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1985/05/14 第104回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第104回国会 大蔵委員会 第20号
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1985/05/14 第104回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第104回国会 大蔵委員会 第20号

#1
第104回国会 大蔵委員会 第20号
昭和六十一年五月十四日(水曜日)
   午前十時開議
出席委員
  委員長 小泉純一郎君
   理事 笹山 登生君 理事 中西 啓介君
   理事 中村正三郎君 理事 堀之内久男君
   理事 上田 卓三君 理事 野口 幸一君
   理事 坂口  力君 理事 米沢  隆君
      越智 伊平君    加藤 六月君
      金子原二郎君    田中 秀征君
      高鳥  修君    中川 昭一君
      二階 俊博君    東   力君
      藤井 勝志君    宮下 創平君
      村岡 兼造君    村上 茂利君
      山岡 謙蔵君    山崎武三郎君
      山中 貞則君    山本 幸雄君
      伊藤  茂君    伊藤 忠治君
      兒玉 末男君    佐藤 徳雄君
      沢田  広君    戸田 菊雄君
      中村 正男君    堀  昌雄君
      柴田  弘君    矢追 秀彦君
      薮仲 義彦君    安倍 基雄君
      伊藤 英成君    玉置 一弥君
      正森 成二君    簑輪 幸代君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 竹下  登君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  熊川 次男君
        大蔵大臣官房総
        務審議官    北村 恭二君
        大蔵大臣官房審
        議官      藤田 恒郎君
        大蔵大臣官房審
        議官      亀井 敬之君
        大蔵省主計局次
        長       小粥 正巳君
        大蔵省理財局長 窪田  弘君
        大蔵省理財局次
        長       中田 一男君
        大蔵省証券局長 岸田 俊輔君
        大蔵省銀行局長 吉田 正輝君
        大蔵省国際金融
        局長      行天 豊雄君
        国税庁次長   塚越 則男君
        建設大臣官房会
        計課長     望月 薫雄君
 委員外の出席者
        公正取引委員会
        事務局経済部企
        業課長     上杉 秋則君
        警察庁刑事局保
        安部経済調査官 緒方 右武君
        法務省民事局参
        事官      濱崎 恭生君
        法務省刑事局刑
        事課長     原田 明夫君
        通商産業省産業
        政策局商政課長 山下 弘文君
        運輸大臣官房国
        有鉄道部国有鉄
        道再建企画調整
        官       岩村  敬君
        郵政大臣官房建
        築部管財課長  栗原 俊一君
        自治省行政局行
        政課長     濱田 一成君
        日本国有鉄道常
        務理事     岡田  宏君
        参  考  人
        (社団法人信託
        協会会長)   櫻井  修君
        大蔵委員会調査
        室長      矢島錦一郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十四日
 辞任         補欠選任
  大島 理森君     二階 俊博君
  自見庄三郎君     山岡 謙蔵君
  高鳥  修君     村岡 兼造君
  伊藤 忠治君     佐藤 徳雄君
  安倍 基雄君     伊藤 英成君
同日
 辞任         補欠選任
  二階 俊博君     大島 理森君
  村岡 兼造君     高鳥  修君
  山岡 謙蔵君     自見庄三郎君
  佐藤 徳雄君     伊藤 忠治君
  伊藤 英成君     安倍 基雄君
    ―――――――――――――
五月十二日
 身体障害者使用自動車に対する地方道路税、揮
 発油税免除等に関する請願(石橋政嗣君紹介)
 (第四三四一号)
 同(奥田敬和君紹介)(第四三四二号)
 同(梶山静六君紹介)(第四三四三号)
 同(田邉國男君紹介)(第四三四四号)
 同(船田元君紹介)(第四三四五号)
 同(渡辺省一君紹介)(第四三四六号)
 同(青木正久君紹介)(第四六三二号)
 同(山下元利君紹介)(第四六三三号)
 同(若林正俊君紹介)(第四六三四号)
 国民本位の税制改革に関する請願(網岡雄君紹
 介)(第四四三三号)
 同(水田稔君紹介)(第四四三四号)
 同(網岡雄君紹介)(第四五六二号)
 同(堀昌雄君紹介)(第四五六三号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第四七〇二号)
 同(中島武敏君紹介)(第四七〇三号)
 同(正森成二君紹介)(第四七〇四号)
 同外三件(松本善明君紹介)(第四七〇五号)
 大型間接税の導入反対及び大幅減税等に関する
 請願(中西績介君紹介)(第四四三五号)
 災害に係る諸税の軽減に関する請願(小沢貞孝
 君紹介)(第四五五〇号)
 大型間接税の導入反対に関する請願(佐藤敬治
 君紹介)(第四五六一号)
 大型間接税導入反対等に関する請願(工藤晃君
 紹介)(第四六九五号)
 同外一件(佐藤祐弘君紹介)(第四六九六号)
 同(柴田睦夫君紹介)(第四六九七号)
 同(高沢寅男君紹介)(第四六九八号)
 同(林百郎君紹介)(第四六九九号)
 同(正森成二君紹介)(第四七〇〇号)
 同(矢山有作君紹介)(第四七〇一号)
同月十三日
 大型間接税導入反対等に関する請願(奥野一雄
 君紹介)(第四八二七号)
 同(上西和郎君紹介)(第四八二八号)
 同(鈴木強君紹介)(第四八二九号)
 同(山本政弘君紹介)(第四八三〇号)
 同(有島重武君紹介)(第四八五一号)
 同(小川新一郎君紹介)(第四八五二号)
 同(神崎武法君紹介)(第四八五三号)
 同(辻一彦君紹介)(第四八五四号)
 同(安井吉典君紹介)(第四八五五号)
 同(渡辺嘉藏君紹介)(第四八五六号)
 国民本位の税制改革に関する請願(小川新一郎
 君紹介)(第四八五七号)
 同(柴田弘君紹介)(第四八五八号)
 同(古川雅司君紹介)(第四八五九号)
 税制改革・減税に関する請願外四件(小川新一
 郎君紹介)(第四八六〇号)
 同(草川昭三君紹介)(第四八六一号)
同月十四日
 身体障害者使用自動車に対する地方道路税、揮
 発油税免除等に関する請願(岩垂寿喜男君紹介
 )(第五〇一二号)
 同(多賀谷眞稔君紹介)(第五〇一三号)
 同(春田重昭君紹介)(第五〇一四号)
 災害に係る諸税の軽減に関する請願(井出一太
 郎君紹介)(第五〇五三号)
 同(田中秀征君紹介)(第五〇五四号)
 同(中島衛君紹介)(第五〇五五号)
 同(宮下創平君紹介)(第五〇五六号)
 同(若林正俊君紹介)(第五〇五七号)
 共済年金制度の改善に関する請願(佐藤徳雄君
 紹介)(第五〇八四号)
 大型間接税導入反対等に関する請願(加藤万吉
 君紹介)(第五〇八五号)
 同(金子みつ君紹介)(第五〇八六号)
 同(山本政弘君紹介)(第五〇八七号)
 国民本位の税制改革に関する請願(瀬崎博義君
 紹介)(第五〇八八号)
 同(野間友一君紹介)(第五〇八九号)
 同外四件(松本善明君紹介)(第五〇九〇号)
 大型間接税の導入反対等に関する請願(瀬崎博
 義君紹介)(第五〇九一号)
は本委員会に付託された。
五月十一日
 消費生活協同組合の個人年金共済事業に係る税
 税制上の改善に関する請願(第五九七号)、所
 得減税等に関する請願(第一三五七号)及び税
 制改革・減税に関する請願(第一四三八号)は
 「前川旦君紹介」を「山口鶴男君外一名紹介」
 にそれぞれ訂正された。
    ―――――――――――――
五月十二日
 所得税の減税等に関する陳情書外四件(山口県
 議会議長河村五良外十名)(第一九一号)
 大型間接税導入反対に関する陳情書外一件(宇
 都宮市議会議長別井保男外一名)(第一九二号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法
 律案(内閣提出第八三号)
 預金保険法及び準備預金制度に関する法律の一
 部を改正する法律案(内閣提出第八二号)
 国有財産法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第八四号)
     ――――◇―――――
#2
○小泉委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律案及び預金保険法及び準備預金制度に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。沢田広君。
#3
○沢田委員 どうも、立派な政務次官は来ておりますけれども、どこを見ても大臣が来ておりません。これは審議に対応する政府側の姿勢に極めて問題があるということでありまして、この点は委員長において厳重に政府に注意を促していただきたいと思います。
#4
○小泉委員長 わかりました。
#5
○沢田委員 じゃ、続いて質問に入りますが、今度の有価証券に関係いたしますいわゆる投資顧問については、投資ジャーナルなどの事件もありましたので、その後の投資ジャーナルの概要を、余り長くならぬように、要点の御報告をお願いいたします。
#6
○緒方説明員 お答えいたします。
 投資ジャーナル事件につきましては、昨年警視庁で検挙いたしましたけれども、事件の概要を報告いたしますと、捜査の端緒は、ある一般投資家から、投資ジャーナルの会員となったが、八百万円を納めたけれども取引終了の申し出には応じないという家事相談の投書がきっかけでございます。
 事案の概要は、東京都中央区に所在しました投資ジャーナル社の社長と傘下の三証券金融会社の社長らが共謀して「月刊投資家」等の雑誌を発行して顧客を勧誘し、推奨株を教えるなどと申し向け、入会金のランク別に会員を募り、傘下の証券金融会社との取引をあっせん、あるいは十倍融資と称し、グループ内の証券金融会社と取引すれば顧客の出資金の十倍まで証券売買を行わせるなどの方法により客を集めて株式投資に引き込み、多額の損害を与え、五十七年四月ごろから約二年半の間に被害者約八千名、被害総額約五百八十四億円をだまし取ったという事案であります。
 この事案につきましては、五十九年八月二十四日、警視庁が証券取引法違反で捜索、差し押さえをやりまして、九月十日特別捜査本部を設置、六十年六月十九日に会長以下十一人を逮捕しまして、現在十名が起訴になっております。
 そのほかにも証券取引法違反事件が多数ありますけれども、警察といたしましては、一般消費者を保護する立場で今後とも取り締まりに全力を挙げていきたいと思っております。
 以上でございます。
#7
○沢田委員 全体像についてはどの程度把握したのか、お答えいただけますか。
#8
○緒方説明員 お答えいたします。
 投資ジャーナル事件の全体像につきましてはさっきお答えしましたけれども、被害者約八千名、被害総額約五百八十四億円という全貌はほぼつかめたのではないかと思っております。
#9
○沢田委員 今度の投資顧問業の法案の中でこの事件は重要な参考になってきているものだと思います。
 これはどちらがお答えいただくのかわかりませんが、こういう実態に基づいて十分配慮されたと考えでいいのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
#10
○岸田政府委員 投資顧問業に関します検討につきましては、証券取引審議会において約一年間検討いたしたわけでございますが、その段階において投資家をどのように保護するかということは、この投資ジャーナル事件を十分頭に置いて、かつ、警察当局とも連絡を密にとりながらこれに対応する内容を盛り込みたいと考えて結論を出しております。
#11
○沢田委員 じゃ、若干言葉の中身も加わりますけれども、法案の解釈等について簡潔にお答えをいただいていきたいと思います。
 第二条に、「価値の分析に基づく投資判断」こういう文章があります。この具体的な内容はどういうことを意味するものですか、また、どの程度のものをもって材料と言うわけですか。
#12
○岸田政府委員 この点は法律用語でかなりかたく書いてございますけれども、具体的な内容といたしましては、有価証券の上がり下がりというようなこと、それから将来の展望、そういうものについての判断と解釈をいたしております。
#13
○沢田委員 極めてあいまいなので、責任体制についてはどういうふうに考えておられますか。――じゃ、考えておいてください、相談しておいてください。
 続いて、同じく第二条第四項に「必要な権限を委任されることを内容とする契約」ということで、「投資一任契約」という言葉で表現されております。これは、結果的には投資顧問業とすればもうけ話を皆持っていくのだと思うのでありますが、今の質問とも関係しますけれども、必要な権限とはどの程度までの権限を委任されるという前提でこの法律は考えておられるのか。丸損になってもやむを得ぬという一任の権限をゆだねる、こういう判断でいるのかどうか、あわせてお答えいただきたい。
#14
○岸田政府委員 この権限の委任の内容につきましては当事者間に任せるというふうに考えております。
 なお、損失をしたときにそれをどうするのかという問題につきましては、この法律案におきましては損失補償について契約することを禁止いたしております。
#15
○沢田委員 例えば小豆なんかをやれば、一日に何十回という往復が出てくるわけですね。ですから、そういうことになれば当然元金まで手数料でだんだん減っていってなくなってしまう、こういうことも含めてもしこの法律ができているとすれば、これは若干欠陥といいますか、その点の抑えがきかないということになる。ですから、政令その他でやってもらわなければならぬことですが、あえて言えば、例えば売買をする二分の一以下になるようにはしない、そのくらいの最後のブレーキをかけておかなければ、例えば小豆なんかどうにもならないでしょう。二日もすれば百万や二百万の元金はなくなってしまいますね。ですから、そういうことを考えると、白紙一任というものであってはならない。その辺どこかにブレーキをかけておく必要があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#16
○岸田政府委員 投資一任契約におきまして、顧客と投資顧問業との間には、まず基本的には運用の方針についての了解があるのではなかろうか。それからもう一つは、投資一任業者は証券取引を顧客のために行うわけでございますが、代理と取り次ぎという二つの方法があるうちの代理という方式に一応限定いたしたいと考えております。と申しますのは、取引は常に顧客の名において行われるという形になるのかと思います。
 そういたしますと、その結果、証券の売買の都度証券会社から顧客に対しては報告が行くという形になっておりまして、一方的にそれがずるずるといくようなことにはならないのではなかろうか。また三カ月ごとにその資産内容について投資顧問業者から顧客の方に報告が行くという形になっておりますので、どの程度までの損失の場合において禁止をするかということは、やはり法の限界を超えておるのではなかろうか、むしろそういうシステムをしっかりすることによって顧客の保護を行うということがこの法律案の趣旨ではないかと考えております。
#17
○沢田委員 私が小豆を例に挙げましたが、これが一番激しい往復がありますからあえてその例示をしたので、普通は手を出さぬのが常識の範囲内なんです。だけれども、これの法律の中にはそういうこともあり得るというふうになりますから言ったわけです。だから、政令等で取引ごとに本人の了解を得るということを原則にして、その売買すべてを包括的に委任するということはあり得ない、取引ごとの委任であるということにすれば、チェック機能が働くと思うのですね。ですから、その意味においてひとつ取引ごとの委任ということは確認をしてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
#18
○岸田政府委員 その点がいわゆる一般的な登録業者と一任の認可法人との違いになるのかと思っております。
 一般の登録業者につきましては、これは証券取引行為の代理ができませんので、一つずつの取引について顧客に対してアドバイスをするという形になるわけでございますが、投資一任業務の場合には基本的な運用方針のもとに、ある程度まで顧問業者に運用を任せるというところにこのメリットがあるわけでございまして、それを一つずつについて顧客の了解をとる、ないしは報告を出すということになりますと、最近の証券市場の急激な変化といいますか、それに対応する証券売買というのが時代におくれてしまうという問題がございますので、投資一任業務というものを特にこの法律案では認めたい。しかし、それにつきましては、認可という行為でその業者自体の財産的、人的構成というものを十分見きわめた上で認可をしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
#19
○沢田委員 もしそれが難しければ、今申し上げたように一日に同種類のものが数十回とするか数回と表現するかは別として、そういう条件について、これは政令なり規則なりあるいは業界指導なりという形で、形式は問いませんが、制限を加える。同種類のものを何回か、これは手数料をもうけるために、やる気があればそれはできるわけですからね。そういうことである程度の制限というものを行政指導等において考える必要性があると思われますので、配慮していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#20
○岸田政府委員 先生御指摘のように、同一銘柄を一日に何回も売買をして手数料を証券会社にもうけさせるというような不健全な投資顧問行為につきましては、自主的に規制をしていかなければいけない問題であるかと思います。ただ、法律的にそれをどうこうというよりは、むしろ私どもの頭の中には、自主規制団体による規制といいますか、自主的な規制の中でそういうものを排除していくという方法が一番適当なのではないのかと考えております。
#21
○沢田委員 その問題が出ましたから……。これは自主加入なんですね。今までのサラ金といいますか、そういうようなものの法律をつくってきた経過から考えても、全部が法人かと思えば個人もありますし、ある意味においては強制加入にすべきではなかったのかと考えるわけです。自主規制をやろうとするためには強制加入ということがどうしても必要になるのではないか。ところが、この法律自体は任意加入になっておるということであって、今おっしゃられていることもそういう抜け穴があるということでは望ましくない、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
#22
○岸田政府委員 自主規制団体について強制加入にするかどうかという問題につきましても、これは証券取引審議会で御審議をいただいたわけでございますが、やはり業界を強制的に縛るということはなかなか難しいのではなかろうか、むしろ自主的な意思で団体をつくる、そのことによって業界のモラルを上げていくという方がベターではなかろうかということで、こういう法案の内容にいたしたわけでございます。
#23
○沢田委員 これは投資ということに対する一般国民の理解度とバランスをとった法律にするということが必要だと思うのですね。サラ金もそうであります、投資ジャーナルもそうであります、あるいは豊田事件もそうですが、一方の意見としては、得てして買った方も悪いという論理があるわけですね。だまされた方も悪いんだという一つの前提でかかっていることがいわゆる取引関係、経済関係には極めて多い。そういう投資に対する国民の理解度から、現状においてはひとつ距離を置いて物を判断していくという必要があるのだと思うのです。
 今あなたのおっしゃっていること、私はそういうことではなくて、そういう被害者を生まないようにするための措置をどこかで講じていく必要があるのじゃないのかということを言っている。これは私のところなんかへも来ているが、あるまじめなサラリーマンの人が何のことはない小豆をやって、元金がなくなったからといってまた追加して、とうとう最後に家屋敷を売り飛ばして会社もやめたというような人もいました。せいぜい百万ぐらいだったのでしょうけれども、結果的には一千万以上の突っ込みをしちゃった。おまえ今ごろになって相談に来たってどうにもならぬじゃないかという話はしましたけれども、相当な社会知識を持ち、しかも能力も持ち、普通の大手の会社に勤めておられる人であって、なおかつそういう失敗もあるわけですね。
 ですから、今こういう法律ができたならば、いわゆるシビルミニマムといいますか、最低限度の国民の利益を守るというのが法律の一つの底辺になければならないと思います。自主規制だからといって抜け穴がある、あるいは取引も包括一任である、こういう形でいくだけでは被害者がなくなることにはならないだろうと思う。この法律は一歩前進だと思いますよ。一歩前進だと思うが、それで国民が期待をしているものに沿ってもらわなければならぬわけです。この後の執行の責任は政府にあるわけですからね。ですから、もしこれを了承するとすれば、政府は責任を持ってそういう被害者が出ないように万全の策を講ずるべきものだと思うのです。
 そういう意味で一、二の例を挙げて申し上げたわけですが、それにあなたが一言一言言い返して、これはこれでそうはいかないのです、これもこれでそうもいかないのですと、何か業者の代表みたいな答弁をされることは極めて遺憾なんだ。あなたも提案している法律の責任者なんだから、やはり両方平等に見て、だからそういうことのないように必要なら必要な措置を講じていく姿勢を明確にしてもらわなければ困るのではないか。
 本当は大臣と言いたいが、政務次官がいるから、政務次官の責任において、細かいことを私は言っているわけじゃない、例を挙げているわけであって、そういうことについて、投資家に被害を及ぼすような行為については厳重に網をかぶせていく体制をとってもらいたい、こういう要請ですから、その点は素直に答えてもらいたいと思います。
#24
○岸田政府委員 投資家保護の問題につきまして、法律案自体は既に御提案しておりますが、これからさらに具体的な内容につきまして政省令の段階で考える、なおかつ、行政の指導の段階でまた考えるべきことは多数あるかと思いますが、先生の御趣旨を十分わきまえまして投資家保護に万全を期するよう最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
#25
○沢田委員 そういう必要な政令なり規則なりというものを政務次官も、大臣いませんので、責任を持って伝達をし、またそれぞれ対応していただけるかどうか、ひとつ政務次官からお答えをいただきたいと思います。
#26
○熊川政府委員 投資家の保護、最近における資本自由化の傾向あるいはさらに金融の自由化も含めて、またまた最近における豊田商事を初めとした投資に関連した、ややもすれば知識の十分でない方々の保護、こういう面については、事前においては行政指導、そしてまた機関に対しては大蔵省の方からも適切な指導、また一般投資家にも周知徹底するような方法、今先生御指摘のような業者の適正な養成と一般投資家に対して注意を喚起する適正な指導、こういうものを行っていくよう努力してみたいと思っております。
#27
○沢田委員 その次に使用人のあり方なんでありますが、生命保険業界それから投資関係、証券会社関係及びこの投資顧問の使用人、いずれもそれぞれ使用人としての資格要件がここでは非常に漠然としているわけですね。この使用人の資格要件、代理権等についてはどういうふうに考えておられるのか。これも難しい、ちょっと答弁が長くなる気がしないでもありませんから、もしも必要ならば別途資料で出してもらっても結構でありますが、いわゆる使用人としてあるべき姿、権利そしてまた義務、それからまた会社の責任あるいは使用者の責任、この点についてお答えいただきたいと思います。
#28
○岸田政府委員 投資顧問会社の使用人の問題でございますけれども、これは証券会社とはやや異なる感じでございまして、投資顧問契約と申しますのは顧問会社ないしは顧問業者と顧客との間の一本の契約で結ばれるわけでございます。その顧問契約内容をいかに充実させるかということのために投資顧問会社の、具体的にはアナリストとかファンドマネジャーとかいうものが必要になってくるわけでございます。個々の使用人が投資顧問契約を結ぶということは、投資顧問会社、投資顧問業者についてはないわけでござます。
 御指摘の使用人の質その他の問題でございますが、証取審の中でもファンドマネジャーとかアナリストについて資格制限ないしは国家試験をやったらどうだという御議論もあったわけでございますけれども、これは、なかなか一義的な試験というわけにはいかないのではなかろうか、結局は全般的なレベルアップのために十分指導するということで、そういうものについての資格試験はしないことにしてはどうかという答申をいただいておる状況でございます。
#29
○沢田委員 余りはっきりしないのですが、中江の投資ジャーナルの場合でも、これはだれがどうやったかは別問題として、勝手な判断で売り買い、思惑取引をやっておるということになっています。近くのいろいろな人たちが一任で預けた金で思惑買いをして、大損をする、そのときにはもう退職をしておって、会社は知りません、そういう者は当社にはおりませんという返事が返ってくる、こういうことを我々見聞するわけで、そういうものに対してどういうブレーキなり損害補償がこの法律の中で体制としてとれるのかというところが我々聞きたいところなんです。今あなたのおっしゃっているようなことであったのでは今のような問題は消えていかない。これは不動産売買についても同じことが言えるわけなんです。いわゆる内金なり手付金なり取って、首になってやめていくというようなことで、結果的には投資家が損をする、あるいは取引者が損をする、こういう現象もなくはないわけであります。大蔵省の局長の答弁を聞いていると、どうも業界の人と私やり合っているような感じすら持つようなわけであって、もう少し親切なあり方といいますか、チェック機能といいますか、あるいは苦情の申し出も今度できるようにはなっておりますけれども、苦情の申し出の処理とか、そういう点で何か解決できる方法、こういうものをとってほしいと思いますが、いかがでしょうか。
#30
○岸田政府委員 先生御指摘の一任で任せられて運用してしまうというケースは、御承知のように、法律上は二段階に分けているわけでございまして、一般的な個人、法人で登録による業者につきましては、証券取引行為も禁止しておりますし、金銭の預託も禁止しておる、まさにアドバイスだけを行うという形で制限いたしておるわけでございます。投資一任業務が運用できますのはいわゆる認可法人でございまして、これにつきましては、財産的、人的構成を十分審査した上で認可をいたします。
 さらにまたここにおきます運用の資産の限度でございますけれども、これからの細部の検討でございますが、相当の額になりませんと顧問料との採算が合わないわけでございますので、この点は相当大口な資金の運用ということに限られてくるのではなかろうかと考えております。その結果、大口の資金でございますと、顧問契約も一つずつ大きく結ばれるという形になりまして、御心配のような、個人に対しますいろいろな問題というのはそこにおいて防げるのではないかと考えております。
#31
○沢田委員 これは、今金利が下がっておりますから、現時点で考えますと一〇%ぐらい、手数料を払いますから一五%ぐらいになれば売買をしていくということになれば一割に回るというぐらいなことが一般的な線、こういうふうに言われています。そういうことを考えてみたときに、金利が上がっていったときには逆に使用人は勧誘していくような事態も出てくるだろう。要すれば、ある一定の利回りがなければだめなわけですから、今度金利が上がれば当然金利の方に重点が移る。そうすると、もうけ話を持っていかない限りお得意さんはふえない。この勧誘行為についてどういうふうに考えているか、こういう点についてお答えいただきたいと思います。
#32
○岸田政府委員 契約の勧誘につきましても、まず第一段階といたしましてはいわゆる広告でございまして、これにつきましては過大な広告ないしは不実の広告というものについての制裁規定を置いているわけでございます。また、契約を結びます段階におきましては、書面によりましてその投資顧問業者の内容を確実に開示することも強制をいたしているわけでございます。
#33
○沢田委員 これもどうもさっぱり回答になっていかないが、二法ですから、時間の関係で次に行きます。
 いずれにしても、使用人の資格要件あるいは業務の権限それから取引勧誘、こういうことで通産省の方はこういうものについてはどういう考え方で臨もうとしているか。
 それから警察関係でありますが、詐欺との関係、あるいは投資ジャーナルとの関係等々考えてみたときに、使用人及び投資顧問業というものを法律で今決めていこうとしていますが、どういう体制でこれに臨まれようとしているのか、その考え方についてお答えいただきたいと思います。それぞれお願いいたします。
#34
○山下説明員 私ども通産省といたしましては、今問題になっております投資顧問業に関連いたしましては直接勧誘行為をどうするというようなことをやっておりませんので、私どものほかの法律、具体的に申し上げますと、例えば訪問販売法でございますとか、今国会に御提案申し上げております預託等取引契約に関する法律というようなところで、若干の勧誘行為に規制をしている例がございます。
 そういう例によりますと、先ほどちょっとお話が出ておりましたけれども、例えば勧誘に当たってうそをつくというようなことを禁止する、あるいはそれに違反した場合に業務停止命令をかけていく。必要な場合にそういう個々の業態に即した勧誘行為の規制をしておるという実態にございます。
#35
○緒方説明員 お答えします。
 投資顧問業のような詐欺事件につきましては、投資ジャーナル事件で経験しましたとおり、企業形態をとっている犯罪の場合、非常に捜査も長くかかりますし、規模が大きくなればなるほど特に詐欺の実態の解明に非常に苦労しておるわけでございます。
 警察としましては、こういう企業形態が大規模にならない前に、そういう一般投資者、一般消費者が困っているかどうかという情報を端緒入手と申しますか、早くつかみたいと思っています。大規模な形態にならない前に早く犯罪、詐欺等を立証して、一般投資家、消費者の保護に今後とも努めていきたいと思っております。
#36
○沢田委員 これはできたばかりでありますし、今後またこの網をくぐっていろいろ悪いことをする人たちも出てくるだろうと思います。法をつくればその法の裏、また法をつくればその裏、こういうふうにいくのが一つの世の中の流れとも思います。だから、これが完全な、一〇〇%十分なものだとは私も思いません。また、今後期待されるものもあると思いますが、当面これでスタートをして、今私たちが述べているような事例が要すればなるべく抑えられ、そしてできる限り国民というか、投資家という人たちが安心してそういうことに対する信頼関係というものが確立できるようにひとつ骨を折っていただきたい、こういうふうに要望しておきます。――首を縦に振っておりますから、それはそういうことにしておきます。
 続いて第九条に、相続人が個人の場合、自動的に相続人が営業できるようになっておるのですが、これには資格要件というようなものは全然ないわけですね。恐らく将来は、投資顧問の業を営むに当たって、弁護士にしても司法書士にしても行政書士にしても、経営コンサルタントもそうでありますが、同じように一定の資格要件というようなものを持つことが必要とされていくのではないか。お医者さんの相続といいますか、法人化の問題も出ましたが、これがそのままストレートに相続をしていくということについてはどういう配慮に基づいたのか、若干見解を承っておきたいと思います。
#37
○岸田政府委員 この規定は経過規定でございまして、例えば個人の投資顧問業者が突然亡くなったということでその人が結んでおります投資顧問契約がそこで直ちに無効になるということになりますと非常に混乱を生ずるということから、一応相続人にその資格を続けさせるという形をとっておりますが、一定期間内に当然適格要件につきまして審査をした上で、再度それについての判定をすることになるかと思います。
#38
○沢田委員 いわゆる投資家が損をした場合の損害賠償請求が可能になるような道というものはつくっていただきたいということはありますけれども、といってまた、相続人必ずしも有能な投資顧問業として適当かどうかの問題はあると思うのでありまして、その点は十分配慮していただきたい。あと、願わくば、こういう個人で相当な金額を扱っていくという形というものはえてして間違いが起きやすいということで、法人化をできる限り進めていくという方向でこれから対応してもらいたい、こういうふうに思いますが、いかがでしょう。
#39
○岸田政府委員 投資顧問業者の人的、財産的な基礎が固まるということは、まことにそちらの方向に私どもは指導したいと考えておりますので、先生の御指摘を十分頭に置いて指導してまいりたいと考えております。
#40
○沢田委員 それから帳簿の作成なんでありますが、どこまでを帳簿の作成の中身とするか。それから、記録の保存期間。一般企業の税金でいえば七年ということになるでしょうけれども、記録の保存期間については政令で規定するのだと思いますが、どういう考え方でおられるのかお伺いしたいと思います。
#41
○岸田政府委員 帳簿の内容ないしは保存期間につきましては、これからの政令、省令の段階で検討いたしたいと考えておりますが、この内容につきましては、できるだけ正確になるような、実態をあらわすような形に考えていきたい。保存期間につきましても、これが余り長くても大変でございますが、適当な期間を検討いたしまして定めてまいりたいというふうに考えております。
#42
○沢田委員 これは適当な期間ということで済まされる問題ではないのですよ。一般の税法でも最低五年あるいは七年というのは、いわゆる税がもとへ戻る期間ですから。これは民間の企業としてやる以上はやはり――これは金融機関も同じであります。金融機関は、金額にもよるでしょうけれども、倉庫の四分の一ぐらいのところが皆いっぱいになるほど、小切手もそうですし、手形もそうですし、通帳もそうですし、山になるほど保存していますね。十年くらいは保存しています。だから、適当なという表現は立法者としてちょっと無責任な表現じゃないのか。せめてこの程度はという言葉で、今後政令で決めるにしても、言うのが筋じゃないのかな、こういうふうに思いますが、いかがですか。
#43
○岸田政府委員 証券会社におきます保存期間は十年でございます。ここら辺を十分頭に置き、ほかの関係の業界の保存期間その他も参考にして慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。
#44
○沢田委員 続いて、預金保険法と関連をするものなんでありますが、これも法務の方にお願いして、この前も若干触れましたけれども、経済犯罪というのはどうも刑が軽過ぎるのではないかというふうに感じる。警察も来てもらっておりますが、詐欺罪との関係において、今度の有価証券の価値の分析に基づく投資判断は三年以下、三百万円以下片一方は一年であって、しかも金額は極めて少ない。言うならばちょっとした傷害事件の罰金よりも軽いという量刑なんで、経済活動に対する量刑が極めて甘いという傾向なしとしないのであります。ですから、結果的には後を絶たないのだろうと思うし、ある程度はそういう悪を認めている法体系でもあるのかという疑惑も持つような、いわゆるだまされた方も悪いという一つの相殺が頭の中にあってこういう規定をされているのではないかとも思うのです。だけれども、スピード違反だとかそういうものから比べますと、この方が極めて悪質じゃないかと我々は思うわけであります。暴走族その他を容認しようというのではないですよ。一般的なものに対する罰金その他から比較しても余りにも軽過ぎるのではないか。そうするとバランスがとれないのではないか、こういうふうに思いますが、この辺の罰則について警察当局といいますか、法務省としてはどういうふうな考え方でこれに臨んだのか。投資ジャーナルの問題等の再発を防ぐとするならばやはりそれなりの量刑というものが求められるのではないか、あるいは豊田事件というものを再発させたくないとすればやはりそれだけの量刑主義にならざるを得ないのではないか、こういうふうな疑問がありますけれども、この点の考えについてお答えをいただきたいと思います。
#45
○原田説明員 お答え申し上げます。
 私ども法務省といたしまして、本法案の立案過程におきまして御協議いただきまして、種々の観点から御意見も申し上げさせていただいたのでございますが、基本的に申し上げまして、この投資顧問業法ということで取り扱おうとしております経済界の実情につきましては、必ずしもすべてが反社会的なものというわけにはいかない実態を備えているのだと思います。しかしながら、そのような活動が行われる中で、往々にして一般消費者と申しますか一般投資家の方々に迷惑が及ぶあるいは不測の損害が及ぶという事態を考慮いたしまして、一定の考えに基づきまして行政的な枠をはめ、被害を未然に防止していこう、そのためにはどういう行政的な措置をとったらいいかということで立案されたものと承知しております。したがいまして、本法案に盛られております罰則につきましては、行政当局におかれて必要な規制あるいは指導をしていく上に当たって必要な罰則を定めたというふうに承知しております。
 そのような実態のもとで現実に被害が生じ、かつ、それが詐欺罪その他の刑法犯もしくはその他の罰則にかかってまいる、そしてそれが反社会的な行為として構成要件に該当し処分すべきものということになった場合には、そういう刑法犯その他のいわゆる実質的な犯罪の成立ということから捜査が行われ、適正な処分が行われるべきであるというふうに考えております。そういう観点から申し上げますと、いわば形式的に行政の網を広げてその効果を期待するという行政罰則の立場としては、本法案の罰則はそれなりに十分考慮されたものであるというふうに考えております。
#46
○沢田委員 ちょうど御答弁いただきましたから。
 今までやってきました質問を聞いておられたでしょう。それで、使用人のあり方、それから投資顧問業としての中身あるいはその相続、それから包括委任、こういうことについてあなたの方ではどういう感想をお持ちですか。この法律については、私も十分満足な状況になっているとは実は思っていないのです。まだまだスタートだからやむを得ないかなという極めて寛容な精神で一応対応しているつもりなのでありますが、中身から見ると、これでは極めて危ないのではないかなという気がしないでもないのです。例えば使用人のあり方一つとってみても、それから有価証券の価値の分析に基づく投資判断なんというのも、どこまでが詐欺になりどこまでが誠実であったかという物差しも難しい。医者の診断みたいなもので、これも昔から聖域とされているものなのでありますが、そういうようなことと同じになっているのではないかという気がいたしますけれども、あなたの場合はどういう感想をお持ちですか。これで十分大丈夫だという感じですか。感想で結構です。
#47
○原田説明員 法律の条文にわたります先生の御指摘で、若干あいまいな点があるのではなかろうかという御指摘、私先ほどから拝聴いたしまして、それなりに厳しい御指摘だろうと思うわけでございます。
 ただ、一般的に申し上げまして、刑法犯その他のいわゆる実質犯の罰則の構成要件ということになりますと、それなりに相当厳しい枠組みをはめていかなければならないわけでございますが、一方、日常勤いております経済活動あるいは社会活動で、すべてが反社会的な行為と思われないような事象がある、中に不心得な人があらわれて反社会的な行為にわたる状況もあるということになってまいりますと、行政法規として物を考えていった場合には、必ずしもすべてを罰則的な構成要件で割り切るというわけにはまいらない面があるのではなかろうかと思うわけです。そういうところで、従来からのさまざまな行政経験を踏まえまして、社会活動の実態あるいは経済界における状況を踏まえた上でどういう形で規制の枠をはめていったらいいのかということで腐心された条文だと思いますし、先生御指摘のとおり、これまで類例のない形で規制をしていこうという立場でございますから、今後の推移を見守りつつ、私どもも、罰則の運用あるいは刑法犯にわたる場合につきましてはそれなりの御協力を申し上げて、一般投資家といいますか国民に迷惑のかからないように、行政一体として努力してまいるように考えている次第でございます。
 そういうわけで、構成要件と申しますか罰則とは離れた、いわゆる行政法規一体の経験を踏まえた条文ということで見てまいりますと、それなりに意味のあると申しますか、今後規制をかけていく上での足がかりになる法律ではないかと考えております。
#48
○沢田委員 投資ジャーナルの関係で八千人の方が参加をされた。その中には、いつ発表されてしまうのかなんという心配をされている人もあるのだろうという気もします。
 そこで、帳簿作成の場合に、投資家の氏名は当然含まれてくる。そうすると、取引回数というようなものも従来になく明らかにされる、あるいは取引金額というものも明確になる、こういうふうに想定してよろしゅうございますか。
#49
○岸田政府委員 法律的には帳簿書類を作成するということでございますが、顧客名簿をどのように取り扱うかはこれからの検討課題というふうに考えております。
 ただ、証券会社では顧客勘定元帳を作成しておりますし、協会の規則で顧客カードというものも整備をすることにいたしておりますので、ここら辺を十分念頭に置いて考えてまいりたいと考えております。
#50
○沢田委員 投資ジャーナルの場合、この八千人の方々は全部明らかになったのですか、なっていないのですか。
#51
○緒方説明員 お答えします。
 事件立証に必要な関係については報告を受けておりますが、すべてどうだったかということについては報告を受けておりませんのでわかりません。
#52
○沢田委員 そうすると、今後はこれによってある程度わかるようになる。思惑買いも二千五百億もあったというふうに報道されております。Aという人がこれでお願いしたいと言ったけれども、それは包括委任の関係だという解釈で、いわゆる思惑買いをやっていた、こういうことも出ております。問題は、個人の秘密を守りたい、いわゆる財産権の一つですから、自分の財産の秘密は守りたいという欲望といいますか要望と、それから同時にある意味における社会的な責任においての業としての義務、これをどういうふうにバランスをとっていくかということが、こういう場合には不明になっていく分野が多い。今私は、ある配慮をして不明の部分があるというふうに言って、実際はある程度わかっているけれども、わかっていると言うと出せと言われるのじゃないかという心配があって言われたのかなと、こういうふうな先回りな解釈をしていますが、では、本当にわからない部分というのはどの程度あるのか、お答えできますか。それは捜査の秘密ですか。その辺ちょっと、アバウトで結構ですからおっしゃってください。
#53
○緒方説明員 先ほどお答えしましたけれども、捜査の立証に必要以外のことについては警察庁は報告を受けておりませんので、その点ちょっとわかりません。
#54
○沢田委員 今言った、バランスをとる必要があるだろうという気はしますよ。全部克明にと言ったらだれも行かなくなってしまうおそれもなくはないと思うのですね。ですから、私もそれを認めようという気はありませんけれども、しかしそういう一つの精神状態といいますか、そういう期待感というものを投資する人は持つだろう、そういう想像で物を申しているわけです。それは要望だけにして、続いて次の問題に入らしていただきます。
 今度は保険の方の関係で、これは若干問題点がなしとしないのですが、金融機関が異常な事態になるといった場合の条件、一応どういう事項を危険な、破綻をする金融機関という表現に該当する事項と考えているのか。銀行検査やその他をやる場合、どういうものをもってその破綻という言葉を定義づけているのか。主としてその中身についてこういうものとこういう状態をもって破綻と言うという定義づけをひとつ回答していただきたい。
#55
○吉田(正)政府委員 保険事故の種類ということになると存じますけれども、これは預金保険法の中に書き分けでございます。第一種保険事故と第二種保険事故がございまして、前者が預金の払い戻しの停止というような事態、第二種保険事故は、これは大蔵大臣がかかわるわけでございますけれども、免許の取り消しあるいは破産の宣告、解散の決議、こういうのが保険事故の種類として規定されているわけでございます。
 それから、今回お願いしております預金保険機構の機能の強化の場合には、それは例えば適格性の認定、大蔵大臣が合併等について適格性の認定を行うわけでございますけれども、そのときの要件といたしましては、破綻金融機関を対象とした合併等であること、あるいは合併等が預金者の保護に資するものであること、それから、機構の資金援助が合併等を行うために不可欠であること、それから破綻金融機関の廃業等により地域またはその分野における資金の円滑な需給等に大きな支障を生ずるおそれがあることというような総合的判断も加えることにしておるわけでございます。
#56
○沢田委員 その総合的な判断をされるというのは、運営委員会等で行うということですか。それとも大蔵省の監督行政の中でやる、こういうことでありますか。
#57
○吉田(正)政府委員 破綻金融機関と救済金融機関が申請いたしまして、大蔵大臣が認定することになっておるわけでございます。
#58
○沢田委員 続いて伺います。
 この前から簿外貸し付けということでこの大蔵委員会でも大変問題になっているわけでありますが、現在は支払い承諾、こういう項目を負債の部に入れてそれで表示をする、こういうことになったようであります。そのように解釈してよろしゅうございますか。
#59
○吉田(正)政府委員 負債でございますけれども、貸借対照表上支払い承諾は負債になっておるわけでございます。規制の対象といたしましては、ただいま大口与信につきましての規制がございますけれども、普通銀行につきましては債務保証、言葉をかえて言いますと支払い承諾というようなことで言われておりますが、これはその大口信用規制の対象になってはございません。相互銀行につきましては規制の対象の中に入る、あるいはさらに加えて業界内で自主規制の対象にしておるわけでございます。
#60
○沢田委員 では、信用組合と相互銀行についてはどの程度がその支払い承諾の限界というふうに定めておるのですか、お聞かせいただきたい。
#61
○吉田(正)政府委員 相銀の場合でございますけれども、債務保証は広義自己資本の百分の二十ということになっており、かつ、債務保証と融資、これは通常の融資そのものでございますが、それを加えたものは広義自己資本の百分の三十以内にするということが定められておるわけでございます。
#62
○沢田委員 結果的にその制限を持つとすれば、これは弾力性のある制限と解釈してよろしいですか、それとも、これは監査があるときの時点においてこうしておけ、その間は若干の異動は、流動は存在する、こういう規定でありますか、どちらですか。
#63
○吉田(正)政府委員 ただいま相銀と信用金庫についての信用保証に対する制限の取り扱いのことを申し上げたわけでございますが、これは通達上そのようになっております。これは検査の都度、検査の対象項目にしておるわけでございますけれども、当然のことながら平常時におきましてもその遵守が期待されるところでございます。
#64
○沢田委員 二分前になりまして大臣ようやくお見えになりましたが、ついに大臣なしで全部終わってしまうような格好になりました。一言だけ大臣にお聞きをして、私の質問は終わりたいと思います。
 今円高不況ということで、いみじくもといいますか、私が本会議で言ったのと同じようなことが結果的には出てきているというふうに感じられます。この円高不況対策について政府はいろいろ考えておられるようでありまして、大蔵大臣もその責任を感じつつ対応していきたいというようなことが報道では伝えられております。現在の円高が進行し、さらに百五十五円、百五十円段階になるのではないかとさえ言われているわけであります。国民的には大変不安材料として、どうなってしまうのであろうかと、第四次公定歩合の引き下げも流布されておりますが、その辺の見解を述べていただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
#65
○竹下国務大臣 参議院の本会議に行っておりました。
 ちょうどきょうの寄りつきが百六十五円十銭、今のところ百六十四円七十五銭から百六十五円五十銭、三億五千万ドル、こういうところでございます。これは一つには為替市場にやや行き過ぎとの警戒感があるということと、それからベーカー財務長官の発言というようなこともありまして、本日はやや円安・ドル高というような感じになっておりますが、いずれにせよ、急激過ぎるということ、そして安定が何よりも大事だということにおきましては各国と緊密な連絡を取り合っておるというのが実情でございます。
 そこで、この円高問題が与えるところの経済政策、恐らくマクロとミクロとあるだろうと思います。
 マクロの政策ということになりますと、これは当然のこととして最終的には各国それぞれいわゆる政策協調をしつつも構造改革というような方向へ行くだろうと思います。
 ミクロの問題としましては、やはりなかんずくNICSカントリーから追い上げられておる産地対策というようなことでございますので、サミット前に総理から御指示がありまして、ここのところ具体的なことでは、私の範囲では前倒しの率をきちんと決めたということ、それから通産省の所管ではいわゆる差益還元というのが決まったということ、それからここのところ数日のうちに経済企画庁を中心にしてミクロの産地対策というようなものを打ち出そうと、経済企画庁長官の答弁では夜を徹してというようなことを言っておりましたが、鋭意成案を得るべく努力しておるというのが現状でございます。
#66
○沢田委員 最後に、報道の中で解散問題に対していろいろ竹下大蔵大臣が述べておられました。我々もその一人としてやはり見逃していくわけにはいかない発言だと思いますので、その真意のほどをお聞かせいただいて終わりたいと思います。
#67
○竹下国務大臣 これは共産党の橋本さんから参議院で質問がございまして、そのときに、いわゆる政局とかダブルとかそんなことは全く抜きにして考えた場合に、我々は違憲状態で選ばれておる。例えば非常悪うございますけれども、裏口入学しておる。そういうことになると、ちゃんと坂田校長先生が試験場というものをおつくりいただいたということになれば、できるだけ早い機会にその試験を受け直して身ぎれいにする方がいいんじゃないか。政局とかそういうようなことを全く度外視して述べろということですから、そういう感想を述べたということでございます。それに対して、いや、執行猶予中ではないか、こういうようなお話もございましたが、可能な限り早く身ぎれいにした方がいいんじゃないでしょうか、こういうことを言っただけでございます。(「それじゃ解散だ」と呼ぶ者あり)解散というよりも、むしろ全員がやめるのも確かに出直しの一つの証左であるというふうなことを申し述べたにすぎません。
#68
○沢田委員 内容は別といたしまして、後で続いてどなたかやられると思いますから、以上で私の質問は終わります。
#69
○小泉委員長 矢追秀彦君。
#70
○矢追委員 何か沢田先生、続いてやれというようなお話でございますから。
 ちょっと裏口入学と言うのはいかがかと思う。というのは、選挙は無効としなかったわけですから、それで裏口と言うのはちょっとおかしいと思うのですが、その辺はいかがですか。
#71
○竹下国務大臣 選挙無効になっておりませんから、橋本さんの口をかりれば執行猶予はちゃんとついておるというお話でございまして、私もそのとおりだと思っております。ただ、裏口入学というのはちょっと表現としては私も適切でなかったと思っておりますが、せっかくそういう土俵ができたとすれば、みんなが一遍やめて身ぎれいにするのも一つの筋論としてはあり得るのかな、それだけのことでございます。
    〔委員長退席、堀之内委員長代理着席〕
#72
○矢追委員 それでは本論に入らしていただきます。
 最初に、投資顧問業法の問題について申し上げますが、これはこの前の委員会でも申し上げましたが、公定歩合の引き下げによりまして預金金利が大変下がってきておりますし、またマネーサプライも非常にふえてきておる状況でございまして、それが結局は土地とそれから証券に移っておるわけでして、財テクあるいはマネーゲーム、そういった言葉が新聞や雑誌にたくさん出ておりますし、特に最近は「マネー」というような名前のついた雑誌が非常によく売れております。ちょっと私も買いに行くのがおくれると売り切れになってしまっておる、そんな状況でございまして、一億総投資家とまではいかないまでも、かなり投資といいますかマネーゲームというふうな方に世の中の動きがある。こういう状況は余りいいことではない、私はこう思うのですが、大臣はどうお考えになっておりますか。
#73
○竹下国務大臣 確かに、金融の国際化、自由化が進むに従いまして、それぞれの金融機関の自助努力というものの中にいろいろな商品が出てきておるわけであります。資産運用して収益を上げるということは、これは結構なことでございましょうけれども、おっしゃいましたようないわゆる財テクブームというような傾向があって、それでいわゆる経済合理性の中でいろいろな運用をしていくということは、私はそれなりに結構なことだと思いますが、何といいますかある種の風潮というようなものは余り気持ちのいいものではないというふうに思っております。
#74
○矢追委員 こういった状況の中で、非常に得をした、あるいは損をした、またそれにまつわるいろいろなトラブル、そういったものもたくさん出てきております。先ほど来の議論に出ておりました投資ジャーナルあるいは豊田商事というのは極端な例であると思いますが、結局この法律案も、「目的」の中で投資家の保護ということを挙げておられます。しかし、この法律で果たして投資家保護というものがどの程度できるのか、今までどのように行われてきたのか、そしてこの法律案が成立をした場合どういうふうにされていくのか、その点お伺いしたいと思います。
#75
○岸田政府委員 投資家保護という問題でございますけれども、投資家保護という意味合いは、要するに投資家が不適切な投資の勧誘や不公正な取引によって被害をこうむるということを防止していくということになるのかと思います。基本的には、要するに投資家が実態を知らされずにいろいろな投資に走るということによって被害が出てくることを防止しなければいけないということになりますと、やはりディスクロージャー、開示ということが非常に必要になってくるのじゃなかろうかなというふうに考えております。
 この法律自体がいかに投資家を保護しておるのかということでございますが、一つには、まず今まで野放しになっておりました投資顧問業者につきまして登録という制度を導入をしてくる。この登録をいたします段階は適格要件とか不適格要件ということで判定をいたすだけでございますが、一たん登録をいたしました段階におきましては、いわゆる記帳の義務ないしは帳簿の保存義務、それからさらには監督当局によります立入検査というようなものが規定いたしてありまして、投資家被害が起こります前に的確にその状況を把握できるというような制度にいたしたいと考えているわけでございます。
 そのほか、この投資顧問契約を結びます段階におきまして、その投資顧問業者の実態を明らかにするディスクロージャーということを徹底をさせる必要がございまして、書面によりまして契約を結びますとき、その内容につきまして明らかにするようなことも義務づけているということでございます。
#76
○矢追委員 今言われた点はよくわかるのですが、今度は、損をしたといいますか被害を受けた場合の投資家の保護というのはどういう基準になるのですか。
#77
○岸田政府委員 いわゆる投資家の保護ということでございまして、これは証取審でもいろいろ御議論をいただいたわけでございますが、少なくとも、損害が出たときに損害を補てんするという意味ではないということだと思います。むしろ、先ほど申し上げましたように、投資家の保護と申しますのは、投資家が内容を知らされずに不公平な取引に巻き込まれ、そして不当な勧誘を受けるというようなことを防止するということになるのではなかろうかなというふうに考えておりますので、そのための適切な措置をこの法律の中に盛り込んでおるというふうに考えております。
#78
○矢追委員 最初に、登録に当たりまして禁錮刑以上の者の拒否とか、あるいは営業保証金の供託などをうたっておられますが、こういったことだけでその業者がよいか悪いかという判断ができるのかどうか、またこの基準はどういうことによって行われるのか、その点をお伺いしたいと思います。
#79
○岸田政府委員 この法律案で登録制度を採用いたしますときには、従来から登録制度を採用いたしております質屋営業法とか浄化槽法とか、さらにはアメリカの投資顧問法というようなものを参考にして考えているわけでございます。さらには、最近暴力団関係者等がこれに絡まる事件が多いわけでございますので、そこら辺は貸金業法も十分検討いたしまして内容を盛り込んでおるということかと思います。
 ただ、職業の自由の問題がございますので、開業の段階で余り規制をするということは問題があるのかなというので、むしろ登録制度にいたしまして、先ほど申し上げましたように登録をした者についていろいろな規制をかける、いわゆる行為規制という形で投資家の保護を行っていくという方式を考えているわけでございます。具体的には、先ほど申しました記帳義務とか書類の保存義務、立入検査、さらには最近いろいろ事件が起こっております内容を分析してみますと、やはり投資顧問業者に現金、有価証券を預けてしまうというようなことから被害が大きくなるわけでございまして、これを禁止いたしますとか、それからいわゆる十倍融資とかいって融資をえさに担保金を取り上げるということがございます結果、それにつきましての貸し付けの禁止とかいうような、要するに、いろいろな事故のきっかけになるようなことを防止するいわゆる行為規制を十分に規定をいたしておりますので、その点から投資家保護が十分図られるのではなかろうかなというふうに考えておるわけでございます。
#80
○矢追委員 これは仮定の議論になると思いますけれども、仮にこの法律が今まで存在しなかったからそういう事件が起こったのか。私はそうではないような気もするのですが、この法律ができれば、それでは今まで起こったような事件はもう生じなくなるのかどうか、その点の見通しはいかがですか。
#81
○岸田政府委員 従来、投資顧問業につきましては野放しの状態であったわけでございまして、これはアメリカの投資顧問法とかイギリスの制度その他を参考にして一応の法体系をつくり、これによって業界も指導していけるという足がかりができたわけでございまして、少なくともこれがいろいろな事件発生の予防になるというふうには考えているわけでございますが、ただ、実際上これですべてが十分であるというわけになかなかまいらないかと思います。私ども、この法律案を成立させていただきました暁におきまして、さらに監督指導というものに最大限の努力をして未然に防止をしていく方策を考えていきたいというふうに考えております。
#82
○矢追委員 こういったお金の問題というのは絶えず、投資ジャーナルでもそうだと思うのですが、もうけた人、うまくやった人はそう文句を言わないわけですよ。やはり損をした人の方が言ってくるわけでして、仮にこの法律ができて、この法律に基づいてやらなかった業者がおりまして、それによってうまくいった人は何も言ってこない、だめになった場合に問題が出るわけです。うまくいった方がいわゆる法律違反をしながらしかもうまくいっておったという場合、例えば登録しておらないのに登録しているような、申請中などという形で仕事を続けておった業者がいた場合に、仮にもうかる人が出てきた、その人は得をしている間は何も言ってこないんじゃないかと思うのですが、そういった点はどうですか。
#83
○岸田政府委員 いわゆる無登録業者の罰則でございますけれども、これは法務省とも十分連絡をとりながら考えておりますが、相当重い罰則、三年以下の懲役もしくは三百万円以下の罰金というような形で規定をいたしているわけでございます。
 さらにまた、今度の法律案の規制の内容でございますが、従来はいわゆる刑法なり証取法で一応の取り締まりの足がかりはあるわけでございますが、これはやはり事件が発生してからでなければなかなか取り締まれないという形になっていたわけでございます。今回の投資顧問の法律によりますと、いろいろそういう違反の事件を明確につかみやすいような形で規制をするということにいたしております結果、事前の予防ができるのではなかろうか。特に帳簿の整理とか帳簿の記載、保存、それから特に監督官庁によります適時適切な立入検査が認められたということによりまして、そういうものについての事前の防止が可能になってくるのではなかろうかなというふうに考えております。
#84
○矢追委員 この提案理由の説明等を見ておりますと、確かに投資ジャーナル事件というのが一つの大きなきっかけになってできてきた法律であるわけです。私は何も投資顧問業の味方という意味ではないのですけれども、何か投資顧問業そのものがよくないという前提に立っているように思うわけです。しばしば事件が起こって取り締まりのための法律ができますと、もちろん悪い人も取り締まられますけれども、まじめにやってきた人もかなり制約を受ける、そういうことがしばしばあるように私も思います。
 投資顧問業から情報を得ている人というのはかなりおられると思いますけれども、証券会社と直接やっている人と比べますと人数的には非常に少ないんじゃないかと思います。もちろん投資ジャーナルというものをきっかけとしてやることについて私は反対ではありません、賛成でございますけれども、もう一つ、むしろ証券会社の方にも問題があるのではないか、こういうふうに思うわけです。証券会社とお客さんとのトラブルがかなりいろいろあります。表面に出てきているもの出てきていないもの、かなりあると思うのですが、こういったトラブルについてどの程度大蔵省としては把握をされておりますか。
#85
○岸田政府委員 証券事故の発生状況でございますが、これはいろいろなとり方がございますけれども、私どもが証券事故と申しておりますのは、証券会社が業務上の地位を利用して証券等の横領をはかったとか、役職員自身の証券売買によって損失が発生したとか、それから利益、元本保証を約束して勧誘したというようなことの事件をまとめまして証券事故と申しております。これは五十年代の前半では約百件ベースでいっておりましたのですが、最近、五十七年以降は大体八十件ベースになっております。市場の規模の拡大とか取引件数の上昇と比較してみますとかなり改善が見られたのではなかろうかな。さらにまた、広い意味での証券事故、すなわち顧客と証券会社のいろいろなトラブルでございますが、私どもが把握しております数字でございますと、五十九年度では百十二件、六十年度では百四十二件というような現状でございます。
#86
○矢追委員 いろいろな方から耳に入ってくるのは今言われた後の方が非常に多いわけでして、要するに証券会社の営業マンとお客さんの間のトラブル。この株はもう売った方がいいですよ、お客さんの方は、いや、もうちょっとと言うのに、ここで売らなければ損じますよと言われて売ったらその後上がったとか、そんなことがかなりあるのですが、そういうのは支店ぐらいで押さえているのですよ。支店長あたりがうまく謝まりまして、後はちゃんとするとかなんとか言って、恐らく本店にも報告してないケースが非常に多い。今まで余りそういうのは聞かなかったのですが、最近そういった苦情が私のところにはかなり多い。というのは、株に対する女性の方の関心が非常に高まって、資金的にもある程度余裕のある奥様族が、これだけ利息も下がってきたので株をということがふえてきた。それから、さっき申し上げたような雑誌が相当出てきておりますし、証券会社の方も一生懸命勧誘しておりますが、大体女性の方がうまくだまされていると言っては語弊がありますけれども、トラブルが起きる。女の人ですから、支店長あたりが来ると、しようがないな、それなら後はちゃんとしてくださいよ、それじゃ転換社債でもとかなんとかかんとかうまいこと言って、結局泣き寝入りとまでいきませんけれども、訴えることもされませんし、また証券マンの方もその辺はなかなか訓練が行き届いておりまして、よく聞いたら、しっぽをつかまれるようなことは言ってないという面もあります。確かに証券会社の外交をやっている営業マンにはいろいろな人がおります、非常にまじめな人もおりますし、態度の悪い人もおりますが、むしろこういった点でもう少し証券会社に対する監督指導というものをやっていただかないと、表に出たのが今言われた五十九年百十二件、六十年が百四十二件でございますが、この水面下にはかなりのものがあると思うのです。大臣、この点いかがですか。
#87
○竹下国務大臣 私どももそんなお話をよく聞いておりますが、要はそれぞれ証券会社部内の管理体制とか顧客の方の勉強とでも申しましょうか、そういうものが両々相まって機能しなければならぬのではないかな。今度の法律をつくります前にもかなり長い議論をいたしました。そうした問題もある。しかし、投資顧問業というのを議論すると、新聞に一行何か書いてあってもそれが投資顧問業法に触れるじゃないかとかいろいろな議論をして最大公約数をまとめたものでございます。したがって、そういう法律ができたこと自体がまた双方の自覚を促すことにもなりはしないかという感じを私は持っております。
#88
○矢追委員 今大臣言われたことからしますと、もう少し消費者と言うと言葉がいいかどうかわかりませんが、顧客への教育ですね。しかし、なかなか難しいわけですよ、株というのはおもしろい一面ギャンブル性みたいなものがありますから。男だったら競馬、競輪の方へ行く人も割合おりますけれども、女性の方はなかなかそっちへは行かれない、むしろ株の方がいいというようなことになるわけでして、実際投資ジャーナルを見ましても、これは株ではありませんけれども、豊田商事を見ても、うまくだまされて結果的にはということになっておるわけです。
 そういう意味で、法律でこういうのができたからといって、果たして消費者、一般の国民の投資家の方までそういう教育があるのかどうか。企業の場合は、資金運用をやっているのは、これはプロがやっているのですから、損したからといってそうそう怒ることもないし、むしろそういうことがないようにうまく資金運用をやっておられる。一番問題なのは一般の庶民、たとえ百万損しても大変な額というふうなことが多いわけでございますので、その業界の方を取り締まる、また、監督指導する一方、まさしく言われた教育面、そういったことをどうしていったらいいのか、非常に難しい問題だと思いますが、重ねて大臣の御所見を伺います。
#89
○竹下国務大臣 こういう法律ができたということはお客さんが勉強される一つの大きなきっかけにもなるのじゃないかな、こういう感じもいたしますが、特別にお客さんを集めてどこかで講習会を開く、大蔵省主催で株に興味を持たれる方の研修会を財務局ごとに開くというわけにもいかぬでございましょうし、法の周知徹底を図るような中でお客さんがより自覚していただくということではなかろうかと考えます。
#90
○矢追委員 次に、一任業務についてお伺いいたしますが、欧米の状況はどのようになっておりますか。
#91
○岸田政府委員 欧米におきます投資一任契約に係る現状でございますが、アメリカの場合は投資顧問業のほとんどが投資一任で行われている状況でございます。また、英国でも投資一任のケースが非常に多い。フランスもほとんどが投資一任契約と推定されるわけでございまして、これは法制的には各国とも、投資一任を認めるかどうかは当事者間の契約ということになっております。
 ただ、投資家被害はこれによりましてはほとんど起きていないと聞いております。これは、一つには投資顧問業務につきましての法令のルールが一応はっきりしてぎている、さらに投資家の自己責任が確立していると考えられます。
#92
○矢追委員 具体的に教えていただきたいのですが、仮に私が、Aという投資顧問業、しかも一任業務を認可された会社に一任する場合は、お金は預けることはできませんが、どのような形になるわけですか。いわゆる信託をするわけですね。簡単に教えてください。
#93
○岸田政府委員 具体的には企業なり法人なりが余裕資金がある場合に、一任運用したい場合には一任業者と契約前にいろいろな話し合いを行うのだろうと思います。その場合には、その投資顧問業者は自分の実態につきまして正確に書面で開示を行う。その段階におきましてどういうような基本的な運用を行うか、例えば株中心であるとか、債券中心とか、それともミックスしたポートフォリオをやるとか、海外の資産まで入れるかというようなことについては恐らくは協議をするわけだろうと思います。
 それから、料金体系でございますけれども、法制上は料金については全く自主的な契約に任せるということにいたしているわけでございますが、恐らくは自主規制団体ができましたときには、その中で基準の料金というものも検討されるのではないかなと考えております。
#94
○矢追委員 今までお金を預けてやってもうかった、幾らかもらうという形をとってきているわけですけれども、投資ジャーナルだって最初のころはお金を出しっ放しでなくて、担保に土地をつけたり優良な証券をつけたりしておったのですが、途中からだんだんおかしくなってきたと思うのです。この一任業務といわゆる今までのものとの事故の起こらない線といいますか、そういうきちんとした区別というのは具体的にどこにあるわけですか。実際お金は預けなくても、いろいろな契約の段階で、例えばお金を貸すような形をとって、今言ったように担保をつけて、そして何かできるような感じもないではないのですが、その点はいかがですか。
#95
○岸田政府委員 一任業者と申しますか、一任運用を認められます法人につきましては、まず第一にいわゆる認可行為があるわけでございまして、基本的に認可の段階におきまして、人的それから財産的な基礎につきまして十分審査をした上で、これは投資一任業務という、顧客との関係において非常に信頼関係が要求されます契約をする資格があるかどうかを十分念査をしたいというふうに考えているわけでございます。
 さらにまた、認可を受けました法人の場合には、資産の運用につきましては一切資産は預かれないという形はとるわけでございますし、貸し付けも禁止をいたしているわけでございます。ただ、貸し付けの場合には、いわゆる信用取引だけは法文上も除外をいたしているわけでございますけれども、そういう形で基本的には一般の登録業者と同じような規制をかけつつ、かつ認可という選ばれました法人につきまして、自由な投資一任業務ができるというようにいたすことによって担保をいたしたいと考えております。
#96
○矢追委員 問題はこの認可の基準にあると思うのですが、これから検討されてくると思うのです。大体認可の基準はどういうところに置いておられるのか。特に私が聞きたいのは、今大手証券会社がいわゆる子会社的な形でかなり投資顧問業をこういう法律ができるということでつくっておるところもありますし、また大手スーパーあたりまでこれに出てきておりますが、大きな資本力をもとに、あるいはまたそういった大きな会社をバックとした信用ということでやっていきますと、やはり認可はされやすい。ところが、そうでない個人でやっておる投資顧問業の人たちは、登録はできてもなかなか認可されない。一任業務は取りつけにくいのではないか。そういう中で、特に中小で一任業務はできるのかどうか。この一任業務というのはかなり大きな金額を扱わないとできないのか、その辺も含めた基準をお伺いしたいと思います。
#97
○岸田政府委員 投資一任契約に係ります業務の認可基準でございますけれども、法律的には人的構成、財産的基礎を勘案してというふうになっておりますが、これは具体的な問題につきましてはこれから十分念査をして検討してまいりたいと思っているわけでございます。
 ただ、基本的に留意しなければいけない問題点といたしましては、まず内外の業者を平等に扱うということかと思います。さらには先生御指摘のように、証券系、銀行系、独立系、要するに従来から独立てやっておりますような中小の顧問会社につきましても、差別のない基準で考えていきたいと考えております。特に、長年にわたって顧客の信頼の上に立ってまじめに投資顧問業を行ってきました独立系の投資顧問会社が不利にならないように、十分配慮をしてまいりたいと考えております。
 さらにまた、外国の業者でございますけれども、日本に出てまいりましたときには経験が少ない場合もございますが、本国におきまして長い経験を持っているというようなことがある場合には、その点も十分に配意をしていきたいと考えております。
#98
○矢追委員 そこで、今後、登録と一任業務を認可されたところとの区別は、法律によってもちゃんと表示をしなければならぬということになっておりますが、今度は投資家の方から見てわかるのかどうか、その辺がはっきりしないと、さっきもちょっと申し上げた、登録もしていないのに紛らわしい登録申請中なんというようなことで何かやっている場合もあり得るのじゃないかと思いますので、その点の区別、識別というのがはっきりできるようにしていただきたいと思うのです。その点の様式は大体のお考えはございますか。
#99
○岸田政府委員 投資一任を認可されました業者と一般の業者の統一的な基本的な区別は、登録簿に認可されているかどうかということを記載するという形で、その登録簿を自由に縦覧できるようにしていく、これは大蔵本省だけでなしに財務局、財務支局ないしはこれからできます自主規制団体にもそれを設けるというようにいたしていきたいと考えます。
 さらにまた、登録をされました業者が営業を行います場合には、登録の標識を掲げるようになっているわけでございますが、この場合、私どもとして考えておりますのは、投資一任業務ができます法人につきましては、その色とかいろいろな形式を変化させる、ないしはそこに認可を受けている旨の表示をさせるというような方法も具体的に考えていきたいと考えております。
 さらにまた、そういうものに二つの区別があるということにつきましてのPRでございますが、法案成立をいただきました以後、積極的にPRをしてまいりたいと考えております。
#100
○矢追委員 ひとつ大臣、せっかく投資ジャーナルの反省でできた法律でございますから、今後業界に対する指導あるいは投資家に対する教育、それからまた先ほど私が指摘をいたしました証券会社自身の、特に営業マンに対する指導等をきちんとやっていただきたいことを要望いたしまして、次に預金保険法、時間が余りありませんので簡単にお伺いしたいと思います。
 米国の銀行の破綻は、日本と比べて非常に多いわけでございますが、この最近の推移、また、つぶれると同時にたくさんできております。こういったことはアメリカの国民性といいますか、アメリカの経済の特徴といいますか、日本とは全然違うわけでございますが、これから日本も国際化の彼とともにこういった状況になってくるのかどうか、その辺の見通しはいかがですか。
#101
○吉田(正)政府委員 アメリカにおける銀行倒産が近年増加しておることは先生の御指摘のとおりでございまして、連邦預金保険公社FDICの調査によりますると、最近のところで申し上げましても、八二年に四十二行、八三年に四十八行、八四年に七十九行、八五年に百二十行というような状態でございます。
 この銀行倒産の直接の原因になりましたのは、先ほど申しました連邦預金保険公社の調査、分析によりますると、不良資産の発生が第一でございまして七五・八%、二番目が事故、不祥事件の発生、これが一六・九%、第三番目が資産管理の失敗七・二%というようなことになっておると考えますると、やはり利ざやとかそういう問題というよりは、健全経営の維持が倒産防止の基本であることは、金融自由化が進行いたしましても変わりはないというふうに考えられるわけでございます。
 最近、FDIC総裁のシードマン氏が議会証言をことしの三月にしておりますけれども、経営危機に陥る可能性のある問題銀行は、エネルギー、農業関係関連の銀行あるいは多重債務国貸し出しの多い銀行が多くて、これに加えまして支店規制とか州際規制のために銀行の貸し出しが特定の地域、特定産業に集中していることがこの傾向を増大させているというような旨が指摘されているわけでございます。
 このようにアメリカにおける銀行倒産数の増加、アメリカ経済の動向や金融制度による面も大きいのではないかということで、我が国とはかなり事情が異なっているのではないかと考えておるわけでございます。
 我が国といたしましても、やはり金融自由化が進展いたしますると、もちろん先ほど申しました銀行経営の健全性を確保して金融機関の経営破綻という事態の発生をできるだけ未然に防止するという姿勢をとっていくわけでございますが、自由化が進展いたしますと、経営格差の拡大あるいは競争の激化というようなことで金融機関の環境が厳しくなっていくという一般的認識は持っておる次第でございます。
#102
○矢追委員 これから厳しくなるわけですが、実際、破綻をしてしまってからでは遅いわけで、できる限り未然に防いでいただかないと、預金者も大変な混乱が起こることがあり得るわけでございます。今までは護送船団というようなことで金融機関はがっちり守られてきたわけですが、それが損なわれていくわけです。どこの銀行とか、どういう種類の銀行ということは申しませんけれども、現状においてそういう傾向というのがかなり現在の金融機関にも出つつあるということはないわけですか、今のところは心配ないと見てよろしいのですか。その点はいかがですか。
#103
○吉田(正)政府委員 全体といたしまして、ただいま私どもの行政の基本的精神は、金融の自由化はやはり全体として我が国経済の効率化に資するということで対処しているわけでございますが、その核心的なものは金利の自由化並びに業務の自由化それから業務の多様化ということになってくるわけでございます。したがいまして、金融機関の資金につきましても、金利の自由化に対応いたしまして金利自由化資金を導入する度合いもふえてきているというようなこともございます。それから、業務の自由化がふえできますると、金融機関の自主的判断のもとに各種、業務の範囲がふえてくるわけでございます。一方、経営戦略によりましては、競争の中で経営格差が増大するとか、あるいは機械化によります投資コストの増大とかそういうような面があるわけで、一般的に、金融環境としては今後厳しくなるという事態は予想されるわけで、その意味でも今回この法案の御審議をお願いしているわけでございますけれども、ただいままでのところ、金融機関の経営環境が厳しくなっておりますものの、特に破綻に瀕するような金融機関があるとは全く考えておらない状態でございます。
#104
○矢追委員 最後に、大臣、銀行の破綻というようなことになると大変なことでございますけれども、一つだけ、日本の国内だけを見た場合は、日本の今までやってきたことで、そういうことはそう起こらないと私は思いますが、ただ問題は、対外経済との絡みで、いわゆる発展途上国との関連においての事件が起こる可能性というのは出てくるのじゃないかと思うのです。その点はどうお考えになりますか。それに対してどう手だてをしていかれるのか。
#105
○竹下国務大臣 結果的に言えば、債務累積国なんかの問題があり得るのかな。その場合、これはもちろん民間銀行の自主性において判断されるわけでございますけれども、国際金融機関、IMFとか世銀とかそういうのがかなりコンディショナリティーといいますか、条件を非常に強烈なものを付したり、そしてもう一つは、債務累積の一方に対応するパリクラブというようなのが存在したり、それから今後MIGAですか、保証機構というようなものもできるというような、国際機関というものとの協調の中で問題が進んでいけば、やはりリスクは大変に回避できるではなかろうかというふうに考えております。
 あるいは無税積み立てというようなものが仮に先生の念頭にあったとしたら、それはいろいろな問題のあるところでございますので、従来やっておる有税の積み立てとかそういうようなものでやはり対応すべきではないかな、こんな感じで承っておりました。
#106
○矢追委員 終わります。
#107
○堀之内委員長代理 玉置一弥君。
#108
○玉置(一)委員 大臣、何かお急ぎのようでございますから、大臣に関する質問は特にないのでございますが、先ほどの解散の話、せっかくでございますから一言だけもう一度確認の意味でお考えをただしたいと思います。
 違憲状態であるから早く解散をして違憲状態を解くべしというお話でございますが、それはもっともでございます。ただ、最高裁の判決が出ました根拠ですね。これは違憲状態であるが、解散をしてやり直しをすると国民に大変大きな影境を与える、こういうことがございましたので、今任期中につきましては、違憲状態であるけれどもやむを得ない、こういう判断でございます。定数が決まったとしても、今回の四年間の任期というものを認めているわけでございますから、そういう意味では、最高裁が下した意味とは若干違うのではないか、こういうふうに思うわけです。その辺についてどういうふうにお考えになりますか。
#109
○竹下国務大臣 今玉置さんのおっしゃたことは、それで正しいのじゃないかなと私も思っております。少なくとも選挙無効が言い渡されたわけではないわけでございますから、裏口入学という言葉は悪かったなと思って反省しております。ついああいう言葉が出たのは、ある人が、いわばあなた方は不正入試で入ったのじゃないか、しかし、入学を取り消すわけにはいかぬから、ちゃんと正規な試験場をつくってあげますから、そこで試験を受けられたらどうですか、こういうような話を聞いたことがございますので、裏口入学というのは表現が悪かったなと思いますが、法律上、玉置さんのおっしゃるとおりだと思います。
 ただ、考えてみると、いつまでも違憲、違憲と言われるよりも早目に、解散というよりも、本当はむしろみんながやめて一遍試験を受け直せば一番はっきりするんだがなという気持ちが私にないわけでもなかったわけです。ただ、一人やめてもつまらぬし、二人やめると補欠選挙でございますし、どうもなかなか一人でやめるわけにもいかぬし、ほうはいとしてそういう世論が出れば、今度違憲状態でない、正確なもので四年間やるのですから、政局の、よく言われる政治の空白期間というのはできるだけ少なくということならば、できるだけ早くやった方が一番少ないのじゃないか。ただ、ダブル選挙でありますとかそういうことを全く念頭に置いたわけではなく、おまえさんは選挙のことに詳しいからひとつ見解を述べると言われて、一政治家としてそういうことを言ったということでございますので、従来どおり総理が解散は考えていないとおっしゃっているから、一閣僚たる者、解散などに言及すべきものではありませんという優等生の答弁をしておいた方がよかったなという反省もございます。
#110
○玉置(一)委員 もう一件だけお伺いします。
 衆議院の任期は四年ということに決まっておりますけれども、今までのいろいろな状態を見てみると、特に中曽根内閣になってから、もう即座に解散風が出てまいりまして、いろいろな方たちがあおられて二年半ということでございます。逆に言えば、議会政治という面から見て、やはり十分な国民の信頼を得て対応していこうということを考えていきますと、落ちついて政務に取りかかっていく、こういうことが必要かと思いますけれども、今見てもわかりますように大部分の方がおられない、こういう状態の中で委員会が運営をされていく。採決のときどういうわけかちゃんとそろいますけれども、それ以外は、場合によっては、採決のない日は東京におられない、こういう状態が続いているわけでございまして、議会の権威がどんどんと落ちてしまっている。逆に言えば、議会がなくたって官僚の方がしっかりしていますから自然に動いていく、こういう形が続いていくように思うのですけれども、任期四年というのをやはりもっと前面に打ち出して、まずそれを前提にして政治を進めていくということを考えていかなければ、議会制民主主義が崩壊をしてしまうと思うわけでございますが、いかがでございますか。
#111
○竹下国務大臣 これも政治家として考えてみますと、解散権というのは行政府にある偉大なる権限の一つだと思います。これを否定するものではございませんが、およそ任期いっぱいやるのが普通であって、その前に任期をみずから断ち切るというのは本当はまれなケースとしてあるべきだということでございましょう。しかし戦後を見ますと、最近少し長くなっておりますけれども、ばかやろう解散とか、あるいは最近で言えば大平内閣のとき、結果として大平総理はお亡くなりになりましたが、あのときの七カ月ぐらいでございますか。ああいうことは本当はない方がいい。せっかく四年間の信任をいただいておるわけですから、解散権は否定しませんが、それが普通の姿にお互いなるように、そうしませんと、本当に、豚の葬式にまでみんな行くようなことになりますとこれは権威の問題もあると私自身も思っております。天下国家はしばらくおいて、まずは選挙運動というようなことでは本当はいけない。私も二十八年目になりまして、そういう傾向からできるだけ脱却しようと心がけつつ馬齢を重ねた、こういう感じがしております。
#112
○玉置(一)委員 私は一年半に三回選挙したことがございまして、何のために出たのかという気持ちになりまして、本当にそのときやめてしまおうかと思ったのですが、なかなかそうはいきませんでずっとやっておりますけれども、そういうわけで、長い任期、丸々四年というのをぜひこれからはやっていただきますように。お時間ですから、どうぞ。
 それでは、本論に入ってまいりたいと思います。
 いろいろ御質問がございまして、一応投資顧問業のあり方についてとか、あるいはどういう規制をするか、いろいろ話が出ておりますが、どうもなかなか理解ができないので、筋を追って整理をしていただきたい、そういう意味で御質問をしていきたいと思います。
 まず投資顧問業が出てまいっておりますけれども、証券資本市場がこの五年間ぐらい拡大をされてまいりまして、今では相当な金額になっているわけでございます。また、個人あるいは法人の金融資産の残高も急激な伸びを示しておりまして、今では五百二十六兆という個人資産、それから法人が百八十四兆という大変な金額になっています。
 この間参考人の方に、何で今までいわゆる業法をつくるということをやらなかったのかといろいろお聞きしましたら、まだ発展途上のためになかなかできなかったということがあって、これから安定していく、ある程度出そろったんじゃないか、こういうこともございましたが、我々の方から見て、いろいろな事件が続発しておりまして、取り締まりの法律なんか大変苦労されているようでございます。今回初めて投資顧問業並びに関連の業種に対する規制の法律ができたわけですが、非常に簡単な質問でございますけれども、なぜ今までこの法律ができなかったのか、この辺についてお伺いしたいと思います。
    〔堀之内委員長代理退席、中西(啓)委員長代理着席〕
#113
○岸田政府委員 我が国の投資顧問業の歴史を見てまいりますと、昭和四十六年に初めて証券系の投資顧問会社が設立されたわけでございますが、実際の投資顧問業が幅広く行われるようになったのは最近のことでございます。証券系の投資顧問会社の資産内容でございますが、六十一年、ことしの三月末では五兆円を超えるような状況でございますが、五年前の五十五年九月でございますと、わずかに二千七百億だったわけでございます。
 このように急速に投資顧問業に対するニーズの増大と申しますか、発展をしてまいりました理由のまず第一は、先生御指摘のように、国民の金融資産が増大をして、それに伴う収益性の重視の傾向が強まってきたということかと思います。さらに、金融資本市場の自由化、国際化の進展に伴いまして有価証券の価格の変動なんかも非常に激しく、かつ複雑になってまいりまして、こういう背景から、資産運用に対しまして専門家の幅広い知識と高度の判断というものを求める動きが出てきたわけでございます。他方、こういう状態からいろいろな悪質な業者、例えば投資ジャーナル事件のようなものが起こってきたということで、一般投資家をどういうふうに保護していくかというような点を求める声も高まってきた、こういうような客観情勢から今回法律をお願いするということになったのではなかろうかと思っております。
#114
○玉置(一)委員 今の分類の中で証券会社系だとか、あるいは信託銀行系とか、あるいは一般の投資顧問会社とありまして、それぞれ信用度が違うと思うのです。それと、今までの事件の例からいきますと、投機的な部分で投資顧問会社を活用して、あくまでも最初から市場を乱して、その乱した差額を利益にして逃げてしまう、こういう詐欺的行為というか、扇動しながらもうけていくという会社もありまして、そういう場合に、今回届け出制ということになっておりますけれども、罰則を受ける覚悟で代表人を立てて、違う人が、おまえ幾らやるから代表になれ、片方では登録して正規になった会社が同じようなことをするということも考えられるわけです。悪い人というのは大体そんなことを考えるはずですけれども、こういうことがあくまでも規制できるのかという心配があります。
 そこで、先ほどもお話がございましたように、投資家保護が一応目的でございまして、投資家も欲があって投資するわけでございますからとことんまで保護することはない。先ほどのお話を聞いておりますと、いわゆる予防を主体にした保護ということでございますが、どういう予防かということ、それからいろいろな規制の中で、投資顧問の業法ですけれども、今度いわゆる投資ジャーナルとか、情報出版業者、こういう方面に対しての規制はどこまで可能なのか、それから憲法上の問題で表現の自由ということがございますけれども、それとの関連でどうなるのか、続けて、簡単にお答えをいただきたいと思います。
#115
○岸田政府委員 投資家被害を事前に予防するという点でございますが、従来でございますと、いわゆる証券取引法違反とかいわゆる刑法の詐欺罪とかいうことで、事件が発生をした場合にはこれはなかなか立証することが難しいもので、その間に被害が拡大をしていくというのが実情であったわけでございます。こういうことを防止するために、今回の投資顧問業法ではいわゆる記帳義務とかそれから保存義務ないしは立入検査というような、いわゆる登録業者に義務を課しまして、そしてそれによりまして事前にいろいろな調査ができる手だてを考える、ないしは行為規制という形でございますが、行為規制も外形的にわかりやすいような規制の仕方をいたしまして、実態上迅速に、被害が起こります前段階で防止ができるような手だてを考えたわけでございます。
 それから出版業、要するに登録業者の中で出版業をどういうふうに扱うかという問題でございますが、これは言論の自由との関係がございまして、一般の人たちが書店その他で購入できるようなものの中に投資のアドバイスに係るような記事があるわけでございます。こういうものにつきましては、投資顧問業というのが個別相対であるということを前提にいたします結果、こういうものは除外をするべきではなかろうかと考えておるわけでございます。ただ、具体的な事例といたしましては、会員組織で多額の会費を取って雑誌その他を出すというような、実態的には相対的な投資顧問に類似のような業態があるわけでございまして、こういうものは当然規制の対象になるように考えておるわけでございます。
#116
○玉置(一)委員 今度、出版業をどう分けるかというのは非常に難しい問題だと思うのです。これはいずれ明確な形で――要するにこちらにございますように今度登録制になるわけでございまして、一定の登録拒否要件といいますか、こういうものを設定される、こういうお話がございますけれども、そういうときに、任意の判断ではなくて一定基準というものを明確にされた中で、どういうものについてという分類を明確にしていただきたいと思います。時間がないので、そういうことをお願いするだけにとどめたいと思います。
 今回の場合には、投資顧問の登録制という問題、これは先ほども出ておりましたけれども、もう一つ、海外の投資顧問会社の参入が非常にふえてくるだろう。アメリカでは二百兆円という大変膨大なシェアがあるわけですけれども、日本がそういう方向に向いてきたということになれば一挙にこちらに動き出してくる、こういうことを考えていきますと、海外の投資顧問会社の許認可というか登録、あくまでも登録だけでいいのかという問題。
 それから日本の場合にもなぜ登録にしたのか。というのはいろいろな詐欺的行為とかたくさんあって、中身を精査していかなければいけないのじゃないか、こういうふうに思うわけでございます。登録というと、今やりますからという届け出だけで済むということでございまして、構成要件が本当にそろっているかどうかという要するに内部精査、これができない、こういうふうに思うわけですが、それについてお答えをいただきたいと思います。
#117
○岸田政府委員 先ほど来御説明申し上げておりますように、アメリカ、イギリス等におきまして投資顧問業者は非常に発達をいたしておりまして、最近の東京の市場について非常に関心を持っておりまして、既に海外からの投資顧問業者は十四現法、それから十二駐在員事務所という状況でございます。これらにつきましては、私ども法律の施行後は当然登録をしてもらうということと同時に、海外の業者というのは大体全部一任運用をいたしておりますので、その辺も勘案いたしまして、一任運用の認可についても十分配意をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
#118
○玉置(一)委員 今、一任業務の問題が出ましたので、一任業務についてもお伺いしたいと思います。
 一任業務というと、要はお客さんがみんな任せるから頼むよ、一言で言うとこういうことだと思うのです。これが大体今まで失敗の一番大きな原因だったと思うのですね。証券取引法などでもかなり規制はされておりますけれども、それでも証券のセールスマンがいつの間にか一任ということでお客さんが知らない間にいろいろなものを売りまくったり、あるいはその人の名前で売買をしたり、お金は違うところから出ているというのもあるわけです。要するに架空売買の名義人に使うとかいうこともあるわけでございますが、一任業務というのはどこまで規制をされるのか。要するに業務の範囲、この辺についてよくわからないので、具体的にどういうものかという御説明をいただきたい。
 それから、業種そのものは登録制でございますけれども、業務は一任業務という感じで認可ということで分かれておりますが、これはなぜなのか、それだけとりあえず。
#119
○岸田政府委員 一任運用の内容でございますけれども、どの程度までの権限を渡すかということにつきましては、これは顧客と投資顧問業者の自主的な契約に任せるということにいたしております。ただ、具体的にその内容が余りに異常であったり、投資家の保護に欠けるような契約内容は自主的に調整をしていかなければいけない、また業界の指導もしてまいりたいと考えているわけでございます。
 登録業者と認可業者の区別でございますけれども、一任契約と申しますのはある意味では自分の財産の運用につきまして全部任せてしまうということでございまして、顧客との間の信頼関係というのが非常に重要になってくるわけでございます。悪質な業者がそれを勝手に処分をしてしまうことによりまして被害が大きくなるということは容易に予想されるわけでございます。そういうことを防止する上で、その業者につきましての資格と申しますか内容につきましては認可という手段で十分検査をしてまいりたいと考えております。
#120
○玉置(一)委員 同じ投資顧問業という中で登録と認可がありますと、先ほどの話がありましたように、今登録中だ、認可申請中だという話でごまかされる。ですから、むしろ登録と認可というのは全く違うような名前をつけるとか、例えば何とか証、登録証みたいなものがありますね。片方は認可証というものを表示をしなければいけないことに多分なると思いますけれども、人が見て明らかにわかるように色を変えるとか、形を変えるとか、先ほどのいわゆる外形的な判断の材料として押さえていかなければいけないと思います。その辺はどういうふうにお考えになっておられますか。
#121
○岸田政府委員 一般の投資顧問業者といわゆる認可法人との区別が外部的にわかるようにする方式につきましては、これから細目の検討をいたしますときに十分配意をしてまいりたいと考えております。また、その区別につきましての一般投資家の認識を高めるためのPRも十分やってまいりたいと考えております。
#122
○玉置(一)委員 証取法では売買一任の規定がございますけれども、例えば証取法の売買一任と今度の投資一任業務との違い、あるいは信託業務としての一任というか、投資一任とどういうふうに違うのか。これはまさにお金を会社が預かって、会社が自由に運営するというような形ですけれども、考えてみたら、どっちかというと投資信託に近いような感じがするわけです。この辺の違いを教えていただきたいと思います。
#123
○岸田政府委員 まず、証券会社が行います売買一任勘定と投資顧問業者が行います投資一任業務というものの違いでございますが、証券会社が行います売買一任勘定の取引は、証券の売買というものに重点が置かれておりまして、それに対して対価を得る。その場合の運用に対しますアドバイスはプラスアルファのようなものではなかろうか。例えて申しますと、航空会社が運賃を取りますのは航空機で運搬をすることによって取るわけでございます。そのとき、サービスとして機内サービスをするということがあるわけでございますが、これはあくまでも機内サービスで料金を取っているわけではないというような感じでございます。
 一方、投資顧問業者の一任運用につきましては、まさにそのアドバイスが料金の対象になるというごとで、明らかに区分ができるのではなかろうかというふうに考えております。
 それから、信託との違いでございますが、これは基本的な相違は、信託業務の場合は、その資産の所有権が信託会社の方に移転した上でその運用が行われる。それから、投資一任運用の場合には、所有権は別といたしまして運用のみが投資顧問業者に任されるということにあるのかと思います。したがいまして、所有権が移転をいたしますことが前提となります結果、信託銀行は資産の保管業務というものが必然的に生じてくるわけでございますが、投資一任業務につきましては、これは資産の保管業務というものは必ずしも必要ではない、ないしは今回の法律ではこれを禁止をするというふうに区別をいたすわけでございます。
 それから、証券投資信託と一任契約との違いでございますけれども、証券投資信託はあくまでも信託契約の一種でございますので、所有権が移転をいたしているわけでございます。具体的に証券投資信託の場合は、これはいろいろな資金を集めまして、要するに信託の一つのファンドをつくって、その運用益を小口化して販売をする形になって、いわばレディーメードというようなものになってくるのではなかろうか。これに対しまして投資顧問の方は、かなり大口のものにつきまして、一つずつ注文に応じて運用を行うという意味においてはオーダーメードというような違いがあるのかと思います。
 この三者、非常に類似の業種でございまして、法律的には極めて明快に分かれているわけでございますけれども、具体的な運用の境界線になりますと、なかなか区分のしがたいところも出てくるわけでございまするが、そこら辺は業界の指導といいますか、そういう面ではっきりさせてまいりたいというふうに考えております。
#124
○玉置(一)委員 わかったような、わからないような感じですが、大体わかりました。
 そこで、先ほどの外形的な要件ではない、今までは、任意契約とは言いながら、セールスマンの口がうまいとともかく判こをついたらもうだめだというような形でずるずると引き込まれていく、こういうことがございましたけれども、今度はいろんな業種ごとにクーリングオフ制度というのがございまして、大体七日間、十四日間というものが多いようでございます。ところが、クーリングオフ制度がありながら知らないという方が非常に多い。これが非常に大きな問題ではないか、こういうふうに思うわけです。今回もクーリングオフが設けてあるわけですね。ところが、本当に周知徹底するのかなという心配がありますけれども、このPRについてはどういうふうにお考えになっているかお聞かせをいただきたいと思います。
#125
○岸田政府委員 御指摘のように、クーリングオフ制度があるということを一般投資家に知らせることは、確かに非常に重要なことだと考えておりまして、法案成立をいただきました後でございますが、政府広報を通ずるとか国民生活センターを通ずるとかいう形でそのPRをしてまいりたい。なおまた、自主規制団体ができました段階におきましては、この自主規制団体を通じまして投資家にこのクーリングオフ制度についての広報をいたしてまいりたいというふうに考えております。
#126
○玉置(一)委員 普通、保険の契約書だとかいろんな契約書を見ますと、読めないような小さい字でたくさん書いてありまして、大体終わりの方に重要なことが書いてある。真ん中辺はどうでもいいようなことで、みんなあきらめて読まなくなるところに本当の重要なことが書いてあるのですね。そういうことがないように、一番見えるところに大きな字で書くとか、そういう御指導をぜひお願いしたいと思います。
 時間があと五分しかございませんので、今度は銀行局長にお伺いをしたいと思います。
 金融の自由化が、どんどん体制づくりを今やりながら進んできているわけでございますけれども、銀行は倒れないものだということで日本では今まで進んできた。欧米の例を見て、銀行というものは必ずしも倒れないものじゃない、こういう気がするわけです。特に日本の場合は、金融機関が非常に高い値段で土地を買ってつり上げていく。これは体質改善をやっているのか弱めているのか、どっちかわかりませんけれども、体力に合った仕事をしている感じは受けないわけですから、本当に体質改善はやられているのかな、こういうふうな心配も出てくるわけです。
 最近のように金利が低下する、資金がだぶついてくるということになってまいりますと、一行当たりの事務量、業務量と人員との関係で、特に地方銀行と都市銀行との差あるいは信用金庫との差、あるいは同じ銀行間でも規模の大きさによる規模別格差が出てくる、こういうことがあるようでございますし、小さくなるほどに高い資金を使わなければいけない、逆に言えば小さくなるほどに融資先が限定されてしまう、こういう問題がございます。これは自由化する前の問題なんですけれども、この後自由化になったらこれはまた大変なことになる、こういう心配をいたしております。
 ですから、銀行局として、今まで自由化に合わせてどういうふうな合理化あるいは体質改善のいろいろな行政指導をなさってきたか、あるいは各銀行別、業界別にどういうことをやってきたのか。これは時間がございませんので簡単にお答えをいただきたいと思います。
#127
○吉田(正)政府委員 御指摘のとおり、自由化がございますと、金利の自由化、あるいは自由化だけではなくて機械化、情報化、大衆化等の諸情勢が進展しております。したがいまして、金融機関の経営の体質改善については、私ども意を用いなければならない点かと考えておるわけでございます。
 最近のいわゆる体質改善で、先生特に御指摘のコストの点について申し上げますると、大体この十年ないし五年をとってみますると、物件費、人件費などの経費率はかなり減少しておると思います。今手元にはございませんけれども、とりあえず申し上げさせていただくならば、地銀などでも約一%程度経費率が人件費、物件費を中心として下がってきているというふうに認識しております。
 しかしながら、ただいま先生御指摘のとおり、今後また自由化が進展いたしますると、健全性を強化してまいらなければならないことは申すまでもございません。金融機関の競争を直接制限することなく金融機関の健全性を確保していくことが必要であると私ども感じておりますので、ただいま御審議いただいております預金保険機構の強化のみならず、経営諸比率を中心とした行政指導及び検査の充実というようなことを図ってまいりたいと思います。
 具体的には、自己資本比率の充実を促す指導、あるいは流動性リスクが拡大いたしますので流動性を確保するための指導、それから、大口与信などをいたしますと経営破綻のもとになることがございますので、大口与信の集中を回避するための規制法の検討、それから一方、私どもといたしましては、金融機関の経営実態の把握のための方策等について検討を進めてまいりたい。このような経営諸比率指導は、競争を直接制限するという形ではなくて、むしろ経営者がみずから、常に、絶え間なく、不断の自己診断の資料としまして自分の体質のチェックを行っていくというようなことなどを講じていきたいということで、ただいま鋭意検討中のところでございます。
#128
○玉置(一)委員 自己診断でも平和相銀のようになかなか表に出てこないところもございますし、逆に言えば、証券資本市場が拡大をしていくということは、確かに銀行が参加しているというのもありますけれども、預金に入ってくる、いわゆる資金ですね、資金確保という面でちょっと難しくなるのではないか、こういう感じも受けるわけです。ですから、場合によっては業界再編成のような動きに将来なるのかな、こういうふうに思いますが、その辺についてのお考えはありますか。
#129
○吉田(正)政府委員 今先生御指摘の点は、その資金確保のための相互に協力し合うというような形でのグループなどの業界再編成的なものを考えてはどうかというような御指摘ではないかというふうに考えております。
 この場合に、例えば、ただいままでのところ民間では、相互銀行、信用金庫などではあらかじめ定められたルールによりまして相互援助制度というのを業態ごとに持っておりまして、中小金融機関では、その間で、経営危機とまでは申しませんでも、先生おっしゃるとおり資金の枯渇、流動性のリスク等に対応するための体制は一応業界内では整えております。
 さらに進んで、なお流動性確保のためふだんから金融機関同士で協力クループをつくっておいてはいかがかというお考えにつきましては、これは確かに一つの示唆にすぐれた案であるというふうに考えられます。しかしながら、この点につきましては、やはり民間金融機関が自主的な経営判断によって自分の流動性リスクの管理方策の一つとして選択するということがあり得るというふうに考えられるわけでございます。
 特に、国際業務分野におきましては中央銀行がございませんから、ラストリゾートになる、流動性危機のときの面倒を見る機関がございませんので、そういうところでは、いわゆるエマージェンシーラインということで、エマージェンシーのときには信用を供与するということが相互の金融機関の間でできておるような例もございます。こういうものもございますけれども、我が国のような預金者保護のスキームの整備されているような仕組みでございますると、行政が関与して育てていくのはむしろなかなか問題がある。例えば適正な競争が阻害されるかとか、それから民間自身も系列化というようなことについていろいろ考える点があると思われますので、自主的な点での流動性対策というような形での対応というものが自主的な判断のもとにつくられていくのがよろしいのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#130
○玉置(一)委員 ありがとうございました。
 あくまでも自主的にということでございますが、やはり自主的な部分とある程度示唆する部分と、当然今まで銀行局の業務としてやっておられたわけでございますから、その辺は適正な判断でより前向きに進んでいくようにお願いしたいと思います。
 終わります。
    〔中西(啓)委員長代理退席、中村(正三郎)委員長代理着席〕
#131
○中村(正三郎)委員長代理 簑輪幸代君。
#132
○簑輪委員 最初に預金保険法についてお尋ねをしたいと思います。
 この法案の六十二条で、大蔵大臣の合併等のあっせんの規定が設けられることになるようです。この規定では、救済金融機関が預金保険機構に対して資金援助の申し込みのときまでに、その合併等が機構の資金援助の対象となり得る旨の認定を受けなければならないけれども、その認定の申請が行われない場合でも、大蔵大臣は合併等のあっせんを行うことができるというふうになっております。
 この法案における破綻金融機関というのは「業務若しくは財産の状況に照らし預金等の払戻しを停止するおそれのある金融機関」というふうになっておりますけれども、一体これは具体的にはどういうことを指すのでしょうか。何か基準があるものでしょうか。基準があればお示しをいただきたいと思います。
#133
○吉田(正)政府委員 今回の法律改正におきましては、保険事故に準ずる場合も資金援助の対象とすることとして、預金の払い戻しを停止するおそれのある金融機関も破綻金融機関としているわけでございます。したがって、この点についてのお尋ねであると存じます。
 この「預金等の払戻しを停止するおそれのある」という意味は、保険事故、保険の払い戻しの停止あるいは解散あるいは免許の停止等でございますけれども、そういう保険事故に準ずる状況にあるということでございまして、業務、財産の状況から見てこの預金の払い戻しの停止がかなりの確率で予想される状況を意味するものと考えられるわけでございます。
 そういうことでございますので、客観的基準を一律に示すということは、これは金融機関によりますし、その内容にもよりますし、事案の多様性が考えられますので、客観的基準を示すことは困難であると考えております。やはりケース・バイ・ケースで、内容に応じて私ども把握していること、金融機関から聴取したことあるいは周囲の状況等から全般的に判断せざるを得ないと考えているところでございます。
#134
○簑輪委員 そうしますと、かなり裁量の範囲が広いような感じもするわけで、払い戻しを停止したということになれば、これは明確にわかるわけですけれども、「おそれ」ということはかなり微妙なところではないかと思うのですね。
 そういう「おそれ」というところに加わって、申し込みがないにもかかわらず大蔵大臣の方からあっせんをしていくということになりますと、一体どういうときにどういう意図を持ってやられるのであろうかということが心配になりますが、大蔵大臣がそういう「おそれのある」という状況に直面して、具体的にあっせんという行動に出ていくというのは、いかなる状況を想定しておられるのか、もう少し明確に。
#135
○吉田(正)政府委員 ただいまやや抽象的にお答えしたようでございますが、もっと具体的に御説明することを許していただきまするならば、例えば日計表というのがございますけれども、特に預金の払い戻しという場合には、資産が長期的なものはあるにしても、短期的に預金者に払うための流動性がない、短期性の資産がないというような状況が特に指されるわけでございます。したがいまして、例えば普通預金が多くてそれに対する第一線準備的な流動性が欠けているような場合、これはやはりその中身を実際にはチェックいたしまして判断していかなければならないと思います。具体的にはそういう資産と負債の内容、それからいわゆる信用不安でございますから心理的な要因もあると思いますけれども、預金者の動揺その他の点なども具体的に判断していきまして、やはり念頭に置きまするのは、未然に信用不安を防止するというところに重点を置きつつ、具体的にはその資産内容、負債内容をチェックしていくことになろうかと考えております。
#136
○簑輪委員 今お示しいただいた点をお聞きしても、具体的というふうにはなかなか言えないのではないかと思うので、その状況に直面して大蔵省、大蔵大臣の判断によって左右される面がかなり強いのではないかという懸念がどうしてもあるように思われるわけで、その点の適切な運用が保障されるのであろうかという不安を持つわけですね。
 ちょっと関連して、金融機関の合併ということでいろいろ問題もあるかと思いますが、公正取引委員会にお尋ねをしたいと思います。
 独禁法の十一条で、「金融機関の株式保有の制限」ということで五%の保有制限というのが設けられておりますけれども、これを設けた趣旨について最初に御説明いただきたいと思います。
#137
○上杉説明員 独占禁止法の第十一条の規制の趣旨でございますけれども、金融機関の株式保有につきまして、金融会社の事業者に対する支配の可能性を未然に防止する、あるいはその金融機関を中心とした企業集中を排除して金融会社を事業会社から分離するというような基本的な考え方に基づいて、他の事業会社の場合と違いまして一律に五%、保険会社については一〇%、そういう一律の規制を課したということでございます。
#138
○簑輪委員 五%の保有制限が設けられたわけですけれども、実際には十年間の経過措置が設けられて、来年の十二月にその経過措置が期限切れとなる。そうなりますと、この五%というものを厳守しなければならないということになるわけですけれども、金融機懐の株式保有の現状と期限切れ後の見通しについて公正取引委員会はどのように承知しておられるでしょうか。
#139
○上杉説明員 ただいまお尋ねの金融会社の経過措置に係る株式所有についてでございますけれども、公正取引委員会では過去三回調査を行っておりまして、最近時点のものは、少し古いのですが昭和五十九年三月末時点で調べております。
 それによりますと、金融会社百四十八社について見ましたところ、株式発行会社で二千二十七社、帳簿価格で千百四十二億という保有状況が認められたわけでございます。改正法の施行時であります昭和五十二年十二月二日とこれを比べますと、会社の数でいきますと千百十社、帳簿価格で千百五十二億の減少ということでございます。現在、その調査時点から二年余り経過しておりまして、最新時点の数字を把握するために六十年十二月時点、すなわちあと二年という時点の数字がどうなっているかについて調査を行っておりまして、集計をしているところでございます。
 お尋ねの今後どうなるかということでございますけれども、法律に書いてありますように、五%を超える株式につきましては昭和六十二年十二月一日までに処分を完了する必要があるということで、現在集計中のその二年前の調査時点を踏まえまして、各金融会社に対してより速やかに一層の処分の励行を促すということを考えております。
#140
○簑輪委員 現在調査集計中ということでございますが、その実態との関連で、期限切れの段階で法律が完全に実施される、確実にこの五%の保有制限が実現できるというふうに見込んでおられるのかどうか、重ねてお尋ねしたいと思います。
#141
○上杉説明員 現在、各金融機関におきまして、どういった会社について処分可能かということを鋭意検討中と聞いておりますし、また、私どもの得ている感じでは相当数についてめどが立っておるというふうに聞いております。ただし、あと一年半ということで期限が切れます株式につきまして、例えば業績が不振であるとか、あるいは地方公共団体が出資しております第三セクターの株式などにつきましては、そのままの形で持たせてほしいというような声があるやに聞いております。
 公正取引委員会といたしましては、先ほどの法十一条にはただし書きが付されておりまして、公取の認可を得た場合には五%を超える株式所有が認められることになっておりますので、関係金融機関からそういった認可の申請がございましたならば、個々の事案ごとに事情聴取いたしまして、認可が可能かどうかということを検討していくこととしたいと考えておりますが、現時点ではまだ時間がございますので、処分の励行を求めていく方針でございます。
#142
○簑輪委員 法律を完全に実施するために金融機関としていろいろと手を打たなければならない。それが非常に困難である場合には、何とかこれを例外的取り扱いにしてほしいというような要望もいろいろあるでしょうけれども、十年の経過措置もあって、非常に長い経過措置であるわけですから、完全にそれが実施されなければおかしいと思うのですね。
 ただいまお話がありましたただし書きの問題につきましては、それが安易に扱われてはならないというふうに思いますけれども、今までにこの事前認可のケースというのはどれくらいあったのか教えていただきたいと思います。
#143
○上杉説明員 これまでの認可の対象というのは多岐にわたりますので、現在討議されている、すなわち相手方会社が非常に事業が不振であって、株式を金融機関として五%を超えて持たざるを得ないというような事例に限って申し上げますと、非常に限られておりまして、過去認めたことのあるのは五社ないし六社の分にすぎないということでございます。
    〔中村(正三郎)委員長代理退席、笹山委員長代理着席〕
#144
○簑輪委員 過去認められたケースというのは、事業が困難で株式処分が難しいというような内容のように今承ったのですけれども、事前認可というのはどういう場合に認可されるという明確な基準があれば、それをお聞きしたいと思います。
#145
○上杉説明員 法律にございますのは、単にただし書きで、認可を得た場合にということに限られているわけでございますが、過去の運用例から申し上げますと、例えば銀行が不動産管理会社をつくりますとかいう場合には、自己の行っておる業務の一部であるというような観点からそれを認可するということが行われておりまして、これは年間数十にわたるほどたくさんの数がございます。それから、先ほどお話し申し上げましたような非常に限られた場合に金融機関が五%を超える株を持つというような場合は非常に例外でございまして、そのようなケースは先ほどのような四、五件に限られているということでございます。
#146
○簑輪委員 昨年の六月に「金融自由化の進展とその環境整備」ということで金融制度調査会が答申を出しております。これによりますと、
  金融機関に経営危機が生じた場合、合併という方法に代わり、経営危機に陥った金融機関の買収あるいは経営参加という方法をとることもありえよう。この方法によれば、合併に伴う人事面・組織面における問題も回避しうるという長所を期待しうるものと思われる。このような点を考慮し、預金者保護、信用秩序維持の観点をも踏まえ、独占禁止法の適正な運用の下に、状況に応じこのような方法が活用されていくことも期待され
 る。というふうに述べられているわけです。ここで考えられていることは、まさに独占禁止法の十一条ただし書きの運用ではないかというふうにも思うわけです。
 そうなりますと、経営危機が生じた場合に、こうした独占禁止法をつくった趣旨という原則から外れて、ただし書きの方の運用によって骨抜きにされてしまうという心配もあると思います。そういう点の懸念は全くないものかどうか、大蔵省、公正取引委員会両方にお尋ねしたいと思います。
#147
○吉田(正)政府委員 自由化の進展に対応いたしまして、信用秩序、預金者保護ということを重点に置きましていただきましたのが金融制度調査会の答申でございます。
 一貫して流れておりますのは、ただいま申し上げたような思想でございます。その場合に、金融機関に経営危機が生じた場合に合併という方法もあろう、こういうことでございますが、まさに今先生も引用なされたとおり、合併によりますと、これは相対的には経営参加、買収による経営参加というような場合に比べますと人事面、組織面における問題もかなり大規模になってくるような場合もあるということで、あらゆる方策を考えておくことがよかろうという考え方に基づいての御答申が、今先生が御引用になった買収あるいは経営参加による方法ということでの御指摘であったと思うわけでございます。
 私どもといたしましては、あくまでも独禁法の適正な運用ということは尊重しなければならないと考えておりますので、そのような場合には、事前あるいはその事後等につきましては、公正取引委員会と密接な連絡あるいは御相談、必要に応じては独禁法上の御指導を受けながら適正な運用に調和するような行政行為をとってまいりたいというふうに考えておりまして、ましてやこの独禁法十一条の改正を求めていくようなことは現状では全く考えていない次第でございます。
    〔笹山委員長代理退席、委員長着席〕
#148
○上杉説明員 公正取引委員会といたしましても、これまで合併ですとか営業譲り受けに関しまして金融機関絡みのものが数件ございますし、そういう場合には法律の十一条とか十五条とか十六条という規定がございまして、それに照らして適法がどうかの審査を行ってきておりまして、そういった過去の点にかんがみますれば、今後ともそういった過去の運用方針に沿って独自の判断が行っていけるのではないかというふうに考えております。
#149
○簑輪委員 私がただいま申し上げましたのは、そういう経営危機の際に独禁法の基本的な趣旨が損なわれて、それで、ただし書き等で安易に株式の保有が認められていくということになれば、これは法の趣旨が完全に抹殺されるということになるわけですから、運用に当たっては必ずこの法の精神に従ってされなければなりません。それで大蔵省、それから公正取引委員会、いずれも厳正な適用ということで運用されるべきであるということをお願いしているところでございます。
 先ほど、この金融制度調査会の答申で申し上げました「経営危機」ということと、それから今回の法律案の中にある「破綻金融機関」というものとは同じことではないようにも思いますが、その辺の違いというのはどういうことなんでしょうか。
#150
○吉田(正)政府委員 御質問の趣旨でございますけれども、「保険事故」と「破綻金融機関」との差というようなことでございましょうか。――「破綻金融機関」という場合でございますけれども、これは預金の払い戻しを停止するおそれのある金融機関あるいは停止した金融機関ということになっておるわけでございます。
#151
○簑輪委員 それは、最初に申し上げたとおり法案の中に盛られているので承知しているのですけれども、答申の中にある「経営危機」という認識とそれから「破綻金融機関」というのとは違うと思うのです。その点で例えば「経営危機」というのはより広い認識ということで、今回の法案の「破綻金融機関」とは明確に違って、もっとさまざまな対応が予定されているというふうにこの答申の方では言っているのかどうかということです。
#152
○吉田(正)政府委員 結論から申し上げますとそのとおりでございまして、金融機関は、破綻に至る前にみずからの自主性におきましてその預金者保護、信用秩序の維持ということを念頭に置くべき公共性の金融機関として、自主的ではありますけれども、自己の効率化あるいは健全性の強化ということも考えて、種々の経営の対応のあり方について考えていかなければならない、その場合にはこのような方法があるであろうということを金融制度調査会の答申においても御指摘いただいたところであるというふうに認識しております。
#153
○簑輪委員 金融の自由化が進展する中で、合併とかそれから営業譲渡とかさまざまな対応がされていく、一層進んでいくと思われますけれども、昭和四十三年に金融機関の合併及び転換に関する法律というのが制定されて、そこで附帯決議がなされております。ここでは、
  本法の推進にあたり、特に人員整理、労働条件の引下げ、差別待遇等を行なうことのないように、労使間において自主的に決定せしめるとともに合併及び転換に際して、中小金融機関に専ら依存していた中小零細企業者が、不利益をこうむる
 結果を招来しないよう特に配慮すべきである。というふうに附帯決議がされております。
 先日私は、店舗交換に伴う銀行労働者の処遇の問題についてお尋ねをしたところでございますけれども、今後、営業譲渡を含めさらに店舗交換等々いろいろな対応がされる中で、労働条件の変更というのが起こってくると思うのですね。そういう場合には、この附帯決議の趣旨を生かし対処されなければならないと思いますけれども、そういう基本的認識でよろしいのでしょうか。
#154
○吉田(正)政府委員 金融の自由化は、もちろん国民経済の効率化あるいは金融機関の体質強化等に資するという点もございますけれども、同時に、市場原理が浸透していくわけでございますから、競争が厳しくなるという面もございます。したがいまして、その意味におきましては、それぞれの労働条件等につきましても金融機関それぞれの対応があることもあり、変化もあるということで、それぞれの努力がなされるということが一般的な背景としてあると思います。
 この金融機関の従業員の労働条件につきましては、ただいま申し上げました金融機関の経営の実情に応じまして自主的に判断さるべき問題でありまして、当局として特に云々すべき問題ではないというふうに考えているわけでございます。
 しかし、あえて申し上げますならば、金融機関の合併等に当たりましては、従業員の処遇につきましては経営の実情に応じ最大限の配慮がなされるのが通例であるというふうに承知しておりまして、御指摘の合転法の附帯決議の趣旨に沿った対応が行われるものと理解し、かつ、期待しているわけでございます。
#155
○簑輪委員 この附帯決議の立場で指導していただくようにお願いをしたいと思いますが、よろしいですね。
#156
○吉田(正)政府委員 ただいま御答弁申し上げましたとおり、合転法の附帯決議の趣旨に沿った対応が行われるものと理解し、期待しておるということでございます。
#157
○簑輪委員 期待しているというのじゃなくて、銀行局の立場としてそういう観点に立って指導、銀行行政を行っていくということをお願いしているわけです。
#158
○吉田(正)政府委員 附帯決議にもございますとおり、「労使間において自主的に決定せしめる」という点について期待し、私どもとしても配慮してまいるべきことというふうに考えております。
#159
○簑輪委員 非常に重要なことでございますので、お願いをしたいと思います。
 ちょっと時間がなくなりましたが、投資顧問業法に関連してお尋ねしたいわけですが、誠備グループの脱税事件というのがございました。昨年の三月に第一審判決が既に出されておりますけれども、この判決では、株式売買益の課税要件で、売買回数の判定基準に関して国税庁長官が出している通達について論じております。
 通達がいわゆる売買一任勘定取引の場合には、その委託に基づき証券会社が行った売買に関する取引の成立ごとにそれぞれ一回とするとしていることからみて、証券会社に委託して株式の売買を行う場合は、売買一任勘定取引でない限り、施行令二六条二項にいう「五〇回以上」とは、常に、売買自体の回数ではなく、委託者たる顧客と受託者たる証券会社との間に締結された「委託契約の個数(回数)」によると読み替えてしまっているように受け取れる。もし、そうだとすれば、所得税法の委任に基づき制定された政令の規定がありながら、通達という国税庁部内の事務運営指針でもって別の運用を行っているのではないかとの懸念が生ずる。
というふうに指摘し、さらに、
 右通達が委託契約の個数という判定に曖昧さを残し立証の困難を伴う基準でもって運用していることは理解に苦しむところであり、それだけではなく、更に個数判定のために「注文伝票総括表」を持ち込んだことは、複数回の売買までも一回とみなす場合のあることを容認し、通達によって非課税の範囲を不当に拡大することになり兼ねず、売買一任勘定取引との間でも負担の公平を失することになる。
と指摘しています。そしてさらに、
 有価証券譲渡益に対する課税については、立法の歴史をみても、課税を原則としていた時期もあるのであって、所得税課税制度の基本理念から非課税が原則であるとは到底思われず、課税の是非、その範囲は立法政策の問題であり、法が一定の範囲で課税を決定した以上、その法文の解釈は税法一般の解釈原理によるべきであって、原則非課税を考慮するとしても、それを理由として課税範囲を不当に減縮し、あるいは一定の場合だけ特別の扱いとすることは相当でなく、まして行政庁が納税者に有利になるとはいえ、一部の者に対してだけ通達によって法の精神を没却するような運用をすることは租税法律主義の見地からも許されない。
というふうに明確に判示しているわけです。
 これを見ますと、私は、この国税庁の通達は直ちに改められなければならないのではないかというふうに思いますが、どうでしょうか。
#160
○塚越政府委員 有価証券の継続的取引から生ずる所得につきましては課税の対象とされるわけでございますが、どのような取引が継続的取引に該当するかについては、所得税法施行令二十六条二項で、その売買回数、それから売買の数量による形式基準、五十回以上、二十万株以上という基準が設けられているところでございます。
 有価証券の売買は、通常、顧客が証券会社に委託をして行っているわけでありまして、この場合の売買回数について、証券会社がその委託に基づいて市場で行った取引ごとに一回というふうに見るのか、それとも顧客と証券会社との間の一つの委託契約ごとに一回というふうに考えるのかという問題に関する御質問でございますが、所得税は納税者が自分で所得金額を計算することを建前としているわけでございまして、課税になるのか非課税になるのかという分かれ目になる売買回数を顧客がみずから計算できるということが必要であると私ども考えております。顧客が証券会社に一回の委託契約をしたというものが、証券市場の状況等によりまして、証券市場においては二回以上取引が行われるということは間々あることでございまして、これは顧客の意思の働かないところでの出来事であって、それを基準に売買回数を計算するということはいかがであろうかというように私ども考えております。
 こういうふうに考えてまいりますと、売買回数は顧客と証券会社との委託契約の段階で計算することが妥当であると私ども考えまして、このような通達を出しているわけでございます。御指摘のような判決があったことは承知をいたしておりますが、地裁でのいろいろな判決の中にはそうでない、委託契約ごとに計算すべしとするような判決もございまして、裁判所の判断は必ずしも一致していないのではないかというふうに承知をいたしております。
#161
○簑輪委員 こういう国税庁の通達があることによって課税がだんだん少なくなるということであるし、また脱税をも誘発するという問題等もあるわけで、私はこのことを強く指摘しておきたいというふうに思います。
 最後に大蔵大臣に一点だけ。有価証券譲渡益がこういう形で非課税部分があるということによっていろいろ問題も起こってくるわけですので、いろんなこれまでの論議を踏まえてみましても、税の公平な課税という点から考えても、この際有価証券譲渡益を原則課税という形に改めていくということが要請されているのではないかと思います。また、税調とかで税制改革ということで論議されるというふうにも思いますけれども、大蔵大臣のこの有価証券譲渡益課税問題についての御見解をお尋ねして、終わりたいと思います。
#162
○竹下国務大臣 いわゆるキャピタルゲイン課税の問題につきましては、まさに税調で、まあ前半、後半に分けまして、後半の課題として恐らく御議論のあるところだろうというふうに思っております。もろもろの問答等は税調の中へお伝えしなければならぬというふうに考えております。
#163
○簑輪委員 終わります。
#164
○小泉委員長 堀昌雄君。
#165
○堀委員 最初に、投資顧問法の方をちょっと締めくくりをしておきたいと思います。この資料を、この間ちょっと読み上げてやってありますから、ほかの方はいいのですが、大蔵大臣にもお渡しします。
 きょうここで、三十分で二本の法律についてお尋ねをするわけでありますが、これはいずれも非常に沿革があります。実は今差し上げたのは、「昭三九・二・七 蔵理九二六 大蔵省理財局長から各財務局長宛」として、「有価証券の売買一任勘定取引の自粛について」という通達なんです。実は私が大蔵委員会に昭和三十五年の一月に参りましてから、ずっといろいろな仕事をしております中で、証券事故というものが大変たくさん出てまいりまして、そのもとがほとんどこの一任勘定にあります。この問題については実は証取法百二十七条で規定があるわけでございますけれども、この規定では処理ができない状態でありましたから、これは旧法でありますが、私が当時の理財局長に強く要請をいたしまして、この通達が出されたわけであります。
 それで、前段の方は前にちょっと読んでありますから、後段のポイントだけを申しますと、ちょうど真ん中のところに「記」と書いてありまして、「証券業者が売買一任勘定取引を行う場合は取引に先だち、必ず書面により少くとも次の事項を含む売買一任勘定取引の契約を顧客と締結しなければならない。」そうして「顧客の住所」等、「契約年月日」、「契約期間」、「一任の内容」、「取引の都度行う売買報告のほか、月間取引状況についての月一回の報告義務」、「本契約に基く売買取引の損益は、すべて顧客に帰属し、当該取引により生じた損失の補填ならびに当該取引による利益の保証を証券業者は行わない旨の明示」等々ずっとあるのでありますが、大分先へ参りまして、「三」というところで、「売買一任勘定取引の契約を締結している証券業者は、売買一任勘定取引に関し、毎月の新規契約数、口座数、売買総回数、売買総株数、売買総金額、利益を受けた口座数、損失を受けた口座数を翌月十五日までに、」云々ということで届け出ろ、こういう条件がついたわけであります。事実上これは禁止の内容を含んだ内容でありまして、これをもって一応証券の売買一任勘定取引というものはストップをされたというふうに私は認識をしておるわけであります。
 ところが、実は御承知のように状況が大変変わってまいりまして今日の段階ではe資金運用というものについて専門家の知識が必要であるし、同時に、一任運用というものが非常に重要だという認識に立っておりましたから、昭和五十九年の四月ごろに当時の佐藤徹証券局長に対して、どうやらあなたはもう一年証券局長をやられる見通しだ、ついてはその見通しが立った時点で一任運用の投資顧問法というものをひとつやってほしいという要請を私はいたしました。というのは、今日の経済情勢の中でこのことが必要であるという認識に立ったことが一点と、もう一つは、実は金融の国際化という問題の際に、日本の金融機関というのは非常にリジッドな仕組みになっているものですから、ニューエントリーが入りにくい状況が非常に強くある。そこで、新しい投資顧問会社というのは、これまで主として証券業関係がやっておりましたけれども、それだけではなくて銀行も保険会社もあるいは外国のそういう企業を含めて幅広く参加ができるようなものをつくることが、今日の国際金融の状態の中では望ましいという考えもありましたから、それらの問題を含めて佐藤局長に、こういう考え方でひとつぜひやってほしいという要請を実はいたしました。
 それで、佐藤局長いろいろ努力をしてくれまして、私も五十九年の十一月にアメリカへ参りまして各種の調査をして、大体こういう格好ならいいなというものを考えたわけでありますが、五十九年の八月に御承知のように投資ジャーナル問題というのが出てまいりました。そこで、世間では私が問題意識をしておりました一任勘定に基づくところの投資顧問会社というものはまだ表に出ていないものでありますから、投資顧問法というのは、何か投資ジャーナルのような式のものを規制するための規制立法が必要だという世論が方々に出てまいりましたから、これを避けて投資顧問の問題を処理するわけにはまいらないと私も考えまして、登録で全体の処理をした上で、今の私が当初考えておりました経営一任運用がやれる投資顧問会社というのは認可法人として処理をしたらどうだろうか、こういう話をしておったのでありますが、残念ながら大変有能な佐藤さんが病気で亡くなりました。私も大変残念だと思っておりますが、引き続きその後岸田証券局長が就任をされてこの法案ができた、こういう経緯があるわけであります。
 ですから、私にしますと、この法案が適切に運用されて、今のニューエントリーも入ってもらうし、同時にこれから年金その他各種の資金がより効率的に、安定的に運用されることを望んでおるわけでありますけれども、ちょっとポイントがありますのは、既にこれまでの皆さんの質問にも出ておりますが、全然異質のものが一つの法律に書いてあるわけです。私が考えたものが主体であったつもりが、実は後の方が社会的になっているものですから、そこが非常に問題があるので、先般証券局長に対して、この二つのものがはっきりわかるような処理をしてほしいと申し上げた。実は法律では、例えば協会一つとりましても、証券投資顧問業協会というように一つになっておるわけです。ですから、この間参考人をお呼びしたとき、私も申したのでありますけれども、認可法人をひとつ別個にはっきりクローズアップできるようにしてほしい。さっきの御質問のあったことも同様でありますけれども、そこがはっきりしないと、実はこの法律は誤解を生むおそれがあるという心配を持っているわけであります。これからこの法律の運用に当たってその点を必ず明確にして、法律ができたために不測のそういう事態が起きないようにすることも、この法案を推進してきた者の立場として大変重要でございますので、この点についての大蔵大臣の答弁を最初に承っておきたい、こう思うわけであります。
#166
○竹下国務大臣 今、堀先生お話しになりましたように、最初に投資顧問業法ということが必要だという議論が行われておりましたのは投資ジャーナルの前の話で、オーソドックスに部内で私ども素人は、それでは日経新聞は全部あれは投資顧問業をやっていることになりはしないか、そんな素朴な議論から詰めていって、それを促進する役割にはなったかもしれません、結果として後段の部門が。それで、何とか今国会にお願いしようということで、岸田証券局長がいわゆる根回しをして、それで答申も出るような状態にまで持ってきて、そこでこの法律の御審議をいただいている。これから細目を詰めていく間に、今の御意見を十分念頭に置いて、事務当局でもそれに対応をするだろうというふうに私も自覚をいたしております。
#167
○堀委員 私は、これから非常に重要な部門になる、こう思っておりますので、その点だけを最初にちょっと申し上げて、預金保険機構の方の問題に入ります。
 実は昭和四十三年に御承知の合併転換法ができました。現在の日銀総裁であります澄田さんが銀行局長に就任をされて、そうして、これまではもう本当に右へ倣えの護送船団であった金融行政について、ともかくも競争原理を取り入れたい、こういう話がございました。私は昭和三十七年から八年ごろから競争原理ということを大変重要視をしておりました立場で、私は澄田銀行行政に対して全面的な賛意を表して、協力しましょうということで、合併転換法等は私どもも賛成法案で処理をするという形でやってまいりました。
 ところが、その後に澄田銀行局長は私のところへおいでになって、こういう競争をやることになると不測の事態が起こるおそれがあるので、今度は預金保険法というものをひとつお願いをしたい、こういうお話がございました。そこで私は、それは澄田さんちょっと論理的でないんじゃないでしょうか――このときは銀行法はまだ旧法の銀行法でありまして、監督権限が極めて厳しい銀行法でございました。この前・銀行法改正のときにも申し上げましたけれども、昭和二年の金融恐慌に端を発してつくられた銀行法でありますから、それは当然銀行の監督ということについては非常に比重のかかった銀行法であったわけであります。そこで、これだけ強大な監督権を持っていて、確かに競争があってつぶれるようなものが出るかもしれないが、しかし、その結果、監督した結果だめでしたから網ですくってくださいという話は、裏返せばあなた方が適切な監督をしなかった結果網ですくうということになるんじゃないでしょうか、ですから澄田さん、ひとつこのどっちかにしてください、あなたが監督権はもううんと縮小しますということならば、そういう監督権の届かなかったところで起きた事故について網ですくいましょうという話はわかります、要するに監督権も持っているわ、網も張るわという話は論理的でないから、私はこれまではずっとあなたのお考えに賛成してきたけれども、これはもう認めるわけにはいきませんと、はっきりお断りをしたわけであります。一応澄田銀行局長はそのまま帰られたのでありますが、私のところに相談に来られたときには大体いろいろな根回しが行われていて、どうもちょっと後ろに戻れない状況だったようであります。そこで銀行局長の方から、先生のお話はそれなりに私も理解をいたしますけれども、ここはひとつまげて何とか了解をしてくれ、こういうお話でありましたから、私は何もあなたをいじめるつもりで言っているんじゃなくて、物事の道理としておかしいということを言っているのでありますが、澄田さん、私もまだ当分議員をして大蔵委員会にいるつもりですから、私が議員をしている間にこの預金保険法が使われるようなことがないと確信をします、それだけは澄田さん、よく覚えておいてくださいよ、よく覚えておきます、こういう話で、実は今日までこの預金保険機構というのは使われたことがないのです。
 ただ今日の情勢というものはまさに金利自由化、いろいろな問題で競争が強くなりますから、私はこの預金保険法が必要だ、こう思っているのであります。しかし依然として、今前段でお話ししたのは、今もその気分なんです。大蔵省の銀行に対する監督権、立入検査等を含め書類の提示、いろいろなことが現行銀行法にもきちっと書いてあるわけです。この権限がありながら、実はこの預金保険法、前の法にもさっき銀行局長答えられました保険事故一種、保険事故二種、こうなっていますね。保険事故一種というのは過去に起きかけたというのでしょうか、あれは豊橋信用金庫でちょっと起きかけた問題がありました。私は、この第一種の事故というものはルーマーなんかでも起こり得ると思いますので、あり得ると思うのですが、これまで第二種の保険事故というのは起きたことがない。そこで今度の法律をずっと見ておりますと、新しい言葉が出てきたんですね、「破綻金融機関」。これは法律でこの「破綻金融機関」の定義があるかと思ったら、この定義は法律に何も書いてありませんね。もし書いてあるとしたら、ちょっと言ってください。
#168
○吉田(正)政府委員 改正をお願いしております条文の第二条第四項におきまして、「この法律において「破綻金融機関」とは、業務若しくは財産の状況に照らし預金等の払戻しを停止するおそれのある金融機関又は預金等の払戻しを停止した金融機関をいう。」ということでございます。
#169
○堀委員 わかりました。
 そこで、これまでの大光相互銀行、平和相互銀行、皆そうでありますけれども、銀行局がずっと検査をしている。検査をしているけれども、これがおかしいと気がついたときというのは、実はこれは第一種にも第二種にもならない、事故が起きる前に気がつくわけですね。これは大体皆いろいろな処理をしていますが、国民がそういう問題があるということを知った時点と、大蔵省がこれは問題があるぞという認識をした時点と、この間の時間というのは大体どのぐらいあるのですか。大体で結構です。
#170
○吉田(正)政府委員 これは全くケース・バイ・ケースでございまして、ただいま申しましたような破綻するおそれのあるというのを認識してから国民が知る期間というのは、全くケース・バイ・ケースで、一概には断定できないと思っております。
#171
○堀委員 いやいや、断定の話じゃないんですよ。要するに国民がわかるときまで、立入検査やなんかしていても全然それを大蔵省がつかんでない、問題が起きるという間が非常に近いということでは、私はこれは大蔵省の検査というのは一体どういう検査をしておるのかというふうな感じがしてならないわけですよ。ともかくも今の銀行法でも立入検査ができるわけだし、おかしいという話は大体ちまたにもあるんですよね。おかしいという話が出て、そしていよいよこれは本格的に問題があるという、だからこれはまだもちろん一種でも二種でもない、そのおそれがあるという程度の話のところですけれども、その時点の前にかなりのものがわかっていなければならぬと思うのですが、それはわからないのですか、今の銀行検査では。
#172
○吉田(正)政府委員 相互銀行に限らず、信用金庫、信用組合等々ございます。やはりその場合には検査によらずとも、日々と申しますか、いろいろの資産内容につきまして定期の報告を徴求しているわけでございます。これが適正に報告されている場合と、必ずしも正確でなく対応不十分あるいは不適正な報告をなしているような場合もございます。体験的な答弁で恐縮でございますが、事前にキャッチする場合がかなりあると思っております。
#173
○堀委員 実はこれからの金融機関の対応の問題ですけれども、法律に書いてあることを、私は別に文句を言うつもりはないのです。ただ、実態として、どうも今の流れを見ていますと、私はかねてから言うのですけれども、大体これは金融機関はつぶれませんよという思想で書かれている感じがして仕方がない。私は何もつぶせと言うのじゃないのですよ。ともかくも金融機関というのは安心だ、国民がそういう前提で物を考えている時代ではなくなったと思っているのだけれども、依然としてあっせんをしたりなんかして、ともかくも金融機関つぶれません、つぶしませんという形で今度の預金保険法の改正も実は一歩踏み込んでいる。悪いことだと言っているわけじゃありませんよ。つぶせと言っているわけじゃないけれども、しかし、国民の側からしますと、ともかくまあまあどこへ預けておいても同じだ。私が銀行のディスクロージャーをしっかりやれ、こう言っておるのも、この資本主義という世の中は自己責任の社会ですからね。この自己責任の社会では、自分が自分の資産を預けるのなら自分の自己責任で、責任を持ってやりましょう。依然としてここの中に過保護の精神が流れておる。客観的には自由化をやって自己責任を求めたいという方向があるにもかかわらず、依然として過保護で、皆さん心配要りませんよ、どこへ預けても最後はこうやってやりますよと、実際に預金保険で金を払うということよりも後段の方に比重がかかっておる。一遍ぐらい預金保険で金を払ってみたらどうか、私はこう思っているのです。そこらについての今後の金融行政というものの流れ。これからは甘くないんですよ。それをあれもちょっとここであっせん、これもどこかに合併させる。今度の住友と平和相互でも、確かに平和相互の関係者は安心していると思いますよ。しかし、ともかくそういう式に何でもかんでも合併合併ということになるときに、果たしてそういうような流れでこれからやっていって行きつけるのか、国民はそれをどう思っているのかということが私は非常に重要だと思っているわけです。
 今の住友と平和相互の合併がいけないと言っているのじゃないんですよ。それは、合併することによって関係者がマイナスを受けないということはいいことですけれども、物の考え方として、やはりこういう情勢に応じてやるべきことはやるべきではないか。
 この間私はアメリカへ行ってFDICの総裁にも会ったし、通貨監督官の次席の人にも会っていろいろ話を聞いてみました。基本的に、それは百ほど銀行が新たにできて百ほどつぶれる。客観的な条件が非常に違いますから日本と同一にはなりませんけれども、やはりアメリカにはそれなりの自己責任というものが貫徹しているなどいう感じがしました。そこらを通じて、この預金保険の問題を通じて、今後にどういう姿勢でこういう金融行政を進めるのか。今の検査というものは信頼できるものが行われている、私はこう思っているものですから、そこらについて接点がどうなるのかということですね、この問題と監督という問題との接点がどうなるのかという点について、まず先に銀行局長から答弁してもらってから、大臣の答弁を求めます。
#174
○吉田(正)政府委員 金融行政の基本姿勢についての哲学的な御意見の御開示でございます。
 私どもの基本姿勢は、まずは金融機関の健全経営を自主的に確保してもらう、そして金融機関の経営破綻という事態の発生をできるだけ未然に防止するということで、銀行法上の命題となっております、法益でございます預金者保護、信用秩序を図ることでございまして、この基本姿勢は今後も変更されるものではないというふうに考えておるわけでございます。それで、この金融機関の健全経営を確保していくためにも、行政としても経営諸比率の指導の見直しを行うというようなことで、経営者自身の自己診断のメカニズムを強化するとか検査の充実に努めていきたいというのが基本姿勢でございます。
 しかし、いずれにいたしましても、この法案でお願いしておりますことは、自由化、国際化が進展いたしまして金融環境が大きく変化するという状況で、先生御指摘のとおり各種のリスクが出てまいりますので、金融機関の経営判断の誤りあるいは金融環境が大きく変化する中で経営が破綻するという事態が発生することは全くないとは言い切れないというふうに考えておりまして、万が一の事態を想定しまして、このような事態が生じても預金者保護、信用秩序維持の見地から、金融システム全体への国民全体の信認は確保していかなければならないというふうに考えているわけでございます。
 この預金保険機構につきましても、個々の万が一の場合に備えましての各種の機能の多様化をお願いしておりますのは、万が一の場合のいろいろの手段、受け皿をつくっておきたいということも一つございますし、そのようなものがあるということで日本の金融システム全体に対する国民の信頼が得られるし、それから、日本はただいまのところ大変海外にも進出しておるわけでございますが、海外の進出の基礎はやはり日本の金融システムに対する信認と存じますので、そのような配慮からもこの預金保険機構を強化しておく必要があるというふうに考えておるわけでございます。そういう点でも、心理的効果の点からもこういう措置を施していくことがやはり全体としてこの金融システムの強化になるというふうに考えております。
 それから、護送船団ではないかということでございます。この点につきましては、自己責任の原則というのは自由化が進みますると金融機関並びに預金者にも貫徹してまいらなければならないということで、金融機関につきましてはやはりディスクロージャーについても自主的工夫をしていただくというようなこともしていかなければならないと思いますけれども、合併とか資金救済をやることにつきましては、これは預金者の保護ということに重点を置くわけでございまして、経営者の責任は免れない、経営責任については免れないということで、はっきりと区別して対処していくものであるというふうに考えておるわけでございます。
#175
○堀委員 さっき銀行局長の答弁で、出ておる書類が公正でないものもあるというような感触の話がありました。
 ですから、もしそういうことの結果、問題を皆さんが認識するのがおくれるような場合には、適切な処分を私はその段階でやらなければいけないと思うのですよね。何もしないでそのままいったのでは、いいかげんな書類を出しておいたら心配ないなということになるわけですからね。そういう役員その他の関係者はいずれもきちっと処分するとかそうやって、少なくとも今銀行局長が言ったことが内容とその実態が伴うような処理をするような対応をこれからもやってもらいたいと思います。
 最後に、それではひとつそういう問題意識を含めて大蔵大臣に答弁を求めて、私の質問を終わります。
#176
○竹下国務大臣 まず、いわゆる中曽根・レーガン会談の後、国際化、自由化のための円ドル委員会ができて一番先に感じたのは、双方の相違というのが片や護送船団、片や完全なる自己責任主義。その自己責任という問題は、経営者ももちろんですが、預けたおまえが悪いんだ、こういうところまで徹底しておる。その相違を、いわばギャップを埋めていかなければいかぬ。
 ところが一方、議論した中に、なぜ貯蓄性向が高いかといいますと、ボーナス比率が高いとかいろいろなことがありますが、やはり銀行とはつぶれないものなりという先入観が日本にはある。そうすると、せっかくそこまで信じられておるものを、今度法律改正すれば銀行はこれから危なくなるだろうかといって、いわば貯蓄性向に対してマイナス影響を与えはしないか、こういう初歩的な議論をしました。
 しかし、これができることによって万一の事態に対応できるということは、それはやはり悪いことではないだろう。だから、考えようによれば、一年おくれて法律を出したような気がいたします、あのときから議論しておったわけでございますから。したがって、今度の国会で間に合わせようというのが、これとやはり一緒に御審議いただいておる投資顧問業法であった。したがって、こういうものがあれば、金融秩序全体に対する国民の信頼、こういうものの裏打ちにはなるのかなと私も思っております。
 それから検査のあり方につきましては、私どものささやかな体験の中でも、言ってみれば捜査令状を持っていくわけじゃないわけでございますから、確かに、いわば融資先のその先まで触れられないとかいう隔靴掻痒の感みたいなのは感じております。例えば平和相互の問題でも、二年ごとにずっとやってきながら、やっとここまで届いた。おっしゃるようにその都度役員が自主的にやめたり交代したりはしておりますけれども、もっと早ければもっと被害は少なかったかというような反省はございます。いわゆる協力してもらうことによっての検査の限界みたいなものは私も今回感じたものでございますが、やはりこの検査というものは常時いろいろ工夫していかなければならぬ問題があるというので、部内でも今度の平和相互の問題等を契機として、さらに検査の適正化を図っていこうという勉強を始めておるというふうに私は理解しております。
#177
○小泉委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#178
○小泉委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 まず、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#179
○小泉委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、預金保険法及び準備預金制度に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#180
○小泉委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#181
○小泉委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#182
○小泉委員長 次に、内閣提出、国有財産法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を求めます。竹下大蔵大臣。
    ―――――――――――――
 国有財産法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#183
○竹下国務大臣 ただいま議題となりました国有財産法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 国有地の管理及び処分につきましては、公用公共用優先の基本原則を維持しつつも、極力民間の活力を活用してその有効活用を図るという管理から活用への発想の転換が求められているところであります。
 一方、民間においては、土地の有効活用の手段として土地信託制度が急速に普及してきているところであります。
 このような状況を踏まえ、国有地の一層の有効活用及び処分の促進等に資するため、国有地に土地信託制度を導入し、国有地の管理及び処分の手段の多様化を図ることとし、この法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、国有地の処分の手段に信託を加えることとしております。また、国有地を信託した場合に国は信託の受益権を取得しますので、この信託の受益権を国有財産とし、管理及び処分の対象とすることとしております。
 第二に、信託の対象となる財産は、普通財産である土地及びその土地の定着物に限ることとしております。
 第三に、土地を信託しようとする場合には、信託の目的、信託の受託者の選定方法、信託の受託者の借入金の限度額等につきまして、国有財産審議会に諮問し、その議を経なければならないこととしております。
 そのほか、信託期間の上限、会計検査院への事前通知等所要の改正を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#184
○小泉委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#185
○小泉委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案審査のため、本日参考人として、社団法人信託協会会長櫻井修君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#186
○小泉委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#187
○小泉委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。堀昌雄君。
#188
○堀委員 ただいま提案をされました土地信託に関する国有財産法の一部改正についてお尋ねをいたします。
 最初に、櫻井参考人、御苦労さまでございます。きょうはありがとうございました。
 さっき私は澄田銀行局長の時代の話をいたしましたが、実は当時金融制度調査会が行われておりまして、同時に私どもも、金融関係の諸般の問題について国会でいろいろな参考人に御出席をいただいて質問をいたしました。当時、住友信託銀行の西村さんが信託協会会長として御出席になりまして、そこで私がお尋ねをいたしましたのは、現在の信託銀行というのを見ていると銀行の方にアクセントがかかっていて、どうも信託というものが行われておるような感じがしない、貸付信託というのはまさに中期的な預金業務ではないだろうか、信託銀行が他の銀行と違う点は信託業務があるのだから、ひとつ信託業務を新たにできるだけ開発をしてほしい、こういう要請をいたしたことがございます。そのときに西村さんが答弁の中で、我々は今、国民が必ずしもまだ十分な資産を持っていないので、その他の信託の問題というのはなかなか簡単にいかないと思いますが、土地信託というのは今日でも可能ではないかと思いますというお話がございました。
 しかし、実際にはこの土地信託というのが民間の中で行われるのにも大分時間がかかってまいった、こう思っているのでありますが、ようやくここに来て土地信託というものが国民全体の関心の的になってまいりまして、昨日でありますか、地方行政委員会におきましても地方自治体に関する信託の法案が成立をいたしたようでありますし、本日は、今私が最初に質問させていただいておりますが、夕刻にはこの法案が採決をされるということになりました。私は大変結構なことだと思っているのでありますが、最初に事務当局の方にお尋ねをしておきたい点がございます。
 それは、実は国有財産中央審議会が昭和六十一年一月十日、大蔵大臣に対して「答申書」というものを出しておいでになります。その中で、前半の方は問題がないのでありますけれども、「契約方式のあり方」という部分があります。そこで、信託契約の締結に当たっては、以下のような考え方によることが適当である。イ 国有地を売払い又は貸付けする場合は、公正性、経済性を確保する観点から、競争入札を原則としているが、云々とありまして、国有地を信託する場合においても、公正性、経済性を確保する観点から、売払い又は貸付けする場合と同様の契約方式とすることが望ましい。口 国有地の信託を競争入札により行う場合は、信託配当又は信託報酬の額による競争が考えられるが、個別の事案によっては価格のみの競争になじまない場合もあると考えられる。その場合には、個別事案に即した方法により競争原理を働かせて、契約相手方を選定することが望ましい。ハ なお、信託契約を締結する場合において、個別の信託事案によっては、必要に応じ、受託者による建築工事の発注及び信託財産の処分を競争入札により行う等公正性、経済性を確保するための
 措置を講ずることも考えられる。こういう答申になっているのであります。
 私はさっきもちょっとお話をいたしましたが、競争原理ということこそ今の資本主義社会の中で物事が公正に処理され、発展する基盤だと考えておりますので、この考え方はまことにもっともだと思います。しかし、公有地でも国有地でもいいのでありますが、ここを信託する場合にはいろいろな信託の内容の違いがあるのじゃないかと思うのですね。
 例えば、ここに千平米の土地がある。この千平米の土地について、Aという信託会社はここに十階建ての何かの建物を建てて、そしてそれを賃貸することによって信託報酬が出るようにしたい、Bという者はここに二十階建ての事務所ビルを建ててそれによって処理をしたいとか、このプロジェクトの使い方がいろいろあるんじゃないか、こう思うのですね。
 そうすると、ここに触れられているように単なる金額とかそういう問題ではなくて、この土地をどのように有効活用することによって有効な信託報酬が委託者に還元されるかということが非常に重要なので、そういうプロジェクトの内容を含めた一つの競争の選択というものがまず前段にあってしかるべきだ、こう思うのですが、そこらはどうこの法律では考えていますか。
#189
○中田政府委員 信託の対象として例えば、ただいま堀委員から御指摘がありましたように全くの未利用地をどう使っていくかというようなケースがあるとすれば、当然その使い方ということによって変わってくる面はあろうかと思います。
 これは、実は国有財産を売却する、土地を売却するときも同じような議論がございまして、コンペ方式みたいなものをやって、一番いいところに随意契約で売ったらいいではないかというような議論が間々ございます。それに対して私どもは、コンペ方式で最もいい使い方を見きわめるというのは大事なことだ、しかしながら、仮に一番いい設計を提案した人に随意契約で土地を売るということまでやることはないんじゃないかというふうなことで答弁してきておりますが、信託につきましても仮にそういう例があったとしたら、いろいろな方々の意見を聞いて、なるほどこれが一番いい利用方法だなというようなものをベースに競争的方法で相手方を決めていくというふうなことができれば幸いだと思っております。
#190
○堀委員 時間の節約のために、櫻井参考人は今のような場合、皆さんは受託をされる立場でありますけれども、プロジェクトが幾つかあります、それの選択は当然大蔵省なり国有財産審議会なりがこれがいいだろうという選択は決めると思うのですが、そういうものが決められたときに、それで皆さん方の側は今の一種の競争で入札とかなんとか行われる、こういう格好でもよろしいのでしょうか。
#191
○櫻井参考人 堀先生先ほどおっしゃいましたように、この土地信託の場合、個別性が非常に強うございますね。したがいまして、あらゆるものに共通する尺度というのは非常に難しいかと存じております。おっしゃるように、価格だけでもあるいは信託報酬の率だけでもちょっと縛りにくいかと存じますが、それでは何がいいかというのは業界としても非常に難しい点もございます。
 したがいまして、これは個別案件ごとに国有財産審議会にお諮りになると存じますけれども、やはり個別案件ごとに、この案件では何が尺度であり得るか、完璧でなくともかなり客観性のある尺度であり得るか、やはり個別ごとの御議論をぜひお願いしたいと思いますし、そこにまた私どもも意見を申し上げさせていただく機会をいただければ幸いかと思っております。よろしゅうございましょうか。
#192
○堀委員 まず、そこが一つ。それは今の大体口に関係していると思うのです。
 次に、今の「必要に応じ、受託者による建築工事の発注及び信託財産の処分を競争入札により行う等」、こういうふうに今度はその次の段階にもう一つ絞りがかかっているのですが、そこは次長、どういうふうに思われますか。
#193
○中田政府委員 例えば処分方の信託ということで、物納財産があって相手方の建物がその土地の上に建っている、こういう場合は私ども相手方に買ってくださいという交渉をしておりますけれども、資力がないからというので処分が滞っております。そこで、私どもは底地を信託にする、相手方は借地権を信託にする、そして共同して例えばマンションを建てる、持ち分でそれぞれ取得する。持ち分で取得したものを処分する場合には、これは信託財産がやるわけで、国が直接やるわけではございませんけれども、国は間接的にコントロールし得る立場にございますので、こういう処分は入札でやってくれという注文をつけることはできるだろう。そういうときはそういう注文をつけてやっていこう、こういう趣旨でございます。
#194
○堀委員 その次に、この中に「非効率利用となっている行政財産について、土地信託を活用して高度利用を図るべきであるとの考え方があるが、その場合には、行政財産を用途廃止して普通財産としたうえで信託し、建物の一部を国が取得又は賃借するという方法で対処することが適当である。」こう書かれておるわけです。
 そこで、きょうは郵政省と運輸省に来てもらっているのですけれども、郵政省も国鉄もかなり都心に物件をたくさん持っているわけですね。特に郵政省は郵便局がそうでして、青山一丁目の近くにも、郵政省の職員宿舎か何かが一緒に建っている大きな郵便局がありますが、あれは何郵便局が、そのことについてちょっと答弁してください。
#195
○栗原説明員 お答え申し上げます。赤坂郵便局でございます。
#196
○堀委員 その赤坂郵便局、現在郵便局と郵政職員宿舎が一緒の建物になっていますが、私は外を通って見ているだけなのでわからないけれども、これは大体どのくらいの規模で、要するに下は全部郵便局の局舎で、上何階かが郵政職員の宿舎なのですか。それをちょっと答えてください。
#197
○栗原説明員 お答え申し上げます。
 十二階建てのうち、たしか三階までを郵便局に使っておりまして、それ以上が宿舎でございます。
#198
○堀委員 余談ですけれども、近くに大変フグのうまい店があるものだから冬はあの前をよく通るので、これはうまくできておるなと思うのです。都心にある郵便局というものは、恐らく郵便局だけのものもあるのじゃないかと思うのです。そういうものは、この際、今のこのカテゴリーで行政財産ですけれども普通財産にしてその土地信託で、何もそこに郵政職員の宿舎ばかり建てる必要はないし、郵政職員も払いますからいいですけれども第三者に貸した方がより有効活用になるだろうし、ここで「高度利用」、高い度と書いてあるので、別に高さを言っているわけではないのですけれども一つの言葉で両方言っているな、高くやればそれだけ利用度も高くなるわけですから、郵政省側としてもそういう問題を積極的に考えてみたらどうかと私は思うのです。特に最近都心では非常にビル需要が振興してきて都心の土地がどんどん高くなる。ですから、そういうところで郵政省として土地信託によって事業用ビルを上に載せるというようなことは大変時宜に適したことじゃないかと私は思うのですが、郵政省はそこのところはどう考えますか。
#199
○栗原説明員 お答え申し上げます。
 都区内に所在いたします国有の郵便局につきまして将来建てかえを行う場合には、事業の円滑な運営に資するとともに、より一層の土地の有効利用を図る観点から方策を講ずる必要があると考えております。この際、先生御指摘になりました土地信託制度の利用につきましても検討いたしたいと存じます。
#200
○堀委員 櫻井さんにお伺いいたしますが、役所というのはどこかから刺激がないと大体現状でいきましょうというのが多いのですね。だから、今のような話は皆さんの方で――結局、今建っている郵便局で、非常に新しいものは別ですけれども、都心部でかなり古いものが相当あると思うのです。そんなのはお調べになればすぐわかるわけですから、そこで皆さんの方でプッシュして土地信託で有効利用をやりませんか、そうすれば郵政事業の特会に資金が入るわけですから。私は、この間から預託金利問題というのをやって大分郵政省の肩も持っているのです。しかし、そういうことにとどまらず、使えるそういうものを最大限使うというのは大変有効だと思うので、そういう意味で皆さんの方からも土地信託でこういう計画をおやりになったらどうですかと話を持ちかけられることは大変いいのじゃないかと思うのですが、櫻井参考人、いかがでしょう。
#201
○櫻井参考人 全く堀先生仰せのとおりでございまして、この土地信託、私ども長年の悲願でもあったわけでございますけれども、特に土地の有効利用の中でも、今おっしゃった「高度」に二つの意味がございますが、特に高い方のいわゆる空中権的なものの活用が日本では大変立ちおくれております。したがって、今回こういう御議論をいただくのも、今の状況下で地価を眠らせたまま内需の刺激に非常に即効性があるという大きな値打ちがあるわけでございますけれども、この高度利用につきましては、こういう席でこういう申し上げ方をするのは不謹慎かもしれませんけれども、民間では狭い土地をフルに、容積率いっぱいに活用しているわけでございますが、拝見いたしますと、今おっしゃいました郵便局さんもそうでございましょうが、いろいろな庁舎、宿舎、非常に立地条件のよろしいところでかなり低層階のまま、民間から申し上げれば非効率的な使用になっている。また、今回は国有地のお話でございますけれども、公有地につきましても各市の市庁舎あるいは消防署、この空中権を活用すれば内需にも国民経済的にも大変プラスになる、こういうことを考えておりますので、私どもとしてはおっしゃるまでもなく、この土地信託のメリットをフルに生かすためにも、おっしゃるようなことは既にいろいろ調べ上げてございますので、法案が通過いたしまして公布になりましたら全力を挙げてそういう活動に入りたいと存じます。
 ただ、この機会に一言お願い申し上げておきたいと存じますのは、国有財産中央審議会の御答申の中で、その場合は一遍普通財産に転換して云々ということになります。これは当然のこととは存じますけれども、願わくはその手続等を極めて弾力的かつ速やかにお願い申し上げたいと考えております。
#202
○堀委員 中田次長、今、後半の要望がありましたね。ここはどうですか。
#203
○中田政府委員 これからそういう手続等につきまして政令以下で整備してまいるわけでございますが、政令等を整備します過程で、業界の御意見また各省庁の御意見をよく承って進めてまいりたいと思います。
#204
○堀委員 実は、私は昨年皆さんの御協力で社団法人をつくらせていただいたのですが、認可事業というのは私どもが予想したよりも大変手間がかかるものだ。ですから、外国から許認可事業をスピードアップしろという要請があるというのを、私はそんなに時間がかかるものだと思ってなかったのですが、自分でやってみて、いや、これは大変なことだ。ですから、皆さんの常識では当たり前と思っていること、しかし民間から見たらこれは途方もなく時間がかかっている問題があるわけです。ですから、ここはひとつ大臣、大分お疲れのようだけれども、ぜひ政治的にもできるだけ早くそういう手続の処理がされて、時間のロスがなければそれだけ実は今の高度利用にプラスするわけですから、そういう意味での行政上の取り扱いというものをできるだけ簡素にして――要するに非常に複雑になっているわけですよ。いろんな人が判を押さないと通らないようになっているので、それは必要かもしれませんけれども、できるだけ簡素にして短時間に処理できるような対応が必要だと思うのですが、大蔵大臣、いかがですか。
#205
○竹下国務大臣 いわゆる行政改革、臨調答申にも明記されておりますように、各種許可認可等できるだけ簡素にして能率的にやれ、私どもも素人ながら横から見ておっても、特に何省がにまたがるというようなのが大変時間がかかるな、こういう印象は深くしております。
 ただ、この法律をつくりますときに、本当は私大変魅力を感じまして、それで現行法でできやせぬかということを実は最初考えてみました。そうしたら、確かに現行法では信託なんというのはまるっきり予測していないということがよくわかりまして、それで審議会も早目に、これは割に簡素にして能率的にこの法律ができたんじゃないかというふうに私も見ておりますので、そういう精神を生かしてこれからも進めていきたい。
 したがって今、櫻井政治部長――いや政治部長じゃございません、これはニックネームでございまして申しわけありませんが、櫻井さんの話も一生懸命耳をそばだてて私聞いておりましたので、せっかくあれだけの、我々非常にいい気持ちでつくった法律でございますので、これが本当に簡素にして能率的にここまで運んだものが実施の段階でもそういう姿が継続していくことを私も心から願っております。
#206
○堀委員 次に運輸省に伺いたいのですが、国鉄関係法案、これから審議が行われるんでしょうが、私は今の運輸省が考えておる国鉄問題という中で非常に問題があるのは、現在時点の赤字を減らすために土地を売ろうという話が大変大きくクローズアップされているのですね。どうも私はこの国鉄問題に対する取り組みの一つの視点が非常におかしいと思うのは、赤字問題というのが一番最高に優先して、赤字を消すためにはもうあれもこれもやっちまえ、この会社の将来のことを全然考えてないのですね、私に言わせると。新しく民営の会社をつくろうというなら、民営の会社としてやりやすいように考えてやるということでなければ、赤字ができたのは確かに国鉄も責任があるかもしれないけれども、私に言わせたらこれは政府の責任だと思っているのです。
 何回も私は国鉄問題をやってきて、特に三木総理のとき、昭和五十一年、国鉄料金の値上げ問題のときに、運輸委員会に三木総理の出席を求めてやったわけですけれども、要するに客観的に、こういうことをそのとき言っているわけです。今、交通機関というものはまず飛行機がある。この飛行機というのは、飛行場は全部国がつくる、そして航空会社というのは飛行機と格納庫さえ持っていればいいのだ、だから言うならばベースは国がつくる。その次に、今度は海運はどうか。海運は、港は皆国がつくる、そうすると海運は船だけ持っていれば済む。自動車はどうか。自動車は道路を全部国がつくる、要するに運送会社はトラックだけ持っていればいける。ところが、これは皆ほかの競争相手ですけれども、国鉄は下の土地から土地を買わせて、そこへトンネルを掘り、レールを引かせて、下から上まで全部国鉄に持たせている、これで競争できるはずがないじゃないか、こういうことを言っているわけであります。大分古い話です。
 要するに競争原理というのは、常にイコールフッティングでなければ競争は成り立たないのですよ。それをともかくがんじがらめにして、重い荷物を負わしてさあ行けと言って、それだけではなしにペイしない新線をどんどんつくらせて、その借金も全部国鉄に負わせた。だから私に言わせれば、国鉄の赤字というのは、そういう言い方をすると自民党の方怒られるかもしれないけれども、自民党と政府があそこにあれだけの赤字をつくったと私は思っているわけですね。それでまだ整備新幹線をつくろうなんという話が出ておるというのだから、これには私は恐れ入る。
 私は今、整備新幹線の問題はこういうふうにやるべきだと思っているのですよ。主要駅に飛行場をつくればいいのです。今の山陰地帯でも、何も松江とか鳥取とかに飛行場というのじゃなくて、主要ターミナル、ずっと飛行場をつくっていって、そこにコミューターでこれをつなげばいいのです、飛行機でどんどんつなげばいい。飛行場をつくるくらいの費用というのは知れているのですよ。新幹線をずっと引こうとしたら大変な巨額になる。だから飛行場をずっと置いていって、間は今の国鉄でつなぐということにして、そして飛行機で次々行く、これを今の整備新幹線の地域みんなやればいいと思う。
 そうすれば、まず飛行機が必要になる。アメリカや欧州からどんどん飛行機を買えば、これは貿易赤字をカバーするのに役立つ。飛行場は土地だけ整備すれば、そんなずっとトンネルを掘ったりなんかする必要はないのだから、そうやって全国的に今の整備新幹線の考えられておるところをやっていけば、投資費用最小で有効利用ができて、今の国際収支にプラスする、こういうようなことを私は考えているのですけれども。
 そこで、そういう問題を含めてこの国鉄の土地というのに対する運輸省の認識、赤字のために売ればいいということなのか、将来の国鉄が最も有効利用ができて、例えばこの土地信託なんかを利用して有効利用ができるようにした方がいいのか、運輸省がどう考えているのか、あなただけでは答弁が難しいかもしれないが、答弁してください。
#207
○岩村説明員 お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘の国鉄の用地を今度の改革に当たっていかに扱うのかということでございますが、監理委員会の答申にもございますように、現在、国鉄の用地約六万ヘクタール以上あるわけでございますが、そのうち、今後鉄道事業として健全な経営ができるいわゆる鉄道事業用の資産、それと一部の関連事業用資産に限りまして、新事業体といいますか新しく今後とも引き続き鉄道事業をやっていくところに引き継がせる。残る、先ほどから御議論が出ておりますように信託なんかで対象となると言われております非効率、低効率利用地、こういったものにつきましては、今回の改革におきまして、これは政府の案によりますと、いわゆる清算事業団という三十七兆にも及ぶ膨大な債務を償還していく機関に残す、そこで処理をしてまいるという方針で、現在国会の方にも法案を御提案してこれからの御審議を待っておる、こういう状況でございます。
#208
○堀委員 そうすると、今の清算事業団ですか、この清算事業団が保有しておる国鉄土地で今の低層利用しかされてないようなもの、地方は別ですよ、やはり都市部でそういうものも私は土地信託の対象として有効利用を図ることは非常に重要だと思うのですが、運輸省としてはどうでしょうか。
#209
○岩村説明員 お尋ねの清算事業団の土地でございますが、現在御提案申し上げております国鉄改革の関連法案によりますと、法制度上は土地信託も可能という形になってございます。
 ただ、御承知のように、先ほどもちょっと申し上げましたように、国鉄の改革に当たりましては三十七兆以上の膨大な債務の処理というものがございますので、それがきちっとできていくというのが大前提でございまして、そういったものとのバランスを見て土地信託によってそういう債務の償還もきちっとできるというものであるなら、我々としてもそれを採用すること、やぶさかではございません、制度上も可能ではございますが、従来言われておりますような管理信託とかそういった一つの形だけではなかなかその債務の償還に追いつかない。と申しますのも、三十七兆もございますと、その利払いだけでも非常に大きゅうございますものですから、その土地を運用すると申しましても運用管理だけでその債務の償還ができないケースもございますので、これもケース・バイ・ケースではあるとは思いますが、その信託を原則としてやるということにはなかなかならないのじゃないだろうか。今後の検討課題の一つだということで、今後我々としても十分検討してまいりたいと思います。
#210
○堀委員 借金の処理をするためには売り払うのが一番簡単なんですね。しかし、売ってしまったら二度と絶対買えないのです。短期に、何年のうちに三十七兆をどうかしようといったってできるはずがないのです、それは何十年にわたってできてきた債務ですから。
 だから私は、どうも今のいろいろな案を見ながら感じるのですけれども、新しい発想というのが今の国鉄改革の中には全然ないのです。私が今言っているような、飛行場をずらっとつくってコミューターをやって、飛行機で処理しようなんという話は、新幹線やるよりははるかに費用も安いし、飛行機の方がスピードも速いですからね、幾ら新幹線頑張ったって知れているわけですから。だから、発想を新たにしていくためには、今のように清算事業法人に三十七兆ある、できるだけ早くこの三十七兆を減らそうといえば売る以外にない、しかし、売ったって三十七兆出やしないですね。だからそこらの問題は、ある一定期間を限ってその経済的効率を最大限に発揮させるためにはどうしたらいいかというときには、土地の問題については土地信託というのは大変有効な手段と私は考えるわけです。大蔵大臣も当然これらに関与していくことになると思いますので、ひとつこの問題についての大蔵大臣のお考えを承りたいと思います。
#211
○竹下国務大臣 基本的には今運輸省がお答えになったわけでございますが、私どもも、新会社へ持っていく資産運用には信託というのは十分考えられる。清算事業団に残ったものは、まさに清算事業でございますから、その機構が残ってまた運営していくということにはなじまない、そういうことでございますので、清算事業団へ残る分については信託を活用するのは非常に難しいじゃないか。これも議論をしたことはございます。
#212
○堀委員 確かに清算事業団ですから、なくなるわけだからそれはそうでしょうね。国鉄の方に残る問題の処理でしょうが、今の考えでは、国鉄は最小事業用のもの以外には残らないという発想になっているのじゃないですか。私も余り詳しく知らないのですが、ちょっと運輸省……。
#213
○岩村説明員 新事業体に残ります土地でございますが、事業用に必要最小限の土地ということに限定されて引き継いでまいるわけでございますが、監理委員会の答申でも述べておりますように、事業用の資産といいましてもまだまだ高度利用できる部分も残っておるわけでございまして、その高度利用のできる部分が余りたくさんある場合は一部清算事業団の方に移っていくわけですが、駅舎一つとっても、それから高架下一つとってもまだまだ活用の余地はあるわけでございまして、全く丸裸にしてしまうということではございませんし、それでは新事業体やっていけないということもございますので、そこは今後の改革、実際の振り分け作業の過程で十分心してまいりたいと考えております。
#214
○堀委員 櫻井参考人、これもやはり皆さんの方で、ちょっとこここうした方がいいんじゃないか――そのうちに振り分け決まるのでしょうからね。清算事業団は、これは考えてみればそうですからちょっと無理ですが、新会社の方に残るものは、もう既にやっていらっしゃるかもわからぬけれども、ともかくこれを高度利用することは日本のような国土の狭い国では非常に重要なことだと思うのですが、その点について櫻井参考人のお考えを承りたい。
#215
○櫻井参考人 この土地信託が始まりましてから二年間になりまして、二年の間にもう既に民間ベースでは私ども予想以上のスピードで案件がふえまして、三月末までの二年間で三百五件でございましたか、九十二万平米ぐらいの土地が信託され、約六十九万平米の建物が既に建っておりまして、かなりいろいろな形で内需のプラスにはなっていると思います。したがいまして民間ベースは大変なスピードでいろいろな土地の利用、所有権と利用権の分離という発想が実ったわけでありますので、非常に新しい形で普及しておるわけでございますが、仰せの国鉄さんの場合も、民営会社になられた分は、これはまさに民民ベースでございますので、全くそのベースでどんどんお話を進めてまいりたいと存じますし、いわば前段階の議論と申しますか意見交換は既にかなり活発にやらせていただいておるわけでございます。
 先生よろしければ、もう一つ先ほどのお話につけ加えさせていただきたいと存じますのは、今平米の数字をちょっと申し上げましたけれども、これで国有地、公有地になりますとそれの一けた以上のものが考えられます。したがいましてこれの有効利用、活用というのが今回の骨子でもございますので、単にこういう道も開けたということではございませんで、ぜひともこれを積極的に有効に活用していただくという姿勢を各お役所にもぜひお願い申し上げたいと存じております。
#216
○堀委員 その次に、この答申の中で、信託による事業の範囲について、「信託によって受託者が行う行為の効果は、法律的には、委託者や受益者から切り離された存在である信託財産に帰属するものであるため、国有地の信託により受託者が行う事業は、国の事業そのものではない。しかしながら、信託契約を介して国は事業をコントロールしうること、事業の利益の一部が信託配当という形で国に帰属することを考えれば、国が信託を通じて事業を行っていると受けとられる可能性もある。 したがって、受託者が行う事業にはおのずから限界があることに十分配意する必要がある。」こういうふうに述べられています。私も全く同感だと思うのであります。
 ともかくも、これは国民が見ておりましても国有地、公有地にそういう信託事業が行われるときにはそれにふさわしいものでないと、余りに利益だけが中心になるとか環境にとってマイナスになるとか、そういう意味で事業にはおのずから限界がある、こうなると思うのです。これは、今まだ皆さんもそう細かいことを考えておられないと思うのですけれども、ここのところはやはりきちんとしたルールができていないと、信託をする側も大変困るのじゃないかと思うので、ここは限界についての適切なルールを理財局の方で考える必要があるのじゃないかと思いますが、中田次長、どうでしょうか。
#217
○中田政府委員 堀先生の御指摘のとおりでございまして、収益性ということからいえば国が有利になる事業をやればいいということでございますけれども、国が収益のみを目的として事業を営むことは適当ではないという観点からは、やはり公共性、公益性ということを十分配慮して事業も選んでいく必要があるだろう、したがいましてただいま御指摘のような点も含めまして今後詰めて検討してまいりたいと思います。
#218
○堀委員 大蔵大臣、これで終わりますが、普通財産というのは大蔵省の所管ですね。しかし実際には行政財産を含めて各省にまたがってあるわけですから、こういうものができましたよと、ひとつ今の内需拡大のために――土地は今どんどん上がつていますから、そういうところで内需拡大をするということはコストが高くなるだけなので、今櫻井参考人のお話にもありましたように、まだ低利用のものが、特に国というのはこれまでは大体が余り効率を考える仕組みになっていないわけですから、しかしここへ来て民活、内需拡大ということになってきたら一番手っ取り早くいけるのは国有地、公有地で、更地でなしに、下に物はあるけれどもそれを高度利用で有効に使えば結構使える場所はたくさんあると思うのです。また、円も今やや小康状態であるようでありますが、私は余り安心してはだめだぞと思っておりますのは、この間のベーカー提案によるサーべーの問題では、これからずっとそうやっていくと貿易収支は必ずしも減らない、経常収支はどんどんふえてくる、そうすると、ベーカー財務長官の証言があったとしても為替は市場が決めることですから、そういうことに対してやはり国ができることをやらなければいかぬのでして、国が一番手っ取り早くできるのは、今のこれを有効活用して、いろんなものを高度利用をやることによって内需が喚起できれば私はそういう意味で非常に役に立つことだと思いますので、そういうことで、この法律が通ったところで各省庁にちゃんと、こういうことでやりましょうという閣議の申し合わせか何かをやってもらうことがこの際非常に重要ではないか、こう思いますので、その点についての大臣の認識を伺いたいと思います。
#219
○竹下国務大臣 江崎さんが担当大臣で、法律が通ったらそのような発言をなさるように承っております。
 それから、私どもの共通の友人である天野光晴君が、そうした案を今度は出しまして、その中で、これは実現不可能じゃないかということになりました一つの案として紹介すれば、東京駅全部を、あの上に高層四十階を建てて、そして国鉄自身が信託をしてという大構想でございましたが、ただあれは、昔埋め立てたところでそういうものが建つとずぶずぶと下へ入ってしまって、結局その構想は今ペンディングになっておりますが、それはまた、江崎さんの、大臣の特別委員会みたいなもので信託に関する勉強は随分進んで、本当に法律が早く通ることを期待しておるようでございます。
#220
○堀委員 最後に、参考人の方から特に御要望があればお述べいただいて結構ですが、いかがでしょうか。
#221
○櫻井参考人 この法案、私ども中身を見させていただきまして、いろんな形でよく御検討が進んでおられまして、特にこれでは困るといったような点は全然ないわけでございますけれども、くどいようでございますけれども、せっかく法律が通りました暁には、これを積極的に活用するというような御姿勢の方を各省庁にぜひともお願い申し上げたい。それを繰り返し申し上げさせていただいて、終わらせていただきます。
#222
○堀委員 終わります。
#223
○小泉委員長 櫻井参考人には、御多用中のところありがとうございました。御退席をいただいて結構です。
 沢田広君。
#224
○沢田委員 大変どうも引き続いてで御苦労さまであります。若干国鉄の方にも残っていてもらって、通告外になりますが、関連しますのでお願いをしたいと思います。
 順は不同になりますが、まず、これによってどの程度国として、年度割りを含めてでありますが、収入といいますか、財政上のプラスになる分としてはどの程度を想定されているのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#225
○中田政府委員 現在ただいまの時点で、法律が通ったらこれを信託に出そうというふうに予定しております具体的な案件はまだ浮かび上がってきておりません。大蔵省だけではございませんで、関係各省庁、特別会計の財産なんかにつきましてはそちらの方でも御検討いただくことになるんだろうと思いますが、まだそういうことを積算するほど詰まっておらない状況でございます。
 ただ、この信託制度が導入されました場合、例えば物納財産なんかで今まで処分が滞っておりますようなものにつきまして、共同で信託をして高層化して処分が進んでいくというふうなことが軌道に乗れば、これは有効需要の増進にも大いに役立つなという気持ちは持っておるわけでございますが、実は現時点では、この程度を予定しておりますとか見込まれますとかいうところまで煮詰まっておらないのが現状でございます。
#226
○沢田委員 これは国が一つの事業を行うということでしょう。国が事業をやろうということでしょう。事業をやろうというのに、全然収入の見込みは立てないでやろうということそれ自身、少し問題があるんじゃないかと思うのですね。入ってきたら入ってきたでいいや、入らなければ入らないでいいや、こういう無責任な事業だとすれば、これは問題があると思うのです。ですから、これをやる以上は、年間どの程度の、あるいは年次計画としては何年ぐらいの間にどの程度の面積のものをそういう方法でしていくか、一つの試算を立てて、思いつきで出したものではないだろうと思うのです。当然、この信託制度によってこれだけ国民が助かるのです、あるいは国の財政が助かるのですと。あいている、あいていると文句を言われている財産が格好つくからいいやというわけにいかないんじゃないかと思うのです。やはり試算を立ててやったのだと思うのです。エリートの多い大蔵省が、事業をやるのに試算も立てなければ損得も考えないで、第二の国鉄をつくるようなことをやるあほうじゃないだろうと思うのです。少なくとも試算勘定はした上で提案をしておる、こういうように思いますが、いかがですか。
#227
○中田政府委員 実は、この改正を提案した趣旨から御説明すればよかったのでございますけれども、まずこの改正を行おうと決意いたしましたのは、先ほど櫻井参考人からも御紹介ございましたように、民間ベースでもこの土地信託というのは比較的新しい歴史でございます、二年前の三月に契約の第一号ができたという新しいものでございますが、急速に伸びてまいりました。この三月末で三百件を超す成約ができてきた。言うなれば、これまでこういう信託という手法が日本の経済の中で余り使われておらなかったのが、一つの市民権を得たといいますか、一つの手法として定着をしてまいったわけであります。
 そこで、私ども、国有財産法の関係でいいますと、信託というのが全く予定されておりませんから、これから土地をいろいろ有効利用していく際にこれがむしろマイナスになるということも考えられるので、一体信託制度を国有財産法に導入するとした場合どういう問題があり、どういうメリットがあるかということを国有財産中央審議会に諮問して御審議願ったわけでございます。
 中央審議会では、信託制度を導入するからといって従前の国有財産の土地の管理、処分の基本的な方針を変更する、そういうものではないだろう。これは私ども、昭和四十七年の有効利用答申ですとか昭和五十八年の当面答申とかに基づいて公用、公共用を最優先にするという原則のもとで、さはさりながら土地の有効利用を図っていく、そして、現在の財政事情ということを勘案して、国が利用する当てのない土地についてはこれを処分して財源の確保に充てるというのが基本的なスタンスでございますが、こういう基本的なスタンスを変えるということではなくて、むしろ信託という手法が民間で定着してきたならば、こういう手法も国有財産行政の中に取り込んで、補完的な手法として活用していったらいいではないか、こういう観点から制度の導入について答申をいただいたわけでございます。
 したがいまして、例えば更地を処分するかわりに信託をするという選択をすることが是か非かということについては審議会でも御議論がありました。その場合、処分をすることによって得られる利益と信託に出すことによって得られる利益を比較考量して、信託に出すことは不利にならないという見きわめでやらなければいかぬのじゃないかという御議論があって、法律にもそういう趣旨のことが書いてございます。言うなれば、信託というのは補完的な手法として、現在我々が持っております貸し付けですとか売却ですとかこういった手法にはない特徴を持っておりますから、そういう特徴を活用しようという趣旨で導入をお願いしておるわけであります。
 仮にこの信託制度が導入されますればどういう点で活用ができるか。例えば国有地につきまして十年先にその土地の上に建物なり何なり公用、公共用の施設をつくりたい、しかし十年間はこのまま持っておこうというような土地がございました場合に、十年という年限を切って信託に出す。この場合は、建物を建ててしまうわけにはいきませんから多分駐車場とかグラウンドとかテニスコートとか、そういう撤去が可能な、容易なものでないと使えないと思いますが、そういう形で利用していただくというようなことが可能になるであろう。それから、先ほど来御議論がありました、行政財産で都心部にあって低層的な利用にとどまっているものについては、思い切って普通財産にして信託手法で高層化し、国が必要なものは国が予算措置を講じて使う、そうでないものは民間に貸すというふうな形で有効利用が図れるのではないか。さらに、貸し付け中の物納財産等についても、相手方と共同して信託に出すというふうなことができるのではないか。一般の売却というような手法ではできないようなことが可能になるのではないか。
 さらに、最近では市街地再開発事業を信託方式でやったらどうかというふうな話が、まだ具体化しておるものはございませんけれどもそういう話し合いは各所であると聞いております。仮にそういう地域におきまして国有財産が一部存在するといった場合、現行法のもとでは私どもは信託に参加できないのでだれかに買っていただくということをしなければなりませんが、もしこの法律ができますれば、私どもも国有地を信託をし、再開発事業ででき上がったものから権利転換で我々の権利を確保し、それを利用するなり処分するなりということで開発利益も手にすることができる。こういうことになれば、非常に国有地の管理、処分の手段の多様化ということでメリットがある、かように考えておりまして、どちらかというと受け身な感じでございます。積極的に現在売却しておりますような土地について売らずに信託にすることが是か非かということにつきましては、冒頭に御紹介いたしました審議会での御議論等もございますので、これは慎重に検討していく必要があろうというふうに考えております。
#228
○沢田委員 この法律の一つの考え方としては、普通財産及び行政財産も含むというふうに理解してよろしゅうございますか。
#229
○中田政府委員 行政財産は現に行政目的のために使っておる財産ということでございますので、実は貸し付けですとかいろいろな権利の設定をするのにも国有財産法上は制限をしております。したがいまして、行政財産についての信託はこれらとの権衡上もありまして考えておりませんで、先ほど来例に挙がっておりますように、仮に郵便局の局舎を新しくして高層化するという場合は、建て直すに当たって一たん普通財産ということにしていただいて、信託で高層化して、でき上がった建物のうち、国で利用する部分、国が直接必要とし使用する部分は賃貸するなり購入するなり、これは予算措置を講じて使っていただこう、こういうことを考えておりまして、行政財産については法制上信託できないという扱いにしてございます。
#230
○沢田委員 多分そうだろうと思うのですね。
 その場合だけでお伺いしますと、一つの敷地の中に共存、両方が併置されたという場合は、部分的に行政財産であり部分的に普通財産である、こういうことになるわけです。そうすると、暖房なんかについても、一部分は普通財産であり一部分は行政財産である、財産管理上は大変難しくなるというふうに想定されますが、その点はどうお考えですか。
#231
○中田政府委員 信託財産である間は恐らく管理は一元化されておるだろうと思いますが、仮に信託財産が民間の持ち分と国の持ち分というふうにそれぞれ分かれてしまったりした場合は、おっしゃるとおりその管理をどうやるかということは一つの問題であろうと思います。
 例えば建物の区分所有等に関する法律等を見ますと、そういう場合はやはりそれぞれの占有面積の割合に応じて管理の責任を持つという体制でございます。専用部分は自分でやるということでもいいのかもしれませんが、建物でございますとどうしても共有部分がございます。共有部分なんかについては恐らくどこかに管理を委託してその経費を分担するというふうな形にでもなろうかと思いますが、それはやはりケース・バイ・ケースでよく詰めていかなければいけない問題だと思います。
#232
○沢田委員 財産管理の形態、信託というものが今後行われるわけでありますから、その解釈なりはきちんとしておこうという意味できょうは会計検査院にもおいでをいただいておりますが、続いて国鉄です。
 先ほど堀先生が質問したら、国鉄においてはそういうことは今でもできますというふうなお答えがありましたけれども、それは間違いありませんか。
#233
○岩村説明員 お答え申し上げます。
 私先ほど御答弁申し上げたのは、今の国鉄でということではなくて、今後清算事業団という形になった際の、その清算事業団の機能として法的には可能な形になってございますということを御答弁申し上げました。
 それで、現在の日本国有鉄道法上どうかということについては、限定列挙をしているわけではございませんので、可能性はあるかと存じますが、信託自体は、ある期間、十年とか長い期間を要するものでございますので、現在の国鉄でそれを直ちに始めるかどうかということにつきましてはさらに慎重な検討が要るのではないだろうかというふうに考えております。
#234
○沢田委員 前の話と大分違ってきたと思うのですが、現状はやはり全体が行政財産ですね。もし普通財産になるとすれば、これはまた現行は大蔵省財産にならなければならなくなってくる。フグは食いたし、あたりたくはなし、そういうことになるのだろうと思うのですね。
 現行法でできるということは各省庁もできる、こういうふうに先ほど言われましたが、普通財産になれば大蔵省所管になるのではないですか。
#235
○中田政府委員 お答え申し上げます。
 一般会計の財産ですと、行政財産が普通財産に変わりますとすべて大蔵省が引き継いで管理いたします。しかし、例えば郵政事業特別会計でございますとか林野の特別会計でございますとか特別会計になりますと、特別会計の中の普通財産ということで、それぞれの所管省庁の大臣が例えば信託なら信託の契約を結ぶ、こういう形でございまして、普通財産はすべて大蔵省に集中ということでもございません。会計が違っておりますと、その会計の所管大臣が責任を持つという形になっております。その場合は、信託に出すときに大蔵大臣と協議をするというふうな規定がかぶっておるわけでございます。
    〔委員長退席、堀之内委員長代理着席〕
#236
○沢田委員 取り扱いですから、それはそれでいいです。
 今、大蔵大臣いなかったときにお伺いしたら、これは国が起こす一つの事業である。だから、マイナスはつくってはならないだろう、やはり国民の注視の中でやることである、それが日本の財政にプラスになるということにならなければならぬ。幾つかの決まりというものを持つとすれば、これはやはり大蔵省が行う一つの事業だと私は思っておるわけです、ですから、例えば特別会計でやるとすれば、恐らく特別会計の歳入、予算の中に入って、そして何に使われるか目的もはっきりさせて対応するということが通常の形になるのではないか。
 ただ、今すぐ全部に目標が、当たりがあるわけではありませんので、この段階はちょうどえさを――品物をマンション情報に出したようなものでありまして、要すれば、これだけ大蔵省は信託する財産がありますということを恐らくこれから出すのだろうと思うのですね。そしてだれが飛びついてくるか、それを待って、それを歳入に見込んでくる、こういう形になるものだと想定するわけです。時間の関係で、あと細かい点は飛ばします。
 法務省に来ていただいておりますが、例えば信託契約のあり方――先ほどの言葉のように、国の財産であるという性格は民間の信託とはおのずから違ってくる。そこであり方というものについて、まず大蔵から聞きましょう。信託契約は、大ざっぱに言えば二十年でも三十年でもいいのですが、延ばすこともできるというと、三十年が二回延びれば六十年、二十年が二回延びれば四十年、それを限界とするという形式で結ぶんですか。ちょっとその契約の考え方、あり方というものだけお答えいただきたいし、法務省には、現行民法が適用されるのかどうか、その点お伺いしたいと思います。
#237
○中田政府委員 国有地を信託に出します場合、所有権が信託財産の方に移ってしまいますが、そこで資金を調達して例えば建物を建てて賃貸しをするということですから、御指摘のとおり一種の事業のような、しかも国が間接的に行っている事業のような性格を帯びておりますから、これはよほど慎重にやらなきゃいかぬということで、実は信託財産に出す場合は、これは各省庁が主体になって出す場合も含めましてすべて国有財産審議会にお諮りをしよう。信託の目的あるいは収支の見積もりあるいは借入金の限度額というふうなことをすべてディスクローズをいたしまして、なるほどこの事業ならやっていって間違いないであろうというふうなことを見ていただいた上で、そこで御答申いただいたものについて信託を行う、こういう縛りをかけておるわけでございます。民間の場合ですと、そこまでしなくても、個人の財産であれば個人の判断で契約自由でございますが、私どもの方はそういうことで、やはりよほど慎重に事を運んでいく必要がある。
 それからまた、信託法上は期限が何年というのはございませんけれども、国有地については一応二十年という期限を設けました。これはやはり、物によっては二十年では信託としては短過ぎるのでもっと長く信託をしなきゃいかぬ、あるいはもっと長い方がいいという事案も当然あろうかと思いますけれども、一応二十年ごとに見直すというような性格も含めて契約は二十年で切りましょう、そして、さらにそれを更新しようという場合には国有財産審議会に諮って、そこでもう一度見ていただいて、更新妥当ということであれば延ばしていこう、このように慎重に図るつもりでございます。
#238
○沢田委員 じゃ法務省。
#239
○濱崎説明員 先ほど来お話が出ておりますように、信託の目的となるのは普通財産でございますので、これに関する取引につきましては、国有財産法その他に特別の規定がある場合を除きまして、一般的には私法規定の適用を受けるということであろうというふうに理解しております。したがいまして、国有財産の信託がされた場合における法律関係は、原則として、すなわち国有財産法その他特別の定めがされている部分を除きまして、民法とか信託法とかの規定に服するということになろうと思います。
 ただいま大蔵当局からも御答弁ございましたような、期間の制限でございますとかあるいは信託をすることができる場合の制限でありますとか、あるいはその信託をする場合の審議会の審議等の手続でございますとか、さらには関係省庁の長の実地監査権とか、そういった特別の規定が今回の法律案において用意されているように承知しておりますが、そういう特別の規定がない場面におきましては、民法あるいは信託法の規定の適用があるということになろうかと存じます。
#240
○沢田委員 通常の場合は、鉄筋コンクリートの建物の耐用年数は大蔵省財産でも六十年くらいだと思うのです。それを長くても四十年で縛りをかけた。それで、今言うように立ち退かない場合に私法を適用するということになれば、もしそのまま居座られたら当然立ち退き料を払うということにならざるを得ないのですが、そういうことは覚悟の上だ、そういうことですか。
#241
○中田政府委員 御指摘のとおりでございまして、先ほど四十年が上限どおっしゃいましたが、必ずしも四十年を上限と考えておるわけじゃございませんで、二十年ごとに見直していくということでございますから、一回見直して、四十年たってまた見直して、さらに続けた方がいいということであればそれも禁じておるとは考えておりません。
 いずれにいたしましても、信託が終了いたしました場合には、例えばビルが建っておって、そのビルを利用しておる人が現にいる、そのままの形で戻ってまいりますので、そのビルを使っている人は従前からの賃貸借契約に係る賃貸人としての地位は当然継承してまいるだろう。したがって、国がこれを行おうと思えば、賃貸人との関係は純粋に私人間の関係でございますから、一般私法の原則にのっとって立ち退いていただく、必要であれば補償料を支払うというふうなことが必要になってくるんだろうと思います。この点につきましては答申でも触れておりまして、そういう貸し付け等を行う場合には、国がもし将来必要だというようなものについては、十分出ていっていただきやすいような先を選んで貸していく必要があるだろうというふうなことを答申でも留意点では指摘していただいておるところでございます。
#242
○沢田委員 私の言い方が悪かったのか、二十年の二十年、さらにまた二十年の二十年の二十年、どこまでいっても二十年という考え方のようですね。これは百年戦争みたいなものですね。そうなると、もう一たんそこに住みついた人は百年は継続される。特にあなた方の腹が痛むわけじゃありませんから、憎まれ口をきいて出るということは恐らく言えないだろう。そうすればそのまま継続されていくということは必然的な結果だ。もし会社が危なくなって他に転売をした、他に転売をして第三者が今度は取得者になったということも、これは私権、私の財産になれば当然起こり得ることである。そうですね。例えば会社が倒産の危機になった、金融機関が全部それを肩がわりをしたという形になれば、その肩がわりをした新たな会社がそこのものの占有権を保有する、こういうことになることは当然起こり得ることですね。そこはもう当然考えてのことだ、こういうことですな。
#243
○中田政府委員 賃貸型の信託についての御議論がと思いますけれども、通常の場合ですと、信託銀行にお願いをして委託してある。信託銀行がつぶれるという話ではなくて、そこへ入っている会社がつぶれた場合というふうなお話かと思いますが、この会社は売る何物も持ってないわけです。そこを借りて入っているだけですから、つぶれて出ていくなら出ていくしかない。それから自分が勝手に、おれが出ていくからおまえを入れてやるということはできないだろうと思います。これは、信託の場合に土地の貸し付けと違って少しメリットがあると思いますのは、貸し付けの場合ですと、その土地の上に建つ建物は相手方の建物ですから、借地権ということが発生いたしますので相当強い権利になりますが、信託の場合は建てた建物は信託財産のものでございますから、入っている人にとっては借家権しか発生しないわけで、そうなると、もとへ戻す場合であっても借家権の場合の方がよほど処理がしやすくなるということではなかろうかと思います。
#244
○沢田委員 借家権ほど、人間が住んでいるものほど難しいものはないのです。だから、今の一般の私法でいったらば、人が住んでおるものをほうり出すわけにはいかないのですから、つぶれた会社であって、その株を全部買い占めて、それがかわって入ることは法律上何ら支障のないことですね。その会社の重役がかわるだけですから、その株を売ることも自由でしょう。だから、あなたのおっしゃっている借家権というものが私法上許されると仮定すれば、これはたくさんのことが想定されますが、現在の時点の法律体系、裁判の判例等では大体百年分くらいの家賃を払わなければ今立ち退き料にはならないのですよ。借家している場合に立ち退いてもらうのは、百年と言うとややオーバーかもしれませんが、家賃によっては大体その程度立ち退き料を払わなければ立ち退きにはならない。
 時間の関係で急ぎますけれども、こういう事業を興す場合の紛争の処理機関なんですが、国有財産の中央審議会と地方審議会に皆一任していく形をとっているような法律体系なんですね。何かというときには地方審議会もしくは中央審議会にかけて処理をする、こういうふうになっていますが、紛争処理のやり方というものは、結果的には私法なるもの、裁判以外にはなくなってしまうんじゃないか、こういうふうに思われますが、いかがでしょう。
#245
○中田政府委員 土地を信託に出しますときに、その信託目的だとか収支見積もりだとかが是か非かというふうなことは審議会にお諮りしようと思っておりますが、今御質問のような、仮に立ち退きのような問題で紛争が起きた場合に、これはどうも審議会マターではないと思っております。やはり一般の私法上の関係でございますから、裁判所なりなんなりで争っていく必要があれば争っていくということに相なるのではなかろうか、かように考えております。
#246
○沢田委員 時間の関係で急ぎます。
 次に、会計上の処理で、議会の中に出す法律案の扱いといいますか歳入の扱い、それからこの信託の扱い、その点について、これは大蔵省と自治省、地方もありますから自治省にもお伺いをするわけですが、例えばその信託をするものが一万坪である。坪というのは古いから一万平米でも結構ですが、一万平米である、三千平米である、あるいは五百平米である、二百平米である、そういう面積でこの議会の承認を必要とする、こういう考え方のものも一つありましょう。とにかくその財産が異動するわけですから、そういう承認案件の仕方があります。一方で、その収入になる歳入はこれでやります、それからまた、信託契約をした契約案を議会に承認を求めるという提出のやり方も一つ出てくるだろうと思います。国会においてはどう扱っていくのかということが一つ。
 それから地方議会においては、この信託を行う場合の取り扱いというものは、手続上は契約案件として取り扱うのが一つ。それからもう一つは、財産の処分に関係して提案をするのが一つ。そして同時に歳入に、予算の中に入れていくことが一つ。以上が大体議会の議決を必要とする案件だろうと思うのですね。
 国会の場合と地方議会の場合について、それぞれお答えをいただきたいと思います。
#247
○中田政府委員 国有地につきまして信託する際に国会の議決を考えておるかという御質問でございますが、国有財産法では国有財産の管理、処分の各手続につきまして一般的な要件とか手続を定めておりまして、具体的な管理、処分については行政府の責任において執行させる、こういう建前をとっておりまして、個々の国有財産の処分案件が国会の議決を要するという法律構成はとっておらないわけでございます。
 この信託、私どもこれを処分の一形態と見ておりまして、信託に出しますと所有権が離れる離権行為だと見ております。そのかわりに信託の受益権が手元に入ってまいります。したがって、どちらかというと、在来の手法でいいますと交換というのに比較的近い手法なのかもしれませんが、いずれにいたしましても、今回の法律改正で国有財産法上の処分の一形態として信託ということをお認めいただいて、しかもその手続等につきましても決めさしていただく。そして、その手続にのっとって具体的に信託に出すというのは、行政府の責任においてやらせていただきたいと考えておるわけでございます。
 もっとも、先ほど来御指摘ございますように、この信託というのは事業的な性格をも有しておりますし、場合によってはもうかることばかりではなくて、うまくいかないというふうな心配な面もありますので、売り払いや貸し付けなどに比べてずっと慎重に扱っていかなければいけない。このような観点から、信託に付します場合にはすべて国有財産審議会に諮って、そこで答申をいただくということにするとともに、例えば会計検査院には事前に報告をして、これは私的な契約でございますから契約を結ぶ前に検査院に一応御報告して御意見も承ってみたいというふうなことで、慎重に運びたいと考えておるわけでございます。
 それから歳入の面でございますが、信託に出す、つまり国有財産の所有権は手放れるわけでございますけれども、かわりに受益権が入ってくる。これを国有財産として管理していくということでございますので、それは交換の場合と同じように、歳入歳出立たないで信託ということが進んでいくんだろうと思います。信託配当収入につきましては、これは収入として毎年上がっていくという形になろうかと思います。
#248
○濱田説明員 地方公共団体が公有地を信託する場合につきましては、今回の地方自治法の改正案ではすべて議会の議決を要するという内容にいたしております。
 それから、公有地信託を議会の議決に付する場合の議案の内容ということになりますが、これは公有地信託に関する基本的事項に盛り込むのが適当であろうと考えております。具体的に申しますと、信託の目的、信託される土地の概要、信託の受託者の住所氏名、信託期間、その他必要な事項を考えておるところでございます。
#249
○沢田委員 その前の大蔵省の答弁では、行政行為で処分する。例えば立川の基地の跡地がそのまま、何万坪かが行政行為で行われる。朝霞の土地の基地跡地も同じようなことがある。限界なしに行政行為ですべて可能であるという論法は、国民の財産という立場から見ると若干乱暴な論理になるのじゃないかという気がするのです。やはりある一定の制限以下について行政権で可能であり、相当な面積に及ぶものを処分する場合には国会なりあるいは何かの機関を通過させて、そして国民の合意を得る。そして、何になるか国民はわからないうちに何かができた、こういうような横っ面張り飛ばされるようなやり方というのはちょっと妥当じゃないんじゃないかという気がしますが、その点、もう一回念を入れて御検討いただきたい、こういうふうに思いますが、いかがですか。
#250
○中田政府委員 国有財産法の体系と地方自治法の体系と、法律構成に若干の違いがあるということが現状だろうかと思います。
 国有財産の場合に、国会の議決を要するものとしまして国有財産法第十三条に規定がございますが、ここでは、公園、緑地を用途廃止する場合あるいは皇室用財産として寄附受納する場合、これは国会の議決が要る。しかし、それ以外のものは国会の議決ではなく、国有財産審議会という場でディスクローズして、そこで議論をしていただいて、一応御承認が得られれば進めてよろしいというふうな体系になっておるわけでございまして、私どもも、国有地は国民全体の財産でございますから、そういうことをよく踏まえながら慎重に管理、処分をさせていただいておるところでございます。
#251
○沢田委員 それは、現在の段階でいろいろ反論していると時間がないですから、折に触れてまた進めていきたいと思います。
 次に、台風、地震、それから過失による事件、こういうようなものが起きた場合の管理上の問題、これはどこが責任を負って――例えば全部崩壊をしてしまった場合に信託は切れるのか、また改めて契約をし直すのか、これは私法に準ずるのであるかどうか。例えば二十年目の、期間の切れるその日に待ったとした場合、大蔵省はどういうふうに対応しますか。
#252
○中田政府委員 基本的にはその辺の関係は私法に準ずるということだろうかと思います。信託法の建前からいいまして、受託者は、例えばその事業がうまくいったからもうかった、まずくいったから余りもうからなかったということはあり得るわけですが、そういったリスクは負わない、信託報酬を受け取るだけで、うまくいった部分、まずくいった部分の責任といいますか帰属はすべて委託者の方にあるというのが信託制度の特徴でございます。したがいまして、仮に地震でございますとか火災でございますとか、そういう天災で建物が滅失した、その場合もその損は委託者に帰属するということになろうかと思います。
#253
○沢田委員 二十年なら二十年目の、では一日過ぎた後に起きた事件と前の日に起きたのとは違うのですね。そして例えば二十年目の契約の翌日、立ち退かないでいるときにそういう事態が起きた、契約を締結しない条件で起きた場合、これも一つの例でありますが、その場合はどういうふうな形になるか。そこで滅却してしまった、契約は過ぎていた、その場合の契約の不存在あるいは継続性、これは大蔵省としてはどういうふうに考えておられますか。
#254
○中田政府委員 まず滅失が二十年目の一日前と一日後という場合は、実際は変わらないだろうと思います。といいますのは、一日前であろうと滅失してしまった、それについて信託の受託者の方は責任がないということで、かぶらなければいけません。戻ってきてなくなった、それも自分が損をするといいますか国が損をするということですから、変わらないのだろうと思います。
 それから、建物がなくなってしまった場合の借家契約はどうなるのかということでございますが、これはないものを貸すわけにまいりませんから恐らく消滅するのだと思いますけれども、具体的な紛争ということになれば、それは私法の手続にのっとって処理されるべき問題だと思います。
#255
○沢田委員 いろいろと聞いてまいりましたけれども、私は最終的に大蔵大臣の方に提言だけしておきます。
 やはり一つの事業であるというふうに考えますと、それの展望、それから利用目的、その得るべき金銭、そして同時に大蔵省として管理すべき立場、そういうものを考えると、これこそ特殊法人か何かにして管理していく。特殊法人がいいのかどうかわかりませんが、別の、大蔵大臣が管理していくというシステムが果たしていいのかどうか。そういうことで煩わしい指示という言葉がいいかどうかわかりませんが、大蔵委員会で年じゅう、あの信託の中身はどうだこうだと議論をするような場面が果たして妥当な法律かどうか、あるいは扱いが妥当かどうかと言われますと必ずしもそうではない。事業部などというのができてそこで扱えばあるいはいいのじゃないかというふうにも思いますけれども、大蔵のいわゆる財産の中で商売をやっていくという行政範囲というものになると、やはり議論というものは極めて難しい展開になるだろうというふうに思います。ですから、できれば分離をして、私法も適用するということになりますとそれは純然たる私法の中でやっていくべきであるし、また採算も求められるだろうと思うのです。さっきも江崎さんが今度担当されるというような話もあったようでありますが、どこでやるにいたしましてもそういう分離が望ましい、こういうことを私は提言をしておきたいと思います。
 ただ、我が党の方でもこの点については今までも主張してきたことですから、要すれば国民からひんしゅくを買わないように、そして武士の商法だと笑われないようにきちんとした節度を持ってやっていただきたいということを希望いたします。
 最後に、職員に与える影響なのでありますが、いわゆる財務局の職員の管理する立場、それから管理する条件、こういうものはどういうふうになるのかということのお答えをいただいて、もし答弁がそれで大体よければ質問は終わりにしたい。国鉄は、もうしませんから、どうぞお帰りいただいてください。
#256
○中田政府委員 今回の土地信託制度の導入が、冒頭にお答え申し上げましたようにどちらかというと補完的な手段としてこれを有効に活用していきたいということでございまして、国有財産の管理運営の基本方針を変えるというつもりではございませんので職員の執務体制にそんなに大きな影響を与えるとは実は私ども考えておりませんでして、またこの問題が、例えば職員組合と管理者との間で議題になったということもなかったのですが、組合の方では、答申が出た段階で、これは何か大々的に、それこそ沢田委員が冒頭に御指摘あったように、基本方針を変えてやるのではないかというふうな心配があって少し意見があったようでございます。その後、私どもは職員組合ともよく話をしまして趣旨を説明しました。そうすると、なるほどそういうことであれば理解できるというふうな人たちも多く出ておりまして、この制度を導入するから職場の仕事のあり方なりが変わってくるというふうな感じで受けとめておる、そういうことはないだろうと思っております。
#257
○沢田委員 理財局長や何かの答弁というのは、語尾が、だろうとか少し逃げてしまうのですが、その点はもう少しきっちりと、ぼかすときはぼかしても構いませんが、やはり、影響は与えないんだろう、あるいは人減らしにはつながらないんだろうというようなこと、あるいは管理形態はどうなるのかというようなことについては、だろうじゃなくて、これはこう考えてますという一つの、それが後で訂正されるにしても首になるわけじゃないのですから、これは今のところはこうです、やはり未知数のものがあることは私も承知しておりますが現状ではこうです、こういう答えをされることが望ましいと思うのですね。さっきから何か語尾が崩れてしまうという点なしとしなかったのですが、最後にその点を求めて、回答を急いでやってください。時間でありますから、お願いをいたします。
#258
○中田政府委員 例えば、典型的な物納財産の処分を、売却でやるよりも、両方で信託をしていい建物を建てて、そして権利転換してから売却するという方が恐らく財務局の仕事としてもより充実した仕事になるのであって、決して心配することはないと確信しております。
#259
○沢田委員 終わります。
#260
○堀之内委員長代理 薮仲義彦君。
#261
○薮仲委員 私は、ただいま提案されております国有財産法の一部を改正する法律案、これに関連しまして大臣並びに関係省庁に何点かお伺いをさせていただきます。
 最初にお伺いしたいのは、中曽根内閣として、これは総理の私的諮問機関でございますけれども、経構研、国際協調のための経済構造調整研究会、いわゆる前川レポートが出ております。このレポートの中でも、その柱としておりますのは、大臣御承知のように、住宅政策、住宅を軸にして内需拡大を図る、建設国債の弾力的運用、こう出ております。また、政府の総合経済対策、これを見てまいりましても七つの柱がございますけれども、そこの中でやはり住宅建設の促進ということが非常に重要な柱になっておるわけであります。やはり内需拡大ということはこれからの日本としては非常に大事なことである、その中で住宅政策が大事である、それをやるために国有地への土地の信託制度を導入する。これは時宜を得たものであり、基本的に私は賛成でございますが、以下質問をしますと、何だ、反対するんじゃないかと嫌みに聞こえる部分がちょっとあるかもしれませんが、これは、将来こういうことがあったときに困りますという懸念の意味としてお受けとめいただきたいと思うのでございます。
 いずれにしましても、このことによりまして土地というものが保有から利用といいますか、土地の提供を容易にする。先ほど来問題になっております借地権というものがございまして、一たん自分の手元を離れた土地は返ってこないんじゃないかという土地の所有者の不安を解消するには非常にいいことですが、さらに、国有地も信託制度が導入されますと民間の土地との有効的かつ立体的活用もできますし、経済の活性化、景気の浮揚にもつながりますし、さらに政府が望んでおります民間活力の導入、あるいは民間のすぐれたいろいろな手法、ノーハウというものが活用できるわけでございますから、私は非常にすばらしい、そう思っております。特に、最近の新設住宅着工戸数、いわゆる今までが四期五計、さらに五期五計が本年度から出発するわけでございますけれども、ようやく百二十万戸台の着工戸数まで希望が持ててきたのかなという結果が出てきております。
 こういう状態の中で一つ心配なのは、先般来問題になっております国内の景気の問題であり、円高の問題であります。先ほど大臣もお話しのとおり、ベーカー財務長官の発言によって、多少円高にあるいはというような気配も見えてまいりました。また、きょうの一部新聞には、輸出産業の許容レートは百七十一円台ということも出ておりますけれども、ターゲットゾーンというと、これは大臣としては当然お答えはいたしかねる問題だと思うのでございますが、いずれにいたしましてもいろいろなことをやって景気の回復を図ろうとする大臣といたしましては、現在の円高に対してどのような見解をお持ちか、お聞かせいただきたいと思います。
#262
○竹下国務大臣 昨年の九月二十二日のプラザ合意、それ以来、いわゆるドル高是正と言った方がいいかもしれませんけれども、そういう傾向が出てきて、それは、私どもは同じように評価しておるところでございますが、最近は、何としてもこれは急速過ぎるという感じを率直に持っております。きのうの海外市場でドルが反発しまして、本日東京市場でもこれを引き継いだ動き、これが現状認識でございましょう。何といっても為替というのは市場そのものが決めることでございますから、本当はベーカー長官のきのうの発言が騰貴のすべての要素だとは思いませんが、ベーカー長官の発言そのものは、私はまだ整理しておりませんけれども、非常に適切な発言だなと思うし、私と同じように、やはりターゲットゾーンだけは言えません、こういうことも大体一致しております。
 そこで、今百七十一円というようなことが新聞に出ておりましたが、輸出産業のいわゆる目標レートというものは個々の産業によって皆違います。あるいはそれは企業秘密に属することでもございましょう。そういう点からいたしまして、幾らが適正かということについては、私はそれを判断するだけの能力を持っていないというのが実情でございます。ただ、やはりプラザ合意というものを契機として、それでもそのときよりはより世界先進国経済のファンダメンタルズは適切に反映されておるというふうに思うわけでございます。
 そこで、日本の場合、結局マクロとミクロとあるんじゃないか、あるいは対策としては、短期と中期と長期になるんじゃないかというふうに考えるわけであります。したがって、前川レポートなんというのもございますように、短期の問題では、これはミクロも一緒にして考えますと、本当に今競争力がなくなって大変に苦渋をしていらっしゃる、なかんずく輸出関連中小企業対策、これはきちんとやらなければなりません。今いろいろ産地の方の話を聞いてみますと、通産省はよくやってくれている、こういうような評価も出ております。余り大蔵省を褒める人はいませんが、通産省は非常に褒めておりました。そういう政策はさらに何かやることがないかということで、この産地対策というのはやはりきちんとやっていかなければならぬ。
 それから、今度は大企業とでも申しますか、これにつきましては私どもも、確かにもう既に、例えば大自動車会社が鉛筆を月一本ずつきちんと配給されるようになったとか、やはり企業はトタでそういうことに対応するという姿勢もあらわれておるというようなこと。しかし、それがあるいは下請等におきまして、企業は待ったなしですから、国内でなく国外にそれを求めるというようなことになった場合に、雇用の関係にまでどういうふうに響くだろうか、にわかには定量的な判断はできないにしても、そういうことも総合的に中期的には考えておかなければならぬ課題だというふうに思っております。
 長期的には、経済構造という日本のあるべき姿とでも申しましょうか、そういう経済構造の転換に対して、やはりソフトランディングで、急激でなしに対応していかなければならぬであろうというようなことをもろもろ考えながら、直ちの問題としては、恐らく数日中でございましょう、さらに経企庁、通産省、私どもの方でだんだん話が詰まっていけばそれらの対策が、今会期末で衆参両院を歩いておりますから私も実は聞く時間がないのですが、着々と話は進みつつあるだろうというふうに期待をしておるというのが実情ではなかろうかというふうに思います。
#263
○薮仲委員 アメリカのベーカー長官の発言がすべてではない、しかし、ある程度影響があることは事実です。私は、中曽根内閣の枢要な大臣が発言なさる、あるいは今度の問題も日米が中心かもしれません、そうなったときに、大蔵大臣の発言によって今後の日本の経済が安定するような方向へ行くように、今の御発言の最後の方である程度何らかの措置をお考えのようでございますが、一日も早く経済が安定すること、そして上向きになることを国民は期待しておりますので、そのかなめにある大臣としての今後の御努力をお願いいたしておきます。
 きょうは、このほかに住宅問題についてお伺いしたいことがございますから、ちょっと話を変えます。
 先ほど申し上げましたように、住宅建設が今後の国内の経済にとって非常に重要であろうと私は思います。この住宅建設等について大蔵大臣はどのようにお考えであるか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#264
○竹下国務大臣 私も昭和五十年ごろ、十年前に建設大臣をしておりました当時とはもう様相が違っておりますので、あの当時仕込んだノーハウを今ごろ先生の前で言うと軽べつされるかもしれませんので、それはさておきまして、最近のいわゆる住宅建設動向、大きさは必ずしも大きくございませんけれども、年百三十万戸前後の着工戸数を示しております。これは順調な推移と一応は評価できるのではなかろうか。
 そこで、お通しいただいた六十一年度予算と税制改正の中では、一つは住宅取得促進税制の創設、俗称住宅減税、それから二番目が住宅金融公庫の貸し付けについての前年度当初比二万戸増、そういう拡充措置と、それからさらに四月八日の総合経済対策において住宅金融公庫の貸付金利の引き下げ、こういうのが最近の具体的な行動となっておるものであるわけでございます。
 それで、確かに私が建設大臣をしておりましたときは、空き家戸数百九十万戸、二百万弱でございましたが、あれは一軒一軒小さいのも数えますからですが、それから見れば大変、大阪が一つまるっきりあいているようなだけ空き家があるということに理論的にはなりますけれども、今は、やはり依然として遠島狭でございますか、遠くて高くて狭いというようなところがあいておるのであって、住宅事情で多くの国民が満足しておるとは私は到底考えられません。私自身の東京の住宅にいたしましても、実際問題、かもいの高さからして外国人をお招きするような家ではないというのが実情でございます。したがって、私は、これは住宅政策専門の先生にこんなことを言ってはいけませんが、いわば都心の高層化したものと週末に過ごす場所とは徐々に変わっていくのじゃなかろうか。ぜいたくな意味におけるセカンドハウスということではなしに、生活の態様自身がそうなっていくのじゃないかというような気持ちが最近してならないという程度の認識で、御勘弁をいただきたいと思います。
#265
○薮仲委員 それでは、ちょっと具体的にこの土地信託の問題について何点かお伺いしたいと思います。
 住宅建設の促進のためには、これから一番大事なのはやはり地価が安定すること、これは大事な点だと思います。しかもそれが良質な土地で、その供給が絶えずなされておれば、住宅建設というのは非常にやりやすい。そういうことで、今度信託制度が導入されたということは私、非常に喜ばしいことだと思っております。先ほども申し上げましたように、土地所有者の不安を一たん解消することができる。
 しかし、ここで今度、事務方の方に具体的にお考えを聞きたいのですが、借地権あるいは借家法あるいは区分所有という問題は、たとえ信託しても、これはずっとついて回る問題です。これについての大蔵省のお考えは最後にお伺いしますけれども、その前段として、何が問題かをちょっと整理するために具体的にお伺いしたいのですが、国有財産、まあ行政財産はだめです、普通財産は信託しますということでございますが、ちなみに大蔵省として、普通財産はどういうものを信託に、どの程度の数量を考えていらっしゃるか、ちょっと教えてください。
#266
○中田政府委員 今回の国有財産法の改正で土地信託を導入いたしましょうというふうに私どもが考えました趣旨は、実は、これが比較的新しい制度でございまして、五十九年三月に民間ベースで第一号の契約ができたわけでございますが、二年ほどの間にこれが三百件を超える成約を得ておりまして、言うなれば土地信託という制度が民間ベースでは既に定着をしてまいった、こういう事情がございます。しかしながら、国有財産法の方には信託について規定がございませんので、現状では信託はできない。しかし、一般民間ベースでこれほど普及しております信託というものを国有財産法上に取り入れることによって、いろいろこれまでの売却ですとか貸し付けですとかいったような従前型の管理、処分とは一味違った特徴を生かせるのではないか、このように考えて国有財産中央審議会に土地信託制度の導入について諮問をしたわけでございます。
 それで、中央審議会ではいろいろ御議論いただきまして、現在私どもが国有地の管理、処分の基本方針といたしております、公用、公共用優先に使っていく、しかも市街地再開発にできるだけ配慮するというようなことを最優先に置きながらも、また、今の財政事情により、私どもが今後とも使う予定のない土地についてはむしろ積極的に処分していく、こういうことを現在国有財産の管理、処分の基本に置いておるわけですけれども、その基本方針を変更する必要はない、それはそれで結構だ、しかし、信託という手法を導入した場合に、いろいろほかの手法にないメリットがあるよ、これを導入することによって、それではどういうことが可能になるだろうかということを見てみますと、例えば十年たったらここに何らかの施設をつくって利用したいというような国有地がある、十年間は未利用のままほうっておかれるわけですが、それでは十年なら十年という期限を限って信託に出して、その間、例えばグラウンドですとかテニスコートですとか駐車場ですとかといったようなことに活用していくということがまず考えられるだろう。
 それから、行政財産で例えば都心部に郵便局のような施設がございます。通常はかなり広大な土地に二階建て、三階建てぐらいで利用しておるわけですけれども、容積率ということから見ればもっと効率的な利用ができるだろう。高いビルを建てて、この場合、もちろん一たん普通財産にして信託に出す必要がありますけれども、そして必要な部分は予算措置を講じてみずから使う、それから余った部分は貸すなり売るなりというふうな処分が可能になるというような形で土地の有効利用を図っていくことができるだろう。
 それから三つ目の類型としましては、私ども、物納財産である土地を相当程度抱えております。これは、国有地の上に民間の建物が建っておりまして、そこに人が住まっております。通常ですと、私どもはその底地を相手方に買ってほしいという形で処分をしていくわけでございますけれども、資力がないとかいうことでその処分がなななか進まないケースもございます。そこで国の方は底地権を、また、そこに住んでいる人は、建物を持っている人は借地権を信託に出すという形で、信託財産として例えば高層のマンションをつくる、そして持ち分に応じてそれを区分所有して、国がみずから使うこともできますし、処分することもできるという形で物納財産の処分が土地の有効利用を図ると同時に促進される、こういうメリットも出てくるのではないか。
 さらに、現在では市街地再開発事業を土地信託というふうな手法を使ってやろうという相談が方々であるようでございます、まだ実ったものは聞いておりませんけれども。こういう場合に、仮にその一隅に国有地がある、現在の国有財産法のもとでは信託できないということでございますれば、そこの市街地再開発に参加はできない、だれかに買っていただくということをしなければいけないわけですが、この法律ができますれば、国もその信託方式による市街地再開発事業に参加をして、でき上がった建物の一部を区分所有という形で取得をして、それをみずから使うなり処分するなりすることによって国は開発利益も手にすることができる、こういったメリットも考えられる。
 したがいまして、現在ここに更地があって、これを将来とも使う当てがない、これを信託にするか、売却するか、こういうケースももちろんあり得るわけでございますが、審議会で議論しましたときは、そういう場合は、やはり売却するよりも信託に出すことによって不利にならないように、そういうことは十分見た上でやるべきだという御意見でございまして、したがって今回の法律改正が、積極的にこれを活用して、売るかわりに信託に出すんだ、これまでの国有財産の管理、処分の基本方針を変えるんだというところまで踏み切っておりませんで、むしろ民間において土地信託制度は普及してきた、それを国有財産の管理手段の手法の中にも取り入れていろいろ従来方式にないメリットを活用していこう、言うならば受け身の姿勢で御提案申し上げておる状況でございますので、現時点で、この法律ができますれば信託事案第一号はこんなものになりますというほど具体的な事案が煮詰まっておるわけではございません。
#267
○薮仲委員 ちょっとお願いしておきますけれども、時間がありませんから答弁は簡潔で結構です、大体趣旨はわかりますから。
 最初に大蔵省にお伺いしておきたいのですが、今の案件の中で、いわゆる物納財産を信託するというケースがございます。この場合やはり借地権というものがついておるわけでございまして、国は底地権、民間の方は借地権というものを双方信託して、そこにビルなり有効活用を考えるということですが、ここで大蔵省として考えていただかなければならない点は、借地権という地上にある権利が信託したことによってどういう形に変わるかというと、いわゆるビル、オフィスビルならオフィスビルに変わるわけです。大蔵省のパンフのとおりビルに変わる。ここで大蔵省はこういうことについてきちんと整理した考え方を持っていてもらいたいのは、本来国というものは個人の資産形成に手をかすべきではない、こういうスタンスを持っていなければならない。しかし、この図面で見るとおりあばら家に近いおうちが信託してこういうビルになって、区分所有で一挙に所有財産がふえるわけです。結果から言うと、個人の財産をふやすことに手をかしたんじゃないかという批判に対してどうこたえるか。
 また、少なくとも国が底地権を持ってこういう信託物件をつくった、この図面では国が処分してしまえばいいんだ、こう書いてあります。しかし、そうはいかないのです。処分しても、処分された人が今度そこに所有権が発生して、そこにあるのは借地権なり区分所有といったものが出てきます。
 今こういうビルをつくって一番問題になるのは何かというと、御承知のように古い時代に建てたマンションで今一番困っているのはメンテナンスです。十年以上たちますと、躯体部分に修理しなければならない部分が出てきます。しかし、メンテナンスのルールを決めておかなかったから、今建てかえであるとか修繕に非常に困っておる。こういうメンテナンスをつくらずに売ってしまえばいいんだ、後は勝手に今までの人と国が売った民間の所有者とで話し合いなさい、これは混乱のもとです。やはりこういうメンテナンスのルールづくりをきちんとして、処分するなら処分する。
 私の言うのは、これを今プロの信託がやっている間はいいです。二十年という法律でございます。鉄筋の場合は耐用年数六十年です。あるいはもっと延びます。信託契約が切れて、相手は、私が直営します、そういう場合もいろいろ出てきます。そういう複雑な、プロが何年かかったってビル管理というのは大変なんです。簡単につくって売ってしまえばいいということで国の責任免れたとは言いがたいと私は思うのです。国が信託した、根っこはそこにあるわけですから、そのルールづくりをきちんとすべきであると思います。時間がないから、結論だけでいいから簡単にやってください。
#268
○中田政府委員 物納財産の例で御説明申し上げますと、物納財産の底地は、国としては将来自分で使いたいと思っておるのではなくて、むしろ処分をしたいと思っておるのです。そのままの処分ということになると相手も資力がないから買えない。そこで両方で信託に出して、高層化して付加価値を高めて国は売る。この場合は国が売ることによって本来の目的は達成できたんだろうと思います。これを長らく管理して貸すという考え方はいかがなものかなという感じはいたしております。ただ、物によっては管理型の信託もございましょうから、そういうことについては今後勉強していかなければいけないと思います。
 ただ、御質問の中で、二十年たったらということでございました。法律に上限二十年と設けておりますが、実際、本当の貸し付け型の信託ですと、ビルを建ててしまうともっともっと耐用年数が長いわけですから、当然二十年たったら見直すという気持ちでおりまして、更新は妨げないということで考えたいと思っております。
#269
○薮仲委員 質問の要旨をきちんと聞いて答えてくださいよ。
 一つは、個人の資産形成に国が手をかしたという批判にどうこたえますか。
 もう一つは処分。私がちゃんと言っているでしょう、ここでは処分というのが出ているのだ。そんな貸すとか貸さないとか聞いていないのだから。処分した後のメンテナンスのルールづくりをきちんとしなければ、売った人に迷惑を及ぼしますよ。どういうルールをつくるのですか。検討するなら検討するときちんと答えてください。
#270
○中田政府委員 共同して信託に出し、相手方がみずから借金をしてビルを建てるということですから、国が手をかしたということでは必ずしもないのではないかと思います。
 また、国が処分した後、これは全く共有でございましても民間の方々の所有する財産ということになるわけでございますから、そこでのメンテナンス等をどうやってお互いに分担していくかというのは、基本的にはそれの所有者の方々がお決めになることで、私どもがルールづくりをするということでは必ずしもないのではないかと考えております。
#271
○薮仲委員 次長さん、もう少し研究なさった方がいいですよ。これはそんなものじゃない。
 もう一つ言いますけれども、各省庁が信託をおやりになる。例えば農水省とか建設省とか郵政省とか、今郵政省の例をおやりになった。ところが関係省庁はプロじゃないのですよ。いいですか、こういう土地信託業務についてプロじゃないのです。少なくとも建設省はプロかもしれませんけれども、運輸省であるとか農水省とか郵政省はプロじゃないのです。
 例えば、今、二十年延長は拒まないと言った。拒まないかもしれないけれども、信託の相手から断りますと言われたら延長はできないのです。そうすると、農水省が自分でそれを直営しなければならないのか、郵政省が自分で直営しなければならないのかというケースが出てくるのです。
 この図面に出ている二つ目の、例えばここに何々省何とか庁合同庁舎と書いてあります。格好よく書いてありますけれども、例えばこれを信託する相手の銀行から、もう直営でやってください、こう言われた。トラブル発生の可能性があれば断ってくる。そのとき無理やり継続しろとは言えないのです。そうすると農水省なり郵政省は直営しなければならない。これを果たしてプロじゃない人ができるか。
 マンション管理あるいはビル管理というのは、メンテナンスを含めて、プロが何年かかったって大変なんです。ですから私が今申し上げていること、まだ茫漠としているのだったならば、私の指摘は真剣に聞いておいて、こういう問題については対処するようにしなければならないのです。いいですか。ここで名答弁しろというのじゃなくて、私がさっき言ったように、問題点を指摘するから真剣に受けとめなさいというのです。だから、農水省や郵政省ができない部分があるのです。だったら信託を解除されたときに、だれかプロの集団をつくっておいて、必ずそれはフォローしますというような機能を持ってないと事件を起こしますよということなんです。わかりますか、どうします。
#272
○中田政府委員 現時点でまだそこまで検討は進んでおりません。そういう点については今後真剣に検討してまいりたいと思います。
#273
○薮仲委員 あなたは個人の資産に手をかさないとおっしゃったけれども、少なくとも民有地の部分をやれば、信託のメリットは、信託銀行が資金調達能力がある、建設のノーハウを持っている、その信用において行うわけです。ですから、その辺の整理の仕方も十分お考えおきいただきたいと思います。それは指摘だけにとどめておきます。問題点はもっとたくさんあるのです。
 先ほど来、契約をどうするかという問題が論議されておりました。いわゆる公平、公正を期す上から、国有財産というのは一般競争入札で処理すべきであるという答申、大蔵大臣に対して国有財産中央審議会の答申書が出ております。国有財産というのは、一般競争入札を原則として、いろいろな条件をつけておいて随契の場合もある、こうなっております。
    〔堀之内委員長代理退席、委員長着席〕
 そこで、こういう場合どうするか、ちょっとお伺いしたい。
 いわゆるコンペ方式という話がさっき出ておりました。しかし、このコンペ方式もよく考えておいていただきたい。信託というのは、もう個々ばらばらなんです。ここの土地にこういうもの、ここにはこういうものとあるわけです。ただ仮にぽんとここに共同ビルを建てたい、あるいはオフィスビルを建てたいから入札しなさいといったとき、わあっとみんな来る。そしてその土地に対して、私の会社はこういうもの、私ならこういうものというものを持ってくる。例えばこれを国有財産審議会にかけたならば、そこの中のこれがいいという形でお決めになるケースがあると思います。これも一つの手法かもしれません。それからさっき言ったいろいろな条件、単価であるとかそういういろいろなことが出てまいりますけれども、私はそういうことを言うのではなくて、例えばそういうコンペ方式ではなくて、こういうものをここにつくった方がいい、ですからこれに応募してくださいというやり方とは、全く違ってくると思うのです。
 ですからこの契約の仕方も、ただここに一般競争入札と書いてありますけれども、ここにどういうものをつくったらいいですかというコンペをして落っこちた場合、これは竹下大蔵大臣も建設大臣をおやりですからおわかりのとおり、ダム等でなぜいろいろな問題が発生するかというと、ダムの設計をするのに物すごい設計費用がかかるのです、たとえいろいろな最高技術を駆使しても。安全係数をちょっと取りかえるだけで全然違ってくるわけです。ですから、ダムの設計というものは、たとえ入札でぼんとなったとしても金額にして相当なゼネコンさんに負担になるというケースがある。今のようにコンペティションをやるということで結構です、でも、それがぽんぽんとけられちゃうと問題が多いのではないか。むしろその前によく練って、ここはこういうものが一番適しているんじゃないかなというような形で応募していただく方法の方があるいはいいのかなという考えもありますが、どちらを選ばれますか。
#274
○中田政府委員 どちらかというと先生が後でおっしゃった方、どういうものをつくるかということをベースにして、できるだけ競争的な手法でやっていくことが望ましいと考えております。
#275
○薮仲委員 これも今後の問題として考えておいてください。
 それから国有財産を信託する場合でございますから、民間がいろいろなものをつくろうということとわけが違います。やはり根っこは国民共有の財産であります。そこにおのずからできる事業の範囲というのは、縛りがかかるというか限界があるように思いますが、どの程度を限界と考えますか。
#276
○中田政府委員 例えば、国が更地の上にマンションを建ててそれを貸すというふうなことを一般会計でやることがいいかどうかというようなことについて、中央審でもいろいろな議論がございました。したがって、もうけということを第一義に考えるのではなく、やはりおのずと公益性、公共性ということを加味して考えなければならないだろうと思っております。
#277
○薮仲委員 次長、更地だけじゃないのですよ。物納財産についても当然信託はあるのですから、物納財産でそれを処分するためにというときも、今物納財産処分ということに限って言えば、ある程度制限というものは考えざるを得ないのかどうか、その辺いかがですか。
#278
○中田政府委員 信託のベースになります土地自体が非常に個性がございますから、その土地の周辺の利用状況に見合った、それとバランスを失しないような形でその場合に使っていく必要があるだろうと思います。ただ、ただいまのような物納財産の場合は、相手方がある話でございますから、やはり相手方とよく話をしてそういうことは決めていく必要があるだろう、更地の場合とはやや違ってくるだろうと思います。
#279
○薮仲委員 しかし、その限界等についてある程度基準を早くお決めになることです。そうしませんとどう考えていいか、この法案を見ただけでは判断基準がわからないのです。では物納財産をどうするんだ、何でもできるのかということになってくるのです。しかし私は、公共性等を考えますと国有財産である限りある程度の業種についても事業範囲内でも縛りがかかってくるのではないかと思います。ですから、できるだけ早い機会にこれはきちんと明示すべきだろうと思います。
 それからもう一つ、国有財産の場合信託契約期間が二十年になっています。民間は大体自由といいますか、契約ごとに決まるわけであります。最長が三十五年。二十年から三十年という契約件数が一番多いのですが、例えば、国は法律で二十年という縛りがかかっていますが、民間はやはり長い信託でやってもらいたいというケースも出てくるかもしれません。私は年数の差があってもむしろそこは、だからだめよというのではなくて、話し合ってそれを積極的にやることがこれからは大事だと思うのですが、いかがですか。
#280
○中田政府委員 その点は御指摘のとおりだと思います。
#281
○薮仲委員 それから、さっきのことをもう一度念のために確認をさせていただきたいのです。やはりメンテナンスという問題、補修、維持管理ということはビルをつくったときに必ずメンテナンスを――先ほど契約が二十年と言いました。鉄筋は六十年です。躯体部分のメンテナンスをどうするかということは、区分所有で縦割ったとします。こっち側とフロアとはつながっているのです。例えば配管が共通の場合に、私の方は知りませんということになってくるとこれは管理上非常に問題があるわけです。ですから、建設省はモデルケースの契約ルールをつくってマンション等はやっておりますが、この信託財産についても、鉄筋等でビルができると思うのです。下に何々庁舎をつくられて上に民間がおやりになる。この場合、メンテナンスを含めた、将来に禍根を残さないきちんとしたルールづくりの検討というのはぜひともしておくべきだと思うのです。いかがですか。
#282
○中田政府委員 おっしゃるとおり管理型信託をやります場合には、そういうところにも十分留意していかなければいけないと思います。
#283
○薮仲委員 それから、この中にこれが出ていますね。都市に所在する土地容積率いっぱいの活用を図ることが適法になって、先ほど次長のおっしゃったこの例です。この例の場合で、やはり市街地ということもございまして、その利用については民間の複数の土地の所有者が入ってくる場合もあるかもしれません。そうしますと、余りがたいことを言っていると乗ってこないケースもあるかもしれません。さっきの物納財産とか庁舎の上に建てるかというのは、私は国の意見というのはある程度いいなと思います。でも、こういうところに再開発ということになったときは、事業内容に余り厳しいことは言わない方が乗りやすいのではないか。その辺ははっきり分けた方がいいと思うのですが、いかがですか。
#284
○中田政府委員 その点も具体的なケースに応じて対処してまいらなければいけない問題だと思います。
#285
○薮仲委員 それからもう一点、さっきの物納財産の処分のところでございますけれども、この処分もやはり一般公開競争入札という原則でおやりになると思います。ただここで問題は、高ければいいということがはね返って、その辺の建設コストあるいは地価にまで影響を及ぼさないとも限りません。確かに物納財産で信託はしたけれども、先ほどの同僚委員の質問の答弁の中で、国はコントロールできるというお話がございました。その処分等について、契約の段階で国はある程度関与できるというお話がございました。ですから私は申し上げたいのは、高ければいいといって幾らでも高く売るということが果たしていいことかどうか。この辺の最高値というものは決める必要があるのかないのかを含めて、地価の安定ということから取り入れたことが、逆に、処分の段階で高ければ高いほどいいといって売り払ったのでは、この本来の法の趣旨は生かされないと私は思うのです。
 土地を高騰させない、周辺地価に影響を及ぼさないために信託を導入するとこの趣旨の中で我々は説明を聞いているわけですから、やはり公開競争入札、一般競争入札であっても、私は値段の上限についての考えというものはある程度持たざるを得ないのかなと思いますが、いかがですか。
#286
○中田政府委員 価格につきましては会計法との関係もございまして上限を付するというのはなかなか難しい問題だと思います。これは更地を売る場合でもよく御議論いただいているところでございますけれども、私ども価格そのものを規制するという考えではなくて、投機的な売買により地価が上がったり我々が処分するものが高騰するということは避けなければいかぬ。そのために必要であれば、転売禁止ですとか必ず自分が使うのだとか、いろいろな条件をつけて実需に見合ったマーケットで処理していく、せめてこういうことで地価の高騰に手をかすことのないように心がけでいるところでございます。
#287
○薮仲委員 国鉄がお見えでございますから、ここでちょっとお伺いしたいのでございますけれども、国鉄の長期債務が三十七兆三千億あるわけですね。国民が負担する分が十六兆七千億。その間、用地売却で五兆八千億と言われております。最近の総裁の発言等を聞いていますと私は多少いらいらしますけれども、きょうはやめておきます。
 それはそれとして、私は、地価の安定ということはマクロの国民経済の上ではどうしても守ってほしい。これは国鉄さんが高く売ればいいのだという気持ちはわかります。
    〔委員長退席、中西(啓)委員長代理着席〕
しかしあれは決して総裁の財産ではない、国鉄単独のものではない、国民共有の財産なんです。国民経済がマイナスになるようなあり方というものは私は極力避けていただきたい。これは再三言っておりますからこれ以上申し上げませんが、ただ国鉄はこの土地の売却について信託という手法を考えたらどうか、こう私はお話をしますと返ってくるお答えは、きょうはどう答えるかわかりませんけれども、一挙に売って長期債務を補てんしたいんだ、こうおっしゃいます。それは、私はそのとおりだという考えは理解できます。ただし、もうちょっと頭を使って、例えば毎々言うように、国鉄の駅周辺に持っている土地というのは現在において日本の歴史の中で最後の一等地だと思うのですね。しかも、二千平米とか広大な土地を持っております。また、都市の顔としてもすばらしい地域に持っております。更地で売るのも確かにそれだけの価値は生んでまいります。でも、それは今言うようにマクロの経済には必ずしもプラスじゃない部分があるわけです。国鉄は黒になったけれども国民経済全体は失速とまではいきませんけれども、非常に公共事業がやりにくくなる。ならば、もう少し頭を使って、今の土地を信託して付加価値の高いビルをつくるとか高層の住宅をつくるとか、そういうものをもしも信託して処分したらどうか。国鉄さんは、信託というとすぐ、返ってくるお金が二十年間でちょびちょび返るというような錯覚をしてはいかぬのです。信託というのは処分も信託できるのです。信託してすばらしいビルを建てて、ビジネスビルでも何でもいいです、オフィスビルでも結構です、あるいはマンションでも結構です、すばらしいものを建ててそれをぽんと売れば、そういう土地の値段だけじゃなくて立派に付加価値の高い処分ができれば、それは国民に対して大きな意味で、また長い目で見ればそのことの方がかえって私はよりプラスが多いんじゃないかな、こう思うのです。信託という考えを国鉄の資産処分の中でお入れになって、一年か二年、三年で建物が建つのですから、そこではさっとお売りになった方が、土地だけで売るより本当に国民経済、民間活力の導入という今の政府の考えていることにぴったり合う部分が相当あるようにも思うのですが、国鉄さんのお考えと大蔵大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
#288
○岡田説明員 先生の御質問に対してお答え申し上げますが、御承知のように今の国鉄は、政府と一緒になりまして国鉄改革の法律を国会に提出をいただいて御審議をいただいておるわけでございます。したがいまして、国鉄の持っている土地の処分について信託制度を導入したらどうかという問題につきまして、ちょっとくどくなりますけれども、三つに分けてお答えさせていただきたいというふうに考えております。
 まず、今国会で御審議をお願いいたしております法律につきましては、六十二年四月一日を目途として国鉄の改革を行うということになっております。したがいまして、現在の国鉄が存在する期間と申しますのは六十二年四月一日までということでありまして、それ以降につきましては、例えば土地の問題について考えますと、国鉄の現在所有しております土地につきましては、今後発足をする新事業体、旅客会社、貨物会社、そういったものの事業をするために最小限必要な土地については旅客会社、貨物会社に帰属をさせますが、残りの土地につきましては旧国鉄、いわゆる清算事業団、日本国有鉄道清算事業団と申しておりますが、それに帰属をさせまして、その清算事業団が一方では国鉄の長期債務を引き受けると同時にその土地を所有し、その土地を処分することによって現在の国鉄の持っている膨大な長期債務の一部の償還に充てていく、こういう仕組みとされております。
 したがいまして、今の国鉄が信託制度を採用するということになりますと、六十二年四月一日までの間ということを考えますと、現行国鉄法で信託ができるかどうかという問題は別といたしましても、この期間のことを考えますと若干ここには問題がある、いかがかというふうに考えられるわけでございます。
 それでは、旅客会社、貨物会社に行ったものについて信託を適用するかどうかということでございますが、これは完全な民間会社ということになるわけでございますので、これが信託を適用するかどうかということにつきましては民間会社の経営者の裁量にゆだねても差し支えない事項であるというふうに考えております。ただ、民間会社の旅客会社、貨物会社が、先ほど申し上げましたように最小限必要な土地しか受けないということでございますので、果たして信託に適する財産が、土地があるかどうかということは別といたしまして、これは十分可能であるというふうに考えております。
 三番目の、それじゃ、本当に売れる形での膨大な財産というのは清算事業団に引き継がれることになるわけでございますが、この清算事業団におきまして信託制度を適用するかどうかということにつきましては、いろいろな角度から検討する価値があると申しては失礼でありますが、そういった問題であると考えております。しかしながら、この清算事業団が設立されております目的と申しますのが、今のように国鉄の膨大な資産を処分することによってその膨大な長期債務の償還の一部に充てるという仕組みになっております。その期間もおおよそ十年程度ということになっておりますので、信託に要する期間等を考えた場合に、果たしてそれが長期債務の償還に見合うかどうかということについて慎重な検討が必要であるというふうに考えております。
#289
○竹下国務大臣 基本的には国鉄からお答えになったことであろうと私も思っております。あの法律をつくりますときにその議論もございましたが、要は清算会社でございますから、将来にわたっての管理能力の問題があるかというような問題点はあろうかと思います。今先生の話を聞いておって、いわば清算会社がおよそ存在する期間内の処分というような感じも受けたものでございますから、私の乏しい知識でこれ以上判断はできませんが、なるほど勉強してみなきゃいかぬのかなという印象だけ受けさしていただいたと言うにとどめておきます。
#290
○薮仲委員 どうか大蔵大臣のところで、それぞれ御専門の方が数多くいらっしゃると思いますので、国有財産、特に国鉄の再建のために付加価値を高める利用ということ、さらにそれが国全体の都市計画あるいは再開発に非常に有効な手法として残されたことではないかど私は考えますので、十分心にとどめて検討方をお願いしたいと思うのでございます。
 きょうはたくさん聞こうと思ったのですが、時間がなくなって大変残念です。ただ、では問題点の指摘をさしていただきますけれども、先ほど申し上げましたように、借地・借家法という問題がございます。区分所有も含めましてこの借地権という問題については、今、国土庁が中心になりまして、どうあるべきか、将来の借地権のあり方ということで論議をしております。いわゆる借地権というのは、一般的に言ったときには年数をどうあるべきか、普通の借地権と定期借地権というような答申を得ているわけでございますが、三十年あるいは時間的には最長期限を五十年とかいうような形で借地権というものを整理する必要があるかどうかという論議がございます。これはもう、土地を借りていらっしゃる方の立場になれば絶対許しがたいことかもしれません。しかし、限られた国土の中で土地の有効利用を考えますと、借地権という問題だけは――先ほどの物納のときも、なぜこの信託制度を大蔵省が取り入れなきゃならなかったか。物納された物件に借地権がついているわけです。大蔵省は底地権なんです。しかも、それは比率でいうと七対三なんです。借地権の方が七で、底地が三なんです。あるいはもっと高いのもあります。低いのもあります。これは、借地権というものが非常に、形はないようであっても、いざこうやって信託という形にしますと、国とその物納された権利者、借地権を持っていらっしゃる方の取り分は七対三というのが図面に出ていますけれども、これが一つの例であって必ずしも全部ではございません。借地権というものが形にすれば相当大きなものになってくる。これはやはり将来にわたって検討課題であろうかなと私は考えております。きょうは時間がありませんから指摘だけにとどめることは非常に残念でございますが……。
 それからもう一点は、建設省が今日まで鋭意努力していらっしゃいます規制緩和という問題がございます。
 さらには、私はこの前、この大蔵委員会で、東京都と国土庁と、二千平米以下の小さな取引も対象にして調査をしてほしいということを言いました。これは結論として、調査の方法を決めていただいたようでございます。しかし、これは大阪とか三大都市圏でも国土庁がやはり検討をしていただいて、地価の鎮静化あるいは国土法全般を見直す段階に来ているのじゃないかなということを考えます。
 それからもう一点指摘したいのは、建設省の規制緩和の中で特に、これはきょうはやめますけれども、学校用地、学校施設の無償提供、あるいは公園、緑地のカウントの仕方とか、あるいは地方自治体がまだ河川改修をやっていないのにそれを上回る河川の改修を要求したり、あるいは寄附行為がありました。これは地方財政法四条でもしも裁判を起こされたらという懸念が私はございます。いわゆる規制緩和については、もう少し適正で公正なあり方を国全体として考えていただきませんと、民間活力の導入ということが言われておりますけれども、規制緩和の条件を個々に私は調べてまいりますと、まだまだ厳し過ぎるという感じがいたしております。こういう点、どうか大蔵大臣のところで十分お含みいただきまして解決方をお願いして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
#291
○中西(啓)委員長代理 正森成二君。
#292
○正森委員 私は、国有財産行政のあるべき姿と今回の土地信託制導入の問題についてまず伺います。
 国有地は国民共有の財産で、その意味から、四十七年三月の有効利用答申で唱えた国有地は公用、公共用優先という基本原則が、厳然として存在しなければならないのではないかと思います。それに対して、これは大蔵省も原則はそのとおりだとお答えになると思いますが、五十八年一月の当面答申では「原則を維持しつつ、それを損なわない限度で」と断りながら実際は「極力財政収入の確保を図ることを基本的な方針とすべきである。」との重大な方針転換を行い、この間、税外収入確保のためとして民間への売り急ぎが進められております。今回国有地に新たに信託制度を導入することはこれに追い打ちをかけるもので、公用、公共用優先の大原則を崩してしまうものではありませんか。
#293
○中田政府委員 この信託制度導入に当たりまして、中央審でいろいろ御議論をいただきました。その中央審の答申にもございますように、この制度の導入というのはこれまでの基本方針を変えるものではない。ただ、背景としまして、この土地信託という制度は民間で非常に普及をしてきた、市民権を得た制度である、国の方は現状ではそれが利用できない、仮に国の方でこういう制度を利用するということになればどういうことが可能になるかということで、先ほど来御答弁申し上げておりますように、例えば物納財産なんかで売れないようなものを使って有効利用かつ処分というふうなことができれば非常にプラスになるだろう。したがいまして、どちらかというと受け身の姿で、法制度の整備であるというような形で法改正をお願いしておりまして、積極的に国が必要とするようなものを信託に出して民間に使わせるというふうなことを考えておるわけではございません。
#294
○正森委員 積極的じゃなしに消極的な対応の仕方であると受け取れる答弁でございましたが、その点については後でまた伺います。
 六十年二月の「ファイナンス」に田中誠二氏が「国有地の有効活用について」という論文を書いておられます。これは当時理財局の国有財産総括課長で、現在は官房の会計課長をしておられる方だと伺っておりますが、その方の論文を興味を持って拝見いたしましたが、八五年二月の論文であるせいか、国有地の信託については非常に慎重な意見が書いてございまして、その最後のところを見ますと「実態面においても、信託契約終了時に国が更地として再利用することは困難であること等のほか、国の場合には十分なノウハウや管理能力を有していることもあり、信託そのもののメリットが民間の場合と同様には論ぜられないという問題もある。」というように書いておられるのですね。これは必ずしも国有地の信託というのに前向きには考えておらないということを理財局の幹部が言っていることなんですね。
 これは確かに信託が終了したときに、一応は二十年の契約で更新を妨げないということですから四十年、六十年ということはあり得るでしょうけれども、受託会社は配当を払っても手数料等で十分ペイするというような場合にはもう二十年というように言うでしょうし、それから、案外費用が高くかかってその上物の負債も十分に返済し切れないというような場合には、もうギブアップしてこれでもう終わりという可能性があれば、そういう場合には、余り経済性のないものを結局国の費用で背負い込む、国がそれをいつまでも持っておるわけにはいかないので、原価を切って投げ売りするというようなことになる可能性がないとは言えないのですね。これがこの課長が疑問を呈した点だろうと思うのです。そういう点について、後ほどもまた問題にいたしますが、いかがお考えですか。
#295
○中田政府委員 当時、信託を議論しておりましたまだはしりでございまして、そう検討は進んでおったわけではございませんが、まず更地を売却するかわりに信託に出したらどうか、こういう問題の提起が一番多かったわけでございます。それに対しましては今のような問題がございまして、処分するというふうな基本方針を曲げて信託を主流にするということはどうも少し問題だという意識を持っておったことは確かでございまして、そういうときの気分がここにあらわれておるんだと思います。
#296
○正森委員 そういう気分があらわれておったが、その後の検討で、更地を信託に出すというような積極的な場合じゃなしに、物納財産の国有地で借地権がある場合とか、その他いろいろの場合に選択の可能性を大きくしておきたいという意味のようにあなたのは受け取れるのですね。それは非常に上手な答弁の仕方ですね、少なくとも国会を通過させるためにはね。まあそれはいいですが。
 次に、条文の二十八条の二というのがあります。それを見ますと、普通財産は信託できるんだけれども、「次に掲げる場合は、この限りでない。」ということで、三に「土地の信託をすることにより国の通常享受すると見込まれる利益が、当該土地の貸付け又は売払いをすることにより国の通常享受すると見込まれる利益を下回ることが確実と見込まれるとき。」これは売り飛ばしたときより、いろいろのことをやる方がかえって損するという場合。それから二番目に、「各省各庁の長は、前項の規定により土地を信託しようとする場合には、次に掲げる事項について、政令で定めるところにより、あらかじめ中央審議会又は地方審議会に諮問し、その議を経なければならない。」こうなっておりまして、一、二、三、四、五まであります。その三のところに「信託の収支見積り」という点があります。この「収支見積り」というのはどういう点をもって収支見積もりというのかということを御説明願いたいと思います。
#297
○中田政府委員 第二項で国有財産中央審議会または地方審議会に諮問するときに、具体的にこの土地を信託に出します、そしてこの信託、例えば物納物産の土地であると仮に仮定をして御説明をすれば、共同でもって信託に出して、そしてこういう例えば何階建てのマンションができて何戸できるでしょう、ほぼ建設費はこれぐらいかかるでしょう、その間の借入金はこういうことで賄いましょう、金利はどれくらい払いましょう、そしてこれぐらいで売れるでしょう、そうすれば売却した後これだけの配当が可能になりましょうというようなことで、あくまで見積もりでございますから結果ではございませんが、その時点において最も妥当であろうと思われるような見積もりを出していただいて、それを審議会の議にかけよう、こういう趣旨でございます。
#298
○正森委員 それは当然のお答えなんですが、大蔵大臣、それは答えであって答えにはなっていないのですね。というのは、今の場合は、借地権があって国有地としては底地だけであるという、想定している一番不利な場合ですね。更地に自由にプロジェクトを信託でいろいろやらせるという有利な場合とは違う場合ですから、話がなかなか微妙でございますが、それでもやはり理屈は同じなんですね。幾らで売れるかという売り値を決めるときには何が要素として出てまいりますか。まずその建設費用が要るでしょう。それには銀行から普通借金しなければなりませんね。それでその元本と返済までの利息を計算しなければなりません。しかし、それだけ計算するのなら、竹下大蔵大臣、別に建設大臣を経験しなくてもわかるので、一番大事なのは、土地の値段を幾らで評価するかということが売り値を決める場合の一番大きな要素なんですよ。結局、売ることによって土地の値段を回収しなければこれはぐあいが悪いわけです。少なくとも、信託ですから土地を全部売ってないんだということにしましても、恐らく鉄筋コンクリートその他でしょうから民法でも非常に長い借地権があるわけですから、その借地権つきの建物を建てさせるということになれば、これは普通民間の売買の場合には、土地の更地価格の権利金として最低二分の一以上、時としては六割、七割というのを出さなければならないのですね。
 だから、そういうようなものを入れて売り値を決めるのか、あるいはそういうのをできるだけ低く見積もってそれで収支計算を立てるのかというので、あなたの言われる収支計算というものも全く違ってくるのですね。そこのところこそまさに今度の国有地信託の一番大事な点なのじゃないですか。
 時間がございませんので、これから受託しようという人がどういうぐあいに考えているか。これは午後においでになりました櫻井修さん、信託協会の会長ですか、住友信託銀行の社長もしておられるのですか、まさに今度の国有地の信託で一番関係の深い人であります。その人が言っておられる論点、これは「エコノミスト」の八六年二月十八日付であります。その中でいろいろ言っているのですけれども、こう言っているのですね。
  もう一つ、公有地や民間の土地を信託する妙味の一つに、土地の値段が一切表に出ないということがあります。従来、たとえば国有地ですと、土地を生かそうとすると、第三セクターをつくって、そこへ売り渡す形になる。入札すれば大変な値段になる。どうしても土地の値段を顕在化させずにはおかないところがあるんですね。それだけ高い値段の土地であることを前提として考えれば、プロジェクトはきわめて限定されてきますね。
これは本当のことなんですね。
 けれども土地信託は土地を処分するわけでなく、活用してまたもとへ戻すのですから値段は表へ出ない。地価上昇の過熱防止になるというプラスがあります。それから採算分岐点を非常に低く置けるから、いろいろなプロジェクトが考えられます。こういう二つの大きなメリットがあるわけです。こう言っているのですね。つまり、その土地の値段を顕在化させない、それでその採算分岐点を非常に低く抑えることができるということを言っているわけなんです。
 これは別のところでも言っているのですよ。
 仮にその土地を売れば一〇億円になると仮定する。信託するのだからその七%の七〇〇〇万円の配当がなければつまらないとなると、これは話がおかしい。一〇億円といっても手取りではそれだけにならないはずです。仮に五億円税金を取られて、残りの五億円で七%稼ぐかどうか、ということになります。
 そもそもの一〇億円を三・五%に回せば、その土地を売って金融資産にかえたのと同じ利回りになるはずです。しかも、その土地の所有権は残っている。かつ、含み益も残っている。ということになると、実はそれよりまだ利回りが低くてもいいのかもしれない。採算分岐点をとこに置くかで、その事業が成り立つかどうかということも変わってはくるんですね。
こう言っているのですね。
 このことはどういうことを意味しているかというと、この櫻井修さんなどはこの法案ができれば真っ先に国有地信託の利益を享受することになると思うのですが、この人のねらっているのは、地価の顕在化を避けるということで、収支見積もり、原価計算に最も必要な土地の価格をあいまいもことしておく。そして、採算分岐点を低くするために、理論上の値段を税金でやればこれだけ取られるじゃないか、やれこれだけ取られるじゃないかということで低く見る。低く見ることによって配当も少なくする。そうすれば、採算分岐点は非常に低くていいから、いろいろなプロジェクトが考えられるじゃないかというのがこの櫻井修氏の考え方なんですね。
 そうすると、幾らここで収支見込みというのは国有財産審議会の議に供しなければならないということになりましても、今次長が答えた程度のことを答えて、ともかく配当が入るからいいじゃないかとかあるいは売れるからいいではないかというようなことでは、本当に得べかりし利益、つまり、ここの初めに書いてある「土地の信託をすることにより国の通常享受する」利益が損なわれる場合というのに当たる場合は大いにあり得ると思うのですね。その点はいかがですか。法律の解釈だけでなしに、櫻井修氏が「エコノミスト」でこういうことを堂々と言っておられるということは、土地の値段を非常に低く見ることによってみずからの利益を確保しよう、こういうことにほかならないと私は思いますが、いかがですか。
#299
○中田政府委員 信託に分譲型と賃貸型がございます。恐らく櫻井氏の議論は賃貸型信託についての所見だろうと思いますが、賃貸型信託というのは確かにかなり難しい問題を内包しております。
 先ほど私が例として挙げました、例えば物納財産の処分型信託の場合でございますれば、当然のことながら地価は普通土地を売却すると同じように見込んでみて、もちろん借地権で制約されますから丸々入ってこない。例えば三割が借地権だということであればそれをベースにどれくらいに売れるだろうかという見込みも立てるわけでございますが、さらに売却の場合は、恐らく随意契約でなくて国が入札なり何なり競争契約で売るということを受託者に対して条件づけることも可能だと思います。そうしますれば、収支見積もりよりも余計高い値段で売れるということも当然あり得るわけでございまして、現状のままですと、むしろ利用が非常に非効率なものですから、我々が売却しようと思っても相手方が買えないというふうなことで滞っておるものがむしろ開発利益がついて処分ができるとすれば、決してこれは信託会社をもうけさせるというようなことではなくて、国の行政の目的にも、また土地の有効利用にもプラスになる行き方ではないだろうか、こういうふうに思っております。
#300
○正森委員 次長のお答えになっているのは、理想形に進めばそれはそういうことになるかもしれないのですね。しかし、私も議員になる前に弁護士をしておりましたから、国有地の賃借権の問題でいろいろ理財局と交渉したこともありますし、国有地の上の借地人、借家人の立場で話をしたこともありますけれども、これは非常に難しいのですね。
 そういう場合に、借地権がある場合あるいはその借地権の上に借家人がいる場合その権利関係をどうするかというのは、都会では大体三、三、四とかいろいろ言われますが、借地権側が少なくとも二分の一以上、まあ六割から七割以上ということになります。そうしますと、信託会社に信託する場合に、借地権者はまずその割合が幾らであるかということで納得しなければ信託いたしませんね。次に、更地の値段を一体幾らで評価してくれるかということが問題になるわけで、仮に六割が七割にふやされても、百万円のものを七十万円に評価されたら何にもならぬというので、そこら辺が紛争になってなかなか解決しないのですね。
 ところで、そういう問題がすべてあなたの言うようにうまく解決して、借地権者が満足する形態はどうかと言えば、土地が更地の値段として借地権者が思う筒いっぱいの値段に評価され、かつ自分の持ち分が都会でも最大と言われる七割とかそういうぐあいに評価されるという場合なんですね。そういう場合に、それらの価格を全部織り込んで、そして建物を建てて、それの建設費と利息を全部入れて売るということになれば最大限高くついて、櫻井さんの言われる採算分岐点なんてはるかに高くならざるを得ないのですね、逆に言うと。だって、それじゃ売れないわけです。信託会社がそういうお世話をして自分のお世話料をもらって、賃貸の場合だったら二十年間でぼつぼつ稼げばいい、場合によったら二十年たってからもう二十年で稼いでもいいということになるけれども、分譲型の場合はその場でいろいろ苦労して、建設会社と交渉し、銀行から金を借り、あなた方の本にも書いてあるけれども調整能力を持って借地権者や借家人、その世話なんて大変なものです、弁護士が入ったってなかなか大変ですから。それを全部やって、筒いっぱい売った値段が結局借家人に全部取られ、国にも高い値段で取られ、自分の受託利益はほとんどないということになれば、そんなものはやめや、それでもやってくれということになれば、土地の値段を低く抑えるとか採算分岐点を低くするという櫻井さんの説以外にはないのじゃないですか。
 それは次長はきれいごとを言われますよ。きれいごとを言われるけれども、私らのように実際に土地の紛争やら利害関係がどういうものであるかということをよく知っている者は――櫻井修さんの言われることに決して私は賛成するわけじゃないけれども、実際に仕事をしようという者から見れば、今度の国有地の信託についての最大のメリットは、現物もお金を出さないで土地を利用できる、だから、建設費用と利息だけを考えればいいから採算分岐点が低いということなんです。それは、次長が言っているような国有財産が正当な価値を実現するということについて支障がないという路線と衝突するのですよ。衝突するからこそ逆に櫻井修さんは、これはいいことで早く通してほしい、おまけに税制上の優遇措置も欲しいということを書いておられるのですね。まさにこの点が一番問題じゃないですか。
 そういう意味で、大臣なり次長に伺いたいのですが、二十八条の二の二項五号に「その他政令で定める事項」と書いてあります。二項の本文でも「政令で定めるところにより、あらかじめ中央審議会又は地方審議会に諮問し、その議を経なければならない。」となっております。この中に、単純な収支見積もりだけでなしに――国有地でありますから地価を顕在化しないとか土地価格を顕在化しないのが一番いいことだと言いますけれども、収支見積もりや原価計算をしようというときに土地の原価をあいまいもこにして収支見積もりも原価計算もないので、それは政令で必ず評価する、正当な土地鑑定人によって評価するということを入れなければ、これは国有財産の売却、信託について国民に非常に損害を与えることになるのじゃないですか。
#301
○中田政府委員 まさに今御指摘のような問題もあろうかということで、二十八条の二第一項二号で「土地の信託をすることにより国の通常享受すると見込まれる利益が、当該土地の貸付け又は売払いをすることにより国の通常享受すると見込まれる利益を下回ることが確実と見込まれるとき。」は信託してはならないということにしてあるわけでございまして、その心は、当然土地がただでいいという思想ではございません。
 第二項で審議会に諮問する場合に「その他政令で定める事項」といたしましては、例えば信託の事業計画、資金計画、信託期間というふうなことをさらに細部にわたって審議会にお諮りして、もちろんその中には、売却ということであれば土地の値段はどの程度見込まれるということも入ってくる、そういう形で諮問したいと思っております。
#302
○正森委員 私の質問についてある程度そうするという答弁がされましたが、賃借型の場合には物価上昇や賃貸料の上昇というのは常識なんですね。二十年間同一水準で貸しておったのでは国がとてももうからないわけで、その場合に配当の改定のルールというのは当然つくられなければならないと思うのです。そういうのはつくるつもりですか。
#303
○中田政府委員 信託の場合には配当がまずありきという形ではございませんで、むしろ賃貸型の信託でありますれば賃貸料がまずありき、したがって、何年かごとに賃貸料を改定するというルールはつくっておく必要はあると思います。そして、賃貸料がふえればそれに応じて配当もふえてくる、こういう仕組みになろうかと思います。
#304
○正森委員 信託事業の範囲等について伺いますが、受託者の行う事業の範囲が具体的にどこまで制限できるのか。これは国有財産ですから、そこへ赤線みたいなものをつくられても困りますし、事業内容の報告や実地監査で仮に不適正とされた場合にどう対処するのかについてお答え願いたいと思います。
#305
○中田政府委員 事業をどのように絞るべきかというのは、抽象的に申し上げますれば、高収益を上げるということだけに専念してやるべきでないだろう。公共性、公益性も加味して考えていく必要があるだろう。具体的には、土地はそれぞれ個性がございますから、どこに立地する土地がによってその利用目的等が変わってくるだろうと思いますけれども、現在でも、例えば国の土地を売却しますときに風俗営業は禁止するというような条件もつけておりますから、そういったことは当然頭に入れていかなければいけないことだと考えております。
#306
○正森委員 今まで次長に御答弁願いましたが、大蔵大臣から一言伺いたいと思います。
 それは、四月十二日の朝日新聞ですが、との国有地信託の問題が出てまいりましたときに、「大蔵省によると、この制度は@すでに借地権が設定されている土地など、権利関係が複雑で売却が難しいA将来、公用に利用する可能性があり、所有権を手放さない方がいい、などと判断される土地を想定した制度。」ということで、「公用地売却には財政危機を穴埋めする、という側面もあり、大蔵省としては「処分できるものは処分する」との考え方だった」。つまりできるだけ売って、お金をもらう。信託する場合は、今言われたように物納などで権利関係があるというもので、いわば消極的にこれを財政に寄与させるということだが、「自民党首脳の案は」、大蔵大臣も自民党首脳、現在は政府首脳でございますが、「の案は「地価高騰対策」の面から民活事業などに当たっては当面、公有地の売却より信託制度を優先させる、というもの。少なくとも土地高騰の心配が続く間は公用地を売却しない、との原則をつくりたい意向だ。」ただし、国鉄用地は、先ほども質問がありましたように、現金を早くもらわないと困るのでこれは別であるという考えであるということで出ているのですね。
 これは実際上は大蔵省のこれまでの各委員に対する答弁と若干ニュアンスが違うということで、これはどなたかわかりませんけれども、結局自民党首脳のお考えは、それこそ地価を顕在化させずに、そして土地代に多大なお金を使わないで、せいぜい賃料だけで、それも低く評価した賃料で活用することが民活につながるという考えですね。これは結局、プロジェクトなどを考えるいろいろなグループ、企業に対して土地問題を非常に安く解決するという発想から来ておりまして、国の財政困難の中で収入をふやすというような考えよりは、民間の企業に利益を与えでいろいろな事業を起こさせるという考えの方により比重を置いているように思われてならないのです。これは櫻井修氏の考えにもぴったり合致する。
 余り引用するのはやめますけれども、櫻井修氏は、何も信託をしていろいろ苦労して、そこで手数料をもらうというだけじゃないのだ、こう言っているのです。「信託銀行は土地信託だけをやっているわけではなく、いわば貸金という形での商売もやっています。一つのプロジェクトを組み、いろいろな取引先をそこに斡旋していく過程でいろいろな商売の金が動くわけです。だからトータルでみればペイする仕事になる」「逆にいうと、そういうトータルのソロバンをはじいて、受けられるものだけを受けるということにはなる」これは先ほどの「エコノミスト」の二月十八日号で言っているのです。つまり、手数料だけで見るとそうでもないけれども、そこへ大きな建物をつくることになったら建築会社へ仕事をやる、その建築会社が預金してくれる、あるいは銀行から金を借りる、その銀行とまたコネクションができるとか、そういう全体の利益を考えるとペイするのだということで、そこら辺まで目を向けて考えておられるのですね。そうしますと、大蔵省の消極的に対応するというのとは大分差があるように思います。それもあるいは必要なことかもしれませんが、度が過ぎますと国民の共有財産に損害を与えるという、二十八条の二が危惧していることになると思うのです。
 大蔵大臣の御所見を承りたいと思います。
#307
○竹下国務大臣 最初、私どもが信託を何とかやれないかというときに、私法律に音痴でありましたから、現行制度でやれないかとまで思いました。しかし、現行制度は、まさに信託などということを予見していないままでつくられている。そこで、審議会で議論してもらってつくるということになった。ちょうどそのさなかでございます。大変に高い値段で売れまして、自民党のことは別として、政府部内でも、可能な限り税外収入を上げたいという私どもの方の気持ち、それから国土庁におかれては、それはもういわゆる国土法の根幹というものに触れるというような議論が出ましたり、その後、例えば西戸山の問題等については三省で物すごく議論した上で決まった。今度の信託制度の導入というものが余りにもとっぴな地価の高騰に対して、議論している途中でございましたか、汐留かなにかが最初出ましたときに、それを避けるという意味に感じ方が変化した向きが実際問題としてあったと私も思います。確かにその辺が変化してそういうふうな議論になったことも事実でございますが、国民の財産でございますから、これはやはりきちんとした、だれが見ても正当な形で運用されるということは、これからやるわけでございますけれども、十分監視していかなければならぬ問題だというふうには思っております。率直に言って、私自身が時に、本当にそんなに高くていいだろうかと思うこともございます。
 財政当局として一銭でも欲しいという気持ちと同時に、政治家としてそういうことも感ずる場合がございますが、今度の場合は、いろいろ本委員会で指摘されておるような問題をきちんと踏まえて、実行に移す際対応していかなければならぬ問題だというふうに考えております。
#308
○正森委員 時間でございますので、最後に一問だけ聞かしていただきます。
 こういうように国有財産の信託というような問題が出てまいりますと、今まで国有地の管理をいたしておりました財務局の管財関係の職員の労働条件に非常に大きな影響を与えると思います。まず第一に、新たな監査事務等の増加で労働強化になるのではないかということが一つでございますが、その一方では、この信託の仕事が拡大した場合には、もう国有地が信託の方へ行ってしまったんだから機構を縮小して定員削減をしてもいいんじゃないかとか、財務局はどんどんなくしたらいいんじゃないかというということにならないかという危惧、これが非常にあるわけですが、それについて、職員の不安を解消する意味でも、御見解があれば承りたいと思います。
#309
○中田政府委員 財務局は、実は行政改革の中で、昭和四十二年以降定員を三割程度減らしてまいりました。仕事はそう減っておるわけではございませんが、合理化をして対処をしてまいっております。そういう大きな流れの中で、組合の諸君も非常に神経を使っておられるということは背景としてあろうかと思います。しかしながら、今回土地信託制度を導入いたします目的が、決してこれまでの管理処分の方針を変えようというのではなくて、むしろ補完的な意味でこれを活用していこうということですから、基本的にこのことで職員の仕事に大きな変化が生じるということはないだろうと思います。
 私ども、そういうことは夢にも思っておらなかったのですけれども、後で組合の方々が非常に心配しておられるという事実を把握しましたので、早速組合の幹部にも、私どもの意図をよく話をしました。今では理解をいただいておるものと確信いたしております。
#310
○正森委員 終わります。
#311
○中西(啓)委員長代理 玉置一弥君。
#312
○玉置(一)委員 いつも後ろの方でございますから、あれ聞こうか、これ聞こうかと思っても、皆さんに聞いていただきまして、一部は非常に助かるのですけれども……。
 この法律が出たときに、今までの大蔵省の考え方からいくと、とても想像できないような非常にユニークな法律でございまして、大体出し渋りが多かったけれども、今度はもうけることも考え始めた、こういうような感じを受けたわけであります。今国有財産は四十兆ぐらいですかございますけれども、国有財産の中で特に普通財産、大蔵省としてはやはりこの辺の活用を図っていかなければいけない。先ほどのお話にありましたように、既設でなおかつ使用されている行政財産というものもあるわけでございますし、この四十兆の有効活用が図られればかなりの税外収入が可能ではないか、こういうふうに思うわけです。
 今回対象になるかならないか知りませんけれども、現在、五十九年度末の国有財産としての土地、この総額が十兆七千億ぐらいということでございます。この十兆七千億ある土地の中でどの程度活用できるかということもあるわけですが、まず一番にお聞き申し上げたいのは、今回土地信託で活用を図った経過を今一応お聞きしましたけれども、従来どういう活用をされてきて、またそれと比較をしてより大きなメリットがあるということは多分想像できますが、それが本当にどの程度あるのか、これについてまずお答えをいただきたいと思います。
#313
○中田政府委員 国有財産の管理運用の基本的な方針といたしまして、国有財産は、面積としては非常にたくさんございます。全国土の二五%ぐらいあるわけでございますけれども、大部分が林野庁の特別会計に所属しております山林でございまして、宅地ということになりますと、そんな大きなものではございません。限られたこの国有地を、非常に貴重な国民全体の財産だという観点から利用しますときには、私どもは、公用、公共用を中心に考えていく、そしてまた、都市部にあるものについては、市街地の再開発等都市の環境の改善のために使っていく、こういうことを基本的な方針にしておるわけでございます。
 しかしながら、五十八年一月に国有財産中央審が、当面の方針といたしまして、従来の基本方針は維持しつつも、それを損なわない範囲で、国がいつまでも利用する予定のないものについては積極的に処分していこう、そして財政収入に寄与しようということで、民間活力を活用し処分するという方針を取り入れてきたわけでございます。これが国有財産の管理運用の大きな方針でございます。
 今回、この土地信託制度を導入するに当たりましても、この基本方針を変えるという考え方ではございませんで、むしろこの基本方針に乗ってこない――信託という制度には、ほかの、これまでの売却とか貸し付けとかにはない特徴がございますので、そういった特徴を生かして土地の有効利用なり処分の促進を図る場合にはこれを使っていこうということを考えたわけでございます。中央審での議論もそういうことを示唆してくだすっているわけでございます。
 したがいまして、この法律ができまして、現時点でこれが第一号の信託事案になるというほど詰めておる事案はまだございません。どちらかというと受け身で、こういったものになじむような事案についてはこの信託制度を活用して処理していきたいと考えておりますので、即効的な効果ということでは余り大きなものは期待しておらないのが現状でございます。
#314
○玉置(一)委員 予算委員会に出されました資料で、今回の民活可能な面積が大体百十ヘクタールぐらいですか、ちょっと違いますか、そのくらいですね。
#315
○中田政府委員 これまで民活可能土地として選定いたしまして公表してまいりましたものは、二百七十八件で百六十二・二ヘクタールござ、います。
#316
○玉置(一)委員 大変な面積でございまして、大体一つの町の大きさぐらいあるわけですけれども、私たちが今まで見ておりますと、先ほども論議がありましたけれども、国有地売却の基本方針といいますか、これがいろいろありまして、競争入札でこれがいわゆる地価の高騰を招くということがございました。逆に、信託制になった場合に、これもある程度入札になると思いますけれども、地価との関係はどういうふうに変わっていくのか、その辺についてお聞きしたいと思います。
#317
○中田政府委員 土地信託には、処分型といいますか分譲型の土地信託と、貸し付け型といいますかいわゆる管理型の土地信託があろうかと思います。
 管理型の土地信託でございますれば、これは土地を信託に出しまして、その上に建物を建ててこれを貸す。したがって収入は、賃借料から諸経費を引いたもの、それが配当として入ってくるという形でございますので、地価という点では全く顕在化はいたしません。しかし処分型の土地信託でございますれば、これを売却するときに、上に建物が建っておりますから、土地プラス建物の値段で処分されるという意味では土地そのものの値段は顕在化いたしませんけれども、当然売り値の中には土地の値段も含まれて売却される、こういうことになろうかと思います。
#318
○玉置(一)委員 先ほどの民活可能な土地の面積というお話の中で百六十二ヘクタールということがございましたけれども、今国有財産として十兆円近く持っておるわけです。この十兆円の中の普通財産がどれだけかというのは見分けがつきませんけれども、逆に、いただいた資料の中で四兆円ぐらい、三兆円ぐらいかな、そのくらいが可能な形になっているというようにも思います。
 私たちが知りたいのは、今回予算委員会に出されました資料の中で、民活可能ということでずっといろいろ書いておられますね。リストがあります。このリストを優先的にされるのか。残りの出てないところ、もっと小さいところがたくさんあるわけですね。だれもが目をつけないようなところもありますし、その辺なんか、特に有効活用から考えてみると、とてもじゃないけれども国じゃ使えないだろう、そういう部分があるわけですけれども、どういう方面から優先的にやっていかれるか。最終的にどこの範囲まで、例えばこの国有地の面積全体で幾らとか、あるいは十兆円の金額のうちの幾らとか、その辺についてお伺いしたいと思います。
#319
○中田政府委員 予算委員会に提出いたしました民活可能土地二百七十八件、百六十二・二ヘクタールというのは、大体未利用の状態のものを売却できる、場合によっては地方公共団体が欲しいということであればそちらに回しますけれども、そうでなければ民間に売っていくということでございます。売却するかわりに信託をしようというような気持ちは今のところそれほど強くございません。むしろ信託は補完的な管理処分の手段の多様化というようなことで考えておりまして、幾つかの事例を挙げて、こういうことも可能になるという御説明をしてきたわけです。
 例えば私ども一番今利用しやすいのかなと思っておりますのは、物納財産で底地は国のものである、それから上物は民間のものであって人が住んでおる、こういうものはほかへ転売するわけにいきませんので、当然上物を持っておられる方に随意契約で買っていただくという交渉をしておるわけですが、なかなか資金もないというようなことで処分が進まない事例がございます。
 それでは、これを国が底地権を信託に出すから、建物を持っておられる方は借地権を信託に出して共同でマンションを建ててお互い底地権、借地権の持ち分でもってこれを分けて、それをおのおの使えばいいじゃないか、こういう形で相談がまとまりますれば、恐らく一番今の信託によくなじむのではないだろうか。物納財産というのは相当ございますけれども、実際にこういった信託の手法にかけて処理が進んでいくというのは、よほど土地の需給のタイトなところでないとうまくいかないと思います。
 したがいまして、例えば東京都二十三区内に物納財産で貸し付け中のものがどれくらいあるかというと、二千四百件ぐらいございます。これが全部こういうふうになっていくとは思えませんけれども、恐らくこういったものの中から信託に適するもの、相手方と話のついたものなどをまず試してみたらどうだろうか、こういうふうに考えております。
    〔中西(啓)委員長代理退席、委員長着席〕
#320
○玉置(一)委員 国有財産の十兆円の中で、まだまだ行政財産と普通財産とあります。行政財産の場合は、先ほどのお話のように、今使っているものを廃止する以外にないわけですから、これは機構改革がないとできないと思います。
 ただ、例えば大学の場合、非常に広大な演習林があります。そんなに要るのかと僕はいつも思うのですね。余り言っちゃだめですが、地元にも大学がありまして、そこの大学なんか、あちこち演習林を持っていまして、地元の人に聞いてみますと、ほとんど来たことがない、来てもごく一部だけちょこちょことしてあと帰ってしまう、こういうことがありまして、地元で逆に使いたいという話もあるわけです。たまたま大学の場合は用地が広いですから、それでほとんど使わないですね、頭を使えばいいところですから。そういうところがあるわけですね。
 ほかのいろんな役所を見ても、確かに合理化されて人もいないというところもありますし、国会周辺にも、これは何だというくらい古いのがたくさんありまして、お化け屋敷みたいになっているというようなのもあります。そういうふうに見ていきますと、行政財産も見直していけばかなり不用のものもあると私は思いますけれども、そういう見直しを今までなされてきたのか、そして逆に、行政財産も含めて信託の可能性があるのかについてお伺いしたいと思います。
#321
○中田政府委員 これは昭和四十七年に、我々の現在の国有財産の管理処分の基本指針になっております有効利用答申という答申が、国有財産中央審議会から出されております。その中でも、やはり国有地を有効に使っていく必要性が説かれておりまして、行政財産についても使用の実態を調査すべきだというような御提言がございました。
 これを受けまして私どもは、昭和五十四年度、五十七年度、五十九年度というふうに国有財産の中で行政財産の利用の実態を調査しておりまして、その中で非効率な利用にすぎないというふうなものはどしどし指摘をいたしまして、これを効率化していこう。例えば二、三カ所に散らばっておる庁舎を一カ所にまとめて集約立体化する、そして残りの二カ所の土地は有効に使っていく、こういうふうな努力、また宿舎につきましても同様な努力をしておるところでございます。
#322
○玉置(一)委員 逆に言えば、今は非常に土地が少なくなってきておりまして、私がすぐ考えるのは、土地というのは担保能力がある、担保能力があると資金運用ができる、こういうふうに考えるわけでして、だから国として確かに国有財産の見直しとかいろいろやって、全部手放して信託に回す、そして借り受けるというふうにやった場合と、それから今のままで残ったところを要らないところを売却する、こういうのとどちらが有利かなというふうにちょっと思うのですが、この辺についてはどういうふうにお考えになりますか。
#323
○中田政府委員 恐らく国がこの土地は将来とも使う当てはないといいますか、使わなくて済むという土地であれば売却処分にした方が、財政上もはるかにプラスだと思います。何と申しましても、国が将来使いたいから留保しておかなければいかぬという条件のもとでしたら、それまでの間、信託のような手法で活用していくというのは一つだと思いますが、使う当てがないのであれば、信託に出してそれを借りるというようなことをいたしますと当然信託報酬等も払わなければいけません。経費もかさむわけでございますから、そういう場合だとやはり売却の方が有利になるケースが多いと思います。
#324
○玉置(一)委員 いや私が申し上げたのは、使うのはわかっていて、今使っているところも売却してしまう、それで相手に預けたものを借り受けるということなんですね。だから財政再建を考えるときに、いっときに入るわけですね。少なくとも今四十兆円の国有財産があって、そのうちに土地があります。土地の場合、評価は、実際の売買というのは大体三倍ぐらいにはなるはずですから、今の国債は大体ほぼ返せるということになるわけですね。あと借り賃だけでいいわけですから、そういうので一気に返してしまえばどうかというように思うわけですね。これについてどうですか。
#325
○中田政府委員 国有財産全体の残高は確かに四十二兆でございますが、このうちの土地は、簿価で十兆円ということですから、仮に時価が二倍、三倍であったとしても、現在の国債残高にははるかに及びもつかないというのが実態、でございます。
 いずれにいたしましても、国が現在使っておるものまで売った形にして借りる、これは相当非効率じゃないかという感じはいたします。やはり持っておった方が価値も上がっていくわけですし、余計な経費は払わなくて済むわけです。しかし、国が持っておりますものをできるだけ効率的に使って、そしてあいたところは処分をする、そして少しでも財政に寄与したい、こういう気持ちは持っておりまして、先ほど来申し上げておりますように、行政財産の実態調査をしたりしながら、民間活力の活用が可能な土地を生み出して、これを有効に活用するということで努力しておるわけでございます。
#326
○玉置(一)委員 ちょっとまた話が変わりますけれども、実は私たちの地元には飛行場が昔ございまして、飛行場をつくるときに周りの土地を接収をしてつくってきた、こういうところがあります。飛行場の中を河川が流れておりまして、飛行場をつくったときにせきとめてしまった、こういうのがあります。それから住宅開発が上流の方で進んで、河川がつけかえされた。下流については、そのまま川の形が残っておりますけれども、いつの間にか田畑に変わってしまっている、こういうことがあります。あるいは、川が流れていたのが、川が場所が変わったために、耕している人がいつの間にか無番地のところを耕している、こういうことがたくさんございまして、これまた大変なんです。
 京都の場合は財務部でございますけれども、いつもいろいろお願いをして考えていただいているわけでございますが、まず一つは、終戦直後から占有使用しているこういう土地の所有権、そしてこの処分の方法をどういうふうにされてきたのか。
 それからもう一つは、これは、我々が知っているところで売買になる場合もあるわけですけれども、終戦直後というのも、どっちかというとただみたいなところですね、ただみたいな評価をして、ただで取得をしたということで、本当はただでいいと思うのですけれども、ところが、圃場整備でありますとか、あるいは街路事業とかいろいろなところへぶつかりますと、無番地であるがために国有地だということ、あるいは行政財産であったりする、こういうことがございまして、個人が買い上げをしなければいけない、こういう形があります。これがどうも納得いかないという方が非常にたくさんおられまして、納得いくようにまず説明をしていただきたいと思います。
#327
○中田政府委員 私どもが長年非常に頭を悩ましてきた問題だと思います。国以外の者が国との間で契約手続ができておらないままで現に使用しておるというふうな財産、これには二通りありまして、不法占拠とそれから契約未済と二つの分類に分けておるわけでございます。
 先生のお話は、契約未済財産と我々が称しておるグループに属するかと思います。こういう財産は、例えばもと河川敷であった、道路敷であったという、もとは公共物であった場合もございますし、あるいは里道とか水路のように法定外公共物であった場合もございましょうし、また二線引き畦畔のようにあぜ道であったというふうなものもあろうかと思います。こういった契約未済財産につきましては、私どもも年次計画をもちまして処理を進めておるわけでございますが、例えば法定外公共物ですと、建設省の方から、もう公共物でなくなった、普通財産だから引き継ぐよということで大蔵省の方に引き継いでこられる、こういったような新規発生事案が年間大体二万件ぐらいございます。これらを毎年大体二万件ぐらいずつ処理しておりまして、残高としては三万件余りのものが、毎年少しずつ減っておりますけれども、残っておるというような状況でございます。
 具体的には、それぞれの土地がどういうきっかけで占使用になったかというふうな事情等を見ながら、実際には、現在使っておられる方に処分するよりしようがない、ほかへの処分は考えられませんので、随意契約で相手方に売り払いをするということでございますが、その場合も、長年使っておられますものについては、権利相当分は控除してこれを処分するとか、あるいは畦畔、あぜ道等で、これはもう時効取得が認められるだろうというふうなものについては、時効であるということで無償で処分するとか、こういったものを一応基準を決めて処理しておるのが現状でございます。
#328
○玉置(一)委員 今まで自分が使っていて、それをまた自分で買わなければいけないということですから、大体かなり納得いかない事情ですけれども、手続ができていなかったということである程度やむを得ないと思います。できるだけ実態を勘案して権利分を差し引くという話ですが、地元ではそれがなかなか徹底されていないみたいなんですね。というのは、鑑定して値段を決めてしまうというような形が多いみたいでございますから、ぜひ今までの権利というものを十分認めていただいた上で処分をお願いをしたいと思います。
 大体そろったみたいでございますから、これで終わりたいと思います。
#329
○小泉委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#330
○小泉委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 国有財産法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#331
○小泉委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#332
○小泉委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#333
○小泉委員長 次回は、来る十六日金曜日午前十時五十分理事会、午前十一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時五十分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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