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1985/03/28 第104回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第104回国会 本会議 第15号
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1985/03/28 第104回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第104回国会 本会議 第15号

#1
第104回国会 本会議 第15号
昭和六十一年三月二十八日(金曜日)
    ─────────────
 議事日程 第十二号
  昭和六十一年三月二十八日
    正午開議
 第一 児童扶養手当法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 年金福祉事業団法及び国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
    ─────────────
○本日の会議に付した案件
 日程第一 児童扶養手当法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 年金福祉事業団法及び国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後零時三分開議
#2
○議長(坂田道太君) これより会議を開きます。
     ────◇─────
 日程第一 児童扶養手当法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 年金福祉事業団法及び国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
#3
○議長(坂田道太君) 日程第一、児童扶養手当法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部を改正する法律案、日程第二、年金福祉事業団法及び国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。社会労働委員長山崎拓君。
    ─────────────
 児童扶養手当法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
 年金福祉事業団法及び国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
    〔山崎拓君登壇〕
#4
○山崎拓君 ただいま議題となりました二法案について、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、児童扶養手当法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、母子家庭及び心身障害者の福祉の向上を図るため、児童扶養手当の額を月額三万三千円から三万三千七百円に、特別児童扶養手当の額を月額二万六千五百円から二万七千二百円に、それぞれ本年四月から引き上げるとともに、本年四月から制度が発足する障害児福祉手当については月額一万千五百五十円を、特別障害者手当については月額二万八百円を、それぞれ支給しようとすること等であります。
 本案は、去る二月十七日に付託となり、三月六日今井厚生大臣から提案理由の説明を聴取し、昨日の委員会において質疑を終了し、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 次に、年金福祉事業団法及び国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、国民年金等の被保険者及び受給権者等の福祉の向上を図るため、年金福祉事業団において、その業務を将来にわたって安定的に実施するための資金の確保を目的として、長期借入金等による資金運用を行うことができることとするとともに、老齢福祉年金の額を月額二万六千五百円から二万七千二百円に、本年四月から引き上げようとするものであります。
 本案は、去る二月二十七日に付託となり、三月六日今井厚生大臣から提案理由の説明を聴取し、昨日の委員会において質疑を終了し、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(坂田道太君) 両案を一括して採決いたします。
 両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(坂田道太君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ────◇─────
 日程第三 消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
#7
○議長(坂田道太君) 日程第三、消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。地方行政委員長福島譲二君。
    ─────────────
 消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
    〔福島譲二君登壇〕
#8
○福島譲二君 ただいま議題となりました消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案について、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、本案のうち、消防法の改正について申し上げます。
 第一点は、危険物保安技術協会及び日本消防検定協会の経営の効率化を図るため、自治大臣による役員の任命制を廃止し、協会による役員の選任は自治大臣の認可制とするほか、両協会の資金計画及び借入金に係る自治大臣の認可制を廃止する等、政府の関与を縮小することとしております。
 また、日本消防検定協会に対する政府の出資制度を廃止するとともに、同協会のほか、自治大臣の指定する者が、機械器具についての検定等の業務を行うことができることとし、その指定手続、要件等を定めております。
 第二点は、救急業務の対象を広げ、現行の災害や事故による傷病者に、生命に危険のある急病人で他に搬送手段がない者等を加えるとともに、救急業務には、傷病者が医師の管理下に置かれるまでの間、応急の手当を行うことを含むものとしております。
 第三点は、市町村長は、他の市町村長が許可した移動タンク貯蔵所についても、事故時の応急措置命令等をすることができることとしております。
 第四点は、市町村は、災害時の人命救助活動の水準を高めるため、自治省令で定める基準に従い、人命救助に必要な特別の救助器具を装備した消防隊を配置するものとしております。
 次に、消防組織法の改正について申し上げます。
 消防庁の事務として、消防が行う人命救助活動の基準の研究及び立案、指定検定機関の指定及び監督等に関する事項を、また、都道府県の消防事務として、消防が行う人命救助活動の指導に関する事項を加えることとしております。
 本案は、三月二十四日参議院から本院に送付され、同日本委員会に付託されたものであります。
 本委員会におきましては、昨二十七日小沢自治大臣から提案理由の説明を聴取した後、審査を行い、両協会の民間法人化後の経営基盤の確保と今後の適正な検査水準の維持方策、ヘリコプターの活用及び救急車への医師の添乗等救急医療体制の強化、防災無線通信施設の整備等について質疑応答が行われました。
 本案は、同日質疑を終了し、討論を行い、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し、検定制度の適正な運営の維持等五項目の附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#9
○議長(坂田道太君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#10
○議長(坂田道太君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ────◇─────
 消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#11
○議長(坂田道太君) この際、内閣提出、消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。通商産業大臣渡辺美智雄君。
    〔国務大臣渡辺美智雄君登壇〕
#12
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま議題となりました消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 行政の分野における民間能力の一層の活用及び発揮を図るとともに、行政事務の簡素合理化を進めることは、行政改革を進める上においての重要な課題であります。かかる見地から、臨時行政調査会最終答申及びこれを受けた行政改革の推進に関する閣議決定において、特殊法人及び認可法人について、その経営の自立化、活性化を図るとともに、国等が行っている試験事務の民間団体への委譲を行うこととされており、特殊法人の自立化、活性化については、昨年十二月二十八日の閣議決定においても、所要の法律案を今国会に提出することとされております。
 今回、このような指摘を受けて、通商産業省所管の七つの特殊法人及び認可法人の自立化、活性化のための措置を講ずるとともに、通商産業大臣及び都道府県知事が行っている六種類の資格試験に係る試験事務の民間委譲を行うため、消費生活用製品安全法を初めとして通商産業省関係の九法律を一括して改正する本法律案を提案申し上げた次第であります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、製品安全協会、高圧ガス保安協会、電源開発株式会社、日本電気計器検定所及び中小企業投資育成株式会社の自立化、活性化を図るため、政府資金に依存することを要しなくなったものについて出資金を返還し、経理面での国の監督を緩和するとともに、役員の選任の自主性の確保、業務範囲の見直し、拡大等を行うこととしております。
 第二に、行政事務に関し民間能力の一層の活用を図る見地から、製品安全協会、高圧ガス保安協会及び日本電気計器検定所が行っている検査検定等の事務について、一定の能力を有する民間の指定機関にも、所要の監督、規制を行うことによって、これを行わせることができるようにしております。また、同じように公害防止管理者、火薬類取扱保安責任者及び高圧ガス製造保安責任者等に係る試験事務についても、民間の指定機関等に行わせることができるようにしております。
 以上が消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ────◇─────
 消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#13
○議長(坂田道太君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。和田貞夫君。
    〔和田貞夫君登壇〕
#14
○和田貞夫君 私は、日本社会党・護憲共同を代表いたしまして、ただいま議題になりました消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案に対する質問を行いたいと考えるわけでございますが、法案の質疑に先立ち、最近の諸問題についてこの際、ただしておきたいと存じます。
 去る三月一日の渡辺通商産業大臣のいわゆる毛針発言や、二十五日の平泉経済企画庁長官のマルコス疑惑に対する真相を究明することを批判する発言など、問題発言が閣僚の中から次々と出されているのであります。また二十六日には、撚糸工連不正事件により通産省の幹部が逮捕され、通産本省が捜索を受けるなど、設備廃棄事業に絡む構造汚職に発展し、国会におきましても、その事実関係について徹底追及しなければならない問題となっております。しかも、こうした一連の問題は、すべて経済官庁が起こしていることに特に問題がございます。
 現下の経済環境は、急激な円高により、中小企業を初めとした輸出関連産業にとっては、まさに生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされており、早急なる対策を講じなければならない局面に立たされているところであります。円高対策については、さきに成立いたしました特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法がございますが、この法律の成立の際に、情勢の推移に応じた施策の見直しを行うことが決議されており、今国会中であっても、再改正が必要ならば、実情に即した対応をとらなければならないとしてあります。
 このように国会においても、厳しい経済環境をいかに克服するかという議論のさなかに、経済のかじ取り役である経済官庁がこのような一連の問題を起こすことは、まことに遺憾なことでございます。この際、総理の所見と今後の対応についてお伺いいたしたいと思います。(拍手)
 さらに、総理は、重要問題について、国会の審議より私的諮問機関による活用が多く、このことは、立法府の軽視ということにとどまらず、主権の問題にまで影響するものと考えますが、総理いかがでしょうか。
 さて、消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案は、臨時行政調査会の最終答申を受けた行革大綱に基づき、特殊法人等について民間法人化、活性化を行うとともに、国等について試験事務の民間団体への委譲を行うことを内容としたものとなっています。しかしながら、幾ら性格が類似しているものだからとはいえ、内容及び趣旨の違うものを一括法案として同時に審議すべきものではなく、それぞれ個別に慎重な審議を行うのが順当であり、またそれが立法府としての役割であると考えますが、通産大臣も総理と同じように、国会軽視の考えでおられるのか、はたまた野党軽視でおられるのか、いかがお考えでしょうか。
 次に、内容の問題でありますが、特殊法人等の民間法人化、活性化として、製品安全協会、高圧ガス保安協会、日本電気計器検定所の行っている業務について、民間機関にもその業務を行える道を開くこととなっています。しかしながら、これらの法人が行っている業務は、それなりの必要性があるからこそそれぞれ法人が設立されたものであり、しかも各法人とも、安全性の確保と消費者保護という社会的な役割を十分に担ってきたところであります。今のところは、こうした法人の努力により安全性がかなりの程度で確保されてきておりますが、一連の業務を民間団体が行うことにより、今まで確保されてまいりました安全性が今後とも確保されるという保証はなく、ガスあるいは電気といった直接国民生活に密着した分野でもあり、万が一の事態も許されるものではございません。安全性の確保について責任ある答弁を求めるものであります。(拍手)
 次に、電源開発株式会社の活性化についてであります。
 電源開発株式会社は、電源開発促進法に基づく法人であり、電源を建設するという国の電力政策を大きく左右する業務を行うところであります。電源開発株式会社が発足した当時と比べて現在は、各電力会社が電源についても大きく寄与しておりますが、そこは民間企業であるがために、どうしても電源開発についてもコスト的な側面を考えざるを得ず、どうしても政策的な配慮の伴った機関が今後とも必要であると考えますが、政府は、電源開発株式会社の今後の展望について、どのようにお考えになるのでしょうか。
 第三は、中小企業投資育成株式会社の問題についてであります。
 中小企業投資育成株式会社は、発足以来、中小企業の健全な成長と発展を推し進めるために、中小企業の自立的な経営基盤の強化に努めてきたところであります。しかしながら、今回、中小企業投資育成株式会社を民間法人化するとの内容は、中小企業への多大なる悪影響を及ぼすのではないかと心配をしておるところであります。現在、東京、大阪、名古屋ともに健全なる経営を行っているところでありますが、経営は生き物であり、山もあれば谷もあることが予想されます。力強い政府の後押しがなければ、投資育成株式会社を頼りにしている中小企業者は、安心することができないのではないかと考えますが、いかがなものでございましょうか。
 第四は、試験事務の民間委譲の問題であります。
 公害防止管理者、公害防止主任管理者、火薬類製造保安責任者、火薬類取扱保安責任者、高圧ガス製造保安責任者、高圧ガス販売主任者、以上の六つの資格試験に係る事務を民間機関へ委譲することを内容としておりますが、こうした資格試験が果たして公正に行われるのか、心配しているところであります。また、先ほども指摘したように、通産官僚と業界との構造汚職という問題もあり、しかも安全性が問われる資格でもあり、どのように公正さを確保するのか、お伺いいたしたいと思います。
 最後に、政府の介入によって始まった今回の円高による不況は、輸出関連にかかわらず、中小企業や下請企業にとっては予想以上のどん底の状況であり、戦後四十年間、今日の日本経済の発展に大きな役割を果たしてまいった中小企業を軒並み倒産に追い込むことのないよう、二百円以上の為替レートの安定化を含め、早急な円高救済策を講ずるよう強く政府に要求いたしまして、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣中曽根康弘君登壇〕
#15
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 和田議員にお答えをいたします。
 まず、最近、通産省の公務員が刑事事件に問われました事件は、はなはだ遺憾な事件でありまして、申しわけない次第でございます。
 本日、閣議におきまして、私から各閣僚に対しまして、公務員の綱紀の粛正について強い指示を行っておきました。まず、公務員倫理あるいは全体に対する奉仕者としての使命感をさらに徹底する必要がある。第二に、業者とのつき合いの接点というものを、境界線を明確にして、清潔を保たなければならない。こういうようなことを確保するために、全官庁において、次官あるいは官房長等を長とする監視と監督の仕組みをつくるように、このことを強く指示したところでございます。こういう不祥事件を再び起こさないように戒めてまいる決心でございます。
 第二に、私的懇談会の問題でございますが、これは、行政の独善を排しまして、広く国民の皆さんの御意見を承る、そういう意味におきまして、事前にこのような措置を行っておるものでございます。もちろん、国家行政組織法における八条機関との区別も十分に考えておきまして、研究とかあるいは意見を拝聴するということにとどめており、決定はあくまで政府の責任において行っておるところでございます。
 なお、これらの施策は、必要に応じて国会に法律案として提出し、最終的な御判断は、常に国会の御判断をいただいておるものでございまして、立法府軽視との御批判は当たらないと考えております。
 残余の答弁は関係大臣からいたします。(拍手)
    〔国務大臣渡辺美智雄君登壇〕
#16
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま総理から御発言がございましたが、私からも一言おわびを申し上げたいと存じます。
 撚糸工業組合連合会の事件に関連いたしまして、通産省の現職の課長が逮捕されるというような事態を起こしまして、まことに申しわけなく存じております。今後一層姿勢を正し、そういうことのないように最大、万全の努力をしてまいる決意でございます。
 次に、質問にお答えをさせていただきます。
 九本の法律を束ねて一括法とするのは国会軽視であるというような趣旨の御質問でございますが、総理からもお答えがございましたように、決してそのような考えを持つものではありません。
 この法律案における九本の法律の改正というのは、まず第一に、いずれも臨時行政調査会の答申に基づくものでございまして、行政改革の具体化という同じ趣旨、同じ目的のために行ったものであります。第二番目は、この法律においては、通商産業省の所管する特殊法人、認可法人の検査検定事務及び通商産業省の所管する資格試験の試験事務について、一定の能力を有する民間機関もこれを実施することができるようにするということであります。その改正内容も、それぞれ類似性、非常によく似ておる、そして関連性があるものばかりでございます。第三番目には、通商産業省が行おうとする行政改革について、一括法で具体化することによってこれを統一的に推進することができ、また改正内容が総合的に把握できるため、国民各位の御理解を深めてもらえるものと考えております。以上の理由から、今回通商産業省提案をさしていただいた次第でございます。
 第二番目は、民間法人化により国民の安全確保の後退を招くのでないかという御趣旨でございます。
 私は、その心配はないと存じます。なぜならば、今回の法律改正は、検査、検定の主体である高圧ガス保安協会、製品安全協会、日本電気計器検定所について、その経営の自立化を図るためのものである。このために、出資金の返還とそれに見合った経理面での国の監督、規制の緩和を行おうとしておりますが、保安、安全規制の合格基準のレベルを初めとする規制の基本的枠組みを緩めるものではございません。また、保安、安全確保に係る業務に対する監督、規制についても変更は加えておりません。従来どおり万全を期すこととしております。さらに、今回新たに導入される指定機関制度につきましても、業務遂行に必要な能力及び公正、中立を十分担保するために、指定の要件や事業計画、業務方法書等の認可、指定の取り消しなど、所要の規定を整備しており、いやしくも国民の安全確保の後退を招くことのないよう仕組みを整えております。
 電発のように国策的機能を持った機関は今後とも必要と考えるがどうかということであります。
 お答えをいたしますと、電源開発株式会社は、電気事業の分野において一般電気事業者の事業活動を補完するとともに、国のエネルギー政策を実施する機関として、国としては今後とも電源開発会社の積極的な活用を図ってまいりたいと考えております。かかる観点から、新型転換炉実証炉の建設、大型輸入炭火力発電所の建設、または新たな石炭利用発電方式のための技術開発など、一般電気事業者としては積極的に取り組みにくい分野において、電源開発会社が一層力を入れていくことが重要であると存じております。
 次は、中小企業投資育成会社を民間にすることについて、中小企業が迷惑をこうむることはないかという趣旨でございますが、これについてお答えいたしますと、この会社を民間法人化するに当たりましては、中小企業の自己資本の充実の必要性にかんがみまして、まず第一に、健全な事業運営を確保するため、引き続き中小企業金融公庫からの特別貸し付けをやはり今までどおり行ってまいります。また第二に、自立的経営に資するため、投資対象業種の制限の撤廃、投資手段として新株引受権つき社債の導入を図るなど、国による規制の緩和と事業範囲の拡充を図ろうとするものであります。当省としては、これらの措置によって、今後、同社の事業活動が従来以上に積極的かつ機動的に行われ、中小企業の自己資本の充実に大いに寄与するものと考えております。
 最後に、通産官僚と業者との癒着問題が今問題になっておるときに、試験事務を民間に委譲することは、その公正な実施に支障がないかという御質問でございます。
 今回の改正は、六種類の国家試験について、国家試験という性格はそれを維持をしていく。その一方、この実施に関する事務を、一定の能力を有する民間団体に行わせることができるようにしようとするものであります。今回、試験事務の実施主体として導入される指定機関については、業務遂行に必要な能力及び公正、中立性を十分に担保するため、指定の要件、事業計画及び試験事務規程等をきちんとつくり、それの認可、指定の取り消しなど、所要の規定を整備してやろうとしておるわけであります。したがって、その公正な実施に支障を来すことのないように、十分に注意してやるつもりであります。
 以上でございます。(拍手)
#17
○議長(坂田道太君) これにて質疑は終了いたしました。
     ────◇─────
#18
○議長(坂田道太君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後零時三十七分散会

ソース: 国立国会図書館
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