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1984/06/14 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 エネルギー対策特別委員会 第10号
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1984/06/14 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 エネルギー対策特別委員会 第10号

#1
第102回国会 エネルギー対策特別委員会 第10号
昭和六十年六月十四日(金曜日)
   午後一時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月五日
    辞任         補欠選任
     対馬 孝且君     小柳  勇君
 六月十四日
    辞任         補欠選任
     赤桐  操君     対馬 孝且君
     藤原 房雄君     中野 鉄造君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         田代由紀男君
    理 事
                夏目 忠雄君
                菅野 久光君
                太田 淳夫君
    委 員
                岡野  裕君
                宮島  滉君
                吉川 芳男君
                梶原 敬義君
                中野 鉄造君
                小笠原貞子君
                野末 陳平君
   事務局側
       常任委員会専門  野村 静二君
       員
   参考人
       東京大学名誉教  大島 恵一君
       授
       群馬大学長    小野  周君
       株式会社東芝電  荻本 和男君
       力事業部技監
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○エネルギー対策樹立に関する調査
 (新エネルギー利用技術の研究開発の現状と実
 用化の見通しに関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(田代由紀男君) ただいまからエネルギー対策特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、藤原房雄君及び赤桐操君が委員を辞任され、その補欠として中野鉄造君及び対馬孝且君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(田代由紀男君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 エネルギー対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に参考人として東京大学名誉教授大島恵一君、群馬大学長小野周君及び株式会社東芝電力事業部技監荻本和男君の出席を求め、その意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(田代由紀男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(田代由紀男君) エネルギー対策樹立に関する調査を議題といたします。
 この際、参考人の方に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は御多忙中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。
 新エネルギー利用技術の研究開発の現状と実用化の見通しについて、各参考人から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の参考にしたいと存じます。
 また、議事の進め方といたしましては、まず二十分程度それぞれ意見をお述べいただきまして、その後一時間程度委員の質疑にお答えいただく方法で進めてまいりたいと存じます。よろしくお願いします。
 それでは、まず大島参考人からお願いいたします。大島参考人。
#6
○参考人(大島恵一君) 大島でございます。
 それでは、私「新エネルギー研究開発の展望」ということで申し上げたいと思います。
 新エネルギーと申しますと、私どもの理解では太陽とか地熱、バイオマス、石炭のガス化、液化なども入っておりますけれども、今までのエネルギーの大宗である石油、それから石炭あるいは原子力というものに対してそういったエネルギーが呼ばれているわけですが、実は御承知のとおり、この新エネルギーの研究開発は、十年前の一九七三年の石油危機を契機といたしまして、我が国ではサンシャイン計画を中心として進められてきたわけです。その当時の目的は、長期的な石油代替とそれから供給の安定ということを目的にしていたわけでございます。ところが、今日になって、十年経過したときになってみますと、実は石油代替の方は原子力、石炭を中心として急速に進行をしておりますし、また技術開発における省エネルギーの問題あるいは産業構造の転換というようなことがございまして、実際に経済成長に対するエネルギー供給の弾性値と申しますか、経済成長の伸びとエネルギーの伸びを見ますと、今までは大変相関があったわけですが、石油危機以後、特に一九七八年の第二次石油ショック以後は急速にその間が離れている、すなわちエネルギーの消費が減っても経済が伸びるというような形になっております。
 そしてまた、石油の供給も最近OPECが値下げなど言っておりますようにかなり過剰気味になっている。そういうような状況を考えてみますと、新エネルギーというものは今までの最初の目的だった量の面で石油代替をするという役割は、現在必ずしも、ここ当分の間はそれほど重要でないという考え方ができるわけでございます。実際にまた、将来の新エネルギー供給というものの国のエネルギー供給計画の中で見ましても、それほど、せいぜいたしか私の記憶が正しければ一九九〇年か九五年ぐらいで数%といったところではなかったかと思いますが、いずれにしろそれほど大きくない、そういうような状況でございます。
 しかし、今度研究開発という面でこの十年間の成果を振り返ってみますと、非常に重要な点は、実は新エネルギーの研究開発は今の量の面で石油代替を目指してスタートしたのではございますけれども、実はエネルギー供給の質の面で非常に大きな変化をもたらしてきているということが言えるわけです。すなわち、今までの大量の石炭とか石油とか原子力という一つのエネルギーに依存していた形が、新エネルギー開発ということが成功して、現在技術的な発展を見ますと、それが非常に多様化にできる、またいろんな点で新しい道が開かれてきた。そういう意味で私はこの新エネルギーの研究開発というものは、十年前のいわゆる石油危機のいわば緊急退避と申しますか、危機管理的な意味での研究、その役割から、実は二十一世紀に向けての新しいエネルギー供給の姿を描き出す一つの非常に重要な役割を果たしてきているのだと思うわけです。その意味で、私はここで新エネルギーの研究開発の戦略と申しますかストラテジーというものが新しい展開をする必要があるということをきょう申し述べたいと思うわけでございます。
 ちょっとメモを差し上げましたけれども、まず第一に指摘できることは、ここにございますように「新エネルギー研究開発と技術革新」という関係でございます。今、十年の間のこの研究開発の成果を見ますと、実は単にエネルギーを量的に供給するのではなくて、非常に大きな技術革新が幾つかの面で見られているわけです。
 例えば最も顕著なのは太陽光発電でございまして、アモルファスの光電池というものができている。隣に小野先生、物理の専門家でございますけれども、私が小野先生あたりの理論を昔伺っていたころは、実は結晶でないと光発電というか光電効果はないというふうにたしか勉強したと思うんです。アモルファスは本来理論的に光電効果を持たない、後で先生何かおっしゃるかもしれませんが。ところが、それが実は最も重要な光発電のバッテリーをつくる、アモルファス電池ができ始め、しかもそれが御承知のように計算機に使われたり、あるいはもう既に実用化といいますか、エネルギー供給という意味ではなくて、一つの機能として実用化している。こういうことは、実はサンシャイン計画をスタートしたときにはほとんど期待しなかったと申しますか、少なくとも計画の中ではそういう効果は考えていなかったんだと私は思うわけでございます。
 これは例えばバイオマスに関して言いましても、バイオテクノロジー、例えば新しい遺伝子工学の利用によって非常に新しいバイオマスの効率の高いガス化のエンチームができるとかというようなことができているようでございますし、また燃料電池の新触媒とか、そういったものがいろいろあるわけでございます。
 しかも、大体過去十年間この新エネルギー開発をやった時期というのは、実はほかの産業全体の中での新しい技術革新の波の時期でございまして、この間マイクロエレクトロニクス、新素材、バイオテクノロジーその他が非常に大きな産業構造の変化あるいは技術の変化をもたらしてきたときでございます。この点が私は今後の新エネルギー研究開発の問題を考えるに当たって一つの大変重要な点ではないか。
 それから、第二の点は、そこにございますエネルギー需給の多様化ということが言われます。最初に申しましたように、例えば電力にいたしましても、経済成長と電力の伸びというのはここのところある程度乖離が起こっておりまして、まあ将来の電力の供給というのは、実は量の問題ではなくて、例えば需要の変動にどう対応するかといったような問題、また産業用でも民生用でも停電がない、無停電だと、あるいは周波数が安定しているといったような、大変エネルギー供給の質の問題が重要になってきているわけでございます。
 これは、例えば今申しましたような、今まで一色のエネルギーであれば、豊富低廉であればいいということだったわけですが、実はそうではなくて、値段が高くても非常に質のいい電力が必要だという、例えばコンピューターを動かしているとか、そういうようなものはそういう点が非常に重要になってきているわけです。
 また、一方、電力に関して言いましても、送配電の費用というものが非常に大きくなってきている。すなわち、大型集中発電所という原子力、石油火力といったものは、それ自身においては低廉であるかもしれませんが、今の例えば環境問題あるいは送電線、特に都市の中における、今ケーブルを地下ケーブルにするというような問題、そういった社会的要請というものを考えますと、今後ますます配送電費というものが高まってくるということが考えられるわけであります。
 家庭用の電力とそれから産業用の電力というものはおのずから違った形で考えられるべきだというようなことになると思います。
 それから、例えば今までは電力なら電力、熱は熱というようなことであったのが、いわゆるコゼネレーションというような形で、熱と電力両方を供給するというようなシステムが出てまいりましたし、また廃熱の利用によるエネルギー供給、さらにはローカルエネルギーと申しますか、地域そのもので独特のエネルギー供給というものをするというようなこと。それから、あるいは運輸用のエネルギーにおいてもガスタービンを使うとかあるいは電力によって走るものとか、そういうような形で非常にエネルギーの供給が多様化してきている。これは必ずしもエネルギーだけではございませんで、産業もそれから生活もいろんな意味で多様化ということが起こっておりますが、この点が一つの将来の重要な問題点といいますか、方向ではないかと。
 それから、三番目に、新エネルギー開発というものを考えますと、非常に一つの大きなポイントは、今までの資源集約といいますか、資源によってエネルギー供給が制約されていたのが技術集約、技術によって供給が左右される。
 簡単に申しますと、例えば原子力の場合に、既にそれが起こっておりまして、原子力発電の場合は、実際の天然ウランのコストというのは発電原価の一〇%以下でございますが、石油火力になりますとこれが六〇%ぐらいになります。ですから、石油価格の変動というものは非常に大きく発電原価に響きますが、原子力の場合には天然ウランが数倍になってもそれほど大きな変化がないとか、あるいは供給における供給安定性の問題でも、百万キロワットの発電所で二百万キロリッターぐらいの重油を必要とするのに、原子力の場合では三十トンぐらいの然料で済むというような非常に供給の安定もできる。
 これは原子力の場合もそうですが、実は新エネルギーはすべてそういう性格を持っているわけでございまして、例えば太陽エネルギーというのは、太陽の資源というのはほとんど無限に地球上に注いでいる。これをどうやってエネルギーにするかという技術さえあればそれで賄えるということが言えます。地熱、水力すべてそういうようなことが言えるわけです。これは非常に重要なことでございまして、資源であれば、何か必要になったら地下を掘るかなんかすればまた出てくるわけでございますが、技術というのは必要になったときに慌てて技術を探し回っても出てこない、これはそういう性格でございます。すなわち技術の場合には、常にそれを技術を維持するためには研究開発あるいは技術を使っているということが必要なわけです。新エネルギーというのはすべてその意味では技術集約でありますが、そのことは逆に言いますと、国のエネルギー供給というものが、資源というものから、日本はいわゆる無資源国でございますけれども、それから解放されるという可能性が非常に大きく出てきているということでございます。
 例えば、石炭のガス化、液化というような問題を考えましても、生でたくよりは資源の選択が非常に大きくなるという意味でその効果があるわけでございます。
 次に、そこに生活の質と新エネルギーという点を挙げましたが、これは先ほどの多様化と関連するわけでございまして、実は人間というのは、かなり太陽エネルギーの利用が促進されているわけですが、やはりどっかわけのわからない――わからないというのは語弊がありますが、どこかあるところから発電されて電気が来て、知らないときにぱっと停電になるというのじゃなくて、自分の屋根の上から、そういう発電の装置があって自分のところへ来るというのは非常に親近感があるわけでございます。例えば、私はテレビで拝見しましたけれども、だれか風力でもって発電しているという、コストは必ず私は高いんだと思うんですが、自分の庭の風力の、これが回っているとちゃんと電力が来るという気持ちは大変に何というか安定感があると思うわけです。こういうのは、実はコストだけではなくて新エネルギーには非常にそういう面があるわけです。特にローカルエネルギーというのは、自分のコミュニティーの中で全部のエネルギーを供給するというのではないわけですけれども、ある部分についてあるいは最低のものはそこで賄えるというようなこと、これはますます社会が豊かになって、また生活の質というものを求めるようになればこういう傾向が強くな
るわけでございます。
 今申し上げたのが、大体日本のような国における問題でございますけれども、もう一つ重要なことは、新エネルギーが発展途上国との関係において非常に重要な役割を果たしつつあるということでございます。これは、そういう国々では原子力といったような大型の発電所を持っても、それを消費する送電網あるいは供給網がないわけでございますし、また太陽エネルギー、地熱、小水力、バイオマスというものが着々と方々で使われているわけです。これに対しましてヨーロッパ諸国あるいはアメリカもそうでございますけれども、非常に積極的にこれの、発展途上国に対してこれを応援しております。日本も最近はそのことで非常に力を、対外経済協力の中でこれを織り込んでいるわけでございますけれども、実際にはそういう発展途上国の方が今申しましたような意味で、この新エネルギーに対する条件が適応しているというところがたくさんあるわけでございます。私は、やっぱりこの面を結局、発展途上国の技術あるいは経済援助と新エネルギー開発というものを結びつけるということが、今後のこれは世界の大きな傾向になると思いますし、特に日本などの場合には、これは非常に重要な問題ではないかと思うわけです。
 それで最後に、そういうような点からいわゆる新エネルギー研究開発のストラテジーということを書きましたけれども、私は今のことから四つの点を申し上げたいと思います。
 一つは、最初に申しましたように、技術革新の推進役としての新エネルギー研究開発ということにぜひ御注目をいただきたいということです。
 すなわち、そういうことに国費を投入する、研究開発投資をするということは、実はただ単にエネルギーの需給を賄うということよりも、今は十年間の経験が示しますように、新しい技術開発の、技術革新の促進になると。これは例えば、日本が産業用のエレクトロニクスとかあるいはバイオに国の投資をするということになりますと、これはまたすぐ貿易摩擦その他の問題になりますけれども、こういった本当にエネルギーのような重要な、これは世界全体のための技術に対して国費を投入するということは非常に私は意味が深いんだと思いますし、また外国から見ても貿易摩擦けしからぬということにはならないと、これは最近、何か新エネルギーというものは民間がやれというような御意見もあるようですが、私はやっぱり国の役割ということをぜひ御考慮いただきたいと思います。
 それから二番目は、多様化に応じてエネルギーの供給事業の諸制度を、法律的にも、あるいはいろんな関係をぜひ早く改めるということを考えていただきたい。
 これは今のコゼネレーションといいますか、電力と熱を一緒に供給するとか、あるいは燃料電池なんかでガスの供給事業をやっていて一方で電力も出てくるというようなこと、こういうようなことは実は今までの公益事業法とかあるいはいろんな法律の中では考えていなかったことでございます。そういう点で、いろいろな意味で法制面あるいはデレギュレーションといいますか、そういうところに幾つか問題がもう既に出てきておりますので、これはぜひ一つの重要な点としてお取り上げいただきたい。もちろんこれはバランスの問題いろいろございますけれども、少なくとも問題としては重要ではないか。
 それから三番目は、民間に対するインセンティブ。今申しましたように、非常に大きな変化が生じているときでございますので、やはり日本の研究開発あるいは民間が非常に大きな役割を御承知のように果たしておりますので、民間に対してこういう将来の新しい変化に対するインセンティブを与えるということは極めて重要であると思います、この具体的なことは省略いたしますけれども。
 それから、最後に申し上げました発展途上国援助と新エネルギー開発の結びつきを重視していただきたい。これは各国がそういうことをしておりますが、現在、我が国におきましても対外経済援助のODAをこれから大幅にふやすというようなことを、既にそういう努力をしておるわけでございますが、それはただ単にダムをつくったり大きな病院をつくるのもいいかもしれませんが、こういった割合地道で、しかもその国々にとって長期的に重要な新エネルギーの研究を日本から持っていって、向こうで実用化を図るというようなことは、一つの新しい行き方として、新エネルギーの面でもまた対外経済援助の面でも重要ではないかと思う次第でございます。
#7
○委員長(田代由紀男君) ありがとうございました。
 次に、小野参考人にお願いします。
#8
○参考人(小野周君) 小野でございます。
 私の専門は物理学で、この中でも熱力学と統計力学というのが専門でありまして、本日は主として熱力学という立場から新エネルギーの問題を考えさしていただきたいと思います。
 熱力学というのは、これは非常に古い学問なんですけれども、最近は特にエネルギーの利用の問題に関して非常に新しいいろんな研究がなされ始めまして、その中で一番大切なことは、エネルギーの中には無効エネルギーと有効エネルギーというものがあるというふうにはっきり区別をしなければいけない。というのは、例えばこういうところに空気がありますと、空気の中にたくさんの分子がありましてエネルギーがあるわけですけれども、ただここにあるだけでは全く無効なんです。ただ、それが少し温度が高ければ有効になるというので、そういう有効エネルギーのことを最近はエクセルギーという言葉を使っておりますが、ちょっとこの言葉は耳になれないと思いますので、今から有効エネルギーというふうに言わせていただきたいと思います。
 ですから、よく御存じのように、エネルギーというのは絶対にその総量は変化しないわけです。いろいろ形を変えますけれども総量は変化しないわけです。ところが、今の有効エネルギーの方は、いろいろと形を変えますとそのたびにだんだん減っていくわけでありまして、それが非常に大きな違いになるわけです。
 例えば車が回転していますと、車が回転しているときには有効エネルギーを運動エネルギーとして持っているわけですが、摩擦をしてだんだんなくなりますとみんな無効エネルギーになってしまう。エネルギーそのものは変わらないわけです。
 だから、こういう問題を考えるときに一番大切なことは、ある体積の中にどれだけの有効エネルギーが入っているかということがその利用の仕方あるいは利用の容易さに関係してくるわけで、つまり、これは燃料というのは非常に有効エネルギーの固まりみたいなものでありますから、これはそういう意味では非常に使いやすいわけでありますが、燃料というのは要するに有効エネルギーの缶詰みたいなもので、それが結局燃料なんです。
 今の新エネルギーの問題の中で石炭の液化という問題が言われていますけれども、これはもともと燃料を燃料に変換するわけですから出てきたものはやはり非常に大きなエネルギーを持っていると。ただ、この問題は、先ほど大島先生が言われたこともありますが、私は、燃料というものはやはり液体でなきゃ困る問題がたくさんあると思うんです。そういうものにつきましては、少なくとも石油の問題を考えて、やはり石炭の液化というものをどうしても考えなきゃならないということでありますが、実際に石炭をすべて液体にして使う必要があるかどうかというあたりはいろいろ議論があるところでありまして、生で使った方が安いという考えもあります。ただ、排出物の問題その他がありますので、そういう問題も総合的に考えますと、これはちょっとエネルギーの問題じゃなくて政策の問題になってくるんではないかというふうに私は考えております。
 それから、まあこういうことは私もこれ以上余りよくわかりませんけれども、いずれにしても、石炭の液化という問題も、石油がなくなるということを考えますと、どうしてもやらなきゃならな
い問題だと私は考えているわけであります。
 それから、燃料電池の問題というのがあるんですが、これは燃料電池というのはいろんな意味がありまして、これも一種のある燃料をエネルギーに転換する装置なんですけれども、これは普通熱を出して使うよりははるかに要するに有効エネルギーが有効に使えるということであろうと思うんです。ただ、こういうものは、後で出てきますけれども、燃料を水素にしたりメタンにしたり、あるいは天然ガスを使ったりしますときには非常に必要なものでありますから、そういうものとにらみ合わせてみますとエネルギーの問題、特にエネルギーの輸送が、先ほど大島先生が言われましたように今電気で運んでおるわけですけれども、電気で運ぶのがいいか、あるいは液体のまま輸送した方がいいかという問題にかかわってきますと、やはり燃料電池というものは非常に有用なものになってくるのではないかというふうに私は考えているわけであります。将来のエネルギーを使う上から言いますと、これは省エネルギーというふうな見方もあるんですが、これは非常に重要なものではないかと思います。
 そこで問題は、そうでないいわゆる再生可能なエネルギーとして、太陽エネルギーであるとかあるいは風力であるとか、それからその他いろいろなエネルギーがありますけれども、こういうものをどういうふうにして使うかという問題になってくるわけでございます。そこでそういうものが、再生可能なエネルギーについては実はそこのお配りしました資料で「体積(面積)当たりの有効エネルギー」と「面積当たりのエネルギー」というのがありますが、実際にそういうエネルギーの中で、地熱を除きますとこれはもとは太陽から来ているわけなんです。風力も水力も全部もとは太陽なんです。で、太陽のエネルギーというのはどのくらいの大きさかということになるわけですけれども、実は太陽エネルギーというのは、そこの左側の「面積当たりのエネルギー」にありますように、一平方メートル当たりに大体一・三キロワット、これは直達する場合であります、直接来る場合でありますけれども、地球に来るときには大体それが二百三十六ワットぐらいに減ってしまっていると。これはいろいろな計算があるんですけれども、一応この値を私は採用いたしました。これに比べますと、例えば木炭から来る熱なんかが一平方メートルあたり百四十キロワットというんですから、もう比べものにならないほど大きな値です。で、まあ地熱のお話ですが、実は地熱のところへちょっと括弧へ入れていただきたいのは、地熱のところへ括弧してアイスランドというのを入れていただきたいんです、これはアイスランドの陸地平均でございますから。
 そこで問題は、太陽から来るエネルギーが一体地球に来てどうなるかというのについて上智大学の押田先生が非常にいいダイヤグラムをつくられましたので、左の下に書いてありますが、右の上の方にはそれが数字で書いてありますけれども、大体ここにありますように、二百三十六ワットが来ますと、これは一平方メートルに換算されているんですが、地表には百六十五ワット吸収されまして、その他ずっと下に書いてあるようになっているわけです。だんだん風力になったり河川になったり、波力や海流になりますが、最終的には宇宙空間にまた逃げていく、そういう形になっておりまして、先ほど申しましたように、エネルギーそのものはちっとも変わらないんですけれども、有効エネルギーはほとんど最後にはゼロになってしまう、そういうふうになって変わっていくわけであります。
 それで問題は、太陽エネルギーというのはどういう性質を持っているかと申しますと、太陽の温度が約六千度なものですから、太陽から出た場合の光あるいは熱線は非常に質がいいわけです、つまり温度が非常に高いですから。だからそれで太陽のエネルギーは非常に質がいいんですが、それが地面に当たりますと、地面を温めてしまってほとんど無効エネルギーになってしまうというのが実際にある。
 そこで、それをどういうふうに使うかというので一番実際に使われておりますので大切なのは、そこにありますように、光合成というのがありまして、これが〇・三三ワットとありますが、これは全体から見ますと何%程度でありますが、これは植物が同化作用で太陽の光線、太陽のエネルギー、光をそれをいろいろな繊維であるとかでん粉であるとかそういう炭水化物に変えるわけです。それが〇・三三の割合になっているということでありまして、このことは非常に私は大切なことだと思うんです。
 そのほかどういうふうになっているかと申しますと、そこにありますように、位置エネルギーというのは、これは水が蒸発して高いところに上っていくとか、あるいは風力になるとか、河川になるとか、波力、海流、これ全部太陽が空気あるいは地面に当たりましてこれだけのエネルギーを生じていって、それをやはり我々がどう使うかという問題になってくる。
 それから、この図でございますけれども、図の縦軸は、一・〇というのが非常に有効なエネルギーで、ゼロというのが全く無効なエネルギーというふうになっておりまして、こういうふうにだんだんと変化していくということが書いてあります。上に上ったりしているのは余り大した意味ないんです。これは図が書きにくいものですから、一度下に潜っておりますけれども、これは全く意味ないんですが。
 こういうふうにしてエネルギーの流れというものを見ておりますと、まず、先ほど大島先生がおっしゃった話ですけれども、太陽光エネルギーの利用というのは、これは非常に技術としては大変な技術だと思うんです。というのは、できるだけその太陽のエネルギーを無効にしないでそれを電気に変えると。電気というのは非常に質のいいエネルギーですから、そういう意味では太陽光エネルギーというのは技術としては非常に革新的なものであると私は思っているわけです。
 それから、先ほども大島先生がおっしゃったのでちょっと私も触れたいと思いますが、実は、シリコンの結晶というのはどのくらいの変換効率があるかというのはそこに書いてありますが、一番上に理想的シリコン結晶太陽電池というのがありますが、これはもともとシリコンの結晶で太陽の光が電気に変わるときにはいろいろ制約があるんですけれども、もし完全に理想的なシリコンの結晶であれば二五%が一番最高ではないかと言われておりますが、実際のシリコンの太陽電池は間にいろいろな詰め物が入ったりなんかしておりますので一二%ぐらいではないか、もっとよくなっているかもしれません、ちょっと最近のは私調べておりませんので。ですが、実際使われている太陽のエネルギーの変換率は六%ぐらいではないかということも言われております。それから、非結晶のアモルファスの場合には四%から五%ぐらいではないかと私は考えておりますが、これは実際に使われているものはもっと低いのではないか。それから砒素ガリウム太陽電池の場合は二〇%という話もありますが、これは一つには、シリコンの結晶というのはつくるのに非常に大きなエネルギーが要りますのが一つの問題。それから値段が高いというのがあります。それで先ほどのお話にもありましたように、非結晶のシリコンというものが使われ出しまして、ある意味では非常に革新的な技術になったというふうに私は考えております。
 ですが、問題はまだいろいろございまして、一つは、やはり耐女性の問題というような問題も解決しなければならないということもありますが、ごく最近耳学問で聞いたのでは、何かプラスチックを使って光発電の素子をつくったという話もありまして、これはまだ確認はしておりませんけれども、そういうことができましたら非常に革命的なことだと思いますが、多分耐女性が非常に悪いので困るんじゃないかと思っております。余り実用にならないと思いますが。
 それで、いずれにいたしましてもこうやって太陽電池というものは非常に技術的な革新をしたわ
けでありますが、ただ問題は、太陽光発電の場合には余り大きなものをつくるのは意味がないのではないか。今一千キロワットというのが考えられておりますが、それはちょっとどうかわかりませんけれども、例えば百万キロワットなんてとてつもないものをつくるのはほとんど意味がないのではないか。それは先ほどの大島先生のお話にもありますように、やはり分散型にする必要がある。ローカルなエネルギーとして非常に大きな力を持ってくるのではないか。ですから、やはり将来のエネルギーシステムが現在のように非常に大きな発電所をつくってそこから送電線を引っ張っていくというのではなくて、かなりローカルに問題を解決するというような行き方をとる方向にいけば、これは非常に有効ではないかというふうに考えられるわけです。実際、火力発電所の場合なんかは非常に大きな火力発電所をつくりますとスケールメリットがありまして大きなものほど経済的なわけですけれども、太陽電池の場合にはやはり面積をふやさなければならないので、余りそれほどのスケールメリットがない。そうしますと、余り大きなものをつくるというのはこれはちょっと問題ではないかというふうに私は考えているわけです。
 いろいろな話がありまして、例えばレンズで集光したらどうかというのがあるんですね。ところが温度が上がりますと、シリコンの太陽電池は非常に効率が下がりますので多分無理ではないかというふうに私は考えているわけです。
 ところで問題は、太陽のエネルギーの利用というときには、単に太陽電池だけじゃなくて、別のことも同時にあわせ考える必要があるのではないかというふうに思います。例えば先ほどもお話ししましたバイオマスと言われている燃料植物でありますが、現在サトウキビでエタノールをつくると大体太陽エネルギーの〇・一二%である。サトウキビの搾りかすまで燃料にすると〇・四八%なんで、〇・六%ぐらいまでいくのではないかということも言われております。
 それから、こういう植物の中では非常に成長が早くて、太陽エネルギーを有効に使うのにはCと言われている燃料植物がありまして、これは現在ありますのは例えばサトウキビであるとか、ブラジルで使っているキャッサバというんですか、あるいはユーカリの油も非常にいいわけなんですが、そういう燃料植物を同時に併用して考えるべきではないかと思います。たとえ変換効率が悪くても、植物の場合には大きな面積を、例えば百倍の面積を使えば効率が百分の一であってもそれは使えるわけですから、同じようになるわけですから、そういうことを考えた方が私はいいのではないかと思うので、電気だけに全部頼るというのではなくて、太陽エネルギーというのはやはり総合的に取り扱う必要があるのではないかというふうに考えております。
 ですから、いずれにいたしましても、太陽エネルギーの利用というのは、ある意味で言えば水力も風力もさっきのバイオマスも燃料植物も、そういうものも全部これは太陽エネルギーの間接利用なんですが、直接利用、太陽光発電という直接利用だけによらないで、もっと総合的に考えることが必要である。
 それからもう一つは、これはよく知られている例ですけれども、日本では太陽熱温水器というのがありまして使っているわけですけれども、あれもエネルギーの節約という意味にはなるんですが、一方で言えば太陽熱の利用になる。そういうことも総合して考えますと、太陽エネルギーというのはかなり有効に使われるようになるのではないかというふうに思います。
 ところで、風力とそれからいろいろなほかのエネルギーでありますが、そこの左の表の上の方にありますように、水力とそれから風力、それから海洋エネルギーを体積当たりの有効エネルギーにして調べてみますと、水力の場合には三メートルの落差で実際には一立方メートル当たり十キロジュールのエネルギーを持っていると、風力は一秒間に四メートルの風速で〇・〇〇一キロジュール・パー・立方メートルということになりますので、大体同し体積にしますと、水とそれから風力では体積当たり千分の一ぐらいの有効エネルギーしかないわけです。ということになると、これは非常に水力の方が使いやすいということでありまして、だから小規模の水力というものをもう少し、例えば一キロワットの風力の発電所ですと、大体直径三メートルで風速五メートルで一キロワットになりますが、一キロワットの小規模水力というのは割合に簡単に、もし資源さえあれば使えるわけでありますから、私は小規模については水力が使えるところについては水力、それから風力はもちろん小規模においては使えるというので、そういうふうな形で、小規模の発電あるいはエネルギー供給源としては水力と風力というふうなことが考えられるんではないかと思います。
 それからもう一つ、いろいろありまして、海洋エネルギーの中には波の話が出てくるんですが、これは場所に制限がありますけれども、これは波の高さが二・五メートルありますと、一平方メートル当たり七・七キロジュールありますので、かなりあるわけです。こうやって有効エネルギーがどのくらい濃縮されているかということによってその利用の仕方が違ってくるということでありますが、よくハワイで湖面の温度と海底の温度の差が二十度から二十五度Cの差があるときに発電をするという話がありますが、これは大体一立方メートル当たり一キロジュール程度でありますので、大体十キロジュールが境とすればかなり悪い方でありますから、余り見込みがないのではないかと私は思っています。
 それから濃度差発電というのは、これは海水と淡水の濃度が違いますので、浸透圧によって圧力が違ってくるわけですね。これを利用しますのはもう少し有望ではないかというふうに私は考えておるわけです。
 それから、最後になりますが、地熱の話ですが、地熱は、そこにありますように、これはアイスランドの陸地の地熱の平均、これは一千年間にわたる平均を私がアイスランドに関するいろんな地質学の研究をした方のデータをもとにしてやりますと、大体、これはちょっと二の次が六がきまして、二百六十ミリワットという程度になりますが、ただ陸地の全平均は六十四ミリワットですからかなり大きいんですが、それにしても余り値は大きくないと。恐らく日本なんかもっと平均しますと小さいと思うんですが、このことは何を意味するかというと、地熱というものは見たところは非常に使いやすそうに見えるけれども、地熱を使ってしまうとそれだけのエネルギーが本当にマントルからサプライできるかという問題を持っていると私は思うので、必ずしも私は、地熱というものはそれほど有望ではないんじゃないか。絶対量も少ないわけです。ですから、有望ではないんではないかというふうに私自身では考えているわけです。
 以上、新エネルギーに関する私の立場からの諸問題についてお話をいたしたわけでございます。どうもありがとうございました。
#9
○委員長(田代由紀男君) ありがとうございました。
 次に、荻本参考人にお願いします。
#10
○参考人(荻本和男君) 東芝の荻本と申します。
 私、メーカーに勤めております関係上、少し泥臭い話をさしていただきたいと思います。お手元に二十ページぐらいの資料がございますが、これを参考にしながらお話を進めたいと思います。
 二ページをまずちょっと開いていただきたいんでございますが、二ページの上の方に一次エネルギーと二次エネルギーの関係ということで図が書いてございますが、この中で、実は一番から六番まで、水力、風力、海洋、太陽、地熱、バイオマス、これが自然エネルギーと称するものかと思いますが、いわゆる再生可能な新エネルギーと、こういうことになるかと思います。
 一方、天然ガス、石炭、原子力、この三つはいわゆる石油代替エネルギーというふうに位置づけられるというふうに考えております。
 これらのエネルギーと私どもが使いやすくする
ための二次エネルギー、これとの関係をこの表に書いておりますが、本日は時間の関係もございますので、ポイントだけをお話をしまして、後ほどお時間がございましたらひとつながめていただくというふうにしたいと思いますので、二次エネルギーの方は飛ばします。
 それで、一ページの方をごらんいただきますと、これは我が国の一次エネルギーの需給、供給構成の見通しということで二つの図面がございますが、上の方は、一次エネルギーの需給の見通しということでございまして、これは昭和五十四年度と五十八年度に政府におかれまして計画されました数字を一応書いておるわけでございますが、これをごらんいただきますと、五十八年度での見通しは随分下がっておりまして、消費量が下がっております。ということは、省エネルギーというものが浸透し、なおかつ、またそれの自信が出てきたので相当確実な見通しと申しますか、相当エネルギーは少なくて済むというようなことがわかってきたということで下がってきたということかと思います。
 もう一つ下の図をごらんいただきますと、これは五十八年度での策定でございますが、どんなふうなエネルギー構成になるかということを書いた図でございまして、実線は実績でございまして、点線は先の推定でございます。これをごらんいただきますとわかりますように、原子力、天然ガス、石炭、この三つが石油代替でだんだん浸透させようということと、長期的にはずっと先の方へ参りますと、地熱とか新エネルギーと書いてございますが、いわゆる新エネルギー、これを長期的には開発して、それで補っていこうと、こういうような形になっておりまして、これが私ども日本でのエネルギー政策の一つの姿勢かと思います。すなわち、省エネを図りつつ石油代替をしていくとともに、先を見越した新エネルギー開発を継続すると、こういうようなことになるかと思います。
 そこで、それでは具体的に新・省エネルギーというのはどんなものが期待できるかということを考えてみますと、資料の二ページの真ん中よりちょっと下ぐらいにございます。ずっとアイテムが書いてございますが、先ほどお二人の先生方から多様化の話とかいろいろ出ておりまして、その辺のところを御参照になりながらこの記述をごらんいただきますと、そうかなということがおわかりいただけるかと思います。水力を初めとしまして十二ほど挙げておりまして、これを一々御説明しますと時間ございませんので、本日は実は私、三つにポイントを絞ってお話ししたいと思っております。
 すなわち、その三つがそれぞれ重要でございますが、とりあえず至近距離として三つが重要ということで強いて挙げるわけでございますが、その三つというのは、まず二ページの下の方にございます太陽光発電、これが一つ。これはもちろん大規模な発電というのは確かに望めないわけでございますが、地域に密着した、先ほど大島先生が、何といいますか、非常に身近に感ずる発電ということでも先々望めるんではないかということでございます。
   〔委員長退席、理事夏目忠雄君着席〕
 それから三ページに参りますと、十一項にコンバインドサイクルとございますが、実は九項の石炭ガス化複合発電、これと同じテクノロジーの流れでございますが、この一つの流れと、それから最後の燃料電池と、この三つにポイントを置きたいというふうに考えておりまして、その三つにつきまして四ページ以下に各論を書いてみました。
 四ページでございますが、燃料電池ということで歴史から始まっておりますが、実は燃料電池と申しますのは、これはちょっと言葉が悪いんでございますが、むしろ燃料電池発電というような感じで御理解いただきたいんでございますが、いわゆる乾電池とかそういうものじゃございません。燃料が供給されて、それによってどんどん電気が出てくるという発電方式でございます。この原理の発見というのは非常に古くございまして、イギリスで発見されたわけでございますが、今から約百八十年ほど前にもう発見されております。しかしながら、実はこの技術が花開いたのはアメリカでございまして、宇宙開発用ということで花開いたわけでございます。資料で上から六行目、七行目に「一九六五年 英国 G・E」と書いてあります。あるいは「一九六六年英国U・T」というのがありますが、これはミスプリントでございまして、「米国」の間違いでございまして、大変恐縮でございますが、御訂正願いたいと思います。
 それで、もう少し具体的にその後の動きが四ページの下の方にございまして、実は電池には三つのタイプがございまして、アルカリ型と、第一世代、第二世代と書いてございます。もう一つあるんでございますが、ここには三つの型が書いてございます。
 それをちょっと御説明いたしますと、まずアルカリ型というのは、これは特殊用途でございまして、この表の一番下の線をたどっていただきますとわかりますが、現在スペースシャトルということで宇宙船に載っております。これは特殊用途としてある意味では実用化されているということでございます。
 それから、第一世代というのが真ん中にございますが、「一般用途(TARGET計画)」としまして、まず、アメリカのUT社で「一二・五KW−六四基」というのがもう既に一九七七年ごろに実際は試運転されておりまして、ここではフィールドでのいろんなデータをとったわけでございます。それで、右へ参りますと、「四〇KW−四五基(UTC)」というのがございますが、これは、実はただいま四十キロワットの燃料電池が製作されまして、フィールドに設置されていろいろ試験をしていると、こういうことでございます。ここに「四五基」とございますが、最終的には五十一基になっておりまして、五十一基に御訂正いただいた方がいいかと思います。
 日本にも実は東京ガスと大阪ガス、それにそれぞれ二台入っておりまして、東京ガスのものは万博の筑波が一台とそれから鶴見の温水プールと、それから大阪ガスさんはレストランというところで熱と電気の併給発電と申しますか、それのフィールドの実験をしております。
 それからもう一つ、上の方へ参りますと、電力用ということで「FCG−1計画」というのがございますが、これは、やはりこれもアメリカのUTCでの開発でございますが、一九七七年ごろに千キロの燃料電池プラントの発電を行いました。それから、現在は実は四千五百キロのものでございまして、「UTC−TEPCO」とか「UTC−CON・Ed」とございますが、上の「TEPCO」というのは東京電力の五井火力に設置されておりまして、製品はアメリカのものでございますが、五井火力で実験をしておりまして、ただいま四千五百キロの定格運転に成功いたしまして、大体二千時間ぐらいの運転実績がございます。したがいまして、これを今ずっと続けまして、今年度じゅうぐらいまで続けようということで、ここで四千五百キロの実績が出ると、こういうことになるかと思います。実は「CON・Ed」のアメリカの方は、これはニューヨークで設置されたんでございますが、電池のトラブルで失敗しまして、発電には成功いたしませんでした。しかしながら、東京の五井の実績がございますのでよかろうということになっております。
 これはまあアメリカの事情でございますが、実は、日本ではどうかというのはもう一方の線がございます。「三七KW実績(東芝実績)」とございますが、これは、実は昭和五十六年に三十七キロの日本での発電をしておりまして、その後、「五〇KW級パイロットプラント」というのがございますが、これは各社が大体そのくらいのパイロットプラント、燃料電池の開発、各社がつくりまして今実験をしております。それからその次に、「1MWムーンライト計画」、千キロのムーンライト計画がございまして、これは政府のムーンライト計画のもとに高温・高圧型、これは火力の代替ということになっております。それから低温・低圧型、これは分散配置型ということになっております
が、この二つのグループに分かれまして、昭和六十一年に千キロの発電をしましょうと、こういうような計画になっておりまして、今それに取りかかっているわけでございます。その先ほどうなるかといいますと、大体昭和六十五年から七十年ぐらいにかけまして燃料電池の実用期に入るんじゃないかというふうに期待しております。
 これは今、第一世代の話でございますが、第二世代につきましては、この図の右下の方に点線で丸が囲ってありますが、まだ基礎研究でございます。これは、この型は溶融塩型と申しまして、もう少し動作温度の高いものでございまして、基礎研究でございます。現在、一キロぐらいしかできておりません。それで六十一年には十キロクラスの電池をつくりましょうというような計画になっておりまして、その後、第二フェースとして八年から十年ぐらいかけまして、いわゆる実証プラントをつくろうではないかと、こんなような計画が、ただいまムーンライトを中心に御検討になっているというのが実情でございます。
 このようなのが今、燃料電池開発の経過でございまして、次のページ、六ページを開けていただきますと、先ほど電池の型の御説明を飛ばしましたけれども、種類につきまして表がございます。四つの種類がございます。まず、左からごらんいただきますとアルカリ型、それから第一世代・燐酸型、第二世代・溶融炭酸塩型、第三世代・固体電解質型、この四つの種類に大別されるわけでございまして、アルカリ型につきましては、実は燃料は水素と酸素を使いますものですから、結局、燃料が高くつくということで特殊用途にしか使われないということで、一般用につきましてはこの第一世代・燐酸型、これは動作温度が百七十から二百十度ぐらいでございますが、燃料としましては、ここにございますように天然ガス、メタノール、ナフサと、こういうものを使いますので、これは一般用に使えるであろうということで、ただいま開発に一番注力しているということでございます。
 それから、第二世代につきましてはもっと動作温度が高くなっておりまして、六百度ないし六百五十度と、こういうことになってまいりまして、これは燃料が第一世代のもののほかに石炭のガス化についても使えるということ、しかも動作温度が高いために大規模な発電に向くということで、将来の大型発電所に取ってかわるというふうに見られております。
 それから、第三世代はさらに動作温度が高くなってまいりまして、非常に難しくなってまいります。それで、これにつきましてはまだ先のものということで、基礎研究の段階と、こんなような状況でございます。
 さて、資料の七ページは飛ばしまして、八ページに参りますと、八ページの中ほどに「燃料電池発電の特徴」ということで特徴がございます。
 まず第一に、高効率でございますということですが、これは省エネルギーにつながるということでありまして、燃料電池は省エネルギー発電方式の一つの例であるということでもてはやされている理由になっております。
 八ページの左下の方に図がございまして、各種システムの比較がございます。これをごらんいただきましてもわかりますように、燃料電池システムが一番効率がいいというふうに御理解いただけるかと思います。
 九ページに参りますと、そのほかにいろいろな特徴がございます。「排熱が利用し易く熱供給を行えば、八〇%以上」ということでございますが、これは実は動作温度が百七十ないし二百度程度で運転しておりますので、ここから出てまいります排熱というのは大体百七、八十度近辺までに上がっております。したがいまして、この程度の温度になりますと、非常にいわゆる熱としての利用もしやすいということでございまして、この排熱が大体四割ぐらい、それから発電が四割ぐらいということでございますので、エネルギーの有効利用としましては八割ぐらい使えるということで非常に効率のいい方式であるということでございまして、先ほどからもお話が出ておりますが、これは一つのコゼネレーションのための有効な手段であるというふうに考えられているわけでございます。
 それから、さらに特徴としましては環境保全性がよろしいということでございまして、実はこれは回転部分がございませんものですから音がしない。それから、燃料電池と申しましても燃料を燃やすんではなくて、電気化学反応でございますので、実はNOxが出にくいというような問題ございまして、大気汚染も少ないということでございます。そういう意味では都市にそのまま置けるというようなメリットがございまして、そういう意味からも非常に好ましい方式であるというふうに考えられております。そのほか、いろいろ特徴がございます。
 それで、どんなような利用形態がということが実は十ページに書いてございまして、いろんな利用形態が考えられております。火力の代替だとか都市の分散配置だとか、離島だとか、オンサイトと、こんなようなことで非常にフレキシブルに使えるというふうに考えておりましてこれから期待される方式でございます。
 十一ページに参りますと、それがそれではどんなことで今開発されているかと体制が書いてございます。
 先ほど開発のスケジュールを申しましたので、体制だけ申しますと、十一ページの真ん中より下に体制がございまして、工技院さんからまず第一世代・燐酸型でございますが、これはNEDOを経由しまして、高温高圧型が日立さんと東芝。それから、低温低圧型が三菱さんと富士電機さん、このようなグループで開発をしております。
 それから、第二世代、これはまだ先でございますが、先ほどの第一世代につきましては、昭和六十五年から七十年代に実用化するであろうと申しましたが、第二世代につきましては、大体十年ぐらいおくれるという感じでございまして、これにつきましては、まだ基礎研究の段階でありまして、やはりNEDOから東芝、三菱、IHIと、それからあともう一つのグループは日立、富士と、この二つのグループに分かれまして研究をしておりまして、またこれは一キロができたばかりで、六十一年度には十キロができる、こんな段階でございます。なお、非常に材料の問題がございますものですから、大工試、これは大阪の工業試験所でございます。ここでの勉強をしております。それから、基礎研究は電総研ということでございます。
 海外の状況は、ざっと申しますと、米国が非常に注力しておりまして、あとヨーロッパの方はどっちかというと不活発でございまして、最近、実はオランダとか、イタリアで少し始めようではないかという動きが出ております。このような状況でございます。
 さて、時間がございませんので、大急ぎで十四ページの光発電の方に入りたいと思います。
 光発電につきましては、実は小野先生からもお話が出たりしておりましたんで簡単にしたいと思いますが、やはり問題は三つあると思います。一つは値段でございます。それからもう一つは発電効率、それからもう一つは寿今、この三つになるかと思います。
 実は、太陽光発電につきましては、もう既に電卓だとか、時計用だとか、あるいは特殊な電源でもう実際使われておるわけでございますが、その場合はコストが高いのをカバーできるそれぞれの理由があるために使われております。実際、これをいわゆる電気エネルギーとして使おうとしますと、今のような問題が出てまいりまして、ここにございますように、まずアモルファスとか、多結晶のものを開発しようというようなことがまず考えられておりまして、これは製造工程上の改良ということで低価格化を図るということになるかと思います。
 あと特徴が十六ページにございますが省きまして、十六ページの下の方に参りますと、値段との兼ね合い、あるいは「開発状況と展望」というよ
うなことで書いてございますが、やはりコストの低減が至上命令ではありますが、コストを下げるにはやはり需要を拡大せにゃいかぬということで、需要の拡大とコストというのが鶏と卵、こういうふうな関係になっておりまして、この市場開発と、それからもう一つは製造法の開発、改良というようなコスト低減、これが一つのポイントになってくるかと思います。
 これがどんなふうに開けるかとというのが、十七ページをごらんいただきますと書いてございまして、現在、特殊用途としましてつくって出ておるわけでございます。
   〔理事夏目忠雄君退席、委員長着席〕
それがあと孤立電源、公共施設あるいは住宅用、汎用、こういうようにコストの低減に従ってふえていく、こんなふうなことになっております。
 あと海外の状況でございますが、アメリカがやはり意欲的でございます。あと私どもとしましては、この今のようなことでコストの低減とマーケットの展開ということで、これから徐々にこの光発電は広げていくべきであるというふうに考えております。
 それから最後に十九ページでございますが、コンバインドサイクルというのがございまして、これはポイントは高温ガスタービンの開発、それからもう一つは石炭の利用ということで、石炭のガス化、この二つを組み合わせますと非常にぐあいがよろしいわけでございます。高温ガスタービンにつきましては、この資料では二十一ページの上の方に、現在、ガスタービンの入り口温度は千百度と書いてございますが、一千百度のものができておりまして、これを使いますと、コンバインドサイクルにしますと四三%の効率になるということ。通常汽力が四〇%でございますので相当改善できるということでございますが、現在ムーンライトでは千三百度のものを開発しておりまして、これができますと、プラント効率が五〇%になる。それからさらに千四百度のものを考えておりまして、これになりますと五五%になるということでございまして、この高温ガスタービンの開発をさらに振興するということと、もう一つは、石炭ガス化の出現、この辺が組み合わされますと非常にうまいことになっていくだろうというふうに考えておりますが、これもやはり実用化につきましてはあと五年ないし十年ぐらいかかるんじゃないかというふうに今考えております。
 以上、駆け足でお話し申し上げましたが、三つのポイントを申し上げました。
 どうぞよろしくお願いします。どうもありがとうございました。
#11
○委員長(田代由紀男君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見聴取を終わります。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は委員長の許可を得て順次御発言願います。
#12
○菅野久光君 きょうは大変お忙しいところ、貴重な御意見をお聞かせいただきまして、本当にありがとうございました。
 まず、大島参考人にお伺いをいたしたいわけでありますが、新エネルギーの実用化のためには技術革新の進展が必要だというふうに思います。日本の国の科学技術水準は非常に高いというふうに思うわけですけれども、新エネルギーの実用化の見通しを先生はどのようにお考えか、その辺をお伺いいたしたいと思います。
#13
○参考人(大島恵一君) お答えいたします。
 今の点で、既に技術革新がいろいろなところで起こっている。それで、新エネルギーの場合には、例えば石炭が石油にかわり、石油が原子力にかわったというような、そういうドラマチックと申しますか、大きな変化というよりは、かなりじわじわと浸透していくような形で実用化が起こるんではないか。既にほかの方もお話があったわけですけれども、部分的に行われているわけですね。ですから、実用化というものがある時期に突然実用化――例えば先ほどの燃料電池にいたしましても、あるいは太陽発電、光発電にいたしましても、コストが、今までの発電原価、例えば今原子力ですと幾らぐらいになりますか、パーキロワットアワー十二、三円ぐらいでしょうか、それより低くならなければいけないとかいうことではなくて、トータルのシステムとしてそこに便利であれば、かなり、ちょうど屋上にいろいろ太陽の熱による温水器を置いているように浸透していくんではないかと思うわけです。そういう意味で、一つただ、産業として見ると、ある規模に来ないといわゆる実用化にならないんじゃないか。それが私が申しましたように、どうも御返事になるかどうかわかりませんけれども、あるところまで、一つは制度を検討する、もう一つは、インセンティブを与えていくということが大事であって、ある時期に突然、何というか、実用化というのはなかなか難しい。例えば原子力にしましても、私は原子力工学科の教授をずっとしていたわけですけれども、本格的に原子力が実用化したのは、やっぱり石油ショックというか、石油危機のときに石油価格が四倍に上がったというときから本格的に定着した形で原子力が特に日本とかヨーロッパではそういうことが起こったんだと私は思うわけです。そういう意味で、新エネルギーの実用化の時期というのは、大ざっぱに言いますと、やっぱり五、六年の先にはかなりいろんなところで使われてくるんじゃないか。十年後になりますと、私は、いわゆるある意味での実用化という感じに近いことが起こるんじゃないか。これはむしろ荻本さんの方が御専門だと思います。
#14
○菅野久光君 荻本参考人の方からも今の点についてお伺いしたいと思います。
#15
○参考人(荻本和男君) 新エネルギーと申しましても、いろいろございまして、今のお話のように、個々にやはり見ていく必要があるかと思うんでございます。
 例えば資料の二ページごらんいただきますとここにずっと羅列しておりますが、水力、風力と申しますのは、これはもう既に実際に使われる。ところが風力を一つ例にとりましても、日本の場合ですとやはりしょっちゅう風が吹くところがないということでなかなか使いにくい。したがって、離島とかそういうところで、例えば今、三宅島でサンシャインの実験をしておりますが、こういうところでは使えるだろうということで、そういう形で、先ほどもお話が出ましたが、キロワットアワー単価が高くてもそれを補うに十分ないろんなほかの条件があるというところではこれは使えるんではないかというふうになってまいります。
 それから海洋温度差発電、これは先ほど小野先生が期待薄だというようなお話がございました。確かにエネルギー密度から申しますとそうでございますが、これも熱帯地方とかなんかということでそういう特殊な地域を限定すれば、実はこれ技術的にはもうわかっておりまして実証されておりますので、これはすぐにでもこういうものをやろうという計画があれば使えますし、実はこれも深海の水を使いますものですから、そこからの栄養源が上がってまいります。その栄養源で例えばエビを養殖するとか、そういうことをすればそれを補えるというようなアイデアもございます。
 それから波力発電につきましても、これも具体的に技術はある程度わかっているわけでありまして、これも恐らく特殊な用途では数年のうちにはできるんではないかというふうな考え方をしております。
 それから光発電は、今既にお話し申しましたように恐らくこれから十年先ぐらいからは相当ポピュラーになってくるかなという気はしております。
 それから、ついでに順番に申しますと太陽熱の利用の冷暖房、これは一番使いやすいお話でございまして、これも実際各家庭ではお使いになっているところもありましょうし、ただ、ちょっと確かにお値段が高いですが、例えば、実は私東芝に勤めておりますので、東芝のソーラーハウスにもこういうシステムがございます。この間聞きましたら五十坪の家で六百万円する、こう言っておりましたけれども、これだとするとやはり十年ぐら
いを考えれば十分ペイするかなというような気もしておりますが、ただし全家冷暖房するというのは今の生活水準から申しますとちょっとぜいたくなような気がせぬでもありません。やはり生活水準の向上との兼ね合いで普及するというようなことになってくるかと思います。
 それからあと地熱は実は、これは日本としてはある程度使い勝手がいいんではないかと思っておるんでございますが、むしろこれは先ほどから出ました法制上の問題、こちらで阻害されておりまして、なかなか開発がうまく進まないというふうに伺っております。もしその辺がうまく解決できれば、地熱の地点はもっと日本ではあるんではないかというふうに考えております。
 そんなようなことで、あとほかのアイテムは具体的に先ほどもお話し申しましたので大体お答えになっているかと思いますが、先ほど大島先生がおっしゃったようにやはり四、五年先から十年ぐらいになるとだんだんと出てくるというような感じで受け取ってよろしいんじゃないかという気がしております。
#16
○菅野久光君 小野参考人にお伺いいたしますが、政府のエネルギー政策は原子力に特化をして、電力部門においては今後十年間に今の原子力発電所の規模を二倍に拡大する、そういうような計画がございまして、昭和七十五年には全電力の約四割をこの原子力発電で賄う計画だというふうに言われております。私はまだこの安全性が確立していない原子力に依存するよりも、新エネルギーの実用化によって将来のエネルギー需要を賄うことの方が望ましいのではないかというふうに思うんですけれども、小野先生は、この新エネルギーは将来原子力に代替し得るだけのエネルギーとして成長する可能性があるというふうにお考えなのかどうか、その辺をお伺いいたしたいと思います。
#17
○参考人(小野周君) 今の原子力の問題というのはこれはなかなかいろいろ論争があるところでありまして、例えばコストの問題にしてもいろいろ廃棄物の処理の費用とか、そういう論争がありますので、これはきょうは話しませんけれども、やはり石炭の液化というのはこれはちょっとまた別ですけれども、太陽エネルギーであるとか、その他のエネルギーというのはどうしても今のシステムの上にはなかなか乗らないのではないか。つまり、分散型というものを基礎にしてやっていかなきゃならないと私は考えますので、やはりその辺から何か少しいろいろ考え方を変えていかないと難しいのではないかというふうに私は考えているんです。その上で太陽エネルギーをどういうぐあいに使うか。ただし、太陽エネルギーも先ほど申しましたように太陽光電池だけに頼らないで、燃料作物という非常に優秀な作物を遺伝子の組みかえを使って開発するとか、そういうことが非常に必要になるんではないかと思っているんです。その上での話ですが、風力は例えば小規模とかそういうふうに限られてくるんですが、一番やはり問題になるのは燃料作物で、それでアルコールをつくってそれを燃料にするというブラジルでやっているような計画は相当進められればある程度いけるなと私は思うんです。
#18
○菅野久光君 エネルギーの問題は国民の生活あるいは経済にとっても大変重要な問題で、しかも今の日本のエネルギーの選択に当たっては経済性の見通しがこれが大きなかぎになっているわけですね。電力業界においても経済的に安いということで原発の拡大を図っているわけなんですが、最近は建設費の高騰で必ずしも安価なエネルギーとは言えなくなってきているんではないかというふうに思いますが、新エネルギーについては当面どのようなものが既存のエネルギーと経済的に競争できるような状態になるというふうにお考えなのか。もうあと五年か十年ぐらいたてば大分実用化されるものが出てくるようなお話なんですが、その辺はどのようにお考えでしょうか。
#19
○参考人(小野周君) 例えば太陽光発電所の大きなのをつくって、石油火力発電所だの原子力発電所とそのコストの上で競争しようと思っても、それは到底私は難しいと思うんです。ですから、そういう形では私はどうしても実用化できない、コストの上で競争できないのでやはりみんなが分散的に電力を使っていく、そういうふうなシステムにだんだん変えていって、例えばローカルに自分のところの地域は自分のところでエネルギーを供給するというような哲学になりませんとなかなか難しいんじゃないかと思うんです。そうなれば太陽光は、その他の太陽熱の利用とそれから省エネルギーと一緒にすれば、私は二十世紀の末ぐらいじゃないかと思いますけれども、かなりはそういう方向を目指せばいかないわけではないと思っているんです。
#20
○中野鉄造君 先ほどからいろいろお話ありましたけれども、小野先生に伺います。
 小野先生の「実用化の見通し」というこのプリントの中で「石炭液化・ガス化というものが、一番有望になる。」、こういうようなことが書かれておりますけれども、これはコスト的にはいかがなものかということが一点。
 それと先般私はオーストラリアで褐炭液化の現場を見てまいりましたけれども、普通の石炭と違って褐炭ということになると、あれは非常に容易に液化ということができるんじゃないかと思いますが、そこら辺の今の世界的な現況というものをお聞かせいただきたいと思います。
#21
○参考人(小野周君) 石炭の液化の現況の方は荻本参考人の方が私はよろしいと思うんですが、このコストの問題もそうなんですけれども、要するにコストはだんだん下げていって、そのときの石油を使った場合とバランスするようにならなければこれはやはりなかなか皆さんお使いにならないと私は思うんです。石油が高くなったときに石炭液化の技術を開発しようと思ってもこれは間に合いませんので、やはりこれについては私は常々やっておくことが必要ではないかというふうに考えておるわけなんです。
#22
○中野鉄造君 褐炭の方はどうですか。
#23
○参考人(小野周君) 褐炭の方は荻本参考人に。
#24
○参考人(荻本和男君) 私も余り褐炭の液化につきまして勉強しておりませんので、正確なお答えはできませんが、液化自体の技術は確かにもうできていることは事実だと思います。ただいかに安くするかということだろうと思いますが、ちょっと今何年先というのは言いにくいんじゃないか、言えないんじゃないかというのが現状かと思います。確かに液化よりもまだガス化の方がやはり楽でございますから、ガス化に注力してその次、先の問題として、長期のスパンで液化は先の問題として取り組んでおこうということでよろしいんじゃないかというふうに考えます。
 それで褐炭なんかも、あれをオーストラリアから日本に運んでくるには泥を運んでくるようなことになりますから、そういう意味で液化してやはりこっちへ持ってくる、こういうようなことになるだろうというふうに考えておりますが。
 ちょっと十分お答えになりませんが、この辺でひとつ御勘弁願いたいと思います。
#25
○小笠原貞子君 どうもお三人の方ありがとうございました。
 私北海道出身でございまして、そして北海道といえば石炭が非常に多いところで、それでずっと石炭の問題とエネルギーの問題と考えてみましたとき、北海道の工業試験所へ行って学者先生たちとお話をしましたとき非常にショックを受けたことがあるんですよね。と申しますのは、石炭の液化の問題なんかについても、あの石油に変わる前は非常に研究を進めていたとおっしゃるんです。もうこれは自分たち誇りを持って進めていたと。ところが石油がどんどん入るようになって、そしてもうそれはストップさせられてしまった。そして今度石油が高くなっちゃったり何だというと、さあ今度もうちょっと研究せい、こう言われたと。そのときこう言われたんですよね。政治家の人だとかそれから大臣だとかそういう人はこれがだめならこれせいと切りかえられるけれども、我々学者は、これはだめ、で次の日今度これやれなんてそうはあっち向いたりこっち向いたりでき
ないって言われまして、それで私は本当にいろいろ考えさせられたんですよ。
 きょうもお話伺っていまして、非常に多様化してきているという問題や、量だけではなくて質の問題からというと、やっぱりエネルギー問題というのはこれは人類社会の発展の、非常に歴史的な発展を見通して、そしてなおかつ科学的な方針というのを立てなければならないということから、今の政府の新エネルギー政策というものがどういう発想から出ているかというのを先生方のお話を伺いながら考えていましたら、やっぱり政府の方は私に言わせれば非常に低い発想である、なぜならば――いろいろ御意見、そこを伺わせていただきたいんだけれども――なぜならば、結局石油の価格、この価格の動向で新エネの決定だとか対策だとかという、すべて石油価格の動向でエネルギー対策というのが動いてきている。これは事実だと思うけれども、これから先の見通しについてもやっぱりそういうところから発想が出ているというふうに私は思われるんですよ。そうすると、やっぱりここまで来た政治、歴史的な、人類的なそういう立場から考えればちょっと立場が低過ぎるのではないかと、もっと科学的でもっと展望のある本当の開発というものは一体どういうことなんだというふうな発想の仕方をしなきゃいけないんじゃないかなと、素人でそう思ったんですから、だから素人じゃない専門家の先生方だったらやっぱり今の新エネ政策というものに対して研究者の立場からいろいろと御意見もおありではなかろうか、そう思うわけなんですね。
 それから、そういうものに対して先ほど先生おっしゃいましたね、もっと国家的立場で予算をつぎ込めと。私はまさにその辺重要なポイントだと思うんです。そうするともう今のようなお金のつけ方とか、また具体的に申し上げれば先生方に対する研究、学問の技術の研究という立場で一体どういうふうにごらんになっていらっしゃるだろうなと、そういう問題をお二人の先生からまず伺いたいと思うんです。
#26
○参考人(大島恵一君) まさに私が申し上げた第一点は今おっしゃったことなんです。
 実は私も昔北海道に関係がございまして、あそこの技術開発の、特に石炭利用の問題なんかですね。北海道の研究が非常に貴重なのは、先ほどの褐炭の話とも関係があるんですけれども、石炭の液化とかガス化というのは、石炭は非常にそれぞれの育った環境と申しますか、精製した違いで化学的な性質が非常に違うんですね。ですから、石炭液化とか石炭ガス化ということを一概に言って、全部ぶち壊して、それこそ水素と一酸化炭素にしてしまえば別ですけれども、それの場合でも非常にそういう個々の石炭の性質、特に液化の場合だと思いますけれども、性質が非常に大事です。北海道は伝統的に日本では長い間石炭化学をやっていたところなんですね。それが全くおっしゃるとおり、それこそ石炭から石油代替、北海道の炭鉱がだんだんなくなっていくと同じように研究も消えていって、あそこにおられた武谷先生なんというのは本当に世界的権威だったんですけれども、後継ぎがいないんですね。それで今になって今度また急にやろうとすると、さあだれもいない。それが最初に申し上げた私は技術というのは資源と違って、欲しくなって掘りに行ってももうないんですね。この点は私はもうまさにおっしゃるとおりで、これはぜひ重要な課題としてお考えいただきたい。
 特に、先ほど申しましたように、石油価格とかエネルギーという問題が今までと同じじゃなくて多様化したり、またいろいろ変わってくるということになりますと、今から将来を予測して計画的にこれだけやっていけばいいということにはならないわけですね。
 ところが、私も大学に長年おりましたけれども、それエネルギーというと大学の研究費でも、例えば光化学をやっている人も先化学によってエネルギー問題は解決すると書かないと文部省でさえも予算がつかないわけです。それが役立つとなると特別研究とかなんかというんで予算がつくんですね。それで学者の方はまあ内心は自分のやりたい、今おっしゃったようにやりたいことがございますから、そういう題目を掲げて実はやりたいことをやるんだと言うんですけれども、やっぱりそこはお金の力は大変大きいんでございまして、報告書を書けどうのというとどんどんどんどんもうそれをやらざるを得なくなってくると。
 私は今の点に関して、先ほど申しましたように、一つの問題は新エネルギーといったような長期的なしかも人類的課題については民間の活力とかなんかということよりも、やはり国としてかなり幅広く研究開発投資というものは全体の予算の中で見ればそれほど、例えば大きな大型の研究開発に比べても、また今言ったようなものあるいは土木工事とか何かに比べてもそれほど大きな問題はないんで、それをぜひそういった技術革新をもたらすための柱として取り上げるべきだというのが一つと、それからもう一つは今の問題に関連しまして、私はやはり国の研究開発投資の場合に、今までのこういう表現がよろしいかどうかわかりませんが、大蔵省に持っていくために、何か役に立つんだということを言わないと予算がつかないということのような、いわゆる本当の基礎研究に関しては基礎研究としてそのお金を自由につき込むという、これは額はそんなに多くなくてよろしいわけで、あるときに全体のエネルギー研究開発投資の一割をそういう基礎に自由に使うということをやるだけでもこれは大変に大きな効果が出るんじゃないかということが、そういうことは随分昔から言われるんですけれども、現実にはなかなか実現しない。この点は、これは必ずしも日本だけではないかもしれませんが、世界的にもそういうことが言えるのかもしれませんが、日本において特にちょっとそういう傾向が強いことはおっしゃるとおりで、我々、もう私は名誉教授でございますので研究はもうやっておりませんが、やっているときはどうやってそういううまく作文して自分のやりたいことをやるかというのでかなりそういうことに――小野先生はどうか知りませんが、私など実験をやっている者は非常にそういう感じを受けております。おっしゃるとおりでございます。
#27
○参考人(小野周君) ただいまのお話しになったようなことがありまして、実は大分時効になったからいいのかもしれませんけれども、例えば原子核の実験装置をつくることなんかを何かいろいろ言うときに、結局これはエネルギーだからエネルギーに関係があるんだというようなことを言わないと、なかなか大蔵省がうんと言わないというお話を私は聞きましたので、そういう点はやはり大島先生がおっしゃったとおりだと思うんです。
 それからもう一つ、やはり今の政府に要望したいことは、やはりエネルギーならエネルギー全体をどういうふうに実際に使うかというそのシステムを考えた上でその開発を考えませんと、非常に太陽光発電のことを研究していらっしゃる方も一生懸命やっていらっしゃるし、いろいろあるんですけれども、最終的にそれがどうまとまっていくかという見通しが私は非常に大切だと思っているわけです。
 それからもう一つは、これは実際に研究をされる方に御要望が少しありますのは、どうも格好のいい研究が非常に好きで、余り格好のよくおい研究の方は余り力を入れられないという面がありまして、太陽光は非常に熱心だけれど、燃料作物の方はそれほど熱心にやられてないと私は思うんですが、そういうものを相互に関連させて、全体としてそれをどういうふうに使うかという考えがないと私はやはり困るんではないかと思っております。
 さっき荻本さんがおっしゃられたことに大変口幅ったいことを言うんですが、太陽熱冷暖房にいたしましても、私は今の日本でやっているのは余り感心してないわけで、五年ほど前にエジプトに行きましたときに聞いた、これは日本では無理かもしれませんけれども、熱くなると蒸発してしまって、それから夜になると、これは日本じゃそれほど冷えませんけれども、アラビアでは非常に冷
えますから、夜になると蒸発したものが液体になって熱を出すという非常に簡単な冷暖房装置があることを聞きました。
 それから、それに相当するようなことがいろいろありまして、これは上智大学の押田先生なんですが、窓ガラスをフレネルプリズムにしておいて、夏は太陽の光が入らなくて、冬は入るようにするとか、いろいろそういう工夫があるわけです。そういう非常に、こう何か高い技術を使わなくてもいろいろできるというようなことも大いに奨励していただきたいし、それから技術関係の方もやっていただきたい、そういう要望を今持っております。
#28
○小笠原貞子君 荻本参考人に伺いますが、十八ページの最後のまとめのところに、太陽熱発電について、「未だ揺籃期にあり、掛け声のわりには、需要が出てない。」とございますね。そして、その最後にも「コスト低減と需要の掘りおこし」と。この需要が出てないというのは、コスト高だから需要が出てないというのと同一で考えてよろしいんですか。何か……。
#29
○参考人(荻本和男君) はい。そういうことでございますね。
#30
○小笠原貞子君 それでよろしいんですか。
#31
○参考人(荻本和男君) それともう一つはコストが高くとも特別な用途が開発できればいいんですけれども。
#32
○小笠原貞子君 それで、またお三人からちょっと伺いたいんだけれども、例えば私なんか素人ですもので、仁尾の太陽熱のあそこしか見たことがないなんというものなんですけれども、やっぱり一番素人的に見ては、太陽というのが無限の資源であり、これは本当にもう利用しなきゃいけないと、こういうふうに考えますのよね。そうすると、この太陽のエネルギーをどう使うかということについて、国際的に見た場合、どこが一番進んでいるのか。そして、日本の場合は、国際レベルで言ったらどの程度か。経済でいえば、資本主義第二位なんて言って威張っているけれども、その研究ではどの程度のところまで行っているものかという点ですね、その点はどういうふうにごらんになっていらっしゃるか。
 それから、先生さっきおっしゃった燃料作物、これも私は余りよく知らないんですよ。だから、燃料作物というものが、これもちょっとアメリカの例なんか参考人の先生から伺ったんだけれども、具体的にこれが実用化されているというようなのは、一番進んでいるのは、どこの国でどういう作物が使われているかというのを教えていただければと思います。
#33
○参考人(小野周君) 燃料作物は、私が知っている限りでは、ブラジルだと思うんです。これはキャッサバ、たしかキャッサバだったと思ったですけれども、つくりまして、それでそれをアルコール発酵しまして、それで自動車の燃料に使うということをやっているんですけれども、問題はコストの問題がありまして、もしそれをつくっているときのコストが、OPECが石油の値下げかなんかやりますと、完全にその工業がつぶれてしまうわけですね。そういうリスクを持っているということを私はこれについては聞かされました。ですけれども、これもやはり先ほど申しましたように、これは普通の植物はC3――C4植物というのがありまして、サトウキビはそうなんですけれども、そういうものは、最近の遺伝子工学あれだけ発達しているんだから、もう少しいいものをつくろうというような努力はされてしかるべきじゃないかというふうに私は考えておるわけです。
#34
○小笠原貞子君 日本のレベルは国際的にどの程度と見てよろしいんでしょうか。
#35
○参考人(荻本和男君) 一応今いろいろ文献等を見たり、あるいはお話を聞きますと、やっぱりアメリカが日本より進んでおりまして、日本も相当勉強しているというふうに考えてよろしいと思います。それからあとヨーロッパは、必ずしも自分の国じゃそんなに太陽エネルギーを使う必要よりも、むしろそれを、その技術を開発して、例えばアフリカだとか、そういう低開発国の援助に使おう、こういうようなことで結構勉強しているようでございます。そんな感じで今受け取っておりますが、したがってまとめてもう一度申しますと、アメリカがやっぱりリードしている、日本はそれをフォローしている、結構ヨーロッパも別の意味での努力をしている、こういうふうに考えていただいていいんじゃないかと思っておりますが、いかがでしょうか。
#36
○参考人(大島恵一君) 私もそういうふうに思います。
 ただ、一つ、これはアモルファスの太陽発電の特に大量生産に関して最近非常に日本の技術が進んでいるというような感じ、私商業的なことはよく存じませんけれども、感じを強く持っているわけです。これは日本においては、何というんですか、ポケットに入れる……
#37
○小笠原貞子君 薄い電卓。
#38
○参考人(大島恵一君) 薄いあれに、そういうまあエネルギーですけれども、そういうものに使って、非常にどんどんもう市場に出てきたということがあるものですから、生産技術が、これ日本の得意のところですが、生産技術が非常に進んで、そのためにああいった、あるいはリボンの場合にもそうかもしれませんが、大体日本のはアモルファスでございますね、リボンのも幾らかあるようですが。そういうような点で日本の技術が進んできている。ただ、エネルギーとして使う方は依然としてアメリカがリードしているというのが今の太陽光発電についてでございます。
#39
○小笠原貞子君 東芝ですね、おたくは企業の立場で研究どんどんなすっていらっしゃる。そういう場合、企業での研究というのは、やっぱり利潤というものがなかったら研究の価値はないというようなことで、やっぱりそこで研究というのもある程度の制約というのはしょうがないというふうに私は思うんだけれども、そのとおりですか。
 それからもう一つ、そういう東芝の会社で新エネの研究ということになった場合の国としてのおたくの会社へ直接の財政的な補助というようなものはあるんですか。あれば、どれくらいのものがついているのか、全くそっちの方の予算も知らなかったもんですから。
#40
○参考人(荻本和男君) まず最初の御質問の、要するに利潤と開発投資、こういうふうな関係の御質問だと思いますが、やはり企業ベースでございますから、確かに利益第一に考えなきゃいけませんが、私ども大きな企業でございますので、やはり日本でいかに貢献するかということも考えなきゃいかぬというふうに考えておりまして、その辺をバランスとるのは非常に難しい問題でございます。
 それで、これはやはり国の問題も先ほど先生方おっしゃいましたように、いわゆる基礎研究にある程度回さなきゃいかぬのだけれども、それが非常に難しいというお話ございました。私ども社内では基礎研究やるその研究所の部門がございまして、そこは確かに長期的なベースでやっておりまして、すぐもうかるものということじゃございません。十年、二十年先のものをやっておりまして、そこにはあるパーセントでやはり回さなきゃいかぬということでやっておりますが、確かにそのパーセントがともすると減らされがちになるという感じがございます。そんなことでやっております。
 それから今新エネルギーについてどれだけ国からお金が出ているか、こういうお話でございますが、そうでございますね、非常に難しいんですが、新エネ、省エネ、どうでしょう、私ども二十億ぐらいもらっているんでしょうか、ちょっと正確な計算しておりません。年二十億ぐらいもらっているような感じですが、最近実はふえておりまして、その前、例えば去年あたりですと五億とか十億、そのあたりじゃないかと思いますが、ちょっとこれはもう少し計算をしないといいかげんなお答えになりますが、感じとしてはそんなふうに思っております。
#41
○小笠原貞子君 今、新しいビルだとかマンションだとかというのはガスが危険だというので、全
部台所なんかも電気になっていますよね。あれは非常に私は火災ということを考えればいいんだなというふうに思っているんですけれども、マンションなんか全部ガスから電気に、ヨーロッパなんかでもそういうところが多いですから、そういうものについてどう思っていらっしゃるのかということと、それからガスで燃料とそれから電気と両方に出すというのね。この間筑波万博へ行って、見せてもらってちょっとわかったこと。そうすると、何かガスで電気も使うといったら物すごく効率がよくて、私はこれはすごくいいなというふうに思ってきたんですけれども、その場合の電力というものはコストとしては一体どういうふうなことになるんでしょうか。将来的にはガスから電力というものは発展していくというふうにごらんになっているのか、わからないのでちょっと教えていただければと思います。どなたでも結構です。
#42
○参考人(荻本和男君) 私、お答えしてよろしゅうございますか。
 二番目のお話を先にお話ししたいと思いますが、今の筑波でごらんになったのはこれは燃料電池だと思います。それでもって発電をして、なおかつ熱も出している、こういうことでございまして、これは私ども燃料電池の一番使い勝手のいい方法だということで将来期待している方式でございまして、ただ、ただいまのところは、あそこの東京ガスに入っておりますのは非常に発電装置のコストが高いために、電力単価を勘定しますととても使えないかと思いますが、これを今低減する努力をしておりますので、先ほど申しましたように、五、六年ないし十年ぐらい先には非常にエネルギーの有効利用ということで、使い勝手のいい発電システムということで普及していくと思っております。
 その場合の問題は、ガスを使いましてガス会社さんが主体で行った場合は、ビルとか家庭とかそういうところにたくさん出ますと、それをその装置が故障したりあるいは点検するときはとめなければいけません。そうすると今度は電気を電力会社の系続から買わにゃいかぬ。そうしますと、電力会社はそういうそのときのためのみに設備をしなければいかぬということで、そうしますと非常にコストが上がりますので、それをどううまく解決していくかという問題もあるかと思いますが、この辺のところはこれから時間をかけて皆さんディスカスしていかれるんではないかというふうに考えております。
 それから最初の御質問は、最近は電気が家庭とか何かに多いと、こういうことでございますが、私はそれがいいんではないかと思いますが、これはいろいろ議論があるんじゃないでしょうか。余りそう言い切りますと、必ずしもガス会社さんの方としてもあれは危険ではない、現在日本のものは天然ガスが主体でございますので、万一漏れても上へ上がってきましてマンションの中にこもることはないから安全だというようなお話もございましょうし、それからいろんな安全の器具も開発されておりますから、必ずしもガスはだめとは言い切れないと思いますが、その辺どう割り切っていくかということかと思います。
#43
○委員長(田代由紀男君) いいですか、ほかにございませんか。
 以上で参考人に対する質疑は終わりました。
 参考人の方々には、お忙しい中を本委員会に御出席をいただきましてありがとうございました。本日お述べいただきました御意見等につきましては、今後の調査の参考にしたいと存じます。委員会を代表して厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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