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1985/02/21 第104回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第104回国会 本会議 第8号
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1985/02/21 第104回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第104回国会 本会議 第8号

#1
第104回国会 本会議 第8号
昭和六十一年二月二十一日(金曜日)
    ─────────────
  昭和六十一年二月二十一日
    午後一時 本会議
    ─────────────
○本日の会議に付した案件
 小沢自治大臣の昭和六十一年度地方財政計画についての発言並びに地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明並びに質疑
    午後一時六分開議
#2
○議長(坂田道太君) これより会議を開きます。
     ────◇─────
 国務大臣の発言(昭和六十一年度地方財政計画について)並びに地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#3
○議長(坂田道太君) この際、昭和六十一年度地方財政計画についての発言並びに内閣提出、地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。自治大臣小沢一郎君。
    〔国務大臣小沢一郎君登壇〕
#4
○国務大臣(小沢一郎君) 昭和六十一年度の地方財政計画の概要並びに地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 昭和六十一年度の地方財政は、累積した巨額の借入金を抱え、引き続き厳しい状況にあることにかんがみ、おおむね国と同一の基調により、歳入面においては、地方税負担の公平適正化を推進しつつ、地方税源の充実と地方交付税の所要額の確保を図り、歳出面においては、経費全般について徹底した節減合理化を図るとともに、限られた財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹し、節度ある行財政運営を行うことを基本としております。
 昭和六十一年度の地方財政計画は、このような考え方により策定しておりますが、以下、その策定方針について御説明申し上げます。
 第一に、地方税負担の現状と地方財政の実情にかんがみ、住民負担の軽減及び合理化を図るため、個人住民税所得割について、非課税限度額等の引き上げ及び同居の特別障害者に係る配偶者控除額及び扶養控除額の引き上げを行い、不動産取得税について、住宅及び住宅用土地に係る税率等の特例措置の適用期限を延長する等の措置を講ずるとともに、地方税負担の公平適正化を図るため、事業所税の資産割の税率の見直し及び固定資産税等に係る非課税等特別措置の整理合理化を行うほか、昭和六十一年度における臨時措置として、道府県たばこ消費税及び市町村たばこ消費税の従量割の税率を引き上げることとしております。
 第二に、現下の厳しい財政環境のもとで、今後三年間の暫定措置として国庫補助負担率の引き下げが行われることとなりましたが、これに伴う地方財政への影響額一兆一千七百億円に相当する額について、財源の補てんを行うことが必要となりましたので、地方たばこ消費税の税率引き上げ、地方交付税の増額及び建設地方債の増発により補てんすることとし、地方財政の運営に支障が生ずることのないよう措置しております。
 第三に、抑制的基調のもとにおいても、財源の重点配分に努め、地域経済の振興や雇用の安定を図りつつ、その特性を生かした地域社会の形成を進めるとともに、住民生活に直結する施策の推進、住民生活の安全の確保等を図ることとしております。このため、内需拡大の要請にこたえつつ、住民生活に身近な生活関連施設等の計画的な整備を図るため、地方単独事業費の確保に配意するとともに、福祉施策、教育、文化振興対策等の推進を図ることとし、これに必要な財源を確保し、また、過疎地域等に対する財政措置を引き続き講ずることとしております。
 第四に、地方行財政運営の合理化と財政秩序の確立を図るため、定員管理の合理化及び一般行政経費等の抑制を行うとともに、国庫補助負担金について、補助単価の適正化等の改善合理化を進め、さらに、年度途中における事情の変化に弾力的に対応できるよう、必要な財源をあらかじめ確保することとしております。
 以上の方針のもとに昭和六十一年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は五十二兆八千四百五十八億円となり、前年度に対し二兆三千百八十七億円、四・六%の増加となっております。
 次に、地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 昭和六十一年度の地方税制の改正に当たりましては、最近における地方税負担の現状及び地方財政の実情にかんがみ、住民負担の軽減及び合理化を図るとともに、地方税負担の公平適正化の推進に努めることを基本としております。
 以下、その概要について御説明申し上げます。
 まず、第一に、地方税法の改正であります。
 住民負担の軽減及び合理化を図るため、個人住民税について、低所得者層の税負担の実情を勘案の上、所得割の非課税限度額を引き上げるとともに、居宅における特別障害者の介護等に配慮して、同居の特別障害者に係る配偶者控除額及び扶養控除額の引き上げを行うほか、不動産取得税について、住宅及び住宅用土地に係る税率等の特例措置の適用期限を延長することとしております。
 また、地方税負担の公平適正化を図るため、事業所税の資産割の税率を見直すとともに、固定資産税等の非課税等特別措置の整理合理化を行うこととしております。
 さらに、昭和六十一年度における地方財政対策の一環として、昭和六十一年五月一日から昭和六十二年三月三十一日までの間に限り、道府県たばこ消費税及び市町村たばこ消費税の従量割の税率を引き上げることとしております。
 第二に、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の改正でありますが、国有林野に係る市町村交付金の特例措置の整理合理化を図る等の改正を行うこととしております。
 そのほか、所要の規定の整備を図ることとしております。
 これらの改正により、昭和六十一年度におきましては、一千八百四十四億円の増収となる見込みであります。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 第一に、昭和六十一年度分の地方交付税の総額につきましては、地方財政対策の一環として千二百億円を加算することとした結果、九兆八千三百九億円となり、前年度当初に対し、三千八百十億円、四・〇%の増となっております。
 また、地方財政対策において、後年度の地方交付税の総額に新たに加算することとした千七百五十七億円については、昭和六十六年度から昭和六十八年度までの各年度分の地方交付税の総額に加算することとしております。
 さらに、昭和六十一年度の普通交付税の算定につきましては、経常経費に係る国庫補助負担率の引き下げ等に伴い増加する経費、生活保護基準の引き上げに要する経費等の財源を措置することとするほか、投資的経費について、地方債振りかえ後の所要経費を基準財政需要額に算入する等のため、単位費用を改定することとしております。
 第二に、新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置、並びに首都圏、近畿圏及び中部圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置につきましては、都道府県分の利子補給措置及び市町村分の国庫補助負担率のかさ上げ措置について見直しを行った上、それぞれの適用期間を五年間延長することとしております。
 以上が、昭和六十一年度の地方財政計画の概要並びに地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手)
     ────◇─────
 国務大臣の発言(昭和六十一年度地方財政計画について)並びに地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#5
○議長(坂田道太君) ただいまの地方財政計画についての発言及び二法律案の趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。山下八洲夫君。
    〔山下八洲夫君登壇〕
#6
○山下八洲夫君 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、ただいま議題となりました昭和六十一年度地方財政計画並びに地方税法、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、中曽根総理を初め関係各大臣に質問をいたします。
 本論に入る前に、私は、第百二国会において総理に対し、「美辞麗句、形容詞の羅列で、内容が余りにも貧弱ではありませんか。もっと真剣に、前向きの答弁を強く要望いたします。」と質問をいたしました。しかし、総理の御答弁を聞いていると、いつも言葉遊びであって、そうした姿勢は、国民の政治に対する失望と失笑につながっているのであります。私は、質問に対し、具体的に答弁をいただくことを強く要求しておきます。(拍手)
 総理、あなたは、「増税なき財政再建」が今日において大きな成果を上げ、財政再建が推進していると自信を持って誇れるでしょうか。中曽根内閣は、みずからの利害を捨てて改革に取り組む意欲に欠け、みずからの都合のよい土俵で勝負を叫ぶばかりであり、犠牲は庶民ばかりと国民は批判をいたしております。
 総理の施策の誤りの第一は、緊縮財政政策さえ続けていれば、財政再建の看板をおろさずに済むという姿勢であります。
 総理が就任して以来、五十八年の倒産件数は一万九千百五十五件、史上最高であります。五十九年二万八百四十一件、これまた史上最高であります。そして、六十年一万八千八百十二件は、件数こそ落ちていますが、負債総額は何と四兆二千三百五十六億一千八百万円と、これまた史上最高になっております。総理たる者は、一国の経済財政運営に責任を持つのは当然であり、就任以来五万八千八百八件の企業倒産に対する責任は、回避できるものではありません。
 そして、私が特に総理の責任に言及するのは、この倒産、不況の拡大にあなたの財政運営が大きなかかわりを持っているからであります。GNPに対する財政の寄与度を見ますと、五十六年の三〇・四%をピークとして年々下降し、総理が携わってからを申しますと、五十八年二八・九%、五十九年が二六・七%、六十年二六・一%、六十一年二五・五%と、急カーブで落ちております。不況産業、不況地域に対してはもとより、健全な経済の発展のため的確な財政運営を行うべきところを、緊縮、縮小を言うばかりでは、無責任、無気力、無能力との国民の批判を買ってもいたし方のないことと思います。就任以来のこの不況と倒産についてどう責任を感じておられるのか、また、財政と景気対策、とりわけ地方財政と景気対策についてどう把握をされておられるのか、総理の所信を伺いたいと存じます。
 同時に、大蔵大臣には、不況産業、不況地域に対し今後、どのような施策をお持ちであるのか、さらに、円高不況と言われるもとで、対象産業、地域に対して、どのような対策を講じられようとしているのかを明確にお示しいただきたいと考えます。さらに、自治大臣には、地方財政計画と決算の乖離がますます大きくなる中で、デフレ放置予算で単独事業を予算上伸ばしてみても、実態上は乖離は大きくなるばかりと考えますが、緊縮財政と地域経済の停滞の関連についてどのように認識をなされておられるのか、所見をお聞かせいただきたいと思います。
 総理の大きな誤りではないかと思われる第二の問題は、歳入についてであります。
 歳出では、六十年度においては五千八百億円、六十一年度は一兆一千七百億円の地方への負担転嫁を行おうとしていますが、一方、国税や地方の自主税源たる地方税の課税の適正化には手がつけられておりません。これも具体的な例を挙げますと、利子配当所得への課税適正化だけで約四千億円の増収という試算がされております。約四兆六千億円の地方税の増収、国税のはね返りによる交付税の増額一兆九千億円と言われている不公平税制の是正になぜ直ちに着手しないのか。補助金の削減をやめ、国民が要求している大幅所得減税が実施できるのに、なぜこれを放置しておくのでしょうか。
 総理は、六十二年度において税制の大改革を行うような発言をたびたびされていますが、五十七年就任以来、何ら手をつけない政治姿勢で、自民党総裁任期が切れる来年のことを弁じるのは、いかがなものでしょうか。総理が四年間、不公平税制に手をつけられなかった理由を具体的にお示しいただきたいと考えます。また、国税、地方税おのおのの立場で、大蔵大臣、そして自治大臣に減税と不公平税制是正に臨む決意をお示しいただきたいと思います。
 次に、自治大臣に伺います。
 第一に、六十一年度の補助負担率の引き下げに関して、大蔵大臣との間に、「この措置は、今後三年間の暫定措置とする。」また「暫定措置の期間内においては、国・地方間の財政関係を基本的に変更するような措置は講じないものとする。」という覚書が交わされていますが、国と地方間の財政関係を基本的に変更するような措置は講じないものとするとなれば、既に三年間連続して実質交付税率が法定税率を割っている地方交付税については、万が一にも税率の引き下げ等は行わないと解釈されますが、所見を伺いたいと存じます。この点につきましては、ああせい、こうせい、そうせいかいと、一年間もこね回していたとしか思えない大蔵大臣においても、このような理解をしておいてよいのかどうか、所見を伺いたいと思います。
 第二に、補助金カットやさきの地方制度調査会で強行採決された職務執行命令訴訟制度の改悪策につきましても、その発生源は第二臨調、行革審にあります。しかも、いずれも地方自治に知識経験のある者の議論の積み重ねによるものではなく、基本的知識と認識の欠如、誤解に基づく議論の上での答申であります。そして、最近の行革審の議論を聞きますと、今度は市町村合併にまでくちばしを突っ込んでおります。地方行革の真の障害となっている機関委任事務については、わずかばかりの整理しか指摘できない行革審が、本来当該の住民と自治体の自主的判断で行うべき合併まで強要するような姿勢は、地方自治にさらなる混乱を招くだけだと考えます。こうした問題については、過去の教訓をしっかりと生かし、市町村の自主性にゆだねるべきだと思いますが、自治大臣の所見を伺いたく存じます。
 次に、国鉄改革についてお伺いいたしたいと存じます。
 第一には、政府は、国鉄の分割・民営を図ろうとしていますが、分割・民営に伴い予想される自治体の財政需要増、そしてそれに対する財源措置をどのように試算し、対策を立てているのでしょうか。私どもは、公共性、福祉性、そして社会性にすぐれた国鉄の公共交通としての存在が、公経済に大きな貢献をし、また、財政負担をも軽減していると考えておりますが、政府がそうでないと判断されるなら、当然くるべき財政需要増とその対策を明らかにするべきであります。総理の答弁をお伺いいたします。
 第二に、六十一年度予算にも計上されていますが、分割・民営を前提とした鉄道公安官業務の都道府県警察への引き継ぎの問題であります。
 私は、鉄道公安官が現実に行っている業務のうち、警察では取り扱いが困難かつ不適当な業務があると考えます。例えば、公安官の業務には、貨物輸送に際する事故、トラブルの調査あるいは不正乗車の防止、乗客の安全サービスなど、鉄道輸送事業の本来の営業に不可分であり、みずからの営業収益を保全する行為が相当のシェアを占めています。したがって、仮に政府案によりましても、安全輸送、不正乗車防止等を所管するセクションと人員は当然必要であり、こうした業務を肩がわりしない場合、警察官の二千八百八十二名の増員は約半数で済むはずです。一方では定員削減を押しつけ、必要以上の警察官の便乗増員は黙認するという姿勢は、中曽根内閣みずから行革を放棄するものであります。私は、再検討を求めたいと考えますが、総理及び運輸大臣の明快な答弁をお願いいたします。
 第三に、自治体に国鉄職員の受け入れを要請するのなら、現状の住民サービス向上や安全を無視した定員削減や新規採用の抑制ではなく、少なくとも住民サービス向上を進める中で、雇用への協力を求めるべきと考えます。政府は、自治体に対し、大幅な例外的な選考による雇用を求めていますが、六十一年度地方財政計画においても、七千九百四人の定員削減が盛り込まれており、政府の目標を達成するためには、現在の定員と財源措置では実行不可能であることは明らかであります。優先的雇用に当たっては、定員と財源について特別の手当てをすべきと考えますが、自治大臣、そして運輸大臣の御見解を伺います。
 最後に、私は、政府が提出を予定している補助金力ット法案、行革一括法案について指摘をしておきたいと考えます。既に、いわゆる一括法案の持つ国会軽視の問題点は明確に示されております。おのおのの常任委員会において慎重審議が保障されるよう、一括法案の提出は、今国会においては自粛すべきであると考えます。総理の所信を伺い、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣中曽根康弘君登壇〕
#7
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 山下議員にお答えをいたします。
 まず、財政運営と不況との問題でございます。
 我が国の経済の現状は、全体として景気は緩やかな拡大を続けていると認識いたしております。経済の安定成長確保のためにも、財政改革を推進して財政の対応力の回復を図ることが大事でございます。円高の動向に深甚の注意を払いながら、今後適切な政策を進めてまいる予定でございますが、倒産件数は、十三カ月連続して前年比マイナスを続けているというのが、現在までの状況であります。
 次に、地方財政と景気の関係でございますが、地方団体は、これまでも可能な範囲内で国の経済政策に協力していただいて、公共事業、地方単独事業等について所要の措置を講じてきたところであります。六十一年度においても、内需拡大の要請にこたえるために、地方財政計画上、地方単独事業等につき所要の額を計上いたしてあります。今後、各地方団体が地域の実態に応じて適切な事業実施を行うよう指導するとともに、地方交付税、地方債の配分等を通じて適切に財源措置を行っていく考えであります。
 不公平税制の是正の問題は、今後とも一層努力をしてまいるつもりでおります。
 国鉄分割・民営化と地方財政の関係でございますが、現在、国鉄改革関連法案を鋭意作成中で、提出を予定いたしております。国鉄の分割・民営化によって、地方公共団体の行財政需要が増大するものではないと認識いたしております。しかし、この国鉄の改革については、地域の協力が不可欠でございまして、御理解と御協力を得られるように最大限努力してまいる予定でおります。
 公安官業務の引き継ぎの問題でございますが、分割・民営化後も引き続き現在の治安水準を維持するために、都道府県警察に対する所要の定員措置が必要と考えております。
 最後に、補助金持例法と行革一括法の一括化の問題でございますが、両法案は、それぞれ盛り込まれている措置が趣旨、目的を同じくしているところから、一括化し、御審議いただくことが適当であると判断した次第でございます。
 残余の答弁は関係大臣からいたします。(拍手)
    〔国務大臣竹下登君登壇〕
#8
○国務大臣(竹下登君) 総理からもお答えがございましたが、我が国の経済は、何としても引き続きインフレなぎ持続的成長というものを念頭に置いて、したがって、財政改革を推進して対応力を回復をしなければならぬということであります。そこで、円高につきまして、輸出抑制効果等を中心に議論がされがちでございます。しかし、時間はかかりますが、交易条件の改善に伴います実質所得の拡大を通じますところの内需拡大効果を見逃してはいけない、このように思っております。
 そこで、昨年来二度にわたる内需拡大策を取りまとめ、さらに公定歩合の引き下げ等の措置が講ぜられておりまして、これらの効果は今後、例えば来週二十四日から短期プライムレートも下がってくるわけでありますし、財投金利も下がってくるわけでありますから、効果は今後本格的にあらわれてくるものと考えております。いずれにせよ、非常に目配りを絶えずしておりまして、適切かつ機動的な経済運営に努めるという考え方であります。
 それから、税に対する質問でありますが、税負担の公平確保、これは不可欠のことであります。したがって、今日までも努めてまいりましたが、国会等で行われた論議を正確に報告し、今税制調査会においてゆがみ、ひずみ、そして重圧感、これらに対して抜本的見直しの議論が行われておるさなかでございますので、その検討結果を待って対応していきたい、このように考えます。
 地方交付税の問題でありますが、地方交付税率の変更というのは、これは国と地方の間の基本的財源配分にかかわる問題であります。したがって、地方税、地方譲与税、国と地方の機能分担、費用負担のあり方、これらを総合的に勘案して慎重に検討さるべきこれは課題でございます。したがって、この今回の覚書におきましては、やはり補助率の引き下げ措置に関連して結んだものであって、地方交付税率にまでお互いが初めから確定した意見を持っておるものではないというふうに御理解をいただぎたいと思います。(拍手)
    〔国務大臣小沢一郎君登壇〕
#9
○国務大臣(小沢一郎君) 山下先生にお答え申し上げます。
 第一に、地方単独事業のことでございますけれども、地方単独事業につきましては、計画と決算との間に乖離がありまして、また、地方団体ごとに財政状況によりまして、単独事業の実施状況に差があることは御指摘のとおりでございます。自治省といたしましては、これまでも地方団体に対し、地財計画を参考として適切な事業費を計上するように指導してまいったところでございます。昭和六十一年度につきましては、総理からも御答弁がございましたけれども、事業の適切な実施を行うよう指導し、また、地方交付税や地方債の配分においても財源措置をしてまいりたい、そのように考えております。
 それから、地方税の減税、不公平税制是正の問題でございますが、これは大蔵大臣からも答弁がございましたけれども、現在、税制調査会におきまして、住民税負担のあり方も含めまして検討されておるところであります。地方税の減税の問題につきましては、その検討結果を踏まえまして対処してまいりたいと思います。また、地方税の非課税等特別措置、いわゆる不公平税制につきましては、かねてより、税負担の公平確保の見地から必要に応じて見直し、整理合理化に努めてまいってきたところでありますが、今後、税制の抜本的な見直しを進めるに当たりましても、税負担の公平確保を図るように努力してまいりたいと思います。
 それから、補助負担率の問題についての覚書の件でございますが、これも大蔵大臣から答弁ありましたが、国庫補助負担率の引き下げ措置に関連して結んだ覚書でございまして、地方交付税率のことについては、直接これで両省間で合意したということではございません。しかし、私どもとしましては、地方交付税率につきましては、国と地方間の最も財源配分の根本にかかわる問題でございますので、国、地方の事務配分あるいは地方税制度そのもののあり方等を総合的に勘案して検討されるべき筋のものと考えております。
 それから、市町村合併の問題でございますが、行政改革推進審議会の地方行革推進分科会、ここで、地方行革の推進やらあるいは広域行政の推進の問題について審議を重ねていると承っております。自治省といたしましては、市町村の合併につきましては、やはり条件の整った地域において、関係市町村の自主的な判断に基づいて市町村合併を進めることが、先生御指摘のように望ましい、そのように考えて意見を申し述べております。
 それから、国鉄職員の地方自治体の受け入れの問題でございますけれども、これは、昨年末の閣議決定を受けまして、各地方公共団体に対しましても受け入れを要請いたしておりますけれども、これはあくまでも、いわゆる地方公共団体職員の新陳代謝による新規採用の一部をこの国鉄職員の雇用の場にも提供してください、自主的にお願いをいたしておるところであります。したがいまして、鉄道公安業務の問題を除きますれば、特別の定員措置やあるいは財政措置を新たに講ずる必要はないものと考えております。(拍手)
    〔国務大臣三塚博君登壇〕
#10
○国務大臣(三塚博君) 山下議員にお答えを申し上げます。
 公安官につきましては、総理、自治大臣から答弁がありましたのでありますが、私から補足を申し上げますならば、二千八百八十二名必要としないのではないだろうか、こういう御趣旨であります。それは便乗増員につながるという御趣旨のようでありますが、御指摘のように、鉄道業務に関連する仕事もやられることは当然でありますが、本来、鉄道公安官の趣旨は、構内における治安維持に当たっておるというのは御案内のとおりであります。今回、二千八百八十二名都道府県警にお引き受けをいただくことは、大変、他とのバランスから考えまして当然であろうと思います。私鉄、民鉄は御案内のように、都道府県警がそれを担当をいたしておるということであります。
 さて、自治体の問題でありますが、今日まで国鉄は、百十四年の歴史の中で、地域のために大変貢献をしてまいりましたことは、御案内のとおり、どなたも異存を唱えるところではございません。鉄道の必要性もまたしかりであります。しかしながら、このような事情の中では到底、鉄道の再生を期することができ得ないということで、ただいま総理答弁のように、分割・民営を主体とする法律をそのうち提案をいたし、そして御審議をいただくことに相なるわけでございますが、さような中で、これだけ国民とともに歩んでまいりました鉄道が、新しい再生というスタートに立ち、そのことが、鉄道として機能をあらわしつつ今後いけるということでありますならば、他に御転職をいただく方々につきましても、国鉄は本来の姿で御努力をいただいておりますけれども、公的部門に政府が責任においてこれをお引き受けをいたす。同時に、地方団体にも、国鉄の果たしてまいりました今日までのこのことから、しっかとお引き受けを賜るように、私からもお願いをいたしておるわけであります。雇用というものは極めて大事なことでありますから、よろしくお願いを申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#11
○議長(坂田道太君) 小谷輝二君。
    〔小谷輝二君登壇〕
#12
○小谷輝二君 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、ただいま御説明のありました昭和六十一年度地方財政計画、地方交付税法等の一部を改正する法律案並びに地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 本年は、地方自治が発足いたしまして四十年、大きな節目を迎えようといたしております。特に、八十年代は、地方の時代と言われております。これまでの地方自治の跡を振り返ってみたとき、政府の施策はただかけ声ばかりと言わざるを得ません。すなわち、臨調や地方制度調査会では、中央に権限と財源が集中していることについて、地方自治制度の地方分権化を再三提言しておるわけでございますが、現在に至るまで、これらに対して何ら見るべき改革は行われておりません。総理は、こうした現行の地方自治の実態をどう考えているのか、また、高齢化や価値観の多様化が進行する中で、二十一世紀を見通し、これをどのように改革しようと考えているのか、まずお伺いをいたします。
 今、我が国の当面する重要課題の一つは、経済摩擦の解消であります。この問題の解決は、住民生活に密着した上下水道を初め住宅建設など、社会資本の充実を図ることによる内需拡大策を強力に推進しなければならないのであります。そのためにも、地方自治体の役割は、今後ますます重要と考えられるのであります。したがって、国、地方間の抜本的な役割分担の改編が今必要と考えます。総理の御所見をお伺いしたいのであります。
 次に、昭和六十一年度地方財政において最大の課題である国庫補助金の削減の問題についてお伺いいたします。
 政府は、本年度に引き続き六十一年度においても、補助率カットの継続、拡大を図っております。これによる地方負担は、本年度の二倍を上回る一兆一千七百億円にも上っております。言うまでもなく、地方財政は、三千三百余の団体でありますが、その公債費負担率を見ますと、危険ラインと言われております二〇%を超える団体は既に全体の三分の一に達しており、地方財政はその負担にたえられるとは到底言えない状況なのであります。しかも政府は、本年をもって地方行革元年と称し、地方行革大綱をもって地方自治体の経費節減を強制した上、それによって生み出された余裕を、住民に還元することなく、国に吸い上げようとしているのであります。この補助率カットは、行革に反するとともに、地方に負担転嫁を禁じている地方財政法にも違反するものであると考えるわけであります。
 政府は、このような国、地方間の原則に反する補助率カットの拡大、延長をどのような根拠に基づき行おうとするのか、その理由を明らかにされたいのであります。また、今回の補助率カットの拡大、延長は、三年間とされておりますが、三年後にはさらに継続されることはないのか、この点について総理及び関係大臣に明確な答弁を求めるわけでございます。
 次に、税制改正についてお伺いいたします。
 六十一年度の政府の税制改正案によると、国民が期待していた減税は行われておりません。それどころか、たばこ消費税の引き上げ等のため、国民の税負担は一層強化されようとしております。このため、名目収入がふえても、物価上昇や減税見送りにより、国民の可処分所得は減少すると言われております。こうした実態では、政府が期待している内需の拡大を図ることは、全く困難と言わざるを得ません。国民の税負担の軽減と消費の拡大を図るためにも、不公平税制の是正等により、所得税、住民税合わせて二兆三千四百億円の大幅減税を早急に行うべきであると考えますが、総理の見解をお伺いするものであります。(拍手)
 また、補助率カット補てんのためのたばこ消費税の引き上げは、明らかに国の財政再建のための大衆課税の強化であって、「増税なき財政再建」に反すると思いますが、この点について総理及び関係大臣にお伺いをいたします。
 次に、機関委任事務の整理合理化についてお伺いいたします。
 総理は、かつて、補助率カットと引きかえに、国の権限の大幅地方移譲を行うことを約束されました。ところが、今国会で予定されている機関委任事務の整理は、その件数、内容ともわずかなものにとどまり、地方自治体の要望にほど遠いものとなっております。総理は、このような機関委任事務の整理をもって、補助率カットに相応したものと考えているのかどうか、その見解をお伺いするものであります。
 さらに、今回、このようなわずかな機関委任事務の整理と引きかえに、政府の代執行制度の改正がなされようとしております。すなわち、機関委任事務を地方自治体が実施しなかった場合、政府は、いわゆる裁判抜きで代執行ができる措置を講じようとしているのであります。現行制度は、政府の代執行は、第三者機関としての裁判所の判断を踏まえてできることとされております。これは国、地方の権限のバランスをとり、中央政府のごり押しを防ぐためのものであって、憲法上確認された地方自治を保障する重要な制度であります。今回の裁判抜きの改正は、戦後築き上げられた地方自治の枠組みを崩すものであり、政府は、このような措置はとるべきでないと思うわけでございますが、総理及び関係大臣の見解を伺いたいのであります。
 さて、現在、円高が大きな問題となっており、これが日本経済に与える影響は重大であります。円高は、歯どめを失ったように進行し、昨日には百七十円台に達しており、その結果、輸出関連企業は壊滅的な打撃を受け、企業の所得、雇用に重大な影響を与えているのであります。政府は、このような事態をどう認識し、また、これらに対してどのような対策を講ずるつもりなのか、関係大臣の見解を伺います。なお、政府は、今後の円高の見通しと、我が国経済の現状において好ましい円レートはどのくらいと考えているのか、あわせてお答えをいただきます。また、円高に加え、原油価格の引き下げによる電力料金等の差益は、膨大な額に上ることが明らかになっております。この円高差益の還元に対する方途について、この機会にお伺いをいたします。
 次に、国民健康保険会計についてお伺いいたします。
 国保の五十九年度決算によると、全国の赤字市町村は、全市町村の一二%に当たる四百二団体で、前年の三倍に増加しておるのであります。この原因は、五十九年度に新設されました退職者医療制度の加入者について、政府が過大に見積もり、国庫負担の大幅削減を行ったことによるものであります。これに対して政府は、十分な財源補てんを行わないため、地方自治体は、六十年度に平均一〇%の大幅な国民健康保険税の引き上げを行っており、保険税の平均は四万三千円にも上っております。国保の医療費の負担は既に限界に達し、国保制度そのものの存立が危ぶまれております。政府の見込み違いによる赤字は当然、政府によって完全に措置すべきでありますが、関係大臣の見解をお伺いいたします。(拍手)
 また、現行の市町村単位の国民健康保険では、小規模団体が高額な負担にたえられない事態が生じております。この問題についての対策をあわせてお伺いいたします。また、政府は、現行の窮迫している国保制度に対し、抜本改正を考えているようでありますが、その改正の概要をお示しいただきたい。
 以上、当面する緊急かつ重要課題について質問をいたしましたが、政府の率直な答弁を求め、代表質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣中曽根康弘君登壇〕
#13
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 小谷議員にお答えいたします。
 まず、地方自治と今後の改革の方向でございますが、戦後四十年を経まして、新憲法のもとに、いわゆる地方自治の本旨に基づいて、地方自治制度はおおむね定着をしつつあると思います。中央と地方の事務配分、あるいは国の地方への関与等についても、適宜改善が行われてきておると思っております。今後、人口の高齢化、安定経済成長への移行等も考え、地域の特性やあるいは地域住民の創意を尊重して、地域中心の村づくり、町づくりが進むことを政府としては大いに奨励もし、協力もすべきであると思います。
 次に、国と地方の役割分担の問題でございますが、内需拡大等の経済対策についても、地方ではいろいろ御協力いただいておりますが、身近な行政はできるだけ地方団体で処理するようお願いをする、そういう原則に立ちまして、今後とも、国と地方との役割分担、事務の配分というものについては努力を進めていくつもりでおります。
 補助率引き下げに伴う四年目以降の対応でございますが、六十四年度以降の取り扱いについては、今までの経緯や今回の措置の性格を踏まえまして、今後の情勢の推移、国、地方の財源配分、役割分担のあり方等を勘案しながら、その時点において適切な処理を行う予定でおります。
 二兆三千四百億円の減税については、今税調に諮問して抜本的改革を心がけておる中途でございますので、これは今回は不適当であると考えております。
 たばこ消費税の引き上げの問題でございますが、今回の措置は、補助金等の整理合理化に伴う地方財政対策の一環としての臨時特例の措置でございまして、国の増収分はすべて地方財源に充てるとしておりまして、しかも、税制改革、抜本改革の妨げにならないように、一年限りの措置としておるところでございます。この六十一年度の税制改正による増収額は、ここ数年とられてきた調整措置と大同小異でございまして、「増税なき財政再建」の趣旨に反するものではないと思います。
 機関委任事務の整理合理化については、昨年末に決定した六十一行革大綱に基づき、関係法案を本国会に提出する予定であります。これを初めとして、さらに今後ともその推進に努力してまいります。
 代執行制度につきましては、地方制度調査会の答申の提案する代執行制度は、明らかに重大な公益の侵害をもたらされた場合に限り、知事の不服の申し出を含む慎重な手続によることとして、最終的には、執行の停止を含めて、裁判所の公正な判断を仰ぐような措置にしてあります。同時に、罷免制度の廃止、機関委任事務に係る議会や監査委員の権限の拡充等、地方公共団体の意向が国政に適切に反映されるような方途も逆に講じております。この答申は、地方の立場を十分に反映したものでありまして、政府は、その趣旨に沿って行わんとするものであります。
 輸出産業に対する対策でございますが、円高等厳しい環境に直面している中小企業については、二月十五日に成立した特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法の円滑な施行を図ってまいります。急激な為替変動による中小企業者への影響を最大限に防止するように、今後とも引き続いて努力してまいります。
 電力料金等の差益還元の問題については、今後の為替レートあるいは原油価格の変動、会社の決算の状況、こういうようなものをよく見きわめて対応する必要がありますが、料金の長期的安定を初め電気、ガスの使用者の利益のために使うこと、これを原則としつつ、具体的に検討を進めてまいります。
 適正な円・ドルレートについては、これを数字で示すことは不適当であると思います。しかし、急激な変化や過度の切り込みは避けるべきである、なだらかな長期的安定ということがこの制度には望ましいと考えておる次第でございます。
 残余の答弁は関係大臣からいたします。(拍手)
    〔国務大臣竹下登君登壇〕
#14
○国務大臣(竹下登君) 大部分総理からお答えがございました。重複を避けまして、補足をさせていただきます。
 まず、補助率カットの問題でございますが、今度は、補助金問題検討会の報告の趣旨を踏まえまして、そして事務事業の見直しに努めながら、補助率の総合的見直しを行ったわけであります。したがって、六十年度の措置のように、補助率のあり方を一年かけて検討するための間の当座の措置といった性格のものとは、基本的に異なるというふうに考えております。
 それから、たばこ消費税の問題につきましては、これも総理からお答えがあったとおりでございます。ただ、私どもは、この手続上、国会でも申し上げておりますが、いわば税調の追認をお願いしたということは、いささか適切でなかったなという反省をいたしております。
 それから、円高問題でございますが、まず特別融資制度、その次が信用補完制度、そしてまた、先ほどお答えがありまして、本日閣議で政令が決定いたしました特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法、これらの措置に対して、誠実にこれを実行していくという考え方であります。
 それから、円高の見通しは、これは確かに、相場の見通し、適正な相場水準を申し述べますことは、為替市場への影響力がございますので、差し控えるべきであると思います。今後とも、為替市場の動向には十分注視をしてまいりたい、このように思います。
 国保の問題であります。これは、退職者医療制度の実施に伴う市町村国保の負担増に対処するため、これも先般通していただきました六十年度補正予算において、国民健康保険特別交付金一千三百六十七億円を特別に措置をさしていただいたところであります。この措置は、市町村国保の安定に大きく資するものと考えますが、あわせて、財政調整交付金の効率的配分、また医療費適正化努力等によって、市町村国保の安定的運営は確保できる、このように考えておる次第であります。
 以上でお答えを終わります。(拍手)
    〔国務大臣小沢一郎君登壇〕
#15
○国務大臣(小沢一郎君) 小谷先生にお答えいたします。
 まず第一は、補助率カットと地方財政法との関連でございますけれども、今回の措置は、国の厳しい財政事情を背景といたしまして、補助金問題検討会の報告の趣旨を踏まえて、社会保障を中心に事務事業の見直しを行いながら、補助率の見直しを行ったものでございます。また、補助金臨時特例法におきましても、地方団体の事務事業の執行及び財政運営に支障を生ずることのないよう財政金融上の措置を講ずるという一項を設けております。また、国庫補助負担率の引き下げに伴います地方負担の増加額に対しましては、地方たばこ消費税の税率の引き上げ等により補てんいたしまして、地方財政の運営に支障を生じないように措置してございますので、地財法に抵触するものとは考えておりません。
 それから、補助率カットの問題ですが、総理、大蔵大臣からも既に答弁がありました。六十四年度以降の取り扱いにつきましては、暫定期間中において、私どもが従来から主張しております国、地方の財源配分及び役割分担のあり方等とともに検討を行っていき、適切に対処してまいりたいと思います。
 それから、たばこ消費税の引き上げにつきまして、これも総理、大蔵大臣から詳しくお答えありました。これは、予算編成における地方財政対策の一環としてとられた臨時異例の措置であると思っております。昭和六十一年度の地方財政に支障を来さないようにするためにとられたものでありまして、また、その規模から見ましても、臨調答申における「増税なき財政再建」の趣旨に反するとは考えておりません。
 それから、代執行の問題でございますが、これも総理から詳しくお話ございましたが、現行の制度は、機関委任事務の適正な執行の確保という要請と、それから地方公共団体の長の本来の地位の自主独立性との調和を図る、そういう観点から設けられたものでありますが、現実には制度として動かないという批判もあることも事実でございます。この問題につきましては、我が国の国と地方公共団体の関係全般に係る問題でありますから、制度の見直しに当たりましては極めて慎重な配慮を要するという立場から、地方制度調査会におきましても議論を重ねまして、地方公共団体の意見を十分尊重し、慎重かつ適切に機能し得る制度として、今回の提言をするに至ったと聞いております。自治省といたしましては、答申に沿いまして所要の法案を立案して、今国会に提出してまいりたい、そのように考えております。(拍手)
    〔国務大臣今井勇君登壇〕
#16
○国務大臣(今井勇君) 小谷先生にお答え申し上げます。
 まず、退職者医療の問題でございますが、現在の極めて厳しい財政状況の中で、政府といたしまして最大限の努力を払いまして、本年度の補正予算で国保の特別交付金千三百六十七億円を計上いたしたところでございまして、今後とも、市町村国保の安定的な運営が行われるように配慮いたしたいと考えておる次第でございます。
 次に、国民健康保険制度のあり方でございますが、高齢化の進展や産業構造の変化などに対応いたしまして、財政基盤の強化を図る観点から、幅広く現在検討いたしておるところでございます。また、国民健康保険の問題につきましては、地域の保健医療におきまして市町村が果たしております役割を十分尊重しながら、検討を進めていく考えでございます。(拍手)
#17
○議長(坂田道太君) これにて質疑は終了いたしました。
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#18
○議長(坂田道太君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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