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1984/04/24 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 エネルギー対策特別委員会 第6号
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1984/04/24 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 エネルギー対策特別委員会 第6号

#1
第102回国会 エネルギー対策特別委員会 第6号
昭和六十年四月二十四日(水曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十日
    辞任         補欠選任
     近藤 忠孝君     小笠原貞子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         田代由紀男君
    理 事
                沖  外夫君
                菅野 久光君
                太田 淳夫君
                小西 博行君
    委 員
                岡野  裕君
                工藤万砂美君
                熊谷太三郎君
                福岡日出麿君
                宮島  滉君
                吉川 芳男君
                梶原 敬義君
                小柳  勇君
                小笠原貞子君
                野末 陳平君
   事務局側
       常任委員会専門  野村 静二君
       員
   参考人
       電源開発株式会  門田 正三君
       社総裁
       埼玉大学教養学  室田 泰弘君
       部助教授
       新エネルギー総
       合開発機構理事  綿森  力君
       長
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○エネルギー対策樹立に関する調査
 (最近のエネルギー供給見通しとその課題に関
 する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(田代由紀男君) ただいまからエネルギー対策特別委員会を開会いたします。
 エネルギー対策樹立に関する調査を議題といたします。
 本日は、最近のエネルギー供給見通しとその課題に関する調査のため、電源開発株式会社総裁門田正三君、埼玉大学教養学部助教授室田泰弘君、新エネルギー総合開発機構理事長綿森力君の御出席をいただいております。
 この際、参考人の方に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は御多忙のところ本委員会に出席をいただきまして、まことにありがとうございました。参考人の方々からの忌憚のない御意見を拝聴し、今後の調査の参考にいたしたいと存じます。
 また、議事の進め方といたしましては、まず、二十分程度それぞれ御意見をお述べいただき、その後四十五分程度委員の質疑にお答えいただく方法で進めてまいりたいと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それではまず、石油代替エネルギーの開発導入の促進とその課題について、門田参考人からお願いいたします。門田参考人。
#3
○参考人(門田正三君) 電源開発の門田でございます。
 本日はこの特別委員会にお招きをいただきまして御報告を申し上げる機会を得まして、大変光栄に存じておる次第でございます。
 本日、私に課せられました問題につきまして、私からは電気事業の立場として今後の電源構成をどうするかという問題、いわゆる電源ミックスの問題について御報告を申し上げたい、かように存ずる次第であります。
 先生方既に御案内のとおりでございますが、一昨年の十一月、政府が策定をいたしました長期エネルギー需給見通し、これによりますと、五十七年から昭和七十年までの一次総エネルギーの増加量が石油換算で一億四千万キロリッターということになっておるのでございますが、そのうちの九〇%がいわゆる非石油、代替石油で満たすと、しかもそのうちの約七三%、九千万キロリッターが電気の形でエネルギーの供給をするということに作成をいたされておるわけであります。かような事態でございますので、我が国が今後代替エネルギーの開発をし、それを導入いたしまして、現在六二%程度の石油に依存いたしておりますエネルギー構造を七十年時点におきましては四八%にするといったようなことになっておるわけでありますが、電気事業が果たすべき役割とその責任の重さを痛感をいたしておる次第であります。
 さて、そういうことでございますと、今後の我が国の総合エネルギーの供給戦略におきまして、原子力、石炭火力、LNG火力、水力などの石油代替電源をどのように組み合わせていくかと、開発していくかと、いわゆる電源ミックスの問題が重要になってまいるかと存じております。エネルギーショックの直後あるいはその当分の間というものは、どちらかと申しますと供給力の安定性、すなわちエネルギーセキュリティーの確保ということが大きく問題になり、そこに傾斜が置かれたかと、かように存ずるのでありますが、近年はその後におけるところの省エネルギーの推進定着、あるいはまた世界的な景気の低成長化とともに、どちらかと申しますと石油がだぶついてきているというようなこともございまして、経済性すなわちコストが再び大きく取り上げられてまいっているのが今日でありまして、今日ではセキュリティーとコストの双方をどうバランスさせるかと、いわゆる最適ミックスが指向されておるのは御承知のとおりだと存じます。
 しかしながら、コスト面からいたしますと、最近では、原子力と石炭火力との経済比較が話題になっておるのでございますが、現時点で算定されております各電源の発電コストは、将来的に見ますと、その前提条件は、後に申し上げますようにいろいろの不確定要素を含んでおるということが実態かと存じます。例えば、原子力の場合でございますと、コストに占めますところの建設費の割合が御案内のように高いのでございまして、したがって、金利の動向だとかあるいは利用率のいかんによりまして発電コストは大きく変わってまいる次第であります。また、石炭の場合でございますと、この燃料費のウエートが高いわけでございまして、したがって、石炭価格の動向が将来の発電コストを大きく左右することにも相なるかと存じます。
 したがいまして、電源ミックスの形成を考えるに当たりましては、経済性も含めましてそれぞれの電源を持つ特性を踏まえて、将来の不確実性に対して弾力的に対応できるようなものとしていくべきではないかと考えている次第であります。
 すなわち、各電源を二者択一といった対抗関係にとらえるのではなく、相互依存、相互補完といった関係でとらえ、将来のあらゆる不確実性に対しまして最も耐久力のあるミックスを用意していくことが、とりわけ我が国のようにエネルギーの
海外依存度の非常に高い国にとっては極めて肝要なことかと、かように考えておるところであります。適切な組み合わせをやることによってバランスがとれ、エネルギー間のあるいは電源間のいい意味での競争が生まれ、そうした競争を通じて全体としての経済性を高めていく、あるいは安定性を確保していくということになろうかと存じます。
 そこで次に、ただいま申し上げました観点から、今後の石油代替電源の主力でございます原子力、石炭火力、LNG火力につきまして、それぞれの電源が持っております特性について若干付言してみたいと思うわけであります。
 まず、原子力でございますが、現在のところベース電源としての経済性は最もすぐれているといってよろしいかと存じます。また、一たん燃料を装荷いたしますと一年以上燃料取りかえなしで運転することができるのでございまして、資源面からの供給安定性も高いということが言えると思います。さらに、再処理等の核燃料サイクルが確立てきますればウラン、プルトニウムも再利用することができることになるのでありまして、国産エネルギーに準じたセキュリティーが確保されるという点が大きなメリットとして評価できると思うわけであります。一方、発電コストに占めます固定的な経費のウエートが七五%というように高いのでありまして、設備利用率が経済性に大きな影響を来してくると存じます。
 近年、原子力発電は、機器の改良、標準化、また運転管理技術の向上が進みまして、五十九年度の利用率は、二十八基で七三・九%の高さに達した良好な稼働実績を上げておるのであります。我が国の原子力もいろいろ困難な道のりを歩いてまいりましたが、技術的にはほぼ定着段階に入ったかと言ってよろしいかと存じます。
 ただ問題は、電気の需要というものは、夏、冬の季節格差の問題あるいは一日のうちにピークの出る時間とピークでない時間帯とが、極めて格差があるわけでありまして、この変動いたします負荷に対して機敏に応動しにくい現状のままでは、ベース用電源等にその利用が限定されるべきことかとかように考えております。また、固定費が大きく、建設リードタイムが長いために、建設期間中のインフレ、金利による建設費上昇の影響も受けやすいという点は先ほど申し上げたとおりでございます。そうしてもう一つ、再処理廃棄物の処理、処分、さらには廃炉といった、将来発生してまいりますバックエンドコストの見通しがまだ明確ではないという点でも留意しておく必要があろうかと存じております。
 したがいまして、原子力につきましては、運転性能、信頼性のさらに一層の向上はもとよりでございますが、建設費の合理化、低減、国内核燃料サイクル、特にバックエンドの確立といった点が当面の最も重要な課題であろうと存じます。また、核燃料サイクルの整備、確立とあわせまして、高速増殖炉の開発並びにこれが本格導入いたされるまでの間、プルトニウムの有効利用を図る観点から、新型転換炉の開発等を進めていくことも必要ではなかろうかと存じております。
 次に石炭火力でございますが、これのメリットは、何と申しましてもエネルギー資源としての石炭の供給安定性があると考えます。確認されました可採埋蔵量は、石油の計算の仕方にもよりますが、五倍から十倍はあると、かように豊富な資源でありまして、その賦存が御案内のように先進国を中心に世界各国に広く分散をいたしておることは、将来のセキュリティー確保の面から大きな魅力ではなかろうかと存じます。
 一方、発電コストの四〇%以上を占めます燃料費、すなわち石炭価格の将来動向がどうかということが経済性に大きな影響を来してくると存じます。第二次石油ショック後、石油の値が上がりますとともに、殊に五十六年のポーランド紛争を契機といたしまして世界じゅうの各ユーザーが石炭の市場に殺到をいたしまして、五十六年、五十七年の一時期に我が国の平均輸入石炭価格はトン当たり七十ドル前後、約一万七千円にまで上昇いたしたわけでございますが、最近ではようやくその石炭フィーバーが落ちつきを見せまして、トン当たりCIFで五十ドル前後と、一万二千円に下がってまいっております。
 このために、現在では石炭火力の発電コストがほぼ原子力と並びつつある状況になっておるわけでありますが、今後の石炭価格動向はと申しますと、下方調整も一段落をいたしました。長期的には実際コストとの動向に見合った動きをやってくるものかと考えております。石炭も石油と同じように市場商品でございますから、取引価格が変動する要素はあるわけでございますが、産炭国の既設並びに整備中の生産能力を前提といたしますと、少なくとも一九八〇年代は大きな市場逼迫はないものかと存じております。さらに、今後、中国炭あるいは南米のコロンビア炭といった新しいソースが市場に参入してまいりますので、競争効果が一層高まりまして価格抑制側に働くものかとかように考えております。
 また、石油価格が将来上がると、どうしても石炭もまた相当に引きずられて上がるんではないかという向きもございますが、第一次オイルショック以後の石油価格と石炭価格の相関関係を分析をいたしますと、石油価格が一の場合に、石炭価格は大体〇・五ないし〇・六といったように分析をいたされるのでございまして、相対的には石油よりも価格安定度は高いと言えるかと存じます。
 なお、燃料調達方式について申し述べますと、私の電源開発会社では、オイルショックの経験にかんがみまして、一般炭につきまして我が国で初めての開発輸入プロジェクトに参加をいたしまして、オーストラリアのブレアソール炭鉱を昨年春から出炭を開始するまでに至ったのでございますが、どうしても電力需要の伸びが期待どおりに伸びませんために、契約引き取りの初年度の昨年度から、契約いたしました量が引き取れないというようなこともございまして、この一年間大変契約の見直し交渉にてこずったわけでございますが、ようやく先般、円満妥結をいたしたのであります。
 石炭の取引には、ただいま申し上げましたような開発輸入方式を軸としながら、たくさんの既存の炭鉱を相手とする長期契約方式、それからまたその時点、時点の必要の都度購入いたしますところのスポット契約方式というものがございますが、開発輸入を軸としながら、長期契約並びにスポット契約という組み合わせをやることによって安定性、経済性が確保されるかと、かように考えております。
 かような次第でございますので、石炭火力を今後の石油代替電源の柱の一つとして進めてまいりますには、やはり供給の安定を図りながら、石炭価格の抑制を図っていくことが一番大きな問題であろうと存じます。そのために、石炭コストに大きなウエートを占めております内陸、インランドコストあるいは海上輸送コストを下げるための、あるいは船舶の大型化あるいは輸送方式における流動化のシステムあるいは発電所側におけるところの燃料消費効率の向上を図るための省技術の開発を進めていくことが重要であろうと考えております。
 また、石炭火力の場合、大気汚染対策、灰処理対策などの環境対策に万全を期していくことも大切な課題ではございます。特に硫黄酸化物、窒素酸化物、ばいじん等の排ガス対策に要しますコストは、現状におきまして発電所建設費の約一八%、発電コストにおいて約二〇%に達しておるのでありまして、石油代替電源として今後の石炭火力の競争力の制約要因ともなろうかと存じております。ただ、技術的には、我が国の石炭火力排ガス対策は、排煙脱硫にいたしましても脱硝装置にいたしましても、電気集じん機にいたしましても、世界的に見て極めてすぐれたレベルに達しておると自負いたしておりますが、今後は効率の向上と同時に装置のコストダウンということが重要な課題かと考えております。さらに、石炭灰の処理対策もございますが、時間の関係上、省略をさしていただきたいと存じます。
 次に、LNG火力でございますが、このLNG火力は都市部におけるクリーンな電源としては大変すぐれておりますが、経済的に割り高であること、LNG供給契約において御案内のようにテーク・オア・ペイ、一定量の引き取り義務が課せられておりますことは皆様御承知のとおりでございます。したがいまして、余り大量に投入をいたしますと電力需給上硬直電源となりまして、電力のトータルコストを押し上げるという危険性もはらんでおるわけでございます。今後契約条件の弾力化が図られませんと、私は新規開発は困難になってくるのではないかと思っておるところでございます。
 次に、水力あるいは地熱でございます。こういった国産の電力用エネルギーにつきましては、時間の関係上詳細に立ち入ることを避けますが、貴重な自給電源といたしまして着実な活用を図ってまいるべきことは申すまでもございません。しかし、コスト的にはいずれもかなり割高でございまして、今後の開発利用促進のためにぜひ国として相当の政策的配慮を行われることが必要ではなかろうかと思います。
 なお、燃料電池、太陽光発電等の新エネルギーにつきましても引き続き技術開発も進めることが重要であろうと存じますが、この点につきましては後ほどお話があるかと思って私は省略をいたします。
 以上申し上げましたように、各電源、エネルギー源にはそれぞれのメリットと同時に将来の不確実性があるわけでございまして、しかもその不確実性は時代とともに変動をするものだということを認識いたしておくことが必要かと存じております。したがいまして、我が国におきましては、他の国よりもエネルギーミックスにおいてこの不確実性に対して弾力的で、耐女性のある体質を構築してまいることが必要かと存じております。
 欧米の電気事業におきましても、その国その国特有の資源環境、地理的環境を反映しつつ将来の理想的な電源ミックスにつきましては各電源を均等にバランスさせていくということが一般的でございます。例えば資源自給率の高い米、英、西独等におきましては、自国資源優先を基調としながら、程度の差はございますが、今後の増分は原子力、石炭をほぼ半々で開発していく方向が一般的でございます。我が国と同じく資源の自給率の乏しいイタリーにおきましては、原子力三分の一、石炭火力三分の一、そしてガスプラス石油といったものを三分の一を指向しているかに思うのであります。
 我が国の場合、電事審需給部会の昭和七十年度の電源構成の見通しては、原子力二三%、これはキロワットでございます。キロワットアワーで三五%、それから石炭キロワットで一〇%、電力量で一二%、LNGがキロワット、キロワットアワーともに二一%、石油がキロワットで二四%であり、キロワットアワーで一五%、水力と地熱とを合わせまして二二%でキロワットアワーでは一六%といったような構成になっておるのでありますが、私の意見を述べさせていただきますならば、さらに将来の電源ミックスの姿といたしましては、石炭のウエートを一層増大させ、石油プラスガスの比率を落とし、原子力、石炭、石油プラスガスの三大電源をバランスよく配置していく方向が望ましいのではないかとかように考えております。
 最後に、ちょっと別の角度から、石油代替エネルギーの導入戦略に関連をいたしまして忘れてならないと思っております点を申し添えたいと存じます。
 一つは国際協調と途上国協力の重要性ということでございます。最近のOPEC石油価格の引き下げは、IEA加盟諸国を中心といたしました石油代替エネルギーの利用拡大という国際的協調努力が石油市場に与えたインパクトによってもたらされたという点を見逃してはならない重要な点かと、かように存じております。
 エネルギーの海外依存度が飛び抜けて高い我が国におきましては、国際エネルギー需給の安定的な展開がぜひとも必要なわけでありますから、今後ともグローバルな先進国側の協調と協力に率先して取り組んでいくことが肝要かと存じます。
 さらに、今後途上国におきますところのエネルギー需要の増加が先進国のエネルギー需給に及ぼす影響を考慮いたしますと、これら途上国における石油代替エネルギーの拡大につきましても、我が国が技術協力、経済協力の両面で積極的に貢献していくべき必要が極めて大きいものかと考えておるわけであります。
 以上、駆け足でいろいろ申し上げましたが、こうした数々の課題を克服してまいりますには、どういたしましても技術開発というものが大きな任務を持つものかと存じます。
 私の電源開発会社は、電気事業の中にありまして国策会社として従来から技術開発的性格を有しますところの幾多の仕事を手がけてまいったのでございますが、今後とも日本のエネルギー基盤の強化にいささかなりとも貢献することができるようにと最大の努力を傾けてまいりますことを申し上げまして私の御報告を終わりたいと存じます。
 ありがとうございました。
#4
○委員長(田代由紀男君) ありがとうございました。
 次に室田参考人にお願いします。室田参考人。
#5
○参考人(室田泰弘君) 室田でございます。
 お手元に資料があると思いますので、資料をごらんになりながら聞いていただければと思います。私はやや広い立場からきょう与えられた課題について申し上げたいと思っております。
 先ほどの御説明にもありましたけれども、自前の枯渇性資源を大量に保有しない日本にとって、供給計画を立てるに際しましてはその適切なデータと明確な論理構造に基づく需要でありますね、要するにどういった形でどれだけ使われるのかといったことを把握することが極めて重要であります。ところが、そのための努力が現在のところ余りやられていないということがその基本的な問題点であるというふうに考えております。
 したがって、あるべき姿としましては、その下に書いてありますように、まず、例えば国際石油価格がどうなるかであるとか、日本の経済成長がどうなるかといったようなこと、そういった外部条件の設定をいたしまして、それから需要の推定をする、どの程度エネルギーが必要かということを検討する。その次にそういった需要をどの程度石油とか石炭とか既存のエネルギーで賄えるかということを検討して、それで貯えない部分を代替エネルギーの開発計画としてとらえていかなければならないというふうに考えております。ところが、なかなかこのような形になっていないというのが私の感じであります。
 そういったプロセスがないために、政府は例のエネルギー需給見通しというのを出しておられるわけでありますけれども、これは昭和四十二年ごろから出しておられるわけですが、その下の表にありますように、常に過大な供給計画になってきているというのが現状であります。したがって、現実にどういう形で供給計画が決められていますかといいますと、その一ページ目の一番下に書いてありますように、ある意味で一九七三年の石油危機以前は高度成長を謳歌してきたわけでありますけれども、そういった高度成長期を前提とした割とやや恣意的な需要の高成長を想定する。次に、石油に対してはやや悲観的な見通しを置いて、したがって、過大な代替エネルギー計画を立てるという形になっているという感じがいたします。
 これが国内での議論で済んでいるうちはまだよろしいわけですけれども、現在のところ問題がありますのは、それが非常に大きな国際摩擦の原因になっているということであります。
 例えばエナージーエコノミストという雑誌がございますが、これにブライアンズという人が書いておりますけれども、例えばMITIというのは通産省のことでありますけれども、「MITIの一九七九年長期需給予測は、非石油系エネルギー原材料の成長を公式に予想したもので、石炭やガ
スの世界の輸出業者にとっては全く励みになるものであった。今、一九八四年の冷ややかな現実に照らしてみると、一九七九−八〇年の予測値は官僚の手品まがいの誤魔化しに過ぎなかったのは明白である。」といったようなことがありまして、つまり過大な予測をする、それに基づいてその供給国が過大な供給計画を立てざるを得ない。それで現実に引き取る段階になると需要が小さいから引き取れない、もしくは価格交渉をやり直せという形で言う。ということになりますと、我々はよくわかっているわけでありまして、それは何もインチキでも何でもないわけでありますけれども、向こうからすると、これは非常に意図的にそういうことをやったのではないかということを言われるわけでありまして、例えば参考人がオーストラリア国立大学でエネルギー会議に出た際にも、やはりベン・スミスという向こうの学者からその点について非常につかれまして、日本の弁護をするのに大変苦労した覚えがございます。したがいまして、こういった無用な国際摩擦を避けるためにも、またむだになりかねない投資を避けるためにも次のようなことをやはり基本的にやっていく必要があると考えているわけであります。
 第一番目にはエネルギー問題の専門家の養成をしなければならないということであります。現在、石油とか電力等各エネルギー源の専門家は多数おられます、これは事実でございますが、エネルギートータルについて、特に社会科学から見たエネルギー問題に関する専門家というのは非常に少ない。私どもの見るところ、民間ではせいぜい電力中央研究所の経済研究所におられるぐらいではないかというふうに考えております。したがいまして、適切なデータと論理構造に基づく需要見通しが立てられないということが現状でありまして、そのために国際会議等でも日本の構造分析に対する質問に対して余り明白な答えが出てこない。外国からのいろいろな人が来たときのいつも不満になっているわけであります。もちろん日本の場合官僚は非常に優秀でありますけれども、官僚はある意味でローテーション制でございますから、専門家にはなりにくいわけであります。しかも今、エナージーエコノミックスといいますか、エネルギーの経済分析というのはかなり高度にテクノクラートな分野になっておりまして、それを踏まえた上で議論しないと余り意味のある議論ができないという段階に既になってきているわけであります。したがいまして、明確な論理構造とデータに基づく予測システム、特に需要面に対する予測システムというものをつくっていく必要があるわけであります。
 現在の政府の予測というものは先ほども申し上げましたように、基本的にはある意味で各業界から代表がお出になって、それの積み上げという形でおつくりになっているわけでありますけれども、したがいまして予測が外れたとき――先ほど申し上げたように何回にもわたって過大見通しをお出しになるといったような、外れたときになぜそう外れたのか、それはどういう意味を持つのかといった検討が非常にできにくいという形にもなっているわけでありますし、また石油価格の想定、これはまあゴッドノーズといいますか、だれにもある意味ではわからない面が多いわけでありますけれども、それが変わったときどういう形で需要が変わるのか、もしくは供給見通しが変わるのかという検討を非常にやりにくいということが現状であります。
 これに対しまして外国でも似たような問題があるわけでありますけれども、専門の学術機関がそれぞれの特性に応じてこういった予測システムをつくっておりまして、それが政府見通しとある意味でいい緊張関係にあるといいますか、検討関係にあるということが事実であります。例えばアメリカでは、東海岸ではMIT、マサチューセッツ工科大学のエナージーラボでありますとか、西海岸に行きますとスタンフォード大学のエナージー・モデリング・フォーラム、EMFといっておりますけれども、こういったものがある。イギリスに行きますとケンブリッジ大学のキャベンディシュ研究所というのが割と有名であります。ドイツへ行きますとミュンヘン大学、またフランスに行きますとグルノーブル大学でこういったことを検討しているということであります。しかしながら日本では、そういった検討がないために、ある意味で政府見通しに対して緊張関係を持った検討ができないというのが現状ではないかというふうに考えております。
 さらに今度は、ある意味で野党を含めた民間側からの論理構造と、それから価値基準の明確な代替見通しをつくっていかなきゃならない、それを用いて実はエネルギー政策論争を積み重ねていく必要があるわけでありまして、その点に関して以下二点ほど簡単に、参考になるようなことを申し上げたいと思っております。
 第一点は、エネルギー問題というのは非常に大げさに言いますと文明論的な視点を持っているということであります。これは例えば十八世紀から始まりました産業革命が、例えばワットの蒸気機関の発明でありますとか、それから十九世紀後半のオットーによる内燃機関の発明でありますとか、それから電気、磁気革命といったようなことがすべてエネルギー源の利用可能性を開くに至っだということをお考えになれば明らかだろうと思います。
 したがいまして、その工業化もしくは経済発展ということとエネルギーの需給ということは非常に大きな関連を持つわけでありまして、こういった意味からいいますと、エネルギー論争というのはどういう基本視点に立つかということが極めて重要になってくるわけであります。
 例えば、私はソフト・エネルギー・パスという形で進んでいくのがいいと思っておりますけれども、現状はこれに対してハード・エネルギー・パスという形で進んでいくわけであります。こういった点で基本的な論点をまず正確に論議していく必要があるというのが第一点であります。
 それから第二点は、政府見通しはそれなりの意味があるわけでありますけれども、民間側からなるべく論理構造の明確な、つまりモデル等を用いた代替的なエネルギー需給見通しをぜひつくっていく必要があるということであります。
 例えばマクロの経済見通していいますと、企画庁がお出しになる、これに対して民間では日本経済研究センターでありますとか、それから各銀行、証券等が代替的な見通しをお出しになって、それによって例えば成長率論争や貿易をどうやっていくかということの検討が行われるわけでありますが、残念ながら日本の場合、そういった政府のエネルギー需給見通しに代替すべきような見通しがこれまではつくられてこなかったというのが現状であります。御承知のとおり、エネルギー経済研究所が幾つかの研究をなさっておられますけれども、エネルギー経済研究所のスタッフが政府エネルギー需給見通しに強くかかわっておられることは周知のとおりでありまして、そういった意味ではエネルギー経済研究所の見通しというのは代替的な見通しとはある意味では言えないという感じがするわけであります。
 一九八五年三月、先月に日本経済研究センターで「一九九五年のエネルギー需給予測」というものが出されましたけれども、そこではかなり政府見通しとは違った内容が出ております。以下、それについて若干御説明したいと思っております。
 五ページ目をごらんください。この見通しは主に計量型モデルによってつくられたものでありまして、まず石油価格モデル、国際石油価格がどうなるかといったモデルが一つあって、それから特に世界のエネルギー需給に関しましてはアメリカ経済の動向というのが非常に重要でございますので、アメリカ経済のモデルがある。こういったようなことから、石油価格とかアメリカ経済がどうなるか、アメリカの金利がどうなるかということを入れまして日本経済のマクロモデルが動く。日本のマクロモデルが動くと、それから最終需要等が出てきますとそれが、産業連関表という産業構造を検討する表がございますけれども、その中に入って各産業別の産出高が出てくるという形にな
ります。これを利用することによって産業用のエネルギー需要、特に産業用の場合には鉄鋼産業、化学産業、紙パルプ、それから窯業、土石――セメントとかガラスですね、こういった産業がエネルギーを大変使うわけでありますけれども、こういった産業の需要構造が出てくるということになります。
 他方、そういったことを参考にしながら運輸用のエネルギー需要ですね、自動車のガソリン需要でありますとか、飛行機のエネルギー需要、鉄道のエネルギー需要といったものがその横で出てくる。さらに家庭とか業務用、ビルで使ったようなエネルギー需要というのは以上のようなことを参考にしながら家庭用、業務用エネルギー需要という形で需要が出てまいりました。こうして産業、運輸、民生用のエネルギー需要が出てきますと、それが最終エネルギー需要マトリックスという形に、用途別、エネルギー種別になってきますけれども、それを一次供給転換モデルというのに入れてやります。つまり、一次エネルギー換算するとどうなるかということが出てくるわけであります。この場合に再生可能エネルギー、太陽でありますとか、風力、水力、こういったものがどの程度可能性があるか、それから省エネルギーがどの程度可能性があるかということがさらに検討されるわけであります。
 そうして一次エネルギー供給が出てくると、これがさらに石油価格モデルに戻ってまいります。一番上のモデルに戻ってまいります。なぜ戻るかというと、日本は世界のエネルギー、特に石油貿易市場においてはかなりのシェアを占めておりまして、日本のエネルギー需要がどうなるかによって実は石油価格が非常に大きく振れてくる可能性があるからであります。
 こうした一つの流れの中で需給構造が、一九九五年でございますから十年後の値が出てきているわけでございますが、その簡単な内容が三ページ目と四ページ目に整理してあります。結論といいますのは三番目以下に書いてあるわけでありますけれども、一番目は石油価格は八〇年代後半は下がるけれども、九〇年代になるとまた上がってくる可能性が高い。それに対して世界経済というのは最初高い伸びを示すけれども、後になってインフレが高くなって成長率は低くなってくる。日本経済は八〇年代は四%台で、九〇年代になると二・五%の成長になるというようなことがいろいろ書いてありますけれども、内容は省略しまして、特に代替エネルギー関連で重要だと思われることだけを申し上げますと、四ページ目の七番目というところをごらんいただきたいと思います。
 ここではまず需要を出すと同時に、その需要の温度別分布、つまり質の低い需要と質の高い需要がございまして、その質の低い需要を、例えば家庭用の暖房等に関しましては二十度程度の温度上昇があればよろしいわけですから、何も数千度も温度が上げられるようなエネルギーを使う必要がないわけでありますけれども、そういった温度需要がどう変わるかということを検討しております。この検討によりますと、やはり低温需要、百度以下のエネルギー需要が特に九五年に至ると非常に大きくなってくる、全体の六分の一程度を占めるということが出てまいります。
 そういったことから省エネルギーや再生可能エネルギーの可能性が出てくるわけでありますけれども、この点を勘案して、産業構造の変化、例えば鉄鋼業で申し上げますとこれからは輸入代替化が進んで輸出が非常に困難になるだろう、国内でつくるというかわりに製品輸入がふえてくるだろうといったようなことを考えていきますと、九五年の原油輸入は、産業構造の変化と省エネルギーがかなり進むということを勘案すると、政府見通し程度でおさまる可能性が強い。つまり、代替エネルギーの積極的な開発という方向が一つの政府のお考えでありますけれども、それ以外に産業構造が変わっていく、それから省エネルギーが経済的な市場メカニズムを使うことによって進んでいくということを勘案すれば、石油輸入量はそれほどふえないで済むという答えが、可能性がここで一つ示されているわけであります。
 ちなみに、石油価格の動向等を示してありますのが六ページ目のグラフでありますけれども、ここでは八三年までの実績値、これはドル・バレルでありますけれども、実質価格というのは要するに八三年の値段、インフレを含まない値段ということでありますけれども、これが八八年、九年まで下がって、それからまた九〇年代にかかって上がっていくというのがこのモデルの一つの結果であります。
 それからその下に示してありますのが基準ケースと省エネケースの比較でありますが、基準ケースというのは省エネルギーとか再生可能エネルギーの可能性を余り考えない場合でありますけれども、それを考えた場合どうなるか、石油輸入量がどうなるかということが十の十三乗キロカロリーベースで示してあります。大体九五年で二百二十ぐらいで済むのではないかというのがこの計算であります。
 こういったことを出すためにはどういうことが必要かというのは、例えば七ページ目、八ページ目に出ているわけであります。七ページ目はこれは日本のマクロ経済の主要指標、つまり、国民総支出というのはGNPでありますけれども、これがどう動いていくか、それからその下が賃金、物価、インフレや何かはどう変わっていくか、賃金はどう変わっていくかというような検討がなされているわけであります。
 それからそういったことを前提にして、八ページ目をごらんになると最終需要がどうなるかということがまず上にあるわけでありまして、先ほど申し上げましたように、最終需要ベースで言うと、エネルギーというのは産業で使われるエネルギー、それから運輸、つまり交通部門で使われるエネルギー、それから民生ですね、業務用とか家庭で使われるエネルギー、その他と分かれるわけでありますけれども、八二年と比べると、産業用のシェアが落ちて、運輸用のシェアが若干落ちて、民生用、つまり業務とか家庭で使われるエネルギーがふえるという形になっているというのが上の図であります。
 次が、省エネルギーとか再生可能エネルギーの可能性を考えない場合の原油輸入と石炭輸入の可能性を、八二年実績と九〇年、九五年で示したという形になっているわけであります。
 これはもちろん一例にすぎませんけれども、要するに何が現在必要かというと、一番最初に戻って申し上げたように、枯渇性資源、石油とか石炭等を余り持たなくて需要が非常に大きいというのが日本の特色でございますから、まずその需要特性というのをきちんとつかまえていかなければならない。そのためにはきちんとしたデータを積み上げて、それから論理構造に基づく分析をやっていく必要がある。それに基づいて将来推計を行って、それも政府が一つおやりになり、それから民間側もしくは野党側が一つおやりになって、それの恐らくいろいろ有違い、視点の違いでありますとか考え方の違いもしくは想定の違いが出てくるわけでありましょうから、それに基づいていろいろな建設的なエネルギー論争をしていくことが必要ではないかというのが私の感じでございます。
 どうもありがとうございました。
#6
○委員長(田代由紀男君) ありがとうございました。
 次に、最近における新エネルギー研究開発の現状とその課題について、綿森参考人にお願いいたします。綿森参考人。
#7
○参考人(綿森力君) 新エネルギー総合開発機構の綿森でございます。先生方には日ごろから新エネルギーの研究開発に格別の御理解と御協力をいただいておりますが、本日またこうした機会を与えていただきましたことに対しまして厚く御礼申し上げます。
 本日は、私ども新エネルギー総合開発機構、略してNEDOと言っておりますが、NEDOで進めております新エネルギー研究開発の現状と課題につきまして御報告さしていただきます。
 初めにNEDOの近況でございますが、NED
Oは昭和五十五年十月一日に設立されまして以来、石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律に基づきまして、原子力以外の石油代替エネルギーに関する技術の開発を主要業務といたしております。NEDOの運営上の特長といたしまして、土光委員長以下七名の民間委員から成ります運営委員会が法律の規定に基づいて設置されておりまして、これはNEDOの運営に当たって民間の創意工夫あるいは活力を広く取り入れるようにしてあるわけでございます。
 NEDOの六十年度の予算でございますが、国の厳しい財政事情をよく認識し、重点的かつ効率的な技術開発の実施を基本といたしまして重点課題を厳しく選定してお願いしたところでございますが、おかげさまでNEDOの新エネルギー関係六十年度の予算といたしましては、お手元の資料にございますように、五百九十三億円と五十九年度当初予算を一二%強上回ることとなっております。私ども一同、これまで以上に国の負託にこたえて頑張らねばと気を引き締めているところでございます。
 さて、NEDOの重点テーマの第一は石炭利用技術の開発でございます。石炭は可採年数が恐らくは数百年と長く、また主要な産地がアメリカ、カナダ、オーストラリア、中国などに分散しておりますので、したがいまして将来大量の液体燃料あるいはガス燃料として安定供給が期待できるということで、NEDOといたしましても石炭の液化及びガス化の技術開発には重点的に力を投入しておるところでございます。世界的に見ましても、アメリカ、西ドイツを中心に粘り強く研究開発が続けられているところでございます。
 石炭の液化は、石炭を加熱、加圧の状態で直接あるいは間接に水素を添加して石油と同じような液体にするわけでございますが、現在歴青炭系と褐炭系の二種類の液化技術の開発を進めております。
 まず歴青炭液化についてでございますが、これは幅広い炭種に適合したプロセスの開発を目指しておりまして、これまで研究してきました三つの方式、すなわち溶剤抽出法、直接水添法及びソルボリシス法の三つを統合いたしまして、これまでの成果を生かした新しい方法でありますNEDOL法、これはNEDO式液化法というような意味でございますが、それによりまして石炭の処理量一日二百五十トンのパイロットプラントの研究開発を行っております。
 NEDOLプロセスは水素添加方式を工夫した一段液化方式を採用しておりまして、プロセスが比較的シンプルでありまして適用炭種が広いことのほか、軽質留分の多い製品がたくさん得られる、収率が高いというようなことが特長でありまして、研究開発が計画どおりに成功いたしまするならば、米国、西ドイツなどで開発しております同種のものに比べましてよりすぐれたものになる見込みでございます。既に昨年の十月、パイロットプラントの開発を担当する日本コールオイル株式会社が設立され活動を開始しております。
 次に褐炭液化でございますが、これはオーストラリア・ビクトリア州に大量に賦存する褐炭につきまして、その特性に最も適合した液化技術を開発しようとするものであります。褐炭は特に水分が多く、したがいましてまず脱水工程を置き、一次、二次と二段階の水素添加をすることによりましてガスの発生を抑え、温和な反応条件で液化油が高い収率で得られるプロセスを開発していこうとしておるものであります。乾燥炭の処理量として一日五十トン規模のパイロットプラントをビクトリア州の炭田近くに建設中であります。既に一次水添系の建設は完了し、一部試験運転に入っております。また、引き続き残る二次水添系の工事を行っているところでありまして、完成次第プロセス全体の運転研究に入る予定であります。
 石炭利用技術といたしましてもう一つ重要なものにガス化技術がございます。ガス化は石炭の利用分野の拡大に寄与し、多様な需要に対応できる有力な石油代替エネルギー技術でございます。NEDOで手がけておりますものは、運転研究を行っておりますバイブリッドガス化方式のほかに多目的ガス化技術がございます。これは細かく粉砕した石炭を酸素と一緒に高速で噴射しまして、千四百度以上の高温でガス化するものでありまして、ここで得られるガスは水素や一酸化炭素が多く含まれております。その結果、ガス燃料用以外にもメタノール用あるいは化学合成用などに使用できるものが特徴でございます。現在そのための要素技術の開発を行っております。
 もう一つの石炭ガス化複合サイクル発電技術というのがございます。これは石炭を流動床または噴流床によりましてガス化し、そこで得られたガスをさらに精製した上でガスタービン・蒸気タービン複合サイクルにより発電するものでございます。このために流動床ガス化炉による十万キロワット級の実証プラントの基本設計と、噴流床ガス化炉パイロットプラントに向けて基礎的な検討を現在行っておるわけでございます。
 重点テーマの第二といたしましては、太陽エネルギーの利用がございます。私どもはこの分野におきましては太陽光発電を最も重視しております。これはいわゆる太陽電池を使って太陽の光から直接電気を取り出す方法でありまして、このため太陽電池を安くつくる製造技術とその利用システムの技術を中心に研究開発しております。
 まず太陽電池の低コスト製造技術でございますが、これには結晶系とアモルファス系がありまして、結晶系につきましては、原料でありますシリコンを安価に製造できる技術の開発を行っております。アモルファス系におきましてはシリコンの使用量がずっと少ないのが特徴でございますが、面積の大きいものをつくること、アモルファスの膜を高速でつくること、信頼性の向上などが課題になって現在研究をいたしております。また、太陽電池のパネル、これは太陽電池を所要の個数接続いたしまして取り扱いの便利なように一定の大きさの枠に入れたものをパネルと言っております。このパネルのコストを安くすることも研究いたしております。
 太陽光発電を実用化するためには、太陽電池以外に周辺装置の効率向上あるいはコストダウンなどの総合的なシステム技術の開発が不可欠であります。このためにNEDOといたしましては、学校用、工場用あるいは山間僻地、離島などに使うための独立分散型のシステム、さらに集中配置型の、これは一千キロワットぐらいの規模のものになりますが、そういったもののいろいろの用途に向けた供給システムにつきまして研究開発を行っているところでございます。
 次に燃料電池発電がございます。これは原理といたしましては水の電気分解の逆ということで、水の電気分解では電気を通すことによって水を水素と酸素に分けるわけでございますが、それとは逆に酸素と水素を触媒のもとで電気化学的に反応さして電気を取り出そうというのが燃料電池でございます。実際には水素の供給源として天然ガスあるいはメタノールなどを使っております。この燃料電池は発電効率が高く、騒音も少なく、発電規模の選択が自由で、したがって消費地で立地もでき、さらに熱併給によって一層の高効率を達成するのが特徴でありまして、新しい発電技術となるわけでございます。現在実用化を目指して千キロワット級のパイロットプラントを試作しておりますが、これは燐酸型と呼ばれるものであります。このほか次世代の技術といたしまして溶融炭酸塩型のものがありますが、これは一層高効率が期待できるものでありまして、現在十キロワット級の試作による研究を計画いたしております。
 次に、重点テーマの第三といたしまして地熱エネルギーの開発がございます。
 我が国は世界的にも有数な地熱資源国でありまして、地熱発電の分野においても大いに期待されておりますけれども、現在は二十一万キロワットほどが開発されております。
 現在NEDOが力を入れておりますものはその中のバイナリー発電というのがございます。蒸気とともに出てくる熱水をもあわせて利用するシステムでございまして、その結果発電効率の向上と
利用可能な資源量を拡大するというのが目的であります。現在一万キロワット級のプラントの開発のために基本計画を作成しております。
 このほか大規模深部地熱発電をやっております。新しい局面を迎えて従来の地熱発電が比較的浅い地熱を利用するのに比べまして、この大規模深部地熱は三千メートルから四千メートルといった深部地熱の開発を目的としておりまして、これによって大規模な発電も可能であろうかと想像いたしております。現在環境保全も含めて技術的実証のための調査を実施しておりますが、既に試験的ではありますがかなりの蒸気の噴出を見ております。
 ここでNEDOの事業の海外における展開につきまして紹介さしていただきたいと思います。
 オーストラリアと我が国の間では両国間でエネルギーに関する研究開発協力関係にありまして、先ほど申し上げました褐炭液化につきましては、既に完成の域に近づいておるわけでございます。これ以外に太陽光発電を使った遠隔地電力供給システム――RAPSSと言っておりますが、リモート・エリア・パワー・サプライ、このRAPSSの勉強を今から開始しようとしております。
 また地熱につきましては、IEAの協力の一つといたしまして米国のニューメキシコ州フェントンヒルにおきましてHDR――ホット・ドライ・ロックという高温岩体発電の研究開発を行っております。これは西ドイツも一緒に参加しております。
 そのほか中国煤炭科学研究院とともに日中石炭液化技術の開発をやっておりますし、またアラブ首長国連邦におきましては太陽熱を利用した海水淡水化装置をやっております。
 そのほかインドネシア、マレーシア、タイなどといった発展途上国とともにソーラービレッジ、すなわち村落電化のための太陽光発電システムなどを設置する計画を進めております。
 このように、新エネルギー開発に当たって国際的協力の場面がだんだん多くなってきておりますが、それが我が国のエネルギーセキュリティーに貢献するものになると思うわけであります。今後とも御出席の先生方、関係省庁、関係機関の御指導、御協力をいただきつつ積極的に展開を図っていきたいと思っております。
 本日の報告を終わるに当たりまして、新エネルギー開発の実施をしておる者といたしまして、新エネルギー開発の意義につきまして改めてお願い申し上げておきたいと思います。
 申し上げるまでもなく、我が国の新エネルギー開発は、石油ショック以降国のエネルギー政策の一つとして極めて重要な課題の一つに位置づけられております。これは、新エネルギー開発がエネルギー安全保障に貢献し、エネルギーコストを中長期的かつ構造的に安定化させるとともに、我が国の技術開発を促進し、世界全体のエネルギー供給可能量の拡大にも貢献するからであります。
 新エネルギー開発は、長年使いなれた在来型のエネルギーにかわって、これまで経済的、技術的に利用が困難であった資源をすぐれたエネルギーに転換し、積極的にこれを活用するものでありまして、その意味におきましてエネルギーフロンティアの開発という性格を持っております。したがいまして、エネルギーの石油依存度が官民の努力によりかなりな低減に成功したとはいえ、あれから十年が経過した今でもまだ目標より高い状況にあり、特に主要先進国の中で中東依存度が飛び抜けて高い状態に置かれております我が国におきましては、その供給及びコストの安定性を確保する観点から積極的な開発を継続することが必要であると思います。
 最近のエネルギー情勢を見ますと、石油需給も緩和基調に推移しているようでございますが、中東情勢はまだまだ予断を許す状況ではございませんし、中長期的には石油需給がまた逼迫してくる可能性があるとIEAにおいても指摘されております。
 皆様にも御理解いただいておりますように、新エネルギーの技術開発には長いリードタイムが必要でありまして、中長期的な観点に立ってこれを実施することが求められております。したがいまして、我が国のエネルギー供給の過半を占めます石油の需給や価格が比較的安定している今こそ実用化の準備を着実に進めることが必要であろうかと存じます。短期的な市場の動向に左右されてはなりません。さらに技術の特性といたしまして、一たんこれを中断するようなことにでもなれば、今まで投入されました研究費や貴重なマンパワーやノーハウが散逸してしまい、再び復活することは非常に困難であることを忘れてはなりません。
 私どもNEDOといたしましては、今後ともプロジェクトの重点的な選別に十分配慮しつつ、中長期的な観点から、計画的かつ着実に腰を据えて開発を進めてまいる所存であります。
 御出席の先生方におかれましても、引き続き格別の御理解と御支援を賜りますようお願い申し上げまして本日の報告を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#8
○委員長(田代由紀男君) どうもありがとうございました。
 以上で参考人からの意見聴取を終わります。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は委員長の許可を得て順次御発言願います。
#9
○菅野久光君 時間の関係もございますので、お三人の方にそれぞれ御質問を申し上げたいと思います。
 大変お忙しいところ、本当に貴重な御意見をいただきまして感謝を申し上げたいというふうに思います。
 質問事項をそれぞれお三人に前もって申し上げて、後順次門田参考人の方からお答えをいただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事沖外夫君着席〕
 最初に門田参考人にお聞きしたいことは、先ほどもお話がありましたように、石油代替エネルギーの中でやっぱり石炭の持つウエートが非常に大きいということで、これは国内炭はもちろんのこと、海外炭の果たす役割が非常に大きいというふうに思うんです。日本の企業も主要産炭国でそれぞれ石炭を確保するためにいろいろな努力をなさっております。現状では何かお聞きいたしますと、一九九〇年ごろまでの必要石炭量を手当て済みであるというふうに伺っておりますが、国際石油情勢が緩和基調で推移している現在、海外炭をめぐる環境がどのように変化しているのかどうか、その辺をお伺いをいたしたいと思います。
 重ねて、ユーザーとしての立場から所見を述べていただきたいというふうに思いますが、電源開発株式会社は石炭火力の面で重要な地位をも占めておられて、海外炭を初め国内炭も相当量引き取っていただいているわけです。国内炭の大きな問題は、何といっても価格面で海外炭に比べて非常に不利な状況にあるわけですね。この貴重な国内石炭資源の活用も一つ重要な課題だというふうに思うわけですが、通産省の方で第八次石炭対策に向けて検討を進める段階だというふうに思っておりますが、ユーザーとして、その国内炭と海外炭の問題についての御所見をお伺いいたしたいというふうに思います。
 それから室田参考人にお尋ねいたしたいのは、エネルギー政策を展開する場合に、エネルギー需給の長期見通しをどう予測するかがキーポイントになると、これは先ほどのお話にいろいろございました。
 先生は従前から、将来の日本のエネルギー問題について、多様な将来像があって、それらをめぐって活発な政策論争が行われるべきであるというふうに考え方を示しておられますし、また先ほどもそういうお話がございました。
 五十八年の十一月に改定された政府の総合エネルギー調査会の長期エネルギー需給見通しの中で、例えば、昭和七十年度において石油依存率を四八%にまで低下させることをここでは目標にしております。これは石油代替エネルギーの導入や省エネルギーによって実現されるというふうに思いますが、この辺の政府見通し、あるいは石油代
替エネルギーの将来像についての先生の見解をお伺いをいたしたいというふうに思います。
 さらに、先生は、今後の日本の社会構造の変化に合致するエネルギー戦略としてのソフト・エネルギー・パスの重要性を多くの著書の中で論じておられます。例えば、政府の長期エネルギー需給見通しては、今後のエネルギー需要増の多くは、石炭、原子力及び省エネルギーの推進によって賄うこととされております。しかし現状は、太陽とかあるいは風力、バイオマス等の再生可能エネルギーのシェアは本当に小さいんですね。エネルギー問題は、社会構造全体を見てその戦略を立てるべきだということが先生の主張かというふうに思うわけですが、具体的にはどのような方法でそれを実現していくべきと考えておられるのか、それをお伺いいたしたいと思います。
 最後に綿森参考人には、NEDOの重要なプロジェクトの一つであります石炭の液化の問題、先ほどいろいろお話がございましたが、現在、歴青炭の液化と褐炭液化技術の開発が実施中で、エネルギー研究開発基本計画においても「加速的推進を図る」というふうにこれは位置づけられておりますが、その二つのプロジェクトの研究開発にあと何年ぐらいかかるのか、また、技術開発が終了した後の実際の導入についてどのような考えをお持ちかお伺いいたしたいと思います。
 そしてまた、その研究開発を行う場合には、どこでもそうだというふうに思いますが、何といっても所要資金の確保が大きな問題だというふうに思います。それで、現在の予算の枠組みではなかなか所要資金の確保が容易ではない、しかし、NEDOの研究は、民間企業ではなかなか着手できないそういう困難なものを手がけておられるということを考えれば、これはもう民間活力の活用もなかなかすんなりいかないというのが本音かと思いますが、この点について何かアイデア、あるいは技術者としての要望があればお伺いをしたいというふうに思います。
 何かきょう実は中国の彭真人代委員長がおいでで、四十分過ぎにはこの委員会を一応終えたいというような希望もございますので、ひとつ要点でお答えいただければ大変ありがたいというふうに思います。
#10
○参考人(門田正三君) ただいま電源開発では大分石炭を使っているようだがという御指摘がございました。確かに私の方は現在石炭火力が約三百五十万キロでございまして、日本の一般炭需要の約四分の一を電源開発が石炭を使っておるわけでございます。
 その石炭の内訳でございますが、国内炭が大体三百三十万程度、それで海外炭が三百八十万程度でございまして、もともとこの国内炭の四十年代初めに当たって国内炭消化のために電源開発会社がまず率先をいたしまして三カ所の揚げ地火力発電所をつくったわけでございます。今日もその国内炭消化のために懸命の努力をいたしております。と同時に、その後はやはり日本の国内炭出炭の規模というものと見合いまして海外炭によらざるを得ないということで、現在百七十万キロの火力発電所、長崎県の松島、それから広島の竹原の三号というので百七十万キロを海外炭の消化先として立地し、運転をいたしておるわけであります。
 問題は、御指摘のように現在国内炭価格と海外炭価格との間におきましてはどうしても七、八千円の格差がございます。この点はしかし、やはり国策の会社として、また国内炭消化という観点から三百三十万トン前後を消化し、恐らく六十年度におきましては海外炭がもう少しふえまして四百万トンを超すだろうとかように存じております。私も実はIEAの石炭産業諮問委員会、CIABという諮問委員会がございまして、日曜日の夜その会議から帰ってまいったわけでございますが、どういたしましても海外炭も現在、先ほど室田参考人もおっしゃいましたような石炭フィーバーの影響で非常に開発が進んだわけでございます。したがって、石炭が世界的に今荷もたれを起こしておる。したがって、いかにしてこのIEAの戦略としてもう少し石炭需要の開発を進めるかという問題がございますし、また日本が過大な需要を見積もったではないかという潜在的な意識もないわけではないと、かように思っておりますが、経済合理性をどう追求するかということがやはり石炭需要の拡大におけるところの中心的な課題であるということを私は客観的に、消費国代表で出ているわけではございませんけれども、そういう議論を展開するわけでございますが、何と申しましてもやはり石炭産炭国においてこの格差の問題は潜在的に産炭国側の委員の根にあることは事実だと、かように思っておりますが、ただ問題はただ単にそれは産炭国側のものにおきましてもやはりこのコールフィーバーを中心といたしましてコールチェーン全体にもう少し合理化の余地があるじゃないかという私は議論を展開をいたしておるわけでありまして、これは産炭者側における生産性の向上、もしくはコールチェーン全体にかかわる内陸輸送の問題、ロイヤリティー、タックスの問題、あるいはフレートの問題、その他においてもやはり石炭フィーバーの時代の遺物が残っておる。したがって、その合理化を通じて需要の拡大に貸すべきである。また、品質の管理を図るべきであるという議論をよくやってまいるわけでありますが、
   〔理事沖外夫君退席、委員長着席〕
そういうところに何がしかのやはり今後の石炭拡大への内外格差という問題もないわけではないという気がいたしておるのが実態でございまして、第八次石炭鉱業審議会の委員として、私もこういう点で今後の石炭需要の拡大を図りながら、一方においていかに内外を通じて合理化に進んでいくかという問題は一つの課題だと、かように存じております。
 お答えになりましたか、もしあれでございましたらさらに補足を申し上げます。
#11
○参考人(室田泰弘君) 二点ほどお答えしたいと思います。
 日本経済研究センターの作業は、私が中心になってまとめましたものですから、その数字に基づいて申し上げたいと思います。
 政府のエネ調見通しとの違いを幾つかの点で申し上げますと、例えば石炭でありますとエネ調見通しは――長期需給見通しのことでございますが、九五年で一億二千八百万トンぐらいを考えておりますけれども、これを一〇〇といたしますと今回の見通しては九五年で七六ぐらいになっております。それから、石油輸入量は九五年二・五億キロリットルというのがエネ調見通しでありますけれども、ここではそれの大体九五%ぐらい、それより下回る値になっております。それから、再生可能エネルギーは、これは万キロリットルで千百十万キロリットル程度が九五年で想定されておりますけれども、ここではそれの三分の一でございます。再生可能エネルギーがやや小さいのはどういうことかといいますと、私どもはこれを一つ一つ、例えば産業用の低温熱に関してはゼロから百度以下ではその平板コレクター、プラス蓄熱槽これを一九九〇年で百万平米であるのに対して九五年で三百万平米でありますとか、産業用の電力の場合には太陽電池を九〇年で三十万キロワット、九五年で五百万キロワット、それから民生用の例えば給湯の五十度以下の熱の場合には、太陽熱温水器を九〇年で六百万基、それから九五年で九百万基といったような具体的な想定をしておりますけれども、どうしても展開に時間がかかるものですから九五年までは逆にそれほど伸びないであろう。ただし、二〇〇〇年以降になると非常に大きく再生可能エネルギーが中心を占めてくるだろうということを考えておる次第であります。したがいまして、政府見通しとの違いは、需要の規模が政府見通しは依然としてふえていくということに対して、この場合にはもう九〇年以降は横ばいである。それから中身が代替エネルギーが中心になるのか、それとも石油系が中心になるのか、それからなぜ横ばいになるかというと、省エネルギーと市場メカニズムを通じた産業構造の変化によるところが大きいという点であります。
 それから第二点、ソフトパスに関してでありますけれども、いろいろな議論があり得るわけですけれども、私どもがこの作業を通じて感じましたことは、どうも現在はある意味では石油文明といいますか、石油が中心の時代でございますけれども、それからどうも二〇〇〇年以降二〇〇五年から一〇年になると一挙に再生可能エネルギー、省エネルギーの時代に日本の場合には少なくとも入っていく可能性が強いということでございます。一応簡単にお答え申し上げました。
#12
○参考人(綿森力君) 石炭液化につきましては、オーストラリアでやっております褐炭の液化、これがあと一、二年ほどで装置が完了いたしますので、一九八六年ごろには完了する。それから運転研究をやりまして、それからそのデータを見てオーストラリア政府と打ち合わせをするという段階になるかと思います。
 それから歴青炭液化につきましては、昨年から始めまして九年間のプロジェクトでございますので、大体一九九三、四年ごろまでかかります。そして、それから成果を見て動き出す。こう見ますと、褐炭も歴青炭もいずれも大体二〇〇〇年というものを一つのイメージに置いております。二〇〇〇年というのが絶対正しいかどうかというのは私たちでもとてもわかりませんけれども、石油資源というものが既に賦存量が限定されておりますし、その需要量のバランスはいつか限界に来る。その限界がいつであろうかということはわからないにしても、二〇〇〇年を越した早い年度に来るであろう、こう思われております。したがいまして、アメリカのDOEでも二一〇〇年までのエネルギーの開発政策を早くつくって公表し、国民の意識の啓発や産業界の開発意識を向上さすようにプッシュしておると、こう聞いておりますが、そういう意味からやはり二〇〇〇年というものを一つの対象としてやっていきますと、現在やっておる褐炭の液化それから歴青炭の液化も、もうぎりぎり何とか間に合う時期に入っておる。したがって、これを上手にまとめていきたい、こういうように考えております。
 それから、研究に非常にたくさんの金がかかります。これにつきましては、NEDOの新エネルギー技術開発の資金は石特会計及び電特会計からいただいておりますが、双方とも、資金需要につきましては今後とも厳しく対処されるものと思っております。NEDOといたしましても、現在実施されておりますプロジェクトについて適切な評価を行いながら、プロジェクトの重点化、開発化、効率化を考えて、限られた資金の中で可能な限り有効な行動をとることがNEDOの使命であろう、こういうように考えております。
 NEDOが現在手がけておりますプロジェクトの中で、資金的にも、技術的にも、すべてがリスキーなものがありまして、直ちにこれを民間の企業に移すことは困難だと思います。したがいまして、こういうものの資金といたしましては、やはり国の予算を確保していただく以外にない、こう存じておりまして厳しい財政状況の下ではありますけれども、所要資金の確保につきまして特別の御高配を賜りたいと存じております。
#13
○小笠原貞子君 NEDOの綿森さんに伺いたいと思うんです。
 今、石炭液化の方は二〇〇〇年目標というふうに伺ったんですけれども、同じく太陽光発電それから燃料電池発電というのは、どれくらいの開発期間を考えていらして、いつごろから――いつごろからといいますのは、コスト問題も含めて実用化に供されるというのはいつごろからというふうに見られるのかということを伺いたいんです。さっき石炭液化の方で二〇〇〇年とおっしゃったんですけれども、あれも、コスト面も含めて実用化という点で二〇〇〇年というふうに見てよろしいわけですか。その点三つの問題について伺いたいんです。それぞれ、今、石炭とそれから太陽光、燃料電池、この三つが重点のうちのまた重点だろうと思って伺っているわけですけれども、これで現在の日本の、何といいますか、経済活動の中でどれくらいの位置を占められるというふうな予測を持っていらっしゃるのかということについてまず第一点伺って、そして――一つずつにしましょうか。じゃ、まずそれを伺いましょう。その次にもう一つあります。
#14
○参考人(綿森力君) 太陽光発電、これにつきましては、私は、分散型のエネルギー源としてもう既に実用化されていると思うんです、じわじわとですね、非常に少ないけれども。そしてこれがだんだんと伸びてくるわけでございますが、私どもの今考えておりますのは、過去十年間におきまして、太陽光発電の太陽電池の値段は、ワット当たり三万円から現在千五百円ぐらいのところになっております。これをあと三年ぐらいたちますと五百円にまで持っていけるという見通しがついておりますので、五百円まで持っていきますと、離島だとか山だとか、僻地においてはもう十分ペイするところに入ってまいります。そしてこれがワット百円になりますと、これはもう現在のどの発電技術とも対抗できる値段になります。しかし、これにいくにはやはり二〇〇〇年ぐらいまでかかるのではないか、こういうように思っております。したがいまして、しかもこれは分散型でじわっと伸びていくものでございますから、太陽光発電の百万キロワット発電所ができるというようなことはまずありません。民生の方から、あるいは家庭の方からだんだんと入っていくものだ、こういうように存じております。
 それから、燃料電池につきましても、現在非常にまだ高いわけでございますが、これも、今つくっております燐酸型の燃料電池、これにつきましては、大体キロワット二十万円ぐらいが実現できますと火力に匹敵できるというところになります。キロワット二十万円が大体できるのはいつごろかということでございますが、私たちの考え方では、一九九五年ごろだ、こういうように考えております。この燐酸型ができた後で先ほど言いました溶融炭酸塩というようなもののより効率なものの方に移っていくのではないか。しかし、炭酸塩ができたら燐酸型がなくなるかというものでもない。こういうように、まだよくわかりません。
 それから、二〇〇〇年のときをもって石炭液化の値段がバランスするかどうかということでございますが、これは、私どもは、先ほどちょっと申し上げましたように、二〇〇〇年において爆発的に石炭の液化というものが急に必要になるとも思ってないんです。しかしながら、先ほど言いましたように、いつかは需要が石油資源の賦存量を超すところが参りますし、そういうところになってきますと、従来の長期需給見通したとか何かは、経済的な一般的見通しとして世の中で考えられております代謝的な変化、いわゆる延長線上の変化、英語でメタボリック、こう言うんだそうですが、メタボリックな変化で計算ができるわけでございます。今やっております長期需給見通しなんかもメタボリックなんです。ところが、ここで一たんバランスが少しでも悪くなってきますと、それは、既に石油危機のときに起こりましたように、変態的な変化が起こるわけでございまして、これをメタモルフィック、こう言うんだそうでございますが、これは蚕がガに変わるというように、変態ですね、これをメタモルフィックな変化、こう言いますが、このメタモルフィックな変化がどこかで起こるだろう。この起こる前に私たちは石炭液化の技術を必ず持っておかねばならないというので、二〇〇〇年は少し早いかもしれませんけれども、DOEなどで指摘しておりますのも、二〇一〇年までの予想を立てろ、こう言っておりますので、その辺であるとすれば今やっておいても決して早過ぎるとは思っておりません。
#15
○小笠原貞子君 もう一つ、済みません。
 太陽熱発電、私は四国の仁尾で見たあの一回しかないんですよね。それで、今、分散型の家庭とか集落型のは実用化しているとおっしゃいましたけれども、それはコスト的にも賄えるような一般的な実用化になっているのか……
#16
○参考人(綿森力君) いや、局部的でございます。
#17
○小笠原貞子君 局部的、実験的という意味ですか。
#18
○参考人(綿森力君) 例えば、京都の鴨川のあたりにぼんぼりがついておりますね、太陽光の。それから中国の西安の公園に行きますとやはり日本の太陽光のぼんぼりがついております。これはペイするわけではございませんけれども、ペイラインに近づいてきておるわけでございますし、それからインスツルメントでございますが、いわゆる計算機ですね、これはもう十分に実用化されております。ですから、そういう意味で徐々に実用化の中に入ってくるであろう。そして、ちょうどイソップ物語で、アリとトラがけんかして、わずか一匹のアリだと思ってたら何百匹となってきて大きなトラをやっつけたというのがありますけれども、そのように、この太陽電池というのは民生の方からじわっと入ってきて大きな力になるものであろうかと、こういうように存じております。
#19
○小笠原貞子君 この新エネルギーというのはとっても夢がありますのよね、私たちが考えても。だけど、夢だけじゃ済まないんで、予算を見ましても相当な予算がついているということで、夢の方はぼんぼりなどと楽しい話になったんだけれども、今度国内を見ますと、今日本の石炭が二千万トン体制と言っていたけれども、いろいろ事故があって、きょうも何か高島で発火して、もう十人死者というようなことで、国内の石炭を見ますと物すごく厳しい状態ですよね。その国内炭に対して、例えば液化の場合だとか、そういう問題も国内炭もあわせて考えていらっしゃるのかということですね。
 それからもう一つは、ここの中に内外の石炭資源の賦存状況調査というのがございまして、御調査なすっていらっしゃると思うんですけれども、私北海道なんですけれども、三井砂川とか幌内とか真谷地というようなのがもう非常に今このまんまでは大変だというような問題になっておりますので、この賦存調査の中で、北海道の場合の御調査がございましたら、どういうふうな調査であったかということを伺わせていただきたいと、そう思います。
#20
○参考人(綿森力君) 石炭液化につきましては、国内炭は考えておりません。言葉が足りませんでしたけれども、褐炭にいたしましても歴青炭にいたしましても日本には適当な石炭がありませんので、最も液化しやすい褐炭、最も液化しやすい歴青炭を選べる特徴があります。それについて研究しておるものであって、どの褐炭もとの歴青炭も皆液化しようとするものではございません。ですから、特定のものについて液化をする。だから安くできる。それで、液化しにくいものは燃せばいいんです。そういうわけでございます。
 それから、最後に御質問のありました北海道の探鉱でございますが、現在北海道につきましては陸域部を四カ所と海域部を一カ所調査いたしております。そして、陸域部でやっておりますのは新城地区と北芦別地区という二カ所、もうこれは研究が終わっております。しかし、言葉少なく言いますと、新城地区は基盤が非常に隆起が激しくてだめでございました。それから北芦別地区は、大きな断層が割れておりまして、これも非常に小規模の探鉱になっておりました。それで、それ以外に現在やっております北陽地区と留真地区、これにつきましては現在調査結果をまとめておるところでございますが、これにはある程度の希望が持てると、こういうように考えております。
 それから、海域地区につきましては釧路沖の研究をやっておりますが、これも非常に有望な土地であろうか、こういうように考えております。
#21
○梶原敬義君 一つだけいいですか。門田参考人が先ほど水力発電のコストが高いと、こういうお話がちょっとありましたけれども、これは改めてダムをつくって発電所をつくるという場合のことを意味しているのか、既存の水力発電もひっくるめて言われておるのか、そこのところをちょっと。
#22
○参考人(門田正三君) 私がコストが高くなると申し上げましたのは、新規の分を申しておるわけでございます。
 と申しますことは、どうしても既存のものは、もう既に償却が進んでまいりますと、燃料費に当たるべき水はただに等しい。ただではございませんけれども、ただに等しくなる。これは公租公課がつきますし、その他がかかりますからただではございませんが、安くなっていくのは事実でございまして、長期的にやはり水力資源が将来の自給エネルギーとして望ましい、かように存じます。
 ただ、新規地点と申しますと大体二百七十カ所ぐらいございますが、それで許される電力量は恐らく二千万キロワット、一カ地点一万キロ以下だろうというふうに考えられます。もちろん揚水地点も二十二カ所、八百八十万程度のことは予想されておるわけでございますが、どうしても規模が小さくなる。あるいはまた揚水発電になってまいりますとやはりキロワットアワー当たり高くなる。それから小単位のものはやはり電力量もないが同時にやはり建設コストが高くなる、したがって高くなるというわけでございますが、やはり小水力といえどもできるだけこれを経済的につくる新しい工法設計を開発することは一つの大きな課題だ、かように存じております。したがって、今までつくったような大きな工法をやるんではなくして、いかに簡易なその地点に合う建設費の安い建設をするかということに私自身――私の会社がもともと水力開発を主体として興った会社でございますから、そういうことに取っ組んでまいりたい、かように考えておりますが、いずれにいたしましても初期段階が特に高くつくわけでございますが、そういう点で今後の小水力開発についても何がしかの国の助成策が、今までもおやりいただいておりますけれども、お願いできれば幸せである、かようなふうに考えております。
#23
○委員長(田代由紀男君) 以上で参考人に対する質疑は終わりました。
 もっとお聞きしたいのでありますが、高島炭鉱の災害が起きましたので、門田参考人なども関係がありますから、これについて対策を打ち合わせしたいと思いますので、以上で終わります。
 参考人の方には、お忙しい中を本委員会に御出席いただきましてまことにありがとうございました。ただいまお述べいただきました御意見等につきましては、今後の調査の参考にしたいと存じます。委員会を代表して厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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