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1984/04/04 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 科学技術特別委員会 第5号
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1984/04/04 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 科学技術特別委員会 第5号

#1
第102回国会 科学技術特別委員会 第5号
昭和六十年四月四日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         馬場  富君
    理 事
                古賀雷四郎君
                林  寛子君
                稲村 稔夫君
                塩出 啓典君
    委 員
                岡部 三郎君
                長田 裕二君
                志村 哲良君
                成相 善十君
                福田 宏一君
                藤井 孝男君
                安田 隆明君
                本岡 昭次君
                伏見 康治君
                佐藤 昭夫君
                山田  勇君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       竹内 黎一君
   政府委員
       科学技術庁長官
       官房長      宇賀 道郎君
       科学技術庁長官
       官房会計課長   窪田  富君
       科学技術庁計画
       局長       堀内 昭雄君
       科学技術庁研究
       調整局長     内田 勇夫君
       科学技術庁振興
       局長       本郷 英一君
       科学技術庁原子
       力局長      中村 守孝君
       科学技術庁原子
       力安全局長    辻  栄一君
       科学技術庁原子
       力安全局次長   藤咲 浩二君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        野村 静二君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○昭和六十年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送付)、昭和六十年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送付)、昭和六十年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (総理府所管(科学技術庁))
    ─────────────
#2
○委員長(馬場富君) ただいまから科学技術特別委員会を開会いたします。
 予算委員会から委嘱のありました昭和六十年度総予算中、総理府所管のうち科学技術庁を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○伏見康治君 初めに、「むつ」問題について御質問申し上げたいと思います。
 「むつ」の計画というものは、どなたが見てもいわば大失敗の作品であって、今計上されている予算というのはその失敗の後始末という感じが極めて濃厚であるということはお互いに大変遺憾なことだと思うんですが、その後始末をできるだけちゃんとしたものにするということも我々の任務であろうと思うんでございます。いろいろと、特に昨年度、この「むつ」問題についての過去におけるいろいろな失敗の原因と考えられるようなことについての議論がさまざまにあったわけでございます。そういう御意見を取り入れて今後のその後始末段階での計画が練られていると思うんでございますが、そのいわば御方針を長官からお伺いいたしたいと思います。
#4
○国務大臣(竹内黎一君) お答え申し上げます。
 原子力船につきましては、化石燃料による在来船では困難と見込まれる商船の大出力化、高速化、長期運航等が期待できることなどから、その信頼性、経済性の一層の向上が図られれば、将来その実用化が進むことも十分考えられます。そしてまた、世界有数の造船海運国たる我が国の将来を長い目で考えるとき、今後とも舶用炉の研究開発を続けていくことが必要であると認識をいたしております。
 「むつ」による研究開発は、陸上試験では得がたい貴重なデータを取得できるものであり、今後の船用炉の研究開発の重要な柱として進めてきたところでございます。「むつ」につきましては、一昨年来さまざまな議論がなされておりますが、政府といたしましては、それらの意見も踏んまえて、極力経費の節減を図り、将来の舶用炉の研究開発に必要不可欠なデータ、知見を取得するため、おおむね一年を目途とする実験航海を行うこととする新しい計画を策定したところでございまして、いわゆる地元との五者協定を遵守しながら、その推進をこれからも図ってまいる所存でございます。
#5
○伏見康治君 過去の「むつ」の失敗の原因としていろいろなことが言われておりますが、その一つとしては、二つの組織を合わせたことの割れ目がまずかったんだという説がございます。つまり原子力船というのは、原子炉をつくるメーカーと船をつくるメーカーと、二つの組織が合体することが必要であったわけですが、そのつなぎ目が極めてまずかったというふうに言われております。今回、その原子力船事業団が原子力研究所にいわば併合されたことになるわけですが、これは二つの組織を一つのものにまとめてやるわけですから、過去における過ちと同じようなことが繰り返される危険もあり得ると思うんですが、その点、長官はどういうふうに処置なさるおつもりですか。
#6
○政府委員(中村守孝君) 先生御指摘のように、原子力船研究開発事業団と原子力研究所が統合いたしまして、今まで別々な職場でやっていたものが合体することでうまくいくのかという御懸念かと存じますが、この点につきましては、原子力研究所が、御承知のように、幅広い研究分野にわたる専門家を抱えておりまして、従来から、原子力船「むつ」の問題につきまして原子力研究所から原子力船研究開発事業団に人を派遣して協力するというようなこと、あるいは研究を受託してやるというようなことで、従来からかかわり合ってきたこともございまして、今後は逆に、一つの法人にまとまったということで、それらが一層有機的に運用されることになろうかと思うわけでございます。人事の交流にいたしましても、同じ法人の中でございますので円滑に行われることでもございますし、幅広い原子力研究所の能力を生かしていきたいと思っておるわけでございます。当面の組織といたしましては原子力船研究開発事業団から移行した方々が中心になるわけでございますが、原研の全般の能力を活用するためには、原子力研究所の中に従来から設けられております原子炉等安全審査委員会、原子炉運転委員会、これは原子力研究所の中にございますいろいろな施設についての安全確保に関する所内の審議体制でございまして、すべて原研の中の施設はこういった全研究所挙げての体制のもとに進めてまいっておりますので、原子力船「むつ」につきましても当然
この体制の中に組み入れてやっていくということで、一体となって研究開発を進めていくというように、原子力研究所も体制を整えておりますし、私どももそのような指導をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
#7
○伏見康治君 方針としては大体そういうことでよかろうかと思うんですが、もう一つ局長が言われなかった面を申し上げてみたいと思うんです。原子力船事業団の方は、これは事業団だと思うんですね。それから研究所の方は研究所だと思います。つまり、片っ方は何か事業をして見せるというところに仕事の目標があり、片っ方は基礎研究をするというところに目標があるわけでございます。両方の性格は非常に違うわけです。それで、いろいろ基礎研究の方々がその事業的な方のところに乗り込んでいっていろいろやってくださるということ自身、非常にいいと思うんですが、余り原子力船の方にだけ気をとられますと、基礎研究の方がその反作用で落ちつかなくなるというような懸念もないわけではございませんので、いわば、原子力研究所プロパーの方が原船を引き受けたために非常に乱されるということのないように心がけていただきたいという希望を述べておきたいと思います。
 それで、現在の目標ですと、一年間何か、でき上がった船を試験運転なすって、それでとにかくおしまいになさるというお話なんですが、先ほど長官が言われたとおり、舶用炉の研究というものは、将来に備えてちゃんとやっておくべきものだと思うわけですね。一年の後はどういうふうにやっていかれるつもりか、つまり、船はやめてしまう、しかしその後の研究としてはどういう方針であるかという点を伺いたいと思います。
#8
○国務大臣(竹内黎一君) 先ほども申し上げたわけでございますが、我が国の将来を長い目で考えました場合、原子力船に関する技術、知見、経験等の蓄積、涵養を図っておくことは極めて重要なことだと認識をしております。先生御指摘のとおり、舶用炉の研究開発というものは息長く続けていくことが必要であると考えておる次第でございます。
#9
○伏見康治君 舶用炉というものの特殊性は、例えば出力変動が激しいときにもそれに対応できる炉であるとかいうような点が幾つかあるわけでございますが、そういう点は、必ずしも船の上に載せなくてもそれだけを目的とした研究というものは十分あり得ると思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 余り時間がございませんので「むつ」の方はそのくらいにいたしまして、次に、原子力発電所のダウンストリーム、アップストリームというものの動きが現実的になってまいったようでございます。従来から日本の原子力というものは便所のないアパートのようなものであるということが言われておりまして、幸い原子力というものはごく少量の物質の中に大量のエネルギーが入っておるものですから、相当大量のエネルギーを使ったつもりでも廃棄物のかさは比較的小さいわけでして、何とか発電所の傍らにただ使い済みの燃料を積み上げておくということだけで一応済ますことが過去においてはできてきたわけでありますが、だんだんたまってまいりますというとどうしても便所の始末をしなければならないということになってきまして、それについての具体的な動きが始まったということは私は大いに歓迎したいと思うわけです。歓迎したいと思うんでございますが、同時にこれは今までの原子力というのは比較的無難な、比較的こわくないところをいわば仕事をしてきたわけでございますが、使い済みの核燃料を溶かすということになりますというと一番こわいものに直接ぶつかることになるわけでございまして、従来とは比較にならないほどいろんな意味で慎重かつ安全性を完全にするという観点が非常に要求されてくるはずであると思います。そういうことに関連してこういうマンションに便所をつけるお話について、長官の一般的なお考えをまず伺っておきたいと思います。
#10
○国務大臣(竹内黎一君) 我が国の原子力の利用開発を進めていくためには、廃棄物の処理をどうするかということが非常に重要になってきたし、また国民の原子力に関する関心も、原子炉運転の安全性とともにこの問題にも非常に注目をしてきた、こう認識をしております。
 先生今お話しの核燃料サイクル、俗に三点セットなどと申しておりますが、事業計画というものは我が国の原子力の開発、利用を進める上で非常に重要なプログラムであり、なおかつ、またぜひとも完結を図らなきゃならぬプログラムであろう、こう私は認識をするわけでございまして、御案内のように電事連が今青森県にその立地要請をしておるわけでございますが、政府といたしましてもその事業の重要性は十分に認識をしておるつもりでございますし、また必要なバックアップはしていきたい、こう考えておる次第でございます。
#11
○伏見康治君 後始末の中でいろいろな面がございますが、その中の幾つか問題になり得る点を拾い上げて御質問申し上げたいと思うんです。
 まず放射性廃棄物で汚れたものの後始末の中で比較的処分のしやすいのは、当然汚れの薄い、極めて低レベルの放射性廃棄物であろうと思うんでございます。従来の低レベルの放射性廃棄物の規制というのは少しある意味で行き過ぎであって、一度放射能的に汚れたものはいつまでたっても汚れたものとして始末する。その中に含まれております核種が既に崩壊してしまって、実際上普通の廃棄物と全然区別できないような状態になっても、かつて放射性廃棄物であったということだけで特別な処置をしなけりゃならないようになっていると思うんでございます。それを何とか改善いたしませんとますます放射性廃棄物という名のついたものが分量がふえてまいりますので、それを取り扱うのが非常に大きな国民の負担になってくると思うんでございますが、それを何とかするという方向の御方針は立っているんでしょうか、立ちつつあるんでしょうか。
#12
○政府委員(中村守孝君) 先生御指摘のように、低レベルの廃棄物につきましては、従来例えば原子力の施設の中の管理区域の中から出てくるものはすべて汚れていると汚れていないとを問わず、低レベル廃棄物とするということで一様に非常に厳重な取り扱いをしてきたという経緯があるわけでございまして、将来の廃炉の問題等も勘案いたしますと、この廃棄物の取り扱いについては、もっと現実的な合理的な取り扱いを行うべきではないか、こういうことで原子力委員会におきましても種々議論を進めてまいりまして、五十七年年長期計画におきましても極めて低いレベルのものについては、放射能レベルに合った合理的な処分の方策を確立すべきだ、こういうことでその後専門委員会を開いていろいろ検討をいたしました。昨年の八月に中間報告が取りまとめられたわけでございますが、これでは従来言われておりました低レベル放射性廃棄物を三つの区分に分けて対応を考えるべきである。
 第一は、一般的な低レベル、従来からと同じ低レベル放射性廃棄物でございまして、第二が極めて低いレベルの放射性廃棄物で、これにつきましては低レベルよりも一段と取り扱いを簡易にすることができるようにする。最終的な処分につきましても、素掘りトレンチ等の中へそのまま簡易な形で処分し得るようなそういう分類というのがあってもよいのではないか。それから第三には、汚れてもいないものを放射性廃棄物として取り扱う必要がないのだから、それはそれなりの対応を考えるべきである。こういうことで三つの区分に分けて適切に管理することが適当である。こういう御報告をいただきました。
 しかし、その三つの分類をそれではどのようにして区分けするかということが一つの大きな課題でございます。この区分につきましては、この原子力安全委員会の安全性の点から当然万全を期さなければならないわけでございますから、これは安全の問題として、原子力安全委員会の放射性廃棄物安全規制専門部会におきましてこの区分値の設定についての御審議を煩わす、こういうことで
現在検討をいただいておる段階でございます。
#13
○伏見康治君 低レベル廃棄物は何といってもたくさんかさばるものですから、それを何とか合理的に処置することを一日も早く確立をしていただいて、合理的に処分できるものはさっさと処分してしまう、そうして本当に大事なものはちゃんとしたことをするという精神でやっていただきたいと思います。
 次に、そのこわい方のお話、つまり、高レベルの廃棄物の処分についての計画が徐々にスタートしているように思われるわけですが、具体的にどういうことが行われているかについてお伺いいたしますというと、下川ですか、何かそういう鉱山で岩石の中をどういうふうに放射性物質が浸透していくかとか、熱がどういうふうに伝わっていくかというふうなことを試験的になさっているといったような二、三の鉱山における御計画があるように漏れ伺っているんですが、そういうお話を承りますというと、高レベル廃棄物の処分をするという、具体的、実際的目標に対して研究の方が少しおくれているのではないかという印象を受けるわけですが、一体そもそもその高放射能廃棄物に対する、いつかはやらなくちゃならないんですが、余り慌ててやる必要のないことは確かですけれども、しかし長期にわたる仕事であればそれだけにちゃんとしたプログラムをつくってやりませんと、いつまでたっても実は物事が運ばないということにもなりかねませんので、そういういわば計画がどうなっているかということをちょっと伺いたいんです。
#14
○政府委員(中村守孝君) 御案内のように、再処理工場から出てまいります高レベルの放射性廃棄物につきましては、これが液状でございますので、ガラス状に固化して安定した状態で貯蔵し最終的な処分をするということでございまして、先生御案内のように、非常に最初のうちは熱も出ることでございますので、三十年ないし五十年間は十分人間の管理の行き届く形で貯蔵をした後、数百メートルより深い地層に処分するということを基本として対応を考えておるわけでございます。
 地層処分につきましては、二〇〇〇年ごろには処分技術の実証を行うということができるようにしたいということを当面の目標といたしまして、処分のための調査研究を計画的かつ体系的に手順を追って実施していこうとしておるところでございます。
 具体的に申しますと、これまでいわば第一段階と称しておりますが、調査研究を行いまして、各種の地層に関する調査研究、人工バリアに関する研究等行いまして、処分のために有効な地層の選定作業を進めてきたわけでございます。
 また、日本原子力研究におきましては安全評価のモデルの作成といった安全評価に関する研究を行ってまいりました。これにつきましては、一応の段階も終わりましたので、今後は第二段階の調査研究に入る、これは約十年間を予定いたしておりまして、第二段階では複数地点において地表調査を中心とする広域調査を行いまして、順次候補地点を選定し、水理機構、岩体特性等に関する精密調査を行うとともに、一方で深い地層におきます試験場を開設して、天然バリア、人工バリアに関する試験などを行う、もちろんこれと並行いたしまして実験室的な段階でのいろいろな評価、研究も行うわけでございますが、それらの成果を踏まえまして総合的に評価して処分予定地を選定していきたい。
 その後第三段階という段階に入りまして、処分予定地におきまして実際に模擬固体による試験などを行って、処分技術及び処分システムを実証する、その後第四段階ということで実際の固化体を深地層に搬入してモニタリングを行いながら最終貯蔵を行う、そういう計画を持って取り組んでおります。
 この研究プログラムにつきましては、主として動力炉・核燃料開発事業団、安全性面の評価等につきましては原子力研究所といった両法人を中心にいたしまして、着実に進めてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
#15
○伏見康治君 ちょっと伺いますが、ストリパ計画とかというのがあって、スウェーデンの鉱山を利用して何か国際的な共同研究をやっておられるというお話を承りましたが、それはどういうことですか。
#16
○政府委員(中村守孝君) 高レベルの廃棄物の地層処分を行いますためには、地下水の水理、それから崩壊熱の放散、それからいわば人工バリア、自然バリアということのバリアをしっかりしたものにするための充てん材の特性といったようないろいろな面にわたる研究開発が必要なわけでございます。ストリパ計画におきましては、岩石の亀裂の中の地下水の移動速度あるいは岩石の亀裂を物理探査等を用いました間接的な方法で探知する方法、それから充てん材についての研究を行っておるわけでございます。
 先ほど先生から御指摘がございました、我が国の国内における研究といたしまして下川、細倉両鉱山におきましての研究も行っておるわけでございますが、これらにつきましては浸水性の測定、崩壊熱の伝導度の測定というようなことを行っております。何分にも地層処分にわたる研究というのは非常に多岐にわたりますので、そういう研究、いろいろの研究を組み合わせまして総合的な評価をしなければいけないということでございまして、こういう国際的な研究は非常に意義がありますので、我が国としても積極的にこれに参加をしておるということでございます。
#17
○伏見康治君 おっしゃったとおりに、この種の仕事は国際的にやるのに非常に適当したものであると思いますが、特にストリパというのはスウェーデンだと思うのですが、スウェーデンというかスカンジナビア半島は非常に地層の安定したところでございまして、一枚岩みたいな国ですね。地震もなければ第一いろんなトンネルを掘っても素掘りのままで一向差し支えないといったような非常にいいところのようでございますが、そういうところでもし地層処分ができるならば非常に私はいいと思うのですが、日本は残念ながら非常に地震が多いということからもわかりますように、あるいは温泉が多いということからもわかりますように、非常に安定した地層というのは、特に地質学的年代、つまり何万年とか何十万年とかいう長い時代変化に対して安定しているという地層というものは日本は非常に少ないと思うのですね。そういう意味で、日本というところは最終的な廃棄処分をするのには非常に不適当な場所であると思うのですが、将来うまいところが見つかるという可能性はございますか。
#18
○政府委員(中村守孝君) 候補地につきましては、原子力委員会の専門部会でも具体的にどこそこということで検討しているわけではございませんが、現在第一段階の調査を終わりまして、今後具体的な候補地を選定していきたいということでございまして、私どもとしては我が国の地勢がいろいろ複雑な面はございますが、そうは言いましてもこれだけの国土でございますので、そういう適当な、適切な場所を見出せるものと思っております。それに、処分につきましては人工バリア、天然バリア組み合わせて対応していけるものと考えておる次第でございます。
#19
○伏見康治君 私の考えでは、日本では余り地層だけに頼るような処分の仕方というものは非常に難しいだろう、それだけにいわゆる工学的バリアという方にもっと熱意を入れるべきではないかと思うのですが、最近のアメリカの科学雑誌「サイエンス」を見ますというと、新しいガラス――鉄、鉛、燐酸ガラスだと思うのですが、それを使うと従来の珪酸系のガラスに比べて千倍ぐらいその浸出度が違うといったようなことが書かれております。工学的バリアの研究というものはもっと熱意を入れてやるべきではないかと私は信じますので、その方向でひとつやっていただきたいと思うのです。
 時間がありませんので、その次にちょっと別のことをお伺いしたいのですが、使い済みの核燃料を処理する、それを酸で溶かしていろいろなことをやるわけですが、そういたしますととにかくパ
ンドラの箱をあけたようなもので、その中からあらゆる化学的元素の放射性核種が出てまいりまして、非常に怖いもののふたをあけたことになるわけなんですが、したがってそれの安全規制というのはお役所として非常に神経をとがらしているところだと思うのですが、従来の原子力発電所で、つまり核燃料を外側だけでいじっていて中身をあげなかったという段階と、中をいわばあげてしまうという段階とでは、安全性規制の問題から申しまして非常に対象が違っているわけですから、したがって規制の基準といったようなものが新たにつくられなきゃならないはずだと思うのですが、その辺のところはいわばどうなっているでしょうか。
#20
○政府委員(辻栄一君) 再処理については先生御指摘のとおりのものであろうかと思いますけれども、この再処理施設に関しまする安全審査指針につきましては、既に原子力安全委員会におきまして、核燃料施設安全審査基本指針並びに核燃料施設の立地評価上必要なプルトニウムに関する目安線量についてという二つの基本的な指針の策定までは済んでいるところでございまして、しかしながら、安全審査に一層万全を期してまいりますために、昭和六十年度を目途といたしまして再処理施設の安全審査のための指針を策定するべく、原子力安全委員会の核燃料安全基準専門部会におきまして鋭意その作業を進めているところでございます。重点項目に関する検討グループ、例えば耐震性であるとか事故評価であるとか平常時の被曝評価であるとか、その他の基礎的な問題についての検討をこれまでずっと進めておきましたが、ほぼまとまってまいりましたので、五十九年の十二月から再処理施設全般にわたりまする指針として取りまとめる段階に入っておるということで、鋭意作業を進めていただいているところでございます。
#21
○伏見康治君 その線でひとつ大いにまとめていただきたいと思うんですが、安全規制ばかりでなくて、もう一つ国際的に問題になり得るのは核不拡散的な意味でのいろいろな規制があるはずだと思うのでございますが、この日米協定というのはその後どういうふうになっているんでしょうか。
#22
○政府委員(中村守孝君) 米国から受領しました原子力発電所の燃料等を再処理するときには、日米原子力協定に基づき再処理に関しての保障措置が効果的に適用されるということにつきまして両国政府が共同決定を行う、その上で運転が行われるということになっておるわけでございます。この共同決定は過去に数次にわたって行われておるわけでございますが、五十六年の十月に、昭和五十九年末までに再処理問題を恒久的に解決するための長期取り決めを作成する意図を有すること、それからそれまでの東海再処理工場はその能力の範囲内で運転できるということにつきまして日米両国の間で確認をしたわけでございます。これを受けまして昭和五十七年の八月以来事務レベルでの協議が行われておるわけでございますが、この協議におきましては、米国が有しております規制権、すなわち米国から入手しました燃料を燃やした後の処置についてのいろいろな規制権があるわけでございますが、この規制権を、予見可能性があり、かつ信頼性のある基礎のもとに行使してもらう、日本側から言えば、長期的な見通しを立てて計画が進められるというようにしてもらうと、こういうことでございますが、この協議を進めております。ただ、米国側はこの協議に関連いたしまして、米国の国内法でございます核不拡散法の要請に基づいて、ウランの二〇%を超えた濃縮の事前同意権など現行の日米協定にない新たな規制権を要求してきておることもございます。こういったことからこの交渉は長期化をしているというのが現状なわけでございますが、このため東海再処理工場の運転につきましては昨年の末までで期限が来たものにつきましてはとりあえず一年間延長いたしましてさらに協議を継続すると、こういうことになっておるわけでございます。
 それから問題の第二再処理工場についての取り決めでございますが、これは昭和五十二年の当時日米間で、主要な措置、例えば工場の敷地の買収とか工場の建設等は行わないということで日米間で合意をして、そのかわり東海再処理工場の運転は認めようと、こういう話だったわけでございますが、その後昭和五十六年にはこの制約が撤廃されておるわけでございまして、本件に関する米側の理解は進んできておるというぐあいに我々は理解しております。したがいまして、現行協定上は第二再処理工場の保障措置につきまして共同決定があれば運転は開始できるということになるわけでございます。
 ただ、さきにも述べましたような米国の主張もございまして、今後その包括的な合意を行う、取り決めを結ぶという中でこの問題についても解決をしていきたいということで協議を進めておるわけでございます。今後とも我が国の再処理開発が円滑に実施できるように米国とも精力的に協議を進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
#23
○伏見康治君 先ほど、途中で、五十六年の取り決めで五十九年十二月末、つまり昨年末までに何とかするというお話があったと思うんですが、それが延びていると理解してよろしいんですか。
#24
○政府委員(中村守孝君) そのとおりでございます。
#25
○伏見康治君 その方面のアメリカとの協定をぜひ新しい長官のもとで話が早くまとまるように努力していただきたいということを希望いたします。
 それから、時間がそろそろなくなっておりますがもう一つだけ伺いたいと思うのは、従来先ほどから話題に出ております東海村の処理というのは、動燃事業団の仕事であったと思うんですね。ところが六ケ所村でいろいろ始まります三点セットなるものの中では何か別の民間の会社がなさることになると思うんです。そして今まで動燃で蓄積されたいろいろな技術がその民間の会社に移されるということになると思うのでございますが、ちょうど電電公社が電電株式会社になるときの、いろいろな国の権益と民間の会社の権益というものとの間の関係が微妙なことがあるのじゃないかと思うんですが、その辺はどうなっているでしょうかお伺いいたしたい。
#26
○政府委員(中村守孝君) 動燃事業団と民間の再処理工場との技術協力に関する問題かと思いますが、既に両者の間で連絡的な機構をつくりましてお互いの間で協力し得るものについて話し合いを進め、情報の交換等も行っておりまして、再処理会社の方から委託を受けた形で動燃事業団のスタッフがいろいろ評価をしたり概念設計的なことについての情報を提供するというようなことをいたしております。
 技術移転に伴う権益と申しますか、対価の問題をどうするかということにつきましては、当面民間再処理工場の安全な技術のもとに一刻も早く我が国の自主技術を確立するということとの兼ね合いにおいて現在検討をしておるところでございまして、その対価の検討とは別に、我が国に自主燃料サイクルを確立するということが最大の課題でございますから、そちらを優先しましてできるところから動燃事業団の技術を民間に協力的に提供しておると、こういう状況にございます。
#27
○伏見康治君 終わります。
#28
○塩出啓典君 ことしの予算は非常に各省の一般会計の予算が減る中でプラスである、しかも本年は科学技術博への予算が非常に減っている中で実質的にはこの数年プラスを続けてきておる、そういう点関係者の御努力には敬意を表するわけでありますが、この研究費の中での政府の負担の割合が、昭和四十一年に三二%だったのが昭和五十七年二三・六%となっております。我が国の場合は政府の負担割合が、米国、西ドイツ、フランス、英国、こういうような国々に比べてかなり低い。そしてしかもそれが低下をしているわけでありますが、しかし政府の負担割合は、私調べましたところ、英国以外は米国も西ドイツもフランスもずっと下がっているわけですね。そういう点から見て政府としては大体研究費の政府の負担割合とい
うものはどういう程度を目指しているのか。研究費は多いにこしたことはないと思うんですけれども、この点お考えを承りたいと思います。
#29
○政府委員(堀内昭雄君) 十一号答申におきましては、研究開発投資額の政府負担割合につきましては具体的な目標は定めておらないわけでございますけれども、研究投資水準全体を上げるということでありまして、当面対国民所得比三%、長期的には三・五%、そういう目標を達成したいというふうに考えております。従来の我が国の研究開発投資の伸びを見ますというと、特にその中で政府関係の予算について見ますというと、ここ数年間非常に厳しい財政状況のもとではございますけれども、昭和五十五年度に比較いたしまして昭和六十年度までどれだけ伸びたかということでございますが、一般歳出の伸びが六・〇%伸びております。その間に科学関係予算は、これは特別会計予算を含めておりますけれども一七・八%伸びておるということで政府としてもそれなりの努力をしてまいったわけでございます。先ほどの御質問の何%に政府負担割合をすべきかということにつきましては特に答申ではうたっておりませんし、今後とも我々としまして政府の投資というものを重視してまいりたい、こう考えております。
#30
○塩出啓典君 それから税制の問題です。やっぱり民間の研究機関が研究開発に投資しやすいような税制をつくるということも私は必要ではないかと思います。最近日米の法人税の税制、あるいは研究開発投資に対する優遇税制、そういうような点で日米間にかなり差があるんじゃないか、そういう点からいろんな面で技術開発的な面での競争が日米間でも行われるわけでありますが、そういうような点に余り差があっては長い将来を考えていけば非常に日本にとってもよくないんじゃないか。やっぱり新しい技術革新が起きるということは、これが新しい設備投資を誘発し、景気対策の面からもやはりそういう研究開発投資というものに力を入れろ、こういうような意見があるわけであります。きょうは時間もございませんので余り細かく税制のことを論議をするのは次の機会に譲りたいと思うんでありますが、こういう税制の面の日米比較について、科学技術庁としてはどういう認識を持っておるのか、これをお伺いしたいと思います。
#31
○政府委員(堀内昭雄君) 日米間で若干税制の体系に差がございます。増加試験研究費の税額控除制度というのは似たようなものがございますけれども、その金額につきましては、例えば、日本の方は従来の各事業年度の最高額を超える金額につきまして二〇%というような税額控除制度を持っておりますけれども、アメリカにつきましては、これは二五%というような数値が出ておりますし、また税制に関連の深い償却制度につきましても日本とアメリカと若干差がございます。アメリカの方が償却が一般的にいいますと早いというような傾向がございます。これは税制全体につきましてはいろいろ全体のバランスの問題がございます。税負担の実質的な公正の確保の問題でありますとか、あるいは税務手続の効率化、まさに国情を反映して論じられる問題であります。今後とも我々としましてはこの税制優遇措置につきまして民間企業の動向等を踏まえながら検討してまいりたい、こう考えます。
#32
○塩出啓典君 この点はひとつ科学技術庁においてもよく研究をして、やはりそれぞれの企業が新しい技術開発のためにより投資しやすい環境をつくることは、科学技術立国を目指す我が国としても国民の福祉に合致する方向じゃないかと思いますので、この点を要望いたしたいと思います。
 それから次に、「科学技術行政における総合的企画調整機能の強化」というのが予算の項目にあるわけでありますが、前々から科学技術会議を中心とする総合的な企画調整機能というものがますます大事になってきておる、そういう意味で先般科学技術会議の第十一号答申においても研究評価の充実をすべきではないか、このように言っておるわけでありますが、この総合的企画調整機能の強化として今年度は特にどういうことをやろうとされておるのか、それと研究評価の充実という点については具体的にどのようなことをやろうとしておるのか、これをお伺いいたします。
#33
○政府委員(堀内昭雄君) まず研究評価の問題でございますが、科学技術会議の十一号答申に述べられておりますように、「限られた時間と研究開発資源の下に、より効果的に研究開発を進める」という見地から研究評価が非常に重要であるという指摘が行われておりまして、これまでも現実問題としまして研究評価がいろんな面で行われておりまして、第三者によって構成される評価委員会というものを設けてやるような場合もございますが、いろんなレベル、例えば研究所の中、それから行政レベル、審議会といったようなところのいろんな機関で行われておるところでございます。
 研究評価は第一義的には研究開発の実施を担当する機関において研究の性格でありますとか、それから研究の進展段階、研究の態様といったようないろんな状況に応じて変えるべきであるということでございまして、科学技術会議におきましても政策委員会に研究評価小委員会というものが設けられておりますけれども、そこで研究評価のあり方につきましての検討を開始したところでございます。
#34
○塩出啓典君 今の科学技術会議の政策委員会の研究評価小委員会ですか、これは大体いつごろをめどにやられるのか、やっぱり急ぐ問題じゃないかと思うんですが、この点はどうなんでしょうか。
#35
○政府委員(堀内昭雄君) 今のところ確たるスケジュールがあるわけではございませんけれども、目途といたしましては年内に中間的な取りまとめをしたい、こういうふうに考えております。
#36
○塩出啓典君 それから次に、「データベースの拡充」というのがこの予算の中にあります。私もいろいろなところから聞くお話では、日米間のデータベースというものが物すごく格差があるんじゃないか、日本のデータがどんどんアメリカへ流れているし、その日本のいろんな人たちもアメリカのデータベースを利用している。そういうことで、もし何かのときにアメリカのデータベースが利用できないということになると非常に日本に混乱が起きるんじゃないかと。そういう意味で、日本のいわゆるデータベースというものももっと充実をしていかなくちゃいかぬ。日本のいろいろな情報が日本のデータベースじゃなくてアメリカに流れるようなことは、非常に将来を考えて心配ではないか、そういう意見があるわけでありますが、そういう点についての科学技術庁の認識はどうなのか。
 それと、ことしのこの予算では、もちろん日本科学技術情報センター、ここのやはりデータベースを拡充するということで、必ずしも日本のそういう民間を含めてのものではないように思うわけでありますが、そういう点、民間の方についてはどのように考えているのか。特に、そういうものは予算は全然ない、全部民間の活力に任せておるのか、この二点についてお伺いしたいと思います。
#37
○政府委員(本郷英一君) ただいま塩出先生御指摘のデータベースの流通、整備という点、私どもといたしましても、科学技術の振興の上でこれが大変不可欠の条件であるというふうに考えております。
 アメリカとの間で非常に差があるんではないかという点でございますが、いろいろ数字的にぴしゃっとどの程度差があるかということをお示しすることは困難でございますが、国全体として比較してみた場合に、我が国におけるデータベースの整備がアメリカよりおくれているということは、これは否定できないところであろうというふうに考えております。そして、この科学技術情報の流通、整備を行うことが科学技術振興の基盤をつくるという意味で、私どもといたしましても、従来からNIST構想というものに基づいていろいろと努力をしてまいっております。その中で、先ほどお話の日本科学技術情報センターは、その中枢機関として、総合センターとして機能するという
位置づけにあるものでございまして、この科学技術情報のデータベースの作成、提供を力を入れてやっているわけでございます。
 六十年度におきましては、総事業費は八十五億でございます。前の年に比べますと一〇%の予算をふやしておりまして、その中の重点としては、データベースの整備として三つばかりを行っております。
 一つは、従来から科学技術に関するいろんな文献がたくさん出るわけでございますが、その文献データベースを拡充するというものでございまして、約二十六億の費用を使って年間四十九万件のそういった文献データを収集し、これを提供するということを考えております。
 もう一つは、最近の新しい動きでございますが、文献データだけではなくて、ファクトデータと言っておりますが、いろんな工学的あるいは技術的な知見に基づいて出てきた試験研究のデータそのものを研究者の人に提供しようということでファクト・データベースというのを作成する、そこの点について予算を計上しております。
 もう一つは、海外との関係でございますが、アメリカ等から日本には、アメリカのデータベースを日本に導入するということをやっております。しかし、日本のデータベースはまだなかなか、日本語というハンディキャップもありますので、海外には出ておりません。むしろ、それが科学技術情報流通の上で摩擦問題を引き起こしかねないという側面もございまして、英文でデータベースを作成して、これを海外に提供しようということを考えておりまして、これを新たに六十年度から着手するということにいたしているところでございます。こういったことで、データベースの整備、流通促進につきましては、今後とも鋭意努力をしていきたいというふうに考えております。
#38
○塩出啓典君 日米の差というのはだんだん縮まっているのか、やっぱりだんだん拡大をしているのか、あるいはそういう点は心配する必要はないのか、その点はどうでしょうか。
#39
○政府委員(本郷英一君) 先ほどもお話ちょっといたしましたように、なかなか数量的にこれを把握するということが私どもできませんで、したがいまして、現在の状況を全体的に認識してかなり差があるということは言えるんでございますが、過去に比べてどうとかいう点になりますと、なかなか証拠というものに基づいた説得的な議論というのができないんです。最近の我が国の高度情報化社会移行に伴うデータベース関係の諸活動の動きを見ておりますと、多分日本の整備のスピードというのは最近かなり上がってきているというふうに考えております。
#40
○塩出啓典君 ぜひ、いろいろな科学技術の研究を推進する上において、いろんなデータベースは非常に大事だと思いますし、そういうような点も、ひとつ日米間の動きについても気を配って対応をとっていただきたい、このことを要望いたします。
 それから、研究者の交流の促進という点で、これは去年よりも予算がちょっと減っておるわけでありますが、これはこの間ある国立の研究所へ参りましたら、かなり予算がないために自費で参加をする人もいるわけです。私はそういう意欲、これに敬意を表するわけでありますが、できれば、そういうのは、自費じゃなしに公費が一番望ましいんですけれども、これも限られた中でございますので。しかし、そういう自費で参加する人が、せめて身分だけでもやっぱり公の出張にしてもらいたいという、こういう意見がございました。これは、もし何かあったときに、事故に遭ったとかそういうような万一に備えてのことじゃないかと思うんですが、そういうような点を、これは恐らく私は全般的に各研究機関からもある要望じゃないかと思うんですが、そういう点検討すべきじゃないかと思いますが、この点どうでしょうか。
#41
○政府委員(堀内昭雄君) ただいま御指摘の研修のための旅行といいますか、でございますが、その件につきましては、かねてから当庁におきましていろいろ検討を進めております。で、これはいろいろな問題、特に国家公務員法とか、人事院規則とかいろいろございまして、その関係の当局と今いろいろ協議をして実現の方向に向かっての努力をしているところでございます。
#42
○塩出啓典君 それから、国際科学技術博覧会がスタートいたしまして、今日までの関係者の御努力に敬意を表するわけでありますが、今年度もこの開催のために九十二億の予算が組まれているわけでありますが、非常に人気が沸騰するというか、科学技術庁も二千五百万の人員を予想しているようでありますが、大勢が集まるということは、これは非常にうれしいことなんですけれども、しかし待ち時間が非常に長い。三時間も四時間も待つと、こういうような現状では、せっかく期待をしてこの博覧会に来た人たちも結局ほんのわずかのところしか見れなくて、出直してくればまた券は新しく買わなくちゃいけないという、遠方から来る人の場合はなかなかそうはいかないんじゃないかと思うんですけれどもね。そういう意味で、科学技術博に来た人たち、また中には将来の日本を背負う科学者の卵もたくさんいらっしゃると思うんですがそういう人たちが本当に喜んで帰れるように、これは今からどうのこうのするといっても、対応にはおのずから限度があると思うんですけれども、これから夏になってますます暑くなりますからね、対応が必要じゃないかと思います。そういう意味で、現在の待ち時間の状況は大体どういう状況であるのか。
 それと、中には整理券を発行したりして、炎天下に――まだ今は炎天下じゃありませんが、待たなくていいように、そういうふうにしているところもあるようですが、そういう点も含めて、今後の対策としてはどういうことをお考えになっているのか、これをお伺いいたします。
#43
○政府委員(堀内昭雄君) まず、待ち時間の点でございますけれども、御指摘のように非常に人気館がございまして、たくさんの人が待っておるという状況でございます。特に国内館におきましては、待ち時間が二時間以上となっているものが幾つかございます。ある館では、時に、ある時点でございますが、三時間以上待つというような館も発生しているような状況でございます。特定の館に観客が集中するというのは、これはある程度やむを得ないという点もありますけれども、余り長い時間待っていただくというのも、いろいろ体力的な問題もあるでしょうし、それから余り大きな待ち行列ができますというと、サービスの上でも、それから会場内の整理の上でもいろいろ問題があるというようなこともございます。
 整理券を発行したらどうかということでございますが、幾つかの館が発行しております。四館程度が発行しておりますけれども、こういうことも含めまして、今の待ち時間対策ということを今後検討していきたい、こう考えております。これは各館のいろいろな意向もございますので、それと調整の上進めなければならない、こう考えております。
 それから、先ほどの炎天下の問題でございますけれども、これ一部シェルター等を設けてございますけれども、なお不足じゃないかというようなお話かと思います。この点につきましては、屋根付きの休憩所、これも少ないというような御指摘もございますので、その点も考え合わせまして、さらに検討を進めたい、こう思っております。
#44
○塩出啓典君 エキスポセンターという研究学園都市の関係の場所もあるようですし、そういうところは案外人が行ってないというお話です。会場によっては非常に込んでいるところと込んでないところもあるようですから、そういうような情報を来た人にいろいろPRをする、そういうことも一つの対応じゃないかと思うんですがね。
 いずれにしても世紀の大事業ですから、ひとつ科学技術庁長官としても、できる限りの対策をとって、ただ何か商業主義というか、そういうようなことになってはこれはいけないと思いますし、そういう点、十分ひとつ気を配って頑張っていただきたい。また、例えばアンケート調査を皆さんがとるとか、そういうようなこともひとつやっ
て、最大の効果を上げるように努力をしていただきたい。このことを長官にお願いしておきたいんですが、その点、どうでしょうか。
#45
○国務大臣(竹内黎一君) 筑波科学万博の入場者がおかげで昨日をもちまして二百万人を超えたような状況でございまして、この分でまいりますと私たちの予想のトータルの入場者二千万人という目標も達成できるのかと、こう思っております。
 しかし、先生からも御指摘がございましたように、これまでに大変にミスやら故障やらがありまして御迷惑もかけておりますし、特に幾つかの国内館に人気が集中いたしまして、大変に長い行列、長い待ち時間と、こういうような問題点も出てまいっておりますので、私といたしましては近々関係者全部を集めまして、これまで言われたところの問題点を洗い出し、それについてどういう改善策を講ずべきか、そういう一遍検討会もやってみたいと。そこでしかるべき改善方法を考えたいと思っております。筑波科学万博、何としても楽しい、肩の凝らない雰囲気の中で、テーマであるところの「人間・居住・環境と科学技術」のかかわり合いというものについて国民の皆さんに認識を持っていただきたいわけでございまして、これからもひとついろいろな各方面からの御注文やら御批判を承りまして、逐次運営につきましては改善を図ってまいりたいと思います。
 また、がらがらの館もあるじゃないかということでございますし、また場外にあります筑波のエキスポセンターの方はどうも入りが少ないというのも、これは私どものある意味ではPR不足もあるかと思いますんで、今後PRをする際におきましては、もっともっとこういう貴重な有益な展示がほかの館にもありますよとか、こういったようなPRもこれから心がけてまいりたいと考えておりますが、ひとついろいろとまた御意見を賜れば幸いでございます。
#46
○塩出啓典君 それから、「先端・重要科学技術分野の研究開発等の推進」こういう項目で三千七十三億余の予算が組まれ、昨年に比べて六・七%伸びておるわけでありますが、原子力関係が半分以上である。原子力、宇宙開発、海洋開発の三つを加えますと八八%に近い金額であります。ライフサイエンスとか、材料科学技術とか、防災研究とか、そういうものはわずか一二%余で、原子力関係の比率がますますふえておるわけでありますが、電力業界にも、電源ベストミックス論という、原子力発電というものはせいぜい三割ぐらいで、それ以上余りふえることは効率も悪いという、そういう論議もありますですね。そういう意味で、その他のいろんな基礎研究というものが私は将来にとって非常に大事じゃないかと思うんですが、余りにも原子力あるいは巨大プロジェクトに偏っておる研究費というものは、もうそろそろやっぱり国が研究費を出すのではなしに、それぞれの企業がやるとか、そういう方向に転向すべきではないかな、そういう感じがするんでありますが、その点お考えをお伺いしたいと思います。
#47
○政府委員(宇賀道郎君) ただいま御指摘ございましたように、当庁の中で原子力と宇宙の関係の予算が大変大きな比重を占めているというのは御指摘のとおりでございます。もとよりこの両分野も大変重要な分野でございますし、またこれを支えるための巨大なプロジェクトの関係予算が六十年度に集中しているというようなこともありまして、結果として高いウエートを占めておるわけでございますが、先生御指摘のその他の分野、海洋、あるいはライフ、あるいは材料科学技術、これもまた極めて重要でございまして、その分野にも六十年度予算におきましてそれなりの努力をし、平均以上の伸びを示している分野もあるわけでございますが、元が小さいために結果としてウエートは低いというような状況になっているわけでございまして、今後とも大変厳しい財政事情の中ではございますが、そういった分野にもできるだけ積極的に取り組んでまいりたいと考えているような次第でございます。
#48
○塩出啓典君 これはひとつ長官にもお願いしておきたいわけでありますが、大きなところがまかり通って、結局小さいところが研究費は減らされておる。もちろんふえているところもあるわけですけれども、そういうところはなかなか大きな声では言えない。やっぱりもうちょっとバランスのとれた、余りにもちょっと集中し過ぎているんじゃないかなという、こういう点はひとつよく広く現状を見て適正な方向にコントロールしていただきたい。この点を要望いたします。
#49
○国務大臣(竹内黎一君) 原子力、海洋、宇宙ということでほとんど我が庁の予算の大部分を占めているというのは現実で、そのとおりでございますが、といって他の分野を決してこれは軽視しているわけではございません。先生先ほどデータベースのお話をお触れになりましたが、私なんかも非常に今後これは重要なものだと、こう認識しておりますので、今後は今申し上げた三分野以外のものの予算の充実あるいは拡充、こういうものにまた一層の意を用いてまいりたいと思います。
#50
○塩出啓典君 最後に、ことしの予算で宇宙開発事業団関係で米国宇宙基地計画予備設計参加として十四億余、それから国庫債務負担行為で十八億余と、こういう予算が組まれているわけでありますが、先般NASAの長官も日本へ参りまして、この米国の宇宙基地計画への参加を要請したわけでありますが、それに対して先般宇宙開発委員会の宇宙開発計画の改定の際にこの米国宇宙基地計画予備設計等に参加をするように決定をしたようでありますが、これはどういうことなのか。どれだけの予算が要るのか、最終的にはですね。
 それともう一つは、米国国防省の発表では、今世紀末には宇宙基地をつくるという、こういうことが報道がなされておるわけであります。そういう意味で、この宇宙基地計画に我が国が参加をするということは、これは宇宙基地計画そのものは平和目的であっても、その技術をアメリカが使えば結局軍事利用になっていくわけですね。そういうような点をどう考えるのか。そんなことを心配したら何も技術協力できないじゃないかと、こういう意見もあるし、あるいはそれは私はやはり我が国の方針として平和目的に限るというような、特に宇宙というものが戦争に利用されるということは好ましくない、そのように考えるわけでありますが、その点はどのようにお考えでしょうか。
#51
○国務大臣(竹内黎一君) 先生のただいまの御質問の趣旨は、米国の宇宙基地計画に我が国が参加するとしても、宇宙開発の利用は平和目的に限るという原則をどのように担保できるのかと、こういう御趣旨と解しましてお答えを申し上げますが、我が国の宇宙開発は、国会決議の趣旨及び宇宙開発事業団法の目的に沿って平和の目的に限ってこれを行うこととされているわけでございまして、宇宙基地計画の際も当然その枠組み内で行われるべきものと私はまず理解をいたします。そして、近くNASAとの間で予備設計段階の参加に当たりましての所要の取り決めを結ぶことになっておりますが、私は、その取り決めの中でいわゆる平和利用である、ピースフルユースであるということと、それからそれぞれの活動がそれぞれの国の法令のもとに行われていること、この二点はぜひ明らかにしたいとこう考えております。
 なお、所要の予算額等につきましては政府委員の方からお答えいたします。
#52
○塩出啓典君 あの簡単に。三十秒しか時間ないからそれ以内でひとつ。
#53
○政府委員(内田勇夫君) 現在決定いたしましたのはフェーズBの予算でございまして、二年間にわたってフェーズB概念設計の作業をいたしまして、その結果、最終的にそのC、D以降の建設段階にどういう形で参加するかを決定するわけでございます。したがいまして、あとどれぐらいお金がかかるかということにつきましてはまだ決定しておりませんが、日本型の現在考えておりますモジュールで参加をする場合の経費はおおむね二千億ないし三千億ぐらいではないかなというような感じでございます。
#54
○佐藤昭夫君 私も同僚委員から若干出ておりましたが、電気事業連が下北半島に計画をしております核燃料サイクル基地の問題で幾つか質問をい
たしたいと思います。
 まず最初に大臣にお尋ねをしますが、この予定をされておる立地地点、ここはいわゆる三沢基地に隣接をして、米軍や自衛隊の軍用機が常時演習を行っている射爆撃場、この管理区域内に位置をしているわけですけれども、そもそも核燃料サイクルなるものが未確立の技術で多々危険性を含んでおる従来からの指摘に加えて、こうした射爆場、その区域内にあるということから二重の危険性を持ってくるという点で、こうした立地計画そのものを撤回をさせるべきことだということをつとに我が党は指摘をしてきたところでありますが、過日二月十六日の衆議院の予算委員会で我が党の工藤議員がこうした立場から質問をいたしまして、長官はこういう答弁をなさっています。「今後必要に応じ飛行航路等に関係省庁間で調整が図られ、あるいはまた必要に応じ事業者において施設設計等に所要の配慮がなされるものと考えて」云々と、こういう二つの方向を示唆をされておるわけでありますけれども、お尋ねをしますが、以来関係省庁間での調整協議とか、ないしは事業者の側におけるこの立地計画の計画変更、こういうものがどのように進んでいるんでしょうか。
#55
○国務大臣(竹内黎一君) 私が工藤議員に対してお答え申し上げたことは先生御引用のとおりでございます。具体的に申し上げますと、その際申し上げた関係省庁との調整ということでございますけれども、先生も御承知かと思いますが、このいわゆる三点セットの問題につきましては、目下立地要請に対して県知事を中心に県論の集約が図られている段階でございます。したがいまして、現段階では具体的にはまだ関係省庁との調整というものは動いておりません。
#56
○佐藤昭夫君 事業者側の計画について。
#57
○国務大臣(竹内黎一君) 私がその際に申し述べた事業者側からの云々というのは、事業者側が実際に設置許可を申請する際にあって、そういうことに当然にかつまた十分に配慮したところの設計その他のことが内容となって出てくるだろうという意味合いのことを申し上げたわけでございます。
#58
○佐藤昭夫君 大臣が国会で答弁をされてまして以来これで約五十日経過をしているわけであります。しかも、事業者側の計画が当然それは安全審査会に具体的な計画が出され、それを国としても精査をするわけでありましょうが、しかしあの安全審査というのは言うまでもない、まだまだこれから二、三年先のことでしょう。ところが、その間、国会では一定の議論がやられながら、どういうことで進んでいくのか、住民の不安は募る一方と。こういうことではあの地域の御出身である大臣としても、また当然原子力行政の最高責任を負っておられる大臣としても、一刻も早く住民の不安を解消をするために、繰り返しませんけれども、二つの方向について早くひとつ必要な検討、協議を進めるという態度になって私はしかるべきじゃないかというふうに思うわけであります。言うまでもありませんけれども、東海の動燃の再処理工場建設のときには水戸射爆場を撤去をしたと、こういう実例もあるわけでありますから、どちらの方向が最終的に選択をされるのかというこの問題は今は問いませんけれども、しかしこの二つの方向について必要な協議、検討を極力早く開始をしてもらいたいというふうに重ねて大臣に申したいんですが、大臣の意向はどうでしょうか。
#59
○国務大臣(竹内黎一君) まあ理想を申せば、この計画を機会にあの射爆場が他のしかるべきところに移転をするということが私は百点満点かと思いますけれども、現実にはしかしあそこの射爆場のよそへの移転というのはなかなか私は現実的に難しかろうと、こう思いますと、やはり射爆場と三点セットのいわば共存というものを考えざるを得ない。その共存という関係の中で私たちはいわば国の責任として、安全確保というものについては徹底的なことを考えてまいる、またそういうことを地域関係の皆さんにもよくお話をして御納得を得るべきものだと、こう思っておりますが、その関係各省庁の協議ということになりますと、先ほども申し上げましたように、まだ果たして立地がオーケーなのかどうかというこれ大前提が決まっておりませんので、今すぐというわけにはまいりませんが、必要な時期にはそういう各省庁間のまた調整なり協議も始めたいと思います。
#60
○佐藤昭夫君 射爆場が撤去をされれば百点満点だという大臣のその御見解はこれはぜひひとつ大事な見解として私は承っておきたいと思うんですが、後段で言われておる、しかしなかなか現実問題難しい、だから共存だと。しかし、危険がつきまとう共存では住民の側では不安、たまったものじゃないというところが率直な心情だと思うんですね。
 ですから、こうした点で、本当にあの住民の不安を払拭をしていくためのひとつ勇気を大臣としてはぜひ持ってもらいたいということを重ねて要求をしておきたいと思います。まだまだ決まったわけじゃないと、こうおっしゃいますけれども、決まってしまったら、とにかく基本的にあの場所だと、ということが決まってしまって、それがコンクリートに固まってからさあどう調整するかと言ったって、これはまた時遅しと。ですから、早くそうした方向についての大臣の決断を重ねて要求しておきたいと思います。
 それから次の問題でありますが、ところでこの青森県では核燃料サイクル基地の建設について賛成世論形成のために、御存じの県知事が十一名から成る諮問機関、専門家会議を八月に組織をしました。この専門家会議が、「原子燃料サイクル事業の安全性に関する報告書」というかなり大部の報告書を出しているわけでありますが、この報告書について国として、安全規制官庁であります科学技術庁としてどういうふうに評価をしているのか。よくできた内容だというふうに見ているのか、いろいろ問題を含んでいるというふうに見ているのか、どうですか。
#61
○政府委員(辻栄一君) この報告書は、電気事業連合会が六ケ所村に計画しております核燃料サイクル三施設の安全性について、県の求めに応じまして専門家グループが現段階における専門的知見、それから国内外の経験等に照らしまして施設の安全確保の考え方等の妥当性及び実施可能性についての見解を示したものでございます。そういう性質のものだと了解しております。この報告書は規制法に基づく国の安全審査とはおのずから性格を異にするものでございまして、国としましてはこの報告書にとらわれることなく、事業者が今後の調査及び設計を踏まえてそれぞれの施設に係る許可等の申請をされた段階で厳格な審査をやっていくと、かような考え方をとっておるわけでございます。
#62
○佐藤昭夫君 この報告書は国が行う安全審査とは法的にはかかわりのないものだと、これはよくよく承知して聞いているんですよ。そういう性格のものではあるけれども、この報告書の内容についてアバウトなところどういう評価をしているか。いい内容だというのか、いろいろ問題を含んでおるというふうに見ておるのか、どうですか。
#63
○政府委員(辻栄一君) 報告書自体はただいま申し上げましたような性格のものでございます。したがいまして、私どもこれをコメントする立場にはございませんけれども、専門家グループの構成メンバーからいたしまして、それぞれこの分野に関しまする一流の専門家を集められておるというふうに認識しておりまして、それなりの見識が盛り込まれておるというふうに承知しております。
#64
○佐藤昭夫君 十一人のメンバーのうち、確かに過半数の六人が原子力研究所とか、動燃とかそういう関係の、国の原子力関係機関の関係者が入っておると、だからいい内容だろうというふうに推察をしておるというかのごとく聞きますけれども、もしもこの内容をよく読んでみて、だからしたがってあえてコメントを言わないというわけでしょう。しかし、重大な問題がもしあっても、この国の科技庁としてはノーコメントという態度でいくんですか、もしも重大な問題があったとき。
#65
○政府委員(辻栄一君) いずれ、先生御指摘のように、将来安全審査の申請が出てきた段階で私ど
も厳正な安全審査をやるというポジションでございまして、今の段階ではこれについてのコメントをする立場にはないということを御了承いただきたいと思います。
#66
○佐藤昭夫君 私は後から幾つかの例を挙げますけれども、重大な内容を含んでいるにもかかわらずしかしコメントをすべき立場にないという、そういう態度というのは許されないと思うのです。――何かあるんですか、しきりに手を上げているけれども。
 そこで一、二の例を挙げましょう。七月に建設の計画書といいますか、「原子燃料サイクル施設の概要」なるこういう文書が事業連から出た。それで諮問機関がつくられて十一月にこういう報告書が出されたということでありますけれども、この計画のときには全く触れてなかった問題で、この報告書で突如挿入をされてきた重大問題があるんですね。お気づきかと思うんですが――お気づきですか。
#67
○政府委員(中村守孝君) ちょっと御指摘の意向はつかみかねておりますが……。
#68
○佐藤昭夫君 実はこの報告書の順番でいきますと「ウラン濃縮施設」から始まって「再処理」「低レベル放射性廃棄物」という、こういう順序で記述をしていくわけですけれども、その「ウラン濃縮施設」のそこの中で最後に、最後にといいますか、そこの施設の概要、そこの末尾に七月段階では全く触れていなかった内容が突如として入ってくる。なお、将来増設予定施設として転換施設、すなわちこれはちゃんと注釈がついてイエローケーキを弗化ウラン、UF6これに転換する施設及びに再転換施設、UF6を酸化ウランに転換する施設があり、その設置用地が確保されているという記述が入ってくるわけであります。今も言いましたように、この計画は報告書が出るまでは県民には知らされなかった、知らされていなかった内容だ。それが突如として入ってきた。科技庁は知っていましたか。かねがねこういうことが事業運の方では考えられているということは知っていますか、科技庁は。
#69
○政府委員(中村守孝君) ただいま先生御指摘の件でございますれば、七月に電気事業連合会へ申し入れをしましたときの資料に既にこの記載があると、ありますので、私どももそういうことで承知しております。
#70
○佐藤昭夫君 公に発表されておるこれにはないんです。公式の文書です。答弁訂正ですか。
#71
○政府委員(中村守孝君) 電気事業連合会が三施設についてのパンフレットをつくりまして公開してございますが、その資料の中に記述がある。私どもが承知している限りはあるわけでございます。
#72
○佐藤昭夫君 あらかじめ科技庁としては知っていたということであれば、これはなお事は重大なんですよ。大臣、これでここでいろいろ安全性検討して報告しているでしょう。今言いました転換施設、再転換施設、こういうものをつけ加えて、つくる予定だと書きながら、ここにはその安全性検討については一言もないんです。こういう形で問題がどんどん進んでいく。これはもう言うまでもありませんが、ウラン転換施設、再転換施設、こういうものは有毒なUF6あるいは弗化水素、こういうものを取り扱うというので、その危険性はウラン濃縮施設と同等もしくはそれ以上だというのは専門家の中では常識なんですよ。ところがそういうものをつくる予定だと、こうは書きながらこの中にはただの一行もその安全性についての検討の報告がない。こういう形になっているというのは本当に無責任きわまりないというふうに私は思いますので、この点についてはぜひこういうものがひとり歩きをしないように、独走をしないようにストップをかけてもらいたいというふうに思いますが、どうですか。
#73
○政府委員(中村守孝君) この調査は県が自発的に行われたものでございますし、その転換施設についての安全性がどうして記述がなかったかということを、私どもとしてはどういうことかということまで承知し得る状況にございませんが、推測しますれば、これは当面の施設としてはしないわけでございまして、将来そういうことをするということでもあって、直接はこの報告書で触れていないのではないか、これは推測でございますので、恐縮でございますが、そういうことではないかと思います。
#74
○佐藤昭夫君 当面直ちにつくるものではないから云々というようなことで合意ができるものじゃないですよ。この三点セットなるものだって何も三点一遍に、一挙に同時につくるというわけじゃないでしょう、順次つくっていくんですから。ですからその論法は通らないということで、本当にこういう形で事がどんどんと独走をしていくと。しかもあれでしょう、事業運という民間団体が勝手に計画をしているんだと、そしてそのことに基づいて国とは一応独立無関係な青森県がつくった諮問機関でいろいろ議論されておることだから、まあ言うなら知りませんよと、関係ありませんということで済むかと。とりわけさっきも言っておりますように十一人のうち六人、原研とか動燃とか、こういうところの関係者が入っていますと、あなた方も信頼をしておるという人たちが入っていますと、そうすると、なおのこと大体これは国としてもオーソライズをされたようなそういう見解だというふうに一般的には受けとりますよ、無関係だと言ったって。しかも何でしょう、去年のあれいつごろでしたか、青森市と三沢市で科技庁が原子力産業会議、あそこに委託をして講演会をやっておるでしょう。原子燃料という何か新しい言葉、用語が出てきていますけれども、原子燃料サイクルを考えるというテーマで。という形でどんどんとこれを推進、応援をする。そういう行事なんかは国として組んでおるじゃないですか、勝手に進んでいますということではない。そういう点で私は極めて事は重大だと、こういう形でどんどんと既成事実が進んでいくということになれば重大だということで、今一つの問題を提起をしたわけです。
 もう一つ安全性にかかわる重大問題ですが、時間が極めてないのであれなんですけれども、例えばこの報告書の八十四ページ、「再処理安全技術の現状」というそういう見出し、それから再処理についての湿式再処理法、ピューレックス、これは国内外で既に二十年以上の実績を有する方法だと、こう書いておる、国内外でですよ。ずっと国際的に見たって、まあまあ何とか体を保っておるというのはフランスぐらいじゃないですか。あとのところはもう次々とダウンをしておると。日本だって動燃で動き出したと思ったら途端にストップと。こういう状況で二十年以上にわたって国内外で実績を持っていると、こういう言い方がどうして言えるかと。ところがこういう論法で、だから安全、大丈夫ですということで事がどんどん進んだら、私はもう危険きわまりないと思うんです。
 時間がありませんから、続けて問題の提起をしておきますけれども、高レベル廃棄物のガラス固化技術、これについては、これももうそういう技術の蓄積があって安全に貯蔵ができるんだというふうに七ページで書いて、さらに七十七ページで、ガラス固化技術について「内外において数多くの開発、経験が得られつつあり」と、ここも「内外において」と。肝心の日本の実情はどうか、これはあれじゃないですか、今、動燃において高レベル放射性物質の研究施設CPF、あの施設で、実験室規模、だから実物大ではないわけです。この実験室規模のホット試験を始めたばっかりと。どうして内外でガラス固化技術が数多くの開発「経験が得られつつあるというような、こんな書き方ができるんだと。こういう書き方で事がどんどん進んでいくというのを黙って見ていいのかという問題が挙げられますね。あるいはこの報告書の七十九ページ、いわゆる施設周辺の放射線量規制基準、この問題を書いているんですけれども、これによりますと、ICRPの一九六五年勧告のあの五百ミリレムパー年という、こういう時代おくれの数値を一応の目安、そして一層の低量規制に努力するその参考例として挙げているのが西ドイツの気体三十ミリレム、液体三十ミリレム、アメリカの二十五ミリレムと、こういう例を引用をし
ているわけですけれども、ところが肝心の日本の動燃再処理工場の実態である気体の〇・七ミリレム、液体の〇・六ミリレム、こういうものを取り上げてない。あるいはまた、近年の我が国の五十年以降の原発に関する線量目標値五ミリレムパー年、こういうものも取り上げてない。非常に恣意的に外国の例を幾つか取り上げながら放射線量の規制を殊さら甘くしよう、こういう記述になっておるというふうに言わざるを得ないわけです。こうした点幾つかの問題挙げましたけれども、何か見解ありますか、今の点について。
#75
○政府委員(中村守孝君) 私から再処理技術の問題と、ガラス固化の問題についてお答えさせていただきたいと思います。
 再処理工場につきましては、既にピューレックス法ということでいろいろな国で研究開発が進められ、実際にも適用されてまいりまして、フランスではその技術をベースにいたしまして、長年の経験もあり、最近では極めて安定した運転もいたしておるわけでございますし、国内においても動燃事業団が東海村の再処理工場において長年の経験を積んでおります。これはトラブルが起こってとまっているというようなことが再三ございますけれども、そういった経験を踏まえ、逆に言えば次の再処理工場にそういう経験が生かされていくわけでございまして、これは国際的に見ましてもフランスでは次の大きな再処理工場を既に工事中でございまして、英国でも工事中でございますし、ドイツでもそういう次のプラントを計画をしておる、国際的に見ましても再処理技術の実用化というものは十分でき得るということで進められておるものでございます。
 それから、ガラスの固化につきましても、フランスではマルクールでの実証的な施設でこの技術を既に実施をしてございますし、我が国におきましても、先ほど先生御指摘のように、動燃事業団において実際の廃液を使ったいろいろな工学的な研究をしておるわけでございます。その前に、その研究につきましては既に放射能がない状態で、全く同種のガラス液体について動燃事業団では実物大のものについてじっくり研究をして、あとは放射能の影響ということで研究をしてございますし、その安全評価についても原子力研究所の方で研究もいたしております。そういうことで、動燃事業団でもガラスの固化については技術者に聞きましても十分な見通しを得ておる、こういうことでございまして、私どもこの報告書に盛られている評価が、決して私どもが指摘しなければならないようなおかしなことであるというふうには理解いたしておりません。
#76
○佐藤昭夫君 あともう一つ、最後に大臣に聞いておきます。
 今、動燃のお話出てましたけれども、あくまで今は実験室なんですよ、実験室テストなんですよ。ですから、それをもってもう実用化だと、こういうふうには断じて言えないということを重ねて主張しておきたいと思います。そこで、時間の関係でごく一部の例しか挙げられなかったんですけれども、その他拾い出したら切りがないと思うんですよ。安全性の確度からこの記述はどうかという。そういった点でこの報告書というのが極めてずさんで無責任であることを私は強調したいと思うわけでありますけれども、しかしさっきも言いましたように、こういう報告書がもとになって、これが大体国がオーソライズをした見解だという認識が流布されて、事がどんどんと一方的に進んでいって、後からさあしまったと、さあしまったという例が重なっておるんですから、ということになったらこれは事が大変だと思うんですね。
 言うまでもないと思いますけれども、日ごろお心は配っておられると思いますけれども、大臣の地元の県でありますからということで、青森県の県民の死活の問題であるというのは言うまでもない。しかし、それだけじゃない。竹内さんが大臣をなさっていたときに日本の原子力行政の将来に重大な問題が一つ刻された、こんなようなことになれば、これまた大臣としても不本意な問題だろうと思います。こうした点でぜひひとつこの内容についても、こんなものは勝手につくっておるんだと、勝手にというか、国とは関係ないんだというふうに等閑視をするんじゃなくて、よく注意を向けて、これはという誤った記述、誤った傾向、こうした問題についてはやっぱり必要な指摘をする、そういう方向での大臣のひとつ指導性をこの問題についてぜひ発揮をしてもらいたいものだというふうに私は思いますが、その点の見解を最後にお聞きをしておきます。
#77
○委員長(馬場富君) 時間が超過しております。
#78
○国務大臣(竹内黎一君) 私は、今回電事連が青森県に立地を要請しているいわゆる核燃料基地三点セットにつきましては、これは我が国の原子力の開発利用を進める上で極めて重要な意味を持つものであるというぐあいに前向きに評価していることをまずもって申し上げたいと思います。
 ただ、それを進めるに当たりましては、やはり安全性を徹底的に確保するということと、地域住民の皆さんの理解と協力を得る、この二つが私は大前提だ、こう考えておりますので、これからの進め方に当たりましても、今申し上げたような心構えで対処してまいるつもりでございます。
#79
○山田勇君 我が国の科学技術行政は大きな転換期を迎えていると言われています。これまでは外国からの技術導入で大きく発展してきたが、技術先進国の仲間入りをした今日、これからの技術革新の時代を迎えるに当たって、今後どうすれば国際競争の中で勝ち残れるのか。それには、新たな情勢変化にどう対応し、長期的にはどのような展望を持たなければならないのかということであると思います。しかしまた、科学技術はもろ刃の剣とも言われ、方向を誤れば大げさでなく人類の破滅にもつながるものであり、環境問題、倫理問題にも十分な配慮が必要であると考えます。こういった観点から、以下幾つかの質問をさしていただきます。
 科学技術会議十一号答申において、今後十年間にわたる我が国科学技術政策の基本が示されましたが、この中で官民合わせた我が国の研究開発投資を国民所得の三・五%に高めるよう指摘していますが、問題なのは、政府負担割合をどの程度まで高めるかについて具体的な目標が示されていないことで、答申では民間が四分の三と大半を負っており、基礎的な研究などで政府が投資充実に力を注ぐべきだと指摘していますが、具体的にどの程度まで引き上げることをお考えになっておられますか。
#80
○政府委員(堀内昭雄君) その点につきましては、いろいろディスカッションはその答申をつくる段階でございましたけれども、具体的に政府負担割合をどういう数字にすべきかということにつきましての結論といいますか、そういうものはございません。
#81
○山田勇君 欧米主要国の政府負担割合は日本をはるかに上回っております。米国は四六・一%、英国は五二・九%、西独が四一・六%、フランス五二・七%、ちなみに日本は二二・二%でございます。欧米主要国を見習って大幅な政府投資の拡充を図ることが急務だと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
#82
○国務大臣(竹内黎一君) 先生ただいま御指摘のとおり、我が国の研究開発投資の問題点の一つは、やはり政府なり公の投資が少ないということだと私もこれ痛感をいたしております。十一号答申では、具体的に政府の受け持つ割合を何%と指示したわけじゃありませんけれども、私としてはできるだけこれを高めてまいらなきゃならぬ。と申しますのは、やはり民間ではなかなか期待し得ない、あるいは民間の力では難しい研究開発はこれから多々あるわけでございますので、そういう方面に意を用いてまいりまして、結果として政府投資も引きあげる、こういうことでこれからも努力してまいりたいと思います。
#83
○山田勇君 この技術開発の推進に当たって、産官学の連携強化は緊要の課題だと考えますが、科学技術庁長官は、現在この三つの連携は十分行われているとお考えになっておられますか。また、
不十分であるならばどこにその原因があるかをお答えいただきたいと思います。
#84
○政府委員(堀内昭雄君) 産官学の連携につきましては、それぞれの役割分担に応じまして研究を活発に進めるということが大いに必要であるわけでありますけれども、特に産官学の連携に際しまして各界の優秀な研究人材を効率的に使うということ、それから研究内容の高度化あるいは複雑化ということに伴いまして、総合的あるいは学際的なアプローチが必要であるということで、その重要度が非常に増しておるということでございます。また、資金や人材面での効率化を図るということも必要でございます。こういう見地から科学技術庁といたしましては、流動研究システムというのがございまして、産官学の優秀な人材を結集する創造科学技術推進制度というのがございますけれども、ここで各界の人たちを集めまして非常に斬新な技術陣の開拓を行っているということでございますし、また科学技術振興調整費というのがございます。これは科学技術会議の答申に基づいて運用されておるものでございます。ここでも大いに民間の活力を利用いたしましてそれぞれ官と学と民が分担し合って全体として一つの研究目標を達成するということに努めております。
 それから、科学技術庁も含めまして各省庁においてプロジェクトにおける共同研究でありますとか、あるいは流動研究員制度というようなことでいろんな人材交流の推進に努めてまいっております。
 産官学の一つのネックといたしまして、人材の交流が非常に重要であるということでありますけれども、国立試験研究機関におきましては、公務員制度との兼ね合いがありまして、いろいろその交流に若干流動性が欠けておるという点がございます。この点につきましては関係省庁と協議しながらその改善策につきましていろいろな検討をしておるというところでございます。
#85
○山田勇君 産官学連携の課題の一つは、官民の研究者の交流問題にあると思います。例えば国立試験研究機関には研究員の民間への出向を促進し、官民の共同研究を推進することは大変意義のあることとは思いますが、研究者の交流については先ほど御答弁ありましたように、現在の国家公務員法等で民間企業への出向に制約が設けられております。また給与、退職金も出向によって不利な扱いを受けると聞いておりますが、その点の実態はどうなっておりますか。こうした官民交流の障害は撤廃すべきだとは思いますが、長官の御所見はいかがでしょうか。またこの問題についての結論をいつ出すお考えでしょうか。
#86
○政府委員(堀内昭雄君) ただいま御指摘の国立研究機関が中心の問題でございますけれども、研究者の資質の向上でありますとか、先ほど申しました学際的な研究ということを効率的に進める観点から、こういった人材交流が必要であるという認識のもとに我々今いろいろ検討をしております。
 現状におきましては、研究公務員の外部への派遣等につきましては、外勤とか、出張とか、外勤というのはほんの一時的なものでございますが、こういったような派遣を別にいたしますというと、公務員制度上退職手当の問題があるということが一つございます。それから、長期にわたり、二年とか三年とかといったような長期間にわたりまして民間機関で研究に従事するという点につきましては、特殊法人に対しましては復帰希望退職というような格好、あるいは休職というような格好で不利益なく出向できるという制度はございますけれども、公益法人など公共的施設の場合におきましては、休職出向は可能でありますけれども、先ほど申しましたように、退職手当の算定に不利益があるということでございます。
 また、研究公務員の勤務時間内の兼業ということにつきましては、職務に専念させるというような観点がございますので、実態上やはりいろいろな、何といいますか、円滑にいかない点がございます。
 以上でございます。
#87
○山田勇君 バイオテクノロジーについて質問いたします。
 バイオテクノロジーの発展は、農業、科学など産業の活性化などに寄与することが期待される反面、環境問題、倫理問題で懸念されることも多々あるわけですが、この組みかえDNA技術については一九七九年、総理大臣の名による実験指針が制定されておりますが、当局はこの指針によって環境汚染に対する安全性は確保されているとお考えになっておられますか。
 科学の進歩と言えるのかどうかわかりませんが、人間が人間の生命を取り扱うということで倫理的な問題を指摘する意見もありますが、今後実験が微生物段階から哺乳類段階へと進んでいくと考えられますが、倫理的な側面からバイオテクノロジーのあり方を検討する考えはありませんか。
#88
○政府委員(堀内昭雄君) 先ほどの御指摘の、組みかえDNAの実験にかかわります、これ内閣総理大臣が決めたものでございますが、実験指針というのがございます。この実験指針は、先ほど御指摘のとおり五十四年八月に答申が出されたものでございますけれども、この指針に基づきましていろいろこの実験の安全の円滑な推進を行っておるということでございまして、これは技術進歩に伴いましてこういう指針というのは絶えず見直す必要があるということでございます。その後既に五回、いろんな基準の審議検討を行いまして改定を行っております。こういうふうにいたしまして、この国立研究機関のみならず民間産業界におきましても、それから都道府県におきましても、この指針を周知徹底いたしまして、この尊重に心がけるよう配慮いたしておりますので、安全は確保されていると我々は思っております。
 それから先ほどの御指摘の倫理の問題でございます。今後こういったバイオテクノロジーが進展いたしますと、いろんなライフサイエンスとそれから人間の尊厳の問題というようなかかわり合いがあるという御懸念が非常に強いということはかねてから言われているところでございます。最近におきましては、ウイリアムズバーグ・サミットにおきまして中曽根総理が提唱されまして、五十九年三月には箱根で「生命科学と人間の会議」というのが開催されております。いろんな難しい側面がございまして、いろんな方が多様な価値観を持っておられるということで、なかなか結論というのは簡単に出ない問題でありますけれども、今後ともこういうたぐいの問題は、こういうハイレベルでも検討が行われるということが続けられるべきと思います。現にこの会議の継続といいますか、二回目の会議がフランスにおいて開催されるという予定になっております。
 それから科学技術会議におきましても、第十一号答申におきまして、科学技術と人間及び社会との調和ということを非常に重視しているわけでありますが、その一環といたしましてこういった倫理の問題があるということでございまして、現在この会議の政策委員会というところがございますが、その場でこの問題の検討を始めたというところでございます。
#89
○山田勇君 これは最後の質問になろうかと思います。若干質問の中で重複するところもありますが、長官はこの二日、閣議後の記者会見で、科学万博について、開幕後半月を経て大小さまざまな苦情が出ておりますが、問題点を洗い出して、改善の余地があれば改めるよう、今月中旬ごろには検討会を開きたいと語ったと報じられておりますが、今のところ一番問題となっていた交通輸送関係は順調のようですが、これはゴールデンウイークのようなピーク時の対策についても万全でしょうか。また宿泊施設については問題は起こっておりませんか。科学技術の委員としまして万博の成功を心から祈っているものの一人ですが、どうも関西方面からの入場者が少ないのじゃないかなと思うのですが、視察もいたしましたので、及ばずながら私なりにこのPRを地元大阪でやっておりますが、見に行った者が楽しかったと言えばいいんですが、帰ってからいろいろと苦情を言うようでは困ったもんだと思っております。
 そこでこれからの夏に向かいまして、炎天下のウエーティングをどうするのかというような問題、夏時間の延長をやるのかやらないのか、これも早急に発表する方がスケジュールを見に行く者にとってはとりやすいということもあろうかと思います。大阪万博のときは夏時間を延長しております。その中で大臣、何かいいアイデアがあれば検討会でというようなことを先ほど発言をなさっておられましたが、僕はウエーティングをする者にとっては、単に立って待つということだけで今終始しておりますが、その待つ時間というものに、立つということは非常に苦痛なんですね、長官。ですから、少なくともキャンバス状の小さな折り畳み式のいすがございます。そういうようなものを少し購入されるというふうなことをお考えになったらいかがなものだろうかと思います。座ります、そうしますと、炎天下ですからパラソルをまたリースしてもよろしゅうございます、あの大きいパラソルを。座ってパラソルを持っているということはかなり待っていても待ちがいがあるように思いますし、いろんなことあります。待つ間の人たちを退屈させない、やっぱり延べ三百人くらいが外で待つんですから、科学博という名のもとに、ロボットも三百万ぐらいで今いいロボットができますから、ロボットがもう少しですよというようなことを言いながら列の間を少し歩くとか、そういうふうなことをしたり、移動アイスクリーム売り場だとか、そういうものが集中的に企画の中で、一時間置きにそこへ行ってアイスクリームを売るとか、そういうふうにしますとわりかた待っても苦痛にならない。待つというのはやっぱり中を見たいという意欲があるんですから。
 そこで、いすでもそうですが、大臣、こういうキャンバスの折り畳み式のいすを購入します。これ恐らく原価二百二十円くらいで買えると思うんです。それで、これ二百二十円また予算取るのもかなわぬと思うならこのキャンバスにコマーシャルつけるんです。UCCでもどこでも乗ってくれますから。そうしまして三百ぐらいのいすをずっと配列しておけばかなり待っていても苦痛ではないというふうに思います。その点十分御配慮いただきまして、夏場になりますと、大阪万博でも随分事故者が出てきたりしました。だから救急体制等々も十分御配慮いただきまして、万博が成功するように心から祈る一人の者でございます。
 これで私の質問を終わりますが、大臣の御所見を伺いまして終わります。
#90
○国務大臣(竹内黎一君) まずもって筑波科学万博のPRをしていただいたり、またただいまいろんなアイデアをお聞かせいただきまして大変ありがとうございました。
 おかげさまで二百万人を突破したわけでございますが、これからゴールデンウイーク、夏休み等々考えますと、やはりこれまでの運営に私は相当改善を加えるべき点があるんじゃなかろうかと思っております。特に、特定の国内館に人気が集中しておりまして大変長い行列をつくる、二時間、三時間という待ち時間をいただく、こういうようなことでございまして、これはある意味ではうれしい悲鳴でございますけれども、しかし大変また苦痛を与えることにもなっているわけでございますので、その辺何かうまい方法があるのかどうか。ただし、先生ちょっと今キャンバスにいわばコマーシャル的なものを入れてはどうかというお話がございましたが、実は万博条約におきまして余りコマーシャルをやっていけないということになっている点もありますので、そこら辺のまた工夫も必要かと思いますが、いろいろと皆さんからまた御意見をちょうだいして、より楽しく見学をいただくようにこれからも精いっぱい工夫してまいりたいと思います。
#91
○委員長(馬場富君) ほかに御発言もなければ、これをもって昭和六十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち科学技術庁についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#92
○委員長(馬場富君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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