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1985/04/10 第104回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第104回国会 大蔵委員会文教委員会運輸委員会建設委員会連合審査会 第1号
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1985/04/10 第104回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第104回国会 大蔵委員会文教委員会運輸委員会建設委員会連合審査会 第1号

#1
第104回国会 大蔵委員会文教委員会運輸委員会建設委員会連合審査会 第1号
昭和六十一年四月十日(木曜日)
    午前十時開議
出席委員
 大蔵委員会
  委員長 小泉純一郎君
   理事 笹山 登生君 理事 中西 啓介君
   理事 中村正三郎君 理事 堀之内久男君
   理事 上田 卓三君 理事 野口 幸一君
   理事 坂口  力君
      越智 伊平君    大島 理森君
      高鳥  修君    中川 昭一君
      東   力君    村上 茂利君
      山中 貞則君    伊藤  茂君
      沢田  広君    戸田 菊雄君
      中村 正男君    堀  昌雄君
      柴田  弘君    古川 雅司君
      矢追 秀彦君    薮仲 義彦君
      正森 成二君    簑輪 幸代君
 文教委員会
  委員長 青木 正久君
   理事 臼井日出男君 理事 鳩山 邦夫君
   理事 佐藤 徳雄君 理事 佐藤  誼君
   理事 中野 寛成君
      田中 克彦君    中西 績介君
      藤木 洋子君    江田 五月君
 運輸委員会
  委員長 山下 徳夫君
   理事 鹿野 道彦君
      柿澤 弘治君    堀内 光雄君
      梅田  勝君    辻  第一君
 建設委員会
  委員長 瓦   力君
   理事 東家 嘉幸君 理事 野中 広務君
   理事 平沼 赳夫君 理事 山中 末治君
      東   力君    前川  旦君
      伊藤 英成君    瀬崎 博義君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 竹下  登君
        文 部 大 臣 海部 俊樹君
        運 輸 大 臣 三塚  博君
        建 設 大 臣 江藤 隆美君
        大蔵大臣臨時代
        理       江崎 真澄君
 出席政府委員
        国土庁長官官房
        水資源部長   志水 茂明君
        国土庁土地局長 末吉 興一君
        大蔵政務次官  熊川 次男君
        大蔵省主計局次
        長       保田  博君
        大蔵省主税局長 水野  勝君
        大蔵省国際金融
        局長      行天 豊雄君
        文部大臣官房長 西崎 清久君
        文部大臣官房会
        計課長     坂元 弘直君
        文部省教育助成
        局長      阿部 充夫君
        文部省学術国際
        局長      植木  浩君
        文部省社会教育
        局長      齊藤 尚夫君
        厚生大臣官房総
        務審議官    北郷 勲夫君
        厚生省社会局長 小島 弘仲君
        厚生省児童家庭 坂本 龍彦君
        農林水産大臣官
        房審議官    吉國  隆君
        運輸大臣官房長 永光 洋一君
        運輸大臣官房国
        有鉄道再建総括
        審議官     棚橋  泰君
        運輸省港湾局長 藤野 愼吾君
        建設大臣官房長 高橋  進君
        建設大臣官房総
        務審議官    佐藤 和男君
        建設大臣官房会
        計課長     望月 薫雄君
        建設省建設経済
        局長      清水 達雄君
        建設省都市局長 牧野  徹君
        建設省住宅局長 渡辺  尚君
        自治大臣官房審
        議官      持永 堯民君
 委員外の出席者
        厚生省保健医療
        局健康増進栄養
        課長      伊藤 雅治君
        参  考  人
        (住宅・都市整
        備公団総裁)  丸山 良仁君
        大蔵委員会調査
        室長      矢島錦一郎君
        文教委員会調査
        室長      高木 高明君
        建設委員会調査
        室長      佐藤 毅三君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国の補助金等の臨時特例等に関する法律案(内
閣提出第四号)
     ――――◇―――――
#2
○小泉委員長 これより大蔵委員会文教委員会運輸委員会建設委員会連合審査会を開会いたします。
 内閣提出、国の補助金等の臨時特例等に関する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤徳雄君。
#3
○佐藤(徳)委員 私は、先般の中西議員の補助金削減にかかわる文教関係の質疑に続きまして、わずか六十分の時間でありますが、幾つかの問題をお尋ねをいたしますので、十分なお答えをいただきたいと思います。同時に、その補助金削減全体についてはもちろんでありますが、とりわけ文教関係につきましては、今日教育問題が非常に社会的、政治的にも大きな問題となっておりますだけに、極めて国民が注目をしている内容であります。そういう意味を含めまして、十分なお答えを期待をしたいと思います。
 まず最初に、義務教育費国庫負担制度の改正にかかわる問題につきましては、先ほど申し上げましたように、教育財政制度、ひいては教育制度全体に深く影響を与えるものであるという認識に立つべきであると思うわけであります。そういう観点につきまして、以下順次質問をいたします。
 百二回の国会で、衆議院の連合審査は昨年の四月八日に行われ、その際、我が党の加藤万吉議員の質問に対しまして中曽根総理は次のように答弁をしているわけであります。すなわち、「義務教育につきましては、国は責任がございます。憲法でも無償とする、そういうふうに規定されておりまして、これは国の政策の中でも、国の責任の中でも非常に大事な部分を構成すると考えております。」「経費の区分につきましては、これは国と地方公共団体がその義務教育の国家的責任というものを踏まえながらいろいろ分担し合い協力し合う、そういうことは話し合いによって決められる。しかし、責任の大本が国にあるということは踏まえていくべきものであると思います。」と答えているわけです。
 ここで私は特に重視したいのは、教育の国家的責任という問題と、それから、その責任の大本は国であるというお答えてあります。この問題はこれからの教育問題に関係いたしまして重要な意味を持つものでありますから、ひとつ十分踏まえていただきたいと思いますし、そしてまた、臨時教育審議会で財政面も含めまして教育の問題等が総合的に論じられておりますし、これまた期待をしているところであります。
 中曽根内閣の閣僚である限り総理答弁の内容に基づいてそれぞれ仕事をお進めになられていると思いますが、ただいま私が引用させていただきました総理答弁につきましての感想なり見解を、大蔵大臣、文部大臣それぞれからお聞かせをいただきたい、こう思います。
#4
○江崎国務大臣 義務教育につきましては、まさに基礎的な国民の資質を養う百年の大計でございます。したがって、国としてもまた地方公共団体としても、これはそれぞれ責任を有するものである。総理が申しておる先ほど御引用になりました点は、そういう点において正しいと私は理解するものでございます。義務教育に要する経費を国と地方公共団体がどのように分担するかについては、こうした責任を十分踏まえて、そして国と地方が話し合い協力し合っていく、こういうことが大切だと考えます。
#5
○海部国務大臣 御引用になりました総理の御答弁、私もそうだと思いますし、ただいまの大蔵大臣の御答弁、そのとおりだと思います。
#6
○佐藤(徳)委員 今のお考えは、これからの財政に限らず、教育問題に対して基本となるべきものでありますから、私もその点を十分踏まえていきたいと思っているわけであります。
 さて、御承知のとおり、臨教審が本年の一月二十二日に「審議経過の概要(その三)」を発表されております。その第八章に、御存じのとおり、「教育行財政の見直し」が載せられておりますけれども、それらにつきましてどのような見解をお持ちでしょうか、両大臣にお尋ねをいたします。
#7
○江崎国務大臣 御承知のように、臨教審による答申は極力これを尊重する、こういうことで国会の御同意もお願いしておるところでございます。そして義務教育の大切なこと、また教育の全般にわたってそれが百年の大計であり大切なことは、十分認識をいたしております。
 ただ問題は、やはり国と地方公共団体との間でどういうふうにこれを分担し合うか。これは経費のことばかりではございません。やはりそれなりの地方公共団体にも十分責任を持っていただく、これは大切なことだと考えます。したがいまして、臨教審もそんなに国民の考え方、特にこれはいずれまた国会の場でも十分御審議をいただくことになりまするので、皆様方とそんなに変わったものをお出しになるというふうには考えません。
 ただ、ここで高度成長時代からのぜい肉を落としたり、いろいろ合理化をしたり、時代とともにとにかくこの教育の問題というものも十分見直しを図っていく、こういうことはどの部門にも言えることだと考えます。
#8
○海部国務大臣 御指摘の「審議経過の概要」の中には、教育財政について結論的には、本格的な審議はいずれも基本的に今後の課題とせざるを得なかったが、これまでの審議ではおおよその方向として次のような諸点が挙げられる、こういう見出していろいろな点が挙がっておりますが、例えば国民経済に占める教育研究への投資の割合を高めていくことが必要である、こういう御指摘があります。日本の高等教育というものの基礎研究の峰を高くしていく、そういったことが非常に大切なことだという指摘がなされておりますし、また、父母の教育費負担の問題の中で、特に高校生とか大学生を抱える中高年齢層の負担が過度に重くなるなど実質的な機会均等の立場から見ると問題があり、教育費負担の軽減を図るための諸施策を考えなければならぬ云々と出ておりますが、これを我々なりに判断いたしますと、国立と私立とのいろいろな関係だとか、そのようなこと等も踏まえて教育の機会均等のためのいろいろの措置を図らなければならぬというような御議論が行われておる、こう承りましたし、また最後に、私学助成のあり方につきましては「私学助成の在り方」の中で、特に傾斜配分を重視するとか、特色ある研究プロジェクトには助成することを重視するとか、あるいは育英奨学資金を充実するとかいうようなこと等の指摘がございますから、さらにそれらの問題については、今後の論議の結果答申として出てまいりました場合には文部省としてもそれに適切な対応をしていかなければならぬ、問題意識として受けとめて答申が出るのを待っておる、こういう状況でございます。
#9
○佐藤(徳)委員 それでは次に、昨年四月の大蔵委員会におきまして、国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案に対する附帯決議が可決されておるはずでありますが、その内容を御説明いただきます。
#10
○保田政府委員 お答え申し上げます。
 六十年度の補助率引き下げ一括法案を御審議いただきました際に附帯決議五項目をちょうだいいたしました。今回御提案申し上げております六十一年度の補助率一括法案を作成するに当たりましては、この附帯決議の御趣旨を十分尊重しながら内容を練ったつもりでおります。
 順次御説明を申し上げます。
 まず第一項は、昨年の「高率補助率の一律引下げ措置と行革関連特例法の延長措置は、一年間の暫定措置とすること。」という御決議でありました。
 この点につきましては、昨年度の高率補助率の一律引き下げは一年間の暫定措置ということで、六十一年度以降の補助率のあり方は、六十一年度予算編成までに政府部内において各方面の御意見を尊重しながら検討をさせていただいたわけでございます。その結果、各方面からの御要望もございましたとおり、国と地方との間の機能分担、それから費用負担の見直しといったようなこととともに補助率の調整をさせていただく、それにあわせまして補助金全般についての総合的な見直しをさせていただいたわけであります。特に社会保障の分野が中心でございますけれども、事務事業の見直しを行いました。保育所でございますとか老人ホームの入所措置等につきまして、従来の機関委任事務という性格づけから実態に即した団体委任事務に切りかえを行う、地方の自主性を尊重しながら仕事をしていただくといったようなことを行いまして、これに相伴いまして補助率の一括引き下げその他の総合的な措置をさせていただいたということでございます。
 それから、第一項の後段の部分、行革関連特例法は六十一年度以降これを延長しないということで処置をさせていただいております。
 それから、附帯決議の第二項でございますが、これは「昭和六十一年度以降については、地方公共団体等の意見も尊重して対処し、その事務・事業の執行及び財政運営に支障を生ずることのないよう適切な措置を講ずること。」という点でございます。
 まず地方公共団体の意見の尊重でございますが、この補助金問題検討会につきましては、地方団体の代表者としまして知事さん、市長さん、それから村長さん、三名の御参加をいただきました。適時御意見の拝聴をいたしながら、その声に十分耳を傾け案を作成することといたしました。その結果が先ほど御答弁の中に若干触れましたような国と地方との間の役割分担の見直しというようなことで、十分しんしゃくをさせていただいたというふうに考えております。
 後段の地方財政対策を十全にしろという部分でございますが、六十一年度の地方財源不足対策をどうするかという点も、この補助率全体をどうするかという検討に際しまして非常に大きな検討項目であったわけでございます。先日来の連合審査の段階で一兆一千七百億という数字がしばしば出てまいりますが、この数字は、五十九年度以前の補助率体系で六十一年度のいろいろな事業を行うに必要な国費額、それから今回御提案申し上げております国庫負担率、補助率を前提とした所要国費額、ほぼ見合うものでございますけれども、地方団体において一兆一千七百億の負担増を生ずることに相なるというものでございます。これにつきましては、建設地方債九千三百億円の増を認める、それから臨時異例の措置でございますけれども、六十一年度に限ってたばこについて一本一円の引き上げを行うことによって二千四百億円を生み出しました。これらによりまして地方行財政の運営に支障が生じないよう財政対策に万全を期した、こういうことでございます。
 それから附帯決議の第三項でございますが、「行革関連特例法による年金国庫負担金の減額分については、特例適用期間経過後、速やかに繰入れの措置を講ずるようにすること。」ということでございました。
 この点については、財政改革をさらに一層強力に推進するということが基本でございますが、できるだけ早く財政体質を改善いたしまして特例公債依存体質から脱却いたしました後に、五十七年度以降の行革関連特例法及び今回御提案申し上げております補助金一括法でお願いをいたします措置による厚生年金国庫負担金の減額分について、積立金の運用収入を含めてできる限り速やかな繰り入れに着手したいと考えております。
 それから第四項でございます。「今回の各措置により、従来の行政水準とサービスが低下して国民生活に影響を及ぼさないよう万全を期すこと。特に社会保障及び教育の面において特段の配意をすること。」ということでございます。
 この点については、今回の補助率の見直しは国と地方の間の費用の負担関係の見直しということでございます。地方財政対策については先ほども十全を期したと申し上げましたが、そういう措置によりまして、社会保障の面においても教育の面においても、行政サービス水準そのもの、国民との間の行政サービス水準そのものには影響を与えることはないと考えております。現に児童扶養手当でございますとか老齢福祉年金等の給付額の引き上げにつきましては別途法案を御提出申し上げておる、こういうことでございます。
 それから第五項は「地域振興と地域格差の是正を図るため、公共事業については、その長期計画の着実な進捗を図ること。」ということでございます。
 公共事業の長期計画につきましては、財政事情も踏まえながらできるだけその進捗を図るということをいたしました。それから、昨年度で八本の公共事業が卒業いたします。これにかわりまして同じく八本の長期計画を新たに作成をさせていただいたわけでございます。なお、今回の補助率引き下げによりまして国費は若干予算上厳しいことから減少いたしますけれども、この補助率の引き下げ等々の努力によりまして、六十年度に対しまして事業費べースでは四・三%増ということになっております。
 附帯決議をどう尊重したかという点について御答弁申し上げました。
#11
○佐藤(徳)委員 勝手な解釈をされては困るのですね。私どもも委員会で法案が上がるたびにそれぞれ附帯決議などをやりますが、決定された決議というのは、だれが読んでもいろいろな解釈ができないように単純明快に書いておるというのが特徴なのであります。ところが今のお話を聞いていますと、尊重して内容を練ったというお答えてありますが、どうも私はその部分については納得することができません。
 例えば今回出されているこの法律では、教育関係の義務教育費国庫負担法の一部改正、公立養護学校整備特別措置法の一部改正、それから義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部改正、以下総理府、自治省関係等があるわけですが、いずれも削減なのであります。お話がありました第二項の「事業の執行及び財政運営に支障を生ずることのないよう適切な措置を講ずること。」という部分については、たばこの値上げの問題に答弁をすりかえておるわけです。だから、財政運営に支障を来さないようにするために国民の負担を増して、政府だけが支障を来さない、現実にはこんなふうになっているわけですね。そうだとすれば、国民のための補助金の引き下げということにはならないではありませんか。
 特に私が重ねてお尋ねをいたしたいのは、第四項に「特に社会保障及び」の後に「教育の面において特段の配意をすること。」とあるのでありますが、これについては一体どういう配慮をされたのですか。四十人学級等の問題は後ほど質問いたしますが、それらを含めてお答えください。
#12
○阿部政府委員 今回の法案でお願いしておりますのは、先生の御指摘にもございましたように、義務教育費国庫負担金の中の一部について暫定的に一般財源の方で措置をするということ、それから公立学校施設の高率補助について若干の補助率の引き下げを図るということでございますが、これらに対応いたします地方財政面での措置については地方財政当局にお願いして万全の措置を講じていただいたと考えておりますので、これによって国民に負担がかかるとかいうことではなくて、従来と同水準の教育が実施していけるものと考えておるわけでございます。
 なお、そういったこととあわせまして、大変財政上苦しい時期ではございますけれども、四十人学級その他の定数改善計画についての前進とか、公立文教施設について申し上げますればさらに用地費補助等の継続拡充というような措置も講じておるわけでございまして、教育の分野に対する配慮というのは財政当局と御協議しながらやってまいったつもりでございます。
#13
○佐藤(徳)委員 引き下げられた省庁あるいは引き下げられようとする省庁がそんな言い方をするのはおかしいと思いますよ。文部省よりむしろ大蔵省は、一体この附帯決議をどういうふうに受けとめ、特に「教育の面において特段の配意をすること。」ということについて具体的にどういう対応をなさったのですか。文部省が大蔵省の弁明をしたってしようがないでしょう、あなたたちは引き下げられているのだから。
#14
○保田政府委員 御承知のように我が国の財政は大変厳しい状況にございまして、本年度を含めて過去四年間、社会保障、文教その他いわゆる政策的経費とされるものにつきましては連続して対前年比同額ないしは若干の減ということで予算編成を行ってまいったわけであります。この方針のもとに六十一年度予算編成をいたしました。
 その中で、文部省関係の予算はどうやらほぼ横ばいであります。横ばいであるからいいではないかということを申し上げるつもりはございませんが、一般歳出伸び率ゼロといいますのは、これは実は大変苦しいものでございます。当然増の経費としていろいろなものがございます。公務員等の人件費もございますし、お年寄りあるいは身体、精神に故障のある障害者の方々に対する社会保障、それから我が国の国際的地位が上昇することによって必要なODAといったようなものもふえなければいかぬ。そのふえる分は一般歳出のどこかの部分を削って、まさに骨身を削って全体としての一般歳出伸び率ゼロを達成するということなのでございます。
 そこで文教予算でございますが、先ほどもちょっと申し上げましたが、ほかの経費と同様に、あるいはさらにそれ以上に義務教育国庫負担金の主要な内容をなします教職員の人件費の増が非常に大きな負担となってまいります。その負担分をどこかを削って横ばいにしないと、一般歳出伸び率ゼロという予算編成はできないのであります。その工夫の一端としまして共済費等の負担率、補助率の引き下げをいたしました結果、その部分をほかの教育諸施策の増に向け得たわけでございます。個々の施策で申し上げますと、小中学校における四十人学級が実施できた、私学の助成も前年同額を確保できた、科学研究費の増額も可能になる、あるいは外国人留学生受け入れの拡充といったような将来に向けての前進的な予算を多少とも確保することができた、こういうことでございます。
 今後のことになりますと、先ほど江崎臨時代理からも御答弁申し上げましたように、教育は国家百年の大計ということは我々も非常によく心に銘じております。しかしながら、同時にこの窮迫した我が国の財政体質の改善、将来の高齢化あるいは我が国の国際的地位向上に伴うおつき合いのための諸経費等を賄えるように、その対応力を回復することがまた急務でもございますので、文教予算の大事だということと我が国全体の財政改革という両方の大きな目的のもとに具体的な毎年度の予算を組んでいかなければならない、こういうふうに考えておるわけであります。
#15
○佐藤(徳)委員 どうも弁解ばかりしているような気がしてなりません。
 時間がありませんからこの問題だけをやっていくわけにもまいりません。いま一つだけお尋ねしてこの部分についてはやめますけれども、附帯決議というのはまさに可決をしているのであります。その決議を受けとめ、どのように次の段階で生かされるかということを期待をして、それぞれの委員会で附帯決議をなさってきているわけであります。教育は国家百年の大計とおっしゃりながら、現実的には少しもそういう基本的な状況を踏まえていないと理解せざるを得ません。それがゆえに私は、冒頭に中曽根総理の答弁を引用させていただいて両大臣の感想なり御見解を承ったのであります。
 結果的に言いますと、附帯決議と本法案というのは明らかに矛盾している点がたくさんある、こう思わざるを得ません。とりわけ附帯決議がついているだけに、附帯決議を何か形式と受けとめているのではないか、こんな感じがするわけであります。恐縮ですが、附帯決議の取り扱い方、さらに国家百年の大計との関係について、再度大臣にお尋ねをいたします。
#16
○江崎国務大臣 仰せのとおり、附帯決議というものは非常に重要なものだと認識いたしております。特に、審議の結果まとめ上げられた結論を、不満ではあるが今後こうしろ、こういう要求が大体附帯決議の趣旨になりますね。それは私もよく理解できます。
 ただ、御承知のように、国債費が全予算の二〇%を占める、行政施策費がわずかその中の八〇%である、そのやりくりの中で、マイナスシーリングとかいうような形で随分思わざる対策をしなければならない。これは御推察いただけると思うところでございます。
 そのために、さてそれではどうするのか。今度の場合は、やはり行革審の、補助金を一応整理して、そして地方の自主性、自律性、また同時にその地方の情勢に合ったように調整をしていくべきである、この線に沿ってそれこそそういった措置に出たわけでございます。しかし、るる主計局の次長から申しましたように、六十一年度につきましては、とにかくその地方財政の財源不足分については建設公債の活用が九千三百億とか、また、まことに臨時特例の措置でこれもお怒りをこうむったわけではありますが、たばこ消費税の引き上げということで一応足りない分だけは穴埋めをして、そして当面支障を来さないようにこの場面を充実した形で進めていただこう、こうしたわけでございます。
 この政府全体の財政事情の苦しさということ、それからまた地方の自律性、自主性、そういうものも尊重しながら地方とも責任を分担を合って、そして国、地方が一体的にこの教育の問題も十全を期していこう、こうした考え方においては変わりございませんので、御了解をいただきたいと思います。
#17
○佐藤(徳)委員 大蔵省関係、言っていることとやっていることが全然違うような答弁で、私は不満なのであります。しかし、時間がありませんから次に移らせていただきたいと思います。
 私は、三月二十八日の文教委員会でいじめの問題を中心にしていろいろ海部文部大臣からのお考えを聞かせていただきました。きのうもまた文教委員会でいじめの問題等が取り上げられまして、いろいろなやりとりがあったわけであります。それだけに、冒頭にも私申し上げましたが、今日いじめや非行の問題というのは、学校や家庭だけではなくて大きな社会問題、政治問題であるということはもう常々申し上げているとおりなのでありまして、その解決は当面する緊急課題であるというふうに私も受けとめているわけであります。いろいろな角度から分析検討を加え、例えばきのう発表されました塾の問題の調査の発表であるとか、いろんな側面を含めまして教育改革を進める中からその解決のための条件整備をしていらっしゃることはよくわかるわけでありますが、私は、さらにこの削減問題と関連いたしましてどうしてもお聞きしなければならないのは、四十人学級の推進を中心とする教職員定数の改善であろう、こう思っているわけであります。
 これは御承知のとおり、昭和五十五年より十二カ年計画で始まりました四十人学級の実施を中心といたしまして、第五次学級編制及び教職員定数改善計画、及び第四次高校定数改善計画は、行革特例法によりまして五十七年度より三年間実施が抑制されているはずであります。さらに昨年の補助金一括法によりまして行革特例法が一カ年延長されたことにより、四十人学級の実施は四年間抑制されてきた。私は極めて遺憾だと思っているわけであります。
 そこで、十二カ年計画の七年目の今日現在における四十人学級の実施を中心といたしました改善計画の進捗状況はどうなっておるのでしょうか。これは、自然増減、改善増の内訳も含めました内容をひとつ数字的に明らかにしていただきたいと思います。
#18
○阿部政府委員 四十人学級を含みます第五次の教職員定数改善計画の進行状況でございますけれども、御指摘にございましたように、スタートいたしました五十五、五十六は順調に歩んだわけでございますが、五十七年度以降四年間抑制をせざるを得ないという結果と相なりまして、六十一年度予算におきましてはさらに小学校についてスタートをし、中学校についてもスタートをするというような新しい歩みもいたしております。ここまでの七年間の歩みを全部合わせまして、学級編成の改善計画が一七・五%、それから教職員定数の改善計画が二一・七%、全体を合わせますと一九・六%というのが現在の進行状況でございます。
    〔小泉委員長退席、青木委員長着席〕
#19
○佐藤(徳)委員 十二カ年計画ですから、昭和六十六年度が完成時ですね。そうするとあと五年、こういうことになるわけでありますが、現在でまだ二〇%にも達しておらない。こういう状況でいくと非常に厳しいなという感じがするのであります。後でお金を持っている大蔵省にもお尋ねはいたしますけれども、文部省どうですか、こういう調子でいったら六十六年度で達成いたしますか。現在、合計して一九・六%でしょう。いかがです。
#20
○阿部政府委員 御指摘のように、確かに進捗状況からまいりますとあと五年間で残りの八〇%を処理するということに相なるわけでございますが、この計画全体が、学校の児童生徒数の増減に伴います教職員の自然増、自然減がある、それの中で対応していこうという構えで出てまいりました関係上、いわば純増を伴う部分につきましては既に実施済みになっているわけでございますので、六十二年度以降の今後の見通しとして見ておりますと、自然増減の関係で減になるものが六万四千百、改善増を要するものが六万三千八百六十と、今、概要そんな数字で考えておるわけでございます。
 したがいまして、この数字の中で全体の計画をうまく進めていけば、自然減の数字の中で純増を伴わずに実施することが不可能ではないと、私どもそう考えておるわけでございます。現在の国の財政事情等大変厳しい中でございますので、決して容易なものではないと思いますけれども、そういう見通しのもとに六十六年度までに完成するということを目指して努力をしてまいりたい、かように考えております。
#21
○佐藤(徳)委員 まさに六万四千百、そして六万三千八百六十という数字が出ました。
 ところが、先ほど、大蔵省主計局次長の話ですと、人件費によってかなりかぶさるというようなお話がございました。しかし、今文部省から数字が発表されましたとおりのこの数字でいけば、どうして人件費にしわ寄せがくるのですか。ならないでしょう。私は、人件費批判というのは当たらないと思うのですよ。いかがですか。
#22
○保田政府委員 文部省予算の七五%が人件費でございます。この教職員の人件費につきましては、毎年度毎年度人事院の勧告がございますと、それに準じました給与の引き上げがございます。その負担が非常に大きいものですから、文部省予算全体の一定の規模の中で文教施策をしかるべく措置しようとすればその人件費の増をどこかで吸収しなければならない、そういうことを先ほど申し上げたわけでございます。
#23
○佐藤(徳)委員 この点につきましては、この後、私の方の同僚議員が多分いろんな問題を提起してくださると思いますから、関連もいたしますので次に進みたいと思います。
 六十一年度の定数改善計画に基づく文部省要求がありましたね。そしてさらに政府案が決定をされてきているわけであります。つまり、この数字からいっても、計画そのものからいいましてもかなり抑制されている、こう受けとめざるを得ません。よって、六十一年度定数改善計画に基づくところの文部省要求と、抑制されました政府案、まあ政府決定といってもよろしいでしょう。それについてひとつ説明をしてください。
#24
○阿部政府委員 定数改善計画の進行は、毎年度予算で定め、政令でこれを定めまして具体に実施をする、こういう仕組みになっておるわけでございまして、六十一年度の概算要求に当たりましては、文部省といたしまして、四十人学級分、そして教職員の配置改善の分、合わせまして七千九百名余りの改善増の要求を申し上げましたが、結果的に固まりましたものが御案内のように五千名余りの増ということに相なっております。
 四十人学級につきましては、小学校はこれまで児童減少市町村を対象に実施をしてきまして、それが昭和六十年度で完成をいたしましたので、児童減少市町村以外の一般の市町村について新しくこれに着手するということで要求をいたしたわけでございますが、そのうち施設に余裕がない、施設の新設を伴うという分につきましては後送りをしようということで、三百二十人余りの査定減ということに相なっております。また中学校につきましては、児童減少市町村の第一学年からこれに着手したいということで要求を申し上げましたが、結果的には、このうちで施設に余裕があり、しかも学校の運営にかなり問題がある十八学級以上の大規模な学校についてまず着手をしようということに相なりました結果といたしまして、六百名余りが当初の要求から削られたというような形になっております。
#25
○佐藤(徳)委員 大蔵省に後でお尋ねいたしますが、六十一年度においては行革特例法は再延長されておりませんね。したがいまして、すべて本則に戻る。つまり、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律、これですね、本則に戻ったと理解してよろしいですか。文部省、大蔵省いかがですか。
#26
○阿部政府委員 昭和五十七年から六十年度まで適用されました行革関連特例法の関係の規定につきましては、今回延長措置をお願いいたしませんでしたので、したがって、なくなったわけでございますから本則に戻ったということに相なるわけでございます。
#27
○保田政府委員 その点につきましては、文部省当局の見解と不一致はございません。
#28
○佐藤(徳)委員 それじゃ大蔵省にお尋ねをいたしますが、標準法の第三条で四十名というのが明確に規定されているわけであります。これは小中学校それぞれ法律に書かれてあるわけであります。ところが、行革特例法がなくなった、消滅してしまった、本則に戻ったというお答えをいただいたわけでありますが、そうしますと抑制すること自体が私はおかしいと思うのです。抑制をしなければいけなかった法律的根拠は何ですか。
#29
○保田政府委員 この第五次教職員の定数改善計画は、御承知のように五十五年度から六十六年度にまたがる計画で、十二年間で実施をすることになっております。その年次割りということでの細かい人数の計画があるということだとは認識しておりませんが、財政事情は、この計画ができましたときもそうでございますけれども、なお厳しい状況にございます。この教職員の定数改善に伴いまして非常に大きな財政的な負担を生ずることはこれまた否めない事実でございます。その財源を捻出しなければならない国の一般会計の厳しさというのはここで改めて御説明をする必要もございませんが、将来にわたりましても再建の前途はまことに容易ならざるものがあるわけでございます。このまことに容易ならざる財政事情のもとでこの計画を達成するために今後どうやって努力するか。文部省当局とも相談をしながら汗をかいていきたい、こういうふうに考えております。
#30
○佐藤(徳)委員 文部省と相談したら、ちゃんと本則に基づく定数になるはずじゃありませんか。ちっとも相談してないから、相談してないというよりも、相談しても受け付けてくれないからこういう結果が出ているんじゃないですか。
 私が聞いているのは、特例法の抑制が外れた、そうすれば本則に戻るでしょうということなんです。戻ると皆さんおっしゃったわけだ。これは本則が第三条に明記されてます。文部法令を見てください。ちゃんとありますから。しかし、それでも抑制したわけでしょう。あなたは今、年次割りとおっしゃった。しかし、前段の文部省からの答弁で、進捗率が一七・五と二一・七、そして合計一九・六であるというのが出されましたね。あと五年で達成されると思いますか。だから私は、本則に戻ったはずなのに抑制をしてきたその法律的根拠は何に基づいて行ったのかということを聞いているのです。そんな難しいことを聞いているわけじゃありませんよ。端的に答えてください。
#31
○阿部政府委員 先ほどの御答弁がちょっと不正確であったと思いますので、つけ加えさせていただきたいと思いますが、本則に戻るという御質問について本則に戻りますとお答えしたのは、標準法の規定に戻る、こういう意味で申し上げたつもりでございます。標準法につきましては、標準法の本則の方に御指摘のように四十人学級にするということが書かれておるわけでございますが、標準法の附則によりまして、昭和六十六年度までの間の学級編制については毎年その編制基準を定めていく、そして六十六年度で四十名という水準に到達する、こういう経過規定があるわけでございますので、その規定に基づきまして、毎年度予算面で大蔵省と御相談をし、予算を組み、それに合うものを政令化をいたすという仕組みで一歩ずつ前進をしてきているわけでございまして、法律的にはそのような状況になっておるわけでございます。
#32
○佐藤(徳)委員 今日の進捗状況を見たって余り自慢できるような数字でないでしょう。文部省は余り大蔵省をかばったような発言をしない方がよろしいんじゃないですか。やはりもっと厳しく対処して国民の要求にこたえる、こういう政治姿勢をぜひひとつ持ってほしいと思うのです。
 さて、次にお尋ねいたしますが、欧米諸国における一学級当たりの学級編制基準はどういうふうになっておりますか。
#33
○阿部政府委員 私どもで調査をして知っているものについて申し上げさせていただきますが、アメリカ合衆国の場合には、州によっていろいろ違いがあるようでございますけれども、インディアナ州の例で申しますと、教員一人当たり二十八人、三十人または三十四人というように学年によって違った基準が示されておる。いずれにしても四十人は下回っておるわけでございます。イギリスの場合につきましては、一九五九年まで四十人以下という規定がございましたけれども、現在は規定がない状態のようでございます。フランスの場合には、学年によりますが、二十五人または三十人、西ドイツの場合には三十人、ソビエトの場合には四十人というようなことで、いずれも四十人以下という程度のところに定められておるというふうに理解をいたしております。
#34
○佐藤(徳)委員 私どもの調べでも同じであります。ですから、四十人以上の国というのは余りないのですね。教育が軽視されているとは申しませんけれども、国家百年の大計が後からついてきているというような感じがしてならないわけであります。
 さて、そこで文部大臣にお尋ねいたしますが、あなたは所信表明の中で、行き届いた教育の問題について触れられております。行き届いた教育を行うために望ましい学級編制基準というのは、一学級何人ぐらいが適当だとお思いですか。
#35
○海部国務大臣 理想を言えば限りがないかもしれませんが、現段階において、いろいろな他の政策との整合性を考慮しながら我々が望ましいと願っておりますのは、四十人以下のところであるということでございます。日本も現状は、先生御承知のように、一人当たりの教員に児童生徒の数はたしか二十六・幾らぐらいのところまでいっておると思いますが、地域によってばらつきがあるわけでございまして、望ましいところになるべく早く持っていきたいというのがただいまの改善計画でございます。
#36
○佐藤(徳)委員 大蔵省には後でお尋ねをいたします。
 時間ももうわずかしかありませんから次にお尋ねをいたしますが、三月六日の朝日新聞に「「いじめ」克服」「中学の四十人学級拡大 行動や悩み把握しやすく」、こういう記事が載せられているのです。これを読んでみますと「「いじめ」問題への対策の一環として文部省は五日、中学校の四十人学級実施対象校を六十二年度に大幅に拡大する方針を固めた。」こうあります。「一学級当たりの生徒数を減らすことによって、教師が生徒一人ひとりの問題行動や悩みを把握しやすいようにする、との狙い。」である、こうあるわけであります。
 これは大変前進的な文部大臣の考え方だと思うのでありますが、これをお出しになりました中身についてひとつお答えください。
#37
○阿部政府委員 新聞にそのような記事が出たことは承知をいたしております。もちろん私どもといたしましては、これから六十二年度以降六十六年度までに計画を完成するつもりでございますので、そういった方向で対応していかなければなりませんし、いじめの問題等も中学校にございますので、中学校についての四十人学級のできるだけ早い普及というものも考えていかなければならない、そういう気持ちに変わりはないわけでございますけれども、具体に六十二年度でどういう要求をするかということにつきましては現在内部で検討している段階でございまして、何か固まったというような内容のものには全くなっておらないわけでございます。
#38
○江崎国務大臣 この問題については私の方からも補足をしたいと思います。
 御承知のように六十六年度まで十二年間で実施をするとされておることの旗をおろさないということは、それだけ大蔵省も熱意を持っておる、これはやはり御推察を願いたいと思います。そうして、乏しい予算の中で従来は小学校の減員地区において四十人制をとってきた、これはもう御承知のとおりでございます。しかし中学において昭和六十一年度から四十人学級を始めた、今までやらなかったものを手をつけた、これは大蔵省としても前進でありますし、また小学校においても、ただ減員地区でなしにこれらについての配慮を手がけてきた、これは六十一年度における一歩の前進である。この熱意はひとつお酌み取りを願いたいと考えます。
#39
○佐藤(徳)委員 熱意の押し売りではありますけれども、その分については理解はいたします。しかし冒頭に私も申し上げたり、あるいは文部大臣も表明されておりますように、いじめや非行の問題に対して教育条件の整備が今求められているわけであります。したがいまして、その分については文部省の概算要求に対しまして私どもも後押しをするという立場をたまたまとってきたことも経験しておるわけですけれども、肝心の大蔵省がそういう認識の上に立ってくれているかどうかということが問題なんであります。しかし、大蔵大臣代理から今そういうお答えがありましたからそれを信じまして、必ず定数に対する文部省の予算要求を、年次計画の一年の割合でありますけれども、ひとつ満足のいくような結果が出るようにぜひお願いいたしますし、議事録にもきちんと掲載されるわけでありますから、私もこれを足場にいたしましてこれから十分やっていきたいと思います。
 さて、もう時間もありませんから最後にお尋ねをいたします。
 第百四回の国会でありますが、一月二十九日の本会議で我が党の石橋委員長が代表質問に立ったのは御承知のとおりであります。そして教育問題について中曽根総理の見解をただしました。その中で、総理は大変重要なお答えをしているわけであります。
 まず私どもの石橋委員長の質問は、教育問題に限ってでありますが、「画一的、管理主義的な教育を改めるためにも、子供たちの個性を尊重し伸ばすためにも、まず学級編制基準を直ちに四十人とし、さらにヨーロッパ並みの三十五人以下にすることを目標とすること、また教職員の定数増を実現することが必要だと思いますが、総理の御見解をお伺いいたします。」こう質問をされているのであります。それに対して中曽根総理は次のように答弁しています。「四十人学級につきましては、昭和五十五年度から六十六年度までの十二年計画により、これを実施するということにいたしまして、その目標に前進しておるところでございます。」こう答えているのです。
 総理の答弁を受けまして六十六年度までに間違いなく、現在の進捗率は低いけれども、先ほどの江崎大臣の熱意のほどを信用いたしまして完成されることを望むのでありますが、財政的に保障するという約束ができますか、まず大臣にお聞きします。
#40
○江崎国務大臣 やはりこれはその年の予算の状況ということが大きく影響せざるを得ません。もちろん努力目標として掲げた旗をおろさないわけですから最善の努力をするわけでありますが、何とかしてこの財政事情の大改革を果たし、今までのこの状況から一刻も早く脱したい、これは昭和六十五年には赤字公債はとにかくなくしようという旗もおろさないで努力しておるわけでございますので、その点は御推察を願いたいと思います。
 今ここで、さてそれでは必ずできるのかとおっしゃられれば、非常に困難であると言わなければなりませんが、しかし、この重大性とまたそれに対する大蔵省側の理解と熱意、これは変わるものではございません。十分努力をしてまいりたいと考えます。
#41
○佐藤(徳)委員 最後に文部大臣、幾つか四十人学級の問題に限定した質問でありましたが、先ほどの大蔵の見解を非常に前進的として私は受けとめたいと思いますけれども、大臣の決意のほどをひとつ最後にお聞かせいただきます。
#42
○海部国務大臣 御議論が続いておりますように、四十人学級の問題についてはそれぞれの立場で皆が何とかこれを実現しよう、六十六年度の努力目標を達成しようと思って全力を挙げて努力をしておるところでございますし、また、いろいろ御不満はございましょうけれども、昨年の実績に比べまして、中学校が初めてスタートしたことは大蔵省の御答弁のとおりで、三百二十一人加わっておりますし、小学校のレベルでも昨年の実績と比べて千百三十八人が上積みになって今年度の計画に入っておりますから、この勢い、この方向をひとつしっかりと守りながら何とかして計画年度内に実現をさせたい、このような気持ちでこれからも取り組んで対処していきたいと思いますので、どうぞよろしくお見守りをいただきたいと思います。
#43
○佐藤(徳)委員 終わります。
#44
○青木委員長 佐藤誼君。
#45
○佐藤(誼)委員 それでは、文部大臣、それから大蔵大臣、お二人にまず質問していきます。
 このたび提案されている補助金カット法案には、義務教育費国庫負担法の一部改正が入っていますから、まずそれに関連する点から質問していきたいと思うのです。
 今、義務教育諸学校には多くの職種の教職員がおることは御案内のとおりです。つまり校長、教頭、教諭、養護教諭を初め事務職員、栄養職員などあります。これらの職種はいずれも学校教育を行う上で必要欠くべからざる基幹職員だと私は考えますが、その点、文部大臣並びに大蔵大臣はどのように考えますか。
#46
○海部国務大臣 御指摘のように、学校運営にとって必要な基幹的な職員であると私も考えております。
#47
○江崎国務大臣 御指摘のように、私どもも重要な職員であるというふうに位置づけております。
 ただしかし、地方自治体の自主性、そしてお互いに国家と地方とが分担し合うという面からいくならば、多少考慮の余地のある職種ではないかというふうに考えております。
#48
○佐藤(誼)委員 文部大臣の答弁は極めてずばりでございまして、私は極めて共感を呼ぶのでありますが、大蔵大臣は私が質問しないことまで予断を持って何か返事をしているようでありまして、質問していることに対してお答えいただきたい、このことをまず御要望申し上げておきます。
 そこで、今述べた義務教育諸学校の教職員の給与等は、義務教育費国庫負担法で国が二分の一の財政負担をしております。先ほど述べた職種は、教諭も事務職員も栄養職員も、必要欠くべからざる職種として義務教育費国庫負担制度の上で区別されることなくひとしく取り扱われなければならないものと私は考えますが、文部大臣はどう思いますか。
#49
○海部国務大臣 学校運営の基幹的な職員と申し上げましたが、そのような考え方で予算編成の時期にも文部省の立場を主張いたしまして、大蔵省もこれに同意して、結果としてその制度とおり続いておる、この気持ちは今後も持ち続けていきたい、こう思っております。
#50
○江崎国務大臣 御承知のように、教諭の場合はこれはもう初めから国庫負担でございますし、他の職員につきましてはそのときの財政事情によって国庫が負担をしてきた、こういう経緯があることは御承知のとおりでございます。
#51
○佐藤(誼)委員 文部大臣の答弁は私も極めて共感を抱くところでありまして、文部省としては今後ともその原則、態度をきちっと貫いて進めていただきたいし、予算編成時については特にそのことを重視をしながら進めていただきたい、このことを文部大臣に御要請を申し上げておきます。
 同時に、今大蔵大臣言われましたが、経過はいろいろあります。戦前からの義務教育費国庫負担法の流れをくんでおりますから、いろいろ経過はありますね。しかし、先ほど申し上げたように、学校運営にとって校長も教諭も事務職員も、以下栄養職員も、必要欠くべからざる職員であるということについては共感を持っておるわけでありますから、この義務教育費国庫負担法は、憲法、教育基本法に基づいて「義務教育は、これを無償とする。」「教育の機会均等」という原則に立って、それを財政的に裏づけるということで、きちっとした制度です。これは昭和二十七年にこの義務教育費国庫負担制度が戦後制定されるときの提案の理由を見ても明らかなわけです。したがって、私は、教諭であるからとかあるいはその他の職員であるとかで区別されることは本来的にあるべきではないし、基幹職員としてきちっと同様に扱うべきだと考えますが、基本的な考え方だけを、尾ひれ背びれは要りません、考え方の基本だけを聞いておきます。
#52
○江崎国務大臣 これはやはり重要な御指摘でございます。文部省と所管省との意見を尊重しながらこの問題には対処してまいりたいと考えております。
#53
○佐藤(誼)委員 それでは次に入ります。
 本法律案の補助負担率の引き下げの対象となる経費は、およそ二分の一を超える高率補助のものが主体となっております。二分の一以下の引き下げは文部省とりわけ義務教育費にかかわるものがそうだと思うのですけれども、なぜそうなったのか。文部省義務教育費だけが二分の一以下の対象になったのか、その辺についての見解を聞きたいと思うのです。これは文部省になりますかな。それから大蔵省からも聞きたい。
#54
○阿部政府委員 義務教育費国庫負担金につきましては、文部省予算の中でも非常に大きな額を占めているものでございます。国の財政事情が大変厳しい中で文教関係の予算全体を考えていきます場合に、その組み方に大変苦慮をいたしたわけでございますが、一方で臨時行政調査会等からのいろいろな義務教育費国庫負担についての指摘等も、ございます。そういったようなことも踏まえながら、文部省予算をいかに組むかという観点で財政当局等あるいは自治省、地方財政当局と御相談をし、結論として、暫定的な措置でございますけれども一部地方交付税措置の方に肩がわりをしていただく、こういう結論になったわけでございます。
#55
○保田政府委員 六十一年度予算編成に際しまして、義務教育費国庫負担金として従来とも国庫が財政的な助成を行ってきました共済費の追加費用及び恩給費について補助率を引き下げました。
 その契機は、先ほど担当の局長から御答弁申し上げたとおりでございますけれども、若干補足をさせていただきますと、補助金というものはそもそもということから始めますと非常に長くなりますけれども、とにかく一度創設をされる、あるいは負担率が決められるといったときから長い年月を経ております間に、国の財政事情あるいは地方の財政事情あるいは行財政能力等々がいろいろ変わってまいりますので、それはやはり全般的に時々見直しをしなければならぬということを我々は常々考えておったわけですが、その一つのきっかけが六十一年度予算編成における財政事情ということでございます。
#56
○佐藤(誼)委員 質問の趣旨がはっきりしなかったせいか、どうも適切な答弁がなかったようですが、こういう一括削減という形で補助率を引き下げるこの法案自体のつくり方に問題があるし、私は賛成はできかねます。
 しかし、特に私が指摘したいのは、その中でも大抵の削減が、高率の補助金あるいはかさ上げ部分と称される、例えば三分の二を二分の一にするとかあるいは十分の六にするとか、こういう形のものが多いのですね。ところが、文部省とりわけ義務教育関係は、今も大蔵省当局から答弁があったように二分の一のものを三分の一に下げる、半分以下に持っていく、こういう扱いをされているわけです。たとえそれが具体的には義務教育費国庫負担法の中の恩給費であるとか共済年金の追加費用であるにせよ、こういう二分の一を三分の一にする、そういう非常に低いものをさらに低めていくというのは、なぜ文部省とりわけ義務教育にそういうふうな扱いをしたのか。私は、義務教育の重要性を考えると特にこの点については非常に納得できないわけです。したがって、その点についてずばり答えてもらいたい。なぜ特定したのか、その部分について。
#57
○保田政府委員 今回御提案申し上げております補助率の一括削減の対象は、先生御指摘のとおり二分の一を超える高率補助金が主体でございます。
 しかしながら、補助金というものは一つには国によって全国一律の行政水準を維持するとかあるいは奨励するといったような視点から設けられるものではございますが、他方ではまた、一つの国と地方あるいは事業主体との間の財源の持ち合い関係という面を持っておるわけでございまして、義務教育費国家負担金というものも同様でございまして、国と地方との間のいわば一種の財政調整的な意味が非常に大きいわけでございます。したがいまして、義務教育費国庫負担金制度が確立されました後も国あるいは地方、両者の財政事情によりまして、従来は国による負担対象がふえるばかりでございましたが、それは国の財政状況が非常に豊かであり、将来に対しても不安がないといったような状況を背景としまして逐次追加をされてきたわけであります。ところが、国の財政事情が非常に窮屈になりましたので、今回は補助対象あるいは負担対象から除外はいたしませんでしたけれども、国の負担率を下げることによりまして国と地方との間の財政調整を図らしていただいた、こういうことでございます。
#58
○佐藤(誼)委員 私は答弁が極めて不満なんですよ。時間が限られているのに長々とナマズ答弁みたいなことをやって、あなたの答弁は肝心なところにさっぱり触れてないわけだ。
 私は、今言った一括削減ということで補助金を下げること自体が全体に反対なんだけれども、その中でも高率、かさ上げというところが対象になっておるのが非常に多いわけです。ところが、文部省、義務教育だけは二分の一を三分の一に下げるというふうに、対象となっている中では比較的低率のものをさらに下げるというのは、なぜ義務教育に特定してきたか、このことを私は聞いているのでありまして、何遍聞いても時間だけむだになりますから私は答弁は要りません。要りませんが、つまり先ほどから言っているように、義務教育費国庫負担法の中の負担でしょう。恩給であろうが共済年金の追加費用であろうが、これは義務教育費国庫負担法の中なんですよ。これが出てきたゆえんというのは、先ほどるる言いましたから申し上げませんけれども、憲法、教育基本法に基づいて、「義務教育は、これを無償とする。」「教育の機会均等」という教育行政上の極めて重要な分野を財政的に裏づけるということでこれはやっているわけです。そういう重要な分野であるにもかかわらず、この部分を特定して、他に比べれば高額とも言えない二分の一をなぜさらに三分の一に下げようとして、言葉は悪いかもしれないけれども、ねらってきたのか納得できないということを言っているわけであります。
 これは先ほど申し上げましたが、昭和二十七年五月八日の義務教育費国庫負担法の説明なんかをずっと読んでくださいよ。先ほど大蔵大臣も言われましたけれども、戦前から戦後にわたっていろいろな経過があります。しかし、一貫しているのはこういうことなんです。つまり、「従って国といたしましても、この義務教育につきましては、その一定の規模と内容とを、すべての国民に対して保障すべき責務を負っているものといわなければなりません。そしてこの責務を果すためには、まず国が義務教育について確実な財政的裏づけをすることが何よりも必要であると考えるのであります。」
 これが基本になっているのです。そうして、ずっと来まして最後に、その当時のことが懐かしくなるのですけれども、「独立日本の門出にあたりまして、憲法に保障された義務教育が国策の根幹であることを明らかにし、」と明確に書いてある。ここからずっと出てきているものだと私は理解する。
 ところが、そこから出てくる二分の一――高率補助のぎりぎりですよ。これを特定して三分の一に下げるというのは、他に比較しても納得できないということを私は言っているのでありまして、そのことの理由を聞いているのです。長々とナマズの寝床みたいな答弁をされたって困るのであります、時間がないのですから。
 その次に進みます。
 そこで、義務教育費国庫負担法の負担率の引き下げ措置について、恩給費、共済年金などその対象となる経費をなぜ政令事項で定めたのか。質問の意味わかりますね、お答えいただきたいと思います。
#59
○阿部政府委員 今回の措置といたしましては、共済年金に関する経費と恩給等について、法律上三分の一になし得るということにいたしまして、その内容を政令にゆだねたわけでございます。
 共済年金に関する経費につきましては、長期給付に要する経費と追加費用と、この二つのものが中に含まれておるわけでございますけれども、この両者がともに地方公務員共済制度等の発足とあわせて、追加で負担制度の中に組み入れられてきたというような経緯のものであり、現在の職員に対する給与費とは違いまして、退職後支払われるような形の性格のものでございます。
 そういったような、性格が似ているものでございますし、過去に負担制度へ組み入れた経緯等から考えまして、法律上は一括してこれを取り扱うのが適当であろうということにいたしたわけでございますが、具体にそのうちのどれとどれをということにつきましては、御案内のように追加費用と恩給関係の経費、この二つについて政令で定めて三分の一という措置を講じたい、こう考えているところでございます。
#60
○佐藤(誼)委員 そういう答弁があったわけですが、今答弁があった恩給費、共済年金の追加、これを政令事項に定めるといっても、この法律が通れば当然共済年金の長期給付も政令事項の対象にすることはできるわけですよね。ですから、法律改正がなくとも政府としてこれはできるわけですから、この点のところを留意をしながら私は質問をしているのでありまして、これを法律改正になったからといって軒並みにそっちまで政令事項だということでやられてしまったのでは大変なのでありまして、この辺の歯どめを私はきちっとしておいてもらいたいと思うのですが、大蔵省としてどうですか。
#61
○江崎国務大臣 これは六十三年までの暫定措置でございます。その後どうするかということについては、現在のところ考えておりません。
#62
○佐藤(誼)委員 それじゃ、今いろいろ質問してきたことは文部省予算全体のあり方にかかわってきますので、質問をそちらの方に移したいと思います。
 そこで、最初に文部省の方に質問いたしますが、昭和六十一年度の文部省所管一般会計予算額という資料、ございますか。
#63
○西崎政府委員 私どもの方で一応用意しておる資料はございます。
    〔青木委員長退席、笹山委員長代理着席〕
#64
○佐藤(誼)委員 時間を節約し効果的に進める上で、この資料を見ながら、まず文部省の方に質問していきます。
 この資料を見るとおわかりですが、まず、文部省予算の国家予算に占める割合を見ると、前半の方はこれにはございませんが、昭和三十五年当時は一二・一三%、これがずっと下がって昭和五十五年では九・九四%、昭和六十一年度では八・四五%まで下がっている。この流れを私たちは重視しなければならぬ、このことをまず最初に指摘しておきます。
 その次に、今の確認し合った資料をもとに私なりに見てみますと、昭和五十六年度以降の文教予算の推移を見ると、六十一年度までの五年間で人件費は五千七百億円増、物件費は四千七百億円減、予算全体としては一千億円増となっております。つまり、人件費がふえ、物件費が減少し、その比率も人件費が昭和五十六年度の六三・六%から昭和六十一年度は七四・六%になっている。同じく物件費は、昭和五十六年度は三六・四%、昭和六十一年度は二五・四%に下がっている。細かい数字は別にしても、例の財政再建、ゼロシーリング、マイナスシーリングが始まったころから文部省予算の中で人件費の比率はどんどん上がり、物件費は下がっているということは、この数字が如実に示しているということです。
 そこで、今までのようにマイナスシーリング、人勧のベースアップ分は基本的には物件費で貯えという従来の手法からいった場合、人件費の高い文部省予算の行く末はこれからどうなっていくのか、この見通しについて文部省はどう見ているのか、この点についてお尋ねします。
#65
○西崎政府委員 ただいまの数字、国家予算全体に占めるシェア、三十五年度と六十一年度の比較につきましては、国家予算については先生御指摘のとおりでございます。ただ、国家予算の中には国債費と地方交付税費が入っておりますので、これを除いた一般歳出で申しますと三十五年度が一五・五、本年度が一四・〇三、近年においてはほぼ一四・〇三で推移しておるという数字はございます。ただこの点は人件費を含んでおりますから物件費が圧迫されているという事態には変わりない、これは御指摘のとおりでございます。その後の数字は、先生おっしゃるとおりでございます。
 この点につきましては、教育政策を今後私どもが大いに展開していかなければならないという問題と、財政再建ということで国家財政が非常に厳しい途上にある、その二つの兼ね合いの問題でこれからの処理を考えてまいらなければならないわけでございます。しかし、前年同額という形で人件費の増を賄う場合に、これはなかなか政策経費を生み出す余地がない、将来の見通しとして、今後数年これが続いていきますならば、人件費の増によって政策経費の余地がほとんどなくなる気配にあることは事実でございまして、この辺については今後、臨教審答申等の政策課題をどういうふうにこなすかということも含めて、財政のあり方について文部省としても真剣に考えなければならないという考え方を現在持っておるわけでございます。
#66
○佐藤(誼)委員 関連して最後に大蔵省には聞きますから、質問と答弁をよくお聞きになっておいていただきたいと思います。あらかじめ申し上げておきます。
 今文部省はそれなりの言い回しの答弁はしているのですが、今の手法でいったら極めて大変な事態になるのじゃないかという意味が含まれた答弁であると私は見ざるを得ないのです。これは統計的な推計、つまり先を推測していった場合に二%ないし三%ぐらいずつ文部省の人件費の率が高まって、相対的に物件費が二%ないし三%下がっていっているのです。極論すれば、この比率で人件費がずっと上がっていったとすると、今七四・六%ですから大体八年か十年後には人件費が一〇〇になってしまって物件費はゼロになってしまう、数的に言いますとそういうことも考えられるわけです。そうすれば、文部省が幾ら考えて頑張ってみても、人件費だけをいじくる文部省になってしまって、言うならば私学助成、教科書、箱物、そういう政策的な判断を加えるものは何もなくなってしまう。極論でありますけれども、こういうことも憂慮されるわけですよ。そうすると、今国民の大変な教育に対する願いに対して何もこたえることができない、こういうことにもなりかねないことをこの数字は示していると言わざるを得ない。事は重大だと私は思うのです。
 一例を申し上げますが、昨年の人勧が五・七四%、そうしますと千六百億ぐらいでしょう。もし、ことしも人勧がその程度になって、ことしは一%計上していませんから、一千六百億円相当をずばり物件費の方から見なさいと仮定したとすると、昭和六十一年度の物件費は一兆一千六百十億円ですから、これから千六百億円を捻出しなさいというふうに仮になったとすれば、物件費は軒並み一五%程度の削減ですよ。物件費の中には、御承知のとおり私学助成に始まって、箱物からいろいろありますね。我々は私学助成について大変な要望を受けていますね。文句なしに一五%ばっさり切らなければならぬ、どんなことを言っても。次々同じようなことが出てくるわけですよ。これじゃ幾ら我々が逆立ちしても、予算の組み万全体の中で、今の手法の中で何ぼ頑張っても文部省はやれなくなってしまう。この辺に対して極めて憂える者の一人でありますけれども、文部省はどう考えるか、その点で文部行政は全うできるのかどうか、私は文部大臣に答えていただきたい。
#67
○海部国務大臣 今日までのところは与えられた枠の中でいろいろ努力しまして、文部省内でも優先的な政策目標をつくりますと、例えば私学の助成であるとか科学技術の振興であるとか留学生対策であるとか、経常的経費は一〇%マイナスという枠の中でも何とかやりくりしてそれを減らさないように横ばいで維持してやってまいりましたが、全体の示す趨勢が非常に下向きになっていることは事実でございまして、夢を語るといたしますればこの辺でそろそろ少し発想を変えなければならぬ。私自身、ことしの予算総額四兆五千七百二十二億九千七百万円をどういうふうに覚えようか。「四の五の言って質屋に行くな」、こういう予算だと僕は覚えたのです。「四の五の言って質屋に行くな」とごろ合わせをいたしましても、質屋に行かなかったらどこかに行かなければなりません。その行き先に、我々の希望を申し上げますと、質屋には行かないけれども、ODA的な発想で何か考えてもらえないだろうか。
 例えば、今でも国連大学の問題とか留学生の問題とかはODA的の分野で見てもらっておるとするなれば、まさに教育改革の一番大切な基礎研究の充実とか、科学技術の研究充実とか、そういった学問の峰を高くしていく基礎研究部門というのは、日本だけで消化してしまうのじゃなくて、やはり海を越えて、国際化時代には共通のものにもなるわけですから、そういうような、もうここは五%カット、ここは一〇%カットで御承知のようにだんだん政策予算がなくなっていくときには、何かODA的な発想でこれは特別扱いしてあげようというような方法が出ないものか。教育が、時の財政状況にかかわらず、不断の積み重ねが必要だというものであるとするなれば、そういうことをぜひお願いしなければならぬ。きょうは大蔵大臣のお顔が見えませんので安心してしゃべっておりますが、ひとつ大蔵省にもそういった考え方をよく御理解をいただきたいと思っておるところでございます。
#68
○佐藤(誼)委員 お聞きしまして大変共感を呼ぶ答弁なんですが、問題は大蔵省ですし、これは私はもう既に総理大臣が答えるべき筋合いにもなってきているような内容だと思う、このことについては。しかし、きょうは残念ながら総理大臣いませんので、副総理格の大臣がおりますから、ひとつ大蔵省から御答弁いただきたいと思います。
#69
○江崎国務大臣 大変重要な御指摘で、仰せのように人件費が七五%弱、これは大変なことだと思います。そして、これが二%は確実にアップしていくであろう、もうそれも肯定できます。施設費は一体どうするんだ、全く難しい話でございます。財政事情全体が本当にこのままであっていいはずはありません。今後この国家財政そのものを変えていく、しかしそれも来年、再来年、二年ぐらいで果たして変えられるのかと言われれば、これはなかなかそう簡単なものではないと思います。しかし、幸いなことにといいますか、御承知のように、児童数が徐々に減ってきておるという傾向もあります。それから、特に大都会においてはスフロール現象などによって非常に過疎な学校もある。それから箱物と言われる校舎、その他の附属建物は、今までの予算措置で大体充実をしてきたということは言えるわけだと思います。
 したがって、その中でどうやりくりをしていくのか、これは御質問の点は極めて重大であります。私どももできるたけ努力をし、文部省と相談をしながら、御指摘のような形にならないような最善の対策を検討してまいりたいと考えます。
#70
○佐藤(誼)委員 答弁の内容としては私はきちっと満足いく形じゃないんですが、非常に真剣に受けとめているという点については、それなりの受けとめ方をしましたので、特に各省庁もそうでしょうけれども、文部省の予算の今の特徴、推移はそのようになっていくということは推計されますから、十分ひとつこれは考えてもらわなければなりません。特に、臨教審で二十一世紀の教育、人間像ということが議論されていますけれども、これは足元がそうなっていって二十一世紀の話をしてみたって、財政的裏づけがなければ吹っ飛んでしまいますよ。ですから、その辺のところをきちっとして、臨教審で議論するならばそれと結ぶような形でやってもらわなければ国民は納得できないと思うのです。
 したがって、私はこれは文部省も頑張ってもらわなければなりませんが、しかし文部省だけでは解決できないことははっきりしていると思うのです。さらに突っ込んでいけば、国の財政全体の組み方、手法を考えていかないと、どの分野をとっても、私から言わせればもう壁にぶつかってきているのではないかということを言わざるを得ないので、その先の議論になりますと、これは大蔵委員会なりあるいは予算委員会の議論にさらに発展していくでしょうから、それ以上多くは言及いたしませんけれども。
 ただ、先ほど文部大臣が言われたように、今の状況の中では教育が、これは国家百年の大計であると同時に、義務教育はこれを無償とし、しかも教育の機会均等ということを考えたら、もう削れないぎりぎりまで来ておりますから、そうなればこの部分については別だという国民的なコンセンサスを得ながらしていかなければ、今の手法の中で文部省が幾ら逆立ちしたって私はできないと思うのです。
 その点、防衛費を持ち出して申しわけないのですが、防衛費についてはいろいろ議論の分かれるところでありますから多く触れませんけれども、しかし私はこれと比較しただけでも、少なくともどなたにも子供がいるわけですから、これは十分国策の根幹の問題としてぜひひとつ考えていただきたい、こういうふうに思います。
 なお、この問題をずっと見ていきますと、次のような考え方が私としてはできると思いますので、若干付言させてもらいたいと思う。
 それは何かというと、文部省の人件費の比率は七四・六%、これがどんどん上昇していることは今のとおりですね。そうなりますと、今申し上げたようにマイナスシーリングということになりますと、人件費以外に切り込んでいかなければならぬ部分が非常に多い。しかも人勧のベースアップとなれば、物件費に負担がかかる。その結果、先ほど言ったように物件費の政策的な選択ができなくなる。しかし、それは翻って見ると、人件費の方まで食い込んでいかなければできないという部分だって将来は出てくる。そうなりますと、今既に入っているような義務教育費国庫負担法の、例えば今の場合ですと教材とか旅費とか、あるいは共済年金とかいろいろなのがなっていますけれども、根幹の職員の問題まで議論の対象などになってくるんだったらこれは大変な問題なわけです。さらに加えて、御承知のとおり国立学校特別会計の繰り入れだって、これは大体人件費八〇%相当でしょう。この辺まで入っていったら、とてもじゃないが文部省予算なんかあらかじめ組めないと思う。内客を突っ込んでいきますと、こういうような形に入っていきますから、私はその辺のところを非常に心配するわけであります。
 したがって、これは先ほど手法、組み方としては予算委員会のものだという話をいたしましたけれども、昭和五十六年以降今までの「増税なき財政再建」の中で、それを目標にし、切り詰めることによって財政再建を図るという手法でずっとやってきた。こういう形を見ると、御承知のとおり予算規模全体は大きくなってきているけれども、地方交付税、国債費はふえていますから、つまり一般歳出は余り変わらぬでしょう。変わらぬですね。その中で御承知のとおり、防衛費なり今問題になっている海外経済開発援助費であるとか特定のものだけが伸びてきていますから、したがって当然他の費目は下げざるを得ない。これは小学校の生徒だってわかる。マイナスシーリングになる。それは各省庁に行くわけなんだけれども、例えば文部省や、あるいは割合に法務省なども人件費が高い、こういうところで極めて大きい負担を背負っていかなければならない。とてももう削るものはないという状態になるわけですね。
 私はこれからの財政のあり方を考えたときに、従来の財政の組み方、それに対応する手法、これを変えなければどうにもならないのではないか。これは国会で議論されていることですからこの際私見をちょっと述べさせていただきますと、歳出と歳入がありますが、私は入る方については可能な限り不公平税制の是正なりまだやる余地はあると思うのです。取りやすいところから取るんじゃなくて、取らなければならぬところから取る、税については公平が最も原則でありますから、そういうところでまだ取れる余地があると思う。それから、私は国債費だって建設国債であったら発行していいと思う。国民は納得できると思う。そして長期的に見るならば内需の拡大を通じて高度経済成長をさらに進めながら、企業も人も担税能力をふやしながら、そこからやはり長い目で税収を上げるという総合的な歳入の考え方をつくっていかなければならぬのじゃないか。
 私から言えば、歳出の方はいろいろ議論はあるでしょうけれども、なぜこの状況の中で軍事費だけを毎年プラスさしていかなければならぬのか。私はすぐゼロにとは言いませんよ、我が党ではこれは少なくともストップしなさいという、やっぱりこういうところは抑えていかなければならぬのじゃないか。そして今のようなどうしても必要な、国民のコンセンサスを得られるような文教であるとか、そういうところを見ていかなければ、とてもじゃないが、どんなに文教が高ねの議論をしたって国民のニーズにこたえるような裏づけになっていかないと思うのです。だから私はその辺のところを、まあきょうは幸い連合審査でありますし、各大臣あるいは関係者の皆さんもおいででございますから、私は文部省の予算をずっとつぶさに考えていきますと、その辺までぶつかる問題ではないかなと思いますので、きょうは総理大臣、大蔵大臣おいでになりませんけれども、副総理の江崎大臣がおりますから、ぜひひとつ御検討いただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 私の見解を述べましたが、なおその辺について総括的に文部大臣と大蔵大臣の答弁をいただいて次の質問に入りたいと思いますので、ひとつ御答弁いただきたいと思います。
#71
○江崎国務大臣 これは、このままの財政事情では私もいけないと思います。アメリカの高金利に引かれて自然と民間資金が利殖に走っておった、マネーゲームに走っておった、このしわ寄せがここへ来たわけですね。そしてにわかの円高によって国内にも大きな不況感をびまんさせる結果になった。これは、もっと内需喚起を先手先手と打っておればこんなことにもならなかった。それには不公平税制の是正ということもあるが、多少のうまみをつけてでも、今経常収支でいったってGNPの三・六%なんというのは驚異的な数字で、世界からいうならば恨みにこそ思え、本当に日本というのはいかにも利己主義国家だというふうに見られかねない情勢だと思います。
    〔笹山委員長代理退席、小泉委員長着席〕
 私は、確かに今までの財政再建の過程における手法というものが、お互いに試行錯誤を犯しながら次のまた新たな創意を、そして模索をとこうしていくわけでありますが、本当にむだなことをしたな、にわかの円高で何兆円という実質そこにある金が煙のように消えてしまったのですからね、しかしこれとても事情がなかったわけではなくて、にわかに膨張した国家財政であったためにマネーゲームに走ったり高金利に吸い寄せられた、一言では言い切れませんが、簡単に言えばそういうことだと思うのです。
 したがって、今後の財政の持っていき方というものはいろいろあると私は思います。それがいわゆる今の行政改革でもあります。大体、許認可事務が面倒くさ過ぎるのですね。地方に今補助率カットをするというときに、私ここに持っておりますが、地方自治経営学会の調査によっても、国庫補助関係事務に都道府県で四四・六%、市町村で二四・九%時間が費やされておる、こういう報告があります。こんなばかげた話はあるものじゃないので、これは少々の補助金カットをされたってこれで埋められる、また今度の補助金カットはそういう意味ではありませんが、いずれにしろ、少なくともこういう合理化もしながら財政再建に向かって、また行革についても真剣に行いまして、御期待にこたえるような財政事情に一刻も速やかに持っていく最善の努力をいたしたいと真剣に考えております。
#72
○海部国務大臣 私どもも一生懸命に頑張ってやってまいりたいと思っておりますが、文部省だけの考えや文部省だけの意気込みではどうにもならぬ壁もあるではないかと先生御指摘でございますが、だからこそ、ただいま臨時教育審議会におきまして政府全体の立場で別の角度からいろいろな御議論を願っており、先ほど来御指摘の「審議経過の概要」の文言の中にも、国家財政全般との関係において財政措置の問題は講じられなければならぬということを指摘をして、それを議論しながら今答申を待っておるところでございますので、どういう御議論が答申され、どういう結論が出てくるのかまだわかりませんけれども、その答申を踏まえて私どもとしてはさらに一生懸命文教政策が充実するように努力を続けてまいりたいと考えております。
#73
○佐藤(誼)委員 文部大臣としては、幸い臨教審でそういう審議をしておりますから、それとのかかわりの中で答弁されたと思いますけれども、きょうは余り臨教審の議論をする場ではないようでありますから、臨教審の中身とか財政的裏づけ等の問題についてはそれ自身私も議論があります。ありますが、他の機会に譲ります。しかし、いずれにしても財政的な裏づけがきちっとできなければ、幾ら教育の百年の大計の議論をしたって足元から崩れるという問題がございますので、その点は、先ほどから大蔵大臣からもありましたし、ぜひ全体的な立場で考えていただきたいと思います。
 最後に、この法律案に基づいての各論の部分について若干質問して、終わらせていただきたいと思いますので、以下質問を続けたいと思います。
 そこで、児童生徒急増市町村の校舎新増築に対する負担率のかさ上げ措置は昭和六十二年度で期限が切れることになっているわけです。この一括法案は六十三年まで三年間となっておりますが、これは六十二年度で期限が切れる、したがってカットの部分も六十二年までとなっているわけであります。それが、三分の二から昨年十分の六になり、このたびの法律案では十分の五・五に切り下げる、こういう法律案になっているわけであります。ついては、児童生徒急増市町村の校舎新増築というのは極めて大きな問題でありまして、その辺を考慮して三分の二ということを決めたものが、十分の六に落として、またこのたび十分の五・五に落としていくということは、急増市町村に対する特例措置としてかさ上げをやってきた制度の役割をどういうふうに考えているのか。これはもちろん財政事情から来たんだということにはなるんでしょうけれども、私はそれにしては急増市町村への対応という点からいうと余りにも納得いかない点があるわけです。その点が一つ。
 もう一つは、昭和六十二年度で切れるわけでありますから、それ以後の急増市町村に対するこの種の手当てといいますか、手だてといいますか、それはどう考えているのか。
 もう一つは、急増地域の土地の購入についての補助は、昭和六十一年から昭和六十五年まで、補助の率は別にしまして、同じ急増地域でも延長されております。その辺との兼ね合いはどう考えるのか。
 まとめて言えば、以上三点についてお答えいただきたい。
#74
○阿部政府委員 児童生徒の急増問題によりまして関係の市町村では一時期に大変膨大な財政支出を強いられるということがあるわけでございますので、こういった点に適切に対処していきたいということから昭和四十八年度以来御指摘のようなかさ上げ措置を講じてきたわけでございまして、これとあわせて用地費の補助も行ってきたというようなこともございまして、急増に対する対策はおおむね進んできたと思っておるわけでございます。
 このたび、国の財政事情が大変困難だということもございまして補助率の引き下げ等を行わざるを得ない状況になっておるわけでございますが、これに対する手当てといたしましては、今回引き下げた分については全額起債措置を認める、そしてその起債措置は翌年度以降元利償還が必要でございますけれども、この元利償還の経費についても交付税で全額見るというような措置を地方財政当局においてとっていただくようにいたしまして、従来どおりこの施策が前進するようにという配慮を行っておるわけでございます。
 中学校の生徒の増加が昭和六十一年度をピークにして、後から消えていく状況になるわけでございますので、この制度をどうするかということがあるわけでございますが、これにつきましては、全国的な傾向と個々の市町村ではかなり傾向が違いまして、全体が減少期に入った場合にもなおかつ急増を続けているという市町村があり得るわけでございますので、その辺につきましては、六十三年度予算編成の際に各市町村の実態等をよく聞きまして対応を検討していきたい、こういうふうに考えております。
 なお、用地費の補助につきましては、昭和六十一年度、今回の予算におきまして、六十年度限りで用地費補助が切れることになっておりましたのをさらに五年延長していただくことにいたしました。と同時にこれには、児童生徒の急増市町村以外の市町村で過大規模校解消という課題を抱えておられるところに対する対応といたしまして、急増市町村以外であっても過大規模校解消のためのものにつきましては補助の対象にするというようなことを新たに制度拡充をいたしたわけでございますので、そういった点も含めまして、昭和六十五年度までの五年間という期限を考えておるわけでございます。
#75
○佐藤(誼)委員 急増市町村対策はこれからも続くわけですから十分意を用いてもらいたいと思います。特に最後にありました過大規模校の解消の問題ですけれども、これは極めて重要だと思うのですよね。文部省もそうだと思いますけれども、今の教育荒廃、とりわけ病理現象と言われるところの校内暴力とかいろんな問題、これは押しなべで過大規模校に多いことは御承知のとおりです。ですから、そういう教育荒廃をなくする、もっと積極的に言えば、教育効果を上げるという点からいうと過大規模校をなくするという、これは四十人学級ともかかわってきますけれども、これは重要な政策課題だと思いますので、今局長から最後にその手だてについてありましたけれども、ぜひその点については十分留意をしていただきたいと思います。この点を一つ要望しながら、もう一つ続けて質問をいたします。
 このたびの一括削減法案の中に、直接文部省にはかかわっておりませんけれども、箱物の補助率の削減等の関係で、地域振興法等の法律に基づくもので削減されているのがありますね。
 そこで、地域振興法等という中には、例えば過疎振興であるとかあるいは豪雪地帯に対する問題とか、いろいろありますね。こういう地域振興法等によっての公立義務教育諸学校の施設設備費に対する国庫負担補助率のかさ上げ、これが今度三分の二が十分の五・五に切り下げられるわけでありますが、私は、地域振興法によって補助率を引き上げてきたことが地域の教育振興に大きな役割を果たしてきたと思うのです。この点をどのように考えられているのか、この際、ひとつお答えいただきたいというふうに思います。
#76
○阿部政府委員 各種の地域振興法によりまして、離島でございますとか過疎地域、豪雪地帯等、いろいろな地域について対策を講じてきておるわけでございます。これらの地域は、一般的に市町村の財政力が低いとかあるいは小規模校が多いとか、いろんな困難な事情があるために学校施設の整備が立ちおくれているというようなことがございますので、それぞれの法律におきまして、各地域の必要に応じて補助率のかさ上げ措置を講じる、同時に、毎年度それぞれの市町村の要望に応じただけの予算額は確保するようにいたしまして、優先採択をするということでこれまで対応してきました。これらの地域における学校施設の整備に大変役立ってきた制度であると思っております。
 ただ、国の財政の事情が大変厳しいということで、暫定的な措置ではございますけれども、補助率を十分の五・五に下げるということに相なったわけでございますが、これにつきましても、先ほど急増地域について申し上げましたのと同様に、それによる市町村の負担の増加分につきましては全額起債措置を認める。同時に、その元利償還経費についての地方交付税措置というようなこともセットいたしまして、具体の整備がこれによって支障が生じることがないようにという配慮をいたしておるところでございます。
 今後とも、そういう状況を踏まえて適切に対処をしてまいりたい、かように考えております。
#77
○佐藤(誼)委員 時間があと五分しかなくなりましたので最後に、先ほど私の同僚議員である佐藤徳雄議員も質問いたしましたが、通称四十人学級、定数改善計画ですね、このことについて質問したいと思うのです。
 これは、計画上のいろいろな曲折はございました。昭和六十一年度を見ますと、小学校の場合には施設余裕校の第一学年について実施する。それから中学校の場合には、施設余裕校で十八学級以上の学校の第一学年に行うということで見たわけですね。なぜこういうふうに特定して言うなれば条件をつけたのか。私たちからいえば、確かにこの計画は六十六年度完成ということにしてずっと組まれておりますけれども、今の趨勢からいえば、いち早く四十人学級を完結して三十五人学級の実現を進めていくというのが、私は国際的に比較しても日本の教育上大きな課題だと思うのです。したがって、その辺、六十六年を待たずしてつくられるものはどんどんつくっていく、こういうことがぜひ必要だと思うのだけれども、なぜそういう条件をつけてきたのか。
 それから、昭和六十六年度までのものをずっと見ますと、これは大づかみに言えば大体自然減に合わせて四十人学級を学年進行で合わせていくというようなことで、極論すれば財政の持ち出しなしに自然減に合わせて四十人学級を実現していくというふうに見られてならないわけです。したがって、今申し上げたようなこの四十人学級の早期完結と三十五人学級の実現は、国際的に見ても緊急な課題ですかも、早急にそういう方向に向けて計画の早期実現を図るのは当然だと思うのだけれども、その辺はどう考えているのか。
 基本的な点でございますし、実はこの間、西ドイツの教育使節団が日本に来たときにこのことについていろいろ議論をしました。じゃ西ドイツはどうなっているかと言いましたら、二十五人なんですね。一学級二十五人。そして、ちょっと名前は忘れましたけれども、何とかという特殊な学校でしたが、そのレベルの学校になりますと二十二人なんですね。いろいろなデータを見たって、四十五人ないし四十人などというのはほとんどどこにもないのですよね、これは皆さん御承知のとおり。
 だから何も、六十六年までと計画していれば、そこまで自然減に合わせて学年進行でやらなければならぬという理由はないのです。可能な限り早く完結させていく、そして三十五人に移るというのが私は国際趨勢からいっても日本の教育の重要な課題だと思うので、この辺についての考え方を最後にお聞きしたい。これは文部大臣と大蔵大臣からお聞きしたいと思います。
#78
○海部国務大臣 申し上げましたように、四十人学級の努力目標を六十六年達成と立てまして、まず今それに全力を挙げておるところでございますので、とにかくこの目標が達成されるようにまず頑張ってやっていきたい。達成された暁においてまたその先の目標を議論して前進させていきたい、これは基本的な考えでございます。
#79
○江崎国務大臣 これは先ほどもお答えしましたように、中学においては確かに本年度から新たに四十人学級に手を染めた、小学校におきましても、これまた自然減少を待たないでこれにようやく手をつけることができた、この熱意はお酌み取りいただけると思いますが、何せ御承知のとおりの財政事情でございまするので、その点は御了解を願いたいと思いますが、なお文部省と十分打ち合わせながら大蔵省当局としてもできるだけ前進するような努力をしていきたいと考えております。
#80
○佐藤(誼)委員 これは時間にもなりましたし、いずれ文教委員会でやりたいなと思っていますが、ただ、今の文部大臣の答弁は型どおりの答弁過ぎると思うのです。これは確かに、あなたが答弁しなくたってちゃんとここに計画があるのですから、昭和六十六年までどういう計画でいくかということがちゃんと書いてあるのです。そして、それは自然減に合わせて四十人学級をつくっていって、最後には二百四十人ですか、減という形でちゃんと出ていますから、これに全力を挙げますと言うのは当たり前の話なんです。私が言うのは、自然減に合わせてやるといったってこれは当たり前の話でありまして、あなたの方で一文も金はかからぬわけですよ。だから、今の趨勢からいえば、ほかの国では四十人なんて恥ずかしくて言えない状態になっておるのですから、計画であったら早く四十人学級を完結させて、三十五人に着手すべきじゃないか。もう二十五人、二十二人になっているのですよ。そのことのあなた方の努力の考え方を言っているのです。ですから今の文部大臣の答弁は極めて型どおりであって意欲がない。私は極めて不満である。もう一度どうぞ。どうなんですか。
#81
○海部国務大臣 ただいま立てております目標をまず確実に達成するために全力を挙げて努力を積み重ねてまいります。そして、その達成した暁において、また私どもはよりよい教育条件整備のためのいろいろな検討に入っていかなければならぬ、これは当然の努力目標と心得ております。
#82
○佐藤(誼)委員 まだいろいろありますけれども、時間になりましたので、この続きは文教常任委員会でやりたいと思います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#83
○小泉委員長 山中末治君。
#84
○山中(末)委員 私は、国の補助金等の臨時特例等に関する法律案について質問いたします。
 「増税なき財政再建」ということが巷間また政府部内でも盛んに言われておるわけでありますが、現在までの政府の財政再建施策で財政再建ができるとお考えなのかどうか、最初にお聞かせをいただきたいと思います。
#85
○江崎国務大臣 衆知を集めて何としてもこの財政状況から脱出しなければならない。これは御承知のように政府を挙げて努力しておるところでございます。
#86
○山中(末)委員 私は財政再建ができるかどうかということをお尋ねしたのですが、今御答弁をいただいたのは、衆知を集めて努力しなければならないということでございます。努力をしていただくとしまして、それでは財政再建とは具体的に財政がどうなることを目標にしておられるのか。その点もあわせてお聞かせいただきたいと思います。
#87
○江崎国務大臣 これは言うまでもなく、適度な成長を遂げながら収支がバランスする形でその年度予算が構成される、そして国民の要望する施策にこたえていくことができるような財政事情にしていくことが第一義だというふうに思います。
#88
○山中(末)委員 収支バランスが合うようにとおっしゃいますが、収支バランスというのは、予算の組み方とかそういうものによっては合わそうと思えば合うわけなんですね。もっと具体的な財政の目標といいますか、そういうものはお持ちではございませんか。
#89
○江崎国務大臣 それは、従来「増税なき財政再建」、こういう方針でまいったわけでございます。
#90
○山中(末)委員 今「増税なき財政再建」というお話が出ましたが、これはだれに対して「増税なき」なのか。今の税の制度を、例えば税率とか課税対象、客体の捕捉とかそういう問題を変えずに、いわゆる税収の総枠でのやりくりをしていくというふうに理解したらいいのか。それから、物によっては自然増収がございますが、これは増税とは考えておられないのですか。その点についてお尋ね申し上げたいと思います。
#91
○江崎国務大臣 私は今日までの財政再建の目標を申し上げたわけでありまして、御承知のように、総理及び大蔵大臣が答弁しておりますように今税調に諮問をいたしまして、公平な税制を目指しながら何らかの大きな減税ができないものか、あるいはその一面で財源を合法的に求めることはできないか、新たな前進を図っておるところでございます。
#92
○山中(末)委員 私の質問が一点ずつに絞っておりますので御答弁しにくい向きがあるかもわかりませんが、自然増収は増税と考えないということに立脚されますと、いわゆる所得税減税等の必要がなくなってくるという論理も導き出されてくると思うのですが、税収総枠の中でのやりくりをして、下がるところもあれば上がるところもある、しかし税収総額は変わらない、こういう意味での「増税なき財政再建」というの。ならまたそれなりの理屈と理論というものが出てくる。私は「増税なき財政再建」というのは、一歩譲っても税収の総枠を変更しない中での作業だというふうに理解をしたいのです。
 ところが今度の国の補助金等の臨時特例等に関する法律案では、たばこが値上げをされておるわけです。地方公共団体にカットの後の財源を付与するために、たばこの値上げをして消費税千二百億を地方へ渡す、政府分についても交付税の方に積み上げをする、こういう措置がとられていますね。これは財政再建の中で一番重要視されていると思われる「増税なき財政再建」の範疇に入るのかどうか。これは明らかに増税ではないかと思うのですが、いかがなものですか。
#93
○江崎国務大臣 この問題は、臨時特例措置ということで大蔵大臣も大変苦しい答弁をしながら御理解を賜っておるところでありますが、「増税なき財政再建」というのは、当面の財政改革に当たっては安易に増税を念頭に置かないで、歳出の徹底した見直しによって予算執行をしていく、行財政改革のいわゆる根本理念としての合い言葉というふうに言ったら一番わかりやすいと思いますね。
 それでは一体たばこはどうなんだ。この消費税の引き上げについては、補助金の整理合理化といういわゆる財政改革の一環として、足りない分について地方財政が困らないように特別の措置をした。補助金の見直しをせよという行革審の答申に基づいて補助金の一律見直しをしたわけでありますが、そうかといって、これが三年延長されてにわかに地方事情に大変な影響を与えては困りますので、その一環としてこの値上げも行われたものである、こう御理解を願いとうございます。ただしこれは一年限り、こう申しておるわけでございますが、これは臨時異例の措置でありますから一年限りと言わざるを得ない、私もさように認識をいたしておるものであります。
 今後どうするかという御質問が恐らくあると思いますが、それは今、所得減税などを含めた税制改革を考えていこうという税制調査会の答申にまって決めることである。御答弁としては、暫定的な一年限りのものである、こういうふうにお答えするのが妥当であろうかと考えます。
#94
○山中(末)委員 やっぱりたばこについては増税なんですな。今大臣おっしゃったように、暫定的なものだということでこれは聞くところによると一年限りだ、こういう御説明なんですね。昭和六十二年度以降については何か財源を求めなければならぬ、こういうふうにおっしゃっているわけですね。そうすると、今度の補助金等の臨時特例に関する法律が出てきた根拠は、国の財政そのものが非常に窮屈になってきている、それをどこへ持っていくか。大臣もたばこ吸っておられるかわからぬけれども、たばこの値上げで、国民がたばこを吸うことによって税負担を国民がかぶってしまっている、こういうことですね。それで国民がかぶったたばこの値上がり分を、国の財政が及ばないところカットしなきゃならぬから、地方自治体へたばこ消費税として入れていく。国の分の千二百億をそれでも足りないから交付税に積み上げていく、そして交付税で配分する、こういうことですね。そうすると、簡単に言うと、これは明らかに国の財政の逼迫しているところをたばこ消費税によって増税をして一部カバーをしていく、そういうことになりますね。
 私、先ほど「増税なき財政再建」というのはだれに対して「増税なき」ということなのかと聞きました。これは具体的な御答弁なかったですけれども、何のことはない、これは明らかに国民に増税を強いているじゃないか、こういうことになると思うのです。「増税なき財政再建」というキャッチフレーズを流しながら、実質には国民の負担をふやしていく、こういうことにつながっていくわけですね。
 これは一年限りの措置だとおっしゃるけれども、一年限りの措置でも、「増税なき財政再建」という目標を持っているなら増税をせずに何とかやりくりがつかないかということになっていかぬといけないんじゃないか、私はこのように実は思うのです。そういうことを考えていくと、「増税なき財政再建」というのは、大臣おっしゃったように一つの目標、理想に類したものであって、現実は決してそういうものじゃないということを言わざるを得ない。まして、たばこはことし一年間だけの措置ですということですが、皮肉な質問ですが、じゃ、来年からたばこを値下げされるのですか。
#95
○江崎国務大臣 これは率直な御質問だと受けとめております。おっしゃるとおりですね。確かに「増税なき財政再建」の域を踏み出したんじゃないかと言われれば、ごもっともでございますと言わなきゃならぬ点もありますが、一方では地方自治体の自主性、自律性、そしてまた国と地方との業務分担、それになじむものを公正に分け合い、能率化し、簡素化し、同時にまた、補助金一律カットの財源にも役立てた。
 しかし、にわかに三年間延長ということになりますと、どうしても地方も困りますから、それは車の両輪のように、国と地方が一体になって、補完関係にある、「輔車相依る」という、まさにそういう言葉どおりの関係でございますから、そこで、やや逸脱ぎみでありますが、これは値上げをせざるを得なかった。もっと重要なもので増税をしたんではなくて、趣味嗜好に基づくものであるからいいとは私法して申しません。
 今アメリカへ参りますと、アメリカというのは随分商魂たくましいと思うのは、外国には大いにたばこを売ろう、ところが、私はたまたまたばこはやりませんが、たばこを吸う人は灰皿を探すのに骨が折れるくらい比較的たばこを吸わないようになったんですね。これは一つの大きな傾向だと思っております。日本の場合でも、男性の消費量が減って女性の消費量が増加傾向をたどって、どうにか従来どおりの消費にバランスしているといったようなことでありまして、わずか一本一円ということでありますから、一円では物を買うのにもなかなか買えないという場面ですから、増税といえば増税でありますが、本当にごく僅少の対策をした。こういうことで、大蔵大臣も御了解を得ておるようなわけでございまして、この点についてはぜひ御了解をいただきたいと思います。
#96
○山中(末)委員 私は来年値下げされるんですかということを質問いたしましたが、それにはお答えがなく、ごく微少な、嗜好品的なものだからお許しを願いたい、こういうことでありますが、政府が約束された以上は、来年はもとに返すべきだと私は思っています。これは強く要請をいたしておきたいと思います。
 次に、今度の法案は六十一年から六十三年までの三年間の補助率の削減措置であります。昨年も大蔵大臣に強く要請したのですが、この種の法案というのは予算の審議が終わってから出してくるんじゃなしに、予算の審議に入るまでに提出されるべきじゃないかということが一つと、もう一つは、非常に膨大な法案をいただいていますが、各省庁に、国会でいいますと各常任委員会に属するものがあるのですが、これを一括して提案をされてきた。これも昨年そういうことのないように強く要望しまして、竹下大蔵大臣は今後はそういうことを十分に考えていきたいということを答弁されたんですが、また同じ形で出てまいりました。非常に遺憾でございます。今後こういうことのないように再度強く要望をいたしておきたい、このように存じます。
 それから具体的には、この三年間の補助金の削減措置の中で「補助金等」という表現が使われています。この「補助金等」というのは、国民の側から見ますと、いわゆる奨励補助金、その事業は奨励すべき事業なので国の方からも補助をしましょう、こういう意味の奨励補助金じゃないかという感じを、報道なんかされますと一般的に受けます。本当は「補助金等」の「等」という字の方が比重が重くて、これは法律でも、国庫負担法によって国みずからが負担しなければならないと規定されておりますし、地財法にもそういうことが書かれておるわけですが、そういうものを「補助金等」ということで、「等」という言葉でごまかしておられるような感じがいたします。
 この点についてお尋ねいたしておきたいのでありますけれども、負担金と補助金の解釈、それから政府の責任の度合い、これについてどのようにお考えなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#97
○保田政府委員 一般的に補助金と負担金というものは使い分けがなされております。まず補助金でございますが、補助金とは、国または地方公共団体等が特定の事務または事業を実施する者に対してその事務、事業を奨励、助長するために交付する給付金というふうに理解をしております。それから負担金とは、国または地方公共団体等がそれぞれの利害に関係のある事務または事業に関して、法令により国または地方公共団体等の経費として負担すべきものとして交付する給付金、いわば割り動的な感じのものというふうに考えております。
 確かに御指摘のとおり、補助金と負担金とは先ほど申し上げましたような差異がございますが、「補助金等」という言葉でこの補助金と負担金を一括して定義をし、法的な措置をしているという前例はございます。例えば、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律というのがございます。この法律の第二条には、こういう定義をしております。「「補助金等」とは、国が国以外の者に対して交付する次に掲げるものをいう。」第一が補助金です。第二が負担金、第三が利子補給金、第四が、この概括的なまとめだと思いますけれども、「その他相当の反対給付を受けない給付金であって政令で定めるもの」というふうに、それら補助金と負担金を一括しまして「補助金等」という言葉であらわしている。そういう前例は多々あるわけでございます。(山中(末)委員「責任の度合いはどうですか」と呼ぶ)
 責任の度合いは、先ほど申し上げましたように、当然補助金は国が奨励、助長するためのもの、負担金は先ほど申し上げましたように国が進んで負担すべきものという意味で責任の度合いがやや強い。これはそういう差があると思いますが、補助金、負担金というものは、その使い方が法律の上でも多少区々にわたる部分がございますけれども、いずれにしましても立法政策の問題であろうかと思います。
#98
○山中(末)委員 責任の度合いは負担金の方が重い、これは当然のことなんです。だから、補助の中には予算補助もあれば――予算がなければ補助できないけれども予算の範囲内で補助する、これもあれば、負担金というのは、ほとんど大部分が法律によって規定をされて、今主計局次長のお話のように国と地方が分かち合う、こういうものなんですね。言いかえますと、国もみずから負担をしていく義務がある、こういうものですね。責任の度合いはやはり負担金の方が重い。次長おっしゃったとおりですが、そういうことから見ると、「補助金等」ということよりも、国がみずから負担しなければならない「負担金等」と書くのが国民に対して本当にわかってもらいやすい、理解してもらいやすい表現じゃないか、このように思います。
 本当は負担金と補助金につきましてもう少し突き進んだ説明を数字も含めてお願いしたいと思うのですが、よく調べてみますと非常に多岐多様にわたっていまして、何千種類にわたっている。そしてそれも先ほど次長おっしゃったように少々入り組んだ解釈のものもあるということで、その数字までは今の場合は求めても無理だろうと思います。しかし、将来やはり負担金と補助金というものの分類、これははっきりしていただきたい、分類の上でお願いしたい、このように思います。そうしませんと、勢い責任の分担は負担金の方が重いけれども、一般的には補助金というような概念、奨励補助というような概念で十把一からげでいろいろと考えられていくおそれがなきにしもあらず、このように思いますので、この機会に大臣に、負担金と補助金の解釈を明確にして、そして今後はその分類というものをはっきりしていってほしい。きょうは実は質問の中で、五十九年と六十一年における予算上の負担金の差、補助金の差、これを知りたいなと思ったのですが、私自身がずっと考えてみるとこれはなかなか一朝一夕にはまとまりにくいだろうというふうに思いますので、後の機会に残しておきますけれども、ひとつはっきりしていただきたい、このように強く要望をいたしておきます。
 それから、具体的には六十一年度におきます一兆一千七百億の負担金、補助金の交付額のカットですね。これについては先ほど申し上げましたように、たばこの消費税、これを地方分として千二百億、国庫収入分として千二百億、これは地方交付税に上積みをしていく、こういうことであります。そうすると、一兆一千七百億の交付額のカットで、あと残る九千三百億円については建設地方債でこれを充当するというふうになされておりまして、その建設地方債は内容が種々ありますが、六十二年度以降交付税等で措置をしていく問題と、六十六年度以降交付税の交付金でどうしていくとか、あるいは六十五年以降考えていきたいとか検討していくとかいうような内容が実はあるわけですが、これは静かに考えてみますと、国の財源が十分じゃないということですね。しかし、仕事はやらなくてはならない、事業量はふやさなくてはならない、内需喚起の問題があります、景気回復の問題等がありますので、そういうジレンマがあるわけですね。
 その中で考え出されたのが一つはこの方法なんですけれども、これは平たく言いますと、国が国債を発行するのを控えて、それを地方に転嫁しただけのことだ、このように私はとっているわけですが、そういう状況の中で、この起債を地方が借り入れる借入条件、これをひとつ要約して説明をいただけないだろうか、このように思います。
#99
○持永政府委員 公共事業の補助率の引き下げに伴いまして、国費の縮減額として四千二百億円の影響が出るわけでございますが、これについては臨時財政特例債という形で起債を発行することにいたしておりまして、条件としますと、結局起債の発行額はまさに個々の団体ごとの国費の縮減額でございまして、条件は、政府資金でございますから、現在の利率で申し上げますと六・五%、それから償還期限は、事業の種類によって違いますけれども、おおむね二十年前後になろうかと思います。
#100
○江崎国務大臣 これは非常に重要な点でございまして、先ほど申し上げたように、地方に不自由を来さないように、執行上の支障を来さないようにという対策の面もありますが、地方建設債の増発によって地方の財政対策を積極的に講じてもらう、こういう意味も含んでおるわけでありますから、消極的な意味ばかりではない、積極的に地方にも大いに事業をやってもらおう、こういう意味でございます。
#101
○山中(末)委員 大臣の方の御答弁なんですが、マクロな面では数字は合うのですよ。ところが、これは御承知のようにマクロで地方公共団体が仕事をするわけじゃございません。個々の地方公共団体が仕事をしていくわけです。そういうことになりますと、この制度そのものが本当に地方公共団体に迷惑をかけずに公共事業が進められるのかどうか。これは個々に考えていくと非常にばらつきがあるのですよ。それは細かいことになっていきますからちょっと後回しにします。
 今持永審議官が答弁された中で政府債、利率は六・〇五%ですか、償還条件は三年据え置きで十七年償還、そういうのがありますね。これは縁故情もあるのですか。それが一つです。
 それから今、約二十年ぐらいの償還ということですが、私の聞いているところでは、縁故債の場合は事業によりましては三年据え置きで七年償還のものも出てくるだろうということも聞きますし、もう一つ起債の借り入れ条件で抜けていましたのは、先ほどから申し上げています政府の肩がわりのようなもの、消極的じゃなしに積極的な部分もありますよという大臣の説明でありますが、それも含めてこれは国の財政対策の一環として地方公共団体に肩がわりさせるようなものですから、この場合の起債の充当率、これは幾らぐらいを考えておられますか。
#102
○持永政府委員 臨時財政特例債につきましては、まず資金でございますけれども、全部政府資金を充当する予定をいたしております。
 それから充当率でございますが、これは充当率というよりもまさに個々の団体ごとに、例えばA市ならA市でいろいろな事業がございます。いろいろな事業についてそれぞれ補助率が下がりますから、一つ一つの事業ごとに補助率が下がった分は金額で幾らになるかというのを全部足しまして、その額を許可するということでございまして、言うなれば数字の上では補助金が起債に変わった形になるわけでございます。
#103
○山中(末)委員 では充当率は一〇〇%と見ていいわけですね。わかりました。それで一応大臣がおっしゃったように仕事はできる、当面の財源はこれでいける、こういう勘定なんですね。
 それで、今おっしゃったように国から来る負担金、補助金等にかわって市町村が起債を発行するわけです。ですから、これは当然補助金の肩がわりをさせられた、それも借入金で肩がわりさせられたんだということですから、市町村に財政的に悪い影響を及ぼさないようにしていくためには手厚いアフターケアが必要になってきます。そういうものについてひとつ簡単に今の起債の借り入れ条件のような格好で説明をしてほしいのですが、特にその中で経常経費分もあるわけですね。赤字国債はだめだということを盛んに言われていますので国は赤字国債を発行できない、しかしこの場合は緊急やむを得ないから地方においては赤字の起債を許可する、そういかないということになりますと経常経費分、これは六千百億ほどあるわけですね。これの起債の充当はどういうふうにされるのか。多分、経常経費分は一般財源を入れて、そして事業費分の単費分を事業債で拾う、こういうことになるのじゃないかと思いますが、その点、いかがですか。
#104
○持永政府委員 まず公共事業の補助率の引き下げに対応する起債のアフターケアの問題でございますけれども、各地方団体に対しましては、その元利償還費の一〇〇%を交付税で措置するということにいたしております。
 経常経費分でございますけれども、今御指摘のございましたとおりでございまして、経常経費の財源としては地方交付税で需要を算入していく。そうしますと、交付税総額には限度がありますから、したがいまして、そこで投資的経費の財源である需要をいわば起債に振りかえまして、投資的経費の分を起債として見ていく、こういうことになります。その起債につきましては、調整債と言っておりますけれども、これは経常経費の削減に対応する部分と、それから公共事業の拡大によってその裏負担がふえてまいりますその分と両方ございますけれども、経常経費の補助率カットに伴って起債を出さざるを得ない、その部分についてはこれも将来一〇〇%元利償還金を交付税の需要に入れていくということを予定しております。
#105
○山中(末)委員 大体予想したような内容でございますが、その中で、不交付団体分の措置はどうなるのですか。
#106
○持永政府委員 不交付団体につきましても御承知のとおりでございますが、交付税の算定上は当然基準財政需要額に算入をするわけでございまして、算入いたしますけれどもなおかつ財源超過があるという場合は、現在の地方交付税制度の限界があるわけでございまして、それは現実、キャッシュとしては実際問題として措置はできないということになります。ただ、資金繰りの面では必要がございますので地方債の措置はしていくことにしておりますが、交付税という形では需要に入れてもなおかつ超過財源が出る状況でございますので、これはおのずから限界でやむを得ないというふうに判断しております。
#107
○山中(末)委員 大臣、今お聞きのようなことで、勘定が合わぬので私も大分数字合わせしたのですが、交付税の不交付団体がございますね。これの分が今持永さんがおっしゃった元利償還の対象にならぬ。八百六十億ほど措置できないというのが出てきているのですよ。たばこが千二百億と千二百億、二千四百億円で、さっき大臣のお話のように、これは一本一円で零細なことだからという話だったのですが、八百六十億、不交付団体がいわゆる利益といったら語弊がありますが失うわけですね。これは八百六十億という大きなお金をすぱっとなくするということじゃなしに、やはり何か――先ほどおっしやったように国の補助金を導入しておればいいわけですね。補助金の導入をカットされてその分を起債で貯えということですから、当然地方としてみたら、今までの国の補助金を導入してきたと同じ考えがあるわけです。ところが、それは起債なものですから利子をつけて返さなければならぬ。そうすると、その手当てが今度は不交付団体だけはされない。こういうことになってきますので、不交付団体に対する考え方というのはもっと違うところで考えられてしかるべきじゃないか。これは基準財政収入額との関係です。交付税で元利償還受ける場合、これは事業費補正になりますね。そうすると、基準財政収入額だけで七五%ですね。これは一〇〇%補てんされるというふうに見ていいのか。
 それと、不交付団体については、やはり今までの補助金が起債に肩がわりをされて、その手当てを外されるということはいかにもおかしい。自治省としてこの点について、この法案が出てきたときにやむを得ぬと考えられたのか。これは六十一年から六十二年までの暫定的な、緊急的な措置だからやむを得ぬと思われたのか。これは政府の補助金のかわりに起債を発行するわけで、起債を発行して元利償還のときに不交付団体だけは対象にならぬというのはおかしいじゃないかと原則的に私は思うのですが、その点はどうでございますか。
 大臣、少なくともこの問題については激変緩和措置のようなものをとるべきだ、僕はこう思うのです。そうしませんと、不交付団体は財政の裕福な市町村ですが、非常に大きな量の仕事をしなければならぬ場合も出てきます。本来はその不足する分だけは元利補給するのだけれども、その元利補給をやめてもなおかつまだ不交付団体的な財政状況ならこれは削るんだ、こういう考え方は余り変化が大き過ぎるんじゃないか、こういうふうに思いますので、その点については大臣のお考えもひとつお聞かせいただきたい。
#108
○江崎国務大臣 仰せの点は公平の原則からいってよくわかる話でありますが、仰せこの財政事情でございますので、豊かな不交付団体にはひとつこの程度の分は担っていただこう。今のは総額をおっしゃっているわけですが、それが各不交付団体に分けられてみれば、わずかな金額になるわけでございまして、(山中(末)委員「不交付団体の数は少ない」と呼ぶ)しかしそれも割れば、これは豊かでございますから、ぜひ担っていただきたい、かように考えております。
#109
○持永政府委員 元利償還の措置でございますけれども、先ほど申し上げましたように、公共事業の国費の縮減に対応するため臨時財政特例債、調整債と言っておりますが、その中の経常経費相当分については一〇〇%算入する、それ以外の、公共事業費の拡大によって地方負担は当然ふえてまいりますから、その分につきましては従来の例に従いまして八〇%算定する、こういたしております。
 それから、不交付団体の問題でございますけれども、先ほどの繰り返しになりますが、現在不交付団体であっても、元利償還をする年度、毎年毎年の基準財政需要額には当然算入をするわけでございまして、その段階で、仮に現在不交付の団体が何年か先には交付になるということもあるわけでございまして、そういう場合には当然措置をされるわけでございます。なおかつ、基準財政需要額に算入しても収入の方が多いという状況でございますから、これは当然措置がされなくても標準的な行政はできるわけでもございますし、これは交付税制度の限界でもあるということを申し上げておる次第でございます。
 なお、あえて申し上げますと、仮に交付団体でありましても、すれすれのような団体は元利償還はぴしゃっといかない場合もございます。例えば、五億の償還がある場合でも交付税の交付額が二億とか三億というケースもあるわけでございますから、そういうこともございまして、あくまでこれは交付税の仕組みの上での限界ということで御理解をいただきたいと思います。
#110
○山中(末)委員 こういう難しい財政的な問題の処理をしていく上で、いつも交付税で処置をするということが言われます。私も今まで交付税を受けてきた経験がありますが、交付税というのは、法律で定められた国税三税の三二%、これは考えとしては、地方自治体の固有の財源だと私は思っているのです。それをいろいろなときにいろいろな場所で、交付税で処置します、こういうことを言われるわけですね。今度の場合も、六十二年度以降をどうするとか六十六年度以降をどうするとか言われていますが、それが交付税で言われるわけですね。そうすると、交付税のパイは同じことなんで、こういう新しい要素がどんどん入ってきたら、調整率を幾ら掛けられても交付税そのものの従来どおりの配分が薄くなってくる。何のことはない、国の補助金のカットで起債を発行しなければならぬことになって、それも、市町村のこの仕事、事業をやりたいということだけではなしに、負担金に類するものも含まれて起債を発行しなければならない。大臣のおっしゃった積極的な意味も含めて仕事をしていかなければならない、それで借入金だ、元利償還しなければならぬ、元利償還額の二分の一は交付税で処置するということになってくると、交付税本来の目的が変質をしてくるのじゃないか、私は非常に危惧をしています。
 こんな調子で、交付税で見ます、交付税で見ますとやられたら、どんな処置でも全部交付税で見ますと、こうなってくる。パイは約十兆あるわけですね。この十兆を本来は傾斜配分して、そして都道府県、市町村の行政の内容が、日本じゅうどこの都道府県でも市町村でも大体行政の水準が変わりのないような措置がとられる、私はこの交付税制度は立派な制度だと思うのですが、そういう要素の中に殴り込みをかけてきたら、都道府県、市町村はたまったものじゃない、このように思うのですが、大臣、それはいかがでございますか。
#111
○江崎国務大臣 私も十数年前に自治大臣をやりまして、全くよくわかるのです。よくわかりますが、大蔵省としては、この交付税については、地方財政計画の策定を通じて円滑な運営に資する、必要な額を確保する、この原則は現在でも動かしておりませんね。
 そこで、今度の地方建設債の増発分にかかわる元利償還についても地方財政の年度計画に基づいて全額を歳出にカウントしておる、その上で財源不足が生ずればやはり対策を講じよう、こういうわけでございますから、その点については、交付税をどんどん減らして削り込んでいくということにはならない、そういうふうにまた努力しなければならぬと考えております。
#112
○山中(末)委員 一軒の家に子供が五人おって、パンを五つ買ってきまして、五人の子供にパンを一つずつ分ければうまく行き渡るわけですね。ところが、隣の子供がその中へ二人入ってきて、パンが五つしかないのに七人で分けなければならぬような状況なんですね、これは。
 これは大臣にお願いしておきたいのですけれども、地方交付税法の中で規定していますように、これはやはり交付税率を上げていく方向に考えてもらわぬと、五つのパンは七人でなかなか分けられない。分け前が減ってくる。行政水準の維持のためには、地方団体の財政計画、いろいろな事業計画も交付税に頼るところが大きいわけですね。この法案に私は反対なんですけれども、こういう法案をどんどこどんどこ出してきて、数で採決して決定すれば決定できぬことはないのですね。だから、こういうものを去年も出してき、ことしもまたなお大きなものが出てきたのなら、交付税法で決められている交付税率三二%というのはやはり上げていくべきじゃないか。一つぐらいは財政面でいいことをしてほしい、この点はひとつ強く大臣に要望いたしておきたい、このように思います。繰り返しますが、五つのパンを子供たち五人に分けられるように、七つ要るのなら七つのパンをやはり与えてもらわなければいかぬ、このように強く要望いたしておきます。
 それともう一つ心配しますのは、実はここしばらくの間、財政の逼迫だということ、財政再建ということ、いろいろなことで起債の発行というのが、国の方の国債の発行は、きのうの新聞に載っていますように行革審の小委員会で、今まで安易な建設国債の発行を避けるという表現だったのが、今度は増発すべきじゃない、こういうことで五月に答申が出てくるみたいですね。しかしながら、そういうことだから今度は地方に肩がわりさせていくということになると、公債費率がどんどん上がっていきますわね。国の責任において積極的な意味も含めて都道府県、市町村にいわゆる起債を発行許可していくということにしなければならないということなら、公債費率の問題、限度の問題ですね、これをひとつ考えていくべきではないか。
 というのは、これは、市町村の場合二〇%の公債費率を二五%まで上げてもよろしいよ、単にそれを私は要望しているわけじゃないのです。この制度を見ますと、昭和六十六年度以降において交付税は検討するという項目がありますね。これは言葉は悪いですが、昭和六十年度の予算のときに、この補助金のカットの問題は六十年度限りの問題だから何とかひとつ承認してほしいという話が総理を初め大蔵大臣等からも実はあったわけですが、その言葉の乾かぬうちに、まあその間に作業があったことはわかりますけれども、六十一年以降また三年間がこういう形で補助金カットということになってきた。これは去年のことしなんです。
 今度は、六十六年以降においてその元利補給について検討していくということですから、検討の内容がまだはっきりしていないのでしょう。そうすると、そういう状況を約束したのなら、六十五年度までは起債の償還率、公債費率ですね、これはやはりひとつ約束をして、昭和六十六年以降いわゆる財政の手当てができるというところまでは、国の責任において公債費率はもうやむを得ない、こういうことにして、その財源手当てができればまたもとの二〇%に戻していくとか、そういうもので歯どめをしてもらわぬことには、今は六十六年以降にやりますよということだけではどういう形でおやりになるのかわからない。その点について大臣の方からひとつお考えを聞かせていただきたいのと、それから自治省の方からも、公債費率の問題をどのようにお考えになっているのか、ひとつお聞かせいただきたいと思います。
#113
○持永政府委員 財源不足を補てんする上で地方債の発行額がふえるわけでございまして、当然のことながら、各地方団体の公債費の負担はふえてまいるわけであります。
 そこで今、起債制限との関係の御指摘かと思いますが、公債費が一定の限度までいきますと起債の発行を認めないということをやっておるわけでございまして、その場合、一定のところまでいったというその基準と申しましょうか、物差しは、現在は起債制限比率という数字を使っておるわけでございますが、その起債制限比率を算定する際に、今の補助金の引き下げに伴って発行する臨時財政特例債でありますとかあるいは調整債でありますとか、そういったものは除外をいたしまして起債制限比率を計算する、こういうことになっております。したがいまして、現実の公債負担がふえるのは事実でございますけれども、起債制限比率の計算の上では、その分は除外していきますので、この臨時財政特例債がふえたから起債制限比率がぐっと上がるということにはならないわけでございます。
 一方で、今申し上げましたように、起債制限比率の高いところは、通常の起債はストップがかかりますけれども、この補助金の引き下げに伴う起債につきましては、これは一般の起債とは性格が異なりますので、これは公債費の負担が多いところでも措置をしていくというような例外的な扱いをするようにいたしております。
#114
○山中(末)委員 わかりました。それは実質的に緩和をするということですね。先ほど大臣がおっしゃったように、消極的な意味じゃなしに積極的な意味だということ。この措置によって約千四百億ほどですか、事業費がふえるんですな。この事業費の拡大に要する起債分、これは千四百億あるんですね。これについても同じ措置をとられますか。ちょっとそれをお願いします。
#115
○持永政府委員 起債制限との関係では同じでございます。ただ、交付税の元利償還の算入率は、一方は一〇〇%、これは八〇%と、違いがございます。
#116
○江崎国務大臣 今既に答弁がありましたように、建設地方債の増発分にかかわる個々の地方団体の各年度の元利償還につきましては、これは所要の措置を講じておるところでありまして、全く不自由のないようにしておるつもりでございます。これは御了解願えますね。
#117
○山中(末)委員 時間がなくなってまいりましたので、最後に要望をしておくわけですが、先ほど申し上げましたように、この措置というのはマクロな面ですね、三千幾百の都道府県、市町村についてのつじつまは合っているのです。ところが、個々の市町村にとっては非常に条件が厳しいところが大分あるんですね。一例を挙げますと、この補助金カットによって二億の収入減がある。たばこ消費税だけでは年間三千万ぐらいの収入増になるが、カット分で二億だ。一億七千万、その段階では収入がけこむわけですね。それで、あとどういう事業をしていくかということについて、今度は事業面で対応していかなければならぬものがあるのですが、これはマクロな問題がもろにそのままで平均していくのじゃなしに、個々の都道府県、市町村によって違う。ですから、私はこの法案については賛成できないのですけれども、しかし結果が出ましたら、市町村の財政状況についてこれでうまくいけるのかどうか、今後本当に国が言うように市町村に財政的に迷惑をかけないような形になっているのかどうか、これをひとつ十分チェックしていただきたい、このように実は切にお願いを申し上げておきたいと思います。
 きょうは、昨年の大蔵大臣と違った大臣が総理の代理としても見えておりますので、昨年と同じことを言わなければならなくて非常に残念でありますけれども、この問題については、この法案がどのように走っていこうとも、都道府県、市町村は非常に大きな影響を受けてくる、特に交付税の問題については非常に大きな影響を受けてくるので、特に十分な配慮を要望をいたしておきます。
 質問を終わります。
#118
○小泉委員長 午後二時再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後一時休憩
     ――――◇―――――
    午後二時一分開講
#119
○小泉委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。薮仲義彦君。
#120
○薮仲委員 私は、江崎大蔵大臣臨時代理を初め運輸、建設両大臣に、ただいま審議されております国の補助金等の臨時特例等に関する法律案、これについて句点か素朴な質問をしたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 私は国会に籍を置いて十年になります。その間、法律案を審議するときに絶えず思うことは、この衆参両院を通過した法律が日の目を見て、果たしてこれが一億一千有余万日本の国民の皆さんに喜んでいただける結果が得られるかどうか、これは立法府にある我々国会議員はだれしも、また、江崎大臣初め行政官庁の皆さんも思いは同じだと思うのです。
 私は、関係省庁からこの補助金のカットの法案をいろいろ御説明もいただきました。もちろん大蔵、自治両省の御説明も伺っております。しかし、やはり法案を聞けば聞くほど果たしてこれでよかったのかなという疑念が残ります、はっきり申し上げまして。きょうは建設、運輸でございますが、建設行政、運輸行政あるいは他の省庁にいたしましても長い年月を経て補助金のあり方というものが定着して今日あるわけです。そうしますと、やはり補助金にはそれぞれ重要な意味合いがあったと思うのです。私は、今度の法案審議の中で、例えば健全な財政の中でいわゆる国の責任と地方の責任をはっきりしておいて、国はオールジャパン、国土の均衡ある発展の中でこれだけは絶対国が持つべき責任であるということをはっきりし、地方は地方で当然これだけは責任を持ちましょう、いわゆる一つの行政目的のために一つの法律があったわけですから、その達成のために今度このようなわけで国の補助率はカットする、それはかくかくしかじか、国の行政目的あるいは行政責任の上から、最近の社会情勢の変化から地方も応分の負担をしてください、仮にこういうことであれば、私はすっきり納得できるのです。
    〔小泉委員長退席、笹山委員長代理着席〕
 ただ、この法案全体を見ますと、その裏に財政上の問題というものがいつもくっついてまいります。例えば、これは三年間の臨時特例の法律かもしれません。しかし、六十四年以降もこれでいいのかと聞いてみますと、必ずしも皆さんから六十四年以降について結構ですという明確な答弁は返ってこない。やはり本年度の税制改正の中で国と地方との税財源のそのあり方もはっきり見直していただいて、その上に立ってこの補助金というものはもう一度見直してもらわないと困るんだというお話をどの省庁もなさる。ということは、建設大臣もお見えでございますが、ずっと六十四年以降も永遠にこのままのカットが続いていいのかというと、どなたもじくじたるものがおありになる。それはもちろん税制改正という基盤の上に立ってということでありますから、私はやむを得ないと思うのですが、しかし、もしも行政目的、国の責任という立場に立ってカットされても当然だというのなら、六十四年以降もこれで結構ですよ、これは財政上の問題もさることながら国の行政責任からは結構ですという御答弁があってしかるべしなんですが、私は必ずしもそういう明快な御答弁はいただいておらぬ、これは当然だと思うのです。
 そこで、私は基本的な問題を素朴に質問いたします。一人の理屈のわからない国民のためにと思って簡潔に明快にお答えをいただきたいと思うのでございますが、まず国として六十一年度予算を編成なさるときに、大蔵大臣がこれだけはメルクマールといいますか指標として持っておりますという点がございましたら、最初にお答えいただきたいのです。
#121
○江崎国務大臣 非常に重要な御質問でありまして、六十一年度予算は厳しい財政事情のもとに、特に歳出面において経費の徹底した節減合理化を極力要請しますとともに、歳入面においても見直しを行う、これにより公債発行額を可能な限り縮減することをまず基本的な方針として編成をされたというのが一点。
 それから第二点は、そういう予算の姿でありますので、一般歳出を五十八年度以降四年連続して前年度以下に圧縮する、歳出歳入面にわたって厳しい見直しを行い、これにより公債発行額を前年度当初予算より七千三百四十億円減額することとした、そしてその結果、公債依存度は前年度当初予算より二ポイント低下をして、これは二〇・二%となっている。これが予算編成の方針であります。
 そうして、当初お尋ねになりました補助金のカットにつきましては、私なりにちょっとまとめてみたのです。ほんのメモでありますが、それは、国と地方の役割分担は国、地方を通じる行政改革の最も重要な課題である。行政が総合的、効率的に行われていくためには、国と地方がそれぞれ機能と責任を分担し合い、そして相互協力することが最も大切である、「輔車相依る」という言葉がありますが、そのとおりだと思います。これは一心同体的な車の両輪のような形ですね。そこで地方公共団体の自主性、自律性の尊重という観点から見直しを行ったのが今度の補助金の減額である、こういうわけであります。
#122
○薮仲委員 それでは、重ねて江崎大臣にお伺いいたしますけれども、今おっしゃったような趣旨、私も十分理解できます。そこで補助金問題検討会の報告があるわけでございますが、私は今の大臣の御発言の中に、それについての関係閣僚としての――補助金問題検討会での結論、中間報告かもしれませんけれども、確かにそれをベースとしておやりになったということはよくわかりますが、今の大臣のお話のように国と地方は車の両輪であるということになりますと、同じように昭和六十年の十一月二十七日に地方制度調査会から「地方税財政に関する当面の措置についての答申」というのが出ております。また、同じく六十年の十二月十三日に地方財政審議会から「昭和六十一年度の地方財政についての意見」という両提言があるわけでございます。私は、補助金問題の検討会の意見と同時にこういう地方財政審議会や地方制度調査会の意見というものも十分取り入れたただいまの大臣の御発言だったと思うのですが、この二つの提言については十分取り入れている、これでよろしいのですか。
#123
○江崎国務大臣 そのとおりでございます。特に補助金検討会には県知事を初め市町村長の代表にも入っていただいて十分御納得の上の御答申、かようにとらえております。
#124
○薮仲委員 それでは、大臣に重ねてお伺いしたいと思います。
 まず地方財政審議会の方は、第四番目の「国庫補助金等の整理合理化の推進」というところにこう書いてあります。
 国庫補助金等の整理合理化は、社会経済情勢の変化等に伴いその対象事務事業の見直しを行ったうえで、積極的に推進すべきであるが、その場合は、国・地方を通ずる行財政の簡素合理化を図るとともに、地方財政の自主性と自律性が強化される方向で進められなければならない。
 これは大臣の御答弁のとおりでありまして、地方財政の自主性と自律性が大事ですよということがうたわれております。
 もう一点、地方制度調査会の「地方税財政に関する当面の措置についての答申」の中でこういうことを言っているのです。
 国の財政危機を背景として、毎年度、国の予算編成のたびに地方行財政運営に大きな影響を及ぼす制度改正が行われ、そのために地方公共団体における計画的・安定的な行財政運営が困難となっている。それから二番目に、
 国は財政再建を進めるに当たっては、地方公共団体の理解と協力が得られるよう、国自ら行政改革の基本理念に沿って、行政の簡素化・効率化が図られるような方策を見い出し実現していくべきであり、そのような努力を十分行わないまま地方公共団体に財政負担を転嫁するような措置をとることがあってはならない。こう書いてあります。
 この二つの趣旨は今度の予算編成の中で十分生かされている、こう理解してよろしゅうございますか。
#125
○江崎国務大臣 この点につきましては、従来の経緯を見ましても公共事業の補助率というものはそのときどきの財政情勢に応じて上下しております。昭和三十一年から三十三年度、地方財政が非常に逼迫したときには、暫定的に補助率を引き上げたこともあります。また、公共事業の補助率というのは多数の事業間でバランスをとって決めるわけでありますから、現行の補助体系を踏まえて引き下げが必要であるという特殊性がある場合には、これは引き下げる場合もある。
 今度の補助率の引き下げに当たって一番留意しました点は、その対象を補助率が二分の一を超えた事業に限定しているということ。北海道、離島、奄美、沖縄、これらに関しては特に補助率が高い事業の引き下げ幅について調整措置を講じておるということ。小規模事業については、地方の自主性にゆだねるため補助事業から地方単独事業に移した。これは地方債で見た分ですね。それから、直轄事業については率を六十年度の水準にとどめたこと。引き下げの結果、事業費が増加し社会資本整備の推進に寄与するということ。そういった結果があらわれていると思います。また、財政上不足を生ずる分については所要の財政金融上の措置を講ずることとした。これはたばこの消費税その他で御承知のとおりでございます。
    〔笹山委員長代理退席、小泉委員長着席〕
#126
○薮仲委員 その辺の御説明はよくわかるのです。ただ、最初になぜ私が素朴な立場で予算編成の指針をわざわざ御答弁いただいたかといいますと、あそこに出てまいりますのは、一つは一般歳出を昨年度並みに行うという歯どめがございます。さらには国債依存を七千億前後切り下げますというお話もございました。また、長官よく御存じの「財政の中期展望」では、来年以降一兆三千億ずつ公債発行を減額していかなければ六十五年度にはゼロになりませんよというような歯どめもございます。
 そうしますと、大蔵省が予算を組むときにそういう歯どめをがちがちっとはめますと、残ってくるのは国の補助率をカットしない限り予算が組めないのではないか、こう単純に思うのです。これは短絡かもしれません。しかし、今言ったように、国債依存度を二〇・二ですかにします、国債発行を何とか減額して抑えていきます、あるいは建設国債を発行しませんということになってくると、予算編成に大きな穴があくのです。ですから、たばこを急遽やって、二千四百億は地方へ上げますよ、では、あと穴のあいた分はどうするのですか、今、大臣が御説明の、地方に特例債あるいは調整債を認めましょう、建設省のカット分については事業量をふやしましはう、その調整債は認めましょう、こういうことで予算は組んだかもしれませんけれども、我々国民の側から見ていますと、大蔵省の国債も地方団体が発行する地方債も両方とも借金ですね。国の借金を地方にツケ回ししただけではないか。
 地方自治体の財政状況については後から自治省に聞いてまいりますけれども、私は地方だって決して楽ではないと思うのです。国より楽であるかどうかは後ほど大臣の見解もお伺いしたいと思っておりますが、単純に言うと、公債発行を抑えて建設国債を出しませんと言えば、国はどうしても予算を組めないと思うのです。そして地方へツケを回したというような感じ、いかにも大義名分を言っているけれどもそれだけのことじゃないか。
 ここに運輸、建設両大臣いらっしゃいますけれども、六十四年以降もカットされたままでいいですよと胸を張ってお答えいただかなければいけません。建設省は結構です、運輸省も六十四年以降もこのカットで結構ですと明快にお答えいただけるのだったら、このやり方をツケ回しと言う私の発言は訂正いたします。しかし、税制改正をして税財源の配分、交付税率をどうするか、全部見直した上での国と地方の分担ならわかるけれども、そうでない限り六十四年以降もこのままのカット率でいいとは申しません、そういうお答えが返ってくるかどうかわかりませんよ、でも返ってくるのであれば、ツケ回しという言葉が残ってしまう。もしもこれがツケ回しでないならば、六十四年以降もずっとこのカット率を継続していて結構ですと。建設省オールジャパン、あるいは運輸省は国の全体の均衡ある発展という立場に立って、このカットを足となさるか非となさるか次に両大臣の見解を伺いたいのですが、まず江崎大臣にお伺いしたいのは、国債依存度を下げたと言うけれども、地方へただ転嫁したということで、国民にとってみれば何ら国債依存度は下がっていませんよ。それは大蔵省から自治省にツケを回しただけであって、これによって国民生活がよくなるとかそういう意味でのプラス面はどうなのかという懸念が残りますが、ツケ回しという批判に対しては、大臣はどうお答えになりますか。
#127
○江崎国務大臣 これは、六十一年度予算における補助金問題検討部会の報告の趣旨を踏まえて、社会経済情勢の推移なども見ながら社会保障を中心に事務事業の見直しを行い、あわせて総合的補助政策等も見直しをした、こういうことですね。その補助率の見直しによる影響については、先ほど申し上げたとおりに、地方行政運営に支障を来さないよう、たばこ消費税引き上げ、それから地方建設債の増発、これはまんべんなく各県に行き渡るようにという配慮もあるわけでございまして、そういう意味で地方財政対策を講じたわけでもあります。ですから、補助率はカットしたけれども、単なる地方への負担というわけではなくて、そこに地方の創意工夫もある程度認めていこう、そういう善意に立つ面も認めていただきたいと考えるわけでございます。
 それでは、六十四年度以降どうするんだ。この問題については、今後の財政事情によってもちろん考えなければならぬ点であります。補助金のカットの問題は行革審の勧告にも示されておるとおりでありますが、さてこれをどうするかというのは、今後の財政事情によって、まだ時間もありますから、関係省庁それぞれ、閣僚はお互いにかかわることになるかもしれませんが、適切に対処をしていきたいと思います。
#128
○薮仲委員 じゃ、建設、運輸両大臣にちょっと、六十四年以降どうなさるお気持ちですかと聞く前に、今江崎大臣の御答弁がございましたので、もう一つこれも感じとしてお答えいただきたいのでございます。
 国と地方とどっちが財政事情が豊かかというのは余り適切じゃないと思うのでございますが、国と地方の財政事情はどちらがどうであるか。国の方がひどい、地方が大変だ、いろいろ見方もあるかもしれませんが、江崎大臣としては、国と地方の財政事情については国より地方の方が豊かだなというような感触をお持ちでございますか。
#129
○江崎国務大臣 これは、きのう私申し上げましたように、国の赤字というものは、GNPに占める比率は四三%でございます。それから地方は約六%強、ただし短期負債もありますから、負債全体額からいうとこれは一二%を超えるというふうに聞いております。それから、東京都のように何千億という金が余る府県もありますが、市町村の末端に至れば、東北、北海道、その他日本海側などいろいろ貧困な町村もありますし、ばらつきもあります。これは一概に言えません。
 しかし、今の補助金のカットというものは、地方財政が豊かであるとか豊かでないとかいうことによって処理したものではなくて、冒頭に申し上げましたように、自主性、自律性、そして適正な国と地方との関係の調整、調和のとれたいわゆる責任分担というようなあり方でこれを行ったところであります。きのうの答弁で、私が地方にゆとりがあるような印象を多少でも与えたとすればこれは言葉が足りなかったわけでありまして、これはやはり国、地方一体のものでありますし、特に地方には、非常に困った、財政事情の困難な市町村のあることはよく知っておるつもりであります。県もございます。
#130
○薮仲委員 それではもう少しその問題で、今度は自治省お見えだと思うのですが、自治省と、これは大蔵省の見解も聞きたいのです。
 地方財政白書を私も読んでみました。先ほど長官がおっしゃったように、地方財政の健全化、あるいは自律性ということは非常に大事なことですね。白書の中では「財政構造の弾力性」という項目で書いてございます。「地方公共団体が社会経済や行政需要の変化に適切に対応していくためには、財政構造の弾力性が確保されていなければならないが、この財政構造の弾力性を判断する指標の一つとして、一般的に経常収支比率が用いられる。」その地方のいわゆる弾力性がどうだ、財政構造の弾力性がどうだというと、経常収支比率がございますが、現在、ここに載っておりますように八一・二という経常収支比率があるわけでございます。これがもしも一〇〇になったら、これは大変ですね。もしも一〇〇を超えたら、会社だったら倒産だと思うのです。現在八〇です。
 あるいはもう一つは、よく言われる公債費負担比率。これは危険ラインとか危機ラインとがよく言われるわけです。こういう財政構造の中で、地方自治体が三千三百ぐらいあるのですか、この団体の中で、自治省お見えだと思いますのでちょっと自治省からこれは伺った方がよろしいと思うのですが、公債費負担比率、普通我々、二〇%以上ですと危険ラインですよとか、あるいは一五%以上で警戒ラインですよという話をよく聞かされます。この団体数は、数字だけで結構です、ちょっと言ってください。
#131
○持永政府委員 公債費負担比率でございますが、五十九年度で申し上げますと、三千三百団体の中で、公債費比率二〇%以上の団体が千三十三団体でございまして、全体の団体数の中で三一・三%を占めております。
#132
○薮仲委員 そうすると、一五%以上だと何%になります。
#133
○持永政府委員 一五%以上で申し上げますと、団体数が千九百七十八でございまして、率はちょっと手元にございませんが、大体六割程度になろうかと思います。
#134
○薮仲委員 自治省、もう少し重ねてお伺いしたいのですが、今のは公債費負担比率ですが、今度、いわゆる起債制限団体というのが出てくるわけですね、あなたのところはもうちょっと財政を緊縮しなさいと。放漫であるかどうかは別問題として、そういう言われ方をしてはいかがかと思いますが、いずれにせよ起債制限団体というのが出てくるわけです。これは起債制限比率という計数を自治省はお持ちだと思いますが、起債制限比率二〇%以上、これは六十年度で何団体ございましたか。
 それから、時間が余りありませんから、五十二年から六十年までその団体数がどういうふうに経年変化してきたか、減ったのかふえたのか、数字があると思います、言ってください。
#135
○持永政府委員 今御指摘ございましたように、公債費の負担が一定の限度までいきますと起債の制限をいたしておりまして、その制限を受ける団体の数でございますが、昭和五十二年度は全国で一町、一つの町だったわけでございますけれども、昭和六十年度では五十六市町村ということになっております。
#136
○薮仲委員 その中間、年度別にわかったらちょっと言ってくれませんか、結論だけではなくて。
#137
○持永政府委員 各年全部ですか。
#138
○薮仲委員 全部言ってください、五十三年から、数だけでいいですから。
#139
○持永政府委員 五十三年度八市町村、五十四年度九市町村、五十五年度十一市町村、五十六年度十二市町村、五十七年度十六市町村、五十八年度二十五市町村、五十九年度三十二市町村、六十年度は、先ほど申し上げましたように五十六市町村でございます。
#140
○薮仲委員 江崎大臣、今申し上げましたように、公債費負担比率二〇%あるいは一五%以上は警戒ラインですよという団体が今六割近くあります。これはいろいろ地方財政というのは複雑でございますから、だからといってだめだということではございませんが……。
 また、もう一つは、いわゆる起債の制限を受けている。起債の制限を受けている団体の数を今伺ったわけです。起債制限比率二〇%以上の団体が六十年では五十六団体。五十二年にはわずか一町だった。それから年を追うごとに、八、九、十一、十二、十六、二十五、三十二、五十六まで起債制限団体がふえてきている。これは、あなたの市町村の財政運営は間違っていますよという二言で片づけられるかどうか。私は、この各市町村の実態は詳細に存じてはおりません。ですから、この発言も必ずしも正しいとは申しませんが、今申し上げましたように幾つかの指標があるわけです。いわゆる地方財政の弾力化の中で、経常収支比率あるいは公債費負担比率あるいは起債制限比率等々の数値を見た限り、地方財政というのは決して豊かじゃない。よく財政当局の方にお伺いすると、地方財政指標の中で地方債依存度が八・四%だ、国は二〇・二だと言いますけれども、そのほかに地方債残高、あるいは企業債等を足しますとこれは五十八兆になるわけです、地方も。まだ国に比べれば公債依存度は低いよという意見も、粗っぽい意見だと私は思いますが、あるやに伺います。
 しかし、今私が申し上げた数値を挙げてみると、地方が財政力が豊かであるとかあるいは大丈夫だという意見、必ずしも当たらない部分がある。これはもっと詳細にやらなければならぬ。このようなカットのやり方が三年間続いたら、公債費は今度の場合、特例公債とか調整債というのはカウントしませんから、そのままの数字でいくかもしれません。でも中身は、地方の借金財政というのが実態的にはだんだん膨らんでいるわけです。その補てんは国がやりますと言うけれども、実態は決して健全な財政事情にないと思うのです。ですから、国と地方と両輪だとおっしゃるけれども、こういうカットは国の借金がもろに地方へ行っているだけの話じゃないのか。
 最後に建設、運輸両大臣に聞きたいのですが、もしも本当にこの補助金問題検討会の意見のとおり行政判断の上から間違いなく国はこれだけの責任でよろしい、それだったら、もう六十四年度以降もずっとこれでやればいいのです、重ねて言うようですけれども。こういうやり方は私はどうも不健康な気がしてならないのです。
 私は財政の専門家じゃないからわかりません。ですから、冒頭に素人の素朴な意見として聞いていただきたいと言ったわけなんです。国民の前に一人の政治家として、今度の補助金カットは間違いない、国も地方も繁栄すると責任を持って言えますか。わずか数%建設省の事業量がふえたかもしれませんが、私はそれだけで十分だとは断じて言えないと思うのです。このことが地方団体においての自主財源や財政の硬直化を招いているのは間違いないし、住民に最も密着している地方団体にとって大きなマイナス要因であると私思うのです。
 まあ自治省も大蔵省の前だと言いにくいと思うのです。私が今挙げたような指標から、地方財政は大丈夫だ、あと二、三年くらいもっと大蔵省の手前言うと思うのですけれども、でも私は一人の県民としては納得できないのです。私が今挙げたような指標というものは果たして地方自治体にとって、地方財政にとって危険じゃないのかどうか、十分なのか、県民に十分な福祉のサービスをできるのかどうか、レベルを下げることはないのかどうか、私みたいな素人にわかるように言ってください。
#141
○持永政府委員 ただいまいろいろ計数をお挙げになりまして御指摘がございましたが、御指摘のとおりだと認識をいたしております。全体の地方財政も五十八兆を超える借金を抱えるという状況でございますし、個々の地方団体におきましても、先ほど公債費負担比率の点で申し上げましたとおり、大変厳しい状況に相なっておりまして、決してゆとりがあるとかいうような状況ではない、このように認識をいたしております。したがいまして、今後、この地方財政の運営に当たりましては、やはり各団体におきましてなるたけ事務事業の効率化なり簡素化という努力をやってもらうことは当然必要でございますが、あわせまして、地方税あるいは地方交付税等々の地方財源の充実につきましても努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#142
○薮仲委員 大臣、総額で言えば地方というのは五十四兆程度の公債残高だ。それは年度予算と同じじゃないかと言えばそうかもしれません。国は六十一年度末で大体百四十何兆だと思うのですね。国民一人当たり百十何万、百十七万くらいだと思うのです。それはそれとして、国の場合は、国会の審議がございますけれども、特例公債なり建設公債という手だてがございます。
 私も地方の一住民です、県民です。一体地方財政の財源というのは何だろう。住民税や事業税だ。こういう限られた税源があるわけです。確かにこれは、でこぼこはありますけれども、地方の景気が向上すれば年々ふえてくるのはわかります。でも、これが国のように簡単に財源措置ができるかというと、そうではない、地方債というのは、おのずと今のように起債制限という歯どめがありますから。地方としては何とか行財政の簡素化、効率化を図っていこうという努力は当然なさると思うのですが、それは国とは質が違うと私は思うのです。国の公債依存度と地方の公債依存度というのは、単純に計数でこっちは三倍、こっちは一倍というだけじゃなくて、地方自治体の痛みとか苦しみとか中身の方を見なければならぬと思うのです。
 私も多くの地方議員の方に接する機会が多いのですが、そういう地方における具体的な悩みを直接聞きます。きょう私がこうやって質問しなければならないのは、一住民の立場に立ってみると、今度の問題が明るい希望に燃えるような話じゃないからなんです。これは、我が党の部会長さんかどういう決定を下すかわかりませんけれども、恐らく我が党として賛成する立場には――これは大変心が喜ばないようなやり方だと私は地方の一住民としては思うのです。
 国全体の財政を見ればやむを得ないという立場は、これを読んでみればわかります。でも、こういう問題についてはいかがかなという懸念は、大臣の御説明を伺っている限りどうしても残るわけでございます。
 それはそれとして建設大臣、建設省も住宅あるいは河川、道路と非常に重要な行財政を持っていらっしゃいます。直轄は確かにカットされなかったかもしれませんけれども、補助事業だって大事です。補助事業だって建設省がきちっと指導監督し、十分に執行していただかなければ、社会資本の均衡ある蓄積はできません。直轄だけ横並びだからいいだろうというのではなくて、補助事業だって地方にとっては重要な事業でございます。また運輸大臣、私も大臣の御高説は長年承ってきたわけでございますが、運輸省だって港湾とか空港とか大事な行政を持っておる。この補助のカットについて、言いにくいでしょうけれども、どういう御感想か、六十四年以降どういうお考えか。建設大臣、運輸大臣、両大臣からお答えいただきたい。
#143
○江藤国務大臣 補助金の削減は公共事業を進めていく上においては決して喜ばしいことではありません。また、直轄事業だけやればいいというものではありませんで、直轄は国の基幹的な業務、分野をやる、それから補助事業は住民の身辺に直接かかわり合いのあることを分担してやっていく、こういうことであろうと思います。補助率を昭和六十四年以降についてどうするかということについては、三年限りの時限立法でありますから三年間で終わっていただくことを私どもは渇望をいたしております。それ以降についての考え方はどうだと言われれば、そのときの社会情勢あるいは国、地方の財政状況を見つつ判断せざるを得ませんというありきたりのお答えしかできませんが、しかし、私どもが今とっております公共事業についての方針の根幹だけは常に守っていきたい、この気持ちにおいては変わりありません。
#144
○三塚国務大臣 補助金につきましては決められたとおりやった方がいいには決まっておるわけですが、しかし、補助基準が果たして適正なのかどうなのかという議論は議論として存在するだろう、こう思うのです。まさに今御議論の存するところ、地方財政と国の財政、それぞれの財源がどうあり、どう配分されていくのだろうかということも全体的に考慮しなければならぬわけでありますが、しかし、決められておることでありますので、法治国家でございますからそこに全力を尽くすことは当然であります。
 政府として財政再建という厳しい選択をいたしながら国民の皆様にお願いを申し上げる、そういうことで取り進めておるという中で、特に生活保護、生活保障というのでしょうか、この問題は福祉国家を目指すわが国にとりまして基本的な命題だろうという中にありまして、なおかつこの部分を一〇%程度この際御辛抱賜りたいということで厚生省を初め自治省などに非常に御苦労をいただいておりますことも存じ上げております立場から言いますと、公共事業といえども、まあ社会資本の充実ではありますが、やはり軌を一にすることによりまして、財政再建に一緒にこれを辛抱していくということは、政府の機関とすれば当然でありましょうし、そのことについてお願いを申し上げるということであろうと思うのです。
 最終的に六十四年以降どうするのだという主たる御質問でございますが、江藤建設大臣言われましたとおり、こういうものは三カ年で終わってほしい、これはまた当然であります。一年、いや約束しませんよ、いや約束したじゃないか、これは三年、いやこれは、こういう議論が今あるわけでございますが、願わくは三カ年で終わりますように、財政再建の確実なめどが立っていく、ことを心から希求し、そういうことで御見も国会もそのために何があるかということでまた御提示、御提言などをいただけますれば幸せだな、こんなふうに思います。
#145
○薮仲委員 今運輸大臣からいみじくも生活保護に関するような御発言もございました。日本国憲法第二十五条、これは言うまでもなく国の国民に対する最低限度の保障をここでうたっているわけでございます。「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」とうたってございますが、私はいわゆる社会保障とか社会福祉が救貧的な考えというのは全く誤りだと思うのです。むしろ社会保障というのは国が責任を持ってやらなければならない大事な国の行政責任だと思います。だれしも弱いときはありますよ。ここにいる政治家だって、間もなく選挙になってみんな青くなるわけですから……(「間もなく選挙ですか」と呼ぶ者あり)わかりません。それは大臣に聞いた方がいいと思うのですけれども、いずれにしても人間というのは社会的に弱くなるときがあるのです。父親が急に亡くなった、お母さんが急に亡くなった、ひとり残された、好むと好まざるとにかかわらず自分が悲しい人生を背負わなければならないときがある。あるいはお体の不自由な場合もあるでしょう。日本国民として生まれた以上、どのような立場の人であれそういう方が本当に楽しい、温い人生を送れるような、政治のぬくもりを感じながら生きていけるような政治であってほしい、これはもう江崎大臣だって建設大臣も運輸大臣も同じだと思うのです。ここにいらっしゃる行政の衝に当たっていらっしゃる方はみんな等しいと思うのです。今運輸大臣がそうおっしゃったので、厚生省もきょうたまたまお見えだと思いますが、社会保障といいますか生活保護といいますか、言葉は余り好きではありませんけれども、楽しい人生をお送りいただきながら、日本国民であってよかったと言われるような政治でなければならないと私は思うので、そういう意味で、この厚生省の生活保護に限って言えばどういうお考えかだけをちょっとお聞かせください。
#146
○小島政府委員 生活保護は、先生お話しのように、国民生活の最後のよりどころと申しますか、社会保障の本当の根幹をなす部分だと考えております。したがいまして、この制度の運用というのは本当に適正でなくてはならぬ。本当に困っている方については十分な生活の保障をすると同時に、憲法で示されたような文化的な生活を確保するという水準を維持し、しかも、それを通しながら一日も早い自立を助けるという運用が大切だと考えております。
#147
○薮仲委員 では、ちょっと話題を変えますけれども、江崎大臣、地方交付税ですね、これについては今までの国会答弁があるのですが、これは昭和四十四年四月十七日、衆議院の地方行政委員会で当時の福田大臣が、「地方団体は数多くあるわけでございまするので、その財源調整というようなことをねらいまして交付税があるわけでありますが、しかし、この交付税が、国税三税を対象にし、その三二%ということになっておる、これは法律でもきまっておるのです。それはもうどうしても地方にいかなければならぬ金です。そういう意味において、この金は地方自治団体の権利のある金なんです。そういう意味において、固有の財源であり、また、自主財源である、こう言ってさしつかえない」、いわゆる交付税というのは自主財源である、地方の固有の財源であるというふうにおっしゃっております。
 もう一つ、これは五十七年二月二十三日衆議院の本会議、内閣総理大臣は鈴木総理大臣でございますが、「地方交付税は地方の固有財源であるとの御意見がありましたが、地方交付税につきましては、法により国税三税の一定割合をもって交付税とするものとされており、それが地方団体に法律上当然に帰属するという意味において、地方の固有財源であると言って差し支えないと存じます。」これを受けて当時の渡辺大蔵大臣は、「地方交付税は本来地方の固有財源かという性格論の問題ですが、ただいま総理の答弁のとおりでございます。」という答弁をしております。
 ここで確認でございますが、大蔵省として、これは江崎大臣にお伺いしたいわけでございますが、この、地方にとってはいわゆる固有の財源であるということはよろしゅうございますね。
#148
○江崎国務大臣 私も、昭和四十七年ですか、自治大臣をやっておりました。これは地方にとっての固有の財源と位置づけております。大蔵省としても間違いなくさように考えております。
#149
○薮仲委員 暗い話はもうやめたいのですけれども、どうしようもないのですね。江崎大臣にちょっとお伺いしたいのは、こういう話じゃなくて、本年度から税制改正を行われると思います。そして当然地方と国との税源あるいは財政調整等も行われて、両大臣が六十四年以降についてはとおっしゃったような健全なあり方が確立されることを私は望んでいる一人でございますが、そのときに、今度の措置の中で三二%が例えば仮に三三なり三四なりに交付税率が上がってその措置の上に立ってカットされるというのであれば、私はある意味では理解できる部分もあったわけでございます。その辺のところが論議の分かれるところでございますが、しかし将来この地方財政ということは、先ほども申し上げましたように必ずしも豊かという言葉が当てはまらない、これは長官の御認識と私と一緒だと思うのです。そういう意味を踏まえて、交付税の増額等についても、必要があれば、カットなんというのじゃなくて、十分考えるという余地があるのかどうか、その辺をお伺いしたいのです。
#150
○江崎国務大臣 この問題は、今の三二%が当然の財源措置であると同時に、国においてもそれを増額するということは今の財政事情では到底考えられることではないと思います。のみならず、私も自治大臣をやっておりますと、それぞれの立場立場で、地方六団体の長からもっとふやせ、強く要求せよ、大体自治大臣の腰が弱いからそういうことになるんだなんていって強い要請を受けたことがあります。ありますが、この財政事情ではこれは到底不可能なことですし、長い間の懸案でありますが、現行維持というのが精いっぱい、よくここまで本当に大蔵省も維持しておるというところじゃないでしょうか。
#151
○薮仲委員 私は、こういう借金財政を解消するには、明るい日本といいますか、どうしても景気を浮揚して国民生活がより豊かになるように、経済活動を活発にしなければならない。それには内需の拡大ということだと思うのでございますが、総理大臣の私的諮問機関の経構研の発表もございましたし、政府として総合経済対策の七本柱をお立てになられた。江崎大臣などは最も中心になって責任を感じていらっしゃると思うのでございますけれども、これからの財政運営の中でこういうことが国民生活を非常に明るくするわけですが、きょうは句点か建設、運輸に関係したことだけお伺いしたいと思うのです。
 率直に言って、江崎大臣としてこの総合経済対策による影響性を簡潔に言うのは難しいかもしれませんが、国民が希望を持てるような話とすればどのような御発言になるか、ちょっとお聞かせいただきたいのですが。
#152
○江崎国務大臣 中期展望として俗称前川委員会、経構研の報告書というものは、日本が今後国際社会に生き残るための基本的な問題を相当並べておる。勇気ある発言をしておる。これに政治がどう対応していくか。あすからすぐできるものとできないものとございます。中でも週休二日制などの提案については、内需振興の上からいきましても非常に大事な問題でありますが、現在、御承知のように日本というのは九九・四%が中小企業、中小企業の定義は時間がありませんからあえて申し上げません、御承知のとおりですから。その中小企業もようやく四週六休制をとっておるのが五八%。ふえてきたのです。とにかく半ばより上回った。六〇%に近くなった。そして目下、どうしても官庁は後追いでございますから、人事院の勧告によってこの一月から四週六休制に向けての四分の二就業ということで試行をしておりますね。それから、今の郵便局の窓口業務などについては、この八月から四週六休制に踏み切ろう、こういうことで取り決めをしたようでございますから、中小企業の六〇%程度のこの状況とにらみ合わせるならば、週休二日制をすぐ実現するということは、日本の実情に直ちにという点ではいささか問題があると思いますが、少なくとも四週六休制の問題は速やかに実現すべきだと考えていいと思います。そしてまた、国民の健康管理の上からもまた事務能率を上げていく上からも、能率的になり、しかもまだ国民消費にもつながるように考慮する必要があろうかと思います。
#153
○薮仲委員 その論議はまだこの次ゆっくりとやらさせていただいて、きょうは建設大臣お見えでございますので、ちょっとお伺いしたい。
 建設大臣、やはり内需喚起になりますと、建設省にある意味で一番責任がかかってくるものとして公共事業の前倒しということが出てまいります。それについて建設大臣のお考えをお伺いしたいわけでございますが、それと同時に、この中で例えば規制緩和という話がよく出てくるわけでございます。環状七号の中の第一種住専を第二種住専にいたしますというようなこともあるわけでございます。私は、これが速効性があるやにとられる部分もありますけれども、必ずしも速効性があるのかなという懸念もございます。第一種住専というのは、これはもう大臣先刻御承知のように、居住環境としても、良好、快適な居住環境を維持しようと高さ制限等を設けてやっておるわけでございまして、こういうことは地域住民との非常に密着した政治の中で行われてきた結果でございます。
 そういうことも具体的に後ほどお伺いしたいのですが、さしあたっては、景気浮揚のための前倒しについて建設大臣はどうお考えか。運輸大臣の方はやはり港湾とか空港とかお持ちでございますから、運輸大臣の方は前倒しはどうなのか。両大臣は景気浮揚のための事業の前倒しをどうお考えが、結論だけ。
#154
○江藤国務大臣 前倒しの執行につきましては、五十九、六十年が七四、五%、一番多かったのが昭和五十七年の七七・二%、これが前倒しとしては一番率が高かった。この前の経済関係閣僚会議で、この過去最高を上回ることを目標にするということに実は決まったわけでありまして、そうなりますと、私どもは、やはり八〇%程度を目標に、こういうことになります。ところが、実際問題として全体の八〇%というのは容易ではありませんで、これは用地交渉がうまくいかぬとかなんとかいうのが随分と出てくるわけでありますから、全体を八〇%に近づけようということになると、物によっては八五%もそれ以上もやらないというとトータルしたときに八〇に近づかない、実はこういう問題があるわけであります。そこで、先般来、予算が成立をいたしました機会に、私どもが配分をする公共事業が六兆九百億でありますから、そのうちの二兆三千百九十八億を実はさしあたり補助率とかかわりのないものだけを配分をさせてもらった、こういうことでありまして、今後のこの補助金一括整理法の成立を待って直ちに残りの分を箇所配分をしよう、こういうことでございます。実は、大変わがままな話でありますが、この補助金一括法が成立しないうちは箇所づけも予算配分もできないわけですから、前倒しはしたいし法律は通らない、要するに足かせがあって、先に行きたいけれどもスタートから飛び出すことができないというなかなか苦衷を味わっておりますわけで、その点御理解をいただくとありがたいと思います。
#155
○三塚国務大臣 江藤建設大臣と全く同じ考えです。ちょうど合同庁舎上下なものですから、絶えず連絡をとりながら、こういう時代はひとつ早く前に進めるように各党に最敬礼してお願いしよう、こういうことで今お願いをしておるところであります。
#156
○薮仲委員 ちょっと並べた大臣が悪かったようですね。建物が別な大臣を並べて質問をすればよかった、連絡を悪くして。
 環状七号のことでちょっと建設省の専門的な御意見を伺いたいのですが、環六、環七の間の対象、パーセントで結構です、パーセントで何%ぐらいあるのか、それがヘクタールに直せばどの程度あるのか。これが規制緩和ということになっておりますが、どの程度の影響性があるのか、その辺ちょっとお聞かせいただきますか。
#157
○牧野政府委員 数字的なことですからお答え申し上げますが、東京二十三区の広さは五万六千数百ヘクタール、これは水辺を入れますとアバウト六万になります。環六以内の一万八千ヘクタールのうち第一種住専は四百六十一ヘクタール、二・五%の率。それから環七以内はアバウトで東京二十三区の半分、約三万ヘクタール、うち第一種住専は二千四百三十六ヘクタール、率で八・二%でございます。
 それから、仮に一種住専をすべて二種住専あるいは住居地域に切りかえた場合の効果はというおただしでありますが、これは隣接する道路でありますとか空地の問題ですとかいろいろございますから、マクロでその二千四百三十六ヘクタールを全部塗りかえたらどういう効果があるかというのは実はなかなか算定しがたいものがございますが、ただ、個別の敷地単位で見てみれば、委員の既に御承知のように第一種住専であれば原則十メートル制限でございます。二種住専になればございませんから、例えば三階建ての家が一種住専は限界というのに対して、二種住専であれば、いろいろ前面道路等の制約はございますが、普通五階や六階は建つというふうな効果であろうと考えております。
#158
○薮仲委員 これは運輸大臣いらっしゃるものですから、国鉄用地の売却について私お願いがあるんですよ。一言で言えば余り高く売らないでくれと言いたいのですが、その前にちょっとくさびを打っておかないといけないのですが、最近都心の地価の高騰ということがよく話題になっています。国土庁が地価公示を四月一日になさいましたけれども、特に問題になったのは都心の商業地の異常な高騰であることは、先刻御承知のとおりであります。特に千代田、中央、港の都心の三区、さらに周辺の世田谷、中野までだんだん地価が値上がりしております。これは建設大臣横にいて、これだけは少し角突き合わせていただかないとぐあいが悪いのですが、公共事業とか、先ほども用地の取得といみじくもおっしゃった。都心とかあるいは駅周辺の土地というのは日本の歴史の中で最後の一等地だと思うのです。二千平米以上あるというのは国鉄用地しかないわけです。こういう土地が、もしも公平のためにということで公開競争入札で地価が高騰しますと――例えば私、静岡です。大臣、よく知っておいてもらいたいんですがね、駅前に約二千平米あるのです。これが公開競争入札されるのです。そのときに、もしもそこの地域の地価が上がりますと駅前の地価が引きずられるわけですね。駅前の都市計画は、建設省初め地方自治体が一生懸命見ばえのいい町づくりをしようと努力している。それが駅周辺が、それは鉄道病院の跡地でございますが、ぼうんと上がると、用地取得に物すごい困難とお金がかかる。道路の拡幅もできませんし、都市づくりもできなくなる。
 これは運輸大臣のいらっしゃる仙台も同じだと思うのです。各都市が、地方自治体が、みんな駅周辺の再開発をしようとしているときに、これが今度の景気浮揚の大きな目玉かもしれませんけれども、国鉄用地の処分の仕方というのは――確かに国鉄の赤字再建のために一円でも高く売りたい、これはわかります。でも、これを国全体のマクロの経済で見たならば、ある意味で国民にとってどれほどの負担がかかってくるか。特に中曽根内閣が何とかしようという住宅建設、これは最も足を引っ張られて大変なことになりかねないと思うのですね。
 そこで、運輸大臣が最後にお答えになる前に、国土庁、建設大臣に意見を聞いて、しっかり取り込んでからここは運輸大臣に聞かないと、高く売るなんて言われると私は困るわけです。
 まず、都心においてなぜこう値上がりするかというと、今国土利用計画法があるわけです。ところが、二千平米じゃなければひっかからないわけですね。ひっかからないというと語弊がありますけれども、届け出しなくていいわけです。もちろん調整区域は五千平米、これは御承知のとおりです。実際に地価高騰している都心の二千平米なんていうのは、ほとんどひっかからないですね。届け出しなくていいわけです。これは、国土法をおつくりになったときに一割程度届け出があればいいなというお気持ちだったかもしれませんが、現在我々が東京都の様子などを聞いてみますと、ひっかかるのはどこかというと一%程度じゃないかなという意見もございます。これを五百平米に下げればどうだ。五百平米ぐらいにもしも届け出の範囲を下げてきますと、一割ぐらいひっかかるかな、あるいは三百平米におろせば二割ぐらいが該当するかなということがあるわけです。
 そこで国土庁お見えだと思うのでございますが、都心の地価の高騰を抑えるためにどうあるべきかというと、国土利用計画法をどう見直すかということ、届け出の基準を五百もしくは三百ということもあるいは必要なのか。あるいは面積だけではなくて取引される金額、あの司法研修所がどうのこうの、後ほど国鉄さんの物すごく高いところを運輸大臣にお示ししますけれども、そういうものについて、国土法の基準面積の引き下げあるいは面積要件だけではなくて、金額でも関心を持つというのですかね、余り変なことを言うとまた江崎国務大臣から民間活力の阻害要因だなんて御発言があるとやりにくくなりますから、関心を持つという表現は国土庁、どうですか。
#159
○末吉政府委員 東京都心の地価が特に商業地を中心として大幅な値上がりをしているというのは御存じのとおりであります。全国的に地価が非常に安定している中で東京都だけが非常にたぎっているという状況でございます。それが、商業地が周辺の住宅地に及んでおるということでございますので、私どもとしましては、東京都と非常によく相談をしてございます。
 まず第一に、上がっておりますのは需給バランスを失しているということがございますので、供給対策についてよく御相談をするというのが一点であります。
 それから二点目は、今先生の御質問にありました国土利用計画法における届け出面積の網が少し大きいのではないか。御指摘のように二千平米でありますと一割もいっておりません。全国的に見ますと、取引が二百二十万のうち届け出があるのが約一割というのが相場でございますが、東京の場合は非常に小さな宅地が多うございますからそういう状況でございます。
 そこで、それの面積について検討したらどうだということがございますが、全般的の中で東京都だけがそういう状況でありますので、私どもも東京都において独自の方法、つまり条例でそういう考えができないかどうか、それを含めて東京都とよく相談をしているところでございます。
 その場合に、御質問にありましたように面積の、二千を三百なり五百という御指摘がございましたが、そういう方向が一つと、金額面でとらえられないかという御質問でございます。私どもが事務的に検討しておる段階では、金額になりますと両当事者に御協力をいただかなければならぬ問題でありますので、非常に具体的な調査がしにくい。面積になりますとフォローがきくという点がございますので、そういう点を含めて鋭意検討しているところでございまして、これは現在非常に重要な問題でございますので、早急に結論を得るべく現在努力をしているところでございます。
    〔小泉委員長退席、中西(啓)委員長代理
    着席〕
#160
○薮仲委員 国土庁にも、国鉄用地の利用について国土法あるいは土地信託、借地方式、いろいろ手法はあると思います。何とか公共の用に供する部分については地方自治体の都市計画に乗ってほしいという気持ちがありますので、国土庁の意見も重ねてお伺いしたいのですけれども、運輸大臣、いよいよお伺いします。
 御承知のように国鉄の長期債務は三十七兆三千億。結論的に言いますと、用地売却でこのうちの五兆八千億余りを得たいというのが再建監理委員会の方針として出ております。これは、ただいま申し上げましたように、国鉄用地というのは国民にとって共有の財産でもございますけれども、また、地方各都市においては、駅前にある一等地、再開発できるすばらしい利用度の高い、良好な最後の土地でございます。これを安定的に地方が公共の用に供することができますと、都市の再開発あるいは地域の経済の活性化にとってはまことに好ましい結果を持つと思うのです。
 そういうことで、私が最初に国土庁と建設大臣にお伺いしたいのは、ここに建設省からいただいた資料があるわけでございますが、これは三大都市と全国の用地費の推移が出ておるわけでございます。簡単に申し上げますと、都市計画では五十八年度の段階では都市計画に二四・五%、住宅事業に二〇・五%の用地費がかかっております。全体の中で約二割ですね。五十七年度も同じような数値が、二割前後出ているわけです。これが三大都市圏等に参りましてもやはり二〇%台の用地費があるわけでございます。この住宅あるいは公共事業をおやりになるときに、国鉄用地の売却については今度は安くしてくれと建設大臣として運輸大臣によく話をして、上がらないようにしていただきたいと私は思うのでございますが、その辺建設大臣の御意見、それから国土庁の御意見、最後に運輸大臣の御意見を続けて御答弁いただきたい。
#161
○江藤国務大臣 公共事業を進めていく上で一番頭の痛いのは用地費の問題でありまして、全国的で見ましてもおよそ二割くらいは用地費にとられるというのが一番頭の痛いところ、それも簡単にいくかといいますと、なかなか簡単に片がつかない、こういうことですから、地価は安定するにこしたことはない。
 ただ、今先生御意見がありましたように、国土利用計画法で言うと、東京都でしたら二千平米以上ですから、この二十三区内の、特に環七、環六はなおひどいわけですが、百平米以下の土地の所有者というのが東京は四四・五%いるわけで、三十坪足らずの地主がいっぱいおるわけですから、これは国土法にひっかけましても御意見のように全然表に出てこないのですね。ですから、どんどん土地が上がっていく、こういうことでありまして、これは私は、適当な機会に、国土庁でも御検討願っておるということですが、こういうものをやはり実情に即したように御検討いただくことがありがたいな、こういうふうに思っております。
 国鉄の用地につきましては、運輸大臣もおりますが、高く売らなければいかぬし、売ったら困るし、これは「忠ならんと欲すれば孝ならず」というのはこんなことかなと実は思っておりますが、再建を早く進めようと思えばやはり高く売らなければいかぬし、安く売ると今度は安く売った、けしからぬと国会でまたやかましく言われるわけですから、できることならば借地借家法を一回、なるべく早く国会の議決を経て改正して、そして借地権、借家権というものを確立して、土地信託はもちろんですが、当面国鉄が問題になっておりますけれども、こういうものも借地に出して、その権利金が八割なら八割入ってくる、後は今度は土地代が入ってくるというような形で運営していくのも一つの方法ではないか。売りっ放しにすることがいいとは限らぬ。
 そこで、先般来東京駅周辺のことが問題になっておりますものですから、特命相、運輸大臣とも相談をいたしまして、建設省、運輸省、それから中央郵便局がありますから郵政省、それに国土庁、総務庁を入れまして高級事務レベル会議でこれらの問題を少し研究してもらおう、地価の問題から再開発の問題。私ども素人がわざわざ言っておったってしようがありませんから、私の方から都市局長を出して、本当の専門家中の専門家、そしてある程度自分で判断できる人を出して、そういう問題、当面東京駅周辺が一番問題になっておりますから、それをやってみよう、こういうことで先般来話をいたしておるところでありまして、地価の安定に向かって国公有地が一つの役割を果たしていくというのはあるべき姿であろうと私は思っております。
#162
○薮仲委員 済みません。もう時間が来たので、運輸大臣だけ、今の国鉄用地、御答弁いただきたいのです。
 もう一つ、私は静岡なんですよ。東京湾横断道も今度は建設大臣にあしたあたり質問しようと思っていますけれども、静岡にとっては清水市の人工島の構想というのに非常な夢を描きまして、希望を持っているのです。特に運輸省が県と協議の上で調査費もつけておやりいただくということで大変期待をしておりますし、地域の経済の活性化また民間活力の導入等も含めまして我々静岡県にとっては期待のできる構想でございます。最初の方は余りうれしくない国鉄用地の売却ですが、後の夢のある話はうんと夢がわいてくるようなお話なのかどうか、夢のあるお話をお聞かせいただきたい。それを聞いて終わりたいと思います。国土庁、時間がありませんので、運輸大臣にお願いしたいと思います。
#163
○三塚国務大臣 まず国鉄用地の売買についての御提言でございます。
 建設大臣が「忠ならんと欲すれば孝ならず」ということわざを引いた心境、私も全く同じ心境であります。五・八兆の売買益を出しますということが最低の再建監理委員会答申であり、政府も閣議決定をいたしたところでございます。それと御指摘のように、薮仲先生は運輸委員をやられて大変詳しいわけでございますが、国民共有の財産であるこの最後に残された土地、事業用地以外のものを売らさしていただくということについて、担当大臣として、大改革なものでありますから、いささかも疑念を持たれるようなことがあってはならない、この点に最大限の注意を払っているわけです。ガラス張りの中でそれが処置、処分をされていく。だとすれば国に準じ、公開入札方式を原則としてとらざるを得ないな、その結果高い値段にこれが落札されるということがあったとしても、私の所管ということではなく、この大事をなし遂げるという観点からお許しをいただかなければならぬポイントかな、こんなふうに実は思っておるのです。
 ただ、静岡県の例を挙げられた地方都市、特に県庁所在地、中核都市の地域において唯一残されたものが駅中心の土地であります。都市再開発、都市計画の中において欠くことのできないセンターになるところでありますから、その場合におきましては県及び所在地方自治体が主導的な役割を果たしまして計画をお出しいただく、そのことがオーソライズされていくという形の中でありますならば随意契約という形の中で行われるであろう。その場合はまさに適正な、全体をにらんだ形の中で決められてまいるのかな、こんなふうに思っておるところであります。
 いずれにしても、法律が御承認をいただきますれば、清算事業団がスタートをいたし、専門家が第三者機関を設け、きちっとした方式の中でこれに対応するということになるわけでございまして、そのことを緻密に万全を期して構築をしていかなければならぬ問題だな。
 要は、大東京におけるこの土地をどうするのか、この点が大変頭の痛い問題でありますが、巷間いろいろとためにする宣伝なども行われておることにかんがみ、やはり明確にガラス張りの中でこのことだけは行わしていただきますことが公益であり、国益にかなうし、大改革を推進する意味においても重要な問題点、ポイントかな、こんなふうに思っておるところでありますので、理解をいただきたいと思います。
 さて、この人工島の問題でありますが、既に運輸省は五十五年度から全国六カ所研究をいたしております。その中で静岡沖の清水沖合人工島、極めて有力な二十一世紀に向けた大変すばらしい状態にあるということもただいまの研究の中では出ておるわけでございまして、国土の多様的な活用、特に我が国のような山の割合の非常に多いところは海岸地域そして海岸、海洋の活用ということで、この方式について進め方を積極的に行っていかなければなりませんし、そのためにフィージビリティースタディーを行い、取り進めるということで考えております。これは運輸省主体、国が主体になることもさることでありますが、同時にその所在県、地域経済団体あるいは地方自治団体と提携をしつつこの問題を取り進めてまいりたい、このように考えておりますので、今後ともよろしくひとつ御鞭撻をお願い申し上げます。
#164
○薮仲委員 終わります。
 どうもありがとうございました。
#165
○中西(啓)委員長代理 伊藤英成君。
#166
○伊藤(英)委員 国の補助金等の臨時特例等に関する法律案について質問をいたします。
 まず大蔵省にお伺いいたします。大臣にお願いいたしますけれども、今日、対外経済摩擦の解消や「増税なき財政再建」のために内需の拡大が不可欠の状況になっております。内需拡大のためには大幅な所得減税、あわせて国の公共投資の拡大がこれまた不可欠な状況にあるわけであります。そのためには国みずからが大幅な拡大を図るべきであって、それをやらずに地方への補助率を引き下げて、地方の負担で公共投資の拡大を図るというのは本末転倒ではないか、こういうふうに思います。国みずからの責任を放棄することになるのではないか、このように思うわけであります。
 私は、これは建設委員会で建設大臣にもよく申し上げるわけでありますけれども、我が国の社会資本がいかにおくれているか、そういう状況の中でいつ一体社会資本の整備ができるのだろうか、そういうように考えますときに、日本が急速にこれから高齢化社会に向かっていく、そういたしますと、まさに今世紀中にこそ社会資本の整備はやっていかなければならぬ、今のうちにやらなければ来世紀に入ってもできないではないか、こう思うわけです。
 しかも、先日発表されました国際協調のための経済構造調整研究会の報告書を見ますと、社会資本の整備の責任を地方に押しつけているのではないかとさえ思えるわけであります。こういうことでは国としての責任を果たせるとは考えられないと思われますけれども、大臣はどのように考えられますか。
#167
○江崎国務大臣 内需振興はまさに重要な点だと私も思います。また、私はその特命相でもあるわけでございます。
 今、お示しの公共事業につきましては、御承知のように四・三%、この乏しい財源の中で増額しているわけです。そして、思い切った、今までにない前倒しをするということを建設大臣も既に言明しておられます。したがって、一日も速やかに補助率の一括法案に御賛同いただくことができれば、地方では直ちにこれが動き出すわけであります。前川レポートによりましても、日本は経常収支が三・六%にも及んだ、これは非常事態だ、こんなことをしておれば世界の憎まれ者になって日本は孤立化してしまうであろう、何としても内需志向型の経済に向かわなければならない、こういうことを指摘しておられる点が最も重要な点であると私も認識いたしております。
 したがって、仰せのように、公共事業について財源がある限りの配分をしたわけでありますので、いち早く前倒しをして、あとは民間活力を引き出すことによって何とか下半期に経済が落ちついて、円高の効果がメリットの方に変わってきたときに、民間活力でつなぎをつけて日本経済を健全な方向に持っていきたい、それが現在の私どもの考え方でございます。
#168
○伊藤(英)委員 今大臣がお話しになった件で建設大臣にお伺いいたしますけれども、今回の総合経済対策閣僚会議において、公共事業の六十一年度上半期前倒しを過去最高以上にすることを決定いたしました。建設省としてどのくらいの前倒しをすることを考えておられますか。
#169
○江藤国務大臣 八〇%程度を念頭に置いてこれから取り組んでまいろうと思っております。
#170
○伊藤(英)委員 その八〇%程度という高率で前倒しを行うといたしますと、後半で息切れしてくるのじゃないかと思いますけれども、補正予算を組んで追加するわけでございますか。
#171
○江藤国務大臣 まだ予算を執行しないうちに補正予算云々ということは立場上穏当ではございませんが、昭和六十年度の場合は、御承知のように債務負担行為をもって六千億の先食いをやったわけであります。さらに、そのほかに六十年度債を中心にいたしまして、五十九年度、六十年度債で約五千億災害復旧費を出したわけですから、そういうものでこの六十年末をつないできた、特に積雪寒冷地帯を含めた地方の仕事がなくならないように配慮したわけでありまして、またその時点になりましたら一生懸命に知恵を出したいと思っております。
#172
○伊藤(英)委員 そういうことで後半いろいろと追加をするといたしますと、地方公共団体のサイドはそれに見合った裏負担というのでしょうか、そういう対応はできるのでしょうか。
#173
○江藤国務大臣 御承知のように、六十一年度当初予算で補助率カットの分が三千九百八十億、建設省はこれを事業費ベースで五千八百三十億、これで俗に言う五・七%伸ばしていただきました、こう御説明申し上げてきたわけでありますが、これら五千八百三十億の事業を執行するにいたしましても、これはすべて起債で手厚く措置することにいたしておるわけでありますから、地方財政も殊のほか厳しいときでありますし、将来予算が仮に万が一そういう事態になりましたときには、起債なりその他の方法で財源手当てをすることは国の責任であるし、また、当たり前のことであると思っております。
#174
○伊藤(英)委員 公共事業についての高率の前倒しをして発注を行うといたしますと、今年度下期における事業量の確保が先ほどお話しのとおりいろいろ問題になってくるわけであります。最初に申し上げたとおり内需の拡大、これは江崎大臣からもお話があったとおりでありますが、建設国債をさらに増発してでも事業量の確保を図るべきではないかと思いますが、いかがですか。
#175
○江藤国務大臣 私は賛成なんです。けれども、ただいま行財政改革という中にあって、糖尿病四期ぐらいでよたよたしながら土俵に上がって相撲をとろうというような国家財政でありますから、そのときにわきからビフテキを食え、もっと酒を飲めと言うわけにもなかなかいきませんで、一緒に今辛抱している、こういうふうに御理解いただくとありがたいと思っております。
#176
○江崎国務大臣 補足いたしますと、建設公債も限度があると思います。それもアメリカの財政事情より日本の方が悪いというような、こんなことで、建設公債の波及効果も考えられないわけではありませんが、これは多額な利払いを伴う点では特例公債と変わらない、この段階では到底考えられないというのが大蔵省の立場でございます。
#177
○伊藤(英)委員 御承知のとおり、この建設国債等の問題について、我が民社党は、こういうものを増発することによって内需を拡大し、それが財政再建にも役立つということをたびたび主張してきたところでございます。そういう意味で、その点は今後もぜひ御留意の上で対処をお願いしたいと思います。
 次に移りますけれども、これは大蔵省にお伺いいたします。
 今回のこの法案は、昭和六十一年度から六十三年度までの各年度における国の補助金の補助率を引き下げることが主な内容となっております。その提出理由を見ますと、「最近における財政状況、社会経済情勢の推移及び累次の臨時行政調査会の答申等の趣旨を踏まえ、財政資金の効率的使用を図るため、」このようになっております。昨年、同様に補助金の補助率引き下げを実施したときに、このような措置は六十年度の一年限りとする旨の委員会の附帯決議がなされました。にもかかわらず、どうしてまた三年間この補助率引き下げを継続しようとするのか。法案の提出理由の中に附帯決議の趣旨はどう反映されているのか、お伺いをいたします。
#178
○江崎国務大臣 これは、先ほど来各委員にもお答えをいたしておるわけでありますが、附帯決議はやはり厳粛な国会の決議でございますので尊重しなければなりません。そこでまた、補助金を整理合理化すべきであるという行革審答申も、一面においてはこれも尊重しなければなりません。もちろん国会が優先することは当然であります。しかし、この補助金検討部会というものに諮問をしまして、これには地方公共団体の責任者、県知事、市町村長の代表、これら三名に入っていただきまして、そしてここらあたりがいいところであろうということで配分を決めたわけであります。国と地方の役割分担をはっきりしていくということも行政改革の主たる目的であります。
 それから、行政が総合的、効率的に行われるために国と地方がそれぞれ機能と責任を分かち合う、こういう見地からも今度の補助金カットには留意をしておるつもりであります。また、地方公共団体の自主性、自律性の尊重、こういう観点からも十分な見直しを行ったというふうに考えておるのが私の立場でございます。
#179
○伊藤(英)委員 今回のこの補助率の引き下げは、総理大臣からの説明もございましたけれども、財政再建の一つの手段とも考えられているのではないかと思うのです。今回の引き下げ措置が暫定的に三年間、このようになっておりますけれども、もしも財政再建のためというふうに考えますと、例えば昭和六十五年まで続けられるというようなことになる可能性はないでしょうか。
#180
○江崎国務大臣 この問題はまだ三年間もあることですし、もちろんそのときの経済情勢、財政事情、そういうものを勘案して考慮することでありますから、今にわかにどうするかということにはお答えできにくいと思います。
 ただ、財政事情を何としてもよくしていきたいというのが我々の悲願でありますし、また民社党にも御理解をいただいておるところだと思っております。最善の努力をして何とか処理をできるような形で、これが引き続きじんぜんまた延びていくというようなことにならないようにしたいと思いますが、ただ、この補助金のカットというものは先ほど申し上げましたような理由に基づくものであり、やはり地方の自主性そして効率性、また地方になじむものという点では、地方財政も非常に厳しいけれども、苦しいけれども、自主性を発揮していただくためにも、能率を発揮していただくためにも、これは国、地方一体で今行財政の改革をしようという場面でありますから、これはひとつ一緒にやろうではありませんか、こういう思想に立っておるわけでございます。
#181
○伊藤(英)委員 財政再建のために一緒にということでございますけれども、財政の事情が大変な状況にあることは先ほど大臣もおっしゃったとおりであります。そういう意味で、三年間というふうに暫定的に決めておりますけれども、総理等も言われておるとおりに、財政再建六十五年度を目標ということを考えますと、よもや大型間接税等によって六十二年度以降を考えるということはないでしようね。
#182
○江崎国務大臣 これば大蔵大臣や総理からも何遍も予算委員会で答えておりますように、シャウプ税制以来の見直しを大幅に行って、日本独自の現在のこの苦しい財政情勢、それからまた、国際的に非難の多い経済情勢をどう処理するかという問題とともに、税制調査会にも諮問して考えていこう、こういうわけでありまするので、今後の検討にまちたい、かように考えております。
#183
○伊藤(英)委員 次に移りますけれども、この補助率の一律カットをする前に、そもそも補助金のむだ遣いがないかどうか、そういうのをよく調べる必要があると思うのですね。
 昭和六十年十二月に会計検査院が五十九年度決算に対する検査報告を発表しておりますけれども、それによりますと、各省庁にわたって補助金のむだ遣いが指摘されておって、合計で三十七億にもなる、このようになっております。
 そこで、指摘された事項について幾つかの問題について該当する省庁の対応策を伺いたいと思いますが、まず最初に文部省に、そこに提示されております小中学校校舎の新増築などに関する補助事業が不適切だ、このように指摘されておりますが、どのようになっておりますか。
#184
○阿部政府委員 お答えいたします。
 昭和五十九年度の決算検査報告におきまして、文部省関係七件の不当事項の指摘を受けました。総額で五千数百万円の指摘をいただいたわけでございます。このうち六件は、小中学校の校舎の新増築事業について補助の対象と認められない部分にまで補助を受けていたというケースでございます。また、一件は、補助金を受けました公民館を公民館以外の役場の事業に使っていたというケースでございまして、これらにつきましては、直ちに関係の市町村から過大交付額を返還いたさせまして、また今後こういうことがないように、これらの関係の市町村はもとよりでございますけれども、全国の全体の市町村に対しましてもこういうことがないようにという指導通知を発した次第でございます。
 こういう件がございました点は、まことに申しわけないと思っておりますが、今後さらに指導を強めまして、こういうことを根絶するように努力をいたしたい、かように考えております。
#185
○伊藤(英)委員 同じ件で厚生省にお伺いいたしますが、この報告書の中に社会福祉施設に対する補助金の経理が不当だ、こういうのがありますが、いかがですか。
#186
○北郷政府委員 社会福祉施設の中で老人福祉施設の保護事業の関係で八件ほど指摘がされてございます。
 これは施設に入りましたときの徴収金の制度がございまして、その徴収の仕方を誤ったというようなことが主な内容でございまして、各県に対しまして今後こういうことがないようにというようなことで指導いたしますとともに、誤りました金額につきましては返還の措置を講じておるところでございます。
 今後ともこういった面については注意してまいりたいと考えております。
#187
○伊藤(英)委員 同様に農水省に伺いますが、その中に補助事業の実施及び経理が不当だ、こういうのがありますが、いかがでございますか。
#188
○吉國政府委員 五十九年度の会計検査院決算検査におきまして、不当事項として補助事業関係で七件の指摘を受けたところでございます。
 指摘の内容につきましては、目的外使用でございますとか、あるいは補助対象外に使われたもの、設計が不適切であった、あるいは補助目的を十分に達成していない、そういったものが含まれておりまして、私どもといたしましては、補助金を返還すべきものについてはそのような措置を進めておりますし、また手直し工事を進めるものはそのような措置をとっております。また補助目的を十分に達成するための必要な共同利用体制の整備をするといったものにつきましても措置を行ってきておるところでございます。
 このような御指摘をいただいたことは大変申しわけなく思っておるところでございますが、今後こういった事態の再発防止のために十分な努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
#189
○伊藤(英)委員 最後に建設省にお伺いいたしますけれども、建設省にも例えば道路や下水道整備の補助事業で施工不良や設計が不適切だというふうな指摘もございますが、いかがですか。
#190
○高橋(進)政府委員 先生仰せのとおり、五十九年度の決算につきましてそういった指摘が会計検査院からなされました。建設省の所管事業の執行につきまして、常にその適正を期するために努力しておるわけでございますけれども、こういった指摘があったことはまことに遺憾と思っております。
 指摘を受けたものにつきましては、事業の目的を達成するように早期に手直し工事を実施させる、または国庫補助金相当額を返還させる措置を講じました。
 一般的に、今後こういった事態の再発防止のため通達を発しまして、指導を行っております。今後ともそういうことのないように厳正に指導してまいりたいと思っております。
#191
○伊藤(英)委員 大蔵省にお伺いいたしますけれども、今私は四点についてのみお伺いをいたしました。こうした問題はほかにもまだいろいろ多くあると思われます。先ほど各省庁でも何件あったというようなお話もいろいろございましたし、ほかの省庁にも関係すると思うのですね、非常に残念な話だと思うのです。先ほど申し上げましたけれども、それこそまずはこういうむだ遣いをなくして、補助金なるものがちゃんと効率的に使われなければいかぬ。その上でもしも必要になるならば今回のような一律カット云々という話は出てくるのだろうと思うのです。そういう意味では全く順序が逆だと思いますが、当然のことながらこうしたむだ遣いをもっともっと改めなければならぬ。むだ遣いがこのようにあるという状況について、大蔵省としてどのように考えますか。
#192
○保田政府委員 毎年毎年のことでございますけれども、国民からのいわば血税とも申すべきものを財源とした補助金が依然として不適正に支出をされる、経理をされるという事態はまことに遺憾でございます。このような不当事項が依然として後を絶たないということのよって来るところは何かということはしかく簡単でございまして、補助事業者等の予算執行に当たる者のモラルの欠如あるいは不注意といったことにあるわけでございます。
    〔中西(啓)委員長代理退席、小泉委員長着席〕
したがいまして、当然のことでございますけれども、再発防止ということが次の非常に大きな課題になるわけでございます。
 これについて言えば、違反者に対する厳重な処分を行うことによりましてモラルの一層の確立に努めるというのがまず第一。それから指摘を受けなかった補助金の執行に当たる者につきましても類似の事件を起こさないように同様に注意を喚起するということが必要であろう。したがいまして、大蔵省といたしましては、こういう指摘事項についての周知徹底、是正という観点から、関係者に対しまして文書による是正措置の要請、あるいは予算執行関係者の会議によりましてその周知徹底を図る、あるいは、さらには幹部の研修会といったようなことを従来からやっておるわけでございますけれども、さらにその方面での努力を続けていきたいと思っております。
 これらの指導等をさらに充実することによりまして不当事項の指摘がだんだん減っていくことを期待したいと思っております。
#193
○伊藤(英)委員 むだ遣いの見直しからさらに進んで補助金制度そのものも見直すべき時期に来ているのではないか、このように思うわけであります。去年の十一月に学識経験者や自治体関係者で構成しております地方自治経営学会が地方自治体の幹部に対するアンケート結果を発表いたしました。それによりますと、今地方を最も縛りつけているもの、その束縛から最も逃れたいものは何だという問いに対して、実に四二・三%が国庫補助金による国の統制、関与、干渉であると答えております。そういう意味で補助金制度そのものを見直すべきではないかと思うのですが、このような自治体の生の声を聞いてどういうふうに受けとめるか。これは大蔵省と自治省、両方にお伺いいたします。
#194
○江崎国務大臣 これは私もよく書類を拝見しております。補助金は一定の行政水準を維持するために、特定の施策の奨励等のために、政策手段として政策遂行の上で非常に重要なことは言うまでもありませんが、ただ、ややもすればこれが自主性を損なう、こういうこともありますね。それから、既得権化する、惰性的運用、今むだ遣いの話がありましたね。財政資金の効率的使用を阻害する要因となる等の問題点が指摘されておる。これは不断の見直しが必要だということも言っておりますね。それで、この財政状況下において補助金の整理合理化に積極的に取り組んでいくことは、簡素にして能率的な政府を我々考えておるわけですから、これは至上命題でございます。
 それからもう一つ問題があるのは、御指摘がございませんでしたが、都道府県で国の補助金をもらおうというと四四・六%、市町村で二四・九%の時間が費やされる。これは権威ある自治経営学会の調査でございますから、これは大問題だと私は思っているのです。こういうことが国費のむだ遣いであり、旅費のむだ遣いであり、非常な不合理を生んでおるわけでありますから、こういうものをもっと節約合理化することがいうところの行政改革の根幹の一つでもあると考え、厳重にこれは守っていきたいと思います。
#195
○持永政府委員 ただいま御指摘のアンケート調査は私どもも拝見いたしておりますが、補助金につきましては自治省といたしましても従来から、地方行政の自主性を高める、地域のニーズに応じた仕事をそれぞれやっていくということの方がむしろ国、地方を通じまして行政の簡素化、効率化が図られる。私どもも現実に地方の県庁に勤務したことがございますけれども、中には必ずしもその県にとって必要性がないといいましょうか、緊要性がないような仕事も補助金が来るからやるという面がないわけではないわけでございます。そういったことから、効率化を図るためには補助金の整理合理化が必要だろうという基本的な認識を持っておるわけでありまして、具体的には事務事業を廃止あるいは縮減していくということがまず一つございます。それから、地方の事務として同化定着しているようなものにつきましては補助金を廃止して地方一般財源で措置していくという方法、あるいは、今大蔵大臣からお答えがございましたけれども、補助金の手続の簡素化、合理化あるいは補助金の統合メニュー化、零細補助金の廃止等々を今後とも進めていく必要があると考えております。
#196
○伊藤(英)委員 今のような観点から、民社党も第二交付税の創設をしてはどうかという提案等も従来からしてきているわけです。きようはその議論はおきますが、今申し上げた地方自治経営学会のアンケートの中にこの補助金問題について、廃止すべき補助金はこういうのがあるよ、こういうふうに整理すべきじゃないかということ等についての多くの指摘がございます。その中に具体的に指摘された補助金について関係する省庁に見解をお伺いしたいわけでありますけれども、廃止あるいは見直しをすべき項目としてたくさんの項目が出ておりますが、そこで、三点だけちょっとお伺いをいたします。
 まず、厚生省に、母親クラブ活動費補助金あるいは保健所・栄養改善対策費補助金というような、これはたくさんあるのですが、その二つはどうなっているのか。あるいは文部省の方に社会教育活動費補助金というのがございます。これもこの経営学会のアンケートの中で指摘されていることであります。
 いずれにしても、先ほどもいろいろお話ございましたけれども、時代の変化によって整理廃止すべきものもある、あるいは本来の目的から逸脱しているのではないか、本来の趣旨から飛び出してしまっているのではないかというような問題もあるでしょう。零細補助金で経費ばかりで、所要経費と比べて効果が薄いというような問題もあるわけでありますね。そういう意味で、先ほど申し上げた三点の補助金についての見解をまずお伺いをいたします。
#197
○坂本政府委員 母親クラブの補助金についてのお尋ねでございますが、現在私どもの考え方といたしまして、母親クラブ活動は、児童の非行防止とか事故防止あるいは児童の養育に当たる人たちの研修活動など、それぞれの地域におきまして児童健全育成対策の中で非常に重要な役割を占めておると認識しておるわけでございます。特に今日、いじめの問題でございますとか非行の問題といったような問題が多発しておるわけでありまして、こういった問題につきまして早急に対策を進める必要があるわけでございます。こういった問題、やはり各地域におきまして実際に行政機関が直接やるということも必要でございますけれども、非常に限度がございまして、やはり母親クラブといったような民間の組織活動の協力は不可欠のものと考えておる次第でございます。したがって、アンケート自体でそういうお考えが出ておるという点については、私どもも、そういった事実としてそういうお考えがあるということ自体は受けとめておりますけれども、また一方、私どもの方に、ぜひこの補助金は続けてくれという要望も実際に各市町村などからかなり参っておるわけでございます。私どもとしては、やはり実際の活動を助成していく必要があろうという観点から、その運営等についても十分な指導をいたしまして効果が上がるようにしていくと同時に、この補助金については必要なものと考えておる次第でございます。
 同時に、事務手続の簡素化という点につきましては、私どももできるだけ簡素化をいたしたいと考えておるわけでございますが、ただ、この母親クラブの補助金の申請につきましては、既に私どもも簡素化を進めまして、現在各県において市町村の必要な金額をまとめて国に出していただく、その際には、もう簡単な用紙一枚さえあればいいという、こういう状況にまで持っていっておるのが現状でございます。
#198
○齊藤(尚)政府委員 社会教育活動費補助金につきましてのお尋ねでございますが、これは、例えば家庭教育でありますとか、婦人教育でありますとか、高齢者の生きがい促進事業でありますとか、そういう地方公共団体の行います生涯学習関係事業のうちモデル的有ものについて補助をいたしておるわけでございまして、そういう意味から、地方公共団体の自主性を阻害しているというふうには考えておらないわけでございます。そういうモデル事業を行いまして、その波及効果を期待をいたしているわけでございます。
 この補助制度は、家庭教育の充実でありますとか、高齢者の生きがい促進というような社会教育推進上大変重要な役割を果たしておりますので、そしてまた、実際にも地方公共団体の補助要望も強いということでございますので、現段階で廃止するということは考えておりません。先ほど来ございますように、補助事務の簡素化その他につきましては今後も十分工夫をしてまいりたいというふうに考えております。
#199
○伊藤説明員 保健所の栄養改善対策費でございますが、国民の健康づくりを進める上で基本となります食生活の改善を推進するために保健所が行っている事業でございます。現在、心臓病でございますとか、糖尿病でございますとか、高血圧でございますとか、これらの成人病が食生活と非常に深くかかわっているということから、現在でもこの事業は大変重要な役割を果たしているわけでございまして、今後とも継続していく必要があると考えているわけでございます。したがいまして、厚生省におきましては、この事業につきまして、以上申し上げたような観点から助成を行っているわけでございまして、また、各県からも要望があるわけでございまして、現時点におきましてはこの補助金につきまして廃止する考えは持っていないわけでございます。
#200
○伊藤(英)委員 私は先ほど、廃止すべきものもあるであろうし、あるいは見直しをした方がいいかもしれない、いろいろ考え方をちょっと述べたつもりでありますが、先ほど江崎長官からも、この補助金のために地方の要する時間は大変なものだというお話がございました。今私がここに申し上げた幾つかの事例は、全くなくした方がいいものもあるかもしれませんし、そうでないかもしれない。言うならば地方というかあるいは市に任せてしまえばいいではないか。これは地方自治経営学会でもそういうふうな指摘がございます。先ほど、補助事務の簡素化というような話が出ましたけれども、ではこれは市の方に移した方がいいという話はなかったと思います。そういうことをもっともっと考えなければこの補助金制度の効率化ということも図られない、本来の意味を十分に効率的に果たすこともできないというふうになるのだろう、こう思うのです。
 そういう意味でちょっと自治省にもう一度お伺いいたしますけれども、私は、自治省としては各自治体の生の声をよく考慮して事に当たるべきだろう、こういうふうに思うのです。だから補助金の一律カットの前に、補助金制度の見直しも財政当局に主張をすべきであろう、こういうふうに思います。
 これは去年の秋の政府主催の全国知事会議の席上で、中曽根総理は、長い発言だったと思うのですが、そのうちでこのような発言をされております。「一番大事な点は、地方の公共団体の皆様方とよく連絡を密にして、ご意見を十分承り、十分ご理解を得たうえで、両方が納得しつつ行う。そういう進め方が非常に大事であり、」云々ということを言われております。これはもう少し前の段階では、総理としておわびというのですか、恐縮という言葉だったか、私は忘れましたけれども、そうしたニュアンスの言葉をいろいろ述べた後で、こういうような話をこの全国知事会議の席上で総理みずからが発言をされております。
 そういう意味で、自治省としては財政当局に先ほど申し上げたような補助金制度の見直し等の主張をして、自治体の生の声を十分に反映させる努力をすべきだと思いますが、どうでしょうか。
#201
○持永政府委員 昨年の全国知事会議での総理の御発言を引用されての御質問でございますが、私も会議には出席いたしておりまして、総理の御発言は伺ったわけでございます。
 そこで、昭和六十一年度の予算編成を行うに当たりまして、自治省としては大蔵省を初め各省庁に対しまして、先ほど申し上げましたような補助金の整理、事務事業の廃止、あるいは補助負担率については国と地方の機能分担なり役割分担を見直すことなくして単に引き下げだけをするというようなことは避けてほしいという趣旨の申し入れをいたしたわけでございます。
 昭和六十一年度以降の補助負担率の問題は、たびたび御議論がございますように、補助金問題検討会で検討が行われたわけでございます。この検討会の席には知事会、市長会、町村会の代表の方も入っていただいて一緒に御審議をいただいたわけでございまして、私どもとしても、この検討会の場でも今申し上げたような点を主張したわけでございます。
 その結果、補助金問題検討会の報告を見ますと、例えば補助事業の廃止縮小、地方へ同化定着した事務事業の一般財源措置への移行、統合メニュー化の推進あるいは手続の簡素化等を実施すべきであるということが盛られておりますし、また、補助率の見直しにつきましては、国と地方の役割分担のあり方の見直しとあわせてやるべきだというようなことも書かれておりまして、私どもの主張が反映をされているというふうに受けとめをいたしておるわけでございます。
 また、検討会でだんだん議論が進むにつれまして、予算編成作業で大蔵省なり各省庁等の議論の中でいろいろ問題提起をされ検討が進められるにつれまして、我々としては、地方六団体とも常に密接な連絡をとりながら、そのときそのときの状況、各省の御意見なり我々の意見なりを申し上げ、六団体の御意見も十分承りまして、あるときにはおしかりも受けながら対応をいたした次第でございます。
 そういったことで、総理の御発言の趣旨を十分踏まえて対処をしたつもりでございますし、最終的に今回この法案でお願いしております内容につきましても、事務事業の見直し等の問題もございますし、あるいは、十分とは申せないかもしれませんけれども、補助金の廃止といったものも一部あるわけでございまして、そういったことで地方団体との連携あるいは意見を承るという点については、十分心して対応してまいったつもりでございます。
#202
○伊藤(英)委員 時間がほとんどありませんので最後の質問をいたします。
 国の補助率を下げて、その下がった分は地方公共団体に地方債を発行させる、さらにその償還は地方交付税で面倒を見る、こういうやり方であるわけでありますけれども、結局のところは、地方公共団体共有の一般財源である地方交付税によって国の財政政策の失敗のしりぬぐいをさせるという形で、地方に財政負担を転嫁することにほかならないやり方だと思うのであります。地方自治を守る立場にある自治省としてはこのやり方をどういうふうに考えるのか。
 それから、大蔵省にお伺いしますけれども、さきに挙げた地方自治経営学会のアンケートでも、地方を最も縛りづけているのは国庫補助金による国の統制、関与である、こういうふうに指摘をされておるわけであります。このようなやり方を改めて、一律カットという方式をやめてはどうかというふうに思いますが、いかがでありますか。
#203
○持永政府委員 財源の補てんを行います場合に、税でありますとか交付税といういわゆる一般財源で措置をすることが一番望ましいわけでございますが、現在のような厳しい財政状況の中でございますので、地方債を使うこともやむを得ないというふうに考えておるわけでございます。
 そこで、地方債を使いました場合には、当然将来償還費の負担が出てまいるわけでございますので、個々の地方団体の地方債の償還費については交付税の算定上措置をしてまいることにいたしております。そういたしますと、今度は交付税の財源が必要になるわけでございます。これは、全部ではございませんけれども、将来交付税の特例加算をするということで一般会計の方から繰り入れをしていただくことになっておる部分もございますが、いずれにしても、そういった措置をとりましてなおかつ財源が足りないというような事態がもしありましたら、地方財政計画をつくる際に、全体で毎年度の地方財政の収支を合わせるわけでございますので、その地方財政計画の支出の中には、当然この公債償還費は全部入るわけでございますから、そういった地方財政計画をつくる中で財源の確保をし、場合によっては交付税の特例加算をさらにしていくというようなことにも努力をいたしまして、全体的に毎年度の地方財政の運営に支障がないようにいたしてまいりたいと考えております。
#204
○江崎国務大臣 これは冒頭に申し上げましたように、国と地方の機能を分担し合い、地方の自主性、自律性を高める、また地方になずむ補助金をカットしたという理由によるわけでありますから、この点は撤回する意思はもちろんございません。一般歳出の約四割を占める補助金の整理合理化、そして補助率の総合的な見直し、これは今年度予算の最も重要な一つの柱でもあるわけであります。
 ただ、伊藤委員が非常に熱心に御指摘してこられました手続の簡素化、合理化、こういった問題については、関係の各省庁は誠意を持って努力する、そして幾ばくかの補助率のカットについては、理由はあるというもののそれはやはり金額的なマイナス面に影響することは間違いございませんから、それがもっと能率的で簡素な行政の運営によってカバーされることを私もひたすら念願するものでございます。
#205
○伊藤(英)委員 終わります。
 どうもありがとうございました。
#206
○小泉委員長 瀬崎博義君。
#207
○瀬崎委員 私は、補助金カット全般については予算委員会でも質問をいたしました。きょうは公共事業関係に限って質問をしたいと思います。
 昨年の百二国会では、政府側はこの補助金カットについて、先ほどもちょっと自治省の答弁の中に含まれておりましたが、国と地方の費用分担、つまり補助率のカットだけをひとり歩きさせるのではないのだ、役割分担の見直しもやっていくのだ、セットでいくのだ、そのためには十分議論する必要があるから、とりあえず一年間の暫定法案で出して、一年かかって議論して新しい措置を決めたい、巧妙に延長の予防線を張ってきたわけですね。現実に社会保障や福祉の分野では一部機関委任事務が団体委任事務に移行されるなど、役割分担の見直しも行われておるわけなんですが、だからといって補助金をカットしていいとは我々毛頭考えておりませんけれども、では、公共事業においては国と地方の機能分担についてどんな見直しを行ったのですか。
#208
○保田政府委員 本年度の補助率の一括引き下げの内容はもう御承知おきのとおりでございますが、この内容を決めるに当たりまして、事務事業の見直しを行うということを中心としまして、いわばそれを前提としてこれを行うというのが基本的な立場であります。でありますが、その主体は、社会保障を中心とする公共事業以外の分野がその主たるものでございます。もちろん公共事業につきましてもそういう面の見直しを行いましたが、同時に、公共事業につきましては、現下の経済情勢のもとで内需を拡大しなければならない、しかし、そのための国費は財政上非常に窮屈である、そういうことから、限られた国費財源でできるだけ事業費を伸ばしたいという観点が非常に濃厚に出ている、そういうことで御理解をいただきたいと思います。
#209
○瀬崎委員 要は、この公共事業の分野については、あなたの言葉で言えば事務事業の見直し、つまり国と地方の役割分担をやっているのかやってないのか、どっちなんですか。
#210
○保田政府委員 やっております。一つは、いわば事業の内容が地域的に限定されているような小規模な事業につきましては、地方の単独事業でお願いをするというのが一つでございます。それからさらに、それよりは多少規模は大きいというようなものについて、従来補助事業でやっておりましたものを単独事業でやっていただくといったことが中心でございます。
#211
○瀬崎委員 それは役割分担、つまり機関委任事務を団体委任事務に移したというような性質のものでは全くなくて、要は公共事業の規模によって変えだというだけの話なんでしょう。問題は、社会保障分野や福祉分野にあらわれたようなああいう大がかりないわゆる事務事業の見直し、つまり機能分担の見直し、これは今後やるのですか、やらないのですか、公共事業分野について。これは建設大臣に伺います。
#212
○江藤国務大臣 もう一回質問してくれませんか。ちょっと意味がわかりません。
#213
○瀬崎委員 今回のいわゆる国と地方の費用分担のあり方を見直すに当たっては、国と地方の事務事業の見直しといいますか、あるいは役割分担、機能分担のあり方とも言ってますね、政府側は。こういうものの見直しとセットだ、こう言っていたわけですね。しかし、今答弁がありましたように、公共事業の分野については、大きなこういう役割分担の見直しは行われないで、補助率のカットだけが今回出てきているわけなんです。では、今後この公共事業の分野においても国と地方の役割分担について、社会保障や福祉の分野、いわゆる非公共の事業にあらわれたような大きな見直しをやろうとしているのですか、どうですかということを聞いているのです。
#214
○江藤国務大臣 公共事業の分野におきましては国と地方との事業の分担はそれなりに合理性がある、こういう考え方のもとにこの三年間の時限立法に私どもは同調しておるわけであります。したがいまして、現在のところそれ以上の考え方は持っておりません。
#215
○瀬崎委員 結局は、役割分担の見直しというのは補助率の引き下げの口実として利用されただけであって、この見直しがあろうとなかろうと補助率は下げるんだという結果だけが今出ているわけですね。こういう点では、もしそういう役割分担の見直しをする意思がないとするならば、当然三年たったら、あるいは三年待たずに今回のこの法案そのものをやめるべきだと思いますよ、撤回すべきだと思うけれども、少なくともこの費用負担のあり方をもとに戻すということだけははっきり約束しておいてもらわないといけませんね。いかがでしよう。
#216
○江藤国務大臣 三年間の時限立法として出しておるわけでありますから、三年を限度としてこの制度は終わるものであると思っております。
#217
○瀬崎委員 住宅公団の総裁にお見えいただいているのですが、丸山総裁は昨年十一月の建設委員会で、住宅・都市整備公団の役割の重要性を強調されました。「今最も不足しております四、五人世帯用の良質な賃貸住宅をつくることに重点を置いてまいりたい、」と述べられまして、しかし、そういう四、五人世帯用の賃貸住宅をつくる場合には、公団が政府から補給金千四百八十六億をいただいて、これで金利を薄めてようやく成り立っているんだ。だから、いかに金利が安くなったからとはいえ、民間でこれにかわるような仕事はできっこない。つまり、この公団の役割の重要性と、しかし、公団がそういう公共的な役割を果たすためにはどうしても国からの補給金つまり補助金が必要なんだ、この二点を強調されているわけですね。自分の公団については絶対に補助金は必要だと強調しながら、地方自治体だって住宅・都市整備公団にまさるとも劣らない、国民にとって大事な工事をやっているわけですから、これに対する補助金を下げてもいい、まさかそんなことは考えてないと思うのですが、公共事業においての国と地方の費用分担のあり方、それから今言われている役割分担のあり方についての丸山総裁の見解を伺っておきたいのです。
#218
○丸山参考人 先ほど大蔵省からも御答弁のありましたように、公共事業につきましては、国の根幹的施設については直轄事業、それから住民に密着しているものについては、大きなものは補助事業、小さなものは地方単独事業というように、それぞれ分担が決まっておるわけでございます。したがいまして、検討会におきましても一応の議論はありましたが、これを抜本的に改正する必要はないという結論に達したわけでございます。
 それから、補助金の問題でございますが、公共事業につきましても、今申しましたように現在も補助金は出ているわけでございますが、我が国の社会資本の整備のおくれから見ますと、地方団体だけですべての財源を賄うというのは困難であると思いますから、必要な事業については必要な補助金が必要である、そのように考えているわけでございます。
#219
○瀬崎委員 私がきょうわざわざ総裁に参考人としておいでいただいた理由はおわかりいただいていると思いますね。つまり、補助金のあり方を見直した検討会のメンバーで、地方自治体の関係者は別にして、少なくとも公共事業にかかわりのある代表者というのは丸山総裁一人なんですよ。したがって、今回まことに遺憾ながら公共事業の補助率も大幅に引き下げられたとすれば、丸山総裁がそういう意見を述べたのかな、あるいはそれでよいと言ったのかな、こう考えざるを得ないのです。つまり、あなたの積極的な主張として、こういう公共事業の補助率の引き下げはやむを得ない、こういう見解だった、こう受け取っていいですか。
#220
○丸山参考人 現在の公共事業を見ますと、重要なものは三分の二、それから公共団体と国が互いに協力してやるものは二分の一、それから公共団体が主体となってやるものについては三分の一、こういうような補助体系になっておるわけでございます。したがいまして、この根幹は私は崩すべきではないと思っております。しかしながら、先ほどから御議論のございますように、現下の国の財政事情を考えますと、一方において公共事業がおくれておるとかあるいは内需拡大も必要である、そういうことを考えますと、地方も財政は苦しいとは存じますが何分御協力を賜りたいということで、根幹に触れない一部の補助率のカットについてはやむを得ないと私も申し上げたわけでございます。
#221
○瀬崎委員 これは大蔵大臣代理である江崎国務大臣に申し上げたいことなんですが、この検討会のメンバーをごらんになったらおわかりのように、また今もお認めになっているように、要は公共事業関係を代表する学識経験者といいますか、これはとにかく丸山総裁一人なんです。今の答えは事実上政府の言っていることと全く同じなんです。政府の代弁者を一人送り込んだだけなんですよ。そうなりますと、この検討会というのは結果的には政府の予想している答えを出してもらうための隠れみの、そしてその結果は俗に言うお手盛りの補助率引き下げ、こう言われても仕方がないことになると思うのです。こんな不公正な構成は当然改めるべきだと思うのです。いかがでしょう。
#222
○江崎国務大臣 これは、やはり公団の総裁としてそこでいろいろな意見を仮に述べておったとしても、決定事項は、政府の委員である以上、これは閣議でも了承したわけですから、総裁としてそれに反対したことは言えない。独自の意見は速記録などにあるいはあるかもしれない。私も現場にいたわけじゃないからわかりませんが、彼が誘導してそういう結論を引き出したというのは少し先生の思い過ぎであろうと思います。
#223
○瀬崎委員 これは公共事業関係の学識経験者と言える人は丸山総裁ただ一人だから、私としてはこう言わざるを得ないんですよ。江崎国務大臣がそう言われるのなら、そういう議事録があるのなら、それじゃ国会に出してもらいたい、そうして審議したいと思います。いかがですか、議事録を出してください。
#224
○江崎国務大臣 今聞きましたら、速記録はないそうです。だから、恐らく彼は彼としての相当な見識を傾けて物を言ったであろうということを私は想像して申し上げたわけでありまして、彼がそういう結論に誘導したというわけではもちろんないと思います。しかし決まったものについては、政府の総裁たる者、その決定に間違った答弁はできない、これは当然なことだと思います。御理解願いたいと思います。
#225
○瀬崎委員 この検討会の経過を見ますと、公共事業関係についての検討は十月二十五日の第九回会合だけで、後の自由討議がありますからこの中で若干出たかもしれませんが、これで幾つもの分野のある公共事業全般について、国と地方の費用負担のあり方や役割分担のあり方全般が議論できるものだろうかと私は大変疑問を持つのです。
 これは建設大臣十分御存じのように、それぞれの公共事業についてはちゃんと分野ごとにそれぞれの審議会があるわけですね。もしもそれぞれの公共事業の補助金のあり方全般について、例えば今言われている国と地方の役割分担とかあるいは費用負担のあり方について学識経験者の意見を求める必要があるとすれば、それは第一義的には都市計画中央審議会であるとかあるいは住宅宅地審議会であるとか道路審議会、こういうところに諮問するのが本筋ではないかと思うのですが、いかがでしょう、建設大臣。
#226
○江藤国務大臣 公共事業万般ということになりますと、今さっきおっしゃるような構成になるのじゃないでしょうか。これは単なる建設省分だけではございませんし、例えば土地改良もあれば、林道もあれば、空港あるいは港湾、漁港もあるということで、公共事業というのは多岐多彩にわたるわけでありますから、一つ一つの審議会でその意見を聞くというのではなかなか容易ではない、そういうことでそうしたいわゆる検討委員会にゆだねられたものだと私は思っております。
#227
○江崎国務大臣 これはメンバーは御存じのようですから、時間が惜しいから省略しておきましょうね。これは十二回やっておりますよ。第一回は国の財政状況と補助金整理合理化問題、地方財政の現状と問題点、第二回は社会保障制度の概要、第三回、国会における補助金問題の審議状況。国会にまで及んでおるのですね。地方公共団体代表意見の聴取というようなわけで、十二回が十二月二十日、これは報告、審議の取りまとめということになっておるわけでございますが、丸々十回については……(瀬崎委員「そのうち公共事業は第八回だけですよ。公共事業は十月二十五日だけですよ」と呼ぶ)ええ。そうして自由討議を九回にやっておりますよね。それから十回も地方財政事情について、国の財政事情についてということでそれなりの話し合いをしておる。これはまじめな会議を相当旺盛に五月からやっておるわけでございまして、そう簡単なものではございません。
#228
○瀬崎委員 私は何もふまじめに会議をやったなどとは言っておりません。
 そこで、具体的に聞けばわかってきますよ。例えば今度も大幅に補助金をカットされている下水道事業を見てみましょうか。これについては昨年の六十年の八月一日に都市計画中央審議会がちゃんと答申を出しているのですよ。この中には「国庫補助金」という項目もちゃんとあるのです。何と述べているか。「国庫補助対象範囲については、下水道の社会的要請、公共的役割の高まり等に応じて必要な見直しを検討すべきであるが、」これはむしろ引き上げろ、広げるという方ですよ。「特に、町村下水道や利水等の観点から水質保全が重要な一定の湖沼に係る下水道等については、補助対象範囲を検討すべきである。」これはもっと広げろということなんですよ。切り下げじゃない。「また、高度処理施設に係る国費率については、その効果の広域性、公共性の高さ及び整備の緊急性に鑑み、通常の二次処理施設に係る国費率よりも優遇することを検討すべきである。」補助率そのものも物によっては上げるべきである、こういう意見もちゃんと出ておるわけです。
 では、いろいろなものを一切合財検討したという検討会で、こういう都計審の出している答申をどのように議論したのか、具体的におっしゃっていただきたいですね。
#229
○丸山参考人 公共事業について一回だけというお話でございますが、数回にわたって議論をしたわけでございます。
 それから、代表は私だけというお話でございますが、地方公共団体の長の方が数人入っておられましたから、当然公共事業の問題もいろいろと御主張があったわけでございます。
 それから、今御質問の具体的に下水道をどうするとか拡大するとかいう議論は、そういう会議ではございませんで、どうやって事業費をふやすか、そういうことを議論するわけでございますから、拡大論は余り出なかったわけでございます。いずれにいたしましても、カットした部分につきましては、地方財源については適切な面倒を見るということも我々は申し上げているわけでございます。
#230
○瀬崎委員 こうなってくると、法律にちゃんと位置づけられている都市計画審議会の答申と、それからおざなり――おざなりという言葉は、またいろいろ反論を受けるかもしれませんが、要は便宜上つくられた補助金問題検討会の答えと、一体どっちを優先させるか、どっちが重みがあるか、このことにまで議論が及ぶわけですよ。
 この下水道事業は、六十一年度国費節減額は九百八十一億円で、六十年度の三・七倍です。六十年度の下水道事業予算の国費の実に一四・四%に達する大きなカットを受けているわけですね。
 今申し上げております都計審の答申ではこうも言っているのですよ。「下水道整備の貧弱さは克服されなければならない我が国最大の国民的課題の一つである」、「今後の十五年間は、下水道整備の遅れを取り戻す最終の機会である」、ここでやらなかったらおくれは取り戻せない、こういう切実な答申を出しているわけですね。この答申は随分膨大なものです。これと真っ向から相反するような検討会の結論が出てきて、国会が、はあそうですかと、この食い違いをほったらかしにしてこの法案の審議は本来は進められないのですよ。
 このように下水道事業のおくれが出たのは、何といっても一つは地方の過重負担、もう一つは高い下水道料金のために住民が歓迎しない、この二点なんですね。だから都計審もこういう結論を出してきている。
 しかも大事なことは、この補助金問題検討会の報告書でもちゃんと補助対象範囲のことは言っているのですよ。「補助金額は補助率と補助対象範囲によって決まってくるもの」、こう言っているわけですね。これを掛け合わせたものであることは紛れもない事実なんです。ですから都計審の言わんとするところは、少なくとも、補助率は上げろと言っても無理だろうけれども、せめて公共事業の末端部分で現在補助対象から漏れている部分を拾い上げることによって、補助金額としては補助率と補助対象範囲を掛け合わせたものとしては少しでも拡大されるようにという意味を含んでいるわけですね。
 こういう点からいって、私は今回のこの検討会はお粗末きわまるし、こうなってくると、法律によって決められている審議会が無用になってくる。こういう逆立ちした行政は直ちに改めるべきだし、こういう間違った検討会の結論でこういう法案を出しているとすれば、この法案自体の動かそのものを私は疑わざるを得ないのです。これは一遍撤回して、きちっと議論をやり直してもらいたいと思うのですが、いかがですか。
#231
○江崎国務大臣 瀬崎さん、なかなか厳しいですけれども、これを撤回するわけにいかぬのですよ。この検討会のレポートにもちゃんと「公共事業については、社会資本の整備状況・現在の日本経済をめぐる情勢から、現下の厳しい財政事情の下で事業費を確保するという要請をも踏まえつつ、その補助率の見直しを行うものであり、現行体系を踏まえた対応が必要であるが、その際も補助率体系がいたずらに複雑化することのないよう留意すべきである。」やはりあなたの言わんとするところも、なかなかいいこと言っておりますね。ですから、これはそうおっしゃらぬでひとつ御審議を願って、速やかにお通しを願いたいと思います。
#232
○瀬崎委員 私はそういう一般論、抽象論を言っているのではなくて、結論は補助率を引き下げているわけなんですね。しかし、少なくとも行政上忠実に尊重すべきは、法的に現在つくられているこの都計審です。私どもは都計審のこの内容全般に賛成するのじゃないんですよ。だがしかし、今この補助金関係のところを読み上げましたとおり、こちらはむしろ補助金額を少しでも上げるようにせよと言っているわけです。そうしなければ下水道は進まない、こういうことを明確に言っているわけですね。こういう点で、本来なら、検討会がこういう審議会の結論に反する答えを出してきたのなら、もう一遍審議会に戻して審議会で検討し直してもらうぐらいの手順は踏んでこなければ法案は出すべきじゃないと私は思いますよ。この点を言っているわけなんです。もう一遍江崎国務大臣、お願いします。
#233
○江藤国務大臣 下水道の整備について多大の関心を寄せていただくことについては、私は大変感謝をいたします。要するに、事業量を伸ばすのかそれとも補助率を据え置くのか、二者択一ということになりますと、やはり何としてもこれほど社会資本の整備がおくれておるのですから、事業量をふやす方向の選択をした、こういうことであります。それなら補助率も特別に下げたかといいますと、普通一般並みでありまして、下水道だけ目のかたきにしたというものではありません。
 それからもう一つは、今回も下水道法の一部改正を御審議いただいたわけでありますが、末端に、おける汚泥処理等については金もかかるし、なかなかでございますから、これはいわゆる財投を入れて、二つ以上の自治体の要請があればそれをこちらで、事業団で引き受けてやりましょう、これも一つの負担軽減であります。また、町村等が行ういわゆる管渠等の工事についても、これは何としても補助の対象を少し広げて負担軽減をしていこう、こういうことで、それなりに一生懸命に工夫をしておることもひとつ評価を願いたいと思います。
#234
○瀬崎委員 何と弁解されても、法的に設置をされた審議会の答申と相反する、任意につくられた検討会の結論だけに沿ってこういうカット法案を出している、これは行政としては全然筋が通っていない、筋を曲げている、こう言わざるを得ないと思いますね。
 時間が非常に限られておりますからどうしても次に進まざるを得ないのでありますが、事業量の拡大のためにやむを得ぬとおっしゃいましたね。結局、公共事業の補助金のカット分と、それからそのカットした分を事業確保の方の国庫補助に回したその地方負担分、これはとにもかくにも現在建設地方債で穴埋めをしたわけですね。だから、六十一年度だけとったら、確かに資金繰り上地方自治体は過不足なしになるでしょう。
 問題は、この元利償還ですね。細かい計算はもう時間がないから省略しますし、事前のレクのときに言ってあります。結局六十年、六十一年、しかも六十二、六十三が六十一年と同じような事態を続けたと仮定しての話ですが、そうしますと、元利償還が四年間ダブってくる間、これは約二十年に及ぶのですが、毎年毎年地方自治体は千四十億円の元利償還を負担しなければならぬのですよ。このうち、確かに二分の一についてはその年度その年度国が一般会計から地方交付税に加算すると言っているから、この約束さえ守られればこれは地方自治体の負担にならぬでしょう。残り二分の一はいわゆる三二%の枠内で措置するわけですね。ですから、自治省があの手この手、地方財政計画で不足が生じたら手を打ちますよと言っているけれども、これは子供が考えたって、過ぎ去った年の公共事業のための借金のツケをまず二分の一交付税の方で見てしまえば、その当該年度の地方自治体の自主財源は減るのが当たり前なんですよ。それでも減らないといったら、これは税収の伸びを過大に見積っているか、あるいはまた、地方公共料金の値上げ等で無理やり地方自治体に収入を回らせたか、あるいは住民に対するサービス低下で地方自治体の支出を減らさしたかということの結果として、総和として、過ぎ去った年度の借金の穴埋めをしても過不足生じないというだけのことだと思いますね。これは明らかだと思いますよ。
 そこで特に聞いておきたいのは、一応これは三年限りだ、もとへ戻すんだという趣旨の建設大臣の御発言がありましたから、それが前提なんですが、本年度を初年度として新たに八つのいわゆる公共事業の五カ年計画が発足しますね。さて、この補助率は一体どういう補助率で計画を立てたのか。少なくとも事業費、国費、補助率、この三つは連動すると思うのですよ。それぞれの八つの五カ年計画の補助率は一体どの補助率を適用してこの計画をはじき出したのかをお答えいただきたいのです。
#235
○高橋(進)政府委員 建設省では六十一年度を初年度とする新しい五カ年計画を五本予定しておりますが、これの算定に当たりましては事業費をもって五カ年計画の内容といたしておりますので、その国費と地方負担分の割合というのは特段明らかにしておりません。事業費ということでトータルであらわしたものでございますので、その区分につきましてはつまびらかにしておりません。
#236
○瀬崎委員 無責任な計画なんですね。
 とりあえず建設省所管の分について見てみましょうか。――いや、全部で見てみましょう。
 住宅以外は、五カ年計画の総事業費はすべて前期の五カ年計画よりもふやしているのですけれども、交通安全を除いた六計画は、要は調整費を膨らますことによって一見計画の総事業費がふえたかのように見せかけているだけなんです。調整費を差し引きますと実質事業費はすべて前期の五カ年計画を下回っている、こういう特徴を持っているわけです。
 しかも、この新五カ年計画と六十一年度予算を対照してみると、全く矛盾するのです。
 例えば交通安全でいいますと、前期が一兆一千億円、新が一兆四千八百五十億、これは若干ふえているのです。しかし、これは五カ年計画ですから、単年度に直せば、少なくとも五分の一は当然事業費を計上していなければいかぬわけですよ。ところが六十一年度五分の一としますと二千九百七十億円計上されていなければいかぬのだけれども、実際六十一年度で計上しているのは二千百八十九億円、ぐっと低いんですよ。この六十一年度の二千百八十九億円で五カ年計画全部をやり切ろうとしたら、七年かかりますよ。五カ年計画といっているけれども、実際七年計画なんですよ。
 また、都市公園で見ましょうか。これは一般公共のところを見ますと、これは前期の事業費一兆四千億円、これは新は一兆三千億円に減りますね。これの五分の一は二千六百億円なんです。ところが六十一年度に計画したのは二千百十七億円なんですね。だからこれは六年半計画です。五年ではこれは達成できないわけなんですよ。こういうことになっておるんですね。
 しかも、先ほど来建設大臣が強調されたように、つまり、補助金をカットして事業量をふやす手だてをとった結果として、ようやく今の六・五年分の一かあるいは七年分の一かぐらいしか六十一年度には計上されていないわけですね。そこで先ほど、今後の補助率は一体どうなるのだと言ってきたのです。もしこういうやり方、補助率を下げて事業量をふやすんだということでこの五カ年間を達成しようとすれば、将来ますます補助率を大幅に削ってそれで事業量の確保をしない限りは、この五カ年計画は達成できないという仕掛けになっているのじゃないですか。
#237
○江藤国務大臣 調整費をふやして見せかけだとおっしゃいますが、そういうものではありません。調整費は三年先にこれを見直すということにいたしておるわけでありますから、私どもはそのときの経済状況、財政状況等を勘案しながら、何としてもこれを事業費の中に繰り入れるように最大の努力をしようということでこの五カ年計画をつくっておるわけであります。
 それから、五カ年計画を五で割るとそれは足りないじゃないかとおっしゃいますが、多分瀬崎さんは数学が達者だったと思いますが、伸び率というのもあるわけで、ただ単純に百を五で割ったら二十だというものではありませんで、年々何%か、こうして私どもは五%、六%事業を伸ばしていこうという考え方でありますから、今回これほど内需拡大について公共事業に期待が寄せられておるという責任にかんがみ、私どもはあらゆる努力をしてこの事業は何としても完成させたい、こう思っておりますので、余り最初から見せかけの何のと人聞きの悪いことを言わずに御協力を賜りたいと思います。
#238
○瀬崎委員 協力したい気持ちはやまやまあっても、ごまかしを認めるわけにいかぬのですね。
 といいますのは、前期の五カ年計画の八つを見まして、どれ一つとして計画を達成した事業はないのですよ。しかも前期の初年度を見ますと、この新計画の初年度、六十一年度では、やはり皆、率は高く計上しているのです。そういうスタートをしておっても、五カ年終わってみればみんな軒並み未達成に終わってしまっているわけです。
 今度の場合、五カ年計画を片一方で用意した。ところが、スタートの初年度の割り振りをうんと低くしている。つまり、五分の一以下に抑えたわけですね。その五分の一以下に抑えた事業量でさえ、今言われたやりくり算段、一方で大幅に補助金をカットすることによってそのカットした補助金を事業量確保分に回していっているわけでしょう。それでやっとこさ六十一年度、初年度をスタートさせているわけなんです。
 この調子でいかれると、この五カ年計画をどうでもこうでも達成しようということになりますと、この五カ年の終わる直前になってきますとさらに大幅に正規の公共事業の補助金を削ってそれを事業量の拡大の方に持っていかなければいかぬということになるのではないか、理屈で言えば当然そうなってきますよ。つまり、補助金の大幅なカットを前提にしてこういう五カ年計画を出しているのじゃないか、だとすればこれはゆゆしき問題だ、こういうことを申し上げているわけですね。大臣、そういう懸念をお持ちになりませんか。普通にこれを見れば、そういう懸念、心配を持つのが私はむしろ妥当だと思いますね。それならこの五カ年計画をもっと真実に近づけるべきだ。もしそういう補助金カットはしないというのならこんなのは達成できませんよ。ごまかしちゃいかぬですね。
#239
○江藤国務大臣 やはり瀬崎さんはまじめな人ですから、心配性でそういうふうに思い詰められておるのかなと思いますが、私どもはそれも一つの懸念すべきことではあると思います。せっかくの御指摘ですからそれは心にとめて、十分そういうことも認識しながら慎重にやりたいと思いますが、そればかりではありませんで、いろいろな方法、手段をもって私どもは国民のこうした期待に沿いたい、こういうふうに思っておりますので、その点は御理解をいただきたいと思います。
#240
○瀬崎委員 時間ですので、残念ながらやめます。
#241
○小泉委員長 江田五月君。
#242
○江田委員 補助金一括法の連合審査会で、今補助金一括削減ということで各地方財政が非常に揺らいでいるところですが、ちょうど竹下大蔵大臣がG10からお帰りになったわけで、地方財政も含め国の財政経済全体が大きく揺らいでいるその根本のところに通貨の動揺ということがあると思うのです。ちょうどお帰りになって直ちにでも、時差ぼけはなれていらっしゃるから大丈夫だろうと思いますが、早速ですがG10のことについて伺っておきたいと思います。
 まず、百八十円をさらに超えるというような、百七十円台という円高の状態、これは国際経済秩序をつくっていく上で一定の必要性もあるかとも思いますが、しかし、日本経済自体は今これで大変に困っておる、首をつらなければならぬような人たちまで出てきているという状態なので、大蔵大臣としては、一方、世界で大きな経済を占めるようになってきた日本経済が世界経済の中でどう行動するかということと同時に、国内の経済もきちんと運営していかなければならぬという立場上、今の円高というものが一体どこまで追い詰められていくのか、各国に一定の理解を求める努力をされるべきであったと思いますが、ワシントンでどういう努力をされ、それがどう実ってきたかということをひとつ御報告いただきたいと思います。
#243
○竹下国務大臣 どうも済みませんでございました。お許しをいただきまして先輩である江崎大臣に臨時代理を今の瞬間までお務めいただきまして、本当にありがとうございました。
 四月七日の本委員会から出発させていただきまして、それで十日までということになるわけでございます。十カ国蔵相会議に出席をして、さらにベーカー財務長官を初めサミット参加国、と申しましてもフランスはまだ大蔵大臣がお見えになっておりませんでしたが、お会いをいたしてまいりました。
 十カ国蔵相会議では、最近における為替相場の動向と金利の低下、それからさらには石油価格の下落、こういうことを踏まえて、主として国際通貨制度とそれに対する開発途上国の債務累積問題、これの議論が中心でございました。私が昨年まで議長でございましたので、十カ国蔵相会議の基本的な考え方として為替相場は安定しなければならぬということ、それから、それがためにはやはり介入も時にはもとより必要にしても、基本的には各国の政策調整が必要だ、そこで、そのために多角的サーベーランスと申しまして、相互監視をより強力にやろうではないか、こういうことが話の中心でありました。
 そして累積債務問題については、ベーカーさんの提案というのがございますが、さらに日本側から先進国の果たすべき役割についても提案をいたしておりますので、これがともどもに支持され、そしてそのことは率直に翌日、きょう行われております暫定委員会へ持ち込んで、その推移はまだ私も聞いておりませんが、暫定委員会は開発途上国もいらっしゃいますけれども、そう大きな変化があるとは思っておりません。ベーカー財務長官とは為替相場、国際通貨制度、経済政策等について意見交換をいたしましたが、為替相場については、双方が為替相場というのは安定するのが何よりも好ましいという点においては完全に合意を見たところでございます。
 それから金利問題につきましては、ロンドンG5のときに、環境は熟しておるという認識をして、その後アメリカも日本も行ったわけでございますが、公定歩合の引き下げが日本銀行で行われたわけでございます。それの推移を見ようではないか。率直に申しまして、住宅金融公庫とかそういう中小企業の円高対策なんかの金利が最終的に決まったのは恐らくきのうぐらいでございますから、決まったばかりだからもうちょっと推移を見ようではないか、こういうことでございました。
 特にその後のG10の会合でも、通貨問題についてはかって特定の国が主張しておりましたいわゆるターゲットゾーン、これを設けようという考え方は非常に少なくなってきておるというふうな印象を受けてまいりまして、引き続き今度サミットでお会いをして首脳国の大蔵大臣で意見交換を行っていこうということでこちらへ帰りましたので、お互いがいつも、どれくらいが適当だとかそれは双方言わないことになっておりますが、とにかく日本の急激過ぎた話もいたしますし、安定さすことが大事だというのは特に西ドイツを含め我々の完全に合意したところではないかというふうに考えております。
#244
○江田委員 どのくらいが適当かというのは相互に言わないことにというお話ですが、新聞報道によると、大蔵大臣がベーカー財務長官に百八十円がもっと安くなっていくようなことでは日本経済も大変なんだというようなことで理解をお求めになった、そういう報道もあるようなんですが、いかがですか。
#245
○竹下国務大臣 現状、日本の中小企業、なかんずく韓国等と競合するような繊維でございますとか、陶磁器でございますとか、おもちゃでございますとか、洋食器でございますとか、そういうものは決定的打撃を受けておるということについて私からるる説明をいたしました。若干回数もふえておりますので、こんなことを委員会で申し上げるべきではなかろうと思いますが、円は上がって、私は「登」でなく下がった、こういう話も割合巧みに英語に訳せたようでございまして、そういう主張をしたことは事実でございます。
#246
○江田委員 やはり余り円が高くなり過ぎるということは、国際経済の秩序のために日本が受けるべき犠牲といいますか自制といいますか、これはもちろん必要ですが、新しい国際経済秩序ができつつあるというときなので、G10の国際通貨監視体制というものが余り強くなり過ぎてもまた困るかと思うのです。先ほどのターゲットゾーンの主張は少なくなったという印象をお持ちだということですと、そうした心配はお持ちになっていないということなんですか。
#247
○竹下国務大臣 相互監視というのは、相場を対象にしてやるということでなく、いわばお互いの経済情勢。これはアメリカには、もっと赤字を削減したらどうですかとか、内政干渉にわたらないような状態になるものですから。複数の国になりますと、お互いがフリーディスカッションになりますから、日本の場合はもっと市場開放をしろとか内需拡大をしろとか、それについて私から、聞いておりました総合経済対策、江崎先生の方でまとめていただいたものをるる話しましたり……。ただ円高差益還元については、いわゆる料金がちゃんと法定で決まる制度がない国には初めは何のことかわからなかったようですが、るる説明しておるうちに理解を得たつもりでございます。
#248
○江田委員 私に許されております時間は十分ということで、もう九分程度がたってしまいました。きょう文部大臣にお越しをいただいたのでお尋ねをいたします。
 今の円高の問題でいろいろ困っている者がたくさんおると思いますけれども、私も留学の経験があるのですが、円建てで奨学金をもらっている留学生はまだいいけれども、それぞれの自国の通貨で奨学金をもらっている皆さんというのは日本の事情でえらいことになったということだろうと思うのですね。円高の緊急対策の中で、東南アジアその他の国々の通貨で奨学金をもらっている皆さんに対する緊急の生活の補助といいますか援助といいますか、こうしたものをぜひ考えなければならぬのじゃないかと思いますが、文部省として大蔵省にそのことをぜひ要求してはどうかと思う。
 そのことと、大蔵大臣お話し中でしたが、今の外国の通貨で建てられております奨学金をもらっております奨学生たちが円高によって大変な目に遭っている状態に対して、文部省の方で何とかしてやれという要求があった場合に、ぜひそれをお考えになるべきじゃないかと思いますが、いかがでしようか。
 文部大臣の方から先にお答えください。
#249
○海部国務大臣 御指摘のように、国費留学生には円で支給しておりますから、これは別だと思いますが、私費留学生の方はもともと本国からの送金で生活をしていらっしゃるわけですから、急激な円の価値の変動というものは相当な影響が及んでいるだろうということは想像にかたくございません。
 したがって、全般の対策として、やはり私費留学生に対してかねてから先生からも手厚い対策を考えたらどうか。医療費などの八割補助の問題などもそういうところからスタートしておりましたが、最近民間の団体から昨年もことしも奨学金を行う団体がどんどん自主的に出てきておりますことと、それから文部省としても、日本国際教育協会の学習奨励費を私費留学生にも月々四万円ですが出すように、それをさらにふやしていくように今努力をしておる最中ですが、急激に足元から起こったきょう現在の対策をどうするかということになりますと、これは一遍慎重に勉強して、そういう制度も経験も今日までほとんどなかった文部省でございますから、一年単位のことしか考えていなかったというのが正直に言った現状でありますので、よく勉強し、研究させていただこうと思います。
#250
○竹下国務大臣 文部大臣からよく勉強し、研究させていただきたい。それに尽きると思います。
 実際問題が、五十三年でございましたかの円高のときに私、あっせんをいたしまして政令でいわゆる外国勤務の人の月給を上がり下がりの場合調整する措置をとったことがございますが、何か知恵があれば私も文部省と十分対応してみたいと考えております。
#251
○江田委員 大蔵大臣、お疲れさまでした。どうぞゆっくりお休みください。
 終わります。
#252
○小泉委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時五十八分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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