くにさくロゴ
1984/04/03 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 科学技術特別委員会 第4号
姉妹サイト
 
1984/04/03 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 科学技術特別委員会 第4号

#1
第102回国会 科学技術特別委員会 第4号
昭和六十年四月三日(水曜日)
   午後三時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二日
    辞任         補欠選任
     小野  明君     対馬 孝且君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         馬場  富君
    理 事
                古賀雷四郎君
                林  寛子君
                稲村 稔夫君
                塩出 啓典君
    委 員
                岡部 三郎君
                長田 裕二君
                後藤 正夫君
                志村 哲良君
                成相 善十君
                藤井 孝男君
                安田 隆明君
                対馬 孝且君
                本岡 昭次君
                八百板 正君
                伏見 康治君
                佐藤 昭夫君
                山田  勇君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       竹内 黎一君
   政府委員
       科学技術庁長官
       官房長      宇賀 道郎君
       科学技術庁長官
       官房会計課長   窪田  富君
       科学技術庁計画
       局長       堀内 昭雄君
       科学技術庁研究
       調整局長     内田 勇夫君
       科学技術庁振興
       局長       本郷 英一君
       科学技術庁原子
       力局長      中村 守孝君
       科学技術庁原子
       力安全局長    辻  栄一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        野村 静二君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第二局上席
       調査官      吉田 日麿君
   参考人
       動力炉・核燃料
       開発事業団理事
       長        吉田  登君
       動力炉・核燃料
       開発事業団理事  植松 邦彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○昭和六十年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送付)、昭和六十年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送付)、昭和六十年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (総理府所管(科学技術庁))
    ─────────────
#2
○委員長(馬場富君) ただいまから科学技術特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二日、小野明君が委員を辞任され、その補欠として対馬孝且君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(馬場富君) 去る三月二十九日、予算委員会から、本日の午後三時から明四日の正午までの間、昭和六十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち科学技術庁について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
    ─────────────
#4
○委員長(馬場富君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件審査のため、本日の委員会に動力炉・核燃料開発事業団理事長吉田登君及び同理事植松邦彦君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(馬場富君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(馬場富君) 竹内科学技術庁長官から説明を求めます。竹内科学技術庁長官。
#7
○国務大臣(竹内黎一君) 昭和六十年度における科学技術庁の予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 昭和六十年度総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、科学技術庁の歳出予算要求額といたしまして三千二百九十五億二千八百六十三万七千円を計上いたしました。
 また、総理府、大蔵省及び通商産業省の共管による電源開発促進対策特別会計歳出予算要求額のうち、科学技術庁分といたしまして八百八十四億七千八百四十八万六千円を計上いたしましたほか、産業投資特別会計から、日本科学技術情報センターに対し、二十九億円の出資を予定いたしております。以上の各会計を合わせた科学技術庁の歳出予算要求額は、四千二百九億七百十二万三千円であります。これを前年度の当初歳出予算額四千八十億九千百八十五万四千円に比較いたしますと、百二十八億一千五百二十六万九千円の増額となっております。
 この歳出予算要求額のほか、国庫債務負担行為限度額といたしまして、一般会計九百三十億八千九百八十四万円、電源開発促進対策特別会計八百九十一億六千八百万円を要求いたしております。
 次に、歳出予算要求額のうち主な経費につきまして、その大略を御説明申し上げます。
 第一に、科学技術会議の方針に沿って、科学技術振興に必要な重要研究業務の総合推進調整を実施するための科学技術振興調整費の拡充を図り、同会議を中心とする科学技術行政における企画調整機能の一層の強化を図るための経費として七十三億二千九百八十五万一千円を計上いたしました。
 なお、基礎研究における国の果たすべき役割の重要性にかんがみ、国立試験研究機関における基礎研究の強化のためにも、本調整費の活用を図ることとしております。
 第二に、科学技術振興基盤の整備といたしまして、研究者の交流等の促進のための経費、日本科学技術情報センターにおける科学技術に関する各種データベースの整備、新オンラインシステムの開発等科学技術情報の全国的流通システムの整備を促進するための経費等として、一般会計に二十二億九千七百七十九万七千円を計上いたしますとともに、産業投資特別会計から同センターに対し、二十九億円の出資を予定しております。
 第三に、科学技術分野における国際協力の推進を図りますため、日米協力を初めとする先進諸国
との科学技術協力、日本・ASEAN科学技術協力等開発途上国との協力、人材交流等の国際協力に必要な経費として六十五億九千三百八十三万五千円を計上いたしました。
 第四に、科学技術に対する国民の理解の向上を図りますため、三月十七日から筑波研究学園都市において開催いたしております国際科学技術博覧会の運営及び閉会後の処理を行うため必要な経費等として九十四億一千二百三十六万九千円を計上いたしております。
 第五に、先端・重要科学技術分野の研究開発等の推進といたしまして、三千七十三億一千三百一万二千円を計上いたしました。
 まず、流動研究システムによる創造科学技術推進制度の拡充といたしまして、産・学・官のすぐれた研究者を弾力的に組織化して、次代の技術革新を担う創造性豊かな新技術を創出することを目的とした研究を推進するために必要な経費として新技術開発事業団に二十五億六千九百七十五万三千円を計上いたしました。
 次に、原子力研究開発利用の推進といたしまして、原子力安全規制行政及び原子力の安全研究など安全対策を進めるための経費、海外におけるウラン資源の調査探鉱、ウラン濃縮、使用済み燃料の再処理及び放射性廃棄物の処理処分対策等核燃料サイクル確立のための経費、新型動力炉の開発として、高速増殖炉及び新型転換炉の研究開発を行うための経費のほか、臨界プラズマ試験装置の建設、運転等核融合の研究開発及び多目的高温ガス炉の研究開発のための経費、原子力船「むつ」の新定係港の整備等に必要な経費並びに国立試験研究機関等における原子力研究開発利用に関連する各種試験研究を行うための経費などとして一千七百八十億一千九百六十万六千円を計上いたしております。
 また、宇宙開発の推進といたしまして、宇宙開発事業団における放送衛星二号b、海洋観測衛星一号、技術試験衛星V型、通信衛星三号、放送衛星三号、静止気象衛星四号の開発、地球資源衛星一号の開発研究、米国のスペースシャトルを利用した第一次材料実験システムの開発、米国宇宙基地計画の予備設計段階の作業への参加、人工衛星打ち上げ能力向上のためのHIロケットの開発及び一九九〇年代における大型人工衛星の打ち上げ需要に対処するためのHIIロケットの研究などを進めるための経費のほか、航空宇宙技術研究所における宇宙科学技術の基礎的、先行的研究を行うための経費などとして九百十五億八千五百四十九万八千円を計上いたしております。
 また、海洋開発の推進といたしまして、海洋科学技術センターにおいて潜水調査船「しんかい二〇〇〇」による深海調査技術の研究開発を引き続き進めるとともに、六千メートル級潜水調査船システムの設計研究を実施するほか、潜水作業技術に関する研究開発を進めるための海中作業実験船「かいよう」を完成させ実海域実験を行う等総合海洋科学技術プロジェクトを進めるための経費などとして六十八億七千五百九万六千円を計上いたしております。
 また、ライフサイエンスの振興といたしまして、八十四億四千九百四十九万四千円を計上いたしました。
 これは、保健医療、食糧、エネルギー等広範な分野において人類の福祉に貢献する総合的科学技術であるライフサイエンスの振興を図るため、理化学研究所におきまして、ライフサイエンスの研究に必要不可欠な細胞、遺伝子の収集、保存、提供を行うジーンバンク棟の建設、遺伝子組みかえ技術を用いたがんの本態解明のための研究及び科学技術振興調整費等の活用によるライフサイエンスに関する共通基盤技術等の研究開発のほか、放射線によるがんの診断、治療のための研究等を推進するための経費であります。
 さらに、材料科学技術の研究開発といたしまして、金属材料技術研究所及び無機材質研究所における各種試験研究を推進するための経費として五十五億九千九百二十五万七千円を計上いたしましたほか、科学技術振興調整費及び創造科学技術推進制度の活用による材料科学技術に関する研究開発を進めるため二十二億一千百万円の充当を見込んでおります。
 その他重要総合研究等の推進といたしまして国立防災科学技術センターを中心とする地震予知、雪害対策等の防災科学技術に関する試験研究、航空宇宙技術研究所におけるファンジェット短距離離着陸機の実験機の開発等航空技術の研究開発及び理化学研究所におけるレーザー科学技術研究等各種研究を行うための経費並びに新技術開発事業団における新技術の企業化の促進等の事業に必要な経費のほか、資源調査所における各種調査に必要な経費として、二百四億五千二百六十六万一千円を計上いたしております。
 次に、電源開発促進対策特別会計歳出予算要求額のうち、科学技術庁分の主な経費につきまして、その大略を御説明申し上げます。
 まず、電源立地勘定におきましては、原子力施設の立地対策として、原子力施設周辺地域の住民等に対する給付金の交付及び周辺地域における雇用確保事業の推進を図るとともに、関係地方公共団体の公共用施設の整備のほか、放射線監視対策、原子力防災対策などの原子力安全対策等に必要な経費として百二十一億二千四百四十八万二千円を計上いたしました。
 また、電源多様化勘定におきましては、高速増殖原型炉「もんじゅ」の建設、新型転換炉実証炉に関する研究開発等新型動力炉の開発を進めるとともに、使用済み燃料再処理技術の開発及びウラン濃縮技術の開発を行うための経費など七百六十三億五千四百万四千円を計上いたしております。
 以上簡単でございますが、昭和六十年度科学技術庁関係歳出予算要求額につきまして、その大略を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほど、お願いいたします。
#8
○委員長(馬場富君) この際、お諮りいたします。
 昭和六十年度科学技術庁予算についての宇賀官房長の説明は、これを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(馬場富君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
#10
○委員長(馬場富君) これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
#11
○後藤正夫君 ただいま科学技術庁長官から、昭和六十年度の科学技術庁の予算の概要の御説明を伺いました。また、去る三月八日には、科学技術庁関係の所管事項について、長官の所信の御表明も伺いました。これを拝聴しながら、科学技術庁として、また長官として、厳しい財政事情の中にありながら前年度を総額として三・一%を超える予算を獲得していただいたということについては、大変その御努力に敬意を表したいと思います。しかしながら、今、日本が置かれております。国際環境を考えますときに、今後科学技術の国際的な交流も、今まで以上に積極的に行わなければならないようなことになると思われますので、その場合にさらにその後に続く研究開発を進めるための一層の努力をしていただく必要があるように思うわけでございます。
 きょうは時間の関係もございますので、いろいろ伺いたいことはありますけれども、その中で特に予算並びに今後の研究開発全般についての科技庁の御意見を伺いまして、その後、海洋関係の科学技術の問題に絞りまして質問を申し上げ、その後、時間が余りましたらば他のもう一つの問題を伺いたいと思います。
 まず第一に、今申し上げましたように、新しい国際環境の中における日本の将来を考えますときに、新素材あるいはエレクトロニクス、ライフサイエンス等新しい技術の展開に向けた努力が一層高まっておることは申すまでもございません。このような状況の中におきまして、去る十一月、科学技術会議が第十一号の答申を出されました。この答申について大臣の御所見を伺いたいと思います。
#12
○国務大臣(竹内黎一君) 先生ただいま御指摘のとおり、昨年十一月に科学技術会議から第十一号答申をちょうだいしたわけでございます。私は、この十一号答申が、長期的展望に立ちまして、我が国の科学技術振興のため、今後十年程度をめどにしたその総合戦略についてまことに貴重な御招示あるいは提言を行ったとこの答申自体を高く評価しておりますし、今後私どもの科学技術庁の科学技術行政というものは、まさにこれをよりどころにして強力に展開をしてまいらなきゃならぬものと、このように理解し受けとめております。
#13
○後藤正夫君 そこで、今大臣からの御意見も伺いましたが、我が国の研究開発の投資水準ということにつきまして大臣としてはどのようにお考えでございましょうか。
#14
○国務大臣(竹内黎一君) お話しの我が国の研究開発の投資水準でございますが、国際比較で申し上げますならば、一九八二年度におきます我が国の研究開発投資は五兆九千億、対前年度比実質六・四%増でございますが、米国は何と二十兆、ソ連も八兆四千億と、こういうことでランクとしては世界第三位、西ドイツ、フランス、イギリスよりは多い、こういうことになっております。しかしながら、これを国民所得に対する比率で見てまいりますと、今申し上げた西ドイツは三・一八、米国が二・九六と、こうなりますが、我が国は五十八年で二・九五とそれよりも下になるわけでございます。こういうわけでございまして、私どもとしては、今後これからも科学技術立国を目指す日本としては、官民全体を合わせた研究開発の投資額というのはますます高めていく必要があるだろうと、こう認識をしております。
#15
○後藤正夫君 ただいまの大臣の御意見を伺っておりますと、向こう十年間を目標に三・五%に達するように努力をしたいというお話でございます。しかしながら、冒頭私の意見として申し上げましたように、国際的な環境もどんどん変わってきていると、それに伴って日本の科学技術の海外流出等を考えますときに、向こう十年間で三・五%というのでは少しスピードが遅過ぎるのではないだろうかと、これをもう少し早い期間に三・五%を実現するところまで持っていくという努力をする必要があるのではないかと思いますので、その点について大臣のお考えを伺いたいと存じます。
#16
○国務大臣(竹内黎一君) 先ほど御指摘になりました第十一号答申におきまして、我が国の研究開発投資の水準を当面は対国民所得比三%、長期的には三・五%程度を目指せと、こう御指摘をいただいておるわけであります。これを受けまして政府として努力するのは当然のことでございますけれども、私もできることならば十年といわず五、六年の段階においてその三・五%を達成いたしたいと、こうは思いますけれども、何しろこれは経済の状況とかいろいろと不確定要因がありますので、ここではっきりと断言してそういたしますとお答えできかねることを御容赦賜りたいと存じます。
#17
○後藤正夫君 私もぜひ大臣、今のようなお考えでできるだけそのスピードを上げるように御努力をいただきたいと思います。
 そこで、先ほど申し上げましたように海洋の問題について質問をさせていただきたいと思います。
 京都大学のある先生は、日本は海洋国であるはずだけれども、実際は海岸国であると。それは、例えば諸外国のように大きなロマンを扱ったような小説も、海洋大小説といったようなものも出ていないではないかといったようなことを聞いたことがございます。確かに日本は海洋に取り巻かれた島国でありますし、また事実漁獲量等におきましても日本は大きな海洋国であるといってもいいのではないかと思います。そのようなことを考えますときに、海洋の開発につきましては今まで以上の努力をして、その海洋資源の開発、あるいは海洋資源をふやすための努力をしなければならない時期に来ているように思うわけでございます。科学技術庁の海洋開発への取り組み方と、どういうようなお考えで今取り組んでおられるかということにつきまして、まず科技庁の意見を伺いたいと思います。
#18
○政府委員(内田勇夫君) ただいま先生御指摘いただきましたように、四方を海に囲まれた我が国にとりまして、海洋開発の果たす役割は非常に大きく、その推進のためには海洋科学技術の開発が不可欠であるというふうに考えております。そして、当庁といたしましてはこのような認識のもとに海洋開発審議会の事務局といたしまして海洋開発全体の推進方策の検討を行いますとともに、関係省庁の海洋科学技術に関する総合調整、さらに海洋科学技術センターを中心とした総合海洋科学技術開発プロジェクトの推進を行うなど、その総合的な推進を図っているところでございます。
 具体的には、関係省庁で実施しております海洋科学技術開発を総合的、計画的に進めるために、海洋開発関係省庁連絡会議を主宰いたしまして海洋開発推進計画を毎年度策定いたしますとともに、各省庁の海洋科学技術関連経費の調整を実施しております。また、海洋科学技術センターを中心といたしまして、深海調査技術の研究開発、潜水作業技術の研究開発を初めといたしまして、先導的、基盤的な総合海洋科学技術開発プロジェクトを推進しておるところでございます。
 当庁といたしましては、以上の施策を今後とも積極的に推進していきたいと考えております。
#19
○後藤正夫君 私が若いころ読んだSFの中に、たしかディーダラスだったかと思いますけれども、地球上に人間がだんだんとふえてしまって食糧が足りなくなってきて住みにくくなってくる、そこで人類がいろいろと知恵を絞って、熱帯、亜熱帯等の暖かい地域の海洋にある種の魚が増殖するために必要な海草を繁殖をさせる、その海草を食べて魚がたくさんにふえていく、地上からその魚のホルモンが出るのを刺激するような電波を放射すると、その魚の魚群は電波の方向に向かって集まってくるので、これを一網打尽にして何とかこれで食いつないで人類が生き延びていくというような小説を読んだことがございましたけれども、日本は海洋国でありながらこれまで魚をとるための努力は随分一生懸命やりましたけれども、魚を増殖、海洋資源を増殖するための努力というものについては今までは余り日本は熱心ではなかったと思います。
 しかしながら、今経済大国と言われるような国になっておりますことを考えますときに、日本はもっと積極的に海洋資源をふやすための努力をしなければならない責任もあるというように考えるわけでございます。
 そこで、来年度の計画等を見ますと、日本は先ほど申し上げたように海洋国であると同時に海岸国である。その海岸を持っているいろいろな地域といいますか、地方公共団体等が、海洋開発の研究について最近関心を持って努力をし始めてきております。これに対応するように、科技庁におかれましても、海域総合利用技術開発調査、アクアマリン計画というものをお立てになっているわけでございますが、このアクアマリン計画の今後のお考え、構想等について伺いたいと思います。
#20
○政府委員(内田勇夫君) お答えいたします。
 アクアマリン計画は、二百海里時代に対応した我が国の沿岸域の総合的な利用を推進するために、その基礎となる海域総合利用技術の開発を推進することを目的といたしております。具体的には、昭和六十年度から三年間にわたりまして全国的に地方自治体に対しアンケート調査を実施いたしますとともに、毎年三地域を選定いたしまして、当該地域の特性を踏まえた技術課題の抽出を行うということにいたしております。抽出されました技術課題につきましては、科学技術振興調整費等の予算を活用して技術開発を推進をいたしたいというふうに考えております。各都道府県に対しまして調査計画書案の提出をお願いいたしましたところ、現在まで十一の県から大変熱心な計画の御提案をいただいております。
#21
○後藤正夫君 各県ともかなり積極的な関心を持って努力をする意欲が認められますので、これに
つきましてひとつ科技庁としてもさらに積極的な努力をしていただきたいと思います。
 次に、ちょっと問題は変わりますが、今後海洋開発の基礎となるような海洋科学技術、特に海洋の鉱物資源やあるいは海洋の――後に志村委員からも御質問があるかもしれませんが、地震の予知に関係するような問題ですね、これも海洋にいろいろ関係がある、そういうような問題についても調査研究を進めていただく必要があると思いますが、そのためには今科学技術庁が運航されている深海潜水調査船、既に完成しておりますのは「しんかい二〇〇〇」でございますけれども、これまでの調査研究の概要と今後の取り組み方について科技庁の御意見を伺いたいと思います。
#22
○政府委員(内田勇夫君) 海洋科学技術センターが所有しております二千メートル級の潜水調査船「しんかい二〇〇〇」につきましては、昭和五十八年の七月から本格的な運航を行って各種の調査をいたしております。現在までに深海底の生態糸等の生物の調査、海底地形、地質等の研究を目的といたしまして、富山湾、駿河湾、相模湾、三陸沖、南西諸島において潜航調査を行いまして駿河湾におきますプレートの潜り込みの確認とか、富山湾におけるべニズワイガニの生態の解明を初め多くの新しい知見を得ておるところでございます。「しんかい二〇〇〇」は今後これを運航いたしまして非常に有益な知見を得る手段となるというふうに考えておりますが、二千メートルまでの調査でございまして、マンガン団塊等海底鉱物資源及び地震予知に関する海底地形の調査のためには、水深六千メートル程度の深海底まで調査することが必要だというふうに考えております。このため、我が国二百海里水域の約九四%をカバーできる六千メートル級の潜水調査船システムの研究を進めることといたしまして、昭和六十年度予算には、その設計研究を実施する予算を計上しておるところでございます。今後とも深海調査及びそのための研究開発を積極的に推進していきたいというふうに考えております。
#23
○後藤正夫君 「しんかい六〇〇〇」、「四〇〇〇」をいわば飛ばして、あるいは次は「四〇〇〇」かと思っておりましたが、それを飛ばして「六〇〇〇」に今挑戦をされていると。フランスにおきましては、既に深海六千メートル潜水できる深海艇が動いておりますし、私もその建設の途中でフランスのツーロンでいろいろ見たり聞いたりしてきたことがありますので、これについてできるだけ早くこの計画を進めていただきたいと思います。そして、これは科技庁の所管ではございませんけれども、文部省が日本とフランスとの協力によりまして、このフランスの深海艇を使って、六千メートル級のSM97というのを使ってことし日本海溝の調査を何かやるような計画があるというふうに聞いております。これも大変結構なことだと思いますけれども、できるだけ早く日本も深海六千メートル潜水できる深海艇ができるならば、世界の海域の九八%はこれでカバーできるんだというふうに聞いておりますので、この計画を進めるために努力をしていただきたいということを、これは科技庁にひとつ強く要望をいたしたいと思います。
 それから次に、ことしから新しい第二期の計画に入ることに予定されております波力発電の実験船「海明」について伺いたいと思います。
 第一期の計画は、科技特の調査の際に私も参加いたしまして、山形県の由良に係留して実験をされておりますのを見る機会がございました。これについて私も大変大きな関心を持ったわけでございます。その後、この二期計画のために由良の「海明」の改装が進んでおりまして、多分、今年度から新しい二期計画に入るものだというふうに承知いたしておりますけれども、恐らく新しい方式によって、当時見学いたしましたころは一キロワット当たり三百四十円ぐらいのコストだというふうに聞いておりましたけれども、それがはるかに改善されて経済的にもかなり将来性のあるものに変わっていくことを期待しているわけでありますけれども、この新しい第二期の計画につきましてその概要を伺いたいと思います。
#24
○政府委員(内田勇夫君) 波力発電装置「海明」の第二期計画につきましては、第一期計画の海上実験の結果を踏まえまして、ただいま先生からお話しございましたように、発電効率の向上と発電経費の低減等を図ることを目的といたしまして、試験装置の開発、海上実験等実施することといたしております。この準備は五十八年度から進めておったところでございますが、昭和六十年度には、「海明」を山形県の由良沖に回航いたしまして海上実験を実施し、各種のデータの取得を行う計画といたしております。
 なお、この海上実験は、国際エネルギー機関IEAとの共同プロジェクトでございまして、今回の実験にも米国等の参加を得て実施する予定といたしております。
#25
○後藤正夫君 「海明」について、さらに海洋開発につきまして今いろいろ科技庁の御意見を伺いましたけれども、海洋開発の推進について長官としてどういうふうにお考えであるか伺いたいと思います。
#26
○国務大臣(竹内黎一君) 先ほど先生は、海にはロマンがあるとおっしゃいましたが、私も全く同感でございます。海洋にはそのロマンのほかにも、膨大な資源、エネルギーが存在しているわけでございますし、また空間としての利用可能性も大きいわけでございまして、海洋開発の重要性につきましては十分認識しておるつもりでございますが、何分にも予算額としては決して十分だとこう思えませんので、ひとつまた諸先生方の御指導、御鞭撻をいただきまして、そういった予算の獲得を中心として来年度にはまた一層の充実を考えてまいりたいと思います。
#27
○後藤正夫君 そのような考えでぜひ推進していただくように重ねてお願いを申し上げたいと存じます。
 なお、少しばかり時間がありますので、これはお答えをいただくというよりも私からお願いを申し上げたいと思いますが、これは海洋ではございませんで、目下開発を進められておりますいわゆる短距離離着陸可能のファンジェットSTOLの問題でございます。このSTOLにつきましては、エンジンの点でさらに改善をする必要があるということから計画がややおくれている、この秋には実験飛行をされるというように承知しておりますけれども、私はこのSTOL機の将来というものに対して大変大きな期待をいたしております。しかしながら、実際の問題としては、このSTOL機が余りに短い距離で離着陸が可能でありますから、現在例えば建設を進めている多くの空港というのは、かなり滑走距離の長いものの方が安全であるということから長い滑走距離の空港をつくっておるところが多いので、そういうところには余り関心のないものであるかもしれないと思いますが、しかし、日本は国土も狭く、あるいは南の方の太平洋の島々等におきましては、滑走路の短いSTOLの利用価値というものは非常に大きいものだろうと思いますし、また、将来いわゆるコミューター空港等の計画を持っているところではこれに対して期待をしているところが大きいように考えられます。
 またさらに、このSTOLは非常に短い距離で急角度に降下し、急角度に上昇できますから騒音面積も十分の一ぐらいじゃないかというようなことも聞いておりますので、この開発というのは、将来の航空機として非常に大きなことが期待できるのではないかというふうに思いますので、この開発につきましてはぜひひとつ力を入れていただきたい。さらにこのSTOLについては、日本国内の場合、あるいは国外等の場合、島嶼国等の場合、いろいろな場合にどれぐらいの定員のものをつくったらいいのかというようなことについてもあらかじめ研究を進めるようにお願いをいたしたいと思います。このSTOLについての期待は非常に大きいので、この点をお願いいまして私のきょうの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#28
○志村哲良君 質問を申し上げるに先立ちまし
て、内外の大変大きな期待のもとに開催いたされました国際科学技術博覧会が大変成功裏に進捗いたしておりますことに祝意を表しますと同時に、格段の御努力をいただいた科学技術庁に対して敬意を表したいと思います。
 先ほどの後藤委員の御質問に十分盛られておりますし、また大臣の答弁も拝聴いたしたわけでございますが、大変に重要な問題でございますので私も重ねてお伺いをいたします。
 昭和五十八年度の科学技術白書におきまして、我が国における科学技術の基礎的研究に対する取り組みは必ずしも十分とは言いがたいという旨が盛られております。内容といたしましては、研究投資の面、あるいは全基礎研究に占める政府負担の比率の問題、あるいは民間企業における基礎的研究投資の問題、あるいは研究費と研究者数に関して等々でございますが、それぞれに関しまして十分とは言いがたい旨が若干の数値を挙げながら指摘されておりました。先ほど申し上げましたように、後藤委員の質問に対する大臣の答弁にこのことが触れられておりましたが、あえて重ねて申し上げる次第であります。
 基礎的な研究がたことに重要なものであるという点は、例えば今を時めくエレクトロニクスの生みの親は半導体工学であったでございましょうし、このもとには物性論があっただろう。またバイオテクノロジーの根源には分子生物学、あるいは地震の予知の問題には地球物理学、地質学等々、すべての技術部門の進歩発展の根源には基礎科学があることは明らかなことであろうと実は考えるものであります。先端技術の粋とも思われますコンピューター等も、幾つかの基礎的な科学の複合の上に花開いたものであることは言をまたないところでもあろうと実は考えているものであります。
 以上申し上げましたような点を踏まえまして、二十一世紀における我が国に思いをいたしますと、一体これで実はいいのだろうかというような疑念に包まれることがしばしばでございます。我が国の科学技術の現状あるいは殊に基礎科学分野の現状、将来展望に関しまして、大臣はどのような見解をお持ちになっておられるか、重ねてお伺いをいたす次第でございます。
#29
○国務大臣(竹内黎一君) 私は、木が大木に育つためにはそれだけ地中に深く長く根を張らなきゃならぬものだろう、こう考えておりまして、まさしく科学技術というものもそれに相当するものじゃないだろうかと思っております。そして、先生今種々御指摘になりましたように、日本の今日の科学技術の幾つか抱えている問題点の一つは、まさしく基盤的な、基礎的な研究におきましては専ら外国からの導入に頼っておる、こういう点であろうかと思います。
 そして、先ほど来お話が出ております科学技術会議の第十一号答申において、この答申がまず第一に力説しているところも、これからはやはり日本の土壌に根差した、日本の独創的、革新的な技術を創出していかねばならない、そのためには、原理、現象に立ち戻ったところの基礎的な研究から始めて、そこから新しい技術のシーズというものを見出すように、育てるようにしていかなければならぬ、こう申しておりまして、私は全くそのとおりだ、こう思っておりますので、私どもこれからの科学技術行政の推進に当たりましては、基盤的、基礎的研究の充実、そして、繰り返して申し上げますが、その中から日本の土壌に根差した日本独特の創造的な科学技術というものをぜひ生み出すようにしていきたい、一生懸命それをやってみたいと思っております。
#30
○志村哲良君 次に、東海地震に関してお伺いをいたします。
 このことに関しましては、さまざまな論議も重ねられましたし、また、関係各部門における調査研究も進んでおるところであります。また、災害対策の施策等も既に講ぜられつつあります。そもそも東海地震が予測される原因といたしましては、例えば朝日新聞特別取材班の手になります「地震警報のでる日」というような書物などもございましたが、一九七六年当時、東大の助教授であった石橋先生の主張なさった、歴史的な繰り返しの時期に来ておる、周期説でございますか、あるいは地震発生の空白域がある、あるいは地殻の動きが怪しいというような向きの見解が、いろいろ表現の差はあるといたしましても、一応共通した認識として私は定着しているのではないかと思われます。
 周期説に関しましては、例えば一八五四年の安政の大地震から既に百三十年をけみしまして、一応百十七年と言われておる繰り返しの時間を超過しておるというような点に指摘の中心があるのではないかと思われます。また、地殻の動きが怪しいという点に関しましては、三角測量、水準測量等が具体的に明らかに示されておるというように実は考えております。だが、この地殻のひずみという点に関しましては、若干専門的な分野に過ぎる嫌いがあるかと存じますが、非常に大切な問題でございますし、実は、個人的な立場ではございますが、私は山梨県に在住をいたしております。殊さら不安も大きいものでございますのであえて発言をいたす次第でござます。
 この地殻のひずみに関しましては、プレートテクトニクスという考えがある模様でございます。比較的新しい理論で、日本におけるプレートの境界に関しましては、一九七二年に現在の神戸大学の杉村教授によって定められたと伺っております。ところが、例の一九八三年の日本海の中部地震以降、このプレートの境界に関しまして異論が出されておる模様であります。先ほど大臣並びに政府委員のお手元にはお届け申しておきましたが、元来北海道の脊梁山脈を通っていたと言われる北米プレートの境界が大分本州南部に一九八三年以降下がって引かれてきておりまして、とそのように主張をされておるわけでございますが、南に下がってきておるわけでございます。
 申し上げましたように、私は山梨県に住んでおりますので、ちょうど、その新しい説に基づきますと、北米プレートあるいはユーラシア・プレート、フィリピン・プレート等が三重に邂逅する点に位をいたすというようなことに相なろうかと思います。まことに実は、三重邂逅点であるから即座にこれが地震に結びつくというのではございませんでしょうが、プレート説によります、プレートの潜り込みですとかあるいははね上がりというようなことなどが一つは地震の原因になっておるというようなことを考えますと、不安に駆られる昨今でもあるわけです。
 このような点にかんがみまして、地震の予知を進めるに当たりましては、殊に基礎的な研究や測量を強力に進めることが必要ではないかということを痛感いたすものであります。基礎科学分野の中でも特に地震の予知に関係の深い地質学あるいは火山学、地球物理学等の分野の研究は、私は焦眉の急を要するものではないかと実は考えるものでありますが、この点に関しまして研究調整局長の御意見を伺いたいと思います。
#31
○政府委員(内田勇夫君) 地震は地下深部に発生する自然現象でございまして、地震予知技術の向上を図るためには、先生御指摘のように、その発生場所となる地殻構造等の調査が重要であるということは、もう御指摘のとおりでございます。ただいまお話のございましたように、最近の研究の結果、プレートテクトニクスというような理論が非常に進んでまいりまして、またその理論を確認するための基礎的な地殻構造等の調査というものが非常に重要になってまいりまして、最近そういった基礎的な調査と理論とのすり合わせというようなことで、ここ数年来の間に、地震についての理論が、学問が非常に進んだとうふうに認識しております。我が国におきます地震の予知の観測研究は、科学技術庁長官を本部長としております地震予知推進本部を中心といたしまして、関係省庁の緊密な連携協力のもとに総合的計画的に推進することといたしておりますが、この地殻構造調査につきましては、微小地震の観測、地殻活動の、地殻の殻構造の調査、人工地震による深部の構造の調査、活断層の精密調査、海底地形及び地質調
査等、関係省庁の緊密な連携協力のもとに実施をいたしておるところでございます。
#32
○志村哲良君 地震は断層の再活動によって起こされると言われているそうでございます。陸上の断層に関しましてはある程度の調査研究等が進んでおる模様でございます。先ほど後藤委員の御質問に対しまして、大臣並びに局長からも御答弁をいただいておりますが、私はこの断層の調査に当たりましても、深海底の断層、これの研究はまだまだ極めて不十分であるのではないかと考えておるものでございます。現在「しんかい二〇〇〇」が完成はいたしております。が、先ほどやはり後藤委員の御指摘にありましたように、さらに深い箇所の調査こそ私は断層の解明にぜひともなくてはならないものだと実は存念いたすものでございますが、例えばせめてフランスにおいて開発されております六千メーター級の潜水調査船、これが一日も早く完成されることを実は大変に大きな期待を持って見守っておるものでございますが、重複にはなりますが重ねて局長の御答弁をお願いしたいと思います。
#33
○政府委員(内田勇夫君) ただいま先生御指摘のとおり、六千メーター級の潜水調査船が海底の地震予知の研究、地殻構造の調査等のために非常に重要であるというふうに私どもも考えております。先ほど後藤先生の御質問にお答えいたしましたように「しんかい二〇〇〇」におきましてもそういった研究をいたしておりまして、駿河湾のプレート潜り込みの確認等有効な成果を上げてはおりますけれども、ただいまのプレートテクトニクス等によります地震の理論、さらには地震予知の解明のためにはさらに深い六千メートル程度までの深海の調査が不可欠であるというふうに考えております。このため六十年度予算には六千メートル級の潜水調査船システムの設計、研究を実施するための予算を計上しておりまして、六十年度設計研究を実施いたし、さらにその結果を踏まえましてできる限り早期に六千メーター級潜水船の建設に移りたいというふうに考えております。
#34
○志村哲良君 地震の予知のための観測あるいは研究を推進いたしますためには、政府としても総合的な取り組み方がぜひとも必要だと思います。政府における体制と、各機関の役割分担の状況はいかがなっておりますか。時間が少のうございますので簡単で結構でございます。
#35
○政府委員(内田勇夫君) 我が国の地震予知につきましては、まず文部省の測地学審議会の建議の趣旨に沿いまして国の観測研究機関、大学がそれぞれの特色、能力を生かして観測、研究を行うことといたしております。さらにその実施に当たりましての総合的、効率的推進を図るために地震予知推進本部を設置して各省庁の連絡協議を図り、一体的な地震予知の研究の具体的な実施を行っておるところでございます。地震予知のためには種々な観測結果を総合的に検討する必要がございますので、国の関係機関におきまして必要な観測、研究を分担実施をいたしております。
 例を挙げますと、気象庁においては地震の観測、国土地理院においては測地測量、地質調査所においては地質調査、海上保安庁においては海底の地形、地質の調査、また私ども科学技術庁の国立防災科学技術センターにおきましては、地震発生機構の解明、新観測技術の開発等共通的な研究開発、さらに大学におきましては微小地震、地殻変動観測等学理的な研究を行うということにいたしております。なお、これらの観測、研究のデータの評価等につきましては、地震予知連絡会の場において専門家によって行われておるところでございます。
#36
○志村哲良君 昨年発生いたしました世田谷電話局等の地下電話専用溝の火災による被害は、約一億五千万くらいだろうというように伺っております。回線の被害そのものはその程度かもしれませんが、実は私個人でも体験した不便というのはまことに想像以上なものが実はありました。関東大震災、御承知のマグニチュード七・九でございますが、この関東大震災における東京市の東京震災録によります被害は約五十五億円であると記されております。そのときの実は国家予算は十三億五千万ほどであります。推計されておる当時のGNPは約百二十億の模様であります。これを現在のGNP二百九十六兆円、国家予算約五十兆に単純に持ち込んで対比するというようなことはできかねるものでありますが、あえてこの算術を行ってみますと、実に想定される被害額は百三十兆にも及ぶわけであります。これはまことに荒唐無稽な計算ではあります。ただ、私は、昭和五十三年に発表されております東京都防災会議の関東大震災と同じ程度の地震、つまりマグニチュード七・九の地震で予想される想定被害、時間がありませんので数値は避けますが、これに関しましては実は肯定できないものが多分にあるわけでございます。被害の想定というようなことは、考えてみますと決して前向きな作業ではないとは思いますが、それにいたしましてもやはり検討されなくてはならない課題ではあろうと考えます。とりわけ私は地震の予知に関しましてはどのような努力を傾けても、いかに多額な費用をかけても決して惜しくはないものであると実は考えておるのでございます。既に既往の研究調査等によってもマグニチュード八以上の地震に関してはある程度の予知が可能だと言われておる模様でございますが、これがマグニチュード七にあるいは六にと下がってくることは、国家にとりましても大変大きな課題であろうと実は考えるものでございます。これらの点を踏まえまして、地震予知に関して現在どの程度の予算がとられているのか、後ほど大臣に伺いたいこともございますので、局長に概略の御説明を願いたいと思います。
#37
○政府委員(内田勇夫君) 昭和六十年度の地震予知関係の予算は総額五十七億二千万円でございまして、前年度比一〇二%でございます。房総沖の海底地震計の設置、検潮所のテレメーター化を初めといたしまして、観測研究体制の整備を図ることといたしております。
#38
○志村哲良君 ただいま伺いました、確かに前年比一〇二%かもしれませんが、申し上げたような関東大震災における被害等に思いを寄せますと、私はどうしても納得のできない実は数字でございます。
 以上、いろいろ質問を申し上げ、御回答をいただいたわけでございますが、私は地震の予知が極めて重要な問題であるということにかんがみましても、改めて組織の確立、ことに予知のための予算の飛躍的な拡大が必要だと実は考えておるものであります。このためには科学技術庁がひとつイニシアチブをとっていただきまして、これを推進していただくことが極めて肝要ではないかと実は大きな期待をも持っておるものでございますが、これらの点に関しまして大臣の御見解をお伺いいたして、私の質問を終わらしていただきます。
#39
○国務大臣(竹内黎一君) 科学ないしは科学技術のこれからの発展、進歩に対しまして国民の皆さんがいろいろな期待を抱いていると思いますが、私はその期待の大きなものの一つは、がんの本態の解明と治療法の確立、そしていま一つは地震予知ではなかろうか、こう思っております。
 私も事務当局からいろいろとこの点について説明を受けましてつくづく感じますことは、観測網全体がまだ日本全国に及んでない、強化観測地域と特定観測地域と一部のカバーしかなされてない、果たしてこれでいいんだろうかという感じを私自体も持つわけでございます。そして、先般、専門家の方に地震予知技術というものがこれから発達するためにはどういうことをやらなきゃなりませんか、こう私からも質問をしていろいろと教えてもらったこともございますので、ひとつまた先生の御激励などを受けまして、来年度予算を初めとするこれからの関係予算の獲得やら体制の整備にはさらに努力をしてまいりたいと思っております。
#40
○志村哲良君 若干時間が残りましたので、改めてひとつ大臣がただいま御答弁いただきましたように、格段の御努力をいただき、予算の獲得等にも御努力をいただいて、この問題を詰めていただくことを重ねてお願いをいたしまして、私の質問
を終わらしていただきます。ありがとうございました。
#41
○本岡昭次君 私は、原子力船「むつ」の研究開発の問題に絞って質問いたします。
 政府は、私たち社会党を初め多くの科学者、国民が廃船を求めた原子力船「むつ」の処遇について、日本原子力船研究開発事業団を去る三月三十一日付で日本原子力研究所に統合し、「むつ」の研究開発を昭和六十五年まで続けることにいたしました。果たして統合により原研における研究開発体制は万全になったのか、今後の原子力船「むつ」の実験計画は順調に進められるのか疑問に思っています。さらに将来の原子力商船の実用化に確たる見通しを持ってのことかどうか、科学技術庁長官の御所見をまず伺いたいと思います。
   〔委員長退席、理事塩出啓典君着席〕
#42
○国務大臣(竹内黎一君) 先生既に御承知のところかと思いますが、日本原子力研究所は従来から原子力の総合的な研究開発機関として基礎的研究から応用の研究にわたる幅広い分野の研究を実施してきておりまして、原子力船「むつ」に関する研究開発につきましても技術面、人材面等において協力をしてまいった実績がございます。御承知のようにいよいよ統合したわけでございますけれども、その業務は原研に引き継がれたわけでございますが、旧原子力船事業団の組織がそのまま大体引き継がれ、それが中心になって実施されていくことになるわけでありまして、私としては原研全体としての豊富な技術的な能力、経験を十分に生しつつ、安全確保に万全を期しながら着実に進めるように原研をまたこれからも指導してまいりたいと思います。
 また、原子力商船の実用化についてのお尋ねがございますが、その点につきましては非常に悲観的な見方もございますし、一方、二十一世紀は実用化が進むという意見もございまして、非常に幅が広いかと思っております。私どもといたしましては、一昨年の十一月、原子力委員会の原子力船懇談会がまとめました報告書の中で、中長期的に展望すると、「石油需給が逼迫の傾向にあることから、」「舶用炉プラントコスト低減化のための一層の努力と相まって、二十一世紀の初頭には原子力船の実用化のための経済環境が整うものと考えられる。」また、「舶用炉技術の向上によって、化石燃料による在来船では困難と見込まれる商船の高速化、長期運航等の実現の可能性もある。」とこの懇談会では述べておるわけでございますが、私どもはそのような考え方に立ちましてこれからも原子力船に関する研究開発を進めてまいりたいと思っておるところでございます。
#43
○本岡昭次君 長官、仮に今おっしゃったように、原子力の平和利用の一環としてこの原子力商船が実用化して世界の海をどんどんと駆けめぐるというか、走り回るというのですか、そういう時代が来るとします。しかし、私はその大前提として米ソを初め世界の核保有国が核を廃絶する、それから軍縮、そうしたものが実現をして絶対戦争は起こらないという条件がなければ、この原子力船が実用化するということは我々としては考えられない、こう思うんですが、同じ政治家の立場からそうした前提の問題から、長官、率直に素直に答えてもらったらいい。私はそういう時代が来なければ、そんな原子力商船が世界の海を駆けめぐるなんてそんな危ないことはない、こう思うんですが、あなた政治家として答えてください。そんな科学技術庁長官として見ないで。
#44
○国務大臣(竹内黎一君) 先生今お示しの実用化された原子力商船が世界の海を運航することと、当時の世界の平和の情勢というものは、私は直接的にはかかわりがないように思いますけれども、しかし、世界が平和であることは先生と同じく心から祈念いたします。
#45
○本岡昭次君 そういうことでは困りますね。そういうことをきょうは論議する日ではありませんのでまた改めてその問題はしたいと思います。
 それで二番目に、原子力船の研究開発に関する基本計画について伺いたいと思います。
 昨年八月に発表されたこの「原子力船「むつ」による研究開発の進め方」では「研究開発推進に当たっての留意事項」というものがありまして、「出力上昇試験に先立つ点検の過程で、仮に研究開発に支障のある重大な欠陥が発見された場合、あるいは万一予期せぬ事情により、研究開発計画に大幅な変更が必要となった場合には、その時点で「むつ」による研究開発は中断することとする。」ということが明記されています。
 ところが、去る三月三十一日に決まったこの「日本原子力研究所の原子力船の開発のために必要な研究に関する基本的計画」というのがあります。内閣総理大臣、運輸大臣の名前による。その中にはこのことが書かれていないのであります。この「中断する」というこの問題については、非常に重要なところでありますが、一体その方針が変更されたのか、あるいはまた運輸大臣とか内閣総理大臣のところではそういう方針を持っていないのか、これを科学技術庁長官からしかと承っておきたいのであります。いかがですか、その点。
#46
○政府委員(中村守孝君) 先生御指摘の基本計画でございますが、これは三月三十一日に決めたものでございます。これは日本原子力研究所が原子力船に関する研究開発を実施する上でのいわばよりどころというものとして定めたものでございまして、先般先生御指摘の政府としての計画をお示ししましたものは、これは政府としてのこの「むつ」の開発計画に対する取り組み方を示したものでございまして、その中の留意事項の中で書いてございます「研究開発は中断する」かどうかという問題、「万一予期せぬ事情により、研究開発計画に大幅な変更が必要となった場合には、その時点で「むつ」による研究開発は中断する」、こういうことの中断の判断、どうするかということは政府の判断事項でございまして、今回つくりました基本計画は原研が行うためによりどころとして示したものでございますので、必ずしもこういう基本計画にはなじまない性格のものでございますので載せておりませんが、政府としての方針は先ほど既に発表してございますように、その時点で「むつ」の研究開発は中断するということについての計画はいささかの変更もございません。
#47
○本岡昭次君 中断するということについては変更がないんだということをそれでは確認をさせていただきます。
 その上でなぜ重要な問題が基本計画に書かれないのかということは今あなたの説明では私は理解できない。長官、なぜこれにそのことを書けないんですか。なじまないんですか、書くことについて。非常に大事なことですよ。
#48
○国務大臣(竹内黎一君) ただいま局長から説明申し上げましたように、三月三十一日の基本計画というのは、いわば原子力研究所のこれからの運営のよりどころとなるものを示したわけでございまして、重大なるトラブルとか欠陥とかでそれを中断するかどうかはまさに政府の判断事項だ、こういうことで文書の上には引き継いでいないということだと私も理解しております。
#49
○本岡昭次君 それでは、これをもう少し中身に立ち至って確認をしておきたいんですが、留意事項の中で研究開発を中断する場合として、今も政府の側として言われた「研究開発に支障のある重大な欠陥が発見された場合」、この「重大な欠陥」というのは一体どの程度のものをいうのか。また「研究開発計画に大幅な変更が必要となった場合」の「大幅な変更」というのはどういうものなのか。また、この「中断」ということなんですが、「中断」というのは単なる一時的な中断でなく以後の研究開発を中止するという、つまりその時点で廃船にする、こういう意味に私はとるんですが、それでいいんですか、どうですか。
#50
○政府委員(中村守孝君) 原子力船「むつ」につきましては既に安全性総点検、遮へい改修工事も終わりまして、その後も所要の点検整備、維持管理を十分に行っております。さらに今後、実験再開に先立ちましては十分念入りに安全上の措置も講ずるわけでございまして、計画自体の大幅な変更を余儀なくされるような事態というものは今後起こらないものと一応考えておりますが、この中
断事項というのは万が一にもそのようなことは決して起こってはならないという一つの決意を表明したものでもございまして、具体的に重大な欠陥、大幅な変更、内容としてこういうことが起こるということをあらかじめ予想しておるという性格のものではございません。
 中断というのは当然のことでございますが、万が一不測の事態が生じた場合、そこに一たん踏みとどまって計画そのものをその時点で厳しい姿勢で見直し、先生御指摘のような中止ということも当然その一つのあり方として考え得るものでございます。
#51
○本岡昭次君 踏みとどまってとか、ちょっと何かわからぬような話でしたが、やはりこれは以後の研究開発を中止するということでなければ、重大な欠陥とか、大幅な変更があった場合に当然そうしなければならぬ制約というものがこの計画の中に出てくるわけで、さらにまだ三年延ばさにゃいかぬとかいうようなことは絶対出てこないんですよ、後からちょっと質問しますけれども、だから、これは明らかに我々としては今おっしゃったように、一時的な中断とかいうことじゃなくて、そこで中止をしなければならないだろうということになるというふうに判断して間違いないでしょう。そういうことしかできないでしょう。あなたができるというんなら後でまた論議をしますけれどもね。それができるという根拠はどこにあるのかということを言いますが。だから、我々国民に対して、そういうふうな万が一ここに書かれてあるようなことが起こったときは中止するということなんだということをやはりここで明言しておく必要があると思いますね、そんな中途半端なことじゃなくて。
   〔理事塩出啓典君退席、委員長着席〕
#52
○政府委員(中村守孝君) 中断とは、先生御指摘のように中止ということが色濃い問題でございます。
#53
○本岡昭次君 一部が色濃くなったんですがね、そんないろいろ修飾をせずに、中断は中止なんだということを、大臣、あなたの方から責任を持って国民に向かってちゃんと言うてくださいよ、そういうあやふやなことじゃなくて。この計画の中では中止する以外にないでしょう。大臣、どうですか。
#54
○国務大臣(竹内黎一君) 判断はケース・バイ・ケースだろうと思いますけれども、場合によっては先生がおっしゃったようなことを考えざるを得ないようなケースも含まれ得ると思います。
#55
○本岡昭次君 時間がありませんのでこのやりとりをすることができませんが、しかしこの中断というのは研究開発を中止する、そしてその時点で廃船に入る、解役にするという「むつ」の処理を明確にできないところに私はやはり、この「日本原子力研究所の原子力船の開発のために必要な研究に関する基本計画」というところに盛り込めなかった、まだそのあやふやな点があるんだというふうに言わざるを得ません。しかし、私の要求として中止するというふうにすべきだという点を強調してこの問題はまた別の機会に論議をさせていただきます。
 今の点にかかわるんですが、原子力船の実験計画のあり方につきまして従来の方針を見てまいりますと、六年かかって機能の実験をやっております、実験航海も第一次、第二次というふうに。かなり長時間かけてこの原子力船の実験をやっているんでありますが、今回のこの基本計画を見ますと、一年をその目途に実験航海を行い基本データを得るということになっています。私はこの原子力問題についてはほとんど無知に近いんですが、しかしこの全体の計画の中で常識的にわかることは、今までの計画で六年必要だとしたものが、今度は六分の一の一年でいいんだといった場合に想定することは、今まで必要としたデータの六分の一でいいということになったのか。あるいはもう一つ、今までと同じデータが必要なんだけれども、お金がないので実験を無理やりに圧縮してそして六年分で得たいものを一年で何とか得るんだ、こういうのか。どちらかになると思うんですが、いずれにしてもこの実験航海そのものに相当無理が生じて再び前回のような放射線漏れ事故というふうな失敗を操り返すことになるおそれがあるんではないか、こう思います。この点について科学技術庁としての明快な見解をひとつ伺っておきたいと思います。
#56
○政府委員(中村守孝君) 先生御指摘の従来の計画でございますが、それでは現在の炉のことを一次炉心と仮に言わしていただきますが、この一次炉心によりまして実験航海を三年間行って海上におけるいろいろ諸データを得よう、こういう計画でございまして、その後その炉心を取りかえして実用に近い形でのさらに改善された炉、これを二次炉心と言っておりますが、二次炉心を積み込みましてこれでの長期運転ということで四年間ほどの経験を積む、それで長期的な航海をして、そういう経年劣化的なことも経験を積もうかと、こういうことで計画されておりましたわけでございますが、原子力船の研究開発を着実に行っていくということから、一次炉心に次いですぐまた二次炉心と、こういうような性急な計画ではなくて、しかも「むつ」というものが非常に多額の経費も投じてきたということからいっても、この研究を合理的に進めていく、そして、「むつ」を何のために活用するかということでございますが、これは陸上で得られるようなデータは陸上で得ていくということも一つの方法でございますので、海上でなければ得られないようなデータに限って、「むつ」というものを活用していこうという方針にしたわけでございます。そういうことで、現在の一次炉心で当初予定されておりました二年間の計画のうちいろいろなデータをとることを予定してございましたが、海上での振動、動揺、そういった特定の事象について、海上実験でなければ得られない、そういうデータだけに圧縮いたしまして、データの収集をする。あとはいろいろ陸上での実験なり何なり、より新しい施設での経験を反映させて、次の炉の研究にしていこう、こういうことでございまして、六年間を一年間に縮めたというような性格ではございません。
#57
○本岡昭次君 また、今の問題は後日論議をさしていただきます。
 原子力船「むつ」の総経費についてお尋ねをしたいんですが、ことしの予算にも七十二億八百万円ですが、新定係港建設費が計上されています。この全計画に必要な総経費ですね、新定係港建設費――港湾施設あるいはまた陸上施設含めてですが、総額は幾らになりますか。そして、港湾施設は幾ら、陸上施設は幾ら、それを示していただきたい。
#58
○国務大臣(竹内黎一君) お答え申し上げます。
 新定係港の建設費は、港湾施設が約二百四十五億円、陸上施設が約百三十五億円、全体で約三百八十億円と見積もられています。
#59
○政府委員(中村守孝君) 六十五年度まで、要するに炉が解体するまでの今後の経費といたしまして、四百五十億円程度を見込んでおります。港湾の施設のみならず、運航実験も含めまして四百五十億円程度と見込んでおります。
#60
○本岡昭次君 従来の計画では、さらに約一千億の経費が必要と言われていたのが、約四百五十億円に縮小したというふうに理解できます。先ほど説明もありましたが、将来の舶用炉開発のための必要最小限のデータ、知見を得るためにあと四百五十億円あればいい、こういうことであろうと私は思います。しかし、既に六百億円という国家資金をつぎ込んで、さらに四百五十億円も使うということになります。もう私の私見ですが、政府のメンツを立てながら「むつ」を無事に廃船にするための浪費以上の何物でもないということを、私は科学者ではありませんから申し上げたいんであります。
 しかし、今その問題を論議する場ではございませんので、それに関連する陸上施設問題について若干聞いておきたいと思います。
 この陸上施設については、新しい計画では、従来二百六十億円を必要としていたものを百三十五億円に縮小しております。したがって、四十九年
から全く使用されてないクレーンを大湊から関根浜に移設をするということ、これは相当さびついていると思いますから、かなりいろいろな手入れをして使用するというようなことになろうと思います。
 このようにして経費の節減はまことに結構なことでありますが、しかし、かといって、一方、原子力の開発利用の大前提は、安全性の確保であります。この地元の菊池むつ市長の談話も、八月二十四日付の新聞で読みましたが、このように言っておられます。
 「実験の期間を短くするから、港の規模も小さく、というのはおかしい。最低必要な施設は削れるはずがない。」「使用済み燃料貯蔵プールなど陸上施設計画が全く決まっていない、というのもおかしい。」「地元では「本当に安全なんだろうか」という疑問の声が、これまで新港造りに賛成の人たちからも出ているようだ。」と言って市長の談話が出ているんですね。
 この点について、お金は削ったけれども、それは安全なんだということについてのひとつコメントをいただいておきたいと思います。
#61
○政府委員(中村守孝君) 陸上施設につきましては、全部大湊にございます既設の施設を利用しないということではございませんで、例えば事務棟のようなものは現存するものをそのまま使わしていただくということで地元の方々にも御理解をさせていただきまして、できるだけ既存の設備を活用させていただくということにしておるわけでございます。
 そういうことで、先生の御指摘の岸壁クレーンも移設して使用いたしますし、そのほか、使用済み燃料の容器への詰めかえ、保管、放射性廃棄物の処理、保管等を行います施設、あるいは「むつ」や陸上施設に水、電気を供給する施設等の中で、こういうものが移設できるものにつきましては移設をする。こういうことを原則にいたしまして、この計画を進め、具体的なしイアウト等の検討を現在進めておるところでございます。施設の規模は、あくまでもおおむね一年をめどとする実験航海に必要最小限のものということにいたしておりますので、廃棄物の関係の施設とか、そういったようなもの、運航に関連するようなものは減少いたしますし、それから使用済み燃料の問題につきましても、炉心は取りかえないということで、そういうような問題もございます。そういうことで、陸上の施設につきましては、従来の計画よりも縮小が可能でございましたので、そういう意味でこの経費の節減を図って、必要最小限のものに、いたしたということでございます。
 それから安全性の問題につきましては、我々全く地元の方々に対しましても安全性というものを確保するということが何よりも前提であるということにいたしておりまして、十分御納得のいけるような見体的な施設にし、安全審査を経て実行してまいりたい、こう考えておる次第でございます。
#62
○本岡昭次君 最後に、陸上施設をつくるについての土地の買収問題について伺っておきます。
 昨年六月二十日の当委員会において、地権者会に支払われた生活環境整備資金三千万円についての疑義を私はただしました。この点について若干ただしておきます。
 この三千万円の生活環境整備資金の問題でありますが、国土庁は、その後青森県等に照会して調べた結果、国土法に触れるような点はないという見解を受けました。しかし、そうであるとするならば、七十人余りいた土地を売却した人、しかし、それが全部地権者会に入っておればいいけれども、地権者会に入っている人は四十二人と聞いております。残りの二十七人は地権者会に入っていないわけで、地権者会に入っている人だけが生活環境整備資金という三千万円を受け取って、そのうちの二百万円だけを集会所の修理に使って、残りの約二千八百万円を、土地を売った分の三〇%、いわゆる税金分として全部に山分けをしたのであります。そのことが正しいとするならば、それでは地権者会に加入していなかった二十七人の人たちは、一体どういうことになるのか、非常にその面では私は不公平だと思うんです。それは地権者会に入った人は協力したから御苦労さんでしたと、地権者会に入ってない人は協力しなかったから見せしめにやったというなら、いよいよもってこれは不愉快な話でありますし、協力を事前にしようとすまいと、土地を売ってしまえばこれは政府としてはありがとうございましたと言って、みんな同じように、もしこの生活環境整備資金なるものがそのように個々人に割り当てされても、それが不当でないというならば、全員にしかるべき手だてをするべきだと思います。
 さらに、まだ土地を収用しなければならぬところが幾つかあると聞いております。新しく土地を買収しなければならぬ。そこに対しも、やはり土地代と立木補償、防風林補償の上に生活環境整備資金なるものをやはり上積みをしてやらなければいけないのじゃないかと、こう思うんですね。でなければまことに不明朗なやり方でもって土地を買収したということになる。私はここで、これからでもいいから、地権者会に入っていないいわゆる地権者、あるいはまたこれから土地を売却する人に対しても同じような形で資金を交付すべきであるということを思うんですが、ひとつ大臣、公平にやってほしいんですがね、いかがですか。
#63
○政府委員(中村守孝君) 生活環境整備資金につきましては、この原子力船問題についての協力のため地権者の方々がいろいろ御協力をいただいたわけでございまして、その過程におきましてこういう形での資金が必要であるということもありましてお支払いすることになったものでございます。
 地権者会自身は別に排他的な団体ではございません、地権者であればだれでも加入できるという組織でございまして、特定の人を優遇したとか差別したとか、そういう性格のものであるとは私ども考えておらないわけでございます。
#64
○本岡昭次君 今のでは答弁になってないじゃないの。私は何も地権者会が入るのを拒んだのがけしからぬと言ってないわけで、地権者会というのは任意の団体でしょう。だから任意の団体にしろ入った人だけ特別な恩典を受けて、入らなかった人は受けられないというのは不公平ではないかと言うておるんですよ。どうですか。
#65
○政府委員(中村守孝君) 現在地元でも特にそのことでこういうことだから払うべきだという請求というようなこともございませんし、私ども現在そういう問題について、何か要求もございませんし、今のところそういうことについて検討しているわけではございません。
#66
○本岡昭次君 そうするとなんですか、残りの二十七人が何か別の第二地権者会のようなものをつくってそして生活環境整備資金なるものを要求したら、そうしたらそれに応分のものを出すという意味ですか。
#67
○政府委員(中村守孝君) 土地の取得については既にもう済んだことでございますので、済んだ過去のことについて今から要求ということもないのではないかと思っております。
#68
○本岡昭次君 済んだことといって、それはなんですよ、地権者会だって、済んだ、契約した後、終わった後そのことを話し合いして、そして後で金を受け取っているんですよ。契約の終わった後やっているんですよ。だから私たちは、契約をやった後なぜそういうことをしたのかと言っているんです。ちょっとこれ大臣、もう時間がないので終わりますから、これは土地の売買の問題として私非常に不明朗なものを残したと思うんですよ。ひとつもう一度検討してくださいよ、この生活環境整備資金なるものについても。今まで出したものをけしからぬと私言ったんですけれども、もうそれは言いませんよ、国土庁が言うんだから、法律についてどうもならぬと言うんだから。そうしたら、もらってない人ともらった人の不公平が残るでしょうと今言っているんですよ。その問題をちょっと解明するために検討してください、大臣。
#69
○国務大臣(竹内黎一君) 不公平があってはいか
ぬと私も思いますので、よく検討させていただきます。
#70
○本岡昭次君 結構です。終わります。
#71
○対馬孝且君 私は、本日、高レベルの貯蔵センター問題を中心にしまして政府側の見解を、また参考人の見解をお伺いしたい、こう思います。
 まず冒頭に大臣にお伺いいたしますが、去る三月二十七日に現地幌延の住民と近隣の代表、それから我々も同行いたしましたが、大臣との会見をさしていただきました。この際長官から明快にお答えがあったのは、慎重にこれを行うということと、それから見切り発車はしない、こういう大臣の意思表明がございました。いま一度、この問題は人間に対する放射性の問題でありますから安全性の問題があるだけに、道並びに地元町村、近隣町村等の理解と協力を得て行うというこのお考えについて確認してよろしゅうございますか、まず冒頭これをお伺いします。
#72
○国務大臣(竹内黎一君) あえて貯蔵工学センターの立地に限らず他の原子力施設の場合も同様だと思いますけれども、私は何よりも地元の理解と協力を得て進むことを基本に考えております。その立場から、先般お見えになりました地元の方々に申し上げた私の考えは変わっておりません。
#73
○対馬孝且君 ただいま大臣からお答えがありましたように、慎重に行うとともに見切り発車はしない、この方針には変わりはないと。よろしゅうございますね。
#74
○国務大臣(竹内黎一君) そのとおりでございます。
#75
○対馬孝且君 私はそれでは第二問としてお伺いをいたします。
 このガラス固化体の問題は、私八月の一日参議院エネルギー特別委員会で約一時間五十分やっております。したがってそれを踏まえてきょうお伺いするわけでありますが、我々もフランスのガラス固化体の実態調査を昨年、私社会党道本部の委員長でございますので、責任者として十一名現地へ派遣をいたしました。それで帰朝報告を詳細に分析をいたしましたが、そこでお伺いしたいことは、この前の八月一日の私に対する答弁は、まさにガラス固化体というのは安全であり、これはもう万全の確実は期されているという答弁に相なっております。ところが問題は、これを見ますとフランスの場合、フランスのマルクールにおける高レベル廃棄物のガラス固化体の実績というのはこれは軍用ガス炉の極めて燃焼度が非常に低いものであるということが明快に答えられています。したがって単純な物質のガラス固化体にすぎない。これから我が国で行われる発電用軽水炉の燃焼度が数倍も高いものから出る核分裂生成物の組成というのは、これからの再処理あるいは高速増殖炉という問題からまいりますと極めて複雑であり、世に言われる高レベルのものであるということは間違いございません。そういたしますと、極めてこの我が国のこれから行おうとする高レベル廃棄物の問題というのは、いわゆる一万年あるいは数万年という将来にわたる永久保存の安全性というものをはっきりしなければならないわけでありますが、そのための脆化というものは、フランスでもまだそこまでのデータというものは、長年月かかっておりますがいまだにこれを確信あるデータとして確立はされていない、こういうことが明快に言われているのでありますが、この点どういうふうにお考えですか。
#76
○参考人(植松邦彦君) 御質問の趣旨にお答えさせていただきますが、確かに対馬先生の御指摘のように、フランスのAVMのガラス固化体というのは低燃焼度の軍用ガス炉燃料を再処理いたしました廃液を主体にしておるというふうに聞いております。マルクールの再処理工場では軍用の低燃焼度燃料のほかに試験用の高燃焼度の燃料も処理をしておると聞いておりますが、それらの廃液がどのように混合されておるかについては確認をいたしておりません。
 ガラス固化体というのは化学的、物理的特性を評価いたします上で、ガラスの均質性、浸出率等の化学的な耐久性、熱的な特性であるとか、また機械的な強度等の項目が非常に重要でございまして、これらの項目につきましては必ずしも、低燃焼度の核分裂生成物が入っておるか、もしくは高燃焼度の燃料から来た核分裂生成物が入っておるかということについては、余り大きな差はないのではないかと考えます。ガラス固化体一リッター当たりに何キュリー入っておるかということの方が重要な意味合いを持つのではないかと思います。したがいまして、ガラス固化体の化学的、物理的特性につきましては問題はないものというふうに判断をしております。
#77
○対馬孝且君 今、ガラス固化体には結論的には問題はないというあなたのお答えですから……。
 これは、昨年の十月二日に、フランスのカスタン委員会に参加をしておりますゼルビブというフランスの原研の技師が東奥日報でこれは一問一答を行っております。これはカスタン委員会の有力なメンバーの技師であります。この人ははっきりこう言っておりますね。「核燃料サイクル確立に当たっては、再処理工場から発生する高レベル放射性廃液の処分が世界的な課題。フランスではガラス固化技術が確立されたと聞く。」が、どうかという問いに対しまして、このゼルビブ技師がこう答えております。「ガラス固化を行う工場は、現在存在しない。工業技術の段階までは確立されているが、貯蔵を行うには数百万年も安全であるという保証が必要。」であり、「地球は十万年の間に海が陸、陸が海に変化してきた。カスタン委員会は二、三カ月のうちにこの問題で報告をまとめるが、万年単位で考えることは難しい」、その後に「現在のガラス固化に使われているガラスは、まだ水に弱い」と極めて明快に――これをちょっと大臣に見せてください。(資料を示す)こういう事実をはっきりこれ表明をしているわけです。これは、あなたが、今、植松参考人は――カスタン委員会の報告の中にこれが出てくるんですよ。その有力な技師ですよ、これは。これはどういうことなんですか、これは。はっきりしてください。
#78
○参考人(植松邦彦君) フランのガラス固化のプラントは、この前八月に私呼ばれましたときに対馬先生に申し上げたと思いますが、一九七九年ごろから動いておるというふうに申し上げました。その前に既にフランスはピバー法という方式でもってガラス固化のいろいろ試験をやりました。その結果に基づいてマルクールにございますAVMというガラス固化プラントをつくって運転をいたしております。先ほど御指摘になりましたフランスのゼルビブ技師の御指摘のような工場というのをどういう規模でお考えになっておられるのかちょっとわかりませんが、現在、フランスはラ・アーグにAVMの、マルクールの技術に基づいて大型の施設を建設する計画になっておって、たしか設計中であるというふうに伺っておりますので、現在、非常に大きな工場はございませんかもしれませんが、工場を設計もしくは建設中であるというふうに伺っております。
#79
○対馬孝且君 伺っているかもしらぬと言ったって、ないと言っているじゃないか、ここでは。それ大臣見てどうですか。そういう一問一答、ないと言っているでしょう。工場立地の計画はないと言っているじゃないですか。しかもはっきりしているのは、水に弱いと、こう言っているわけでしょう。まだこれから何万年の問題であるので、やっぱり研究を進めていかなければならないと、こう言っているんですよ。それを動燃はいや安全だと、こう言うから、我々北海道の住民は、この間大臣にもお会いしたように、もはや幌延の酪農農民は、旭川で、名寄で、札幌で、放射性の牛乳はもう飲めないと、大臣もお聞きであったと思いますけれども、この間酪農の代表が。その点で我々の生活はどうしてくれるんだと、こういう問題になっているときに、これは安全だとは言っていないでしょう。これから数万年のそういうものについて、非常に水にも弱いし、これから研究をより進めなければならないという意味のことを言っているでしょう。だからそういう安全だ、安全だと言うなら、これはみんな不安全だとこの間酪農農民の代表が来て言ったろう。動燃が安全だ、安全
だと言えば言うほど不安感が増すばかりだと、こう言っているじゃないですか。だからそういう問題についてやっぱり大臣しかとこれ受けとめてもらわないと、本当に安全なんですか、はっきり申し上げますけれども。もはや安全が解明されているんですか。そういう問題は今後とも研究を続けていかなければならない。この視点に立つべきではないかということを私は申し上げているんですよ。
#80
○政府委員(中村守孝君) 先生の御指摘の安全性、先ほどお言葉の中にもございましたが、非常に長期の間の問題ということで、カスタン報告の中でも、地下深く埋められた廃棄物が数十万年にわたって示す挙動データが不足している。そういうことで、長期的な廃棄物のそういう処分というようなものについては、深層の地下試験場を設ける等によっていろいろ今後研究していくべきであると、こういうことを言っておりますが、数十年間にわたる貯蔵については安全性は問題ないと、こういうことをはっきり述べておるわけでございまして、要するに、先生のおっしゃるように、ガラスの今かなり問題になっている一つは、ガラス固化した分の貯蔵するという、これは我々も数十年間貯蔵した後深層の深くに処分する、こういうことに区分けして行いますので、貯蔵そのものについては問題ないのではないかと私ども考えております。
#81
○対馬孝且君 いや、貯蔵そのものといっても、一時貯蔵で三十年から五十年、この前あなた方私に答弁しているのは、永久貯蔵というのは何千年、何万年の話だと、こういうことでしょう。一時だとしても三十年、五十年かかるんだと、そのことを含めて、私の言うのは永久貯蔵を含めてまだ安全性については調査団の報告によるとフランスでは問題があると、現にカスタン委員会でもそういう問題がそこに出ているでしょう、一問一答で。そういうまず認識に立つことが正しいんではないのか、このことを言っているんだから、そこをひとつ確認してくださいよ、そういう意味で言っているんだから。
#82
○政府委員(中村守孝君) ただいま申し上げましたように数十年あるいは百年といいましょうか、その程度の期間におきますガラスの安全性については技術的にも十分見通しが得られている。ただ、数十万年というようなオーダーになりましたら、そこら辺についてはまだ十分なデータがないということでございます。
#83
○対馬孝且君 その点が我々の調査団の、フランスの回答とは根本的に違っていると言うんだ、僕は、だから。これを我々は指摘しておきたいんだよ。だから安全だと言うなら、永久的に安全だということでなかったらできないじゃないか、君、そんなこと言ったって。酪農農民が自分のつくった牛乳はもう飲めないと言っている。安全だということを将来とも保障してくれよと、こう言っているんだから、それをあなた安全だと言い切るのか、中村局長。それはやっぱりこれからでしょう、問題は。そのためにこれやるわけでしょう。これからそういう安全を確立をして、そういう問題をきちっとするためのこういうものをやらなきゃならないというのが考え方じゃないの、この前の説明でいくと。
#84
○政府委員(中村守孝君) 動燃が今計画を進めております貯蔵工学センター、ガラス固化したものを永久に処分する、そういう性格のものではないと私ども理解しておりまして、そういう処分につきましての研究というのは、まさに現在原研におきましても、いろいろな放射能物質を使いまして、加速試験ということで、短期間の間に非常に長期間の現象を模擬してできるような実験をも含めまして、長期的なそういうガラス固化が放射能によってどういう変化をするか等を含めまして研究をしておりますので、今後いろいろなデータをまって、最終的な処分について具体的なことをやっていく、こういうことでございます。ですから処分についてはまさに研究中ということでございます。
#85
○対馬孝且君 これは中間報告にもそんなことは出ているからわかっているんだよ。これはあなた二〇〇〇年を目指して、ここに出ているだろう、それは。私の言っているのは、一時であろうと永久を含めて将来の安全性ということは言い切ることができるのか。大臣、聞いてわかるでしょう。これはこれからやっぱりこういう問題は、安全の問題について根本的に第一段階、第二段階、第三段階、広域調査、精密調査あるいは深層と、こんなことは私知っていますよ、これ全部読んだんだから。そういう段階を経て、永久のもとに安全だということを言い切ることができるかということを住民が言っておるんだよ。それがないでしょう、この問題は。これからの研究でしょう。そこを聞いておるんだ。それだけちゃんと答えればいいんだよ。
#86
○政府委員(中村守孝君) 処分と申しますのはある意味で地層深く人の管理の要らないところへ送るということでございますが、そういうことは逆にまた人の手の届かないところにある。貯蔵というのは人間の管理の手の届くところに置いておくということでございまして、そういう意味で処分については今後一層の研究をしていくと。貯蔵につきましては、現在までの技術で相当長期間に安定したガラスということの見通しも得ておりますし、それから人間の管理の手の届くところでございますので、十分環境モニタリングその他管理をしながら安全性を確保していくと、こういうことでございます。
#87
○対馬孝且君 聞いているのは、その永久処分まで到達するまでの安全というものは答えは出てないだろうと言っているんだよ。大臣、それどうなんだ、やりとり聞いてわかるでしょう、そんなもの。子供でもわかることだろう、そんなもの。そう言えるのか君、断言できるのか、それじゃ。そんなことできないだろう。
#88
○政府委員(中村守孝君) ガラス固化しましたものについて何ら手を加えないで放置した場合の安全性が永久かと、こういうことにつきましては、それについて永久に安全であるというデータ等はございません。
#89
○対馬孝且君 最初からそう言えばいいんだよ。そういうものがないから今日やっぱり住民が疑問を持ち、不安を持っていると、こういうことを言っているのであって、大臣、今言ったことでわかるでしょう。そういう疑問をやっぱり持っているだけに、慎重な住民の理解と協力が必要だということを私言っているんですよ。この点どうですか大臣、今の認識。
#90
○国務大臣(竹内黎一君) 先ほども申し上げましたように、私はこの問題については慎重の上にも慎重を期したいと思っております。
#91
○対馬孝且君 そこで具体的に次の問題私聞きますけれども、これはフランスの例でいきますと、マルクールの場合の例を私挙げますよ、これも私は帰朝報告全部聞いたんだ。このカスタン報告によりますと、高レベルの廃棄物を処分する場合、今中村局長が言ったことだ、第一に火山地帯にある地層、当初からこれは除外をしなければならない、これはカスタン委員会の報告の中にあります。
 第二は水の侵入、廃棄物の保管の場所から除外されなければならない。したがって、候補地としては水の浸入の可能性が極めて小さい花崗岩や岩塩、硝石の地層から選ぶべきとしているが、以上の最も基本的な重大な条件を無視することはできないと。仮に一時貯蔵の場合であったとしても、ガラス固化体に関しての実績を持っているフランスのマルクールであれ、固化設備、今建設中の、あなたさっき言ったことはラ・アーグのことを言っているんだと思うが、ラ・アーグであれ、全く地震がないと、地震とかそういう現象は見られないと。これが基本的な一番大事なことであるということが明快に言われておる。ところが、幌延の場合をすばり申し上げますけれども、これは対照的に幌延の場合は、今大臣にこれ見せますけれどもね、これ、昭和四十九年に発行した幌延の町史です。
#92
○政府委員(中村守孝君) この間ちょうだいしま
した。
#93
○対馬孝且君 これ縮刷がありますから、これ見てください。その中に出てくる問題で、これ大臣に上げてください。いいですか大臣。
 今お手元にその分だけ抽出をしてありますから、三十三ページにこう書いてあるんです。これは四十九年ですよ。これは北大の当時助教授でございましたが松井教授であります。私も電話で確認をしました。こう言っているんですよ、「幌延断層は、宗谷から南方朱まり内地域にまでほぼ百キロメートルにわたって追跡される大断層で、天北新第3紀層の構造上最も重要な断層である。ほぼ南北に近い方向をもつ直立性の断層で、西翼が大きく落ち込み、所により落差は千メーターに達するが、落差の水平的変化が著しい。」と。
 次の最後の三十五ページちょっと見てください。その上段からIVのところに「以上、幌延町の地質と地形の関連、崩壊、地辷りの生成など、表層地質に関連する諸事象について述べた。これらの諸点について、一応のまとめを表示すれば、第二表の如くである。」と。この中に大きな雪崩現象、地すべりがあるということを言ってるんですよ。これだけじゃないんだ。これは町史だけでなくて東大の出版会、これは権威あるものです、東大出版会の「日本の活断層」によっても、「このうちかなりの部分は明らかに活断層であり、現に数年前のこの地帯の群発地震から見ても、活断層の存在と将来にわたる地震の可能性は明らかである。」と、これは明快に言っています。カスタン報告に基づいてみれば、わざわざ高い貴重な国費を使ってこれ以上調べるまでもなく、幌延は高レベル廃棄物の貯蔵や処分に不適当な場所であることは明らかではないか、こう言わざるを得ません。この点についてどういうふうにお考えかひとつお伺いします。
#94
○参考人(植松邦彦君) ただいま御紹介いただきました幌延町史の詳細についてはまだ検討いたしてはおりませんが、動燃の方でいろいろ町からいただいた資料、また一般に出版されておりますいわゆる最も権威あると言われておる活断層研究会の資料などを検討しておりますが、予定しております開進地区というところを取り巻く活断層としては、一九八〇年発行の活断層研究会の報告書にも認定されておる断層がございます。しかしながら、同時にこの活発層研究会の報告を見ますと、これらの開進地区を取り巻く活断層というのは、活断層研究会の結論では、確実度2、活動度Cというふうに認定がされておりまして、その認定の根拠を、地理的な要素であるとかその他から求められておるところからいたしましても、この活断層の程度については確実度に不十分なものがあるのではないかというふうに述べておられます。しかしながら、動燃といたしましては、今後可能性の調査ということの中にも項目としてこれらの断層問題についても現地を調査さしていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
#95
○対馬孝且君 だから、活断層の状況があるということはあなたも認識したわけでしょう、これは東大出版会の、私これは確認しているのですよ、活断層があると、このことは確認しますね、どうですか、全体的かどうかは別にして。
#96
○参考人(植松邦彦君) 今お答えいたしましたように、東大の活断層研究会では確実度2、活動度Cというふうに認定をしておりまして、それからいきますと、確実にこれが活断層であると言えるものではないというふうにこの中に述べておられます。
#97
○対馬孝且君 いや、確実だとか何とかでなくて、今言ったろう、活断層がありますと東大出版会で言ってるんですよ。だから、それがどういう割合かということを言ってるんじゃないんだよ。活断層があるということははっきりしてるんだ。この点大臣はどうですか。そこに出てるじゃないですか、あんた。活断層があると言ってるんだから、その割合を言ってるんじゃないんだ、こっちは。危険だということを言ってるんだよ。
#98
○参考人(植松邦彦君) 活断層があるということについては、東大出版会からの活断層研究会資料にも書いてございます。しかし、その確実度については余り正確ではないというふうに述べておられますので、今後調査をさせていただきたいというふうに申し上げておるわけでございます。
#99
○対馬孝且君 活断層があるということを君認めているじゃないか。そうだとすれば、あとの問題は、フランスで言っているのは、そういう群発地震が一九七五年に起きてるんだよ、これは。これはずっと宗谷管内に起きてるんだよ、一九七五年に。そういうことが出てるんだよ、これ。東大出版会のあれでも、一九七五年に群発地震が数回発生していると、その中に活断層があるということはこれはまさに適地ではない、このことを私は言っているんだよ。ところが、君はあると認めているんだから、大臣それははっきりしてくださいよ。そういうことだから、これが適地であるかどうかという問題はお互いにあるけれども、私はそれだけに慎重な検討を要するのではないか、このことを言っているんですよ、どうですか。
#100
○参考人(植松邦彦君) 今、御説明いたしましたように、東大の方もこれが確実に活断層であるとは言い切れるものではないというふうに言っておられますので、動燃といたしましてもこの点を確認すべく調査をさせていただきたい、それが可能性調査の一環であるというふうに考えております。
#101
○対馬孝且君 だから今君は最後に言ったじゃないか、最終的にはやっぱりこの問題については調査をしてみなけりゃわからぬということだろう。大臣、やりとりを聞いてわかるでしょう、どうですか、そういう意味で、局長に聞いているんじゃないんだよ、時間がないから大臣からひとつ今の問題について、やっぱり活断層という認識を踏まえて慎重な対応をしてもらいたい、いかがですか、この点。
#102
○国務大臣(竹内黎一君) 私、活断層につきましてはほとんど知識がゼロでございますので、単なる感想を申し上げることをお許し願いたいと思いますが、いずれが黒白をつけるとすれば私は調査というものが必要じゃないかなというふうに論議を聞きながら感じております。
#103
○対馬孝且君 もう調査のことはいつの時点かは別にしてそのことを私は否定しているんじゃないんだよ。活断層がある限り、これをフランスのマルクールの例を挙げるから僕は言っているんだ。フランスでは基本的にこれは除外していると、最初から、こういう地域は不適地であると、このことをはっきり踏まえて私は対処をしてもらいたいと、こう言っている、よろしゅうございますね、大臣。
#104
○国務大臣(竹内黎一君) 地質だとか地盤だとか断層だとか、要するに何というんですか、物理的保全というんですか、そういうものがしっかりと保障されなきゃならぬということは私も理解できます。
#105
○対馬孝且君 そういう大臣の認識を踏まえてひとつ慎重に今言った基本的態度と認識を踏まえて対処してもらいたい、これはよろしゅうございますね。
 時間もありませんから具体的な事実を挙げて私は指摘をします。
 第一の問題は、動燃というのは国家公務員に準ずるんでしょう、これは、動力炉・核燃料事業団、大臣どうですか、この点は。国家公務員に準ずる事業団である、間違いありませんね、どうですか。
#106
○国務大臣(竹内黎一君) お示しのとおりだと思います。
#107
○対馬孝且君 そこでお伺いするんだけどね、国家公務員に準ずる者がこの間この幌延のすぐ近くの中川町で、五十九年九月二十日の町議会において反対決議を満場一致でしました。この立地問題については反対である。これに対して動燃の、はっきり名前を申し上げますよ、渡瀬立地対策室長、これはどこで言ったかといいますと、季節労働者の講習会があったときに出向いていって、これは全くこの議決については遺憾である、安全とかそういうものは一つも触れられなかったと、放射能の危険性とか安全性は一つも触れなかった
と、とにかく中川町議会の反対決議というのは極めて遺憾であり、こういうことは全くあってはならないことであるとはっきり言ったというんだ、どうですか、これ。あんたね、国家公務員に準ずる者がそんなことをぬけぬけと言えるか。こういう事態が大臣が言っている慎重の上にも慎重、住民の理解と協力だなんて言っているけどやっていることは全部違うんだよ、これ。だから住民は怒っているんだ、今。この前も衆議院で五十嵐同僚議員からあったと思うが、最近周辺地域はほとんど反対でしょう。重複を避けますが、時間がありませんから申し上げません。天塩町にしたって七五%の請願署名でもはや反対をしている。豊富町でも酪農組合で反対決議、中川町では六〇%の反対、浜頓別でも低レベルのときの反対が二千六百五十、中頓別でも六六%の反対、稚内では既に五三・五%一万九千八百五人の反対の請願署名が出ている、こういう状態のときに、大臣が言う考え方と、動燃のやっていることがまさになりふり構わない安全性を無視したやり方をしているから私は怒っている、住民はみんな怒っているんだよ。こういう言動をどう思いますか、今のこの渡瀬、理事長どういうふうに考えますか。
#108
○参考人(吉田登君) 今御指摘のありました件につきましては、二月二十一日の中川町の開発センターで行った説明会であろうというふうに思っておりますが、我々は大臣も言われておりますけれども、地元の理解を得た上でいろいろなことを進めたいというふうに思っておるんですが、それには何にも増してやはりいろいろ説明をさしていただくということが非常に大切だというふうに思っております。ところが、この中川町議会では、動燃事業団がそういういろいろな説明をさしていただく前に、この反対決議をされた、そういうことについて動燃事業団としてはお願いをする立場では非常に残念でございますと、そういうことでありますので、我々の方の説明の機会をひとつ与えていただきたい、そういうことをお願いをしたというふうに私は聞いておりますので、それが少し何か誤解をされてんじゃないかというふうに思っております。
#109
○対馬孝且君 それは理事長全然違いますよ、これは聞いた人間が言っているんだから、その当時出席した季節労働者の仲間が言っているんですよ、名刺出してもいいよ、そんなでたらめを理事長言ったってだめだよ。これははっきり申し上げるけれども、中川町議会の議決は全くこれ遺憾である、はっきり言っているんです、明確に、渡瀬室長が言った言葉だよ。こういうことを私は国家公務員に準ずるという理事長の配下にいる者がこういうことを言っているじゃないか。そのことを私はなりふり構わない態度だというんだ。今大臣が言ったでしょう、慎重の上にも慎重を期して住民の理解と協力でやると、言葉で言っているけれどもやっていることは違うじゃないか君、そういうことであなたの配下におる者としてどういうふうに考えるのか、この問題について。やっぱり行き過ぎだろうこういうやり方は。議会への介入じゃないか君。
#110
○参考人(吉田登君) 我々の方は今言われましたことを十分に理解はしておるつもりでございます。地元の理解を得た上でなければ、先ほど言いましたと同じことで進んでおりますので、そういう意味では動燃のいろいろな説明を十分に関係市町村にも説明さしていただきたいということで、今も関係市町村にあちこちと説明会を催さしていただいていろいろやっております。そういう点では、先ほど言われましたようなそういうむちゃな動作をしているということではありませんし、私もその点はきつく関係者にも言っておりまして、十分に地元の方に理解していただくように説明をしなさい、そうしてこれを理解していただかなければその先に進めることはできないということをやかましく言っておりますので。
#111
○対馬孝且君 理事長ね、本当に安全と理解、住民の協力を得るなら、こういうものについては今科学的に研究しているが、こういうことなんですと。つまり安全性がありますとか、これからこういう安全を期していきますとかということがなきゃならぬでしょう、この渡瀬室長が。この会合でありましたか、現に聞いている人間が言っているんだよ、安全性の問題は一つもなかった、安全とか理解の問題は一つもなくて、とにかく中川町議会の反対はけしからぬと、遺憾だと、そんなの丁重な言葉でないよ君。はっきり申し上げるけれども、これは聞いているんだから、確認しているんだから。そういうことについてあなたの配下がそういう言動を漏らしているということは絶対許されない、これは厳に反省してもらいたい私は、どうですか、その点。
#112
○参考人(吉田登君) 先ほども言いましたように、私の方ではそういう報告受けておりませんけれども、そういう点も重ねて、もしそうでありますと、私の方はその安全性の説明をぜひ中川町の議会にも説明さしていただきたい、こういう席をおかりして言うのもあれですけれども、ひとつぜひそういうことをお願いしたいというふうに思います。そして安全性については皆さんの納得いくように御説明をさしていただきたいというふうに思っております。
#113
○対馬孝且君 だから言ったことは行き過ぎでないのかと聞いているんだよ。言った渡瀬室長の言動は行き過ぎでないかというんだよ、僕は。誤解を招かないかというんだ、そういうことを住民に対して。その反省はないじゃないか。
#114
○参考人(吉田登君) 私の方の報告があるいは間違っておるかもしれませんけれども、私自体としてはそういうふうに説明を受けております。そういう点では重ねてまた聞いてみたいというふうに思いますけれども、そういうことがあれば、厳重にこれからは指導していきたいというふうに思います。
#115
○対馬孝且君 現実にあるから言っているのでね、これは慎重にやっぱり行動をとってもらいたい、このことを理事長に申し上げておきます。
 それじゃ、時間もありませんから、具体的にまた次のことを言います。
 三月二十六日、天塩町の議会の一行が十二名、東海村の調査、視察団として訪れました。このときに、東海村の原子力再処理工場を訪れた際に、動燃の核燃料部廃棄物対策室長代理三嶋、東海事業所調査役渉外担当の大谷外一名、視察を終わった後で昼食会を十二名に行っています。そのときに、弁当を出すのが悪いと私は言っているのじゃないのだ。その昼食をしたときに、これは刺身、てんぷら、高価な弁当、昼食をもてなして、ビール、ジュースを出して、そのほかに筑波万博の入場券を全部十二名に渡している、無料で。いいですか、それだけでないよ。その後に水戸の名物の梅酒を天塩町町議会議員の視察に対して供与したということはどういうことだ。これは国家公務員に準ずるあり方としては重大な問題だから、この事実をまず間違いないかということを確認しておきたい。どうですか。
#116
○参考人(吉田登君) 三月の二十六日に天塩町の議会の先生方が、東海事業所を視察されたということは報告を受けております。そして、そのときに時間も十分にはなかったようでございますので、十分な説明をさしていただくために昼食の時間を利用さしていただいたということで、そういうことを報告を受けておりますが、私といたしましては、常々社会通念上常識の範囲で対応するようにきつく言っておりますので、今言われたようなことは私の方では報告は受けておりませんので、調査はいたします。
#117
○対馬孝且君 これは調査をするというが、ニ十六日、そういう事実があったということは間違いありませんよ。調査をすると言っているが、これは過度な招待だとは言えないですか。こんなことは何のためにやるんだ。我々東海村へ行ったって、確かに私は東海村直接行ったことはない。玄海灘へは行ったことがある。幕の内弁当あるいはコーヒー程度のもんだ。しかも、天塩町というのはこれは明らかでしょう。幌延の高レベルを揚げる港だよ。その町会議員に対して、十二名にだね、意図的なことがなかったらこんなことやるわけな
いじゃないか。大臣、どうですか。今や行革だ、むだ遣いだと、節約だと、こう言っておきながらだな、しかも天塩町の町会議員ということははっきりしているじゃないですか、これは。行った人の名前まで言っもいいよ、私は。名刺がある、ここに。こういう過度なことをやるということは、いかに動燃が言葉で安全だとか、住民の理解とかと言ったってね、しょせん目的はこれ懐柔工作じゃないですか。賛成に回ってもらいたいという、賛成にするようにしてもらいたいということでしょう。こういうようなことを疑われてもしようがないじゃないですか、こんなことは。これは正常な、ノーマルな状態でこんなことありますか、大臣。また大臣に聞きたいと思うんだ。行革を唱える中曽根内閣が何だ、それは。
#118
○国務大臣(竹内黎一君) 先生今御指摘のその接待の件は、私具体的には承知していないわけですけれども……
#119
○対馬孝且君 事実だよ、これは。
#120
○国務大臣(竹内黎一君) もし先生のおっしゃるとおりであったとすれば、いささかサービス過剰だなという感じします。
#121
○対馬孝且君 全く常識で考えればそういうことだよ、あんた。過剰もいいところだよ、私に言わせりゃ。しかし、国家公務員に準ずるということ、この燃料事業団の団体がだね、単にサービス過剰だけじゃないですよ。正確に物を言うなら、これあんた買収供応でないですか、国家公務員に準ずる者がやった行為としては。こう言ったって過言でないんだ、この問題については。こういうやり方が動燃のすべてのやり方なんだ、さっき言ったように。中川町町議会の議決はけしからぬといって議会に介入してみたり、そして天塩町の町議会議員の一行が行ったらこんな過剰な、しかも買収供応するようなことをやってだ、しかも意図的でしょう、これやっていることは。今大臣が全く過剰だと言ったけれども、そのとおりなんだよ。それで済まされない問題だ。
 それで、理事長、そのことは調査をしますということだけど、こういう実態が事実なんだよ。どうですか、この点。あんたは責任者としてこれらの対応についてどういうふうに考えますか。
#122
○参考人(吉田登君) 先ほどお答えしたとおりでございますけれども、私の方では常に先ほど言いましたような社会通念上常識の範囲でということをきつく言っておりますが、わざわざ北海道の遠くから東海の事業所を見に来ていただいた。しかも、我々はできるだけ地域住民の皆さんに先ほどの安全性の問題も説明したいというふうに思っているものですから、そういう真意を込めて御対応をしたというふうに私の方は思っております。
#123
○対馬孝且君 これが事実、日常こういうことをやってるんですか、理事長。ちょっとお伺いしますけれどね、北海道であるとどこであると、とにかく九州であると何でもいいわ、行った場合に全部こういう扱いをしてるんですか。それはどうなんですか、その点。でたらめも、いいかげんなことを言うなよ。
#124
○参考人(吉田登君) 先ほど言いましたように、私の方ではそういう社会通念上常識の範囲でやれということを言っておりまして、当事業団の判断で合理的な範囲で行っているということでございます。今のようなことがいろいろと行われているというふうなことにつきましては、私の方も重ねて調査をさせていただきます。
#125
○対馬孝且君 会計検査院、来てますかな。
#126
○説明員(吉田日麿君) はい。
#127
○対馬孝且君 今のやりとり聞いておわかりだと思うんですがね、それこそ会計検査院法二十二条からいけば、この問題については少なくとも、出資が二分の一以上、これは当然国の会計対象になる団体でありますから、これは資本金見ますと八千億を超えているわけですから、九九%国が出資しているわけですよ。今のやりとり聞いておりましてね、もし日常こういうことが行われておるとしたら、これね、何があんた行政改革だ、何が行革だなんて、そんなこと言えるわけないじゃないか、私に言わせりゃ。それこそこういう問題を故めてもらいたい。こういう事実は断じてこれは許されません。こういうことについてひとつぜひ会計検査院の立場から調査をしてもらいたい。そのことについてどうですか。
#128
○説明員(吉田日麿君) 先生御指摘のとおり、私どもの検査団体となっておりまして、毎年動燃事業団につきましては検査をいたしております。
 今御指摘の件の見学者等に対する接遇等につきましても、支出が伴いますければ当然私ども留意して検査をしてまいってございます。御指摘の支出は五十九年度支出でございまして、まだこれの検査はいたしてございません。これから先生の御指摘を踏まえて今後の検査においても十分注意を払って検査をしていきたい、こういうふうに考えております。
#129
○対馬孝且君 今会計検査院の方から十分この事実をもって検査をするということですから、会計検査院の結果を改めて私は報告を求めることにいたします。
 それで、大臣、今言ったような、私はこのことを何もあえて問題にする気持ちはないんだけれども、やってることがね、最初なぜ僕が大臣に聞いたかといいますと、大臣の基本姿勢としては、少なくともこの問題についてはやっぱり慎重にも慎重を期して住民の理解と協力を得るようにやること、これが私の方針ですと、こう言うんでしょう。そうすると、動燃の最高責任者であるあなたが、長官として、大臣として、科学技術庁としては当然動燃を監督してもらわなきゃならぬわけだ、国家財政の問題から、見地から立ったとしてもね。理事長は今こういうあんた態度、こういう答弁だ。私が言いたいのは、これは住民がこういうことによって猛烈な――だから動燃が安全だ、安全だと言えば、この間も言ったでしょう、代表がみんな。動燃が安全だと言えば不安全だと、不安感を増すばかりだというのはこのことを言っているんだよ。飲ませ食わせして、しかもあんた意図的にこういうものをやっていく、こういう物の考え方、これは天塩町でなかったらやりませんよ、こんなもの。子供でもわかることだ、こんなもの。我々行ったってやるわけないでしょう、これ。天塩町は幌延の隣りです。これをもしやるとしたらここの港から機材を全部揚げなきゃならぬわけだ。その天塩町に反対されたら困るという意図的な考えがあるからこれやっているだよ。こんなものだれもがわかることだ。私はそういうことをやるんでなくて、むしろこれからの問題についての安全性なり科学的解明ということに全力を挙げていく、そうして大臣が言うとおり住民の理解を得る、こういう基本的な態度に立つべきだ。それがこういうことを繰り返されるんではもう動燃を信用しませんよ、はっきり申し上げて。私は、時間も来ておりますから最後に大臣に申し上げたいことは、こういうことを繰り返さないようにしかとやはり科学技術庁長官としては動燃を監督して、また住民のこういう不安感なりあるいは誤解を招くような行為については厳重にひとつ指導してもらいたい。この所見を聞いて終わりたいと思いますが、いかがですか。
#130
○国務大臣(竹内黎一君) 現地の住民の方々の間に動燃に対する不信感があるとすればまことにこれは私は残念なことだと思います。私が吉田理事長以下動燃の全職員に希望することは、ともかくお願いする立場だということ、それをよく念頭に置いて今後行動してもらいたいということでございます。
#131
○稲村稔夫君 私の持ち時間というのは大変短いわけでございますので、きょうは二つの点についてだけ絞ってお伺いをしたい、このように考えております。
 その第一点は、原子力関係の予算についてでございます。今も対馬委員からいろいろと質問がありまして、本当に重大な問題でありますだけに安全性というものは大臣も極めて慎重に考えて対処をしていかれる、こういうことでありますが、ということでありますならば、今度青森県でこれから計画をされるということになっておりますいわゆる核燃料サイクル三点セットの計画というのが
あるわけでありますが、この三点セットの計画についてもいろいろと安全性が今後問題になってこようというふうに思っているわけでございます。そこで、とりあえずことしはそのための予算が組まれているわけでありますが、ことしはどういうことをそのためにやろうとしておられるのか、それをまずお聞きしたいと思います。
#132
○政府委員(中村守孝君) お答えいたします。
 下北核燃料サイクル施設に関連いたします科学技術庁の予算といたしましては、一つは広報対策でございまして、十分地元の方々にこの下北におきます施設について御理解をいただくということで進めてまいるということが一つの大きなものでございます。直接的にはそういうことでございまして、後、再処理の環境の放射能の総合調査というようなことは事態の進展によってはやることになろうかと思います。そのほか、直接的ではございませんで、後は再処理施設の安全確保のための研究、そういったものを進めてまいるということでございます。
#133
○稲村稔夫君 広報対策ということで言われたわけでありますが、広報対策はどういうふうにしてやられるのですか。やはりこれは一番心配をしているのが安全の問題ということになると思うのです、地元にしてみれば。そうすると、こういうふうにして安全ですということを理解をしてもらうためにやられる、こういうことになりますか。
#134
○政府委員(中村守孝君) 安全性の問題も大きな御理解をいただく一つのかなめでございますので、安全性も含めていろいろなパンフレットをつくったり、テレビであるとかビデオテープ、そのようなものをつくりまして住民の方々の御理解を得るような施策をするということでございます。
#135
○稲村稔夫君 安全性を含めてということでありますが、私は地元の皆さんの理解をいただくというためには、やはり何といっても安全性というのが一番大きな課題だというふうに思うのです。そこで安全性のことも含めてでありますけれども、まあそれでいいでしょう。いや含めてということでいったとしまして、この三点セットで計画をされるものは政府としては絶対に安全だということを保障します、こういう形のものになりますか。
#136
○国務大臣(竹内黎一君) いわゆる核燃料サイクル三点セットの安全性の問題について、その安全性の確保、保障は国の責任、政府の責任だと私は考えます。
#137
○稲村稔夫君 長官の御見識を私は確かにそうだと思うのでありまして敬意を表するのでありますが、しかし同時に、そうすると安全について疑問があれば、これはやはりその疑問が取り除かれるという、そういう条件が来るまで、これは行動というものはすべきでないというふうに思いますけれども、その辺はどういうふうにお考えですか。
#138
○政府委員(中村守孝君) 広報におきます安全問題ということにつきましては、いろいろ御疑念を持たれることにつきまして、その現象の御説明、それからそれに対応する対策、どういう対策がとられているかというようなことについて御説明するような従来からそういうことで御理解をいただいておりますが、最終的には国がきちっと安全審査をし、それから工事の段階での検査、それから実際の運転開始に当たっての後々のまた検査、そういったようなことで安全の確保を図る、こういう形で御説明申し上げております。
#139
○稲村稔夫君 いろいろと三点セットですから三点のそれぞれにみんな問題があるというふうに私は思うのですけれども、ただその中の一つの例えば再処理問題一つを考えましても、これは今本当に安全だというふうに政府の方が言えるのでしょうか、そういう疑問が私にはあります。東海村の今までの経験というようなものに、これはやはり実験的なといいましょうか、そういう段階でもいろいろと問題があるということを故障という形で機械が抗議したと言っていいかもしれませんけれども、そういうものがあるわけでありますが、それがさらに大きなものが今後建設をされようということなのでありますから、これだけでも随分安全については疑問が出てくるということになるのではないでしょうか。
#140
○政府委員(中村守孝君) 先生御指摘のように、東海村の再処理工場ではトラブルが何回か起こりまして、そのたびお騒がせしたようなことで申しわけないわけでございますが、結果としてその周辺の方々に放射能での問題を起こした、あるいは従業員が許容線量以上の被曝を受けたとかそういうことでもいろいろ安全性ということで大きな問題になったということではございませんで、要するに機械が故障した、これを安全というかどうかということにつきましてはいろいろあると思いますが、要するに機械でございますのでトラブルがございますが、我々が心がけておりますのは、一に人あるいは環境に対して被害を与えないという意味で安全だと、こう申し上げておるわけでございます。
 プラントが故障なしに安定して運転していけるかどうか、こういうところにつきましては経済性との関係等々からいろいろ配慮していかなければならないと思いますが、そっちの方がまだ十分でないという点は東海村の再処理工場にあったことは事実でございます。
#141
○稲村稔夫君 私は、局長のような御答弁はちょっと問題があると思います。といいますのは、プラントとして安定的に稼働できるかどうか、こういう問題に何か限定をされて、それを別にして、そして環境的にいろいろと影響を与えるかどうかということとは別だというふうに切り離して言っておられるように私には受けとれたんですが、安定的な稼働ができないということは、違う言い方をすれば、どこかでそれは人間が操作しているわけでありますから、どこかで環境にも悪影響を与えるということだってあり得るということになると思うんでして、その辺のところが私はやはり大きな問題じゃないかというふうに考えるんですが、どうですか。
#142
○政府委員(中村守孝君) 今先生の御指摘の点でございますが、まさにそういったことで機械の一部分のトラブルが環境あるいは人に対する影響を及ぼさないようにということで、原子力の場合はいろいろな多重防護をやっておるわけでございますから、しかし、工場としては、局部的な事故であっても工場全体としてとめなきゃいけないという事態があるわけです。そういう事態になっても外に対しては何重もの防護で環境なり人に対しての影響がないように対策をとっておる、こういうことでございます。
#143
○稲村稔夫君 私は、絶対に安全ということはあり得ないんだというふうに思っています。それだけに安全についてどこのところで、言ってみれば科学と環境と住民との妥協が起こるかというようなことになってくるんだろうと思うんですよね。ですから、先ほどから長官が、慎重には慎重にという姿勢を見せていただいたんで、これからの運用の中でもいろいろとその点は配慮していただけると思いますから評価をしていきますけれども、同時にこれからの問題として、やはり東海村で起こった、再処理の施設で起こっていることそのものをもっともっと追求をしながら、そこで結論が十分に出る、これで結論が出せるというように、もっと時間をかけて検討してからでないと行動を起こすべきではないんじゃないか、こんなふうに私は思うんです。
 といいますのは、これは動力炉・核燃料開発事業団の再処理部の管理課長さんが、電気協会の雑誌に書かれている論文がありますけれども、これは直接の担当者の方でありますが、それぞれ一生懸命取り組んでおられるという姿勢がその中にはうかがわれるわけであります。ただ、そうした中でもその直接の責任者の方が、例えば伝熱管自体に腐触で欠陥ができてきた、そのことで新材料または新たなプロセス方式をさらに考慮する必要がある、今いろいろと新しくして運転を再開しておられるけれども、そういう状態の中でそういうふうに新しい材料で考えても、今の体制の中ではもう一歩進んだものが必要だというふうに理解しておられるんだと思うんですよ。さらにそのほかにも、高温、高酸濃度の使用での条件下では腐触性
が極めて厳しく、いずれは腐触をして欠陥が生ずる、こういう宿命を持っているということで、その辺の対応策というものを今後考えなきゃならぬということもやっぱり言っておられる、担当者がそう言っておられる。今動き出したばっかりでしょう、新しく修理をして、いろいろと改良をして。そうすると、もっと時間をかけて確かめてということに基づいて初めて三点セットの方の再処理のところにも、これだから安定的にも稼働できるし、そうすれば住民の皆さんにも不安を与えないで済むだろうと、こういうことになるんじゃないかと私は思うんです。いかがでしょう。
#144
○政府委員(中村守孝君) 民間再処理工場の建設に当たりましては、東海再処理工場の経験というものが非常に貴重なものでございます。東海村の再処理工場におきましても従来いろいろなトラブルがございましたが、そういったものについてはその都度原因を究明してそれに対する解決策をとってきたと、こういうことでございます。まあ先生御指摘の新しい溶解槽というものは、確かにまだ運転開始したばかりでございますが、それは過去の知見に基づいて新しく自信を持ってつくったものでございまして、ただ今後の再処理工場の建設に当たりましては、そういう最新の知見、まあこれは日本の動燃事業団の知見だけではございませんで、既にフランスで動いているいろいろな施設の知見も含めまして最良のものを建設しようということで考えておるわけでございまして、まあ技術でございますので、日に日に新たな技術の向上を目指しての研究開発というものは今後とも進めていかなければならないと思います。で、先生の御指摘のように、非常に濃い酸の環境の中であるものでございますから、そういつまでも永久に耐えるかどうかと、これはいろいろ問題がございます。そういうことで、動燃の経験なんかも踏まえて、点検とか、メンテナンス、改修、そういったものが今の動燃工場では非常にしにくい状況にあって、そのために運転時間が制約されるというようなことがございますから、そういった経験をも第二再処理工場に反映して工場の安定な運転に期したいと、こういうことで、民間再処理工場の方でいろいろな勉強をしていると承知しております。
#145
○稲村稔夫君 どうもこの辺は局長とはかなり見解が違ってくるようでありますが、しかし、大臣、先ほどから言われてることを私また確認するようで申しわけありませんけれども、事人間の命と健康とにかかわるという問題なわけでありますから、その点を十分に確かめて慎重には慎重を期しながら、私は科学の進歩にブレーキをかけようというんではありません。そういう慎重には慎重を期して、万が一の間違いがないようにぜひ取り組みをいただきたい、こういうふうに思うんで、これはその御彼確認をいただきたいと思うんです。
 それで、時間もないもんですからこれは原子力関係はこのくらいにさせていただいて、もう一点伺っておきたいことがございます。そのことを質問を申し上げたいというふうに思います。
 今度の予算の中で、ライフサイエンスを重視をするということで取り組んでおられる部分があるわけであります。そういう中で、大臣のたしか所信表明の中にもございましたけれども、ジーンバンクのことに触れておられます。これは農水省の方もジーンバンクという構想で今、構想というよりも実際にもう進めているわけでありますけれども、このジーンバンクというのは組織的にそうするとどういうふうになりましょうか。というのは、私はこうした重大な、場合によってはこれも人間の尊厳にまでかかわる可能性を持っている遺伝子の場合ですからね、そういうものであればあるほど、何かこう科学技術庁は科学技術庁レベルでそこで収集態勢をとっています。農水省は農水省でというように、同じレベルのではちょっと問題があるんじゃないか。やはりそこはそれぞれのことが進められながら、それを全体に統括をするといいましょうかね、そういう組織的な対応策を持っていかないと、私はこれは今後また当委員会でもいろいろと伺っていきたいというふうに思っておりますけれども、遺伝子組みかえであるとかなんとかいう技術が進んでおりますだけに、技術だけが先に歩いて社会体制がそれについていかない、こういう格好になってとんでもないことになっても困る。そのときにジーンバンクがとんでもないものに使われたなんていうことになっても困りますということもありますので、その辺の関係もあわせてお答えをいただきたい。
#146
○政府委員(本郷英一君) ただいまお尋ねの理化学研究所で行いますジーンバンク事業についてまず御説明いたしますと、今年度の予算案におきまして細胞遺伝子保存施設の建設を筑波の理化学研究所のライフサイエンス研究センターというところに三年がかりで建設することにしております。六十年度から三年間で建設をいたしまして、六十三年度から試験的な遺伝子、細胞の提供事業というものを始めていきたいと考えております。
 この事業の目的でございますが、現在ライフサイエンスの研究は非常に急速に進展していることは先生御承知のとおりでございますが、非常に幅広いライフサイエンス研究の中で研究材料として共通基盤的に必要となる基本的な細胞及び遺伝子につきまして、収集、保存、提供事業を行うことによって広いライフサイエンスの研究を支援するということを目的としているわけでございます。
 これに対しまして、農水省のジーンバンクというものはどういうものをやるのかということでございますが、これは農水省の方では有用作物の種子、それから栄養体、それから動物でいいますと、家畜の胚とか精子とか受精卵といいました農林水産業に関連する遺伝子資源を対象にしてこのジーンバンク事業を行うということでございます。
 したがいまして、この科学技術庁で直接行います理研のジーンバンク、それから農水省で農業生物資源研究所等で行いますジーンバンクといっているものは、その目的と対象が異なっておりますので、基本的にごちゃごちゃと重複するというようなことはないというふうに考えております。
 ただ、先生御指摘のように、こういった事業の間でいろいろと連携をとるということはもちろん重要なことでございます。その辺につきましては十分考えてまいりたいというふうに思っております。
#147
○国務大臣(竹内黎一君) 原子力の施設につきましてその安全性を徹底的に確保することは科学技術庁長官の第一の職責と心得ましてこれからも努力してまいりたいと思います。
 それから、御指摘のライフサイエンスの進展と人間の生命の倫理、あるいは人間の尊厳との関係、これは非常に私も大きな問題だと思います。私自体もそれについて別に所見を持っているわけじゃありませんけれども、また端的に申し上げるならば新しい道徳律を我々がつくってこれに対処しなきゃならぬだろうと。そのためには日本の各界各層の英知を集めて真剣に検討すべき問題かと心得ております。
#148
○委員長(馬場富君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 次回は明四日に開会することといたし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト