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1984/06/21 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 国民生活・経済に関する調査特別委員会 第7号
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1984/06/21 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 国民生活・経済に関する調査特別委員会 第7号

#1
第102回国会 国民生活・経済に関する調査特別委員会 第7号
昭和六十年六月二十一日(金曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         対馬 孝且君
    理 事
                岡部 三郎君
                梶木 又三君
                亀長 友義君
                糸久八重子君
                刈田 貞子君
    委 員
                岩上 二郎君
                大島 友治君
                海江田鶴造君
                佐々木 満君
                坂野 重信君
                沢田 一精君
                杉山 令肇君
                関口 恵造君
                松岡満寿男君
                水谷  力君
                山内 一郎君
                高杉 廸忠君
                高木健太郎君
                矢原 秀男君
                吉川 春子君
                抜山 映子君
                青木  茂君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国民生活・経済に関する調査
 (技術革新に伴う産業・雇用構造等に関する件)
 (高齢化社会に関する件)
 (生活条件整備に関する件)
○調査報告書に関する件
○中間報告に関する件
○継続調査要求に関する件
○委員派遣に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(対馬孝且君) ただいまから国民生活・経済に関する調査特別委員会を開会いたします。
 国民生活・経済に関する調査を議題といたします。
 本委員会は、技術革新に伴う産業・雇用構造検討小委員会、高齢化社会検討小委員会及び生活条件整備検討小委員会の三小委員会を設置し、それぞれ調査を進めてまいりましたが、先般、各小委員長から委員長のもとに中間報告として調査報告書が提出されました。
 この際、調査報告の概要につきまして、各小委員長から説明を聴取いたします。まず、技術革新に伴う産業・雇用構造検討小委員会の梶木小委員長からお願いいたします。梶木小委員長。
#3
○梶木又三君 技術革新に伴う産業・雇用構造検討小委員会は、今国会において、参考人からの意見の聴取、委員派遣及び各小委員による自由討議を行ってまいりました。
 現在までの調査では、いまだ全小委員の間で政策的合意を得るに至っておりませんが、参考人等の意見を中心に整理し、第二次中間報告として取りまとめることといたしました。
 以下に、本中間報告の概要を御説明申し上げます。
 昨年八月の第一次中間報告では、最近における技術革新の動向及び産業・雇用構造変化の実態と今後の見通しを明らかにしたところでありますので、本中間報告では、技術革新の進展とともに我が国経済社会が直面するであろう課題について、経済社会の対応の方向性を明らかにしたいと考えております。
 まず、第一節の「科学技術開発のあり方」では、第一に、基礎研究を重視し、その積極的な推進を図ることが重要であること、第二に、科学技術開発に当たって産学官の連携の強化が必要であること、第三に、先進国間及び発展途上国に対する科学技術面での国際協力が重要であること、第四に、科学技術と人間及び社会との調和の観点からテクノロジーアセスメントを重視すべきことを指摘しております。
 第二節の「情報化社会への円滑な移行」では、第一に、ソフトウエア危機への対応策、第二に、コンピューターセキュリティー対策のあり方、第三に、プライバシー保護の重要性とその法制化の必要性とを指摘したほか、第四に、データベースの整備に力を注ぐべきこと、及び第五に、企業間あるいは地域間の情報格差への対応策について述べております。
 第三節は、「ME技術革新と雇用・労働」の問題であります。
 我が国におけるME化は、これまでのところ、欧米諸国に比べて比較的円滑に進行していますが、この過程には幾つかの無視することのできない問題点が生じております。今後、ME化の一層の進展に伴って生じ得る問題に対し、十分な対応策が必要とされるところであります。
 この点で第一の課題は、国民経済全体としての雇用機会を維持確保することであり、安定的世界経済秩序の確立と我が国経済の自律的発展に努めることの重要性、及び産業政策の果たす役割の大きいことを指摘しております。
 第二に、労働者の職業能力開発の推進と労働力需給不適合の調整が重要であります。
 職業能力開発では、ME機器に関する教育訓練、特に中高年齢者に対して独自のカリキュラムを作成し、十分な時間をかけてME機器への適応を図ること、及びME化に伴って職種転換を迫られる労働者に対する幅広い教育訓練の実施の必要性を指摘しております。
 また、ここでは、労働力市場を通じた労働力需給調整の役割の増大並びに雇用形態の弾力化に対する労働者の保護と雇用の安定の見地からの対応が求められております。
 第三に、労働の質の向上と生産性上昇の成果配分が課題となります。
 労働の質の向上については、労働の二極分解を生じないような職務編成に努めること、及び労働安全衛生面で十分な研究と対策が必要なことを指摘しております。
 また、生産性上昇の成果配分については、特に、欧米諸国に比較して大幅に長くなっている労働時間の短縮に結びつけることが重要であり、このことは、ワークシェアリングの観点からも検討に値する課題であると指摘しております。
 第四に、中小企業に対する独自の対策が必要であるほか、第五に、以上の対応策を実現する上で労使間の意思の疎通と社会的コンセンサスの形成の重要性を指摘しております。この点では企業において、ME機器の導入に当たって労使間で十分な協議の行われることが望まれるほか、国レベル、産業レベル、地域レベルにおける政労使の協議の場を設けることの必要性を指摘しております。
 以上が中間報告の概要でございますが、本小委員会としては、今後、さらに調査検討を続け、提言に向けて各小委員の意見の一致を図ってまいる所存でございます。
 以上でございます。
#4
○委員長(対馬孝且君) ありがとうございました。
 次に、高齢化社会検討小委員会の糸久小委員長にお願いいたします。糸久小委員長。
#5
○糸久八重子君 高齢化社会検討小委員会の中間報告についてその概要を申し上げます。
 昨年提出いたしました中間報告の中では、高齢化社会の現状と見通しについて明らかにするとともに、今後の検討課題を指摘したところでありますが、検討課題が広範にわたっているため、その中の幾つかの課題を中心に高齢化の諸問題について、その後、本小委員会は学識経験者からの意見聴取、現地調査、各委員の間の自由討議等を行いました。本中間報告は今国会終了までの調査の内容を参考人の意見、自由討議等を中心に整理したものであります。
 次は、報告書の内容について、お手元に配付いたしました資料に基づき、簡単に御説明申し上げます。
 中間報告は五つの章から構成されております。
 まず、一の「序文」においては、今後、急速な速度で訪れる我が国の高齢化社会について、その意義と総合的施策の必要性について言及しております。
 二の「要援護老人のための対応」においては、介護施設の整備、在宅サービスの拡充及び健康システムの確立等について述べております。
 今後、寝たきり等重介護を要する高齢者が一層増大することが予想されておりますので、量、質両面において介護施設を積極的に整備拡充していく必要があります。また、在宅福祉サービスの面におきましてもまだまだ十分とは言えない状況であります。在宅保健医療サービス、家庭奉仕員制度等の一層の充実を図るほか、家族の介護負担の軽減と休養の確保を図るため、家庭介護への支援を強化していく必要があります。また健やかに老い、老後を豊かにするための健康増進、疾病予防システムの確立についても触れております。
 三の「老年痴呆について」においては、老年痴呆についての研究体制のあり方、予防、介護のあり方について述べております。
 現状においては、老年痴呆に対する対応は極めて立ちおくれているのが実情であり、特にアルツハイマー型老年痴呆の病因がいまだ解明されておらず、その早期解明と治療方法の開発が望まれております。そのための総合的な研究体制を国家的プロジェクトとして整備していく必要があります。
 次に、老年痴呆の予防と介護につきましては、高齢者が老年痴呆にならないようにするため、日ごろから食生活の改善、趣味、スポーツ、コミュニティー活動等の社会的活動に高齢者が積極的に参加できる基盤づくりを推進すること、専門家の養成の確保、適切な診断や助言を身近な地域社会の中で受けることができる体制を全国的に整備すること等について言及しております。
 四の「社会福祉サービスの多様化」においては、新型の社会福祉供給組織の発生、民間企業の参入への配慮、地方自治体の高齢化対策の推進について述べております。
 武蔵野方式に見られるような新しい在宅福祉サービス組織が大都市において生まれてきておりますが、その現状と検討課題について最初に触れております。
 次に、民間企業のシルバー市場への急激な参入の問題であります。民間企業の持つ創造性、効率性を高齢化社会への対応の中で生かすことは重要でありますが、その場合、高齢者の貴重な財産が被害を受けることのないよう配慮していく必要があります。さらに、地域や個人の事情に精通している地方自治体が多様できめ細かな高齢者福祉対策を推進していくことの必要性並びに国の社会保障に対する責任についても触れております。
 最後に、五の「高齢者の就業問題」においては、定年の延長、就業機会の拡大、国及び地方自治体の高齢者雇用対策等について述べております。
 今後増大すると予想される高齢者の就業を考えるに当たっては、働く意思と能力のある高齢者の雇用が確保されることが重要であります。また同時に、日本経済のバイタリティーを維持していくためにも高齢者の積極的な活用を図っていく必要があります。このためには定年の延長、ワークシェアリング、教育訓練、就業期間と年金との関連、国、地方自治体の企業に対する指導、助成等、今後総合的に検討することが重要であります。
 以上、御報告申し上げます。
#6
○委員長(対馬孝且君) どうもありがとうございました。
 次に、生活条件整備検討小委員会の亀長小委員長にお願いいたします。亀長小委員長。
#7
○亀長友義君 生活条件整備検討小委員会の中間報告についてその概要を御報告申し上げます。
 この報告は、前回の第一次中間報告に引き続き、まちづくりを国土政策、都市政策、居住及び生活環境、住民参加の側面からとらえて検討を行ったものであります。
 まず、一の「国土政策の課題」についてであります。
 首都圏の将来像では、三大都市圏への産業、人口集中が鎮静化する中で、高次中枢機能はむしろ東京に一層集中する傾向にあること、そのため過密化した東京圏の機能分散を図り、情報化、国際化社会に対処した新しい首都圏を形成する必要があること、地方定住圏の可能性では、地方への定住化を促進するため、都市化社会の進展、産業構造の転換に対処した地域経営のあり方が検討される必要があることなどを述べております。
 次に、二の「都市政策の課題」についてであります。
 土地政策では、地価の鎮静化、土地利用の高度化を達成するため、都市計画制度のあり方や土地流動化政策について検討していく必要があること、住宅政策では、過密化した大都市の住宅事情を質的、量的に改善するため、賃貸住宅の充実、適正な土地利用に即した住宅政策を推進していく必要があること、都市再開発では、錯綜した大都市の土地利用を転換し、望ましい都市環境を形成するため、昨今議論の対象となっている民間活力の活用、都市再開発生業制度のあり方等について一層検討していく必要があること、これからの大都市政策では、大都市の有する人的、物的資源を有機的に結合させ、活性化を図ることにより、その都市的便益を最大限に発揮させ得る適正な大都市政策のあり方が検討される必要があることなどを述べております。
 次に、三の「居住及び生活環境上の課題」についてであります。
 これからの社会資本投資では、都市化社会の進展に伴い、社会資本投資のあり方について議論が高まっていること、費用負担、供給主体のあり方や、来るべき高齢化社会への対応が大きな検討課題となること、地方自治体と住民の役割では、多様化する住民のニーズに対応したきめ細かい行政サービスが求められていること、住民の側からもみずからの居住、生活環境を改善していこうとする動きが見られ始めており、地域行政における地方自治体の役割を再検討していく必要があること、情報化社会への対応では、新しい通信メディアの実用化が進む一方、さまざまな問題も顕在化していること、そのため正しい情報化社会の将来像を検討していく必要があることなどを述べております。
 最後に、四の「住民参加の課題」についてであります。
 都市化社会の地域コミュニティー像及びコミュニティー活動の育成では、都市化社会の進展に伴い自主的参加活動型の新しい地域コミュニティー活動が活発化していること、これらの活動は地域の安定化、活性化に貢献する一方、その限界も指摘されており、今後活動における行政とのかかわり合いが検討されていく必要があることなどを述べております。
 以上、生活条件整備検討小委員会の中間報告について概要を御報告申し上げます。
#8
○委員長(対馬孝且君) どうもありがとうございました。
 以上で、三小委員長からの調査報告書の概要説明の聴取は終わりました。
 ただいま各小委員長から概要説明のありました調査報告書につきましては、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#10
○委員長(対馬孝且君) 調査報告書の提出についてお諮りいたします。
 本委員会は、設置の際の経緯にかんがみ、調査の経過について、年一回報告書を提出することになっております。
 理事会におきまして協議の結果、今国会におきましても、先ほど三小委員長から概要説明のありました各小委員会の調査報告書にあわせて、本委員会での調査経過をまとめ、お手元に配付いたしました「国民生活・経済に関する調査報告書(中間報告)(案)」がまとまりました。
 つきましては、本案を本委員会の中間報告として議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#12
○委員長(対馬孝且君) この際、お諮りいたします。
 ただいま提出を決定いたしました調査報告書につきましては、議院の会議における中間報告の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、議院の会議における中間報告の概要の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#15
○委員長(対馬孝且君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 国民生活・経済に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#18
○委員長(対馬孝且君) 委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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