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1985/05/06 第104回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第104回国会 本会議 第25号
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1985/05/06 第104回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第104回国会 本会議 第25号

#1
第104回国会 本会議 第25号
昭和六十一年五月六日(火曜日)
    ─────────────
 議事日程 第二十二号
  昭和六十一年五月六日
    午後一時開議
 第一 日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案(内閣提出)
    ─────────────
○本日の会議に付した案件
 日程第一 日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案(内閣提出)
    午後一時三分開議
#2
○議長(坂田道太君) これより会議を開きます。
     ────◇─────
 日程第一 日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案(内閣提出)
#3
○議長(坂田道太君) 日程第一、日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。運輸委員長山下徳夫君。
    ─────────────
 日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
    〔山下徳夫君登壇〕
#4
○山下徳夫君 ただいま議題となりました日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案につきまして、運輸委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、国鉄の長期債務に係る負担の軽減を図るため、国鉄が資金運用部から貸し付けを受けた長期債務のうち、既に棚上げ措置を講じている特定債務五兆円余等を一般会計に承継させることとするとともに、職員の退職の促進を図るため、退職希望職員の募集を行う場合、退職希望職員である旨の認定を受けた職員が退職したときは、公的部門に再就職した者等を除き、俸給、扶養手当及び調整手当の合計額の十カ月分に相当する特別給付金を支給する等、所要の措置を講じようとするものであります。
 本案は、二月十二日本院に提出され、四月一日本会議において趣旨説明を聴取した後、同日本委員会に付託されました。
 委員会におきましては、四月八日三塚運輸大臣から提案理由の説明を聴取した後、同月十一日、十五日、十八日及び二十五日にわたり質疑を行い、また、二十三日には社会労働委員会との連合審査会を開会する等、慎重な審査を行いました。
 その質疑の主な事項を申し上げますと、国鉄の長期債務の処理方策、退職希望職員の募集数二万人の根拠、特別給付金の額の妥当性、退職希望職員の再就職先の確保、国鉄の労使関係のあり方等でありますが、その詳細は委員会議録によって御承知願いたいと存じます。
 かくて、四月二十五日質疑を終了し、討論に入りましたところ、自由民主党・新自由国民連合を代表して久間章生君から賛成、日本社会党・護憲共同を代表して左近正男君及び日本共産党・革新共同を代表して梅田勝君からそれぞれ反対の意見が述べられ、採決の結果、多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し、四項目より成る附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(坂田道太君) 討論の通告があります。順次これを許します。左近正男君。
    〔左近正男君登壇〕
#6
○左近正男君 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、ただいま議題となりました日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案について、反対の討論を行います。(拍手)
 今や我が国は、世界に誇れる国鉄という国民的共有財産を失うかどうかの岐路に立たされております。我々の先達が百十年以上の長きにわたり幾多の試練と苦難を乗り越え営々と築き上げてきた国鉄を、政府は、来年四月をもって、六つの旅客鉄道会社を初めとする二十四の事業体にずたずたに解体しようともくろみ、国会の意思を無視して着々と既成事実を積み重ね、準備作業を実施しているのであります。このような政府の姿勢は許されるべきでなく、強く憤りを感じるものであります。
 確かに国鉄の現状は、六十年三月末で二十一兆八千二百六十九億円の長期債務を抱え、危機的状況にあります。この経営破綻の要因の中には、国鉄に対する国民のニーズを的確にとらえ、改革に向けて積極的な対応がなされなかった面もありますが、真の原因は、政府主導による採算を無視した膨大な借金による設備投資にあることは明らかであります。(拍手)そして、幾たびか実施されてきた歴代政府の国鉄再建対策が中途で挫折し、その結果、たび重なる運賃値上げや、昭和四十五年以降二十万人という大量の国鉄職員の削減をもたらし、ひいては、不採算路線という名目で廃止された数々の地方交通線など、すべて利用者や国鉄職員はもとより、国民全体に負担を転嫁するごまかしがなされてきたのであります。
 今日の行き詰まった国鉄の現状を見るにつけ、これまで歴代政府がとってきた再建計画に基づき、合理化のあらしの中で涙をのんで職場を去っていった国鉄OBや、愛着深い路線の廃止にやむなく協力してきた地域住民の心情を察するとき、政府の責任は極めて重大なものがあると思うのであります。かかる政府の責任を何ら反省することなく、今回再び、国民不在の密室審議の中でまとめられた国鉄再建監理委員会の答申を金科玉条にして、無謀とも言える国鉄改革案をごり押ししようとしているのであります。
 今求められている国民の願いは、全国的なネットワークを維持し、基幹的交通として機能している国鉄を幾多の困難を乗り越えて後世に残し、つないでいくことではないでしょうか。政府の国鉄改革案は、国鉄の持つ全国的ネットワークとしての機能を喪失させるばかりでなく、国土の均衡ある発展や国民の利便を著しく阻害するものであります。そして今、国鉄の職場は、国鉄の分割・民営化を前提としたさまざまな施策が国鉄当局によって強引に実施されているため、混乱状態にあります。個々の職員においても、去るも地獄、残るも地獄の思いであり、雇用不安におののき、危機感を募らせています。このような現場の状況を見るにつけ、政府、国鉄が現在のような国民と国鉄職員に背を向けた政治姿勢をとり続け、将来に決して夢を持てない施策のごり押しを続けるならば、必ずや国民の強い批判を受けることは明らかであります。(拍手)
 次に、本法案に対する主な反対理由を具体的に申し上げます。
 第一に、この法律案は、昭和六十一年度に緊急に講ずべき特別措置となっていますが、分割・民営化のための条件整備として提案されたものと言わざるを得ません。このような性格を有する本法案には絶対反対であります。
 特に申し上げたいことは、今や膨大な長期債務を抱え、危機的状況にある国鉄の改革は、現下の国政上緊急な大課題であります。しかしながら、これに取り組む政府及び国鉄は、国鉄の分割・民営化があたかも既成事実かのごとく宣伝し、そのための準備作業と称して、国鉄職員はもとより、国民の気持ちを踏みにじる施策を次々と強行しております。このような政府及び国鉄の姿勢は、国会軽視も甚だしく、議会制民主主義のルールを無視するものであります。政府及び国鉄は、分割・民営化のための一連の準備作業を直ちに中止することを強く求めるものであります。(拍手)
 反対理由の第二は、本案による国鉄の長期債務に係る負担の軽減措置が極めて不十分であり、緊急にその解決を求められている国鉄の長期債務問題の根本的な解決にはなり得ない点であります。
 反対理由の第三は、二万人という大量の希望退職者を、労使間の円満な協議が保障されないまま、一方的に募集しようとしていることであります。今日、職員の広域配転を含めて国鉄当局が実施している余剰人員対策は、国鉄職員の七割を組織する国鉄労働組合との間で十分な協議もされず強引に行われていることは極めて遺憾であり、国鉄改革の円滑な実施のためにも、正常な労使関係の確立を政府及び国鉄に強く求めるものであります。
 反対理由の第四は、二万人の再就職の保障が明確でないという点であります。政府は、就職先について万全の措置を講じ、一人たりとも路頭に迷わすことはしないと言っていますが、現在、政府において就職先を確保しているのは、昭和六十一年分としては、関連企業への八千人を含め、二万人の半数にも満たない極めて心細い状態であります。このような再就職先の確保が不十分なもとで希望退職者を募集することは、職員の雇用不安をますます募らせるばかりであります。政府は、特に公的部門への雇用確保にさらに一層の努力をしない限り、大きな混乱を来すことを強く指摘しておきます。
 反対理由の第五は、特別給付金十カ月分の額が少ないという点であります。今日の国鉄職員の置かれている現状を考えるとき、決して妥当なものとは認めがたいものであります。
 最後に、今日の危機的状況にある国鉄を改革しなければならないことは、国民的総意でもあります。そして国鉄は、国民の貴重な財産だということであります。国鉄を大切にしてほしいと多くの国民は強く願っています。政府の国鉄改革関連法案は、国民のものである国鉄を奪い去ろうとするものであります。
 我が党は、既に、国鉄の分割・民営化に反対する三千五百万署名を踏まえ、国鉄の改革法案を発表しました。今後一層国民の理解と協力のもとに、国鉄改革に向けて全力を挙げて取り組む決意であります。
 政府においては、分割や地方交通線の廃止、そして大量の雇用不安をもたらす国鉄改革関連法案を撤回し、国民の望む国鉄改革案を再考されることを強く要求し、本法案に対する反対討論を終わります。(拍手)
#7
○議長(坂田道太君) 久間章生君。
    〔久間章生君登壇〕
#8
○久間章生君 私は、自由民主党・新自由国民連合を代表いたしまして、ただいま議題となりました日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案に賛成の討論を行うものであります。(拍手)
 政府、国鉄は、昨年七月の国鉄再建監理委員会の意見を最大限に尊重し、明年四月一日から分割・民営化を実施することにより、国鉄の抜本的改革を図ることといたしておるところでありますが、これと並行して、五十八年の国鉄再建臨時措置法第三条の規定に基づく各種の経営改善のための緊急措置を講じ、適切かつ健全な事業運営を実現するための体制整備に資するよう努力を傾注しているところであります。
 本案は、このような緊急措置の締めくくりの年である昭和六十一年度において、長期債務の負担の軽減と国鉄職員の退職の促進を図るための特別措置を定めることとしようとするものでありまして、以下申し上げる理由により賛成いたすものであります。
 まず、長期債務の負担の軽減を図る措置についてでありますが、国鉄の長期債務等の処理については、新しい経営形態への変更に際し新会社等に承継させ、残りは国鉄清算事業団に残し、土地売却、雇用対策等の実施の推移を見て政府が処理方策を立てることとしており、国が最終的に責任を持つこととされておりますが、新経営形態へ移行前の昭和六十一年度において新たな緊急措置として、既に棚上げ措置を講じてきた特定債務五兆五百九十九億円を一般会計に承継させ、同額の資金を国鉄に対し無利子で貸し付けたものといたしますことは、現在の国鉄においてもその危機的状況を改善することがぜひとも必要でありますので、まことに時宜にかなった措置であると、まず賛意を表するものであります。(拍手)
 また、本案による今回の一連の措置によりまして、国鉄は、六十一年度末以降特定債務に係る利子の支払いを行う必要がなくなるほか、既に無利子で貸し付けられている財政再建貸付金二千六百二億円についても、償還期限等を延長する旨の特約をすることができることとなっており、これにより昭和六十一年度中の支払いが猶予されることとなるのであります。このように、本案による措置は、極めて厳しい状況下にある国鉄における長期債務負担の軽減に寄与するものでありまして、適切なものと確信するところであります。
 次に、国鉄職員の退職の促進を図るための特別措置についてでありますが、国鉄は、六十一年度首におきまして、三万八千人の過員と申しますか、所要員を上回る職員がおり、六十一年度において必要とされる合理化を考慮すれば、この数はますます増加するものと見込まれております。このような状態を緊急に解消し、国鉄事業の改善を図るためには、通常の勧奨退職を積極的に実施するだけでなく、余剰人員対策に協力して退職を希望する職員を募集する必要があると勘案されます。したがいまして、本案により、昭和六十一年度における緊急措置として国鉄の行う退職希望の職員の募集に応じて退職を申し出、国鉄総裁の認定を受けた職員が昭和六十一年度中に退職したときは、その者に対し、国家公務員における俸給、扶養手当及び調整手当に相当する給与の合計額の十カ月の額に相当する特別給付金を支給することといたしますことは、退職の促進を図る措置としてまことに時宜に適したものであり、これまた賛意を表するものであります。
 この特別給付金を十カ月とすることにつきましては、種々論議のあるところでありますが、旧電電公社や民間企業における事例、基礎となる国鉄における退職手当の水準等を総合的に勘案いたしますと、十分配慮されたものであり、妥当なところであると確信いたす次第であります。
 最後に、政府、国鉄においては、希望退職者に対して、愛情のあふれるきめの細かい就職あっせんを行い、本人の能力を十分発揮できるよう、また、本人の少しでも有利になるような配慮をぜひしていただきたいと強く要望いたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)
#9
○議長(坂田道太君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#10
○議長(坂田道太君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#11
○議長(坂田道太君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ────◇─────
#12
○議長(坂田道太君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時二十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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