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1985/03/20 第104回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第104回国会 社会労働委員会 第5号
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1985/03/20 第104回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第104回国会 社会労働委員会 第5号

#1
第104回国会 社会労働委員会 第5号
昭和六十一年三月二十日(木曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 山崎  拓君
   理事 稲垣 実男君 理事 小沢 辰男君
   理事 高橋 辰夫君 理事 浜田卓二郎君
   理事 池端 清一君 理事 村山 富市君
   理事 大橋 敏雄君 理事 塩田  晋君
      愛知 和男君    伊吹 文明君
      古賀  誠君    谷垣 禎一君
      戸井田三郎君    長野 祐也君
      西山敬次郎君    野呂 昭彦君
      浜野  剛君    林  義郎君
      網岡  雄君    金子 みつ君
      上西 和郎君    竹村 泰子君
      森井 忠良君    沼川 洋一君
      橋本 文彦君    森田 景一君
      森本 晃司君    伊藤 昌弘君
      浦井  洋君    小沢 和秋君
      菅  直人君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 今井  勇君
 出席政府委員
        厚生大臣官房総
        務審議官    北郷 勲夫君
        厚生省生活衛生
        局長      北川 定謙君
        厚生省社会局長 小島 弘仲君
        厚生省児童家庭
        局長      坂本 龍彦君
        厚生省保険局長 幸田 正孝君
        厚生省年金局長 吉原 健二君
        厚生省援護局長 水田  努君
        社会保険長長官
        官房審議官   朝本 信明君
        社会保険長年金
        保険部長    長尾 立子君
 委員外の出席者
        大蔵省主計局共
        済課長     坂本 導聰君
        大蔵省主税局税
        制第一課長   小川  是君
        厚生省年金局年
        金課長     谷口 正作君
        労働省婦人局婦
        人労働課長   藤井紀代子君
        日本国有鉄道経
        理局資金課長  桝田 卓洲君
        社会労働委員会
        調査室長    石川 正暉君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月七日
 辞任         補欠選任
  網岡  雄君     岡田 利春君
  金子 みつ君     川崎 寛治君
  竹村 泰子君     多賀谷眞稔君
  沼川 洋一君     二見 伸明君
同日
 辞任         補欠選任
  岡田 利春君     網岡  雄君
  川崎 寛治君     金子 みつ君
  多賀谷眞稔君     竹村 泰子君
  二見 伸明君     沼川 洋一君
同月二十日
 辞任         補欠選任
  網岡  雄君     上西 和郎君
同日
 辞任         補欠選任
  上西 和郎君     網岡  雄君
    ―――――――――――――
三月十四日
 廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出第六三号)(予)
同月七日
 老人保健法改悪反対等に関する請願(浦井洋君
 紹介)(第九六九号)
 同(小沢和秋君紹介)(第九七〇号)
 国立療養所松戸病院と国立柏病院の統廃合反対
 等に関する請願外一件(新村勝雄君紹介)(第
 九七一号)
 同外三件(新村勝雄君紹介)(第九九六号)
 腎疾患総合対策確立に関する請願(稲葉誠一君
 紹介)(第九七二号)
 同(関谷勝嗣君紹介)(第九七三号)
 同(山原健二郎君紹介)(第九七四号)
 同(河野正君紹介)(第九九七号)
 同(兒玉末男君紹介)(第九九八号)
 同(森喜朗君紹介)(第九九九号)
 同(坂口力君紹介)(第一一一四号)
 同(仲村正治君紹介)(第一一一五号)
 同(林義郎君紹介)(第一一一六号)
 同(森本晃司君紹介)(第一一一七号)
 同(森下元晴君紹介)(第一一五〇号)
 国立篠山病院等の移譲反対等に関する請願(浦
 井洋君紹介)(第九七五号)
 同(駒谷明君紹介)(第一〇〇〇号)
 難病患者等の医療及び生活保障等に関する請願
 (浦井洋君紹介)(第九七六号)
 同(網岡雄君紹介)(第一一一八号)
 同(森本晃司君紹介)(第一一一九号)
 同(竹村泰子君紹介)(第一一五一号)
 社会保障・社会福祉の拡充に関する請願(梅田
 勝君紹介)(第一〇三四号)
 同(浦井洋君紹介)(第一〇三五号)
 同(小沢和秋君紹介)(第一〇三六号)
 同(岡崎万寿秀君紹介)(第一〇三七号)
 同(経塚幸夫君紹介)(第一〇三八号)
 同(工藤晃君紹介)(第一〇三九号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第一〇四〇号)
 同(柴田睦夫君紹介)(第一〇四一号)
 同(瀬崎博義君紹介)(第一〇四二号)
 同(瀬長亀次郎君紹介)(第一〇四三号)
 同(田中美智子君紹介)(第一〇四四号)
 同(津川武一君紹介)(第一〇四五号)
 同(辻第一君紹介)(第一〇四六号)
 同(中川利三郎君紹介)(第一〇四七号)
 同(中島武敏君紹介)(第一〇四八号)
 同(中林佳子君紹介)(第一〇四九号)
 同(野間友一君紹介)(第一〇五〇号)
 同(林百郎君紹介)(第一〇五一号)
 同(東中光雄君紹介)(第一〇五二号)
 同(不破哲三君紹介)(第一〇五三号)
 同(藤木洋子君紹介)(第一〇五四号)
 同(藤田スミ君紹介)(第一〇五五号)
 同(正森成二君紹介)(第一〇五六号)
 同(松本善明君紹介)(第一〇五七号)
 同(三浦久君紹介)(第一〇五八号)
 同(簑輪幸代君紹介)(第一〇五九号)
 同(山原健二郎君紹介)(第一〇六〇号)
 国立療養所静澄病院と国立津病院の統廃合反対
 等に関する請願外四件(坂口力君紹介)(第一
 一一三号)
 保育所制度の充実に関する請願(鹿野道彦君紹
 介)(第一一四八号)
 同(森下元晴君紹介)(第一一四九号)
同月十三日
 老人保健法等の一部を改正する法律案に関する
 請願(稲垣実男君紹介)(第一二一八号)
 老人保健法の改定等に関する請願(浦井洋君紹
 介)(第一二一九号)
 老人医療費の患者負担増大反対等に関する請願
 (沢田広君紹介)(第一二二〇号)
 同(田邊誠君紹介)(第一二二一号)
 同(田並胤明君紹介)(第一二二二号)
 同(森中守義君紹介)(第一二二三号)
 同(横山利秋君紹介)(第一二二四号)
 同(吉原米治君紹介)(第一二二五号)
 同(上野建一君紹介)(第一三八一号)
 同外四件(梅田勝君紹介)(第一三八二号)
 同(小沢和秋君紹介)(第一三八三号)
 同外一件(小澤克介君紹介)(第一三八四号)
 同(角屋堅次郎君紹介)(第一三八五号)
 同(柴田睦夫君紹介)(第一三八六号)
 同外一件(新村勝雄君紹介)(第一三八七号)
 同(田中美智子君紹介)(第一三八八号)
 同(田並胤明君紹介)(第一三八九号)
 同(竹内猛君紹介)(第一三九〇号)
 同(中林佳子君紹介)(第一三九一号)
 同(中村重光君紹介)(第一三九二号)
 同(永井孝信君紹介)(第一三九三号)
 同(藤田スミ君紹介)(第一三九四号)
 同(堀昌雄君紹介)(第一三九五号)
 医療保険制度の改善に関する請願(田邊誠君紹
 介)(第一二二六号)
 被爆者援護法制定に関する請願(浦井洋君紹介
 )(第一二六三号)
 同(小沢和秋君紹介)(第一二六四号)
 同(工藤晃君紹介)(第一二六五号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第一二六六号)
 同(瀬崎博義君紹介)(第一二六七号)
 同(中川利三郎君紹介)(第一二六八号)
 同(林百郎君紹介)(第一二六九号)
 同(藤田スミ君紹介)(第一二七〇号)
 同(箕輪幸代君紹介)(第一二七一号)
 腎疾忠総合対策確立に関する請願(中島源太郎
 君紹介)(第一二七二号)
 同外一件(小川仁一君紹介)(第一四〇四号)
 同(永井孝信君紹介)(第一四〇五号)
 医療保険制度改善に関する請願(伊藤茂君紹介
 )(第一三七四号)
 同(加藤万吉君紹介)(第一三七五号)
 老人保健法改善等に関する請願(渋沢利久君紹
 介)(第一三七六号)
 同(中林佳子君紹介)(第一三七七号)
 同(不破哲三君紹介)(第一三七八号)
 東京都の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願(鈴切康雄君紹介)(第一三七九号)
 民間保育事業振興に関する請願(鈴切康雄君紹
 介)(第一三八〇号)
 福祉の充実に関する請願(瀬長亀次郎君紹介)
 (第一三九六号)
 同(津川武一君紹介)(第一三九七号)
 同(東中光雄君紹介)(第一三九八号)
 老人医療への定率自己負担導入反対等に関する
 請願(梅田勝君紹介)(第一三九九号)
 同(小澤克介君紹介)(第一四〇〇号)
 同(渋沢利久君紹介)(第一四〇一号)
 同(中林佳子君紹介)(第一四〇二号)
 老人医療の無料化制度復活等に関する請願(瀬
 長亀次郎君紹介)(第一四〇三号)
 難病患者等の医療及び生活保障等に関する請願
 (河野正君紹介)(第一四〇六号)
 同外一件(竹村泰子君紹介)(第一四〇七号)
同月十八日
 公共事業による失業対策推進等に関する請願
 (小沢和秋君紹介)(第一四六四号)
 心身障害者対策基本法の一部改正に関する請願
 (桜井新君紹介)(第一四六五号)
 医療保険の改善に関する請願(中林佳子君紹介
 )(第一四六六号)
 高齢者の福祉・医療拡充に関する請願(不破哲
 三君紹介)(第一四六七号)
 老人医療費の患者負担増大反対等に関する請願
 (武田一夫君紹介)(第一四六八号)
 同(網岡雄君綱介)(第一五三二号)
 同(石橋政嗣君紹介)(第一五三三号)
 同外二件(稲葉誠一君紹介)(第一五三四号)
 同(嶋崎譲君紹介)(第一五三五号)
 同外一件(新村勝雄君紹介)(第一五三六号)
 同(広瀬秀吉君紹介)(第一五三七号)
 同外一件(森井忠良君紹介)(第一五三八号)
 同(山花貞夫君紹介)(第一五三九号)
 同(山本政弘君紹介)(第一五四〇号)
 腎疾患総合対策確立に関する請願(簑輪幸代君
 紹介)(第一四六九号)
 同(江田五月君紹介)(第一五四三号)
 同(金子みつ君紹介)(第一五四四号)
 同(森井忠良君紹介)(第一五四五号)
 原爆被害者援護法制定に関する請願(辻第一君
 紹介)(第一四七〇号)
 同(藤木洋子君紹介)(第一四七一号)
 同(藤田スミ君紹介)(第一四七二号)
 同(正森成二君紹介)(第一四七三号)
 老人保健法等の一部を改正する法律案に関する
 請願(阿部文男君紹介)(第一四七四号)
 同(工藤巌君紹介)(第一四七五号)
 同(鈴木宗男君紹介)(第一四七六号)
 同(中川昭一君紹介)(第一四七七号)
 同(天野光晴君紹介)(第一五四九号)
 同(伊東正義君紹介)(第一五五〇号)
 同(仲村正治君紹介)(第一五五一号)
 同(平林鴻三君紹介)(第一五五二号)
 同(村山達雄君紹介)(第一五五三号)
 同(渡部恒三君紹介)(第一五五四号)
 医療保険改善に関する静願(山花貞夫君紹介)
 (第一五三一号)
 老人医療への定率自己負担導入反対等に関する
 請願(山花貞夫君紹介)(第一五四一号)
 老人医療の無料化制度復活等に関する請願外一
 件(上野建一君紹介)(第一五四二号)
 国立篠山病院等の移譲反対等に関する請願(永
 井孝信君紹介)(第一五四六号)
 難病患者等の医療及び生活保障等に関する請願
 (金子みつ君紹介)(第一五四七号)
 同(森井忠良君紹介)(第一五四八号)
 老人保健法改善等に関する請願(金子みつ君紹
 介)(第一五五五号)
 同(嶋崎譲君紹介)(第一五五六号)
 同(山花貞夫君紹介)(第一五五七号)
 同(山本政弘君紹介)(第一五五八号)
同月二十日
 国立久留米病院の存続等に関する請願(稲富稜
 人君紹介)(第一五八七号)
 同(細谷治嘉君紹介)(第一七四五号)
 看護婦の夜勤日数制限等に関する請願(梅田勝
 君紹介)(第一五八八号)
 同外一件(浦井洋君紹介)(第一五八九号)
 同外一件(小沢和秋君紹介)(第一五九〇号)
 同(岡崎万寿秀君紹介)(第一五九一号)
 同(経塚幸夫君紹介)(第一五九二号)
 同(工藤晃君紹介)(第一五九三号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第一五九四号)
 同(柴田睦夫君紹介)(第一五九五号)
 同(瀬崎博義君紹介)(第一五九六号)
 同(瀬長亀次郎君紹介)(第一五九七号)
 同(田中美智子君紹介)(第一五九八号)
 同(津川武一君紹介)(第一五九九号)
 同(辻第一君紹介)(第一六〇〇号)
 同外一件(中川利三郎君紹介)(第一六〇一号
 )
 同外一件(中島武敏君紹介)(第一六〇二号)
 同(中林佳子君紹介)(第一六〇三号)
 同(野間友一君紹介)(第一六〇四号)
 同(林百郎君紹介)(第一六〇五号)
 同(東中光雄君紹介)(第一六〇六号)
 同(不破哲三君紹介)(第一六〇七号)
 同(藤木洋子君紹介)(第一六〇八号)
 同(藤田スミ君紹介)(第一六〇九号)
 同(正森成二君紹介)(第一六一〇号)
 同(松本善明君紹介)(第一六一一号)
 同(三浦久君紹介)(第一六一二号)
 同(簑輪幸代君紹介)(第一六一三号)
 同(山原健二郎君紹介)(第一六一四号)
 同(菅直人君紹介)(第一七四六号)
 福岡県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願外一件(小沢和秋君紹介)(第一六一
 五号)
 同(三浦久君紹介)(第一六一六号)
 同(多賀谷眞稔君紹介)(第一七四七号)
 国立十勝療養所及び国立療養所帯広病院の統廃
 合反対等に関する請願(岡田利春君紹介)(第
 一六一七号)
 同(島田琢郎君紹介)(第一六一八号)
 同(岡田利春君紹介)(第一七四八号)
 同(新村源雄君紹介)(第一七四九号)
 大分県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願外三件(木下敬之助君紹介)(第一六
 一九号)
 同(阿部未喜男君紹介)(第一七五〇号)
 福島県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願(上坂昇君紹介)(第一六二〇号)
 同(上坂昇君紹介)(第一七五一号)
 同(佐藤徳雄君紹介)(第一七五二号)
 同(渡部行雄君紹介)(第一七五三号)
 青森県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願(津川武一君紹介)(第一六二一号)
 栃木県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願(広瀬秀吉君紹介)(第一六二二号)
 同(広瀬秀吉君紹介)(第一七五四号)
 同(水谷弘君紹介)(第一七五五号)
 老人医療費の患者負担増大反対等に関する請願
 (清水勇君紹介)(第一六二三号)
 同(山中末治君紹介)(第一六二四号)
 同(伊藤忠治君紹介)(第一七三〇号)
 同(石橋政嗣君紹介)(第一七三一号)
 同(稲葉誠一君紹介)(第一七三二号)
 同(中村正男君紹介)(第一七三三号)
 同(森井忠良君紹介)(第一七三四号)
 同(吉原米治君紹介)(第一七三五号)
 老人保健制度の改悪反対等に関する請願(浦井
 洋君紹介)(第一六二五号)
 老人医療の患者負担増反対等に関する請願外二
 件(永末英一君紹介)(第一六二六号)
 老人保健法等の一部を改正する法律案に関する
 請願(愛野興一郎君紹介)(第一六二七号)
 同(石原健太郎君紹介)(第一六二八号)
 同(上草義輝君紹介)(第一六二九号)
 同(亀岡高夫君紹介)(第一六三〇号)
 同(小山長規君紹介)(第一六三一号)
 同(國場幸昌君紹介)(第一六三二号)
 同(齋藤邦吉君紹介)(第一六三三号)
 同(櫻内義雄君紹介)(第一六三四号)
 同(畑英次郎君紹介)(第一六三五号)
 同(村上茂利君紹介)(第一六三六号)
 同(山下徳夫君紹介)(第一六三七号)
 同(中西啓介君紹介)(第一七四〇号)
 同(若林正俊君紹介)(第一七四一号)
 同(渡辺栄一君紹介)(第一七四二号)
 公共事業による失業対策推進等に関する請願
 (津川武一君紹介)(第一六三八号)
 同(辻第一君紹介)(第一六三九号)
 同(林百郎君紹介)(第一六四〇号)
 同(藤木洋子君紹介)(第一六四一号)
 同(三浦久君紹介)(第一六四二号)
 同(阿部未喜男君紹介)(第一七四四号)
 愛知県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願(網岡雄君紹介)(第一七〇四号)
 同(横山利秋君紹介)(第一七〇五号)
 国立横浜東病院と国立横浜病院の統合反対等に
 関する請願(伊藤茂君紹介)(第一七〇六号)
 長崎県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願(石橋政嗣君紹介)(第一七〇七号)
 同(中村重光君紹介)(第一七〇八号)
 沖縄県の国立病院保療養所の統廃合反対等に関
 する請願(上原康助君紹介)(第一七〇九号)
 徳島県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願(遠藤和良君紹介)(第一七一〇号)
 鹿児島県の国立病院・療養所の統廃合反対等に
 関する請願(上西和郎君紹介)(第一七一一号
 )
 同(村山喜一君紹介)(第一七一二号)
 国立療養所霧島・阿久根・志布志病院の統廃合
 反対等に関する請願(上西和郎君紹介)(第一
 七一三号)
 同(村山喜一君紹介)(第一七一四号)
 宮崎県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願(兒玉末男君紹介)(第一七一五号)
 山形県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願(佐藤誼君紹介)(第一七一六号)
 同(渡辺三郎君紹介)(第一七一七号)
 茨城県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願(竹内猛君紹介)(第一七一八号)
 鳥取県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願(武部文君紹介)(第一七一九号)
 熊本県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願(沼川洋一君紹介)(第一七二〇号)
 国立療養所比良病院の統廃合反対等に関する請
 願(野口幸一君紹介)(第一七二一号)
 宮城県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願(日野市朗君紹介)(第一七二二号)
 愛媛県の国立病院保療養所の統廃合反対等に関
 する請願(藤田高敏君紹介)(第一七二三号)
 広島県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願外二件(古川雅司君紹介)(第一七二
 四号)
 国立大牟田病院の存続等に関する請願(細谷治
 嘉君紹介)(第一七二五号)
 静岡県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願(松前仰君紹介)(第一七二六号)
 佐賀県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願(八木昇君紹介)(第一七二七号)
 富山県の国立療養所統廃合反対等に関する請願
 (安田修三君紹介)(第一七二八号)
 民間保育事業振興に関する請願(左近正男君紹
 介)(第一七二九号)
 国立療養所松戸病院と国立柏病院の統廃合反対
 等に関する請願(新村勝雄君紹介)(第一七三
 六号)
 老人保健制度の拠出金増額反対に関する請願
 (伊藤忠治君紹介)(第一七三七号)
 腎疾患総合対策確立に関する請願(沼川洋一君
 紹介)(第一七三八号)
 難病患者等の医療及び生活保障等に関する請願
 (沼川洋一君紹介)(第一七三九号)
 東京都の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願(金子みつ君紹介)(第一七四三号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
三月十四日
 大阪総合高等職業訓練校の短期大学転換実現に
 関する陳情書(大阪府東大阪市議会議長石井逸
 夫)(第四〇号)
 医療行政の規制反対に関する陳情書外一件(水
 戸市笠原町四八九小川清外一名)(第五一号)
 地域保健医療対策の拡充強化に関する陳情書外
 一件(茨城県町村議会議長会会長多賀郡十王町
 議会議長吉田長秀外二名)(第五二号)
 国民健康保険財政の健全化に関する陳情書外五
 十七件(大阪府門真市議会議長官本駒一外八十
 七名)(第五三号)
 老人医療制度の改定に関する陳情書外三十五件
 (北海道旭川市議会議長小沢仁良外四十二名)
 (第五四号)
 国立病院・療養所の存続等に関する陳情書外十
 件(兵庫県議会議長上田勝信外十七名)(第五
 五号)
 医療従事者の確保等に関する陳情書(福岡県喜
 穂郡穂波町議会議長矢羽田直)(第五六号)
 痴呆性老人対策の充実に関する陳情書(静岡県
 市議会議長会会長浜松市議会議長鈴木進午)(
 第五七号)
 健康保険本人十割給付の復活等に関する陳情書
 外四件(岩手県二戸市議会議長阿部敬四郎外四
 名)(第五八号)
 生活保護法の級地引き上げに関する陳情書(埼
 玉県北本市議会議長柳井茂巳)(第五九号)
 児童館補助金削減反対に関する陳情書外二件
 (新潟県北魚沼郡小出町議会議長丸山栄三外二
 名)(第六〇号)
 学童保育の制度化促進に関する陳情書(岩手県
 紫波郡都南村議会議長佐々木弥一)(第六一号
 )
 血液事業対策の推進に関する陳情書(愛知県議
 会議長浅野市郎)(第六二号)
 医薬品安全行政に関する陳情書(東京都千代田
 区霞が関一の一の一石井成一)(第六三号)
 年金客船の建造に関する陳情書(大阪府茨木市
 議会議長塩貝喜朗)(第六四号)
 原爆被爆者援護法制定に関する陳情書外三件
 (静岡県榛原郡御前崎町議会議長増田権五郎外
 三名)(第六五号)
 使用済み乾電池等の処理対策に関する陳情書
 (愛知県市長会会長西尾市長本多貫一)(第六
 六号)
 一般廃棄物の再資源化促進に関する陳情書外一
 件(愛知県議会議長浅野市郎外九名)(第六七
 号)
 シルバー人材センター事業の充実に関する陳情
 書外二件(東海北陸七県議会議長会代表福井県
 議会議長今村重治外八名)(第六八号)
 婦人パートタイマーの労働環境改善に関する陳
 情書(大阪府東大阪市議会議長東口貞男)(第
 六九号)
 失業対策諸事業に関する陳情書外一件(福岡県
 議会議長田中久也外一名)(第七〇号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 児童扶養手当法及び特別児童扶養手当等の支給
 に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提
 出第三一号)
 年金福祉事業団法及び国民年金法等の一部を改
 正する法律の一部を改正する法律案(内閣提出
 第三〇号)
 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正す
 る法律案(内閣提出第三三号)、
 環境衛生金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫
 法の一部を改正する法律案(内閣提出第四六
 号)
     ――――◇―――――
#2
○山崎委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、児童扶養手当法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部を改正する法律案並びに年金福祉事業団法及び国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹村泰子君。
#3
○竹村委員 児童扶養手当の今回の改正ですけれども、支給額が七百円ほどアップしているわけですね。引き上げていただいたのは大変結構なんですけれども、今コーヒー一杯が三百円から三百五十円いたします。コーヒー二杯分のアップですね。いかにささやかな額であるかということ、物価の上昇率、公共料金のアップ、税金の引き上げなんかに比しまして非常にささやかな額であるということはお気づきだと思いますけれども、百二国会では盛んな論議がくり広げられまして、その結果大幅な修正がされたことを私も全国母子家庭のお母さんたちと心から喜んでいるものであります。
 私は昨年三月二十八日、社労で質問をしております。このとき、厚生省児童家庭局がなさいました「母子世帯等調査結果の概要」、五十九年四月にお出しになったものですけれども、これによりますと、そのときも申し上げましたけれども、母子世帯の年間の収入ですね、これが世帯平均二百万円。これは一般世帯の四百四十四万円の半分以下であるわけです。収入階級別に世帯の累積分布を見ますと、百万円未満が二一・五%、二百万円未満が五八・〇%、三百万円未満が八一・一%というふうになっております。それともう一つ、寡婦の就労状況というのも見なければならないと思っておりますけれども、この寡婦の就労状況の中に出ております年間収入、これも寡婦本人の年間収入は、寡婦全体についての平均は百四十万円である。就労している寡婦のみについて平均が百七十万円、就労していない寡婦のみについての平均は九十四万円、こういうふうになっております。収入階級別に寡婦の累積分布を見ますと、百万円未満が四四・七%、二百万円未満が七九・〇%、三百万円未満が九〇・四%というふうになっているわけでございます。
 私は、昨年の三月二十八日の質問の中でも触れておりますけれども、この児童扶養手当を改正なさる趣旨といいますか、中心的な目標、これが「ここ二十年間の経済の高度成長と各種対策の充実により、婦人の就労機会も増え、また、保育所も整備され、母子世帯が経済的に自立できる条件はかつてに比べて格段に整備されています。」こういうふうに厚生省はお書きになっているわけです。母子世帯の経済的な自立条件が格段に整備されたことを挙げて、真に困っている母子世帯のために合理化、適正化を図ったとされているわけですけれども、離別母子世帯の経済的な事情が児童扶養手当がなくてもやっていけるほど本当に水準が向上しているというふうな統計資料は全くないわけです。厚生省はどういうデータに基づいてこういうことをおっしゃるのですか、再度お尋ねしたいと思います。
#4
○坂本政府委員 昨年御審議いただきました児童扶養手当制度の改正の考え方でございますけれども、今数字をお挙げになりました母子世帯の収入あるいは寡婦の世帯の収入等につきまして、一般世帯から比べますと確かに低いということは事実でございます。
 しかし、昨年もお答えいたしましたように、現実に各種の社会保障制度も従前に比べて相当に充実してまいってきておりますし、また、保育所等の婦人の就労に関係のある施設も、これまた量的にはほぼ充足するような状態にまで来ております。さらに、その保育の内容につきましても、保育需要の多様化に見合った施策もいろいろと進められてきておるところでございます。
 また、社会全体の傾向といたしまして、婦人の労働機会というものも増大をしてきておりまして、もちろん、個別のケースにつきましてはいろいろお気の毒なケースというのがあることは申すまでもありませんけれども、そういった社会全体の動き、状態については、母子家庭等にとって、従前に比べましていろいろな面でその自立を図り福祉の向上ができるような状態に進んできておるということは言えるのではないかと考えております。
#5
○竹村委員 厚生省はそう思っておられるかもしれないけれども、実際には、現実には何もよくなっていないというのがほとんどの人の見方でございまして、ひとりよがりで、大変よくなった、就労機会もよくなった、今労働省にお尋ねもいたしますけれども、保育園も充実した、そういうふうにおっしゃるのは言い過ぎではないか。こういうことはデータに基づいてきちんと言っていただかないと困ると思うのです。
 そこで、きょうは労働省にもおいでいただいておりますのでお尋ねしたいのですけれども、私はちょうど一年前の質問のときにも言っておりますけれども、「母子家庭が自立していくための環境」特に「婦人の就労機会の増大、保育所の整備、貸付金制度の拡充等、大幅に改善されている。」果たして労働省はそう見ておられるのですか。
 そしてもう一つは、特定求職者雇用開発助成金というのがありますね。これを私の質問のときには、職安局の業務指導課長の鹿野さんが、「支給実績が徐々に伸びております。」と数字をお挙げくださいました。それで私がそれに対しまして、特定求職者雇用開発助成金なんというしち難しい何が何だかわからない名前ではなくて、母子家庭のお母さんを雇ったら賃金の四分の一か三分の一を助成しますよ、例えば母子家庭求職者雇用助成金とか、そういうふうな名前をどうしてつけてくれないのですか、わからないじゃないですかと言いましたね。そのときには鹿野さんが「PRの方法については検討してみたいと思います。」と答えておられるのですけれども、一年間どういうふうに検討してくださいまして、どういうふうに伸びておりますでしょうか。
#6
○藤井説明員 お答え申し上げます。
 先生がおっしゃいましたように、母子家庭の母等の就職問題というのは非常に大事な問題と思っておるわけでございます。労働省といたしましてもいろいろな雇用促進の対策をやっております。先生御承知のように、公共職業安定所に寡婦等の職業相談員を配置することによりまして、家庭環境等を配慮したきめ細かい職業指導、職業紹介等に努めますとともに、母子家庭の母等を雇い入れた事業主に対します助成金、先生がおっしゃいました特定求職者雇用開発助成金というものを支給いたしましたり、訓練手当を支給しながらの職業訓練、職場適応訓練の実施等により、その雇用促進対策を図ってきておるわけでございます。昭和六十一年度におきましては、寡婦等職業相談員の増員も十一人行う予定でございます。相談機能の強化を図るとともに、訓練手当等の増額等の措置も講ずるようにしておるわけでございます。
 それから、先生御指摘の特定求職者雇用開発助成金制度、先生は名前のことをおっしゃいましたけれども、これは就業援助対策といたしましていろいろなものをひっくるめて、例えば母子家庭の母のみならず、身障者、高齢者とか、特定不況業種の離職者等も全部包括して支給する助成金でございますので、役所的な名前でございますけれども、こういう特定求職者雇用開発助成金というようなことで一括した名前で言っておるわけでございますが、私ども先生の本委員会での御指摘も踏まえまして、その後、職業安定所で行う事業主に対します各種の説明会がございましたりあるいは求人開拓、寡婦等職業相談員による事業主相談等、事業主と接触いたしますあらゆる機会をとらえまして積極的に制度の周知に努めたところでございます。
 それで、この結果、年々その活用が図られ、実績が伸びているわけですけれども、ちなみに数字を申し上げますと、六十年四月から六十一年一月までの支給人員は九千八百二十三人でございまして、前年同期と比べまして千四百五十九人、一七・四%の増となっております。また、支給金額から申し上げますと、十九億四千六百万円ということになっておりまして、前年同期と比べまして三億二千万円、一九・七%の増ということになっておるわけでございます。
#7
○竹村委員 御努力くださいましたことは認めたいと思いますけれども、この前も婦人労働課長にお答えいただいているのですが、労働省では母子家庭の中でパートで働いている人の調査をしたことがありますか。つまり、母子家庭の母親はいろいろな条件があって正職員としてはなかなか雇ってもらえない。年齢制限もあるし、いろいろな家庭の事情もあって、やむなくパートで働かなければならないという事情があるわけですけれども、そういう調査をされたことがありますか。
#8
○藤井説明員 私ども、パートの関係の調査というのを各種調査をやっておりますけれども、先生御指摘の母子家庭の母等に対しますパートの実態調査というのはやっておりません。
#9
○竹村委員 これは厚生省と協力をしてぜひやっていただきたいのです。母子家庭の中でパートでしか働けない、そういう人たちが非常に多い、むしろほとんどと言っていいかもしれないと思いますけれども、それを私たちも知りたいし、また労働省でも知っておかれる必要があるのではないかと思います。願わくはパートではなく正職員としてきちんと雇ってもらえるような努力をしていただく上においても、厚生省では、パートを好んで選ばれる方ももちろんあるでしょうけれども、そうではなくて、正職員になりたいがやむを得ずパートで働いておるという方の調査を一度やっていただきたいと思います。いかがでしょうか。
#10
○藤井説明員 先生の御指摘の調査ということにつきましては、予算のこともございましてなかなか難しいと思いますけれども、私ども、先生が御指摘になりました全国母子世帯等実態調査というので把握しておりますのは、母子家庭の母の方のうち仕事を持っている人の中の常用雇用者数は六五・四%、自営業種の世帯は一二・五%、臨時雇用者、日雇い労働者が九・〇%と、パートということで数字がなっておりませんけれども、臨時雇用者、日雇い労働者が九・〇%という数字を使わせていただいております。
#11
○竹村委員 そういう実態をつかむためにも、パートの実態というのもこれから労働省の中で非常に大きな問題となってくると思います。ですから、もちろん予算とのかかわりもありますでしょうけれども、できればぜひそういうことを検討していただきたいと思うのです。
 次に移ります。
 八〇年五月の厚生省の通達以来、受給者に対する調査はますます激しくなってきております。今やプライバシーを侵害するような私生活チェックが行われております。その調査に応じなければ、実際には支給要件が満たされても支給を留保するなど、人権問題にまで及ぶことが平気で行われているわけなんですけれども、現況届のほかに、提出しなければならないとされている未婚の母子調書、遺棄調書、事実婚の解消に関する調書の内容はもちろんのこと、昨年小金井市で実施されました生活維持調書、また低所得者に対する照会においては支給要件とは直接関係のない家賃や仕送り、援助の有無、そしてその人の住所、氏名、関係、金額まで問い、これに答えなければ支給がおくれて当たり前、答えないのはやましいことがあるからだと言わんばかりの調査チェックが行われているわけです。
 現況届といいますか、いわゆる添付書類、添付してそろえなければならない書類がある。これは何によってそういうふうに決められているのですか。
#12
○坂本政府委員 児童扶養手当法施行規則、つまり厚生省令でございます。
#13
○竹村委員 それをちょっとおっしゃってください。ありますか。――ちょっと時間がもったいないので申し上げます。
 昭和五十五年に出された厚生省児童家庭局企画課長通知という文書ですか。これによりますと「未婚の母子について」というのがありまして、「申請者に別添1の「未婚の母子の調書」に必要事項を記入させ、これを認定請求書に添付して都道府県に進達すること。」とか書いてありますけれども、このほかに何か通知とか通達とかがありますか。
#14
○坂本政府委員 昭和五十五年六月二十日に児童家庭局の企画課長通知が出ておりまして、これによって現在の認定についての必要な基準、手続等が決められておるわけでございます。
#15
○竹村委員 その添付書類を、例えば未婚の母子の調書、そういうものを毎年出させるという通知がどこかにあるのですか。
#16
○坂本政府委員 未婚の母子に関する調書につきましては、毎年ということは直接書いておりません。
#17
○竹村委員 ないですね。私もちょっと調べてみましたけれども、毎年未婚の母子の調書というのを出させるという通知はどこにも出されてないのですけれども、東京都ではこれを毎年出すことを強制しているわけです。それと、おまけに東京都では、厚生省の出しておられる「未婚の母子の調書」というものの一番下に、欄外に「記入することが困難な事項については、記入する必要はありませんが、出来る限り記入して下さい。」この二行を入れていらっしゃるのですけれども、これを六十年度から削除してしまっているのです。これは御存じだったでしょうか。
#18
○坂本政府委員 最近調査をいたしまして、記入上の留意事項が削除されておるということを私ども一応聞き及んでおる状況でございます。
#19
○竹村委員 聞き及んでいらしたということですけれども、この「未婚の母子の調書」という東京都の例をとって申し上げているのですけれども、私どもが見ましても、未婚の母子ですよ、それに対して「子の父の状況」「氏名、住所、電話番号」「妻の有無」「有り」「無し」、「子供の安否を気遣う電話・手紙等の連絡」「有り」「無し」、「仕送り」「有り」「無し」、「訪問回数」、「認知の予定」、この前も私は質問の中で申し上げましたけれども、こんなものを聞く必要があるのですか。「子供の安否を気遣う電話・手紙等の連絡」「訪問回数」「認知の予定」「妻の有無」、どうお思いになりますか、大臣。未婚の母ですよ。
#20
○坂本政府委員 このいろいろな届け出書と申しますか調書の考え方でございますけれども、私どもとしては、基本的にはいろいろな法律上の受給資格に該当するか否かを判定するために必要な事項について届け出なり記入をお願いしているということでございます。
 個別にいろいろ今お尋ねがあったわけでございますけれども、それぞれこういった事項について、そういうことに該当するかしないかというのが児童扶養手当の支給要件に該当するような事実を裏づけるかどうか、こういう資料になるわけでございまして、そもそもこの制度における受給資格の認定自体につきましては、例えば法律婚のみでなくて事実婚についても判定をするという、いわば調査の段階では、いろいろ具体的なケースについて必ずしも一律に調査しただけではわからないような面についても調査を必要とする面もございます。
 そういう意味で、できるだけいろいろな面から、該当する人については該当するということを裏づけるような資料も必要と考えられるわけでございまして、例えば、先ほどお尋ねがございましたけれども、子供の安否を気遣っていろいろと電話があるかどうかというような問題につきましても、そういう事実があるかないかによって遺棄というような判断ができるかできないかという問題もございまして、それぞれこの問題については、一方においては該当しなければ支給要件に該当しないという方の資料にもなりますけれども、該当するということであれば受給要件に該当するという裏づけにもなる、そういう性格を持っておりますので、私どもとしては一応必要なものというように考えておるわけでございます。
#21
○竹村委員 未婚の母子の調書のほかに、今局長がおっしゃいました遺棄調書、それから事実婚の調書とかというのがあるわけですけれども、そのことは後でゆっくり触れさせていただきますが、先ほどの東京都では非常に重要な欄外の二行、困難な事項については記入する必要がありませんよという人権を配慮した優しい二行を昨年度からばっさり削り取ってしまった。
 それから、遺棄調書、未婚の母子の調書の下に「〇印の項目について記入して下さい」、こういう括弧書きがあるのです。その丸印というのは「父親の行方の状況」「子供の安否を気遣う電話・手紙等の連絡」「仕送り」「その他参考事項」、これは遺棄調書についてですけれども、この四つだけなんですね。あとのところは「生活保護」「母親の離婚の意志」「離婚後の子供の養育」、父親がほかに女性関係があったかとか犯罪行為があったかとか、事細かくここに挙げてあるのですけれども、これらは丸印がついていないのです。丸印のところについて記入してくださいということは、あと要らないのじゃないですか。丸印のついていないところに答える人はきっといないでしょう、こんなばかみたいなこと。ですから、そういうことは要らないものならなぜここに挙げるのでしょうかね。
 それから、これは東京都の資料ですが、先ほど私が申しました調書の「記入上の留意」を削除したその理由が書いてある通知があるのですね。これは児童扶養手当の調査にかかわる東京都の福祉局児童部が出している通知なんですけれども、「記入上の留意を削除したのは、ここに言う記入することが困難な事項とは、記入者本人が知らないために記入することができない事項という意味であるが、これを記入したくなければ必ずしも記入する必要はないという意味と受け取られ、記入されていない事例があった。この場合に再調査の必要が生じて結果的に手当の支給がおくれることになるので、このようなことを防ぎ、迅速な事務処理を行うため削除したものである。」こういうふうな理由づけがされているのですが、これはお役所の官僚的な姿勢といいますか、非常にかたい、役所は偉いという、そこまで言うと言い過ぎかもしれないけれども、何か高飛車な姿勢が感じられてならないわけですけれども、どう思われますか。
#22
○坂本政府委員 東京都の例についてのお尋ねでございますが、私どもが東京都から聞いておりますのは、「記入上の注意」についての文言を削除したこの点について、やはり記入が可能な事項についても記入していない事例がある。したがって、その点について再調査をする必要が生じて手当の支給がおくれることになったために、できるだけ迅速な事務処理を行うためにそういった削除をしたというように聞いておるわけでございます。
 確かに東京都の方も、決して役人的な考え方で強権的に物事を処理しようということではなくて、やはり正確、迅速な事務処理をしようという考え方からいろいろと配慮しておると私どもは考えたいわけでございますけれども、実際に記入をされる方のいろいろなお考えとか受けられる印象、そういったことによって好ましくない感じを与えるというようなことはやはり避ける必要もあろうかと思うわけでございます。
 そういう意味で、この記入上の留意事項の取り扱いにつきましては、私どもといたしましてもどういう方法がよろしいのか、一応今後東京都とも十分連絡をとっていろいろ検討してみたいと考えております。
#23
○竹村委員 局長のお答えに期待をしたいと思います。
 ここに東京都のAさんという御婦人がおられます。この方は未婚の母子調書を拒否したので、今児童扶養手当がとめられております。保留にされております。
 ちょっと御参考までに申し上げますと、この方にとりましては、また、未婚の母子にとりましてはまことに屈辱的な内容だ。東京都の例でいきますと、「子の父の状況」、「判明」か「不明」か、「判明」の場合の「住所、氏名、電話番号」、「妻の有無」、先ほど私がるる申し上げました。「仕送り」の有無、「訪問回数」、「認知の予定」の有無、認知なしの理由、「申請者の生計維持方法」、「その他参考事項」こういうふうになっているわけです。
 この方は、最初はこの調書を書いてしまわれたのですけれども、ケースワーカーに手当が支給されないというふうなことで書いてしまわれたわけですけれども、まことに矛盾が多い。それも八〇年十月の厚生省通達以来のことであるということを言っておられます。
 子供は父に会いたいこともあるだろうし、主たる生計費とは別の送金、お小遣いぐらい送ってきたっていいじゃないですか。そういう人情まで厚生省は否定をされるのですか。子の父の妻の有無、認知の予定の有無、なしの理由に至ってはもう言語道断と私は言わなければならないと思います。
 都は「記入することが困難な事項については、記入する必要はありませんがこという先ほどの欄外の注意書きを削除してしまった。これは大変問題ですけれども、考えてみれば、必要最小限のことを聞くという原則から見れば、この注意書きさえもおかしなものじゃないでしょうかね。継続の現況届のとき、この調書を毎年毎年出させられるこの屈辱感。この調書を毎年出さなくてもいい県をおわかりでしょうか。東京都では実施しているわけですけれども、どんなところではどういうという状況をつかんでおられるでしょうか。
#24
○坂本政府委員 各都道府県の状況でございますけれども、私どもとしては、東京都以外のところでは特に実施しているということを把握しておりません。
 それから、先ほどの東京都の現況届につける資料の関係でございますけれども、これは厚生省の方から、例えば未婚の母子調書について毎年出せ、こういうことは特に言っておりませんけれども、実際には、現況届の審査の際に受給資格を十分確認するということになっておりまして、その確認方法の一つとして七の調書を使っておるというように聞いております。これはいろいろな方法がありまして、仮に調書がない場合に、やはり事実確認のために例えば直接御本人からいろいろな必要な事項を聞き出すということも考えられますけれども、逆に、実際に面と向かって聞かれるよりは、書面に書いて出していただく方がいろいろな意味で、事務的にもスムーズにいく、あるいは提出する方も比較的、精神的負担が軽いというふうなことも考えられるわけでございます。
 そういう意味で、あくまでも必要な事実を確認するために、できるだけ書いてお出しいただきたいということでございまして、調書に詳しいことが書いてあれば、それなりに認定の事務というものもスムーズに進むであろう、こういう考え方に出たものであるといこうことをお答えいたしたいと思うわけでございます。
#25
○竹村委員 そういった細かいいろいろな、認知の予定の有無とか、父の妻の存在とか、そんなことまで聞く必要があるのかということをさっきから申し上げている。
 それともう一つは、徹底していただきたい。私が調べたところによりますと、この現況届を出すときに、毎年未婚の調書とか、遺棄の調書とかをほとんどがつけて出さなければならないようになっているわけですね、東京都においてもそうですし、この調書の提出の必要のない県、これが大阪、神奈川、福井、広島、この四つしかないように聞いております。ですから、その辺を徹底していただきたい。こういうプライバシーの侵害に触れるような微妙な、お母さんたちの複雑な心理を非常に逆なでするような問題について、あっちこっちでいろいろな人権の侵害が行われては困るんです。
 厚生省はその辺をきちんと調査していただいて、一体どういう調書を出しているのか、必要としているのか、どういうふうな徹底ぶりを見せているのか、そういうところをきちんと一度やっていただきたい。どうですか、もう一年前から言い続けておりますけれども、これはお約束していただけませんか。
#26
○坂本政府委員 最初に、先ほどもちょっとお尋ねでございましたけれども、例えば調査の事項として「妻の有無」とかあるいは「認知の予定」といったようなことについて一応お答えさせていただきますけれども、「妻の有無」というのは、未婚の母と言われる人の相手方の、つまり子の父について本当の妻がいるかどうか、こういうことが一つ、実際に未婚の母と言われる方がその男性とどういう関係にあるか、事実婚が実際上あるかないかということの判断の材料にやはりなるということでございますし、それから「認知の予定」につきましては、認知が行われれば法律上支給要件に該当しないというような規定もございますので、そういったことと関連して調査をいたしておるという意味でございます。
 それから、各都道府県におけるこういった実態調査と申しましょうか、各種の手続等につきましては、私どもも今後その実情を把握いたしまして、実際問題として必要なものはやはり提出をお願いし、あるいはこちらからも照会させていただくことになるわけでございますけれども、その方法等についてはいろいろまた考慮すべき点もあるかとも思いますので、十分検討させていただきたいと考えております。
#27
○竹村委員 今の局長のお答え、これはまた非常にひっかかるのですけれども、相手の状況を十分にきちんと知りたいと思うからそういう項目の質問をするとおっしゃいますし、口で聞くよりも書類で出した方がきっと書きやすいからというふうなこともおっしゃいましたけれども、当たり前ですよ、そんな。口で聞くなんというのはもってのほかで、書類だったらいいということも絶対にないし、それから未婚の母子について、妻の「有り」「無し」とか「認知の予定」とか、そういう非常に個人的なことですね、妻があったら児童扶養手当を出さないのですか、なかったら出すのですか。その辺、なぜこんな項目が入っているのですか。
 「仕送り」とかそういうのはまだわかりますよ。けれども、「子の父の状況」とか「電話番号」とか「妻の有無」、そんなことがどうして未婚の母子に児童扶養手当を出すか出さないかの判定の材料になるのですか。
#28
○坂本政府委員 妻の有無につきましては、つまりその相手の男性が、届けを出しておる未婚の母との間で事実婚があるかないかということは、やはり法律上一つの支給要件にかかわる問題でございます。そのときに、やはり相手の方に妻があるということになりますと、どちらかというとその未婚の母の方との関係というものは比較的薄いというような判断も可能になる場合もございます。
 それから認知の問題は、これは法律上はっきりと、認知すれば支給要件に該当しなくなる、こういう条項もございますから、そういう意味でここに掲げてあるということになっておるわけでございます。
#29
○竹村委員 もう本当に困りますね。
 では、次の質問に移ります。ここで押し問答をしていてもしょうがないという感じがします。妻があったって、一緒に生活していれば事実婚なんですよね。いろいろなケースがあるし、そういう男と女の非常に機微なところにまでどうしてお役所が踏み込めるのですかということを私は申し上げております。言っている意味は大体おわかりかと思いますけれども。
 次の四つのことについてお尋ねをしたいと思います。これはそれぞれ調査の添付書類についてです。
 児童扶養手当法の法文の中で第四条「支給要件」第二項の七に「母の配偶者に養育されているとき。」支給されない。その配偶者とは、「婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含み」ということで、事実婚のケースが出てまいりますね。婚姻には、届け出をした婚姻と届け出をしない婚姻があるとしているわけです。「同様の事情」というのは、婚姻の届け出をしていないが同様の場合を指していると考えられる。婚姻とは、戸籍法第七十四条、民法第七百三十九条で定められるところであり、届け出ることによってその効力を発することはもちろんみんな知っていることですけれども、そうして初めてその子もまた父の財産の相続の権利を得て、扶養の義務も生まれるわけですね。このような婚姻と同様の事情にあって初めて事実婚と言えるのであって、何の権利も保障もない関係を婚姻とするのは余りにも乱暴と言えるのではないかと思います。
 児童扶養手当における婚姻というのは民法の婚姻とは別だ、独自のものだと言われるのでしょうか。もしそうだとすれば、その根拠はどこにあるのでしょうか。
#30
○坂本政府委員 一般的に申しますと、例えば婚姻というような用語の定義というのは、各法律によってそれぞれ異なった意味内容の定義をするということも可能であるわけでございます。したがって、一般的には民法に言う婚姻というのが婚姻というようになっておるわけでございますが、そのほかに法律によって、婚姻とか配偶者とかそういった場合に、法律に基づく婚姻あるいは配偶者でなくても事実上婚姻と同様の事情にあるものを含むという例はいろいろございます。例えば健康保険法の配偶者というようなものについてもそういう規定があるというように私記憶しております。
 一般に民法上の婚姻とか配偶者というのは、法律の規定に基づいて一定の様式を経て行われるものでありますので、いろいろな事情があってなかなかそういう手続までは行っていないけれども、実態としてはもう十分婚姻状態あるいは配偶者と考えていいというものが世間にはあるわけでございます。特に社会保障関係におきましては、単に法律上の届け出をしているかいないかということだけで給付あるいはいろいろな施策の内容を決めるということではなくて、実際の生活状況あるいは身分上のいろいろな関係、それに基づいて各種の給付なり施策を進めているというのがむしろ現在の法体系では普通ではないかと思っておるわけでございます。
 そういう意味で、この児童扶養手当法の婚姻というのも、単に法律上の婚姻の関係にある方だけを対象とするのではなくて、実際上、社会生活上も婚姻関係と同じと見られる方もこの施策の対象としようという、むしろ福祉の向上のために特別に規定を置いてそういう制度にしてあるわけでございます。
#31
○竹村委員 それはよくわかりますけれども、憲法二十四条には、「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。」とあるわけです。「配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。」こういうふうにあるわけですけれども、これらの両性の合意、夫婦同等の権利、個人の尊厳、両性の本質的平等を抜きにして婚姻の規定をし、義務だけを押しつけておきながら何の権利も保障しないのは憲法第二十四条第二項に違反しているのではないかと私は思うわけですけれども、そうして事実婚かどうかを調べるためにもう大変なエネルギーを費やされる、こういう事実がございます。
 それから、遺棄調書がありますね。遺棄という言葉、私も最初聞いたとき本当にびっくりしました。日常的に、遺棄と言って、ああ遺棄ねとすぐわかる人はいるでしょうか。遺棄というのは、女性を扶養される者としか見ていない非常に男性本位の考え方ですね。残し捨てられる。女性の意思を認めまいとする行政側の姿勢というものが感じられてならない。この残し捨てられた側の女性から見ますと、屈辱にたえない言葉であろうと思います。遺棄調書などというのを毎年毎年書かなけばれならない。私は、せめて父親不在とでも改めるべきではないかと思いますけれども、その辺をどうお思いになられますか。大臣、一回お答えください。
#32
○坂本政府委員 まず私からお答えさせていただきます。
 法律上の用語というのが一般の常識から見てちょっとわかりにくいとか、あるいはなじみにくいということは時々あることでございまして、そのことを私は別にいいことだと言うわけではございませんので、他に適当な用語があればこれは改めるということも考えてよろしいかと思います。ただ、法律用語でありますから、意味内容が正確でなければいけないということもございますし、この点は法令関係の専門の機関とも相談をする必要があろうかと思っておりますけれども、用語自体として不適切であると判断すれば、またそれなりに検討をする必要があろうかと思うわけでございます。
#33
○今井国務大臣 私も、今政府委員から答弁いたしましたが、遺棄調書というのは、すらっと拝見しまして、やはりこれはもっとしかるべきうまい表現がないかなという感じはいたします。
#34
○竹村委員 ぜひこれは考えていただきたい。残し捨てられる側に立って考えていただきたいと思います。
 先ほど遺棄調書のことについても申し上げましたけれども、実際には民生委員が近所に聞いて回って、子供まで巻き込んで、お父さんはいつどうしたかとか、帰ってきたかとか、電話があったかとか、一年に一回でも電話があったり、あるいは訪問があったりするともう児童扶養手当の受給資格を喪失するわけですから、プライバシーが非常に侵害されている事実があります。電話、手紙など連絡の有無は、父と生計を同じくしない生活の実態とは無関係ではないかと私は先ほどから申し上げておりますけれども、この遺棄についての御検討もぜひしっかりとお願いしたいと思います。
 それから、先ほど大分申し上げましたけれども、未婚の母子で父親が判明している場合、事実関係が疑われるということで調査が非常に厳しいわけですけれども、お父さんの状況、住所、氏名を書かせることにはどういう意味があるのでしょうか。先ほど局長は、状況をよく知るために妻の有無も聞くというふうにお答えになりましたけれども、父と生計を同じくしているかどうかということと父親の住所、氏名、職業、電話番号、妻のありなし、こういうものは父と生計を同じくしているかどうかということとどういう関係があるのでしょうか。
#35
○坂本政府委員 父と生計を同じくしているかどうかについては、やはり経済的にその二人の間にどういうようなつながりがあるかということも一つの判断材料になると思うわけでございます。それから、いわゆる父に当たる人の住所、氏名等につきましても、いろいろなケースにおきましては、そちらの方についての調査をする必要も生じる場合もございます。そういう意味で一つのデータとしてお届けをいただくわけでございまして、これはいろいろなケースによって状況が違いますので、私どもとしては、特定のケースについてはもう既にそのことを調査しなくてもほかの事項だけで大体判断できるものもあると思いますけれども、やはりケースによっては相当いろいろ調査をしませんとなかなか確認ができないということもあります。
 そういう意味で、できるだけ必要なデータを得るためにこういった調査項目については相当詳細に掲げておるわけでございまして、決してプライバシーそのものをどうこうというのではなくて、本当に法律上の要件に該当する人には支給すべきでありますから、該当するかどうかというその裏づけをやはりはっきりさせるためにいろいろと必要な事項を決めておるということでございます。
#36
○竹村委員 おかしいですね。必要な方には支給をするべく調査をしていらっしゃると言いますけれども、事実は、不必要な人にいかに受給させないかという調査をしていらっしゃるのです、大変なエネルギーで。これはもう私たちがお母さんたちからの事情聴取でよく聞いております。今おっしゃったそれと、その事実をよく知るためとおっしゃるけれども、私がさっきからもう何回も押し問答しておりますけれども、父親の住所、氏名を書いたり、電話番号を聞いたり、妻の有無を聞いたりすることがどうしてそういうことにつながるのかわからない。
 それから父親からの訪問ですね。これは児童扶養手当ですからね、うまいこと、母子家庭に与える手当であるというふうに国会の中で趣旨をすりかえられましたけれども、もとは、これは子供の成長、発育のために出す手当でありました。しかし、子供の側に立ってみますと権利ですよね。父親がいる、そしてわかっている場合、父親にだって会いたい。未婚の母の子の権利をこれは妨害しているとはお思いになりませんか。親の生き方によって、離婚、未婚によって児童の権利を差別することは許せないと私は思います。なぜ子供が父親に会っちゃいけないのですか。訪問の状況についての調査は、この点から必要ないんじゃないでしょうか。それから、父親からの手紙、電話についての調査項目、これも必要ないと思います。調書から削除されることを要求します。いかがですか。
#37
○坂本政府委員 父親と子供の関係は、やはり遺棄に該当するかどうかというのが一つ問題になるわけでございまして、やはり児童扶養手当の支給要件の中に遺棄ということが、この遺棄という言葉自体の問題、先ほどちょっと出ましたけれども、要するに父親が子供あるいは母親を置いてどこかへ行ってしまって全然連絡も何もない、全くのつながりもない、こういう状態の場合に一つ支給要件に該当するわけでございますが、そういったものに該当するかどうかという判断はやはりいろいろな面からこれを確認していく必要があるわけでございまして、そういう意味でこういったことも調査の対象になっておるわけでございます。ただ、その一点だけで、たまたま何かの連絡があったからもうだめだとか、そういうような処理ということは決してしておるわけではございませんで、いろいろな総合的な判断を行うために一つの必要な資料としてお聞きをしておる、こういうことでございます。
#38
○竹村委員 ですから、そういったことを、必要ないから削ったらどうかと私は言っているのです。
 またそれから、認知なしの理由についても、認知するというのは一方的に男性側からするものですね、できるものですね。認知されたからといって父と生計を同じくしているかどうかわからないわけですね。認知はしましょう、私の子供であることは認めましょう、けれども、別にお金は上げませんよというケースだってたくさんあるはずです。こういうのは無関係ですね。それでもって認知されたからといって手当を打ち切るのは非常におかしいと思います。まして、認知なしの理由なんかは聞く必要全くありません。これについてはどうですか。これは、認知を要求するかしないか、あくまでも個人の問題です。
#39
○坂本政府委員 認知をするかしないかは、確かに個人の自由でございますが、要するに児童扶養手当の支給要件に該当するかしないかは、認知をするかしないかによって分かれてくるということに現在の法令上なっておりますので、そういう意味で、認知をすることの是非とかあるいはそういう観点からではなくて、実際上認知があるのかないのかという事実についての調査をする必要があると考えておるわけでございます。
 いろいろ先ほどからも御質問ございまして、この調査のいろいろな項目でございますが、ケースによっては確かにその部分がなくてもほかの部分で判断できるというケースもございます。しかし、ケースによってはまたそこのところを聞くことによって判断をしなければならないということもございますので、すべての場合に不必要ということは言えないというふうに私は考えておるわけでございます。
#40
○竹村委員 すべての場合に不必要なんて私、言ってませんよ。その認知の有無がどうして受給資格条件になるんですかと、さっきから質問しているんです。認知されたからといって生計をその人に助けられているということにはならないでしょうと言っているんです。おわかりでしょうか、意味が。
#41
○坂本政府委員 最初に、私の申し上げておる意味を申しますと、児童扶養手当法施行令で、これは法律の第四条第一項第五号を受けまして――児童扶養手当法では、一定の条件に該当する児童について手当を支給するとなっておりまして、具体的に掲げてある最後に第五号として「その他前名号に準ずる状態にある児童で政令で定めるもの」というのがございます。これは父母が婚姻を解消した児童、父が死亡した児童などのほかに「準ずる状態にある児童で政令で定めるもの」となっております。その規定を受けまして児童扶養手当法施行令にまたその準ずるケースが書いてありますが、その中に「母が婚姻によらないで懐胎した児童」、しかし、その後にさらに括弧書きがありまして、「父から認知された児童を除く。」と、こうありますので、母が婚姻によらないで懐胎した児童であっても、認知をされるかされないかによって支給要件に該当するかしないかが分かれる、こういうことを申し上げておるわけでございます。
#42
○竹村委員 そういう法律をつくっておられるのですよね。いかに人情、人権を考えないかということを私は申し上げております。
 最後に、生計維持の方法が不明確な場合。さきに労働省にも申し上げましたけれども、母子家庭の母の失業、転職、休職中というのは非常に多いわけでして、職業訓練校に通っている場合も無就労となります。わずかの蓄え、失業保険で母子家庭が食べているケースもたくさんございます。非課税世帯であってほかに援助がない場合でも生活は成立いたします。この生計維持の方法が不明確ということは、調査の目的は事実婚を発見することなんですね。そしてその援助者の有無、住所、氏名、援助額、続き柄、さらに生計維持調書にある家賃、貯金、まことにこそくな方法が続いているわけでして。受給者を愚弄しているとしか私は思えない。家庭の収支は非常に種々さまざまでありまして、少ない収入で生計を立てている場合もあります。いろいろな事情があります。そこに行政が踏み込むということはどうなんでしょうか。借金をした相手が――お金がなかった、足りなかった、借金をした、たまたまそれが男性であった、そうすると、もうこの生計維持の方法が不明確ということで受給資格を失うわけです。借金をした相手の関係まで問うなど本当に調査の行き過ぎも甚だしいと私は思います。
 先ほどから長々といろいろと述べておりますけれども、これらの非常に人間性を無視した、プライバシーを侵害した調査が事実行われているんです。先ほど局長は、受給にふさわしい方をどういうふうに見つけるかということをおっしゃいましたけれども、私は全く反対です。受給にふさわしくない、資格を有しない人をどうやって見つけるか、その調査が続いているわけでございます。そうお思いになりませんか、皆さん。人間の一人としてどうですか、大臣。
#43
○坂本政府委員 これは実は裏腹の関係にあると私思うのです。受給にふさわしい人を見つけるということは、逆に受給にふさわしくない人、法律上の要件に該当しない人は支給しないということと裏腹の関係にあるわけでございますから、これは、法律に決められた要件に該当するかしないかということは、どちらの側にとっても確認することは必要でございます。
 したがって、この制度が、一定の人についてはそれなりの手当を支給して福祉の向上を図ると同時に、この財源というのは国民の税金で賄われておるわけでありますから、法律の条件に該当しない人についてははっきりと不支給という措置をしなければいけないわけでございますので、そういう意味におきまして、やはり調査の結果適正な判断をするということが必要になってまいるわけでございます。
 プライバシー問題というのは、確かにいろいろ関連する問題であるということは私どももよく承知しておりますが、先ほども申しましたように、やはりこの児童扶養手当の制度そのものが法律婚のみならず事実婚の解消した人もその施策の対象とするという性格を持って、しかもその確認についてはやはりある程度まで実際の生活の実態というものを見なければ判断できない、こういうような性格の制度でございますので、必要な限りにおいて、プライバシーといえばプライバシーでございますけれども、実際に生活状況がどうなっているかということを調査をした上で決定をしなければならない、こういうものになっておるわけでございます。ただ、そうかといって不必要なことを調査するとか、あるいはその方法において非常に不適切な面があるとか、そういうことはやはり十分戒めなければならない、私はこう考えておりますので、実際の調査に当たっては、行き過ぎるということのないように常に心がけるということについては十分留意したいと考えております。
#44
○竹村委員 いろいろと述べましたけれども、大臣、どうお感じになりましたか。こういう事実を御存じてしたか。
#45
○今井国務大臣 今の政府委員とのやりとりをずっと聞いておりまして、私も話には聞いておりますし、実態を全く知らないということはございませんが、いろいろなケースがあるものだなという感じが実はいたしております。
 今答弁いたしましたように、法律婚だけじゃなくて事実婚を解消した母親に対してもこれは支給するものでございますから、しかもその制度は公平に運営されなければいかぬということでございますから、やはり実態は正確に把握することがまず必要だと思います。しかしながら、同時にまた、受給資格の認定に無関係な事柄についていろいろ質問するなど必要以上のプライバシーの問題に立ち入るということは当然行き過ぎのないようにしなければいかぬと思っておりますので、これは今後とも十分気をつけてまいらせていきたいと私も考えております。
#46
○竹村委員 ありがとうございます。
 必要な調査をとおっしゃるけれども、今私が申し上げたように、実に必要でない項目がたくさんあるわけですね。それと、先ほどの東京都のAさんのように、最初はちゃんと未婚の調書を出しているのですけれども、毎年毎年出す必要はないじゃないか、そう言って未婚の調書を出すのを拒否したところが児童扶養手当をもらえなくなったという例、こういうふうな例がたくさんあるのです。これはただ一人だけ申し上げましたけれども、たくさんあるわけですね。こういうことをやはり徹底してなくしていっていただかないと困ります。
 こっちでは許されるけれどもこっちではだめだとか、一度出せばいいものを毎年毎年出すことを強制される、そうでなければ児童扶養手当がもらえないとか、そういうことが起きてくると困るのですね。ですから、今私が申し上げましたようなすべての点についで、もう一度、プライバシーの侵害にならないよう、人権の侵害にならないような調査の方法というのを抜本的に考えていただきたい。お願い申し上げます。
 次に、障害基礎年金と児童扶養手当との問題、併給が禁じられるわけですけれども、このことについては後ほど上西議員が詳しくお触れになると思いますが、私からも幾つかの点を御質問しておきたいと思います。
 障害者の育児保障、とりわけ経済的保障に関しては、これまで児童扶養手当が唯一の制度であったわけですけれども、四月一日から実施予定の障害基礎年金、これにおきましては子を持つ障害者に児童加算が支給されますね。育児保障の一つの前進で、大変結構なことだと思いますけれども、加算額は月一万五千円と少額であるわけです。それにもかかわらず児童扶養手当の併給が禁じられること、対象者がさらに制限されること、これらのことを聞いておりますけれども、障害者家庭にとって児童扶養手当の打ち切りはまさに死活問題です。額が随分違います。
 そこでお尋ねいたしますが、現在認められている障害福祉年金と児童扶養手当の併給が障害基礎年金への移行に伴って禁じられる。併給を禁ずる根拠について説明をしてください。
#47
○坂本政府委員 児童扶養手当法に、おきましては、年金との併給関係の規定として第四条第三項に「母に対する手当にあっては当該母が、養育者に対する手当にあっては当該養育者が、次の各号のいずれかに該当するときは、支給しない。」というのがあります。ここで、一つは「日本国内に住所を有しないとき。」というのがございますが、もう一つは、従来は「障害福祉年金及び老齢福祉年金以外の公的年金給付を受けることができるとき。」こうなっておったわけでございまして、したがって、老齢福祉年金と障害福祉年金を受けているときには児童扶養手当は支給できる、こういうことでございました。
 ところが今回の年金の改正で、老齢福祉年金というのは引き続き存続いたしますけれども、障害福祉年金というのがなくなるわけでございます。したがって、児童扶養手当法のこの規定から、老齢福祉年金と並んで規定されておりました障害福祉年金が制度上なくなるということで、この併給制限の規定において老齢福祉年金だけが併給になる、こういう結果になったわけでございます。
#48
○竹村委員 そういう結果になっているので困るのですけれども、現在でさえ極めて厳しい状況に置かれている障害者の家庭、この併給禁止によってさらに生存することすら困難な状況に追いやられるかもしれない、こういうことが予想されますけれども、障害者の家庭の実態をどのように考えておられますか、厚生省。
#49
○坂本政府委員 今回、障害福祉年金がなくなりまして障害基礎年金にかわるということによって、年金の金額は大幅に引き上がるわけでございます。したがって、例えばこれまで児童扶養手当と障害福祉年金と併給されていた場合には、この金額は、まだ現行の金額でございますが、児童扶養手当が三万三千円、国民年金の障害福祉年金が三万九千八百円ということでございまして、合わせますと七万二千八百円でございます。
 これが今度の障害基礎年金に移り変わりますと、四月から六万四千八百七十五円の障害基礎年金と、一万五千五百六十六円、これは子供さんが一人いれば加給金がつくわけでございますので、合わせて八万四百四十一円、こういう結果になるわけでございますので、従来の年金と手当を合わせて受給していた場合よりも受給額が低くなるということは決してない、むしろ上がるわけでございますので、確かに個々の障害者の方の生活としてはいろいろ苦しい方もいらっしゃると思いますが、年金、手当の金額の関係ではむしろ受給額が多くなるということになるわけでございます。
#50
○竹村委員 併給禁止に伴う経過的措置が予定されておりますね。これの目的、性格、対象などについて説明をいただきたいと思うのです。この経過的措置は併給禁止による支給額の激減を避けるためのものというふうに聞いておりますけれども、しかしそれは全員ではなく、ごく限られた一部の人ということでございますが、どうしてなんでしょうか。その説明をお願いいたします。
#51
○坂本政府委員 これは児童扶養手当法でやはり第四条二項がありまして、現在の支給要件、その中に児童が一定の状態にあるときには支給しないという条項が幾つかございます。その中に「父に支給される公的年金給付の額の加算の対象となっているとき。」というのがございます。つまり、父親が例えば障害者であって障害年金を支給される、その障害年金において子の加算がついている、その子供というのが児童扶養手当を支給するかどうかという対象であるときには、児童扶養手当は支給しない、こういう扱いになっております。
 これは制度発足当初からこうなっておるわけでございますが、今回の年金制度の改正におきまして、父が例えば障害福祉年金を受けていた方、現在の障害福祉年金には子の加算がございませんので、この父に支給される公的年金給付の額の加算の対象になりませんから児童扶養手当は支給されておる、しかしこれが今度拠出制の年金と同じ障害基礎年金になりますと、子の加算がついてまいります。
 したがって、この条文に照らしまして、今度は児童扶養手当が支給できなくなる。しかし、今まで児童扶養手当が出ていた人については、子の加算がついたことによって一遍にそれがなくなるということはかなりの激変であろうということで、国民年金の改正のときの附則によりまして、児童扶養手当と新しく支給される加算の差額は一応支給しよう。これは、従来から両方受けていた方については、従来の状態と改正後の状態は大きく変わるわけでありますので、その激変について配慮いたしまして差額を支給する、こういう仕組みにしておるわけであります。
#52
○竹村委員 その子供の加算について、一つ私非常に疑問に思うことがあるのですけれども、例えば両親が障害を持っている方の場合、父親の方で今度四月から子供の加算がつくということになりますけれども、不幸にしてこの御夫婦が離婚をして、その子供を母親が引き取った場合、この子供の加算は母親の方でももらえますか。
#53
○吉原政府委員 その年金の受給権が発生をしましたときに父親の方に子供の加算がつくというのは、その家計の中心者が父親、夫であって、夫の収入で生計を維持して子供が夫の収入で養われていた、そういう事実に基づいて父親の方の年金に子供の加給がつくわけでございます。
 その後、そういった御家庭が、夫婦が離婚をされました場合には、父親の方から見ますと、子供の扶養関係、父親が引き取って子供を継続して扶養していれば当然その父親の障害年金に子の加給が継続をするということになるわけでありますけれども、父親が子供を引き取らないでお母さんの方に子供が引き取られた場合には、年金の考え方としては、母親の方にはもともと子供の加給がつかなかったわけでございますから、そういったことによって母親の方につくということは、年金の上ではちょっと無理、できない仕組みになっているわけでございます。
#54
○竹村委員 それはひどいですね。大変な男女差別じゃないですか。障害者の夫婦が離婚をして、母親が子供を引き取ったら、主たる生計を立てているのは母親でしょう。それでどうして子供の加算がつかないのですか。おかしいんじゃないですか。当然もらえると私は思いましたけれどもね。
#55
○吉原政府委員 決して男女差別でも何でもございませんで、年金というのは、生計の中心者が死亡したりあるいは障害になったときに、その人によって養われていた配偶者なり子に加給がつくということでございまして、その後の離婚によって状態が変わったからといって、今まで加給のつかなかった人の年金に加給がつくということは、年金の仕組みの上ではやはり考えられない、無理なのでございます。
 これは、こういうケースを考えていただければおわかりいただけるかと思いますけれども、その後離婚された方がまた別な子供、あるいは養子で引き取られる場合もあると思いますし、別にまた子供さんを引き取って扶養されているときに、それではまた二人目の子供さんについて一体加給がつくかということになりますと、先生のお話ですと、そういった場合にも子供の加給をつけなければいかぬということになるかもしれませんが、それはやはり年金の上では不可能なことでございます。決して男女差別ということではございません。
#56
○竹村委員 年金につきましては、後で専門家の上西先生がいろいろと詳しく御質問くださると思いますけれども、今のケースはおかしいですね。私は素人ですが、おかしいと思うのです。離婚した夫婦は別の世帯になりますよね。そして子供を母親が引き取ったら、主たる生計は母親が立てているんじゃないのですか。それは、男だとか女だとか、夫だとか妻だとかということで区別されるのですか。これは私ちょっとわかりませんね。
 年金の御専門家は、そういうことはできないとおっしゃるけれども、これは大変不思議なことですね。男女差別としか言いようがない。どうして女が主たる生計者だったら子供の加算がつかないのですか。変じゃないですか。
#57
○吉原政府委員 その女性、お母さんが障害になられたときに、お母さんがその生計の中心者であったら、そのお母さんの年金に子供の加算がつくわけでございます。
#58
○竹村委員 いえ、だから私先ほど申し上げましたように、夫婦とも障害者である場合と言っているのですよ。どうですか。
#59
○吉原政府委員 夫婦とも障害者であられる場合には、その障害になったときにどちらの方の収入で子供さんの生活が養われていたかということで年金はどちらの方に加算がつくかということの判断、認定がされることになっているわけでございまして、障害になられたときにその子供さんがお父さんの収入で生計を立てておられた場合にはやはりお父さんの方の年金に加給がつきますし、お父さんでなしに、仮にお母さんの収入で生活、世帯の生計をやっておられた場合にはお母さんの方につく、こういうことになっているわけでございまして、決して男女で差をつけているということではないわけであります。
#60
○竹村委員 障害を受けたときの主たる生計を立てていた人の方に加算がつくわけですか。では、そういうことで今のところは無理というお話ですか。それはどうも解せませんね。年金の審議の中で、年金について男女差別が非常にあるということを私たちも追及してまいりましたけれども、これもやはり一つの大きな差別になるのではないかと考えます。御検討いただきたいと思います。
 私、結論的に申し上げますけれども、離婚や未婚の母子は、夫婦がそろって生活をしている家庭に比べて社会的に大変なハンディキャップを背負っているわけです。みずから進んでシングルマザーと言われる道を選んでいる人もいるかもしれませんけれども、大半の人々はもう大変な苦しみの後に離婚をするとか、望まないけれども未婚の母とならざるを得なかった人々であります。まさか児童扶養手当を受けたいために離婚をする人はいないのです。事実婚を厳しくチェックしたり、父親が母子を遺棄しているかどうかを疑ったり、妻の有無を調べたり、いろいろなチェックをされる、そんな低レベルのことを考えるのが福祉なんですか。福祉というのは、国民の幸せを願い、助けるものではないでしょうか。財源の窮乏を理由にこうした弱い者いじめともいうべきことが現実に続けられている。文化国家、先進国と中曽根さんはおっしゃいますけれども、果たしてそうでしょうか。
 こうした非常なプライバシーの侵害にかかわる調査、これを一度抜本的に考え直していただきたいと先ほど申し上げましたけれども、そのことを私は最後に強くお願い申し上げます。こうした事実に対する前向きの改正を約していただきたい。大臣、最後に一言お答えをいただきます。
#61
○今井国務大臣 先ほどもちょっと申し上げましたが、制度の公平な運用上、やはり実態を正確に把握するということは極めて必要なことだと思います。しかしながら、おっしゃいますように受給資格の認定に無関係な事柄等について質問をするなど必要以上にプライバシーの問題に立ち入ることについては、行き過ぎのないようにやはり十分心してやらねばならない、私も先生のおっしゃるとおりだと思います。
#62
○竹村委員 終わります。
#63
○山崎委員長 上西和郎君。
#64
○上西委員 まず、私は、今時年金統合法施行に当たって、厚生年金、国民年金、さらには共済年金の改定に伴う事項について、相関関係を踏まえ、幾つかの事象について大臣以下関係の皆さん方にお尋ねをしたいと思うのであります。
 まず第一点は、厚生年金の障害年金の事後重症制度の改善であります。これは従前私たちが厳しく指摘をし、現行の五年制、しかも五年間に重症になって、かつ五年以内に請求しなければだめだ、こんな優秀な国家公務員の方がおそろいの厚生省、よくもぬけぬけとこんなことをと思っておりましたら、さすがにお気づきになり、過ちを改むるにはばかるなかれ、早速改善なさいましたが、ちょっとその辺の具体的な取り扱いについて御説明いただきたいと思うのです。
#65
○吉原政府委員 厚生年金の事後の重症制度につきましては、今お話しございましたように、従来は障害の原因となった初診日から五年の制限期間というのがあったわけでございますけれども、それを撤廃をいたしまして、六十五歳に達する日の前日までに障害の症状が固定すれば障害年金の対象にするということにしたわけでございまして、これにつきましては、制度の本体の実施はことしの四月からでございますけれども、一歩早く昨年の七月一日から実施に移しているわけでございます。
#66
○上西委員 問題は、今度厚生年金の加入方式が満六十五歳で若干変わりますね、そういったところの取り扱いはどうなるのですか。五年との関連。
#67
○谷口説明員 厚生年金の事後重症の関係についてお尋ねでございますけれども、今回の厚生年金の事後重症にふる障害年金につきましては、従来請求口が先生御指摘のように初診日から五年以内ということにされていたわけでございますけれども、それを六十五歳までということで改めたわけでございます。
#68
○上西委員 現状よりかは改善でありますから、これはこれでおきましょう。
 関連して、国民年金の障害年金についても、今度障害認定日は事後重症者について若干の改定が行われるのでありますが、とりわけその中で老齢年金の六十歳からの繰り上げ減額制度を受給中に障害になった場合、従来は障害年金への切りかえが認められておりましたが、今回はどのようになるのか、少しく御説明いただきたいと思います。
#69
○谷口説明員 お答え申し上げます。
 国民年金と事後重症の関係についてのお尋ねでございます。特に繰り上げがありました場合ですが、従来の取り扱いがどうなっていたかと申しますと、老齢年金の繰り上げがございました場合でも、初診日が六十五歳まででございましたならば、その場合には障害年金が支給されるという取り扱いでございます。今回の改正では、その点を改めまして、老齢基礎年金、今回基礎年金になるわけでございますけれども、繰り上げをして受給をされておるということで、その後に六十五歳までに初診日があったというケースにつきましては、取り扱いを変えまして、その場合には障害基礎年金につきましては支給されないという扱いにいたしてお秒ます。
 この考え方といたしましては、老齢基礎年金を繰り上げて支給された場合には、既にそこで六十五歳に到達したものということで同一視できるという考え方に立ちまして、それにつきましてはこのような取り扱いの変更をいたしたわけでございます。
#70
○上西委員 そうしますと、念を押しますよ。厚生年金の障害年金は事後重症を無期限にし、満六十五歳までは切りかえるわけでしょう、六十歳からの老齢年金をもらっていても。今度の改定でもそうなるのでしょう。国民年金だけが六十からもらっているとだめだ、こういう改悪をされるのですか。明確にお答えください。厚生年金は切りかえられる、国民年金はだめだ、その点だけ念を押しておきたいのです。
#71
○谷口説明員 お答え申し上げます。
 先ほどお話し申し上げましたように、厚生年金につきましては六十五歳までということに制度を変更いたしたわけでございますけれども、老齢基礎年金を繰り上げて支給しておる、その後に初診日がある場合におきましては、先生お話しございましたように、繰り上げた場合にはやはりそこで六十五歳に到達したものと同一視できるということでそのような形にいたしているわけでございます。
#72
○上西委員 大臣、これは大変大事なことなんですよ。現在は六十歳四二%、六十四歳一一%、この大変な減額率の中でもらっていても、六十五歳までに初診日があれば――私は数多く市民相談をやっておりますが、六十四歳十一カ月で倒れて、ピーポーで運ばれて、六十歳からもらっていた方が今二級の障害年金に切りかわっているという方を実際に知っているのです。
 ところが、今のお話をお聞きになってわかるように、今度は六十歳から繰り上げて、六十でも六十四やももらっている者が六十五歳までの傷病で障害になっても切りかえません、こうなっている。こんな冷酷な、非情なことを、今井大臣、よもやあなたは御承知で施行されようとしておるのか、非常に気になるのでありますが、おれは知らなかったとおっしゃるならば直ちに改めていただきたい。まだ日にちがありますから。
#73
○吉原政府委員 非情というお話でございますけれども、私どもの考え方を申し上げますと、障害年金というのは基本的には老齢に達する前、六十五歳前に、つまり働いている間に障害になったときに年金の形で所得保障をしようという基本的な考え方があるわけでございまして、今度の厚生年金の改正におきましても、原則として被保険者期間は六十五歳まで、こういうことにしているわけでございます。六十五歳を過ぎて障害になった場合には、もう既に老齢年金を受けておられるわけですから、それは老齢年金でカバーする、それ以前の被保険者期間中の障害については、老齢年金ではカバーできませんので障害年金でカバーするという考え方が基本にあるわけでございまして、国民年金につきましては、原則六十五歳から老齢年金が出ることになっている、しかし、御本人の希望によって、六十五にはなっていないけれども六十歳から繰り上げて受けたいとおっしゃる方には、いわば特別にそのお気持ちにおこたえする意味で出すことにしているわけでございます。
 そういう意味で、六十五で切っているとか六十五になる前にもう障害年金を出さないようにしたというその点だけをおっしゃられますと、そういう面は確かにございますけれども、考え方としては六十五からは老齢年金、老齢年金を受けている人については一応障害年金の支給対象として考えないでいいではないかということでございます。
#74
○上西委員 吉原さん、私いつも申し上げているように、大臣以下あなた方は極めて優秀なんです。理論でいき、法律論でいけばおっしゃるとおりかもしれない。二十五年間、六十歳からもらっても六十五歳までの傷病なら保障しますよとやってきたことはだれが責任をとるのですか。四月から入るのではない、現に入っている方々が、大正十五年生まれはみんなことし六十になっていくでしょう。その方々は、二つ三つ先輩にそういう方がいて、ああ、あの保障があったとみんな思い込んでいる。そうしたら、ある日突然国会で法律が変わって、おれたちは保障されない。そんな冷酷非清なやり方があるかと私は言いたいのです。大臣、あなたはうなずいておられる。あなたは心優しい方だ。こんなことないですよ。二十五年間それでやってきて、四月一日、ある日突然大正十五年四月二日以降の者はばっさり打ち切る。それはひどいじゃないですか。そんなことをやっていて政府を信用しろと言ったって、だれが信用しますか。年金を悪くしておいて、これは泥棒に追い銭だ。こんなやり方はないですよ。
#75
○谷口説明員 お答え申し上げます。
 過去二十五年間にわたってという御指摘でございますが、実はこれにつきましては経過的な措置が設けられております。施行日六十歳以上で既に繰り上げて老齢年金を受給されている方につきましては従来の取り扱いをいたすことにしておりまして、施行日六十歳未満の方々、すなわち老齢基礎年金をこれからもらわれる方々についてこの措置を適用するということで、従来の措置との経過的な配慮はいたしておるところでございます。
#76
○上西委員 大正十五年四月二日以降の生まれの者がそうなるということは私が言っているのだから、あなたのそのお答えは要らない。そんなことをやっていいのですか大臣、と私は言っているのです。律儀が背広を着た方とマスコミで報道されるような本当にまじめで心温かい今井大臣、私はよくもあなたがこんなものに判こを押されたという気がするのですよ。後から大臣に一括して集中的にお答えいただきますから、そのときに、やはりさすがは中曽根さんが見込んで厚生大臣にしただけのことはあるというお答えをまとめてくださいますように、まずお願いをしておきます。
 順次お尋ねします。
 障害福祉年金が障害基礎年金に変わる。そうすると、当然金額も変わるし、拠出制と一緒になっていく。この場合、現在福祉年金は郵便局の支払いだけしか認められておりませんが、今後支払い金融機関の取り扱いはどうなさるのか、お尋ねします。
#77
○長尾政府委員 先生お尋ねのように、障害福祉年金が裁定がえされまして障害基礎年金になるわけでございます。障害基礎年金は従来の拠出制の障害年金と同様な支払い方法をとるつもりでございまして、いわゆる郵便局におきます無案内方式以外の銀行等御自分の御指定になりました金融機関に振り込むという方法をとるように考えております。
#78
○上西委員 重ねて、老齢福祉年金は明治四十四年四月一日以前生まれの者しか原則としてもらえないのですが、この際、老齢福祉年金も一緒に拡大したらどうですか。そのお考えはありや否や。
#79
○長尾政府委員 老齢福祉年金につきまして、今先生お話しのようなほかの方法による支払いを検討してはどうかという御要望があるわけでございますが、私どもといたしましては、障害基礎年金、遺族基礎年金をまずやらせていただいて、将来の問題としては検討させていただきたいとは思いますが、さしあたりは現在の方法でやらせていただきたいと思っております。
#80
○上西委員 老齢福祉年金の受給者はことしじゅうにみんな七十五を超えてしまうのですよ。そういった方々に郵便局だけというやり方はどうか。委員長、あなただって、御自分の両親のことを考えたらおわかりいただけると思う。だから、そうした意味合いでこの際一気に老齢福祉年金も、御要望のあるところで拡大するというのが花も実もある社会保険庁、こう考えるので、特に長尾部長にこのことをお願いをし、努力をしていただきたいと御要望しておきます。
 次は、国民年金へのサラリーマンの無業の妻の加入が四月一日からということでいろいろ取りざたされておる。私も随分あちこち回りますが、大変な誤解があり、みんなどうなるのかと迷っているのです。そしてそこを追っかけてごく最近、まだ一週間たっていないでしょう、共済組合からだあっと調書が行った。一枚五円取られて、社会保険庁か厚生省か知らぬけれども用紙代までふんだくられて、各共済組合――大蔵省、国鉄もおいでだが、そうした調書を送って、それを三月末までに出せ、その上今度は都道府県、市町村に現住所確認をやれ、こういうふうに厚生大臣、社会保険庁長官からどんどん通達が行く。地方自治体は今お手上げなんですよ。やっとの思いで厚生年金関係が済んだと思ったらぱっと共済が来る。お金を取るあなた方はいい。共済組合の短期のものを調べれば扶養家族が出てくるから大体金は取れる。しかし、末端の市町村、社会保険事務所を含めて、現地での事務処理というのは大変なんですよ。それをなぜこんなに急ぐのか。
 これだけの大改定だ。大臣以下協議されて、とりあえず年金の給付の方は四月一日からやるが、いわゆる無業の妻の確認、現住所の確認、こうしたことについては、私は少なくとも一年と言いたいけれどもせめて半年くらい幅のある調査、弾力性のある運用ができないのかということをお尋ねしたいのです。
#81
○長尾政府委員 今お尋ねの、いわゆるサラリーマンの奥様方の三号被保険者としての届け出でございますが、三号被保険者の方は多分一千万を超えるような方々がおられると思います。この場合の事務処理を一気にやりますと、確かに先生お話しのように市町村も大変混乱するということは事実だと思います。私どもが基本的に考えましたのは、三号の中で現在国民年金に任意加入しておられる方が大体七百万弱おられるわけでございますが、この分を四月前から始めさせていただくということもいわば事務をならすということでまず考えたわけでございます。それで、十一月にこの方方に御通知を差し上げまして、一月末までにお届けをいただくということで半分の方は前準備をしたということでございます。あとはこれから共済の方にお願いをし、それから国民年金に任意加入しておられない方についてこれから始めなくてはいけないということでございます。
 特に四月一日から、加入しておられない方の手続を開始するわけでございますが、先生御指摘のように、市町村の窓口に一時に集中して仕事の上で混乱を生ずるということがないように、市町村によりまして、例えばある地域は四月、ある地域は五月というような弾力的な運用をするということは、私どももそういう方向でよろしいと思っておりますし、そういう方向で十分指導はいたしたいと思います。しかし、四月新制度発足ということで、第三号に該当されます奥様方も非常に関心が高まっておるときでございますし、こういう時期を逃しましてもし届け出が漏れたりしましても問題でございますので、できる限り機運の盛り上がっているうちに届け出はしていただきたいというふうには思っておるわけでございます。
#82
○上西委員 私はお願いしておきたいのですよ。おっしゃるとおりなんです。ただ、あなたは今幅のある運用とおっしゃるが、例えば最終的に九月いっぱいだから六カ月かけていい、それぞれのところでうまくならしてやってくれなんということは下へはおりてないです。それぞれの市町村の受けとめ方ではスピードアップをやる。その結果、善意の権利喪失者――かつての十年年金がそうでしょう。漏れていたからやむを得ず二回やらざるを得なかった。ああいったことがないように、無権利の者が出てこないようにするためには、確かに機運が盛り上がっているけれども、津々浦々まで行くにはやはり時間がかかりますよ。
 そして、今共済組合の調査が始まったばかりだ。だとするならば、九月末くらいを一つのおおらかなめどに置いておいて、そして市町村の独自の発想でその中で消化をしていく、こういう弾力ある運用を上からきちっと流さないと、市町村ではやはり混乱が起きると思います。ですから、きょうのお答えを現実の運用面で生かしていただくように、社会保険庁実力者長尾部長にお願いしておきます。
 次は同じく第三号のことですが、長尾さん、死亡一時金を出さないとはこれもまた冷酷非情なんですよ。死んだらパアだよ、こういうやり方、あなた方強制加入よ、自動的強制加入だということをさせながら、亡くなったら一円も香典すら出さない、こんなことをまあよくあなたのような本当に見るからに心優しき方がされたものだと思うのですが、その辺一言お答えいただきたいのです。
#83
○吉原政府委員 私がお答えするのではまたおしかりを受けるかもしれませんが、死亡一時金というのは、これまた先生よく御承知の上での御質問だと思いますけれども、実際に保険料を毎月毎月払って、それで老齢年金に結びつかずに亡くなられた場合に、それは何ぼ何でもお気の毒ではないかということで、わずかではございますが遺族の方に出すことにしているわけでございまして、その額はことしの四月からかなり上げたつもりでございます。
 ただ、サラリーマンの今度の第三号被保険者といいますか、いわば実際に保険料を払わないで年金の資格がつくという制度のもとでもそういった方にも出さなくてはいけないかということになりますと、やはり年金というのは本当に必要な人に必要な額、できるだけ高い額の年金をという考え方がございますので、第三号被保険者の方にまで死亡一時金をという出したい気持ちはもちろんよくわかりますし、出せればいいというふうには思いますけれども、本当に年金の必要な方に高い年金をという考え方から、今回はそういう方には御遠慮いただくということにしているわけでございます。
#84
○上西委員 だから、さっきから申し上げるように、法律をつくって鋭意努力なさった、今は亡き山口新一郎前局長以来大変な御努力を皆さんなさったことを僕はよくわかるのです。ただ僕は、国民の立場、加入者の立場、受給者の立場からいえば、直接納めていないだけで、社会保険庁はちゃんとふんだくっているんだから。そうでしょう。あなた、まるでただで入れているみたいにおっしゃってはいかぬのですよ。三分の一は国庫負担だが、月額八千六円取るんでしょう。そこは取っていて、そして死亡一時金は出さない。しかも死亡一時金、現在の二三、二八から、十万円から二十万円に上げるんだ。そうすると、必ずトラブルが起きますよ。起きたときに、その方々はあなた方のところまでは苦情を持ってきませんよ。永田町まではだれも来ない。来るのは市町村ですよ。せいぜい社会保険事務所ですよ。そこでやられている方はもうたまらぬですよ。
 そんなことだったらと、こうなったときに、あなた方は、いや、あれは法律ではこうでこうしてと、今お答えのことを都道府県の代表者を集めてしゃべっていないんだ、悪いけれども。僕は、生で当たる者はどうなるのか、生でその事象に直面した担当者はどんな立場、気持ちになるのか、どんな窮地に追い込まれるか、そこまでの配慮がないとこういう制度の改定は非常に微妙だ、こう言いたいのです。だから、あなたは、私もだんだん薄くなっているけれども、毛髪が薄くなる方は本当に優しい方なんです。善人なんです。我が鹿児島では、これの薄い方に悪人はないと言っている。吉原健二局長、この死亡一時金を第三号被保険者にも支給する、こういうことをぜひお願いしておきたいと思うのです。
 次に、厚生年金についてお尋ねをします。
 遺族年金を給付する場合、受給者が夫、父母である場合、従来満六十歳未満であれば出ない。それをたまたま私がこの委員会へ出てきて厳しく申し上げましたら、当時の大臣、率直に認めまして五十五歳まで下げたのですよ、満五十五歳以上になっておれば六十歳から給付すると。ところが、共済年金その他は年齢制限がないのです。そして、やはり支給停止をやっていて、五十五、五十六、徐々に六十に近づきますけれども、出す。だとするならば、これだけの改悪をおやりになる際、せめて罪滅ぼしにと言ってはちょっと言い過ぎかもしれませんが、現行五十五歳の支給停止措置の開始年齢を五十歳ぐらいまで下げる、こういう御英断はできないものでしょうか。
#85
○吉原政府委員 遺族年金につきましては父母が遺族の場合には、従来は六十歳ということになっていたわけでございまして、先生からお話のございましたような御趣旨を踏まえまして、年金が出るのは六十からではありますけれども、死亡時に五十五歳以上の人にはいわば受給権を与えるということにさせていただいたわけでございます。
 さらに、これはもう少し年齢を下げるかどうかにつきましては、次の改正の機会までにひとつ、せっかく修正で五十五ということで出発することになったわけでございますので、そういうことで今後の検討課題ということにさせていただきたいと思います。
#86
○上西委員 いや、おっしゃることもわかるのですよ。ただ、夫が妻を亡くした場合と妻が夫を亡くした場合の悲しみに差をつけているから僕は腹が立つのですよ。両親が子供を失った場合、その悲しみを何か差をつけちゃって、結果的にですよ、六十歳までの間は上げませんよという。逆に、妻と子がもらう場合は即時支給なんでしょう。同じ中曽根内閣のもとで、片や憲法にのっとって男女雇用平等とかいろいろなことをおやりになる。厚生年金だけは、百年に一回の大改定ですよと鳴り物入りで大宣伝をされながら、肝心なことはぼろっぼろっと、それこそ落としたままでやろうとされるから、今度の改正の時期にはあなたは偉くなってもっと上におられるでしょうから、そのときには、おれはあのときこう言ったんだから五十歳まで下げる、こういう決断をなさるように強く要望しておきたいと思います。次期の改定を心から期待をしておきます。
 次は第四種被保険者の取り扱い。これについて、今後具体的にどうなさるのか。やはりいろいろあるのです。とりわけ民間の中小零細で社会保険に入っていた、ところが不景気とかその他で企業の倒産、閉鎖は続く、ほうり出される、せっかく十年以上あったのに、何かこれがなくなるそうだとかなんとかということがあるので、この辺は、どうなるのか簡潔に、明快にお答えいただきたい。
#87
○長尾政府委員 今先生からお話がございましたように、今回の改正法におきましては四種の被保険者制度は廃止をされるということになっておりますけれども、経過措置といたしまして次のようなことが決まっておるわけでございます。
 今現に、施行日の前日現在ですね、四種被保険者である方は、このまま四種としてお続けいただけるということでございます。それから、被保険者期間が十年以上ありまして施行日において四十五歳以上である方、もう既に中高年齢の方もおなりになることができます。それから、今度六十五歳以上は被保険者でなくなるということになるわけでございますが、このことによって被保険者資格を喪失する、その方も四種の申し出をなさることができるわけでございます。それから、四種の申し出をすることができる要件、現在それがあったにもかかわらず、まだ手を挙げておられなかったという方があると思いますが、具体的にはこの三月三十日までにやめた方ということになるわけでございますが、運用といたしましては、おやめになった日が三十一日まではいいということに解釈をいたしておりますけれども、この範囲の方につきましては四種として引き続き手続をしていただけるということになっております。
#88
○上西委員 この四種の制度は、従来厚生年金発足以来ずっとあった制度で、これで中小零細の方が随分救われているわけですね。いわゆるみずからの意思での退職じゃなくて、はっきり言えば企業の倒産、閉鎖等で不本意ながら失業をした方々などはこれで随分助けられているのです。失業中に第四種で入っていて遺族年金をもらえたとか障害年金の該当になったという方を僕はたくさん知っているのですよ。ところが、その制度が今度切られるわけですね。確かに経過措置がある。そうすると、昭和十六年四月一日以前生まれの者しか今からは原則的には該当しないということになるわけですね、現に資格がある者は別として。こういったところもあと五年くらい幅を見てやるとか……
 何か切って捨てるというか、悪くすることについては極めて直截にぼつぼつとやられて、よくする、積み残しをどうですかということになると、いや理屈では、理論ではと、優秀な方々がこうおっしゃいますので、私は何度も申し上げるが、厚生省の、とりわけ年金とか社会保険庁の仕事というのは心優しき者でなければ務まらぬですよ、受給者の中には大変な方々が出てくるわけだから。そうした意味合いでさらに弾力的な幅のある運用ができないのか。そのことについてあと一歩、後からまとめて大臣に御要望しますけれども、私は強くこのことについてもお願いを申し上げておきたい。四十五歳で切られてはかわいそうですよ。女性は三十五歳以上で十年以上あるとなれば、極端な言い方をすると十六年四月一日以前はある意味では無意味になってしまうのですね。そういった意味で、あとちょっとお考えいただけないだろうか、これは現実の問題として。あなたも極めて明敏な頭脳をお持ちなんだから、ぱっとおわかりになっているはずです。ぜひお願いをしておきたいと思います。
 あわせまして、これは長尾部長にお尋ねしますが、今度五人未満の事業所を加入させていきますね。これも今の社会保険庁の陣容その他から一挙には無理だと思うのです。厚年のことは市町村はなかなかできませんから。そうなりますと、具体的に六十一年度は例えばどの線までは入れていくのだとか、何年かかって法改定に伴う五人未満の事業所の加入を完全に終わるのだ、こういった計画がもしおありならば、この際お聞かせください。
#89
○長尾政府委員 五人未満事業所の適用拡大の問題でございますが、五人未満事業所以外に、五人以上の事業所でありましてサービス業等の未適用業種につきましても、今回、法人の事業所の場合には適用するというふうな法律改正はございます。私どもとしては三年間でこの措置をやるということでございますので、六十一年度は未適用の業種の五人以上組、いわば飲食店、サービス業等の法人の事業所にお勤めの方々について適用を開始いたしたいと思っております。
 この次の計画でございますが、私ども、実態調査もやっておりまして、この次どういうような業務、今先生からお話しがございましたような事務体制をどういうふうにとりながら考えていくかということを今検討いたしておりまして、その次に、次の六十二年度または六十三年度の計画を立てていくわけでございますが、一つには人数でございますね、四人のところから手をつけていくといったような段階が考えられるのではないかと思っております。
#90
○上西委員 長尾部長が今お答えのように、未加入の新規適用は三年間かけてやろう、それだけの幅のある運用があるのなら、バックしますけれども、先ほど申し上げた無業の妻の認定その他についても、やはりきちっと幅のあることをこの際あわせてお願いをしておきたいと思うのです。そうしないと、ここで一言申し上げますと、それこそ私の住んでいるのは僻地でございますが、公務員職にある方々は、国家公務員であろうと地方公務員であろうと職務に忠実ですよ、責任感旺盛。だから、仕事を与えられると一生懸命馬車馬みたいにやる、そのときに過重なものを押しつけられますと、結局どこかで漏れてくるわけですね。だから、今一挙に三年間かけてやっていこうとされるならば、片一方の国年その他の関係についても、法をせっかく適用されるならば、幅のある運用ということを総体的にこの際あわせてお願いをしておきたいと思うのです。
 さて今度は、年金担保貸し付けを私はここでこの際お尋ねしておきたいのです。
 現在の年金担保貸付制度は、貸付枠その他がありますけれども、いわゆる規則の上では四年償還でしょう。ところが、今は借りると、返済金プラス利子に、到達するまで給付される年金全部お召し上げになる。だから、私がこの前連合審査で申し上げたように、借りたら無収入になって生活保護だというのが出てきたのですね。そんなばかなことはない。あなた方は優秀なんだから、四年間で貸す場合に、百万なら元利合計一回で幾らずつ引けばいい、これはぱっとできるはずだから、それだけを四年間で控除して実際手元には六〇%ぐらいは年金が支給されていく、こういう制度がなぜできないのか、私は不思議でしょうがないのですが、この際、このことについては改善する意思ありや否やということでお尋ねしたいのです。
#91
○吉原政府委員 この問題につきましては、予算委員会でも先生に前にお答えをさせていただいたことがあるかと思いますけれども、もともと年金を担保にお金を借りるということを認めていいかどうかというのは、実は私どもの立場から言いますとどうかなという問題意識を持っているわけでございます。やはり年金というのは、お年寄りの方なり障害者の方の最低生活を保障するための社会保障としての給付でございますから、それを担保にお金を借りることを認めるというのはいかがなものかという考え方を持っていたわけですけれども、昔から恩給でやっておりましたので、それに倣って年金でも認めていいのじゃなかろうかということで、同じ考え方で認めているわけでございますが、やはりできるだけ借りる期間も短い方がいい、また短くなくてはいけないということで償還は最高限度四年にしておりますけれども、できるだけ早く返していただいて、年金を丸々また生活費に充てていただけるようにという考え方に立っているわけでございます。
 そういったことで、実はせっかくの御質問でございますけれども、私どもはできるだけ早くお金を返していただいて、また年金で安心して暮らしていただけるようにという方向で考えておるものですから、返す期間をもっと長くするとか、年金は全部じゃなしに一部だけ返せばいいということになりますと勢い期間も長くなるわけでございますので、一体そういうことがいいかどうか、また借りる方のお立場のお考えもわかりますので、それは、両々相まってどういうふうにしたらいいかということは検討させていただきたいと思いますし、恩給との横並びの問題もございますので、年金だけでどうこうというわけにもまいらぬ要素があるわけでございます。また検討させていただきます。
#92
○上西委員 局長、あなたのお言葉を聞いていると、私は償還期限を延ばせと言っているんじゃない。そうじゃない。四年と決めているんだから四年を守ってくださいよと。ところが、今実際は、一年半、二年足らずで返してしまっているわけでしょう。だから、四年と出しているんだから、羊頭を掲げて狗肉を売るようなことをやってほしくない。借りる方は四年だと思って返す考えていたら、一円も年金が手元に残らぬから生活保護家庭に転落をするというのが現実に出てきたわけですよ。だから、市町村の担当者かどこかが、四年と決めているんだから守ってくださいよ。僕は極めて素朴に素直に申し上げている。だから、そういった意味でこれはぜひ御検討いただきたい。大臣うなずくたびによくわかっていただけるなと期待を申し上げておりますので、大臣は極めて正直な方でありますから……。
 あわせまして、厚生年金の累積剰余積立金も今月いっぱいで五十兆を超えますね。今、極端に言えば、厚生年金の加入者は住宅金融公庫に当たらない限り融資は受けられない。大臣、この際、教育ローンぐらいつくってみたらどうですか。高校入学なら幾ら、大学入学なら幾らぐらいの教育ローンを、加入期間何十年以上でいいですよ。二十年以上、三十年以上でつくって貸す。返済はやはり銀行並みにローンを組んでいけばいいんだから、給料から差し引く。そして、いつから年金から差し引く。こういったことぐらいやらないと、ざっくばらんに言って、厚生年金は僕は今加入が三十五年を超えておりますよ、満六十になったときに、あと六年有余掛けるが、今やめた方が年金高くなるんだから。保険料率は上がっていく、年金は掛けるだけ損だ。その大改悪をあなた方は無残にもやろうとしているんだから、冷酷非情とあえて言わしてもらうが。だとするならば、この際、教育ローンぐらいのささやかなお返しぐらい加入者のためにしようじゃありませんか。こういうお気持ちになってもいいと思うのですが、そういったことについてはいかなるお考えありや否や、御所見を承りたいのです。
#93
○吉原政府委員 今、住宅資金等については積立金で融資の道があるということは御案内のとおりでございますが、御提案のございました教育ローンまで広げるかどうかにつきましては、私、確かに考え方としてはあり得る考え方ではないかという気がいたしております。
 ただ、積立金の運用の仕方として、これからそういった還元融資の方向をもっと広げていったらいいのか、あるいは私どもが今大蔵省に強く要求しております、もっと有利に運用して将来の年金の原資に充てていくという考え方の方がいいのか、そういうことも十分考えながらひとつ検討させていただきたいと思います。
#94
○上西委員 将来の年金、あなたがお答えになったように、昭和七十五年には百三十三兆九千億になるんだ。それが住金に当たらない限り、加入者は二十年加入しようと二十五年加入しようと一円も還元融資を利用できない。この現実があるわけですよ。これがやはりマスコミが言う官民格差につながっていくんだ。現実に共済組合から共済年金は借りられるわけでしょう、ローンを。教育ローンだって借りられる。だとすれば、それこそ、これだけの大改定と言います、僕は悪とは言わぬ、改定と言っておきましょう、これだけおやりになるのなら、やはり御祝儀は置いていってくださいと僕は言うんだ。教育ローンに年間これだけ出しましょう、そして順次拡大していけばいい。そうしたことがあれば、大改定があろうと、保険料が少々上がろうと、みんなが頑張っていくのじゃないでしょうか。内需拡大を言うなら、僕は還元融資が一番手っ取り早いと思っていますよ。大臣、ううんと口を結んでおられますが、御決意を後でもってまとめていただきますので……。
 次は、社会保険庁の人事異動基準について。こんなことを言うとなんでございますが、私、党の市民相談活動を担当させられて、随分全国を回っております。そうすると、いろいろなところで同じようなことを聞くんですね、やや専門家になり過ぎているのではないか、国民年金の方、厚年の方、健康保険の方、こういうふうにやっているが、これだけ加入者がふえ受給者がふえていくと、社会保険庁初め社会保険事務所、都道府県の主管課といいましょうか、国年課と保険課、こういった人事の異動などについても、もっと基本的に人事の交流を図り、そして将来に備えて万能選手というか、そうした方々を、年金ならということで、せっかく年金統合をやるんですから、厚年とか国年とか分けずにやはりお互いがもっと交流をし、そしてその結果効率も上がる、そして、社会保険事務所へ行ったら、だれに聞いても何でもわかる、社会保険庁へ行ったら、課は違うけれども、ああそのことなら御説明しますよと、こうなったときに、親切な行き届いた窓口だ、サービス向上だ、行政改革から社会保険庁だけ除け、こうなっていくのじゃないか、こう思うのですが、その辺のお考えはどうでしょうか。
#95
○朝本政府委員 お答えを申し上げます。
 社会保険庁は、現在地方で一万五千八百五十二名の職員がございます。先生おっしゃいますように、医療保険、それから厚生年金、国民年金、さらには船員保険、いろいろな仕事に従事しているわけでございます。
 社会保険庁は昭和三十七年の発足以来、正確に、迅速に、親切にということをモットーに業務をやってまいったわけでございますけれども、一方の専門家に偏して、例えば医療保険をやっている人は、厚生年金、ああそれは知りませんなというようなことになっては相ならないということで、従来から、自分が担当している制度以外の制度についても幅広い、かつ奥深い知識を得るようにということで、人事交流につきましても、各都道府県を指導して、ぜひ機会を見つけてこれを図るように、さらにまた各種の内部研修の機会を通じまして、医療保険の担当者にも年金制度、特に今回の改正等につきましては十分に理解してもらうようにやっているところでございまして、今後とも、先生おっしゃいますような幅広いオールラウンドプレイヤー、特に上層部はそのようになってほしいということで努力をいたしておるところでございます。
#96
○上西委員 大変前向きのお答えをいただきましたが、内部研修の充実、それから人事異動のことも含めて、とりわけ、私はよく感心するのですが、社会保険事務所は、ナンバーツー、次長さん、副長さんあたりがどんどん窓口の責任者で出ている、そして応対に当たっている、このことはすばらしいことだと思っているのです。そうしたことを高く評価をしながら、かつ御要望として、人事の交流等を含めて本当に一体となって機能が発揮できるように重ねてお願いをしておきたいと思います。
 ここで、ひとつさっきの質問にバックしまして、障害基礎年金と児童扶養手当、このことについて先ほど我が党の竹村議員が質問したのでありますが、私が非常に疑問に思うのは、父親が重度の障害者の場合、母親に児童扶養手当が三万三千円出る。今度は、その場合は一万五千円カットで一万八千円出るということになるわけですね、障害基礎年金になると。ところが、母子家庭で母親が重度の障害者であれば三万三千円全部消すんですね。そうでしょう。そうして福祉手当をもらっている場合は、今度は特別障害者手当になってもこれは完全に、今の一万一千二百五十円の福祉手当の受給者がそのまま二万円の、まあ二万八百円になりますけれども、特別障害者手当の受給者に一〇〇%移行しませんね。そうしますと、一万一千二百五十円まで含めて、それまで仮に減額されるとなったら、先ほどいろいろ御説明がありましたが、ざっくばらんに言って、現実に金額が下回る例が出てくるのじゃないですか、母子家庭で母親が重度の障害者の場合、福祉手当、特障手当がカットされると想定したら。その辺はどうなりますか。
#97
○坂本政府委員 このたびの年金改正によりまして児童扶養手当制度はいろいろ変わった点がございますが、先生も御承知のように、今おっしゃいましたけれども、例えば母親が障害者であって子供が一人いる場合に、児童扶養手当と障害福祉年金と支給されておるわけであります。また、ケースによっては福祉手当の支給もある場合がございます。
 そこで、今度の改正が施行されますと、現在児童扶養手当法では、老齢福祉年金と障害福祉年金に限って児童扶養手当を併給しておるわけでございますが、障害福祉年金そのものがなくなってしまうわけでございます。したがって、併給の相手というのが老齢福祉年金ひとりになってしまう。これは年金の方の改正で自動的にそうなってしまうわけでございますが、しかし障害福祉年金がなくなっても、今度は障害基礎年金という、いわば拠出制年金に相当する相当金額の高い年金も出るわけでございますし、そのほかに、子供がいる場合には新しくその子の加算もつくわけでございます。したがいまして、従来の児童扶養手当と障害福祉年金とを合わせた額よりは、今度の新しい障害基礎年金とそれに加算された額というものは上回る、こういう姿になっておるわけでございます。
 ただし、福祉手当が従来出ておった方につきましては、この福祉手当を加算した従来の額から見ると、ケースによっては若干減額するようなケースもそのままではございますので、特に今回、福祉手当における経過措置というもので減額分について支給をする、こういうことをいたしまして実質的な減額はないようにいたしております。
#98
○上西委員 大蔵省が見えていると思いますので、共済年金の遺族年金の、とりわけ国家公務員共済組合、これが現在遺族年金の所得制限をやっておりますが、これを改善される意思ありや否や、お尋ねしたいと思います。
#99
○坂本説明員 委員御指摘のように、ただいま現行法では、国家公務員共済組合の遺族年金は、御本人が亡くなった場合の遺族の収入が御本人を下回っているか、あるいは上回っている場合でも、二百四十万円以内という場合にのみ遺族年金を給付する、こういうことでございます。
 一般的に、遺族年金につきまして所得あり、なしを撤廃するということは、重点的な給付がこれから必要でございますので、著しく高い所得がありながら、なおかつ年金給付をするというのは、やはり公平の観点からいって問題があるというふうに考えておりますが、ただ、上西委員からはかって御指摘がございまして、共済制度あるいは厚生年金制度の中で取り扱いが異なるという御指摘を受けたわけでございます。私どもは、御指摘を受けまして、各公的年金制度を通じて、やはり同一の扱いをすべきであろうということから今検討している最中でございますが、現行の二百四十万円という水準は低いということでございますので、大幅に緩和しようという方向で検討しているところでございます。
#100
○上西委員 では、重ねてお尋ねします。
 大幅に緩和される、多分地方公務員や公立学校がやっている五百五十二万くらいになっていくのじゃないかと私は推測するんですけれどもね、現在は。そうでしょう、地方公務員は五百五十二万ですから全然該当は出てこない、極端なことを言うと。だから、それはそれでいいのですが、あなた方が大改悪をやって、たしか五十四年の六月から今の現状になっている、この間、失権をしている方々に対して救済するお考えありや否や。
#101
○坂本説明員 年金制度の改正はやはりいずれも将来に向かっての改正でございまして、過去の事実を掘り起こしてやるということは実態上無理でございますので、それはできない。将来に向かって大幅に改善をするということでございます。
#102
○上西委員 わかりました。課長、私はここでこんなことを言いたくなかったのですが、ただ、けさ八時五十分、僕の部屋に電話があったのです、政府委員室から。あなたがお尋ねになることについて、今、原課に聞いたら、そういうことはないということですが、どういうことですかと来た。だから、僕は怒った、そんなことかと。大蔵省はそんなことで遺族年金を二百四十万でぶった切って、心に痛みを覚えていないから、そんなことはないと平気で言うんだ。そういう気持ちでいるから、前のやつはだめですと、こう簡単に言う。泣いているんですよ、わずかなことで。その人たちに温かい配慮をしようとする気持ちもないから、僕が質問通告をしたら、そんなことはないと原課が言っていますが、どうなんですかと。僕は本当にきょうは電話機をたたきつけたかったですよ。どんなに優秀かも知らぬ、あなた方は。しかし、本当に人間の気持ちを持っているのか。夫を失った妻の悲しみがわからぬか、親を失った子供の悲しみがわからぬかと本当に訴えたい。そのことだけ一言言ってください。
#103
○坂本説明員 実は、政府委員室がどういうお答えをしたかわかりませんが、遺族年金について所得制限があるか、こういうお尋ねですと、遺族年金についての所得制限はない。そうではなくて、お亡くなりになったときの遺族の方の収入がどういう状態のときに生計維持されているかどうか、そういう生計維持要件の条件がどうか、あるいは所得制限一般ですと、これはない、こういう議論になるわけでございます。
#104
○上西委員 このことについては、これ以上言いません。
 もう一つ。それは、あなた方担当は違うでしょうが、老齢者年金特別控除の枠七十八万円、これが十一年間、ことしで十二年になるけれども、全然変わっていないが、この幅を上げる、増額するというお考えありや否や。
#105
○小川説明員 高齢化社会を迎えまして、各種の年金所得課税のあり方につきましては本格的な検討を加えていく必要があると考えております。
 その意味におきまして、ただいま御指摘のありましたような問題も含めまして、現在税制調査会が抜本改革の見直しをやっております。その中で、およそ年金に対する課税のあり方いかにあるべきかということで、昨年から審議を始められました。年金課税はいかにも技術的な問題が非常にございますので、現在学者委員から成ります専門委員会で検討が行われております。その検討結果及び税制調査会での審議の結果を待って適切に対応してまいりたいと思っております。
#106
○上西委員 大臣、大臣もよくおわかりと思いますけれども、もともと共済組合の退職年金だって、厚年、国年の老齢年金だって掛金を納めてきておるのですよね。それが、現実の問題として、年金をもらうと全額課税の対象になってくる。そして、この十二年間、老齢者年金特別控除額七十八万円据え置きのまま。これは余りにも冷た過ぎると僕はいつも思っているのです。これは、きょうはいいチャンスですからお願いしました。どうか、大蔵省もそういった意味合いでこれをもっともっと枠をふやして、そうして文字どおり老後の生活保障に資するように御努力をお願いしたい、こうここで申し上げておきます。
 質問の最後、国鉄お見えだと思いますが、国鉄の共済組合だけかと、あえて言いましょう、退職年金、あるいは国鉄の退職金も含めてですが、何か金融機関を制限している。それで、国鉄の退職者が僕のところに結構いるのですよ。どこでやめたって郷里に帰る人は結構いるんだ。そうすると、その郷里に、帰ったところは特定金融機関の出先も何もないところがあるのですね。ところが、それ以外じゃ取れない。何かいろいろ事情があるのでしょうが、金融機関を極めて制限していることについて僕は解せないので、これをオープンにする、受給権者の希望にまってもっともっと広げていく、こういうお考えありや否や。簡潔にお答えいただきたいと思います。
#107
○桝田説明員 国鉄の退職金の支払い方と年金の支払い方について御質問がありましたので、お答えしたいと思います。
 退職年金につきましては、退職者の申告に基づきまして本人の希望いたします金融機関の希望いたします店舗に現在払い込みをいたしております。ですから、退職金については自由な選択に任せておもということでございます。
 それから、続きまして年金についてでございますが、年金は、金融機関の店舗のうち国鉄が指定した店舗の中から受給者に選んでいただきまして、それで支給をいたしております。現在、金融機関の数にいたしますと三百機関余り、それから店舗数にいたしますと六千百五十機関余りの店舗で払っております。この店舗の数につきましては毎年見直しをさせていただいておりまして、当然のことながら受給者の利便を考えてやっておるわけでございまして、特に最近は年金受給者が毎年非常にふえております。そんなこともございまして、本年で申し上げますと、例えば二百三十店舗ほどふやしておるということでございまして、今後も年金受給者の利便を考えながら選択の幅を広げていきたい、このように、考えております。
#108
○上西委員 国鉄が置かれている現状に私は大変同情的な立場に立っているのでありますが、国鉄を利用していただく方をふやすためにも金融機関をふやすことが一つの手だてではないか。かつ、長い間国鉄に奉職をし一生をささげた方々の利便を図る、こういう観点からさらにその拡大のスピードをアップされるように、新幹線並みにスピードアップされるようにお願いをしておきたいと思うのです。
 最後に大臣、私は今までいろいろ申し上げましたけれども、聡明な大臣、よくおわかりいただいていることがたくさんあると思うのです。私はここで重ねて申し上げておきたいのですが、まず第一点は、無業の妻の切りかえ業務についての、やはり期間的に弾力性のある、幅のある運用がお願いできないのか。それから、障害基礎年金と児童扶養手当、父親が重度の障害者であれば、一万五千円カットで出るのですよね、児扶が。ところが、母子家庭で母親が重度だったら、三万三千円全額カット。私は、これはどう考えても矛盾だと思うのです。不合理だ。このことです。
 さらに、三号被保険者の死亡一時金の問題。これがゼロだというのも、大臣、あなたが仮にその立場に立ってごらんなさい。どんな思いをなさいますか。妻が四月一日から強制自動的に加入になった。亡くなったら一円もない。これは恨むのは日本政府ですよ。時の厚生大臣今井勇、あなたですよ、恨みの対象になるのは。怖いですよ。
 それから、厚生年金の遺族年金の給付開始年齢六十歳、これは変えられぬでしょう。しかし、五十五歳以上とせっかくなさったのだから、次期の改正と言わずに、なるべく早い機会に五十歳以上の者には支給停止措置を持っていく。こういったこと等について、大臣も社労の理事を随分長くなさってこの種の問題に大変幅広いうんちくをお持ちの方でありますので、少しく御見解をいただきたいと思うのであります。
#109
○今井国務大臣 ずっと先生の御質問を聞いておりまして、年金などの幅広い問題についていつもながらの深い御研究に改めて私、本当に敬意を表したいと思います。
 御指摘の問題につきましては、確かに理屈の上ではいろいろ難しい点もあろうと思います。しかしながら、聞いておりまして、先生の御趣旨を十分踏まえまして、本当に十分に検討させて、私なりにひとつ前向きに検討いたしましてできるだけ努力をしてまいりたい、このように思っております。
#110
○上西委員 大変ありがたいことなんですけれども、私は今大臣からそういうお答えをいただいたからそれで一安心ですが、かつて渡部恒三大臣のときに、いわゆる人工肛門の造設者の障害認定日を四月一日からは厚年と一緒にする。時間がないということでさっき触れなかったのですけれども、そうなりますと、結局、きょう人工肛門を造設しておる者も四月一日に認定だ。こうしたことについて、少なくともあなた方は専門家で行政を担当されているんだが、この年金統合法の施行、まああなた方は直接そうですが、それに関連してきめ細かな通達、通知、こういうものをおろされて、市町村の末端まで混乱が起きないような十二分の配慮がないと、やっぱり国会での議論も生きてこないし、あなた方がせっかくお取り組みになったことも、それこそ効果が上がらないのじゃないかな、こう考えております。
 大臣、私も四つ五つ申し上げました。もちろん後の、教育ローンの問題でもいろいろありますし、他の省庁にわたることも出てまいります。ぜひ今井勇厚生大臣、御就任なさって百年に一回と言われる大改定に遭遇され、思う存分そのらつ腕を発揮されまして、そうして年金統合法の施行に花も実もある成果をお上げになるように、また、とかく忘れられがちな、行政の谷間に落ちこぼれがちなことについても温かいお心配りをなさっていただきますよう、そうして後世に名の残る名厚生大臣今井勇ここにあり、こういうことが実績として残りますように、私も一国会議員として努力を惜しみませんが、そのことを重ねて大臣にお願いしますと同時に、厚生省並びに社会保険庁、関係省庁の皆さん方の一層の御努力を心からお願いを申し上げ、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#111
○山崎委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時二十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時九分開議
#112
○山崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 両案に対する質疑を続行いたします。大橋敏雄君。
#113
○大橋委員 私は、年金福祉事業団法及び国民年金法等の一部を改正する法律案について若干お尋ねをしたいと思いますが、まず法案の具体的な質問に入る前に、厚生行政の基本にかかわる問題点につきまして若干お尋ねをしたいと思います。
 今、私の手元に大蔵省から出ております「中期的な財政事情の仮定計算例の要約」という資料があるわけでございますが、これは六十年度から六十五年度までの各年度別に歳出歳入の関係を試算し表示したものでございますけれども、一般歳出について、伸び率が五%あるいは三%、〇%という立場に立ちまして計算されて、その数値が示されているわけでございます。
 そこで、その表の最後に「要調整額」というところがあるわけでございますが、結論から申し上げますならば、政府が従来目標としておりました昭和六十五年度に赤字国債から脱却するということは、まず不可能でございます、だめでございます、このような内容が示されているわけでございます。
 例えば五%の場合をとってみますと、六十五年度は六兆八千八百億、あるいは三%の場合も三兆九千四百億、〇%になれば三角が立って千五百億、こうなっているわけでございますが、そういう〇%なんということはまず考えられぬわけでございまして、要するに、政府の六十五年度赤字国債ゼロにするという計画は、まさに崩れたということでございます。また、大蔵大臣も参議院の予算委員会で、六十五年度脱却は、現実には容易ならざる課題になってきたと。すなわち計画目標は崩れたということでございますけれども、この財政経済政策の失敗の責任は極めて重大でありますとともに、特にそのしわ寄せが福祉の切り捨てという形で毎年毎年進んできているわけでございます。厚生大臣はこの点をどのように判断なさっているか、まずお尋ねしたいと思います。
#114
○今井国務大臣 おっしゃいますように国家財政が極めて窮状が続く中で、ここ数年間、ゼロシーリングだとかマイナスシーリングといった厳しい概算要求基準が設定されまして、厚生省予算につきましても、大変困難な厳しい予算の編成を続けてまいりましたことは事実でございます。
 しかしながら、各年度の予算編成に当たりましては、将来の、二十一世紀を展望しながら、制度の長期的な安定を図るために、私どもは健康保険とか老人保健などの制度の改正に取り組むと同時に、厚生年金国庫負担の繰り延べといったような、事業運営に支障が生じないような財政上の工夫をして歳出の縮減を図る一方、寝たきり老人とか体に障害のある方々に対する施策につきましては、きめの細かい配慮を行ってきておるわけでありまして、何とか私どもは、こういう苦しい状況でありますが、福祉の実質的な水準だけは十分確保したいという気持ちでやってきたのでございます。
#115
○大橋委員 この失政のしわ寄せというものが、社会保障関係で六十一年度は一兆一千百億円、これが財政削減を余儀なくされているわけでございますけれども、その内訳を見てまいりますと、厚生年金等への国庫負担削減四千三百億円、老人保健制度の改革で千九百億円、医療費適正化対策その他で千三百億円、生活保護費など高率補助下げ継続で三千六百億円、削減合計額が一兆一千百億円、このような社会保障関係予算への切り込みであるわけでございますが、こういう状態はいつまで続くのだ、社会福祉の大幅後退というものは、私は、憲法第二十五条の精神に逆行するもの、こういうふうに厳しく指摘したいところでございますが、この点についてはどうお考えでございますか。
#116
○今井国務大臣 今後の予算編成がどうなるかにつきましては、今まだ六十一年度の予算を御審議いただいている途中でございますから何とも申し上げられませんが、おっしゃいますように、やはり今後とも人口が極めて高齢化いたしますのに伴いまして相当規模の当然増というのが生ずることを考慮しますと、従来のような手法で予算編成を行うということは一層困難になるだろう、私もそのように考えております。したがって、今後とも社会保障の水準を維持していくためには一体どのような方策が可能なのか、予算編成のあり方も含めまして関係当局とも十分に相談しながら、幅広い観点からこれは検討を進めていきたい、こう考えております。
#117
○大橋委員 実は、新聞の報道ではございますが、社会保障特別会計の創設の話題が大きくなってきているわけでございますけれども、この問題について大臣はどのようなお考えでございますか。
#118
○今井国務大臣 おっしゃいますように、社会保障の予算につきましては、高齢化の進展とか年金の成熟化などによりまして、毎年相当規模の当然増、これは避けて通れないというような性格を持っているわけでございます。このような社会保障の予算につきましては、おっしゃいますように、一般会計から切り離して社会保障に関します給付と負担の関係をより明確に示すことは極めて示唆に富んだお考えだと私は思っております。
 しかしながら、この問題は、国の財政構造全体に、また今後の社会保障の進め方にも大きくかかわる問題でありますから、今の考え方を含めまして、幅広い角度から検討を進めてまいりたいと思いますが、ただいまのお話は、繰り返すようでありますが、私はまことに示唆に富みました考え方だと思っております。
#119
○大橋委員 それでは、大臣も社会保障特別会計の創設については賛成なんだ、このように理解していいですね。
#120
○今井国務大臣 私はかねてから、このままの状況ではなかなか大変だろう、したがって何か考え方が一つ飛躍しなければなかなか難しいなという考え方は持っておりますことは間違いございません。
#121
○大橋委員 先ほど申しましたように、大蔵省の「中期的な財政事情の仮定計算例の要約」、その資料を見ましても、もうどうにもこうにもならない状況下になって、今のような状況の中からいけば毎年毎年福祉予算が切り込まれていかざるを得ない状況下にありますので、時代の流れとして今のような考え方は当然出てくるだろうと思うわけでございます。ということは、福祉目的税と申しますか、こういうのが当然考えられてくるわけでございますけれども、私が非常に心配することは、福祉目的税というその美名に隠れまして大型間接税が導入されて大増税が行われるのじゃないかという懸念でございます。もしそんな事態になったとするならば、これは国民の期待を真っ向から裏切ることになると私は思うのでございますが、この点について大臣はどういうふうにお考えがお尋ねいたします。
#122
○今井国務大臣 人口の高齢化などに伴いまして社会保障に要します経費はふえていかざるを得ない、これは先生のおっしゃるとおりでございます。これらの経費を一体何で賄うかということにつきましては、一般的に租税と社会保険料によって賄わなければならない、私はそう考えているわけです。それをどう組み合わしていくのかということは、これは最終的に国民がどう考えるか、国民の合意によるものでございますから、給付と負担の関係を明らかにしていく中で、国民の選択によってこれはやはり決められるべきものであろう、私はそのように考えております。
#123
○大橋委員 それでは、大臣に強く要望したいことがあるのですが、厚生年金の国庫負担の一部繰り延べ措置というのがございます。これは当初昭和五十七年、五十八年、五十九年の三カ年度ということであったわけでございますが、六十年度も行われ、さらに六十一年度も続いて削減措置が講じられているわけでございます。その削減の累積額も六十一年度で一兆二千五百十億円にもなっているわけでございます。言うまでもございませんけれども、昭和五十七年度千八百三十億、五十八年度二千百七十億、五十九年度二千四百二十億、六十年度三千五十億、六十一年度三千四十億、合計一兆二千五百十億円になっているわけでございますが、こういう措置に対して厚生大臣はどのようなお考えで受けとめられているか、お尋ねいたします。
#124
○今井国務大臣 厚生年金の国庫負担の繰り延べ分につきましては返済を行うべき旨が法律上明らかにされているところでございます。この繰り延べ額と運用収入相当額の返済につきましては、一般会計が特例公債の依存体質から脱却した後においてできる限り速やかに繰り戻しを行うということが政府の方針として決められているわけでございまして、私はそのような考え方で進めてまいりたいと思っております。
#125
○大橋委員 さらにお尋ねしたいのですけれども、六十一年度までの繰り延べ累積額が先ほど申しましたように一兆二千五百十億円ですね。これを資金運用部に預託したとすれば六十一年度末で約二千百八十三億円の利息がつくわけでございまして、元利合計で六十一年度末で一兆四千六百九十三億円となるわけでございます。こういう大きな額になるわけでございますが、果たして年金財政にいつ戻されてくるものなのか。また、この点につきましては国年その他の年金についても同様の問題だろうと思うのでございますが、この点について大臣のお考えを聞きたいと思います。
#126
○長尾政府委員 ただいま先生からお話がございましたように、確かに繰り延べ額を元利合計いたしますと一兆四千億を超えるような金額になっておるわけでございます。これは厚生年金全体の財政からいいましても確かに大きな額でございます。
 この返済につきましては、先ほど大臣からもお答えいたしましたように、特例公債依存体質脱却後速やかに返済をするということが政府部内で意見の統一を見ておるわけでございますが、この時期は政府全体の目標でございます昭和六十五年と私どもとしては考えておるわけでございます。これ以後の返済の時期でございますけれども、これはそのときの国の財政状況等を勘案しつつということでございますが、そう長期にわたるようなことでございますと、先生が今御心配いただきましたような厚生年金の財政に影響が出てくることも予想されるわけでございまして、私どもとしては、その後においてなるべく速やかに返済を求めていきたいと考えておるわけでございます。
#127
○大橋委員 先ほど申しましたように、昭和六十五年度赤字公債脱却はまず無理だという試算が出ている事態でございますので、これは相当なし崩し的にずれ込まれていくのではないかと思うのでございますが、この積立金というのは完全に被保険者のお金、国民のお金でありまして、政府のお金は一銭も入っているわけじゃないのですからね、そういう大事なお金でございますので、これがなし崩しあるいはうやむやにされるようなことのないように、ひとつ厳重に監視をし、また要求をしていただきたいということをつけ加えておきます。
 もう一問、国民年金における保険料免除者数は、五十八年度と五十九年度どのように推移したか、数字で示していただきたいと思います。
#128
○長尾政府委員 国民年金の保険料免除者の数でございますが、五十八年度末の数字で法定免除者が八十七万人、申請免除者が二百二十二万人、合計いたしまして三百九万人でございます。いわゆる強制適用被保険者に対します比率が一六・七%になっております。
 五十九年度末は、法定免除者数が八十七万人、申請免除者数が二百三十二万人、合計いたしまして三百十九万人でございまして、免除率は一七・四%になっております。
#129
○大橋委員 大臣、今お聞きのとおり、五十八年度から五十九年度まで申請、法定合わせまして十万人もふえているわけです。つまり保険料を払えない状況になった人がたった一年間でこんなにまでふえているわけですよ。
 もう一つお尋ねいたしますが、厚生省の無年金者の実態という資料を見てまいりますと、昭和六十年に六十五歳以上人口が千二百十一万人、それに対して無年金者の割合は七・五%、そして無年金者の数は九十一万人となっているわけでございますが、先ほどの申請、法定免除者数といい、今の無年金者の実態といい、これは基礎年金という新しい年金制度ができたにもかかわらず基礎年金本来の趣旨が大きく崩れてきているんだなという事実を示しているように私は思うのでございますが、この点についてどのようなお考えか、お尋ねいたします。
#130
○吉原政府委員 基礎年金はおかげさまで来月の一日から新しく発足させていただくことができるわけでございますけれども、今までの拠出制年金におきましても無年金者ができるだけなくなるようないろいろな手だてを講じてまいりましたけれども、新しい制度の発足に当たりましても、例えば昭和三十六年以降の海外に在住されておられた期間でありますとか、あるいは厚生年金の脱退手当金を受けられた期間でありますとか、そういった期間というものを基礎年金を受けるための資格期間の中に算入することにいたしまして、基礎年金をできるだけ多くの方が受けられるように、また高い年金の額が受けられるような配慮をしているわけでございます。したがいまして、これまでに比べまして、今まで以上に無年金者が少なくなる、あるいは高い年金が受けられるようになる、私どもはそういうふうに考えているわけでございます。
#131
○大橋委員 五十八年度の国年の保険料は五千八百三十円でございましたね。そして五十九年度六千二百二十円に上がったわけでございますが、わずかな引き上げの額になっているわけでございますけれども、先ほど申しましたように、十万人も申請、法定免除者が出てきているわけです。そして今言ったように、無年金者の数が依然として大きな数を示しているということでございますが、これは何を意味しているかというと、やはり保険料が高いということだと私は思うのです。
 したがいまして、今度基礎年金制度になるわけでございますので、その基礎年金の保険料は、払える額、払いやすい額に落とすべきである。それで不足財源については、先ほどのお話ではないけれども、社会保障特別会計というものができて、その中で福祉目的税等が仮に導入されたということになれば、その中で十分に配慮していくべきではないか。現在の基礎年金の国庫補助は三分の一でございますけれども、むしろ国庫補助七割くらいにして、あと三割を保険料の方で見ていくというくらいの姿勢で臨まねばならぬのではないかと私は思うのでございますが、この点はいかがですか。
#132
○吉原政府委員 できるだけ保険料を低くしまして高い年金をというのは私ども全く同感でございます。ただ、仮に年金の額を上げるということにいたしますと、四月から七千百円の保険料になるわけでございますけれども、将来は一万三千円まで引き上げていかなければならない、その額をさらに引き上げていくということになるわけでございます。保険料方式でなしに、その目的税を創設して税金でという御意見でございますけれども、そうなりますと、保険料の形ではなしに税の形で国民の方々に負担をしていただかなければならない。仮に全額基礎年金を税で負担をするということになりますと、現行の新しい制度におきましても約五兆円以上の給付費が必要になるわけでございますので、五兆円の金額を新しい税金で賄うといったことについて国民の方々の合意というものが得られるかということが一つ基本的な問題としてあるわけでございます。
 それから、同時に今まで保険料を毎月営々として納めてこられた方々とそうでない方々とのバランス、取り扱いをどうするかという問題もあるわけでございますので、考え方としては、税で基礎年金をやるということは一つの考え方としては十分あり得ると思いますけれども、実際問題としてはなかなか難しいかなというふうに思っているわけであります。
#133
○大橋委員 この点は極めて重要な論点でございますが、きょうの私の持ち時間が来ましたので、来週の委員会でこの続きをやりたいと思います。以上です。
#134
○山崎委員長 沼川洋一君。
#135
○沼川委員 今、我が党の大橋議員の方から、主に年金福祉事業団法及び国民年金法についての質疑がございましたので、私は児童扶養手当法関係につきまして絞って御質問いたしたいと思います。
 まず最初に大臣にお伺いしたいと思うのですが、御案内のように、人口の高齢化が非常に急ピッチで進んでおるわけです。二十一世紀になりますと、たしか厚生省の推計ですと一五・六%、世界のトップに立つのも時間の問題だ、こういうふうにも言われております。
 一方、一番心配しますのが、児童が減少していくという傾向です。よく言われますが、確かに長生きできるような時代が来たということは本当に喜んでいいことだと思うのですけれども、反面やはり若い世代がふえない、人口構造のいわば逆ピラミッドみたいになっていくことが一番心配されるわけです。これはもう大臣、今さら私が申し上げるまでもなくよく御存じのことと思いますけれども、そういう中でこれからの児童家庭行政というのが非常に重要になってくるのではないか、こういうふうに考えておるわけでございますが、臨調あたりの路線を見ましても非常に高齢化社会だから大変だ、そういう論議がこのところずっとございます。
 ともすれば、高齢者の福祉の充実、そのために要する負担の増大という側面の論議に集中してきた感があるのではないか。これはもうとりもなおさず、問題はその負担者とならざるを得ない現在の児童の問題である、こういった視点が従来の我が国の高齢者社会に関する論議から非常に欠けていたのじゃないかという気がいたします。そういう意味を含めまして健全な児童の育成、ますます非常に重要な課題であると考えておりますが、今後の児童家庭行政について、大臣としてどのように考えていらっしゃるのか、まずお伺いしたいと思います。
#136
○今井国務大臣 おっしゃるように、確かに最近我が国では出生数が非常に減少しております一方、人口の高齢化が急速に進んでいるわけであります。したがって、今後我が国の活力を維持しながら二十一世紀を迎えるためには、将来を担う児童を心身ともに健全に育てるということが極めて大事だということはおっしゃるとおりだと思います。
 一方、核家族化あるいは都市化の進行だとか婦人の職場進出といったもの、あるいは離婚の増加などで児童を取り巻きます環境というのは大きく変わってきております。このような状況のもとで、今後の社会の要請にこたえて児童の健全育成を図っていくために児童の福祉行政を一層推進をしようという先生のお考え方には全く同感でございます。
#137
○沼川委員 大臣の答弁、非常に結構だと思います。児童の育成というのは大事だ、力を入れていくということでございますが、そういう答弁を聞きながら、反面。非常に心配しますのが、これは論議の蒸し返しになるかもしれませんが、前回児童扶養手当法が改正になりました折に目的条項ががらっと変わってしまったわけです。
 御案内かと思いますが、これは改正の前の法律ですけれども、第一条に「この法律は、国が、父と生計を同じくしていない児童について児童扶養手当を支給することにより、児童の福祉の増進を図ることを目的とする。」「児童の福祉の増進」というのが非常に明確にうたってあります。ところが、前回改正された第一条はがらっと変わりまして、「この法律は、父と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の生活の安定と自立の促進に寄与するため、当該児童について児童扶養手当を支給し、もって児童の福祉の増進を図ることを目的とする。」何か似たようなあれですけれども、よく読みますと、児童の権利というのが非常に後退したのじゃないか。
 改正案によりますと、「児童が育成される家庭の生活の安定と自立の促進に寄与する」、要するに児童扶養手当が支給され、児童福祉はその結果であるというような形に変わってきているわけです。ですから、今私が言いますように、児童の権利性が非常に失われてきている。一方では、大臣は非常に力を入れるとおっしゃるけれども、目的条項自体が何か救貧対策みたいな形に変わってきているということはやはりおかしいのじゃないか。
 この辺をはっきりしないと、児童の育成という問題は何か焦点がぼけているのじゃないか、こういう気がいたしますけれども、この点についてどうお考えになりますか。
#138
○坂本政府委員 児童扶養手当法の条文、今御指摘ありましたように確かに改正が行われております。しかし、私どもの考え方といたしましては、決して児童の福祉の増進についてこれが従来と変わってきた、実質的にむしろ後退するような考え方は全くないわけでございまして、現在のいろいろな社会情勢というものが児童扶養手当制度の発足時から見ていろいろと変わってまいってきております。
 児童扶養手当制度は、御承知のように死別の母子世帯に対しましては年金が出るわけでございますが、生別母子世帯には年金がないということでその補完として発足をしてまいりました。一方において、母子福祉年金の受給者は、現在ではほとんどその数がなくなりまして、そのほかに離婚が年々著しく増加するというようなことで、母子家庭の大宗が離婚による母子家庭ということになっておるわけでございます。また児童扶養手当の受給者数もふえてまいっております。
 こういうことから、とにかく家庭というものが、まず何とか円満な家庭生活が営めるよう、また、いろんな意味で自立自助が促進されるよう、こういうことによって児童の健全な育成の場というものをぜひとも確立したい、こういうような考え方によって法律をいろいろと制度的に改正をいたしたわけでございまして、従来の条文でまいりますと、直接に手当支給をして児童の福祉の向上を図る、今回の法律では、まず児童が育成されていく家庭の生活の安定と自立というものを重要視いたしまして、健全育成のための一つの場を強固なものにしたい、こういう考え方が含まれていると存じております。
#139
○沼川委員 確かに、いろいろおっしゃいますけれども、やはりこれはだれが見たって、何かいつの間にかすりかえられた、そういう感じがするわけです。
 大臣から御答弁がなかったので、再度ちょっとお聞きしたいと思いますけれども、前の法律では「この法律は、国が、」と書いてあったのですね。やはり児童の育成というのは日本の国の将来に関する重要な事項ですから、こういう問題は国が本気になって見るべき問題だ、これは明確な指摘であったと思うのです。ところが、改正ではこの字がなくなりました。そして、おまけに、国であったのが都道府県に何か主体が移ったような感じを受けます。要するに、国は単なる費用負担者にしかすぎなくなったのじゃないか、そういう感を抱くわけです。
 しかも、費用負担については、二割を都道府県に負担させる。これはまた、いろいろと財政事情の理由があると思いますけれども、何回もお聞きしますけれども、この児童の育成の問題、将来の日本をしょって立つ人材の育成という問題、さっきから何回も言いますように、これは高齢化社会とリンクして考えなければならぬ日本の重要課題です。そういうものに対する国の責任が何となく後退しているような気がしてならぬわけですけれども、大臣、いかがでございましょうか。
#140
○今井国務大臣 私は必ずしもそうは思わないので、やはり費用負担の面等について、従前の国というものが今度府県の方にも持たせるという感じから、費用負担の面について私は改善がなされたものだと思っておりますから、精神としてそんなに動いていないものだと、私はそういうふうに考えております。
#141
○沼川委員 この論議をいつまでしても始まりませんけれども、それならば国という言葉を残しておいたっていいと思うのです。本当に言いたいのは、こういう問題をもっと国の問題として重要課題として位置づけて対応すべきだと思います。いつか前大臣にも申し上げたことがあります。児童の育成という問題は、高齢化社会の問題とあわせて、むしろ閣議で、いわば総理の施政方針演説の中に入れたっていいくらいの重要課題ではないか、こういうことで御提案申し上げたことがございますが、どうかひとつその辺を骨子に置いて今後もこの行政の取り組みをやっていただきたい、このように御要望申し上げておきます。
 次に、最近の母子家庭の実態についていろいろと把握されておると思いますけれども、現状がどうなっておるかお伺いしたいと思います。
#142
○坂本政府委員 母子家庭等につきましては私どもいろいろと調査をしておるわけでございますが、最近の調査結果につきまして概要をまず申し上げたいと存じます。
 昭和五十八年に全国母子世帯等調査というのを実施いたしました。これは、母子世帯と、それから寡婦と両方を対象にいたしましたが、母子世帯につきましては、全国で七十一万八千百世帯でございまして、これが五年前に比べますと一三・三%の増加ということになっております。それから、母子世帯になった理由でございますが、これは、従来に比べますと、主な理由として死別と離婚とございますが、離婚がふえて死別を上回るような状況になっております。例えば、五十三年におきましては死別は四九・九%、離婚が三七・九%でありましたが、五十八年には死別が三六・一%、離婚が四九・一%というような状況になっております。
 次に、母の年齢でございますが、これが従前に比べまして少し若年化と申しますか、平均年齢が四十一・五歳で、四十歳代が最も多いということになっておりますけれども、五年前に比べますと三十歳代がふえまして、四十から五十歳代が減少しておるという状況でございます。
 それから、母の就労の状況でございます。この調査対象の八四・二%は働いておりますが、そのうち常用雇用者になっておりますのが六五・三%という状況でございます。
 次に、収入の点でございますが、母子世帯につきまして年間収入は平均して二百万円でございます。なお、収入の分布の階層別の数字を申し上げますと、百万円未満が二一・五%、それから百万円から二百万円未満が三六・五%、二百万円から三百万円未満が二三・一%、三百万円から四百万円未満が一〇・四%、四百万円以上が八・五%というような状況でございます。
 その他いろいろ調査をいたしておりますけれども、主な点につきましては以上のとおりでございます。
#143
○沼川委員 いろいろお伺いしましたが、特に今回の改正の骨子なんですけれども、六十年度の消費者物価の上昇率二・一%、こういうことになっておるわけです。金額的に見ますと、児童扶養手当が、児童一人の場合に三万三千円が三万三千七百円。これが二・一%のアップで、実際金額的に見ますと七百円のアップですね。二人の場合だって、三万八千円が三万八千七百円。また、特別児童扶養手当にしましても、月額の二万六千五百円が二万七千二百円、これも七百円アップしておる。重度の障害児につきましても、三万九千八百円が四万八百円、これは千円アップになっております。
 これはアップ率は多い方がいいに決まっていますけれども、私が申し上げたいのは、今も母子家庭の実態についていろいろと説明を受けましたが、また全然別な資料で、これは総務庁の統計局が六十年の十二月に発表した「五十九年度全国消費実態調査」というものがございます。この中で、第十六表に母子家庭の実態がいろいろと細かに出ておりますが、「母子世帯」として「母親の職業別一世帯当たり一か月間の収入と支出」こういうふうなものがございます。これをずっと見ていきまして感じるわけですけれども、特に、母子世帯といっても「勤労者世帯」「労務者世帯」「職員世帯」「パートタイム」あるいはまた無職の方もいらっしゃるわけですけれども、年齢的に見ますと大体三十九ぐらいが一番多いのじゃないか。三十五から三十九、こういう数字がこの中に出てまいります。
 まず一つ言えることは、収入の面と支出の面を比べてみて感じますことは、いずれも実支出が可処分所得を全部オーバーしておる、こういう数字が出ております。みんな赤字なんです。この中でも特に「職員世帯」の中の「パートタイム」等の職業についていらっしゃる方を見ますと、これは消費支出の方が可処分所得をはるかに上回っている、こういう実態もございます。まして「無職世帯」に至っては、これはいわば完全に消費支出の方が上回っている。全体的に見ましても、最近の実態、経済的な中身というのは家計が非常に苦しいということがこの数字からもうかがわれるわけでございます。
 確かに最近の物価上昇というのは、政府は超安定という言葉をよく使われておるようです。二・一%、横ばいで物価は非常に安定しています。ところが、これは何も母子家庭の方のみならず一般の国民の実感としては、本当に安定しているのだろうか、何か生活が余計苦しくなったみたいなそういう感じがあるわけです。この母子家庭の調査を見て一つ気がつくのは、教育関係費の伸びが非常に大きいということです。
 もう一つ資料があります。同じく総務庁の統計局が六十一年一月に発表しました「六十年平均全国消費者物価指数の動向」というのでありますけれども、これで見ますと、物価総合の平均は対前年度比二・一ですが、教育費は四・五です。しかも、もっと長い目でとらえてみますと、五十五年を一〇〇とした指数で総合が一一四・四なのに教育費は一三〇・五。ですから、物価の中でもワーストナンバーワンはまさしく教育費なのです。そういう教育費の負担が母子家庭の中に非常に大きな重圧になって出てまいっております。
 そういう面を考えますと、一応消費者物価にスライドするということで二・一%の増となっておりますけれども、私に言わせれば、母子家庭の本当の中身をもっと調査した上でもうちょっと現状に合った対応ができないものだろうか、そういう配慮ができないものだろうかと考えるわけですけれども、大臣いかがでしょうか。
#144
○坂本政府委員 物価上昇率というのは、総合的な平均で見た場合と個別の費目で見た場合と数字が変わってくるということは確かにございます。
 ただ、年金あるいは手当というようなものの給付につきましては、所得保障の一つの形態として実際にそれを受けられる方がどういう面に使っていくかということについてはいろいろと差異もあるでございましょうし、全国的に一律の支給額という制度のもとそ受給者に共通の指標ということになりますと、やはり総合的な物価の動向というのが一応の基準になるのではないかと考えるわけでございます。いろいろ御指摘ありましたように、母子家庭の実情等について何らかの配慮をしていく必要があろうということはごもっともでございますが、手当の額としましては、一応他の年金制度や手当と同じように全体の総合的な物価の動向ということで考えてまいりたいと思っております。
 同時に、母子世帯に対しましてはいろいろ別の福祉施策もございます。教育面については、例えば母子福祉資金による修学資金の無利子の貸し付けというようなものもございますし、その他いろいろな面で別の対策もあわせながら、母子家庭の生活の安定というものに私どももいろいろ努めておるところでございます。
#145
○沼川委員 今御答弁をいただきましたように、確かに教育については教育の分野で解決しなければならぬ問題がたくさんあると思います。奨学金制度の問題とか教育減税とか、確かにそういう方途はあろうと思います。
 それに関連しまして、前回の改正で支給期間の引き下げがございまして、七年ということになりました。今まで十八歳未満までであったのが七年、ただし義務教育が終了していない場合は終了時までという改正がなされたわけでございます。母子家庭のみならず最近の家計の中で、特に子供さんが高校に入るような段階になってくると教育費が非常にかさんできます。最近は、母子家庭でも高校に進学したいという子供さんが非常にふえております。そういう面で見ていきますと、先ほど私が示した資料でもわかりますように、子供が高校に入ると教育費がどんどん増大してこれが家計を圧迫するという傾向が確かにございます。
 そういう問題を考えますと、この支給期間の七年という問題は、何も教育の問題として扱わなくたって、この委員会で、大臣の御判断一つで解決できる問題です。前にもこの問題が論議されて、たしか五十一年だったと思いますが、せっかく十八歳までに引き上げたわけですね。ところが、これをまた昨年の改正で引き下げてしまった。その辺で現状に照らして実態と行政がやっていることと何か非常に矛盾があるように思えてならないわけですけれども、そういう問題についてはいかがでしょうか。
#146
○坂本政府委員 実は昨年の児童扶養手当法の改正におきましていろいろと御論議がございまして、国会でも御審議をいただきました結果、内容的に何点かの修正が行われたわけでございます。当初私どもが御提案申し上げました改正案では、支給期間七年間、ただし義務教育終了前に七年経過したときには義務教育終了まで支給するというものでございましたが、結局参議院の御審議の段階でこの点は修正になりまして、現行どおりということで、支給対象者については十八歳未満あるいは障害児の場合は二十歳未満の児童を監護している母に支給するという状況になっておるわけでございます。
#147
○沼川委員 こういった問題を特に拾い上げて申し上げたのは、児童扶養手当といったものを支給されるとどういうところに回しているかということです。それは大抵生活費と教育費なんです。そういう点で、決まっているからといってただ物価にスライドするということだけの繰り返してはなくて、最近の教育費の増大というものも考慮に入れて、その中身についても十分な御論議をいただきながらぜひまた御検討をいただきたい、このことをお願い申し上げておきます。
 次に、本年四月に制度が発足しますところの障害児福祉手当及び特別障害者手当についてでございます。その中で経過的福祉手当がございますが、これは障害児福祉手当と同様に、月額一万一千二百五十円であったのが月額一万一千五百五十円に引き上げられるわけです。わずか三百円です。これは御案内のように、国民年金等の未加入者であって、二十歳を過ぎて障害者になった人というのは特別障害者手当の支給要件にも該当しませんし、障害基礎年金も支給されない、こういった方に対する経過措置であるわけですが、六十一年度で何と五万四千三百六十二人もいらっしゃるわけです。要するに無年金者です。年金の申請免除を受けている方がこんなにもたくさんいらっしゃる。こういった方が谷間になっているわけです。金額も非常に低いし、こういう方の問題についてもう少し検討されないものだろうかと考えるわけですが、いかがでしょうか。
#148
○小島政府委員 経過的な福祉手当は、年金制度の改正あるいは特別障害者手当というようなものをつくりましたときに、従来の福祉手当をもらっていてそこから落ち込んでしまうという方について経過的にそのまま給付を引き継ごうということでございます。手当の額その他については物価スライドで一応手直ししたわけでございますし、また特別障害者手当につきましても、当初の二万円を二万八百円というような物価スライドを行ったところでございますので、その点は御了解いただきたいと考えておりますが、今後やはり年金等とあわせまして所要の改善は図ってまいりたいと考えております。
#149
○沼川委員 吉原年金局長いらっしゃるので、先ほどこれはうちの大橋議員が無年金者の問題で指摘しておりましたけれども、こういうケースがあるわけですね。国年に入ってなかっただけに二十過ぎて事故に遭った場合に障害年金の基礎年金ももらえなければ、今せっかく二万八百円とおっしゃったけれども、特別障害者手当の支給要件にも該当しない。したがって、引き上げられても額にして一万一千五百五十円、非常に低額です。今後スライドがあるにしたってわずかな額しかもらえない、こういう人たちがおるわけですが、こういう人の救済は、これは実際児童家庭局の方の分野なのか、年金局の分野なのか、その辺について、ちょうど局長いらっしゃるので……。
#150
○吉原政府委員 年金制度の面では、従来以上に保険料の拠出要件あるいは資格期間ですね、そういうことを障害とかあるいは遺族についてはできるだけ緩和をして、できるだけ年金制度でカバーできるように、年金が出るような措置をしたわけでございます。
 今度の改正で、いわば拠出制年金といいますか社会保険年金を建前とする制度においてぎりぎりの手当てはしたつもりでございますけれども、どうしてもやはり一定の要件に該当しない方については年金は出ないという人が出てくることはあり得るわけでございます。そういった人たちに対してどうするかということになりますと、やはりその点は福祉の面でのいろんな措置を最大限考えていただく、年金制度でもできるだけのことをする、年金が受けられない人については福祉でできるだけの措置を考えていく、こういうことではないかというふうに思っております。
#151
○沼川委員 これはどちらにも、年金の方にも関係ありますし、福祉の方にも関係ありますし、お互いそっちだこっちだと言っている間に、いつまでたったってこういう人が救済できないわけですが、大臣いかがでしょうか。月額一万一千五百五十円。これは国年に入らなかったばかりに二十歳過ぎて事故に遭った場合にこういう方がいらっしゃるわけですけれども、年金の方で無理ならば、もっと福祉の方でこの金額というのはもう少し検討できないものでしょうか。
#152
○小島政府委員 確かに、無年金者等について結果的には極めてお気の毒な状態になっておるしとは先生御指摘のとおりでございます。しかし、年金に入っても入らなくとも同じような所得保障をやるということになりますと、年金の根幹が崩れてしまうという問題もあろうかと考えておりますので、その点は同じように無年金者について福祉手当の方で年金相当額を何とか担保するということについてはちょっと問題があろうかと考えております。
#153
○沼川委員 この問題、いつまで論議しても始まりませんので、ぜひこういった問題もひとつ大臣また御検討いただきたいと思います。
 続きまして、やはりこれも昨年の児童扶養手当の改正の際、大きな論議になったわけですが、民法の父の子に対する扶養義務というのが強調されまして、支給対象者のうち「父母が婚姻を解消した児童」につきまして、父の所得が「政令で定める額以上であるときは、支給しない。」こういうことになったわけです。具体的には六百万以上とかいう金額が出てまいりましたけれども、「政令で定める」ということでそのままになっておるわけですが、この政令というのは大体いつごろ定められるのか、その辺についてが一つ。
 さらに続けてもう一つお尋ねしたいと思いますが、問題は養育費の取り決めの有無、その履行が確実になされていないかどうかに関係なく、父の所得によって支給が制限されるということは問題じゃないかと思うのです。言ってみれば、今後政令で決めるといいますけれども、どのようにでもこれは改変が可能であるだけに非常に不安であるということから、これは前回大きな論議になりました。御案内のように、特に日本の場合は、別れた父親に扶養義務を押しつけてもなかなか履行されないというのが現状でございます。ましてその女性の方から別れたもとの御主人にそれを取り立てるというのは、これは実際至難のわざです。大変なことです。こういうことから論議を呼んだわけです。
 その我が国の離婚をめぐる、問題を検討するため、これは厚生省児童家庭局長の諮問機関でございます離婚制度等研究会というのがつくられておるわけですが、新聞等で見るところによりますと、昨年の十二月に報告を提出なさっておるわけです。その中でこの父の扶養義務の履行を確保するための方策についてどのような提言をなさっているのか、その骨子についてお伺いをしたいと思います。
#154
○坂本政府委員 最初に、昨年の法律改正で設けられました未施行の条文の施行の問題でございますが、附則で、政令で定める日から施行することになっておりますので、政令もいつごろ制定する考えかというお尋ねでございます。
 現在私どもの方では、この条項の施行につきまして、児童扶養手当法の一部改正法の附則に、この「政令を定めるに当たっては、婚姻を解消した父の児童に対する扶養義務の履行の状況、当該父の所得の把握方法の状況等を勘案しなければならない。」とございまして、この条文の趣旨を勘案してこれからこういった問題についていろいろと検討をしていきたいと考えておる段階でございますので、まだ具体的にいつごろというようなところまで考え方が固まってはおりません。
 それから、離婚制度等研究会の報告の内容でございます。
 この研究会は、近年における離婚の増加状況を踏まえまして、主として児童福祉の観点から離婚及び離婚制度をめぐる問題点を整理、分析いたしまして、今後とるべき諸方策について検討を行って、昨年十二月報告書が提出されたわけでございますが、主な内容といたしましては、まず、我が国における離婚の概況、あるいは離婚が家計、家事等に及ぼす影響、さらにその対策の現状、こういうものを分析いたしまして、そのほかに、我が国の離婚制度と外国の離婚制度との比較を行った上で、我が国における離婚制度の問題点の指摘もされております。
 そして、これらの現状分析を踏まえまして離婚制度等の再検討などについての具体的な提言がなされておるわけでございますが、特に、先ほどお尋ねのございましたように、離婚後における父の扶養義務の確保の問題でございます。この点につきましては、この離婚制度等研究会のメンバーに大学の教授でございますとかあるいは裁判所の調査官の方とか法務省の民事局の参事官といったような民法上の専門家というべき方が参加しておられまして、いろいろ詳しい御議論をいただいたわけでございます。
 そこで、この報告書の中で提言がございますが、これも例えばというようなことで、今直ちに具体的にこれとこれを実施すべきであるというようなことではなくて、例えばこういうような方策について検討することが必要であろう、こういうようなことでございます。それで具体的には、子の監護につきまして取り決めがある場合にはそれを離婚届書にはっきりと記載させるというような方法が一つの例として出ております。また、未成年の子を有する夫婦の協議離婚に、離婚意思あるいは子の監護に関する取り決めなどの確認手続を導入するというのも一つの方法であろう。それから、未成年の子を有する夫婦の離婚につきまして家庭裁判所の審判を経ることとする方法、あるいは家庭裁判所についてその調整機能を一層強化する、こういうようなこともなされております。
 またそのほかに、現在の民法では離婚時における子の養育費の確定についての具体的規定がありませんので、子の養育費の支払い義務については離婚時における具体的な確定について規定の整備も検討する必要があろうという御提言もなされております。
 さらに、養育費の支払い義務の履行の問題でございます。支払い義務がありましてもなかなか養育費の支払いの履行という面において難しい点もございますが、いろいろとこれも問題はあると思いますけれども、例えば養育費というのは、一応、一時金で払うというよりも継続的な定期給付債権という形が望ましいのじゃないかと思いますので、それにつきましては通常の執行手続よりも簡単な手続が必要であろう。例えば、一度執行の申し立てをすれば将来の一定期間は定期的に給与などからの天引きが可能になるというような手段を設ける、こういうふうにいろいろと御提言がなされておるわけでございます。
 ただ、その中でも付言されておりますけれども、こういったことをやるという場合には、離婚の制限というような問題につながるということは別の意味で問題があろう。やはり離婚については離婚の自由という基本的な考え方は維持しなければならないであろうし、また家庭裁判所等の処理能力についても、それを確保するためにいろいろとまた対策も講じなければならない、こういったようなこともあわせて述べられております。
 いずれにいたしましても、こういった民法上の問題が主になっておるわけでございまして、今後私どもはこういった御指摘について十分検討を進めまして、その実現に向けて努力をいたしてまいりたいと考えておるわけでございます。
#155
○沼川委員 今御答弁いただきましたように、確かに父の扶養義務の確保の問題、これは民法上の問題もございまして非常に難しい問題だろうと思いますし、また養育費の支払い義務の履行ということにつきましても、例えば公正証書あるいは調停証書、審判等強制執行のできる書面を作成しても、強制執行の手続が未払い分にしかできないとか、素人には非常にこれが難しくて、弁護士に頼めば費用がかかるし、支払いを確保するということは非常に難しい問題だと思います。また、家庭裁判所の履行確保の制度もございますけれども、これは一般に国民に十分知らされていないという面もあるでしょうが、強制力がないということ、時間がかかるということ、こういう面で極めて不十分であるわけです。
 そこで前回の改正は、こういった先ほども言いました大事なことをいわば無視して、政令でいきなり所得制限の金額を定める、こういうことが先行したためにいろんな反対の論議が起こったんだと私は承知いたしておりますけれども、先ほど、政令については今検討中だ、こういう御答弁をいただきました。ということは、現在諮問機関でいろいろ検討していらっしゃいます。そういう問題をまとめた上で政令をつくる、そういうふうなお考えだと受けとめてよろしいわけでございますか。
#156
○坂本政府委員 今諮問機関でとおっしゃいましたけれども、私どもの方は特に諮問機関ということではなくて、先ほど研究会の報告書が出たことでもございますし、その他実際に扶養義務の履行の問題について広く関係方面とも協議しつつ検討を進めたいと思っている、こういう意味でございます。
 したがって、これはやはりどうしても民法上の問題というのが中心になりますので、具体的には特に法務省というようなところにかかわりがあるわけでございまして、ちょうど離婚制度等研究会にもそっちの関係の方が参加していただいておったこともあり、今後担当の局とも十分相談をしながらさらに検討を進めていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#157
○沼川委員 ちょっと大事なことですが、検討、検討とおっしゃっていますが、要するに政令が先なのか、こういう問題を詰めてから政令をつくられるのか、その辺のことをちょっとお聞かせください。
#158
○坂本政府委員 昨年の改正によって設けられました附則におきまして、先ほども申し上げましたように、この施行のための「政令を定めるに当たっては、婚姻を解消した父の児童に対する扶養義務の履行の状況、当該父の所得の把握方法の状況等を勘案しなければならない。」この趣旨を十分に尊重いたしまして、この条文の趣旨に反することのないように検討を進めていきたいと考えておるわけでございます。
#159
○沼川委員 どっちにもとれるような御答弁で、これ以上申し上げませんが、そういう実態を無視して政令がいきなりできて、そしてある一定の所得以上の人には支給できない、こういうことじゃ困ると思うのです。ですから、少なくともそういう扶養義務の確保の問題がやはりきちっと解決する方途を考えて、その辺を検討いただきたいと思います。
 もう一つここでお尋ねしたいと思うのは、確かに御主人と別れた女性の方にはそういう児童扶養手当がもらえるわけですが、父子家庭は全然問題にならないわけですね。前回の改正のときにこの父子家庭の問題もあわせて検討するいい機会であったと思いますけれども、何か先送りされたようで、この父子家庭についてはどのようにお考えになりますか。
#160
○坂本政府委員 母子家庭との対比において父子家庭についてもいろいろと御議論があるわけでございます。父子家庭につきましても全く何らの対策がないということでもないわけでございまして、もちろん母子家庭との比較では、母子家庭のように多くの対策というわけでもございませんけれども、最近におきましては家庭介護人の派遣というようなことも行いまして、実際にいろいろ困っておる父子家庭に対する福祉対策についてもこれからも意を用いていきたいと思っておるわけでございます。
 ただ、父子家庭と母子家庭との違いは、離婚などによります経済的ショックを受けるその度合いあるいは自立困難な状況に陥りやすいその度合いということでいきますと、やはり母子世帯の方がそういう面において相当強いわけでございますので、父子世帯に対して母子世帯に対する対策と同じような対策をそのまま実施するということについてはいろいろな意味で問題があろうかというふうに考えられるわけでございます。
#161
○沼川委員 御案内のように、特に男女雇用機会均等法あたりができまして、最近日本でも男女同権という考え方が非常に強くなっております。そういう面から考えますと、母子家庭には児童扶養手当があって父子家庭にはないというのはある面からいうと差別であります。今おっしゃった意味はわからぬでもないですけれども、最近女性の職場進出が、従来と変わったそういう面がどんどん出てきております。男と女とどっちが強いかといえば男だとおっしゃるのはわかりますが、ある一面からいうと女性が随分強い場合があるのです。生活力も旺盛な場合があるのです。そういう面から考えますと、父子家庭への対応はいろいろとあるでしょうけれども、私は父子家庭にも同じように扶養手当というものを検討したっていいんじゃないかと思うのですが、その辺ずばりいかがでしょうか。
#162
○坂本政府委員 母子家庭と父子家庭の実態の問題につきまして五十八年度に調査をいたしております。父子世帯の方は十六万七千三百世帯で、母子世帯の方は七十一万八千百世帯ということでございまして、また平均収入などにつきましても父子世帯が三百万円、母子世帯が二百万円ということで、いろいろ個別のケースにつきましては、父子世帯で所得が非常に低いということもありましょうし、また母子世帯でも最近ではなかなか高額な所得を得られている方もおられます。そういうことで、個別ケースということになりますといろいろございますけれども、母子世帯、父子世帯というように類型的に考えますと、まだまだ現在の日本では母子世帯というものは離婚などによってどうしても非常に大きな打撃を受ける、なかなか自立困難な状況に陥りやすい、こういうことがあるわけでございます。
 一方、父子世帯という場合に、やはりこれも対象となるのは低所得世帯ということになろうかと思いますけれども、そういたしますと、母子家庭との比較からいたしまして一般の低所得対策との均衡というものも出てまいりますので、私どももそういった面について全く考えないということではございませんけれども、そういった実態等検討をいたしますと、児童扶養手当という制度の中に父子世帯を対象として取り入れるということについてはやはり困難であると考えておる次第でございます。
#163
○沼川委員 もう少し時間がありますので、最後に一つだけお尋ねしたいと思います。
 主に児童扶養手当の問題に絞ってお尋ねしましたけれども、母子家庭に対してそれ以外にどのような対策を講じていらっしゃるのか、今後どのように推進されるのか、最後にその点ひとつお聞かせいただきたいと思います。
#164
○坂本政府委員 児童扶養手当以外の母子家庭対策でございます。
 児童扶養手当という所得保障としての現金給付以外にいろいろと対策がございまして、一つは自立のために各種の対策を講じているわけでございます。その具体的な内容を申し上げますと、まず母子福祉資金の貸し付けでございます。これは国が原資を出しまして、都道府県と共同で修学資金、住宅資金、事業開始資金など十三種類の資金の貸し付けを行っているものでございます。
 それから、自立促進事業といたしまして、例えば家庭奉仕員になっていただくための講習会でありますとか、いろいろ家庭問題の相談事業の実施、さらに国や都道府県の公的施設内に売店などを母子家庭の方にやっていただくために優先的に設置を図る、あるいはたばこの販売小売人の優先許可というようなこともやっております。
 そのほかに、これは厚生省所管ではございませんけれども、就業対策として労働省所管の対策や住宅対策としての建設省所管の対策、さらに税制上の措置等もございますし、一般的な生活指導として母子寮の設置や母子家庭等介護人の派遣事業、こういうものも実施をしているという状況でございます。
 なお、今後ともこういった対策につきましては、母子家庭の自立促進のためにできるだけ改善を図ってまいりたいと考えておる次第でございます。
#165
○沼川委員 以上で終わります。
#166
○山崎委員長 塩田晋君。
#167
○塩田委員 今回厚生大臣に就任されました今井大臣に対しまして、長年衆議院の本社会労働委員会の理事として活躍され、また私もともに理事として働かせていただきました御縁がございまして、まことに当を得た人事であり、また厚生大臣の御活躍を御期待申し上げ歓迎する次第でございます。
 今回出されております児童扶養手当法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の改正法案につきましては、これはまず児童扶養手当の額を月額三万三千円から七百円アップいたしまして三万三千七百円に、児童二人の場合に月額三万八千円から三万八千七百円に、それぞれ四月から引き上げることになっておる内容でございます。また、特別児童扶養手当あるいは重度の障害児につきましてもそれぞれ本年四月から引き上げられるという内容でございますし、また今回新設されました障害児福祉手当の額につきましても、また特別障害者手当の額につきましても、それぞれ物価スライドによりまして増額になっておるわけでございまして、さらに経過的に支給されます福祉手当の額につきましても、それぞれ手当額の増額でございますので、私たちはこれに賛成をするものでございます。
 それから、もう一つの法律でございます年金福祉事業団法及び国民年金法等の一部改正法案、これにつきましても、内容が年金福祉事業団の特別勘定を設けまして安全かつ効率的にその運用を行う、いわゆる高利運用、私たちが主張してまいりましたこれが、金額は三千億円とわずかではございますけれども、一歩を踏み出したということで、これも歓迎をし、なお一層拡大を要望するものでございます。そして国民年金法等の一部改正につきましては、老齢福祉年金の額を月額二万六千五百円から二万七千二百円に引き上げるものでございますし、四月一日からの施行で、それぞれ物価スライドの措置でございますので、これも賛成するものでございます。
 そこで、この年金に関連いたしまして御質問を申し上げたいと思います。
 我が国の社会の高齢化が急速に進んでおります。そして二十一世紀にわたりまして揺るぎない年金制度を確立する、すなわち支払った保険料が本当に安心して老後の生活に役立つ年金として支給が確保できるというような揺るぎない年金制度をつくるということにおきまして、これが前通常国会におきまして成立をし、また、これにあわせましての共済年金の各法律が臨時国会におきまして成立をいたしまして、我々、それぞれにつきまして修正を要求し、その実現を見て賛成をしたところでございます。
 そこで、この年金制度につきまして、共済年金とあわせまして国民年金、厚生年金の一元化への具体的な動きがいよいよ始まる、すなわちことしの四月一日一斉同時施行ということで準備が着々と行われていることと思います。非常に短期間の間にコンピューターを使っての大変な、複雑な事務手続等の処理をしておられる。あるいは政令、省令、通達等々の非常に膨大な作業が行われ、末端の社会保険事務所等におきましても大変御苦労のことと思っております。
 そこで、この年金制度の一元化が具体的に発足するわけでございますが、今後の一元化の具体的スケジュール、そしてどのような将来ビジョンを持って当たられるか、お伺いいたします。
#168
○今井国務大臣 まず最初に、年金改革等につきまして大変な御協力をいただきまして、私が先生などと一緒にやりましたことを思い出しますが、まずこの際厚くお礼を申し上げておきたいと思います。
 今回の改革によりまして、御存じのように基礎年金の部分というのは一元化をされましたし、いわゆる二階の部分につきましても将来に向けて給付面での整合性というのはほぼ確保されたと私は考えております。
 今後どういうふうに調整を図っていくか、これは政府部内でも議論を尽くさなければなりませんが、先生御案内のように、昭和五十九年二月二十四月の閣議決定にありますように、公的年金制度の改革につきましては、昭和六十一年度以降におきましては、「給付と負担の両面において制度間調整を進める。これらの進展に対応して年金現業業務の一元比等の整備を推進するものとし、昭和七十年を目途に公的年金制度全体の一元化を完了させる。」というふうになっておるわけでございまして、こういう考え方に沿って進めてまいりたいと考えておるものでございます。
#169
○塩田委員 さきの年金制度の一元化、その一番基本的なものはいわゆる国民各人に基礎年金額を保障するというものでございます。平等に基礎的な所得が生活のために保障される、こういう制度であり、保険料の負担と給付の公平、平等化が図られておる。そして安定的な財政運営がなされるように、このような配慮が行われているところでございます。
 そこで、導入されました基礎年金の水準、費用負担のあり方等についての検討をすべきであるということが国民年金法の附則第一条の二で決められておるわけでございますが、その検討はどのように進んでおりますか、お伺いいたします。
#170
○吉原政府委員 基礎年金につきまして、昨年の年金法改正の審議の際にもいろいろ御議論がございまして、今お話しのございましたように、基礎年金の水準なり費用負担のあり方についてさらに今後検討するということが最終的に法律の中に明記をされたわけでございますけれども、最初にもお話しございましたように、私ども、現在は、来月、四月一日からの新制度の発足に向けて準備に全精力を挙げているわけでございまして、新しい制度をまず軌道に乗せるということが一番大事なことだと思っておるわけでございます。
 宿題となりました基礎年金の水準なり費用負担についての検討は、この新しい制度が軌道に乗りました段階で私ども本格的な検討に入ってまいりたい、次の財政再計算、次の大改正をめどに検討させていただきたい、こう思っておるわけでございます。
#171
○塩田委員 基礎年金の額につきましては、御存じのとおり昭和五十九年度価格において五万円となっております。もう既に六十一年になっておりますので上がってきておると思いますが、これは幾らになるのか。また、五十九年度価格の五万円は生活の維持には月額として少な過ぎるのではないかという意見も既にあったわけでございますが、これはもちろん費用負担との関係があるわけでございます。費用負担のあり方につきましても法律に規定されておるところでございますが、現在は加入者案分比率になっておるわけですね。その辺の考え方につきまして局長のお考えをお聞きしたいと思います。
#172
○吉原政府委員 基礎年金の水準、金額でございますけれども、五十九年度価格で五万円というふうに申し上げておったわけでございますが、六十一年度におきましては、それ以降の消費者物価の上昇率を掛けまして月額五万一千九百円ということになるわけでございます。三・八%、消費者物価の上昇だけ基礎年金の額を引き上げるということで五万一千九百円ということになるわけでございます。
 基礎年金の費用の負担の仕方でございますが、これはもう先生御承知のとおり各制度の被保険者の頭数に応じて各制度から拠出をしていただく、こういうことになっているわけでございまして、この考え方でもって出発させていただきたいということでそれぞれ準備をしておるわけでございます。
#173
○塩田委員 自営業者等の保険料のあり方について改正法の附則でも規定されておるところでございますが、どのように検討がなされておりますか。
#174
○吉原政府委員 自営業者の保険料の負担の仕方につきましても、所得に比例した保険料負担のあり方等についての検討ということが宿題になっているわけでございますけれども、これにつきましても、最初にお答えをいたしました基礎年金の費用負担のあり方、それとの裏腹の関係でもございますので、私ども、制度の実施というものが軌道に乗りました段階で本格的な勉強に入らしていただきたいというふうに思っております。
#175
○塩田委員 基礎年金に関連いたしまして、現在の老齢福祉年金、これを基礎年金に近づけるような措置を考えるべきではないかという意見が強いわけでございますが、いかがお考えでございますか。
#176
○吉原政府委員 御案内のとおり、この新しい制度が施行されましても、現在既に六十歳以上の方の年金につきましては従来どおりの考え方にしているわけでございまして、それは福祉年金だけではございませんで、拠出制の国民年金、それから厚生年金についても全く同じことにしているわけでございまして、新しい制度はあくまでも五十九歳以下の方につきまして改善を図り給付の適正化を図るということにしているわけでございます。
 ただ、福祉年金につきましては、障害と遺族につきましては大幅な改善が図られるということで、老齢福祉年金についてもできるだけ基礎年金の水準に近づけた改善を図るべきであるという御意見があったことは私ども重々承知をしておりますけれども、基礎年金の水準五万円に老齢福祉年金を一挙に上げるということになりますと大変な財源が必要になってくるわけでございますし、同時に、それは福祉年金だけではございません、現在の五年年金あるいは十年年金、そういった経過的な拠出制年金の水準にも当然影響してくるということがあるわけでございまして、なかなか簡単に整理ができない問題でございますけれども、気持ちといたしましては、できるだけ老齢福祉年金についても今後の物価上昇等に見合いつつ改善を図っていきたいという考え方を持っているわけでございます。
#177
○塩田委員 老齢福祉年金の額は、先ほど申し上げましたように、今回の法律改正によりまして月額が二万七千二百円に改定されるわけでございまして、先ほど局長から御答弁ございました基礎年金は六十一年度五万一千九百円、こういう額でございます。大臣、この老齢福祉年金を私は一挙に基礎年金の額まで改定すべきだとは決して言っておりません。先ほども局長から御答弁ございましたように、六十歳以上の方につきましては、いわゆる急激な変化の起こらないように年金の既裁定者については軟着陸といいますか、触れない。そして、それに近い人たちも徐々に変えていくというような思想で全部統一されておりますから、これは非常に現実的な措置だったと思うのです。したがいまして、一挙に改定をして額を合わせるということは全然考えておりません。
 しかし、物価スライドだけでいきますと、これはもう離れたままになりますね。そして、額も老齢福祉年金については人数は減ってくるはずですし、何年かかかって、それも五年や六年と言いません、十年かかってかあるいは十五年かかってか、この現在の二万円台と五万円台の差を物価スライドだけでなしに近づけていくというために、一%でも二%でも上積みをしていくという御努力を、財政上の問題があってなかなか大変だと思いますが、大臣としてひとつ御努力をしていただきたい、知恵を出していただきたいと思うのですが、いかがでございますか。
#178
○今井国務大臣 老齢福祉年金の水準をおっしゃるように基礎年金の水準とすることにつきましては、大変な費用が要ることでございますから、極めて困難ではございますが、おっしゃいますように、その水準の改善につきましては、やはり今後とも拠出制の年金の引き上げの動向などを見きわめながら少しづつ引き上げていくような努力はせなければいかぬだろうと私は思います。ただ、それについてはいつ幾日どうしますというようなことはなかなか言えませんけれども、そういう気持ちで、おっしゃるとおり引き上げていくような努力もしてまいりたい、こう思っております。
#179
○塩田委員 ありがとうございました。非常に温かいお心をお持ちでこの問題に当たっていただくということでございますので、ぜひとも実現を目指して頑張っていただきたいと思います。
 続きまして、国公共済、地公共済の附帯決議に盛り込まれておりますが、国年、厚年の現在の時点における四十歳の人たちにつきましては、将来給付が最も低い水準になるということは、特に共済の議論の際随分議論されたのです。我々もこれを指摘をいたしましてその改善方を求めたのでございますが、そのままになってしまった。しかし、これも附帯決議で何とか将来考えるべきだということが決議されております。厚生省としてはこれをどう取り扱っていかれますか、お伺いいたします。
#180
○吉原政府委員 この問題がなぜこういう御指摘のようなことになっているかということを申し上げますと、今度、年金の給付水準を適正化する場合に、年金の給付水準の考え方を今までの世帯単位から個人単位に変えたわけでございますけれども、夫婦で言いますと、夫の厚生年金の水準というものをいわば二十年かけて徐々に適正化をしていく。したがいまして、年齢で言いますと現在五十九歳の方から四十歳の方、そういった方々につきまして、徐々に定額の単価なりあるいは報酬比例部分の乗率というものを引き下げる形で適正なものにしていく、四十歳以降の方につきましては皆同じレベル、こういうことになるわけでございます。
 一方、従来加給として年金の対象になっておりました妻の加給分、これをいわば基礎年金に切りかえていく、その切りかえる基礎年金の切りかえ方が、実は今の一万五千円という加給を四十年かけて五万円の水準にしていくというようなことにしているわけでございます。
 そのために両方合わせたらどうなるか、それを合わせてみますと、今まで、今の年齢で言いますと四十歳の方が一番だんだん下がっていって、四十歳の方が一番低くなって、それ以降の方は奥さんのその基礎年金の額がだんだんふえていくということによって、結果的に中だるみといいますか、一番低い水準になるわけでございます。
 その結果的な現象だけを指摘をされますと、確かに四十歳の人が一番低くて、それからまた上がっていくというような格好になるわけでございますけれども、では、こういった現象が起きないようにするためにはどうすればよいかということになりますと、なかなか実際にうまい方法がないわけでございます。給付水準の適正化の仕方を二十年でなしにもう少し、例えば四十年かければ多少なだらかになるということはございますし、逆に妻の基礎年金の上がり方をもう少しまた時間をかければ、そういった中だるみが起きないというようなことになるわけでございます。それを無理やり直そうとしますと、かえってほかの面でまたいびつな形が出てくるというようなことがあるわけでございます。
 したがいまして、共済審議の際にいろいろ御議論いただいたわけでございまして、これについては今後見直す、これもまた一つ宿題になっているわけでございますけれども、実際問題として、一体どういうふうな手直しをすれば御指摘のような現象がなくなるのか、なくすることによってかえってまたほかのおかしな現象が出てきはしないか、そういうこともあるわけでございますので、この問題につきましては少し時間をかしていただいて検討をさせていただぎたいと思います。
#181
○塩田委員 局長御指摘のように、技術的に非常に難しい問題で、四十歳の方がちょうど谷間に当たってしまった。担当関係者の方、四十歳の方が少ないから余り文句も言われないのかもしれませんが、これはよくわかってきますと、四十歳の方も、何だということで将来問題になりかねないところを含んでおりますので、技術的にいろいろ問題があって難しいことはわかりますけれども、これは検討して何かの手を打たないといかぬのじゃないかというふうに私は思います。十分に御検討をお願いいたします。
 我々、全体的には既裁定者についてはもう一切手を触れないということであり、また現行の厚生年金なり共済のもらうであろうその金額を、現状を、制度的には全体的に維持していく。局長は水準は切り下げると言われましたけれども、我々は切り下げると思っていない。現在の水準を維持していく。このままほうっておけばいろいろな問題が起こりますからね。そうでない、現状を維持していくということでこの制度全体をよろしいとしたわけでございますので、切り下げというのはちょっと我々、本音はそう思っておられるのかとちょっと心配になりますが、そうじゃないと思います。
 そこで、次に「学生等の取扱い」これも改正法の附則四条で規定されております。この「学生等」という「学生」はわかるのですが、「等」は何ですか。
#182
○吉原政府委員 自営業者で二十歳未満で働いておられる方のことを言うわけでございます。
#183
○塩田委員 二十歳以上の学生の方と二十歳未満の自営業者の方、これは片や厚生年金、片や国民年金の関係から問題があるということで、取り扱いについて検討するようになっておったわけです。どのように検討して、四月一日から早速どういうふうにされますか。
#184
○吉原政府委員 何もかも同じような答弁をして恐縮でございますが、これも新しい制度が円滑に発足をいたしまして軌道に乗った段階で本格的な勉強をさせていただきたいと思っているわけでございます。
#185
○塩田委員 本格的な勉強じゃなしに、具体的にどうするかということはもう四月一日に決まってないといかぬでしょう。これは任意加入ということでいくんでしょう。それは決まっているでしょう。
#186
○吉原政府委員 二十歳以上の学生の方につきましては任意加入でございます。ただ、宿題にされておりますのは、学生の方を将来とも任意加入でいいかどうかということだったと思いますし、それから二十歳未満の自営業者の方につきましても適用対象に、何らかの形で加入を認めるべきではないか甘そういう御議論が宿題になっているのだというふうに理解をいたしております。
#187
○塩田委員 学生の場合、任意加入という道がありますから、加入された人はいい。ただ、任意に加入しない人、これも残るわけですね。それから、二十歳未満の自営業者の場合の国民年金の関係につきまして、二十歳未満の障害は全体的に救われるようになりますからいいとしまして、学生の場合の任意加入していない人に障害が起こった場合、これは問題になりますね。
#188
○吉原政府委員 そういうことでございまして、任意加入ということになりますと、任意加入された方が障害になった場合には障害年金の対象になりますが、任意加入されておりませんと障害になっても年金が出ない、そういう問題があることは確かでございます。
#189
○塩田委員 大臣、相当緻密に年全体系を整備されまして一元化に向かって非常に大きな仕事をされたわけですが、やはりわずかではありますけれども取り残されている今のような谷間、すき間がところどころあるのです。こういった問題については、早急に制度的にも考えていただかないと、少数かもわかりませんが、場合によってはそういう例が出るということになるわけでございまして、お考えをいただきたいと思います。
 続きまして、国民年金、厚生年金、共済年金ともに開始年齢が決まりましたね。その支給開始年齢の前あるいは後に繰り上げ、繰り下げという制度がございますね。また新設されたものもあるわけでございますが、これは率を政令で決めるということを法律改正のときは答弁されたわけですが、率が決まってなかったのです。もう決まっていると思いますが、その決まっておる内容を御説明いただきたいと思います。
#190
○吉原政府委員 現在政令はまだ公布はいたしておりませんけれども、近々今月中に政令を決めさせていただいて四月一日までに公布をしたいというふうに思っているわけでございまして、繰り上げの率あるいは繰り下げの場合の率につきましては、現行の率と同じ率を定めるということにするつもりでございます。
#191
○塩田委員 現行と同じ率と言われますけれども、それを言っていただきたいと思います。国民年金につきましては繰り上げの現行制度がありますから、その率は同じだと言われればそれはわかりますが、厚生年金とか、あるいは鉱山とか船員の方の場合も年齢が違いますからね。これは繰り下げはなかったわけでしょう、新設ですね。共済も同じく繰り下げが新設ということになりましたから、現行はないわけですから、御説明をいただきたいと思います。
#192
○吉原政府委員 まず六十五歳よりも早く繰り上げて年金の支給を受ける場合の率について申し上げますと、六十四歳、一年早く繰り上げて支給を受けるという場合には減額率が一一%、それから二年早く繰り上げて支給を受ける場合には二〇%、さらにその次は二八%、それから三五%、六十歳に繰り上げる場合には四二%ということになります。
 それから、六十五歳からの年金を六十六歳以降に繰り下げて受ける場合には年金の額が増額されることになるわけでありまして、六十六歳からの場合には一二%増額、六十七歳は二六%、六十八歳は四三%、六十九歳は六四%、七十歳は八八%ということにいたす予定でございます。
#193
○塩田委員 それは国民年金、厚生年金、共済年金ともに繰り下げの場合は同じ率でございますか。
#194
○吉原政府委員 厚生年金、国民年金は同じでございます。共済についてはこういう制度はございません。
#195
○塩田委員 共済については担当の方が見えてないからあれですが、新設されて繰り下げはできることになっているでしょう。ないはずないです。
#196
○谷口説明員 お答え申し上げます。
 繰り下げについてのお尋ねでございますけれども、厚生年金につきましては、六十五歳になりますと、先生御案内のようにすべて加入者でなくなりまして年金が支給されるわけでございます。その場合に、厚生年金につきましては六十五歳からの繰り下げという制度がございますが、共済組合については繰り下げという制度はございません。
#197
○塩田委員 共済は担当の方でないからあれですが、今度、新制度では六十歳ですね。それは、繰り下げの制度が今ないとおっしゃったですか。厚生年金なり国民年金はあって、共済はない。そんな、それは一元化ではないじゃないですか。
#198
○谷口説明員 ただいま申し上げましたのは、いわゆる支給開始年齢よりも遅くもらう場合の繰り下げ、これは先生御案内のように増額になるわけでございますけれども、厚生年金の場合は、だれでも年金をもらえる六十五歳よりもさらに繰り下げまして六十六歳、六十七歳からもらえるという形での繰り下げの制度がございます。この場合は年金額が増額になるわけでございますが、共済組合についてはそのような繰り下げ増額の仕組みがとられていないということで申し上げたわけでございます。
#199
○塩田委員 これはまた改めて担当の共済関係の方に御質問いたします。
 今のは担当課長としてわかるわけですか。それじゃ、共済の場合は開始年齢が六十歳になりますね。しかし、暫定的にはまだ六十歳になりませんね。そうですね。今五十六歳でしょう。五十五歳が五十六歳になり、今なっておりますね。昭和七十年までにはだんだん六十歳に引き上げる、その間に経過措置はとられますね。その間は、共済について繰り上げの制度は現在はありますよ。現行はあるのですね。それも当分の間、経過措置として五十六歳から六十歳になるまでの間、これは行われますね。
#200
○谷口説明員 共済組合でのいわゆる繰り上げ減額退職年金についてのお尋ねだと存じますけれども、先生御指摘のように、六十歳まで支給開始年齢が引き上げられるまでの間におきましては、繰り上げ減額退職年金の制度が経過措置として残されているという形でございます。
#201
○塩田委員 これは直接の担当課長でないからお答えしにくいのかな。
 従来は一年について四%の減額退職年金という制度になっていますね。それが経過措置の場合、当分の間この措置が、勧奨退職の場合と普通退職の場合と違ってあるわけですね。厚生年金担当課長ではこれは無理ですか。――それではまた大蔵省を呼んでやります。
 次に移ります。
 今後、無年金者というのはかなり出てくるのじゃないか、保険料滞納者も出てくるだろうと思うのですけれども、これについてどのような対策をしていかれますか。
#202
○長尾政府委員 お答え申し上げます。
 無年金者となりますケースは、国民年金の被保険者が保険料を滞納されるということでございます。
 こういった無年金者の滞納がどういう事情で起こるかということでございますけれども、例えば住所を移られたところでまた加入手続をおとりになっていないというような一番初めの登録をされていないというケースがまずあると思います。これにつきましては、住民基本台帳、国保の被保険者台帳等を基礎にして対象者の洗い出しをいたしまして、個々に手続をとっていただきたいという勧奨をいたしまして、ある準備が整いました場合はこちらから手帳をその方の御家庭にお送りするというような形で適用の促進に努力しております。もちろん、一般的には成人になられましたときといった節目を考えまして適用促進のための活動をいたしておるわけでございます。
 次に、こういった形で手帳は持っておられますけれども保険料を滞納されるということでございますが、これは被保険者ができるだけ保険料を納めやすくするような環境整備、こういったことも必要であると思います。今回の法律改正によりまして毎月納付ということになっておりますし、また口座振替というような保険料を納めやすくするような措置も検討いたしましてこの推進を図っていきたいと思っておるわけでございます。
#203
○塩田委員 これは将来非常に問題になるのじゃないかと思いまして、特に留意して当たっていただきたいということをお願いいたします。
 続きまして、国民年金の保険料の免除規定がありますが、これは各県ごとに見ますと非常にアンバランスになっています。その適正化をどういうふうに進めておられるか、お伺いいたします。
#204
○長尾政府委員 国民年金の保険料免除の仕組みでございますけれども、免除の基準自体は全国一律に私どもとしては示しておるわけでございます。法定免除は当然でございますが、申請免除の運用につきましては、市町村民税の均等割が非課税であるといった方々が真に免除を必要とするということを基準にいたしまして、一つの統一的な基準を示しまして地域による差がないように指導いたしておるわけでございますが、御指摘のように、都道府県の数字をとってみますと、相当にアンバランスがあることは事実でございます。
 この状況を分析いたしてみますと、確かにこういった免除率が高い県というのは、全国的に見ましても一人当たりの県民所得は低い、失業率、保護率は高いというような県であることは事実でございますけれども、それにいたしましても免除の措置が適正に行われているかどうかという点に若干の問題点はあろうかと思います。こういう点で、免除をお受けになりますと年金の上で非常に不利になりますので、こういったことのないように十分被保険者に御説明をいたしまして、できる限り保険料を納めていただくよう働きかけをするように私どもも指導いたしておるわけでございます。
#205
○塩田委員 これは不公平にならないように、公正を確保するためにもぜひとも適切な御指導をやっていただきたい。私は、全体的に多過ぎるのじゃないかと思うのです。各県のアンバランスももちろん是正していただくと同時に、よほど厳格にやっていただくことが必要だと思います。
 関連いたしまして、サラリーマンの専業主婦の新年金への切りかえ手続、これは現在厚生省、出先機関を挙げて大変御努力をされておると思いますが、周辺の人たちに聞いてみますと、まだまだ知らない、全然手続をとっていないという人がかなりあります。どのように措置しておられますか。
#206
○長尾政府委員 サラリーマンの奥様方の第三号被保険者につきましては、まず現在国民年金に任意加入をしておられます六百七十七万人に私どもの庁から直接届け出用紙をお送りいたしまして、被扶養配偶者であるという意味の届けをいただくように準備を進めております。
 この届けの状況でございますが、一月末現在で四百三十六万件、届け出率は六四%でございます。この場合、私どもの方では共済組合の奥様方と厚生年金の奥様方の仕分けができませんでしたので、六百七十七万人は共済組合の方も含んでおる数字でございますが、百三十万人ぐらいが共済組合の奥様方ではないかと思うのでございます。この方々は別途届け出をしていただくという前提で考えますと、実質的な届け出率は約八〇%と考えておるわけでございます。
 今、先生からお話がございましたように、まだまだお届けいただいていない方もあるかと思います。この届け出をしていただきませんと四月分からの保険料が納入されてしまう、自分の口座から振替になってしまうということもありますので一月中にお願いしたかったわけでございますが、制度が施行されますのが四月でございますので、三月三十一日までにこの期限を延ばしまして、引き続き届け出をしていただくようお呼びかけをいたしております。また、共済組合の組合員のお届けにつきましては、今開始したところでございます。
#207
○塩田委員 混乱が起こらないように、なお一層努力していただきたいと思います。前に、退職医療制度でも見込み違いがあって混乱していますね。同じようなことが起こるのじゃないかと心配でございますので、十分の手を打っていただきたいと思います。
 同じような意味で、まことにわからないことで、恐らく国会議員の先生方、私のようなケースはなかろうと思うのですが、国会議員互助年金、地方議会議員の共済年金、この適用者、我々も含めまして、これは四月一日から新制度が発足しますと国民年金に加入しないといけないのでしょう。私、手続をとっておりませんけれども、私はいいのです。私はとらなくていいのですけれども、とらない六十歳未満の方もおられるのじゃなかろうか。また、地方議員は十何万人おられると思うのですね。これが徹底してないのじゃないかと思うのです。そんなことを言っている人はだれもおりません。互助年金とか地方議会議員共済はどういう法的性格なのか、一階建て、二階建て、三階建てのどの部分に当たるのか、その辺から御説明いただきたいと思います。
#208
○長尾政府委員 今回の法律改正によりまして、従来国民年金に入っていただけなかった国会議員の先生方、地方議会議員の先生方が強制適用という形になります。それから、被用者年金制度の障害年金とか遺族年金を受けておられた方も、従来は任意加入でございましたが、強制加入になります。そういった意味で今回国民年金の適用関係が非常に大きく変わるわけでございますが、私どもといたしましては、こういった適用関係が変わるということはできる限りPRをさせていただきたいと思っておりますが、お話しのように、まず三号を一生懸命やっておりますので、この点につきまして若干おくれているというおしかりをいただいたかと思います。
 それで、国会議員互助年金の性格づけという御質問でございますが、これは私どもがお答えをするのは不適切かと思うのでございますけれども、現行法の体系では被用者年金各法という定義の中に国会議員互助年金は入っておるのでございますが、いわゆる通算年金通則法体系、通算体系の中では、この国会議員互助年金法はその通算期間としては算入しない、公的年金給付としては扱わないというような取り扱いになっているわけでございます。また、国会議員の先生方は厚生年金の被保険者になることもできるということは現行の規定でございます。こういうような仕組みを考えてみますと、性格といたしましては、今先生から一階か二階か三階かという御質問がございましたので、その善言葉を拝借いたしますと、いわば三階に該当するのではないか、こういうふうに思うわけでございます。
#209
○塩田委員 なお、国民年金、厚生年金、共済年金の調整ですね。特に在職者、働いている人たちの所得制限の問題についても適正な調整をしていただきたいということをお願いしたいと思います。細かく申し上げたいのですけれども、時間がございませんので、そのことを要望いたします。
 それから、老齢年金等につきまして、行政事務の簡素化という観点から見て、例えば年金に税金がかかっておりますね。払っておいてまた取っておる、そして総合課税ではこうやるとか、いろいろ複雑な手数が要るわけですね。労災の補償あるいは失業保険等は無税なんですね。それから厚生関係でもありますね。だけれども、大部分の年金が課税対象になっている。これはほかにも例がありますから、無税にした方が行政簡素化になるのじゃなかろうか、手続もいいのじゃなかろうか、こう思うのでございますが、これは大臣、検討課題としてひとつお考えをいただきたいと思います。
 以上、時間が参りましたので、終わりたいと思います。
#210
○山崎委員長 浦井洋君。
#211
○浦井委員 まず年金問題についてお尋ねをしたいのですが、六十一年度末の予測で、厚生年金の積立金はどれくらいになるのですか。
#212
○長尾政府委員 六十一年度末の厚生年金の積立金の見込み額は五十四兆七千四百九十六億円でございます。
#213
○浦井委員 約五十五兆、こういうことなんですが、それに含まれておらないはずなんですが、例の行革特例法による繰り延べ措置、それから六十一年度から始まる国庫負担の繰り延べ措置、これによるカット分は大体どれくらいですか。
#214
○長尾政府委員 六十一年度末までの国庫負担の繰り延べ額は一兆二千五百十億円でございます。この繰り延べ分につきまして一定の前提を置きまして、六十一年度末の元利合計を試算いたしますと、一兆四千六百八十六億円でございます。もしこの繰り延べ措置がなかったといたした場合の六十一年度末の積立金は、これを加えまして、五十六兆二千百八十二億円というふうに考えます。
#215
○浦井委員 どの数字をとってもいいのですが、一兆四千七百億、約一兆五千億、こういうものが積み立てられておらない、こういうことになる。
 昨年の国会で創設をされました基礎年金、これはそちらからいただいた資料なんですけれども、「国民年金特別会計基礎年金勘定収支状況」というものを見ますと、基礎年金をつくられたことによって財政調整が非常に巧みにやられておるというふうに私は言わざるを得ないわけであります。「歳入」のところの「厚生保険特別会計年金勘定より受入」が二兆九千五百七十億円、また、厚生保険に返ってくる金が一兆四千六百六十三億ですか、だから、その差の一兆四千九百七億円、約一兆五千億円、これが厚生年金の方から俗に言えば持ち出しになるということになって、先ほどのお話で、一兆五千億円ほど積立金を減らしておるし、今度もまた上手に財政調整で一兆五千億円ほど減らしておる、こういうことになるのですか、積立金は。
#216
○長尾政府委員 基礎年金の今回の勘定の仕組みでございますが、各年金制度から、国民年金、厚生年金、共済組合から頭割りで拠出金を出していただきまして、三十六年四月以降の基礎年金見合いの給付をそれぞれの勘定に交付金として戻すという形で仕組んでおるわけでございます。この拠出金と交付金の差を先生はおっしゃったのではないかと思うのでございますが、この差は厚生年金が基礎年金のために財政調整をしたのではないかというお話でございますけれども、従来、国民年金任意加入の妻として加入しておられましたいわゆる三号の奥様方、この奥様方の分が国民年金の被保険者から外れまして、それぞれの厚生年金、共済組合の拠出金の頭数の中に入っていっているという仕組みが変わっておるということも御留意をいただきたいと思うのでございます。こういった部分の調整をさせていただきまして、それから障害福祉年金を裁定がえいたしました障害基礎年令につきましては、各制度も受益の程度に応じて負担をしていただく、こういう前提で実質的な差し引き額を計算いたしますと、厚生年金としては四千億の持ち出しという形になろうかと思います。国民年金は逆に四千五百億の受け取りでございますが、この点は制度の成熟度の違いというふうに考えておるわけでございまして、実質的には四千億というふうに考えております。
#217
○浦井委員 私は多く見て一兆五千億円、長尾さんの方は四千億、いずれにしてもそれだけ財政調整をされたというふうに思います。拠出金制度というのは、去年の健康保険の改正の場合の退職者医療もそうでありますし、老人保健法の場合の拠出制度、これも財政調整でありまして、これは多少余裕のあるところから多少窮屈なところへ持っていって、そして国の支出を全体として減らすというような上手なやり方だろうというふうに私はほとほと感嘆をしておるわけであります。
 先ほどもお話が出たようでありますけれども、三千億有利運用ができるということで非常に喜んでおられるようであります。それも大事でありますけれども、別にこれを否定するわけではございませんが、やはりこういうようなあしき財政調整というものを基本的にやめるという姿勢がなければならぬのではないかということを私は大臣に一つ要望したいと思うのです。
 それからもう一つは、一番初めに質問しました繰り延べ措置、これははっきりと返してもらえるんでしょうね。大臣、簡単に言えばこの二点です。
#218
○吉原政府委員 財政調整というお話でございましたけれども、私どもの考え方はそうじゃございませんで、年金の基礎的部分、基礎年金部分について各制度が公平に負担をしていこう、そのために一定の基準でもって拠出金を出していただくということで、結果として、先ほどお話し申し上げましたような、制度によって出入りの差はございますけれども、あくまでも一定の基準で各制度が公平に負担をして年金制度全体を安定したものにしていこう、こういうことでございます。
#219
○長尾政府委員 厚生年金の国庫負担の繰り延べ額の返還でございますが、この点につきましては、返還を行われるということは法律では明らかになっておるわけでございます。厚生年金の皆様方からお預かりいたしました保険料でございますので、これは私どもとしては確実に返していただくということで対処させていただきたいと思います。
#220
○浦井委員 それがそうならない場合がよくあるわけで、これは大臣としても責任を持っていただきたい。大臣、どうですか。
#221
○今井国務大臣 貸したものは必ず返していただくわけでございます。
#222
○浦井委員 今井先生、甚だいつまでも大臣をやっていただきたいというふうに思うわけでございます。
 少し各論に入りたいのですけれども、今度障害年金、障害福祉年金が障害基礎年金になるということ、これで障害者の皆さんに対する年金給付が改善されるというのが去年の年金国会といいますか、去年の国会の年金改正案のうたい文句であったというふうに思うのですが、いよいよ実施されてみると、余り実質的にアップがないというような状況が出ておるのは御存じであろうと思うのです。
 例えば、私、今委員長にお渡ししたのですが、資料をそこへ持ってきております。大臣にもお渡しをさせていただいたのですけれども、一番上の欄、大臣、よく見ていただきたいと思うのですが、年金局長、お持ちですね。全盲の母で子供さんが一人の場合、そこに書いてありますように、今度の改正法によりますと四千六百九円という福祉手当がついたものですから何とか格好が、これは私も評価をするのですけれども、現行よりも千円マイナスになるわけですよね。
 ところが、二番目の段にいきますと、全盲の父と健康な母と両親がそろっている場合の年金で、この場合は一万二千五百二十五円アップになる、これは事実そうですね。この数字、確認していただきたい。――私は間違ってないと思うのですが。
 そこで、両方見てもらったらわかるように、理論的にどうあろうとも、実質的にやっぱり矛盾しておると思うわけです。先ほどからるるお話があったように、全盲の母の場合、子供さんがあるという家庭は非常に援助を必要とするわけですよね。私は、全盲の父と健常な母の場合が高過ぎる、二段目の場合、というようなことには思わぬですけれども、全盲の母の場合にもっと援助をしてあげるべきではないかと思うわけです。これは、この表でごらんになったらわかるように、児童扶養手当あるいは福祉手当、こういうところも関連があるわけですよ。
 そうなると、このケースの場合には、大臣、堀木訴訟というのは御存じでしょうか、朝日訴訟と並んで社会保障の画期的な前進に非常に役立ったという堀木訴訟ですね。この間、亡くなられたわけです。この亡くなられた堀木文子さんが、亡くなられるまで裁判で争われた、そして最終的には厚生省も障害福祉年金と児童扶養手当の併給を認めざるを得なかった。ところが、今度の改正法では、これが総額になると千円マイナスになるというのが矛盾ではないか。やはり全盲の母と子供一人というような場合には非常に家計が苦しいであろうし、恐らくもう必死になって生活を支えておられるであろう、こういうことでありますから、従来と同じように、障害基礎年金になっても障害を持った母については児童扶養手当を併給すべきではないか、ここに問題が結びつくわけですね。私はそう思うのですが、この要望はどうですか。
#223
○坂本政府委員 ただいまお配りいただきましたこの資料につきまして、私、ちょっとよくわかりませんのは、現行法のところで障害福祉年金一級四万八百円というのは、私、年金を直接やっておりませんけれども、現実にこの金額が支給されるということはないのではないかというのが一点でございます。
 それで、四月からは改正法の方の障害基礎年金に移行することになりますので、改正法の方の金額は私としてはそういうことかなと思っておりますけれども、現行法の方、ちょっとそういう意味で理解ができない面がございます。
 そういうことを前提にいたしまして、いずれにしましても、現在、障害福祉年金と児童扶養手当は、ことしの四月一日の年金改正法の施行までの間は併給ができるわけでございますけれども、障害福祉年金がなくなりまして障害基礎年金になる、そのときに児童扶養手当は併給ができなくなる。これは従来、先ほど堀木訴訟に関連して児童扶養手当については、障害福祉年金と児童扶養手当の併給を認める改正も確かにいたしましたけれども、これは障害福祉年金という拠出制の障害年金に比べますと当時かなり低い額であった福祉年金との併給ということを考えたわけでございまして、今回の改正によって障害基礎年金という、これは拠出制年金といってよい相当の水準の年金になったということで、障害者の所得保障についても一応の水準に達したことから、児童扶養手当の併給はこれを行わないということにしたわけでございまして、現実にこの受けている金額が減るということはないと考えております。
#224
○浦井委員 児童家庭局長の言われたのは、三万九千八百円、それにここに括弧で書いてあるように二・七%アップと仮定して四万八百円になる、こういうことなんですよね。だから、そこだけが仮定なんですよ。それで、結局千円マイナス。千円マイナスだから大したことないといえば大したことないのですけれども、障害者の皆さん方が期待されていたほど上がらないということは事実なのでしょう。
#225
○坂本政府委員 上がる上がらないという考え方の基準だと思いますけれども、とにかく障害福祉年金そのものは、障害基礎年金ということで従来の福祉年金から拠出年金相当と言ってもよい年金になるわけでございます。現実に金額も相当上がるわけでございます。それだけの年金が出るということを勘案して、児童扶養手当主いうのは、現在例えば厚生年金の拠出制の障害年金が出ている場合と回しように、これは併給にならなくなるということでございますので、それぞれ年金と手当の関係からいって、年金としては上がります、しかし併給の関係からいくと、確かにそれほどの差はなくなるわけでございますが、下がるということはないと考えております。
#226
○浦井委員 それはとりようではありますけれども、実際に障害を持って生活をしておられる方にしてみたら、やはり障害基礎年金と児童扶養手当を併給してほしいという要求は強いわけであります。これは重ねて要望しておきたいと思う。
 それからもう一つ、これも先ほど出ておりましたけれども、福祉手当がなくなりました。福祉手当受給者が六十年度でざっと四十二万ですか、そうですね。それで、その中で今度新しい制度に移行をして、これは数字を確認しますけれども、障害児福祉手当というのが五万八千五百五十五人、それから経過的福祉手当というのが五万四千三百六十二人、それからもっとひどい特別障害者手当というのが全体として十五万五千六十九人、その中で、被用者保険の方を除きまして、まあ三分の一として見て、ここだけややグローブですけれども十万人というふうにして見ますと、福祉手当を今までもらっておって、今度の新しい制度に移行をして、この三つの手当をもらえない人というのは差し引きで二十万ぐらいあるというふうに見て差し支えないですか。それで大体数字的に合っていますか。
#227
○小島政府委員 大まかな数で、御指摘のとおり二十万人程度になろうかと思います。
#228
○浦井委員 たがら、そういうように新しい制度によって福祉手当をもらえなくなった人が、きのうは十六万とか、私の方は約二十万というふうに言っていたのですが、これはどちらにしてもアバウトです、そういう中で、一級障害者で特別障害者手当に該当しない人は、この中でも支給される月額は一万二千五百二十五円アップするにすぎない、こういうことになるわけですよね。だから、私の要求は、せめて特別障害者手当の支給範囲を拡大すべきではないか、以前に福祉手当をもらっていた人は全員が特別障害者手当がもらえるぐらいに拡大すべきではないか、これが私の要求なのです。
#229
○小島政府委員 確かに、福祉手当は国民年金の一級の方を対象に出ておりまして、先生御指摘のような数になっていたわけでございますが、この現在の福祉手当というのは、在宅の重度障害者のうち障害福祉年金受給者等に対し、拠出制の年金の受給者は別でございますが、慰謝激励的な性格を持って支給するという法律の趣旨でございますが、実際上の機能面からいいますと、成人障害者につきましては、大体拠出制の障害年金と障害福祉年金との差の半分程度を埋めるというような機能を実質上は担っていた、こう思います。
 今回の基礎年金の創設によりまして、この福祉年金は全部基礎年金という形で拠出制と一体化してしまうものですから、そういう意味で従来の福祉手当の福祉の役割は終わった、審議会なんかの感触もそうでございまして、したがって、今度こういう基礎年金という制度ができることに着目をした今後の手当というのはどうあるべきかということを検討いたしました結果、要するに在宅の重度の障害のために常時特別の介護、今までは常時介護ですが、特別の介護を必要とするような人たちに特別の障害者手当を支給するようにしてはどうかということを受けていたしたものですから、障害の程度といたしましては、従来の福祉手当は一級ですが、一級程度の障害がダブルであるという方を対象として出す制度にしたものですからこういう仕組みになりますし、法律の規定そのものから受けとめましても、この取り扱いを、先生御指摘のように従来の福祉手当のままという取り扱いにすることはちょっといたしかねる問題だと思います。
#230
○浦井委員 おたくらはよく審議会に逃げ込んだり、大体絞り過ぎですよ。だから、常時特別の介護を要するというような格好で特別というのは入れずに、私は重ねて要求しておきたいのですけれども、やはり従来福祉手当をもらっておった人は特別障害者手当をもらえるというぐらいの寛容さがあっていいのではないかということを私は重ねて要求をしておきたいというふうに思うわけです。
 そこで、次は私が一番尋ねたい問題でありますけれども、一級障害者でも特別障害者手当に該当しない人は一万二千五百二十五円しか増額しないということに加えて、適所授産施設に通っている障害者の方の場合には、新たに費用徴収が今度かけられるということになるわけなんですね。
 私はここに原文を持っておりますけれども、去年の十二月に身体障害者福祉審議会から「費用徴収基準のあり方について」という意見具申があった。それを読んでみますと、「昭和六十一年度からの障害基礎年金の創設として具体化されることとなり、この面からも費用徴収制度導入の条件が整えられることとなった。」ということで、入所者本人のほかに扶養義務者からも費用徴収をしょうとしておるというふうに言わざるを得ないわけなのですが、大体費用徴収について厚生省はどう考えておるかという点をお尋ねしたいと思います。
#231
○小島政府委員 確かに、障害者の厚生援護施設につきましては、他の精神薄弱者施設とか老人の施設等と異なりまして、施設入所者につきましては、大体食費の実費程度の御負担だけで、あとは徴収しないという建前になっております。ただ、これは一番古い法律でございまして、やはり生活保護の救護法、救護施設から分化してきたという経緯もあってこういう取り扱いかと思いますが、ただ、これは福祉施設としては、他の障害あるいは老人を含めまして例外的な取り扱いであったわけでございます。五十九年の身体障害者福祉法の改正に際しまして、特別障害者手当制度をつくりますと同時に、今後の福祉施策の一環として身体障害者の更生援護施設につきましても精神薄弱者援護施設と同様に、負担能力に応じて本人からも御負担をお願いするのが筋であろうということでこのような取り扱いにいたしまして、法律上も本人及び扶養義務者がら徴収することができるという規定が置かれてこのような取り扱いになっております。
#232
○浦井委員 それで、問題が二つあるわけですね。本人から五十九年度似食費以上に取れることになったというのが一つベースにありますね。それから、扶養義務者の方は後回しにしますけれども、本人の場合、意見具申の中にはいろいろ書かれておるわけでありますが、例えば費用徴収のことがいろいろ書かれておるのですね、「年金収入、授産工賃収入を含む本人の収入を基礎として負担能力を認定し、徴収することが適当である。」というような表現があるわけですよね。だから、これでいくと年金とかあるいは授産工賃収入も、少なくとも費用徴収の対象にはなる、問題はその割合だ。こういうことになるわけですか。
#233
○小島政府委員 年金も所得保障の一環でございますし、工賃収入も所得でございます。所得全般としてそれをひっくるめて考えまして、負担能力をその全体で認定するという取り扱いは妥当なものじゃなかろうかと考えております。
#234
○浦井委員 そうすると、肢体不自由の方々が一生懸命生きがいとして品物を製造されて、月に何千円があるいは何万円か収入がある、それも費用徴収基準のベースに入る。その方たちのいわば生きがいをなくするというおそれはないですか。
#235
○小島政府委員 収入としてはやはりこれは含めて考えるべきものだと考えますが、先生御指摘のように、それでは一生懸命やってもやらなくても同じかということがありましては自立更生の趣旨からも反しますので、一定の控除額を設けるという形で自己努力は十分評価するシステムをつくってまいりたいと考えております。
#236
○浦井委員 このころは、局長さんも御承知のように、仕事を障害者の方にやっていただいて、もちろんノーマルな方よりもノルマは落ちますけれども、その仕事を一生懸命やることによって障害がむしろいい方に変化をしていく、身体発達学というのですか、これが定説になっておるわけです。そういう形で一生懸命やった、生きがい対策のもうわずかなお金さえも徴収基準のベースに入れるというのは解せぬと私は思いますが、何かありますか。
#237
○小島政府委員 いわゆる工賃等を入れます場合に、控除額につきましては、その工賃が安いほど控除額を率といたしましては手厚く考えながらその辺のところは十分配慮してまいりたいと考えております。
#238
○浦井委員 十分前向きに配慮するということですね。大体いつごろ結論が出るのですか。
#239
○小島政府委員 大体来月中ごろまでにはまとめないと手続がなかなか難しいかと思います。ただ、関係者のいろいろの御了解も得つつということで進めておりますので、時期を確定して申し上げるわけにはいきませんが、そのぐらいを目途として進めております。
#240
○浦井委員 本人の場合はそれでおきまして、今度は扶養義務者の場合です。
 これの場合、私は、本来扶養義務者からも費用徴収すべきではない、入所者本人の場合にはある程度はやむを得ないと思いますけれども、扶養義務者の場合にはやはりそうすべきではないと思うわけでありますけれども、一体どう考えておるのか。
#241
○小島政府委員 これにつきましては、法律の規定も本人及び扶養義務者から徴収するいこれは老人福祉施設や何かと全く同じスタイルになっております。したがいまして、年金も含めました本人の収入だけでいわゆる経済的な自立が十分できない、その費用を十分負担はできないという場合に扶養義務者の所得をどう考えるかにつきましては、これは福祉施策全般の共通の問題でございますので、老人福祉施設、あるいはちょっと先ほど不適切な表現があったかと思いますが「精神薄弱者援護施設なんかにつきましては本人からの徴収はございませんが、現在でも扶養義務者からの徴収はあるという建前になっておりますので、これも同じようなぐあいに考えていかざるを得ないのではないか。ただ、審議会の意見具申におきましても、その範囲等については具体的な実行可能性との兼ね合いで十分配慮するようにという御指摘もいただいておりますので、現在そこも含めて検討しておるところでございます。
#242
○浦井委員 確かにこの中にも、他の制度との均衡とか、いろいろなことを勘案してとか、歯切れが悪いのですけれども、民法の適用も余り適切でないとか、いろいろなことが書かれておるのです。具体的にお尋ねしたいのですけれども、同居しておる扶養義務者は要件に入るのですか。
#243
○小島政府委員 この点につきましては、今検討中でございます。例えば老人なんかにつきましては今まで同居という形で縛りをかけておりましたが、これはちょっと狭過ぎるのではないか、同じような扶養義務者との均衡を考えるべきだという御意見もありますので、その辺とあわせて検討しているところでございます。
#244
○浦井委員 私の立場は、あくまでも扶養義務者からは費用徴収をすべきでない、まして同居の方からとか一切そういうことはするなということを要求しておきたいと思います。
 時間が大分迫ってきましたから、大臣に最後にお尋ねしたいのですけれども、問答を聞いていただいても大体おわかりのように、基礎年金が創設されるということで、先ほどの費用徴収の制度もそうですし、それから地方自治体でいみいろな独自給付をやっておるりです。それが、地方行革ということで中央よりも地方の方が先取りされて、例えば大阪府市なんかは介護手当を支給しておったけれども、特別障害者手当受給者には今度は支給しないというような先取りがもう既にやられておる、こういう状況があると私は聞いておるわけなんです。そうなってきますと、中央地方合わせて年金でせっかくアップした分が、併給調整の強化であるとか、あるいは費用徴収の強化というようなことでそっくり持っていかれた、こういうことになるわけです。だから、結論としては、年金額そのもの、あるいは併給調整のやり方、あるいは費用徴収のあり方というようなものをもう一遍見直して、そして基本的には障害者の皆さん方が安心して仕事もし、生活もできる格好にすべきではないかと私は思うのですけれども、局長さんと大臣の答弁を伺いたい。
#245
○小島政府委員 地方公共団体につきましても今後の福祉施策の全般のあり方ということでいろいろな見直しが行われている向きもあろうかと思います、ただ国の立場として今回併給調整をすることにいたしましたのは、基礎年金というのは障害者に対する所得保障としては相当の水準に達しているのではないかということで、従来の福祉年金と同じ扱いというのはおかしいであろう、これはむしろ従来の拠出制の障害年金と同じ扱いにするのが妥当じゃないかということで、児童扶養手当等の併給調整をしているところでございますし、またそのような所得保障が一応の水準に達したということも勘案いたしまして、今後の福祉、援護施策のあり方といたしましても、やはり従来の更生医療とか補装具の給付と同じように、本人並びに扶養義務者からの所得に応じた御負担を願うというのが福祉施策全般を通じて整合性の上からいっても妥当なものではなかろうかと考えております。
#246
○今井国務大臣 私も、今度障害基礎年金の創設で障害者の所得の保障は大幅に改善されると思っているわけてす。障害基礎年金が所得保障として一応の水準に達したと見ておりますから、児童扶養手当などとの間で給付の調整を行ったり、また福祉施設のサービスを受けている場合には応分の費用負担を求めることにしたことは、その取り扱いは私は妥当なものだと思っております。
#247
○浦井委員 だめですよ。障害者の年金が充実したという認識も違うし、しかも、確かに額はある程度保障されたかもわからぬですけれども、実際に運用されてみたら余り変らなかったというペテンもあるわけなんですよ。そこのところを大臣はよく考えていただいて、私の質問をこれで終わりますけれども、その辺の認識をよく深めていただかなかったら、これは厚生大臣としては合格であるとは言えないと思います。
 以上であります。
    ―――――――――――――
#248
○山崎委員長 次に、内閣提出、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案並びに環境衛生金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案の両案を議題とし、順次趣旨の説明を聴取いたします。今井厚生大臣。
    ―――――――――――――
 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正す
  る法律案
 環境衛生金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫
  法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
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#249
○今井国務大臣 ただいま議題となりました戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 戦傷病者、戦没者遺族等に対しましては、その置かれた状況にかんがみ、年金の支給を初め各種の援護措置を講じ、福祉の増進に努めてきたところでありますが、今回、年金等の支給額を引き上げるとともに、引き続き戦傷病者等の妻に対する特別給付金の支給等を行うこととし、関係の法律を改正しようとするものでおります。
 以下、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 まず第一は、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正であります。これは、障害年金、遺族年金等の額を恩給法の改正に準じて引き上げるものであります。
 第二は、未帰還者留守家族等援護法の一部改正であります。これは、未帰還者の留守家族に支給される留守家族手当の額を遺族年金に準じて引き上げるものであります。
 第三は、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法の一部改正であります。これは、戦傷病者等の妻として支給を受けた特別給付金国債の償還を終えたときに、夫たる戦傷病者等の死亡により戦没者等の妻となっている者に対して、特別給付金を支給するものであります。
 第四は、戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法の一部改正であります。これは、戦傷病者等の妻に対して引き続き特別給付金を支給することとし、その場合、十年間の国債償還額を六十万円と三十万円に統一するものであります。また、特別給付金国債の償還を終えたときに、夫たる戦傷病者等が平病死している場合、その妻に特別給付金として額面五万円、五年償還の国債を支給することとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。
 次に、ただいま議題となりました環境衛生金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 環境衛生関係営業につきましては、環境衛生金融公庫及び沖縄振興開発金融公庫において、施設の設置等に要する資金の貸し付けを行っているところでありますが、今回、環境衛生関係営業の衛生水準の向上及び近代化の促進を図るため、環境衛生関係営業者の営業等に要する運転資金の貸し付けを行うこととし、環境衛生金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正しようとするものであります。
 以下、その内容について御説明申し上げます。
 まず第一は、環境衛生関係営業者に対し、その営業の衛生水準を高め、近代化を促進するために必要な政令で定める資金を貸し付けるものとすることであります。
 第二は、環境衛生同業組合等に対し、環境衛生関係営業の衛生水準を高め、近代化を促進するために必要な事業を行うのに要する資金であって政令で定めるものを貸し付けるものとすることであります。
 第三は、理事及び監事の任期を、現行の四年から二年に改めることであります。
 なお、この法律の施行期日は、本年十月一日からとしておりますが、理事及び監事の任期の改正につきましては、公布の日からとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#250
○山崎委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ります。
 次回は、来る二十五日火曜日午前九時四十五分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時五十四分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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