法の一環として、閣議決定等でもお示しをいたしますように、それを国鉄の経営から切り離して、清算法人であるところの清算事業団に移しまして、長期的な時間をかけて対策を処理をしていく、こういうこととして考えておるわけでございます。
#175
○梅田委員 いずれにしても、あなた方の方は、ことしじゅうに若干の手当てをして、後、分割・民営に持っていこうというからそういうことになるわけで、私どもは、この際、日本国有鉄道で再建をしていったらどうか、こういう発想に立っているのだから、そこの発想の転換が必要と違うかということを申し上げているのです。大臣、わかりますか。
 そこで、赤字になりました昭和三十九年度以来、黒字に転ずることができなかったわけでございますが、いろいろの要因がありますが、大きな原因として、借金による設備投資、これを私は指摘したいわけでございます。昭和三十二年に国鉄は第一次五カ年計画を立てて、日本経済の成長に対応する輸送力増強ということを計画されております。それから、この資料にもございますように、急速な成長というものがありまして、いわゆる高度成長期、今日までそれを経まして三十年ということになるわけでございますが、鉄建公団が途中でできてきておりますが、その建設の分も含めまして、国鉄が行いました設備投資の合計額は幾らぐらいに達しておりますか。
#176
○前田説明員 鉄道建設公団の方の工事残高は後で御報告申し上げますが、国鉄の設備投資に絡みますこれまでやりました投資額でございますが、お話ございましたように、三十二年以来、老朽施設の取りかえですとか輸送力の増強あるいは東海道・山陽新幹線の建設、大都市圏の通勤対策といったようなことをやってまいりまして、この間、三十年間に設備投資総額で約十五兆三千億になっております。
#177
○棚橋(泰)政府委員 鉄道建設公団の投資は、三十八年度から五十九年度で累積いたしまして、三兆七千四百五十三億でございます。
#178
○梅田委員 両方合わせますと約十九兆円ですか。そうしますと、借金でやったのでしょうから、それに対する支払い利息というのは、その間にどのくらいに達しておりますか。
#179
○前田説明員 また国鉄の分だけで恐縮でございますが、国鉄のこの投資の財源といたしましては、借入金の要素が大変多いわけでございますが、初めのうちは自己資金もございましたし、政府出資あるいは施設整備に対する政府の助成措置等もございまして、その他一般的に、運営費の不足等に対する国鉄の借入金もございますので、特に設備投資として借入金を銘柄別に当てはめるということをやっておりませんので、国鉄全体で、これは設備投資と赤字借り入れに対する利子も含めてでございますが、ざっと足してみますと、この期間で十一兆三千億ばかりになります。ただこの間、政府から、今度は金利補助についての助成をいろいろいただいておりますので、実質的な金利負担ということになりますと、この約半分の六兆六千億、半分以上になりますか、その程度が実際にこの間に払いました金利でございます。
 こういった金利がありまして、その他運営費等から出る赤字と、こういう金利から出る経費といったようなものを収益でカバーできなかったというようなこともございまして赤字になっているわけでございますが、この間に、財政措置としては棚上げ措置が二回ほどとられておりますので、これがそのまま今の負担になっているかというと、ちょっとそうは申し上げかねるということでございます。
#180
○梅田委員 助成は助成ですよ。助成があれば、本来はもっとほかのことに使えばいいのだけれども、結局利払いで、借りた先へ行ってしまうということになるわけで、国民経済的に見た場合、一般会計に対しては税金を払うわけですから、その税金がいかように有効に使われておるかということに関心を持つわけでありまして、国鉄の経営推持のためにそれが使われていくということになれば、皆納得をするわけですよ。ところが、設備投資が過大といいますか急速に進行したものですから、調査室がくれた資料にもございますように、本当に急速に上がっていきますから、どうしたってやりくりがしんどくなるのは当然なんですね。だれが考えたってこれはうまくいかないですよ。大体、人間が働くのには二十四時間しかないわけですから、三分の一は寝るわけですよ。三分の一は実際の実働の時間、三分の一は余暇の時間というぐあいになっているわけでありまして、これは切り詰めてやったら絶対的な労働時間がふえていって健康を破壊してしまう。だから幾ら国鉄の労働者に頑張れ頑張れと言いましても、極端なあれはできない。機械を入れることによって、近代化によって生産性を上げるということになりますと、能率がよくなって輸送力増強にプラスになっていく、こういうことは考えられますね。そのための投資というのは非常に有効な役割を果たす。しかし、それだって余り急激にやりますと追いつかないということで、結局また経営の赤字にはね返ってくる。これは今まで随分議論してきたあり方なんです。そういうやり方をしておったらだめだということを私どもはしばしば強調してきたわけでありますが、昭和三十八年、つまり赤字が出る前の年ですね。このときは五百七十四億円の黒字が出た最後の年ですね。監査報告の出ております昭和五十九年の一番最近の決算における営業収入と三十八年の営業収入の倍率、これは幾らになっていますか。
#181
○前田説明員 恐れ入りますが、ちょっと比率を出しますので計算をさせていただきます。
#182
○梅田委員 何なら、こちらの計算したのでほぼ間違いないと思いますが、約六倍ですか。
#183
○前田説明員 約六倍でございます。失礼いたしました。
#184
○梅田委員 それでは長期債務はどれぐらいにふえておりますか。
#185
○前田説明員 ちょっと一年ずれて恐縮でございますが、三十九年度で債務残高が八千三百億でございます。これに対しまして、五十九年度末で二十一兆八千億でございますので、約二十数倍でございますか、ちょっと計算いたします。
#186
○梅田委員 突然に数字を挙げたので答えにくかったかもしれぬけれども、約二十四倍になっているはずですよ。営業収入は六倍にしかならなかったのに長期債務の方は約二十四倍になっちゃった。この率に見られますように、明らかに借金の方が先行したと言わざるを得ない。この間、昭和三十九年赤字になった年から五十九年まで二十一年間の経緯がございますが、これはその間の全部が設備投資に対する利息とは私言いませんが、利子及び債務取扱諸費、これが一般勘定と特別勘定で計算しますと十兆一千十六億円、減価償却費等が六兆二千百八十五億円、合計いたしますと十六兆三千二百一億円の減価償却と利払いで膨大な金を払ったということになりますが、これだけ大きな金を払っておるわけだ。設備投資しますと当然償却が出てきますからね。
 今国民の間で国鉄の放漫経営について非常に疑問がありますのは、持ち家制度政策によりまして、ウサギ小屋という非難もございますが、私なんか十坪余りの小さな家を買っているわけでございますが、一千万円かかったのです。お金がないものですから、頭金を親戚から若干借りてつくりまして、あとは七百万だったと思いますが銀行から借りて、二十年間もうしんどいしんどい思いで返している。大臣今は、昔みたいに大家さんがあってたな子がたくさんあって長屋に住んでいる、そして毎月月末になると、家賃の通い帳を持って大家さんのところへたな子が家賃を払いに行く、こういうシステムはもうほとんど見られなくなったんです。今は全部銀行ローンという近代的なスタイルに変わりまして、そして自分の家に二十年なりあるいは三十年なり、長いものは三十五年とかいう長期のローンを組んで、そして給料から天引きされているというシステムになっているのだ。だれだって大きな家に住みたいよ。ところが自分の年収等を計算してみますと、そういうものは借りられない。だからそろばん勘定して、そしてどんなに小さい不自由な家でありましても我慢してそこへ入る。しかし毎月のローンの払いが余りにも大きい、ボーナス払いが非常に大きいということでみんな困っているわけですよ。昔の大家さんというような制度はなくなって、名前は持ち家だけれども、家主は新しい銀行資本、そこへ自動的にぴゅっとローンの掛金という形で実質的にはもう家賃に等しいようなものが払われていく、こういうように借家制度も近代的システムに変わってきているんだ。そういう経験を国民は皆しているわけです。
 だから、国鉄がまた何でこんなことになったんだろうと不思議でしょうがない。何でそんなばかでかい借金をするに至ったか。わしらならそんなことにはならぬがなというように疑問を持つのですよ。と同時に、狂乱物価前なんかに買った人はある程度地価が上がってそこそこになって、そしてインフレによって掛金の方も比較的安くなってきた、このように考えておる人もいるわけだ。だから国鉄は借金で設備投資してたくさんの線路をつくった、帳簿上はこれだけだけれども、実質は相当値打ちがあるのじゃないか、このように計算される方々もおるわけです。そういう人たちから見れば、今私が申し上げたこの二十一年間で十六兆三千二百一億円も減価償却と利払いに国鉄が費やしたという事実に対して、政府は余りにも無策ではなかったか、このように思うのですよ。この間のいわゆる赤字というのは幾らですか。五十九年度末は十二兆二千七百五十四億ですか。これは差し引いたら約四兆円の黒字がもしなければあったということになりますね。どうですか。
#187
○棚橋(泰)政府委員 先生おっしゃいましたように、今の国鉄の状況がその抱えておる膨大な長期債務というものとの関係において非常にいびつな事態になっておる、これは御指摘のとおりでございます。そういう事態を何とか解消するということから再建ということが出ておるわけでございます。
 ただ、一つ申し上げておきたいのは、過去においても同じような御議論の中から、何とかこれを立て直さなければいけないということで、大きく言って四回ぐらいの再建策というのを行っておるわけでございます。国といたしましても、先ほど申し上げましたように、いろいろな意味での助成を行っております。この間の国からの累積の助成額は恐らく七兆を超えておると思うわけでございます。それだけの助成等をやりまして、何とか国鉄を健全な形にできないかという試みが何回もなされたわけでございます。
 ただ、そのような何回かの試みというものが必ずしも所期の目的を達し得なかったということにはいろいろな原因がございますけれども、基本的には、やはり国鉄の経営というものが非常に効率が悪い、さらには鉄道として持つ特性を十分発揮できるような形になっていない、したがって、そういうものの抜本を改めなければ、そういうものに対して、例えば助成というものを何回行っても限界があるということで、今回このような抜本策に踏み切ろうとしたということと御理解いただきたいと思います。
#188
○梅田委員 すぐに私は頭にくるんだが、審議官、あなた、過去に運輸省なり政府、国鉄当局はどういうことをやってきたかという反省がちょっとでもあるのですか。先ほど私、大臣に申し上げたように、一挙に十カ年計画を三倍化したでしょう。あなたはそのときの担当官じゃないけれども、しかし、政府としては、運輸省としては、これで行けます行けますと言ったわけだよ。それが失敗したわけでしょう。ちょっとでもそれの反省があるのだったら、あのときにもっと適切な措置をするべきであったとなぜ言えぬのですか。私は国鉄が今日まで無為無策で政府のただ言いなりになっていたとは思いませんよ。国鉄だって、こんなことをしたら大変なことになるのじゃないかと思っていたに違いないと思うんだ。その証拠に、国鉄当局も政府に対して利子のつかない出資を要求していたはずですね。昭和二十四年以来、どういう要求をして、どういう査定を受けてきたのか、ちょっと説明してください。
#189
○前田説明員 設備投資の資金といたしまして、政府出資を要求した時代がございます。
 ごく簡単に申し上げますと、三十年代はいわゆる新線建設の資金の一部に対して政府出資をいただけないかということでお願いいたしております。それから四十年代の初めには大変大幅な通勤対策ということで投資をしたわけでございますが、その一部について出資をいただけないかというお願いをした経緯がございます。その後、先ほどお話がございましたように、四十八年以降は設備投資の一定部分に対して、約一五%だったと思いますが、出資をいただけるということになりまして、実際にここでは四十六年以降数年にわたりまして政府出資をいただいております。それが現在残っております、当初、開業のときの出資金と加えまして四千五百六十億に達しております。
#190
○梅田委員 簡略に言われたからそうなんですけれども、しかし、事あるごとに要求して、政府の査定は全部いただけたのですか。そうじゃないでしょう。
#191
○前田説明員 お願いをいたしまして、必ずしもそのとおり予算が認められたというわけではございませんが、四十六年以降の出資につきましては、場合によっては国鉄がお願いしたものに対して若干プラスになった形でいただいたこともございます。
#192
○梅田委員 あなたはそのようなことを言いますが、ほとんど毎年のように出資を要求していたが、いろいろ条件つきのものはいただいているけれども、満たされていないのが現在までの実態じゃなかったですか。私は、今四千五百六十億円と言われた現在の日本国有鉄道の資本金という額は、やっておる事業規模からして非常に少ないのじゃないかと思うのですよ。それは、日本国有鉄道法の第五条「資本金」という条項がありますが、「資産の価額に相当する額とし、政府が、全額出資するものとする。」ということで、発足のときにバランスを見て、最後のものを資本金にした、こういう経緯であったと思うのですが、これを今日の実際の価額で見た場合、相当変化をしてきているのじゃなかろうかと思うのです。
 鉄道は非常に固定資本を寝かさなきゃなりませんので、普通の資本主義の概念でいけばもうからぬわな、たくさん投資をして利益は上がらぬわけですから。固定資本の比率が高くなりますと、有機的構成が大きくなって利が上がらないということで、大体余り投資したがらない。私鉄なんかの鉄道事業は、開発するときはもうかる、開発利益を出す。関連企業をやってもうける。それで総合成績で非常に利益を上げる、こういうケースがとられておる。国鉄のように、先ほど交通権のところでも議論したわけでありますが、どんなおばあさんでも、孫のいるところへ行きたいということで国鉄を利用して行く。かなり遠方だという場合には、全国ネットワークとしての国鉄を利用したら安心して行けるということで、従来からそういうケースは随分あったと思うのですね。だから今日全国至るところに、ふるさと線を守れ、こういう運動がほうはいとして起こってきているわけなんです。
 だから、そういう国民の交通権を保障する、まさに日本国有鉄道法に示された公共の福祉を増進させる、こういう目的に即して国鉄というものは経営されてきたと思うのですね。そうすれば、当然、今まで国からいただいたというか助成を受けてきた、これはもちろんのこと、お金を借りた分まで含めて出資しておいてしかるべきじゃないか。つまり利息をつけない。この利払いがなかったら随分と楽になるわね、どうですか。
#193
○前田説明員 確かに、設備投資につきまして利子のつかないお金をいただければ、これにこしたことはございませんが、国鉄の設備投資は、戦後かなり老朽いたしましたものを取りかえるというところからスタートをいたしまして、その後、高度成長期を迎えまして、輸送需要に合ったような設備になっていない、あるいは非常に近代化された設備、競争にたえるような設備になっていないということで、大変遅まきながらというような感じで設備投資をしたわけでございます。そのほかに新幹線の建設等も行いまして、現在の形で申しますと、かなり骨格としての鉄道のネットワークができ上がったということかと思います。
 ただ、これは借入金でやりましたけれども、国鉄なるがゆえにある程度借入金を政府も面倒を見ていただいたということもございますし、それからその金利補助等もいただいておりますし、その後、出資はなくなりましたが、施設整備に対する助成金というような形でもいただいております。したがいまして、出資というような形で設備投資を大変圧縮した形でやるか、ある程度、私どももやはり装置産業でございますので、設備投資は飯の種にもなっておりますし、サービスの源泉にもなるわけでございますので、そういう形でやはり設備投資もある程度進めなければいけなかったということもございまして、安企業であるからかもしれませんが、かなり設備投資も行いましたし、また借金もかさんだことも事実でございます。私どものやりました設備投資の中で、一部、多少大変な競争関係に入った中で、本当にもうちょっと違う投資があったかなということはないわけではございませんけれども、大体、今でき上がりました設備投資を見ますと、電化あるいは幹線の線増、あるいは骨格としての新幹線のルートというようなものが完成いたしまして、今後サービスを展開するには基礎的なものはでき上がったかな、こういう感じで考えております。
#194
○梅田委員 あなたは国鉄の常務理事だから、もうちょっと遠慮せぬと、政府、大臣おるのだから、きちっと言うたらどうですか、もっとくださいと。あなたは設備投資面で大体運営の基礎はほとんどでき上がってきたと今満足そうにおっしゃいました。私は、現在の国鉄は、輸送面というか、大都市における通勤の輸送力増強ということで、混雑率も高いし、快適度で言えば冷房化率も十分でないというようなこともございまして、まだまだ改善しなければならぬ点があることは認めますが、全体として国民の輸送力の需要にこたえていっているのではないか。日航機の墜落以後、新幹線御利用のお客様もうんとふえているでしょう。それほど需要を認めて、また安全、快適というものに信頼をして国民に乗っていただいているわけですよ。そういう国鉄の輸送力というものに対する国民の信頼というのはかなりあると思うのですね、高いと思うのです。それで国鉄の労働者もその輸送力を安全に運行していくのに十分な役割を果たしている、一生懸命働いていると思うのですよ。
    〔津島委員長代理退席、久間委員長代理
    着席〕
 ただ惜しいことには余りにも借金が大きい。当面の経営に困難を来している。だから国鉄問題というのは二つの側面があると思うのですよ。今後の輸送力増強にどうこたえていくかという側面と、経営をいかに改善していくかという、この両面を考えていった場合、果たして今政府が提案しているような分割・民営の路線でいけるのか、だれだって心配しますよ。全国ネットワークでちゃんとあるのに、これをずたずたにする、熟練労働者をどんどん首切っていく。果たしてそれで安全か、非常に危機感を持ちますよ。これは先ほど紹介した投書のとおり、国鉄は国民の歴史ある財産だ。百十余年の歴史をずっと国民は見ているのですよ。それで毎日利用しているのだ。だから利子のつかない金が、出資という形であれ、私は助成金だっていいと思うのですよ。返さぬでもいい、利子を払わなくてもいいという金だったら助成金でいいですよ。これは社会的資本になる、国民の財産になるのですから。それを今日まで膨大な利息を払わなきゃならないようなものをなぜやった。設備投資をやる以上はきちっと政府は考えてやるべきではなかったか。まさにここを正せ、これが国鉄の再建問題の一番の核心ですよ。あなたは国鉄を代表しているんだから、まあ総裁が代表しているが、常務理事ですからその一人ですね。もっと胸を張って国に対して、今まで何でこんなことをしてきたのだ――国鉄法の第五条二項において追加出資の規定があって、政府が必要があると認めるときにはできるというようにして、ちゃんと助成することができるようになっている。出資することができるようになっているんだ。もっとこれを強く迫るということをやるべきだ。今からでも遅くない、やるべきだと思うのですが、いかがですか。これは国鉄総裁、いかがですか。
#195
○杉浦説明員 出資の前に、国鉄の投資とそれの資本費の負担のあり方というような問題を今先生から御指摘があったわけでございますが、昭和三十八年まで国鉄は黒字経営を続けてまいりました。その間の投資もかなりあったわけでございますが、いわば公共的な使命の遂行の上で必要な投資、それを自己資金でやることができた時代が昭和三十年代だったと思います。昭和三十九年に初めて赤字が出たわけでございますが、将来の見通しといたしまして、国鉄なりあるいは政府全体の計算の上では、将来鉄道輸送というものはかなり伸びるであろうというような想定のもとに、公共的な要請に対応する投資、こういうものもある程度の助成をいただきながら自己資金、借入金によって何とか賄い得るというような判断が当初あったのではないかというふうに想像をされます。いわば公共的な使命感というものにあふれた時代、それが他の輸送機関との間で独占が崩れて、競争状態になった時代、現在は全くその競争に置かれている時代、そのときどきの時代によって非常に大きな変化があるわけでございますが、そうした過程の中で、投資及びそれに対する政府の出資あるいは助成金のあり方というようなことの議論が展開されてきたと思います。
 おっしゃるように、利子のつかないお金が多ければ多いほど、その投資から生ずる資本の負担というものが少ないことは当然でございますが、そうした過程の中で、いわば公共性をのみ込む、それだけの国鉄の力があるというような一種の過信というようなものもあったのではなかろうかというような過程を経まして、現在に至っているというふうに思うわけでございまして、今日におきましては、公共的な要請と企業的なあり方というものにつきましては、はっきりと線を引いた上で必要な助成はしっかりと助成をしていただく、それから自分で能率的な経営はしっかりやる、こういうような仕組みを明確にやっていくべきではないかというふうに思います。
#196
○梅田委員 国鉄は何といっても百年以上の長い歴史を持って国民経済のいわば動脈としての役割をしっかりと果たしてきたわけであります。当初は国が全面的に力を入れたわけですね。減価償却の考え方も、昔は予算方式で必要なものはどんどんやったのですね。しかし、戦後の公社制度の中で減価償却もちゃんとやっていくということですね。これも定額制から定率制というふうに初期に大きく減価償却をやっていくように変えられた経緯も従来議論されてきたところです。なぜ減価償却を定率制にして大きくしたか。これは回転を早くするため、高度成長の一つの考え方に沿って変えられたのです。それから資産の再評価もやっておりますね。これは余り簿価を小さくしておくと、インフレで目減りしているのに減価償却が間に合わぬということになってきて、資産再評価をやらざるを得ないという時代が昭和三十年代にありましたね。
 そういう今日までの国鉄の経営のあり方というものを考えてきた場合、政府として国鉄を今日までこのような経営危機に陥れしめた責任を本当に考えるなら、思い切って出資をふやす、助成金をふやす、あるいは過去にさかのぼって、財投資金なんかについては今高い金利を払っておるわけでありますが、その金利についても引き下げるべきだ。民間の金利についても私は引き下げるべきだと思いますが、この資料をいただきまして見ますと、資金運用部でも一番高いときは八・五%のものが動いておりますね。それから財投の簡易保険局の資金は高いものは八・七%ですか、そういうのがございますね。こういうものを下げてもらうというわけにいきませんか。
#197
○棚橋(泰)政府委員 最近低金利時代になりまして金利が下がっておるのは事実でございます。国鉄の過去の債務の中にはいろいろな債務がございまして、政府関係資金でもかなり高かったものもあるわけでございます。ただ、御承知のように、金融と申しますものは借りたときの約定でお払いをするというのが通例でございまして、そういう意味では企業でも同じでございますけれども、高金利時代のものを今返済しているというのは間々あるわけでございます。
 ただ、国鉄がこういう状態になりまして、これを抜本的に再建しようというときに、国鉄でございますから、先生、助成助成とおっしゃいますけれども、助成でも最終的には国民の御負担をいただかなければならないということになりますと、やはり国民の御負担を極力少なくして、再建するというためにはできる限りその額を少なくするということは望ましいわけでございます。そういう意味で、既に何遍も申し上げておりますが、閣議決定で今後の長期債務の取り扱いということを決めております。その中で、できる限りそういう意味での低金利への借りかえというようなものについても努力すべく検討するということになっておりまして、清算事業団で行います長期の債務の返済の中で、そういう点も含めて検討することといたしておるところでございます。
#198
○梅田委員 一口に国民の負担といいましても、国の負担といえばイコール一般国民の負担ということでは必ずしもないですよ。国家予算で法人からは法人税も取るし、国民からは所得税、いろいろな形で取るわけで、一般会計の中で調整をして所得の再配分機能というものを国家予算が果たすわけですから。大臣、そうでしょう。だから国鉄に寄ってたかってもうけた大企業から何ぼでもお金を取ることもできるし、軍事費を削減して、これを国鉄の方に回すことも不可能ではないわけだよ。政府がやる気になればできる問題ですよ、これは。国会が多数でそれが国鉄再建に必要だということになればそれはできるのですよ。難しい問題ではないのですよ。だから直線的に――審議官、あなたは笑っているけれども、本当ですよ。すべてそういうぐあいに国民に負担がかかりますよ、かかりますよということでおどかして、そしてこれ以外にないよ、分割・民営しかないよというやり方はいけませんよ。
 さて、国鉄にさらにお伺いしたいのでありますが、ことしの予算で鉄道建設公団借料というのが昭和六十一年度予定額が千八百九十六億、それから前年度予算額が千三百九十六億円、比較いたしまして五百億円ふえているというのはどういうことでふえたのですか。
#199
○前田説明員 鉄道建設公団に対する借料でございますが、一つは京葉線等の開業の平年度化というのがございまして、この分の借料がふえております。そのほか上越新幹線でございますが、これが鉄道建設公団に対する助成が減ったということから反射的に借料がふえた分がございます。
#200
○梅田委員 運輸省にお伺いしますが、鉄建公団への利子補給金をなぜカットしたのですか。
#201
○棚橋(泰)政府委員 上越新幹線に従来四・五%超の利子補給をいたしておりましたのを、国の財政が大変緊縮である時期でもございます。新幹線と申しますものは新幹線全体としてかなりの黒字を出しておるわけでございます。そういう観点から上越新幹線の利子補給というものを六十一年度から支給をしないということにいたしたわけでございます。
#202
○梅田委員 国鉄は赤字ですよ。まだ分割・民営化していないのですよ。大臣、いつから分割・民営にするような発想でこれを削ったのですか。分割・民営したら新幹線保有主体ができる、そこでは内部補助で調整せい、こうですね、一応法案では。しかし、今の問題では完全に分割・民営化の考え方を先取りしているじゃないですか。こういうところにこっそりと持ち込んでくるのは非常にひきょうだと思いませんか、あなた。大臣、答弁。
#203
○棚橋(泰)政府委員 先ほどから申し上げておりますように、昭和六十二年度からの法案より以前にこの予算というものはいろいろ政府部内で折衝して決まって予算案としてお願いしたわけでございまして、その段階におきましては、六十二年度以降の分割・民営で新幹線保有機構というものの設置を予定しておるがゆえに、この補給金を廃止したということではございません。国全体が大変厳しい緊縮予算というものを組んでいかなければいけないという中におきまして、鉄道建設公団についても従来の膨大な助成金というものを極力圧縮しなければいけないという立場から、新幹線というもの自体が全体として黒字を出しておるという観点から上越新幹線に対する利子補給金というものを取りやめた、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
#204
○梅田委員 東海道新幹線が片道の運賃で経費を賄っているということは我々も知っていますよ。しかし東海道本線の方はごっつい赤字でしょうが。どうですか。
#205
○棚橋(泰)政府委員 おっしゃるように、東海道の在来線の方は赤字でございます。
#206
○梅田委員 千七百億ほどですか、今何ぼぐらいですか。
#207
○前田説明員 東海道の在来線で約千五百億の赤字を出しておりますが、東京−大阪間の新幹線で黒字を出しておりますので、トータルといたしましては約二千億の黒字を出しております。
#208
○梅田委員 かつては千七百億在来線が赤字を出したということを聞いたが、今はちょっと改善された。それにしても赤字なんだよね。そして東海道は建設が古かったから、両方合わせて黒字を生み出すようになってきた。しかし、国鉄全体、そういう内部補助的な考え方でいけば――山手線なんか経営係数四四でしょう。運賃を半分にしなければならぬよ、あれは。しかし、それだって内部補助的な考え方でならしているわけでしょう。だから、棚橋さん、新幹線は一方で黒字を出しておるから、こっちの方の補助金は減らすんだ、もう来年はどっちにしろ新幹線はプールするんだからという考え方が根底にあってこのようにされるというのは、私は承知しがたい。再建監理委員会が政府に対する意見書、いわゆる答申の中でさまざまなかぎ括弧つきの改革なるものをやろうとして「意見」を出したわけでございますが、同時に、三島基金の助成でありますとか、あるいは年金対策その他さまざまな助成の措置も講じていこうということになっております。再建監理委員会が答申の中で出したような助成を現在の国鉄、昭和六十一年の予算に対してやったとしたら、一体どのような国鉄予算に変わっていくかということを試算してほしいということで要望しておったわけであります。きょうちょっと資料をいただいたわけでございますが、収入と支出の面にわたって御説明をいただけませんか。
#209
○前田説明員 先生から御指示がございましたような形の収支を、収支といいますか、経費を入れかえてみました。
 三島基金よりの受取利子のみを計上しなさいということで、これを入れますと、これは監理委員会の答申にございます数字を入れております。これが七百五十五億という数字が出ておりますので、それをある意味では機械的といっては失礼でございますが、その数字をそのまま入れさせていただいております。それから年金の追加費用の除外というお話がございましたので、これは年金の分のうちの追加費用約四千二百億を外しております。それから公経済負担の除外というお話がございますので、これが約三百億でございます。それから恩給負担金の除外、これが百二十億ばかりございます。それから特定退職金を除くということでございますので、これが約二千三百億でございます。それから逆に新幹線の使用料を計上しなさいという御指示でございますので、これは監理委員会の答申にございます約七千億をそのまま計上いたします。それから上越新幹線借料の除外ということでありますので、これが千四百億ぐらいが先ほどの数字でございます。それから北海道、九州の公団借料の除外ということでございましたので、これが七十億程度でございます。それから新事業体に対する承継債務の利子を計上しろということでございましたので、これは監理委員会の答申にございます約四・三兆の旅客事業体にかかわる利子というのは出ておりますので、それを足し込む。それから六旅客会社の減価償却費を計上しなさいということでございますが、これも同じく監理委員会の資料等から出しまして約三千八百億。それから貨物会社の資本費の計上ということでございますが、これは運輸省の方から昨年十二月に提出いたしました資料がございますので、それに基づいた数字を計上いたしております。
 こういうことで、これは六十一年度予算と足し込むと若干異質なものが足し込まれていることになっておりますが、そこは別といたしまして、機械的に足しますと約一兆四千七百億程度の改善ということになろうかと思います。ただ、これは改革対策自体がかなり総合的な性格を持っておりますので、こういう形でことしの予算と一つ一つの項目を一つだけ取り上げて足しますと、いろいろな意味でちょっと整合等がとれないところもございますし、年度も、六十一年度の予算と監理委員会の方の数字を基調にいたしておりますが、これは六十二年以降の話になりますし、それからいろいろな性格上、例えば資産等も清算事業団の方に行くというようなことになりますと、必ずしも今ありますような資産充当等が出るというわけでもございませんし、この辺は先生の御指示によりまして、機械的と言っては失礼でございますが、御指示のような数字をそのまま六十一年に足し込んだということでございます。いずれにいたしましても、それを入れましてもまだ赤字が残っております。
#210
○梅田委員 仮の試算という形でしてもらったわけですけれども、希望退職は国鉄として存続していくのだったら要りませんからね。余剰人員の首切りなんかやらないということになりますと、その費用も浮いてくるということ等を勘案して、六十一年に再建監理委員会の答申並みの助成を国がやるならば、償却前で八百七十九億円の黒字が出るという試算です。それで減価償却等をやりますと、なお三千百八十四億円の赤字が残るという計算でございますが、現在の物すごい一兆八千億からの赤字の点を考えますと、一兆四千八百億ほどのお金が助成をされるということになりますと大変な改善になる。だから私どもは、答申に、毎年一兆四千億円程度の国民の負担になるというのが最後のツケとして残るというのを聞きましたときに、それだけの負担を言うんなら、なぜ面倒くさい切符の精算はどないするとか――行政改革で特殊法人なんか統合しろ、統合しろと言っている。全然関係ないのを二つひっつけて一つにして、減らしましたと言っている政府が、二十四も新しい法人をつくるというのは一体どういうことか。そういう面倒くさいことは全然やらなくて、現在の体制で国鉄労働者に生き生きと今後の仕事をやってもらえる、そういう健全経営の明るい展望が見える試算をつくってみたわけですよ。大臣、思い切って面倒くさい法案なんかやめてしまって、ひとつこれでいきましょうということになりませんか。どうですか。
#211
○三塚国務大臣 これは梅田さん、そこが基本的に再建方式の哲学の相異なるところなんですよ。それは計算上、いかようにもできるわけですね。財源をどこに求めるか、こういうことになるわけでして、運賃の分だけをとるわけにまいりませんから、財政援助という方式をこれに加えるということでありますならば、一つの方式が出ることは御案内のとおりであります。また監理委員会が言いますように、元利償還を含めて三十年でありますならば一兆四千億円ですね。こうつぎ込んでいきますれば、いくであろう。ピーク時七千億の助成金をやっておったわけですから、七千億円足せばいいじゃないか、こういうことなんですね。私も、それは一つの方法だ、理論的に可能であるならば、ということなんですよ、経営の本体、鉄道のあり方という哲学を別次元として。
 そういう点で考えますならば、そういうことになるわけですが、今赤字国債を発行しながら財政再建をやっておるさなかで、新たな財源を求めることは難しい。新税をと言ってもこれは反対、こういうことなわけですね。国鉄再建債で、国民の皆さんがそれじゃ参加いたしましょうというので御理解をいただくのであれば、これも一つの方法なんですね。ところが、国鉄に乗らない人が何で再建債のために金を払わなければいけないのだという意見がまたあるし、あなたのようにそんなものは大衆増税でけしからぬとおしかりをいただければこれもいかぬわけですね。そういたしますと、これはどうやったらいいんだろうか、こういうことになります。現実的な方法を考えなければいかぬな、それでもなおかつ十六兆七千億円、御案内のとおりの計算でこれは国民御負担にお願いをしなければならない、こういうことになります。
 これを十七兆も十八兆も十九兆も二十兆もというふうに相なる展望に立ては、この方式も国民的な理解を得られないわけでございまして、十六兆七千億はぎりぎりであります。また経営努力において、土地の処分において若干これに上積みをいたすことも可能であります。ということでありますから、辛うじて理解が得られる、こういうことが一つあるわけですね。
 それともう一つ、基本的な戦略、これは梅田さん、わかっていてそう言われているのだと思うのですが、鉄道が全国画一的にこれをやってまいりますと、他の交通機関との競争でなかなか勝てない。こういうことなものですから、コンパクトな地域鉄道として六分割という案をまた出させていただいた。ある方から言わせますれば、それがもっと小さい単位の方が地域鉄道としての機能を発揮できますよ、民鉄、私鉄がそうじゃございませんか、こういう意見もあるのですね。それが旅客流動の完結度という意味で、乗りかえやその他が最小限カバーできるという意味で六分割案というものをお出しをさしていただき、その中で頑張り抜いてまいりますならば、他の交通機関との競争にも勝ち残り、生き残ることができるのではないだろうか。といいますことは、先ほど来申し上げておりますとおり、鉄道のよき伝統、よきその使命というものを再生、新生という形で残してまいりますことが、国鉄を支えてきた今日までの皆さん、さらにその地域にとっても、大きくは国益にとってもそのことの方がプラスになるのではないでしょうか。こういうことでございますものですから、目指す時点はそんな形で、もうこれ以上待ったできないのです。確実に新生、再生ができる道はということでありますと、私どもがお願いしている分割・民営方式しかないのではないでしょうか、こういうことでお願いを申し上げておる、こういうことなんであります。
#212
○梅田委員 再建監理委員会は、今直ちに要る金でもない三十七兆という膨大な数を持ち出して、これは私は鬼面人を驚かすということで批判したわけですけれども、今すぐ三十七兆が要るわけじゃないのだな。もともと国鉄に関係のない鉄建公団とか本四架橋等々の資本費まで繰り込んだわけですから。それから将来発生する年金の関係も全部ぶち込んだ。この一兆四千億、ちょうど監理委員会が言っている数字ぐらいの助成を政府がやる気になれば国鉄として再建できるじゃないか。結論は一緒になってくるんだよ。だから、それだけの金をどう確保するか。私は、それはあなたが一般会計の中でやりくりしてとしょっちゅう言うように、本当の意味の行政改革をやって、場合によれば財界が工事でもうけたんだから、そういうところに金を、あなたの言う鉄道債というものを買わせてもいいよ。政府は民活民活と言って、とにかく財界に金がだぶついた、そのだぶついた金にどうしてもうけを与えるかということで、国有財産を次々目をつけ、それから国有企業はどれをとるか目をつけて、それから東京湾横断道路とか何だかんだいっぱい計画している、民活民活と言って。それだけ金がだぶついているなら、国は財政がない、ないそでは振れないと言って困っているんだから、助けてもらったらどうですか、財界に。発想の転換が必要ですよ。いかがですか。
#213
○三塚国務大臣 財界は民間なんですね。政府が公的な合意体として国家を形成しており、その執行機関として政府を形成いたしております。全くパブリックな中立な全体の意思を統轄して国家経営をやる組織体が、財界が金を持っているからといってそっちから金を借りてやるか、助けてくれ、こんなことをやったら、政府は財界の走狗で何をしているかねと一番先に怒るのはあなたじゃないですか。そんなことは憲法違反であり、我々そんなことは毫末も考えてないわけです。やはり国家であります以上、国家の機構の中でこれをやり抜かなくちゃいけない。そういう中で一兆四千億ですから、それはやってやれなければ――やれるのじゃありませんかと言われても、それはやれないからこういうことにさせていただいたわけでございます。
 それと、何回も言うようでありますが、国鉄再生のためには、今の公共企業体、全国画一的な経営ではもう行き詰まるのです、こういうことなんですね。そういうことであります以上、やはり発想をかえまして新しいスタート台に立ってやり抜いてまいりますことが、働いておる方々も先に大きな望みを持ち、鉄道マンとして地域鉄道を担っておる、国の鉄道を担っておるのは我々だということの使命感、プライドの中でおやりいただけるような環境を政治がつくってやることが大事なのではないでしょうか、このように実は申し上げておるということであります。
#214
○梅田委員 我が党は、昭和四十八年の六月に五項目改善提案というものを出しまして以来、五十七年の六月にも国鉄再建の展望というものを明らかにいたして、先ほど来申し上げましたようなあしき遺産に対する緊急措置をとる、まず財源的な補償をやる。そして二つには、公共交通機関にふさわしい費用負担の原則を確立する、こういうことで線路、架線、停車場設備など、基礎建設の費用、あるいは改良の費用、それから国の政策による通勤通学定期、旅客運賃などの割引で生まれる国鉄の負担、あるいは地方線維持のための負担の一定の部分、これを国で補償していく、三つには、大量輸送機関を軸とした総合的交通政策を確立し、国鉄を公共輸送機関の根幹に位置づける。こういった三つの政策を政府が実行していくならば、日本国有鉄道がその目的に掲げている公共の福祉を増進させる。国民は、現在でも輸送面におきましては、国鉄に対して非常に信頼を寄せている。それを財政的に、経営的に国の施策の根本的な転換によって保障していく。そして国鉄に働いている労働者に、あしたはどうなるだろう、あしたは肩たたきで退職勧告を言われるんじゃないか、この先まだ子供が小さいのにどうしていくか、そういう不安を解消させて、そして国鉄の技術員がその誇れる技術をもって安全輸送に奉仕をしていく、そういう働きがいのある職場をいかにつくるか。これがたったこれだけぐらいの予算でできるというのなら、これは断固やるべきだと私は声を大にして申し上げておきたいのです。なかなか言っても聞かぬから困ったものですが。
 時間が全くなくなって、まだ前半第一部がやっと終わりになりかけておるわけです。いよいよ第二部の国鉄労働者の二万人首切り問題についてお尋ねしていきたいわけでございますが、委員長、時間が全く足らぬと思うのでありますが、別にもう二時間の質問時間を与えていただけますか。まず、それを理事会へお諮りください。
#215
○久間委員長代理 理事会の申し合わせどおり、質疑は続けてまいります。
#216
○梅田委員 こういう重要な法案を審議を尽くすということをやらないで、とにかく何日かたったら採決だというのでは、国鉄労働者はたまったものではない。首を切られる国鉄労働者の立場に立ったらたまったものではないということを申し上げたい。
 まず、国鉄の職員が「著しく過剰である状態」ということで、後の希望退職に対する予算措置というものが提案されておるわけでございますが、去年からの経緯をちょっと確認をしておきたいわけであります。昭和六十年の予算人員は三十一万五千人であった。そして六十年初めの実人員は三十万七千人であった。とすると、予算人員では当初から八千人足りなかったんですか。
#217
○澄田説明員 六十年度首の予算人員と現在員の差は今のおっしゃるとおりでございます。
#218
○梅田委員 過員過員と言って、国鉄は余っている、余っているとワーワー言って、とにかく国鉄労働者がごろごろしているみたいな宣伝がうんとなされたわけですけれども、予算人員については初めに当たって八千人も不足していた。私はこれは問題だと思う。
 それから、六十一年度予算人員は二十八万八千人、初めの人員は二十七万七千人、とすると、一万一千人不足ということになりますか。
#219
○葛西説明員 予算人員と現在員の関係は、今先生の御指摘されたとおりでございますが、要員が余剰であるかあるいは欠員であるかという問題を考えますときに、実際に仕事をするのに何人がかるかという人数、すなわち所要員と申しておりますが、その所要員と現在いる人間との対比において我々は余剰あるいは欠員ということを申しております。六十一年首の所要員は二十三万九千人でございます。
#220
○梅田委員 そういう形で余剰人員というのを次から次へとつくって、そして要員合理化というものを強行してきたわけです。六十年度の特退者人員は二万八千人と伺っておりますが、その年齢別、職種別内訳を明らかにしてください。
#221
○澄田説明員 昭和六十年度末の特退者数二万七千九百人につきまして、年齢別に見ますと、五十五歳以上が一万九千人、五十四歳以下の若退者が約八千九百人でございます。
 系統別には、営業で約九千八百人、運転で約七千人、施設で約二千七百人、電気で約千三百人、その他で約七千百人になっております。
 機関別に見ますと、鉄道管理局、総局で約二万三千八百人、その他機関で約四千百人となっております。
#222
○梅田委員 前途有為な人が数多くやめさせられていっているわけであります。そして六十一年度におきましても過員がたくさんあるということで、これからさらに切り込みが行われていくことは非常に重大でございます。
 そこで、この際伺っておきたいわけでありますが、今までもたびたび三十五万人体制ならいけるとか、あるいは三十二万人体制ならいけるとか、さんざん聞かされてきたわけでありますが、ふたをあけてみたらもう十八万八千人体制だというようなことを出してくる。どこまで減らすかということで極めて重大な問題と思っておるわけでありますが、昭和五十六年から六十年までの五カ年間に総計どれだけの人を合理化しましたか。
#223
○澄田説明員 昭和五十六年度から六十年度までの五年間におきまして徹底した効率化を行いまして、東北・上越新幹線などの要員増を賄った上で約十五万四千人の要員合理化を実施してきております。
#224
○梅田委員 五年間で国鉄労働者を十五万四千人減らした。日本の企業でこれだけの量の要員減らしを一気にやったというのは余り聞いたことがない。
 この間青森を視察したわけでありますが、青森の駅におきましては、すべての改札口を下請労働者がやっております。それから青函の連絡船、それから青森駅の西出口は、切符を出す出札口まで下請にしております。駅長にこんなことになっているのは重大じゃないかと言ったら、さすがの駅長もちょっとこれはやり過ぎたという意味のことを答弁されたわけでございまして、そして本当の労働者は売店で仕事をしている。本末転倒じゃないか。いろいろ聞いてみますと、西の出口は結構お客さんがあって売り上げもあるのですよ。ところが青函だけを下請に回すと分が悪いというので下請のためにそっちをつけたと言うのです。下請の労働者もあるいは業者も、一たん仕事にありつくとやはりそれを維持していきたい。今度のように玉突きで下請が首になるという問題で苦情が出ておりますが、やはりそれはそれとして考えなくてはならぬ。しかし、そこまでいくのになぜもっと慎重な考え方ができなかったのか。今出ておりますような問題は全部そういうところから来ているのじゃないかと思うのですね。これは全国至るところでそういった苦情を聞きます。出雲市駅で聞きましても、窓口が四つあったのが職員が減らされて二つになって大変だ、行列ができるということで苦情が出ておる。これは駅関係、営業の関係だと思いますが、系統別の合理化実績、営業、運転、施設、電気等々系統別に五年間の人数が出ますか。
#225
○澄田説明員 五十六年度から六十年度までの五年間に営業関係では六万一千六百人、運転関係では三万九千三百人、施設関係で一万六千九百人、電気関係で七千四百人、その他部門で二万八千七百人でございます。
#226
○梅田委員 駅関係を中心とした営業だけで六万一千六百人だ。だから先ほど言ったような事情が生まれてくる。無人駅につきましても、――だんだん時間がなくなってきたので詳しくやれませんが、昨年、奈良線を管轄しております天王寺鉄道管理局管内無人駅等の駅舎等施設の維持管理状況について、これら十四駅のうち十一駅――無人駅八つ、委託駅二つ、共同使用駅一つを抽出調査し、また運賃収受方策について天王寺鉄道管理局所管の普通列車十二本を抽出して、車掌の車内改札等の実施状況等を調査した、こういう行管庁の調査報告が出て、余りにもずさんではないかという勧告が出ている。それから福知山鉄道管理局管内におきましても、昭和六十年六月末現在で管内の無人駅が二十七駅に及んでおる。ここも運賃収受方策が極めてずさんであるという厳しい指摘を受けているでしょう。なるほどこう見てみますと、山陰線でいえば、山家、立木、そして胡麻まで六つですか、ずっと無人駅が続いているのですね。だから切符を買おうと思っても買えないのだ。車掌が回ってくるのが五つの駅区間で一回程度であったということでは、お客様は乗車券を買おうと思っても買う間がないわけです、駅にはだれもおらぬわけですから、乗ってもだれもおらぬわけですから。こんなずさんなことを一方ではやっている。そして国鉄労働者一人一人に対しては苦しい思いをさせている。大臣、こんな状態は改善する必要があるのじゃないですか。
 先ほども出ておりましたが、新宿駅の高杉さんですね。これは出札担当の方でございますが、退職勧告を受けて、そして出札事務室内職員便所内で自殺されていますね。それからこれも先ほど出ていましたが、元国鉄金沢保線区の大熊博さん、西舞鶴発豊岡行の普通列車にはねられて即死をした。私はこの新聞を読みまして非常に胸が痛くなりました。「国鉄マン退職エレジー 腕に功績章の時計…線路に伏せ自殺」ということで、国鉄に勤務中は功績章をもらった人ですから本当にまじめな労働者だったと思いますよ。腕にその時計をはめて自殺された。大臣、いかが思いますか。乗客サービスはどんどん切り捨てて、そして国鉄労働者にこのような苦しい思いをさせて、しかも分割・民営で果たして再建ができるがどうかわからないということになりますと、労働者は不満をどこへ持っていったらいいのですか、改善を求めたいと思います。
 それから、定員法の大量首切りのときに、占領軍の圧力のもとで労働組合の団体交渉権をじゅうりんしたわけでありますが、今度の名前は希望退職を募るということになっているかもしらぬが、実際は団体交渉には応じない、拒否している、まさに超憲法的な方法でこの希望退職なる首切りをやろうとしているのか。絶対そういうことはあってはならないし、労働組合と国鉄が真剣に団体交渉を通じて国鉄改革を進められるように、政府として強力な指導をやっていただきたい、そういうことを大臣に要求いたしますが、いかがですか。
#227
○三塚国務大臣 亡くなられた方には本当に言葉がございません。しかし同時に、無人駅合理化等は鉄道再生のための必要最小限度のぎりぎりの選択であるわけですから、それはそれということで直接的なつながりは必ずしもないように思っております。できるだけ精神衛生面を含め職場環境がそういうことでありませんように、お互い声のかけ合いの中でこういう困難な時期にこそ助け合いをいたしながら、再建改革の路線というものの理解を深めつつ、できるだけ決められた期間内にこれが進むということも、ある意味で再建だけではなく働いておられる方々にとりましても一つの方向かな。しかし、いずれにしても、国会の御審議が第一でございますから、この御審議の経過を見る以外にないわけでございます。
 それから、今後の労使関係はかねがね申し上げておりますとおり、労使の正常な交渉の中で行われるべきものでありますということで、運輸省としてもこのことは申し上げておることでございまして、こういう改革は、やはり労使の深い信頼関係に根差して共通のコンセンサスを得るという中で取り進めてほしいということは再三申し上げておるところであります。
#228
○梅田委員 時間が来たようでございまので、残念ながら残余の質問は、また別の機会に与えていただきますように委員長に要求しておきます。
 国鉄当局も団交を拒否するというような態度でなくて、今大臣言われたように、今占領軍がおるわけではないから、超憲法的にやるというようなことはしないで、きちっと団体交渉に応じて話し合いをするように要求して、私の質問を終わります。
    〔久間委員長代理退席、津島委員長代理
    着席〕
#229
○津島委員長代理 関山信之君。
#230
○関山委員 この種質問も、だんだん後に回ってまいりますと、重なる部分もあろうかと思いますけれども、改めて念押しをするつもりでお伺いをする部分もございますので、よろしくおつき合いをいただきたいと思います。
 最初に、法制局からきょうわざわざおいでをいただいておりまして、大変恐縮なんですが、ちょっとお伺いしておきたいと思います。
 政治家というのは法律をつくるのが商売なんだそうですけれども、法律の専門家としての知識というのはどの程度のものかというのは、午前中の我が部会長と三塚大臣のやりとりで、私も、あの程度と申したら大変失礼でございますが、そういうレベルのものだということを前提にして、専門家においでをいただいておるわけなんでありますけれども、この法律を一見をいたしまして、どうしてもわからぬというか、一体こういう言葉が法律になじむのだろうかという二つの言葉についてあらかじめお伺いをしておきたいのです。
 それは再三御議論の焦点になっております「業務量に照らし著しく過剰である状態」、この場合の「著しく」ということと「業務量」ということについて、法制局としては運輸省のどういう御要望に応じて法律作業をされたのか。法律的には「著しく」というような言葉はどういうものとして受けとめたらよろしいのか。
 それからもう一つあります。これは一番最後のところなんですが、「退職する職員の就職のあっせん等及び特別給付金の支給に必要な資金の確保について特別の配慮をする」という「特別の配慮」ですね。この二つの言葉について御見解をお聞かせをいただきたいと存じます。
#231
○関政府委員 お答え申し上げます。
 最初の第四条の「業務量に照らし著しく過剰である状態」という点につきましては、この文言は、この法律によります特別給付金の支給の趣旨あるいは背景といったようなものをあらわすために用いられた文言であると承知しております。国鉄の業務量に必要な職員数、それからその現在員、というのは非常に大きく差がある、現在員の方が多いという状態を指して言うものとして用いられているものだというふうに考えております。
 それから、第七条の「特別の配慮」というのは、こういう趣旨の規定はよくいろいろな法律で用いられているわけでございますけれども、やはり特に配慮するということでございますので、一般的な配慮義務よりはもうちょっと強いということで書いてあるものでございます、
 以上でございます。
#232
○関山委員 本当に法律の専門家というものは大変難しい資格を要するものだということだけはよくわかるわけですが、やはりわかりませんですね。
 それでは、何に対してということになるわけですから、一つは、その「業務量」というものについてどういうものとしてお受けとめになっているのか。それから「著しく」というのは、現在員と必要員との間の差だという御説明がありましたが、それは一〇〇%という数字でいえば、何割までが「著しく」という概念に該当するわけですか。
#233
○関政府委員 「業務量」と申しますのは、国鉄の仕事の量ということでございますので、その仕事に見合った必要な人数、「業務量に照らし」と書いてございますのはそういう意味でございます。
 それから、「著しく」というのは何割かとかいう数字についてのお話でございますけれども、一般的に非常に多いという概念で用いられているものでございまして、特に何割とか、この場合ですと何人とか、そういうようなことを決めて、それ以上とか以下というようなことで考えているわけではございません。
#234
○関山委員 私も法制局のお立場は十分承知しているわけですけれども、この場合、具体的に業務量は今二万人の希望退職をとろうと言っているわけですから、その数字は、今ずっとこの委員会で議論されておりまして、具体的に数字になって出ておるのですが、それは具体的にこうだからという数字の説明があり、その説明の根拠があったのですか。
#235
○関政府委員 法案の審査の段階では、たしか三万人ちょっとぐらいか、上回るというような感じの話が説明としてはあったように覚えております。
#236
○関山委員 これは最終的に法案に責任をお持ちになるのは運輸省の方でしょうから、運輸省の方にむしろお聞きをしなければならないのですけれども、そもそも行政法におけるこういう言葉遣いというのは、私も、今あなたがおっしゃいましたように、全然こういう例がないということではないということも承知はしておるのですが、しかし事は重大なものでありますから、「著しく」とか「配慮」とかでは決まりがつかない問題を含んで、一番重要な部分としてこういうあいまいな言葉が使われているというところで私は問題にしているわけですけれども、そもそもどうなんでしょうか。行政法というのは、国がやれることの限界を明らかにするということが行政法の根本というのでしょうか、趣旨というのでしょうか、そういうふうには言えませんか。
#237
○関政府委員 お答え申し上げます。
 ちょっとお尋ねの行政法の限界という御趣旨が、行政法で決めるべき何の限界かということがはっきりとらえかねておるのですが、お尋ねが、行政に関する法律で、一般的に言えば、国民の権利義務を律するというものが法律の中心をなすのではないかというお話であれば、それはそのとおりであると思います。
 ただ、国がなすべきいろいろな「配慮」でございますとか、そういうものについても規定する例は多うございますし、また「著しく」とか「過剰」とか、どういうものに「照らし」とかいうような表現の仕方というのも、法律ではある程度抽象的に言わざるを得ないわけですから、一般的なことをあらわそうとするわけですので、抽象的な表現を用いざるを得ないわけでございますので、そういう表現も多々用いられているわけでございます。
#238
○関山委員 権利義務のお話がございましたけれども、この「配慮」――まあ一つ一つ伺わなければいけないでしょうが、「配慮」の方は、いささかなりとも権利義務を律する言葉ですか。そういうふうに受けとめておいていいですか。
#239
○関政府委員 配慮義務につきましては、これはむしろ国の責務ということで、国民の権利義務を直接とらえて言っているものではないというふうに考えております。
#240
○関山委員 きょうの段階では法制局への質問はこの辺にしておきましょう。後でまたいずれ詰めていただくことにして、まだ大分大物が後ろに控えておりますから、偉い人を呼んでちょっと詰めてもらわなければならぬと思うのですが。
 私はいずれにしても、行政法上そういった抽象的な言葉を使う場合もあり得ないとは言いませんけれども、しかしあり得ること自体が非常に好ましいことではないんじゃないだろうかというふうに思うのですね。とりわけこの法律の一番中心をなしている部分なものですから、もう一遍だけこの問題について、後ほど私、御議論申し上げるのですけれども、業務量そのものが非常に不確定なものなわけですね。そうしますと、不確定なものについて「著しく」というのは、もう絶えず著しく業務量、その「著しく」という概念が動くわけですから、何を根拠にして議論していいのかわからない。そういう内容のものを法文化された御責任が何ほどあるのかわかりませんけれども、そこをちょっとお尋ねしておきたかったものですから冒頭お尋ねをしておるわけです。どうでしょうか、こういう言葉はそもそもいい言葉遣いじゃない、法律的な用語としては。そうはお思いにならないでしょうか。
#241
○関政府委員 法律というのは一般的に申しまして感情を込めるわけではございませんので、余りいいとか悪いとかいうことはないと存じます。
#242
○関山委員 私は感情で聞いているわけじゃないのです。では、なじむかなじまないかで伺いましょうか。
#243
○関政府委員 こういう言葉はよく使われているわけですから、十分なじむ言葉であると考えております。
#244
○関山委員 どれほどよく使われているかわかりませんが、わかりました、とりあえずこの議論はおいておきたいと思います。
 今までさんざっぱら議論があることですから、先ほど申し上げましたように、なぞりになるかもしれませんけれども、こんなに著しくわけのわからぬ規定は私はないと思うのです。それはなぜかといえば、さっきいみじくも梅田さんとの議論で大臣は、国鉄の収支にしたって数字の入れようによってはいかようにも計算できる、こうおっしゃっているのですが、しかしそれにしても、私は今までの過去の一連の議論を聞いておって不思議でならないのですね。下請外注が何人いるか、この質問も今まで何回かやられています。予算委員会のときの井上質問にもありますし、先日、小林委員も聞いておったようですが、これは現実に今国鉄には下請外注、何人いますか。
#245
○澄田説明員 下請外注というお話でございますが、業務委託会社という観点から申し上げますと、業務委託会社の従業員数は約七万人でございます。
#246
○関山委員 これは、この前の井上質問のときには、四十四年から五十八年、十万八千八百人整理したうち四万二千六百人分を外注下請に回したという、御答弁というよりはそういうやりとりがあって、そのことに異論がなかったのですけれども、これは事実上、いわゆる今あなたのおっしゃった業務委託会社に在籍をしている職員の数ということですね。
#247
○澄田説明員 現在、国鉄のいろいろな各系統の業務を委託している業務会社がございます。それを六十年の四月一日現在で二百二十八社とりまして何人おるかを算定いたしましたのが今の数字でございます。業務委託会社二百二十八社の従業員数七万名というぐあいに御理解いただきたいと思います。
#248
○関山委員 それから、さっき梅田さんとのやりとりで六十一年度首の所要員の数を葛西さんが答弁していたが、あれをもう一遍ちょっと。私聞きそこねた。
#249
○葛西説明員 六十一年度首の所要員の規模は二十三万九千人でございます。
#250
○関山委員 私どもの資料はそうなっていないんだけれども、いつそれは変えたんですか。
#251
○葛西説明員 合理化の実績というのは、年度が終わりましてその後、各地方機関と合理化実績の査定、協議というものをいたしましてから固めるのが通常でございます。それまでの間は予算上の計画値を使って予算の数値としておるわけでございます。したがいまして、きょう本委員会にお出しした資料で初めて六十年度の合理化実績四万二千五百というものを作業を急がせまして出しました。それまでは三万五百という合理化計画の数値を用いておりましたので、その差が資料になっておると思います。
#252
○関山委員 私らがもらった数字は二十五万一千という数字なんですよね。あなたの方で勝手にそうやって二十三万九千にしたわけだ。
 それから二番目は、これも同じような問題ですけれども、予算委員会で我が小林先輩議員が質問しておりまして、五十五年合理化計画では、六十年には三十五万人体制になるということを予定した。それでどのくらいまで減っているのでしたかね、三十万なんですか。それはそのときはそのときで、そのときの業務量があったんでしょう。どうですか。
#253
○葛西説明員 六十年度三十五万人という計画は、昭和五十六年度からスタートいたしました経営改善計画の数字でございまして、その過程で貨物輸送量の著しい減少等がございまして下方修正いたしました。
#254
○関山委員 それでよく私鉄並み私鉄並みと言うんだね。これも大臣、何か都合のいい数字ばかりとっているんじゃないかと、僕ら素人なものですから、いろいろなものをめったやたらと集めては目を通してみるのです。例えば一人当たり輸送量ヨーロッパ対比という私どもいただいた数字がありまして、これで見ると、八三年、日本が六十二万一千人トンキロなのに対して、英国は二十二万八千、西独が三十五万、フランスが四十七万五千と、日本なんというのは数字的には大変いいわけですね。あるいは私鉄の営業キロと国鉄との比較でいいますと、五千六百二十九キロに対して二万一千百。私鉄の組合員何人いるのか、ここはちょっといろいろ議論が出るかもしれませんが、いずれにしろ十四万四千という数字が私鉄総連に伺って出てくる。そうしますと、この対比でいくと国鉄なんか四十万人ぐらいいたっていい数字なんですね。
 それから、人件費のこともさっきいろいろな数字の御議論がありましたけれども、三十八年の、当時国鉄が黒字だった時代の運輸収入の中に占める人件費の比率は四〇%なんですね。つまりそのころ四〇%でもちゃんとやれているということなんですね。それから国鉄の方でお出しになっている――監理委員会はだめですけれども、監理委員会はともかく非常に数字が悪いんだ、意識的につくっているんじゃないかと思われるほど。国鉄がお出しになった「基本方策」の数字なんかを見ても、申し上げている数字はそうでたらめな数字じゃない。その「基本方策」では、例えば六十二年度の営業収入の見込みを三兆五千四百億と見ているわけですね。これは私どもが勝手に計算したのではなくて、「基本方策」の方で国鉄の皆さんが計算なすった。そしてそれを平均給与で割っていきますと、今回の数字は申し上げませんけれども、年間五百四十四万円という平均給与で割っていきますと、二十五万九千九百十二人という数字になります。仮に二千億の補助があれば、これに三万五千七百十一人、二十八万五千六百二十三人という数字がこの数字だけとってみれば出てくるのです。
 問題は、最初に「業務量に照らし著しく過剰である」、こういう言葉を法律の中で書いておきながら、業務量の方だけは勝手に国鉄の方でどんどん変えていくわけでしょう、落としていくわけでしょう。これではいつまでたったって「著しく」になってしまうわけですよ。どこまで、ゼロまで行くということはないでしょうけれども、「著しく過剰である」という言葉の意味を我々はどうとらえてこの法案を議論すればいいのかわかりません。これは大臣、後でお答えいただいても結構ですけれども、前段のところあたりはどなたがお答えいただくかわかりませんが、どうですか。
#255
○棚橋(泰)政府委員 先日、小林委員の御質問のときも同じようなことがございまして、そのとき私どういうふうにお答え申し上げたかということでございますが、「業務量」とは、一般的には国鉄が提供しているサービスというものを効率的に行うために必要な仕事量である、それから「職員が業務量に照らし著しく過剰である状態」は、今申し上げました仕事量に対して、実際上の要員数とその仕事量に見合う要員数との差というものが非常に大きい、こういうことであるというふうに御説明を申し上げました。
 それでは、それを具体的数字に当たって業務量とはどのぐらいかということでございます。それから、それに対して著しく過剰であるかどうかという問題だと思いますが、現在員数については、これは現実に職員がおるわけでございますから、この点については御異論と申しますか、両者の間に理解の差はないと思うのでございますけれども、問題はその業務量というものであろうかと思います。私どもが判断いたしますのは、国鉄は現に鉄道を経営しておるわけでございまして、その現に行っている鉄道経営というものが何人で経営されているか、何人で経営が可能であるとして鉄道が経営されているかということを考えますと、六十年度で申しますと、二十八万一千五百人というふうに国鉄は言っております。したがいまして、現実の三十万七千人とは従来から言われております二万五千五百人の余剰人員がある、こういう説明がございます。この法律の対象でございます六十一年度につきましては、この法律が法制局審査を受けました段階では、六十一年度の業務量というのは二十五万一千人である、それに対して恐らく六十一年度の首において二十八万八千人になるであろう、したがって三万七千人というものの余剰人員がある、こういう説明を私ども申し上げたわけでございます。その後、業務量の方も、それから現在員の方も若干変わりましたけれども、その差というものは依然として縮まっていないわけでございます。そういう意味で「著しく過剰である」というふうに判断をしたわけでございます。
#256
○関山委員 そういうやりとりをさんざんやってきているものだから、そういうやりとりを何遍同じことを聞いたってもしようがないわけです、私も議事録を読ませてもらっていますから。つまり「著しく過剰である」、かつて四十何万人もいたとき、これこそ今の数字から見れば「著しく過剰」だと言えるでしょうよ。しかし、「業務量に照らして著しく」という意味で、業務量の方をどんどん落としていって、それをあえて「著しく」と言うのは余りにもひど過ぎる言い方じゃないですか、逆立ちしてはいませんか。きょう午前中に我が部会長の声涙下る演説があって、三塚大臣もそれなりのお答えがありましたが、わかり切っている話をしているのですから、ちゃんとそういう意味で答えてほしいのですけれども、要はやはり経営というものは、新しく始めているわけじゃないのですから、ここまで来れば、三十万人なら三十万人いる人間をもとにして国鉄をどう再建をしていくかという立場だってもう一つあるでしょう。ありませんか。業務量を下げることだけが国鉄再建ですか。そういう物の発想に立たない限り、今の一連の要員問題というものはやはり逆立ちした議論になってしまうのじゃないか。だからといって、これからどんどんふやしていっていいとか、怠けて仕事をやっていればいいなんて一言も言っていないのですよ。私は常識で話をしているわけで、わざわざ法制局からお出ましをいただいたのも、「著しく」と言うなら、何をもって「著しく」かということを確かめておいて法律をつくってもらわなければ困る、そういう意味なんですが、大臣、いかがですか。そういう物の発想をこの辺でやはり切りかえて――ただ、これは現実にここまで来ての話でありますから、そう議論を振り出しに戻せというほどのことを言っているわけじゃない。「著しく過剰」ということをあえてこの時期こうやって法律の中に持ち込んでくるのは、私はいただけません。
#257
○三塚国務大臣 本件は、監理委員会は二十一万五千という答申を出したわけですね。これも二割程度上乗せをさせていただきました。基本は十八万三千人、これは現状の国鉄の扱う業務量から見まして、私鉄並みという手法をこれに加えますならば、回帰式ということで計算をされたわけでございます。それでもやはり全国一元的な運営をいたしております国鉄の特殊業務を認め、二〇%をこれに上乗せして二十一万五千といたしました。こういうことが一つのスタートであります。
 今回の特別措置法は六十一年度中に講ずべき方策でありまして、国鉄経営という延長線上においてこれを考える、こういうことで、しからば今日の時点でどうなのかということを考えました場合に、ただいまの業務量、扱い量から見て、今日の二十八万八千は過剰であるであろう、こういうことで「著しく過剰」という表現が使われたのかな、常識的に見て二十一万五千台がスタート台、しかし、あの現時点における計算方式二十五万一千、今審議官が言われましたことから比べて三万七千程度やはり多い。表現からいえば少し多いというのもあるし、いや、多いというのもあるし、日本語的な発想、表現でやりますれば、「著しく多い」という表現の方が正確なのではないだろうか。緊急特別措置法という法律の表題からいいましても、緊急措置法でありますから、平時のそれなりのものでありますならば平時でやればいいわけであります。著しく多いわけでございますから、特別給付金をここで講ずるなどして、これを解消すべきであろう、こういうことなんですね。
 今、関山さんが言われるのは、業務量を固定していないで、この計算はおかしいのではないか、こういうことでありますが、これも一つの考え方だと思うのでありますが、私どもがとっておりますのは、業務量も今日の収支計算の中で、また扱い量の中で、特に貨物なんというのは年々激しい減少を来しておるわけでございますし、旅客の総員もこれまた縮小をいたしておるという現状を踏まえながら、その傾向の中でこれを計算されたものと聞いておるわけでございまして、そういう中でどう見るかという視点でありまして、私は、そういう意味では、この「著しく過剰」だという表現は、必ずしも間違った表現ではないというふうに思うわけでありまして、業務量がさらにこれから動くのではないかという御指摘は、現状のままで参りますならまさに動いていくと私も思うのです。ですから、それは国鉄へお客さんに帰ってきてもらうという旅客の政策、貨物の政策、こういう中でこの業務量をさらに高めてまいるという努力が今後行われてしかるべきではないだろうか。そういう意味では、まさにこの関係というものは相対的な関係であるのではないだろうか、こんなふうに思うわけであります。
#258
○関山委員 押し問答になったりすれ違いになるのかもしれませんけれども、そもそも私どもは、監理委員会の十八万三千という数字の根拠そのものについて妥当なものだと思っていませんし、今ここで議論することでもないということは一つありますね。
 それから、例えば今の大臣の御答弁ですけれども、下請、外注の問題は何遍か議論になっていますよ。これは計算上のことを言えば、総裁も御答弁になっていたのですが、これは七万という数字に大分戻したという御答弁が先日来あるのですが、当初どのぐらいあって、七万人に戻したというか減ったのでしょうか。ちょっとその数字を先に聞かせてください。
#259
○澄田説明員 ただいまの七万人という数字は、先ほど申し上げましたとおり業務委託会社の従業員数でございます。先ほどの戻した云々の話でございますが、私ども余剰人員対策といたしまして、目下のところ部内の活用策として、いろいろセールスに使ったりあるいは増収活動に使ったりしておりますけれども、現在既に業務委託に出しておりますいろいろな工事とかあるいは仕事がございます。その一部を直営化に返したり、あるいは業務委託を計画しておりましたのを、業務委託をやることは決めておりますけれども、それを直営要員、余剰人員がおる間はそれで賄ったり、またあるいは先ほど来お話が出ておりますが、改札等につきまして一部直営化に返したものもございます。
#260
○関山委員 いずれにしても、数字の上ですから、具体的に、これは全部戻したら、またこっちの方に別な雇用問題が発生するわけですけれども、勘定の上からいえば二十一万の数字の上に七万を足したって二十八万になるのですよ。ですから、そもそも業務量というのはいかような計算でも成り立つのではないですかと。つまりそれぞれに業務量の確定の立場や要員や物の発想の違いがあって、さまざまなものがあるわけなのに、皆さん方の方は監理委員会以降のお立場を一歩も変えようとしない。変えないのはわかりますよ、それこそ今までの一連の流れで言えば。ただ、ここまで来れば、今いる人たちをいかに守るかという発想だっていいじゃないですか。それにしては「著しく」という言葉は余りにも実態にそぐわないのじゃないですかと、こう申し上げたわけですが、これ以上やっても時間がかかるだけですから、これはこれですれ違いにしておきましょう。
 次は、「認定を行うことができる。」という言葉の解釈について、これも若干の議論があったようですけれども、今申し上げている第四条の「業務量に照らし著しく過剰である状態」で「退職を申し出たときは、」「認定を行うことができる。」行うことができない場合は何ですか。
#261
○棚橘(泰)政府委員 これも先ほど来申し上げておりますように、この規定は、この一号、二号、三号に掲げる者以外の者が出てきた場合には認定を行うという趣旨でございまして、したがって、「行うことができる。」というのは、国鉄総裁にそういう能力を与えたということでございますが、除外すべき事由を明示しておりますので、その他の職員については認定を行うということと御理解をいただきたいと思います。
#262
○関山委員 わかりました。
 それから、これも今までに御議論があったかもしれませんが、四条一項三号はどういうことですか。
#263
○棚橋(泰)政府委員 四条一項の三号は、国鉄はいわゆる定年はございませんけれども、五十五歳になりますと、一応退職をするということになっておりますが、幹部の職員等につきましては、従来からの慣例によりまして、新陳代謝をするために、適当な時点が来ればおのずから退職するということになっておるような職員がございます。そういう職員がたまさか六十一年度で退職するからといって、その人間に対して特別給付金を交付するということはおかしいんじゃないかということで、そういう職員を運輸省令で規定して除きたい、かように思っております。
#264
○関山委員 次に、再就職の受け入れの態勢についてお伺いをしたいと思うのです。
 最初に、六十一年度の国、地方の公務員の就職の状態について、その数字を伺いたいと思います。
#265
○中島(眞)政府委員 六十一年度の公的部門での採用の状況でごぎいますが、国につきましては、採用の申し出数が、六十年度分も含めますけれども、約千五百名となっております。いわば六十年度以降の分の前倒しとして行っておりまして、約千五百名となっております。それから特殊法人が約百名でございます。それから地方公共団体が現在までのところ約六百名となっております。
#266
○関山委員 ごめんなさい。既に六十一年度で国、地方の公務員に採用が決まった人の数。
#267
○中島(眞)政府委員 本年四月十日までの集計でございますが、国に既に採用になった人、転出済みの人が五百八十人でございます。それから特殊法人が四十六人でございます。それから地方公共団体が約百五十名でございます。
#268
○関山委員 それで、内訳、実は私も資料をいただいたのですが、少しずつ違っているのはタイムラグですか。――そうですね。
 それで、国は文部省、農林水産省、運輸省、労働省と、この四省ですが、これだけですか。間違いありませんか。
#269
○中島(眞)政府委員 既に転出済みといたしましては、今先生が挙げられました以外にも多数の省庁がございます。四月一日付でかなりの採用が行われておりますので、例えば通産省だとかあるいは労働省だとか建設省だとか、そういうところでの採用が行われております。
#270
○関山委員 あなた、何を答えているのですか。何を答えているのかという意味は、文部省、農林水産省、運輸省、労働省だけですねと聞いたのは、実はけさもらっているものですからね。私の方にいただいたのは、文部省五十八人、農林水産省九十八人、運輸省百二十四人、労働省八十七人。
#271
○中島(眞)政府委員 私どもの方から差し上げてなかったのであれですが、きょう差し上げた資料、それであれしておりますのは、いわば例示の省庁でございまして、そのほかにもあるわけでございます。主な例として掲げた省庁でございまして、そのほかにも採用を行っている省庁がございます。
#272
○関山委員 資料が不親切という話がありますが、どうせくれるのならちゃんとしたのをくれたらいいと思うのですけどね。
 私もちょっと別な数字で国鉄職員の新年度の受け入れ状態について数字をもらったのですが、応募者が合計で百五十一名で、工事局所からの合格者六十六名という数字の書類があります。これはこれの数字なんだろうと思うのですが、日づけは三月二十八日ですから、またその間のタイムラグがあるのかもしれませんけれども、五百八十人の人たちは行政職については試験でやっておるわけですね。試験を受けた人は何人で入った人は何人という数字はどうですか。
#273
○中島(眞)政府委員 国家公務員としての採用の場合につきましては、通常の競争試験と違いまして、いわゆる競争試験外の能力の実証による試験ということで選考採用で行っております。したがいまして、面接試験を中心とした試験ということになるわけでございますが、具体的には、各省庁からの依頼を受けまして、国鉄の方で一定の人数の推薦をいたしまして、その中から各省庁が採用するということになりますので、国鉄側から何人推薦をしたかという数字は現在持ち合わせておりません。
#274
○関山委員 あなたがおっしゃるように試験と選考、いずれも人事院に言わせれば試験なんだ。私が言っているのは、五百八十という数字をさっきおっしゃいましたが、これは今申し上げている試験と選考との内訳はどうなっていますか。それで試験を受けた人は何人だったのですか。つまりどの程度の合格率であったのかということを知りたいのです。ただ、選考の場合はみんな採っているのかどうか、その辺の中身もお聞かせいただきたいと思います。
#275
○中島(眞)政府委員 ただいま申し上げました数字のほとんど全部が選考採用でございます。競争試験で採用された人が例外的に一、二名ございますけれども、ほとんど選考採用でございます。
#276
○関山委員 まあいいでしょう。それはそういうことにしておきましょう。一、二名を除いては全部選考だということですね。そうすると、合格率は一〇〇%に近いということですか。
#277
○葛西説明員 推薦を求められますときに、通常五倍程度の人数を推薦するように要請されておりますが、実績としては三倍程度の応募率というものの中から選考される形になっております。
#278
○関山委員 それではさっきの答弁と違うじゃないですか。どうしてもう少しきちっと答えられないの。
 つまり応募をして受験をして何人受かったとちゃんと答えてくれれば二度も三度も立って時間をとらせなくていいんだ。具体的な数字を言ってくださいよ。
#279
○葛西説明員 正確な応募数につきましては、現在持ち合わせておりません。先ほどの御説明は、選考採用という様式で面接を中心として選考するということを申し上げたわけでありまして、通常三倍程度の応募率という実績になっておるというふうに理解しております。
#280
○関山委員 いいでしょう。それはそういうこととして承っておきましょう。いずれにせよ応募した人の三分の一ぐらいの合格率だということですね。
 それから、民間の受け入れ先について、先日の委員会でも総裁から新しい数字が示されておりますけれども、この数字は民間の方は動いていないようですが、僕ら聞くと、受け入れ先の実態についていろいろな話があるのです。例えば具体的な例を二つばかり挙げますから具体的に答えてください。名鉄ですけれども、かなりの数が来ています。これは実際にはタクシーの運転手ばかりだという話がありますが、本当ですか。
    〔津島委員長代理退席、久間委員長代理
    着席〕
#281
○葛西説明員 名鉄から来ておりますものの中で相当数タクシーの運転手等が含まれているのは事実でございます。
#282
○関山委員 全体の数とその数を正確に言ってください。
#283
○葛西説明員 全体で七百強の中で三百三十程度がタクシーの運転手になっております。
#284
○関山委員 その他の職種はいかがですか。大体国鉄のさまざまな職種に準じた業務というふうに受けとめていいのですか。それとも今タクシーの例を引いたように、とんでもないような仕事ということにはならないのですか。
#285
○葛西説明員 名鉄の例で申し上げますと、各部門にまたがっておりまして、鉄道部門、タクシー部門、トラック部門といったものがまじっております。その中でタクシー部門が先ほど三百三十と言いましたが、間違いでございます、三百八十強でございます。それから鉄道部門が百強、トラック部門が六十強という数字になっております。
#286
○関山委員 数字が合わない。七百四十から五百四十、二百足りませんがな。
#287
○葛西説明員 名古屋鉄道グループの中の旅客エージェントグループというものがこの中に百二十弱含まれておりますし、またバス部門も含まれておりますが、これらは別途計上されているものとダブっておりましたので、エージェントは関連企業等で我々の方は計上しております。それを今省略して御説明申し上げたわけでございます。それぞれの会社から申し出がございますものの中で、例えば関連企業、一般産業界の中にダブり計上になっている部分があるということでございます。
#288
○関山委員 あなたは大変なことを言っているのですよ。こうやってもらっている関連企業の方は別枠だけれども、これとダブっている部分が、民間企業の中に軒並み鉄道会社がたくさん並んでいますが、そのダブっている分はどれぐらいあるのですか。
#289
○葛西説明員 現在、一般民間企業からお申し出のございます雇用数につきましては、全体で約九千というふうになっておりますが、その中でさらに千六百が関連企業等とダブっていると思われます。
#290
○関山委員 そうすると、当初の受け入れ計画の数字は修正されるということですね。
#291
○中島(眞)政府委員 私、内閣の方の国鉄余剰人員雇用対策本部の事務局でございますが、そちらの方で取りまとめをしておりますので、そちらでお答え申し上げますと、ただいま御指摘の大手私鉄の関係は民営鉄道協会が取りまとめをしました数字で、先生御指摘のように、三千五百六十人という数字が出ておりますが、この中で国鉄関連企業分というのが約千六百名ダブっているわけでございます。そのほかに、一般産業界といたしましては、バス協会関係で約千三百人程度、それから貨物流通関係ということで、トラックとか通運が中心になりますが、ここで約六千七百人の申し出がございます。しかし、国鉄関連企業との重複分がございますので、そういうものを除きますと、現在までのところ、一般産業界での採用の申し出の合計は約九千人ということになっております。
#292
○関山委員 そうすると九千人。全体の数字があれですから、今の名鉄の例で七百人いるうち、二百人が関連企業とダブっている、こんなパーセンテージで数字をはじいたのでは大変だと思ったけれども、一般の方はいずれにせよ関連企業のダブりを除いて九千であるということですね。
 もう一つ聞きます。交通公社なんですけれども、これはオール歩合制で、基本給みたいなものなしに営業マンで使うんだという話がありますが、それは間違いですか。間違いでしょうね。
#293
○葛西説明員 交通公社の中で一部に基本給を固定給な部分プラス歩合制の給与体系で考えている部分があるというふうに聞いております。
#294
○関山委員 一部にとか若干とか言わないで、この際だからちゃんと話を聞かせてください。僕らも心配して聞いているんだから。
#295
○澄田説明員 国鉄の関連企業につきましては、交通公社を初め、八百六十五社に呼びかけまして、今二万一千人の雇用の場を確保いたしております。しかしながら、内部の給与条件とか、あるいはいろいろなやり方につきまして、やはりそれぞれの社の事情もございますので、内容の公表については御勘弁をお願いしたい、かように存じております。
#296
○関山委員 私はある意味では、そういう事態になるのも当然だと思うのですよ。ですから、今関連企業の立場をいじめるつもりもありませんし、むしろ同情的なんですが、これはやはりきちっとその種の資料を出してください。正式に要求しておきます。ここで議論しちゃぐあいが悪いというなら、もう少し内々でもわかるような資料をちゃんと出してください。ここでやっているとさっぱりらちが明きません。
 そこで、きょうはこれまた外側から労働省の田淵さんにおいでいただいて、大変お待たせして申しわけなかったのですが、最近の雇用情勢というのは、私どもの委員会でも、国鉄もさることながら、造船でありますとか海運でありますとか、いわゆる構造的なと申しましょうか、私などに言わせればかなり政策的な部分も含めて大変な事態になっておりまして、そういういわば産業の構造変化の過程の中で、さまざまなところへ雇用の問題もきしみが出ている。しかも、その雇用のきしみが大変地域的に偏って出ているのじゃないかというふうな受けとめをしておりまして、この際、労働省として、マクロの雇用情勢というものについて御見解を賜りたいと思いますし、それから最近の構造不況と言っていいんでしょうか、ここ一年ぐらいの間のかなりトラスチックな離職状況というものが目立つのですが、そこら辺の実態はどうなのか。
 それから有効求人倍率、トータルでいいますとまあまあの数字が戻ってくるんですが、各県別の有効求人倍率なんかいただきますと、青森なんというのは〇・一七なんて数字が出てくるわけですね。北海道〇・三〇。極端に悪いところを拾っているわけですけれども、高知、福岡なんというのも〇・二七、〇・二六だ。こういう状況について、一般的な雇用情勢についてお話をいただきたいのが一つ。
 それから、この国鉄の雇用対策というのは、何せ九万一千人もの人たちを動かすというわけですから、新しい雇用創出がない限り、これは単に国鉄問題は国鉄問題として心配しながらも、全体の雇用の場で考えなければならない、そういう問題意識に立たざるを得ないのですけれども、その辺のところについての御見解を賜りたいと存じます。
#297
○田淵政府委員 お答え申し上げます。
 まず、地域別の有効求人倍率は、資料も差し上げているようでございますが、地域別にかなりばらつきが見られるところでございまして、御指摘のように、青森、北海道あるいは沖縄、鹿児島といったような地域におきましては、求人倍率が全国平均の半分あるいは半分以下というような状況でございます。地域的にばらつきが大きいというのも最近の一つの大きな特徴でございます。また産業別に見ましても、お話ございましたように、鉄鋼あるいは造船、海運といった構造的な不況業種、さらに最近の急速な円高に起因いたします輸出関連の地場産業等でも、雇用の面にかなり大きな影響を及ぼしているところでございます。しかしながら、全国的な数字としましては、製造業等で求人が減っている一方で、他方、第三次産業等で求人がふえている業種もあるというようなことで、二月の数字で見ますと有効求人倍率は〇・六五ということになっておりまして、〇・〇二前後、少し下降ぎみで横ばいという状況でございますが、まあ弱含み横ばいといったような表現が適当かと思いますが、楽観を許さない状況に置かれております。
 ただ幸い、これは総務庁の方の統計でございますが、こちらの方では完全失業者の数は一月が百六十五万人、二月が百六十四万人とほぼ横ばいの状況でございまして、完全失業率も二・六ということで、一番悪いときは二・九ぐらいまでいっていたんですが、これも横ばい、これはむしろちょっと明るさもあるというようなことで、もう少し推移を見てみないと何とも言えないという状況でございますが、決して楽観を許さない状況にあることは御指摘のとおりでございます。
 国鉄の余剰人員の問題がどういう影響を及ぼすかということでございますが、私どもといたしましては、民間の雇用を預かる立場から、全国的な職業安定機関を利用いたしまして最大限努力をいたすつもりでございますが、何と申しましても、安定的な雇用の場ということになりますと、公共部門あるいは関連企業等なれた仕事ができるところといったような意味もございますし、そういうところにまず第一に雇用の場を確保いたし、最終的には民間の受け皿は大きいわけでございますので、その中で、一人も路頭に迷わさないという亀井委員会の御指摘のとおりに、私どもも全力を挙げて取り組んでまいりたい、かように考えるところでございます。
#298
○関山委員 全力を挙げるという御姿勢は大変ありがたいことなんですが、もうしばらくお時間をいただきたいと思いますけれども、その前に、例のアンケート調査の結果が出てますね、教えてくださいませんか。
#299
○葛西説明員 アンケート調査の結果でございますが、調査数全体で二十九万六千九百六十三ということで、その中で二十九万四千八百六十八を回収いたしました。
 その中で、第一志望で国並びに政府関係の機関、公的部門を志望した者が一万七千六百という形になっております。それから地方公共団体を志望した者が二万五千九百という数字になります。それから旅客鉄道会社、これが十七万五千七百。あと国鉄関連企業、一般産業界、貨物会社等の新事業体という分かれ方になっております。
#300
○関山委員 地域内、地域外での区分けはどうですか。――まあいいでしょう。それはいずれにせよ、圧倒的に地域内が多いということをお認めになりますわね。
#301
○葛西説明員 例えば国、地方公共団体等で、先ほど申し上げました数字で四万二千強になりますが、その中で地域外を志望しておる者が二千ぐらいでございます。
#302
○関山委員 アンケート調査そのものの是非はまた別の場所で議論させてもらいますが、実は田淵さん、今の数字をなぜ聞いたかといいますと、これはこの中身そのものにもいろいろあると思いますけれども、いずれにせよ、非常に国鉄に残りたい、それからそれよりも傾向として強いのは、長年住んだところを動きたくない、当たり前の話なんです。その当たり前の話というのを何としても原則にしながら、やはり一人も路頭に迷わせないというふうに考えていかなければならぬわけです。
 そういう点でもう一つ、雇用情勢の問題として伺っておきたいのは、全国的に有効求人倍率がO・三以下というようなところは今後どうなんでしょうか。この数字が持ち上がってくるような見通しというのはあるのでしょうか。私はかなり厳しいのじゃないかなという見方をしておりまして、とりわけ公務員あるいは自治体、関連企業というのは、これはもうけつが詰まっておるわけですから、そこらあたりのことについていかがな御見解でしょうか、もう一度お伺いしておきたいと存じます。
#303
○田淵政府委員 先ほども申し上げましたように、北海道地域あるいは九州地域等においては、有効求人倍率から見ましても雇用情勢の厳しい地域でございます。この地域におきまして急速に雇用の改善が望まれるという状況にないことは、先生も御承知のとおりでございます。
 一方、国鉄の余剰人員につきましては、この地域につきましてかなりの数の余剰人員があることも承知をいたしております。これをどういうふうに再就職を図っていくかというためには、なかなか当該地域のみにおいてということは難しい場面も多かろうというふうに考える次第でございまして、炭鉱離職者の場合は、広域的な移転就職者という形でいろいろな、住宅を用意するとか広域職業紹介をやるというような形で再就職に結びつけたわけでございますが、国鉄の場合にもそういう住居を変えたような就職ということもいろいろ考えていかなければいけない場面が当然出てくるだろうと考えております。
#304
○関山委員 田淵さん、ありがとうございました。結構です。
 いずれにせよ、こういう雇用情勢の厳しい中で広域配転の問題なんかも出てきているのですが、私は基本的には、当初申し上げましたように、著しい過剰状態だとは思っておりませんから、何としても、そうしたドラスチックな事態は避けながら、国鉄は国鉄として生き延びていく道を探ることに今議論を集中させなければならないし、その枠組みの中で希望退職の問題も考えていかなければならないと思っているのですけれども、それにしても、この「特別の配慮」ということがございまして、それなりの御努力をいただくという答弁が再三返ってきているのですが、その前に、まず特退者が増加したという数字のお話がさっきありましたね、二万七千九百人ですか。これは五十四歳以下と五十五歳以上とに分けていらっしゃるのですけれども、四万一千人との関係で言うと、どういうことになるのですか。二万人という枠組みと四万一千人とにその数字がどういう形でかかわり合いを持っているか。つまり端的に言えば、二万人にもう前倒しで食い込んでいるわけですね。そうすると、残ったものだけを大体目標にするとおっしゃるのですか。それとも今の時点でやはり絶えず二万人を目標とするというふうにおっしゃるのですか。
#305
○澄田説明員 希望退職二万人につきましては、今後二万人を目標に希望退職を募っていくということでございます。
#306
○関山委員 そうすると、事実上、二万何千人かになるということですか。あなた、この間小林議員の質問に対して、五十五歳でおやめになる方が一万六千人、五十四歳以下が九千人で、六十一年度前倒し分という御答弁があるのですよ。この数字は二万人から引かれないのですか。
#307
○澄田説明員 今年度、六十年度末の特別退職、特退が二万七千九百人を実現したということでございまして、今申し上げました二万人の希望退職は今後の問題でございますので、これから努力していく問題でございます。
#308
○関山委員 いやいや、あなたそう答えていますよ。後で議事録を調べてみなければいかぬが、そう答えていますよ。そうではなかったですか。五十四歳以下の九千人は若年退職で、六十一年度前倒し分というふうにお答えになっていたように聞いているのですがね。
#309
○澄田説明員 この特別退職と申しますのは、五十五歳の方もございますし、それから五十五歳以下の方もございます。先ほど申し上げましたのは、この五十五歳以下の方を特別勧奨をいたしまして退職をしていただいたということでございまして、これはある意味では、今の来年度退職、五十五歳になって退職される方あるいは来年度に退職される方の前倒しという意味を持っている、こういう趣旨でございます。
#310
○関山委員 つまり、今ここに二万七千九百人の中の五十四歳以下というのは何人おりますか。八千九百人ですか、これはこの間の数字と、九千人と言っていらっしゃったから、百人違う。この間のはしようがないとして、この八千九百人というのは、今回出ている法律の中で扱う希望退職者と同じ扱いになるんじゃないですか。違うのですか。
#311
○澄田説明員 今申されました八千九百人というのは、五十四歳以下で、現行制度において特別退職をされた方でございますので、今の希望退職、いわゆる今回の法案の対象とは違うものであります。
#312
○関山委員 この前そういう御答弁を私メモしていたものですから、あえてお尋ねいたしましたが、そうしますと、この分――この分という言い方は大変失礼な言い方ですが、人間をつかまえてこの分も何もないのですが、つまり予想より以上にふえている分というのは、先送りされていくという勘定にはならないのですか。当初の計画があるわけでしょう、一万九千という。
#313
○葛西説明員 六十年度の退職は、計画では先生今おっしゃいましたとおり約一万九千ということでやっておりまして、それが結果として二万七千九百になったわけでございます。
 今二万七千九百と申し上げましたのは、これは勧奨による退職でありまして、そのほかに死亡等ございますので、人間の減としてはそれよりも余分になります。
 ただ、いずれにせよ、六十二年四月一日の時点で二十七万六千人という数字まで現在員を落としていく、監理委員会の「意見」のベースとなっております数字は、勧奨退職等によると二十七万六千にまで六十二年四月一日の数字が落ちるという前提になっておりまして、それをベースとして二万人の希望退職をさらに募っていくという考え方でございます。
 ことし、一万九千から二万七千九百まで膨らんだ理由は、五十四歳の人間が大量にやめたことによってふえている部分が圧倒的に多うございますが、五十四歳の人間は、監理委員会の考え方によれば、六十一年度末、五十五歳になったときに九〇%ぐらいの割合で勧奨退職によってやめていく、そういう予定の中に入っていた人間でございますので、これらにつきましては、六十一年度の勧奨退職の前倒しであるということが言えると思います。ただ、そういう意味で、通常であればどのくらいの人間がどの年齢で出たかというものについて正確に区分をして考えることは難しゅうございますので、前倒し分が相当入っていることは確実であるということを申し上げられるにとどまるということでございます。
#314
○関山委員 わかりました。そうすると、二十八万八千と二十七万六千の間の一万二千の自然退職分がさきにやめた、こういうことですね。
#315
○葛西説明員 そういう要素がたくさん含まれておるということでございます。
#316
○関山委員 ともかく、あなたの答弁というのは、最後のところをいつでも確定しないような言葉じりばかりなんだよね。こんなことで時間をかけておったのじゃさっぱり物事は進まないんだ、本当に。わけのわからぬことを聞いているのなら、わけのわかるように質問しろとかなんとか言ってください、私だってあなた方の資料に基づいて議論しているのだから。
 では仮に、ことし二万人以上出たらこれはどうなるのですか。全体の数字、また変わってくるわけなんだけれども、四万一千の方へ食い込んでいくということになるのですか。
#317
○澄田説明員 仮に二万人以上の希望退職が出たということになりますと、その分だけプラスの材料ということになると思います。
#318
○関山委員 全く、何のプラスかと思いますよ、ぬけぬけと。まあ、いいでしょう。
 それから、退職と再就職は特別な配慮によって具体的にどうリンクされるのですか。――これはもうあの二人はだめだ、本当にだめだ。もう少し別な人、答弁してください。この間からいろいろな人の答弁を聞いているのだけれども、この大変な時期に職員のことを心配しながら何とかしようなんという姿勢じゃないんだよ。あなた、ちょっとこの際だから聞いておくけれども、週刊新潮にあなたの発言が出ているのだね。僕も、小林さんがばかにこの間腹立てていたから、そう無理して腹立てぬでもいいじゃないかと思ったけれども、これは本当に議論していると腹立つね。私、めったに腹は立てないのだけれどもね。まあ、いいでしょう、あなたとそんなことでやりとりしている暇はないから。
 どうリンクされるのですか。私の聞いている意味は、希望退職をするときには、いずれにせよ再就職も特別に配慮されているのですね、この関係は具体的にどう措置されるのですか。これが一つです。意味、わかりますか。
 それから、その再就職の職場というのはさまざまな条件があるわけですね。そのさまざまな条件のある職場については、どういう形で提示をしながら、どういう形でつまりドッキングさせていくのですか。
#319
○棚橋(泰)政府委員 私の答弁が明快かどうか、できるだけ明快に答えるつもりでございますが、ここで「特別の配慮」と申しますのは、現在予定しておりますのは、公共職業安定所において積極的な求人開拓、職業指導、職業あっせんを特別に行うことを一応予定しておるわけでございます。
 あと、具体的な受け入れのリンク等につきましては、余剰人員対策本部の方から必要があったらお答え申し上げます。
#320
○中島(眞)政府委員 先ほどお答えいたしましたように、一般産業界におきましての雇用の場の確保につきましても、現在極力積み上げを急いでいるところでございます。一応九千人という数字が出てまいっておりますけれども、先ほど御指摘もございましたように、この中から本当に国鉄職員が転出して就職できるという職場はやはり限られると思いますので、雇用の場といいますか、求人としてはもっともっと多い数を確保する必要があると思います。そういうことで各産業界に働きかけまして、できるだけこれをふやすように努力しているところでございます。
 四月に入りましてからは、労働省の主唱で、各都道府県の労働部局が中心になりまして、国鉄職員再就職連絡会議というのを設けることにいたしておりまして、地元の産業界の代表なり職業安定機関、訓練機関とかの関係者が集まりまして、具体的な雇用の場の開発に努めていくことにいたしております。
 そこで、具体的に希望退職の募集が始まりまして、これに応ずる人が出てきた場合、やはり今御指摘のとおりに、再就職の場所を前提とするということが出てくると思います。したがいまして、その段階におきまして、それらの方々の希望といいますか、それを前提にしまして、これに見合う再就職の場を確保していくということでございまして、現実にはその段階に至ってから個別のケースとして対応していくことになると思いますけれども、地域的なばらつきの問題を含めましていろいろ問題は多いと思いますので、その段階におきまして、今の再就職連絡会議を中心にいたしまして、それから公共職業安定所を中心にしまして、具体的な求人と求職の組み合わせをしていくということでありまして、その段階に至りましてきめの細かい対策を講じていくということで考えております。
#321
○関山委員 安定所にそれぞれ窓口をつくるということですね、今のあなたの答弁からすると。
#322
○中島(眞)政府委員 連絡会議の方は都道府県ごとに設けますけれども、具体的に各公共職業安定所においてこの担当を決めまして、そこが具体的なことをやっていくということになります。
#323
○関山委員 いずれにしても、再就職ができるなら、この際退職をしようか、あるいは再就職の場所が好むところがあるから、それじゃ退職をしよう、これは当然の話だと思うのですね。
 それで、その過程が僕はよくわからないのです。本来ならば労使の間の協議でその辺のルールを決めてやるということになるのでしょうし、大臣も再三、その辺は正常なルールをつくってやってくださいよとおっしゃっているわけですね。これはもう退職募集が始まるわけですけれども、国鉄の労働組合の専門の皆さん方がいらっしゃって、私は門外といえば門外なんですが、一人の国民として、このままじゃいかぬなという気持ち、本当にそういう気持ちですよ。今のそういうやりとりは、いろいろな過去のいきさつとは別に、皆さん方の方は何か方法をお考えになっていらっしゃるのですか。
#324
○澄田説明員 この希望退職にまつわる今回の法案が通過いたしますれば、私どもといたしましては、この法案に盛り込まれた内容その他十分に職員並びに関係の組合には御説明を申し上げまして、理解と協力を得るという方向で十分説明をいたしまして話し合いをやってまいりたい。
 また、再雇用先につきましては、今、関連企業では、全体で二万一千人と先ほど申し上げましたが、そのうちの八千人の場は既に来年度末退職される方のために確保してございます。それらを含めまして、あと一般産業界あるいは公的部門を含めまして、さらに努力を続けてまいりまして、その具体的な条件その他を十分御説明し、お示しした上で希望退職を募らせていただきたいというぐあいに考えております。
#325
○関山委員 今まで繰り返して答弁されていることから一歩も出ないんですよ。安定所へ行けなんという話なら、何も皆さんから心配してもらう必要もないし、特別な配慮でも何でもないわけだ。僕らが仕事を探すときは安定所へ行くほかないのですから、ちまたにおっぽり出されれば。だから、そんなことを聞いているわけじゃないのですよ。今あなた方は、再就職に特別な配慮を払い、就職先も用意をしている、こうおっしゃっているわけでしょう。ですから、そういうものと、希望退職が何人出てくるかわからないが、これとどうリンクをさせるのか。そしてそのリンクという根底には、やはり労使関係があるじゃないですか。これは澄田さん、結構ですわ。総裁、いかがですか。
#326
○杉浦説明員 そういうような具体的な方法論につきまして現在詰めている最中でございます。目下のところ雇用の場の拡大といいますか、そういう面で一生懸命でございますが、先ほど来約九千人、一般産業界、それから関連企業八千人というような数字も出ておるわけでございまして、いよいよこれから地域別、職種別、年齢別のそれぞれの人間をそれぞれの雇用の場に当てはめていく、そういう具体的な方向に向かっている最中でございまして、目下詰めをやっている最中でございます。
#327
○関山委員 労使関係のことはまた別な機会に別な委員からお話もあると思いますけれども、私からも聞いておきたいと思うのですが、いずれにしても、これは労使間で話し合いをしなければならないということを踏まえながら、今のこの状況で何かいいお知恵はないですか。
#328
○杉浦説明員 何しろ希望退職の皆さん方の就職先、将来の生活の安定という重要な問題でございます。私ども、具体的な希望退職の募集の方法等々各種の条件が固まり次第、組合にこれを十分に御説明をする、それから各個人個人にこれが伝達されるようにいたしまして、円滑な実施に移ってまいりたいというふうに思っております。
#329
○関山委員 今それしか答えられないなら押し問答してもしようがありませんから、やめておきます。
 いずれにせよ、そういう状態が一つ片方で解決されなければ、幾ら言葉の上で「特別の配慮」だとか路頭に迷わさないとかおっしゃられたって、我々門外漢が常識的に考えても、それはそういうことにならぬだろうというふうに思いますので、大臣、これは政治家レベルの話として、きょうは中身は言いません、過去のいきさつがいろいろありますし、私も知らぬ者が余計なことを言って悪いと思うのだが、もう一遍ひとつこの労使問題についての姿勢を私にも答えておいてください。
#330
○三塚国務大臣 この雇用対策は極めて重要な改革の要素でありますということはかねがね申し上げてきたところであります。六万一千のスタートに当たる対策については、もう既におわかりのとおり、公務員グループに三万、そして一般産業、民間会社に一方、こういうことになるわけでありますし、それと、総裁中心に関連事業に二万一千というふうに申し上げさせていただいておるわけで、玉突きの問題等々いろいろありませんようにという、その辺のお話もありまして、その辺はお互い合意の中でいかなければならぬわけであります。
 なお、二万余の希望退職の問題につきましては、おやめをいただいて、それぞれ自営をやられる方、家業を継がれる方もおると思うのです。端的に言って、私は宮城県出身でありますが、うちが農家でありそれで国鉄に行かれておる、うちが自営業をやっており国鉄に行かれておるというのは、宮城県だけでなく、全国の地域における一つの傾向かな、それはそれでその方向を定着せしめるような施策も講じなければならないでありましょうし、さらに同時に、安定所を窓口にして、やはり国鉄マンとして培ってまいりました技量、技術あるいは素質、そういうものを活用いただけるようなこともしなければならぬだろう。
 それぞれの御退職いただく方々の能力といいますか、持ち味と言った方が正解だと思うのでありますが、これを中心としたあっせんというものが、これだけの大改革を進めるときでありますから、当然必要であることだと思いますし、総裁も誠心誠意そのことに取り組まさせていただくということでありますし、政府として、このことはやはりよそごとではない、自分のことでありますものですから、一生懸命やらなければならぬことである。その際、労使まさに信頼と協調の中でこういう問題に取り組んでまいりますことが最終的な成果が上がってまいりますことだけは間違いございません。そういう意味で、私も一生懸命取り進めてまいるつもりでありますし、総裁もその辺のところを明確に持たれて取り進めておるものと考えておるところでございます。
#331
○関山委員 ひとつぜひ何らかのきっかけで正常な話し合いができるようなことに、全体として取りまとめを図ってほしいと思います。さっき葛西さんの発言、雑誌のことを申し上げておきましたが、これは、御本人はそんなことを言った覚えはないとおっしゃるかもしれないけれども、正直者がばかを見ないために勤務成績などをきちっと記録しているのだみたいなことを書かれて、本当に真剣に考えているのだったら、あなたはこれを告訴しなければだめだ。そういうこともあるものですから、ぜひひとつ御理解をいただきたいと思います。
 特定債務の問題に入る前に、時間も余りなさそうでありますので、これもさんざっぱら議論されてきております用地問題について、債務の関係のどうしても前提になるものですから、若干お尋ねをしておきたいと思うのです。
 最初のお尋ねは、二千六百ヘクタールか五兆八千億かという問題なんですけれども、議事録を拝見している限りでは、ここにいらっしゃいます吉原委員の所信表明に対する質問の中でも、大臣は、二千六百ヘクタールも五兆八千億もできるだけ上積みをして、その分がふえれば十六兆七千億は減ります、それでいいのです、こうおっしゃっているわけでありますので、改めてというのも大変失礼なんですけれども、ただ、私がなぜそういうふうにお尋ねをするかと申しますと、一つは、もう一遍確定をしておきたいと思いますのは、一月二十八日の閣議決定ですね。これが用地のところでは「売却可能な日本国有鉄道の用地の住み出しに努め、監理委員会試算五・八兆円にできる限り上乗せを図る。」という書き方しかしていないですね。この閣議決定の意味もお聞かせをいただきたいのですけれども、なぜ二千六百ヘクタールを超えてというふうにこっちの方もお書きにならなかったのかということがあるものですから、最初にこの閣議決定にかかわってもう一度御答弁をいただきたい。
#332
○棚橋(泰)政府委員 これは御承知のように、監理委員会の御提言も少なくとも「二千六百ヘクタール程度」、「五兆八千億」というふうに書かれてございまして、それに政府において、極力その増加を図れ、こういうことになっております。閣議決定の方は、そういう意味で「再建監理委員会の意見によれば、」ということでこれを引用しておりますのは、この閣議決定は債務の処理の閣議決定でございますので、債務の額のことだけ触れておるというふうに御理解いただければいいわけでございます。
#333
○関山委員 ですから、そういうふうにおっしゃられると、逆にまた議論が戻って、債務の処理は五兆八千億で終わりなのかよと。大臣答弁があるわけですね。閣議決定なものですから、二千六百ヘクタールという数字を入れたって構わなかったと思うのですし、仮にそれが数字的に合わなくたって、それはそれでまた別な議論をしていけばいいわけですから、これは大臣、ごく簡単で結構ですが、この閣議決定の五兆八千億という数字は、二千六百ヘクタール以上という突き合わせでいいのですね。
#334
○三塚国務大臣 これはおっしゃるとおりでありまして、「二千六百ヘクタール程度」、こういうことなんですね。それはかねがね申し上げておりますとおり、法案の審議の際には箇所を明示をさせていただきまして御提出をさせていただきます、それで御論議をいただきます、こういうことにしておるわけでありまして、今作業進行中、ほぼ成案を得つつあるのかな、こういうことなんですね。
 監理委員会ももちろん積み上げ方式で、ある箇所、そしてトータル「二千六百ヘクタール程度」というふうに積算をいたしたわけでございますが、事業用地、非事業用地、こういうことで、今度は政府が責任を持ち、改めて国鉄にそれを明示をし、積み上げをさせていただいておりますものですから、二千六百ヘクタールから以下ということはありませんだろうと思いますが、二千六百ヘクタール、若干それを上回る形もあるのかな、しかし、それは三千ヘクタールというような大台はありません。ですから、正確にはやはり「二千六百ヘクタール程度」ということになるわけでありまして、面積はそういうことであります。
 ですから、正確に言えば二千六百ヘクタールプラスアルファという可能性も最終的には出てくる。しかし、それは大台を出るものではございません。それと五・八兆でありまして、これは「二千六百ヘクタール程度」の処分について明確にしていく、あるいは付加価値をつけるような努力をしていくことによって五・八兆プラスアルファというものが出てくるのではないでしょうか。そういたしますと、結果的に十六・七兆が十六兆とか、あるいはその前後になるのかな、こういうことでございまして、その辺のところを申し上げさせていただいたところであります。
#335
○関山委員 これも「業務量に照らし著しく」というのと同じ議論じゃないでしょうか。要するに、土地が特定されなければ値段が決まらないわけでしょう。仮に土地が二千六百ヘクタールだって、どこの土地かで全然値段が違ってくるわけでしょう。だから棚橋さん、いみじくもそういう答弁をするわけだよ。閣議決定では金額で決めなければならぬからこういう書き方をしているわけでしょう。意味があるんだな、それは。これは二千六百ヘクタールを必ずしも意味していないんでしょう、逆に言えば。
#336
○棚橋(泰)政府委員 閣議決定の一項の(一)をお読みいただきますと、ここでは五・八兆とか二千六百ヘクタールとか、さらには二十五・九兆とかいうのを、政府としてそうであるとかないとかは言っていないわけでございまして、「再建監理委員会の意見によれば、」二十五・九兆、五・八兆、こういうふうに申し上げておりますのは、再建監理委員会が一つの案をお出しになった、政府としては一応それだけだと仮定した上で、さらにそれを国民負担が少なくなるようにふやす、こういう意味でございまして、そういう意味の金額の明示をした、表示をした、こういうふうにお受け取りをいただきたいと思います。
#337
○関山委員 それならなぜ二千六百ヘクタールを書けないのですか。
#338
○棚橋(泰)政府委員 再三申し上げておりますように、これは長期債務の処理に関しと書いてございますから、土地の面積その他を表示するような閣議決定ではございませんので、それで金額のことだけが書いてある。一番初めに書いてございますように、長期債務の処理等に関し次のとおりと書いてございます。それはそういう意味でございます。
    〔久間委員長代理退席、委員長着席〕
#339
○関山委員 そういう答弁をされるものだから、私は、二千六百ヘクタールか五兆八千億か、答弁を確定してくれと言っているのですよね。
#340
○三塚国務大臣 これは関山さん、私も政府を代表してこの問題の主管を仰せつかっておるわけです。ですから、私が今申し上げていることが正解なんです。「二千六百ヘクタール程度」というのは基本であります。それで、これの裏づけは、今度の関連八法案でしょうか、これを御付託いただきまして、本格御審議がいただけますときにきちっと出します。そうしますと、御計算いただきますと、先ほど申し上げました「二千六百ヘクタール程度」にプラスアルファ若干、どう出るのか、その辺のところのことがあり、とにかく「二千六百ヘクタール程度」は明確に数字として、積算として出てまいります。このように御理解いただいて間違いございませんし、申し上げていることがここには書いておりませんけれども、これは長期債務の問題で五・八兆でありますが、面積はさように御理解いただいて一つも間違いございません。
#341
○関山委員 大臣、信用しておきます。
 それで、大分作業が進んでいるんじゃないかというようなニュアンスの御答弁がありまして、やはりそこが出ないとこの議論は進まないと思いますよ、僕が大臣を信用しないとかなんとかという意味じゃなくて、もう少し正確に議論をする意味で、まずの話が、二千六百ヘクタールが幾らになるかというのだってわからないわけですから。
 それで、なぜ出せないのかということの御答弁は、その周辺の土地が値上がりしたりあるいは思惑で買い占められたりというふうにおっしゃっているのですが、そういうことですか。
#342
○杉浦説明員 国鉄の用地の区分は非常にたくさんございまして、駅の周り約五千、駅間約五千、約二万箇所にわたりまして一つ一つ事業用用地と非事業用用地の間の線引きを今やっているところでございます。その線引きがかなり最終段階に来たというふうに前にも御答弁申し上げたところでございまして、なるべく早くこれを完結をさせ、そうした場所等、面積等につきまして、国会の御審議に支障のない、そういう時期に、政府とも御相談いたしまして、しかるべく一般に公表してまいりたい、このように思っておるところでございます。
#343
○関山委員 値上がりだとか思惑でこれは発表できないと言われ、大臣も数だけとおっしゃっている。私は、場所も、ある程度の面積も、御発表になっていいんじゃないか。そうしませんと、やはり正確な債務の確定ができないわけですからね。国有地活用推進本部というのがありますな、中曽根さんが親分になってやっておるやつ。あそこはちゃんと資料を出していますよ。どうして国鉄だけ出せないのですか。
#344
○棚橋(泰)政府委員 民間活力導入のための検討の対象財産ということでございまして、既にこれは国有地だけでなくて、国鉄も御承知のように若干出しておりますが、これはごくわずかな、土地の中で当面民間活力の活用がすぐできそうだという土地をとりあえず選定して出したものでございまして、今国鉄がやっておりますような膨大な作業とは、全然規模の違うものでございます。
#345
○関山委員 そういうことを聞いているんじゃないの。つまり土地の場所を明記したり用地の面積を公表したら、もしそれで土地の思惑買いで値段が上がったりして何か差しさわりがあるというのなら、こういうものは別に出しているんだから……。
#346
○杉浦説明員 どの場所で、どういう面積が売却対象になるかということは今詰めておるところでございますが、先生の今おっしゃいますのは、土地の値段のことじゃないかと思います。土地の値段につきましては……(関山委員「いやいや、場所と面積ぐらいはっきりさせたらいいじゃないか」と呼ぶ)これは今はっきりさせております。ある時期にはこれは発表できると思います。
#347
○関山委員 いつですか。
#348
○杉浦説明員 まだ未完成でございますから、できるだけ早く完成をさせ、国会の審議に支障のないようにというふうに考えておるところでございます。(発言する者あり)
#349
○関山委員 そうだよ。彼がいろいろ言っているように、隠すべき筋合いじゃないものを隠すようになっているから問題なんですよ。今までの国会での答弁、出せる出せないという田邊さんとのやりとりは、はっきりさせると、土地が値上がりしたり思惑に走ったりするから困るという答弁じゃないですか。それ以外になぜ作業――私は作業もあるということは承知しております。それではわかった分だけでも出せばいいじゃないですか。
#350
○杉浦説明員 出すと土地の値上がりがあるからという思惑で無理に抑えているということはありません。
#351
○関山委員 それでは、わかった分から出していただけますね。積み上げはありますか。我々は少しでも知りたいわけだ。
#352
○杉浦説明員 全体のまとめをいたした段階で、出し方につきましては、運輸省とよく相談をした上で出させていただきたいと思います。
#353
○関山委員 この法案の審議の過程でお出しになるのですね。
#354
○三塚国務大臣 田邉書記長さんの予算総括代表質問の際も、私から明確に答弁をさせていただいたわけでございますが、本件は、国鉄関連八法案が委員会に付託されまして御審議をいただくときには、その仕分けされました箇所数、それから面積の集計等々を提出させていただきます。これは今総裁が言われましたとおり、事業用地、非事業用地の仕分けを最終的に今おやりをいただいております。そういうことでありまして、決して隠す性格のものではないわけでありまして、先に出たものからといいましても、これは北海道から九州まで全部一括的に精査いたしてお出しをする、こういうことにいたさせていただいておるわけであります。
 ただその際、積算の値段だけは、予見を与え混乱に陥れるものですから御勘弁をいただきます。それ以外のものは御審議がいただけますようにすべて出させていただきます。
#355
○関山委員 場所と面積ですね。
#356
○三塚国務大臣 そうです。場所と面積です。そうさせていただきますということであります。
#357
○関山委員 何か本体法案の人質にとられたみたいでどうも後味が悪いのだけれども、そんなこと言わないで、作業ができてないなんて、細かなところでそういう部分が残ったって、重箱の隅をつつくようなことを議論しようと言っているわけじゃないのですよ。あらかじめ通告しておきましたけれども、用地問題に関する各種のマスコミの報道というのは、今いろいろなところでいろいろなことが書かれていますね。ああいうものが出されているなら、一日も早くきちっと対応した方がいいに決まっているじゃないですか、ましてやそういう土地の値上がりの思惑とかなんとかの心配がないなら。民間活力導入の方と同じような形でこういうものが出てくれば素直に議論ができるわけです。
 時間がなくなっていますが、一つは、そういうマスコミのさまざまな報道というものについてどうお考えになっていらっしゃるのか。一々についてお尋ねするいとまもないのですけれども、総体的な受けとめをまず伺いたいと思います。私は、一つ一つの例でもってインチキがあったとかなかったとかということについて、今ここで細かく議論する気はないのですけれども、ある種の方式といいますか、問題にしたいのが二つあるのです。
 一つは、トンネル方式ですね。これは週刊ポストかなんかが書いた北見の駅前の話、参議院でも議論になったそうですね。要するに、自治体が買っておいてよそへ売るというやり方。それから払方町のケースですね。北見の場合で言えば三件ばかりありますが、二件は大した開きがないのだけれども、一件については一平米六万が十八万、三倍ぐらいになっているわけですね。払方町に至っては、二年間に一坪三百万が七百五十万と二倍ちょっとぐらいになって動いておる。こういうのは今までもいろいろな形でマスコミの種になっているケースなんです。これは資産充当の中でやられていることなんですが、なぜ国鉄の場合なんかは買い戻し特約みたいなのがなかったのだろうかというふうに僕は思うのです。こういうやり方で今後とも、これは旧国鉄という形で体制は変わるわけですけれども、こんなやり方が通用するのでは困るなというふうにだれだって思いますよ。トンネル方式、どうですか。
#358
○杉浦説明員 ちょっと担当の前に私から申し上げたいと思います。
 土地の問題をめぐりましてマスコミがいろいろ報道をされております。私どもはまことに心外であるというふうに思っているわけでございまして、これからのあり方といたしましては、全くガラス張りの中で公明正大に、しかも土地ができるだけ高く売れるように、それがまた国民の最後の負担を軽減する道でございますので、フェアプレーで公明正大にやっていくということを念願するつもりでございますし、またそういう仕組みを今後とも考えていきたいというふうに思っております。
#359
○関山委員 抽象的にはそうなるのですけれども、具体的にこの払方町、北見はどうですか。
#360
○岡田(宏)説明員 北見の土地につきまして、国鉄が北見市あるいは土地開発公社に売却をしました土地を転売をされたという問題でございますが、随契売却をいたしたわけでございまして、随契によって売却をしました価額につきましては、当該土地が例えば幅員十メートルぐらい、長さが百メートル余りという極めて狭小な土地であるというような問題あるいは線路の間に挟まれた三角地であるというようなことを考えまして、私どもも権威ある部外の鑑定評価をとりまして価額を決定したものでございまして、適正なものというふうに考えております。現に転売されました価額につきましても、私どもが北見市にお譲りしました価額よりも若干低い価額で転売をされているという件もございますし、一方、若干高いというものにつきましては、後で市の方で道路をおつけになりまして、当初国鉄が売却した時点では、道路に接面をしていなかった土地を道路に接面をするという形で土地に加工されて、土地の価額を高めて売られたということでございますので、そういった意味では、価額の点については問題がなかったというふうに考えております。しかしながら、転売の問題につきましては、いずれにしても問題があるということで、今後自治体等に随意契約でお譲りする場合につきましては、用途の指定あるいは指定用途に供すべき期間といったものにつきまして制約をつけまして、そういった十分な調査を行い、かつ契約の上でも、そういった当初の目的に照らして適正な使用方がされることを担保した上でお譲りをするということに改めた次第でございます。
 なお、先生から御指摘ございました新宿区払方町の土地につきましては、ちょっと資料を持っておりませんが、これは公開競争入札により売却をされたものだと思います。公開競争入札につきましては、今申し上げましたような、例えば転売禁止条項でございますとか用途制限条項でございますとかいったものをつけますと、一般に公開競争入札による値段が下がるということも考えられますので、現在の国鉄の制度のもとにおきましては、そのような制限をつけていない。したがって、このケースにつきましては、転売をされてもやむを得ないものというふうに考えている次第でございます。
#361
○関山委員 言いわけというのはそういうものだろうと思います。しかし、随契だって、それは市が道路をくっつけたからとかなんとかありますけれども、当然それなりの随契のありようというものがなければならなかったでしょうし、一般公開入札だって、もし仮に二年の間に倍になるというのであれば、当初の価格設定が間違っていたということにもなるのでして、こんなことでやりとりしてもしようがない。
 もう一つの方は、出資方式です。これもいろいろとマスコミで書かれている山手開発の話、これはどう申し上げたらいいんでしょうか、日本の国鉄と不動産業界のトップがお集まりになってやっている話だから、まことにもって巧妙かつ知能犯的なやり方ということになってしまうんだけれども、国鉄が出資している関連の不動産会社というのはたくさんあるんですか。
#362
○長谷川説明員 不動産会社が出資しております国鉄との共同出資会社は山手開発一つでございます。
#363
○関山委員 この会社はどういう目的で、どういう役員構成ででき上がっておりますか。
#364
○長谷川説明員 五十七年の十月に国鉄法の施行令が改正になりまして、国鉄の保有財産の高度利用につきまして出資できる、言いかえれば住宅分譲事業に対しまして国鉄の出資が可能になったわけでございまして、その第一号といたしまして、五十八年の三月に設立した会社でございます。会社の構成は、資本構成が国鉄が一億一千万円出資しておりまして、五五%であります。その他、これは不動産会社も含めまして九千万円出資しております。合計二億円の会社でございます。
#365
○関山委員 この会社に、従来の資産充当で土地を売っていますか。
#366
○長谷川説明員 これは国鉄の保有する財産についての高度利用を目的としておりまして、土地は売却しておりません。ですから、住宅分譲をやっておりますけれども、これは地上権付住宅分譲という形なんでございます。
#367
○関山委員 そうしますと、ここで言えば六十年度まで、あるいは六十一年度中にも、資産充当の中でこの会社に土地を売る予定はございませんか。
#368
○長谷川説明員 土地を売るという計画はございません。
#369
○関山委員 私が持っております資料に、六十年度の中に豊島区巣鴨一の二十三という土地が随契の予定になっていたのですけれども、これはなぜか契約が成立をしていないのですが、何か事情があったのでしょうか。
#370
○長谷川説明員 先ほども申し上げましたように、この会社は地上権付の住宅分譲でございまして、土地の所有権付の住宅分譲をやる会社ではございませんので、ただいまのお話につきましては、ちょっと私も聞いておりません。
#371
○関山委員 あなたが御存じないのであれば、これはそれ以上押し問答をしてもしようがないと思いますけれども、資産充当の中で、六十年度末に巣鴨の一の二十三、アーバンビルのあるところの土地を、要するに随契で二十億で売り払うという計画があって、この資料では、なぜかこの分だけ未契約で終わっているのですね。私は今そのこと自体を問題にしようと思っているわけじゃないのですが、この国鉄の出資会社は、今の国鉄の土地の処分に関する日鉄法施行令によれば、随契の対象になるんですかならないんですか。
#372
○岡田(宏)説明員 日本国有鉄道法施行令によりまして、当会社は「土地その他の物件の売却又は貸付けを目的とする契約を締結する場合であって、その契約がその投資の目的を達成するために必要なものであるとき。」という限りにおきまして、随契の対象になります。
#373
○関山委員 ちょっと、それは施行令の何条何項何号ですか。
#374
○岡田(宏)説明員 施行令の第二十五条の第三項の第十一号でございます。
#375
○関山委員 私は、この会社が今後、国鉄の土地の売却に際して、やろうと思えばどんな土地でも随契を幾らでも結べるということになりますと、この会社は、さっき内訳をおっしゃいませんでしたけれども、国有鉄道以外の出資者が三井不動産であり、三菱地所であり、住友不動産であり、富士銀行であり、三菱銀行であり、第一勧業銀行であり、三井信託であり、三菱信託であるということになりますと、月刊現代じゃありませんけれども、文字どおりこの会社は山手線の中を押さえたんだと言われても、言いわけできないのじゃないですか、これはどうしますか。
#376
○長谷川説明員 三井不動産、三菱地所、住友不動産、以上三社が山手開発には出資いたしておりますが、三井不動産の場合には不動産協会のまとめ役でございます。それから三菱地所の場合には日本ビルデング協会連合会のまとめ役でございます。それから住友不動産の場合は日本高層住宅協会のまとめ役でございまして、国鉄が住宅分譲事業を始めるに当たりまして、いろいろノーハウの活用をこれらの不動産の主要な協会のまとめ役の方々に相談したわけでございまして、その辺のアドバイスあるいはノーハウを活用させていただいた、そういう経緯の中で資本参加をしていただいた、こういう経緯になっております。
#377
○関山委員 いや、私は経緯を聞いているのではなくて、こういう仕組みの会社ができると、国鉄の土地については皆さん方の恣意で幾らでも随契ができるということになる。それがあるとすれば、今話題になっている、こういう現代その他で書かれておることは、総裁は大変心外だとおっしゃっていますが、しかし、心外だと言ったって、これは法律的には、あるいは何というのでしょうか、定めの上からいけば、そういう事態になったからといってなかなかしっぽというか、要するにとがめ立てのしようがない枠組みの中でこういうことを進めていらっしゃるんだな。そのことについてどうお考えになりますか、総裁。
#378
○杉浦説明員 随契の要件というものは、現在の国鉄法施行令によりまして、先ほど申し上げましたのは一部でございますが、これらの扱い等につきまして、私どもこれからもいろいろな意味での世間からの批判、疑問というものが、やはり随意契約に向けられているというふうにも思います。したがいまして、何遍も申し上げているとおり、これからの土地の売却の基本は、あくまで完全な公開競争入札というものを原則にし、それからなお随契でやむを得ないというごく例外的なものとしましては、先ほどちょっと悪い例が出ましたが、これからの基盤整備等におきまして、地方公共団体の都市計画上の問題等もございますので、地方公共団体への随契というようなものにごく絞って考えてまいりたい。
 その場合も、私は具体的な話で申し上げておりますが、やはりあくまで値段を今までのように安くお譲りすることはできません、時価でお願いいたしますということも申し上げておりますが、これは原則の例外でございまして、原則的には一般公開競争入札ということでやっていきたいというふうに思っております。
#379
○関山委員 時間が来ましたのでやめますが、いずれにいたしましても、土地の問題については、できるだけ早く明快なお答えをお出しになっていただいて、ガラス張りの議論ができるように、と申しますよりは、我々がまともな議論ができるようにひとつ御準備をいただきたいと思います。
#380
○山下委員長 西中清君。
#381
○横山委員 委員長、議事進行についてちょっと……。
#382
○山下委員長 正式発言ですか。
#383
○横山委員 はい、そうです。
#384
○山下委員長 横山君。
#385
○横山委員 審議の状況を見ておりまして、質問者と答弁者のかけ違いが非常に多いのです。しかもそのかけ違いはどういうところから起こるかといいますと、数字の問題が割合に多いのです。数字の問題。きょう資料をこの間の要求に基づいて出してもらいましたけれども、どうも政府及び国鉄は不親切です。こういう数字のかけ違いがないように、基本数字といいますか、それを親切に積極的に出してもらわなければいかぬと私は思うのです。こちらがいろいろ調べるでしょう。そうすると、どうも話が違うから、何回も何回も、時間がむだ遣いに終わっています。
 それで、私は次の資料を提出をされたいと思います。
 一つは、現在における各省庁、各地方自治体、関連企業等で雇用を政府及び国鉄が確保した予定数を出してもらいたい。
 それから、国鉄の関連企業名と雇用を確保した予定数を出してもらいたい。
 それから、六十年度末でやめた人二万七千九百人、その二万七千九百人の中で再就職の決定をしておる人、この官民分布、それから再就職がまだ決まっていない数、それから再就職を希望していない数、これが非常に今後のこの法案の前途に影響をもたらしますので、それが欲しい。
 それから、小林委員の三月の質問に関連するのですけれども、どうしてこういう数字になるのだか私もよくわからないのですが、三月に小林委員が、当時職員は三十万七千人、余剰人員は二万五千人、これは議事録に残っておる数字であります。ところが、今審議しておりますのは、六十一年度首現在員は二十七万七千人、六十一年の余剰は三万八千人、これが基礎数字になっている。どうしてこの数字が変わってきたのか私にはわからない。
 業務量は、今我々の目の前にあるのは二十三万九千人、これが六十一年度首の政府の説明の数字でありますが、今言った、小林委員が言ったその三十万七千人から二万五千人を引いた二十八万二千人体制、これが何で二十三万九千人に業務量の基礎がなるのか、これもわからない。
 こういうことをやろうと思うと、本当に時間がむだになってしまう。ですから、これらのことについて積極的に、これらを含んで政府、国鉄が数字を次の委員会までに提出されるよう希望いたします。
#386
○山下委員長 ただいまの御発言の趣旨は、本来は各党派の割り当て時間内で御発言いただくのが妥当だと存じますが……(横山委員「議事進行について言っているのです」と呼ぶ)いや、議事進行と言っても、あなたの御発言の内容を聞いておりますと、質問とか資料の提出ですから。しかし、せっかくの御発言ですから、ひとつ後刻理事会で検討させていただきたいと思います。
 西中君。
#387
○西中委員 今御提案があったことで、私も審議を聞いておりましてやはり大事な一点だと思います。結論が理事会ということでございますので、私も質問に入りますけれども、特段の配慮をしていただきたいと思います。
 いろいろ長時間にわたって論議がございましたので、大変時間も遅くなりました。お疲れと思いますけれども、若干の質問をいたしたいと思います。
 国鉄、今日危機的状況ということでほぼ認識が一致しておるわけでございますけれども、どうして再建するかということについてはさまざまな議論があるようでございます。しかし、少なくともこの歴史的な改革をする上において、やはり今さらどうしようもない状況の中にある国鉄について、その責任を云々するということについては余り意味がないかもしれませんけれども、しかし、国民の皆さん方は、なぜこういうことになったのかということについては、素朴に疑問を持たれるのはまた当然だろうと私は思っております。
 先ほど来の議論でもお話がございましたけれども、私ども一応今日までさまざま、詳しく言えば七つぐらいになるようでございますけれども、再建計画を立てながら、それが結果的には破綻をいたしておるという積み重ねがあったわけでございますが、そういった問題の原因は一体どういうところにあったのか、責任は那辺にあったのかということについて、まず大臣から伺っておきたいと思います。
#388
○三塚国務大臣 公共企業体を所管いたしますのが政府であり、直接には運輸省であります。さような意味におきまして、公企体たる国鉄がその機能を十二分に発揮し得ない現状に相なりましたという意味で、政府の責任大であると私は認識をいたすわけでありまして、しかるがゆえに、その原因を分析をさせていただきまして、新しい鉄道として機能が発揮でき得ますように改革を進めていかなければならぬだろう、こういうことで、今次国会に改革八法案をお出しさせていただいておるというのが率直な考えでございます。
#389
○西中委員 今、私前提で申し上げましたけれども、やはりけじめはけじめとしてしっかりしておかなければいかぬと思うのですね。政府の責任は一体どうなのか、その辺のところの認識を重ねてお伺いいたします。
#390
○三塚国務大臣 そういう意味で責任があります。責任がありますから、監理委員会法を提出させていただき、五十八年、大変な御論議をいただきまして成立をさせていただき、これに基づき監理委員会が構築をされ、原因分析、再建の方式を第三者的な立場、何物にも影響されない立場の中で御提案をいただいた。これを法律の趣旨に従い尊重をさせていただきながら改革についての閣議決定をさせていただいたということでありまして、この破綻いたしたことについての責任は、主管大臣、運輸大臣として極めて重大なものであります。よって、この重大な責任は、申しわけありませんでしたとシャッポを脱ぐだけで果たせるものではないものでございますから、答申をしかと踏まえ、閣議決定がいたされたわけでありますから、それに沿いまして、政府としての対応を明確にし、国民の負託にこたえていかなければならない、こういうことであります。
#391
○西中委員 かねがね大臣が国鉄再建に情熱を、また命をかけておられると私たちも受けとめてはおるわけでありますけれども、その点まず、後がないというところでしっかりやっていただきたいと要望をいたしておきたいと思います。
 同時に、今さら原因を云々しても問題の解決にはならぬ、やはり新たな展開を積極的に進めることが一番大事だろうと私も思います。ただ、国鉄はあくまでも莫大な債務を抱えておりますから、国民の皆さん方にとって過大な負担、不利益、こういうことがやはり心配をされるわけでございます。それは債務の償還という点に尽きると思いますけれども、そういう点で十分この点は配慮していかなければならぬと私たちは思っております。
 そこで、この改革を進めていく上でのまず第一点は、国民への過大な負担を強いることがないということをまず前提に置いて、これからの施策を進めていくということ。それから第二点は、鉄道の公共的役割、それから利便性、安全性、こういうものが損なわれることがないということ。こういう点を十分考えておくことが必要だと私は考えておるわけでございますが、この二点についてどのようなお考えであるか、伺っておきたいと思います。
#392
○棚橋(泰)政府委員 国民にとってこの国鉄改革が過大な負担にならないようにというのは、先生御指摘のとおりだと思います。そのために、さきの閣議決定等でもお示しいたしましたように、極力国民負担を軽減するためいろいろな面で政府として努力をする、こういうことでございます。ただ基本的には、国鉄は国民のものであると同時に、その負っております負債も、やはりある意味では国民の御負担をお願いしなければならぬ部分があると思いますが、それが極力少なくなるような努力は十分いたしたいと思っております。
 それから、安全性、利便性の問題でございますけれども、安全性は鉄道事業の基本でございます。いやしくも安全性が損なわれるということがあってはなりません。また国鉄によらずすべて交通機関というのは国民に対して利便を提供するものでございます。ただ、現在の国鉄というような状況でございますと、逆に申し上げますと、そういう安全で利便を提供できる快適な鉄道としてこのままやっていけなくなるおそれがある。その点を基本的な線から改めて、国民に対してそういう鉄道本来のサービスを提供できるようにすることが必要だ、その意味で改革について全力を尽くしたいというのが政府の考えでございます。
#393
○西中委員 そこで、まずこの法案の趣旨というものは、第一条に述べておるとおり二つが柱になっておりますが、長期債務の問題について伺っておきたいと思うのです。
 長期債務の処理の問題でありますけれども、監理委員会としてはそれなりの試算を出されまして、二十五兆四千億円、潜在的債務が十一兆九千億円、こういう数字が出ておるわけでございます。それに対して、処理の方法でありますけれども、用地売却、株式の売却の収益、そして新たな事業体が負担する、こういったことによって最終的に残る十六兆七千億円を国が、すなわち国民が負担する、こういうことだと思うのですが、この数字は監理委員会の試算でございますから、やはり政府が責任を持ってこの法案を出す上においては、政府としての試算というものは明快でなければならぬと私は思っております。この問題については議論もあったわけでございますけれども、政府としては、これについては改革法の審議までにお出しになるというように私は認識をしておるわけでございますが、その点、いかがでございましょうか。
#394
○棚橋(泰)政府委員 先生おっしゃるように、今先生がお話しになりましたのは、あくまでも監理委員会がその時点において試算をされたものでございまして、その後の情勢変化もございますし、計算の仕方につきましても、政府として再度明確にいたしまして、改革法の御審議の際には政府としての考え方を明らかにいたしたいと思っております。
#395
○西中委員 いつごろ明らかにしていただけるのでしょうか。
#396
○棚橋(泰)政府委員 先ほど用地の件につきまして大臣からお答えを申し上げましたとおりでございます。
#397
○西中委員 そうしますと、委員会審議が始まるまでということでございますが、そういうように認識してよろしゅうございますね。
 そこで、現在の監理委員会の試算においては十六兆七千億円という数字が出ておるわけでございますけれども、今後の用地の売却、そして新事業体の株の売却などの収益によりまして、これは変動するということですね。これは当然政府として試算をされておるわけでございますけれども、できるだけこれを圧縮するということが大切な問題だと思うのですが、その点は大臣、どのようにお考えになっておるか、伺っておきたいと思います。
#398
○三塚国務大臣 それは全くお説のとおりでありまして、最も有効、適切な方法をとらさせていただくことにより圧縮をしていくということは、国民に対する政府の務めであろう、こんなふうに思います。
#399
○西中委員 その運輸省の試算がどのくらいに出てくるのかわかりませんけれども、国が負担しなければならない十六兆七千億円、結果的にまたこういう数字が仮に出たとして、例えば三十年の長期返済ということにしましても、毎年の返済額が一兆二千億ないし三千億は必要、こういうように聞いておるわけでございます。これが国家財政にとっては大きな負担になることは言うまでもないわけでありますが、この償還のやり方というものがやはりいろいろ重要だと思うのです。これはまず大蔵省の方に聞いておかなければならぬと思いますけれども、現在どういうような検討をなさっておるのか、伺っておきたいと思います。
#400
○佐藤説明員 お答えいたします。
 国鉄の長期債務等の処理の問題につきましては、政府としては一月二十八日にその基本方針を閣議決定で決めております。先ほど先生の御指摘と若干重複するところがございますが、整理の問題もございまして、もう一度申し上げますと、国鉄改革に伴い最終的に国民負担を求めざるを得ない長期債務等の額は、監理委員会の「意見」によりますと、御指摘のように十六・七兆円程度、こういうふうにされているところでございます。ただ、政府といたしましては、この用地売却の上乗せ等を図りまして、その額を極力圧縮する。したがいまして、最終的な要処理額の見通しが得られるまでの間は、旧国鉄におきまして用地売却、借り入れ等を行って債務の償還、雇用対策等を実施する、こういう考え方に立っているわけでございます。
 次に、旧国鉄におきまして、自主財源を充ててもなお残る長期債務等の額が最終的にどうなるかというのは、用地売却等の見通しいかんにかかわるわけでございますけれども、最終的にはなお残る額につきましては、国において処理するという考え方に立っております。そのための本格的な処理のために必要な新たな財源措置につきましては、雇用対策、用地売却等の見通しのおおよそつくと考えられます段階で、歳入歳出の全般的見直しとあわせまして検討、決定をいたす、このような考え方で政府はおるわけでございます。
#401
○西中委員 そうしますと、いろいろと清算事業団で土地の売却その他収益を上げて、それを充当していく、最終的に残った債務につきましては、財政状況等を勘案しながら決めていくということですが、要するに、それは三年後に決めるということに相なるわけですか、その点確認をしておきたいと思います。
#402
○佐藤説明員 ただいま申しましたように、本格的な処理財源につきましては、雇用対策、用地売却等の見通しのおおよそつくと考えられる段階でということでございまして、雇用対策というものが旧国鉄発足後三年間で実施ということを考えますと、それも一つのめどではないか、かように考えております。
#403
○西中委員 次に、第二条のいわゆる未償還特定債務の継承等について、また三条の無利子貸付金の償還条件、こういった問題について若干触れておきたいと思います。
 二条三項では「貸付金の償還に関し必要な事項は、政令で定める。」となっておりますが、この償還という問題は、いつから返還をさせるのか、その時期と期間、こういうことについてお伺いをしておきたいと思うのです。
#404
○棚橋(泰)政府委員 この三項は無利子貸付金の部分にかかわる償還条件の問題でございます。これにつきましては、一応政令で定めることにしておりまして、現在政府部内におきまして種々の条件等を検討しておるところでございます。その上で適切なる期間等を定めたい、かように思っております。
#405
○西中委員 それから、三条のところでございますけれども、「償還期限等」の「等」というのは何を指すのか、伺っておきたいと思います。
#406
○棚橋(泰)政府委員 これは二条一項をごらんいただきますと終わりの方に「(以下「償還期限等」という。)」というのがございます。これを指しておるわけでございまして、その前に書いてございますように、これは「償還期限」と「据置期限」ということでございます。
#407
○西中委員 次に、希望退職の問題について伺っておきたいと思います。
 いずれにしても、来年三月の末までに永年勤続をした職場から離れていくという職員が二万人という大変な時代でございます。これらの人々は考えてみると、個々にそれは責任があると言えばあるのでしょうけれども、やはり国鉄改革が繰り返し失敗してきた、そういう背景もまた否定できないわけで、非常に残念なといいますか、気の毒な面があるわけでございます。したがいまして、先ほどから議論がありましたけれども、今後の身の振り方については、政府はあらゆる対策、万全の措置をやはり講ずることが望ましい、また私たちもそうあってほしいというふうに願っております。
 そこで、まず第一点でございますけれども、給付金の問題について伺っておきたいと思います。
 この支給額は、基本給与等の十カ月分、こういうことでございますけれども、これは三十九年、旧電電公社の電話の自動化に伴って電話交換手の退職促進を図るために設けられた制度に準拠しているというように聞いておりますが、その点は間違いないかどうか。そして今回のこの措置によって、この特別給付金はおよそ一人どのくらいの金額になるのか、確認をいたしておきたいと思います。
#408
○棚橋(泰)政府委員 先生から旧電電の例に倣ったのかという御質問でございますけれども、政府関係でこういう例というのが電電の例しかないわけでございます。そういう意味で参考にはいたしました。ただ、それだけではございませんで、種々民間企業等が同様なことをやります際の例、その他を参考にいたしまして、十カ月が適当ではないかというふうに決めたわけでございます。
 なお、それによります金額は、平均で申し上げますと、特別給付金は約二百四十万というふうに御理解をいただきたいと思います。
#409
○西中委員 いろいろとお考えはいただいたと思うのですけれども、私は別に電話交換手が仕事が軽いという意味で言うわけじゃないのですけれども、やはり国鉄の場合はかなりいろいろの業務がございますし、同時にまた、社会情勢も当時よりもむしろある面でいえば恵まれた面も多いわけでございまして、それが右へ倣え、すべてがそうだということにはならぬと思います。参考の一部にはしたということだと思いますけれども、それでいいのかなという気がしないわけでもないのでございます。今回この国鉄再建の成功を期する上において、やはりこうした職員の扱いというものが一番大きなかぎを握っているだけに、この特別給付金についてももう少し配慮があってもいいのではないかなという気がしないわけでもございません。重ねてでございますけれども、御意見を伺いたいと思います。
#410
○棚橋(泰)政府委員 何カ月分が適当かというのは、この前もお答えを申し上げまして、これはいろいろ議論のあるところだとは思います。しかし、電電の場合と国鉄の場合というふうなことで申し上げますと、電電の給与と国鉄の給与とは、これは同じ基準内賃金の中で違うわけでございまして、国鉄の業務というものは当然その基準内賃金に反映をされておるわけでございます。そういうような意味で、似たような月数を採用したからといって必ずしも同じ形ではないと思います。
 それから、まあこれも考え方でございますけれども、そもそも退職されます方は、特別退職金を受け取るわけでございまして、それに付加して、上乗せして、この給付金を支給する、いわば進んで希望退職に応じていただいたということに対する報奨的な意味で付加をするわけでございますから、合わせた額が支給されますから、それはかなりの額になるというふうなことも考えられます。また、民間等の例でいろいろ考えますと、企業が苦しくなってなかなか退職金も満足にもらえないという場合もあるわけでございまして、それらのいろいろな例から見まして、国鉄の今回の希望退職に対して上乗せする額としては、この額が十分な額ではないだろうかというふうに私どもとしては考えております。
#411
○西中委員 どれほどが妥当な線なのかということはいろいろ見方があると思うのですが、私はどうもまだ納得をしておらないわけでございますが、後日またいろいろと議論をいたしたいと思います。
 次に、四条でございますけれども、四条二項の三「その他これに準ずるものとして政令で定める法人」という規定がございますけれども、これは何を指しておるのか御説明をいただきたいと思います。
#412
○棚橋(泰)政府委員 これはいわゆる認可法人というものを一応想定をいたしております。ただ、認可法人の中で、給与とか役員の選任とかに国の関与の強いもの、いわゆる特殊法人に近いもの、そういうものを想定しておる条文でございます。
#413
○西中委員 そうしますと、認可法人の中で民間に近いものは除外されると理解してよろしゅうございますか。
#414
○棚橋(泰)政府委員 除外と申しますか、特別給付金の対象になるということでございます。
#415
○西中委員 次に、清算事業団職員の給与について伺っておきたいと思います。
 清算事業団は、国鉄が来年四月から民間会社になり、そして清算事業団で職員を継承していくわけでありますけれども、この職員の雇用契約は現在のものがそのまま移行されることになるのではないかと思っております。そこで、職員の労働条件、これは当然鉄道事業に従事しなくなるというしとでございますから、変更はやむを得ないのではないかと思いますけれども、基本的に現行のものを継承していくという方向であるべきだと私は考えておるのでございますけれども、その点はどうでしょうか。
#416
○棚橋(泰)政府委員 清算事業団は、新しい会社に移った方たちを除いた職員が自動的に清算事業団に移行するわけでありますから、基本的には先生おっしゃるように、現在の国鉄のものを引き継ぐということでございます。ただ、勤務の中身が、再就職のための訓練とか、中身が違うわけでございますから、その給与体系、労働条件等については、やはりそれにふさわしい体系というものを想定すべきであろうと考えております。そういう方向で検討しておるところでございます。
#417
○西中委員 お聞きをいたしておりますと、離職者と同じというような感じで、失業対策給付相当の給与、こういうようなことをお聞きしておるのですけれども、これは極めて深刻な話でございまして、そのようなお考えに今あるのかどうか、ちょっと確認をしておきたいと思います。
#418
○棚橋(泰)政府委員 先生おっしゃるのは、監理委員会の積算基礎が今おっしゃったように六割程度ということで計算をされておるということかと思います。しかし、それは監理委員会ではそういうことでございますけれども、実態的に勤務の中身等を勘案して決められるべきものだと考えております。
#419
○西中委員 そうしますと、純粋に職業訓練を受けておるだけだという状況が続いている方、それから少し見習い的な立場でどこかの職場へ働きに出るというケース、また研修に行っているといったケース、やはりそれぞれ実情に応じて給与が変わるというように理解してよろしゅうございますか。
#420
○棚橋(泰)政府委員 清算事業団ではいろいろな勤務体系とかが考えられると思います。まず一つは、実務がございまして、用地の売却関係、そのための基盤整備事業というようなものもございます。それからまた職業訓練を受けられる方のための訓練の実務を行う方、研修ないしは雇用の場の確保のための実務を行われる方もありますし、またそういう計画の中で研修を受けたり職業訓練を受けたりという方もございます。それぞれ勤務の形態が違うわけでございますから、基本的には、その勤務の形態にふさわしい給与条件、勤務条件というものが設定されるべきだと考えております。
#421
○西中委員 その点についてもひとつ特段の配慮を要望しておきたいと思います。
 次は、特別対策対象者の雇用対策の問題でございますけれども、先ほどからも公的部門の採用その他について議論がございました。政府の目標数は公的部門で三万人、こういうようなことだと思うのです。まず昨年十二月の閣議決定では、採用母数に対して一定率を乗じた数、これは一〇%程度をいうことであろうと思いますが、採用母数というのは一体どのくらいの人数になるのですか。御説明をいただきたいと思うのです。
#422
○中島(眞)政府委員 先生御質問の採用の母数でございますが、これは閣議決定にもございますように、昭和六十一年度におきましては、各省庁の採用者数の中から、特定の資格を必要とする職種など、それから六十一年度の特殊事情から、ということは、採用の手続が既に進んでいるというようなことを考慮したことでございますけれども、そういうことで国鉄職員からの採用が困難であると認められる職種等、これらを国鉄余剰人員雇用対策本部長が定めるということにしておりまして、いわゆる除外職種として、これらを除いたものが母数になりまして、それに対して一〇%以上に当たる数を国鉄職員から採用するということにしたわけでございます。その場合の基礎になりました採用母数は、国家公務員の六十一年度分については一万二千人余りでございます。
 なお、六十二年度以降の分につきましては、これも特定の資格、特別の資格を必要とする職種等は除くこととしておりますけれども、六十一年度の特殊事情によって採用できないという要素は今度はなくなるわけでございますので、それらの点については、総務庁を中心にして今後検討いたしまして、採用母数を決定して、それをもとにして各省庁の採用数を積み重ねていくということになるわけでございます。
#423
○西中委員 過去の実績、一年前でもいいのですけれども、大体のところどのぐらいの母数になるかというのはわかりませんか。要するに、一〇%で三万人というお話なんですけれども、果たしてそれだけになるのかどうなのかというのは非常に心配な面であるわけです。そういう点で、どの程度の母数になるのか伺っておきたいのですけれども、何か参考になるようなものがあったら伺いたいと思うのです。
#424
○中島(眞)政府委員 六十一年度につきましても、現実の採用数がどうなるかということは、まだ確定的には申し上げられないわけでございまして、先ほど一万二千人余りと申し上げたのは、五十九年度の実績をもとにした数字でございます。
 そこで、六十二年度以降の分がどの程度になるかということでございますけれども、六十一年度の既に採用手続が進んでいるという分につきましては、いわゆるU種の試験、それから学校の関係、学生でございますが、それの採用の関係でございまして、これらについては、その範囲を含めて今総務庁の方で関係省庁と折衝中でございます。したがいまして、今のところその数字を申し上げる段階までまだ至っておりませんけれども、基本的な考え方といたしましては、採用母数はできるだけ多くいたしまして、いわば除外職種は必要最小限のものに限定するという考え方で進みたいと思っておりまして、そういうものをもとにしました上で、三万人の目標を達成するために必要な採用の率といいますか、そういうものを決めていくというわけでございまして、その率というのは、その閣議決定でも予想しておりますように、一〇%よりも高い率になるということでございます。
#425
○西中委員 これは国鉄職員が今自分の将来をどの方向に向けていくかということを選択する上にとっても極めて重要な問題でございまして、これが決まらないことには、例えば希望退職しても思うようにいかなかった、要するに、公的機関に勤めたいと思った、だめだった、それから旧国鉄、清算事業団に残った、しかしそれも、希望はあったけれども、結局考えているよりも人数が少なくて、激しい競争のために取り残されてしまった、こういうことにもなりかねないわけですね。そうすれば、こういうことになるのならもっと早目に別の道を考えた方がよかったというのが後の後悔として出てくる可能性は十分あるわけですね。したがいまして、採用の人数、これについては、やはり早い機会にまとめていただくということが非常に重要な問題だと私は思うのです。そういう点で、今作業をしておられるということでございますけれども、一刻も早くこの全貌を明確にしていただきたいということ。
 同時に、除外規定、除外条件というものをできるだけ少なくするというお話でありますけれども、国鉄職員の学歴であるとか性別、こういう問題と、地方公共団体なり国家公務員なり特殊法人なりの問題、これらの公的部門が採用する対象と必ずしもこれは一致しないといいますか、さまざま難しい問題が実はあると思うのですね。この学歴というのは、先ほどもU種云々というお話がありましたけれども、そういう点は、この採用母数の中ではどういう扱いになっていくのか、その点も明確にしていただきたいと思います。
#426
○中島(眞)政府委員 学歴の点につきましては、国鉄職員から国家公務員として採用する場合に、それの対象になるような人たちが十分にいるかどうかということが基本でございまして、国鉄の場合は高校卒の方が圧倒的に多いわけでございます。しかし、高専卒等もございますので、高専卒に見合いますものとしてU種ということを考えたわけでございますが、これらについては目下さらに精査をしているところでございます。
 それから、国家公務員として採用する場合に、国鉄に入りましたときの採用試験をどう評価するかということがございまして、これにつきましては、人事院の方から各省庁に対して、高校卒の場合にはU種、それから高専卒の場合についてはU種というものにそれぞれ対応する試験に合格している者として取り扱うという基本的な方針が示されているところでございます。
#427
○西中委員 この間問題は、とりわけ地方公共団体、地方自治体に問題が多いと思うのですね。採用はしっかりしていただかなければなりませんけれども、その採用母数の一定比率ということですが、母数がさまざまな制限を受けて小さくなってしまうという形ですと、自治体も、そういう条件があるなら結構だ、協力する部分はするにしても、できるだけ地元の若い人をというようなことになりますと、これは思うように進まないと思うのですね。ですから、この採用母数の除外を極力抑えるということが一番大事だと思うのです。そういう点について今御説明いただいておりますけれども、もしも自治省がおいでになっておりましたならばお聞かせいただきたい。どういう考え方で今おるのか伺っておきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#428
○紀内説明員 お答え申し上げます。
 地方公共団体の場合、現在行政改革を進めている途上でございまして、その中でも定数の適正化というのは非常に大きなテーマでございます。したがいまして、一般的に言って、採用の事情はかなり窮屈な状況にあるということは御承知のとおりでございます。また一口に地方公共団体と申しましても、大は人口一千万人を超えるような東京都から、小は二百人程度にすぎない村に至るまで、その規模等も千差万別でございまして、それぞれ特殊の個別の事情に置かれているという状況でございます。したがいまして、国鉄の職員の受け入れにつきましても、その態様はそれぞれ一様ではございません。
 しかしながら、国鉄の改革の成否いかんという問題につきましては、これは当然国家的課題でもございますけれども、それぞれの地方公共団体にとりましても、将来の地方交通の体系、あるいは地域住民の生活への影響が非常に大きいわけでございますから、その辺に十分理解を深めていただきまして、それぞれの立場で、事情の許す限り、応分の御協力をいただきたいというふうにお願いしているところでございます。
#429
○西中委員 お聞きしますと、地方公共団体の採用枠母数については、初めから大卒、女子の数は除外をしておるということを聞いておるのですけれども、その点はいかがでございましょうか。
#430
○紀内説明員 大卒あるいは女子の除外ということにつきましては、国家公務員の場合に準じて同じように取り扱っております。
#431
○西中委員 公的部門が積極的な採用をしない場合には、民間だとかさまざま各方面の協力を得、同時にまた、国鉄再建というのは、単に余剰人員だけではなくて、国民の理解も協力も得なければならない問題でございますから、やはり先頭に立って必死でやっておるという姿でなければならないと思うのですね。ところが、今のお話のように、さまざまな除外を設けて、採用者の母数をできるだけ抑えようと言ったら語弊があるかもわかりませんけれども、そういう受けとめ方をせざるを得ない、こういう状況であるように私思うのです。むしろ積極的に、除外されるべき者、そういう者も含めた全体の採用の中から一割ぐらいは採用するというような強い姿勢を持っていかれる、これが大事じゃないかというふうに思うのですけれども、大臣、その点はいかがでしょうか。
#432
○三塚国務大臣 御説のとおりであろうと思うのです。産業界その他全般に御協力を賜るわけでございまして、第一義的には、国家公務員グループにおいて三万人程度そのまま、私の感じを言わせていただきますならば、御採用をいただけますような姿勢が重要だと思うのです。そういうことで雇用対策本部におきましても申し上げておるところでございまして、ぜひ不退転の決意で進んでまいりませんければ、この大改革は前に進みません。
 地方公共団体は、言うなれば国と全く法定上は資格が同じ独立の団体でございますから、地方公共団体に対しましてはお願いを申し上げる、こういうことであり、国に準じひとつよろしく、国が一〇%以上やらなければならぬ、こういうことでありますならば、これに準じお願いできないだろうか、ぜひお願いをいたしたい、こういうことで御協力を賜りたい、こういうことでなければならないと思っておりますし、その場合におきましても、国家公務員グループが、今中島事務局長が申されましたように、一〇%以上御採用方について、各省庁に、また各省庁所管の関係公社公団等に御協力いただくように全力を尽くしてまいらなければならぬ。その場合に、どうしても採用の基本的な要件で、必要欠くべからざる能力というものでありますればやむを得ないことだとは思いますが、それを広く御解釈いただくようなことで、この国家的な改革に政府一体として御協力をいただかなければならぬと思っておりますし、この基本は崩さず、ひとつ強く進めてまいりたい、このように思っておるところであります。
#433
○西中委員 地方公共団体が職員を採用した場合、共済年金の扱いは一体どういうようになるのか、それから年金の過去の積立分の取り扱いはどういうようになるのか、自治省また大蔵省に伺っておきたいと思います。
#434
○坂本説明員 これは国家公務員から地方公務員に移った場合も、国鉄職員から地方公務員になった場合も全く同じでございますが、移った場合について年金は完全に通算される、つまり退職がなかったものと見なされるという扱いでございます。それに伴いまして、国家公務員共済組合連合会あるいは国鉄共済の積立金のうち当該地方公共団体に移った職員に係る積立金を政令で定めるところにより移管することになっております。政令におきましては、当該地方公共団体の組合員になったときに給付事由が生じたものとしたならば、その者に払うべき年金である給付の額及びその後の実際に移管するまでの利子に相当する額を基礎として算定した額を地方公共団体に移すということでございます。
#435
○松本説明員 ただいま大蔵省から説明のあったとおりであります。
#436
○西中委員 派遣職員について伺っておきたいと思いますが、現状は一体どういう状況になっておるのか御説明をいただきたいと思います。同時に、この派遣職員ですが、将来どういう御希望をお持ちであるのか。特に派遣されて、そこの企業で働いておると、その企業に要望されて残る人も出てくるのではないかというふうに思うのでございますけれども、そのあたりの状況を把握されておりましたならば、人数もあわせて伺っておきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#437
○杉浦説明員 ことしの三月一日現在の実績でございますが、派遣職員は全体で一万六百七十九人ということでございます。派遣先で一生懸命働いておる状況を派遣先の会社の方にお伺いいたしますと、能力もあって非常にまじめによくやってくれているという評価をいただいておりまして、中には会社にとって大変欲しい人材であるので来てほしいというような話も、ある会社からは出ておる状況でございます。この辺は派遣者本人の意思が会社の希望と合致いたしますれば、そうしたことも喜んでおこたえしたいというふうに思っているところでございます。
#438
○西中委員 それから、雇用の問題で民間の協力を得ているわけでありますけれども、多くは大手の会社の名前が出ておるわけですが、中小企業なり地場産業なり、こういったところの求職という問題はあるのかないのか、その点はどうでございましょうか。
#439
○澄田説明員 国鉄といたしましては、民間産業界、今お話のございましたように、大手のみならず中小につきましても、今組織を挙げて、全国の各総局、管理局に雇用対策部長なり室長なりも配置いたしまして、各地でお願いに回っておるところでございます。
#440
○西中委員 実績は上がっておりますか。どうですか。
#441
○澄田説明員 今申し出を受けておる数字は、先ほど雇用対策本部から申し上げられましたように、全体で一般産業界約九千のお話が参っております。これから中身をいろいろな地域、職種、条件等々具体的にお話を詰めさせていただきたい、かように考えております。その中には中小もございますけれども今ここでその具体的な会社名等々は持っておりませんが、そういったところも十分入ってございます。
#442
○西中委員 私の言いたいのは、中小や地場産業はかなり零細なところも多いわけでありますけれども、こういうところの求職先も開拓する必要があるのではないかというように思うのです。特にまた、職種によっては国鉄の優秀な方を迎えたいという希望のあるのも聞いておるところでございます。そういう点では一体どこがめんどうを見るのか、窓口になるのか、こういうところが問題だと思うのですが、労働省、何かお考えがありましたら伺っておきたいと思います。
#443
○田淵政府委員 労働省としましては、全国に約五百近くある職業安定所を通じまして、今御指摘のございました大企業のみならず、地場の中堅企業あるいは中小企業も含めまして、国鉄のための特別の求人開拓の実施等を予定しておるところでございまして、国鉄職員の再就職が本格化いたしました段階では、全国の職安を挙げて、労働省としても全面的に国鉄に御協力を申し上げながら万全を期していきたいと考えております。
#444
○西中委員 先ほども議論がありましたけれども、ほっておいても職安へ行くのだ、こういう話もありますから、これは特別の対応を十分お願いいたしておきたいと思います。
 それから、次は職員の異動、さまざまな問題になっているわけでありますけれども、かつての炭鉱離職者の例を挙げるまでもなく、これに対しても十分な配慮が必要なことは言うまでもないと私は思っておりますが、雇用促進事業団、清算事業団、それぞれどういうような対応をなさっておるか。建設省にまた何かお考えがありましたならば、伺っておきたいと思います。
#445
○田淵政府委員 御指摘の雇用促進事業団は労働省の所管でございまして、かつて炭鉱離職者の再就職の問題につきましては一つの役割を果たした団体でございます。幸い九州とか北海道という地域には支部も置いてございますし、過去の経験も生かしまして、国鉄の再就職の問題につきましても十分役割を果たしたいというふうに考えておるところでございます。
#446
○内藤説明員 住宅問題についても御質問がございましたが、二月十日衆議院の予算委員会で建設大臣からも答弁いたしましたとおり、住宅の確保が職員の生活安定のために重要であることは当然なんですが、一次的には新しい雇用主においてできるだけの努力はしていただきたい、そういうことは考えております。
 それから、現在、国鉄余剰人員雇用対策本部からは一般的な相談を受けて今話し合いを進めておりますけれども、住宅問題は非常に地域性が強い問題でございますので、個別的な相談があった時点、具体的な相談があった時点で、公営住宅、公団住宅のありようについては考えたいと思っております。
 以上でございます。
#447
○中島(眞)政府委員 住宅問題は広域配転はもちろんのことといたしまして、きめの細かい対策が必要だと考えております。したがいまして、労働省、建設省等にもいろいろお願いをしているところでございますけれども、今後住宅問題の対処のいたし方といたしましては、一つは、国鉄が保有している宿舎の活用でございまして、宿舎につきましても、不用となりますものは、いわゆる非事業用用地としまして清算事業団に所属させて、いずれ処分するということになるわけでございますが、宿舎として活用できるものは極力活用していく、そういう意味での処分計画との調整が必要だというふうに考えておるわけでございます。それからまた公的部門とかあるいは一般産業界においても、それぞれ採用していただいた場合、受け入れ先で保有している住宅への入居ということも大いに期待しているところでございます。また雇用促進事業団の住宅の利用ということも、今後積極的にお願いをしてまいりたいと思っております。
 これは何といっても異動者本人に対する住宅のあっせんなり情報提供とか相談の体制を確保するということが大切だと思いますので、そういう点を中心にいたしまして、今後きめの細かい配慮をしてまいりたいと考えております。
#448
○西中委員 次に文部省にお伺いをします。
 何回か質問をいたしておるわけでありますけれども、いわゆる広域異動者の子弟の高校転入について確認をしておきたいのです。文部大臣も積極的に対応すると答弁はなさっておるわけでありますけれども、具体的な措置は一体どういう中身を持っておるのか、具体的にどういうようにしようとされておるのか、伺っておきたいと思います。
#449
○阿部説明員 一般的に、保護者の転勤等に伴います高校生の転学につきましては、できるだけ認めることが望ましいという基本的な考え方に立っております。こうしたことから文部省といたしましては、昭和五十九年三月に各都道府県の教育委員会等に対しまして、可能な限り転入学試験の実施回数をふやしたり転入学のための特別定員枠を設定するなどの配慮をするように指導通知を出したところでございます。また昭和五十九年七月には、文部省令の改正を行いまして、それまで欠員のある場合に限って転学を許可するということであったわけでございますが、それを欠員のある場合に限らず、教育上支障がない場合には転学を認めてもよいというような趣旨の改正を行いまして、通知によってその趣旨の徹底を図ったところでございます。その後、各都道府県におきまして、転入学試験の実施回数や四月当初の転入試験の実施あるいは受け入れの際の定員上の配慮等につきまして改善が図られておるところでございます。
 文部省としては、このような一般的な保護者の転勤等に伴う高校生の転学が円滑に行われますよう引き続いて各都道府県等に対し指導を行いますとともに、今先生から御指摘のございました国鉄余剰人員等の再雇用に伴う高校転学の問題につきましては、今後関係機関とも十分連絡を密にして、状況に応じて必要な対応措置を考えてまいりたいというふうに考えております。
#450
○西中委員 国鉄関係でなくても、一般の民間会社でもさまざま各地へ転勤というケースがあるわけですから、そういう問題が大きくなっている上で当然文部省としてもそういうような対策をおとりになっていると思うのですが、大臣、これはちょっと聞いておいてほしいのですが、これから希望退職をされ、また清算事業団で大勢の職員を抱えて、将来また転職という形になるわけですね。そのときに、先ほどちょっと触れました住宅の問題もございますが、一番親として心を痛めるのは、やはり子弟の教育という問題、中でも、小中は問題ないとして、高校が一番ひっかかるのですね。高校は大学の一歩手前でございますから、とりわけ心配の多い年齢の子弟ということになろうと思うのです。ところが、このために従来文部省がとってきておるのは、今説明があったように、いろいろと各都道府県にお願いをして、できるだけ緩やかな条件にしてほしいというような要望を出されたりしておりますけれども、結局は試験をするのです。それから学校もいろいろレベルがあるとかないとか言ってなかなかこの壁は厚いのです。ですから、このことがこちらの転職その他の問題について大きな障害になっておるということです。ですから、文部省としては、文部省の考えもあろう、それからまた民間の転勤という問題もあって、そう違いはつけられないかもしれませんけれども、国鉄のこの問題は極めて重大な問題ですから、一度しっかり文部省、文部大臣と話し合って、例えば内申書だけで転校させるとか条件をもっと緩和しながら、少なくとも高校についてそう頭を悩まさなくともいいという背景をつくってあげることが非常に重要だと私は思っておるのですが、大臣、どうでしょうか。
#451
○三塚国務大臣 ただいま文部省の高等学校課長からお答えがありましたが、御指摘のように、本件については、海部文部大臣と本日の議論を踏まえまして、ただいまの御提案なども含め、真剣にさらに協議を進めてまいりたいと思います。
 特に教育自治ということで、都道府県教育委員会が高等学校を統轄するわけでございますが、文部省といえどもそこに命令がましいこともできないというような意識が担当課長の中にあるわけです。そういうことでありますから、政府として、その辺のことは重要な問題でございますから、自治省も通ずるなど、また直接に地方六団体、特に知事会、都道府県議長会等に私自身出向きましてもお願いをしてまいりたいと思います。
 さらに、私立学校等なかなかこの分は、我が校は東大受験校であるとか、国立一期校というのは今ありませんが、かつての一期校の合格率の高い私立高等学校でありますなど、非常にその間の経過もあるわけでございますが、私学振興助成法という法律に基づいて進めておるわけでありますから、この点についても、こういう国家的な行事について格段の御理解をいただきますことはよろしいのではないかと思いますから、公立、私立両方とも、文部大臣、自治大臣とも協議をして取り組まさせていただきたいと存じます。
#452
○西中委員 次に、貨物鉄道部門について若干触れておきたいと思うのですが、運輸省は「新しい貨物鉄道会社のあり方について」というのを昨年十一月にお出しになりました。この中で要員数は六十二年度で一万二千五百人というようになっております。そして、監理委員会は御承知のように一万五千人ということで、ここに二千五百人の差があるわけですが、先日の質疑を聞いておりますと、その二千五百人のうち五百人は研究部門に、また二千人は新会社に移すとの答弁をされたと思うのですけれども、それで間違いないのか、そしてその二千人というのは一体どの新会社に移すというようにお考えか、伺っておきたいと思います。
#453
○棚橋(泰)政府委員 監理委員会の「意見」、一万五千人の中には研究所の分はもともと入っておったわけでございます。貨物と研究所で一万五千人という関係、したがって貨物は一万四千五百人ぐらいでございます。今回いろいろ試算をいたしました結果、貨物会社が健全にやっていくためには一万二千五百という数字をはじいております。したがいまして、約二千程度の差が出ます。これはこの前も御答弁申し上げましたように、旅客会社の方で分散してその要員は引き受ける、こういうことで考えておりますが、またどの旅客会社にどうということは、もう少し業務の中身を詰めましてから決めたいと思っております。
#454
○西中委員 そこで、この御提案の中で、注2でしたかな、将来は「目標とする適正要員数は約一万人とする」こういうふうになっているわけでございまして、将来合理化ということになろうかと思います。これは鉄道貨物の将来にとって、一万人が本当は適正な数字であるというふうに認識をしておられるということですかどうですか。その点伺っておきたい。
#455
○棚橋(泰)政府委員 一万二千五百人の人件費で一体どれだけ荷物があるかということでございますが、現在手がたく想定しております荷物でいきますと、その程度の要員でございますと、人件費比率が四〇%を超えてしまうわけでございます。健全な貨物会社としては、やはり三〇%台の低い方が健全な経営ではないかと思います。
 ただ、そういう意味でございますけれども、当初いわゆる私鉄並みといっても、スタート時点においては若干の余裕も見ないといけませんし、また将来的には関連事業等もだんだんふやしていかなければならない、そういうところへ派遣する要員というのも考えなければいけない。これは旅客会社も同じようなことで、若干余裕を見ておるわけですけれども、そういうような観点から若干の余裕ある人間というのでスタートせざるを得ないんじゃないか。
 ただ、その場合には、収入その他最大限に図りまして、その程度で辛うじて若干の黒字が出るのではないか。将来的には、もう少し健全にいくためには、それを一万人程度ないしは逆に貨物量の方を一万二千五百人に見合うようにふやしていくか、どちらかの方法ということでより健全な経営体に持っていくように努力をすべきであるというふうに考えております。
#456
○西中委員 それから、先ほど御説明がありましたが、この二千人の要員は新旅客会社にということでございますけれども、当然そうなると収支が変わってくるということになると思うのですが、運輸省がお出しいただく収支には当然これは影響が出る、こう考えてよろしゅうございますね。
#457
○棚橋(泰)政府委員 この面のみならず、監理委員会の御試算をいただきました時点からいろいろの変動がございます。そういうような点もすべて踏まえまして、再度政府としての収支採算の見通しというものを明確にいたしたいと思っております。
#458
○西中委員 以上で質問を終わります。
#459
○山下委員長 次回は、来る十八日金曜日午前九時四十五分理事会、午前九時五十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後七時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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