くにさくロゴ
1984/12/06 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 建設委員会 第2号
姉妹サイト
 
1984/12/06 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 建設委員会 第2号

#1
第102回国会 建設委員会 第2号
昭和五十九年十二月六日(木曜日)
   午後一時四分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月四日
    辞任         補欠選任
     村田 秀三君     青木 薪次君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         本岡 昭次君
    理 事
                堀内 俊夫君
                増岡 康治君
                増田  盛君
                青木 薪次君
    委 員
                安孫子藤吉君
                井上 吉夫君
                工藤万砂美君
                志村 哲良君
                福田 宏一君
                二宮 文造君
                馬場  富君
                上田耕一郎君
   国務大臣
       建 設 大 臣  木部 佳昭君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (国土庁長官)  河本嘉久蔵君
   政府委員
       北海道開発庁総
       務監理官     楢崎 泰昌君
       国土庁長官官房
       長        永田 良雄君
       国土庁計画・調
       整局長      小谷善四郎君
       国土庁防災局長  杉岡  浩君
       建設大臣官房長  豊蔵  一君
       建設省建設経済
       局長       高橋  進君
       建設省都市局長  梶原  拓君
       建設省河川局長  井上 章平君
       建設省道路局長  田中淳七郎君
       建設省住宅局長  吉沢 奎介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田熊初太郎君
   説明員
       環境庁自然保護
       局保護管理課長  瀬田 信哉君
       国土庁長官官房
       水資源部長    和気 三郎君
       林野庁指導部長  下川 英雄君
       資源エネルギー
       庁公益事業部業
       務課長      川田 洋輝君
       建設大臣官房総
       務審議官     松原 青美君
       建設大臣官房技
       術審議官     杉山 好信君
   参考人
       東京大学教授   茂木 清夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○建設事業並びに建設諸計画に関する調査
 (公共事業費の確保に関する件)
 (道路特定財源の取扱いに関する件)
 (住宅金融公庫の融資条件の変更に関する件)
 (民間活力の活用に関する件)
 (地震予知に関する件)
 (北海道開発に関する件)
 (中小建設業者の育成に関する件)
 (異常渇水と水資源開発に関する件)
 (首都圏中央連絡道路の建設計画に関する件)
○委員派遣に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(本岡昭次君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る四日、村田秀三君が委員を辞任され、その補欠として青木薪次君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(本岡昭次君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(本岡昭次君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に青木薪次君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(本岡昭次君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 建設事業並びに建設諸計画に関する調査のため、本日、東京大学教授茂木清夫君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(本岡昭次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(本岡昭次君) 建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○青木薪次君 私は、木部建設大臣に所信をお伺いいたしたいと思うのでありますが、木部建設大臣は私のうちのすぐそばの出身でありまして、質問すること自体について大変ある意味ではちゅうちょするし、それから木部建設大臣は人柄も立派で非常に小まめな人でありますし、地元も木部さんが大臣になった、しかも建設大臣になったということで大変喜んでおりますが、国民の立場から考えますと大臣、やっぱり正すべきところは正さなければいけないという立場に立ちまして、まず第一に、水野前建設大臣は建設諸行政に対する公共事業費を中心といたしまして大蔵省との折衝や、あるいはまた各地における各種会合等におきまして、今後の社会資本の創出につきまして大変異常な決意を持ってやったのでありますが、大臣、その水野前建設大臣に私、きのうも会ったのでありますが、踏襲されますかどうか、その点まずお伺いいたしたいと思うのであります。
#9
○国務大臣(木部佳昭君) 今青木先生から大変お褒めの言葉をいただきました。私自身は、大変建設行政につきましてふなれで未熟な点がたくさんありますが、どうぞよろしく御指導いただきたいと思います。
 御承知のとおり、公共事業の予算というものは連続五年間も抑制されておりまして、言えば異例の長期の抑制ということが言えると思います。そういう点では、今青木先生御指摘のような認識とそう大きく変わっておりません、私としても。やはり社会資本の整備ということが非常に大事でございますから、今御指摘のありましたように、水野前建設大臣の考え方とそう大きな相違はありませんで、私もそうした認識をもちましてこれからの行政に取り組み、また予算編成に当たりましても最大限の努力を果たさしていただく、そういう考え方でございます。よろしくお願いいたします。
#10
○青木薪次君 六十年度の予算の概算要求基準で焦点となっている、先ほど申し上げました公共事業費の取り扱いをめぐりまして竹下大蔵大臣に水野前建設大臣は、大臣をやめるまで六十年度の建設省関係公共事業費を前年度比で増額するよう強く要求してきたことは御案内のとおりです。これは私も前委員会で、建設委員会に所属いたしておりましたけれども、これは建設委員会の意思も体して頑張ったと思うのでありますが、公共事業費などの投資的経費というものは前年度の予算マイナス五%を大蔵省としてはどうしてもひとつ認めさしたい、そういう考え方に対して大臣は大蔵省と真っ向から対立をいたしまして、これでは激変緩和ができないんだというようなことで建設省全体の予算が今日どうやら二%減の三兆九千億円程度になった、こういうように言われているわけでありまするけれども、そんなふうに理解してよろしいのかどうか、お伺いいたしたいと思います。
#11
○政府委員(豊蔵一君) ただいま先生から御指摘ございましたように、去る七月末に六十年度の概算要求の方針を定めますに当たりまして、大蔵大臣と建設大臣といろいろと折衝いたしましたわけでございますが、そういう中で、投資的経費も原則としてマイナス五%という要求枠を何とかのんでほしいと。しかし、激変緩和措置等を講ずることによって、ただいま先生からお話ありましたように、二%減程度の概算要求となりました。しかしながら、そういうようなマイナスの概算要求ということでは今後の計画的な社会資本整備がなかなか実施できない。あるいはまた、かねてから問題になっております道路の特定財源の問題、あるいはまた住宅金融公庫の補給金の問題、そういったような問題がございましたものですから、概算要求の段階ではとりあえずこのような枠で要求していただくけれども、年末に予定されております来年度の予算編成段階までこれらの問題は別途検討をさしていただきたいといったようなお話がありましたものですから、やむを得ず一応の要求としてはマイナスの要求をいたしておりますが、これら特定の別途検討の問題は、予算編成過程の中におきまして詰めて解決を図りたいということで、現在鋭意折衝中でございます。
#12
○青木薪次君 道路特定財源の問題についてはまた別に後で質問いたしたいと思っておりますが、今も官房長から話のありましたように、特定財源確保という問題は、社会資本の整備から考えても、あるいはまた景気浮揚というような立場から考えても、これは極めて重要な問題だと思っているわけでございます。
 特に、政府の公共事業費の抑制措置によって、建設省関係の各種五カ年計画の進捗状況が計画から非常におくれていると思うのでありまして、この点について、これはもう既にどうしてもこの水準でいくんだということを決定いたしてまいったのでありますが、建設省の関係の対大蔵との折衝の過程における資料だと思うのでありますが、下水道の関係、これは五十六年から六十年度の五カ年計画十一兆八千億円が五十九年末で五九・一%、それから六十年末の要求基準でいきましても七二・三%の進捗率になっているわけでございます。公園が二兆八千八百億円、これが五十九年末で六〇%、六十年末七三・三%。海岸が同じく九千三百億円、六五・四%が五十九年末、八一・七%がこの計画の終年度における進捗率になっております。住宅が七百七十万戸で、これまた五九・九%が五十九年末、六十年末で七四・六%。交通安全施設が、これまた九千百億円で五十九年末が六九・三%の、六十年末で八六・九%。治水対策が五十七年から六十一年までということで、これが五十九年末で四六・三%、六一・四%の終年度の達成率。道路が、五十八年から六十二年度の第九次五カ年計画だと思うのでありますが、三十八兆二千億円、五十九年末で三四・五%で、六十年末に五一・四%。急傾斜地対策が五十八年から六十二年度まで五千五百億円で、五十九年末が三二・二%で、四八・八%が六十年末の大体達成率ということになってまいりますと、これは今も話のありましたように、公共事業費が昭和五十五年度以降連続して抑制されたと。
 したがって、道路、治水、下水道、公園等の重要事業に事業費が確保できなかったということから五カ年計画の進捗が非常におくれて、引き続いて抑制予算のもとでは、テクノポリスだとか関西新国際空港等の新規重要施策にかかわるところの予算が本当に達成できないのではないだろうか。したがって、民間活力を活用いたしました再開発事業等についても計画の実施がなかなか困難であるということになりますと、これは絵にかいたもちになってしまう可能性というものがあるのであります。
 私は、その点から各種の社会資本整備水準の国際比較を見たのでありますが、下水道の普及率が、日本は昨年、一九八三年をとってみると三二%、それからアメリカは一九七九年、今から五年前をとってみて七二%、イギリスはもっともっと前の八年前をとってまいりましても九七%、西ドイツが八八%、フランスが六五%と、こういうような形になっております。一人当たりの公園の関係は、日本が二・一平米、アメリカは何と四十五・七平米、それからイギリスが三十・四平米、西ドイツが二十六・九平米、フランスが八・四平米、こういう実態でありまして、道路の舗装率についても日本は五〇・七%で、アメリカが八五%、イギリスが九六・四%で、西ドイツが何と九九%、ほとんど舗装されている。フランスが九二・四%。これが世界第二位のGNPを誇る日本の姿であるということになると、大変悲しい姿ではないだろうか。
 第二次世界大戦でそれぞれの、ヨーロッパなんかは特に破壊され尽くしてしまったわけでありますが、その後の努力でこのように社会資本を造成してきたということになりますと、確かに今、財政の改革というような議論というものはあったにいたしましても、何とも寂しい話だし、悲しい思いさえしてくるのでありますが、この点について大臣、あなたのいろんな談話をあちらこちらで拝見いたしているわけでありますが、国民生活に密着した社会資本の整備は今後とも長期的な展望に立って進めていくと、これはこれなりにわかるわけでありますが、行政改革と財政再建という政治課題を踏まえつつ、産学官民の共同で知恵を出し合いながら、事業費がなければないなりに、計画的、効率的、効果的にどっかを一つやればいい。見方によれば、関西新国際空港の場合におきましては、運輸省が一兆五千億で建設省は何と二兆五千億出さなければならないということになりますと、これは一度に出すわけじゃありませんけれども、少なくともそうなればほかの方の社会資本の整備のおくれというものが目立ってくる、打ち出の小づちを持っているわけじゃございませんから。
 そういう意味で、大変言いにくい話でありますが、あなたは総裁派閥の中にあって、しかも新聞によれば中曽根総理の秘蔵っ子中の秘蔵っ子だと、こういうように言われているわけでありますが、あなたの大臣としての姿勢については、やはり皆さん、国民ひとしく木部さん何と言うのか、どういうことをやるだろうかということをかたずをのんで私は見ていると思うのでありますが、その面で、私の今申し上げました資料をもとにいたしましたこの考え方のもとに立って、もう一度大臣、ひとつ決意のほどを示していただきたいと思います。
#13
○国務大臣(木部佳昭君) 青木先生から大変格調の高い御指摘をいただいたわけでありますが、私も基本的な認識は全く一致いたしておるわけであります。
 社会資本、御承知のとおり、下水道に一つ例をとりましても、我が国は三三%というような数字を一つ考えてみましても、道路にしても公園にしても下水道事業にしてもしかりであります。
 私は就任しましてからいろいろ伺ってみまして、決して消極的じゃありませんで、先ほど申し上げましたように、公共事業を、厳しい財政のもとでありますけれども、何とかして一歩でも半歩でも前進させなきゃいかぬ。それだけに、国民生活に非常な密着をいたしておるわけでございますから、今、青木先生御指摘のように、諸外国と比較しても非常に立ちおくれておる、先ほど申し上げましたように、そうした認識は、全く心構えも認識も一致をいたしております。
 そこで、今、関西空港のお話もありましたけれども、私もこの間、関西空港をずっと空からいろいろ見てまいりました。それについてまた役所の方からも、実際に道路や何かをあれしなきゃいかぬ。地建の皆さん方からもよく意見を伺ってみましたのですが、そういうものを、これは来年の七月に整備大綱が決まりまして六十七年の開港ということに目標を置いているわけでありますし、したがってアクセスの道路なんかにしましても、ことしのこの六十年度の予算で当然組み込んでいかなきゃならぬようなものは組み込んでいかなきゃならぬであろう、そういう認識を私も持っておるわけであります。
 ですから、私はこの民活の問題等にいたしましても、決して民間活力で、政府が財政的に厳しいものですから民間の方へどうもおっつけてしまって、政府はなるべくその辺を軽くしていこうというようなことは一切考えておりません。これはもう産学官の三者が一体になって、そして知恵を出していただいて、また政府が当然持たなきゃならぬものについては、建設省が負担しなきゃならぬものはこれはもう当然思い切ってやらなきゃならぬ。むしろ私は、民活だってある意味じゃ政府の方がその姿勢を明確にしなきゃならぬ、そうしなきゃ民間の方々がこれに協力してくださらないと私は思うのです。そのまた前提として、いろんな各種制度とかまた法律とか、そういうようなものはいっぱい網の目のように重なり合って絡んでいますから、我々といたしましては、そういう制度の改革や改善の問題についても、これはもう全力を挙げて努力しなきゃならないというようなこと等も、全く認識は一致いたしておるわけであります。
 そこで、私は就任早々から、計画的に効率的に効果的にということをたびたび申し上げたのは事実であります。こういうふうな厳しい中でありますから、新規の仕事ももちろん、都市化が進むとか周囲の環境が変化して国民のニーズもまた変わっていくわけでありますから、それにこたえるということは当然これは行政の責任であるわけですから、新規の仕事なんかも大いにひとつ取り組んでいかなきゃなりませんけれども、それにしても先ほど御指摘のありましたように、各種五カ年計画なんかもかなり立ちおくれをしているわけですから、そういう点をよく見ながら、新規だけわずかずつぽつぽつ伸ばしたって、これはもう実際に今御指摘のように、各種五カ年計画や継続分が五年間も抑制されて立ちおくれているわけですから、そういう点をよく見直して効率的、効果的に今判断をして進めた方がいいのじゃないか。先ほど申し上げましたように、私自身が決して消極的じゃありませんで、我が自民党といたしましても、この六十年度の予算というものは党主導型で最善の努力を尽くすと言っていますから、我々といたしましても、そういう党の御指導をいただきながら最善の努力を尽くしてまいりたい、こう基本的に考えているわけであります。
 ですから、先ほど来申し上げておりますように、青木先生とこの基本的な考え方の認識が、ひどく私は相違はないものである、こう考えておるわけでございます。
#14
○青木薪次君 大臣、わかりました。ただ、総理はアメリカ、レーガンの方ばかり向いているんですよ。あなたは国民の方をよく向いてもらいたいということを、特にこの際お願いいたしておきたいと思うのであります。
 六十年度予算編成に当たって、道路特定財源問題が大きな焦点になってまいりました。昭和五十九年度末で期限切れとなるところの揮発油税等の暫定税率延長問題と、自動車重量税を全額、これは国の取り分八割でありますけれども、道路整備費に充てる問題が実はあるのでありますが、自動車重量税では五十七年度から五十九年度までで四千百八億円のオーバーフロー、六十年度の概算要求段階で千九百九十五億円が何とオーバーフローされていると思うのでありますが、私はこれは建設省は、道路局長見えるけれども、もう少し強気でいかなければいけない。各種大会に私も出ましたけれども、おとなしく大蔵省の言うとおりになってしまったのでは、これは千九百九十五億円というものはもうオーバーフローということで何の手だてもできない。だから地方公共団体では、ひとつそんなに要らないならおれのところへよこせ、こうなるわけですよ。
 ですから、それはだめだ、こう言ってみても、やっぱりこれは政治姿勢、行政に対する姿勢というものがこれに対する帰趨を決めていくと思いますから、この点も大きな課題になっておりますので、その点をひとつお伺いいたしたいと思うのであります。
#15
○政府委員(田中淳七郎君) 先生御激励をいただきまして、まことにありがとうございます。道路局長といたしましては、来年度のオーバーフロー分、これは諸税が暫定ですが延長されたという仮定のもとでございますが、昭和六十年度千九百九十五億余るということも事実でございます。それから五十七年度から五十九年度分四千百八億、これも大蔵省にお貸ししているのは事実でございます。したがいまして局長としましては、まず来年度分は、今焦眉の急になっておりますが、約二千億、それから本年度の分は補正でも何でもいいですから一千九十六億返していただきたい、さように考えておりまして、決して先生御指摘のように弱気じゃございませんので、その点御理解のほどお願い申し上げたいと思います。
#16
○青木薪次君 道路局長、第九次五カ年計画は計画どおり必ず達成できるという見通しですか。
#17
○政府委員(田中淳七郎君) 今のままゼロシーリングが続きますと、恐らく、第九次五カ年計画は五十八年から六十二年の間でございますが、概略八五%達成率にしかなりませんが、先ほど先生御指摘の約六千億、過去の四千百八億と来年度の約二千億、それを含めますと達成できると思います。今のままでいきますと、ゼロシーリングが続きますと八五%ぐらいであろうかと考えております。
#18
○青木薪次君 例えば、私ども静岡県と山梨県をつづる中部縦貫道路の建設といったものについて今、大々的に運動いたしているわけでありますが、こういう問題も実は要素に入っているというように考えていてよろしゅうございますか。
#19
○政府委員(田中淳七郎君) 御指摘の中部縦貫道でございますか、これに関しましては長期的には高速道路でやるかあるいは自動車専用道路でやりますか、そういうことにつきまして目下検討中でございます。それよりもまず最初に、現在の国道を整備する方が早かろうと思いますけれども、国土開発幹線自動車道建設審議会の開催時期、今のところ申し上げられませんが、六十一年度か六十二年度になろうかと思いますけれども、それまでにいろいろ検討さしていただきたいと考えております。
#20
○青木薪次君 後で地震対策の項とも関連あるわけでありますが、富士の南ろく道路五十五キロでありますけれども、こういう問題も念頭に置きながらひとつ御検討を願いたいということで、当面千九百九十五億円のオーバーフローなんという問題は、これは必ず補正予算でやっていただきたいと思います。それからもう一つは、四千百八億円のオーバーフロー分についても、これは竹下大蔵大臣もこのままでおけないことを言っておるわけでありますから、ひとつ強力に、新大臣を先頭にして頑張っていただきたい、こういうようにお願いいたしたいと思います。
 それから次に、住宅金融公庫の補給金問題でありますが、大蔵省は住宅金融公庫への補給金を減らすために、貸付金利の引き上げや融資戸数の削減を求めております。
 具体的には、きのうの新聞にもありましたように、利率五・五%の国民金融公向の関係でこれを六・五%か、あるいはまた七・二%にする。それから貸付手数料についても一件当たり五万円取る。それから貸付戸数についても五万戸減らす。それから老人同居割り増しの関係の貸付金をふやしておったわけですね、一割ぐらい。これもひとつ廃止してしまう。六十五歳以上が同居する場合には、やっぱり一部屋つくってやらなきゃいかぬわけですよね。このことについて老人福祉、老人福祉といっても老人は、まあうば捨て山というわけにいきませんから、老人ホームにでも行けばいいんだというようなことで、結局年寄りがいびられてしまうということになっては私はいけないと思うんであります。
 そういうことを考えると、これから住宅金融公庫としては、公庫の低利融資の問題とか無抽せん方式による融資は住宅建設の促進に欠かせないものだというような立場で考えているわけでありますが、建設省ではどういうように対処されますか、お伺いいたしたいと思います。
#21
○政府委員(吉沢奎介君) 昭和六十年度の概算要求につきまして、目下財政当局と折衝を重ねているわけでございます。その過程におきまして、いろいろな議論が交わされているわけでございます。
 建設省といたしましては、先生もおっしゃいましたように、国民の住宅に対する需要というものがなお非常に旺盛なものがございます。したがいまして、現在公庫が行っております五・五%という最低の金利あるいは無抽せん貸付体制というようなものはこれは公庫の融資制度の根幹をなすものでございまして、これを堅持してまいりたいというふうに考えております。
 また、老人同居割り増し制度につきましても、高齢化対策というものが、例えば三世代同居というようなことで住宅対策の上でも極めて重要な問題でございますので、この割り増しというものも維持してまいりたいというふうに考えております。
 また、手数料の問題もございましたが、これは金融公庫におきましては初めての考え方でございますし、慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。
#22
○青木薪次君 民間活力を導入いたしまして都市の再開発を促進するとか、あるいはまた、他の公共的な事業分野への民間活力の導入は中曽根内閣の重点施策の一つである、こう言われているわけでありますが、その考え方というものは今どんなふうにお考えになっていられるか、お伺いいたしたいと思います。
#23
○説明員(松原青美君) 民間活力を活用して都市整備あるいは住宅、宅地の供給等などの広い意味での社会資本整備を行いたい。これらに対する国民のニーズにこたえる必要があると、私ども基本的に考えているわけでございます。
 建設省といたしましては、昨年七月に民間活力の活用による都市開発の促進のための施策を取りまとめましたし、その後さらに広く所管行政全般にわたりまして民間活力の活用の可能性について検討しまして、本年四月にその結果を取りまとめたことは御承知のとおりと存じます。
 これらの検討結果を踏まえまして、これまでに具体化しました主な施策の推進状況を御報告申し上げますと、第一に都市再開発関係でございますが、まず第一種住居専用地域の見直しの問題でございますが、東京都の環状七号線の中の地域で土地の高度利用を図るべき区域につきまして、この第一種住居専用地域を見直しまして第二種へ指定変えをする問題につきまして、ただいま東京都と関係の部署で見直しの調査検討をいたしているところでございます。
 さらに、その第一種住居専用地域におきます高さ制限、原則十メートルというものがございますが、この高さ制限につきまして特別の場合に十二メートルまで緩和する規定が建築基準法にございます。この規定の運用につきまして認定準則というものを定めまして、オープンスペースを確保して良好な市街地環境の形成を図りたい。そういうことによる良質な三階建て住宅の普及を進めるというねらいでこの認定準則を定めまして、これによるよう、ことしの四月に通達を出して地方公共団体を指導しているところでございます。
 さらに、その優良な再開発のプロジェクトにつきまして個別的に容積率を緩和する、こういう制度がございますが、同じく建築基準法の総合設計制度の活用につきましてこれを指導してまいっているところでございます。
 さらに、いわゆる空中権の活用の問題でございます。都市計画で特定街区という制度がございますが、この運用基準を改定いたしまして、これは本年六月に改定の通達を出したわけでございますが、容積率割り増しの適用の対象範囲の拡大あるいはその街区間で容積率を移転するという制度を決めたところでございます。
 そういう制度等を踏まえまして良好な都市環境を備えた民間の再開発を誘導してまいりたい、こういうことで現在指導をいたしているわけでございます。
 さらに、新市街地の開発では開発許可の規模要件の引き下げ、従来二十ヘクタールという規模要件があったわけでございますが、これを五ヘクタールまで下げるという政令改正をいたしまして、これに基づく都道府県の規則を制定するよう指導いたしているところでございます。
 その他、国公有地の有効活用につきましては、その国公有地が市街地におきます新しい開発あるいは再開発、その周辺を含めました市街地整備あるいは公共公益施設用地ということで非常に価値が高いものがございますので、この総合的な有効活用を推進すべく準備いたしているところでございます。
#24
○青木薪次君 わかりました。
 それで、今も話が出たわけですけれども、公共用地の活用という問題は私もかねてから申し上げてきたわけでありますが、この点も深くひとつ検討いたしてまいりたい、こう思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それから、先ほど二%カットの問題で、例えば財投だとか、あるいはまた民間資金を借りるといったようなことで、公共事業の関係等については総事業費を割らないように努力しているというように見られるのでありますが、そんなふうに理解していいのですか。
#25
○政府委員(豊蔵一君) 先ほど御説明申し上げました概算要求基準の対前年度比マイナスの要求は国費の面での要求でございまして、私どもも非常に厳しい状況でありますが、何とか事業量だけは前年度並みの事業量を確保したいということで、主として財政投融資を活用するような方向で考えております。その財政投融資の中で、いわゆる資金運用部資金の純粋の財投資金以外に、民間資金の活用もあわせて考えるようにいたして要求を進めておるところでございます。
#26
○青木薪次君 東大の茂木先生、大変お忙しいところ、ありがとうございました。
 先生の地震に対する知識というもの、見識というものについて私も大変評価をさしていただいておりまして、私は静岡県の出身でございまして、地震の問題については相当関心を持っておりますので先生の御高見をちょっとお伺いいたしてまいりたい、こう思っているわけでございます。
 地震とは、地球の地殻またはマントル上層部の岩石に何らかの原因で力が加えられるということでひずみを増していって、このひずみがついにある限界を超えたときに起こる急激な破壊現象だ、こんなぐあいに理解いたしているわけでありますが、特に私ども東海地方におきましては、太平洋プレートなりフィリピン海溝のプレートが大陸のプレートとちょうど相対して、そして力が、太平洋プレートの海洋プレートの方が力が強いものですからどうしてもめり込んでくる。将来――現在もそうでありますけれども、潜水艇などを使いましてそしてその状況をつぶさに見ていく。そういった意味では、地震計なんかも相当配置したり水位計もあるしいろんなものがあるわけでありますけれども、こういう海溝型の地震というのですか、この場合には非常に予知ができると、こういうように言われているわけでありまするけれども、この点はそういうように考えてよろしいのかどうか。
 あるいはまた、この間、長野県西部の王滝村で御承知のような地震がありましたけれども、こういう内陸部の直下型地震というものは予知がなかなか難しいし、ほとんどできないというように言われているし、政府もそういう答弁を時々するんでありますけれども、それでは大変心もとないのでありますけれども、その点について先生はどうお考えになっておられますか。
#27
○参考人(茂木清夫君) 東海地震が起こるかもしれないということは、一九七〇年ごろから私どもが指摘しております。それで、それはどういうことであるかといいますと、先ほどお話にございましたように、海のプレートが陸のプレートの中に潜り込んでいくわけですが、それの潜り込んでいくところがちょうど海溝でございます。それが駿河湾の中にある駿河トラフから南海道沖の南海トラフに続いているわけでございます。このトラフに沿いましては、過去に百年あるいは百五十年間隔で地震が非常に規則的に起こっておるわけでございます。
 ところが、南海道地震それから東南海道地震というのが一九四四年、それから一九四六年に起こりまして、ちょうど浜名湖あたりから西の方でそういう地震が既に起こりました。それで、その地域では、百年とか百五十年の間隔というのを考えますと当分起こらないだろうと思っていいと思います。ただ、それよりも東の方、駿河湾に入る部分ですね、この部分では東南海地震のときに残っております、こういうのを空白城と申しますが、空白域として残っている部分はある。その部分が壊れるとどのくらいの地震が起こるかといいますと、その長さが大体百キロぐらいでございまして、そのくらいの部分が壊れたのは、ちょうど一九二三年の関東地震で壊れたのがちょうどそのくらいの大きさでございます。これがまた駿河湾の場合、陸地に非常に近いと、そうしますとあの地域はかなり人口も密集している、それから産業活動も活発である。そういうことで、そういうところで起こった場合には非常に大きな災害が予測されるので、その災害を減らす一つの手法といたしまして、あらかじめ地震の起こり方を予知したいというのが私どもの考えでございます。確かに測地測量とかいろんな測量によりますと、そういうひずみが着実に進行しているということがはっきりしております。ただ、それが非常に定常的に進行しておりまして、いつ起こるかということについては現在のところわかりません。
 そういう地震について、海溝型の巨大地震、マグニチュードという地震の大きさの尺度で申しますと八クラスでございますが、そういう地震については世界じゅうで実はこれまで予知したという成功の例はございません。東海地震の場合が最初でございます。
 それでは予知できるという根拠はあるのかということになりますが、それは非常に強い根拠があるとは言えないのでございますが、ちょうど一九四四年、その西側で起こった東南海地震でございますね、あのときにちょうど測量をやっておりまして、地震の前に地盤が非常に顕著に二、三日前から急斜したというような例がございます。これは非常にはっきりした例。それから南海道地震のときに、やはり検潮所の観測によりますと地盤が二、三日前から隆起したという例がございますので、この変化は、現在東海地域に展開しております観測網の感度は非常によろしいのでございますが、その精度でもし観測しますと、同じような変動が起こりますと、書いていればちょうど振り切れるぐらいの大きな変動を書くはずということで、いつもそういう同じ変動をやるという保証はないのでございますが、隣り合った地震ということで、いろんな条件が似ているということで東南海道、南海道地震、そういう前の例から、現在のような高密度観測をやっておれば、かなり予知の可能性があるのではないかというふうに考えておるわけです。これは非常に地震が大きいということで、震源域の長さ、壊れる範囲が百キロもあるという非常に大きい地震ですので、そこに私どもは数百点の各種観測を展開しておりますので、これでそういう前兆的な変化をキャッチしたいと、こういうふうに思っております。その可能性はかなりあるのではないかということで判定会、法律等もつくっていただきまして、もしそういう異常がありましたら国民の皆様にお知らせして、そして災害を幾らかでも軽減したいと、こういうふうに思っているわけです。
 それでは、直下型は難しいかということでありますが、本質的には直下型、内陸の地震でも、それからそういう海溝沿いの地震でも理屈は同じでございます。よく直下型はメカニズムがわからないから難しいのだということが言われる場合がありますが、そうではございませんで、前兆をとらえる、そういう方式は全く同じなのでございますが、例えばこの前起こりました王滝村の地震というようなものは、マグニチュードでいいますと六・八ということで壊れる範囲が十キロとか十五キロとか非常に小さいのでございますが、そういうものが内陸ではほとんど面的に起こるわけですね。海の地震ですと、こういうふうに海溝に沿って起こりますから、まず見当が非常につけやすいということで有利なのですが、内陸の地震は面的に起こりますから、しかも大きさが小さいということで、例えば前兆現象を観測するためには東海地震の十倍の密度で観測をしないと、壊れる範囲に同点か観測点があるというようなそういう観測はなかなかできないということで、一つはそういう大きさが小さいということで、相当の努力をしないと前兆現象をとらえる可能性が低くなるということでございます。もちろん、地震によって前兆現象が起こりやすい場合と起こりにくい場合、そういう地域性がございますので一概に言えませんが、大体そういうことでございます。
 それから、東京付近の地震になりますと、それに加えまして地震の起こっている場所がちょっと深いということでありますね。だから、表面にそういう異常があらわれる、そのあらわれ方がどうしても弱い。地下の非常に微妙な変動をとらえにくいという不利な点がございます。それからまた、ノイズといいますか、人工のノイズがそれに乗っかるという二つの面で、こういう都市直下の地震の予知はまた一段と工夫が必要であるということでございます。
#28
○青木薪次君 ありがとうございました。
 今の茂木先生のお話で大体現状、地震がいつ来るか、基本的に海溝型の地震もそれから直下型の内陸性の地震も基本的には同じであるということになりますと、かつて議員立法でありますけれども、地震対策特別措置法に基づくところの財特法をつくりましたね。これが来年三月に期限が切れるんですよね。このことについて、私どもこれをさらにひとつ五年間延長してくれということを言っているのでありますが、このことについて国土庁長官、これはごもっともであるというようにひとつおっしゃることができるかどうか、御答弁願いたいと思います。
#29
○国務大臣(河本嘉久蔵君) ただいま青木先生御質問の地震財特法は、御承知の来年三月三十一日で期限切れと相なるわけでございます。政府といたしましては、東海地震が発生した場合の被害を最小限に食いとめることは非常に大事なことと考えておりまして、地震対策の状況等を勘案しつつ、今後の対策の進め方につきまして延長の方向で検討しております。
#30
○青木薪次君 それから林野庁、見えておりますか。――
 私は、こちらへ来る前に長野県と静岡県の境にある水窪営林署の山も視察いたしてまいりました。例えば地すべりもそうでありますけれども、林野庁は非常によくやっていると思います。ただ、林野庁は、国有林野事業は赤字だとか民有林はもうやっていけないとか、いろいろな問題を抱えているわけでありますが、こういうことから国として治山治水のことについては非常に努力をしているわけでありますけれども、もし王滝村のようなことがここの水窪の山に起こったら、水窪町という人口二、三万のところは一遍に崩れてしまうというようなことも実はあるわけです。植林の関係とか、あるいはまた林道とか沢とか、そういうようなところを常に直していかなければならぬと思うのであります。予算が非常に足りないという点は言えると思うのでありますが、時間がありませんから一言それに対する林野庁の決意を語っていただきたい。
#31
○説明員(下川英雄君) お答えをいたします。
 お話ございましたように、森林というものは、申し上げるまでもございませんけれども、木材の生産をし供給をするといったようないわゆる経済機能だけでございませんで水源涵養、お話ございました国土保全上も大きな役割を果たしておる、いわゆる多面的な機能を持っておるわけでございます。ところが、この森林が、今お話しのような災害等で破壊されるということもございますが、もちろん人為的に破壊されてはなりませんけれども、一たん破壊されますと、この機能を回復するためには非常に長い時間と莫大な労力、経費を必要とするわけでございます。そういうことで、私どもは日ごろから保安林制度あるいは森林計画制度、こういった制度の徹底した運用を通じまして、森林の整備、特に健全な山づくりを進めておる次第でございます。
 お話ございました災害に関連いたしましては、特に治山事業につきましては、今現在第六次の五カ年計画に従いまして治山事業を推進いたしておりますけれども、近年、長崎災害あるいは島根災害、今お話ございました王滝村の災害といったように非常に集中的に大きな災害が頻発をいたしておりまして、より一層この治山事業の拡充強化を図っていかなくてはならないというふうに思っております。
 王滝災害のような災害が水窪地域で起こったらどうするかということでございますけれども、私どもは予算の効率的な運用を図りながら、特に災害が起こりました場合には二次災害の起こらないようにしていく治山事業、あるいはまた山村の生活機能をできるだけ早く回復できるような、林道を初めといたしました災害復旧に努めてまいっておるところでございます。
 王滝におきましても、そういう面では私どもいち早く復旧計画を立て災害復旧に邁進したところでございます。そういう面で、私ども比較的早く機能回復ができたのじゃないかというふうに思っている次第でございます。
#32
○青木薪次君 私は、冒頭から実は公共事業の問題等について、特に私は静岡県出身でございますので、いろいろと調査もいたしておりますし、現にいろいろな住民の要求なんかも聞いております。道路局長、例えば静岡県の国道百五十号線というのがあるんです。この掛塚橋とか、これは天竜川にかかっている橋でありますが、ほとんど渡ることができない。朝晩の通勤ラッシュなんかの場合においては、渡ることが全然できないという状態です。もう一つ橋をかけなきゃならぬということなんでありますが、なかなか用地の買収その他で困難を極めている。もちろん予算を伴う。それからこの百五十号線からちょっと入ったところでありますけれども大井川にかかる谷口橋、それから安倍川橋、これまた渡らずの橋と言われるぐらい混雑をしている。富士川の鉄橋、これは建設大臣もよく知っているのでありますが、国道一号線のかけかえという問題は決まっておりましても、当面、下部工あたりをちょっと直してお茶を濁すと、こういうことになっております。
 それから、例えば下水道関係なんかにつきましても、沼津に二十七ヘクタールぐらい用地を大体網をかぶして確保しつつあるわけでありますが、これとてもたれ流しで、流域下水道でありますけれども、駿河湾が黄色くなってしまうのですな、たれ流しで。それくらい実は下水道計画等についても、まだまだ予算が足りないという現状だと実は思うのであります。
 静岡県の、この間、大臣が一週間ほど前に視察されました巴川の改修、これも静岡、清水が七夕台風ですっかり水に埋まってしまった、泥水に埋もれてしまったというようなこととか、静清バイパスだとか、大変解決しなきゃならぬ課題がたくさんあるわけでありますが、これらの点について建設省としてどういうふうにお考えか、これは静岡県ばかりの問題じゃありませんけれども、ひとつお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#33
○政府委員(田中淳七郎君) 個々の問題じゃなくて全般論で申し上げたいと思いますが、静岡県の国道は先生御案内のように現在十四路線ございます。延長は約千百キロでございます。それから県道が三百九路線ございまして、延長約三千二百キロでございます。その改良率は、国道、県道の合計で約五八%でございまして、全国平均とほぼ同じでございます。ただ、御案内のように、静岡県は首都圏と中部圏と近畿圏の間にございまして、東西方向の通過交通が非常に多いというのがその特色でございます。したがいまして混雑区間が非常に多い。整備率――いわゆる整備率と申しますのは、簡単に申し上げますと、道路のキャパシティーに比べまして現在通っております車が比較的スムーズに通れる、そういうふうにお考えくだされば結構です、整備率が一以下というものは。そういう整備率で考えますと、静岡は約四五%でございまして、全国平均の四八%に比べますと低うございます。これはやはり先ほど申し上げましたように、東西方向の交通が非常に多いという特色であろうかと思います。このような現状を踏まえまして、東西方向では東名高速道路の大井松田から御殿場間の拡幅を、今現在道路公団で着工しております。
 それから、御指摘の国道一号の静清バイパス等の渋滞区間の解消を重点的に進めるとともに、南北方向では国道百三十八号、百五十二号等の改築事業等を進めているところでございます。これらの幹線の道路整備と並列しまして、県道、市町村道の整備のバランスを図りながら、今後とも静岡県の道路整備を促進してまいりたいと、かように考えております。
 以上でございます。
#34
○政府委員(梶原拓君) 先生御指摘の下水道の件は、狩野川流域下水道の西部処理区のことかと思います。処理場予定地につきましては、地元の関係者の御協力をちょうだいいたしておりますが、湛水区域の関係もございまして関係方面との調整に手間取っておったということもございます。かねて計画全体の見直し論もございます。この辺を六十年度中には調整いたしまして、東部処理区も六十年度には供用見込みでございます。そういったこともございますので、六十一年度には何とか着工したいという目標で頑張ってまいりたいというふうに思っております。
#35
○政府委員(井上章平君) ただいま巴川について御指摘ございましたので答弁させていただきたいと思いますが、巴川につきましては、四十九年の七月に大出水がありまして、それ以来鋭意改修に努めておるところでございます。五十四年からは総合治水対策の特定河川にも指定されたわけでありますが、本年度もこの特定河川事業として大谷川の放水路に八億七千五百万円、また上流の麻機地区の遊水地事業に一億円投資いたしておるわけでございますが、この巴川の治水対策としては何としても大谷川放水路の建設が最も効果的であるわけでありますけれども、現下の非常に厳しい財政事情のもとでは、総事業費三百億円、現在残事業費だけでも二百億円あるわけでありまして、この放水路の早期完成はなかなか困難な事情にあるわけでございます。しかしながら、この放水路の重要性にかんがみまして、当面は静岡県及び静岡市の御協力も得ながら何とか素掘り水路を早く通そうということで、これにつきましては昭和六十二年の出水期までに間に合うように素掘りだけは通したいということで、鋭意努力いたしておる次第でございます。
#36
○青木薪次君 終わります。
#37
○委員長(本岡昭次君) 茂木参考人ありがとうございました。
#38
○工藤万砂美君 まずもって、建設大臣並びに国土庁長官兼北海道開発庁長官におかれましては、時あたかも財政再建、行政改革の真っただ中で御就任をされたわけでありまして、これからの任務遂行のためには大変な御努力が必要だと思うわけでございますけれども、国民生活の安定のために全力を傾注して努力をしていただきたいということを、まず激励を申し上げてから質問に入らしていただきたいと思います。
 そこで、まず第一に、国土の均衡ある発展という問題についてお伺いをしてまいりたいと思いますけれども、御案内のように国土総合開発法の目的は、もちろん言うまでもなく国土の均衡ある発展が主たる目標でございますけれども、今日の国土の開発は果たして均衡ある発展を目指して推進をされてきているのかどうかということについての御所見を、まず長官にお伺いしておきたいと思います。
#39
○国務大臣(河本嘉久蔵君) 国土政策の目標は、あくまで国土の均衡ある発展を図ることでございます。このため、大都市への人口と産業の集中を抑制して地方を振興することによりまして、過密過疎の是正と地域間の格差の縮小ということに努めておるわけであります。四全総の作成に当たりましても、二十一世紀に向けて国土の均衡ある発展が図られるよう、その方策について多面的な検討を加えておるところでございます。
#40
○工藤万砂美君 なぜこんな御質問を申し上げるかということになりますると、全国の国土の一平方キロメートル当たりの一年間のGNPというものを見てまいりますと、平均は、五十八年度のGNPの平均でいきますと七億四千百万円程度でございます。北海道を除く本州のみでは九億二千六百万円程度でございますけれども、北海道はこれに対しまして一億四千三百万円程度でございまして、本州の大体六・五分の一ということに相当するわけであります。したがいまして、四十七都道府県の中で最低のランクになるわけでございます。そういう意味から、この国土利用上の格差というものが既にもう大きく生じているわけでありまして、この格差をどうとらまえていらっしゃるかということについてお伺いいたしたいと思います。
#41
○国務大臣(河本嘉久蔵君) 御指摘のとおり、北海道の面積当たりの総生産は全国水準に比べまして著しく低下しておるわけですが、これは北海道の人口密度が全国平均の五分の一である、また製造業のように面積当たりの生産性が高い産業が少ないという状況にあるからであります。北海道の産業構造に由来するものであると考えております。
 しかしながら、このことは、一面から申しますと北海道には大きな発展の可能性があるということも言えるものでございまして、今後、北海道開発をさらに推進して我が国の長期的な発展に寄与してまいりたいという考えでございます。
#42
○工藤万砂美君 長官から御答弁ございましたように、人口割とか面積割だけでこれは論議をするということについてはもちろん問題のあることも私も承知の上でございますけれども、そのために北海道開発庁というものができて、今日まで開発の先端に立っていただいて御努力を賜っているわけでございますけれども、今後どうでしょうね、北海道は言うなれば今申し上げたような全国レベルに達しますには何年、何十年かかるとお思いですか。これは概算で結構でございますけれども、一応のめどというものをお持ちではないでしょうか、お伺いいたします。
#43
○国務大臣(河本嘉久蔵君) 北海道は、御承知のとおり国土面積の二割以上を占める豊かな広がりを持っておりまして、また未開発の水資源等にも恵まれている地域であります。このため苫小牧東部を初めとする新たな産業展開の場を提供する、さらには我が国の屈指の食糧生産基地としての国土の均衡ある発展を図っていくかなめであるという考えでございます。このように国策上極めて重要な地域でございますので、最善の努力を尽くしていきたいと考えております。
#44
○工藤万砂美君 行革推進の論議の中で、北海道開発庁は不必要であるといったような論議も実は昨年もなされてきたわけでございますけれども、私は今、長官からお話がございましたように、少なくともGNPが全国レベルに達するまでは何としても北海道の開発というものを推進して、そして社会資本の充実をしなければならない、かように私は考えているわけでございますけれども、今御答弁があったことで大体私も理解はいたしまするものの、もう一度ひとつ、長官は北海道開発庁の存在の意義というものをどのように考えていらっしゃるか、重ねてお伺いしたいと思います。
#45
○国務大臣(河本嘉久蔵君) 北海道開発庁が要らないじゃないかという御意見でございますが、我が国の屈指の食糧生産基地といたしまして、国土の均衡ある発展を図っていくためにも一つのかなめであるという地域でございます。このような国策上極めて重要な地域でございますので、北海道開発を有効、効率よく推進していくために、北海道開発庁はなくてはならぬ役所であると考えております。
#46
○工藤万砂美君 それでは、建設大臣にお伺いいたしますけれども、公共事業の増大という問題について先ほど青木先生からもいろんな御質問がございました。
 そこで、私は、まず国内景気の動向というものは昨年に比べて大体一一五だというふうにも言われておりまするし、さらにまたGNPにつきましても四・一から五・三に上方修正するなんというような、極めて景気の復調が著しいというふうに中曽根内閣ではおっしゃっていらっしゃるわけでございますけれども、このことについて建設大臣としては果たして実態がそうであるか、あるいはまたどのようにこれをとらまえていらっしゃるのか、御所見を伺いたいと思います。
#47
○国務大臣(木部佳昭君) 今、日本の経済というものを見てまいりますと、民間の設備投資は順調という言葉が当てはまるかどうかわかりませんが、やや回復に向かって進行しつつあると、そういう感じかいたしておるわけでございます。したがって、我々建設省の方から見ましても住宅の需要なんかも多少、昨年と比べますと、増加しつつあるというような感じがいたします。また同時に、これは内閣全体の問題といたしましても、御指摘のように内需の振興をどうして図っていくかというのが非常に大きな内政上の問題であることも事実でございます。しかし、高度成長時代と違いまして、全般的に右へ倣え、全部各県、地域と考えてみましてもうまくいくという時代じゃないことは、もう御承知のとおりなんです。ですから、建設行政だけで見るということはどうかしれませんが、例えば北海道であるとか沖縄であるとか東北であるとかというような地域については、まだそこまでいっておらないような気がいたしておるわけであります。
 我々といたしましても、そうした点をよく認識を新たにしまして公共事業に、私は先ほど来申し上げておりますように、効率的とか重点的とか計画的とか、そういう面を我々としてできる限りのことは、そういう配慮を効果的に計画的にしなきゃならないということを私は申し上げておるわけでありまして、そういう点等を十分、御指摘のようなことを踏まえながら取り組んでまいりたいと、こう考えております。
#48
○工藤万砂美君 大臣、今御答弁になりましたように、確かに総体的な景気は復調にあるということではあるけれども、その景気の中でのいわゆる国内経済についてはやっぱりばらつきがあるというふうにお考えだと思いますけれども、うなずいていらっしゃいますから、私も同感でございますけれども、特にことしに入りましてからのいわゆる倒産件数が非常に多くなってきております。景気がいい、景気がいいとおっしゃいますけれども、実態としては貿易関係の景気が非常によろしゅうございまして、恐らくは貿易関係だけでも一九%ぐらいの増大ということでございますから、逆に今、大臣もうなずかれました国内経済というものを、貿易絡みのものもありますけれども、実態としてはやっぱり必ずしも政府がおっしゃるように復調著しいというところまで私はいかないのじゃないかと思うんです。
 例えば、ことしに入ってからの倒産件数などを調べてみましても、全国で十月末までに一万七千二百七十七件の倒産が起きておりまして、大体この十一月にも千八百件程度ということでございますから、ことしじゅうに二万件突破は間違いないというようなふうに考えられるわけでございまして、これは恐らく戦後最大の倒産旋風だろうと私は思うのでございます。特に北海道のごときは、十一月末までにもう千八百四十九件も実は倒産を起こしておりまして、これは全国の大体一〇%程度の倒産件数でございます。しかも、私非常に心配しておりますことは、北海道の倒産の件数の内訳を見ますると、言うなれば建設業が約四四%になってございます。それから建設業と関連をする例えば資材屋さんでありますとか、あるいはまたその他の商店等の倒産件数が約二〇%ですね。でありますから、合計いたしますと建設関連の倒産件数が六四%という驚くべき実態であるわけでございまして、全国の倒産件数の問題を恐らくお調べになっていらっしゃると思いますけれども、北海道はそのような状態でございますけれども、全国の趨勢は一体どうなっておるか御存じでございましょうか。また、その原因等についておわかりでしたらお伺いしたいと思います。
#49
○政府委員(高橋進君) 本年一月から十月までの全国の倒産状況でございますけれども、全産業で今、先生おっしゃいましたように一万七千二百七十七件、負債総額三兆六百一億円、そのうち建設業では五千十八件、負債総額五千五百六十六億円となっております。これは建設業について見ましても、昨年史上最高の倒産件数、負債総額でございましたけれども、その昨年の同じ期間と比較いたしましてもそれよりも多いという状況でございます。
 なお、建設業の全産業に占める割合は倒産件数で二九%、負債総額で一八・二%でございます。
 この建設業の倒産の主な原因、要因でございますけれども、景気変動によります販売不振や業界不振などによりますいわゆる不況型の倒産というものが六八・二%ということでございまして、これは五十五年度は五四・五%だったことに比べますと、いわゆる不況型倒産というものが大きくなっているということでございます。
 なお、建設業者全体に対する倒産件数の割合といいますか率について見ますと、地域的に見ますと、先生御指摘のように特に北海道が多いわけでございますが、北海道その他地方部において多うございまして、その背景には、やはり公共投資の抑制を中心としまして特に地方部において建設投資額が低迷しているというところにあるのではないかと思っております。
#50
○工藤万砂美君 今、御答弁を伺いますると、やはり景気の復調が著しいという問題とは随分かけ離れた御答弁をいただいたわけでございまして、やっぱり根幹をなすものは公共事業等の削減ということにお触れになりましたけれども、全く私どももそう思うわけでございまして、御案内のように財政再建の途上にはございますけれども、国民生活を守るということが前提で、しかも優先しなけりゃならない、我々はそう考えております。
 仮に、一兆円の公共事業の追加補正を行うことによって、大体四千億円程度の税収が見込まれるというふうに言われておるわけでありますから、これによって社会基盤の整備が行われ、景気刺激の面を考えると、より積極財政に転ずべきでありまして、特に個人住宅とか、あるいはまた公営住宅に力点を置くことによって、低迷を続ける例えば木材業界でありますとか、あるいはまた零細業者に至るまで需要が活発になるわけでありますから、この際思い切った政策の転換が必要であると思いますけれども、いかがでございましょうか。
#51
○国務大臣(木部佳昭君) 今、先生から倒産件数の問題について特に御指摘がありましたけれども、私どももそうした認識を実は持っておるわけであります。したがって、私先ほど申し上げましたように、公共事業だけがあれしてもなかなか全体的にばらつきがあったり、例えば東北の関係に高速道路ができれば先端産業はそちらの方にもかなり伸びてくるとか、今までは九州とかあの辺が非常に先端産業なんかは活発だったのですが、東北の方へ道路ができることによってそういう見通しがついてくるとか、そういう面を担っている我々といたしましても、私は先ほど来、効率的とか効果的とかということを申し上げておるのはそういう意味も入っておるわけでございます。
 そこで、確かに、私は先ほど申し上げましたように、景気が回復しているということはちょっとまだ今の段階で言いたくないわけです。一方では、せっかく財政再建という大きな至上命令と挑戦して我々はみんなで一緒に努力しているわけですが、一方では余り景気を刺激し過ぎちゃうと物価が上がってしまう。我々建設省といたしましても、住宅政策なんかを進める場合にやっぱり宅地の供給ということが非常に大きな問題になるわけですが、宅地の価格なんかを見てまいりましても、一部のところでは多少上がっている面もありますけれども、全体的に見れば非常に落ちついているわけです。ですからそういう点等も、物価の安定、また物価の動きなんかをよく見ながら総合的な施策を打っていかなければならない、そう実は思っておるわけでございます。
 でありますから、特に、建設関連というものは今御指摘のとおりでありますから、中小企業の建設業者の育成をどうするとか、協業化をどうするとか、分割発注をどうするとか、そういうふうな我々としてできる範囲のことはこれからも最善の努力を尽くしていかなければならない、こう考えておるわけで乙ざいます。
#52
○工藤万砂美君 大臣がお答えになりましたように、国内経済が非常に低迷をしていると私は思うんですけれども、その低迷した国内経済にカンフル注射をしなきゃならない時点に来ているわけだと思いますけれども、やっぱり手っ取り早いカンフル注射が公共事業の増大ということにつながってくると思うのです。
 そこで、私は非常にびっくりしておりますのは、たまたま先ほど青木先生がお触れになりました住宅対策の問題でございまして、これは重複を避けますけれども、四点の問題について先ほど青木先生からお話がございました問題でございますが、これによって大蔵省が八百億円の赤字を減少させる方針を決めたと、こう言っておるわけでございますね。私ども考えますには、やはり一生のうちに自分の家を持つということが庶民の夢でもありまするし、さらにまた三世代住宅をつくっていこうという方針でお年寄りやお孫さんとともに生活することがいわゆる日本民族の特性でもあるし、老人福祉の原点である家族制度というものの日本の伝統というものを何か否定するような方針になりはせぬか。
 特に、四点目の六十五歳以上と同居する場合の割り増し融資を廃止するなんということは、私は全く冷たい老人に対する仕打ちだなと思うわけでございますね。特に、戦後の日本経済の目覚ましい発展と再建に御努力をされました今お年寄りと言われる階層の方々に対しましては御恩返しをしなきゃならないというのに、全くこれでは逆の方向に向かっていくもので私は申しわけないんじゃないかな、かように思うわけでございます。老人福祉を推進している中で私どもはよく考えるわけでございますけれども、老人福祉はもちろん大事なことでございますけれども、例えばスウェーデンあたりなんかは非常に老人の自殺が多いということを我々よく耳にいたしますね。日本でも、我々が子供の時分には、よくおじいちゃんやおばあちゃんの手を孫たちが握りながら、そうして亡くなるときには大往生をしたものでございますけれども、最近はどうもお年寄りの方は住宅もないとか何とかということもありますけれども、すぐ年をとったら老人ホームへ入るとか特養へ入るとかということで、亡くなるときにはひとり寂しくぽつねんとこの世を去っていく、こういうケースが非常に多いんじゃないでしょうかね。だから私は、そういうお年寄りに寂しい思いをさせないためにも、この六十五歳以上の割り増し融資というものをむしろ逆に拡大すべきであると思うんです。
 特に最近は、老人福祉の問題でいろいろと政府も特養だとか、あるいはまた老人ホームだとかの建設に非常に御努力をされておりますけれども、三世代住宅というものを促進することによって逆にそういう面での経費の節減ができるんじゃないかしらと、こんなことも私は考えておるわけでございまして、青木先生が御指摘になりましたこの四点については、何としても私は建設省といたしましてはこれは現状どおりひとつ努力をしていただきたい、かように思いますけれども、建設省の決意のほどをひとつお伺いしておきたいと思います。
#53
○政府委員(吉沢奎介君) 先ほど青木先生からもお話しございましてお答えいたしましたように、私ども今、財政当局とこの公庫の補給金の問題中心にいたしましていろいろの議論を闘わしているところでございます。
 それで、新聞などに四点を中心にしまして大蔵省はこういうふうに決めたというような話が出たのは承知しておりますが、私ども議論の過程ではそういった御議論が大蔵省から多少あったことは承知しておりますが、今後これがどういうふうになるかというのは、今後の私どもの折衝により決まってくる問題ではないかというふうに考えております。また、私どもの考え方としましては、先ほども申し上げましたように、五・五の金利でございますとか、あるいは無抽せん貸付体制でございますとか、あるいは老人同居の割り増しの問題につきましては、現在の状態を堅持してまいりたいというふうに考えております。手数料の問題につきましては、これは初めてのことでございますので、今後慎重に研究してまいりたいと考えておるわけでございます。
 なかんずく、今御指摘のございました老人対策の問題につきましては、これは基本的には社会福祉あるいは厚生省のいろんな行政と密接な関連を持つ問題でございますけれども、これは住宅対策としても、先生御指摘のございました三世代住宅などを通しまして、我々もいろいろ努力をしてまいらなければならない問題でございまして、特にこれに必要な割り増し制度というのは、先生おっしゃいますように、何とかむしろ拡充を図ってまいりたいというふうに考えております。
#54
○工藤万砂美君 そこで、ちょっと角度を変えて御質問を申し上げたいことがございますけれども、日本の建設技術というのは世界に冠たるものがあると思うわけでございまするし、また科学の発達というものは日進月歩、とどまるところを知らないぐらいのスピードで進展をしておるわけでございますけれども、ただこの中で非常に気になりますことは、建設工事にも実はロボットが出現する時代になってきたと、こういうことでございます。
 実はこの間、NHKのテレビを見ていましたら、言うなれば建設ロボットあるいはセンサーロボットの使用をするための研究がなされておる。これによって予算のコストダウンとか、あるいはまた災害防止に大変役に立つんだということでございまして、これはもっともだと思うのでございまして、特に海中の工事や地中の工事等について災害防止に大きく益するところがありますので、画期的なことではございますけれども、あのテレビを見ておりました業界の方々が、一般住宅の壁塗りやら、あるいはまた塗装までロボットがやるというような、そういう実態のいわゆる映像が放映されたわけでございますね。こういうふうになってしまうと、いよいよ我々の仕事がなくなってしまう、こういうことで非常に憂えていた実は業者の方がいらっしゃいましたけれども、逆にロボットを使用することによって雇用不安を起こすようなことにならないものかしらと。さらにまた、これからこのロボットの実用化というのが実態としていつごろから実用化されるのか、こういうことについてお伺いしたいと思います。
#55
○説明員(杉山好信君) お答えを申し上げます。
 建設工事におきますロボット化につきましては、先生もおっしゃいましたように、既に民間におきまして噴霧機の吹きつけロボットでございますとか、あるいは床仕上げとか、こういった面で一部開発されまして実用に供されておるものもございますけれども、比較的単一作業のロボット化をするということでございまして、単体機械の自動化というのが主な研究であります。全体としますと、まだ試験研究段階にあるのではないかというふうな感じでおるわけでございます。
 私ども建設省といたしましては、建設省の総合技術開発プロジェクトの研究テーマでございまして、これで昨年度から建設分野におきますエレクトロニクスの活用とか、こういう面に関しましていわゆる建設工事のロボット化に関する技術開発に着手しておるところでございます。
 これは目指しているところは、先生もおっしゃいましたけれども、労働災害の防止、こういったような観点ですとか、あるいは過酷な作業環境の改善、こういった観点から、例えばトンネル掘削作業でございますとか水中作業あるいは高所作業、こういったような作業のロボット化を目指しておるわけでございます。
 研究内容としましては、ちょっと細かくなるかもしれませんが、こういった作業のロボット化に際しまして共通的に必要な位置を検出する技術でございますとか、あるいは重量物を運搬する技術あるいは障害物を検知するロボット、こういったようないろんな作業に共通的ないわゆる汎用技術の開発といった面、あるいは複合作業工程をシステム化するというふうなことを、建設省としては基本的に取り組んでいきたいというふうに考えておるわけです。
 こういった建設ロボットの実用化についてでございますが、私どもは今御説明しましたような総合技術開発プロジェクト、こういったものの研究成果を踏まえまして、引き続きましてそれをもとに民間において具体的な実用化の技術開発がされていくというふうな順序を踏んでいくというふうに考えておるわけでございます。
 私どものそのプロジェクトの研究の進め方でございますが、昨年度から進めておるわけでございますが、めどといたしましては六十三年度をめどに研究開発を進めたいというふうに考えておるわけでございまして、先ほど御説明いたしましたように、このロボットの本格的な実用化のめどというものにつきましては、今申し上げましたように、民間レベルにおけるその後の技術開発が必要でございますので、かなりな期間を要するのではないかというふうに考えております。
 それから、先生もう一つ雇用の問題についてお触れになりました。私どもといたしましては、この研究は高所作業のような危険な作業におきます労働災害の防止といったような点とか、あるいは苦渋作業とか過酷な環境、こういった面の改善の観点から行っているわけでございますが、こういった観点からのニーズも高いのではないかというふうに理解しておるわけでございまして、広範囲な建設作業の一般的な無人化といいますか自動化といいますか、そういう面を目指しているわけではございませんで、必ずしもロボットの進展が雇用不安に直接結びつくものとは考えておらないわけでございますが、なお今後の建設工事におきますロボットの実用化につきましては、先生御配意なさいますような雇用面につきましても十分配慮を進めてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
#56
○工藤万砂美君 お答えいただきましたように、非常に建設工事が省力化されコストダウンされ、さらにまた災害防止に役立つということではございますけれども、この問題についてはもう少し突っ込んでお話をしたかったのでございますが、次回あたりにひとつさしていただきまして、時間も迫ってまいりましたので、ひとつ別な観点から継続工事の問題についてちょっとお伺いをしておきたいと思います。
 いわゆる継続工事の早期完成という問題でございますけれども、公共工事の中で継続工事については当該年度内で完成可能の工事が多くありますけれども、しかし予算の関係で、年度内完成が容易な期間を残しながらも翌年度の予算施行を待つ、こういう例がたくさんあるわけでございます。現場保全や資材管理画でのリスクが伴って余計な支出が行われるということでありますので、これは繰り上げ完成ができることが一番いいわけでありまして、この場合、業者の工事費立てかえ、もしくは債務負担行為などによって、この工事を予算は翌年度であっても継続をして、ひとつ業者立てかえによって仕事を完成させるようにしたらどうかと、こういうことが実は業界でも論議をされているわけでございまして、この面についてはどうお考えになりますか。
#57
○政府委員(豊蔵一君) 公共事業費が厳しく抑制されております中で、私どもも事業の効率的な執行と、それによる投資効果の早期の発現ということを考えまして、特に最近におきましては、完成間近な事業箇所につきましては予算の重点配分に努めてまいっております。しかしながら、ただいま御指摘がありましたように、大規模な工事、例えばダムのようなこういったような事業につきましては、一部経済的な工期が確保できないというような非常に苦しい状態も出現しております。
 そういうようなことでございますので、私どもも来年度の概算要求におきましては、こういったような事業費を確保する、拡充するということに力を入れておりますが、なおそれでもどうしても適正な工期が確保しにくいといったようなものにつきましては、やむを得ない緊急の措置といたしまして、一部の事業につきましては国庫債務負担行為を活用して業者の工事の立てかえをお願いするといったようなことを現在も要求いたしておりますが、今後予算編成過程で十分詰めてまいりたいと思っております。
#58
○工藤万砂美君 この問題については、非常に私は執行上難しい問題が多々あると思うんですね。ただ、自民党の藤尾政調会長あたりは、これは何としてもやり抜く、こういうふうに明言をしておりますので、これは十分その辺の意を体しながら、ひとつ政府の方でも御検討をいただいて執行していただきたいと思います。と同時に、業界でも非常にこの問題については歓迎をいたしておりまして、何としても早期完成をさせていただきたいというような要望が非常に強うございますから、十分ひとつ意を体されまして御努力を賜りたいなと、かようにお願いを申し上げておきたいと思います。
 そこで、中小建設業の育成という問題と、それから地元業者の活用という問題についてお伺いをしたいと思うわけでございますが、官公需の建設工事の発注機関が非常に多岐にわたっているわけでございますね。例えば建設省、文部省、厚生省、農水省、郵政省、労働省あるいは法務省や防衛庁や運輸省。そしてまた、これに関連するそれぞれの公団等が発注者でありますけれども、各省や公団には実はそれなりに張りついている業者があるわけでございまして、これらの各発注機関のいわゆる専売特許のように、言うならば業者が張りついておりまして、例えば各市町村の管内にいろんな各省庁の建設工事等がございましても、地元の業者には実績がないということを理由にいたしまして、指名はおろか発注はもちろんさせられないといったような仕組みになっているわけでございまして、私どもは特権業者のいわゆる聖域になっているというふうに申しておるわけでございまして、この聖域を開放していくことが中小建設業者の育成、そしてまた地元業者の活用に必要なことというふうに我々は考えておりますけれども、この点はいかがに考えていらっしゃいますか。
#59
○政府委員(豊蔵一君) 各発注機関につきましては、それぞれの機関ごとに定められたルールがあると存じますが、私ども建設省の直轄工事におきます業者の指名につきましては、各業者の今までの実績に基づきます内容の審査、それからまた、その会社の経営状況、それからその工事に対します地理的な条件あるいはまた工事の成績状況、それから現在の手持ち工事の状況、それから技術的な諸問題、こういったようなものを総合的に勘案しながら、指名が特定の業者に偏らないように努めておるところでございまして、ただいま御指摘ありました地元関係につきましても、今言ったような総合的な評価の中で、地理的条件というものも十分勘案して選定するようにさせておりますので、極力公平な運用を図るように今後とも下部機関を指導してまいりたいと思っております。
#60
○工藤万砂美君 指導をされるというお話でございますけれども、今の中小建設業者というのは、力の面から技術の面から、大手と私は何ら変わらないと思うんですね。特に、大手の下請工事をやっている方々が地方のいわゆる地元の業者でほとんどあるわけでございますので、実態としてはやっぱり中小建設業者も大手並みの力はあるし技術力を持っておるというふうに私は考えておるわけでございます。
 特に、御承知のように、中小建設業者の受注の機会の問題について触れますと、わざわざ法律が制定されまして、言うならば、「官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律」なんというような法律も実は昭和四十一年の六日に制定をされて、しかもその第三条には「予算の適正な使用に留意しつつ、中小企業者の受注の機会の増大を図るように努めなければならない。」と、こういうふうに規定をされているわけでございます。したがいまして、昨今の情勢というものを考えてまいりますと、特に業界の実態というのは、最近はわずか一千万円程度の工事についても大手建設業者の侵入が見られる、こういう実態でありますので、公共工事については大手業者と中小業者との受注の分野というものを明確にして、末端でも指導をしていくべきであるというふうに考えますけれども、この点についてはいかがでございますか。
#61
○政府委員(豊蔵一君) まず第一に、私どもの直轄工事の発注につきましては、受注希望者は非常に多い、また発注件数も多いといったようなものにつきましては、一定の基準に基づきまして発注標準というものを定めてございます。発注標準と申しますのは、発注工事を契約予定金額の階層別に三ないし五の等級に区分いたしますとともに、これに合わせまして関係の業者につきましても、経営規模等によりまして同様に三ないし五の等級に格付いたしまして、ある工事を発注いたします際には、その工事の属する等級と同じ等級に格付されました業者の中から指名をするといったようなことを原則としておるものでございまして、そういうようなことによりまして中小工事につきましては、災害のような特別な場合は別といたしまして、それに対応いたします中小建設業者が受注できるような仕組みにいたしておりますし、また実績等によりましては、中小業者でございましても上位の等級の工事にも指名ができる、下から上へというようなことは十分できるようにも配慮をいたしておるところでございます。
 それから、ただいま先生からも御指摘ありましたように、そういう中で官公需につきましての受注機会の拡大は「官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律」に基づきまして、毎年度そのための措置につきまして閣議決定をいたしております。私どももこれらの閣議決定に基づきまして発注標準の遵守あるいはまた分割発注の推進、共同請負制度の活用といったような方法によりまして中小建設業者の受注機会の確保に努めるようにいたしておりますし、また各年度ごとに中小建設業者への発注率の目標を定めてございます。
 私どもも、例えば建設省の直轄工事でまいりますと、昭和五十八年度につきましては、目標が四七・八%に対しまして、実績は四九・五%を中小企業に発注をいたしておるところでございます。
 なお、公団等につきましては、規模が大きいといったこともございますものですから若干下回りますが、それにいたしましても、五十八年度は目標を上回る発注実績というふうに相なっております。
#62
○工藤万砂美君 お答えいただきましたように、非常に一生懸命中小建設業の育成についてはやっていらっしゃると思いますけれども、今お話ございました発注率の四九・五%という数字でございますけれども、これは件数でございましょう。金額ではないのでございますね。
#63
○政府委員(豊蔵一君) ただいま申し上げましたのは、建設省の直轄事業の工事費でございまして、金額で表示いたしております。
#64
○工藤万砂美君 そこで、いろんな業者の実力に応じてA、B、C、D、Eぐらいまでランクが分かれておるわけでございますね。私申し上げたいことは、分割分離発注ということを今口にされましたけれども、例えばAクラスは四億円以上でありますとか、Bクラスは一億六千万以上だとかというふうにランク別をされておりますけれども、大体私ども、まあ中小建設業といいますとCランク、四千五百万以上ぐらいだというふうに考えておりますが、Bランクの事業の分離分割発注ということは極めて容易な工事がたくさんあるわけですね。でき得れば地元の業界育成という、あるいはまた中小建設業者の育成という面からいいますと、もっと細分化できるものはして、そしてどうしてもこれは大手の力でなければできないなという判断に立ったものについてはやむを得ないと思いますけれども、できるだけ分離分割していただくように、これは御要請だけにとどめておきます。
 そこで大臣、公共事業の予算でございますけれども、五十四年から五十九年までに実は総休的にマイナス一三%にもなっておるわけでございますね。だから逆に言いますと、五十四年から言いますと、二〇%ぐらいはこれはプラスになっていなきゃならぬはずのものを、逆に五十四年の時点から考えますと、一三%もマイナスだというのは大変なことだと思うんです。実態としては五十八年度の、これは必ずしも建設業者ばかりではございませんけれども、いわゆる法人の赤字を考えてまいりますと、欠損法人というのが五四・八%になっておるのですね。これは大変な数字だと私は思うんです。しかも大蔵省の考え方は、赤字法人にも税金をかけるなんというような話が最近ございますけれども、その論議は別にいたしまして、そういう実態というものをお考えいただき、特に中小建設業の実態というものをお考えをいただきたい。
 それから非常に大事なことですけれども、例えば東北各県等ではほとんどの市町村が出稼ぎ組合をつくって盛んに出稼ぎで京阪神方面に来ておるわけでございまして、これらのいわゆる職を閉ざすような形になるような公共事業の配分ではこれまた東北地方も大変だと思うんでございますね。ですから、公共事業の減少というものはあらゆる面で影響を来すことになりますので、公共事業の増大と中小建設業育成に取り組む、いわゆる基本的な方策についての御存念をちょっとお伺いしておきたいと思います。
#65
○国務大臣(木部佳昭君) 私、先ほども申し上げましたように、公共事業というのは国民生活に一番大きな影響力を持っておることは御承知のとおりであります。したがって、今御指摘のように、名目で見てまいりましても一三・何%というような目減りを実質いたしておるわけでありますから、そうした点等を考えてまいりましても、財政再建というような厳しい条件のもとに、私どもは先ほど来申し上げておりますように、効率性、効果的に配慮をしながら予算編成に対しても取り組んでまいりたいと、こう考えております。
 なお、業界の振興の問題等につきまして先ほど官房長からもお答えいたしたようなことでございますので、きめの細かい配慮をして最大限の努力を尽くしたいと、こう考えております。
#66
○工藤万砂美君 ありがとうございました。
 そこで、今度は北海道開発庁長官という立場でひとつお伺いをさしていただきたいと思うわけでございますけれども、いわゆる北海道の開発のやり方でございますけれども、北海道は御案内のように今後もあらゆる開発の可能性を秘めた土地柄であることは申し上げるまでもございませんけれども、歴代の長官が北海道に公共事業をぜひ頼むと、こう申しますと、必ずその後についてくる言葉は民間活力の導入を大いにやりなさい、我々も頑張ります、こういうことで大体話は尽きてしまうわけでございますけれども、北海道というところは、民間活力の導入と申しましても大消費地から非常に遠隔の土地にありますので、民間がいわゆる資本を投下いたしましても、その経済効果があらわれてくるのは随分と先のことになってしまいますので、なかなか民間活力を導入するということにはなりませんで、いわゆる本州の方は民間主導型の経済でございましょうけれども、北海道に限り、まだまだ民間活力を導入するには年数がかかると思うのでございます。
 したがいまして、どうしても公共事業主導型の経済にならざるを得ないというふうに考えておりますが、その民間活力を導入するための素地をつくるためにも、やはり社会基盤づくりを急がなければならない、かように我々考えておりますけれども、この点について長官いかがでございましょうか。
#67
○国務大臣(河本嘉久蔵君) 御承知のとおり、北海道は非常に遠隔地でもあり面積も非常に広いのに加えまして、開発の歴史が浅いことから開発基盤の整備が立ちおくれておることは事実であります。これが民間の経済活動にとって大きな制約となっていることも事実でございます。しかし、近年、空港など道内の基幹的交通設備の整備の進展が先端技術産業の立地を促すなど、開発効果が着実に浸透しつつあるということであります。今後とも御指摘のとおり、開発基盤の整備に一層努力してまいりたいと考えております。
#68
○工藤万砂美君 長官の決意のほどはお伺いしたわけでございますけれども、特にこれはお願い申し上げておきたいことは、北海道は二百十二市町村ございますけれども、その中の大体七〇%が過疎指定を受けておるわけでございまして、北海道といたしまして、地方の時代という言葉が出てから随分久しくなりますけれども、やはり地方の時代にふさわしく、過疎市町村にこそ公共事業の優先配分をすべきではないのか、かように私ども考えるわけでございますけれども、どうお考えになりましょうか。
#69
○国務大臣(河本嘉久蔵君) やはり公共事業は、基盤整備を通じまして広域な、広範な地域社会全般の開発可能性を高めることを目的とするものでございますから、この実施に当たりましては、地域の経済社会の実情をも十分に配慮して行われる必要があると考えております。
#70
○工藤万砂美君 そこで、北海道自体の均衡あふれる発展を期するためには、私どもはこう考えておりますけれども、いわゆる大規模プロジェクト方式による開発では、限られたいわゆる開発予算の中身でございますから、どうしても特定の地域に限られてしまうといったような心配があるわけでございますね。特定の大プロジェクトチームを組んで、そこに開発の手を入れますと波及効果があるなどと申しますけれども、その波及効果というのは、なかなか実は実態としてはあらわれないというのが北海道の実態でございます。
 そこで、私は特に考えておりますことは、北海道は十四の支庁に分かれて行政が行われておりまして、一支庁は本州のいわゆる一つの県に相当するような面積と行政機能というものを備えているわけでございまして、したがいまして一支庁ごとに小規模なプロジェクトを設定して開発をすべきである、それがいわゆる地方の時代にふさわしいような開発の方法であるし、また過疎市町村にとっても大変ありがたいことであると考えるわけでございます。この十四支庁については、例えば農業中心の開発の方法、畜産中心とか、あるいは林業、漁業あるいは工業を中心とした開発とか、それぞれ各支庁の特性というものがあるわけでございまして、こういう特性を生かした開発を私は行うべきであると思いますけれども、これについての御所見を伺いたいと思います。
#71
○国務大臣(河本嘉久蔵君) 大規模プロジェクトは、そのプロジェクト自体が推進されている地域だけではなく、広域な地域に開発効果が波及するように推進しているところでございます。また、御指摘の道内の各地域にとりましては、大きな開発効果を有するようなプロジェクト群につきましても、新北海道総合開発計画の推進方式である地域総合環境圏展開構想、難しいですが、その中に位置づけて自治体、民間と一体となって推進していきたいということでございます。
#72
○工藤万砂美君 私は、長年北海道議会におりましたもので、開発のやり方については多少一言はあるわけでございまして今あえて質問を申し上げたわけでございますけれども、長官のお考え方がわかりましたので、最後に一つお伺いしておきたいことは、現在進められております千歳川放水路計画の問題でございます。これは日本海に流れる川を、災害防止のために太平洋に流すというような大変な実は雄大な計画でありまして、我々もぜひともこれはやり遂げていただきたいというふうに思っておるわけでございますけれども、これはいかがなものでしょうか。総体的な事業費とか、あるいは完成までに概算どのぐらいの年数がかかるものか、概略でいいですけれども、お答えできましたらお伺いしたいと思います。
#73
○政府委員(楢崎泰昌君) ただいまお話にございました千歳川放水路の問題でございますが、先生御案内のように、五十六年に石狩川の大洪水がございまして千歳川流域も大きな被害をこうむったわけでございます。そのために石狩川治水総合計画を変更いたしまして、五十七年三月に石狩川工事実施基本計画で、洪水時におきましては先生仰せになりましたように石狩本流に流しておりました千歳川の水を、太平洋側に掘削をいたしまして太平洋側に流すという大きな計画でございます。
 この計画は河川事業でございますので、主管としては建設省でございますけれども、北海道開発庁といたしましてもいわゆる開発事業の推進調整ということで、今放水路のルート決定の選定作業を進めているところでございます。まだそういう段階でございますものですから、今御質問がございましたけれども、まだ積算をするという段階に至っておりません。巨額の経費を必要とすることは間違いないわけでございますが、まだ申し上げられるような段階になっていないわけでございます。したがって恐縮でございますが、それもどのぐらいの期間でできるかということも、計画が策定された段階でお話ができるのかなというぐあいに考えております。
#74
○工藤万砂美君 伝え聞くところによりますと、今あなたが答弁なさったよりもまだ詳しく実は我々も聞いておるわけでございますけれども、こういう公式の場でございますから言えないんだろうと思いますから、これをあえて追及あるいは追加質問いたしませんけれども、ただ、私どもが心配しておりますことは、大きなプロジェクトでございますから、他の地域の予定事業というものがそのことによって圧縮をされたり遅延をされたりするというような心配があるんではないかしらと、これは過去の例から申し上げて私は質問しているわけでございますが、そういうことはございませんか。
#75
○政府委員(楢崎泰昌君) 現在まだ積算ができておりません。どれぐらいの経費がかかるかよくわかっていない段階のものでございますけれども、千歳川放水路は、先ほど御説明いたしましたように千歳川流域の大災害の過去の歴史にかんがみ早期に実施をいたしたいということで、できる限りこの工事を促進していきたいと考えておることは間違いございません。その際に、今先生御心配になりましたように他事業との間の問題が出てくるわけでございます。もちろん問題はあるところでございますけれども、事業間のバランスをとって整合性を持った工事の執行をさせたいなというぐあいに考えております。
#76
○工藤万砂美君 一番心配しておりますことは、この千歳川放水路の計画路線の中にはいろんな大型土地基盤整備の事業があり、あるいはまた内水排除機械の機場の設置の問題や樋門の設置計画とかたくさんあるわけでございまして、これらは放水路が完成しますと全く要らなくなるわけでございますけれども、その間、相当な時間を要するということでございますから、これらの事業というものが停止することなく、どんどんやっぱり推進していくというふうに考えてよろしゅうございますね。
#77
○政府委員(楢崎泰昌君) ただいまお話がございましたように、また先生よく御存じのように、千歳川放水路の計画を進めます際には、それらのいろんな諸計画との間の整合性が必要になってくるわけでございます。私どもとしては十分調整をとってやるつもりでございますし、また幸い北海道開発庁はそのような調整機能を持たしていただいている役所でございますので、先生の御指摘を十分留意の上にやらせていただきたい、かように考えております。
#78
○工藤万砂美君 財政多難な折でもありますから大変な御苦労が多いと思いますけれども、力いっぱいひとつ御努力を賜りますことを重ねて要望をして、質問を終わります。
#79
○馬場富君 最初に、予算について質問いたします。
 先ほども青木先生が質問されましたが、今回大臣がかわられました。そしてまた、六十年度予算もいよいよ大詰めに来ておりますので、そういう点で重複する点もございますけれども、ひとつ質問をいたします。
 六十年度予算の政府原案がまだ決定しておりませんけれども、概算要求段階の予算額を加えた場合に、建設省関係五カ年計画の達成状況についてはどうなっておるか、まずその点についてお伺いします。
#80
○政府委員(豊蔵一君) 建設省所管事業の各五カ年計画の進捗状況につきましては、厳しい財政事情のためその進捗率ははかばかしくございません。特に昭和六十年度を最終年度といたしますものにつきましては、住宅建設五カ年計画の公的資金住宅はかなりの進捗を見ておりますが、これを除きますとその他の四計画、すなわち都市公園整備五カ年計画、下水道整備五カ年計画、それから海岸事業五カ年計画、特定交通安全施設等整備事業五カ年計画につきましては、来年度の私どもの概算要求の金額を入れまして六十年までの達成の見通しを一応頭に描きますと、それぞれ七〇%から八〇%程度の範囲で、達成が非常に困難な状況と相なっております。
#81
○馬場富君 特に、今説明もございました六十年度計画期間が終了するものの中に下水道あるいは都市公園、海岸、交通安全、住宅建設があるが、やはりいずれも五カ年計画の目標達成は困難な状況じゃないかと私は見るわけです。その中でも、特に下水道整備計画は目立ってこれは低率でございます。この試算を見てみましても七二・三%程度ではないかと、このように私も見るわけでございますが、一体その原因はどういう点にあるかということと、また次期五カ年計画策定に向けてどのような方針でそのおくれを取り戻されるか、その見解をひとつ御説明願いたいと思います。
#82
○政府委員(梶原拓君) ただいま先生御指摘のとおり、第五次の下水道整備五カ年計画でございますが、ただいま予算要求いたしております金額そのまま認められましても、六十年度末で七二・三%というような非常に低い水準にとどまるわけでございます。基本的には、ここ数年間の公共事業費の抑制といったような事情もございます。さらに下水道につきましては、昭和五十年度に特別の地方債という制度を導入いたしまして、その後、特別の地方債の発行をいたしたわけでございます。したがって、毎年その償還額あるいは利子補給関係の経費が増高してまいりました。第五次の五カ年計画、五十六年度から始まったわけでございますが、第五次の五カ年計画に入りまして、そういった経費が二千億を超える、全体の国費の三分の一以上を占める、こういうような事態になってまいりまして、実質の事業量が圧迫されたということも一因になっておるわけでございます。
 今後の問題といたしましては、やはり基本的には公共事業費の増額ということが必要かと思いますが、下水道なりに何らかの工夫はないか、ただいま私的な研究会を設けまして鋭意検討を進めている次第でございます。
#83
○馬場富君 この公共事業の五カ年計画の達成率が低いのは、言うなればやはり政府の公共事業費の抑制措置によるものであるということは私もわかるわけですけれども、確かに膨大な累積債務を抱えた国家財政を再建することは緊急の政策課題であると同時に、しかも五カ年計画に基づく社会資本の整備もまた国民に対するやはり政府の公約でもあるわけでございますので、同じく重要な私は政策課題である、こういうふうに見なけりゃならぬと思うんです。そして、それを実現するのが建設行政のやはり基本課題である、またやはり建設省の使命でもあるというふうに考えていただかなければいかぬと思うんですね。
 そういう点で大臣は、就任後の記者会見で公共事業の効率的推進を強調されました。また、事業費の増額についても積極的な発言をされました。事業の効率化も重要でございますけれども、増額に全力投球するのが建設大臣としてのやはり責務でもあると考えますけれども、新大臣としての見解をお伺いしたいと思います。
#84
○国務大臣(木部佳昭君) 先ほど来御指摘のように、各種五カ年計画がはかばかしくないということは事実でございまして、社会資本の充実というものは、活力ある経済、それから安全で快適な国民生活を実現するために欠くことができない絶対的な条件であるわけでございます。しかし私どもは、残された期間内にあっても、やはり投資効果というものを一層大きくしていかなければならぬということは御指摘のとおりでございまして、そういう点等につきまして、私も十分な配慮と、それから効果の上がるような努力をしていかなければならない。
 そこで、社会資本の整備のための基本的な問題として私どもは住宅の建設であるとか促進であるとか、そういうふうな内需の拡大を進めることに努力をしなければなりませんが、経済の安定全般を考えてみますと、やはり安定成長というものと財政の再建というものは必ずしも私は入れられないものではないと、そういうふうに考えておりますので、これからもそういう点を十分配慮しながら最善の努力を尽くしてまいりたいと、こう考えております。
#85
○馬場富君 そこで、公共事業の財源はほとんど特定財源と建設国債に依存しておるわけでございます。したがって、公共事業費を拡大するためにはやはり建設国債の増発が必要となってきますが、必ずしもこれは妥当な措置とは言えない点も随分あるわけです。そういう点では限界も来ておるんではないかということで、そこでやはり建設国債以外にも財源を求める多面的な戦術が必要であると私は思います。そういう点で、財源確保問題に対する建設省の基本的な考え方と、六十年度に向けての方針もひとつあわせて大臣からお尋ねしたいと思うんですが。
#86
○政府委員(豊蔵一君) 大臣からお答えいたします前に、私から若干数字の関係もございますので御説明を申し上げたいと思います。
 御案内のように、私どもが主としてその大宗を占めております公共事業につきましては、昭和五十年度までは建設国債と特定財源に加えまして相当額の一般財源を投入していたわけでございますが、昭和五十一年度以降、特定財源と建設国債でもってほとんどを占めるといったような状況になっております。私どもの今後の財源の確保という立場から言いますと、やはりまずは、今申しましたように、従来のように一般財源でもってまず充当し、足らざるところを建設国債なり、あるいはまた特定財源でもっていろいろ工夫をするというのが基本であろうかと思いますので、今後財政状況が少しでも好転し、一般財源の増収があり、その余裕ができましたならば、まずそれを充当することが必要であろうかと考えております。
 それから次に、例えば道路などを中心といたします特定財源につきましては、来年度暫定税率の期間が切れますが、これらの暫定税率の延長をお願いしてございます。そういうような中で、必要な財源が確保される見通しでございますので、その確保された財源を的確にその目的に従った使途に充てていただくということであろうかと思います。
 それから三番目には、建設国債でございますが、これは御案内のとおり、赤字国債とは違いまして、社会資本を整備し、その整備された社会資本が長期にわたって効用を発揮し国民経済にもいい影響を与えるものでございますから、ある一定の限度はございますが、そういう限度の中での節度ある建設国債の発行ということもこれまた現状においては必要であり、またやむを得ない措置であろうかと考えておるわけでございます。
 したがいまして、これら三つの財源それぞれの性格に応じ適切に公共事業に投入していただきたいということで、私ども来年度の予算編成に当たりまして財政当局と鋭意検討を続けさしていただいておるところでございます。
#87
○馬場富君 そこで、特に大臣もかわられましたので、その点再確認の意味で質問いたしますが、特に準特定財源と言われております自動車重量税の取り扱いが今注目されておりますけれども、私は前の国会で、この委員会で水野前大臣に質問いたしました。水野前大臣は、六十年度の予算編成に当たっては重量税については全額道路整備費に充当すると答弁されましたが、木部大臣も当然その考え方を受け継がれると思いますが、この自動車重量税の取り扱いにつきまして新大臣の見解をお伺いします。
#88
○国務大臣(木部佳昭君) 自動車重量税の問題等につきましては、私先ほど申し上げましたように、水野前大臣の考え方と全く一致をいたしております。したがって、予算編成の際にも特に大蔵省との協約、申し合わせもございますから、これを実現するために全力を挙げたい、こう考えております。
#89
○馬場富君 それと続きまして、やはり水野前大臣の答弁の中に、五十九年のオーバーフローの分が約一千百億円、これは五十九年度中に何らかの方法で返していただくということでした。それからまた五十七年度、五十八年度のオーバーフローの分についても可及的速やかに返していただくと竹下大蔵大臣とも約束があると答弁されましたが、この点についてもどうでしょうか。
#90
○国務大臣(木部佳昭君) 先ほど申し上げました基本的な考え方の上に立って最善の努力を尽くします。
#91
○馬場富君 そこで、随分何年かにわたって公共事業の抑制が行われまして、建設業界はもとより、公共事業の依存度の高い地方経済も深刻な状況にあることは大臣も御承知と思いますが、特に今年は台風が一度も本土に上陸しなかったという、国民的な幸いでございますけれども、やはり災害復旧工事等の分野が非常に予算的にも少なくなっております。
 そこで、やはり補正による下期追加が必要だという考え方が、また声が強くなってきております。けさの新聞を見ますと、五十九年度の補正予算規模七千億という記事がございました。その内容で建設省関係としては災害復旧費の追加分が二千億、住宅・都市整備公団への補給金一千五百億などが出ておりましたけれども、補正予算について建設省はどのような要求をなされましたか。特に先ほども申し上げましたオーバーフロー等の問題、道路整備事業の追加等の対応についてもどのようになされたかをお尋ねいたします。
#92
○政府委員(豊蔵一君) 現在の日本経済におきまして回復の傾向があらわれておるとはいいますものの、なお地域別あるいは業種別にばらつきが残されておりますし、また災害の発生が例年に比較いたしまして少なかったわけでございますが、それにいたしましても、公共土木施設の災害復旧を促進するという必要がありますし、また上半期にいろいろと地域に応じまして前倒し執行しておりますので、下半期におきますところの公共事業の事業量確保ということが必要でもあろうかと思われます。
 さらに、先ほど来先生から御指摘がありました、五十九年度予算におきましていわゆるオーバーフローとなっております自動車重量税の道路整備費への充当といったようなことも課題となっておりますので、これらの問題を整理いたしまして、しかるべき時期にしかるべき補正を組んでいただきたいというふうに我々は考えておるところでございます。
#93
○馬場富君 そこでもう一つは、先ほど青木委員からの質問にも出ました住宅金融公庫制度の改革の問題でございますが、私は前の委員会でこの問題について実は質問をしたわけです。そして、住宅金融公庫に対する利子補給金の支出の一部繰り延べの措置を議題にしました。そして、戦後の住宅政策の中で、政府が出した案としてヒットしたものがあるとしたら、私はこの住宅金融公庫の貸付制度でなかったかと思うのです。住宅公団とか、あるいは地方公共団体の住宅建設もありましたけれども、特に私は、政府が援助し、そしてまた住宅対策として行った対策の中で多くの国民に喜ばれ、また多くの国民に活用されて、しかも民間の活力を誘発した大きい資金であったと思うのですね。私は、それが一部繰り延べ制度によって、いわゆる一般会計から出せないという財政に問題があると思う。だから住宅対策の柱だから、この財政というのは、もっともっと大きな安定した財源を考えるべきだと、私は前の委員会で質問したわけです。それが、今度繰り延べは六十五年度まで延長するがその制度を改悪しようと、先ほど青木委員も言われましたように、四項目にわたって悪くしようとするそういう問題が提起されてこの延長がなされるということに至っては、これは私は何をお考えになっておるかというふうに大変心配するわけです。
 そういう点で、この財源こそ、本当に先ほども話が出ておりました中曽根内閣の公共事業に対する考え方は民間の活力を誘発すると言っていましたけれども、この資金あたりは随分民間の活力を誘発して、今のほとんどの住宅対策というのはこの住宅金融公庫の融資制度が一つのもととなって民間の住宅対策は進められておると私は思うのです。現場へ行ってみればわかると思うのです。このぐらい効果の上がるものを、なぜ改革の方向に進めなきゃならぬか。新しいほかの政策を出すよりも、今ある政策の中の効力を出しておるものを、より一層効果を上げるために私は投資をなさるべきだと、こういうふうに考えて、この問題に対しては大変私は憤慨をしておりますし、それから特に国民が低利で借りられる住宅資金、そしてそのために無抽せんで借りられるこの住宅資金にどれだけ希望を持っておるか。大臣、私はこの問題に対しては反対である。現状維持で、しかも延長をしてもらいたいと、こう思いますが、いかがでございましょう。
#94
○国務大臣(木部佳昭君) 住宅金融公庫の低利で長期の融資というものは、日本の住宅政策に非常に大きな貢献をいたしておることは御承知のとおりでございます。そういう意味で、また一方では国民のニーズというものが非常に変化をいたしておるわけでございますから、そういう変化に対して私どもはもう少し量の時代から質の時代へと考え方を変えなきゃいけませんし、私はある意味でいけば、これからの住宅政策というようなものは福祉の側面からもよく見ていかなきゃならないと、そういうふうに考えておるわけでございます。
 したがって、先ほど来御指摘のありましたように、今予算編成のさなかでございますから、私どもは今申し上げるような基本的な考え方に立って、むしろ従来以上に質の向上を図るために、またニーズにいかにこたえるか、そういう面からも今まで以上に改善できるものは改善し、また向上できるものは向上できるようなそういう考え方で取り組んでまいりたいと、こう思っておるわけでございます。
#95
○馬場富君 よろしくお願いします。
 それからもう一つは、先ほど民間活力に対する問題で質問が出ましたが、中曽根内閣の政策の柱でもありますし、建設省も概算要求の中の一つの政策として、この民間活力による再開発の促進ということを提案されておりますけれども、この点につきまして、最近やっぱり抑制されている公共投資のかわりにしようというねらいがあると、こういうふうに言われておりますけれども、しかし本当に再開発を促進するためにはむしろ公共投資、すなわち街路とか公園とか下水道等を集中的にそれらの地域に実施しなければならないということも起こってくるわけです。だから、決して公共投資の節約にならないというふうに、いま政府が考えてみえる民間活力の再開発については思うわけでございますが、この点についてどのようにお考えか、一遍お聞かせ願いたいと思います。
#96
○国務大臣(木部佳昭君) 民間活力の導入の問題につきましては、先ほど来私申し上げておりますように、第一番に私ども建設省といたしましては、いろんな制度の制約というものを、もう少し活力のあるものに向かって進む一つの道しるべとしてこれを改善すべきものは改善し、そして改革しなきゃならぬものはそういう諸制度を第一番に改革しましょう、そういうことによって民間の皆さん方が我々建設省なり政府に対して共鳴できるような土壌づくり、環境づくりというものと積極的に取り組みましょう。したがって、私は先ほど来申し上げておりますように、産学官の三者がお互いに知恵を出し合っていかなきゃならない。先ほども申し上げましたように、民間活力の導入でもって、民間にだけ協力をいただくようにお願いして、それで政府は、今おっしゃいますように、なるべく公共事業の少なくなった分をそれで補っていこうとか、そういうふうなことは考えておりませんで、政府のやらなきゃならぬことは当然政府がやらなきゃならない、そう私は考えておるわけです。
 でありますから、今申し上げましたように、第一番にいろんな諸制度やなんか制約を受けているものを改善、改革するものは改善、改革いたしましょう、そしてみんなが、産学官が英知を結集して、政府の担うべき点は今まで以上に力を入れて担っていく、そして社会資本の充実のために我々は新しい時代に向けて大いに努力をしていきましょう。そういう考え方で、民間活力の導入が発想として生まれているわけです。ですから私は、この六十年度予算編成に当たりましても都市の再開発であれ、そういう問題について一つでも二つでも予算編成で実現ができるように、また皆さん方に協力願えるようなそういうものを、最善の努力を尽くして予算編成にも取り組みたい、こう考えておるわけです。
 それで、今お話のありましたように、例えば今関東はそう問題がありませんが、関西なんかで琵琶湖の水位が非常に下がっておることは御承知のとおりなんです。そこで、例えば一トンの水を確保しようとすれば百億以上の予算も必要である、こう言われておるわけでございますから、私は事務当局に対して、ダムをつくると同じように、水の再利用の問題なんかも、例えば民活の場合に都市の再開発、そういう問題には水の雑用水その他の再利用の問題なんかも十二分に配慮してやってもらいたいということを実は指導して、指揮しておるわけです。そういう意味で、また民活によって周囲の皆さん方が交通上の問題であるとか街路であるとか道路の問題であるとか、そういう環境が阻害されないように、そういう点等についても我々はきめの細かい気配りをしながらこの問題と取り組んでいこう、そう考えておるわけでございます。
#97
○馬場富君 それから、民間活力の中で先ほど国公有地のやはり活用の問題が出されました。それで、特にこの活用は非常に難しいことであると思いますけれども、何も高層ビルだけに限ってこの道を使うんではなくて、むしろ不足している緑地等に積極的にやはり活用すべきだという意見も随分あるわけでございますが、この点、建設省は国公有地の活用、こういう問題等についてはどのように考えてみえるか、御説明願いたいと思います。
#98
○説明員(松原青美君) 国公有地の活用につきましては、特に都心におきます国公有地につきましては、それが都市の再開発、あるいは都市の環境の改善、公共公益施設の用地としての非常に貴重な空間資源であろうと認識しておるわけでございます。そういう点で、国鉄用地も含めまして国有地等が都市的な都市開発用地として利用、発展する可能性のあるところにつきましては、ただいま先生が御指摘いただきました緑地公園ということにも十分配慮いたしまして、その関係の公共団体とも十分協議いたしまして適切な利用計画を立てるよう考えておるところでございまして、そういう方向で地方公共団体も指導してまいりますし、現在内閣に設けられております国有地等有効活用推進本部におきましてもそういう方針でございますので、御指摘の点は十分踏まえて対応してまいりたいと存じております。
#99
○馬場富君 それと関係しまして、再開発に関連して今、土地信託制度が注目されておりますし、その法的なやっぱり整備の必要性等が出ております。そういう点で、いわばこれら新しい制度について建設省の対応はどのようになさっておるか、ひとつ御説明願いたいと思います。
#100
○説明員(松原青美君) 信託制度の活用につきましては、最近、特に社会の関心が深まってまいっております。土地信託の活用という事例も数多く出てまいっております。建設省におきましては土地信託をどのように都市整備に活用していったらいいかということで、本年度いっぱいかけまして信託協会あるいは学界の、大学の先生その他の専門家にお集まりいただきまして、現在研究会をつくりまして勉強中でございます。今年度いっぱいかけましてその委員会の結論を得て、これを有効な仕組みとして活用してまいりたいと考えておるわけでございます。
#101
○馬場富君 次に、最近異常渇水を来して、やはり水対策について何点か問題が出ておりますので、この点についてお尋ねいたします。
 ずっと十一月の中旬ごろまで続いております異常渇水がやはり大きい問題と今なってきておりますが、現在全国的な状況はどのようになっておりますか、まず御説明願いたいと思います。
#102
○説明員(和気三郎君) 現在の渇水の状況でございますが、もともと我が国の水資源の利用、水利用の現況につきましては、河川水が豊富であるときだけが取水できるような不安定な取水量がかなり現状ではございまして、このようなことで水需給の均衡がバランスがまだとれていないという状況がございます。それに加えまして、ことしの九月から以降、降水量は東北、北海道を除きまして例年の六〇%ぐらいの小雨地域がたくさんございます。このために、中部以西の各地域で渇水が生じているというようなことでございます。兵庫県の一部等でも時間給水が実施されている地域があるほかに、渇水地域の大部分で取水制限、節水で対応しておりますけれども、今現在のところ、市民生活の影響は、それほど一部を除きましては大きなものにはなっていない状況でございます。給水がされているということでございます。
 しかしながら、渇水地域の主要ダムの貯水量は例年に比べましてかなり下回っている厳しい状態でございますし、またこれからは小雨季でございますので、今後の動向につきましては十分注目をしていきたいと思っております。
#103
○馬場富君 全国的に渇水状況が起こるという、こういう状況がやはり最近多くなってきておるわけでございますが、この原因はどのようにとらえてみえますか。
#104
○政府委員(井上章平君) ただいま国土庁からお話ございましたように、本年の渇水ということになりますと、台風が一度も上陸せず、特に関東以西の地域では雨が少のうございまして、平均の六割以下にとどまっておるということが一つ大きな原因でございますし、また水事情の逼迫している大都市等の地域につきましては、もともと水需給の均衡が達成されないままに渇水特には取水できない、例えば暫定水利とか豊水水利とかいうような状態での不安定な取水に頼っている地域があるわけでございますので、そういうところにつきましては本年のこのような小雨に対しましては渇水が起きると、これが本年について言えば大きな原因であろうと思います。
#105
○馬場富君 そこで、報道等によりましても、今回の異常渇水は異常渇水ではなくて構造的渇水だという記事も出ておりますが、やはりあなたのおっしゃるとおり台風が上陸しなかったとか、ことしの特有の気象状況が原因するところもありますが、やはりこういうことが繰り返されておるということは、根底的には水資源開発がおくれておるというのが私は現状ではないかと思うんです。だから、気候の変化があるたびに渇水騒ぎをしておるということでは、私は対策にはならないと思いますね。そういう点で、やはり水資源開発がおくれておる原因というのを私は解決しなきゃいかぬと思うんですが、この点はどうでしょうか。
#106
○政府委員(井上章平君) 先ほど申し上げましたように、特に水需給の逼迫しておる大都中等の地域におきましては、水需給の均衡が保たれていないということでございます。したがいまして、建設省におきましては安定的な水供給のために水資源開発に努めておるところでございますが、何分にも水資源開発施設の建設には長期間を要することから、一時的にはこのように水需給の均衡が達せられていない地域があるわけでこぎいます。このような状況下にございますので、今後計画的に一層水資源開発に努める所存でございます。
#107
○馬場富君 これは国土庁長官に、やはり担当大臣として水資源開発の推進に対するひとつ御見解をお尋ねしたいと思います。
#108
○説明員(和気三郎君) 今後の水需要の動向につきましても、これから経済社会の変化や水使用の合理化等の進展に伴いまして鈍化傾向にございますけれども、長期的にはやはり人口の増加だとか産業の発展によりまして、水需要はさらに増加するものと考えております。また生活用水につきましても、給水人口の増加等緩やかなるものの、核家族化の進行だとか水洗化の普及等、生活水準の向上、第三次産業等によりまして都市活動用水も増加するであろうと考えております。また工業用水についても同様、今後の経済発展によりまして着実に増加するであろう、このような状況でございますので、今後ともこれらの需要に対して着実に対応するとともに、また現在の河川水の不安定な取水を早期に解消したりすることによりまして安定的な水需給を図っていかなければならないというわけでございますが、そのためには長期的、計画的な立場に立ちまして、先行的にダムの水源開発をしていかなければならない、このように考えております。
#109
○馬場富君 答弁の中でもありますように、やはりダムの建設というのはなかなか期間がかかるということもわかりますけれども、これはやはり水というのは我々の死活問題でございますので、今後もこの対策を強力に進めていただきたい。
 そして、あわせまして、やはりどうしても水に対する考え方として出てくるのは、一つは節水という問題ですね。節水型の社会をつくっていくということもやはり必要だと思う。これは特に日本人が、私も含めてみんなそうですけれども、外国に行って日本の水のありがたさがわかるというのが状況です。そういう点で、大変水に恵まれておりますけれども、そのために水はただで無限であるというような考え方にどうしても陥りやすい。そこで、やはり水も有限な資源であるという考え方に立って、日本人の水に対する考え方というものに対しても、ひとつ当局としてはPRをうんとしていかなければいかぬという問題が一点出てくると思うんです。
 それからもう一つは、先ほどの質問の中で建設大臣からも出ておりましたが、この水対策の中の節水という問題の中で出てくるのは、やはり私は中水道のあり方であると思うんですね。この中水道というふうな問題はやはり今までもかなり論議をされてきておりますけれども、やはり水対策の中の問題として私は避けて通れない状況に来ておる。やはりこれに真剣に取り組むときが来ておるんではないかと思いますが、これに対してのひとつ取り組みについて御説明願いたいと思います。
#110
○説明員(和気三郎君) 御指摘のとおりでございまして、水資源の需給の安定ということは、やはり水使用のサイドにおきましてもいろいろの努力をしていかなければならないということがございます。そこで、水資源の開発による供給力の強化とともに、需要サイドにおけるところの水使用の合理化を進める必要がございますが、これにつきましては、私ども国土庁といたしましても関係各省の御協力を得ながら全国的に広くPRを実施さしていただいております。
 八月一日を水の日といたしまして、それから以降を水の週間ということで、毎年、これを閣議決定で八年前に定めていただきました。ことしで第八回目の水週間行事をさしていただいております。全国的なキャンペーンとともに、広く節水意識の高揚を図りまして、水資源の有効利用に関する啓蒙を実施しております。たゆまずこのような趣旨で私どもも大いに働きかけていきたいと思っております。
 と同時に、先ほど御指摘の雑用水の利用あるいはまた水の循環利用につきましての促進策ということも関係各省の協力を得て実施しているわけでございますが、水需要の合理化につきまして積極的にいろんな施策を進めさせていただいております。先ほどの雑用水の利用につきましては、私どもといたしましては税制、金融面の特別の優遇策を設けさせていただきまして、これにより推進を図っているところでございますが、既に新宿の副都心など約四百件の雑用水利用施設が生まれております。今後ともこのようなことにつきましては、積極的に進めるように努力してまいりたいと思っております。
#111
○馬場富君 この渇水の被害の中で、ことしの秋の渇水につきましては、愛知用水もやはりこの被害を受けて対策に取り組んだわけでございますが、この点につきまして御説明願いたいと思います。
#112
○政府委員(井上章平君) 木曾川水系におきましては、梅雨期以降、非常に小雨が続きまして平年のおよそ五〇%にとどまっております。このために都市化の進んでいる愛知用水地域におきましては、河川の自己流量及び牧尾ダムの貯水量の低下によりまして八月十三日より取水制限が行われており、現在、上水一一%、工水、農水三〇%の節水率となっております。現在、牧尾ダムの貯水率でございますが、一時期九%まで落ち込んだわけでありますが、その後降雨がございまして、ただいまのところ四五%まで回復いたしております。しかしながら、愛知用水の節水に努めますとともに、建設省としては木曾川水系緊急水利連絡調整協議会におきまして調整を行い、上流の発電ダムの協力等を得ましてこの貯留水を利用しておるところでございます。
 今後、木曾川水系と愛知用水地域の安定した水供給を図るためにはダムの建設等を進める必要があり、阿木川ダム、味噌川ダム等の建設につきまして一層推進してまいる所存でございます。
#113
○馬場富君 今説明の中にもありましたように、愛知用水の水源である牧尾ダムにつきましては、最低の状況が、有効貯水量の九%まで実は下がったわけですね。ほとんどだめだというような状況まで実は渇水したわけです。これがやはり今度の大きい原因でございますけれども、木曾川水系で過去の最低が一八%が最低だと言っておりました。それが九%まで今回下がってきたということで、ほとんど空になってしまったというのが実情でございます。そのために何点か対応策が立てられたと聞いておりますが、その対応策について御説明願いたいと思います。
#114
○政府委員(井上章平君) これにつきましては、先ほど出し上げましたように、短期的には木曾川水系緊急水利連絡調整協議会におきましていろいろ対応策を講じておりまして、その一環として上流の発電ダムの貯留水を一時使用するというようなことを行っておるわけでありまして、長期的には阿木川ダム、味噌川ダム等の建設を推進するということであると思います。
#115
○馬場富君 特に、今の牧尾がだめな場合にはその補助として阿木川ダムが計画されておるわけですが、この阿木川ダムの計画が大変おくれております。私の調べでは、これが最初の完成目標が五十二年度で進められたわけでございますけれども、最終的には六十一年度ということになっておりますから、約十年延びたわけですけれども、しかもこの六十一年度も現地の状況においては予算措置がなければ達成が難しいと、こう言っておりますが、この点はどうですか。
#116
○政府委員(井上章平君) 阿木川ダムの建設につきましては、先生御指摘のとおり、当初五十二年完成の予定が大幅におくれておるわけでございますが、現在のところ、六十一年完成がさらに二年ないし三年延びるのではないかと思われます。これにつきましては、何といいましても昨今の財政難によるところが大きいわけでございまして、私どもは、現在これは水資源公団が施行しておるわけでございますが、その財源措置といたしまして来年度の要求の中で財投を導入する等の措置を講ずるべく努力いたしておるところでございます。
#117
○馬場富君 これは通産省にちょっとお尋ねいたしますが、渇水につきまして水力発電がピンチになっております。そのために準備金の除外の問題が出ておりますが、このことについてお伺いいたします。渇水準備引当金はいつからどのような趣旨で定められたか、その算定方法をあわせて説明いただきたいと思います。
#118
○説明員(川田洋輝君) お尋ねの渇水準備金でございますが、これにつきましては電気事情特有の循環的な自然現象でございます豊水、渇水によって生じます収支の著しい変動を是正いたしまして、電気事業の経理の安定、ひいては電気料金の長期安定を図るということを目的とした制度でございます。先ほど申しましたように、電気事業に特有の非常に必要な制度でございまして、昭和二十七年度からずっと電気事業法に基づきましてこういう規定を設け、税法上も損金算入あるいは取り崩した場合には益金算入という扱いをいたしてきておるところでございます。
 仕組みといたしましては、水力発電が渇水によって減りますと火力発電をすることになります。逆の場合はその逆になるわけでございますから、そのコスト差を豊水の場合には引き当ていたしまして、渇水の場合には引き落とす、こういうやり方をとっておるものでございます。電気事業特有の制度として、私ども経理の安定のために必要なものであるというふうに考えておるものでございます。
#119
○馬場富君 このために、先月末に出た電力九社の中間決算によりますと、北海道、中国、四国、九州電力の四社は渇水準備金がゼロになっております。その他の五社も予断を許さない状況であるというふうに言われておるわけでございますが、これは事実かどうかということと、また本年度後半の見通しはどうなっておるのか、また来年度以降にもこの状況が続いたとしますと、各社の経営状況に対する影響もありますが、これはどのような具体的な状況かを御説明願いたいと思います。
#120
○説明員(川田洋輝君) 五十九年度上期の出水率は九二・五%ということでございまして、かなりの渇水だったわけでございます。その結果、お話ございましたように、前年度から既にこの準備金がなくなっておりました四国電力、中国電力に加えて、北海道電力と九州電力の四社が今、準備金がなくなってしまっておるという状況にございます。先ほどもちょっと話が出ておりましたが、十月も六一・一%という出水率になっておりまして、私どもとしては今後どうなるであろうかと、むしろ心配をいたしておるところでございます。
 ただ、この渇水準備金制度と申しますのは、過去四十一年の平均の数字で出水率を平水ベースを決めまして、それから豊水、渇水ということでやっておるものでございまして、ある意味では機械的にやっておるものでございますから、できるだけ雨がよく出ることを期待するというほかは申し上げようがないというのが実情でございます。
#121
○馬場富君 そこで、大蔵省が六十二年度税制改革の一環として、電力各社の渇水準備金について租税特別措置法の対象から除外するという考えがあると聞いておりますが、渇水準備引当金というのは、自然条件に電力会社の経営が左右されることがないために、それを防ぐために設けられた制度だと私は思います。それから電気料金を安定化するためにぜひとも必要な制度であると私は考えるわけでございますが、渇水準備金を除外するということは、そういう点で私は問題があると思うわけです。そういう点で、やはり電力九社の中には水力発電に大幅に依存しておる会社もございます。このような会社では、もしこの渇水準備金制度がなければ自然条件の変動がもろに経営状態を左右して、本年のような異常事態が続いたならばやはり結果として電力需給者へのしわ寄せがくることが必要である、このように私たちは事態を心配するわけでございますが、こういう水が豊かなときに無税の渇水準備金の積み立てがやはり必要で、それが渇水になった場合の一つは補いとして設けられた制度でございますから、石油価格も今は多少安定しておりますけれども、ずっと見ましても、火力運転費は十年間で六倍にもなってきておりますし、そういう点でいけば、比較的安定的な供給がなされておるのが水力発電であるというわけでございます。
 そういう点で、やはりこの渇水によって安定した水力発電が脅かされてくれば、結局やはりどうしても火力発電に頼っていかなければならぬという点で、ここらあたりを兼ねた措置を除外するという考え方を大変私は心配するわけでございますが、通産省の考え方はどうですか。
#122
○説明員(川田洋輝君) ただいま先生お話のとおりであると私ども考えておりまして、税制当局からは廃止のお話が参っておりますけれども、私どもとしてはぜひともこれは必要な制度であるということで、今鋭意折衝をいたしているところでございます。
#123
○馬場富君 終わります。
#124
○上田耕一郎君 先ほどから同僚委員からも、なかなか重大な情勢の中で木部建設相に建設事業を国民の要望に応じて進めていただきたいという声が非常にありました。私もぜひ努力をしていただきたいと思うのですが、何回も質問がありました例えば住宅公庫融資の年間八百億円捻出という大蔵省の方針ですね。住宅局長の答弁を聞いていると、最低金利五・五%等の問題では、これまでの制度を守りたいという答弁で、我々も賛成で頑張ってほしいと思うんですが、ちょっと聞いていて気になりますのは手数料問題ですね。これは新しい問題なので慎重に検討したいというふうにほかと区別して答えられたので、新聞報道だと五万円手数料を取るなどと出ているんですが、手数料問題については慎重にというのは、これはある程度のもうということだとすると大変なので、こういうのも断固拒否するという態度で建設省としては臨んでほしいと思うのですが、いかがでしょうか。
#125
○政府委員(吉沢奎介君) 実は、手数料問題というのは私どもの考えている範囲の外でございまして、新たな問題として投げかけられたという面がございます。そういう意味におきまして、これは利率とは若干意味が違います。しかし、公庫でやっている例もないということで、利率との関係が一体どういうことになるのかとか、いろんな詰めていく面がたくさんございます。片や御指摘の趣旨だと思いますが、ユーザーに負担をかけるということになるわけでございまして、そこら辺、あわせて十分慎重に検討してまいりたいという御答弁を申し上げた次第でございます。
#126
○上田耕一郎君 どうもやっぱり慎重にというのがくっつくので心配なんですけれども、そこは断固やってほしいと思うんですね。大臣はいかがですか、この問題では、手数料問題。
#127
○国務大臣(木部佳昭君) 私自身はまだそういう話は聞いておりません。したがって、今、局長からも申し上げましたように、私自身は、断固という言葉はあれですが、聞いておらないというのが現状であります。したがって、先ほど来私、答弁申し上げておりますように、国民のニーズにいかにして量から質の時代にこたえていくか、そういうふうな考え方の上に立ってこれから行政を行っていこうという決意でございますから、もし万が一、今聞いておりませんが、そうした予算要求の中で大蔵省の考え方が出ましても、私は先生と同じような考え方で努力をしたい、こう思っております。
#128
○上田耕一郎君 家を建てたいと考える、望んでいる国民だけじゃなくて、五十万の建設業者にとってもとの金融公庫問題というのは非常に大きな問題なので、大臣の今の御答弁どおりやっていただきたいと思います。
 もう一つ政治的な大問題になろうとしているのは補助金の削減問題で、これは概算要求段階では公共事業についてはなかったはずで、生活保護その他の厚生省中心の約二千三百六十五億、これが地方自治体に肩がわりというのが出たわけですね、一律一〇%カット。ところが、その後ですね、公共事業についても約一千億から二千億、公共事業の高率のものを一〇%カットというのが出てきて、建設省関係では二分の一を超える高率補助の一律一〇%削減、かき上げ措置の廃止というのが出されているわけですね。新聞報道によると、財政審の第一特別部会に補助金合理化問題の小委員会ができて伊部恭之助住友銀行最高顧問が委員長、十二月十一日、火曜日にも報告書を取りまとめるとなっておる。もうすぐですよね。
 日経の十一月二十一日付では、かさ上げ措置を五十九年度で停止する。道路、河川は一一%、下水道は二五%から三三%引き下げる。つまり、例えば七五%のやつは五〇%にしちゃうというわけですな。それで日経の十二月三日付には、こういうものを実行するのに三十から四十の法改正が必要なので、それを一括して補助金削減の法案を今国会に出すという報道があって、これで浮く財源は四千億円から五千億円となっているんですね。
 特に、下水道は大問題で、私もこの間、下水道促進全国大会に出たのですけれども、一律一〇%どころじゃなくて、下水道については例えばかさ上げ措置十分の四を十分の六にすることでやってきたわけですね。こういうのを停止する、地方自治体に肩がわりする。新聞報道によると、地方自治体に肩がわりして交付税で少し面倒を見るとか、総事業費は余り減らぬのだとか、いろいろありますけれども、今は地方自治体に、概算要求の二千三百億のカットでも大変な問題になっているのに、公共事業費のこういうものをやると大変なことになって、先ほども馬場委員の下水道五カ年計画についての答弁では、七二・三%の進捗率だという答弁もあったわけですね。この下水道の、道路もそうですけれども、かさ上げ停止なんということになると大変なことになるので、自治省は補助金カットに断固反対してやっておりますが、建設省も公共事業費関係の補助率カットについては、ぜひ自治省に負けない断固たる態度で闘っていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#129
○政府委員(豊蔵一君) 私どもは八月末に六十年度の概算要求をいたす作業に入っております。財政当局の方から非公式に、公共事業も、といいますのは、非公共事業につきまして補助率の引き下げといったようなことを各省から概算要求段階で出すような方向に進みつつあるが、公共事業関係のカットについてもできたらそういったことも考えてもらえないだろうかということがあったことは事実でございます。しかしながら、私どもは現段階におきまして、それぞれの補助率というものは長い歴史の中で地方財政との対応、あるいはまた我々の担当しております社会資本整備のための緊急性、そういったようなことを考えましてできておる、組み立てられておるものでございますので、公共事業のなお促進が必要であるという時期にそのようなことはできないということで、概算要求段階ではお断りをしまして今までどおりの要求にさしていただいております。
 今申しましたような経緯はそういうようなことがあります関係上、財政当局の方では何かの方法でそういったものに手をつけたいという希望はあるのだ、それがまだ引き続いてあるのだろうと想定はされておりますが、現段階まで正式にまだ御相談にあずかっておりませんし、またこれは今、先生から御指摘ありましたように、地方財政にも非常に大きな問題があります。また、その延長線に地方単独事業ということもございますし、軽々にこれについて私ども応ずるわけにいかないということで、御相談があってからのことですけれども、今までそういうものをお断りして、要求しているという姿勢のままで今現在おるところでございます。
#130
○上田耕一郎君 新聞報道で、例えば東京都などでは公共事業費を含めると二百億円新しい負担があるだろうというのが報道されているんですね。かなり大問題で、今、官房長のお話では、まだ正式に記はないということですけれども、正式でなくても新聞にこれだけ出ているので、これをやっぱりやられたらそれこそ重大問題だと思うんですね。正式にないままこれで消えてしまえばいいんですけれども、やっぱり表に出てくることも考えられる。この小委員会が十二日十一日に報告を取りまとめるということですから、そういうものを根拠にして大蔵省が言ってきた場合、建設大臣は概算要求段階で、公共事業費の補助率カットはこれまで積み上げてきたものとして応じられないという態度をとられるそうですが、ぜひ貫いていただきたいと思いますが、一言大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#131
○国務大臣(木部佳昭君) 私は、先ほど来申し上げておりますが、まだ全然、新聞報道ではあれしていますが、聞いておりませんし、またそういうふうな事態があったといたしましても、先ほど来申し上げておりますように、地方に与える影響とか社会資本の充実の立ちおくれとか、そういう点を総合的に判断してみまして、そういう点には応じかねると、そういう考え方で努力をしてまいりたいと思っております。
#132
○上田耕一郎君 次に、概算要求で一億五百万円が盛られたという首都圏中央連絡道路、略称圏央道の問題について質問したいと思います。
 これは高尾山をトンネルでぶち抜くということが入っていて、私ども最初それを聞いたときはまさかと、そんなことがあるはずがないだろうと思ったんですが、路線を拝見いたしますと、やっぱりどうも事実であって、私どもこの十一月十八日に現地調査をかねて高尾山に行ってまいりまして呼びかけましたところ、四、五十名来るかと思ったら何と百五十名ぐらい集まりまして、大変都民の関心がやっぱり強いということを痛感した。
 十二月四日の朝日新聞には「論壇」で投書がありまして、「高尾山トンネル計画に疑問 豊かな自然の生態系を壊す恐れ」という投稿も載っています。大分、世論もやっぱり注目していると思いますので、時間の許す範囲内で幾つかお伺いしたいと思うんですが、まずこの計画の概要とそれから六十年度の予算要求の中身、それから第一期計画、こういうものについて御説明いただきたいと思います。
#133
○政府委員(田中淳七郎君) まず、計画の概要についてお話し申し上げます。
 首都圏中央連絡道路は、東京都心から半径四十ないし五十キロメートルに位置いたしておりまして、横浜とか厚木、八王子、川越、筑波研究学園都市、成田等の中核都市を連絡する道路でございます。これらの地域におきます交通の円滑化と土地利用の適正な誘導を図るとともに、地域開発の基盤としての役割を果たす総延長約二百キロメートルの幹線道路網計画でございます。
 二番目としまして、このうち沿線地域に開発計画が多い、地元からもまた開発の基軸として整備の要望の強い関越自動車道及び中央道間約四十キロメートルにつきまして、昭和六十年度より新規に事業を要求しております。
 それから、この大体の事業費でございますが、関越道と中央道間のうち約三十一キロメートルの事業費が約二千七百億円でございまして、これは日本道路公団によります一般有料道路で採択する予定でございます。残りました約九キロメートルの事業費は約五百億円でございますが、これは建設省の直轄事業としまして国道十六号線のバイパスとしてやりたい、かように考えております。
 それから、この区間の交通量は、供用開始時で約二万台余を考えております。将来、横浜から成田に至る全線が供用されました場合には、これは大分先の話になろうかと思いますが、約四万台余になると予想しております。
 現在の状態でございますが、東京都の八王子の国道二十号線から埼玉県の比企郡に川島町というところがございまして、そこに国道二百五十四号がございます。正確に言いますと国道二百五十四号のバイパスでございますが、それまでの間約五十キロメートル区間につきまして、現在都市計画決定のためのいろんな環境調査その他の準備を進めているところでございます。
 それから、先生御指摘の朝日新聞の十二月四日に出ました田園調布の高等学校の先生の河村先生でございますが、これは十分参考にさせていただいておりまして、現在いろいろ高尾山に与える影響、植物その他いろいろなことがございますので、それらについて目下検討中でございます。
 以上でございます。
#134
○上田耕一郎君 都市計画決定は国道二十号から川島町まで五十キロ、第一期工事は中央道から関越道まで四十キロということになりますね。そうすると、一番私が問題にしたい高尾山のトンネルは第二期工事以後に入っているということになるんですか。
#135
○政府委員(田中淳七郎君) 御指摘のとおり、とりあえず工事をやりますのは関越道の鶴ケ島から中央道の八王子まででございまして、高尾山に関しましては都市計画決定そのものはやらせていただきますけれども、来年度要求の四十キロ区間には入っておりません。
#136
○上田耕一郎君 それは第二期工事になるんですか、横浜までやるときの。
#137
○政府委員(田中淳七郎君) 二期工事をどこにするかにつきましては目下検討中でございまして、多分、先生御指摘のとおり、非常に交通量が多いところを主にいたしますので、まず横浜までの間が二期工事になろうかと思いますが、まだ決めたわけじゃございません。
#138
○上田耕一郎君 約九キロは建設省直轄でやる。これは道路法に基づいてやるわけですね。あと三十・何キロは道路公団でやらせる。そうすると、道路公団の方は有料になって、建設省直轄のところは無料になるんですか。なぜこう二つに分けたんですか。
#139
○政府委員(田中淳七郎君) 本来ならば、この四十キロ区間、全線道路公団の一般有料道路でやればいいのでございますが、三十年間で一応無料化するという採算性の限度額がございますので、したがいまして採算性の限度額が約三十キロである、残り十キロは無料であると、そういうことでございます。
#140
○上田耕一郎君 それぞれ根拠法が違うんですよね。都市計画法に基づいて都市計画事業でやる道路、これは首都高速道路などはそれでやるわけだけれども、今度の場合は直轄の方は道路法でやる、それから公団のところは道路整備特別措置法でやるということになりますね。そるすると、都市計画との関係ですね、これはどうなりますか。
#141
○政府委員(田中淳七郎君) 四車以上の道路は、あるいは延長十キロ以上で四車以上は、現在都市区域は全部都市計画決定でやっております。したがいまして道路公団がやろうと、あるいは直轄でやろうと、あるいはほかの例えば道路公社のようなものがやろうと、全部都市計画決定の手続は必要でございます。したがいまして、例えばその場合に環境アセスメントも必要でございます。
 以上でございます。
#142
○上田耕一郎君 そうしますと、都市計画決定、環境アセスメントをもう始めているというんですけれども、これはいつどろの予定で考えておりますか。
#143
○政府委員(田中淳七郎君) できるだけ早い時期、住民の方々もおられますし、それから都庁、都との合い議も必要でございますし、それから八王子、おのおの市会との合い議も必要でございますので、現在のところはできるだけ早くやりたい、さように考えております。
#144
○上田耕一郎君 私、きのう都庁に行っていろいろ調べてきたんですけれども、都計審が来年二月にやる、それから五、六月にやるとあるんですけれども、できるだけ早くと言われたけれども、これはなかなか大問題だと思うんです。都庁の方は大体来年後半ではないかと言っていましたけれども、少なくとも来年には都市計画決定したいと、そういうそのくらいの考えですか。
#145
○政府委員(田中淳七郎君) 相手があることでございますので明言できませんが、埼玉県内は比較的容易でございます。これは推定でございます。東京都はいろいろの問題を抱えておりますので多少おくれがちであろうかと思いますけれども、いずれにしましても来年度予算要求しますので、六十一年度中には、できれば六十一年度の十月ごろまでにはやりたい、さように考えております。
#146
○上田耕一郎君 どうも非常に急いでいる感じがするんですね。これだけの中身を含んでいるので、東京都は御存じのように国ではまだできていないアセスメント条例ができているんですが、これだけのものだと、少なくとも一年ぐらいアセスメントをやる。ところが建設省は六月から十二月まで、半年でアセスメントを済まそうとしている。非常に急いでいる印象が強い。それから都市計画決定はまだ全くなってないのに、何でこの概算要求一億五百万円ですか、早くも事業化のための予算を、都市計画決定もまだなされていないのに急いでやるんですか。
#147
○政府委員(田中淳七郎君) 一億五百万円といいますのはもちろん要求でございますけれども、一番の決定的な要因は、当該区間の十六号線は、先生御案内かと思いますが、一番整備がおくれておりまして、非常に交通渋滞を起こしているわけでございます。ようやく八王子のところが恐らく来年の暮れぐらいにオープンになろうかと思いますけれども、これも一部有料、一部直轄でやっております。それから埼玉県側のところがまだ二車線でございまして、非常に交通渋滞を来しております。したがいまして、それの代替としてでもこの区間を早くやりたい、そういうことでございまして、決して無理して都市計画決定して何でもかんでもやろうという気は全くございません。
#148
○上田耕一郎君 この圏央道、都内では三つの自然公園を突っ切る。明治の森高尾国定公園、高尾・陣馬都立自然公園、秋川丘陵都立自然公園、三つ貫くんですね。高尾山の場合には、とりわけ非常に貴重な自然なんですけれども、建設省としては高尾山の自然環境をどう認識しておりますか。
#149
○政府委員(田中淳七郎君) 要点は、この際十分勉強さしていただきたいと考えます。
 それから、専門的になりますけれども、この中にも間違いがございます。例えばトンネルの位置が山頂から二百メートル、これは実は三百メートルでございます。
 それから、最近トンネル工法が非常に発達しまして、昔は穴をあけておったわけでございますが、それを穴をあけずに型枠で、水をなるべくトンネル内に流さない、そういう工法をもちろん考えておりますし、それから学者あるいは知識人を入れました委員会を設置しまして、いろいろこれに対する対処も考えておりますし、それから現在既にコンサルトに出しまして、一応その環境アセスメントの原案どおりというか、コンサルタントによる研究はもう既に発注しております。それができるのが来年の三月三十一日、同時並行的に学識経験者等々によります委員会を設置しましていろいろ検討さしていただきたい、かように考えております。
#150
○上田耕一郎君 どうも朝日に投書が出ないと認識が不確かだったようで、朝日の前に赤旗でも大分書きましたので、ひとつ赤旗も読んでおいていただきたいんです。
 環境庁は、高尾山の自然環境について緑の国勢調査などで評価をされているんですけれども、どういう評価をし保全のための対策をどのようにしておるのか、環境庁にお伺いします。
#151
○説明員(瀬田信哉君) 高尾山は、明治百年の記念といたしまして、大阪の箕面とともに昭和四十二年に明治の森高尾国定公園に指定されたものでございます。
 今、先生御質問の緑の国勢調査、これは我が国の自然環境を総合的にとらえる調査でございまして、全国規模でやっているわけでございますけれども、その第二回の緑の国勢調査、正確には自然環境保全基礎調査と申しますけれども、これは昭和五十三年度に実施いたしました。いろいろな調査内容でございますけれども、その一つに特定植物群落調査というものがございます。この特定植物群落調査と申しますのは、原生林に近い自然林がどこにあるかとか、あるいは植物の南限、北限がどうなっているかとかいったものをリストアップしたものでございまして、その中でも高尾山の山頂から山ろくにかけましては、これはもう御案内のとおり、江戸時代は薬王院の寺社林でございました。それからまず御料林になりまして、帝室林野局になり、国有林になってきたというようないきさつがございまして、割合に自然林がそのまま厳正に管理されてきたというようなところでございます。
 植生で申しますと、ミズナラ、ブナ、モミといったやや北方系の温帯林、こう言っておりますけれども、それとカシ、シイといった暖帯林とがちょうどあそこでぶつかっているところでございまして、植物相が非常に複雑になり、かつ豊富であるというようなこともございまして、緑の国勢調査の中では約四百八十ヘクタールでございますけれども、特定植物群落というようなリストアップをしております。ちなみに、国定公園は七百七十七へクタールでございますから、約六割ぐらいになろうかと思います。
 そういった植物相が非常に豊かであるということで、これに付随しまして鳥類、特に森林帯での鳥類が非常に多く生息し、かつ種類も多い、あるいは昆虫相も豊富であるというようなところと私どもは認識しております。そういうこともございまして、東京近郊では非常に数少ない自然状態がいいところであるというふうな認識を持っております。
#152
○上田耕一郎君 行基菩薩が開いてから千二百年というところで、徳川時代もその前も、北条時代も本当に非常に保護されてきたんですね。
 ことに「高尾山小史」という薬王院のあれがありますけれども、北条氏照八王子城主、「山内の竹木一草なりとも取るものがあれば、その首を切る」と書いてあるんですね。これは建設大臣、トンネルなんか掘ったら、北条氏照がいなくてよかったですよ、首を切られるところだった。そのぐらい非常に厳重に保護されてきたために、今環境庁が話されたような極めて貴重な自然なんですね。昆虫については日本三大生息地、大阪の箕面、京都の貴船と、昆虫のメッカと言われて六千種類いる。例えば一億六千万年前からのムカシトンボとか、ギフチョウとか、オオムラサキとか、そういうところで、それから植物も千六百種、野鳥八十種、非常に貴重な自然があるところなんですね。イヌブナの林なども普通千メートルのところにあるんだそうですけれども、四、五百メートルのところにイヌブナの林もあるというところですが、道路局長、自然公園法に基づいてどういう指定になっているか、よく御存じですか。
#153
○政府委員(田中淳七郎君) 国定公園の第一種、第二種、第三種になっておりまして、今考えておりますルートどおりであれば、第一種の山頂から三百メーター下を通る予定である、それは存じ上げております。
 それから、失礼でございますが、先ほど六十一年秋と申し上げましたが、六十年秋の間違いでございますので、手続を経て訂正させていただきます。
#154
○上田耕一郎君 山頂のところは第一種特別地域になっていますね。第一種特別地域は、環境庁もよく御存じですけれども、私も環境庁からいろいろお伺いしてなるほどと思ったんですが、第一種というのは特別保護地区に準ずるというもので、極力景観を保護するというところなんですね。極力保護するという特別保護地区に準ずるほどの保護の必要な場所です。それから鳥獣保護地域にも指定されている。
 ただ、私いろいろ環境庁に聞いて、鳥獣保護の法律はある、自然保護、環境保護についても法律がある。昆虫はあるのかと言ったら、昆虫はないんですな。文化財保護法だけだと言うんです。なるほど文化財保護法で動物、植物――昆虫も動物に入るのだろうと思うんですけれども、天然記念物指定ができるというんです。ムカシトンボなんかできるかもしれぬけれども、昆虫については保護法律がない。すべて昆虫を保護しろなんてことになると、なかなか蚊も殺せないことになって大変ですけれども、こういう高尾山の昆虫のメッカというようなところが、法律がないにしても、なければないほど我々全体がここで守らなきゃならぬ、そういうところだと思うんですね。
 私、十一月十八日に調査をしまして、東京都の自然環境保全審議会委員の大和田一紘さんなど専門家の御意見も聞きました。それから高尾自然科学博物館の館長や館員さんの御意見もやっぱり聞きました。第一種特別地域でもいろいろどこでも問題が起きますわな。南アルプスのスーパー林道だとか北海道の日高だとか奥鬼怒だとかいろいろ問題が起きていて、問題が起きて、結局トンネルでということが一つの解決方法になっている経験もあるんですけれども、どうもだから建設省は高尾山を最初からトンネルでやれば大丈夫だろうと思ったのではないかと思うんですけれども、実際に専門家や東京都の高尾自然科学博物館の館員の方々の御意見は一致してトンネルでも大変なことになる、破壊的影響を及ぼすのではないか、そういう非常に根拠ある御意見でした。
 まず第一に、千二百四十メートルのトンネルを直径十メートル二本抜くわけでしょう。そうすると、やっぱり地下水の水脈ですね、トンネル工法が非常に進んだとおっしゃるけれども、水脈に、あそこの微妙ないろんなバランスに変化をもたらす。私ども自然探求路の六号を歩いてきましたが、あそこは水がずっと、晴れた日でも湿気の多い場所なんですね、琵琶滝の横ですけれども。地下水に必ず影響が起きるだろうというのが第一点です。
 第二点に、中央道とのジャンクションですね。これが高さ四十メートルの膨大な、今あるあそこの老人ホームなども全部つぶすのだろうと思うんですが、あの谷合いに膨大な中央道とのジャンクションができるんですね。ところが、あそこにジャンクションができると、排気ガスは谷を伝って上っていく。その谷を伝って上っていくところに、極めて貴重なイヌブナの林がある。これは恐らく全滅するだろうと、皆さん一致して言う。イヌブナの林が全滅するとイヌブナの葉っぱを食べている昆虫が恐らくだめになる、その昆虫を食べている野鳥がだめになるであろうと、そう言います。それからあのジャンクションのところで車の騒音が必ず激しくなる、今でも中央道は走っていますが、そこへジャンクションができる。野鳥に騒音が影響を必ずするであろうというわけですね。
 だから地下水、それから景観は、もちろんあんなところに新しい近代的ジャンクションができますと景観にももちろん響く。地下水、それからイヌブナの林に対する排気ガス、昆虫、野鳥、騒音の影響、それから梅ノ木平の方に抜けるんですけれども、そこからも排気ガスが谷を下って高尾山のケーブルカーの登り口ですね、あそこのところに流れていくだろうと、そう言う。あそこは、今も環境庁の御説明がありましたけれども、暖帯と温帯の境目にあって非常に微妙なバランスで生態がつくられている、植物の植生、動植物の生態が。そのバランスに手を加えると取り返しのつかぬことになるだろうというのが、私どもが聞いた専門家の一致した意見だった。建設省としてはそういうことを、これからアセスメントをやる、朝日のあれでも読んだとおっしゃるのだけれども、予想していたんですか、そういうような事態について。
#155
○政府委員(田中淳七郎君) いわゆる路線の選定、決して初めからそこをねらったわけじゃございませんので、まず路線の選定に当たりましては、先生御案内のように、地域の土地利用の状況あるいは交通需要の動向、自然環境、地形、地質、社会的自然的条件を総合的に勘案したものでございまして、本路線につきましては、八王子市街地通過をまず避けたということ、それから国の指定史跡でございます八王子のお城の跡でございますね、それへの影響を避けた。それから中央自動車道との連結の必要性等々を勘案しまして総合的に判断した結果、今のルートが一番いいであろうということでございます。
 それから、先ほどトンネル構造につきましては、NATM工法その他のことについて申し上げましたが、なるべく水が入ってこないように、それからトンネル坑口付近でございますが、それの植生につきましても、その影響をできるだけ少なくするよう路線選定に当たって配慮をしております。それでも自然環境の保全につきましてはいろいろ難しい問題がございますので、さらに慎重に検討が必要ではないかと考えておりまして、今後詳細な調査を行うとともに、専門家の意見等を取り入れて環境影響評価を実施し、適切な処置を講じてまいりたいと考えております。
 それからなお、本路線の自然環境の保全につきましては、もちろん東京都知事と十分協議してまいりたいと考えております。
 それから、先ほど環境庁さんの方から御説明がございましたが、いろいろな昆虫がどうだとか、あるいは植物がどうなっているかということは、もう全部路線選定に当たって建設省も調べてございます。
 以上でございます。
#156
○上田耕一郎君 建設省も、何ですか、ちょっとはっきり聞こえなかった。
#157
○政府委員(田中淳七郎君) 植物が約一千六百種類、大体日本列島におきます植物総数の四分の一から五分の一に相当する量であろうかと思います。それから昆虫が約四千種類、これは推定でございます。それから鳥類が約百種類、哺乳類が約二十種類、爬虫類が約十五種類、両生類が約十五種類と、そういうことで、公園面積が四百八十ヘクタールで全域が第一種から第三種特別地域になっておりまして、先ほど御説明申し上げましたように、一部第三種区域と第一種区域と、また第三種区域を通るということでございます。
#158
○上田耕一郎君 お読みになったこの朝日の記事にも、日光の戦場ケ原は有数の高層湿原だったんだが、国道が通って乾燥してしまって高層湿原特有の生態系は姿を消したということが書かれていて、大丈夫だと思ってやっても、やっぱり非常に微妙な自然を一度壊したら取り返しがつかなくなる。千二百年守られてきたこの高尾山、年間二百五十万人が行っておりますし、私どもも東京の小学校で遠足で行ってから、私なんかも六、七回やっぱり行っていますよね。そういうところをもし壊したら、本当に取り返しがつかないことになると思うんです。
 アセスメントについては東京都は条例があるんですが、ここに十五項目、第十条で決まっていて、「選択する」となっていますけれども、建設省としてはこの十五項目の選択を、今私が述べたような特に自然環境ですね、これについては、例えば地下水の問題はここに出てないんだけれども、こういうものも、地下水などもやっぱりボーリングするなど、そういうことで環境アセスメントを完全にやるおつもりですか。
#159
○政府委員(田中淳七郎君) 東京都には東京都の環境基準があるのはもちろん知っておりますし、今東京都とどうするかについて詰めております。
#160
○上田耕一郎君 局長は都知事とよく協議すると言われたけれども、環境庁との協議が必要だと思うんですが、環境庁いかがですか。
#161
○説明員(瀬田信哉君) 高尾山は国定公園でございますので、国定公園の場合、都道府県知事の申し出に基づきまして環境庁長官が審議会の意見を聞いて指定するわけでございますけれども、管理は知事に任されております。そういうことがございますので、国定公園の特別地域内に道路を開設する、あるいは森林を伐採するといったことにつきましては知事権限ということで、許可を知事の方がするということになっております。
#162
○上田耕一郎君 私がきのう環境庁から聞いた話と違うな。五十四年六日三十日の環境庁からの通知があるんですよね。この通知の「国定公園に関するもの」、「次に掲げる行為に関する処分については、都道府県知事の意見を添えあらかじめ自然保護局長に協議するものとする。」。この中で「ハ 特別保護地区又は第一種特別地域にかかる車道の開設」となっているわけだから、やっぱりこの第一種特別地域の下をトンネル掘るわけですからぬ。とにかくきのう私は環境庁の方から、この通知がありますので高尾山に関しては環境庁と協議が必要だと思いますと、そう言っていましたが、いかがですか。
#163
○説明員(瀬田信哉君) 先生御指摘のとおりでございまして、建前で申しますと、これは知事の権限でございますから、まず知事が判断をされる。その中で実は国定公園、県境をまたいでいるもの等々ございますので、ある県ではこういう取り扱いをしている、ある県ではこういう取り扱いだということのそごを来して、いろいろと風致景観に県をまたいで差ができたら困るものでございますから、自然保護局長の都道府県への通知という形をとっておりますけれども、第一種特別地域、それから特別保護地区を通過する道路については処分をする前にあらかじめ自然保護局長に協議をしてくださいと、こういうことになっております。
 道路以外にもダムでございますとか発電所でございますとか、そういう巨大な工作物、これは数字で三万立米を超えるというような数字が入っておりますけれども、そういったものについては処分をされる前に環境庁の方にも協議をして相談をしてくださいよと、こういうことでございます。
#164
○委員長(本岡昭次君) 上田君、時間が参りました。
#165
○上田耕一郎君 もう時間も参りました。今の第一種特別地域ですし、その次に「その他国定公園の風致景観又は行為地周辺の環境に著しい影響を与えるおそれのある行為」というのがありますので、石本環境庁長官、御婦人の大臣として非常に注目されておりますけれども、初仕事の一つになるのか、やっぱりこの高尾山の自然保護を守るために、ぜひ環境庁として関心を持って積極的にやっていただきたいと思います。
 もう時間も参りましたが、大臣、これも初めてお聞きになることだと思いますけれども、以上のような経過で、圏央道そのものの是非もいろいろあるかとも思いますけれども、私どももその必要性の要素についても状況をお聞きしますとわかる点もあるんですが、とにかくきょうは、やっぱりこの高尾山の自然保護という、緑を守る問題というのは非常に関心が強くなっておりまして、都民に関する世論調査(五十八年七月)でも、道路建設、宅地開発を多少抑えても緑を確保すべきだという問いに、七七・九%が緑を守れということを述べて賛成しているんですね。それだけ世論も大きいので、ぜひこの高尾山の自然保護に、建設大臣もこの圏央道問題を、ひとつ大きな問題として自然保護に関心を払って、仕事を進めていただきたいと思います。環境庁とそれから建設大臣のお二人の意見を聞いて、質問を終わりたいと思います。
#166
○説明員(瀬田信哉君) 首都圏中央道路が、高尾山の第一種特別地域をトンネル部分で通過するというふうなことは聞いておりますけれども、私どもの方も当然慎重に、知事から協議が参りましたときには指導をしてまいりたいというふうに考えておりますけれども、何せ工事の実施に際して協議が参るわけでございますので、相当後になるかというふうに考えております。
#167
○国務大臣(木部佳昭君) 私も一回だけ高尾山に上がったことがあるわけでして、先ほど来お話がありましたように、すばらしいある意味では国民的資産でありますから、本路線の計画を進めるに当たりましては、自然保護に十二分の配慮をして努力してまいりたいと、こう考えております。
#168
○上田耕一郎君 終わります。
#169
○委員長(本岡昭次君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#170
○委員長(本岡昭次君) 委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 自然休会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#171
○委員長(本岡昭次君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト