くにさくロゴ
1985/04/03 第104回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第104回国会 本会議 第17号
姉妹サイト
 
1985/04/03 第104回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第104回国会 本会議 第17号

#1
第104回国会 本会議 第17号
昭和六十一年四月三日(木曜日)
    ─────────────
 議事日程 第十四号
  昭和六十一年四月三日
    午後一時開議
 第一 中小企業指導法及び中小企業近代化資金等助成法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ─────────────
○本日の会議に付した案件
 日程第一 中小企業指導法及び中小企業近代化資金等助成法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 環境衛生金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 昭和六十一年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時三分開議
#2
○議長(坂田道太君) これより会議を開きます。
     ────◇─────
 日程第一 中小企業指導法及び中小企業近代化資金等助成法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#3
○議長(坂田道太君) 日程第一、中小企業指導法及び中小企業近代化資金等助成法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。商工委員長野田毅君。
    ─────────────
 中小企業指導法及び中小企業近代化資金等助成法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
    〔野田毅君登壇〕
#4
○野田毅君 ただいま議題となりました中小企業指導法及び中小企業近代化資金等助成法の一部を改正する法律案につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 御承知のように、我が国経済社会の情報化は急速なテンポで進展しつつありますが、中小企業の情報化の現状は、大企業に比べて大きく立ちおくれております。このままで推移するならば、大企業と中小企業との情報化格差により、両者の経営力格差は一層拡大するばかりか、我が国産業のバランスのとれた発展に支障を生ずることも懸念されます。
 本案は、このような現状にかんがみ、中小企業の情報化について人材、資金の両面から支援する措置を講じようとするものであります。
 その主な内容は、
 まず、中小企業指導法につきましては、
 第一に、都道府県知事は、一定の要件に該当する者を当該都道府県に一に限って指定し、その指定法人に、電子計算機を利用して行う中小企業者の経営管理についての診断、指導事業等の特定指導事業を行わせることができること、
 第二に、指定法人が行う特定指導事業に対し都道府県がその経費を補助する場合に、その一部を国が都道府県に対し補助することができること
等であります。
 次に、中小企業近代化資金等助成法につきましては、中小企業設備近代化資金の貸付事業の対象に、中小企業の近代化に著しく寄与すると認められるプログラムを追加するとともに、設備貸与事業にプログラム使用権の提供の事業を加えること等であります。
 本案は、去る二月二十日当委員会に付託され、三月二十五日渡辺通商産業大臣から提案理由の説明を聴取し、同月二十八日審査を行い、同日質疑を終了し、四月二日採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(坂田道太君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(坂田道太君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ────◇─────
#7
○桜井新君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、内閣提出、環境衛生金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#8
○議長(坂田道太君) 桜井新君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(坂田道太君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
    ─────────────
 環境衛生金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#10
○議長(坂田道太君) 環境衛生金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。社会労働委員長山崎拓君。
    ─────────────
 環境衛生金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
    〔山崎拓君登壇〕
#11
○山崎拓君 ただいま議題となりました環境衛生金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案について、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、環境衛生関係営業の衛生水準の向上及び近代化の促進を図るため、環境衛生金融公庫及び沖縄振興開発金融公庫の業務に、環境衛生関係営業者の営業等に要する運転資金の貸し付けを加えるとともに、両公庫の理事及び監事の任期を二年とすること等であります。
 本案は、去る二月二十四日付託となり、三月二十日今井厚生大臣から提案理由の説明を聴取し、本日の委員会において質疑を終了し、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#12
○議長(坂田道太君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○議長(坂田道太君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ────◇─────
 昭和六十一年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#14
○議長(坂田道太君) この際、内閣提出、昭和六十一年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案について、趣旨の説明を求めます。大蔵大臣竹下登君。
    〔国務大臣竹下登君登壇〕
#15
○国務大臣(竹下登君) ただいま議題となりました昭和六十一年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、我が国財政を取り巻く環境には一段と厳しいものがあり、我が国経済の着実な発展と国民生活の安定、向上を図るためには、引き続き財政改革を強力に推進し、財政の対応力の回復を図ることが緊要であります。
 このため、政府は、昭和六十一年度予算におきまして、特に歳出の徹底した節減合理化を行うことを基本とし、あわせて、歳入面についてもその見直しを行い、これにより公債発行額を可能な限り縮減することとして編成したところであります。
 まず、歳出面におきましては、既存の制度、施策の改革を行うなど徹底した節減合理化を行い、全体としてその規模を厳に抑制することとし、その結果、一般歳出の規模は前年度に比べ十二億円の減に圧縮されております。これは昭和五十八年度以降四年連続の対前年度減額であります。
 他方、歳入面におきましては、税制について、その抜本的見直しとの関連に留意しつつ、税負担の公平化、適正化を一層推進する等の観点から必要な見直しを行い、また、税外収入についても、可能な限りその確保を図ることといたしております。
 しかしながら、これらの措置をもってしても、なお財源が不足するため、昭和六十一年度におきましては、特例公債の発行を行うこととするほか、国債費定率繰り入れ等の停止などの措置をとらざるを得ない状況にあります。
 本法律案は、以上申し述べましたうち、昭和六十一年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置として、同年度における特例公債の発行、国債費定率繰り入れ等の停止、政府管掌健康保険事業に係る繰り入れの特例について定めるものであります。
 以上、昭和六十一年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
     ────◇─────
 昭和六十一年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#16
○議長(坂田道太君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。伊藤忠治君。
    〔伊藤忠治君登壇〕
#17
○伊藤忠治君 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、ただいま提案されました昭和六十一年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案について、中曽根総理並びに関係大臣に質問いたします。
 政府が六十一年度予算において、五兆二千四百六十億の特例公債を発行し、あわせて、歳出財源確保の立場から昨年に引き続き、国債整理基金特別会計への国債費定率繰り入れ等を停止するなど、誤った財政措置を講ずることは極めて遺憾であります。さらに私は、中曽根内閣の政治公約である六十五年度赤字公債依存からの脱却が不可能な状態にあることを、強く訴えたいのであります。しかるに、中曽根総理は、去る三月二十日の本会議において、財政をめぐる状況は依然として厳しいが、この旗をおろせば、これまでの努力が水泡に帰すと答弁されているのであります。これは、努力すれば実現の可能性があるのか、それとも不可能と考えられておられるのか、明確に答えていただきたいのであります。(拍手)
 総理、現実を直視していただきたい。今日、我が国の財政状況を見るとき、特例公債の六十五年度脱却はだれの目にも不可能であります。それを招来せしめた最大の原因は、中曽根内閣が発足以来、行財政改革を金科玉条に、四年連続して超緊縮予算を国民に押しつけ、一方では、急激な軍備拡大政策をとってきたからであります。その結果、昭和六十年度当初に国債減額一兆円の目標を立てたが、補正後の実績は二千五百億の減額にとどまり、昭和六十一年度は、一兆一千五百億の減額が必要であるにもかかわらず、四千八百四十億しか組めない状況であります。また、昭和六十五年度脱却のためには、昭和六十二年度以降、各年度ごとに一兆三千百億の減債が必要であるにもかかわらず、その実行は到底不可能なのであります。
 政府は、昭和六十一年度予算の編成に当たって、本来、一般歳出に計上すべき経費を財政再建を理由に後送りしており、厚生年金、国民年金、政管健保などの国庫負担を初め、昭和五十七年度以降六十一年度までの累積額は、実に十兆円に達するのであります。また、昭和六十一年度の防衛費の後年度負担は二兆四千二百億と過去最高に達し、公務員給与についても前年度並みの一%計上すら見送られており、今後人事院勧告が出され、これを実施しようとすれば、従来以上に過酷な経費削減を余儀なくされることは明らかなのであります。このように、財政再建の基本的手法を歳出削減に求め、国民への犠牲に転嫁してきた結果は無残であり、財政操作の手品も今や種切れになり、我が国の財政は、破綻へのゆがみをますます拡大しているのであります。
 中曽根総理、あなたは今、財政再建失敗の重大な責任を問われているのであります。にもかかわらず、総裁三選をねらうとは、まことにたけだけしい。財政再建に失敗し、その政治責任をとって辞任された鈴木前総理との違いを痛感するのであります。(拍手)
 世界の超大国アメリカが、債務国に転落しました。財政破綻の最大原因が、世界に名立たる膨大な軍事費にあることはだれも疑いません。軍事大国化が、国家財政の硬直化を招き、平和産業を圧迫し、ひいては国民生活を疲弊させることは、国家、政治体制のいかんを問わず、世界の歴史が物語るところであります。アメリカは、その決断が遅過ぎたかもしれないけれども、財政再建を求めて財政収支均衡法を成立させました。再建計画に基づいて軍事予算を大胆に削減する、国民生活に直結する年金、医療、福祉関係予算は、これの例外扱いとするものであります。
 我が国の中曽根内閣は、あろうことか、軍事負担にあえぐアメリカの肩がわりを日本が果たそうとしているのであります。このような中曽根内閣の軍事大国路線は、明らかに誤りであります。総理、あなた好みのアメリカの教訓に学ぶというのであれば、平和憲法を持つ我が国の選ぶべき道は、一刻も早く中曽根軍拡路線を清算し、「増税なき財政再建」に向けて国民生活重視、内需拡大の断固たる財政政策を確立し、これを実行することであります。
 以上の立場から、総理にお伺いいたします。
 財政再建の説得力ある実行計画が明示されずに、単年度の特例公債発行の措置を求められても、到底同意できるものではありません。
 そこで第一に、総理が考えられている「増税なき財政再建」について、今後の具体的計画を明らかにしていただきたい。第二は、税制改革は、政府にとって帰するところ、財源の安定的確保が最大課題になると判断されます。この場合、大型間接税と非課税貯蓄の利子課税の双方を導入する考えなのか、それとも、どちらを重点に導入を考えられているのか、明らかにしていただきたいと思うのであります。第三は、急激な円高不況に対して早急かつ適切に諸対策を講じることは、我が国の直面する最大課題であります。私は、この立場から、内需拡大策の一環として、年度内に少なくとも二兆円の戻し減税を実施すべきであると考えます。これに対する総理の見解を伺いたいのであります。
 次に、竹下大蔵大臣にお伺いいたします。
 第一は、財政当局の責任者として、あなたは、特例公債の昭和六十五年度脱却が不可能な状況にあることは、だれよりも痛感されていると思います。その責任ある立場から、実現可能な再建計画に見直すため、六十五年度脱却を今後十年間に延長すべきであると考えますが、大蔵大臣の見解をお伺いいたします。第二は、円相場について、この急激な円高、為替相場の激しい乱高下が、我が国の経済、財政全般に深刻な影響をもたらしていることは論をまちません。問題は、政府としての対処策について、特に中小零細企業者に対し、いかなる諸対策を考えておられるのかをお伺いいたします。また、大蔵大臣は、円高を基調としつつも、その安定化のためには、円相場はどの程度が適当と判断されておられるのか。さらに、公定歩合の再々引き下げについて、どう考えられておられるのか。第三は、来る八日ワシントンで開催されます十カ国蔵相会議にどのような方針で臨まれるのか、お伺いをいたします。
 次に、通産大臣にお伺いいたします。
 今回の急激な円高デフレの中で、輸出関連企業は大きな打撃を受けており、わけても、経営基盤の弱い中小零細企業の多くが倒産の状況に追い込まれており、そこに働く労働者の雇用不安、生活不安は極度に達している状況にあります。この窮状を救済するため、政府は緊急対策としてどのような手を打っているのか、明らかにしていただきたい。また、これら諸対策の一環として、電力、ガスなどの円高差益の還元について、利用者及び輸出関連不況業種に対し、即時かつ有効に実施されるよう政府は強力な指導を行うべきであると考えますが、大臣の見解をお伺いしたいのであります。
 次に、国債整理基金特別会計への国債費定率繰り入れ等の停止についてであります。
 繰り返し強調してまいりましたとおり、我が国の財政事情は、昭和六十一年度も引き続き定率繰り入れを停止しなければならないほど逼迫しているのであります。加えて問題なのは、定率繰り入れ等を停止したままでは償還財源が不足の事態になるとして、予算より四千百億を繰り入れ、さらに、NTT株式売却益四千百五十七億円を収入に当て込んで現状を糊塗しようとしているのであります。まさに綱渡り財政と言わなければなりません。しかし、このような変則運用を五年間も継続して、事態が好転するどころか、財政制度審議会が指摘するごとく、公債償還財源の問題は六十二年度以降さらに深刻なものになり、我が国の財政は破局の一途をたどっているのであります。
 そこで、竹下大蔵大臣に質問いたします。
 今日、最も必要なことは、歳入歳出構造の抜本改革を図ることであり、昭和六十二年度の変則運用はあり得ないと考えますが、大臣の所見を伺いたいのであります。
 次いで、NTT株式の売却問題についてお伺いいたします。
 政府は、財源確保のため、昭和六十一年度から向こう四年間にわたり百九十五万株ずつ売却し、その収益を見込んでいるのですが、問題なのは、売却の時期についてであります。NTTは、民営化移行後わずか一年しか経過しておらず、第一種電気通信事業者の全面的な市場参入を得て本格的な市場競争の段階へ入るのは、早くても六十三年以降であります。したがって、NTTの競争体制が実証できるのもこの段階からであります。しかも、株式相場が会社の財務、資産状況、将来性等が重要なファクターになることを考慮すれば、株式売却の時期は早くとも、昭和六十二年度NTT決算を見た上で実施するのが妥当であると考えるのであります。
 そこで、大蔵大臣に質問いたします。
 株式の売却の時期については、早くとも六十二年度に延期されるべきだと考えますが、この点についてどうお考えになりますか。また、昨今の財テクブームを考えるとき、株式の売却がいたずらにこれを過熱させることがあってはならず、株価の決定については、政府の慎重かつ適切な対処が必要であると考えますが、大臣の所見を伺いたいのであります。次いで、株式の売却方法については、これが国民共有の財産であることにかんがみ、特定の法人、個人に集中することを避け、広く希望する国民が等しく取得できるよう政府は適切な方法をとるべきであり、さらに、株価の決定等については、いささかの疑惑も生じないよう公明正大なルールを確立するため、国会の意見を十分に尊重の上、対処すべきであると考えますが、大臣の所見をお伺いしたいのであります。
 以上申し述べましたとおり、我が国の至上命題である「増税なき財政再建」の実現は、我が国経済の輸出依存型から内需主導型への転換、財界、大企業優遇の不公平税制の是正、軍備拡大から福祉重視への政策転換が不可欠であるにもかかわらず、五たびにわたって現状を糊塗しようとする本法案の提出は、何ら問題の解決にならないことを再度強調し、本法案の撤回を求めて、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣中曽根康弘君登壇〕
#18
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 伊藤議員にお答えをいたします。
 「増税なき財政再建」並びに六十五年度赤字公債依存体質からの脱却、この二つの方針は、今後も遵守してまいる考え方でおります。財政状況は極めて厳しい状況にあることは、私もよく知っております。しかし、この厳しい環境の中にありながらも、できるだけ歳出を節減し、増税を回避し、そして、民間活力を増大させて国民経済を繁栄に導こう、インフレなき物価安定に向けていこうというのが我々の政策でございます。厳しい道ではございますが、臨時行政調査会あるいは臨時行政改革推進審議会の方針のもとに、今のような行革、財革を通じて今後も努力をし、歳出歳入構造の節減、あるいはさらに国有財産の処理、例えば、電電公社の株式の売却であるとか、あるいは……(発言する者あり)電電株式会社であります。あるいはさらに、適正なる新しい経済成長の道、内需振興等々、あるいは金融政策、こういうものを弾力的に結合させまして、この目的を達したいと思っております。
 税制の改革につきましては、現在、政府税調において審議中でございますので、この答申を待ちまして適切に対処いたします。大型間接税と利子課税の問題でございますが、税制の抜本的見直しは、各方面から指摘されておりますようなゆがみあるいは不公平感、重税感、こういうようなものを是正するということが目的でありまして、増収を目的として行おうとするものではございません。いわゆる課税ベースの広い間接税の問題、利子課税のあり方等につきましては、税制改革につきまして抜本的な改正の一環のもとに、今調査会におきまして審議中でございますので、その結果を待ちまして適切に処理してまいりたいと思います。所得減税につきましては、当面の問題につきましては、各党間の協議の結果を見守りたいと思います。
 物価の安定を旨といたしまして、実質所得、実質賃金の上昇を図るように今後とも引き続き努力し、あるいはさらに、機動的な内需振興の経済運営を心がけてまいりたいと思っております。
 残余の答弁は関係大臣からいたします。(拍手)
    〔国務大臣竹下登君登壇〕
#19
○国務大臣(竹下登君) 私に対するお尋ねは、六問ございます。
 まず最初の、十年計画に変更するなど実現可能な方針を模索すべきではないかという御意見に対してでございます。
 六十五年度までに特例公債依存体質から脱却するという努力目標の達成が、容易ならざる課題であることは事実であります。しかし、このまま今の財政状態を放置しておきましたならば、いわゆる我が国経済の活力自体の弱化を招く懸念が強く、そうなれば、物価、雇用など経済各方面に悪影響を与えますとともに、国際情勢の変化等に適切に対応していくこともできなくなります。したがって、私どもは、六十五年度脱却という努力目標の達成に全力を尽くすべきであると考えます。目標年次を先に延ばす、これは一層の特例公債の累増を招く、したがって長期的に負担が大きくなる、このことはやはり考慮すべきことであると思います。
 次は、円相場の問題についてでございます。
 為替相場は、基本的に御承知のように、各国の経済ファンダメンタルズを適正に反映することが最も望ましいことであります。しかし、具体的にどのような相場が適正かにつきましては、これは述べることは困難な問題であります。ただ、為替相場の安定は重要であります。したがって、その変化もなだらかな方が望ましいということは申すまでもありません。したがって、各国の政策調整というようなことが何よりも大事であると考えます。そしてまた、いわゆる動きが急に過ぎたり、乱高下と判断される場合には、適時適切に介入することといたしておるところでございます。
 さて、次の問題は、公定歩合の再々引き下げについての問題であります。
 今後とも、金融政策の運営につきましては引き続き、景気、物価、為替相場の動向や内外金融情勢等を総合的に勘案して、適切、機動的に対処していくという基本的考えを申し述べるにとどめておく次第であります。
 それから、八日に始まりますG10の問題でございますが、この主要議題は、世界経済情勢に関する意見交換及び国際通貨制度についての検討となっております。世界経済情勢に関する意見交換では、為替相場の動向、それから金利低下、石油価格の下落、そういった問題を踏まえまして、インフレなき持続的成長及び対外不均衡の是正をいかに一層確実なものにしていくか、こういう角度からの議論が行われるものと考えられます。我が国としては、内需拡大、市場開放、これらの点につき十分説明を行いますと同時に、やはり財政改革の重要性について改めて強調する考え方でございます。通貨制度につきましては、これはIMF暫定委員会での途上国を交えての本問題の本格的議論に先立ちまして、いわば先進国間の意見調整をやっておこう、こういう考え方でございます。
 それから次は、国債整理基金特別会計の問題でございますが、やむを得ず定率繰り入れを停止することといたしたところであります。なお、定率繰り入れを停止したままでは公債の償還財源が不足するという事態に立ち至っておりますことから、御指摘のとおり四千百億円の予算繰り入れを行っております。いずれにせよ、引き続き財政改革を一層推進していくことは、喫緊の国民的課題でありまして、今後とも、歳出歳入両面にわたっての見直しを行い、そして財政改革の推進に最大限の努力を払う。六十二年以降の定率繰り入れの取り扱いにつきましては、こういう基本方針のもとで、国債整理基金の状況等を勘案しながら、適切な対処をすべきものであると考えております。
 それから、NTTの株式売却の問題について、かねて伊藤さんは、一つの持論を持っていらっしゃいます。私も承知いたしております。しかし一方、五十九年七月十九日の衆議院逓信委員会におきましては、民営化の趣旨から、必要な条件が整い次第、できるだけ早期に売却を行い、名実ともに民営化を進め、業務経営の効率化に刺激を与えることが適当である、いつまでも一人株主はおかしい、こういう附帯決議等もなされております。そして、民営化後最初の決算が発表されて、投資家に対する企業内容の開示など、広く民間に株式売却を行う上で必要な条件が大体整うのではないか、こういう見込みの上に立っております。したがって、六十一年度中に株式売却を実施する体制を整備することは、十分可能ではないかという客観情勢であろうと考えております。
 さて、実際の売却時期につきましては、決算発表後、株式市況等を見ながら慎重に決定してまいる所存でございます。これはまさに、今日までの伊藤さんを初め皆様方の議論を体しまして、慎重に決定すべき課題であるという問題意識を持っております。
 それから、それが売却の基本方針としては、これは国民共有の財産であって、その売却を厳正かつ公正な方法で行って、いやしくもその売却方法や株価の決定方法等について、国民の皆さん方から疑惑を抱かれるようなことは断じてしてはならないことであります。したがって、株式が特定の個人、法人に集中することなく、広く国民が所有できるとの観点から、一般投資家の参加という点についても十分配慮する必要がある、このように考えております。具体的な売却方法は、昨年九月、国有財産中央審議会の了承を得た上で設けました電電株式売却問題研究会、それにおいて、国会の議論等を踏まえた上で、適宜関係者の意見を聴取して検討していただいておるところでございますので、今月中をめどに研究会の方の意見を取りまとめていただく、その後、国有財産中央審議会に諮問して答申をいただいた上で、売却方法等を決定するという順序になっておることを申し添えておきます。(拍手)
    〔国務大臣渡辺美智雄君登壇〕
#20
○国務大臣(渡辺美智雄君) 中小企業の緊急対策についてお答えをいたします。
 円高によって輸出入面などで影響を受けている中小企業者につきましては、特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法の活用によって、その万全を期してまいりたいと存じます。また、下請中小企業については、下請代金支払遅延等防止法の厳正な運用を図り、それから先般、下請等中小企業対策推進本部を設置をいたしましたから、それらを通じまして下請中小企業からの苦情及び相談の受け付け、処理を行っているところであります。さらに、下請中小企業に不当なしわ寄せをしないように親事業者、団体等に対し指導通達を発するなど、指導の強化を図っておるところであります。通産省といたしましては、今後の円相場の動向、中小企業への影響などに注目しながら、必要に応じて対策の拡充を検討してまいりたいと存じます。
 第二番目、これは円高差益の還元についてでございますが、円高の差益、特に電気、ガス料金における円高差益につきましては、原価主義及び需要家間の公平の原則に即して需要家の利益のために活用されることが基本であると考えております。電力、ガス業界の差益への対応については、電力・ガス差益問題懇談会の報告を踏まえながら、今後関係審議会等の意見も聞きながら検討してまいりたいと存じます。時期につきましては、昭和六十年度決算が明らかになる五月ごろを目途に具体的方策を決めたいと存じます。(拍手)
#21
○議長(坂田道太君) これにて質疑は終了いたしました。
     ────◇─────
#22
○議長(坂田道太君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト