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1985/04/08 第104回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第104回国会 地方行政委員会 第9号
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1985/04/08 第104回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第104回国会 地方行政委員会 第9号

#1
第104回国会 地方行政委員会 第9号
昭和六十一年四月八日(火曜日)
    午前十時二分開議
 出席委員
  委員長 福島 譲二君
   理事 糸山英太郎君 理事 小澤  潔君
   理事 西田  司君 理事 平林 鴻三君
   理事 加藤 万吉君 理事 安田 修三君
   理事 宮地 正介君 理事 岡田 正勝君
      大村 襄治君    左藤  恵君
      細田 吉藏君    松田 九郎君
      五十嵐広三君    小川 省吾君
      細谷 治嘉君    山下八洲夫君
      小谷 輝二君    吉井 光照君
      経塚 幸夫君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 小沢 一郎君
 出席政府委員
        警察庁警務局長 大堀太千男君
        警察庁刑事局保
        安部長     新田  勇君
        自治大臣官房長 津田  正君
        自治大臣官房審
        議官      石山  努君
        自治大臣官房審
        議官      小林  実君
        自治大臣官房審
        議官      渡辺  功君
        自治省行政局公
        務員部長    柳  克樹君
        自治省行政局選
        挙部長     小笠原臣也君
        自治省財政局長 花岡 圭三君
        自治省税務局長 矢野浩一郎君
委員外の出席者
        大蔵省主計局主
        計官      田波 耕治君
        大蔵省主税局税
        制第二課長   日高 壮平君
        厚生省保険局国
        民健康保険課長 近藤純五郎君
        資源エネルギー
        庁長官官房鉱業
        課長      林   暉君
        運輸大臣官房国
        有鉄道部労政室
        長       高橋 朋敬君
        運輸大臣官房国
        有鉄道部地方交
        通線対策室長  四方 弘文君
        運輸省地域交通
        局鉄道業務課長 山本 昌彦君
        建設省都市局公
        園緑地課長   坂本新太郎君
        自治省財政局交
        付税課長    遠藤 安彦君
        日本国有鉄道地
        方交通線対策室
        次長      山崎 正夫君
        日本国有鉄道職
        員局給与課長  門野 雄策君
        日本国有鉄道旅
        客局総務課長  川崎 孝夫君
        日本国有鉄道貨
        物局営業課長  伊藤 直彦君
        日本国有鉄道公
        安本部次長   土田  洋君
        地方行政委員会
        調査室長    島村 幸雄君
    ―――――――――――――
四月三日
 地方自治の拡充に関する請願(経塚幸夫君紹介
 )(第二四五五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 連合審査会開会申入れに関する件
 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出第一七号)
     ――――◇―――――
#2
○福島委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小川省吾君。
#3
○小川(省)委員 昭和六十一年度の地方財政対策としては、一兆一千七百億円の補助負担金の地方負担に対して、国と地方のたばこ消費税増収分二千四百億円と建設地方債増発九千三百億円で補てんをされることになりました。この建設地方債の増発は地方財政計画での地方債の大幅な伸び、一二・一%になるようでありますが、それをもたらすとともに、地方債依存度も前年度の七・八%から八・四%と高まってきております。地方債の発行がすべていけないと言っておるのではありませんが、適切な水準で計画的に、かつ地域住民の福祉を向上させるために自主的に発行されるならば問題はないと思うけれども、このような財源不足対策のために、安易な、しかも巨額な建設地方債が発行されていくこと自体、問題だと思いますが、いかがでございますか。
#4
○花岡政府委員 昭和六十一年度におきましては九千三百億円の建設地方債を増発することにしておりますけれども、各地方団体の地方債の元利償還費につきましては交付税措置を講ずることとしておりますし、また、これに関連いたしまして後年度における地方交付税の総額を増額する措置も講じておるところでございます。
 詳しく申し上げますと、経常経費の補助率引き下げに伴って増発されます三千七百億円の地方債につきましては、そのうちの交付団体分につきまして四百億円を六十六年度以降交付税に加算するとともに、残りの二千四百四十億円につきましても暫定的に交付税に加算することといたしております。また、投資的経費に係る国費減額相当額の四千二百億円につきましては、国が地方債の元利償還金の二分の一相当額を交付税総額に加算するということにしておるものでございます。
 今後、これらを含めましてもなお交付税の総額が不足するという場合には、毎年度の地方財政計画の策定を通じまして所要の財源措置を講じて全体として必要な交付税の総額を確保してまいるということで、地方団体の財政運営に支障がないように配慮していくこととしておるわけでございます。
#5
○小川(省)委員 いろいろ説明がありましたが、昭和五十年以降、地方の財源不足対策のために、交付税特別会計の借入金とあわせて巨額な建設地方債が発行されてきたわけであります。五十年度から六十一年度まで合計二十六兆六千四百六十一億円の地方財源不足に対して、その補てんのため十三兆三千七百三十一億円の建設地方債が発行されております。このため六十一年度末で四十三兆六千十一億円の地方債の残高があるわけであります。本来ならば、このような地方財源の不足は地方交付税制度の趣旨から言えば当然地方交付税の増加や地方税の拡充によって財源補償されるべきでありますけれども、これを行わないで建設地方債の増発と交付税特別会計の借入金で賄ってきた結果、地方自治体では巨額の地方債残高を抱えさせられて、またその償還のために公債費負担比率の上昇によって苦しめられておるわけであります。これは全くもって地方の責任ではなくして国の責任であると思いますが、いかがでございますか。
#6
○花岡政府委員 地方財源の不足が生じました場合には、この補てん対策として御指摘のように一般財源の増強によって補てんずることが望ましいということは申し上げるまでもないわけでございます。私どももそう考えておりますけれども、現在の国、地方の厳しい財政状況を踏まえ、これまでもある程度建設地方債の活用も行ってきたところでございます。地方債残高が増大いたしましたのは、建設地方債が大きな要因であることは御指摘のとおりでございますが、それが地方団体の財政運営を圧迫しないように国の責任において適切な措置を講ずべきものであると考えておるところでございます。
#7
○小川(省)委員 大蔵省、いかがですか。
#8
○田波説明員 先生御指摘のように五十年代、特にオイルショックの後、日本経済は非常に、成長率の鈍化ということで今までにない状況に見舞われたわけでございまして、その間にありまして国の財政も非常に苦しかったわけでございますけれども、地方の財政も大変な財源不足を生じた。その過程におきまして交付税特別会計による借入金、それと建設地方債の活用という形で財源措置がとられてきたことは事実でございます。これは今財政局長からもお答えがございましたように、国、地方ともに非常な財政難にあって何とか国と地方の財政を円滑に進めるための一つの方策としてとられてきたわけでございまして、その点国の財政にも非常に困難があったということをぜひ御理解いただきたいと思います。
#9
○小川(省)委員 国の財政が苦しい、厳しい。国の責任だとは申し上げなかったわけでありますけれども、地方の責任ではない、このことだけははっきり申し上げておきたいと思っております。
 五十九年度の決算を見ても、都道府県の公債費負担比率は一四%であり、前年度より四十三団体が高くなっております。一五%から二〇%未満のところが十六団体、二〇%以上のところが六団体にもなっております。市町村では一四・五%で、大都市、都市、町村ともいずれも前年度の水準を上回っております。このため経常収支比率は都道府県で八二・九%、市町村で七九・四%と、いずれも上昇をしており、その上昇の第一の要因は公債費の上昇によるもので、都道府県で〇・七%、市町村で〇・七%、それぞれ経常収支比率を押し上げておるわけであります。
 自治省では、経常収支比率は経験的にも町村で七〇%、都市で七五%程度におさまるのが妥当であり、それぞれ七五%、八〇%を超えると財政構造の弾力性を失うと従来判断をしてきたところでありますが、五十九年度決算の状況は、いずれも自治省の言う警戒ラインをオーバーしてしまっておるわけであります。しかも、六十一年度地方財政対策では、財源不足の補てんのため九千三百億円の建設地方債を発行するわけでありますから、このままいくと、六十年度、六十一年度決算でも同じように公債費比率の上昇と経常収支比率の上昇が続くと思われますけれども、自治省としてはどのように考えておりますか。
#10
○花岡政府委員 御指摘のように、公債費負担比率あるいは経常収支比率も年々高くなってきておる状況でございます。今後の見通しにつきましては、明年度以降の税収とか地方債の発行状況等によっても変わってまいりますので、的確に申し上げることは困難でありますけれども、例えば昭和六十一年度の地方財政計画で見られますように、公債費の伸びが一般財源総額の伸びを下回るような状況が続きますならば公債費負担比率も若干低下すると考えられるわけでございます。
 しかし、やはり何と申しましても、五十年度以降地方財源不足対策の一環として毎年度多額の財源対策債を発行してきた、また、一般財源が伸び悩むという中で、各地方団体が事業の執行に当たりまして地方債に大きく依存をしてきたということから考えますと、今後とも地方団体におきます公債費の負担が重いという状況は続くものと考えております。私どももできるだけ一般財源の増強に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
#11
○小川(省)委員 特に、経常収支比率が自治省の警戒ラインを既にオーバーしておって、自治体の財政運営が弾力性を失ってしまっておるわけであります。その第一の要因は公債費の上昇にあることは明白であります。であるとすれば、公債費の上昇を抑え、それを通じて経常収支比率の上昇を抑制し、地方財政の弾力性を回復させるために手だてを講じなければならないと思うのですが、自治省としてはどのような対策を講じようとしておるのか。また、当分の間、地方財政はそのような手だてを講じられるような状態にはないと思われるが、いかがですか。この点については大臣からも御答弁をお願いします。
#12
○花岡政府委員 公債費負担の上昇を抑える対策、あるいは経常収支比率をよくするという対策でございますが、地方財政の健全化を図るためには経費の節減合理化、一方におきまして地方税源あるいは地方交付税の確保、こういったことが基本になるわけでございます。ただ、やはり現在の経済の状況あるいは国の財政状況等考えますと、早急にそのような状況に戻すといいますか、改善をするというのはなかなか難しいと存ずるわけでございますけれども、今後税制の抜本改正等が行われる中で、こういった点につきまして特に私ども主張してまいりたいと存じております。
#13
○小沢国務大臣 ただいま財政局長からも御答弁申し上げましたけれども、基本的には、地方税源を充実させる、また交付税の安定的な確保に努める、またそういう仕組みを国の制度の中につくっていくということであろうと思います。
 現在、税調におきまして抜本改正の議論が行われておりますので、今日の段階で私からいろいろ申し上げるのは適切でないと思っておりますけれども、例えば、伝え聞くところによりますと、所得税あるいは法人税の減税が仮に行われるということになれば、交付税のもとになります国税三税、その額は少なくなるわけでございまして、特に地方のいろいろな税源措置等が並行して講ぜられて財源が確保できればこれまた別の話でございますが、その意味におきましても交付税の確保ということを考えていかなければならないし、また新たないろいろな、例えば分離課税の問題とか利子所得の問題とかというようなことも御議論されているやに従来の経過から見受けられるわけでありますが、そういういろいろな抜本改正の中におきましても、地方の税源を確保し税収を確保していく、そういうような仕組みを自治省といたしましても今後きちんととっていくということが肝要なことであると考えております。
#14
○小川(省)委員 与望を担って就任をした自治大臣でありますから、ぜひひとつ頑張っていただきたいと思います。
 昭和五十年度以降の地方財源不足に対して、建設地方債の増発とともに、五十八年度までは交付税特別会計において借り入れを続けてまいりました。現在、その借入金の残高の地方負担分は五兆六千九百四十一億円にも上り、昭和六十六年以降は、財政再建が終わるとともに元金償還が始まることになっております。利子分の償還は、五十八年度三千四百四十六億、五十九年度三千六百三十八億、六十年度三千六百九十四億、六十一年度三千五百四十七億円というように、毎年度地方交付税から差し引かれて返却が行われておるわけであります。この結果、自治体に交付をされておる地方交付税は、出口のベースで見ると五十九年度三一・三%、六十年度三一・五%、六十一年度三一・二%というように、交付税率の法定三二%を下回っていることになるわけであります。昭和六十六年度以降、交付税特別会計の元金の償還が始まるときには、利子の償還と相まって、地方交付税の実質的な減額と法定三二%の切り込みがさらに大きくなっていくことは必至であろうと思っております。
 にもかかわらず、六十一年度の地方財政対策でとられた措置のように地方交付税の特例加算千二百億円というように、地方の一般財源不足に対して補てんがわずか二千四百億円というような措置が今後も続けられるとするならば、地方自治体の一般財源不足はさらに深刻の度を深めていくと思われますし、公債費の重圧と相まって自治体財政の一層の硬直化がもたらされると思いますが、いかがですか。どこかに打開のめどは考えられますか。自治省と大蔵省に伺います。
#15
○花岡政府委員 交付税の総額が実際に三二%を割っておるという御指摘でございます。事実、利子負担の半分といいますか、交付税特会で借り入れた元金の償還を国と地方とで分割整理いたしました五十九年度から、地方の負担部分の元金に係る償還金、これの元金の利子は地方が持つということになったわけでございます。これは結局、先ほど来申し上げておりますように、非常に厳しい財政環境のもとに行われた措置でございます。もちろん、これらにつきまして交付税の増額ということが必要ではございますけれども、現下の情勢でなかなか困難である。しかし、地方財政の運営には支障のないように各年度におきまして所要の交付税総額を確保するという点につきましては毎年度努力をしておるところでございまして、六十一年度におきましても地方団体の財政運営に支障を来さないように交付税の総額は確保したわけでございます。今後ともこういった状況が続くことは見通されるわけでございますけれども、各年度におきます地方財政計画の策定に当たりましては、この点を十分配慮してまいらなければならないというふうに考えております。
#16
○田波説明員 交付税特会の借り入れに伴う利子償還負担につきましては、五十九年度に国の負担分、地方の負担分をきちっと区分経理をして、それ以来ある意味で確定的な債務として地方にこれから負担が出てくることは事実でございます。しかし、そういったもろもろの歳出需要、そういうものをあわせまして、これには地方債の元利償還費も入っておるわけでございますけれども、各年度の地方財政計画の策定に当たりまして、その他の歳出状況あるいは歳入の状況あるいは国の財政の状況、そういうものを総合的に勘案をいたしまして、地方財政の運営に支障のないよう処理をしていくつもりでございます。
#17
○小川(省)委員 自治省にしても大蔵省にしても、交付税の総額確保に努力をしておられる点はよく理解をしておるところでありますが、特に昭和六十六年度以降始まる交付税特別会計の元金や利子の償還に当たって、地方自治体の一般財源確保のために何らかの対策をとっていかなければ、今のような状態ではどうも進んでいかないのではないか、こういうふうに憂えておるわけでありますが、自治省としては六十六年度以降も含めてどのような措置を今後講じようとされておるわけですか、明らかにしていただきたいと思います。
#18
○花岡政府委員 六十六年度以降に特金借り入れの元金償還が始まるわけでございます。私どもも現在策定しております地方財政計画におきまして、国との折衝におきましてその当該年度の財政計画におきまして支障の生じないように措置をいたします場合、国の方で措置をすることになっております臨時、こういったものを六十六年度以降に加算というふうなことも措置をして、中期的ないわゆる財政の健全化ということも考えておるわけでございます。やはり何と申しましても地方の財政の健全化を図らなければならない、そのためには地方債の今後の抑制をしていかなければならぬ、これがこれからの財政運営の基本ではなかろうかと考えておるところでございます。できるだけ地方の歳出の節減合理化と申しますか、こういったことも行っていただきまして、私どもも地方財源の確保に努めまして、六十六年度以降におきましても地方財政の運営に支障を生じないように現在から配慮してまいりたいと存じております。
#19
○小川(省)委員 今、六十二年度に抜本的な税制改正が行われると言われておるわけでありますが、抜本的な税制改正が行われると仮定をして、そういう前提条件でお答えをいただきたいと思います。
#20
○花岡政府委員 抜本改正の内容が現段階でつまびらかでございませんし、また伝え聞くところでは、増税減税同額というふうなお話もあるところでございますし、その内容がはっきりいたしませんのでちょっと申し上げかねるわけでございますけれども、私どもといたしましては、この機会におきまして地方税源の充実という点に主眼を置いて主張をしてまいりたいというふうに考えております。
#21
○小川(省)委員 六十一年度の地方財政対策では、国庫負担金削減の地方負担分一兆一千七百億円は三年間の暫定措置として行われたわけでありますが、それに対する地方交付税の特例加算千二百億円とたばこ消費税の地方の増収分千二百億円という一般財源補てん対策はなぜ一年間の措置でしかないのか。一たん引き上げたたばこ消費税の税率を六十二年度にもとに戻せるというふうに考えておられるのですか。これは自治省と大蔵省に伺います。
#22
○矢野政府委員 今回のたばこ消費税の税率の引き上げにつきましては、これは御案内のように昭和六十一年度の予算編成における地方財政対策の一環として臨時、異例にとられた措置でございまして、昭和六十二年度の実施を目途に目下論議をされておりますところの税制の抜本改革の中での検討の妨げとならないように配慮するという必要がございますので、昭和六十一年五月一日から昭和六十二年三月三十一日までの限時的な措置としたところでございます。昭和六十二年度以降のたばこ消費税の税率等のあり方につきましては、現在税制全般の抜本的改革につきまして税制調査会において御審議が進められておるところでございますので、その審議の動向を踏まえまして対応をしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
#23
○日高説明員 六十二年度におきます国のたばこ消費税の負担のあり方につきましても、ただいま税務局長が御答弁されましたとおり、私どもも税制調査会の結論を待って適切に対処いたしたい、このように考えております。
#24
○小川(省)委員 今の矢野税務局長の答弁によりますと、六十二年度に予定をされておる抜本的な税制改正までの暫定的な措置であるというふうに理解をされますが、そういう理解でよろしいわけですか。
#25
○矢野政府委員 今回行われました地方たばこ消費税の引き上げ措置、並びに国のたばこ消費税の引き上げ措置に見合う分を交付税の上へ特例加算するという措置につきましては、まさに昭和六十一年度の地方財政の運営に支障がないようにとられた措置であるということでございます。
#26
○小川(省)委員 いやいや、だから先ほどの答弁のように、六十二年度に抜本的な税制改正が行われるわけですから、六十一年度の運営に支障がないようというのはわかるわけでありますが、それまでの暫定的措置というふうに言うとちょっとあれですけれども、そういう意味で、六十二年度に抜本的に改正をされるのだからということで六十一年度にとりあえずとった措置だ、こういうことですね。
#27
○矢野政府委員 昭和六十二年度の税制改革においてこのたばこ消費税の税率のあり方がどのようになるかは、先ほどお答え申し上げましたとおり税制調査会の御審議の結果によるわけでございます。ただ、これは私からお答え申し上げるのはやや所管を越えるのかもしれませんけれども、片一方で補助金の特例措置が三年間のものである、片やたばこ消費税による措置は一年間の限時的なものであるという状態を踏まえて考えますと、六十二年度においてたばこ消費税の税率がどのようになるかは税制調査会の御審議の結果によるところと思われますけれども、少なくとも昭和六十二年度以降においてこういった補助金の特例措置に伴う地方の財政の運営について支障のないように何らかの税財政上の措置が講じられなければならないものと考えております。
#28
○小川(省)委員 まあいいでしょう。
 ところで、臨時行政改革推進審議会、いわゆみ行革審の地方行革推進分科会では、いわゆる留保財源率の切り下げと地方交付税率の引き下げなどが議論に上っているようでありますが、先ほども言ったように、地方交付税率は実質的には三年間法定三二%を割り込んでいる状況にあり、六十六年度以降はさらに法定税率は切り込まれてくるというふうに考えられますので、自治省としてはこのような行革審の論議をどう見、どのように考えておられますか。
#29
○花岡政府委員 地方財政は御承知のように、六十一年度末におきましては交付税特会の借入金を含めまして五十八兆八千億円にも上る借入金残高を抱えておりますし、また先ほど御指摘のございましたように、公債費の負担も年々増加してきておる状況でございます。特に交付税特会におきます五兆六千九百億円の借入金残高があるというふうなことでございますから、とても交付税率を引き下げるような状況にあるわけではございません。今後とも地方財政の健全化及び自主性向上の見地から、交付税の所要額の確保を図ってまいりたいと考えております。
#30
○小川(省)委員 特にこうした行革審サイドの誤った論議に対して、今言ったような地方交付税をめぐる実情についてきちんとした対応策をとっていかねばならないというふうに考えておるわけでありますが、その対応を聞かせてもらいたいと思うのですが、対応をとっているのですか、どうなのですか。この行革審サイドの議論をこのまま野放しにして許しておくつもりなのですか。
#31
○花岡政府委員 行革審に対しましても私どもの主張、いわゆる地方財政の状況とか交付税の機能、こういった点につきましては十分説明をしてまいっておるところでございますし、こういった交付税率を引き下げる状況にあるのかないのかというふうなことも十分行革審の中で検討していただかなければならないわけでございますけれども、現在行革審のみならず、例えば財界等におきましても交付税率引き下げの提言等がなされておるわけでございます。先ほど申し上げましたように、現在交付税が足らないから借金をしてきておるという中で交付税の率を引き下げるということができるわけのものではないということは、機会あるごとに私ども説明をいたしてきております。
#32
○小川(省)委員 行革審のメンバーというのは何といいますか、自分たちの考えは中曽根政府が忠実に実行するというふうな点から若干のぼせ上がっているような面がありますから、ぜひひとつはっきりした対応策をとって実情をきちんと説明をしておいていただきたい、このことをお願いをいたしておきます。
 さらに行革審では、不交付団体に対する補助金等の配分額の調整ということで、いわば財政力のある自治体に対する国庫支出金の補助率を引き下げるべきだなどという議論もされているようでありますが、地方自治体に対する財政調整は地方交付税制度を通じて行われているわけでありますし、国庫支出金とりわけ国庫負担金制度を介して財政調整を行うなどということはまさに筋違いであるということを明らかにして、そのような議論をやめさせてもらいたいと思いますが、いかがですか。
#33
○花岡政府委員 いわゆる財政力によります国の補助金による調整ということがときどき言われておりますけれども、私どもは、この財政調整制度というものは基本的には地方交付税制度によって行われるべきものである。ただ、この交付税によりましてもさらに調整の枠外と申しますか、いわゆる不交付団体の問題もあわせて議論されるわけでございますけれども、何と申しましてもこの基本的な財政調整制度であります交付税、この制度をさらに補助金によって補完すると申しますか財政力によって補助金の調整をするということはいたずらに制度を複雑化するのみであるということと同時に、特に負担金の問題につきましては国と地方との役割分担に応じて国が負担すべきものでございますから、これらについて財政力いかんによって切り込むと申しますか補助率の引き下げを行うというふうなことは基本的にあってはならないことであるというふうに考えております。
#34
○小川(省)委員 行革審に対する自治省の対応が緩いというかなまぬるいというか、そういう点がありますから、ぜひひとつそういう点は目を光らせてこんなおかしな論議をやめさせるような構えで対処してもらいたい、こう思っています。
 また、行革審では地方財政計画と決算との乖離の是正という問題も論議をされておるというふうに聞いておるわけでありますが、事実なのかどうか。実質的に約五%程度ある計画と決算との差を計画の方に合わせて切り込むべきであるという方向が検討されているというふうに聞いておるわけでありますが、事実でしょうか。
#35
○花岡政府委員 この点につきましては、臨調の報告にそのようなことが載っておったわけでございますけれども、現在さほど厳しい議論が行われているようにも考えられないわけでございます。ただ、行革審の考え方の基本というのは全地方団体の財源をできるだけ均衡化といいますか財源の均てん化に主眼が置かれているということは考えられるわけでございます。その意味におきまして計画と決算との問題も議論されることはあろうかと思います。
 私ども、地方財政計画というものは、本来地方団体のすべての歳入歳出をとらえるものではなくて、標準的な水準におきます地方財政の歳入歳出の状況を把握することを通じて地方団体の標準的な行政に要する財源を保障することをその目的とするものであるということからいたしまして、この計画と決算との乖離が生ずることは制度の仕組みからいって当然といえば当然、おる程度それはやむを得ないということと考えております。
#36
○小川(省)委員 当然である、一応やむを得ない、そういう答弁を聞いて一応安心をするわけでありますが、地財計画は標準的な水準における地方自治体の歳入歳出を把握して収支の見込みを立てて地方財源の確保を図ることがその目的とされておるわけであります。その地財計画の計算方法も、三千三百自治体の実際の歳入歳出を積み上げたものではなくして客観的な資料に基づいた理論計算によるものであります。これに対して決算は三千三百自治体の実際に行われた財政運営の結果であるわけでありますから、計画と決算が基本的に一致するものではないというふうに考えています。五%程度の差があることは私は当然だとも思いますし、今の花岡財政局長の答弁のようにある程度やむを得ないものであるというふうに思っておるわけであります。
 しかし、地財計画が決算と全くかけ離れていいというふうに私も思っているわけではありません。これまで自治省が指導してきたとおり、地財計画の策定に当たって、三千三百自治体の財政実態を極力地財計画に反映をしていくことが望ましいのであって、計画に合わせて実態の方を切り込んでいくというのは本末転倒であり、地方財源の確保を最大の目的とした地財計画の意義自体を否定するものとなるというふうに思いますが、いかがですか。
#37
○花岡政府委員 地方財政計画は、地方団体の標準的な財政を理論値に基づいて算定するものでありますし、また、この計画は現実の地方財政の姿を追認するものではなく、地方財政のあるべき姿を織り込んで作成するものでございます。また、計画と決算とは、経費の区分あるいは積算方法にも差異がございます。こういう状況でございますから、計画と決算とは一致しない点があるのは当然でございますけれども、やはりその差はできるだけ小さいことが望ましいことも申し上げるまでもございません。そういうわけで、従来からこの計画の策定におきましては、人員その他いろいろと規模是正を図ることによってその差の縮小を図る努力をしてきたところでございます。
#38
○小川(省)委員 地方自治体の側では、当然にも、実際の自治体の財政実態を地財計画に反映するように地財計画の策定方法を改革すべきだとの意見も強いわけであります。我々としても、そのために国と地方自治体の代表から成る委員会などを設置して、対等の立場で協議する場を保障すべきだとも考えておるわけであります。地財計画の策定に当たって、都道府県、市町村の財政規模、運営の違いなどを考慮し、二本立てで策定すべきであるとも考えておるわけであります。さらに、かねてより毎年度実態に合わせて定数の規模是正を実施すべきであると主張してきたところでありますが、この点についてはいかがお考えですか。
#39
○花岡政府委員 地方財政計画を策定するに当たりまして、いろいろ歳出の内容等におきましても分析をいたしておりますけれども、地方財政全般の問題につきまして地方団体の御意見というものは常に拝聴しながら策定いたしておるわけでございます。
 制度といたしましては、地方財政審議会、この委員は地方団体の代表の方々でございます。また、地方六団体の代表の方々ともお話し合いをしながらこの作業を進めるわけでございますので、地方団体の声というものは十分に反映されておるものと私ども考えております。
 なお、先ほど申し上げましたように、この計画の規模と決算との乖離の点につきまして、是正すべきところは是正をしていかなければならないわけでございますので、昨年度におきましても、人員につきまして一万二千人の規模是正を行っております。
 こういったことで、この計画のあるべき姿というものをできるだけ正しいものにしていく努力というものは毎年度続けてまいらなければならないと考えております。
#40
○小川(省)委員 さてそこで、最近十年間の計画と決算との差でありますが、歳出面での修正計画額と修正後の決算額との実態の比較をしてみても、その差がどんどん縮まってきておるわけであります。恐らく、自治省としてもこの点評価をしておるのだと思っております。例えば五十七年度の地財計画と決算の実際の比較をしてみた場合、歳出面では二兆一千三百億円だけ決算が計画を上回っております。その主なものは、一として給与関係費が一兆五千六百十億円、二番目として一般行政経費が二兆四千六百八十六億円、三番目として補助事業費が五千二百三十六億円というふうになっております。逆に、計画が決算を上回っている主なものは、単独事業費の二兆二千八百十二億円というふうになっております。
 給与関係費の乖離の原因は、地財計画では標準的な職員数、国家公務員の給与水準を基礎としていることと、三十万人とも推測をされておる臨時職員や非常勤職員、パート職員などが対象外になっていること、また特別職や行政委員会の報酬単価の差、公営企業職員、市町村支弁の義務教育職員、国民宿舎など施設の使用料で支払われている職員が対象外になっているためだと思います。
 また、単独事業費の乖離は、国の景気対策や各種長期計画をもとに自治体の政策誘導を図るため、必ずしも自治体の財政運営の実態に合わせて単独事業費が計画に計上されないきらいがあるため乖離が出てまいっておるのだと考えます。また、個別の自治体では、財源確保の点からどうしても補助事業を優先しがちであり、また個々の自治体のそれぞれの特殊な事情、土地の取得が困難で計画どおりに事業が進まないなどということもあるわけであります。いろいろな事情があるにもかかわらず、行革審では単純に給与関係費と単独事業費を比較して、単独事業が進まないのは給与関係費のせいだなどと議論をしているようであります。このような比較自体が誤りだというふうに思っておりますが、いかがですか。
#41
○花岡政府委員 計画と決算との乖離の原因につきましてはいろいろと分析をしておるわけでございますが、給与関係経費におきます乖離は、職員数の差、それから特別職の給与等の実績との差、退職手当の実績との差、また公務員の給与水準が高いということによる差異、こういったものでございます。
 また、地方単独事業費につきましては、決算処理上補助事業費に紛れ込んでおる単独事業費がある。それから、五十年度以来ずっと見ておりますと、東京都、大阪府及び大都市におきまして単独事業費を抑制しておるというふうな傾向が見られるわけでございます。こういったものを、仮に単独事業が少ないからといって計画を落とすことがありますと、実際に単独事業を実施しております団体にとって迷惑でございますので、こういった点につきましては各自治体において計画計上されております単独事業費は実施すべきであるということにつきまして、毎年度各地方団体にお願いをしておるところでございます。
 したがいまして、給与といわゆる単独事業費の乖離の金額がほぼ似通っているから、単独事業費をやめて給与に回しておるというふうに見られがちではございますけれども、その内容につきましてはいろいろ理由のあるものもあるわけでございますので、その点について私どももむしろ地方団体におきまして単独事業費について乖離の出ないように仕事をしていただくようにお願いをしていきたいと思っております。
#42
○小川(省)委員 昨年の十二月二十一日の自治、大蔵両大臣の覚書で、国庫補助負担金の引き下げが三年間の暫定措置として行われることとなりました。その際、覚書で「暫定措置の期間内においては、国・地方間の財政関係を基本的に変更するような措置は講じないものとする。」ということがあわせて確認をされたわけであります。
 そこで伺うわけでありますが、まず第一番目として交付税率の引き下げ、二番目として留保財源率の引き下げ、三番目として不交付団体への国庫補助負担率の引き下げなどということは、いずれもこの覚書の趣旨に反することは明らかでありますから、当然やらないと理解をしておりますが、そのとおりの理解でよろしゅうございますか。これは自治省と大蔵省に伺います。
#43
○花岡政府委員 この覚書は国庫補助負担率の引き下げ措置に関して結んだものでございます。その趣旨は、現行の税財源配分を前提として、六十年度や六十一年度のような補助負担率の変更によって国、地方間の負担区分は変更しないというものでございます。したがいまして、この覚書は交付税の問題にまで触れたものではございません。特に留保財源のあり方というものは国、地方の財政関係というよりもむしろ地方財源の配分にかかわる問題でございますので、この覚書は留保財源のあり方等についてまで触れたものではございません。
#44
○田波説明員 私どもといたしましては、この覚書において「国・地方間の財政関係を基本的に変更するような措置」と書いてございますのは、例えば六十一年度におけるような補助率の重大な変更、そういったものを念頭に置いたものというふうに理解しております。
#45
○小川(省)委員 国、地方間の財政関係を変更しないということなんですから、先ほどの花岡財政局長の答弁はちょっとおかしく私受けとめたわけであります。国、地方間の財政関係の変更をしないということは、交付税率にしてもあるいは留保財源率にしても、そういうものは当然含まれてくる、こういうふうに私は考えるわけでありますが、その点はいかがですか。もう一回御答弁をお願いすると同時に、これは大臣からも一言答弁をしてもらいたいと思います。
#46
○小沢国務大臣 この覚書につきましては、これば直接的には、先ほど政府委員から答弁いたしましたようにいわゆる補助負担率の問題に関連して結ばれたものであると理解いたしております。しかしながら、先ほど来の御議論にもございましたように、現行の状況を前提といたしますれば交付税率を引き下げるような状況でないことは私どもも常に申し上げておるところでございます。また、先ほどの御議論の中で、行革審ででございますか、留保財源等に絡んで交付税の問題が議論されておったやに聞いておりますが、この点につきましても、この問題と交付税の総額の問題とは別な次元の問題であるということは自治省におきましても十分説明いたしまして、そのことは理解をしていただいておる、私もそのように考えております。また、不交付団体に対する補助負担率の問題も先ほど財政局長から答弁がございました。したがいまして、現行のこういう仕組みの中で、ただいま御指摘のありましたような問題につきまして、それが交付税の問題にいたしましても、留保財源の問題にいたしましても引き下げるような状況にないという認識におきましては、私ども先生と御同様、十分に認識し理解しておるところであります。
#47
○花岡政府委員 大臣からお答えがありましたとおりでございますけれども、この補助率の変更によって国、地方間の負担区分を変えないということでございますから、基本的な地方団体と国との負担区分を定めました交付税というものは動かすものではないという意味を含んでおるのではないかと我々としては理解をしておるところでございます。
#48
○小川(省)委員 大臣の答弁で一応ほっとしているわけでありますが、自治、大蔵両大臣が三年間の国庫補助率、負担金の引き下げを暫定措置として決めて、さらに確認事項としてこの暫定期間内での国と地方間の財政関係を基本的に変更するような措置は講じない、こういうことを言っているのでありますから、今の大臣の御答弁のように、交付税率の切り下げや留保財源率の引き下げあるいは不交付団体への国庫補助負担率の引き下げ、こういうものは当然許されるべきものではない、自治省は大蔵省にだまされるようなことがないようにやってもらわなければならぬというふうに、この覚書からして日本語的な解釈として私はそう思うのであります。大蔵省にもう一回はっきり答弁をしてもらいたいのだけれども、私のような解釈でよろしいわけですね。
#49
○田波説明員 私どもといたしましては、今回この覚書が出てきたゆえんと申しますのは、昨年に引き続きましてことしも補助率の問題というのは非常に大きな問題でございました。それでその結果、当面この六十一年度に実現、実現と申しますか法律をもってお願いいたしております補助率の引き下げ、その適用期間というものはいろいろな状況、例えば今回の補助率の見直しというのは社会保障を中心に事務事業の見直しを行いつつ行われたものである、あるいは国と地方の財政関係というのは事情の許す限り極力安定的なものである必要がある、あるいは国、地方の役割分担とか費用負担のあり方の見直し等についてはそれぞれの財政事情等を踏まえて今後ともさらに検討する必要がある、そういったもろもろの状況を勘案いたしまして三年間の暫定措置とするというのが第一項の趣旨でございます。それに対しまして、その三年間に再び今回のような重大な補助率の変更というものがまた行われるというような御懸念もこれありということもございまして、先ほど申し上げましたようにその覚書の二項におきまして、国、地方間の財政関係を基本的に変更するような補助率の変更はしないという趣旨であるというふうに理解をしておるところでございます。
#50
○小川(省)委員 あいまいな答弁だけれども、十四日に大蔵大臣によくただすからいいけれども、第一項で三年間の暫定措置として、後で重大な基本的な変更はやらないということを言っているわけですから、今の大蔵省の答弁とは違うのですよ。そういう点は自治省の大臣以下答えたように自治省側はそういう理解をしておるわけですから、私も十四日に大蔵大臣によくただしておきますが、大蔵の事務当局もその点ははっきり自治省側の解釈を聞いておいて、誤りのないように対処をしてもらいたい、このように思っております。
 一応交付税に関する質問を終了いたしまして、国鉄と運輸省においでいただいておりますので、地方交通線の問題に関連をして若干お伺いをいたしたいと思います。
 本年の二月十九日の朝、群馬県太田市の高林、がんセンター東毛病院で新井整と言われる大間々町長が心不全のため逝去をされました。国鉄足尾線存続期成同盟の会長でありまして、まさに足尾線存続の悲願を燃やしながらの壮烈な戦死でありました。国鉄足尾線の廃止予定が論じられて久しいわけでありますが、地元の市町村は栃木県の足尾町と群馬県勢多郡の東、黒保根村、群馬県山田郡の大間々町と財政的にも余り恵まれていない町村であります。特に足尾町のごときは、かつて古河鉱業が銅を採掘しておった当時は三万八千人を数えた人口が、現在では外国から鉱材を買っての製錬のみとなって、人口は五千五百人というまさに存在をするだけの超過疎の町になってしまったわけであります。
 しかし、古河鉱業の今の世界に冠たる自溶製錬法という製錬技術を誇る製錬所は日本の鉱業界のためにも何としても残していかなければならないものでございます。もし足尾線がなくなれば古河鉱業は撤退をすることになり、足尾町は壊滅をしてしまうことは明らかであります。この点からも足尾線はどうしても残してもらわなければなりません。
 鉱山跡の観光化の問題もようやく人を呼び始めておりますし、水をたたえるようになった草木ダム、いわゆる草木湖も風光の明媚さと相まって人の足を引くようになってまいりました。かつて草木ダムをつくるときの水資源公団との約束では、足尾線は必ず存続するという一項があるのでありますが、相手が水資源公団でありますからけんかにはならないといえばそれまででありますが、水資源公団は当然当時運輸省や国鉄と相談をして東村との協議事項の中の一項に盛ったと思うのでありますが、その点についてはいかがでありますか。これは国鉄ですか、運輸省ですか。どこだかわかりませんが、お答えをいただきたいと思います。
#51
○山崎説明員 ただいま先生から御指摘の件は、昭和四十四年の十一月に水資源開発公団から地元に回答が行われた件ではないかと存じます。水資源開発公団によりますと、この回答は草木ダムを建設するに当たりまして足尾線をつけかえるということの趣旨でございまして、足尾線そのものの存廃にかかわる話ではないというふうに伺っております。
 国鉄といたしましては、その後昭和五十五年十二月に施行されましたいわゆる再建法に基づきまして、足尾線を含めて特定地方線対策を進めているところでございますので、よろしくお願いしたいと思います。
#52
○小川(省)委員 特定地方線対策の件はよく承知をしておるわけでありますが、東村はこの水資源公団との約束を守って、いわゆる国策といいますか、国のダム建設に相協力をしてきた。こういう点で、今になって足尾線をなくされては困るのだ、ダムができることによって七百人もの人が村外に流出をした、そういうことが足尾線の乗車人員を少なくしていることにもなるのでありますから、国策を本当に守った私どもの気持ちをなぜ買ってくれないのかという義憤に近い気持ちが強いわけなのでありますから、その点を今答弁をされた方に申し上げておきたいと思います。
 また、足尾線存置の決め手の一つとして、ダイヤの改正の問題があります。今通勤や通学に一番使われているのは、上りでは二番の間藤発の六時四十九分、桐生着八時二十三分であります。八時二十三分桐生着ということでは本当に駅周辺の人しか利用できないわけであります。これを桐生着八時ぐらいにぜひ変えてもらいたいというふうに思っているわけであります。そのことにより今より二百人ぐらいの列車の通勤客をふやすことが可能だというふうに思っています。
 また、下りでありますが、桐生発朝一番の六時二十三分以降では十一時十一分までないというようなダイヤなんであります。そして、退勤時間では、十八時十八分の列車を逃がすと二十時二十三分の終列車までないというようなダイヤの編成になっております。
 このように使用しにくいようなダイヤにしておいて、利用者が少ないなどというふうに国鉄が言うのは大変おかしな話でありまして、ダイヤを上り、下りとも私の言うようにぜひ変更をしていただきたいというふうに思っていますが、変更をしてくれますか。変更するための検討をしていただけますか。これについては返事をもらわないと私は質問を留保しなければなりません。
#53
○川崎説明員 足尾線につきましては輸送量が最近漸減傾向にございまして、例えば昭和五十年を一〇〇といたしますと、昨年度におきましては大体八〇ぐらいというようなことで、年々輸送量が低下しておるというような現状にございます。そういう中で私ども各種の経費節減努力ということを行いつつ、現在のサービス水準を何とか維持しようということで旅客の利便を確保してまいったつもりでございます。
 御指摘のダイヤの改正につきましては、まず朝のラッシュ時間帯におきます列車の設定等につきましては、通勤通学で足尾方面及び桐生、さらには前橋、さらに桐生接続で高崎の方に行かれるお客様の時間的要請を考慮して行っておりまして、この時間帯にさらに列車の増発ないしはダイヤの繰り上げを行うということになりますと、現在の列車がそれぞれ通勤通学とか、あるいは高崎方面への足だとかというようなことでいろんな使命を持っておりますので、そういう面に対する影響が非常に大きいということと、ダイヤ設定上、これは多少技術的な問題ではございますけれども、車両や行き違い設備というところにも足尾線の現状では制約があるということでございまして、遺憾ながらいずれも難しい状態にございますので、この辺のところの御事情を何とぞ御理解賜りたい、そのように存ずる次第でございます。
#54
○小川(省)委員 今の答弁なんですが、ちょっとおかしいのですよ。足尾線の八時二十三分桐生着というのは、両毛線の上り、下りとも既に出た役なんですよね。ですから、十分にそのいろんな連絡が必要だという点は私ども理解をしておるわけでありますが、今のような状態では利用者がないのは当たり前。こういうような状態にしておいて、利用者が減った、利用者がないなどというふうな指摘をするのは国鉄としてまさに片手落ちでもあり、まさに両手落ちの形だと思うのですね。だから、そういう点でダイヤを変える検討をしてもらいたい、私はこういう主張をしておるわけでありますが、もう一回答弁願います。
#55
○川崎説明員 ただいま先生御指摘の点でございますけれども、朝の場面で足尾に八時十分に着くダイヤがございます。これは足尾高校とか古河鉱業等へのいわば通勤通学の足になっておるということでございます。
 さらに、上り方でまいりますと、桐生方面へ行く列車といたしましては、桐生着七時三十分の七二二Dという列車がございます。これは前橋、高崎方面への通勤通学というようなことでございまして、さらに栃木方面へも接続をとっておる。そういう中で佐野、栃木方面への通勤通学の便、こういうことにもなっておるわけでございます。
 それからもう一つ、上り方で桐生着八時二十二分、こういうような列車がございますけれども、これが桐生市内への通勤通学というようなことで、それぞれの列車がそれぞれの使命を持っておるわけでございます。
 それで、仮に先生の御指摘のようにもう少し早い時間帯に列車を入れるということで考えてまいりますと、車両等がちょっと今ございませんし、足尾線は単線でございまして途中で行き違い設備等がございませんので、その間に列車を無理に入れるということになりますと、他の列車へ与える影響も非常に大きいというようなことで、先生の御指摘を踏まえましていろいろ検討はいたしたものでございますけれども、現在のダイヤを大きくいじるということはちょっと困難ではないか、そのように考えておる次第でございます。どうぞ何とぞ御理解を賜りたいと思います。
#56
○小川(省)委員 理解をしてくれと言っても理解できない。あなた空言うように七二二は確かに七時三十分に桐生着ですから、これは両毛線の上り下りを利用できますね。しかし、今言った七二四は八時二十三分に桐生駅着です。大体大方の事業所は八時か恐らく八時半に操業が始まるわけですよね。そうすると、八時二十三分に桐生へ着いて通勤をする余裕なんかないわけですよ。そうかといって七時半に来るのは早過ぎる、一時間もある。こういうような状態では利用しにくいダイヤになっておるわけですね。
 それから、下りにしてもそうなんですよ。下りにしても、七二一ですか、桐生発六時二十三分で、桐生あたりの旅館では、足尾線の沿線は景色がいいですからぜひひとつ足尾線に乗って景色でもごらんになったらいかがですかとお客さんに勧めても、六時二十三分以降十一時十一分までダイヤがないというような状態ではお客さんにも勧められない、こういうふうに言っているわけです。私の言うことに無理がありますか。
#57
○川崎説明員 足尾線につきましては、先ほど申しましたように、年々輸送量が漸減しておるというところでございます。ただ、輸送量が漸減している中で、私ども何とかお客様にサービスしたいということでダイヤ改正の都度いろいろ検討しておるわけでございますけれども、そういう中で、車両数とかそういうものにつきましては、先ほど申しましたような輸送量の漸減傾向の中でも一応大して変えないということで推移してまいったわけでございます。
 それで、先ほど具体的に御指摘のございました時間帯別の列車でございますけれども、私ども、会社とか学校とかそういうところの始業時間は大体八時半ぐらいだ、先生の御指摘のようなそういう時間帯に目的に合わせて大体ダイヤを設定しているつもりでございます。
 それで、先ほどの八時二十三分桐生着という列車がございますけれども、この列車は特に、使命といたしましては桐生市内への通勤通学というようなことを主な使命として考えておるわけでございまして、それより一本早い列車が、これは桐生で乗りかえて高崎方面とか栃木方面へ御利用いただくお客様の便ということで考えでございます。これらの列車で乗り継いでまいりますと、高崎着では八時十七分、栃木着では八時二十三分ということで、おおむね八時半前後に大体その目的地に着く、こういうような考え方でダイヤを設定しておるわけでございますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
#58
○小川(省)委員 川崎総務課長さん、話が大体わかってきたよ。だから、八時二十三分着で桐生八時半始まりの事業所に間に合わせるといっても、八時二十三分に着いて駅を出るのには二分か三分かかりますよね。そうなると五分間しかないわけです。毎日毎日どうも遅くなりましてなんというふうに通うわけにはいかないわけであります。工場の機械は待っていないわけであります。そういう意味で、私はこの八時二十三分をもう少し繰り上げなければ実際に使えないではないかというふうに言っておるわけでありますから、ぜひひとつ変更をするようにもう一回検討をいただきたい、こういうことを言っておるわけですから、検討していただけますか、どうですか。
#59
○川崎説明員 先生の御指摘の点ももっともな点もございますが、私ども足尾線というところでいろいろダイヤを考えてまいりますと、先ほど答弁をいたしましたところの繰り返しにはなりますけれども、それぞれの列車の持つ使命というようなことで、従来からのいろいろな要請を踏まえてそういうような列車を現在設定をしておるということでございます。さらに一本先生のおっしゃる時間帯に列車を入れるということは、現在車両がございませんというようなことと、それから行き違い設備とかなんとかの関係でダイヤの設定が非常に難しくなる、線区全体に大きくラッシュ時間帯にダイヤが当たってくるというような事情でございますので、その辺の事情を十分お酌み取りいただきたい、そのように考えでございます。
#60
○小川(省)委員 押し間答してもしようがないから、八時二十三分をもう少し繰り上げるようにぜひひとつ検討をしてみてください。これは私が本当にお願いをしますから、やってみていただきたいと思います。
 また、足尾線の問題で、人間の輸送に比べてさらに大きい問題として貨物の輸送の問題があります。
 私はかつて詳細に取り上げていますから、今度は簡単に申し述べますが、今、足尾の銅の製錬に関連をして副次的に濃硫酸がつくられております。この濃硫酸を初めとして鉱石の輸送が足尾線の貨物輸送の大きな収入源になっておるわけであります。濃硫酸の生産量は月産一万一千五百トン、そして古河鉱業が国鉄に納付をしておる濃硫酸の輸送料と鉱石の輸送料は年間十二億円という実態であります。
 しかし、何か聞くところによれば、足尾線も全体の国の貨物駅廃止の傾向を含めて十一月に貨物線を全部廃止するというふうに聞いておるわけでありますが、間藤と本山の両駅はぜひ貨物駅として残して濃硫酸の輸送と鉱石輸送を可能な状態にしてもらいたいと思うわけであります。さもないと、古河の足尾撤退は足尾町を壊滅させてしまいますし、また濃硫酸が陸上で一日二百台のタンクローリーで運ばれたりすれば危険この上もないわけであります。
 このような実情を十分に賢察の上、足尾線の間藤と本山の両駅は貨物取扱駅としてぜひ残してもらいたいと思いますが、いかがでございますか。
#61
○伊藤説明員 足尾線におきます貨物取り扱いの現状でございますが、六十一年四月一日現在、足尾駅と足尾本山駅の両駅で取り扱っておりまして、先生御指摘の間藤駅につきましては、昭和四十五年の十月一日時点で既に貨物取り扱いは廃止してございます。また、現在国鉄におきましては昭和六十一年十一月実施予定のダイヤ改定作業を進めておりますが、その中で貨物輸送につきましても抜本的な見直しをしていく考えでございます。
 具体的な貨物駅の配置であるとか列車ダイヤの設定に当たりましては、業務全般にわたる効率化を前提に、荷主さんのニーズであるとか線区の特性及び採算性などを総合的に勘案いたしまして、現在その内容については精力的に詰めている段階でございまして、実はまだ確定してございません。いましばらくお時間をいただきたいと存じます。
#62
○小川(省)委員 詰めている段階だそうでありますから、陳情申し上げておきたいと思います。特に今、足尾駅だそうでありますが、足尾駅と本山駅ですか、濃硫酸輸送と鉱石輸送、足尾町を壊滅から守るためにも、大変厳しい状態もわかりますが、ぜひひとつこの二つの駅は貨物取扱駅として残していただくようにくれぐれも陳情を申し上げておきます。よろしくお願いを申し上げます。
 また、足尾線をめぐる協議が現在中断をしているようであります。国鉄は足尾線の現状をどのように考えておるわけでありますか。また、将来に向けてどうしていくおつもりなのでありますか。千人をクリアをしている実態が続いていく以上、存置をしていくのは当然だと思いますが、いかがですか。
#63
○四方説明員 足尾線につきましては、五十九年の六月の二十二日に第二次特定地方交通線として承認されまして、その後の輸送実績がラッシュ時一千人を超えだというような事実を踏まえまして、現在協議会を中断扱いにしています。これは協議会における運用上の取り扱いとしてやっているということでございます。なお、中断が継続したような場合に、現実に国鉄の改革時までにバス等の転換が難しいというような線区が何線区か当然出てまいりまして、そのあたりの取り扱いにつきましては、先般国会に提出さしていただきました国鉄関連法案の中で一定の経過措置期間を設けましてバス等への転換対策を継続する、こういうふうに考えておる次第でございます。
 以上でございます。
#64
○小川(省)委員 今御答弁のように、協議会が中断をしておるわけですね。きょうが学校の新学期でありますから、きょうからまた乗車人員のカウントを始めました。千人をクリアしていけば、六十二年、六十三年と二年間はこのまま継続をしていく。そして、それから先もさらに千人をクリアをしていけば、存置をするような方向で続いていくというような方向で理解をしてよろしいわけですか。
#65
○四方説明員 先ほど御説明申し上げましたように、国鉄改革関連法案の中で、いわゆる一、二次線の選定承認されました線区につきましては、いわゆる経過措置期間といいますものを二年間考えておるわけでございます。したがいまして、仮に国会において関連法案につきまして御承認いただきますれば、いわゆる二年間の経過措置期間といったものがそこにおいて適用されることになります。したがいまして、仮に中断がずっと継続した場合というようなお話でございますけれども、今から経過措置期間二年間を含めまして約三年の期間がございますので、その間において現在中断措置等を続けておりますけれども、今後輸送量の推移等を見ながら具体的な結論をその三年間の期間の中には出していただけるんじゃないか、かように考えておる次第でございます。
#66
○小川(省)委員 実は、足尾線に関連をして古河鉱業がありますので、資源エネルギー庁にもおいでをいただきました。足尾線の存続について、私は地元の人たちと通産省にもよく足を運びました。企業保護の立場から、通産省もよく運輸省や国鉄にも要請をしてくれたようでございます。通産省はその後も引き続いて運輸省に働きかけを実施をしておられるんだというふうに思いますが、特に古河鉱業の製錬所は自溶法というフィンランドの製錬法を日本で改造をした自溶製錬法という世界に冠たる製錬技術を誇っておる事業所でございますし、引き続いて運輸省で働きかけをやっておられると思いますが、いかがですか。また、運輸省と接触をしてみて、その感触はいかがですか。
#67
○林説明員 足尾線の重要性につきましては、先生の御指摘があるまでもなく、私どもも重要だと十分認識しているわけでございます。また、技術的にも非常な高い水準を持った製錬所であることも私ども承知をしておるわけでございます。仮に足尾線が廃止をされますと、今申し上げましたような、また先生御指摘の足尾製錬所の鉱石や硫酸の輸送並びに地元経済にいろいろな問題が起こるということは私どもとしても十分承知しておりまして、今中断中でございますが、協議会においても地元の意見が十分尊重されながら協議が進められていくと承知しております。
 本件に関しまして、私ども通産省といたしましては、運輸省に対しまして地元の意見を十分尊重していただくよう要請してきたところでございますし、また今後とも必要に応じて十分連絡をとっていきたいと思います。感触に関しましては、私どもの一方的なあれかと思いますが、十分御説明をしているということでございます。
#68
○小川(省)委員 運輸省、今のような通産の答弁でありますが、古河鉱業を存置をするということで通産から要請が来ておるというふうに思っていますが、いかがですか。通産省からちゃんと言ってきておりますかね。
#69
○四方説明員 先ほど通産省の方からお話がございましたように、運輸省に対しまして申請時あるいは承認特等、先ほど御説明ありましたように関係知事、荷主あるいは地元公共団体等の意見を十分尊重して慎重に取り扱っていただきたい、とりわけ協議会の中においてそういった意見が尊重されて十分反映するように、そういうような要請を受けております。私どもとしましては、現在協議会が設置されておりますので、そういった協議会の場において各種いろいろな問題につきましては議論が尽くされて円満な結論が出るということをお願いするという立場でございます。
#70
○小川(省)委員 事、足尾線の問題でありますが、第二次地方交通線ということで大変累卵の危機にある線でございますが、運輸省も国鉄も、そして通産省も、足尾線の重要性を考えていただいて存置をするようにぜひひとつ特段の御努力を要請をして、足尾線の問題についての質問を終わります。
 次に、上越新幹線について一、二点お願いをいたしたいと思います。
 上越新幹線の開通によって群馬県の北部地域も大きな利便がもたらされました。しかし、若干問題がないわけではありません。現在、最終のダイヤが九時五十二分であります。東京へ日帰り国として用事を足す人が多くなった群馬、新潟でありますが、東京で用事を足して一杯やって帰るのには、上野駅に入ってホームまで十五分ぐらいかかるわけでありますから、九時五十二分では若干早いわけでありまして、十時三十分までにぜひ一本欲しいというか、十時三十分までに終列車をしてほしいという強い要請があるわけであります。国鉄ですか運輸省ですかわかりませんが、ぜひ十時三十分までに終列車をしてもらいたい、こういう声について御検討をいただけますか。
#71
○川崎説明員 上越新幹線の下りの最終列車の御覧間でございますが、この最終列車はとき四六七号ということで、先生御指摘のとおり上野発二十一時五十二分、終着の越後湯沢着が二十三時十七分という列車でございまして、昨年度一年間の乗車効率、毎日指令報告でとってございますけれども、これで見てまいりますとその乗車効率は大体三四%程度ということに相なっているわけでございます。この終列車の後にさらに列車を増設定するということにつきましては、現在三四%の乗車効率ということで、旅客需要がさらにどの程度見込まれるかどうかというような点を検討しなければいけませんし、終列車でございますのでこれをさらにもう一本つくるということは私ども経費的な面でもいろいろと検討しなければいけないという問題が多々あるわけでございまして、そういうものを総合的に勘案いたしますと、この十一月に私ども全国的なダイヤ改正を一応考えてございますけれども、その中で考えますと現在では難しい状況にあるのではなかろうか、このように考えている次第でございます。
#72
○小川(省)委員 川崎さんの話は、私が言うと難しいことばかりで、足尾線もそうだし、これも難しいし、私はぜひひとつ検討してみてくれと言っているので、今あなたも検討してみるというようなことを言われたわけでありますが、検討をするにも値しないのですか。
#73
○川崎説明員 今年度十一月に予定しておりますダイヤ改正で現在もろもろのことを検討しているわけでございますので、そういう中でこの問題も一つの項目といたしまして、先ほど申し上げましたような事情があるわけでございますけれども、一応検討してみたい、このように考えております。
#74
○小川(省)委員 大変強い要望として私も受けておりますので、ぜひひとつ検討していただきたい、このようにお願いをいたしておきます。
 それから回数特急券の問題でありますが、何か聞くところによると百キロ以下については適用できるけれども百キロオーバーすると使えないというふうに聞いておるわけであります。これを高崎−上野間あるいは上毛高原―上野間でもぜひ使えるようにしてくれないかという強い要望があるわけでありますが、お聞き届けになっていただけますでしょうか。
#75
○川崎説明員 上越新幹線を利用しました定期乗車券につきましては幾種類かあるわけでございますが、先生の御指摘の件はいわゆるマル幹定期券と言っております、普通の定期券を所持するお客様で、その都度新幹線の特定特急券とかそういうようなものをお買いいただきまして新幹線を御利用いただくということの定期ではないか、このように思いますけれども、現在大体百キロを超える区間については定期券自体は設定いたしておりませんので、百キロを超える区間につきましては上毛高原―上野間、高崎―上野間、いずれもこれは百キロを超える区間ということになっておりますので、そういうことで設定いたしておりません。そのかわりと言ってはなんでございますけれども、自由席の特急回数券というものを設定いたしてございまして、これは三カ月間有効で六券片で多少割引もついたものでございます。これにつきましては、上毛高原―上野間あるいは高崎―上野間、いずれについても現在設定しておるということでございますので、こちらの方を御利用いただけたら、このように考えてございます。
#76
○小川(省)委員 専門的なことでちょっとよくわからないのですが、自由席の特急回数券は利用できるということですが、これはいわゆるマル幹の定期券よりも物すごく割高になるわけですか。
#77
○川崎説明員 区間によって違いますが、一般的に申しますと、現在自由席特急回数券等につきましては一〇%前後割り引いておるわけでございます。それから、マル幹定期券につきましても回数特急券の併用というようなことでございまして、基本的にはほぼ同じ水準だということでございます。
#78
○小川(省)委員 ほぼ同じならばいいでしょう。ぜひひとつ今言ったような、終電車を十時三十分にするというふうな件、それから今申し上げた件はそういうことであるならばいいと思いますが、終電車の変更についてはぜひひとつ御検討をお願い申し上げておきたいと思います。また、足尾線の件についてはぜひひとつ特段の配慮をしていただきたい、このことをお願いを申し上げておきたいと思っています。
 十四日に大蔵大臣への質問がありますので、残余の問題については折に触れてまた質問をすることにいたしまして終わらせていただきます。ありがとうございました。
#79
○福島委員長 この際、暫時休憩いたします。
 午後の委員会は午後一時再開することとし、同時刻に本会議が開催される場合には本会議散会後に直ちに委員会を再開いたします。
    午前十一時三十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時開議
#80
○福島委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。小谷輝二君。
#81
○小谷委員 地方財政の問題につきまして質問をしていきたいと思います。
 国庫補助負担金の削減に伴う地方負担を補てんするための措置の一部としてたばこ消費税の引き上げがなされたわけでございますけれども、穴埋めの手段の一部といえども、これは地方団体への転嫁というわけではなくして、ストレートに大衆負担への転嫁になる、こういうふうに思うわけでございます。しかも、これは単年度限りということで、地方財政の健全化が急がれているときでもあり、こんな時期にこういうふうな思いついたような、しかもそれぞれの手順も経ずに行うことが果たして許されるのか、こんな措置がとられていいのか、非常に疑問を持つわけでございますけれども、大臣、この点いかがでしょうか。
#82
○小沢国務大臣 たばこ消費税につきましては、税調の終了後、予算編成のいろいろな過程の中で出てきた。そういう意味での手続上の問題につきましては、大蔵大臣もまたいろいろとその点については申しわけなかったということを言っておるわけでございますし、その後税調においても改めて御理解を賜ったわけでありますけれども、いずれにいたしましてもこのたばこ消費税につきましては、予算編成の最終段階におきまして、特に社会保障関係の生活保護費等の議論をめぐりましてなかなかこの結論が出なかったわけでありますけれども、いずれにしても補助負担率の切り下げという事態にかんがみまして、地方財政対策の一環といたしましてこのたばこ消費税を地方にもこの際自主財源として与えるべきではないだろうか、そういう考え方のもとにこのたばこ消費税の引き上げが行われたものと思っております。したがいまして、その手続、そしてまた結果として消費者の皆さんの負担増になることには間違いないのでございますけれども、私どもといたしましては、こういった予算編成の過程で地方財政対策の一環としてこれが措置されたものである、そのように理解をいたしておるわけであります。
#83
○小谷委員 地方財政への負担の転嫁の内容でございますけれども、一つには今御説明のあったたばこ税、これが千二百億、それから建設地方債で九千三百億、いずれもこれは後年度の財政措置ということで先送りということでございますけれども、現行の交付税の総額の枠内で後年度に対応する、こういう仕組みからして、これは後年度において地方交付税の総額の実質の減ということになると思いますが、これはいかがでしょうか。
#84
○花岡政府委員 六十一年度におきまして九千三百億円の建設地方債を増発することといたしておりますが、各地方団体の地方債の元利償還金につきましては交付税措置を講ずることといたしております。また一これに関連いたしまして、後年度における地方交付税の総額を増額する措置を講じておるところでございます。今後、これらの措置を含めましても地方交付税が不足するという事態が起こりました場合には、毎年度の地方財政計画の策定を通じまして地方財源の所要額を確保する、交付税の総額を安定的に確保するという措置を講じまして、各年度の地方財政の運営には支障ないようにいたしたいと考えておるところでございます。
#85
○小谷委員 国庫補助金の削減に伴う建設地方債、これの元利償還費を交付税の基礎になる基準財政需要額の中に算入をして今後見ていこう、こういうことで当座の財政措置はできている、こういう感覚でおられるようでありますけれども、この建設地方債の元利償還費は満額を交付税の基礎となる基準財政需要額に算入されるのですか、この点はいかがですか。
#86
○花岡政府委員 建設地方債を発行いたしましたものの取り扱いにつきましてはいろいろとございまして、いわゆる経常経費系統のために起こしました地方債の元利償還金につきましては一〇〇%交付税に算入する。そして、投資的経費に充てます分のうち補助率カットに伴いますものにつきましては全額交付税に算入をいたすことになるわけでございます。それから、事業費確保に充てました千四百億円の分、これは事業量が拡大いたしますが、それに充てるものでございますが、これにつきましては従前と同じように八○%算入するという考え方をとっております。従前、こういう系統で起こしました、いわゆる財政の穴埋めに使いました地方債の元利償還金につきましては大体八〇%の算入をしておったわけでございますが、昨年この委員会におきましても御議論ございまして、経常経費系統に充てたものについては一〇〇%見るべきではないかという御意見がございましたので、六十年度に起こしたものからそういうふうな取り扱いをいたしていきたいというふうに考えておるところでございます。
#87
○小谷委員 経常経費系統、これは社会福祉とか生活保護費等々も含むものでございますけれども、これの振替分、この振替という言葉が適切かどうかわかりませんけれども、振替分の建設地方債、これは元利償還全部満額見る、こういうことですね。ところが、このうち六十一年度分だけで八百七十億は不交付団体が増発したものということにおりますから、結果的には不交付団体は一般財源でみずから元利償還するということになります。国の方は補助率カットしっ放し、すべて不交付団体に転嫁する、こういうことになると思いますが、どうですか。
#88
○花岡政府委員 補助負担率の引き下げに伴います地方負担の増加額につきましては昭和六十一年度におきまして、また増発した建設地方債につきましてはその元利償還が行われる年度におきまして、基準財政需要額に増額算入することとしておるわけでございます。ただ、不交付団体の場合には、地方債の元利償還に要する経費等を基準財政需要額に算入いたしましてもなお不交付団体であるという場合には、これは交付税が交付されないために現実には税収等の自己財源によって賄っていただかなければならないということになりますが、これによって不交付団体の財政運営に支障が生ずることはないと私ども考えておるところでございますし、現在の地方財政制度の上ではこの措置もやむを得ないというふうに考えておるところでございます。
#89
○小谷委員 交付税の趣旨から見まして、言われることはわからぬわけではありませんが、果たして国の責任において行うべき社会保障費、生活保護費等の削減した分を削減しっ放しで不交付団体だ、算入はしてあります、ただしまだ交付する状況にはなりませんということで、こういうふうに削減しっ放しということは、法に定められた国の責任としてこれは免れることができるのかどうか疑問に思うわけですが、この点はいかがですか。
#90
○花岡政府委員 不交付団体の場合にも、財源措置といたしましてはやはり基準財政需要額に算入するわけでございます。その上でなお不交付団体になる場合には交付税が行かないということになるわけでございます。今年度におきまして、この不交付団体に対する措置といたしまして別途財源手当てはいたしております。この八百七十億円につきましても、この分をストレートに不交付団体の超過財源の中から差っ引くといいますか、それをもって充てるという形にはいたしておりませんで、それに対する財源手当てもいたしております。しかし、これが将来にわたって不交付団体である場合には、たまたま交付税が行かないという形になるわけでございますから、一応制度の上としての財源手当てはいたしておるものと考えておるところでございます。
#91
○小谷委員 国庫補助金の削減を向こう三年間暫定措置ということで決められたわけでございますけれども、たばこ消費税の上き上げ、これで負担の一つの転嫁。それから、六十一年度限りの措置、六十二年、六十三年、これはたばこ消費税の引き上げはまだ考えない、とりあえずこの措置は六十一年度単年度限りということでございますから、六十二、六十一二年度でたばこ消費税の引き上げに伴うこの財源に見合う財源というのはまだ保証はない。それから、補助負担率の引き下げに伴う大半は建設地方債の増発でしのいでいくわけでありますけれども、これは先送りということですから、地方財政の健全化を図るということは今緊急の課題であるにもかかわらず、これは全く健全化に逆行する、地方財政をむしろ硬直化させる、こういう方向に進んでおるように思えてなりません。地方財政を常に監督し、しかも健全化を図るよう努力している自治省として、こういう措置がたとえ暫定措置にもせよ昨年度から続いてきておるわけです、しかも二年先送りにまでなっておる、こんなことがいつまでも続いて地方財政の健全化なんということが言えるのでしょうか。非常に危惧を抱くものですが、いかがでしょうか。
#92
○花岡政府委員 国庫補助負担率の引き下げにつきましては、六十年度、六十一年度と行われたわけでございますが、御承知のように厳しい国の財政環境のもとにおきましてこのような措置が講ぜられたわけでございます。特に六十年度におきましては財政の都合が優先したということもあっていろいろ問題になったわけでございますが、六十一年度の場合には、六十年度の約束によりまして、これを一年間事務事業の見直しをやって補助負担率のあり方を決めようということで補助金問題検討会も開かれた。その結果今回の措置でございますが、暫定的な措置として三年間補助負担率の引き下げが行われることになった。御指摘のようにたばこ消費税の引き上げというこの臨時、異例の措置というのは一年間でございますけれども、国庫補助負担率の引き下げが三年間続くということで六十二、六十三についても何らかの措置が必要であると私ども考えておるところでございまして、それぞれの年度におきまして適切な財政計画を策定して地方団体の財源を確保していきたいと考えておりますが、ともかくこの国庫補助負担率の引き下げということ自体なかなか問題があるという御指摘はそのとおりでございますけれども、現下の状況から見て地方団体もある程度協力せざるを得ないという点を御理解いただきたいと存じます。
#93
○小谷委員 この一連の措置はひとえに地方自治の根幹にかかわる自主性といいますかそれを根底から損なうことにもなり、ひいては地域住民の負担と教育、福祉を初めとする行政水準の低下を招くような状態になるのではないか、このように思うわけですが、大臣この点いかがでしょうか。
#94
○小沢国務大臣 今回の補助負担率の引き下げにつきましては、今財政局長からも答弁いたしましたけれども、六十年度予算編成以後、閣僚会議、補助金検討会の検討を前提といたしまして、十分ではございませんけれども基本的な考え方といたしまして、国と地方の事務事業の見直し、権限の移譲等の考え方に立ちまして今回の予算編成がなされたわけであります。
 しかし、いずれにいたしましてもかなり多くの補てん措置がなされたとは言え、地方債起債という形になっておることは事実でございます。したがいまして、今申し上げましたように交付税において措置し、また後年度におきましてもこの元利償還については交付税の措置を加算することになっております。しかしながら、今後の地方財政の状況あるいは国の財政の状況を見ない限り今断定的には申し上げられませんけれども、そういった措置を講じてもなおかつ先生御指摘のような地方の事業に支障を来すとか福祉のサービスに低下を来す、そういうおそれが結果として出てきたのでは国としての責任を果たすゆえんではございませんので、そういう状況を見ながらなおかつ不足するような場合には、いわゆる交付税全般の問題として、それはある意味においては制度、仕組みの問題とも関連してくる場合もあると思いますが、そういうことを考えて国として地方財政の運営に支障を来さないようなその措置をとっていかなければならない、自治省としてはそのような形で今後対処していくのは当然のことと考えております。
#95
○小谷委員 今、急激な円高の影響について、日常新聞紙上をにぎわしているわけでございますけれども、日本経済における影響はメリット、デメリット両方に大きく出ていることと思われます。そこで、円高による地方財政への影響、これはかなりいろいろな分野で出てくるのではなかろうか、このように思いますが、この点はどのように見込まれておられますか。
#96
○渡辺(功)政府委員 円高によって中小企業を中心として大きな影響があるではないか、これが地方財政へどういう影響を及ぼすと見ているか、こういうお尋ねでございます。地方税収に対する影響ということでお尋ねと思います。
 六十一年度の地方財政計画に計上されました地方税収入見込み額は、政府の経済見通しにおきます各指標を基礎といたしまして、最近までの各税目の課税状況あるいは法人等国税の見積もりの状況のほか、各種の統計資料を総合的に勘案いたしまして、税目ごとに最も適切と考えられる方法によりまして見込んだものでございます。政府経済見通しで見込まれたように経済が推移する場合におきましては、この地方財政計画に見込みました計上額を確保し得るものと私ども考えております。
 委員の御指摘もありましたように、我が国の経済に対する影響につきましてはプラス、マイナスの両面がある、こういうように言われております。必ずしもマイナス面ばかりではないというふうに考えられまして、最近の円高傾向が地方税収にどのような影響を及ぼすかという点につきましては、今後さらに経済動向を十分に見きわめつつ、慎重に判断していく必要があると考えているところでございます。
#97
○小谷委員 通産省の調査を見てみましても、輸出型産地、製造業を抱えている産地、これは特に深刻な経営状況に陥っている、このように報道されておりますし、特に、この地域というのは、地場産業等で地域に集約されておる、集中しておる、こういう傾向があるわけです。したがって、これが深刻な状況になれば地方税収入に地域的なアンバランスを生ずるのではなかろうか、このように思いますが、それで地域的な不均衡を生じた場合の対策としてどのように対処されるおつもりなのか、この点はいかがでしょうか。
#98
○花岡政府委員 最近の税収の動向を見ておりましても、地域的なアンバランスといいますかばらつきが見られるわけでございます。地方財政計画に計上いたしました額以上に税収が伸びるときには余り問題が起こりませんけれども、これが大体計画の額程度のものが収入されましたときには、全体としては収支均衡するわけでございますけれども、税収の伸びない団体というのは財政運営にいろいろ問題があるわけでございます。そういったことで、地方交付税の配分、特にこれは税収が減になりましたときにはこの減分は交付税に反映される仕組みになっております。また、それだけでは十分でない団体につきましては、財政事情をお聞きしながら地方債の配分等におきまして適切な措置を講じたところでございますし、また今後ともそれぞれの団体の事情をお聞きしながら適切に対処してまいりたいと考えております。
#99
○小谷委員 六十一年度の地方財政計画で道府県税が五千百三十六億、五・二%の増加、こういう見込みです。自治省の地方財政計画というのは都道府県におきましては何よりのよりどころとして、すべてこれが基礎として予算が編成されているわけでございますし、年間の予算編成もなされておるわけでございますが、これが経済界等の調査では、製造業を中心にして一〇%は赤字となるであろう、九〇%は収益が大きく減る、そういうように危惧を抱いておる、危機感を持っておると報道されております。今の状況の中で地方財政計画を見直し、またこれを手直しする、こういう考え方はございませんか。
#100
○渡辺(功)政府委員 地方税収見通しにつきましては、先ほども申し上げましたような基礎に立って計上したところでございます。委員御指摘のように、輸出関連の製造業を中心として相当な影響が生ずるということは一方で言われておりますけれども、同時に円高メリットというものが相当大きなメリットを生ずることも事実でございまして、その間の定量的な関係といいますものは確たる最終的な見通しは立てられないところでございます。私どもといたしましては、全体としての地方税収見通しといたしましては、現在ただいまのところ、計上いたしました地方財政計画どおり確保できるものと考えておるところでございます。
#101
○小谷委員 計画どおりいけば一番いいわけでございますけれども。
 四月四日、通産省が電気事業審議会に、円高と原油価格の下落で電力業界に生じる差益を還元するということで諮問されたようでございます。電力、ガス、この差益問題を検討する懇談会、ここで、一つは今年六月から料金の一律値下げ、二つ目には新増設工場等の特別料金制度の見直し、三番目には家庭向け三段階料金制度の見直し、このような内容が含まれておるわけですけれども、この値下げによって市町村税の中の電気税、ガス税収入に歳入欠陥を生ずるのではなかろうか、こう思いますが、この点はどうお考えでしょうか。
#102
○渡辺(功)政府委員 電気ガス事業にかかわります円高差益の還元問題につきましては、その具体的な方法ないしは実施時期はもとより、その実施につきましても最終的、具体的には決まっていないというような段階だと思います。したがいまして、現時点では具体的な問題としてはちょっと申し上げかねるところでございます。
 ただ、ただいま御指摘のとおり、電気ガス税はいずれも料金を課税標準として課する消費税でありますから、電気ガス事業に係る円高差益の還元措置として仮に料金が引き下げられるという場合には、まあそういうことが言われているようでございますが、税収にも影響が出てくることは御指摘のとおりでございます。電気税及びガス税の今後の歳入見通しにつきましては、料金引き下げに伴う一面といたしまして消費量の動きということもあります。いわゆる自然増等、産業界あるいは一般家庭の消費動向の変化等も勘案する必要がございます。その具体的な見通しを現在ただいま述べることはちょっと困難であるところでございます。
#103
○小谷委員 今回の改正の中で、地下鉄事業の助成金の財政措置について、地下鉄事業の助成金の既特例債に係る分は廃止、新特例債に係る分は利子助成額の引き下げをされたようでございますが、この引き下げられた理由はどういう理由なんでしょうか。
#104
○小林(実)政府委員 御承知かと思いますが、地下鉄事業に対する財政措置は、現行は事業を行います場合に一般会計から一割出資をしていただきます。残りの事業につきまして七割補助、これは国と地方が折半して補助する仕組みになっております。ただいま御質問のございました既特例債、新特例債のお話でございますが、これは実はその補助率が五〇%ないし六六%時代に、補助率が低かったものですから、その時代の建設地方債の利子分につきまして特例債発行を認めまして、その元金償還につきましては一般会計からまた負担をしていただく、利子につきまして国の方から助成をするということでまいったわけでございます。
 今回の措置でございますが、御承知のように厳しい国の財政状況のもとでございまして、利子助成の所要額の確保が極めて困難である、今後とも国庫財政の急速な好転を見込むことは難しい、こういうこともございまして、特例債の元金につきましては一般会計から繰り出しをしていただいておるわけでございまして、そういう事情もございまして、既特例債につきましては廃止をいたします。それから新特例債につきましては暫定措置といたしまして、今まで四%相当につきまして助成をしてまいりましたけれども、これを二%まで下げて助成をする、こういうことにしたわけであります。それにしましても、地下鉄財政としては大きな打撃を受けては困りますので、一般会計からそのカットした分につきましては出していただく、これにつきましては交付税措置を講ずる、こういうことにいたしたわけでございます。地方財政計画上も所要の財源を確保しておりまして、地下鉄財政、それから関係地方団体の財政運営にも支障が生じないものというふうに考えておるわけでございます。
#105
○小谷委員 助成金の減額分は財政計画の中に計上して、交付税で措置をする、こういうことですか。
 今回、大阪市より高速鉄道七号線鶴見緑地線、これの特許申請が出されていると聞いておりますが、運輸省、お見えになっていますか。出されているのかどうか。出されているとしましたら、その内容はおおむねどんなものなのか、御説明いただきたい。
#106
○山本説明員 お尋ねの大阪市高速鉄道七号線につきましては、本年一月末日に大阪市より軌道法による特許申請が大阪府に提出されまして、三月末日に大阪府より運輸省及び建設省に進達があったところでございます。その計画内容をかいつまんで申し上げますと、いわゆる地下鉄として建設を計画するものでございまして、営業区間キロ程は京橋から鶴見緑地間五・ニキロの区間でございまして、設置駅数は五駅、開業予定時期は昭和六十五年四月、建設費は約一千億等となっているところでございます。
#107
○小谷委員 この大阪高速鉄道七号線の建設につきましては、昭和四十六年、当時の都市交通審議会、この第十二号答申と言われるものでこの計画の答申があったものですが、これは大阪市の都心部から国鉄片町線と京阪電車とのちょうど中間を北河内平野を東へ向かう高速鉄道で、地域の発展とともに早期建設が期待されておるものでございます。またあわせて、これは昭和六十五年開催が予定されております国際花と緑の万国博覧会会場に向かう唯一のアクセスとしてその機能を果たすべき重要な路線であるわけでございますが、この地下鉄の使命、また果たすべき役割、またあわせて花の万博会場へのアクセス等について、運輸省並びに建設省はどの程度の御認識をいただいておるのか、またどういうふうにこの建設に対して国として考えておられるのか、この点ひとつ御説明いただきたいと思います。
#108
○山本説明員 七号線につきましては、先生御指摘のとおり昭和四十六年の都市交通審議会「大阪圏における都市高速鉄道を中心とする交通網の整備増強に関する基本計画」に組み込まれているものでございます。七号線につきましては、発展を続けるこの地域の多数住民の足を確保するためという長期的な視点に立っての鉄道整備の必要性の判断に基づいて、大阪市より申請されたものであると考えておりますが、同時に同線の建設は、昭和六十五年度に開催が予定されております花と緑の万博の成功のためにも有用かつ有効との判断が申請者にあることは、私どもとしても十分承知しているところでございます。
 ところで、地下鉄の建設は巨額の資金投資が必要でございますので、また一たん建設されました地下鉄につきましては、いわば半永久的に機能する社会資本として後世に残るものでもございますので、こうした地下鉄の整備の当否の判断に当たっては、何よりもその地下鉄が敷設されることになる沿線地域につきまして、現在及び将来にわたって地下鉄整備を必要とするだけの確かな旅客流動が想定されるか否かの判断がまず優先されるべきと考えております。この七号線につきましては、それに合わせて、そういう判断が下された結果として博覧会にも貢献するということになればよりよいものと考えておりますが、現在特許につきましては審査を続けているところでございます。
#109
○坂本説明員 ただいまお尋ねの、大阪高速七号線が国際花と緑の博覧会のアクセス交通としてどういうふうな役割を果たすのかということでございますが、この博覧会のアクセスにつきましては、バスあるいは国鉄、京阪電鉄等、既存の交通機関などを活用することといたしておりますが、また大阪市がただいまお尋ねのとおりのようなことで地下鉄七号線を建設され、これが開通いたしますれば、大阪市の主要ターミナルと博覧会会場が直結いたします。そういうことから判断いたしますと、観客の大量輸送が格段に向上するというふうなことにもなろうかと存じ、その実現を期待しているところでございます。
#110
○小谷委員 この花と緑の博覧会の趣旨につきましては、私たちの認識しておる範囲内では、大阪市制百周年記念事業として、快適な都市生活と花と緑をテーマに六十五年四月から半年間、世界の草花を展示する、約二千万人の入場を見込むもので、総事業費、地下鉄七号線の建設費一千億を含めて三千二百億という大規模な行事である、このように承っておるわけでございます。また、この花と緑の博覧会は、かつての大阪万博、沖縄海洋博、昨年のつくば科学博、これに次ぐ日本で四番目の国際博覧会である、このようにも伺っておるわけでございますが、この博覧会の規模、またこの博覧会に対する特別措置法、この主な点について建設省、御説明をいただきたいと思います。
#111
○坂本説明員 国際花と緑の博覧会の規模及び関連する特別措置法の内容についてでございます。まず規模と申しましてもいろいろな点がございますかと思いますが、博覧会の会場となります鶴見緑地でございますが、現在整備中の都市公園でございます。会場として使用いたします面積はこのうち約百四十ヘクタール程度を考えている次第であります。なお、その中で約百ヘクタール余が主会場というふうになりまして、その他が駐車場等になろうかというふうに考えております。
 また、御指摘のとおり我が国の国際博覧会といたしましては四番目の国際博覧会になるわけであります。過去の博覧会同様この博覧会を推進いたしますために母体を設立しまして、また必要な援助を与えることになるわけでありますが、母体といたしましては先般国際花と緑の博覧会協会というものを設立いだした次第であります。財団法人でございます。そして、ここに対しまして資金調達あるいは人材確保あるいは外国人のおいでになります方の住宅の確保などにつきましてできる限りの協力と応援とを行うことが必要でございます。
 そういった点を内容といたします特別措置法の御審議をお願いしている次第でございますが、内客を申し上げますと、一点はこの国際博覧会協会に対しまして所要の経費の一部を国が補助することができるという規定がございます。
 またもう一点、全部で四点ございますが、次は博覧会協会が調達する資金に充てることを目的といたしまして寄附金つきの郵便はがき等を発行することができるようにしていただくという点がございます。
 また次は、住宅・都市整備公団に係りますが、公式に参加いたします外国政府等の博覧会に係る事業に従事する外国人のための住宅等を博覧会協会に対しまして住都公団から賃貸していただく、そして博覧会協会がそこに外国の方の居住をあっせんするというふうなことになるわけでありますが、そのために住宅・都市整備公団から博覧会協会に賃貸していただくという規定が必要であります。
 また、博覧会協会は時限でございますので、終わりましたら解散してまいるわけでありますが、その間業務を推進するために多くの方の出向をお願いしなければいけないという点がございます。この点に関しまして、国家公務員等に係ります退職手当あるいは共済組合の組合員の資格等の特例措置が必要であるというふうな点などを主たる内容といたします特別措置法を御審議をお願いしている次第でございます。
 措置法の内容は以上のようなことでございます。
#112
○小谷委員 この博覧会、目前にしているわけでございますが、この博覧会のアクセスとして大阪高速鉄道七号線、この早期建設の必要性につきましては運輸省、建設省ともに御理解があるようでございます。これは三月末に大阪府を通して運輸、建設両大臣に対して進達が行われ、これから運輸審議会等の議を経て特許、認可、こういうふうになると思うわけでございますが、その手続、これはどのような順序になるのか、御説明をいただきたいと思います。
#113
○山本説明員 今後の七号線の手続について申し上げます。
 特許につきましては、申請における輸送需要の動向、採算性等につきまして審査を行い、審査が終了次第運輸審議会の審議を経まして適切に処分する所存でございます。特許を受けますと、申請者は予定路線の測量、地質等の調査を行いまして線路、施設等の詳細設計書を作成し、工事施行認可申請を行うことになります。同申請に対しましては、建設規定等技術基準に適合しているかどうか、想定される輸送需要に施設の建設計画が適合しているかどうか等の基準に照らしまして審査を行い、基準に適合しておれば認可することとなるものでございます。
#114
○小谷委員 少なくとも本年九月ごろまでに認可を得て年内着工ということにならなければ六十四年度に完成することは非常に危ぶまれる、このように聞いておるわけでございますけれども、そうなれば六十五年四月からの花の万博の入場者の足がまずこの路線を使えないということになると思います。こういうことになればこれは大変なことである、このように我々は危惧しておるわけであります。許認可の早期決定を強く要望いたしておきます。
 国民健康保険について、この際お尋ねをいたしておきます。
 国民健康保険は他の保険と異なりまして老人や低所得者層を多く抱えているわけでございますが、そのゆえに財政基盤が非常に脆弱であることは私が今さら申し上げるまでもございません。その上に、今回五十九年十月実施されました退職者医療制度、これによるところの大きな赤字を出す結果と現在なっておるわけでございますが、その主たる原因はどこにあったのか、厚生省お見えになっていますか。
#115
○近藤説明員 お答えいたします。
 先生御指摘の退職者医療制度は、一昨年の十月から発足したわけでございますが、先生御指摘のように退職者医療制度につきましては、私どもの思いもよらない見込み違いが生じたわけでございまして、その退職者の数が少なかった主な原因を若干申し上げますと、一つは、最近退職後も被用者保険に引き続いて加入いたします任意継続の被保険者、こういう制度がございまして、この制度の活用が私どもの予測以上にふえたわけでございまして、こういう任意継続を利用された方は、一年か二年タイムラグを置いてから国民健康保険に入ってくる、こういう方々が非常にふえたというのが一点でございます。
 それから、通算老齢年金という形でいろいろな年金制度をまたがって受給されるという方がいらっしゃるわけでございますけれども、この人たちの統計につきまして厚生年金のものだけしかなかったということでございまして、その他の共済でございますとか船員保険、こういったものについて統計がなかったということで、結果等見ますれば私どもが過大に推計したのではないかというふうに考えておるわけでございます。こういう、本人が減ることによりましてそれに附属いたします退職者の配偶者が減りますとともに、その配偶者につきましても、サラリーマンになりました自分のお子さんの被扶養者、結局は被用者保険の方にとどまっていた、そういうふうな方々が多々あったわけでございまして、こういうことで数が大体見込みの三分の二にとどまったということでございます。
#116
○小谷委員 厚生省のこの制度の加入者の見込み違い、これは大変な事態を引き起こしておるわけでございますけれども、国庫支出金の大幅な削減のための赤字でありまして、その責任は重大である、このように考えております。そこで、市町村の国保財政の実態、これはどの程度掌握をされておられますか。これは自治省はわかりませんか――厚生省、わかりますね。
#117
○近藤説明員 今まで私どもが正確に把握をしておりますのは五十九年度まででございまして、六十年度の国保財政の状況につきましてはまだ十分に把握してない状況でございます。六十年度の保険料の引き上げ状況、こういったものにつきましては独自に調査をいたしまして概容を把握しているわけでございますし、また個々の市町村からあるいは県を通じまして個別に財政運営の実情はお聞きしておりますけれども、全体的な財政状況につきましては六十年度につきましてはまだ把握できていないという状況でございます。
#118
○小谷委員 自治省はわかりませんか。
#119
○花岡政府委員 六十年度につきましては現在まだわかっておりません。
#120
○小谷委員 この市町村の国保の赤字に対して六十年度の補正がなされたわけでございますけれども、この国の補正措置で、国の補てんで十分と考えておられますか。
#121
○近藤説明員 六十年度の補正措置につきまして、この評価につきましてはいろいろ評価が分かれるところでございますけれども、私どもといたしましては国家財政が極めて厳しい中で精いっぱい努力を重ねたぎりぎりの結果だというふうに考えているわけでございまして、十分かどうかということにつきましては市町村国保の立場からすれば十分なものとは言いがたいかもわかりませんけれども、私どもとしましては精いっぱい最大限の努力をいたしましたぎりぎりの結果だというふうに考えている次第でございます。
#122
○小谷委員 五十九年度の赤字分が六百七十億、六十年度が千四百十億、合わせて二千八十億、これも過小見込みではないか、このように言われておるわけです。これは厚生省の調査で発表されたわけでしょう。これはどうなんですか。
#123
○近藤説明員 私どもは昨年、全国の市町村の方から退職者の数、一人当たりの医療費、それから一人当たりの保険料をいただきまして、それと当初の私どもの推計値との差から国保財政の影響額を出したわけでございまして、五十九年度のものにつきましてはほぼ実績値を使いましたので動かないかと思いますが、六十年度につきましてはこれをもとに推計いたしますので若干は動くかもわかりませんが、ほぼこの程度になるのではないかというふうに思っているわけでございます。
#124
○小谷委員 ほぼこういう数字であろうということでございますが、二千八十億、これに対して六十年度の補正で千三百六十七億、これを補てんされたわけでございますが、これは赤字見込み額の三分の二に当たる額ですね。したがって残りの三分の一、金額にして七百十三億、これは市町村の国保赤字としてそのまま残る、こういうふうになるわけでございますが、これはいろいろな考え方がありまして、これは自治省にお伺いしますけれども、保険料を一遍に上げることは大変なことだ、したがって一般会計から負担したらどうかというような論議もあるわけでございまして、自治省としてはこれに対してはどんなお考えを持っていらっしゃいますか。
#125
○花岡政府委員 国民健康保険は基本的には国庫負担金、国庫補助金と保険料によって賄われるべきものというふうに私ども考えておりまして、この種のものにつきまして一般会計から繰り出しをするということはやるべきではないというふうに考えております。
#126
○小谷委員 自治省の見解のように一般会計が負担すべき性格のものではない、私もそのように思うわけでございまして、また負担できる財政力のある市町村もほとんどないように思います。大幅な保険料の引き上げをせざるを得ないということになりますが、これとて現状の中では容易でない。したがって、厚生省、赤字見込みの三分の一、七百十三億、これはきちっと六十年度の数字が出てきた時点でどうされる予定ですか。
#127
○近藤説明員 私どもといたしましては、先ほどの六十年度の補正というのは私どもが精いっぱい頑張ってぎりぎりな結果だというふうに考えているわけでございまして、これで打ち切りというわけではないわけでございますけれども、現下の厳しい財政状況のもとでございますので、私どもといたしましては今後とも市町村国保の財政状況の推移あるいは退職者医療に伴う影響額の推移、こういったものを十分見ながら国保財政が安定的に運営できるように極力配慮してまいりたいというふうに考えているわけでございます。今この残額をどうするかということにつきましては申し上げる段階ではないというふうに考えております。
#128
○小谷委員 これは今まで五十九年度、六十年度終わった段階の話なんです。今度六十一年度ですね。この退職者医療制度がこのままいけば大変なことになると思うのです。したがって、根底からこの制度を見直す、改めるか、それとも実態に即した国庫負担金の対応を考えるかしなければならぬと思うのですが、前向きの話ですね、六十一年度、これはどういうふうに考えておられますか。
#129
○近藤説明員 退職者医療制度だけの問題でちょっと先にお答えいたしますと、退職者医療制度は制度ができたときのいきざつからいたしまして、退職した方は国保に入られるわけでございますけれども、長年被用者保険に入られていたにもかかわらずいざ医療が必要な高齢になったときに給付水準が下がる、こういうふうな不合理な面があったわけでございますし、しかも高齢者になった後の医療費といいますのが主として国保の負担とそれから他の自営業者とか農業者等の負担になったというふうな不合理を是正したものでございまして、見込み違いは確かにございましたけれども、制度創設の意義といいますのは今においても変わらないというふうに考えているわけでございまして、私どもといたしましては今後ともこの制度は維持したいと考えているわけでございます。
 それから国保に対します国庫負担の関係でございますけれども、先生先ほど御指摘にありましたように国保は非常に低所得者が多い、高齢者も多いというふうな制度でございますし、あるいは事業主負担もないということで現在給付費の二分の一の国庫補助をいたしているわけでございますけれども、この国庫補助は社会保険システムを行っている制度としては極めて高い補助であるわけでございまして、これを上げるというのは非常に難しいというふうに考えているわけでございます。
 それで、六十一年度以降の問題でいかに国保財政を安定化させるかということでございますが、今国会におきまして私ども厚生省といたしまして老人保健制度の改革案を提案しているわけでございます。御承知のとおりこの改革案は老人医療費の負担といいますものを公平に負担していただくという制度であるわけでございますけれども、結果といたしますれば国保財政といいますのがかなり軽減されるということでございますし、さらには医療費の適正化といったものを私どもも十分やらなければいかぬなと思っておりますし、保険者におかれましてもこの点については収支両面からの経営努力を一層お願いしなければいかぬというふうに考えているわけでございます。こういういろいろな対策、六十一年度におきましても特別交付金二百三十億を計上しているわけでございますので、現在法定の財政調整交付金というふうなものもございますので、こういったものも有効に使う。現在できるあらゆる手段を活用いたしまして国保財政の安定というもののために私どもも精いっぱいこれから考えていきたいと思いますし、保険者の方にも頑張っていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
#130
○小谷委員 現場におきましては厚生省の考えておられるような実態ではないのです。一例を挙げますと、例えば大阪市の場合、この制度によるところの赤字は五十九年度で四十八億、六十年度で、推計ですけれども約百億。厚生省はどのように見ておられるかわかりませんけれども、これだけ見込まれておるわけです。大阪府下の市町村も、それぞれ数字は違いますけれども、かなり大幅な赤字が出ておるようでございます。しかも、この退職者医療制度によるところの見込み違いによる赤字、これは国の見込み違いによって国庫負担金の削減をしたものであるから当然なこととして国で満額補てんされるもの、こういう自信といいますか、そう決めて、六十一年度の国保財政赤字の措置等は一切していない、考えてもいない、こういうふうに言っておるわけでございますが、これは御承知ですか。
#131
○近藤説明員 先ほどの大阪府下の市町村の考え方というものにつきましては、私ども承知しておりません。
#132
○小谷委員 六十一年度のこの制度の見込み違いによるところの赤字額、これはどの程度と国の方は見ておられますか。
#133
○近藤説明員 見込み違いの額がはじき出せますのは、私どもの、退職者の数でございますとか保険料あるいは医療費、こういったものが当初の見込みがあるときでございまして、六十一年度におきましては実績が出てまいりましたので、私ども、その実績を踏まえて積算しておりますので、正確な見込み違いの数字というものは出ないわけでございますけれども、六十年度が千四百十億円程度ということでございますので、医療費の伸び等を勘案いたしますと、大ざっぱな感じでございますけれども、約千五百億程度ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
#134
○小谷委員 これは千五百億程度の赤字、それで今回の予算措置で特別交付金として二百三十億ですね。老人保健の加入者按分率の改正、これは四四・七%を八〇%にする、これでかなり補てんができる、こういうようなお考えであろうと思いますけれども、この按分率の改正でどのくらいの補てんができるというように見込んでおられますか。
#135
○近藤説明員 六十一年度の六月実施から加入者按分率を八〇%にするという想定で、一部負担も六月から上がるという想定でいたしますと、国保の保険料ベースで申し上げますと約千三百億円のマイナスになると考えております。
#136
○小谷委員 これは現場では非常に大変なことですから、国の算定基準に基づいていろいろそろばんをはじき出しておるわけでございますけれども、大阪市の場合は六十一年度の影響額で百二十四億と推計しております。老人保健の按分率の改正による負担減三十六億、こうはじき出しておるわけでございます。残り八十八億、これは国の対応に比例配分してみたとしても約七億、したがって六十一年度におきましても八十億のこの制度による赤字が新たに生まれる、計算上こういうふうになるということで、これは大変なことだ。議会におきましても、保険制度の根本的な問題から考え直すか、国の方の制度改正、補てんを待つかしなければどうにもならぬ、こういう状況にあるわけです。この点についてはどう考えておられますか。
#137
○近藤説明員 大阪市の関係で私ども特別に数字を持っているわけではないわけでございますけれども、先生御指摘の数字は恐らく制度改正によります定率の国庫負担の減少見合い分をおっしゃっているのだと思います。五十九年の改正の際に定率の国庫負担と財政調整でやる交付金との割合を大幅に変更したわけでございまして、単純に定率分の比較のみでは適当でないというふうに考えておるわけでございますし、先ほど私が申し上げました退職者医療による見込み違いの数字ともべ−スが違うものだと考えているわけでございますが、いずれにいたしましても今度の制度改正によりまして、大阪市は前々から大変な累積赤字を抱えていた市でございますので大変だというのは私どもも重々承知しているわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、これは大阪府とも相談しなければいかぬわけでございますけれども、いろいろな財政調整交付金の有効な活用でございますとか、大阪市にもやはり収支両面におきます経営努力をお願いせざるを得ないというふうに考えておるわけでございます。それに、先ほどから申し上げております老人保健法の改正、先ほどは六月から八〇%ということで申し上げましたけれども、これは私どもは来年度からは一〇〇%にしたいと考えておりまして、これの財政効果は今の六十一年度のちょうど倍ぐらいになるだろうというふうにも考えておりますので、こういった関連制度の改革といったものも考えなければいけませんし、その他国保財政の足腰を強くするような方向で国保制度全般にわたる制度の見直しを私どもとして考えなければいかぬときになっていると認識しているわけでございます。
#138
○小谷委員 るる申し上げましたけれども、退職者医療制度の実施に伴って、五十九年度後半、十月から六十年度いっぱい、その赤字額の三分の一、七百十三億は穴のあいたまま何の補てん措置もなされない。六十一年度においては国保交付金が一部見られた。さらに、その補てんの一つとして老人保健の按分率をさわることで補う。ただし、それでも、簡単な比例配分をしてみても計算上まだまだ膨大な赤字が残ることになります。これはこのまま、今あなたのおっしゃったたとえ按分率を一〇〇にしても、それでしのげるのかどうか。大変な問題だと思いますよ。これはただ単なる国の見込み違いでしたということではおさまらぬ問題、これは全国的な問題です。ただ大阪市だけの問題じゃございません。この制度としてはいい制度だから残していきたいということはわからぬでもありませんが、それなら、それに適応した財源措置をせずに、ただ国の方で制度化して、それで穴があいた、それは何とかせぬかいということで十分な補てん策も考えずに避けて通ろうという無責任なあり方は、地方自治体の保険財政にとっては大変な迷惑である。地方六団体も、この問題についてはこぞって厚生省に何回か真剣に交渉に詰めておるはずです。だから、これはもっと本気になってこの措置を考えてもらわなければならぬ。どうですか。
#139
○近藤説明員 国保制度のこれからのあり方は、先生の御指摘までもなく、私どもも重大に受けとめているわけでございます。特に、私どもの見込み違いによります制度改正の影響もあるわけでございますので、関連制度の、老人保健制度は現に提案しておりますけれども、その他の制度改正も含めまして、国保財政が何とかやっていけるような形で仕組む必要があると私どもは考えておるわけでございまして、医療保険制度全体、中でも国民健康保険制度を中心にいたしまして、その財政基盤の充実という面から、厳しい財政事情の中ではございますけれども考えていかなければいかぬと私どもは考えているわけでございます。今の段階ではまだ成案というわけではございませんけれども、そういう方向で省内挙げて検討をしているところでございます。
#140
○小谷委員 次に、交付税の問題について質問をいたします。
 大都市の特殊な財政需要については、十分とは言えませんけれども、交付税の制度上も一部加味され、算定に配慮されていることについては承知をいたしておるわけでございますが、その態容補正係数の評点を決めて算定されておるようでございますが、態容補正係数の実態はどうなっておるのか、まずこの点を御説明いただきたいと思います。
#141
○花岡政府委員 普通態容補正係数は、都市化の程度など地方団体の態容により行政の質及び量に差があり、測定単位当たりの経費が割高または割安となるものについて適用されるものであります。この適用に当たりましては、全市町村を中核都市である甲地と周辺市町村である乙地に種地区分をいたし、さらに都市化の程度によりそれぞれ一種地から十種地までに区分して都市的な財政需要の差異を反映させるという仕組みになっておるわけでございます。
 それで、甲地の種地区分に当たっては、人口集中地区人口、経済構造比率、宅地平均価格指数及び昼間流入人口を指標といたして点数算出基礎によって算出した点数の合計、すなわち種地評点数を決定し、その圏域における中核都市として、中枢管理機能の集中、昼間人口の流入、用地の取得等による財政需要の増加について割増しを行っておるところでございます。
 次に、この種地区分による普通態客補正の係数は、種地ごとの市町村の行政内容を基礎といたして積算した経費に基づいて割増しまたは割減の率を定めておりますが、全費目に共通して適用される共通係数と各費目の特性に応じて適用される個別係数とから成っているわけでございます。
 共通係数は、種地別の調整手当等の給与の差を見るものでありまして、個別係数は各行政費目ごとの特性に応じて、市町村の都市化の程度の差に応ずる行政の質及び量の差を基準財政需要額の算定に反映するように定められております。なお、個別係数は、種地別の市町村の当該行政に係る決算額の実態や法令の規定を基礎として算定されておるところでございます。
 大阪市等大都市に係る態容補正係数につきましては、周辺都市からの通勤通学による昼間流入人口が多いこと、地価が高いこと等により多額の財政需要が想定されますために、特に消防費、道路橋梁費、清掃費、下水道費、その他の諸費などの各費目について極めて高い係数を適用して、大都市のあるべき財政需要を反映するよう努めておるところでございます。
#142
○小谷委員 今御説明がございましたように、大都市の財政需要の特殊性については交付税の算定基準上配慮されておることはよく承知しておりますが、昼間人口比率を需要算定にもっと重視すべきではないかと思うわけです。
 昼間人口比率の算定基準をもっと高めるべきじゃないか生言う理由の二、三を申し上げますれば、消防費そして救急業務、これは他の市町村から来た人であろうと昼間はこれには専念しておりますし、また火災予防にいたしましても、大都市特有の高層ビル対策も考えられぬほど多額な需要があるわけです。公園費にいたしましても、大都市内の大規模公園の利用にかかわる諸経費、また、美術館とか博物館、社会教育施設の運営費、町の全体的な清掃費なんかの費用は人口比でいいましても、幾分算定の基準にはされておりますけれども、もっともっと重視すべきではないか、こう思うわけでございますが、いかがでしょうか。
#143
○遠藤説明員 お答え申し上げます。
 御指摘のように、大都市に係ります特別な財政需要、特に昼間流入人口が行政の対象になるということでいろいろ経費がかかるということでございます。先ほど局長からも御答弁申し上げましたように、五十八年度の交付税の種地の改定の際に、昼間流入人口の比率によりまして評点を決めて甲地の種地を決めておるわけでありますが、その配点基準を五割引き上げるというような措置を講じておりますし、また個別の、ただいま御指摘がありました清掃費でありますとか消防費、それから特に道路橋梁費等につきましては、態容補正係数の特に八種地、九種地、十種地というような種地の非常に高いところ、これは都市化の程度の非常に高いいわゆる大都市を想定しているわけでございますが、一般の市町村と比べまして格段に高い係数を適用しているということによって、御指摘のありましたような財政需要に配慮をしてやっているという現状であります。
#144
○小谷委員 一つの例をとりましたら、大阪市のような中枢都市といいますか、これはドーナツ現象的に大阪市内の人口はどんどん周辺都市、周辺府県に分かれまして、昼間だけはもう全部市内に人が、人口が集まる。こういう典型的な地域でありますけれども、このために都市交通を抱えなければならぬ、これに対する需要。そのほか、もちろん地下鉄、バス事業ですね。それに市立大学、教育施設、これもほとんど周辺から集まるわけでございますし、また商工費にしましてもかなり需要が高いわけでございます。例えば中央卸売市場繰出金。また地下鉄にしましても、これは一般会計の繰出金の六〇%しか需要額の中には見込まれておりませんね。こういうふうな点で、大都市が抱えておる周辺からの昼間流入人口、これに対する比率はもっと見るべきではないのか。こういうふうな要素というのは数字的にあらゆる分野であるわけでございますが、この点いかがでしょうか。
#145
○遠藤説明員 大都市にかかわります昼間流入人口の財政需要につきましては、先ほど申し上げましたように、主として態容補正係数を引き上げるということによって見ているわけでありますが、それ以外におきましても、例えば道路橋梁費におきまして土地が高いというような要素を反映するために土地価格比率というようなものを用いておる。それから、御指摘がありましたように、地下鉄に関連します元金償還金の算入率、六割しかという御指摘でございますが、実は従前五割であったものを引き上げて六割という高率の措置にいたしておるというようなこと。それから、下水道についての財政需要も非常にあるということで、本年度から法律改正の中でお願いしてございますように、投資的経費について新たに下水道の単位費用を設けるというようなことで、これもまた態容補正係数は決定いたしておりませんけれども、かなり傾斜的な比率を設けていくよう検討いたしておりますので、そういったことを通じましてできるだけ、あるべき財政需要ということになりますけれども、大都市の財政需要もしかるべく見ていきたいというふうに考えているところであります。
#146
○小谷委員 これは一つの数字ですけれども、大都市の特殊な財政需要、その財政需要を抱えている、率、量ともに年々高まっているわけでございますが、大都市の普通交付税額、これは一般市町村の交付税額の伸びと比べまして大都市の場合――普段言われているところの大都市は特別区が入っているわけですよ。特別区なしで十の政令指定都市で五十五年度で三千七百三十六億、六十年度で三千四百十七億ですね。他の市町村の場合は五十五年度が三兆二百八十四億、これが六十年度には三兆三千六百三十一億。したがって、他の市町村の場合は一一%の伸び、こういうようになっています。大都市の場合は、これは三百億の減、こういうようになっておるわけです。大都市のこのような状況の中で財政需要の基本的な見直しが必要ではないか、こう思うわけですけれども、局長いかがですか。
#147
○花岡政府委員 普通交付税は基準財政需要額と基準財政収入額との差に応じて配分するものでございますから、普通交付税の伸びは一般的に基準財政需要額と基準財政収入額の伸びの相対的な関係によって決まってくるわけでございます。昭和五十五年度と昭和六十年度を比較してみますと、基準財政需要額と基準財政収入額の伸び率は大都市全体とその他の市町村とではほぼ同程度でございます。大都市全体の方が財政力が高いということがございますので、大都市の場合には基準財政需要額の増加額が基準財政収入額の増加額を下回っておる。一方、その他の市町村の場合には逆に基準財政需要額の増加額が基準財政収入額の増加額を上回るために御指摘のような結果になるわけでございます。
 個々の大都市を見てまいりましても、川崎市のように昭和五十五年度におきましてはこれは交付団体でございました。これがその後税収の伸びによりまして不交付団体になったものがございます。また、札幌市、横浜市、広島市、福岡市など、これらは人口が大きく伸びておる団体がありますが、一方大阪市のように人口が減少してきた団体もあるわけでございまして、基準財政需要額の伸びに団体間の差がかなりございます。一方、基準財政収入額は、人口が減少傾向を示しております大阪市におきましてもその伸び率は団体の間でそれほど遜色はないという状況でございまして、大都市におきます普通交付税が減少しておるということも、これはむしろ地方交付税制度の財源調整機能が的確に機能しておるということのあらわれではないかと考えておるわけでございますが、今後ともこの大都市の需要の必要性――必要性と申しますか、大都市の独特の需要というものがたくさんあるわけでございますから、それらの把握をいたしまして、もちろん交付税のことでありますから客観的あるいは画一的になるという制約はございますけれども、できるだけそういった需要を反映させるように努めてまいりたいと存じます。
#148
○小谷委員 以上で終わります。
#149
○福島委員長 山下八洲夫君。
#150
○山下(八)委員 まず、交付税の件で、基本的な問題について大臣を中心に若干質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、国庫負担金の削減についてであるわけでございますが、国庫負担金の削減に関しまして、六十年度においては五十九年度末に大蔵そして自治、厚生の三大臣の間で、一律カットは一年限りの暫定措置であるとするなどの趣旨の覚書が取り交わされたわけでございますが、六十一年度政府予算ではこれがまったくほごにされてしまった、私はそのように思うわけでございます。一体、この大臣間の覚書はどういう性格なものか、明らかにしていただきたいなというのが私のお尋ねしたい部分でございます。
 これはいずれにしましても、毎年度の地方財政計画の際に、自治、大蔵両大臣の間でも重大な問題に対してはすぐ覚書が交わされているわけでございます。これまでも後年度の地方交付税への特例加算措置など将来にわたる重大な約束事があることからいたしましても、この際ぜひこの覚書の拘束力について、明確な大臣としての責任ある御答弁をいただきたいというふうに思います。
#151
○小沢国務大臣 この覚書は、いわゆる行政の長であり、また内閣の構成員の一人である国務大臣同士がお互いに取り交わしたものでございます。したがいまして、法律的拘束力はございませんけれども、お互いがそういった責任を負う立場にあるもの同士の取り交わしという点におきまして、これを最大限誠実に履行していく責任を負うものである、私はそのように考えております。
#152
○山下(八)委員 そういたしますと、六十一年度以降の補助率の取り扱いにつきましては、大蔵、自治、厚生三省間で改めて協議をするとの覚書の趣旨に基づきまして、補助金問題閣僚会議と補助金問題検討会が設置をされ、十二月二十日の同じ日に検討会が報告書を出したわけでございますが、同じくこの十二月二十日の日に財政制度審議会も「歳出の節減合理化の方策に関する報告」を大蔵大臣に提出をしているわけでございます。
 これを見ると、ほぼ文言が同じになっておりますし、確かに文言は、書き方は違いますけれども、内容的には同じだというふうに私は読ませていただきました。両報告が同じ月の同じ日に出されているので、どちらが光とも私は言えないわけですが、結局この検討会は、途中の審議状況も国民の前に一切公表されることなく進められたことなどから見ても、やる前から何となく大蔵省のサイドで結論が出ることはわかっていたのではないか、ちょっと意地が悪いわけでございますが、そのようにもうかがえるわけでございます。この検討会では地方代表及び自治省関係者は補助率の変更は制度の見直しを前提にすべきとの趣旨で相当頑張ったとは私も聞いております。結局、だから結論を見ていきますと、大蔵省ぺースで結果的には押し切られてしまったのではないか。自治省では六十年度の際のあの約二千億円の補助金整理の独自の対策を作成をいたしまして、大蔵省に随分対抗するなどしたわけでございますが、六十一年度ではその六十年度と比べますと、なぜかそのような頑張りがなかったのではないか、このようにも思うわけです。
 また前年度では、同じく地方六団体を初め全国の地方自治体は、地方議会で随分反対の意見書を採択などいたしまして反対の意思を示しましたし、今年度は、聞くところによりますと、地方団体の方ではどうもそのような動きが六十年度から比べれば大きく少ないのではないか。場合によれば、自治省から余り騒がないでくれというようなことをおっしゃったのではないか、あるいはくぎを刺したのではないかというようなこともうわざとして聞くわけでございますが、どうも全体として自治省の姿勢は、今回は前回と比べますと、かなり弱腰といいますか及び腰だったのじゃないかな、そのように思うわけです。その点につきまして、ひとつ大臣の気持ちと申しますか、それをお尋ねしたいのと、同時に念のために、六十一年度の国庫負担金の一律削減に係る各級自治体の意見書の採択の状況は、六十年度と比べてどのようになっているか、その比較がわかればちょっと教えていただきたいと思います。
#153
○小沢国務大臣 今回の予算の編成に絡んでの御指摘でございますけれども、今日のような国の財政が非常に厳しい状況にある、地方も同様ではございますけれども、そういう中における苦しい予算編成でございますから、財政という面の要素がかなり強く作用しがちであるという点につきましては、先生の御指摘の要素もそれはあると思います。ただ、六十年度の予算編成以後、去年の閣僚会議検討会の報告につきましては、私ども自治省といたしまして、先生の御意見の中にもございましたように、役割分担、事務事業の見直し、そういうものを進める過程の中で補助負担率のあり方というものは決めていくべきである、そういう基本的な考え方は検討会の中でもとられておる考えであろうと私は理解いたしております。
 今回の予算編成に際し、社会保障を中心としたこの事務事業の見直しというのが、それだけでは十分ではないではないかという御議論は一方においてあると思います。しかし、検討会報告におきましても述べられておりますように、これからもさらに積極的にこの役割分担、事務事業見直し、これを進めていくべきであるという考え方が打ち出されておりますし、また私どもも、この三年間の暫定措置の中に、本当に単に財政事情という問題からではなくて、国と地方の役割のあり方、費用負担のあり方、そういう議論の中から補助負担率の問題は考え出されていくべきである、そのように思っておるわけであります。
 いろいろ自治省の働きぐあいにつきましても、先生の御指摘がございました。私も自治省のこの職につきましてからまだ数カ月でしかございませんけれども、自治省のお役人さんの日常を見ておりますと、本当に涙ぐましいほど地方の立場に立って、政府部内で一生懸命働いて努力しておられる姿を見ております。その割には余り、だれにも感謝の言葉もかけられないでまことにかわいそうだと思うくらいでございますが、それだけに私といたしましては、その責任は大変重大であると考えております。今後とも先生の御激励をいただきながら、また御指導をいただきながら、一生懸命頑張ってまいりたい、そのように考えております。
#154
○花岡政府委員 六十一年度の地方議会の意見書の状況はどうであるかということでございますが、六十一年度はぱらぱらと来た程度の感触しかございませんので、ちょっと数字は把握いたしておりません。六十年度は御承知のように大半の地方団体から意見書が出たわけでございます。ただ、この六十年度のときは御承知のように概算要求の時点におきましていわゆる一律カットということが行われて、事務事業の見直しをしないでこのような補助負担率を引き下げるということは、これはやるべきではないというふうなことで地方団体が反対をしたということでございました。六十一年度につきましては、そのときの結果によりまして一年間十分に事務事業の見直しもしよう、その上で補助負担率のあり方の検討をすべきであるという形で検討が行われたわけでございまして、この検討会にはもちろん地方団体の代表の方も入っておられます。そこでいろいろ議論された、また国の事情につきまして大蔵省の方からも地方団体にも御説明があったというふうなこともございますし、この意味では地方団体も今回は事情をよく理解をしながら、そして納得して協力せざるを得ないんではないかというふうなお気持ちになられたわけでございまして、私の方からそういう意見書を採択するなというふうなことを申し上げたことはございません。
#155
○山下(八)委員 今大臣の答弁をお聞きしていまして、当然のお答えだと思うわけでございます。私も二年数カ月この地方行政委員会にお世話になり、その間自分なりに自治省を見させていただいたつもりでございます。私も例えば地方団体の応援団あるいは自治省の応援団の一人になって取り組んでいるつもりではあるわけでございますが、そういう中でこの間二年数カ月の間の経験から見ていきますと、どうもだんだんと中央は地方をいじめる度合いが強くなってきているのではないかなという感想を持っているわけです。と申しますのは、給与条項の問題ではございませんが、ラスパイレス指数が高ければ起債をカットするぞとかあるいは適正定員とか、特に地方行財政改革の名のもとにいろいろな形でいじめてきている。そういう中でことしは、今御答弁いただいたわけでございますけれども、局長さんの、この意見書が数少なかった。これは前回と今回は環境が違うんだと言ってしまえばそれまでかもわかりませんが、そのようなものがじわりじわりと浸透しているのではないか、そのような心配をするわけです。ぜひそのようなことがないように、どんどん地方は腹いっぱい自治省に意見が言えるような環境をつくっていただきたいということをこの際あわせてお願いしておきたいと思います。
 さて、そういう中で十二月の二十日、補助金問題関係閣僚会議が開かれ、特に生活保護の国庫補助負担率の問題で大蔵、厚生大臣は三分の二を主張し、また自治大臣は十分の八を主張し、結論が結果的に出なかったわけでございます。社会党の、たしか加藤理事だったと思いますが、質問をされたと思うわけですが、その間大蔵、自治両大臣の間でも意見が一致をせず、結局自民党の政調会長の裁定案が出され決着をしたわけでございます。
 このことの意味は、私は、ある面では大変重大であるなというふうに受けとめているわけです。と申しますのは、国と地方の財源配分や国民負担の帰趨が一政党の、たとえ政権政党であっても意のままに操作をされてしまうような印象を強く与えますし、またそうなったのではないかというふうに思われても仕方がないと思うわけです。そうしますと、行政府の責任はどうなるのか、あるいは責任放棄になってしまうのではないか、このような心配もするわけです。もう今後このようなことがないように自治大臣の良識のある考え方をぜひお聞かせいただきたいと思います。
#156
○小沢国務大臣 この問題は以前にも御指摘ありましたけれども、いわゆる議院内閣制におきまして、政府・与党の協議の中で政府原案というのが実態としていろいろと編成作業が進められるわけであります。したがいまして、政府がもちろん第一義的に行政の全責任を負うわけでありますけれども、そういうような意味合いにおきましては、与党といたしましてもまたこれは責任を国民に対して持っていかなければならないということであろうと思います。実際の覚書につきましては、政調会長が通例といたしましてはともに署名をしたりするのが例となっております。しかし、これは覚書の中身、そしてその責任は、あくまでも長たる両大臣あるいはそれに加わった大臣、各省庁の責任で履行されるべきものである、その点は現にそのように私も理解いたしておりますし、今後の点につきましてもお互いの各省大臣が、各省が責任を持って当たるべきもの、かように解釈しております。
    〔委員長退席、平林委員長代理着席〕
#157
○山下(八)委員 十一月二十七日の地方制度調査会は、「地方税財政に関する当面の措置について」という答申を出されているわけでございます。その中では、国庫補助金の整理合理化に当たっては対象事業の廃止縮小を行うこと、国の財政負担を地方に転嫁してはならないこと、国は義務的に支出すべき国庫負担金と奨励的、財政援助的補助金とを区別し、整理合理化をすること、国の地方への過剰な関与を排除し、地方の自主性、自律性を高めること、地方財政法第十条、第十一条の国庫負担金制度の基本的枠組みは今後とも堅持することなど、非常にすぐれた考えを述べているわけです。答申作成に当たりました各委員の方々には私も敬意を表するわけでございますが、この地方制度調査会の答申と比べて補助金問題検討会の報告は、その内容は水準がいささか低いのではないか。自治大臣といたしましては、この地方制度調査会の答申から見まして補助金問題検討会報告をどう評価されるのか伺っておきたいと思います。
 補助金問題検討会の報告では、特に生活保護など社会保障関係だけが補助率削減率が明記されているわけです。そのほかの文教とか農林水産とか公共事業などは明記されていません。これは明らかに社会保障を中心とした切り捨ての意図が、言葉は悪いわけでございますが、余りにもあからさまではないかなというような気がするからでございます。その辺はいかがでしょうか。
#158
○小沢国務大臣 地方制度調査会の答申につきましては、今先生御指摘のように、補助金の整理合理化、統合メニュー化等々いろいろな各般の分野にわたりまして答申がなされておるという意味におきましては、先生の御指摘も一面においてそのとおりであるということも言えると思います。ただ、検討会の報告は、結論といたしましては、私どもが従来主張しておりました地方制度調査会の考え方に流れておる基本的な考え方は、ともに同じ思想に立っておるのではないか、私は、その意味においては、検討会の答申あるいは報告あるいは内容、それが水準が劣るということではないのではないかと考えております。現実に生活保護費の問題等大変厳しい議論の中で結論が得られなかった面もあることは事実でございます。そういうようなことが今後とも検討されていくべき課題であることは、先ほど来御答弁申し上げておりますように、十分私どもも認識しておるところでございます。
 ただ、特に公共事業の点につきましては、いわゆる単純に経常費的なものとは若干、国の負担の責任という意味において地財法における位置づけは同じであろうと思っておりますけれども、地域地域のいろいろな状況に応じて公共事業等を行い、むしろその事業費を伸ばしていきたいという面もこれあるわけでございまして、その事業をすることによってさらに地域の振興あるいは税収等のはね返りも上がってくる面もある、そういう意味での性格的な違いは事業そのものについて若干あるのではないかと思っております。したがいまして、いわゆる公共事業の問題等について触れていない、したがって、社会福祉の面の切り捨てという意味に重点を置いておるのではないかというお話でございますが、私は必ずしもそういうようなとらえ方をしてはいないところでございます。
#159
○山下(八)委員 それでは、十二月十三日に地方財政審議会も「昭和六十一年度の地方財政についての意見」を自治大臣に提出をいたしているわけです。その中でやはり次のとおり指摘をしているわけです。「国は、早急に中長期に及ぶ財政再建の具体的な方策とスケジュールを明らかにすべきである。」このように述べています。これは、国が「増税なき財政再建」を旗印にして昭和六十五年度赤字国債発行ゼロを目標にして進めている現在の中期的な財政再建計画ではだめだ、それを見直すべきだということだと理解をしていますが、大臣はこの考え方でいいのかどうか、お尋ねしておきたいと思います。
#160
○小沢国務大臣 地方団体が安定した行財政の運営を行うためには、基本的には国が早急に中長期的な財政再建の方策を明らかにし、また国、地方間の負担関係を明らかにすることが必要であると私どもも考えておりまして、そういう意味におきましては、基本的な考え方はそのとおりであろうと思っております。
 ただ、現実に国の財政再建の途上のときでもあり、また税制の抜本改正等々も控えておる、そういうようなこともございまして、先生の御指摘あるいはただいまの筋道のように現実になかなかとるのは難しいという状況にあるわけではございますけれども、私どもといたしましては、極力国、地方間の財政関係や負担関係を安定的にするよう努めてまいりますと同時に、そういった基本的な考え方のもとにできるだけ対処されることが望ましいと考えております。
#161
○山下(八)委員 国庫補助負担率の引き下げについて、自治、大蔵両大臣の覚書で「三年間の暫定措置とする。」この期間内においては「国・地方間の財政関係を基本的に変更するような措置は講じないものとする。」などが決められていますが、まず、なぜ三年間になったのか。
 それと同時に、補助金検討会の報告の補助率の見直しは安定的なものとする必要がある、しかし国、地方間の財源配分のあり方の見直しは今後の課題とされているため、今回の措置は当分の間の暫定的なものとして行われるべきと考えられるとの趣旨を受けて、三年間と決められたものと推測できるわけでございますが、私はこのような考え方は間違いではないかなというような気もいたします。補助率が毎年動揺してといいますか、していたのでは、地方の財政運営を安定させません。したがって、早急に事務事業の見直しあるいは税財源配分の改革を行った上での新たな補助率を安定的に設定するのが筋道ではないかなというふうに思うわけです。特に三年間の暫定措置が終了しましたら、事務事業の見直しあるいは税財源配分の改革が行われない限り、もとの補助率へ戻すことはなかなか難しいことでございますし、また当然、三年間となっていますから、いろいろなけさほどの質問でも出ておりましたけれども、また御答弁もかなり出ておりますが、私は、この三年間というのはあくまでも三年間であって、もとへ戻すというのが考え方の趣旨ではないか、また覚書の趣旨ではないかというふうに思うわけでございます。そういう中での大臣の考えはどうなっているのかお尋ねしたいと思います。
 ちょっと時間がありませんので、同時にあわせてお尋ねしておきたいと思いますが、六十年度も一年限りの暫定措置としての覚書が、私からいえばいとも簡単にほごにされてしまったというふうに思うわけです。冒頭にお尋ねしたわけでございますが、そんなことから考えていきますと、この暫定期間内に「国・地方間の財政関係を基本的に変更するような措置」をとらないということは、この期間内には本年度のような補助率変更は一切行わないとのことであると私は当然と思いますが、この「基本的」という意味もけさほどかなり議論がされました。この「基本的」という意味もあわせて再度お尋ねさせていただきたいと思います。
#162
○小沢国務大臣 六十年度の予算編成における覚書は、先生御案内のとおり一年間の暫定措置とする、六十一年度以降につきましては、いわゆる事務事業の見直し、役割分担等のあり方、それらの検討の中で考えていくという趣旨であったと思います。
 したがいまして、その趣旨にのっとりまして、閣僚会議あるいは検討会等々で検討がなされまして、それを踏まえて、全部ではございませんけれども、社会保障を中心に事務事業の見直しを行いながら、基本的にそういう考え方に立って予算編成が行われたということであると私どもは理解しておりまして、六十年度の覚書がほごにされた、それに違背しているという考え方はとっておらないところでございます。
 今後、いわゆる三年間の暫定措置ということで今回の補助負担率の引き下げが行われたわけであります。三年間というのは実は昨日も補助金の委員会で議論もございまして、むしろ財政再建期間目標の六十五年の五年間にすべきではないかという意見等もあった。また、これから積極的に事務事業の見直しを始めていくんだから一年間の暫定措置ということでもいいではないか、そういうような意見もあった。しかし、一方におきまして、地方のサイドから見れば、先生も御指摘のように、一年ごとに事務の見直しがあったから負担率を変えていくというようなことでは安定的な運営というのはできなくなるおそれがある、したがいまして三年間の暫定措置ということにした。三年というのに合理的な根拠があるかどうかはいろいろ議論のあるところであろうと思いますが、そういう考え方に立って三年間にしたものであると理解いたしております。
 この三年の間は、いわゆる覚書に基づきまして、国庫補助負担率の変更は行わない。私はそれは言葉どおりに解釈をいたしておりまして、この期間中に役割分担、事務の見直しをさらに進めるわけですから、この期間は変更はしないということであろうと思います。この覚書は直接的には補助負担率について取り交わしたものでありますけれども、午前中の御質疑にもございましたように、交付税等につきましても、今の税財源配分の仕組みを前提とするならば、とても切り下げるとか変更するとかというような状況にないということもあわせて御答弁申し上げたわけでございますが、私といたしましてはこの三年間はもちろん負担率の変更はないと文字どおり解釈いたしておるわけであります。
#163
○山下(八)委員 それでは、たばこ消費税の問題について一、二点お尋ねしておきたいと思います。
 「増税なき財政再建」の「増税なき」とは、「全体としての租税負担率の上昇をもたらすような税制上の新たな措置を基本的にはとらない、」と理解されるわけでございますが、たばこ消費税の増税は租税負担率の上昇をもたらす新たな措置ではないか、そのようにも思うわけです。たばこ消費税は国、都道府県、そして市町村のいずれにも共通している重要な税目であることは事実でございます。増税は税率の変更という仕組みの根幹にかかわる部分の改定であり、しかも国税、地方税それぞれの増収分が千二百億円ずつ、合計二千四百億円の大きい額であるわけでございます。これは基本的な措置であることは明らかであると思うわけです。
 以上の点から、この措置は「増税なき財政再建」の方針に当然反すると思うわけでございますが、きょうは大蔵省を呼んでおりませんので、特に自治大臣の考えはどうなのか。この消費税の増税が内需拡大に与える影響なんかについて、地方の立場からぜひ自治大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#164
○小沢国務大臣 このたばこ消費税の問題につきましては、先生御承知のように、予算編成の最中に、しかも生活保護費の国庫補助負担率の本当に激烈な議論の中で、地方に対しまして何らかの自主財源を与えるべきではないだろうか、そういう中からいわゆる地方財政対策の一環といたしまして、たばこ消費税の税率を上げることによって国、地方合わせて二千四百億円という自主財源を確保したというふうに私どもとしては理解いたしておるわけであります。もちろん、結局国民がその分だけ負担増になることは御指摘のとおりでありますし、事実であると思います。ただしかし、これが一つには地方財政対策の一環としてとられたことである、また既存の税制の枠組みの中におきましてそういうような形をとらざるを得なかったということであろうと思います。
 いわゆる臨調の「「増税なき財政再建」とは、」、ということで、御指摘のように「租税負担率の上昇をもたらすような税制上の新たな措置を基本的にはとらない、」そういうことになっておるわけでありますが、今市し上げましたような考え方のもとに立って、この「増税なき財政再建」に反するものではない、そのように考えておる次第であります。
#165
○山下(八)委員 たばこ消費税の増税は六十一年五月一日から六十二年三月三十一日までの臨時措置とされているため、六十二年からは税率をもとに戻して、地方交付税の特例加算分としての国のたばこ消費税ももとに戻すということになると思うわけです。国庫負担金の補助率削減は三年間の継続措置であるにもかかわらず、その補てん措置としてのこのたばこ消費税の税率引き上げはなぜ一年間の措置なのか。六十二年あるいは三年における国庫負担金の補助率削減分の補てん対策はどうするつもりなのか。これはきょうの午前中にもあったわけでございますが、そういう中で、自治省としてはこの三年間の措置を引き受けるに当たって当然三年間の展望のもとでその分の補てん措置を考えていると思うわけです。それについての考えをお聞かせいただきたいと思います。この点については地方自治体の間でも大変重大な関心を持っているであろうというふうに思うわけです。特に自治省としての明確な考え方を出しておいていただきたいと思うわけです。
 この際、今後根本的な税制改革が行われる場合と、ひょっとしてそうでない場合との二つの前提条件によってそれぞれの対策は当然異なってくると思うわけです。そういう意味で、自治省としても一定の検討はされているのではないか、そのように思うわけです。その辺についても御答弁がいただければ幸いに存じます。
#166
○花岡政府委員 補助率の引き下げが三年間継続するのに、たばこ消費税の引き上げが一年ではないかということでございますが、これは午前中にもお話が出ましたけれども、結局この地方財政対策の一環として行われました臨時、異例の措置ということで、税制の抜本改正の妨げとならないよう一年限りの措置とするというふうなことで決められたわけでございます。したがいまして、明年度以降の取り扱いにつきましては、税制全般の抜本改正について税調で御審議が進められているわけでございますけれども、その中で検討されることになるというふうに理解しておるわけでございます。もちろん、六十二年度以降につきましても補助率の引き下げが継続されるわけでございますから、私どもとしても何らかの財源措置というものが必要であるということは申し上げるまでもございません。これが何になるのかということにつきましては、税制の抜本改正との絡みもありますので、現段階でははっきりいたしませんけれども、これは何らかの措置もなしに、このたばこ消費税の税率の引き上げあるいはこういうふうな特例加算がなくなったまま補助率の引き下げが継続されるという事態は絶対にないように私どもは対策を講じてまいるつもりでございます。
#167
○山下(八)委員 それでは、地方財源不足の対策について若干お尋ねしておきたいと思います。
 六十一年度地方財政は、国庫負担補助率の引き下げを行わない前提では収支が前年度に引き続き均衡することとなったわけですが、なぜ収支均衡となったのか。地方財政の財源不足額の算出方法について毎年度明らかにすることを要求しているにもかかわらず、自治省は一向にその内容を私たちに示していただけないわけです。臨調の第三次答申では、「地方財政計画における歳出については、国の歳出抑制に準じて抑制する。」と述べております。それを受けて地方財政計画の歳出規模を抑制し、また基準財政需要額の算定要素、単位費用、補正係数を減額修正するなどして地方財源不足額を操作し、補助率削減がなかった前提で二年続きで収支均衡となったとしていますが、どうも近年になって地方財政計画が地方財源の保障という本来の役割から地方の歳出を削減するための手段に変更してきているのではないか、そのように思うわけです。そういうところにもいじめが少しは入っているのじゃないかなという気がするわけでございますが、財政局長のお考えをお願いしたいと思います。
#168
○花岡政府委員 地方財政収支につきましては、歳入の各項目につきまして、現下の経済情勢を踏まえまして慎重かつ適切な見積もりを行いますとともに、歳出の各項目につきましては、基本的には節減合理化を進める一方で、財源の重点的配分に徹して所要の額を確保することとした結果、収支が均衡したわけでございます。
 六十年度に均衡いたしましたのは、たまたま税収あるいは交付税が非常に伸びたというふうなこともございましたし、単独事業につきましては、国と同様据え置きになったわけでございます。六十一年度の場合には、政策的考慮を加える余地の大きい地方単独事業につきまして、これは内需拡大の要請もございますけれども、地方団体が計画的に生活関連施設の整備を行うことができるように、前年度に比べて三・七%事業費の増を確保したわけでございます。このことは、計画策定に当たりまして地方財政収支のバランスが崩れない限度まで単独事業を確保するという方針で対処したわけでございます。
    〔平林委員長代理退席、委員長着席〕
もし昨年度と同じような考え方でいきますならば、この分がいわゆるプラスで出てくるという形になるわけでございますから、その意味におきましては、単独事業で三・七%の伸びを確保したそのために収支が均衡することになった、そういう形になったということが言えるのではないかと思います。
 なお、収支の状況につきましては、毎年度、地方交付税法第七条の定めるところによりまして、「翌年度の地方団体の歳入歳出総額の見込額に関する書類」、いわゆる地方財政計画でございますけれども、これを国会に提出することになっておりますので、これによって収支状況を明らかにしておるということでございます。
#169
○山下(八)委員 国庫補助金の地方負担分一兆一千七百億円の補てん対策は、経常経費分六千百億円分については地方たばこ消費税増収分の千二百億円、地方交付税特例加算分千二百億円、これは国のたばこ消費税の増収分で補てんされ、あと残り三千七百億円は建設地方債の増発で補てんされることになっているわけです。また、投資的経費分五千六百億円分について全額建設地方債で補てんされることとなっているわけです。
 地方の一般財源不足は、地方交付税という一般財源で補てんすべきであり、例年にわたってこのような建設地方債の増発で補てんするのは、地方交付税の制度の趣旨がだんだんゆがめられていくのではないか。それと同時に、地方債の増発は地方自治体の借金体質をどんどん深めていくのではないか。決して好ましいものとは思わないわけでございます。そのようになる危険性は大きく持っていると私は思いますが、いかがでしょうか。
#170
○花岡政府委員 地方財源の不足が生じました場合に補てん対策を講ずるに当たりましては、もちろん地方税あるいは地方交付税等の一般財源によって補てんずることが望ましいわけでございます。ただ、現時点の国、地方の厳しい財政状況を踏まえました場合に、地方債の活用もやむを得ないというふうに考えておるところでございます。もちろんその場合におきまして、将来の地方債の償還が地方財政を圧迫するということになりますので、将来、地方交付税の特例加算を講ずることといたしております。さらにそれでも財源が不足するという場合には、各年度の収支見込みを踏まえまして、地方財政の運営に支障の生ずることのないよう、地方交付税の特例加算等を含めまして適切な財源措置をしてまいりたいと存じております。
 もちろん、御指摘のように借金がふえてくるということは私どもも決して好ましいことではございません。できるだけこの借金体質から脱却できるよう一般財源の増強に努めてまいりたいと存じております。
#171
○山下(八)委員 経常経費分六千百億円のうち交付団体分四千八百八十億円は、地方たばこ消費税増収分八百五十億円、交付税特例加算千二百億円、合計二千五百億円の一般財源が付与されるが、残りの二千八百四十億円は、建設地方債の発行、つまり借金をしなければ補てんできない。また、借金をするとしても、適当な起債対象事業が当該自治体にない場合どうしようもなく、その自治体の一般財源の持ち出しになってしまうのではないか。
 この二千八百四十億円のうち四百億円は昭和六十六年度以降地方交付税に加算することとはっきりうたわれていますが、残りの二千四百四十億円については、六十六年度以降地方交付税に加算するが、その取り扱いは三年間経過後自治、大蔵両省で調整することになっているわけです。この調整するとはどういうことなのか、なぜはっきり地方交付税に加算すると言えないのか、その辺を伺っておきたいと思います。
 また、大蔵省の考えでは、多分、昭和六十五年度までに財政再建がされていれば交付税に加算してやってもいいが、現状の財政再建計画の進行状況から見れば到底無理な状況である、そのように判断して、結局はこの二千四百四十億円の交付税の特例加算はとらぬタヌキの皮算用ということになって終わってしまうのではないかなというような危惧があるわけです。
 経常経費分六千百億円のうち不交付団体分千二百二十億円は、地方たばこ消費税の増収分三百五十億円しか一般財源の補償がなく、残りの八百七十億円は建設地方債の増発をしなければならないわけです。この八百七十億円については、その元利償還額の補てん対策はなく、不交付団体はいわれのない負担増を強いられることになってくると思うわけです。この辺について花岡財政局長はどのようにとらえていらっしゃるのか、教えていただきたいと思います。
#172
○花岡政府委員 二千四百四十億円につきましては、昭和六十一年度におきます国庫補助負担率が三年間の暫定措置であるということにかんがみまして、暫定的に六十六年度以降に精算すべき地方交付税の額に加算するということとして、その取り扱いについては自治、大蔵両省で暫定期間終了後話し合いをするということになっておるわけでございます。この意味は、やはり加算という約束は間違いないわけでございます。ただ、今後自治、大蔵両省間で調整をする余地があるということでございまして、これは六十年度のときにおきましても同じようなことで一千億円について、これはいわゆる補助率の検討の結果、話し合いをしようというものでございますが、これとあわせて暫定期間終了後両省間で話し合いをしようということになったわけでございます。
 もともとこのいきさつを申し上げますと、昨年度の対策の場合に、交付団体の半分について直接交付税での補てんがあったわけでございますが、その残りをどうするかということで、自治、大蔵省間でかなりの激論をやって、夜明けまでかかったわけでございますけれども、やはり何らかの補てんをすべきである、これを将来持つようにということで、現在でなくてもいいという話し合いといいますか主張をしたわけでございますが、大蔵省の方ではこれは暫定措置であるからこれを今から話を決めておくというのは難しい問題である、やはり将来補助率が検討の結果どういうふうになるかということも見ながら話し合いをしたいというふうなことでございまして、このような覚書になっておるわけでございます。したがいまして、やはり交付税を加算するというのは建前ということになっておりまして、それについての両省間の話し合いの余地があるというふうに御理解いただきたいと存じます。
 それから、不交付団体の問題でございますけれども、この不交付団体の起債の償還費につきましては、やはり交付税の基準財政需要額には算入するわけでございます。その意味では財源措置を一たん講ずるわけでございますけれども、その上でなお不交付団体になるということになりますれば、結局交付税が交付されないという結果になるわけでございまして、その場合には現行の制度からいきまして税収等で措置をしていただくことになるということで、これは現行の交付税のシステムからいってやむを得ないものと考えております。
#173
○山下(八)委員 まだ句点がお尋ねしたいわけですが、ちょっと先を急ぎたいものですから、最後にこの関係でもう一点だけお尋ねしておきたいと思います。
 経常経費の三千七百億円分については、経常経費ではあるが投資的経費から財源を捻出する形となり、調整債という形で建設地方債を発行することになるわけです。建設事業から財源を回して、その分を経常経費でふえた一般財源の負担に充てるということになるのではないか。しかし、公債費率の高い団体あるいは適債事業のない団体は結局建設事業によって一般財源に弾力性を持たせることができないので、経常経費でふえる一般財源を補てんすることができず、結局は手持ちの財源の中から捻出するしかなくなってくる、直接的な負担増になってしまうのではないか。結果といたしまして、六十一年度の地方財政対策は建設地方債の増発をできる団体は経常経費の一般財源の負担増にも耐えられますが、公債費率の高い団体、適債事業のない団体は従来の枠の中で結局は一般財源を捻出するしか方法がなく、こうした面では自治体間の格差あるいは財政力の格差を拡大することになってしまうのではないか。その辺につきまして財政局長さん、どのようにとらえていらっしゃいますか。お尋ねしておきたいと思います。
#174
○花岡政府委員 国庫補助負担率の引き下げに伴います地方財政への影響額に対処するために発行する地方債、すなわち臨時財政特例債及び調整債につきましては、その性格にかんがみまして、公債費比率のいかんにかかわらず措置をすることになっておるわけでございます。したがいまして、公債費比率の高い団体におきましてもこれは発行ができるということでございます。また、地方団体は地域の実情に応じましてそれぞれ建設事業を実施しておりまして、また六十一年度にはいわゆる財源対策債による措置がなくなったということから、公共事業に充てます地方債の充当率も通常の水準にまで戻っております。したがいまして、適債事業のない団体というものはないというふうに考えております。私どももこの六十年度におきましてこれらの措置を講じました際、どのような状況になったかを調査してみました。特に起債の制限されておる団体あるいは準用再建を行っている団体、こういう団体で起債を受けるようになっておるかどうか調査いたしましたけれども、これらにつきましても十分この起債の措置が講じられるというふうな状況になっております。六十一年度におきます国庫補助負担率の引き下げによる交付税の振りかえ、これは市町村分は大体前年度と余り変わりません。大体道府県の方に振り出し額が大きくなっておりますので、そういった点から見ましても市町村におきまして適債事業のない団体というものはないというふうに考えております。
#175
○山下(八)委員 だんだんと適債事業は少なくなってきているというふうに思うわけですが、次、ちょっと国鉄の問題に移らしてもらいたいと思います。
 今国鉄の中でも日本国有鉄道改革法案が出ておりますし、そういう中でまだこの改革法の審議に入っておりませんので、私も触れない範囲で、できれば特に地方自治体に大きなかかわりを持ちます部分の余剰人員を中心にしまして若干お尋ねしておきたいと思います。
 その前に、冒頭警察の方にお尋ねしておきたいと思うわけでございますが、たしか今回、地方財政計画で警察官二千八百八十二名採用ということが、もう予算上では予算が成立しましたので決まっているわけでございますが、その辺間違いございませんですね。
#176
○大堀政府委員 先生のおっしゃるとおりでございます。
#177
○山下(八)委員 今度は国鉄の方にちょっとお尋ねしておきたいと思いますが、何か国鉄は随分余剰人員を抱えて今一生懸命に走り回っている。余剰人員という言葉がよくないわけですけれども、結局は私も、今の国鉄を分割して民営する、こんなのはよくないな、現行の国鉄でバラ色の再生をすればいいわけでございますが、そういう中で、私はある面ではつくられた余剰人員のような気もするわけでございます。そういう中で盛んに六万一千の余剰人員があるとか、あるいは公的機関に三万人ぐらい採用していただくとか、あるいはその中で一万一千なのか一万なのかわかりませんが地方の団体で採用していただきたいとか、そのようないろいろな話が出ている中で、それぞれまた自治省も大変な御苦労をしながら地方の団体にもお願いし、今では四千数百ですか、何かそのような数も上がってきているようでございます。そういう中で特に鉄道公安官について、一つは、警察の方にぜひお願いするんだという考えであるのかどうか、その辺を一点お尋ねしたいのと、同時に、そういう中で今日まで鉄道公安官というのはどのような任務をしていたのか、その辺につきましてもあわせてお答えいただきたいと思います。
#178
○土田説明員 お答えします。
 去年の閣議決定によりまして鉄道公安業務が都道府県警察の方に引き継がれるということになりまして、それに伴いまして現在の鉄道公安職員、これが都道府県警察の方に引き継がれるということでございますので、私どもとしては現在の二千八百八十二名を都道府県警察の方でぜひ引き継いでいただきたいということで、今警察庁といろいろ具体的な話をしているところでございます。
 それから鉄道公安職員の業務でございますが、鉄道公安職員は国鉄の列車、停車場等の鉄道施設内におきまして治安維持を図るために、窃盗犯等の捜査とか、あるいは施設の警戒とか、あるいは列車警乗とか、そういったような仕事を主にやっておるわけでございます。
#179
○山下(八)委員 そうしますと、旅客の安全な運行とか、あるいは今で言いますと貨物の安全な輸送とか、そういう業務は鉄道公安官というのは全然関係ないのですか。
#180
○土田説明員 お答えします。
 列車の安全な運行とか貨物の輸送の確保とかこういう仕事は、国鉄の私どもばかりではなくて、運転あるいは施設、保線関係あるいは電気関係等の保守関係それぞれがチームワークを組んで、安全な運行をするような形でやっております。公安官の仕事はいわば全体の鉄道の治安維持という仕事が本来の仕事でございまして、そういう鉄道営業をやっているという観点からその仕事に携わることはありますが、それは付随的な仕事ということで、施設の中におきます治安維持というのが本来の仕事でございます。
#181
○山下(八)委員 そうしますと、治安維持が本来の仕事であってそれ以外は本来の仕事ではなかったということであるのなら、昭和二十五年だったと思いますが鉄道公安制度ができたというところからいきますと、確かに今御答弁ありましたとおり治安維持が中心であることは事実であるわでございますが、それ以外に何といっても安全輸送という大きな任務も持たされていた。そういう中で特別にやはり国鉄につきましては鉄道公安官というのが認められた。同じ鉄道、レールであっても、私鉄にないのはそこの違いがあろうかと思うわけです。そういう中で私はこの鉄道公安官の今の業務範囲をお尋ねしたわけでございますが、そうしますと鉄道公安官が警察へ移った場合は、よく民鉄並みあるいは私鉄並みという言葉が使われておりますけれども、この公安業務はすべて警察にお任せするという考え方で今後は当然臨むわけでございますね。
#182
○土田説明員 お答えします。
 そのような方向で警察側の方と協議しておりまして、警察側の方は鉄道施設内の治安維持につきまして万全の措置をとるというふうに私ども伺っております。
#183
○山下(八)委員 今、大体私鉄にしましても、私は不思議なわけでございますが、百貨店にしても工場にしても、一定の治安維持は一生懸命自分のところで努力してやっているわけですね、ガードマンの方を採用したりしていろいろと。そういう中で今度は仮に、仮の話で申しわけないわけでございますが、これは分割・民営されたらみんな、新国鉄という言葉がいいかどうかは別にしまして、次の国鉄は一切しないのだ、その考え方は大変な間違いであろうと私は思うわけです。また同時に、私鉄においても今私鉄内でそういうことを行っていないということであれば、私はこれは逆に大変な問題であると思うわけです。一定のものはやはり私企業であろうと国の企業であろうと関係なく自分のところで責任を持って第一義的には行っていくという大きな責務があると思うわけです。そうしますと、二千八百八十二名の鉄道公安官がその数が正しいのかどうかは別にしまして、私はその業務が一切なくなるということになれば、民鉄並みではなくて民鉄以下になってしまうのではないか、そのように一方では心配をします。
 そういう中で余剰人員の関係でお尋ねしていきたいと思うわけでございます。今私の手元にありますのは採用計画であるわけでございますが、特に地方の団体から申し出がありましたのは、四月一日現在で四千四百五十名という資料をちょうだいいたしておりますが、現実的には国鉄としては何名ぐらい地方の団体にお願いをしよう、あるいは運輸省としては何名ぐらいお願いをしようというふうにお考えになっているんですか。
#184
○高橋説明員 お答えいたします。
 六・一万人という余剰人員がございますけれども、その具体的な受け入れにつきましては、今その雇用の場の確保につきましていろいろと関係方面にお願いをしてまいっているわけでございます。公的部門につきましては三万人ということでお願いをしていくつもりでございますけれども、その具体的な内訳につきましては、この秋までに内閣に設けられました雇用対策本部の中で具体的な採用計画が決まるわけでございますので、その中で明らかにされることになると思いますが、当面、現在六十一年度につきましては前倒し的と申しますか御採用の計画を立てていただいておるというような状況でございます。
#185
○山下(八)委員 数はまだ全く白紙ですか。一万とか一万一千とか、公的部門三万というのは、あれは勝手にひとり歩きしている数字ですか。
#186
○高橋説明員 公的部門三万人につきましては、去年の十二月に閣議決定をいたしますときに、公的部門については三万人を採用目標数というものを官房長官談話という形でお話し申し上げているところでございます。その具体的内訳につきましては、その閣議決定の中にもございますけれども、この秋までに中身を決めていくというふうになっている状況でございます。
#187
○山下(八)委員 公務員部長さんにお尋ねしたいんですが、自治省としても地方には一生懸命協力お願いをされているようですけれども、数は全く白紙でお願いしているんですか。国鉄あるいは運輸省から数はどれぐらいというお願いのことも言ってきてないんですか。
#188
○柳政府委員 ただいま運輸省の方からお話がございましたように、国鉄の雇用の場を確保するということのために現在までに固まっておりますのは、国と地方公共団体、それから特殊法人と合わせました公的部門に三万人というところまででございまして、具体的には、これから国鉄が六社に分割されるわけでございますが、その場合のそういう事業体の要員計画などを見ながら詰めていこうということになっております。
 現在までのところでは、六十一年度におきまして特定の資格を有する職員を除いた残りについて新規採用の一〇%程度を国において採用したい、こういうふうにおっしゃっておられます。また、これは御存じのとおりでございますが、六十二年度以降については一〇%を下らない率で採用していきたいというふうなことが出ておりますので、地方公共団体においてもそれに準じた格好でぜひ御協力願いたいということで要請しているわけでございます。
#189
○山下(八)委員 じゃ、準じた形でいくということで、数字は全くないということですね。一万とか一万一千とかいろいろなあれはうわさ話であるというふうに理解しておかないと間違うということでございますね。そうしますと、それぞれ地方自治体に受け入れろというお願いといいますかあるいは行政指導というのかそういうことをするのにいたしましても、ある一定の数字を出さない限りなかなか、今それこそ行財政、地方の場合も行財政改革で大変厳しい中、何とかやはり国鉄職員が路頭に迷わないように全面的に協力をしようと思いましても、ただ数字で、例えば六十一年度採用の一〇%あるいは六十二年度は一〇%を下らない程度、そういう形で要請したのでは、例えば六十五年までの向こう四年間の採用人数をそれぞれの自治体が具体的に決めてあれば別です、決めてなければ現実的には、最終的には数字はつかめないということになるわけでございますが、そういう格好で現実に、指導と申しますかあるいはお願いと申しますか、そのようなことが自治体にできるのでしょうか。その辺はいかがなんですか。
#190
○柳政府委員 これは、先ほど申し上げましたように新規採用の職員の一部を国鉄の職員の雇用の場として確保していただきたいということでお願いしておりまして、現在までのところ具体的に、先ほど御指摘ありました四千四百五十人の雇用をしようと表明していただいた団体におきましては、それぞれの団体における採用予定を試算されまして、それをもとに計算をしていただいておるということでございます。
#191
○山下(八)委員 さっき忘れましたけれども、警察庁、ごめんなさい、もういいです。ありがとうございました。
 こんなことで押し問答やったって時間がもったいないですから、ちょっと角度を変えたいと思います。
 そういう中で、これは自治省あるいは地方自治体からすれば当然なことだと思うわけでございますが、公務員部長さんの通知として、要するに地方団体が採用を受け入れる場合には一日以上の空白を置く。これは、私たちこの地方行政委員会のだしか共済年金のときの附帯決議等からにらみ合わせましても当然の措置であると思うわけですが、少なくとも国鉄職員というのは採用されるときにそれぞれ試験を受けて、国鉄マンあるいは鉄道マンとして今日働いておるわけです。今日の社会の変化といいますか、あるいは政治的といいますか、そういう中で国鉄が分割・民営化されようとして、また一方では余剰人員という形でいろいろな混乱を現場に招いてきていると思うのです。そういう中で、国鉄職員はそれぞれ自分の将来はどうなるのだろうと大変な心配をしながら、例えば公務員にしましてもあるいはほかの企業にいたしましてもいいところがあれば行った方がいいぞというようなことを国鉄も暗黙のうちに言っているから、じゃ試験を受けてみようか、かわろうか、そのような雰囲気もできてきておると思うわけです。国鉄も公的機関です。そこに働いている皆さんはすべて国鉄の採用試験を受け、そして採用されたわけです。ですから、その方が今度地方公務員になる場合、一たん退職をしてそして地方の公的機関に移っていくことを認められたということについては、どうも本当の意味での職員の気持ちを酌んでいないのではないか、私はそういう気がしてならないわけです。極端な言い方をすれば、一日首を切って、そして次へ転職しなさいということになると思うわけです。特に自治省の公一第五〇号の三番に書いてあるわけですけれども、「国鉄においても了解済み」ということになっております。この辺について国鉄はしっかりとそういう約束をされたのですか。その辺について御答弁いただきたいと思います。
#192
○門野説明員 お答えいたします。
 先生御案内のように、それぞれの地方公共団体におきましては大変御事情の厳しい中で国鉄職員を御採用いただいているわけでございまして、その際当然地方公共団体の方からもいろいろな要望があったわけでございまして、退職手当の問題もその一つでございます。
 先ほども話が出ましたように、国鉄の余剰人員対策につきましては昨年十二月十三日の閣議決定がございまして余剰人員対策の基本方針が定められたわけでございますが、その際国としても地方公共団体に対する採用の要請をお寄せいただくと同時に、採用に伴う国鉄職員の国鉄在職期間にかかわる退職手当については地方公共団体に負担をもたらさないように配慮といいますか対処をしていくということにされたわけでございます。確かに現在の退手法によりますと、国鉄職員から引き続いて地方公務員になります場合には一般的には退職手当を支払わないで通算していくことが可能ではございますけれども、今御指摘のございました自治省の通達等におきます考え方は、その際先ほど来の地方自治体側における御事情等もございまして、また国鉄といたしましては現に地方公共団体に転出したいという職員の願望は極めて強くかつ数も多いものでございますから、そういう中で国鉄を退職する際には一たん退職手当を国鉄側において支給していくというふうな措置が示された書面でございます。したがいまして、地方公務員を希望する職員に対しましては一たん退職手当を支払ってその後、一日後でございますけれども、一日あけることによりまして新たに地方公務員となっていく、こういう制度の仕組みにつきましては、国鉄の余剰人員対策を進めるに当たりましても国鉄としてこういう方針で対応していくことはやむを得ないというふうに決めたわけでございます。
 なお、先ほど御質問がございましたように、地方自治体におきましては諸事情の厳しい中で一人でも多くの国鉄職員を御採用いただきますように、三万という公的部門の大きな目標の中で一人でも多く採っていただきますように、国鉄の全地方機関を挙げまして全地方自治体に対しましてお願いしているところでございます。どうぞ御賢察いただきたいと思います。
#193
○山下(八)委員 国鉄職員が地方自治体に大勢希望がある、それは希望があるのではないのですよ。そういう環境をつくってしまったのですよ。国鉄を分割して民営化していこう、そして私からすれば意識的に余剰人員をつくって仕事を取り上げていく、そして国鉄職員に不安感を与えていく。そういう中でだんだんと、じゃよその職場へ転職した方がいいのではないか、そういう意味では地方の自治体なんかは大変いい環境におる、できればこの際退職をしてでも移ってもいい、そういう気持ちにしてしまったのではないですか。少なくとも国鉄職員というのは、生涯国鉄マンとして定年まで勤め上げるんだ、そういう誇りを持って試験を受けて国鉄へ就職をされたと私は理解をしているわけです。だけれども、今日的なこういう大きな変革が起きようとしている。そこで動揺を起こしている。そういう動揺を起こさすためにも、少なくとも昨年の暮れ押し迫ったころアンケート調査等を行ったのではないですか。そういう状況から、そして希望者が多いから、通算はできるんだけれども一日退職をさせていくんだ。そうしますと、その職員にだけ犠牲を与えているんじゃないですか。国鉄に勤めていた間は国鉄が退職金の面倒を見るのは当然のことですよ、そういう制度になっているのだから。それは地方団体あるいは極端な言い方をすれば民間団体へ移ったって一緒だと思うのです。こういう大きな変革の中で行おうとしているわけですから、それこそ国が責任を持って少しでも、極端な言い方をすれば一人でも生首をとらない、犠牲者を出さない、またそういう損失は与えない、そういうことで行うのが当然だと私は思う。地方自治体の財政基盤は大変弱いです。そういう意味では地方自治体に持たすのは酷な話なのです。それを運輸省が責任を持って、国鉄と一体になって、一職員も犠牲にしないような方向を見出していく――じゃ、なぜ国の機関へ行くのは一日以上の期間を置かなくていいのですか。
#194
○門野説明員 お答えいたします。
 国鉄のいわゆる余剰人員問題の諸施策の遂行に当たりまして、一人も生首を切らないといいますか路頭に迷わせる職員をつくらないというのが最も肝要な基本であるという認識におきましては先生御指摘のとおりでございまして、私どもも政府関係機関の御指導、御協力を仰ぎつつ、それを最大の要素といたしまして余剰人員問題を進めているわけでございます。
 なお、国鉄の改革問題全般につきましては今後御審議が行われるわけでございますが、ただ、国鉄の余剰人員問題と申し上げますと、既に一年前に二万数千の余剰人員が現に存在するわけでございまして、国鉄改革の今後の御議論は別といたしましても、現在の国鉄そのものをより健全な経営に効率性を高める中で、民間におけるいろいろな手法等を参考にしながら進めてまいる必要があるわけでございます。その際、効率化を高めていく中におきまして、今後とも余剰人員がさらにふえてくるであろうということも否めない現実の姿でございます。そういう場合に、現に存在する余剰人員問題、あるいはこれを今国鉄職員の直接の雇用不安に結びつけないためにも、公的部門でございますとかあるいは関連企業、一般産業界ともども含めまして雇用の場を確保していただきまして、職員の中で転出をしてもいい、いろいろな条件のもとに転出を考えてもいい、そういう事情が個人的に許す職員があった場合には紹介をして、全体としての余剰人員の解消に向かって施策を進めていくことはやはり必要であろうかと思うわけでございます。
 なお、地方自治体に参ります職員の場合にも、現に希望する職員が手を挙げて、地方自治体の場合の諸事情につきまして、諸条件につきまして私ども細かく説明をし相談に乗って、円満に地方自治体の方へ移っていける、そういう施策を進めているわけでございます。地方公務員の場合に一日置きますのは、先ほど申し上げましたとおり、地方自治体等々の大変厳しい諸事情の中で雇用をお願いするという立場から出てきた一つの施策であろうと理解しているわけでございますが、国家公務員へお願いする場合につきましては、現在の退手法は国家公務員並びに私ども公企体職員にも同じ法律がそのまま適用されておりますので、通算という形でもって転出が可能であろうと考えておる次第でございます。
#195
○山下(八)委員 もう余り深く申し上げませんけれども、いずれにしましでもこれはその職員一人の身にとってみれば、通算されるかされないかということは大変大きな問題だと思うわけです。通算されなくても、おれは何とか地方公務員でもなれたから運がよかったという方も見えるかもわかりませんけれども、これは最初の、その職員が国鉄に入ったときの気持ちからすれば大きくレールが外れてしまった上での考え方であるわけです。だから、その辺はしっかりと酌んであげるべきだと思うわけです。
 そういう中で、私は自治省の方にもお願いしたいわけでございますが、確かに私は、今の地方行財政改革の中からいけば国鉄職員を地方の団体が採用するには大変難しい環境にあることも本当に百も承知しています。私なんかの町は五万三千の小さな町ですし、そういう中で国鉄職員だけでも現職で五百人以上今働いています。国鉄の恩恵も大きくこうむっているけれども、そこの市の職員採用といえば一年に大体十人前後しか採用しないわけです。その中の一〇%といえば一人採用できるかできないかというような厳しい環境です。全国三千三百の団体があっても、そういう中では採用できる環境のある自治体というのは、都道府県及び県都に準ずるような大きな市しか結果的には採用できないだろうと私は思うわけです。これは国鉄の恩恵をこうむっている町、こうむっていない町に関係なく私は言えると思うわけです。国鉄がこのような形になってきたということは、大きな政治的な問題も絡んでいる、あるいは政策的な問題も絡んでいる、私はそのようにとらえています。そういうことを考えますと、できれば自治体で採用するのは今の定数の枠外で採用するんだ、このような大きな気持ちで三千三百の自治体が、小さいところでも一人くらいは採用してやるよ、そのような環境づくりをぜひ自治省としても努力をしていただきたいと思うわけです。そうしますと、雇いますと当然人件費なんか必要です。だけれども、先ほどの警察官の増員分につきましては、これは交付税が苦しくなってくるわけでございますけれども、ちゃんと交付税で二千八百八十二名の枠は見られるわけでございます。現実に今度の国鉄の公安官以外の余剰人員につきましてはそういう制度も何にもありません。だからといって交付税で見てほしい、私はこのようなことは申しません。それは一自治省だけではなくて、何とか全体的に、ぜひ閣内で大臣も頑張っていただいて、これは別枠でちゃんと予算をつけるんだ、そういう中で国鉄職員の採用の道を開いていくんだ、このような方向で御検討、御奮闘をいただきますようにぜひお願いしておきたいと思いますので、一言このことにつきまして御答弁をいただきたいと思います。
#196
○柳政府委員 ちょっと事実関係を御説明申し上げますが、あくまでも非常に厳しい状態にあるということは先生御指摘のとおりでございまして、私どもも十分理解しておるつもりでございます。しかし、そういう場合でありましても、組織といたしましては新規採用というものが出てまいるわけでございまして、その新規採用の枠内でその一部をぜひ自主的に御協力願いたいという趣旨でございます。したがいまして、先ほど先生御指摘の鉄道公安業務に関連する者以外については特別に定員をふやすからそういう措置は必要ないということで仕事を進めておるわけでございます。
#197
○山下(八)委員 そういうことをおっしゃるからまた一言発言しないといけなくなったのですけれども、確かにおっしゃるのはわかるのです。鉄道公安官業務が今度は警察へ移るのだから、その分だけ、二千八百八十二名必要なんだ、そうおっしゃりたいのでしょう。本当に二千八百八十二名必要なのかということを議論すれば一時間くらいかかりますのでこれはやめますけれども、じゃ地方の自治体というのは今適正定員で十分住民にサービスができているのですか。これも地方行財政改革の中で一生懸命定員を減らしなさい、減らしなさいと指導してみえるでしょう。減らさなければ一自治省としてはいじめてない、一生懸命地方のために頑張ってみえると冒頭大臣がおっしゃいましたけれども、起債のカットをしますよ、今日までいろいろの処分をしているじゃないですか。だから私が大臣にお願いしたのは、行政サービスが拡大するのであれば別枠で採用する、こういう道を検討していただきたい、そういうことで、閣議なら閣議でもそういう立場でぜひ頑張っていただいて、そういう予算を別枠でとっていただきたい、そういうことをお願いしたわけなんです。そういう点で御答弁をいただきたいと思うわけです。
#198
○小沢国務大臣 この余剰人員対策につきましては、基本的に本来地方公共団体が先生御指摘のように地方行革もやって大変財政も厳しいところで、そこにおっつけるべきではないという議論も一方においてあるわけでございます。ただ、私どもとしては、国鉄といえば日本の近代化は鉄道の敷設によって全国進められてきて、地域民としては実際生活上も、また心理的にも国鉄の存在というのは非常に大きな影響を持っておる、また国鉄再建もぜひ軌道に乗って、安心して国鉄を利用できるようにしてもらいたい、そういう地域の状況を勘案してみた場合に、地方公共団体も厳しいところであろうが、その範囲内でできるだけ協力してください、こういう建前にいたしましてお願いをしているわけであります。
 先生御指摘のように、本来それは新たなる定員として地方公共団体の中で見るべきではないか、そういう措置をすべきでないか、そういうようなお考えも別な角度から見れば理解できないわけではないですけれども、現実の今の国鉄余剰人員対策として地方公共団体にお願いいたしておるのは、最初に私が述べたとおり、また公務員部長が述べたような考え方のもとでやっているわけです。いずれにいたしましても、そういう点も私自身といたしましていろいろ考えながらこの問題について取り組んでいきたいと思っております。
#199
○山下(八)委員 時間がなくなってきましたから、この国鉄問題はこれで終わります。なるべく五時に終わろうと思ったのですけれども、御協力できなくて申しわけないです。
 急いで最後に、これは誤解をしないでお聞きいただきたいと思うのですが、市町村議会議員の選挙での選挙区制、通常小選挙区、小選挙区という言葉を使っていますけれども、正確には選挙区制の採用状況についてお尋ねしたいと思います。
 それで、まず冒頭に大臣にお尋ねしたいと思うわけです。今自治体は三千三百あるわけですが、そのうち町のつくところは千九百九十九、村のつくところは六百四団体あるわけです。その中で、小選挙区制じゃないですけれども一般的には小選挙区制、小選挙区制と言っている、例えば一つの町を四つなり五つなりに切って選挙区を設けているところが町と村を含めてあるわけですが、幾つくらいあると思いますでしょうか。
#200
○小沢国務大臣 今のお話につきましては、私大変不勉強でございまして、先生のそういう御指摘があるということを聞きまして、ああそういうところもあったのかなということで、実は、恥さらしでございますが、初めて理解いたしまして、どの程度の数があるのかわかっておりませんでした。
#201
○山下(八)委員 全国で町が千九百九十九、村が六百四の中で、村はそういう選挙区というのは一つもないわけですね。町でいいますと、富山県に一つ、和歌山県に一つ、長崎県に一つ、政令都市とか大きい市は別としまして、町でそれだけあるわけです。異常とも思えるわけですが、それ以外に岐阜県に六つ。そのうち次の選挙から一つ減るということは聞いております。四国の愛媛県に六町あるわけです。これだけ多くの約二千の町の中でたったの十五町がこの選挙区制―小選挙区制という言葉の方がしゃべりやすいのですが、選挙区制をしいて選挙を行っている。あとは大選挙区制でその町一つだけの選挙区で、例えば十人とか二十人の定数で選挙を行っているわけです。こういう状況になっておるわけです。市町村については直接自治省の指導の枠外かもわかりませんが、そういう中で、この問題は公選法の第十五条第五項にかかわってくると私は思うわけです。
 特に私は岐阜県におりまして、岐阜県で六つもあるものですから、若干関心を持って今回取り上げさせていただいたわけですが、岐阜県の中に穂積町というのがあるわけです。例を挙げて申し上げた方がよくわかるわけですが、穂積町というのは大体名古屋の通勤圏、ベッドタウン、それから岐阜市のベッドタウンで、名古屋から電車で三十分あれば十分帰ってこれる、それから岐阜市には車で六、七分で行ける大変便利なところであるわけです。同時に、四キロ四方の町と言った方がわかりやすいのではないかと思うわけですが、そんな小さな町であるわけです。面積でいきますとわずか十六・四平方キロ、海抜七・五メートル、だから平野地ということですね。山がないということです。このような平たん地で、町の中を車で行けば十分あればどこへでも大体行けるという小ぢんまりした町であるわけです。
 この穂積町は、昭和五十年だったと思いますが、選挙区制を大選挙区制にみずから戻しましてそれで一度選挙をやりましたが、今度はまた選挙区制の制度へ切りかえてしまった。なぜこのようなことが行われたんだろうかなというふうに私も不思議に思っていましたら、この地域におきましては、その後盛んにこの選挙区制を行うべきではない、そういう意味での条例改廃請求が、この間三回も出されているわけです。それにもかかわらず、それを全部否決をしてかたくなにこの選挙区制を守っていこうとしているわけです。今日、全国的に見てもこのような数字の中で、また一方では住民の何とか選挙区制を撤廃をして大選挙区制にしてほしい、このような直接請求も昭和五十四年、五十七年そして六十年とたびたび出ているにもかかわらずかたくなに守っていくということを考えますと、私は何か違った考え方があるのではないかなというような気もしたりするわけです。
 そういう意味で、ここをとやかく言うのではございませんが、いずれにしましても全国でたったの十五くらいになっていますから、自治省としてはどのような把握をされ、そして今後どうされようとしているか、その辺の考えをお聞かせいただきたいと思います。
#202
○小笠原政府委員 お答えをいたします。
 市町村議会議員の選挙区については、先ほど御指摘がありましたように、公職選挙法の十五条五項で「市町村は、特に必要があるときは、その議会の議員の選挙につき、条例で選挙区を設けることができる。」という規定を置いておるわけでございまして、この趣旨から、市町村の議会の議員の選挙につきましては、原則としては選挙区を設けないでその市町村の区域全部を一つの区域として選挙を行うことが建前になっておるわけでございます。したがいまして、全国三千以上の市町村がある中で、これも先ほど数字をお挙げになりましたように、わずかの市町村が選挙区を設けておるということになっておるわけでございます。私ども、六十年十二月現在で、その後若干移動があるかもしれませんが、全国で十七の市町が選挙区を設けておるというふうに数字を把握いたしております。具体的に穂積町の例を挙げられたわけでございますけれども、特に選挙区を設ける必要があるときということについての判断は、やはりその市町村の議会で、条例でお決めになる問題でございますから、そこで十分御論議をいただいて、実情に合うような形で御決定をいただくべき問題であると考えておるわけでございます。
#203
○山下(八)委員 これは新聞記事ですから正しいか正しくないか、よくわかりませんが、「穂積町では、さる二十九年に旧穂積、本田、牛牧、生津の四町村が合併していらい、全町四区の選挙区制を採っていたが、自治省の指導もあって」、ここはちょっと正確かどうかわかりませんが、「自治省の指導もあって四十九年十二月に町議会が大選挙区制移行を全会一致で可決。」ここまで、指導されたと新聞には書いてあるのですね。だから私は、県を通して指導はされておるものというふうには理解をさせていただいているわけでございますが、「ところが大選挙区制選挙を一回五十年四月行っただけで、再び町議会が全町四区の選挙区制導入を可決。」そして変えてしまったというふうになっているのですね。
 そして、これに連動しまして、具体的に申し上げますと、五十四年三月に「町民の町政をつくる会」という組織が、それこそこの町議会選挙の選挙区制を定めた町条令改廃の直接請求をされたわけです。それで議会で否決をされてしまった。また、五十七年九月に同じように「小選挙区制に反対する町民の会」というところで直接請求をした。そして同じようにまた否決をされてしまった。六十年十月、ごく最近ですね、やはり「小選挙区制に反対する町民の会」が直接請求いたしましたところ、十二月の議会で否決をされてしまった。このような一つの歩みがあるわけですね。
 ですから、ここの町を見ますと、有権者が七千七百三十四人、そして議員定数が全部で二十二名、さっき言いましたように四キロ四方で十六・四平方キロ、海抜は七・五、もうゼロに等しいわけですね。こういうところで何で大選挙区制を一度しいて戻したのかということを考えますと、逆に言いますと、私は公職選挙法を無視している一番の例ではないか、そのように思うわけです。結局、公職選挙法違反の疑いがあるのではないか、そのように思うわけですから、よそは詳しく知りませんので特にここを例に挙げさせていただいているわけです。その辺、このような状況から見て、公職選挙法の疑いがありとは思いませんか。
#204
○小笠原政府委員 その前に、先ほど、自治省の指導が四十九年にあったのではないかというお話でございますし、指導をしておるかというお尋ねでございますけれども、先ほどお答えいたしましたように、この問題はそれぞれの市町村で条例でお決めいただく問題で、その是非についてはそれぞれの市町村で自主的に判断をいただくべき問題でございますので、統一的に指導しておるということはないわけでございます。恐らく、四十九年に自治省がタッチしたとすれば、個別に相談があって相談に応じたということではないかというふうに想像するわけでございます。
 それで、具体的に今の穂積町の件につきましてお尋ねがありましたので、私どもも県を通じましてその間の事情を若干調べてみましたところ、ただいま御指摘になりましたような直接請求が三度もあって、それがいずれも否決されて、選挙区を設けることが存続しておるという状態になっておることは掌握をしております。しかしながら、私ども、先ほど来申し上げておりますように、この問題は市町村の議会で、条例で決めていただく問題でございます。直接請求がありました都度、その直接請求の趣旨も十分に議会で論議もされ、しかも地域の実情を十分考えながら最終的に直接請求は否決をされ、選挙区を設けておられるものだというふうに理解をしておるわけでございまして、公選法に違反するものだとは思っておりません。
#205
○山下(八)委員 じゃ、持ち時間十五分ありますが、協力のためにおきたいと思います。
 ただ、最後に一言、この穂積町につきましては強い関心を示しておいていただきたいと思います。
 以上で終わりたいと思います。
     ――――◇―――――
#206
○福島委員長 この際、連合審査会開会申し入れに関する件についてお諮りいたします。
 建設委員会において審査中の内閣提出、東京湾横断道路の建設に関する特別措置法案について、同委員会に対し連合審査会開会の申し入れを行いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#207
○福島委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、連合審査会開会の日時等につきましては、建設委員長と協議の上、公報をもってお知らせいたしますので、御了承願います。
 次回は、来る十日午前九時四十分理事会、午前九時五十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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