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1985/04/18 第104回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第104回国会 運輸委員会 第11号
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1985/04/18 第104回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第104回国会 運輸委員会 第11号

#1
第104回国会 運輸委員会 第11号
昭和六十一年四月十八日(金曜日)
    午前九時五十三分開議
出席委員
  委員長 山下 徳夫君
   理事 小里 貞利君 理事 鹿野 道彦君
   理事 久間 章生君 理事 津島 雄二君
   理事 清水  勇君 理事 吉原 米治君
   理事 西中  清君 理事 河村  勝君
      加藤 六月君    関谷 勝嗣君
      田中 直紀君    近岡理一郎君
      東   力君    堀内 光雄君
      増岡 博之君   三ッ林弥太郎君
      箕輪  登君    山村新治郎君
      若林 正俊君    小林 恒人君
      左近 正男君    富塚 三夫君
      横山 利秋君    石田幸四郎君
      中村 正雄君    梅田  勝君
      辻  第一君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 三塚  博君
 出席政府委員
        内閣審議官   中島 眞二君
        運輸大臣官房国
        有鉄道再建総括 
        審議官     棚橋  泰君
        運輸省地域交通
        局次長     松村 義弘君
        労働大臣官房審
        議官      田淵 孝輔君
        労働省労政局長 加藤  孝君
 委員外の出席者
        人事院事務総局
        給与局給与第一
        課長      小堀紀久生君
        自治省行政局公
        務員部公務員第
        一課長     紀内 隆宏君
        自治省行政局公
        務員部給与課長 池ノ内祐司君
        日本国有鉄道総
        裁       杉浦 喬也君
        日本国有鉄道常
        務理事     川口 順啓君
        日本国有鉄道常
        務理事     澄田 信義君
        日本国有鉄道常 
        務理事     前田喜代治君
        日本国有鉄道総
        裁室長     井手 正敬君
        日本国有鉄道職
        員局次長    葛西 敬之君
        参  考  人
        (公共企業体等
         労働委員会会
        長)      堀  秀夫君
        運輸委員会調査
        室長      荻生 敬一君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十六日
 辞任         補欠選任
  柿澤 弘治君     藤波 孝生君
  関谷 勝嗣君     椎名 素夫君
  田中 直紀君     松野 幸泰君
  堀内 光雄君     水野  清君
  左近 正男君     井上  泉君
同日
 辞任         補欠選任
  椎名 素夫君     関谷 勝嗣君
  藤波 孝生君     柿澤 弘治君
  松野 幸泰君     田中 直紀君
  水野  清君     堀内 光雄君
  井上  泉君     左近 正男君
同月十八日
 辞任         補欠選任
  柿澤 弘治君     東   力君
同日
 辞任         補欠選任
  東   力君     柿澤 弘治君
    ―――――――――――――
四月十八日
 国鉄の全国ネットワーク保持等に関する請願
 (小林恒人君紹介)(第三四一一号)
 同(左近正男君紹介)(第三四一二号)
 同(嶋崎譲君紹介)(第三四一三号)
 同(田並胤明君紹介)(第三四一四号)
 同(中村茂君紹介)(第三四一五号)
 同(村山喜一君紹介)(第三四一六号)
 同(兒玉末男君紹介)(第三四七四号)
 国鉄分割反対等に関する請願(横山利秋君紹介
 )(第三四一七号)。
 国鉄分割及び民営化反対等に関する請願(梅田
 勝君紹介)(第三四七一号)
 同(安田修三君紹介)(第三四七二号)
 公共交通の充実等に関する請願(工藤晃君紹介
 )(第三四七三号)
 国鉄の分割・民営化及びローカル線廃止反対等
 に関する請願(梅田勝君紹介)(第三五一一号
 )同(辻第一君紹介)(第三五一二号)
 国鉄全国ネットワーク存続等に関する請願(佐
 藤祐弘君紹介)(第三五一三号)
 同(瀬崎博義君紹介)(第三五一四号)
 同(瀬長亀次郎君紹介)(第三五一五号)
 同(田中美智子君紹介)(第三五一六号)
 国鉄分割・民営化反対及び民主的再建に関する
 請願(佐藤祐弘君紹介)(第三五一七号)
 運転代行事業の育成強化に関する法的制度の確
 立に関する請願(近藤鉄雄君紹介)(第三五一
 八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のた
 めに昭和六十一年度において緊急に講ずべき特
 別措置に関する法律案(内閣提出第二〇号)
     ――――◇―――――
#2
○山下委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。左近正男君。
#3
○左近委員 まず、本法律案の性格についてお尋ねしたいと思います。
 運輸大臣は、提案理由の説明の中で、「昨年七月に提出された日本国有鉄道再建監理委員会の意見を最大限に尊重し、昭和六十二年四月一日から新経営形態へ移行することにより国鉄の経営する事業の抜本的改革を図ることとしているところでありますが、これと並行して、日本国有鉄道の」云々というふうに言っておられるわけですが、この「これと並行して、」という意味はどういう意味なのか。非常に大事な意味を持っておると私は思いますので、ひとつ大臣から明確にお答え願いたい。
#4
○三塚国務大臣 そのまま素直にお読みをいただきますればと思うのでありますが、という意味は、かねがね申し上げておりますように、再建監理委員会というのは法律に基づきまして設置をされ、その答申はこれを尊重するということで、その答申が出ましたものですから閣議決定を行い、これを尊重して改革に取り組むというふうに鮮明にいたしたところでございまして、その基本は、分割・民営を中心として昭和六十二年四月一日これをスタートさせるということであります。御案内のとおり、そのための関係法律をただいま国会に提出をし、最後の本格的な審議ができ得ますよう趣旨説明の一日も早からんことをお願い申し上げておるというのが今日の現状であります。
 それと同時に、国有鉄道の今日的な状況は、提出されたこの法律に書いておりますように、過剰状態にありますし、合理化は必要なことでありますということで、国有鉄道の再建に関する臨時措置法に基づきまして、事業運営の改善のために所要の措置を講ずることが大事である、こういうことから余剰人員に対する考え方として希望退職を募り、そのことで効率的な経営に取り進めてまいるということで、現状置かれておる姿をそのままお願いを申し上げて、ひとつ御理解を得たい、こういうことであります。
#5
○左近委員 私がこの言葉を特に取り上げるのは、この「並行」という言葉は、広辞苑を引いたら、「ならび行くこと。また、ならび行われること。」ということなんです。今大臣の答弁を聞かせていただくと、現在政府が進めておる国鉄の分割・民営化を前提として本法案の措置を講じるという見解に聞こえるわけですが、そういうことですか。
#6
○三塚国務大臣 政府とすれば、前提としてということを現状の中において踏まえざるを得ない。まあ、前提とするというのは、法律的な意味の前提という意味でこの緊急措置法ということではありませんが、お互い政治家として、今日の改革のスケジュール、またそのための諸準備というものもすべて頭の中に入れて考えておるといたしますれば、順調に国会の御審議をいただいて、六十二年四月一日これがスタートを切られるという政府の考えておる最も望ましい形に相なってくるということでベストを尽くすのも、法律を出した政府とすれば、また当然の立場でありますし、そういう点で、それとのにらみの中で今日過剰人員と言われる方々について、かねがね申し上げておりますとおり、政治の決定、国会の決定によって、改革のために生ずる、我が意思に反して転退職をせざるを得ないという方に対しては、一人といえども路頭に迷わせることのないように措置を講じていく、その一つの前提といいますか、望ましい姿と言う方が正解だと思うのです。
 そういう姿の中で、本人の意思によって希望退職をされる方については、特別給付金を支給することによりまして、全体として、今日的な課題とすれば、国鉄の経営がコンパクトになり、合理的経営に進んでいくであろう。それとまた第二段的に法案審議が望ましい姿、あるいは国会でありますから、国会の結論によってスタートを切らさせていただけるときにおきましても、全体の一人といえども路頭に迷うことのない状態のためにも、こういう特別措置というものを講じさせていただきますことが、働いておる皆さん方のためにも、また国鉄という鉄道の再生のためにも大事なことではないか。言うなれば不即不離、相関関係、率直に言いまして、今回のこういう特別措置法という形に相なっておるわけでございますが、法制の立場からいいますと、今日的課題にこたえさせていただくという法制に相なって御審議をいただいておる、こういうことであります。
#7
○左近委員 今日までの審議で、本法案は国鉄の分割・民営とは関係ないということをあなた方答弁されているわけです。しかし現実問題は、これは政府が考えておる分割・民営の前提条件的な法案なんですね。だから、大臣のお話はいつもすっきりしておるのだけれども、あっちへ行ったりこっちへ行ったり、あなたはきょうはこの答弁に関しては非常にあいまいですよ。私は、これは時間がないから、これ以上やりません。
 我が党は、この法案というのは一段ロケットというようなことを言っているわけでして、政府が考えておる国鉄分割・民営の前提的な法案、そういうような理解をしていかざるを得ないわけです。したがって、余剰人員問題等も総合的な観点からこれから少し質問をしていきたい、このように思います。
 まず、特定債務の問題ですが、五兆五百九十九億円の一般会計への肩がわり、このことは国鉄の財政再建のための将来も含めた制度的なものとして理解をしていいのかどうか、いかがですか。
#8
○棚橋(泰)政府委員 五兆五百九十九億を一般会計に今回の法律で肩がわりをいたしたいということは、先ほど来大臣がお答え申し上げておりますように、これは当面六十一年度で緊急に講ずべき措置というふうに位置づけをいたしております。ただ、その結果、この五兆五百九十九億の利子の支払い等は国鉄は免除されますし、またこの法律の中にございますように、全体の元本の償還というものも一定期間猶予されるというような意味におきまして、これは将来の国鉄の財政の健全化ということに資するものであることは間違いないと思っております。
#9
○左近委員 私は、今回のこの措置というのは、かなり制度的なものとして理解をしていいのか、六十一年度ぽっきりのことなのかということをお聞きしているのです。
#10
○棚橋(泰)政府委員 長期債務の返済でございますから、当然将来に向かってのものでございます。
#11
○左近委員 そこで、「償還期限及び据置期限については、政令で定める」と二条一項になっているわけですが、具体的にはどういう方法ですか。
#12
○棚橋(泰)政府委員 これにつきましては、今先生御指摘のように、「政令で定める」ということになっておりまして、国の財政状況その他を勘案しながら、どのような条件にするかということは、政府部内で現在検討中でございます。
#13
○左近委員 大体どういうものか、法案を出される限り考え方があると思うのですよ。
#14
○棚橋(泰)政府委員 まだ検討中でございますけれども、一応四年据え置き、二十一年償還というようなことでどうだろうかということで、現在検討を進めております。
#15
○左近委員 この五兆五百九十九億円は資金運用部資金だと思いますが、五十九年度末の資金運用部資金による長期債務は幾らあるのですか。
#16
○前田説明員 運用部からの長期借り入れでございますが、今お話しございました特別勘定に入っています五兆五百九十九億のほかに、国鉄の一般勘定の方で借り入れております資金運用部からのお金が六兆九百六十九億でございます。
#17
○左近委員 これは全部合わして六兆九百六十九億円ではないのですか。資金運用部からどれだけ……。
#18
○前田説明員 それでは、全体を申し上げますが、国鉄の長期借入金は、大きく分けますと一般勘定と特別勘定に分けておりまして、特別勘定の方がさっき申し上げました棚上げの五兆五百九十九億でございますが、戻りまして、一般勘定について申し上げますと、一般勘定で六兆九千百三十億というのがございます。これは政府からお借りしているお金でございまして、そのうち借入先を分けますと、資金運用部からは六兆九百六十九億でございます。その他、政府からのお金といたしましては、簡易保険局とか……。
#19
○左近委員 いや、それは結構。せっかくこういう措置をやるのであれば、五十九年度末の資金運用部資金の債務の金額をなぜ対象にしなかったのですか。
#20
○棚橋(泰)政府委員 先生、歴史的なことを御存じと思いますけれども、ちょっと申し上げますと、この五兆五百九十九億というのは、昭和五十五年度に棚上げ措置を講じたものでございます。もうちょっと正確に申し上げますと、昭和五十二年に二兆五千億、その後五十五年度に至りましてそれを増額いたしまして、五兆五百九十九億というものを国鉄の財政状況から見まして棚上げ措置を講じたわけでございます。それが五年据え置きということになっておりまして、その五年の期限が切れまして、昭和六十年度から償還期が来ておるわけでございます。それを一年猶予してもらいまして、六十一年度で措置をしたわけでございますけれども、そういうことで、もともと五兆五百九十九億というのは別勘定、特別整理勘定の方に入っておったわけでございます。したがいまして、今回の措置は、従来五十五年度の法律で棚上げをいたしましたものが償還期に来たものについて、これを一般会計に振りかえるという措置でございまして、その他の運用部からの借り入れとはもともと区分されておる性格のものでございます。したがいまして、今回はそれについて緊急措置を講じよう、こういうことにいたしたわけでございます。
#21
○左近委員 今言われているように、五十五年の法律がございます。これは理論的にもよくわかるのです。しかし、せっかくこういう六十一年度の法を今、国会で審議しておるのであれば、もう少し残っておる資金運用部資金をこの法の中に加えることは可能でしょう。なぜやらなかったか。すっきりするでしょう。いかがですか。
#22
○棚橋(泰)政府委員 先生おっしゃるように、全部やれば大変すっきりするわけでございますが、やはりこれは国の財政事情もございます。それから基本的に、国鉄の長期債務というものの全体は、今お願いをいたしております改革法の中で処理を考えていくということでございまして、この法律は、当面少しでも緊急状態を緩和するために、従来特別勘定で整理をいたしておりますものを一般会計に振りかえるということでございまして、残るものにつきましては、他の長期債務などと一緒に抜本策として、長期債務を国鉄の経営から切り離して処理をするという閣議決定等でお示しをしておりますような方向で処理をしていきたい、こういうふうに思っております。
#23
○左近委員 私はこの問題だけで余りやり合いたくないのですが、今後の国鉄改革も含めて考えた場合、やはりすっきりするものはできるだけ事前にしておいたらどうかということなんです。これは今後長期債務問題についての論議の場もあるでしょうから、またその場に譲りたいと思います。
 そこで、国鉄の長期債務が六十年の三月末で二十一兆八千二百六十九億円、これは間違いないですね。
#24
○前田説明員 そのとおりでございます。
#25
○左近委員 このうち民間の金融機関からの長期債務の額はどれぐらいあるのですか。
#26
○前田説明員 国鉄の債務には、借入金の形でやっておりますのと、債券の形で出ておりますが、借入金として借り入れておりますのが、五十九年度末で五千四百八十九億でございます。
#27
○左近委員 この民間から借り入れておる五千四百八十九億円の金融機関別、また各金融機関からどれだけ融資をしてもらっているか、これを明らかにしていただけませんか。
#28
○前田説明員 各金融機関個々の名前はちょっと差し控えさせていただきたいと思いますが、業態別に申し上げますと、五千四百八十九億の内訳でございますが、信託銀行が千六百二十二億でございます。それから保険会社、これは生命保険、損保会社、両方入っておりますが、千八百九十七億でございます。それから農林系の金融機関で千三百二十五億、その他信用金庫の上部機関等を含めまして六百三十五億でございます。
#29
○左近委員 信託銀行、保険会社、農林系金融機関、その他、この各金融機関名がなぜ答弁できないのですか。
#30
○前田説明員 私ども個々に御相談してお願いをいたしまして、各金融機関に引き受けていただいていますが、それぞれ各金融機関の経理上の問題、各金融機関の経理を明らかにするようなことになりますので、こちらからはちょっと申し上げるわけにはまいりません。
#31
○左近委員 私が資料請求したら、あなた、今答弁されたように、借入先別の金額を公表することは、金融機関の個々の経理を明らかにすることになり、迷惑をかけることになりますので、明らかにすることはできませんと言うが、なぜ民間の金融機関の会社の名前、どれだけ融資をしておるか明らかにできないのですか。私はどうも合点がいかぬですね。
#32
○前田説明員 金融機関を今業態別に申し上げたわけでございますが、例えば信託銀行と申しますと、これは多少立ち入って申し上げますと、信託銀行が七社ございますが、その七行から借りております。それから保険会社と申し上げましたが、これは生保、損保、各ございまして、生保関係で約二十社、損保で二十一社ございますが、それぞれこういうところからお借りしているということでございます。個々の会社名はちょっと控えさせていただきたいと思いますが、今のお話で大体おわかりいただいたかと思います。
#33
○左近委員 私は、この民間の金融機関の機関名あるいは会社の名前、こういうものを明らかにしてもらいたいという強い考え方を持っておりますが、きょうはまあいろいろ事情もあるでしょうから、先へ行きます。
 それでは、国鉄は五千四百八十九億円というかなりの金額を民間の各金融機関から借りておるわけですが、国鉄がこういう借金をする場合、どんな返済保証をしておるのですか。普通の場合、いろいろ担保というかそういうものは当然あるはずですが、これはどうなっていますか。
#34
○前田説明員 一般的に、債券の形で借り入れていますものは、一部政府保証がついておるのがございます。政府保証債でございます。その他、一般担保がついております。ただ、民間からの今申し上げました五千四百八十九億につきましては、無担保でございます。
#35
○左近委員 これは世間常識で、五千億を超える金を無担保で貸しておるようなところがありますかね。常識的にどうですか。
#36
○前田説明員 私どもちょっと民間に大変うといところがございますが、まあ場合によっては無担保で借りているところもあるかと思いますが、一般的には担保をとるのが通例かと思います。
#37
○左近委員 結局、五千億を超えるお金を民間の金融機関は国鉄に対して無担保で貸しておる。これは国鉄がそれだけ信用があり、国鉄というのはかなり優良な企業だというように思われているのかもわかりません。しかし、私はこれは人の世の中、無担保で五千億を超える金を貸すということは、銀行側としても、やはり何かの期待感があるのじゃないかと思うのですよ。だからこの問題は、私はこういうことは言いたくないわけですが、例えばこれから国鉄の土地売却に対して、融資を受けておる金融機関の系列の不動産会社、こういうものに特別な配慮をしていくのではないかというような疑惑の目がやはり向けられると思うのですが、この点はどうですか。
#38
○杉浦説明員 今まで用地の売却につきましては、国なり地方公共団体というような場合には例外でございますが、一般的には公開競争入札ということで、どなたが入札に応じても構いません。したがって、結果的にはすべてもうガラス張りになっておるわけでございまして、今おっしゃいましたような金融機関のひもがついているからどうのこうのということは全然関係ございません。
#39
○左近委員 それでは、今いろいろ雑誌や週刊誌にたくさん書かれているわけですが、国鉄本社は三菱だ、新宿は三井だ、汐留は住友と、こういうようなことが言われているわけですが、こういうことはもう絶対にあり得ないと、大臣、明確に言えますか。
#40
○三塚国務大臣 これは週刊誌やそれぞれの本の書き過ぎだと私は思っておるのです。改革というのは、国民の共有財産をどうやって国民の理解を得て再生、新生に向けて進めるか、この一点にあるわけでございますから、運輸省といたしましても、また国鉄総裁、国鉄側といたしましても、まさにその一点で国民の共有財産をきちっと新生、再生させるためにはいかなる方法を講ずべきか、こういう視点で物を考えておりますので、衆参両院の予算委員会でも明言させていただいておりますように、いささかもそういう疑念のありませんように処置してまいります。
 それで、余りおもしろおかしく書いておりますものですから、そういうことについて、自由社会でありますので、書くのをやめろとも言えないものでありますから、それはそれでそちらの御勝手でありますが、少なくとも政府として、また国鉄本社といたしましても、ただいま申し上げました基本方針にのっとりましてやられておることでありまして、万々一さようなつながりの中で事が行われておるということはございませんし、またあってはならない、こういうことであります。
#41
○左近委員 今の大臣の答弁、これは筋が通っていると思いますよ。しかし国鉄は民間の金融機関から五千億を超える金を担保なしで貸してもらっておる。それなら国民なり世論は、担保なしでそんな大きな金を何で貸しておるのや、何か見返りあるのと違うか、こう思うのは……(「げすの勘ぐりだ」と呼ぶ者あり)いや、げすの勘ぐりじゃないですよ。そうでしょうが。あなただって担保なしで億の金を借りられますか。
 だから、やはりそういう疑惑というか疑問があるような形というのを、これからの国鉄改革に当たってすっきりさせておくべきじゃないか。したがって、今五千億ちょっとある民間の金融機関からの借り入れを公的資金に振りかえていく、こういう措置を土地の問題が起こる前に政府としてやるべきじゃないか、こう私は思うのですが、いかがですか。
#42
○棚橋(泰)政府委員 今、先生おっしゃるように、現在民間から五千億を超えるお金を無担保で借りております。これは基本的には、やはり国鉄が国の機関であるということから、その信頼性でお貸しをいただいておるというふうに理解をいたしております。
 それから、それじゃそれを公的資金に切りかえたらどうか、こういうお話でございますけれども、御承知のように、借入金は約定によって返還をすることといたしておりますから、それについては基本的には返済期の来たものを返済していくという形になりますので、これをにわかに公的資金に切りかえるということは、金融の常識としてはなかなか難しいのじゃないかと思います。
 さらにまた、現在そうでなくても毎年一兆数千億を資金運用部から借りておるわけでございますが、公的資金の枠の限界というものもございます。基本的には、従来から金融の多角化というような観点から民間資金も国鉄にかなり入れておるわけでございまして、公的資金に振りかえるということにもおのずから限界があろうというふうに考えております。
#43
○左近委員 いや、僕は少し物のとらえ方が違うのですよ。今言われている御説明も、私はよくわかりますよ。だけれども、言論の自由の国だから、雑誌が書こうと週刊誌が書こうと、これは我関せずだ、これはある面では民主主義の世の中では通らないと私は思うのですよ。だから、もう少しやはり神経質にこの問題を考えていただく必要があるのじゃないか、こういうことを言っているわけです。したがって、一挙に公的資金に振りかえは無理にしても、徐々にそういう方向に努力をしていくということは可能なんじゃないですか、どうですか。
#44
○棚橋(泰)政府委員 今、国会に提案してお願いをしております法律の方の話に入ってしまいますけれども、先生今おっしゃいましたような土地の売却その他というのは清算事業団で行うわけでございまして、これは現在の国鉄の経営とは別の形にして、債務は清算事業団に持ってまいります。その清算事業団というのは、依然として公的色彩を持った形でございます。したがいまして、今民間金融機関からお金をたくさん拝借しているからといって、その清算事業団が土地の処分その他について何らかの義務を負うとかいう形にはならない。基本的には、おっしゃいますように、清算事業団の方には、主として公的資金で賄う、公的資金の債務の方をつけかえる、こういうふうに考えておりますので、土地の問題と民間金融機関からの借り入れという話については直接リンクはしないような形で処理をされますし、また清算事業団におきます土地の売却につきましては、再三お答え申し上げておりますように、第三者機関の意見を聞く等、公開競争入札というようなことでガラス張りでやっていくということを考えております。
#45
○三塚国務大臣 本件は大事なポイントですから申し上げますけれども、それはおっしゃるとおり財投資金から全部やってもらえば一番いいのですよ。ここに部会長おりませんが、私も部会長をやっておりました当時から、そのことで大蔵当局と交渉したことが何回もあるのです、なぜこれでやってくれないかと。ところが御案内のとおり、財投も窮迫を告げておりまして、他の使用目途もこれあり、その中でぎりぎりいっぱい財投から出しますのは、七対三ですとか六対四ですとか、あとは民間で努力しろとか、こういうふうにだんだん追い詰められてきておるわけですね。そういう中で財投の振りかえが極めて難しい。ですから、民間の金融機関といっても、我が国の金融機関はほとんど公的な性格を持った金融機関ということで、それは総裁初め担当常務が各金融機関にその足らず前を懇請をしてお借りをしてまいる。ですから、これは年度が来ますと、絶えず借りかえ、借りかえという形の中で進んでおるというふうに理解をしておるし、間違いがないな、こう私は思っております。
 このことからいいますと、私もある銀行の関係者と会ったことがあるのでありますが、本当はもう手いっぱいですから貸したくないわけですよ。しかし、利子はきちっともらえる、これが一つあります。それと、貸したくないとはいうものの、貸してやってくれ、これは公企体として国家の事業じゃありませんか、そういう意味で国家の機関と言われますれば、金融機関は貸さざるを得ない、こういうことになります。相手側からいいますと、逆に、やはり公企体だからやむを得ない、国鉄だからやむを得ない、こういうことでありますし、政府全体の保証という感じが公企体の場合は存在をするわけでありまして、親方日の丸でありますから、これで取りっぱぐれはないというのが一つ根底にあるわけでございます。
 そういう点で、金融機関には多分御迷惑をかけておるし、ある農業団体では、これは共済の資金団体でありますが、これも実は私が担当したことがあるのです。その農業団体は、もう貸すのは勘弁してくれと言うのです。しかし、それは頼むよ、こういうことで当時アドバイスをした経験も実はありまして、それは御懇請を申し上げて資金繰りをしておるというのが今日の現状だというふうに御理解をいただきますれば、すんなりと物事が理解いただけるのではないだろうか、こう思っております。
#46
○左近委員 まあ国鉄が正常な状態であれば、大臣の今言われていることも私はよくわかる。しかし、今は異常な状態であり、また異常な改革をしていかなければならない時期です。そういう時期に、世間の商取引では、融資をしたら当然それに見返りの担保というものが要る、こんなもの世間の常識ですよ。政府だから担保要らぬのだ、信用貸ししてもらえるのだというその裏には、やはり何か国鉄も便利供与をするんじゃないかというような目で見られても、私はいたし方ないと思うのです、そうでないにしてもですよ。したがって、そういう要素のあるものについては、今回の大改革に当たっては事前に整理をしておくべきだというのが私の考え方なんですね。
 これ以上私は言いませんよ。大臣、私の言い分もわかるでしょう。どうですか。――首振らぬでちょっとマイクの前で言ってくださいよ。
#47
○三塚国務大臣 御趣旨はよくわかります。ですから、前段申し上げましたとおり、いささかも国民の皆様から疑惑を受けるような方式ではいかぬ。改革がスタートするときに、審議官も総裁も言われておりますように、ガラス張りできっちりとした方向で、それで第三者機関によってその評価なり処分の方式なりを進めてまいります、こう申し上げておるのはそういうことでございまして、御趣旨はよくわかりますから、さらにこの論議の中で幹部の方々皆聞いておられるわけでありますから、さようなことのない形で取り進むものと御理解いただければ幸せだと思います。
#48
○左近委員 次に、要員関係に移りますが、再確認するために、当委員会にも資料が提出されておりますが、六十一年四月一日現在の国鉄職員は二十七万七千人、間違いございませんね。
#49
○澄田説明員 六十一年四月一日現在の現在員二十七万七千人、間違いございません。
#50
○左近委員 六十一年四月現在の国鉄の適正要員は二十三万九千人、これは間違いございませんか。
#51
○澄田説明員 そのとおりでございます。
#52
○左近委員 この適正要員の確定については、労使協議によって確定されたものですね。いかがですか。
#53
○澄田説明員 合理化等事業運営の効率化につきましては、中央、地方、それぞれの段階において労使が誠意を持って団体交渉を行ってきたところでございます。その結果として、六十一年度所要員二十三万九千人ができ上がったものでございます。労使協議は十分行ってございます。
#54
○左近委員 それでは、四月現在の余剰人員は三万八千人、これはそのとおりですね。
#55
○澄田説明員 そのとおりでございます。
#56
○左近委員 四月一日現在の退職前提休職、復職前提休職、派遣者、余剰人員活用をしている数、これはおのおの何人ですか。
#57
○澄田説明員 退職前提休職が千九百六十三人、復職前提休職が千七百五十人、派遣が一万九百九十六人、余剰人員活用策で約二万三千三百人を使っております。
#58
○左近委員 この余剰人員活用策の数字が大変多いのですが、内容についてもう少し御説明してください。
#59
○澄田説明員 余剰人員活用策につきましては、まず第一に増収活動でございます。特別改札あるいはセールス活動とか直営売店等に充当しておりますが、これが約七千五百人でございます。それから経費節減、例えば外注の一時直営化等々経費節減の関連で約七千九百人でございます。それから教育訓練に約三千五百大使っております。その他四千四百人でございます。
#60
○左近委員 退職前提休職、復職前提休職というのは、法的にどういう根拠でやられているのですか。
#61
○澄田説明員 国鉄法三十条におきまして、意に反する休職を命じ得るケースを限定して定めてございます。職員の申し出による休職は、その意に反して休職を命ずるものでは、ございません。したがって、国鉄法三十条の問題は生じないものと考えております。
#62
○左近委員 国鉄法三十条の解釈はそういうことではないと思うのですけれども。私は法律は素人ですからわかりませんが、やはり休職というのは大変なことだ。したがって、休職はこの三十条の一項の「心身の故障のため長期の休養を必要とする場合」あるいは「刑事事件に関し起訴された場合」、これに休職というのは限定しますよというのが法の理解だと僕は思うのですよね。だから、これ以外は本人が申し出たら何でも自由だというような解釈ではないと私は思うのですがね。現に、この休職制度というのは、国鉄の今日の状況の中で出てきた制度でしょう。あなた方から提起した制度でしょう。組合員から、職員から自発的に、私は休職したいというように手を挙げたものではないでしょう、自然発生的に。あなた方が提起をして、組合員に、職員に手を挙げさせたのでしょう。だからその点、くどく僕はやりませんけれども、今あなたが国鉄法三十条とえらい機械的に答弁された。僕はそういう解釈ではちょっと理解できませんけれども、いかがですか。
#63
○澄田説明員 日鉄法の規定は先ほど申し上げましたとおりでございますけれども、職員の「意に反して」ということで決めておるわけでございまして、私どもの理解といたしましては、あくまでも職員の希望に基づいて実施しておりますし、この点につきましては組合とも十分話し合いを行いまして、その上で実施しておる制度でございます。私どもといたしましては、職員の意に反して行うものではございませんので、そういった解釈でやっておるところでございます。
#64
○左近委員 だから、私はその前提問題を言っているわけですよ。結局、国鉄の方としては、退職前提の休職なりあるいは休職というものをやりたい、だから手を挙げてください、こういうことでこの制度が発足したのでしょう。どうですか。
#65
○杉浦説明員 この活用策なり調整策の必要性の背景は、おっしゃいますように、余剰人員の活用なり調整、そういう必要性があったわけでございますので、それをどのようにしたらいいかということの当局側の考えからこの問題が出てきたことは事実でございます。したがいまして、当局から呼びかけをし、協定を結び、希望者を募るということで運用をしておるところであります。
#66
○左近委員 総裁の説明でわかりましたよ。だから、あなた方、何でもやるのに国鉄法三十条だ、こういうことでは世の中ないということを私はよくわかってほしいと思うのですよ。
 そこで、何回もこの委員会で出てますが、何人の希望退職を募る予定をしているのですか。
#67
○澄田説明員 希望退職は二万人を目標に募る予定にしております。
#68
○左近委員 目標にしている二万人はどんな根拠があるのですか。
#69
○棚橋(泰)政府委員 希望退職二万人ということで国鉄側からも御答弁申し上げておりますけれども、その根拠と申しますか、昭和六十一年度でお願いをいたしました予算措置というものの中で二万人ということをめどにしておるわけでございます。
 ただ、基本的には、この希望退職というのは、今の国鉄の人員が過剰であるという状態を緊急に解消するということでございますから、できるだけ多くの方の希望退職というもので身軽にするということでございますけれども、おのずからそれには限界がございますので、一応予算的に二万人というものを計上して、それをめどに努力をする、こういうことといたしておるわけでございます。別に法律的に二万人とか、そういうことを限定しているものではございません。
#70
○左近委員 予算は、二万人と出たから予算をつけたのでしょう。そんなもの根拠にならへんやないの。
#71
○棚橋(泰)政府委員 できる限り多くの方に希望退職に応じていただいて、そして身軽にするということでございますけれども、それについての目途として二万人を予算に計上して努力をしておる、こういうことで御理解をいただきたいと思います。
#72
○左近委員 だから、その二万人の根拠をはっきりしてくださいと言っているのだ。
#73
○棚橋(泰)政府委員 ですから、五千人がいいのか一万人がいいのか、二万人がいいのか、それはいろいろ議論のあるところだと思います。したがって、基本的に何人でなければならないということではないと考えております。できる限り多くの方の希望退職を募って身軽にしたい、そういうことだと御理解をいただきたいと思います。
#74
○左近委員 それでは、運輸省にしても国鉄にしても、二万人の根拠、これはあなた方、主体的にはっきりできないでしょう。二万人として金をつけたのでしょう。どうですか。
#75
○棚橋(泰)政府委員 同じお答えの繰り返しになってしまいますけれども、できる限り過剰な状況を解消するために希望退職を募るということがこの法律のお願いしておる根拠でございまして、その際に、それが五千であるか、一方であるか、二万であるかということは一つのめどにすぎない。要するに、できる限り多くの方に希望退職をお願いをする。ただ、それはおのずから限界があるので、予算的には二万人程度を講じておけば大体いけるのじゃないか、こういうことで私どもも考えておりますし、国鉄当局もそれを目途に努力をしておるというふうに御理解をいただきたいと思います。
#76
○左近委員 正直に言ったらどうですか。監理委員会が移行前の対策として二万人程度の応募を目指す、ここから二万人が出てきているのじゃないですか。格好つけなさんな。どうですか。
#77
○棚橋(泰)政府委員 監理委員会の「意見」の中にそういう部分があることは事実でございます。それが私どもの判断材料になったということも事実でございます。
 ただ、監理委員会そのものも、特段二万人というものに先生おっしゃるような根拠を置いたわけではございませんで、できる限り多くということだけれども、二万人程度というものを希望退職で募集し、残りの四万一千人というものについて旧国鉄において措置をするという分類をしただけでございまして、私ども別に監理委員会が二万人と言ったから二万人が金科玉条ということではございません。考え方は先ほど来申し上げておるようなことでございます。
#78
○左近委員 だから、希望退職を募集する場合、現在余剰人員は三万八千人ある。その中で何人ぐらいにしようか。これは何人を目標にするというのはなかなか理論的にわからぬわけですね。たまたまこれは監理委員会が二万という数字を出しているから二万にしようか、こうなったのでしょう。正直に言われたらどうです。
#79
○棚橋(泰)政府委員 監理委員会の「意見」につきましては、これを最大限尊重するということでございますけれども、私ども「意見」をいただいて、政府として今後法律等いろいろお願いをしていく段階においては、監理委員会の「意見」は尊重はいたしますが、政府としてのみずからの考え方に基づいて御説明申し上げ、御納得、御理解をいただいて法律をお願いしたいと思っております。
 今回のこの二万人というのは、監理委員会の「意見」の中にございますけれども、監理委員会の「意見」そのものも二万人でなければならないということではなくて、一つの計算根拠として二万人程度の希望退職を募集し、残り四万一千人を旧国鉄、こういうことを言っておるわけでございますから、特段それに拘束されるというような考え方でこの二万人というものを考えたわけではございません。
#80
○左近委員 確定しない問題でこれ以上時間を使うのはやめておきます。
 そこで、希望退職はあくまでも希望であり、職員の意思に基づく申し出によるものである。割り当てや強制、強要はしないということをはっきり約束できますか。
#81
○杉浦説明員 希望退職はその呼称のとおり職員の希望によって行う、こういうことでございます。強要、強制はいたしません。
#82
○左近委員 それでは、今総裁が言われた強制、強要はしないという保証は、どのようにするのですか。あなたの答弁だけでは保証にならぬ。
#83
○杉浦説明員 希望退職のやり方につきまして、その手続、それから、これは当然に就職先等も決めまして行うわけでございますので、一連の諸条件というものを明示いたしまして、職員の一人一人に希望退職に伴ういろいろな問題の中身をよく説明をいたします。そしてその説明に応じて手を挙げてこられる方について、当局が判断をする、こういうことでございますし、また希望のあった方についての就職先との結びつき、これも希望を受けた後において十分に考えていくということでございますので、強要、強制をしない証明をしろといっても、なかなか証明はできにくいのですが、これから行おうとします我々の諸作業というものは、今申し上げましたような手順でやりますので、ひとつ御信用いただきたい、こういうことでございます。
#84
○左近委員 今、総裁が言われたこと、私もこれから質問しますが、いろいろな再就職先の問題も非常に大事ですけれども、やはり強制、強要はしないという保証を職員の団体というか労働組合とやるべきじゃないのか、これが総裁として、管理者の最高責任者としての保証になるんじゃないかと私は思うのですよ。その点いかがですか。
#85
○杉浦説明員 希望退職の周知徹底をするわけでございますが、その際に、先ほど申し上げましたようないろいろな問題が出てまいりますので、組合とも十分にお話し合いをいたします。その際に、今御懸念の強要、強制ではない、これはあくまでも本人の希望でありますということを明確に組合には申し上げます。
#86
○左近委員 私は、総裁の言われている意図はわかりますよ。だけれども、説明するとかそういうのではなしに、これはやはり協議をしなければならぬことではないですか。この機会に大量の希望退職を募集するわけでありまして、強制、強要はしない、それをやはり国鉄全職員に信用してもらわなければなりませんね。そのためには、やはり職員の団体である労働組合ときっちりと労使交渉のルールというか、そういうものを確立をしていかなければならぬじゃないか、私はこれがこの保証の大前提だと思うのですが、この点、総裁、もう一度答弁してください。
#87
○杉浦説明員 希望退職そのもののあり方、基本問題というのは、法律による退職金の積み増しとかいろいろな法的なものが前提になっているものが多いわけでございます。したがって、そういうものについて団体交渉で決める、こういうことではないと思います。これはもう法律で決まるわけでございます。しかし、その他の一般的な運用、いろいろな問題があると思いますが、そういう運用の問題、手続の問題、こういう点については組合と十分に交渉いたします。その際に、今申し上げましたように強要、強制はしないということは明確にいたします。
#88
○左近委員 これは法があるわけですから、ハードの面は確かに総裁がおっしゃるとおり。しかし、私は、ソフトの面、人の心というか職員の感情というか気持ち、そういうものをやはりしっかりと受けとめていかぬと、これからの大改革は難しいと思うのです。だから、正常な労使関係のルールをこの機会にぜひとも確立をしてほしい、このことを私は強く言いたいと思うのです。
 大臣、いかがですか、今私が何回か総裁とやりとりしていることを聞かれて。
#89
○三塚国務大臣 本問題はもともと労使の基本問題でありまして、特にこういう改革は、労使が共通のコンセンサスに立つということで取り組まれるものだと思うのです。先ほど来、これは本年度限りか、それとも改革の前提か、こういう御質問の際にも申し上げたわけでありますが、政治はそういう流れにあるわけでありますから、まさにそういう意味で、改革のコンセンサスをお互いの誠心誠意の話し合いの中でこれをつくり上げてまいる、これなくして本改革は成功しないと私は思っております。
 それと、希望退職のただいまのやりとりでございますが、まさに総裁が強制、強要はしないと言うわけでございますから、それはそのとおりいかれるべきものであろうと思うし、それを私どもは受けて、政府として今回特別給付金制度、こういうことで、そこまで御決心をいただく皆さんに対しましては、精いっぱいのその心を示していく、また経済的にもさようにさしていくことが政治として当然であろう。こんなことの中で進めさせていただいておる流れも、まさにそういうところにあるわけであります。
#90
○左近委員 大臣の答弁もいいわけですが、この強要、強制しない保証というのは、今大臣の言われたことも大事ですよ。しかし、やはり組合員の心と職員の心をしっかりと結びつけていくためには、労使関係のルールを確立してほしい、このことが私は今総裁が言われた強要、強制をしない保証の大きな一つの柱ではないかということを、先ほどから何回もやりとりしているわけなんです。その点について大臣、答弁してくださいよ、的外れじゃなしに。
#91
○三塚国務大臣 本件は、いろいろ本委員会の論議を踏まえながら、その都度国鉄総裁からも担当からもお聞きをいたしておるわけでありますが、大変うまくいっておるというふうに聞いておるわけです。(左近委員「何がうまくいっている」と呼ぶ)いや、そのルールがですね。だから従前の方向でやられておる、こういうことで、ただいまのところそれを信頼を申し上げておるわけだし、しかし、論議が国会で出ておるわけでありますから、さらに心されましてお取り組みを賜りたい。きょうもこうやって総裁初め担当常務も皆さんいられるわけでありますから、左近議員の御心配なりそういうことはしかと心して進まれるもの、こう思っておるわけであります。
#92
○左近委員 私は、くどいようですけれども、この希望退職を募集するに当たって、あくまでも本人の希望である、強制、強要はしない、この保証は、やはり国鉄の関係組合との正常な労使関係、このルール、こういうものを確立することが、今総裁が言われた、大臣が言われた保証のあかしになるということを強く申し上げまして、ひとつこのことについてさらに一層の努力をしていただくことを要望しておきたいと思います。
 次に、具体的な問題でお聞きをいたしますが、これは募集に当たってはあくまでも希望でありますので、掲示をする場合、そういう意味の内容の告示なり掲示なりをされるわけですね。
#93
○澄田説明員 今のお話でございますが、希望退職で二万人を目標に応募者を確保していくためには、募集をしていく際に最大限の雇用の場を確保していくことが大事でございます。その方向でもちろん私ども努力いたしますが、今おっしゃいますように、確保された再就職先については、その仕事の内容とか条件、受け入れ人数、そういうものを周知していく体制をとって、極力職員の方々にそれが周知できるようなやり方をとりたいと考えております。
#94
○左近委員 そういうこと聞いてないがな。掲示をやる場合、今回の希望退職はあくまでも職員の希望によるものですよというような趣旨のことをきっちり公示していただけますかということを聞いているんです。
#95
○澄田説明員 それは当然のこととして、私どもは希望によるものですよということはしっかり周知させたいと思っております。
#96
○左近委員 だから、今言われましたように、そういうことであれば、募集を目標にしておる二万人、オーバーする場合もあるかもしれませんけれども、これは満たない場合も当然ありますね。
#97
○澄田説明員 私どもは二万人を目標としておりますので、極力その二万人が達成できるように、再就職先の確保とか、あるいは本法案が通りました場合のいろいろな条件とか、そういったものを明示いたしまして、周知いたしまして、極力二万人を確保すべく最大限の努力を払いたい、かように存じております。
#98
○左近委員 極力というのは具体的にどういうことか。
#99
○澄田説明員 職員の方々、関係組合にも御説明申し上げまして、その内容、再就職先の条件等いろいろな問題を十分に示しまして、今のような努力を払ってまいりたいというぐあいに考えております。
#100
○左近委員 今回の目標としておる二万人に対して、再就職を希望するものは一〇〇%再就職の場を責任を持って保証できますか。
#101
○杉浦説明員 それが大変私どもの問題でもございますし、また私どもの大事な責任だと思っております。二万人の全員につきまして再就職先をしっかりと確保したいというふうに思っております。
#102
○左近委員 しっかりというのは、再就職を希望する者は一〇〇%再就職先を確保するという理解でいいんですか。
#103
○杉浦説明員 そのとおりでございます。
#104
○左近委員 それであれば、この法案の第七条との関係をお聞きをいたしますが、「特別の配慮」「職員の就職のあっせん等」とは具体的にどんな内容ですか。
#105
○棚橋(泰)政府委員 「特別の配慮」とは二つございまして、一つは、就職の場の確保でございますが、それにつきましては、国は労働省の機関でございます公共職業安定所というものを活用いたしまして、そこにおきまして就職のあっせん等について「特別の配慮」ということで最大の努力をしていくということを予定をいたしております。
#106
○左近委員 今度の二万人の再就職の責任についてはどこが持つのですか。国鉄が持つのですか。
#107
○杉浦説明員 国鉄の職員の将来の問題でございますので、国鉄が責任を持ちます。
#108
○左近委員 それでは、職業安定所が責任を持つというんじゃなしに、今回の二万人の応募者、これの再就職については一〇〇%国鉄が責任を持って再就職先をきちっとするということですね。
#109
○杉浦説明員 いろいろな方のお手伝いなり御協力を仰ぐ一環といたしまして、職業安定所もひとつよろしくお願いしますということになるわけでございますが、最終的には、国鉄の職員の問題でございますので、全員国鉄の責任におきまして転職先を確保していきたい、こう思っております。
#110
○左近委員 よくわかりました。
 そこで、それではこの六十一年度、約二万人のこの職場というのは、今までの質疑の中で、関連部門、一般産業、公的な部門、今日どれだけ確保されておるのですか。
#111
○中島(眞)政府委員 内閣の方の国鉄余剰人員雇用対策本部の事務局でございますが、希望退職者約二万人の再就職先といたしましては、各分野別に六十五年度までの国鉄等の職員の採用について今開拓を行っているところでありますが、その中で、希望退職者は六十一年度中の退職でございますので、雇用の場といたしましては、六十一年度とそれから六十二年度の当初その採用が行われる求人分、これが充てられることになるわけでございます。
 それに該当するものといたしましては、既に国鉄関連企業について約八千人分確保されております。
 残りのものにつきましては、一般産業界などの求人の中から当てはめられるということになるわけでございますが、この一般産業界につきまして、現在、六十一年度から六十五年度までの数字でございますけれども、運輸省関係の業界を中心といたしまして約九千人の雇用の場が確保されておりますが、この中で六十一年度と六十二年度の当初に採用になる分、これについては具体的な詰めを今行っているところでございます。
#112
○左近委員 公的な部門は。
#113
○中島(眞)政府委員 公的な部門につきましての六十一年度の採用につきましては、これは昨年十二月十三日に閣議決定いたしました際に、国、地方公共団体合わせまして約二千六百人の雇用の場の確保を目標といたしたわけでございますが、六十二年度以降の分につきましては、これは秋までに策定するとしております国鉄余剰人員採用計画の中で明らかにするということにしておりまして、まだ決まっておりません。
#114
○左近委員 結局、今御説明があった雇用の確保の問題、再就職の場所の問題、これは政府としては六十一年秋ごろに方針を決める。今回の希望退職二万人問題については少し頭にないのじゃないかと思うのですが、二万人問題をまずきっちりさせるためには、政府として、この職場確保の問題についてもっと早く明確な数字を出さなきゃならぬじゃないですか。あなた方は後の数字ばかりを頭に置いていろいろ考えておられる。雇用の計画についても、この秋以降になる。これでは二万人問題で就職の受け入れ先は明確にならないのじゃないですか。この点、どうですか。
#115
○中島(眞)政府委員 昨年の閣議決定の際に、国鉄余剰人員採用計画の策定を秋までにといたしましたのは、新事業体の要員規模の確定を待つことのほかに、特に公的な部門につきまして、六十二年度以降の各省庁の採用数あるいは退職者数についての見通しをつける関係の作業がございます。そういうことから秋までに策定することにいたしたわけでございますが、御審議いただいております法律が成立いたしますれば、すぐ希望退職の募集ということになるわけでございまして、この採用計画策定前におきましても、先ほど御報告しましたように、各分野別に求人を開拓しておりまして、現に相当の数字も出てきておるところでございます。一般産業界につきましても、さらにほかの業界、電力だとか土木だとか情報通信、そのほかの分野についても、今それぞれ着々折衝を続けておるところでございまして、今後その枠は相当拡大していくものと思っております。
 また、労働省におきましても、四月以降都道府県ごとに国鉄職員再就職促進連絡会議というようなものを設けまして、積極的な求人開拓を行うことにいたしておりますので、この計画が固まります以前におきましても、それらの再就職のあっせんは行っていくということでございまして、決して、希望退職募集の際に、それに必要な雇用の場が確保されないということではないわけでございます。
#116
○左近委員 私はこれから先のことは言っていないですよ。当面、この二万人問題について、今もお話がありましたが、関連部門約八千人、そして公的な部門は、前回の委員会では、国が千五百人、特殊法人約百人、地方公務員六百人で約二千二百人になる。これで約一万人ですね。あと民間がどれだけ出てくるかわかりませんけれども、とても二万人に近づくような数字ではないような感じがするわけです。したがって、これから皆さん方が努力されて二万人に近づける職場の確保が可能なのかどうか、その辺はいかがですか。
#117
○杉浦説明員 二万人という雇用の場の目標でございますが、実質的には職種、年齢、地域によっていろいろと違います。問題がございますので、実際の雇用の場のお願いといいますのは、やはり二万人以上の数字につきまして今お願いをしているところでございます。一応確定を見た数字としましては、八千人の関連企業、これは場所その他大体各企業ですべて打ち合わせ済みでございますので、大体いいと思います。残りの一万二千人、これが問題でございますが、これも鋭意、一万二千人以上の数字を目指しまして、これから詰めをやっていきたいと今思っておるところでございまして、二万人は絶対確保できるというふうに思っております。
#118
○左近委員 きょうは自治省、人事院、労働省に来ていただいております。後ほどまた具体的な問題を若干御質問いたしますが、まず自治省、地方自治体の関係。人事院は結構です。労働省、一般民間企業の関係。どういう努力をしておられますか。
#119
○田淵政府委員 先ほど国鉄総裁から御答弁ございましたように、国鉄が希望退職者の募集の際に行われます再就職のあっせんといいますものは、あっせんの対象者が現に国鉄の在職者であり、またあっせんの主体が国鉄御自身であるという点におきまして、通常、公共職業安定所で失業者とか離職者を対象に職業のあっせんをする場合と異なる面がございます。しかしながら、この国鉄余剰人員対策の重要性にかんがみまして、この法案におきましても、国鉄みずからが行う再就職あっせんに必要な援助や協力を国としても行うということを規定しているわけでございまして、各都道府県ごとに国鉄職員の再就職促進連絡会議を設けまして、職業安定機関、国鉄、それから産業界等の連絡体制を整備して、一般産業界への雇い入れの要請などを行いますほか、安定所におきましても、国鉄の再就職希望者向けの特別の求人開拓というような体制をしきまして、今後、特別求人開拓を実施いたしますとともに、国鉄の担当者とも十分連絡をとりながら、個々の方々に対する就職指導とか職業紹介などきめ細かな対策を講じていく体制を現在整えつつございます。
#120
○紀内説明員 自治省といたしましては、昨冬の閣議決定以来、自治省の催します全国の総務部長会議でございますとか企画部長会議等の場を通じまして、国鉄改革の成否いかんが地方の交通体系なり地方の住民生活に及ぼす影響というものを強調しまして、なかなか難しい状況に置かれていることは知っているけれども、その中で自主的な協力を可能な限りやってもらいたい、具体的には国に準ずる方法で新規採用の一部をこれに充ててほしいということで説得をしております。
#121
○左近委員 自治省は六十一年度どれくらいの目標をもって取り組まれましたか。それで現時点でどれくらいの数ですか。
#122
○紀内説明員 先生御承知のように、地方公共団体の場合には、翌年度の職員の採用のテンポはかなり早うございます。たまたま具体的な地方公共団体の採用につきましての方針は、昨年の十二月に閣議決定が行われたわけでございまして、その時点では、六十一年度に係る採用はかなり進捗しておりました。したがって、なかなか状況は容易ではないわけでございますけれども、一応その時点では目標を千人と置きました。
 それで、先ほどお話もございましたけれども、現段階では、六十一年に係る具体的な申し入れがあったものがおよそ六百人程度ではないかと思っております。しかしながら、地方公共団体の場合、これも御承知のように、年度内における採用というのも結構期待できるわけでございますので、今後私どもといたしましては、できるだけ要請を重ねまして、目標を達成すべく努力をいたしたい、かように考えております。
#123
○左近委員 今いろいろやりとりをさせていただきましたが、この募集に際しては、再就職先あるいは再就職先の賃金などの条件あるいは受け入れ人数がこれだけありますというものをきっちり事前に明示をして募集行為に入られる、こういうような考え方はとれませんか。
#124
○澄田説明員 おっしゃるとおり、私どもといたしましては、確保された再就職先等につきましては、その仕事の内容やらあるいは条件、受け入れ人数、そういったものをできるだけ前広に職員一人、一人の方々に周知をさせていきたいというぐあいに考えております。
#125
○左近委員 そのことを募集行為の前にきっちり職員に周知をさせて募集行為に入るということですね。
#126
○澄田説明員 そういったやり方をとりたいと考えております。
#127
○左近委員 ぜひともそれをひとつお願いいたします。
 そこで、関連企業に二万一千人将来雇用確保ができたということを言っておられますが、当面、今のお話では、今回の二万人に対して八千人、非常に多くの方を関連企業に受け入れをしてもらうわけですね。今までの答弁では、関連企業には年金受給権のある者を対象にしたい、こういう御答弁を総裁もしておられるわけですが、そういう理解でいいのですか。
#128
○杉浦説明員 それは絶対要件ではございませんけれども、関連企業先の給与の現状等を見まして、できるだけ年金の受給者が行かれることが望ましいと思っております。
#129
○左近委員 今年金法が変わって、受給権の年齢も変化をしておると思います。六十一年、ことしの六月三十日までは五十六歳、これから年金をもらえるが、それ以降、六十一年七月以降は五十七歳になるという理解をしておりますが、これは間違いございませんか。
#130
○川口説明員 現在の共済年金の支給開始年齢につきましての制度でございますが、先生ただいま御指摘になりましたように、六十一年六月三十日までに退職した方につきましては五十六歳から、それから六十一年七月一日以降六十四年六月三十日までに退職した方につきましては五十七歳、以後三年経過するごとに一歳ずつ繰り下げるという制度になっております。ただ、当分の間は、このような支給開始年齢に達しない場合におきましても、この支給開始年齢の十歳前までを限度といたしまして、希望する年齢から減額退職年金を支給するということは可能でございます。これは本人の選択によって可能になるわけでございまして、この場合は、一歳につき正規の退職年金額の四%を減額する、こういった計算によって減額退職年金を支給することができる、こういうことでございます。
#131
○左近委員 これは新法になればもっと――八%程度になるのですか。今経過措置だから減額年金制度、これは確かにありますよ。しかし、それでは受給権のある五十六歳、五十七歳になったら一〇〇%になるのかといえば、死ぬまでずっと減額されていくわけですね。だから、そんなことを前提に今総裁の御答弁があったんではないだろうと思うのですね。一応関連企業というのは、賃金の高いところもあるかもわかりませんが、一般に第二の職場的なところが多い。賃金もかなり低い。したがって、年金をもらって、そこの関連企業の給与をもらって、大体国鉄で今までもらっておった賃金分くらいは保障できるだろう、こういうような発想だろうと私は思うのですね。そうすると、ことしの六月三十日までは五十六歳の方はよろしい、しかし七月一日以降は五十七歳以上の方が関連企業に行かれることが望ましい、こういうことを総裁としても言われているわけですが、そういう対象者は今何人おられますか。
#132
○葛西説明員 お答えいたします。
 現在、五十歳以上五十五歳未満のところが……(左近委員「そんなのは要らぬ。五十六歳と五十七歳以上について」と呼ぶ)五十六歳、五十七歳の年齢以上の者を拾いますと、約四百名でございます、五十五歳で国鉄の場合勧奨退職を実施いたしておりまして、五十五歳の年齢で大部分の者がやめております。したがいまして、五十五歳を超えて残る者は極めて数が少ないということになっております。
#133
○左近委員 結局五十六歳以上あるいは五十七歳以上の数は、三十万人近い方の中で四百人ばかりだ、こういうことであれば、今総裁が言われたように、関連企業には可能な限り年金プラス関連企業賃金方式をやっていくということは現実上無理ではないですか。対象要員おらないじゃないですか。その辺、どうですか。今の数字、間違いないですか。
#134
○澄田説明員 私ども関連企業の再就職先を先ほど来八千人確保いたしたと言っております。その対象者は、確かに先ほど来総裁答弁しておりますように、高齢者、五十代の方、五十代以上の方々が多いという予測をしております。
 それはなぜかと申しますと、今先生御指摘のように、関連企業におきましては、今まで過去の例から見てみましても、支払い能力からすると、今の給与条件等々から、国鉄の職員としてもらう年金と関連会社から出る給与を足し込んで一つの給与体系ができておるということも確かにございます。しかしながら、私どもといたしましては、今回予測といたしまして、恐らく八千人確保した関連企業の場へ希望退職として希望を出しておいでになる方々は高年齢層の方が多いであろう、恐らく五十代以上の方が多いであろうという予測をしておりますが、年金が絶対的な条件であるというような観点から物を申しておるわけではございませんで、極力各年齢層から――同じ関連企業でもいろいろな職種がございます。あるいは場合によっては若い方もおいでになるかもわかりませんが、そういった観点から、予測としては恐らく年金の権利が生じた五十代以上の方々が多いのではないかなという予測をしておるということでございます。
#135
○左近委員 大体あなた方の年金の権利というのは減額年金制度、そういうものも頭に入れて物を判断しておるのですか。
#136
○杉浦説明員 今まで御説明を申し上げましたが、絶対的な予測なり枠というものはなかなかできにくいことでございまして、全体の感覚的な概要を申し上げておるわけでございます。したがって、個々の希望者、どういう方が申し出るか、あるいは若年も入るかと思いますが、やはり全体的には高年齢層であろう。その場合に、年金との関係におきまして、フルに年金が支給される状態であれば一番望ましいわけでございますけれども、そうでない、今数字を申し上げましたように、五十歳代となりますと、すぐにもらえないというような方が多いかと思います。その場合に、減額支給というもので我慢するという方もおられるでしょうし、それからもう少し待っていると、フルの年金支給が期待できるということで、しばらく我慢をするというような方もおられるでしょう、あるいはまた私どもの関連企業への交渉、折衝の場におきまして、年金が支給されるまでは月給はしかるべく確保してくださいというような言い方もあろうかと思います。いろいろな角度から、今までの生活水準というものをできるだけ維持してあげるようにいろいろな面で工夫をし交渉をしていきたいということでございまして、なかなか画一的にこうだというふうにはお答えできないのでありますけれども、私どもの努力目標としましては、そのような態度で臨んでいきたいというふうに思っております。
#137
○左近委員 これは受け入れ先の均衡の問題もあり、非常に難しい問題だと思いますが、今総裁の言われた趣旨については十分踏まえてやっていただかぬと、これは非常に大きな各職員の生活上の変化につながっていき、大変なことだと私は思いますので、この点はよろしくお願いしておきたいと思います。
 そこで、私はそういう状況をいろいろ考えてみましたら、公的な部門にどれだけ多くの職場を確保していくかということが非常に大事な問題だと思うのですね。そこで、人事院も来ていただいておりますので、国としては、国に採用をされる場合については給料はどうなるのか、退職手当、年金、これは人事院はどういう見解で通達を出されておるのですか。
#138
○小堀説明員 国鉄職員の国家公務員への受け入れにつきましては、今回の措置が国鉄の改革を推進するための非常に重要な施策だということを考えまして、これらの国鉄職員の国の受け入れができるだけ円滑に行われるようにということで、御指摘の通達を出しております。
 具体的に給与について申し上げますと、職務の級につきましては、採用される職務に応じまして一定の資格を有する必要があるわけでございますけれども、この資格等の算定に際しましては、国鉄職員として採用された際の試験を国における同程度の採用試験とみなして取り扱うことにいたしております。級が決定された場合、その中で俸給月額を初任給として決定するわけでございますが、この場合は、国鉄の職員となったときに国の職員となったものとみなしまして、従来から在職する国の部内の職員との均衡を考慮いたしまして、国におきます昇格、昇給等の規定を適用して、再計算をして得られる俸給月額とすることにいたしております。これらの措置によりまして、従来から在職する国の部内の他の職員と同等の取り扱いがなされることになると考えております。
 退職手当制度及び共済年金制度でございますが、これは御承知のように、人事院の所管ではございませんけれども、退職手当につきましては、引き続いて国家公務員になる場合には、国鉄職員としての在職期間も通算されるようになると承知しております。また共済年金についてでございますが、昭和五十八年の国家公務員と公共企業体職員の共済組合制度の統合によりまして、制度が一本化されておりますので、国鉄を退職し、国家公務員となった場合には、国鉄職員としての在職期間も完全に通算されるものと承知しております。
#139
○山下委員長 ちょっと速記をとめて。
    〔速記中止〕
#140
○山下委員長 速記を起こして。
 左近正男君。
#141
○左近委員 人事院、いろいろ説明をされたわけですが、端的に整理をしますと、結局、前歴期間は給料について一〇〇%見る、退職手当については、国鉄は払わない、身分を引き継いで、結局国家公務員として退職なさるときに支払いをしていく、年金は今の年金制度、財源調整されていますので、そのまま一緒だという理解でよろしいですか。
#142
○小堀説明員 給与でございますけれども、国鉄職員としての在職期間につきましては、国の職員と同じように一年について一号俸積み上げることになりますので、一〇〇%というそういう計算になろうかと思います。
 それから、退職手当、共済年金については、先生の御指摘のとおりと承知しております。
#143
○左近委員 特殊法人は、これは政府に準ずる機関ですから、今の人事院の見解というのは、当然特殊法人についても国と同じような形で準用されるというように理解をしていますが、どうでしょうか。
#144
○小堀説明員 私ども国家公務員の取り扱いについて定めているものでございますので、特殊法人の取り扱いにつきましては、特殊法人独自の規定あるいはその中での職員間のバランスというものがあろうかと思いますので、その特殊法人でお考えをいただく問題であると考えております。
#145
○左近委員 特殊法人について今日まで国鉄としても折衝されてきたと思いますが、特殊法人についても人事院の見解でいくという理解で総裁、よろしいか。
#146
○澄田説明員 国鉄といたしましては、特殊法人につきましても国に準じた取り扱いをお願いするということで強く要望しておるところでございます。
#147
○左近委員 今の御答弁では、あなた方が要望されて、関係先とほぼそれの見通しがついたという判断を私はしていますが、よろしいか。
#148
○棚橋(泰)政府委員 特殊法人につきましては、国鉄からそういう強い御要望がございまして、ただ、これは特殊法人そのものが判断することでございますけれども、それについては同様な取り扱いをするように強く指導していくことといたしております。
#149
○左近委員 また、これからいろいろ問題あるでしょうが、私の今の答弁の理解は、人事院が出された見解、こういうものが特殊法人についても適用されるという理解をいたしておりますので、もしそうでない、ちょっとぐあい悪いなという疑問があるのだったらもう一遍答弁。私はそういう理解です。大臣、どうですか、そういうことでよろしいな。
#150
○棚橋(泰)政府委員 さような方向で指導するつもりでございます。
#151
○左近委員 ひとつ強力にやってもらいたいと思います。
 そこで地方公務員、これは給料、退職手当、年金はどうなりますか。
#152
○池ノ内説明員 地方公共団体の退職金、給与、年金の取り扱いでございますが、先ほど来御議論がございましたように、国鉄改革にとりまして最大の課題であります余剰人員対策、特に公的部門に大きな期待がかけられておるわけでございますけれども、それを最も円滑にするためにということでございまして、地方公共団体が国鉄職員を受け入れるに当たりましては、その協力の前提といたしまして、地方公共団体側に新たな負担を課さないように、こういう意向がございました。さらに昨年の地方行政委員会におきます共済法の附帯決議においても、その旨が附帯決議されまして、閣議決定におかれましても、同様の趣旨の閣議決定が行われたわけでございます。その結果、国鉄の退職日と地方公共団体の採用日の間に一日以上の期間を置く、こういうことによりまして、国鉄退職時に国鉄よりその在職期間に係る退職手当は支給していただく、こういう取り扱いにさせていただいておるわけでございます。
 次に、給与でございますが、給与の決定につきましては、御案内のとおり地方公共団体は三千三百ございます。都道府県市町村とございますが、それぞれの団体において条例、規則等において給与決定のやり方が決定されておりますので、国鉄職員の採用に当たりましては、国の取り扱いを参考にいたしまして、それぞれの団体の条例、規則に基づいて部内の職員との均衡を図りながら決定すべきである、かような指導をしておるわけでございます。
 なお、年金につきましては、共済法によりまして通算されるという取り扱いになっております。
#153
○左近委員 まず、給料の問題は、大体人事院の見解というものを土台にしながら、他の職員との均衡を失しないようにやっていくという理解でありますので、そう中途採用者的な低給料にはならないだろう、私はそう判断をいたします。
 問題は、退職手当の問題ですけれども、やはり今日の日本の雇用賃金というのは年功序列型の賃金体系でありまして、また退職金というのも最終号給で金額を決めておるというような状況です。したがって、二度退職金をもらうということになれば、低額の分を二回もらうわけですよ、勤続年数の短い分を細切れに二回もらう。これは地方自治体としても一考を要する問題ではないか。今おっしゃったように、確かに自治体には三千二百五十三の自治体がある。私はこの三千三百の自治体に全部人事院の見解でやってくれと、これはなかなか財政的な状況もあって無理かもわかりません。しかし、市は六百五十一あるわけですよ。この市くらいは人事院の見解を自治体ができるんではないか。そう多く極端に受け入れるわけでもないわけですよ。したがって、この三千三百の地方自治体の中で人事院の見解でできるところはどこの市だという線引きをしてもらいたい。
 私は大阪市の出身ですが、大阪市ぐらいやらしたらいいんですよ。だから自治体でも何も三千三百一律に考えんと、市が六百五十くらいあるんだから、市ぐらいは人事院の見解に応じた取り扱いをしなさいよということはできませんか、自治省。
#154
○池ノ内説明員 まず、給与の問題でございますが、先ほど申し上げましたように、人事院の見解というものにつきましては、地方公共団体に周知徹底をしております。しかしながら、先ほど来お話し申し上げておりましたように、地方公共団体におきます給与につきましては、それぞれの団体におきます給与制度体系の中で運用されております。したがいまして、それぞれの給与をどう決定するかということにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、当該団体の条例、規則に基づいて自主的に決定すべきである、かような指導をしておるわけでございます。
 なお、退職手当につきまして、退職手当を支給する団体と支給しない団体というものを分別して指導すべきではないか、こういうようなお話ではないかと思いますけれども、先ほど来申し上げておりますように、退職手当の負担をさせない、これを一つの前提条件としまして地方公共団体は協力をする、こういうことでございまして、先ほど来いろいろ御議論ございましたように、まず雇用の場を確保する、そのためには公的部門が大いに期待されるべきであるということでございますので、雇用の場を確保するためには、地方公共団体が容易に円滑に雇用できるという環境整備をする必要があるのではないかと思います。したがいまして、ただいま大阪市ということで例がございましたけれども、団体によって退職手当を支給する団体と支給できない団体と財政状況によって判断をするということは適当ではないというふうに考えます。
#155
○左近委員 あなたのさきの答弁と今の答弁と違うがな。いろいろ各地方自治体に財政負担をかけない、やはりそのために退職金については一たん国鉄で清算して、中一日置いて地方公務員に採用する、そういうことでしょう。やはり財政的な問題がその取り扱いをされた一番大きな原因じゃないですか。さきの答弁と今答弁されたのと違いますよ、言われていることが。
#156
○池ノ内説明員 先ほど来申し上げておりますように、財政的な問題としまして新たな負担をかけないようにということで附帯決議もございますし、それから閣議決定でそういうような取り扱いをするということでございます。したがいまして、だからといいまして財政的に豊かであるところについては退職手当を支給すべきであるという指導をすることは適当ではないというふうに考えております。
#157
○左近委員 だから年金問題も、国鉄の年金と、地方へ行けば地方公務員共済組合法でしょう、年金も違うわけですよ。年金をどうするのかといえば、国鉄におった期間についての財源を地方公務員共済組合へ戻入するのでしょう。そういう方式でしょう。それであれば、退職金もそういう方式はとれるでしょうな。国鉄で働いた分についての退職金を地方自治体へ戻入する。そして国鉄から受け入れた人についてはやめるときにきっちりとその期間通算して支給さす、こういうことは可能でしょう。そういうことを僕は言っているのですよ。あなたは閣議決定、閣議決定と言うけれども、閣議決定より法の方が上やで。
#158
○池ノ内説明員 地方公共団体の負担を緩和するという立場にとって、財政措置をするということは、自治省側が考えるべきかどうかは問題がございますけれども、退職金につきまして、後払いにするということはなかなか技術的に困難な問題だと思います。
#159
○左近委員 もうちょっとやり合いしますけれども、本会議ですから、一たん中断します。
#160
○山下委員長 この際、休憩いたします。
    午前十一時五十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二十三分開議
#161
○山下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案について、本日、公共企業体等労働委員会会長堀秀夫君を参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#162
○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#163
○山下委員長 質疑を続行いたします。左近正男君。
#164
○左近委員 午前に引き続き、少し自治省との関係の問題で詰めたいと思うのです。
 自治省の立場も、多様な地方公共団体を抱えて画一的な御指導というか非常に難しい問題があるだろうと思うのです。しかし、地方公共団体は千差万別でありますので、やはりその自治体の力量に応じた受け入れ体制を条件面でしていただきたい、私はこういうように思っているわけです。
    〔委員長退席、津島委員長代理着席〕
 そういうことで、年金問題については一元化されつつありますが、厳格に言えば違う年金だけれども、清算をして地方公務員共済組合に御迷惑のかからないように措置をする。退職金についても、今の退職金というのは何ぼ通算勤続年数を経ておるかということで退職金の額が変わるわけでありまして、国鉄におられたときのは切られて、地方公共団体でまた一からというようなことではかなり大きな問題を残すであろうと私は思うのです。したがって、国の指導にたえ得るような地方公共団体については、柔軟に対応できるような御指導をいただけないかどうか、この点について再度、自治省はいかがですか。
#165
○池ノ内説明員 特に退職金の取り扱いのお話ではないかと思いますけれども、先ほど来申し上げておりますように、今回の余剰人員対策に伴いまして、地方公共団体の負担にならないように、これが言うなれば地方公共団体が余剰人員を採用するに当たります条件であるということで、地方公共団体から非常に強い要望があったわけでございます。したがいまして、自治省といたしましては、新たな財源負担を伴うような措置というものにつきまして指導をするということは、ただいま御提案ではございますけれども、なかなか困難ではないかと思います。
#166
○左近委員 だから、時間も限られておるので、地方公共団体三千三百あるけれども、東京都のように何十万も抱えておるマンモス自治体もあれば、十人か二十人のところもある、非常に千差万別なんですね。したがって、余り画一的に対応する必要はないのではないか。大きなところについては、例えば政令指定都市ぐらいの十分財政的にも対応できるというところは、もう少し柔軟にというような考えは自治省としては少しも持たないのですか。この国鉄の改革をもっと大きな国家的見地から、自治省の縄張りだけではなしに、少し考えていただきたいなと僕は思うのです。
#167
○池ノ内説明員 事は財政問題でございますから、必ずしも大府県あるいは政令指定都市ということだけで片づく問題ではないと思いますけれども、先ほど来申し上げておりますように、決して地方団体というものが財政的に余裕があるわけではございません。したがいまして、自治省としまして、そういうような例えば大府県につきまして、退職手当を支給するようにという指導をすることはできません。ただ、地方団体が自主的にそれをやるということに関しまして、私どもがどうこうすることではございません。
#168
○左近委員 今おっしゃることは私もよくわかります。したがって、年金は国鉄の在職期間は地方公共団体に戻入をするということですから、そういうような方式を自治体の方でもしとれるのであればとっても、自治省としては、それについてこれはだめですというようなことは言わないということですね。
#169
○棚橋(泰)政府委員 先生と自治省とのやりとりを伺っておりまして、先生の御趣旨も十分理解をいたします。ただ、国側の立場という見地から物を見ますと、二つの立場があると私は思います。
 一つは、地方自治体の負担となるかどうかという問題、もう一つは、退職金を受け取る方が不利になるかどうかという問題だと思うのです。それで、基本的に退職金というのは、あるところに勤めて、その勤務期間に対して支給されるものでございますから、制度的にこれはつながらなければならないという性格のものではない。逆に言えば切れるというのが当然のものである。ただ、従来国とか地方公共団体のように、相互に同じような交流があるというものについては、便宜的にこれを通算するというようなシステムをとっておったわけでございます。国鉄と地方公共団体というのは従来ほとんど交流はなかったわけでございまして、今回こういう余剰人員対策ということで初めてこういう形になるわけでございます。
 そこで、そういう意味で、先ほど来自治省がお話しになっておりますように、そのことによって地方公共団体の負担になるということは避けるということで余剰人員のお引き受けをお願いするということでございますから、今回のような措置というのを考えたわけでございます。
 そこで、退職金を受け取る方個人がそれによって著しい不利益を受けることになるというのはこれまた問題がございますが、その点につきましては、いろいろな計算の方法がございますけれども、基本的には、一たん退職金が切れて、また今度地方公共団体に行って新たな退職金を受け取っても、それを両方合算いたしますと、それほど不利にならない。場合によりますと、地方公務員に行きますと六十歳が定年でございますから、長いこと勤務できるという意味で有利になる場合もあるわけでございます。
 そんなような観点から考えまして、自治省の方が今回のような御措置をなさったということについては、これはそれなりに私ども理解をいたしているところでございます。
 そういうことでございますので、これを国の方から、今先生のおっしゃるように、通算して、地方自治体に年金のように積立金等を移譲するというような形の処理というのは、ちょっと現在のところの制度では考えていないということでございます。
#170
○左近委員 あなた、要らぬことを答弁する必要はないのですよ。今、自治省の方は、各地方自治体の自主的な判断によって人事院の通達方式を準用できるところはやっても結構だということを答弁しておるわけです。そういうことでしょう。どうぞ、自治省の方。あなたはいい答弁しておった。
#171
○池ノ内説明員 先ほど来申し上げておりますように、自治省の指導といたしましては、通達でも示しておりますように、退職金につきましては国鉄側で支給していただきたい、こういう指導をしております。しかし、どうしてもうちの団体としては退職金を支払いたいという団体がありました場合に、自治省としましてとやかく言うことはございません、こういうふうに申し上げたわけでございます。
#172
○左近委員 そこまでにしておきましょう。
 この特別給付金、これは地方公務員はあるのですか。ないでしょう。
#173
○棚橋(泰)政府委員 国家公務員、地方公務員等になる方には支給をしないということで考えております。
#174
○左近委員 国、特殊法人、地方公務員は十カ月はない。ないのであればないなりの、国、特殊法人、地方公務員は同様な取り扱いをしていくというのがいいのじゃないかということですね。だから、今自治省の方から、そういう自治体も出てもとやかく言わない、各地方は自治省怖いですからね、そういうことで、今後国鉄としても、可能な限り国と同じような取り扱いができるように、あきらめぬと努力をしていただくということが必要ではないか、私はこのように思います。
 そこで、この十カ月の問題、これはこの委員会でも何回か、十カ月は少し少ないじゃないか、もう少し、最低十二カ月ぐらいにしてもらいたい、これは各党から、自民党の方も腹の中では思っておられるかもわかりません。今のこういう緊急事態に当たって、もう少しやはりこの特別給付金について引き上げていく。国会の審議ですからね、何が何でも政府が出した法案どおりいかなければいかぬということではないと思うのですね。お互い常識的な合意ができるような範囲で、やはりこの問題について一考していただきたい。きょう大臣、ちょっと腹ぐあい悪いらしいけれども、総裁どうですか、これは。棚橋さんでもよろしい。
#175
○棚橋(泰)政府委員 先生のお気持ち、さらに先日来各先生方の御質問にありますお気持ち、私どもも十分理解はいたしております。
 ただ、毎度申し上げておりますように、この十カ月については、政府としてはそれなりの努力をした結果であるというふうに考えております。それは多ければ多いほどいいという考えもございますけれども、逆にやはり国鉄についてだけ特段の優遇をするというのも、これはまた問題でございますし、ほかにもいろいろな苦しい企業の希望退職という例もございます。それらこれらを勘案いたしまして、今回の水準というのは、政府としては、それなりの努力をして、この程度の水準というものがふさわしいというふうに判断をしたものでございますので、ぜひ御理解をいただきたいというふうに考えております。
#176
○左近委員 本件については、また引き続いて私どもの党としては問題をとらえていきたい、このように思っております。
 そこで、この第四条の「退職を希望する職員である旨の認定を行うことができる。」「認定を行うことができる。」ということは、行わない場合もあり得るということですか。
#177
○棚橋(泰)政府委員 これは前にもお答えをしたと思いますけれども、除外理由がございます。除外理由以外の者については、申し出があれば認定を行うという趣旨でございます。
#178
○左近委員 わかりました。
 それで、これは「六十二年三月三十一日までに五十五歳となる者」を除くということで、五十五歳で線引きをされておるわけですね。しかし、実際は五十五歳以上の方も希望退職に応じるだろうと思いますし、また先ほど私は年金問題についていろいろお聞きをしましたね。結局年金がもらえない谷間というのがあるわけですね。その辺についてどういうお考えでおられるのか。
#179
○棚橋(泰)政府委員 今回の特別給付金というのは、基本的に現在の国鉄の状況を考えて、進んで希望退職に応じようとなさった方に対する報奨的意味を含んでおるわけでございます。そこで五十五歳以上の方というのは、御承知のように、国鉄は定年はございませんけれども、五十五歳を一つのめどとして勧奨して退職をお願いをしておるわけでございますから、基本的には、もう五十五歳を過ぎた場合には、従来の考え方でも御退職を願うというのが筋であるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、そういう意味で、従来のやり方でも退職される方に、この報奨的なものを支給するということは、これは望ましくないというふうに考えて、このような措置になっておるわけでございます。
 また、年金との関係につきましては、確かに谷間ができるという問題もございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、この給付金の性格というものが退職に応じた方に対する報奨的な意味であるということを考えますと、年金の問題とは性格を異にするというものと御理解をいただきたいと思っております。
#180
○左近委員 少しその発想は私はおかしいと思うのですね。僕は国鉄のことをよく知りませんが、定年制がない。大体従来五十五歳で勧奨的にやめておられる。ところが従来は五十五歳で年金受給権があったということが、これははっきりしているわけですよ。それが今年金制度の改正で、これが五十六歳になり五十七歳になり五十八歳、五十九歳、六十歳までいくわけですよ。したがって、やはり年金とドッキングする年、こういうものが今までは五十五歳であった。これが今五十六歳になり、これは近く五十七歳になるわけですね。やはりこういう変化をしているわけです。その辺が全く考慮されないというのはおかしいじゃないか。その点はどうですか。
#181
○棚橋(泰)政府委員 今の先生のお尋ねは、どちらかというと今回の特別給付金の対象の問題ではなくて、五十五歳で退職金の条件その他が変わる、したがって五十五歳で退職させるように仕向ける政策の問題との関係だと思います。
 これにつきましては、確かに年金との関係において若干の谷間のような形になることも考えられますが、基本的には、国鉄のこういう過剰な要員の状況という緊急事態というものを考えますと、現状においては五十五歳以前において御退職をいただいて、そういう事態を解消するようにするという国鉄の現在の制度というものは、現状ではそれなりの意味があるわけでございまして、そういう制度の前提で、今回の特別給付金というものをそれに上乗せしておるわけでございますから、その間の関係については御理解をいただきたいと思っております。
#182
○左近委員 時間がございませんので、最後に、まず希望退職というのは絶対に就職先、受け入れ先、こういうものとしっかりセットしてもらわぬと困る。それと先ほど総裁、二万人の希望退職に対して受け入れ先が関連企業八千人確定している。しかし、実際に職員の生活上の問題を考えたら、年金としっかりドッキングする層というのは四百人ばかりしかおらない。あとは減額退職年金を受けてやるか、かなり生活上のギャップができているわけですね。それは関連企業すべてが非常に賃金が低いというわけではございません。今の国鉄よりもいいところもあれば、同等程度のところもあるでしょう。しかし、かなり低いところもたくさんあるんじゃないかと私は思うのですね。やはりそういう職場については、希望退職で行かれる場合、大変なことだと思うのですね。その辺を具体的な問題としてどうクリアしていただけるかということが、この問題を解決するに当たって非常に大きな問題だと私は思うのですね。
 もう時間がございませんので、この点に関してひとつ総裁の方から答弁をいただいて、私の質問を終わります。
#183
○杉浦説明員 先ほども申し上げましたように、希望退職者の希望の申し出、これがどういう年齢層で、どういう場所で、どういうところへ行きたいんだというような希望者側の問題もございますし、それからまた受け入れ側のいろいろな問題、給料が高いところ、低いところ、地域的な偏在の問題等々相互の交差点というものがいろいろとまちまちであろうかと思います。そこら辺を私どもはできるだけ本人の希望を重要視いたしまして、従来の生活水準ができるだけ守れるように、万全の手だてを尽くしてやってみたいと思います。
 また、希望退職のいわば前広な予告におきましても、こういうような場所で、こういう給与条件で、こういうような内容であるということは、できるだけ詳しく条件を示しまして、それに対していろいろな反応がそれぞれあろうかと思います、そうした個別の個々の事情について、きめの細かい配慮を今後ともしてまいりたいというふうに思っております、
#184
○左近委員 終わりますが……(「時間だよ」と呼ぶものあり)中断しているんだからちょっとぐらいよろしいじゃないか。こっちもタイミングが狂っておるんだから、一分や二分は……。
#185
○津島委員長代理 質疑時間内にお願いをいたします。
#186
○左近委員 もう一問だけ。大臣、結局希望退職あるいはこれからの国鉄の改革には、やはり公的部門の受け入れ、これをどう拡大していくかに尽きると思うのですよ。大臣の決意を聞かしていただいて、質問を終わります。
#187
○三塚国務大臣 おっしゃるとおりです。公的部門、国家公務員グループ、地方公務員グループ、御案内のとおり地方公務員グループについては、独立自治団体でありますから、国に倣い、御採用方につき格段の御配慮を賜りたい、これひとえに御懇請申し上げる立場でございますけれども、この公務員グループに三万人、それを確実に確保する、あるいはプラスアルファ、三万人以上、これで御採用方賜りますように、これは何をさておいても全力を尽くして達成し、邁進する、こういうことで、また先生方の格段の御支援を賜りたいと思っております。
#188
○左近委員 終わります。
#189
○津島委員長代理 中村正雄君。
#190
○中村(正雄)委員 国鉄の事業の運営の改善のために本年度じゅうにやらなければならない緊急措置という本法案でありますが、これは既に国会に提案されておりまする国鉄の基本的な改革法案、これと一体をなすものであることは明らかでございます。したがって、国鉄改革に対しまする基本的な問題についていろいろと質問しなければならないわけでございますが、しかし、それは改革法案が提案されました審議の場所に私は譲りたい。したがって、一つだけ、この法案に関係することで、国鉄の職員、特に管理職の立場にある人たちの基本的なことについて、国鉄の再建といいますか、国鉄の改革といったことが最も妥当ではないかと思いますが、それに対する認識がどうあるべきかという基本的な問題について、私は主として国鉄の総裁にお尋ねしたい。もちろん運輸大臣も必要があれば御答弁願って結構でございます。
 御答弁いただきます前に、一つだけ私の考え方、意見を申し述べてみたいと思うわけです。
 私は、かねがねから国鉄の改革ということは、国鉄職員の発想の転換、意識の改革、これがなければ、どのような施策を実行しても国鉄の再建はできない。これは従来数次にわたりまする国鉄の再建計画がすべて失敗したということでも明らかなわけでございまして、したがって、国鉄の改革はやはり職員の意識の改革が前提だということを私は今まで叫び続けてまいりましたし、今もなおその考え方に変わりはございません。今申し上げましたように、これは私の結論というよりも経験から出た一つの結論でございます。
 御承知のように、今の日本国有鉄道、これは日本が占領下にありましたときに、今までの行政機関の一部でありました鉄道というものを分離いたしまして、公共企業体である日本国有鉄道、こういうふうに衣がえしたわけでございますが、その衣がえのときの法案の審議に私は参議院でも参画してまいりました。そのときの、公共企業体としての日本国有鉄道に衣がえをするときの表面上のといいますか、提案の趣旨は、公共性の長所と企業性の長所、これを総合的に生かして鉄道を運営するんだということが趣旨であったわけでございますが、しかし、国の直営、行政機関直接の経営から公共企業体に移しました本当の理由は、労働対策であったということは御承知のとおりでございます。当時幾多の労働法規が制定され、改正されたわけでございますから、実際に公共企業体に移行するということは、労働対策の面から当時の運輸省から独立させたわけでございます。したがって、日本の交通機関、国の中核でありまする国鉄をどのように経営することが、どのような経営形態にすることが将来にわたり鉄道のためになるが、繁栄につながるかというような詳細な観点からやられたものでなくして、端的に言えば、占領軍の命令で国有鉄道ができたわけでございます。したがって、衣がえはいたしましたけれども、内容は旧運輸省の中の鉄道と何ら変わってはおらないわけでございます。名称に伴います機構改革を多少やりましたけれども、機構自体の根幹は何ら変わっておりませんし、また当時の行政機関の公務員から日本国有鉄道に身分が変わっただけであって、企業体というものがどのように運営されていくかという意識の改革もないままに日本国有鉄道が発足したことは、もう御承知のとおりです。したがって、人事の面においても、年功序列的なお役人と同じような人事をこれまで続けてまいりました。また仕事は民間企業と同じようなサービス業ではありますけれども、経営はお役所といいますか行政機関と同じような運営であったわけです。したがって、国鉄がこのような状態になったということにはいろいろな原因がありますけれども、私は公共企業体に移行したときに大きな原因があったと考えるわけでございます。どうしても国鉄を新しい経営形態に変えるというのであれば、これから新しい会社をつくるという職員の意識の改革といいますか、これが前提にならなければならないと私は思います。
 質問の本筋に戻るわけでございますが、新しい民間会社をつくろうというときに、職員としては、どのような考え方、どのような意識を持たなければならないかという点について、国鉄総裁はどのように指導しているか、どのように教育いたしておるか、それが現在どのように浸透いたしておるかという点について、総裁から御答弁を願いたいと思います。
#191
○杉浦説明員 国鉄の長い歴史の過程の大部分は、いわば官営鉄道、公共性というものを頭に置きながら、役所的な運営ということが多かったかと思います。昭和二十四年から現在まで参りました公共企業体というものも、企業的な能率性を追求しつつ、なおかつ中身としましては、かなり役所的な運営であった、今先生おっしゃったとおりであります。そうした中に働いております何十万という職員、やはり働くためには一つの目標といいますか、そういうものをしっかりと与えませんと、大きな企業でございますのでなかなか動くことができません。そういう意味におきまして、戦後に限って見ましても、現場の職員はまじめに国民にサービスをしっかりやる、安全にサービスよくやるんだというような精神を持って、これは代々培われた鉄道の魂だと思うのですが、そういうようなことで今までやってきた状況だと思います。またある時期まではそれで十分であったというような感じもするわけでございます。
 ところが、今先生もお触れになりましたように、日本の国の中全体の交通機関に占める国鉄の役割というものは、近時、この二十年ぐらいの間でございますが、大変変化をいたしたわけであります。これは日本の経済社会の変化の中におきまして、特に交通企業の相互間の変化というような中におきまして、従来の独占形態というものは全くそれを変えて、他の輸送手段、特に自動車あるいは航空機との間の激烈な競争裏に置かれるようになったという、その状況の変化があるわけでございます。国鉄といえども一つの企業でございます。本来ならば、その企業を発展させるためには、あるいは維持させるためには、そうした外界の変化への対応を的確にする必要がある。それがまさしく民間企業の企業人のいつも気をつけているところだというふうに私は思うわけでございますが、残念ながら国鉄の今までの形を見ますと、我々の責任もございますけれども、そうした外界の激烈な変化に的確に対応することがなかったというところ、この辺は深く反省をするわけでございます。今後の国鉄企業あるいは将来民間になる場合の民間企業にいたしましても、問題の中心はこの変化にあると私は思うわけでございます。いわば時代の変化をよく見届けて、その変化に適応し、それを先取りするような、そういう企業的な精神あるいは常にコスト意識を持ち、他との競争の中で安くサービスを提供するという精神、こういうものが基本でなければならないというふうに思うわけでございます。
 現在の国鉄におきましても、そういう精神は絶対に必要であるということで、就任以来私なりに、最高幹部あるいは現場、本社におきます管理者諸君等を通じまして、国鉄の全職員に対しまして、そういうような方向づけというものが絶対必要なのであるということをいろいろな機会に申し上げてきたところであるわけでございます。しかしながら、長い歴史を抱え、大きな経営体でございます。全職員にこれが浸透することは大変難しい。私、やってみまして非常に痛感をいたしております。しかしながら、そういう方向というものは、やはり絶対に必要であるというふうに思うわけでございまして、今後ともこの辺の職員の意識の改革につきましては、いろいろな方法によりまして十分に徹底してまいりたいというふうに思うわけでございます。
 今まで余剰人員対策の一環といたしまして、例えば派遣というような形あるいは直営売店というような形、こういう中に、実は今まで国鉄としてやってきた仕事と違った新しい仕事につかれた方が随分あるわけであります。そういう人たちの意見を聞きますと、つらいことではあったけれども、今後のあり方について大変参考になって勉強になった、振り返ってみますと、国鉄で自分らがやってきたことについての能率ある働き度合いというものについて反省すべき点がよくわかったというようなこともお伺いしておるわけでございまして、こういう意味における一つの気持ちの切りかえ、それが派遣なり直営売店への参加によりまして、参加した諸君あるいはその諸君がもとの職場に復帰して、その周りに与える影響というものは非常にあったというふうに私は思うわけでございます。しかし、これは限られた人数でございまして、全体に及ぼすことはできません。全般的な教育というものは、これからもっとやっていかなければならぬと思います。先ほど来、一つの試みをもちまして、企業人教育ということで職員七万人を対象にして、今申し上げたような今後のあり方について、これから勉強をしてもらおうということを決めましたのも、その一つのあらわれでございます。
 いずれにいたしましても、一つの企業は、従業員、職員全体の気持ちと経営者の気持ちとが一体となりまして運営されなきゃならぬというふうに思います。そういう意味におきましても、労使というものがこの企業の経営というものについて一つの土俵に上がって十分に話し合えるような環境にもしていきたいというふうに思っておるところでございます。
 いろいろと難しい状況ではございますが、諸先生の御指導、御叱正をいただきながら、私ども頑張っていきたいというふうに思っておるところでございます。
#192
○中村(正雄)委員 総裁も相当苦労されておると思いますが、確かに企業人教育をするということが意識を変える大きな手段だと思いますが、確かに経営に当たる人が経済の変遷、社会の変化等を考える、いろいろ必要でございます。しかし、職員全体として一番大切なことは、企業意識を持つ、これは経営者であろうと一般の職員であろうと企業意識を持つ、言いかえれば自分の会社がもうかっているか損しているか、黒字か赤字がということがいつも頭の中にあるというのが民間の企業の経営者はもちろん社員の一人一人だと私は思います。例えば私鉄にいたしましても、その他の民間企業にしても、一従業員でも、今うちの会社はもうかっているのか、景気がいいのか、損しているのか、赤字かということがいつも頭の中にある、これが私は民間企業の社員なり従業員の認識だと思うのです。したがって、私はやはり意識の革命というものは、民間に移行するのであれば、今自分の会社がどうなっているか、その日その日の状態がどのような状態になっているかということをすべての職員がいつも頭の中にあるという企業意識ということが一番大切じゃないかと思うのです。
 それで、今総裁も相当努力をされておると思いますが、きついことを言うようですけれども、例えば本社の皆さん方は相当努力されておりますし、また地方においても大分頭の切りかえができておると思います。しかし、私はまだまだ国鉄の幹部職員と言われる人たちの中にも、今までの公共企業体である一本の日本国有鉄道が六つに分かれるんだ、七つに分かれるんだ、これくらいの感覚しかない。新しい会社をつくるんだという自覚がないような感覚を受ける面が多いわけなんですが、少なくとも改革を進めなければならない中心になる人たち、これは中央だけでなくして各地方におきましても、新しい会社をつくるんだということでなければ、今までの一本の公共企業体が六つに分かれるんだというような感覚では国鉄の改革はできない。そういう点について杉浦総裁はどのような認識を現在お持ちになっているか、お伺いしたいと思います。
#193
○杉浦説明員 国鉄といういわば公的な機関としての仕事に長らく従事をいたしました関係上、また実際に民間企業、株式会社を経営したという経験が本当のところないわけでありますので、完全に民間企業人になれというふうに一生懸命口では言っておりますけれども、本当のところはよくわからないというのが実態だと思います。しかし、わからないなりにそれぞれがやはり将来の展望というものを持ちながら、企業とは何であるかということを常に考えて、前途の明るい鉄道というものをみずから開拓していく、そういう精神が必要であるというふうに思うわけでございます。
 そうしたことを口では言いますが、現実には、実際のお仕事は、毎日毎日のお仕事をやっていく現状の維持ということもございますからなかなか難しいのでありますけれども、やはり全体の改革法のいわば準備をどうしてもしていかなければならない。これは先生方によく怒られますけれども、私どもは国会への御審議をお願いする立場からいいましても、将来の旅客鉄道、貨物鉄道のあり方につきまして十分に中で検討をし、そしてその検討した中身につきまして、諸先生の御質問、御審議に十分応じられるように我々が勉強していかなければならぬということで、前から実は会社ごとの組織、要員、収支等々につきましての勉強をプロジェクトチームをつくりまして実際に勉強しております。あるいはまた、先般地方の組織におきまして準備室をつくり、その準備室が、将来会社はどうなるのかということを真剣になって自分で考えるというような体制もつくっておるわけでございます。現実にそうした仕事としまして勉強する中で、企業というものは何であるかということの中身が次第にわかってくるであろうというふうに思うわけでございまして、抽象的なかけ声、勉強だけではなかなか体得ができないといううらみがあるわけでございますが、そうした具体的な会社の全体像というものをつくり上げる過程におきまして、次第次第に勉強を積んできておる、わかりかけてきておるというのが実情かと思います。そういうような体制の中で企業マインドというものを各人が体得するように、特に幹部の諸君がこれを自分みずからの問題として体得するように、今後も指導していきたいと思っております。
#194
○中村(正雄)委員 総裁のお話にあるように、六十二年の四月、これは期限を切られておるわけですから、それの準備に相当忙殺されているということは十分わかります。ただ、実は私、一週間ほど前に四国の国鉄職員が四、五人私を訪ねてまいって相談を受けたわけです。一人は管理局に勤めている職員、あとの三人は現場の職員でございましたが、その人がやってこられて、どちらも三十前後の青年でございますが、これから国鉄が一体どうなるんだろう、私もやはり国鉄は今当局の考えているような民営・分割以外には再建はできないだろう、やむを得ないと考えている、したがって新しい旅客会社で仕事をしたいと思っておる、しかし本当に新しい四国の会社がやっていけるのでしょうか、こういうことを私を訪ねてまいって話をいたしました。私はそのときに、じゃ、君は新しい旅客会社に骨を埋めるつもりで、そうして新しい会社を盛り立てていこうという情熱を持ってそういうふうに考えておるのかと聞いたわけですが、いや、もう国鉄も分割されるんだからやむを得ません、やはり新しい会社に参りたいと思います、こういう話でございます。したがって、訪ねてまいったこの職員は、まだ国鉄の改革ということにある程度の理解を持っている部類の職員だと思いますが、それもここに来たらやはり分割も民営もやむを得ない、新しい会社で自分は職場を求めたい、こういう心境でございます。しかし、私がそのときに言ったのは、こうなったんだから、やむを得ないんだから新しい会社に自分の職場を求める、そのような考え方では間違っているんじゃないか、自分が新しい会社を発展さす、少なくとも日本の優良企業にするように努力をするという情熱で新しい会社に入らなければ、例えば四国の旅客鉄道会社も私はやっていけないんじゃないかと思うということで話をいろいろしたわけです。
 そのときに、私の経験話から青年たちに言ったのは、君、四国電力という会社知ってるかと言ったら、電力会社はいいです、ああいうところに就職できたらありがたいと思います、こういう話でした。君たちの生まれる前のことだけれども、実は電力会社も、日本が占領下にあるときに分割されたんだ、そのときにいろいろと問題があった、私自身も今は反省しているんだけれども、そのときに電力の分割について、これはもう片山内閣以来の懸案でございまして、でき上がったのは吉田内閣のときでございます。私もそのときに、確かに電力の分割は占領軍の命令でやむを得ないけれども、例えば東京であるとか大阪であるとか、こういう電力会社は、これからも採算がとれるし繁栄するだろうと私は思う、しかし北海道や四国のような電力会社がやっていけるわけはない、したがって、この分割はどうしても困るんじゃないかということで、私自身は反対した一人でございます。そのときに一例に挙げたのは、これは電力界の人も多くはそうでございましたが、当時は日本の産業自体もまだ戦後で復興いたしておりません。電力の供給は、やはり一番大きな供給先は家庭の電灯でございます。例えば東京や大阪であれば、一本の電柱から二十軒、三十軒の電灯を引くことができます。しかし、北海道や四国であれば、一軒の家に電灯を引くために二十本、三十本の電柱が要るわけでございますから、とても採算がとれるものじゃない。いわんや北海道のような人口で、あれだけの広大な地域で北海道の電力会社が採算がとれるわけはないというような常識的な判断から私は反対いたしました。ところが現在、北海道電力も四国電力もどうですか。例えば北海道を例にとっても、北海道は当時よりも人口は減っております。にもかかわらず北海道電力は優良企業として繁栄いたしておるわけなんです。
 それで、私が四国のその職員に言ったのは、四国という広大な地域で、ここに私鉄をつくるとすれば、株主を募集し、土地を買収し、線路を敷き、車両をつくり、それから営業していくのが私鉄なんだ。ところが極端な言い方だけれども、現在ありまするすべての設備をただでもらって、そして運営するんだ、英知を集めて衆知を集めて皆努力すれば、四国の旅客鉄道会社は日本の優良企業になれるんだ、私はこういうふうに考えておると言って、その青年たちに話をしたわけなんです。したがって、もし君が四国の旅客鉄道会社に職場を求めたい、そこに残りたいという考えてあれば、十年かかるか二十年かかるかわからないけれども、この四国の鉄道会社を優良会社にするんだという情熱を持って入らなくてはいけないし、皆がその情熱を持てば、私は日本の優良企業になれると思う、このように話をしたわけなんです。
 したがって、私は総裁にお願いしたいことは、職員の頭の切りかえ、教育の方法にしても、今の国鉄から考えたら分割も民営もやむを得ないんだ、しかし自分は国鉄にしか職場を求める意思がないんだから仕方なく残るんだ、こういうような消極的な考え方で新しい会社が発足したのでは、国鉄の再建はできないと私は思う。したがって、これからの教育なり指導も、衆知を集めて努力をすれば、日本の優良企業になれるんだという希望を持った教育と指導をしてもらいたい、こういうことを私は注文するわけなんですが、総裁はどうお考えになりますか。
#195
○杉浦説明員 今、四国、北海道の電力会社の例をお話しせられたわけでございますが、確かに創業時なかなか大変だっただろうと思います。そうした中からいわば経営者の努力あるいは従業員の努力によりまして、それぞれの各地域における対応をなし遂げ、コストと収入とのバランスをとって立派な企業に成長したというふうに思うわけでございます。
 確かにおっしゃいますように三島、北海道、九州、四国というようなところは、今のままでは鉄道は赤字企業、そういう企業でございます。したがって、本来的に赤字体質を持っておるということは言えると思います。しかし、それではいけないんだということで、これから御審議いただきます案におきましても、まずその赤字企業のもとになる部分というものに重要なメスといいますかあるいは栄養といいますか、そういうものを与えた形にしようとしております。いわばスタートの時点において赤字体質を除くというようなことでスタートをさせようというふうにいたしておるわけでございます。
 しかし、問題はそれからどうなるかということだと思うのであります。この辺もまたいずれ十分御議論があろうかとは思いますが、スタートはそうでありましても、そうした企業はやはりなかなか大変だと思います。その大変なものを育てていって立派な健全体に仕上げていく必要があるというふうに思うわけでございますが、その仕組みは、まず法的に御審議を得て立派な仕組みにつくるということをしなければなりませんが、スタートの後におきましては、やはりその当該経営に当たる経営者の考え方あるいはそれに従事する職員の企業に対する努力というようなものが結集するようなことでなければ、企業としてはなかなか発展を確保することが難しいと思います。
 そういう意味におきまして、今先生御指摘のように、今からどんな事態に対応いたしましても、基本的な物の考え方というものはわかるわけでございますので、そういう意味におきます企業人としての教育、そうした企業人の精神というものを習得するように、特に幹部諸君の教育につきましては、今後とも一生懸命やってまいるつもりでおるわけであります。
#196
○中村(正雄)委員 今、国鉄も本社に推進本部をつくり、各地域ごとに新しい会社の経営をどうするか、機構をどうするかということでそれぞれの推進本部をつくってやっていらっしゃいます。ところが、現在国鉄に二十七万余り職員がいますからいろいろ考え方はあると思います。二十七万余りの職員でございますから、国鉄をどうすべきか、どうして再建するかということについてはいろいろと各人各様の意見があると思います。今政府の決定している、また今この国会に提案されておりますような方向で国鉄を再建しなければならない、こうすべきだと考える人たちもあると思います。また、このような改革はだめだ、やはり今の公共企業体一本のままで公共性を堅持する国鉄でいくべきだ、足らないところは国民の税金で経営の経費は賄ったらいいんだと考える職員もおると思います。あるいはまた、今のような公共企業体ではいけないのだから、民営的な手法を取り入れた民営に移行しなくてはいかぬ、しかし分割するということはいけないんだ、一本でいかなくてはいかぬ、こう考える職員もおると思います。これはもう各人各様であって、それぞれの考え方があるのは当然でございますから、この考え方が、どの考え方がいい、どの考え方が悪いと言うべき筋合いのものじゃございません。みんなそれぞれの考えを持っておると思います。
 ただ、私が心配します点は、今政府が方針を決め、国会に改革法案を出し、そうして国鉄としては、その方針に従って改革の準備を進めるということで、今推進本部をつくって中央地方でやっております。したがって、言いかえれば現場の職員は別にして、中央におきましては、本社がその中心でありましょうし、地方におきましては、各管理局なりあるいは工事局等のいわゆる非現業部門が中心でございます。そこに推進本部を設けてやっているわけでございますが、それぞれの責任者はそれでやっておると思いますけれども、多くのアシスタントがいなければ、これは実際、計画もできなければ実行もできない。アシスタントは、その局の職員がアシスタントでございます。したがって、その局の局員の中に、今言ったように、政府の決めた、国鉄の決めた改革によって国鉄を改革しようという意識で参画しておるアシスタントであればいいのですけれども、やはり自分は考え方が違うんだ、今の公共企業体のままでいくべきだ、国鉄の改革には反対だという人もおるかもわかりません。あるいは改革はしなくてはいかぬけれども、今の政府の方針の改革には反対だというアシスタントも相当おると思います。そういうアシスタントを、考え方の違う人たちを使って果たして推進の計画なり実行なり準備ができると総裁はお考えになっているかどうか、この点についてお尋ねいたします。
#197
○杉浦説明員 私は総裁になりましてから一番気になりましたのは、今先生おっしゃいましたような、職員の中の、特に幹部の諸君の考え方のばらつきといいますか違いといいますか、そういう点であったわけであります。国鉄に対する政府の方針なりあるいは国鉄自身の考え方につきましても、ここ数年間のうちに非常に大きな変化があるわけでありまして、幹部も職員も、どうしたら改革ができるかという改革に対する気持ちは変わらないにしましても、改革の方法論につきましては、いろいろと違った考え方がとられてきたことも事実であります。
 したがいまして、おっしゃいましたように、政府の方針は、監理委員会の答申に沿い政府が閣議決定をするというような事態の変化はあるにせよ、今までそうでない気持ちを持った職員もたくさん抱えておったというのが私が総裁になった直後の状態であったと思います。そうした諸君をどのように指導し、どのような方向へ導いていくかということが私の最初の悩みであり仕事であったというふうに、振り返ってみて思うわけでございますが、その場合に、やはりそうした思想の持ち主を全部他へ転ずるというような極端な思想はとれないわけでありまして、国鉄はやはり毎日のお仕事をしっかりやっていかなければならないし、それからまた、これからの改革の仕事は大変難しい問題であり、また大変分量の多い仕事でございますから、そうした意見の違う職員が全部違ったことでいいんだよというふうにしてはどうにもなりません。やはりそうした点を、全体にわたりましていかに一つの方向に向けて働いてもらうように鼓舞、激励をするといいますか、極端に言えば仕事を与えながら、その仕事をしつつ気持ちを変えていってもらうというような仕組みの中で、徐々に全体の職員の気持ちを変えていく必要があるなど判断をいたしまして、それなりの人事もしつつ時間をかけながら今までに至ったという状態でございます。
 そうした中で、法案の作成というような大変重要な事柄も相当進展をしつつ、あるいはまた諸先生のいろいろな御議論あるいは新聞論調というようなものは大変華々しい状態で国鉄改革論議というものが日本全国に非常にみなぎってきておる状態であるわけでありますが、そうした中に次第に幹部の諸君は気持ちを切りかえ、新しいあり方というものに目覚め、そういう方向でなければならぬなというふうにだんだんに気持ちが行ったんだと私は見ておるわけでありまして、現時点で一〇〇%完全かといいますとなかなかそうもまいりませんけれども、国鉄の幹部諸君の方向というものはおおむね一つの方向に向かっているなと私は思っておるところでございます。そういうことでないと、またなかなかこれだけの大きな改革はできないわけでございますので、時間がかかるあるいは時間がないというようないろいろな情勢の中で、それなりの意識の方向づけというものはやってきたつもりであるわけでございますが、これはなかなか一気にはいかない、これからも粘り強く話をしていきたいと思っておるところでございます。
#198
○中村(正雄)委員 もちろん国鉄の改革は国会を通過しなければ実現できないわけでございますから、これは先のことでございますが、しかし、政府としても国鉄としても、改革の方向はもうはっきりし、国会に提案しているわけです。したがって、国鉄としては、この方向に従って準備を進めなくてはいけないし、六十二年四月という期限が決まっているわけでございますから、それまでに完成しなくてはいけないわけでございます。したがって、総裁の努力は十分わかりますけれども、しかし準備を完全に行わなければ移行できないわけでございまして、そのためには、少なくとも地方におきまする準備の中枢機関である管理局自体が、やはり本社と同じような意識のもとに同じような努力を続けていかなければ、本社が幾ら計画しても準備はできないわけでありますので、この点については今後とも私は総裁なり役員たちの努力を特に要請しておきたいと思います。
 これに関して運輸大臣、何か御意見があればひとつ御答弁願いたいと思います。
#199
○三塚国務大臣 ただいま来の中村先生と総裁の御質疑を聞いておりまして、中村先生の改革に寄せる御熱意に深く敬意を表するものであります。
 私もかねがね国鉄改革の基本は意識の改革からスタートしなければならぬだろうと思っておりました。特に、国鉄はつぶれない、つぶされるはずもない、こういう絶対的な神話のようなものがありましたことが、国鉄労使、特に経営陣が甘えの構造に陥った原因ではなかろうかと思っておりました。そういう点で、杉浦総裁を中心とする現体制が悲壮な決心の中で、この改革を断行しなければならない、その断行なくして国鉄の新生、再生はあり得ない、そういう決心を持たれて御努力をいただいておりますことは、当然といえば当然でありますが、敬意を表しておるところでございます。
 運輸省といたしますれば、この国鉄の改革の意識を最大限サポートしてあげることであると思いますし、私どもが今国会に提出をさせていただきました国鉄改革基本法を中心とする関連法案も、その基本的な発想とスタンスの中でこれを提出をさせていただいたものであり、中村先生御指摘のとおり、巷間伝えられる四国鉄道、九州あるいは北海道鉄道は、分割体として成立し得ない、成功しないであろうということは、まさに御指摘のとおり私はあり得ないことだと思っております。この鉄道を新しく興し、地域鉄道として地域のために活用していく、またそれを起点として発展をせしめていくという一人一人の意識が結集をしてまいりますならば、この地域鉄道は、その将来は推して知るべしであり、展望に満ちたものであろうというふうに思います。そういう点で、今度の改革は、まさに新しい鉄道に生まれ変わっていく、こういうことであるわけでございますから、鉄道官僚的な発想を捨てまして、鉄道マンとしてこの鉄道とともに生死をともにしていくという気迫の中で盛り上げてまいりますならば、必ず成功するでありましょうし、そういう努力をしております限り、国も政府もまた地方団体もこれをサポートしていく、こういうことに相なるであろう、このように思っておるところであります。
 段々の御提言、御議論、非常に今後の改革の方向として力強い限りであり、今後ともよろしくお願いを申し上げる次第であります。
#200
○中村(正雄)委員 今の国会に提案されておりまする基本的な改革法案、これによりますと、六十二年の四月から新しい会社が発足することになります。言いかえれば公共企業体としての日本国有鉄道は六十二年三月三十一日限りで消滅するわけでございます。これは形ではそのようになっているわけでございます。しかし、実態は六十二年の三月三十一日から四月一日、同じように営業は続いておるわけでございます。言いかえれば六十二年の三月三十一日に日本国有鉄道として東京駅を出発した列車は、四月一日に東日本旅客鉄道株式会社に衣がえするか西日本旅客鉄道株式会社に衣がえするかわかりませんけれども、三月三十一日と四月一日は続いておるのであり、営業なり仕事は継続されておるわけなんです。したがって、私は移行の問題を一番心配するわけでございます。三月三十一日までは公共企業体としてやるんだ、四月一日から新会社になるんだから、それから新会社としての教育もし、営業もやるんだというのでは、私は立ちおくれになると思います。
 皆さん方も、政府委員の方も御承知のように、電電公社がうまく移行したと言われておりますのは、移行前において新しい民間会社としてやっていかなければならないという教育と訓練をやっておったからあのように円満に移行できたわけでございます。一部の地域におきましては、今まで電話加入者と呼んでおったのをお客さんと呼びなさい、また一部の地域では、一軒一軒お客さんを回って、これから電電も民間になります、よろしくお願いいたします、何か御注文ありませんか、電電公社の社員が一軒一軒加入者の家をあいさつして回ったということさえ聞いておるわけでございます。したがって、私はこの移行を円満にやるためには、やはり今から新しい民間会社だということの訓練と計画を持たなければ完全に移行できないと思います。これに対しまする総裁の構想があればお聞かせ願いたいと思います。
#201
○杉浦説明員 移行のときにおきまして、そういう状態があることは本当に望ましいと思いますけれども、スムーズに移行がなされるということを考えますと、大変不思議な感じがいたすわけでありますが、現場の皆さんの気持ちというものは、私もほぼ回って具体的に話を聞いておるんでございますが、鉄道を動かしている限りきのうもきょうも同じだという感覚はあるんだと思うのです。いわばそれは長年培われました鉄道マン、鉄道魂といいますか、そんなような感じだと思うのです。正確に、安全にというような、そういった気持ちというものはそんなに変わっていない。ですから、移行がスムーズにいくかいかないかの心配はありますが、その状態というものは、看板がかけかえられるというところで違いがありますが、職員の働きというものは、そのままいくんではないかというふうにも思います。ただし、それに至るまでが非常に大変であるということはもうおっしゃるとおりでございまして、気持ちの切りかえ、諸準備の完成ということが絶対要件であるというふうにも思うわけでございます。
 NTTの真藤さんと私はよく話をいたしまして、民間への移り変わり、変化に対する勉強を私はしたいんだ、教えてくださいということをよくお話をいたします。真藤さんもいろいろな面で、今先生おっしゃいましたような事前の職員の気持ちの切りかえのための教育ということを非常に力説をされたわけでございますが、また一方では、人間というのはわりかし適応性があるんだよ、そういった仕組み、入れ物、それが変わることによって職員というものはがらっと変わってくる面もたくさんあるよということを言われております。例のカードが非常にブームになっておるわけでありますが、この発案というものは真藤さん自身がやれと言ったわけではない。これは職員の中から自発的にああいうものを売り出せば売れるのではないかというような発案で、中で企画をし、商品として売り出したら成功したということを真藤さんが言っておられました。やはり企業精神というものは、そうした仕組みの中でおのずから発展してぐるものでもあるよということを言われまして、ある面ではこれはやってみないとわからぬことだなという気持ちもしたわけであります。しかし、事前の準備というものは、やはり万全を期する必要があるというふうにも思っておるところであります。
#202
○中村(正雄)委員 私自身も鉄道マンの良識と英知を信じております。したがって、円満に移行すると思います。
 ただ、一つだけ、私は事例として総裁に聞いてもらいたい。このような状態で果たして私鉄と同じような経営がスムーズにできるんだろうかという点、総裁のおひざもとの東京駅のことに関して一点指摘したいと思います。
 御承知のように、東京駅の新幹線の連絡通路がございます。新幹線が到着すると千数百人の乗客がおりてくるわけでございます。もちろん南口へおりる人もあれば北口へおりる人もありますが、大多数は中央の連絡口を通るわけでございます。中央の連絡口の出口は三つしか改札口があいておりません。千数百人の人がおりてきて女や子供は押し合いへし合いです。私もいつも利用しておりますので、その雑踏の中に入りますが、そのときの乗客は国鉄に対する怨嗟の声に満ちているわけでございます。ところがお隣の改札口、入り口を見れば、これは三つあいておりますが、乗客のお客は散り散りばらばらでございます。したがって、超閑散でございます。出口は三つに千数百人が殺到するわけでありますから、本当に女や子供は押し倒される。しかもたくさんの荷物を持っておる。そうして愉快に新幹線で旅行して東京駅へ着いた、その新幹線に対しまする愉快な旅行というものが出口で一遍に吹き飛んでしまう、こういう状態でございます。これが私鉄であれば、どんな私鉄でも、例えば出口が混雑すれば、入り口がすいておれば入口を閉鎖して出口にする、あるいはまた出口に人が足らなければ、休憩の職員が行って出口をあける、これはもう当然でございます。反対に新大阪の駅を見た場合、新大阪の駅も新大阪着の新幹線が到着すれば千人以上のお客がおりますけれども、改札口は全部開放いたしております。何ら混雑はいたしておりません。また東京駅のあの連絡通路を見ても、まだまだ改札口を五つや六つはすぐできるだけのスペースはあるわけでございます。十年一日のごとく出口は三つしかあけてなくて国民の怨嗟の的になっておる。この実情を総裁は御存じかどうか。私は今まで役員の人、責任者の人にたびたび忠告いたしました。あんな状態で国鉄が民営になるか、これから直しなさいと言っても十年一日のごとく直っておりません。この状態を総裁は御承知かどうか。承知しておりながら、これが改善できないとすれば、私は国鉄の改革の責任者としての資格はないと思う。総裁はどうお考えですか。
#203
○杉浦説明員 私も時々利用をいたしております。大変な状態であることも体験をいたしておりますが、その辺の臨機応変の気持ちというものをその場で実は発見はしておりません、正直にお答え申し上げますが。そういう意味では大変企業精神がないのかもしれません。やはり反省をいたしますが、国鉄のあり方というのは、大きな意味での外界の変化に対応しなければならぬということ。それからもう一つは、今先生御指摘のように、毎日、毎日の作業の中、特にお客さんとの接点におきますサービスをよくするという意味でのきめの細かい気のつき方というのが足らないのだと思うのですね。そこら辺が最も改革をすべき原点であろうと私自身を含めまして反省をいたすわけでございますが、今後ともそうした原点に常に立ち返りながら、よい、安いサービスの提供、それを売るんだという気持ちというものを培っていきたいと思うわけでございまして、東京駅の実態につきましては勉強不足でございます。よく調べて対処をいたします。
#204
○中村(正雄)委員 私は今のような事例はサービスのうちに入らない、当たり前のことだと考えております。したがって、円満な移行がどうかということは、三月三十一日も四月一日もあの状態が続くようでは円満な移行はできない。一遍あの現場をごらんになれば、まだ五つや六つの改札口は費用もかけなくてもすぐできるわけであります。しかも職員は今余っている、余剰人員対策といっていろいろともてあましておる。したがって、この問題については、私は総裁の責任において現場を見てもらい、そして早急に改善してもらいたい。移行について非常に心配している一つの事例を申し上げて反省を求めたい、こういうことでございます。
 総論的なことは大体これくらいにいたしまして、本法案の内容について二、三お伺いいたしたいと思いますけれども、ほとんど多くの委員の方が質問されております。したがって、改めて質問する点は少ないわけでございますが、できるだけ重複を避けて二、三の点について御質問いたしたい、あるいはまた二、三の点について確認いたしたい、かように考えるわけでございます。
 この国鉄の改革によりますと、六十二年四月一日現在の職員は新しい企業体で二十一万五千人、清算法人が四万一千人、合計二十五万六千人、これは一応予定されておるわけでございます。そのために、この法案の骨子でありまする六十一年度中に二万人という希望退職者を募集しよう。そして二万人の退職者は関連事業に八千人、公共部門と民間部門で一万二千人の職場を確保して、そして希望退職を募ろうというのがこの法案の趣旨であり計画である。そしてそれに対しましては、退職金の上積みをしよう、これがこの法案の半分の骨子であるわけでございます。したがって、この方針どおり、昭和六十一年じゅうに二万人の希望退職者が募集されて、それぞれの職場は確保できる。もしこれができなかった場合、一万人しかできなかった、一万五千人しかできなかったとなれば、余った人はそのまま抱えるというお考えかどうか、その点をお伺いいたします。
#205
○杉浦説明員 二万人はぜひとも希望退職の仕組みの中で解決をしていくための万全の努力をいたすつもりでございます。仮に、どうしても足らなかったというような例は余り考えたくはございませんが、そうした場合におきましては、新事業体の二十一万五千人の規模というものを膨らますわけにはまいりません。清算事業団の方に行く以外にないと思いますが、そういうことのないように一生懸命頑張りたいと思います。
#206
○中村(正雄)委員 一応二万人の目標は絶対に達成したい、そのとおりでございます。ただ政局が今のような状態でございますので、この法案が成立しないこともあるいは考えなくてはいかぬ。あるいは延期、相当おくれて成立することもやはり最悪の場合には考えなくてはいかぬ。時間的な問題等で、私はやはり二万人が達成できないという場合もあるのではないかということで、努力は十分承知いたしておりますが、最悪の事態にどうなさるかということで御質問したわけです。
 もう一つ、純法律的な問題でございますが、もし予定が達成できないという場合、法律的に見れば日鉄法の二十九条の四号、この規定もあるわけでございますから、これを発動するかしないかは別にして、法律的にはこれは発動できると思うわけでございますが、この点についてはどうお考えですか。これは確認でございます。
#207
○澄田説明員 ただいまの御質問に対してお答え申し上げます。
 法律的には日鉄法二十九条四号の発動は可能であるというぐあいに考えております。これはあくまでも法律の解釈の問題としてでございます。
#208
○中村(正雄)委員 発動するかしないかは別にして、法律的にはこれは可能だと私も思いますが、その場合、今国鉄の中にたくさんの組合がございますが、雇用安定協約を結んでいる組合もあるし結んでいない組合もあるわけでございますが、雇用安定協約を結んでおる組合の職員については二十九条の四号は発動できないという解釈になるわけですが、そのように解釈していいですか。
#209
○澄田説明員 雇用安定協約を締結しておる組合につきましては、日鉄法二十九条がありながら、その上にそういった協約を結んでおるわけでございますので、雇用安定協約の締結のなされている組合員については、そういったことは生じ得ないというぐあいに考えております。
#210
○中村(正雄)委員 たびたび政府が言っておる、一人の職員も路頭に迷わさないということは、中曽根総理以下三塚運輸大臣もたびたび国会の場で発言されております。このことは一体どういうことを意味しておるのか、お尋ねしたいと思います。
#211
○三塚国務大臣 この改革は、法律に基づいて新しく再生にスタートを切る、私鉄並みの経営で取り組まなければならぬ、こういうことで軽量経営、さような意味で六万人余の余剰人員を生ずる、よって国鉄の自助努力に余る四万一千人については、三万人を公務員グループ、一万人を一般関係会社に御採用をいただくべく全力を尽くす、こういう組み立てに相なっておるわけでございます。ただいまの私が申し上げておるその四万一千を、国の責任において、雇用対策本部長は中曽根康弘であるわけですから、これを一〇〇%達成する。達成しなければなりませんし、その決意ですべての分野にお願いを申し上げて、それなりの見通しも立てさせていただいてきたわけでありまして、この限りにおいては一人たりとも路頭に迷うということはありません、こういうことであります。そういたしますと、二十九条四号の問題との関連においても、事実関係においてクリアするであろう、これが一点です。
 それともう一点は、それぞれの組合が国鉄にあるわけでございますが、ただいま置かれております現状認識で、賛成反対の立場は別として、この現状はまことにやむを得ないものである、再生、新生のためにはやむを得ないものである、こういう基本的コンセンサスに相なりますれば、これまたそれらの体制というものはさらによりよいものになっていくでありましょうし、完璧な体制ということに相なるのではないだろうか。
 いずれにいたしましても、法律があろうとなかろうと、中曽根総理大臣が言明をいたしておりますし、私はその命を受けて主管大臣として、この雇用安定対策に全責任を負ってやり抜く、全省を挙げてこれに取り組んでおるわけでございまして、そういう点から言いますれば、クリアでき得る、こう思っておるわけであります。
#212
○中村(正雄)委員 そうしますと、中曽根総理、三塚運輸大臣が一人の路頭に迷う者もつくらないということは、必ず雇用の場を確保する、こういうふうな意味に解釈していいわけですね。
#213
○三塚国務大臣 さようでございます。
#214
○中村(正雄)委員 基本的な問題について、運輸大臣であると同時に政府の一員であるし、与党自民党の重要なポストにある三塚運輸大臣に注文なりあるいはお考えを聞きたい。
 国鉄が現在のような状態になってまいったいろいろな原因はありますけれども、国鉄問題が国会におきまする国会対策の道具に使われたということが国鉄の荒廃の政治的な大きな原因であったことは否定できないと私は思います。また職場規律の荒廃にしても、そういうことが大きな原因であったということは、客観的に否定できないと思います。したがって、国鉄の問題と国会の問題とを切り離して、国鉄の再建という一つの方向が国会対策の道具に使われるようなことがあっては断じてならない。そのようなことがあれば国鉄の改革はできない。たびたび三塚運輸大臣はそういうことは絶対にしないと明言されておりましたが、重大な国会審議の場に入ったわけでございますから、国鉄問題を与野党の国会対策の道具に使わない、これだけは絶対に守るということを、政府としても、与党自民党としても、三塚運輸大臣からお約束できるかどうか御答弁をいただきたいと思います。
#215
○三塚国務大臣 本件につきましては、御指摘のとおりであります。
 過去に国鉄再建という重要なテーマで、あるいは本来国鉄労使が基本的に解決をし取り組むべき問題が、国会の場で、特に政府・与党という立場の中で、これに介入をしたのではないかという、言われるようなことはあるやに聞いておるわけでございますし、かりそめにも待ったなしの再建、再生という時点に立ちまして、さような御批判を受けるようなことは毫末もあってはならぬだろう、このように思っております。本件を扱う内閣といたしまして、総理、官房長官含めこの大改革を進めるに当たり、特に労使問題を中心とした本来国鉄全体として取り組み決めるべき問題に政治が介入すべきではない、こういうことで基本的に意思を決定いたしておるわけでありまして、さような御批判が起こり得ませんように、主管大臣としてもしかと担当してまいりたいと思っておるところであります。
#216
○中村(正雄)委員 杉浦総裁にまた基本的な問題についてお尋ねいたしたいと思うわけです。
 正常な労使関係というものは、経営者としての基本的な立場を守り、労働組合としての基本的な立場を守って、その間において譲るべきものは譲り、妥協すべきものは妥協していくものだと私は思います。組合の言うことを何でも聞いて、問題さえ起こらなければ、これが正常な労使関係だと考えるのは、だれが考えても間違いだと思いますが、少なくとも数年前までの国鉄の労使関係は、問題さえ起こさなければいいということが労使の荒廃につながった大きな問題だと私は思います。労使間の自主的な問題については政府も介入すべきではない、国会も介入すべきではないと今運輸大臣は答弁されました。そうなれば、国鉄自身が労使間の正常な関係を保つためには、それぞれが自主的な交渉によって、自主的な姿勢において解決しなくてはならないわけでありますから、今後再建の途上におきまする労使関係というものは非常に難しいわけでございます。
 今までの国鉄の経営を見ておりますと、業務の遂行にしても、職員を日本国有鉄道の職員と見て業務の運営をするのでなくして、組合員と見て業務の運営をやってきた、そういう傾向は否みがたい事実でございます。したがって、これからの労使間を正常に運営するためには、労使間の正常な関係を保つためには、経営者としての守るべき一線だけはきちんと守って、その上に立って正常な労使の運営を考えなければならないと思いますが、この点について総裁の御意見を伺いたいと思います。
#217
○杉浦説明員 国鉄の職員であり、なおまた大部分の諸君が組合員であるわけであります。その両方の立場というものを考え、特にこうした大変な時期でございますので、組合との間におきましては、信頼関係を築き上げ、その信頼関係の中で、難しい問題の解決の方法といたしまして、当局から遠慮なく提案をし、また組合から御意見を受ける、そうしたいわば団体交渉ということまでにいかない場面におきましても、常に改革問題につきましてお互いの意思を通じ合うということは必要であるというふうに私は思います。
 そういう意味で、私は私なりに、今まではいろいろな提案をどんどん各組合、全く各組合共通に提案をしてまいったつもりであるわけでございます。その受け取り方は組合によっていろいろではございますけれども、私としてはどの組合というものも差別なしに公平、公正な立場で、フェアプレーという感じで提案すべきものは提案するということで今まで議論を展開をし、詰めてきたつもりではございますが、現状、各組合すべてにわたってそうした状況であるというふうになかなか言えないことがございますのは大変残念でございます。基本姿勢といたしましては、共通の問題を共通の場におきまして、ある意味におきましては、労使の壁を越えて議論をし合うということが必要であるというふうに私は認識をしておるところでございます。
#218
○中村(正雄)委員 国鉄の労使関係は非常に複雑多岐でございます。しかし、今総裁の言われましたように、形式が団体交渉であろうと何であろうと、少なくとも国鉄の方針に反対する組合であろうとも話し合いは十分続けていく、そして理解を求める、この努力は私は今後とも続けてもらいたい。そうしてやはり国鉄の方針に協力できるような、組合員に理解を求めるような努力は続けていただきたいと思います。
 ただ、新聞等によりますと、労使関係が非常に悪いと盛んに報道されております。特に、今度の広域異動の問題その他については、国労とは団体交渉しておらない、こういうようなことが新聞に出ておりますが、こういう面について具体的に果たして話し合いもしておらないのか、団体交渉もしておらないのか、その点についてひとつ事情を御説明願いたいと思います、
#219
○澄田説明員 今回の広域異動を円滑に実施するためには、各組合の理解と協力を得ることが最も大切な要件であると考えております。したがいまして、三月二十日に募集開始をするに当たりまして、前広に三月四日に各組合に説明をいたしまして、具体的な要求があれば積極的に協議する旨を伝えております。勤労、鉄労、全施労からは即刻具体的な要求がございまして、精力的に交渉を重ねました結果、三月十四日に妥結するに至りました。
 さらに、その後、募集期間内に目標数を達成することが難しくなりましたために、四月八日に募集の対象範囲を拡大いたしまして、その件につきましても、各組合に説明をいたしまして、協議いたしました結果、三組合、先ほど申し上げました勤労、鉄労、全施労とは妥結をいたしまして、覚書を交換したところでございます。
 しかしながら、残念ながら、国労につきましては、三月十四日までに具体的な要求が出されませんでした。そして遺憾ながら抽象的な論議に終始しておりまして、さらには当局が団交を拒否したということで、仮処分申請を国労が行いました。私どもは決して団体交渉を拒否したといったことはございませんで、先ほど申し述べましたとおりでございます。三月十四日に出されました国労からの具体的な要求につきましても、私どもは連日にわたり協議を重ねたわけでございます。しかしながら、国労は、これ以上協議しても事態の解決が図れないといったようなことで、三月三十一日に至りまして、団交打ち切りを当局に通告してくるとともに、公労委へ調停申請を行いました。その後、公労委で調停作業が進められましたけれども、四月十日には調停不調となった経緯がございます。
 こういった経緯からいたしまして、私どもとしては協議は精力的に行っておりますし、当局が協議を拒否したということはございません。
#220
○中村(正雄)委員 最後に、運輸大臣にお尋ねしたいわけですが、余剰人員対策と言われておるうちで一番大きな問題は、公的部門の三万人。これはたびたび答弁されております。けれども、具体的にひとつお願いいたしたいと思いますのは、例えば六十二年から六十五年までにこれだけの人の職場をつくらなくてはならないわけです。聞くところによりますと、ある官庁では、六十二年に何人、六十三年に何人、六十四年に何人と人員まで決め、しかも人も決めてもいい、あるいは人も決めているところもある。こういうふうに具体的に、六十五年までの特定の人まで決めるような官庁もあると私は聞いております。したがって、私は、少なくとも特定の人まで決めるまで具体的に公的部門の受け入れ枠というものが決まらないと、職員の希望もとることができないと思います。
 例えば、自分は六十四年には自治省に入れるんだ、六十五年には東京都に入れるんだということが確定しておれば、四万一千人の枠に残った場合でも安心して残れます。あるいはまたそれぞれの受け入れ先の話し合いによって、賃金は清算法人が持つとか、しかし仕事は来て見習ってくれということもできると思うのです。したがって、公的部門の受け入れについて、枠をつくることがもちろん前提でありますけれども、枠の中におきます年度別の採用人員、あるいはもっと進んでいけば、年度別にだれとだれは採用するということまで決めていかないと、職員の希望というものもとれないのじゃないか。公的部門の受け入れ、これがはっきりすれば、あと関連事業、一般の企業等についてもそれが波及して、具体的な交渉が進むと思うわけなんです。したがって、これだけは公的部門が責任を持って受け入れますというような、枠だけの問題でなくして、具体的に突き進んだ話し合いを、少なくともことしじゅうにやっていただきたい。これは注文でございますが、そういうことについて努力なり見通しがあるかどうか、お尋ねいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#221
○三塚国務大臣 本件につきましては、直接、中島事務局長が全力を尽くして各省庁打ち合わせをさせていただいておりますし、事務局全体に各省の代表者もお集まりをいただきまして進めておるわけでございまして、雇用対策本部といたしまして、ただいまの御提案のラインに沿う形で進めておりますのは、六十五年度までの各省別の採用人員、それと公社公団の採用人員、願わくは地方公共団体の採用人員、もう出ておるところもございます。地方公共団体の場合には、出ておらないところが出ているところよりも若干多いわけでございますが、この点を、秋といわず八月あるいはできるだけ早く、七月ぐらいまでにもおとりまとめをいただくように、まず国家公務員グループについて各省を実は督励をいたしておるところであります。
 さようなことで、地方公共団体に対しましても、先般総理大臣も出席のもとに、地方六団体の代表者の方々に官邸にお越しをいただきまして、懇切にまた誠意を持って、置かれております今日の国鉄の立場、改革の最重要課題としてこの雇用対策がございます、こういう点で御懇請を申し上げ、それぞれ六団体の代表者から、置かれておる実情をよく理解いたした、よって、どういう採用に相なるかは、それぞれ知事会は知事会として全体会議の中で、また市町村会は市町村会として、全体の中でひとつお取り組みをさせていただくということでございましたし、実は私どもはこのことに最大の期待を寄せておるところでありまして、今後ともまず範を示すという意味で、国家公務員グループが率先をして、明確にその具体策を発表できる段階までこれを突き進めていかなければならぬと思っております。
 今、御指摘の個人個人について六十五年度の採用まで内定できぬか、こういうことでありますが、そうまいりますれば、もうこの時点で改革のおおよそのベースはできたと御評価いただけることであろうと思うのでありますが、地方団体の場合は、年度年度で採用をしてまいるという建前でございますし、国家公務員グループ、各省庁も、できているところもありますが、全体はやはり年度年度で一応の選考、採用ということで取り進めるということに相なっておるわけでございまして、この採用方式はやむを得ない採用方式かなと、こんなふうに思っております。要すれば、先ほども申し上げました三万プラスアルファ、できるだけ国家公務員グループの中でこれを採用していただきますように、これは政府の決心でできる分野でございますので、取り進めてまいるつもりでございます。
#222
○津島委員長代理 富塚三夫君。
    〔津島委員長代理退席、鹿野委員長代理
    着席〕
#223
○富塚委員 私は主として労使関係の問題についてお尋ねをいたしたいと思いますが、きょうはまた公労委の会長の堀先生に御多用のところ御出席いただきましてありがとうございました。厚く御礼申し上げます。
 その前に、運輸大臣にお尋ねいたしたいのですが、中曽根総理大臣は国鉄改革について並々ならぬ決意で臨みたいということを何回も言明されてきましたし、運輸大臣も全く同様の趣旨のお話をされてまいりました。ところが、このところ東京サミットも予定をされている、そして国会の解散、つまり衆議院の解散・総選挙という問題、そして衆参同日選挙という問題がかなり国会内外でもあるいはマスコミの関係でも言われているわけでありますが、さきに運輸大臣は、解散になってしまったのでは、国鉄法案はまた国会での再手続をしなければならないから、同日選挙は反対、衆議院の解散には反対だと、仙台でですか、記者会見をされた。総理大臣は何か解散にかなり意欲的になっておられるということを承っているのですが、このところお二人の考え方に違いが出てきたのかどうなのか、その辺について大臣の真意をお聞かせいただきたい。
#224
○三塚国務大臣 官房長官が答えるあるいは中曽根本人が答えるべき問題であろうと思いますが、しかし、今富塚先生言われますとおり、国鉄改革が最大の国家的大行事であり、内閣の最重要事である、こう総理も言われておりますし、私自身もそういうことで本法案もお願いを申し上げ、やがて関連法案の御審議もお願いを申し上げたい、こういうことで進んでおるわけでございまして、願わくは今国会におきまして、関連法案の御審議の上、この成立も期してまいりたい、こういうことは冒頭から今日ただいまの時点でも変わらない心境としてお願いを申し上げておるところであります。
 今日の国会情勢は、私は安定した国会情勢であるというふうに見ております。特に国鉄改革につきましては、民社党の方針は、既に分割・民営の方向を支持していただくという党議決定などもいただいております。公明党さんは、分割体の問題について議論が分かれておりますが、改革の方針についてこれまたおおよそ賛同をいただけるというようなことでございますから、国鉄改革法を御審議いただく環境といたしますれば、今回は大変よろしいわけでして、第一党の社会党さんは、この問題について見直せ、こういうことを強く御主張をいただいております。もちろん共産党も御主張をいただいておるわけであります。しかし、そのぶつかり合いの中で御論議を民主主義のルールに従ってお願いをいたし、進んでおるわけでありますから、こういう状況は大事にしながら取り進むべき問題であって、解散をして出直すという状況にはない。むしろこの状態の中で御審議をいただきますことの方が、改革が重要であるという内閣の方針からいきまして大事なことだなと、こんなふうに思っておるわけであります。
 率直にお聞きいただきましたから、率直に答えさせていただきました。
#225
○富塚委員 総理大臣は政局の安定を大義名分にして解散・総選挙をしたい。運輸大臣は、村が違うこともありますでしょうが、今の状況は安定している、だから国鉄法案についてもぜひこの国会でという気持ちなんでしょうけれども、国会の具体的な日程ということの中で、この国会で国鉄法案を仕上げると当初息巻いておられた総理大臣が、もう今やそういうことじゃなくて、解散・総選挙に打って出たい。打って出ると、これは当然国会がなくなるんだろうから廃案になってしまうんだと思うのですけれども、時間的にもう事実上この国会での処理は無理であり、また来年の四月一日というタイムリミットを考えたときに、国民の側から見て、国会の審議だけをやってみても本当にうまくいくのかどうか。官報への掲載の問題でも、あるいはその他の問題でも、ある程度政府は分割・民営を想定してキャンペーンを張っているとか、国鉄の当局はそういう準備を進めているとか、いろいろ我々の側からすると問題のあることがやられて、抗議をしたり申し入れをしたりしているんですけれども、時間的に物理的に来年の四月一日なんといっても無理なんじゃないのですか。大臣、そこらあたり余りむきになって無理なことをやる必要はないのじゃないかと思うのですが、どうですか。
#226
○三塚国務大臣 総理大臣は解散は考えていないと衆参両院の予算委員会でたびたび申されておるわけでありまして、推測をして報道されておるマスコミの報道と、総理大臣が直接物を言っていることとは明確に対峙しておるわけであります。私も閣僚の一人として、総理の考えておらないと言うことをそのとおり受けとめ、信じ、そうあるべきだということで、前段も申し上げさせていただいたわけでありまして、残された一カ月余の御審議の中で全力を尽くしてまいりますならば、相当部分の御審議が進むのではないだろうか、このように思うわけでございます。
 かねがね申し上げておりましたように、六十二年四月一日のスタートということでありますと、今国会に成立をさせていただくということでありますれば、十カ月の準備期間がありますことに物理的に相なりますし、仮に主要な法案の八つのうちの幾つかが継続で次の国会に相なりましても、これは国会でありますから、国会の意思によって決まることでありますので、結果としてさように相なったということでありますれば、このことは総理にかねがね申し上げておるわけでありますが、参議院選挙後できるだけ早く臨時国会をお開きいただきまして、それで真剣な御議論を賜りますならば、秋風の吹くころには御成立がいただけるのではないだろうか。また御成立いただけるように、真剣に、特に野党第一党の社会党を初め各党にお願いを申し上げさせていただきまして、取り進めさせていただくということに相なりますれば、諸準備は数カ月ということになりますが、四月一日のスタートはそう無理なことではない。しかし、国会の決定があくまでも最前提にありますことは、私も国会議員の一人でございますので百も承知でございますが、そこを政府全体でお願い申し上げることにより、国会の御審議を煩わし、御決定をいただくという前提に立ってお話を申し上げたところでございます。
#227
○富塚委員 総理大臣は、同日選挙をやりたい、解散・総選挙をやりたい。そして伝えられるところによると、解散権は総理にあると言っておられる。そうだと思うのですが、過去を見ても、臨時国会を真夏の七月に開く、大体人が夏休みのときに臨時国会を開いて七月、八月にやるなんということは、よほどのことがない限り恐らくないのが普通だと私は思いますけれども、総理大臣は、意欲はあるのでしょうが、だんだんトーンが落ちていって、別な方に目が向いている。何かこの国会から国鉄改革の意欲がだんだん遠ざかっていくみたいな感じを受ける中で、運輸大臣は大いに張り切っておられるのですけれども、どうなんですか、もう少しゆっくり審議して、ゆっくり考えていくようなぐあいに考え直すわけにはいかないのでしょうか。
#228
○三塚国務大臣 これは私一人で取り決めているわけではございませんで、合議体としての内閣が決定いたし、私が主管大臣として指名を受けておるという形の中で、そのとおり受けさせていただきながら、主管大臣として全力を尽くしておるというのが現況であります。
 特に、ごゆっくりひとつというお話もあるわけでございますが、先ほど来の御論議にもありますとおり、法律に六十二年四月一日にスタートを期すと明記をし、お願いを申し上げておるわけでございますから、そうであります以上、準備期間を少なくとも数カ月、余裕をもって置かせていただいて成立を期してまいりたいといたしますのが提案した政府側とすれば当然の最低の決意であるし、またお願いでなければならぬだろう、こう思います。
 そういう意味で、過去の真夏はお盆休みもありということで言われておりますけれども、こういう国家的な大事業でありますから、私見を申し上げさせていただきますれば、今国会でどうしても成立ができなくて、次に継続に相なりましたということでありますならば、参議院選挙後できるだけ早い機会に、暑い盛りで恐縮でありますが、これは国家のために、国民のために臨時国会の早期開催をお願い申し上げさせていただいて御審議をいただき、その責めを果たしていかなければならぬと思っておるという率直な意見を申し上げさせていただきました。
#229
○富塚委員 改革に向けて大きな問題は、累積債務の処理がどういうふうにされていくのかということがこれから大きな問題になるだろうし、土地の売却あるいは十六兆七千億ですかの問題もこれからある。同時に雇用の問題です。この法案で連日審議されておりますけれども、この雇用の問題が本当にうまくいくのかということが、新聞やテレビにアピールするポーズだけが先行していって、本当にうまくいくのかどうかということについて、私は実感として疑問を持っている一人なんです。
 きょう汽車の中で買ってみたら、日経新聞に「首都圏への希望六人 国鉄の広域異動」と出ておりました。首都圏へ来る希望者が、盛岡一人、秋田二人、長野二人、金沢一人、たった六人しかいないと出ておりました。
 一方、私の部屋にもお持ちいただいた国鉄当局の配転計画といいますか、国鉄余剰人員の各部門に採用していただく状況について、それぞれ「公的部門」国、地方、特殊法人等、「一般産業界」そして「国鉄関連企業」、トータルして三万六千人だとして一覧表がこう出ているわけです。
 しかし、私もずっと国鉄におりましたから関連企業のことはよくわかっているつもりですが、八百六十五社で二万一千人をお願いする。内実をいろいろ聞いてみますと、結局は、単年度では了解する、協力しないと政府や国鉄当局からいじめられるから、単年度では協力する、しかし、先行きの話は数字を挙げておきさえすればいい。単年度の問題で何ができるかというと玉突き解雇です。結局、国鉄から来るからおまえやめろということで、当該関連企業に働いている人が押し出されていくような感じに現実になるわけです。ですから、関連企業の中が大混乱する。今は国鉄再建という大義名分の上に協力する、したいということがありますけれども、これから先、本当にうまくいくのかどうかといったら、二万一千人もの人、そんなに吸収する能力があるのか、私は本当に疑問に思うのです。加えて、自治体など公的部門もそうだと思うのですが、単年度では協力しないと政府にいるいろ別な意味でいじめられるから協力する、しかし、中期的な問題になって何年かの計画になったら、これはもうだめになってしまうのじゃないかという気がするわけです。
 運輸大臣も国鉄総裁も積極的に各方面を回って協力要請はしていると言うけれども、今の日本の雇用構造の中で、これだけを吸収するなんということが簡単にできるのかどうかということについて、私は率直に疑問を持っている一人なんですが、これは自信を持ってやっているわけじゃないのでしょう。
 運輸大臣と国鉄総裁にお尋ねしますが、やるだけやってみようという気持ちでやっていらっしゃるのでしょうか。
#230
○三塚国務大臣 政府が明確にいたしております雇用対策は四万一千人、先ほど申し上げましたとおりであります。この件は何としても達成をしていかなければならない最低のノルマ、こういうことで六十五年度までにこれをきちっとやらせていただく、こういうことであります。ですから、自信がある、ないという次元を超えて最低のノルマである。もっと表現をさせていただきますと、石にかじりついてもこれは達成をしてまいることである、こういうことで全力を尽くしますし、同時に、これを九月ということを言っておるわけでございますが、できるだけ八月あるいは七月までには、この具体的な数字の集計、段取り、計画というものを明確にして発表してまいりたい、こういうことで全力を尽くしておるということでありまして、最低のぎりぎりのノルマである、こういうふうに御理解をいただいて結構であろうというふうに思います。
#231
○杉浦説明員 関連企業の二万一千人でございますが、関連企業はそれぞれ中の事情がございます。なかなかつらいところもあったろうと思いますけれども、今までの深い関係からいいまして、いわば親元である国鉄というものが大変な時期なんで苦楽をともにしてくださいという我々の呼びかけに対しまして、つらいながらお受けしますということで、各企業ともにそれぞれ新規採用の停止、それから定年制の低下といいますか引き下げというようなことも応じていただきながら五年間のスケジュールを立てて、その中で何人何人というふうに策定をしていただいたわけでございます。年が変わりまして、経済事情も変わり、関連企業の中身も変わるかもしれませんが、一応現段階におきまして、各企業ともどもそういう目標を達成しましょうというふうに言ってくれた合意があるわけでございまして、そうした我々の気持ちを理解してくれた、約束は守ってくれるというふうに私どもは信じております。
 みずからの自助努力ということで、まず関連企業に呼びかけをしたわけでございますが、これだけでは足りません。政府全体を挙げまして、あるいは地方公共団体、一般産業界への御協力もかなりいただきつつ、政府におきましては、公的部門三万人の枠を示していただき、また一般産業界におきましても、今まで申し出がございました数だけでも九千人というような数に上っておりますので、そうした全体の雇用の場の枠の拡大につきましては、大臣、私どもどもどこへでも出向きまして、今後とも要請をし続けていきたいと思います。
 具体的な問題といたしましては、個別にそれぞれ地域ごとあるいは年齢別、職種別に当てはめていかなければなりませんので、作業というものはそうなかなか容易ではないと思いますけれども、そうした大きな枠をつくっていただくならば、これは労働省のお力もいただきながら、私ども懸命の努力をもちまして目標を達成していきたいというふうに思っております。
#232
○富塚委員 私は総裁がある新聞に本音を言っておられたのを拝見したら、やるだけやってみることだ、実際にどこまでうまくいくかといったようなことをちらっと見たことがあるのですが、ちょっと心配するのは、関連企業に二万一千人とか民間企業に一万人とか、何か余りにも数字だけが先行して走って、実際についていけなくなってしまって、最後は一体どうなるのか、最後は失敗するのじゃないかという懸念が、何かそういう感じがするのです。どうも九万三千人という数字が出て、清算事業団の数字が出て、こちらが出て、その数字を合わせるためにうまくいくのだ、うまくいかせたいのだということのために先行しているようなことがちょっと問題がありはしないかと私は思うのですが、余りそんなに一回に何万ここに要るここに要るなんて言わずに、着実に本人の希望を聞いて配転をしてやるとか、そういうことを国家的に国鉄の当事者として考えていくということがあっていいんじゃないでしょうか。そろそろこの辺でカーブを切らないと、このように報告された数字だけを見ると、これはこんなふうに本当にうまくいくのかどうかと思ってびっくりするのですけれども、関連企業八百数十社、円高問題が出てきて関連するそれぞれの企業もいろいろな意味であおりを受けたり、国鉄が今度変わっていく中のあおりを受けたり、いろいろなことがある中で、決して雇用拡大なんという状況は望み得ない中で一体どうなのかという点で、数字の問題はどうでしょうかね、余りこだわらないということにできないのでしょうか、総裁。
#233
○杉浦説明員 国鉄の改革の有無にかかわらず、やはり余剰人員問題というのは必至な状態であります。現在でも余剰人員が出ております。したがって、これをどうやったらいいかということは、どうしても解決をしていかなければならない。まして将来の改革を考えますと、その問題というのは一層必至の状況であると思うわけでございまして、今余り大枠の数字が先行し過ぎるのではないかというお話ではございますけれども、問題が重要な事柄だけに、各職員は非常に心配をしております。そうした職員の気持ちもおもんぱかり、雇用の場というものはできるだけたくさん確保しておかなければならない、そうした目標をやはり立てていかなければならない、それに向かって精いっぱいの努力をすることが大事であると思います。
 そのときそのときの状況に応じて適宜やれるところをやっていけばいいのではないかとおっしゃいますけれども、そうなりますと、かえって職員は動揺するのではないか。やはり将来の展望というものを明らかにし、雇用は確保されるのだということを職員の諸君に信じてもらうことが必要であり、またそれにこたえるための努力は最大限しなければならないと思います。
#234
○富塚委員 広域配転としまして、九州や北海道から四千人首都圏にとるとか関西圏にとるとかとすぐに四千という数字が出る。ところがやってみたら余り希望者がいないから、じゃその範囲を広めてみる、広めてみたら、けさの新聞じゃないけれども、一回募集してみたら希望者が六人しか来なかった。四千なんという数字をばんばんばんとそう機械的に出してやろうとするところが、根本的に雇用政策に誤りを犯すのじゃないかと私は物すごく懸念するのですよ。そういう国鉄の置かれている状況を考えてみると、それは都心にいる人が転職して、次に都内の同じ会社に行くなんというぐあいにいかないのですから、余り数字を挙げて四千の広域配転、次は二千だ、次は千だ、足りなければなんということはどうなんでしょうかね。そこらは考え直さなければ大変な――めどとしては持つという、一つのめどは持っても、そこのところが今度四千人出なければ強引に無理してやらせる、後でいろいろ労使問題は言いますけれども、そこにどうしてもつながっていくという不自然さが出てくる、そういうふうになりませんか、総裁。
#235
○杉浦説明員 広域異動の問題につきましては、やってみないとよくわからないということは確かにあったわけであります。ただ、私どもの考えなり希望といたしましては、いずれ余剰人員対策の一環としましては、地域的なアンバランスというものを解決していかざるを得ない。その場合には、今から広域異動をやっていく必要がある。
 そういうところで一番問題なのは、受け入れ先の住宅事情であります。したがって、住宅の空き家の数を一つのめどにいたしまして、三千四百人という数字を一応の目標にいたしたわけでございますが、やはり実際に募集をかけたところが、長年住みなれた故郷を離れることについてのいろいろな意味での抵抗なり問題があったと思います。そうした中で、第一回の募集につきましては約二千人の応募があったということでございまして、三千四百から数が少ないものですから、少しまたその範囲を広げだというような状況であるわけでございまして、数字を絶対視して強行するというつもりはございません。やはり各個人が納得がいき、住宅事情あるいは教育問題、そうした背景を十分に職員に理解を求めながらやっていきたいと思っておるところでございます。
#236
○富塚委員 私はこの点はここでやめますが、数字が災いをして最後に失敗しなければいい、数字にこだわる余り大変なことになりはせぬか。数字が大き過ぎますから、何といったって小さな数字じゃないのだから、ぜひそこのところは再考を願っておきたい。実感として一つは私はそういうふうに思います。
 そこで、お聞きしたいのは、労使関係ですが、御存じのように、国鉄内のクローズドショップは、公労法によってオープンショップ制になって、たくさんの組合があるわけです。最近もまた別な組合ができたといろいろ言われていますが、国鉄の労使関係がノーマルだと思うのか、アブノーマルだとお思いになっているのですか。きょうは労働省からもおいでいただいているのですが、運輸大臣、総裁、そして労働省、現状の国鉄の労使関係についてどう見ておられるでしょうか。
#237
○三塚国務大臣 国労と雇用安定協約がいまだ結ばれていないということでありますが、本件につきましては、労使ともに真剣な努力が行われておると伺っております。その限りにおきまして、全体として労使関係はよい状態で取り進んでおるのかな、このように思っております。
#238
○杉浦説明員 国鉄は各組合たくさんございますので、考えがいろいろと違うことも事実であります。しかしながら、私どもは各組合ともに全く公平な立場におきましていろいろな提案をどんどん提示を申し上げ、協議をし、妥結するものは妥結し、前進を見ているところもあると思うわけでございますが、残念ながら一番多くの組合員を抱えております国労との間でなかなかうまくいかないということも事実であります。特に雇用安定協約、労使共同宣言というような、私どもにとりまして非常に重大なポイントである問題につきまして合意を見ていないということは、まことに残念であります。決して国労を軽視し突き放すというような気持ちは毛頭ありません。むしろ多くの組合員を抱えておる国労と十分に話をし、何とか同じ土俵の中で、これからの国鉄改革の問題を考えてほしいというふうに切に思っておるところでございまして、今後ともそういう気持ちで粘り強く国労との間は対話を持っていきたいと思っております。
#239
○加藤(孝)政府委員 国鉄再建のために労使が一致協力していかなければならぬ、こういう非常に重要な局面におられるという前提のもとに、今労使の協力、そしてそのための労使関係の安定、こういう面で懸命の努力をしておられる過程にあると思っております。ただ、それらについて組合の方針が若干ニュアンスが違う、若干異なるというような中で、労使の協力の仕方において若干ちぐはぐの面がまだ出ておる、そんなような見方をいたしております。
#240
○富塚委員 労働組合の組織の約七割を持っている国労は、共同宣言にも加わっていません。また雇用安定協約も締結していない。そしてまた雇用対策も団交も形骸化して、分割・民営化を促進するという当局の立場に国労は反対をしております。しかし雇用対策、過員対策、こういう点は共通の課題としてやれる問題である。対立点はあってもやれるものだと思うのですね。
    〔鹿野委員長代理退席、委員長着席〕
 今総裁は、決して国労を敵視するとかそういうことを考えたのではない、もう一生懸命に協力をしてもらおうとしてやっている、こうおっしゃるのですが、どうも現在の姿を見ていると、組合の姿勢を変えない限り断固たる態度でいくみたいな、そういう基本的な態度に立っているのではないか。つまり組合を認めない、国労を徹底的にやっつけてみるみたいな感じで雇用問題あるいは過員問題などを乗り切ろうとしているような節が見えるのです。大臣はいろいろ努力はしていると言っておりますけれども、雇用安定協約も結んでいない状態は、今希望配転に基づくこういった雇用関係の法律を審議しているあるいはこれから改革の法律案を審議する上に当たって、労働協約がないなんということはアブノーマルであって、決してノーマルな労使関係であるとは私は思わないのですけれども、その点、総裁どうなんでしょうか。
#241
○杉浦説明員 一番多くの組合員を抱える国労との間に大切な雇用安定協約あるいは労使共同宣言というものが結ばれていないということは、私どもとしまして、さっき申し上げましたように、まことに残念、遺憾である。先生のおっしゃり方によりますと、アブノーマルであるというふうにも言えるかとも思います。したがって、そういうことでないように、私としましては、できるだけの接触なり話し合いというものをやっているつもりではございますが、なかなか共通点が見出しにくい。考え方としましては、やはりいろんな考え方の違いがありますから、接点が出ない点があろうと思いますけれども、雇用の問題については理解をしていただけると思うのです。そういう共通の土俵、共通の場というものでよく話をしていきたいんだというのが私どもの気持ちであるわけでございます。労使共同宣言なんかを考えましたのも、大変な雇用というものをこれからやっていくにいたしましても、国民の理解を得るために、労使が一体感を持つということを、その宣言の中で示していきたいという気持ちのあらわれであるわけなんです。
 そういうようなことを考えておるわけなんで、決して国労を差別する、敵視するというような気持ちは毛頭ないし、むしろ逆に、国労とは早く正常な形に持っていきたいというふうに私は思って努力をしておるつもりであります。今後とも呼びかけはしていきたいと思います。
#242
○富塚委員 共同宣言と雇用安定協約は本質的には別だと私は思うのです。ところが、何か共同宣言を発しなければ、雇用安定協約は結ばないみたいなことをしばしば申されているやに承るのですけれども、これは別だと理解をしていいんでしょう、総裁。
#243
○杉浦説明員 今、私申し上げましたように、労使共同宣言の基本的な発動のもとは、やはり当面の余剰人員対策、雇用の問題、これを何とかやっていきたいというところに私どもの提案のバックグラウンドがあったわけでございます。中身はもちろん違うものではございますけれども、その発するところはそういう気持ちでやったわけでございまして、やはり労使の関係というものは、同じ土俵に立とうという信頼関係が大事である、その同じ土俵の場というものを労使共同宣言に求めたわけでございます。
 しかしながら、私どもは同じ土俵に来てほしいと思いましても、国労の皆さんはそれは土俵ではないというふうに思っておられるようなので、そこら辺がなかなか合わないということでございまして、私ども、これは言わしていただくならば、労使共同宣言を結ぶということによって初めてお互いの信頼関係ができるんだ、信頼関係ができれば、それは雇用安定協約というものを結ぶのはもう当たり前であるというふうな発想であるわけでありまして、中身は違うと言いながら、その基盤におきましては共通なものがあるというふうに言っていいかと思います。
#244
○富塚委員 ですから、共同宣言と雇用安定協約というのは本質的に別ですよね。これはいいですね。それはわかっていただけますね。総裁の労使関係の信頼関係という問題は別において、それは別でいいですね。
 それで、共同宣言を出されたという動機なんですけれども、ちょっとそこをお尋ねしたいのですが、当局は共同宣言を勤労さんや鉄労さんに提案して、後、国労に持ってきた、何か押しつけるようにばっと来た、こういうふうに我々は聞いているわけですね。やっぱり組織なんだから、組織というのは十分に討議をするとか十分に一致を見出すということがないと、一回に判断せいとかどうとかという問題にはいかない。どうも聞くところによると、もうこれでやれ、やらなきゃだめだ、こう言ってこられたというのですけれども、そこらは一体どんなことなんでしょうか。
#245
○杉浦説明員 共同宣言を私どもが一方的につくって、それをのめというような姿勢でやったつもりは毛頭ありません。中身につきましては、事前に相談をいたしております。
 それから、各組合ともそうでございますが、国労の幹部の皆さんに来ていただきまして、これは私どもの提案でございますから、中身を見てよく検討してくださいというつもりで実は来ていただいたわけでございますが、国労の諸君は、そのいわば手続というものを極めて唐突であるというふうなことで、いわば手続論としまして、それを受け取ることなしにすぐに帰ってしまったということでありまして、その間の気持ちの行き違いというものがあった。私どもは決して無理やりの押しつけということではないつもりであったわけでありますが、その辺の食い違いがあったわけであります。
#246
○富塚委員 てにをは以外は絶対に内容的に譲歩するつもりはない、共同宣言を結ばなければ、雇用安定協約の締結はしないなどと言われているやに聞いているのですけれども、これはそんな性格のものじゃない。現実に、先ほど言いましたように、ショップ制の中で、我々はオープンショップ制ですからいろいろな組合がある。現に千葉勤労も全勤労も結んでないわけでしょう。そういうことをやってない。やはり基本は、使用者は組合に対して等距離でなければならないというのは基本的な原則ですね。だから、そういうことからいうと、何か特定の組合と結んで、これをやらなければならないとかという押しつけられる性格のものじゃなくて、それぞれ話し合いによって具体的に、例えばてにをはまで変えちゃいけないとか、これをやらなければ協約を結ばないなんという性格のものじゃない。総裁も認められたように、共同宣言と雇用安定協約というのは本質的に別ですから、やはり別な、信頼関係をやるなら信頼関係をやる、話し合いなら話し合いをしていくべきだと思うのですけれども、戦術論としてそういうことをとられているんでしょうか。共同宣言を結ばなければ雇用安定協約を結ばないなんということはそういうことなんでしょうか。それとも、先ほども言ったように、全然国労を相手にしないということでやるんだという意味なんでしょうか。
#247
○杉浦説明員 共同宣言の中身は、私どもの考えとすれば、各項目は国民サイドから見まして大変日常の当たり前のことである、しかしながら、それがまた重要なことでもあるというふうに思います。てにをはの点について決してこだわりを持っているわけではございません。しかし、こういうような日常的にごく当たり前なこと、しかもまだ非常に重要なことというものを結んでいただけないということは、やはり私どもとしましては、非常に残念である、その間におきまして信頼関係というものがぴたっといかないんだというふうに言わざるを得ないわけです。そこが非常に問題でございまして、この辺をわかってほしいというふうに思っておるところであります。
#248
○富塚委員 基本的に余剰人員を認める、労使間の話し合いをする、話し合った結果によって信頼関係を内外に明らかにしたって別にいいんでしょう。前にするか後にするかという問題は別にいいんでしょう。その点はどうなんですか、総裁。
#249
○杉浦説明員 問題は余剰人員の対策の円滑な実施ということであるわけでございます。ただ、共同宣言の前文にも書いてございますように、余剰人員対策というのは私どもだけではできません。やはり政府全体、地方公共団体、一般産業界、ひいては国民全体の御協力なしにはこれだけの人数の解決というのはできません。そのためにも、国民全般に対しまして、私どもは労使全く同じ土俵で、労使の壁を越えてこの問題については一緒になってやっているんですよということを示したいわけですね。その示したい中身が労使共同宣言であるというふうに思っておるわけでございまして、その辺の理解をぜひとも得たいと思っておるわけであります。
#250
○富塚委員 だから、三つの組合とは共同宣言を結んだ、イコール雇用安定協約も結んだ。私が等距離と言っているのは、何もその三つの組合と結んだのを全部同じくやれという性格のものではない。あなたが言っているように、基本的には信頼関係をきちっとしよう、こういうことなんだから、それはそういう方向に向けて具体的なやり方というものは、何も共同宣言を既に締結したところと固執する、こだわる必要はないんじゃないか。その基本的な筋が生かされることならば、それでいいのでしょう、別にそれで。
#251
○杉浦説明員 何遍も同じことを繰り返しますが、余剰人員対策を、この雇用問題というものを各組合と話しながら円滑に実行するということが究極の目的であることは事実でございます。ただ、それの、一緒になってやるということの信頼関係のあかしといいますか、むしろ国民に対するあかしというものを共同宣言であらわしておりますので、これはひとつ結んでいただきたいなというふうに思っております。
#252
○富塚委員 やはり考えてもらわなくてはいけないのは、日本航空の事故でも労使問題がいろいろ話題になりましたよね。それで新しい経営者になられた方々は、労使問題をもう一回見直していくという点で具体的に言われているわけです。
 私は、どうも国労なら国労という組合をもう問題にしない、敵視する、差別をするみたいな、戦術的にやっているのか、そこでとことんまでやっていこうとしているのか。そこらの問題が、どうも口では信頼関係、信頼関係をと言ったって、現実に組合と当局、経営者の立場の違うことはわかっておるわけですから、そういう点なぜそこにこだわるのか、共同宣言にこだわるのかということが私は理解できない。だから、基本的に信頼関係をつくり上げていくということは、その組合の立場なりその組合の状況、そういうものを十分勘案した上にやったっていいんじゃないのかということの問題を私は言っているわけです。それはいいですね、総裁。そういう方向で。
#253
○杉浦説明員 おしかりを受けるかもしれませんが、私どもから逆に言えば、なぜこのようなごく当たり前な共同宣言が受諾していただけないのかというふうに疑問に思っておるところでございます。
#254
○富塚委員 だから、共同宣言にはこだわらなくてもいいのでしょう。それと、つまり信頼関係を別につくっていくという、その土俵の話し合いとか、そういうルールができればいいわけでしょう。
#255
○杉浦説明員 土俵の場というふうに申し上げましたが、その土俵の場のもとが労使共同宣言であるというふうに私どもは考えております。
#256
○富塚委員 この問題はまた最後にいろいろ申し上げますけれども、労使関係の改善のためには、やはり経営者側が積極的にイニシアチブをとるというのが常識なんですね。民間の組合でもいつの場合にもそういう点は常識なんですね。だから経営者の側が積極的に改善のためにイニシアチブをとらずに、特定の組合を差別するとか、特定の組合にみたいなことがあってはいけないと私は思う。そういう点がやはり国鉄の経営者の場合にはちょっと問題がありはしないか、私はそう思うのです。
 そこで、これは総裁がなられる前のことかもしれませんけれども、やはりこのところ国鉄は二、三年、職場規律の問題とか、あるいは職場のさまざまな問題についての点検をするということなどでやってこられました。その都度、総裁に報告をして、総裁は大臣に報告をする。飲酒運転が多いとかあるいは時間内入浴とかワッペンとかいろいろなことを社会的に公表されてきた。時には不当労働行為的なものも散見されたと私は見ておりますけれども。常識的に、私にある民間大企業の経営者が言うわけです。富塚さん、国鉄の経営者は狂っていないか、大体自分の企業の中で働いておる人が、これが酒飲んでやっている、これが勤務時間にふろに入っておるなんということを、何で世の中にそんなことを発表する経営者がいるんだ、これは経営者がそういうのは隠して、徹底的に直していくということをするのが本来の経営者じゃないか、そういうふうに私に民間の大企業の経営者が言ってくれました。私もそこらあたりが労使問題逆立ちしているんじゃないかというふうに思うのですけれども、一体労働組合のやっている行為を暴くために、こういう個人的なことを言っているのか、トータルして職員という経営者の――あるいは日鉄法の適用する範囲内の問題でこうやっているのか、一体どういうふうにこれは考えられているのですか。今もそれをやっていらっしゃるのでしょうか、総裁。
#257
○杉浦説明員 職場規律の中身でございますけれども、国鉄の職場の中というものは外側から非常に閉鎖的に遮へいされております。皆さん方が自分らでは当たり前だと思っても、世の中から見ますと非常に不自然な事柄が行われているというふうに私は前から思っておりました。そういういわば社会通念上ごく当たり前な職場の規律というものを正すということ、これが職場規律の確立であるというふうに思うわけでございまして、むしろこれは労働問題というよりも、いわば会社組織の中の規律の問題であるというふうにも思うわけでございます。
 そうした内情が表に出るということは、おっしゃいますように、確かにその企業の責任者といたしましては大変恥ずかしいことだというふうにも思います。しかしながら、現在公共企業体日本国有鉄道という立場にあるわけでありますから、日本国有鉄道法に従って日常の仕事をしっかりやっていかなければならない。これは政府、運輸省の監督のもとにしっかりやみということになっております。そういうことの中で職場規律というものを明確に、明らかに確立をしていくというようなことがぜひ必要である。みずからをさらけ出すことの恥ずかしさはありますけれども、その内容が余りにもひどい職場が多かったということの経緯もこれあり、それらを改善しつつ、適宜まとめて運輸大臣に報告をし、それが一般に公表されるという過程を経たわけでございまして、それを何か作戦的なような形でやるということの気持ちは毛頭ありません。職場規律は正常でなければならない、ごく当たり前なことを当たり前にやっているつもりであります。
#258
○富塚委員 私が心配しますのは、やはり民営化する、民間の企業に学ばなくちゃいけない、私鉄を学べ、いろいろなことをおっしゃっているのですが、学ぶなら学ぶように経営者も学ばなければいけないのじゃないかということなんだよね、経営者が基本的に。それをあんなことを意識的に何か公表するかのようにするから、余計国鉄に対する不信がいろいろな各方面から出てきた。これがどんなに再建にマイナスになっているかということは、僕は客観的にマイナスになっていると見ている一人ですよ。あなたたちはいいことをやった、よくこうしたと思っているかもしれませんが、それは僕は間違いじゃないかなというふうに実は思うわけです。
 そうすると、このような考え方や労務政策――私が言っているように、労使関係の改善は経営者がイニシアチブをとらなければだめだ、それは当然なんだ。労使関係の改善には、やはり民間の企業も使用者がイニシアチブをとるのは常識ですよ。そういうときに依然としてこんなことをやっていたら、落ちつく先は一体――またどんな改革をやったって、国民に信頼されるということになっていかないのじゃないか。依然として労使問題というのは、最後まで行ってぶつかってしまうのではないかと思うのです。かつて労働大臣もやっていろいろな大臣を経験した人が言っていました。このままこんなアブノーマルな労使関係で行ったら、第二の下山事件が起きやせぬか、第二のマル生になってどうなんだみたいなことを現実に心配される人もいるわけです。そこらの基本的な考え方について、どうなんでしょうか、もっと経営者自身が労使の関係改善にイニシアチブをとっていくという気持ちになれないものでしょうか、総裁。
#259
○杉浦説明員 企業の経営なりあるいはまた労使間の信頼関係の樹立ということに当たりまして、管理者側、経営者側からイニシアチブをとってやるというような必要性のあることは非常に多いことだと思います。まして現在のような大変革を経験しつつある、こういった状況の中では、むしろ、私どもが将来を見通しながらいろいろな問題を次から次へと投げかけていって、そして協議をし、理解をしてもらうということが絶対必要であるというふうに思っておるわけでございまして、昨年から本年にかけまして、いわば今までの組合にとりましては非常にびっくりしているのだろうと思うのですが、次から次へといろいろな注文なり提案をいたしております。これはもう当然のことだと私は思っておるのではございますが、ただ、大変残念なことには、過去の経緯からいいまして、国労という大きな世帯を抱えた組合の対応というものが、私どもが考えているようなスピーディーな対応をしていただけないというところが非常に歯がゆいわけでございまして、どうか私どもの本心というものをよく理解してください、その上で早く反応を示してくださいということを、その都度、その都度申し上げております。しかしながら、国労内部のいろいろな事情もあるのでしょう、そうした意味での対応はおくれがちであり、明快な御返事というものがなかなか得られないという点もあるわけでございます。しかし、過去の経緯を見ますと、決して提案全体がだめになっているわけではございません。時間がかかっても提案が受け入れられたという経緯もあるわけでありますから、私どもは粘り強く何遍も国労の皆さんと話をして、理解をしていただくように、これからも努めるつもりであります。
#260
○富塚委員 最近、四月の四日ですか、国鉄当局は企業人の教育をしたいということで組合に提案したと聞いております。この中身をずっと見せていただくと、一体企業人教育とは何を考えているのか。来年四月から民営・分割、新しい企業体に移ろうとしているのに、何でそんなことをやろうとするのか。これは世の中の常識からいったら、大臣、今四月ですからあと一年きりないのだ、法律をこれから審議するのですからね。これは大卒者、管理者、一般職、七万人、企業人にふさわしい考え方と行動力を身につける。一般職員のうち勤務成績を勘案して五万五千名を募集する。こんなことをなぜ今、限られた数の中で、勤務成績のいい者なんていって、勤務成績の悪い者を教育するというなら話はわかるけれども、勤務成績のいい者を企業人教育して、総裁、何を考えてこんなことをやろうとしているのですか。
#261
○杉浦説明員 おっしゃるように、こうした教育は遅過ぎたと私は思います。もっと早くしっかりとやっていかなきゃならない。これは国鉄の改革、今回の改革のいかんにかかわらず、世の中の激変というものに対応いたしまして、国鉄も一つの企業である、その企業のあり方としましては、管理者並びに職員の気持ちというものは、やはり変わっていかなきゃならぬと思います。そうした点の変革というものを、今になって急にやるのは何だとおしかりを受けるのはもっともだと思います。もっと早めにそうした意味での勉強というものを十分すべきであったとむしろ反省をしているくらいであるわけでございます。
 中身といたしましては、国鉄の従来の日本国有鉄道法に沿った形、日常の業務は今までどおりしっかりやっていただくことは当然でございます。ただ、特に現場管理者以上の管理者の気持ちといたしましては、やはり鉄道は公共的な仕事をやるばかりでなしに、企業としての気持ち、そういうものを持って毎日の仕事をしてほしいということでありまして、そのための教育を遅まきながらスタートさせたということであります。
#262
○富塚委員 勤務成績を勘案してとか限られた数とか、なぜそんなことを打ち出さなければならぬのか、私は非常に疑問に思うのです。つまり改革法案に出てくる清算事業団に残る、あるいは新会社に行く、そんなことの中で差別しようとしているのじゃないかと勘ぐられてもしようがないような提案をされているように僕は思うのですよ。
 きょうは井手総裁室長にお出ましを願っているのですけれども、私は、国鉄の労働協約の生い立ち、とりわけ国労と国鉄当局との関係についていろいろ問題を質問してみたいし、ぜひ皆さんにわかっていただきたい、総裁、大臣にもわかっていただきたいということで、井手総裁室長にもおいでを願ったのです。
 結局国鉄は、世間からも言われているように、佐藤内閣当時に、磯崎さんが副総裁だったのでしょうか、いわゆる生産性向上運動というものを導入して、そして積極的に新しい労務政策を遂行しようとした。ところが昭和三十九年から国鉄は赤字に転落したわけですね。御案内のように、生産性向上運動の原則というのは、利益の公平な配分である、あるいは雇用の拡大である、あるいは労使協議であるということ。ところが実際には斜陽産業になっていくから利益が上がらない。雇用の拡大どころかどんどんと減員をしていかなければいけない。合理化によって減らさなくてはいけない。労使協議だけが残っちゃったのですね。それであの生産性向上運動が失敗をした。いわゆるマル生運動、僕らはそう名前をつけて、そして結局は生産性向上運動に名をかりた不当労働行為を誘発するみたいな形になって、そして公労委に不当労働行為の問題として提起されて、公労委が認定をして、総裁が陳謝をして改めて収拾をするということをやったわけですね。そういう苦い経験というものをやはり国鉄の労使の間で持っているわけでありまして、その結果からいわゆる四十六年三月二日に締結をした雇用安定協約も生まれたんだし、その結果から四十六年五月二十日に配置転換に関する協定も締結をしたわけですよね。あのとき私は国労の本部の企画部長で、井手さんは労働課の総括で、担当者は徹夜でこの問題をまとめて協定文をつくったわけですよね。そういうのをつくって、なぜ今その協定が現状の改革の上に間違っているかのような考え方を示されているのか。井手総裁室長、いかがなものでしょうか。
#263
○井手説明員 御答弁申し上げます。
 今、先生からお話しございましたような、たしか四十六年の三月だったかと私は記憶いたしますが、何せ十六、七年前の話でございますので、細かいところとか年月日は、場合によりましてはちょっと失念いたしておりますので、間違っているかもしれませんが、確かに雇用安定協約の再締結をするという時期がございました。さらにそれに伴いまして、お話しのように配転協定というのを結んだわけでございますが、実はこれをめぐります背景はもっと違うところにございました。
 と申しますのは、先生もご御存じのように、昭和四十四年の十一月にEL、DL一人乗務ということをいたしました。さらにそれにさかのぼりまして四十四年の二月にXマン、いわゆる列車掛というものをつくりました。そしてまた四十五年には新しい車両の検査方式というのをいたしまして、いろいろな意味で、今先生からいろいろなお話ございましたけれども、我々は決して、不当労働行為になったケースもなくはございませんけれども、マル生運動というものは、結果といたしまして生産性向上に非常に寄与したと思っておりますが、そういった向上運動をする過程の中でもって相当合理化が進みました。その結果、現在では余剰人員といっておりますが、当時過員といっておりますけれども、主として過員が相当の数出ました。一方、保線区系統の、主として保線でありますけれども、合理化がおくれておりましたもので、欠員というのもございました。さらにまた地域的にもそういう過員、欠員が偏在いたしました。
 そういう中で、要員を非常に効率的に使うためには、どうしても広域異系統の配転をせざるを得ないじゃないかということが背景にございまして、我々、四十五年の暮れだったか四十六年の正月だったか忘れましたけれども、そういった意味では、現在現実に残っておるそういった過員というものを挙げまして、トータルいたしましてもかなりの過員があったわけでございますけれども、その過員を解消するためには、この際、広域異系統配転をかける以外にない。それまで配転協定というのはございませんで、それぞれの合理化事案の最後のところに、配転に当たりまして、この事案ごとの配転についての文章が載っておりましたけれども、この隣どうしようかという議論がありましたが、その前に、現実にいます過員というものを、年度末の定期異動にかけて全国に異動さそうということで、各個人個人に転勤調書というものをつくろうという格好で我々は提案をいたしました。それに対しまして、国労の当時の部長からも大分厳しいことでもって、それをめぐりまして議論がございました。要するに、調書をのまない限りは、我々は雇用安定協約は結ばないということを、四十五年の暮れであったか四十六年の一月だったか忘れましたけれども、我々は組合の方に御提案申しました。今の調書のいろいろな取引の中で、取引といいますかいろいろな議論の中でもって、それでは最終的に配転協定というものを結ぶという格好で配転協定を結んだ。広域異系統配転をするという格好で初めて雇用が確保できるのだということになるのだから配転協定を結ぼうじゃないかということが当時ございまして、それを結ぶという点でもって、四十六年の二月だったと思いますが、二月か三月か忘れましたけれども、雇用安定協約を再締結したという経緯でございます。
 さらに、その配転協定につきましては、今お話ございましたけれども、五月のちょうど春闘のさなか、私と当時の細井中執と二人でもって夜中徹夜していろいろな議論をいたしました。その条文についてよく記憶してございませんけれども、配置転換の円滑な実施のためという格好で、配置転換というのは当然あるのだ、あるのだけれども、それをうまくやるためには、できるだけ本人の意向を聞こうじゃないかといったようなことを中心といたしましたいわゆる協定を結びました。さらに私がそのとき申しましたことは、しかし、全部の方がそれぞれそんな格好で希望どおりならないのだから、場合によっては本人の意に反する配転もあるということにつきましては、いろいろな議論がございましたけれども、配置転換の円滑な実施のためということで読めるじゃないかということと、最終的に細井中執からの御提案がございました議事録確認の附属了解事項の中に、もとの職場がもしあいた場合には、要員需給を勘案の上、もとの職場に帰してくれという御提案があったわけでありますが、細井中執からも、それを読んでみても、本人の意に反する配転ということが起きるケースがある、そのときに、今言ったようなことでもとの職場にもし欠員の出るような場合には、全体の要員需給を見ながら優先的に帰すということを言っているということは、そのことを証明しているじゃないかといったような事柄を含めまして、我々は配転協定を結んだというのが、どうも私の、今先生のお話を承りながら、おぼろげながら思い出した事柄でございまして、先ほどもおっしゃったような事柄についていろいろございましたけれども、少なくとも当時雇用安定協約を結んだ、あるいは配転協定を結んだという事実はそういうことでございます。
 昨今のいろいろな、その後の雇用安定協約あるいは配転協定の再締結問題につきましていろいろあることにつきましては、私は当事者でございませんもので、確たる事情はわかりませんので、言及できないということでございます。
#264
○富塚委員 私が問題にしたいのは、あのときにも全く意見の一致したのは、本人の意に反した免職、降職は行わない。これを明確に入れる。つまり本人の意思を尊重するという基本的な立場は、いわば憲法十一条のいわゆる基本的人権の問題や十三条の個人の尊重の問題などいろいろ議論をして、いわゆる本人の意思を尊重をするという基本の柱を両方の協定に厳然と実は入れているわけですね。ところがどうも本人の意思を尊重しない、強要があり得る、転職、免職が本人の意思にかかわりなくあるという問題は――今、世の中進んでいるのですよね。世界の大国、経済大国になった日本で、近代的な労使関係でこれだけいっているのに、なぜそんなところにこだわらなくてはいけないのか。これは明らかに別の意図を持っているからそんなことをやっているのじゃないかというふうに思うのですが、これはどうですか。
#265
○井手説明員 お答え申し上げます。
 確かに両方の協定にそういった文がございますけれども、配転協定の方の文案は、配置転換に伴う、配置転換後というか、要するに、とりあえず配置転換をしておいて、その後、免職、降職をするということではだまし討ちじゃないかということで入った協定でありまして、基本的には雇用安定協約でありますように、機械化、近代化に伴う意に反する免職、降職がないというのが筋でございまして、配転協定の方は、一応配転はする、要するにあのときは、異系統でもいいけれども、同職種があるということで、同職種という格好で配転した結果が、しかしそれは結果としてだまし討ちであって、行ってみたらそこでもって降職、免職になるということがあったらいけないじゃないかという格好で入ったわけでございまして、何も今先生がおっしゃったようなことでございませんで、基本的には、雇用安定協約の中に明快に機械化、近代化に伴って意に反する免職、降職はないということを規定したにすぎません。
#266
○富塚委員 労働省にお尋ねをいたします。
 国鉄は公労法の適用下に、まだ新会社ではありませんから、公共企業体等労働関係法、昭和二十三年十二月二十日に制定された法律二百五十七号によっているのですが、第二条の定義には、日本国有鉄道の労使関係ということで明確にしています。第三条では、公共企業体職員に関する労働関係については、この法律の定めるところにより、この法律に定めてないところは労働組合法の定めによる。八条、団体交渉の範囲が具体的に実は明記されています。
 そこで、今国鉄の当局は、井手発言は後でまた問題になるのですけれども、八条の二号には、昇職、降職、転職、免職、休職、先任権、懲戒の基準などは団体交渉の範囲であると明確にうたってあるわけですけれども、それはそのとおりでいいわけですね。
#267
○加藤(孝)政府委員 今お示しございましたように、公労法八条の二号でそのように定められております。
#268
○富塚委員 国鉄当局にお尋ねしますけれども、当然団体交渉の対象として、労使関係の中でこの項目について扱われていることは間違いないですね。
#269
○澄田説明員 今回の広域異動につきましては、まず第一点といたしまして、本人の希望がまず前提でございます。本人の希望を前提にいたしまして異動を行っております。
 まず、転動についての異動につきましては、これは当局の管理運営事項であるというぐあいに考えておりますが、現行のいろいろなルール、就業規則とかあるいはそういった転勤に伴います既存のいろいろなルール、それを使いましてやることは、当然、当局の管理運営事項としてできるというぐあいに考えておりまして、そういった考え方で実施しておりますが、この中身につきましては、当然のことながら組合には十分お話をし、説明をし、理解を得るべく最大限の努力は払ってまいりました。
 しかも、これにつきまして、新たにこういった点を労働条件として付与してほしいとか、いろいろな御要望があれば、それについては、私どもといたしましては、団体交渉に応じて十分協議をして、その上で実施したいということで、話し合いは十分続けてまいりましたけれども、国労との間では遺憾ながら話が十分つかなかったという実態がございますが、なお、私どもといたしましては、協議を続ける意思は十分持っておるところでございます。
#270
○富塚委員 ですから、職員局長、配置転換の問題、広域配転問題を含めて、労働条件として組合と協議することは何も否定していないですね。それも否定するのですか。
#271
○澄田説明員 もちろん公労法八条の精神は、私どもは守るつもりでおります。
#272
○富塚委員 そうすると、組合側からの申し入れがあったときには、絶対にそれを拒否するということはしませんね、広域配転問題で。
#273
○葛西説明員 私どもは、広域異動に伴いまして関連する労働条件等について交渉すべき申し入れがあれば、交渉するということを申しまして、国労とも十四回にわたって交渉をいたしております。
#274
○富塚委員 総裁、団交の申し入れがあれば拒否することはないですね。
#275
○杉浦説明員 労働条件の問題に関しまして申し出が現にございまして、交渉をやっているというのが実情でございます。それを拒否することはありません。
#276
○富塚委員 当然、公労法によって、八条各号によって団交の対象事項イコール労働協約ということの問題、こういう問題についてはいささかも断る理由はないと私は思うのですけれども、総裁、配置転換問題は管理運営の事項だと申されたのは、これは間違いですね、今は団交事項であると認められたんだから。前回運輸委員会のときには、広域配転は管理運営の事項だ、こうおっしゃったから、それはちょっといただけない、後でまたやりましょうと言って、きょう労働省も公労委もお出まし願ったのですけれども、それはいいですね。
#277
○杉浦説明員 広域異動そのものは、従来のルールに従う転勤等の問題でございますから、そのものずばりは管理運営事項だと私は思っておりますが、しかし、大変重要な中身であり、長年の故郷を離れるような大変な事項でもございます。いろいろな労働条件の問題につきまして提案等もあろうかと思います。我々は、その前に既に住宅問題、教育問題、いろいろな問題も検討はいたしておりますが、組合からのお話がございますれば、そうした労働条件の問題に関しての提案があれば、交渉に応ずるというふうに申し上げているところでございます。
#278
○富塚委員 今の労働省労政局長の見解も、公労法によって国鉄の労使関係がすべて決められる、そしてこれは労働基本権、とりわけ団体行動権の代償として公労委の機関という問題もまた考えられたという趣旨になっているのです。
 そこで、昇職、転職、降職、つまり配置転換は労働条件だ、団体交渉の対象事項だということははっきりしているわけですから、管理運営の事項であるということではないということで、ここは確認をしておかなければ、公労法とは何なのかという問題をまた改めて――法律的にそういうことは間違いないと総裁もおっしゃっているわけですから、それはいいですね。
#279
○葛西説明員 広域異動につきましては、既に異動に関するルールがございます。したがいまして、その異動に関するルールを適用して異動を行ったケースは過去にも多々ございますし、そういう意味で異動を行うことは管理運営事項であると申し上げたわけでございます。
 ただ、その異動に伴って、宿舎の問題あるいはその異動に伴う配転の手当の問題といったような問題について、関連する労働条件がございます場合、要求があれば、これを交渉していくということを申し上げたわけでございまして、異動そのものは従来のルールにのっとって行うこともできるということを申し上げたわけであります。
#280
○富塚委員 そんな詭弁を使ったってだめであって、私は公労法のことを聞いているんだ。公労法の八条各号によってきちっと、厳然と配置転換というものは労働条件だと。労働省も間違いないと。それで我々は長い間ずっとやってきたんだ。それを管理運営の事項だなんという理由はない。人事権は経営者が持っているんだ。通常の人事は通常の人事であったっていいんだ。しかし、公労法で労働組合の組織を認められて、団体交渉の対象事項としてやっていることは間違いないんだから、それはいいですね。そういうふうに確認をさしていただきます。当たり前のことを言っているのに、なぜそんなに……。
#281
○葛西説明員 公労法八条には配転に関して協定を結ぶことができるというふうに書いてございます。これは交渉をすることができるという意味でございますが、ただ国鉄は、従来から配転に関するあるいは異動に関するルールを既に持っております。それをもし変えて新しいルールをつくりたい、新しい基準を設けたいという御要望があるならば、それは交渉事項として交渉にのせることができるという意味でございまして、だからそれができるまでの間異動ができないということを意味するものではないというふうに理解しております。
#282
○富塚委員 総裁は、管理運営の事項でありますと、この前は言ったけれども、そうじゃない。明らかに配置転換という問題は、公労法八条二号の問題で、八条の中に明確にしてあるんだ、団体交渉の事項を。公労法はそのためにできて、長年積み重ねてきているんだ。それは総裁が先ほどもそのように、法律的にそれで問題はない、こういうふうに明言されているんだから、これは管理運営事項なんということは撤回してもらいたいということですよ。総裁は前回ですか、運輸委員会の僕の最後の質問のときに、そういうふうに言うから、それはいずれまたやりましょうと、そこのところはいいですね、総裁。
#283
○杉浦説明員 前回も申し上げましたが、また先ほども申し上げましたとおり、既にルールがある。そのルールに従って行う行為は管理運営事項であると思います。ただ、今葛西次長が言いましたように、そのルール自体を変更してくれ、あるいはそのルールはルールでいいけれども、その場合の労働条件について別な協定を結んでくれというような申し出がありとすれば、これはもう団体交渉事項であるというふうに思います。
#284
○富塚委員 間違いなく公労法の中の八条は認めるわけでしょう、総裁。いわゆる配転は労働条件であるということは認めるわけでしょう。さっき認められたわけだ。公労法八条に書いてあるんだから、それはいいんですね、総裁。
#285
○杉浦説明員 八条に書いてあるとおりでございます。
#286
○富塚委員 それなら、団体交渉の対象事項なら管理運営の事項ではないと言っているんですよ。当たり前のことを言っているのに、別にいいんでしょう、それで。
#287
○杉浦説明員 私も何遍もお答えしているとおり、既にルールがあるものについては団体交渉の必要はないと思います。しかし、新たなルールをつくるとかあるいはルールの変更は、申し出があるとすれば、これは団体交渉いたしますと言っております。
#288
○富塚委員 いいですか、広域配転、四千人の異動をする。労働組合があって、そして労働条件の対象として認められて、つまり団体交渉の対象として認められているものを、何で管理運営の――管理運営の事項というのを撤回してくださいよ。それは別なときに使う問題だと思うのです。私は労働問題で管理運営、それは日鉄法に基づく人事権の裁量とかそういうものはわかりますよ。管理運営事項の問題はわかりますけれども、事公労法に関する問題で管理運営の事項なんということが使われていいはずはないのであって、そこはいいですね、総裁。――総裁に聞いてるんですよ。総裁はこの前勘違いしていたように思うから、きょうは言っているわけですよ。
#289
○杉浦説明員 私は間違ったことを言っているつもりはありません。先ほどから繰り返しているとおりであります。
#290
○富塚委員 何ですか。管理運営の事項だということなんですか。そんなことないよね。ですからこの問題は、公労法八条は認められた。団体交渉の対象事項、管理運営の事項でないということを前提にして考えてもらわなければ。
 それは労働省にまたお聞きしますけれども、その前にぜひ大臣にこれを見てもらいたいんですけれども、これは大手私鉄の労働協約です。これは東京急行、名古屋鉄道、営団地下鉄、全部明記してあるわけです。いわゆる定員、異動、昇給、昇格、賞罰の基準などは全部労働協約で締結しているわけです、私鉄そのものも。なぜ国鉄がそんなに配置転換の問題にこだわって、一方的にやるみたいなことをしなければいけないのかということなんですよ。大臣、これを見てくださいよ。これは物すごい労使関係のいいところですよ。中に全部協約の内容ありますから、ぜひ見ていただきたいと思うのであります。
 そういう状況のもとで、やはり積極的に労使が団体交渉によって配置転換問題をまとめていくということの姿勢に立ってもらわなければ、これはいつまでたっても、先ほどから言っているように、国労をいじめたくてやっているように、総裁はそうじゃないと言うけれども、いじめたくてそんなふうにからかってやっておるのか、戦術的にやっているのか、そんなのは今や通用しないということですよ。
 そこで、労働省にもう一つお尋ねしたいのは、これも見てもらいたい。国鉄の労使問題について、改めてILOの内陸運輸委員会の採択の問題があるわけです。これは一九八五年一月三十一日に「鉄道産業における団体交渉の促進に関する決議」、また一月三十一日、同様に「鉄道における雇用の損失に関する決議」、そして「交通事業体における団結権、団体交渉権に関する決議」、これは日本の国鉄労使の問題をノートして、具体的にILOで取り上げて、日本政府も賛成をして、こういうふうに結論が出た問題ですが、労政局長、労働省がILOに政府の代表として行っておられるのですが、このことについて理解をされて、認めておられますね。
#291
○加藤(孝)政府委員 この勧告は、昨年の一月のILO内陸運輸委員会における第一決議ということで、ILO理事会に対しまして、国有鉄道制度の再編成または縮小から生ずる雇用条件の変化を対象とする自由な団体交渉及び労働協約の締結等を奨励することを加盟国政府に要請するように求めたものであるというふうに承知をいたしております。
 これは国有鉄道部門を含め、鉄道運送事業における雇用条件をめぐる諸問題については、労使が十分に話し合うことが重要であることを指摘したものであると理解しておりますが、労働省といたしましては、従来からこのような認識に立って対処してきたところであり、今後もこういう方針でいくべきものである、こう考えております。
#292
○富塚委員 もう一つ、労働基準法第二条に「労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである。」「労働者及び使用者は、労働協約、就業規則及び労働契約を遵守し、誠実に各々その義務を履行しなければならない。」労働条件対等決定の問題がきちっと労働基準法第二条に明記されているわけですよね。労働三法の中の労働基準法のこの精神というものは、労働省としても十分指導をしていくという姿勢は変わりないと思うのですが、いかがですか。
#293
○加藤(孝)政府委員 この労使対等決定の原則というのは、やはり労使関係における一つの基本的な原則であると考えております。
#294
○富塚委員 そうすると、なぜ国鉄だけがそんなにアブノーマルな労使関係、とりわけ公労法八条四号の問題でも、団交を――僕らが聞いているのは、本社が団交を拒否をしている、時々断っている、そしてなおかつ、国鉄の改革の動向というものはあるにしても、あるいは井手総裁室長の発言はあるにしても、今基本的に、民族の大移動じゃないけれども、大きな改革をする、人を動かさなければならない、大変な命題を担っているときに、力ずくで勤務成績をとってみて、そしてどうとかこうとかなんてやっている、そんなときであっていいのかどうか。私は断言していいと思う。第二のマル生と同じであって、それは井手さん以下葛西さんみたいな強い人たちが頑張っているのはよくわかるけれども、絶対に将来に禍根を残すことは間違いない、僕はそういうふうに見ているわけですよ。だからもっと積極的に、総裁が言われました、共同宣言にこだわる問題じゃなくて、労使の信頼関係の話し合いというものを、私はやはり積極的にしていくべきだと思うし、同時に労働組合との協議によって配置転換をスムーズに進めていく。広域配転を考えるなら、それをどういうふうに労働組合と理解をし合うかということはやったっていいのじゃないのか。なぜそんなに国労が憎いのですか、総裁。やはり徹底的にいじめてみたいわけですか。
#295
○杉浦説明員 国労との間では、さっき申し上げましたように、この広域異動に伴う労働条件についての提案がありましたので、十四回にわたって協議をいたしております。現にいたしておるわけでございまして、ただ、それがこらえ切れずに団交打ち切りというふうに国労の方から話があったわけでございます。私どもは決してみずから団交をしないと拒否したことはありません。
#296
○富塚委員 それなら団交をきちっとして、一致点を見出して、それを基礎にして信頼関係を内外に明らかにするということでいいですね。
#297
○杉浦説明員 これからもそういう精神なり、実態としてよく協議を重ねていく、これは私どもの方針でございます。
#298
○富塚委員 総裁は、積極的に交渉をしたい、団交もしたい、信頼関係を深めていきたい、国労が何も憎いのじゃない、やっていきたい、こうおっしゃったのだから、速やかにやって、その上で具体的な結論によってやるということでいいですね、総裁。
#299
○杉浦説明員 そこはちょっと違うのでございまして、私どもは既にでき上がったルールに従って広域異動というのは可能である、現に国労の諸君も希望が出ております。相当の数が出ております。したがって、そのルールをもう一回崩してやり直すということであれば、これはぐあいが悪いのですが、今のルールに従ってやることはできます。ただ、それに伴ういろいろな労働条件、それについての提案がありましたので、これは交渉をいたしますというふうに申し上げているところであります。
#300
○富塚委員 運輸大臣、今ずっと一時間以上やりとりしてきましたけれども、基本的に組合と話し合って協力を求めてやりたい、こう言っているのだから、総裁は。だから僕は、共同宣言と労働協約は一緒のものであるのだから、それは総裁も認めていらっしゃるのだから、世の中的にもそうなのだから、具体的にやはり団体交渉をする、話し合いをして成熟したことを基礎にして、双方の信頼関係を明らかにしていくということをするのは何もおかしくないと思うのですよね。これは大臣、当事者じゃないのですけれども、そういう点で大臣も指導してもらいたいのですが、どうでしょうか。
#301
○三塚国務大臣 ただいまお聞きしておりまして、富塚委員の言われることも総裁の言っていることも、基本的には共通項があるのだと思うのです。労使関係というのは、事をなすに当たりまして、特にこういう国鉄がスタートして以来の大改革の際は、やはりコンセンサスを求める努力をお互いがしていかなければならぬだろうというふうに思うのですね。言うなれば、平和時における交渉事とこういう緊急時における交渉事というのは、やはりそれぞれの立場に固執をしておってはならぬだろう。だから、その基本的なコンセンサスは、現実の認識でそれを持つことにおいて、労働条件というものはどうあるべきか、こういうことでいくことの方が企業の将来にとりましても、職場という安定したものを持つ意味においても大事なことかな、こんなふうに思いますし、私は総裁にも、以下関係者にも申し上げておるのでありますが、これは日本人社会でありまして、決して敵も味方もいないのですね、本来は。そういう意味で共同体でありますから、そういう中で忌憚のない意見開陳を交わすことによって、よりふい状態をつくり上げるようにしていってほしいものだ。法律は常識のことを書いておるのが法律だとよく法学者は言われるわけで、ただ紛争が起きては困るから一つの基準を決めるということでありまして、本当は常識でこの世の中がいけば、これが一番よろしいことなのかな、こんなふうにも思っておるわけでございまして、広域異動などの問題も、本来でありますれば起こり得ないことなんですね。
 ところが分割・民営体、こういう状況の中でかねがね両院において御指摘のように、北海道の皆さん、九州の皆さん、そこの職場で、総理大臣が、一人もあぶれることはさせません、職を失うということはさせません、君もそう言っているが、雇用機会のないところでどうするんだ、ここを言われますと大変つらいところでありまして、そういう意味で、その諸状況に応じて、希望により、とこういうことになって、それは正解だと思うのでありますが、お互いがやはり生きていかなければならない。また鉄道というものを運営してまいるという使命感の中でまいりますならば、そこは譲り合える、また協調できる一つのラインなのかな、こんなふうにも実は参議院の予算総括、一般質問の際も申し上げさせていただきました。それは必ずしも一〇〇%そうだという御理解をいただいたとは思っておりません。またいろいろな御指摘なり御注意をいただいております。そういう御指摘、御注意を体しながら、ただいまの富塚委員の議論も体しながら、よく国鉄も今後指導してまいりたい、こう思います。
#302
○富塚委員 大臣も以前の自民党の幹部をやっていらっしゃったときとは今違ったんだから、大臣として改革をやるべき時期を迎えているわけですから、歴史に残る大変な大臣なんだから、やはりそこのところはもっと積極的に国鉄の経営者をアドバイスしてもらいたい、私はこうまず思います。
 公労委の会長さん、大変申しわけありません。既にいろいろやりとりをお聞きになって、あるいはまた国鉄労働組合の調停提訴について取り扱ってきた経緯からもよく事情は知っていただいておると思いますし、堀さんは労働省の事務次官もやられたベテランでありますから、私どももよく存じ上げておりますので、一つ二つお尋ねをしたいのであります。
 このような国鉄の労使の現状について、今何といいましてもまだ新しい国鉄でありませんから、公共企業体等労働関係法の中で、しかも労使の紛争は公労委を軸に判断をしていただくということになるわけであり良して、現にそのように御努力をいただいているわけですけれども、国鉄のこうした労使の現状についてどういうふうに受けとめていらっしゃるか、ちょっと所感を聞かしていただきたいと存じます。
#303
○堀参考人 国鉄につきましては、国鉄の置かれておる現状及び特に先ほど来いろいろ指摘されました雇用問題の重要性にかんがみまして、当事者双方において事態の円満な解決を図るために自主的な努力をお続けいただくことが基本である、私はそのように考えております。
#304
○富塚委員 既に広域配転問題で労使間の協議が成熟をしなくて、ここのところは総裁、ちょっと聞いていてもらいたいのですけれども、既に団体交渉をやって成熟しないから公労委に調停申請を国労はしたわけですよ。これは管理運営事項じゃなくて、団体交渉をやって、やっているのですからね。そこのところはちょっとつけ足しておきますけれども、ぜひ理解してもらいたい。
 その中で、公労委の側が「国鉄のおかれている現状及び雇用問題の現状に鑑み、今回の広域異動の実施については、職員の希望が出来うる限り尊重され、職員間にいたずらな不安を生ずることのないよう適切な配慮のもとに円滑に運営するよう中央、地方の対応機関における話し合いをすすめること。」というふうに国労広域配転調停委員会勧告というものが考えられて提示され、聞くところによると、国鉄の当局はこれをけってうまくいかなかったという話を実は承っているわけですね。
 これは大臣もぜひ聞いていただきたいのですけれども、まさに公労委に持っていって、公労委がこういう判断に立って、堀会長初め公労委は公益側委員七人ですか、あと五人、五人で労使でやっておられて、そういう中で合意を見て、こういう勧告を準備されたのを、なぜ国鉄の経営者はそれを拒否しなければならないのかということが私にはどうしても納得できない問題なんですが、総裁、これはどうして拒否されたのですか。
#305
○杉浦説明員 公労委の場におきまして委員の皆さんがいろいろと御議論があったようでございます。また我々も我々なりの意見を申し上げたわけでございますが、結果といたしましては、これは調停不能というふうな形になりました。その経過の断面でいろいろな意見があったであろうというふうに思うわけでございますが、一断面、一断面をとらえてどうこうというようなことを申し上げる筋ではないと思います。
#306
○富塚委員 公労委のお手数を煩わして、一つの公労委の判断に立つというときに、なぜ国鉄の経営者がそれを拒否しなければならぬかというのはどうしたってこれは納得できないですね。まして円滑にいくように、今回の広域異動の実施については、職員の希望ができ得る限り尊重され、職員間にいたずらな不安が生ずることのないよう適切な配慮をするとともに、円滑に運営するよう中央地方の対応機関で話をしろ。これは明らかに団体交渉を拒否するために、結局断ったとしか現実に思えないわけですね。そんなばかなことが許されていいのかどうかということ。公労委が公益側と労使で一致して、こういうことを考えられたのに、なぜ国鉄の経営者が――そこに逆立ちしているところがある。総裁が何と言おうと、やはり何かを意図しているんじゃないかというふうに私は思うのですけれども、そこのところは私は納得ができない問題ですが……。
 それで、時間がありませんので、会長さんもう一つ。四月一日に労働側の委員の四名の代表が会長さんに要請をいたした。つまり広域配転の勧告も何かうまくいかない、配転協定もうまくいかない、いろいろな状況のもとで、これ以上労使関係の対立を続けることは得策ではないということも含めて、公労委として具体的に国鉄に対して明らかに、つまり国鉄に対して労使の関係を改善してうまくいくように公労委が乗り出すべきである、これは各論の問題とは別に乗り出すべきであるという要請を労働側委員からした。そのときに堀会長は、国鉄の雇用問題は重大であって、労使の関係のあり方についても、これは四人の方からも言った問題でしょうが、当然だと思うし、時期を見て十分考えなければならないという趣旨のことを言われたと我々ちょっと、労働側委員から承ったのですけれども、現実にこの国鉄がこうした労使関係のままで推移するということは、もうこれは決して再建問題はうまくいかない、絶対にうまくいかないと断言していいと私は思うのです。労使関係がうまくいかなくて、そしてうまくいったためしなんということは現実にないので、私はそう思っています。
 ですから、そういう点で公労委の会長に、現存する現在の国鉄はまだ公労法の適用下にあって、そして公労委に大変お世話になっているわけですが、会長さんの立場として、そのことに努力をしていただきたいと思うのですが、いかがなものでしょうか。
#307
○堀参考人 ただいまお話がありましたのは、四月一日ではなくて三月二十八日のことだったと記憶しております。労働側の三人の委員がおいでになりまして、広域配転等の問題について調停申請を出したいからよろしくお願いします、こういう話がありまして、それからいろいろ御意見なり事態の説明がありました。私もそれを伺ったわけでありますが、いずれにいたしましても、国鉄の置かれておる現状や雇用問題の重要性にかんがみまして、うまくいかないことは非常に憂慮すべき事態である、だから調停申請がありましたならば、調停委員会をつくって公労委としても公正な立場において審議をいたしましょう、こういうことを申し上げたのが、今富塚委員の言われたことだろうと思うのです。
 その後、調停委員会を設けまして、調停の作業をいろいろ進めましたが、結局労使間の主張に隔たりがありまして、調停委員長勧告を出すに至らなかったわけであります。調停不調ということに四月十日にはなったわけでありますが、その際に、調停委員長からも、調停は一応これで不調になるけれども、労使双方ともこの問題の円満解決のためにぜひ自主的な努力を続けてもらいたい、そして円満な解決を図られることを期待するという旨を要望いたしました。
 そのような経緯でありまして、私も、そのようなことが早く実現すればまことに結構なことである、このように考えておる次第であります。
#308
○富塚委員 これから先行きのこと、しょっちゅう紛争、対立、調停だ、あっせんだ、そんなことばかりやるなんということは決していいことじゃありませんから、そういう意味で公労委も会長さん以下ぜひひとつ積極的に努力をしていただきたい。それは総裁、使用者側委員になっているもとの井上副総裁なんかも、国鉄の管理者の皆さんになぜ労使で話し合わぬかとしょっちゅう言っていても、け飛ばしてはかりいて全然話し合わないという、そういうことを私は現実に聞いております。なぜそんなに話し合いを拒否しなければならないのか、何の意図を持っているのか、何かを考えているのかということに結局なってしまうので、そこのところは、今公労委の会長も希望されている、やはり労使関係というのはうまくいかなければだめなんでありますから、そういう点でぜひひとつ考えていただきたいというふうに思います。
 重ねて最後に大臣、これからのこの法案の問題、そして新たに提案されようとしている国鉄の改革法案、この問題を円滑に進めるには、やはりどうしても労使関係が基本であります。組合員の七割を持っている組合を敵に回して、そして断固断固やってみるなんて、そんな逆立ちしたことを考えていて、どんなに力がある職員局の面々か知りませんけれども、そんな問題じゃない。まして国民的な注目の的で、これだけの改革をやろうということを考えておられるのですから、我々は我々なりに一つの対案を持って対峙してやりますけれども、労使関係の問題について、大臣は国鉄の経営者に対して積極的な指導をしていただきたいというふうに思います。
 その点について重ねて大臣の見解をお伺いいたしまして、私の質問を終わることにいたします。以上です。
#309
○三塚国務大臣 もう富塚先生も労働問題のエキスパートでありますし、労使問題はみずからの労使問題として対等の立場の中で取り進められてしかるべきことであります。基本的には国鉄労使が謙虚に、また今日の事態の深刻さに目を向けられて、真剣に話し合いを進めてほしいと思います。
 同時に、大事なポイントでありますから、運輸大臣としても、時にぎくしゃくするということでありますれば、しっかりやるように、協調して取り進むように指導してまいるつもりであります。
#310
○富塚委員 終わります。
#311
○山下委員長 次回は、来る二十二日火曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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