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1985/03/27 第104回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第104回国会 社会労働委員会 第7号
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1985/03/27 第104回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第104回国会 社会労働委員会 第7号

#1
第104回国会 社会労働委員会 第7号
昭和六十一年三月二十七日(木曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 山崎  拓君
   理事 小沢 辰男君 理事 高橋 辰夫君
   理事 浜田卓二郎君 理事 池端 清一君
   理事 村山 富市君 理事 大橋 敏雄君
   理事 塩田  晋君
      愛知 和男君    稲村 利幸君
      古賀  誠君    斉藤滋与史君
      自見庄三郎君    谷垣 禎一君
      戸井田三郎君    友納 武人君
      仲村 正治君    長野 祐也君
      西山敬次郎君    野呂 昭彦君
      浜野  剛君    林  義郎君
      山岡 謙蔵君    網岡  雄君
      大原  亨君    金子 みつ君
      竹村 泰子君    永井 孝信君
      森井 忠良君    斉藤  節君
      橋本 文彦君    森田 景一君
      森本 晃司君    伊藤 昌弘君
      塚田 延充君    浦井  洋君
      小沢 和秋君    菅  直人君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 今井  勇君
 出席政府委員
        厚生大臣官房総
        務審議官    北郷 勲夫君
        厚生大臣官房審
        議官      山内 豊徳君
        厚生省生活衛生
        局長      北川 定謙君
        厚生省児童家庭
        局長      坂本 龍彦君
        厚生省保険局長 幸田 正孝君
        厚生省年金局長 吉原 健二君
        社会保険長年金
        保険部長    長尾 立子君
 委員外の出席者
        社会労働委員会
        調査室長    石川 正暉君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十七日
 辞任         補欠選任
  伊吹 文明君     山岡 謙蔵君
  箕輪  登君     仲村 正治君
  河野  正君     大原  亨君
  沼川 洋一君     斉藤  節君
同日
辞任          補欠選任
  仲村 正治君     箕輪  登君
  山岡 謙蔵君     伊吹 文明君
  大原  亨君     河野  正君
  斉藤  節君     沼川 洋一君
    ―――――――――――――
三月二十六日
 高齢者の生活保障等に関する請願(浦井洋君紹
 介)(第一八〇一号)
 同(経塚幸夫君紹介)(第一八〇二号)
 同(中島武敏君紹介)(第一八〇三号)
 健康保険本人の十割給付復活等に関する請願
 (浦井洋君紹介)(第一八〇四号)
 カイロプラクティック等の立法化阻止に関する
 請願(駒谷明君紹介)(第一八〇五号)
 同(永江一仁君紹介)(第一八〇六号)
 同(藤木洋子君紹介)(第一八〇七号)
 同(堀昌雄君紹介)(第一八〇八号)
 同(岡本富夫君紹介)(第二〇〇〇号)
 同(後藤茂君紹介)(第二〇〇一号)
 同(砂田重民君紹介)(第二〇〇二号)
 同(谷洋一君紹介)(第二〇〇三号)
 同(渡部一郎君紹介)(第二〇〇四号)
 保育予算の増額等に関する請願(田中美智子君
 紹介)(第一八〇九号)
 国立療養所秋田病院の移譲反対等に関する請願
 (中川利三郎君紹介)(第一八一〇号)
 老人医療費の患者負担増大反対等に関する請願
 (稲葉誠一君紹介)(第一八一一号)
 同(伊藤忠治君紹介)(第一九六八号)
 同(稲葉誠一君紹介)(第一九六九号)
 同(中村正男君紹介)(第一九七〇号)
 同外四件(米沢隆君紹介)(第一九七一号)
 国立療養所松戸病院と国立柏病院の統廃合反対
 等に関する請願(新村勝雄君紹介)(第一八一
 二号)
 同(新村勝雄君紹介)(第一九七二号)
 年金制度の確立等に関する請願(経塚幸夫君紹
 介)(第一八一三号)
 腎疾患総合対策確立に関する請願(亀岡高夫君
 紹介)(第一八一四号)
 老人保健法等の一部を改正する法律案に関する
 請願(小沢辰男君紹介)(第一八一五号)
 同(大村襄治君紹介)(第一八一六号)
 同(高橋辰夫君紹介)(第一八一七号)
 同(谷垣禎一君紹介)(第一八一八号)
 同(東力君紹介)(第一八一九号)
 同(堀之内久男君紹介)(第一八二〇号)
 同(阿部文男君紹介)(第一九七三号)
 同(伊吹文明君紹介)(第一九七四号)
 同(小此木彦三郎君紹介)(第一九七五号)
 同(奥野誠亮君紹介)(第一九七六号)
 同(古賀誠君紹介)(第一九七七号)
 被爆者援護法制定に関する請願(辻第一君紹
 介)(第一八二一号)
 公共事業による失業対策推進等に関する請願
 (串原義直君紹介)(第一八二二号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第一八二三号)
 同(佐藤徳雄君紹介)(第一八二四号)
 同(城地豊司君紹介)(第一八二五号)
 同(中川利三郎君紹介)(第一八二六号)
 同(不破哲三君紹介)(第一八二七号)
 同(藤田スミ君紹介)(第一八二八号)
 同(細谷治嘉君紹介)(第一八二九号)
 同(山原健二郎君紹介)(第一八三〇号)
 同(横山利秋君紹介)(第一八三一号)
 同(井上泉君紹介)(第一九七八号)
 同(石橋政嗣君紹介)(第一九七九号)
 同(上西和郎君紹介)(第一九八〇号)
 同(田中美智子君紹介)(第一九八一号)
 同(森本晃司君紹介)(第一九八二号)
 国立久留米病院の存続等に関する請願(細谷治
 嘉君紹介)(第一八三二号)
 同(権藤恒夫君紹介)(第一九八三号)
 同(細谷治嘉君紹介)(第一九八四号)
 看護婦の夜勤日数制限等に関する請願(網岡雄
 君紹介)(第一八三三号)
 同(金子みつ君紹介)(第一八三四号)
 同(河野正君紹介)(第一八三五号)
 同(網岡雄君紹介)(第一九八五号)
 同(河野正君紹介)(第一九八六号)
 大分県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願(阿部未喜男君紹介)(第一八三六
 号)
 栃木県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願(広瀬秀吉君紹介)(第一八三七号)
 同(広瀬秀吉君紹介)(第一九八九号)
 同(武藤山治君紹介)(第一九九〇号)
 愛知県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願(田中美智子君紹介)(第一八三八
 号)
 国立横浜東病院と国立横浜病院の統合反対等に
 関する請願外一件(田中慶秋君紹介)(第一八
 三九号)
 鹿児島県の国立病院・療養所の統廃合反対等に
 関する請願(上西和郎君紹介)(第一八四〇
 号)
 同(上西和郎君紹介)(第一九九一号)
 国立療養所霧島・阿久根・志布志病院の統廃合
 反対等に関する請願(村山喜一君紹介)(第一
 八四一号)
 茨城県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願(竹内猛君紹介)(第一八四二号)
 同(竹内猛君紹介)(第一九九四号)
 国立大牟田病院の存続等に関する請願(細谷治
 嘉君紹介)(第一八四三号)
 同(細谷治嘉君紹介)(第一九九八号)
 国立療養所東高知病院の存続等に関する請願
 (井上泉君紹介)(第一九六二号)
 国立花巻温泉病院の廃止反対等に関する請願
 (小川仁一君紹介)(第一九六三号)
 国立福知山病院の経営移譲計画中止等に関する
 請願(玉置一弥君紹介)(第一九六四号)
 保育所等の入所措置制度改悪反対等に関する請
 願(東中光雄君紹介)(第一九六五号)
 社会保障の充実に関する請願(藤田スミ君紹
 介)(第一九六六号)
 香川県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願(前川旦君紹介)(第一九六七号)
 福岡県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願(多賀谷眞稔君紹介)(第一九八七
 号)
 国立十勝療養所及び国立療養所帯広病院の統廃
 合反対等に閲する請願(新村源雄君紹介)(第
 一九八八号)
 宮崎県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願(松浦利尚君紹介)(第一九九二号)
 同(米沢隆君紹介)(第一九九三号)
 鳥取県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願(武部文君紹介)(第一九九五号)
 愛媛県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願(田中恒利君紹介)(第一九九六号)
 広島県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願外四件(福岡康夫君紹介)(第一九九
 七号)
 静岡県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願(元信堯君紹介)(第一九九九号)
 中国残留者福祉促進に関する請願(武田一夫君
 紹介)(第二〇三一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 児童扶養手当法及び特別児童扶養手当等の支給
 に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提
 出第三一号)
 年金福祉事業団法及び国民年金法等の一部を改
 正する法律の一部を改正する法律案(内閣提出
 第三〇号)
 環境衛生金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫
 法の一部を改正する法律案(内閣提出第四六
 号)
     ――――◇―――――
#2
○山崎委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、児童扶養手当法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部を改正する法律案並びに年金福祉事業団法及び国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大原亨君。
#3
○大原委員 限られた時間でございますから、実質の伴う簡潔な答弁を願います。必ずしも偉い人が答弁しなければならぬということはありませんから、わかっておる人が答弁してください。年金局長は、私が前に質問したときに、非常に人間もよろしいし心臓は強いが、知恵が少し足りない、こう言うたことを御記憶だと思いますが、その後、大分勉強されたと思います。
 第一番。第三号被保険者の確認事務が今まで進んでおるわけですが、その確認事務の現在の状況をお答えください。つまり、第三号被保険者の中の国民年金に任意加入した人の中で、対象者に対してどのくらい事務が進んでおるか、こういうことを中心にお答えください。
#4
○長尾政府委員 お答えを申し上げます。
 現在、国民年金に任意加入をしておられます方六百七十七万人を対象といたしまして、昨年の十月末から十一月にかけまして届け出用紙をお送りいたしまして、厚生年金、船員保険の被保険者の被扶養配偶者にはその旨の届け出をしていただくということで準備を進めておるわけでございますが、一応本年一月末までを締め切りということでお願いをいたしてまいりまして、一月末現在の届け出状況は四百三十六万件、届け出率は六四%となっております。
 この第三号被保険者は共済組合の組合員の方も該当されるわけでございますが、今お届けいたしております方につきましては、共済組合の方は別途にお届けをいただくということをお願いいたしておるわけでございますので、共済組合の組合員の被扶養配偶者約百三十万人につきましては、この今の母数から除かしていただきまして実質的な届け出率を推計いたしますと約八〇%というふうに考えておるわけでございます。
 一月三十一日を締め切り日といたしましたのは本年四月分以降の保険料の過誤納を防止するためでございますので、未届け者の方につきましては、引き続き届け出をお願いするということでお呼びかけをいたしておるわけでございます。
 また、共済組合の組合員の被扶養配偶者についての適用準備事務につきましては先般開始をいたしたところでございます。
#5
○大原委員 この問題に関係してお尋ねするのですが、第三号被保険者、サラリーマンの妻、専業の妻というふうに簡単に言うわけですが、その人の確認事務は、これからも、四月一日に発足しましてからも大変だと思うわけです。これはこの年金を改革いたしました問題点の中では一番大きな問題であります。例えば、ことしの四月一日以降、初めて入る人は四十年間にわたり、あるいはそれ以外の人も相当長期にわたって、変動があったならば市町村の窓口を通じまして変更の届け出をしなければならないわけですね。予想し得る変更の条件としましては大体どういうものがあると考えているかという点について答弁してください。
#6
○長尾政府委員 第三号被保険者は第二号被保険者の被扶養配偶者ということでございますので、配偶者という要件、つまり離婚をなさったというような結婚に伴います変化が一つございます。被扶養という点でございますと、三号の被保険者御本人が収入があるようになった場合、就職をされたというようなことがあるわけでございます。もちろん御主人の方が失業された、二号でなくなったという状況による変化もあるというふうに考えております。このような状況のときは第三号被保険者に該当しなくなるわけでございますので、御本人から市町村長に届け出ていただくということになっておるわけでございます。
#7
○大原委員 私なりに整理をしますと、第二号被保険者の妻という場合ですから、夫婦関係における変動、それから第二号被保険者、サラリーマンの夫の雇用関係、就職関係の変動、今、話がありました離職あるいは転職の場合も、事実上、次の職との間に間があれば出てまいります。失業という場合もあります。それから妻の、第三号被保険者の所得が一年間に九十万円を超えると届け出る、超えた人が九十万円を割ると届け出る、こういう所得の変動について市町村の窓口を通じて確認事務が果たしてできるかどうか、第三号被保険者の管理が可能であるかどうか、こういう点については私は非常に多くの問題を持っておる制度であると思いますが、そういう点についてどういう考えを持っておられるか、御答弁ください。
#8
○長尾政府委員 第三号被保険者の資格の確認は、先生おっしゃいましたようになかなか難しい問題であると思いますが、今具体的に第三号被保険者の身分の変動があります要因を考えますと、これは医療保険の分野におきまして、医療保険上の被扶養者になるかどうかという変動にほとんど適合しておると思います。
 具体的には、御主人と離婚されますと御主人の健康保険証の中の被扶養者というところからその点が消えるという形になるわけでございますし、御本人が就職をなさいまして収入がふえて、または御本人自身が第二号被保険者となられますと、その部分は御主人の被扶養というところから消されるということになるわけでございます。いわば医療保険の分野におきますこういった被扶養者の変動という時点を押さえましてこういったお届けのお願いをするという契機がつかめるのではないかというふうに考えております。
 また、私どもの方で第三号被保険者の方の記録はオンラインによります管理に載せていくわけでございますが、将来はこういったものについてのチェックのシステムを考えていきたいというふうに考えております。
#9
○大原委員 医療保険の被扶養者の状況を把握してやればよろしい、こういうことですが、例えば年収九十万円を超えた場合、これは過去にさかのぼるのですか。これは年金の場合でございますと、さかのぼって九十万円を超えるという場合でやるのですか、それとも医療保険のように確認をされたとき以降というふうにしてやるのですか。この場合は違うと思いますが、どうですか。
#10
○長尾政府委員 第三号被保険者の認定をいたします単位でございますが、これは月を単位にやらしていただくということを考えております。したがいまして、今先生お話しになりましたように、医療保険の分野で被扶養者でなくなるという事態でお届けをいただくわけでございますが、その時点で御本人が就業を始められたということを伺いまして、そこの月から第三号でなくなるという形の事務処理をさせていただくことになるのではないかと思います。
#11
○大原委員 所得の変動の場合はさかのぼらないでもよろしいのですね。つまり、超えた場合は第三号被保険者は第一号被保険者になるのでしょう。自営業者等の国民年金の対象になるのでしょう。であるのに、ずっと医療保険のところへあらわれてこなかった場合においては、あるいはあらわれてきてもキャッチをした時点以降で医療保険はやると思いますが、その間においては支障はないのですか、矛盾はないのですか、その点、もう一回答弁してください。
#12
○長尾政府委員 お答え申し上げます。
 お話しのように、三号被保険者でなくなられた場合には一号被保険者でございますので、一号被保険者としての保険料の納入義務がその段階で発生をするわけでございますが、その場合におきまして、一号被保険者としての保険料の納入義務は一号になられた月から発生をいたします。この場合に、例えばそういった事実の確認が非常におくれるということで、認定をいたしますところで事実上三年前ぐらいから一号であったということを私どもの方で判断をいたしました場合には、確かに先生御指摘のように二年間しか保険料の徴収はできないという事態になることは事実であろうと思います。
#13
○大原委員 つまり、この制度の欠陥というのは、保険主義という原則は保険料を納める人がお互いに助け合うという仕組みになるわけですから、保険料を納める人が給付を受けるというシステムになっていないで、夫の保険料に従属をした制度になっておる。つまり、これは男女平等ではないわけです。夫の年金制度の中に、厚生年金、共済年金に従属する制度になっているというところが問題です。そういうところが問題です。
 そういうところに制度の誤りがあるわけですから、この問題についてはやはり将来のことを考えながら非常に大きな検討の項目であると私は思います。定率で保険料を取るというところはいいですよ。所得の再配分の機能がありますから定額よりもいいわけです。そして所得の再配分を通じて最低生活を保障するという原則に合っていますが、しかし、妻の場合は、妻は一年金という制度にしたことが非常にいいように宣伝をするわけですが、そうでなしに、夫の保険料に完全に従属する。そういうことに制度上の欠陥があるし、保険主義の原則に反する。これは問題として私は指摘をしておきます。これは十分念頭に置いてこれからの基礎年金等を検討する際に考えるべきではないかと思いますが、これは局長にしましょうか、大臣にしましょうか、大臣は新しいし、局長にしましょう。
#14
○吉原政府委員 大原先生の御指摘、私ども十分念頭に置いておきたいと思います。
 確かに、今度の新しい年金制度は、社会保険主義を原則にいたしまして、保険料を払っていただいてそれに応じて年金を出すという基本的な仕組み、考え方をとっているわけでございますけれども、サラリーマンの妻につきましては、自分の名義で自分自身保険料を払って年金がつくということにはなっておりません。そういった意味では純粋の社会保険主義でないではないかという御批判も十分わかるわけでございます。ただ、仮にそういう問題に対しまして実際にそれじゃ一人一人保険料を納めてもらって年金を出すという仕組みにした方がいいかどうかということになりますと、そうなりますといろいろまた別な面で、保険料の納め忘れでありますとか、あるいは滞納でありますとか、納められないとか、そういったことによって無年金なり低い年金しか受けられない人が出てくる可能性も十分あるわけでございます。そういったことも考えまして、御指摘のような問題点は十分頭に置きながらこのような制度の仕組みをとったわけでございます。
 今後、運用には、先ほど年金保険部長が申し上げましたように十分留意をしてきちんとした運営ができるように努力してまいりたいと思います。
#15
○大原委員 それは事務処理においては問題点があるという点については指摘をしておきまして、私がそれは答弁を了承したことではない。さらにこれは引き続いて議論すべき点です。
 もう一つは定額保険料ですが、その前に、国民年金法と四共済のそれぞれ改正案を六十一年四月一日から実施するわけですが、政令ができていない制度の名前を挙げてください。厚生年金、国家公務員、地方公務員はできましたか。
#16
○吉原政府委員 四月一日から新しい制度を実施するための関係の政令はおかげさまで全部閣議決定をされて四月一日から施行されるということになっております。
#17
○大原委員 農林と私学共済はやってないのじゃないの。厚生省の年金局長は権限外だろう。年金担当大臣か年金審議官が答弁するのだろう。
#18
○山内政府委員 失礼いたしました。厚生省が所管します政令及び国家公務員、地方公務員関係は二十五日の閣議で政令を議決していただきましたが、私学、農林関係は本日の次官会議、あしたの閣議ということで取り進めておるところでございます。
#19
○大原委員 年金局長の答弁と違うじゃないか。
 それでは非常に重要な問題に入るわけですが、定額保険料の制度は制度的に非常に問題であるという点をしばしば指摘をいたしました。国民年金で定額保険料を取っておけば、政府が審議会の段階で約束いたしました国民年金に二階をつくることは事実上できないではないか、二十歳から六十歳まで四十年間掛金を掛けて最高が五万円ではないか、そういう問題があるわけですが、定額保険料の保険料を納めてない人で免除の対象者、滞納の対象者は合計して幾らになりますか。率と人員について答弁してください。
#20
○長尾政府委員 昭和五十九年度末における保険料免除者の状況でございますが、法定免除者が八十七万人、申請免除者が二百三十二万人、計三百十九万人でございます。これはいわゆる強制適用被保険者に対します比率で、合計いたしまして一七・四%となっておるわけでございます。
 滞納の問題でございますが、滞納者につきましては保険料の収納率を示します検認率でお答えをさせていただきますが、昭和五十年度で九四・一%の検認率となっておりまして、五・九%が滞納ということになっております。
#21
○大原委員 合計して二四・五%ですか、保険料を納めてない人は。
#22
○長尾政府委員 今、滞納のところでお答えをさせていただいたわけでございますけれども、滞納は検認率ということでお答えをさせていただきましたので、人数換算はなかなか難しいわけでございますけれども、おおむね百二十万から百三十万が該当するというふうに考えております。
#23
○大原委員 大臣、これは今質疑応答をしているのですから新しい大臣でも答えられますが、国民年金の第一号被保険者の納入する保険料の実際の率の問題ですが、検認率が九一%で女から八・幾らか納めてないということになります。これは百二、三十万人、合計いたしますと二四・五%ですね。保険に入っている人で二五%に近い人が保険料を納めてないわけですよね。大臣に答弁いただく前にちょっともう一回長尾年金部長でもいいわけですが、昭和五十年には保険料を納めていなかった人の率は幾らだったのですか、もしなかったらその後でいいです。五十五年にしましょうか。
#24
○長尾政府委員 昭和五十年の検認率で申し上げますと、九六・〇%でございます。
#25
○大原委員 免除と合わせてですか。
#26
○長尾政府委員 五十年時点の免除率は八・〇%でございます。検認率が九六・〇%でございます。
 先生、申しわけございませんが、この時点の強制適用被保険者数がちょっと今手元にございませんので計算をいたしますが、免除の方は強制適用被保険者に対します率でございますが、検認率は任意加入も含めました全被保険者に対する率になっております。
#27
○大原委員 それはその差がありますね。しかし、いずれにいたしましても、一二%台が二五%近くなっておるわけですよ、つまり保険料を納めてないのが物すごくふえているのですよ。私はこれからも滞納者と免除率はふえてくると思うのです。どうしてかといいますと、今までの経過は、定額保険料がどんどん上がるわけですよ、そうすると低所得階層の人は保険料を納めぬ人や、サービスが行き届いておる市町村の窓口の方は免除率が上がるわけですが、大都会を中心に保険料の免除の申請もしない滞納者がふえていくわけですよ。大都会はもうやりようがありませんから、どんどんふえるのですよ。一割を超えているところがいっぱいあるわけです。サービスが届いておるところは、沖縄のように免除率が四三%もあるところがあるわけだ、ずっと傾斜があるわけですけれども。
 定額保険料が今度は、昭和六十一年四月からは七千百円ですよ。ですから、七千百円をどんどん毎年上げていくわけですよ。そうしますと、今までの経過からいうと低所得階層の方の保険料の免除と滞納がどんどんふえてくる。その上に、上の方は例えば弁護士さんとかお医者さんとかタレントとか中小企業の経営者で金回りのいい人とか、零細企業、個人企業の人なんかはどんどん落ちていくのです。最近はそういう傾向が市町村の窓口に出ているのです。
 それはなぜかといいますと、国会でも議論になりましたが、四十年間掛けて五万円というのじゃ運用利回りが悪い。ところが個人年金、郵政省の個人年金を含めましてですが、どんどん宣伝がありまして、これはうちの方は八・二%ぐらいで運用しますよ、そうするとこんなに違うのですよ、こっちの方は今六%を下ったかもしれませんから。そういうことをやりますと、老齢年金だけで考えますと、個人年金の方がいいわけですよ。障害年金とか遺族年金等は金がある人は余り考えないですからね、財産があるから。
 そうすると、上の方も落ちていくし、下の方も落ちていくのですよ。私はそういう判断は間違いじゃないと思うのです、今までの経過からいって。これは将来の問題ですから事務当局は答弁できないと思いますが、私が言うことはわかりますか、厚生大臣、わかるかわからぬかで答弁してください。
#28
○今井国務大臣 よくわかります。
#29
○大原委員 つまり、定額保険料というものは根本的に基礎年金としては成り立たないのですよ。最高が五万円で、それからずっとあって無年金が出てくるという仕組みですね。だから、これは基礎年金ではないのですよ。なぜ基礎年金という名前をつけるのですか。基礎年金という名前に値しないのですよ。世界じゅうにそういう制度はないですよ。
 例えば保険料主義をとっているイギリスにいたしましても、所得に応じて保険料を取っておるのですから、非常に苦労しておるのです。こんな定額保険なんてないですよ。これは、今までの経過からいっても、これからの展望からいいましても成り立たないと私は思うのです。だから、私が指摘をいたしました点は、賢明な厚生大臣はよくわかる、こういう御答弁でありますが、これはやはり根本的にやり直すべき点だと私は思っております。
 この問題にかかわっておりますと時間がありませんが、そこで、定額保険料方式によってどんどん発生する保険料の免除者と保険料の滞納者、これは大都会を中心に滞納者、中小都市は免除者、これが拡大しますが、合計いたしまして保険料を納めない人が出てくるということになります。そこで、今度の政令改正の中で、あるいは今度いよいよ発足する特別会計基礎年金勘定、この収支の中で非常に大きな問題になったことがあります。
 私は、一つはこの問題に触れておると思います。この問題に関係がある。基礎年金に国民年金、厚生年金、各共済年金から拠出する金がございます。それから基礎年金勘定、これは国民年金の特別会計の中に入れておるのですが、この中から給付するものと交付するものがございます。交付金、給付金があるわけです。厚生年金や共済年金の被用者年金の立場から見てみますと、言うなれば、結果として、被用者年金から今の基礎年金のシステムを通じまして、あるいは滞納者や免除者が多い、どんどんふえているという現状を通じまして、結局は国民年金を救済するために今度の制度はできたのではないか、こういう問題が指摘をされておると思うのですが、それは当然だというふうに思います。
 それは政令の中身に関係いたしますから、細かい議論をいたしますと、それだけで一時間ぐらいたちますからやりませんが、私が指摘をした点について国家公務員共済審議会とかあるいは国民年金等の法律に基づく審議会や地方公務員共済審議会等で議論になっていると私は思うのですが、その点については六十一年四月以降はどのような形で実施されるのですか。結論的なものを含めて経過を答弁してください。
#30
○長尾政府委員 昭和六十一年度予算案におきます基礎年金の勘定につきまして、今、先生御質問の点が数字的にどういうふうになっているかを御説明させていただきます。
 基礎年金勘定は、収入の部分で国民年金に特別国庫負担がございます。これは、先生今御指摘の免除者に対する国庫負担、または従来障害福祉年金であった部分に相当する国庫負担等がございますが、これが三千五百二十九億円ございます。これ以外の部分が保険料拠出金の算定対象額となるわけでございますが、これが四兆六千八百八十九億でございまして、合計いたしまして五兆四百十八億というのが基礎年金勘定の総計の金額になります。
 この金額が給付の面で分かれますのは、一つは新規の裁定分、いわゆる本来の基礎年金でございます。これは障害福祉年金から振りかわりました基礎年金と新規に発生いたします基礎年金の合計でございますが、四千九百二十七億円でございます。それ以外の部分にいわゆるみなし基礎年金、これが先生御質問の部分にかかわるかと思いますが、それぞれの各勘定が持っておる給付のうち三十六年四月一日以降の基礎年金に該当する水準の給付についてのものでございますが、これが四兆五千四百九十一億円でございます。これは交付金として各勘定へ返っていくわけでございます。
 こういう全体の中で申し上げますと、国民年金は、まずその保険料拠出金対象額の四兆六千八百八十九億円に対しましては、一兆八百七十三億円を拠出することになっております。厚生年金は、二兆九千五百七十億円を拠出いたします。各共済は、合計をいたしまして六千四百四十六億円を拠出いたします。
 交付金の受取分でございますが、これは基礎年金勘定のうち、さっき申し上げた本来の基礎年金は基礎年金勘定自身が支出いたしますので交付金に入りません。これをどういうふうに割り振るかというのは難しい問題があるわけでございますが、一応まず交付金の方で申し上げますと、国民年金の交付金は二兆七千三百五十四億円でございます。厚生年金は一兆四千六百六十三億円でございます。各共済を合わせますと三千四百七十四億円という金額になるわけでございます。
 これを、今御質問のように差し引きをして計算をするということになるわけでございますが、国民年金の方には、先ほど申し上げた特別国庫負担三千五百二十九億円を入れまして拠出金等として言いますと一兆四千四百二億円でございますので、差し引きをいたしますと一兆二千九百五十二億円のプラス。それから厚生年金は、拠出金が二兆九千五百七十億に対して一兆四千六百六十二億の受け取りでございますので、一兆四千九百七億円の支出。共済組合は、六千四百四十六億円に対して三千四百七十四億円の受け取りでございますので、二千九百七十二億円の超、こういうことになるわけでございます。
 これを全体といたしまして先生御指摘のような実質で各会計がどれくらい持ち出しをしたかということを考えてみますときに、まず第一は、断裁の基礎年金をどういうふうに割り振って考えていくかという点がございます。それから、全体といたしまして、六十一年度は初年度でございますために、その支払い期月の関係で国民年金と各共済とでは支払っております月数が違っております。一月違うわけでございます。それから、従来国民年金の方の被保険者としてカウントいたしておりました三号被保険者、つまり奥様方の分でございますが、この方々が今回は各制度に割り振られておるわけでございます。
 こういった点を全部割り振って考えてみますと、今申し上げました実質の差は、国民年金が四千五百億円の受け取り、厚生年金が四千億の超過、共済組合は五百億の超過というふうに考えておるわけでございます。
#31
○大原委員 今のは、最後に答弁ありました四千五百億円、つまり国民年金に財政調整しているんだ。財政調整という言葉を言うと諸君は反発するだろうけれども、実際上は財政調整。しかし、今、話がありましたように、それ以上である。厚生年金でいえば二兆九千億円ほど出しておいて一兆四千億円交付されておるわけです。それぞれ共済においても今答弁があったとおりであります。
 それで、そういうことの出た理由の中に、政令事項になるわけですけれども、幾つかの点があるわけです。というのは、二四・五%という現在の免滞率。余り簡単にし過ぎてわからぬだろうと思いますが、免除滞納率のことを簡単に免滞率と言う。その免滞率が二四・五%もあるわけですから、これを過去の例から見て将来どう見るかという議論を今私がしたわけです。それは、個人個人は免除の手続をして免除する、申請免除も。それから、所得の状況が変われば免除が解ける。滞納者も、金ができたから、あるいはやらなければいかぬという自覚ができたから――大都会はほとんど野放し状況ですから、そういうところの滞納した人も保険料を納める。個人的にはずっと違うわけです。
 これは結果的には四十年間納めないから低い基礎年金になるわけです。基礎年金に値しない基礎年金になるわけです。そこに基礎年金のインチキ性というか問題があるわけですね。ですから、免滞率の対象人員を国民年金の加入者として計算するかどうかという問題が、四千五百億円を引き出す経過の中に問題があるということが一つ。
 それから、交付金を計算するとき、国民年金は夫婦で計算するわけですね。そうでしょう。それから、厚生年金や共済年金の場合は保険料はまとめて納めておるけれども、その計算の仕方は一人でしょう。政令改正のときに付加年金をつけただけでしょう。そうすると、例えば厚生年金でいえば、定額部分が基礎年金に移行した、妻の付加年金部分が基礎年金に移行した、足して二で割った。それで定額部分は基礎単価が二千四百円である。新しい国民年金は千二百五十円である。約半分である。
 しかし、みなし基礎年金というのは、新しい制度の五万円というのを、五万円以下を計算しておるので上の方はちょん切ってあるわけですね。だから、その場合には、被用者の方も現実に結婚している夫婦の場合は二人分として計算をすれば出し入れの計算基礎が違うのではないか。そういう仕方について非常に一方的な措置をしているのではないか。これはまた後で一緒に答弁してください。
 そこで、私が言いたいのはどういうことかといいますと、財政調整の金が、厚生年金は一兆四千九百億円で共済は約三千億円、つまり持ち出しになっておるという仕組みですね。拠出金と、それから交付金との関係を考えてみますとそういうふうになるわけです。そういうことは、結果として今回の制度というのは、四千五百億円に絞って長尾さんは答弁したわけですが、結果は、国鉄共済年金の問題を、時間があれば後で年金担当大臣に聞くけれども、国鉄の救済と、それからもう一つは国民年金の救済、これが一つあるわけだ。国民年金はパンク状況になっておったわけですよ。それを救済するために今度の基礎年金の勘定の仕組みをそういうふうにしたということになるわけですよ。
 これは大変な問題ではないか。しかも国民年金が、第一号被保険者の状況を質問いたしましたが、これはパンク状況になったのですが、その状況が変わるという理由はないということになりますと、ますます被用者年金の方から持ち出しが多くなっていくのではないか。こういう厚生年金や共済年金側の要求や指摘があるわけであります。途中の経過の問題は、時間がないから私は答弁を求めませんが、そういう基本的な国民年金の救済ということをやりながら、国民年金はパンク状況が一つも変わっておらぬじゃないか、そして、その結果として被用者年金の方から持ち出すということになるのではないかという問題点の指摘があって、私は議論が尽きていないというふうに理解をしておる。私もその点を指摘しておきましたから、各審議会の委員もそういう点で議論をしていると思います。これは大変なことではないか。私が申し上げた認識に誤りがあるかどうか、答弁をしてください。
#32
○吉原政府委員 国民年金の救済ではないかという御指摘でございますけれども、私どもの考え方はそうではございませんで、基礎年金というものを各制度の被保険者が公平に持つという考え方でございまして、特定の制度の救済とか財政援助であるということではないわけでございます。その具体的な各制度からの拠出金の仕方、負担の仕方といたしまして、それぞれの制度の被保険者の頭数に応じて一定の額をそれぞれ持っていただくという考え方になっているわけでございます。
 先生から御指摘のございましたような問題が生じましたのは、国民年金の場合に免滞率といいますか、免除者や滞納されている方を頭数に入れないのはおかしいということだろうと思いますけれども、基礎年金の費用をみんなで持つという場合には、やはりあくまでも保険料の負担能力のある方、現に負担をしておられる方で公平に持とうという考え方でございまして、国民年金においてもともと保険料を負担する力のない方にまでその分を出してほしい、出せと言うわけにはまいらぬだろうと私は思うのでございます。
 保険料を納めておられない方については、もちろんそういう方はできるだけ少なくしていかなければなりませんけれども、拠出なり給付に結びつかないわけでございます。あくまでも実際に拠出なり給付に結びついた方の費用というものを保険料を実際に納めた方の数でそれぞれ各制度から出していただこうということでございまして、やはり国民年金の場合には免除者などが頭数から除外されて計算される、それが一番公平な負担の仕方ではないか、私ども実はそういうふうに思っているわけでございます。
#33
○大原委員 負担能力のない者と言ったけれども、負担能力がある者が出さないのだよ、私が言ったのは。定額保険料という制度は、利子計算してみたら損なんですよ。だれもが言った。みんながやっておる。生命保険会社その他は、全部八分二厘で計算しますと個人年金になりますよ、今度は公定歩合が下がって、七厘下がりますよ、そうすると運用利回りが下がってきますよと。それは障害年金や遺族年金などについては金持ちは考えていないのですから、自分の財産で処理すると思っているのだから。そうすると、こんなに違いますよ、個人年金に入る方が得ですよと言って、上の方はどんどん落ちていくのですよ、下の方も落ちていくのですよ、定額保険料が上がれば上がるほど。そして免滞者の免の方は三分の一の国庫負担があるのですから、三分の一はやはり年金につながっているのですからね。計算することはできるわけですよ。だから、そういう非常に大きな欠陥がある。賢明な社労の今の委員長は元の次官だと思うのだけれども、山崎元次官はうんうんと盛んにやって、言った点を了承しておりましたが、あの方が賢明かもしらぬ。
 そこで、これは基本的に欠陥があるということと、そしてその裏づけとして、一つは国民年金の現在の累積積立金と、国民年金の五年年金、十年年金、その他ずっと今給付者もありますが、加入者もおるわけです。今加入している、二十五年になっておらぬが二十五年になる、そういう人で保険料を納める人がおりますね。そういう人のいわゆる年金に対する請求権、制度で言えば債務、その累積額は幾らになるか。国民年金の積立金は幾らで、債務は幾らか。
#34
○山内政府委員 お答え申し上げます。
 国民年金の現在までの年金費用がどのくらいのオーダーになるかは、実は五十五年の財政見通しを立てましたときの数字しかございません。今回の財政計算は給付現価方式ではございませんので、そういった意味で、私が念頭にございます数字は五十五年の財政レポートでございますが、過去に既に期間として発生している給付現価で当時の計算で約二十兆近い額を出しております。現在積立金が三兆台のオーダーということは、現在の積立金のオーダーでございます。
#35
○大原委員 その積立金の累積が三兆円という中には、この間私がもらいました資料を見ましても七千八百三億円の基礎年金勘定の分が入っているのですよ。だから、実際は二兆円くらいしかないのに、今まで保険料を払った人に対する現状における債務額は二十兆円を超えているわけですね。ですから、これが急速に成熟をしてきますとパンクするわけですよ。それを何とかしようということでやったわけですが、被用者の方から持ち出すということは四千五百億円を皆さん方認めておるわけだけれども、それ以上あるということを指摘をされておる点がいまだに、私が申し上げたように、問題としては決着がついていない、十分議論が詰まっていない、そういうことであります。しかも積立金の状況が示すように、国民年金は、これからの積立金を見てみましても、これが急速に成熟をしていきますから、二十五年を超えるのですから、六十五歳あるいは減額年金受給者がだっとふえていくわけです。
 それからもう一つ考え方の誤りは、障害福祉年金です。これは二十歳までですが、二十歳までの人々を対象として障害年金と同じようにベースをそろえたということはいいことです。当然のことです。だけれども、その財源を他の保険制度から全部振り分けて持ち出す、こういうことは問題があるのではないか。つまり二十歳以前は国民年金は保険料の対象になっていないわけですから、被用者年金の方においても大体そうですから、そうすると、それは保険になじまないものであって、社会保障的にというか、税方式によって国庫負担方式でやることがこれは当然であって、これを振り分けるということ自体にも持ち出しの結果になるという問題があるという点を指摘をしておきます。政策上の問題であります。
 そこで、所定の時間内におさめますのは当然ですが、余り厚生大臣に質問しないですが、あなたは年金担当大臣です。吉原局長なんかは年金担当大臣とは関係ないのですよ。厚生年金と国民年金の番人です。ですから、政府は閣議決定や行革の決定で昭和七十年に公的年金の一元化をすると言いましたが、自民党の田中調査会、亡くなった山口年金局長の知恵で昭和六十五年に全共済の統合をやるという方針を決定いたしまして、閣議決定は七十年の公的年金一元化であります。七十年の公的年金一元化のビジョンとそのプロセスというかスケジュールというか、五年ごとに財政再計算をして制度の大きい見直しをいたしますが、そういう問題点についてどういう考え方でやるのか。
 年金担当大臣はほかのことはわからなくてもいいけれども、こういうことはわからなければいかぬ。それはちゃんと押さえてやらなければ、年金担当大臣は制度を変えなければいかぬ、私は制度を変える論者でありますから。厚生大臣がやるというのは間違いだと思いますが、この前の年末の審議を通じましても増岡前厚生大臣は当事者能力を発揮できなかった。しかし、あなたが年金担当大臣になったのですから、私の質問に答えてください。
#36
○今井国務大臣 おっしゃいますように年金の担当大臣で、それだけに一生懸命これからも努めてまいりたいと思いますが、何さま私も年金は全くのずぶの素人じゃございませんがとてもとても大原先生のようなベテランでもございませんので、またいろいろ教えていただかなければいけませんが、少なくとも今回の改革によりまして基礎年金部分が一元化されたわけでございます。二階の部分につきましても、将来に向けての給付面での整合性はほぼ確保されたと私は見ておるわけでございます。
 今後どういう調整を図るかというのは政府部内でも十分に議論を尽くさねばならないと思いますが、いずれにいたしましても、今おっしゃいますように、昭和七十年を目途といたします公的年金の一元化というものの基礎は、何といっても制度全般につきまして長期的な安定と、それから給付と負担の公平というものを確保しまして整合性のとれた発展を図ることではないかと思っておりまして、こういった方向に向けて勉強してまいりたいと思っておるものでございます。
#37
○大原委員 今、実際はそういうふうになっていないのですよ。逆の方向にいっておるわけです。ただ一つ、昨年末の四共済の連合審査のときに、これは六つの常任委員会だったと思うのですが中曽根総理が出まして、統一見解を言ったところでは、結局は国鉄共済年金は六十四年までは財政調整五カ年計画で救済措置をとっているが、しかし今のままでいくと六十三年からパンクする、こういう問題については厚生年金から持ち出す、地方公務員共済から持ち出す、国家公務員やNTT、たばこからこれ以上持ち出すということはない、そういうことを答弁いたしました。ということは、国の負担と国鉄の自助努力によってやるというふうに答弁をいたしました。そこで、六十五年の四共済の統合、それによる国鉄の財政調整、こういう問題はない。
 そこで、厚生年金の角度から見解を聞いてみたいのですが、そういう今までの審議の過程や昨年末の統一見解から見て、負担と給付の公平をやるというのはスローガンにすぎないのであって、逆のことをやろうと思ってストップがかかったわけです。例えば厚生年金には二階と三階を一緒にした、企業年金と一緒にした年金基金というのがあります。たしか積立金が五兆円ぐらいあるはずです。適格年金を入れましたら約半数が厚生年金の人が入っています。それで、一階と二階、報酬比例部分を全部一緒にするのですか。財布を一本にするのですか。
 例えば年金審議会のどの審議会にも出ておる人は村上清君と朝日新聞の橋本司郎君ですが、その橋本司郎君の意見は、これは一階、二階を一緒にするのだ、こういうことです。財布を一緒にするのだ、そういうことをそのまま言っております。厚生省はそのことについてどう考えておるのか。つまり公的年金一元化の中で厚生年金はどういうふうに組み合わさっていくのかということを、意見としてどういう意見を持っているかということを厚生省サイドから答弁してください。
#38
○吉原政府委員 これから昭和七十年度をめどにした公的年金制度の一元化をどう進めていくか、率直に申しまして具体的な姿はこれから各制度間、各省庁間でよく議論をして詰めて決めていくことになっているわけでございます。今御質問のございました一階部分、二階部分を一本にするのかどうかということでございますが、一階部分は今度の基礎年金の創設によりまして完全な形で一本化をされた。問題はこれから二階、三階部分の問題だろうと思います。
 しかし、二階、三階部分も給付の面では先ほど大臣もお答えいたしましたように、いろいろまだ細かい点の違いはございますけれども大体整合性はとれたというふうに思いますが、これを完全な形で制度的にも一本にするかどうか。具体的に言いますと、あらゆる共済制度を厚生年金の中に、厚生年金の報酬比例部分に一本化するかどうかにつきましては、これはまたいろいろなそれぞれのお立場での御議論があろうと思いますので、今そういう方向が一番いいというふうには申し上げる段階には来ておりません。
 これはこれからいろいろ議論をさせていただいて国民的な合意というものがどういう方向に向かっていくのかというようなことを踏まえて検討させていただきたい、こう思っております。
#39
○大原委員 もう時間がありませんから、これで終わりですが、今の答弁は今までの大臣以上にあいまいな答弁です。だから、これは私は全然納得しておりません。いいかげんなことを言っている。つまり昨年の統一見解で事実上はもう公的年金一元化の方に今までずっと進めてきた構想は白紙へ返った。原点に返ったのです。ここからやり直す。
 そこで私どもが指摘しておるのは、基礎年金か基本年金がという制度審以来の議論がありますが、その基礎年金を制度は横割りでいいけれども内容は基本年金的なものに、私どもの社会党が言っているそれを補強した基本年金というものに改造して、二階、三階についてももう一回洗い直していかないと一階も社会保険方式、二階も社会保険方式ということではそれは成り立っていかない。その矛盾点だけを指摘して、政令問題で決着がついていないところを申し上げたのです。
 最後に、社会労働委員長は非常に物わかりいいと思うから私は委員長に運営上頼むわけですが、他の関係委員会もあることですから、今の時点で、国鉄の財政調整やった、国民年金法等去年四月にやった、昨年末に四共済やった、それを通じてみてたくさんの問題が出ておるから、やはり基礎年金を含めて、そして今の基礎年金勘定、出し入れの問題を含めて国会として洗い直してみる必要がある。
 今までのことから言うと、政府にはそういう当事者能力ないです。ですから国会で、そういう場所をここだけではできませんけれども、政府全体が出る形で、国会でも関係者が集まる形で基礎年金からその勘定を洗い直してみて本当に基礎年金になるのかどうかということをやらないと、この基礎年金で国民年金を安定させようということはできないというふうに思うわけです。そういう点を私の意見として委員長胸にとどめておいていただきたいと思います。運営上いろいろな意見がございました。わかりますね。どうぞ。
#40
○山崎委員長 せっかくの御提案でございますので、議運でお諮りするような案件だと存じますから、議運に伝えておきます。
#41
○大原委員 それは社労理事会でもやってくださいよ。
 たくさん問題が残っているということで、私の質問は終わります。
#42
○山崎委員長 大橋敏雄君。
#43
○大橋委員 先週に引き続きまして、年金関係法案に対して質問したいと思います。重複する点があると思いますけれども、明確に答えていただきたいと思います。
 私は、先週、大蔵省がことしの一月に提出しました「中期的な財政事情の仮定計算例」という資料を提示しまして、それに基づいて政府の財政経済政策の失敗を指摘しました。特に問題点は、その失政のツケが毎年毎年福祉の切り捨てという形でしわ寄せがなされてきている。六十一年度も一兆一千百億円の削減を余儀なくされた、御承知のとおりでございます。
 そこで、私は、こんな状態が今後とも続くのでしょうか、もしそうであるならば、まさに憲法第二十五条の精神にも逆行するものであり、許されない問題だ、この点について大臣の見解を伺ったわけでございますが、きょうも改めてこの点を聞いておきたいと思います。
#44
○今井国務大臣 今後の予算の編成がどうなりますかは、まだ六十一年度の予算が御審議中でございますから、何とも申し上げられませんが、今後とも人口の高齢化などが進みますので、相当規模の当然の増が生ずることはやむを得ないことでございまして、当然だろうと思います。したがいまして、従来のような手法で予算編成を行いますことが一層困難になるのではないかと私も考えております。しかし、社会保障の面で見まして、実質的な水準はそのような状況でありましてもこれを維持していかなければならぬというふうに私も考えております。したがって、今後そのための具体的な方策について、予算の編成のあり方なども含めて関係当局とも十分相談をしながら幅広い観点から研究しまして、できる限りの知恵を絞りましてひとつ国民福祉の確保というものに万全を期してまいりたいと考えておるものでございます。
#45
○大橋委員 社会保障や福祉政策、またその対策というものは、本質的には景気の変動に一々左右されたりあるいは連動されていく性質のものではないと私は考えているわけであります。したがいまして、社会保障政策等の強力な推進に当たりましては、またこれらに左右されないためには、別建ての形と申しますか中長期的展望に立ちまして計画的な対応と運営を行うべきだと私は思うのでございます。
 そこで、最近、社会保障特別会計の創設が話題となってきているわけでございますが、この辺の事情から見てそういう問題が起こってくるのも当然ではないかなと私は考えるわけでございますが、この点についての御見解をもう一度聞いておきたいと思います。
#46
○今井国務大臣 おっしゃいますように、社会保障の予算につきましては、高齢化が進むことやらあるいは年金が成熟化することなどによりまして、毎年相当規模の当然増が避けられないという性格を持っておりますことはそのとおりでございます。そういったことから、社会保障予算につきまして、一般会計から切り離して社会保障に関します給付と負担の関係を明確に示すことが必要ではないかということで増岡前大臣が試案を示されまして、今後の社会保障財政を展望する上で、この試案というものは極めて示唆に富んだものだと私も考えております。
 しかしながら、この問題というのは国の財政規模、財政構造全体、また今後の社会保障の進め方にも大きくかかわる問題でございますので、この考え方を含めまして幅広い角度から十分な検討を行ってまいらなければならぬというふうに考えております。
#47
○大橋委員 そこで、注意せねばならない問題点を申し上げておきます。
 社会保障特別会計の創設ということあるいは福祉目的税の導入という問題が考えられてくるわけでございますけれども、このことが大型間接税の導入による大増税への隠れみのになってはならないということを私は改めて主張しておきます。厳重注意をせねばならぬ問題だと思いますし、もしそういうことになれば国民の期待を裏切るものだということを厳しく指摘しておきます。
 これは私見でございますけれども、私は基礎年金の将来を考えますときに、その長期的安定を図るとすれば、先ほど大原先生も言っていたとおり、現在の保険料では崩壊の運命にあるのではないか、現行の半分以下の額として、不足財源につきましては目的税等によってカバーしていくのが妥当ではないかな、将来は基礎年金の財源についてはすべてを税方式で賄っていくという方向に行くべきではないかおという気さえしているわけでございます。これはあくまでも私見としてとどめておきます。
 そこで、次に移ります。
 国民年金の保険料免除者数の問題が今も出ておりましたが、私も先週、五十八年度から五十九年度とわずか一年間で十万人増加している、しかも、それは申請免除者の数が十万人ふえているということであります。また、昭和六十年で六十五歳以上の人口は千二百十一万人でありますけれども、無年金者が九十一万人にもなっている、パーセントで七・五%、こういう実態を見ますときに、基礎年金の将来が非常に心配になるのだ。いよいよこれからもう保険料が払い切れないという人等が出てきまして免除者数が増加していったりあるいは無年金者が増加していったら、基礎年金本来の趣旨が根本的に崩れていくのではないかなということを私は先週申し上げたわけでございますが、この点についてもう一度お尋ねしたいと思います。
#48
○吉原政府委員 基礎年金の保険料が将来ピーク時においては五十九年度価格において一万三千円程度になるわけでございますけれども、それに伴って保険料免除者がふえる心配があるではないか、その点は私どももそういった心配は率直に言って持っております。しかしながら、今回の基礎年金制度におきましては、従来からの保険料免除制度というものもございますし、できるだけ無年金者を少なくするようないろいろな制度的な措置なり手だてを講じているわけでございまして、私どもはあくまでも社会保険方式、従来も長い間こういった方式でやってまいりましたので、社会保険方式という考え方を堅持しながら、基礎年金というものを受けられる人ができるだけ多く、またできるだけ高い、五万円に近い年金が受けられるような行政上の努力、制度面の検討はこれからもさせていただきたいと思います。
 ただ、税方式に切りかえることがいいかどうかについては、そういう御意見も十分踏まえまして今後の検討課題にさせていただきたいと思います。
#49
○大橋委員 基礎年金の本来の趣旨というものは、男であれ女であれ、あるいは貧しいとかあるいは豊かだとかそういうこととは関係なく、一定の年齢に達したならば最低生活を保障する年金を支給しよう、つまり公正な制度であることが肝心でありますし、それが基礎年金本来の趣旨でございます。いわば憲法第二十六条に「義務教育は、これを無償とする。」とありますね。これは男女あるいは貧富の差別なく完全に保障しているわけですね。それと同じような精神に立脚しなければならぬのが基礎年金というものではないかと私は思えばこそ、先ほど申し上げたことを言ったわけであります。現状のままで推移する基礎年金というものはあくまでも名目だけのものだ、実際は保険料が支払われる人だけのための年金である、こういうふうに見れるわけですね。もしこれでやるならば基礎年金本来の公正さを欠くのだ、そういう制度になるぞということを私は指摘したいのであります。
 そこで、基礎年金の本来の趣旨を全うするためには、その財源はやはり税方式が妥当である。公明党が十年前に国民基本年金構想というものを提案いたしましたが、そのときはやはり税方式を主張していたわけでございますけれども、国民の世論が社会保険方式を希望するとの声が非常に大きかったことから、これもやむを得ないかなということで認めたわけでございますけれども、それはあくまでも、保険料はだれでもが払いやすい水準にとどめるというのが前提で私は認めたわけであります。
 したがいまして、先般の年金の審議のときにも、基礎年金の保険料は、均等割あるいは所得割保険料の組み合わせ等を工夫すべきではないかということを主張し、また修正要求の中でも取り上げたわけでございますが、これに対しては、そういう問題も含めて早急に根本的な見直しをいたしますというような回答がなされたと私は記憶しておりますが、この点はいかがですか。
#50
○吉原政府委員 基礎年金の水準、それから費用負担、保険料の負担のあり方、そういったものも含めまして今後検討するということが先般の年金法改正の際の修正項目として法案の中に明記をされたわけでございます。私ども、現在は新しい制度の施行に全力を挙げておりますけれども、施行が軌道に乗った段階におきまして、そういった宿題になっております課題については勉強を始めさせていただきたいと思います。
#51
○大橋委員 先般の年金制度の大改革で、四月からいよいよ発足するわけでございますが、障害福祉年金あるいは母子福祉年金の対象者はまさに大改善になったわけですね。ところが老齢福祉年金対象者のみが取り残された。今回の法案の改正内容を見ましても、わずか七百円のアップにとどまっておりますね。これは私は非常に片手落ちであったということで、この老齢福祉年金対象者の年金も、一挙に上げるというのは無理でしょうから、少なくとも十五年ぐらいかけて、徐々に徐々にでもいいからその基礎年金の額に近づけていくべきではないか。
 しかもその財源は、今基礎年金は三分の一の国庫負担となっているけれども、その当時の国庫負担の水準からいくと四割にしてもまだ下回る程度だから、その四割を目指して、徐々に徐々に十五年ぐらいかけてやっていきなさいよということを主張しましたけれども、これは頑として受け入れられなかったわけです。
 そこで、今度の年金の大改革の結果によりまして老齢福祉年金の受給者は大幅に減少しました。百七十二万六千人。支給総額も六千八百五十五億円。また、この老齢福祉年金受給者は、昭和八十五年にはもうゼロになるのです。なくなるわけですね。だから国庫負担も、大改革によりまして従来の国庫負担と比べると大変に少なくなってきているわけでございますから、これは厚生省の資料もちゃんと持っておりますけれども、先ほど申しましたような我々のこの気持ちを酌んで、老齢福祉年金対象者に対してももっと根本的な改善対策を考えるべきではないかということをここで私が主張しますので、これに対してどうお考えなのか、お答えを伺いたいと思います。
#52
○吉原政府委員 今度の新しい制度におきましては、既に六十歳以上の方で現に年金をもらっておられる方につきましては現状どおりということにいたしまして、新しい制度の対象にはしていないわけでございます。これは拠出制年金、福祉年金を問わず現行の水準を現在の受給者の方については維持をしていくという考え方で、老齢福祉年金も拠出制年金と同じような、あるいは厚生年金と同じような取り扱いになっているわけでございますけれども、老齢福祉年金につきまして私どもできるだけ給付の改善を図っていきたいという気持ちは先生の御指摘と全く同じでございまして、従来も物価スライド等の努力はしてまいりましたけれども、今後ともその財政の許す範囲内でこういった福祉年金の充実については努力をしてまいりたいというふうに思っております。
#53
○大橋委員 これは厚生省の五十九年度価格の資料でございますけれども、国庫負担の見通しをあらわしておりますが、昭和六十一年は現行でいけば二兆七千億、改正法で同じですけれども、それが昭和七十年になりますと、現行でいけば四兆四千億国庫負担をしなければならぬのが四兆一千億で足りる。七十五年には五兆五千億、それが四兆七千億でよろしい。八十年では六兆五千億必要であったはずなのに五兆二千億でよろしいというわけで、どんどんと国庫負担は減少される見通しなんですよ。これが現在の大改革の結果なんですよ。それだけに、国庫負担が和らげられてきているわけですから、やはり老齢福祉年金対象者をもう少し、あんなにみみっちい七百円程度の引き上げではなくて大幅に引き上げていく計画を立ててほしいことを要望しておきます。
 そこで、もう一つこの際お尋ねしておきますが、基礎年金は五十九年度価格で五万円でございましたね。その当時我々公明党は五万五千円が妥当だということで大議論をいたしました。ところが、いや五万円が実態調査の結果で正しいのだというような御答弁があったわけでございますが、政府の五十九年度全国消費実態調査結果というものが発表されました。ついこの前ですね。
 それによりますと、公明党の主張がまさに正しいということが出ました。その厚生省が資料となさったのは食料費、それから住居、光熱・水道、家具。家事用品、被服及び履物、この費用まででとどめて五万円だとおっしゃっていたのですけれども、これを計算してまいりますと五万四千四百五十二円になっております。我々公明党は、これに保健医療、交通通信も含めなさい。もしそれを含めると六万四千九百七十六円になるわけでございますが、この保健医療と交通通信費を厚生省の言うとおりに差し引いたとしましても五万四千四百五十二円、約五万五千円という実態調査が出たわけですから、公明党の主張がいかに妥当であったか、正しい主張であったかということを改めて私は確認をとりたいと思うのですが、いかがですか。
#54
○吉原政府委員 私ども五十九年度価格で五万円という基礎年金の水準は、お話しございましたように、五十四年の全国消費実態調査の数字をもとにしてそういった水準をいわば決めさせていただいたわけでございますけれども、五十九年の調査、これは結果は出ておりますけれども、詳細についてはまだこれからのようでございますが、そのおおよその概要を見てみますと、確かに私どもが考えていたより数字が高くなっていることは事実のようでございます。ただ、厳密に申し上げますと、私どもは六十五歳以上の無業の高齢者、老人の方の生活費を五十四年度では使ったわけでございますけれども、五十九年の調査ではその数字が実は出ておりませんで、六十歳以上の高齢者一般の方の数字しか出ていないわけでございまして、実は厳密な意味で五十四年と五十九年の調査が比較できないという点があるわけでございます。
 ただ、私どもが推計いたしましたよりも若干五十九年の方が高くなっていることは事実でございますけれども、先生の御指摘ございました五万四千円というのがどういう数字か、ちょっと私、今初めてお伺いしたわけでございますけれども、大体私どもの推計では、五十九年をもとにいたしましても五万円をちょっと超えるというのがいわば基礎的な支出の費用のように思いますので、まずまず五万円というのは妥当な水準ではなかったかというふうに思っているわけでございます。
#55
○大橋委員 おっしゃるとおりです。私の資料は高齢単身者世帯の六十歳以上の生活実態です。じゃ、参考のために申し上げておきますが、食料費が二万四千五百十二円、住居費一万五百九十二円、光熱・水道費七千二百六十三円、家具・家事用品六千百六円、被服及び履物五千九百七十九円、合計しますと五万四千四百五十二円、約五万五千円、こういうわけでございます。多少計算の項目の基礎が違うけれども、公明党も極めて妥当な線で要望していたことを胸にしっかりとおさめておってください。
 じゃ、次に移りますと、年金積立金の安定確保ということについて、有利運用の問題があるわけでございますが、この年金積立金の有利運用についての厚生省の基本的な見解をまずお伺いしておきたいと思います。
#56
○今井国務大臣 年金の積立金につきましては、年金財政の長期的な安定とか保険料負担の軽減といった観点から、できるだけ高利に運用することが重要な課題だと私は考えております。
 年金積立金の別建ての高利運用につきましては、御案内のように昭和六十一年度はこれを見送ることにいたしましたが、今後厚生省、大蔵省両省で、意見の相違はあるものの、引き続き検討、協議を行うことになっているわけでございます。厚生省といたしましては、やはり年金の資金にふさわしい別建ての高利運用、こういうものの実現に向けてさらに努力を続けてまいりたいと考えております。
#57
○大橋委員 厚年、国年の積立金の六十一年度末残高は幾らでしょうか。
#58
○吉原政府委員 厚生年金、国民年金の積立金残高でございますが、六十一年度末で五十七兆五千億円。なお、六十年度末におきましては五十三兆三千億円、六十一年度末五十七兆五千億円の予定でございます。
#59
○大橋委員 六十一年度末残高は五十七兆五千億円というお話でございますが、積立金の有利運用をするかしないか、一%違っただけでも五千七百億円というようなことになるわけでございますから、積立金の運用のあり方は極めて重大な問題です。しかも、積立金は政府のお金は一銭も入っておりませんし、全額被保険者あるいはその関係者、国民のお金でございまして、これを財投資金がどうのこうのと言って完全に押さえ込まれるような形では私は許せない、こう思います。
 そこで、公的年金各制度の積立金の運用状況、これは五十六年度末現在の資料が私の手元にあるわけでございますが、厚生、国民年金、これは統合運用、国公共済は自主運用、地方共済は自主運用、こうなっておりますけれども、積立金額を一〇〇としまして、「福祉運用」欄を見ていきますと、厚年、国年はわずか五・五%です。国公共済は四一・一%、地方共済は四六・四%。余りにも格差があり過ぎると思うわけでございますが、この点について私は、大蔵省に対して厚年、国年の自主運用についてもっと積極的な姿勢で取り組むべきだということをここで主張したいのです。いかがですか。
#60
○吉原政府委員 私ども御指摘の考え方と全く同じでございまして、これから厚生年金、国民年金の積立金につきましては、全額を資金運用部にいわば低い金利で預託をするのではなしに、安全確実ということはもちろん一番大切でございますけれども、できるだけもっと有利に回していくという考え方をとっているわけでございます。
 還元融資なり福祉運用のあり方につきましても、従来は新規積立金の増加額の三分の一が還元融資ということでございましたけれども、還元融資のあり方につきましても、今後そういったより有利な運用、高利な運用との関係で見直しをしていかなければならないというふうに思っております。
#61
○大橋委員 時間が迫ってまいりました。最後にお尋ねしますが、今回の改正案の還元融資の枠内での三千億円の年金福祉事業団の新規事業というものはどのような趣旨で行っていくのかということが一つと、その事業団の運用対象の幅についてお尋ねしたいのですが、この法案の中に「国債、地方債その他確実と認められる有価証券の取得」とあるわけでございますが、この幅の内容といいますか、これをお示し願いたいと思います。
#62
○吉原政府委員 今回、年金福祉事業団において三千億のいわば有利運用、資金運用が認められたわけでございますけれども、これにつきましては、私ども、具体的な運用対象といたしまして、国債とか地方債といった確実と認められる有価証券、それから厚生大臣が指定した預貯金、それから民間の信託銀行等に対する金銭信託、その三つの方法によって運用したいということを考えておりますけれども、当面、具体的には民間の信託銀行に対する金銭信託の形でより有利で確実な運用を考えてまいりたいというふうに思っております。
#63
○大橋委員 じゃ、もう一つ最後に、簡単に申し上げますと、その幅は共済並みにするという意味なのか、あるいは簡保並み程度なのかということについて、簡単なお答えで結構ですから。
#64
○吉原政府委員 基本的には共済なり簡易保険の場合と大きな差はございません。細かい点につきますと、若干の差はございますけれども、基本的には同じ考え方でございます。
#65
○大橋委員 じゃ、終わります。
#66
○山崎委員長 塚田延充君。
#67
○塚田委員 私は児童扶養手当に絞って御質問させていただきます。
 昨年の児童扶養手当法の改正の際、新規認定分から離婚した父の所得が一定額以上の場合には支給しないという改正が行われたわけですけれども、衆議院における修正によって別途政令で定める日から施行されることになりましたので、この施行日を定めるに当たっては、父親の扶養義務の履行状況及び父の所得の把握方法の状況などを勘案することになっているわけでございます。方、厚生省児童家庭局に設置されておりました離婚制度等研究会が昨年十二月に報告書を提出しております。そこでは、別れた父親の扶養義務の履行状況の実態にかんがみまして、扶養義務の履行確保のための方策についていろいろな提言がなされているわけでございます。
 そこで、厚生省にお尋ねいたしますが、この離婚制度等研究会の報告書の概要、とりわけ父の扶養義務の履行確保のための方策についてどんな提言がなされておったのか、その内容についてお尋ねいたします。
#68
○坂本政府委員 昨年の十二月に離婚制度等研究会の御報告が提出されたわけでございますが、この報告の概要でございます。
 まず、近年の我が国における離婚の概況あるいは離婚が家計、家事に及ぼす影響、対策の現状、こういったものを分析いたしまして、さらに我が国の離婚制度と外国の離婚制度との比較を行った上で、我が国における離婚制度の問題点を指摘しておるわけでございます。特に、以上の現状分析を踏まえまして離婚制度等の再検討につきまして具体的な提言が行われております。
 その中でも、とりわけ離婚後における父の子に対する扶養義務の履行の確保の問題についてはいろいろと議論がございまして、これはまだ最終的にこのような改正をすべきであるというところまではまいりませんけれども、具体的な例として幾つかの提言がございます。例えば、子供の監護につきまして離婚の際に取り決めがある場合には、それを離婚届書に明確に記載させるというようなことであるとか、あるいは民法におきまして現在子の養育費の支払い義務について規定が必ずしも十分ではないという前提に立ちまして、そのような規定の整備を行うこと、さらに養育費のような継続的に一定の金銭を給付していくといういわゆる定期給付債権につきましては、毎回毎回特別の手続を必要とせずに一度執行の申し立てをすれば定期的に例えば給与などから天引きが行われるような手続を設ける、こういったような提言がなされております。
 いずれにしましても、現在の離婚制度の中において、別れた父の子に対する扶養義務の履行については諸外国に比べて明確になっていない部分がございますので、そういった面についてできるだけその履行を確保するための方策についていろいろな御提言がなされた、こういうことになっております。
#69
○塚田委員 それらの具体的な提言に対しまして、厚生省自体としてはどのように対応されるおつもりでおられますか。
#70
○坂本政府委員 今申し上げましたように幾つかの提言がございますが、これは大体において民法の問題が中心でございます。民法の問題になりますと、直接厚生省が所管しておりません問題があるわけでございますけれども、いずれにしても現在の離婚の状況にかんがみまして、この研究会の御提言、御指摘というものは十分考慮し尊重して今後の福祉対策に役立てていく必要があろうかと考えております。
 そこで、民法の問題になりますと直接には法務省でございますし、また、実際のいろいろな手続等については裁判所といったようなところも関係してまいりますので、この研究会においてもそれらの機関の関係者の方にも御参加いただいたということもありまして、今後、関係方面に報告書の内容を十分伝えて検討をお願いいたしまして、さらに私どもとしても十分協力をいたしまして、報告書の趣旨の具体化に努めてまいりたいと考えておる次第でございます。
#71
○塚田委員 父親の所得によるいわゆる支給制限の施行に当たりましては、今出されておりますこの提言に述べられた父の扶養義務の履行の確保のための方策がきちんとできるまでは簡単に制限を施行すべきじゃないと私は考えているのです。民法改正のためにどうのとか、法務省との検討がどうのとかいえば、これまた三年かかる、五年かかるということなんですけれども、提言に基づいてそういうような対策がきちんとできる前に施行はすべきじゃないと私は考えているわけでございます。
 しかしながら一方、提言の内容を法務省あたりが民法改正という形で、また裁判所の施行細目の改正によってできるまでは時間がかかるわけですけれども、厚生省自体として履行確保のための方策、単独に考えられるようなものがあるのかどうか、どういうことを検討すべきとお考えになっているのか、その辺の事情について厚生省のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#72
○坂本政府委員 昨年の改正において設けられました規定で、別れた父に一定以上の所得がある場合に児童扶養手当の支給制限をするという条項がございますが、これにつきましては、附則において「政令で定める日から施行する。」その「政令を定めるに当たっては、婚姻を解消した父の児童に対する扶養義務の履行の状況、当該父の所得の把握方法の状況等を勘案しなければならない。」こういう規定がございますので、今後この政令を定めるに当たっては、私どももこの附則の定めるところの趣旨を十分尊重し、それに合うような方法で実施をする義務があろうかと考えておるわけでございます。
 そこで、離婚研の中でいろいろ提言がございました条項について厚生省として独自に実施できるものがあるかというお尋ねでございますが、先ほど申し上げましたような離婚の手続等における民法上の諸問題については厚生省独自でというわけにはまいりませんので、関係の省庁にこちらの方からもいろいろとお願いをし、また御協力を申し上げるということによって対処していきたいと考えております。
 なお、先ほど申し上げませんでしたが、そのほかに相談体制の充実というようなことも提言の中にはございまして、そういう面についてはできるだけ厚生省の側でも整備に努めてまいりたいと考えておる次第でございます。
 いずれにいたしましても、先ほど申し上げました法律の附則によりまして、「父の児童に対する扶養義務の履行の状況、当該父の所得の把握方法の状況等を勘案しなければならない。」ということになっておりますので、この条文の趣旨を十分に配慮いたしまして今後の検討を進めてまいりたいと考えております。
#73
○塚田委員 前回の改正の根本的な考え方というのは、子供の養育についてはまず別れた父親がその責任を果たすべきだという精神が生きておったわけでございますが、その精神そのものについてはまあ理解せざるを得ないと私も踏んでおります。しかしながら、その父親の扶養義務の履行が実態としては十分に確保されていないのだということでございますから、そういう実態についてとにかく着目すべきであって、子供の権利の確保のためにも、政府全体で扶養義務の履行のために具体的な方策に取り組んでいくべきだと思っております。
 そういうことで、繰り返しになりますけれども、これにつきましては、厚生大臣の方から、いわゆる政治を預かる者として、離婚した父親の扶養義務の履行が確保されるような方策をどうするのか、大臣としての見解をお尋ねいたします。
#74
○今井国務大臣 お説のとおり、父親の扶養義務の履行確保という問題は離婚後の家庭の権利確保の問題でもありますし、厚生省はもとより、法務省など関係当局の機関が連携をとりまして取り組まなければならない重要な問題と考えておりまして、この点については先生の御趣旨を十分踏まえてやってまいりたいと思っております。
#75
○塚田委員 そこで、大臣に確認をしておきたいのですけれども、いわゆる中途半端なまま政令が施行されて支給制限を受けるケースがふえてくると、母子家庭にとりましては死活問題が起きてくるはずでございます。となりますと、やはり履行確保について厚生省としてきちんと自信が持てるまでは、政令の施行は、当分の間などと言わず、ちゃんとできるまでは絶対やらないというくらいの確認をお願いしたいのですけれども、大臣の答弁をお願いいたします。
#76
○今井国務大臣 確かにおっしゃいますように、別途政令で定める日から施行することにしておるわけでございますが、それまでに、私どもといたしましてはやるべきことは十分に各方面とも接触をし、お説のとおり十分いろいろな問題を配慮しまして万遺漏なきを期して慎重にやってまいりたいと思っております。拙速を極力避けたいと思っております。
#77
○塚田委員 同じことの確認になりますけれども、私はまだ政令を施行すべき条件はほとんど整ってないと思っているのですけれども、いつそういう条件が整うと考えられますか。
#78
○坂本政府委員 現時点においては、私どももまだいつになればというようなことについての明確な見通しまでは持っていないというのが実情でございます。
#79
○塚田委員 大臣から拙速を避けるということを御答弁いただいたわけでございますが、そういうことで、慎重な上にも慎重を期して、条件を整えるために全力を挙げていただき、その間母子家庭が安心できるようにぜひお願いしたいと思います。
 今まで父親の所得制限について質問申し上げておったわけですけれども、今度は母親自体の問題でございます。
 この前の改正によりまして、母親の年収、今までであれば三百六十一万というのが線切りのところでございましたが、これからは三百万円になるはずでございます。これが現在のところ経過措置ということで七月末までは前のままやっておるようですけれども、本年の八月一日からそういうわけで、今まで受けておられたにもかかわらず、所得制限にひっかかって手当が受けられないという母子家庭がどっと出てくるわけでございます。まあ三百万の所得があれば大丈夫であろうとたかをくくったのかもしれませんけれども、私は、これは重大な社会問題になりかねない要素をはらんでいるのじゃないかという気がいたします。
 そこで、厚生省にぜひお願いしたいのは、即刻いわゆる給付を打ち切られた母子家庭の実態調査、追跡の用意にすぐ着手してほしいと思うのですけれども、そのようないわゆる支給を打ち切られた家庭に対するフォローの調査をするというような御計画がおありでしょうか。
#80
○坂本政府委員 昨年の法改正によりまして、一定以上の所得がある場合に児童扶養手当の支給を制限するというその限度額につきましては、従来の金額から少し低い金額に改められることになったわけでございます。
 この改正によって支給の制限を受ける方についても、直ちに法律改正後支給を停止するというのはいろいろな意味でショックが大きいということもございますので、特に経過措置を設けまして、六十一年の七月までは従来どおり手当を支給するという措置をとったわけでございます。したがいまして、現在の段階ではまだこの経過措置が続いておりますから、実際に支給の制限が行われるのは八月以降、こういうことになるわけでございます。
 私どもとしては、こういった方々については、昨年の改正に合わせまして児童扶養資金の貸付制度というものも創設をいたしました。そして、いろいろな有利な条件で、所得が一定額以上に達したために児童扶養手当の全部または一部の支給制限を受けられる方には児童扶養資金を貸し付けよう、こういうことになっております。その貸付額につきましても、児童扶養手当の月額と同様の資金を貸し付け、さらにその償還につきましても無利子という扱いをいたすことにしております。
 それからさらに、児童扶養手当が仮に受けられなくても、母子家庭であるということでありますれば、これは現在いろいろ講じられております母子福祉対策の対象になるわけでございますから、例えば母子家庭相談員の相談なりあるいは福祉事務所における相談指導、それから各種の自立促進事業、生活指導、こういったものの対象になるわけでございます。
 さらに、先ほど申し上げました児童扶養資金以外の、幾つか種類がございますけれども、母子福祉資金の貸し付けも可能でございます。
 そういうことで、総合的にいろいろな対策を講じて、児童扶養手当の支給が停止された方についても万全を期していきたいと考えておりますけれども、これは一般の母子家庭対策の中において考えていこうということでございますので、現在の段階では、私ども特に個々の受給者について個別の調査ということまでは考えておらない状況でございます。
#81
○塚田委員 いずれにしましても、この前の児童扶養手当の改正のために母子家庭は大変苦しい対応を強いられているわけでございますので、今後とも母子家庭のいわゆる生活破綻が起きないように、万全を期してフォローを厚生省の方にお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
#82
○山崎委員長 浦井洋君。
#83
○浦井委員 五人未満事業所の問題についてちょっとお尋ねをしたいのですけれども、今度のいわゆる年金法の改正で、五人未満事業所も適用されるということになるわけでありますが、この前も質問で出ましたけれども、大体どういう手順、どういう計画で進めていかれるのか、まずお聞きしたい。
#84
○長尾政府委員 お答えをさせていただきます。
 五人未満事業所の適用拡大の順序でございますが、三年間ということで進めていくわけでございますけれども、六十一年度は、いわゆる未適用業種の五人以上の事業所の方々についての適用をいたしまして、次に五人未満に取りかかりたいというふうに思っております。
 五人未満の次の計画については、人数の規模のところで区切って考えてまいりたいと思っておりますが、その点はまだ決定をいたしておりません。
#85
○浦井委員 まだ具体的にははっきりしておらないようであるので、私の方からも提案をしておきたいと思います。
 これは厚生省、社会保険庁当局もよく御承知のように、大企業にとっては保険料負担というのは、だんだん合理化していってロボットとかいろいろなことで余り大したふえ方はしないわけなんですよね。ところが、中小零細企業になればなるほど人手を使うものですから、今の保険料徴収の基本からいって人頭割みたいな格好になりますから、やはり相対的にふえるということが言えると思うのです。
 私どもは前から主張しておるのですけれども、例えば北欧のフィンランドなんかでもやっておりますように、合理化の度合いに応じて保険料率を変えるという、仮称でありますけれども、私たちは調整保険料というような言い方をしておるのですけれども、企業の資本集約度に応じて保険料率を決定していく、こういうような制度を導入して中小零細企業に適用することには賛成なんですけれども、やはり保険料が事業主にも被保険者にも余り負担にならぬような、そういうような考え方はお持ちではないですか、また実施する気はないですか。
#86
○吉原政府委員 我が国の場合には、御承知のとおり社会保険料というのは、賃金、つまり標準報酬に対する一定割合を事業主なり本人が二分の一ずつ折半で負担をするというようなことで長年やってきておりますし、それで既に定着をしているわけでございます。やはり社会保険料の負担の仕方としては、現在の時点においてもなおこれが最善なのではないかというふうに私どもは思っておるわけでございます。
 確かに、北欧諸国におきまして、企業の資本金でありますとかあるいは生産高に応じた保険料、保険料といいましても、それは実質どうやら税金に近い性格のもののようでございますけれども、そういう費用の負担の仕方をしている国があるようではございますけれども、それは、今申し上げましたように、保険料というよりも実質的な税、税方式の年金においてそういう取り方をしているということのようでございまして、我が国の場合には、やはり社会保険料負担は標準報酬なり賃金に対する一定割合で負担をしていただくのが一番いいのではないかというふうに思います。
#87
○浦井委員 吉原さんはそういうように言われましたけれども、やはり技術革新が物すごいですから、今私が述べましたような形で、必ずしも社会保険方式だからといって今までのやり方が――今の時点ではこの方法が適当だというような表現をされたわけですけれども、これは十分考慮に入れて、高齢化社会あるいは技術革新の二十一世紀に入った場合にはやはり変えなければならぬだろうというふうに私は思うのですけれども、バランスがとれないようになりますから、非常に不公平感が表に出てきますから、そういう点でぜひ要望しておきたいと思います。どうですか。
#88
○吉原政府委員 社会保険方式で年金をやっている限りにおきましては、私はやはり今の方式を今後ともやっていくべきだというふうに思いますが、年金制度を税というようなことで考え直すということになりますと、それはいろいろな考え方が出てくるということは申し上げられると私は思います。
#89
○浦井委員 もう一つのケースは、今度は元請、下請の関係ですね。建設業なんかの場合には、やはり小さな企業は大きな企業の下請にならざるを得ぬような状態に今なっていますね。だから、そういう中で、中退金なんかで実施されているように、下請代金の中に保険料の分が確保されるというような点で、関係省庁と協議をしたりあるいは業界と協議をしたり、下請、孫請に不利にならないような、そういう軽減措置は考えられないものですか。
#90
○吉原政府委員 中退金の場合に、そういう仕組みをとっているとすればどういう考え方なのかということはなお勉強させていただきたいと思いますけれども、今の時点ですぐそういったことが社会保険、年金の場合にとり得るというふうには、申しわけございませんが考えられないわけでございます。
#91
○浦井委員 それからもう一つの問題は、大体中小零細企業に働いておられる方というのは、転職なんかを繰り返しておる人が多いわけですね。五十歳ぐらいになった人でも年金に結びつかない人が多いわけですね、今まで転職を繰り返して手続が不備であったりなんかして。そういう人が、今度は五人未満事業所適用ということになると、保険料は払うけれども年金はもらえないというような格好になるわけであります。
 だから、もう強制的に保険料を取られる一方だというような格好になるわけなんですが、こういう人々に対して、それまでのところは空期間にするとかいろいろな方法が考えられると思うのですけれども、何か救済措置がないものかなというふうに私は思うのですが……。
#92
○吉原政府委員 どうも、中小企業に対して被用者保険を適用するという場合に、先生のような理由でもって保険料の軽減なり免除というものを考えるということは、私は少し無理なんじゃないかというふうに思うわけでございます。
#93
○浦井委員 非常に否定的な答えばかり返ってくるわけでありますが……。
 そこで、少し角度を変えまして、社会保険事務所は、内部の人たちに聞いてみますと、今でも年金の大改正で業務が大変だという声が異口同音に返ってくるわけですね。もうこれ以上、五人未満の事業所の適用というけれども、こんなことはできないという答えが圧倒的であるわけなんですよ。一体これはどうしますか。
#94
○長尾政府委員 五人未満事業所の適用拡大問題でございますが、これは国会や関係審議会からその促進を指摘されてきたかねてからの懸案事項でございます。
 先生御指摘のように、私どもといたしましては、大きな事務量の増加を伴うものではありますけれども、社会保険庁としましても最大限の努力を尽くして取り組まなければならない課題であるというふうに考えております。
 このため、今回の六十一年度の予算案におきまして、昨今の厳しい定員事情にもかかわらず、今回の適用拡大を含みます全体的な業務量を勘案した増員が措置されるということになっております。そのほか、適用指導員の配置、それから、超過勤務手当等につきましても所要の措置がとられることとされておりますので、これらを効果的に活用することによりまして適用拡大の円滑な処理を図っていきたいと思っておるわけでございます。
 また、社会保険労務士団体に対しましても、制度の広報とか説明会等における事務指導について協力を求めることを考えております。
#95
○浦井委員 長尾さんがさあっと答えられるとどうも次の質問がしにくいわけでありますが、六十一年度、苦しい中で十四人ふえたわけですね。これからの体制も、適用指導員とかいろいろなことをやりたい、社労会の協力も得たい、こういうことで、極めて上手なお答えではありますけれども、これは実際にはどうやるのですか。どういう体制でどうやるのか、社会保険庁の中におる人もわからぬ。だれが一体そんな仕事をやるのだろう。しかも、今言われた適用指導員の問題なんかでも、適当なそこらの、そこらのと言ったら悪いですけれども、御近所の専業主婦なんかが来られてやられるということになれば、これは下手をすれば調べられる側のプライバシーの侵害にもなるわけですし、よほど慎重にやらなければならぬと思いますけれども、余りころころと、すっと答えていただかずに、ひとつ親切に答えていただきたいと思います。
#96
○長尾政府委員 確かに、先生御指摘のように対象が大変つかまえにくい対象でございますので、対象者の把握自体非常に難しい問題があることは御指摘のとおりだと思います。このためには、社会保険団体や商工団体等関係団体によります広報といったことの協力依頼もお願いしなければならないと思いますし、一般的なポスターとかチラシとか、そういったものの配布も考えていかなくてはいけないと思います。問題は、確かに対象事業所の把握でございますので、これは商工会とか商工会議所とか事業協同組合、法人会等の会員名簿からだんだん対象者を洗い出していくということではなかろうかと思っております。
 それから、先生御指摘のプライバシーの問題でございますが、今回の臨時の方々につきましても、これは国家公務員としての、非常勤の公務員でございます。適用指導員も国家公務員の身分を有するわけでございますので、公務員が課せられております守秘義務も当然に課せられるということでございますので、プライバシーの問題につきましては適切な業務指導が行われるようにいたしたいと思っております。
#97
○浦井委員 もう最後ですが、大臣、そういう問答をお聞きになりまして、五人未満事業所の適用をやるについてはかなり大変な準備が要るだろうということをおわかりになったと思うわけであります。かなりな条件整備をやらなければならぬ。大臣、その点についてどういう決意を持っておられるか最後に聞いて、私の質問を終わりたいと思います。
#98
○今井国務大臣 今、るる政府委員から御答弁申し上げましたように、五人未満の事業所などの適用拡大につきましては、おっしゃるとおり実施に当たりましていろいろ難しい問題がありますことは十分私も存じております。しかしながら、今回のこの適用拡大というのは年金制度の改正を契機として提案されたものでありまして、被用者としての年金水準を確保するという観点から極めて重要な問題だと私は考えております。したがって、この円滑な適用の推進をひとつ最大限努力をしてやってまいりたいと思っております。
#99
○浦井委員 終わります。
#100
○山崎委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#101
○山崎委員長 これより両案について討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 まず、児童扶養手当法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#102
○山崎委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、年金福祉事業団法及び国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#103
○山崎委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#104
○山崎委員長 この際、高橋辰夫君外五名から、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党・革新共同及び社会民主連合六派共同提案に係る本案に附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。池端清一君。
#105
○池端委員 私は、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党・革新共同及び社会民主連合を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。
 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。
    年金福祉事業団法及び国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるよう配慮すべきである。
 一 年金積立金の管理運用については、そのあり方について検討を進めるとともに、あわせて極力有利運用を図るための方策を講ずること。
 二 老齢福祉年金については、老後の生活実態等を踏まえて、今後ともその充実に努めること。
 三 新年金制度は、国民生活に密接に関連するものであることにかんがみ、必要な事務手続等について広く国民に周知徹底を図り、公正な新制度として円滑な実施が確保されるよう配慮すること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#106
○山崎委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 高橋辰夫君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#107
○山崎委員長 起立総員。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。
 この際、厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。今井厚生大臣。
#108
○今井国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力をいたす所存でございます。
    ―――――――――――――
#109
○山崎委員長 お諮りいたします。
 両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#110
○山崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#111
○山崎委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時八分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
#112
○山崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 内閣提出、環境衛生金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。網岡雄君。
#113
○網岡委員 ただいま議題になりました環境衛生金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして若干の御質問を申し上げたいと思います。
 まず最初に、環境衛生金融公庫の貸付対象である環境衛生関係営業の施設数の推移はどうなっているか、これは五十年と五十九年を対比して御説明をいただきたいと思います。
#114
○北川政府委員 先生御質問の環境衛生営業の施設数は、昭和五十九年末で二百二十五万八千施設でございます。これを昭和五十年末現在の数字と比べますと、百七十八万七千施設でございまして、この十年間に約五十七万施設が増加をしておりまして、割合としては三一・九%ふえていることになっております。
#115
○網岡委員 次にお尋ねをいたしますけれども、環境衛生関係の営業は、今御答弁もありましたように、施設数において二百三十六万、従事者は五百五十万を数えると言われておりまして、その数から推測をいたしましても、いかに国民生活にとって今やなくてはならない大事な営業分野になっているかということが一つでございます。
 もう一つは、この数字からも明らかなように、我が国の中小業者の中でもその営業分野の占めるウエートというものはかなり大きいものがあると思うのでございますが、環境衛生業に対する厚生省の施策の基本的な方針というものは一体どうなっているか、お答えをいただきたい。大臣からひとつお願いをいたします。
#116
○今井国務大臣 環衛業といいますものは国民生活に極めて密接な開係を持っております。その提供いたしますサービスなどの衛生水準を確保して向上させますことは、こういった営業にとりましての重要な使命であると考えております。
 それで、このため例えば理容師法であるとか美容師法あるいは食品衛生法などによります衛生面からの規制を私どもは行っているところでございますが、あわせまして、営業者自身が衛生水準の確保あるいは向上のために自主的な努力をするということも極めて重要であると思っております。
 そういった基本的な認識のもとで、環衛業に、しかも先生おっしゃいますように零細企業が非常に多いという特性も配慮しながら、きめの細かい指導や助成など各般の施策を推進していかなけれはならぬと思っておるものでございます。
#117
○網岡委員 先ほど厚生省の方から環衛業者の施設数の推移の御答弁がございましたが、十年間で約五十七万増加をいたしておりますが、その増加を各業種別に見てみますと、まず美容が四万です。クリーニングは三万八千、飲食店営業は実に三十五万、喫茶店営業は九万五千、食肉販売業は三万六千、大体の内訳をいたしますと、そういう増加の状況になっております。
 ふえたところを見ますと、美容、クリーニング、飲食店、喫茶店、食肉販売、こういう業種でございますから、これらの業種から推定されますことは、零細、小規模な環衛業者である、こういうことでございます。したがって、当然のことでございますが、その営業の経営基盤というのは極めて脆弱であるという環衛業者の特質を持っておるわけでございます。その意味では、今厚生大臣が基本方針の中でもおっしゃったわけでございますが、それだけにかなり強力な助成策が必要だというふうに痛感をいたします。
 そこでお尋ねをいたしますけれども、環衛業の適切な発展のための指導事業としては、環境衛生事業の指導センターの役割が極めて重要だと思うのでございますが、これに対する政府の助成策は一体どうなっているのかお尋ねをいたします。
#118
○北川政府委員 先生御指摘のように、環境衛生業は非常に零細な経営体が多い。それに対して衛生的な観点で非常に大きな問題を抱えておりますので、行政的にはいろいろ厳しい規制をやっていかなければいけない。厳しい規制を実際に実現をして、衛生的な設備あるいは運営をしていくということのためには、どうしても経営というものと密接な関係があるわけでございます。そういう観点から、環境衛生営業に対する経営指導を積極的に進めていくということで環境衛生営業指導センターを整備をしていくという行政をやってきたところでございます。
 全国ベースでは全国環境衛生営業指導センターを、それから各都道府県には都道府県環境衛生営業指導センターを設置をしているわけでございます。昭和六十年度におきまして各県に全部このセンターが設置をされたわけでございますが、この運営に対しまして、厚生省といたしましては六十一年度予算案では約四億三百万の経費を計上しているところでございます。
#119
○網岡委員 去る昭和五十四年の法改正によりまして、環衛業の振興を図るために厚生大臣は振興の指針を定め、その指針に基づいて振興事業を推進することとなっておるわけでございますが、この行政効果のねらいは一体どういうものなのか、お尋ねをしたいと思います。
#120
○北川政府委員 環境衛生業というのは非常に小さな企業が個々ばらばらにいろいろと事業を展開をしておるのが実情でありますが、こういう個別の状態ではなくて、やはり地域の中で組織的にいろいろな物事について相談をし、あるいは一定の方針のもとに共同した事業を進めることによって経営の水準を上げていくあるいは衛生水準を高めていくということをやっていくことが必要ではないか。そういうことから、国はその方針の基礎的なことを定め、これを振興指針と言っているわけでございますが、その振興指針にのっとりまして各地域における組合が振興事業を推進することになっておるわけでございます。
 その主な内容としましては、施設の整備、経営管理の近代化等の営業の振興に必要な事項に関する指針を定めるということになっておるわけでございます。
 以上でございます。
#121
○網岡委員 それでは、それに関連をいたしましてお尋ねをいたしますが、振興指針、それから振興計画の策定状況は一体今どうなっているのでしょうか。
#122
○北川政府委員 環境衛生業の業種というのは非常に多種にわたるわけでございます。したがって、振興指針の策定というものも、実態的に行うためにはいろいろと知恵を出さなければいけないわけでございますが、特に営業の振興を計画的に推進する必要があるものから順次策定を行っておるところでございます。現在、クリーニング業、飲食店営業の中ですし店、理容業、美容業、旅館業、飲食店営業の中でめん類、これは一つのサブグループでございますけれども、そういうめん類、及び食肉販売業の七つの業種について指針を策定したところでございます。
 また、振興計画につきましては、現在百五の組合のものが厚生大臣の認定を受けておるところでございます。
#123
○網岡委員 今お答えがございましたが、私、厚生省からいただきました資料を拝見いたしまして感ずるところを再度御質問申し上げたいと思うのでございます。
 今の御答弁にもございましたように、振興計画の業種指定はクリーニング業、飲食店営業のすし屋、理容、美容、飲食店営業のうちのめん類、旅館業、食肉販売業、以上七つの業種が指定をされておるわけでございますが、厚生省の資料を拝見いたしまして、指針は出されておるわけですが、その指針を受けて振興計画が作成されている組合というのは、非常に進行が遅いといいますか、できている組合が少ないような感じがするわけでございます。
 例えばすし屋の場合ですと、業種の指定を行いましたのは昭和五十七年七月でございます。組合数は四十三組合できておりますが、振興計画の認定組合数はわずかに六、四十三組合のうちで全国で六つしかない。そして現在振興計画を作成中のものが九つ、こういう状況になっておるわけでございます。
 それから、美容、パーマネントの場合でいきますと、五十八年十二月に指定を受けております。組合は確かに四十七都道府県にまたがっておりますけれども、振興計画はそのうち十四できただけでございまして、計画作成中のものは八つということで、作成中のものを含めましても二十二にしかならない、こういう状況でございます。
 めん類の場合は、特にこれは厚生省の指導がもっと強化されなければならぬと思うのでございますが、まず組合数は全国で二十六組合、こういうことでございます。そして振興計画が認定されている組合は十三、計画中五、こういうことでございまして、この場合は各県のめん類組合の結成というものが指導上の急務ではないかというふうに思います。
 その次の旅館業でございますが、旅館業は四十七組合、都道府県ごとにあることはあるのでございます。ところが、振興計画の認定組合数は全国でわずかに一でございます。そして計画作成中は十八、こういうことになっておるわけでございます。
 このことがいいとか悪いとかということを私、申し上げるのではなくて、先ほどもおっしゃいましたように、環衛業者の特質からいいまして、かなり強力なベルトをかけた行政指導と助成がないと環衛業というのは経営基盤を守っていくということはできないわけでございますから、したがって、こういう面での指導を、今後一体、厚生省としてどのように計画的にやっていくかということなども含めまして、考え方をお聞きしたいと思うわけです。
#124
○北川政府委員 先生御指摘の点は大変重要な問題を含んでおるわけでございます。
 私どもも、今先生が一々数字を挙げて御指摘いただいたような問題について非常に重大な関心を払っておるところでございますが、御承知のように、こういう環境衛生関係の営業というのは個人企業的な非常に小さな企業体が多いというようなこと、それから相互に協力をしていくということへのいろいろな習慣といいますか、そういうものがなかなか今までなかったというようなこと。最近は、そういうことでは経営の改善がおくれるとか、大企業の進出に対応ができないとか、いろいろと大きな問題にぶつかっておるわけでございまして、地域地域の中ではだんだんとそういう共同体をつくっていくということへの目覚めが進んでおるわけでございまして、行政的にはそういう流れをうまくつかみまして、先ほど来御説明申し上げました各都道府県における環境衛生営業指導センターの機能をフルに活用しまして、こういう計画策定の促進方については今後とも全力を尽くしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#125
○網岡委員 御答弁がございましたように、問題の重要性については認識をされておみえになるようでございますから、答弁の中にもございましたように、大型チェーンの進出とか大企業がこの業種に進出をするという傾向が全国的に出ています。そういう状況からいっても、やはり環衛業者の組合をつくった団結というものが何よりも大切でございますから、そういう意味で、厚生省としても組合結成、同時に指針に基づく振興計画の策定につきましては精力的に推進を図っていただくようにぜひお願いしたいということを要望しておきます。
 次の質問に入りますけれども、今後の振興指針の策定予定というものは一体どんなものが予定されておるのでございましょうか。
#126
○北川政府委員 今後の振興指針の策定の予定でございますが、いろいろとそれぞれの業界の特性に応じてやはり重要なポイントをきちんと決めていかなければならない、そういう観点から見ますとなかなか難しい点が多いわけでございますが、現在は七業種についてつくっておる。当面、先ほど飲食店の中ですしとめん類、こういうお話を申し上げましたが、それ以外の業種の飲食店関係の営業についての指針を早急に策定をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。なお、飲食店関係の営業者というのは数も非常に多いということで影響力も非常に大きいというふうに考えておるところでございます。
#127
○網岡委員 今、すし、めん以外の業種に対する指針を策定することを考えているという御答弁がございましたけれども、すしとかめん以外の飲食店業種ということになりますと、環境衛生金融公庫の貸付制度の概要というのがございますが、それを見ますと、中華料理店、それから普通の料理店、バー、その他の飲食店。飲食店の中に喫茶店は入るのでございましょうか。それもちょっと後でお答えください。もしあれだとしますと、そういうようなところがめんとすし以外ということになるわけですが、すし、めん以外の業種の指針を出すということは、文字どおりすじ、めん以外の飲食店に概括的に網を張って指針を出すのか、それとも中華料理店だけに指針を出すのか、他の料理店に出すのか。どういう出し方になるのかということは御検討いただいておるようでございますから、内容的に差し支えがなければこの際明らかにしていただきたいと思うのです。
#128
○北川政府委員 第一に、喫茶店をどうするのかということでございますが、これは別個に一つまとめたものとして考えていきたいと思っております。
 それ以外の飲食店関係で、それぞれにやるのか、総合的に考えていくのかということにつきましては、中華とか料理とかいろいろな組合が別にあるわけでございますが、それぞれの業界が持っておるいろいろな物の扱いとか流れというものを十分勘案して効果が上がるようにしていきたいと考えておりまして、現在はどちらにするのかという方針をまだ出していないところでございますが、各組合の関係者と十分詰めた上で方針を決めたいと考えておるところでございます。
#129
○網岡委員 その指針の策定の時期ですけれども、厚生省としては各業種団体と打ち合わせをしながら策定をしていくという御答弁でございまして、そういうものを含めた作業から見ると、ことしの夏までに、ことしの秋までに、あるいはことしじゅうにはやるというぐらいの三つになると思いますが、大体いつごろの時期にやるのか。これは少しぐらい狂ってもいいですし、大筋で結構でございますから、この際お答えをいただきたいと思います。
#130
○北川政府委員 私どもとしては、ただいま御審議いただいております環衛公庫の運転資金の導入ということにも重要な関係がございますので、なるべく早くこういう指針をつくってまいりたいと考えておるところでございますが、すし、めん類以外の飲食店につきましては、できることならば六十一年度末を目途に考えておるところでございます。
#131
○網岡委員 それでは、次にお尋ね申し上げたいと思うのでございますが、七つの業種の指針、私、個別のものを拝見させていただきましたが、その中で労働条件の改善というものは、従業員の福利厚生を充実しなければならぬということとあわせてかなり重要な位置づけがされている。厚生省が示されております指針を受けて当然振興計画ができていくわけでございますが、問題は、各業者組合がつくっていく具体的な振興計画の中に従業員の労働条件改善という問題がどのように盛り込まれているのか、それから、これは関係するところは労働省になるかもわかりませんが、厚生省としてそういうところと連携をとりながらそれをどうフォローしているのか、チェックされているのか、その辺についてもお答えをいただきたいと思うのです。
#132
○北川政府委員 振興計画における従業員の労働条件をどのように考えていくかという問題でございますが、私どもも、環境衛生営業の振興を図っていく上でその従業員の労働問題は非常に重大なものだと認識をしておるところでございます。そのために、各振興指針におきましては、従業者に対する労働条件の改善及び福利厚生の充実という項目を挙げ、経営振興に際して配慮すべき重要事項として定めておるところでございます。
 これを踏まえまして、各組合等は、従業者が意欲と働きがいを持って継続的にこういう業界に定着できるような魅力的な企業経営を行うように営業者に対し指導をしておるところでございまして、具体的には、例えば就業規則あるいは賃金規則等の策定あるいはその改善及び従業者の健康管理等について配慮し、こういうことの意識を高め、具体的に進めていくための研修会、講習会を行うということは計画的に考えておるところでございます。
 なお、これらの就業規則、賃金等の問題につきましては、労働省の行ういろいろな規制を十分配慮しながらやっていくものと考えておるところでございます。
#133
○網岡委員 環衛法の五十六条の三の四項には、手続をとりまして振興計画の認定を受けた場合には、その事業年度終了後三カ月以内に実施状況について報告しなければならないと義務づけられておるわけですね。そういうことからいきますと、当然従業員の労働条件の改善につきましては年次計画の中で具体的に出ておるはずだと思うのでございます。それらについても、どのように消化したか、どういうふうに改善されていったかということについての報告が当然あると思うのでございますが、そういうものの具体的なチェックは厚生省としては一体どういうふうにされておりますか。
 二つ目のお尋ねといたしましては、七業種の労働条件の改善は振興計画を行う前と行ってからとどういうふうに違ってきておるかということを厚生省としては一体どういうふうにとらえておるのか、その辺のところを明らかにしていただきたいと思います。
#134
○北川政府委員 なかなか厳しい御質問でございますが、何分にも振興計画あるいは振興指針の策定、振興計画の推進というのはまだ緒についたばかりでございまして、今後具体的にその考え方が組全部内に浸透し、成果が上がってくるということのためにはある程度の時間を要するわけでございまして、私どももそういう事業を進めた上での影響がどのように出てくるか重大な関心を持って見守るわけでございまして、そのための報告の聴取の様式等についても今後検討を進めてまいりたいと考えております。
#135
○網岡委員 計画が組まれてからまだ間もないということは客観的な一つの事実でございますので、私もそんなに厳しくは申し上げないつもりでございますが、しかしこれはやはり重要なチェックポイントとして、今後厚生省としても労働省と打ち合わせをしながら、年々どういうふうに指定をした業種の労働条件が改善されているのかということにつきましては、零細企業の環衛業者でありますから、その辺のことも一面においては配慮をしなければいかぬ点がございますけれども、しかし労働省との間に協議をされながら、これについては継続的なチェック、フォローをしていただきたい、そして改善をしていただきたいということをお願い申し上げたいと思うのです。
 その理由は、これからの雇用人口の中で、第三次産業というのは占める比重が非常に高くなってくるわけでございます。これは先ほどの答弁にもございましたように五百五十万、家族従業員もございますから全部は雇用労働者ではないと思いますけれども、しかしかなりの数でございます。したがって、こういう面での産業といいますか、そういうところが魅力のあるものになってこそ初めて環衛業者の経営も発展をしていきますし、近代化されていくということになるわけでございますから、ぜひひとつその辺を留意していただきまして、チェックをしていただきたいということを要望しておきます。
 それから次に、環境衛生関係の営業に対して、衛生水準の向上や近代化の促進を含めた振興施策の実施は非常に重要であると思うのであります。そこで、環衛業の振興施策の今後のあり方というものが一体どうなければならないと厚生省は考えているのか、その点についてお答えいただきたいと思います。
#136
○北川政府委員 先生御指摘のように、環境衛生関係営業は非常に国民生活の中で重要な位置を占めておる、それは二つの観点があるわけでございますが、一つは利用者である国民に対する影響、それから経済活動をする国民の就業の場を確保する、その二つの面で非常に重要な位置づけにあるということは大変な事実であります。
 それで、その経営基盤が非常に不安定な状態に置かれておるこのような特質を有する環境衛生営業に対しまして、これまで厚生省といたしましては、まず第一に経営の健全化、それから衛生水準の確保等のために環境衛生営業指導センターによる経営等に関する指導を行う、第二に衛生施設改善のための環境衛生金融公庫による融資を行う、第三に、組合を中心とした営業者自身による環境衛生営業の近代化あるいは合理化を促進するための振興計画を設定し、その事業を推進する、これらの柱を相互に組み合わせまして、有効に連携しながら環境衛生営業基盤の安定化を図り、その上で国民の保健衛生の維持向上を図ってまいる、こういうふうに考えておるところでございます。
#137
○網岡委員 今回、環衛の金融公庫法が改正されるように提案をされているわけでございますが、昭和四十二年に環衛金融公庫が設立されて以来、一つには環衛業の衛生的で近代的な営業分野を発展させていくということ。それから二つ目には、今も御答弁がございましたように、環衛業者の特質でございますけれども、非常に零細小規模であるということ。同時に、そのために経営基盤が脆弱であるということ。そのために一般金融から信用度がどうしても低くなってくるわけでございまして、そういう三つどもえの三つの特質を持っておる環衛業者にとりましては、非常にこれは経営基盤が弱いわけでございます。
 したがって、その基盤を強めていくということをいたしますためには、政策金融機関としての環衛金融公庫が果たしてこられた役割は非常に大きいと思うのでございますが、この役割を果たしていくために、今後環衛公庫がどういうぐあいに継続して役割を果たしていこうとされているのか、これは決意みたいなことになりますけれども、そのことも含めて厚生省の御見解を明らかにしていただきたいと思います。
#138
○北川政府委員 先生御指摘のように、これらの環境衛生営業は、経営基盤が非常に脆弱であるということから、なかなか大企業のように自由に一般の金融機関からの融資を受けることが困難であるという基本的な認識があるわけでございまして、そのためにこういう政策金融としての環境衛生金融公庫が従来果たしてきた役割は非常に大きい。御存じのように環境衛生営業というのは非常に手軽に仕事を始めることができる、店舗をつくればできるというようなこともありまして消長が激しいわけでございまして、そういう意味でも従来からの設備に対する融資というものは、まだまだ非常に需要があると私どもは考えておるところでございます。
 あわせまして、今回御審議をいただいております運転資金の導入、これを車の両輪として環境衛生営業の経営改善の手助けをしていく、こういう位置づけになろうかと思うわけでございます。
 環衛公庫といたしましては、そういう需要の現実というものをきめ細かに把握して、非常に多様な業態でございますので、その態様に適応するような融資の方策というものを今後さらに研究し、そういう事業を発展させていく、そういうことをしながら、また先ほど来申し上げておりますように、都道府県の行政指導あるいは環境衛生営業指導センターの経営指導等々密接に連携をとりながら、環境衛生営業の安定化あるいは向上のためにこれから環衛公庫は重大な役割を果たしていくと私どもは考えておるところでございます。
#139
○網岡委員 その厚生省の考え方をぜひひとつ大事にしながら、環衛公庫というものをさらに機能拡充していただきたいと思うわけでございます。
 今御答弁をいただきましたことで非常に意を強うしておるわけでございますが、最近気になりますことが一つございます。それは、ことしに入りまして三月でございますが、今行革審の中に特殊法人問題等小委員会というのが特殊法人の見直し作業をやっておみえになるわけでございます。その見直し作業の中で非常に重要な、重大なことを提起をされつつあるわけでございますが、このことについて厚生省としてのそれこそ決意のようなものをお聞きしたいと思うのでございます。
 内容は、特殊法人問題等小委員会が、環境衛生金融公庫を廃止し、将来は国民金融公庫または社会福祉・医療事業団と統合するという基本方針を固めたというふうにマスコミが報道いたしておるわけでございます。これは、今るる御答弁になりました厚生省の基本的な方針からいきますと非常に重大な内容が含まれておるわけでございますが、この行革審の小委員会が方針として固めました環境衛生公庫の廃止、そして国民金融公庫への統合という問題について、厚生省は一体どういう考えをお持ちになっているのか、この際明らかにしていただきたいと思います。
#140
○北川政府委員 先生から御指摘をいただきました点につきましては、一部新聞報道にもございましたように、臨時行革審の議論の過程の中でそういう議論も出たやに私どもは伺っておるところでございます。まだ役所のベースで正式にそういう話をちょうだいをしているわけではございません。
 しかし、いずれにいたしましても、厚生省といたしましては、国民生活に非常に重大な影響を及ぼす環境衛生営業の安定的発展ということを進めていく上でいろいろな行政施策をとってきた一つの歴史的な流れがあるわけでございます。その流れの中でやはり政策金融というものがぜひ必要である、しかも環境衛生営業というのは非常にきめ細かな対応をしないとうまく進んでいかないというようなこともございまして、従来国民金融公庫の中で行われた業務を、昭和四十二年に独立をさせて環境衛生金融公庫をつくったという経緯があるわけでございまして、今日もその流れは、今後将来に向かってまだまだ非常に大きな需要があると私どもは考えておるところでございまして、ぜひこの環境衛生金融公庫の将来の方向というものについては各方面の御理解をいただく必要があるのではないかと考えておるところでございます。
#141
○網岡委員 これも新聞が伝えるところでございますから、その基本方針の答申というものの中身は私見ておりませんけれども、しかし、権威ある新聞が報道しているところでございますから、報道の内容に間違いはないと私は確信をいたします。
 それを見ますと、理由として一つは、民間金融機関の融資が充実してきている、こういうことを言っているわけでございます。私の手元に入りました資料を見ますと、行革審のいわゆる特殊法人問題等小委員会は、一体こういう事実をどの程度認識をしているのかということを疑いたくなるわけでございますが、例えば金融機関別の長期貸し出しのプライムレートの数字を見ますと、六十年十二月の段階でいきますと、相互銀行が八・八四六、信用金庫は七・五〇七、地方銀行は七・三二四、そして環境衛生公庫の場合は七・二、こういうことになっておるのでございまして、一番低いわけでございます。さらに、六十一年の二月で見ますとこれはさらに下がりまして六・九、こういうふうに非常に利子を下げておるわけでございまして、このプライムレートから見ても明らかなように、環衛業者に対する融資というものは非常に手厚く政策金融機関としての役割を果たしておるわけでございます。行革審の小委員会が言っているような、民間金融機関の融資が充実したという意味は、融資資金量が豊富になったということを言っているのかもわかりませんが、問題は、環衛業者の特質というものから見て、これは長期で、しかも利子の安いものを融資していくということがどうしても必要なことでございまして、これを厚生省は長年やってみえたわけでございます。こういう点からいきますと、行革審の考え方というものには、私は疑問があるわけでございます。
 それからもう一つは、環境衛生事業への大企業の進出が進み、業界の再編成が進行している、こういうことが、同じように環衛の公庫の廃止ということのもう一つの理由づけになっているわけでございますが、私は、これはむしろ逆でございまして、脆弱な経営基盤しか持たない環衛業者がこういう大企業の進出によって混乱をしている。こういう状況にあればあるほど、その中で経営基盤を強化していくための政策金融機関の役割というものはますます重要性を増しているというふうに思うわけでございます。
 こういう二つの点からいいましても、すべてこれは判断が全く逆を向いているわけでございまして、そういう意味からいって、厚生省はこの環境衛生公庫を今までどおり継続をしていくということの必要性があると思うのでございますが、改めてお尋ねをいたしますけれども、厚生省の最高責任者であります厚生大臣のこの問題に対する決意をひとつお尋ねをしておきたいと思います。
#142
○今井国務大臣 今、先生からいろいろおっしゃっていただきましたが、今後とも環衛業に対します規制だとかあるいは指導という両面にわたりまして、この施策をより効果的に実施してまいりますためにも、やはり専門の金融機関であります環衛公庫によります金融面からの補完の必要性というものは、私は一つも変わっていないと思うのです。したがいまして、ほかの機関との統合は考えておりません。
#143
○網岡委員 極めて明確な答弁をいただきまして、非常に心強く思います。その決意のとおりにこれからも腰砕けにならないように頑張っていただきたいということを要望しておきます。
 それではその次に、環衛業界からの要望がございますけれども、その要望の一つに、環衛公庫の資金の貸付金利の引き下げをしてもらいたい、それからもう一つは、償還期限の延長をやってもらいたい、こういう要望が出ておるわけでございますが、この問題について厚生省はどういう取り組みをされておみえになったのか、これについてどういうお考えを持っておられるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
#144
○北川政府委員 お金を借りる立場からいたしますれば、基本的には融資の条件が少しでも有利になればということが当然の要望であるわけでございます。しかし、その要望が真に適切なものであるのかどうか、あるいはそういう特段のことを配慮をしなければ真にそういう政策融資の目的を達することができないかどうか、その辺のところはいろいろと議論をしながら、現在のいろいろな融資の利率あるいは返還期間等が設定をされておるところでございます。
 現在、環衛公庫の貸付期間は原則としては十年以内とされておるところでございますが、近年緊急の課題となっておりますホテルあるいは旅館等の防災対策等に必要な設備につきましては十三年以内、あるいは浴場業に必要な設備につきましては二十年以内、長期化をするとともに、金利面におきましても政策的に設置を促進すべき設備につきましては民間金融機関の優良企業向け最優遇金利である長期プライムレートを下回る低利でお金を貸すということにするなど、環境衛生営業の経営環境を勘案しました貸付条件を設定をしておるところでございます。
 今後とも、こうした融資の円滑化に努めてまいるわけでございますが、現行の貸付条件の変更につきましては環境衛生営業を取り巻く経済、金融の動向あるいは財政事情等を総合的に勘案した上で検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#145
○網岡委員 伝えられているところによりますと、利子の引き下げがまた近くあるというようなことも言われておるわけでございますが、そういう情勢を踏まえながら、この業界の要請でもございますから、ぜひひとつ迅速機敏に今御答弁がございましたような前向きの方向で検討していただきたいということを要望いたしておきます。
 次に、環衛公庫の融資が利用しやすくなるように、知事の推薦手続というものが必要だ、こういうことになっているようでございますが、これが末端の業者にしてみますと非常にしんどい手続でございまして、何とかもう少し簡素化するような方法はないのかという要望が業界ではしきりでございます。この点について、一体厚生省はどのような御検討をされておるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
#146
○北川政府委員 御指摘のように、なるべく手続を簡素化をするということは非常に重要な側面であるというふうに考えるわけでございます。しかし一方、国民の税金を原資として融資をしていくという政府関係融資でございますので、その事業目的を達成する上でどうしても必要な手続をとるということはやむを得ないことではないかと考えるわけでございます。都道府県知事の推薦制度は、環境衛生金融公庫の融資が環境衛生関係営業に対する衛生行政上の要請と一致するということが重要なポイントでございますので、従来そういう観点から運用上行われてきたわけでございます。
 もう少し具体的に申し上げますと、環境衛生営業につきましては、都道府県知事が環境衛生監視員というような職員を指導しましていろいろな衛生水準の確保を図ってきている、こういう行政と密接に連携して融資を行っていくという必要上、現在、知事による推薦手続ということを行っておるわけでございます。
 仮に都道府県知事の推薦制度を廃止したといたしますと、営業の衛生水準の向上あるいは近代化のための投資が、需給の均衡や業界の実情等に関する考慮が払われることなくいたずらに施設設備の拡充や外見上のデラックス化という方向にのみ進んでいく心配もある、そういうことはひいては業界の混乱を招くことになるのではないかというような声もあるわけでございます。そういうことで、私どもとしては知事の推薦制度について直接手を加えるということについては考えていないわけでございますが、その手続の簡素化等につきましてはまだいろいろ問題点もあるわけでございますので、今後引き続き検討してまいりたいと考えておるところでございます。
#147
○網岡委員 今、政策的金融機関としての立場から知事の推薦というものを全く廃止するということはできない、しかし行政の簡素化、環衛業者の借り入れ手続の簡素化などを図る必要もあり、推薦制度のあり方については今後検討したい、こういう御答弁でございますが、借り入れ手続の簡素化とか、行政の簡素化とか、知事推薦のあり方の検討をされるというところまでお答えになったわけでございますから、これは厚生省の中に何らかの検討の形というものがあるように思うのでございますが、もしそういうものがある程度形になっておるとすれば、また公表して差し支えがなければ、この際どの程度の簡素化をするのかという大筋のものを示してもらえればいいと思うのでございますが、その辺はどうでしょうか。
#148
○北川政府委員 先生の厳しい御追及でございますが、現在内部におきまして関係者の意見を聴取をしたり内部での意見交換をしておるという段階でございますので、今日、具体的にこういう点をということをお示しすることができないのは残念でございます。
#149
○網岡委員 それでは、重ねて私の方が要望みたいにして言っておきますけれども、答えにもありますように、まず借り入れの手続の簡素化ということは、これはもう絶対やってもらいたいと思います。これは、そんなに内容の検討は難しいことではないと、私は素人でございますが、思うわけでございます。ぜひひとつやっていただきたい。
 それから、知事の推薦については、現行は一件百万円を超えるものについて知事の推薦が要る、こういうことになっておるわけでございますが、この金額を上げるということをすることによって事実上の簡素化を図ることもできるわけでございます。そういう点について早急に検討されて、ぜひひとつ厚生省の前向きの姿勢というものをこの際明らかにしていただきたいと思うわけでございますが、これは答弁は要りません。要望しておきます。
 次に、環衛業界のもう一つの要請では、料理飲食等消費税の免税点の引き上げが要求されております。これは業者にとりましては非常に重要な問題でございまして、今までの経過を調べますと、昭和五十三年に千五百円が二千円、昭和五十八年に上がりまして、二千円が二千五百円、こういうことでございます。自来五十八年、五十九年、六十年とこれは三年据え置かれておるわけでございまして、物価高騰の折でもありますし、食生活を何の不安もなしに、税金の心配をいたしますと胃の方に悪い影響を与えますから、ぜひひとつこれは免税点を引き上げをしていただいて厚生省としては頑張ってもらいたいというふうに思うわけでございます。(「賛成」と呼ぶ者あり)この免税点の引き上げについて、厚生省はどういう道筋でこの目的を達成するために実現を図ろうとされているのか、その辺のところをひとつこの際明らかにしていただきたいと思います。経過も含めてお願い申し上げます。
#150
○北川政府委員 厚生省といたしましては、飲食店、旅館等の振興を図ることが国民の健康、衛生の向上に非常に密接につながるという観点から、従来からこの料飲税の免税点につきましてはコストの上昇等に見合った引き上げを税務当局に要望をしてきたところでございまして、先生御指摘のように昭和五十二年度の税制改正の時点で一回、それから五十七年度税制改正の時点で一回改正が行われたところでございます。現在の免税点は昭和五十七年度からのものでございますが、最近のコスト上昇に見合った引き上げを昨年以来要望をしており、今後とも精力的に努力を続けてまいりたいと思っておるところでございますが、何分にも財政事情の厳しい環境の中で他との横並びとかいろいろな問題がございまして実現をしていないわけでございますが、今後とも関係方面の御理解をちょうだいをして少しでも前進ができるように努力をしてまいりたいと考えております。
#151
○網岡委員 ぜひひとつ大蔵省との間の折衝を強力にやっていただきまして、先ほども自民党席からも賛成という声も出でいるわけでございまして、この問題は恐らく超党派ということで一致した見解だと思うのでございます。(「そうだ」と呼ぶ者あり)そうだという声もございますので、厚生大臣、陣頭に立ってこの実現のためにぜひひとつ努力をしていただきたいということを要望しておきます。
 それから次に、環衛公庫に運転資金の貸し付けを今度の改正によって導入されたわけでございますが、このねらいは一体何かということを端的にお尋ねをいたします。
#152
○北川政府委員 環衛業の特性につきましては、先ほど来るる御説明申し上げておるところでございます。そういう点を踏まえて環境衛生営業者の経営の健全化を図るための経営指導機関として都道府県環境衛生営業指導センターの設置を進めてまいり、六十年度には全国に各都道府県に一カ所ずつその指導センターを設置をした、これが今一応完了したというところでございます。これにより行政と密接に連携した指導ができる体制ができた、こういうことと関連をいたしまして、環境衛生の金融公庫融資を裏づけとする総合的かつ実効性のある指導を行っていきたいという行政の一つの要請があるわけでございます。
 こういうような状況の中で、公衆衛生の向上を図る上で特に振興事業の推進が重要であるとの観点から、環境衛生金融公庫がこの事業の推進に必要な資金を貸し付けるという必要があると判断をして、今回設備資金に加えて振興事業推進に必要な運転資金の貸し付けを創設するということとなったわけでございます。
#153
○網岡委員 次にお尋ねをいたしますけれども、今回の運転資金の貸し付けにより、では環衛業者には一体どういうメリットが出てくることになるのでございましょうか。
#154
○北川政府委員 環境衛生営業者は環境衛生営業指導センターからいろいろな設備の改善だとか経営の合理化だとかあるいは近代化などについての指導を受けるわけでございますが、そういう口だけの指導でいく部門と具体的な経営を改善するための財的な裏づけということが必要な場合とあるわけでございます。今後設備資金に加えてこの運転資金の融資を受けることができるようになれば、そういう具体的な一つの指導の内容を実現していく上での大きな後押しをすることができるのではないかと考えておるわけでございます。
 また、設備資金と運転資金の両資金を同時に申し込む場合には、従来ですと国民金融公庫の融資と環衛公庫の融資の二つの申請をする必要があったわけでございますが、今後は、そういう場合には環衛公庫に一本化することができまして、環境衛生営業者の借り入れの手続の便利もさらに進む。あるいは担保物件についても従来は別個に設定をする必要があったものが環境衛生金融公庫だけでよくなるなど、融資の申し込みの手続も改善されるということで大きなメリットになるのではないかと考えております。
#155
○網岡委員 特に、第二におっしゃいました設備資金と運転資金が、同時に申し込むことによって重複が避けられる。それから、担保物件については、それぞれ運転資金も設備資金も同時に設定できる、判断しながら一つの網でかけることができるというところに非常に大きなメリットがあると思うのでございます。せっかく運転資金の貸し付けまで枠を広げてきたわけでございますから、先ほどの話ではございませんが、行革審小委員会が答申をされているそういう時期ではございますが、環衛公庫の存続に向けて厚生省はぜひひとつ力強く行政を推進していただきたいということをお願い申し上げておきます。
 最後に質問をさせていただきますが、これは大臣に決意としてお聞きをしたいわけでございます。
 今まで御質問申し上げましたような状況からいいまして、環衛業の問題は将来非常に大きな問題をはらんでおりますし、同時に環衛業の持つ特質からいいまして、何遍も言っていることですが、政策金融的な役割、それから厚生省の強力な行政の指導、助成というものが要るわけでございますが、その度合いというものはこれから将来にわたってますます大きくなっていく一方だと思うのでございます。
 そういう意味で、どうぞ厚生省がその点を前向きに踏まえて行政の推進を図っていただきたいと思うわけでございますが、これらについての行政に厚生大臣は省として一体どう対処されようとしているのか、決意の一端をお尋ねをしたいと思うのでございます。
#156
○今井国務大臣 ずっと先生の御質問を聞いておりまして、最後のお尋ねの件については、私、全く同感でございます。政策金融の問題にいたしましても、これからの私どもの行政の指導の心構えにつきましても、先生のおっしゃいますような方向で、よく心にとめまして十分な指導をしてまいりたいと思います。よろしく御指導をいただきたいと思います。
#157
○網岡委員 質問を終わります。
#158
○山崎委員長 大橋敏雄君。
#159
○大橋委員 なるたけ重複を避けて質問をしたいと思うのですけれども、消費需要が停滞ぎみの中にありまして、そういう状況の中で非常に激増傾向にあると言われているのが環衛業の営業者の実態ではないかと思うのでありますが、現状はどうなっているのか、まずお尋ねしたいと思います。
#160
○北川政府委員 昭和五十九年、一番直近の環境衛生営業施設の数は二百三十五万八千施設ということでございまして、最近十年間においては六十三万施設、割合でいいますと三六%の増加というようなことで、いわば第三次産業の発展という一つの大きな時代の流れを反映しまして環衛業の施設数が非常に増加をしているところでございます。
#161
○大橋委員 私は、かつて環衛公庫の創設のときにもそれなりに努力を傾倒してきた一人でございますが、昭和五十二年度末の資料を見たときに、その当時は百九十万施設、その大部分が中小零細業者である、しかもその中の八〇%以上が二人以下というような状況であったということを記憶しておるのですけれども、やはりそういう内容というのは今も余り変わりませんか。
#162
○北川政府委員 先生御指摘のように、環境衛生営業というのは非常に従業者数が少ないというところが特徴でございまして、昭和五十年にやはり二人以下というところが五七%でございました。それが、一番近い五十六年の数字で見ましても五五・二%ということで、多少上に上がってはおりますが、傾向としては余り変わってないという状況でございます。
#163
○大橋委員 環衛業者の実態は非常に弱い方々が大勢おいでになるということでございます。しかし、第三次産業化と申しますかサービス産業化が進展している状況下、こうした産業構造の面から見ましても、国民経済全体の上からも、この環衛業界の安定あるいは振興を図るということは極めて重要な事柄ではないかと思うのでございますが、この点について大臣のお考えをまずお聞きしておきます。
#164
○今井国務大臣 お説のように、零細でしかも経営力の弱い各種の環衛業に対しまして、業種の特性に応じたきめの細かいいろんな低利あるいは長期の融資を行いますようなそういう政策金融機関として環衛公庫が業界に親しまれ、頼りになるようなものとしていきたいと私はかねがね考えているものでございまして、今後とも努力をしてまいりたいと思います。
#165
○大橋委員 今回の改正案によりますと、設備資金と運転資金のいわゆる融資の一元化が図られたということでございまして、私はこの点については非常にいいことであったともろ手を挙げて賛成するわけでございますが、それと同時に、今言われるように、非常に弱い立場におられる方が多いということでございますので、営業振興のための相談、指導体制の確立、整備が非常に重要な問題だと思います。当然、指導センター等の整備等が行われてきたわけでございますが、現状はどの程度の整備体制がしかれておるか、お尋ねしたいと思います。
#166
○北川政府委員 先生御指摘のように、私どもも、この環境衛生営業の国民の健康に及ぼす影響の重要性ということを前提といたしまして、その仕事を実現していく上で営業の安定というものが非常に重要であると考えておるところでございまして、そのために各都道府県に環境衛生営業指導センターを置く、あるいはその各県の事業を指導する上で重要な全国環境衛生営業指導センターを置くというようなことをやってまいりまして、昭和六十年度におきましては全都道府県にこれを設置し、体制を整備したところでございます。
 各営業指導センターにおきましては、経営指導員を中心に経営改善等の業務を精力的に遂行しておるところでございまして、業界にもだんだんとその仕事が浸透をしているところでございます。さまざまな問題を抱えた営業者に対する指導を十分に行っていきますためには、まだまだ今後この指導センターの充実強化を図っていく必要があると考えておるところでございます。
#167
○大橋委員 その指導あるいは相談に当たって特にこういう問題点が多かったとかというようなことはございませんか。それとも、どういう内容が大体相談の中心になっているか、お尋ねしたいと思います。
#168
○北川政府委員 細かなその現場における相談の内容というものにつきましては必ずしも的確な状況把握をしておるところではございませんが、主に一番大きな問題は、それぞれの業者が自分のところの企業を経営改善をしていく、そのための設備あるいは運営に関する経費、こういうものをどうやって確保していくのか、もう少し端的に申し上げれば、環境衛生金融公庫の事業について、あるいはそれ以外の金融についてもそれは同然でございますが、一番困っておるところはそういう問題のように聞いておるところでございます。
#169
○大橋委員 改正案は、先ほど申しましたように賛成なんでございますが、金融構造の変化、金融の自由化等々からいろいろな問題が起こってきておりますので、一般論といたしまして私は若干疑問を抱いております。
 まず初めに、環衛公庫の本質からちょっとお尋ねしておきたいと思うのですけれども、私の手元に政府刊行資料の「環境衛生金融公庫」という欄があるのですが、その中にこう記されております。「環境衛生金融公庫は、公衆衛生の見地から、国民の日常生活に密接な関係のある環境衛生関係営業について、衛生水準を高め、及び近代化を促進するために必要な資金であって、一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通し、もって公衆衛生の向上及び増進に資することを目的として、環境衛生金融公庫法に基づいて昭和四十二年九月二日に設立された。」この中で、「一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通し」云々とありますね。
 あくまでもこれは政策金融であるということでございますが、この本来の目的どおりに有効に十分に機能しているかどうかということが一つですね。また、領域を出て他の機関を圧迫するようなことがあってもならない、こういう点を十分把握しながら運営していかなければならぬ公庫ではないかと思うのでございますが、この点についてはどうでしょうか。
#170
○北川政府委員 環境衛生金融公庫は、先生御指摘のとおり政策金融機関でございまして、どうしても一般の市中の金融機関ではなかなか貸してもらえない、そういう分野に重点を置いて貸していくという基本的な姿勢を持っておるわけでございます。そういう基本的な考え方から、環境衛生営業の中でも非常に営業の難しいところ、例えば一つの例といたしまして公衆浴場があるわけでございますが、先生御存じのように、現代だんだんと持ち家が非常に普及をするに従いまして、都会地におきましても公衆浴場の利用者が減ってまいる。しかし、減ってまいるといってもゼロになるわけではございませんでして、一千万に上る人々がまだ公衆浴場を利用しておる、こういうことからいいますと、行政としては公衆浴場の健全な維持ということに力を尽くす必要がある。そういう観点から、公衆浴場に対しては特別に安い利率を適用するとか償還期間を長くするとかいう措置をとることによって借りやすくするというようなことをやっておる、こういうことでございます。
 一方、先生も御指摘をいただきましたように、民間金融機関を圧迫するのではないかというような観点もあるわけでございますが、現在のいろいろな金融全体の数字を見ておりますと、そういう状態にはないと私どもは見ておるところでございます。また、環衛公庫は非常に特異な運用の仕方をしておるわけでございます。具体的に申しますと、独自の支店網を持っていない。したがって、貸付業務の一部を既存の民間金融機関等に委託をしておるわけでございまして、両者の協調あるいは補完関係はこの面からも維持されておると考えておるところでございます。
#171
○大橋委員 環衛金融公庫の最大のメリットは、低利、そして長期、無担保、無保証というところが大きなメリットではないかと思うのでございますが、今言いますように金融の構造の変化が起こりまして、むしろ環衛公庫よりも市中銀行の方が得するのじゃないかとけうような現実も出てきているわけですね。そういうことから臨調の答申等も、こうした公庫の使命は終わりに近づいてきたのじゃないだろうか、つまり再編といいますか純民間会社に移した方がいいのじゃないか、民営化論等までが出てきているやに聞いております。
 私はこの環衛公庫は断然守り抜いていっていただきたいことを強く申し上げるわけでございますが、臨調の中にこういう言葉がございます。「事業類型別視点」ということで「政策金融関係法人については、金融構造の変化を踏まえ、民間にゆだねても差し支えない分野については、縮小あるいは撤退する。」云々とあるのですね。「また、近年、政策金融機関の経営状況は著しく悪化し、さらに、政策金融機関に対する利子補給や出資額が漸増している状況にかんがみ、基準金利による貸出しのウエイトが高い機関については収支相償を基本とした経営を行うほか、貸出利率が極めて低利で一般会計や特別会計から多額の利子補給、出資等の出ているものについては、他の政策手段との均衡に配慮しつつ、財政負担を軽減する方向で見直しを行う。」というような臨調の指摘があるわけでございます。
 また、行革審の審議の内容が既に新聞等でも報道されているわけでございますが、行革審は九十七特殊法人の全体につきまして定員削減あるいは機構の縮小、廃止、適正な人事管理など、いわゆる共通のルールづくりを急いでいるように見受けられまして、そうして日航など十六の大規模特殊法人につきましては早急な改革が必要だとして個別に具体的改革を打ち出す構えのようでございます。その十六の中に環衛金融公庫が入っているわけでございまして、先ほどの臨調の話ではないけれども、問題点としましては調達金利と貸出金利との利ざやが縮小して国からの補給金が増大しているということを指摘しまして、先ほどのような問題が提起されてきているわけでございます。
 また三月七日の新聞報道によりましても、行革審は特殊法人問題等小委員会におきまして、六日、環境衛生金融公庫を廃止して国民金融公庫または社会福祉・医療事業団と統合するとの基本方針を固めた、こういう報道が次から次に出てきているわけです。これは私は非常に不安な内容だな、環衛金融公庫を守っていこうという我々の立場から見たときに非常に不安な報道がなされているように思うわけでございますが、この点についてはどのようなお考えをお持ちか聞かせてください。
#172
○北川政府委員 先生御指摘のように、現在の金融状況を非常にマクロ的に見ますと、確かに、例えば環境衛生金融公庫におきましても貸付事業量はここのところ減少してきております。なぜそうなっておるのかということについては、いろいろな見方があるわけでございますが、一つは、一般の市中金融が非常に緩和をしておる、もう一つは、今の経済が非常に冷え切っておる環境の中で企業自体がなかなか設備投資ができないというような二つの側面があるのではないか。これらの影響を受けてそういうことになっておるという議論が一般的に行われておるところでございます。
 私ども乏しい資料ではございますが、環境衛生金融公庫のいろいろな融資の中を分析してみますと、確かに大企業に類するところは一般市中金融を受ける傾向がだんだんある、しかし、どうしても一般市中金融を受けることができない零細なところが非常にたくさん沈殿をしておる、したがって、少なくなったとはいえ環衛公庫の融資の規模というものはある水準を現在でも保ってきておる。最近は少し上向きになってきておるのではないかというデータも見られるわけでございます。こういうことでございまして、マクロで数字の動きを見て、環衛公庫が必要でなくなったのではないかという議論は、私どもは適切ではないのではないかと考えておるわけでございます。
 先ほど公衆浴場のお話を申し上げたわけでございますが、マクロで見ますと確かに公衆浴場の利用者は減ってはきておるわけでございますが、しかし、依然として非常に多くの人がそこを利用しておる。これは極めて重要なことでございまして、それと非常に似たようなことがこの議論でも考えられるのではないかというふうに思うわけでございます。
#173
○大橋委員 今の御答弁の中にもありましたように、環衛公庫の貸付残高がどんどん減ってきているわけですね。これは環衛公庫のいわゆる政策金融としてのメリットが薄れてきたのではないか。やはり環衛金融公庫の本来の魅力というものは、先ほど申しました低利、長期、無担保等々というのがあるわけでございまして、それが他に優先されるような状況になっては相ならない、あくまでも魅力的なものにしていかねばならぬ、その努力が必要であるわけでございます。
 実際問題としまして、一応私が調べた内容から見まして環衛金融公庫の貸借対照表を見てみたのですけれども、昭和五十九年度末の決算額で六千九百四十五億、それから昭和六十年度末の予定額で六千四百八十六億、昭和六十一年度末予定額で六千三百五十四億、本当にぐんぐんと減ってきているわけですね。これはやはり単に今答えられたような問題だけではなくて、大きな問題点があるのではないか、こういうふうに私も感ずるわけでございます。
 そこで、公定歩合の引き下げなどによりまして財投金利と市中金利とが逆転現象を起こしている。いわば政策金融の利子が市中金利よりも高くなったこと、そういうことから公庫に対する融資の需要が減少していっているのじゃないかな、私はこのような感じを受けるのですけれども、その点はいかがですか。
#174
○北川政府委員 先生御指摘のように、環境衛生金融公庫の貸付額がここ数年下降傾向をたどってきたその一つの原因としては、市中金利と比べて優位性が少なくなったのではないかという御指摘であろうかと思うわけでございますが、私どもいろいろそういう観点につきましても数字を持って比較をしておるところでございますが、今手元に具体的な数字がございませんが、非常に接近はしてきておるが、まだ平均的に見ますと環境衛生金融公庫の貸付金利の方が市中金利よりも下回っておる状況にあるというふうに考えておるところでございます。
#175
○大橋委員 一般の金融界の姿を見ますと、都市銀行などは本来ならば大企業等を中心にしまして、相互銀行だとかあるいは信用金庫が大体中小企業対象に動いていたわけですね。それが現在の金融自由化の内容から大きく変化しているということについて昨年の十月に野村総合研究所の所長さんで徳田博美さんという方が「金融自由化の背景と消費者への影響」ということで論文をお書きになっておりますが、非常に興味深い内容でございますので、一節をちょっと読み上げてみたいと思います。
 「銀行は、いま、なぜ中小企業への融資を熱心にやっているか」というものの中の一部分なんですけれども、「これを数字でみると、例えば五十四年には都市銀行の一年間の中小企業に対する貸出の増加率は七%にとどまっている。これに対して信用金庫は一四%と約二倍である。日本は戦後三十年あまりこのような形で推移したと言っていい。」つまり、大企業の方は都市銀行の方から借りて、中小企業はそのほとんどが信用金庫等から借りていた。それも倍以上の状況の中でなされていたんだ。
 「ところが、この一、二年、都市銀行の中小企業に対する貸出は一八%と大幅に伸びている。」七%であったのが一八%にぐんと伸びておりますね。「これに対して信用金庫は、そのあおりを受けて僅か七%の伸びにとどまっており、」一四%が七%の伸びにとどまっており、「先に述べた五十四年とまったく数字が逆転している。そしていま、一年間で中小企業の借りる金のうち八割は全国の銀行が供給する形となっており、今までの主役であった相互銀行、信用金庫などは二割に落ちている。このように銀行の貸出のやり方が大きく変わってきたのは、大企業、中堅企業の銀行離れが原因である。」
 こういうふうに非常に興味ある論文を私は拝見したわけでございますが、本当に今金融界は大変わりしてきているということですね。また、大企業も財テクによりまして資金調達をして、都市銀行等からもお金を借りなくなってきているわけですね。そのため、都市銀行はとにかく中小企業金融あるいは消費者金融等に傾斜していって、先ほど申しました相互銀行や信用金庫等と激しい競争を繰り返しているわけでございます。
 そういうことから、競争の結果、政策金融の利子より安い利子で中小企業に貸し付けているという事実がある、私はこういうふうに踏んでいるわけでございますが、この点はいかがですか。
#176
○北川政府委員 先ほども申し上げたところでございますが、先生御指摘のように、非常にマクロで見るとそういう大きな流れがあるということはそのとおりであろうと私どもも理解をしているところでございます。しかし、もう少し内部の構造的な部門を見てみると、例えば環境衛生営業者の中でも割合に大きなところは市中からの融資を受けることができ、そちらへ流れておる。しかし、非常に弱小のところはなかなか市中の金融に相手をしてもらえないという実態にあって、環衛公庫の融資を受けておるという実態が数字の上からも見られておるところでございます。
#177
○大橋委員 これは一般論で恐縮でございますが、プライムレートと公庫の貸出基準金利は今どのようになっているのか、お尋ねしたいと思います。
#178
○北川政府委員 プライムレートとの関係ではございませんが、実は私どものところで調べた一つの資料がございます。
 これは環境衛生金融公庫の平均貸付金利と市中金融機関の平均貸付金利との比較をしてみたものでございますが、昭和五十五年時点では環衛公庫の方が八・七九九%でございます。これに対して市中金融機関の平均が九・六九二%でございます。それに対しまして昭和五十八年度では、環衛公庫の方が八・〇〇六%、市中金融機関の方が八・二八五%ということで、この数字の根拠につきましてはいろいろな議論があるところでございますが、現在においてもやや優位を保っておるのではないかというふうに見ておるところでございます。
#179
○大橋委員 私が調査した内容からいきますと、プライムレートの方は六・五%ぐらいから今六・二%、金融公庫の貸出基準金利は、この間まで六・八%だったのが六・三%程度じゃないかと理解しているのですけれども、いずれにしても銀行はプライムレート以下で貸し付けているというのが現実でございます。私が言わんとするのは、公的金融機関離れが目立ってきたのではないか、つまり市中の方に魅力が出てきたのではないかということでございまして、国民金融公庫、中小企業金融公庫の貸付資金が余っている状況が続いているというふうに理解しているわけでございますが、どんなものでしょうか。
#180
○北川政府委員 現在、基準金利は六・九%でございますが、環境衛生金融公庫の貸付利率は三月二十八日から六・四%に改正しようと計画しているところでございます。
#181
○大橋委員 私がお尋ねしたのは、国民金融公庫、中小企業金融公庫の貸し付けの予算額がありますが、それが随分余っているという話を聞くわけです。それで、一般の国民が公的金融機関離れを起こしているのではないか、こういうことです。
#182
○北川政府委員 環境衛生金融公庫、国民金融公庫、中小企業金融公庫はそれぞれ貸付計画額を持っておるわけでございますが、例えば環境衛生金融公庫も将来見通しを非常に厳しく見て、計画額も前年度より若干下げておりますが、実績の方はそれよりさらに下がっておるという実態があるわけでございます。
#183
○大橋委員 国民金融公庫等々の予算額より随分余っておるという話なのですが、一千億ぐらいあるのじゃないですか。ということは、国民金融公庫も中小企業金融公庫ももうそれほど魅力的ではなくなったと国民が理解し始めたのではないかと心配して聞いているわけですが、いかがですか。
#184
○北川政府委員 この数字についてはいろいろな見方があるところでございますが、減っておるところに着目いたしますと、確かに先生がおっしゃいましたような一つの考え方も成り立つと思うわけでございます。
 一方、実績という観点から見ますと、例えば環衛公庫におきましても、今日なお、これは五十九年度の数字でございますが、千六百五十四億という実績を持っておる、それから六十年度におきましては、十月、十一月時点でございますが、対前年同月比で見ましても少し貸付実績が上がってきておるというような数字もございまして、確かに周辺の一般金融の動向の影響を強く受けるわけでございますので数字はいろいろと変動するわけでございますが、先ほど来申し上げておりますように、現在非常に多くの人が例えば環境衛生金融公庫の融資を活用しておられる。それは、公衆浴場を利用しておる人が非常に少なくなったとはいえ、一千万を超える国民がなお公衆浴場を利用しておるのだ、そういうところを切り捨てることができるのかという議論と通ずるのではないかということを申し上げたわけでございます。
    〔委員長退席、高橋委員長代理着席〕
#185
○大橋委員 今の説明は私もよく理解できるのであって、そういう意味で環衛金融公庫の存続は絶対に必要である、その気持ちは変わらないのですよ。けれども、こういう現実問題がありますよ、もっと魅力的な内容にしていかねばなりませんよ、こう言っているわけです。
 先ほど申しましたように、財投金利と市中金利との逆転現象が起こっている。これは珍しいことなのです。そういうことで政策金融の利子が市中金利よりも高くなったことによって私が今申し上げたような心配が起こってくるわけでございまして、これは改善しなければならぬ問題があるのじゃないか。そういうことで、財投金利が市中金利に柔軟に対応して早く連動するような制度にならなければならぬのじゃないか。非常に遅いですものね。その点も改めるべきじゃないかと思うのですけれども、この点はいかがですか。
#186
○北川政府委員 御指摘の点は基本的には非常にごもっともなわけでございまして、私どもとしましてもできるだけの努力をしてまいりたいと思います。しかし、何分にも関係部門との連携がございますので、どうしても後づけになってしまう傾向があるということは否めないところでございます。
#187
○大橋委員 時間も迫ってきたのですが、この点は厚生省というよりも政府全体の大きな問題だと思いますので、大臣にぜひとも要求してもらいたい。財投金利が市中金利に柔軟に対応していき、早く連動するような体制を整える、そういう方向で努力していくということをぜひ進言していただきたい。そうしないと、中小企業者のニーズにこたえられなくなっていくのではないかということで、要望しておきます。
#188
○今井国務大臣 先生の今のお話はまことにごもっともなことでございまして、微力でございますが、私なりの努力をさせていただきたいと思います。
#189
○大橋委員 私がこれまで指摘したさまざまな問題があるわけでございますが、こういう状態が続いてまいりますと、環衛公庫もその使命を終わったのじゃないかと言われかねないし、民間からも同公庫の機能強化に反対する声が高まってくるのではないかという心配がございますので、なおさら内容充実のために努力されんことを強く要望いたしまして、質問を終わることといたします。
#190
○高橋委員長代理 塚田延充君。
#191
○塚田委員 国民金融公庫など政府金融機関の融資の伸びが最近ではどちらかというと運転資金の面のみに強くあらわれてきておって、設備資金の伸びの方は少ないような現状にあるのじゃないかと私は推察しております。したがいまして、環衛公庫が業界の資金需要に応じていくためには運転資金の貸付制度を、今度は組合だけでなくて企業というか個人にも枠を広げようという改正を考えておるということはまさに時宜を得ているものと私は評価をいたしております。
 そこでお尋ねしますけれども、この環衛公庫の将来像についてどのようなビジョンを持って対処していくつもりなのか、お伺いしたいと思います。
#192
○今井国務大臣 仰せのように、環衛業というのは国民生活に非常に密接な関係を持っておりますし、また非常に多くの就業者を持っております社会経済的にも重要な産業分野の一つでございます。一方、その経営形態は、先生おっしゃいますように零細で経営力が極めて弱いという特徴があるわけであります。
 そこで環衛公庫は、設立以来、この環衛業の衛生水準の向上と近代化というものを促進するための融資に努めて実績を上げてまいったわけでありますが、今後の環衛公庫の目指す方向としましては、まず、引き続きまして、都道府県の環衛業の指導センターが行います指導の事業に対応いたしましてきめ細かな融資を行うこと、同時に、先生おっしゃいますように環衛業が国民生活、国民経済に占める重要性を考慮しまして、計画的な振興事業への貸し付けなどの環衛業全体の活性化に役立つような施策への融資に重点を置く必要があると考えております。
 また、環衛公庫は、環衛業が必要とする各種の情報の提供なども行いまして、環衛業のための独立した専門の金融機関として一層の質的な充実を図ってまいる必要があろうと考えております。
#193
○塚田委員 環境衛生営業業界は今どのような課題を抱えており、それに基づいて組合及び環衛営業者の方からこの環衛金融公庫の融資制度についてどのような具体的な要望が今出されているのか、そのような問題点をどのように厚生省としては把握されておるのか、お尋ねいたします。
#194
○北川政府委員 環衛業はその業態の数がふえていく。今日、第一次産業が縮小をし、第二次産業においても非常に機械化が進む中で、人が直接関与をする第三次の産業にだんだん人が流れていく、こういう大きな流れの中で環衛業の数もふえておる、その関係従事者もふえておる、こういうことでございまして、その業界内部におけるいろいろな過当競争も非常に大きくなってきておる、あるいは大企業がこういう分野に非常に進出をしてくる、そういうことで関係者は非常に危惧の念を強めておるところでございますし、また行政といたしましてもそういうことが過当競争につながり、さらには非常に重要な国民の衛生確保という観点からもいろいろな問題を起こしてくるのではないか。
 こういうことが当面の環衛業界を取り巻く問題点でございまして、そういうことに対して業界としてはそれぞれ組織的に、今まで個々ばらばらであったものを組織化をし対応していこう、そのために組合活動も非常に強化をしよう、あるいはその組合活動の事業の一環として環境衛生営業指導センターというようなものも大いに活用していこう、そういう動きの中で経営を合理化し、さらには資本の蓄積も高めていくというような観点から必要な金融への要請ということも非常に強くなってきておるところでございます。
#195
○塚田委員 今度運転資金にまで枠を広げようという改正は、これは業界の要望があった、もしくはそのような必要性を厚生省として察知したから手を打つわけでございますけれども、そもそも環衛公庫は、今市中金融機関の金利も下がってきて余り金利差がなくなってきておる。しかも、市中金融機関のサービス攻勢が非常に激しくなってきておる。そのような中で、業者の立場に立った場合、環衛公庫のメリットとは何でしょうか。ひとつ局長の方から、我が方はこういうメリットがありますよということを環衛公庫の立場でずばりここでPRをしていただきたいと思います。
#196
○北川政府委員 環衛公庫の位置づけというのは先ほど来申し上げておるわけでございますが、環境衛生営業に対する行政指導あるいは環境衛生営業指導センター、これらの業務とも密接に関連して、必要に応じたきめ細かな融資を行っていく。きめ細かなというのは、一つは利率の問題であり、一つは償還期限の問題であろうかと思うわけでございますが、そういうきめ細かなことを今までやってまいった。その上に、今後は従来の設備資金に加えて運転資金もあわせて貸し出しをするという前進をいたしたわけでございますので、金融という観点からは非常に一歩前進をする。あるいは従来、あっちからもこっちからも借りてきておったものを一本化をして環境衛生金融公庫で借り受けする二とができるというようなことも利用者にとっては非常に大きなメリットになってきておるのではないかというふうに考えるところでございます。
#197
○塚田委員 ただいまの御説明はちょっと抽象的だったと思いますし、また、行政の立場からのみ述べられていたのじゃないかと思うのです。
 私がお聞きしたかったのは、もっとずばりと、私のところは金利が安いからどうぞとか、無担保だからどうぞとか、審査が易しいからどうぞとか何かあるのでしょうか、ここなのですけれども、端的にお答えいただきたいと思います。
#198
○北川政府委員 確かに、利用者の側からいたしますと、先生おっしゃりますように非常に簡便に活用できるということが最大のメリットであることは間違いないわけでございますが、しかし一方、やはり公的なお金を運用する立場ということからすると、ある一定度の審査とかあるいは担保の保証とかそういう問題も考えなければならないということはどうしても避けられない点ではないかと思うわけでございます。
 金利の点につきましては、先ほど来御議論があったわけでございますが、一般のプライムレートが下がっていく中で相対的にどうしても政府金融がおくれがちであるということの御指摘を受けたわけでございますが、それはそれとして、やはり環境衛生金融公庫は、例えば公衆浴場等に対しましては基準金利より非常に有利な金利を設定をしておる、あるいは返還期間も一般の返還期間より非常に長くしておるというようなことで、その業態に応じて必要な限度において優遇措置をとっておるということは申し上げることができると思います。
#199
○塚田委員 私自身が環境衛生営業者のあたりを回りますと、やはり環衛公庫の存在意義というものはそれなりに認めておることは事実でございます。しかし、その認め方というのが問題であり、そこにまた意義があるわけなのですけれども、それはなぜかというと、金利差とかなんとかいうよりも、市中銀行からなかなか相手にされない、借りられない。そんなところを組合のバックとか、連帯意識とかいうようなことで、政府のお力にすがろうじゃないか、こういう意味から、面倒くさいとかいうようなことでしり込みしながらも、無理をして環衛公庫のお世話になって、後でありがたがっておる、こういうようなわけでございます。ということで、私としてはいわゆる中小零細業者に対する存在意義を強めていくことが環衛公庫のこれからのあり方であり、先ほど来何回も議論が出ましたように、市中金融機関の資金量が豊富である、もしくは貸し出し競争が盛んになるということになりますと、力のあるところは幾らでも借りられるのですよ。借りられないところはどうするかということに意義があると思います。
 そんな中で、環衛公庫のいろいろな制度の中で小企業に対する特別制度というのがあるわけでございますが、私の言い方からすれば、これなどが一番環衛公庫らしいメリットを持った制度である。この小企業特別制度のいわゆる全体の貸し付けの中に占める割合が最近どのようなパーセンテージになっているのか、その辺の推移を簡単にお教えいただきたいと思います。
#200
○北川政府委員 環衛公庫の非常に重大な役割として、弱小な小企業に対する貸し付けということは非常に重要な問題でございまして、そのためにこの制度の中にも小企業等特別貸付制度を持っているところでございます。
 しかし、そうはいつでもその借り受け者の事業の合理性といいますか、経営の安定化への裏づけといいますか、そういうこともどうしても考慮する必要があるということから、出てくれば何でもお貸しをするというわけにはまいらないわけでございますが、全体の貸し付けの中で小企業特別貸付はどうなっておるかという点について申し上げてみますと、昭和五十九年度では小企業貸付の件数が七千七百九件でございます。これは対前年度と比べますと少しずつふえてきております。例えば、一番少なかったのは昭和五十七年度の七千百六十件でございますが、今申し上げました七千七百九件まで伸びてきておるという実績があるわけでございます。
#201
○塚田委員 私、繰り返しになりますけれども、小企業等に対する特別貸付枠制度というのは、本当に零細業者が多い環衛業界においては光明を与えておる制度であると認識しておるわけでございます。ところが、このたびの改正では、一般貸付における運転資金についてはチャンスを与える形になったけれども、小企業等に対しては運転資金はまだ認めておらない。これはなぜなんでしょうか。
#202
○北川政府委員 運転資金はいろいろな側面を持っておるわけでございますが、私どもとしては先ほど来申し上げておりますように、振興計画、振興事業というものに非常に大きな意味づけを持ってこの問題に現在対応をしておるところでございます。したがいまして、振興計画を進めていく上に必要な運転資金をまず第一に制度化をしていく、その後の過程でさらにいろいろ御議論が出ようかと思います。先生御指摘のそういう中小企業に対する特別の運転資金というようなお考えもあろうかと思います。そういう問題についても今後の課題として私どもは検討してまいりたいと考えておるところでございます。
#203
○塚田委員 先ほど来、環衛公庫の貸付件数及び金額が五十五年以来減少しておる、五十八年度、五十九年度においても計画に対して貸付実績が下回っておるという経過をたどっておることは事実でございます。
 お尋ねしますけれども、その理由などについては先ほどからるる述べられておる。それをわかりやすく言うと、メリットが少なくなったからということにもなるのじゃないかという気もするのですけれども、非常に似たような機関として国民金融公庫とか中小企業金融公庫とかの最近の動向、すなわち環衛公庫と同じようにやはり減少傾向にあるのか。他の政府系金融機関は同じようなレベルに達しておるとか、もしくは上昇しておる機関もあるとか、その辺いかがでございましょう。
#204
○北川政府委員 現在の数字で見ますところ、環衛公庫につきましてはまだ減少の道をたどっておるところでございます。
 国民金融公庫につきましては、貸付枠三兆一千二百二十億に対しまして貸付実績は二兆七千百九十五億でございまして、計画枠の残は四千二十五億というような数字になっております。中小企業金融公庫につきましても、計画枠の残があるわけでございます。
 しかし、実績額はそれぞれ少しずつ伸びておるようでございまして、これは国民金融公庫あるいは中小公庫等が対応しておる企業と環衛公庫が対応しておる企業との間にいろいろな内部構造的な差があるのではないか。一般的に言って、全体として少しずつ利用状況はふえてきておるということを先ほども申し上げたわけでございますが、環衛公庫においても六十年度の十月以降はやや上向きになってきておるという実態があるわけでございます。
#205
○塚田委員 今の御答弁で、国民金融公庫などは実績が落ちておらないとすれば、環衛公庫が落ちておるということはやはり構造的な欠陥といいましょうか、もしくは本質的な存在意義とかいうことに問題が出てくる、このように考えられるのですけれども、その辺についてはいかがお考えですか。
#206
○北川政府委員 この点は、一概にそのようには言えないのではないかと私どもは考えておるところでございます。
 その一つは、先ほど来何度も申し上げておりますが、環衛公庫においても貸付実績が少しずつ伸び始めてきておる。これは周辺の金融事情が変わってきておるという外的な要因もあるのではないか。それからもう一つの点は、環衛業界内部の内的な要因もあろうかと思います。いずれにしましても、これはマクロの見方でございます。
 その一方で、例えば環衛公庫について見ましても、確かに非常に有力な企業は他の金融機関からの融資を活用する可能性も非常にある、しかし一方、先ほど来先生から御指摘をいただいておりますように、非常に弱小なところはどうも外へは行けなくて環衛公庫の利用が依然として根強くある、こういうふうに私どもは読んでおるわけでございまして、そういう観点からすれば現時点においても環衛公庫の存在意義は極めて大きい。それから、金融に関する外的な環境というものはどんどん変わるわけでございますから、今日の状況がいつまでも続くかどうかということについても大きな疑問点が残るというふうに考えるわけでございまして、したがって先生が御心配をいただく環衛公庫の存在意義についての疑問というものは、長い目で見れば決してそういうことはないと私どもは考えておるところでございます。
#207
○塚田委員 私は楽観を許さないと思うのです。最近数カ月では上向いたと言うかもしらぬけれども、これはほんの一時的なことで、五年来のデータがきちんと出ておるのですから。それで私の主張する存在意義というのは、別な面でふえることがあっても減ってないんだ、それはほかの機関に借りにいけないような方々をどうやって、特に運転資金を救済するのか、それに目をつけないでやっておったのでは、やはり一時的な波はあったとしても、いわゆる大きな減少傾向といいましょうか存在意義の薄れというのはなくならないのではないか。私はかわいいから心配しているわけでございます。そういう意味において、貸し付けの方法といいましょうか、またはメリットを増長させるあり方について再検討いただきたいと思っております。
 そうした場合、金利の問題、確かに業者は敏感かもしらぬけれども、わらにでもすがるように生きるために苦労されるような零細業者というのは、それ以上に、保証人の問題、また期間の問題、据置期間の問題、それからいわゆる御決定をいただくまでの期間の短縮といいましょうか、この辺が問題なわけです。そうなりますと、私は一般貸付が増強されるのは結構でございますけれども、繰り返しますが、小企業等の特別貸付制度、これにもっと光を当てて充実させる、これが環衛業界の要望ではないか、このように考えております。
 そこで、別な視点からお伺いしますが、環衛公庫の役職員の数は最近ふえているのでしょうか、それとも減っているのでしょうか。
#208
○北川政府委員 環境衛生金融公庫の役職員の数は、最近はふえてはおりません。もう少し申し上げますと、昭和四十二年発足の当時、トータルとして五十名でございました。その後事業の拡大に従いまして昭和四十七年までに六十一人まで伸びたわけでございますが、その後はずっと横ばいでございまして、昭和五十七年に合理化をすることによって一名の減員をしたところでございます。
    〔高橋委員長代理退席、浜田(卓)委員長代理着席〕
 しかし一方、業務量はトータル額では、金額では減っておりますが、いろいろな内容においては非常にきめ細かな対応をしておるというようなことで業務量はむしろふえておると私どもは考えておるところでございます。
#209
○塚田委員 六十一名から六十名へ合理化されたというその御努力を評価いたします。しかし一方、業務量そのものは横ばいといいましょうか、仕事はたくさんあるんだよと言うけれども、やはり世間の目というのは実績になってまいります。実績が上がらなければ幾らむだ働きをやったってそれだけの評価をするわけにいかない。
 とすると、非常に常識的な簡単な見方をすれば、業績は下がっておるといいましょうか、減っておる。ところが職員の数が、一名は確かに減ったかもしらぬけれども世間の常識からいくと同じだ。とすると合理化の努力が足りない、こういうふうに見られがちであり、この辺のとこるを先ほど来問題になっております行革審の特殊法人問題等小委員会ですか、これのみの理由じゃないですけれども、そういうことを背景にいろいろなことを難題を吹っかけてくるという形になると思うのです。一段の経営合理化について御努力いただきたいのですけれども、ここで大臣の御登場をお願いしたいのです。
 行革審の方からの攻勢に対して、私の見方では形勢不利だと思う。実績は落ちておる。経営合理化についてはまだまだの感じがする。そして私は、環衛公庫の一番本来的なことは、市中銀行から、金融機関から借りられないような方に対して門戸をもっと広げることだと言っておっても、局長の御答弁では、趣旨はわかるけれども云々になって、小企業等特別貸付枠制度について手を入れようともされておらない。となれば四面楚歌になる危険性があると思う。そんな中で、先ほど厚生大臣は、網岡委員のずばりとした守ってほしいという願いに対して、守り切りますと大変心強い決意を表明されたわけですけれども、私はそれをバックアップする意味においても、大丈夫だろうか、このように考えているのですけれども、大臣いかがですか。
#210
○北川政府委員 確かに、先生御指摘のように、非常にマクロで見ますと、もっと合理化をしたらいいではないか、人の問題ももっと合理化できるのではないかという御議論も一方ではあるわけでございますが、実際、我々業務の子細を見ておる者の目からいたしますと、最近のそういう環境衛生営業に対して環境衛生金融公庫がいろいろな情報を提供する、あるいはそれに必要な情報を集めてくるというようなことからしても、なかなかの仕事をやっておる。
 それからもう一つ申し上げておきたいことば、環衛公庫というのは自分の直接の窓口を持っていないで実際の窓口業務は他の機関に業務委託をしておるということで、要するにブレーンのところだけを持っておる、こういう構造を持っておるわけでございまして、そういう点についても御理解をちょうだいしたいと考えておるところでございます。
#211
○塚田委員 業界に対して指導センターなどを通じて指導いただくとかいうこと、それ自体は結構ですけれども、今の議論はあくまでも金融公庫としての役割について議論が行われており、この委員会での議論以上にそういう行革審の方からも指摘を受けるような事態に至ってしまった。だから、もっともっとしっかりしてほしい、このように私は申し上げているのであって、そうした場合、金融公庫というのは金融機関です。金融機関同士の競争がある。その中で勝ち抜く、もしくは業界に対してメリットを与えるためにはそのメリットは何なのか。そのメリットは、私は何回も強調するように小企業等のあれにあるようなやり方が典型的なモデル例だと思う。そのモデル側を思い切り拡充するというか、それが大切ではなかろうかと考えております。
 最後に、五十九年度の、いわゆる申し込みに対して一方的に申込人が取り下げたとか、または審査の結果否決したというパーセンテージがどのくらいになっておるか教えてください。
#212
○北川政府委員 公庫の融資申し込みの処理の件数につきましては、貸付決定を行ったものが五十九年度は七三・四%でございます。また否決をしたものは五十九年度では一七・八%となっております。
#213
○塚田委員 時間がなくなりましたので、最後にどうしても大臣の決意を――先ほど網岡委員に言われたことはあくまでも気持ちのあらわれだけのような気もするのですよ。四面楚歌に近いような状況に追い込まれていくと思う。環衛業界のために頑張ってほしいのだけれども、もう少し実態を踏まえた決意の表明をもう一度お願いしたいと思います。
#214
○今井国務大臣 さっきからずっと御議論を聞いておりまして、大変御心配いただいておりますことを本当にありがたいと思いますが、先ほど申し上げたように、私は環衛公庫というのは環衛業のための独立した専門の金融機関として一層の質的な充実を図ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
#215
○塚田委員 ぜひ政府金融機関としてのメリットを出してやってください。終わります。
#216
○浜田(卓)委員長代理 小沢和秋君。
#217
○小沢(和)委員 ここ数年の「環境衛生金融公庫の貸付計画額及び実績額」という資料をいただいております。これを見ますと、君十四年度が貸付計画、実績ともピークで、計画が二千九百十億に対して実績が二千四百六億。ところが、それからどんどん下がり始めて、五十九年度は二千百五十億の計画に対し実績が千六百五十四億、六十一年度はとうとう計画自体が千七百六十億というところまで下がってきているわけであります。
 これは一体どういう原因によるものかということです。先ほどからいろいろ議論もありましたし、私も地元の料飲業者などにも聞いてみたわけでありますけれども、従来中小資本の事業分野だとされたようなところにも大資本がどんどん出てきて非常に競争が激化する、そのため不景気になって、とてもこういう設備投資などやるどころの状況ではないのだという声もあるわけであります。端的に言えば、やはりそういうところが今の計画、実績とも下がってきている理由でしょうか。
#218
○北川政府委員 先生の御指摘の点も全体の貸付額が下がってきておる一つの要因がとも思われますが、それ以外に、市中金融の緩和の問題とか、企業を取り巻く財政状況の冷却化といいますか企業活動が非常にやりづらくなっておるという大きな流れがあるのではないかと考えておるところでございます。
#219
○小沢(和)委員 零細な業者と大資本とがむき出しの形で自由に競争するということになれば、だれが考えてみても結果はおのずと知れているわけであります。ですから、私はどうしてもこういう中小零細業者をこの分野でも守っていかなければならないというふうに考えるわけであります。
 この点については、中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律というのがあります。この中で、大企業者には「当該事業と同種の事業を営んでいる中小企業者の利益を不当に侵害することのないように配慮しなければならない。」ということを責務として課しておりますし、具体的にそういう大資本が進出すると困るという中小企業団体などは、調整を大臣に申し出ることができるようになっておる。そうして大臣は、その大企業者に対して「当該事業の開始若しくは拡大の時期を繰り下げ、又は当該事業の規模を縮小すべきことを勧告することができる。」また、それに従わない場合には「公表することができる。」さらに、そういうことを「一時停止すべきことを勧告することができる。」ということがこの法律に書かれているわけであります。
 お尋ねしたいのは、実際にそういうようなことがどの程度やられておるかということですが、いかがでしょうか。
#220
○北川政府委員 先生御指摘のように、最近特に旅館、ホテルあるいは飲食店業などにおいて大企業の進出が目覚ましく、これをめぐり、各地において地元の環境衛生業者との間で紛争が生じておるわけでございます。厚生省といたしましては、このような紛争につきましては、今先生御説明のありました中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律、いわゆる分野調整法にのっとりまして、従来から都道府県を通じ、あるいは厚生省において、中小環境衛生業者の事業活動の分野が確保されるよう、いろいろと努力をしてきたところでございます。
 具体的には、何といいましてもその地域社会におけるいろいろな意見構成というものが非常に重要な影響を与えるわけでございますので、各地域における商工会議所あるいは私どもが直接所管をしております環境衛生営業指導センターにおきまして第三者的な調整機関を設けて紛争の解決を図るようにやっておるところでございます。
#221
○小沢(和)委員 いろいろ言うのはいいですから、私が聞いていることにずばっと答えてくださいよ。
 そういう法律を発動しているようなケースというのは実際どれくらいあるのでしょうかという実績を聞いているのです。
    〔浜田(卓)委員長代理退席、委員長着席〕
#222
○北川政府委員 先生具体的に御質問いただいておりますような数字は現在持っておりませんが、幾つかのケースでただいま申し上げましたような機構を通じてやっておるわけでございます。ただ、そこで激しい問題になる前に、相互に折り合ってかなり自主的な解決が図られているというのが実態のようでございます。
#223
○小沢(和)委員 実際にどの程度この法律が機能しているかということについては、大変あいまいにしか感じられないわけですね。だから、私どもの地元などでも零細な業者がしょっちゅうつぶれて店を閉めていくというようなことが起こっているわけであります。せっかくこういうような手段が書かれているわけですから、行政としてもそれに合わせてきちんと頑張っていただきたい。その点についての大臣の決意なり姿勢をお伺いしたいと思います。
#224
○今井国務大臣 私は、せっかくの法律でございますから、その趣旨に沿って本当に誠実にやりたいと思っております。
#225
○小沢(和)委員 それでは、今後その点は見守ることにいたします。
 次にお尋ねしたいと思いますのは、この公庫の融資を受けるための手続に関連する問題であります。
 この融資を受けるためには、環境衛生同業組合を通じて知事の推薦を受けるというようになっております。ところが現実には、アウトサイダーと言われる、同業組合に入っていない人たちがたくさんいるわけですね。このアウトサイダーの人たちにしてみれば、自分たちは同業組合に入っておらないのに同業組合を経由しなければ手続ができないというのは大変おかしいのではないかということで、私どもなどによく苦情が寄せられるわけであります。
 そこで、この機会にお尋ねしておきたいと思うのですけれども、アウトサイダーというのはどの程度いるか、逆に言えば、同業組合がどの程度組織化されているかということについて、あなた方は実態を御存じでしょうか。
#226
○北川政府委員 なかなか複雑な、多様な業界でございますので、的確に幾らという数字は持ち合わせておりませんが、少なくとも三分の二以上の組織率ではないかというふうに私どもは認識をしているところでございます。
#227
○小沢(和)委員 それはもう全く認識不足ですね。
 私は、福岡県ではどうかということで、ついきのう電話を入れて確かめてみたのです。そうしたら、過半数を組織しているのは十四業種中四業種にすぎないのですよ。この四業種だけは、理容については七八・九%、それから公衆浴場が八六・○、興行場が七九・四、料理が七一・七。ところが、過半数を組織しているのはこの四業種だけなんです。あとは全部五〇%を切っているのですよ。そして、あとの大部分が二〇%台から一〇%台ですね。一番低いところはどうかといったら、喫茶店の同業組合は一〇・四%ですね。こういうようなところの同業組合が、どうしてその業者全体を代表しているなどと言えるのか、そこを経由しなければならないというふうに決めていること自体が、これが実態であるとすれば、全く不合理じゃないですか。
#228
○北川政府委員 いろんな見方があろうかと思うわけでございますが、私どもといたしましては、こういう非常に零細な業態であるという観点から、個別には非常に弱い、そういうことからこういう組合組織を育成することによって業界としての力をつけ、それをベースにして国民の保健衛生を確保していく、こういう物の考え方をしているところでございますので、できるだけ組織を高めていく、こういう観点から行政を進めておるところでございます。したがいまして、今、先生御指摘のように、まだ非常に組織率が弱いというところもありますが、それはそれなりの必然的な業態の特質というものもございまして、そういうことも克服しながら組織率を高めていくということが必要ではないかと考えておるわけでございます。
 それで、なお、先ほどの公庫融資の申請に当たって、組合を通じていくということを原則としておるわけでございますが、直接知事の推薦を受ける道も決してないわけではないと理解をしておるところでございます。
#229
○小沢(和)委員 個別には弱い業者ばかりだから組織率を高めていかなきゃならない、私も、一般的にはそういう零細な業者が大きく団結をして社会的な力を持つようにさせたいと願っているのです。しかし、アウトサイダーというのがなぜ入らないかといったら、その同業組合の運営が非民主的であるとかいうようなことで、いろいろトラブルが起こってアウトサイダーになったとか、やはり一人一人みんな歴史的ないきさつもあるのですよ。自分がそういうようなことで不満を持って飛び出した組織に頭を下げて手続をしに行かなければならないということで、しょっちゅうトラブルが起こってきたわけであります。
 私、今ここに一つこういう書類を持っているのです。「私が加入している北九州料理飲食等同業組合は昭和四十九年六月に結成し、小倉財務事務所に届を提出すると同時に、福岡県環境衛生同業組合に加入の申込をしましたが、同組合から加入を拒否されましたので、金融申込み関係書類を直接送ります。」これが福岡県知事あての理由書なんですね。今あなたが、直接県に推薦を頼む手続もあるというふうに言われたけれども、その手続をするためには、こういう珍妙なとしか言いようがないような理由書を添えて一々やらなきゃならないのですね。
 今も言うように、もう大部分の人が加入もしていないような同業組合、やはりいろいろ組織に問題があるからだと私は思うのですね。それなのに、そこを一々通さなければならない。通さない場合はこういうような理由書を出さなきゃならないということは、私はこれは非常に不合理だというふうに考えるわけですけれども、もっとすっきりさせた方がいいんじゃないんですか。
#230
○北川政府委員 今の知事の推薦を得る手続につきましては、いろいろと議論が過去にございました。一般の金融審査上の手続については行政簡素化の見地から検討を加え、五十七年に、借り入れ申し込みの様式等大幅に簡素化したわけでございまして、都道府県知事等の推薦につきましても、簡素化の見地から現在いろいろ検討しておるところでございますが、先生ちょっと御指摘をいただきましたそういう理由書の添付は現在必要としないというふうに我々は理解をしております。
#231
○小沢(和)委員 いや、これもつい最近、私がこの質問をするためにいろいろ実情を聞いて回ったらこういう書類が出てきたんですから、つい最近でもやっているんですよ。
 それで、だから私は、あなた方がこういう書類は要らないということをここで言われたから、そういうように改善をさせていただきたいと思うのですが、もっと突っ込んで、今あなたの方も行政簡素化の立場からいろいろ検討しているというふうに言われたですね。私もいろいろ手続を聞いてみたら、結局のところ、県にその推薦を頼むといったって、県はこれだけ膨大な、それぞれこの環衛の業者を抱えているわけでしょう。推薦を依頼するといって来たって、そんなの実態なんてほとんどわからないで、実際には、あなた方が示されているいわゆる四つの基準というやつで書類をちょっちょっとチェックして、それでどんどん出しているのです。これは本当に形式なんですね。
 それで、私、思い切って、私にその説明をしてくれた担当者に、あなた方、こういうようなものが実際上要ると思いますかと言って聞いたら、いや、私の方もこういうような手続要るだろうかと思って、要らないんじゃないかという意見を出したこともあるんですと言うのですね。
 どうですか、いっそのこともうこういう手続そのものをやめてしまって、この環衛公庫の仕事は国金に窓口を依頼しているわけでしょう、だったら、もう国金にはっと持っていくようにさせてしまったらよっぽど行政簡素化じゃないですか。どうですか。
#232
○北川政府委員 先生の御指摘の点も大変、理解できないわけではないのでございますが、現在、私どもは、この環衛公庫の融資というものを環境衛生行政と密接に連携をさせていくというところに意義を求めておるわけでございます。特にその環境衛生営業というのは人の健康に直接かかわる、例えば食品の問題にしましてもあるいはホテル等の問題にしましても非常にいろいろな問題を持っておるわけでございます。そういう点で都道府県における環境衛生行政というものが進んでおるわけでございまして、そこと密接に連携をとってこういう金融政策を運用していきたい、こう考えておるところでございます。
 今、福岡県の例がございましたが、それは一つの声として、私どももさらに私どもの考え方を都道府県に理解をさせる努力もしなければなりません。そういうことからいいまして、都道府県知事の推薦というものは廃止をするわけにはいかないのではないかと、現在のところは私どもは考えておるところでございます。
#233
○小沢(和)委員 その県の行政と公庫とが密接な関連を持ちながら仕事をしていく必要がある、それは私も賛成ですよ。しかし、それは今までも言われているような、もうそれぞれの県で何万とかいうようなこの業者がいる、その人たちの書類を形式的に一々全部県が目を通して推薦書なるものを出してやらなければ保証されないのですか。私はそこは改善できるはずだと思うのです。大臣、どうですか。
#234
○北川政府委員 実務的なことでございますので私から答えさせていただくわけでございますが、確かにいろいろな情報というものが非常にふくそうしておる社会でございますから、一対一で直ちにそこに意義を求めることはなかなか難しい点もあろうかと思いますが、大きな一つの流れとしてやはりこういうものを位置づけていくと私どもは考えているところでございます。
#235
○今井国務大臣 今、局長も答弁しましたように、簡素化の見地から検討さしておりますから、その検討を私もめくら判でなく、じろっとよく見まして判断をしたいと思います。
#236
○小沢(和)委員 最後にもう一問さしていただきたいのですが、小企業者に対する特別貸付、先ほども問題になりました。私どももこれをぜひ充実をさしていただきたいというふうに考えているのですが、今度の運転資金にはこの種の特別貸付というものが出てこないのはどういうわけか。
 それから、この小企業者に対する特別貸付というのは、私どもが説明を受けているのでは無担保、無保証人というはずですけれども、実際には保証人をつけさせたりしているということを私聞くのです。これは、せっかく無担保、無保証人というふうに制度としてはっきりうたわれているのに、そういう運用をすることはおかしいのじゃないか。これは直ちに改めていただきたいがどうか。これで終わります。
#237
○北川政府委員 今回、導入について御議論をいただいております運転資金につきましては、先ほど来御説明申し上げておりますように、振興事業という点に着目をして、いろいろな運転資金についてのお考え方はあろうかと思いますが、私どもとしてはそこに着目をして、とりあえず振興事業にかかわる運転資金というものを取り上げさせていただいたわけでございます。したがいまして、恐らくその中に中小のものも当然入ってくるだろうというふうに思うわけでございます。
 それから、先ほどの無担保、無保証人の問題につきましては、制度にありますとおりに私どもは考えておるわけでございまして、今先生の御指摘のような事実はないというふうに認識をしておるところでございます。
#238
○小沢(和)委員 終わります。
#239
○山崎委員長 浜田卓二郎君。
#240
○浜田(卓)委員 ただいま各党の諸先輩からの質疑を拝聴させていただきまして、ほぼ問題点が出尽くしていると思います。私も三十分時間をいただいておりますけれども、全部は使わない予定でございまして、簡潔に一、二点伺いたいと思うわけであります。
 私、いろいろ厚生省御当局の御答弁、苦しい御答弁だなと思って聞いている面もあるわけでありますけれども、基本的にもう一度反復させていただきますけれども、なぜ環衛業界というところに政策金融が必要なのかという根本問題ですね。普通、政策金融が必要だというのは、大体大別すれば、金融を量的に補完しなければならない、あるいはまた質的に補完しなければならない、そういう必要性から出てきているのだと思うのです。ところが、最近量的な面におきましてはかなり資金量というのは豊富になっておりますし、これはいろいろなデータから見ても、量的に限られているから補完をしなければならないという要請が非常に強いというふうになかなか私は思えないわけでありますが、結局、質的に、いろいろ言っておられる食品衛生法上の観点とか、そういう行政目的の遂行のための手段という面も加えたそういう質的な補完ということだろうと思うのですけれども、この辺最近の状況に照らして、どういう政策金融の必要性があって行っているのか、その点をもう一度伺ってみたいと思います。
#241
○北川政府委員 環境衛生金融公庫における政策金融の性格は何かという御質問であろうかと思うわけでございますが、先生御指摘のように、環境衛生営業というのは非常に多様であるし、それからまた国民の保健、生命に直接かかわる仕事をやっておるという観点から非常に厳しい衛生規制を受けてきておる、こういう業態に対して、その安全性といいますか、衛生水準を高めていくためにどうしても金融的な裏づけが必要である、こういう観点から環境衛生金融公庫の融資の業務というものが伸びてきたわけでございます。
 特に全体の流れとして、先ほど来御説明申し上げているわけでございますが、業界がばらばらにやっていくというのではなくて、一つのまとまりを持った組織的な活動をする、これを育成することによって業界の体質を改善をしていきたい、それがひいては衛生問題に直接反映してくるのではないか。こういうことで、各都道府県における指導センターの事業、こういうものと環衛公庫の融資というようなものを密接に連携をさせて運用をしてまいりたい、そこに環衛公庫の政策金融の特性を見出しておると私どもは考えておるわけでございます。
#242
○浜田(卓)委員 問題にずばり入ってしまうのですけれども、つまり衛生水準の向上とか、そういう公衆衛生上の行政的な目的がある、それを遂行していくために環衛組合なり環衛指導センターなりがある。その推進の一環として位置づけておられるわけですね。そして、そういう全体としての行政体制をいわば補完するものとして金融サイドで環衛金融公庫を準備したということに理解してよろしいんですか。
#243
○北川政府委員 そのとおりでございます。
#244
○浜田(卓)委員 そうなりますと、当然の結論なんでしょうけれども、金融公庫の貸し出しの手続の中にどうしてもそういう行政目的から来る手続が入ってくるんですね。それが、先ほど来各党から御指摘があるように、どうしても若干煩瑣になってしまうというところだと思うのです。だから、例えば百万を超える融資については知事の承認が必要だ。それを組合を通じて知事に申請をして、知事の承認をおろしてもらう。これは先ほどの質問の中で明らかになりましたけれども、この知事の手続というのも非常に形式化している。借りる方からすれば、百五十万、二百万借りるのに知事さんまで行かなければいけないのかという話がどうも一つネックになっているんじゃないかなという気が私はするわけです。
 そうだからといって、先ほどの質問者のようにじゃあやめちまえという単純な議論ができるかといえば、それは今おっしゃったような一つの行政目的の遂行という絡みがあるから、そこはなかなかというのがまた厚生省の御答弁でもあるでしょう。しかし、もう一つ考えなければならないのは、やはり組織率の低さという問題であって、そういう機能を持たせようとして融資の手続まで組み込まれているにもかかわらず、その組織率が低いということになれば、せっかく政策的に準備した仕掛け、仕組みというものが本当に資金を必要としている零細な人のところに届かないということにもなってしまうわけですね。
 そこにこの仕掛けを仕組まれた厚生省なり金融当局なりのいろいろな苦しみとか悩みがあるんだと私は思うのですが、ここをもう少し踏み込んでいただいて、せっかくある制度、仕掛け、仕組みというものをもっと生かすような方法を考えたらどうか。
 そこで、私しょっちゅう詰めて考えているわけじゃないので、かなり思いつき的で恐縮なんですけれども、例えば知事の承認みたいな機械的なものはやめてしまって、ただし環衛組合の組合員である、そしてまた同業者協力しながら業界全体として衛生水準の向上に努めていく、そういう組合員であれば組合員証を一つの資格にして貸してやるとか、もうちょっと簡素化していったらどうなのか。
 といいますのは、私は資金需要は決して弱くないと思うのです。先ほど景気動向云々の話も出ましたけれども、私が準備していただきました数字の中で飲食店とか旅館の設備資金の新規貸付金額の推移というのを見てみますと、一般の市中金融機関では物すごく伸びていますね。その中で唯一この環衛公庫だけが大きく下落している、そういう実態があるわけでありますから、ここのところは私はひとつ御検討いただきたいと思うのですが、お答えをお願いします。
#245
○北川政府委員 今の知事の推薦書の問題につきましては、先ほど来御答弁申し上げているわけでございますが、行政の簡素化という観点から内部的にも検討を進めておるところでございます。今回の運転資金の貸し付けのシステムにつきまして、今浜田先生が御指摘の組合員証の提示というようなことについても今検討を進めておる段階でございます。あわせて、今後、基本的には非常に借りやすくする、借り手の方からすれば煩瑣なことをなるべく排除していくという基本と、一方、行政的な要請から今知事の推薦というシステムが入っているわけでございますが、そこのところをどのようにしていくのか、どのように担保していくのかという両方の要請をどうやって調和させるか、今後とも鋭意検討させていただきたいというふうに思います。
#246
○浜田(卓)委員 検討していただくということで、結構でありますが、その際、もう一言申し上げれば、先ほど塚田委員の方から、小規模特別貸付というのが大いに今後の活路ではないかという御指摘もあったわけですが、無担保、無保証の貸し付けというのは大変魅力的なはずなんですね。であれば、資金需要がある限りはこれはもっと伸びると私は思っているのですけれども、実績を見るとどうも伸びていないですね。五十年度で百四十八億八千六百万円、五十五年度で百四十六億円、それが五十九年度で百五十九億円、これは環衛公庫の実績の中では健康優良児のようでありますけれども、無担保、無保証で貸してくれるのにこれだけしか伸びないというのも、これはまたよほどどこか仕掛け、仕組みがおかしいのじゃないかと思われてもしようがない。このあたりも私は今申し上げた検討の中の一環として詰めていただければありがたいと思うわけです。大変魅力的な制度を準備しているし、その必要性があるということは先ほどの質疑の中で私はかなり皆さんも理解されたと思うものですから、その前提に立ってひとつ前向きにお取り組みをいただきたいと思うのです。
 それから、今回、運転資金の貸し付けが始まったわけで、これは私どもも大いに評価をしているわけであります。そして、我が党を中心にして、昨年の暮れの予算編成時にいろいろ大蔵当局ともかけ合った経緯があるわけでありますけれども、その中では振興事業だけに限ってでも認めていただきたいというのが正直な私どもの気持ちであって、それが結果的に成功をして振興事業だけということになったわけですから、経緯に照らせば余り偉そうなことは言えないわけであります。しかしまた、今度は振興事業が認められて、考えてみるとこれだけというのもおかしな話だと思うのですね。
 そこで、先ほど来振興計画の策定状況についても質疑がありました。中には業界によってはこの振興計画が全くつくられていない業界もある。さらには、多分振興指針すらつくるのが将来とも難しいという業界もあると思うのですね。だから、そういう業界にとっては、せっかく運転資金が認められたよといっても、これは手の届かない代物であるということになります。さらに言えば、私はその振興計画が個々の業者の融資ということとどれだけの関連性があるのかというのもちょっと確認したいわけです。
 業界全体として振興計画をつくります。それは結構でしょう。協業化したりいろいろな面で、衛生水準の向上という面で評価できる。しかし、個々の、例えばおすし屋さんがカウンターをつくりますとか、あるいはまた、新しく店舗の改修をしますとかいう話とその振興計画全体の内容とが個々に結びついているとは私は思えないのです。融資というのは、個々の店舗における改修とかあるいは増設とかという話になるはずでありまして、これを振興計画があるかどうかということとリンクさせる必然性というのはどこにあるのかという点をちょっと聞かせていただきたいと私は思うのです。
#247
○北川政府委員 御質問には二つのポイントがあったと思います。一つは無担保、無保証、いわゆる小企業特別貸付でございますが、これはやはり何でもかんでも手を挙げてくれば貸すということもいかがかなということで、その借り受け手のその地域における安定性とか、それから企業の運営計画の合理性とか、そういうことを一応チェックして、ある程度きちんとしたものには貸していく。あるいは指導センターがあるわけでございますが、その指導センターの経営指導との連携が十分にいっている、ある一定期間指導を受けて、またそれを実現していくめどがついている、そういうようなことを一つの担保として無担保、無保証で貸すということをやっておるわけでございますので、全体が伸びていないという御指摘もあったわけでございますけれども、非常に零細なところは貸さなければいけないけれども、そこのところはどうしてもいろいろなリスクも含んでおるという、非常に難しい側面ではないかというふうに思います。
 それから、振興事業とその個別の企業活動との関係ということでございますが、これは確かに、あるおすし屋さんがカウンターをきれいにするのは振興事業とは直接関係がないという見方ももちろんあるわけでございますが、一方では、そういう地域社会の一員としてその店舗がどう関与していくのかという、その組織へのかかわりの問題もやはり考えていく必要があるのではないかというふうに考えておるわけでございます。地域のある同業の集団として、あるところに焦点を当てて合理化を図っていく、その一環として店舗も改築をしていくというふうに私どもは位置づけてまいりたいというふうに考えるわけでございます。
#248
○浜田(卓)委員 苦しい御説明だと思うわけでありまして、要するに基本的な考え方は余り貸し出したくない、こういう新しい運転資金という道は開くけれども、どうやって線を引くかということの結果にしかすぎないというふうに私は思うわけであります。ですから、せっかく制度をつくるのでありますから、もっとその実態に即して融資できるような制度であってほしい、そういうことを申し上げておきたいと思います。
 それから、環衛指導センターですね、これもせっかくできました。そしてここに経営指導をやらせる。それに絡めて無担保、無保証で金を出す。いい仕掛けですよね。しかし実際の環衛指導センターというのは、ほとんどどこでも環衛組合と一緒になっているわけでしょう。だから、果たして経営指導能力が十分あるかとか、あるいはきめ細かに経営の相談に乗ってやれるとか、そういう体制になっているかというところが私は実際上の問題だと思うのです。だから、皆さんのおやりになることは、意図はいいのだけれども、それに実態がちっともくっついていない。形だけつくって魂がちっとも入っていないと言っても私は過言でないと思うわけであります。
 最後にまとめて厚生大臣の御意見を伺いたいわけでありますけれども、私は、この環衛公庫が生まれた昭和四十二年の予算、その前の予算編成のいきさつというのもよく記憶しているわけでありますけれども、全部が中途半端でしたよね。つまり、国民金融公庫から分けて環衛公庫をつくろう、その理屈がいろいろ難しい、しかし必要だということでできた。できたけれども、例えばこの運転資金の貸し付けはやらないとか、あるいは全部国民金融公庫の窓口を使った代理貸しだとか、つくり方が何もかも中途半端なんです。ですから、そういう中途半端のところが、需要はあるのだけれども――行政的な必要性というものは私は認めていいと思うわけです。そういう政策金融の必要性はあるのだけれども、その需要、必要性というものに十分こたえられなかったというのが今までの経緯であり、その証拠に、長期低利というような条件を備えながら、明らかに融資実績というのが落ち込んできているということだと思うのです。
 そしてさらに、衛生水準の維持という行政目的と絡めまして、絡めたゆえにこの手続が煩瑣になる。そういう行政目的を遂行するために手続を煩瑣にするのであれば、それを補ってなお魅力あるようないい条件というものを出していってあげなければならない。それもまた中途半端じゃなかったかと私は思うのです。先ほど来、最近の金利低下傾向もありますから、市中金利との比較が行われておりますけれども、必ずしも飛びつくような金利水準になっていないのではないか。
 さらにまた、五十八年ですか臨調が答申を出しておりまして、利子補給金を減らしなさいと言ったわけであります。それに厚生省は割と模範生でありますから、一生懸命減らそうという努力をしてこられた、あるいはしているというふうに数字的には表現をしておられるわけですけれども、私はこれなどはよく考えてみる必要があると思う。利子補給金というのを本当に節約しちゃってこの金利上のメリットというものをなくしていったら、その量的補完の面で政策金融の必要性というものは非常に低下してきておるわけでありますから、質的な補完という面でますます魅力を失う。その上に、厚生省は行政目的の遂行の一種の手段としての位置づけもあるわけですから、それだけになおさら金利上のメリットあるいは貸付期間上のメリット、貸付条件においてそういう制約というものを補って余りあるだけの魅力を出していかなければならないはずだというふうに思うわけです。
 ですから、幾つか挙げてきたわけでありますけれども、今行革審で行われている議論というのは多分がなり深刻だと思うのですよ。私どもは、やはりこういう零細で経営基盤も弱くて、しかも国民の衛生に関係の深い業界でありますから、それなりの対応というのは確保していく必要がある。しかし、そうであればあるだけに、今幾つか申し上げてきた中途半端な点というものを今後どうやって大いに改善していくか、そしてどうやって必要な分野に必要な政策金融をきちんと位置づけていけるかという努力をよほど真剣にしていく必要がある。この努力がよほど真剣でなければこの行革審の議論にたえられないということを私はあえて申し上げて、最後に大臣の御意見だけ伺って質問を終わりたいと思います。
#249
○今井国務大臣 おっしゃいますように環衛業界というのは国民の日常生活に極めて密接な関連を持っておりまして、また、今後ますますサービス業というものの重要度が高まることでありましょうから、やはり環衛公庫の果たすべき役割というのは一層大きなものになると思っております。したがいまして、先生おっしゃいましたように改善すべきところは積極的に改善をいたしたいと私も思いますが、どうぞひとつお力をおかしいただきたい。お願いをいたしておきたいと思います。ありがとうございました。
#250
○山崎委員長 次回は、来る四月一日火曜日午前九時四十五分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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