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1985/04/17 第104回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第104回国会 地方行政委員会 第14号
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1985/04/17 第104回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第104回国会 地方行政委員会 第14号

#1
第104回国会 地方行政委員会 第14号
昭和六十一年四月十七日(木曜日)
    午前十時三十分開議
出席委員
  委員長 福島 譲二君
   理事 糸山英太郎君 理事 小澤  潔君
   理事 西田  司君 理事 平林 鴻三君
   理事 加藤 万吉君 理事 安田 修三君
   理事 宮地 正介君 理事 岡田 正勝君
      伊藤 公介君    石原健太郎君
      臼井日出男君    越智 伊平君
      大村 襄治君    左藤  恵君
      坂本三十次君    自見庄三郎君
      月原 茂皓君    中川 昭一君
      長谷川 峻君    細田 吉藏君
      松田 九郎君    五十嵐広三君
      小川 省吾君    佐藤 敬治君
      竹内  猛君    細谷 治嘉君
      山下八洲夫君    山中 末治君
      和田 貞夫君    小谷 輝二君
      柴田  弘君    宮崎 角治君
      吉井 光照君    藤原哲太郎君
      経塚 幸夫君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     小沢 一郎君
 出席政府委員
        内閣法制局第三
        部長      大出 峻郎君
        警察庁長官官房
        長       鈴木 良一君
        警察庁警備局長 三島健二郎君
        厚生大臣官房会
        計課長     末次  彬君
        自治大臣官房長 津田  正君
        自治大臣官房審
        議官      石山  努君
        自治大臣官房審
        議官      持永 堯民君
        自治省行政局長 大林 勝臣君
        自治省行政局公
        務員部長    柳  克樹君
        自治省財政局長 花岡 圭三君
        消防庁長官   関根 則之君
 委員外の出席者
        人事院事務総局
        給与局給与第一
        課長      小堀紀久生君
        総務庁長官官房
        地域改善対策室
        長       熊代 昭彦君
        総務庁行政監察
        局監察官    西村 正紀君
        国土庁土地局土
        地利用調整課長 山崎 皓一君
        外務大臣官房文
        化交流部文化第
        二課長     神長 善次君
        大蔵省主計局主
        計企画官    岡田 康彦君
        大蔵省主計局主
        計官      田波 耕治君
        文部省初等中等
        教育局高等学校
        課長      阿部 憲司君
        文部省教育助成
        局財務課長   逸見 博昌君
        文部省社会教育
        局社会教育課長 藤村 和男君
        厚生省社会局老
        人福祉課長   阿部 正俊君
        厚生省保険局国
        民健康保険課長 近藤純五郎君
        農林水産省経済
        局総務課長   黒木 敏郎君
        農林水産省農蚕
        園芸局普及教育
        課長      杉本 忠利君
        資源エネルギー
        庁石炭部産炭地
        域振興課長   高原 弘栄君
        労働省婦人局婦
        人福祉課長   藤井紀代子君
        自治省財政局交
        付税課長    遠藤 安彦君
        地方行政委員会
        調査室長    島村 幸雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十七日
 辞任         補欠選任
  伊藤 公介君     石原健太郎君
  宇野 宗佑君     越智 伊平君
  中川 昭一君     月原 茂皓君
  湯川  宏君     自見庄三郎君
  五十嵐広三君     和田 貞夫君
  佐藤 敬治君     竹内  猛君
  山下八洲夫君     山中 末治君
  小谷 輝二君     柴田  弘君
同日
 辞任         補欠選任
  石原健太郎君     伊藤 公介君
  越智 伊平君     宇野 宗佑君
  自見庄三郎君     湯川  宏君
  月原 茂皓君     中川 昭一君
  竹内  猛君     佐藤 敬治君
  山中 末治君     山下八洲夫君
  和田 貞夫君     五十嵐広三君
  柴田  弘君     小谷 輝二君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出第一七号)
     ――――◇―――――
#2
○福島委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。細谷治嘉君。
#3
○細谷(治)委員 六十一年度の交付税法もほぼ大詰めに近づいておりますので、若干具体の問題も含めて御質問いたしたいと思います。
 最初に御質問いたしたい点は、地域改善対策の問題から入りたいと思います。考えてみますと、地域改善対策は同和対策事業特別措置法という法律ができまして、それが十年間、延長三年間、こういう形で来ております。その前に約十年程度この仕事がありますけれども、法律に基づいてはそういうことです。これが終わりましてから、五十七年度から今の地域改善対策特別措置法という形で四年を経過いたしました。そうしてことし一年過ぎますと来年度にはこの法律はなくなる、こういう状況になっております。きのう、この委員会の交付税の参考人の言葉からもその点が出ておりましたけれども、これについて事業の進捗状況はどうなっているのか。計画が達成されたのか。来年三月末で終わるわけでありますけれども、これに対してどう対応しようとしておるのか、まずその辺を御質問いたしたいと思います。
#4
○熊代説明員 お答え申し上げます。
 地域改善対策特別措置法が施行されます直前の五十六年でございますが、約七千億というようなことで、残事業というようなことで法律が出発したわけでございますが、その前の同対法そして今回の地対法によりまして、物的事業につきましては一部の例外を除きましてはぼ目的を達する程度に進捗してきたというふうに考えているわけでございます。なお、法律制定後に新たに要望が出てきた事業等もございますので、現在の時点では、これは既にこの委員会で申し上げたところでございますけれども、先ほどの七千億の事業は一部の事業を除きまして大部分が実施見込みになったわけでございますが、新規要望というのを含めまして建設省約三千三百億円、厚生省約八百億円、それから農林水産省五百八十億円、文部省約十七億円……(細谷(治)委員「だんだん話を。全部あなた答えぬでもいいんだよ。私の質問したことに答えて」と呼ぶ)恐縮でございます。物的事業につきましては一部の例外を除きましてほぼ実施できた、このように考えております。
#5
○細谷(治)委員 ほぼ実施できた。あなたきのう朝日新聞ごらんになりましたか、「財政は肥大 格差は残る 「地域改善対策事業」の調査報告が指摘」。調査報告が最近出ましたね、このくらい厚い。六千八百円するんだ。それについて、これ、批判しておりますよ。あなたの言葉と違いますよ、新聞のあれは。私がその六千八百円を読んだ中身もそういうふうに書いてないんですよ。問題点がいろいろありますけれども、あなたのようにほぼ終わったという自画自賛式な内容じゃないですよ。読んでおりますか、どうですか。
#6
○熊代説明員 御指摘の昨日の朝日新聞の記事は読んでおります。
#7
○細谷(治)委員 だれか読んでおりますか、関係の同和対策室で。読んでおらぬならいいや。(熊代説明員「読んでおりますと申し上げました」と呼ぶ)読んでおる。その中身とあなたの言葉では一致していますか。私のとり方はそうじゃないんだな。まあ、いいや。
 そこで四十三年以前、言ってみますと二十八年から四十三年まで百七十八億円ですね。これは国の予算ですよ。それから同和対策特別措置法ができましてから、四十四年から五十六年の十三年間に一兆四千四百二十三億円。それから地域改善対策となりまして、五十七年から六十一年、五年目の予算を加えますとこれが一兆一千五百二十九億円。予算上は合わせて二兆六千百三十億円、こうなります。ところが、どういうことか知りませんけれども、五十六年に特別措置法が済んで、そして地域改善対策が五カ年に入ると、途端に予算が減っております。どうしてですか。財政上の理由ですか。
#8
○熊代説明員 お答え申し上げます。
 現行の地対法に切りかわります以前から、それからまた地対法を制定いたしまして、政府としまして本問題の解決のために鋭意努力してまいったところでございます。御承知のように五十七年度以降の物的事業の実施予定としまして先ほど申し上げました七千億円でございますが、これは五十六年度ベースで見まして約三年程度で終わるという見込みでございました、当時の予算の規模から見まして。そういうことでございまして、しかし地域によりまして事業の規模が大きいというようなこと、それから事業の実施に当たりまして当事者の合意というのが必要であるというようなことがございまして、時間を要するものがあるというようなことで五年の法律を制定されたところでございます。
 御指摘の点につきまして、五十七年から六十年ぐらいまで若干ではございますが予算が減額されておりますけれども、減額といいますか対前年若干減っておりますが、これは事業の計画的な消化に努めてきたというようなこと、それからまた五十九年の六月に出されました地対協意見具申でも述べられておりますとおり、十数年間にわたります同対法、地対法の施行によりまして生活環境等の改善整備にかなり進捗が見られる、そういうものを反映したというふうに理解いたしております。
 六十一年度予算につきましては、地対法の最後の年でもございますので、厳しい財政状況のもとではございますけれども、約二%の増額を図っているところでございます。地対法の有効期限内に所期の成果を上げるべく今後とも努力してまいりたい、かように考えておるところでございます。
#9
○細谷(治)委員 調べてみますと、特別措置法が五十六年に済みまして、新しい法律が五十七年から発足しているんですね。五十六年と比べますと、五十七年は予算額が九八・三%です。これはまあまあ。五十八年はどうなったかというと八五・四ですよ、五十六年と比べて。五十九年が七六・九%。そうして、六十年度は七五・四%、二五%減っておるんですよ。そうして、あなたが今自慢した六十一年度は確かに七六・八%となっておりますから、五十六年と比べて一・四%ばかり伸びたことは間違いない。
 ところが、生活環境なり、あるいは教育啓蒙なり、いろいろな事業を見てみますと、後で数字を少し拾って申し上げますけれども、事業の進捗状況自体からいくと、新しく法律ができてから毎年こんな急速度で下降するということは到底考えられない、私はそう思うのです。努力いたしたことはそのとおりでしょうけれども、そう私は見ております。
 そこで、自治省の財政局長にお尋ねしたいのですけれども、あなたは六十年の七月十七日、概算要求の段階において、「地方公共団体が行う地域改善対策事業に対する財政措置について」というものを地方財政法二十一条と二十二条に基づいて連絡をしておりますね。これはどういうことをねらったのですか。予算を十分とりなさい、十分自治省と連絡をとってほしい、こういうことだと思うのですけれども、どうなんですか。この通達を出した結果どうなっているのか。
#10
○花岡政府委員 この「地方公共団体が行う地域改善対策事業に対する財政措置について」という要請でありますけれども、財政状況が非常に厳しいという事情のもとにありますけれども、六十一年度は地域改善対策特別措置法の最終年度でありますから、この必要事業量の確保を図るとともに、補助負担率といいますか国庫補助負担基準の改善を図る必要があるということから、各省庁に予算の確保方をお願いしたものでございます。
#11
○細谷(治)委員 そうしますと、国で予算を組む、そうするとそれを府県にもやる、主として市町村に行きます。国の予算に対して、今申し上げたとおりですけれども、県と市町村に分けまして、どういうような事業が行われているのか、おわかりになりますか。
#12
○花岡政府委員 同和対策事業につきましては、各団体によりましてその事業の内容というものが広範多岐にわたっておりますし、いわゆる同和対策事業とそれに関連した事業というものも多々あるわけでございますので、私どもとしましてはどの部分が同和対策事業であるのかというふうにはっきりとつかむことができない状況にございます。一応感覚的には同和対策事業はどういうものをやっているかというのはわかりますけれども、全体的にこの数字が同和対策事業であるというふうな把握まではいっておりません。
#13
○細谷(治)委員 対策室の方にお尋ねしますが、法律ができる前の十年間の事業、それから十三年間、五年間において国の予算に基づいて事業が推進された。単独事業もある。国と県と市町村の事業はおのおのどの程度になっておりますか、あるいはその割合はどうなっているのかわかりますか。
#14
○熊代説明員 国の方で把握しております数字は同対法、地対法に基づきます事業のみでございまして、先ほど自治省からもお答えがございましたように、県単、市町村単独のものにつきましては、御説明のような事情がございまして、正確には把握できないということでございます。
#15
○細谷(治)委員 正確には把握できないということでありますけれども、私のところへあなたの方からどういう質問をするんですかということでありましたから、昨日あなたがお読みになった新聞に地域改善対策研究所、これは自民党の機関ですね、自民党地域改善対策特別委員会の調査機関、理事長堀内俊夫さん、それでもこういう本が出ているわけでしょう、この本をお読みになったらよくわかりますよ、持っていますかと言ったら持っていると言うものですから、わからないということは、あなた、何のために質問をとりにきたのかな。
#16
○熊代説明員 御指摘の本は読んでおりますが、地域改善対策研究所が独自の基準を立てられまして、これは同和事業であるということで単独事業についてお調べになったものでございますので、国の調べた数字ではない。そういう趣旨で、研究所の数字は私も読んで承知しておりますけれども、国としては県単あるいは市単で行われるものにつきまして、どの事業が同和事業になるかということはなかなか難しい問題で、先ほど自治省さんから御説明があったとおりでございますので、そういう意味で把握していないと申し上げたわけでございます。
#17
○細谷(治)委員 あなたの方から出ております「同和問題の現況」という本がありますね。これと地域改善対策研究所の数字を私は突き合わせてみたんですよ。恐らく、人のやったことで、これは自民党の研究所だそうですけれども、これには私の方は責任ありません、私の方はこれですと言うんじゃないかと思ったので突き合わせてみた。数字は違っていないのですよ。確かに億の単位で一つ二つ違っておりますけれども、変わっていませんよ。そういうことでありますから、これはいいかげんにでっち上げた六千八百円の本じゃない、きちっとした資料に基づいてまとめられた本だと私は思っているんです。どうなんですか、あなた。私は数字を突き合わせたんですよ。とぼけちゃいかんですよ。
#18
○熊代説明員 先生御指摘の数字は「地域改善対策事業関係予算の推移」ということで、この本の数字かと思いますが、国に限する限り、細部は別としまして、大筋非常に正確な数字であるというふうに我々は考えております。
 市町村、県単独の数字につきましても、不正確な数字というふうに申し上げているわけではございませんので、基準の問題等ございますので、我々がやった調査ではございませんので、基準等を御相談いただいたわけでもございませんから、その辺、なかなか難しい問題があるということでございますが、非常に不正確とか大筋間違っているというようなことを申し上げているものではございません。
#19
○細谷(治)委員 少し言葉が厳し過ぎたと思うのですけれども、数字は厳しいんですよ。数字以外に物はないわけですから、私は数字を基礎にして物を申しているから気を悪くしないでください。
 その本の資料編に、一−三六表「事業純計総額」というのがございます。それによりますと、いわゆる今の法律ができてから三年、五十九年度までの決算を見ますと、純計総額は六兆八千八百三十九億円、そのうち国費が一兆九千四百八十億円、二八・三%、府県費が一兆四千九百三十五億円、二一・七%、そして市町村費が三兆四千四百二十四億円、ちょうど五〇%、こうなっております。国の方の部分は正確だけれども、府県と市町村のものは責任持てませんということですが、これは地方財政に関係することでありますから、自治省、お調べになっているのでしょう。いかがですか。
#20
○花岡政府委員 私の方では、この地域改善関係の事業につきましての数字を把握いたしておりますのは、地方債の許可実績のみでざいます。
#21
○細谷(治)委員 自治省も確かに権限はそうだ。そうすると、おたくの方は、自分の方の予算だけは決まったけれども、県でどうやろうと、それから市町村でどうなっているのか、そんなことは責任ないということでまとめてあるでしょう、五十九年まで決算が出ているのですから。今私が申し上げた、この本に書いてある数字は、信頼が置けるのか、置けないのか、言ってくださいよ。先に質問を進められないのだから、これはうそですというなら質問しても意味がないのですから。
#22
○熊代説明員 数字の積算とか基準につきまして逐一検討したわけではございませんので、確たることは申し上げられないわけでございますけれども、研究所がなさいました調査で、研究所の採用されました基準でやられました調査としては、かなり信頼が置けるものじゃないかというふうに我々感じているところでございます。
#23
○細谷(治)委員 かなりという形容詞をつけましたから。しかし、かなり信用が置けるものというのですから、おおむね話の基礎にはなると思うのです。
 そこで大臣、今私が申し上げましたように六兆八千八百三十九億円のうちの半分、三兆四千四百二十四億円というのは市町村なんですよ。そして、その市町村がやっておる仕事というのは全部借金です。
 あの分厚い本の中にその表が書いてある。一−三〇表という資料の中に、市町村の地域改善対策事業額は五兆八千二百九十七億円だ、こう言っているのです。そのうち国から出てきたものは一兆四千六百八億円。この一兆四千六百八億円というのは、国の方の予算から出したと思われるその数字と符合しているのです。県の方の支出金は――市町村の仕事ではありません、県の補助等あるのでしょう、九千二百六十四億円、一五・九%、五条債が五千七百十九億円、九・八%、五条債でないその他の地方債が一兆三千五百五十二億円、二三・三%、そしてそのほかにいわゆる説とか交付税という一般財源というのが一兆三千百二十三億円、そのほかに特定財源が三・五%ばかりあります。言ってみますと、五条債とその他の地方債と一般財源というものが三兆二千三百九十四億円、五六%になるのですよ。これは市町村にとっては大変な負担ではないかと私は思うのです。
 この数字は、かなりの確度で信用してよろしいですか。
#24
○花岡政府委員 数字の基礎をよく存じませんけれども、そういう調査があり、また実態といたしまして、市町村がこの地域改善対策事業について相当な負担をしているという事実はございます。
#25
○細谷(治)委員 相当の負担ですよ、これは。これは随分な負担です。同和対策事業というのをやっておって、いろいろな基本的な問題がありますから、その環境整備とか教育とかいろいろやっておって、あるいは雇用の問題でやっておられる間に、市町村は五五、六%の負担をしておるわけです。
 そこで、大臣、大体同和地区というのは必ずしもリッチな市町村ではないのですよ。大体において収入水準の低い、言葉は適切ではありませんけれども、財政的にはプアな市町村なんです。それがこれだけの負担をしているということは、言ってみますと、財政に非常に大きな重荷になっていることは間違いありません。これに対して自治大臣としてどう対応しようとしているのか。私は次に御提案いたしたい点があるのですけれども、まず大臣の姿勢をちょっとお伺いしたい。
#26
○小沢国務大臣 私は生まれてこの方、同和問題とかそういう差別の問題とか、そういうことに全然遭ったことのない地域で生まれ育って今日まできておりますので、先生におしかりいただくかもしれませんが、そういう面ではなかなか、この差別問題にしろ何にしろ理解が実感としてこないのでありますけれども、それはそれといたしまして、現実にいろいろ話を伺い、また先生の御指摘の数字等も考えてみますと、同和といいますか、この問題を抱えておる公共団体、地域においては非常に大きな事業負担をしょっておるということは私としても理解することができますし、また、それであるがゆえに同和対策、地対法というようなことで、国としても主としてハードの面においてできるだけ財政援助をしてその地域の改善を図っていこう、そういう施策をとってきたものだと思います。
 自治省といたしましても、それら地方財政に与える影響等も十分考慮に入れて、その地対法に沿って裏負担等についても配慮をいたしておるところだと思いますが、今後さらにそういった地域の実際の財政事情あるいはいろいろな環境を勘案いたしまして、なお適切に対処していかなければならない問題だな、そのように考えております。
#27
○細谷(治)委員 対策室の方にお尋ねします。
 地域改善対策事業を推進するために、今申し上げたように地方は金がありませんから借金して仕事をやっております。その借金には法五条、地方財政法五条じゃありませんよ、地域改善対策特別措置法の五条の地方債と一般のその他の地方債、これは現状では、五十九年度ははっきりしておる、五十九年度ではどういう地方横残高になっておりますか。おわかりになりますか。
#28
○熊代説明員 まことに恐縮でございますが、五条債及び五条債以外の地方債の残高につきましては自治省さんからお答えいただきたいと思います。
#29
○花岡政府委員 地域改善対策事業債の現在高でございますが、五十九年度におきまして法五条によるものが三千三百二十億円、その他のものが三千七百十四億円ということになっております。
#30
○細谷(治)委員 財政局長の答弁どおりと私は思います。私、対策室の方からもらった数字を今資料として持っておるのです。それを答えないのです。対策室からもらった資料そのまま、図らずも財政局長と同じ数字であります。そのとおりです。
 それで、同和特別措置法のありました四十四年には法五条が十一億円、その他が二十四億円、合計三十五億円。そして法五条の割合が三一・四%です。ところが五十九年には、今財政局長が答えたところでは合計七千三十四億円のうち法五条の分が四七・二%であります。この法五条については後ほど大臣の決意のほどを承るわけですけれども、法五条の方では元利について基準財政需要額にカウントしているわけです。ですから、法五条とその他の起債というのは地方団体にとっては大きな差があるわけです。そのカウントされた金額は五十九年度は三百四十七億円、今審議している六十一年度の交付税では恐らく四百億円程度のあれが計画されておると思うのですよ。
 確かに四十四年から比べますと法五条のウエートが次第に高まっておることは認めます。例えば五十年度は二一・八%、五十五年度が三八・七%、五十九年度が四七・二%と高まっていることは認めますけれども、それにしても法五条が、せっかくの――言ってみますと、これはきょうの本会議で上げられる補助金カットの一括法の中でも聖域なんですよ。この事業に対する補助金の負担金率は下げられておらぬ。下げられておらぬどころか、他の補助率は二分の一であるけれどもこれだけは三分の二にするという、まさしく聖域扱いされておるのですよ。言ってみますと、国にとってもそういう重要な事業、それについてやるなら勝手にやりなさい、金だけは貸してやるよという形でやっておるあれが余り低いじゃないか。
 そこで大臣に申し上げたいと思うのですが、法五条とその他、法五条というのは、地域改善対策事業について地方公共団体が必要とした経費は地方債で見てあげますよ、その地方債については、この次が大切なんです、自治大臣が指定したものについてのみ交付税の基準財政需要額にカウントいたしますよ、自治大臣が指定しないものはだめだ、こうなっているのです。ですからすべて、私が申し上げました五十九年度四〇%ぐらい、借金したものの四〇%ぐらいというのは自治大臣の指定によってこの数字が生まれているわけです、少しずつは改善されてきておりますけれども。ほかの大臣がやるのじゃないのです、自治大臣が指定したもの。大臣、それほど重要な事業ならもっと積極的に交付税にカウントしてやったらいかがですか、どうでしょうか。
#31
○花岡政府委員 これはもう先生十分このいきさつは御承知でありますので申し上げるのもいかがかと思いますけれども、この五条債の自治大臣指定は、公営企業などその事業の収入を当該地方債の元利償還金に充てる事業に対するものを除きまして、国庫負担金または補助金を得て行った事業に対するものについて行うということになっておるわけでございます。これは前の法律のときから国会でるるお答えいたしておりますように、地域改善対策事業というものは国と地方の共同の責任において実施されるべきものである。したがいまして、国庫補助負担の特例措置がなされたものにつきまして地方公共団体共有の財源である地方交付税の措置を講ずるという考え方に立つものでございます。したがいまして、関係市町村に対する財政措置の充実というのは、まず国庫補助負担制度の拡充を図るということが基本であると考えておりまして、私どもこういう考え方のもとに毎年度各省庁に対して国庫補助負担事業の拡充を申し入れてきておるわけでございます。
 少しずつ状況も拡充されてはまいりましたけれども、実際この法律の趣旨から参りまして国が三分の二を持つ、そして私どもとしましては全事業についてこの対象範囲を広げるということで努力してまいったわけでございまして、やはりこの事業というものは国と地方とで実施をするという考え方に立たなければならないものと私ども考えております。
#32
○細谷(治)委員 あなたが財政局の審議官のころ、私はこの問題をちょっと取り上げた。あれから何年になりますか、一つも進んでおらない。頭がかたいですよ。
 大臣、言ってみますと、国庫補助のついたものの裏負担分について自治大臣が指定するというのは形だけです。国庫補助がついたものについては自動的に全部五条の地方債を認めます、そしてそれは交付税でカウントしてあります、自治大臣の指定なんということをあえて書かぬでもいいでしょう。あえてこの法律の中に自治大臣の指定するものということは、それほど自治大臣の権限というものを重く見ているわけですよ。ところが、今の財政局長の答弁を聞きますと、いや、それをやってやると総理府の対策室の方がサボっちゃって国の予算をとることに努力せぬから、そんなことはできないのだという意味じゃないと思うのですが、そういう意味らしいことを言っているわけだ。本当ですか。対策室、自治省任せですか、交付税で見てくれるならもうとるのをサボりますか、どうですか。
#33
○熊代説明員 先生御承知のように、地域改善対策措置法で認められております事業は原則三分の二の補助がございまして、先ほどございました、残りの三分の一は地方債。指定されるものについては元利償還の八割を地方交付税で見るという非常に手厚い保護になっておりまして、その法制下で事業が進んできたわけでございますけれども、非常に手厚い保護になっているだけに、どの事業を手厚い保護にするかということにつきましては十分慎重でなければならない。五十九年の意見具申でも、逆差別問題等問題が出ているというようなことでございますね。それから、行政機関の中には行政の自主性の欠如から運動団体の要求をそのまま取り上げるものもあるという非常に厳しい御指摘もございますので、我々、政令に載せます四十四項目につきましては非常に慎重に取り扱わなければならぬ、このように考えているところでございます。
#34
○細谷(治)委員 私の質問をしていることは、予算をとるのは難しいからもう適当にやっておいて、あとは自治省がやるさ、こういうような姿勢では困りますよ。あなたが指摘するような逆差別どうのこうの、あるいは圧力で仕事をやり過ぎるという弊害を私は全面的に否定するものじゃありません。否定するものじゃありませんけれども、あなたの方がこの問題についての日本の主管室なんです。ですから、あなたの方が、もしそういう傾向があるならこれは断固排除せにゃいかぬ。自治省任せさ、自治省が何とかやってくれるさ、こういうことで、ほかの補助金と裏負担という形で、地方財政法上のいろいろな問題がありますけれども、そんなことで各省がしりぬぐいを自治省にさせるなんということを考えたらだめです。それはやってもらっちゃ困る。
 それから、そういうことによって二十一条、二十二条があるわけですから、大臣は協議してくれよ、それで通達も出しているわけですから、おれの方は向こうからやってきたのをしりぬぐいなんてやらぬ、結構です。けれども、自治大臣の指定とあえてうたった以上は、地域のそれぞれの特性があるんだから、それをつかまえて自治大臣の判断で、そしてその指定したものについては五条債を発行する、こういうことを法律が認めているわけですから。どうもそれこそ圧力があって地元からやかましく言われるから際限がなくなっちゃう、だから一番難のないのは、イージーな行き方は、自治省としては国の補助金を認めてくれるように働いてください、おれの方はそれで線を引くんです、自治大臣の指定というのはその範囲内です、これでは全く法律の趣旨が生かされないと私は思うのですよ。いかがですか、大臣。
#35
○小沢国務大臣 基本的には、この同和対策、地域改善対策をどういう形で、どの辺まで、あるいはもっともっとやるべきか、そういう基本的な同和対策の問題がそのバックグラウンドにあるのではないかと思います。先生の御指摘の法の本来の建前、仕組み、そういうものについては、地方がこの事業によって非常に負担増になる、そこは自治大臣、自治省よく実態を見て対処せにゃいかんよという趣旨でそもそもその立法はなされたものであろうと思います。
 したがいまして、その点につきましては、自治省としては、基本的なそういうとらえ方はしていかなきゃならないと思いますけれども、全体としてこの同和対策事業というものを、今現状がどうでどうすべきかというその背景の思想といいますか、議論、政策というものが固まってこないと、自治大臣が判断してやれということに法律のあれはなっていますけれども、その点について私どもは私どもなりの主張はしていかなければならないと思いますが、その基本的な政策決定というものの中に全体として政府としては生かしていかなければならない、そのように私、考えております。
#36
○細谷(治)委員 こういう地区の市町村の財政問題、これは深刻ですよ。私の持っておるこの実態調査、この本を見ますと、とにかく財政力指数が〇・二以下というのが随分あるのですよ。〇・二以下、大変なことですね。それからその自治体の中における同和地区の人口の比率が、一番多いところは八〇%に近いところがあるのですよ。私どもの県あたりでも五〇%前後のところが、あまたとは言いませんが、かなりあります。
 そうなってまいりますと、大臣、これは私の意見ですけれども、自治大臣が野方図に指定するということではいけませんから、こういう事業がこの市町村にとっては必要だろう、必要欠くべからざるものだ、しかもその市町村の財政力指数は〇・二という極めて低い劣悪な財政状況にある、あるいはそこの同和地区における人口というのが非常に大きな比率を占めておる、したがって多くの場合貧しい、残念ながらそういう状況であるので、その辺のことを一つの基準として、自治大臣の指定というのが法律にぴしゃっと書いてあるのですから、せっかくの法律の文章でありますから、補助が来たらばその裏負担だけは五条債だというイージーなやり方じゃなくて、真剣に取り組んでいただくのがよろしいんじゃないか、こう思います。もう一度大臣にお答えいただきたい。
#37
○花岡政府委員 私も、同和地区の問題といいますか、地区改善の問題、いろいろ携わったことがございます。地方に赴任いたしましたときも、地区人口の一番多い兵庫県あるいは地区数の一番多い福岡県また世帯数の一番多い大阪府、それぞれ全部勤務することになったわけでございまして、各地区の実態もよく見させていただきましたし、また各市町村の財政もいろいろ事情をお聞きしてきたわけでございます。確かに苦しい市町村が大変多い。特に大規模な地区と申しますか、そういうものを抱えたところの財政も大変であるというふうによく見ているわけでございます。
 しかし、何と申しましても、歴史的に産出されたこのような問題というものは、やはり基本的には国と地方公共団体とが共同して改善していかなければならない。そういうことであの法律もできておるわけでございます。その意味では、国の補助負担制度の改善ということがどうしても基本になるのではないか。地方だけでやるというのは法の趣旨にもちょっともとるといいますか、地方単独が全然ないというものではございませんけれども、やはり基本は国が三分の二を原則と定めたくらい国の責任も重いわけでありますから、ここは国がそのような措置をとる必要があるということが私ども根本にあると思います。
 そういうことでございますが、個々の市町村におきまして確かに財政状況は悪いわけでございますので、私どもも直接関係市町村からお話を聞くこともございますけれども、一般的には市町村を指導する立場にある県を通じまして、個々の団体の財政運営が適切に行われますようお願いをしたり指導をしたりしておるところでございます。
 また、人口比率の高い団体あるいは大規模な地区を抱える団体、こういうところに対しましては特別交付税の措置も講じておりまして、その地方団体の財政運営がちゃんとやれるように配慮いたしておるところでございます。
#38
○細谷(治)委員 この問題、三十分くらいで片づけようと思ったら、どうもこんな大変な時間になってしまった。大臣の考え方というのはかなり弾力的なんですけれども、福岡県にも在職した、大阪にも在職した、この問題を一番よく知っているはずの――そして、大体あの厚い本は奈良県選出の人が書いているのです。一番よく知っているはずですが、あなたの頭はかたい。それから、この問題について質問をとりに来たあなたの部下も、財政課長は来ませんでしたけれども、財政局の皆さんは、怒られるせいかどうか知らぬけれども、どうも壁はあなたにあるようですよ。大臣はかなり弾力的ですよ。ですから、私は一つの提案をしているのですから、野方図にやるべきじゃない、こういうものを一つの物差しとして書いたらどうかという提案をしているわけですから、ひとつその辺を十分考えて対応をしていただきたいと思います。
 大臣、もうないでしょう。――いいですか、一言。
#39
○小沢国務大臣 この問題は、要するに同和を抱えている市町村、地域、その地域改善対策、同和対策という観点からとらえて、それを抱えているから結果として地方財政が悪い。したがって、同和という観点でとらえるか、あるいは現実にそういうものを抱えておるから、したがって地方財政自体が悪い、そっちの地方財政対策という観点から自治省としてとらえていくのか、その考え方が一つは基本的に物の考え方として分かれていくところではないかなという感じがするわけであります。したがいまして、同和対策、地域改善対策というものを今後その面でもって物をとらえていくかというその議論が、これからまさに同和対策、地対法をどうするかという問題の中で一番議論になるのではないか。基本的には自治省としては、どちらからとらえるべきかということは言えませんけれども、地方財政という観点から自治省のスタンスとしてはとらえていくという方なのかなという現時点での感じはいたしております。
 したがいまして、何を言っているかわかりませんけれども、そういう基本的な考え方の決定といいますか姿勢といいますか、それをまずいろいろな観点から決めていかなければ、自治省単独でそれに対応するというのは現実問題としてなかなか難しいのかなという感じをいたしております。
#40
○細谷(治)委員 まだ申し上げたいのですけれども、構想としてはそのとおりだと思うのです。私がこの問題をあえて具体の問題として取り上げたのは、地方財政の窓から見た場合に、せっかく法律というのがあってそこに自治大臣の裁量権、それから地方自治を生かそうという芽が、あるいは地域開発をそれぞれふさわしいものを興そうという芽があるものですから、それを生かすべきではないか。それを生かすことのできないようなのは交付税制度そのもの、あるいは強いて言うなら交付税総額そのもの簿からいろいろな抑制を受けている、こう思うわけでありますから、余りイージーじゃなくて、若い自治大臣ですから積極果敢に取り組んでいただきたい。
 そこで、大分時間が過ぎてしまったのですけれども、もう一つ、きのうは参考人を呼びまして参考人の口から、質問に対してこういう答えがございました。産炭地というのは、これはとにかく今や希望も何もありません、どう努力してもどうにもならぬのです。そして、六十一年度は何とか予算も組めたしやっていけるかもしらぬけれども、もう来年度以降はだめです。特に六十二年度は、私が今指摘しました同和対策、いわゆる地域改善対策事業が終わりになっちゃう。新しい立法をするかどうかという課題になっている。石炭三法も六十二年度で終わるんだ。六十五年度になりますと、鉱害復旧の法律なり過疎法の期限が来る。明るい希望は一つもありません、地域開発を積極的に推進しようとする意欲もそがれております。こういうことをきのう参考人は言っておりました。私はかり聞いていたんじゃなくて、皆さん全部聞いているわけです。
 そこで、産炭地問題について、地域振興の問題についてお尋ねするわけでありますけれども、これは主管省でありますが、通産省からいただいた資料、産炭地域振興対策費としていただいておる資料を見ますと、五十四兆八百八十六億円という予算から見ますと、何か、ノミのノミ、シラミのシラミ程度のものが今までずっと産炭地振興という名において助成の形で行われておりました。これではとてもじゃないが、きのうのような参考人の言葉が出てくるのは必至だと思うのです。
 しかも、分けて見ますと、例えば産炭地域振興についての公共事業のかさ上げの問題とかそういうものを見てみますと、わりあいに事業をやっているリッチなところ、事業をやるというからリッチとは申しませんけれども、事業をやれる能力がある。結核の第三期で寝ておる以外にないというところは、事業やらぬから、かさ上げなんてありませんね。そういうので、出ている金も非常に偏っている、こう私は思っております。そういうこと、ございませんか。
#41
○高原説明員 産炭地域の地方財政の援助についてでございますが、法第十一条の引き上げ措置によりまして、当該市町村の負担率が標準負担率を超える場合適用され、その引き上げ率は当該市町村の財政力と事業実施量を勘案して定めることになっております。先生今御指摘の、特に疲弊の著しい六条市町村に対しましては、本措置による引き上げ率の算定に際して特別算定による優遇措置がなされております。また、当省といたしましても、従前から財政力が低く、事業の実施能力の乏しい六条市町村に対しまして、十一条の対象事業を実施した場合には実施量にかかわらず産炭地域の振興臨時交付金により引き上げ措置を講じてきているところでございます。
#42
○細谷(治)委員 大変どうも御苦労さまでした。二、三日前に辞令もらって急遽沖縄から飛んで帰ってきたそうでありますから、事情も何も一切わからぬというのが当たり前だと思うのです。私がお聞きしておることは、それはまあ経過ですけれども、あなたはすぐ十一条の特別方式と言う。十一条は、あれは国会の方で画したのですよ。本文の算定方式だけだったのですけれども、特別方式というのを後でつけ加えたのですよ。それでも直っていないのですよ。それですから、金額においても質の問題においても、やはり今まで長い間でありますけれども、まだ産炭地かと言いますけれども、疲弊が一向によくなっていない。こういうことでありますから、それをやっているんだからもう万全なんだということはいささかも考えないで、ひとつあなた、新進気鋭で沖縄から飛んで帰ってきたわけですから、その辺よく今後取り組んでいただきたい、こう思います。
 そこで、自治省、産炭地の問題について大変な御理解をいただいて、交付税を通じて産炭補正というものを大体において需要額にいたしますとかなりの額カウントしております。大変結構なことであって、通産省の仕事をやったところが余計得だ、こういうあれではなくて、根っこの方から弱いもの、困っておるもの、こういうものを助けようという形で交付税が算入されておることについて私は敬意を払うわけであります。
 それで、大体見てみますと、六十年度は五十四億円程度、普通交付税段階で需要額にカウントされておるようでございます。ところが、そうでありますけれども、それはきのうも参考人が言っているように、何のことはない、この五十四億円というのはことし限りですよ。来年以降はなくなってしまうのですよ。なくなってしまうというのは適切じゃありませんね。ことしまでは大体計算どおりファクターが一・〇です。来年度は〇・九です。再来年度は〇・七です。六十四年度は〇・五です。六十五年度は〇・三です。そうして六十六年度は〇・一で、六十七年度以降はゼロ、こういうことになります。随分長くなりますから、まだこの問題か産炭補正かとおっしゃられるかもしれませんけれども、実態は変わっておらない。きのう参考人が血の叫びで委員の皆さんに訴えたとおりだと私は思うのです。どうなさいますか。〇・九になってしまうのですよ。これはたしか五十四年ぐらいまでやはり産炭補正をやっておったのですよ。ところが、期限が来たというわけで六年目になったらアルファが〇・九になった。〇・九になったところで産炭地の人たちは大変だということで大挙してこの地方行政委員会なり石炭関係の人に陳情をして、それは余りかわいそうじゃないか、それではひとつ〇・九というのを一にして、それから十年間、新しい産炭地域振興臨時措置法という法律ができましたから、それの終わりまでやっていこうということになったわけです。もう来年からは経過措置に入るわけですよ。どうなさいますか。
#43
○遠藤説明員 お答え申し上げます。
 産炭地補正につきましては、先生よく御存じのとおり、昭和五十一年度からつくったものでございまして、私、当時交付税課の課長補佐をしておりまして、この産炭地補正をつくった当人でございますので、いきさつはよく覚えておるわけでございますが、これをつくりました理由というのは、当時非常に産炭地の財政がよろしくなかった、特に福岡県下の産炭地においてそういう傾向があるということで、私どもの方から福岡の現地を調査したりなどしてこの産炭地に対して何らかの手当てが必要ではないかということで検討に入ったわけであります。
 当時の考え方といたしましては、産炭地補正の市町村に対して、ただ産炭地だからということで交付税を何の理由もなく傾斜配分するというのは若干問題があるということであったわけであります。実際の経費の中身その他を決算その他から分析をいたしますと、努力をしていただければ財源が出てくる部面もあるということもあったわけでありまして、そういった経緯から、産炭地につきましてはそれまでの間ある程度財政的な援助を交付税で傾斜配分をしながらやっていくということも理由があることではないかということでつくったわけであります。当時、たしか五十六年くらいまでだったと思いますが、産炭地補正をつくりましたときに、先生御指摘の算入率につきましては、つくった五十一年度において、たしか三年か四年だったと思いますが一・〇にする、それから急激に産炭地補正をゼロにするということは、全国で五十数億算入されるような額でありますので、当該団体にとって交付税が激変をするということで財政運営上支障が生じても困るという見地から、〇・九、〇・七、〇・五、〇・三、〇・一というように漸減をさして財政的に影響を生じないようにやっていこうということで、五十一年度既に省令で書いたものでありますが、たしか五十六年度だったかと思いますけれども、そのときに、産炭法の改正その他もあって六十六年度までそれが続くものですから、一応〇・九の算入率まで落としましたけれども、それ以後一応一・〇として、その後六十六年度に〇・一になるように現在既に省令に書いてございます。
 そういうように制度をつくったときからきちっと当該団体にもわかるように法令上の手当てをいたしておるものでございますので、先生おっしゃるように六十二年度から〇・九、〇・七などというように激変を緩和しながら漸減していくというようにいたしておりますので、私どもといたしましては、産炭地補正の取り扱いをそのような観点から既に制度的に決まっておるもの、しかも市町村もそれを十分承知しているものという前提のもとにこれから取り扱っていきたいというように考えております。
#44
○細谷(治)委員 今、経過説明がありましたが、たしか五十五年か六年くらいに経過措置に入った一年目に問題がありまして省令を改正した。私も、経過措置をつくるのは激変緩和という意味で当然だということで、当時その省令に賛意を表しました。しかし事態は二回どうも解決しておらないように見受ける。きのうの参考人の言葉にも深刻な叫びとして出ておりました。まだこれから産炭法は十年のうちあと五年ある。だんだん下がっていくけれども、ゼロにはならぬぞということかもしれませんけれども、実態に即応し、しかも今第八次石炭政策というものが進められておりまして、それがいわゆる経構研の意見等と絡み合って大変な事態を迎えようとしている。日本の石炭はとにかく壊滅してしまうのじゃないか、そうしてそれを外国から買えばいいじゃないか、こういう趣旨になってきますと、日本の炭山で生きていけるのは、私の頭でこれとこれくらいは生きるかもしらぬけれども、あとはパアだ、こういうことになりかねない。そうしますと、エネルギー論を言っているわけではない。北海道はもう閉山即廃墟ですよ、その地域は。そういう事態も踏まえて大臣、遠藤課長が言うように機械的にもうやってきた、約束した――約束したのは、五十五年のときもそうだったのでしょう。最初から省令に経過というのはあったのですよ。それをあえて直したというのは、実態がやはり直すべきだという考えで直したわけでしょう。今、私はその点を申し上げておるのです。大臣、ことしてもう期限切れになってアルファの段階に入るわけです。アルファの一・〇から〇・九という漸減の状態に入るわけですから、やはり実態を踏まえながら対応については、善処するなんということは言わぬでしょうけれども、検討してみますくらいは言ってもらわなければ、地域はおさまりませんよ。いかがですか。
#45
○小沢国務大臣 特に石炭問題につきましては、先生も御指摘のように経構研ばかりじゃなくて、通産初め各党の部会等におきましても、今後の石炭政策をどうしていくかというのは今最大の問題になっているように私も聞いております。そういうような大きな政策の中での位置づけも必要であろうと思いますけれども、今の我が方の対応の仕方といたしまして、私も必ずしも十分その仕組みを理解しておりませんけれども、今交付税課長からお話がございました。またよく勉強さしていただきまして、その点についても今後できるだけ我が方としても対処できる点があるならば勉強してみたいと思います。
#46
○細谷(治)委員 きょうの段階は、前向きとは言いませんけれども、ちょっと前へ出ようかという気持ちを持ったというくらいのことはありますから、きょうはそれで。
 財政局長、全国鉱業市町村連合会から「産炭地域市町村の普通交付税に対する人口急減補正要望書」というのが出されておりますけれども、ごらんになっておりますか。これを見てどうお考えですか。
#47
○花岡政府委員 ちょっと私、それは読んでおりません。――交付税課長の方に陳情があったそうでございますけれども、今見ましたところによりますと、人口急減補正の適用年次が変わってくるということで、大変な交付税の減になるおそれがあるということで心配されておるようでございます。
 この人口急減補正といいますのは、御承知のように、数値の減少が生じました場合に基準財政需要額が一度に落ちるということになりますと、人口の減少する団体におきまして直ちに現実の財政需要が減少するわけではないということから激変を緩和しておるのがそもそもの基本でございます。この人口急減補正の適用に当たりまして、過疎化が急速に進行し始める直前の三十五年の国調人口を基準といたしまして、その後の国調人口における人口減少後の四割を復元する補正もあわせて適用したところでございます。六十一年度の交付税の算定に当たりましては、この六十年国調結果が公表されておりますので、測定単位としての人口は六十年国調に置きかえることといたしておるわけでございます。この置きかえに伴います人口急減補正の基準年次をいつの基準年次に設定するかということにつきましては、人口の急減という動態的な現象に着目しての財源保障ということから見ますと、二十五年前の人口を基準とするということについては余りにも期間が長すぎるのではないかという考え方が当然に出てくるわけでございます。一方で、御指摘のように基準年次を置きかえると過疎市町村の交付税に大きな財政の影響を与えるという御指摘もまた理解できるところでございますので、私どもこの六十一年度の地方交付税の算定に当たりましてこれらの点をどうするか、この点につきましては十分検討をしてまいりたいと存じております。
#48
○細谷(治)委員 通産省は今の鉱業市町村連合会等の陳情があるということは御存じでしょうか。産炭地域振興について責任ある主管省として、今の人口急減、これは交付税上、産炭地にやっている問題じゃない。さっきの産炭地補正と違うわけですから、全般的に人口が減れば激変を緩和してやろうという交付税上の措置ですから。これがなくなったらどうなる、だからぜひ欲しいというのか、まあなくなるならしようがないやと一般論で片づける、こういうことなのか、お聞かせいただきたい。
#49
○高原説明員 今先生の御指摘の件でございますが、特に石炭鉱山につきましては閉山が三十五年以降から四十年に集中しておりますので、人口の補正の基準年が三十五年から四十年に変わりますと非常に大きな影響が出るというふうに私ども深く懸念しております。
#50
○細谷(治)委員 影響が出るようですね、交付税で、産炭地という貧しいところで。ちょっと私は調べてみた。産炭地の市町村ですよ。北海道は人口急減補正三十五年基準というのが四十五年になりますと十二億円減るようですね。これは六十年の算定でですよ。それから山口県で二億円、福岡で十七億円、佐賀県で五億円、長崎県で八億円、熊本県で二億円、これは産炭地だけです。県じゃないのですから、産炭地だけですから大変大きな問題です。北海道の十二億円、福岡県の十七億円と、これは大変なところですね。今幸い財政局長は今までの答弁よりも非常に前進的な、好感の持てる答弁があったわけですけれども、こういうことになりますと大変な打撃だろう。通産省は何とか残してくれと望んでおります。しかし、三十五年をいつまでもカビが生えるように残しておくというわけにはいかぬでしょう、新しい国勢調査の結果が出るのですから。どうするのか。三十五年というのを逐次四十年、四十年が出たら四十五年、こういうことになるのが必然でしょうけれども、どう対応するのか。通産省も必死にこれを望んでおるようでありますが、全国鉱業市町村連合会としては深刻な財政問題です。ひとつ十分に検討をして合理的な対応をしていただきたいと自治大臣に望むわけですが、いかがでしょうか。
#51
○小沢国務大臣 その点につきましては、今後実態をよく把握しながら検討してまいりたいと思います。
#52
○細谷(治)委員 大分予定が狂って、これから交付税の本論に入りたいと思っているのですけれども、時間の許す限り質問をしてまいりたい、こう思います。
 この間、加藤委員の質問もございましたし、「市政」という雑誌にそこにいらっしゃる持永審議官が論文を書いているのですね。「昭和六十一年度地方財政対策および財政運営上の留意点」、これは大変読んでわかりやすく書いてあるのですけれども、特に「昭和六十一年度国庫補助負担率引き下げ地方負担増加額に対する措置」、こういう図面、グラフをつくって書いてあります。これは非常にわかりやすいのですけれども、中身にわからぬところがあるのですよ。調整債が五千百億円、その五千百億円のうち経常経費に回った建設地方債、これが三千七百億円、それから投資的経費に回りました建設地方債、調整債が千四百億、こうなっておる。投資的経費、経時経費ですから分けるのはいいのですけれども、取り扱いが違うのですよ、これは。加藤委員の質問においても。片や一〇〇%交付税で措置いたしました、そのうちの半分は国の一般会計から交付税特会へ入れてあげます、そして一方の調整債のうちの千四百億円のやつは、これは財対債みたいなものだから、しかも国の補助金を削って補助率をカットして、その余った金を事業に回して地方がやる事業増加分ですからそれはもう財対債で当たり前だ。同じ調整債と名をつけながら、経常的経費、投資的経費と分けておいて、そして片や八〇%だ。これは少し、世の中というのは原因、結果というのを見なければいかぬわけですよね、その原因、結果を御存じなしに削ってしまえ、削ってしまえという気持ちでやっておられるのではないかという気がいたしますが、いかがですか。
#53
○花岡政府委員 この六十年度におきます国庫補助負担率の引き下げに伴う地方負担の増に対する財源措置として発行されます地方債のうち、四千二百億円の臨時財政特例債につきましては、先生御指摘のように、これは国庫補助負担率の引き下げによる地方負担の増、いわゆる国費の縮減に充当されるものでありますので、これにつきましてはその元利償還の一〇〇%を基準財政需要額に算入することにしておるわけです。この調整分の五千百億円、このうち経常経費の補助率カットに相当する分三千七百億円につきましては、これは昨年、本委員会におきましていろいろ御議論いただきまして、当時八〇%算入という考え方でおりましたわけですが、拡大分の調整債については八〇はわかる、しかし経常分の振りかえの起債の方を八〇にするのはおかしいじゃないかという御議論がございました。結局、これは十分検討いたしますということで、私ども六十年度分のこれらの調整債の対策をどのようにするか検討いたしたわけでございます。結局御議論のありましたことを踏まえまして、本年度の交付税の算定におきましては、この経常経費にかかる分につきましては、理論償還費の一〇〇%を算入することとする予定でございます。
 残りの公共事業の事業量拡大分の千四百億円、これは従前の財源対策債と同じ性格を有するものでございますから、これはこれに準じた取り扱いをするということで理論償還費の八〇%を算入する予定にいたしております。と申しますのも、この調整横の元利償還金につきましては、この事業量の拡大相当分を含めまして、すべてこれは地方財政計画の上に計上されますので、全体といたしましてはこの財源確保がなされておるものでございます。
 ただ、交付税の算定の上におきまして、基準財政需要額に元利償還金をどの程度算入するかということになりますと、結局、公共事業を拡大し、実施した団体にこれが配分されることになるわけでございますから、これは他の団体との公平等の観点もございますし、これをどの程度算入するのが妥当かという問題に帰するわけでございますので、その意味では従前の財対債におきます措置と余り変わらないのではないかというふうに私ども考えておりまして、そういう意味におきまして従来と同様の措置を講ずることに予定をしておるわけでございます。
#54
○細谷(治)委員 今、財政局長が言うように、この問題が去年の地方行政委員会の審議の際に問題になりまして、こういうふうに当時の古屋大臣は答えているのです。今の四千二百億の方の問題ですね。経常経費の問題、それについては「今財政局長が言いましたように、」財政局長、あなたですよ。
  今財政局長が言いましたように、千六百億については一〇〇%、それから千二百億については従来の財源対策費というような方向でひとつ私検討をさせますから、検討させるということはそういう方向でやりたいという私の意思でございますので、一応御了解いただければと思っております。
こうはっきり答えているのです。大臣としては非常に明快な言葉であります。
 私は、その当時、この問題がどうなのかということは、予算委員会で八〇%ということになっておったものですから、それはけしからぬじゃないかということで、それは一〇〇%見るようにすべきだということを私も主張いたしました。そうしたら、大臣快く受け取っていただいて、そしてここに田波さんもおりますけれども、田波さんもOKして、今度の交付税の中ではきちんと四千二百億、千四百億と二つ調整債を分けて、一方は一〇〇%、その一〇〇%の方には二分の一は一般会計から交付税原資を入れますよ、こう言っているわけだ。そして残りの千四百億円、去年の千二百億円に相当するやつですね、これは財対債と同じだからだめですよ、地方財政計画の中でちゃんとその分は見てもらっているんだから、それはそうかもしれません。そして交付税課に聞きますと、八〇%は御の字じゃないか。事業をやったからといって一〇〇%もらうなんてけしからぬ。カットした分もらうわけですから、事業が自分のところでふえるわけですから、八〇%御の字じゃないか。二〇%というのは一般的な算入で配られるわけだから御の字だ。
 私は、去年はそれでもしようがないだろう、第一段階、一歩進んだのだから、あとの半歩が進まないというのはおかしいじゃないか。原因は補助負担金のカットから起こっている問題、しかも補助率を減らして、事業をふやしたら、おまえの方はふやしてやりなさい、その裏づけの分については差別しますよというのは少し理が通らないのじゃないか。やはり原因あって結果がある、こういうことになるのですから。これは私のあれで、田波さんは、自治省の方からこのことについて話があれば考えてみましょう、こう言っている。というのは、それで財源が足らないならば、自治省の方から話があったら受けてくれよと言ったら、それは受けましょうやと話した。どうなんですか、これは旧波さん、考えられないんですか。そしてこれは、この間の一括法の問題のときにこの調整債の問題が出ていた。断固その調整債は八〇%ですよとやっているわけです。ちょっと田波さん、去年よりかたくなっちゃったんじゃないですか、どうなんですか。
#55
○田波説明員 昨年、当委員会におきまして、細谷先生の方から調整債分につきまして、特に経常的経費の削減に伴うものについては一〇〇%算入せよ、そういう御議論がございましたことはよく覚えております。
 その際、私が申し上げましたことは、いわばマクロのベースでは地方財政計画上、今先生もおっしゃいましたように一〇〇%元利償還費を計上しております。そこで、ミクロの面につきましてはいろいろ今までの財対債の算入率の問題あるいは恐らく基準財政収入の扱いの問題、そういったもろもろの要素を勘案して自治省の方でお考えになることだというふうに考えております。そこで、その調整債の元利償還費の基準財政需要への算入の問題につきましては、その後自治省の方でお考えになられまして、今先生おっしゃいましたようにいわば経常的経費の削減に伴う分については一〇〇%分を計上いたします、しかしながら、投資的経費分についてはいわば従来の財対債同様八〇%を計上する、そういうお話がございましたので、それはそれでよろしいのではないでしょうかというふうに申し上げたわけでございます。
#56
○細谷(治)委員 財政局長、そういうお話がありましたのでと田波さんが言っているということは、この千二百億円、千四百億円については前向きで取り組んでないで、現に今度出された六十一年度の地方財政白書、ちょっとその部分を読んでみましょう。名前が変わっているのですよ。「国費減額相当額四千二百億円について建設地方債」、今度の白書で新しく出た名前ですよ、「(臨時財政特例債)を発行し、その元利償還費に対し地方交付税上の措置を講じ、あわせてその二分の一に相当する額を一般会計から交付税特別会計に繰り入れるものとし、残りの千四百億円について前述の三千七百億円とあわせて建設地方債(調整債)を増発することとされている。」これは白書の文章です。去年のものをちょっと参考に。「残りの千二百億円について前述の千六百億円と合わせて建設地方債を増発することとされている。」一つも進歩ないんじゃないですか。これはだれが書いたんですか。一つも進歩ないですよ。去年の文章丸写しじゃないですか。中身は違っておるのですよ、括弧して臨時財政特例債なんて言葉が出ているんですから。取り組みが少し不足しているんじゃないか。
 田波さんおっしゃるように、マクロでは地方財政計画の中でカウントされているかもしれません。そうではなくて、カウントされているかもしれませんけれども――カウントされなければ不足額が生ずるのですから当たり前ですね、収支がバランスしてなければいかぬですから入っているでしょう。入っているので八〇%カウントしてやれば二〇%はほかの方でいろいろ配ってやりますよ、やったところが得するようなことは許しませんよ、これが言いわけでしょう。それならその八〇%が妥当なのかという議論になりますよ、これは。いってみますと財源対策債というのは各県に公平にいったわけじゃないのですよ。各県が借りて元利を払う場合に、そのカウントしておりますけれども、余計借りておるところはやはり得している、カウントしていますからね。一律にカウントするのですから、ですから各県なり各市町村同じようにやってない限りは、払っておる元利償還金と同額が交付税としてくるわけじゃないでしょう。基準財政需要額にカウントされるわけじゃないでしょう。得するところと損するところが出てくる、全体としてマクロではバランスがとれる、こういうことでしょう。それも交付税計算上やむを得ない、こういうふうに言っているわけです。そこまでくると八〇と二〇が問題になってきます。元利償還、ほかに幾らでもありますよ。何がマクロかということになりますと、マクロとミクロというのはどこかで整合性を持っておらなければいかぬわけですから、大臣、この辺はやはりもう一度考えていただかなければいかぬ、こう私は思います。とにかく補助金が余ってそれを事業に回してやったんだから、ひとつそれは事業をやったところには裏づけの地方債をやってやる。これは下水道にもあるわけですから、一千億。五千九百億円の補助、下水道一千億円あるわけですよ。これも既定事実をつくっちゃっておいて、前進的な地方財政対策というのは講じられておらぬ、こう私は思っております。これで余り長くなるとなんですから、財政局長あるいは大臣、どうお考えですか。
#57
○花岡政府委員 全然進歩がないという御指摘でございますけれども、私どもとしましては昨年の千二百億円、ことしの千四百億円、これは考え方は同じものであろうと思っております。この際、先ほど先生御指摘ありました、大臣の方から御答弁ありましたような大蔵省に話をするということでもございますが、これは千六百億円についてのお話であるというふうに私どもその速記録でも読んだわけでございます。したがいまして、この千六百億円につきましては大蔵ともちゃんと話をしておりまして、これは理論償還賢一〇〇%入れるということにいたしたわけでございまして、私どもとしましては先ほど来申しておりますけれども、事業量拡大という部分につきましてその元利償還費をどの程度基準財政需要額に算入するかというのは、これはまさしく他の団体、仕事をやった団体と申しますか起債を起こした団体といいますか、そういった団体とそうでない団体との公平性の問題というのが出てくるということから、以前元利償還につきましても五十八年債から例の単位費用に算入する方式も考えたわけでございまして、本来の交付税の配分というふうな性格というものを考えました場合にはむしろそういった算定の方が妥当ではないのかというふうに判断しておるわけでございまして、私ども、昨年度の国会の御議論を十分に踏まえてこのような措置をとったつもりでございます。
#58
○細谷(治)委員 私はちょっとここに議事録を持ってきているんだけれども、確かに去年の千六百億円、これは一〇〇%見るべきだ、それから千二百億円は財対債的な八〇%相当やむを得ないということを言いましたが、千六百億円については今言ったように大臣が、そう考えております、そのとおり責任を持ってやりますと言っている、残りの千二百億円についても何らかの対応をしなければなりませんよと言っておったのですから、財政局長初め自治省の皆さん方がそれをきちんと去年の論議を踏まえて対応したことについては私は感謝します、敬意を表します。けれども、私のお願いは全部満たされておらぬ、むしろ忘れちゃっておる、こういうことをちょっと指摘しておきたいと思います。
 そこで、いろいろとお願いしたいのですけれども、あと時間がございませんから。
 今、地方交付税法六条の三の二項という条文は死んでいるんですか生きているんですか。
#59
○花岡政府委員 もちろん、生きております。
#60
○細谷(治)委員 大臣、生きておると強弁しておりますけれども、実質的には死んでおるようなものです。その影響力というのが地方財政対策にひとつも出ておらぬと私は思います。そうしてだんだん苦しくなりますと地方財政法五条の一同対法の五条じゃありませんよ。五条の地方債というものが応用問題で、これもやはりだんだん形骸化してしまっているんじゃないかと思うのですが、その根本的な原因はやはり六条の三の二項の「著しく」、「引き続き」という問題と制度の改廃、交付税率の問題、こういうことに帰していくんじゃないか、私はこう見ております。
 そこでちょっと申し上げますと、私も年来言っているのですけれども、交付税の基準財政需要額というのを見ますと、大体において経常経費は、最低生活はしなければいけませんから、どんなに苦しくても優先的に基準財政需要額にカウントされております。借金回収その他の経費についてもやはり元利償還をきちっとそのまま八〇%だとか六〇%見てカウントしております。一番やられているのは投資的経費ですよ。なぜ投資的経費をねらうのですか。今一番投資的経費をふやしなさい、ふやしなさいと言っているのに、どうしてねらっているのですか。ずっと見ますと、投資的経費は――五十年代、石油ショックが起こる前は一%そこそこでしたよ、基準財政需要額全体の一%。今や七%か七・五%ぐらいあるのです。その他の経費は六%大きくなっているのですよ。そしてその他の経費、借金払いのものが六%になりますと、仮に基準財政需要額が三十兆円といたしますと、一兆八千億円、借金払いの方に交付税をカウントしてやっているのですね。そうしますと、これは事実上は減ったようなものでしょう。それをどういうふうにやっているかというと、投資的経費をカットしているのですね。そうなっていませんか。
#61
○花岡政府委員 五十年度以降の地方財政は非常に多額の財源不足を生じました。これに対する財源対策をどのようにするかというときに、地方債も活用せざるを得なかったわけでございますが、適債事業の問題もございまして、結局交付税の方から繰り出すという措置を講じたわけでございます。したがいまして、投資的経費をねらったという御指摘でございますけれども、結局、経常経費を交付税で確保するために起債で措置する、起債で措置するためには適債事業でなければならないということでございましたのでそのような形になったわけでございます。したがいまして、またこれの元利償還費、これも措置をしていかなければならないということでその他の経費についてのウエートが高まってきたということでございます。
#62
○細谷(治)委員 投資的経費はカットしてはならぬぞ、地方財政法に基づいてきちんとカウントしなければいかぬ、強化しなければいかぬというのが現在自治省事務次官の石原信雄さんの論文ですよ。にもかかわらず、カットしているのですね。
 そのカットの状況、ちょっと例を言いますと、府県の場合、単位費用で見てみますと、五十八年度は前年度に対して、例えば河川費はマイナス五七%、半分以上切っているのです。港湾費は四六%、漁港あたりも四六%、その他の土木費三一%、単位費用をカットしているのです。農業行政費、これは包括算入でしょうけれども、五八・五%単位費用をカットしたものですから、需要額は五四・三%マイナスになっております。林業行政費は四八・九%単位費用をカットしたために四八・九%需要額は減っております。その他の人口のところでもマイナス三・一、カットしたために、これは需要額はカットはしましたけれども、全体としては測定値がありますから伸びておる、こういう格好なんですね。これは府県の場合。市町村の場合も同じなんです。五十九年もそうです。六十一年度も起こっていますよ。足らぬものはカットしてしまえということで基準財政需要額をこんなにいじくっているわけですよ、構造を変えている。どうしてこんなことをやるのですか。そんなことで六条の三の二項、生きているなんということを天下に言えますか。六条三の二項が生きでない証拠じゃないですか。
#63
○花岡政府委員 投資的経費の単位費用の変動につきましては、先ほどお答えいたしましたようなことで財源不足を補てんするために交付税から振りかえたわけでございます。これが六条の三、二項に該当するかどうかの問題でございますが、御承知のように地方交付税法六条の三第二項におきましては、その不足額というものが普通交付税の財源不足前の普通交付税額の一割程度ということを目安にするように解釈されておるわけでございまして、私どもも、そういった事態になっているかどうかということは地方財政計画を策定いたします際には毎年度十分に検討をしながら計画を策定いたしておりまして、仮にこのような事態に該当するということでございますれば、この六条の三、第二項の趣旨を踏まえて措置をしてまいる考え方でございます。
#64
○細谷(治)委員 大臣、詳細に数字を見てみますと、五十八年と九年に、総額が足らぬものですから、これを抑えるために圧縮したわけです。それで翌年度、六十年度、ごそっとふやした。前に、五十一年あたりに大きくカットしておりますから、五十七年あたりにごそっとふやす。前の年にカットして翌年はがたっと――また足らぬとやっているんだ。極めて不安定な需要額の計算が続いております。不安定な基準財政需要額が投資的経費を通じて行われている。地方団体は迷惑ですよ。もらってみなければわからぬ。交付税は固有財源だと言っていますけれども、依存財源にしているのは、補助金と同じでもらってみなければわからぬようにしているのは自治省じゃないか、こういう批判があってもやむを得ないですよ。どうですか、財政局長。
#65
○花岡政府委員 御承知のように、この数年厳しい国、地方の財政状況でございまして、財源の不足を一般財源で埋めることが望ましいことは申し上げるまでもないわけでございますけれども、現在の状況では地方債の活用ということもやむを得ない事態であると考えております。その地方債を活用するに当たりまして、交付税をどのように配るかということを考えました場合に、結局基準財政需要額の算定におきましては投資的経費を動かさざるを得ないというのが実情でございまして、私どもも今後ともできるだけこういった交付税の算定を安定させますためには交付税総額の安定的な確保ということが絶対的に必要であると考えておりますので、今後ともそのために全力を挙げてまいりたいと考えております。
#66
○細谷(治)委員 田波さん、大蔵省のあれとして、残念ながら交付税はもらってみなければわからぬという算定方法になっておる。その原因は、総額があるから――その総額は何でかというと六条の三の二項が形骸化しているんだ、こういうふうに言って差し支えないと思いますが、そう思いませんか。
#67
○田波説明員 五十年代になりましてオイルショックの後、日本経済全体が非常に成長率の鈍化に悩まされた、こういう事象を先生もお認めになられるところだろうと思います。そのときに財政がどうするかという問題でございますけれども、国の方も御存じのように建設公債のほかにかなりの量の赤字公債を発行してまいりました。それから反面、地方財政の方にもある意味で大変御迷惑をおかけしてきたことは事実でございます。その結果として公債費、これが国、地方を通じて非常に増大しておるわけでございまして、国に至りましては一般会計の予算の約二割が利子負担に食われてしまうという状況でございます。率直に申しまして、ある意味でそういう状況が地方財政あるいは基準財政需要の算定の中にも悪影響を及ぼしていることは残念ながら認めざるを得ないと思いますけれども、それにつきましてはそういう国の状況、あるいは公的部門全体の財源難ということを勘案してできるだけ平準化をするとともに、実際の基準財政需要の算定におきましてできるだけ適切に対処をしていっていただければというふうに考えておる次第でございます。
#68
○細谷(治)委員 時間もありませんから。そういう状況で自治省も苦しい計算を、我々もまた苦しい交付税の審議を間違いなくしている、こういう状況ですね。大蔵省の苦しいこともわかります。けれども、やはり六条の三の二項という基本的な制度、地方交付税のよって立っているところ、これは守っていかなければならぬ。
 その交付税は調整制度ですよ、財政調整制度。財源付与ということになりますけれども調整制度ですよ。その場合に、最近新聞等を見ますと、行革審、自治大臣なり財政局長などはそんな手を知らぬのか、教えてやるぞというぐらいの面構えで言っていますよ。自治省が交付税制度で財政調整が十分できておらぬから、財政力指数でもう一遍財政調整をやったらどうか、こういう論議が多くなっている。その一番端的な例が基準財政収入額は府県で八五、それから市町村で八〇ですか、それから七五、これはちょっと余り過ぎて金のあるところはいけませんぞということで、これをひとつ上げようと。この間の一括法案のときに、いってみますと五%基準税率を上げる、保留財源率を五%下げる、それから県の方でも五%上げる、大体一兆円出てくるわけですよ。これはどうやって計算しても出てくるわけです。それをねらわれておるわけですね。間違いなくねらっておるといってもいい。交付税率の三二%を三〇%に落とさぬでも、基準税率を引き上げれば、留保財源の率を引き下げれば、一兆円はすぐ出てくるのですよ。こういう形になりますと、世間の人はわからぬわけです。交付税が実質的に引き下げられた、なるほど東京都のようなところは余ってしょうがないだろう、こういうことを言わぬとも限らぬ。そういう点についてきちんとした自治省なりあるいは大蔵省の態度――大体、留保財源率を減らせば浮いてくるのですか、浮いてこないのですか。自治省と大蔵省の専門家の確たる意見を聞きたい。
#69
○花岡政府委員 留保財源率をどのように設定するかということは、地方財政計画に計上いたしました標準歳出をどの程度、画一的な算式によって基準財政需要額として捕捉するかという問題でございまして、仮に留保財源率を引き下げる場合には、それに対応します基準財政需要額を増加する必要がございますので、必要とされる地方交付税の総額が変わるものではございません。留保財源率と地方交付税の所要総額とは全く別個の問題でございます。
#70
○田波説明員 私どもといたしましては、留保財源の問題と、今財政局長からお話がございました基準財政需要額への算入の問題、これは別個の問題であるというふうに考えております。
#71
○細谷(治)委員 大臣、これは別個の問題なんですよ。ちょっと交付税に関連があるかもしれませんけれども、これは兄弟以上に全く別個です。そうなってまいりますと、留保財源を減らすと一兆円の金が出るぞというようなことをまことしやかに言われますと、世間の人はなるほどそうだろうと思います。そこに穴があると思うのですよ。
 行政改革は強力に推進しなければいけませんけれども、どこかに世間のわからぬところで穴が生まれては困る。それはこういうことが一つの例だろうと思うのです。ですから、このことについては、銭をかけろとは言いませんけれども、あるべき論議というものをきちんと自治省が中心になって、あるいは田波さんもそうおっしゃっていますから、やっていただかなければならぬと思うのです。それでないと、行革審という権威のもとに何か最近答申まで出ようとしておるのでしょう、市町村の合併を進めたらどうだい。行政局長いらっしゃいますけれども、自治省以上のことを言っているのですよ。市町村の合併を進めたらどうだい、市のあれを五万以下にしたらどうだい。いろいろな提言をしています。そして、やがて市町村を越えた府県の、府県を越えた道州制と直言えるようなものが出てきております。全く百鬼夜行の意見が出ておると言って差し支えないと思うのです。それではやはり困ると思うので、本当の姿を専門家が一般の人に徹底して知っていただくということが必要であろうと思うのですが、それには自治大臣の責任が大きいと思うのですが、それを伺って、時間が来ましたから私の質問を終わりたいと思います。
#72
○小沢国務大臣 ただいまの留保財源の問題にいたしましても、行革審というところでその他の問題につきましてもいろいろなことを何だかんだ言っておるようでございますけれども、そういうような間違った議論につきましては私どもといたしましてはきちんと彼らにも理解させまして、そしてまた、これはもっともだというところはいうところできちんとこれまた取り入れていかなければなりませんけれども、そういうような点につきましては私どもも十分正しい理解を求めるべきは求めていかなければならないと思いますので、先生の御指摘のように、その点、特に自治省に関する、地方自治に関する問題につきましては十分理解していただくように今後も努めていきたいと思います。
#73
○細谷(治)委員 大臣いみじくも言ったように、何だかんだと言わせないように自治省と大蔵省は主管省として頑張っていただきたい、これを強く要望して終わります。
#74
○福島委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時二十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時四十五分開議
#75
○福島委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。藤原哲太郎君。
#76
○藤原委員 まず、補助金の整理の問題について、大蔵、自治その他の関係各省にお伺いをいたしたいと思います。
 六十年度、六十一年度と継続実施されました補助率の引き下げによりまして国の補助金総額というのは減少してまいったわけでありまするけれども、補助金全体の数は増加をしている現況にございます。これでは補助金によって――地方自治の自主性や自律性を尊重するという地方自治本来の立場から考えまするならば、こういったようなことはいわゆる自主性や自律性を損なっておると言っても過言でないと思うのであります。行革推進の観点からも補助金のあり方について再検討のときが来ておるのではないか、やはり廃止すべきものは廃止するという努力が必要ではないかと思うのでありまするが、この点については自治大臣、総括的なことで一言御答弁を。
#77
○小沢国務大臣 ただいまの補助金の整理合理化、そのことによって自主的な地方公共団体の施設、財政等々の運営、こういう点につきましては地方制度調査会でも言われておりますし、私どもも先生御指摘のように、政策目的を達したものあるいは各省庁でダブって出しておるもの等々、そういうものにつきましては整理合理化を積極的に進めていかなければならない、そのようにかねて主張しており、今後もそのような姿勢で対処してまいりたいと思います。
#78
○藤原委員 ただいま自治大臣から言われましたような方向づけで、ぜひとも今後進めていただきたいというように希望をいたしておきます。
 ところで、大蔵省に伺いたいのでありますが、六十年、六十一年度の補助率の引き下げに高率補助であります二分の一超のものがその対象になっているのはどういう理由によるものでございましょうか。
#79
○岡田説明員 お答えいたします。
 六十年度予算におきましては、先生御指摘のように高率の補助率の引き下げの必要性が指摘されました行革審の意見であるとか財政制度審議会の答申等を踏まえまして、補助率二分の一超の高率補助につきましておおむね一割程度の引き下げを行わせていただいておるところであります。
 この六十年度の措置の際に、補助率の見直しについては国と地方の役割分担あるいは費用負担のあり方等あわせて検討する必要があるのではないかという意見がこざいまして、大蔵、厚生、自治三大臣の申し合わせによりまして、御承知のように、六十年度における暫定措置とすること、それから六十一年度以降の補助率のあり方については国と地方の間の役割分担、費用分担の見直し等とともに政府部内において検討を進め、今後一年以内に結論を得るということにされたところでございます。
 こうした経緯のもとに、六十一年度予算におきましては補助金問題関係閣僚会議の決定に基づきまして補助金問題検討会の報告の趣旨を踏まえ、社会経済情勢の推移等を勘案し、政策分野の特定に配慮しつつ社会保障を中心に事務事業の見直しを行いながら、二分の一以下の補助率のものも含めまして補助率の総合的な見直しを行ったところでございます。
 今御指摘の六十、六十一年度ともに二分の一超の高率補助率を対象としているじゃないかという点でございますが、この点につきましては、確かに六十一年度も補助率見直しの中心になっているのは高率のものであるという点はございますが、六十一年度につきましては六十年度と異なりまして補助率の引き下げ幅も個々の見直しによりまして違っておりますし、今申し上げましたように二分の一以下のものにつきましても見直しを行っているということで、六十一年度と六十年度の取り扱いはこのように経緯を踏まえた措置になっておることにより違っておると理解しております。
#80
○藤原委員 今、大蔵事務当局から御説明ございましたが、二分の一以下の低率補助率も対象として、補助金をなくしていくような方向がよいのではないかというふうに思うのですが、このことについてのお答えをいただきたいと思います。
 なお、引き続いてお伺いをいたしますが、補助率を引き下げながら、補助率、金そのものは下がっておりますけれども、補助件数が増加をしておるように見受けられるわけでありますが、こういうようなことは、何とか今国も地方も痛みを分かち合おう、財政的にはお互い厳しいんだから痛みを分かち合おうとする地方自治団体に対して、何か意欲を失わせるのではないかという感じを持つものでありますけれども、この点についてはどういうようにお考えになっておるか、伺っておきたいと思います。
#81
○岡田説明員 お答えいたします。
 まず最初に、低率の補助金につきまして廃止すべきではないかというお話でございました。実質的な補助率が著しく低い補助金については整理すべきであるという意見が出されていることは、私ども十分承知しているところでございます。できるだけ低率の補助率のもの、要するにその程度の補助率でいいものであって、もう既に補助事業として廃止してもいいのではないかというものについては極力見直しをしておるところでございますが、逆に一律に補助率が低いから引き下げだというふうにいたしますと、低い補助率でも補助目的が達成できるというものもございますので、一律な取り扱いはできないところであろうというふうに思っております。
 それから、補助件数についてのお尋ねでございますが、私ども補助率の見直し以外にも補助事業そのものの見直しというのを極力一件ずつ取り組んでおるところでございまして、六十一年度予算につきましても、地方に同化、定着した事務事業等にかかる補助金等につきまして、地方の自主性を尊重するという観点からその一般財源化を図るという措置も講じておりますし、それから国、地方を通ずる行財政の簡素化、合理化を推進するという観点から、不要不急の補助金等の廃止あるいは統合メニュー化等に取り組んでおります。この結果、六十一年度では整理、廃止といたしましたものが百五件ございます。それから、統合メニュー化等によって十九件減っている等々のことがございまして、一方当然スクラップ・アンド・ビルドということで新規でふえているものもございますが、トータルいたしますと四十一件減の二千四百二十三件になっております。ちなみに六十年度は二千四百六十四件ございます。
 こうした補助金、補助率の見直しが地方の積極的な行政活動に支障を与えるのではないかという御指摘でございますが、私どもこういう措置をいろいろ見直しをさしていただくにつきましては、財政面でのしわが行って、そのために本来やるべき行政ができることができないなんということにならないように、地財計画の策定を通じて財政的な面での配慮はしておるつもりでございます。
#82
○藤原委員 今、低率補助率についても事象の内容等を十分精査をしながら補助金についての、だんだんなくしていくというような方向づけであるということが示されておるわけでありますが、この辺のことについては、やはり地方自治体におきましてもこの辺の動向を非常に注目をいたしておると思いますので、万遺漏なきを期していただきたいというふうに考えるところであります。
 次は、集合施設等のいわゆる箱物補助金の中には、施設利用の実態に大きな違いがあるのに各省庁が別々に補助金を所管し、施設の規格、配置、職員等を細かく抑制しているものが見受けられるのであります。そのため、地方団体では各施設をまとめて一つの施設をつくることができないという不満の声がしばしば聞かれておるところでございます。
 ところで、大蔵省は昨年夏決定されました六十一年度予算の概算要求基準ではこれら箱物補助金の大幅整理を取り上げたのに、六十一年度予算には余り成果が上がっていないように見受けられます。どうして大幅な整理ができなかったのか、この際その根拠をお伺いをいたしたいと思います。
#83
○岡田説明員 お答えいたします。
 御指摘のように、六十一年度の概算要求につきましては、六十年七月二十六日の閣議了解におきまして「会館等各種施設整備の補助等の見直しに努める」とされていたところでございます。私どもといたしましては、この閣議了解の趣旨を踏まえまして、新設の原則禁止、それから補助率の見直し、これは農業構造改善事業の補助金等について行っておりますが、補助率の見直しをする。さらに、補助対象範囲の見直しもして圧縮に努める。それから、金額自体の抑制ということにも努めるということをやっておりまして、その結果といたしまして、全省庁的に見てまいりますと、会館等の公共施設の整備はなおまだ六十一年度予算で二百七十七億円の予算規模のものがございますが、この二年間の推移を申し上げますと、五十九年度で三百九十四億、それを六十年度で三百三十二億、それから六十一年度で二百七十七億と、逐年見直し、圧縮に努めておるところでございます。
#84
○藤原委員 私自身の申し上げたいことは、いわゆるそういう箱物補助金はいずれも国の縦割り行政の弊害が一つの原因になっておるわけでありまして、地方団体の自主的かつ効率的な施設整備と効率的な施設活用ということを実際は妨げておる現況にあるわけであります。施設建設費の効率的な使用が阻害をされているというふうに言っても過言でないと思うわけであります。
 そういうことを考えてまいりますと、私は、各施設の共通部分、例えば集会場であるとかあるいはホールといったようなものですね、それからスポーツ、レクの施設、事務室、こういったようなものはまとめてやっても当然できるわけでありますし、それから行政目的でそういうものを一つのものを建てたときに広域的に使う、こういうようなことも当然だというように思うわけでありまして、そういう総合化といいますか、そういうものが望ましいというように考えておるわけでありますが、財政当局の見解を伺っておきたいと思います。
 なお、今のお話を承りますと、だんだん金額が下がってきておるという報告を受けておりますが、地方にとってそういう必要なものは十分考えてやるということも念頭に置きながら、そのことによってこういったものの施設をつくること自体について、予算的にも縮小されるということは私の望んでおるところではないので、誤解のないように御答弁をいただきたいと思います。
#85
○岡田説明員 いわゆる箱物補助金、会館等の各種施設の補助金につきましては、各地方公共団体がいろいろな施設をつくる場合にばらばらに別々につくるのは財政資金の使用の方法として非常に非効率であるということから、資金の効率的な使用あるいは行政運営の効率化を図るという観点から複合施設化を進めるようにしておるところでございます。
 具体的には、五十六年度に、おのおのの補助金の持つ基幹部分等を除きまして共有を可能とするために、例えば事務室であるとか、階段であるとか、玄関等に係る部分につきまして共有ができるように、交付要綱、施設運営基準等の改定を行い、その改善を図っておるところでございます。この点につきましては、その後の進捗状況につきまして六十年度に総務庁において類似関連施設の複合化の実態につきまして行政監察も行われているところでございますので、この結果が出ますれば、この結果を踏まえてさらに私どもとしては積極的にこの複合化の推進に努めてまいりたいと思っております。
#86
○藤原委員 今、総合化とかあるいは複合化というような方向で指導しておられるということでございますが、この実態についてちょっと文部、厚生、労働、それぞれの所管から伺いたいと思います。
 文部省の関係では、公民館とか社会体育施設を所管する文部省は一体どう考えておるか。今までは農林省が生活改善センター等を所管するというようなことで、これまたここに組み合わせがありましたけれども、六十一年度からはこれが廃止をされているようでございまして、これは除外したいと思います。それから厚生省の関係では、老人の生きがいセンター等を所管する立場から、厚生省としてはどう考えておるか。また、労働省としては、勤労者のセンター等を所管する労働省としてこの総合メニュー化についてどのような見解を持っておられるか、この機会にそれぞれから伺っておきたいと思います。
#87
○藤村説明員 私のところでは社会教育施設費補助金というのを持っておりまして、その中に公民館の建設に対する補助金が含まれております。公民館の建設に当たりまして補助を行っております件数は、五十九年度の場合ですと二百数十館ございますけれども、この公民館の建設に当たりましては、他の施設と複合して公民館を建設する場合には、単独で持つことが合理的でないと思われる階段とか廊下、機械室、玄関、事務室等を共用にすることができるというふうになっております。その場合には、補助対象とする共用部分の面積及び経費を原則としてそれぞれの専用面積により案分するという形で予算の執行をいたしておりまして、例えば五十九年度の場合ですと、二百数十の補助金を出したわけでございますが、その中で約三十ぐらいだったと思いますけれども、複合施設になっておりまして、他省庁所管のものあるいは文部省所管のものと複合している例が見られるところでございます。
 私どもの基本的な考え方は、地方公共団体が複合施設として設置をしたいという場合には、その複合を認めていく。しかも複合施設をつくる場合に、ダブってこれを設けることが適当でないと思われるものについてはそれを共用とするということを基本的に認めているということでございます。この補助金の補助要綱につきましても、五十六年度の改正でそういった規定を入れております。また、実際上は四十八年にさかのぼりますけれども、社会教育課長通知で同様の取り扱いができるということを明記いたしているところでございます。
#88
○阿部(正)説明員 お答えいたします。
 今、文部省の方から言われたのと同趣旨でございますけれども、老人福祉センターとかあるいは身体障害者福祉センターといったふうなものもございまして、今先生の言われた生きがいセンターというのは固有にそういう名称をつけておられるのじゃないかなと思いますけれども、多分老人福祉センターのことだろうというふうに思われますが、設備面につきましては、複合施設の場合には共用を認めますということをはっきり申し上げておりますし、かつまた、その運営面での職員の併任といいましょうか、というふうなことにつきましても、支障のない限りどうぞやってくれということを言っております。
 五十六年に通知を出しましたし、来年度の予算につきましても、せんだっての全国課長会議等におきましてもそのことをはっきり申し上げまして、むしろ私どもは複合化を歓迎するというような姿勢で対処してまいりたいと思っておりますし、現在、来年度の整備案件につきまして個別に審査中でございますので、その審査に当たりましても趣旨の徹底を図ってまいりたい、かように考えております。
#89
○藤井説明員 労働省関係の施設といたしましては、働く婦人の家あるいは勤労青少年ホームがございますけれども、御指摘の他省庁の施設の合築あるいは適切な調整につきましては、土地の有効利用、資金の効率的利用等の見地から、その他の公共労働福祉施設あるいは社会教育施設等との合築等が効率的に行われますよう設置基準を昭和五十六年六月に改正いたしまして、一部設備の共用等を認めるなどの弾力的運用により前向きに取り組んでいるところでございますし、今後ともその効率的運用に取り組んでいきたいと考えております。
#90
○藤原委員 ただいま文部省、厚生省、労働省のそれぞれの事務当局から伺いますと、何か複合施設についても相当考慮しておるということでございまして、そういうような方向づけをぜひとも今後とも続けていただきたいというように思うわけであります。今までの中ではそういういろいろの意見が、箱物に対するいわゆる各省庁の縄張りというものがいろいろの面で阻害をしておったというこの事実に照らしまして質問をさしていただきましたが、こういう点では大分改善の方向が見出されておるような感じがいたしまして、意を強くいたしておるところであります。どうぞ、文部、厚生、労働の方々、お引き取りをいただいて結構です。
 それから、行革審は五十九年七月二十五日に、会館等公共施設の設置、管理運営の合理化について意見を取りまとめられまして、既存施設の多角的な期効利用とともに、施設の新設に当たっては類似施設の複合化等を基本とすべしといたしておるわけであります。そのため関係省庁の間で連絡会議を提案をしておるわけでありますが、この連絡会議というのは持たれておるのかどうなのか。また、持たれておるといたしまするならば、どのようなことが論議をされておるか、その経過について総務庁から伺っておきたいと思います。
#91
○西村説明員 お答えいたします。
 先生御指摘の、行革審が五十九年七月二十五日に提言いたしました会館等公共施設の複合化推進のための関係省庁間の連絡調整の会議でございますが、会議はまだ現在のところ設置されておりません。しかし、五十九年の十二月二十九日に閣議決定を行いまして、類似関連施設の複合化を推進するために関係省庁間におきます連絡調整を強化するようにという閣議決定をしておるところでございます。
#92
○藤原委員 自治大臣、この問題は前からもいろいろ論議をされておったところでございますが、今各省庁伺うと、相当前向きには取り組んでおるようでございますが、何と申しましてもこの窓口は自治省だと思いますので、自治大臣としてこの類似施設の複合化の問題についてどのような取り組みをされようとされておるか、今までの経過を含めまして大臣のお考えをちょっとお伺いしておきたいと思います。
#93
○小沢国務大臣 今、各省から答弁がありましたように、かなり各省とも前向きに取り組んでいてもらっているようでありますが、各省それぞれ政策目的を持ってそういった補助金を出し、そういう施設をつくっておるわけでありますから、これ自体各省間でそれぞれ最も適するのを一本ずつやっていけば一番いいと思うのですけれども、それは言うべくしてなかなか難しいことでありますので、今の各省の姿勢のように、できるだけもう少し弾力的にすれば効果的に使えるというところが地域で幾らもあると思うのです。したがいまして、私もそういったいろんな事例も伺っておりますので、今後ともただいまの各省の御答弁にありましたように、私どもとしても各省庁に対し中心となって働きかけ、お願いをして、住民のためによりよいものにしてまいりたい、そのように考えております。
#94
○藤原委員 大臣、どうもありがとうございました。それでは、引き続き質問を進めてまいりたいと思います。
 職員の設置費補助金の交付金化について質問をいたしたいと存じます。昭和五十八年度以降、国の地方に対する職員設置費補助金については事務費補助金と一緒にいたしましてこれを定額の交付金に変えるといういわゆる交付金化が行われるようになってまいっておるわけであります。六十年度には十件で四百二十億円の交付金化が行われておるわけでございます。これは自主的、合理的な職員配置や定員管理を可能とするものでありまして、こういう措置につきましては、私どもは妥当であるし評価をいたしたいというように思うわけであります。ただ、これからの方向づけとしては、こういったようなものも最終的には一般財源化をすることが望ましいと考えておるわけでありまして、このことについての見解を伺っておきたいと思うわけであります。しかし、一般財源化の方向としては六十一年度ではわずか一件であったわけでありまして、まだ十数件の職員設置費に関する交付金は一般化されていないのが現況であります。今の財政難でもございますので、いろいろな問題がございましょうけれども、今後一般財源化に努力すべきであると思うのでありますが、このことについて大蔵事務当局の御見解を承っておきたいと思います。
#95
○岡田説明員 お答えします。
 地方公共団体の職員設置費補助につきましては、臨調第三次答申におきまして「補助対象職員が担当する事務・事業の円滑な実施を確保するための必要な措置について検討を加え、二年以内に、原則として一般財源措置に移行する」ものとされたところでございまして、私どもといたしましても、五十八、五十九、六十年度過去三年間にこの問題に鋭意取り組んでまいりまして、地方の自主性、自律性の観点を踏まえまして一般財源化または交付金化を推進してきたところでございます。その検討の過程で、個々の補助金を検討したときでございますが、例えば国と地方の共同事業と位置づけられているものであるとか、全国的水準あるいは全国的な見地から行われなければ行政目的実効が期しがたくなるおそれがあるということで、なお一般財源化はその段階の判断としては適当ではなかろうということで残したものにつきましては、これは残しはいたしましたが、当該事務事業の円滑な運営に配慮するという観点、地方の自主性を進めるという観点から交付金化をいたしたという次第でございます。
 六十一年度予算におきましては、これらの交付金化したものも含めてまたさらに検討いたしまして、先ほど先生御指摘のように一件ではございますが、地方に同化定着していると考えられるものにつきましてさらに交付金化、一般財源化いたしたところでございます。
 今後の課題でございますが、既に交付金化されたものにつきましてはそういう配慮をして交付金化しておるわけでございますが、事務事業の性格、地方の事務としての同化定着化の状況等を十分見きわめまして、今後とも見直し、検討をしてまいりたいと思っております。
#96
○藤原委員 こういうことがよく言われるのですが、一般財源化をしてしまうと、いわゆる国の指導力というか考え方、行政水準の確保ということが大変困難になる、そういうような見方が一面あるわけでありますが、そういうことを考えまするとこの補助金の一般財源化ということは到底できないということになるわけでありまして、私は一般財源化をしても国の指導というのは他の方法によってできるというように思うわけでありまするけれども、この点についての自治省の見解を伺っておきたいと思います。
#97
○花岡政府委員 国庫補助金の一般財源化が行われた場合に、結局補助金がなくなることによって地方団体の指導ができなくなるということで、この廃止につきましては各省間非常に抵抗のあるところでございます。しかし、やはり地方の自主性、自律性を高めて、地方住民のために仕事をしていくという場合には、何も補助金がなくても、これは十分指導によって国の施策というものも確保できる場合は多々あると思います。私どもはその方向に従って補助金の整理がなされますよう各省庁に要請をいたしておるところでございます。
#98
○藤原委員 そういう姿勢は、私も非常によいというように思いますので評価をいたしたいと存じます。
 次に、交付金化されるまでのいわゆる職員設置費補助金は、毎年毎年ベースアップ等が加味されまして引き上げられてまいりまするし、また事業費補助金も引き上げられて今まできたわけであります。ところが、今度は交付金化をされるようになってまいりましてから、実際見てまいりますと予算上の増額がなされていない傾向がございます。
 二、三の例を挙げてみますと、農水省の協同農業普及事業交付金、いわゆる農業改良普及員に関するものでございますが、これは五十八年度から交付金化されておるのでありますが、六十一年度までに三百四十六億円でいわゆる据え置きをされておる。ベースアップというものについての配慮がなされていないような感じがいたします。それから同じく農水省の関係では、農業委員会の交付金で農業委員会の職員に関するものでございますけれども、六十年度に交付金化されて六十一年度も百四十八億円ということで据え置きをされておるわけでございます。
 それから、国土庁の関係では土地利用規制等の対策費交付金につきまして、これは土地規制等関係職員に関するものでございますが、昭和六十年度交付金化されたのでございますけれども、昭和六十年度では二十八億円、六十一年度では二十六億円と減少されておるわけでありますが、この辺のことについては実際の担当の衝の方々にひとつ伺っておきたいと存じます。農水省の事務当局それから国土庁の事務当局の方々にその経緯を伺っておきたいと思います。
#99
○杉本説明員 普及事業の関係につきましてお答え申し上げます。
 協同農業普及事業につきましては、都道府県の自主性を発揮するという見地、あるいは農業をめぐる諸情勢に対応しまして普及事業を効率的、弾力的に運営を図るというような見地から、五十八年度に農業改良助長法の一部を改正いたしまして、従来個別経費の積み上げによる定率の負担金であったわけでございますが、これを標準定額の交付金として交付する方式に改めたわけでございます。また、これに伴いまして普及事業が国と都道府県を通じて一貫した方針に従って推進されるように、国は事業の運営方針をつくるし、また都道府県は実施方針を定めて事業の運営を行っているところでございます。
 そこで、普及事業の交付金についてでございますが、交付金制度の趣旨等にかんがみまして、私どもは定額として取り扱うということで考えているわけでございます。そういう意味で毎年当然改定されるべきものではないというようなことでございますが、ただ、大幅な物価あるいは給与等の変動があった場合には、普及事業の円滑な実施が損なわれないように今後適切に対処していきたいと考えております。
#100
○黒木説明員 お答え申し上げます。
 農業委員会補助金の交付金化につきましては、ただいまお述べになりましたとおり、農業委員会の事務事業の重要性にかんがみまして、協同農業普及事業と考え方は同じでございますけれども、従来の個別経費の積み上げではなくて一定の財政上の基盤を付与する、このことを通じて全国的に統一のとれた行政水準を確保してまいる、また、あわせまして、地方の実情に応じたきめ細かな農業委員会の運営を行っていただく、こういうような趣旨から、六十年度から交付金化されたところでございます。
 そういうことでございますので、農業委員会交付金につきましても、交付金化の趣旨にかんがみまして定額という形で取り扱っているところでございまして、毎年その額を改定するものではない、こういうふうに理解を同じくしているところでございます。なお、経済事情等の著しい変化等により大幅な物価、給与等の変動があった場合につきましては、事務の執行に支障を来さないよう適切に対処してまいる、この点につきましては考え方は同じでございます。
 以上でございます。
#101
○山崎説明員 御質問のございました土地利用規制等対策費交付金と申しますのは、国土利用計画法の施行に要する経費といたしまして国土利用計画法第四十条に基づきまして都道府県及び指定都市に交付している交付金でございます。これも五十九年度以前はいわゆる個々の経費の積み上げの定率補助ということになっていたわけでございますが、この制度が昭和四十九年に発足いたしましてからほぼ十年たちまして、都道府県等がこの関係の事務に習熟してきた、あるいは都道府県等の実情に応じまして経費の弾力的運用を行うことが適切であろうということで、六十年度から交付金に改めたものでございます。
 ただ、この交付金につきましては、補助金時代におきましても、私の前にお答えになりました農水省の補助金とは若干異にしております。と申しますのは、これはいわゆる職員設置費補助ではないわけでございまして、あくまでも事業費の補助でございまして、その事業費の内訳の中に、積算の中に人件費部分が含まれておる、こういうことでございます。したがいまして、毎年、例えば関連の職員の定数を幾らというふうに定めておきまして、ベースアップに応じて自動的にスライドして補正されていくという性格のものではなかったわけでございます。毎年毎年そのときの状況に応じましてこの国土法関係の事務の実態を踏まえまして補助金額を決定していた、こうなっておりますので、具体的に申し上げますと、補助金時代でございました五十七年度以降におきましても若干ずつの減少を見ているわけでございます。六十年度におきましても、こういった各都道府県等の国土法関係の事務の運用の実態等を踏まえまして、国土法の的確な運用を期するために必要な額を計上した、こういうことでございます。
#102
○藤原委員 今農水省と国土庁の事務当局に伺ったわけてすが、約束事としては何か定額でやっているというようなことでございますけれども、一定の定額だけということになれば、ある期間を見てその改定ということも頭に置かなきゃならぬと思いますし、実際の運営面ではベースアップその他ということになれば、そのことを考慮しなければ生きた行政ではなかろうと私は感じ取っておるわけであります。そういう点では少なくとも今まで補助金ではある一定のベースアップその他を認めて増額を見ていたけれども、交付金という、そういう制度がえになることによって、定額だというようなことで一定限度に抑えるということになれば、ベースアップを迫られた地方自治体にとりましては当然その分だけは地方が負担をするという結果に陥る。これはもし私の見解が違うなら反駁をしていただきたいと思うけれども、一般常識からいってそういうように感じ取れるわけであります。もしそうだといたしますると、その分だけは地方の財政が持つということになりますから、地方に転嫁をするという結果にもなるのではないかと思うわけであります。したがって、そういうことを勘案した場合は、定額にしたらある一定の期間、三年ごとに見直すとかそういうようなことを含めながら考えるべき事柄ではなかろうかと考えるのでありますけれども、これは大蔵の事務当局、いかがお考えでしょうか。
#103
○岡田説明員 お答えいたします。
 交付金化につきましては、今各省庁からお話がありましたように、人件費と事業運営費との間の流用が可能となるよう一つの積算になっておりますし、地方団体への交付に当たりましては一定数以上の関係職員の設置などを交付の条件としないというところ、そういうことによりまして地方公共団体にとってみれば自主性の発揮が促進される、それからまた事務の効率的、弾力的な運営が図られる、こういうメリットがあると考えております。こういう趣旨に即して行っている交付金化でございますので、私どもといたしましては、まさに資金の効率的な使用、それからまた事務の効率的な弾力的な運営をお図りいただくことにより定額でやっていただきたいと思っておりまして、現在のところ、例えば人件費の上昇に見合って年々増額措置をするというようなことは考えておりません。
#104
○藤原委員 大蔵省事務当局のお考えもわかりましたけれども、私はこういう点も、もちろん今のような財政の厳しいときに何でもかでもやれといってもできる問題ではこざいませんけれども、配慮すべき課題であると考えますので、要望をいたしておきたいと存じます。
 引き続き質問をいたしたいと存じます。農水省と国土庁、どうもありがとうございました。どうぞお引き取りください。
 補助率の引き下げによる地方財源の不足についてということでお伺いをいたしたいと存じます。
 六十年度では一括カット、六十一年度では一兆一千七百億円というような、国の補助率が引き下げられるというようなことになりまして、当然これは地方財政には大きな負担増ということになるわけでありますが、これは仮説でありまするけれども、こういうことがなされなければ地方財政はまあまあ今の次元ではいわゆる収支が均衡しておったと言われておるわけであります。そういうような状況のもとで、六十二年度以降どのような方法でいわゆる補助率引き下げに伴う地方財源の不足を補っていこうとされておるか、このことについても今までも質疑がありましたけれども、総括的なことでございますので伺っておきたいと存じます。自治省にお願いします。
#105
○花岡政府委員 補助負担率の引き下げは今後三年間の暫定措置とされておりますが、たばこ消費税の引き上げが一年間になっております。これはたびたび申し上げておりますように、たばこ消費税の税率の引き上げは税制の抜本改革の妨げにならないようにということで一年限りとされたわけでございます。補助率のカットがあと二年も続くということでございますから、何らかの財源措置はしていかなければならないと考えておりますが、これは六十二年度以降の財政の状況を十分見きわめまして税制改正の抜本改革の中で検討していただけるものと思っておりますが、なお所要の財源対策はその年度において十分講じていかなければならないと考えております。
#106
○藤原委員 今お話しのような状態であれば、むしろ山積しておる地方行政の課題に取り組むように、いわゆる地方財源を配分すべきではないかと思うわけであります。国の補助率の引き下げに伴う負担増は国の負担転嫁なのでありますから、地方財源の不足額として出して、これについては特別に財源措置を講ずるという措置の仕方を六十二年度以降もすべきではないかと思うのでありまするけれども、自治省と大蔵省に伺っておきたいと存じます。
#107
○花岡政府委員 先ほど申し上げましたように、六十二年度以降の財政の見通しがまだはっきりいたしておりませんけれども、補助負担率の引き下げが継続されるわけでございますから、地方財政については何らかの措置をしなければならない。特に地方財政におきましては現在も相当大きな措入金を持っております。また、六十六年度以降は交付税の借入金の元金償還も始まるということでございますから、この補助率の引き下げ部分あるいはその他のものも含めましても、地方財政は今後とも厳しい状況が続くと考えております。そういう意味で、ともかく六十二年度分につきましては、収支見通しが明らかになりました段階で具体的に検討した上で所要の財政対策を講じてまいりたいと存じます。
#108
○岡田説明員 お答えいたします。
 六十二年度以降の地方財政対策につきましては、御指摘の補助率の見直しに伴う影響等も含めまして、そのときどきの国と地方の財政事情等を踏まえつつ、地方財政の運営に支障のないよう適切に対処してまいりたいと考えております。
#109
○藤原委員 それと関連をいたしますけれども、今、地方自治体にとって補助率を引き下げられる、三年間の暫定措置ということでございまするけれども、そうなると今回は一兆一千七百億円でございまするけれども、今後個別の補助金についても補助率引き下げを全くしないとしても事業費の増大等でこの金額は三年後にはもっと大きくなるのではないかと想定をされるわけでございますが、補助率の復元の見通し、このまま借金のままでずっと行くのか、あるいは何とか復元をさせるというお考えを示していただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#110
○花岡政府委員 補助率のカットによります影響額、一兆一千七百億円につきましては、今後事業量の増加等によって伸び縮みがあると思います。これに対する対策といたしまして、明年度の地方財政もまだはっきりいたしませんけれども、この六十四年度以降の補助率のあり方につきましては、関係省庁の間で国と地方の役割分担あるいは費用負担のあり方等とともに十分検討して決められるべきものでございます。
 その過程におきましては、国と地方との財源配分の変更があるかもしれませんけれども、先ほども申し上げましたように十分検討いたしまして、特に地方団体の自主性を強化する観点におきましてこれが決められるよう、私どもは対処してまいりたいと考えております。
#111
○藤原委員 復元の場合、経常経費系統の補助金の補助率引き下げについては、補助率引き下げ分だけの補助金をまた国が負担することになると思います。しかし、投資的経費系統の補助金については、その分だけだといわゆる事業量が減少してまいります。ということになりますと、多くの負担を結果から見れば国がしなければならない。そういうことになりますると、三年後にそんな余裕が国の財政に事実上期待できるであろうかという疑問が生じてまいりますけれども、この点は大蔵事務当局はどうお考えになっているでしょうか。
#112
○岡田説明員 お答えいたします。
 今回の補助率の見直しにつきましては、三年間の措置ということで法案の審議をお願いしているところでございまして、六十四年度以降の扱いにつきましては、その時点の国と地方の財政状況であるとかあるいはその間の、今後の諸情勢の推移等を踏まえまして、その時点で適切に対処すべき問題だと考えております。
 御指摘の六十四年度以降の財政状況がどんなようになっているかということでございますが、これにつきましては、私どもは財政再建が非常に重大な課題であるということで毎年度真剣に取り組んでいるわけでございますが、なお、特例公債依存体質の脱却までに数年はかかるだろうと考えているところでございまして、これを一刻も早く達成できるように努力しておるところでございます。国の財政状況がそういう状況で果たして三年後がどうかという御質問であろうと思いますが、これは国の財政状況だけの問題ではございません、先ほども申し上げましたように国と地方の財政状況であるとか今後の三年間の経済情勢等もろもろの推移を勘案して、その時点で考えることと思っておりますので、その段階で適切に対応させていただきたいということで、先ほどのお答えで御理解を賜りたいと思います。
#113
○藤原委員 この問題は今の時点でなかなか見通しがつくものではございませんが、地方自治体としても、一つの中期計画なり長期計画なり、いろいろなものの財政計画を立てるについてもある一定のものができてこないと大変困る立場に立っておるわけでありまして、この辺のところがあるものでお伺いをいたしておるところであります。今までの大蔵大臣に対する質疑の中でも、税制改革というものを頭に置きながら三年間ということを明言されておるわけでございます。ただ、今のような国の財政硬直化の中で、いわゆる「増税なき財政再建」という枠組みの中でどういうような財政再建ができるかということは本当に国民も注目いたしておりまするし、しかもそのことが率直に言って難しいのではないかという感じさえするのでございます。そして税調においても、参議院選挙の前には減税案、あるいは参議院選挙の後には増税ということが言われておるところでございまするけれども、見通しとして、現状では国に財政的な余裕ができてこれを復元させることは事実上困難ではないかなという素朴な感じも持っておるのでございますが、大蔵さん、事務当局としてはどう感じておりますか。
#114
○岡田説明員 お答え申し上げます。
 先ほどもお答え申し上げましたように、我が国の財政は非常に厳しい状況にありまして、一刻も早く特例公債依存体質から脱却したいということで努力しておるところでございます。非常に厳しい財政状況が今後ともなおしばらく続くであろうと思われております。その点は御指摘のとおりでございます。
 今回の補助率の見直しにつきましては、三年後の段階で国、地方の財政事情であるとかその間の経済情勢、社会情勢の変化等も踏まえて適切に対応を考えたい課題でございますので、国の財政事情がどうだからというだけで直ちにその答えに結びつくものではなかろう、あくまでその段階で適切に判断すべきものだと考えております。
#115
○藤原委員 自治大臣、今までずっとこの問題をお話ししてまいりまして、三年後に復元ができる要因というのはなかなか厳しいのじゃないだろうか、国の財政事情の状況を見てそういうように感ずるのであります。しかし、自治大臣としては、地方の財政を守るという観点からすれば、そういうものを乗り越えて何とかしなければならぬということもお考えいただいておるのではないか。また、こういう事態が定着することになると、地方自治体としても大変財政的な困難で希望が持てないような状況に陥るわけでございますので、この辺のことについて自治大臣の見解を伺っておきたいと思います。
#116
○小沢国務大臣 補助負担率の問題につきましては、先ほど来の答弁にもありましたように、基本的には国と地方の役割分担、費用負担のあり方等々の中で議論されて結論を得ていかなければならないと思っておるわけでございますが、先生御指摘のように、六十四年以降経済が急変してよくなるとか、あるいはそれに伴って財政が非常に楽になるというようなことはもちろん今は言えませんが、なかなか厳しい状況であるということはそのとおりであると思います。
 私どもは、補助負担率の問題につきましては今申し上げたような考え方でありますが、その切り下げに伴う対策につきましては今後とも十分考えていかなければならない。特に三年間暫定措置が続くわけでありますから、先ほどの御指摘のように、一兆一千七百億もまた事業費や人件費等で増加していくかもしれません。そうなりますと、地方財政はますます厳しくなってくるわけでございまして、私どもといたしましてはそういった点も十分カバーできるだけの地方財政対策、交付税等の確保に努めなければならないと思いますが、仮にその確保が現実の制度、仕組みの中では難しいというような状況があるとすれば、そういった制度、仕組み等の面からもこの点については考えながらも、なお地方の財政運営に支障を来さないようにしなければならない、そのように考えております。一方におきまして、税制調査会で税制の抜本改正ということがありますので、その中でももちろん地方と国の税財源配分の仕組み、地方財源を充実するという方向において取り組んでいかなければならない、その点につきましては肝に銘じて認識しておるところでございます。
#117
○藤原委員 自治大臣のせっかくの御健闘をお願いを申し上げておきたいと思います。
 続いて質問を進めてまいりたいと存じます。
 不交付団体に対する補助率の問題でございますが、六十年度の補助率引き下げと異なり、六十一年度の場合は不交付団体についてもたばこ消費税の引き上げという形で若干の一般財源が付与された点は私ども評価をいたしておるところでございます。しかしながら、その他すべて自前の起債で補てんしているのでありまして、いわゆる不交付団体の財源対策はこれでよいと思っておられるのか、自治省に伺っておきたいと思います。
#118
○花岡政府委員 今回の補助率引き下げに伴います地方負担の増につきましては、経常経費の場合には昭和六十一年度におきまして、また増発した建設地方債に関しましては元利償還が行われる年度におきまして、交付、不交付を問わず基準財政需要額に算入することにしておるわけでございます。そういう意味で、所要の財源措置は一応なされるものでございます。
 不交付団体につきましては、六十一年度の場合、経常経費系統に係る国庫補助負担率の引き下げによります地方負担の増加額に対しましては、交付税の基準財政需要額への算入措置を講じましても、それが現実には財源の増加とはならないために地方債を増発するということで対処しておるわけでございます。また、この地方債につきまして、将来におきます元利償還金を基準財政需要額に算入することにいたしましてもなお不交付団体となる団体にありましては、交付税が現実の財源としては増加しないわけでございます。その意味では、このような団体は税収の増加と自己財源によって対応していただかなければなりませんけれども、こういう団体におきましては、収入が需要を上回るということは、標準的な行財政運営が可能であるということは間違いございませんし、また現行の地方財政制度の上からいきますとやむを得ないことであろうと考えております。
#119
○藤原委員 近年、不交付団体に対する国の補助率については、交付団体に比較をして低い補助率を用いることによって補助金額を抑制しているものが目立つようになっております。六十一年度で不交付団体に対してこのような抑制をしている補助金の件数及び金額はどのくらいになるのか、またどうしてこのような措置をとっておるのかということについて、大蔵の事務当局から伺っておきたいと思います。
#120
○岡田説明員 お答えいたします。
 昨年の暮れに出されました補助金問題検討会の報告におきましても、「財政状況の良好な地方公共団体向けの補助金等の抑制措置について、地方団体間の財政力の格差の状況等を踏まえて、適切な方策を見出すべきである。」ということが言われておりまして、また財政制度審議会の報告におきましても「国と地方の財政調整の見直しの一環として、財政状況の良好な地方公共団体向けの補助金等について適切な調整措置を講ずることを積極的に検討することが適当である。このことは、逆に、財政力の弱い地域等に対しては、従来より補助率の特例的嵩上げの制度があることからもうなずけよう。」こういうような提起がなされておるところでございます。私どもといたしましては、こうした指摘、考え方を踏まえまして、不交付団体に対する調整措置の強化を行ったところでございます。
 御質問の六十一年度において新たに講じた措置ということでございますが、一つには、不交付団体に対する義務教育費国庫負担金のうちの退職手当につきまして抑制をさせていただいております。それから、同じく財政力指数一・〇超の団体に対する私立学校等経常費助成費の減額調整をさせていただいております。この二件が不交付団体あるいは財政状況の良好な地方団体向けの補助金等の抑制措置ということで申し上げていいものだと思っております。
 なお、若干性格が違いますので、直ちにこれと並べて論ずるわけにはまいらないのですが、このほかに一定規模以上の事業を行う団体に対する中央卸売市場施設整備費補助金につきまして補助対象率の設定をしております。これらも広い意味で合わせまして、百十億円の国費の節減を行っておるところでございます。
#121
○藤原委員 交付団体か不交付団体かは、多分に交付税総額をどのように配分するかという技術的な結果でありまして、不交付団体であるから直ちに財政状況が良好であるとかあるいは富裕団体とかということは言えないと思うのであります。
 例えば、大都市におきましては大都市の特殊事情というものがございます。交通もそうでございまするし、防災もそうでございまするし、また人口集中化に伴う環境の問題もございます。それから、住宅整備といったようないわゆる大都市における特有の特殊需要というものがあるわけでありまして、例えば警視庁等におきましても、大使館の警備であるとかあるいは外国から来た国賓なりあるいは国賓に準ずるような方々の警備であるとか、あるいは日本におきまするそれこそ総理大臣以下の重要な方の警備であるとかといったような特殊なものも、実は首都東京一つを考えてみてもございます。こういう点から見れば、不交付団体だからということで、あるいは富裕団体だからということでこういう抑制を受けるということはいかがかなという感じを率直に持っておるわけでありますが、この点について、自治省と大蔵省各局からひとつ伺っておきたいと思います。
#122
○花岡政府委員 交付税におきます基準財政需要額は、全国的見地から見まして画一的に一定の行政水準が維持できるように財源的な保障をするために算定されるものでございまして、基準財政収入額が基準財政需要額を超えるいわゆる不交付団体は、交付団体と比べますと財源超過額があるということ、あるいは留保財源も多いということ等、財政力が高いということは言えますけれども、不交付団体だからといって直ちに富裕団体であるというふうに考えるべきではないと思います。
 ただ、大都市につきましては、いろいろ御指摘ありましたような特有の財政需要がありまして、このすべてを基準財政需要額に算定できないという面もございますが、大都市につきましては、これまでにも普通態容補正によります需要額の割り増しとかあるいは人口急増補正の適用などによりまして、できるだけこうした需要を算定いたしまして、大都市の需要が実態に合ったように算定するように努めてまいってきておるところでございます。
#123
○岡田説明員 お答えいたします。
 先生御指摘のように、大都市には特有の財政需要がある、また、それぞれの地域地域におきまして、置かれた状況においてそれぞれの特殊な事情に基づく財政需要というのがあるのだと思いますが、先ほど申し上げましたような補助金問題検討会の報告であるとか、あるいは財政制度審議会の答申であるとかに即しまして、いわば財政の比較的良好な団体との間の調整をするという観点に立ちます場合には、その基準として基準財政需要額と基準財政収入額に基づきまして、不交付団体であるとかあるいは財政力指数というものを用いることが、最も一般的に理解を得られやすい基準になっているのではないかと考えております。
 例えば、現在、各種の地域立法等がございますが、これらにおきましても、対象地域、財政援助措置の程度を決める基準として、不交付団体あるいは財政力指数というものを用いるものが多々ございますが、こういうものもこうした考え方に立っているものだと理解しております。
#124
○藤原委員 補助金の中には、地方財政法の規定で、国と地方と共同責任に基づき国が負担を支出すべき義務を負うという、いわゆる負担金の性質を持つものがございます。近年は、この負担金についても不交付団体に対する交付を抑制する傾向が見られるのであります。
 先ほど大蔵省の岡田さんからのお話もございましたけれども、例えば義務教育費国庫負担については。従来から不交付団体についても抑制措置が講じられてきたのでありまするけれども、六十一年度にはそのうち退職手当につきまして、不交付団体の負担率を今までは、昨年度までは千分の八十でございましたものを、ことしは千分の五十に引き下げるというようなことでございます。東京、神奈川、愛知、大阪を全部含めますと、この減だけで九十億円ということで、東京では三十億円減るということになるわけでありまして、これは負担金の性格に反し、しかも地方財政法に違反するのではないかというように考えるのですけれども、自治、大蔵両省から伺っておきたいと思います。
#125
○花岡政府委員 国庫補助金等の額につきましては、地方団体がその「事務を行うために必要で且つ充分な金額を基礎として、これを算定しなければならない。」ということでございますが、特に国庫負担金の場合には、その事業に関する国の責任を規定したそれぞれの根拠法とか、あるいは地方財政法の趣旨に照らしながら慎重な検討が必要であるというふうに考えます。
 現在、不交付団体ということで抑制措置がとられておりますのは義務教育費国庫負担金がございますが、御指摘のように、不交付団体におきます教職員給与費のうちの給料等及び退職手当につきまして抑制措置が講ぜられております。これは、この義務教育費国庫負担法におきまして、特別の事情があるときは、国庫負担の限度額を政令で定めもことができるというふうにされておりまして、この法律の定めるところによって行われているものでございますために、地方財政法等に違反するものとは考えておらないわけでございます。
#126
○岡田説明員 お答えいたします。
 まず、一般的な考え方といたしまして、負担金について、その性格から不交付団体に対して抑制するというのはけないではないかという意見があることは承知いたしております。他方で、一方、不交付団体に対する補助金等の抑制措置を講ずるというときに、典型的なものとして歴史的にもあるいは法律に根拠を持って現実に今まで行われてきているものの一番大きなものが義務教育費国庫負担金であることも事実でございます。私ども一般論として言えば、かつて三十八年の補助金等合理化審議会のときの意見なんかは先ほどの見解とはむしろ道ととれるような表現、例えば各地方団体に普遍的に交付される補助金であって、かつ、各地方公共団体に交付される金額が相当大きい補助金によって調整措置を講ずるのがいいのじゃないかと書いておるものもございまして、この辺の考え方はいろいろな考え方があるようでございます。一般的に申し上げれば今申し上げましたような種々の考え方もございますので、この問題につきましては私ども補助金等全体の性格の検討も踏まえまして、幅広い角度からさらに勉強してまいりたいと思っています。ただ、個々の問題につきまして、先ほど先生御指摘の義務教育費国庫負担金における退職金の取り扱いにつきましては、先ほど自治省の財政局長からお答えがありましたように、これは現在の法律の中におけるいわば従来の措置の延長線上の措置であるというふうに理解しております。
#127
○藤原委員 こういうところの議論というのは、どちらかといえば交付団体、財政的に厳しい弱い立場のところの議論がされるのでありますけれども、例えば東京都のように少なくとも徹底した内部努力をし一万人以上の人員抑制策を断行して大変厳しい中で財政再建を図り、赤字から黒字へ転換をしたという、そういう中での努力というのは私はそれはそれなりに評価をしながら、しかも大都市における住民の方々がどちらかといえば、率直に言ったら非常に高い所得税や住民税を払って、実際享受をされる面では財政の均てん化ということで当然全国的な規模で財政運営がなされていきますから、率直に言って自分たちで払った税金が都市の人たちのところへ全部還元できるかというとなかなかそうはいかないのですね。やはりそういったような不満も住民の中に率直に言ってあることも事実でございます。こういう点をお考えいただきながら、やはり不交付団体だからということでいろいろの――全体的なことからいえば私も理解するのでありますけれども、しかし、それはそれなりの大都市の特殊事情なりそういうものを勘案しながら配慮をしてほしいというように、これは自治大臣に要望をいたしておきます。
 先ほど来から大変お待たせ申し上げて恐縮なんですが、時間が参ったようでございますのでちょっと急いでやりたいと思います。
 去る十五日に、閣議で江崎総務庁長官は、四月二十九日の天皇御在位六十周年記念式典と来月の東京サミットに対します過激派の反対闘争に公務員が参加しないように各省庁に要請したというように伝えられておるところでございます。今それぞれこの警備について大変な御苦労を願っておりますことにつきましては敬意を表したいと思います。
 ところで、この総務長官の言からいたしますと、去る十一月の浅草橋の放火事件でもその中に過激派の公務員がいたという事実が発表されておりますし、そういうことを考えますと、国家公務員なり政府関係機関職員あるいは地方公務員等で過激派に属する人々というかそういう者について、警察庁としてはどのように把握をされてこれに対処されようといたしておるか、公務員は国民に対する奉仕者であるわけでございますので、この辺のことについて警察庁から伺っておきたいと思います。
#128
○三島政府委員 お答えいたします。
 極左暴力集団のそれぞれ構成員等の実態を把握するということは大変難しい面がございまして、御存じのように、極左暴力集団は公然面と非公然面がございますが、非公然面は大変把握が難しい。しかし、公然面につきましても、公然とはいいながらも、彼らが例えば公然活動であるデモ、集会に出ます場合にはヘルメットをかぶり覆面をしサングラスをかける、こういう状態でございます。そういう意味で、その実態把握、組織員等の割り出しには大変苦労しているわけでありますが、そのような状況を乗り越えながら、警察といたしましては、彼らのそういう実態をつかんでいくという努力をいたしているところでございます。それで、公務員等につきましては、もしも事件で検挙等いたしました場合に、その中に公務員が含まれております場合にはそれぞれ必要な連絡等を行って対応しているということでございます。
#129
○藤原委員 これは私が申し上げるまでもなく、天皇在位六十年の式典というのは我が国にとりましての国家的な行事でございますし、また東京サミット会議というのは世界各国から首脳がおいでになるというようなことで、これまた日本としても大切な行事であるわけでございます。自治大臣は十分胸に抱きながらこれに対応するという非常に強い決意を前の私どもの岡田正勝議員の御質問にお答えをいただいておりますけれども、どうぞひとつ警察当局におきましては、万々の態勢で間違いのなきように祈る気持ちでお願い申し上げておきたいと思います。お引き取りをいただいて結構です。
 引き続きまして、自治省の消防庁にお伺いをいたしたいと思いますけれども、警察の関係ではそういうような態勢をとっておるわけでございますが、最近過激派が成田空港の関係者の自宅等に対する放火事件だとかいろいろな事件があるわけでありますが、こういったようなことに関連する件数というのは何件ぐらいあるか。
 引き続き質問していきますので、まとめて御答弁をいただきたいと存じます。
 こういった行事を行うということになりますと、当然周辺におきます消防体制というものも強化をしてまいらなければならぬというように考えるわけでありますけれども、防火対象施設の点検であるとか消火、救急なんかの問題についての準備態勢はどのように進められておるかというのが第二点目でございます。
 第三点目は、消防庁の消防施設の整備費が毎年減っておりまして大変遺憾に思っておるところでありますが、やはり整備がおくれないような対策をとることも必要であると同時に、過激派対策ということで予算が必要であれば予備費を使ってでもこれをやるべきではないか、整備を促進し、万々の準備態勢をとるべきではないかと思うのですが、長官の御意見を伺っておきたいと思います。
#130
○関根政府委員 最近の過激派によるものと思われます火災等で消防が出動した件数でございますが、必ずしも全国一律の集計はなされておりませんが、東京消防庁管内におきましては五十八年以来で二十件ほどございます。横浜市で、五十九年に二件、六十年に一件、したがって最近においては三件発生いたしておりますし、大阪市においては、同じように五十九年に三件、ことしに入りましてから一件、合計四件、成田周辺におきましては、成田空港及びその周辺地域において合計十二件の出動といいますか火災案件が起こっております。
 サミットの開催等に備えましての消防としての周辺の対応策でございますけれども、外務省からも、万一の緊急事態に備えて消防が十分対応できるような対応策をとっていただきたいという連絡もいただいております。それを受けたからというわけではございませんが、消防サイドとしても当然のことながらそういったものに対して十分な対応ができるように、特に火事が起こりましたときの消防活動、それから何か緊急事態があって仮にけが人等が発生したといったような場合の救急搬送態勢といったような問題について、病院の受け入れ態勢等を事前に点検するとか、開催期間中は現地の会場、宿舎等にあらかじめ救急車あるいは消防自動車を配置するということも考えております。そういった態勢をとることによって、少なくとも消防サイドとしては万全の態勢をしいていきたいと考えておるところでございます。
 それから、消防施設整備のための補助金が減ってきておる、そういうものを背景にしてこういった警戒態勢等が十分行えるのかという御趣旨のお尋ねでございます。補助金の整理合理化の一環として確かに消防補助金が減らされてきておりますけれども、その中で、ごく必要なものについては数量の点では極力落とさないで済むような、必要なものの整備はできるような予算編成上の工夫も私どもといたしましてはしてきたつもりでございます。特に、昭和六十一年度においては、地方の起債ないしはその元利償還金に対する交付税措置等を含みました防災まちづくり事業というようなものも一緒にかませまして消防力の整備拡充を図っていきたいと考えておりますので、必要なものは何とか整備ができるものと考えておるところでございます。
#131
○藤原委員 意を強くしました。どうぞよろしくお願い申し上げたいと存じます。
 内需拡大の問題で経済企画庁と人事院をお呼びしてございましたが、時間が参りまして大変失礼をいたします。お許しをいただきとう存じます。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#132
○福島委員長 宮崎角治君。
#133
○宮崎(角)委員 私は、当地方行政委員会に所属して以来、一貫して、地方団体の超過負担問題を初めとして国が本来持つべき負担を地方団体に転嫁している諸問題をもとに言及し、またいろいろと追及してきたわけでございますが、百一国会より三回の年度当初の財政審議を振り返ってみますと、国の地方への転嫁がますます増大しているように感じるわけでございます。今回、そういった面について時間の許す限り質問していきたいと存じますので、小沢自治大臣を初めとして各省庁、どうか明快にして誠意ある答弁をお願いするわけでございます。
 まず初めに、自治省によりますと、六十一年度の超過負担解消額は、措置額として国費で百五十四億円、事業費で三百三億円とされておりますが、そのうち保育所の給与格付の改善による額は幾らになっておるのでしょうか、お尋ねしたいと思います。
#134
○花岡政府委員 六十一年度における国庫補助負担基準改善措置のうち、保育所分でございますが、事業費ベースで二百七十六億円、国費ベースで百三十八億円でございます。
#135
○宮崎(角)委員 その保育所の給与格付の改善による超過負担の解消は、五十九年度の関係各省の共同調査によりまして、六十年度、六十一年度の二カ年で行われるものとなっているわけでございます。そういたしますと、六十一年度に改善された額は、少なくともこの一年間は超過負担があるのがわかっていながらそのまま放置されていたということにはならないのか、自治省の答弁を求めたいのであります。
#136
○花岡政府委員 超過負担について二年間で措置したということは御指摘のような形になるわけでございまして、国の方で措置いたす場合に財源との関係もあってこのような措置がとられたものと存じます。
#137
○宮崎(角)委員 六十一年度の超過負担の解消額約百五十四億円の中には物価騰貴分も含まれていると思われるのでありますが、その割合はどれくらいでしょうか。
#138
○花岡政府委員 百五十四億円のうち、実質改善分が三十五億円、物騰分が百十八億円でございます。
#139
○宮崎(角)委員 そういたしますと、百五十四分の百十八となりますから七七%が物騰、二三%が実際に負担解消という形になろうかと思うわけでありますが、大体、物価騰貴分という当然のものを差し引きますと実質改善分は極めて少ない、見かけ倒しじゃないかと思うわけであります。
 ところで、物価騰貴分の改善は六十一年度に超過負担解消が図られたとされている五種類の補助金以外の補助金についても行われていると思うのでありますが、その金額はどのくらいになるのか、これは大蔵省と自治省の両省にお尋ねしておきたいのであります。
#140
○田波説明員 物価騰貴分の改定分という御質問でございますけれども、御存じのように、補助金というのは非常に多種多様になっておりまして、同じ物騰分を措置する場合においても、例えば医療費の改定のような場合は、根っこの医療費が上がるとそれに一定率を掛けたものが補助金の金額ということになります。それからベアで見ているもの、あるいは民間の最終消費支出で見ているもの、中には実勢の単価を用いて地域ごとに異なっているもの、いろいろございまして、申しわけないのですが、一概に物騰分幾らということは出せないわけでございます。
#141
○宮崎(角)委員 ファクターが相当多いのでなかなか物騰分としては出ないというわけでありますが、これまた自治省と大蔵省双方に聞きたいと思うのでありますけれども、自治省は毎年年度ごとの超過負担解消の表をつくっているのでありますが、この表のうちに、実質改善分以外の物騰分については、実質改善をした補助金以外の補助金のものも含めまして、物騰分だけをまとめることはできないのかどうなのか、この辺についての見解をひとつ明確に答弁願いたいのであります。
#142
○花岡政府委員 お示しの表につきましては物騰分と改善分をまとめておりますけれども、この中で物臓物だけ取り出そうということは可能でございます。
#143
○宮崎(角)委員 大蔵省、答弁ないのかな。両省と言ったら両省で答弁してもらいたいのですが、時間の都合で急ぎます。
 これもまた両省にお尋ねしたいのは、近年の物価安定や国の財政難から、毎年補助金ごとに補助基本額を決める際に、物騰分を加えないために補助基本額が長期間据え置かれるという補助金があるんではないか、このように危惧するのでありますけれども、ひとつ答弁を求めたいのであります。
#144
○花岡政府委員 国庫補助負担金等の単価などにつきましては、例えば建設単価等数年間にわたって据え置かれているものもあります。これは近年の物価の安定とかあるいは建設単価の実勢による面もあると考えられますけれども、基本的には物価の上昇等に留意いたしまして実態に合った適正な金額とすべきであると考えまして、この旨関係各省に申し入れをしておるところでございます。国もあるいは地方も国と地方の間の財政秩序の確立のためにもこの物価の動向あるいは給与格付の上昇に応じながらこの辺は速やかに改善を図ってまいりたいと考えておりまして、この旨各省庁に要請をいたしてまいりたいと考えております。
#145
○田波説明員 補助金の算定に当たりましては、毎年度予算編成を行います場合に原則として物価動向あるいはそれ以外の経済事情、そういったものを勘案いたしまして、具体的にはそれぞれの補助金の性格に応じまして人事院勧告であるとか民間最終消費支出あるいは一般的には実勢の単価等によって改定を行いまして、できる限り適正な補助単価の設定に努めてまいったところでございます。今後とも社会経済情勢の推移を見守りながら適正な単価の設定に努めまして、新たな超過負担の発生することがないように努めてまいりたいと考えております。
#146
○宮崎(角)委員 実勢価格における各省庁へのいろいろな指導を自治省としていただいているわけでありますが、また大蔵省の見解もわかったわけでありますけれども、言うまでもなく超過負担というのは、地方団体が行う国庫補助負担事業について、合理的な補助基準に基づいて事業を行う場合に支出することになる額、いわゆるあるべき補助基本額と、国庫補助対象基本額との差額、そういうものであるわけでありますが、昨年地方団体の超過負担の実態について少し私なりに念を入れて調査を行ってみたのでありますけれども、地方団体が依然多くの超過負担に悩まされていることがわかったわけでございます。
 資料はここにたくさん持っておりますが、その中から問題を幾つかピックアップしまして、例えばパトカーなどの警察用の車両が県警で購入されているケースがあるのであります。警察庁は各県警が県費でどのくらいの台数いわゆる警察車両を購入しているか、把握していられるかという点でございます。この辺についてひとつお尋ねを申し上げたいのでございます。
#147
○鈴木(良)政府委員 各都道府県で車両を県費で購入しているという実態のあることは承知いたしておりますけれども、各県でそれぞれ行政サービスを向上させるという見地から独自の立場でやっておりますので、正確な数字は把握いたしておりません。ただ、おおむね一万台程度あるのじゃなかろうか、かように考えております。
#148
○宮崎(角)委員 警察法三十七条第一項六号によりますと、こういった車両の購入はすべて国が負担することになっているのだ、県が負担するのはちょっと適当を欠くのじゃないか、このように思うのでありますが、これは警察庁とさらにまた自治省の両省にひとつお尋ねしたいのであります。
#149
○鈴木(良)政府委員 車両の整備につきましては、先生御指摘のとおり警察法によりまして国庫支弁の対象経費となっているわけでございます。それの理由は、やはり車両というのは警察活動の基盤をなすものでございますから、全国的な斉一を図る必要があるということから当庁でも計画的な整備を図っているところでございます。県におきましては、先ほどちょっと申しましたように、それぞれの県の立場、行政サービスを向上させるという見地から独自に整備を図っておるということでございまして、そういうことで単独事業としてやっておるわけでございますけれども、先ほどのような警察法の建前もございますし、今後とも私どもも車両の整備に力を尽くしてまいりたい、かように考えております。
#150
○花岡政府委員 警察車両につきまして地方が都道府県の一般財源で措置しておるということは、国と地方との財政秩序の維持という見地からは私どもは問題があると考えておりますので、やはり必要、かつ十分な額を確保して地方負担の生じないようにしていただきたいと考えております。
#151
○宮崎(角)委員 そのように県警が県費で車両を購入せざるを得ないというのは、今お答えがありましたように基盤をなすこういったものにつきまして国の配分が少ないからじゃないか、やむを得ないで買っているのだ、私はこのように思うのであります。しかし、これは確かに国、地方間のあるべき負担区分を乱すものだ、負担転嫁であると私は断じたいのであります。警察庁予算がシーリングで抑えられているということはよくわかるのでありますが、警察の職務の性格上必要なものは十分確保するように努力すべきじゃないか、この点、国家公安委員長の小沢大臣に明快な答弁を求めたいのであります。
#152
○小沢国務大臣 自治省と警察と両方一人で所管しておりますので、今二人の答弁を聞いておりましたが、御指摘のように現実問題といたしまして地域のいろいろな行政サービスにこたえるため県におきましてパトカーも購入せざるを得ない、そういう実際上のニーズに警察庁として十分にこたえ切れないでおるということは事実であろうと思います。しかしながら、私もそういった状況を聞きまして、警察は先生御指摘のように国の基本的な治安、国民の生命財産を預かる基盤的な、基礎的な仕事でございますので、この点は十分各財政当局初め、先生方、皆さんに理解をしていただきまして、その点につきましてさらに県で超過負担を生じておるというような現実がなくなるように今後とも努力してまいりたいと存じます。
#153
○宮崎(角)委員 鈴木官房長、ところで今小沢大臣から話がありましたが、警察用のこういった車両のような装備の経費については、私は将来の問題として原則として――原則は変更を得てあると思いますけれども、全額地方で負担する方が効率的だと思うのであります、一般財源化して。そういう方向に行くために、いろいろと地方への財源というものを持っていく。しかし、法はこちらでこうある。そういったことで、今私は提言という形で官房長の見解を求めたいのでありますけれども、ひとつ定かに願いたいと思います。
#154
○鈴木(良)政府委員 やはり車というのは、先ほど申し上げましたように警察活動の基盤をなすものでございますので、全国的な斉一を図るという必要があろうと思います。そういう意味で、私どもはやはり現在の形で、国が整備をしていくという形で進めていくべきではなかろうか、かように考えております。
#155
○宮崎(角)委員 次に参ります。
 さらに私の調査によりますと、今度市町村では共通の問題としまして、小中学校の施設の建設費、保育所の運営費、国保の事務費、国民年金の事務費等について超過負担が特に多いようであります。
 自治省のこの超過負担解消の年次別の表によりますと、小中学校の施設の超過負担解消については、ほとんど毎年解消が図られているということになっておるのであります。六十一年度も国費で三億六千万円解消したとされているのであります。六十一年度の小中学校のいわゆる建物の建築関係の国費は二千二百五十億円でありますが、これから見るとこの金額はまことにわずかなものであります。小中学校の国費は毎年減少していることもありまして、この際、年次計画でもつくって抜本的な解消策を講じてはどうなのか、文部省の見解をひとつ求めておきたいのであります。
#156
○逸見説明員 お答えいたします。
 私は財務課長でございまして、担当は施設助成課長が担当いたしているところでございます。ただ、小中学校の建物費単価それから基準面積等につきまして、地元の実態に合うような形で年々アップを図ってきているところでございまして、私どもはもう超過負担はないというふうに信じておるところでございます。
#157
○宮崎(角)委員 もう少し認識して評価してもらいたいわけでありますけれども、皆無に等しいような発言をしてもらっては困るのです。事例がありますから後でひとつまた私の事務所にもおいでください。
 厚生省にお尋ねいたします。
 厚生省は国民健康保険事務費、また国民年金の事務費について超過負担が多いとされている原因は何だとお考えなのか。特に、最近の制度改正によってこれらの事務が増加している傾向がありまして、その超過負担額も増加している、このように思うが、どういうようないわゆる遠因、近因、そういった原因についてのお考えを持っているのか。厚生省のひとつお考えをただしておきたいのであります。
#158
○近藤説明員 国民健康保険の関係でお答え申し上げます。
 国民健康保険の関係につきましては、一昨年に退職者医療制度ができましたし、さらに高額療養費制度につきましてもかなり複雑な制度化しているわけでございまして、これによりまして保険者の事務量というものも増大しているわけでございまして、これらの事務量の増加に対しましては、国保の補助金におきまして必要な増額措置を講じたわけでございます。
 どうして国保の事務費が実際のかかった事務費を上回るかということでございますが、一つは、国家公務員の給与水準で決めておりますけれども、これを上回るというふうな状況があるわけでございます。それからそのほかに、これは国保だけの問題かもわかりませんが、今までは手仕事で行ってきたものを電算化しておるわけでございます。電算化によりますと当然人が減るわけでございますけれども、人は減らさないで電算化だけ進む、こういうふうな事態が進んでいるというふうに私ども認識しているわけでございます。従前どおり手仕事だけでやっているところはかなりの私どもの交付率という形でいくわけでございますけれども、都市部におきまして電算化はする、人は減らさない、こういうふうな状況ということで、こういった格差、交付率の差というものが出ているのじゃないかというふうに考えているわけでございます。私どもは、そういった独自の負担に帰すもの以外のものにつきましては、実態の調査に基づきまして人件費の動向等を勘案いたしまして毎年事務費を上げているわけでございまして、基本的には超過負担はないのじゃないかというふうに考えているわけでございます。
#159
○宮崎(角)委員 都市部で人を減らさずに電算化が進んだから、また補助金を出しているから超過負担はないのじゃないかという判断のようでありますが、その超過負担が多い多いというのは、確かに多いのです。もう少しよく精査をし分析してみれば、ああ、ここにこうだったのかということがおわかりじゃないかと思うのでありますけれども、これは五十四年度に共同調査がされたっきりなんですよ。国民健康保険の事務費については五十四年、国民年金の事務費については四十年代にされたっきりですよ。何を対象にするかについては地方団体の意見を聞いているのかという感じがしてならないのであります。これが第一点。
 聞いているという返事が来るのかわかりませんが、もし聞いているとすれば、このような費目は地方団体から求めていると思うのでありますけれども、対象として取り上げないのは何なのか。二十年前からたった一回だけこういった調査をして今日まで営々として微修正をし、補助金という名のもとで超過負担がないような発言のようでありますけれども、あなたは二十年前にその所管にいなかったかもしれないが、現実三千三百の自治体の中にはこの種に係る問題が大きくアップしているのじゃないかと思いますがゆえに、定かにしておきたいのであります。厚生省と自治省。
#160
○近藤説明員 国保の関係は、確かに先生御指摘のように五十四年の調査ということで現在動いているわけでございまして、その後の人件費等につきましては、それのアップの動向に応じまして手当てをしているわけでございます。国保の事務費の調査は例年、例年といいますか従来の経緯から申しますと、国民年金の事務費の改正と同時に行うことにしてございまして、年金制度につきましてはことしの四月から実施されましたので、その事務が平常化した段階で調査を実施した方がいいのではないかというふうに考えているわけでございまして、今後関係省庁と相談いたしまして検討してまいりたいというふうに考えております。
#161
○花岡政府委員 国保の事務費と国民年金の取り扱い交付金でございますが、御指摘のように、四十九年度に実態調査を行いまして、その後も逐年解消を図ってきたところであります。しかし、なおまた超過負担が多いということは地方団体の方からも強く要望されておりまして、昨年七月でございますが、地方超過負担解消対策特別委員会という名におきましても、この二つのものは解消の要望が出ております。私どもといたしましても関係省にお話をしておるわけでございますが、これらの事務につきましては、例えば退職者医療制度の創設が五十九年十月にございました。それから年金制度につきましては、六十一年の四月一日から大改正が行われるということで、市町村の事務内容の変更があるということがございますので、現在、実態調査の見直しはちょっと見合わせておる状況でございますが、この制度あるいは事務執行のあり方が安定した段階では、厚生省あるいは大蔵省と一緒になりますが、この超過負担の解消につきまして、その時点で行おうという約束をいたしております。
#162
○宮崎(角)委員 大変前向きな答弁であります。特にまた、厚生省も各省庁とのいろいろな打ち合わせをするというような方向でございますが、ぜひそうしていただきたい。省庁間の連携や相談といった方向こそ、私はこういった孤立的な地方への大きいホットな行政の一端だと思うわけでありますがゆえに、ぜひお願いしたいのであります。
 視点を変えまして、補助金の一般財源化についてお尋ねしたいわけであります。
 六十年度に、文部省の義務教育費国庫負担金の旅費あるいは教材費が約百十億円、一般財源化されました。これらについては、交付税に算入され、また、地方財政法でもこれらの経費は国が負担金として負担するものでない旨改正されたのであります。さて、六十年度から、教材費について、予算上どの程度計上するかは市町村が自主的に判断してよい経費になったと解釈していいのかどうなのか、この辺についての見解を求めておきたいのであります。
#163
○逸見説明員 お答えいたします。
 教材費、これは先生御案内のとおり学校教育を正常に運営いたしていくためになくてはならない基本的な設備でございます。そして、各市町村がこれを基準どおり備えていくこと、これなくしては全国的な水準の維持は図れないということで、学校教育上極めて重要な措置でございます。そういうことでございますので、私どもは従前、負担金制度のもとにおきまして教材費の基準を設けまして、それにのっとって予算を獲得し、各市町村に整備をしていくよう指導しておったところでございます。
 ところで、これを六十年度から一般財源化いたしたということで、従来ございました基準そのもの、これは国庫負担制度を実施していくための基準でございますので、一応そこで形式的には切れるわけでございますが、私どもといたしましては、学校教育に持つ教材の重要性にかんがみまして、これは今後は市町村におきまして参考としていただくべき基準であるということに切りかえまして、そういった方向で指導を続けておるところでございます。
#164
○宮崎(角)委員 交付税に算入されたとはいえ、交付税は使途が限定されていない自由財源だから、六十年度の教材費が五十九年度よりダウンしたという市町村が出てもやむを得ないと私は思うのであります。ところが、文部省は、このような市町村に対して、他の文部省の補助金をてこにして教材費の計上を辿ったということを聞いているが、これは事実ですか。
#165
○逸見説明員 お答えいたします。
 六十年度の早々のころにそういった指導をいたしたことがございますが、現時点におきましてそういったことは行っておりません。
#166
○宮崎(角)委員 六十年度の早々のころというが、そうすると、それはどんな意味でやったのですか。
#167
○逸見説明員 お答えいたします。
 先ほど申し上げましたとおり、教材の整備、これは市町村が義務を負っておるものでございます。が、市町村によってそれがアンバラがある、極めてアンバラがあるということでございますと、全国的な義務教育の水準が保たれません。そういった一つの大きな立場がございます。それと、片一方では一般財源化された、こういうことでございますので、その両方の兼ね合いをとる、その接点をどこに求めるかということでございますが、私どもは、その両方を尊重しつつ適正な指導を続ける、こういうつもりでございます。
#168
○宮崎(角)委員 では、自治省に聞きますが、学校の教材費の予算計上がダウンする、減少するということは、私も二十年間学校現場におった経験からしまして、教育水準の維持という点から見て問題ではありますが、予算配分は市町村長が全体のバランスを見てその責任で処理すべきことで、文部省のとった措置はおかしいと私は思うのです。補助金の一般財源化は今後も進められると思うのでありますが、一般財源化に伴う行政水準を維持するための国の指導のあり方について、自治省はどのようにお考えなのか、定かに答弁を求めたいのであります。
#169
○花岡政府委員 例えば教材費につきましては、市町村長が適正な予算を計上されるということになるわけでございますけれども、文部省におかれましてどのような措置といいますか指導をされたのか、つまびらかでありませんが、御指摘のように地方交付税は使途の制限のないものでございますから、これについて市町村あるいは地方団体がどのような財源として使用しようとも、これはとやかく言える筋合いのものではございません。ただ、国庫補助金、負担金、こういったものが一般財源化されますということは非常に重要な制度の改正でございますから、私どもといたしましても、本来ならばこのようなことがあったというだけで済むわけでございますけれども、やはりこれを周知徹底させますためには、このような事情で一般財源化して交付税にはこれだけの経費を計上しておるからできるだけそのような趣旨をくんで措置をしてほしいということは、地方財源の運営通達におきまして、あるいは各種の総務部長会議、関係課長会議等におきまして、周知徹底を図るようにいたしておりますし、そのようにお願いをするということは、この制度改正の時点にわいてはやむを得ないと考えております。
#170
○宮崎(角)委員 ここで私は、超過負担のいわゆる定義なるものを冒頭に申し上げたわけでありますが、地方交付税の基準財政需要額にはこの超過負担というのは含まれていませんね。
#171
○遠藤説明員 お答え申し上げます。
 基準財政需要額の算定につきまして、特に国庫補助事業等の事業費を算定する場合には、補助事業による金額を算定の基礎にしてそれから国費を引くということになりますので、超過負担分を交付税で見ているということは原則としてないと考えております。
#172
○宮崎(角)委員 そうすると、交付税にも入っていないとすると、地方団体は、かくかくしかじかのこの超過負担の財源をどこかで見出さなければいけないということになりますね。制度の上では交付税の留保財源でカバーするということになっていると思うのでありますが、この辺はどうなんですか。これが一つ。
 それから、大臣に二つ目にお聞きしたいのは、臨調や行革審ではこの留保財源の率を引き下げるという考え方が出ていると思うのでありますが、それをするなら、まず国が超過負担を完全に解消してからということになると思うのであります。この留保財源の引き下げと超過負担の関係についてどう思われるか、自治省並びに大臣にしかとお尋ねしておきたいのであります。
#173
○花岡政府委員 この超過負担部分を留保財源で賄っておるかどうかということでございますけれども、結局交付税でも見られていないということになりますと、何らかの財源で措置といいますか、手当てを地方団体みずからにおいてしなければならないわけでございますから、これは留保財源を含めまして、その他の地方の財源で措置をしていくということになるわけでございます。」それから、留保財源の問題につきましては、いわば具体に申しますと、留保財源率をどういうふうに設定するかということにつきましては、地方財政計画上の標準歳出をどの程度まで基準財政需要額に算入するかという問題でございます。したがいまして、いわばこれは地方団体間の財源配分の問題になるわけでございます。一方、国庫補助負担金にかかわります超過負担というものは国と地方間の財政秩序を適正に保つための問題でございますから、これは速やかに是正しなければならないという性質のものでございます。そういう意味で、超過負担の解消と留保財源率の問題とは全く別個の問題であると考えております。
#174
○小沢国務大臣 今も財政局長から答弁ございましたとおりでございます。
 留保財源は、いろいろ理由はあると思いますけれども、地方が独自の施策をその中で展開していけるようにという要素が非常に大きなものであると思います。したがいまして、この超過負担の問題とは全く別でございますし、また、もちろん交付税の問題とも別の問題でございますし、そういうようなことからの留保財源の論議というのはこれは間違えた議論であろうと思います。
 いずれにいたしましても、超過負担の問題、国と地方間の大変基本の問題でございますので、これはできるだけその解消に努めなければならないと思います。今後とも各省庁とも十分協議してそのような方向で対処してまいりたいと思います。
#175
○宮崎(角)委員 大臣のすばらしい名答弁をお聞きしているわけでありますが、地方財政運営の基本として第二条の二項に「国は、地方財政の自主的な且つ健全な運営を助長することに努め、いやしくもその自律性をそこない、又は地方公共団体に負担を転嫁するような施策を打ってはならない。」と明記してありますので、地財法第二条第二項をしかと踏まえた各省庁間の連携ということでありますから、しっかりと見守っていきたいと思います。
 厚生省にお尋ねしたいわけでありますが、六十年度の補助率引き下げ一括法案の審議の際に、大蔵省は法案に関係している補助金は法案成立まで地方に交付できないと述べたことがありますね。そのため、例えば生活保護費補助金は四月から五月分が交付期間までに交付されずに、地方は立てかえるために資金調達を必要としたわけです。このいわゆる金利に対する地方負担というのは大変なものだと思うのでありますが、どのように補てんされたのか、厚生省にお尋ねしたいのであります。これが一点。
 同じく厚生省にお尋ねしたいのは、今回も四月分の生活保護費補助金を交付していない。これはどうしてか。その地方団体の補てんをどうするのか。あわせてひとつ明快に御答弁を求めておきたいのであります。
#176
○末次政府委員 昨年、補助金特例法の審議の関係で交付決定がおくれました厚生省関係の補助金に関しましては、その間、地方公共団体が資金繰りのために負担いたしました金利等につきましては、結果として実質的に財政負担を生ぜしめることのないように措置したところでございます。
 やや細かくなりますが、具体的に生活保護費の補助金を例にとって申し上げますと、まず補助金特例法の交付施行日でございます五月十八日に、既に地方公共団体で支弁されました四月分と五月分と、さらに当面必要な六月分に加えましてさらに七月分も含めました合計三千四百七十九億円を前倒し的に交付いたしております。また、八月分につきましても、通常は七月二十日ごろに支払い計画の示達を行っておるわけでありますが、昨年はこれをさらに早めまして六月十五日に約八百六十六億円を資金交付いたしました。これによりまして地方公共団体の金利負担は実質的に解消することができたというふうに考えております。
 さらに、ことしの場合でございますけれども、ことしの場合におきましても、現在御審議をいただいております補助金特例法案の成立を見ない段階で資金交付を行うことは困難であるというふうに考えております。地方財政に実質的な財政負担を生ぜしめることのないように、昨年講じました措置と同様の措置を講ずるということを検討していきたいというふうに考えております。
 いずれにしましても、年度を通じまして計画的に財政運営が確保することができますように補助金特例法案の早期成立をお願いいたしているところでございます。
#177
○宮崎(角)委員 内閣法制局お見えでございますか。――今の答弁でありますけれども、一括法案が成立していない間は現行法が生きているんですから、現行法で資金交付ができるのではないかという考えを持つということが一点。
 もう一つは、一括法案の不成立を理由に本来の交付時期までに補助金を交付しないのは、いわゆる「国の支出金の支出時期」を規定している地財法の第十九条違反ではないか。「国の支出金は、その支出金を財源とする経費の支出時期に遅れないように、これを支出しなければならない。」このように規定されているのでありますけれども、これについてひとつしかと承っておきたいのであります。
#178
○大出政府委員 御質問は二点あったかと思いますが、まず最初の方の問題でございます。いわゆる補助金等特例法案が成立しない時点において現行法に基づいて国庫補助負担金の交付決定というものを行うことが可能かどうか、こういう点でございますが、これは法律論としてはそうしたからといって違法になるということではないと考えます。しかしながら、この場合におきましては現行法による補助負担率で交付決定を行うことにならざるを得ない、こういうことになると思うわけでありますが、こういたしますと、政府としては予算と表裏一体のものとして補助金等特例法案において補助負担率の引き下げを提案し、審議をいただいておる、こういう状況にあるということと、既に成立をしました予算はこの補助金等臨時特例法案の成立を前提として予算が組まれておるというような事情もあるわけでございまして、このような事情を考慮いたしまして、責任のある財政運営を行う、こういう見地から引き下げ前の補助負担率、つまり現行法で交付決定を行うことはしばらく差し控えざるを得ない、こういうような政府当局の考え方というのも理由のあることであろうというふうに考えておる次第であります。
 それからもう一つでございますが、生活保護費に係る国庫負担金の支出の時期の問題に関連して、地方財政法第十九条との関連についての御質問でございますが、この規定は「国の支出金は、その支出金を財源とする経費の支出時期に遅れないように、これを支出しなければならない。」というふうに規定をいたしておるわけであります。この支出金の支出時期についてのいわば基本的な原則を定めておるということであろうと思いますが、これは地方公共団体に対する円滑な資金繰りを確保する、当該事業の執行に支障が生じないように配慮する、こういう趣旨のものと考えられるわけであります。したがいまして、いかなる場合においてもいささかの遅延も許さないという趣旨の規定ではなくて、国においてやむを得ない特段の事情があるような場合におきましては、国の支出金の支出時期が従来のそれよりもおくれるということがありましても、そのおくれの程度が地方団体の資金繰り等の状況から見まして合理的な範囲内のものであれば、そのようなおくれをもって直ちに同項に違反をするということにはならないのであろうというふうに考えておるところであります。
 以上でございます。
#179
○宮崎(角)委員 六十年度、六十一年度と続いた国の補助率の引き下げに伴ういわゆる地方の負担の増加、これによる財源の不足こそ最大の負担転嫁ではないかというのは、いわゆる地方財政運営の基本、地財法第二条の二項をもってしたわけであります。
 昨年の補助率引き下げに際して、政府は、それによる地方の負担増については国で補てん措置を講じて地方財政の運営に支障のないようにしたから、地方財政法第二条の二項で禁止しているこういった地方への負担転嫁にならないといったようなニュアンスの今の答弁であったわけですね。実際にも個々の地方団体の財政運営に支障がなかったかどうかは甚だ疑問でありますけれども、本年の場合は一兆一千七百億円の負担増に全国ベースでなっておるわけであります。
 さて、法制局にお尋ねしたいのは、ちょっと計算してみてください。六十一年度の一兆一千七百億円については、地方たばこ税の引き上げ一千二百億、国の交付税特例加算一千二百億、地方団体のいわゆる自前の借金である地方債の増発九千三百億で穴埋めされているんです。そして、国は六十六年度以降に四百億を交付税に加算して、また、一部の起債四千二百億円の元利償還金の二分の一をこれまた六十六年度以降の交付税に加算するとしている。そして、一兆一千七百億円に対して、最大限国が幾ら負担することになるかを計算しますと六千百四十億円になるんじゃないかと思うのでありますが、地方たばこ消費税の引き上げ分一千二百億円を加えても七千三百四十億円にとどまり、なお四千三百六十億円は地方の自己負担ということになりはしないか。このような形の財源対策では、地方への負担転嫁ではないか、つまり地方財政法二条の二項違反ではないか、このように私は考えているのでありますけれども、これは一つは法制局、一つは自治省の方にお尋ねしておきたいのであります。
#180
○大出政府委員 お答えを申し上げます。
 地方財政法の第二条第二項との関連での御質問でございますが、私の方は法律的な立場から、ごく一般論を申し上げさせていただきたいと思います。
 地方財政法の第二条という規定は、地方財政運営のあり方につきまして、国及び地方公共団体の双方の側から、その基本的な原則というものを定めたものであると思います。
 ところで、地方財政法の第二条第二項でありますが、国が「地方公共団体に負担を転嫁するような施策を打ってはならない。」こういうふうに規定をいたしておりますが、ここに言う「負担を転嫁するような施策」といいますのは、例えば国家的な見地から本来国の責任において処理すべき事務を、所要の財源措置を講ずることなく地方公共団体にその事務として押しつけるというような施策を行うことなどを言うものと考えられるわけであります。すなわち、地方財政法の第二条第二項というのは、個々の事務事業に関連をいたしまして、その経費を国と地方がどのような割合で負担するかまで定めた規定ではございませんで、当該負担割合につき、一定の政策的な配慮のもとに、従来の負担割合と異なる定めをするということが同法第二条第二項に違反をするということには直ちにはならないというふうに考えておる次第であります。
#181
○宮崎(角)委員 国家的見地から本来国の責任においでなすべき事務を地方にいわゆる押しつけ的にしないから、それは違反じゃないと言うんだが、それでは、一体どんなケースがこの地方財政法の第二条第二項の違反になるのか、その事例を挙げて説明願いたいのが一つ。
 大臣にお尋ねしたいのですけれども、既に政府が講じた措置について内閣法制局が法律違反だとは言えない、こう言っておるのですね。しかし、その経過を見まして、少なくとも補助率の引き下げはこの規定の趣旨に沿うものではないと思うのでありますけれども、ひとつ大臣の見解と法制局の事例の発表を求めたいのであります。
#182
○大出政府委員 具体的にどのようなケースが地方財政法第二条第二項の規定の趣旨に反することになるのかということにつきましては、私ども内閣法制局といたしましては、具体的な事務処理に直接当たっている機関ではございませんので、具体例を挙げて申し上げることは大変困難でございます。
 ただ、この規定の趣旨とするところのものは、地方自治の本旨から見まして、地方と国との間にはおのずから一定の役割分担というようなものがあるはずであろうというふうに思います。そのような観点から見まして、地方団体が処理すべきでない、そういう性格の事務、そういうものにつきまして国がその財政負担を押しつけるというようなことは、本条に反して許されないということであろうと思います。
#183
○花岡政府委員 今回の措置が地方財政法二条二項に違反しないかということでございますが、これにつきましては、いわゆるたばこ消費税の税率の引き上げ、あるいは地方交付税の特例加算、それにその他起債で措置をしておりますけれども、後年度における交付税の増額措置も約束をいたしておりますし、そして元利償還金につきましてもそれぞれ今後適切な措置を講ずることにしておりますし、こういった交付税の後年度による措置を含めましてもなお交付税総額に不足をするという場合におきましては、それぞれの各年度におきまして所要の交付税措置を講ずる、交付税の安定的確保を図るというふうな考え方でございますので、この地方財政法に言いますように、負担転嫁と申しますが、国家的見地から本来国の責任において処理すべき事務を地方公共団体に行わせ、しかもそれに対する十分な財源措置を講じない場合がこれに当たるわけでございますけれども、今回の国庫補助率の引き下げに関しましては財源措置を講じておりますので、この法律の規定に違反しているとは考えておりません。
#184
○宮崎(角)委員 私は、最後に自治大臣にお尋ねしたい二つの項目がございますので、よくお聞きになって答弁を求めたいのでありますが、国の補助率ダウンによる地方の財源不足は、一般的な地方財政の悪化による財源不足とは全く異なるものである、このように考えます。経済の変動等に伴う一般的な財源不足なら、各地方団体はまだおのおのの計画的な財政運営の中で処理することもできるのでありますが、国の一方的な補助率引き下げで生じる財源不足については違った対応が必要になるのじゃないか。しかも、その財源補てんが起債で行われるということになると、地方団体は事業執行に非常に慎重にならざるを得ないのじゃないか。県よりも市、市よりも町村と小規模になればなるほどそうでありまして、五十九年度決算の公債費負担比率を見ましても、地方団体平均では一四・三%でありますが、町村では一六・九%に達しているのでありまして、これ以上の起債による補てんは無理ではないのか。きめ細やかな対策を希望しておきたいのでありますが、大臣の見解をお伺いしたいのであります。
#185
○小沢国務大臣 今回の国庫補助負担率の引き下げによる補てん措置、ただいま財政局長も答弁いたしましたように、地方債の元利償還等につきましても交付税措置によって補てんいたしまして、地方財政の運営に支障を来さないようにということでございます。
 しかしながら、現実問題として地方の公債費負担率も上がり、そしてまた交付税に占めるその経費もふえておるわけでございます。そこからいろいろな議論が出てくると思いますけれども、そのことによりまして地方財政が結果として破綻してしまうというようなことになりますればそれは大変な問題でございますけれども、私がいろいろな質疑の中で申し上げておりますのは、それに必要な交付税総額を確保する、そのためには、もし今日の状況で対応できなくなれば交付税そのものの仕組み、制度等、そういうものを見直してでも交付税総額を確保していかなければならないのではないか、その意味において自治省の責任は重いし、また、それを絶対確保していくようにしなければならない、そう私は考えておるところであります。
#186
○宮崎(角)委員 最後にもう一点、大臣の御決意をお尋ねしたいのであります。
 今までも、当委員会で、地方団体の財政力の格差が新たな地域格差を生みかねないという疑念が再三各委員から指摘されてきたところでございます。例えば、国の財政難から民活を内需拡大のてこに利用しているが、関西国際空港とか東京湾横断道路とか明石架橋等いずれも大都市圏に集中しているのであります。私は日本の西の最果て長崎でありますが、民活である以上ある程度の収益が見込めない限り事業化は困難でありまして、そのため民活は人口、産業が集中している大都市に偏らざるを得ないであろうとは思いますものの、しかし、これでは四十年代に縮小しかけた地域格差がまた再び拡大することになりやしないか。公共事業の配分については、思い切った地方ゾーンといいますか地方圏のウエートを高めるなど、自治大臣の積極的な行動を期待するのでありますが、この点についての大臣の見解を伺って、私の質問を終わりたいと思うわけであります。
#187
○小沢国務大臣 民間活力の活用につきましては、大都会だけではなくて地方においてもその有効な活用をしていかなければならないということでございますけれども、実体の問題としては、先生御指摘のようなことでどうしても大都市圏に偏りがちでございます。そういうような意味ももちろん含めまして、また、本来のいわゆる再配分機能ということもあるわけでございますので、先般の閣僚会議で決定した中におきましても、そういった地域のいろいろな事情を十分考慮して公共事業も執行していかなければならないということも取り上げておるわけでございます。私どもも、その点につきましては先生の御意見と同感でございます。今後各省庁において、公共事業配分、執行するに当たりまして十分それらを念頭に置いて対処してまいりたい、そのように考えております。
#188
○宮崎(角)委員 以上で終わります。
#189
○福島委員長 柴田弘君。
#190
○柴田(弘)委員 地方交付税法等の一部改正案の採決の前の貴重なお時間をいただきまして、質問をさせていただきます。委員長を初め各委員の皆様方に感謝をいたしている次第であります。
 私は、きょうは地方交付税の問題に関連をいたしまして、まず自治省が考えております国際交流プロジェクト構想といった問題についてるる御質問をしたいと思います。
 いよいよ国際化の進展ということを考えた場合に、ただ単に国レベルの国際化という問題でなくて地方自治体の、いわゆる地域レベルの国際化の進展というものは今後大いに考えていかなければならない、かように私は感ずるわけでありますが、まず大臣の御見解を伺っておきたいと思います。
#191
○小沢国務大臣 我が国が国際国家になり、国際間でお互い助け合い、協力していくということが一層必要になってくるわけでございますが、その中におきましてもその基本は、人と人との相互理解、触れ合い、つながり、そういうものであろうと思います。したがいまして、先生御指摘のように、各地域において国民一人一人のそういうつながりの中にこれを見出していかなければならないと思います。したがって、地域といえば地方公共団体を中心にいたしまして、こういった国際化、お互いの交流、相互理解といったものは、制度にもぜひとも我々も後援しながら、一層進めていかなければならない、そのように考えております。
#192
○柴田(弘)委員 そこで、具体的に国際交流プロジェクト構想の事業内容等についてお伺いをしてまいります。
 これは、いつ策定をし、いつから実施をされるのか、また財政措置はどう考えておられるのか、三点について自治省当局にお尋ねをしたいと思います。
#193
○石山(努)政府委員 国際化の進展に即応いたしまして地域レベルでの国際化が非常に重要な問題であるということは、ただいま大臣からお答えを申し上げたところでございますが、御指摘の構想につきましては、六十一年度の予算編成に関連をいたしまして検討を重ねて、現在に至っているものでございます。六十一年度におきましては、地方公共団体における円滑な国際交流を促進いたしますために、地方公共団体におきます国際交流の実態や各界の有識者の御意見等も踏まえながら、地方公共団体における国際化対策の指針を策定をするということにいたしております。地方公共団体におきましては、この指針を参考といたしまして、国際化推進計画とでもいうべきもの、まあ団体によって名称等は違ったものになるかもしれませんが、それぞれの地域において今後国際化を推進をしていく、そのための計画をそれぞれの地域の実態に即して策定をしていただきまして、計画的に幅広い国際交流事業というものを実施をしていくこととしたいというふうに考えておるわけでございます。もちろん、これらの事業を推進していきますためには適切な財政措置を講ずるということが必要でございますので、今後所要の財政措置を講ずることについても十分に検討してまいりたい、かように考えております。
#194
○柴田(弘)委員 そこで、繰り返して恐縮ですが、まず自治省が国際化対策の指針を策定する、これは六十一年度中に策定をすると考えてよろしいかどうか。それに基づいて自治体が国際化推進計画を六十一年から六十二年にかけて策定をする、そして交際交流事業を実施する、そして所要の財政措置は地方交付税において措置する、これはもう大体六十二年度から。こういうような理解でよろしいかどうか、一言、いいならいいと言ってください。
#195
○石山(努)政府委員 御指摘のとおりでございまして、交付税措置につきましては一部六十一年度から措置をするということにいたしております。
#196
○柴田(弘)委員 具体的に、一体それでは国際交流事業というのは何をやるか、こういうことで、実は大臣、昨年の十一月八日だったと思いますが、本委員会において私は、いわゆる語学指導を行う外国青年を招致したらどうかという問題で、古屋自治大臣初め自治省当局に御質問をいたしました。そしてその促進を要望いたしたわけでありますが、やっと本年度からいよいよ具体化をする、こういうことになってまいりました。
 そこで、これは当局で結構でございますが、この外国青年の招致についての計画の事業内容、その具体的手順、実施時期、招致目標、財政措置というのは地方交付税の基準財政需要額の中で経費の項目を設けて措置する、こういうことでありますが、その点、簡潔で結構でございますから御答弁をいただきたい。
#197
○石山(努)政府委員 御指摘の外国青年の招致につきましては、先ほど申し上げましたような、地域における、地域レベルでの国際化を促進をする、そういう観点から、地方公共団体の単独事業として知事、市長が自主的に定める計画に従いまして外国青年を招致をする、それによって地域住民との交流でありますとかあるいは中学校、高等学校等における語学指導等を行う、そういう事業を進めたいというように考えておるわけでございます。
 具体的に何人を招致するかということでございますが、これは今後地方公共団体の希望に応じて検討するということになるわけでございますが、当面の目標としては三千名程度を考えております。ただ、初年度から直ちに三千名というのはなかなかそうもいかないという事情もございますので、初年度におきましては都道府県、指定都市を対象として五百名程度を目途といたしております。
 それから招致の相手国でございますが、当面英語圏を考えまして、米国が三百名程度、それから英国、オーストラリアが各百名程度ということを予定をいたしております。次年度以降、地方公共団体の希望等も踏まえながら、順次これを拡大するということにいたしてまいりたいと考えております。
 初年度分の手順でございますが、六十一年度において知事、市長が定めますところの配置活用計画、それに基づいて在外公館を通じて外務省が募集、選考等を行い、具体的に外国青年を配置活用するということになりますのは六十二年の夏ごろというように考えております。
 これらの事業に要する地方団体の経費につきましては、御指摘もございましたけれども、地方交付税において措置をするということで検討いたしております。
#198
○柴田(弘)委員 そこで、今文部省が行っているいわゆるこの補助制度でありますね。私は名古屋市でありますので、名古屋市の実態あるいは愛知県の実態というものを調査してまいりますと、名古屋市は五十九年度に名東高校が建設をされた。その建設をされたのと局時に英語科を新設して、ロサンゼルスからアメリカ人の教師を一人招聘した。ところが、この六十一年度は男女一人ずつ二名、そしてこの九月にはもう一人招聘をして三人にする。ところがこれは単独事業であります。市の単費の事業でやる。それからもう一点は、中学校、高校を巡回して英語を教える外国人英語教師七人がいわゆる指導主事助手として採用をされている。これもいわゆる単費事業である、こういうことであります。
 それから、愛知県の場合は、これはやはり文部省のMEF制度でアメリカ人が三人、イギリス人が一人、これは県立の千種高校に国際教養科が新設されたのに伴い、おるわけであります。
 愛知県の場合は、これはいわゆる文部省のこういった制度でありますが、名古屋市の場合はみんな単費事業でやっている。そして、名古屋市が一生懸命に何とかひとつふやしたいから補助をしてくれ、こう言っても、文部省の方では国の財政事情等々もあって、これがなかなかできない。今度、いわゆる地方交付税の基準財政需要額の中で新しい項目を設けてやられる、財政措置をされる、そして地方の単独事業にされる、こういうことについては、私はまあまあいいことじゃないかな、こんなふうに感じておるわけであります。
 そこで、例えば文部省の場合も、先ほど言いましたように財政事情が問題でありますから、アメリカ人の英語指導主事助手制度は、これは五十二年度からスタートしておりますが、五十八年から六十一年度まで全然変わらない、ふえない。ちなみに、六十年度の年間予算は一億四百五十四万円で、七十八人の補助をしている。それから五十三年からスタートした英国人の英語指導主事制度というのは、これも五十八年から変わっていないわけです。六十年度のこの予算措置も、六十一年度も一緒でありますが、七十一人ということで三千万円。両方で、七十八人と七十一人ですから百四十九人、それ以外に県等が単独でやっておるのが八十九人でありますから、合計二百三十八人であるということですね。これが、とりあえず初年度が五百人、そして当面の目標値として三千人ということは、私は非常に地方自治体としては歓迎すべきことじゃないか、このような考えを持っております。
 そこで、文部省にお尋ねをいたしますが、やはりこうした自治省の制度が発足する。そうすると、文部省の制度というのは一体どんな方向へいくのか、その辺の調整というのはどう考えてみえるかという点が一点。
 そしてもう一つは、せっかく自治省がこういったいい制度を発足をさせるのでありますから、ぜひともひとつ協力していただきたい。やはり教育の場ということは、これは文部省が主管でありますから、その辺のところを勘案して対応していただきたい。この二点をお尋ねをしてまいります。
#199
○阿部(憲)説明員 今日国際化が進む中におきまして、学校教育に外国語教育の改善充実を図るということは大変重要なことでございます。こうした観点から、文部省も積極的に外国人の英語教育の指導者の導入を図ったりするなどの諸施策を講じているところでございます。
 ただいまの自治省が構想しております外国青年招致事業につきましては、すぐれた外国青年が学校教育の場に多数招致されまして、各教育委員会、学校の適切な指導のもとに、外国語教育の改善充実に資することができますよう、文部省といたしましても、教育行政に責任を負う立場からその実施方法等につきまして自治省と今後十分協議してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
 そうした過程におきまして、さらにこの構想が具体化される中におきまして、文部省において行っております既存の事業との調整をどう図っていくかということは、今後検討してまいりたいというふうに考えております。
#200
○柴田(弘)委員 将来、これは両省の調整問題が出てくると私は思うのですね。これは、きょうはここでは議題にいたしません。これから相談されるということでありますから、それはただ一点御指摘を申し上げたい。
 次に、外務省です。
 先ほど自治省の方の御答弁をいただきまして、在外公館を通してあっせんをする、こういうことですね。恐らく六十一年度予算も、そのためのあっせん費というのか、それは外務省予算もついておると思うのですね。それが幾らかということですね。
 それからもう一つは、やはり文部省と同じようにこの事業に御協力をいただきたい、こういうように思います。
 この二点、いかがですか。
#201
○神長説明員 本件の計画につきましては、私どもとしては、二つのメリットがあるというふうに思っております。
 一つは、当然ですけれども、英語教音の向上、そしてまた、それを受ける青少年の国際交流の素地を培うという点でございます。それからもう一つは、外国から来る青少年が日本の認識を新たにする、正しい日本の認識を持ってもらうということでございまして、この二つの効果が相まって、相互の国際交流それから親善、友好関係の増進ということに寄与するというふうに思っております。
 先ほど御質問のありました点につきまして、こういう観点から外務省といたしましても、本件事業を、文部省がただいま行っております、先ほど来御指摘の英国人英語教師の計画と同様に積極的に推進していきたいというふうに思っております。
 それから、御質問のありました予算につきましては、六十一年度として一千百万円を計上いたしております。
#202
○柴田(弘)委員 財政局長、どうもお待たせいたしました。そこで、私は財政局長に三点御質問したい。
 先ほどから私がべらべらとしゃべってしまったからあれなんですが、一つは、これは地方交付税で措置するということであるわけですね。そうすれば当然、六十一年から六十二年、こうおっしゃったのですが、やはり新しい国際交流費の項目をいわゆる基準財政需要額の中に算入しなければならぬのか、既定経費の中でできるかどうかという問題が一つある。僕は、新しい項目を設けなければいかぬじゃないか、こういうような気がするのです。
 それから二つ目には、やはり一人幾らかかるかという問題なんですね。これは審議官の御答弁になるかもしれませんが、聞くところによると、年間四、五百万ぐらいかかる。だから、五百人募集すれば二十億から二十五億、三千人の目標ということであれば百二十億から百五十億、こういうことになりますが、そこら辺の金額の算定はどうなっているか。これが二つ目です。
 それから三つ目には、局長、いかがですか、せっかくの事業ですから、どうかひとつ十分な財政措置をしていただきたい。
 この三点ですが、どうですか。
#203
○花岡政府委員 この外国人青年の招致事業につきましては、その所要経費につきまして、六十一年度の普通交付税で措置をすることにいたしております。その費目はその他諸費の人口分に算入いたすわけでございますが、国際交流部分として単位費用の積算基礎の中には明らかになりますが、大きな方の法律にまで出てくるような項目ではございません。これは、先ほど申しましたようなその他諸費という中に入ってまいります。
 それから、どの程度であるかということでございますが、現在のところ、出資金という考え方で見ておりますものですから、標準団体におきまして百五十万円、総額といたしまして一億二千七百万円でございます。今後所要の経費が出てまいりますときには、それに応ずる対策を計上してまいりたいというふうに考えております。
 十分な措置をせよということでございますが、これは、その時点におきまして適切な対処をしてまいりたいと存じます。
#204
○柴田(弘)委員 そうすると、繰り返しますが、六十一年度の中には別に新しい項目でなくてももう既定経費の中で一億二千万措置されておる、こういう理解でいいですね。
 それともう一つ、六十二年度以降はその人数に応じて適切な措置をしていく、その場合には、先ほど私が言いましたように、新しい項目は設けなくてもいいかどうか。
 その二点、しっかり御答弁いただきたい。
#205
○花岡政府委員 六十一年度分は、現在御提案申し上げております単位費用の中に積算をいたしております。
 それから今後の措置でございますけれども、これはその金額がどの程度になるかによりまして考えなければなりませんけれども、現在法律でくくっております項目というのはかなり大きなくくりになっておりますから、これが表まで出るようなものになるかどうか、これはしばらく研究させていただきたいと存じます。
#206
○柴田(弘)委員 だから、六十二年度以降は今後の人数によって検討する、こういう理解でいいのですね。うんと言ってください。
#207
○花岡政府委員 今後増大いたします経費につきましては、適切に措置をしてまいります。
#208
○柴田(弘)委員 今私が申し上げました理解はそのとおりだ、こういうことで理解をさせていただきます。まあ後ろの方が首を振っているようですから、そうだと思いますから……。
 最後に、時間も余りありませんから、大臣にお尋ねします。
 今外務省の方から、メリットは二点についてお話がありました。私もいろいろ考えまして、そのとおりだ、こう思いますね。
 これは外務省の方がおっしゃったのと重複しますけれども、まず一点は、やはり今議論しておりますように、地域レベル、つまり地方自治体レベルの国際交流がより一層進展をする、これはもう間違いない。今、自治体はそれぞれ、全国で五百三十の自治体が、世界各国の都市と姉妹都市なり、都市提携をしておるわけですね。これは自治体レベルでやっている。ところが、こうして自治省がやればより一層地域レベルの国際交流が進展をするだろう、これは当然です。
 それから第二点は、やはり今お話がありましたように、生きた英語を学べる。それで、私の子供も、一番下が中学二年生ですけれども、たまたま巡回をしてくる外人教師で生の英語が聞ける、何にもわからぬけれどもええな、こう言っているわけなんですね。やはり児童生徒の英語力というものも向上をしてよくなっていくんじゃないか、だから、これは非常に児童生徒に喜ばれる、こういうことがあります。
 第三点は、外国人を一年なりあるいは二年なり雇い入れるわけでありますから、これはその分だけは貿易摩擦のちょっぴりとした解消にもつながっていくんじゃないか、私はこういうように思いますが、その辺の御見解と、そして、今御質問をいたしましたが、今後これに取り組む大臣の御決意をお伺いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。いかがですか。
#209
○小沢国務大臣 この国際交流につきましてのただいまの先生の御指摘は、私も一々ごもっともに考えております。いろいろな地域間の国際化あるいは語学の習得、そして貿易摩擦問題、こういったことは本当にそのとおりであろうと思いますし、また、貿易摩擦といえば、お互いに国民性、考え方、国情を知らない、そういうところに起因することも、国と国との争いのもとにも間々なりがちでございますが、そういう面から考えてみましてもこれは大変いいことであり、今後積極的に対応していかなければならないと思います。今、地方公共団体におきましてもせっかくこういった機運が盛り上がり、そして自治省におきましてもそれを財源措置をしてバックアップしていこうということで緒についたところでございます。今後ますますこれを積極的にすることができるように最大の努力をしてまいりたい、そのように考えております。
#210
○柴田(弘)委員 今、大臣から答弁がありました。どうかひとつ積極的に御推進をいただきたい。そして文部省あるいは外務省等関係各省も御協力をいただきたい。御要望をいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
#211
○福島委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#212
○福島委員長 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。小澤潔君。
#213
○小澤(潔)委員 私は、自由民主党・新自由国民連合を代表して、政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に対して賛成の意見を表明するものであります。
 今回、政府によって提出された地方交付税法等の一部を改正する法律案は、第一に、昭和六十一年度分の地方交付税の総額について所要の加算を行うとともに、地方交付税の単位費用を改正すること、第二に、新産業都市及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置並びに首都圏、近畿圏及び中部圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置について、当該特例措置の見直しを行った上、それぞれの適用期間を五年間延長することなどを内容とするものであります。
 まず第一に、昭和六十一年度分の地方交付税の総額については、国庫補助率の引き下げに伴う地方の財源不足を補てんするため、千二百億円を加算することとしております。
 また、地方財政対策において、後年度の地方交付税の総額に新たに加算することとした千七百五十七億円に、既に交付税の総額に加算することとされている千五十五億円を加えた二千八百十二億円について、昭和六十六年度から昭和六十八年度までの地方交付税の総額に加算することといたしております。
 さらに、昭和六十一年度の普通交付税の算定については、経常経費に係る国庫補助負担率の引き下げ及び国庫補助負担金の廃止に伴い増加する経費に対し、所要の財源を措置し、あわせて生活保護基準の引き上げ等に要する経費の財源を措置することとするほか、投資的経費については地方債振りかえ後の所要経費を基準財政需要額に算入するほか、昭和六十年度において発行を許可された臨時財政特例債等の元利償還金を基準財政需要額に算入することとしております。
 第二に、新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律並びに首都圏、近畿圏及び中都圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の改正についてでありますが、おのおのの法律の適用期限を五年間延長するとともに、利子補給及び補助率のかさ上げについて財政力の調整の割合を高める等の改正を行うものであります。
 これらの措置を内容とする政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案は、現下の経済情勢、国及び地方の財政状況等を考慮しつつ地方財政の円滑な運営を図る適切なものであると考える次第であります。
 以上の理由により、私は政府提出の本案に賛成するものであります。
 なお、地方財政は引き続き巨額の借入金残高を抱え、今後とも厳しい財政運営を余儀なくされるものと見込まれますが、政府におきましては、地域社会の健全な発展と地域住民の福祉の向上に果たす地方団体の重要な役割にかんがみ、今後とも地方行革の積極的な推進を図るとともに、地方団体に対する財源措置の一層の充実に努めるよう強く希望するものであります。
 以上をもちまして、政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に賛成の討論を終わります。(拍手)
#214
○福島委員長 安田修三君。
#215
○安田委員 私は、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案に対し、日本社会党・護憲共同を代表し、反対の討論を行うものであります。
 以下、本案反対の諸点につきまして申し上げるものであります。
 第一は、六十一年度地方財政計画五十二兆八千四百五十七億円は、地方自治体の切り詰めと昨年度に続く国からの支出抑制及び地方税収の伸び並びに地方債でようやく収支均衡を図るようにしたものであります。そして、形式的には地方財政計画の赤字を出さないようになったにもかかわらず、昨年に続く補助負担金の大幅一律削減、一兆一千七百億円を地方団体に肩がわりさせたため、新たな借金を九千三百億円も背負わせることになったのであります。まさに国によって人為的につくられた借金であり、しかも、その補てんはあいまい、不完全であります。
 政府の破れた公約「増税なき財政再建」、これにつじつまだけを合わせるために地方団体を犠牲にしたこのような措置は、国と地方との財政秩序を乱し、地方自治法及び地方財政法を政府みずからが踏みにじるものと糾弾されねばなりません。
 第二は、削減された経常的経費六千百億円の一部の補てんとして、税制調査会答申後に突如として、大衆課税であるたばこ消費税の引き上げがなされたのであります。また、残余の補てんを地方債で行うため、基準財政需要額算定のやりくりで取り繕うなど、地方の財政調整にとって国が金科玉条としている地方交付税の性格、機能そのものまで曲げられようとしているのであります。しかも、標準行政という名のもとに創造的な地方自治が押さえつけられて、交付税がその操りの道具に変質する危険が出てきております。今こそ、地方団体固有の財源である交付税の本質を揺るがさないよう政府に強く求めるものであります。
 第三は、一昨年、地方団体の財源不足に対する補てんには借金方式はやめると言ったにもかかわらず、政府によってつくられた赤字なるがゆえに、地方債の増発によって穴埋めをし、地方債依存率は前年度より〇・六%増の八・四%となったのであります。そして、償還の一部だけを将来、交付税特別会計に繰り入れるという、地方に負担を残す安易な方法をとったのであります。全く国の歳出のしりぬぐいのための場当たり方式でありまして、容認するわけにはいかぬのであります。
 第四は、本年度の交付税交付金は、前年度当初に比し四%の伸びであります。しかしながら、一昨年度に決定した交付税特別会計の地方分担による本年度利子充当分三千五百四十七億円が差し引きされ、国が払わねばならぬ既往利差臨特など一千三百五十七億円は繰り延べて六十六年度以降に加算されることにより、著しく減額されました。そのため、本来の地方交付税総額は不足をし、法定の三税の三二%にも達せず三一・二%となったのであります。実質の交付税率の法定税率割れはこれで三年連続となり、地方に対する国の重大な背信行為と言わざるを得ないのであります。
 地方交付税総額の安定的な確保を図ることは、地方自治発展のため急務であります。また、行政需要の変化と増大、特に高齢化社会に対応した福祉、文化、雇用のニーズに応ずる適切な行政需要を見積もるため、基準財政需要額の算定方式の適正化、なかんずく投資的経費の充実などの改革が必要であります。残念ながら、中曽根内閣は軍拡以外にはこのような意欲を見ることができないのであります。
 さて、地方の行財政の実情に目をつむった臨調及び行革審は重大な誤りを犯してまいりました。それは、地方財政は、規模、財政力ともに違う三千三百一の地方団体の数値の合算したものなのに対し、単一の財政主体である国の数値と単純に比較して、地方財政があたかも富裕であるような幻想をばらまいたのであります。
 地方団体の経常収支比率は一九七三年度には七一・四%でありましたが、一九八三年度には八〇%となり、その団体数も二・〇四倍の一千三百六十七団体、全体の四一・四%を占めるに至り、硬直性が際立ってまいったのであります。また、一九八四年度決算による公債費比率では、自治省指導の危険信号とされる一三%ラインを超えたものは六百五十一団体、五五・五%に達し、過半数以上になったのであります。
 国と違って、地方団体はみずからの意思で収入を決定するうまい財源は見当たらないのであります。国の予算と地方財政計画とは、規模ではおおむね同じでも、財政構造の違いは地方団体にこれ以上の借入金をする余力は到底ありません。
 人と人との潤いに満ちた、安定した社会の健全な発展の中から国力の充実を望むなら、画一化、中央集権化による地方いじめに終止符を打たねばなりません。憲法が保障する地方自治の本旨に立ち返り、国と地方との事務、機能分担を明確にし、地方団体に自主的な税財源の確保を行うべきであります。そのために、地方交付税の総額確保と機能の活用を図るよう政府の反省を促して討論を終わります。(拍手)
#216
○福島委員長 吉井光照君。
#217
○吉井委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして反対討論を行うものであります。
 最近の地方財政は、国の財政のしわ寄せを直接受け、年々厳しさを増しております。この現状に対し、地方交付税法は十分な対応がなされないばかりか、むしろ六十一年度地方財政対策は地方財政をますます悪化させる方向に追いやっていると言わざるを得ません。地方財政は地方自治の基幹をなすものであり、地方の実態に対応した財政制度と健全な財政運営を行わなければ、今後の地方行政に重大な支障を来すことを憂慮するものであり、地方財政の充実強化を主張するものであります。
 こうした観点から、以下主な反対理由を申し述べます。
 その第一は、補助率カットに伴う問題であります。
 政府は、六十年度に引き続き補助率カットを継続しており、しかも、その額は昨年度の二倍を上回る一兆一千七百億円にも上っております。このしわ寄せが借金である地方債に振りかえられるなど、地方財政は大きく国の負担転嫁を強いられているのであります。
 政府は、地方の借金残高が国の半分であることから地方財政富裕論を盛んに唱えておりますが、国、地方間の税源配分の実態や、また地方財政が三千三百の団体の集合体であり、態様がそれぞれ異なっていることなどから見ても、地方財政は決して余裕などないめが実情であります。しかも、地方自治体の公債費負担率は、危険ラインの二〇%を超えている自治体は五十九年度決算においても全体の三分の一にも達しようとしており、地方財政はその負担に到底耐えられない状況に置かれています。
 その第二は、このような地方財政の締めつけの実態は、補助率カットにとどまらず、国民健康保険会計についても同棲であるということであります。
 国民健康保険会計の五十九年度の決算によりますと、全国の赤字団体は前年の三倍に急増しております。これはこれまで指摘されてきたように退職者医療制度の加入者に対する政府の過大見積もりによるものであり、この責任は政府にあることは言うまでもありません。
 これに対して、政府は十分な補てん措置を行わず、地方に負担を押しつけることによって乗り切ろうとしているのであります。このため、地方自治体は平均一〇%の国民健康保険税の増税を余儀なくされており、国民健康保険制度そのものの存立をも危ぶまれているなど、地方財政は二重、三重に締めつけられているのが実態であります。
 これまで、地方は経費の節減などによって生み出してきた財源を住民生活の向上に充てるのでなく、むしろ国の財源の穴埋めに取られようとしております。これはとりもなおさず地方財源の国への吸い上げにほかならず、これでは地方側の行政改革の熱意をそぐ結果にもなりかねず、地方行革の実が期待できません。
 第三に、国、地方間の行政の簡素合理化についてでありますが、地方行革は肥大化した行政機構を身軽にするために必要不可欠であることは申すまでもありません。
 しかしながら、地方の行革を進めるには、機関委任事務の廃止や、また団体委任事務における職員配置などの必置規制を思い切って整理することであります。これに対して、政府の措置は全く見るべき対策がありません。すなわち、機関委任事務について見ても、既に必要でなくなったものなどについて整理したにすぎませんし、また、団体委任事務の必置規制の緩和についても十分な対策が講じられていないなど、行草の根本には手を触れていないのが実情であります。
 そのほか、地方行革を推進するためにも、国、地方間の事務について根本的な改革を行うことを強く要望するものであります。
 最後に、地方自治体は、今、円高による地域経済の不況対策や、また高齢化、都市化、国際化や高度情報化など時代の変化に対応した個性豊かな地域づくりなどの対策が要求されており、その役割はますます重要となっております。
 したがって、こうした時代の要求に対処するためにも、地方財政の強化はもとより地方自治全体の充実強化が急務であります。この際、こうした改革を早急に行うことを強く要求して、反対討論といたします。(拍手)
#218
○福島委員長 岡田正勝君。
#219
○岡田(正)委員 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となっております地方交付税法等の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行うものであります。
 反対の第一の理由は、今回の法改正の中心が国の補助率カットに伴う地方財政対策に置かれているということであります。
 政府は、昨年度の高率補助金の原則一割カットに引き続き、今年度は補助率カットの対象を大幅に拡大し、期間も三年間の暫定措置とする補助率のカットを強行いたしました。これは国が本来一般会計で負担すべきものを地方財政の負担に転嫁するものでありまして、国の財政政策の失敗を地方財政にしわ寄せするものであり、極めて遺憾であります。今回の法改正は、かかる国の補助率カットを前提として地方財政上の補てんを図るものとなっております。
 第二は、地方交付税が国の財政政策の手段として利用される性格を強めつつあることであります。
 言うまでもなく、地方交付税は地方団体固有の一般財源であり、それは地方自治体の自主的な施行に充てられるべきであります。国の補助金についても、地方に同化定着しているものを中心に整理縮小し、地方交付税などの地方一般財源に振りかえるべきであります。国の補助金カットの補てんとして地方交付税措置が講ぜられるということは、地方交付税の国庫補助金的傾向を強め、それだけ地方独自の施策の展開を狭めてしまうということになるでありましょう。
 第三は、たばこ消費税の増税という形で国民にも負担を転嫁していることであります。
 政府は、今回の補助率カットに対応し、国のたばこ消費税を増税して、その増収分千二百億円を地方交付税に特例加算する措置を講じました。行財政改革の趣旨に沿った補助金の整理合理化を行わず、補助率カットという形で負担を地方にのみならず国民にも負担転嫁をするということは言語道断でありまして、我々はこれを断じて認めるわけにはいかないのであります。
 第四は、地方交付税特別会計の借入金の償還を六十六年以降に先送りしたままで、利子負担を毎年続けなければならないことになっていることであります。
 地方財政に仮にゆとりがあるとするならば、借入金の元本の償還を早め、地方財政の負担を少しでも軽減すべきでありましょう。
 その他、補助率カットに伴う来年度以降の措置が不明瞭なことなど、今回の改正には多くの問題があります。
 私は、政府に対し、今回の措置に対する強い反省を求めるとともに、地方財政健全化のための抜本的改革を行うことを求めて、討論を終わります。(拍手)
#220
○福島委員長 経塚幸夫君。
#221
○経塚委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 反対の第一の理由は、国庫負担金、補助金の削減などによって国民の負担が急増しているからであります。
 生活保護など国庫負担金、補助金の削減は一年限りの約束がほごにされたばかりか、削減額は一兆一千七百億円と倍増、期間も三年間と延長し、老人、児童、障害者については恒久化するとさえ答弁をしているのであります。政府は削減に当たって、これは国と地方との負担割合が変わるだけであって、国民の皆様には迷惑はかけないと強弁したはずであります。ところが、迷惑をかけないところか、福祉施設の費用徴収額は、五十六年度、一人平均十四万六千八百円が六十一年度は二十万二千百円と三七・七%増、老人ホームに至っては五年間で実に四・三倍にも引き上げられているのであります。国庫負担金の削減額は一人平均五万七千円、施設利用者の負担増は一人平均五万五千円であり、国庫負担削減分がそのまま施設利用者に転嫁されたことは余りにも明白であります。
 六十年度に続く今回の国庫負担金の削減は、国民の生存権に対して国が責任を負うと定めた憲法二十五条に反するものと言わねばなりません。
 また、地方財政計画では、地方税の伸びが四〇・九%、使用料、手数料が三一・二%増と財政規模の伸び率一八・六%をはるかに上回っており、これまた、住民の負担増は明らかであります。
 しかも、住民生活に関係の深い建設事業はいずれも大幅におくれているのであります。単独事業は、五十九年度、計画に対して二五・五%も落ち込んでおり、下水道整備五カ年計画は六十年度目標に対して六九%、都市公園七一・六%、廃棄物処理は七六・三%であります。
 費用負担増と建設事業のおくれは、住民の暮らしを抑圧するとともに、内需拡大、景気向上にも重大な影響を及ぼしつつあると言わねばなりません。これらの原因と責任は挙げて政府にあることは論をまたないところであり、これが反対の第二の理由であります。
 国庫支出金は、臨調行革の五年間伸びなかったばかりか、逆に六・八%のマイナスであり、地方交付税の伸びも一二・八%で、財政規模の伸びに及ばないのであります。特に、社会福祉、義務教育に対する国庫負担金の削減と地方団体への負担転嫁は、国の責任を明確にした憲法、教育基本法、地方財政法に反するものであり、断じて容認できないものであります。
 臨調行革以後五年間で、地方自治体に転嫁された負担額は、国庫支出金の削減、交付税特会の利子負担などを合わせると二兆六千二百億円に達しており、今後も当面は毎年一兆円に上る負担が続くのであります。今日、地方財政は五十八兆八千億円の借入金残高を抱え、危険ラインと言われる公債費比率二〇%を超える団体は五年間で八倍、千三十三団体に達しているのであります。
 政府は、六十年度に引き続き六十一年度も地方財政は収支均衡と主張しておりますが、下水道、都市公園、廃棄物処理事業だけでも、計画どおりの達成を目指すなら、歳出は地方負担分だけでも二兆円必要であり、財源不足が生ずることは明白であります。まさに政府の言う収支均衡とは、住民にとって必要な行政需要を不当に抑えるなど、住民と地方自治犠牲の上に意図的につくられた収支均衡と言わねばなりません。
 また、本来、地方自治を財政面から保障するために制度化されたはずの交付税、地方財政計画が、今や地方の財政保障ではなく、軍拡と国家財政破綻を補てんする機能に変質させられようとしていることは極めて重大と言わねばなりません。
 第三に、新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律については、その実績から見て、生活基盤より大企業産業基盤づくりが重点であり、延長には反対であります。
 以上が反対の理由でありますが、今日、地方自治の民主的発展のために求められていることは、憲法、地方財政法に反する国庫負担金、補助金の削減を撤回、地方交付税率の引き上げ、国の機関委任事務の原則廃止など、財源と事務権限の民主的再配分であります。また、大企業優遇税制の地方税へのはね返りを遮断するなど不公平税制を改革、地方財源を拡充することであります。この道こそ、住民本位の地方自治を守るとともに、暮らし向上、内需拡大、地方と日本経済の自主的発展に道を開くものであることを申し述べまして、討論を終わります。(拍手)
#222
○福島委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#223
○福島委員長 これより採決に入ります。
 地方交付税法等の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#224
○福島委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#225
○福島委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、平林鴻三君外三名より、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。平林鴻三君。
#226
○平林委員 私は、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の四党を代表して、地方交付税法等の一部を改正する法律案に対しまして、次の附帯決議を付したいと思います。
 案文の朗読により趣旨説明にかえさせていただきます。
    地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、厳しい地方財政の状況等にかんがみ、次の事項について所要の措置を講ずべきである。
  一 国庫補助金等の整理合理化に当たっては、国の行政責任を明確にし、一般財源化を行う際には、地方税源の確保等による十分な財源措置を講じ、地方行財政運営に支障を来さぬよう、特段の配慮を払うこと。
    なお、地方公共団体に対する国庫補助負担金については、地方財政法の規定に基づき、予算科目上その区分の明確化に努めること。
  二 税制の抜本的見直しに当たっては、地方財政における既往の借入金の償還額が増大すること等にかんがみ、地方財政の健全化、自立化を促進するため、地方への税源配分の強化等地方税源の確保、地方交付税の対象税目の拡大等を含め総額の長期的安定的確保に努めること。
  三 地域行政の一層の推進に資するため、地方交付税の基準財政需要額については、公債費比率の上昇、一般行政費の増大等に適切に対処できるよう、その算定の適正化を図ること。
  四 国庫補助負担金に係る特例措置が三年間継続することにかんがみ、当該補助負担金に係る地方公共団体の負担増加額については、地方公共団体の財政運営に支障が生じないよう補てんすることとし、その具体的措置を予算編成時毎に明示すること。
    なお、今後、国の財政の都合のみによって地方交付税率の引下げ、義務教育費国庫負担率の引下げ等国、地方間の財源配分の基本に係る変更は行わないこと。
  五 国庫補助負担金の特例措置に伴う地方債の元利償還金については、地方交付税の基準財政需要額に算入すること。
  六 国と地方公共団体間の健全な財政秩序の確立を図るため、地方公共団体の超過負担の解消について努力すること。
  七 共済年金の公的負担の繰り延べについては、返済計画を策定するとともに、速やかに返済すること。
  八 退職者医療制度の加入者等の見込違いによる市町村国民健康保険事業会計の負担の増加額については、国の責任において補てんし、国保財政の確立を図ること。
  九 消防職員の確保に努めるとともに、職員の勤務条件の改善、公務災害の防止、消防施設安全基準の適正化等消防職員の勤務環境の向上に特段の配慮を払うこと。
  十 公営交通特に中小交通事業の交通環境の整備を促進するとともに、地方公営企業と一般会計との負担区分の適正化等を推進し、その経営基盤の強化を図ること。
 十一 地方公共団体が実施する行政改革の推進に当たっては、その自主性を尊重するとともに、地方六団体等の意見を尊重し、機関委任事務の廃止等地方の行政改革の障害となっている事項の解消に努めること。
 十二 新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための財政上の特別措置その他地域開発のための各種対策措置については、その実効性を確保するため、公共事業の配分等について配慮すること。
  右決議する。
以上であります。
 何とぞ皆様方の御賛同をお願いいたします。
#227
○福島委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#228
○福島委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、小沢自治大臣より発言を求められておりますので、これを許します。小沢自治大臣。
#229
○小沢国務大臣 ただいま議決されました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重して今後も善処してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
#230
○福島委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#231
○福島委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#232
○福島委員長 この際、地方行政委員会交通安全対策特別委員会連合審査会開会について申し上げます。
 明十八日午前九時十分理事会、午前九時二十分連合審査会を開会いたしますので、御出席願います。
 次回は、来る二十二日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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