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1984/06/20 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 逓信委員会電気通信の新体制等に関する小委員会 第1号
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1984/06/20 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 逓信委員会電気通信の新体制等に関する小委員会 第1号

#1
第102回国会 逓信委員会電気通信の新体制等に関する小委員会 第1号
昭和六十年六月二十日(木曜日)
   午後二時五十五分開会
    ─────────────
昭和六十年四月二十三日逓信委員長において本小
委員を左のとおり指名した。
                岡野  裕君
                沖  外夫君
                長田 裕二君
                成相 善十君
                長谷川 信君
                宮田  輝君
                大森  昭君
                片山 甚市君
                服部 信吾君
                佐藤 昭夫君
                中村 鋭一君
同日逓信委員長は左の者を小委員長に指名した。
                成相 善十君
    ─────────────
   小委員の異動
 四月二十三日
    辞任          岡野  裕君
    辞任          大森  昭君
 四月二十五日
    辞任          片山 甚市君
 五月三十日
    辞任          佐藤 昭夫君
 六月十九日
    補欠選任        岡野  裕君
    補欠選任        大森  昭君
    補欠選任        片山 甚市君
    補欠選任        佐藤 昭夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    小委員長        成相 善十君
    小委員
                岡野  裕君
                沖  外夫君
                長田 裕二君
                長谷川 信君
                宮田  輝君
                大森  昭君
                片山 甚市君
                服部 信吾君
                佐藤 昭夫君
                中村 鋭一君
   逓信委員長        松前 達郎君
   小委員外委員
                青島 幸男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        酒井 繁次君
   参考人
       日本電信電話株
       式会社常務取締
       役        児島  仁君
       社団法人日本情
       報通信振興協会
       会長       志場喜徳郎君
       社団法人日本情
       報通信振興協会
       副会長      河野 幹人君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○新電電の新体制移行に伴う諸問題に関する調査
    ─────────────
#2
○小委員長(成相善十君) ただいまから逓信委員会電気通信の新体制等に関する小委員会を開会いたします。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 本小委員会は、去る四月二十三日、逓信委員会において設置され、同日、逓信委員長の御指名により私が小委員長に選任された次第であります。
 小委員各位の御指導と御協力を得まして、公正かつ円滑な小委員会運営に努め、責任を全ういたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。
    ─────────────
#3
○小委員長(成相善十君) まず、小委員の異動について御報告いたします。
 委員の異動に伴い欠員となっております小委員の補欠として、岡野裕君、大森昭君、片山甚市君、佐藤昭夫君が選任されました。
    ─────────────
#4
○小委員長(成相善十君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 本日の小委員会に、参考人として、日本電信電話株式会社常務取締役児島仁君、日本情報通信振興協会会長志場喜徳郎君、同協会副会長河野幹人君の出席を求め、新電電の新体制移行に伴う諸問題について、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○小委員長(成相善十君) 御異議ないと認めます。
    ─────────────
#6
○小委員長(成相善十君) それでは、新電電の新体制移行に伴う諸問題について調査を行います。
 本日は、本調査のため、参考人の方々から御意見を聴取することといたしております。
 この際、参考人の方々に小委員会を代表して一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用のところ本小委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 本日は、新電電の新体制移行に伴う諸問題について忌憚のない御意見を拝聴し、今後の調査の参考にいたしたいと存じます。
 これより参考人の方々に御意見をお述べ願うのでございますが、議事の進め方といたしまして、まず最初に児島参考人から、次に志場参考人から、それぞれ御意見をお述べいただき、その後、小委員の若干の質疑にお答えいただく方法で進めてまいりたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。
 それでは、児島参考人にお願いいたします。児島参考人。
#7
○参考人(児島仁君) 児島でございます。
 それでは、私から四月以降新NTTとなりました状況につきまして御報告をさせていただきます。
 四月一日からNTTになりますまで、本国会におきましていろいろ諸先生方から審議の場を通じましてアドバイス等いただきまして、私どもそういった討論の中身を十分参考とさせていただき、また指針といたしまして事業をやっていくつもりでおりますし、四月一日以降、そういったつもりでやってまいりました。そういった過去の私どもに対する御協力に対して、まず御礼を申し上げます。
 現在、六月二十日になりまして二月以上たっておりますが、まず一般的な印象からいきますと、おかげさまで順調なスタートを切っておるんではないかというふうに考えております。
 まず私ども法の精神に従って、効率のいい、お客様に対しても変更したことがよかったというふうな社になるために、一体どういうふうなことをやるかということでいろんな討論をいたしましたが、その一、二を申し上げますと、一つは組織の改正でございます。
 過去、私ども公共企業体としてやっておりましたときには、国会における予算の審議、それから
サービスの種類等はすべて法律で決められておる。その他細かい点につきましては、認可その他の諸条件がなければやっていけないということございましたから、当然のことながら中央集権的な組織でかつ本社からの指令に基づいて下部組織は手足のごとく動く、道を踏み外さぬように歩くということでやってまいりましたが、活性化の観点からこの組織を大きく変えたいというふうに考えまして、オーバーな言い方をしますと、三十万人全体が知恵を出す、頭を使う、努力をするということにしたいということで事業部制の導入に踏み切ったわけでございます。
 事業部制は、地域別に一つの事業部を設定するという方法と、それからサービス別に事業部を設定するという二つの方法をあわせ使いまして、今までのような職能別なライン組織というものは一斉に廃止をしたいということを考えております。
 組合との間でもいろいろと討論をしてきておりますが、ほぼ基本的な考え方については同意が得られまして――同意といいますか、後で申し上げますが、経営協議会というのをやっておりますが、その中で話し合いを進めまして、七月の、来月の中旬以降には、本社に限りましていわゆる事業部制というものの核をこしらえていく。もちろん、本社に現在おりますのは、すべてその新しい組織に配置がえをいたしますが、その後、秋には地方機関、これを事業部の中に取り込んでいくというふうな格好にしていきたいというふうに考えております。
 既に、現在、実態は完全に事業部になっておりませんが、かつて通信局と言っておりましたものを総支社というふうに名前を変えまして、かなり独立して事業を行えるような権能も与えかつ努力もさせておりますが、四月以降この二カ月間を見ておりますと、非常に気合いが入っておるというふうに私は考えております。その気合いが入っておるということでございますけれども、過去三年、四年、この経営形態問題を通しまして、いろんな場面で討論がなされ、報道がなされ、それに対して私ども職員が、これもまた極端なことを言いますと、三十万人の一人一人が乏しいながら自分の頭で新経営形態というものは一体どういうものであるか、自分にとってまたどういうものであるか等を考えて、反対の立場であったり賛成の立場であったりしたわけでありますが、そういった討論の過程を通ってきたということが非常に現在になりましては財産になっておりまして、決まった以上しっかりやろうということを、言葉だけじゃなくて、考え抜いた末に出てきておる。これが非常に力になっているんじゃないかと思っています。
 ただ、今そういったやる気で非常に気合いが入っておるんでありますが、その気合いが具体的な効率化、あるいは最終的には収益に結びついていくというふうなことにはまだ至っておりませんで、できるだけ早くこの組織を含め、仕事のやり方等々、早く新しい組織制になるように構築し直したいということで、関係の部局はかなり徹夜徹夜等でやっておるような状態でございます。しかし、現在までの状況で将来を見通してみますと、まあ何とかかなりおもしろい格好でやっていけるんじゃないかというふうに考えております。
 また後ほどこのような問題についてお話しすることといたしまして、今年度の事業計画でございますけれども、今までで言う収支差額というものとはちょっと違いますが、経常利益で二千億円程度のものを見込むということで、五月の二十一日に郵政省に事業計画の認可申請をしております。その内容は、加入電話の増設百二十五万加入、公衆電話五万九千、福祉用電話四万六千七百、こういったものに要する建設投資は一兆六千六百億円ということであります。
 また繰り返しになりますが、そういった事業を行った末に二千億円の経常利益を見込んでおるわけであります。加入電話その他の販売に関しましては、四月以降ほぼ順調でございまして、この二千億円は達成できるんではないかという走り出しの感触でございます。ただし、この二千億円といいますのは、過去払っておりません税金をこの中から払いますし、それから今年度移行に際して一時的に出るお金等々ございまして、この二千億円の経常利益では、もし配当をするというふうなことになりますと、配当性向が非常によろしくないというふうなこともございますので、何とかできるだけ増収施策を講じまして、この二千億を膨らませたいというふうに考えております。最近一月前ぐらいに再度二千億円をもっと大きくできないかということで各総支社に再度検討を命じまして討論もやりましたのですが、かなりやれるのではないか、もう少しふやせるのではないかというふうに考えております。
 ざっくばらんに申し上げますと、この経常利益二千億円ということでありますと、この中から法人税等一千億を超えるものが取られるということになりますので、その残りから七千八百億円の資本金に対して配当する。六分であるか八分であるか一割であるかなどを決めておりませんけれども、そういった世間並みの配当をするということになりますと、非常に数字的に芳しくないものになります。そうなりますと、資金調達等でも、現在政府保証という制度がございませんし、海外調達、資金を海外で調達するというような場合に、トリプルAというふうな格付をもらわないと、金利等で非常に不利でございます。また、引受人で未消化が起こるというふうなことでございますので、何とかこの配当性向を含め姿のいいものにして、来年度以降につなげていきたいというふうに考えております。
 それから、私ども三十万人の職員がおりますが、これを事業部制に再編成をし、それから新しい仕事のやらせ方、これは国会でもいろんな場面で御討議、御審議いただきましたが、各部門でいわゆる合理化というものを進めてまいりますが、そうした際に、仕事量とアンバランスになってくる労働力というものをどういうふうに処置していくかでございます。いろいろな方法があるわけでございますけれども、そのうちの一つとして、やはり新規事業を開拓する。これは子会社でやらせる場合と、みずからが行う場合と二通りございますが、現在子会社化というふうなことに関して申しますと、四月以降六つの子会社をつくりました。これは非常に小さな会社でございますが、それぞれ非常に特色を生かした技術を中心とするもの等が中心でございますが、そういったものをつくっております。これには職員をやめて行く者あるいは出向というふうなことでやっておりますが、おかげさまで、いわゆる包摂会社制度、つまり年金の身分を持ったまま子会社に移行していけるというふうなこと等がございますので、順調にこの会社が成立いたしまして現在運行しております。さらに八月までには四つ、五つまた新しい会社もできはせぬかということで検討しておりますが、これらに対する職員の印象もかつては、子会社をつくってスリムにするという目的のために首を切られるのではないかというふうなこと等が議論されておりましたが、現在それは全く違ったことであるということが理解されまして、職員の協力がこれらに対しては非常に強いものがございます。
 それから、この法律改正の際に問題になりました例の端末機器の売り切りでございますが、これは私どものみならず、民間の各社も非常に力を入れておられますが、現在四千数百万ございます黒電話、これが意外と買い取りに変わりませんで、私ども見込みましたものの数字より非常に下回っております。これは恐らく民間各社の皆さん方もこんなはずではなかったというふうにお考えのところが多いんじゃないかと思いますが、私どもこの売り切りにするということは、資金的には行って来いと申しますか、一遍資金は出すけれども、すぐ回収できるという意味で、古い言葉で言いますと、予算的な意味では非常にやりやすい格好であるというふうに考えておったんですが、そこのところの売り切りがちょっと進まないわけでありまして、この点何とか事業計画の数字に合いますように努力をしていきたいと思っています。
 あとこういったことでやっておりますことに関
して、いわゆる労使間の問題についてまとめて申し上げますが、先ほど三十万人がそれぞれの頭で考えてきたのが一種の財産ではないかというふうなことを申しましたが、この労使という関係では四月から経営協議会というものをつくりました。経営側は社長、副社長、常務の一部等でございまして、それから組合側は委員長、副委員長、書記長、それに二、三の者、何でも語らうと、団体交渉ではないということでやっておりますが、非常に本音の話、それから事業というものを客観的に数字で見詰め合うということ等がかなり成功裏に進められておると思います。この経営協議会というものは労使間の信頼関係と相手の立場を理解しようという意思がないと絶対にうまくいかぬと私は思っておりますが、現在本社、全電通の本部間でやっておりますが、これは成功をしておると思います。私ども今後もさらに現実の数字をもとにした話し合いをして、事業運営について組合と語らいながら協力を求めていくという方途は進めていきたいし、かつ下部機関におきましても今後状況が熟してまいりますれば小型の経営協議会というふうなものを、これは事業部制をつくりましたわけでございますから、その事業部ごとにつくっていったらどうかということを考えております。そういったいろんな方途を尽くしてやっておりますが、やはり三年ないとなかなか定着しないというふうに考えられます。この三年間を大事に、また諸先生方の御指導、アドバイスをいただきながら、せっかくできた法律のもとでの運営でございますから期待に背かぬようにぜひ頑張ってやっていきたいというふうに思っています。
 大変短い説明でございますが、後ほど御質問等がございましたらば具体的にまたお答えをしたいと思います。
 以上であります。
#8
○小委員長(成相善十君) ありがとうございました。
 次に、志場参考人にお願いいたします。どうぞお座りになったままお述べいただきたいと思います。
#9
○参考人(志場喜徳郎君) 課題は三つ示されておりますので、この三つについて順番に申し上げるべきかと考えましたので、そういうことでやらしていただいてよろしゅうございましょうか。
#10
○小委員長(成相善十君) はい結構です。
#11
○参考人(志場喜徳郎君) それではそういうことで、まず第一の課題は電気通信の育成振興についてということだと承知しております。
 今回の電気通信事業法その他の一連の法律の改正によりまして、いわゆる電気通信事業の自由化ということが実行段階に入ったわけでございます。これは我が国の産業界、経済界にとりましては全く新しい事業分野が開かれたということを意味すると私どもは受けとっております。しかも、この分野と申しますのは、これから二十世紀を通じて二十一世紀に向けまして、経済界全体の要請であるとされております世界的な動向でありますところのいわゆる高度情報社会、これの基盤を提供するものである、担うものである、こういう分野というふうに位置づけられますと思うんであります。さようなところから実は、今後のいわゆる電気通信事業というこの事業分野は、一般に概して極めて将来にわたって有望な、あるいはバラ色といったようなふうに思われがちではないかと、こういうふうに考えておるのでございます。
 実は、私どもの社団法人日本情報通信振興協会というものも一昨年の秋に結成されたものでありますが、そういう動向を踏まえまして、何とかこの方面でのビジネスチャンスといいますか、そういう新規参入なり、そういうビジネスチャンスを求めたいということの関心が非常に強まりまして、各方面の業界の方々が実は今三百数十社加入願っておるわけでございます。
 それで、いろいろと勉強したり調査をしたりお願いをしたりしておるわけでございますけれども、いろいろと立ち入って勉強しておりますと、ビジネスチャンスといいますか、そういうことはなかなか容易ならぬいろんな難しい問題がある。市場動向というようなものもなかなか具体的に展望がききにくいというようなことが、いろいろと突っ込んで勉強し検討すればするほど出てまいっておるのであります。と申しますのは、御案内のとおり、今後のいわゆる高度情報社会に対応すべきそういう機能を果たすところの電気通信事業といいますのは、その中身が非常に厳しいのでございます。すなわち、まずハイテクと言われておりますような高度の先端技術、これをきめ細かく付加価値をクリエートしながらそういう先端技術を追求していかなければならないというようなこと。また、それの結果としての非常に高度の設備というものを備えなければこれは動かないものであるということ。しかも、当然のことでございますけれども、そういう高度の先端技術を取り入れました高度の設備というものがサービスをするためには先行してこれを投資しなければならぬのだ、ここには非常なお金、資金あるいは技術上の開発能力というものが、考えただけでも極めて強く要請されるものでございます。しかも反面におきまして、市場の動向というものにつきましてはいろいろと新聞紙上等で言われておりますけれども、実際に国民のニーズがあって、それをそのニーズに適するための妥当な料金でもって提供できる、そういった意味での具体的マーケティングといいますか、市場というものがどうもまだ展望しにくい、未知である。しかしながらそれに対して挑戦していかなければならないということでございまして、ただいま黒電話の買いかえの問題もございましたけれども、思っていることはなかなかユーザーの立場からいたしますといろんな問題があるわけでございますので、いわゆる挑戦型のベンチャービジネスということになるのはやむを得ないといいますか、当然のことでございます。
 したがいまして、一見今度のいわゆる高度情報社会、これは社会全体がそういう基盤を使いながらそういうふうな社会になっていくということでございまして、その基礎を担いますところの情報通信事業のサービスというものはなかなか難しいという面がある。しかし、時代の要請にこたえて、そのために効率的な対応をしていくべきだということが国家的なあるいは国益的な要請である、こういうふうにいたしますならば、このような事態にある電気通信事業に対する振興育成ということを政策としておとり願うということは非常に緊要であり、これをお願いしなければなかなか難しいんじゃないか。もちろん民力といいますか、そういうものの民間活力の活性ということが法の趣旨でありまして、民間の各界の業界ではそのために鋭意努力するのでございますけれども、今申したようなことでもって、どうしても政策の呼び水というようなそういうものがございませんと、なかなかそれが始まることは難しいんじゃないかというふうに思われてならないのであります。
 それでは、そういう振興育成というものがどういう点について望まれるのかということでございますが、何と申しましてもやはり先ほど申しておられましたように、技術開発の促進、この問題でございます。これに対する金融上並びに税制その他の措置ということになろうかと思うのであります。
 若干具体的に申し上げますと、これも国会の法律制定の御尽力によりましてことしの十月に発足が予定されておりますところの基盤技術研究促進センターというものが予定されておりまして、基礎的な、基盤的な技術の研究のための出資あるいは融資ということがそこのパイプから行われるということの予定でございますけれども、それをやはり優先的にと申しますか、重点的にひとつやっていただきたいというようなこと。それからだんだんとシステム間の相互接続、結合というものを効率的、容易にいたしまして、そして国家全体として重複投資なり、その他の不便あるいは不利益というものを避けながら効率的にネットワーク的なものが特殊なシステムを含みながらも全国的に流通するということのためには、例の通信プロトコルの標準化というようなことがございますけれ
ども、あるいはデータの圧縮、多重化、暗号化等つまり高度の伝送あるいは相互接続のための技術というものが標準化されあるいは開発されまして、これの設備というものを持たなければ、なかなか全体としての発展というものにつながっていきにくいと思うのでありますけれども、そのためにはさらにかなり冒険的な、あるいはまた場合によりましては、公害防止じゃございませんけれども、公益のためとも言うべき安全性とかあるいは確実性とか信頼性を高めるための設備投資の負担というものもあえて引き受けていかなければならない。こういう面がありますので、そのための試験開発費というものにつきまして、あるいはまたその結果得られるところの各種の関係の機器あるいはソフトウェアというものが相当な投資額を見込まれるわけでありますが、そのためのいろいろ資金的な問題ないしはその結果取得したものにつきまして、やはり技術の進歩等々がございます、あるいは公共負担的な面もございますというようなことを考えていただいて、そこに任意の償却でありますとか、あるいは耐用年数の短縮によりますところの設備更新あるいは開発のための促進をしていただくというようなことが必要かと思っております。さらに通信は、ただデータが通るというだけよりも、またいろいろとシステムによりましては、中に通すべきデータベースを有効に構築いたしまして、それが広く一般に軽便に使われるということが重要な問題だろうと思うのであります。
 テレトピア等の構想におきましてもその点が大きな問題だろうと思うんでありますが、データベースの生産あるいはマネジメントシステムの開発というようなものにつきましても、いろいろと情報処理上あるいは情報通信上の研究なり投資なり設備なりというものが要請されると思うわけでありまして、そういったものに対する以上のような金融上とか税法上の措置をどうしてもとっていただく必要があるのではないかということであります。これは今までのあれでありますと、特別償却といい任意償却といい、つまり税収というものを食う、減らすという要因に当面は働くということは事実でございますけれども、そういうことを通じましてここに先ほど申しましたような新たな事業が起こってくるということによりましてこの税源というものが涵養されていくわけでありまして、これがエンジンがかからなければ税収もないわけでございます。そういったことのために、将来の税源を涵養するという意味におきましても、そのスタートを切らせるというためにひとつお願いしたいと思っているようなことでございます。
 それからその次には、情報通信に関する教育の普及、それから人材の養成、確保ということでございます。
 コンピューターの情報処理という技術に関しましては、既に学校教育、職業訓練その他の資格制度等々を通じましてかなり普及し、そのための要員というものもかなりの程度出てきておると思っております。しかし、情報通信の方につきましては、電電公社さん、それを引き継ぎましたNTTさんの方は長年にわたる研究者その他の技術者の養成によりましてそういった人材を抱えておられるわけでありますけれども、世の中一般といたしましては今まで全くなかった分野でございますので、その教育にいたしましてもまたそういう技術を身につけた人材にいたしましても全くないわけでございます。実はちょうどたまたまきょうも、来月のいわゆる電気通信主任技術者の試験に備えまして私どもの協会で講習会というものをやっております。三日間ということでぶっ続けでやるわけでございますけれども、これは物すごい受講の申し込みでありまして、聞くところによりますと、来月の試験は全国で八千人ぐらい受験するのじゃないか。これは一遍ではございませんで、そのことがしばらく続いていくだろうと思います。こういうようなことは、いかにそういったことの人材の養成、確保ということがとにかく事業を始めるためには必要かということの端的なあらわれであるわけでありまして、今後とも一般的な啓蒙的な面あるいは職業訓練的な面の充実、拡充ということは当然でございます。また、そのための先生の養成から始めなければならないかもしれませんけれども、さらには資格制度、試験制度というような必要なしかし余り金のかからないようなそういうものを設けて、やはりこの必要な人材というものを養成するということにつきまして格段の御配慮をお願いしたいという気持ちはいたしております。
 それからさらに、電波資源の開発という問題が出てくると思うのであります。いろいろ学者の専門的な検討によりましても、現在のいわゆるデータ通信というもののメディアといたしましては、光ファイバー等もございます、あるいは通信衛星等もございますけれども、やはり電波、これの利用というものが将来非常に大きな必要があり、また可能性もある分野であるということでございます。資源の有効な利用という面からいたしましても、この電波資源というものをどういうふうにいわゆる情報通信という部門に対して開発をしていくか、またそのための法律制度等々をそういう観点からもう一度ここで根本的にいろいろ見直していくという必要が将来に向けてあるのではないかというのが私どものお願い申し上げたい点でございます。
 以上、いろいろと申しましたけれども、さしあたりの情報通信業の振興といたしましてお願いしたいというのが私どもの希望でございます。
 二番目の項目として、電気通信システムの安全性、信頼性の確保というテーマが取り上げられておりますが、申し上げるまでもなく、この安全性、信頼性の確保につきましては、法律の上におきましても技術基準あるいは設備基準というようなものの一つといたしまして要請されておるところでございます。しかし、この技術基準、設備基準の設定に当たりましては、いたずらに角を矯めて牛を殺すというようなことのないように、実際的といいますか、現実的と申しますか、かつ経済性ということに十分に留意していただきまして、当該業界の実際に対応する力とかあるいは現実的な料金あるいは設備投資その他における許容限度でありますとかそういうものを超えたような基準の設定、しかもそれを一律に強制するということはぜひとも避けていただく必要があるのではないか。基本的には民間業界が自主的な努力というものを積み上げながら実際的ニーズに応じて漸次レベルアップを図っていくでありましょうし、それを基本とすべきではないかという考え方であります。と申しますのは、一口に電気通信システムあるいは電気通信サービスと申しましてもいろいろとあるわけでございまして、例えば大きなものでありますところの電話サービスについてみましても、横にNTTさんおられるわけでありますけれども、既に従来の投資その他によりまして、現在でも既に、部分的にはいろいろと問題もあろうかと思いますが、全体的なレベルに対しましては迂回ルートの確保等を初めといたしまして、もはや相当の水準に達しているのではないか、こういうふうに思われるのであります。
 また第二種のいわゆる電気通信事業は、御承知のとおり、特定のユーザー、相手方を顧客とするものと不特定多数の顧客を相手にするものと二つあるわけでございますけれども、前者の特定の顧客を相手にする特定者間の通信にかかわるものにつきましては、これはそれぞれのシステムの特色でございますとか、サービスの特色でありますとか、利用者の利用範囲やあるいは利用形態等に応じまして、いずれもそれぞれ特異性があるであろう、こういうふうに思われるのであります。その特色に応じましたユーザーからの必要性あるいは料金その他を中心とした経済性というものに即しまして、かつ特定者間でこれは契約によりまして決めていくわけでございますので、これは求められる安全性とか信頼性につきましても決して一律なものでないはずではなかろうか、こういうふうに思われてくるのであります。したがいまして、安かろう、悪かろうということでいいということを申すわけではございませんけれども、そういう
部分もあるであろう。しかし、この点について特段のことをして高かろう、よかろうというものもあるであろう。まあ非常に俗な言葉で言えば、そういう面も出てくるのがこの第二種の特定者間のシステムというものではなかろうか、こういうふうに思われる次第であります。
 また、第二種のうちの不特定多数を顧客とするサービスでございます。これも第一種の電気通信事業の事業者として既に幾つかの会社が認可を受けたようなことでございますけれども、これは不特定多数を相手とする公共性というような観点から、しかるべき一定の基準というものも要請されると思うのでございますけれども、この分野でもいろいろと民間のニーズを調査、アンケートいたしましても、現在の例えば東京―大阪間の料金よりも三割以上安ければそれを使うというようなことでありまして、当面ユーザーから求められておりますところは、質がよくてかつ値段が安いという、全く経済的なメリットというものを第一義的に要請されておると思うのであります。したがいまして、そういったことからいたしまし、繰り返しますけれども、安全性とか信頼性というものを、いたずらに角を矯めて牛を殺すようなものを一律につくってそれを強制されるということはちょっと実情にそぐわないし、そういうニーズの点からも問題ではなかろうかということであります。
 この問題につきましては、郵政省あるいは通産省等のような関係省庁間でいろいろと研究されておるようございますが、願わくはこの間においていたずらにこの縄張り意識に根差すような基準なり規制づくり競争というようなものがあってほしくない。またその中におきまして、往々にしまして複雑高度なものをつくればつくるほどこれは泥棒と、住まわれている人との人為的な侵入災害の問題でございますけれども、これにつきましてもロックするという、これも知恵比べみたいなことをしなければ無限に行きまして、そういう場合にえてしてメーカー志向型といいますか、そういうものをつくって高いものをつくればメーカーは喜ぶかもしれませんけれども、いたずらにそういうメーカー志向型になるような事柄の基準、規制づくりというようなものは、ぜひひとつ避けていただきたいものだなというふうに思っておるのが私どもの率直な気持ちでございます。
 この問題に関連しましてちょっと横になるかもわかりません、また先ほど申したことに戻るわけでございますけれども、広く国民経済的な効率化、便益さという観点からいたしますと、むしろと申しましょうか、問題は、先ほど言いましたように各種の通信ネットワークというものが特定、不特定を問わずいろいろと出てくると思うんです。その絡み合いあるいはその節度、相互乗り入れというようなものがどうしても国民経済的に要請されてくるし、それを容易、確実にするということが非常に大事なことではないか。したがいまして、いわゆる通信プロトコルの標準化、これの推進ということにつきましては、どうかひとつ関係省庁を中心といたしまして十分に検討して、その推進にひとつお力をかしていただきたい、こういうのを要望したいと思うのでございます。
 それから第三点の公正競争条件確保のための既存事業体のあり方と、こういうわけでございます。これは先ほど現状をお述べになりましたNTTさんがおられるわけでありますが、私ども新規参入をしようというような関係者の目から見て率直に申し上げさせていただきますと、公社さんもNTTというものに移られて、とにかくなれないことであるということで、わからないこともあるということでいろいろと御不安もあり、また、そういう御苦労もあろうというふうに思います。しかし、考えてみますと、従来の独占というものもこれは法律制度のもたらしたものでございます。また、今回のいわゆる新規参入を呼び起こそうという民営移行あるいは民間開放ということも、今回のこの法律、政令によってもたらされようとしていることであります。
 したがいまして、何とぞNTTさんにおかれましてはNTT自体の活性化という問題、これはいたずらに新しくシェアを確保する、あるいは拡張するということに走る、それでもっていろいろと新規の分野を今までの営業力を用いてするということじゃなくて、むしろ新規参入の助成を図る、それを増すということがひいてはそれに対するNTTさん自身の効率化というものを強めていくんだ、こういうふうにひとつお考えいただきまして、当面は電話による第一種電気通信事業サービスの公益事業部門というもののサービスの充実が本来的、基本的使命なんだというようなこととか、あるいはよく言われておりますが、現在ございます各サービス部門ごとのいわゆる一方の利益を一方の損失の補てんに充てるというようなことをやめていただきまして、適正に峻別いたしました上でそれぞれの分野における効率化を図っていくというようなことで、末端の方ではいざやらんかなということでいろいろと張り切る必要もございますし、また張り切るなということも無理でございますし、その必要もございますけれども、そういったことで、ひとつ幹部の中心におかれましては、今回の法律改正によって、国民経済全体、通信にかかわる民間会社、企業全体が新しいこの状況の中で活性化を図るということが、ひいてはこのNTTの活性化にもつながるというようなお考えのもとにひとつ経営をやっていただければというのが率直な気持ちではございます。
 末端の方では、やらんかなということで、既に端末器の売り込み等によりまして、従来の中小企業あるいはメーカーから言いますと、行き過ぎといったような営業姿勢も見られるというようなこともけさほどから聞いたばかりでございます。そういったこと、いろいろとございましょうけれども、そういう問題は、NTTさんがどういう基本的立場、方向で、職員なり企業体の活力なり、やる気と効率化というものを生かしながら全体にどういうふうにいいという場をもたらすか、非常に御苦労が多いところと思いますけれども、これがやはり基本的なものじゃないかというふうに思うわけでございます。
 もちろん片方におきましては、公取委員会の監視とそれによるガイドラインということもお願いしたいわけでありまして、先般公取委員会は研究会報告というものをいたされまして、段階的にいろいろと指導する、あるいは出向いて行って時間をかけて監視するというようなこともございました。私のちょっと昔の経験から言いましても、ある業界で一社のシェアが六〇%を超えますとこれは非常に監視が強まりまして、だからその会社などは、宣伝、広報その他におきましても非常に自制いたしまして、その中でのモラールの停滞を防ぐというようなことで非常に御苦心なさっておりますが、六〇%というものは一つの強いガイドラインでもってシェアの限度として言われておるわけであります。第一種事業におきましても、聞きますと、民間の二社、三社が入りましてもせいぜいそのシェアは第一種事業全体のうちで数%じゃないかというようなことも言われているほどでございまして、これを三〇%、四〇%近くにNTT以外の分野が持っていくということはよほどのことがなければ難しいと思うのでありまして、そういった意味におきまして、ひとつ公取の方も、その段階的というものは十分にお考えと思いますが、この辺につきましてひとつ御指導いただきたいし、また行政当局は附帯事業、その他の事業計画の認可等を通じまして指導されておるわけでございますけれども、料金制度を初めといたしまして、その他の認可の際に当たりましては極力新規参入を助成するということを行政の大きな眼目に置きまして、その認可なりを通ずるその他の行政指導に御配慮いただきたいというふうに思うのでございます。
 なお、これは直接、制度とか行政指導ということがあるかどうかは存じませんが、これはアメリカからも既に指摘されており、私どもも一昨年来言うておることでございますけれども、既存の財閥系といいますかあるいは企業系列別といいますか、そういう閉鎖的な集団によりまして、ことに
第二種の電気通信事業というものが閉鎖的にそこの中で、といいますのは、一つは先ほど申しましたように電気通信サービス事業というものは非常にリスキーなべンチャー的なものでございますので、この市場の確保等におきましては不安がある。これを企業系列あるいは閉鎖集団というものが、損はお互いに引き受けるよというようなことでやるという実際的な面もあるんでございますが、そういう閉鎖的な集団というものがそういった企業グループ中心でいきますと、こういった中における電気通信事業部門というものが一体開かれた自由競争の市場ということであり得るのかどうかということが非常に大きな問題だと思うのであります。
 したがいまして、これはどなたがどういうふうにということはなかなか難しい問題でございますけれども、国会の方におかれましてもこの点についてひとつ十分に御配慮をしていただきまして、そういうことによってせっかくの法律による自由な開かれた市場、これを通ずる電気通信事業の高度の発展、調和のとれた発展ということが何か妙にゆがんだことにならないように、法律の趣旨を生かすような観点からも、ひとつ何とぞ時宜に適しました考え方なり方策というものをお示し願えますならば幸いである、かように存ずるわけであります。
 以上三点につきましてぐだぐだと申し上げましたが、先ほど申しましたように、単一の同業体と申すように至らず、いろんないわば企業の集まりでありますので、あるいは意見も散漫にわたったかということを心配するわけでございますけれども、何とぞその点はひとつ御賢察いただきまして、意のあるところをお酌み取りくださいますればまことに幸いと思うわけでございます。どうもありがとうございました。
#12
○小委員長(成相善十君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりましたが、この際、今お二方からお述べいただきましたことにつきまして、この点をもう少し詳しくというお尋ねの向きがあれば、この際、御発言を願いたいと思います。ありませんか。――それでは、これで終わらせていただきます。
 参考人の方々にお礼のごあいさつを申し上げます。
 本日は、まことにお忙しい中を本小委員会に御出席を願い、貴重な御意見をお述べいただきまして本当にありがとうございました。
 ただいまお述べいただきました御意見等につきましては、今後の本小委員会の調査の参考にいたしたいと存じます。
 小委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。ありがとうございました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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