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1985/04/25 第104回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第104回国会 運輸委員会 第13号
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1985/04/25 第104回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第104回国会 運輸委員会 第13号

#1
第104回国会 運輸委員会 第13号
昭和六十一年四月二十五日(金曜日)
    午前九時五十二分開議
出席委員
  委員長 山下 徳夫君
   理事 小里 貞利君 理事 鹿野 道彦君
   理事 久間 章生君 理事 津島 雄二君
   理事 清水  勇君 理事 吉原 米治君
   理事 西中  清君 理事 河村  勝君
      上草 義輝君    奥田 敬和君
      加藤 六月君    柿澤 弘治君
      関谷 勝嗣君    近岡理一郎君
      堀内 光雄君    増岡 博之君
     三ッ林弥太郎君    保岡 興治君
      山村新治郎君    若林 正俊君
      小林 恒人君    左近 正男君
      関山 信之君    富塚 三夫君
      横山 利秋君    石田幸四郎君
      中村 正雄君    梅田  勝君
      辻  第一君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 三塚  博君
 出席政府委員
        内閣審議官   中島 眞二君
        運輸大臣官房長 永光 洋一君
        運輸大臣官房国
        有鉄道再建総括
        審議官     棚橋  泰君
        運輸省国際運
        輸・観光局長  仲田豊一郎君
        運輸省貨物流通
        局長      武石  章君
        労働大臣官房審
        議官      田淵 孝輔君
 委員外の出席者
        労働省労働基準
        局賃金福祉部企
        画課長     松原 東樹君
        日本国有鉄道総
        裁       杉浦 喬也君
        日本国有鉄道常
        務理事     須田  寛君
        日本国有鉄道常
        務理事    山之内秀一郎君
        日本国有鉄道常
        務理事     岡田 昌久君
        日本国有鉄道常
        務理事     澄田 信義君
        日本国有鉄道職
        員局次長    葛西 敬之君
        運輸委員会調査
        室長      荻生 敬一君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十五日
 辞任         補欠選任
  関谷 勝嗣君     上草 義輝君
  田中 直紀君     保岡 興治君
  箕輪  登君     奥田 敬和君
同日
 辞任         補欠選任
  上草 義輝君     関谷 勝嗣君
  奥田 敬和君     箕輪  登君
  保岡 興治君     田中 直紀君
    ―――――――――――――
四月二十三日
 国鉄の全国ネットワーク保持等に関する請願
 (石橋政嗣君紹介)(第三五五四号)
 同(多賀谷眞稔君紹介)(第三五五五号)
 同(土井たか子君紹介)(第三五五六号)
 同(武藤山治君紹介)(第三五五七号)
 同(山本政弘君紹介)(第三五五八号)
 同(富塚三夫君紹介)(第三六〇八号)
 同(石橋政嗣君紹介)(第三六八二号)
 同(関山信之君紹介)(第三六八三号)
 国鉄の全国ネットワーク維持等に関する請願
 (沢田広君紹介)(第三五五九号)
 同(浜西鉄雄君紹介)(第三五六〇号)
 公共交通の充実等に関する請願(小沢和秋君紹
 介)(第三六〇六号)
 同(正森成二君紹介)(第三六〇七号)
 同(中村重光君紹介)(第三六八一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のた
 めに昭和六十一年度において緊急に講ずべき特
 別措置に関する法律案(内閣提出第二〇号)
 特定外航船舶解撤促進臨時措置法案(内閣提出
 第八六号)
     ――――◇―――――
#2
○山下委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉原米治君。
#3
○吉原委員 本法案の審議も、連合審査を含めますと、きょうでちょうど五日目になるわけでございまして、同僚議員の質問をずっと私は聞いてまいりましたが、その質疑応答の中でいささか不明な点も数点ございます。また全然触れなかった点、特に国鉄の正規職員の問題については同僚議員も熱心に論議をしておりますが、関連企業に対します対策がいささか抜けておるような感じがいたしますので、言ってみれば、今までの質問の落ち穂拾い的な質疑を約四、五十分、それから残りの一時間余りをかけて関連企業、特に鉄荷会社の関係について質問をしたいと思っております。
 なお、同僚議員の小林委員が十分ないし十五分時間を保留しておりまして、これは別枠でやっていいことではございますが、私の持ち時間の中でこれも消化させていただこう、こう思っておりますので、ひとつよろしくお願いをいたしたいと存じます。
 まず最初に質問をいたします問題は、今回のこの法案によって、成立後二万人の希望退職募集に入る、こういうことが言われておりますが、一体この法案の成立後、どういう期間を設定して募集行為に入られるのか、その期間をまず最初に明らかにしてほしいと思います。
#4
○杉浦説明員 今、希望退職の募集手続、期間というようなお話でございますが、開始の時期といたしましては、法案を成立させていただき次第、直ちに募集を開始するようにいたしたいと思います。その後に、募集をする期間をどうしたらいいのか、それからまた具体的な募集方法を今準備検討をしておるところでございまして、法の適用期間、昭和六十一年度ぎりぎりいっぱいまではなかなかこれはできない、もう少し前に打ち切りをする必要があるんじゃないかと思いますけれども、そこのところは、今の段階ではちょっとまだ検討しておりません。至急に詰めてまいりたいというふうに思います。
#5
○吉原委員 六十一年度末ということになりますと、来年の三月三十一日ということになりますが、終期を決めずに、来年の三月三十一日まで募集行為をのべつ幕なしやるということには恐らく相ならぬだろうと思います。したがって、仮に十二月いっぱいだとかあるいは一月いっぱいだとかいうようなことにおのずとなるだろうと思いますが、その終期はまだ決めてない、こういうことで理解していいのですか。
#6
○杉浦説明員 ただいま先生がおっしゃったような事情になるかとも思います。その辺のところを頭に置きながら、終期について今検討中でございます。
#7
○吉原委員 そこで、二万人という大枠募集ということに――今のところ答弁でもその枠以外のことはわからぬわけでございますが、同僚議員の小林質問の中で、職種別あるいは地域別にという六十年の特退の数が出されておりますが、この二万人の希望退職を募集するに当たって、職種別、局別に数を明示して募集行為に入る、こういうことでないと、特定の職種に偏った場合には後の仕事ができないという事態に陥らぬとも限らない。しかも、局別にそれが把握されてないと、どの管内に一体何人の人間が、どういう職種の者が言われておりますような余剰人員に一体なっておるのかわからない。したがって、募集するにつきましても、局別に、職種別に募集行為をやらなければならぬと私は思いますが、これについてはどういうお考えですか。
#8
○杉浦説明員 国鉄側の事情といたしましては、二万人の人たちをどういう局、どういう職種から選ぶかという点につきましては、二万人の枠を消化いたしたとしましても、その余のお仕事についてはそれほど問題はないのではないか、やりくりができるのではないか。むしろ受け入れ側のいろいろな事情、こういうような職種について、こういう地域から欲しいというような要請がこれから具体化してくると思うのでございますが、そういうような受け入れ側の事情等も考慮しつつ考える必要もあろうかと思いますが、今の段階では、二万人という枠の打ち出し方といたしましては、そういう限定をしないで、全国どこからも、どの職種からも応募してくださいというように一応言うつもりではおります。
#9
○吉原委員 そうなりますと、全国枠でもって二万人を、不特定な職種の皆さんを応募させるとした場合に、非常に偏った局、偏った職種が募集に応ずるということで、そこでまた局別の配置転換、異動という問題が起こる、そういう可能性があると思うのですね。だからそこでもってまた再びこの配転問題等々が大量に行われるということになりますと、これはまた問題が起こりそうな感じがしてならぬ。だから基本的には、やはり局別に、職種別に、でき得たら年齢別に、まあ年齢別まではいかがなものかと思いますが、少なくとも局別、職種別の数を明示しながら募集行為に入る、これが現実的な募集の仕方だと私は思うのでございますが、その考え方は、これからどういう手法によって募集行為に入るのか。その際に、今総裁がお答えになりましたような北海道から九州の果てまでを対象にしながら二万人の募集行為に入る、そういう募集のやり方は、再び大幅な配置転換問題等々が起きてくるわけでございますので、今私が申し上げたような考え方は、基本的にこれからの募集の手法としてぜひ採用してもらいたいと思うのですが、いかがですか。
#10
○杉浦説明員 今、先生御提案のいろいろな問題につきましては、十分にこれを考慮いたしまして、募集の結果といたしまして、業務に支障のないように注意をしながら募集方法を決めていきたいと思います。今のところは全国一律と考えておりますが、なお、もう少し具体的に勉強をいたしたいと思います。
#11
○吉原委員 そこで、この二万人の目標に向かって募集行為に入られて、結果的に応募者が二万人に到達しない、そういうことも容易に考えられるし、逆に二万人をオーバーするということも考えられるわけでございます。
 そこで、今までの質疑応答の中で、二万人に不足した場合にどうするのかという同僚議員の質問に対して、決して強要、強制はしません、こういう答弁を総裁は再三にわたってされておるわけでございますが、強要、強制はしないということになりますと、仮に二万人の募集目標に向かって結果として一万二千人とか三千人とかいう数しか希望者が出なかった、まあ終期はまだ明らかにされていないようでございますが、終期までに出なかった場合、結果として一万二千人とか三千人とかいう数字、あるいは極端に言うと、千人か二千人しか出なくても、それはもうそれ以上は強制、強要しないということになりますと、その決められた期間中に応募した皆さんの数しか結果としては退職希望職員ということに相ならぬのではないか、こう思っておりますが、いかがかということが一つと、もし二万人をオーバーした場合、これは従来、清算事業団の方へ引き継ぐ、こうなっておりますが、四万一千人の中の数がその分だけ減るのか、この二つをひとつお答え願いたい。
#12
○杉浦説明員 二万人の確保につきまして、強制、強要ということは、これは絶対にいたしません。あくまで希望退職ということでございますから、その姿勢というものが基本でございます。
 ただ、募集の方法につきましては、各職員に、相手方企業の受け入れの諸条件、あるいはまた退職時におきます退職手当なり年金の問題、あるいは場所によりましては違ったところに行く可能性もございます。そういう場合の住宅の問題等々希望退職の実施に伴う諸問題を十分に周知徹底、職員によくわかっていただくように十分にお話をしていきまして、本人の判断の材料としましては十二分にこれを提供していきたい、そういう意味での積極的な姿勢は今後も続けていくつもりでございます。
 そうしたことによりまして、二万人というのは、私どもぜひとも確保したいというようには考えているわけでございますが、二万人を超えたという場合におきましてはどうかということでございますが、これは、一つは予算上の問題等もございます。そのやりくりの範囲内におきまして、可能な限りは、こういった場合におきましてもこれを実行してまいりたい。また受け入れ先の問題が確保できることが前提条件でございます。何にいたしましても、希望退職の希望に適切に対応していくということが前提の問題だと思います。
#13
○吉原委員 総裁、私の質問に正しく答えてもらわなければ困るのですが、私は具体的な数字を挙げて、一万二千人というふうな応募者になってしまった、いろいろ努力したけれども、一万二千人以上はもう希望退職は出ない、もしそうなったら、強制、強要はしないということを再三にわたって答弁をされておるのだから、あなたは今、その二万人に到達すべく積極的に最大の努力をしたい、こうおっしゃっていますが、一万二千人なら一万二千人が、これは別に確定した数字ではございませんで、仮の話で私は申し上げておるのですが、足らない場合に、目標に到達させるための最大の努力というのは一体どういうことなのか。私が想像するのには、俗に言われておる肩たたき、希望退職に応じるというのを陰に陽に職場で、また特定な職員をつかまえてやられるのじゃないかという危惧がしてならぬ。だからわざわざ聞いておるわけでございまして、足らない場合に、目標を達成するために最大の努力をしたい、こうおっしゃっている、その努力の中身は何なのか。また超えた場合に、四万一千人の清算事業団の方へ引き継ぐ職員が減るのか。予算上の問題、受け入れ先の問題を言われておるけれども、基本的な考え方をまず示してもらわぬと、二万人を超えたら、それじゃ希望退職を受け付けないのか。どうですか。
#14
○杉浦説明員 説明があるいは不十分だったかもしれませんが、どのような場合におきましても、強制、強要はいたしません。あくまで本人の希望に応ずる。ただ、その希望に応ずる応じ方の募集方法につきまして、今言いましたように、本人がよく判断できるような諸材料は全部よくお話をする、こういうことでございます。
 その結果、仮に二万人に足らなくなった場合、これはもういたし方ございません。努力の結果、そういうことになった場合は、これは清算事業団の方で手当てをするということに相なろうかと思いますし、また二万人を超えた場合におきましては、やはり年度内いっぱいにおきまして、先ほどの期限がございますけれども、希望退職者としましてこれを処理していくことになる、その場合は清算事業団の人数が予定よりも減ってくる、こういうことになろうと思います。
#15
○吉原委員 それを最初からお答え願わないから再質問をせざるを得ないわけでございまして、限られた時間でございますから、質問者の趣旨を的確にとらまえて、的確で、しかも簡明な答弁をしてもらわなければ、いたずらに時間だけがオーバーする、意味がないわけでございます。
 そこで、法四条一項では、「退職を申し出たときは、」「認定を行うことができる。」こうなっておりますが、この一項の中の認定基準、一、二、三とございますが、一、二は私もそれなりに理解がいきますが、三号の「前二号に掲げるもののほか運輸省令で定める要件に該当する者」、こうわざわざ省令事項になっておりますが、この中ではどういう認定基準を考えていらっしゃるのか。本人が希望退職を申し出た場合に、認定できない要件は一、二で明記がしてございますが、それ以外に一体省令でどんな認定基準を設けようとしておるのか、考え方をひとつ明らかにしていただきたい。
#16
○棚橋(泰)政府委員 この四条の一項は、特に希望退職によらなくても、通常退職するであろうという方を除外しておるわけでございます。したがいまして、先生御理解のように、一号二号はそういうことでございます。
 そのほかに、従来からの慣行によりますと、管理職等はある一定の期限が来れば退職するというのが慣例になっております。そういう人たちにまで特別給付金を交付するということは、前の一号二号とのバランスに欠けますので、そういう意味で、この三号において、主として管理職などで従来からの慣行により当然退職することが予定されている者を除外したい、こういう趣旨でございます。
#17
○吉原委員 わかりました。
 それでは、一般の職員は、基本的には退職希望を申し出たら認定をする、まずまず認定をしないなどということはあり得ないと理解をしてよろしゅうございますね。
#18
○棚橋(泰)政府委員 この四条一項の「認定を行うことができる。」ということは、一号、二号、三号の除外要件に該当しない者について認定を行うことができるという機能を総裁に与えたものでございまして、逆に申し上げますと、一号、二号、三号に該当しない職員については、申し出があれはすべて総裁が認定を行うこととなるということでございます。
#19
○吉原委員 わかりました。
 それから、給付金の額でございますが、特に電電の例を挙げて十カ月と決めたということが答弁の中で言われておるわけでございまして、私は、そういう意味では、別に十カ月という基準に政府、運輸省、国鉄側は固執すべきことはないのじゃないか、十であってもいいし、十二であってもいいし、十五であっても、それなりの理屈をつけようと思えばつけられるのではないかと思っておるわけでございます。電電の例以外に造船、化学の例があるようでございまして、造船や化学の例では、企業によっては、いろいろばらつきがございますが、十二カ月を支給しておる企業もあるし、それ以上もあるしまたそれ以下もある、それぞれの企業の体質に合った特別給付金を出しておるわけでございまして、あえて十カ月にこだわる理由はないのじゃないか。逆に言うと、十二でおっても十五であってもいいのじゃないかと思いますが、いかがですか。
#20
○棚橋(泰)政府委員 この十カ月というのにつきましては、いろいろな御議論があることは承知をいたしております。ただ、再三申し上げておりますように、政府の機関としての例としては、過去の電電の例だけがございます。まず電電との比較でございますけれども、電電そのものは、確かに電話交換手という国鉄とは違う職種でございますけれども、今回の十カ月というのは基準内賃金でございますから、その意味で国鉄職員の特殊性というものないしは家族をお持ちであるというようなことは、この基準内賃金の中に反映をされておるわけでございます。そういう意味で、電電とのバランスにおいても、平均いたしますと、電電の場合よりは実額においてはかなり手厚い形になっております。
 それから、今お尋ねの民間との比較の例でございますけれども、先生おっしゃいましたように、確かに民間は一律ではございませんで、勤務年数等によって上積みの額が違っております。しかし、それらを年齢別、勤続年数別に比較いたしてみますと、国鉄の職員の基準内賃金がかなり高いということもございまして、一般的に平均いたしますと、給付の額はこの十カ月で民間の場合よりも手厚くなっておるわけでございます。また民間ももっともっと厳しい例もあるわけでございまして、そういうような観点等を種々勘案いたしまして、政府といたしましては、この十カ月で十分な額であると判断をいたしたところでございます。
#21
○吉原委員 それぞれ理解の仕方が違うわけでございまして、電電公社の例やら造船、化学といった例を考えてみますと、多分に企業サイドの責任の度合い、雇用者側の責任の度合いも重いと私は思っておるわけでございます。そういう意味では、今度の国鉄の場合は、それらの例よりもむしろ政策、国策としてやられる今回の民営・分割の基本路線でございますから、私どもはもちろん反対でございますけれども、そういう精神からいくと、必ずしも十カ月が十分だとは言えない、むしろ財政事情さえ許せば十五も二十も出していいという気がするわけでございます。これは皆さん方と私どもは考え方が違うようでございますから、その程度におきたいと思います。
 それから、六条の二項、特別給付金の受給資格者であって支給を受けない者が一体あるのか、私はこの法文を読んでみまして、一瞬疑問を感じたわけでございます。この給付金は退職と同時、あるいは金繰りの都合で一週間後とか十日後というのは間々あることでございますが、原則的には退職と同時に給付金は支払うべきものだ。そういう受給資格者で支給を受けてない者が一体出てくるのかと思って、一瞬疑問に思ったのですが、これはどんなことを考えていらっしゃるのか、お答え願いたい。
#22
○棚橋(泰)政府委員 基本的に特別給付金というのは、いわゆる整理退職等による退職の退職金を受け取った方の上積みの給付金というふうなことでございます。したがいまして、そういう意味で、この六条は、給付金を受けた後において退職手当そのものの返納の事由に該当する場合になりましたときには、根っこの退職手当がなくなるわけでございますので、その上積みである特別給付金は返納させるという趣旨でございます。
 なお、二項は、支給が一たん決定して、まだ現実に支給されていないときに、一項と同じような事由が起こったときには、これは支給をしないという趣旨でございます。
#23
○吉原委員 一項の返還の方はわかるのですが、これこれしかじかの者がこういう該当になった場合には給付金自体を支給しないという文言になっておるものだから、受給資格者で一体なぜ給付金を支給しないのか。これは、昨日聞きますと、起訴中の者とかという説明がございましたが、現に起訴されて、まだ刑が確定してない者等々を連想してつくられた法文なのかな、こう思うのですが、そうじゃないんですか。
#24
○棚橋(泰)政府委員 この二項は全く事務的な規定でございまして、一項の事由に該当する人が、一たん支給を決定したときにはその事由に該当していなかった。支給を受けるまでの間に事務的に若干タイムラグがございます。その間にその事由に該当したときには支給をしない、こういう規定でございまして、二項に特段の意味があるわけではございません。
 起訴との関係でございますけれども、これは一項の二号で規定してございます返納させる事由というのは、禁錮以上の刑に処せられたときでございまして、起訴はその前段階でございます。したがいまして、起訴になったからといって支給をしないということではございません。
#25
○吉原委員 恐らく刑が確定しない限りそんなことはないと思いますが、私は事前の説明の段階で、起訴されておる者について、言ってみれば留保するというのですか、刑が確定するまで支給は一時ストップするとかいう趣旨の説明を聞いたのですが、そうではなさそうでございますので、この辺で質問を終えておきたいと思います。どうももうひとつすっきりしない答弁であります。
 六十一年度の希望退職二万人を目標と決めた段階、恐らく昨年の監理委員会の答申が出た七月段階でそういう目標を定められたと思いますが、そのときの六十年度末の特退数は何人くらい見ていたのかという質問に対して、一万九千人くらい見込んでおりました、こういうお答えでございました。結果は二万七千九百人出たという、当初見込んでおった数字よりも八千九百人も余計特退者が出た。したがって、二万人と決めたときの状況といささか状況が変わってきた。裏返しに言いますと、二万人と決めたときよりも予想以上に特退者が出たから、その差の八千九百人を引いた一万一千百人でも数字としては希望退職の二万人と合致するのではないか、こういう理屈が出てくるわけでございますが、これに対してはどういう御理解ですか。
#26
○杉浦説明員 確かに計画では六十年度中に一万九千人の退職者が出る、こういう計算、計画をしたわけでございます。実績におきましては、特退者が二万七千九百人ということになったわけでございます。このほかに、特退者でないいわゆる一般退職者というのがありますが、そうした人を加えますと約三万人、これが退職するということになります。
 そこで、計画の数字からいいますと、いろいろな数字の変更というものがここから生ずるわけでございまして、まず六十年度首におきまして三十万七千人という職員数があったわけでございますが、これが年度中に三万人やめるということでありますから、三万人を引き算いたしますと、二十七万七千人、これが六十一年度首の人間の数になります。
 それを頭に置きながら、将来の全体の改革後の枠組みで申し上げますと、新事業体には二十一万五千人行くということになっておりますし、清算事業団には四万一千人行くということで、合わせますと二十五万六千人が両方に参るということになります。結局二十七万七千人と二十五万六千人の差の人数がどうしても余ってまいるということでございまして、二万一千人という数字がここから出てまいりますが、この二万一千人の数字をやはり希望退職を中心としましてこなしていかなければならないということであります。
#27
○吉原委員 そうしますと、私は昨日もかなり勉強したつもりだけれども、六十一年度末の退職者は、大方は希望退職の制度に乗っかってやめられるだろう。五十五歳未満の人ですよ、五十五歳になる者は自然退職になるわけでございます。そういう数を見込んでいらっしゃるようでございますが、この年度中にも自然退職する場合の人もあるかもわからぬ。しかしそれはおのずと数は限られているだろう。大半の人が希望退職制度に乗っかって退職されるだろうということを期待しておる数字だと思っております。ですから、言ってみれば六十一年度末の一般退職者はほとんどゼロに近い、こういう認識でおられるのでございますね。そのことは間違いないですね。
#28
○杉浦説明員 実は六十一年度首に向かっての六十一年度末の退職者というものが、一般の特退者が非常に多くなったわけでございます。これは六十一年度末の退職予定の人が、年金等の問題がありましたので、いわば前倒しで早目にやめてしまったわけです。したがって六十一年度末の退職者の数というのは非常に減ったわけでございます。今ちょっと確定はなかなかできませんけれども、相当な減であるというふうに思いますので、やはり希望退職者二万人というものはどうしても確保していかなければならないのではないかというふうに思います。
#29
○吉原委員 やりとりの中で理解がいきました。
 そこで、関連する質問の最後になりますが、清算事業団職員。希望退職の二万人の募集の期間中に再就職の先等々が必ずしも自分の気に入った職場が見つからなくて、やむを得ずといいますか、清算事業団の方へ移籍された、あるいはまたおれはどうしても国鉄マンとして生涯国鉄に骨を埋めたい、そういう信念から本人の意思とは無関係に清算事業団の方へ移籍をされざるを得なかった人もたくさん出てくるだろうと思いますが、この清算事業団職員になった後三年間いろいろな職業訓練等々がなされるように聞いておりますけれども、一たん清算事業団職員に移籍された後、今回の希望退職と同じような形で退職をしていく場合には特別給付金の対象にすべきじゃないか。先にやめた者と後にやめた者、先にやめた者は何か報奨金のような形で出す、これは余りにも差別し過ぎるのじゃないかと思うのですが、いかがなものでございますか。
#30
○棚橋(泰)政府委員 今回お願いしておりますこの法律による特別給付金の性格というものは、国鉄のこういう過剰な人員の状態を考えて、言うなれば進んでみずから早目に退職に応ずるということを申し出た方々に対する報奨的な意味というものを持っておるわけでございます。そういう意味で、今年度内に申し出た方に対して支給をする、こういうことにいたしております。そういう申し出をなさらなくて六十二年度以降清算事業団に行かれた職員の方々に対しましては、これは現在国会に御提出申し上げております一連の改革関連法、その規定によりまして、それなりの処理をする、対応をする、こういうことにいたしておるわけでございます。
#31
○吉原委員 別に意識して清算事業団の方へ行く人ばかりじゃないと思うのですね。たまたま二万人という募集の枠の中で、あるいは一定の期間を決められて募集される。その期間中に自分の意に反する職場をあっせんされてもなかなか応ずるわけにいかない、こういう善意に基づく、将来の職場を選択する立場から、私は大いに迷いも出てくるだろうと思いますね。そういう人たちが一たん事業団職員に移籍された後、同じような状況で他へ転職していく場合、私は、同じ取り扱いをしても一つもおかしくないじゃないか、またそれは同じ取り扱いをすべきだ、こう思うのですが、その考え方はとらないというお答えでございますね。
#32
○棚橋(泰)政府委員 六十一年度の前でおやめになった方たちもある。その方たちには通常の退職金をずっと支給してきたわけです。また六十二年度以降清算事業団へ行かれる方につきましては、期間を通算してそれなりの退職金を支給する、これが通例の形でございまして、その上に、六十一年度で特にみずから申し出た方、こういう方については、その希望に応じて報奨的な意味での特別給付金を支給しよう、こういう考え方でございますので、これはあくまでも六十一年度の措置というふうに御理解をいただきたいと思います。
#33
○吉原委員 それでは、時間も経過いたしますから、続いて次の質問に移りたいと思います。
 最初に、ちょっと一般論として御確認をしておきたいのは、当初から余剰人員と言われておる数字は九万三千人に間違いないですね。そのうちの二万人は希望退職を募集させてもらう。四万一千人は事業団職員、三万二千人は新会社へ引き継ぐ。この枠については、今現在あるいは将来も変えられない考え方ですか、どうですか。ちょっと確認しておきたい。
#34
○棚橋(泰)政府委員 基本的に、新しい会社へ行かれる人数というものにつきましては、先生今おっしゃいました三万余の若干の余裕を見ました二十一万五千、この線は動かさないというふうに考えております。そうなりますと、今おっしゃいましたような数字におおよそなるということは間違いないと思っております。
#35
○吉原委員 そうしますと、言われております六万一千人の、表現は私どもは余り好みませんが、余剰人員と称される人数は六万一千人。その六万一千人の就職先、これは今までの答弁でも再三にわたって答弁されておりますが、国鉄関連へ二万一千人、公的部門に三万人、一般産業界に一万人。この枠も変えられる考え方は将来にわたってございませんか。
#36
○杉浦説明員 六万一千人の内訳といたしまして、二万人の希望退職と四万一千人ということになるわけでございますが、それに対しまして、雇用の場の確保につきまして一生懸命、政府全体を挙げまして御支援をいただいているところでございます。それの国鉄の努力の分といたしまして、関連企業二万一千人というようなことを一応各企業とお話をしながら、これは詰めたわけでございます。したがいまして、残りの四万人という対象者が問題になるわけでございますが、既に公的部門へ、政府の御方針といたしまして三万人というふうに御指示をいただいておりますし、残り一万人を一般産業界で努力をしてお願いをするべく今御要請を申し上げておるところであります。
#37
○吉原委員 その数字の枠は変えないのかと、考え方、それを聞いておるのです。
#38
○中島(眞)政府委員 数字の枠は変わっておりません。
#39
○吉原委員 変えないのか、将来。
#40
○中島(眞)政府委員 全体の、新事業体の要員規模とか、そのほかについてまだ確定をいたしておりませんけれども、先ほどの二十一万五千人体制ということを前提に今考えておりますので、そういう要素を前提といたしました現在の六万一千人ということ、それからそれぞれの分野別の採用計画というものは、前から申し上げておるところと変わっておりません。
#41
○吉原委員 変わってないのは確かだ。私は将来にわたって変えないつもりかと聞いている。将来といっても、十年先、二十年先のことを言っておるのではないのですよ。
#42
○中島(眞)政府委員 新事業体の要員規模等の不確定な要素はございますので、それの変更によって変わることはあり得るかもしれませんけれども、現段階においては再建監理委員会の出しました二十一万五千人体制ということを前提にしておりますので、現段階においては変える考えはございません。
#43
○吉原委員 今、中島さんは何か変てこな話をするんだが、二十一万五千人の新事業体の経営体系、新事業体が二十一万五千人でスタートするということは変わらぬわけでしょう。あなたは何かそれが変わるような数字をちょっと言われたけれども、どうですか。
#44
○中島(眞)政府委員 二十一万五千人体制は変わりませんので、したがって、その六万一千人を前提にしました採用計画は変わりません。
#45
○吉原委員 そこで、この国鉄関連企業に二万一千人という数字は変わらない。変わらないばかりではなくて、関連企業に二万一千人の受け入れ方を強く要請されておりますね。全国でこの関連企業が八百五十数社と聞いておるわけでございますが、それに六十一年度から五年間にわたって二万一千人を関連企業でひとつ受け入れてもらいたい、こういう要請をされておるようでございます。
 そこで、今まで同僚議員の多くの質問の中でも言われておりますように、一、二の例を申し上げますが、一つは、整備会社の例を申し上げさせていただきます。特にこの場合、国鉄職員の派遣による整備会社、もう一つは、玉突き解雇の例、この二つを例示したいわけでございます。
 最初の整備会社の現状を見てみますと、派遣者を受け入れることによって整備関係の労働者の押し出し、つまり玉突きは困る、あるいはもちろん配転も困る、二つ目には、受け入れることによって現行の労働条件はダウンさせない、こういうことが関係の組合でもいろいろ論議をされておるようですが、現実の問題としては、この受け皿をつくるために、せっかく定年制を六十五ないし六十三ぐらいの比較的、今日でいえば常識でございますが、そういうところまで定年制を引き上げておるにもかかわらず、逆に六十五の定年制を六十に引き下げる、あるいはそのことによって大量の退職者が出るものですから、退職金がとても追っつかない。だから退職金そのものを削減をする。こういう関連事業では大幅な合理化が、国鉄職員を受け入れるために悲痛な努力をしておるわけです。
 そこで、派遣者一人を受け入れることによって、この派遣者の賃金というのは一体どういう取り扱いになるのか。国鉄が全額を持って派遣をするのか、受け入れた方の派遣先の会社が国鉄職員のもとの給料を払うのか、あるいはまた派遣先の会社が、会社で支払える能力の枠の中で支払って、その差額は国鉄本体が持つのか、この派遣者の取り扱いについてはどういう取り扱いになるのですか。
#46
○杉浦説明員 細かくなりますと担当者がお答えいたしますが、原則的には当該企業と個別に話をいたします。一般的な平均でまいりますと、六割を派遣を受け入れる会社が負担をする、四割を国鉄が負担するというような例が通例でございます。
#47
○吉原委員 大体平均すると六割が派遣先、つまり受け入れた側の方が持っている。あとは、差額の四割は国鉄側が持つということに、私もその点は承知をしておるのですが、これが六割という数字を見てみますと、この六割ですら、派遣先の会社としては払うのに非常にしんどい。そうでなくても、先ほど言いましたように、退職金の切り下げ等々を余儀なくされておる関連会社の実情からいって大変な努力を払っておるわけでございまして、私は国鉄職員を救済するのは当然のことだと思いますが、そうだからといって関連会社の労働者はどうなってもいい、こうは言えないと思うのです。しかも、この関連会社たるや整備会社、後ほどまた触れますが、鉄荷の会社、それぞれ本来国鉄がやらなければならぬ業務をやってきておる長い歴史があるわけです。
 もう一つ、言いかえますと、国鉄職員と同じ見方をしてもひとつもおかしくない、そういう関連の労働者たちだと私は思っておるわけです。そういう意味では、何としてもそのことにより関連企業が企業として成り立っていかないような、そういう強引な要員を受け入れる強要はしてはならない、こう思うのですが、どうですか。国鉄さえ助かれば関連企業はどうなってもいいというお考えですか。ちょっとお聞かせ願いたい。
#48
○杉浦説明員 関連企業は長い国鉄との間のおつき合いでございまして、いわば親子兄弟というような感じの企業であるというふうに思います。親元の国鉄がこういう大変な事情になっておりまして、余剰人員対策というものが非常に重要性があるということは、関連企業の皆さん方も十分に御承知の上だろうと思います。企業それぞれ大変な努力をされておるし合理化もしておると思います。しかしながら、国鉄の余剰人員対策の重要性というものをよく認識していただきまして、苦楽をともにしていただきたいという私どもの申し出に対しまして、いろいろな受け取り方がございましたけれども、結論といたしましては、よくわかります、自分の方も非常につらいのであるけれども、御協力をいたしましょうという基本的な御了解に達しまして、若干の今までの定年退職制度の変更等も含み、各企業それぞれに合意の上で集計した全体の数字が二万一千人ということでございまして、私どもが勝手につくりそれを強制、強要したということではございません。十分に相手企業と相談の上、それぞれ決めた数字であります。
#49
○吉原委員 総裁、大変模範回答といいますか、きれいな御答弁でございますが、あなたのおっしゃるようなやり方が過去なされておればこういう事例はない。特に四月三日の玉突き解雇の取り消し、これは結果的には東京地裁で和解が成立した事件がございますね。東京駅長から頼まれて採用した、そのかわりに東京駅構内の案内所で働いていた職員が一人、国鉄職員を採用しなければならぬからあなたはやめてもらわなければならぬ、こういうことで解雇された事件が三月に起こり、この起こった後、本人は仮処分の申請をされて、五日目にスピード解決をしておるという事件は御案内のとおりでございますが、今総裁おっしゃったような企業と合意、それぞれの関連企業には労使がおるわけでございますから、使側だけの了解を得てやられるところにいささか無理があるのではないか。今後はひとつ関連の労使の合意を求めてもらいたい。使側だけの合意では職場に問題が起きてくる。そういう点を御認識を願って、こういった玉突き解雇になるような、玉突き解雇事件が起こるような強要はそれこそしないように、ただ単なるここの委員会の場での回答だけではなくして、現実にそういうことで指導してもらいたい。いかがですか。
#50
○杉浦説明員 日観連のお話につきましてはいろいろな経緯がございました。これもよく承知いたしております。これは一般の余剰人員の問題ではなしに、いわゆる特退者の行く末方の問題でございますが、それにいたしましても、国鉄のOBをそれぞれの関連企業にお願いをするわけでございまして、そうしたお願いの仕方なり行った先の問題等につきましては、私どもも関係がないわけではございませんので、十分に円滑に実行できるようにお話をしてまいったいと思います。
 なおまた、労働組合との関係において、国鉄がじかにそれぞれの関連企業の労働組合とお話をするというのは、筋論でいきますと、ちょっと筋違いという感じがいたしますが、これも関連企業の企業側とその組合との間に円満なお話し合いができるように私どもの方としては期待をするところでございます。
#51
○吉原委員 関連企業の組合とお話し合いをしてくれと言っておるのではないのです。企業側の合意書というか、そこまでやっていらっしゃるかどうか知らぬけれども、企業だけの合意でなくて、その企業の関連労使の合意書という書類で出すことになっておるのなら、特に関係の労働組合の委員長の合意をしたという労使連名の合意書をとるべきではないか。そこまで実際にやっておりませんというのなら、少なくともそれは口頭でもいい。関連会社の方はいいが、関係の組合の方は了解してくれましたか、この辺は、その場合にはぜひ了解を取りつけておいてもらいたい。また今後やる場合には、合意は取りつけます、このことをひとつ答えてもらいたい。
#52
○杉浦説明員 組合との間で問題があるというようなことを事前にお伺いしている企業もございます。またそうしたことに全然問題がないという企業もあり、それぞれ対応は違うと思うのでございますが、関連企業の企業者側という形、企業はその経営の一環としての対応でございますから、私どもの相手方というのはやはり企業者であるというふうに思います。その企業者が企業内の組合とうまくやってくれることを期待はいたしておりますけれども、私どもの相手はあくまで企業者であるというふうに思います。
#53
○吉原委員 総裁がそういう答弁をされるから、関連会社はどうなってもいいと考えておるのか、こう私は言いたくなる。
 それは国鉄当局は直接の交渉相手ではないかもわかりませんよ。しかし、国鉄の都合で余剰人員を受け入れてくれと要請している相手方企業、関連合社にそのことを受け入れることによって労使紛争が起こるなどということは、経営者としては望ましい姿じゃないんだから、せっかく余剰人員を受け入れてくれた相手方の企業の中身についてもきめ細かな配慮をすべきだ。私は直接総裁が出て関連会社の組合と交渉せいなんということを言っておるつもりはない。先ほどの総裁の答弁は、あくまでも関連会社の労使の問題ですから円満にやってください、そういう言い方は余りにも御都合がよ過ぎるのじゃないですか。だから、最初に会社側の承諾を得る場合に、組合の方も企業と同じようにつらいだろうけれども、受け入れについては合意されておりましょうね、その話はできておるでしょうねというくらいのことは企業側にただすことだってできるでしょう。そのことを言っておるのです。
#54
○澄田説明員 ただいま総裁がお話し申し上げましたとおり、私ども今回の余剰人員の受け入れについては、関連企業に対しまして十分意を尽くしてお願いしておるところでございます。また各関連企業におかれましては、当然関係の組合とは十分話し合いの上、経営的な判断を下して、理解の上で私どもに対しまして受け入れを申し入れておられますので、そういった御心配は当然のこととして関連企業としてやっておるものでございますし、また今後もそういった方向で私ども進めてまいりたいと思っております。
#55
○吉原委員 ひとつ十分配慮をされてやっていただきたいと思います。
 そこで、関連会社の中の鉄荷会社の問題について、きょうは主として質問をいたします。
 過般、私どものところにも説明がございましたが、六十一年十一月のダイヤ改正で鉄荷会社はどういう位置づけになるのか。荷物の委託業務をほとんど全廃するという方針に立ったダイヤ改正のように私は理解をしておるのです。その場合、従来の鉄荷会社、名前は二十社ございますが、実態としては十六社くらいのようでございます。この鉄荷会社の今後のあり方――まず、このダイヤ改正で要員は国鉄職員の場合どのくらい減るのか、そこから聞きたいと思います。
#56
○澄田説明員 私ども、十一月にダイヤ改正を計画しておりますけれども、このダイヤ改正におきまして十九万五千人の体制を考えております。約八万六千人程度の要員が減るという計画でございますけれども、六十年度中の合理化で、既に六十一年度首におきまして四万二千ばかり合理化をいたしておりますので、八万六千との差約四万四千程度を今度の十一月のダイヤ改正で要員合理化数の目標として挙げておるところでございます。
#57
○吉原委員 鉄荷会社は……。
#58
○葛西説明員 ただいま常務がお答えしました四万四千近くという数字は、六十一年度の合理化計画全体の枠でございます。
 ダイヤ改正というのは、総合的な合理化計画でございますので、非常に広範にわたるもろもろの施策の集大成になります。またダイヤ改正の時期に駅の体制の見直し等もろもろのことを同時に施行することによって、効率的な合理化推進をやっていくことになります。
 ただ、ダイヤ改正における合理化計画の具体的な内容につきましては、……(吉原委員「そこまで聞いてない」と呼ぶ)ダイヤの概要がようやく明らかになりまして、現在鋭意詰めておるところでございますので、具体的な合理化数は、今後の作業を待って固まってくるというふうに御理解いただきたいと思います。
#59
○吉原委員 そんなこっちが聞いてないことまで長々と時間をかけて答弁する必要はないんだ。ダイヤ改正で四万四千人の要員が削減できます、それはそれでいいんだ。どのくらい減るのかなと思って聞いたのだから。
 このダイヤ改正と従来の鉄荷会社との関係は一体どうなるのか。荷物の委託業務はほとんど全廃でしょう。そうなった場合に、鉄荷会社はつぶれてもいいのですか。そういう観点から聞いておるのです。
 ところで、この鉄荷会社も関連企業の最たるものだが、ここには要員の受け入れは要請してないですね。どういうわけで要員の受け入れを要請してないのですか。ほかにも二、三あるようでございますよ。例えば鉄建公団、日交観、そして鉄道荷物会社、これには要員の受け入れは要請されていない。これはどういうことですか。
#60
○岡田説明員 お答えいたします。
 鉄道荷物は大変厳しい状況にございまして、今回のダイヤ改正におきまして荷物輸送力を、今専用荷物輸送力六十五本、旅客輸送に併結しておるのが百五十五本ございますが、それを全廃せざるを得ないという計画を持っておりましたので、今後の厳しい経営を考えまして要請いたしておりません。
#61
○吉原委員 鉄荷会社は大変だということで要請をされてない。それはそれでいいのですが、従来、関係の会社が二十社ありまして、荷物協会という団体を構成して、今まで主として国鉄の荷物営業の肩がわりをやってきた。四月一日現在の従業員は約五千二百名と聞いておるわけでございますが、こういった鉄荷会社に今度のダイヤ改正でどういう影響が出ると見ておるのか。影響は全然ございません、こういう認識なのかどうなのか。
#62
○岡田説明員 荷物に関係する会社は、先生御指摘のように、協会に入っているものは二十社でございますが、実はほかに一社ございまして、全体で二十一社が関係いたしております。従業員は、先生おっしゃるように五千二百名でございますが、約六百人の方がそのほかに委託としまして常時雇用されておりますので、私ども五千八百人の問題というふうに考えております。このうち約四割ぐらいが、各社平均でございまして、各社ばらばらでございますが、いわゆる荷物業務に従事していると思っております。その他の業務、区域の集配あるいはその他清掃だとかあるいはコインロッカーの委託、そういうものをしておりますので、約四割ぐらいが荷物輸送に関連する業務委託をお願いいたしておると思っております。
 今回、先ほど申しましたように、十一月のダイヤ改正で専用荷物列車はすべてなくなりますものですから、一部千葉における新聞輸送はございますが、今後の展開といたしましては、一つは、ブルートレインあるいはレールゴーサービス、こういうものは残しますので、その仕事をやっていただく。それからもう一つは、ロットにできるだけまとめまして、コンテナ輸送を拡大していただく、この仕事をやっていただく。それからせっかく今小荷物で千五百万個ぐらい荷主さんが出していただいておりますので、これをどうしても確保しておきたいということで、コンテナにどうしても乗らない、ロットとしてまとまらないものについては、それぞれが今幹線のトラック輸送を使う等を考えまして、これから私ども一緒になってこの確保に努力したいと思いますし、そのほかいろいろな仕事についても我々一体となって考えてまいりたい、そんなふうに考えております。
#63
○吉原委員 そこで、ダイヤ改正に伴って、原則としては荷物の専用輸送は廃止をする。先ほど言われておりますように、コンテナなどに切りかえる。しかし、これによりがたい分野については、荷物会社のトラック補完輸送によることとする。この荷物会社のトラック補完輸送にゆだねるという、このトラック補完輸送とは、一体どういうことを考えていらっしゃるのか、明らかにしていただきたい。
#64
○岡田説明員 現在も、荷物輸送力を利用するために、区域の免許等を持っておりまして、集荷、配達を行っておるわけでございます。しかし、区域的に限られておる範囲でございますので、これをトラック同士を結びつけることが必要でございます。そのためには、場合によっては路線トラックを使わしてもらうとか、あるいは区域相互の積み合わせの仕事をやるとか、そういうことを今鋭意、運輸省にも御指導いただきながら詰めておる段階でございます。
#65
○吉原委員 鋭意詰めてもらうのは結構ですが、この十一月のダイヤ改正に日数は余りございませんので、私は、特に運輸省の武石貨物流通局長、きょうはおいでいただいておりますが、武石さんにぜひこの考え方を聞かしてもらいたい。
 御案内のように、荷物会社は、言ってみれば一般区域免許しか持ってない業者。ところが今言われておりますように荷物の専用をほとんどなくす、こういう国鉄の計画に対して、今後鉄荷の会社が生きていく道、雇用を守って企業を存続させていくという道は、一般の区域免許だけではどうしても業者としては成っていかない、立っていかない。したがって、先ほど国鉄側が言っておりますように、一般の路線貨物免許、また一般区域の積み合わせ事業、こういう免許をこの鉄荷の会社におろしてもらわないと、今後この鉄荷会社は立っていかない。この免許を二つおろしていただきますかどうか、はっきりお答え願いたい。
#66
○武石政府委員 鉄道荷物会社が国鉄荷物輸送の作業下請を主としてやってまいりまして、今般の改革で、荷物営業、特に荷物専用列車の運行が原則として廃止されるということで大変な影響が起こるということは、私どもも十分承知しておるところでございます。
 特に、二十一社のうちの十五社が新しい会社をつくりまして、新規にトラックの路線免許を得たいというような御希望があるということも承知しております。これは従来国鉄がやっておりまして、その下請として、ひかり宅配便等のサービスをこの会社によって継続してまいりたい、そういう意向と理解しておるわけでございます。
 本件につきましては、昨年の十月ごろから国鉄さんとも十分にいろいろと協議をしてまいっているところでございます。今後の考え方についての一つの前提としまして、まずどんな状況にあるかということを申し上げたいと思いますが、今の鉄荷会社のほとんどは何らかの形で区域の免許を保有しております。ただし、この免許は、国鉄の貨物に限るという限定免許が多かったわけでございます。それにつきましても、最近までにかなり切りかえといいますか、一般区域への免許の拡大ということを続けてまいりまして、大体七割方はもう一般区域を持っておられるという状況でございます。それで現在免許申請中のものというのは一件だけでございますが、それは米子鉄道荷物が現在軽自動車でやっておるものを一般区域に切りかえたいという免許申請が一つだけ懸案として残っております。あとの残りの三割というのは、限定のままになっておりますが、これにつきましても、申請がありますれば、私どもとしても十分これらの事情を配慮して前向きに対応してまいりたいと考えておるわけでございます。
 それから、路線事業でございますが、路線につきましては、宅配便のマーケットが主になっておるわけでございますが、これは大変熾烈な競争状態にございます。新規参入が極めて困難というのが実態でございます。それから仕分けをするとか積みかえ等のために拠点施設の整備に新たに巨額の投資が必要である、そういうような状況下にございますし、鉄荷会社自体は区域事業の免許を、先ほど申しましたような形で取得いたしまして、事業展開を図っておりますけれども、まだトラック運送事業の経験と実績に乏しいというような状況もございます。こういうようなところから、路線につきましては、事業自体が成り立つかどうかということが非常に難しいと考えております。したがいまして、どういう方法でどの程度の規模で従来のサービスを継続するのが最も適切かつ現実的であるかということにつきまして、十分検討する必要があると考えております。
 それから、区域につきましても、先ほど申し上げましたような方向で考えておりますが、区域積み合わせというものにつきましては、従来から区域の事業者の運営上、物流の合理化、近代化を進める上で必要なものについてはかなり弾力的に認めてきております。現在申請はございませんので、積み合わせの具体的な対応につきましてはお答えを差し控えさせていただきますが、積み合わせの必要な状況に応じまして、これに対処してまいりたいというふうに考えております。
 私どもとしましては、いずれにしましても、ひかり宅配便というような、今までやっておりましたサービスをできるだけ維持、継続するという見地から、国鉄当局とも十分に連絡をとりながら対応してまいりたい、こう考えております。
#67
○吉原委員 そうしますと、まだその具体的な申請が関連会社から出てないのですか。またそういう鉄荷会社の、主として十五社でございますが、恐らくそういう許可、認可をおろしてもらわないと今後立ち行かない、そういう声が上がっておることは御承知ですか。全然そういうことは関知してないのですか、どうですか。
#68
○武石政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、国鉄サイドからいろいろな状況は伺っておりますので、そういう状況は十分承知しております。
 ただ、路線免許につきましての申請というのはもちろん出ておりませんし、先ほど申し上げたような事情で、それ自体が、事業運営そのものが成り立つかどうかというのが難しゅうございます。その点を配慮しなければならないということと、路線という免許を必ずしも受けなくても、積み合わせと、それから路線業者を活用するという取扱業をやった上で利用運送をするというような形態で十分このサービスが確保できるということでございます。そこで十分な事業基盤というものを確立することがまず必要ではないかと思います。免許の有無ということだけではなくて、実際にその事業が成り立つかどうか。立ち行くように十分実情を把握した上で、そういう方向で考えていかなきゃならない、こういうふうに考えております。
#69
○吉原委員 どうも武石さんと私の感覚が違うのかなと今思っておるのですが、区域免許というのは、御案内のように、その限られた区域の中しか動かれぬわけです。だから、鉄道のかわりに、国鉄のかわりに全国ネットを持って物流の形態を円滑にしていくためには、区域から区域へ行く路線の免許がないとだめでしょう。積み合わせ事業だけでそれができるのですか。それと、路線免許の方は認可、積み合わせ事業の方は許可になっておるようですが、そのことが間違いないかどうかということと、区域と区域を結ぶ免許というのは路線免許でしょう、その免許をおろしてもらわなければ全国ネットを維持していけません。列車にかわる荷物輸送というのはできない。こう言っておるのですが、その路線免許を持たなくてもいいのですか。
#70
○武石政府委員 今の一般区域の免許というものがどういう事業運営ができるかということでございますが、現在、県単位で免許をしております。したがいまして、例えば東京都について区域の免許を持っている事業者は、東京都から全国に向けて物資を運送することができるわけでございます。それから東京都に入ってくる荷物、これもすべて運送することができることになっております。そういう意味で、区域の中だけしか運営できないというものではございません。同じ区域の中だけに発着するということに限られているわけではないわけでございます。
 それから、一般路線の免許がなくても、そういうネットワークを持って運営ができるかできないかという問題が一つございます。今の御質問の主たるものはそれだと思いますが、これは例えば現にヤマト運輸、これは全国的なネットワークを展開しておりますけれども、このヤマト運輸でも路線免許を持ってない区間がかなりございます。これはどうやっておりますかというと、集荷、配達は軽自動車による運送事業が自由化されておりますので、それで集めた貨物を、それぞれ方面別に仕分けした上で既存の路線業者に託送しております。その託送された貨物は、当然にヤマト運輸が既に免許を持っているところへ連絡運輸で入ってまいります。その後、集配をするというようなことで、実際にはそういう事業が可能であるわけでございます。そういう意味で先ほどのような御答弁を申し上げたということでございます。
#71
○吉原委員 そうすると、一般路線免許を持たなくても、区域免許プラス区域積み合わせ免許を持てば全国ネットを維持していけるという認識ですか。簡潔にやってください。
#72
○武石政府委員 積み合わせの許可を受けると同時に、一般区域の免許は当然必要でございますが、あと自動車運送取扱業の登録を受けまして、その上で路線事業者に託送するという道がございます。そういう意味で可能だということでございます。
#73
○吉原委員 そうすると、具体的にこの関連会社十五社が非常に熱望しておる案件なんですが、今後鉄荷会社を維持存続さしていく、イコール雇用の場も確保する、こういう観点から、どうしてもこの二つの許可、認可をおろしてもらわないと全国ネットを維持していけないと業者は強く熱望をしているわけでございます。したがって、恐らくこれから具体的な申請の段階に入るでしょうが、少なくとも十一月のダイヤ改正に間に合うようにやっていただきたい。今局長は、路線免許がなくても積み合わせ事業で十分やっていける、あるいは場合によっては路線免許を持っておる業者にまた再委託をすることもと言われましたが、再委託をするということは、荷物をまた積みかえなければならぬという煩瑣な問題も起こるわけでございまして、そういう意味で、申請があった場合にはひとつ前向きに対処をしていただきたい。もう一回はっきり御答弁をお願いしたい。
#74
○武石政府委員 許認可事務が原因でこの会社が立ち行かなくなるというようなことがないように、私どもとしては、最近の状況にかんがみて、できるだけ対処してまいりたいと考えております。
#75
○吉原委員 この免許をおろしてもらわないと、縮小再生産というようなことでもすればまた別でございますが、五千数百名の雇用の場も確保していかなければならぬわけでございますから、ぜひひとつこの免許はおろしてもらいたいということを強く要請をしておきます。
 と同時に、国鉄の方にもひとつお願いをしたいと思うのですが、この鉄荷会社は長年にわたって国鉄の施設、用地をあるいは営業輸送手段の拠点として構内等を利用さしていただいておるわけでございまして、ダイヤ改正後も、そこの国鉄の施設、用地を拠点として、荷物のターミナルとしての機能が発揮できるような、そういう用地を引き続いて提供してもらいたい、こう思いますが、いかがですか。
#76
○岡田説明員 三十年来にわたりまして我々と一緒に荷物輸送をやってきたところでございますので、今後トラックによる補完輸送をする場合にも、当然用地というものは必要になろうかと思っております。現在は高架下その他を使っておりますが、とにかく業務委託ということで私どもの仕事をやっていただいておるわけでございますから、当然のことですが、それに対する用地代というのは取っておりません。しかしながら、今後はやはり独立した会社との対等の用地貸借になりますので、我々としてはできるだけ便宜を図りたいと思いますが、その辺のところを含みながら今後検討してまいりたいと思っております。
#77
○吉原委員 そこで、この鉄荷会社の関連十五社はそれぞれ来るべきダイヤ改正に備えて涙ぐましい企業努力をしておるわけです。ただ、努力はしておりますけれども、自社業務で九百名、あるいは今後の国鉄の動向に左右される荷物以外の既存の国鉄の業務委託、例えば清掃とか貨物、工場、資材関係、これで約八百名何としても要員を確保していきたい。それ以外に、先ほど言いましたトラックによる補完輸送、この免許をおろしていただいてやれば大体千三百名くらいの要員が確保できる、そういう計画を立てておるようでございまして、それでもなおかつ荷物業務の委託廃止で二千二百名くらいが実は雇用の場を失っていかざるを得ない羽目に追い込まれる、そういう予測に立っておるわけでございまして、冒頭から言いますように、こういった国鉄のダイヤ改正、なかんずく荷物の業務委託廃止に伴って波及してまいりますこのような労働者の雇用の場の喪失、失うという状況が生まれてくることは必至のようでございますが、これに対しては一体どういう御認識を持っていらっしゃるのか。国鉄並びに政府側、運輸省側、それは関連会社のことだからおれたちは知ったことじゃない、それぞれこういうお考えですか。
#78
○杉浦説明員 関連会社全般の問題もございますが、特にこの荷物会社につきましては、長年のおつき合いをしておるところでございますし、また対象となる人数が非常に多うございます。そうした面で、本体の方も非常に苦しゅうございますけれども、人の生活の安定、雇用の安定という面におきましては、気持ちといたしましては、そうした面でも十分に配慮をし、会社それぞれの行き方につきまして御相談を申し上げていきたいというふうに思っておるところでございます。
#79
○吉原委員 まさか関連会社のことは知っちゃいないという御答弁があろうとは思わないわけでございますが、誠意を持って対処するというお答えでございますが、本来国の政策に基づいてこういう好ましからざる状況に追いやられるわけでございますから、国鉄職員はもちろん大変な犠牲をこうむるわけでございまして、これの再就職なりは当然のこととして政府並びに国鉄に配慮をしてもらわなければなりませんが、この種の関連会社の雇用の場を失う職員についても、国鉄職員と同様の雇用対策は当然政府の責任でやられてしかるべきだと私は思います。これは運輸大臣お答え願いたい。いかがですか。
#80
○棚橋(泰)政府委員 先生御指摘のように、関連企業、さらには国鉄の改革等に伴いましていろいろなところにいろいろな影響が出るということが予想されるわけでございます。その際の影響というものは極力少なくすべきであるというふうに考えておりますが、関連企業に対する問題につきましては、先ほど総裁から御答弁がございましたように、まず第一義的には国鉄の方において十分な配慮がなされるべきであるというふうに考えております。
 なお、政府が行います余剰人員対策というものは、国鉄の余剰人員というものを対象にして現在考えているところでございます。もちろん国鉄の職員だけ考えればいいということではございませんけれども、政府が直接行いますものは、国鉄の余剰人員対策というふうに御理解をいただきたいというふうに考えております。
#81
○吉原委員 それはもう承知の上でお尋ねしておるのですよ。だから、こういった国鉄の職員の救済をするために、一方で関連会社のそういう犠牲が出てくるわけでございますから、言ってみれば直接の加害者じゃなくて間接的には加害者の立場だ。そういう観点から、政府並びに国鉄はそれなりの責任を感じて、責任ある雇用対策をやるべきだ、こういう観点で私は今質問をしておるのです。
 きょうは労働省お見えになっておるはずでございます。さっきから質疑応答を聞いていただいておるはずでございますが、受け入れ側の関連会社は、せっかく定年制を六十五歳あるいは六十三歳と決めておるものをわざわざ六十歳までに引き下げざるを得ない。これは恐らく労働省の定年制の延長といった観点からの行政指導に相反する、矛盾する方向だと思っておるわけでございます。私はそう思っておるのですが、こういった定年制の逆の引き下げ、延長でなくて引き下げ、こういう方向に対してはどういうお考え方を持っていらっしゃるかということが一つと、もう一つは雇用調整助成金制度、国鉄の民営・分割に伴って、あるいは要員を受け入れるに伴って大量の失業者が出る、こういう情勢を正しく把握していただいて、雇用調整助成金制度の適用がこの種の労働者にされるのか、二つお尋ねします。
#82
○田淵政府委員 まず、第一点の定年制との関連でございますけれども、先生御承知のとおり、高年齢者の雇用問題につきましては、一般的に申し上げれば、六十歳定年の普及促進等によりまして、できるだけ従来勤めていた同一の企業の中でその能力を発揮していただくことが基本であるという考えに基づきまして、先般、六十歳定年を努力義務とする中高年齢者等雇用促進法の成立を見たところでございます。しかしながら、現下の国鉄の置かれております厳しい経営状況にかんがみまして、国鉄におかれましていろいろ余剰人員対策を進めておられる、これまた重要な問題でございます。原則に対して例外というものもあるわけでございますし、決して好ましいということではございませんが、やむを得ない面も出てこようかと考えております。
 特に、関連企業につきまして今御質問でございますが、関連企業につきましても、六十歳定年ということで法律もできておりますが、六十五歳定年のところが六十二歳になるとか三歳になるというような面もあるやに聞いております。こういう問題につきましても、関連企業の従業員の生活にもいろいろ配慮をしていただきまして、当該企業との間に十分意思疎通を図ってもらい、また当該企業の中で労使でも十分話し合って納得ずくで、いずれにしても、国鉄改革という重要な問題に関連するものでございますので、相互に互譲の精神といいますか、理解し合って円滑に進めていただくことを期待する次第でございます。
 それから第二点の、国鉄関連企業の、特に鉄道荷物関係の雇用問題についてでございますが、先般労働省の方へも関係組合から御陳情もございまして、そういう事情を聞きまして、私どもも初めて実態を知ったわけでございますが、関連企業につきましては、純民間の雇用問題でございます。労働省としても、雇用を預かる責任官庁として十分関心を持ちまして、目下実情を調査中でございますし、的確な対応を図ってまいりたいと思っております。
 ただ、先生御指摘の雇用調整助成金につきましては、一般的な景気変動とか産業構造の変化等経済的な理由によりまして、一時的に企業活動の縮小を余儀なくされたような業種につきまして、その業種を労働大臣が指定をいたしまして、しかも事業主が、解雇をするのではなしに、雇用したままで休業をするとか教育訓練をするというような場合に、その賃金等の一部を助成する制度でございまして、失業を予防する制度なんでございますが、こういう制度には、今度の国鉄の場合ですと、企業経営上の観点からでございますので、ちょっとなじみにくいのではないかと思うわけでございますが、そういう問題も含めまして、関連企業の雇用対策についても、雇用の場の確保に十分注意を払って、的確な対応をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#83
○吉原委員 労働省に再度お尋ねするのですが、こういった業種というのは、言ってみれば特定不況業種の指定を受けられる、そういう資格があるのかないのか。こういう現状になったとき、そういう指定が受けられる内容のものなのかどうなのか、もう一回お聞かせ願いたい。
#84
○田淵政府委員 今、先生御指摘の不況業種とか不況地域の指定というのがございますが、これは離職した場合に再就職に当たっていろいろな手当てを講ずるという制度でございます。これにつきましては、さらに実態を調べてみまして、地域的になかなか一カ所に固まっているということにならないように思いますし、業種についても、産業分類でやっておりますので、どういうふうに指定できるか、ちょっと即答いたしかねますけれども、そういうことも含めまして、雇用について広く万全を期すために手段を検討をいたしたいと思います。
#85
○吉原委員 事働く者の雇用の場が、本人たちの責めに帰さない理由によって、今失おうとしておるわけでございまして、労働省におきましても、ひとつ前向きに対処を願いたいと思います。
 さて、最後に大臣、いろいろ質疑応答を聞いていらっしゃったと思いますが、私は大臣に先ごろから言っておりますように、今回の国鉄のいわゆる余剰人員対策、このことによって国鉄職員も大変不安にさらされておることは事実でございます。それの救済策、再就職のあっせん等々について御配慮を願っておることは私も重々承知しておるわけでございますが、今申し上げましたような関連事業にもその波及が大きく出てきておる。これはさっきから繰り返し言っておりますように、少なくとも政府の国策に基づく要因によって出てきておる現象でございますから、ひとり関連会社の問題だから、今回の国鉄再建問題とは関係ないんだ、こういう御認識は恐らく持っていらっしゃらないと思いますけれども、関連会社の職員に対しましても、国鉄職員に対すると同様の誠意ある御配慮を願いたい。大臣の誠意ある回答を求めて、私の質問を終わりたいと思います。
#86
○三塚国務大臣 ただいま来、吉原先生の質疑をお聞きをいたしておりました。働いております皆さんに対して大変深い愛情を持たれ、また同時に、この大改革に伴うことによる事業縮小あるいは転換等に思いをはせられながら、国鉄職員と同等の取り扱いをすべきであろう、こういう御指摘であります。
 私も、もとより今度の大改革は、政治、国会の決定に基づいて行われてまいりますものでありますから、さような意味で、政府と国会が一体となりながら、一人の犠牲者と言われるようなこともありませんように全力を尽くしてまいらなければならぬことであるというふうに考えております。特に、関連企業は国鉄事業を支えて今日まで来たわけでありますし、国鉄一家という、そういう結合体の中で来ましたことでありますから、本委員会においてもかねがね御質疑がございました、玉突き状況をつくり上げて相克が出るようなことはいかぬというお話などもございます。その辺は、御指摘のように、まさに労使一体となった形の中で、このことを乗り切るべく、ありとあらゆる知恵を働かせながら、また共同しながら取り組んでいかなければならないと思いますし、また武石貨物流通局長言われましたとおり、鉄荷会社につきましても、やはりいろいろ工夫をして立っていけるように、運輸省としても考えなければならないことは当然であろうというふうに思います。
 そういう点で、ただいま労働省田淵審議官からも、雇用調整の問題についても検討を進めてみる、こういうことでありますので、私からも労働省にお願いをしながら一体となって取り組まさせていただきたい、このように思っております。
#87
○吉原委員 それでは、約十五分ばかり時間を意識的に余しました。これは同僚議員、小林議員がまだ質問を留保しておる問題もございますので、そういう時間を見まして十五分早目に終わりましたが、よろしくお願いをいたします。
#88
○山下委員長 小林恒人君。
#89
○小林(恒)委員 先般、若干質問を留保しておったわけですが、その後、政府側からもあるいは国鉄当局からも資料の提出がありましたので、若干の質問を前回に引き続いてさせていただきたい、このように考えております。
 その前段で、ちょっと私、日ごろ疑問に思っておる部分がありますので、この点についてお伺いをしておきたいと思うのであります。
 昭和六十一年四月段階、いわゆる昭和六十一年度に入りまして、既に国鉄の改革にかかわる審議が具体化をいたしているわけです。既に政府からも改革法が上程されようとしている状況ですから、その段階で、昭和五十五年の再建法以降、監理委員会法、あるいは再建法に基づく経営改善計画が二回にわたって策定をされたわけですが、特に経営改善計画については五十九年の五月十七日に変更されたにもかかわらず、冒頭申し上げたような、今日段階ではほとんどそぐわないような内容のものが数多く散見をされるわけです。そこで、当面、この国鉄を経営をしていく基本として、一体どういったものをよりどころに経営を進めていこうとしているんだろうかな、この点について少し疑問を持たざるを得ないわけであります。この点について、大ざっぱで結構ですから、基本的な御認識をひとつ御明示を賜りたいと思うのです。
#90
○棚橋(泰)政府委員 先回、先生の御質問に関連していろいろ先生の御意見を承りましたし、私どもの方のことも申し上げたというふうに考えております。その際にも申し上げましたけれども、基本的に再建特別措置法というのがございまして、その後いわゆる監理委員会法と言われております臨時措置法が出ました。その臨時措置法の際に、臨時措置法の趣旨は、基本的に抜本策というものを講ずる、しかしそれまでの間においても、日々刻々国鉄の情勢が悪化していくので、そのための緊急措置を講ずる、こういう二本立てになっておったわけでございます。この緊急措置を講ずるという手法といたしまして、かつての特別措置法の経営改善計画というもの、その手法としてこれを使うという形の法体系になっておるわけでございます。したがいまして、抜本策というのは、監理委員会ができまして、その答申を受け、政府が昭和六十二年七月三十一日までにしかるべき措置を講ずる、こういうことでございまして、それにつきましては、一連の改革を今お願いをする段階にまで来ておるわけでございます。その間において、この臨時措置法によります緊急措置というものは、経営改善計画の手法というものをある程度使いながら今日までやってきておるわけでございます。
 その段階においては、昭和六十年度において経営基盤を確立するということで、これについてはそれなりの、いろいろ問題はございますけれども、幹線収支においてある程度の黒字を出すというような形が達成されてきておるわけでございます。ただ、経営改善計画というのは六十年度で終わっておるわけではございませんで、それから将来も見通しておるということで、当時、その後も引き続き努力を重ねる、こういうことになっておるわけですから、現在の段階はその段階である。抜本策をお願いをしておりまして、一方経営改善計画をある程度めどをつけました上での延長線上において、少しでも経営を健全な方向へ近づけるという段階にあるというふうに御理解をいただきたいと思います。
#91
○小林(恒)委員 私は、経営改善計画を変更したにもかかわらず、全面的に有名無実になっておるとは思っておりませんけれども、ただ特徴的な部分ですね、数字の上では要員計画なんかほとんど合わなくなっていますね。特に、六十一年三月に出されました運輸委員会調査室のこの法律案に伴う附属資料の六十二ページに「国鉄職員の現在員と余剰人員の推移一覧表」というのがございますけれども、前回の質問でもただしたとおり、昭和六十一年首におけるトータルな要員数というのは大幅に変わってきているわけです。
 先ほど、吉原委員の質問とも関連をするわけですが、正確な意味で六十一年首というのは二十七万七千人と説明がございました。さらに所要の要員数についてはおよそ二十三万九千人、こういう数字が示されております。したがって、その差三万八千人については余剰だということになるわけでしょう。しかし、こういった数字、例えばなぜこんなに数字が変わったのかという理由を解明してみますると、例えば六十年度末の特退およそ一万九千人と想定をしたが、これは三万二百六十人くらい退職をしてしまいました。加えて、合理化の計画も三万五百人程度を予定をしたが、四万二千五百人の合理化が進んでおります。約一万二千人くらい、いわゆる前倒し論というのでしょうか、余り前にずっこけていってころばなきゃいいがなと思うくらい合理化が進んでいっている。実態としては、利用者のニーズにこたえ得ないような国鉄に変わっていっているのではないだろうか、こういう心配をするわけです。
 そういう状況がつまびらかになってきて、私は最も心配するのは、六十二年度首における要員というのは、ここには二十七万六千人と記載をされていますけれども、これは明らかに数字が変わるのでしょう。おおよそ何名と想定をされますか。
#92
○澄田説明員 六十二年首の要員につきましては、今のお話の二十七万六千については今のところ変更はございません。
#93
○小林(恒)委員 そういうでたらめな答弁をしたらだめなんですよ。変わらないわけがないでしょう。六十一年首で二十七万七千人、予定でいきますと一万二千人の特退が出ることになっている。そうすると、一万二千人の特退が出るのですか。
#94
○澄田説明員 先ほどお話のございました六十一年首現在員二十七万七千でございますが、そこから今の希望退職二万人をこれから目標といたしまして、私どもといたしましてはやっておるわけでございます。(小林(恒)委員「希望者は関係ない」と呼ぶ)それを、今の退職人員の――二十七万七千と二十七万六千の差の一千を加えまして、数字上では二万一千人を目標に今退職を推進してまいるということになりますと、今の……(小林(恒)委員「委員長、関係のない答弁だから要らないです、それは」と呼ぶ)
#95
○山下委員長 では、そこらあたりでいいでしょう。
#96
○小林(恒)委員 私の質問していることは、二十七万六千人という数字は変わらないのだなということなんですよ。あなたは変わらないと言ったね。それでは特退は千人しか出ないという計算になりますよ。そういう認識でいいのですね。
#97
○澄田説明員 当初計画では、六十年度一万九千の特退の計画をしておりました。それから六十一年度中に一万二千、合わせて三万一千でございます。それに対しまして、先ほど来御説明申し上げておりますように、六十年度中に約三万人の退職者が出ました。特退と自然退職を含めて出たわけでございます。したがいまして、計算上はその差一千でございます。しかしながら、その上に今の希望退職二万人を実現いたしますと、今の私が申し上げました二万一千人という数字になるわけでございますが、今の二十七万六千につきましては、当初立てました推定で二十七万六千でございますので、今のところこれは変えることはないと私どもは考えております。
#98
○小林(恒)委員 変えることはないとおっしゃるけれども、実際に変わるのでしょう、これは間違いなく。現在二十七万七千人職員がおって、年度末に特退というのはないのですか。あるのでしょう。希望退職というのは関係ないのですよ。そうすると、二十七万七千から二十七万六千を引くと千しか残らないのです。千しか特退は出ないのかということになるのですよ。そんなことはないでしょう。
 いいですか、少なくとも、私の方から申し上げますよ、五十五歳になる者、約二千八百人くらいいるのでしょう。五十五歳を超える者、約四百人いるのでしょう。三千人は間違いなく特退するのでしょう。そうしたら三千人はこれから減るんじゃないですか。二十七万四千人にならなければおかしいのでしょう。数字、変わるのでしょう。
#99
○澄田説明員 最後の実績値といたしましては別でございますけれども、今のところの私どもの目標数値といたしまして、この二十七万六千は変えることはないと申し上げたまででございまして、最終的な結果はまだどうなるかはこれからの問題でございます。
#100
○小林(恒)委員 頭の数字が変わっていくということになると、希望退職者の数、予定は二万人、それから旧国鉄四万一千人という数字が変わってくるのではないかという気がするのですよ。
 それからもう一つ、先ほどの答弁では、監理委員会の試算は、所要員十八万三千人としたが、十九万五千人くらいとしたい。二十一万五千人と想定をした場合に、計画では三万二千人を新事業体が抱える余剰人員であると書いてあるが、しかし、この数字も三万二千人ではなくて二万人に変更するということではないのか。この数字は変わってきますねということを申し上げたいのです。そこはどうなんですか。
#101
○澄田説明員 新事業体へ移行する二十一万五千人というのは当初の目標どおり、こういったことでございますが、私が先ほど申し上げました十九万五千人というのは、今度のダイヤ改正におきまして十九万五千人で仕事ができる体制をつくり上げる、そこまでの体制に持っていくということでございます。したがいまして、新事業体へ移行するのは二十一万五千人でございますが、その中に三万二千人の余剰人員を抱えております。しかしながら、この三万二千人の余剰人員というのは、新事業体へ移る場合にはっきり顕在化しておりません。それに対しまして、この二十一万五千人から私が申しました十九万五千人の体制をつくりますと、三万二千人から二万人が余剰人員として顕在化した形で新事業体へ移行する、その二万人は例えば関連事業で使うとかいろいろな活用の仕方を考えていくということでございます。
#102
○小林(恒)委員 時間ですから、これ以上の質問はしませんけれども、計画内容を大きく調整をするというのかあるいは微調整でいいのだというのかわからないけれども、変わらなければおかしいという考え方を持っているのです。したがって、この数字については明らかにしていただかないと、後々の議論が非常にしづらい、私どもの主張している観点からしても議論がしづらい、こういう認識でいるわけです。ですから、そういう正確な数字をお示しいただきたい、こういう考え方なのですから、正確を期してください。
#103
○杉浦説明員 今まで計画をしてきたものと現実の進行状態の実績が出てまいっております。そういうことで、今先生御指摘のような実績を織り込んだ将来の見込みというものについては、現時点におきまして厳密に修正をしていきたいというふうに思っております。
#104
○小林(恒)委員 終わります。
#105
○山下委員長 この際、休憩いたします。
    午前十一時五十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時四十八分開議
#106
○津島委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。辻第一君。
#107
○辻(第)委員 私は、まず運輸大臣にお尋ねをいたします。
 国鉄は、百十四年の歴史を持っております。日本国民の足として、また国民の暮らしを守り、社会の発展のために大きな役割を果たしてまいりました。今、深刻な経営危機に陥っていますが、雨の日も風の日も全国二万一千キロの鉄路で二万五千本の列車を世界一を誇る正確さと安全さで運行をされております。一日の利用客は千九百万に達しております。
 この世界に誇る国鉄を支えてきた中心は、それは大臣とかあるいは国鉄総裁ではなしに、現場で夜となく昼となく働いてきた国鉄労働者であったと思います。また国鉄を利用してこられた国民であった、私はこのように認識をいたしております。今日の国鉄を支えているのは国鉄労働者であり国民だ、この私の認識に対しどのようにお考えになるのか、運輸大臣にお尋ねをいたします。
#108
○三塚国務大臣 御指摘のように、百十四年の歴史はすばらしい日本近代化の歴史と軌を一にしてきたというふうに思います。残念ながら、三十年代後半から赤字に相なり、またマル生の失敗などもございまして、労使の間の不幸な時代が続くことに相なりました。この不幸な時代を除きますれば、まさに御指摘のように、労使一体でありましたし、特に現場で国鉄マンとしての誇りを堅持しながら、鉄道を時間どおり運行していくという使命感のもとで働き抜いてこられた方々であろうと思うし、まさに誇り高きグループであると私も敬意を表しておるところであります。さらに国民もこれと一体となって取り組んできたわけでございまして、我が国の近代化の中における輝かしい歴史の一ページを築き上げてきた、こういう点では大局的に評価できる問題だ、このように思います。
#109
○辻(第)委員 それでは総裁はどのようにお考えなんですか。
#110
○杉浦説明員 国鉄の歴史は、百年以上の大変長い歴史と伝統を有して今日に至っております。そうした長い歴史の中で、やはり国民に愛されて、国民の足といたしまして、日常正確なダイヤで、しかも安全ということを第一に心がけてまいってきたという過程を経ておるわけでございまして、そうした鉄道の魂というものは、今日もなおかつ、特に現場の皆さん方には生きておるというふうに思っておりますし、またそうした大事なところは、どんな問題が起ころうと今後とも大事に守って、将来に引き継いでいかなければならないというふうに思っております。
#111
○辻(第)委員 その点では大体認識が一致をしているというふうに思うわけでございます。
 さて、今審議中の法案は、国鉄改革のための緊急措置ということでありますが、国鉄の長期債務に係る負担の軽減及び職員の退職の促進を図るための特別措置を定めるということであります。この長期債務の問題については、既に我が党の梅田議員が今日の経営危機を来した最大の原因として触れたところでありますし、再建の道筋をも示したというふうに思うわけでありますが、私は、後者の職員の退職の促進を図るというこの問題について質問をしてまいりたい、このように思うわけであります。
 そこで、昭和五十六年の期首から五十七年、五十八年、五十九年、六十年、六十一年の各期首の実人員、それと所要員、その数を示していただきたい。
#112
○澄田説明員 六十一年度首は、現在員二十七万七千人、所要員二十三万九千人、余剰人員三万八千人でございます。一年前の六十年度首は、現在員三十万七千人、所要員二十八万一千五百人、余剰人員二万五千五百人でございます。五十九年度首は、余剰人員問題が大きくクローズアップした年でございますが、現在員三十三万七千人、所要員三十一万二千五百人、余剰人員二万四千五百人でございます。五十八年度首は、現在員三十六万一千人、所要員三十五万六千人、余剰人員五千人でございます。五十六年、五十七年は余剰人員の発生していない年でございまして、現在員はそれぞれ五十七年三十八万人、それから五十六年三十九万二千八百人。所要員は五十七年三十八万九百人、五十六年三十九万二千九百人で、その差は五十七年が九百人、五十六年が百人でございます。
#113
○辻(第)委員 それでは、五十六年の期首と六十一年の期首の差ですね、それをお尋ねをいたします。
#114
○澄田説明員 今申し上げました差でございますが、五十六年は百人の欠員でございました。六十一年は三万八千人の余剰でございます。
#115
○辻(第)委員 いやいや、実人員で五十六年と六十一年とはどれだけ違うのか、所要員で五十六年と六十一年でどれだけ違うのかということです。わかりますか。
#116
○澄田説明員 五十六年は所要員が三十九万二千九百人でございまして、六十一年は二十三万九千人でございます。その差は十六万くらいでございます。
 それから、現在員で申し上げますと、五十六年が三十九万二千八百人でございまして、六十一年の現在員が二十七万七千人でございますので、その差は約十二万人でございます。
#117
○辻(第)委員 それで合うてますか。もう一遍見ておいてください。私どもは、五十六年の期首から六十一年期首までの五年間に約十四万人の合理化というふうに見ているわけであります。それでよろしいですか。
#118
○澄田説明員 六十一年度の今の所要員が二十三万九千でございますので、その差が今の五十六年から六十一年までの合理化数ということになりますので、先ほど申し上げましたように、約十六万ということでございます。
#119
○辻(第)委員 どうも数字が少し違うような感じがするのですが、それでは営業系統ではこの五年間に何人の削減をしたのか、お尋ねをいたします。
#120
○澄田説明員 営業系統では六万一千六百人の削減でございます。
#121
○辻(第)委員 運転系統ではどうですか。
#122
○澄田説明員 運転系統では三万九千三百人の削減でございます。
#123
○辻(第)委員 それでは施設ではどうですか。
#124
○澄田説明員 施設系統では一万六千九百人の削減でございます。
#125
○辻(第)委員 電気系統は。
#126
○澄田説明員 電気系統では七千四百人の削減でございます。
#127
○辻(第)委員 最後に、工場、自動車、建設、非現業では何人の人員削減ですか。
#128
○澄田説明員 その他工場、自動車、建設等で二万八千七百人の削減でございます。
#129
○辻(第)委員 今の数字ですと、やっぱり十六万になりますね。それではその所要員ですね、所要員の定義というのですか、これをお教えいただきたい。
#130
○澄田説明員 所要員と申しますのは、要員規模という表現も使っておりますけれども、列車とかあるいは船舶、自動車の運転業務とかあるいは車両、線路、電気関係の保守業務、駅などにおきますお客様の取扱業務あるいは管理部門等の日常の業務遂行に必要な要員を意味しておりまして、具体的には列車ダイヤとか設備量を基礎に置きまして作業量を想定いたしまして、それぞれの職員や職場に与えられた仕事が円滑に進むかどうかを判断して決めておるものでございます。
#131
○辻(第)委員 そうしますと、先ほどの数字で、この間に十六万人の人員の削減ということですね。大変膨大な人員削減ということになりますね。
 それで、この所要員ですね、所要規模ですか、先ほどそうおっしゃったのですが、何を基準に決めておられるのか、お尋ねをいたします。
#132
○葛西説明員 所要員の基準になりますものは業務量でございまして、最も基本的なものは客貨の輸送量、そしてそれに基づいた列車本数、列車の配列といったようなものが中心になります。ただ、国鉄の場合、一般の工場などと違いまして、お客の流動の時間的な波動あるいは駅の設備その他、それぞれ千差万別でございますので、そういう業務量に合わせてきめ細かく人間を配置していくということを現場ごとに各局の人事課が査定いたしまして、そして効率のいい人間の張りつけ方をしていくということで決めておりますので、画一的な基準によって決められるような単純なものではございません。
#133
○辻(第)委員 そういう単純な基準で決められるようなものではありませんということは、非常にあいまいに決められているという側面がありますね。そういうことじゃないですか。
#134
○葛西説明員 画一的に決めないということは、各現場ごとの作業の実態等にマッチさせてきめ細かく個々に作業をして、大変な努力をして決めておるという意味でございます。
#135
○辻(第)委員 確かに無人駅もできましたね。それからローカル線も廃止になったところがたくさんありますね。それから貨物も廃止になったところがたくさんあります。こういうふうに具体的に路線がなくなるあるいは駅舎がなくなる、こういうところは非常によくわかるのですが、しかし、このわずか五年の間に十六万人もの人を削減する、日常の業務遂行に当たって必要な人員が十六万人も減るというのは、どう考えてみても納得できないですね。そうなれば、その基準というものが、四年前の基準はどうなったのか、昨年の基準はどうなったのか、こういうことを言わざるを得ないということであります。私どもは、先に数字があったのではないか、臨調答申、監理委員会の「意見」、こういうものが先にあって、何が何でもそこへ落としていくということでやってこられたのではないか、こういうように考えるのですが、いかがですか。
#136
○葛西説明員 私どもが要員の規模を決めてまいりますときには、競争場裏におきまして、他輸送機関と競争して収入を上げていくのに足るような効率的な要員をどうやってつくっていくかということで決めておるわけでございまして、決して先に数字を決めているものではございません。例えば駅なんかを例にとってみますと、地方の非常に業務量の薄いところでは、その人間の使い方はできるだけ多能化するというようなことを考えてまいりますし、また波動の多いところでは、波動のピークに合わせて人間を張りつけるというようなことでは非常に人間の効率が悪くなりますので、そこにつきましては、さまざまな勤務の組み合わせをいたしまして、効率のいい、業務に見合った人間の張りつけ方をしていくというような形で、その人間の規模を決めてきております。
 非常に大きな規模の合理化がこれまでなされておりますという背景には、輸送量の変動というものもございますし、また他輸送機関等に比べて、それまで非常に効率が悪い体制でやってきたということも一つの要素になっておると考えております。
#137
○辻(第)委員 どのように弁解ですか、お話しになろうとも、日常業務を遂行するに当たって必要な人員ということで、三年前と十数万人違うというようなことはとんでもない基準だというふうに言わざるを得ません。先ほどちょっと触れられましたけれども、これまでが過剰に過ぎたんだというようなことも言われているようでありますが、もうできるだけ削減をするというような感じですね。江戸時代、徳川幕府の要人の一人が百姓は生かさず殺さずを旨とすべしとかいうようなことを言ったようであります。今の国鉄のこの人員削減というのは、まさにあの江戸時代の徳川幕府の要人が言ったその中身そのものではないか。もう搾れるだけ搾ってしまう。サトウキビじゃないのです。そういうひどい人員削減だと私は言わざるを得ないわけであります。
 そこで、お尋ねをいたしますが、それでは安全だとかサービスだとか労働条件は低下をしないのか。まず安全の問題で御答弁をいただきたい。
#138
○杉浦説明員 安全は輸送機関を預かる者といたしまして最も重要な使命でございます。合理化を行うことによって安全が阻害されるということが絶対あってはならないということを基本的に考えておるわけでございまして、大変な効率化を図る中におきましても、常に安全面でのトレースを行いながら、また必要な安全投資を最重点に行いながら安全を確保してきておるところでございます。
#139
○辻(第)委員 安全の問題は、後でまたお尋ねするわけでありますが、それでは、この十一月のダイヤ改正、これで人員削減の問題は大筋もう完了ということですか。
#140
○澄田説明員 私ども六十年度中に合理化したもの、それから六十一年度中の合理化目標を今度の十一月のダイヤ改正で集大成したいというぐあいに考えております。約八万六千人ぐらいの合理化を計画してございます。
#141
○辻(第)委員 それでは、六十二年四月一日までの具体的な人員削減対策、これはどの分野でどのような合理化、人員削減をやるのか、具体的にお答えをいただきたい。
#142
○葛西説明員 六十一年十一月段階までに我々が達成しようと今推進中でございます計画は、昨年の十月に策定したものでございまして、鉄道事業の運営に十九万五千人でもって足りる体制をつくっていこうということでございます。そしてその主体となりますものは、六十一年の十一月一日に計画しておりますダイヤ改正等を軸にいたしまして進めていくわけでございまして、その中には、例えば営業系統で申しますと、駅等の作業の体制を見直す、あるいは勤務の体制を見直すというようなもの、あるいは現在交渉中でありますが、列車乗務員の勤務の制度を改正して、新しい勤務体制により効率的な運用を行っていこうというようなもの、あるいは運転系統では動力車乗務員の勤務の改正を既にやっておりますので、その新しい勤務を適用して、さらに効率化を徹底するといったようなもの、あるいは検修作業の見直し、その他各系統にわたりまして作業体制あるいは作業の仕組みを変えて、そして効率よく人を使っていこうということで、十九万五千人で業務が運営できる体制をつくっていこうということでございます。
#143
○辻(第)委員 それでは、もう一度お尋ねをいたしますが、運転系統ですね、運転系統では具体的にどれぐらい削減をされようというのか。運転系統では、運転をされる列車がまだふえるというところもあるのじゃないかと思うのですが、そういうことも含めてどういうふうな削減をされるのか。それから検修ですね、検修でどれぐらい削減をされるのか、お尋ねをいたします。もし削減をされる比率がわかれば、比率までお答えをいただきたい。
#144
○葛西説明員 今申し上げました計画の中で、運転系統で申しますと、六十一年の十一月段階で四万一千九百人の人数で運営できる体制にしていこうということで計画を進めております。ただ、具体的な合理化計画の内容につきましては、現在ダイヤの概要が決まったところでありまして、そのダイヤの概要というのは、列車の配列その他が決まってまいりますので、それに合わせまして現場における作業の実態というものが決まってまいります。その決まった作業の実態に合わせて具体的に作業を各地方機関で詰めておりまして、それができ次第これを明らかにして交渉をしていくということでございまして、現時点でまだ数字そのものが固まった状態にはなっておりません。
#145
○辻(第)委員 それでは、大体いつごろ固まりますか。
#146
○葛西説明員 これはできるだけ早く固めてまいりたいと思っておりますが、現在の見通しては、大体ことしの七月ぐらいには固め終わって、これを明らかにしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#147
○辻(第)委員 それでは、また安全の問題でお尋ねをいたします。
 私は国会で、運輸委員会か交通安全委員会がどこかで少し説明をしたのですが、中央線の二〇一系の列車故障の問題ですね。これはベアリングの関係ですか、エンジンが過熱をして車が回転をしない、そしてタイヤがそのまま滑ったような状況で走るということで、そのタイヤが異常な、めくれるような摩耗をしたというようなことで、これがかなり連続をして起こりましたね。今は少しおさまっているようでありますが、こういう事態があります。
 また、奈良県では、これも王寺で脱線をした。そのことの原因の一部ですか、タイヤのフランジというのですか、ここのところが非常に摩耗して薄くなったというようなことで、これもたくさんそういう状態があって、これを削り直したというようなことがありましたね。そういう問題。
 それから、東京新聞にも載っておったわけでありますが、四月十六日に「ヒビ割れ車輪続出 合理化の余波? 点検体制の見直し急ぐ」こういう記事が載っておりました。私ども、今の状況の中で、検査修繕、これが言うなれば非常に削減をされ手抜きをされておる、検査周期の延伸というような状態だというふうに見ているわけでありますが、六十一年三月に仕業検査が四十八時間が七十二時間になりましたね。これも六十一年三月、交番検査が六十日から九十日、三万キロ。六十年三月に台車検査が廃止をされる。それから要部検査は六十年三月、二十四カ月から三十六カ月、あるいは四十万キロ。全般検査、これが六十年三月に四十八カ月から七十二カ月、八十万キロ。このようないろいろな検査の周期が延仲をされる、あるいは台車検査のように廃止をされる、そして人員を大幅に削減をしていく、こういう事態の中で、このようないろいろな列車の故障やあるいは人災事故というものがふえている、安全の面でもゆゆしき事態を迎えている、私どもはこのように認識をしているのですが、いかがですか。
#148
○山之内説明員 安全の問題は、先ほど総裁からもお話がございましたように、何と申しましても、私どもの交通企業の原点でございまして、あらゆる施策を行う上でも常に一番重点を置いて考えているところでございます。でございますが、やはりそれと同時に効率的な経営を行うということも、我々の鉄道というものを今後とも生かしていく上からも非常に重要な問題でございまして、最近のように、技術の日進月歩の世の中において、いろいろな技術の進歩を取り上げながら効率的なことをやっていくことも我々の使命と考えております。
 車両検修につきましても、過去においても何回かそういった合理化を進めてまいりました。その前には必ずいろいろな勉強をいたしまして、データの分析をし、あるいは新しい材料とか部品を入れるなどいろいろやってまいりました。またその後いろいろなトレースをやっております。今日、今お話がありましたとおり、昨年の三月並びにことしの三月、二回に分けまして車両検修回帰の延伸をほぼ十五年ぶりにやったわけでございますけれども、その前にはいろいろな分析もやりましたし、いろいろな車両の進歩もあったと思います。
 いろいろ御指摘のような車両故障が起きていることも事実でございますが、例えば御指摘のありました中央線を例にとりますと、中央線というところは非常に通勤輸送の多いところなものですから、二、三年前から二〇一系と呼んでおります新しい電車を入れたわけでありますが、これは一部の私鉄も採用しておりますけれども、サイリスタチョッパという、やや専門的になりますが、従来の電車とは違った新しい電子部品を入れたわけであります。結果として、いわば初期故障という格好で従来の車になかった現象が出まして、モーターが一部動かなくなる、それから一部の車でもってベアリングにふぐあいが出るというようなことがございまして、私ども鉄道技術研究所も入れまして対策を検討いたしまして、どうやらベアリングに若干電流が流れておるらしいということが判明いたしましたので、昨年の暮れから急遽そういう電流を減らす対策を講じておりますので、お話のありましたように、徐々に減りつつあると思っておりますので、そういった対策を進めていきたいと思いますし、その他全般、車両故障の減少については、今後とも努力をして、安全性の向上に努めてまいりたいと思っております。
#149
○辻(第)委員 それでは、安全は大丈夫というんですね。いかがですか。
#150
○山之内説明員 ただいま申し上げたように、いろいろな施策を進める上で安全を最重点にしながら検討いたしておりますので、安全性については十分配慮しながら進めているつもりでございます。
#151
○辻(第)委員 あなたはそうおっしゃいますが、これは六十一年四月八日に国鉄が出された「昭和六十年度の運転状況及び運転事故等について」という資料ですね。これの六ページのところですが、ここのところに五十一年度から六十年度の間の「運転阻害の推移(在来線)」というところがあるわけですね。それで「部内原因の種別」というところに「車両破損」、これは五十三年が百四件、五十六年が三十七件、五十八年が九十七件、五十九年、六十年が百九十件、百九十三件、激増をいたしております。「車両故障」というところでいきますと、五十三年が千八十件、五十六年が八百九十七件、五十八年が千三百三十四件、これが五十九年、六十年になりますと二千四十四件、千八百七十七件、これも激増をしているわけであります。
 この数字を見ても、合理化がやられ人員削減がやられてから、運転阻害の車両破損、車両故障、都内原因のものがどんなにふえたかということが明らかではないですか。
#152
○山之内説明員 御指摘のように、統計数字で五十八年ごろから小さい事故の件数が若干ふえていることは事実でございます。
 実は甚だ残念なんではございますが、国鉄は従来小さい事故は表に出さない、嫌な言葉でございますが、マル秘にするという風潮が若干ございまして、車両故障に限らずいろいろな事故がどうもやや表に出てこないという傾向がございまして、これはやはり非常にぐあいが悪い。小さい事故をきちんと把握をして、小さいうちに退治することが安全の原点でございますので、いろいろと難しい問題があったのでございますけれども、五十八年度から私ども小さい事故もきちんと把握するように努めてまいりました。その結果、ただいま御指摘のございました車両故障に限らず、全般的にすべての故障原因がふえておると思います。それはごらんになっていただくとわかります。特に職員のミスにかかわる事故は激増をいたしております。ということは、やはり故障あるいはそういったものが本質的にふえたのではなくて、そういった従来把握し切れなかった小さい事故が表面に出てきたということが、結果として数字がふえたと思います。
 例えば、一番私どもが注意をいたしております列車の脱線、衝突等の大きな事故、列車事故と呼んでおりますが、これはむしろ長期的に見て減っておりまして、昨年は三十二件といわば史上最低でございますから、そういうことをごらんになりましても、事故そのものは本質的にはふえていないというふうに考えていただいていいかと思います。
#153
○辻(第)委員 いいかげんなことを言いなさんな。こういう小さい事故が積み重なって大きい事故になるということは十分考えられるのですよ。あなた、国鉄はこれまで隠してきたのですか、こういう問題を。そういうでたらめな数字を堂々と国民の前に発表する、我々の手元にも送られてくる。許されぬことですよ、それは。
 今、国鉄の労働者がひしひしと感じているのは、小さい事故が頻発をしてきたということであります。もう国鉄の労働者が安心して乗り切れないというふうに感じている人もあるわけであります。私は去年の十月からほぼ全国十一都道府県を回っていろいろ現場を見せていただき、たくさんの労働者のお話を聞きました。そういうのが実態であります。しかも増収だとか効率化、こういうことばかり、現場ではその空気が充満をしている。しかし、安全ということになれば、もうほとんどその声が聞かれないという感じになるのですね。
 そういう状態だというのが私が直接聞いてきた多くの実態であります。この数字の中にもそのことがあらわれている、私はこのように考えるわけであります。総裁、どうですか、この問題。
#154
○杉浦説明員 今、表に発表されております小さな事故の報告件数、これがふえているということは確かでございます。ただ、何でそういうふうにふえたのかという分析を中でやっておるわけでありますが、ただいま山之内常務が申し上げましたように、それぞれの現場の職員の事故、故障把握状態というものがぴしっと報告された結果であるというふうに私どもは考えておるわけでございます。重大事故につながる件数はかえって減少傾向にあるということを確認をしているところでございまして、この表面の報告がふえたからといって、これが事故につながるというふうには私ども考えておりません。
 しかしながら、今先生御指摘のように、一般の国民に対する御報告の立場からいたしますと、これは誤った数字、誤った判断の材料にもなりかねない、そういうふうにも思いますが、分析をした結果はそういうことである、事故につながるような状態ではないというふうに考えておるところであります。
#155
○辻(第)委員 総裁の認識は甘いですね。今安全の問題というのは本当に重大な問題ですよ。私は今国鉄が日航の二の舞になるのではないか、このようなことを危惧をいたしております。日航も、もうコストの問題、効率化の問題、それから復配至上課題、こういうことがやられてきましたね。そして日航の社長の年頭のあいさっというのですか、こういうものも、コストというような字がどんどん出てくるわけでありますが、安全ということが一言も出てこないという状態があったのですね。数年前は羽田沖でああいう大事故を起こしながら、二、三年たつとそういう状況に変わってまいります。その後で、あのような本当に許すことのできない大事故が起こったわけであります。
 こういうとき、よく見てみますと、それはもう経営の安定、効率化、コスト、こういうところへ目がぐうんと注がれて、運輸・交通事業では安全というのは当然の話だと言われるわけでありますが、それが非常に薄れていく、こういう状況が来るわけであります。今のこの驚くほどの合理化、人減らし、こういう状況の中では、安全がいよいよ重大な問題になってきたと私は言わざるを得ないと思うわけであります。先ほど来の総裁の発言、認識というのは、私は非常に遺憾だ、何としてももっと体制を整えて安全を確保する、そのために努力をされたい、強く要求をするわけであります。
 サービスの面でありますが、無人駅がたくさんできましたね。奈良県でももう無人駅が過半数ですかね、そんな感じ、ちょっと忘れたのですが。全国で今駅が幾らあるのか、そのうちの無人駅が幾らあるのか、お尋ねをいたします。
#156
○須田説明員 六十年度末の、つまり三月三十一日現在の数字でございますが、駅の数が五千五十四駅ございます。その中で、職員を配置いたしておりません、いわゆる停留所と申しておりますが、これが二千六百十九駅、部外の方々に業務を委託しておる駅が四百四十一駅ございます。
#157
○辻(第)委員 それでは最近、この三年くらいに無人駅になったところは幾らくらいありますか。
#158
○須田説明員 少し前の数字、昭和五十八年の数字で申し上げますと、今申し上げました停留所化駅、いわゆる無人駅でございますが、これが二千二百八十二駅でございましたので、先ほどの数字で申し上げますと、約四百駅ばかりその間ふえておるかと存じます。
#159
○辻(第)委員 たくさん無人駅がふえましたね。それからホーム要員の問題ですね。これは非常に重大な問題だと思うわけでありますが、大幅に削減をされているのですね。これはこの数年どれくらい削減をされているのか。
#160
○須田説明員 ホーム要員というのを専任で置いております駅と、他の職種と兼務をいたしておるところがございますので、これだけ正確にとることはできませんが、テレビの増設その他の安全面に機械的なバックアップを加えました上で、若干効率化を図らしていただいていることは事実でございます。
#161
○辻(第)委員 私、先日東京駅から常磐線の金町というところへ国鉄で行ったわけであります。東北線というのですか、あれに乗って日暮里まで行きました。日暮里で乗りかえて――ところが乗りかえが非常にわかりにくいのですね。私も運輸委員をもう四年半ほどしているのには大分知識がないなと言われるかもわからぬですが、そういうことは関係ないかもわかりませんけれども、たしか快速と普通とかいうのがあるのですね。金町まで行くには、そこで乗ればとまらないというのです、北千住で乗りかえてください。それがわからぬので、またホームを見回しても、私のおりたところではだれもおられなかったので――あそこはホーム要員はおられるようでありますから、どこかにおられたかもわかりませんけれども、改札口まで走っていってお尋ねをしたら、丁寧に教えていただいて、とにかく北千住で乗りかえてもらわなくてはならない、こういう話でした。
 北千住へ行って、それから乗りかえるわけでありますが、地下へと書いてあるわけです。地下の方へと書いてあるからおりていったのですが、地下鉄なんですね。国鉄が地下鉄というのがどうもぴんとこないので、またそこでもお尋ねをして、やっと金町へ行ったということがあるわけであります。
 私もまだというかもうというか六十歳であります。総裁と大体一緒だと思うのです。「ハナ ハト マメ マス」の最後の国語の教科書で大きくなってきたというふうに思うのですが、これからだんだん年をとるわけですね。私でも時間をせいて金町へ行くのにはかなり苦労したのです。ですから、もっとお年を召した方は、それはそれなりに大変なことだな。ホーム要員の方が安全の確保といろいろサービスをしていた、そういうことが本当に必要だなというのを私はそのとき実感をしました。
 飯田橋というのも見てまいりましたが、あそこも大変なところですね。ああいうところもラッシュしかホーム要員がおられないということは、国民の皆さん方に対するサービスや安全の問題で重大な問題だ。
 今の人員削減がそのような身近な国民への安全やサービスに大きな障害を与えているというふうに言わざるを得ないのですが、いかがですか。
#162
○須田説明員 確かに今先生から御指摘ございました常磐線等に案内上の不備があることは申しわけないと思っております。ただ、やはりホームに要員を置くということも大切なことでございますけれども、掲示でございますとかいろいろそういった案内上の設備を充実させたり、駅のレイアウトをわかりやすくするということも大切だと思っておりまして、そういったもので総合的にお客様へのサービスを提供申し上げたいというふうに思っております。たまたま今北千住の駅が工事をいたしておるものですから、大変おわかりづらい思いをしていただいたと思うのでございますけれども、掲示その他でも十分バックアップをいたします。それから必要最小限度の要員はもちろん配置をしてカバーをしてまいりたい、かように考えております。
 それから、御指摘のございました飯田橋でございますが、これは実はラッシュの時間帯は一ホーム六名配置をしておりまして、ラッシュ以外の時間帯も必ず一人は配置をいたしております。ああいったホームが曲線でございます関係で、安全上そういうことでございますので、安全にも十分留意をいたし、かつまたいろいろ設備面でのバックアップもいたしながらサービスと安全には万全を期してまいる、このような考え方で臨んでおります。
#163
○辻(第)委員 どこが万全なんですかね、どこまでが万全なんですかね。もっとお年を召した方あるいは子供さんにとっては国鉄というのは本当に乗りづらい、日本じゅうが今そういうふうになっているのですね。余りこんなことを言うと時間がなになんですが、どうしてこんなに時代が発展をしていっているのに、国鉄がだんだん橋上駅になって、どこの場合も一遍上へ上がらないと乗れないということですね。これまでは両方に駅があればそのまま平場で行けたのですね。これは障害を持っておられる方あるいは高齢者ということになれば本当に大変なことなんですね。若い人には少々歩いても体を鍛えるという意味でもいいかもわかりませんけれども、お年寄りだとか子供だとか障害者、こういう弱者にとっては大変なことだと思うのですね。ですから、快適でしかも安全ということで言えば、無人駅はなくすべきであるし、ホーム要員はもっともっと充実をさすべきだということであります。
 それから、労働条件の問題でお尋ねをいたします。労働条件が非常に悪化をしておる、こういうふうに私どもは考えるわけでありますが、総裁の御見解はいかがですか。
#164
○杉浦説明員 勤務の体制なりあるいはまた給与体系等々労働条件の問題につきましては、現在の効率化、合理化というような線に沿った形での仕事の能率の向上という観点からする配慮が逐年なされておるわけでございます。給与体系につきましては、全般的な配慮の中で適正な給与体系ができ上がっておるというふうに思うところであります。
    〔津島委員長代理退席、久間委員長代理
    着席〕
#165
○辻(第)委員 今の総裁の認識というのは私は非常に残念ですね。
 きょうは労働省お越しをいただいておりますか。――今、労働省は労働時間の問題についてはどのような方向で御指導をされているのかお尋ねをいたします。
 それから、年次有給休暇というのは、原則として自由に本人の希望にできるだけ沿って与えられるべきだ、こういうふうに考えるのですが、この二点について御答弁いただきたいと思います。
#166
○松原説明員 労働時間の短縮につきましては、私ども、昨年の六月に中央労働基準審議会の議論を経まして、「労働時間短縮の展望と指針」なるものをつくりまして、行政指導を進めておるところでございます。その中では、概略申し上げますと、我が国は週休二日制の普及が外国に比べてかなりおくれておるということで、週休二日制の普及を第一といたしております。
 それから、さらに御指摘のございました年次有給休暇の取得でございますが、これが現在、五十九年の数字でございますが、権利として与えられております日数が約十五日あるのに対しまして、その取得の状況が六割弱にとどまっておるということで、その完全取得といいますか、より消化を進めるよう年次有給休暇の消化促進あるいは連続休暇の定着、さらには所定外労働時間の改善といったことを重点として指導を進めておるところでございます。年次有給休暇につきましては、御指摘のように、労働基準法上、労働者の請求に基づきまして、営業上、時期を変更するという場合はありますけれども、原則として請求に基づいて与えられるべきものだというふうに理解しておるところでございます。
#167
○辻(第)委員 今、労働省がそのように御答弁になったわけでありますが、これは名古屋の稲沢の運転区所だったと思うのですが、年休が非常にとりにくくなった。というのは、いつ幾日年休を下さいと言っても、ちょっとその日は都合が悪いですねというのが非常に多いのですね。これまでは言ったら全部そのとおりというわけにはいかなかったでしょうけれども、もう少し年休がとりやすかった。今は非常に年休が待たされるのですね。この日はだめですよ、また違う日に。またその日もだめです、こんなこともあるということですね。非常に年休がとりにくくなった。しかも、その職場には余剰人員がほかの仕事をするという状況の中で、年休がとりづらくなり超過勤務が非常に多くなったということであります。ひどいのになりますと、超過勤務をしても超勤料が払われていない、サービス残業になっている部分も出てきたということであります。
 それから、労働時間が非常に長くなっている。それは皆さん御存じだと思いますが、運転士さん、機関士さん、非常に時間が長くなって、超過勤務を相当されるという状況になっているのです。労働省のお話を聞きますと、労働省としては時間短縮ということで指導されている。一方、国鉄は、逆にどんどん時間が延ばされ超過勤務がやられて、年休も思うようにとれなくなっているわけであります。労働条件は大柄に低下しているというのが今日の現状であると思いますが、こういう問題をどのように考えておられるのか。
#168
○葛西説明員 結論から申し上げまして、私どもは国鉄の労働条件が低下しているとは考えておりません。今具体的にお話がございました年休については、国鉄では二十日の年休を与えておりますが、その消化率はほぼ一〇〇%に近い状況でございます。
 また、超過勤務につきまして、今お話がございましたのは、恐らく動力車乗務員勤務の改正に伴う法定内超勤のことであろうと存じますが、これは動力車乗務員の勤務制度が、従来四十時間が労働時間になっておりましたが、四十時間を上限とするような運用で作業交番が組まれるという状況の中で、実際の労働時間は週平均三十七時間ちょっとしかない。すなわち所定の労働時間に対して二時間近い働き不足を生ずるという状況がございました。列車ダイヤの特性から見て、一つの仕業の長さというのは、それぞれまちまちでありまして、ぴったり四十時間に合わせることは神わざでも不可能でありますから、四十時間を超えるような作業計画を組む。すなわち四十二時間、四十二時間というケースが出ることを前提としてダイヤを組むということで、初めて所定の労働時間を消化できる形になるわけでございまして、四十八時間という労働基準法の許された範囲内で、超過勤務を前提とした作業計画を組むというふうに勤務を改正した結果であろうと思いますが、この結果として、私鉄と完全に同じということにはなりませんけれども、ほぼ私鉄に近いような作業の効率化ができてきているものでございまして、これも労働時間の延長あるいは超勤を命じ、超勤を払わないというような問題とは全く異なったものでございまして、我々としては、従来の労働条件の範囲内で、これを効率的に組み合わせることによって作業の効率をよくしていくということでやっておるつもりでございます。
#169
○辻(第)委員 どのようにあなたが答弁されようと、労働条件は低下しているのですね。これまでに比べて大幅に低下しているのです。先ほど労働省の御答弁もありました。時代の趨勢は時短の方向に行くべきなのです。それを国鉄では大変な人減らし、合理化をやって労働時間を大幅に延ばしていこうということですね。年休も、一〇〇%消化ということでありますが、実態は非常に取りにくいということなのですね。これは低下ではないでしょうか。今労働省では時間短縮の方向へ向かっている。一方、国鉄はこのように超過勤務時間を延ばしていく方向へ進んでいるわけでありますが、大臣、どのようにお考えになりましょうか。
#170
○三塚国務大臣 それぞれ企業のあり方また実態、これからの展望ということで物を考えてまいるというのが一つであろうと思うのです。時間短縮というのも一つの世界的な流れ、週休二日ということ、さらにアンダーテーブルの労働がイタリアのようにありまして、それでカウントされる労働時間はそれなりのものでございますが、第二ビジネスという部分が第一ビジネスのようなウエートを占めるというヨーロッパ先進国に一つの現象が出て、今後の一つの問題かな、こう言われているわけですね。通しの労働時間という意味でどう見るのかというのも、これからの大事なポイントのようにも思います。
 それはそれとして、ただいま御指摘の、そういう傾向の中における国鉄の労働時間帯はどうするのか。こういうことについて、公企体の持つ宿命、公益性と企業性、その特徴をそれぞれ生かしながら最大限の効果を発揮するというのがねらいであったわけでありますが、それなりに考えてみますと、二つの概念は大体相対立する概念でありますことも御理解いただけることだと思うのです。その対立する中で特徴を生かす、ここに公企体の宿命があるわけでございますが、今日の公企体では到底本来の目的を達成することが難しいのではないか、こういう御指摘を受けて、私どもも真剣に勉強させていただいておるわけです。国鉄は国鉄として、今日の状態の中で何としても効率的に、また効果的な経営をする、そのことが国鉄労働者を守り、国鉄の企業を守るということに通ずるという概念の中で御奮聞いただいておる。私も、そういう概念の中で御研究、御勉強をいただきたい、こう申し上げてきておるところでございまして、今日ただいまの国鉄の実態からいいますと、民鉄、私鉄並みということを一つのベースとして頑張り抜いて、実績を積み上げて、この鉄道を守り、職域を守り、労働を守るということが大事なのではなかろうかと思っておるところでございます。
#171
○辻(第)委員 時代に逆行するようなことはやめていただきたいですね。
 去年でしたが、北海道の現地調査をさせていただいた中で、これは機関士というのですか運転士ですか、苗穂運転区DL35,EC47という勤務のなにがあるのですね。このことで余り時間をとるわけにはいかなくなってきたのですが、大変な勤務の状況なのですね。最近のこういう勤務状態を含めた状態で本当に疲れるんだということです。疲れ切るというような表現をなさった方があります。これは拘束時間が十七時間三十二分、勤務時間が十二時間三十二分、そのうち夜勤が四時間十分、こういうことになるのですが、DL35番、本当にわずかしか仮眠ができないのです。十九時三十分から二十一時三十分まで仮眠というのですが、こんな時間、そんなに、うまくすっと寝られるはずがないと思うのですね。それから二十二時五十五分から三時回十分まで仮眠ということになるが、これも実質三時間ほどしか寝られないですね。そして朝の六時四十四分ですか苗穂へ到着する、こういう勤務なんですね。これは労働者にとっては非常に過重な勤務でありますし、そういう睡眠不足の状態で運転をしていただいて果たして安全なのかということ。このようなところに勤務されている方は、一番悪い条件の勤務体制に入りますと、週に三日間家に帰れない、仮眠だとか国鉄の宿泊施設で泊まらなくちゃならない、こういう勤務になるわけです。大変な状況であります。
 それから、この間沼津のある方からお話を聞いたのですが、国鉄にはいろいろ機関車あるいは電車の種類がありますね。一日のうちに違う種類の電車あるいは機関車に乗らなくてはならない、こういうこともあるんですね。私鉄と違っていろいろと複雑なんですね。
 ですから、総裁も大臣も、本当に現場の声を聞いていただきたいと思うのですね。いや、私はよく聞いている、このようにおっしゃるかもしれませんけれども、ぜひもっともっと現場の生の声を聞いていただきたい。総裁にぜひお願いをしたいと思うわけです。こういう状態では、労働者の生活や権利も本当に守り切れるのか、安全が担保できるのか、国民の皆さん方、利用者にサービスが十分できるのか、私は大変問題だと思うのです。今度の分割・民営化路線、そして先ほど来いろいろ御説明がありましたが、これからでも約九万三千人、少し減るのかもわかりませんけれども、結果としてそのような首切り合理化、このようなことが進められるということ、これはもうどう考えても納得ができない。本当に安全を守り、サービスをよくし、国鉄の労働者の生活、権利を守るならば、今の人を一人たりとも減員をするのではなしに、今の体制でやられるべきだ、私は強く要求をしておきたいと思うわけであります。
 次に、余剰人員対策といたしまして、関連企業でありますとか公的部門、それから民間、いろいろと雇用の対応をされておるようでありますが、そこで今働いておられる方は玉突きになるのですね。これはどういうことになるでしょうか。例えば民間にしても、国鉄からお願いをする、では採用いたしましょうということになれば、国鉄の分だけ余分に採用されるということではありませんから、新規採用される方がそこでストップをされる、こういう事態が起こるのですね。そのことは、今の深刻な日本の雇用問題の中で、また大きな問題を提起をしてくると思うのですね。関連企業でいえば、どのような対応をとられるのか。玉突きでやめられる人はもう仕方がないということで済まされるのですか。そんなことはとてもできることではないと思うのですが、いかがですか、総裁。
#172
○杉浦説明員 関連企業は、国鉄の本体と非常にかかわり合いのある、長年の深い関係の企業でございます。今親元の国鉄自体が大変な時期になっておるし、余剰人員を抱えて何とかこれをしなければならないということでございまして、関連企業もそれぞれ大変な問題を抱えているとは思いますけれども、我々の苦しみをともに分け合ってくださいという提案を申し上げまして、関連企業八百六十五社と個別にお話をいたしたわけでございます。それぞれ企業の立場を考えながら、それぞれ納得ずくの形の総まとめといたしまして、二万一千人の受け入れについての了解をしていただいたということでございまして、今までの関連企業の職員のいろいろな問題、例えば定年制の問題等々の観点からいたしますと、国鉄のあり方に比べまして、なおもう少し頑張っていただけるところがあるのじゃないかというようなことも申し上げたわけでございます。そうした点も総合的に考えて、二万一千人の御了解を関連企業と私どもはしたわけでございまして、そこにいろいろな問題があるところもございます。私どもは、それらも十分にその話の中に含めたつもりでございますが、なお、今後とも総体的な配慮をやっていきたいと思っております。
#173
○辻(第)委員 言論の自由を損なうつもりはないのですが、いよいよ時間が迫ってきましたので、お尋ねしたことにできるだけ簡潔にお答えをいただきたいということを要望しておきます。
 国鉄が再就職をいろいろお願いをされるということは、そういう問題もあるのですね。ですから、そういうことも十分考えて、大臣もひとつよろしくお願いしますよ。
 次に、第四条第一項の三に「前二号に掲げるもののほか運輸省令で定める要件に該当する者」とあるが、その内容を簡明に答えていただけませんか。
#174
○棚橋(泰)政府委員 四条の各号をごらんになるとわかりますけれども、本来もう当然退職するというような者は除外をする、こういうことでございます。
 そこで、三号で予定をいたしておりますのは、管理職その他で、こういうことがなくても、当然従来の慣例によって退職をするということになっておるような職員、そういう方にさらに特別給付金を支給する対象として認定するというのはおかしい、したがって、そういうような管理職等で、従来の慣例により当然退職が予定されるというような者をこの三号の省令で規定をしたい、こう思っております。
#175
○辻(第)委員 それでは、もう一つ念を押して聞きますが、今勤務成績によってというのがもう皆さん方の一つのパターンですね。そういうことはないんでしょうね。
#176
○棚橋(泰)政府委員 この四条の一項は、今申し上げましたように、除外事由に該当しないということの認定というのに近い感じでございます。したがいまして、除外事由に該当しなければ、総裁はこれをすべて認定する、こういうことでございます。
#177
○辻(第)委員 余剰人員というのは、国鉄が臨調行革路線に基づいて、安全やサービスやいわゆる労働条件を非常に切り下げながら進めておる、つくられた内容ですね。労働者には全く責任がない、政府や国鉄の責任だというふうに考えるわけであります。私は、このような人減らし合理化、首切り合理化は絶対許せないということを強調して、次に移りたいと思います。
 次は、広域配転の問題でお尋ねをいたします。
 この三月四日ですか、組合に提案をされ、説明をされて、三月二十日からもう既にやられたんですね。その間わずか十六日。非常に短兵急だなと私も驚くわけでありますが、この広域異動の目的、その内容を簡単にお答えいただきたい。
#178
○杉浦説明員 余剰人員対策の困難性の問題の一つといたしまして、地域的な差の問題がございます。特に北海道、九州におきましては、余剰人員がたくさん出ることに対しまして、それを受け入れるだけの雇用の場というのが非常に少ないという問題がございますので、これらはやはり全国的な配慮のもとに解決をしていかなければならないというふうに考えておるところでございますが、そのための前広な施策といたしまして、現時点におきまして、北海道、九州の地域の諸君からあくまで希望を募りまして、東京、大阪、名古屋の地区に異動が可能であるならば、そうした措置をあらかじめ今から講じておきたいということが全体の余剰人員の対策の一環でもございますし、また将来に対する職員のあり方の公平の原則にも合致するというようなことから、今回の広域異動を実施したところでございます。
 しかしながら、長年住みなれた故郷を離れるという、それぞれの職員にとりましては大変重大問題でございますので、この辺の中身につきましては、住宅の問題、教育の問題、その他受け入れ側の面での温かい受け入れ措置につきましては、十分配慮をいたしておるところであります。
#179
○辻(第)委員 この広域配転は、今大体どれぐらいの人が応募されたのか、お尋ねをいたします。
#180
○澄田説明員 最近の応募状況でございますが、先ほど総裁申しましたように、三千四百人を目標に三月二十日から募集を開始しておりますが、四月二十四日現在で応募があった者は、北海道地区から千百三十六人でございます。九州地区から九百八十八人、合計二千百二十四人でございます。
 それから、四月十七日から本州内の地域及び四国にも募集範囲を拡大いたしまして、募集を開始いたしましたが、その地域における応募状況は、四月二十四日現在で四十九人でございます。合計で二千百七十二人でございます。
#181
○辻(第)委員 この問題では、余剰人員の地域的なアンバランスというようなことが一つのなにになっているわけでありますが、どうもその後、八局を追加されましたね。その八局と東京の三局の北局ですか、あるいは名古屋、大阪というようなところで見てみますと、逆にバランス的には北局なんかの方が少ないというようなところもあるんですね。北海道、九州と比べますと、それはバランスがとれていないということになるのですが、そういうつじつまの合わぬことですね。北海道と九州で募集して、それでうまくいかなければまた八局へ広げる。非常につじつまが合わない、泥縄的な中身だと思うんですね。
 それから、この広域異動というのは、これまでの一般的な異動と質的に違うと思いますね。本当に住みなれたふるさとを離れて、東京や大阪や名古屋に、しかも永住をするという条件ですか、そういうことで来られるということは、これは並み並みならぬことですね、そういう問題。
 それから、いろいろ問題がありますね。そういう問題の中で、また勤務成績が問題になっているんですね。それからそこへ行けば、本務につかせるというような条件があるのですか。それから新しい会社へ行きたいという希望、こういう希望を最大限尊重する、こういう約束もあるんですね。
 こういうことを見てまいりますと、今度の異動というのは、一般的な異動ではなしに、これはすぐれて労働条件に大きく関係をする、そのような内容だというふうに私は考えるのですが、いかがですか。
#182
○杉浦説明員 おっしゃるように、今回の異動は、遠隔の地からかなりの数の人たちを一応の目標にいたしまして考えておることでございますので、なかなか大変なことであるというふうに認識をいたしております。それだけにその中身につきまして、職員に対する周知の仕方あるいは処遇、受け入れ方の問題等につきましては、いろいろな面でのいわば優遇措置というものも考えたわけでございまして、今先生おっしゃいましたような本務勤務あるいは将来への配属についての希望をできるだけ聞くというようなことも、申し上げたところは、実はその辺にあったわけでございまして、そうしたようないわば一つのインセンティブがないと、こうした広域異動になかなか踏み切れないというようなことになるかと思います。実態的に三千四百人にいまだに達していないというところは、まさしく職員の諸君がいろいろと思い悩んでそれに対応しているということのあらわれかとも思いますので、今後とも私どもは懇切丁寧に中身につきましてよくお話をしながら善処をしていきたいと思っております。
#183
○辻(第)委員 今、総裁も、思い悩んでなかなか応募者が皆さん方の考えるようには至らなかったというふうにおっしゃったと思うのですが、大変なことなんですね。普通の、自分が希望してふるさとへ帰りたいというようなこととは全然違いますね。しかも、非常に広域な、九州や北海道から大都会、本当に質的に違いますね。そういうことであります。
 それから、私は先ほどもちょっと触れましたが、新しく来た人は本務につけるということですね。そうなれば、これまで本務についていたというのですか、そういう人がまた玉突きになって押し出されるということが起こりますね。それから東京や大阪や名古屋にこれまでからおられる方は、新会社へどうしても行きたいという希望の方もたくさんおられると思うんですね。たくさんじゃない、ほとんど全部そうだと思うのですが、そういう方と、新しく来られた方は、この新会社へ行くということについて、可能な限り優先的に配慮をする、まあ一つの大きな切符を持っておられるわけですね。片一方は全然切符がない、こういう本務について押し出される、あるいは切符を持っている人と切符を持っていない人、こういう方が一緒に職場で仕事をされてどういうことになるんですかね。しかも、そういうことを心配しながら、これは本当に労働条件の大きな問題ですね。来る人も、受け入れる側も大きな問題だと思うんですね。この点はいかがですか。
#184
○杉浦説明員 この問題は、あくまで全国的な配慮という観点に立ちませんと、部分的な問題でとらえますと、なかなかいろいろな問題が出てまいると思います。総体的に見まして、やはり地域的なバランスがとれていない、それを少しでも回復しようというのが目的でございますので、そうした目的を受け入れる側もよく理解してほしいというふうに思います。また遠いところからの異動でございますので、いろいろな労働条件の変更等もあると思います。労働条件に関する交渉の申し出を受けまして、各組合とも交渉いたしておるところでございます。既に妥結をし、解決したところもございますし、そうでないところもございますが、申し出に対しましては、十分に交渉をしておるつもりでございます。
#185
○辻(第)委員 今、総裁は、各組合と交渉してきたというふうにおっしゃいました。先般、総裁が御答弁をされていたときは、話し合いをしておった、こういうことでなかったのかなと私はちょっと思ったのですが、それは少し後にいたしまして、とにかく今度の広域異動というのは、一般の異動じゃないのですね、特殊な異動です。総裁、大局的な物の考え方に立たないととおっしゃったけれども、物事は大局と部分、一般と特殊、いろいろそういう全般的なところを見なければならないと思うのです。しかし現実としては、先ほど申しましたような大変な労働条件にかかわる問題があるのです。総体といたしまして、非常に労働条件に大きくかかわる、一般の異動と違う異動だと思うのです。
 それからもう一つは、近代化特別手当というものを出されるようですね。それはいかがですか。
#186
○澄田説明員 先ほどの通常の異動かどうかという話でございますけれども、今回計画いたしました広域異動は、余剰人員対策の必要性から要員需給を行っていくものでございまして、現にございます転勤に当たってのルールに従って転勤を命ずるというものでございまして、事前に労働組合と交渉し協定しなければ実施できないといったものではございません。しかしその際に、組合から労働条件に関し具体的な要求があれば、私どもは当然団体交渉を行うという姿勢で、先ほど総裁が申しましたように、十分団体交渉を行ってきておりまして、国労との間にも十四回も交渉を行ったところでございます。
 それから、近代化特別手当の問題でございますが、近代化特別手当は、合理化等の実施に伴いまして、その合理化に直接起因して勤務箇所を異動する場合で、労働条件等が著しく低下する場合に支給するものでございます。今回の広域異動は、基本的には通常の人事異動と同様でございまして、本人の希望に基づくものであり、合理化に直結した配置転換ではないということでございます。したがいまして、近代化特別手当の支給要件には該当しないと考えております。しかしながら、先ほど来先生もおっしゃいますように、今回の広域異動は、本人の希望によるものとはいいますものの、所属長の変更を伴いますし、生活環境の変化も避けられないといったことを私ども勘案いたしまして、近代化特別手当の一部項目を準用いたしまして支給することとした次第でございます。
 なお、赴任に伴います実費は、旅費の支給で保障されることになってございます。
#187
○辻(第)委員 どのように言われようと、これは一般の異動じゃないですよ。一般の異動ではそのような近代化特別手当が払われるはずがない。こういう労働条件に重大な関係のあるものを、今あなたは団体交渉をやってきたというふうに言われましたが、本当ですか。どうも私の記憶では、これまで話し合いをやってきたというふうに聞いているのですが、本当に団体交渉ですか。
#188
○澄田説明員 広域異動の趣旨につきましては十分説明をいたしまして、労働条件の問題につきましては団体交渉を行ってまいっております。
#189
○辻(第)委員 それでは、国鉄労働組合も団体交渉をやってきたという認識ですか。あなたたちが勝手にそういうように言っているのじゃないですか。その辺はどうなんでしょう。
#190
○葛西説明員 異動そのものにつきましては、これは従来のルールを適用するということで管理運営事項でやれるということを申したわけでありますが、関連する労働条件について国労とは十四回にわたる団体交渉をいたしております。
#191
○辻(第)委員 団体交渉をやっていない、話し合いだと当局は言われたように思うし、私は国労の皆さん方から聞いて、そういうふうに認識しているわけであります。間違いないでしょうね。では、私が間違いですか。
 時間も大分たってまいりました。それから公労委へ国鉄が提訴をされるということがありましたね。それから口頭で見解が述べられたというのですか、その中では、国鉄と国鉄労働組合が十分立場を尊重して交渉すべきだ、こういうような内容だったように聞いているわけであります。ところが国鉄は拒否をされたというふうに認識しているわけであります。一番最初にも触れましたけれども、十四回という言葉は何度も聞くのですが、三月四日に提出をし、二十日にもう終えられる、これはどう考えても、短兵急です。やはりそこには近代国家として、労使がこのような労働条件にかかわるものはきちっと団体交渉としてけじめをつけて、対等平等にしっかりやっていただくということがルールとしてぜひ確立をされなければならない、私はこのように思うのです。私は、広域配転そのものに絶対反対なんですが、こういうことが具体的にやられているわけであります。ルールとしてはちゃんと労働組合と対等平等という立場で団体交渉をやっていただかなければいかぬということを強く指摘したいと思います。
 総裁、これからいかがですか。どうもこれまでの国鉄当局のなには非常に一方的で、国鉄の方針に従わない限りもう問答無用で、切り捨てると言うとなんですが、切り捨てられる側が悪いので、そういう表現はちょっといかぬかもわかりませんが、問答無用というような形での差別、選別がやられているという状態だと思うのです。こういうものは直していただいて、一九八〇年代の後半、二十一世紀を間もなく迎えるような日本の中で、本当に労使がおのおのの正しい立場で、民主的に少なくともやっていただく、ぜひそういう方向でやっていただきたいと思うのですが、いかがですか。
#192
○杉浦説明員 ちょっと事実関係を申し上げたいと思いますが、三月四日に広域異動の提案を各組合にいたしたわけでございまして、三月の十四日、十日後には三組合は妥結をいたしております。国労との間では三月三十一日まで団体交渉を続けておりまして、国労から団交の打ち切りがなされたわけでございまして、公労委の調停申請を行い、調停不能になったという状況でございます。私どもといたしましては、何遍も繰り返すように、労働条件の提案がございますれば、それをお受けする、交渉に応じ、現に交渉をやっております。団交してないという事実はありません。
#193
○辻(第)委員 大分ここのところでは見解の相違がありますね。議事録を見ればわかると思うのですが、横山議員の質問のときだったか、富塚さんのときでしたか、総裁は話し合いをしているという表現、私は大分印象に残っているんですね。交渉じゃなかったと思うのですね。
 時間も来ましたので、先ほどるる申し述べました私の趣旨、そのことを十分理解をして、今後民主的な対応をやっていただきたい、重ねて要望をして、次に移ります。
 今度国鉄は運転区所内における入れかえ作業方法の変更を計画しているようでありますが、その内容の説明をいただきたい。
 また、この方式が適用される箇所はどこなのか。
#194
○山之内説明員 先ほどからお話が出ておりますが、ことしの十一月ダイヤ改正の機会に運転区所稚内、機関区とか電車区とかそういったところが入るわけでございますが、入れかえ作業方法の改善というテーマで、従来運転区所の構内で車両の入れかえをやる場合に、誘導係が誘導をしておったわけでありますけれども、これを区間を指定をいたしまして、誘導なしに入れかえをするということに改めたいと思っています。
 ただ、この場合は全部ではなくて、先ほど申しましたような場所を指定すると同時に、前頭の運転台で運転する場合であり、しかも速度も時速十五キロというふうに遅い速度に指定をして運転をすることになっております。ちょっと今ここに場所を持ってきておりませんが、具体的にまた別途お話をしたいと思います。
#195
○辻(第)委員 入れかえについては、今もお話がありましたように、前頭誘導でやってこられたのですね。この前頭誘導方式をこれまでとってこられたのは、やはり安全確保の問題ですね。その他それなりの理由があったと思うのですが、前頭誘導をこれまでとってこられた理由をもう一度説明をいただけませんか。
#196
○山之内説明員 国鉄のこの種の入れかえ作業というのは、鉄道発足以来ございまして、運転区所構内に限らず駅等でもやっておるのでございますが、駅等は御承知のとおり貨車を連結したり客車を連結したりいろいろとございます。特に入れかえをやる場合はいろいろな形態がございまして、後ろ向きに走ったりということがございます。こういった制度ができた歴史的経緯等考えますと、昔はほとんど鉄道というのは蒸気機関車が中心でございましたし、それに客車、貨車をつけた過程で、こういった体制ができてずっと百年有余続いてきたというふうに考えております。
 ところが、御承知のとおり昭和三十年代くらいからいわゆる私どもの言う動力近代化というのをやってまいりまして、動力車の形態が抜本的に変わりまして、蒸気機関車から電車あるいは気動車、電気機関車等生まれてまいりまして、運転の操縦方式がかなり変わったわけでございますが、その辺については従来の方式を踏襲してまいったと思います。
 私鉄等については、こういったことについてもかなり取り組みが早くて、一部の私鉄等においてこういったこともやっておりますので、そういったことも参考にしていただいて、ただいま申し上げたように、前頭運転台で運転をする場合、しかもそういう速度を限定すれば安全上支障がないという判断に立ちまして、ただいまの変更をさせていただくことを考えておるわけでございます。
#197
○辻(第)委員 大変恐縮なんですが、できるだけ短くお願いしたいのと、そんなに早うしゃべってもらったら私は理解できやしませんね。理解できぬように言ってはるのかもわからぬという気もするわけでありますが、ひとつ時間で御協力いただいているその気持ちもわかるのですが……。
    〔久間委員長代理退席、委員長着席〕
 運転士や機関士から見て危険な事態というのは、やはり飛び出しが一番怖いそうですね。それから見通し不十分なところ。私も運転区や運転所をこのごろちょこちょこお邪魔をして見せていただくという機会があるので大分よくわかってきたのですが、そこで研修をされ、清掃をされ、いろいろやられますね。そういう人がまた構内をお通りになるということがありますね。外注の方もたくさん来られますね。そういう状態の中で飛び出られるというようなことというのですか、仕事中ほっとして、ぼっと動かれて、そこのところへ横から車が来て接車事故を起こすというようなことも起こるのですね。
 そういうことで、私もディーゼルだとか列車とかなにしてみますと、運転をするところがその車両の真ん中、一台の機関車の真ん中にあるのがありますね。それから大体右が死角になりますね。そういうふうに見てまいりますと非常に危ないですね。前頭誘導というのは必ず必要だと私は思うのです。
 時間がなになんで、資料はぎょうさんいただいておるわけでありますが、いわゆる構内など鉄道の内部で起こる事故というのは、やはり接車事故というのですか、車に触れてけがをされる、あるいは命を失われる、こういうことが多いのですね。そういうことで、安全を確保するために前頭誘導というのはぜひ必要だというふうに考えます。
 それから、雪が降ったり濃霧のとき、車両運用の大幅な変更、こういうときはいよいよ前頭誘導が必要だと思うのですが、いかがですか。
#198
○山之内説明員 ゆっくりしゃべるように気をつけますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
 ただいまのお話のとおり、傷害事故も大変重要な問題でございまして、私ども傷害事故の防止には努めております。鉄道の構内というのは、本線の走っているところもありますし、運転区所構内以外のところでも貨車の入れかえがあり、客車の入れかえがあり、傷害事故防止については、この問題を別にいたしましても、構内の走行路の整備をいたしますとか、安全教育をいたしますとか、基準作業を守るようにするとか、いろいろな意味で努力をいたしておりますし、今後もしていきたいと思います。
 今の構内の無誘導の問題でございますけれども、今言ったことも十分考えまして、前頭運転に限るということ、それから速度も十五キロという従来の構内の入れかえ運転よりかはるかに遅い速度に指定する等によってやれば、稚内の方々、多かれる方々も自分の手なれた構内でございますので、そう基本的な問題はないのではないかというふうに考えております。
#199
○辻(第)委員 何度も繰り返しますが、構内の入れかえというのは、前に人を置いていただかないと、前頭誘導をやっていかないと本当に危険だと思います。
 二カ月に一回とか三カ月に一回、構内へ来て入れかえをされるというケースがあるようですね。こういうケースですといよいよまた危ないと思うのです。これはどうなんでしょうか。
 もう一つ、先ほど十五キロ以内とあなたはおっしゃるのですね。ところが現場の方に聞きますと、十五キロ以上で入れかえのところへ行くというのは余りないようですよ。実際は十キロとか五キロぐらいで行くのですって。あなたは専門家だから、専門家にこんなことを言ってどうも申しわけないかもわからぬですが、そういう感じですね、私が現場の方から聞けば。だから十五キロというのは、言われても余り意味がないと思うのですけれども、そういうことですね。
 今言いました、二カ月に一回、三カ月に一回、区所へ来て入れかえをやるというケースですね、これは大変だと思いますが、いかがですか。
#200
○山之内説明員 国鉄の乗務員といいますのは、自動車と違いまして、本線も含めましていろいろな、特に本線なんかそうなんでありますが、事前に線路の条件を基本的に知って走るということが原則になっております。したがいまして、新幹線なんかもそうなんでありますが、本線を走る前にはいろいろと机上でもって、どういう線路の形であるとか、どこに信号機が立っているとか、入れかえの場合はどういう配線になっているかということを教育すると同時に、いわゆる訓練運転と呼んでおりますけれども、そういったことをやりまして、線路の知識を知っていただいた上で運転をいたしております。これは本線も含めてそうでございますが、その中で、現在でもそうでありますが、勤務のいかんによってはかなり長期間ある線区に入らない、そういったこともございます。そういった場合については、長さによりますけれども、場合によってはきょう久しぶりに入る線区の人たちには点呼のときに注意をいたしますとか、特に長期にわたった場合には、もう一遍訓練をするとか、そういったことも現にやっておりますので、今後こういったことの運用に当たりましては、今御指摘のような点につきましても配慮をして、安全の確保に努めていきたいというふうに考えております。
#201
○辻(第)委員 重ねて申しますと、労働安全衛生規則五百五十条、五百五十四条の規定では、監視人の設置を義務づけておる、そういうことですね。ですから、国鉄もこの内容で対応していただいているというふうに思うわけであります。さらに言うならば、労働安全衛生規則というのは、国鉄は適用対象外ということでありますが、しかし、趣旨からいえば当然国鉄はそういうことを知っていて当たり前だということでこれは適用除外をされて対象外にされているのではないか、こういうようにも思うのですね。
 こういう点からも、ちゃんと監視人を置けということがあるわけですから、ぜひ今の変更、これは撤回をしていただいて、安全の確保を図っていただきたい、また、労働者が安心して仕事ができるような状況をつくっていただきたい、重ねて要望いたしますが、いかがですか。
#202
○山之内説明員 原則といたしまして、鉄道全般の、冒頭お話がありました安全の問題あるいは傷害事故の問題については、今後とも努力をしてまいりたいと思うのでありますが、今回の提案の件につきましては、鉄道というものは、大昔に比べますと非常に車工作業の条件も変わっておりますし、そういった中で可能な限りの効率的な運用をやることも私どもの一方の使命でございますので、そういった接点の中で、先ほど申し上げましたような条件をはめた上でやれば、安全は保てるのではないかというふうに考えておりますので、御了承願いたいと考えております。
#203
○辻(第)委員 私は、人間の命というものは本当にかけがえのないもので、そういうことでとうとい命が失われるあるいは大きな負傷をされるというようなことになれば全く大変なことだと思うのです。構内はどう見てもそういう体制は必要だというふうに思いますので、これ以上言ってもなにですけれども、ぜひいろいろな対応をやっていただきたいですね。このことを重ねて要望して、次に移ります。
 次に、貨物列車の列車掛の廃止の計画があるようでありますが、この内容についてお答えをいただきたいと思います。
#204
○山之内説明員 現在、貨物列車には列車掛というのが、従来車掌と呼んでいた時代もございますけれども、旅客列車の車掌に相当する者が列車掛という格好で乗務をいたしておりますが、今回の秋のダイヤ改正の機会から、多くの線区におきまして、この列車掛の乗務を省略することを考えております。そのために、ただ安全は十分確保しなければいけませんので、異常時の場合に備えまして、そういった線区につきましては、連絡のための連絡無線、あるいは特に複線区間等の場合には、対向列車に対して緊急に防護ということをやって、場合によっては対向列車を緊急にとめる必要がございますので、そういった防護無線をつけるとかいう対策をとりまして、安全にも十分配慮しつつそういった施策を進めてまいりたいというふうに考えております。
#205
○辻(第)委員 要するに、昨年緩急車を廃止されましたね。これに続いて今度は列車掛の廃止ということですね。いろいろ問題点があるのですが、もし事故が起こったとき、貨物列車に乗っておられる方は、運転士というのですか、機関士というのですか、その方一人ですね。事故がもし起こったときにどのように対応するのかということですね。
 これも今の国鉄のお考え方で言えば、全般的な今の国鉄をめぐる状況の中で云々ということになるのかもしれませんけれども、これも重大な問題ですね。もし事故が起こって、今、防護無線ですか、そういうもので対応をするとか、一人の運転士さんがいろいろやるということになっているみたいですね。あるいはもっとひどい話になりますと、第三者がいろいろやられることを期待する、こんなことまでおっしゃるようでありますが、そういうふうな、一人の人が乗っておって事故を起こしたとき、極端な場合は命を失われることがありますね。それから重傷で動けないということも起こりますね。それから失神ということも起こりますね。こうなれば、もうその一人の乗務員の方は何の対応もできませんね。それからもしそれがダンプカーと当たるというようなことで、反対側から車が来る。実はこれが一つの列車防護の重要な観点だそうでありますが、そういうときにも対応ができませんね。こういうときはどうするのですか。そのまま済ませるわけですか。
#206
○山之内説明員 事故というのは本当にいろいろな態様がございまして、今も先生からいろいろなケースが御指摘ございましたが、非常に小さな故障から大きな事故までいろいろな場合があると思います。したがって、そういう場合にどういうふうに対応するかということ、それからまた現在どういう対応をしておるかということ、こういったことは、この問題に取り組む私どもとしての一番関心事でございまして、安全度を落とさない、むしろ安全度をいかによくするかということが大きな課題であったかと思います。
 小さい、本当にわずかなふぐあいというものにつきましては、現在もそうでありますが、乗務員の方がその場で直していくということになると思いますが、(「最大事故のときのことを言え」と呼ぶ者あり)問題は、大きな事故の対応かと思います。それは現在でも、例えば脱線をいたしますとか、あるいは本当に車両が動かなくなるという場合については、関係箇所に連絡をいたしまして、応援の方なり、特にプロの方々、車両検査の方々に来てもらわなければいけないわけでありますが、現在非常に旧態依然としておりますので、新幹線等を別にいたしますと、携帯用電話機でもって、地上にある信号のボックスまで走っていって、そこで電話をかけなければいけないという格好になっております。それでは非常にまずいので、今回、先ほど申し上げましたように、無線をつけることによりまして、車上からすぐに関係箇所に連絡がとれますので、そういった意味では十分対応できますし、迅速な対応ができるのではないかと考えております。
 いろいろな格好で、そういった不幸なことがあります場合でありますけれども、機関車につきましては、私ども専門用語でEB装置というものがついておりまして、何か異常があった場合に一分以内には機関車がとまる装置がついておりますし、それからまた、そういった場合に乗務員の方々が連絡ができれば連絡をとっていただきますし、できない場合は列車が来ないことが関係箇所に数分のうちにわかりますので、それでまた無線を介して連絡をとって、異常があればすぐ係員が駆けつけるということで対応していきたいと思いますので、連絡網の設備によってむしろ連絡措置は早くとれるのではないか。したがって、一人の乗務員でも十分対応できるのではないかというふうに考えて、この施策に踏み切らしていただいたわけでございます。
#207
○辻(第)委員 今いろいろおっしゃいましたね。私は何やら理屈という感じがいたします。今梅田議員が申しましたが、本当に最大級の重大事故が起こったときにどういう対応ができるのか。できないですよね、一人では。もし一人で、人身事故が起こります。亡くなられるというケースがあります、重傷を負われるというケースがあります、こういうときはどうするんですか。こういう問題もあります。それからダンプと当たって、ダンプばかり言うと悪いですな、乗用車でもいいのですが、巻き込むような格好になることがありますね。これがもしまだ生きておられるというときに、もしバックすれば助ける対応ができるという場合があるようですね。そういう場合もあると思います。そうしますと、バックすれば助かるのに、今の規則のもとではバックできぬようですね。一人乗務でバックするということはできない、こういうこともあり得るのですね。
 いろいろ交渉の経過などを聞かしていただきますと、人が亡くなった場合は、そのまま死体を横のところに安置をして、そのまま走っていくべきだとかという、私はそんなふうに聞いたのですが、もしこれが事実だとすればとんでもないことだと思うのですね。確かに列車無線だとか防護無線、これは結構なんですよ。しかし、先ほど申し上げましたように、どんどん無人駅もふえているわけでしょう、ですから、国鉄というのは非常に手薄な、何回も申しますが、絞れるだけ絞ってもうという状況でしょう。そういう上に一人乗務。もし事故が起こったらどうなるのか、大変ですよ。これはやめなくちゃならないと思うのですが、どうですか。
#208
○山之内説明員 御指摘もありましたし、先ほども若干触れましたが、御指摘の大きな事故が起きた場合というのは、一番のポイントは、緊急に連絡をとりまして応援の人が駆けつけませんと、現状の体制でもやはり対応ができないんじゃないかと思っております。そういった意味では、ポイントになりますのは、この連絡体制でございますので、今回のような無線設備をすることで、連絡体制を早くすることによって、大きな事故の場合の対応体制を早くすることがこの種の問題に対する一番決め手だと思っておりますので、そういった意味で、無線の設備を含め、また特に先ほど申した踏切の問題、複線区間の問題については、従来のように人がおりて八百メーター走って炎管をたくという体制だけではなくて、こういった防護無線をすることでかえって安全性を高めるような措置をとりまして、こういった施策を進めていきたいというふうに考えております。
#209
○辻(第)委員 大事故が起こります。あといろいろな対応で連絡して対応するとおっしゃいましたね。そんなの間に合わないわけでしょう。それは事故が起こっても、対向車がゆっくり一時間後に来るというのならあなたのおっしゃるようなことができるかもわかりませんよ。しかし、いつ対向車が来るかわからぬということがあるわけです。そういうときに、もう既に大事故が起こって、二次的な大事故が起こるという危険があるときに、どこかから連絡しますみたいなことでできますか。
 それとあなた、やはりそういうようなのは専門的に訓練をされていないとやれないのですね。さあというときにおろおろするだけで素人ができるはずがありませんし、緊急に近くの者がどう対応するなんてことは、やはり訓練をされた人しか間に合わぬのですね。
 もう時間がないのですが、日航のジャンボ機が墜落をしましたね。そのときにRCCといったかな、本当にまともな対応がとれなかった。まともに人もおらぬし、そういう訓練がやられてなかったということがあるのですね。プロでもそういう状態になるのですよ。ですから、どうしても運転士だけではなしに列車掛の人を置いていただきたい。そうでなければ重大な事態を引き起こす可能性が私はあると思います。いかがですか。
#210
○山之内説明員 実は先ほどからいろいろと申し上げておりますことの若干繰り返しになるので恐縮でございますが、今対向列車というお話もございましたけれども、特に複線区間等では緊急の事態が起きた場合、すぐに反対側から来る列車をとめることが安全上一番大きな大事なことになる場合もございます。
 今どうしているかというと、乗務員の方が先ほど申しましたが、八百メーターくらい炎管を持って走っていかなければとめられないというのが現状でございます。先ほどのように、乗務員の方がけがをされますと、それもなかなか難しいというのが実情でございます。
 それでは非常にまずいので、今回のように、複線区間等については防護無線というのがつきまして、運転台でもってスイッチを押せば、その異常の無線が反対側の列車にキャッチされて、すぐとまるという対応もできますので、そういったことによってむしろ安全性が高まる面もございます。そういったことによって今回の処置をとっておりますので、緊急の措置についても、安全上の処置ができるのではないかと考えております。
#211
○辻(第)委員 何度申し上げても平行線というのが現状の状態であります。しかし、どうも今の国鉄の皆さん方、硬直をしているという感じがしますね。もっと柔軟体操もやって頭をなにをしていただいて対応していただきたい。本当に生命、安全を守っていただき、労働者の労働条件を守っていただきたいというふうに重ねて要望したいわけであります。
 総裁、いかがですか。今私がお願いをしておったこと、常務理事さんとは平行線なんですが、総裁、いかがですか。
#212
○杉浦説明員 ただいま常務理事がるる御説明申し上げたとおりでございまして、今回の措置につきましては、安全上の問題について十二分に検討した結果でございます。しかしながら、先生も御心配の向きもございます。これからも安全については十分に注意をして実行してまいりたいと思います。
#213
○辻(第)委員 時間が来たのですが、一言。
 この施策についても、私は労働条件にかかわる重大な問題だと思うのですね。しかし、当局は管理運営事項として団交に応じられないということであります。管理運営事項と労働条件というのは離しがたいというか離れがたいというか、そういう側面がありますね。そういうことでありますので、ぜひこの問題も団体交渉としてけじめをつけて、十分な交渉をしていただくということを要望するわけでありますが、いかがでございますか。これで終わります。
#214
○杉浦説明員 御趣旨の安全に対する御提言等につきましては、今後とも十分意を体して万全を期したいと思います。
#215
○山下委員長 清水勇君。
#216
○清水委員 本題に入る前に、福田派の大幹部である三塚大臣にいささかお尋ねをしたい儀がございますので、明快にその所信を披瀝していただきたいと思います。
 大臣はけさの日経をごらんになっていると思います。福田派は断じて解散・同日選挙は反対だと強調されているようでありますが、昨晩、中曽根派と福田派の幹部が都内の料理屋で会合した。国鉄法案を今国会で成立させなければならないし、これが流れるようなことがあれば解散だ、こういうことを中曽根派が福田派に申し入れをした。
 ここでただしておきたいのは、三塚大臣は去る十八日同僚の富塚君の質問に答えて、総理も解散反対だと言っておるから――反対とは言ってないかな、解散しないと言っておるから私もしないと信じている、こういうことをまくらに言われながら、特に国鉄改革法案に触れて、主要な法案は次の国会、つまり臨時国会があるので、参議院選挙後に早く開いて、このことを真剣に議論をすれば、秋風が吹くころには成立をさせていただけると各党にお願いをしているのである、こういうことを言われ、かつまた、真夏は盆休みもあるが、国家的大事業だから、参議院選後、暑さで恐縮ではあるが、臨時国会を早く開いて審議をお願いしたいと思っている、こういうことも言われております。このことを平たく言えば、この国会では国鉄改革法案以下七本の法案が通るなどということはゆめゆめ大臣も想定されておらない。にもかかわらずこういうやりとりをされていることは、私どもにとって非常に不愉快な思いを禁じ得ないので、大臣としてどのようにお考えであるのか、お聞かせをいただきたい。
#217
○三塚国務大臣 今、清水先生言われましたが、富塚委員との冒頭の質疑の中で、正確に言いますと、今国会においてこの法律の処理をお願いしたい、このことには変わりはございませんが、会期も余すところわずか、こういうことであり――会期延長のことは一切私は触れませんでした。しりを切られて、そういう状態にないというのも一般常識に相なっておるという意味で、これだけの大きな法律が全部通るということはなかなか難しい。といいますのは、趣旨説明が今週行われることは難しい、来週かなという頭の中にありましたことも含めまして、率直にそう申し上げて、改革基本法を含む案件だけでも何とかお願いをしたいと思いますがということで、全部はなかなか難しい、よって、その場合は参議院選挙後直ちに開いていただいて、今仰せのとおり真夏ではございますが、仕上げていただかなければなりません、こういうことを実は申し上げさせていただいたわけであります。
 今国会に出したわけですから、政府としての建前は今国会中に何としても成立させていただきたい、こういうことであることはそのとおりであるわけであります。しかし、お互い政治家として状況を見てまいりますと、私も議運にもおりましたこともこれあり、そういう点でなかなかそれぞれの物の考え方、国会運営という中で大変至難に相なってきたな、こういう率直な気持ちはありますが、しかしながら、やはりこういう関係法というのはできるだけ全力を尽くして御審議をいただき、進めさせていただきたい、こういうことでお願いを申し上げるというのが本来の筋でありまして、率直な富塚先生の御意見でありましたから、また率直に感想を申し上げたわけであります。閣僚という立場でありますれば、今でもこの国会で、残された国会、連休後に御審議をいただいて、何としてもお願いを申し上げたい、これが筋でございます。
#218
○清水委員 閣僚という立場で、筋は筋だということでありますが、これはだれが見ても、連休後の場面でなければ本会議における趣旨説明もできない。仮に本会議でお経読みが済んだとしても、直ちに委員会で審議に入れるかどうかということは、機敏なる大臣が一番よく御存じのはずでございます。いわんやこの国会の中でもしこの法案が上がらなければ、これがいわゆる解散の引き金になる、こういうようなことを言いながら、いかにもこれを政局誘導のいわば道具に使うなどということは断じてあってはならない、こう思いますので、この点は担当大臣としてやはりきちっとしておいてほしい。いかがでしょう。
#219
○三塚国務大臣 政局はそれぞれの政治家がその分析でお話しいただいておることだと思うのです。この会議には私は不幸にして呼ばれておりませんで、けさこれを見まして、ああこういうことかと率直に感じたわけであります。しかし、政府・与党という立場でありますと、今国会に向けて、当初の施政方針演説以来、中曽根内閣はこの法律を最重要課題としてぜひ成立を期したい。特に中曽根内閣は、十月末のいわゆる党内の、これは政党政治の上に立った総裁の任期でありますが、残された任期を国鉄改革に全精力をかけて取り組む、こういうことで、異常なといいますか、政党政治内閣として、電電、専売も終わって、残りましたこの国有鉄道について何としても新しい形態に変わらさせていただくことが自分の総理としての使命である、こう言っておるわけでございますから、総理を出しておる中曽根さんを中心とする派の方々は、やはり総理の願いを何としてもかなえていきたい、こういうことであると思います。
 そういう点で、テーマとすれば政治最大のテーマでありますことは、これは間違いないと思うのです。ですから総理が、ここまで来てなおかつ改革法八法案の審議が行われないという時点をどう見るのか。さらに連休明けの趣旨説明の際に、これを受けて総理がどう判断をするか。やはり解散権を持っておりますのは総理大臣ただ一人なものでございますから、そういう意味で、まさにそれは政治判断をどうするかという、総理としての責任においてやられることでありまして、我々閣僚は、その判断についてどうだと言われたとき判断する、こういう問題でありまして、何もここで申し上げられる立場に今のところはない、静かにこれを見守っておる、こういうことでありまして、願わくは、運輸大臣でありますので、何としても早くひとつ御審議をお願いを申し上げたい、こういうことであります。
#220
○清水委員 本音と建前を明確に異にしているということは、私もお話を聞いてよくわかる感じがいたしますから、きょうはこれ以上言うこともやぼでありましょうから言いません。しかし、主管大臣としては、今の国会の状況がどういう状況であるか、とりわけ運輸委員会の見通しなどについて適切な判断をし、いやしくも党内のそれぞれの筋で誤った認識が横行して、これがおかしな物議を醸す原因にならないように、ひとつ適切な助言などを求めておきたいと思います。
 そこで委員長、これちょっと資料だけど配付を、そっちにいる人たちによく……。
 今、「ふかがわ車掌区報号外bT」というのを資料として提出いたしましたが、前文は長々と書いてありますから触れませんが、「広域異動の募集について」というタイトルで、これが発行されております。
 そこで、この際お尋ねをいたしますが、国鉄のこの広域異動の担当は澄田さんかね。
#221
○澄田説明員 広域異動の担当は私でございます。
#222
○清水委員 これ、私が読んでもいいのですが、あいつは間違って読むんじゃないかなんて思われちゃ困るので、「記」の一、二、三、四、ちょっとあなたの方から全文静かに朗読してみてください。
#223
○澄田説明員 それでは読み上げます。
     記
 一 北海道内では二人に一人が余剰員となり、旭川においては三人に二人が余剰員になること。(三人に一人しか新会社に入社できない。)
 二 北海道内での余剰員は一万三千人となり、その内約三千人程度しか道内での就職は見込めないこと。そのため、大部分の人達が道外へ就職の場を求めざるを得ないこと。
 三 北海道旅客鉄道株式会社は赤字が見込まれる会社であり、その前途は険しく、社員として採用されても、当然給与面でのダウンも予想され、また、昇給、昇格等でも東日本及び東海旅客鉄道会社に比較し格差が生じること。さらに、経営の効率化を図るため、職務内容も一段と厳しいものが要求されること。
 四 東日本及び東海旅客鉄道株式会社等は、新幹線の運営等将来の発展が予測されること。一方、北海道旅客鉄道株式会社は前項のとおりであり、経営的にも非常に厳しいことが予想されること。
 ◎ 募集期間は、五月九日までです。
よろしゅうございますか。
#224
○清水委員 今、常務理事は淡々と読み上げられたわけですけれども、これは第一に、これまで政府・運輸省が言ってきていることと全く違う。非常に厳しい見通しがあるにせよ、北海道会社といえども、たとえわずかでも黒字経営を続けていくことができると言って我々に説明をしている。国民にもそう説明をしている。ところがこれを見ると、お先真っ暗でどうにもならないから、足元の明るいうちにやめていった方が諸君いいぞ、こういう印象しかうかがえない。僕は、こういう区報といったようなものが出されること自体問題だと思うが、今読み上げて、あなたはどういう印象を持ちましたか。
#225
○澄田説明員 今、私、読み上げてみまして、この御指摘の内容につきましては、確かに一部正確でない部分がございますので、現地に対しまして、次号の区報において職員に対してより正確な内容を周知するよう既に指導したところでございます。
#226
○清水委員 一部ということはどこでしょうかね。
#227
○澄田説明員 例えば「北海道旅客鉄道株式会社は赤字が見込まれる会社であり、」というくだりでございますが、確かに今の予測では、例の基金が入れば黒字となりますけれども、その以前は、基金が入らなければスタート時点でも赤字ということで、あるいはこの区長は非常に業務熱心でございまして、その辺まで考えて危機感を持って書いたかと思われますけれども、この点などは厳密を欠くというぐあいに私は考えます。
#228
○清水委員 それだけですか。ほかはありませんか。
#229
○澄田説明員 あと、私もまだ厳密に精査しないとわかりませんけれども、例えば「北海道内での余剰員は一万三千人となり、その内約三千人程度しか道内での就職は見込めないこと。」という、この三千人程度しか見込めないという見通しが、区長がどの程度の確信を持ってあるいは調査して書いておるか、この辺はわかりかねますけれども、「三千人程度」というのがあるいは問題があろうかと思われます。
#230
○清水委員 これは政府にもたださなきゃなりませんが、いずれにしても、例えば分割後の三島を含む各旅客会社が黒字運営を維持できるようにしなければならないという発想で基金運用ということも考慮をして、とにかく黒字でやっていけるんでございます、こういう第一義的な宣伝をされているわけですね。ところが、この「ふかがわ車掌区報」なるものは、政府のそういう考え方を見事に否定をして、赤字が見込まれる会社だと言い切っている。
 それから、加えてこれは問題なのは、採用されたとしても当然給与面でダウンが予想される、こう断定しているわけだ。これは当然給与面でのダウンは予想されているんですか。
#231
○澄田説明員 新会社の給与は、この法案が通りまして、新会社が設立される暁に新しい経営者が決めるべきことでございますので、私どもがここで云々するわけにはまいりません。恐らくその時点で決められることでございますので、それが現行の体系になるのか、現行の賃金水準を維持できるのか、あるいは下がるのか上がるのか、その辺につきましては、私ども予測の限りでございません。
#232
○清水委員 そうしますと、全国の各管理者を指導する立場にある国鉄本社の偉い人も、先行きのことば見通しが立たない、どうなるかわからない、ここでは断定的に申し上げかねる、こう言っているときに、仮に採用されても、当然給与はダウンをされますよ。あるいはもっといろいろなことが書いてある。昇給や昇格をめぐってもほかとはうんと差がつきますよ、東日本会社などはまあ見通しのある会社であるけれども、北海道会社はありませんよといったようなこういう発想で、あたかも今直ちに広域異動の募集に応ずることがあなたの身のためである、こういうような発想でいわば募集をするというやり方はちょっと常軌を逸しているのではないか。この点どうでしょうか。常識豊かな三塚運輸大臣、どんな印象をお持ちでしょう。
#233
○三塚国務大臣 澄田常務理事殿のお話もわからぬわけではありません。というのは、一万三千人余剰人員がありまして、道内極めて厳しい経済状況にこれあり、このうち三千人程度が採用、ただいまの時点の判断でそういうことである、こういうことも私、北海道知事にお会いをいたしたとき、それなりのことでありました。しかし、経済がいつまでもこんな状況であったはいいはずがございませんで、また北海道開発という問題もこれあり、一生懸命やらさせていただくことによりまして、この雇用数を上げていく努力をいたさなければならぬ、こういう共通項を道知事とも私実は持たさせていただき、その旨党にも政府にも申し上げまして、この辺の雇用対策について、いわゆる地元志向という当然のこのことの中で努力をしていかなければなりませんと申し上げております。
 そこで、もう一つ率直なことで申し上げますと、北海道が赤字でだめだというのは困るのです。ですから、監理委員会の答申を受けて、政府も運輸省も特に過去債務からの遮断と、それから基金を付与することにより身軽な形で経営をいただく。それで私も道知事にもお願いしたのは、道も地方自治体も道経済も参加いただく地域鉄道として、自分の鉄道としてこれをお取り進めいただきますならば、この鉄道会社は展望が開けてくるはずであります、こういうことで共感も得たわけでありますし、それから純粋民間会社と自立特殊法人、当初はそうでありますが、民間会社という意味で、公企体として縛られておりましたコントロールが、法制上の制約がなくなりますものですから、多様な企業活動が展開をされていくのではないだろうか。特に北海道というのは、冬は大変寒い積雪の期間がありますが、春先から秋にかけてすばらしい自然を持った地域でございますものですから、この自然の資源を活用した形の交通政策、地域鉄道としての会社の展開が行われますならばということで、「北海道旅客鉄道株式会社は赤字が見込まれる会社であり、」こう書いてありますが、今のような手だて、今のような取り組みで地域と一体となってまいりますならば、私自身はこれはいけることであると思います。これは余りに悲観的な立場に立ち、率直過ぎて、受ける側にそういう感情を抱かせることでありまして、思うにこの人は余りにも直情でまじめ過ぎる方じゃないか。まじめ過ぎるという表現はちょっと適当じゃありませんが、思い詰めるタイプの方かな、こういうふうに思う。率直にといいますから率直に申し上げさせていただきました。
#234
○清水委員 人物鑑定までやってもらったわけでありますが、それはまたさておいて、いずれにしても、私はこれ以上のことは言いませんが、少なくとも前文でも、この広域異動の募集に応ずれば、将来の配属について本人の希望が受け入れられることになるというふうに書いてあるということは、応じなければ、これは将来どうなるかわからないというような一種の恫喝的ニュアンスも実は読み取れるわけですね。だからこれはどっちに転がってみても余り適切なものではない。これは最後に、総裁としてどう処理をされるつもりか、お尋ねしたい。
#235
○杉浦説明員 この中身につきましては、明らかに本人の熱意の余りの勇み足の部分がございます。また誤った部分がございます。こういう問題は職員によく周知徹底を図る必要がございますけれども、誤った中身はいけないわけでございますから、違ったところは違ったということを次回の区報に掲載させるように既に現地に申し渡したところでございます。職員に正確に報道しなさいというふうに指導いたします。
#236
○清水委員 少なくとも対象とされた職員にとってみると、精神的な影響を受けたことは間違いないわけでありますから、区長に対し、区長が当該職員に陳謝の意をあらわす、こういったことも含めて誤りのない指導を進めていただくことをこの機会に注文として申し上げておきたい。
 さて、あわせて広域配転絡みの問題でありますが、去る四月十八日、丁寧にも十九日にも再放映されておりますが、NHKが国鉄再建問題特集ということでテレビ番組を制作し、これを放映した際、門司の機関区の事例が収録され、これが放映され、見る者をして、私はかなり気の強い方ではあるが、その私ですら相当衝撃を受ける、こういうような内容がございました。繰り返し強要、強制はしないのだ、こういうふうに言われているけれども、あの場面を見る限り、どうも広域異動をめぐって必ずしも職員の希望、意思だけではなく、そこに強制とか強要とかいうようなアクチブな工作といっては語弊がありますが、働きかけがあったのではないかと思えて仕方がないわけでありますが、これも澄田さんの関係になるかどうか知りませんが、ごらんになったとすれば、どういう印象を持ちましたか。
#237
○澄田説明員 私もあのテレビを見たところでございますけれども、私自身はそう強制、強要にわたるような感じは受けませんでした。テレビの場面自体が全体のやりとりの中の恐らく一部分であったと思いますし、その前後の状況を通しまして判断すべき事柄でないかと考えております。私自身それ自体が強制、強要であるかどうかという判断は差し控えさせていただきたいと思います。
#238
○清水委員 率直に言いまして、一人の職員が区長さんだとか助役さんだとかいう管理者の方に一室に呼び込まれて、そしてあれこれと言われれば、だれだって一定程度威圧感を受けることは避けがたい。それはその人によっても違うかもしれませんが、そういう印象を普通は与えやすい。常務はそういうふうには感じなかったと言われるけれども、見る人によっては非常に強く感じた人もあるわけですね。ですから僕は、少なくともこういうような強制、強要と見られるがごとき行為はとるべきではない、やらせるべきではない。よく総裁がオールジャパンのそれぞれの管理者に指導、徹底をする、この際、少なくともそういうことが必要ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
#239
○杉浦説明員 現場の人の、何といいますか、まじめ一方の熱意のあらわれがいろいろな面で若干屈折した形で出てくることが間々ございます。本件のような点につきまして、先生がごらんになった印象が非常に悪かったようでございます。私もこの場面を見ておりまして、後でその関係の人に聞いてみたのですが、いろいろな場面も撮っておるわけです。その場面の一つを採用された、またそれの前後にいろいろと会話があったようでございますが、それの一断面をとらえたというようなこともございますので、受けた印象は、確かに私もその管理者が相当一生懸命やっておるなという感じは受けたのですが、しかし、一般的には強要、強制はもう絶対にしないということを私は申し上げておりますし、またそのように指導いたしております。今後も今の先生の御趣旨を体しまして、そういうことのないように現場を指導してまいるつもりでございます。
#240
○清水委員 これはほとんど一、二の例であって、まだたくさんあれこれの苦情を私は聞かせてもらっております。一々紹介をする時間がありませんからいたしません。あるいは氷山の一角というふうに位置づけてもいいのかもしれませんが、それはそれとして、今熱心という表現があったけれども、皆さんから見れば熱心というふうに映るかもしれないが、やはり相手から見れば、これが強要なり強制なりと受け取られるような受け取られ方もこれはなしとはしない。だから、どちらにしても今総裁が、私の申し上げた趣旨を体して今後やっていきたい、こういうふうに言われたから、十分徹底を期してもらいたいと思いますが、何といいましょうか、こういうところで問題になったから注意をするというのでなしに、平素本当に職員の立場に立って、その納得が得られるような、利害が図られるような、そういう前提であれこれの仕事に取り組んでいく、こういう資質というものを養ってもらうようにひとつ指導をしてもらいたいと思います。それはいいですね。
#241
○杉浦説明員 十分そういうような趣旨を体しまして、今後も指導いたします。
#242
○清水委員 これは確認になるわけですが、三月のこの委員会で大臣の所信に対する質疑を通じて富塚委員がいわゆる広域異動に触れてただした際に、事もなげに澄田常務理事は、出身地へ戻りたいという職員をUターンさせるケースと同じでございまして、これは管理運営事項である。私の脳裏に今申し上げたあなたの言葉がそっくり記憶として残っているわけですが、私はこれはとんでもないことを言うものだなと実は聞いていた。ところが、ごく最近になりまして、広域異動をめぐって労働条件の上に大きな変化が出てくるあるいは問題が出てくる、そういう労働条件にかかわり合いがある以上、広域異動といえども交渉対象事項としてこれを取り上げていくことでございます、こういったようなふうに修正をされている。過ちを改めることは結構なことなのでありますが、実際のところ、過去のことではありますが、これからもあることでありますから、この広域異動をめぐって、これが労働条件の変更に深いかかわり合いを持っている以上、当然に団体交渉事項として取り上げ、労使の間で一定のコンセンサスが得られるように、ルールが図られるように努力をしてまいる、こういうふうに今日時点で理解をしてよろしゅうございますか。
#243
○杉浦説明員 こういう広域異動などの新しい施策の問題につきましては、今後ともいろいろな問題の提起を我々の方からしなければならないと思いますが、そういう場合におきまして、具体的に労働条件の諸問題が発生することと思います。こうした場合において、労働組合からの要請がございます場合におきまして、十分にその交渉に応じ、団体交渉で詰めてまいりたいというふうに思っております。
#244
○清水委員 わかりました。それではそのように確認をしておきます。
 蛇足になりますけれども、私は念のために特に意見を申し上げれば、Uターンというのは、文字どおり自分の出身地、ふるさとへ戻してもらうことなのですね。けれども、広域異動というものは、ちょうどこれとは逆に、ふるさとを捨てて、場合によれば家族と別れ別れになって、どこかの歌の文句じゃないけれども、一人でいわば違った土地で暮らしていかなければならないという意味でいえば、これはUターンと同じケースだなんということは、間違えても二度と口にされないように、これは特に注意をしておきたいと思います。
 特に、そういう意味で大変な犠牲が個々の職員に伴う以上、当然そういう面を労働条件等々の面でカバーをする、こうしたことで苦痛の解消を図る、これが本来あるべき姿でなければならぬと思うわけですから、当然、今総裁が言われたように、必要があれば十分な交渉を通じて一定のルールをつくる、澄田さんとしてもこれに今後とも大いに努力をしていただきたい。一言でいいが……。
#245
○澄田説明員 今さら弁解は申し上げませんけれども、広域異動という一つの人事異動の例として申し上げたことでございまして、心根は今先生のおっしゃるとおりでございますので、先ほど総裁の答弁のとおりの意を体して、これからも施策を進めてまいりたいと思います。
#246
○清水委員 さてそこで、今度は大臣に伺いたいと思いますが、雇用問題、雇用対策の本題に入るわけであります。
 中曽根総理は、たびたび引用されているように、雇用問題が円滑に解決できなければ国鉄再建もあり得ないというふうに言い切っておられるし、一人も路頭に迷わすことのないようにすることが政府の責任であるとも言っております。これは国会といういわば公の場での我々に対する約束事だけではなしに、国民全体に対する約束でもある。それはそれで大変前向きな姿勢だというふうに承っておるわけでありますが、所管大臣という立場で、運輸大臣は今どのような所信をこの点についてお持ちであるか。
#247
○三塚国務大臣 ただいま御指摘のように、総理大臣として、国鉄の改革はまさに最重要課題であり、その中における職員の雇用対策ということは改革のかなめであり、一人といえども路頭に迷わせないという強い決意を表明されております。雇用対策本部長という立場にありますし、私もその中のメンバーということで、特に主管大臣として本件を中心的な役割で推し進める立場にございます。よって、私どもは、政府一体となって本件については積極的にその対策を推進をしてまいりまして、まさに一人といえどもというこの表明が現実の炎として実現されるように全力投球をしていかなければならぬだろうと思っております。そのために、国家公務員グループ、地方公務員グループ、公社公団グループ、官房長官談話にありますように、三万人を明確にきっちり確保していきたいと思いますし、私自身の気持ちはさらにこれに上積みしたプラスアルファ、そんなことで地方公共団体にもお願いを申し上げながら雇用安定対策を期していかなければならないだろうと思っております。
 そういうことで、国鉄総裁また運輸省のそれぞれの担当官、各局全力を挙げて主管するそれぞれの分野に実はお願いを申し上げておるわけでありますし、さらに一般産業界につきましても、広く協力を呼びかけるなどいたしております。私も、地方出張を国会の合い間を見させていただき行わさせていただき、先般も九電の社長にお会いを申し上げ、関電の社長にもお会いを申し上げながら、雇用安定対策のためにぜひ格段のお力添えを賜りたい、こういうことで御要請を申し上げ、いい感触を得させていただきましたし、具体的な採用予定数などもそのうち出てくるように思っております。
 いずれにしましても、総理の言明は内閣全体の責任における言明でありますし、推進する中心的な立場にあります私といたしますれば、総理の言明にまさるとも劣らない決意で全力投球で行い、職員各位に不安なことが起き得ませんように取り組んでまいりたい、かように考えております。
#248
○清水委員 そういう決意が披瀝をされているわけでありますが、そこで、「国鉄余剰人員の各部門別採用申出状況」六十一年四月十七日、これはどこでつくった資料ですか。
#249
○中島(眞)政府委員 国鉄余剰人員雇用対策本部の事務局で作成した資料でございます。
#250
○清水委員 これを見ると、今大臣は、一人も路頭に迷わせないために政府を挙げて努力をしている、こういうふうに言われるわけでありますが、やはり今度の国鉄における雇用問題というものは、何といっても国策の変更から端を発していることは言うまでもない。それは再建計画がうまくいったいかないという長い曲折はあったにしても、ここに来て思い切った改革を行う、行うについていわば過剰となる職員をどうするのか、こういうようなことから出てきていることはもう間違いがない。だから、あちこちへ行って、民間、一般産業界に協力を求める、これもいけないとは申しませんが、少なくともまず前提として、基本として、いわゆる過剰となって退職をしていただかなければならない職員が公的部門に再就職のできるような方途を生み出すために、まず国が全力を尽くす、これが最優先をされなければならない施策ではないかと思うのです。そして国がその系列にある特殊法人であるとか地方公共団体にも協力を要請していく。こういう形で、できる限り公的部門にその採用枠を拡大する。しかし、それだけではどうしてもカバーがし切れない。そういう部分を、例えば国鉄をして関連企業に配慮をさせるとかという問題が出てきてしかるべきなのではないのかと思うのです。これはさっき議論になった、お盆を挟んでの臨時国会で議論をする問題なのかもしれませんけれども、少なくとも雇用対策の必要がそういう国策の変更によって出てきている以上、まず国が国の責任で何とか公的部門を中心に安定的な再就職の場をできるだけ確保していく、こういう点にウエートを置いて取り組んでいくべきなのではなかろうかと思うわけでありますが、いかがでしょうか。
#251
○中島(眞)政府委員 国鉄職員の雇用の場の確保につきましては、国鉄自身の職員の問題でございますので、国鉄と一体として事業を行っている、いわば身内の関連企業にまず第一に雇用の場を求めることは当然のことであると考えております。いわば国鉄の自助努力の一環として行われるということでございます。そういうことを前提といたしまして、国を初めとする公的部門が進んで雇用の場を提供し、さらに一般産業界にも御協力をお願いするということが必要でございます。
 そういう観点から、昨年十二月に国鉄余剰人員の雇用対策の基本方針を閣議決定いたしましたが、その際、官房長官談話におきまして、国鉄の自助努力を前提としながら、国を初めとする公的部門が進んで雇用の場を提供していくことが必要である、そういう観点から、三万人の目標を掲げて、今後政府全体として一丸となって全力を挙げてこれに取り組んでいくという決意を表明したところでございます。
#252
○清水委員 大臣、僕はこう思うのです。雇用情勢は今日非常に厳しいと思うのです。特に昨今の急激な円高問題等も含めて民間産業への影響というものは深刻にあらわれてきている。そういったようなことも考え、また一面では、自助努力と称して国鉄に関連企業への再就職のあっせんというところにどんと力を入れさせますと、いわゆる玉突き問題などが当然ついて回らざるを得ないといったようなことも起こり得るのです。やっちゃならぬとは言いませんが、起こり得る。
 そこで、非常に厳しい雇用情勢などから判断をした場合に、官房長官談話を受け、三万を目標に鋭意公的部門への再雇用の道を開拓をしている、こう言っておられるわけでありますが、しかし、六十一年度の国のトータルは千五百という数字が出ている。特殊法人や地方公共団体をひっくるめても二千六百にしかならない。こういう数字があなたの方から出されている数字に出ている。三万を目標にし、その初年度である六十一年度、一割にも満たないというこの状況、僕はやはりそこにも、単に民間だけではなしに、雇用情勢の厳しさというものがあるのではないかと思うのですね。ですから、それやこれやのことを考えた場合、大臣、やはり公的部門への雇用の開拓、再採用の道の開拓、これは幾ら力を入れても入れ過ぎることはないと思うのですが、大臣も多分その気だとは思うけれども、今申し上げたような数字が現実に出ておるわけですから、それを乗り越えていくためにどういう展望を持ってこれから取り組まれるのか、お聞かせをいただきたい。――いや、ちょっと大臣から政治哲学を聞きたい。
#253
○三塚国務大臣 この点は、前段申し上げましたとおり、またただいま清水委員から御指摘のとおり、そのとおりだと思います。国家政策として改革を政府が決定をし、それで国会の御審議をお願いを申し上げ、その結果御採択をいただくということであるわけでありまして、これから関連法につきましては御審議をお願いを申し上げるわけでありますが、ぜひこれの早期成立をお願いを申し上げる、その段階において、まさに第一義的にそのとおりであろうと思います。
 そこで、六十一年は終わりましたものですから、六十二年四月以降の新採用につきまして四カ年計画で、六十五年四月、三カ年でありますが、瞬間タッチで六十五年四月が入りますから四カ年で、いわゆる公務員グループの御採用について、やはり最大限、これは官房長官談話を充足をしなければなりませんし、そのための具体的な手法は、秋ごろまでに雇用対策本部の方で作業を進めるということになっております。実は私から、それを早めてほしい、夏あるいは七月、こういうことで早めていただくことによりまして、採用計画の実数をまず確定をさせていただきまして、それが充足するならそれは成果でありますが、なかなかそれに及ばぬ、一歩足らぬ、二歩足らぬ、三歩足らぬというような状況がその時点で出るといたしますれば、前段申し上げましたように、政府全体の取り組みとして、それと地方六団体の皆々様にまた改めてお願いを申し上げるなどして、そこをきっちりとしてまいりませんければ、産業界その他にお願いを申し上げるということは迫力がなくなります。こういう点で、御指摘の点はそのとおりであろう、同感であります。
#254
○清水委員 ひとつぜひ迫力を感じさせるような、そういう政府としての対応を進めていただきたい、また進めるべきである、こういうふうに申し上げておきたいと思います。
 さて、このことに関連をして、この特別措置法案第一条で「職員の退職の促進を図るための特別措置を定めるものとする。」と書いてある。僕は、今のような大臣答弁、そこから判断をし、雇用対策というものを考える場合は、どうも第一条で、「債務の負担」のことは無論ありますけれども、それはそれとして、「職員の退職の促進を図る」ことがこの法律の目的だというふうに書いてあることは気に入らない。これはやはり今日のような雇用情勢というものを考えた場合に、何といっても積極的に職員の生活安定に資するように、再就職のあっせんであるとかあるいは職業訓練であるとか、こういったものに力を入れるということが一つの前提にならなければならないんじゃないか。そうでなければ、単なる首切り法案といいましょうか、退職促進法案といいましょうか、そういったようなニュアンスがにじみ出てしまう。ですから、この点は、そうは言っていないのでしょうけれども、しかし、そういうふうに受け取られるような文体になっているわけでありますから、これは少し補完をするなり修正をする必要がある。
 あわせて、例えば第七条、「退職する職員の就職のあっせん等」「特別の配慮をする」と書いてあります。私が前段で言ったことを、ここで「特別の配慮」という形で言わんとしているようでありますが、これはどうもいかにも印象が弱い。僕は、やはり今大臣がいみじくも言われたように、国が第一義的にその責任を痛感をしながら、職員の再就職のあっせんを公的部門を中心に推進を図っていきたい、迫力のある対策を進めたいと言われるのであれば、この「特別の配慮」というものは、単なる精神規定、訓示規定などというものではなく、国のいわば責務規定というような立場でこれが位置づけられる必要があるのではないのか、こういうふうに感ずるのでありますが、この点いかがでしょう。
#255
○棚橋(泰)政府委員 先生の御質問の趣旨は十分理解をいたすところでございます。
 ただ、御理解をいただきたいのは、この法律は六十一年度において緊急に講ずべき措置といたしまして、希望を申し出た職員の問題というものを主として取り上げた法律でございまして、これにつきましては、その希望退職に応ずる国鉄が元来まず第一義的に努力をし、そして国がそれに対して「特別の配慮」というような形でこれを支援をして、これが円滑に進むようにするということがふさわしいというふうに法律として位置づけておるものでございます。
 なお、国鉄改革全体に伴います余剰人員の再就職に関します件につきましては、先ほど先生の御質問に対して大臣からお答えを申し上げましたような考え方でございまして、それは一連の改革法の中でそういう考え方で位置づけをしておるというところでございます。
#256
○清水委員 いずれにしても、私は今申し上げたことは繰り返しませんが、公的部門を中心に、仮に六十一年度で、二万人の希望退職に関しても、できるだけ再就職の機会を確保する場というものを広げていく、こういう配慮があってしかるべきだし、それがあって初めて六十二年度以降へもそれがつながっていく。そういう意味では、六十一年度限りの法律ではあるけれども、六十一年度に何をやるかということは非常に大事なことだと思うのです。そういう意味で、棚橋さん、私はもうちょっとあってしかるべきではないか、こう思うのですが、いかがですか。
#257
○棚橋(泰)政府委員 先生のおっしゃること、十分理解をいたします。
 先ほど申し上げましたように、この六十一年度の措置というのは、先生おっしゃるように、基本的には六十一年度の緊急措置でございますけれども、全体の国鉄改革につきましては、関係七法案をお願いをいたしておるわけでございます。その関係七法案の中で、先生の御趣旨のように、希望退職も含めまして、退職をする職員についての国の責務、その他につきましては、明確にその趣旨を規定をいたしまして、御審議をお願いしておるところでございます。したがいまして、基本的に先生のおっしゃるような御趣旨で全体の体系は動くということだと御理解いただきたいと思います。
#258
○清水委員 今七法案というお話が出ておりますが、うちの方でも、きょうそこに多賀谷先生見えているけれども、雇用対策法案を含めて三本の法案を国会に提出いたしております。あわせて来るべき機会に審議をしながら、これはより万全を尽くしていかなければならないというのが私どものまた所信でもございますので、この点もあわせて真剣にお互いに力を尽くしてよりベターな道を追求する、こういうことにしたいと思います。
 さてそこで、ちょうど今棚橋さんから発言がありましたから、確かめておきたいことが一つございます。審議官は去る十八日の同僚委員の質疑の中で、いわゆる六十一年度二万人という数字の根拠を、これは言ってみれば具体的根拠のある数字というよりも、できるだけ多くという気持ちを数字にあらわし、予算との関連で示している数字である、いわば金科玉条というものではない、こういうふうに言われているわけですが、その点は間違いございませんか。
#259
○棚橋(泰)政府委員 たしか二万人というのは何が根拠だという御質問にお答えを申し上げたことだと思います。基本的には国鉄の人員が著しく過剰である状態を解消するために希望退職を募る。ただその際に、一体それが一万人なのか二万人なのか三万人なのかという点につきましては、このような緊急の状態ですから、それを解消するに必要な数であれば多ければ多い方がいいというのが基本だと思います。ただ、予算の際の根拠といたしまして、一応二万人というものを想定いたしまして、これに関して、それを基礎に予算措置を講じておるというところでございます。
#260
○清水委員 私の尋ねたとおりのことでありますから、これ以上言いません。
 そこで、杉浦総裁に逐次お尋ねをしてまいりたいと思いますが、総裁はこれまで希望退職について、希望退職はあくまで本人の希望に基づいていくのが筋であるといいましょうか、本人の意思を尊重するという対応で臨みたい、こう言われていたやに伺うわけですが、この点もう一回ひとつこの機会にはっきりさせておいていただきたいと思います。
#261
○杉浦説明員 希望退職の文字どおり、本人の希望に応じて退職を認める仕組みでございます。
#262
○清水委員 そうすると、文字どおり本人の希望、意思というものを尊重して実施をするのが希望退職である。そうだとすると、これは愚問かもしれませんが、当然強制、強要するというようなことはないと思いますが、これはそういうわけでしょうね。
#263
○杉浦説明員 本制度の実施に当たりまして、あくまで本人の希望に沿うということが原則でありまして、強制、強要はいたしません。ただ、制度の中身につきましては、本人に諸条件をよく説明し、理解をしてもらう必要がございますので、そういう意味におきましては、十分なる説明、説得をしてまいりたいということでございます。
#264
○清水委員 いずれにしても、基本的に強制、強要はしない、総裁うなずいておられるから、そういうふうに重ねて受けとめておきます。
 そうだとすれば、仮にさっき言われている六十一年度二万人という数字がありますけれども、これに達しない場合でも、無論強制、強要をするということはない、こういうふうに理解をしてよろしゅうございますか。
#265
○杉浦説明員 二万人という目標がございます。私どもはぜひとも二万人を達成したいということで一生懸命努力はいたします。しかし、その結果としまして、達しないという場合も強制、強要はいたしません。
#266
○清水委員 私、以上三点にわたって確認をいただいてきたわけでありますが、そういう確認の上に立つと、いわゆる日鉄法二十九条四号というものがありますね。しかし、これはあるけれども、事実上動かすことは考えられない、こういうふうにつながっていくと私は認識をするわけでありますが、この点、総裁はどういうふうにお考えでしょうか。
#267
○杉浦説明員 今の先生のおっしゃいました日鉄法二十九条第四号、これはもう確かに御指摘のとおり法的に存在をいたします。しかしながら、私の気持ちといたしましては、これを発動いたしたくないということが私の趣旨でございまして、いろいろな努力、万全を期しまして、希望退職を円滑に処理してまいりたいというふうに思っております。
#268
○清水委員 これは大事な点ですからお尋ねをしたわけでありますが、今総裁から発動したくないのが私の趣旨だ、こう言われましたから、それ以上は申しませんが、今の総裁の虚心な心境に立った決意をと言っては私の主観的になりましょうが、これはいやしくも国鉄総裁という重要なポストにおられるわけでありますから、オーバーな言い方をすれば、その名誉にかけても今ここで言われた点をひとつ貫いて対処していただきたい、こう思いますが、改めて総裁の心境を聞くこともありませんが、何かあったら一言言ってください。
#269
○杉浦説明員 先ほど申し上げたとおりでございまして、そういう趣旨を御理解いただきたいと思います。
#270
○清水委員 さてそこで、仮にこの国会ならこの国会でこの法律が成立を見た、こういう場合を想定して考えるのでありますが、どういう手順あるいは段取りで希望退職の募集という行為に入っていくのか、この辺のところをひとつ開いておきたいと思います。
 私の意見を若干申し上げて総裁から承りたいのでありますが、私は当然国鉄労働組合を初め各組合との交渉を持つ、そして希望退職についてコンセンサス、合意を得る、いわば一定の基準やルールを決めて募集をしていくということが手順になるのかな、こういうふうに考えるわけでありますが、多分総裁も余り違ったことを考えておられるとは思いませんが、念のためただいまの点お尋ねをしておきたいと思います。
#271
○杉浦説明員 本法の成立のため速やかに御審議いただきまして、その手続、手順というようなものにつきましても、今検討をしておるところでございますが、こうした実際の希望退職の募集に当たりまして、やはり制度を有効に活用していく必要がございます。そのためには労使が共通の認識に立つことが必要であるわけでございますので、その手続、手順が具体的に成案を得次第、各組合にこれを提案し話し合っていく所存でございます。
#272
○清水委員 話し合っていくということは交渉をしていくというふうに解してよろしいですか。
#273
○杉浦説明員 そのとおりでございます。
#274
○清水委員 さてそこで、大臣の言葉を引用しながら、この機会に国鉄総裁に注文があるわけでありますが、三塚大臣はこう言っておられるのです。雇用問題についても、労使のコンセンサスを持つことがなければ改革は進まない、こういう趣旨のことを言われているのです。私も無論そうだと思うのでありますが、国鉄にあって過半数以上の組合員を有している国鉄労働組合との関係というものが残念ながら不正常と見られるような状況にある。ですから、そのためには何としても国鉄当局は同労との信頼関係をいかにして回復していくか、それに向かって努力をしていくかということが重要なテーマになるのではないかと思うわけですが、この点はいかがでしょう。
#275
○杉浦説明員 雇用問題を初め諸般の改革の問題につきまして、理時点で国労との間で必ずしもぴったりした形の合意がなされておりません。まことに残念でございます。私どもはこれからも国労に対しまして、信頼関係を樹立するように最大の努力をしていくつもりでございます。
#276
○清水委員 そうだとすれば、この際、国労との間の従来の行きがかりを乗り越えて、例えば雇用問題あるいは国鉄改革全般、国鉄改革というか国鉄問題全般についてでもいいと思いますが、労使協議の場を設ける、そういう協議の場を通じながらあるいはそれらを積み上げながら正常な労使関係を築いていくということが一つは重要だし、そのために、今締結を見ていない雇用安定協約を結んでいくといったような展望を早急に見出していくということが非常に大事な課題になるのではないかという気がするのですが、総裁の認識をこの機会に承りたいと思います。
#277
○杉浦説明員 大変な変革の時期でございます。多くの難しい問題につきまして、私は常日ごろから組合と本当に虚心坦懐にいろいろな話し合いをしていきたいということで、組合にもまた呼びかけをいたしております。これは団体交渉という形でなしに、雇用の問題、改革の問題、その辺を十分にお互いに意見交換をするということで、相互の意思疎通を図るということがぜひ必要であるというふうに思うわけでございます。今先生おっしゃるように、そういうような趣旨でまいりますと、今までの国労との間の経緯にとらわれることなしに、何かそうした労使共通の場といいますか、労使の協議機関というようなものを設けまして、雇用問題を含めましてざっくばらんに協議、懇談をしていく、それによりまして相互の理解を深めるということをぜひやっていきたいというふうに思います。またそうした中で、いまだ締結になっておりません雇用安定協約が結び得るようになるのではないかということを私は期待をしておるわけでございます。
#278
○清水委員 これは、いずれにしても、雇用安定協約を結び、不正常な状態に終止符を打つ、こういったようなことが速やかに実現を見るように、組合に対する見方もいろいろあるようでありますが、そういうものはひとつこの際払拭をして、しっかりやってもらいたいということを注文をしておきたいと思います。
 それから、今総裁から団交とか協議とかという言葉が比較をして使われておりますから、この際、若干団体交渉のあり方について私から注文をし、考え方を聞いておきたいと思います。
 この間からこの委員会で答弁を承っていると、例えば広域異動等について延べ十四回も交渉をやっております、交渉をやらないというのは事実に相違をしておりますというような釈明もございました。ただ、お百度参りをするわけではありませんから、回数が多いということが必ずしも意味のあることだとは僕は思いません。仮に交渉の回数が二回であれ三回であれ、一回一回の交渉が実のある内容のものであれば、何も十回も十四回もやらなくても、意思疎通が図られ合意に達するということはあり得ると思うのです。ですから、今後交渉を持つ場合には、いかに実のある交渉に持っていくかという角度でやってもらいたい。組合から申し出があったから、それじゃやるかなどというような発想ではなしに、これは積極的にやっていただきたい。そういう形で交渉が積み上げられ、円滑にルールが決まっていけば、そこから新しい信頼関係というようなものが生まれてくるに違いないというふうに僕は考えるわけでありますが、この点、ひとつ総裁の所信を承っておきたいと思います。
#279
○杉浦説明員 交渉の場におきましては、もちろん双方とも真剣に、虚心坦懐に意見を披液をし、先生おっしゃるように、実のある結論というものを速やかに得たい、これは私ども常にそう考えておるところでございます。組合におきましても、そういう気持ちで私どもに接触していただきたいというふうに思うところでございます。
#280
○清水委員 いずれにしても、人間社会でありますから、俗な言い方で言えば以心伝心というのが作用するわけですから、相手が相手を信頼をしていないときは、片方も不信感を抱くという因果関係があるわけでありますから、さっきも言われた行きがかりを越えて、こういうことでぜひ対応するように重ねて注文をしておきます。立ってもらわなくてもいいが、総裁もうなずいておられるので、それで結構であります。
 さてそこで、認定との関係でちょっと聞いておきたいのでありますが、私は、杉浦総裁としては、今日このような危機的な状況を迎え、多数の希望退職者を募らざるを得ないという状況になったことについて、多分職員諸君に対して申しわけがないというか、相済まないことである、こういう気持ちがあるに違いない、こう思っておりますが、念のため、その辺のことをお聞きをしておきたいと思います。
#281
○杉浦説明員 ちょっと御質問の意味がわかりませんで、恐れ入りますが、もう一度教えていただきます。
#282
○清水委員 総裁としては、今日このような危機的な状況を迎えて、多数の希望退職者を募らざるを得なくなったような深刻な事態を迎えて、率直に言って職員の諸君に相済まないというか、申しわけがないなというような心境もあるに違いないと思うが、その辺のことを参考までに聞かしてもらいたい、こう言ったわけです。
#283
○杉浦説明員 わかりました。
 私も、こういう事態というものは、まことに異常な事態であるというふうに思っております。こうした難しい問題を個々の職員の皆様方がやはり相当深刻にお考えになっておると思います。じかになかなか食えません。先般も三十万人の全家庭に私自身の手紙を差し上げました。一人たりとも路頭に迷わせることのないという私の気持ちをどうぞ信じてください、そうしたことを理解してくださいということを、書簡をもちまして訴えたわけでございます。私の気持ちはそういう気持ちでございます。
#284
○清水委員 総裁がそういう心境を今吐露をされたわけでありますが、そうだとすると、四条一項で、これは総裁に聞くよりも政府に聞くのが筋なのかもしれませんが、しかし、現実に認定をするのが国鉄総裁ということになってくるわけでありますから聞くわけでありますが、四条一項にいわゆる「認定を行うことができる。」こういう規定があって、いかにもこれはかさにかぶったような態度じゃないのかな、こういうふうに私は思わざるを得ない。
 そこで、そういう態度ではなく、希望退職を申し出た者に対しては当然に認定をする、こういうふうにすべきではないかと思うのです。例えば「認定を行うことができる。」ということは、認定をしないこともあるという裏づけにもなるわけでありまして、そこから不明朗な選別だとか恣意的なものが出てきて、認定をするとかしないとかという裁量行為といったようなものが生ずるふうに思わざるを得ない。どっちにしても余り好ましい事態にはならない。ですから、これは「認定をする」、こういうふうにすべきではないかと思うのでありますが、どうでしょうか。
#285
○杉浦説明員 法律の表現というのは正確を期するためになかなかかたい表現になっておりますが、そこの条文に書いてあります者以外はすべて認定をするという趣旨であるというふうに私は考えております。
#286
○清水委員 そうすると、ここに「認定を行うことができる。」と書いてはあるが、一、二、三号以外の者については認定をするというのが大前提である、こういうふうに承知をしていいわけですね。
#287
○棚橋(泰)政府委員 法文の解釈の問題でございますので、私からお答えを申し上げます。
 ただいま先生の御指摘のとおりでございまして、この条文は国鉄総裁に一号、二号、三号の除外理由に該当するかどうかの認定の権限を与えたものでございまして、それに該当しない者については、総裁はすべてこれを認定すべきものというふうに考えております。
#288
○清水委員 それでは、この四条の二項に関係をしてくるかと思いますが、念のためお尋ねをしておきます。
 例えば、過去ストライキにかかわる処分を受けたとか、あるいは懲戒処分者であっても、当然特別給付金の支給対象者たり得ると私は解釈をしますが、この点はいかがですか。
#289
○棚橋(泰)政府委員 まず認定は、先ほど申し上げましたように、この一、二、三号に該当しない場合は認定をいたします。それから二項で、認定をした者の中で、ここでまた一号、二号、三号に該当する者以外にはこれを支給する、こういうことになっております。したがいまして、過去に先生今御指摘のようなストの参加などによって処分を受けている職員であっても、現に勤務している者については、今申し上げました除外理由に該当しない限りは認定は行いますし、支給は行うというふうに御理解をいただきたいと思います。
#290
○清水委員 そこで、念のためにお尋ねをしておくのですが、二万人という予算の枠は何をベースに組まれていますか。
#291
○棚橋(泰)政府委員 これは先ほど先生の御質問にお答え申し上げましたことでございまして、基本的には国鉄の過剰な人員を解消するために極力……(清水委員「そうじゃない、例えば賃金水準なら賃金水準」と呼ぶ)失礼をいたしました。二万人の予算上の積算は、一応各年齢層等均等な形で二万人の退職の希望の申し出があるというふうに想定をいたしまして、それに平均の基準内賃金を算定をいたしまして、それの十カ月分ということで予算の積算はいたしてございます。
#292
○清水委員 そうすると、今きっと三十八歳か四十歳か、平均年齢そんなことだと思いますが、そういう層をベースに積算をして予算を組んでいる。各年齢層にわたって希望退職というようなものを想定をして組んでいる。ところが実際に希望退職を募集したら、年齢の高い層が集中的に申し出てきた。こうした場合には、当然予算の枠をはみ出なければ認定ができないということになりはしないか。いや、しかし、その場合には補正をもってカバーできるのだ、こういうような措置が弾力的に予定をされているのかどうか、この点明らかにしていただきたい。
#293
○棚橋(泰)政府委員 一般に予算の積算というのは、一定の前提のもとで行うわけでございますから、若干の食い違いが出る場合もございます。今先生の御指摘のようなケースも考えられますが、逆にまた若い年齢層しか出ないという場合もあり得ないわけではございません。そういうことで平均的にとってございます。
 御指摘のような、もし高年齢層に偏って、しかも二万人全員がぴたり応募があったというようなことで万一予算上の措置が不可能な場合には、予備費の流用その他適切な措置で対応をいたしたいと考えております。
#294
○清水委員 これは最後になるわけでありますが、特別給付金について、これは政府の考え方をまず承りたいわけですが、率直に言って十カ月という規定が第五条で行われておりますが、これについては、我が党のみならず他の野党の皆さんも上積みを図るべきではないのかと言われている。例えば電電の合理化の折に、電話交換をやっていた女子職員が退職する、その際十カ月分であった、これを十カ月分という規定の一つの論拠にされていると聞いておりますが、今度の場合には、一家の大黒柱がやめる、そういう意味では大分条件を異にしているということが第一。それから第二には、これはよく民間と引き合いをされて、世間体があるというような話があるが、民間の場合には、御存じのとおりの雇用保険というものが存在をしている。この場合、つまり国鉄の場合にはない。しかも、公的部門に幸い採用をされる者にはこれが出ない。国鉄関連企業等々民間部門に移る者にのみこれが給付をされる。こういうこと等々を考えてみると、十カ月というものをいささか上積みをしてしかるべきではないのか、こういうふうに見るわけでありますが、この点いかがです。
#295
○棚橋(泰)政府委員 基準内賃金の十カ月ということを決めますにつきましては、政府部内でもいろいろ議論をいたしました。民間の例ではさらに厳しいというような御意見もございました。また電電の交換手の例ということを参照にしたということでございますが、これは過去において政府関係で同じようなことがございましたのは、この例しかないわけでございますから、参考にはいたしましたけれども、まず第一に、電電との比較におきましては、基本的に若干異にいたしております。電電の場合には、五年までは八カ月、それを超える場合には十カ月ということでございますが、今回の国鉄の場合は一律十カ月ということにもいたしました。
 また、先生御指摘のように、家族を持っておるじゃないかという点につきましては、基準内賃金というものをとることによりまして、扶養手当もその中に込みになっておるわけでございます。
 また、毎度申し上げておりますように、これは特別退職手当という割り増し退職手当の上に付加して給付をするものでございます。したがいまして、その額は相当な額に上るわけでございます。
 また、民間との比較でございますけれども、民間のいろいろな例、これはいろいろ例がございますけれども、総じて、平均いたしました場合に、国鉄職員の賃金水準その他を勘案いたしますと、民間の整理退職の場合に比べて、今回の措置は決して遜色ない、むしろ優遇されておるというふうなことでございます。
 それらの点、また先生、雇用保険のお話がございましたが、今回の場合は、先ほど来申し上げておりますように、やめられる方については再就職のあっせんということを国鉄において行うということにもなっております。それらのことを勘案いたしまして、この十カ月というもので十分ではないか、かように考えたところでございます。
#296
○清水委員 大臣はどうですか。
#297
○三塚国務大臣 基本的には棚橋再建審議官が言われたことでありますが、ここで申し上げておきたいと思いますのは、本件の交渉が運輸省と大蔵との間で行われました際に、大蔵及び総務庁政府関係者からは、これだけの雇用安定対策を行いつつこれを進める意味において、民間等、電電等いろいろ考慮をしつつ、運輸省が言う十カ月というのは、ちょっと手厚いのではないかというもろもろの開陳が実はありました。その辺のニュアンスは今棚橋審議官から言われたことでございます。
 しかしながら、事柄の重大性、国政という場面で決定をされて取り行うという意味で、そのことは格段の理解を示してほしい、こういうことで運輸省としてお話いたしました結果、十カ月ということに御決定をいただき、それなりの予算措置を講じつつ今回の提案といたしておるわけではございますが、この点については、今御指摘のように、長い本委員会の論議の中で公則、民社からも、また社会党の質問に立たれました議員各位からも御要望があった点はしかと承知いたしておるわけであります。
#298
○清水委員 そこで、仮にきょうこの衆議院の審議段階で最終的に修正という結論が出せなかった場合、その場合でも、政府においては、この点についてはなお検討の余地あるものというふうに私は受けとめていいかどうか。そして参議院段階に向けてさらに政府が前向きに検討する、そういうふうに理解をしてよろしいか。この辺をひとつ伺っておきたい。大臣。(発言する者あり)
#299
○三塚国務大臣 今そこでいろいろなことを言っており、与党の委員さんの雑音がありますけれども、雑音の中の声であろうと思いますが、それほど非常に難しい問題ではあると思っております。が、政府という立場の中において、先ほど来各委員から本件についての御指摘もあったわけでございますので、重要なテーマであるというふうには受けとめております。したがいまして、これが本日採決をいただき、御決定をいただきますと、いよいよ舞台は参議院ということに相なるという意味での清水先生の御指摘であったというふうに思います。したがいまして、参議院においては、さらにこの点について十分に審議されるものと思っております。
#300
○清水委員 大臣から含蓄のある答弁があったものと受けとめておきます。
 それで、最後に当たって特に大臣に希望しておきたいことは、日ごろ三塚大臣が尊敬をせられていると言われる御見の金丸幹事長、審議というものは与党だけでやるものじゃない、野党の協力があって初めて円滑なる審議が行われるのである、そして審議をするということは修正をすることであると受けとめてかかる必要がある。これは有名な金丸政治哲学であると私も承知をしているわけでありまして、そういう点を拳々服膺されながら、この際、さっき申し上げた第一条の関係等々も含みながら、ただいまの特別給付金のいわゆる上積みの問題等について、政府においても前向きに引き続き対応してもらう、また与党の皆さんも鋭意そういう方向で努力を尽くしてもらう、このことを心から期待をしておく次第でございます。
 それでは、二十分ほど残しましたが、以上で質問を終わります。
#301
○山下委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#302
○山下委員長 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。久間章生君。
#303
○久間委員 私は、自由民主党・新自由国民連合を代表いたしまして、本案に賛成の討論を行うものであります。
 政府、国鉄は、昨年七月の国鉄百姓監理委員会の「意見」を最大限に尊重し、明年四月一日から分割・民営化を実施することにより、国鉄の抜本的改革を図ることとしているところでありますが、これと並行して、五十八年の国鉄再建臨時措置法第三条の規定に基づく各種の経営改善のための緊急措置を講じ、適切かつ健全な事業運営を実現するための体制整備に資するよう努力を傾注しているところであります。
 本案は、このような緊急措置の締めくくりの年である昭和六十一年度において、長期債務の負担の軽減と国鉄職員の退職の促進を図るための特別措置を定めることとしようとするものでありまして、以下申し上げる理由により賛成いたすものであります。
 まず、長期債務の負担の軽減を図る措置についてでありますが、国鉄の長期債務等の処理については、新しい経営形態への変更に際し、新会社等に承継させ、残りは国鉄清算事業団に残し、土地売却、雇用対策等の実施の推移を見て政府が処理方策を立てることとしており、国が最終的に責任を持つこととされておりますが、新経営形態へ移行前の昭和六十一年度において新たな緊急措置として、既に棚上げ措置を講じてきた特定債務五兆五百九十九億円を一般会計に承継させ、同額の資金を国鉄に対し無利子で貸し付けたものといたしますことは、現在の国鉄においてもその危機的状況を改善することがぜひとも必要でありますので、まことに時宜にかなった措置であるとまず賛意を表明するものであります。
 また、本案による今回の一連の措置によりまして、国鉄は、六十一年度末以降特定債務に係る利子の支払いを行う必要がなくなるほか、既に無利子で貸し付けられている財政再処貸付金二千六百二億円についても、償還期限等を延長する旨の特約をすることができることとなっており、これにより昭和六十一年度中の支払いが猶予されることとなるのであります。
 このように、本案による措置は、極めて厳しい状況下にある国鉄における長期債務負担の軽減に寄与するものでありまして、適切なものと確信するところであります。
 次に、国鉄職員の退職の促進を図るための特別措置についてでありますが、国鉄は六十一年度首におきまして、三万八千人の過員と申しますか、所要員を上回る職員がおり、六十一年度において必要とされる合理化を考慮すれば、この数はますます増加するものと見込まれております。このような状態を緊急に解消し、国鉄事業の改善を図るためには、通常の勧奨退職を積極的に実施するだけでなく、余剰人員対策に協力して退職を希望する職員を募集する必要があると勘案されます。したがいまして、本案により昭和六十一年度における緊急措置として、国鉄の行う退職希望の職員の募集に応じて退職を申し出、国鉄総裁の認定を受けた職員が昭和六十一年度中に退職したときは、その者に対し、国家公務員における俸給、扶養手当及び調整手当に相当する給与の合計額の十カ月の額に相当する特別給付金を支給することといたしますことは、退職の促進を図る措置として、まことに時宜に適したものであり、これまた賛意を表するものであります。
 この特別給付金を十カ月とすることにつきましては、種々論議のあるところでありますが、旧電電公社や民間企業における事例、基礎となる国鉄における退職手当の水準等を総合的に勘案いたしますと、十分配慮されたものであり、妥当なところであると確信いたす次第であります。
 最後に、政府、国鉄においては、希望退職者に対して愛情のあふれるきめの細かい就職あっせんを行い、本人の能力を十分発揮できるよう、また本人の少しでも有利になるような配慮をぜひしていただきたいと強く要望いたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)
#304
○山下委員長 左近正男君。
#305
○左近委員 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、本案に反対の討論を行うものであります。
 今や、膨大な長期債務を抱え、危機的状況にある国鉄の改革は、現下の国政上、緊急の大課題であります。しかしながら、これに取り組む政府及び国鉄は、国鉄の分割・民営化があたかも既成事実かのごとく宣伝し、そのための準備作業と称して、国鉄職員はもとより国民の気持ちを踏みにじる施策を次々と強行してきております。このような政府及び国鉄の姿勢は、国会軽視も甚だしく、法治国家たる我が国の議会制民主主義のルールを無視するものであって、極めて遺憾なことであり、即刻改めるべきものであります。準備作業といえども、国鉄改革をいかに行うべきかという国鉄改革法案の国会審議も経ず、立法府の意向を無視して行い得るものでないことは論をまたないところであります。
 本案に反対する理由の第一は、まさにこの点にあります。昨年の仁杉国鉄総裁などの国鉄幹部の更迭以降の政府及び国鉄の一連の対応を見ておりますと、本案が分割・民営化のための条件整備として提案されたものではないかとの疑念が消しがたいのであります。このような性格を有する本案には、我が党としては断固反対するものであります。政府及び国鉄は、来年四月一日実施を目標に分割・民営化のための準備作業として、現在実施している一連の行動を直ちに中止し、行政府として真摯な姿勢で、原点に返って、国民の立場に立った国鉄改革に取り組むべきであります。
 反対理由の第二は、本案による国鉄の長期債務に係る負担の軽減措置が極めて不十分であり、緊急にその解決が求められている国鉄の長期債務問題の根本的な解決にはなり得ない点であります。
 なるほど、資金運用部資金に係る債務の一部の一般会計への承継や、一般会計からの一定の無利子貸付金に係る債務の償還期限等の延長については、確かに国鉄の長期債務に係る負担の軽減に資することになるものではありましょうが、いずれの措置も、一般会計の国鉄に対する貸し付けという形の長期債務として残ることには変わりがなく、国鉄の長期債務に係る負担の根本的な軽減や解決のための措置とは言えないのであります。真の国鉄改革が求められている今日、かかる程度の措置では、まさに場当たり的な措置として、単にその解決を先送りするものなどの国民の批判を免れないものであり、到底納得できるものではありません。
 反対理由の第三は、現在、国鉄の職員が著しく過剰である状態との認識のもとで、二万人という大量の希望退職者を、労使間における円満な話し合いも行われないまま一方的に募集しようとしている点であります。
 言うまでもなく、職員が過剰な状態とは、正常な業務の処理のための所要人員に対して実在員が多い状態を指すものでありますが、現状を見ると、国鉄当局は、業務の外注化や駅の無人化等を強引に進め、運輸事業の基本ともいうべき安全面やサービス面での業務を切り捨てることにより、業務量を殊さら減少させるなどして、無理やり著しい過剰状態を作り出していると言っても過言ではないのであります。このように、所要人員そのものが本来の使命を忘れた国鉄当局の恣意により変動するような状態で、果たして真の意味での著しい過剰状態だと言えるでしょうか。本案は、このようないいかげんな認識のもとで雇用調整を行おうとするものであり、極めて不適切と言わざるを得ません。
 また、政府及び国鉄が来年三月までに希望退職者として募ろうとしている二万人についても、予算的に二万人分の特別給付金を計上したので、それだけ募集する予定であるとの政府答弁のごとく、その根拠が極めてあいまい、かつずさんなものであります。
 さらにまた、本委員会でも種々の問題点の指摘のあった職員の広域配転を含めて、現在、国鉄当局が実施している余剰人員対策は、国鉄職員の七割を組織する国鉄労働組合との間で十分な話し合いも行われず、その意向を無視したままで有無を言わせず強引に行われておりますが、このことが国鉄改革の円滑な実施のために不可欠な正常な労使関係の形成を阻害しているとともに、全国の職場に異常な混乱を生じさせ、職員に度を超した雇用不安をもたらし、自殺者が続出するという状況に立ち至っている原因ではないかと思うのであります。
 私が今最も心配していることは、こうした状況下で、安全やサービスなどの面で大きな事故が起きないかということであります。本案による希望退職者の募集も同様の延長線上で断行されようとしているものであり、余りにも異常というほかなく、到底容認できないものであります。
 反対理由の第四は、二万人の再就職の保証が明確でないという点であります。
 三塚運輸大臣は、退職者についてはいささかも不安をかけないよう就職先について万全の措置を講じ、一人も路頭に迷わすことはしないと言っているが、現在、政府において就職先を確保しているのは、昭和六十一年度分としては、関連企業への八千人を含め、二万人の半数にも満たない極めて心細い状態であります。職員の退職の促進を図るために、手厚い特別給付金の支給と相まって、再就職先の確保が車の両輪のごとく整合が保たれつつ実施されなければ実効が上がらないのは言うまでもありません。このような再就職先の確保が不十分な体制のもとで希望退職者を募集することは、職員の雇用不安をますます募らせるばかりであり、断固反対するものであります。
 反対理由の第五は、特別給付金の額が少ないという点であります。
 特別給付金の額を十カ月分としたのは、昭和三十八年当時の旧電電公社の電話自動化に伴う電話交換手の退職促進を図るために設けられた特別給付金制度等を参考にしたものであるが、その当時はそれはそれなりの理由があったとしても、その後の経済社会情勢の変化や現在の国鉄職員の業務の内容、さらにその置かれている社会的立場等にかんがみ、決して妥当なものとは認めがたいものであります。
 以上をもって、私の反対討論を終わります。(拍手)
#306
○山下委員長 梅田勝君。
#307
○梅田委員 私は、日本共産党・革新共同を代表し、日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に御する法律案に対し、反対の討論を行うものであります。
 本法案に反対する理由の第一は、本法案が国鉄経営の改善といいながら、国鉄の再建とは全く無縁で、専ら民営・分割へ向けて国鉄解体を強引に進めるための地ならし法案であるということであります。
 国鉄は、創業以来百十余年にわたって国民の足としてその公共輸送の役割を果たし、今日も果たしています。しかし、その経営を危機に陥れたものは、大企業奉仕のため過大な借金で投資を続けてきた歴代自民党政府にあることは明白であります。ところが中曽根内閣は、その責任には一切口をつぐみ、国鉄再建監理委員会の答申をうのみにし、国鉄解体のための一連の法案を提案し、分割・民営化をあくまで強行しようとしています。本法案はその露払いにほかなりません。
 反対理由の第二は、本法案がねらう二万人のいわゆる希望退職なるものは、民営・分割という暴挙をやめるならば、全く必要のないものだということであります。
 質疑で明白になったように、国鉄は、昭和五十六年以来の五年間で、既に十五万四千人の要員合理化を強行しています。計画ではさらに本年度六万一千人の人減らしを行い、新会社のもうけを保証しようとしております。たった六年で通算二十一万五千人の人減らしという極端な合理化が、国鉄労働者の人権と誇りを傷つけ、大量公共交通機関の生命である安全とサービスを切り捨てながら強行されていることは明らかであります。危険なホーム要員の廃止など、必要な要員配置まで机上計算で一方的に削り、それを余剰人員と称し、希望退職という名目で首切りを行うというのが本法案の本質であり、絶対に認められないものであります。
 しかも、希望退職を募るといいながら、労働条件の根幹にかかわる雇用問題で労働組合との団体交渉さえ認めず、職場では差別や処分の乱発で専制支配をつくり出し、問答無用式に首切り合理化を強要しようとしていますが、憲法を守るべき国有企業において、かかる労働者と労働組合の団結権への破壊と不法行為は断じて許されないものであります。
 反対理由の第三は、本法案に盛り込まれた長期債務対策は、真の国鉄再建のためのものではなく、分割・民営化という名の国鉄解体のためのものであるということです。
 国鉄財政再建の基本は、今日の経営危機をもたらした過大な借金と投資等、それらを引き起こした政府と財界の責任がまず国民の前に明らかにされ、政府の責任で長期債務の抜本的解決策が示されることであります。ところが今回の措置は、五兆円余の財政投融資資金を国に借りかえ、再び無利子で国鉄に貸し付けを行うとしたものであって、結局は国民に十六兆七千億円の負担を押しつける再建監理委員会の計画を既成事実化するもの以外の何物でもありません。
 以上、本法案は国鉄の再建に何の役にも立たず、逆に国鉄解体を進め、国鉄労働者に耐えがたい苦痛を与える首切り法案であります。
 我が党は、かかる重要法案を、総理質問など、委員会で十分な審議を尽くすことなく強行することに対し、断固として抗議し、反対討論を終わります。(拍手)
#308
○山下委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#309
○山下委員長 これより採決に入ります。
 内閣提出、日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#310
○山下委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#311
○山下委員長 この際、本案に対し、小里貞利君外三名から、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。小里貞利君。
#312
○小里委員 ただいま議題となりました日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案に対し附帯決議を付すべしとの動議につきまして、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び日本国有鉄道は、本法施行に当たり、次の事項について配慮すべきである。
 一 退職希望職員の募集に当たっては、雇用不安を生じさせることのないよう必要な再就職先の確保に努めること。
 二 退職希望職員の再就職のあっせんに当たっては、その者の意向を十分尊重するとともに、その家族の生活の安定を図るため、移転等に伴う住宅のあっせん及び子弟の就学問題等についても配慮すること。
 三 国鉄関連企業に対し、退職希望職員の受け入れを要請するに当たっては、受け入れ先の実情を十分配慮して行うこと。
 四 希望退職を円滑に推進するため、正常な労使関係及び国鉄職員の理解と協力を得るよう努めること。
  右決議する。
以上であります。
 本附帯決議は、当委員会における法案審査の過程におきまして、委員各位からの御意見及び御指摘のありました問題点を取りまとめたものでありまして、本案の実施に当たり、政府及び国鉄において特に留意するところを明らかにし、退職希望職員について、その退職の円滑な実施と転職後における生活の安定に遺憾なきを期そうとするものであります。
 以上をもって本動議の趣旨の説明を終わります。
#313
○山下委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 小里貞利君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#314
○山下委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。三塚運輸大臣。
#315
○三塚国務大臣 ただいま日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案につきましては、慎重な御審議の結果、御可決いただきまして、まことにありがとうございました。
 また、附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、政府として十分の努力をしてまいる所存であります。ありがとうございました。
    ―――――――――――――
#316
○山下委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#317
○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#318
○山下委員長 次に、内閣提出、特定外航船舶解撤促進臨時措置法案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。三塚運輸大臣。
    ―――――――――――――
 特定外航船舶解撤促進臨時措置法案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#319
○三塚国務大臣 ただいま議題となりました特定外航船舶解撤促進臨時措置法案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 我が国外航海運は、貿易物資の安定輸送をその使命とし、外国との貿易に多くを依存している我が国の経済的安全保障を確保する上で、極めて重要な役割を担っております。しかしながら、二度にわたる石油危機等経済的事情の変化により、近年の外航海運をめぐる情勢はまことに厳しいものがあります。特に油送船、ばら積み貨物船等を中心として、大幅な船腹過剰による不況が長期化しており、我が国海運企業の経営は極めて悪化している実情にあります。
 このような深刻な事態に対処し、引き続き外航海運の健全な振興を図っていくためには、従来講じてきた近代化を中心とする船舶整備面での施策に加え、海運事業者の自主的努力と相まって、過剰化し、かつ、老朽、不経済化した外航船舶の解撤を促進するための所要の施策を確立することが喫緊の課題となっております。また、このような解撤促進施策を世界の主要海運国たる我が国が率先して推進することは、諸外国における船舶解撤促進気運の醸成に大きく貢献し、国際海運市場の健全な発展にもつながるものであります。
 以上のような観点から、外航船舶の解撤を緊急に促進するため、基本指針を定めて、海運事業者が行う解撤の努力を一層喚起しつつ、解撤の際に必要な資金につきまして債務保証制度を創設することがこの法律案の趣旨であります。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、船腹量が過剰となり、かつ、老朽、不経済化している特定外航船舶の解撤を促進するため、運輸大臣が基本指針を策定することとするとともに、海運事業者は基本指針に従って解撤を行うよう努めなければならないこととしております。
 第二に、海運事業者は、その所有する特定外航船舶について解撤計画を作成し、運輸大臣の認定を受けることができることとしております。
 第三に、運輸大臣の認定を受けた解撤計画に係る特定外航船舶の解撤に必要な資金等について、産業基盤信用基金が債務保証を行うこととするため、所要の事項を定めております。
 その他、関係船員の雇用の安定に関する事項、特定外航船舶の解撤を行っていない海運事業者に対する勧告等について定めております。また、この法律案は、臨時的な措置を定めるものであり、三年間の限時法といたしております。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#320
○山下委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時五十五分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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