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1985/04/18 第104回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第104回国会 本会議 第22号
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1985/04/18 第104回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第104回国会 本会議 第22号

#1
第104回国会 本会議 第22号
昭和六十一年四月十八日(金曜日)
    ─────────────
 議事日程 第十九号
  昭和六十一年四月十八日
    正午開議
 第一 廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第二 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ─────────────
○本日の会議に付した案件
 日程第一 廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第二 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後零時三分開議
#2
○議長(坂田道太君) これより会議を開きます。
     ────◇─────
 日程第一 廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
#3
○議長(坂田道太君) 日程第一、廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。社会労働委員長山崎拓君。
    ─────────────
 廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
    〔山崎拓君登壇〕
#4
○山崎拓君 ただいま議題となりました廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案について、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、廃棄物処理施設の緊急かつ計画的な整備を促進するため、昭和三十八年度以来五次にわたり実施されてきた廃棄物処理施設の整備計画に引き続き、昭和六十五年度までの間に実施すべき廃棄物処理施設整備事業の実施の目標及び事業の量について計画を策定し、その実施のために必要な措置を講じようとするものであります。
 本案は、去る四月十一日参議院より送付され、同日付託となり、昨日の委員会において今井厚生大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を終了し、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(坂田道太君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(坂田道太君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ────◇─────
 日程第二 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
#7
○議長(坂田道太君) 日程第二、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。地方行政委員長福島譲二君。
    ─────────────
 地方交付税法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
    〔福島譲二君登壇〕
#8
○福島譲二君 ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案について、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、本案の主な内容について申し上げますと、
 第一に、昭和六十一年度分の地方交付税の総額は、地方交付税法第六条第二項の額から交付税特別会計における借入金の利子負担額三千五百四十七億円を減額した額に、国のたばこ消費税の引き上げに見合う額千二百億円を特例措置として加算した九兆八千三百九億円といたしております。
 また、地方財政対策において、後年度の地方交付税の総額に新たに加算することとされた昭和六十一年度分の既往の利差臨特等相当額千七百五十七億円を、昭和六十六年度から昭和六十八年度までの各年度分の地方交付税の総額に加算することといたしております。
 さらに、昭和六十一年度の普通交付税の算定については、地方公共団体の財政需要を的確に算入することとし、経常経費に係る国庫補助負担率の引き下げ等に伴い増加する経費に対し所要の財源を措置するほか、生活保護基準の引き上げ等福祉施策に要する経費、公園、下水道等生活関連施設に要する経費等の財源を措置するとともに、投資的経費について、地方債振りかえ後の所要経費を基準財政需要額に算入する等のため単位費用を改正することといたしております。
 第二に、新産業都市等財特法及び首都圏等財特法の財政上の特別措置については、引き続き関係地方公共団体の財政負担の軽減を図るため、都道府県分の利子補給の対象となる地方債を昭和六十五年度まで五年間延長するほか、利子補給の基準利率の縮減を図るとともに、市町村分の国庫補助負担率のかさ上げ措置について財政力による調整の割合を高めることとした上、対象となる事業を昭和六十五年度まで五年間延長することといたしております。
 本案は、二月二十一日当委員会に付託され、同月二十五日小沢自治大臣から提案理由の説明を聴取した後、参考人から意見を聴取するなど七日間にわたって慎重に審査を行いました。
 質疑におきましては、今回の補助負担率引き下げ措置の決定の経緯及び三年経過後のあり方、生活保護費の国庫負担率の据え置き理由と国の責任のあり方、来年度以降のたばこ消費税引き上げ措置継続の有無等地方財源対策の不確定性、地方債の増発による財源不足補てん措置の抑制、補助負担率引き下げに伴う増発地方債の元利償還金の地方交付税への算入強化、本年度地財計画で見込んだ地方税収及び地方単独事業費の確保の見通し、税制の抜本的改正後における地方税財源の実質配分割合の確保、退職者医療制度の創設に伴う市町村国保の赤字補てん策等について、広範多岐にわたり論議が行われました。
 昨十七日本案に対する質疑を終了した後、自由民主党・新自由国民連合から賛成、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び日本共産党・革新共同から反対の討論が行われ、採決の結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し、十二項目にわたる附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#9
○議長(坂田道太君) 討論の通告があります。これを許します。安田修三君。
    〔安田修三君登壇〕
#10
○安田修三君 私は、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案に対し、日本社会党・護憲共同を代表し、反対の討論を行うものであります。
 以下、本案反対の諸点について申し述べるものであります。
 第一は、国と地方との財政秩序を乱すものであります。
 六十一年度地方財政計画五十二兆八千四百五十七億円は、地方自治体の切り詰めと昨年度に続く国からの支出抑制及び地方税収の伸び並びに地方債増発で、ようやく収支均衡を図るようにしたものであります。形式的には地方財政計画の赤字を出さないようになったにもかかわらず、昨年に続く国庫補助負担金の大幅一律削減一兆一千七百億円を地方団体に肩がわりさせたため、新たな借金を九千三百億円も背負わせることになったのであります。まさに国によって政策的につくられた借金であり、しかもその補てんはあいまい、かつ不完全であります。政府の破れた公約「増税なき財政再建」につじつまだけを合わせるために、地方団体を犠牲にするこのような措置は、国と地方との財政秩序を乱し、地方自治法及び地方財政法を政府みずからが踏みにじるものとして糾弾されなければなりません。(拍手)
 第二は、大衆増税をし、交付税の性格をゆがめるものであります。
 削減された経常的経費六千百億円の一部補てんとして、税制調査会答申を無視し、突如として大衆課税であるたばこ消費税の引き上げが行われたのであります。また、残余の補てんを地方債で行うため、基準財政需要額算定のやりくりで取り繕うなど、地方の財政調整にとって国が金科玉条としてまいりました地方交付税の性格、機能そのものまで曲げられようとしているのであります。しかも、標準行政という名のもとに、創造的な地方自治が抑えつけられ、交付税がその操りの道具に変質する危険が出てきてまいっておるのであります。今こそ、地方団体固有の財源である交付税の本質をゆがめないよう、政府に強く求めるものであります。
 第三に、地方団体に借金を背負わせるものであります。
 一昨年、地方団体の財源不足に対する補てんには借金方式をやめたにもかかわらず、政府によってつくられた赤字なるがゆえに、地方債の増発によって穴埋めをし、地方債依存率は、前年度よりも〇・六%増の八・四%となったのであります。そして、償還の一部だけを将来交付税特別会計に繰り入れるという、地方に負担を残す安易な方法をとったのであります。全く国の歳出のしりぬぐいのための場当たり方式でありまして、断じて容認するわけにはいかないのであります。(拍手)
 第四は、法定交付税率を計上していないのであります。
 本年度の交付税交付金は、前年度当初に比し四・〇%の伸びであります。しかしながら、一昨年度に決定いたしました交付税特別会計の地方分担による本年度利子充当分三千五百四十七億円が差し引きされ、国が払わねばならぬ既往利差臨特など一千三百五十七億円は繰り延べをいたしまして六十六年度以降に加算されることにより、著しく減額されたのであります。そのため、本来の地方交付税総額は不足をし、法定三税の三二%にも達せず、三一・二%となったのであります。実質の交付税率の法定税率割れば、これで実に三年連続となり、地方に対する国の重大な背信行為と言わざるを得ないのであります。
 地方交付税総額の安定的な確保を図ることは、地方自治発展のため急務であります。また、行政需要の変化と増大、特に高齢化社会に対応した福祉、文化、雇用、これらのニーズに応ずる適切な行政需要を見積もるため、基準財政需要額の算定方式の適正化、なかんずく、投資的経費の充実などの改革が必要であります。残念ながら、中曽根内閣は、軍拡以外にはこのような意欲を見ることができないのであります。
 さて、地方の行財政の実情に目をつぶる臨調及び行革審は、重大な誤りを犯してまいりました。それは、地方財政は規模、財政力とも違いますところの三千三百一の地方団体の数値の合算したものなのに対しまして、単一の財政主体でありますところの国の数値と単純に比較をし、地方財政があたかも富裕であるような幻想をばらまいてまいったのであります。地方団体の経常収支比率は、一九七三年度には七一・四%でありましたが、一九八三年度には八〇・〇%となり、その団体数も二・〇四倍の一千三百六十七団体、全体の四一・四%を占めるに至り、硬直性が際立ってきたのであります。また、一九八四年度決算による公債費比率では、自治省指導の危険信号とされる一三%ラインを超えたものは六百五十一団体、五五・五%に達し、過半数以上になったのであります。
 国と違って地方団体は、みずからの意思で収入を決定するうまい財源は見当たらないのであります。国の予算と地方財政計画とは、規模ではおおむね同じでも、財政構造の違いは、地方団体にこれ以上の借り入れをする余力は到底ありません。人と人との潤いに満ちた、安定した社会の健全な発展の中から国力の充実を望むなら、画一化、中央集権化による地方いじめに終止符を打たなければなりません。
 憲法が保障する地方自治の本旨に立ち返り、国と地方との事務、機能の分担を明確にし、地方団体に自主的な税財源の確保を行うべきであります。そのために、地方交付税の総額の確保と機能の活用を図るよう政府の反省を促し、重ねて反対の意思を表明いたしまして、討論を終わるものであります。(拍手)
#11
○議長(坂田道太君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#12
○議長(坂田道太君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#13
○議長(坂田道太君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ────◇─────
 国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する
  法律案(内閣提出)の趣旨説明
#14
○議長(坂田道太君) この際、内閣提出、国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案について、趣旨の説明を求めます。厚生大臣今井勇君。
    〔国務大臣今井勇君登壇〕
#15
○国務大臣(今井勇君) 国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 国立病院・療養所は、昭和二十年の発足以来、国民医療の確保に大きな役割を果たしてきたところでありますが、近年、疾病構造の変化、医学医術の進歩等により医療内容はますます高度化、多様化してきております。また、この間、他の公私医療機関の整備が年々進められ、マクロ的に見れば、我が国の医療機関の量的な確保はほぼ達成されつつあると言えます。
 国立病院・療養所の再編成は、このような情勢の変化を踏まえ、適切かつ効率的な医療供給体制の確立という国民的課題の中で、今後国立病院・療養所が国立医療機関にふさわしい役割を積極的に果たしていくためには避けて通れない道であります。このため、政府といたしましては、昭和六十一年度を初年度として今後おおむね十年を目途に、相当数の施設の移譲または統合を行うこととしておりますが、再編成の円滑な実施を図るとともに、再編成に伴う地域の医療を確保するため、この法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一は、国立病院等の移譲に係る資産の譲渡の特例についてであります。国は、公的医療機関の開設者等が国立病院等の移譲を受け、医療機関を経営しようとするときは、当該国立病院等の資産を、地方公共団体に対しては無償で、地方公共団体以外の者に対しては時価からその七割を減額した価額で譲渡することができることとしております。
 第二は、その他の資産の譲渡の特例についてであります。国は、公的医療機関の開設者等が国立病院等の資産の譲渡を受け、引き続きその者の開設する医療機関の用に供しようとするときは、当該資産を、地方公共団体に対しては時価からその五割を減額した価額で、地方公共団体以外の者に対しては時価からその三割五分を減額した価額で譲渡することができることとしております。
 第三に、国の補助についてでありますが、移譲を受けて医療機関を開設する公的医療機関の開設者等に対し、国は当該医療機関の運営に要する費用を補助することができることとしております。
 以上のほか、国立病院等の資産の譲渡を受けて開設される医療機関の運営が円滑に行われるように医師を派遣する等の必要な配慮を行うことなどを規定しております。
 なお、この法律の施行期日につきましては、公布の日としているところであります。
 以上が国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ────◇─────
 国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する
  法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#16
○議長(坂田道太君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。竹村泰子君。
    〔竹村泰子君登壇〕
#17
○竹村泰子君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま提案されました国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案について質問をいたします。
 総理、先日私は、この統廃合の対象となっている北海道小樽市にあります国立療養所小樽病院を訪ねてみました。この病院は、結核療養所及び脳卒中リハビリ施設並びに重症心身障害児施設という三つの機能を持っております。どれをとっても、地味な採算に合わない医療であります。このように、地方自治体や民間で病院経営上無理がある医療こそ、国が骨惜しみすることなく手をかすべきではないでしょうか。(拍手)また、北海道は御存じのとおり、冬の寒さが厳しいところであり、重度の障害を持つ人々やその家族が雪の中を遠いところまで通うことになるのですが、それがどんなに大変なことか、総理、あなたには想像もおつきにならないことではないでしょうか。
 昨年三月、「国立病院・療養所の再編成・合理化の基本指針」が出された時点で、既に小樽市周辺のほとんどの町村から意見書が、議会からは決議が出されております。いずれにしましても、これらの病院をなくしてしまった方がよいと考える人は、この世に一人もいないということであります。当該施設の関係者も、周辺の自治体も、これを利用する人々も、そのすべてが存続と発展を願っているのに、政府高官だけが廃止を主張しているというこの異常な事態を、私は民主主義の危機とさえ感じるのです。(拍手)
 そもそも国立病院・療養所の経営移譲または統廃合は、今なぜ必要なのでしょうか。厚生大臣は、本法案の提案理由説明の中で、医療内容の高度化、多様化と言われました。それならば、これに対応できるような病院づくりの計画をつくればよいことになります。また、同じく法案説明の中で、医療機関の量的な確保が達成されつつあると指摘されました。それならば、医療機関全体の適正配置や公的規制を考えればよいのであって、国立のものだけ削減するというのは、全く筋の通らない話だと言わなければなりません。(拍手)さらに、厚生大臣は、国立医療機関にふさわしい役割を積極的に果たしていくためには避けて通れない道と言われました。政府の提案理由説明を幾度繰り返し読んでみても、どうしてこの道を通らなければならないのか、全く理解することができないのであります。
 国立病院・療養所の設置目的は、厚生省設置法第八条に定められており、国立病院は「医療を行い、あわせて医療の向上に寄与すること。」国立療養所は「特殊の療養を要する者に対して、医療を行い、あわせて医療の向上に寄与すること。」を目的としております。ここから読み取れるのは、国立病院・療養所の使命は「医療の向上に寄与すること」、すなわち、モデル的な医療の拠点となることではないでしょうか。厚生大臣は、このような役割を持つ国民共有の財産を維持管理すべき職責にあり、したがって、国立病院・療養所を全体として拡充整備するための中長期的な計画を策定することこそ、急務だと言わなければなりません。(拍手)
 政府の施策を振り返ってみますと、特段の計画、特別な法律を用意したのは、一九五二年に六十施設の経営移譲を計画化したときと今回の二回しか見当たらず、拡充整備のための計画や立法はただの一度もないではありませんか。これまでに国立病院の医療を充実し、整備するための中長期的な計画があったのですか。
 厚生省が昨年三月に示した基本指針によりますと、基本的、一般的医療の提供は国立以外の医療機関にゆだねるとしております。しかし、現行の医療法などのもとでは、医療機関の設置者ごとに担うべき医療の範囲が定められているわけではありません。したがって、厚生省が勝手にゆだねると宣言してみても、一体どれだけの効果があるでしょうか。
 この方針によれば、基本的、一般的な医療しか担えない施設は、真っ先に統廃合ないし経営移譲の対象となってしまうのであります。しかし、このような病院は、一般の市民生活の中に溶け込んだ中堅的な地域医療の機能を果たしており、むしろ地域中核病院のモデルとして国が拡充すべきであると思いますが、いかがでしょうか。特に、僻地、離島を初め、医療過疎地の需要にこたえている病院については、高度あるいは特殊な医療を担えないからといって廃止してしまうことは、過疎地に対する差別であり、人権侵害であると言わなければなりません。(拍手)そこで、厚生大臣にお尋ねいたしますけれども、一方的に国立以外の医療機関にゆだねるとしておられますが、一体どのような法手続によってゆだねられるのでしょうか。
 過疎地の一般的な医療についても、また逆に、高度、特殊、専門的な医療についても、共通して言えることは、採算に合わないという一点であります。これについて、厚生省の基本方針は次のように指摘しております。「国立病院・療養所の運営上、本来採算に乗らない分野を明確化し、これについては一般会計からの繰入で賄い、その他の経費については診療収入等で賄う」。厚生大臣、ここで示された原則に従って、採算に合わない分野とはどの範囲の医療を言うか、明確にしていただきたいのであります。
 もともと交通不便なところで、採算に合わない医療を引き受けてきた国立病院・療養所をお譲りしますよと言ってみても、引き受けましょうということにはなかなかなりません。この一月に経営移譲対象施設三十四カ所を発表しても、申し出のあったのは、医療法人がただ一つというのが実情であります。名乗りを上げた自治体が一つもない理由としては、昨年六月に早々と自治大臣が全国に通知を出し、引き受けることには慎重になれと指導していることが考えられます。なるほど、今自治体には、赤字覚悟で新たな病院経営を引き受けるほどのゆとりはありません。しかし、自治体への移譲の条件が厚生省サイドでまだ全然検討されていない段階で、手を挙げちゃいけませんよというようなお説教をすることは、出しゃばり過ぎと思うのですが、自治大臣、いかがですか。(拍手)
 一九五二年に政府は、国立病院六十施設を経営移譲する方針を立て、特別措置法を制定しましたが、一九五三年までにわずか十施設を移譲したにすぎず、その後今日に至るまで、法律はあれど執行されずという状況が続いているのであります。この失敗を二度と繰り返すことにはならないという自信をお持ちでしたら、その根拠を示していただきたいのであります。なお、このときは、移譲対象に一般の法人は含まれておらず、自治体または日赤、済生会など、公的医療機関の設置者に限られておりました。これは、著しく公共性の高い病院として引き続き安定的に運営されるための条件として当然であったと思うのです。かつての政府はこの程度の慎みと節度を持っていたのに比べますと、買い手がつけばどこでもいいといった現在の姿勢は、国有財産切り売り内閣と批判されても、けだし当然と言わなければなりません。(拍手)
 要するに、たとえ経営移譲する場合でも、将来恒久的に病院として機能する保証が必要なのであります。政府方針では、十五年間は病院として経営することを条件にすることを考えているようですけれども、十五年たってしまえばどうなっても仕方がないというやり方は、国民から預かった財産の処分の仕方としては、到底許すことができません。経営移譲をしても、将来恒久的に病院として機能する保証が必要と思いますが、いかがですか。一般には、民間移譲になれば、差額ベッド料、お世話料など入院患者の負担増が心配されております。また、医療労働者の側からいえば、移譲対象となる施設だけで四千人余りとも言われる職員の身分、勤務条件、給与などがどうなるのかと、大変に不安を持っているのであります。
 冒頭、国立療養所小樽病院で感じたことを申し上げましたが、政府の計画に反対する声が強いのは、全国的な傾向であります。例えば、本年三月末現在で、全国の自治体のおよそ七四%、二千四百三十八自治体が厚生省にその旨の意見書を提出しているではないですか。一体政府は、これら自治体及びその住民の意向をどのように施策に反映させようというのか、納得のいく答弁をいただきたいと思います。
 最後に、私は、国立病院・療養所をつぶしたり譲渡したりする前に、三年間の再生へのモラトリアム期間を置くことを御提案申し上げます。つまり、再生に向けた発想の転換と新しいやり方の発見のために、対象施設はこの猶予期間を活用することとし、例えば医療相談、訪問看護、往診などなど新たな活動領域を開拓し、もしこれに成功したら存続を認めるというものであります。このような柔軟性を持てるかどうかが、民主主義の成熟度をはかる指標と言えるのではないでしょうか。中曽根内閣の勇気ある決断を期待して、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
    〔内閣総理大臣中曽根康弘君登壇〕
#18
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 竹村議員にお答えをいたします。
 まず、我が国の医療供給体制は、量的な面ではかなりの水準に達しておりますが、今後は、高齢化社会の急速な進展に伴い、医療資源を効率的に活用しつつ、医療需要の増大、多様化に対応していく必要があるのでございます。今回のこの行いは、廃止というよりも、高度化とかあるいは機能の充実、そういう意味も含めた統廃合である、このようにお考え願いたいのであります。こういうことによりまして、医療施設相互の機能分担と連携を図っていく、そういう考えに立っておるのであります。
 最近の情勢を見ますと、医学の非常な大きな進歩あるいは民間の医療施設の充実、こういうような情勢から見まして、やはり政府関係のものにしましても、機能の向上とかあるいは集中と分業とか、そういうような弾力的な措置を必要としていると考えるのであります。したがって、国立病院や療養所の果たすべき役割を明確にし、国立医療機関にふさわしい機能の充実強化を図っていこうとしておるもので、病床削減計画の一環とか、一般会計からの支出軽減のために行うものではございません。
 次に、国立病院の固有の役割でございますが、これは、他の医療機関が担うことが困難な高度専門医療などの政策医療を実施するほか、臨床研究、教育研修の実施など、国立医療機関にふさわしい役割を果たすことができるよう、機能の充実強化をさらに図ろうとしておるものなのであります。
 そこで、国立病院等の中期的計画の問題でございますが、今回の再編成計画は、これまでの国立病院・療養所の機能を根本的に見直して、今後、国立医療機関にふさわしい役割を積極的に果たしていくために質的強化を図ることを目的とした、今まで例を見ない画期的な充実計画であると考えておるのであります。
 なお、国立病院・療養所の再編成は、これらが国立医療機関にふさわしい役割を果たすことができるようにすることを目的として、全国的な視野に立って計画的に実施しようと思っております。必ずしも短期的に、過早にこれを実施するものではないので、適当な時間をかけて、必要に応じて、段階的に適切な順序を踏まえて、地元の御理解を得つつ行おうとしておるものなのでございます。この点はぜひ御理解もいただきたいと思います。
 残余の答弁は関係大臣がいたします。(拍手)
    〔国務大臣今井勇君登壇〕
#19
○国務大臣(今井勇君) 竹村先生にお答えを申し上げます。
 まず、基本的、一般的医療に関するお尋ねについてでございますが、我が国の医療供給体制におきます今後の基本的な方向は、国、公、私の医療機関の役割分担を明確にし、かつ、相互に連携を保っていくことにあると考えております。今回の再編成もこうした考え方に立ちまして、国立医療機関は主としてより広域を対象とする高度の専門医療を担当し、基本的、一般的な医療は他の医療機関にゆだねることとしており、このような考え方から基本的には、法手続というよりも、国、地方公共団体、その他の医療関係者の相互の理解と協力によりまして、順次進められるものであると考えておるものでございます。
 また、国立のモデル的な地域中核病院についてのお尋ねでございますが、今回の再編成は、今申し述べましたように、国立病院・療養所は広域を対象といたします高度の専門医療等の政策医療を実施するほか、臨床研究であるとかあるいは教育研修の実施など、国立医療機関にふさわしい役割を果たすことを目指すものでございまして、地域におきます一般的な医療は、基本的には他の医療機関が確保することが適切である、こう考えておるものでございます。
 次に、僻地、離島等の医療についてでございますが、厚生省といたしましても、極めて重要な医療政策であると考えておりますが、その確保につきましては、第一義的には、地方公共団体などが中心となって対応することが適切であると考えておりまして、国はその推進が図られるように助成措置などを進めているところでございます。なお、再編成の実施に当たりましては、地域医療に支障が生じないように地元関係者と十分協議してまいりたいと考えております。
 次に、不採算部門の明確化についてでございますが、国立病院・療養所の運営に当たりましては、本来、採算に乗らない分野につきましては一般会計からの繰り入れで賄いまして、その他の経費につきましては診療収入等で賄うとの基本原則に立ちまして、今後、経費の負担区分の明確化を図るべく検討してまいりたい、このように考えております。
 次に、昭和二十七年当時の移譲との比較についてのお尋ねでございますが、今回の国立病院・療養所の再編成は、行政改革の一環として、これらが国立医療機関にふさわしい指導的役割を果たせるよう、その質的強化を図ることを目的とするものでありまして、避けて通れない道であると考えております。厚生省といたしましては、全省を挙げてこれに取り組みまして、関係地方公共団体など地元関係者の理解と協力を得ながら、円滑な実施を図ってまいりたいと考えております。また、移譲先につきましては、公的な医療機関のほかは政令で定めることとしております。政令では、後医療の確保を図る見地から、引き続き安定的に運営できる基盤を有する公的性格の強い法人に限定して規定することを考えております。
 次に、移譲後の取り扱いについてでありますが、移譲後、医療機関として使用すべき期間を少なくとも十五年間とすることにつきましては、国有財産に関する一般的な取り扱い及び昭和二十七年当時の例に照らし妥当なものであると考えております。
 最後に、全国の自治体からの意見についてのお尋ねでありますが、これまで申し上げましたとおり、国立病院・療養所の再編成は避けて通れない問題であります。計画の実施に当たりましては、都道府県、市町村などの地元関係者と十分に協議し、関係者の理解と協力を得ながら円滑に進めてまいる所存でございます。(拍手)
    〔国務大臣小沢一郎君登壇〕
#20
○国務大臣(小沢一郎君) 竹村先生にお答えいたします。
 まず意見書の問題でございますが、地方団体からの意見書は、この再編成によりまして地域医療の確保に支障が生ずるのではないかとの心配から出ているものと考えております。したがいまして、私どもは、この実施に当たりましては、地域医療の確保に配慮し、地元と十分協議して、その理解のもとに進められていくことが肝要である、そのように考えております。
 それから、僻地、離島の問題でございますが、僻地や山村、離島等における医療の確保は、地域にとりまして本当に重大な課題であると考えております。したがいまして、計画の実施に当たりましては、これらの地域の医療に支障が生じないように特に配慮することが必要であると考えております。
 それから、自治体に出しました通知の件でございますが、余り出しゃばるなとおしかりをいただきましたけれども、この点につきましては、余りおしかりを受けるほどのことではないのではないかと考えておりまして、私どもといたしましては、地方におきましても行政改革も重要な課題であって、そして、現在の自治体病院を取り巻く厳しい経営環境、地方財政の厳しい現状等にかんがみまして、地方団体としては今後、地域医療の確保を考え、そして十分これから協議してこの点について対処してくださいということを申し上げたのでございます。(拍手)
    ─────────────
#21
○議長(坂田道太君) 藤田スミ君。
    〔藤田スミ君登壇〕
#22
○藤田スミ君 私は、日本共産党・革新共同を代表して、国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案について、総理並びに関係閣僚に質問いたします。
 中曽根内閣は、「戦後政治の総決算」を目指し、歴史の進歩に逆らい、軍備拡大、臨調路線の強行によって、健康保険の抜本改悪、老人保健医療のたび重なる改悪をねらい、今回、国立病院・療養所の三割縮小、地域医療からの撤退という再編計画を打ち出しました。
 この厚生省計画が発表された一月九日、日本列島に言い知れない不安と激しい怒りが突き抜け、今この無謀な計画に反対する国民の運動は、潮のように広がっているのであります。なぜなら、これらの医療施設は、地域住民の命を守る上でかけがえのない存在であるからであります。だからこそ、全国自治体も、実に八九%が反対の決議を上げ、政府に計画の撤回を求めているのであります。総理、あなたは一体、国民の命を守る国の責務についてどのように受けとめておられるのか、国民の声に謙虚にこたえることこそ民主政治の基本ではありませんか、明確な御答弁を求めます。(拍手)
 今回の国立病院・療養所の統廃合は、昨年の医療法の改悪による、日本の総べッド数を百六十五万床から百万床に減らすという恐るべき計画の一環であり、本来、国民に医療を保障する責任を果たすべき国が、逆に医療切り捨て、患者追い出しの先頭に立とうとしていることに、多くの国民は慄然とせざるを得ないわけであります。
 群馬県吾妻町にある国立療養所長寿園は、この地域の唯一の医療施設として、療養中の六十二名のお年寄りはもとより、住民の命を守るという点からもなくてはならない存在でありました。そしてそれは、国立であるがゆえに、今日まで存在してきたし、過疎地住民の期待にこたえてきたのであります。だからこそ、政府が長寿園の廃止を打ち出したとき、これまであなたを、あるいは自民党を支持してこられた皆さんも含めて、命を守る必死の反対運動に立ち上がらざるを得なかったのではないでしょうか。今回の統廃合再編計画が意味するものは、まさに全国無数の長寿園問題を引き起こすことにほかなりません。切り捨ての対象になっている壱岐、対馬、佐渡など、離島、過疎地の住民に底知れぬ不安と苦しみを与えることが、果たして政治と呼び得るものなのかどうか、総理の御認識をぜひ伺っておきたいと思います。(拍手)
 許しがたいことは、地域医療の切り捨てを合理化するために、政府、厚生省がさまざまな欺瞞と虚偽を弄していることであります。
 まず、地域的偏在を正すためといいますが、それならば、医療機関が圧倒的に大都市に集中し、地方、とりわけ過疎地、離島にほとんどないという我が国医療の根本的偏在を正すことこそ、総理、国のなすべき責任ではないでしょうか。自治体などに移譲するから大丈夫だと政府は宣伝しています。ところが、内閣委員会における我が党三浦議員の追及に対して、厚生省は、国立泉北病院などの移譲対象に引き受け手がなければ統廃合すると答え、つまりつぶすと言っているではありませんか。現に自治体病院は、多くのところで構造的赤字に苦しんでおり、だからこそ、昨年六月自治省は、全国自治体に対し、経営移譲の問題については慎重に対処することとわざわざ事務次官通知を出しているのであります。自治大臣、この方針は今でも変わりはありませんね。
 そして厚生大臣、自治体が引き受けるところはほとんどない、移譲といっても実際には統廃合せざるを得ない、これが本音でしょう。どうか正直にお答えください。
 政府のうたい文句である高度先駆的医療の推進なるものも、その多くを首都圏や大都市に集中し、高度先駆的医療の偏在を一層推し進めるものにすぎません。今、国民が切実に求めているのは、身近にある国立医療機関が基本的、一般的医療と同時に、特殊、専門医療をともに担う総合的医療機能を持つことであります。総理の御見解を求めます。
 さらに、赤字経営、経営効率の名による国立病院切り捨て論についてであります。国立医療機関が民間ではとても引き受けられない不採算医療や特殊医療を受け持つ以上、そこに経営上の困難が生じることは当然であります。にもかかわらず、国立病院の経営状況は、そこに働く職員の並み並みならない努力によって、あの臨調でさえ、収支は他と比較しても遜色はないと言わざるを得なかったではありませんか。これでなぜ国立病院切り捨てに経営効率を理由にされるのか、納得のいく御答弁を求めるものであります。
 以上、お尋ねしましたように、全く理由にもならない理由を並べて地域医療の切り捨てを強行しようとする真のねらいは何でしょうか。
 第一は、言うまでもなく、医療に対する国の支出を減らし、軍備拡張の財源を生み出すことでありましょう。
 第二は、国民の命、医療を年間二十兆円に上る医療市場としか見ない財界や大企業に、この国立医療施設を提供しようとしていることであります。現に伊藤忠、丸紅などの大手商社は、近い将来有力な事業として医療ビジネスを位置づけております。今回の計画をめぐっても、せいれい会福祉事業団なる民間法人が、全国チェーンの展開を目指して、三十カ所にも上る国立病院・療養所の譲渡を既に厚生省に申し入れていると言われています。それでも政府はなお、国立病院・療養所をもうけの道具にはさせないと明言できますか、明確に御答弁願います。(拍手)
 第三は、国民の共有財産を巨額の利権づくりの場にしようとしていることであります。東京都北区の王子病院の土地四万平米は、時価で百数十億円は下らないと言われています。これを西戸山公務員住宅でやったように、時価より格段に安く、さらに随意契約で、民間に自由に売り渡すことになるのではないでしょうか。
 さらに、全国で十五の温泉病院のうち、実に十三、その九割までを再編成の対象としていることも、重大な問題と言わなければなりません。例えば、厚生省国立病院課みずからがまとめた「国立病院・療養所要覧」を見ても、伊東温泉病院の場合は「その診療圏は全国に及んでいる。今後、リューマチ病院、温泉病院として、さらに発展が予想される」と評価していますが、もちろん、これは当温泉病院に限らないのであります。なぜこのようなところまで手放して民間に引き渡してしまわなければならないのでしょうか。総理、国民の病床を利権の温床につくりかえることは断じて認めるわけにはまいりません。総理の明快な御答弁を求めます。(拍手)
 第三に、公務員労働者の基本的権利のじゅうりんであります。
 移譲対象三十四施設に働く職員は、三千八百四十三名にも上りますが、本法律案では、これらの職員の身分保障について、何ら触れておりません。政府は、生首は切らないと言っているようですが、公務員としての身分を事実上強制的に剥奪すること自体、かつての定員法による大量首切りの再現と言わなければなりません。臨調が現在の公務員を二つに区分し、政策決定や権力行使に携わる者だけを公務員とし、現業部門などは非公務員とする方向を既に打ち出しているもとで、これは単に病院職員のみならず、全公務員労働者にかかわる重大な問題と言わなければならないわけであります。(拍手)
 再編対象施設に働く職員の身分と権利を守る一体どのような法的保障があるとおっしゃるのか、総理並びに厚生大臣の明確な御答弁を求めます。
 第四に、防災病院についてであります。
 本来、すべての国立病院に救急及び災害に備えて機能を持たせることは当然であります。ところが、政府の計画は、一つは関西新国際空港の建設に伴い大阪に、また関東では、自衛隊立川基地に隣接して設置するということです。関西新空港でどのような大規模災害を予想されておられるのか、また、自衛隊基地に隣接されたことについて、有事即応のための軍事的色彩の強い防災病院構想だと受けとめざるを得ませんが、明確な御答弁を求めます。
 最後に、文部大臣にお尋ねいたします。
 今回の対象七十四施設のうち、四十五の施設に、重度障害児や病弱児などの養護学校が併設あるいは隣接されています。今広々とした敷地で学び、遊ぶ子供たちを、統廃合によって家族から一層遠く引き離した上に、狭い病院、施設に閉じ込めていくこの計画は、一体子供たちのために許されていいことなのでしょうか、お答えをいただきたいのであります。
 以上、本法案は、医療供給の格差を著しく拡大し、医学の進歩を国民が等しく受ける権利を奪い、医療労働者の暮らしと権利をじゅうりんし、国民の貴重な財産を医療産業や利権のえじきとし、国民の生存権を根底から脅かすものであり、国民はみずからの命を守るために、このような悪法を断じて許すわけにはいかないわけであります。
 日本共産党・革新共同は、政府に対し、この法案を潔く撤回することを重ねて強く要求し、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣中曽根康弘君登壇〕
#23
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 藤田議員にお答えをいたします。
 まず、国立医療機関の責務でございますが、再編成は地域にとって非常に大きな問題であることは、よく承知しております。今回の再編成は、国立病院等がより広域を対象とする高度専門医療等、国立医療機関としてふさわしい役割を果たすために不可欠の措置として行うものであります。計画の実施に当たりましては、地域の医療の確保等について都道府県、市町村等地元関係者と十分協議をして、理解と協力を得ながら円滑に実施したいと考えております。
 離島や過疎地の問題でございますが、国としても十分配慮すべきものであることは当然であります。その確保の方法について、地方自治体等が中心となって対応することが適切であると考えておりますが、計画の実施に当たっては、地域の医療の確保等について、都道府県、市町村等地元関係者と十分協議して、理解と協力を得ながら円滑に実施してまいります。なお、離島、過疎地における医療の確保について、医療政策の重要な課題と政府は考えており、従来から、僻地診療所や僻地病院等の整備等を推進してきておりますが、今後とも、医療の偏在の是正のため、僻地医療対策の充実に努めてまいります。
 国立医療機関の担う機能でございますが、国立病院については、国立、公立、私立医療機関相互の機能分担として、主として広域を対象とする高度専門医療を担い、地域の一般的医療の提供は基本的には、私的病院や自治体病院等が担うことが適当であると考えております。
 資産の譲渡につきましては、医療の確保を図るために、地方公共団体等に対して、引き続いて医療機関として使用する場合に限って、割引等適当な措置を講ずるものでございます。
 なお、伊東温泉病院については、厚生大臣から答弁させますが、利権の対象とするがごときことはもってのほかでありまして、そういう不謹慎な言葉はお慎しみ願いたいと思うのであります。我々は、国の財産につきましては、公正に処置する考えであります。
 職員の身分保障については、国立病院・療養所の再編成に当たっては、現在働いている職員の身分について十分配慮してまいります。本人の意思を十分尊重してこれを行いたいと考えておるのであります。
 本法案を撤回する考えはございません。(拍手)
    〔国務大臣海部俊樹君登壇〕
#24
○国務大臣(海部俊樹君) 御質疑にありました具体的な施設の整備、病院の移転等につきましては、現在、厚生省において慎重に御検討願われておると聞いておりますが、再編成計画の実施に当たりましては、各病院等に入院中の児童生徒の教育に対しましても、十分配慮されることが必要であると考えております。(拍手)
    〔国務大臣今井勇君登壇〕
#25
○国務大臣(今井勇君) 藤田先生にお答え申し上げます。
 まず、自治体等への移譲についてのお尋ねについてでありますが、再編成計画は、本年一月に公表いたしましたところでございまして、移譲施設については、適当な移譲先を見つけるべく最善の努力をしてまいる所存であります。なお、この計画は十年に及ぶ長期計画でありますために、その進捗の状況などを見きわめながら、見直しの際にその後の対応を決めてまいりたいと考えておるものでございます。
 次に、国立病院等の経営効率に関するお尋ねについてでありますが、今回の再編成は、国立病院・療養所が国立医療機関にふさわしい役割を果たせるように、その質的の強化を図ることを目的とするものであります。なお、国立病院・療養所につきましては、毎年一般会計から多額の繰り入れを行っておりまして、もとより国立病院・療養所の効率的な運営に努めるべきことは、当然のことであると考えておるものでございます。
 次に、営利目的を有するものに対します移譲についてのお尋ねでありますが、今回の再編成に伴います移譲は、地域の後医療の確保の観点から、公的な医療機関等に限りまして所要の割引措置を講ずることといたしております。具体的に移譲するに当たりましては、このような観点から、関係の地方公共団体とも協議しながら、適切な運営主体を決定する考えでございます。次に、国立伊東温泉病院についてでありますが、近接します国立の熱海病院と統合いたしまして、リューマチなどの難病の基幹施設として診療機能の充実強化を図るものであります。
 次に、国立病院・療養所の再編成に当たりまして職員の身分の取り扱いについてでございますが、これは統廃合につきましては、統合後の施設に異動することを原則といたしておりますが、他の国立病院等への配置がえを希望する者がありますれば、可能な限り弾力的に対処してまいりたいと考えております。また、経営移譲につきましても、移譲の行われた施設の職員となるか、引き続き国家公務員として他の国立病院等で勤務するかは、職員の希望を尊重いたしまして対応してまいりたいと考えております。
 最後に、防災の基幹施設についてのお尋ねでありますが、広域災害医療の拠点施設としまして、首都圏の大震災及び関西新空港の空港災害等に対処しようとするものでございます。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣小沢一郎君登壇〕
#26
○国務大臣(小沢一郎君) 藤田先生にお答えいたします。
 この問題についての自治省の基本的方針には、変わりありません。(拍手)
#27
○議長(坂田道太君) これにて質疑は終了いたしました。
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#28
○議長(坂田道太君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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