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1984/02/22 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 国民生活・経済に関する調査特別委員会生活条件整備検討小委員会 第1号
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1984/02/22 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 国民生活・経済に関する調査特別委員会生活条件整備検討小委員会 第1号

#1
第102回国会 国民生活・経済に関する調査特別委員会生活条件整備検討小委員会 第1号
昭和六十年二月二十二日(金曜日)
   午後一時六分開会
    ─────────────
昭和五十九年十二月一日国民生活・経済に関する
調査特別委員長において本小委員を左のとおり指
名した。
                海江田鶴造君
                亀長 友義君
                佐々木 満君
                杉山 令肇君
                水谷  力君
                最上  進君
                竹田 四郎君
                対馬 孝且君
                刈田 貞子君
同日国民生活・経済に関する調査特別委員長は左
の者を小委員長に指名した。
                亀長 友義君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    小委員長        亀長 友義君
    小委員
                海江田鶴造君
                佐々木 満君
                杉山 令肇君
                水谷  力君
                最上  進君
                竹田 四郎君
                刈田 貞子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        桐澤  猛君
   参考人
       東京都都市計画
       局技監      大崎 本一君
       住宅・都市整備
       公団理事     救仁郷 斉君
       横浜市都市計画
       局長       佐藤 安平君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○生活条件整備に関する件
 (都市整備の現状と展望について)
    ─────────────
#2
○小委員長(亀長友義君) ただいまから国民生活・経済に関する調査特別委員会生活条件整備検討小委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 生活条件整備に関する件の調査のため、必要に応じ参考人から意見を聴取してまいりたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○小委員長(亀長友義君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等は、これを小委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○小委員長(亀長友義君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#5
○小委員長(亀長友義君) 本日は、生活条件整備に関する件を議題とし、都市整備の現状と展望について参考人から意見を聴取いたします。
 本日は、お手元に御配付の参考人名簿のとおり、東京都都市計画局技監大崎本一君、住宅・都市整備公団理事救仁郷斉君及び横浜市都市計画局長佐藤安平君の三名の方々に参考人として御出席をいただいております。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は御多用中のところ、本小委員会に御出席いただきましてまことにありがとうございます。本日は、都市整備の現状と展望につきまして忌憚のない御意見を拝聴し、今後の調査の参考にいたしたいと存じます。
 また、議事の進め方といたしましては、まず各参考人の方々からそれぞれ三十分程度御意見をお述べいただき、その後一時間程度小委員の方々の質疑にお答えいただく方法で進めてまいりたいと存じます。よろしくお願いを申し上げます。
 それでは、まず大崎参考人にお願いいたしたいと存じます。大崎参考人。
#6
○参考人(大崎本一君) ただいま御紹介をいただきました東京都都市計画局で技監をいたしおります大崎でございます。日ごろ委員の先生方には東京都の都市計画行政について御理解を賜り、また御指導をいただいておりますことを、この席をかりまして厚く御礼を申し上げます。
 それでは、都市整備の現状と展望のうち、既に御配付を申し上げておりますレジュメに従いまして、さらに添付の資料等を用いましてお話をさせていただきたいと存じます。なお、参考資料として「東京都長期計画」もお手元に届けさせていただいております。
 まず、初めに、ということで東京都の総人口のお話をちょっとさしていただきますが、昭和五十一年の七月以来、戦後初めて減少をした都の総人口も、昭和五十八年五月以来再び増加に転じました。以来微増傾向が続いております。五十九年の十二月一日現在では千百八十三万人余と推計をされておりまして、これが史上最高ということになっておりますが、現在もなお最高記録を更新していると見られております。
 この原因は、自然増が相当大きかったんですが、これが減少してきておりましたけれども、その減少傾向に歯どめがかかってきたということと、社会増で見ますと、転入と転出の差がほぼ均衡するに至ってきたというようなことが挙げられまして、つまり、東京で生まれ育つ層が増大をしているというようなことが言われております。しかしながら、その人口の地域的分布の問題とかあるいは高齢化の問題、さらに経済基盤の動向の問題、住宅の問題等いろいろございまして、現在都では、長期目標といたしまして職と住の均衡がとれた都市をつくる必要があるということで、鋭意努力をしているところでございます。
 本日はその中で、「東京における居住環境の特徴」と「居住環境再生への展望」といったことにつきまして、居住環境の改善を中心にお話をさせていただきたいと存じます。このレジュメに挙げてございますいろいろなテーマは、いずれも幅、奥行きが深いものでございますけれども、都の抱えております課題をさらに御認識をいただくというような意味で幅広く取り上げてございます。
 そこでレジュメの2に移らしていただきますが、「東京における居住環境の特徴」ということで、まず(1)の「失われゆく居住空間」の問題でございます。
 都心六区における夜間人口は減少傾向にございます。都心六区といいますと、千代田、中央、港、新宿、文京、台東でございますけれども、人口の減少の結果、そこでは学校とか保育園とかいった施設の遊休化の問題、あるいはさらにはコミュニティーの崩壊といったようなことが問題になろうとしております。これは原因といたしまして、例えば民間マンションの供給といったことが必ずしも定住性に結びついていないというようなことが言われておりますが、お配りいたしました資料の
二をお開きいただきますと、印刷物の三枚目でございますが、二の左側の方に「マンションの供給動向」ということで、「東京都における過去十年間のブロック別供給動向」の表がございます。その中で、一番左の方にブロック、それからその次の欄に合計欄がございますが、その都心部の欄で三万五千百十というのを丸で囲んでございますけれども、それが都心三区の四十六年から五十五年に至るマンションの供給の数でございまして、これはその下の副都心部の三万六千四百五十二に次いで多い数字でございます。しかし、その定住率が低いということが次の資料の三にございます。
 その資料の三は、「都心三区人口定着状況」というのがグラフであらわされておりますけれども、そのAに、「都心三区内民間マンションを対象とするアンケート調査結果」ということで都心三区、千代田、中央、港におけるマンションの供給の数とその使われ方といったことが数字と、それから率で出ております。
 例えば千代田区におきましては、マンションに住まわれている方のうち、住民登録住戸というのは三一・四%でございます。中央区が三九・五%、港区が四五・九%で、トータルいたしましても四二・四%というふうに、非常に定住性が低いというようなことが言われております。また、小規模マンションほど事務所化の率が高いというようなことの数字は、このページの表の右下の方のDにあらわされておりますが、これはマンションの一戸当たりの床面積別にその使われ方というものをまたグラフにあらわしたものでございますが、一戸当たり三十平米未満という、このDのグラフの一番左側のところを見ていただきますと、住民登録住戸は一九・八%というようなことでございまして、つまりそのほかの住戸は、例えばその下の方に事務所、会社と書いてございますが三四・四%、まあ三分の一程度が事務所に使われているというようなことがあらわされております。また、このマンションの建っている場所というのは、約三分の二が商業地域に立地をしているわけでございまして、これがCのグラフにございますけれども、そういった土地柄というのもありまして、事務所化の傾向が高いというようなことであろうと思いますけれども、都心の定住性を高めるために一考を要する問題であろうというふうに考えております。
 また、「失われゆく居住空間」の問題の原因の二番目といたしましては、業務機能の外延的拡大というのがございまして、都心三区で、昭和四十一年に八百七十五ヘクタールの業務地域が五十九年には二千二百八ヘクタールと、二・五倍にもなっているという事情がございます。そこで、問題としては、都心の空洞化が進んでいるというようなこと、それから都心の周辺部におきましては住居と商業、業務機能の一層の混在化が進んでいるというようなことが挙げられようかと思います。
 次に、(2)の「膨大な木賃住宅」というタイトルでは、木造賃貸住宅の話をちょっとさしていただきます。
 いわゆる木賃ベルト地帯と言われておりますのは、東京では山手線の外側、環状六号線の周辺部でございますけれども、量的には、東京都全体としては、先ほどの資料二の右の方にございますように、都全体では住宅総数が三百八十一万戸ございますが、それに対しまして木賃アパートは百五万戸、約二八%あるわけでございます。質的に見ますと、この木賃アパートは一室住宅が多いと。約五四%程度は一室の住宅でございます。さらに、浴室のないもの、これが八二%ほどです。さらに、日照時間が三時間未満というようなものが三二%ございまして、そういった問題があるということ。さらには、防災上の問題も多いわけでございます。加えて、経営者が高齢化しているという状況の中で、なかなか建てかえ意欲がわかない、建てかえ意欲が低いということが問題として挙げられております。
 次に、(3)で「活力が低下している住工混在地域」の問題でございます。これは地域的には荒川とか隅田川とかいった河川の沿岸地域と、それから多摩川の河口部あたりに見られる問題でございますけれども、いわゆる工業等制限法などの影響によりまして大規模、中規模工場が転出をいたしまして、工場が小零細化しております。と同時に、跡地について、そこが住宅になるというようなことがその地域の工業としての活力を低めるというようなことで、職住一体化の中での居住環境が悪化をしているというような状況がございます。この辺のことにつきましては、国土庁で五十八年度におきまして、大都市地域における活力の維持万策に関する調査を行いましたが、その中で人口指標、経済指標、それから居住水準指標を用いました活力の程度をあらわした結果を見ますと、低活力地域といたしまして、墨田区、荒川区、北区、大田区、板橋区といった地域が挙げられております。したがいまして、こういった居住環境と地域活力の関係を切り離しては論じられない地区という認識でございます。
 次が(4)で、「進む、住宅の老朽化」の問題でございます。
 社会資本としての住宅ストックの老朽化は、例えば先ほど申し上げましたように、木賃アパートが都内に百万戸余あるわけですけれども、この老朽化が進んでおりまして、昭和四十五年以前に建てられたものが、区部では四分の三に達しております。これは先ほどの資料二のBの表にございます。この表の右の方に、戦前から昭和二十五年までに建てられた戸数、それから二十六年から三十五年、三十六年から四十五年とありますが、そこまでの数字を足して割りかえしますと、区部で四分の三というような数字になるわけでございます。
 また、マンションについて見ますと、昭和四十五年に二万一千戸の着工以来、本格的なマンション建設が進んでまいりまして、その資料二の左の供給動向のトータル欄にございますように、四十六年から五十五年の十年間で約二十四万戸が建てられたわけでございます。したがいまして、この鉄筋コンクリート住宅は、二十一世紀初頭になりますと、一斉に建てかえの時期を迎えるというようなことになりますので、この建てかえが順調に進まないと、欧米型スラムのおそれがあるというようなことが言われております。いろいろ話題になっておりますのに、同潤会アパートの建てかえ等の問題があるわけですが、これにつきましてはその一部につきまして、押上二丁目の中之郷住宅につきましては、今度再開発で建てかえようというような計画がまとまっております。そのような現状のもとで、3で「長期計画による二十一世紀へのまちづくり」の問題を話さしていただきます。
 (1)「長期計画策定の意議」とございますが、まず二十一世紀に向かって活力ある東京を創造する道しるべとして「東京都長期計画」をつくりました。参考資料としてお配りしてあるのがそれでございます。これは、人間性の尊重と地域からの発想という基本理念の上に立ちまして、東京を「安心して住めるまち」「いきいきと暮らせるまち」そして、「ふるさとと呼べるまち」にしようとする「マイタウン東京構想」を実現させるためのものでございます。その意義は、これから申し上げます三つの点に集約をされようかと思います。
 この参考資料のページをあけていただきまして、三枚ほどめくったところに目次がございますが、この中に長期計画の構成が示されております。そこで二十一世紀に向けて課題設定とその対応策を提示をいたしております。これは目次の左のページの第一部第一章にその辺のところは書いてございますけれども、要約して申し上げますならば、都市構造の全体像を明確化すること、多心型都市構造への転換を志向すること、快適環境の創出と保全をすること、その他国際化、高齢化、地域化等への対応について記述をしてあるわけでございます。
 さらに、この長期計画では、目次の最後の方にございますが、十カ年事業としての計画化と体系化をいたしております。五十六年から六十五年度までに約百四十の事業としてそれを提示してある
わけでございますが、さらにその実現性を担保するためにこの長期計画に基づきまして、東京都総合実施計画という三カ年計画を策定をいたしまして、これを予算とリンクをさせまして実施をしようと、こういうことにいたしております。
 この長期計画の中で、これからお話いたしますことは、第一章の「安心して住めるまち」では、「安全なまち」ということで「防災」の問題、あるいは第二章の「いきいきと暮らせるまち」では、三節の「住宅」の問題、四節の「市街地整備」の問題、それから第三章の「ふるさとと呼べるまち」では、第一節の「水と緑」の問題等をかいつまんでお話をしたいと思っています。
 次に、3項(2)の「多心型都市構造への展開」の問題でございますが、長期計画の一つの大きな柱となっております「都市構造の再編成」にちょっと触れたいと思います。
 都市構造の課題は、膨張した都心地域の拡大の問題、その結果といたしまして都心部の空洞化と郊外へのスプロールが通勤の遠隔化とかあるいは生活環境施設を中心とした公共施設のアンバランスをもたらしている。こういった弊害というものは一点集中型の都市構造がもたらしたものであるので、これを是正するために多心型の都市構造へ展開していく必要があるといたしております。
 そこで、その辺の基本理念がこの参考資料「東京都長期計画」の二十五、六ページの絵に示されております。この折り込みの絵でございますけれども、この右の方が区部でございまして、ぐるっと山手線が走っておりまして、その中に池袋、新宿、渋谷といった副都心ございますが、多心型都市構造というのは都心部へのこれ以上の業務機能の集中を抑え、これを「心」としての副都心や多摩地域への「心」に分散立地をさせまして、職と住がバランスよく近接した都市をつくろうというのが基本的な思想でございます。そういったことの施策といたしましては、現在新しい副都心育成の方向の調査をしたり、あるいは都心業務の適正立地のあり方等についてもこれから調査を続けていきたいと、こういうふうに考えております。
 次に(3)で、「安心で快適なまちづくり(市街地再開発の方向)」とございますが、まちづくりをしますのには、マスタープランとしての都市再開発方針の策定というのが必要であろう。これは都市再開発法が改正になりまして、再開発方針の策定が義務づけられておりますけれども、市街化区域の中で計画的な再開発が必要な市街地のうちに、特に一体的かつ総合的に再開発を促進すべき地区を選定いたしまして、それらの再開発の目標、土地利用の方針を定めようというものでございまして、これを都市計画として決めるということになっておりますが、現在都といたしましては、六十年度中にはその都市計画を決めたいと、こういうふうに考えまして作業をしているところでございます。
 なお、市街地再開発事業が具体的にまちづくりの手法としてあるわけでございますけれども、参考までにこの資料の四に東京都におきます市街地再開発事業の施行地区のおおよその位置と、それから左の方に地区名を挙げてございます。既に五カ所が完了し、施行中ということで計画決定をされておりますのが十八地区、それから準備中というのが十七地区、こういうことでございます。
 このうち住宅に関連いたしますのは、完了した五カ所のうちの四カ所、あるいは施行中十八カ所のうちの十四カ所ということで、駅前再開発を除きまして、あるいは駅前再開発の中でも住宅があるものもございますけれども、大部分は住宅付の再開発が進められていると言っていいかと存じます。
 それから四番目に、「居住環境再生への展望」について話をさせていただきます。
 まず、(1)の「居住空間の回復」の問題でございます。東京という都市を、そこに住み、そこで働くという都市の本来の姿に再構築していくためには、とりわけ区部における居住空間の回復を図り、良好なコミュニティーの形成を図る必要があると思われます。そのためには、入れ物としての住居をつくる大規模なプロジェクトといたしまして、例えば特定住宅市街地総合整備促進事業等を活用いたしまして、木場地区であるとか大川端地区において事業がされておりますし、またサッポロビールを中心といたします恵比須地区とか、あるいは芝浦港南地区につきましても調査をいたしまして検討中でございます。ほかにも住宅団地の造成事業として品川区の八潮地区であるとか大規模な住宅供給というものが図られまして、定住性の促進をしよう、こうしているところでございます。さらに、都市計画の手法といたしましての特定街区であるとか、あるいは総合設計の運用に当たりましても、ボーナス住宅制度などを活用しながら定住が促進されるように配慮をしているところでございます。
 さらに、既存住宅確保のための施策といたしましては、居住空間の回復を図るために、おおむね環状七号線の内側の住宅地につきましてはオープンスペースを確保した環境のよい中・高層住宅地として整備をしていくという長期計画の方針に基づきましていろいろと検討を進めているところでございますが、例えば杉並区の蚕糸試験場跡地につきましては、地区計画によりまして整備をするということで九・四ヘクタールにつきまして第一種住居専用地域を第二種住居専用地域に変更するというようなことを行っております。
 さらに、「居住環境再生への展望」として「防災性の向上」の問題がございます。都市におきます震災対策といたしまして、不燃化とか難燃化等の防災性の向上を図りながら快適な居住環境をつくっていくという必要があるわけでございまして、防災拠点整備事業というのが現在行われておりますけれども、これは一口で言いますと、大規模な公園と住宅の供給を避難広場としての効率を意図しながら図ろうというふうに言えるかと思いますが、白鬚東地区であるとかあるいは亀戸・大島・小松川地区あるいはさらには白鬚西地区においてもこれから事業が進められようといたしております。さらに、防災性の向上の問題では、都市防災不燃化促進事業という制度要綱がございますが、これは避難地とか避難路周辺の不燃化を促進することによってその効率を高めるための制度でございまして、国の補助金もいただきながらその事業を進めているところでございます。
 さらに、木造賃貸住宅地区総合整備事業といった制度につきましても、木造賃貸住宅地区をより安全なものにするといったような観点も含めまして、現在四地区におきまして地区の指定を行ったところでございます。
 さらには、東京都全体の防災性を高めるといった上では、防災生活圏というような構想を打ち出しまして、これも着々と事業を進めようといたしております。つまり、これは震災対策として防災拠点等の整備をしておりますけれども、都全域でその防災性を高めるためには、震災時に逃げなくて済む町をつくろうというようなことでございまして、区部を七百ブロック程度に分けまして、そのブロックの周辺を延焼遮断帯、つまり焼けどまり線で囲む、その中についても消防車が入れるよう、あるいは防災活動拠点としての公園等を整備する。さらにはソフトの対策といたしまして、市民防災組織の組織化を図るといったようなことで、ハード・ソフトの両面から防災性の高い町をつくろう、こういう構想でございます。
 それから次が、「活力低下地域の再生」の問題でございますけれども、住工混在の問題というのは、従来は住居と工業を分離いたしまして、用途純化を図るということを基本にいたしたわけでございますけれども、最近では合理的な共存も施策の一つというふうに考えました。たとえば工業系の地域につきましては、工場の転出、廃業の防止といったようなことで経営環境の整備とか経営体質の強化を図りまして工場跡地の工業系の再使用といったことにも留意をしていこうと考えているところでございます。
 次が、「うるおいのある環境」の創出のために「緑の倍増計画」ということでございますけれども、潤いのある都市環境、居住環境をつくる上で
は、緑は不可欠の要素でございます。そこで、二十一世紀の初頭を目標にいたしまして、緑の倍増計画というのをつくったわけでございます。これは簡単に言いますと、樹木が今都内で一億本あるわけですが、それを二億本にしよう、あるいは公園の開園面積を二倍にして、現在一人当たり三平万メートルの公園面積を一人当たり六平方メートルにしよう、こういう計画でございます。
 以上、非常に駆け足でお話をしてまいりましたが、東京という大都市の抱える居住環境に関する問題は、大都市であるがゆえに持ち得る活力と、インナーシティー問題に結びつきかねない低活力との間で揺れ動いているように思われます。例えば、大都市の活力は都心部を空洞化させ、同時に都市を郊外へと広げておりますが、そこでは公共施設の遊休化の問題、あるいは新規投資といった問題の悪循環が繰り返されているとも言えるかと思います。一方、低活力地域では、機能更新がなかなか進まない、防災上の不安があるといったのが実情でございまして、このような課題には対処し、文化性の高い生活など都市の持つよい点を享受する居住環境を構築するために、都が現在努力をいたしております施策のほんの一端を披露させていただいたわけでございます。
 このような施策を一層推進するためにはいろいろな制度あるいは補助等につきまして国に要望していることも数多くございます。大都市の実情になお一層の御理解を賜りますことをお願いいたしまして報告を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#7
○小委員長(亀長友義君) どうもありがとうございました。
 それでは次に、救仁郷参考人にお願いいたしたいと思います。救仁郷参考人。
#8
○参考人(救仁郷斉君) 住宅・都市整備公団で再開発を担当しております救仁郷でございます。
 委員の先生方には常日ごろ私どもの事業に対しまして何かと御指導をいただいておりまして、この席をかりまして厚くお礼を申し上げたいと思います。
 本日は、私ども公団で行っております都市再開発の現状につきまして御紹介申し上げますとともに、都市再開発につきまして若干御意見を申し述べさしていただきたいと存じます。
 日本では、再開発と申しますと、狭い意味あるいは広い意味でいろいろ使われております。一番狭い意味では都市再開発法に基づきます市街地再開発事業を言う場合もございますし、広い意味では都市の既成市街地の中での建設活動をすべて再開発というような言い方をする場合もございます。都市問題あるいは都市の生活環境問題あるいは住宅問題というようなマクロな見方を考えますと、やはり広い意味での再開発を考えた方がよろしいと存じますので、本日はそういう見方でお話さしていただきたいと思います。
 我が国の都市で実際に行われております再開発には、大きく分けまして商業業務中心の再開発と住宅中心の再開発に分けられるかと思います。商業業務中心の再開発は、新橋の駅前だとかあるいは新宿副都心だとかあるいは現在進行中の赤坂・六本木再開発だとか、非常に人目につきやすいところで行われておりますので、先生方もよく御存じのことでございますが、住宅中心の再開発も、民間であるいは公的な機関で結構進められております。しかし、特に住宅地の再開発という問題になりますと、後で申し上げますが、いろいろ難しい問題がございます。住環境や災害対策上本当に再開発しなければならない密集住宅地が余り進んでいないというのが現状でございます。
 私ども住宅・都市整備公団では、旧住宅公団が昭和三十年に発足いたしまして以来、主として郊外におきますいわゆるニュータウン団地と申しますか、そういった住宅、宅地の供給と同時に、既成市街地におきまして再開発の一環としての住宅建設をしてまいっております。住宅の戸数で申しますと、旧住宅公団以来約百十万戸の住宅を建設してまいっておりますが、大まかに郊外の団地開発型と既成市街地の再開発型と分けますと、その百十万戸が大体六対四ぐらいの比率で、既成市街地が四というような、大体そんな比率になろうかと思います。しかし、最近ではこれが逆になりまして、大体四対六ぐらいで既成市街地の再開発型の比重がふえてきております。
 私ども公団の都市再開発は、後で述べさしていただきます特定再開発と申しております業務型中心のものを除きまして、ほとんど住宅供給を伴うものでございます。事業につきましていろいろな種類がございます。これを順を追って簡単に御説明申し上げたいと思います。
 お配りしておりますレジュメの中の第一の「事業手法の種類」というところでございますが、まず第一は、都市再開発法に基づきます市街地再開発事業でございます。これは都市計画に基づきまして、再開発事業地区内の関係権利者の皆さんと御一緒に、公団が事業の施行者として市街地再開発事業を行うものでございます。関係権利者の方々にはそれぞれ前の資産に見合った建物をお渡しいたしまして、残った建物の一部を公団がいただきまして、賃貸住宅あるいは分譲住宅にするというような仕組みになっております。現在まで公団として事業に取り組んでまいりましたのが十二地区でございます。このうち三地区が既に完成しております。東京の墨田区の立花、横浜市の野毛、埼玉県の川越市の川越駅前でございます。工事中の主なものといたしましては、東京では赤羽駅の西口、関西では宝塚市の逆瀬川駅前等がございます。
 このほかに地元の権利者の方々が市街地再開発組合をつくって事業をされます組合施行の市街地再開発車業、それから地方公共団体が事業主体となって行われます公共団体施行の市街地再開発事業がございます。こういう事業に対して当公団が公共団体の方々から協力を求められまして、でき上がった建物の一部を公団が取得させていただきまして、それを公団住宅として使わせていただくというようなこともやっております。現在まで計画中を含めまして十四地区でございまして、そのうち二地区が完成しております。主なものは完成したもので大阪市の上本町六丁目、工事中では文京区の音羽一丁目というようなものがございます。
 このような市街地再開発事業はどうしても地元の地権者の方々との共同事業でございまして、地域密着型の事業というように言えると思います。したがいまして、ほとんど全部が地方公共団体からの協力要請を受けてやっているものでございますので、調査段階から地方公共団体と二人三脚で事業を進めているというようなことになっております。
 ただ、この事業は、関係権利者の方々のコンセンサスを得るというのが、これが事業の実施のかぎでございますが、関係権利者の方々の数が通常数十名、多い場合には百名を超すというような場合もございます。
 もちろん、こういった再開発を行います場合には、地元に再開発の盛り上がりのある地区を選んでいるわけでございますが、それにいたしましても皆さんのコンセンサスをいただくというのにはどうしても時間がかかります。うまくいって二、三年、通常は数年、長い場合には十年ぐらいかかる場合もございます。したがいまして、事業が目に見えてどんどん進むというぐあいにはなかなかまいりません。この辺がこの事業の泣きどころでございます。
 第二には、面開発と呼んでおりますが、これは大都市の既成市街地の中である程度まとまった土地を取得いたしまして、それを中心に再開発を行うものでございます。工場とか学校などの移転の跡地、あるいは国公有地等いろいろな場合がございますが、地方公共団体と相談いたしまして、必要な場合には若干周辺の土地を含めまして、またその地域に必要な公共施設などをとりまして、住宅を中心とした再開発の計画を立てております。東京の江東区を国鉄の総武線あるいは高速十号線からごらんいただきますと、大型の高層住宅群が至るところに見られます。御承知のように江東区
はかつて大工場地帯でございましたが、昭和四十年ごろから大工場が次々に移転を始めまして、その跡地を再開発したものでございます。最近は民間のマンションも当地区に随分建てられておりますが、見えるものの大部分は私ども公団や東京都などが再開発したものでございます。
 私どもの公団の住宅再開発の中では、この手法によるものが量的には一番多いものでございますが、計画に当たりましては、その周辺を含めた地域の環境整備のお役に立つように、地区公園とか避難広場とかその他いろいろの公共施設を整備するようにいたしております。しかし、その費用を国なり公共団体から十分にはいただけませんので、どうしてもそこに建てられる住宅のコストに転嫁されるということになります。この辺が環境と実際の事業の中でいろいろ難しいところでございます。
 それから三番目は、地主さんなどとの共同で行います再開発でございます。町の中の地主さん方の土地の一部を買わしていただく、あるいは借地させていただきまして、建物の下の部分には地主さん方の店舗とか事務所あるいは住宅をつくりまして、上の方に私どもの住宅をつくらせていただくというようなやり方がございます。これは市街地住宅、通称げた履き住宅と申しておりますが、地主さんは商店の方など民間の場合もございますが、地方公共団体の場合も結構最近ふえております。地方公共団体の場合には、下の方は公民館であったり福祉センターであったり、あるいは区役所であったり、バスターミナルであったり、いろいろなものがございます。このやり方の例の代表的なものは、オリンピックのとき青山通りをずっと拡幅いたしました。そのとき沿道の地主さん方と御一緒にやりました青山の市街地住宅、最近は非常にいろんなビルが立ち並んでもう余りわからなくなりましたが、青山の市街地住宅群が何棟かございます。
 それからもう一つの地主さんとの共同事業には、地主さんが自分で賃貸住宅としてアパート経営をなさりたいという場合に、私どもでその土地の上に住宅を建ててお譲りし、長期に資金を返していただくというやり方がございます。これがレジュメに書いてございます、ちょっと難しい名前でございますが、民営賃貸用特定分譲住宅と言っております。これは必ずしも市街地の中だけではございませんが、大部分は大都市の中の市街地の中での再開発的なものが多うございます。
 これら地主さん方との共同事業は、できるだけ多くの地主さん方がまとまって事業していただいた方が、町全体の環境整備に少しでも役立つわけでございますが、また私どももそのように努力はしております。しかし実際には、地主さん方の歩調をそろえるということはこれはなかなか大変でございます。したがいまして、ある程度まとまった土地をお持ちの地主さんとの共同事業の方が現在は多いわけでございます。しかし、小さい敷地の地主さんをまとめて、そして共同事業をしていただくというようなやり方につきまして、建設省でも優良再開発建築物助成事業というような形でいろいろ制度をつくっていただきました。その一号が昨年暮れに完成いたしまして、新聞等で話題になりましたが、神田小川町の市街地住宅がございます。これは九人の小さい敷地をお持ちの地主さんとの共同建築でございます。このほか戦前からございます大都市の焼け残りの長屋などの共同建てかえ、あるいは古い私どもの分譲住宅の建てかえなど、いろいろ最近御相談がふえてきておりまして、そういった面でも御協力して、よりよいまちづくりができるようにいたしたいと考えております。
 それから次に、お手元にお配り申し上げましたレジュメの二でございます。ここに住宅を中心とした再開発を促進するために国の方でおつくりいただいておりますいろいろの制度が並べてございます。本日は時間の関係もございますので、簡単に御紹介申し上げたいと思います。
 (一)の市街地再開発事業、これは先ほど申し上げました都市再開発法に基づきます事業でございまして、これにつきましては当然国の方でいろんな補助の制度をつくっていただいております。
 それから第二番目は、特定住宅市街地総合整備促進事業、通称モデル事業と呼んでおりますが、これは今までの再開発がどうしても大都市全体から見ますとある点的な再開発でございました。したがいまして、ある地域を総合的に再開発、整備しようじゃないかということで、地域としますと約二十五ヘクタール以上の地域につきまして公共団体が中心になって計画をおつくりになって、そして公共団体の御指導のもとに、私どもあるいは公共団体いろんなところが入り込んで総合的な事業をしていこうというものでございます。したがいまして国の援助も、住宅は住宅、公共施設は公共施設という形でなくて、一本の助成がしていただけるということで非常に全体の再開発車業がスムーズに行われるような配慮がされてございます。これにつきましては、公共団体との共同事業でございまして、現在私どもが参画さしていただいておりますのが、東京で木場地区、それから大川端地区、それから名古屋の神宮東地区、大阪で淀川リバーサイド、高見町、桜の宮、この三地区でございます。来年から神戸駅の周辺と横浜の神奈川ポートサイドが調査実施に入るというようなことになっております。
 それから三番目が、先ほど大崎技監からもお話がございましたが、木造賃貸住宅地区総合整備事業。大都市にはこういったいわゆる木造賃貸住宅、通称木賃アパートといったものが非常に密集した地域がございます。防災的にも環境的にも非常に大変な問題がございまして、これを整備いたすためにこういった助成の制度がございます。私どもも公共団体の方々と御一緒にこういった地区の何カ所かにつきまして調査事業の計画の検討を進めておりまして、近く世田谷の三軒茶屋の近くでございますが、モデル的な事業が実施できるのではないかというように期待しております。
 そのほか住環境整備モデル事業とか、あるいは市街地住宅供給促進事業とか、それから優良再開発建築物促進事業とか、いろんなそういった再開発を促進するための制度をおつくり願っております。
 それから、三に書いてございます特定再開発事業、これは先ほどちょっと触れましたが、私ども住宅・都市整備公団はやはり住宅、宅地の供給が主な任務でございますが、新公団になりまして、大都市の都市構造を変えるための主要な地区について、住宅供給だけでなくて業務施設の開発を中心といたします再開発ができるような権能を与えられております。これに基づきまして現在事業を進めておりますのが、東京の副都心の周辺にございます西新宿六丁目というところ、それから横浜市の都心の臨海、これは後で横浜市の方から御説明があろうかと思いますが、通称MM21と言っております地区、それから三番目が立川の基地跡でございます。これにつきましては、先ほど大崎技監からお話がございましたように、首都圏におきますいわゆる業務機能の多角化と申しますか、分散と申しますか、そういった国の方針に基づきまして私どもも御協力申し上げているというところでございます。
 それから最後に、なぜ再開発が必要かというようなお話を申し上げたいと思います。これは先ほどのお話と若干重複するわけでございますが、第一はやはり居住環境の改善と居住水準の向上ということでございます。我が国の大都市の住宅地の居住環境の悪いということは、これはもう私から御説明するまでもないわけでございます。
 これが東京を例にとりまして、一体居住環境をよくするにはどうすればいいかというようなことをちょっとマクロに御紹介申し上げたいと思います。東京二十三区の面積が約五万数千ヘクタールございます。このうち道路とか河川とか鉄道用地、公園、学校、官公庁施設、工場等いろいろ土地の利用がされておりまして、住宅の用に使われている宅地というのが約四割、二万三千から二万四千ヘクタールぐらいあろうかと思います。これを現在の区部人口八百万人で割りますと、一人当
たり三十平米弱ということになります。これは、平均的な家族人数三・三人といたしますと、一世帯当たり百平米、坪数で三十坪でございます。これも土地を全部均等に分けたと仮定しての話でございます。これを裏づけますように、住宅統計調査でも、東京の一戸建てと長家建ての住宅の敷地の約過半は百平米以下の敷地というような過小敷地になっております。
 こういった敷地の形態のままで住宅の広さだけを建設省でおつくりいただいております居住水準の目標に合わせて広くしたといたしましても、住宅の環境そのものはむしろ悪くなるという方向になるんじゃないかというように考えます。したがいまして、どうしても居住水準と居住環境を向上させるためには、今までの敷地を統合して、結局再開発していくより手はないのではないかというように考えられます。
 それから第二番目は、先ほどもお話が出ました災害対策の問題でございます。これにつきましては、もう私から詳しく申し上げるまでもないことだと思います。
 それから第三番目は、都市構造の合理化の問題でございます。
 日本の大都市でも、戦後、地価の上昇あるいは都心部の住環境の悪化ということから、いわゆるスプロール現象が起こりまして、郊外の市町村は人口急増に悩みます一方で、都心地域では人口がどんどん減ってまいりまして、学校の維持、商店街の地盤沈下等いわゆる都心地域では過疎問題が発生しております。
 こういったいわゆるドーナツ現象は、人とか物の輸送のエネルギーの消費を増大させるといったような問題などいろんな問題が起こっておりますが、私ども生活条件といった面から考えますと、通勤時間の増大という問題が非常に大きな問題になっております。たまたま最近、週の労働時間を四十何時間にすべきかとかいうような議論がいろいろ議論されておりますが、例えば、東京では、通勤時間が週十時間とか十五時間、あるいはそれ以上というのが実情でございまして、また、これがどんどんどんどんまだ延びる傾向がございます。そういったことを考えますと、この通勤時間の問題というのは非常に大きな問題があるんではないかというように感じております。
   〔小委員長退席、最上進君着席〕
 こういった都心の空洞化の問題を解決するためには、都心部に人口を呼び戻さなければなりませんし、また、そのためには再開発しかないわけでございます。この問題は、都心部の市長さんとか、あるいは区長さん方が非常に熱心でございまして、私どもにもいろんな協力を求められておりますが、何を申し上げましても、都心部の地価がどうしても高うございまして、そのために適当な住居費の住宅をつくるということは、なかなかこれは大変な問題でございます。
 それから、今までそういった都市全体から見ました必要性というふうな見方をいたしましたが、現実にある地区の実際の再開発をやるという立場を考えますと、そういったいわゆるマクロな事情というものから離れまして、やはりその地区に住んでおられる方のニーズというものが、また総論とは別な形で出てまいります。確かに住環境がよくないということはいろんな意識調査の中で出てまいりますが、実際に私どもがある地区の問題としてこれを取り上げますと、日照、通風、下水あるいは子供の遊び場がどうの、交通安全あるいは通勤通学の利便性といったような、いわゆるそこの地区特有のいろんな客観的な指標のほかに、御近所のつき合いが非常に楽しいとか、あるいは御近所で非常に今では安い買い物ができるとか、そういったいろんな条件がございまして、それを総合的に評価しておられます。したがいまして、私どもよく現場で聞くわけでございますが、環境としては余りいいとは言えないけれども、とにかく住みよいところですよというような言葉がよく聞かれます。その辺が再開発を実際にその地区でやる場合の非常に大きな問題点でございます。
 また、災害の問題にいたしましても、災害が来たら危ないということはわかっているけれども、何も再開発までしてもとか、あるいは、なぜ私のところが第一番にそんな再開発しなきゃならないんだろうかとか、そういうような実際のそこにお住まいになる方々の問題点というものはいろんな問題につながってまいります。
 したがいまして、私どもは先ほど申し上げましたように、再開発を進める場合には非常に時間がかかるわけでございます。私どもとしては大変ではございますが、まずある一面から申し上げますと、そういった地元の方々が長い時間かけてコンセンサスをつくっていただく。その過程そのものは、私また別な意味から申しまして非常に大切なことじゃないだろうか。私どもとしては大変でございますが、今後一生懸命やってまいりたいというように考えております。
 それからもう一つ、再開発の難しさの中に、いわゆる事業経営の問題がございます。
 先ほど申し上げましたように、既成市街地の中では地価が非常に高値安定しているとは申せ、非常に高い水準になっておりまして、実際にそこに建物を建てて、そして賃貸なり分譲していくというようなことに対しては非常に高いコストになります。その上に再開発には再開発固有のコストがかかります。これはクリアランス費というように申しておりますが、いろんな補償費なり、除却費なり、再開発特有のものでございます。したがいまして、これに対しましては国の方でも先ほど申し上げましたいろんな助成の制度をおつくりいただいておりますが、それにいたしましても、やはり再開発というのはどうしてもコストが高くなるということがございます。したがって、再開発いたしまして、そういった高くなるコストを吸収できるような商業業務型の再開発は、まだ市場経済のベースで進められるわけでございますが、住宅地の場合になりますと、なかなかその辺がコスト高を吸収できないというような悩みがございます。このため、必要やニーズがございましても、密集市街地の再開発というのはなかなか簡単なものではないというように考えております。
 しかし、先ほど御紹介しましたように、国の方でもいろいろそういった再開発の促進のための制度をおつくりいただいておりますし、地方公共団体の方々も定住人口を確保して、そこの地域の地盤沈下を何とかしなきゃならぬというような、そういった熱意が非常に出てきております。また、土地をお持ちの方々が、こういった低成長経済に入りまして、値上がり待ちで土地を遊ばしておくよりも、やはり土地を利用した方がいいというような、そういうような考え方になっておられることとか、あるいは大都市の密集住宅地の中では、環境の悪いということから、住宅の空き家が大量に地域的に発生しているというような場所も出てまいっております。
 そういうことから、私ども長年再開発をやってきておりまして、最近非常にそういった再開発についての盛り上がりというものが急速に出てきたということを現場としましては非常に実感として感じているわけでございます。したがいまして、私どもは、先ほど申し上げましたように、なかなか難しい問題がたくさんございますが、私どもの使命の中の大きな柱でございますので、今後積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。今後とも御指導をお願い申し上げたいと思います。
 ありがとうございました。
#9
○小委員長代理(最上進君) どうもありがとうございました。
 次に、佐藤参考人にお願いいたしたいと思います。
#10
○参考人(佐藤安平君) 横浜市の都市計画局長の佐藤でございます。
 横浜市が取り組んでおりますもろもろの事務事業につきまして、先生方の御指導をいただいておりますことを厚く御礼申し上げます。
 お手元にお配りしましたレジュメに従ってお話を進めてまいりますが、そのほかに何部かのパンフレットを差し上げてございますが、ぜひ御参照
いただきたいと思います。なお、今そこに横浜市の市域図をちょっと参考までに提出さしていただきます。
 お話のテーマは「横浜都心部の街づくり構想」、特に横浜が現在取り組んでおりますビッグプロジェクトでございます「みなとみらい21」を中心にお話ししたいと思いますが、その前段として、横浜市の概況なり、横浜市が現在抱えております問題点なりをかいつまんでお話を申し上げます。
 御存じのように、横浜市は東京の都心部から南西約三十キロという位置にございます。東京湾西側の海岸線とその背後のなだらかな丘陵地に市域を持っておりまして、面積が約四百三十平方キロ、人口が本年一月現在で二百九十五万四千人、東京に次ぐ人口の多い都市ということでございまして、百一万五千世帯ほどが居住しております。
 横浜の歴史でございますが、一八五九年に横浜の開港が行われまして、それ以後生糸などの輸出を中心といたしまして国際貿易港としての地位を高め、世界トップクラスの国際貿易港に発展をしてまいりました。それから一九一〇年代ごろから重化学工業を中心に大規模な工業地帯が形成されまして、我が国の産業をリードする工業都市としてもその地位を確立してまいりました。なおまた、一九六〇年代の高度成長期には、首都圏への急激な人口集中に伴いまして、すぐれた交通条件あるいは良好な住環境を持つ住宅都市として急速に発展をしてまいりました。
 ただ、このような横浜の発展の歴史も決して順調なものではございませんで、我々五重苦と呼んでおりますが、大正十二年における関東大震災、また昭和初期の経済恐慌による横浜経済界の混乱、あるいは昭和二十年の横浜大空襲、あるいはその後市の中心部を中心とした占領軍の長期にわたる接収、それから六〇年代以降の人口の爆発的急増、こういういろいろな苦しみがあったわけでございますが、市民はその都度全力でこの障害を乗り越えまして都市を再生さしてきたと、こういう歴史がございます。
 それでは、現在横浜が抱えておる都市づくりの上での問題点は何か。端的に申し上げますと、高度成長期における爆発的な人口集中によるひずみ、これが施設整備あるいは産業構造あるいは市民意識などのあらゆる面であらわれている、こう言っても過言ではないかと思います。
 横浜の人口規模は、ここにも書いてございますが、一九六〇年、昭和三十五年に百三十八万人でございましたが、一九八〇年、昭和五十五年には二百七十七万人と、二十年間で二倍になるという恐らく世界にも類を見ないほどの爆発的な人口増加が起こりました。こういう猛烈なスピードに道路、公園、下水などの基礎的な都市施設の整備が追いつかない、こういう状況がございましたし、また人口増は主に郊外部の丘陵地における住宅開発、これが主でございまして、市城の中で施設整備水準のアンバランス、そういうものが生じております。
 それから、一九八〇年、五十五年における横浜市の夜間人口に対する昼間人口の比率が実は九〇・六と、約一割の方が昼間いない、こういう状況でございますが、これは我が国の大都市の中でも極めて特異な数字でございます。政令指定市の中で昼間人口比率が一〇〇を割っておりますのは横浜と川崎でございますが、横浜が特に低い。具体的に数字を申し上げますと、市民就業者のうち三六%が市外に職場を持っておる。市内に居住する就業者が百二十五万人ほどおりますが、そのうち四十五万五千人ほど、三六%の方が毎日市外へ働きに行っている、こういう状況でございます。こういう状況の中で、都市が本来備えるべき産業あるいは文化、こういうものがいずれも東京に依存をしている、こういう構造になっております。
 また、横浜市民、この人口の爆発的な急増による市民、これは日本全国から移住をしてこられた方でございまして、なかなか市民連帯感というものの醸成が難しい、こういう問題もございます。
 それから部市づくりの基本的目標でございますが、今申し上げたような状況を踏まえまして、首都圏における中核都市、さらには国際文化都市、こういうものを実現しようということで、まず一つが都市骨格の形成。三百万人都市にふさわしい都市基盤整備の促進をしよう。具体的には、都心、副都心などの拠点づくり、放射・環状型の街路網、あるいは周辺都市と連結する鉄道網、こういうものの整備を急ごうということでございます。それから二番目は、都市活力の強化。今申し上げましたような東京への依存構造から脱却をいたしまして産業面での自立性を強化しよう。あるいは流通革新に対応した港湾機能の強化、あるいは既存の工業地帯の環境整備、都市型産業への転換、あるいは新たな先端技術産業の誘致、こういうものを図っていこう。それから三番目として都市の個性を創造しよう。横浜が持っております過去からの伝統を継承して、横浜独自の魅力をつくり出そう。また、丘陵部の豊かな緑地の保全、海、河川の親水環境づくり、歴史的資産の保全・活用、都市景観のコントロールなどを横浜独自の形で進めております。
 それでは横浜の都市づくりの一つの代表例として、大都市横浜の心臓部でございます都心部の再生について、「みなとみらい21」という事業に関連してお話を申し上げたいと思います。
 横浜が国際文化都市の実現を目指す上で、中心的、先導的プロジェクトと考えて推進をしているものでございます。「みなとみらい21」という名称は一般市民からニックネームを募集しましてその中から採用したもので、行政的に言いますと横浜市都心臨海部総合整備計画、こう言うわけですが、市民からいただいた愛称「みなとみらい21」ということで使っております。
 この事業は、横浜都心部のウォーターフロント約百八十六ヘクタール、お手元の資料をごらんいただきますと大体の輪郭はおわかりになると思いますが、この百八十六ヘクタールにつきまして再整備をいたしまして、二十一世紀の都心をつくり出す、こういう我が国最大規模の再開発事業と我々考えております。完成目標は昭和七十五年、二〇〇〇年、こういうことで進めております。
 この事業の考え方でございますが、まず一つは横浜の「都心の構造と機能の強化」をする。横浜の都心と申しますと、開港以来の中心地でございます関内・伊勢佐木町地区、これと戦後ターミナルとして急速に成長いたしました横浜駅周辺地区、この二つの地区に都心が分かれておるわけでございます。そしてこの両地区の間に古い造船所あるいは鉄道ヤードなどが立地をしておったわけでございます。そして二つの都心の一体的な発展が阻害されていたわけでございますが、「みなとみらい21」の最大のねらいは、この二つの都心を連結、拡大をいたしまして、横浜の心臓部を強化し、東京都心に一点集中している首都機能の分担の受け皿、あるいは国際性に富んださまざまな都市機能の集積を図っていこう、こういうことでございます。
 現況が約百十ヘクタールほどございますが、三菱重工業の横浜造船所、これはもう既に移転をしてございます。それから国鉄のヤード、これは現在まだ若干機能をしております。それから老朽化した埠頭、これらを移転をさせる、更新をする。それからさらに七十六ヘクタールの海面埋め立てを行いまして、全体百八十六ヘクタール、こういう事業でございます。そして区画整理事業あるいは港湾整備事業などによって基盤整備を行う。既に五十八年十一月から市の手によりまして埋立事業、港湾整備事業及び住宅・都市整備公団の手によりまして区画整理事業が着手されております。
 みなとみらい21地区は都心部再生の先駆けと、このように考えておるわけですが、この事業の波及によりまして周辺地区の再開発の促進を図る方針でございます。長期的には横浜港をまたぐ世界最大のスパンを持つベイブリッジなどが六十年代にできてまいりますので、この完成によって海を囲むリング状の都心構造を形成する、そういう考え方でございます。
 それから二番目は「市民雇用の場の創出」、先ほどちょっと数字を申し上げましたが、今後横浜に
生まれ育った人たちが多くなりますが、彼らが横浜で暮らしを続けていくためには、十分な雇用機会の場の確保が必要である。また社会の高齢化あるいは婦人の職場進出によりまして、生活の場と雇用の場をできるだけ近接させる必要性が高くなってきている。情報技術の進歩でそれが一層可能となってくる、こういう状況を踏まえまして、「みなとみらい21」は市内に雇用の場を確保する最大の受け皿、このように考えております。都市活動の中心をなす業務・商業機能のほかに、二十一世紀に向けて成長が期待されます情報産業、先端技術産業、文化サービス産業、イベント産業など新しい活力を導入をしていこう。我々の構想ではこのみなとみらい21地区におきまして約十九万人の新たな雇用の場を確保したい、このように考えております。
 それから三番目「街の個性の創造」、こういう観点からもこの事業をとらえております。
 都市の根源は人が集まり住む、こういうことでございまして、そのためにはほかの場所にない魅力を十分持っていることが必要であろう。幸いに横浜は非常にすぐれた都市イメージを持っておりまして、異国情緒豊かな港町、こういう形で皆さんに知られておりますが、しかし都市化の進行によっていろいろな都市が画一化しましたように、横浜においても独自の個性がやや薄れてきている、こんな感じもいたします。この「みなとみらい21」の中では思い切った街の個性づくりを行いたい。港と町の調和を図るために水際線には大変大規模な緑地、遊歩道、広場などをつくる。それから帆船日本丸をシンボルとしてこの地区のドックに係留をいたします。それから非常にすぐれた歴史的建造物でございます赤レンガ倉庫とか、あるいは今申し上げた三菱重工業の石づくりドック、一、二号ドック、二つございますが、これらを保存、再生をする。そして港町の歴史の象徴としよう。あるいは横浜の文化情報のセンターとして機能する美術館をこの場所に設けます。また国際性を高める、そういう観点から、現在国際会議場あるいは国際見本市会場などの誘致を積極的にやっておりますし、また通産省がお進めになっているファッションコミュニティーセンター、これの誘致についても努力をしているところでございます。
 次に四番目の観点として「民間活力の活用」、こういう視点がございます。
 先ほど申しましたように、基盤整備は市と住宅・都市整備公団の公的セクターによって実施をされておるわけですが、上物建設に当たりましては民間企業などによってやっていただく、そういう考え方でございまして、現在詳細な土地利用計画の作成、あるいは民間企業の誘致活動、地権者等関係者の調整、こういう業務を行うべく第三セクターでございますみなとみらい21株式会社というものを昨年の夏発足をさせております。今後この会社を中心に積極的な民間活力の導入を図っていく、こういう考え方でございます。
 それから「情報都市としての可能性の追求」、新たにつくり上げます業務中心の町においてできるだけ情報都市としての可能性を追求をしていこう、地区内に共同溝のネットワークを整備することになっておりまして、地域冷暖房あるいは真空集じんなどの新しいシステムとともに、INS――高度情報通信システムあるいはCATVなどのケーブルをこの共同溝に内蔵可能なようにしてございますし、これによって地区内のビジネス環境を整備するばかりでなく、東京都心との情報の直結化によって首都機能の分担をより容易にする、あるいはさらに通信衛星によって世界各都市との情報ネットワークをつくる、こういうことも将来構想として考えております。
 なお、既に通産省によって進められておりますニューメディア・コミュニティー、この地区指定を昨年受けております。このみなとみらい21地区を中心にこの地区指定を受けております。
 以上が「みなとみらい21」の主な考え方でございますが、なおこの「みなとみらい21」の今後の進行によりまして、横浜の二分されている都心地域が一体化されるわけでございますが、この「みなとみらい21」だけが突出をいたしまして、既存の都心地域が脱落をする、こういうことでは何の意味もありませんので、新都心と旧都心がお互いに波及し合い、相乗効果を持って発展することで初めて横浜都心部の再生が可能になる、このように考えておりまして、既存の都心部地域におきましてもさまざまな取り組みをしているわけでございます。
 まず一つは、「人間中心の都市環境の整備」、それらの具体例等につきましては、ここに「開港広場」という資料がお手元に行っていると思いますが、そこにさまざまな試みが載せてございます。人間中心の都市環境の整備ということで、人が集まりやすい安全で快適な環境づくり、歩行者空間の整備、水や緑の導入、こういう基本的な考え方から、都心プロムナードというものをつくっておりますが、鉄道駅から港のシンボル地区である山下公園に至るまで歩道の整備、あるいは市民から募集しました絵タイルをはめ込んだプロムナードをつくる、さらに公園や広場などを積極的に整備をする、その一つが運河を埋めてつくった大通り公園などという事例もございます。
 それから二番として、「街の特性の尊重」、既存の都心には歴史的経緯も異なる個性的な商店街が多くございまして、それぞれの特徴を生かした町並みの形成によって魅力の向上が図られております。最も古い商店街の一つでございます馬車道商店街、ここでは開港期の異国情緒を生かしたレンガ舗装、あるいはガス灯型の街灯などを整備しましたのがその代表例と思います。また五十八年度には、横浜発祥の地とも言える日米修好通商条約の締結された場所にポケットパークとして開港広場というものを整備をしております。これは横浜の大桟橋の入口に当たるところでございます。
 それから、「地域参加によるまちづくりの推進」、これは既成市街地の再整備に当たりましては特に多くの方々の合意形成が必要である。公共主導ではなくて、地域住民あるいは民間企業による協力体制が大変重要なポイントになります。ここでは、公共側としましては継続的な調整あるいは助成などによる支援が大きな役割になるであろう。
 今までのいろいろな例としましては、伊勢佐木町、馬車道などの伝統ある商店街の歩行者空間の整備におきましては、地元商店街の積極的な取り組みが中心ででき上がっております。市がそれを後押しした、こういうことでございます。あるいは一つの例として、現在大洋ホエールズのフランチャイズになっております横浜スタジアム、これの建設に当たっても、株式の市民公募が行われ、市の財政負担はほとんどなかった、こういう形でプロ野球の野球場ができている。それから、先ほど申しましたが、「みなとみらい21」の今後のまちづくりについては、第三セクター方式でやろうとか、あるいは横浜駅の東口周辺の駅前広場とか、地下街とか、大規模商業施設の整備につきましても第三セクターでございます開発公社方式で実現をした。いろいろな例がございますが、都市活動の主体が市民あるいは民間企業でございますので、可能な限りその意見と活力を生かしていく、こういう方向でまちづくりに取り組んでおります。
 以上、大変駆け足で申し上げましたが、「横浜都心部の街づくり構想」についてお話をさせていただきましたが、今後ともひとつよろしく。
#11
○小委員長代理(最上進君) どうもありがとうございました。
 以上で各参考人からの意見聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は、小委員長の許可を得て順次御発言を願います。
#12
○竹田四郎君 東京都の方にまずお聞きしたいわけですけれども、今国の方で都内における国有地の調査というのをやっておりますね。それで、それがまだ全部出ていないわけですけれども、現実にその辺のいろいろな施設の空き地ですね、これ
が先ほどのお話の再開発にはかなり大きな影響があるわけで、うまくいくのもいかないのもその辺が非常に大きい問題だろうと思うんですけれども、まだ国鉄の用地というのがかなりあるだろうと思うんですが、これはこの前品川のどこかではえらい高い値段が出て我々びっくりしたということなんですが、そういうところがまだまだ恐らくあるだろうと思います。これは東京に限らぬ、大阪にもあるし、横浜にもあるし、あちこちにたくさんあると思うんですが、その辺の開発についてどんなふうにお考えになっているのかということです。
 先ほどもこれは住宅・都市整備公団の方からもお話があったわけですけれども、東京でおやりになる仕事の中で、特に木造住宅の地域の再開発ということは、これは大変だと思うんです。私も白鬚あたりあるいは木場あたりを見せていただきましたんですけれども、実に大変な事業だろうと、こう思っておりますけれども、そういうものがうまくいくかいかないかというのは、ほかに替え地的な余裕地があるかないかということが非常に事業の進行をうまくやるかどうかの問題点ですけれども、どうもその辺がスムーズにいってるのかいってないのか。どうも我々に国がくれる資料なんか見ても、余り詳しい資料はよこさないで、隠している面があるような気もするし、国鉄にしてみれば高く売りつけたいという気持ちがあるんですが、この辺の問題は都市再開発のかなりの大きな部面を私は占めるんだろうと思うんですけれども、その辺についての特に東京都の御要望等をお聞きをしておきたい、このように思います。
 それからもう一つ、これは横浜の局長さんもいらっしゃるからですけれども、先ほど工場跡地の再使用という問題がお話の中に出ているわけでありますけれども、この工場跡地の再使用の問題というのは、大きな面的なものは非常にいいんですけれども、横浜あたりでもこの問題では非常に実は悩んでいるわけですね。準工地帯あたりに、ぶっつぶれた会社の跡にマンションができるというので、住民の間に大変な大きな問題が出ているわけでありますが、そういう問題というのは東京にはあるのかないのかという問題ですけれども、これは横浜の特に北部の特殊性かもしれませんけれども、その辺についてひとつお伺いをしておきたい。二点です。
 それから救仁郷さんにちょっとお伺いしたいんですが、結局再開発、先ほどもクリアランスコストというものが非常にかかるというお話がありまして、そういってなかなか賃貸住宅という形にはなり得ない、コストがかかっているものですから。したがって分譲という形に実はなっていくわけですけれども、高度成長のときにはむしろ分譲によって将来の所得が大きくなる、あるいは物価が上がっていくというようなことで、買っておいた方が得だという話があったんですが、最近はどうもそういう点は少ないと思うんですね。
 そうしますと、分譲で買うという価格の限界というのがもう出てきている。したがって、居住水準は引き上げたい、居住の環境をよくしたいと言うんですけれども、なかなか住宅が買えない。したがって、いい住宅じゃなくてぎりぎりいっぱいの住宅というのを買うとか、あるいは分譲でなくても、私の地域なんかでもそうですけれども、今まで一戸建っていたところへ四戸の家が建って、せっかく建った家が日陰になってしまうというような、むしろ居住環境を悪くしているというような問題すらこの関係では出ているんですが、その辺はそうすぐ解決はできないんでしょうけれども、一体どうしたらいいんだろうかなという気が非常にするわけですけれども、その辺をひとつお伺いをしたいと思うんです。
 それから問題は、もう一つは、大きな団地をおつくりになるのは結構なんですが、駐車場なんですね。これが非常に解決が難しいと思うんですが、今公団あたりでは何か一番下は駐車場にしてあと上を住宅にするというやり方があるんですけれども、しかしあの方式というのはやっぱりそれだけまたコストがかかるというようなことで、相当高いものにしなくちゃいかぬという問題もあるし、それから住宅の高さが無限に高いというのは一体心理的にどうかという感じを私は持っているんですけれども、高いのもあってもいいんでしょうけれども、全部を高くすることができないだろうと思うんですが、その辺の問題ですね。
 それから民賃住宅のお話承りまして、私この趣旨は賛成なんですが、どうも後始末が一般的によくない。これは私が建設委員長をやっているときも、民賃住宅のあり方というのはかなり問題になったことがありますけれども、何かもうちょっとどっかが足りないような感じがするんですが、これは御検討していただければ、ここでお答えいただかなくてもいいと思うんですが……。
 それから横浜の方にお伺いしたいんですが、この間大阪を見せていただきまして、大阪の大阪ビジネスパークというところを見せていただきましたけれども、あそこは横浜とちょっと違いまして、大阪独自の財界があるわけですね。例えば住友さんにしてもナショナルにしても、大阪から育って大阪のために我々は頑張るというような形のものがあるんですが、どうも横浜にはそういう財界というのは余りない。あっても力が弱いというようなことがありまして、今度の「みなとみらい21」のお話を、私も前々から疑問に思っているんですが、昼間人口は二十万だ、夜間人口はせいぜい一万だ、こうなってくると、そこにつくるものが果たしてどういうものができるかによってこれ決まってくるわけであります。
 大阪の場合にはビジネスパークのあの高い建物が建て始められておりますけれども、下の方はもう二十四時間開放するという話になっているわけですね。そうすると、夜のゴーストタウン的なものはなくなる。しかもあそこは横に大きな体育館がありますから、そういう関係でもっといい状況があると思うんですが、どうも「MM21」はその辺がどうも、イベント的なものをおつくりになるというんですが、夜の「MM21」というのはどうなるのかなと、横浜公園では浮浪者が殺されたというような事件すらある横浜ですね。まあ余りいい話じゃありませんけれども、現にあったわけです。そういうものが一体どうなるんだろうかなという点が一つ疑問ですね。
 それからもう一つは、横浜のいいところというのは、今お話にありましたように異国情緒であるし、港があるということだろうと思うんですがね。今度の「MM21」と港湾という問題とは具体的にどう結びついていくのか、非常に住まいとか流通ということはあるんですが、どうも図を見ても何か今の横浜港というのは池みたいになっちゃっておりまして、何かそういうものが余り見えない。それから今度のところも横浜の一番港らしいところというのはやっぱり本牧埠頭であろうと思うんですね。これから大黒埠頭もそうなって幾らか見えるようになるかもしれませんけれども、恐らく向こう側になる点が多いわけでありましてね。そういう点では、港というものと「MM21」というものをもう少し結びつけていただかないと、なるほど水というものとの親しみの場所というのは確かに「MM21」の海岸線というのがかなり使われておりますけれども、水とは結びつくけれども、さて港ということになりますと、その辺の結びつきちょっと弱いんではないだろうかなという点ですね。
 それからもう一つは、これはこのプリントでも御心配されている点ですから、これは私の心配だけを申し上げておけばいいと思うんですが、非常に「MM21」が立派になりますけれども、この五番目の既存市街地の活性化の問題ですね、これはここにはこういうふうに書いてはありますけれども、まあ実際上かなりいろいろ諸問題を含んでいるんじゃないだろうか、この辺のつながりをもう少し見て、かなりフォローアップしていただくし、あるいはその辺に手当てをしていただかないといけないんじゃないだろうかなと。副都心の一番大きい部分というのは将来は新横浜ということになるんですが、御承知のように今、新横浜はラブホテル盛りで「11PM」の格好の取材場所にな
っているということでは、どうも副都心としては余りおもしろくないなあという気がするんですが、そういう点ももう少し御考慮をいただかないと、ねらっている副都心にならないんじゃないだろうかと、こんな感じがするんですけれども。
 まだいろいろありますけれども、時間がありませんから、その辺の点をそれぞれ簡単にお答えください。
   〔小委員長代理最上進君退席、小委員長着席〕
#13
○参考人(大崎本一君) ただいま竹田先生から御質問がありました都内における国有地の利用について都の要望ということでございましたけれども、都内にございます国有地、まあいろいろございます。例えば筑波跡地とか、あるいは基地跡地等については既にもう土地利用されているものもございますし、それから土地利用計画のところもあるわけですが、最近における民間活力の活用に絡んだ国有地等、あるいは国鉄の用地の問題、新たな問題として出てきているわけでございますけれども、今、民間活力のための国有地の問題をおきまして、例えば国鉄の用地問題について申し上げますならば、例えば錦糸町駅の北口、北側あるいは新宿駅の貨物敷あるいはさらに汐留の貨物敷とあるわけでございます。この跡地をどういうふうに使うかというようなことにつきましては、国土庁あるいは建設省、運輸省、それと私ども東京都と、それから地元、区等が入りまして使い方についていろんな計画案の作成をしているところでございます。
 これらの土地は、その土地だけで必ずしも一つの定まった計画で利用できない、つまり周辺の区域をある程度取り込まないとよりよいまちづくりができないといった問題がありますし、さらにまだ汐留のように国鉄として使っているといったような問題もありますので、なかなかすぐにというようなことでいかないのが一つ問題点としてあろうかと思います。
 錦糸町駅の北側につきましては、総武線の線路の北側に国鉄用地がありまして、さらに民有地、都有地等が一宅地ございまして、そのさらに北側に道路があるというようなこと、そのいわゆる一側の民有地を取り入れるか、あるいはそこを外してやるかというようなことで、地元ともいろいろ議論をしたんですが、やはりその民有地も取り入れてやるべきだ、こういう結論になりました。取り入れるとなりますと、その民有地の地権者との調整をしなければならないというようなことで、この辺のことにつきましては現在墨田区が精力的に地元と交渉、調整をしている、こういう状況にございます。
 新宿駅の貨物敷につきましては、一番早く使えるだろうというようなことですけれども、あの付近は御案内のようにまだ道路の整備が完全に進んでいないところがございまして、その辺の道路の整備の問題、あるいはその道路の取りつけの問題等、もうちょっと計画的に調整を要するというふうに考えております。いずれにいたしましてもそういった国有地なり、あるいは大規模敷地があるということがその周辺におきます再開発を進める上では非常に有力な、いわゆる種地となるわけですので、周辺を含めてまちづくりを考えていきたいというのが私どもの基本的な考え方でございます。
 それから、工場跡地の再利用といいますか、再使用の問題で、東京にもそういった土地があるだろうかという御質問かと思いますが、御案内のように東京の大規模工場につきましては既に相当数が転出をしておりまして、その跡地につきましては、例えば江東地区の跡地はいわゆる防災拠点として白鬚東地区であるとか、あるいは亀戸・大島・小松川という、もう既に空き地になって、これからいわゆる防災拠点をつくろうという種地になっているところもあります。そのほかにも先ほどちょっと申し上げました恵比寿のサッポロビールの用地であるとか、あるいは港区の芝浦、港南地区といったところにはまだ大規模工場があるわけです。
 それらの土地の利用につきましては、都といたしますならば、それぞれの地域によりましてその他城に合った使い方というのはあろうかと存じますけれども、あるいはその地元の要望として、例えばサッポロビール跡地については目黒区とするならば、目黒区は国鉄の駅がないという区でございますので、サッポロビール跡地に一つ駅をつくってそれを目黒区の中心にしたいというような要望もありますし、またサッポロビールの用地は渋谷区にも存在している、つまり両区に存在しております。渋谷区の立場でいいますならば必ずしも渋谷区としてはそこを区の中心というふうには考えない、こういった事情もございます。この辺につきましてもやはり建設省等といろいろ勉強会をして、使い方についてはある程度の絵はかいてあるわけですが、これは今後さらに地権者がどういうふうにするかというようなことも含めて協議をしていかなければならないだろう、こう思っております。
 そういった中で、先ほど申し上げましたように、やはり居住環境の整備、定住人口の復活といいますか、定住人口をそこに住まわせるためのやはり住宅というものをどういうふうに入れていくかということは都としての希望でございますし、それを成り立つようにどうしたらできるかということがひとつの大きい問題であろうと、こういうふうに考えております。
#14
○竹田四郎君 今の問題でちょっと。
 今おっしゃられているのは比較的大工場の跡地ですから、この場合には今おっしゃられたように種地として非常にいいんですが、江東あたりに行くと住工混在しているところで工場が抜けていく、周辺にまだ工場がある、小さい工場が東京都でも僕は多いと思うんですね。そういうところというのが非常に難しいんじゃないか。面的になくなってしまえばこれはいいですよ。ところが、点の交換というような形でいきますと、結局住工混在というのがもっと、何といいますかくっついちゃう。というところにやっぱり居住環境というのはむしろ悪くなっていく一時期というのがあるわけで、その辺がむしろ仕事をしていく上で非常に難しい問題が出てくる可能性があるんじゃないかと思うんですがね。その点なんです、私が特にお聞きしたいと思ったのは。
#15
○参考人(大崎本一君) ただいま竹田先生のおっしゃられたことはもっともでございまして、工場地域に住宅が入り込んでいる。むしろ住宅が工場を駆逐するというようなことをいろいろ言われておりまして、その辺のところが地域の活力低下という問題にもつながっていくというのが認識としてあるわけでございます。そういった意味で住工混在の問題というのは、従来は住と工を分離する、つまり工は工で純化をしていく、住は住で純化をしていく中で整理をしようとしていたわけですけれども、その地域の中でやはり住と工が混在をして地域の活力を保っていくというようなことが当然あるという前提に立ちまして、その辺の住工混在の問題はさらに、今すぐどうこうということはなかなか制度的にも出てこないんですが、勉強していこう、こういうことになっております。
 実は住工混在の地域は、おおむね都市計画上の用途地域からしましても準工業地域ということで、何でもどういう建物でも建つ、どういう用途にも使えるというようなことに一つのそういった現象が起きてくる問題があるわけですけれども、といって簡単にそれを別の用途地域に変えることもできませんし、その辺のところは、繰り返しになりますが、住工が混在をして成立をしていく、そういった手法について調査費もとりまして勉強をしていきたい、こういうふうに今考えているところでございますので、またお知恵をよろしく拝借いたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
#16
○参考人(救仁郷斉君) 竹田先生から私に対する御質問じゃございませんでしたが、今の大崎技監のお話に関連しまして、実は東京都の方でその問題非常に取り上げられておりまして、私どもが工業地域の中で住宅建設しようとする場合に常にそ
ういう問題にぶつかります。
 そういったことで、東京都の御指導のもとに、実際に大田区の羽田の近くでございますが、ここに、大きな工場じゃございません、中くらいの工場の跡地が出まして、これをどういうふうにやっていくかということで、東京都、大田区等とも御相談をしまして、一つはそういった中小工場と住宅のいい混在のモデルをつくろうじゃないかということで、その土地を私どもが買わしていただきまして、その土地の一階部分に、これは大田区の方で中小企業の近代化資金をお使いいただきまして工場アパートをおつくりになりました。その上に私どもの住宅を乗せたというようなことで、これは現在工事中で、もうほとんど完成しております。
 私どもは技術的には騒音とかいろんなそういった公害問題等住宅の環境を何とかできるように技術的にはやっております。今後そういうものが一つのモデルとして動いていけば非常にいいことではないだろうかというように考えておりますが、ただ現実には、現在ございます小さい零細工場を共同化してということになりますと、これは実際にはなかなか大変なことじゃないかというようなことを考えております。
 それから、私に対する御質問の中で、再開発について、クリアランスコストが高くなるのでどうしても分譲住宅になっていくんじゃないか。しかも、それも質の悪い分譲住宅になっていくんじゃないかというようなお話でございますが、私どもも実はその辺が非常に悩みでございます。実際に私どもが現在取り上げております、例えば東京の先ほど申し上げました再開発的なものにつきましては、最近では大体八割ぐらいは賃貸住宅にいたしております。ただ、いろんな地元の事情等から分譲住宅にしなければならないものもございますが、できるだけ賃貸住宅にしていこうということで、現在いろいろ検討を進めているところでございます。
 ただ、それにいたしましても、先ほどちょっと御紹介申し上げました神田小川町の賃貸住宅にいたしますと、これはいろんな形で国から御援助いただいておりましても、やはり家賃が十万円から、一番高いものでは十三万円ぐらいというような形になってまいりまして、この辺が私どもにとっては非常に大きな悩みでございます。
 それから、それに関連して、どんどん敷地が細分化されて環境が悪くなっていく問題がございますが、これはやはり先ほど申し上げましたように、むしろ逆に敷地を共同化していって再開発していくと、これが本道でございます。しかし、実際にはその町で、その地区で敷地を共同化するというのはなかなか言うにやすく簡単ではございません。これは国なり公共団体の方々と御一緒にその辺をどうやって歯どめをかけ、よくしていくかということが非常に大きな問題じゃないかというふうに考えております。
 それから、駐車場の問題でございますが、これは再開発的な住宅、再開発で住宅をつくろうといたしますと、一戸当たり使っております土地が二十平米とか三十平米とか、その程度でございまして、とても平面で駐車場をとるなんという余裕はなかなか出てまいりません。また、立体的に、例えば地下駐車場にするとかというようなことも、これは技術的には可能でございまするが、その場合になりますと、地下に駐車場をつくりますと、一台当たり工事費だけで約五百万かかります。したがって、その五百万の駐車場の料金を負担していただけるかどうかということになりますと、これもまたなかなか難しい問題でございまして、これは私どももやっぱり駐車場問題というのは一番悩みの点でございます。
 それから、住宅の高さでございます。これについては私どもも余り超高層の住宅というのがいいとは思っておりませんが、やはり住宅のコストを下げ、それからどうしても都心の定住人口をふやすという意味から、ある程度は必要――どこでも中高層がいいと言うわけではございませんが、必要な地域では中高層をつくる必要があるのではないかというような考えでおります。そのときには、いろんな心理的な面等につきまして学者の先生方のいろんな調査結果もございますし、そういった特に子供さんの心理的な面というようなものにつきまして配慮をしながらやっていきたいと考えております。
 それから、民賃の問題でございますが、これは先生御指摘のように、私どもも一時後のフォローができないために非常にいろんな問題が発生しております。これにつきましては二、三年前から私どもも民賃のそういったフォローの組織というものも十分強化いたしました。建てっ放しということじゃなくて、やはり入居管理の指導とか、そういったことでフォローを強化してきております。これにつきましては今後ともさらに努力してまいりたいと思っております。
#17
○参考人(佐藤安平君) 竹田先生のお尋ね三点ほどございましたが、夜の「みなとみらい21」はどうかと。
 この事業の眼目は、先ほど申し上げましたように、市民の雇用の場の創出、これが実は眼目でございまして、やはり業務的なビルが中心になる、こういうことでございますが、ただ夜なり日曜なりゴーストタウンになるのはできるだけ避けよう、そういうことで、先ほどお話がありましたように、住宅も三千戸程度は入れる。それから、商業的な機能もある程度入れる。それから、我々考えておりますのは、ここに国際会議場なり国際見本市会場なりをぜひ持ってこようと、こういうふうに考えておりまして、それに関連するホテルですね、ホテル群を幾つか計画に入れたい。そういうことで二十四時間生き生きとしている「みなとみらい21」と、そういうものを考えております。
 具体的には赤ちょうちんなんかなかなかこの場所にはできにくいと思うんですが、ただ周辺には掃部山とか野毛とか、前々からのそういう庶民が遊ぶ場所もございますし、そういうところと「みなとみらい21」が一体となって二十四時間息づく「みなとみらい」と、こんなふうに考えていきたいと思います。
 それから、港湾との関係でございますが、この計画の中に現在新港埠頭と高島埠頭を取り込んでおります。この埠頭二つとも横浜港の歴史の中で一番実は古い埠頭なんですが、現在のコンテナ化に対応するには荷さばき場所が全然狭い。大変非効率な埠頭になっておりまして、今後の港のあり方としてはできるだけ高速道路に接近した外縁部に出していく。先ほどおっしゃった本牧埠頭あるいは大黒埠頭が今後港の主流になる。それからベイブリッジを主軸とした湾岸道路がいずれできますので、そういう方面に港の機能はどんどん移していく。そして、港の内奥部にございますこういう埠頭は我々この計画の中では市民的港湾と言っておりますが、そういう荷さばきをやるような港湾ではなしに、市民が水際線まで行けるようなそういう港湾にしよう。
 そういうことで港湾整備事業としての取り組みもしておりまして、具体的には新港埠頭などは将来フェリーとか客船とかあるいはもろもろの官公庁の船とか、そういうものが着く埠頭にする。それから高島埠頭につきましては大体全部埋めちゃいますけれども、その一部に非常災害時のバースといいますか、震災時等に物を揚げるバースなどを設ける。そういうことで今持っている埠頭の機能をちょっと転換していく。我々としては市民的港湾というような呼び方で呼んでおりますが、荷さばき機能などは全部外縁部へ出していく、そういう考えで取り組んでおります。
 それから、「みなとみらい21」がだんだん進行してまいりまして、それへの期待と、それからやはり周りの商店街などは一縷の不安といいますか、そういうものを持っておりまして、具体的に言いますと、横浜駅西口あたりもいろいろな形で客を寄せるための環境整備をやっております。具体的にお気づきかどうか、そこは地下街の上に駅広があるんですが、今まで木が一本も実はなかったんですよね。最近いろんな工夫でかなり緑っぽくするとか、それから伊勢佐木町は、御承知のように
四丁目まで既にモールができております。それをまた六丁目ぐらいまで延ばすということで今地元では一生懸命取り組んでおります。伊勢佐木町のモールについて言いますと、あのモールのおかげで大体お客さんが三割ぐらいはふえたろうと言われておりますけれども、そういうものに刺激されてあれがだんだん先へ延びていく。
 それから元町が現在町の大改造をやっております。それから最近、野毛とか関内とか、あの地区をやっぱり何か活性化しなきゃいかぬということで、地元の若い方なんかが中心になってそれぞれの地区を考える会みたいなものが発足をしまして、我々もいろいろな形でこれからバックアップをする、そういうことも考えておりまして、それぞれの地域で自分の町を「みなとみらい21」に対応してどうするかというようなことは大変活発に動きが出てきておるということです。
 それから、新横浜駅周辺のお話がございましたが、実はあそこについてはやはり我々としては東京の首都機能を受ける受け皿の一つとして実は考えておりまして、今まで大変厳しい規制をかけておったわけです。住宅はほとんどだめだぞ、業務的なビルしか認めませんよと。ただ、今まではひかり号がほとんどとまっておらないとか、交通の結節線としての機能がちょっとまだ弱かったということもございまして、なかなか業務的な施設は建ちにくくて、それの抜け道といいますか、ああいうホテルがたくさん建つと、こういう形になったわけですが、実はこの四月から我々若干その規制を緩めまして、ある程度住宅も入れ込もうと、そういうことで考えを変えておりますし、それからたまたまひかり号がこの三月十四日から今まで上下六本だったのが五十何本もとまるようになりますし、それから地下鉄が新横浜まで延びてくる。それから横浜線がストレートで都心部へどんどん行ってしまう。こういう交通環境の変化が予想されまして、大変業務的なビルのラッシュが実は起こりつつあります。今後はそういう業務ビルがかなりのスピードで新横浜駅周辺には建っていくであろう。
 それから、南方が全然手をつけられておらないのですが、やはり六十年度から我々としては新施行の区画整理で基盤整備をする、そういうことも考えておりますし、また町の熟成の先導的役割といいますか、それを図る意味で公共的な仕事を幾つか入れようと。一つは国の方へいろいろお願いしてございますが、労災病院の誘致、これは用地も確保しております。それからリハビリテーションセンターの建設、それからもう一つはイベントホールと仮称呼んでおりますが、二万人ぐらい収容できるようなとにかくばかでっかいイベントホールをつくろうとか、いろいろな計画が今着々進行中でございます。
 以上でございます。
#18
○小委員長(亀長友義君) ありがとうございました。
#19
○刈田貞子君 きょうはお忙しいところ大変ありがとうございました。
 まず公団の救仁郷さんにお伺いをいたしますが、都市再開発法に基づいて行われる再開発事業の中で、公団が施行主になる分とそれから組合が施行主になるもの、あるいはまた地方自治体が施行主になるものというケースがあるわけでございますけれども、先ほどからのお話で、まとまって早くて三年、そしてかかるものは十年というふうなお話がございましたが、そして私も幾つかのケースを知っているわけでございますけれども、これは単純には言えないことだというふうに思いますが、例えばまことにまとまりやすいとか問題が比較的スムーズにいく例というのは、その三つの施行主のパターンを追った場合にはどれがまとまりやすい形になり得るのか、あるいはそういうまとめ役とは関係なしに、やっぱり都市再開発事業というのは、かなり地域に根差した要因が多いからなかなかまとまりにくいという面があるのか、これは大変一般論になりますけれども一点お伺いしたいことと、それからこの事業が始まってかなりの経過があるわけでございますけれども、その中で、住民コンセンサスをつくる中でその問題になる事柄の中身が時を追って違ってきているのではなかろうかというようなことが実は考えられるわけでございますが、そういう点についてもしお伺いできれば教えていただきたいというふうに思います。
 それから東京都の方には、私東京都の住人でございますので伺いたいことがいっぱいあるのでございますけれども、一点だけ。
 一つは木賃アパートのことですけれども、これは我が党でも前々から早くこれを建てかえしなければならないという問題については積極的に取り組んできたところでございますが、先ほどのお話で対二八%の木賃アパートがまだ残っているというお話でございますけれども、防災上の問題あるいは住環境という意味からいっても、これに対する建てかえの時期というものをやはり考えていかなければならないと思うわけでございますけれども、この建てかえの意欲を起こすという、つまりアプローチ、こういうものは例えばどんな方法があるのか、そしてこれに対してこれを促進していくために東京都は政策的にはどんなふうなことを考えられるのか、この点についてお伺いいたします。
 それから先ほど竹田委員がお話ししていらっしゃった住居地域と工業地域のあの混住一体化の問題について、分離化の方向をとってきたけれどもこれからはそうでない形のもの、つまり混住の形のものも考えていくのだというふうに先ほど御説明があったのを、私は実は大変興味を持ってメモっておいたわけでございますが、もし今そういうところで具体的に進めているところがあれば教えていただきたいというふうに実は思ってメモったわけでございますので、ちょっと御回答いただきたいと思います。
 それから、東京都のもう一つ最後の緑の倍増計画、これは我が党も大変力を入れていることでございますので、ぜひに強力にやっていっていただきたいことなんですが、具体的には大変難しい問題だろうというふうに思います。予算の面あるいはまた木を植えるといっても具体的に何の木をどこへどう植えていくのかというような問題があると思うので、ちょっとそんなふうな構想があれば教えていただきたいこと。
 それから、生活道路という言葉がマイタウン構想の中によく出てくるわけです。この生活道路と言われている概念ですけれども、東京都のマイタウン構想の中で言う生活道路というのはどういうものなのか。例えば私に言わせれば、幅員は一体どのくらいのものを考えるんですかというふうな事柄なんです。私は生活道路という問題では、東京都の現状の中、歩いていて、歩道の問題が大変いつも気になっているわけでございますけれども、例えばこの小委員会でも白鬚東地域ですか、あそこを見学さしていただいたときに、防災地区として大変いい形のものができ上がっているんだけれども、そこに行くまでの歩道の状況を見て、私はやっぱり東京都の歩道の保有率というのが非常にお粗末であるやに見てきたわけでございますが、現状で、もし歩道の保有率みたいなものもわかれば教えていただきたいし、今後この歩道というものに対してどういうあれを持っておられるのかちょっと教えていただきたい。これをちょっとメモってみました。
 それから横浜のお話でございますけれども、大変私は勉強になるわけですが、一つだけ、「街の個性の創造」ということで、やはりまちづくりといっても、住民、市民が参加していく、そういうコンセンサスを新しいものへの取り組みとしてどういう形で吸い上げていくのかということ、それからまた、既存の部分の個性づくりというか、こういうものについて住民ニーズを吸い上げていく具体的な方法等もしあれば、参考になるので教えていただきたいと思います。
 以上でございます。
#20
○参考人(救仁郷斉君) まず、公共団体の再開発、私どもの行います再開発、それから組合施行の再開発、この三つの中でどれが一番スムーズに
いくだろうかというようなお話でございますが、これはもう先生もある程度御承知かと思いますが、実はやはり公共団体なり私どもが最初から事業をやるんだということで地元にお話し申し上げますと、どうしてもある程度ためにする反対というものが出てまいります。したがいまして、私どもいろいろ先ほど申し上げましたように、調査段階から公共団体の方々と御一緒に地元の方々の調査へ入ったり、いろいろやるわけでございますが、そのときはできるだけ組合施行でおやりいただきたいというような形でやってまいります。その中で非常に、そして地元で組合施行という形でコンセンサスづくりをやっておいでになりまして、ある程度コンセンサスができて、実際にこれを事業にするとなるとこれは大変な仕事でございます。そのときに、組合はつくったけれども、やはり事業はもう公共団体なり公団に任せようじゃないかというようなコンセンサスができて私どもがお引き受けするという方が、実態はスムーズにいくケースの方が多うございます。
 したがいまして、私どもも、組合施行の場合でも、私どもが何にも最初からタッチしないでというケースは非常に少のうございまして、最初から公共団体と御一緒にいろいろ申し上げているというケースでございまして、ですから、場合によりますと、私どもの公団の専門家を組合のいわゆる事務局長に派遣いたしまして、そして事業をやっていくとか、あるいは組合の事業ではございますが私どもが委託を受けましてお仕事をするとか、そういったケースもございます。そういうふうに、私どもとしては、やはり地元のコンセンサスを得るために、できれば地元で考えていただく、私どもはそのお手伝いをするというような形で今後できるだけ進めてまいりたいというふうに考えております。
 それから、コンセンサスを得るための問題点は何かということでございますが、そしてまた、何といいますか、過去から最近にかけて何か変遷があったかというようなお話がございました。
 一番最初、やはり昔問題になりましたのは、いわゆる特に住宅の借家の方でございます。これはどうしても再開発しますとある程度家賃が高くなります。したがいまして、その借家の方々が非常に家賃が高くなって問題がございました。この辺につきましては、国の方でもいわゆる再開発住宅制度というのをつくっていただきまして、公営住宅に準じたような安い家賃の住宅ができるように補助をいただくと、これは公共団体の場合もございますし、私どもが補助をもらって公営住宅並みの家賃で従前の住宅の借家の方々には提供するというような制度がございます。そういうことから、住宅の借家の問題というのは最近では割に問題が、ないわけではございませんが、少なくなった感じがいたします。
 あと、お店をやっておられる方の借家の家賃の問題、これはまだ依然としてやはり問題がございます。それからあとは借地の方、これが非常に多うございまして、借地の場合の地主さんとの権利の配分の調整問題、これが非常に大きな問題として残っております。
 あと、問題がございますとすれば、やはり従前、例えば五十平米のお店を持っておられて、それが再開発によって三十平米になったのではこれは商売が成り立ちません。ですから、それをどうしても五十平米以上確保しないといけない。ところが、コストから見ますとそれがなかなかつらい問題になってくる。その辺の問題が、実際にはそれぞれの生活再建というものを考えた場合には、私どももその辺はできるだけ生活再建ができるような形で計画を立てているつもりではございますが、その辺がちょっといろんな問題として、個人個人の生活再建という問題についてはやはりきめ細かいことを考えなければならない問題があろうかと思います。
 以上でございます。
#21
○参考人(大崎本一君) ただいま刈田先生から御質問のあったこと、最初の木賃アパートの建てかえの問題、非常に難しい問題でございまして、なかなかこれという決め手がないというのが実態であることはもう先生御承知のとおりでございます。
 ただそういった中で、これをやっぱり再開発なりあるいはそのほかの手法で進めていくということが非常に重要な問題になっているわけでございますけれども、そういった中では、やはり国でつくっていただきました木造賃貸住宅地区総合整備事業ということを適用してやっていこうというのが行政サイドとしての一つの施策でございます。世田谷太子堂、北沢あるいは豊島区の東池袋、西新宿というようなところで百二十四・七ヘクタールの地区指定、これは東京都住宅局等が進めるということにしているわけでございますけれども、やはりそういったことを時間をかけてコンセンサスを得ながらやっていかなければならないというのが実情ではないかと、こういうふうに思っております。
 それから住工一体化の問題で、具体的に進めているところがあるかというお話でございましたが、先ほど救仁郷理事からちょっと御紹介がありました大田区の大森南工場アパートというのが、敷地が六千三百平方メートルぐらいで、工場数を十ぐらい入れるというようなことの中に集合住宅を併設していくと、こういう計画になっております。そのほか、工場アパート関係としては、城南島とかあるいは品川の東大井、あるいは三鷹の下連雀等にそれぞれ計画があってやっているわけですが、そのほか、工場跡地へのマンションの建設等については、それぞれ地元の区におきましていろいろと紛争が起きるというようなこともありますので、そういった紛争防止についての検討委員会をつくるとか、あるいは建築指導の基準をつくるとかいうことでそれぞれ対応をしている状況もございます。
 それから、緑の倍増計画の具体化でございますけれども、都といたしまして六十年度の予算の中に緑の倍増計画の推進ということで六億八千万ほどの予算を計上をいたしております。これは新規としてやっているわけでございます。例えばその中では、緑の倍増週間の行事を行うとか、あるいは青少年向けの緑のハンドブックの発行であるとか、あるいは特定大規模地域緑化の推進というようなこと、あるいは野生動物の保護、あるいは街路樹づくりの推進というようなこと。それから都市緑化基金の設立といったような項目を掲げております。
 それから次に、生活道路の概念の問題でございますけれども、これは定義として生活道路はどういうものかということは必ずしも明確になっていないかと思います。しかし一般に言いまして、やはり日常の生活の中で使われる、いわゆる対比して言えば、産業道路とは違う道路というようなことになるのかと思いますけれども……
#22
○刈田貞子君 これに「生活道路のイメージ」というすてきな絵が書いてあるんです。
#23
○参考人(大崎本一君) イメージとしては、この百三十三ページ、百三十二ページにあるようなものなんですけれども、道路計画の中で、従来例えばオリンピックのときにオリンピックを目標につくられましたような道路、例えば環状七号線なんかは全幅員二十五メートルの中で六車線という車道をとって、あと残った部分が歩道である。片側の歩道が二メーター七十五というような非常に狭い歩道でございまして、街路樹も植わらない、こういう状況であったわけですけれども、現在は二十五メートルの全幅員の道路は四車線で使うというようなことで、歩道も広くとって、街路樹も植えられるようなことに、新しくつくるもの、それから改良してそういったことにしているものもございますので、そういった意味におきましては、歩道に対する考え方というのは従来と違って、歩道を、地域によるかと存じますけれども、非常に歩道優先の考え方というのは出てきていると思います。
 またまちづくりの中で歩行者の専用道路であるとか、例えば上野の駅前、これは上野の駅に東北新幹線が三月十四日参りますけれども、そういっ
たことを契機にいたしまして、上野、浅草を副都心として再開発していこうという構想の中で、具体的には上野の駅から広場を越えてこちらの東側の地区に歩行者専用の歩道橋をつくる。これは二十メーターという幅員の広い歩道をつくる。それがさらに地区へ浸透していくような構想を持っておりまして、歩行者の安全快適な歩行というものが結局まちづくりの中で非常に重要であるという認識がございますので、今後のまちづくりの中では、生活道路を含めましてそういった道路を積極的に取り上げていくという姿勢になろうかと思います。
 以上、ちょっと全部のお答えになっていないかと存じますけれども、そういったことです。
#24
○参考人(佐藤安平君) 「街の個性の創造」についてのお尋ねでございましたが、実は横浜市の行政組織の中に、これは都市計画局の中なんですが、実は都市デザイン室という、そういう機構を設けております。そこでいろいろな働きをやっているわけですが、一つは市民への呼びかけなり、市民からの呼びかけにこたえるということですが、絶えず街をつくるに際して景観なりデザインなり、そういうものについて市民の方に考えてもらう、そういうことでもう常時啓蒙的なPRをしている。例えば先ほどちょっとお話ししましたが、イセザキモールというようなモールをつくる際に、下のタイルをどうするとか、電話ボックスのデザインとか、ベンチのデザインとか、そういうことまでいろいろ町の方々と相談し合いながらやっている、こういう活動が一つと、それからほかの、山下公園の前などごらんになったかと思うんですが、ああいうところで大きな建築計画が出てきますと、やはり街の景観といいますかデザイン的な面といいますか、そういう面でのチェックをかなりやります。このパンフレットをあけて、こちらにちょっと細かいのがありますが、この中でペア広場なんというのもちょっと出てきますが、これはたまたま県民ホールと貿易センタービルとの工事がほとんど同時に行われましたので、その前にペアになるような広場をつくってもらうとか、これは建築法規をちょっと越えた御指導になるわけですけれども、そういうことでいろいろ市民なり企業の方々とが接点を持っている。
 それからもう一つは、公共事業的な形でいろんな仕事が縦割りでやられているわけですが、それをやはりデザイン的に調整をするという機能をこのセクションが持っています。例えば、道路一つつくるにしても、公園をつくるにしても、橋をかけるにしても、やはりデザイン的な観点でいろいろ区域の方と調整をする。例えばこういう開港広場という広場を、ごく小さな広場なんですが、これを一つつくるにも、役所の中ですと七つぐらいのセクションが関係しているのですね。これをうちの都市デザイン室というところが、そういうデザイン的な観点から調整をする。そういうような形で街の個性というものを際立たしていこうと、そういう動きをしておるという状況でございます。
 以上でございます。
#25
○最上進君 二点ほどちょっとお伺いしたいのでございますが、大崎さんにお願いをしたいのでございますけれども、先ほど東京における居住環境の特徴の中で、大変住宅が老朽化していく。御指摘がありました、たしか昭和四十五年以前のものでございますか、二十一世紀初頭にはほとんどが建てかえの時期に来る。これを放置すれば欧米型スラム化するという御指摘があったんですけれども、建物が、例えばマンションもあれば、大型のビルもあれば、一戸建てのオーナー一人という、そういう住居もいろいろあると思いますが、その中で、平屋でオーナー一人というようなものは、当然時期が来れば建てかえも比較的簡単になされる可能性があるけれども、例えば分譲された大型のマンションとか、あるいはまた大勢の所有者の異なる事務所が入っているビルとか、こういうようなものが建てかえ時期が来ても果たして簡単に建てかえることができるであろうかということを考えますと、やはり居住者が多ければ多いだけそれは非常に難しくなるだろう。
 そういう中で、これはどうも日本の行政全般に言えるかもしれませんけれども、建てる段階ではかなりいろいろ制約はあるにしても、そうした大型のビルとかあるいはマンションというものがつくられ、許可され、分譲される。しかしながら、必ず何十年かたてばこれがそれらの人々の姿勢いかん、態度いかんでは、先ほど放置という言葉を使いましたけれども、欧米型のスラム化する可能性がある。そうなりますと、やっぱりつくる段階での行政指導というようなものが、これは一戸建ての家なんかをつくるならば比較的簡単でしょうけれども、当然先行き考えると、そういうことがもっと厳重に行われてしかるべきじゃないか。そんなことを今お話を聞いていて感じるんですが、こんな点についてどんなお考え方を持っておられるか、まず一点。
 それと、先ほど刈田先生からも御指摘があったのですが、東京の今の長期計画を見ましても「ふるさとと呼べるまち」、これは水と緑というのを強調されているわけですが、私なんかやはり地方から出てまいりまして、今宿舎生活をしておりますと、やっぱり一番感じるのは、もちろん緑も大切ですけれども、やっぱり空気の問題、なぜこれを避けて通られるのか。私はあえて避けてという言葉を使うんですが、地方から出てきた者は東京の空気というのは水以上ににおいを感ずる。それは国の観点からの、例えば自動車の排気ガスの問題等はもっとやはり行政上シビアにするとかというような問題を含むにいたしましても、まあ今、生活道路の問題が出たけれども、もう少し工夫いかんによって、それは発生源対策というものはもちろんあるわけですけれども、水と緑、緑も気持ちを単に和げるだけでなくて、これは酸素発生をするという意味もあって、木を一億本を二億本にするというようなお話がございましたけれども、やっぱり一番人間の生活は、建物がどんなによくなっても、居住空間が広がっても、人間が一番快適さを感じるというのはやっぱり水とか空気というものは、これは絶対切り離せない問題だと思うんですね。
 空気――これは発生源対策はもちろんだけれども、今のこの非常に濁った汚れかけた空気をどうやってまちづくりの中で、早くいえば希薄性というか、薄めて人々の健康を守るという、今の置かれた環境の中での問題解決ということになってしまうと思うんですけれども、そういうような点というのは、ここでは空気の問題はちっとも触れておられないものですから、大変私は不思議に思うんでございますけれども、やはり一番快適な生活をするという意味では、私は空気の問題というのは、もっとやはり研究をしていくべきじゃないかというふうに感ずるんですが、その点いかがでございましょうか。
#26
○参考人(大崎本一君) 最上先生からは非常に適切なといいますか、非常に難しい問題いただいたわけでございます。
 まず住宅の老朽化に対する建てかえの困難性の問題、まさにおっしゃられるとおりでございまして、これにどう対応していくかというのは、まだ勉強を始めたような段階でございます。しかし、既に古い建物としては、先ほどちょっと申し上げましたように、同潤会のアパートがあるわけでございますが、これもなかなか新聞に建てかえの話が出ては消えという状況だったわけですけれども、ようやく墨田区の押上二丁目の中之郷アパートが居住者によって、委員会をつくっていろいろと検討をして、建てかえの組合をつくり、さらに区も加わりまして、周辺の関係住民と協議をして、建てかえようというようなことで、実は本日、東京都都市計画地方審議会でその案件の審議がされておりまして、恐らく計画として決まるだろうと、こういうふうに思っておりますが、そういった実例等を踏まえてやっていくということになるだろうと思いますけれども、やはり、非常に膨大な戸数の建てかえというようなことになってまいりますと、これは私のまさに個人的な見解、私見でございますけれども、いずれ救仁郷さんの方の
住宅・都市整備公団も住宅建てかえ公団というようなことに改組をされて、それで、まさに国を挙げてそういった問題に取り組んでいかないと、これはなかなか大変なことになるのではないかと、こういうふうに思っております。
 それから空気の問題でございますけれども、これは先生おっしゃられますように、私どもとして行政的にはやはり発生源対策しかないといいますか、発生源対策が重要であろうという認識で、まあ東京都でも、例えばN02削減計画等をつくりまして、将来的に環境が今よりよくなるというような計画のもとにいろんな道路計画なり何なりの施策を進めているところなんですが、現況の状況において、空気を薄める対策といいますか、そういう対策というのはなかなか物理的にちょっと考えられないものですから、ひとつその辺のところはきょうの貴重な御意見として承らせていただきたい、こう思うんです。
#27
○最上進君 ただ、今の生活道路のこのすばらしい絵というのは、刈田先生御指摘になって今見せていただいたけれども、ここに車がやっぱり写っているんですね、真ん中に。だから、やっぱり空気を汚している元凶というのは、最近は車、特にディーゼル関係のガスの中には発がん物質もあるというような御指摘もあるぐらいですから、これだけ立派な生活道路の真ん中に、このすばらしい絵にやっぱり車がどうしても切り離せないでこうやって入っているということ。
 そういう意味で、希薄性云々と言ったのは、やはりそういう悪い空気を出すものを少なくともできるだけ遠ざける空間というものをやっぱりまちづくりの中に生かすべきじゃないか。これはもう発生源対策が一番なんですけれども、現下においてはそういう解決の方法しかないんじゃないか、そういうことを今感じたんですけれども、結構です。
#28
○小委員長(亀長友義君) 私もちょっと簡単に一言お伺いしたいんですが、私はこういうことに不得手の方ですから、とんちんかんな質問になるかもしれませんが、非常に日本、東京を見ていると、欧米の都市に比べて何というんですか、混在型というんですか、そういうふうな気がするわけです。
 欧米の都市は、大体東京でいえば山手線内は大きな鉄筋のビルがある。その上にもちろん人も住んでいる。山手線を出れば途端に住宅地区になってというふうに、比較的截然としているように思われる都市が多いわけです。それは、いろいろ日本が戦後急速に発展したり、歴史の違いとかいろいろあると思いますが、日本の場合には、山手線内でも、おれは依然として木造の二階家で住むよと頑張っている人がいて、やっぱりなかなか一挙に進まないし、やはり土地、住宅、日本は私有権制度の上に立っていますから、その中で皆さんがいろいろ考えられる土地行政、都市行政をやっていくということは大変な私は何か縫い目を縫っておやりになっておるんで、自然限界もあり、大変御苦労なことはよくわかっておるんです。
 具体的に、例えば建築基準法というものがありますね。それからさらに、都市には建ぺい率というようなものがある。いろいろな制限があるんですが、むしろそういう行政が先行くよりも、例えば地下鉄ができる、そうすれば、駅ができればそこが、今までの住宅が途端に商店街になる、そして建ぺい率もまた修正されるというふうに、何か後から追っかけていわゆるそういう行政が行われているような感じがしてならないんですけれども、まあそれはやむを得ないからそうなっておるんでしょうが、東京都の場合に限って言えば、大体どういうアイデアで今の建築基準なりあるいは建築、建ぺい率制限とかそういうふうなものはお考えになっておられるのか。大体のところ、現在はこういう考え、しかし将来はまたどういうふうに考えていくんだとかいう点についてお話があれば、簡単で結構ですから大崎参考人からお伺いしたいと思いますが。
#29
○参考人(大崎本一君) まずまちづくりの今基本的な考え方といたしましては、資料の一に示しましたように、例えば環状七号線の内といいますか、そういった地域では、この絵ではまあ山手線の内側でございますけれども、住宅地については不燃中高層化の促進というようなことで、長期計画の中でのまちづくりの方向を示しております。
 先ほど委員長の御質問の中には、やはり用途地域、都市計画法による用途地域規制の問題、それから建築基準法による規制の問題等々あるわけでございますけれども、結局都市づくりの基本的な考え方といたしましては、都市をそれぞれのゾーンに分けまして、まあ商業地あるいは住宅地あるいは工業地、そういったところをそれぞれの用途に従って純化をしていく。具体的な建物は基準法に基づいて、それに合ったようなことで建て方を制限していく、こういったことで従来からずっと進んできたわけでございまして、その辺のところが現在の何と言いますか、一般的に要求をされているものとは若干乖離をしていると言われている面があるわけでございますけれども、その辺の問題につきましてはすぐ対応をする。
 例えば今まで住居地域ということで住宅しか認められていなかったところに何でも建てていいように、あるいは高さの問題につきましても、今まで二階建てぐらいしか建たなかったところを超高層も建つようなぐあいには実際問題としてなかなかいかぬという実態があるんですが、そういった現在の要求されている方向というものをよく、私どもとしては地元、区ともいろいろ相談をしながら、できるだけ現在の要求に合うようなことに変えていきたいというようなことで、例えば一種住専を二種住専にするといった問題とか、そういった問題についても具体的な施策としていろいろと協議を進めているところでございまして、どうもなかなか行政のやり方が右から左にすっといかないというようなことについてはいろいろとおしかりをいただくわけですけれども、鋭意やっているということについては御理解を賜りまして、御支援をいただきたい、こういうふうに思う次第でございます。
#30
○小委員長(亀長友義君) ほかに御質問ございますか。
 それでは、本日の参考人に対する質疑はこれで終わります。
 参考人の方々には、お忙しい中を長時間にわたり本小委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。ただいまお述べいただきました御意見等につきましては、今後の調査の参考にいたしたいと存じます。小委員会を代表して厚くお礼を申し上げる次第でございます。ありがとうございました。
 なお本日、参考人の方々から御提出いただきました参考資料等につきましては、その取り扱いを小委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○小委員長(亀長友義君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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