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1985/04/17 第104回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第104回国会 本会議 第21号
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1985/04/17 第104回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第104回国会 本会議 第21号

#1
第104回国会 本会議 第21号
昭和六十一年四月十七日(木曜日)
    ─────────────
 議事日程 第十八号
  昭和六十一年四月十七日
    午後一時開議
 第一 民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法案(内閣提出)
 第二 消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 郵便法等の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第四 国際花と緑の博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第五 都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第六 国の補助金等の臨時特例等に関する法律案(内閣提出)
    ─────────────
○本日の会議に付した案件
 日程第一 民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法案(内閣提出)
 日程第二 消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 郵便法等の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第四 国際花と緑の博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第五 都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第六 国の補助金等の臨時特例等に関する法律案(内閣提出)
 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
 特定商品等の預託等取引契約に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時三分開議
#2
○議長(坂田道太君) これより会議を開きます。
     ────◇─────
 日程第一 民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法案(内閣提出)
 日程第二 消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
#3
○議長(坂田道太君) 日程第一、民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法案、日程第二、消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。商工委員長野田毅君。
    ─────────────
 民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法案及び同報告書
 消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ─────────────
    〔野田毅君登壇〕
#4
○野田毅君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法案について申し上げます。
 本案は、最近における内外経済環境の変化に対処して、民間事業者の能力の活用により、経済社会の健全な発展の基盤の充実に資する特定施設の整備を促進しようとするものであります。
 その主な内容は、
 第一に、本法案の対象となる特定施設を、工業技術の研究開発及び企業化の基盤施設、電気通信業等の技術の開放型研究施設、情報処理の事業の発達のための複合型施設、電気通信業等の発達等のための複合型施設、国際経済交流等の促進のための国際見本市場施設及び国際会議場施設、港湾の利用の高度化のための施設とすること、
 第二、主務大臣は、特定施設の種類ごとに、特定施設の整備の基本的方向等を定めた基本指針を策定するとともに、民間事業者が作成した特定施設の整備計画について認定を行うこと、
 第三に、認定を受けた整備計画に従って特定施設の整備の事業を行う事業者に対し、課税の特例措置その他の支援措置を講ずること、
 その他、特定都市開発地区及び特定港湾開発地区の指定並びに当該地区における開発整備方針の策定等所要の規定を設けること
等であります。
 本案は、去る三月二十八日当委員会に付託され、同日渡辺通商産業大臣から提案理由の説明を聴取し、以来、運輸、逓信及び建設の三委員会と連合審査会を開くなど慎重に審査を重ね、四月十五日質疑を終了、討論を行い、採決の結果、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 次に、消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、昭和五十八年の臨調最終答申及びこれを受けた行革大綱を踏まえ、製品安全協会等七つの特殊法人等について、その自立化及び活性化を図り、あわせて、試験事務の民間委譲等の措置を講ずるため、通商産業省関係の九法律を一括して改正しようとするものであります。
 その主な内容は、
 第一に、製品安全協会、高圧ガス保安協会及び日本電気計器検定所に対する政府の出資金の返還並びにこれらの法人、電源開発株式会社及び中小企業投資育成株式会社の業務運営に対する規制の緩和について定めること、
 第二に、公害防止管理者、火薬類製造保安責任者、高圧ガス製造保安責任者等の資格試験の事務を民間の指定試験機関に委譲することができること等であります。
 本案は、去る三月二十八日本会議において趣旨説明並びに質疑が行われた後、同日当委員会に付託され、四月二日渡辺通商産業大臣から提案理由の説明を聴取し、慎重に審査を行い、四月十六日質疑を終了、採決の結果、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(坂田道太君) これより採決に入ります。
 まず、日程第一 につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#6
○議長(坂田道太君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
 次に、日程第二につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#7
○議長(坂田道太君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ────◇─────
 日程第三 郵便法等の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
#8
○議長(坂田道太君) 日程第三、郵便法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。逓信委員長宮崎茂一君。
    ─────────────
 郵便法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ─────────────
    〔宮崎茂一君登壇〕
#9
○宮崎茂一君 ただいま議題となりました郵便法等の一部を改正する法律案につきまして、逓信委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、郵便事業の現状等にかんがみ、利用者に対するサービスの向上を図るため、郵便法その他関係法律について所要の改正を行おうとするもので、その内容は次のとおりであります。
 まず、郵便法の一部改正について申し上げます。
 第一は、書留としない小包郵便物についても、棄損等した場合、省令で定める額を限度とする実損額を賠償することとすること、
 第二に、料金受取人払いの取り扱いについて、小包郵便物及び特殊取り扱いとする郵便物についても取り扱うほか、省令で定める郵便物について差出人から申請がある場合にも取り扱うことができることとすること、
 第三に、料金後納に係る担保を免除する者を拡大すること及び市内特別郵便物についても転送の取り扱いをすること
等であります。
 次に、簡易郵便局法の一部改正についてでありますが、その内容は、簡易郵便局に委託すべき事務に、新たに厚生年金保険の給付の支払いに関する事務及び道路交通法に定める反則金等の受け入れに関する事務を加えることとするものであります。
 最後に、郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部改正について申し上げます。
 第一は、この法律の題名を「郵便切手類販売所等に関する法律」に改めるとともに、郵便切手類の「売りさばき人」を「販売者」に改めること等とすること、
 第二に、郵政省が販売する郵便の利用上必要な物を郵便切手類販売所において販売できることとするもの
であります。
 本案は、三月二十八日参議院から送付され、同日当委員会に付託され、四月九日佐藤郵政大臣から提案理由の説明を聴取し、昨十六日質疑を終了、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#10
○議長(坂田道太君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○議長(坂田道太君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ────◇─────
 日程第四 国際花と緑の博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第五 都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
#12
○議長(坂田道太君) 日程第四、国際花と緑の博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案、日程第五、都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。建設委員長瓦力君。
    ─────────────
 国際花と緑の博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案及び同報告書
 都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号(二)掲載〕
    ─────────────
    〔瓦力君登壇〕
#13
○瓦力君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 国際花と緑の博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案は、昭和六十五年に大阪府下都市公園鶴見緑地において開催される国際花と緑の博覧会の円滑な準備及び運営に資するため、必要な特別措置を講じようとするもので、その主な内容は、次のとおりであります。
 第一に、国は、財団法人国際花と緑の博覧会協会に対して、博覧会の準備または運営に要する経費の一部を補助することができることといたしております。
 第二に、郵政省は、博覧会準備等の資金に充てることを目的として、寄附金付郵便葉書等を発行することができることといたしております。
 第三に、住宅・都市整備公団は、国際花と緑の博覧会に参加する外国政府等の外国人従業員の居住用に提供される住宅等を、博覧会協会に対し賃貸することができることといたしております。
 第四に、国家公務員、地方公務員等である者が、博覧会協会に転出した場合における共済組合の組合員の資格等について必要な特例を設けるとともに、博覧会協会の役員及び職員は、刑法その他の罰則の適用については、公務に従事する職員とみなすことといたしております。
 次に、都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法律案は、都市公園の整備の促進等により都市環境の改善を図るため、現行の都市公園等整備五カ年計画に引き続き、新たに昭和六十一年度を初年度とする都市公園等整備五カ年計画を策定しようとするものであります。
 以上の両法律案は、参議院先議に係るものでありますが、国際花と緑の博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案は、去る三月二十四日、都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法律案は、去る三月二十八日本委員会に付託され、両法律案について、四月十四日江藤建設大臣から提案理由の説明を聴取し、昨十六日質疑を終了、採決の結果、それぞれ全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法律案に対しては、五カ年計画の完全達成を期すること等六項目の附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#14
○議長(坂田道太君) 両案を一括して採決いたします。
 両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○議長(坂田道太君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ────◇─────
 日程第六 国の補助金等の臨時特例等に関する法律案(内閣提出)
#16
○議長(坂田道太君) 日程第六、国の補助金等の臨時特例等に関する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。大蔵委員長小泉純一郎君。
    ─────────────
 国の補助金等の臨時特例等に関する法律案及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ─────────────
    〔小泉純一郎君登壇〕
#17
○小泉純一郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 この法律案は、最近における財政収支、社会経済情勢の推移及び累次の臨時行政調査会の答申等の趣旨を踏まえ、財政資金の効率的使用を図るため、国の負担金、補助金等に関する臨時特例等の措置を講じようとするもので、その主な内容を申し上げますと、
 第一に、社会保障、公共事業等の各政策分野の特性に配意しつつ、補助率の総合的見直しを図るという観点に立って、四十四法律について、昭和六十一年度から昭和六十三年度までの各年度における国の補助金及び負担金の補助率及び負担率の引き下げを行うこととしております。
 なお、この対象となる地方公共団体に対しましては、その事務事業の執行及び財政運営に支障を生ずることのないよう、財政金融上の措置を講ずることとしております。
 第二に、地方公共団体の事務事業として同化定着している補助金及び負担金を規定している二法律について、その補助金及び負担金を整理し、地方公共団体の一般財源による措置への移行を行うこととしております。
 第三に、厚生保険特別会計法等、一般会計から特別会計への国庫負担金等の繰り入れを規定している三法律について、昭和六十一年度から昭和六十三年度までの各年度における繰り入れの特例を定めることとしております。
 本案につきましては、去る四月一日竹下大蔵大臣から提案理由の説明を聴取し、同月七日から五日間にわたり関係各委員会との連合審査会を開会したほか、参考人より意見を聴取する等慎重に審査を行い、昨十六日質疑を終了いたしましたところ、堀之内久男君外三名から、自由民主党・新自由国民連合提案による施行期日を「公布の日」に改める等の修正案が提出されました。
 次いで、討論を行い、採決いたしました結果、本案は多数をもって修正案のとおり修正議決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#18
○議長(坂田道太君) 討論の通告があります。順次これを許します。伊藤茂君。
    〔伊藤茂君登壇〕
#19
○伊藤茂君 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、ただいま議題となりました国の補助金等の臨時特例等に関する法律案に対し、反対の討論をいたします。
 反対の理由の第一は、政府が国会で表明し、約束したことをみずから踏みにじっていることであります。
 昨年の通常国会に提案された補助金一括削減について、政府は、一年限りと繰り返し表明したにもかかわらず、本年は昨年の二倍の額、一兆一千七百億円の削減、しかも三年にわたるという内容を持ち出しまして、三年後の対応も不明確にして、制度改悪の恒久化をねらっております。これは国会軽視であり、背信行為であります。政治と国会の重要な基礎は信頼でありまして、国会と国民の前に表明したことを誠実に実行することであると思いますが、この法案は、政府みずからこれを突き崩すものであり、断じて容認できないものであります。(拍手)
 反対の第二の理由は、この法案が地方自治、地方自治法、地方財政法への重大な侵害であることであります。政府は、全国の八割に上る地方議会の反対決議を無視し、国と地方との関係、税財政の将来、財政再建の展望を何ら示さないまま、このような法案を提案したことであります。
 昨年の補助金一括削減によって、地方財政、特に福祉、教育行政の現場で深刻な問題が引き起こされ、国の最低基準さえ守られないおそれが生まれていることが、法案審議の過程、特に五日間にわたる連合審査会を通じて明らかにされましたが、政府は、この状況を打開する対策を何ら示すことができなかったのであります。さらに、本年度末における自治体の累積債務は五十八兆円に及び、本法案によって今後、さらに急増することは明らかであります。自治体財政にとって、公債費負担比率一五%が危険ラインと言われておりますが、既に二割以上もの自治体がその状態に陥っており、本法案によってさらに拍車がかかることになるのも明らかであります。
 政府は、このような深刻な状況を顧みないだけでなく、財源不足の補てん策として、ルール違反のたばこ消費税の引き上げにより二千四百億円もの国民負担を強行し、大部分は地方債の増発、借金で対応させようとしているのであります。財源に対する万全の措置を講じているという政府の弁明は、全くの詭弁であります。政府は、国と地方は車の両輪と言いますが、長年の政府の失政の結果ゆがみ切った国の財政の失敗を地方に押しつけ、結果として、国と地方の両輪とも動きのとれない状態に陥れるものと断ぜざるを得ないのであります。
 反対の第三の理由は、このような政策によって、福祉制度を初め、戦後四十年にわたって国民の皆さんと私ども国会が築き上げてきた諸制度を突き崩す危険性を持っていることであります。
 保育所、老人ホームなどの補助率が一挙に二分の一に引き下げられることに対し、これでは制度維持の限界を超えるという悲痛切実な声が上がっております。生活保護法を初め社会福祉制度は、憲法の規定と精神に基づいて国の責任を基礎にしてつくられてきたのでありますが、政府自身がこれを突き崩そうとしていると言わなければなりません。教育基本法、義務教育費国庫負担法、生活保護法や地域社会を築くための諸制度、それを支える財源を削減しながら、世界に例のない軍事費突出を強行している中曽根内閣の政策に断固として反対するものであります。(拍手)
 反対の第四の理由は、私たちが昨年来強く要求してきたにもかかわらず、一括法案として提案してきたことであります。
 ここに提案をされましたそれぞれの法律は、本院の各委員会において真剣な努力の結晶として実現してきたものであります。それを一括し、大幅削減を強行することは、各専門委員会の権威と議員の努力を否定するものであり、認めることのできないものであります。これは、本院の本来のルールと構造にかかわる問題でございまして、連合審査会で代行できるものではないと思います。
 最後に、このような法案を提出した政府に、社会の将来への展望がないことを厳しく指摘をしなければなりません。
 今、内外の社会経済情勢は大きく変動しております。高齢化、高度情報化などの大きな変化、福祉型都市づくりの重要性などの中でよりよい社会を築くためには、地域自治体の重視、分権と自治、参加の進路が不可欠であります。明治以来、日本の政治は国家を最大の物差しとしてまいりましたが、今必要な新しい物差しの一つは地域自治体であります。もう一つは世界であると思います。歴代自民党政府の政策を見ますと、亡き大平首相の当時が、その田園都市構想、分権型社会の発想に見られるように、唯一まじめな模索がなされたときであったと思いますが、中曽根首相には、その重要な視点が欠落しているのであります。この法案に示されるような政策では、日本の社会の将来への展望のないことをみずから証明するものと言わざるを得ないのであります。
 以上、反対の理由を申し上げますとともに、政府が最低限、八項目の附帯決議に示された内容を具体的に必ず実行するよう強く要求し、私の反対討論を終わります。(拍手)
#20
○議長(坂田道太君) 笹山登生君。
    〔笹山登生君登壇〕
#21
○笹山登生君 私は、自由民主党・新自由国民連合を代表し、議題となっております国の補助金等の臨時特例等に関する法律案に賛成の意見を述べるものであります。
 申し上げるまでもなく、我が国財政は、昭和五十五年度に財政再建の第一歩が踏み出されて以来、今日まで歳出の節減合理化を中心に財政改革に向けて懸命な取り組みが行われてきましたが、なお多額の公債発行に依存せざるを得ないという、極めて深刻な状態を続けております。このような財政状態をこのまま放置するならば、今後の社会経済の急激な変化に、財政が適切かつ柔軟に対応することがますます困難となるばかりでなく、後代の国民は、多額の公債の元利払いのための負担のみを負うという、まことに憂慮すべき事態に立ち至ることは必至であります。
 したがって、今後とも、さらなる財政改革への努力に加え、徹底した歳入歳出構造の見直しの推進がぜひとも必要であると考えるものであります。そのためには特に、一般歳出の四割を超える補助金等の見直しを図ることが避けて通ることのできない課題となってまいります。
 もちろん、補助金等の見直しによる整理合理化は、行政領域の見直しをも伴うものであるがゆえに、極めて困難な側面を持っていることはよく承知しております。しかし、困難なゆえにこそ、その努力までをも放棄するというわけにはいかないのであります。先般成立いたしました昭和六十一年度予算における補助金等の総額は、前年度当初比三千二百十一億円減と、五十九年度、六十年度に引き続き三年連続の減額を達成しております。しかも、この三千二百十一億円の減額は、真にやむを得ない増加要素をその中に織り込みながらも達成されたものである点を、私は特に評価したいのであります。
 本法律案は、このような補助金等の整理合理化の中核をなす諸施策を措置するものであり、六十一年度予算と一体不可分の重要な法案となるものであります。また、本案に盛り込まれている各措置は、累次の臨調答申等の趣旨を踏まえ、事務事業の見直しを積極的に進めながら補助率の総合的見直し等を行うこととしたものであります。さらには、地方財政の運営に支障を生ずることのないよう、別途財政金融上の措置を講じることとしております。これら各措置の周到なる用意のもとに円滑なる財政運営に万全を期していることをあわせ考えるとき、政府のなされるこのような努力と英断に対し、深く敬意の念を覚えるものであります。
 今日の我が国社会経済の著しい変化の中で、行政は広範多岐にわたる課題に対する適切な対応を迫られているにもかかわらず、国と地方の財政は、いずれも厳しい環境下に置かれております。このようなことから、国、地方が車の両輪となり、共通の行政目的の実現を分担し、責任を分かち合うとの考え方に立ち、幅広い観点から引き続き行政施策の見直し等に努めることにより、国、地方を通じての行財政改革を着実に進めていくことが、喫緊の重要課題であることは申し上げるまでもありません。
 その意味で、政府が国民各位の理解と協力を得て、行財政改革に引き続き積極的に取り組み、そして補助金等を含めた歳出全般にわたる節減合理化を一層推進することにより、限られた財源の中での財政資金の効率化と行政運営の能率化をなお図られることを切望し、本法律案に対する賛成討論を終わります。(拍手)
#22
○議長(坂田道太君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#23
○議長(坂田道太君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#24
○議長(坂田道太君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
     ────◇─────
#25
○桜井新君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、内閣提出、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#26
○議長(坂田道太君) 桜井新君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○議長(坂田道太君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
    ─────────────
 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
#28
○議長(坂田道太君) 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。社会労働委員長山崎拓君。
    ─────────────
 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ─────────────
    〔山崎拓君登壇〕
#29
○山崎拓君 ただいま議題となりました原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案について、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、原子爆弾被爆者の福祉の向上を図るため、本年四月から医療特別手当の額を月額十万八千円から十一万八百円に引き上げるとともに、医療特別手当の引き上げに準じて、特別手当、原子爆弾小頭症手当、健康管理手当及び保健手当の額をそれぞれ引き上げようとするものであります。
 本案は、去る二月二十七日付託となり、四月三日今井厚生大臣から提案理由の説明を聴取し、本日の委員会において質疑を終了いたしましたところ、自由民主党・新自由国民連合より、施行期日についての修正案が、また、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党・革新共同及び社会民主連合より、被爆者年金または特別給付金の支給等を内容とする五派共同の修正案がそれぞれ提出され、採決の結果、五派共同提案に係る修正案は否決され、本案は自由民主党・新自由国民連合提出の修正案のとおり全会一致をもって修正議決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#30
○議長(坂田道太君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○議長(坂田道太君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
     ────◇─────
 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#32
○議長(坂田道太君) この際、内閣提出、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣河野洋平君。
    〔国務大臣河野洋平君登壇〕
#33
○国務大臣(河野洋平君) 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 この法律案は、大別して二つの内容から成っております。
 第一は、放射性廃棄物の廃棄の事業に関する規制の創設であります。
 エネルギー資源に乏しい我が国にとって、石油にかわるエネルギー源としての原子力の重要性は極めて大きなものがあります。原子力の研究開発に乗り出してから約三十年が経過し、今や原子力は、我が国の主要なエネルギー源の一つとして、確固たる地位を占めるに至っております。しかし、一方、原子力の開発利用の進展に対応し、原子力活動に伴って生ずる放射性廃棄物の処理処分を適切かつ確実に行うことが、原子力の開発利用を着実に進めていく上で極めて重要な課題となっております。
 このため、原子力委員会及び原子力安全委員会におきまして、かねてより精力的な検討が行われてきたところでありますが、昨年十月には、放射性廃棄物の処理処分のあり方及びその安全規制の基本的考え方について提言がなされたところであります。また、現在、青森県におきまして、各原子力施設に保管されている低レベル放射性廃棄物を集中的に処分する計画や、海外に委託した使用済み燃料の再処理に伴って生ずる放射性廃棄物を受け入れ貯蔵する計画がまさに具体化してきていることは、御高承のとおりであります。
 この法律案におきましては、原子力両委員会の提言を踏まえ、放射性廃棄物の処理処分に対する安全規制に万全を期するため、放射性廃棄物の廃棄の事業に関する規制を新たに設けることとした次第でございます。
 第二は、原子力施設の検査体制等の充実であります。
 原子力の開発利用の進展に伴い、原子力施設の建設も増加してまいりましたが、特に今後は、高速増殖炉等の新型原子炉の建設や、濃縮施設、再処理施設等の核燃料サイクル諸施設の建設が本格化することが目前に迫っております。また、あわせて、核燃料物質の運搬等の増加にも対応する必要がございます。このような状況に対応し、適時に厳格かつ入念な検査等を実施し、原子力利用の安全を確保していくことが求められております。
 このため、これらの検査等のうち、基準が明確で手法も確立しているものにつきましては、国の厳格な指導監督のもとに検査等を行う中立公正な機関を活用することにより、検査等の体制の充実を図ることとした次第でございます。
 次に、本法案の要旨を述べさせていただきます。
 第一に、放射性廃棄物の廃棄の事業に関する規制につきましては、放射性廃棄物を埋設の方法により最終的に処分する廃棄物埋設の事業や、放射性廃棄物を最終的な処分がされるまでの間管理する等の廃棄物管理の事業を行おうとする者は、それぞれ内閣総理大臣の許可を受けなければならないことといたします。内閣総理大臣は、その許可を行うに際しましては、慎重な安全審査を行うとともに、原子力委員会及び原子力安全委員会の意見を聞き、これを十分に尊重して許可を行わなければならないことといたしております。
 また、廃棄物埋設の事業の許可を受けた者に対しては、埋設しようとする廃棄物及びその廃棄物埋設施設が技術上の基準に適合することにつき内閣総理大臣の確認を受けなければならないこととし、廃棄物管理の事業の許可を受けた者に対しては、廃棄物管理施設について、その建設に先立って、設計及び工事の方法につき内閣総理大臣の認可を受け、かつ、使用前に内閣総理大臣の検査に合格することを義務づけることとする等の規制を行うことといたしております。
 なお、廃棄事業者を原子力損害の賠償に関する法律上の原子力事業者と位置づけ、廃棄の事業に係る原子力損害賠償責任を一元的に負わせることといたしております。
 第二に、原子力施設の検査体制等の充実につきましては、原子力施設の検査業務のうち、その基準が明確で、手法も確立されている溶接検査について、国の指定する中立公正な検査機関が行えるようにするとともに、核燃料物質等の運搬の際の確認、放射性廃棄物に関する確認の業務のうち定型的な業務につきましても同様に、国の指定する中立公正な確認機関が行えるようにすることといたします。また、指定機関の指定基準、指定機関に対する監督等につきまして、所要の規定を整備することといたしております。
 以上が核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ────◇─────
 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#34
○議長(坂田道太君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。関晴正君。
    〔関晴正君登壇〕
#35
○関晴正君 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、ただいま趣旨説明のありましたいわゆる原子炉等規制法の一部を改正する法案に対し、日米会談でお疲れの上、夢うつつでおられるような中曽根総理大臣に、目を覚ましてひとつお聞きいただきたい、こう思うのであります。(拍手)
 総理、放射性の廃棄物というのは、どんなにこれを取り締まっても取り締まれるということはない、こう思います。今日、環境を守る問題、あるいはまた命を守る問題、あるいはまた健康を守る問題、これらの問題に取り組んできた住民たちの一つの成果として生まれたのが、廃棄物の処理に当たっては発生者の責任とするという原則であります。これは世界的な原則として、PPPの原則と言われるほどに行き渡った原則であります。
 しかるに、ただいま河野大臣の説明によるところの今度の法案の中身は、じゃんじゃん原子力エネルギーを原子力発電所から発生したまま、その後始末の放射性の廃棄物がまたあり余って手に負えない。そういうような現状になっているときに、その始末をひとしく青森県の下北半島の六ケ所村に集結しようというのであります。原発のサイトの中で処理すべき放射性の廃棄物を、何らの電力の恩典もプラスもない、そうした六ケ所村にこれを捨て去るということについて、多くの疑問を持つのであります。
 総理、昨年の四月二十六日に閣議口頭了解というものがありまして、あの地域において了解されてきたところの石油コンビナートの計画に加えて、核燃料のサイクル基地を計画いたしました。同じ場所に石油精製、石油化学、その六百五十ヘクタールのところに皆さん、核燃料のサイクル基地を重ねるというのであります。下敷きになったところの石油コンビナートはどこへ行くのでありましょうか。行きどころがないままに下積みになっております。この二つの計画を安易に総理、あなたは了解されましたね。私どもは、この問題について、そうした誤った了解はすべきではない。かつて、むつ小川原開発の口頭了解をもらうときにどんなにチェックしたか。チェックの上にもチェックされ、その上で了解されたものであります。ところが、核燃のそうした施設を中に入れるということについては、何らのチェックもない。皆さん、これほどひどい閣議口頭了解というものはありません。これが中曽根総理のやっておる、いわゆる開発計画においての大きな無責任な姿勢である、こう言わざるを得ないのであります。(拍手)
 総理、あなたは今もなおかつ、この石油コンビナートと核燃のサイクル基地とを一緒にあの地域に進めることが可能だと思っておられますか。破産したものを破産したとも言えず、そのまま引きずっていくことは、まことに無責任ではないでしょうか。この点について明確な答弁をいただきます。
 第二は、この地域は、米空軍の言うなれば爆撃機、戦闘機が、朝から晩まで飛び交っているところの地域であります。同時にまた、この海域は、それらのための演習海域として大きく制限されている地域であります。その場所に億面もなく、ヨーロッパから返還されるところの廃棄物、しかも、これは低レベルじゃありません、高レベルであり、その処理処分の道が確立されておりません。それをどっさり送ろうとする。同時にまた、全国の原子力発電所から発生するところの廃棄物を搬入するための船舶が、これまた航行してくるのであります。まさに、三日に一度はこのむつ小川原港に入ってくるわけであります。その上、核燃の施設が陸上につくられるという。この陸上は、全く不適地な条件だけ備えている陸上であります。言うなれば、地盤は弱く、また透水力は強く、しかも地下水は高く、岩石は弱く、もろく、また見つけようとしても岩盤は見えないのであります。再処理工場をつくる場合には、岩盤において支えられなければならない、そう言っているのに、その岩盤は見当たりません。しかも、海上は我が国有数の漁業の生産海域であります。
 こう見ますというと、空からいっても海からいっても、地上からいっても地下からいっても、何一つ適切な条件はないのであります。(拍手)ありとするならば、自民党の公認知事、自民党の村長、それが、早く新幹線が来るならば認めてもいいのではないか、こういうことで、全国都道府県の知事がいずれも反対しているものを、憶面もなく受け入れる方向を打ち出してきたわけであります。総理、あなたの目で見ても、あなたの認識からいっても、こうした危険きわまるところにそうしたものを押しつけるなんということは、とても無理ではないでしょうか。そのことについて、総理のお考えをいただきたい。
 あわせて、これはアメリカ軍の言うなれば、演習行為のことにもかかわりますので、当然外務大臣においては、日米合同委員会にかけられて、この問題についての一つの見識を持たなければならないであろう。せっかくつくろうとしたときに、米軍から特にF16が飛び交うこの地域であります。核に重ねるに核をもってするようなこの核危険地帯を、アメリカ空軍といえどもどうして容認できるでありましょうか。そういう点についての御意見等も当然、日米合同委員会を通して聞きただしておくべきことではないだろうか。この点についても、外務大臣よりしかとお答えをいただきたいのであります。
 第三点は、今度のこの放射性廃棄物の処理責任が、末端の廃棄業者に課せられてまいりました。なぜ末端の廃棄業者がその責任を負わなければならないのでありましょうか。末端の廃棄処理責任者は、発生責任者ではありません。発生責任者は電力会社であります。その電力会社に、今日までは法的に安全の確保あるいは損害の賠償が負わせられておりましたけれども、この法律が通りますというと、電力会社はその責めを持ちません。電力会社にその責任を免除する、それがこの法案の重大な欠陥内容であります。私どもは、その意味において、この法案は速やかに検討すべきではないだろうかと思うので、この点についての御意見を伺いたいと思います。
 また、この法案のもう一つの重要な問題は、検査業務のことであります。
 国が検査をし、そうして厳正に、その上にも厳正にとあるべきものが、放射性廃棄物の検査の体制でなければなりません。ところが、検査員が今の十倍もふえてくる、金も大分かかってくる、そうならば、この際、溶接の業務ぐらいは民間の業者にゆだねよう、こういうのであります。皆さん、民間の業者に検査業務をゆだねるならば、民間の業者はうまく厳正にこの検査ができると期待できましょうか。まさしく甘い検査、まさしく緩い検査。検査業務が民間機関となれば、ここにも一定の利潤がなければなりません。利潤が生まれなければ、検査は粗末にいくことは決まっております。また、民間同士の間でありますから、うまく癒着していくことも考えられます。
 忘れることもできないあのチャレンジャーの事件、大丈夫だというものがあんな事件を起こしましたし、また日航機の事件、これもまた、大丈夫だと言って、小さなすき間から事件が起こっているのであります。ですから、廃棄物の処理、その施設の検査業務というものは断じて国の責任にすべきでありまして、民間の業者にゆだねるなんということはすべきことではありません。この二点を明確に打ち出しているところの今度の法案というものは、明らかに原子力行政の大きな後退であると思うのであります。
 さらに、再処理工場の問題についてお尋ねいたします。
 再処理工場は、今や世界の趨勢において、ギブアップする段階に来ております。総理、あなたも総理大臣としてアメリカの大統領とお話をされた際、アメリカからもお聞きになったのじゃないでしょうか。再処理工場は何の目的があって建設するのか。プラトニウムを生産し、それを高速増殖炉に使うとか新型転換炉に充てるとかというような時代はもう過ぎました。大きな危険、大きな負担、とてもこれを進めるような情勢には今、世界的にもありません。そういう点からいきますならば、速やかに再処理工場の建設などというものは断念すべきであると思います。(拍手)
 今また低レベルの廃棄物の施設を青森につくる、あるいはまた、使用済みの燃料の置き場をあの六ケ所村に持っていくと言っておりますけれども、今日発生しているところの言うなれば使用済みの核燃料は、七千五百トンを超え、さらに十年後には一万三千トンを超えるのであります。東海の村にあるわずか二百十トンの再処理工場、しかも、のこのこ運転して、三割もその効率を上げておりません。その四倍に当たる八百トンの処理をする再処理工場をつくると言いますが、この危険性、大きなものがあります。そうなりますと、単に保管のプールだけが三千トン、六千トン、九千トン、一万二千トンと広がっていくことになるのではないでしょうか。三千トンにとどめるなんというような保証がありましょうか。とどまるところを知らない核燃料廃棄物、使用済みの燃料のプールが我が国に満ち満ち、あの地域を覆うことになることは重大な問題であります。その意味においても……
#36
○議長(坂田道太君) 関君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
#37
○関晴正君(続) 総理のこの点にかかわるお答えをいただきたいと思います。
 いま一つは、この土地を占めるために今、八百億の金がかけられようといたしております。しかし、この土地は石油コンビナートに使うために得られた土地でありまして……
#38
○議長(坂田道太君) 関君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
#39
○関晴正君(続) 核燃料のサイクル基地のために得られた土地ではありません。言うなれば、農地法上の大きな目的外の使用に供せられることは、重大な問題であると思います。
 あわせて、現地における漁民たちのこれに対する危惧、そうして動揺は多大なものがあります。これらの漁協の運営……
#40
○議長(坂田道太君) 関君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
#41
○関晴正君(続) 指導すべきであると思いますので、その点についてもしかとしたお答えをいただきたく、私の質問を終わりたいと思います。(拍手)
    〔内閣総理大臣中曽根康弘君登壇〕
#42
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 関議員にお答えをいたします。
 まず第一は、我が国の原子力利用に関する今回の法改正の趣旨でございます。
 我が国の原子力利用は、ただいまお話もありましたように、三十年の歴史を持って、総発電電力量の四分の一を供給している、非常に重要な電力源になっておるわけであります。原子力利用の推進に当たりましては、これに伴い生じる放射性廃棄物の処理対策については、万全の措置を講じつつあります。今回の改正は、この放射性廃棄物の処理処分を確実に、適切に行うため、実際に処理処分を行う者に法律上の安全確保責任及び原子力損害賠償責任を一元的に負わせることによって、その責任の所在の明確化を図り万全の安全規制を行うとともに、万一の原子力損害に適切に対処するためのものであります。この場合においても、放射性廃棄物の発生者である電気事業者は、その処理処分が確実に実施されるように、廃棄事業者に対し適切な支援を与えていくことが重要との原子力委員会の決定に沿い、政府として電気事業者を指導してまいる所存なのであります。
 民間機関による原子力施設の検査につきましては、原子力の開発利用の進展に対応して、厳格かつ入念な検査を適切に実施していくためには、検査体制の充実が必要です。このために、諸検査のうち、基準が明確で手法も確立している溶接検査に限って、これを中立公正な専門機関に実施させるとともに、この専門機関について国が厳格に指導監督する、こういうふうにした次第なのであります。
 六ケ所村の問題につきましては、低レベル放射性廃棄物の最終貯蔵施設について、事業者として既存資料に基づいて調査した結果、同地に立地するに当たって基本的に問題がないとの判断に立って、現在、その調査を進めておるところです。いずれにしても、政府としては、同施設の建設、運営に際しては、厳重かつ安全なる規制を実施し、その安全確保に全力を尽くすつもりでございます。
 さらにまた、再処理工場の問題でございますが、核燃料の有効利用を図る観点から、使用済み燃料を再処理して、回収されるプルトニウム及びウランの有効利用を図ることが基本方針であり、欧米諸国においては、既に二十年以上の再処理の実績を有し、さらにイギリス、フランス、西ドイツにおいては、新しい商業再処理工場の建設計画が進められておりまして、関議員におかれても、世界の情勢に目を開かれるように希望する次第であります。我が国においても、動燃事業団の東海再処理工場の経験を生かし、国の内外の最良の技術を用いて、民間再処理工場の建設が進めらるべきものと考えております。
 むつ小川原の問題につきましては、工業開発を通じてこの地域の開発を図るという開発の基本的な考え方に沿うものであり、かつ、我が国のエネルギー政策及び原子力政策の見地からも重要な意義を有するものであると考えます。施設の立地に当たっては、安全審査の実施などを通じ、安全性の確保に万全を尽くす所存であります。
 残余の答弁は関係大臣がいたします。(拍手)
    〔国務大臣河野洋平君登壇〕
#43
○国務大臣(河野洋平君) ほとんどの問題について、総理大臣から御答弁がございました。私は、一点だけ、使用済み燃料貯蔵プールの増設に関する御質問があったように思いますが、御指摘の青森県六ケ所村に建設が予定されている使用済み燃料の貯蔵プールの容量は、約三千トンでございまして、将来の電力需要等の関連で増設の可能性も見込まれると聞いております。しかし、これはあくまで使用済み燃料を再処理するまでの間、一時的に保管するための施設として建設されるものであると承知をいたしております。
 なお、総理の御答弁の中にございましたけれども、末端の廃棄の事業者と一言で申しますけれども、資本金四百億という予定になっておりまして、十分な責任を担保できるだけの能力があるというふうに私は考えておりますし、発生者の責任につきましても、その四百億の資本金の大部分は、発生者たる電気事業者が持つという仕組みになっておるということを、あわせて御答弁申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣後藤田正晴君登壇〕
#44
○国務大臣(後藤田正晴君) 関議員の御質問にお答えを申し上げます。
 御質問の趣旨は、本件について、日米合同委員会でどのような協議が行われておるのか、こういう御趣旨でございます。
 原子燃料サイクルの施設の建設につきましては、アメリカの使用に供されております重要な施設、区域である三沢対地射爆撃場の機能の円滑な維持運用との調整が十分図られる必要があることは、申し上げるまでもございません。このことにつきましては、既に昨年の四月二十三日の衆議院内閣委員会を初め、累次政府としてはお答えをいたしておるとおりでございます。そこで、現在、引き続いて関係省庁で、原子燃料サイクル施設の安全性などにつきまして、主として技術的な検討が行われている段階であると承知をいたしておるのでございますが、まだアメリカ側とは正式な話は行っておりません。しかし、いずれにいたしましても、外務省といたしましては、今後とも、今申し述べましたような観点を踏まえた調整が行われることが必要であると考えておりまするので、必要に応じて、関係省庁及びアメリカ側と緊密に連絡調整を図ってまいりたい、かように考えておる次第でございます。(拍手)
    〔国務大臣羽田孜君登壇〕
#45
○国務大臣(羽田孜君) お答えを申し上げます。
 むつ小川原開発株式会社がむつ小川原の開発計画に従って農地を転用する場合には、農地法上転用の許可を要しないこととされております。御指摘の核燃料サイクル基地予定地につきましては、むつ小川原第二次基本計画の当初計画において、石油精製等の工場用地とすることとされておりましたが、六十年の四月に同計画が修正され、核燃料サイクル施設の立地が定められたところであります。これに伴い、農地法上も、修正された計画に従って行われる農地の転用については、許可を要しないことを明らかにすべく、所要の告示の改正を行っております。したがいまして、むつ小川原株式会社による核燃料サイクル予定地の転用につきましては、農地法上問題を生じないことと考えております。
 なお、泊漁協の件につきましては、海域調査受け入れをめぐりましてその内部に深刻な対立があるということは、青森県を通じまして承知いたしております。農林水産省としましては、本問題は、調査に入ろうとする者を含む関係者の円満な話し合いによって解決されることが望ましいと考えます。漁協の指導についても、直接の指導監督に当たっている青森県に対し、特段の配慮を行うようお願いしておるところであります。
 以上であります。(拍手)
#46
○議長(坂田道太君) これにて質疑は終了いたしました。
     ────◇─────
 特定商品等の預託等取引契約に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#47
○議長(坂田道太君) この際、内閣提出、特定商品等の預託等取引契約に関する法律案について、趣旨の説明を求めます。通商産業大臣渡辺美智雄君。
    〔国務大臣渡辺美智雄君登壇〕
#48
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま議題となりました特定商品等の預託等取引契約に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 豊田商事に端を発したいわゆる現物まがい商法による消費者の被害が昨年来大きな社会問題となり、同種の被害の再発防止対策の必要性が指摘されてまいりました。
 これにつきましては、関係六省庁間の検討結果を踏まえ、産業構造審議会に諮問し、三月十一日に答申を得たところであります。答申では、悪質な取引については実質的に禁止の効果を持ち、消費者被害の再発防止が図れるような立法措置を講ずるべきであると指摘しております。
 この法律案は、この答申の趣旨に沿って、特定商品等の預託等取引契約の締結及びその履行を公正にし、当該契約に係る預託者が受けることのある損害の防止を図ることを内容とするものであります。
 本法律案の概要は、次のとおりであります。
 まず、本法律案においては、一、一定の期間、政令で指定する特定商品の預託を受け、財産上の利益を供与することを約する契約、二、一定の期間経過後その買い取りを条件として特定商品の預託を受けることを約する契約、三、これらと同様の契約で、特定商品にかえて政令で指定する施設利用権を用いる契約を預託等取引契約として定義しております。この預託等取引契約に基づいて事業を行う者に対し、規制を行うことといたしております。
 次に、規制の具体的内容について説明いたします。
 第一に、勧誘に際し、契約及び事業者の概要について書面を交付しなければならないこととしております。
 第二に、契約を締結した場合には、契約内容を書面で明確にしなければならないこととしております。
 第三に、不当な勧誘行為その他顧客または預託者の保護に欠ける行為を禁止することとしております。
 第四に、預託者は、事業者の業務及び財産の状況を記載した書類の閲覧を求めることができることとしております。
 第五に、預託者に対し、契約締結後十四日以内のクーリングオフによる契約の解除を認めるとともに、同期間経過後いつでも契約を解除する権利を与えることとし、事業者の預託者に対する損害賠償または違約金の請求額についても制限することとしております。
 その他、規制の実効性を担保するため、業務停止命令、罰則等所要の規定を整備しております。
 以上が特定商品等の預託等取引契約に関する法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ────◇─────
 特定商品等の預託等取引契約に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#49
○議長(坂田道太君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。上坂昇君。
    〔上坂昇君登壇〕
#50
○上坂昇君 上坂昇であります。
 日本社会党・護憲共同を代表し、ただいま趣旨説明のありました特定商品等の預託等取引契約に関する法律案とそれに関連する事項について質問いたします。
 まず第一は、希代の悪徳商法である豊田商事の現物詐欺まがい商法についてでありますが、昭和五十六年四月会社が設立され、会長永野一男が刺殺されてその幕を閉じた昭和六十年七月十七日までわずか四年間、その間に老人、婦人が大半を占める被害者数実に四万人、集めた金額二千二十億円に達し、中途解約分を差し引きましても実額一千四百七十億円に達するのであります。
 豊田商事の金の詐欺まがい商法の苦情は、既に五十六年後半から通産省、公正取引委員会、警察等に持ち込まれまして、資料によれば、五十六年度百九十六件、五十七年度三百八十四件、五十八年度に九百三十四件と、相談、苦情、問い合わせは増加の一途を続けているのであります。この状況を踏まえ、五十八年五月十八日の衆議院商工委員会では、我が党の議員が初めて豊田商事問題を取り上げ、警告を発し、さらに同年十月四日の商工委員会では、当時一千億円とも推定される集金が行われ、全国的に猛威を振るっておりました豊田商事商法を詳細に分析、報告して、早急に対処する必要があることを政府に求めているのであります。
 この警告、要請に耳をかさず、三年近くも何らの手を打とうとしなかった通産省、公正取引委員会、警察庁、つまり政府の責任は実に重大であり、世人の批判を浴びているのは当然のことであります。(拍手)このような悪質な商法をばっこさせないために、行政指導を強く行うとか、出資法や独禁法の違反あるいは詐欺罪等で摘発できたと考えるのが、私どもの考えるところでありますが、どうしてこれができなかったのか、また放置してきたことに対して何らの反省もしていないのか、それらの点について、通産大臣、公正取引委員長に答弁を求めます。
 次に、訪問販売に係る悪徳商法対策についてでありますが、五十七年から関東地方知事会、東京都知事あるいはまた各都道府県の消費生活センター所長会議等から、訪販法の強化改正により対処することを政府に要請が提出されています。特に五十八年に入っては、総理、寝ないでくださいよ。あなたの大好きな諮問機関である国民生活審議会が、店舗外における消費者取引の適正化を求める報告書の中で、特に訪販法第二条における指定商品制度の見直し、クーリングオフの現金販売への適用等について改正すべきであるとの答申を行っているはずでありますが、それが全く無視されてきたのは実に不可解であります。これらに対する総理の見解を求めます。
 次に、私は、その日の生活にも困り、損害賠償の訴訟費用にも事欠き、苦しんでいる全国の豊田商事関係被害者の皆さんの救済のために、豊田商事の従業者の源泉所得税及び社会保険料等に見合う金額を、豊田商事の管財人に対して何らかの形でこれを引き渡すような措置が至当であると考えるのでありますが、あなたは、高度の政治判断により、こうした私が申し上げましたような措置をおとりになる意思があるかどうか、お伺いをいたします。また、ことしの三月三十一日、都内の六十歳から八十歳代に及ぶ被害者四十七人によって、国及び元豊田商事のセールスマン百十一人を相手取り、総額四億二千万円の損害賠償請求訴訟が東京地裁に起こされており、さらに大阪地裁には、豊田商事社員のうち、高額所得者の上位二十名を対象とする不当利得返還請求訴訟が管財人から出されています。これらに対して国が示すべき配慮はどうあるべきか、この点についても総理の見解を求めます。
 いよいよ首題の預託等取引契約法案でございますが、豊田商事は既に崩壊し、豊田式不正商法のばっこする余地は当分遠のいていると考えられるのに、あえてこの法案を提出してきたのは、行政の今までの長い間の怠慢に対する世論の非難や厳しい批判をかわそうとしてとられた、まさにこそくな手段のあらわれであると断ぜざるを得ません。
 預託等取引契約に係る預託者の利益を守るものとしていますが、望まれる禁止法ではなくて、単なる行為規制法にとどまっており、顧客に対する書面の交付、不当な行為の禁止事項あるいは書類の閲覧を義務づける、その程度で、手をかえ品をかえて脱法行為をねらう不正取引から、どうして預託者を守ることができるでありましょうか、豊田式悪質不正の商法を駆逐できるでありましょうか、甚だ疑問であり、私は到底不可能であろうと思うのであります。
 通産省が頼りとする産業構造審議会流通部会、消費経済部会の答申では、豊田式商法は一般的には健全な運営を行い、顧客に安全に高収益を提供することは極めて困難だなどと指摘しているのでありますが、実に実情を見きわめない、なまはんかな分析にすぎません。豊田式不正商法というのは、わらにもすがりたい孤独な老人や世事に疎い婦人を対象にして、最初からそのあり金をすべて巻き上げてしまうことを目的に考え出され、そして実行に移された、まさに詐欺行為なのであります。したがって、豊田商事は、五十八年に入ってから、かつてネズミ講で摘発されました天下一家の会をまねまして、宗教法人による資産隠匿方法まで計画した恐るべき会社であり、世の中に存在を許すことのできない商法だったのであります。提案されている程度の法規制で、一体この恐るべき豊田式不正商法を駆逐することができると考えておられるのか、通産大臣の真意を伺いたいし、公正取引委員長にも見解を求めたいのであります。
 金の預託ペーパー商法、ニューマルチと言われるベルギーダイヤモンドの媒介取引及び鹿島商事のゴルフ会員権利用商法に要約できるところのこの豊田商事事件は、いずれも訪問販売の手口を使い、訪販法や関連法の網の目をくぐることによって起きたものであることを認識しなければならないのであります。この不正悪質な商法の跳梁によって、今日、健全な商取引を行っている各種の訪販業者がそのとばっちりを受け、訪販業界そのものの社会的評価は著しく低下をいたしているのであります。去る四月六日福島県会津若松市で、芳賀幸那という小学校三年の女の子が誘拐をされ、一千万円の身の代金を要求されるという事件が起きたのであります。幸い四十六時間後、無事救出され、世間を安堵させましたが、この事件の三人の犯人のうち、主犯大江一美二十三歳は、マルチまがい商法の寝具販売でつまずいたのが原因で、このような犯罪に走るようになったのであります。
 マルチやまがい商法は、通産省の行政をあざ笑うかのように後を絶たないのでありますが、また、訪販業界の頭痛の種になっているのであります。今、必要なのはまさに訪販法の改正であるのに、通産省は何を一体ぼやぼやしているのかというのが、私の偽りのない見解であります。なぜ訪販法改正を渋るのか、通産大臣にその理由を明らかにしてもらいたいのであります。
 不正商法撲滅に熱意を示さない政府及び通産省の態度に業を煮やしまして、我が党は、去る四月三日、現行訪販法のスタイルを踏襲しつつ、内容では基本的な改正法案を提出をいたしたのであります。
 その骨子は、第一に、名称を訪問取引法とし、ゴルフ会員権、施設利用権、財産権等、役務・サービスに関するものをこの規制の対象に加えたこと。第二に、金地金や宝石を指定商品にできない現行法第二条三項に、庶民の小口の財産形成、保存に供される物品、こういう字句を挿入いたしまして、商品指定追加の道を開いたのであります。第三に、預託等取引契約に係る取引で、預託者の預託物件の完全返還を担保するため、預託等取引業者に対して、金融機関または保険会社との支払保証委託契約の締結を義務づけ、健全な営業内容あるいは資産、これらを有し、社会的信用のある企業でなければこの種の取引はできないこととして、豊田流悪質業者の排除を図ったこと。第四には、連鎖販売業にベルギーダイヤモンドや鹿島商事商法に見られる取り次ぎ、媒介などの委託業務を取り込み、マルチまがい商法における紛争や被害等の防止を図ったこと等々であります。
 消費者保護の立場を貫いた法案ではありますが、決して私は万全であると思ってはおりません。しかしながら、地方公共団体や消費者団体の要望、意見を十分に取り入れたものであり、訪問取引における悪質不正の商法、取引を排除するために相当な効果を上げ得る法案であると自負している次第であります。よって、政府案と我が党提出の訪問取引法案を比較検討しつつ、よりよい法律を制定することが国民の期待にこたえる道であると私は信じるのでありますけれども、我が党の法案に対していかなる見解を持つか、また、私が今申し上げたことに対してどういう考えを持っておられるか、通産大臣の見解を求めるものであります。(拍手)
 最後に、通産大臣は、現物まがい商法という言葉を使いましたが、これは全くの誤りであります。取引の基本は現物の取引であります。したがって、現物まがいなどというのはありません。現物の詐欺商法まがい取引でなければなりません。こういうこともわからないでこんな提案をするということに、私は腹が立つのでありますけれども、そうばかりは言っておれませんから、誠意ある答弁を総理、通産大臣、公正取引委員長に求めて、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣中曽根康弘君登壇〕
#51
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 上坂議員の活力ある御質問にお答えいたします。
 まず、訪問販売法の改正でございますが、訪問販売取引に係る消費者保護の一層の徹底を図るため、昭和五十九年、訪問販売等に関する法律及び割賦販売法の改正が行われました。無条件解約期間の延長等が図られたところでございますが、政府としては、引き続き、これら関係法令の厳正な運用及び周知徹底に努める所存であります。
 次に、源泉所得税の破産管財人への支出でございますが、豊田商事の従業員の報酬等については、その支払いの効力について、破産管財人と特定の従業員との間で現在、係争中でありますので、この裁判の結果を待って適切に対処する所存であります。社会保険料の問題につきましても、豊田商事に係る社会保険料は、適法に徴収されたものであり、これを変更することはできないと考えております。
 被害者救済への処置でございますが、現在提訴されている訴訟については、司法当局の判断にまちたいと思います。また、豊田商事の被害者救済については、現在、破産管財人による破産手続が進められておるものと承知しております。政府としては、今後とも、進捗状況を注視しつつ、適切な情報提供に努めてまいる所存であります。
 残余の答弁は関係大臣がいたします。(拍手)
    〔国務大臣渡辺美智雄君登壇〕
#52
○国務大臣(渡辺美智雄君) 豊田商事の現物まがい商法は、非常に多大の被害を国民に与えておる、なぜもっと早く行政指導をやらなかったかということでございます。
 豊田商事問題というのは、そもそもが私的な契約の関係にかかわるものでございます。このような私契約の関係に対して法律上の強制的な権限を持っておりませんので、適法に法律上強制介入ができなかったことは事実でございます。しかしながら、そうは申しましても、通産省といたしましては、従来から、消費者の被害の防止のために、消費者の啓発、消費者教育といいますか、それから消費者相談、こういうようなことはたくさんやってまいりました。もともと、これは法律の規制も必要でございますが、詐欺まがいのことにつきましては、やはり消費者の皆さんが十分に注意をしていただくということも非常に重要なことでございます。
 禁止法でなくて行為規制である政府の提出法案は、これでは詐欺的な豊田式商法が駆逐できないのでないかという御心配でございます。
 この私どもの出した法律案は、被害者の再発防止をなるべく早く、早急に講じようという趣旨でございまして、産業構造審議会の答申も踏まえて提出するに至ったものであります。法律案の内容につきましては、ただいま御説明を申し上げましたが、取引契約の締結前後を通じて、かなりきめ細かな規定が書いてあるわけでございます。時間の関係もございますから、その解説は後日にいたしたいと存じます。また、契約後の解約権を認めるなど、事業者に相当の実は負担を求める内容になっております。したがって、悪質な取引については、実質的な禁止と同様な効果を持つものと考えております。
 それから、地方公共団体とか国民生活審議会などの指摘があったのにかかわらず、現物まがい商法やマルチまがい商法等広く訪問販売の手口を利用する悪徳商法を防止することになぜ取り組まないかということでございますが、これは訪問販売取引につきましては、昭和五十九年に所要の法律改正が行われました。無条件で解約できる期間を延長するなど、消費者保護の一層の徹底が図られてきたところでございます。今後とも、これら関係法令の厳正な運用及び周知徹底に努めていきたいと思いますし、さらに、いわゆるマルチまがい商法につきましては、産業構造審議会の場で、引き続き鋭意検討をしてまいる所存でございます。
 それから、社会党の訪問販売法改正案に対する所見でございますが、社会党の提出法案は、訪問販売法全般にわたる改正を内容とするものであるというように承知をいたしております。訪問販売等の取引は、消費者の利便の増進や流通の近代化等に資する面があるために、健全な取引にまで悪影響を及ぼすことのないよう、そして効果的に取引の適正化を図るという必要がございます。このような観点も踏まえまして、規制対象の拡大や支払保証委託契約締結の義務づけというようなことについて、慎重に対応すべきものと考えております。政府といたしましては、豊田商事に代表される商法による被害の再発防止は緊急の課題でございますから、まず政府提案のこの法案の早期の成立が不可欠のものと考えております。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣竹下登君登壇〕
#53
○国務大臣(竹下登君) 私に対する御質問は、出資法違反に関する問題でございます。
 豊田商法が出資法違反になるか否かは、会社の勧誘行為の実態、資金拠出者の認識等、取引の実態を勘案し、慎重に判断する必要があると考えられますが、いずれにせよ、現在捜査当局で捜査中、このように承っております。
 なお、この種の取引は、多数の消費者を混乱させ、また、社会的影響も大きいものであると考えられますので、被害防止の啓発に努めるとともに、情報の収集、調査にも努めてまいりたい。また、御審議いただいておる法律案そのものは、まさにこのような悪質な商法の防止をねらいとしたものでございますので、それなりに有効に機能するであろうと考えております。(拍手)
    〔政府委員高橋元君登壇〕
#54
○政府委員(高橋元君) お答え申し上げます。
 私に対する御質問の第一点は、豊田商事に対する独禁法の適用であったと存じますが、豊田商事の商法は、実現不可能な利殖取引を強引で詐欺的な方法で勧誘するというものでございまして、その存在それ自体が許されるような商法でないと存じます。そうしたものの公正で自由な競争を促進するということは考えられないところでございまして、公正な競争秩序の維持を目的とする独占禁止法等の規制対象とはなり得ないものと考えておる次第でございます。御理解を賜りたいと存じます。
 第二点は、今回の政府提出法案の効果についてでございますが、今回の政府提出法案は、豊田商事のような悪質な取引については、実質的禁止と同様の効果を持っておる、消費者被害の再発防止が図られるようにすべく立案されているというものと承知しておりますので、公正取引委員会としても、再発防止の効果を有するものと考えておる次第でございます。
 以上でございます。(拍手)
#55
○議長(坂田道太君) これにて質疑は終了いたしました。
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#56
○議長(坂田道太君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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