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1984/03/28 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 建設委員会 第6号
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1984/03/28 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 建設委員会 第6号

#1
第102回国会 建設委員会 第6号
昭和六十年三月二十八日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     山中 郁子君     下田 京子君
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     下田 京子君     山中 郁子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         本岡 昭次君
    理 事
                堀内 俊夫君
                増岡 康治君
                増田  盛君
                青木 薪次君
    委 員
                安孫子藤吉君
                井上 吉夫君
                植木 光教君
                遠藤  要君
                工藤万砂美君
                志村 哲良君
                服部 安司君
                福田 宏一君
                松本 英一君
                白木義一郎君
                二宮 文造君
                馬場  富君
                上田耕一郎君
                山中 郁子君
                山田  勇君
   国務大臣
       建 設 大 臣  木部 佳昭君
   政府委員
       建設大臣官房長  豊蔵  一君
       建設大臣官房総
       務審議官     松原 青美君
       建設省建設経済
       局長       高橋  進君
       建設省都市局長  梶原  拓君
       建設省道路局長  田中淳七郎君
       建設省住宅局長  吉沢 奎介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田熊初太郎君
   説明員
       大蔵省主税局税
       制第一課長    濱本 英輔君
       国税庁直税部資
       産税課長     庄島  修君
       農林水産省構造
       改善局農政部農
       政課長      入澤  肇君
       自治省税務局固
       定資産税課長   鶴岡 啓一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○道路整備緊急措置法及び道路整備特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(本岡昭次君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二十七日、山中郁子君が委員を辞任され、その補欠として下田京子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(本岡昭次君) 農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案及び特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括して議題といたします。
 前回、両案に対する趣旨説明は聴取しておりますので、これより直ちに質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○青木薪次君 青木であります。
 住宅着工の統計を見てまいりますと、最近の住宅建設は持ち家系の住宅が非常に減少しております。そして、貸し家住宅が急速に伸びてきているわけであります。実は、賃貸住宅ブームとさえ言われているわけでありますが、最近のこの賃貸住宅の好調原因というものをどういうように建設省として見ているかということは非常に大きな問題だと思うのであります。
 ちなみに、五十七年には持ち家が五十八万四千百八十二軒、貸し家が三十一万五千四百四十八軒ということであります。五十八年には持ち家が四十七万八千八百三十三軒、少しずつ落ち込んでまいりました。それから貸し家が三十九万四千四百九十五軒ということで、急速に八万軒も一年間で伸びました。それから昭和五十九年には持ち家が四十六万九千八百七十九軒、貸し家が何と四十六万四千三百八軒、したがって十五万軒余も二年間でふえたのであります。この点についてどういうような考え方を持っているのか、いわゆる情勢の認識ということから出発しなきゃならぬと思うのでありますが、御答弁をいただきます。
#5
○政府委員(吉沢奎介君) お答え申し上げます。
 最近の住宅の着工戸数の動向を見ますと、ただいま先生御指摘のございましたように、持ち家が伸び悩んでいるというか若干減少をいたしております。それから貸し家の方はブームと言われるほどの伸びを示しているわけでございます。一番新しいところで申しますと、昭和五十九年度でございますが、これが六十年の一月までの結果が出ておりますが、これで見ますと、持ち家の伸びというのは〇・二%減、貸し家の方は一九・三%増ということでございまして、相変わらず状態は続いておるということになっております。
 この原因としましていろいろなことが考えられるわけでございます。例えば持ち家につきましては、従来言われております国民の住宅取得能力というものと取得価格というものとの間の乖離というものが持ち家の伸びを妨げておったわけでございますが、この乖離というものが依然まだ存在をしておるということだろうと思います。
 それから貸し家建設が好調であるということは、需要面で見ますと、国民の住宅に対する意識、つまり貸し家でもいいとか、あるいは貸し家の方がいいとか、そういった持ち家志向が徐々に変わってきているのではないかというその意識の変化の問題、それから単身者とかあるいは小人数世帯が非常にふえておりますので、こういうことも要因であろうかと思っております。
 それから供給面で見ますと、地価が安定しておりまして、貸し家経営というものについての意欲が土地所有者の間で高まってきているのではないかというような要因が考えられます。
#6
○青木薪次君 今、住宅局長のおっしゃったような点を私も考えておりますが、今言いましたのは、やっぱり国民の住宅に対するニーズの変化、このことが総じて言えると思うのでありますが、このために国の住宅政策の転換ということが図られなければならないということになろうかと思うのであります。
 六十一年度からスタートする第五期住宅建設五カ年計画においては、今、局長の答弁にあった点を加味いたしまして考えていくということが一番必要なことではないかと思うのでありますが、現在の政府の考えているのは持ち家政策をそのまま続けていくという延長線でしかないわけでありますから、この点をどうするか。日本の住宅はウサギ小屋だということが指摘されております。それから夫婦と子供二人、四人家族で五十平米というようなものが、これが相当よくなった時点における標準的な面積ではないかと思うのでありますが、この点においても若干問題があるというように言わなきゃならぬと思うのでありまして、そういう点からこれから賃貸住宅をどう位置づけるかという点について方針を聞かせてもらいたいと思います。
#7
○政府委員(吉沢奎介君) 住宅政策の進め方の問題でございまして、基本的には国民の住宅に対する需要というものを踏まえながら持ち家対策あるいは借家対策というもの、両方ともバランスよく展開していくということが必要であるわけでございます。よく、建設省といいますか我が国の住宅政策は従来持ち家中心だという言われ方をしておるわけでございますけれども、実は私どもは必ずしもそうは考えておりませんで、持ち家については御存じのように住宅金融公庫融資を中心といたしましていろいろやってきているわけでございますが、これとあわせて、借家対策といたしましても公的賃貸住宅の的確な供給あるいは各種施策民賃、そういうようなものを通じまして良質な賃貸住宅の供給というものに努めてきているつもりでございます。
 御指摘のように、良質な賃貸住宅が不足しているということは確かでございまして、今後この面に力を注いでいかなければならないということも確かでございます。ただ、今のいわゆるブーム的になっている賃貸住宅の伸びというものが果たして俗に言う本物であるのかどうかということについては、もう少しこの動向を見きわめなければならない面もあろうかと思っております。
 いずれにいたしましても、今後の住宅政策につきまして、ただいま住宅宅地審議会においていっろいろ御議論をいただいておりまして、近く御答申をいただき、六十一年から新しい計画をつくっていかなければならないわけでございますけれども、その際に、この賃貸住宅の問題についても大きな要素として御議論いただいておるところでございます。
#8
○青木薪次君 農住法の関係でお伺いいたしたいと思うのでありますが、農住賃貸住宅建設の実績を見ますと、五十六年度以降好調であります。年々増加傾向にあることは否めません。これは最近の賃貸住宅ブームの反映だと思うのでありまするけれども、この点について建設省はどう見ていますか。
#9
○政府委員(吉沢奎介君) 御指摘のように農住建設の実績がやや伸びてきて非常に喜んでいるわけでございますけれども、この理由としましては、先生おっしゃいましたように、いわゆる最近のブームの反映ということもございます。最近景気が落ちついてきているということを反映しまして建設費も安定しておりまして、そういう面でこういう賃貸住宅が伸びてきているのではないかという要素はございます。
 ただ、この農賃について特に申しますと、農協が中心になってこの制度を運用といいますか促進しているわけでございますが、農協が特に農家の経営安定の方策の一つとしまして賃貸住宅経営というものをやったらどうかということで、そこら辺に非常に力を注ぎ始めているということが一つの大きな要因ではなかろうかと思います。また、建設省としましても、関係機関を通じましてこの事業の促進を図っているところでございます。
#10
○青木薪次君 この利子補給の契約戸数が昭和五十五年に五百一戸だった。それが五十六年に千百三十三戸になりました。五十七年に千五百九十、五十八年に千九百六十九、五十九年に二千戸、統計を見ますとこういう形で伸びてきているわけです。それから六十年度は、五十九年度に比べまして一千戸増の三千戸を計画しているんですね。いかに賃貸住宅ブームとはいえ、私は率直に言って多過ぎるのじゃないかという気がしないでもないんです。今、局長も、これが本物かどうかということで、ある程度疑問を当局者としても投げかけているという答弁がございまして、その辺の達成の見通しについて若干の危惧を持っているわけであります。農家の意欲が、土地を手放すよりも住宅建設、貸し家志向の方が安定している、今もおっしゃったように農協が裏支えしているというようなこともありまして、税金やその他の関係もあり、この方向に走っているというように私は見ているわけでありますが、その点いかがですか。
#11
○政府委員(吉沢奎介君) おっしゃるように、土地を手放したがらないということ、手放すよりはその土地を利用して何かすればいい。ところが、ひところ非常に経済成長が盛んな時代には、ただ土地を持っているだけでいいというような時代もあったわけでございますけれども、最近は、経済が安定してまいりますと土地をなるべく有効に使いたい、そのために借家経営というものが見直されるといいますか、これがいいということでふえてきている面があるわけでございます。それにまた、先生の御指摘にあったような税金面での優遇策があるということも大きな要素の一つではないかと考えております。
 それで、予算戸数三千戸というのが多過ぎるのではないかというお話がございました。御指摘のあったように、次第にこの農住の建設戸数はおかげさまでふえてきておるわけでございますけれども、五十九年度、まだ終わってはおりませんが、これは二千戸を完全に達成いたします。しかも、御要望の方はさらに千ぐらい余分に御要望がございまして、これを言ってみれば後送りさせていただいているという状況もございまして、そういう点から見ればこの三千戸は今のところ十分に達成できるという自信を持っておる状況でございます。
#12
○青木薪次君 農住賃貸住宅の建設状況で、地域別に見てみますと非常にばらつきがありますね。どの地域で増加しているかという点が非常に関心の的でありますけれども、その点と同時に、私は静岡県の出身ですが、静岡県は二千三百三十八軒、これは四十六年度から五十九年度の府県別の実績です。ところが、東京を見ますと、これがたった五百七十五軒、大阪に至っては五十六軒しかないんです。この現状は、これは私は相当関心を持たざるを得ない事態だと思うのでありますが、その点はいかがですか。
#13
○政府委員(吉沢奎介君) この農住制度の普及につきまして、農業団体を通じて積極的に推進してきました。前回の改正以降三カ年間においても新しく五県が事業実施をするというようなことになってきているわけでございます。そういった意味で、PRの不足といいますか、そういう面も確かに挙げられるわけでございまして、私どもこれは大いに反省しているわけでございますけれども、しかし現在まだ北海道、京都府、それからほかの県、十一の道府県が実績ゼロになっておるわけでございます。これは申し上げましたようなPRの問題等による制度の浸透がまだ余り図られていないという面が一つにはあろうかと思いますが、そのほかに実はいろいろな要因が考えられるわけでございます。
 例えば、地域によりましては賃貸住宅の需要が非常に少ないという土地柄のところもございます。また、これは農地の所有者がこういった賃貸住宅を建てて、その農地の利用を図っていくということに踏み切れないというような地域もございます。あるいは沖縄とか北海道とかいうようなところは、こういう市街化区域の中で水田が余りまとまっていないということで、この制度に乗り切れないというようなところもございます。あるいは、御指摘のございました例えば実績がほとんどない大阪について申しますと、大阪については実は特賃が非常に伸びておるわけでございまして、農賃を使わずに特賃で運用しているというところもございます。東京においても特賃が多いわけでございますけれども、こういったほかの制度によってやっているというところもございまして、理由としてはいろいろあるわけでございます。私ども、こういったところにつきまして従前にも増して積極的なPR、指導等を行ってまいりたいと思っております。
#14
○青木薪次君 今、局長の言いました国の利子補給制度は、この農住制度のほかに今言われた特賃制度あるいはまた土地担保の賃貸住宅とかあるいはまた民賃といわれる民営の賃貸用の特定分譲住宅とかいろいろありますけれども、今、局長が特賃ということを言われましたから、特賃の問題を例にとって言いますと、五十九年度の実績で見てまいりますと、私は農住が二千戸にふえてきた、こう言いました。ところが、特賃は一万五千戸と圧倒的に多いんですね。この点はいろいろ言われると思うのでありまするけれども、やっぱり内容が違う、それからサービスが違う、内容が充実をしているといいますか、そういう点が言えるのじゃないかと思うのでありますけれども、実績にこれだけの差があるのは一体どういうわけだろうかという点について住宅局はどう考えているか、お伺いします。
#15
○政府委員(吉沢奎介君) 御指摘のように、この制度が両制度とも発足しましてから五十九年度までの数字を見てみますと、農住は約二万戸でございます。特賃は七万八千戸建設されておるわけでございます。特賃は農住に比べてかなりの実績を上げているわけでございます。
 この理由というのは、両制度ねらいが一つ違うということが大きな原因だと思うわけでございます。農住制度は、水田を含む農地を活用しまして一定の良好な団地を形成するということを目的にしておる、団地形成が目的だということでございます。したがいまして、その立地の場所といたしましても、市街化区域の周辺部といいますか、縁辺部と申しますか、端の方で土地が比較的広くあいているというようなところに建設されるものでございます。
 それに対しまして、特賃制度というのは、既成市街地の中の未利用地を活用するということでございまして、例えば木賃アパートを建てかえるとかというようなことで敷地要件も千平米以上ということで、千平米でも構わないということでございまして、早く言えば一つマンションを建てるということも特賃制度においてはできるわけでございます。
 こういったように制度の目的が違いまして、しかも特賃制度はそういうことから大都市地域の賃貸住宅の需要の多いところで活用されている。大阪、東京などで活用されているわけでございまして、そういう意味から実績も多くなってくるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#16
○青木薪次君 どちらの制度によろうといたしましても、要は今、局長の言った市街地の周辺の農地や未利用地の宅地化が進んで賃貸住宅が建設されればよいということになるでありましょうけれども、国民のニーズが賃貸住宅志向へ向かいつつある現状を考慮いたしますと、両制度の条件面での拡充、改善ということを進めまして、さらにその促進を図るべきだと思うんです。しかるに、条件面での改善が進んでいないんですね。農住制度は、前回に引き続いて今回も改善が見送られているんです。だんだんと進んできたことは認めます。
 資料によりますと、四十七年の七月六日には一団地の基準の緩和が二ヘクタール以上または二百五十戸以上というのが一ヘクタール以上または五十戸以上、こういうふうに改善された。それからその後ずっと貸家組合法の廃止に伴っての融資対象者から貸家組合を削除するとか、あるいはまた政令で定める率を五・〇五%と定めるとか、あるいはまた五・〇五%から五・五%ということになったわけでありますが、一団地の面積の二分の一以上または一ヘクタール以上が一団地の面積の二分の一以上または〇・五ヘクタール以上、こういうように改善が昭和五十六年まではあったんですね。ところが、五十七年三月三十一日の改正のときにも延長だけで終わった。それから六十年三月の今回の場合にもこの適用期限を単に単純延長するだけだということになっているわけでありまして、制度的にいじっていない点がやはり問題じゃないかというように私は思うんです。
 ですから、こういうように道路が発達いたしてまいりますと、今日の居住空間の活用という問題は非常にこれは変わったと思うんですよ。そういう点から制度的に、もう既にこれがいいということであるならば、国民の志向がそこにあるならば、それは私はやっぱり制度をいじる必要がある時期に来ている、こう思うのでありまするけれども、さらに一歩踏み込んで制度をいじる気持ちがあるかないか、こういう点をお伺いいたしたいと思います。
#17
○政府委員(吉沢奎介君) 先生御指摘のように今までいろいろな内容の改善をしてきたわけでございますが、前回の改正時点、今回におきましても直の制度面については改善をしておらないわけでございます。ただ、どこが厳しいかということになりますと、面積要件あるいは規模要件だろうと思うわけでございますけれども、面積要件の方は、これは申し上げましたように、この農住制度のねらいというのが市街地の周辺部で団地形成をねらいとしているというところにあるわけでございまして、この面積要件をさらに切り下げるのはどうかということでちゅうちょしているわけでございます。
 特にまた、水田要件というものにつきましても、これも大分切り下げてきてはおるわけでございますし、また別の特例の法律では水田要件を撤廃しているというようなこともあるわけでございますけれども、やはりこの農住法の仕組みそれ自体が、目的でおわかりのように、農地を利用した良好な賃貸住宅の建設を促進するということと、それから水田の減反政策の一環という面が大きな二つの柱となって法律ができているという点もございまして、水田要件をさらに切り下げるということについては問題があろうかということで現在に至っているわけでございます。
 また、規模要件が厳し過ぎるという点につきましては、農住は主として世帯向きの良質な賃貸住宅を供給するということでございまして、例えば特質とか民賃などは単身者向けでもいいというような、そういう違いもございます。そういうようなことでございますが、現在の段階では、私ども前回の改正時点から今日までに金利面では融資条件を九%から八・五にし、また今回八に切り下げるという一種のユーザーにとっての条件改善をしてまいっておるわけでございます。当面、このような形で対処してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#18
○青木薪次君 今御答弁のありましたように、農住法の目的というのは賃貸住宅の建設促進と水田の宅地化、特に水田の宅地化という点を強調されたわけでありますが、要は賃貸住宅の供給促進だと思うんですね。したがって、団地の規模要件などはもっと私はやはり改善した方がいいのではないだろうか、水田要件なんかについてももっと引き下げる、検討をする意思があるかないか。特賃は千平米ですから、その点を考慮して将来検討する、ここでもってすぐやるというのじゃない、検討するという約束ができるかどうか。
#19
○政府委員(吉沢奎介君) この法律は、法律の柱に、申し上げたように、水田要件といいますか、今で申しますと農水省の水田利用再編対策というようなものにも大きな影響を持った形で法律ができ上がっておるわけでございます。農水省の方の水田利用再編対策というものの推移というものも今後見守ってまいらなくてはならないわけでございまして、そういった意味から申しますと、これは当然私どももその推移を見ながら検討を重ね、また見直しなども考えていかなくてはならないのではないかというふうに考えております。
#20
○青木薪次君 検討をするということで御答弁がありましたので次に進みますけれども、要は居住環境が良好な賃貸住宅の供給という観点からすれば確かに一定規模の広がりを持った団地が望ましいけれども、それにしても他の同様な制度であるところの特賃、民賃等の敷地面積要件と比較すると農住は非常に厳し過ぎるという点が指摘されておりますように、この弾力的な運用というような問題等についてもう少し考えていただいた方がいいのじゃないだろうか、こういうように考えているわけでございます。
 この民賃や特賃が単身者向け住宅を認めているのに、この農住では認められてないんですね。この点は一体どういうわけかということと、最近は単身赴任が多いのでありまするけれども、単身者向けの住宅の需要も増大をいたしているわけであります。したがって、その点等も考慮いたしまして、民賃というものについては単身者向けの住宅を十六平米以上、あるいは単身者向け住宅の特賃の場合においては十八平米以上というように、農地所有者の関係の点についてはこの単身者問題等については何にも考えていないわけですから、その点についての関係についてひとつ御答弁を願いたい。
#21
○政府委員(吉沢奎介君) 先ほど申し上げましたように、これは一つの制度の仕組みというか、そういうことでこの農賃につきましては都市の周辺部において、要するに都心よりはかなり離れたところにおいて一つの住環境を整備していく、団地形成を図っていくというところにねらいがあるわけでございます。お年寄りの単身者などはあるいはそういうところの方がいいのかもしれません。ただし、若年単身者などを考えますと、これはやはり都心に近いところにしかるべき賃貸住宅をお持ちになる方がいいのじゃないか。そういうことで郊外の方は家族向きのそういう団地形成ということを考えておったわけでございますが、ただ、今私も申し上げましたように、今後の単身者、老人単身者等もふえてまいりますので、そういったことも考えて、単身者も入居できるように、現在も入居しては絶対いけないというわけではないんですが、家の規模から見て単身者では入居しづらいような状態になっておりますので、そこら辺についてはやはり検討させていただきたいと思っております。
#22
○青木薪次君 これは、ひとつ前向きに検討してみてください。
 それから賃貸住宅と持ち家系住宅の床面積を比べてみますと、持ち家系住宅が圧倒的に多くて、このことが政府の持ち家重視の住宅政策の論拠の一つになっているわけです。しかし、現実には持ち家の新設が伸び悩みまして賃貸住宅が急増しているという現状を考えると、今後は賃貸住宅の規模や質をどう高めていくかということが大きな重要な課題になってくると思うのでありますが、農住賃貸住宅の規模や質はどのような変化があるのか、あるいはまたそれを全国の賃貸住宅の平均床面積と比較するとどんなふうになっていくのか、その点をひとつ御答弁願いたいと思います。
#23
○政府委員(吉沢奎介君) 全国の賃貸住宅の平均床面積は大体四十平米台でございます。それから農住の方は大体五十平米台の上の方ないし六十平米、まあ六十平米前後と申し上げましょうか。そういうことでございまして、農住の方が規模の面ではかなりいいということになっておるわけでございます。
#24
○青木薪次君 私は、今日、空き家の状態を非常に心配しているのでありますが、公社、公団の空き家率、公営住宅の空き家率というような点についてはどんなふうに把握しておりますか。
#25
○政府委員(吉沢奎介君) すぐに調べさせますが、公団と公営、公社おのおのの空き家率、今ちょっと手元に資料がございません。すぐに調べてお答え申し上げます。
#26
○青木薪次君 私は、やっぱり空き家の状態が依然として深刻な状態にあると思うんです。私は、戸数もさることながら、質のよい賃貸住宅を提供しないと、相当国民のニーズもさっき言ったように変わってきていますので、その点を相当考慮しなきゃいかぬと思うんですね。
 それから、前々回の建設委員会でしょうか、親子の一世代の住宅からこれからは親子孫と三世代住宅ということがいろいろ言われてきているわけでありますが、今日、バイオテクノロジー関係の科学が進みますと、人生八十歳時代から八十五歳時代に実は移るわけです。そういたしますと、親子孫散り散りばらばらに離れて生活することについて、このごろ国民の志向が、カーつき家つきばば抜きなんという時代から今日、六二%でしょうか、一緒にひとつおじいさんおばあさんとも暮らしたい、こういう志向が出てきております。これは私は非常にいい傾向だと思っているのであります。
 八十五歳のひいじいさんと、それから六十歳代のおじいさん、四十歳代のお父さん、それから十歳なり二十歳のいわゆるひ孫というようなものが一緒に生活するような時代というものがもうここに来ているんですよ。既に食糧やあるいはまた医療の関係等から考えてまいりますと、近くもう五歳延びるだろうということが言われておりますので、その点に私は着目いたしまして、そして建設省としては昭和七十年には住宅問題は解決しますということをいろいろと言っていらっしゃるけれども、私はそこまで考えているだろうかどうだろうかという点については大変心配しているんですよ。ですから、その点についてどういうようにお考えになっているか。私が空き家問題を聞いたのは、あんなところへ行って、あんな狭いところじゃ住まれぬというようなこととか、あるいはまた遠くて高くて狭いといったような時代から脱却する方途を真剣に考えていらっしゃるわけですから、その点についての住宅局長の見解と、私はこれは大臣からもお聞きいたしたいと思っております。
#27
○政府委員(吉沢奎介君) おっしゃるように高齢化社会を迎えているわけでございます。ただ、今後の家族数の推移の傾向を見てまいりますと、おっしゃるような高齢化社会を迎えて多世代同居住宅というものの必要性がなお大きく高まっていくであろうということが一方で言えます。また、その反面、逆に単身者世帯の増加、そして核家族化が一層進んで家族の少人数化が際立っていくということも一方において予想されるわけでございまして、住宅対策の面からいうとこの両面が大変なわけでございます。特に高齢者向き、おっしゃるような三世代六人家族といったようなものの必要性というものも高まってくるわけでございまして、ただいま住宅宅地審議会におきましてもこのような議論が出ておりまして、一部新聞にも報道されておるわけでございますが、今後の居住水準の考え方としては少し今の居住水準を思い切って上げてターゲットを少し高いところに置こうではないかという議論が出ておるわけでございまして、まだ審議会の結論を得ておりませんので確たることは申し上げられませんけれども、そういった方向で大きな目標を掲げて、それに向かって進んでいくということになろうかというふうに思っておるわけでございます。
#28
○国務大臣(木部佳昭君) 先ほど来、青木先生が将来に向かっての展望を交えながらの大変格調の高いいろいろ御指導をいただきまして、感謝を申し上げたいと思います。
 私から今さら申し上げる必要もありませんが、先ほど青木先生からもいろいろ御指摘がありましたとおり、やっぱり国民のニーズというものが非常に大きく変化しておる、この基本的な考え方を私ども建設省としてはしっかり把握しなきゃならぬ、こう私は基本的に思うんです。そして、高齢者の皆さん方が生きがいと安全で快適な余生を送られる住宅なり住まいとしての環境というものを担当する建設省として、今申し上げるように、いかにニーズの変化にこたえなきゃならぬか、これは私は実は基本であるというふうに、全く考え方は同感でございます。
 そういう意味で、先ほど来、農住の住宅の問題についてもいろいろ御意見がございましたが、私どもといたしましても、制度をよりよく発展させるために努力をさせていただきたい、こういうふうに実は思っております。したがって、先ほど局長からいろいろ答えておりますように、審議会等もございますが、もちろん私は審議会としても今、青木先生のいろいろ御指摘になったようなそういう答申が必ず私は出されるもの、そういう期待も実はいたしておるわけでございます。
 話が前後いたしますが、この間も実は私テレビを見ておりましたら、住宅のあれをテレビで放送いたしておりまして、やはり今充足の時代からまさに質の時代に変化しておるわけでございますから、大変農業政策の一環としてある意味では私は考えなきゃいかぬ、そういうふうにも実は思っておるわけであります。
 そうした先ほど来のいろいろな大変格調の高い御指摘を我々もしっかり踏まえて、前向きの姿勢でこれからも新しい時代、またニーズの変化にいかにしてこたえるか、そういう基本的な考え方で最善の努力を尽くさせていただきたい、こう考えておるわけであります。
#29
○青木薪次君 大臣からもそういう答弁があったわけでありますが、農住制度の対象となる賃貸住宅の一戸当たりの専用床面積の規模は三十平米から百二十平米以下ということになっております。それから平均は六十一・六平米ということで相当伸びてきたと思うのでありまするけれども、四人世帯の平均居住水準は八十六平米ということで、農住の規模や質の向上を図っていく必要があるのでありまするけれども、三世代という、先ほど私が申し上げましたおじいさん、おばあさん、それから親子ということで考えてまいりますと、六人家族であったにいたしましても、平均居住水準は百七平米ということになっているわけですね。この点については、そこまで到達する見通しというものについて建設省は考えていますか。
#30
○政府委員(吉沢奎介君) 今百七平米というお話ございまして、私どもこれは人数に対応してやっているわけでございますが、農住の中で六人家族がお住まいになるようになればこれは今の基準で申しましても百七平米ぐらいが適当ではないか。さらに、この水準というものを高目で考えれば、これはもっと高いところに置かなければならないのじゃないかというふうになるわけでございます。ただ、現在の住宅の価格その他の面から考えて、一挙にこれを百七平米までに押し上げるということはなかなか難しいことではないかとは思いますが、今後そういう大きな目標を掲げて全体として日本の住宅の質、規模を向上させていく中でこの農住についてもなるべく大きいものを建てていくという方向へ進んでまいりたいというふうに考えております。
#31
○青木薪次君 では、次にあめ法について伺いたいと思うのでありますが、建設経済局長にあめ法の効果について、なかなか評価は難しい点でありまするけれども、どの程度実績が上がっているだろうかということを考えた場合に、過去三年間の成果を踏まえてどういうように今日考えているか、お伺いいたしたいと思います。
#32
○政府委員(高橋進君) いわゆるあめ法、御提案申し上げている法案につきましてそれの効果がどうであったか、こういう御質問でございます。
 今おっしゃいましたように、宅地供給量というものがいろんな面からの社会的、経済的要因によって影響されるものでございますと同時に、また政策面でもいろんな宅地供給政策の総合的な結果として出てくるということがあるものですから、本法による宅地供給がどの程度増加したかというのを数量的に把握するというのはなかなか難しい面があるわけでございます。ただ、そうは言いましても、一応考えてみますと、昭和五十七年の地方税法の改正前から本法による宅地化促進措置の対象とされる農地について考えますと、昭和四十八年に約一万六千ヘクタールございましたものが昭和五十八年には九千ヘクタールに減少している、それと宅地化の促進がなされているということが一つ。
 それから今、先生御質問のこの三年間でどうかということでございますが、前回本法が延長されました昭和五十七年では約四万二千五百ヘクタールの農地が本法による宅地化促進措置の対象とされたのでございますが、昭和五十八年までしかデータございませんけれども、五十八年では約四万一千ヘクタールに千五百ヘクタールほど減少しておるという面がございます。
 また、具体的な措置としまして、住宅金融公庫の例えば貸し付けの特例措置がございますが、これにつきましては昭和五十七年度と五十八年度の二年間で七千百六十六戸の貸し付け実績があるということでございます。
 こういったようなことから判断いたしますと、本法による宅地化促進措置というのは特定市街化区域農地の宅地化に寄与したものと考えておるわけでございます。
#33
○青木薪次君 経済局長は成果を相当主張しておりますが、私は必ずしもそうは思っていない。そう思っていないというのは、やっぱり農地の所有者に土地を売りたくないという気持ちがあると同時に、転用をした方がいいじゃないか、あるいはまたそういったような意見が全くないというような極端な意見さえ実はあるわけでありまして、こういう延長法案を提出するに当たっては当然これら農地所有者の意向の調査を実施してからにすべきじゃないだろうかというように私は考えているわけであります。
 あめ法といいましても、租税特別措置法の一部を改正する法律案によって、特定市街化区域農地に係る特例措置の改正案で百分の十五を百分の二十に改めるとか、あるいはまた四千万円を超える場合に分離の百分の二十を百分の二十五に改めるとか、通常並みにしてしまうわけですね。それから地方税の関係でも、不動産取得税を二分の一に減額するというのをこれを三分の二にする、あるいはまた中高層耐火建築物の適用期間を十五年から十年に短くするとか、私はあめ法というのはいろいろなそういった意味で税の軽減をするのがあめ法であるというように思っているわけでありまするけれども、しかし税制面で一つ改悪をされているという点が今回の特徴だと思うのであります。減額はあるけれども減額措置が極端に狭まるという点が実は問題だと思うのでありますが、ひとつその点についてどういうように考えているか、もとどおりにする気があるかどうかという点も含めて御答弁願いたい。
#34
○政府委員(高橋進君) 最初、農地所有者等の調査なども十分把握してやるべきではないかということでございますが、この法案の延長ということに即して調査をしたわけではございませんが、常々市街化区域内における農地所有者の意向はどうかというようなことをいろいろな面で調査などはしております。おっしゃいますように、農地の所有者の方が土地を売るとか、そういった意向は必ずしも多くないことは確かでございますが、同時に、土地は持つけれども、持ちながら賃貸住宅とかそういう経営をしてもいいという人もかなりおられるわけでございまして、そういった場合にはここに公庫の貸し付け特例による適用がなされることによってそういった方の促進には寄与しているのではなかろうかと思います。
 後段の税制関係、軽減措置が縮減されているのではないか、こういうことでございますが、これにつきましては今御指摘のように土地税制の軽減内容の改正がなされておるわけでございます。今御指摘にあったようなとおりでございます。これにつきましては、やはりこの制度ができましたとき、一般的な税制そのものがいろいろ変遷を重ねてきておりますために、そういった基本的な方の税制との全体のバランスも一つ考えなければならぬということ、またその背景にあります、この制度の措置が講ぜられた当初と現在の例えば宅地需給の逼迫の度合いとか、そういったような変化、そういったようなことを勘案して今回この六十年からは若干の改正を行っているということでございます。
 それは結局農地の宅地化促進につながらなくなるのではないかという御指摘かと思いますけれども、それにつきましては、本法におきましても税制、金融上の措置を初めとしまして総合的な対策がとられているということ、それから税についての軽減内容の一部に変更がございましても非常に大きな特定市街化区域農地の宅地化に悪影響を及ぼすほどのものではないということで、こういった全体のバランスを考えながら若干の改善措置をとることの案となっておるわけでございます。今後とも、建設省といたしましては、総合的な宅地化の促進のための施策を講ずることによって支障のないようにしてまいりたいと思います。
#35
○青木薪次君 また後で審議いたします住宅金融公庫法の問題もさることながら、大蔵省が事あるごとに大衆負担ということを求めてくるんです。これはもう全く根性というようなことも言える。今度も住宅金融公庫法で無抽せんを抽せんにしろとか、あるいはまた七・七%にまで上げろとか、あるいはまたいろんなことを言ってきた。こういう点について、住宅金融公庫をつくった目的というものが建設省の考え方と全く違うじゃないかということで、前大臣あたりのときにも相当さや当てをいたしまして、ようやく四万円の手数料を払うということでもって一応妥協した。
 しかし、今回も土地税制の軽減措置というような問題について、今も経済局長の話を聞いていると、余りよく調べたのじゃないじゃないかというようなふうにうかがわれる節が今の答弁の中にあります。したがって、大蔵省にこの辺を押し切られてしまったという点を私は考えているわけでありますが、あめがだんだん少なくなってくるとやっぱり宅地化の促進は進まないということに私はなると思うんですよ。そういう点からこの点についてどういうように考えているのか。こういうあめというものは現状維持か、もっとよくするということで頑張らなきゃいけないというように考えているわけでありますが、もう一度答弁してください。
#36
○政府委員(高橋進君) 現在、この措置は六十年から三年の延長をお願いしておるわけでございます。その間の状況というものをよく見きわめて、新しい延長措置がどういう影響を宅地供給促進に及ぼすのか、効果があるのかということを見きわめまして、今、先生の御指摘がありました点も配慮しながら次の措置に向かってどうするかということを検討してまいりたいと思います。
#37
○青木薪次君 農地の都市的土地利用への転換を進めるというようなことについては相当今日的にもいろいろ意見があるわけでありますが、中曽根内閣は民間活力の活用ということを図っていくのだ、これが大きな一つの内閣の使命、重要政策の一つだというように新聞でよく見ております。木部建設大臣も中曽根側近の大臣の一人でありますから、この点については私は無関心ではいられないと思うのであります。したがって、土地税制の減額措置を拡充して宅地化の促進を図るということであるならば、今逆なことをやっておったのではこれはなかなか政府の政策に一貫性がないじゃないかということを言われても私は差し支えない、こういうように思うのでありますけれども、一体、大臣はこの点についてどういうように考えているか。特に、民間活力を活用しようという立場に立って一番主要な大臣だと私は思うのでありますけれども、その点も含めて、逆のことをやっておるのじゃないかというように思うのでありますが、その点いかがですか。
#38
○国務大臣(木部佳昭君) 三大都市圏を中心にいたしまして、特に地方の中核都市もそういう傾向がもちろんございますが、今後もそういう傾向が進んでいくと思いますが、非常に住宅の根強い需要というものがあることは私どもよく承知をいたしております。
 したがって、先ほど来いろいろ御質問のございましたいわゆるあめ法につきましても、税制の問題その他について御指摘がありましたが、先ほど局長答弁のように半歩前進だ、そういうふうに私は思っておりますけれども、先ほど私申し上げましたように、農地の宅地としての促進というものはある意味では私は農業政策の一環として考えていかなきゃならぬ。同時にまた、今御指摘のありましたように、民間活力の一環として所有者の意向、また農業政策全般との兼ね合い、そういうようなものの中から民間活力の一環としての宅地の供給、宅地化というものをいかにして促進するか、こういうことが非常に私は今三大都市圏を中心にして、地方の中核都市もそうでありますが、また人口もそういう方向に集中してまいるということは明確でございますから、そういう点をよく考えながら我々として前向きの姿勢でこれからも政策の推進のために取り組んでいきたい、こう私は考えております。
#39
○青木薪次君 今の大臣の答弁の中から、都市の近郊農業を一体どこへ持っていくのだ。我々は、建設委員会という立場から住宅政策その他をとらえている。しかし、農林水産省の場合においては市街化区域内での農業をどうやっていくのだという点については非常に大きな問題だと思っているわけでありますが、今も大臣が三大都市圏に人口が集中する、その中でひとつ農業政策をどうするのだということは大きな問題だと言われましたけれども、私もそう思います。その点で農林水産省はどういうように都市近郊農業を考えているのか、御答弁願いたいと思います。
#40
○説明員(入澤肇君) 先生御承知のとおり、都市近郊におきましては、立地条件が非常にいいものですから、それを生かしまして野菜とか花あるいは中小家畜を中心としました生産が行われておりまして、我々首都圏に住む住民の台所を潤しているわけであります。また、非常にそういうふうな農業に意欲を持って取り組んでいる農家も多数存在しますし、農地がまた一方で都市環境の面でも緑の空間、あるいは健全なレクリエーションの場、こういうふうな場を提供するという面で大きな役割を果たしていることも事実でございます。
 ただ、都市計画法におきまして、我々としましては市街化区域というのはやはりおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化さるべき区域であると考えておりまして、経過的に農業が行われることはありましても、長期的には住宅への転換によりまして農業生産は漸次低下していくのじゃないかと見込んでおります。
 そういう観点から、農地法におきましても市街化区域内における農地転用につきまして許可制でなく届け出制を採用するとか、あるいは市街化区域内で土地基盤整備を行うということはできるだけやめる。都市施設整備のテンポなどの関連もありまして、当分の間、家畜衛生の施設だとか、あるいは病虫害防除、公害対策、災害復旧、こういうような一定の施策は講じますけれども、長期的な土地基盤整備は行わないというふうな方針で臨んでいるわけでございます。
 さらに、先ほどもお話がありましたように、水田利用再編対策、この取り扱いにつきましても市街化区域には傾斜配分をするとかいうふうなことで特別に取り扱うことはしないわけでございます。転作の奨励金につきましても、他の地域では加算がありますけれども、壊廃すると判断できる水田につきましては転作奨励金を加算はしないというふうなことで都市政策の調整に十分配慮して運用をしております。
 しかし、地方自治体におきましては、環境保全とか緑地保全という観点から、国の政策とは別に独自の観点から、市街化区域内の農地であっても長期に営農が継続される地域を対象としまして、まとまった土地に対しては簡易な基盤整備とか共同利用施設、そういうものを助成している例が多数見られます。それはそれなりに経過的には私は評価していいのじゃないかと考えております。
#41
○青木薪次君 農業政策の問題についてはもう少し突っ込んだ議論をしてみたいところでありますが、建設委員会ですから……。
 都市近郊農業では、水田利用再編の関係等に着目していることはあるでしょうけれども、一体、端的に言って今何を生産しているのか、どの程度生産が拡大して、そして流通市場に回っているのかという点についてはどんなふうになっていますか。
#42
○説明員(入澤肇君) 市街化区域だけを対象にした調査というのはございませんけれども、関東農政局が五十七年に調査しました。この傾向は今でも変わらないと思っておりますが、首都圏の市街化区域を設定している市町村は二百九十三市町村ございますが、これについて農業生産の実態を見ますと、作物別では野菜が三〇%ちょっと、これが首位を占めておりまして、畜産が二七・八%、お米が一九・八%、約二〇%という順位でございます。
 これを傾向的に見ますために四十五年と比較してみますと、野菜は二六・一%から三〇・二%というふうに増大しております。それから畜産も二六・五%から二七・八%というふうに増加しております。米は逆に二四・四%から二〇%に減少しております。
 畜産につきましては、今の二百九十三市町村の飼養頭羽数、これを関東全体でどのくらいの割合になっているかといいますと、乳用牛では四一・七%、肉用牛で三八・九%、そろから豚は四二・八%、採卵鶏で六一%というふうにかなり大きな部分を占めております。
 それから近郊農業として非常に重要な地位を占めている野菜につきまして五十八年の東京都の中央卸売市場への入荷の実態から見ますと、東京産の野菜、特にツマミナとかコマツナとかウドとかいういわゆる軟弱野菜、日もちのしない野菜、これは東京市場への入荷量の五〇%から八〇%を占めております。次いでカリフラワーとかゴボウとかキャベツとか、こういうふうなもので相当な割合を占めておりまして、東京都中央卸売市場におきます野菜の入荷量の中ではかなりのシェアを占めていると言っていいのじゃないかと思います。
#43
○青木薪次君 市街化区域内の農地は野菜の生産地として三十何%を今のお話のように生産している。あるいはまた、お話にあったように、防災上の避難場所として、あるいはまた緑地としてもっと重視していく必要があると思うのでありますが、これを建設省の立場からどう考えているのかという点について御答弁願いたいと思います。
#44
○政府委員(梶原拓君) 市街化区域は本来、住宅宅地として整備が望ましい適地でございまして、そのために市街化区域として設定しておるわけでございます。したがいまして、従来から土地区画整理事業を初めといたしまして計画的な都市基盤整備を進めて極力農地から宅地への転換を促進しているところでございます。
 ただ、この場合、一部につきましては当面の農業経営、営農との調和という点も考えながら、都市のオープンスペースという機能もあるわけでございまして、そういった点を配慮しながら、例えば市街化の進展に対応して段階的に区画整理を行います段階土地区画整理事業あるいは生産緑地、そういった諸制度を活用して宅地化の問題と農業経営との調整を図っているところでございます。
#45
○青木薪次君 線引き制度の趣旨からいってみまして、確かに市街化区域内に農地がたくさんあるというのはいろいろ問題が実はあるとは思います。しかし、地価が最近非常に安定化傾向を示している。都市近郊農家の所得増などから考えてみますと、長期営農継続農地が宅地に転換することは非常に考えにくい状態になってきていると思うんですね。そうだとするならば、それらの農地を積極的に、今のままにしておくというよりも、むしろ逆線引きということが今日考えられる点もないではないと思うんですが、これはいろいろ議論のあるところでしょうけれども。
 そういう点なんかについては、今課税対象農地面積とそれから長期営農継続農地の認定面積、こういうものとの関係が既に課税対象農地面積を分母として長期営農継続農地の認定面積を分子といたしますと八三・五%という結果なんですね。ほとんど長期営農農地を希望しているのではないかというように錯覚するんですよ。そういたしますと、それに対して今後どうするのかという点についてはひとつ考えなきゃならぬ点だと思うのでありますけれども、この点は都市局長、どう考えていますか。
#46
○政府委員(梶原拓君) 先ほど申し上げましたように、市街化区域は本来、住宅宅地としての整備開発が望ましい地域でございますが、御指摘のとおり市街化区域内に相当量の農地が残存しているわけでございます。長期営農継続農地、これが非常に割合が高いというお話ございましたが、そのとおりでございます。
 そういう現状を踏まえますと何らかの手当てが必要であろう、こういうことでございまして、昭和五十七年に線引きの見直し、新しい方針を出したわけでございまして、その中で市街化区域内の農地がすべて十年以内に市街化するという前提を改めまして、いわば歩どまりを考えまして、その分市街化の対象面積から外す、その見合いで市街化調整区域の開発が行えるとか、今おっしゃいましたような当面市街化の見込まれない農地等につきましてはいわゆる逆線引きを行う、いろんなそういう制度の弾力的な運用を図りまして、現実に即した制度運用に努めておるわけでございます。
#47
○青木薪次君 次に、生産緑地の指定制度もあるんですね。生産緑地制度については、都市計画中央審議会の中間答申においても制度そのものの改善を検討する、活用すべきであるということを提案いたしているわけでありますが、都市計画のときに緑地として残すことについて、緑地として残すのには非常に面積が多く必要なものですからいろいろ問題があると思うのでありますが、建設省はどう考えていますか。
#48
○政府委員(梶原拓君) 生産緑地につきましては、指定の経過を見ますと、五十年度全体で三百六十九・六ヘクタールございまして、五十五年時点で五百五十・二ヘクタールということでございます。最近のデータでは五十八年度六百三十・二ヘクタールということでございまして、五十年度以降大幅な生産緑地の指定の伸びはないわけでございます。
 この理由でございますが、先ほど申し上げましたような逆線引き等によりまして線引きその他の土地利用制度の弾力的な運用を行っている、あるいは御審議いただいているあめ法による優遇措置とかいろんな制度が並行しておりまして、そういった点からそちらの方で機能的に足りるという面もございまして余り伸びていないわけでございますが、制度といたしましては、都市の良好な生活環境の確保、あるいは公共施設用地としての適地だというようなことからこの生産緑地制度の活用の余地はまだあると思うわけでございますので、御指摘のような点は今後とも検討してまいりたいと思っております。
#49
○青木薪次君 今御答弁のありましたように、特定市の市街化区域内には六万七千ヘクタールの農地があるんですね。宅地並み課税の対象農地だけでもその中に四万二千ヘクタールもある。さっき私が申し上げた八三・五%が長期営農継続農地の認定を受けている。こういう観点というものを相当重要視しなきゃならぬ事態だと実は思うんですね。ですから、そういうような点を考えて、将来、今、都市局長から答弁はありましたけれども、線引き制度が今日見直しが進められているけれども、どういう方針で進めていくのかという点について方針を説明してもらいたいと思います。
#50
○政府委員(梶原拓君) ただいまのところ線引き制度そのものの改正ということは考えていないわけでございまして、昭和五十七年度に線引きの見直しの新しい方針を出しまして逐次見直しを進めてまいりまして、おおむね六十年度にはそれが完了すると思うわけでございます。その中で現行の線引き制度を弾力的に活用するということでございまして、いわゆる逆線引きを行う、あるいは特定保留の方法を取り入れるとか、いろんな現実に即した見直しをしてまいっておりますので、当面その運用の実績を見守ってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#51
○青木薪次君 この線引き制度の見直しは、これは建設省で一定の方針を立てて、具体的には県がやるんですね。五年ごとの見直しをやっておりまして、大体我が静岡県あたりでも六十年から六十二年ごろまでに線引きをやるというような計画で、今日、公聴会その他が開かれているわけでありますが、その点現状についてはどのような状態になっているか、もう一度御答弁いただきたい。
#52
○政府委員(梶原拓君) 線引き見直しの進捗状況を申し上げますと、ことしの一月三十一日現在でございますが、見直しを完了し告示した都市計画区域を含む都道府県の数が二十二、それから見直しの事前協議を了した都市計画区域を含む都道府県、これが二、それから既に所要の法手続を開始した都道府県が四、それから作業中の都道府県が十五ということでございます。なお、残る四つの都道府県がございますが、これは第一回目の見直しが最近行われましたために二回目の見直しをしないということでございます。先ほど申し上げましたように、おおむね六十年度内には手続を完了させるべく努力しているわけでございます。
#53
○青木薪次君 その進行状況等についてまた資料をもらいたいと思っておりますが、私は農地をしっかり守るということ、あるいはまた宅地化のために不用な土地とか荒らされているところとか、ああいうような点についてはなるべく低廉な環境のいい宅地化を促進するという両にらみの政策というやつが進められていかなきゃならぬというところにいろんな問題点があろうと思うのでありますが、非常に問題の多い、これからの大きな国の基本的な政策の一環であるというように考えておりますので、ひとつこの点は慎重に進めていただきたい、このように考えております。
 それから最後になりますけれども、せっかく農住とあめ法を三年間延長するのでありますが、制度の目的というものを十分に踏まえて、居住環境の良好な、そして適正な家賃の賃貸住宅の供給が進められるように法の運用や指導に万全を期してもらいたいと思うのでありますが、大臣にその点についての御所見をお伺いいたしたいと思ます。
#54
○国務大臣(木部佳昭君) 何といっても私どもは良好な町づくり、また環境というようなものを維持しながら、しかも、先ほど来いろいろ御指摘のありましたように、特定市街化区域の農業の宅地化をどうして促進していくか、そして調和と均衡のとれた住宅政策なり都市づくりというようなものをどうするか、こういうふうなことが基本でございますので、先ほど来いろいろ大変格調の高い御意見を踏まえての御指導がございましたが、そういう点を私どもがしっかり受けとめさせていただいて最善の努力を尽くさせていただきますので、どうぞ今後ともよろしく御指導、御鞭撻をお願いいたします。
#55
○馬場富君 去る三月十五日に発表されました国民所得統計速報によると、五十九年暦年の我が国経済は外需に支えられて五・八%の成長が確実視されております。内需拡大の柱として期待された民間住宅建設は前年比〇・八%のマイナスとなっております。全般的に好調であった経済環境の中で民間住宅建設が伸び悩んだ原因を建設省ではどのように分析しておりますか、お尋ねいたします。
#56
○政府委員(吉沢奎介君) 先生御指摘のとおり、暦年の五十九年の実質国民総支出の伸び率が五・八%でございます。民間住宅投資の伸び率はマイナス〇・三ということでございます。
 この理由でございますけれども、一つには昭和五十九年の一月―三月期、ここが八%ぐらい落ち込んでおるわけでございます。これはなぜこの三カ月間が非常に落ち込んでいるかと申しますと、これは実は五十八年の方からの引き続きがございまして、五十八年の着工戸数が非常に減っておるわけで、過去十五年来の最低を記録したということがございます。また、その理由は何かといいますと、これはさかのぼりまして、五十七年に段階制金利の導入というようなことがございまして住宅建設の駆け込みがあったわけでございまして、このために五十八年の着工戸数が減り、五十八年に着工戸数が減った分の実質の建設が行われる時期というものが、これはタイムラグがありまして後へ尾を引いてくるわけでございまして、そういった意味で五十九年の一月―三月期に大きく落ち込んでおるわけでございまして、それが五十九年の暦年として今申し上げました〇・三%のマイナスということになったわけでございます。ただ、その後持ち直してきておりまして、五十九年度といたしますと三%ぐらいプラスになるのではないかというふうに見込まれているわけでございます。
 いずれにいたしましても、五十九年に入りまして、着工戸数自体はふえているにもかかわらずこういった投資額が余り伸びていないということは、この伸びが持ち家ではなくて借家の伸びがふえたということでございまして、特に小規模な借家がふえましたために投資の増加にストレートにつながっていかないというところに大きな理由があったのではないかというふうに考えております。
#57
○馬場富君 ただ、今も説明がございましたが、戸数ベースで見ると住宅建設は最近やや持ち直してきております。特に、賃貸住宅の伸びが好調になってきておって、これに比例しまして持ち家取得をあきらめた世帯やあるいは単身者が賃貸住宅志向に走っているということを私たちは見るわけでございますが、そういう動向の中で土地所有者が貸し家経営を見直してきたということに伴うのではないか、こういうように私たちも見ております。持ち家住宅の低迷と賃貸住宅の伸長というパターンは今後とも続くものかどうなのか、またこれが起こってきた原因というのはどういうところにあるのか、この点をお尋ねいたします。
#58
○政府委員(吉沢奎介君) 御指摘のように、持ち家は五十九年度、前年の同期比を見ますと〇・二%減っておる、ところが借家の方は同じように見ますと一九・三%ふえておるということでございまして、持ち家が低迷し、借家が好調であるという傾向が続いておるわけでございます。
 この理由は、先生おっしゃいましたように、持ち家が持てなくなって借家の方へ走ったという経済的要因もあろうかと思いますけれども、一つには、持ち家の方はもういいというような住意識の変化というものもあるいはあるのではないかというふうに、ここら辺は余りはっきりいたしませんけれども、そういうようなことも感じているわけでございます。また、同じく、御指摘がございましたように、単身者、小人数の世帯がふえてきたということも大きな理由であろうかと思います。また、御指摘ございました、借家経営を見直してきたといいますか、そちらに意欲が出てきたということも要因であろうかと思っております。
 これがどの程度続くかということでございますが、先ほども御答弁申し上げたんですが、このブームというものが果たして本物かどうかということについて私どもまだちょっと見きわめかねているところがございますが、しかし、一年か二年かはっきりいたしませんけれども、ここしばらくの間はこの状態が変化なく続いていくのではないかというふうに考えております。
#59
○馬場富君 そこで、私もこの点につきましてはずっといろんなものを調査し、我々が知る限りでは、やはり東京等では持ち家住宅をあきらめたと言うことはまだ早いのじゃないか、そういう欲望はやっぱり国民の中に強くあるのじゃないか。だが、最近のいろんな問題等をとらえてみましても、一番多いのは、持ち家住宅を志向しながら、そのために経済的な理由の行き詰まりで問題を起こしておるという事件が随分多いわけです。そういう点について、私どももそういうふうにこの問題をとらえておるわけですけれども、やはりここらあたりのとらえ方、よしんばそういう持ち家住宅の志向があるものならばそれを生かす方向にも一つは建設省としては考えを置くべきではないか、あっさりとこれは志向がこういうふうに変わってしまったというふうにとらえるのはちょっと早計じゃないかという感じもしますが、この点どうでしょうか。
#60
○政府委員(吉沢奎介君) 先ほど申し上げましたように、実は持ち家志向というものが、志向としては国民の少なくとも八〇%近い者が持ち家を持ちたいという希望を申し述べているのは志向調査の結果出ているわけでございまして、志向というものはあるんですが、現実の問題として持ち家をあきらてめて借家に走っているのかどうかという点につきましては、持ち家が余り伸び悩んでいることの原因となっている住宅取得能力と住宅価格との乖離というもの、これが若干ではありますが縮んできているという面もございまして、一概にそちらをあきらめたという経済的要因の方が非常に強いというふうには必ずしも私どもは考えておらないわけでございます。それよりも単身者とか小人数世帯がふえているということで、あるいは親子の関係その他から子供と一緒に住んで持ち家は持たなくても借家に入っていてもいいのだという人、そういう意識というようなものが芽生えてきているというか、少しふえてきているというような面もあるのではないか。
 ここら辺は正確に把握しておりませんが、そういうことが考えられるわけでございまして、持ち家対策につきましては、やはり国民の根強い志向があることは確かでございまして、今回の金融公庫の問題にいたしましても私ども金融公庫の基本の堅持ということに精いっぱい努力したわけでございますが、これも主としてこういった持ち家志向というもの、持ち家に対する国民の需要というものを考えまして、これの期待に沿うべくそういうふうに努めているところでございます。
#61
○馬場富君 今の説明にも出ましたが、私は賃貸住宅そのものの志向が悪いというわけじゃございません。それは結構な面もありますが、賃住には持ち家と違った、やはり自分のものになるというそういう欲望もありますし、それからもう一つは非常に狭いとか家族ぐるみの生活ができないというので、今までいろいろな公的賃住の中での悩みが随分あったわけですけれども、こういう点について、日本には家族化の問題等もありまして、そういう点では賃貸住宅の中の公的面におきましてもこういう面についての配慮というのはどのように考えてみえますか、お尋ねいたします。
#62
○政府委員(吉沢奎介君) 賃貸住宅の中で公的資金を活用した住宅、これは公営、公団、公社というようなものがございます。そのほかにいわゆる施策民賃の四つの制度がございます。これらについて私ども一生懸命努めているわけでございます。公団、公営などにつきましては土地の取得難とかいろいろな事情がございまして、なかなか伸び悩んでいるというか、むしろマイナスの傾向にあるのは非常に残念でございますけれども、施策民賃については順調な伸びを示しておりますので、今後もこういった公的な資金を活用した賃貸住宅の建設の促進について精いっぱい努めてまいりたいというふうに考えております。
#63
○馬場富君 好調を続けております賃貸住宅の中で、農住、特賃、民賃、特定土地担保といった公的資金による民営賃貸住宅はどの程度の比重を占めておりますか、御説明願いたいと思います。
#64
○政府委員(吉沢奎介君) 民営賃貸住宅、施策民賃の四つ、農地所有者等賃貸住宅、特定賃貸住宅あるいは民営賃貸用特定分譲住宅、それから土地担保賃貸住宅、この四つを合計いたしますと昭和五十八年度で約四万四千戸でございます。それで、同じ年度における全体の貸し家の着工戸数が四十万五千戸ということでございますので、約一割を占めているというふうに見ております。
   〔委員長退席、理事青木薪次君着席〕
#65
○馬場富君 一割程度が公的資金を活用した民営の貨貸住宅が供給されているという今御説明でございますけれども、建設省としてはこの程度で十分と見ておられますか。それとも、まだ増加させる必要があると判断しておみえですか。そこらあたりの見解をお尋ねいたします。
#66
○政府委員(吉沢奎介君) 都市地域におきましては四人家族向きなどのしかるべき規模を持った賃貸住宅というものに対する需要が大きいと考えているわけでございまして、最近、性能とか設備の面では非常に改善は見られておりますけれども、なおそういったしかるべき規模を備えた賃貸住宅というものの供給は不足しているのではないかというふうに考えております。このため、公営住宅とか公団賃貸住宅というものの供給を促進するとともに、民間住宅につきまして各種の申し上げました施策民賃制度について、今後これらの制度の充実をしていって適正な家賃の良質な住宅をさらにふやしてまいりたいというふうに考えております。
   〔理事青木薪次君退席、委員長着席〕
#67
○馬場富君 ただ、公的資金による民営賃貸住宅の供給実績は、全体の賃貸住宅建設が増加しているのに対しまして五十七年度をピークとして五十八年、五十九年度はちょっと減少しているわけでございますが、この傾向をどのようにとらえてみえますか。
#68
○政府委員(吉沢奎介君) 五十七年度がピークという御指摘でございます。これは各四つの施策民賃を合計した戸数で見てまいりますと、確かに五十七年が一番多くて五万一千七百四十七戸ということでございます。ここがなぜ多いかというと、先ほども申し上げましたように、住宅金融公庫の段階制金利が五十七年にしかれまして、そのときに駆け込みがございましたので、その五十七年度の戸数が少し飛び抜けて多くなっていたわけでございます。したがいまして、五十八年度は減少いたしまして四万三千六百十七という数字になっておるわけでございますけれども、あと五十九年がどうなるかということは、これは計画ベースでとらえますと三万九千戸程度と非常に少なく見積もられておったわけでございますが、実質、土地担保賃貸住宅が計画よりもかなり多く建てられる見込みでございまして、今の見込みで申しますと五万戸ぐらいになるのではないか。したがいまして、五十七年とほとんど同じぐらいになるのではないかというふうな感じを持っているわけでございます。
#69
○馬場富君 そういう傾向の中で、農住は全体的にはわずかな戸数でしかありませんけれども着実に増加しております。そこで、農住制度の対象となる農地はまだ相当に残っておるわけでございますが、まだ農家の貸し家経営の要望も強いようでございますから、もっとやはりPRや指導を強化して制度を拡充し改善していけば今後さらに大きく伸びるのではないかという期待が持てるわけでございますが、建設省はどのようにお考えですか。
#70
○政府委員(吉沢奎介君) お話ございましたように、昭和五十七年度以降農住の建設実績が伸びてきておりまして、計画戸数六千戸に対しまして五千五百五十九戸ということで達成率が九三%ということになっております。特に、五十九年度は恐らく二千戸の予定が完全に達成されるという見込みでございます。むしろ、余っている要望を抑えているという感じでございます。こうしたところから、昭和六十年度予算におきまして予算戸数を一千戸追加して三千戸にしたというわけでございます。
 この事業を推進するためにまずPRが大事ではないかという御意見でございまして、御意見のとおりだと思うわけでございます。私ども、これまでも都道府県の担当者あるいは農協の関係者に対しまして、直接間接いろいろ指導をしているわけでございます。都道府県は、ユーザーの団地の計画だとかあるいは設計監理などにつきまして必要な技術援助も行っているところでございます。また、農協関係団体は、御存じのとおり昭和四十九年に地域社会計画センターというものを設置いたしまして、全国的に農住制度の普及活動を行っております。
 そういった成果がございまして、農協は組織の上で農住事業の建設、経営指導を専門に行う部署を設置いたしまして、事業者の各種相談に応じ、積極的な指導を行っているところがふえてきておるわけでございます。こういったことでございますので、今後こういったものをすべて活用いたしまして一生懸命PRに努めてまいりたいと思っているわけでございます。
 また、御指摘の制度の改善についてでございますけれども、従来から対象地域の拡大、あるいは一団地の基準の緩和、あるいは水田要件の緩和というようなことを行ってきたわけでございまして、今回も融資金利の引き下げを行おうとしているわけでございますが、まだこれでも足りないという御意見が強いわけでございますけれども、当面この現行制度で対処してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
#71
○馬場富君 一方で、土地所有者が土地の有効利用を図るための方式として最近土地信託制度が急速に普及してきておりますが、土地信託制度の現状及び将来展望をどのようにお考えですか、お尋ねいたします。
#72
○政府委員(高橋進君) 土地所有者が土地を活用する土地信託制度の現状でございますが、この制度は実質的に実用化されて間もない制度でございますが、実績も既に六十件程度出ておりまして、今後、既成市街地や新市街地の土地の有効利用に積極的に活用されることが期待されているわけでございます。
 建設省といたしましても、宅地開発のための素地取得が困難化しておるわけでございまして、そういう中で土地所有者の意向を踏まえた宅地供給の促進を図ることが必要である。その一つの手法といたしまして、土地を実質的に手放すことなく土地の有効利用が可能となる手法としてこの土地信託制度が考えられるわけでございますので、今後とも促進する見地から土地信託の普及、活用のための方策を検討してまいりたい。また、そういう方向で展開していくのではなかろうかというふうに考えております。
#73
○馬場富君 ここで、農地所有者が土地信託を利用して賃貸住宅を建設するようなケースは出てきていますか。その点どうでしょうか。
#74
○政府委員(高橋進君) 今のところ、農地の所有者というケースは比較的少のうございます。むしろ、既成市街地を土地信託してというケースが多いわけでございます。問題としては、やはり基本は、例えば農地所有者が土地信託を利用して賃貸住宅の経営をなし得るかどうか考えてみました場合、農地所有者がみずから行う場合と同様に、その採算性のいかんによるところが決め手になるのだろうと思います。そういった意味で、まだ採算がとれるというケースが必ずしもはっきりしないという点があろうかと思いますが、今後、税制、金融等の措置につきましてもいろいろ検討をし、そういった採算性が有利になるような格好での検討を進めてまいりたいと思っております。
#75
○馬場富君 ここで、土地信託方式というのは、貸し家経営に伴う種々の煩わしさから一つは解放されるという点があるわけです。そういう点で、また信託利益だけ受け取れるというメリットも一つは存在します。そこで、今後は農地の所有者がこの土地信託方式というのを利用するケースが増加していくのではないか、私はこういうふうに見ておりますが、そこらあたりの考えはどうですか。
#76
○政府委員(高橋進君) 先生御指摘のようなメリットがこの土地信託制度にあるわけでございます。不動産事業のノーハウや経験が特になくても、手間や煩わしさなしにできる、また土地の所有権を実質的に手放すことなくて安定的な収益を長期間にわたって享受できることが考えられるというような意味でメリットがあるわけでございます。そういう意味で、今後、採算性といいますか、収益性の点がはっきりするならば一つの土地利用の手法として大いに発展する可能性を先生御指摘のように持っているものと思います。ただ、その場合、やはりできるだけ利用しやすくする環境ということも必要でございますので、税制等につきましても必要な検討を進めてまいりたいと思います。
#77
○馬場富君 今までのいろんな質疑の中で、いずれの制度によりましても、要は農地の都市的利用が進み、賃貸住宅の供給が増加すればよいとも考えるわけでございますが、しかし家賃や居住水準という点を考えれば必ずしもそうとは言い切れないわけでございます。
 そこで、農住や特賃には家賃規制があって、適正な家賃水準になるような仕組みになっているのがこの家賃の実態でございますが、この点はどうなっておりますか。
#78
○政府委員(吉沢奎介君) 農住あるいは特賃制度によりまして建設されました賃貸住宅の家賃、これはいろいろ規制はございますけれども、例えば農住で見ますと、設けられました家賃限度額の六割程度の家賃で現実に動かしているということでございます。いずれにしましても、農住の平均で見ますと、農住の家賃は全国平均で五万三千円ぐらいでございます。特賃は約七万円ぐらいでございます。特賃の方がかなり高くなっておるわけでございますけれども、これは特賃は農住に比べまして大都市地域が中心になって行われているということもございます。また、同じ地域の中でも縁辺部でなくて既成市街地の中で行われる場合が多いということで、地価の高いところで、場所もいいところで実施されている場合が多いわけでございますので、特賃の方が高くなっているということだと考えております。
#79
○馬場富君 当然、農住の家賃水準は、他の一般の民営賃貸住宅のそれに比べてみますと、少なくとも国からの利子補給分だけは低くなっているという理屈だと私は考えるわけでございますが、これは実際、状況はどうですか。
#80
○政府委員(吉沢奎介君) おっしゃるように利子補給分がございますので、そういった援助に見合った適正な家賃になるように措置しているところでございまして、利子補給によって家賃がどのくらい下がっているかということでございますが、家賃限度額について、これはいろんなケースがございますので一定の仮定を置かないと試算ができないわけでございますが、一定の仮定のもとに試算いたしますと、利子補給をした場合としない場合を比べてみますと、利子補給をしない場合には月約九万四千五百円であるものが利子補給をした場合には八万一千六百円、これは限度額ベースで計算いたしますと、そういうことで一四%程度安くなるということになります。また、農住賃貸住宅が実際に徴収している家賃は先ほど申し上げましたように今五万三千円でございまして、限度額の六〇%、先ほど申し上げました九万四千五百円に比べまして六〇%程度にとどまっているわけでございます。
 それで、一般賃貸住宅の家賃との関係でございますけれども、農住賃貸住宅は規模、構造あるいは設備という面で基準が定められておりまして、相当程度一般よりはレベルが高いものになっているということで、物がよければそれだけ家賃も高くていいということもございますので同一条件での比較ということが困難でございますが、仮にこういったものを無視して同一条件で比較してみましても、総務庁で小売物価統計調査年報というものがございまして、これによる民間借家の一平方メートル当たりの家賃、それから農住の方は昭和五十八年度に新たに建設された農住賃貸住宅の一平方メートル当たりの家賃、この二つを比較してみますと、一般の民間借家は全国平均で一平方メートル当たり千二十七円という調査結果が出ておりますが、農住の方は九百五円ということでございまして、農住の方が一二%程度安くなっております。
#81
○馬場富君 今の御説明のように、農住の方が坪当たりも安いということが出ておりますが、農住を初めとしまして公的資金による民営の賃貸住宅の家賃は一般の民間住宅家賃よりは安いのである、大体私らもそのように認識しております。このために、さらにその戸数をふやせば全体の家賃水準の引き下げにも役立つと思われるわけでございますが、そういう状況にするためにはまだまだそれは大変な努力が必要でございますけれども、そうした取り組みというのも家賃を引き下げていくためには必要ではないか。今後とも、農住を初めとしたそういう公的貸付住宅の関係の制度拡充に当たってやはり相当の意気込みで建設省にも取り組んでもらわなきゃならぬ、こう思いますが、大臣の見解をお尋ねいたします。
#82
○国務大臣(木部佳昭君) 先ほど来いろいろお話がございましたように、同じ家賃の場合は新しいところへ移動している、これを私は非常に実は重く見ているわけなんです。ですから、先ほども青木先生の方からも御指摘がありましたように、空いているわけです。そういう意味なんかもやっぱり住宅政策の中で真剣に私どもは取り組んでいかなきゃならぬ問題だろう、そういうふうに実は思っておるわけでありますが、御指摘になりましたように、いろいろな施策を我々といたしましても講ずることによって、家賃がなるべく安定して、そしてしかも立派な良好な住宅にあれされるということが理想でございますから、そういう点をよく私どもももう一度原点に立ち返って施策民賃の戸数がふえるような努力をさせていただきたい、こう思っておるわけであります。
#83
○馬場富君 次に、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案、いわゆるあめ法についてお尋ねいたします。
 まず最初に、市街化区域の中に存在する農地についてこれをどのように扱うべきかという基本的な将来展望をお聞かせ願いたいと思います。建設省並びに農水省、自治省、それぞれの立場からお答えを願いたいと思います。
#84
○政府委員(高橋進君) 宅地需要の根強い三大都市圏の宅地開発の素地としてのこの特定市街化区域農地に期待する部分は大きいものがあるわけでございます。やはりそういう意味で今後ともその宅地化を促進することは極めて重要であると考えております。この場合、素地所有者の意向を踏まえて、当面の農業的土地利用との調整を図りながら、計画的に良好な宅地への利用転換を図ることが必要であると考えておりまして、今回のいわゆるあめ法に基づく諸制度あるいは農住組合制度あるいは宅地並み課税制度というものも、今後そういった観点から講ずるようにお願いしたいと思っておるところでございます。
#85
○説明員(入澤肇君) 市街化区域内におきます農地につきましては、これは適正な手続を経まして慎重な判断を行った上で線引きが行われたのでございますから、そこで当分の間農業が行われるといたしましても、長期的には住宅等への転換により漸次減少するものと考えております。
 農地法におきましても、このような市街化区域としての性格にかんがみまして、この市街化区域内における農地転用につきましては許可制から農業委員会への届け出というふうに条件を緩和しているわけでございます。このため、市街化区域におきましては長期的な土地基盤整備事業等効用が長期に及ぶ施策は行わないこととしておりまして、場合によって、都市施設整備のテンポとの関連もありまして、当分の間農業経営が行われることを考慮しまして、農地防災事業とか災害復旧事業とか、そういう必要な施策は講ずることとしております。
 しかし、市街化区域内におきましても長期的に農業を営もうとする農業者がいることは事実でございまして、このために五十七年度から三大都市圏の特定市の市街化区域内農地につきましていわゆる宅地並み課税が実施されました。その際に、長期にわたる営農継続の意思を持っている人に対しましては徴収猶予とか免除の制度が設けられております。これによりまして、都市農業に意欲を持って取り組もうという者の営農継続の道は確保されているものと考えられます。
 このほか、市街化区域内で長期的に農業を営もうとする農業者の農地が相当程度これからもまとまって存続するというような場合には、ただいま御審議いただいております農住組合法の活用だとか、あるいは生産緑地制度の活用をもって適当に対処することができるのではないかと考えております。場合によっては、先ほどから御議論がありますように、どうしても長期的に農地として存続するということが各自治体の意思としてあります場合には市街化区域の線引きの見直しということによって対応することが適切でないかと考えております。
#86
○説明員(鶴岡啓一君) お答え申し上げます。
 市街化区域内の農地に対する固定資産税の対応でございますが、これにつきましては四十七年にいわゆる宅地並み課税制度の創設以来いろいろな経緯があったわけでございますが、昭和五十七年度に土地税制を抜本的に見直す一環としまして市街化区域農地の課税の適正化措置につきまして、一つには、従来適正化措置の対象になっておりませんでした旧C農地のうちの一定のもの、これは三・三平米当たり三万円以上の価格のものでございますが、これを新たに対象に加えるという、そういう意味でいわば課税の適正化措置の強化を図る一方、そういう改正とあわせまして、市街化区域内農地の所有者が引き続き営農をしたいというそちらの配慮としまして、長期営農継続農地につきまして徴収猶予ということで実質上は従来と同じ農地の税負担でいけるような形の制度もつくっております。
 私どもとしましては、宅地供給という要請なり税負担の均衝を図るという意味での課税の適正化措置と、市街化区域内において現に農業が営まれているそれに対する税制上の対応としてはこの辺のところが適切ではないかというふうに考えておりまして、週去三年間の運用を見ましても、私どもは両面から見ましてそれなりの効果があるのではないかと考えておりまして、今後も現行の制度の適切な運用に努めていきたいというふうに考えております。
#87
○馬場富君 それでは、具体的に法案の中身に入っていきますが、まず第一点は、要請土地区画整理事業でこの実績が現在までに何件あるのか、お伺いいたします。
#88
○政府委員(梶原拓君) 要請土地区画整理事業は、埼玉県の新座市で五十年度から五十七年度に施行されましたものが一件でございます。
 この制度の対象地域におきまして一般的な区画整理事業がかなり行われております。農地の所有者みずからが区画整理組合を設立して事業を行うということが一般的でございますが、地元の意向を受けまして地方公共団体が施行を行う場合もかなり多いわけでございまして、四十八年度以降、土地区画整理事業は五百六十一件ございます。面積にして約二万一千ヘクタールございますが、このうち地方公共団体施行は百九件、面積にいたしまして約五千四百ヘクタールに達しているわけでございまして、こういった要請すれば公共団体の土地区画整理事業を施行してもらえる、こういう制度があることが区画整理事業の促進に寄与しているのじゃないかというふうに私どもは考えておるわけでございます。
#89
○馬場富君 そういう点でやはり実績が非常に上がっていない理由が今述べられておりますが、次に特定土地担保賃貸住宅と、同じく分譲住宅の実績はどうか。特に、面積にするとどの程度になるのか。分譲住宅の実績がない理由はどうか、お尋ねいたします。
#90
○政府委員(吉沢奎介君) 御指摘のように、このあめ法の特例によります金融公庫の分譲住宅につきまして、その建設資金の貸し付けについては全く貸し付け実績がございません。この理由としましては、私ども考えられるのは、農地所有者が分譲住宅を建てますとこれは土地を手放すことになるわけでございまして、やはり土地は手放したくないということで消極的になっているためではないかというふうに考えております。
#91
○馬場富君 次に、大蔵省にお尋ねいたしますが、特定市街化区域農地に対する長期譲渡所得税の税率の軽減の措置について毎年度どの程度の農地が対象とされてきたか。実績と、今回、租特法の改正によりまして四千万円以下のものに対して特例を外し、四千万円を超えるものについても税率を百分の二十から百分の二十五に改めようとしておられますが、これによって市街化農地の宅地化を抑制することにはならないかどうか。大蔵省としてはどのように考えてみえますか、お尋ねいたします。また、建設省当局としてもこの点をどのようにとらえておるか、お尋ねいたします。
#92
○説明員(庄島修君) 長期所有の市街化区域農地を譲渡した場合、所得税の軽減措置につきましては租税特別措置法三十一条の三に定めておるところでございますけれども、その適用件数でございますが、昭和五十四年から五十八年までの五年分を合計いたしますと、一万一千三百件ございます。
 なお、最近の五十七年から五十八年分にかけましては、いずれも三千件を超えているという状況でございます。
#93
○説明員(濱本英輔君) 昭和五十七年の税制改正におきまして、例えば土地の譲渡所得の長短の区分につきまして従来の四十四年一月一日基準を過去十年間ということで区分し直す改正が行われました。そういった時期にさらに合わせまして、それまでは特別控除後の譲渡益が八千万円を超えます部分につきまして適用されておりました四分の三総合課税という方式を二分の一総合課税に軽減をいたしました。
 そういった見直しが行われましたことに見合いまして、従来の特定市街化区域農地について適用されておりました課税の特例措置というものにつきましてもこれを廃止すべきではないかという議論が当時ございましたけれども、ただいま御議論ございましたように、宅地並み農地につきまして所要の見直しが行われたということを勘案いたしまして三年間だけこの期限を延長するということにされたわけでございます。
 その三年間の期限が参るわけでございますが、そういった経緯に従えばこの際これを廃止すべきが至当であるという議論が今回の税制改正におきましても強うございました。ただしかし、一方で民間活力の活用といったようなことが重要な問題とされておる事情もございまして、とりあえずこれをさらに三年間延長するということに最終的な結論を得まして提案をさせていただいておるわけでございます。
 その際、税率につきましては、優良住宅地の造成のために土地を譲渡いたしました場合に適用される特例措置の税率とこれを合わせるということで改正案に盛り込ませていただいておるわけでございますけれども、こういった土地税制のあり方につきましては従来から政府の税制調査会におきましてもいろいろ論議がございまして現状はかなり複雑である、どちらかといいますと、これを整理合理化する方向で見直すべきであるという示唆を賜っておりまして、今回の見直しはそういった方向にも沿うものというふうに考えております。
#94
○政府委員(高橋進君) 今回の税制の軽減措置の改正の中身につきましては、今、大蔵省の課長から御答弁されたとおりでございます。建設省といたしましても、これらの措置が講ぜられた当初と現在の状況の変化、あるいは今お話ございましたようないろいろな基本となる税制の変化といったようなものとのバランス全体を考えていった場合、そういった措置も妥当なものだというふうに考えておるところでございます。
#95
○馬場富君 引き続き自治省にお尋ねいたしますが、今回の地方税法の改正でこの不動産取得税の軽減率が二分の一から三分の一に、また建物についての固定資産税の減額の適用期間が十五年から十年にそれぞれ引き下げられようとしておりますが、この改正の理由と、農地の宅地化に与える影響についてどのように考えておられるか、お尋ねいたします。
#96
○説明員(鶴岡啓一君) 現在、特定市街化区域農地を転用して貸し家住宅を建てる、そういう政策を促進する意味で時限的に不動産取得税並びに固定資産税につきまして通常の貸し家住宅よりも税負担が軽くなる措置をとってきているわけでございます。これは私どもとしましてはいわば一種の政策税制と考えておりまして、やはりその時点時点で見直しが必要だというふうに考えております。基本的にはこの制度そのものを廃止するというのには問題があるというふうに考えておりますが、今回延長するに当たりましては、他の一般の貸し家住宅の不動産取得税あるいは固定資産税との負担の均衡等を考慮しましてそれぞれ若干の見直しをさせていただいたというふうに考えております。
 これでどういう影響が出るかということでございますが、まず不動産取得税の方の関係でいきますと、今回新築の特例住宅の控除額を四百二十万から四百五十万に引き上げているというような別途の軽減措置もございまして、これがそう大きな足を引っ張るというふうなことにはならないのじゃないかというふうに考えております。
 また、固定資産税の関係につきましても、いわば今まで新築後十五年間という非常に長期に軽減をするということでございまして、他の中高層の場合が五年だということでこれを今回十年ということにさせていただきたいということで今改正法案を御提案申し上げているところでございますが、十年間というのもかなり長期でございまして、これが宅地化の促進の足を引っ張るということはないのではないかというふうに考えております。
#97
○馬場富君 以上質問してまいりましたが、このあめ法はどうも芳しい実績は上がっておらないようであります。その原因はどういったところにあるのか、結局のところあめ法のあめというのはやはりむちに対するあめになっているのではないか、その前提であるところのむち自体がしり抜けとなっていてちっともむちとなっていないのである、それがこの原因ではないかと思います。
 以下この点について順次お尋ねしてまいりますが、まず市街化区域農地の現状について説明願いたいと思います。
#98
○説明員(鶴岡啓一君) 税の方の関係で御説明申し上げますと、五十八年度で三大都市圏の特定市のいわゆる宅地並み課税の適用の対象になります特定市街化区域農地は約四万一千ヘクタールでございます。そのうち、長期営農継続農地の認定を受けておりますのが三万五千ヘクタール、それから宅地並み課税の適用を受けております農地が約六千ヘクタールでございます。
#99
○馬場富君 結局のところ、実際に宅地並み課税されているのは約二十万ヘクタールのうちにたったの六千ヘクタール、率にすれば三%にすぎないのであります。このわずか三%と、プラス若干の長期営農継続農地の転用分に対してあめをしゃぶらせているわけでありますから、ないよりはましでしょうけれども、そもそも実績が芳しくないのは当然の結果であると私は考えるのでございます。
 それでは特定市街化区域農地の宅地への転用率、ここらあたりの三年で結構ですが、どれぐらいになっているか、御説明願いたいと思います。
#100
○説明員(鶴岡啓一君) 五十七年に新しく課税の適正化措置の見直しが行われたわけですが、五十七年のときに三大都市圏の特定市で宅地並み課税が適用されていた農地が七千二百三ヘクタールでございます。それが昭和五十八年度は、先ほど若干数字を丸めて申し上げましたが、五千九百十三ヘクタールで、一年間に千二百九十ヘクタール、約千三百ヘクタールというものはいわば宅地並み課税農地から他の用途へ転換されたものというふうに私どもは見ております。
#101
○馬場富君 たかが毎年四%にすぎないわけでありますから、そうしますと現状ペースでいけば特定市街化区域農地の宅地化を達成するには二十五年を要するという計算になります。これでは現在のおおむね十年以内に市街化を図るべき区域というこの建前は完全に崩れてしまっておるわけでございますが、建設省はこの現状についてどのような見解を持っておられますか、お尋ねいたします。
#102
○政府委員(高橋進君) 今おっしゃいましたように、千数百ヘクタールの農地から他の用途への転換ということでございますが、基本的にはこのいろいろな措置というものにつきましてのPRといいますか、そういったことを通じてさらに促進を図る必要があると考えております。一方で、営農を希望する人たちとの調整という問題も基本的な要請として制度の中にあるものでございますから、そういった要素も同時に勘案しながら進めていかなきゃならぬという意味で、十年間に全部農地が農地以外に行くということも難しい。また、農地の、先ほどの御質疑にございましたように、市街化区域内におきます意味もそれなりにもございますものですから、そういったところとの調整も必要かと考えております。いずれにいたしましても、この制度がよりよく効果のあるものにするように公共団体その他の関係者に対しても十分PRしてまいりたいと思います。
#103
○馬場富君 このようにまだ市街化区域内に大量の農地が残っておるのでありますが、これらのうちには到底市街化の見込みのないものがかなりあると私たちは見ております。こういったものは、現在の線引き制度の建前や緑地保全、都市農業の保全を真に図ろうとするならば、どんどんと逆線引きをして調整区域に編入するなり、あるいは生産緑地に指定するなりすべきであると思っておるわけでございます。
 そこでお尋ねしますが、五十一年からの第一回目の線引き見直しと五十八年からの今回の見直しで逆線引きされた面積はどのくらいありますか、お尋ねいたします。
#104
○政府委員(梶原拓君) 五十五年の四月から五十九年の十二月まででございますが、まず基礎調査に基づく見直しを行った都市計画の区域の数で申し上げますと百四十五ございます。そのうち、逆線引きを実施いたしました都市計画区域の数が、六八%に相当いたします九十八地域でございます。そのトータルの逆線引きの面積が四千四百二十三ヘクタールということでございます。
#105
○馬場富君 この問題につきまして今までのことをまとめますと、市街化区域内農地については大いに宅地化を促進するための手段を講ずること、その際、ただやみくもに無秩序な宅地化を誘発することのないよう適切な誘導措置を行うこと、そして一方で、真に農業経営を行う意思があり、現実に行っておる農家に対しては、これを保護し、都市農業の育成、都市環境の保全を図るための施策を充実していくことが必要であると思うわけでございますが、建設大臣はこの点につきましてどのようにお考えですか。
#106
○国務大臣(木部佳昭君) 今御指摘いただきましたように、今後とも農家の営農希望との調整をやはり最大限に図らなきゃならぬ、そういうふうに私思います。そういう中においてこれらの制度の積極的な活用を図りながら、特定市街化区域の農地の一層の宅地化の促進をしてまいる努力をいたしたい、私はかように考えておるわけであります。
#107
○馬場富君 終わります。
#108
○委員長(本岡昭次君) 以上で午前中の質疑を終了いたしまして、午後二時に再開することといたします。
 それでは休憩いたします。
   午後零時十八分休憩
     ─────・─────
   午後二時五分開会
#109
○委員長(本岡昭次君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案及び特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括して議題といたします。
 質疑を続けます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#110
○上田耕一郎君 農住法及び宅地並み課税あめ法の一部改正法案についてですが、三年ごとに日切れ法案として時限立法で三年延ばしていっているんですが、今後これはどういう状況になるんですか。ことしあたり、あめも少し甘さが減ったというような感じもあるんですけれども、今後どういう考えでやっていこうとしているのか、お伺いいたします。
#111
○政府委員(高橋進君) この三年間は、今法案の延長でお願いしていますようなことで実施いたします。
 それの基本的な考え方は、前々から申し上げておりますように、営農という面にも考慮を払いながら市街化区域内の農地の宅地化の促進を図るということが基本的な考え方でありますが、今後という意味が三年たった後という意味でございますならば、三年たったところでの実施状況あるいは宅地化の動向等といったものを総合的に勘案いたしましてさらにどういった措置をとるか、その段階で検討し、考えてまいることになろうかと思います。
#112
○上田耕一郎君 あめ法による特定土地担保住宅建設戸数ですけれども、調査室からいただいた資料の三十九ページに四十八年度から五十八年度までの数字が出ておりまして、五十八年度は一番多くて四千二十二となっておりますが、もしわかれば、五十九年度はどのくらいだったか、それから六十年度の見込み、お答えいただきたいと思います。
#113
○政府委員(高橋進君) 今手元に資料ございませんので、後ほど調べまして御報告します。
#114
○上田耕一郎君 同じ調査室の資料の二十三ページに賃貸の条件が書いてあります。それで「賃借人の選定」というところを見ますと、特定土地担保住宅は原則として公募する、こうなっておる。もし事業者で従業員に住宅をいわば社宅用として貸し付けようとする者がある場合、このケースに含まれますか。
#115
○政府委員(吉沢奎介君) この土地担保賃貸住宅の考え方は、住宅に困窮したりしまして、みずからが居住するという人に原則として限っておるわけでございます。したがいまして、いわゆる社宅的に事業者が一括して借りて、それをどういう形かでまた自分ところの社員を入居させるといった種類のものは認めておりません。
#116
○上田耕一郎君 仮に企業が社宅として賃借したいという意思を持って土地所有者である建て主と組んで入れることがあると、公募の条件に反して形ばかりの募集ということになると思うんですね。実は、首都圏のある場所でそういう具体的例が出ているんですけれども、そういうケースは許されますか。
#117
○政府委員(吉沢奎介君) 事業主に貸さなくて、公募によってみずから居住する人にお貸しするという建前でございますので、先生おっしゃるような事例というのは具体的にはなかなか判断の難しい面もあろうかと思います。例えば、本当に組んで、そして自分の社員を入れるということにしたのか、あるいは社員が、公募でとなりますと、これは公募期間を置いて公募に応じた者に対して平等の条件のもとにその入居人を決定しなくちゃいけないということになっておりますので、そんなにうまいことその社員だけが全部入ってしまうということもあり得ないかと思いますが、例えば一定期間公募して入居者がいなかった、いなかったものについて個々にやっていったらたまたまその企業の人たちだけがお入りになってしまったという場合に、しかも契約はその個人との間で行って、家賃もその個人から徴収するということになってきますと扱いは社宅的扱いと扱いが異になるわけでございまして、これをしも一種の脱法的なものだというふうに認識できるかどうか、これは事実判断の問題じゃなかろうかと思います。
#118
○上田耕一郎君 この特定土地担保住宅というのは金利四・五%で、こんなに安いのはないんですね。ですから、今のような事例、住宅局長が言われるように、個々のケースになるといろいろ具体的にどうかということがあると思うんですけれども、やはりこういう四・五%という最も安い金利で建てられる住宅について原則公募ということに反するような脱法的行為、これについては具体的事例があったらきちんと調査して措置をしてほしいと思うんですが、いかがですか。
#119
○政府委員(吉沢奎介君) 先ほど申し上げましたように、会社がまとめて借りて社員に貸すということの脱法であるというようなことがわかればこれは断固たる措置をせざるを得ないと思いますが、なかなか判断に難しいことがあるのじゃなかろうかというふうに思います。
#120
○上田耕一郎君 次に、線引き問題、これをお聞きしたいと思うんですが、この線引きが四十三年の都市計画法の改正以来十六年経過してかなり事情が変わってきたというので読売新聞の一月九日付に大きな記事が載ったんですが、建設省はこの「現行線引き制度を、全面的に見直すことを決めた。」と報道されています。この読売の報道によると、見直しの焦点は二つだ、一つはふえ過ぎた市街化区域の望ましいあり方、二番目は地方都市を市街化区域と調整区域に線引きすることの是非となっておりますけれども、大体そういう考え方で見直しをやろうとされておりますか。
#121
○政府委員(梶原拓君) 線引き制度を施行いたしまして、いろいろ問題点もあったわけでございますが、御案内のとおり昭和五十七年の九月に制度の運用の見直しをいたしまして、その見直し方針に基づきまして、ただいま各都道府県で手続をしておるところでございまして、六十年度中にはおおむねそれが完了するということでございます。
 それで、当面、制度の運用の改善ということで実態に合わせた措置をしたいというふうに考えておるわけでございまして、制度そのものを変えるということは考えておりません。論議といたしまして市街化規模の問題とかあるいは地方都市の問題とかございますが、市街化の適正規模等の問題につきましては運用面で改善されると思っておりますし、地方都市におきましても、その後いわゆるスプロールの防止等の目的で新たに線引きをしたいというような相談が引き続いて来ておりますので、制度改正する必要はないというふうに考えております。
#122
○上田耕一郎君 今、地方都市の問題に触れられましたけれども、三大都市圏とそれから地方都市の場合いろいろ違うでしょうし、線引きは要らぬのじゃないかというところや逆線引きの問題がいろいろ出てくると思うんですけれども、地方公共団体の線引き問題についての考え方、これはどうごらんになっていますか。
#123
○政府委員(梶原拓君) ちょっとお尋ねの趣旨を十分私理解していないのでございますが、地方公共団体、地方都市におきましても市街化の進展ということもございまして、過去に線引き制度を取り入れなかったところがスプロール等でいろいろ問題が出ております。そこで、最近におきましても、線引き制度を取り入れたいということで線引きをしたり、あるいはただいま相談に私どものところにおいでいただいているというところもあるようでございます。
#124
○上田耕一郎君 線引きの見直し問題というのは、今建設省がかなり熱を入れている調整区域の開発問題、これともかかわりがあると思うんです。きょうの日経にもこの開発規制緩和問題について大きな記事が載っているんですけれども、これまで調整区域での開発の許可の基準であった二十ヘクタール以上という基準を五十八年の七月に施行令を改正して五ヘクタール以上ということにしたというんですね。かなりの自治体がそれに賛成しているのだと書かれているけれども、やっぱり大都市圏ではこういう開発をどんどんやられると関連公共事業で下水道から学校からいろんなことをやらなきゃならぬのでそういう開発についてはかなり難色を示している。これを見てみますと名古屋と横浜市が出ていますけれども、名古屋はこの記事では調整区域は市の面積の四%、緩和する必要がなかったと市が非公式に認めているという記事が載っていますけれども、ここでもやっぱり三大都市圏ではこういう開発問題というのはさまざまな問題を生むと思うんですね。
 きょう私そのことと関連する具体的な問題を取り上げてみたいと思うんですけれども、先日、予算委員会の総括質問で共産党の神谷議員が大規模宅地開発の問題で建設省の最近の例の適地調査、これについて質問した。五十八年度の調査地区六カ所を神谷さんが取り上げて、そのうち五カ所が西武鉄道、東急、名鉄、南海、近鉄と私鉄だ、六カ所のうち五カ所が私鉄が持っている土地で、しかもこの私鉄というのは大変政治献金も多いという質問をしたんです、これは一体どういうことだというので。五島昇東急電鉄社長が会長をやられている都市開発協会、これは私鉄加盟の団体ですけれども、その協会が発行した「都市開発協会十年史」、こういうのを取り上げて、そこに協会自身が、調整区域に持っている土地の開発問題が困難な理由として、開発を認められると企業救済につながってしまうという世論があって厳しいということだとか、また一つの企業の保有土地開発を認めると、ほぼ同じ条件の保有土地について開発を認めなければということになってしまって、優先順位なかなか困難なんだというようなことを挙げているわけですね。そういう事情がずっとあっているのにもかかわらず、建設省が五十八年度六つの適地とした調査地域が五つ私鉄だというのはおかしいと思うんです。この開発協会が挙げているこういう事情というのは今でも変わらないと思うのだけれども、それは変わらないのに、なぜこういう癒着の疑惑が生まれるような、特に私鉄、そこが主体になっている土地を建設省としては適地として選定したんですか。
#125
○政府委員(高橋進君) 我々大規模宅地開発促進調査と言っておりますが、この調査はおっしゃいますように五十八年度から始めたものでございます。
 まず、目的を申し上げますと、宅地需要の根強い三大都市圏等におきます宅地開発の停滞状況を考えますと、その主な理由は素地取得が困難化しているわけです。そこで、その宅地開発事業者が特に素地を取得している大規模な開発適地についてその事業化を促進するということは根強い宅地需要に対する供給促進策として有効なものであろうというふうに基本的に考えておるわけであります。そのために、そういった土地につきまして事業化の障害となる要因とそれに対する解決方策を調査して、計画的な新市街地の形成と良好な宅地の供給に資そう、こういうのが調査の基本目的でございます。
 それで、今御指摘のございましたように、五十八年度の調査対象の地区の土地保有をしておるところが私鉄系が多いではないかという御指摘でございますが、それは事実さようでございます。ただ、それはたまたま私鉄系が多い形となっておりますけれども、この調査の地区の選定に当たっては都道府県の調査受け入れの意向を打診しながら調査地区を協議しているわけでございまして、その基準といたしましては、開発熟度、宅地供給上のその県内あるいは大都市圏内の位置づけなどを勘案して行ったものでございまして、たまたま結果として私鉄系が五十八年調査の場合多くなっておりますけれども、あらかじめそれを特定の企業や特定の企業グループを名指しして行った、そういった方針のもとに調査を行ったものではないことを御了承いただきたいと思います。
#126
○上田耕一郎君 それがたまたまであって、関係都道府県の意向を尊重しながら話し合って決めたと言われますけれども、例えば毎日の去年の一月十八日付の記事を見ますと、神奈川は建設省の依頼を拒否した、それから埼玉県は一度断ったのだというんです。既に神奈川も拒否したので埼玉県も一度は断ったものの建設省に押し切られた、そう書いてあるんですね。どうも都道府県の意向を尊重してなんというのではなくて、断ったのになお押しつけるということを神奈川あるいは埼玉ではおやりになったのではないかと思うんですね。神奈川でも一度断ったのに、これは五十八年度は断った、ところが五十九年度については、これも毎日が書いているのだけれども、埼玉と同じように副知事が呼び出された、それで渋々一カ所調査に入ったということになっているんですな。そういうことをおやりになったのじゃないですか、断っているのに副知事を呼びつけたり。どうも意向尊重と真っ向から違うように思うんですが。
#127
○政府委員(高橋進君) 神奈川につきまして、たまたま時期が合わなかったということで、五十八年度に調査はどうかということに対して五十八年度はそのつもりはないということがあったことは事実のようでございます。埼玉につきましては、調査地区の選定に当たりまして建設省と県との間でいろんな事前協議の打ち合わせの段階がございまして、その際に、当初県の方でも県の一部でもってここの地区がいいのかなというようなことがありまして、それをやろうかということが一たん決まりかけたけれども、また県全体でさらに考え直してみれば別な方が、もっと幅広にやった方がいいというような意見も出たりしまして、それで結果として当初考えていたものと違った形になってきたという経緯はございます。いずれにしましても、建設省がこの地区をやれということで押しつけたというようなことではないということでございます。
 なお、副知事を呼んでというお話がございましたが、これにつきましては、私の前の時代ではございますが、都市局長と当時の計画局長が三大都市地域の副知事さんといろいろ協議した場はあったように承知しております。そのときの話は、基本的に線引きの問題なりあるいは開発許可の一般的な方針について、やはり大都市地域の中で良好な宅地供給を図る、あるいは適切な市街化を図る必要があるという面もあるわけでございますから、そういったより広い立場での国としての御意見を申し上げ、またそれぞれの県の立場での御意見もお聞きする、こういう場があったことは事実だと思いますが、その際にこの地区をやれとか、そういった押しつけをやったというふうには承知しておりません。
#128
○上田耕一郎君 五十八年五月には建設省宅地開発課主催で各県から関係課長を招集して会議を開いたというんですが、その場で一覧表を配付したというんですね。私、ここにコピーを持っていますけれども、これにはずっと番号がついて、どの企業が持っていて、どのぐらいの広さで、市街化区域との関係は隣接しているとか隣接していないとか、ずっと書いてあるんですよ。これは、僕は企業から出たのじゃないかと思うんですね。企業から出たそういう資料を、県、自治体の関係課長を呼んで会議を開いて、そこでこんな一覧表まで配付する。どうも企業臭い。
 私先ほど申しましたように、地方自治体は、特に三大都市圏などは調整区域の開発となると膨大な財政負担がかかるでしょう。昭和六十年度の予算で行政改革地方元年と言われて大問題になっている。補助金の一律カットというのは、生活保護費それから下水道まで含めますと約七千億地方自治体が肩がわりしなければならぬという状況なんですね。そこに、こういうのでどんどんやられたら、やっぱり地方自治体の方はかなり抵抗しますよ、三大都市圏は。それを建設省が、局長は具体的な地区までは言わぬと言うけれども、一度断ったものを、たまたま来たのかしらぬけれども、副知事に言ったりいろんなことをして、埼玉にしろ神奈川にしろ、どうもやっているような感じがするんですな。こういう企業から出た一覧表なんか配った事実はあるのじゃないですか。
#129
○政府委員(高橋進君) 今ちょっと私五十八年五月にどういう資料が配られたか承知しておりませんが、ただ企業からヒアリングはしております。企業といいますか業界団体から、どういった土地を持っているかというヒアリングは建設省としてもいたしております。そういったことも参考にしながら、同時にまた、その五十八年五月で、これも恐らく私のあれでは、一方的にこれでどうだということではなくて、あらかじめ恐らく、後でこれは確かめましてまた御報告してもよろしゅうございますが、県の事務当局とも話し合いながらの会議であって、そういったところで配られたものは一方的に企業の都合だけのものを配るといったような趣旨のものではないと思っております。
#130
○上田耕一郎君 私鉄の開発協会は、これも神谷質問で具体的に答弁してもらいましたけれども、自民党の政治資金団体の国民政治協会へ八二年二億七千万円、八三年三億円を政治献金しているんですね。だから、そういう鼻薬が効かないように、やはり三大都市圏の地方自治体の意向を本当に尊重してやっていただきたいと思うんです。
 大臣、この点について、調整区域の開発問題、これは自治体にとっては非常に大きな問題なので、本当に自治体の意向を尊重して進めていただきたい。断られたのに押しつけたり、万が一にも企業との癒着、どうも建設省は企業に弱いぞというふうな声が聞かれないように公正な態度でお願いしたいと思うんです。大臣の決意をお伺いしたい。
#131
○国務大臣(木部佳昭君) 先ほど局長からも御答弁申し上げましたように、この調査地区の選定に当たっては、特定企業とかまた特定の会社、そういうふうなものによってねじ曲げられるということになりますと、この運用の趣旨というものが大変違ってしまうわけでございますから、今いろいろ御指摘いただきましたように、これが公正に、しかも地方自治体とよく協議をしてその趣旨が達成できるような厳正な態度で臨んでいかなけりゃならぬ、こう私は考えております。
#132
○上田耕一郎君 神奈川、埼玉に続いて、今度は千葉の問題に入ってまいります。
 千葉は非常に奇妙なことがありまして、これも神谷質問で取り上げたんですが、日本経済新聞の三月十日の夕刊を見ますと、調整区域内の大型開発で五十九年度は千葉、埼玉、大阪、奈良、愛知の各府県一カ所ずつで五カ所になっているんです。ところが、同じ日経の八月の三日、約五カ月たちますと今度は千葉だけ二カ所に一つふえるんです。どこがふえたのかというので私どもこれはかなり調べたんです、どうも臭いというので。千葉県の宅地課へ行って聞きましたら、二カ所というのは御存じのように印旛村の平賀地区と佐倉市の飯重地区なんですね。千葉の宅地課としては第一号は印旛村の平賀だ、こう決めていたというんです、これは順天堂大学を誘致するということで。ところが、一カ所ここだと思って始めたら建設省が地区を指定してきたというので、飯重地区が追加されて二地区になったというのが千葉県の宅地課の話です。何でここだけ一地区ふえたのか。しかも、千葉の方は印旛村の平賀地区を順天堂大学と決めていて、新聞でも三月十日には一県一カ所と報道されていたのになぜここを建設省は追加したのか、理由をお聞かせください。
#133
○政府委員(高橋進君) お話のように、千葉県につきましては印旛村の平賀地区と佐倉市の飯重地区二カ所を五十八年度の調査の対象にしております。ただ、これは私の承知しておる限りでは、一カ所なのを後から二カ所にしたということではなくて、当初から千葉につきましては二カ所というふうに理解しております。印旛の方は、今ちょっとおっしゃったように、大学なども入れたいわばセット開発的なといいますか、セット開発というのはちょっと言葉が悪うございますが、単なる住宅地だけではなくて大学その他のことも一緒にした地域開発という計画面のウエートが多うございますが、飯重の方は比較的住宅地としての開発熟度が高い、そういう両方の意味でもってそれぞれ熟度はそれなりにあるのではないかということで当初から対象にしたものと思います。
#134
○上田耕一郎君 後から一つつけ加えたのじゃなくて、最初から二地区だったんですね。何で千葉だけ二地区にしたんですか、ほかの県は一カ所なのに。
#135
○政府委員(高橋進君) これは特に千葉だけをねらい撃ちに二カ所ということではございませんでして、適当な地区があれば全体として当初から五ないし七カ所ぐらいというようなことの方針でおりまして、熟度がそれなりにそれぞれあるというものについてたまたま千葉で二カ所という結果になっておりますが、一県に余り偏っては問題でございますけれども、一県は一カ所でなければならぬという方針をあらかじめ持っていたわけでもございません。
#136
○上田耕一郎君 この飯重地区についてはいろいろ疑惑の問題が出てきているので神谷質問で取り上げたんです。そうすると局長は、どうも土地転がしがあったのではないかというのだが、以前のどういう企業が持っていたかということについては承知しておりません、それから過去の売買の経緯については現在のところ調査のつもりはございません、そう答えている。土地転がしの結果の土地でも調査するつもりはないと言うのだが、どんなに土地転がしがあって疑惑があって大もうけがあってもそういうことは関知しない、そういうことは無関係に指定していこうというおつもりなんですか、今後とも。
#137
○政府委員(高橋進君) 先ほどこの調査の趣旨について申し上げましたように、宅地需要の根強い三大都市地域において良好な、計画的な宅地開発に資そうというのが基本でございます。したがいまして、そういったことについてどういう支障があるかとかいうことについての調査をし、また良好な宅地供給のための手段等について調査するのがこの調査の目的でございまして、その土地所有の経緯がどうであったかというのはこの調査でもって調査する必要はないのではないかというふうに考えております。予算委員会での神谷先生からの御指摘もありまして、そうした事実があるかどうかということにつきましては現在の土地所有者にも一応聞いてはみましたけれども、今申し上げたようなことで特段の調査を行う必要はないのではないかというふうに考えております。
#138
○上田耕一郎君 特段の調査が必要ないのではないかと考えているのじゃなくて、特段の調査が必要なことを神谷質問はだから出したわけですね。どうも、この飯重地区には私は大きな問題があると思うんですね。
 ここに千葉県の五十八年度「大規模宅地開発促進調査概要書」、飯重地区についての報告書があります。この中に佐倉市の項について書き、「市街化調整区域の大規模住宅開発として位置づけ、今後、市街化の状況を勘案し市街化区域への編入を行っていく方針である。」、こう述べてある。
 さて、去年の四月の時点で千葉県は線引きの見直し原案をまとめたといいますけれども、去年の四月時点でまとめた線引き見直し原案にはこの佐倉市飯重地区はどういうふうに位置づけられていますか。
#139
○政府委員(梶原拓君) ただいま千葉県と線引きの見直し事前協議を了しまして、千葉県におきまして次の法律上の手続の段階に入ったところでございます。事前協議を受けました案によりますと、この飯重地区につきましては、宅地開発の適地ではございますが、計画的な市街地整備の見通しが確実となっていないため市街化区域への編入が留保されている土地ということになっております。
#140
○上田耕一郎君 留保地域になったわけですね。
 この前の神谷質問で、この飯重地区について東京興産、これは大臣も全く無関係じゃないんですよ、東京興産というのは例の西戸山で大問題になっていて、ここの野島吉朗という人は中曽根派の政治資金団体である山王経済研究会の幹事で、政治献金問題と絡んでいろいろ問題になっているところなんですから。その東京興産の土地転がしの差益問題、非常に莫大な利益を得たのではないかという問題と、無許可で営業したのではないか、宅建業法違反じゃないか、局長は調査しますと答えられておりますけれども、調査結果はいかがだったでしょうか。
#141
○政府委員(高橋進君) 現在までに調査しましたところを申し上げますと、次のとおりでございます。
 東京興産株式会社は、昭和四十二年七月三十一日に設立されまして、昭和四十三年四月三十日付で東京都知事免許を取得し、宅地建物取引業を営んでいたものでございます。
 予算委員会で問題になりました神谷委員からの御指摘は、建設大臣の免許を受ける以前に千葉県で事務所を設けてそこで営業活動をしていたのではないか、そうであるとするならば二都府県以上にまたがる事務所がある企業であるから大臣免許がなければならぬはずではなかったか、そういう意味で違法ではないかという御指摘だったと思いますが、その点につきまして調査しましたところ、まず建設大臣免許を取得しようとするときはあらかじめ形の上での事務所を設置することになっておるわけでございます。これは現在の制度でははっきりそういうことが政令でうたわれておりますが、当時政令にまだゆだねられておりませんが、当時の解釈、運用上もそのようにいたしまして、大臣免許をあらかじめ受けようとするときにはそれぞれ二都府県以上で事務所を持っているということを、住所もちゃんとはっきりさせまして申請をさせるようにしておりました。そういうことになっておりましたので、昭和四十五年六月三十日に東京興産は佐倉市の臼井五十五番地所在の建物を事務所として賃借しまして、それで同年七月十日、建設大臣あて免許がえの申請を行い、同年十二月十一日付で建設大臣免許を取得した、こういう経緯でございます。
 その間に、その事務所をつくってから大臣免許を受けるまでの間にそういった営業行為をその事務所の人間がやっていたのではないか、こういう御指摘だったわけでございますが、その段階では、東京興産について調べましたところ、当時、建設大臣免許の取得前には契約締結権限を有する使用人は当該事務所には置いておらずに、土地売買契約等の宅地建物取引業務は本社の直轄で行っていた、こういうことでございます。そういう意味で、同社が当時宅地建物取引業法に違反していたという事実は現在のところございません。
#142
○上田耕一郎君 神谷さんは二つ指摘している。一つは、今、局長言われたように、二府県にまたがって大臣認可以前に仕事をしていたのじゃないか。その前に、例えば一つは四十一年から四十二年にかけての八幡台団地の地上げがあります、こう聞いているんですよ。これは都知事認可が四十三年の四月三十日ですから、都知事認可を受ける前に、四十一年から四十二年に、地図もありますが、八幡台団地というのはここですよ。ここが飯重地区、その北西のところです、京成臼井駅の北側の。ここの地上げをやっていた。これは認可の前なんで、全く都知事認可も得ないのに不動産業を事実上やっていたということになるわけです。これについては調べていないんでしょう。これも調べていただきたい。
#143
○政府委員(高橋進君) その点につきまして、あらかじめ御質問の内容にもそういったことに若干触れる面がありましたので一応調べております。
 それにつきましては、東京興産株式会社では八幡台団地での売買契約の締結は、期間は四十五年の二月から四十六年三月にかけて行っておりまして、既に免許を受けた後であるというふうの説明を受けております。
#144
○上田耕一郎君 野島さんの方がそういう説明をしたというわけですね。それはもうちょっと調べていただきたい。
 実は、それだけじゃなくて、きょうはひとつ新しい問題を取り上げたいんですが、この地図のここが飯重地区です。飯重地区の西側に下志津地区というところがある。これがやはり野島吉朗氏、東京興産の同じような行動をした買い占め地でして、この地区も同じ調整区域にあって計画面積百十ヘクタール。飯重地区と同じ時期の昭和四十六年から四十七年ごろに買い占めてやはり開発凍結で塩漬け同然なんです。ここもやっぱり同じような登場人物で土地転がしが行われておりまして、農民から東京興産が買い占めて、日本地所、ここに売りつける。日本地所というのは、例の福島交通事件にもかかわりのあった日本債券銀行、日債銀の子会社です。その子会社の日本地所に売りつけ、大林組も登場して、またその日本地所が今度は大日不動産というペーパーカンパニー、ここに売りつけております。建設省はこの下志津地区についてはまさか指定するようなつもりはないでしょうね、すぐ隣ですから。
#145
○政府委員(高橋進君) 現在のところ、この開発促進地区の調査の指定の対象にすることは考えておりません。
#146
○上田耕一郎君 梶原局長、ここも先ほどの千葉の原案ではやっぱり保留地域になっていますか、下志津も。
#147
○政府委員(梶原拓君) 調べましたところ、ここは対象になっていないということでございます。
#148
○上田耕一郎君 飯重の方はとにかく建設省が指定したんでしょう。ところが、ここもおかしいんですよ。建設省が指定したのに、梶原さんがさっき言ったのは、県の方は四月の見直しでまだ条件が整わないので保留したのだから、千葉が保留するようなところを頭から二カ所指定するという事態、これがおかしいんですよ。それで、この隣の下志津というのは県はまるで問題にもしていないような、保留でもない、開発対象になっていない。ところが、開発対象にもなっていないようなところが非常に奇怪な土地交換が行われているんですね、これは日本地所と大日不動産との間なんですが。農水省、この土地の土地交換について、面積、件数、理由、これについて述べていただきたい。
#149
○説明員(入澤肇君) 昨夜、先生から御質問の通告がありましたので、許可権者でありました佐倉市農業委員会に電話で照会しましたところ、佐倉市下志津畔田地区において農地の交換に係る農地法三条の許可の申請が関係農民十三人から出されまして、五十九年の四月二十日付で許可がなされております。
 内容は、件数にしますと十一件、これは交換でございますから往復で二十二件でございます。面積は、三十二筆、約一・五ヘクタール、メートル換算しますと一万五千三百九十六平方メートル。権利の内容は交換による所有権移転ということでございます。
 交換に至りました経緯といいますと、土地改良事業に参加を希望する者が土地改良事業地区内に農地を求めましたことから、事業地区内外の農家の間で交換が行われたものと聞いております。
#150
○上田耕一郎君 この大日不動産株式会社、これは建設省、登録はある会社ですか。
#151
○政府委員(高橋進君) 宅地建物取引業法の免許を受けていないものでございます、調べましたところ。
#152
○上田耕一郎君 ここに出てくるこの大日不動産というのはペーパーカンパニーで、おかしいんです。県知事認可も受けていない、大臣認可も受けていない。調べてみますと、本店は日本地所と全く同じです。住所も同じ、社長も同じです。それで、日本地所が半分出資しているんです。つまり、東京興産から日本地所はとんでもない開発の見込みのないような土地を売りつけられて何十億払ったとか、いろいろ言われていますけれども、売りつけられたんですな。まるで塩漬けですから、とんでもないところなんです。それで帳簿上、これは脱税のためでしょうね、社長も同じ、事務所も同じ、大日不動産という不動産会社をつくってそこに売ったわけですよ、紙の上だけで。それで半分出資という形にしたわけですね。不動産株式会社という名前がついているのだから不動産事業をやるのかと思うと全然認可は受けていない。ただ、土地を買うだけならいい、不動産業ということにならぬというので認可は要らぬのでしょうけれども、だから売るつもりもないのかもしれないけれども、とにかくそういう会社なんですよ。
 しかし、この日本地所とは半分出資で社長も同じ、事務所も同じなんです。日本地所はちゃんと認可された会社ですから、ここの経緯については調べられると思うんですね。ここもやっぱり予算委員会で問題になった野島氏の東京興産の、また日債銀の子会社の日本地所の場所は同じで、非常に奇怪な動きがあるところなんですね。局長、いかがですか、この日本地所から聞いて、とにかく社長は同じで事務所も同じなんだから、ここの土地の売買についての経緯を調べていただきたいんですが。
#153
○政府委員(高橋進君) 宅地建物取引業法上の違反があるか、違反があるとすれば問題でございますので、そのことについては調べてみたいと思います。
#154
○上田耕一郎君 この土地についてはさまざまな情報が流れていて、やはりかなり政権中枢部がかんだ、政治献金十億単位というようなことも言われている、活字にもなっている場所なんですね。
 それで野島さんは、これは去年安武議員が予算委員会で質問をした際に、中曽根首相に対する政治献金問題も西戸山の公務員住宅問題のときにそれに関連して取り上げている。野島社長は、五十七年の秋、自民党総裁選の直前、届けられているもので八百九十万政治献金をしている、それ以外に裏にあるかどうかわかりませんけれども。東京興産の取締役会で野島社長が政治献金をするという発言をしたという情報も私どものところに寄せられているんですね。総額が八百九十万、これは届け出ている。それ以外はどうかわかりませんよ。
 巷間いろいろ言われているのは、この下志津地区の問題。つまり、野島氏が日本地所に、これは福島交通との問題で日本債銀との関係がありますので、そういうことで全く使えない土地を将来ゴルフ場にできるとかなんとかいうので無理やり買わせたらしいというような話もあって、そこでかなり奇怪な癒着その他の話も出ている。新宿西戸山の話が、これは千葉の飯重地区、下志津地区と野島吉郎という、中曽根首相は去年は東大出で非常に優秀な人だと言ったのだけれども、この間の委員会では東大出というのも事実は違って、しかし非常に専門家で法律に詳しいというようなことを言われておりますけれども、首相官邸にも最近行ったということも首相は認めているんですね。これがずっとつながって、やはり我々としては、いろいろな問題が出ているだけに建設省としてもきちんとした姿勢でこれらの問題に対処してほしいし、対処しなければならないと思うんです。
 やはりきのう予算委員会で安恒議員が取り上げて問題になった。きょうの朝日でも「西戸山再開発 国会また追及」という大きな記事が載っております。なぜこの民間活力で西戸山再開発を急ぐのか、「五月中に都市計画決定を済ますように東京都に対し圧力をかけているというが本当か」と安恒議員が質問したところ、建設省の松原審議官は、「新宿区と会社との間で大筋のワクで開発の進め方について合意している。早期に計画決定していただくようお願いしている」という答弁をしたと新聞で報道されているんですけれども、これだけ国会でもいろいろ問題になり、地元でも反対運動があり、都市計画決定前にアセスメントその他おかしいじゃないかということで大蔵大臣まで答弁しているのに、なぜ五月中にというので圧力というか、そういう五月中に早く決定しろとお願いしているという態度を松原審議官は答弁しているんですか。理由をはっきり聞かしてください。
#155
○政府委員(松原青美君) 昨日も安恒先生の御質問にお答えしたと思いますが、この新宿西戸山地区の開発計画につきまして、昨年一年間で新宿区と会社との間では大筋の計画の概要について合意ができております。
 この開発計画を私どもが見ますに、新宿区の方なり東京都の方は、一つは都市計画決定という手続をもってこの利用といいますかを担保したいという考え方でございます。と申しますのは、御承知かと思いますが、あの地区は避難地としても位置づけられておる地区でございます。この地域をどのように将来土地利用として担保していくかという場合に一番確実な方法は、都市計画決定を行って土地利用の位置づけをはっきりし、そういう方向で実現し、将来も担保するということが一番望ましい方向でございます。
 もう一つは、市街地住宅の供給という点からも望ましいことでございます。そういう点では、開発の合意といいますか開発計画が大枠で合意されている段階では、特にこの土地は民間活力のモデルケースとして取り上げられているわけでございまして、国有地の払い下げの一つのモデルケースと考えております。特に、市街地の国有地を払い下げてそれを活用する場合には、いろいろな意味で都市環境の改善に効果があるとかあるいは市街地住宅の供給に貢献する、こういう位置づけが望ましいわけでございまして、その位置づけを担保する意味から都市計画決定をする必要があると考えておるわけでございます。
 そういうことで、東京都とも私が窓口になりまして従来からいろいろ御意見をお伺いしておるわけでありますが、そういう段階に来たところでなるべく速やかに手続を進めてもらいたいという御希望を申し上げておるわけでございます。圧力とかどうとかということは毛頭ございませんで、先生御承知のような私どもと東京都との間でございますから、圧力をかけたりかけられたりするという間柄でもございません。私が担当いたしておりますから、私は圧力をかけるという柄でもございませんので、十分相互の意思疎通を図って私どもの希望を申し伝えているということでございます。
#156
○上田耕一郎君 あなた、区は賛成だと言うけれども、きょうの朝日の記事にもありますが、「新宿区議会は「反対」崩さず」となっているんですよ。「新宿区議会は一昨年九月の全員協議会で、「再開発計画は、調和のとれた町づくりに重大な影響を及ぼす恐れがあるので反対の意思を表明する」と全会派一致で決め、」、全会派一致ですよ、「同年十月一日付で大蔵大臣と大蔵省理財局長あてに要望書を提出しており、同区議会は今も「反対」の態度を崩していない。」。区長の態度、これももちろん考慮しなきゃいかぬけれども、区議会というのは住民の代表機関でしょう。共産党や社会党だけじゃないのだから、全会一致で反対しているんですからこれはやっぱり考慮しなきゃいかぬでしょう。それを、区議会がこういう態度をとっているのになるべく早期にと、お人柄で圧力じゃないそうだけれども、何で区議会のこういう問題を考慮に入れないんですか。
#157
○政府委員(松原青美君) 恐らく、区議会はこの話が出た当初の段階で反対決議をされたわけだと思います。と申しますのは、当初の伝えられた構想では、私どもも別にコミットメントしている計画ではございませんが、三十五階建てで、戸数も相当多い戸数という計画でございました。そういう段階で出てまいりまして、恐らく新宿区議会としては反対の決議をされたのだろうと思います。
 私が大筋で合意を見ているということは、その後その当初の構想というものが大幅に変わりまして、戸数の点でも五百数十戸、階数にしますと二十五階、周辺の日照に与える影響とか、そういうことも考慮しまして、高さ、戸数、したがって容積も変わってきたわけでございますが、そういうことで変更されたわけでございます。もちろん、区議会の当時の反対決議が変わっていないということは承知いたしているわけでございまして、区長さんとしては、その区議会の意思がその後どうなったか、今区と事務的に一応詰まっております計画によって区議会のお考えが変わるのかどうか、そういうことも見定めておられることだろうと思っております。したがいまして、区議会の意見を無視してどうこうとかということは、重ねて申し上げますが、私の方がそんな圧力をかける立場にはございません。
#158
○上田耕一郎君 私もこの地域は一年以上前、もっと前ですが、調査に入っていろいろ調べてきているんですけれども、調査してから当日、大蔵省のお役人さんを呼んでかなり詰めたことがあるんです。そのときにも問題にしたんですけれども、西戸山は中曽根首相のお声がかりで始まっている、御存じだと思いますけれども。例えば、日経の五十八年七月二十七日の記事ですが、「難問多い公務員住宅高層化」というんですが、中曽根首相は六月二十三日、大蔵省の西垣理財局長を首相官邸に呼び、それで公務員住宅問題を言いつけたと。首相が大蔵省の理財局長西垣氏、彼は以前、建設担当でここに座っていたこともあるのでありますけれども、理財局長を呼んで、首相がじきじきにやれということで始まったのだから、これは異例のことですよ。
 それで、モデルケースだと松原審議官は言われた。あそこは首相がじきじき目をつけてやれということで始まっているんですよ。だから、都市計画決定も何もないのに会社はできてしまう、アセスメントも始まってしまう、ひどい話なんだ。これは神谷さんも聞きましたけれども、都市計画法によれば、国有地ですから当然都道府県、市町村がやるはずなんだよ。しかも、一般競争入札じゃなくて随意契約でやらそうというんでしょう。ああいう国有地を払い下げる場合は、国民の財産なんだから、やっぱりなるべく高く売れる方がいいわけだから当然一般競争入札だ。それを随契でやらそうなんてとんでもない。随契でやらすというと、結局法律を調べると五十九条の四、「特別の事情がある場合」、これしかない。
 そういうめちゃくちゃなやり方で、あそこの野島吉朗東京興産社長、それからあそこの田村専務が代表取締役になって、これはそう大きな会社じゃない、それが大きな企業を集めて、野島、田村なんというのが中心に座って、随契で、しかも周りの住民から反対運動が起きて大問題になっている。国会でも問題になっているでしょう。極めて異常な事態ですよ。その裏には政治献金まであるのじゃないかというので去年我々は安武質問で大分追及した。千葉まで飛び火しているという状況なんですね。
 もう時間が参りました。最後に、大臣、これだけ西戸山問題というのは国会でも問題になり、今、日照の問題もありましたけれども、地元でもテレビの障害問題でも問題になっており、それから区議会でもあそこの再開発問題として非常に重視されているわけだから、やはり単純に首相のお声がかりで、どこかから、それこそまるで違うお人柄の方から恐るべき圧力がかかっているのかもしれませんけれども、そういうのに屈しないで公正なやり方でひとつ進めるように、こんなとんでもないやり方はやってもらいたくない。やっぱり建設大臣が責任を持って、疑惑の残らないやり方で進めるということをぜひ要請したいと思います。
#159
○政府委員(松原青美君) 大臣が答える前に、ちょっと私の方から。
 今、お話が出ました中でちょっと御説明申し上げたいわけでございますが、都市計画決定がなされる前に会社ができているとか都市計画事業の認可を受ける前に会社がアセスメント等を行っているというのはおかしいではないかという御指摘のようでございますが、一般に都市計画法の運用に当たりまして、各種の申請がなされる段階で形式的にも実質的にもいろいろな要件を具備するように事前の関係者間の調整を十分していただくというのが通常の例でございます。したがいまして、申請者が申請に先立ちましていろんな調査行為を事実行為として行うというのはよくある例でございます。
 この場合に、アセスメントを例に引かれましたが、このアセスメントは、今、先生がおっしゃった日照の問題、電波の問題、そういうこともございますので、新宿区が会社に対して、これは東京都のアセスメント要綱では戸数の面からアセスメントの法律的な義務のない事業ではございますが、特に念を入れてそういう点のアセスメントを行うようにという要請があったと聞いております。それに基づきまして会社の方と大蔵省が、公務員宿舎を建てかえるものですから、これとあわせての複合の影響等も出るということでそれぞれがアセスメントを行った、こういうふうに聞いておるわけでございます。
 この関係から見ると、都市計画事業の施行を認可するに当たりましては事業の適正な執行能力があるかどうかということが一つの大きな申請者に対する審査事項になりますから、そういう点では十分準備をしまして確実に事業が行われるという信用が得られることがまた重要ではないかと考えておりますので、特に事実行為としてそういうことをしたからといって特段都市計画法上違法とか不当とかということにはならないかと存じております。
#160
○国務大臣(木部佳昭君) この西戸山の民活の問題につきましては、国有地等有効活用推進本部が設置されておりまして、本部長が総理大臣、それから副本部長が大蔵大臣、運輸大臣、建設大臣、こういうことの推進の本部ができておるわけでありまして、ここが中心になりまして、いろいろ今、審議官から答弁のありましたように手続を進めてこられたものだ、そう私は理解をいたしておるわけです。
 したがって、この間の予算委員会でもいろいろ御指摘がありましたが、細かい法律的なことはわかりませんが、今、審議官からも答弁がありましたように、大枠として何か違法をしているとかということは私はどうかと思うんです。しかし、事が国民の資産のことでもございますし、また西戸山を民活で開発するということにつきましては、これは良好な町づくり、環境づくり、それからまた災害や何かの避難地としての使命もあるわけでございましょうから、いずれにしても今御指摘のありましたように、区民の皆さん方、また区議会なり、区長さんなり、そういう周囲の住民なりというものが十分な理解をしていただかないとこれはなかなか達成できる問題ではない、そういうふうに私は思うんです。そういう意味で厳正な手続を踏んで進めていかなきゃならぬ、そういうふうに考えておるわけであります。
#161
○上田耕一郎君 終わります。
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#162
○委員長(本岡昭次君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、下田京子君が委員を辞任され、その補欠として山中郁子君が選任されました。
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#163
○山田勇君 特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 ちょっと順位を変えまして、大蔵省並びに自治省の方がお見えになっておりますので、その方から先に質疑をいたします。
 法第八条並びに九条の税の軽減措置に関連してお伺いをいたします。
 租税特別措置法及び地方税法の一部を改正し、特定市街化区域農地等の譲渡に係る所得税の軽減措置、四千万まで百分の十五を百分の二十へ、四千万円を超えると百分の二十から百分の二十五へそれぞれ引き上げを図ることにしておりますが、これまた不動産取得税並びに固定資産税の軽減策を見直そうとしておりますが、これについていかなる理由で今回の見直しをするのか、大蔵省並びに自治省の見解をお聞かせいただきたいと思います。
#164
○説明員(濱本英輔君) お答え申し上げます。
 昭和五十七年に大幅な宅地税制の改正が行われました際に、特別控除後の譲渡益が八千万円を超えます部分につきましては、従来であればその四分の三を他の所得と合算いたしまして総合課税をするという仕組みになっておりましたものを二分の一を限って総合課税すればよいという制度に改められたいきさつがございます。そのような軽減措置が片方で講ぜられたものでございますから、この特定市街化区域に関します長期譲渡の特例措置につきましてもこれをこの際廃止してはどうかという意見がございました。しかし、宅地並み課税の問題につきまして所要の見直しが行われた時期でもございましたものですから、これを三年間に限りまして存続するということにいたしまして、たまたまこの三年目が到来するわけでございます。
 そういった経緯にかんがみましたときに、今回これを廃止するということが税制改正の議論を通じまして強く主張されてまいりました。しかし、現在の状況は一方でまた民間活力というものを活用すべきであるという論議を呼んでおりまして、そういった観点からこれを今廃止するのはいかがであろうかということになりまして、なお三年間存続をするということにさせていただいてはいかがかと考えるわけでございます。ただ、その際、税率といたしましては、優良住宅地の造成につきまして特別措置がございますけれども、こういったものと見比べまして、これと同様の税率を適用するということによって存続をさせていただいたらいかがか、かように考えたわけでございます。
#165
○説明員(鶴岡啓一君) 市街化区域農地の宅地化の促進の助成策の一つとしまして、今お話がありましたように、農地等の所有者が一定の貸し家住宅を建てる場合につきまして、不動産取得税並びに固定資産税につきまして通常の貸し家住宅より以上の軽減措置をとっているわけでございます。これは宅地並み課税が実施されて以来の経緯で、一つのそういう助成策として政策税制として講じてきているものでございまして、ある時点時点において必要な見直しは行うべきものだと考えてきているわけでございます。今回、この二つの措置はいずれも引き続き存続が必要であるということで今地方税法の改正をお願いしているわけですが、この延長に際しまして若干の見直しをさせていただいておるわけでございます。
 不動産取得税についてそういう措置をとりましたのは、一つは、一般的に貸し家住宅につきましてとか新築の住宅につきまして評価額から四百二十万円を控除するという制度をつくっておりますが、これを今回四百五十万円に実は引き上げております。そういうような一般的な軽減措置の方が強化されているというようなこと等を考慮して、今回率を若干縮減させていただきたいというふうに考えております。
 それから固定資産税につきましても、これは制度が当初できたときから十五年間ということでやってきたわけですが、一般の中高層の耐火建築物につきましてはその後いろいろ見直しが行われまして現在五年間二分の一ということになっておりまして、その一般の中高層の耐火の住宅とのバランスから今回新築後十五年間というのを十年間というふうに期間の縮減をお願いしたいというふうに考えておるわけでございます。
#166
○山田勇君 大蔵省、結構でございます。
 この臨時措置法の第三条は土地区画整理事業の施行の要請について述べてありますが、まずこの土地区画整理事業の施行状況はどのようになっていますか。具体的な件数及び面積についてお答えをいただきたいと思います。
#167
○政府委員(梶原拓君) この法律の対象地域におきます土地区画整理事業の施行状況でございますが、昭和四十八年度から五十九年度の上半期のみでございますが、それまで全体で地区数五百六十一カ所、面積で二万七百七十ヘクタール、そのうち地方公共団体施行が百九地区、五千三百九十六ヘクタールというような状況でございます。
#168
○山田勇君 これは余り成果が上がっていないように思いますが、どのような要因によるものと認識をされておりますか。また、五十七年度当時からの三年間、この方式に対する建設省の取り組みはどのようなものであったか、お尋ねをいたします。
#169
○政府委員(梶原拓君) 要請土地区画整理事業の件に関してのお尋ねかと思いますが、この制度に基づきます事業は現在まで一件でございます。埼玉県の新座市で施行された一件でございますが、この制度、つまり要請によりまして地方公共団体が区画整理を施行してくれる、こういうことでございますので、地元の意向を受けて地方公共団体がみずから施行する区画整理事業、これがさっき申し上げましたようにかなり促進されております。また、こういうことが契機になりまして農地所有者みずからが組合を設立して行います組合施行の区画整理事業、これもかなり盛んに行われております。そういうことで、この制度に正式に乗った区画整理事業はわずかでございますが、制度の趣旨は実質的に生かされてきておるというふうに思うわけでございます。
#170
○山田勇君 次に、この法律の第六条の公庫資金の貸し付けの特例についてお尋ねいたしますが、この特例についての実績はどうなっておりますか。
#171
○政府委員(吉沢奎介君) この特例二つございまして、賃貸住宅の建設資金とそれから分譲住宅の建設資金とございます。
 賃貸住宅の建設資金につきましては、五十八年度が四千二十二戸でございます。実は、先ほど上田先生からお話ございまして、五十九、六十はどうかということでございました。六十はもちろんわかりかねるわけでございますが、五十九年度、現在わかる範囲では約三千三百戸がこの一月の時点で把握されているという報告を得ております。
 また、分譲の方は実績がゼロでございます。
#172
○山田勇君 次に、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案についてお伺いいたします。
 まず、いわゆる農住法による賃貸住宅の建築実績について、簡単で結構ですが、お聞かせください。これは午前中の青木委員とも重複するところもありますので、簡潔で結構でございます。
#173
○政府委員(吉沢奎介君) 農住制度が四十六年に創設されましてから五十九年度までに一万九千八百五十九戸の実績を上げております。
#174
○山田勇君 午前中の青木委員の質疑の中にありまして、十一道府県がPR不足だということを局長はおっしゃっておりましたが、今後どういう形でこれを促進するためのPRということをお考えになっておられますか。
#175
○政府委員(吉沢奎介君) 午前中申し上げたのは、PR不足ばかりでなくいろいろの要因があるということで、例えばその地域自体賃貸住宅の需要が非常に少ないところがあるとか、あるいは土地を持っておる方々が賃貸住宅を建てるという形での土地利用に踏み切っておられないというような地域もあるだろう。あるいは水田要件がございますが、まとまった水田が都市地域のそばにないという沖縄とか北海道とか、そういう場合もございます。そういったいろいろな事例があるわけでございますが、もちろんPRが足りない面もあろうかと思います。PRにつきましては、先ほども申し上げましたように、これは建設省あるいは都道府県あるいは農協、それらが皆一緒になりましていろいろな形でのPRをやっておるわけでございますけれども、今後ともこの方式を進めてまいりたいというふうに考えております。
#176
○山田勇君 適用対象地域については住宅不足地域をおおむねカバーしていることと思いますが、また要件につきましても当初二ヘクタール以上または住宅戸数二百五十戸以上となっていたものが、緩和措置がとられて現在は一ヘクタール以上または五十戸以上となっております。また、水田要件も現在は水田面積がその一団地につき二分の一以上または〇・五ヘクタール以上となっている。そこで、この要件に適合しない農地についてはどのような措置を講じているのか、お尋ねをいたします。
#177
○政府委員(吉沢奎介君) これらの要件に適合しない地域もいろいろございます。しかし、これにつきましては、農住制度のほかに、土地所有者が銀行から融資を受けて賃貸住宅を建設して、この融資機関に対して国と地方公共団体が半分ずつ負担して利子補給をするといういわゆる特定賃貸住宅制度がございます。それから土地所有者が住宅金融公庫の融資を受けて賃貸住宅を建設するという土地担保賃貸住宅制度がございます。また、住宅・都市整備公団が土地所有者にかわりましてその土地所有者のお持ちになっている土地の上に賃貸住宅を建てて、そしてその建設資金を長期割賦方式で返済するといういわゆる民営賃貸用特定分譲住宅制度というようなものもございまして、この農住制度の適用にならない地域におきましてもこれらの制度の適用がある場合が相当多くあるわけでございますので、これらの制度を活用して賃貸住宅の需要に対応してまいりたいというふうに考えております。
#178
○山田勇君 最後に、大臣にお伺いをします。
 法律というものは、その運用の面でしっかりとした対応が肝要であります。公正公平という観点からもよい実績を積んでいくことが大切であると考えます。大臣の所信をお聞きしまして、私の質問を終わります。
#179
○国務大臣(木部佳昭君) この農住制度も創設から十年というようなそういう月日がたっておるわけですが、その間、関係機関や農業団体等が大変この普及活動をやったりいたしまして、最近では率直に言って非常に定着しておる、そういう私は受けとめ方を実はいたしておるわけであります。しかし、今御指摘のように、この賃貸住宅の需要というものも非常に大きいときでもございますし、また国民のニーズというようなものも大きく変化しておりますし、民間活力の思想も私は入っていると思います。そういう点をしっかり受けとめて国民のニーズにこたえ、またこうした制度というものがよりよく発展するために細心の注意を払いながら努力をしてまいりたい。どうぞ今後とも御指導をいただきたいと思います。
#180
○委員長(本岡昭次君) 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#181
○委員長(本岡昭次君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#182
○委員長(本岡昭次君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法のm部を改正する法律案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#183
○上田耕一郎君 私は、日本共産党を代表して、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案に対して反対の討論を行います。
 反対理由の第一は、本法案が三大都市圏の市街化区域農地への宅地並み課税を実施する地方税法改正案とワンセットとして提出されたもので、都市農業と都市近郊農地の果たしている積極的役割を無視し、農地の宅地化促進をねらったものにほかならないからであります。
 第二は、通称あめ法と言われる今回の改正案は、不動産取得税の軽減や譲渡所得税の軽減など一連のあめ措置の一環となっていますが、税制面でのあめ措置そのものも薄くしてきているのが今回の特徴であり、農家にとって期待できるものではありません。同時に、農地の宅地化が地価の高騰を招くことにつながり、土地と住宅問題の解決には役立たないということをも指摘しなければなりません。
 日本共産党は、昭和五十一年、五十四年、五十七年と過去三回の延長措置の際にも明確に主張し続けてきたように、良質で低廉な公共住宅の大量建設を国と地方公共団体の責任で行い、新鮮な野菜その他の供給源としても、また貴重な緑として都市環境保全に重要な役割を演じている都市農業を守り、保存し、土地住宅問題を国民本位の立場で解決することこそが急務であるということを改めて強調して、反対討論を終わります。
#184
○委員長(本岡昭次君) 他に御意見もなければ、本案に対する討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#185
○委員長(本岡昭次君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#186
○委員長(本岡昭次君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、以上両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#187
○委員長(本岡昭次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#188
○委員長(本岡昭次君) 次に、道路整備緊急措置法及び道路整備特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。木部建設大臣。
#189
○国務大臣(木部佳昭君) ただいま議題となりました道路整備緊急措置法及び道路整備特別会計法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 道路整備につきましては、昭和五十八年度を初年度とする第九次道路整備五カ年計画に基づきその推進を図っているところでありますが、同計画のこれまでの達成状況を見ますと、本法案の目的としております地方道路の整備を含む一般道路事業の進捗に特におくれが見られるところであります。
 このような状況にかんがみ、道路整備五カ年計画の整合のとれた推進を図るため、新たに地方公共団体に対し一定の地方道路の整備に要する費用につき地方道路整備臨時交付金を交付することとし、このため道路整備緊急措置法及び道路整備特別会計法について所要の改正を行おうとするものであります。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 第一に、新たに地方公共団体に対し、昭和六十年度以降三カ年間、毎年度、都道府県道、市町村道の整備に関する事業で一定の地域において一体的に行われるものに要する経費の財源に充てるため、地方道路整備臨時交付金を交付することといたしております。
 第二に、これに伴い、この交付金の交付に要する費用の財源に充てるため、揮発油税の収入の一部を道路整備特別会計の歳入に組み入れることといたしております。
 その他、これらに関連いたしまして関係規定の整備を行うことといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#190
○委員長(本岡昭次君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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