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1985/04/16 第104回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第104回国会 商工委員会 第12号
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1985/04/16 第104回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第104回国会 商工委員会 第12号

#1
第104回国会 商工委員会 第12号
昭和六十一年四月十六日(水曜日)委員長の指名
で、次のとおり小委員及び小委員長を選任した。
 エネルギー、基礎素材及び鉱物資源問題小委員
      甘利  明君    奥田 幹生君
      梶山 静六君    佐藤 信二君
      椎名 素夫君    仲村 正治君
      林  大幹君    原田昇左右君
      松野 幸泰君    渡辺 秀央君
      奥野 一雄君    城地 豊司君
      中村 重光君    水田  稔君
      横江 金夫君    近江巳記夫君
      木内 良明君    青山  丘君
      宮田 早苗君    工藤  晃君
 エネルギー、基礎素材及び鉱物資源問題小委員
 長              佐藤 信二君
 流通問題小委員
      尾身 幸次君    奥田 敬和君
      加藤 卓二君    粕谷  茂君
      岸田 文武君    高村 正彦君
      辻  英雄君    野上  徹君
      水野  清君    与謝野 馨君
      後藤  茂君    城地 豊司君
      浜西 鉄雄君    和田 貞夫君
      渡辺 嘉藏君    長田 武士君
      草野  威君    福岡 康夫君
      横手 文雄君    野間 友一君
 流通問題小委員長       後藤  茂君
―――――――――――――――――――――
昭和六十一年四月十六日(水曜日)
    午前十時六分開議
出席委員
  委員長 野田  毅君
   理事 奥田 幹生君 理事 佐藤 信二君
   理事 野上  徹君 理事 与謝野 馨君
   理事 城地 豊司君 理事 和田 貞夫君
   理事 長田 武士君 理事 宮田 早苗君
      甘利  明君    上草 義輝君
      衛藤征士郎君    尾身 幸次君
      奥田 敬和君    梶山 静六君
      粕谷  茂君    岸田 文武君
      高村 正彦君    田中 秀征君
      月原 茂皓君    辻  英雄君
      中村正三郎君    仲村 正治君
      額賀福志郎君    野呂田芳成君
      林  大幹君    水野  清君
      宮下 創平君    渡辺 秀央君
      伊藤 忠治君    串原 義直君
      後藤  茂君    島田 琢郎君
      竹内  猛君    中村 重光君
      浜西 鉄雄君    水田  稔君
      横江 金夫君    渡辺 嘉藏君
      近江巳記夫君    草野  威君
      小谷 輝二君    橋本 文彦君
      日笠 勝之君    青山  丘君
      工藤  晃君    野間 友一君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  渡辺美智雄君
 出席政府委員
        通商産業大臣官
        房長      児玉 幸治君
        通商産業大臣官
        房総務審議官  鎌田 吉郎君
        通商産業大臣官
        房審議官    松尾 邦彦君
        通商産業省通商
        政策局長    黒田  真君
        通商産業省産業
        政策局長    福川 伸次君
        通商産業省立地
        公害局長    黒田 明雄君
        通商産業省基礎
        産業局長    岩崎 八男君
        資源エネルギー
        庁長官     野々内 隆君
        資源エネルギー
        庁長官官房審議
        官       逢坂 国一君
        資源エネルギー
        庁公益事業部長 山本 幸助君
        中小企業庁長官 木下 博生君
        中小企業庁計画
        部長      広海 正光君
 委員外の出席者
        外務省北米局北
        米第二課長   田中  均君
        商工委員会調査
        室長      倉田 雅広君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十六日
 辞任         補欠選任
  尾身 幸次君     中村正三郎君
  加藤 卓二君     月原 茂皓君
  粕谷  茂君     田中 秀征君
  椎名 素夫君     宮下 創平君
  仲村 正治君     額賀福志郎君
  原田昇左右君     衛藤征士郎君
  松野 幸泰君     野呂田芳成君
  水野  清君     上草 義輝君
  奥野 一雄君     伊藤 忠治君
  後藤  茂君     串原 義直君
  中村 重光君     竹内  猛君
  水田  稔君     島田 琢郎君
  近江巳記夫君     橋本 文彦君
  木内 良明君     小谷 輝二君
  福岡 康夫君     日笠 勝之君
同日
 辞任         補欠選任
  上草 義輝君     水野  清君
  衛藤征士郎君     原田昇左右君
  田中 秀征君     粕谷  茂君
  月原 茂皓君     加藤 卓二君
  中村正三郎君     尾身 幸次君
  額賀福志郎君     仲村 正治君
  野呂田芳成君     松野 幸泰君
  宮下 創平君     椎名 素夫君
  伊藤 忠治君     奥野 一雄君
  串原 義直君     後藤  茂君
  島田 琢郎君     水田  稔君
  竹内  猛君     中村 重光君
  小谷 輝二君     木内 良明君
  橋本 文彦君     近江巳記夫君
  日笠 勝之君     福岡 康夫君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 小委員会設置に関する件
 消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律
 案(内閣提出第六四号)
 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提出第四七号)
 (参議院送付)
     ――――◇―――――
#2
○野田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。近江巳記夫君。
#3
○近江委員 御承知のように、この法案は随分と多くの法案が一本にまとめられたという感じでございまして、どれも非常に重要な中身を持っておるわけであります。
 そこで、まず初めにお尋ねしたいと思うのは、五十八年三月十四日の臨時行政調査会の最終答申、これは行政改革のための全般的な、また具体的な指摘が行われておるわけでございますが、今回の一括法案との関連で申し上げてみますと、いわゆる行政の側におきまして簡素化、合理化あるいは減量化、軽量化と言ってもいいと思いますが、こういうことが本当に実質実現しなければ真剣に取り組んだとは言えないと思うわけでございます。これまでいろいろ許認可事務であるとか資格制度の事務を自治体あるいは民間等へ委譲されたこともあると思うのですが、どういうような効果があったか、今回のこれによってどういう効果があるか、それについてお伺いしたいと思います。
#4
○鎌田政府委員 今回の、法律改正でございますが、特殊法人等の民間法人化あるいは活性化ということと、国家試験事務につきまして民間団体への委譲ということでお願いを申し上げているわけでございます。いずれも、民間活力を活用いたしまして行政の合理化、簡素化に貢献せしめようということでございます。
 特殊法人等の民間法人化、活性化につきましては、通産省を初めといたしまして関係省庁における監督事務が当然軽減するわけでございますし、また国家試験の民間団体への委譲につきましては、通産省本省を初めといたしまして通産局等においてもあるわけでございますが、こういった部局で相当な試験事務の軽減が期待されるわけでございます。
#5
○近江委員 今回の改正案を見てまいりますと、九法律を一括しておるわけでございますが、中曽根総理になりまして、こういう一本化して提出なさるという傾向が最近非常に顕著になっておるように思うわけでございます。私はこういう提出の仕方につきましては非常に疑問を持っておるわけでございまして、一本一本非常に重要な問題でございますし、今回は特に、国民生活に直結しております安全確保に関して非常に重大なかかわりのある法律というものが含まれておるわけでございます。
 そういう点で、こういう出し方については大問題であると私は思うのですが、これは内閣でそういう話をなさって統一されておるのじゃないかと思うわけでございますが、これに対しまして渡辺大臣としてどういう感想をお持ちか、お伺いしたいと思います。
#6
○渡辺国務大臣 一括法とした理由は、行政改革ということで、手数が余りかかるものはなるべく手数がかからないようにした方がいいんじゃないかという一つの考え方、それから、法律を八本も九本も別々に出すということになりますと、審議日数という点からいって、ことしは会期の延長というのは参議院の選挙がありますから考えられない、そういう中で消化できるかどうかという問題が一つございました。
 それからもう一つは、中身がそれぞれ非常に類似性のある中身であって、しかも通産省関係だけの問題である、それから改革の内容というものが非常に簡素化をするというようなことでございますために、これは一括法にしてやっていただけるのではないかというような考え方から一括法にしたということであります。学問的な根拠がいっぱいあってやったわけではありません。
#7
○近江委員 学問的な根拠があってやったわけじゃないと実に率直な御意見をおっしゃっているわけでございますが、これは、いろいろな時間的な問題等もわからないこともないわけでございますが、しかし、我々審議をする立場からいいまして、非常に、何か一本化でやるということにつきましては、今後十分ひとつ政府として審議のあり方について、提出の仕方について考えていただきたい、これを強く要望しておきたいと思います。
 それから、臨調答申におきまして、特殊法人等の整理合理化の方針につきまして幾つかのこういう類型というものを挙げておるわけでございますが、今回対象としております法人につきまして民間法人化というものが選択されておるわけです。この理由につきましてお聞きしたいと思います。
#8
○鎌田政府委員 先生先ほど御指摘がございましたように、臨時行政調査会の答申が五十八年の三月に出たわけでございますが、その答申の中では、特殊法人等の「自立化の原則」ということがうたわれておるわけでございます。
 これは一口に申し上げますと、特殊法人等は、政府資金に依存する体質から脱却いたしまして経営的に自立化を図るよう努力すべきであるということでございまして、自立化が達成できる見込みがあるものは民間法人化すべきである、こういうことになっているわけでございます。
 こういった考え方に立ちまして、十五の特殊法人等につきまして臨時行政調査会の答申では民間法人化がうたわれておるわけでございますが、そのうち通産省関係の六つの特殊法人等につきまして、今回民間法人化をお願い申し上げている次第でございます。
#9
○近江委員 内容的にいきまして国民生活の安全確保という中身でございますし、そういう観点から見ますと非常に深いかかわりのある法人でございますし、今日までのそういう関係法律の制定あるいは特殊法人設立の趣旨等からかんがみますと、果たして今回のこういう民間法人化というものが適切であったかどうかという問題につきましては、非常に疑問であると思うのです。そういう点は十分検討されたわけでございますか。
#10
○鎌田政府委員 民間法人化の意味でございますけれども、臨時行政調査会の答申によりますと幾つかの要件を掲げているわけでございます。一つは、政府出資を解消するということでございます。二つ目は、制度的な独占を業務運営面において排除するということでございます。さらに三つ目は、役員の選任につきまして自主性を認めるということでございます。そのほかに、経常的運営費に対する補助の廃止あるいは経理面等の規制緩和、こういったことがうたわれているわけでございます。
 今回民間法人化をお願いいたしております私どもの所管の六法人につきましては、いずれも経営的に自立化が達成できる、今申し上げましたような措置をとりましても十分やっていける、こういうふうに判断いたしまして民間法人化に踏み切った次第でございます。
#11
○近江委員 現在、臨調答申の実施監視機関といたしまして内閣に臨時行政改革推進審議会というものを設置しておるわけでございますが、この中に特殊法人問題等小委員会というものを設置されておられるわけでございまして、幾つかの特殊法人の整理合理化というものが検討されておるわけでございます。
 近くその結論が出されるということを聞いておるわけでございますが、現在検討されております特殊法人の中で、いわゆる通産省の関係法人は一体どのように検討されておるか、これにつきまして通産省としてはどういう対応をされておるのか、これについてお聞きしたいと思います。
#12
○鎌田政府委員 行革審におきましては、当省所管の特殊法人につきましてもいろいろな御議論をいただいているとは承知いたしておりますけれども、現在まだ審議会内部でいろいろ御検討中でございまして、その結論を待ちまして適切に対応したいというふうに考えている次第でございます。
#13
○近江委員 それは審議会内部の結論を待つということでございますけれども、当然これは通産当局とボトルのやりとりがあるわけですね。通産当局としては、例えば石油公団を初めとして、いろいろと掌握しているそういう法人について検討していると思うのです。これについてはどういうように検討なさっているのですか。
#14
○鎌田政府委員 先生今御指摘ございましたように、例えば石油公団とか商工中金とか、こういった特殊法人につきましてそのあり方が御議論されているわけでございますが、私どもといたしましては、こういった機関につきましては、今後とも国策機関として特殊法人として存続させる必要がある、こういうふうに考えているわけでございまして、そういう線に沿いまして行革審の方にも御意見を申し上げている次第でございます。
#15
○近江委員 今二つの事例を出されたわけですが、どういうところが今通産省としては頭にあって、いろいろボールのやりとりをやっているのですか。
#16
○鎌田政府委員 そのほか私どもの関連では、地域振興整備公団等々につきまして御議論があるわけでございますが、私ども、この中で一番問題にいたしておりますのは商工中金でございまして、商工中金につきまして、実は農林中金が今度民間法人化されるということになりましたので、その関連で行革審の中で民間法人化というような声が一部あるようでございますけれども、実は商工中金につきましては、昨年法律改正をお願いいたしまして、今後恒久的な国家政策機関としてお認めいただいたわけでございます。そういった状況も踏まえまして、私どもといたしましては、商工中金につきまして、今後とも中小企業に対する政策金融機関として、特殊法人という形でぜひ存続させる必要があるということで御意見を申し上げている次第でございます。
    〔委員長退席、与謝野委員長代理着席〕
#17
○近江委員 そういう作業ということが今後いろいろとピッチが進むと思いますが、やはりそういう中小企業に対して果たしている役割というものは非常に今、例えば商工中金というのは大きいと思うのですね。そういう考え方というのは私も非常にいいと思います。共鳴できると思いますね。ですから慎重に、何でもかんでもやればいいというのじゃなくして、やるところは大胆にやっていただく。通産省の態度を見ていますと、小手先のことばかりしておるのですよ、あなた方は。要するにきちっとした行政改革なら行政改革、それにつきましても本当に国民がなるほどと言えるような大胆なこともやる、そういうことが全体として非常に欠けておると思うのですね。そういう点、今後ひとつ十分よく考えてやっていただきたいと思います。
 それから保安四法の共管競合事項等改善措置が掲げられておるわけでございますが、今回の一括法で対象となっておりますこの法人のうち、高圧ガス保安協会の業務とこれは非常に大きなかかわり合いがある問題なんですね。ところが、この改善措置の内容の説明と、なお今後詰めた調整が必要に思うわけでございますけれども、こういう具体的な実施の時期というものについてはどのように考えるか。あるいはまた、この問題について従来他の分野でもこういうことを指摘されておるわけでございまして、縦割りの弊害といいますか、そういうような問題点が、指摘してから何年もたっておっても依然として細部の調整がつかないというような問題があるわけでございます。この問題について現在どうなっているか、そのことについてお伺いしたいと思います。
#18
○黒田(明)政府委員 保安四法問題につきましては、今近江委員御指摘のとおり、私どもで言えば高圧ガス取締法、それに労働安全衛生法、消防法等の関係で縦割り行政の弊害があるではないかという指摘がなされておりました。これは随分長く時間がかかったのでございますが、関係省庁、昨年の末に一応の合意に達しましてこの四法問題は解決を見たというふうに考えております。
 どういうふうにしたかという点でございますが、非常に細かくなるわけでございますけれども、大まかに申し上げますと、許可申請窓口を一本化いたしましたり、変更許可申請の範囲を明確化いたしましたり、関係許可の行政庁間の連絡協議の制度を設けましたり、許可申請添付書類の簡素合理化をするとか、審査事務の迅速化でございます。こういった許認可面での重複申請の調整を行ったというのが第一点でございます。
 第二点は、完成検査の重複調整でございまして、従来から問題でありました廃熱ボイラーの監督関係をどうするかとか、高圧ガス取締法と消防法間の調整の問題、労働安全衛生法と消防法の調整の問題、こういったものを具体的に取り決めたわけでございます。
 それから技術基準の整合性を確保するためにJISを大幅に採用する、あるいはJISを新しく改正していくというような新しいJISの改正に即応できるように措置するといったようなことが取り決められております。
 また、指定検査機関等の相互乗り入れについても促進を図るというふうに決められました。
 最後に、石油コンビナート等災害防止法に基づく新設等の届け出及び確認に係る事務の簡素合理化を図るということで、例えば審査期間七十日を四十五日程度まで短縮するといったようなことが取り決められた次第でございます。
#19
○近江委員 それぞれの九本の中身に入っていきたい、このように思うわけでございますが、いわゆるこういう九本の法案、行革に絡むこうした問題でございますが、こういう行政改革、さらには大きく経済構造、こういう点の大きな改革まで今いろいろと取りざたされておるわけですね。中曽根総理も訪米いたしまして、レーガン大統領といろいろ会談をいたしましていろいろな問題を出してきておりますし、そういう点では非常にこれは大きな絡みがございまして、そういうことも大きく同時にどういうように今後改革をしていくか、これはワンパックの問題であると私は思うわけです。そういう点では、そういう経済構造全体の真剣な取り組みというもの、これはまだこの五月の東京サミット等、通産当局としてもう本当に一番の主役になるのではないかと私は思うわけでございまして、ただ行革だけやっておけばいいということではなく、非常に絡んだ大きな問題である、このように思うわけでございます。そういう意味におきまして東京サミット、五月四日から開催されるわけでございますが、大臣として、主催国の経済ホストとしてどういう決意で臨まれるのか、まずお伺いしたいと思います。
#20
○渡辺国務大臣 今回のサミットは、やはり世界経済が再活性化しなければならないという認識のもとでみんなが集まってくる、そして特に自由貿易を堅持する、そのためには保護貿易の台頭を抑えていくというようなことが主たるテーマになりますが、その中で石油価格が低落をしていって今後これに対する世界の経済の変化がどうなるか、また為替レートの問題についても乱高下は困る、しかしどこで安定させるべきか、通貨の安定という問題も大きな議題の一つになろうかと思います。
 一方、石油価格の低落によってメキシコを初め累積債務国が非常に困難な場面に遭遇することが予想される、それに対してどのように先進国が対応していくか。今後二十一世紀に向かって世界の中で産業の構造改革をどうして協調してやっていくかというようなことなどが議題になる。また、自由貿易を堅持するという立場から新ラウンドをどういうふうにして展開していくがというようなことも議題になってくると思います。
 いずれにいたしましても、世界の経済はつながっておるわけでありますから、一国だけが繁栄をするということはできません。長続きはいたしません。やはりみんなが協調し合って痛み分けをしながら世界の貿易を縮小させないで繁栄をしていくための方途について話し合いが行われる、そう考えております。具体的に議題が決まったわけではありません。
#21
○近江委員 経済構造調整研究会、これは前川レポート、この報告書はあくまで総理の私的諮問委員会の報告であろうかと私は思うのですけれども、これは今後の通産改革という点から見ますと非常に大きな影響といいますか、今後改革をしなければならぬと思うわけでございますが、こういうものを閣議決定であるとかいわゆる経済閣僚会議等を経ないまま日本政府の公式発表のように発表する、こういう点につきまして、最もいわゆる経済閣僚、大黒柱として、通産大臣としてどのようにこの辺を考えていらっしゃるのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
#22
○渡辺国務大臣 これは総理大臣の私的諮問機関でございますから、ここから答申が出ても、法律的には臨時行政調査会の答申のように政府がその履行、実行を義務づけられておるというものではありません。しかしながら、総理大臣というもののこれは私的諮問機関であっても、やはりその政治的な意味、重みはかなりあると考えなければなりません。正式な閣議決定ということではございませんが、総理大臣談話というものについて経済閣僚会議等に諮られておりますし、この内容についても我々報告を受けております。したがいまして、この前川報告というものは今後の日本経済の運営の上において、またいろいろな審議会その他におきましても貴重な意見として参考にされるという性格のものであると考えております。
#23
○近江委員 大臣として報告は受けている、また非常に政治的な重みもある、こうおっしゃっておるんですね。それはたとえ私的諮問機関であったとしても非常に重要な意味でとらえておると今答弁があったわけでございますが、そうしますと、大臣はこの報告をお読みになりまして、日本の産業構造の転換につきまして、例えば日本の輸出型加工産業構造というものを内需型に転換しよう、そういう意思をこのレポートは国際的に非常に示しておるわけでございまして、大臣としては率直な感想としてどのように感じておられるか、お伺いしたいと思います。
#24
○渡辺国務大臣 この報告書は、二十一世紀に向かっての中長期的な今後の国際経済社会における我が国の基本方向を示したものである、そのように受け取っております。部分、部分からいえばショッキングなことを書いてある点もございます。例えば、国内炭の大幅削減というようなことが載っておるとかいって一部問題視といいますか、大変驚いておる方等もございますが、全体から見ますと、私は、今後日本が持続的繁栄をするためには経済構造調整研究会で検討されたような方向はやはり正しいといいますか、そんなことにならざるを得ないのではなかろうかというように受け取っておるわけであります。
 これは、この間の総理大臣が訪米をされたときなども話題になったようでありますが、やはり日本が貿易国家として、自由主義経済の国として、しかも世界のGNPの一割を持っておるというような国として、このような方向を打ち出していくことは適当なことであるというように、海外の評価も高いというように受けとめております。したがって、我々といたしましても、国際国家日本としてこのような方向については重大な関心を示し、真剣に検討に値するものだ、それを十分参考にもして今後の政策運営に当たっていきたい、そう考えております。
#25
○近江委員 提言の中身というのは、一つ一つ見ていきますと、これは現実を改革していく問題点でございますから、一つ一つやりますと何十時間あっても足りませんからそれは避けますが、レーガン大統領との会談におきまして、市場分野別、いわゆるMOSS協議に自動車部品、コンテナあるいはフィン等を挙げておるわけでございます。特に自動車部品の購入についてどのように考えておられるのか、通産当局、担当者から聞きたいと思います。
#26
○黒田(真)政府委員 このたびの首脳会談におきまして、先生が言われましたような幾つかの項目についての解決が必要であるという指摘が先方からあったことは事実でございます。
 特に自動車部品について今どうなっておるかという御指摘でございましたが、これにつきましては、実は米国商務省と私ども通商産業省との間で自動車部品の日本側の購入促進について話し合いをしようではないかということで、ちょうど先週でございますが、私どもの機械情報産業局長と先方の商務次官補の間で第一回の合同委員会を開いて、自動車部品購入の方途についての話し合いをスタートさせている。これには随分前史がございまして、双方でミッションを交換するとか見本市に参加するとか、そういうことを積み重ねてまいったわけでありますが、今申しましたような意味で、政府間の話もここでちょうどスタートしたところだ、こういうところが現状でございます。
#27
○近江委員 ボン・サミットのときにおきましては、累積債務問題等につきまして、金利の低下、開かれた市場、債務国への円滑な資金の流れ、こういうことの重要性について合意しておるわけでございますが、東京サミットにおきましては、さらにこれを一歩進めて、実質金利の引き下げ、あるいは市場開放に各国の協調というものがさらにうたわれると思うわけでございます。累積債務国への負担軽減も含めまして、もう一段の公定歩合の引き下げというものが言われるのじゃないかと言われているわけでございますが、通産大臣としてはどのようにお考えでございますか。
#28
○渡辺国務大臣 これはレートの問題とも絡む話であります。アメリカが一層の景気対策として、インフレの懸念がないということになれば協調利下げということが考えられる。私は、適時適切に通貨当局が対応するものと期待をいたしております。
#29
○近江委員 中曽根総理は、米国においても成長率四%というものを約束しておるわけでございますが、今こういう状況になってまいりまして、非常に急激な円高でデフレ傾向もちょっと出てきていると思うのです。そういう中で、四%の達成というのは予算委員会でも十分論議したわけでございますが、その後時間の経過もございますし、サミットを前にいたしまして、通産大臣としてはこの四%の達成についてはどのようにお考えですか。
#30
○渡辺国務大臣 日本は計画経済の国ではございません。自由主義の国でありますから、国家が計画したとおりに全部動くというものでもありません。今や社会主義の国におきましても、貿易というものを離れて自国の経済を繁栄させることはなかなか難しい。したがって、自国だけで計画を立てても、世界の景気によってその計画は必ずしも達成できるとは限らないというのが現実の姿であります。しかし、一応日本としては実質四%成長というものを土台にして予算を初めいろいろなものが組まれておりますから、これが達成できないと政治的な意味においても非常に問題がある。したがって、極力これが達成できるようないろいろな手当てというかそういうことをやっていかなければならない。石油の値下げあるいは円高というものが一方において、実質的な消費等について物価の安定を通じて貢献するところが大変多い。当面輸出企業については非常な苦しみがございますが、その反面、たくさんの資源を世界じゅうから輸入しておる日本にとって、円高と石油の値下がりというものが寄与するところもまた非常に大きい。差し引きいたしますと、年間を通して見ればやはりデメリットよりもメリットの方が多いというのが大体通説であろう。
 したがいまして、今政府が考えておるもろもろの内需振興策等を着実に進めていけば、おおよそ四%の実質成長は達成できるだろうと私は考えておりますし、もう少し経済の動向を注意深く見守っておって、仮に現在の施策でまだ足りないというようなことになれば、当然秋口にはさらに第二弾の手を打つということもあってしかるべきものと私は考えております。
#31
○近江委員 電源開発等に関する問題についてお伺いしたいと思いますが、四月九日に決定されましたいわゆる電力施設計画の概要と特徴につきましてお伺いしたいと思います。
#32
○山本(幸)政府委員 お答え申し上げます。
 この施設計画というのは、現在の電気事業者十五社ございますから、その十五社から通産大臣がヒアリングをいたしましてまとめた内容でございます。
 そのあらましを申し上げますと、まず需要電力量でございますが、これにつきましては五十九年度の実績が五千八百七億キロワットアワーでございますが、これが七十年度には七千六百九十八億キロワットアワーになろうかということでございます。設備投資計画でございますが、これは二つに分かれておりまして、まず九電力で申し上げますと、六十年度の推定実績がトータルで三兆四百三十六億円、六十一年度につきましては大幅にふえまして三兆四千七百四十八億円、一四・二%アップということでございます。需要の見通しにつきましては、六十一年度、販売電力量でもって九電力ベースで五千二百四十億キロワットアワー、それから先ほど言いました十五社ベースで五千四百六十七億キロワットアワーということになっております。
#33
○近江委員 原油の大幅な値下がりあるいは円高、こういう中ではございますけれども、いわゆる代替エネルギーといいますか原子力あるいはLNG、石炭、こういうものの開発について今後政策の変更があるのかどうか、どういう姿勢で今後臨んでいかれるのか、この問題についてお伺いしたいと思います。
#34
○渡辺国務大臣 石油がここのところへ来て非常に下がっておるといいましても、その原因は、一つは世界経済の停滞による消費の減退、一つは代替エネルギー、省エネルギーが非常に普及をした、一方生産は続けられているというところからギャップができてそれで過剰ぎみ、それがあふれ出て石油価格を暴落させているというのが現況であります。しかしその一方では、このように石油価格が低落をしてきますと、いや応なしにつぶれる、石油生産者は倒産をいたしますし、OPEC諸国等も幾ら掘っても収入がふえないということになりますから、必ずどこかで生産調整に合意するという場面が私は出てくるであろうと思います。この間ノルウェーがちょっとストライキをやった。約八十万バレル程度の北海油田の生産ですが、そのストライキをやったために十ドルを割ったスポット価格が十四ドルまで上がるということでありますから、ましてOPECが生産調整に一五%程度でも話し合いがついて本当にそれが実行に移るということになれば、石油価格はまた非常に上昇してくるということは目に見えておる。秋口ごろには恐らくそういうような合意点に達するであろうというのが一般的な見方でございますから、そうなりますと、今のような事態でどんどん下がりっ放しでいくということはありません。必ず損益分岐点までは少なくとも戻ってくるというように考えます。したがって、我々といたしましては低位の安定ということは大変に望ましいことでありますが、どの辺で安定するかということにつきましても、十ドル台に安定するということは考えられないわけでございます。したがいまして、日本国は九九%以上エネルギーを海外に頼っておるわけでありますから、これにつきましては今までの政策をここで大幅に転換するということは大変危険であります。したがいまして、省エネルギー、代替エネルギー、備蓄政策というようなものは現在の計画をそのまま進めていく、そういうような基本方針であります。
#35
○近江委員 今後の電力の消費はそう急激な伸びはない、こういう見方がもっぱら行われておるわけでございます。そういう中で電源開発株式会社の位置づけというものは、そういう伸びが余りない中で今後従来と同じ位置づけを考えておられるのか。また、変わった何らかの政策を考えていらっしゃるのか。この点についてはいかがですか。
#36
○渡辺国務大臣 技術的な面については担当者から説明をさせますが、基本的には、いろいろ規制の緩和はするようにしてありますが、電源会社が九電力ができないものについての補完的な役割を果たし、またいろいろな新しいエネルギー確保のための開発等を進めていく、こういうことが重要であります。
 例えば、新しい転換炉の実証炉をつくっていくとか、あるいはその他石炭のガス化発電をやるとか、いろいろなそういうような面でリスクがあり、かつ非常に規模の大きい費用のかかるもの等について、政府が大半の株式を所有するこの電源開発が先頭に立ってやるということは、今後の日本のエネルギーを低コストで将来安定的に確保をしていくというためにはそのような先行投資的なものが必要である。そういうような面からも、この電源開発の性格は今までとほとんど基本的なものは変わらない、そのように御理解いただきたいと存じます。
#37
○近江委員 基本的なものは変わらない、そうしますと、そういう中身を今まで見てまいりますと、どんどん活性化させるということが文言として非常に出てきているわけですね。そうしますと、広域電源の開発、こういう点につきまして、大規模事業というものについてやはりもっと同社にやらせていく必要が今後あるのじゃないかと思うわけでございますが、今大体電力需要が余り伸びておらないという中で、九電力を中心に相当新規の開発ということが進んでおるわけでございますが、そうしますとその間の調整といいますか、電力会社との調整というのはどのように考えておられるわけですか。
#38
○山本(幸)政府委員 先生御指摘のように、電力の伸びは昨今は大体三%程度ということでございます。しかし、その中においても、やはり三%ということで着実に伸びますものでございますので、今後とも電源開発はかなりのテンポでやる必要がございます。
 その際、コスト面あるいは安定性の面でやはりかなり大規模な電源開発が必要である。特に原子力とかあるいは石炭火力となりますと大規模でございます。こういうものにつきましては、各九電力会社がある程度共同をしてやるとか、あるいはつくったものを経済融通するとかいうこともやっておりますけれども、やはりそうした大きな電源につきましては広域運営ということで、電源開発株式会社が中心になって開発をするという例も多うございます。例えて申しますれば、松浦火力、現在建設中でございますけれども、これは百万キロワット、大変大容量でございますけれども、これを二基建設いたしております。あるいはいわゆる電気の融通という面では、基幹送電線の建設というので、本州と四国あるいは北海道と本州というところの電線をつなぎまして融通に寄与するというようなこともやっております。
#39
○近江委員 いわゆる九電力を中心とした、それと電源開発とのその辺の兼ね合いといいますか、そういうことが非常に大事になる、このように思うわけでございます。
 いろいろ開発につきましては条件等もあろうかと思いますが、電力九社が行います発電コスト、それとこの電源開発株式会社が行います発電コスト、これは全部場所がそれぞれ違いますし、いろいろ形も違うわけでございますから一概には言えないと思いますが、モデル的なものでいいわけなんですけれども、その点の比較はどうなっておりますか。
#40
○山本(幸)政府委員 これは電灯電力のいわゆる総合単価ということで計算しておるわけでございますけれども、これによりますと、昭和五十九年度で見ますと、電源開発のコストは平均いたしまして十一円三十三銭でございます。これに対しまして例えば他の電力、例を申し上げますと、東京電力の場合には二十四円二十一銭、関西電力の場合には二十一円六十四銭ということになっております。平均いたしますと二十三円五十三銭でございます。
 電源開発の方が非常に低いわけでございますが、これは御承知のように電源開発株式会社は卸売販売をしておるということでございまして、大体山元で九電力に卸すわけでございます。これに対しまして九電力のコストというのは、その発電の後、送電したりあるいは変電したり配電したりという費用が入っているわけでございます。
#41
○近江委員 こういうことは非常に難しいとは思うのですけれども、産業政策上、非常に電力多消費産業、例えばソーダあるいはアルミ、非鉄金属、これは御承知のように同時に不況産業なんですね。これは電力料金というものは大変なコストがかかってきておる。そういう点で、こういう不況に苦しむ産業に対しまして、同社から非常に低料金で電力を供給する、そういうようなことは考えられないものですか。これはいかがでございますか。いろいろな困難な条件はあるということはわかっておるわけでございますが、一応考え方をお聞きしたいと思います。
#42
○山本(幸)政府委員 現在電発は、九電力への卸供給を通じまして電気事業全体を補完するあるいは電気事業全体に裨益するという形で運営されております。
 先生おっしゃいましたように、部分的にある程度安い料金で直接供給を行うということにつきましては、そうした場合にはそれを受けた人たちはメリットを享受するわけでございますけれども、一般電気事業全体から見ると、やはり他の需要家の利益を阻害するということになりまして、政策上どれないということで、この原則は電発始まって以来貫いている考え方でございます。
#43
○近江委員 この改正案におきまして、いわゆる附帯事業を行わせるということに今なっておるわけでございますが、この具体的な事業ですね、その内容またその限界についてどのようにお考えでございますか。
#44
○山本(幸)政府委員 従来電発は附帯事業の制度がございませんでして、すべて目的達成事業ということで通産大臣の認可を受けてやっておりました。しかし、いわゆる附帯事業と言われますのは本業と明白に密接開運する事業ということでございまして、これにつきましては一々通産大臣の認可を受けないである程度自由にやる方が、その活動が機動的かつ効率的になるだろうということでございます。例を挙げますれば、例えばダム近辺に緑地の公園をつくるとか、あるいは石炭火力に関連しまして海外で石炭を開発するそういう会社を運営するとか、石炭火力の後の灰捨て場につきましての処理をする事業を行うというようなことでございます。
#45
○近江委員 具体例が何例か出たわけですが、これはその基準といいますか、そういうものはつくっているのですか。どういうものをつくっているのか。
#46
○山本(幸)政府委員 基準といたしましては、通例言われておりますのは、本来事業との関連が直接的かつ明白であり、社会通念上その事業を営む妥当性が容易に認められる事業ということになっております。こういう判断でございますので、個別事業につきましてはかなりボーダーラインのものもあろうかと存じます。もしボーダーラインのものがあれば、それは従来同様目的達成事業ということで通産大臣の認可を受けてやるということになろうかと思います。
#47
○近江委員 この会社は全国的な規模で事業を展開しておるわけでございまして、今非常に情報化の中で、電気通信事業というものに参入させていくというような考えがあるのかないのか、いかがですか。
#48
○山本(幸)政府委員 先生御指摘のように、この電源開発株式会社につきましても、その持っております設備あるいはポテンシャリティーということを考えますと、通信事業に適合するものもかなりあろうかと存じますけれども、現在の段階では、具体的に通信事業に出るかどうかということにつきましては今後の検討課題と考えております。
#49
○近江委員 電力会社というのは、電気事業というものについては厳しく規定しているわけですね。ところが、こういう投資という形におきましていろいろな関連会社に投資をしておる、あるいは直接子会社もつくっておる。公益事業という性格からして、これはまた後で聞きますけれども、今時にこれだけの円高等におきまして、また原油も下落してきておるということで電力、ガス会社は膨大な利益があるのですね。こういう子会社というものは、そういう資金があるということできちっと見ていかないと、公益事業としては枠をはみ出るようなことになりかねないのじゃないかと私は思うのですね。いろいろな会社のデータを出しなさいと言っても、通産当局は時間的に間に合わないとかいろいろなことばかり言ってなかなか出さない。依然としてこれだけの膨大な利益を持っているんだから何かやらなければいかぬ。国民は疑惑の目で見ている、どれだけ国民に還元してくれるか。一層襟を正さなければならないわけでしょう。こういうことについて、電力会社に対しては今後通産省としてはどういう指導をしていくか、どういう姿勢で臨むのですか。
#50
○山本(幸)政府委員 電力会社の子会社の問題でございますが、これにつきましては、電気事業に密接に関連する事業を専門的に分担するという観点から、それによりまして電力事業の業務の運営が一層効率化するという場合に行われるものでございます。通産省といたしましては、そういう観点に立ちまして、電気事業法百五条によりまして、実は毎年業務監査及び経理監査をやっておりますけれども、その業務監査、経理監査の段階で子会社との間の取引、子会社の設立等につきましても監査の対象としてチェックをいたしているわけでございます。
 なお、電力会社の差益につきましては、各電力会社の使います燃料費、特に石油でございますけれども、石油についてどのくらいコストが下がったかということで、その利益の幅を掛け合わせて算出されるものでございますので、子会社があるからその差益が減るとかいうような問題はないと考えております。
#51
○近江委員 こういう膨大な利益というものが出ておるときこそ政府は監査、指導を厳重にして、いやしくも公益事業として国民に不信を買うことのないように指導をきちっとしてもらいたい、このことを特に要望いたしておきます。
 それから、還元問題につきまして、還元の仕方が足らないのじゃないかという声が随所で聞こえるわけですね、一兆円程度の還元でそれでいいのか。かつて私は予算委員会等におきましても、推定に基づく額はこのくらいになるのじゃないかということを大臣に直接申し上げたこともあるわけでございますが、そういう膨大な利益に対して還元が低いという声に対して、どのようにお答えになりますか。
#52
○渡辺国務大臣 私は、実はそうは思わないのでございます。問題は、円高差益が幾ら発生するのか、それから石油の値下がりによってどれぐらいの利益が出るのか、見通しの問題でございます。円レートというものは、現在の百八十円ではもう本当に円が強過ぎて輸出ができないから、もっと円安にしてもらいたいというような声が輸出業者や中小企業の中にたくさんございます。しかし、なかなかそう円安に自由になるものではない。円高がこれ以上進むということについては到底認めがたいという反応が国民の中に多い。当面アメリカもこれ以上ドルの暴落は困るのでしょうし、我々の方もこれ以上の急激な円高は困るということになると、ともかくぎりぎりのところを見てもおおむね百八十円台ということにならざるを得ない。それ以上、百七十円で見た方がいいとか百七十五円で見た方がいいと言う人はまず国民の中にはいない。百九十円で見ろと言っても、これもいかがなものかということになる。するとやはり百八十円台ということになります。
 もう一つは、石油の価格の問題ですが、これも先ほど言ったように、三十二ドルもしておったものがだんだん下がってきて、一月は二十七ドル七十七セントとか、二月は二十七ドル五十七セントとか、三月は二十三ドルぐらいかなというようなことで、これも下がったと言いながら前半はまだ高いものを使っておる。これから夏までは下がっていくだろう。しかしながら秋口以降はどうなるか全く見通しがつかぬということになれば、スポット価格や何かを標準に一年分の石油の計算をするということは、これも無謀なことになります。したがって、これもやはり年間を通して二十二、三ドルくらいで見ておけば安全ではないかということになりますと、物理的計算ですから当然に一兆三千億円程度のガス、電力で差益が出るということになります。国民の中には、少しばかり家庭にばらまいたってそんなのは消費拡大にならぬじゃないか、それならまとめて電線の地中化や設備投資の方に回せという声が、各党を問わずかなり強くあることも事実でございます。
 電気料金というものは、料金で大体七、三、電力量からいうと産業用、営業用が七五%、民生用が二五%というようになっておるわけであります。それらを総合勘案いたしまして、おおよそ一兆円を直接還元、おおよそ三千億程度のものを設備投資に使わせるというような、皆さんの御意見を八万聞いて、どれも満足というわけにはいかないけれども、どれも不満ということでもない程度のことでやると、大体一兆円の直接還元ぐらいが妥当狂線ではないか。
 しかし、これは一年だけの話でございますから、仮にその後も石油価格が我々の予想以上のところで低位安定したということになったり、あるいはドルがもっと強くなっちゃったというようなことで安定したということになれば、来年以降はまた別なことを考えるということは当然のことでございます。したがいまして当面は、我々責任を持つ者として、五十二年か四年のときのように、値下げはしたわ、すぐまた値上げはしたわというようなことはやりたくないと考えまして、一番妥当な線、こう考えて一兆円程度の直接還元に踏み切ったわけであります。
#53
○近江委員 確かにこれは物理的な計算で大体出てくる問題でございますし、ひとつ国民が理解をし納得していただける、そういう線をきちっとやっていただくということを特に要望いたしておきます。
 それから、会社のいわゆる卸売価格の問題でございますが、今回は電調審へ付議が要らないということになるわけでございますが、これはなぜそういう審議会での検討というものを外したのですか。
#54
○山本(幸)政府委員 御指摘のように、電源開発株式会社の料金につきましては、その都度電源開発調整審議会、電調査に付議いたしまして、その後通産大臣の認可という形で運営してまいりました。
 しかし、三十何年の今までの運用の実績等々を通じまして、大体電発の料金についての考え方あるいはその水準というものも確立、定着いたしてきたのではないかということが考えられるのが第一点でございまして、第二点は、こういう形ですべて電調審の手続ということになりますと、経営上非常に弾力性、機動性が損なわれまして、電発として一番営業上重要な値決めという段階で、これがなかなか機動的にいかないという点がございました。
 こういう点を考えまして、今回、電調審に毎回これを付議するということについてはこれをやめまして、むしろこうした料金制度の考え方につきましては電調審の意見を聞きながらやるけれども、個別的な電調審への付議はやめるという考え方になったわけでございます。
#55
○近江委員 この会社の今後の活性化だとかいろいろなことがうたわれておるわけですが、仕事をどんどんやるということ、こういうことは、結局組織が活性化しなければそれだけの力は出ないと思うのですね。幾ら予算をつけてこれをやりなさいと言ったって、やはり無気力な空気が漂っておればだめなんですね。
 そういう中で、結局組織に活性化をもたらすという点からいきますと、会社で頑張ってきた者が将来会社を担っていく、そういうポストについてくる、ここに若い者の希望もわいてくると思うのですね。トップはいつも天下りで来る、我々が頑張ったって、漬物のおもし石ではないけれども、結局はその下でやらなければならないんだ、これでは力は出ないと思うのですね。
 この電源開発もそうなんです。御承知のようにこれは天下りが多いわけですね。通産だけでも三名、大蔵一名、四名も入っているわけでしょう。だから、今後こういうことは政府全体として十分反省してやっていこうということが言われながらも、一向にこういうことが改まらないわけですね。これにつきましては、大臣としてはどのようにお考えでございますか。
#56
○渡辺国務大臣 この天下り問題というのも、これは新しくて古い話、古くて新しい話なんです、実際は。人の寿命が延びまして、しかもお役所の定年というものは実質的に大体六十前で、高級官僚といえども一般の人もやめていく。一方長生きをしているということになれば、働かないで遊んでいるわけにはいかないから、どこかへ第二の人生を求めて行くということになります。お役所でもなかなか優秀な人がおりますから、民間からも引っ張りだこのところもございます。今までの知識、経験を生かして、請われて適材適所につくということは、私は必ずしも悪いことではない、そう思っております。
 しかしながら、撚糸事件のように、適材適所のつもりで送ったところが、余りそいつが癒着し過ぎちゃってだめだったなんという例も、それはないわけではありませんよ。ありませんが、それは異例のことであって、一般の場合には、やはり適材適所でその能力を生かしていくということが国民全体からしてもいいのではないか。
 ただ、要するに、自分の担当している企業を、揺さぶりをかけてぼろを見つけて、その後へだれかを押し込んでいって、それで次から次から能のないのまでそのポストはうちのポストというようなことをやれば、これは弊害だというように私は思います。しかしそうでない限りは、弊害よりもプラスの方が多いのではないか。
 したがって、そこらについて役所側としても、民間等に人を送る場合に、このポストはうちの省のポストである、したがって、前の人は大変喜ばれたがその後も社長だよと。ところが企業側から、前の人なら社長としてお迎えするが、この後の人はもらっても要らぬというふうなのを無理やりごり押しするということはいけないことですから、そういうことのないように本当に喜ばれる人だけを送って、そしてポストは人にある、その役所の地位にあるんじゃなくて個人個人の人にある、前の人が行ったからといって、その後任は必ずしもその役所から行くとは限らないということにすれば弊害は最小限度で済む、むしろプラスの面が多い、私はそのように考えておりますから、そういう方針で今後も指導をしてまいりたいと存じます。
#57
○近江委員 これは大臣もおっしゃったように古くて新しい問題でもあるわけでございますし、ひとつ十分注意して運営をしていただきたいと思います。
 それから、株を今回は七二・三六%から六六・六七%、このように放出をするわけでございますが、これを九電力に絞っておるというわけでございまして、なぜ九電力に絞るかというごと、それから価格はどうなんだ、いつごろ放出するのか、この三点について簡単にお答えいただきたいと思います。
#58
○山本(幸)政府委員 まず、先生御指摘の三点とも、今後検討するということになろうかと思います。
 ただ、第一点目の、九電力に絞るのかという相手先でございますが、これにつきましては、もちろん今後検討することになっておりますけれども、ただ一つ留意すべき点としましては、最近電力の伸びというのは非常に穏やかになっているということでございまして、従来のようにいわゆる電源開発を量的にふやすという時代は去っておりまして、今後はむしろ質的な面でもっていかにうまく電力を安定させて、かつ質の高い電力を供給するかという点に重点が移っております。そうした中でもって地域バランスをとりながら、広域運営とかあるいは安定的な電源確保というようなことを電発が志向する場合に、電力業界との密接な連携というのが非常に重要になるだろうというふうには考えております。
 それから売却の価格でございますが、これにつきましては、国有財産中央審議会等の審議を仰ぎまして、最も公正な価格によって売却したいというふうに考えております。
 それから売却の時期でございますが、これは六十一年度中にも結論を得まして第一回の売却を六十一年度から始め、大体四、五年ぐらいで売却をしたいというふうに考えております。
#59
○近江委員 沖縄電力民営化の問題でございますが、沖縄電力について今後政府としてはどういうプランを持っておられるのか。
#60
○山本(幸)政府委員 御承知のように、沖縄電力は現在一〇〇%国営でございます。これにつきましては民営化を図るということで先般来検討いたしておりますが、昨年末に沖縄サイドといたしましてはこれを民営化したい、しかも独立ていきたいということを決定いたしております。私どもといたしましては、その地元の意向であります独立かつ民営というラインで進めていきたいと考えておりまして、現在、沖縄サイドと資源エネルギー庁、それから沖縄開発庁、電気事業連合会各社の入りました協議会をつくりまして検討中でございます。
#61
○近江委員 沖縄は戦後復帰しまして、いろいろな点で大変な苦労をしたところです。私も何回か行きまして随分とあらゆる角度で沖縄の皆さんの意見も聞いておりますが、経済的にもなかなか大変なところです。したがって、これが民営化されることによって真にそれが住民にプラスになればいいけれども、逆になっていけば何のための民営かわかりません。したがいまして、政府としては住民にマイナスにならないように十分な配慮をして、慎重にひとつ取り扱いをやっていただきたい、強く要望いたしておきます。
   〔与謝野委員長代理退席、委員長着席〕
 電発の問題だけでも、ちょっとお聞きしただけでもこんなに時間がかかってしまうわけでございまして、大体私が最初に申し上げたでしょう、九本のこういう法案を一括して出すというところに問題がある。あと八本やろうと思ったって、何ぼ時間があるのですか。大臣としてもその点は重々わかっておるということをおっしゃったのでくどくは言いませんけれども、こういう状態なんです。だからあとの八本の法案については私は駆け足で行かなければならぬ。そういうことでございまして、今後は十分ひとつ注意をしていただきたい、このように重ねて申し上げておきます。
 次に、製品安全協会の問題についてお伺いしたいと思いますが、例えばこの四月十日、Sマーク製品であるベビーベッドで生後六カ月の乳児が窒息して、両親が国やメーカーを相手に損害賠償を求め訴訟を提起したことが伝えられておるわけでございます。こういうことはSマーク製品の検定基準のあり方に疑問を投げかけるものでございまして、この現状についてお聞きしたいと思うわけでございますが、検定のことを調べてみますと、ベッドの本体についてだけやっておるわけです。消費者が実際に使う状態を検定の対象としなければおかしいと私は思うのですね。
 また、Sマーク及びSGマーク製品の事故もかなり起きておるわけでございます。五十七年度百九十七件、五十八年度二百十七件、五十九年度二百三件、三カ年間でも六百十七件が起きているのですね。これは家庭用電気製品、台所食卓用品、燃焼器具、家具、住宅用品、乗り物用品、身の回り品、保健衛生用品、レジャー用品、乳幼児用品、繊維製品、その他、こういうことなんです。こういう点で安全基準を見直す必要があるのではないか、こういう国民の声が非常に高まってきております。それに対して担当者は、注意事項を添付しているから安全である、そういう談話も出ているのですが、そういう注意事項がしてあるからといっても、これはなかなか見やしないのです。
 そういうこともございまして、こういう一つの問題を見ましても非常に心配な点が多いのです。こういった安全基準を見直す等の問題を含めて、どのように政府は責任を感じているか、これについてお伺いします。
#62
○松尾(邦)政府委員 先生御指摘ございましたように、ネット式の乳幼児ベッドにつきましては一昨年、昨年と三件の死亡事故が発生いたしておるわけでございますけれども、この点につきましては私どもといたしましても事態を深刻に受けとめまして、事故原因の究明に努めるとともに、再発防止のためにメーカー、販売会社に対する指導など所要の措置をまず講じたところでございますし、あわせて先生御指摘の安全基準のあり方につきましても研究を始めて、早急に結論を得るよう今努力いたしておるところでございます。
 若干敷衍させていただきますと、例えば昨年六月に和歌山で起きました事故に関しましては、直ちに事故品のメーカーと販売会社に対しましては事故品と同型の製品の出荷を停止させる、また流通在庫の回収を図る、それから把握可能な購入者に対しましてネット式乳幼児ベッドの使用上の留意事項を記載した書面の配付をいたすというような三点の指示をいたしたわけでございます。あわせてベビーベッド工業会に対しましても、すべての乳幼児用ベッドのこん包用の外箱にベッド本体の内寸、寸法を表示させる、あるいは寸法に合ったマットレスを使用しないと危険な場合があるということについての表示をすべき旨指示いたしたわけでございます。
 これに加えまして、さらに基本的な措置といたしまして、一連の事故を踏まえまして、昨年の十一月から乳幼児ベッドの安全基準のあり方につきまして関係各界の専門家から成ります委員会を開催いたしまして、基準のあり方について鋭意御検討いただいているところでございまして、早急に結論を得ましてその結論に従った対応をいたしたいと考えておるところでございます。
#63
○近江委員 これはいろいろ私も調べておるのですが、賠償状況を調べますと、SGマーク制度の発足以来現在まで、私のデータでは昭和六十年九月末まででございますが、二百六件になっておるのです。賠償額は最低三千円、最高は千四百十六万四千円。法律では最高額が二千五百万、こういうことになっておりますが、最高はこういうように出でおる。
 今回またこのように非常に中身が変わってぐるわけでございます。そうでなくてもこれだけの事故が発生して、また賠償も出ておるのです。そういう国民生活で物を使用するについても不安が絶えずあるわけでございまして、現実に人身事故が起きておるわけですね。そういうものを指定する検査機関に行わせる、特定製品の検定をそういうところにやらせる、これは国民に非常に不安が出てきておるのです。心配ないのですか。今でも、政府が責任を持ってきちっとやらしておってもこれだけの事故が起きる、賠償が起きておる。こういうことは行革の線に沿ってやっているというけれども、国民を不安な方向に持っていったのでは何にもならぬでしょう。行革をやるならもっとほかにやることはいっぱいあるのですよ。心配がないのかどうか、もう一度お伺いします。
#64
○松尾(邦)政府委員 先生御指摘のように、製品安全協会の行っている業務に関しましては、事が国民の生命、身体にかかわる基本的に大事な問題であるということを十分念頭に置きまして、国民の安全確保の後退をいささかも招くことのないよう、今回の法律の御審議をいただくに当たりましても、立法の際には業務遂行上の公正、中立性の担保等に万全を期したつもりでございます。
 一つは、製品安全協会を民間法人化するという点についてでございますが、安全基準の水準を初めとする規制の基本的枠組みにつきましては、従来同様いささかも緩めることのない体系を維持いたしておるわけでございますし、また、協会の業務の適正性あるいは公正、中立性を確保するための監督・規制につきましても、従来同様の内容にいたして万全を期すことにいたしております。
 さらに、先生の御指摘にございました、今回新たに検定について民間機関にこれを行わしめる指定検定機関制度に関しましても、業務の遂行に必要な能力とか、公正、中立性を十分担保するために、この指定検定機関を指定するに際しての指定要件あるいは事業運営上の監督・規制などについては所要の規定を十分整備いたしておるわけでございまして、いやしくも国民の生命、身体の安全確保に後退を招くことのないよう、万全の措置を講じていると存ずるところでございます。
#65
○近江委員 こういう民間法人化に伴いまして政府の補助金というものは一体どうなるのか。これは当然削減の方向に向かうわけでしょう。そうなってきますと、いわゆる業界からの金によって協会は運営されるわけです。それでなくても今、こういう安全基準のあり方等をもっとシビアにしなければいけないと国民の非常に強い声が出てきている。その点、安全基準のあり方について、実際そういうように業界で支えられているのに厳しい安全基準ができるのか、フェアに行われるのか、非常に素朴な大きな疑問があるんですよ。補助金についてはどうなるのか、政府の監督はどうなるのか、安全基準について疑問はないのか、もう一度お伺いします。
#66
○鎌田政府委員 今回民間法人化されます特殊法人等が交付を受けております補助金のうち、経常的経費に当たるものにつきましては今回民間法人化に伴いまして廃止されることになるわけでございます。ただ、今回民間法人化されます特殊法人等は、いずれも政府出資のほかに相当程度の積立金等内部留保を確保いたしております。また、経常財源につきましても、検査・検定料収入等比較的安定いたしておりますので、財政基盤について心配はないというふうに判断いたしておる次第でございます。
 それから、先生御指摘がございました、今後経営的な自立化がこういった法人で高まるわけでございますが、そういった中で検査を受ける側との間に癒着を生じないかという御心配をいただいたわけでございます。この点につきましては、こういった今回民間法人化されます特殊法人等はいずれも公共性の非常に高い業務をやっておりますので、そういうことはあってはならないことでございまして、先ほど来御答弁申し上げておりますように、今回の民間法人化は経営的な自立化を達成するということでございまして、その関係での監督・規制は相当緩和するわけでございますけれども、業務の遂行に関連する監督・規制については従来どおりということでございまして、今後とも、従前にも増しまして中立、厳正な業務の執行ができるように図ってまいりたいと考えているわけでございます。
 ただ、今回民間法人化することに伴いまして、窓口の応接がよくなるとか事務処理が迅速化するとか、そういったいわゆるいい意味のサービスの向上といったものは私どもとしては期待したいというふうに今考えておる次第でございます。
#67
○近江委員 特にこの点は国民生活に重大な関係がございますし、今御答弁があったようにそういう点を十分注意していただきまして、こういうことをやったがゆえに国民に大変迷惑をかけたということが起きないように、むしろみんなが本当に安心していただけるような、内容のある前進ができるようによく見守る必要がある。特に申し上げておきます。
 それから、日電検ですね、日本電気計器検定所、計量法の一部改正について聞きたいと思いますが、これは現行の検定所にどういう弊害があるのですか。また、その弊害が民間法人化することによってどう改善されるのか、その点をひとつお伺いしたいと思うのです。
#68
○山本(幸)政府委員 日本電気計器検定所でございますが、今回の法改正は、検定所の実施している業務について特に具体的な問題があるというのではございませんで、先ほど来御説明させていただいておりますように、臨調の答申に指摘されておりますように、特殊法人につきましてその民間法人化を図る必要があるということで、その一環として実施するわけでございます。そういうことで、やる仕事についての一定の監督その他については変わることなく、ただ、経理面の活動について従来よりも機動性あるいは効率性を追求するということがねらいでございます。
#69
○近江委員 臨調からそういう答申があったからといって、何も必ずしもする必要はないんですね。あくまでも国民のサイドに立って、やることがいいことか悪いことか、前進になるのか、皆さん方は常にこういう判断を持たなくてはいけない。今回のこの件につきましても、消費者団体から、民間法人化に反対するという申し入れがあったということを私も聞いておるわけであります。あるいはまた、計量に関する国際機関との関係を勘案するようにということも臨調からも指摘しているわけですね。あるいはまた「消費者の理解を得つつ、」こうなっているのですね。消費者団体からもこういう反対があった。これで果たして「消費者の理解を得つつ、」ということになっておるのか。また、国際機関との関係を勘案する、これはやったのですか。二点についてもう一度お答えください。
#70
○山本(幸)政府委員 まず第一点目の消費者の理解を得るということでございますが、この点につきましては、ことしの三月に、消費者代表も入っていただいております、学識経験者から成っております計量行政審議会がございますが、ここでの御審議を経て了承を得ているわけでございます。特に民間法人化につきましては、先ほど言いましたように、経理面等については規制は相当緩和いたしますけれども、役員の選任の場合、あるいはみなし公務員規定の問題、あるいは事業計画等につきましては従来と同様の監督を引き続きいたすわけでございますので、そういう点で消費者の御理解は得られるというふうに考えるわけでございます。
 それから、国際機関との関係でございますが、国際法定計量機関、OIMLというのがございまして、日本もこれに加盟をいたしておるわけでございます。この国際機関の意見としては、型式承認を行う場合については官庁とか国立の検査機関でやらなければいけないというふうに規定をいたしておるわけでございます。今回の改正によりましても、型式承認そのものにつきましてはこの検定所がやるという従来の体制は変わらない。しかも、この検定所はOIMLにおきます国立の検査機関に該当すると考えておりますので、国際的には問題なかろうというふうに判断いたしております。
#71
○近江委員 大臣、外国におきます電力量計の検定制度、先進国の例を見ますと、イギリスは検定機関、型式承認は全部国です。西ドイツも国です。フランスも国です。アメリカは州公益事業委員会。オランダも全部国です。イタリーも全部国。日本は日電検、型式承認も日電検。先進国は全部国が責任を持っている。これはそれだけの厳重な型式承認であり、また検定機関、ここに国民が信頼を置くのです。先進国がどこもやってないことをなぜやらなければいけないのですか。臨調からそういうことがあったからといって何もすることないでしょう。どこの国がそういうことをやっているのですか。先進国全部国が責任を持っている。この点どうなんですか。
#72
○山本(幸)政府委員 御指摘の国際法定計量機関、OIMLと申しますが、ここで要請している事項は、型式承認につきましては主務官庁または法定計量国立検査機関によりなさなければならないというふうになっているわけでございます。先生御指摘のように各国とも国あるいは国立の試験所が型式承認はやっております。日本の場合には従来とも通産大臣またはこの検定所がやるという体制でございました。今回の改正によりましても型式承認につきましてはこの検定所がやるということでございまして、しかも先ほど言いましたように、経理面ではある程度の機動性のために規制その他を緩和いたしますけれども、業務面あるいは人的面等につきましては同様の規制をいたします。そういう観点から見ますれば、この国際機関で申します国立の検定所というのに該当するというふうに考えておるわけでございます。
 なお、各国とも国もやりますけれども、国立の試験所、研究所が実際には型式承認をやっております。
#73
○渡辺国務大臣 ただいま公益事業部長から答弁したとおりでございますが、型式承認のようなものについてはやはり従来どおりのやり方でやる、ただ一品一品のものにつきましては厳重な監督のもとで民間機関にやらせる、そういうことにしたわけでありますから、その大もとは国が直接または従来の検定所がやるということなので、私はその点は心配が要らないのじゃないかと考えております。
#74
○近江委員 大臣は心配ないと考えておりますとおっしゃっておりますけれども、皆心配しているのですよ。例えば水道メーター、ガスメーター、タクシーメーター、ガソリン量器あるいは巻尺、電気式血圧計、温度計、はかり、これは全部国または都道府県がやっているのです。国民生活に非常に影響のある、それ以上に精密さが必要とされる電力量計の検定について民間法人がやる、これは計量法上非常にバランスを欠くと思うのです。安易にこういうことを臨調が言ったからということで、諸外国とのバランスであるとか、こういうことについて通産当局が真剣に検討したのですか。
#75
○山本(幸)政府委員 先生御指摘のように、水道メーター、ガスメーター、巻尺等々あるいはタクシーのメーターなどにつきましては都道府県の検定ということになっております。これにつきましては各地方に大変多くの事業者がおりまして、その事業者ごとに内容も非常に違うということでございますので、そうした検定を受ける人の便宜を重視しまして、これは都道府県に検定を実施していただいているということでございます。
 これに対しまして電気計器の検定につきましては、これは非常に高度の電気的な知識、技術が必要でございますので、これにつきましては従来から国がやる、そして国立の検定所がやるということで一貫して実施いたしているわけでございます。
 今般この改正によりまして、いわゆる民法法人でもそうした能力のあるものがあった場合には、これについてその指定機関としてこの制度を行わせるという内容になったわけでございますが、これにつきましては、この検定所と同じようなあるいは同等以上の能力を有する民法法人ということで、しかもその法人につきましては人的面あるいは事業面での監督を十分にするということで、そういう制度を導入するわけでございます。現在計量法上では、こうした電気計器のほかに従来から公害用の計器につきましては、これは非常に精密を要するということで大変高度な知識が必要でございますが、これにつきまして同様の制度が導入されているわけでございます。
#76
○近江委員 こういう検定行為という性格上、検定所というものにつきましては人事、業務、財政などすべての面におきまして消費者保護、それから公的中立性、適正計量、こういう基本原則というものがあるわけでございまして、それに沿って運営されなければならないということは当然のことでありまして、過去におきましてもこの国会審議を見てまいりますと、この点を非常に厳しく指摘しておるわけでございます。そういう点で、この法改正によります指定検定機関制度の導入、これは本当に厳格な条件を課さなければいかぬ、このように思うわけです。また監督をしなければならぬ。これについてもう一回お伺いいたします。
#77
○山本(幸)政府委員 今先生の御指摘のとおりだというふうに考えます。
#78
○近江委員 私が指摘したとおりであるということでございますし、十分ひとつ厳正にやってもらいたいと思います。
 例えばこの法案に対する附帯決議、三十九年六月二十五日、本法施行に当たって七項目の附帯決議をつけておるわけでございますが、こういうことも昔ではあっても今に通ずる問題でもございますし、私は今時間の関係でそう多くはできなかったわけでありますけれども、何点か指摘をいたしております。こういうことも十分今後の運営に頭に置いて、いやしくも国民の不信を買うことのないようにしていただきたい。強く要望いたしておきます。
 たくさんあるのに時間だけがどんどんたちまして非常に困っております。大体九本まとめるのが間違っておる。
 次に、高圧ガス保安協会につきまして聞きたいと思いますが、高圧ガスの取り締まり行政、これは古くから国の本来業務として推進してきたものでありますけれども、近年は技術革新の急速な進展等によりまして製造、販売、消費の各分野に急激な変化が生じております。こうした変化に的確に対応するために昭和三十八年この協会が設立されまして、主として法定検査等の国の業務を代行してきておるわけでございます。こうした経過で今日に来ておるわけでございますが、非常に重要な業務を分担しておるわけでございます。今回のこの改正でさらにその業務の範囲というものが拡大されることになっておるわけでございますが、具体的にどういう業務を考えておるか、まずこの点を簡潔にお伺いしたいと思います。
#79
○黒田(明)政府委員 近江委員御指摘のとおり、高圧ガス保安協会は、高圧ガスの自主保安の中核体として昭和三十八年に設立されたわけでございます。それ以後、高圧ガスの保安問題については大きな貢献をしてきているわけでございますが、民間法人化のこういう好機だと私どもは思うわけでございますけれども、自主保安行政の中核体としての機能を一層拡充するために、当協会に対して発展を期待しているわけでございます。
 その一部は、今委員御指摘のとおり、新しい業務を行うことができるようにするという点でございます。私ども今考えております。その大きなねらいは、一つは海外に輸出されます機器、これについてこの保安協会がいわば審査をいたしまして安全性を確認することによって、対外的に輸出されていくものの信用を高めることができるというふうに考えております。また、海外との技術協力がございますが、こういった案件につきまして、高圧ガス保安協会が持っております保安面の知識経験を生かすことによって技術協力ができるようになる、こういった点に重点を置いて考えております。
#80
○近江委員 この協会の業務の中で、特にLPガス、この保安の確保対策に私は特に注目しておるところでございますが、LPガス研究所あるいはLPガス保安トレーニングセンターあるいは器具の検定、講習会の開催、あるいは資格試験の実施等々、相当幅広い活動を行っておるように私も聞いておるわけでございますが、最近のこの事故、私の地元におきましても、先般も高槻市でそういう事故がございまして、非常に犠牲者も出ておるわけでございまして、これは本当にいつもマスコミで報道されるようなLPガス爆発という大変な事故が起きている。使用しておる国民は、政府は一体我々の安全をどう考えてくれるのだ、どう業界に対して指導してくれているのだ、もっとそういうガス漏れであっても早くわかるような方法はないのか、こんな危険なものを使わせておいて平然として、政府、通産当局はよく放置しているな、私たちの地元におきましても、先生一遍厳しく通産当局に言ってください、そういう声ばかりですよ。そういうような協会を今回もこういう形で、大丈夫なんですか、これは。
 まず、最近のLPガスの事故の発生状況、そして協会の保安確保のためにどういうように今後総合的な事業を展開するのか、その点について簡潔にお答えいただきます。それで大臣、結構です。
#81
○黒田(明)政府委員 LPガスは、今全国で二千百万世帯に普及しているわけでございますが、この二千百万世帯で起こっておる事故が、昭和五十六年度は七百十四件ございましたが、六十年度、昨年度は四百九十三件ということで、五百件を切る水準にまで下げることができたわけでございます。
 そして、この事故の内容を分析してみますと、消費者の誤操作など、不注意によりますものが六、七割を占めるという状況になっておりまして、私どもは一般消費者、一般家庭において使われるものである点、こういった点では、五百件を切ったからといえども、なおこの件数を減らさなければならないと考えると同時に、消費者の不注意というのが六、七割を占める現状にかんがみまして、ぜひともこの消費者に対する保安教育、そしてさらに私ども特に力を入れたいと思っておりますのは、最近におきまして保安安全の器具が開発されてまいりましたので、この安全器具の徹底、普及ということが今後の決め手になるのではないかというふうに考えております。
 全体のLPガスの保安対策は、都道府県それに販売事業者を中心にして展開しているわけでございますが、この販売事業者が二千百万世帯を相手に商売をいたしておりまして、大体五万軒ぐらいあるのですけれども、この販売業者に消費者に対するアプローチを積極化してもらわなければならないというふうに考えておりまして、今委員が御指摘になられましたような保安協会のトレーニングセンターなどを使いまして、販売店の技術的な能力を高めるために指導員制度を新たに発足させまして、その指導員を保安協会でいろいろ教育してもらいまして、こういった人からさらに販売店に働きかけてその技術上の保安能力を高めていく、その販売業者を通じて二千百万世帯の消費者にアプローチを強化していく、かようなことを考えているわけでございます。
#82
○近江委員 消費者に対するいわゆる保安のそういう啓蒙、これは今いろいろな具体的な方法をおっしゃったわけでございまして、一層それは徹底をする。いつもよくないのは、こういうことをやります、どこまでそれを徹底したのか、そういう点が全部中途半端で終わっている場合がよくある。これは人身事故に通ずる重大なことでございますし、特にこのPRについて徹底方を強く要望いたしておきます。
 それからいわゆる消費先におきますこのLP用のガス漏れ警報器、またガス遮断システムと言われておるわけでございますが、普及状況についてちょっとお聞きしたいと思うのですが、これはどのくらいできているのですか。
#83
○黒田(明)政府委員 一般家庭の約五割に普及してまいっております。
#84
○近江委員 それは技術的に相当効果はあるのですか。あるとするならば、五割まで来ているのですから、それは自分の身を守るためにおきましても、本当にそれだけの効果のあるものであるならば、うんとこれはつけてもらうべきだと私は思うのです。どのように考えますか、政府は。
#85
○黒田(明)政府委員 ガス漏れ警報器はもちろん効果があるのでございますが、問題点もないわけではございませんで、例えばその警報が鳴ったときにその近所に人がいなかったとか、あるいはそれを聞いたけれども子供さんであったとかあるいは病人、老人であったとかというような場合に的確に対応できない場合がございます。ここが限界点でございます。最近ヒューズコックというのが大分安くできるようになってまいりまして、これは流量が一定の圧力で出てまいりますと突然とまるということで、例えばホースが抜けた場合などは突然とまりますので自動的に遮断される。それからガス漏れの警報器の場合に、警報を発するのみならず自動遮断をするというような機器が出てまいりました。こういったものの普及をぜひ図りたいというふうに考えておりまして、現在私どものところで、消費者、学識経験者それに販売事業者、需要者、機器メーカー、こういったものを入れまして懇談会を設けておりまして、この安全器具の普及については私どもとしては一番これから力を入れていきたいというふうに考えております。
#86
○近江委員 数は減ったといえども年間四百九十三件、五百件ですよ。どれだけとうとい方が亡くなられ、またけがをされておるか、大変な問題なんですよ。今日、これだけ科学技術の時代と言われでいろいろな発明工夫というものが行われている。これはとうとい人命を守るためですよ。これは全力を挙げてそういうようなガス遮断器であるとか――今あなたは状況をおっしゃった。子供だから何だかできない。そういう自動的な遮断器というものがあれば子供であろうが赤ちゃんであろうが勝手にとまるわけですから、そういうことを想定して、こういうものはお金にしたってそんな巨額の金がかかるわけはないでしょう、こういう点は総力を挙げなければいけない。それを五百件になったから前進しています、前進しているじゃなくして災害ゼロに向かって挑戦しなさいよ。若干減ってきたからということで安心感を持ってはいけません。これは通産当局は災害ゼロに対する挑戦を考えていかなければいかぬ。そして協会も指導してやらせなければいけませんよ。毎年毎年大変な事故が起きておって、消費者がもっと気をつけなければいけないとか、そんなことを言ったらだめです。今後真剣にやってくれるかどうか、その点いかがですか。
#87
○黒田(明)政府委員 心構えとしては委員がおっしゃるとおりであると考えております。問題は、ガス漏れ警報遮断器ということになりますと現在三万円ぐらいかかるというような金銭上の問題が実はございまして、消費者がそういったものを設置するようにどのように保安意識を高めていくか、そういうお金を出すことが保安のため、家族の安全のために必要なんだというような認識を深めてもらうか、こういった点も相当な問題でございます。委員御指摘のような心構えで私どもも取り組んでおりますが、また関係各方面の御協力もお願いいたしたいと考えております。
#88
○近江委員 それは費用もかかるかもわからないけれども、例えば石油製品も下落しているわけでしょう。LPGだって下がってきているのです。そうすると、そういうことを消費者サービスということでしてあげるとか、あるいはまたその何割かを消費者が負担をして、しかもそれは生活程度によって月賦制度もありますよというようなことでやるとか、説得なんですよ。月々わずかこれだけの負担で危険から守られるのですよとなれば、それは消費者はつけますよ。負担のあり方、そういうこともあらゆる総合的な点を十分検討して、業界は今これだけ利益を上げているんだ、還元させる方向を両者が相まって考えていくのですよ。今そういう知恵の時代です。
 通産当局に私が言いたいのは、もっとそういう点を勉強してくださいよ。国民の立場に立ってどのように国民を安心させ、守り、しかもその費用負担についてはどうすればいいか、そういう現実の生々しい問題を真剣に勉強してもらいたい。この間も、ある先輩の人が皆さん方と懇談するのに何かアドバイスしてくださいと言ったから、私はもっと勉強してもらいたいということを言っておいてくれと言ったのです。私の勉強してもらいたいということはそういうことを言っているのですよ。国際社会の中にあってどうあるべきか、大きなそういう国の政策と同時に、大地に足をつけた現実の問題としてのそういうことも当然真剣に取り組んでもらいたいと思うのですね。特に要望いたしておきます。
 それから、こういう大きな事故等も起きておる問題でございますし、そういう中で民間法人化して保安行政がまた一歩後退するのではないかと本当にみんな心配している。この点は大丈夫ですか。
#89
○黒田(明)政府委員 今回は、民間法人化に伴いまして国からの出資を引き揚げるというようなことがございますので、これを契機に資金面あるいは決算面におきまして行政的な介入を撤回するといったようなことを行うわけでございますけれども、その業務の実施面につきましては、引き続き従来と同様の体制で臨むわけでございます。また、大事につきましては、実質的な役員の選任制をとるわけでございますけれども、これについても公正確保というような観点から通産大臣の認可制をとるということにいたしておりますので、こういった面から後退はないものというふうに考えております。
 私どもとしては、むしろ、この高圧ガスの利用形態、利用企業あるいは各種の利用される技術、こういったものが大変に広がり、かつ変化が激しいものですから、高圧ガス保安協会の民間法人化によって民間におきます各種の知識、経験を吸収して技術的な基準を自主的に制定していくとか、そういった自主的な側面を強調することによって高圧ガス保安行政がより一層実のあるものになるように期待もし、指導もしていきたいというふうに考えている次第でございます。
#90
○近江委員 では、そういうことで特にこの保安という点について一層大きく前進できるように努力していただきたい、強く要望いたしておきます。
 次に、中小企業投資育成株式会社のことについて何点か聞きます。
 この会社は、投資事業のほか経営相談等コンサルテーション事業を行っておるわけでございますが、その事業内容はどういうものであるか。また、会社はそのコンサルテーション事業の実施に要した費用を手数料として徴収しておるわけでございますが、手数料は大体どのくらい徴収しておるか。また、今回の改正によって同社が民間法人化されることになるわけですが、そういうことを契機にまた手数料を値上げしようというような動きがあるということも聞いておるわけでございますが、むしろ中小企業のために値下げをする心構えが必要ではないか、このように思うのです。まずこの点についてお伺いいたします。
#91
○広海政府委員 お答え申し上げます。
 まず、コンサルテーション事業としてどんなことをやっているかという御質問でございますが、これは実は多種多様な事業をやっております。例えば企業経営の諸問題につきまして依頼を受けまして助言あるいは指導を行うというようなこともやっておりますし、また経営あるいは技術に関します情報の提供を求められまして必要な情報の提供を行うということもしております。それからまた、投資先相互のいわば異業種間交流と申しますか、そういう交流事業を活発にやっておりまして、実はこれは非常に評判のいい間接的なコンサルテーション事業ということになると思いますけれども、そういった交流会あるいは研修会の催しということをやってございます。
 なお、会社の方で依頼を受けまして企業経営につきまして助言あるいは指導をいたします場合に、手数料のお尋ねがございましたけれども、その手数料につきましては一切取っていないということでやっております。ただ外部の専門の、いいコンサルタントを紹介してくれというようなことがございまして、外部に紹介いたしました場合にはそういうこととして、外部の専門のコンサルタントはそれなりの費用を取るわけでございますので、その分は御負担をいただくということでやっている次第でございます。
#92
○近江委員 特に大阪中小企業投資育成株式会社は、近畿以西二十四府県と非常に広い地域を営業区域としておるわけでございまして、地域が広いゆえにいろいろな問題があると私は思うのです。例えば、遠隔地の中小業者の投資に関しまして実際の相談ができるか、こういう点等問題がございまして、こういう点につきまして、中小企業金融公庫、商工組合中央金庫、こういう各支店に相談窓口を設けて解決に当たっておると聞いておるわけでございますが、その相談内容と実績の概略についてお伺いしたいと思います。
#93
○広海政府委員 御指摘のとおり、非常に広い地域をカバーしてやっていただいているわけでございますが、今御指摘いただきました大阪社の場合でございますが、常勤の役職員の数が五十二名ということで非常に広い地域をカバーしてやっていただく、しかもその地域のできるだけ多くの中小企業者にこの制度を御利用いただく、こういう趣旨から、御指摘いただきましたように、中小企業金融公庫等の相談窓口をつくりましてそこで御相談にあずかる、あるいは直接ダイレクトメールを発しましてそれでこの制度の御利用をいただくといったような、積極的な活用をしていただくといういう面でいろいろな工夫を凝らしているというのが実情でございます。
 この相談内容につきましては、多種多様な相談があるわけでございますけれども、要するに、投資育成会社から投資をしてもらえないだろうかどうかといったような相談が中心でございます。
#94
○近江委員 今私が申し上げましたように西日本以西全部、また東京については東の方と非常に範囲が広いのですね。そうしますと、この辺の政府系の金融機関との連携ということが今後も非常に大事になってくると思うわけです。
 これは、投資育成会社とその金融機関との話し合いでやっておるわけでございますが、やはり政府として一つの政策としてさらにてこ入れをしてあげることが大事だと思うのですね。ということは、中小企業者にとって非常にそれがまたプラスになることでありますから私はあえて申し上げておるわけでございまして、民営化、そういう中で案外にそういう話し合いがむしろ疎遠になるのではないかという心配もあるわけでございまして、その点のジョイントといいますか、そういうバックアップについて政府はどのように考えておりますか。
#95
○広海政府委員 今回、臨調答申を受けまして経済的な自立化を図ることにしたわけでございますけれども、中小企業基本法に基づきますところの、中小企業の自己資本の充実に資するといった政策機関としての性格は何ら変わっていないわけでございまして、そういう意味からいたしましても、全国の中小企業があまねくこの制度を活用できるように今後ともしっかりと努力をしていきたい、このように考えている次第でございます。
 先ほど申し上げましたように、人員が限られているわけでございますので、みずからダイレクトメールをする以外にも、いろいろな政府系の金融機関等に窓口を設けまして相談にあずかるとか、あるいは地方公共団体あるいは商工会議所を通じましてこの制度のPRに努めるといったようなことをやってきたわけでございますけれども、今後とも、御趣旨を体しましてそういう方向でしっかり努力をしていきたい、このように考えております。
#96
○近江委員 この投資会社に対する期待というものは過大なものをかけてはいけないとは思いますけれども、しかしある意味では、これは中小企業に対する育成の政策の具体化、先兵としての政策上の役割を担っているわけですね。そういう点で、これは民営化になるといっても、やはり非常に大きな期待がかけられると私は思うのです。
 そういう点で、今後、資金だけではなく情報面でのそういうサポート等もさらに相談事業とともに充実させていかなければいけないと思いますし、そういう点ほどのように考えているか。あるいはベンチャービジネスというものの台頭が非常に目立つわけでございまして、そういう新規産業等に対する投資実績というものは一体どうなっているのか、今後の育成についてはどのように考えているか。いわゆる通産省がこの投資育成会社に期待しておる、そういうものがここに具体化されていかなければいけないと思うのですね。言うならば、その投資育成会社のビジョンというものは一体どのようなものを考えているか、その点をひとつお伺いしたいと思います。
#97
○広海政府委員 中小企業に対しますところの情報の提供あるいは相談事業、これを今後とも御趣旨を体しまして十分な努力を払っていきたいという点につきましては、先ほど申し上げましたとおりでございます。
 それから、ベンチャービジネスに対する投資の実績でございますが、御指摘のとおり、いわゆるベンチャービジネスと言われるような、小規模であっても将来性のある企業を育成するということは、中小企業政策上も極めて重要な課題である、このように認識しておりまして、投資育成会社におきましても昭和五十九年の一月から、独創的な技術に立脚したベンチャービジネスに対しまして積極的な投資事業を行うような基準を別途設けまして、それで今までやっているわけでございますが、これまでの実績といたしましては、十五社に対しまして四億八千万の投資をしているという状況でございます。
#98
○近江委員 中小企業というのは、今こうした急激な円高で、特に輸出関連産業等は非常に厳しい状況に立たされておるわけでございまして、今経済の大きな変動期、曲がり角にある、このように思うのですね。そういう点で、どう生きるべきか、これは大企業といわず中小企業といわず、今非常に真剣な取り組みを者やっておるわけでございまして、それだけにやはり、政府系の金融機関であるとかあるいはまたこういう投資育成会社等々、非常に大きなそれだけの役目を果たしておるわけでございます。そういう点で、暗やみの中の灯台といいますか、そういう希望を与える、またそういう支えになる存在でないといけないと思うのです。そういう点で大きな実績を上げてきたかというと、努力はしていただいておりますけれども、今後一層力を入れてもらわなければいけないと思うのですね。今後、このように民営化ということになって、実際のそういう存在というものが改めて見直され問われる時代に入ったわけでございますし、当初のそういう目的は何ら変わらない、こういう答弁もあったわけでございますし、今後一層努力をして、あとは投資育成会社が大きく貢献しておると言われるように成長してもらいたい。そのように政府がバックアップをしていただきたい。特に要望いたします。
 きょうは一遍に、仰せこういう一括法案でございますので、私自身もなかなか意を尽くした質問ができなかったわけでございますけれども、それぞれについて私の心配しておる点、また申し上げたい点を言いました。ですから、こういうことを今後一つの課題として、ただ答弁でその場だけ終わらせればいい、こういうことではなく、私が質問したことについてその後どうなったかとまたいろいろ聞きますから、しっかりとよくフォローして今後行政を進めていただきたい。その点を特に申し上げまして、時間がちょうど来たようでございますので、私の質問を終わりたいと思います。
#99
○野田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時二十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時一分開議
#100
○野田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。青山丘君。
#101
○青山委員 消費生活用製品安全法等の一部改正案、この法律の改正案の内容に入ります前に、私は、通産当局の行政改革に臨む姿勢、意欲、こういうものをまずお尋ねしたいと思います。
 と申し上げますのは、この法律案も臨調答申に沿って、行政改革の一環ということで出てきておるということであります。したがって、民間法人化をする、そういうことで各種の規制を緩和をしていったり、試験事務の民間委譲を進めていく、こうなってまいりますと、これまで通産省がやっていた仕事が相当軽減できるはずであります。したがって、この改正案の結果、通産行政の中でどれくらいの事務の軽減化、低減化、合理化というものができるのかということについて、また、どれぐらい期待しておられるのか、その効果というものがどれぐらい出てくるんだということをひとつまず聞かせていただきたいと思います。
#102
○鎌田政府委員 今回の法律改正でお願いしております点は二つあるわけでございます。一つは特殊法人等の民間法人化、活性化ということでございますし、もう一つは国家試験事務の民間委譲という点でございます。この両者につきましては、いずれも通産省内部における行政事務の簡素化にも貢献するものでございます。
 例えば特殊法人等の関係について申しますと、経理面あるいは組織運営面での監督・規制が緩和されるわけでございますので、そういった関係で事務が減少することになると思いますし、それから、関係省庁への協議というような事務が従来かなりあったわけでございますが、こういったものも大幅に減少することになっております。それから、国家試験事務の民間委譲ということにつきましても、相当な事務量の減少が見込まれておるわけでございます。現在、国家試験事務は本省並びに各通産局を使ってやっておるわけでございますけれども、これは季節的にある一時期に集中するという傾向はございますけれども、その時期だけとらえますと相当忙しい仕事になるわけでございます。それで、ただいま先生から御指摘ございましたように、これが量的にどの程度の行政簡素化になるのかというのは、定量的にはなかなか難しい側面があろうかと思います。
 ただ、私ども申し上げたいと思いますのは、通産省の抱えております行政課題というのは年々複雑化かつ増大化しているわけでございます。一方、定員の方は、政府全体の方針でございます定員削減というのがございまして、年々かなり減ってきているわけでございます。ちょっと数字を申し上げて恐縮でございますが、昨年度末、六十年度末の通産省の定員は一万二千六百七十二名でございますけれども。これを五十五年度末と比較しますと、千六十七人の減というようなことになっておるわけでございます。さらにまた、本年度は八十二名の定員減が予定されているわけでございまして、通産省の定員事情は大変厳しい状況にあるわけでございます。
 こういった、一方で職員の数が減らざるを得ないような状況の中で、ただいま申し上げましたように、年々複雑化かつ増大化する新しい行政需要に対応していく必要があるわけでございまして、今回の法律改正によって多少余裕ができます行政能力につきましては、そういった意味で、新しい行政需要に積極的に活用していきたいというふうに考えている次第でございます。
#103
○青山委員 新しい行政需要の増大のために定員増が避けられない、そういう中で、この法律改正によって事務の簡素化、低減化が進められる、定量的に一体どれくらいのバランスを考えておられますか。
#104
○鎌田政府委員 重ねての御質問でございますが、先ほど申し上げましたように、経理、業務運営面での監督・規制事務の減少、あるいは財政当局を初めといたします関係省庁への協議事務の減少、あるいはまた試験事務の大幅な減少等あるわけでございます。そういった意味で、定性的にはただいま申し上げたような格好になるわけでございますが、定量的な把握ということになりますと、正直申し上げましてなかなか難しいということだと思います。
 ただ、いずれにしましても、先ほど申しましたように本年度中に八十二名の定員減が一方で予定されているわけでございますので、そういった中で今回の行政改革の成果は活用させていただくということになると思います。
#105
○青山委員 私は、直ちに低減化していくというふうには見ておりません。と申し上げますのは、後で触れますけれども、新しい民間法人化されたところがこの法律の趣旨にのっとって円満にといいますか順調に動き始めれば、それはそのまま低減化したということになるのでしょうが、当初は行政指導面でいろいろと配慮もしていただかなければならない点もあります。しかし、せっかくの行政改革の一環として一定の成果だけはやはり上げていただきたい、こういうことをまず申し上げておきたいと思います。
 次に、今回行われる民間法人化というのは一体どういう意味を持つのかということですが、臨調答申によりますと、その事業が制度的に独占とされていないということ等々、自立化の原則というものが述べられております。すなわち、その条件を備えたものを民間法人化する、こういうことになると思いますが、今回の措置によって役員や財務関係で規制が相当緩和されていく、あるいはまた今まで総務庁のチェックの対象としておったけれどもそれから外れていくというようなことになってまいりますと、通常の特殊法人とは違ってくる、こういうことになっておりまして、民間法人化する、その段階では少しわかったような気がするのですね。ところが、いずれも特殊な法律を根拠にして設立されているものでありますから、通常の特殊法人とさてどこが違ってくるのか、こうなってまいりますと、なかなか困難な、明確に規定しにくい点が多々あるであろうと思うのです。
 結局、民間法人化された機関のこれからの事務の運用が円滑に進んでいくのかどうか、そういう意味で今私が尋ねたのも関連があるわけであります。実際問題、その運用の進め方に対して通産省としての行政指導といいますか対応といいますか、方針をひとつぜひ聞かせていただきたいと思います。
#106
○鎌田政府委員 ただいま先生から御指摘賜りましたように、民間法人化の意味でございますけれども、これは臨調答申の中でうたわれているわけでございます。基本的な考え方は、政府資金依存体質から脱却いたしまして経営を自立的に行い得るようにするということでございまして、そのメルクマールと申しますか基準といたしまして、ただいま先生から一部御紹介がございましたように、その事業が制度的に独占されてないこと、あるいはまた国等からの出資が制度上、実態上ないこと、あるいはまた役員の選任が自主的に行われること、あるいはまた経常的に運営費を国からの補助金に依存してないことというようなことがうたわれているわけでございます。今回民間法人化をお願いいたしております私ども所管の六法人につきましては、こういった基準に従って民間法人化するわけでございます。
 ただ、こういった法人というのは公共性の非常に高い業務をやっているわけでございますので、そういった業務面、業務遂行上からくる政府の監督・規制というのは従来どおりやっていく必要があるわけでございます。今回の民間法人化というのは経営面における自立化ということでございまして、資金面あるいは組織運営面、これは役員の選任等含めてでございますが、そういった面では自主的かつまた機動的な運営ができるような体制を十分確保していくことだろうと思っております。そういった気持ちで私どもも運営に当たっていきたいというふうに考えておる次第でございます。
#107
○青山委員 趣旨は大変よく理解できますが、同時にこれはなかなか困難な問題を抱えていくわけです。今回の対象法人の中には、国民生活の面で非常に大事な保安あるいは安全の確保といった、今おっしゃられたような極めて公共性の高い業務をその主たる任務としているわけであります。例えば高圧ガス保安協会あるいは製品安全協会というところでは、今回の措置によって各種の規制が緩和されてまいりますし、独立採算制が原則となってまいります。そうなりますと、当然企業経営的な色彩を強く持っていかざるを得ないということになってまいること、その点では私はいいことだと思っているのです。企業経営的色彩はやはり一定の段階まで強めていかなければいけない。しかし同時に保安対策であるとか安全対策であるとか、こういったものはさらに強化していっていただかなければならぬのではないかという要請もまた国民の中にはあります。そうしますと、これは非常に相入れない困難な問題をいよいよ内包してくるわけですから、この相反する矛盾といいますか、相反するものを行政指導でどのように対応していくのかということがこれから非常に難しい問題として出てくる、私はその辺の決意をひとつぜひ聞かせていただきたいと思います。
#108
○鎌田政府委員 ただいま先生からお話がございましたように、今回民間法人化されます特殊法人は、国民の生命、安全等に関連いたします極めて重要な公共性の高い仕事をやっているわけでございます。こういった業務というのは今後ともますます重要性を帯びてくるわけでございまして、そういった意味におきまして、これら法人の行政上の重要性というのは今後いささかも減ずることはないというふうに考えているわけでございます。
 先ほども申し上げたとおりでございますが、今回お願いいたしております法律改正というのは、こういった法人の経営的な自立化を図るということでございまして、企業性と公共性との調和をどうやって図るか、確かに先生御指摘のとおり大変難しい問題があるわけでございます。この点につきましては、先ほどもちょっと御説明申し上げましたけれども、経理面、組織運営面の監督・規制につきましては、経営面における自主性を確保するということで大幅に緩和させていただいているわけでございますけれども、業務の中立、公共性を確保するために必要な業務遂行上の監督事項につきましては、従来どおり引き続き確保するという形にさせていただいているわけでございます。
 法律改正が実現しました暁には、先生御指摘のとおり、企業性と公共性との調和という点に十分配慮いたしまして指導運営に当たってまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#109
○青山委員 今回の措置によって独立採算制がとられる。しかし、それは企業の収益ばかりに配慮してもらっていくと国民生活に重大な影響が出てきてもいけない。問題は、この措置がとられる法人の受けとめ方ですね。その体制を十分整えてきたということであろうかと思いますけれども、後でまた試験事務のところでも少し触れさせていただこうと思いますが、このあたりがなかなかこれから大変だと思うのです。今回の措置によって法人の事業運営がその事業収入で賄われていく、国の補助金には依存しないということになってまいりますと、これは法人の役員の経営責任が非常に問われてくる。そのことは同時に、企業に活性化が出てくるということで、大枠において私はいいことだと思っているのです。
 ただ同時に、例えば製品安全協会の例をとってみますと、国の補助金の割合が非常に高い。これを検定料で賄っていこうということになりますと、相当な企業努力をしていかないと、そのまま検定料に全部はね返ってしまっては大変なことになる。特に、この検定を受けようというような製品は、中小企業のメーカーによってつくり出された製品が非常に多いのではないかということを私は心配しておるのです。そうなってきますと、検定料が著しく上がってきてそして独立採算制が維持されたということでは、せっかくの安全マークの信頼性というものについても相当後退せざるを得ない考え方が出てくるではないか。そうなってくると、収益力、つまり検定料のアップと安全マークの信頼性というものが今度は計算されるようなことになっていってしまったら、賠償つきでない製品が市場に出回ってくる、こういうことになってはいけない。製品に対する信頼性をなくしていっては、国民経済全体に与えるマイナスも極めて大きいというふうに思います。したがって、こうした法人の経営基盤というものをどうして強めていくのか。内部でやりなさい、ただそれだけでは私はいけないのではないかと思って御質問申し上げるわけであります。その辺はいかがでしょうか。
#110
○松尾(邦)政府委員 先生御指摘になられましたように、製品安全協会は国民の生命、身体の基本にかかわる業務をいたしているわけでございますので、今後、民営化後におきましても、製品安企業務が的確、公正かつ中立的に行われることが必要だとは思っておりまして、そのためには、私どもとしても種々万全を期すための手だてをいたしたつもりでございますが、特に、お尋ねの民間法人化に伴います協会の経営的な基盤という点につきましては、御指摘のとおり、現在この協会につきましては補助金の占めるウエートが収入面において大変高いわけでございますけれども、今般の民間法人化に伴いまして補助金を廃止いたしましても、協会の経営基盤に支障が生ずることのないよう、具体的に種々配慮いたしております。
 具体的に申しますと、一つは協会の経営努力の喚起を図る点であります。先生の御指摘もございましたが、もとより協会自身の経営の効率化も必要でございますけれども、あわせていわゆるSGマークの貼付品目の数をふやしてまいる。現在五十九品目についてマークを貼付しており、十三品目について準備中でございますけれども、このようなSGマーク貼付品目の拡大を図る。また、貼付枚数も、五十九年度の実績ですと七億五千万枚程度でございますけれども、今後この貼付枚数につきましても、経営努力によりましてできる限り拡大を図ってまいる。さらには、製品安全にかかわる関係各界への啓蒙、普及等のためのセミナーの開催等、多角的、積極的に事業に取り組んでいくことを、私どもとしては協会に求めているわけでございます。
 他方、現在国にかわりまして協会が実施いたしております特定製品の、御指摘のございました検定などの事務につきましては、この法案の施行日以降はこれを民間団体へ委託するということになるわけでございますけれども、委託に伴います所要の委託費につきましては、本年度の予算に計上いたしておるわけでございます。そして、これまでの実績等を踏まえて考えてみますと、当面この委託業務につきましては製品安全協会へ委託することになると考えられるわけでございます。したがいまして、このような協会自身の経営努力、それから従来の実績等を踏まえて考えますと、補助金の廃止がありましても直ちに、御懸念されましたような検定の手数料を引き上げなければ協会の経営基盤に支障を生ずるといったような事態にはならないと考えております。
#111
○青山委員 ただ、国庫補助金が今度は委託料に変わったということだけであっては何にもならない。七億七千万ぐらいの収入の中の約二億が国庫補助金ということですから、相当なウエートを占めているわけですね。この点をひとつみずからの経営努力でできるだけ捻出してもらわなければならない。さりとて、手数料、検定料のアップでこれが賄われていくようではいけない。それはもう委託料で賄われていくというそのままのトンネルでは何にも意味をなさないのではないか。ただしかし、いささか性格が違うということで民間法人化されることになるんだというふうな理解でしょうか。御所見をもう一回お聞かせいただきたい。
#112
○松尾(邦)政府委員 先ほど申し上げましたように、製品安全協会の経営基盤につきましては、協会自身の経営努力でSGマーク貼付品目あるいは貼付枚数の拡大努力等々、みずからなすべき業務、積極化すべき業務が多々あるわけでございますけれども、先ほど委託費につきまして見通しを申し上げたわけでございますけれども、これは今回の民間法人化に伴いまして経営の効率化あるいは活性化を図る刺激剤になるということを踏まえて、協会が切磋琢磨することによって初めてこの委託費も交付対象になり得るということになるわけでございます。したがいまして、いたずらに従来のままの姿が続くということではなく、協会の関係者も考え方を一新いたしまして、この民間法人化の趣旨が十分生きますよう、かつまた、直ちに民間法人化に伴います苦しみをいたずらに手数料等、民間企業の方にツケ回しをすることのないよう、厳正かつまた積極的な経営態度で臨んでもらうように、今後とも私どもとして指導、配慮いたしてまいりたいと考えております。
#113
○青山委員 次に、中小企業投資育成株式会社法の改正についてお尋ねしたいと思います。
 今回の法律改正によりますと、東京、名古屋、大阪の中小企業投資育成会社が民間法人化される。民間法人化されても基本的には、中小企業の自己資本の拡充、こうした中小企業基本法第二十五条の政策実施機関としての性格は変わらないであろうと思います。中小企業投資育成会社においてもその決意で臨んでおられるようなんですが、しかし、本法の趣旨が逸脱されることのないような行政指導といいますか対応といいますか、どのように中小企業庁は考えておられますか。
#114
○広海政府委員 今回の民間法人化は、基本的には臨調答申等の趣旨を踏まえまして会社の経済的な自立化を図ろうとするものでございますけれども、これは先生御指摘のとおりでございまして、中小企業の自己資本の充実を促進するための政策実施機関としての投資育成会社の性格は何ら変わるものではないわけでございます。したがいまして、民間法人化後におきましても、会社の基本的枠組みにかかわる事業規程あるいは定款等につきましては引き続き認可制を存続させることとしておりますし、さらに一般的な監督命令規定も従来どおりとしておりまして、これらの措置によりまして会社の中立性の確保あるいは中小企業基本法第二十五条の趣旨が全うされますように、万全を期していく所存でございます。
#115
○青山委員 中小企業投資育成会社は、これまで中小企業の資本の拡充のために資本投資、それから投資先企業の経営が安定、強化されるためのコンサルティング事業、この二つをやってきておるわけですね。今回これで改正されてまいりますと、また新株引受権がついている社債に対する投資も認めていこう、こういうようなことになって、私は一定の評価をしていきたいと思っているのです。そういうことによってやはり、これまであったような業種の規制をできるだけ撤廃していく、あるいは投資基準というのがあって、その基準が余り弾力的でないというようなことがあってはいけませんし、そういう点で投資事業をもっと活発にやっていっていただきたいと私は思います。そのあたりの見解はいかがでしょうか。
#116
○広海政府委員 今回の投資育成会社の民間法人化に当たりましていろいろな規制の緩和をしているわけでございますが、御指摘のとおり、第一点といたしまして対象業種の制限の撤廃というのがございます。これは当初は財源も限られていた、かつ、国の資金も相当入っていたということで、できるだけ重点的にやっていこうということで対象業種を制限していたわけでございますが、今回の民間法人化に当たりまして、その制限を撤廃したというのが第一点でございます。
 それからまた、これも御指摘のとおりでございまして、いわゆるワラント債と申しますか、新株引受権付社債の導入も図るというようなことで、投資育成会社の事業活動がこれまで以上に積極的かつ機動的に行われるよう配慮している次第でございます。
 さらにまた、御指摘の投資基準につきましても、これは株式を公開する意思があることを前提といたしまして、当該対象企業の成長性、収益状況あるいは自己資本充実の必要性といったような点につきまして幾つかの選定基準というものがあるわけでございますが、これにつきましても、民間法人化の趣旨に沿いまして弾力的に運用するよう検討していきたい、このように考えております。
#117
○青山委員 ぜひこの投資事業をもっと拡大して、積極的に推進していただきたいと私は思います。
 それから、ベンチャービジネスというのがありますが、これは資金の調達から、人材を確保していくことから、なかなかいろいろな問題を抱えております。中小企業投資育成会社からもベンチャービジネス育成のための相当な投資がなされてきておるわけですが、この実績というものはどれぐらい上がっているのでしょうか、これが第一点。
 それから、中小企業投資育成会社は、ベンチャービジネスの振興のための投資だけではなくて、機動的な事業展開ができるような体制をつくり上げていくような、そうした行政的な指導もまた必要だと私は思うのです。その辺の決意はいかがでしょうか、取り組む姿勢はいかがでしょうか。
#118
○広海政府委員 一般的にベンチャービジネスと言われておりますような小規模でありましても将来性のある企業、これを育成していくということは中小企業政策上も極めて重要な課題であると考えておりまして、このような趣旨から、投資育成会社につきましても、昭和五十九年から、一定のベンチャービジネスに対しまして特別の投資基準、緩和した形の投資基準を設定いたしまして、これに対します積極的な投資事業を行っている次第でございます。
 それで、その実績でございますが、五十九年一月からこの制度を発足したわけでございますが、これまでに累計で十五社、四億八千万投資してございます。
 それから、御質問の第二点のベンチャーを含めました機動的な事業展開、これをどのように考えているかということでございますが、先ほども申し上げましたように、対象業種も特に制限を設けないようにした、それからまた、ワラント債も投資の対象にするということで、多様な投資ニーズに対応できるようにしたという点もございますし、それから、先ほど申し上げましたように選定基準も弾力化していくというようなことで、今後とも機動的な事業展開、これを一層図っていきたい、このように考えております。
#119
○青山委員 中小企業の活性化、力をつけていくために一定の役割を果たしてきておると私は思いますし、ぜひひとつ体制を強化していくための、ベンチャービジネス育成のための対応も取り組んでいただきたいと思います。
 それから、今回の改正によって中小企業投資育成会社が民間法人化されることによって、公共性の追求はもちろんでありますが、事業性をも相当強く追求されていくことになります。したがって、事業性を追求する余り、優良な中小企業にしか投資をしない選別投資ということになっていくのではないか。もちろん、これは今日までも将来性を考えた一定の選別投資であったといえば、それも私は理解します。しかし、さらにそれが強くなっていってしまっては、民間法人化していく本来の趣旨から逸脱していくような心配を私は持っています。そういう意味で自主的な努力を期待をするのですけれども、一定の支援もしていかなければいけないというふうに理解しております。
 そこで、営業区域の中の中小企業の自己資本の充実と経営力強化を目指して積極的な営業活動を展開するということで投資育成会社も決意を持っておりますが、中小企業庁としては側面からどのような支援をしていかなければいけないというふうな理解をしておられますか。
#120
○広海政府委員 民間法人化いたしましても、中立性、公共性を確保していかないといかぬという点はおっしゃるとおりでございます。したがいまして、今後とも中小企業の自己資本充実のための政策実施機関といたしまして、たとえ小規模な企業でありましても、将来健のあるものにつきましては積極的な投資を行うなど、公平かつ中立的な事業運営が行われますように、各種の規制あるいは監督に関します諸規定を活用いたしまして指導してまいりたい、このように考えている次第でございます。
 それから、今後そのような方向でどういう支援をしていくかというお尋ねでございますが、この制度が発足いたしましたのは昭和三十八年でございますけれども、それ以来民間あるいは地方公共団体からの出資が相当出てきておりまして、資本金も相当ふえている、それからまた今までの蓄積が実りまして内部留保も相当ふえてきているということで、国からの出資は全部で十億五千万あったわけでございますが、それを消却してもなおかつ経営基盤はむしろ非常に安定増強されてきているという状況にあるわけでございます。
 それで、今回民営化に当たりまして、中小企業者の多様なニーズに応じられますように事業範囲を拡充した、それから会社の自主性が十分発揮されますようにいろいろな規制を抜本的に緩和した、こういうようなことでございまして、こういったことがこの会社のより積極的な投資活動に寄与していくのではないか、このように期待しているところでございますが、なお資金に不足が生じました場合には、今までどおり中小企業金融公庫から融資ができるという道は残してございまして、必要なときにはまたそちらの方から資金的な融通をしていく、このように考えております。
#121
○青山委員 次に、試験事務の民間委譲について二、三お尋ねしたいと思います。
 今回措置されます民間機関へ委譲される試験事務に関する資格というものは、いずれも公審、保安に関するものでありまして、本来のこの制度の意義、目的、こういうものに照らして考えてみますと、やはり基本的には相当慎重に扱われなければならないと思います。そういう点では、臨調の指摘を受けてから相当な年月を要して、具体的には約三年を要してこうした措置がいよいよなされる、試験の事務を民間に委譲していこう、こういうことになってきております。準備にこれだけの期間がかかってきた理由はどのあたりにあるのか、これが一つ。また、これから試験はやはり厳正かつ公正に実施していただかなければならないのでありますが、民間機関に試験の事務を委譲するわけでありますから、その民間機関の体制というものはどうか。それから試験の内容も今までと余り大きく変わらないのか、いささか変更が出てくるのか。この諸点についてお尋ねをいたしたい。
#122
○黒田(明)政府委員 青山委員御指摘のとおり、私どもが関係いたしております国家試験の民間委譲につきましては三年間の期間を要したわけでございますが、これには私ども固有の事情がございました。この公害と保安に関する試験を委譲するにつきましては、想定する団体があるわけでございますが、この団体に委譲いたします場合に、受験者に迷惑をかけないこと、そして的確な試験事務が実施できることといった観点から、臨調答申をいただいた段階で私ども判断いたしまするに、まだ体制が不十分であったということでございます。その後、各地におきましてこの体制づくりをやってまいりまして、ようやく今の二つの原則に従いまして十分な試験実施が委譲できるということになりましたので、今回委譲しようとするものでございます。
 試験の委託を受ける民間機関の体制でございますが、今触れましたようにそれぞれの地区、地域におきます事務所等の整備を行ってまいっておりまして、そういう意味では地域的な展開という観点から申しますと、現在実施しているのとほぼ同じ体制で実施ができるわけでございます。
 なお、内部体制につきましては、今回の法律案で提案いたしているわけでございますけれども、指定試験機関制度をとっておりまして、この指定機関となるためには欠格事由でございますとか指定要件等がございます。この要件に従うものでなければなりませんし、その上に、現在国で行っております場合に、試験の判定に関するものは公正な第三者ということで学者を中心に試験委員を任命いたしてやっておりますけれども、こういった制度も今回の法律に導入いたしておりますし、試験実施規程などについても認可制をとるというような措置を講じているわけでございます。
 また秘密漏えいの問題につきましても、こういう団体の役職員及び試験委員については秘密遵守義務を課し、また刑罰の適用についてはみなし公務員制度をとるというようなことをやっておりまして、公正な試験実施についても遺憾なきを期しておるところでございます。
#123
○青山委員 体制は整った、試験の内容も大きな変更はなさそうだと理解してよろしいですね。
 試験事務の委譲を受けます民間機関は、この実施については独立採算制で行うことになると思いますが、その場合受験料は今までと同じなのか。また、先ほども申しました資格制度の意義、資格制度の目的、こういうものを考えてまいりますと、過大な受益者負担となるようではいろいろな問題を惹起いたします。このあたりの見通しをひとつ聞かせていただきたい。
#124
○黒田(明)政府委員 試験実施の体制及び試験内容については、ほぼ現行の体制、内容で施行することになるということで結論づけてよろしいかと存じます。
 手数料でございますが、現在まだ最終的な算定ができていないわけでございますけれども、従来国等の予算で手当てをされていたもの、いわば国がかぶっていた費用というものがございます。したがいまして、その試験を民間団体に委譲いたしまして独立採算で計算をいたします場合に、ある程度の値上げとなることは避けられないと考えております。ただ、受験手数料は実費を勘案して政令で定めるということにいたしておりまして、内容的には実費ということでございますので、当該試験事務を行うに要する経費を厳正に算定して設定いたします。また、手続的には政令ということでございますので、政府が責任を持って決めるということになります。
 この資格制度の意義に照らして、そういった手数料が上がることはいかがかという点でございますけれども、確かにそういった点についてはできるだけ低い方がいいわけではございますけれども、現在の諸情勢から考えますと、適正負担ということについては、この資格を取ろうとする人たちに負担をしていただかざるを得ないというふうに認識いたしております。
#125
○青山委員 巷間、現行の一・五倍ぐらいになるのではないかというようなことが伝えられておりますが、現在、その見通しはどうでしょうか。
#126
○黒田(明)政府委員 そのような数字が出てまいりますのは、恐らく、これまでに同種の試験事務が民間に委譲されているわけでございますけれども、その実績から見ますと、大体下は一・五倍、上は二倍程度の値上がりになっているという事実がございます。そういった実例は本来それぞれの間には関係がないわけでございますけれども、従来とも手数料については国の方で一つの算定を行ってきておりまして、そういった算定方式が民間に委譲されました場合に今のような値上がりにつながる、こういうことで事実がそういうことになっておるものですから、私ども最終的にそうなるという計算には至っていないわけですけれども、そのような考え方がうわさされるのではないかと思います。
#127
○青山委員 当然のように値上げせざるを得ないという一面もあります。しかし、できるだけ手数料を抑えていくというのも実は行政改革であります。制度だけ移行させて、後は関与できないというような態度は私は好ましい態度だとは思わない。したがって、できるだけ低減化のための努力をするという決意もひとつぜひ聞かしていただきたい。
#128
○黒田(明)政府委員 実費を勘案して決めるわけでございまして、この点については厳正に計算していきたいと思います。
#129
○青山委員 臨調の答申は受けておりませんけれども、まだ通産省が国家試験として事務を行っていきます、例えば計量士、航空工場検査員、鉱山等の保安技術職員、あるいはまた弁理士、こういったところがまだ国家試験として残されております。このあたりと、今回民間に試験事務が委譲される資格制度との格差、乖離といいますか相違点をどのように理解しておられますか。
#130
○鎌田政府委員 行政事務簡素化の観点からいたしますと、試験事務につきましては極力民間団体に委譲するということが望ましいわけでございます。ただ、これにも一定の制約があるわけでございまして、幾つがその制約を申し上げますと、一つは、適切な引受団体が存在することが必要でございます。国家試験でございますので、ある程度全国的な展開が必要なわけでございますが、そういった中で的確に試験事務を代行できる引受団体が存在することがまず必要でございます。
 それからもう一つは、民間団体で実施いたしましても、受験者数が採算に乗る程度に多数あるかどうかという問題があるわけでございます。先ほど先生の御指摘がございました例えば航空工場検査員というようなもの、これは年間の受験者が三百人から四百人程度でございまして、こういうのは経済単位にならぬわけでございまして、民間団体に委譲できないということになるわけでございます。
 それからもう一つは、事務がなかなか定型化できない性格のものがあるわけでございます。この例といたしましては、先ほどのお話の中では弁理士試験というようなものがこれに当たるのではないかと思っております。
 なお、ちょっと後先になりますが、先ほど先生が御指摘になりました鉱山保安技術職員あるいは計量士、こういったものについては適切な引受団体が存在しないということが制約になりまして、当面試験事務の民間団体への委譲はできない、こういう事情にあるわけでございます。
#131
○青山委員 次は、日電検について数点お尋ねしたいと思いますが、日電検の労使関係というのが余り良好でなかったというふうに私は聞いているのですが、通産省はどのように理解しておられましたか、また経営側に対してこれまでどんな対応といいますか指導といいますか、してこられましたか。
#132
○逢坂政府委員 先生お尋ねの検定所の労使関係につきましては、昭和四十年代の後半ごろ、第一次オイルショックその他の関係がございまして、検定所の経営の悪化もありまして、労働条件をめぐりまして労使間で対立があったというふうに聞いております。その後、通産省といたしましては、検定所の本来の業務であります検定業務などが適正に実施されなければならないという観点から、経営者側を指導いたしまして、最近では極めて正常化されているというふうに聞いております。近年は特にその関係はよくなっておるというように認識しております。
#133
○青山委員 日電検がこれで民間法人化されていく、自立化していく、こういうことになってまいりますと、労使双方ともに相当な意識改革が必要だということも私は聞いているのです。もちろん、自立化していくことによって経営責任を今度は問われていくわけですから、ある意味では活性化につながっていい面も出てくるに違いない。しかし、相当な意識改革を必要とするということになってまいりますと、それなりの対応といいますか、指導が必要であろうと私は思いまして、その点では資源エネルギー庁はどのように考えておられますか。
#134
○逢坂政府委員 今回の民営化に伴いまして、検定所は自主的な経営を行うという方向に進むわけでございます。通産省といたしましても、検定の業務が適正に行われるように十分経営者側を指導してまいりたいと思っております。
#135
○青山委員 日電検についても近代化、合理化の余地が極めて多いであろうということを私は聞いておりまして、今後民間法人化されるということになってまいりますと、従来と異なった民間企業としての発想、思考、創意工夫、合理化努力、そういうものがやはり必要になってきます。この点では民間会社が持っておるものをひとつ十分学んでいかなければならないと私は思いますが、今後の合理化、近代化計画についてお持ちであったら示していただきたいと思います。
#136
○逢坂政府委員 検定所は三十九年当時は約千三百余名の職員で年間六百万個をやっておりました。しかし、その後自動検定装置などを導入いたしまして合理化、近代化を図ってきました結果、現在は一千百名程度の職員で一千万個の業務をしております。したがいまして、かなり自動化、効率化が図られてきつつあります。
 なお今後につきましては、先生御指摘のようにますます民営化という、これは民間の感覚でという御趣旨だと思いますが、その辺を取り上げまして近代化を図っていくということを期待しておるわけでございます。私どもといたしましても、業務が効率化され、近代化されて円滑に進むように指導してまいりたいと思っております。
#137
○青山委員 ちょっと抽象的な答弁ですけれども、労使関係がうまくいかないということによって国民経済、国民生活に重大な波紋を投げかけるようなことはあってはいけない。これは、組合側も問題があるでしょうし経営側にも問題がある。今から数年前、たしか五年ぐらい前でしたか、そんな問題が表に出て非常に苦々しい思いを私はした記憶があります。民間法人化いたしますと、そんなことはとても許されない、そういうことになってきますので、よほどの決意を持っていただかないといけないという気が実はいたしました。
 それからもう一点は、電気計器の型式承認や基準器の検定・検査、これは民間法人化されても検定所にだけ行わしめる、こういうことのようですが、これは臨調答申に言う民間法人化のための要件を充足していることになるのかどうか、その辺の見解はいかがでしょうか。
#138
○逢坂政府委員 先生御指摘の型式認可、基準器の検査の件でございますが、これは計量制度の根幹をなす非常に高度な行政処分性を有する分野でございまして、これに市場原理といいますか、それを導入して競争させるようなことをやるのは直ちには難しい、妥当でないという分野であると考えております。今回、検定は民間法人に行わせることにいたしましたし、それから型式承認そのものではなくて、承認にかかわる試験につきましては民間法人に行わせる仕事といたしました。これによりまして独占性を排除するということで、非常に重要なところは検定所が行う、若干幅を持たせたところで民営化のところを幅を広げた、競争原理のところを広げたということでございます。
#139
○青山委員 次に、電源開発促進法の一部改正についてお尋ねしたいと思います。
 政府持ち株比率を三分の二に低減化していこう、こういうことですが、その意義というものはどのように理解しておられるのか、また、どういう目的を考えておられるのか。また、政府持ち株比率を下げることが打ち出されておりますが、これはどのような手順で、どのような方法で、どれくらいの年月をかけて低減化していこうと考えておられるのか。その方針を明らかにしていただきたい。
#140
○山本(幸)政府委員 現在、電源開発株式会社の政府の持ち株比率は七二・四%でございますが、今後漸次これを減らしていこうということでございます。何のためにするかということでございますが、やはりできるだけ電発について全体的に民営の会社に近い形に持っていこうということで、民間の株式がふえることによって企業マインドの浸透が図れるのではないかということでございまして、これはほかの制度と相まって、全体的に電発の活性化に役立つものというふうに考えております。
 三分の二とすることの意味でございますが、やはり電発につきましては、エネルギー政策の国策遂行機関として非常に重要な機関でございますが、そうした国策遂行機能を担保するという意味から、商法上特別議決権があります三分の二の株というのを国が確保したいということでございまして、特別議決権の内容としては、例えば定款を変更する場合、あるいは役員を解任する場合、あるいは減資をする場合等々でございますが、これにつきましてはぜひ政府の持ち株比率を確保したいというふうに考えております。今後これの持っていき方でございますけれども、具体的には細部は検討いたすわけでございますけれども、時期的には、六十一年度中にもその一部を譲渡して、四、五年の間に先ほど言いました三分の二まで落としたいというふうに考えております。その実際の譲渡の価格とか、あるいは相手先等々につきましては、今後関係の審議会等の席でも十分議論していただきたいというふうに考えております。
#141
○青山委員 政府の持ち株比率が七二・三六%、これを今回は六六・六七%に低減化をしていく、そして民営化を進めていく、こういうことですけれども、法律的には五〇%を超える政府持ち株数であればよろしい、こういうことですから、定款変更の三分の二、こういうことが基準になっているのであろうと思いますが、このあたりとNTTあるいはJAL、日本航空あたりとの兼ね合いというものは何か考えておられますか。
#142
○山本(幸)政府委員 先ほどお答え申し上げましたとおり、電発の場合には、エネルギー政策につきまして、一種の国策の遂行機関ということで積極的な意味づけをいたしておるわけでございます。
 NTT、日航につきましては、私も詳しくは存じませんけれども、やはり国の関与というのは、こうした機関の事業運営が公共性を持つということから、国の株式保有の割合を決めているのだろうというふうに考えます。この場合には、むしろ特別議決に対する拒否権を発動できるという趣旨で三分の一以上持つということのようでございますけれども、私どもといたしましては、むしろ電発の持つ国のエネルギー政策のいわば中核的な機関であるということから、先ほど言いましたような特別議決権を行使することのでるるその比率ということで、三分の二が適当であろうというふうに考えたわけでございます。
#143
○青山委員 今の点については、また今後恐らく議論の対象になってくる問題だと思います。しかし、今回ひとまずそういうところで進まれるんだなというふうに理解いたしましょう。いたしますが、今後の持ち株比率の問題は必ずまた出てくると思いますから、その段階でもぜひ触れていきたいと思います。
 それから、政府持ち株を放出していく、その放出先を電力九社に決めていかれるというふうに聞いております。実はこの問題は、一部聞きますと、金融機関であるとか重電機メーカーであるとかというような産業界にも放出してはどうか、すべきじゃないかというようなことも聞いているのですが、放出先を電力九社に限ってきた理由はどのあたりにあるのでしょうか。
#144
○山本(幸)政府委員 株式の売却の方法、相手先等につきましては、今後さらに具体的に議論をしていくという段階ではございます。ただ、先生御指摘のように、私ども基本的な考え方といたしましては、やはり九電力がその株式の引き受け先としては最も適当ではないかというふうに考えております。
 その理由といたしましては、電発は九電力に対して電気を卸売いたしているわけでございますけれども、一昔前のように、電力が量的に足りないということで、電源開発をすればするほどいいという時代ではございません。九電力との非常に密接なハーモニーのもとに電源開発を行い、また広域運営ということを考えましても、各九電力との十分な意思疎通あるいはその協力関係というのが重要であろうというふうに考えておりますので、先生おっしゃいますように、九電力を株式の保有先とするのが最も適当かというふうに考えております。
#145
○青山委員 それは現時点での見解であろうと思いますが、将来については外部持ち株の導入といいますか、外部持ち株の面も考えていかれるのか、将来にわたっても全くその意向はないと考えておられるのか、その辺の御見解はいかがでしょうか。
#146
○山本(幸)政府委員 電源開発株式会社は現在無配でございます。将来これに配当をできるようにいろいろ考えておりますけれども、その場合でも恐らくそう大きな比率の配当はできないだろうというふうに考えております。
 そういう意味から、一般の電力会社以外の方々で、この会社について特に株主になりたいという方々がどのくらい出てくるかという問題かと思いますが、先ほど先生がちょっとお触れになりましたように、若干別の考えで、例えば電源開発株式会社の株主になればそこから直接電気の供給が受けられるか、これはいわゆる直接供給の問題でございますが、株主としてのそういう権限が行使できるかというようなことでもし株主になりたいという事情がございましたら、それは私ども電力政策上の観点から非常に難しいと思っております。しかし、先ほど言いましたように、実際電力会社以外の方々でそういう電発の株を持ちたいという向きがどのくらいあるかということも今後見ながら将来検討していきたいというふうに考えております。
#147
○青山委員 この法律改正というものは、電源開発を進めていく、電源開発株式会社の機能をさらに活性化していく措置なんだということですけれども、そのことによって日本のエネルギー政策の中で電源開発株式会社が果たしていく役割、九電力との兼ね合いというものをどのあたりに置いておられるのか、役割分担についてどのように理解しておられるか。
#148
○山本(幸)政府委員 電発の役割でございますけれども、従来九電力というのは地域的に分割されておる、あるいは私的な企業であるといういろいろ限界もございますので、そうした九電力の限界といいますか、その性格を補うものとして広域的な電源開発をやってきたわけでございます。さらには、私企業としてはなかなかリスクが負担できないというようなプロジェクト、大型の研究開発ということを行ってまいったわけでございます。今度この法律の改正をいただきました場合に、その事業活動については一層活性化をするということでコストマインドあるいは企業意識を持っていただくということでございますけれども、我が国の電気事業全体の中に占めるその役割というものは同様であろうというふうに考えております。今後とも、例えば原子力の新型転換炉、ATRでございますが、その建設とか大型の輸入石炭によります石炭発電所の建設あるいは新たな石炭利用技術の開発等々につきまして、電発が重要な役割を果たしていくというふうに考えております。
#149
○青山委員 今お述べになったことは、長期的な事業として考えておられるというふうに受け取ってよろしいでしょうね。
 それから、電源開発の発電量というのが今のところ全体の発電量の六・二%、約一千万キロワット程度であるというふうに理解しておりますが、このシェアで九電力の量的な補完が全うされるというふうに理解しておられますか。今のお話ですと、もう少し事業量を拡大していかないといけない。具体的に、長期的には今の石炭火力であるとか新しい技術を開発していくとか原子力のATRの開発をしていくとかいうことだというふうに私は理解するのですが、事業量の拡大についての御見解はいかがでしょうか。
#150
○山本(幸)政府委員 電源開発株式会社の設備能力は、今先生御指摘のように約一千万キロワットでございます。この評価でございますけれども、これは決して小さな量ではございません。九電力の中の中堅的な会社の量に匹敵するわけでございます。ただ、これについてこのぐらいの量でいいのだろうかという御質問でございますけれども、私どもとしましては、今後とも電気事業全体の中での量的補完ということも非常に大きな役割を果たすというように考えておりますが、それ以上にやはり質的な補完という方がウエートが高まろうかというふうに考えております。それは、電力の伸びが今後三%前後の安定的な成長になりますし、今後のいわゆる情報産業その他新しい社会の展開に伴いまして、もっと安定した、しかも質的に良質な電力の供給というのが要求されているわけでございます。そうした中において、電源開発株式会社というのはほかの九電力会社と違った面を持っておりまして、そういう特質を生かしながら今後の質的な補完というのに力点が置かれるというふうに考えております。
 先ほどの御説明の続きでございますけれども、長期的な観点で見た場合には、今後先ほど言いました広域的な電源開発のほかに、新しい実証技術の開発とか新技術の導入による電源の多様化、さらには海外の国との技術協力、またエネルギー資源開発についての国際的な展開等々によりまして、日本の電力事業全体を電発としてバックアップしていくという形の展開が予想されるというふうに考えております。
#151
○青山委員 電発の果たす役割、九電力に対する量的な補完の役割というのは今後相当重要になってくるし拡大をしていくであろうと私は見ています。経済成長が仮に五%と見ても、弾性値八と見るのが妥当かどうかわかりませんが、仮に八と見ても四%くらい。今三%とおっしゃったけれども、私は三%以上、四%ぐらいの電力需要の伸びというのがこれから出てこなければいけない、また出てこなければ国民生活も経済もなかなか順調に発展していかない。そうなってまいりますと、九電力が新たな設備投資をやっていくというのは、努力はしていますけれども、なかなか困難であります。そういう意味では、電源開発が果たす役割というのは極めて重要であるというふうに私は理解しておりますので、新たな事業量の拡大についてもひとつぜひ前向きな立場で考えていっていただきたいというふうに思います。
 それから、電源開発の役員の数というのが少し少ないのではないかというようなことも聞くのですが、そのあたりはいかがでしょうか。それから、電源開発の役員の登用については、今後自立化、活性化をもたらしていくということになってまいりますと、どうしても会社の自主的な判断を尊重していこうということにならざるを得ないと私は思うのです。そうなってまいりますと、余り外部から役員を登用していったのでは社内の活性化につながらない。社内からも役員にどんどん登用していくのだという姿勢が出てまいりますと、その企業の活性化に大きくつながってくるし、経営努力というものに対する責任感というのも強く出てくるというふうに私は理解するのです。そういう点では、外部からの登用はでき得る限り抑えていくのが妥当ではないかと私は思います。いかがでしょうか。
#152
○渡辺国務大臣 一つの考え方でございます。何も通産省は内部からの登用を抑え込んでおるわけではありません。やはり立派な適当な人があれば、当然に内部から登用することは差し支えない、私はそう思っております。
 人数につきましては、ほかの電力会社が四十人近くもおるのに、こっちは十何人では少ないんではないかという議論は過日もございました。向こうが多過ぎるのか、こっちが少な過ぎるのか、よくわかりませんが、何も多いからいいというだけではなくて、少なくて成績が上がればなお結構なことだ。ただ、電源の場合は、電気をおこして売るんだけれども、卸売で売りますから、戸別に配達をして集金をしたり補修をしたりゲージを見たりというような営業活動というのが、全くなきに等しいと言ったらしかられるかもしらぬけれども、ほかから比べたらえらく少ないわけですから、そういう点で、必ずしも一般の電力会社と比較をするというのも当を得ないことである。だけれども、十一人で、それ以上は絶対いけないというわけのものでもないし、それらの点は今後の検討課題にさせていただきたいと思います。
#153
○青山委員 今後電源開発に対してはいかなる財政上の支援措置というものが講じられていくのか。財投であるとか特別会計であるとかという点で、政府から電源開発株式会社に対しての財政的な支援、こういうものはどのように考えておられますか。
#154
○山本(幸)政府委員 今回、電源開発株式会社につきましては、いわゆる活性化措置ということで、事業経営についての自主性を一層増大するということでございますけれども、今後とも政策遂行機関としての役割は変わらないということでございまして、御指摘のような政府の財政的な支援措置というものを引き続き同様に行っていきたいというふうに考えております。
 例を昭和六十一年度の予算にとりますれば、電源開発株式会社の設備投資の総額は一千六百億円でございますが、そのうち、財政投融資から一千十八億円という大半にわたる金が融資されるということになっております。また、そのほかの補助金、例えば新型転換炉に対する補助あるいは中小水力に対する補助あるいは沖縄の石炭火力に対する補助等々につきましても、従来と同様に支援をしていきたいというふうに考えております。
#155
○青山委員 時間がなくなりました。最後に、電源開発は電力供給力の単なる量的補完にとどまらず、電力実証技術の開発、実用化、あるいは新技術の導入による電源の多様化が重要な役割となってきております。この点において、電源開発株式会社の技術開発に対するリスクの負担の能力をも高めていかないといけない。そうなってきますと配当の問題ももう一つ出てきます。簡単に卸料金が上げられればいいというわけにはいきませんから、これはそのまま消費者に影響が出てまいりますので、収益力の強化が非常に重要になってくる。それはリスクに対するカバーあるいは配当、これからはぜひひとつ配当をしていっていただかなければならなくなると思いますが、その点でも収益力の強化が必要になってくると思いますけれども、その辺の御見解はいかがでしょうか。
#156
○山本(幸)政府委員 ただいま先生の御指摘のとおりだというふうに考えます。
 今後とも電源開発株式会社としましてはかなり大型の技術開発というものをやっていく必要がございますが、その際には、やはり開発に伴いますリスクというのが大きゅうございます。そうしたリスクを負担するという観点からいいますと、やはりそれに耐え得るような財務体質ということが必要であろうというふうに考えております。今後配当できるような体質に変えていく、それは収益を生むような全体的な経営に持っていくわけでございますが、そうした中において、電源開発株式会社自体の収支構造とかあるいは自己資本の充実とか、そういういわゆる財務面の体質の強化というのが非常に必要であるというふうに考えております。
#157
○青山委員 行政改革が着実に進められることによって民間法人化が進み、自立化がうまくいく、うまくいくかどうか、これからの課題ですけれども、そうしてまた活性化が図られる、こういうことによって国の産業が円滑な形で発展できますように、私は行政改革はぜひ進めていただかなければならない。ただ、先ほどから触れておりますように、この運用についてはなかなか困難な問題も同時に内在いたしますので、十分に所期の目的が達成されますような運用がなされますように、指導をきちっとしていただきますようにお願いを申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。
#158
○野田委員長 野間友一君。
#159
○野間委員 最初に高圧ガス取締法の一部改正についてお伺いをしたいと思います。
 石油コンビナートにおける事故の例ですが、五十年から六十年まで十一年間で件数にして十七件、死亡が九人、重傷が十一人、軽傷が三十二人、こういうことになっておりますが、まず事実の確認を求めたいと思います。
#160
○黒田(明)政府委員 コンビナート地域におきます事故でございますけれども、私どもは高圧ガス取り締まりという観点からこれをとらえておるわけでございますが、五十六年一月から六十年十二月までの間におきまして合計五件ございます。
#161
○野間委員 五十年から六十年までの通産省からもらった資料に基づいて私の方で指摘したわけですけれども、問いに答えてないと思いますが。――それじゃそれは調べておいてください。時間がもったいないですから後でまた、結局、最近に至るまでずっと事故は発生し、死亡事故も五十七年が六名、非常に大きな事故も発生しておるわけですね。
 そこで大臣にお伺いしたいのは、これらの保安についてこういう考え方、認識があるのですけれども、つまり「安全と保安関係の許認可および行政改革」というところで、ある人がこういうふうに書いております。「もはや、コンビナート地域における設備、人員の面での強化は完全に近いものになっており、」「企業活動にとって、安全の確保は何物にも優先されるべきであるとの認識は、各企業とも十分に持っている」とか「安全は強化されればされるほど良いと思っている一部の人たちは実際に出費を心配する立場にない人だけである。」こういうことを言う人がありますけれども、こういう認識については、大臣、いかがお考えでしょうか。
#162
○渡辺国務大臣 それは安全は強化されることが望ましい。ですから、やはり企業者の立場からすれば、安全といってもやはり経済商品をつくっておるから、そことの分岐点というのももちろんあるのでしょう。それが採算が合わなければやめるということだけであって、やはり安全ということは重点的に考える必要がある、そう思います。
#163
○野間委員 これは実は日本石油精製の山口さんという取締役の方が経団連の月報、これは五十七年三月号でこういうことを言っておるわけですね。このことは、いわゆる当事者の認識の度合いをはかる非常に重要な発言だ。こういうような発想で今まで事業をやっておられたかと思いますと、大変遺憾に思わざるを得ない。大臣も同感だと思います。
 さらに、こういうことまで言っておる。「規制行政というのはどこまでも厳しくなっていく」「ある特定の一%から二%の問題が予想されると、一〇〇%規制してしまう。そうではなくて、規制しなくてもいい、もし損害が出れば何らかの補償をするという点がはっきりすればよい」こういう発言まであるわけですね。とにかく何か事故が起これば補償さえきっちりすればいいんだ、こういう金で片づけるという思想が、これまた経団連の五十八年の十月号で、これは関西学院大学の加藤という教授が述べておられるわけですね、座談会で。私、これを見て、実は唖然としたのです。
 今度の改正においても、臨調答申を受けて今度改正が出てきたわけですが、財界の考え方が非常にこれに出ておるのじゃないかというふうに思わざるを得ないと思うのです。つまり、行政による規制を排除する、民間事業者の自主保安あるいは自主検査あるいは損害賠償制度の整備、これでよいんだという考え方につながっておるというふうに思うわけでありますけれども、大臣はいかがでしょう。
#164
○渡辺国務大臣 それは当然予想されるような災害については未然に防止をするというのが、これは当たり前のことでありまして、それでも防止し切れないという場合だって、それは全くないということは言えません。そういう場合には当然補償の問題は絡んでくる。まず防止できるものは最大限に防止をするということが大切でしょう。
#165
○野間委員 そういう発想からすれば、今度の法案の改正というのは非常に後退しておるというふうに言わざるを得ないと思うのです。
 時間がありませんので、もう一点、この点についてお伺いしたいと思いますけれども、昭和五十年の高圧ガス取締法の改正の際、私も当委員会で同席しておったのですが、河本通産大臣が、「高圧ガスの製造のための設備のうち特に爆発等の災害の発生のおそれがあるものについて、製造段階から公的機関による検査を義務づけ、設備の欠陥に基づく災害の発生を未然に防止する」、これを改正案の趣旨説明の中で河本大臣が明らかにされたわけですね。
 特定設備のうちでも、その主体となるいわゆるガスタンク、こういう基幹設備は、万が一事故が発生した場合には被害が非常に大きい。ですから、そういう点で国が直接検査を実施するということになっておりますが、これは保安重視の観点から当然の措置だと思います。今回の改正あるいはその後の運用においてこの点は当然変更なしにやられるのか、それともそうではないのか、この点についてお伺いしておきたいと思います。
#166
○黒田(明)政府委員 野間委員御指摘の特定設備に関する検査の件でございますけれども、現在私どもは通産省にございます通産検査所とそれから高圧ガス保安協会と二つに分けて実施いたしております。
 現在のこの分担の考え方は、おおむね地震に対する耐震設計を伴うもの、これは通産大臣が行い、その他のものは高圧ガス保安協会が行うというような大まかな考え方で、具体的に細かく分けて分担をしているところでございます。
 これを今後どうするかという御質問でございますけれども、高圧ガス保安協会は今度民間法人化されるわけでございますが、この特定設備の検査を実施するためには、これに必要な検査能力を高圧ガス保安協会が備えているか否かというところが問題点と承知しておりまして、この機関の検査能力などを十分見きわめて今後の検討課題としたいというふうに考えております。
#167
○野間委員 もし協会が指定機関にこれをやらせるということになりましたら、申し上げた通産大臣河本さんのその趣旨からもずっと後退するということになるわけで、この点は大変重要な問題でありますから、あくまで国が責任を持って検査するということをきちっと今後も続けられたいということを強く要望しておきたいと思います。
 さて、消費生活用製品安全法の一部改正について質問を進めていきたいと思います。午前中も質問がありましたが、いわゆる幼児用のベッドですね、ベビーベッドの事故の点についてであります。これは浦和の事故が五十九年七月二十九日、ネット式のベビーベッドでありますが、この事故の直後、これは通産省の通産検査所で検査をされて、その結果提案がされておるはずでありますけれども、その点について、検査の有無と提案の中身について御説明をいただきたいと思います。
#168
○松尾(邦)政府委員 今先生御指摘の、五十九年に埼玉県浦和市で起こりましたネット式の乳幼児ベッドにおける死亡事故につきましては、事故の後、通産省といたしましては早速実情を調べまして、ベッドの使用上の注意を促す取扱説明書または本件のこの表示の仕方が消費者にわかりにくい点があったということが一つ。それからもう一つは前枠、ベッドの前枠でございますが、赤ちゃんを取り出す前枠のところが中段でとまるようなことになっておりました点が問題であったのではないかということを、調査の結果結論を得まして、直ちに、第一の注意事項につきましては、より平明に記載するようにいたすこと、第二に、前枠の点につきましては、中段ではとまらないようにとめ穴を埋めることにいたしまして、この旨、製造メーカーまたベッドのリース業界等へ改善方の指示をいたしたところでございます。
#169
○野間委員 あなた、肝心なことに答えなければだめだよ。検査をしたかどうかという事実の確認と、提案をしておるでしょう。提案の中身は、ネット式ベッドに厚いマットレスを組み合わせて使用したために起こった事故だ、はまり込みを防ぐため安全基準にマットレスまたは布団の使用を前提とするベッドの構造の規定を検討することが必要だということをこの検査所がちゃんと提案しているでしょう。だめだよ、そんなことでは。
#170
○松尾(邦)政府委員 今先生が御指摘になりました方は、昨年の六月和歌山で発生した事故での対応でございまして……(野間委員「浦和だよ、浦和」と呼ぶ)浦和における五十九年七月の事故についての処理は先ほど申し上げたとおりでございます。
 なお、六十年六月……(野間委員「そんなことは聞いてない」と呼ぶ)和歌山で起きました事故について、恐らく先生御指摘の点があったと思っております。
#171
○野田委員長 野間君、答弁を聞いてください。
#172
○野間委員 ちょっと委員長、注意してほしいのは、聞いたことにあなた答えなさいよ。
 それで、この浦和の事故について提案しておるでしょう、検査所が。マットとか布団、こういうのと組み合わせた安全基準はない、これをやりなさいという提案でしょう。(「冷静に」と呼ぶ者あり)
#173
○松尾(邦)政府委員 何度も繰り返して恐縮でございますけれども、昭和六十年六月の和歌山市の事故につきましては種々の提案をいただき、私どももそれに対応した措置をとっているところでございますけれども、五十九年七月のときの提案の具体的中身については今手元にございません。当省としてとりました措置は先ほど申し上げたとおりでございます。
#174
○野間委員 冷静にと言われるけれども、提案ははっきりしておるわけです。あなた、隠すからいけないのだ。今度の和歌山の事故と同じように提案しておるわけだよ。ところが、提案しながらそれは実施されてない。あなたは行政上の措置、措置と言ったけれども、そうでなくて、検査所が検査をして、その結果こういうふうにすべきだということを、つまり安全基準をやりなさい、マットとか布団との組み合わせですね、そういう安全基準をつくらなければならぬという提案があったでしょう。これを隠してはだめだということを言っておるのだよ。いかがですか。
#175
○松尾(邦)政府委員 私どもの承知している限りでは、五十九年七月の浦和の事件についての提案については承知しておりませんけれども、早速調べさせていただきます。
#176
○野間委員 不利益なことを隠すべきじゃないんだよ、僕ははっきり知っておるのだから。そういうふうに提案があるのだよ。ありながら、実際には改善してないんだよ、安全基準そのものを。和歌山で事故が起こった、これはもう午前中に出ましたね。これは六十年六月。今訴訟が提起されております。この中では、先ほど私が指摘をした浦和の事故の提案とそれからさらに二つ加えております。それは午前中も答弁がありましたけれども、一つは「使用中の消費者に対し、早急且つ具体的に注意するとともに、流通段階の製品をふくめて何らかの改善措置をとること。」それからもう一つは「今後製造されるものについて、おち込まない構造にすること。」これが要するに「安全基準にマットレス又はフトンの使用を前提とするベッドの構造の規定を検討することが必要。」ということと加えて検査所から提案がなされたということでしょう。
#177
○松尾(邦)政府委員 ただいま御指摘の昭和六十年六月の和歌山における事故につきましての提案は、先生おっしゃったとおり承知いたしております。
#178
○野間委員 浦和の事故の、これはあなた隠しますけれども、これはぜひ出してください、必ずこれは書いてありますから。
#179
○松尾(邦)政府委員 早速調べさせていただきます。
#180
○野間委員 それで、今度の和歌山の事故ですね。これは浦和の事故の際に検査所が検査をして提案をしておる。これさえ受けてすぐにでも安全基準をきちっとつくっておればこの事故は防げたと言わざるを得ないのです。そう思いませんか。
#181
○松尾(邦)政府委員 私どもの理解では、五十九年七月の浦和での事故につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、一つは使用上の注意を促す表示の仕方の点もございましたが、前枠が中段でとまる構造になっておったということに一つの大きな原因があったものと承知いたしているわけでございます。
 他方、六十年六月の和歌山での事故の方につきましては、ベッドのネットと布団またはマットレスの間に挟まれて窒息事故が起こったわけでございますけれども、この点につきましては、事故原因について早速私どもといたしましても調査をいたしたところでは、次の三つの原因の複合的な要因によって生じたものというふうな理解をいたしております。一つは、ネットにたわみが生じたこと。二番目に、マットレスまたは布団のサイズが小さくてネットとの間にすき間があったこと。第三には、マットレスまたは布団が乳児の体重により変形したこと。以上三点がこの事故発生に当たっての原因として複合して生じたものと理解しております。
#182
○野間委員 安全基準の中に、先ほどから指摘しておりますように、マットレスまたは布団の使用を前提とするベッドの構造の規定はないわけでしょう。
#183
○松尾(邦)政府委員 おっしゃいますように、安全基準には、ベッド本体の強度あるいはネットに関する規定はございますけれども、御指摘のような点についてはございません。
#184
○野間委員 これは本当に時間のむだなんですが、浦和の事故のときに検査の結果こういう提案があるんですよ。その提案がありながら、それすら何にもやっていないというところに、私は国、通産省の責任が非常に大きいと思うのです。通産大臣はいつか、人間の命は地球より重いということを言われた。幼い子供の、赤ちゃんの死亡事故が起こりながら、しかもこのときに検査をして、その結果、安全基準をちゃんとしなければならぬということさえ検査所が提案しながら、それを放置して、そして続いて和歌山でまた痛ましい事故を起こした。これは怠慢ですよ、大変な責任ですよ。
 しかも問題は、私見てびっくりしたのですが、Sマーク、安全基準の原案を作成するメンバーが、私もリストをもらいましたけれども、この中に問題のベビーベッドをつくった人が入っておるわけですね。浦和のときの人も入っております。これは株式会社ヤマサキの人ですね。和歌山の場合にはコスガ、これはコスガの下請がつくったものですけれども、コスガの技術部長がメンバーに入っておる。そういうことでしょう。
#185
○松尾(邦)政府委員 私どもといたしましては、先生御指摘ございましたように、五十九年に二件、六十年に一件、ネット式の乳幼児ベッドについて痛ましい死亡事故がありましたことにつきましては大変厳粛に受けとめているところでございまして、ただいま若干お答えを申し上げましたように、五十九年七月の事故についての対応並びに六十年六月における対応について種々取り組んでまいってきたところでございますけれども、その取り組んでおります対応の基本的な措置の一つが、今先生御指摘の安全基準の見直しのための委員会の設置でございます。この委員会には、先生御指摘のように事故に関係のありましたメーカーの方も委員に入っておりますけれども、私どもといたしましては、この種の安全基準の策定に当たりましては、広く関係各界の専門的な立場の人に参画してもらうことが必要だということで、もちろん消費者代表の方も入っていただいておりますし、乳幼児を預かる保育学校の先生にも入っていただいておりますし、通常の、一般的な学識経験者にも入っていただいておりますし、お医者さんにも入っていただいておる。いろいろな関係各界の方の御参加を得て、慎重にかつ幅広く適正な基準をつくっていただくよう委員会の構成をいたしたところでございます。
#186
○野間委員 いや、コスガ、ヤマサキ両方の会社の代表ないしはそこの重役がそのメンバーに入っておるでしょうということを聞いておるわけです。
#187
○松尾(邦)政府委員 仰せのとおりでございます。
#188
○野間委員 ここに現在もずっと入っておるわけですよ。だから私けしからぬと思うのは、浦和の事故を起こしたこのメーカーのヤマサキの人が今依然としてずっと入っておるわけですね。しかも、五十九年のこの浦和の事故の後すぐ検査をした、何度も繰り返しますけれども、そして提案までしておる。これは構造的ないろいろな問題があるんだということまで検査の結果わかっておるわけですね。それでもずっと入っておるわけでしょう。だから、もうこれはけしからぬと思うのですよ。私が思うのは、安全協会でありながらこういうような事態なんです。
 通産大臣、経済企画庁所管の国民生活センター、これが「くらしの危険」といういろいろな冊子を出しております。これを見ましても、先ほど私が挙げた浦和の例とか和歌山の例を挙げながら、安全基準の不備によって基準がない箇所で発生しているケースがあるということで幾つか例が挙がっておるわけです。だから浦和の事故、五十九年ですが、このときの検査の結果を踏まえて安全基準をきちっとつくっておれば、和歌山の事故は防げておったのですね。国民生活センターみずからが安全基準の不備ということを明確に言っているわけです。いかがお考えでしょうか。
#189
○渡辺国務大臣 事実関係が私わかりませんからはっきりしたお答えはできませんが、やはり事前にそういう事故の原因がわかって再発防止のための手を打っておけばほかの事故が起きなかったというならば、それは手落ちであったと言わざるを得ないし、その間の事情がどういうふうなことになっておるのか、事実関係がわかりませんから、事務当局から答弁させます。
#190
○松尾(邦)政府委員 繰り返しになって恐縮でございますけれども、五十九年の浦和市の事故につきましては、ベッドの前枠がスライド式になっておりまして、上段、中段、下段と三段階でとめられる方式になっておったわけでございますが、事故が発生したのはその中段に固定した段階で生じたわけでございます。中段に固定した段階というのは、ちょうどネットとマットレスの間にすき間が生じやすい状態を意味しているわけでございましたので、先ほど申し上げましたように、中段でとまることのないように、とめ穴を埋める等の改善方の指示を直ちにいたしたわけでございます。他方、六十年六月の和歌山での事故につきましては、先ほど申し上げましたように、三つの要因が複合して発生したということにおいて事故の発生態様、原因について違いがあるわけでございますけれども、私どもといたしましては、いずれにいたしましてもこのような事故がございましたことについては厳粛に受けとめまして、特に五十九年のときの措置とまた六十年のときの措置とで内容が違っております。
 六十年のときには、事故品と同型の製品の出荷停止でございますとか、流通在庫の回収でございますとか、事故品と同型の製品の購入者の調査をいたし、注意の趣旨の徹底を図る等の措置を行いましたし、またベビーベッド工業会に対しましても使用上の注意について改めて確認をいたした。と同時に、基本的な措置として安全基準の見直しのための委員会の発足をさせていただいたところでございます。
#191
○野間委員 本当に人間の命を何と心得ておるのか、私は腹が立ってしようがないのです。しかも、浦和の事故の場合に検査の結果まで隠すわけでしょう。提案は、今度の和歌山の事故の検査の結果の提案と全く同じなのですよ。書き方も一緒ですよ。安全基準をちゃんとせなならぬと、マットや布団との組み合わせでつくらなならぬと、これはないのだと。生活センターだってこれは安全基準の不備と言っておるわけでしょう。ですから、マットや布団とベッド、これとの組み合わせで安全基準はないということをあなたは認めたわけですけれども、これは不備でしょう。
#192
○松尾(邦)政府委員 ただいま御指摘の点につきましては、先ほど申し上げました安全基準のあり方についての専門家の委員会で現在鋭意検討いただいているところでございまして、私どもとしては早急に結論をちょうだいいたしまして所要の手続を経て実施に移したいと考えております。
#193
○野間委員 そんなスローモーなことでどうするのですか、本当の話。五十九年から今はもう六十一年四月でしょう。五十九年でも指摘しながら今なお全然改善されてない。これはどういう態度ですか。赤ちゃんの命を何と考えておるのですか。こんなものはすぐできるのですよ。生活センターだって不備だということを認めておるのですよ。あなた、知っておるでしょう。あなた、それでもなおかつ、まだこれから検討するのだ、組み合わせは必要ない、そうお考えですか。これでいいとお思いですか。組み合わせで安全基準をつくらなければならぬ、こう思いませんか。
#194
○松尾(邦)政府委員 先ほど申し上げましたように、昨年の十一月から鋭意検討を急いでいただいておりますので、御指摘の点も含めまして早急に結論を得るよう審議を促させていただきたいと思います。
#195
○野間委員 本当に私も興奮してあれですけれども、大臣、お聞きのとおりなのですよ。そんな行政をやっておるのですよ。これがさらに民間法人化したら一体どうなることかと私は非常に不安でしょうがないわけですよ。同僚からも話がありましたけれども、出資を引き揚げる、国庫補助金を削減する、これでは協会の経営の基盤がずっと弱まるわけですよ。今でさえああいう状態ですから、これは大変なことだと私は思わざるを得ないのです。やはりもっと強化しなければならぬ。外国の例もそうですけれども、大臣、これでいいというふうにお思いですか。
#196
○渡辺国務大臣 民間にしたからといって安全基準がルーズになるということではありません。今までどおりに基本的なものについてはきちっと守らせていくということでございます。
 ただいまのベッドの安全基準の手直しがおくれているという話については、何か技術的な問題で専門家同士が詰め切れない問題があるのかどうか、それはわかりませんが、専門家同士がちゃんと詰め切れて、しかもそう難しい話でないとするならば、それは速やかに結論を得るようにやらせたいと思います。
#197
○野間委員 生活センターから出ておるこの中でも、アメリカの場合もあるわけです。つまり、ベッドとマットがありますね。そのすき間が、アメリカの場合には指二本、これ以上あったらだめなんだ、こう言っておるわけですよ。生活センターでちゃんと言っておるのですよ。ここらはたわみとすき間、しかも弾力性がありますから、そこへ顔を突っ込んで締めつけられて窒息してしまう、こういうことなのですよ。だから、ネットなりベッドの枠とマットのすき間をなくすれば簡単なのです。こんなことすら今まで安全基準がない。しかも今、この期に及んでもまだ検討中だ、こんなばかなことをやっておるとしたら、実際の話、私はけしからぬと思う。大臣、厳しく指導していただきたいと思うのです。
 次に進みますけれども、この出資を引き揚げたり補助金を削る。二億円出資を引き揚げますと、残るのは損害保険会社、それから銀行等の民間出資だけなのですよ。協会の行う主要業務の一つであるSGマーク制度とかあるいは損害賠償制度、これに関する当事者ともいうべき損保やあるいは銀行等、政府が出資を引き揚げますとこれだけになってしまう。そうなりましたら一体どうなるのか。一つはやはり業者に対する料金の引き上げにもなるでしょうし、被害者が損害を受けて、これの支払いを請求したってなかなからちが明かぬ。五十九年の浦和の場合だってこういう制度がありながらまだちっともけりがついていないわけですね。政府が出資を引き揚げて損害保険会社、銀行だけがこの出資者になって、いろいろないざこざがあった場合に、これは実際うまくいくのですか。と同時に、保険料の値上げとかそういうものがいっぱい出てくるのじゃないですか。いかがですか。
#198
○松尾(邦)政府委員 確かに今回の民間法人化に伴いまして、国の出資は返還し、国の補助も廃止されることになるわけでございます。しかし、私どもとしましては、この補助の廃止によりましても、協会の財政基盤に支障を生ずることのないよう配慮してまいりたいと思っているわけでございますが、一つは、今回の措置によりまして出資、補助金は返還、廃止されますけれども、協会の経営努力を喚起し、かつまた組織の活性化を促してまいることによりまして、例えば協会のSGマーク貼付品目をふやしていく、あるいは貼付の枚数をふやしていく、さらには消費者啓発のためのあるいは関係業界の安全マインドの向上のための新規事業の開拓等に積極的に取り組む自助努力をひとつ求めてまいることにいたしております。
 さらに、現在協会が国にかわって実施しております特定製品の検定等の事務につきましては、この法律案の施行日以降民間団体等へ委託することになっておりまして、そのための所要の委託費を予算に計上いたしておりますけれども、これまでの安全協会の実績等にかんがみますれば、この業務は当面安全協会へ委託されることになると思いますので、出資、補助の廃止によりまして直ちに手数料の引き上げを余儀なくされるようなことなく、経営努力と、先ほど申し上げたような実績を踏まえて、安全行政の面で産業界にいたずらに負担の増大をもたらすことのないようにいたしたいと考えております。
 またもう一つ、協会の業務の適正化につきましては、役員の認可権を初めといたしまして役員の欠格条項あるいは兼職禁止、いわゆるみなし公務員規定等役員の公正、中立性の担保、あるいは事業計画等に関するチェックを通じまして公正を確保してまいる所存でございます。
#199
○野間委員 口ではべらべらうまいことをしゃべるけれども、実際人間の子供の命を何とも思わないような、今の経過からいったらそうなんですよ。そんなことをしながら何ぼ口でうまいこと言ったってだめですよ、実際の話。今度民間法人化になれば、さらにこれがもっとレベルダウンされて悪くなる。たくさん質問したいのですけれども、これは絶対に私は許せないということだけを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
#200
○野田委員長 工藤晃君。
#201
○工藤(晃)委員 私は、野間議員に続きまして、日本電気計器検定所の民間法人化の問題について伺います。
 各家庭についている電気のメーターが正確かどうかということは、これはもちろんわかりません。消費物質が何か欠陥があった、事故があるたびにそれがわかるわけでありますが、メーターの方はわからない。しかも、各家庭にとっては、最近は銀行の自動振り込みになっておりますから、自動的にどんどん取られていってしまう。しかも、電気計器は消費者にとっていえば、どの電気メーカーがいいなんということは選択の余地なしにどんどんつけられていってしまうということから、このメーターの検定というのは非常に重大な問題で、消費者にとって大事な問題であります。
 一九八〇年に電検分が大変勇気のある内部告発を行いまして、当時雑誌やテレビで報道されたことがあります。ちょうど電気料金の大幅な値上げが行われた年だけに、非常に大きな反響があったわけです。というのは、東芝、富士電機、三菱電機その他のメーター、これを検査すると当然いろいろぶれがあるのですが、平均して〇・五%プラスの方に――これは平均ですよ、多くのサンプルをとった平均として〇・五%高目に出る、実際の使用量よりも〇・五%余計にはかる、そういう実態がわかったわけであります。これは平均ですから、ものによればもっとプラスが多いところもあるわけですが、平均でも〇・五%。今勤労者世帯の月の電気料金の支払いは六千五百円ぐらいです。年にしますと七万八千円ですから、〇・五%で三百九十円。三百九十円ぐらいとお考えかもしれませんけれども、五十九年度の電灯料金は三兆六千四百九億円ですから、その〇・五%プラスというと百八十二億円余計に電力社会が取り過ぎてしまう、こういう結果になるわけでありますが、この問題が大きく出されて以来、このことに対しまして通産省としてはどのような対策をとったでしょうか。
#202
○山本(幸)政府委員 先生のおっしゃったような事件がございました。その際、先生のおっしゃったように、いわゆる検定公差というのがプラスの方に動き過ぎているのではないかということでございました。
 私どもとしましては、いずれにしましてもこの誤差というものを、器差といいますけれども、器差の平均値をなるべく小さくすることが重要であるというふうに考えておりまして、この器差自体はだんだん小さくなっております。昭和五十六年には〇・二一%でございましたけれども、昭和六十年度には〇・〇五%というふうに器差自体は小さくなっております。
 我が国の場合には、計量器の検定検査規則というのがございますが、これによりまして、現在、普通電力計の検定の公差をプラス・マイナス二%ということで、プラス公差とマイナス公差を同じ値にいたしておりますが、国際法定計量機関、OIMLというところでも、やはり検定公差についてはプラス・マイナス二・五%といっておりまして、国際的にも、基本的にはプラス・マイナス同じような形の検定公差を目指し、しかも、それをなるべく小さくしていくというのが基本的な態度ということでございます。
#203
○工藤(晃)委員 今のは余り私の質問に対する答弁になっていないと思うのですが、ともかく、先回も私電力料金問題で、電力会社の周りにいろいろな企業集団があって、持ちつ持たれつの関係から奇妙なことが起きていると質問した。計上されている燃料費も、明らかにCIF価格より高い。このなぞは僕は引き続き追及する決意でございますけれども、明らかに電機メーカーと電力会社がコンビネーションして、少し針が多目に出るようにするだけで電力会社にこれだけ利益が転がり込むということ。それは、なるほどプラス・マイナス二%の検定公差におさまっているからいいじゃないかということになって、不合格品は落とされるかもしれない。しかし、平均するとどういうわけかプラスの方に出ていく、こういう事態に対してやはり大きな問題があるということを通産省は認識しなければいけないと思います。
 例えば昭和五十七年五月、これは四年に一回やられるのですか、電気計器実態調査報告、これは、日本電気計器検定所と電事連と資源エネルギー庁の三者が使用中のメーターを検査したものですが、この中でも、一番よく使われている単相二線式のV形新品、これは三十アンペアでしょう、これをとってみますと、これは負荷によって一〇〇とか五〇とか二〇とか三・三とかありますが、どれもプラス〇・二、プラス〇・三、プラス〇・二、プラス〇・三というふうにして、プラスの方にずれているわけですね。マイナスの方にずれているわけじゃない。多くとると、プラスとマイナスがあれば、ちょうど真ん中に落ちなければいけないのですが、プラスの方になっている。この事態は続いているわけであります。それで、今の〇・三%という計算でも、先ほどの電灯料金の総額に掛けますと、やはり年百九億円という収入を電力会社が不当に、余計に取るということが現に起きているわけでありますから、これを今のプラス・マイナス何%におさめればいいじゃないかということで済ませておくわけにはいかないし、また、現にこういうことが起きているときに、民間法人化、はい、よろしいと言うわけにいかないのは当然だと思います。
 例えば英国の場合ですと、プラス二%とマイナス三%というふうにしてマイナスの方の公差を大きくして、なるべくこちらに寄るようにしている。それからニューヨークの場合はマイナス二とゼロというふうにして、どちらかというと、消費者にとって有利な、マイナスに落ちるようにしている。例えばこういう公差のとり方をすることを検討してはどうかということが一つと、さらにまた使用計器の追跡調査をもっともっと強化していく必要があると思いますが、その点いかがでしょうか。
#204
○山本(幸)政府委員 先ほど御説明申し上げましたように、国際的な機関としては一応プラス・マイナス二%とかプラス・マイナス二・五%というのが標準的であるというふうになっております。先生御指摘のように、イギリスにつきましてはプラス二、マイナス三となっていることはそのとおりでございますが、一方西ドイツ、フランス、オランダ等をとってみますと、同じようにプラス・マィナス二とかプラス・マイナス一・五とかということでプラス・マイナス同じになっております。なお、アメリカにつきましては州によって全部違いまして、先生おっしゃったニューヨークの例は私ども存じませんけれども、アメリカの場合にも大体はプラス・マイナス同じになっているというふうに考えております。
 それから、もう一つの御指摘の検査でございますが、これは先般の附帯決議に基づきまして調査を続けておりまして、四年に一遍ぐらい調査をやっているということでございます。
#205
○工藤(晃)委員 だから、そういう調査をもっと強めること、具体的には、どのメーカーはどういう癖があるということをはっきりさせる、そのくらいしないと消費者の利益は守れないということを言っているわけであります。
 そういうことでもう一度言いますと、ドイツの例がどうだとかいろいろ都合のいい方を挙げますけれども、日本の電力会社とメーカーの癒着というのはまた特別なんですよ。いろいろな関係があるわけでしょう。それだけに公差のとり方でも、ニューヨーク方式とか英国方式のようにとることによってそういう弊害を防ぐことができるわけですから、国際機関の一般論で当てはめるということでは消費者の利益は守れないということになります。
 さらにもう一つ申し上げなければならないことは、消費者の利益を守るという立場、そして公的であり中立な検定がやれるようにするという立場を貫くためには運営審議会の構成、余りにも業界の代表が多過ぎると思いますが、こういうことを改める必要はあると思うが、いかがでしょうか。とりわけ、今度のこの法案によりますと、運営審議会が極めて重要な決定機関になるというか、役割を果たすという内容になっているだけに、それをやるべきだと思います。ですから、ここでちょっと伺いますが、現在の日本電気計器検定所の運営審議会の名簿、私がいただいた中に十三名の名簿がありますが、そのうち何人までが業界代表ですか、ちょっとこのことを述べてください。
#206
○山本(幸)政府委員 ただいま先生御指摘の運営審議会の名簿でございますが、全部で十三名でございます。そのうち消費者が二名、電力関係が三名、メーカーが四名、学者その他が四名ということでございます。
#207
○工藤(晃)委員 ちょっと不正確ですよ。日本電気協会、電気事業連合会、日本電機工業会、日本電気計測器工業会、計器工業協議会、日本計量機器工業連合会、業界団体が六つあって、東京電力、関西電力という電力会社が二つ、これだけでも十三のうち八名を占めているわけですね。全くこれは業界団体と電力会社の寄り集まりみたいになっているわけです。
 そこで、今度の法改正によりますと、役員は大臣の任命ではなく認可ですか、自主的に選ぶというわけですが、それは結局この運営審議会が推薦することになるんじゃないですか、どうですか。そのことをお答えください。
#208
○山本(幸)政府委員 役員の任命については運営審議会は何ら関与いたしません。
#209
○工藤(晃)委員 いや、任命でなしに、ここで推薦とかそういうことは行われないのですか、全然タッチしないわけですか。今度の法案によりますと、重要な事項についてここでいろいろ審議をするのではないですか。では、運営審議会は単なる諮問機関ですか。
#210
○山本(幸)政府委員 役員の選任方法につきましては、今後検定所の定款で具体的に定めるということでございますけれども、運営審議会は、その性格上役員の任命についての推薦その他をする機関ではないということでございます。
#211
○工藤(晃)委員 いずれにせよ、この運営審議会が重要事項についてここでいろいろ協議をして方針を出してくるというようになっているわけでありますから、直接か間接か知りませんが、当然ここに影響が出てくることは明らかだと思います。
 そもそも臨調の民間法人化のための基本原則の一つは、事業が制度的に独占されていないこと。これは、日本電気計器検定所も現に電総研と分かれてやっているという意味からいえば別に独占されているわけでもない。問題は二番目の、国の出資が制度上、実態上ないということになると、会計検査院の会計検査や総務庁の監査がなくなってきてどういうルーズなことになるかわからぬ。三つ目は、今言ったように役員の選任は自主的ということから、運営審議会はうようよ業界の固まりみたいなところですから、大体どういう役員になるか想像にかたくない。さらに、経常運営費は事業収入で、これは独算制ということでしょう。そしてさらに重要なことは、法人への政府の関与を最小限とするという問題もあるわけです。
 ですから、このことを見ると、今の日本の消費者保護というのは非常に立ちおくれていて、先ほども野間議員が指摘したような問題も起きている。そしてまた、各家庭につけられた電力のメーターというのはどうもみんなプラスの方に動いてしまって、余計にお金を吸い上げることになっている。こういうことが行われているときに、この検定に対して国はもう関与しません、それで役員は自主的にやってください、こういうことでどうして公平で中立な検定がやれるのか、その理由が私はもう全然わからないのですが、そこのところをごく簡単に説明していただきたいと思います。
#212
○山本(幸)政府委員 先生御指摘のように、今度この日本電気計器検定所というのは臨調答申を受けましていわゆる民間法人化ということで活性化するということでございます。
 具体的には、主として経理面についての国の関与を少なくするということで活性化あるいは経営努力を促そうということでございます。一方、検定所の公的性格という面で申し上げますと、例えば役員の認可、あるいはかなり強いのでございますけれども直接解任することができる、あるいは予算、業務方法書等の認可につきましては今後とも国がやるということでございまして、検定所の事業運営に当たっての公共的性格については十分担保し得るというふうに考えております。
#213
○工藤(晃)委員 全然それは説明になっていないわけです。そもそも今度のこの法案の趣旨からいって、さっき言った臨調の民間法人化のための基本原則に基づいてやるのだ。ただ経理面だなんて言っていませんよ。法人への政府関与を最小限とするということになりますし、現に国から出資を引き揚げてしまいますと総務庁の行政監察の対象にはならない、会計検査院の会計検査の対象にならないということになりますから、ここには幾らでもルーズさがはびこるわけで。今のは全然説明になっていないということを私はここで申し上げまして、大臣もおいでですから、もう一つ質問をしていきたいと思います。
 経構研の報告の問題ですが、私も読みましたし、いろいろいきさつについても伺いました。この経構研というのは首相の私的な諮問委員会である。ところが、四月八日の経済対策閣僚会議が、この内容はまことに時宜を得た適切かつ貴重なものとして高く評価する、政府はこれを参考にする、そうして経済構造調整を積極的に推進する、所要の体制整備を図る。それを受けて内閣総理大臣談話が出されて、この内閣総理大臣談話は閣議決定となっております。
 ところで、この経構研の報告の中身を見ますと、例えば従来の経済政策及び国民生活のあり方を歴史的に転換させるべき時期を迎えていると言って、歴史的な転換をやるんだということを勇ましく言っているわけで、これは単なる私的諮問委員会の面々がいろいろ気炎を上げる分には結構だと思うのですが、それがすぐに閣議でこういう取り扱いを受けていく。これまでの経済政策を大きく転換させるんだ。どうやら政府内部でもこの内容が検討されてないらしいものですから、きのうからの新聞を見ますと、これは日経新聞に「自民首脳「予算編成権を侵す」 首相の”対米公約”批判」きょうも日経を見ますと「構造調整自民ギクシャク 対米公約首相批判、相次ぐ」、この真の内容は私が直接調べたわけでありませんから、新聞を紹介したにとめますけれども、経過からいってもそういう批判が出るのは当然のことだと思いますが、一方ではアメリカへの公約ということからいいますと、例のMOS画協議方式みたいなもので、ぎゅうぎゅうとっちめられるようなやり方になっている。これまでの政策や国民生活のあり方を歴史的に転換するんだ。こんな大事な政策の転換問題がこのように簡単に決められ、アメリカに約束される。一体こんなことでいいんでしょうか。
 私、大臣に、閣僚の一員として、これから通産省がやっていかなければいけないことが多くなるように思うわけですが、この経構研の出されたものをどのように取り扱っていくのか、大臣の御答弁を願います。
#214
○渡辺国務大臣 経構研の報告書、私も読ましてもらいました。中身は、通産省がかねて「二十一世紀産業社会の基本構想」というようなものを勉強して発表いたしまして、大変高い評価を受けております。しかし、私どもの見た範囲では大体大同小異、ほぼ似たような性格といいますか、似たようなことを言っておりますので、私は閣僚の一人でございますが、この前川報告というものについては、将来日本の経済成長の繁栄を持続させていくためには、非常に厳しい御提案もございますが、やはり乗り越えていかなければならない問題点を指摘した、そのように考えまして、私も実は同意をしたわけであります。
 総理の私的な諮問機関でありますから、たびたび言うように、臨調のように法律的拘束力を持っているわけではありません。ありませんが、しかしながら総理大臣談話を発表なさったというようなこともあり、長い間日本の国内における各界を代表する立派な人が集まってつくったものでございまして、中身も私は同意できる。そういうような点から、これの持つ政治的な意味は大きい、そう思っておるわけであります。これなどは、これだけ速く情報の伝わる時代ですから、当然アメリカばかりでなく世界各国の人たちがこれを読んでいます。そこでやはりこれについては高い評価を受けたということを我々は報告を受けておるわけでありまして、特別にこれを約束したのかどうか、私よくわかりませんが、私は、特別に手続その他で大きな問題にするというようには考えておりません。
#215
○工藤(晃)委員 外務省も来ておりますので伺いたいと思いますが、内容は大体同意できるというようなことを言ってますが、これをもっと具体的に、一つ一つこれが同意できるかとお伺いしたいぐらいであります。私も読みましたけれども、内容上幾つも幾つも重大な問題がありますが、例えば今の日米のインバランス問題ということをとりましても、これはアメリカ側にもはっきりした原因があるわけでしょう。言ってみれば、アメリカも赤字病があって日本の黒字病があって、両者が相重なって起きておることでしょう。アメリカの余りにも長い大幅な軍拡、それは財政にも影響を与え、そして外国から借金をしなければならなくなるし、一方では軍事産業優先ということ、これもあって競争力が非常に落ちるという問題も起こしている。確かに日本の側も原因があるけれども、それについてはほとんど指摘されないところの日本の特別低い労働条件、これは労働時間だけじゃありません、賃金も、全くひどい過密な労働も、こういうことが重なってある。
 ところが、この前川委員会の一番悪いのは、そういうアメリカの赤字病の原因にこうしなさいということは一言もなくて、双方の原因が重なって起きるインバランス問題を、すべてアメリカは自由にやってください、日本だけが努力しましょうということになるから、こんな約束をしてしまったら、これでまたインバランスが解決しないというと、もっと円高にいきなさい、まだいけません、もっと円高にいきなさい、それで国民も賛成しないようないろいろな市場開放策を次々と、例のMOSS方式というようなやり方で押しつけてくる。こういうばかげたことになっていくわけであります。
 そしてまた、産業構造の問題でもはっきりと、まだ文章としては抽象的かもしれぬけれども、具体化していくなら明らかに日本の中小企業をどんどんどんどん整理するような、そういうことになるし、農業に対してもそうであるし、どういうわけか、もうただでさえ外国の石炭ばかり買って、かすかに生き残っている石炭に対してまで、これをつぶせと言わんばかりの内容が出てきております。住宅政策だってそうです。今やっている大都市の真ん中の地価をどんどんどんどん上げるような再開発をもっとやりなさい、自治体が環境を守るためにやっている宅地開発指導なんかをやめなさい、これは従来の臨調にもそういう考え方がありましたが、わざわざここにこういうことを持ってくる。さらに税制面でも極めて具体的なことをやるというようなことを書いてありますね、マル優の廃止ということで。これで貯蓄率が高いのを直すのだと言っておりますが、これは今の日本の貯蓄率が高いということを少し説明してくださいよ、みんな誤解しているんだから。住宅ローンを持って払っていくのを貯蓄に入れて、本当の意味でゆとりがある貯蓄というのはほんのわずかで、どんどんどんどん減ってきているんですから。ああいうまさに国際的にも誤解を生むようなことを平気で書いてきているわけなんです。
 そういう非常に問題の多い内容のものを、新聞によりますと、外務大臣がこれから次官クラスでこれを具体的に詰めていくというのですが、この点、今の最新のニュースでいいわけですが、どういう約束を今後やっていくのか、このことを答弁お願いします。
#216
○渡辺国務大臣 日本の今後の行き方について、共産党とは私ども根本的に考え方が違うところがあるから、これは幾ら長く言ってもかみ合いませんよ。それは、日本という国が将来この豊かな生活を持続するためには貿易というものを離れてはできないのですね、資源のない国ですから。だから、資源のない国が豊かに暮らしていくためには貿易立国で今後も行かなければならない。しかしながら、貿易というのは片手貿易だけで、こちらだけが年間五百億ドルもため込んじゃうということでは、それは世界じゅうの富を日本がみんなかっさらうみたいな話になっちゃって、あっちこっちに貿易摩擦が起きて騒ぎになる。輸出をうんと減らすわけにはなかなかいかない。したがって、埋め合わせをして貿易バランスをとらせる。輸入もふやす。実はこれは避けて通れない問題であるし、それから市場の開放にしても、先進国並みの、向こうにも要求しているのですから、こちらも要求されて仕方がないところがあります。ですから、そういう点はお互いに門戸を開放してやっていこうということなわけでございます。
 アメリカに対する特別な約束というようなことは、私どもとしては、ただ貿易、防衛、外交面等では今後とも緊密に連絡をとり合ってやっていこうという程度の話でございます。やはりお互いに保護貿易に陥らないように努力をして、そうして世界の繁栄を持続させるように日米という大きな経済国家が相協力してやりましょう、こういうようなことがポイントであって、私どもとしては特別に問題になるようなことはないと思っております。
#217
○工藤(晃)委員 この経構研を首相はアメリカへお土産に持っていったわけなんで、この実行をめぐって日米間の協議がこれから定期的に続けられるという報道があるけれども、そういうことをやるのかどうかということを聞いているので、外務省にもきょう来てもらっているはずですから、その点について。
#218
○田中説明員 お答え申し上げます。
 経構研の報告と申しますのは、日本の政府がこれを受けてどう考えていくかということでございまして、この実施についてアメリカと協議をしていくというようなことではないと了解いたしております。
 今回の訪米におきまして、二国間で構造問題について対話を行っていこうという了解ができたわけでございますけれども、これは幾つかの前提がございまして、一つは、交渉ではなくて対話であるということでございます。もう一つは、アメリカの構造問題も含めて二国間の問題をやっていくんだということでございまして、経構研の報告そのものを取り上げてやっていくわけではない。日米間のいろいろな構造問題が対外不均衡に与えている影響というものをお互いよく議論して理解を深めようではないか、こういう趣旨であると私どもは了解いたしております。
#219
○工藤(晃)委員 時間が来ましたので終わりますけれども、今のような答弁は私はそのまま信じるわけにはいきません。
 それで問題は、アクションプログラムの問題も聞きたかったのですが、ともかく物すごい勢いでやって、これがまた今の安全を守るという行政に著しく悪い影響を与え出した、そういう中で今度の法案が出てきているということを最後に指摘するにとどめまして、私の質問を終わります。
#220
○野田委員長 和田貞夫君。
#221
○和田(貞)委員 本法律案は、臨時行政調査会の最終答申を受けた行政改革大綱に基づいて、特殊法人等についてこれを民間法人化、活性化を行うということ、あわせて国等の試験事務の民間団体への委譲を行う、そういうものを内容としたものでございます。
 いずれにいたしましても、その内容、趣旨等については、それぞれの性格が類似をしておるとはいうものの別なものでございまして、これを一括してこの法案を提出してくるという経緯は、まことにけしからぬものだと私は思うわけであります。今回このように一括して提案をされておるわけでございますが、これが例になって、これからも同じような形で一潟千里の姿で一括法案を出してくるということは、私はこれ限りにしてもらいたいと思う。最近はどうもはやりの一括法案がたくさん出てくるわけでございますが、そのことを通じて国会の審議を軽視するということになりかねないわけでございますので、少なくとも通産関係の法案についてはこれ限りで、ぜひともそういうことのないように冒頭に強く要望したいと思うわけでございます。その点についてまずお答え願いたいと思います。
    〔委員長退席、奥田(幹)委員長代理着席〕
#222
○渡辺国務大臣 審議をして、各法案それぞれのものについて十分深く掘り下げたいという議員の皆様方の心境は、私も議員でありますからよくわかります。しかしながら、一方、重要といえば重要ですが、基準の緩和をするという点で似たような内容のものがありまして、それが同趣旨のものでございますから、九本の法律で出すということになりますと本数も非常にふえますし、それから審議日数等から見て、今国会は参議院の選挙が後にございまして会期の延長は考えられない、そういうような点も考えまして、今回は一括法として出させていただいたわけでございます。
 今後一括法を出すな、約束しろと言われておりますが、これは中身にもよることでございますから全く出さないというお約束はできないわけでございますが、御趣旨はよくわかっておりますので、無理は余りしないようにしたいと思っております。
#223
○和田(貞)委員 これは、類似をしておる性格でありましても、それぞれ歴史の過程の中でできてきた内容のもので異なっておるわけでございますから、類似をしておってもいわば異質なものでございますので、尊重するというように大臣は言われたわけでございますけれども、個別に慎重に審議をしていくというのが立法府の我々の立場でもございますので、これからこのようなことを二度と繰り返さないように、ぜひとも強く要望しておきたいと思うわけであります。
 そこで、内容に入るわけでございますが、法案全体を通じましてそれぞれの角度から非常に心配もし、見通しについて疑心暗鬼を持たれる方もあるわけでございます。特にこれらを通じまして安全性というものはどう確保されるのか、公益性というものはどういうように保障されるのか、あるいは事業性をもたらす結果になって、これによって消費者保護の立場は一体どういうように保障されるのかということを非常に心配しておられることであろうと思うわけであります。それらの方々の立場に立って逐次質問をしてまいりたいと思うわけであります。
 まず、この対象法人である製品安全協会あるいは高圧ガス保安協会、日本電気計器検定所の民間法人化によって経営基盤の確立をいかに図っていくか、こういうことであります。特に製品安全協会は、その収入の二四%強を国庫補助金に依存しておったわけでございますが、今後その国庫補助金を削減することによりまして、経営努力を行ったとしても、手数料の引き上げを行わざるを得ない、こういうことになってくるわけでありますので、どうしてもその手数料の引き上げを何とかできるならばということで、零細業者がSGマークをつけずに市場に製品を出していくということになりますと、消費者に多大な被害を与えることにもなりかねないわけであります。
 こういうような点について、申し上げましたように公益性あるいは事業性、消費者保護との関連、調和についてどのように図っていかれようとしておるのか、お伺いしたいと思います。
#224
○鎌田政府委員 先生御指摘の御懸念でございますが、今回民間法人化されることになりました特殊法人等につきましては、臨調答申の線に沿いまして経営的に自立化を達成するというところがねらいでございまして、今回お願いいたしております監督・規制の緩和につきましても、経理面あるいは組織運営面についてのそれでございまして、これらの法人、先生ただいま御指摘ございましたように、大変公共性の高い業務を遂行しているわけでございまして、そういう業務執行面との関係では従来どおりの監督・規制を続けるということにいたしているわけでございます。企業性と公共性の調和という大変難しい問題でございますけれども、今申し上げましたような格好で調和を図ろうというふうにいたしております。
 それから、財政基盤の問題について御懸念を表明されたわけでございますが、私ども今回この法案を提出するに当たりまして、この点につきましては特に慎重に検討さしていただいた次第でございます。御指摘ございました製品安全協会、高圧ガス保安協会並びに日本電気計器検定所でございますが、いずれも政府出資のほかに相当額の積立金、内部留保を有しておるわけでございます。また恒常的な収入財源でございますけれども、長年にわたりまして検定・検査等の事業をやっているわけでございまして、比較的収入源も安定しているということでございます。加えまして、今回民間法人化することによりまして、従来の業務につきましては各法人の経営努力が一層喚起されるということが期待されるわけでございまして、また今回の法律改正でお願いいたしておりますように、本来業務に支障のない範囲内でそれぞれの法人に蓄積されましたハード面、ソフト面の能力を生かしまして新しい業務に積極的に取り組むということになっておりますので、財政基盤が脆弱化することはないというふうに考えておる次第でございます。
 なお、製品安全協会につきましては産業政策局の方から御答弁申し上げます。
#225
○松尾(邦)政府委員 製品安全協会につきましては、先生御指摘のとおり、収入に占める政府の補助金のウエートが大変高いことにおいて、民間法人化に伴います財政基盤につきまして十分配慮しなければならないところかと存じますけれども、私どもといたしましては、協会の経営努力あるいは今後の委託費の運営等におきまして、消費者保護上問題の生じないよう種々配慮してまいりたいと存じております。
 協会の自助努力の点におきましては、今回の民営法人化に伴いまして、経営努力の喚起あるいは組織の活性化が促されることになるわけでございますけれども、その際、SGマークを貼付する品目をふやすとか、貼付する枚数をふやしていく、あるいはセミナー等、あるいは関係業界の安全マインド啓発のための新規事業の開拓等に積極的に取り組むことを期待いたしておりますし、他方、現在国が協会に対しまして、国にかわって特定製品の検定等の事務を行わしめているわけでございますけれども、法案の施行に至りました暁には民間団体等へ委託することになるわけでございます。
 その際の所要の委託費を予算にも計上いたしておりますが、この委託先といたしましては、これまでの実績等を踏まえますれば、当面安全協会がその委託先になるのではないかというふうに考えられるわけでございます。したがいまして、補助金の廃止によりまして、御懸念ございました手数料の引き上げを直ちに行わなければならないというようなことにはならないと考えておりますが、できる限り消費者保護上問題を生ずることのないよう、引き続き協会の努力を促してまいり、法の適正な運営を図ってまいりたいと考えております。
#226
○和田(貞)委員 大臣がちょっと立たれましたので、大臣に関係しないのを質問したいと思いますが、資格試験の問題です。この資格試験を指定機関へ委譲することによりまして、それぞれの資格制度が抱えている意義あるいは目的、これらに沿って厳正かつ公正性というものが必要でございますが、その点の保証、あるいは指定機関の独立採算制に伴ってこれまた大幅な受験料の引き上げが起こってくるのでなかろうか、そのことによって受益者負担というのが増大していくことが予想されるわけでございます。これらについての的確な措置あるいは指導についていかが考えられておるのか、お答え願いたいと思います。
#227
○黒田(明)政府委員 今まで国が行ってまいりました資格試験を今度は民間委譲するわけでございますけれども、今委員御指摘のとおり、この制度の目的、意義はいささかも変更がないわけでございまして、今後ともそういう目的、意義に照らして、当該試験が厳正かつ公正に行われなければならないという委員の御指摘はそのとおりであるというふうに私どもも認識いたしております。
 それで、今回の法律案で私ども提案しているところも、主としてこの試験の厳正、公正さをいかに確保するかという観点からの規定でございまして、一つは、民間の機関を指定するわけではございますけれども、この指定に当たりましては欠格事由もございますし指定の要件も定められております。そこでは経理的基礎があるかどうか、実施計画は適切であるかどうかといったようなことを見ることになっておりまして、社会的な評価の面で立派な法人に限定するということを考えております。
 また当該指定試験機関に関しましては、公正、中立性の確保の観点から、役員の選任でございますとか試験事務規程でありますとか、そういったものを大臣の認可制にかからしめておるところであります。
 また、試験の合否の判定等時に客観性を要する面がございますけれども、これについては試験委員制を採用いたしておりまして、この要件を省令で定めるとか、届け出制をしくというようなことも行っております。また、秘密漏えい等の観点からの心配もございますので、役職員及び先ほど申し上げました試験委員などにつきましては、秘密保持義務を課しておりますし、刑法その他の罰則の適用につきましては、これらを法令により公務に従事する者とみなすという規定を盛り込んでおりまして、このような試験事務の実施が厳正、公正に行われるよう、十分に手当てをしているつもりでございます。
 第二点の受験手数料の見通してございますけれども、現時点で、手数料がどれくらいになるかということをまだ最終的に計算していないわけでございますが、従来国が予算で面倒を見ていたもの、いわば国がかぶっていた経費がございますので、今後、独立採算制をもとに試験を民間に委譲いたしますと、現在の水準に比較いたしましてある程度の値上がりとなることは避けられないというふうに予想いたしております。
 そうではございますが、この受験手数料は、独立採算制の原則に従いながらも、実費を勘案して政令で定めるということになっておりまして、実費を参酌して受験手数料を定めるに当たりましては、その試験事務を行うに必要な経費というものを厳正に算定して設定することにいたしておりまして、適正負担はお願いしなければなりませんけれども、受験者に必要以上の負担を課することがないように配慮してまいりたいと考えております。
#228
○和田(貞)委員 受験料の引き上げは、今もお触れになったように、ある程度引き上げざるを得ないということでございますが、大体どの程度、例えば一・五倍程度に引き上げになるのか、あるいは二倍程度の引き上げになるのか、その点、見通しとしてお聞かせ願いたいと思います。
#229
○黒田(明)政府委員 これらの受験手数料についてまだ最終的に計算をしておりませんので、ただいま、私どもの関係しております受験手数料がどれぐらいになるかということは申し上げられない段階にございますが、これまで民間委譲が行われましたその他の国家試験の手数料につきましては、今委員が言及されましたような一・五倍とか二倍というような事例がございまして、こういったものと私どもの手数料についてはそれ自体関係はないのでございますが、ほかの手数料も、国が行っておりました場合には、私どもが現在行っております手数料とほぼ同様な計算根拠に立っていたと思われますので、これを参考にするというわけではございませんけれども、実例としてはそういうものがあるということを申し上げさせていただきたいと思います。
#230
○和田(貞)委員 やはり受益者負担が増大しないように、極力受験手数料の問題については配慮をしてひとつ指導してもらいたい、このように意見として申し上げておきたいと思うのであります。
 先ほどの質問に戻りますが、安全協会の収入源をカバーをするために、安全協会に業務の委託ということをお答えになったわけでございますが、そのことによって製品安全協会の経営基盤というものは、国庫補助が減ったとしても決して揺らぐごとはないということに受けとめてよろしゅうございますか。
   〔奥田(幹)委員長代理退席、与謝野委員長代理着席〕
#231
○松尾(邦)政府委員 先ほども申し上げましたように、この法案施行の暁には、国の委託を受ける受託先といたしましてはこの安全協会が有力なものになるだろうということでございますけれども、もとより、それだけで財政基盤が十分確立するかと申しますと、その点は必ずしもそうとは申し切れない点があると思います。
 したがいまして協会といたしましても、今後一生懸命自助努力をいたしまして、先ほども申し上げましたようなことになりますけれども、SGマークの品目をふやしたり、貼付枚数をふやしたり、いろいろみずからも新規事業を開拓するとか、あるいは経営の効率化を図る種々の自助努力というものが前提として必要であろうというふうに考えておりまして、そういった委託事業を受ける資質を維持向上させると同時に、みずからの経営努力をいたしていく、その二点が必要なことだと考えております。
#232
○和田(貞)委員 その経営努力というのは、手数料の引き上げということを含むわけですか。
#233
○松尾(邦)政府委員 将来にわたって手数料の引き上げがないということは申し上げられませんけれども、私どもといたしましては、先ほどのような協会の努力あるいは資質の向上等を通じまして、できるだけ長い期間手数料の引き上げがないような状態で、消費者の保護にそこを来さないように努力してまいりたいと考えておりますし、協会もそのように指導してまいりたいと思っております。
#234
○和田(貞)委員 いずれにしても、これまた消費者のために、手数料の引き上げというものをできるだけ行わないように行政指導をしてもらいたいものだと思います。
 そこで、大臣にお答え願いたいわけでございますが、いずれにいたしましても、電気あるいはガスというようなものは国民の生活に欠かすことができないわけであります。そのために、国民生活の安全を確保するためには、どうしても安全管理行政というものについてはいささかたりとも後退を許されないものでございますので、この点について、民営化によって国民の皆さんに安心していただくために、大臣としての決意をひとつ明確にしてもらいたいと思います。
#235
○渡辺国務大臣 まことに御趣旨のとおりでございまして、ガスや電気に事故があっては困るわけでございますから、その他いろいろな器具、機械等についても、安全がルーズになって、それで事故が多発するということはとんでもないことであります。したがいまして、仮に民営化になりましても、基本的な点は今まで同様でございますから、一層監督を十分にしまして、よく指導をして、かりそめにも民営化になったから安全対策がルーズになったと言われることのないようにいたしたいと考えております。
#236
○和田(貞)委員 電源開発株式会社についてでございますが、これまた昨日から各委員が発言をされておるところであります。
 電源開発株式会社は文字どおり国策会社であるわけでございまして、もともと三十五年前までは、今の九電力会社が統合された日本発送電株式会社であったと思うわけであります。これが独禁法によって今日の電力会社ができておるわけでございますが、もともとこのような地域独占の企業であったといたしましても、公共性、公益性というものを見逃すことができないわけであります。しかるに、今日の九電力会社の料金は、地域地域によって料金のアンバランスがある。同じ電力会社であっても高いところと安いところとある。これは国民の、それぞれの地域に住んでおる人々に与える影響というものはやはり見逃すわけにはいかないわけであります。
 したがって、この電源開発会社の任務は九電力会社を補完する事業機能だけに固執していくのでなくて、広域電源を積極的にみずからが開発していく、あるいは基幹送電線の整備事業についても積極的に行っていく。そのことを通じて、九電力会社を通じて国民の受ける電力料金ができるだけ統一的な料金になっていくような機能を果たす、そういう役割を国策会社として積極的にやっていく必要があるんじゃないかと思うのであります。これにつきましてはやはり政府としての確固たる方針が必要であるわけでございますが、これらについての政府の考え方をお聞かせ願いたいと思います。
#237
○山本(幸)政府委員 先生御指摘のように、九電力につきましてはその料金は必ずしも同じではございませんで、かなりのばらつきがあるということでございます。こうしたいわゆる料金の地域格差につきましては、基本的には安定的かつ低廉な電源開発ということで、例えば原子力とか大型石炭火力を導入することによりまして各電力会社の格差が縮まる方向にあると我々は見ておりますけれども、それと並びまして、先生御指摘のように、いわゆる広域運営といいますか、あるいは共同開発というようなことで各電力が協力して電源を有効に使い、あるいは必要に応じまして電力を融通するということが必要かと思います。そうしたいわゆる広域運営という点につきましては、この電源開発株式会社は従来から非常に大きな役割を果たしておりますし、今後ともそういう役割が期待できると考えております。先生御指摘のように、大型の石炭火力というのもつくっておりますし、また基幹送電線というのはこの電発が大いに力を入れている分野でございます。そうした広域開発あるいは電力の融通というような面で、大いにこの電発を活用していきたいと考えております。
#238
○和田(貞)委員 大臣、やはり九電力会社に少し遠慮ぎみな国策会社としての電発の任務に過ぎるのじゃないかと思うのです。受益者の国民としては、九州に住んでおる国民と大阪に住んでおる国民と電力料金が、あるいは企業が受けておる電力料金が異なるのは余りいいことじゃないと私は思うわけでございますので、国策会社としてそれをカバーする立場に立って積極的な方針を政府は打ち出して、そして電発の任務として与えてもらう、そのことを通じて国民がひとしくその利益を受けるということにぜひともしてもらいたいと思うわけでございますが、これらの点については大臣は理解が得られる大臣であると思いますので、ひとつ国民の皆さんに明らかにしてもらうために御答弁をお願いしたいと思います。
#239
○山本(幸)政府委員 先生御指摘のとおり、電力料金の地域格差というのは非常に大きな問題でございます。今後、九電力といたしましても恐らく取り組む非常に大きな課題であると考えております。それに対する解決方法としましては、やはり安定した低廉な電源開発を大いに進めると同時に、有効に電源を活用するという観点から共同開発あるいは電力融通を大いにやる必要がありますが、その際に、電発というのは従来とも中核的な役割を果たしておりますが、今後ともそうした役割については変わらない、ますますそういう役割が期待されるというふうに考えております。
#240
○渡辺国務大臣 全国の電気料金を同じ値段にするということは、それなりの意義があると私は思います。思いますが、それぞれ独立した経営をやっておる。しかし、先ほど部長から言ったように、電力会社間のいろいろな手伝いはかなりやっておりますし、発電したものを卸で各電力会社に売っているということだけでもかなり電力会社にとってメリットがあるというしとは、国民、需要者側にとってもあるということに間接的につながっていくんじゃないか。
 例えば、私の地元で実はダムをつくったんですが、そのダムを遊ばしておくのはもったいない。今から十五年ぐらい前の話ですけれども、電源開発をそこに入れまして、一方、東京電力が福島県に原子力発電所をつくった。夜の時間帯が電力が余るということを利用しまして、電源開発が夜電気を買って、そして揚水発電所をつくったわけです。昼間はピークに達して東電で電力が足らないという時間帯に供給してやるというようなことで、うまく連係プレーをやって、過剰投資にもならないようなことでうまくやっている例がたくさんございますので、今後もそういうようないろいろな電力会社間の調整とかその他の問題で、うまくこれを活用していくようにしたいと思っております。
#241
○和田(貞)委員 せっかくの国策会社であるわけでございますから、国民の利便、国民の受ける格差をできるだけ解消するために、ぜひとも政府の方針として、電源開発株式会社の広域的な電源の開発等について積極的に業務の中心として充実してもらうように、今後ひとつ指導のほどをよろしくお願い申し上げておきたいと思うわけであります。
 次に、自立化を対象にする法人についてでございますが、それぞれ民間法人化されることによって、そこに働いておる労働者の雇用の不安というか、この法律が成立した後に一体どうなるのかということを非常に心配しておられると思うわけであります。今日までそれぞれの歴史的な過程の中で国民の安全、公益性というものを非常に重視して頑張ってこられた労働者であります。これらの労働者の労働条件が悪くなるとかいうようなことにならないようにぜひともしてもらいたいと思うのであります。これが民間法人化によって労働者に負担を押しつけるというようなことがないようにぜひとも指導してもらいたいと思うわけでございますが、どのように対処されるかお答え願いたいと思います。
#242
○渡辺国務大臣 それは民間に少々株が移転したからといって、労働条件等においては全く変わらない、私はそう思っております。
#243
○鎌田政府委員 ただいま大臣から御答弁ございましたけれども、やや補足いたしまして事務的に御答弁申し上げたいと思います。
 民間法人化によりまして労使関係がどうなるかということでございますが、労働条件は基本的には法人内部で労使間で対応すべき問題ではございます。ただ、今回の措置によりまして各法人の経営的な自立化のための基盤ができるわけでございまして、一方では、従来業務の活性化あるいは新規業務の開拓というような環境が整備されるわけでございますが、他方で、組織、管理面におきましてその業務の実態に応じた機動的、弾力的な対応が法人の自主的な判断として可能になるわけでございます。
 いずれにいたしましても、今回民間法人化いたします各法人は、長年にわたりまして検査・検定等の業務を、いわばかたい事業を長年にわたってその特別な技術能力に基づいてやっているわけでございますので、経営的な基盤はしっかりしたものがあるというふうに判断いたしておりますし、また先ほど申しましたようなことでございまして、事務量の極端な増減や職員の負担の過重といった問題はないと考えております。
 ただ、いずれにいたしましても、これらの法人は非常に公共性の高い業務を遂行しておるわけでございまして、業務の適正な実施という観点から、私どもといたしましても法人の労使関係を見守っていきたいというふうに考えておる次第でございます。
#244
○和田(貞)委員 先ほど通産大臣の方から、いささかも労働条件は変わらないという答えがございましたので、私は安心をしておるわけでございますが、何としても働く労働者にとっては一番の関心事でございます。ぜひとも大臣がお述べになった基本的な立場に立って、雇用労働者がいささかも雇用不安におののかないように、ひとつ雇用の確保について十分な配慮をされんことを望んでおきます。
 そこでその次に、これも昨日から各委員がそれぞれ指摘されたところであるわけでございますが、これらの対象法人に対する役員の天下りがまことに多いわけであります。例を挙げますと、製品安全協会につきましては常勤の役員が六名に対しまして通産のOBが三人、大蔵のOBが一人、六人の常勤役員の中で四人が天下り役員である。電源開発株式会社については十一人の役員の中で通産のOBが三人、これまた大蔵のOBが一人ということで四人の天下り役員である。高圧ガス保安協会につきましては七人の役員の中で通産のOBが三人、これまた七人中三人の天下り役員である。日本電気計器検定所については五名の役員の中で、これまた通産のOBが二人、大蔵のOBが一人ということで、五人のうちの三人が天下り役員である。東京中小企業投資育成株式会社については、通産あるいは東京都のOBあるいは中小公庫のOB、日銀のOB等々で、常勤六人の役員の中でプロパーの役員がわずか一人にとどまっておるということであります。あるいは名古屋の中小企業投資育成株式会社につきましても常勤役員四人の中でプロパーが二人。大阪の中小企業投資育成株式会社についてはプロパーが全くなしというようなことで、極めて天下りの役員が多いわけです。
 これは民間法人になってその活性化を図っていくということで、役員をそのような天下りをさせていくというようなことで果たして活性化になるのかどうかということ。やはり内部登用を図っていくことによって、その中に働いておる人たちの経営活力の本当の意味での高揚を図っていく、どんどんと内部登用によって役員にさせていくということが真の活性化に通じていくのではなかろうかと思うわけでございます。
 このようなことにつきまして、今後民営化によって、よりそのことが通産省として口挟みができないというようなことになっていくのではないかということを心配するわけでございますが、活性化ということを考えるのであれば、天下り人事よりも内部登用というものが真に活性化の目的を果たせることになるのじゃなかろうかと私は思いますので、この点についてはぜひともひとつ大臣の決意を述べてもらいたいと思うのです。
#245
○渡辺国務大臣 これはできたいきさつ等がありまして、言うならば公社、公団、事業団というようなものに類したような形で最初は発足しておるといういきさつ、そういう点で政府の外郭機関みたいな形で出発しておりますから、いきさつからするとどうしてもそういうような形の天下りというか出向というか、そういう形が多かったのも事実だろうと私は思います。電源開発に例をとると、七二%も国が金を出しておるというところに問題もあるのであって、将来は仮に政策会社であっても七二%も国が出資する必要はないので、三分の二以上を持っておれば十二分なわけですから、これは将来の課題だと私は思っておる。しかしスタートして二十年、三十年となれば、それは立派な人がその中から育ってくるということになってまいるので、おのずから人材が登用されるというようなことになるだろう、そう思っておるわけであります。
 まあ天下り自身が全部悪いとも私は思っていないのです。それは天下りというのは役所を退いてから行くからそう言われるのでありますが、人物はやはり適材適所で採用されるというのが当然であって、役所をやめた人に人材がたくさんおって、しかも人の寿命も、長生きして男が七十四とか八十とか生きるようになったわけですから、そういう立派な人を遊ばしておくのはもったいないということで、民間でも進んで人を採るということになっておるわけでありますので、そこのところは弊害が出ないようにやっていきたい、私はそう思っておるわけであります。
#246
○和田(貞)委員 私は、丸々天下りは必要でないとは言いません。必要な人材を確保するためにはその必要性というものは私は認めます。しかし、例を申し上げましたように、全くプロパーの役員でなくて全部天下りというのは、むしろ余りにも企業意識をなくしてしまうということになるわけですね。やはり活性化のための今度の法律の改正であるならば、そのように内部からも人材を登用することによって意欲というものが生まれてくる、そこで初めて本当の活性化というものが生まれてくるわけであります。いかに民営化されて、大臣の役員に対するところの認可性が届け出制になったり、あるいは口挟みをすることが薄くなったとしても、今後ともその面についてはひとつぜひとも万怠りのないように行政指導をやってもらいたいということをつけ加えておきたいと思うわけであります。
 液化石油ガスによるところの消費先の事故についても、これはまたきのうから各委員がそれぞれ述べられているわけでありますが、ぜひとも保安センターの認定を急いでもらう、促進してもらう、そういうことによって消費者への保安啓蒙活動を強化していくということについてぜひともひとつやってもらいたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#247
○黒田(明)政府委員 保安センターの認定化につきましては従来から努力しているところでございますけれども、今後ともこの点については一層努力いたしたいというふうに考えておりまして、覚悟としては、すべての保安センターを認定化するというような覚悟で臨むつもりでおります。
#248
○和田(貞)委員 法案成立によりまして民間法人になっていくわけでございますが、やはり国民の期待するところは安全性が損なわれないように、そして我々の立場から公益性というものはやはりこの業務の性格上保障をしていくごとがぜひとも必要であろうと思いますので、余りにも事業性に突っ走ることによってこの公益性が薄くなったり、あるいはそれを通じて消費者が非常に心配するというようなことにならないように、通産省、これからもひとつぜひとも微に入り細にわたって関係の対象の団体に対しまして強く指導を怠らないようにしてもらいたいということを最後につけ加えさせていただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
    〔与謝野委員長代理退席、委員長着席〕
#249
○野田委員長 ちょっと速記をとめて。
    〔速記中止〕
#250
○野田委員長 速記を始めて。
 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#251
○野田委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#252
○野田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#253
○野田委員長 この際、本案に対し、佐藤信二君外三名から、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。城地豊司君。
#254
○城地委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず案文を朗読いたします。
    消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、本法が行政改革の一環として行われるものであることにかんがみ、行政事務の簡素合理化を一層促進するとともに、特に、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 本法が対象とする特殊法人等の自立化・活性化を実効あるものとするよう組織・運営面等に十分配慮するとともに、業務内容の充実、効率化等に適切な措置を講じ、その経営基盤の確立を図ること。
 二 国民生活の安全及び計器の信頼性を確保する行政は今後とも重要であり、検査、検定業務が一層厳正かつ公正に行われるようさらに国の監督指導に万全を期すること。
 三 液化石油ガスによる消費先の事故を防止するため、消費者への保安啓蒙活動を強化するとともに、保安センターの認定を促進し、その整備を図ること。
 四 指定機関へ委譲後の資格制度に係る試験が、制度の意義、目的に沿って厳正かつ公正に行われるよう措置するとともに、独立採算制に伴い過大な受益者負担とならないよう指導すること。
 五 電源開発株式会社の国策会社としての機能を一層発揮させるため、同社の活性化策を実効あるものとするとともに、電気事業の健全な発展を期する見地から、同社に広域電源等の開発を積極的に行わせるよう指導すること。
 六 中小企業の自己資本を充実し、その健全な発展を図るため、中小企業投資育成株式会社の事業運営がさらに積極的に行われるよう指導すること。
以上であります。
 附帯決議案の内容につきましては、審議の経過及び案文によって御理解いただけると存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#255
○野田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 本動議について採決いたします。
 佐藤信二君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#256
○野田委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡辺通商産業大臣。
#257
○渡辺国務大臣 ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重して、本法案の適切な実施に努めてまいる所存であります。
    ―――――――――――――
#258
○野田委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#259
○野田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#260
○野田委員長 次に、内閣提出、参議院送付、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより趣旨の説明を聴取いたします。渡辺通商産業大臣。
    ―――――――――――――
 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#261
○渡辺国務大臣 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 戦後における我が国化学工業の発展には目覚ましいものがあり、その量的拡大はもちろん、技術開発の進展に伴い、毎年数多くの新たな化学物質が開発されてきております。今や化学物質は、我々の身の回りのほとんどの家庭用品に使用され、国民が文化的な社会生活を営んでいくためには必要不可欠なものとなっており、また、化学物質の有効利用は、今後の我が国産業の発展を支える上で極めて重要な役割を果たしていくものと期待されます。
 しかしながら、化学工業の発展は、必ずしも順調なものであったとは言えません。昭和四十年代半ばに発生したPCB(ポリ塩化ビフェニル)による環境汚染問題は、広く産業活動あるいは国民生活に有用なものとして使用される化学物質の中に、その使用を通じて環境を汚染し、ひいては人の健康を損なうおそれがあるものがあり得ることを示すとともに、我々に化学物質の安全性確保対策の確立の必要性を痛感させるものでありました。
 こうした背景のもとに、昭和四十八年、世界に先駆けて化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、いわゆる化審法が制定され、自来、PCB類似の難分解性と蓄積性を有し、かつ、有害性がある化学物質による環境汚染を未然に防止するため、同法による化学物質の安全確保対策に万全を期してまいりました。
 このように化審法は、化学物質の安全確保に関する国民的要請のもとに、当時の人知を結集して制定されたものでありますが、制定後十二年の間に、化学物質安全確保対策をめぐる内外の状況には、大きな変化が見られるに至っております。
 すなわち、各国間の化学物質規制の態様の相違が円滑な化学品貿易の障害となることがないよう、OECDの場でも検討が進められ、化学物質規制の国際的調和に関する勧告が取りまとめられるに至っております。
 他の主要先進諸国においては、この勧告に基づく法制度を採用してきており、我が国としても、化学品貿易の一風の円滑化を図る観点から、他の先進諸国と同様、こうした化学物質規制の国際的潮流に対応することが求められております。
 また、国内においても、近年、PCBとは異なり、生物体内に蓄積する性質は有さないものの、難分解性及び有害性があるため、その製造、輸入、使用等の状況によっては、環境に残留し人の健康に係る被害を生ずるおそれがある化学物質による環境の汚染が問題となっており、こうした問題に早急に対応する必要が生じているところであります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一は、新規化学物質の事前審査の充実であります。新規に開発された化学物質について、これまでのPCB類似の性状の有無の判定に加え、蓄積性は有さないものの、難分解性及び有害性を存するかどうかの判定も行うこととし、このような性状を有する疑いのある化学物質を指定化学物質として指定することといたします。
 なお、事前審査における試験項目の決定など技術的事項については、国際的動向に十分配慮して決めることとしております。
 第二は、事後管理制度の導入であります。指定化学物質については、製造、輸入数量の届け出を義務づけ、その使用状況等から見て必要があると認めるに至ったときは、その製造事業者等に有害性の調査を指示することができることといたします。
 さらにその調査の結果、有害性が確定した化学物質で相当程度の汚染が生じていると認められるものを第二種特定化学物質として政令指定し、製造及び輸入の予定数量等の事前届け出を義務づけ、環境汚染防止のための技術上の指針の公表、表示の義務づけ等の措置を講ずるとともに、環境汚染の状況によっては、製造予定数量等の変更も命令し得るようにすることといたしております。
 以上が、本法律案の提案理由及び要旨であります。何とぞ慎重に御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#262
○野田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
     ――――◇―――――
#263
○野田委員長 この際、小委員会設置に関する件についてお諮りいたします。
 エネルギー、基礎素材及び鉱物資源に関する諸問題を調査するため小委員二十名よりなるエネルギー、基礎素材及び鉱物資源問題小委員会並びに
 流通に関する諸問題を調査するため小委員二十名よりなる流通問題小委員会を、それぞれ設置することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#264
○野田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 両小委員会の小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#265
○野田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 両小委員会の小委員及び小委員長は、委員長において指名し、追って公報をもってお知らせいたします。
 なお、小委員及び小委員長の辞任、補欠選任につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#266
○野田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時四十二分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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