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1984/12/07 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 逓信委員会,内閣委員会,地方行政委員会,大蔵委員会,社会労働委員会,商工委員会連合審査会 第1
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1984/12/07 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 逓信委員会,内閣委員会,地方行政委員会,大蔵委員会,社会労働委員会,商工委員会連合審査会 第1

#1
第102回国会 逓信委員会,内閣委員会,地方行政委員会,大蔵委員会,社会労働委員会,商工委員会連合審査会 第1号
昭和五十九年十二月七日(金曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
   逓信委員会
    委員長         松前 達郎君
    理 事
                成相 善十君
                長谷川 信君
                片山 甚市君
    委 員
                岡野  裕君
                沖  外夫君
                長田 裕二君
                山内 一郎君
                大森  昭君
                中野  明君
                服部 信吾君
                佐藤 昭夫君
                中村 鋭一君
                田  英夫君
                青島 幸男君
   内閣委員会
    委員長         大島 友治君
    理 事
                亀長 友義君
                坂野 重信君
                穐山  篤君
                太田 淳夫君
    委 員
                板垣  正君
                岡田  広君
                源田  実君
                沢田 一精君
                堀江 正夫君
                小野  明君
                野田  哲君
                矢田部 理君
                内藤  功君
                柄谷 道一君
   地方行政委員会
    委員長         金丸 三郎君
    理 事
                岩上 二郎君
                松浦  功君
                志苫  裕君
                三治 重信君
    委 員
                井上  孝君
                上田  稔君
               大河原太一郎君
                出口 廣光君
                吉川 芳男君
                原田  立君
                神谷信之助君
   大蔵委員会
    委員長         藤井 裕久君
    理 事
                伊江 朝雄君
                大坪健一郎君
                藤井 孝男君
                竹田 四郎君
                塩出 啓典君
    委 員
                岩動 道行君
                倉田 寛之君
                下条進一郎君
                福岡日出麿君
                藤野 賢二君
                宮島  滉君
                矢野俊比古君
                吉川  博君
                赤桐  操君
                大木 正吾君
                鈴木 和美君
                鈴木 一弘君
                近藤 忠孝君
                青木  茂君
                野末 陳平君
   社会労働委員会
    理 事
                佐々木 満君
                関口 恵造君
                高杉 廸忠君
                中野 鉄造君
    委 員
                石井 道子君
                大浜 方栄君
                田代由紀男君
                田中 正巳君
                前島英三郎語
                村上 正邦君
                糸久八重子君
                中西 珠子君
                橋本  敦君
                下村  泰君
   商工委員会
    委員長         降矢 敬義君
    理 事
                斎藤栄三郎君
                前田 勲男君
                村田 秀三君
    委 員
                石井 一二君
                佐藤栄佐久君
                杉元 恒雄君
                鈴木 省吾君
                松尾 官平君
                梶原 敬義君
                福間 知之君
                伏見 康治君
                井上  計君
                木本平八郎君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  竹下  登君
       通商産業大臣   村田敬次郎君
       郵 政 大 臣  左藤  恵君
       労 働 大 臣  山口 敏夫君
       自 治 大 臣  古屋  亨君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 藤波 孝生君
   政府委員
       大蔵省主計局次
       長        保田  博君
       国税庁調査査察
       部長       村本 久夫君
       通商産業省機械
       情報産業局長   木下 博生君
       資源エネルギー
       庁長官      柴田 益男君
       資源エネルギー
       庁公益事業部長  山本 幸助君
       郵政大臣官房長  二木  實君
       郵政省通信政策
       局長       奥山 雄材君
       郵政省電気通信
       局長       澤田 茂生君
       労働省労政局長  谷口 隆志君
       労働省職業安定
       局長       加藤  孝君
       自治省税務局長  矢野浩一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        酒井 繁次君
       常任委員会専門
       員        林  利雄君
       常任委員会専門
       員        高池 直和君
       常任委員会専門
       員        河内  裕君
       常任委員会専門
       員        今藤 省三君
       常任委員会専門
       員        野村 静二君
   説明員
       防衛庁装備局通
       信課長      大越 康弘君
       防衛施設庁施設
       部施設取得第二
       課長       小澤 健二君
       外務省経済庁国
       際機関第一課長  野上 義二君
       大蔵大臣官房審
       議官       門田  実君
       大蔵省理財局次
       長        中田 一男君
       運輸省国際運
       輸・観光局観光
       部振興課長    山下 邦勝君
       日本電信電話公
       社総務理事    真藤  恒君
       日本電信電話公
       社総務理事    山口 開生君
       日本電信電話公
       社総務理事    福富禮治郎君
       日本電信電話公
       社総務理事    児島  仁君
       日本電信電話公
       社厚生局長    岩下  健君
       日本電信電話公
       社厚生局長    中原 道朗君
       日本電信電話公
       社営業局長    草加 英資君
       日本電信電話公
       社業務管理局長  神林 留雄君
       日本電信電話公
       社施設局長    岩崎 昇三君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○日本電信電話株式会社法案(第百一回国会内閣
 提出、衆議院送付)(継続案件)
○電気通信事業法案(第百一回国会内閣提出、衆
 議院送付)(継続案件)
○日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の
 施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
 (第百一回国会内閣提出、衆議院送付)(継続案
 件)
    ―――――――――――――
   〔逓信委員長松前達郎君委員長席に着く〕
#2
○委員長(松前達郎君) ただいまから逓信委員会、内閣委員会、地方行政委員会、大蔵委員会、社会労働委員会、商工委員会連合審査会を開会いたします。
 先例によりまして、私が連合審査会の会議を主宰いたします。
 日本電信電話株式会社法案、電気通信事業法案並びに日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、以上三案を便宜一括議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○大木正吾君 最初に電電公社の経営状態についてお伺いいたしておきたいんですが、五十八年度の決算は新聞報道等で伺いましたけれども、百一国会における議論は主として五十七年度決算を軸にした経過がございますので、五十八年度決算につきましての大まかな状況について電電公社総裁あるいは郵政大臣から所見を承りたい、こう考えております。
#4
○説明員(岩下健君) 五十八年度の決算の概況につきましてお答えいたします。
 総収益は四兆五千五百二十四億円で対前年度化四・八%の伸びでございます。また、総費用は四兆一千六百八十四億円でほぼ収益と同じ四・九%の伸び、これによりまして収支差額は三千八百四十億円と、対前年度比約百四十億円の増加という比較的好調な決算を得ることができました。
 こうした好調な決算を得ましたのも、景気の回復によりますお客様の利用の増加もございましたが、同時に職員の販売あるいは経費の効率化の努力等に負うところも非常に大きく、また我々マネージメントとしましても努力をしたわけでございます。
 また、これを資本構成から見ますと、総資産が十兆五千二百二十億円で、このうち負債が約五兆六千億円でございますので、負債のうち固定負債が五兆一千五百六十億円、これは前年度に比べまして約一千四百億円の減少を見たわけでありますが、これにつきましては、先ほど申し上げました好調な収入といったものも背景にいたしまして、手持ち金の圧縮等の努力を重ねた結果、借金はふえずに逆に千四百億円でありますけれどもいわゆる借り減らしをすることができたわけでございます。
 なお、臨時国庫納付金につきましては、五十八年度におきましては二千四百億円納付をいたしまして、これによりまして五十六年度から三年間合計で四千八百億円を納付したということに相なります。
#5
○大木正吾君 郵政省側の答弁はありませんか。
#6
○政府委員(澤田茂生君) 五十八年度決算の概要につきましては、ただいま電電公社の方から御説明申し上げたところでございますが、いろいろ民営化を目前にいたしまして企業努力に鋭意努めておるということで、収入の増、これも度数料等の、あるいは本電話機の増設というような形で増収対策というようなものがいろいろ効果を上げておる、あるいは運営の一層の合理化、効率化ということの観点から公社事業全般にわたる業務の見直し等というものは行われており、各種経営施策の実施、堅調な収入動向によって良好に推移しているものというふうに私どもは判断いたしておるところでございます。
#7
○大木正吾君 ちょっと、これは立ち入って一つだけ聞きますが、両大臣おそろいでございますけれども、大蔵省にはエレベーターがあるはずですが、エレベーターはあれは開く方と閉じる方のボタンがございますけれども、閉じるボタンの方は動いているわけですか。
 郵政省はどうでしょうか。私が電話局へ参りまして現場に入りますと、エレベーターのボタンを押しまして上がるときに、申に入ってしばらくしないと閉まらないのですね。閉じるボタンがないのですが、そういったことを大臣は承知ですか。変わったことを聞きますが。
#8
○国務大臣(竹下登君) 大蔵省のエレベーターは機能しておると思っております。
 それから日本電電公社はいわゆる節約等々からしてエレベーターに何か三階までは乗っては――まあ乗ってはならないのじゃなく、乗らないように自粛しておられる。私もかくありたいと思っております。
#9
○国務大臣(左藤恵君) 郵政省のエレベーターも全機稼働することなく、会議の状況とか、いろいろな人の出入りの状況によって何台がとめておるということでエネルギーの節約に努力させていただいております。
#10
○大木正吾君 これは節約の一例としてちょっと聞いたんですけれども、本当は現場の方の電話局は三階とか四階は関係ないのですね、全エレベーターが開くボタンが作動しておるんですよ。閉じるボタンは作動していないのです。私が例えば東京のある電話局へお邪魔いたしまして、朝、日経新聞を読んでいて、そして置いできますと、それは全部回収されて廃品業者に行くかもしれませんけれども、全部これは雑収でもって電話局へいくと、こういう仕掛けになっておるのですよ。紙節約運動なんですがね。相当猛烈ないわば合理化がされているわけでして、今総務理事の方から話がありましたけれども一千何がしかの少し収支差額がふえて、百何十億かふえていますけれども、そういう生易しいものじゃない状態の中でやってきたということについては、これは両大臣はぜひ御承知いただきたい、こう考えておるわけであります。
 さて、その次の質問ですが、これは決算が好調ですからいいわけですけれども、仮に電電のこの経営状態の中で、これは百一国会でも随分と衆議院でも御質問があった記録を拝見いたしておりますが、新しい出費につきまして改めて伺いたいんですが、法人税、地方税、さらに各種社会保険料とか退職金引当金等々がございますが、これについて担当者の方から、納付金はなくすわけですけれども、かわって新しい出費がどうなるか。ふえるか減るか、その点等も含めて御答弁を願えませんか。
#11
○説明員(岩下健君) 会社に移行しましてから後の経費の増加、主としてこれは公租公課の増加でございます。法人税等、一般の税法が適用になりますし、また従来適用にならなかった社会保険関係の負担も増加いたします。と同時にまた退職手当法の適用がなくなりますので、職員の身分のためにも退職給与引当金制度を創設したいと考えております。
 こういったものによります経費の増加額は総体で約二千数百億というように推計をしておりますが、現在、税関係等につきまして政令等でその細目を定めるものがまだ決まっておらない等ございますので、具体的な税目ごと等の増加額はまだ明確でございませんけれども、マクロで推計いたしますと約二千数百億の増加、このように推計をしております。
#12
○大木正吾君 あわせて、電電の抱えております電話債券その他の負債関係についても、どれくらいの額があってどのような返済計画をお持ちか、これもお示しください。
#13
○説明員(岩下健君) 五十八年度末の長期負債、これは主として電信電話債券でございますけれども、これが五兆一千五百六十億円でございます。これの今後の償還の予定といたしましては、例えば五十九年度は約六千六百億円でございますが、それ以降約六千億台の償還を必要とすると考えております。
 なお、現在の五兆円を超える固定負債、これは資本構成から見ますと、電電が優良企業とは一般に言われておりますけれども、実は財務構成から見ますと決して優良とは申せないという側面もあろうかと思います。と申しますのは、現在、長期負債によります利子負担が四千億を超えておりまして、これが売上高に占める比率、これは私どもが実は財務運営の一つの指標にしておるわけでございますけれども、五十八年度の場合、ようやく九%を切りまして八・九%のウエートになっております。五十五年度、三年前にはこれ一が一〇・二%と二けたでありましたけれども、その後各種の努力を重ねまして九%を割り込むところまでまいりました。しかしながら、なおこの比率は決して低いと申せませんので、これを行く行くさらに八%、七%台、あるいはできれば五%ぐらいまで引き下げたいというのが私どもの現在の願望といいますか目標でございます。
#14
○大木正吾君 法人税、地方税等、これは当然新会社になりますれば納めるべきものでありましょうし、特に地方自治体等に対しまして、従来税金の減免等を願ってきた経過もあるわけですから、この際、やっぱりそういった面についての従来のことも考えながらお返しすることも当然のことと考えるわけです。ただ問題は、今話がありました負債の返済計画のお気持ちは、ぜひそうあってほしいとは思うんです。
 加えて最近、世田谷でもって火災が発生しました。私は実は杉並に住んでおるもので、車で十分ぐらいで行けるものですから、左藤大臣が御就任の前だったんですけれども、夜十一時過ぎに現場に行きましたら、まだもうもうとしていまして入れませんでした。翌日の朝十七日にお邪魔しまして、これも警察が入ろうとしたときにも、やっぱり十時の予定が午後になって入れなかったですね。そういった中で、マスコミの方はすごくたたかれていますが、現地の約八万九千の加入者の方々は、電電の復旧に対する努力について、いえば当然のことかもしれませんけれども、相当な評価といいますか、一生懸命やったということを認めてくれている状態であり、同時に私、一番心配したことは百四、五十万トンのケーブルを持ち込んだり、この建物の三分の一ぐらいのところに相当の数が密集して入っていきますから、二次災害といいましょうか、けが人等が出なければいいかと思って心配したことがあるわけです。ですから、そういったことに絡んで、大臣もおっしゃったし総裁もおっしゃったことで、新聞をきょうは持ってこなかったけれども、ケーブルを複線にするとかいろんなことがありますね。
 そこで聞きたいんですが、この種の災害、これから世の申が便利になればなるほど災害の密度といいましょうか、あるいは質の高さといいましょうか、そういったことはだんだんだんだん大きな問題になっていくわけです。今度は三菱さんが大分オンラインで苦労されたですね。そうしますと、今の債務の返済計画に加えてこの種の防災関係の費用というものは、今は確か二百三、四十億ですか、そういった防災費用については一体どういうふうにお考えになっていますか。そのことを聞かせてください。
#15
○説明員(福富禮治郎君) 今回非常に大きな災害を起こし、世田谷の電話局の加入者九万の方々のみならず多くの方々に非常に御迷惑をかけたことを深く反省しているところでございます。
 最初に、現在行っております防災計画というものの概要を申し上げますと、第一には電気通信網の信頼性の向上というような形で、従来からも都市相互間の通信が途絶したり麻陣したりしないというような信頼性の向上を図ってまいりました。伝送路の多ルート化あるいはまた二ルート化、あるいは東京、大阪などの大きな周の市外周の分散等を図ってまいってきたところでございます。また、通信の途絶ということを防止するため、孤立防止用の無線機の配備とか、災害復旧用の無線機器の配備というようなことをしていたわけでございます。また、災害を受けた通信設備をできるだけ早く復旧するよう、移動用の電話局装置とか、移動用の衛星電話局の装置というようなものを持っていたわけでございますが、今回洞道内の火災が発生し、非常に深く反省しているところでございます。早速、洞道内の火災事故対策委員会を設置しまして今後の対策を検討しております。そして、実験用の洞道を建設し、その中での燃焼の実験等によりまして難燃材とかあるいは消火設備の効果等につきましての実験に着手したところでございます。
 当面、五十九年度申に実施する対策といたしましては、洞道内のケーブルの接続工事では火気を必要としないメカニカルのジョイントを行う、あるいは洞道ケーブルの要所に難燃化工事を実施する、洞道管理システムの導入、防火壁の設置等を実施することにして既に着手しております。これらの点につきましては本年度申に四、五十億の増額になろうかと思っております。
 それから、今年度申に今述べました実験結果を踏まえまして委員会の検討を終え、それらの事項につきましては六十年度中に全国的に導入を推進してまいりたいと思っております。
 なお、その金額の詳細については検討中でございますが、施策に伴います必要な経費というようなものは、これはすべてを見込んで対処を進めていきたいと、こう思っているところでございます。
#16
○大木正吾君 ちょっと答弁が不十分でわかりませんが、これ部分的な話があったけれども、要するに今後何年計画でもってどの程度のことを考えていくのかということは、これは新電電発足にとって大変な信頼関係の問題でございまして、結局負債の返却問題なりあるいはこういった防災関係の費用も当然これは増高する傾向を持つわけでしょう。そうしますと一年間にどの程度のものが現在よりもふえていくかについて、もう少しはっきりこれは答えてもらえませんと、ちょっと納得できぬのですがね。
#17
○説明員(福富禮治郎君) 金額につきましての詳細な検討は今進めているところでございますが、今申し上げましたように、多少にかかわらず、金額によって制限しようというような考えはございません。ただ、概算を申し上げますと、年間数百億程度の投資になろうかと、こういうふうに考えているところでございます。
#18
○大木正吾君 極めて大づかみに伺ったんでございますが、これから少しく本論に入らしてもらいますけれども、これは大蔵大臣にもぜひ聞いていただきたいんですが、後ほどの株式問題に絡んで、大蔵委員会なり大蔵大臣の立場としてこういう方法はどうかということを聞きたいんです。端的に言ったら鶏と卵の論争なんです。盛んに新聞や週刊誌の一部等にも出てきますが、KDDの五百円の額面株が五十倍だという話が飛び出したり、イギリスの方の民営電電もこれも何か日本まで持ってきて売ろうとしたものが国内でも大分消化がよくなってきたとか、そういったようなことがございまして、やっぱり情報通信が産業に与えるインパクト、あるいは情報通信の持っているそれ自身の産業的な基盤、これはだんだんだんだん広く世界的に広がってきますから、株が上がっていく傾向は持つだろうとは思うんですがね。
 そこで私が心配しますことは、先ほど岩下総務理事が答えた中との関係なり防災との関係等ですけれども、どうなんですか、株式の売却益金を大蔵省御自身は一般財源だから、これから先は言い過ぎかもしれませんが、赤字公債の返却なりあるいは減らしの方に向ける、あるいは赤字公債全体かもしれませんが、そういう話が巷間には多く伝わっておりまして、そこにやっぱり真っすぐにいってしまうということは少し私は問題があろうと思うんですね。ですから、財政再建のためにもこういったものは電電公社がまず身軽になって、そして法人税、地方税等含めて税金を納める額がふえていく、その中におって一般財源はふえて公債が減っていく、こういった正攻法ルートということは考えられるかどうかという問題であります。
 これは両大臣と同時に電電の総裁にも聞きたいんですけれども、要するに株式の売却益、それが債務の返済に充てられていきますとだんだん債務が減りまして、もちろん競争市場ですから競争も激化しますから当然合理化も進むでしょうけれども、そういった中で収益が上がっていきますから当然これに関連する法人税あるいは地方税はふえていくわけですな。そういったものの中でもってやっていきませんとやっぱり正しいあるいは正攻法な財源の確保なりあるいは赤字公債の消し方にならぬ、こう考えるし、翻って逆に今度は約一兆弱といわれます新電電の株式は三分の一保有して三分の二を売りに出したとき、七、八年たって売り切ってしまったときに一体どうするんだといった問題、そのときに、まあげたが消えてしまったときに一体そのげたをどこでどうつなぐかという問題で、竹下さんは、そのときにはニューリーダーだから総理大臣になっているかもしれぬけれども、それはあなた、あなたが大臣のときにこれをやっておるんだから関係ないというふうにいかぬですよ。我々はやっぱり一挙に埋めるということよりも、正攻法に健全な特殊会社として成長していきながら税金を納められる状態、卵をたくさん産んでいく状態にしながら、その中でもって赤字公債を埋めていくという議論がやっぱり正しいし国民が納得できる議論だろう、こう考えるんですが、その辺について竹下さんを中心にして左膝大臣にもお答えいただきたいし電電の真藤総裁にもお答え願いたい、こう思っています。
#19
○国務大臣(竹下登君) いわゆる新電電株式会社の株式売却収入の使途についてということにつきましては、公式的なお答えを申しますならば七月十九日の衆議院逓信委員会におきまして表明いたしました政府統一見解があります。すなわち「国民共有の資産であることに鑑み、国益にかなうよう、今後、予算編成の過程を通じ、政府部内において慎重に検討して」いるところであると、こういう逓信委員会の公式政府統一見解がございます。
 そこで、今の御意見を交えての御経験からする御質問でございますが、電電公社の債務返済に優先的に充てるべきであるという一つの意見も私は成り立ち得る意見であるというふうに思っております。
 例えば、こういう電電公社への移管というそういう過程でなくて、成熟した商法に基づく株式会社であった場合、やっぱり経営者としては株式によらず資産処分等による利益というものが出たら、まずは債務返済に充てて、いわば会社そのものの経営基盤の強化に貸すべきであるということを経営者サイドの物の考え方として出てくる発想としては私はそれなりに極めて自然な発想ではないかというふうにも見られると思います。
 それから、私どもと申しますより世上言われております国民共有の財産であるから国民共有の負債であるいわゆる赤字公債の償却に直入すべきである、こういう議論もそういう立場から見たときには成り立ち得る議論であろうというふうに思います。
 いずれにしても、形式的には、一般財源となりますならば、財政の立場からいえばやはり広く議論をして全体として国益に沿うような対処をしなきゃならぬ。すなわち、あらかじめ一つのことに特定しての物の考え方というのは避けながら広く議論を重ねていかなければならないんではないかというふうに考えております。したがって、今の大木委員の議論の展開の仕方というのは、既存の会社であった場合の資産処分として当然経営基盤の強化からする第一義的な発想として経営者サイドから出てくる議論であるというふうに私もそれなりには理解をいたしますが、総体的には、この成り立ち、公益性等々すべてを勘案して政府部内でこれから検討を積み重ねていかなきゃならぬ、何よりも国益に沿うことということを念頭に置いて進めていかなきゃならぬ課題であろうというふうに考えます。
#20
○国務大臣(左藤恵君) 新会社株式の売却収入を電電債の償還に充てるということにつきましてのお考えでございますが、これは一つのお考えとして成り立ち得るんじゃないかと、このようにも考えますが、この問題につきましては、新会社は電電公社から五兆六千億の債務を引き継ぐわけでございますけれども、その倍以上の資産十兆五千億といいますか、というものがあるわけでありますが、こういう資産形成の経緯から考えて、法的独占のもとに築き上げた技術力などのすべてを引き継ぐというふうな意味がございます。そういう意味におきまして、電気通信事業分野ではほかに比べもののない第一級の企業であるということは申し上げるまでもございません。そういった観点があります。
 それから、いま一つ見方によりましては電簡債の償還に充てるということは新会社に補助金を与えるというような形にも考えられないこともございません。いろいろそういうことで、新規参入ということを競争原理を導入しようという今回の事案法の考え方という意味で、公正競争条件の確保という、そういう観点からも考える必要があろう、そういった意味におきましていろいろ現在こうした問題について検討をしておる段階でございます。
#21
○説明員(真藤恒君) 新電電の株式の処置ということにつきましては、本来的にこれは政府の方で御決定なさるべきことでございまして、経営の当事者の私どもが本来的にこの問題について口を差し挟むということはやるべきではないということで、今日までこの問題について私どもは何も申し上げてまいらなかった次第でございます。
 今御質問がございますので、非常にお答えにくいのでございますけれども、理屈じゃなくて私を初め現場で働いておる職員の全員の共通の気持ちということを申し上げて御参考になればという意味でございまして、こうすべきだとか我々の意見はこうだという意味で申し上げるわけではございません。
 御存じのように私どもの今日の通信設備がここまで発達してきたということは、実は日本だけ独特な方法でおやりになりました加入者債券制度というもので、まあ極端に申し上げると強制的に電話をつけるときに債券を買ってもらって、それが大きな飛躍の原資になって今日でき上がっておるという経過があることは否定できないと思います。したがいまして、私どもはその加入者債券の借入金の残りを、さっき岩下総務から御説明申し上げたように約五兆円まで抱え込んでおります。したがいまして、一般の経営の常識から申しまして、また働く者の気持ちから申しまして、この五兆円の一部を返済することに代金の一部でも回していただければ金利負担が軽減される。それを私どもとしてはまだ合理化の進んでいない遠距離料金の値下げということに回す原資にさしていただければ日本の通信事業というものはさらに利用者の皆様方にお使いやすいものになり、したがって私どももその意味から健全な発展のスタートが切れるんじゃないかというふうに気持ちとしては持っておりますけれども、私どもがこの問題について積極的に意見を申し上げるとかお願いをするという立場にはないことは十分わかっておりますので、そういうことは今後もいたさないつもりでございます。この機会に御質問がありましたので働く者の気持ちだけを申し上げて御参考にしたいと思います。
#22
○大木正吾君 御三人の御答弁はいずれも私納得できない面が多うございますので、もう一遍尋ねてまいります。
 一つは、竹下大蔵大臣は特定しないとおっしゃったわけですね。同時に左藤大臣は補助金的にと、こうおっしゃったですね。私は少しく問題の把握の仕方が違うと思うんです。要するに衆議院の百一国会の論議の過程をずっと国会が休みの間に二、三回読ましてもらいました。電電公社が続いたのは約四十年でございまして、私はあえてきょうここで質問に立ったことの理由の一つには、これは国会で法案の審議が終わりますと耐ちに設立委員の任命が左藤さんによってなされまして、そうして定款をつくって、株式を出して、今度大蔵省に電電が寄附をしまして、こういうルートを行くわけですね。しかし電電自身は配当については責任を持たなきゃいかぬ。そういったことがありますので、これはひとつ大臣はやっぱり頭にとめておいてもらいたい問題点であります。
 もう一つの財産形成過程の中で電電は独占だから云々という話がずっとこう流れている、それは事実間違いありませんね。しかし技術の進歩はとめられぬということを私たちは三十年前から――私は電電のOBですが、その中にありましてもイギリスの第一次産業革命のときには機械を海にぶち込んだ経過があったんですよ。戦後日本の全産業の先行投資は電電公社、通信がやったんですよ。もちろん道路も関係ありますよ。
 そういった中で物を考えていきますと、例えば電話交換手の方々が生涯の仕事と思ってとらえた電話交換の仕事を機械が持っていってしまう。三十年前後は軍も弾丸道路もありませんでしたから。おやじを残して、飯をつくって、奥さんが今度朝五時半か六時ごろ、列車ダイヤの関係でもって勤め切れず、北九州合理化ということもあったんですよ。合理化のその過程でもって動いた人間が二十二万、訓練計画が二十三万に達していますよ。そういったこと等々も私たちは申し上げたいわけだし、とにもかくにも、労働界的なことは余り言いたくないけれども、昭和三十年前後に技術の革新といってこれを積極的に受けとめて、ある人はやめて、この人は訓練を受ける。ある人は職場を変わる。そういったことに対して適合した組合というものはそうたくさんなかったんですよ。記録を調べてみればわかりますけれどもね。そういったことも考えていただきたいし、同時に電電債をすっかりトビに油揚げみたいに持っていってしまって、そして一般予算の中に入っていくわけですから、電電に対して、電電債の返還に回す金は特定財源だとか補助金だとか、その言い方はやめてもらいたいんですが、どうですか、その辺は。国民は不審に思いましょうかね。どういう理由でもってそれは特定のものになるんですか。総裁は遠慮して言っていますが、電電が独占だからでありませんよ。百八十八億しか金を出していない国に対しまして、国民が二兆数千億円の電電債の引き受けをやっている。しかし金を頼んでいるだけじゃないですよ。その過程には労働力あり、同時に労使関係もありますよ。そういう点等々含めて、なるべくとにもかくにも電電債返済に回すことについて、せめて何年かの間に三分の一ぐらい負債が減っていく、そういったことをすることは財政再建の根底にあっていいじゃないですか。一つも遠慮は要らない。こういう話と考えまして、財源を特定しないという竹下さんのお答えなり、左藤さんの補助金絡みということは、随分たくさんの株を大蔵に寄附して、そして国にあれしようとしている電電に対しまして、何と言うのか、少しく残酷な言い方だと、こう聞こえてしょうがないのだけれども、どうなのか、その辺のことをもう一遍考えてもらえませんか。
#23
○国務大臣(竹下登君) 私がかつて答弁した中でございます一つを申し上げますと、財政法上の建前から言えば、いわば特定財源、こういうことにしてはならないということで申し上げておるわけであります。したがって用途をあらかじめ特定するというものではなくという意味でございます。
 なるほど歴史をひもといてみましても、昭和二十七年に電電公社に移管したとき、そしてさらに歴史をひもとけば、通信の場合ですが、明治十八年の逓信省電信局の中からのずっと経過、途中で内閣へ一遍行ったりしたこともございますけれども、そういう経過から見ると、まさに形態そのものが――悪い意味における独占とかいう意味じゃありません、独占事業であったということ、そしてかつて国の一部であったということ、そういうことからいたしまして国民共有の財産、したがってあらかじめ特定すべきでないと、こういう原則論を申しておるわけであります。電電公社総裁から遠慮しながらお答えがございましたが、したがって私もお答えしましたように、これがそういう歴史的経過の中になくて、一つの株式会社として今日もなお引き続き存在しておる時点において経営者として考えられることは、当然のこと株式と言わず、資産処分等によった利益がいわば借入金等の返済に与えられ、より身軽になるという発想は、私はこれはあり得る一つの発想だというふうには申したわけでありますが、いろいろな経過からしてみるといわば特定するという性格のものではなく、財政法上から言えばまさに一般財源として入ってくるわけでありますから、いろいろな議論も含めて国益に合うような方向で慎重に検討して答えを出すべき問題だと。だから私も初めからこれを特定して、例えば赤字公債の償還の問題も御意見を交えての御質問の中にございましたが、それも一つの意見としてはあり得ると思いますが、それを今あらかじめ特定すべきではない、こういう考え方であります。
#24
○国務大臣(左藤恵君) 私は、この電電公社が非常に今日までの、今お話がございましたような御苦労もあったことも十分承知いたしております。そして、その中におきまして非常な力をつけて、そして今日の発展をされたわけでありますが、その中で現在持っておる総資産と、それから加入者債券とか、今お話がございました負債の多い少ないというような論議があろうかと思いますけれども、非常に大きなものでありますから、十分そういったものを償還していく力はあるんではないかということを申し上げておるわけでありまして、今お話がございましたような点について、電電公社が今日まで努力されたことについては十分理解をしておるつもりでございます。そういう中におきまして、自主性を新しい会社になりましても発揮していただいて、十分やっていっていただけるんじゃないか、このように考えておるわけでございます。
#25
○大木正吾君 竹下さん、非常にあなたの周辺の方々は秀才の方が多いものですから、実は七月十九日のお答えのメモ、これを拝見しておりまして注意深く読んでいきますと、「共有の財産」という部分はございますけれども、「資産形成の経緯」という言葉は実は奥田さんが答えた中にあるんです。あのメモの中になかったんですよ。今の答えてお気持ちはわかりました。財政法上の問題はきょうここでもって法律論争をしようと思いませんが、お気持ちはわかりました。
 ただ要するに、そういったことにちなんでさっき岩下総務理事の話があったけれども、スタートはこれは非常に電電も大変だと思うんです。そういったことを含めて、まあ特定財源としないんですけれども、当然これは国会の決議によって株式の処分は決まるんですから、そういった際にはやっぱり鶏が卵を産める体質を強めると言いましょうか、虚弱な方にだんだん向くんじゃなしに強めていく方向に考えてやってもらいたいと思うし、まあ真藤総裁が遠慮深げに育って、私も別にけちくさく労働組合がどうのこうのじゃないんです、そんなものはね。今郵政が振興構想を出していますけれども、それじゃ一般の今のエンジニアグループでもって電気通信関係なりINSの仕事等々――エンジニアグループは一体どこにいるんですか、横須賀通研とか厚木通研とか武蔵野通研にいるわけでしょう。あれをすっぽり持っていって機構をつくるわけじゃないでしょう。私たちは日進月歩だから、ここ三年が勝負だ、国際勝負だ。そうなったときには、これはどうしたってとりあえずは電電の通研のグループというものを、やはり月給は安くて結構だ、一生懸命やろうと言っているんだから、そういう連中に仕事をしてもらうためには電電自身がもう少し身軽になっていくことが大事な問題だし、大蔵省の立場からすれば長い目で見れば、五十年百年の展望をしたときには、とりあえずがばがばと電電の売却益が公債の方の埋めに入るよりは、やっぱり長い目で見て、その額が半分に減ろうとも法人税、地方税等でもって入ってくる方が正しいやり方なんでしょう。私は大蔵委員で、きょうは逓信じゃありませんからね。大蔵委員のお願いとして、財政再建の方途としては、この問題についてはもっとオーソドックスに考えていくべきじゃないですか、こういうことを申し上げているわけですから、もうお答えはわかりましたから、お気持ちが特定はしないけれども、非常に竹下さんの答弁は最近うまくなっています。その丸みの中でもって気持ちとして受けとめておきましょう。
 その次に、このことに絡んで少し株の問題に入って質問を続けさしていただきますが、会社法第五条で「株式の処分」の項がございますけれども、これは毎年「年度の予算をもって国会の議決を経た限度数の範囲内」という言葉がございますね。これだけが一応まあこの正式の条文の中にあるわけですけれども、これは一体どういう手続を意味するわけでしょうか、それをお伺いします。
#26
○政府委員(澤田茂生君) 電電公社の民営化に当たりまして発生してまいります株式、これは今もいろいろ御議論がございましたように、国民の非常に重要な資産であるということが言えるかと思いますので、そういった株式の実体をなす資産が形成されるに至った経緯とか株式資産の巨大性、こういうようなことにかんがみまして、政府のみでその適否というものを判断するんではなくして、国会が国民利用者の立場から関与するということが必要であろうという趣旨で、その限度額というものについて国会の議決を経るということでございまして、ある意味では、その範囲内において処分をする、その予定収入というものが予算の上に上げられてくるわけでございますので、そのもとになります限度数というものを予算において決める、こういうことに手続上はいたしているところでございます。
#27
○大木正吾君 後でまた大蔵から伺いますが、ちょっと一つだけ聞いておきますが、これは例えば株式を売却するといったときに予算書に計上されますが、当然これは証券取引法なり、あるいは証券業界の協力を得なければできないことになるだろうとは思うんですが、どうなんですか、結局この中の解釈といたしまして、電磁株が売却されるときに売却を受ける側ですね、買う方ですね、買う方については国の方は何らかの関与あるいは内容を知ることはできることになりますか。
#28
○説明員(中田一男君) お答え申し上げます。
 株式会社ができまして国の財産ということになりますれば、その処分を会計法なり国有財産法に基づいてやっていくわけでございますけれども、国が株式を処分いたしました先例として幾つかの例を持っておりますが、どういう方式で処分をするかというのは、これから関係の方々の御意見も聞きながら慎重に検討してまいりたいと考えておる次第でございます。
#29
○大木正吾君 後でまた聞きますけれども、そういう答えの繰り返しをこれから一時間近くもやるつもりは私の方は好ましくないんですがね。日本合成ゴムの経緯とか、あるいはKDDの株の問題とか日航とか、幾つか類似ケースがあるわけです。そうしますと、やっぱり日本合成ゴムの場合には一社が全部買い切ってしまったということでもって買い戻しをやったでしょう。そういったことがあるので、私ちょっとこれにひっかけて聞いているんですけれども、大蔵省としまして、これだけのフィーバーをあおっている株であって、ちょっとここでそんなこと私も想像できないんだけれども、五十倍なんて値をつけているKDDの株とか、そんなことが本当にあるかなと思って想像もしない。それを考えますと、とにかく証券取引法に基づいて兜町なり証券市場がやることだから、それから先のことは大蔵省はもうこれは関係ないで済まされるかどうかという問題があるんです。
 そこで、要するに買い手方について大蔵省は一体、公式、非公式問いませんけれども、何らかの方法で知ったり監督をしたりということはやる気があるかないか、できないのかできるのか、その辺のことをもう一遍聞かしてください。
#30
○説明員(中田一男君) お答えいたします。
 私ども株式を処分いたします。その際には、どういう処分の仕方をするかによっていろんなやり方があろうかと思いますが、例えば今先生の御質問にございましたように、仮に市場に出てマーケットで取引されるという段階になれば、恐らくこれは私大蔵省の担当ではございますが、私の直接の担当ではございませんけれども、マーケットで取引されるという段階になれば恐らくそういう細かい問題には立ち入れないのではないかというふうに思います。
#31
○大木正吾君 そうすると、これも百一国会での奥田さんの答弁、竹下さんも大体同趣旨の答弁をしていたかと思いますが、とにかく疑惑を招くようなことはさせないとかあるいは国民が理解できるような形にしたいとか、そういったことについては、まあ国会の答弁であって中身の方は余りそれほど深く研究して答えたわけではない、こういうふうにとりあえず受けとめておきましょう。
 話を少し変えますが、これはまた郵政大臣の方に語を少し変えて申しわけないんですが、設立委員の問題についてなんですが、これは大臣がかわるたびに答弁が変わることはまことに困るわけですが、きのう逓信委員会でもあったかと思いますが、奥田さんが大臣のときには逓信委員会でこういう答弁をしておるようですね。私も当時委員長でしたから大体聞いておりますが、結果的には、「各党とも相談して」、こういう言葉が入っておるんですよ。これは左藤さんどういうふうに考えますか。
#32
○国務大臣(左藤恵君) 前大臣が国会の各党も含めて御相談申し上げてというようなことを答弁されたことは私も聞いております。私も各党の皆さん方の御意見、そういったものに十分耳を傾けるという必要があろうかと考えております。そして、その上で判断は、できるだけだれから見ても公平な人選というものについて我々が考えるべきことである、このように考えております。
#33
○大木正吾君 これは、この法案が来週ぐらいには多分通るんでしょうかね、逓信委員会で。よくわからぬけれども、通るんですかね。通ってしまったら、今度左藤大臣と設立委員のところに全部行っちゃうんですよ。だから念を押して伺うんですけれども、奥田さんがやっぱりそのことに――当時の記録をここに持ってきておりませんけれども、そういうふうに要するに来週の十三日なり十四日に仮に逓信委員会でこの法案が上がりますと、直ちにというとまだちょっとおこがましいんですけれども、とにかく大体新電電の会社の設立が確定しますね。確定したら、その後の作業は設立委員がやるわけですね。それが七名以上ということになっているわけですけれども、何十名かわかりませんけれども、相当多数であろうと私は考えるんですが、官僚の天下りあるいは学識経験者はえてして野党側の方は敬遠されるんですね。大体中曽根総理の最近の臨教審の人事等を見てもそういう傾向がなきにしもあらずなんですな。今度の場合には、これは会社という大きな組織体ですね。日本で最大の会社ですから、非常に大事な大事なんですよ。
 左藤さん、これはもうちょっと話を進めていただきまして、どうなんですかね、これは国会では野党各党もおる、自民党与党もおられるわけですけれども、まあ最後の決断はあなたがするとおっしゃったけれども、それは確かに形はそうでしょうけれども、野党の側からけしからぬということが始まったらこれまた大変ですよ、本当申し上げて。だから野党各党と相談の上、合議し、それを尊重するなどのことは答えとしては出せませんか。
#34
○国務大臣(左藤恵君) まあこの問題につきましては、今お話にございましたように非幣に大切なことであるわけでございますので、幅広い御意見というものは十分伺うということは先ほど申しましたとおりでございます。そして、他の特殊会社の例というようなものも十分参考にしてやらなければならない、厳正にこれは決定していかなければならない問題である、このように認識をいたしております。
#35
○大木正吾君 質問に答えていただいてないんですよね。厳正にということはそれはもう抽象諭でありましてね、私が言っているのは、各党と相談をし、ほぼその同意的なものを得るようにできませんかと、こう聞いておるんですよね。
#36
○国務大臣(左藤恵君) どういった方面からどういうふうな形でというふうなことについていろいろ御意見を伺うわけでございますけれども、個人的にだれを決めろとかというようなことについてお話をそこで御相談申し上げるというようなことではないと、このように考えております。
#37
○大木正吾君 それは、私は個人的に申し上げたってこの法案上げるわけにいかぬですよね。大臣がかわって、目の前にまだやめた方々がいるわけですな。そういうときに前大臣が言った言葉の意味合いは、それはこういった連合審査の委員会の席上でもってだれだれということを私言ってもらうことはないですよね。相談の方は多岐にありますからね。ただ、そういったことについて合意、同意がもしきつければ尊重するとか、あなたもかつて役人だったからよくわかるだろう、そういう言葉の使い方がわかるはずですからね。何かもうちょっと前の大臣の答弁を継承した形を言ってくれるなりあるいは枠組みとしてはどういうような形のものの枠組みで考えているとか、大臣非常に責任が重たいんだから、しつこいですけれども、もうちょっと前向きの答弁お願いできませんか。
#38
○国務大臣(左藤恵君) 御相談を申し上げるということはいろいろ御意見を伺って、それをひとつ我々が判断をいたしますときの基準といいますか、そういう枠組みの中に尊重をさしていただく、そういう意味で申し上げておるわけでございます。
#39
○大木正吾君 時間もあと残り少ないですからこれはやめて、ただ、私ははっきりこれは警告申し上げておくけれども、仮に三十名というふうに仮定をしたときに、そのメンバーが天下り官僚がごっそり入ってくる、あるいは左藤さん好みというと失礼に当たりますけれども、そういった恣意的な分野が入ってくる、そういったことになったら、これは恐らく衆議院の予算委員会がとまることは何遍かあるかもしれぬということは十分考えた上でもって、まさしく厳正に野党の意見も尊重してやってもらいたいということを私は申し上げておきたいと思います。
 次に、株価の問題についてこれまた大蔵に返って伺いたいわけでございますが、まあこれも恐らく会社がまだできていないからということかもしれませんが、一体どの程度の株価の算定ということなり、あるいはこれに至る手続なり、算定の基準なり、そういったものについては何かお考え方はございましょうか。
#40
○説明員(中田一男君) お答えいたします。
 御質問の御趣旨が、例えばこれを処分する際の株価の算定というものをどういうふうに考えていくのかということであるかと思いますが、恐らく処分をいたしますときはまだマーケットの価格はないわけでございますから、そういったものの株式の評価の仕方としてはこれまでからいろいろな評価方式というのが一般に用いられておるわけでございます。したがいまして、そういったものを参考にしながら詰めていかなきゃいけないというふうに申し上げることはできますけれども、それ以上具体的にどうこうということになりますと、まだ今の段階ではそこまでお答えするところに至っていないということで御理解いただきたいと存じます。
#41
○大木正吾君 まあ大体公附する株の場合にはその企業の収益性とか純資産の比率、類似企業ですね、幾つかこう何かケースがございますね。今のような答えではなしにもう少し、いえば輪郭だけでも、従来のやっぱり上場株の場合とか、あるいは公開する場合の商法上なり、まあ株式市場における従前のケースですね、そういったものに類似して行うということになるかどうかだけでも聞かしてくれませんか。
#42
○説明員(中田一男君) これまで政府が所有株式を処分しました事例としては四つばかりの会社の例がございますけれども、このうち昭和四十四年以降に処分いたしました日本航空ですとかあるいは電源開発株式会社なんかの場合ですと、売り出しの前に、この場合は国有財産中央審議会というような審議会に諮りまして株式の処分方法なり評価の仕方なりについて専門の方々、学識経験者の方々の御意見をいただいて決めていくというふうな手続をとらしていただきました。
 今回も、具体的に決めます場合はいろんな方々の御意見をよく聞いてまいらなければならないと思いますけれども、今の段階でその中身についてこれ以上具体的にお話しする、そこまでは詰まっていないということで御理解いただきたいと存じます。
#43
○大木正吾君 俗っぽい話をして恐縮なんですが、さっきもちょっと触れましたけれども、KDDは、これは電電が国内情報通信、KDDが国際情報通信の仕事をしておるわけですね、国内的に見ますと会社としてはこの二つしか今のところありませんですね。そうすると、類似会社というようなことも専門家の相談の場合にも兜町の市場の場合でもあるわけでしょう。そうすると、これ単純に物を言いますとKDD株五百円株が五十倍で二万五千ですね。新商法でもって新電電株を一株五万円としたと仮定いたしますと二百五十万ですね。二百五十万というものはとても国民一般に手の届くような株でもないし、それほど高いものを買わした場合、これが先行きどうなるかのめども立ちませんね。そうした場合のこと等もあり、同時にもしもこうなっていきますと、これは庶民からほど遠い特定のお金持ちあるいは大きな金融関係の法人等々にいわば偏って持たれてしまう、こういうことになったり、あるいは逆の意味合いでこれが一時的に最初の、第一回の公開あるいは売却したとき、そのときが一番大事だと思いますから、そのときに少しフイーバーがあおって高い値段をつけたものを個人が買ったときに、後で見たら、三年後に大変損になった、こういうケースも起こらぬとは言えませんね。ですから、そういったこと等々を私たちは頭に描いて心配するわけでございますけれども、やっぱり公的な機関といいましょうか、あるいは国会でこの株の売却についての特別立法をしなきゃならないとか、そういったことは大蔵省は一切考えておりませんか。
#44
○説明員(中田一男君) 電電株式の処分というのは、そのボリュームからいいましてもその会社の内容からいいましても非常に難しい問題だと思いますけれども、やはり基本的にはそのときどきの市場にどのように受け入れられるかというふうなことを考えながらやってまいるものでございますので、恐らく法律でこれを縛るとかなんとかということにはなじまないんじゃないかなという感じはいたしております。
#45
○大木正吾君 前段の方のお答えと後の方がちょっと何か前後して私はのみ込みがたいんですけれども、新電電の株が極めて大事だとおっしゃりながら法的に云々、なじまない、こうおっしゃっているんですね。もしこういった問題につきまして、公的な規制あるいは立法化、そして現在の国の経済なり産業なり金融動向等を見てますと、例えばの例が、金融自由化問題等でもって随分と銀行あるいは金融業等には外国の資本も入ってきていますね。同時に国内的にも合併あるいは一部には中小の金融機関なんかの倒産といいましょうか、あるいは危い経営状態にもあるものもございますね。そういったこと等を考えたりしていきますと、大事な株だからこそ公の規制あるいはガラス張りでもって、国民がどういうふうに始末したのかということがわかるような規制ですね。ある意味では、五万円というような形で庶民が手が届かないような売価がつくようなものじゃなく、もっといわば額面を安くする方法とか、持ち株制限とか譲渡制限とか、そういったものについてはこれはすべて特別立法する考え方はないんですか。
#46
○説明員(中田一男君) ただいまでも電電株式の場合は外国人に対する持ち株の規制ということで最小限の規制がなされておるわけでございますが、それ以上細かい譲渡制限とか持ち株制限とかということはかえって適正な価格を形成するのに妨げになるというふうな側面もあろうかと存じます。
 いずれにしましても、おそらく当初処分をいたしますときにはその株式が特定の個人なり法人なりに集中することがないような、そういう配慮は十分いたしてまいらなければいけないと思いますけれども、あとはできるだけマーケットにゆだねて適正な価格形成、流通というふうなことが図られることがより大事ではないだろうかというふうに考えております。
#47
○大木正吾君 これは百一国会でもって答えられた竹下さんの御答弁なりあるいは前郵政大臣の答弁と少しく意味合いが違ってくるんですが、抽象論かもしれませんけれども、この当時のお答えでは、あくまでも民主的、公正にということとか、いろんな答えでもって国民にガラス張りでもって物が見える状態でもっていこうと、こういう話できたわけですね。しかし、私たちはやっぱりダミーなりあるいは最近のいろんな株式をめぐる事件が二、三ございますけれども、そういったケースなどを考えていきますと、さっきお話があった電源開発株式会社の株の問題のケースがございましたけれども、そういった問題等を含めてやっぱり私は立法化あるいは公的な規制ですね、どちらかが必要だと、こう考えているんですが、これは大臣どうですか。
#48
○国務大臣(竹下登君) この問題につきましては、私どもも素人なりにいろいろお話し合いをしてみたり、これは公式、非公式を問わずございます。
 確かに、KDDそれから日本合成ゴム、そういう過去の例も大いに参考にしなきゃならぬ。競争入札にするか、あるいはシンジケート団を組むか、いろんな方法が考えられます。と同時に、今大木議員はフィーバーという言葉をお使いになりましたが、やや言論界とでも申しますか、そういうところでフィーバーのような感じも私も持っております。そういうことが起こるのは、言ってみればKDD等から勘案する株価の問題だけが先行して、現実新株発行と同じことになりますならば、おのずからマーケットの許容範囲も、年に多いときで二兆幾らでございますか、全体でそんなものでございますから、もちろん一遍に売れるものでもない。そういういろんな議論を積み重ねていくうちに、私はどこから見てもいわば何と申しますか、疑惑を持たれるとかいうことのない形のものはできてくる可能性は大いにあるなと、こういう感じを私自身持っております。
 したがって、かつての場合のような審議会とかそういうものを参考にしつつも法律でこれを規制していくことの必要性というのは、必ずしも今まで私の乏しい知識の範囲内で勉強した段階ではそこまでの結論といいますか、そこまでの関心とでもいいますか、そういうところまで突っ込んで勉強はしておりません。もとより今後の問題でございますから、国会で行われた議論については全部持ち帰りまして、お互いが議論の土台にして話し合いしていくわけでございますが、今の段階で私は法律でもって規制する必要性というようなところまでの立ち至った議論を私の勉強の範囲内においてはまだしたことがございませんでした。
#49
○大木正吾君 法律の規制論争は、まだこれからも逓信委員会でもやっていかなきゃならぬでしょうし、予算委員会等も控えてますからあれですが、きのう大蔵委員会でうちの竹田委員の方の質問に対して竹下大臣がお答えになっているんですが、これは補正を含めて六十年度予算には電電の売却益は計上しない、こういうふうに受けとめてよろしゅうございますか。
#50
○国務大臣(竹下登君) 今こういう法案が審議されております。そうすると提案者としては、当然それを通過、成立せしめていただくことを前提として物を考えなきゃいかぬ。そうなれば、一たん仮にもしこの売却が行われたとしたら、売却の行われる法律的可能性はあるわけですから一応それなりの議論をしてみようということでいろんな議論をしておりますと、したがって、いささか私見を交えたお話になるかとも思いますが、実際財務諸表のまだできていないものを一体どういう値段がつけられるのかとか、あるいは少なくとも半期決算ぐらいないことにはおかしいじゃないかとか、そういう素人論議もいたしております。したがって、当初予算というものにおいて計上するということは現実問題としてなかなか難しいのかな、まだ決めたという意味ではございませんが、そういう印象は私持っております。ただ補正ということになりますと、これは政府が本予算を提案する前に補正ということが仮に、現実問題が毎年いろいろありますが、補正という言葉自体が頭の中にあるというのは、あれは大体予算というのを知らないじゃないかと、どうせ補正はあるもんだという前提の上に立って物を言っているなら初めからそれを含めて提案すればいいじゃないか、こういう議論にもつながりますので、補正ということを念頭に置いての考えは今のところ全くございません。
#51
○大木正吾君 要するに一般会計の新しく年末に組まれる予算の中にはこれは出てこない。しかし補正の問題については、これはそれをつくったりあるいは国会でまだ決まらぬ段階で補正の議論をすべきじゃない、ただし括弧して、電電株がどうなるかについてはこれは不透明、こういうふうに受けとめていいわけですな。私自身これを非常に心配いたしますことは、新電電じゃなくて電電公社の首脳もおられるし左藤さんもおられますけれども、いろいろ株にまつわる何といいますか、スキャンダルと言うとちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、事件が多過ぎるんですね。フィーバーがあおっていますからね。恐らく左藤さんの周辺だって、御親戚の方なんか、大臣になったんだから、大臣うちの方でも買えるチャンスがあったら買わしてくれませんかという話が来ていませんか、どうですか。いや、現実問題としましてあると思うんですね。私みたいな小者でもやっぱり結構そういう雑談が来るんです。ちょっと待ちなさいよと、あなたね、五万円でもって、例えば純資産四兆九千億円と見たって大体軽く五倍弱だろうと思うから二十四、五万だと、買価がね。そうすると配当はあくまで額面でくるんだから、その場合には八%配当したってそんなものあなた四千円だよという話をしまして、郵便局のことを奨励するわけじゃありませんが、それなら二十五万円定額にして持っていた方がよっぽど金利はいいよと、こういう話をして撃退するんだけれども、これは本当に怖いんです、僕に言わせると。
 そこで問題は、竹下さんのお話をもう一歩進めていただきまして、新電電が四月から発足した場合に、半年でもって決算して財務諸表を出すなんということはまずないでしょう、一年要りますね。そうすると今で言ったら再来年の三月の末か四月に入って初めて年間の経営の状態がわかるわけですね。競争会社がどんどん入ってくるかどうかということも、またそれは第二電電、第三電電のこともあって一種事業はそれほど活発でないかもしれませんが、しかし、これは一応競争市場に飛び出していくわけですから、そういう中での財務諸表は初めて再来年の四月に入って私たちは見ることができるんですね。その時期までたてばフィーバーも少し冷却するであろうし、間違ってでかい金を出して買ってしまって、大蔵省はそれはなるべく高く買ってもらってがめつく稼けば赤字が埋まるんだから助かる。こういうことかもしれませんけれども、逆に国民は損して恨まれるんですからね。
 そういう点等を総合していくと、やはりとりあえずこの問題については何らかの方法で私は、この法案を上げるときには、こんなものにすぐ食らいついてもだめですよ、ということの冷却方法を考えざるを得ない。その間に、竹下さんは専門家のはずだけれども、ここでもって余り詳しくないとおっしゃったけれども、あなたが専門家ではこれは困るんですね、そういった形でもって私たち予算委員会、大蔵委員会、逓信委員会等々でこの株の放出方法については、万が一だれかきょうこの場にいない方がこの株の売買について何らかの不正なりあるいはスキャンダル的なことをやったらこの首脳陣はどうなるんですか。我々逓信委員会のメンバーなり予算委員会のメンバー、大蔵委員会のメンバーは結局どうなるんですか。国の信頼はどうなりますか。私はそういったことを重々考えていただきたいわけです、そこのところをね。だから設立委員の任命の問題がまず一つありますよ。国会の議論から離れできます。同時に株の問題が入ったときには、これは万が一手を染めている方があったら全部新電電の経営は途端に斜陽ですよ。国民の新電電、しかもその新電電の株を全部もらう大蔵省ですからね。大蔵省は責任を逃れられませんよ。そういったポイントのところをしっかり私は頭に置いてもらって、そしてこれについての考え方は、これは予算委員会、大蔵委員会、逓信委員会等はまだ続くでしょうから、その過程で放出の前に、立法化をするかあるいは公的な機関をつくるか、国民がまさしくガラス張りでもってはっきり見えたと、絶対不正はできませんぞと、こういったことをやはりしなければ私たちはこの問題については納得ができないわけです。両大臣と総裁のお答えをいただきたい、こう考えます。
#52
○国務大臣(竹下登君) 確かに私どももこの法案成立以前でございますから大変な詰めた議論という意味ではございませんが、今御意見を交えての御質疑の中で、財務諸表がないのに大体その売却なんてやれるのかという、これは一つの商慣習と常識論として私はあり得る議論だと思っております。それから、法律そのものを見れば、それは民間活力というものをより導入するためには可能な限り売った方がいいという議論もそれは出てまいりますでしょう。そういうのをかれこれ勘案しながら、この法案が成立いたしましたら、今の設立委員のこともございましたが、私はたまたま前国会で通していただきましたのでたばこ会社についてのいわば今準備を続けておりますので、設立委員の選任等各方面の意見を聞きながらやってまいりました。そういういささかのノーハウ――ノーハウと言ってはおかしいですが、それをまた私なりにお話をしたりしながら、基本的には今おっしゃいましたとおりいささかの疑惑も感じせしめるようなことがあってはならぬ。それこそそういうことがあったら答弁した私どもも、またここで審議していただいた先生方にも、これは国民に対して申しわけないことになるわけでありますから、慎重の上にも慎重を期していかなければならないと思っております。こういう議論をすることがすなわち意見を承ることの大きなポイントであり、機会じゃないかなということを思っております。
 なお、ちょっと間違えましたので、我が国の新株発行額、最近のやつを見ましたら五十六年が一兆七千九百三十二億とか五十七年が一兆、五十八年は八千九百億というようなのが市場のシェアでございます。
#53
○国務大臣(左藤恵君) この財産というのは普通財産になりますので、管理者としての大蔵大臣が今お話しになりましたが、我々といたしましても、衆議院でも附帯決議をいただいておりますので、そうした意味でいささかの疑惑もないような形で、大蔵省でこうした株式の処分をされますときに御協力申し上げる分につきまして我々も努力をひとつさしていただきたい、責任もそういうような意味で十分厳正にやるようにしなければならないと、このように考えております。
#54
○説明員(真藤恒君) 私ども会社になりましてから御質問の問題が出てくると思いますが、電電といたしましては、株主は政府でございまして、したがいまして、政府が株の処置をなさることについて何かの非公式的な意見をお求めなさるということがない限り、私どもこの問題に積極的に頭を突っ込む立場にはいないというふうに解釈をいたします。
#55
○大木正吾君 終わります。
#56
○志苫裕君 先ほど国が取得をする株式の売却益をどうするかというやりとりがありましたが、大蔵大臣は使途は特定をしない、国民共有の財産であることにかんがみて国益にかなうように政府部内で検討すると、こう言うんですが、その論拠はしばしば言っているように財政法上特定財源でないということにあるようなんだけれども、竹下さん、この財産は普通政府が税金を使って形成をする、そういう財産とは性格が違っているんですよ。加入者などがつくられたものでしょう。したがって、そのいきさつに見合うように使途が特定されて当然じゃないですか、その点いかがですか。
#57
○国務大臣(竹下登君) いわゆる加入者債券という問題の局面から持った議論ということになれば、その議論も私は議論としての筋はあると思っておりますが、要するに電電公社の資産形成について、公社法の規定によりますと国の全額出資とされて、そして事業法によって独占権が与えられた、まあいわば国の分身とも言うべき活動を行ってきた結果形成されたものであるというのが一応基本認識でございます。そういう基本認識の上に立って政府統一見解というものをつくりまして、それを申し上げておるわけであります。したがって、やっぱり、
  一、今回の電電公社の民営化は、将来の高度情報社会に向けて、事業の公共性に留意しつつ、民間活力を導入し、事業経営の一層の活性化を図ることを目的としている。  この趣旨から見れば、政府がいつまでも全株式を保有するのは望ましくないので、政府としても漸次株式売却を行いたいと考えている。
  二、株式売却収入の使途については、種々議論があることは承知しているが、いずれにしても国民共有の資産であることに鑑み、国益にかなうよう、今後、予算編成の過程を通じ、政府部内において慎重に検討してまいりたい。
 ということを正確を期するためにちょっと読ましていただいたわけです。これが一応統一見解。したがって、やっぱり明治十八年でございますか、そこからの経過をずっとたどってみますと、私は、そういう形の中で形成されたものであるからこの特定財源であるという認識の外に立つべきじゃないかと、やはり国民共有の財産という認識の上に立つべきであるというふうに考えます。
#58
○志苫裕君 あなた長々言っておる割にはちっとも進歩してないからね。
 この資産がどういういきさつで形成されたか、だれが寄与したかという議論はありますね。あなたの答弁はその一方だけ見ている、政府に都合のいい部分だけ。だからこの議論が乾かないんでね。いずれにしましても、私はこの資産形成の経緯から見れば、あなたの答弁した部分もあるし、そうでないもう一方の分野だってあるわけなんでね。私は時間がないので余り長い時間使えませんが、私はある程度そのいきさつに見合うように使途が特定されてしかるべきだと。それを財政法上特定財源ではございませんのでというかたくなな答弁では納得ができない。加入者はもうそう思っておると思うんです。
 そこで、政府部内での検討とあなたはしばしば言うんだが、だけではなくて、やっぱりこの資産形成にあずかったものがすべて関与できる仕組みをつくるという形でこの甲論乙駁の議論をまとめていったらいいんじゃないかと私は思います。
   〔委員長退席、逓信委員会理事片山甚市君着席〕
 国会は財産を横領されて悔しがっておる加入者を代弁しなきゃなりませんから当然これにかむと。そういう意味ではその枠組みは法定をすることが望ましいと、そう思いますが、いかがですか。
#59
○国務大臣(竹下登君) 新会社が権利義務はことごとく継承するわけでございますから、横領したということはこれは言葉であって、私は権利義務を素直に継承しておるということであろうと思うんであります。
 そこで法定論でございますが、私もそこまで詰めた議論をしたことは、先ほど正直に申しましたがございません。ただ、この各方面の意見を聞くというのはこれは大いに大事なことで、現在もいろんな意見があるわけでございますからそれは聞いていかなきゃならぬ。で、責任の所在だけは明確にする意味において政府部内で慎重に検討しますと、こう申しておるわけであります。いろんなことが予測の中では考えられますけれども、私は法定する必要性というところまで詰めた議論を今日まで私のサイドではしたことがございません。
#60
○志苫裕君 私の基本認識は、資産形成にあずかったものがその処分について参加ができるという仕組みをつくるべきだという基本認識で国会がかむと。国会もこれに多くの加入者を代弁する意味で乗るという意味では、法で枠組みを決めるのが一番いい、それがどうしてもだめだというのであれば、もっとうまい方法を考えてもいいだろうけれども。これは十分法案の処理に当たってみんなで検討課題にしてもらいたい、このように思います。
 ところで、この資産形成にだれが寄与したかという論議のちょっと続きなんですが、私はこれには地方公共団体も大いにあずかっているという持論を持っております。自治大臣、電電公社には地方税法上どのような保護、特典というようなものが与えられてきたか。別の言い方すると、今度民間企業になるわけだが、これが民間の企業であればどれぐらいの徴税ができたであろうか、その辺のちょっと参考になる数字述べてもらえますか。
#61
○政府委員(矢野浩一郎君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、電電公社に対しましては通常の公共法人としての性格にかんがみまして、例えば法人住民税とかあるいは事業税とか、こういったものが非課税になっておりますし、また固定資産税につきましても非課税ということになっておるわけでございます。こういった税目による直接の非課税額、特に法人住民税あるいは事業税等についてどれだけの額になっているかということは、これがもし電電公社が民間企業であったとした場合にはそれらの額も相当の額になるだろうと思いますが、これは明確な推計というのはちょっと困難だと思います。
 明確に言えることは固定資産税に見合うものでございまして、これは御承知のように固定資産税は非課税でございますが、これにかえて納付金制度ということでございまして、通常の固定資産税の二分の一という特例が昭和三十一年以来講じられてきたわけでございます。この点につきましては、この特例による軽減額というのが明らかになるわけでございまして、昭和三十一年度から昭和五十九年度までの閥に総額約六千三百億円の負担軽減がなされておるところでございます。
#62
○志苫裕君 私は今、税法の当否を言っているんじゃなくて、固定資産税だけで六千三百億円、実は住民税非課税、事業税非課税、都市計画税非課税、事業所税非課税と、こういうものがどの程度になるのか。何せここ四年ばかりの間に国に六千八百億円もお金をくれているんでありますから――取られているのかもしれませんが、そういう意味では担税能力は十分というふうに認めますと相当膨大な額の税法上の保護、特典が加えられている。逆に言えば、そういうものも相まって電電事業の発展あるいは技術の革新、資産の形成がなされたわけでありますが、そういう意味ではこの地方公共団体も当然当事者たり得るという意味で、これはどうでしょうね、三大臣、自治大臣、大蔵大臣、郵政大臣、順序はどっちでもいいですが、この地方公共団体、恐らく電電公社は公共サービスの向上によって地域の発展に貢献したということは当然です。一方において地方公共団体は公社の存立に必要な公サービスも提供しておったわけで、その受益に見合う税負担を公社はしていないという、そういう一面もあったことは事実なわけであって、そういう意味で、加入者の加入債券はもちろんのこと、そういうさまざまなものが集まって先ほど言った資産形成というものになる。したがって、これの処分等には地方公共団体も当然に加わるべきであるし、また発言権も持つべきであろうと、こう考えるんですが、三大臣、見解いかがですか。
#63
○国務大臣(古屋亨君) 電電公社に対しましては、地が公共団体といたしましても地方税の非課税措置、公社有の資産所在市町村納付金の二分の一特例措置によりましてその発展に少なからず寄与したものと考えておりまして、御指摘のとおり、地方といたしましても電電公社の売却の利益に対し相当の権利を主張し得る立場にあるという意見もうなずけるのでございまして、新たな御指摘でもありますので、地方振興のため今後どのように協力をしていただくかという観点も含めまして慎重に今後検討してまいりたいと思っております。
#64
○国務大臣(左藤恵君) お話しのように、地方公共団体が電気通信事業、電電公社の今日までの発展にいろいろ御協力をいただいたというふうには考えます。また一方、電電公社自体も地域格差の是正とかいうふうなことで、情報化時代におきましての地域の発展に御協力申し上げたというふうな形から、そういったことが今日まで続いてきたんじゃないかと、このように考えておりますが、私は今後ともこうした、例えば郵政省として計画をいたしております電気通信振興機構といったような形のものにおきまして地方の高度情報社会の構築に努力をしなきゃならないと、このように考えておるところでございます。
#65
○国務大臣(竹下登君) 今の議論をさかのぼってみますと、明治十八年から昭和二十七年までの間は国そのものであったと。そして二十七年から電電公社ができまして、私ども先般電電公社さんにお願いして特別納付金を税外収入でちょうだいをしたと。あの節に地方団体の方々がお見えになりまして、我々は言ってみれば固定資産税相当分の半分は今まで我慢をしてきたという話がありました。それだけいわば協力してきたという一つの御発言でございました。それからだんだん話しておりましたら、志苫さん、私、ともに国会議員で、いろんな陳情をよく受けるわけでありますが、しかし考えてみると特に地方都市では電報電話局を二十七年以後つくっていくというのは大変な利便であったと。そういういわば電気通信のサービスを受けるということにおいても、また新しく一等級の雇用の場を提供する意味においても、みんなで固定資産税なんか要りませんから、どうぞ早くうちへつくってくださいと言って頼んだのが、ちょっと今よくなってからあいつ出せというのはどんなものでございましょうかというような話にもなりまして、それで今日まで至ったわけでございますが、今、自治大臣がお答えなさいました一つの立論の根拠がないとは私も決して申しません。
#66
○村田秀三君 私は商工委員の立場から、電電法案の民営化に関連をいたしまして、それに関連する問題について質問をいたしたいと思います。
 秋に日本では中曽根第二次内閣が発足をいたしました。アメリカではレーガン大統領も再選をされまして、両国の首脳は固まったわけでありますが、それまで幾らか鳴りをひそのておったかと思われますところの日米貿易摩擦、これが恐らく再燃をされるであろうというような報道も実は見るのであります。私も何とはなしにそういう予想はいたしておるんでありますけれども、そこでこの電電事業と関係する部分について限定をしていろいろと伺ってみたいと思うんであります。
 それは、まず第一に、昭和五十四年、ガットの政府調達協定が成立いたしました。それに基づいて電電機器の開放問題が発生をいたしました。いろいろ経過はありましたものの、調達協定が締結をされて、しかもその協定が本年二月、さらに三年延長するという合意がなされたと聞いておるわけであります。しかし、今審議をいたしております電電三法案が成立をいたしますならば、四月一日以降はこれは民間になるわけでありますから、政府調達協定になじまないというふうに私自身は実は理解をするわけでございまして、その調達協定から外れるのかどうなのか、これについて所見を郵政あるいは電通からお伺いをしたいと思います。
#67
○政府委員(澤田茂生君) 新電電と政府調達協定との関係でございますが、現行政府調達協定の趣旨及び従来我が国としましては公社形態というものを前提として協定を適用してきたというようなことを踏まえまして、今般の経営形態の変更という新しい事態に対応いたしまして具体的にどういうふうに取り組んでいくかということにつきましては、
   〔委員長代理片山甚市若退席、委員長着席〕
政府部内でこれから慎重に検討してまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
#68
○村田秀三君 慎重に検討すると、こういうことでありますが、これは政府調達協定でありますから、民間となればこれは政府の手から外れるわけでありますから、法理論上は極めて明確だと私は理解するわけでありますが、いかがでございますか。
#69
○政府委員(澤田茂生君) 公社ということを前提にしてそういう対象にしてきたということは事実でございますけれども、政府協定ということになりますと、トータルとしての各国とのバランスというようなものが、これが問題になってくるということでございまして、そういったところをにらみながらいろいろ検討をしなければならないという問題があるということでございまして、これから法律ができますれば、その後を踏まえまして早急に検討していきたい、こういうことでございます。
#70
○村田秀三君 法律ができますればと、こう言いますけれども、これ、できまして四月から民間になるんだという断定的な物事を私は言いませんが、しかし、それに前提となる課題というのは常に明らかにしておかなければならぬと思うんですね。そうしなければ審議のしょうがないんだから。それがはっきりしなけりゃこんな小さなものでも、これは今までも随分議論を聞いておりまするというと、そうなってからいろいろ検討します。――しかし、いろいろ憂慮されるものがあるからこそいろいろ詰めて問題を解決して、了解をした上に立って法律を制定しよう、こう言っているんでありますから、そういう問題をあいまいにしたままいわゆる先送りにして物事を進めるということは、これは私はいけないことだと思います。大臣いかがですか。
#71
○国務大臣(左藤恵君) お話しの政府調達の適用されます機関の中には特殊会社も幾つか入っております。そういったことに該当するのかどうかということにつきまして、会社が発足いたしますまでにこの問題をしっかりと固めてしまいたい、このように考えております。
#72
○村田秀三君 今のお答えも余り明瞭ではございませんけれども、いずれにいたしましても、いずれ明確にしなけりゃならぬ時期が来るであろうと思います。電電といたしましては、四月以降のことを考えてどちらを希望いたしますか。
#73
○説明員(山口開生君) お答えいたします。
 ただいま先生から御指摘ありましたように、電電の経営形態が変わりますと、恐らく法的には従来の協定になじまないものだというふうに私ども思っておりますが、いずれにしましても、これは政府でお決めいただくことでございますので、私ども御意見具申し上げる立場にはございません。しかしながら、電電公社としましては、経営形態が変わりましても、従来のと言いますか、現在とっております調達の手続そのものについては、これが一番いい方法だということでスタートしたわけでありますので、手続については変えるつもりはございません。
#74
○村田秀三君 ただいまの答えを聞きますると、継続された方がむしろよろしいというふうに私は理解をするわけであります。
 そういたしますると、これは十一月三十日の日経新聞でありますが、一月下旬に政府調達問題について日米協議がなされるという報道がされておりますが、しかもその中ではこの継続問題が重要な課題の一つであるとも受け取られておるわけでありますけれども、継続をするという方針で電電は臨んでもらいたい、こう考えておる。
 郵政は検討すると、こういうことでありますけれども、では外務省といたしましては、まあ主として交渉に当たりまするのは外務当局であろうかと思いますけれども、どのように考えておりますかお伺いをいたします。
#75
○説明員(野上義二君) 外務省でございます。
 ただいま村田先生の方から一月未日等の新聞記事の点に言及されましたけれども、経営形態の変更が現在の措置に与える影響につきましていかなる影響を与えるかということにつきましては、先ほど郵政省それから電電公社の方からも御説明申し上げましたけれども、私どもといたしましては、今年の電電取り決めの延長に際しまして経営形態が変更になった場合にはその経営形態の変更がいかなる影響を及ぼすかということについて日米間で話し合いをするということは了解しております。したがいまして、そういった状況になりました時点で日米間で協議をする必要はあると思っております。ただし、今御指摘のような一月末日というような点についてはまだ具体的に決まっておりません。今後外交ルートを通じましてその協議の段取り等を固めていくということで考えております。
#76
○村田秀三君 次に、関連をするわけでありますけれども、これは十一月二十日の日経新聞の報道でございます。米政府は、我が国の電電法案成立後をにらんで、郵政省に対して電気通信自由化後の通信用端未機器の認定について国産品と外国製品を差別しないよう要請してきたと報じられております。これ、郵政省はどう対応をしますか。
#77
○政府委員(奥山雄材君) ただいま当連合審査で御審議をいただいております電気通信事業法案の第五十条に規定されております電気通信用端未機器の技術基準適合認定の問題につきましては、アメリカ側が新法施行後における取り扱いが在来に比べてどうなるかということで多大の関心を有していることは事実でございますし、私どももそのことは承知しております。しかしながら、現時点における私どもの立場といたしましては、現在御審議中の電磁改革三法案が国会において御審議を終了し成立するまでの間は、それらの問題について詳細な説明をすることができないのは当然のことであるという配慮で対処しております。
 なお、機器の認定の問題につきましては、これまでも外国全葉と内国企業とによって差別をしない、いわゆる内外無差別の原則にのっとって処理していることを付言させていただきたいと思います。
#78
○村田秀三君 これとまた関連するわけでありますが、その新聞に、続いて、VAN事業進出への内外非別扱いの廃止、その保証、通信衛星の米国からの積極的購入についても強く要請してきている、こう言われておるわけでありますが、この際、通信衛星のことについては触れませんが、VAN事業進出への無差別許可という、そういう点についてはいかに考えておりますか、これは郵政省。
#79
○政府委員(澤田茂生君) 今回の磁気通信事業法によりまして第一種事業とそれから第二種事業、こういうふうに分けてございまして、第一種事業と申しますのは通信回線の設備を持っているもの、第二種と申しますのはその線を借りていろいろなわ客様のニーズに合った多彩なサービスを行っていくというようなのが主な内容でございます。通例言われておりますのがVAN事業ということでございましょうけれども、第二種事業につきましては外国性というものについての制限というものは一切いたしてわりません。これは、第一種事業というものが、その中でも特に新電電につきましてはこれは基幹的な通信事業者ということでございまして、通信の上権にも非常にかかわりの深いものでございます。第一種事業者の中でも基幹中の基幹というべきものでございまして、そういう意味で外国性というものはこれは完全に排除するというようなことでございまして、一般事業者については三分の一というようなこと、第二種についてはこれはフリーというような観点でございます。と申しますのは、そういう意味で第一種事業という基幹的なサービスの確保という面からは公共性あるいは重要通信の確保というものについては十分それで確保できるであろうという認識でございまして、第二種につきましては、これはそういう面とはかかわりのないと申しますか、かかわりが薄いということと、いま一つは、日本の今までの技術力あるいは二種事業というもの自体が非常に日本の特性というものを踏まえた形でないとなかなか参入しにくいであろうというような観点も踏まえまして外国性というものを排除し、これによって十分お互いに競争するということがかえってプラスになるであろうという認識から排除をしたというものでございます。
#80
○村田秀三君 かなり整理をしながらこれから進められていくものとは私は思いますけれども、私の懸念が杞憂であれば結構なんでありますが、かつて東南アジアの諸国を回ってみたことがございます。その通信施設を見ますると、これは各国の援助ということに絡んで延設されたものであるからやむを得ないかもしれませんけれども、とにかく同じ会社の機器がいろいろ使用されておりますためにこれに対応できない。管理、補修、すべて職員の知識も稚拙であるし、修理に一週間もかかるなどという苦情も聞かされてきたことが実はあるわけであります。我が国ではそのようなことはもちろんないと思いますし、少なくとも今日まで通信の一元化ということで国が手厚く保護してきたことは間違いございません。
 時間がございませんからいろいろ申し上げることはできませんけれども、やはり通信主権とも関係をいたしまして、とにかく本当の意味におけるところの国民の公共機関である、だから国も手厚くこれを保護してきた、こういう経過というものは実はあろうと思いますのでありますから、この民営化の機会に当たりまして、もしも過激な競争が発生をして、そしてさまざまな形で通信体系が混乱をする、こういうことになりますると大変私は困るのではなかろうか、こう思って実はおるわけでございまして、そういう点は十分に配慮をいたしましてひとつ過ちのないように希望する以外にはございません。
 実は、そのほかに用意した問題もございますけれども、もう私の持ち時間がございません。別途発言の機会がありますかどうかは別にいたしまして、私の質問はこれをもって終わることにいたします。
#81
○穐山篤君 私は、内閣委員の立場から若干のお尋ねをしたいと思うんです。
 この関係法律の整備の一つの柱になっておりますのが共済組合法のあり方の問題です。大臣、簡単で結構ですが、来年四月以降も国家公務員等共済組合法の適用あるいは継承、そのものずばりで確認をしておきたいと思いますが、そのとおりでよろしゅうございますか。
#82
○説明員(門田実君) 電電公社の職員につきまして、昨年末のいわゆる共済統合法の成立によりまして、国家公務員等共済組合法の適用を現在受けておるわけでございますが、今後日本鴨信昭話株式会社に移行しました後におきましても、引き続きまして国家公務員等共済組合法による共済年金制度の適用を予定してございます。
#83
○穐山篤君 答弁は簡単で結構ですが、この四月一日に国家公務員等共済組合法が発足をしたわけです。その際に衆参両院で附帯決議をつけてあるわけですが、この附帯決議についても同様に尊重をしていくということについて変わりはないでしょうか。
#84
○国務大臣(竹下登君) 変わりはございません。
#85
○穐山篤君 電電総裁にお伺いしますが、国家公務員等共済組合法を成立した際に、電電公社の共済組合の運営の問題について、特に自主性を尊重しようということがそれぞれ強調され、それがそのまま附帯決議に載ったわけですが、今日まで約半年以上あるわけですが、この自主性を尊重するという分町について特段の障害はなかったでしょうか。その点をお伺いします。
#86
○説明員(中原道朗君) 十分自主性の尊重をしていただいておりまして、共済組合資金の運用につきまして従来どおり独立して運用するという点については御配慮を賜っておるところでございます。
#87
○穐山篤君 大蔵大臣にお伺いをしますが、国家公務員等共済組合法の発足に当たりまして、御案内のとおり財政調整というのがあるわけですが、私ども聞いておりますのは、当面五年間、昭和六十四年度まで財政調整をやろうと、こういうふうにうかがっているわけですが、その内容についてごく簡単に御紹介をいただきたいと思います。
#88
○説明員(門田実君) お話のように、六十年度から六十四作度までの財政調整五カ年計画というものがございまして、これは国家公務員等共済組合連合会に設けられました長期給付財政調整事業運営委員会におきまして九回にわたる審議を経て結論が出されてございます。
 その主な内容は、国鉄共済年金の円滑な支払いを確保するために、今後五年間にわたりまして年平均額で見て国家公務員の連合会、電電共済、専売共済合わせて四百五十億円を拠出していこうというものでございます。これは組合員の本俸に対する拠出率で見ますと〇・五三%という数字になっております。ただ、これが直ちに結論となるものではございませんで、現在は大蔵大臣に計画の認可申請が出されておりますが、今後国家公務員共済組合審議会にかけまして答申が得られれば、関係各省に協議の上認可される、こういう運びになります。また、その後におきまして、拠出金に関しまして連合会等各保険者の定款改正等の手続が必要になってまいると、こういう運びでございます。
#89
○穐山篤君 六十四年度までは原則的にわかりましたが、六十五年度以降についての財政調整を含んだ国家公務員等共済組合全体の運営について健全なことを我々は期待をするわけですが、この点についての考え方はいかがでしょうか。
#90
○説明員(門田実君) お尋ねの六十五年度以降についてでございますが、これは非常に率直なお話を申し上げたいと思いますが、国家公務員等共済組合だけで今後財政調整を続けてまいるということは到底無理でございます。今後は公的年金全体を通じました負担の調整が必要になろうと、かように考えております。
#91
○穐山篤君 電電総裁に伺いますが、ことしの予算定員でいきますと、三十二万六千五百四十六人が電電公社の予算定員ですね。それに対しまして、実員は三十二万一千人前後と、五千名ぐらい実員が少ないわけです。
 過日ある機関から、電電公社の検査員が三千名多過ぎるのではないかというふうな指摘も新聞紙上でうかがっているわけです。さてこれから来年の三月三十一日まで、発足するまでに公社の内部におきましてかなりボリュームの大きい効率化、要員の削減というふうなものをどの程度予定をしているのか。あるいは既に検討を始めておられると思いますが、来年四月以降新しい組織になった場合に相当の業務の運営についての変更、そういうものが予想をされるわけですが、要員の見通しについてどうなるのか。それが共済組合の運営に非常に重要な因子となります成熟度がどう変化をするかという点についてお尋ねをしておきたいと思うのです。
#92
○説明員(児島仁君) お答え申し上げます。
 私どもここ数年前からでございますけれども、毎年の予算定員は、大ざっぱな数字で申しますと二千名程度ずつ減員ということになっております。それは新しい機械が入りまして効率が上がった、その他の理由に基づくものであります。したがいまして、今先生お示しいただきました予算定員、現在員等はほぼ正確な数字でございまして、現在いろいろな現在員と定員の間には乖離がございます。それは地域別あるいは職種別に定員が変わってまいりました後の配置転換その他の運営上の問題でございます。ただ、今御質問にありましたように、六十年四月一日の発足までに極度の大きな要員減というものは現在考えておりません。
 それから、四月一日以降の組織につきましてもこれは考えていかなくちゃいかぬと思っておりますが、現在法案も通っておりませんし、不勉強はしておりますが、決定的な案を持っておるという段階には至っておりません。したがいまして、業務運営そのものは、組織の変更にかかわらず来年四月からは相当力を入れて変えていかなくちゃいかぬと思っておりますが、組織の大がかりなものあるいは要員の変動というものはともに大きく変わるということにはならぬというふうに考えております。
#93
○穐山篤君 次に、大蔵大臣、電電公社あるいは株式会社というんですか、その立場からいいますと、国家公務員等共済組合の財政調整の縛りが片側にあるわけですね。それから仄聞するところによりますと、来年の三月ぐらいにはこの国家公務員等共済組合を何らか形を変えていく。具体的に申し上げれば、今衆議院で審議をしております新年金のスタイルに合わせていくというふうな構想が述べられているわけです。そうしますと、電電公社の立場からいいますと、財調の縛りと新しい二階建ての新年金とのかかわり合いはどうなるんだろうか。これは組合員にとりましても非常に大変関心のあるところですね。これとのかかわり合いといいますか、つなぎといいますか、そこはどういうふうにお考えですか。
#94
○説明員(門田実君) ただいまお話にございましたように、現在共済年金制度の改革を検討いたしております。高齢化社会の到来に備え、現状のままでは近い将来財政的にも行き詰まってまいるということで、給付と負担のバランスを図り、長期的に安定した制度をつくっていこうと、こういうことでございます。その場合に、一方で財政調整等をやっておりますところの電電公社等との関係はどうかと、こういうことでございますが、共済年金制度は公的年金制度としまして基礎年金部分、あるいはその上に乗りますところの所得比例部分、あるいはその上に若干の職域年金部分、こういうものを設けていきたいというふうな検討が進められておるわけでございます。電電株式会社ということになりますれば、これは企業でございますから、共済年金とは別個に企業として何らか自主的なものを考えていく、そういう余地はあろうかと思うわけでございます。
#95
○穐山篤君 いずれ法案が出ればそれはそれとして審議をいたしますが、今もお話にありますように、電電株式会社ということになれば、一般論として民間の組合、年金制度でいえばこれまた一般論ですが厚生年金の適用ということになるわけですが、この特例で国家公務員等共済組合法を継承していくということになるわけですが、この民間企業という立場から、社長あるいは組合から考えてみましても、いろんな年金制度を有利に考えたい、運用したいというのは当然でありますが、現行制度の中で税制適格年金制度というものがあるわけですね。こういうものについて理屈の上からは私はつくり得るのじゃないかなというふうに考えますが、まず最初に総裁、監督をしております郵政大臣、その点についてはいかがでしょうか。
#96
○説明員(中原道朗君) 先生御指摘のように税制適格年金につきましては、私ども諸要件を整備いたしまして、税制適格退職年金契約の承認を申請いたしましたならば、関係御当局において御審査はしていただけるものであるというふうに理解をしておるところでございます。ただ、解釈する立場ではございませんので、それ以上のことは申しかねますが、そのように理解をしておるところでございます。
#97
○政府委員(澤田茂生君) いわゆる日壮年金制度の創設それ自体につきましては、企業自体が判断をする問題でございましょうけれども、今仰せの税制上の適格退職年金契約に該当するかどうかということにつきましては、これは税務当局の判断にゆだねもれる問題でございまして、税法におきましては、一定の要件が揃えられている場合には、国税庁長官が承認をするというふうな規定でございます。その辺の審査につきましてはそちらの御判断にお願いをする以外にない、こういうふうに思っております。
#98
○穐山篤君 これからの問題ですけれども、法人税法に基づいてしかるべき資格要件が加わっていれば当の監督官庁であります大蔵大臣としてはいかがでしょう。
#99
○政府委員(村本久夫君) お答え申し上げます。
 先生もおっしゃいましたとおり、現行の税法上、企業が退職年金契約を締結いたしました場合におきましては、その契約が退職年金に関する信託、生命保険、または生命共済の契約であること、そのほか税法で定めます一定の要件を備えております場合には国税庁長官は適格退職年金契約の承認申請を承認するということになっております。したがいまして、日本電信電話株式会社が設立をされ、仮にその会社につきまして適格退職年金契約の承認申請が提出されました場合にはその時点におきまして現行税法に定める資格適格要件に該当するかどうかを判断をし、その適格要件をすべて充足しているということになれば承認するという運びになろうかと考えております。
#100
○穐山篤君 さて、この関係法律の整備に関する法律案の第百十一条の五という特例の問題があります。これはよく読んでみますと二つ問題があるわけですが、その一つは前半の「政令で定める要件に該当する法人」というものがあらかじめ予定をされております。それからもう一つは、「電信電話共済組合の運営規則で定める者は、それぞれの組合を組織する職員とみなして、この法律の規定を適用する。」、二つ問題の指摘がされているわけです。ところが、その中身が、例えば資本がどういうものであるとか、あるいは組合員、従業員の比率がどうであるかということが明確になっていないんですが、当然第百十一条の五というのはいろんなケースを考えて、四月以降できるであろうというものを考慮してこういう表現になったと思うんですが、この二つの縛りはどういうふうに想定をしているでしょうか。これは郵政大臣ですか。
#101
○政府委員(澤田茂生君) 政令で定める一定の要件を持った新電電会社の関連の子会社ということになるわけでございますが、現在予定をいたしておりますものは、出資比率というのが二五%以上、それから発足時の職員のうち五〇%以上というものが新会社からの移籍職員であるというようなことを定めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#102
○穐山篤君 今お話があったように、資本金出資二五%、移管をします組合員五〇%と、こういう標準ですが、さてそこで具体的に問題になりますのは、ある一つの特定の会社ができた、出向ということならば、あるいは派遣ということならば、本来株式会社に身分を保有するわけですから問題はない。しかし共済組合年金制度から言いますと、片方は厚生年金適用の従業員、組合員がいるわけですね。片方は国家公務員等共済組合員の適用を受ける電電公社の職員であると、こういうことになるわけですね。ウエートが高い場合には全部、国家公務員と共済組合員にそっくりそのまま適用を受けるわけです。小さい場合におきましては厚生年金の適用を受けるということで、属人的に言いますとアンバランスが生ずるということは当然あり得るわけですね。こういう点についての調整というものはどういうふうに研究をされておりますか。
#103
○説明員(門田実君) 私ども共済を預かっておる立場としてお答えいたしたいと思いますが、今おっしゃったような問題につきましては、一方で現在ことしの二月の閣議決定に基づきましていろいろと年金の一元化、格差是正というようなこともやっておりますので、将来的にはそこのところは年金としての問題というのは漸次解消されていく、こういうふうに思っております。
#104
○穐山篤君 もう時間がありませんが、昭和七十年までにおいて七つの公的年金制度が全部二階建て、三階建てを含めて形成をされれば問題は氷解をされると思いますが、来年四月以降の問題としては答弁は不十分です。私はこの部分について保留をして終わります。
#105
○高杉廸忠君 私は社会労働委員会の立場から以下数点にわたってただしたいと考えます。
 時間の制約もありますから簡潔に伺いますが、まず新電電の当事者能力について伺います。
 電電公社が民間に移行することによって当事者能力はどのように改善されるのか、まず伺います。
#106
○政府委員(澤田茂生君) 今回の電電三法の趣旨といいますのは、民間活力を大いに導入いたしまして、競争市場においてお互いに努力し合うということよって、よりよい電気通信サービスの提供ということが図られるということを目的としたものでございまして、電電公社自体につきましても自主性、そして競争力がづけられるような仕組みというものを十分考えていかなければならないという観点から自主性が発揮できるように、他の公共団体等に比べましてもかなり自由な形の自主性の付与というものを考えているわけでございまして、公社との比較という観点から申し上げますれば、予算というものが公社時代におきましては、これは国会承認ということになっている、また、あるいは給与等につきましての総枠制限というようなものについても、あるいは料金の問題についても国会の関与というようなものが大幅に緩められるということでございまして、ただ電気通信のインフラストラクチャーの中の最も重要な部分を持っているのが新電電でございますし、大変他に類を見ないような大規模な企業でもございます。業務の公共性、重要性という観点から見まして必要最小限度の規制というものは、これは必要であろうというふうに考えているところでございます。
#107
○高杉廸忠君 新電電の経営の自主性というものは、あくまでも尊重すべきでありまして、事業計画等に対する政府の不当な介入や規制は行うべきではない、こういうふうに考えます。確認いたしますがいかがですか。
#108
○政府委員(澤田茂生君) ただいまも申し上げましたように先生のおっしゃるような精神でこれは法の運営というのもやっていかなければならないし、仕組みといたしましてもそういうことになっております。例えば労働問題関係にいたしましても、今までの公労法適用というものから原則として労働法三法適用というような形になってまいるわけでございますし、そういった問題についてはもとより労使の自主性に基づいて問題を解決していくべき問題でございまして、政府の介入というようなことは一切考えていないということでございます。
#109
○高杉廸忠君 電電公社は先端産業でありまして、業績も上がっておりますけれども、公社制度により労働条件というのは抑制されてきています。聞くところによりますと、電電公社の職員の年間所得とKDD職員の年間所得を比べてみますと、公社職員の方が約百万円も少ない、こう言われているんです。新電電になった場合どのように改善されていくのか。また、貨金等の労働条件については労使の自主決定に任すべきであると考えるんですが、この際明確なひとつ御答弁をいただきたいと思います。
#110
○政府委員(澤田茂生君) 電電公社の職員とそれから国際電電の職員の給与の比較、これは構成、いろいろな点で相互に違いがございますので、なかなか比較しにくい分野があろうかと思うわけでありますが、新電電へ移行をした後一体どうなるんだということにつきまして、新電電の給与といいますのはこれはまさに新会社の業績等を踏まえまして当事者同士で決める、事業者が決める、そして、その決めるに当たりましてはもとより労使間の話しも必要でございましょうし、そういう中の自主一的な決定に任されるべきでございまして、先ほど申し上げましたように、労働条件の決定につきまして政府というものが介入をするべきではないし、するつもりもございませんということを申し上げたいと思います。
#111
○高杉廸忠君 次に、第二電電の設立状況と今後の見通しについて伺いたいと思います。
 第二電電との関連からも新電電の経営、労使関係、争議権等についてはできるだけ同等の条件を与えて公平な競争ができるようにすべきではないか、こう考えるんです。改めてこの際でありますから政府の見解と今後の対応についてお伺いをいたします。
#112
○政府委員(澤田茂生君) 第二電電の設立の見通してございますが、第一種電気通信事業への新規参入の計画ということにつきましては、第二電電企画株式会社とか、あるいは日本テレコム株式会社、日本高速通信株式会社、そういうようないろいろな構想が出ておりまして、早いものでは専用線サービスにつきましては六十一年度ごろから、それから電話サービスにつきましては六十二年度ごろからサービスインをするではなかろうかというような予定ということで私ども承知をいたしております。そういう競争状況になりました場合の新電電のいろいろな競争条件、そういったものの整備、競争体制の整備というようなことも当然考えなければならない一つの今後の課題であるわけでありまして、こういう観点からいたしまして、新会社の事業経営に対する政府の関与というのは先ほど申しましたように極めて緩やかなものにいたしておるわけでございますし、労使関係につきましても、基本的には労使の実質的な信頼と努力にゆだねられておる、そして原則として今までの公労法適用から労働三法適用ということに変わるわけでありまして、そういう中における経緯、変化というものを十分労使双方で受けとめながら、よい労使関係のもとに法が目的といたしております成果というものが上げられるように努力をしていただきたい、大いに期待をいたしておるところでございます。
#113
○高杉廸忠君 次に争議権の制限禁止などについて伺います。
 労働基本権については我が国憲法が明確に保障しているところであります。しかし、その最も重要な争議権については、戦後の占領下において官公労働者から一方的に剥奪をしたほか、電気、石炭産業についてはスト規制法をもって争議行為を禁止しています。また民間労働者に対しましても労働関係調整法によって争議行為を制限しているのが現状であります。
 そこで伺いますが、戦後四十年になろうとする今日であります。労働基本権の制限禁止等の法制についてどのように考えているのか、労働大臣になりましょうか、この際でありますから政府の見解をお伺いをいたします。
#114
○国務大臣(山口敏夫君) 労働関係の問題でございますから、法律による規制とか制約という立場でなく、やっぱり労使双方の相互信頼、問題認識の中で解決されていくということが当然理想でございますし、また現実、そうした労使双方の御努力をいただいておったればこそ今日の日本の経済社会というものがあるわけでございますし、国民の福祉も保障されておる、こういうことでございますので、そうした点を十分今後とも環境づくりのために我々も努力しなきゃならない。と同時に、また公労法の問題関係で申し上げまするならば、そういった一つの認識と同時に公共の福祉という立場における一つの責任、使命感という枠の中で現在の法律が決められておるわけでございまして、そういう点も含めまして我々は健全な労使双方の環境をつくるということに今後とも努力を傾注したいと考えております。
#115
○高杉廸忠君 大臣、今のそのお話からこれから具体的にお伺いしますが、労働関係調整法、この労調法では御承知のとおり争議行為の十日前の予告義務のほかに総理大臣の緊急調整決定後五十日間の争議行為の禁止等の制限が規定されているわけですね。
 そこで伺うんですが、新電電に限ってこれを見ますと、さらに十五日間の争議行為というものを禁止するというのはどうも理解できないんです。そういう意味では不当ではないかと私は考えます。そこで、七十五日間にわたって争議行為というものを禁止しなければならないその理由は一体どこにあるんですか、この際明確にお答えをいただきたいと思います。
#116
○政府委員(谷口隆志君) 今回電電公社が民営化されるにつきまして私どもが考えております措置の趣旨についてごく簡単に御説明さしていただきたいと思いますけれども、当然のことでございますけれども労組、労調法適用でございますので、争議権を含む労働三権は認められるわけでございますが、そういう状況の中でこういう非常に重要な事業を行います新設の会社がもし争議行為を行った場合に公益にどういう障害が出るかということを考えながら、当面必要最小限度の措置といたしまして、紛争が生じました場合の調停につきましてはかの調停事案に優先して行うとか、あるいは事件の実情とか調停の経過等を公表して世論を背景に合理的に解決するとか、そういう調停の特例措置を設けるわけでございまして、そういう調停をしている間については最高限十五日間の争議行為はやらないようにというのが今回考えておる中身でございます。
#117
○高杉廸忠君 大臣、今御説明がありましたが、労調法による緊急調整の決定というのは過去において私の知っているのは昭和二十七年の一回限りなんですね、炭労ストに対して。ですから、そういう事実関係をきちっと私は明らかにしていただきたい、これが一つです。
 それから、新電電はさらに機械化が進んで、よしんばストが行われてもほとんど影響がないと言われているんですね。だから労調法の附則の改正部分、これは当然私は削除すべきではないか、こう考えるんですが、大臣のひとつ前向きな御答弁をいただきたいんですが、いかがですか。
#118
○国務大臣(山口敏夫君) 当然公共の企業体から民営移管に移行するわけでございますから、五十四条にもございますように、公労法の適用から労働三法がそのまま適用される、こういう原則に立っておるわけでございますが、また同時に、私は先般の世田谷の火災事故等々の中におきましても、これは経営者側もさることながら、この職員の方々が二十四時間の不眠不休の体制の中でこの回線の回復のために大変な御努力をいただいた、そうした問題に限らずここ十数年公共企業体という枠の中にありながら大変な、民間企業並みの努力、改善に労使双方が取り組まれて、世界一と言ってもいいぐらいの一つの経営内容といいますか、御努力、成果も上げておられる、こういう赫々たる実績等を考えますと、高杉先生の御指摘も全く御指摘のとおりだというふうにも思いますが、しかし、これは国民のまた財産であり、特に民営移管といいましても、直ちに第二電電構想等もきょうから始まるという実態にもないわけでございますから、やはり国民的な納得といいますか、結果の方向はそういうことであったといたしましても、プロセスも民営移管に伴うこの途中経過も十分大勢の方の御理解をいただきませんと、逆にそうした誤解といいますか、問題が誤解されるという点もあろうかと思いまして、これは衆議院におきましてもいろいろ附帯決議等御議論されておるところでございますが、「当分の間」ということの経過措置をぜひ御理解をいただきたいというふうに考えるわけでございます。
#119
○高杉廸忠君 事実関係について労政局長、簡単でいい、あとは資料出してくれればいい。
#120
○政府委員(谷口隆志君) 労調法におきまして緊急調整が発動されたのは、御指摘のとおり昭和二十七年の炭労ストについて一回でございます。もう余り御説明いたしませんが、そのときは夏から賃上げにつきまして労使紛争が生じまして、妥結しないまま十月十七日から無期限ストに入られた。その後いろいろ自主交渉とか中労委のあっせんの作業等もございましたが解決いたしませんで、十二月十七、十八日の両日におきましては、保安要員も引き揚げるというような決定が組合の方でなされまして、その間貯炭量が少なくなったために、ガスの使用の制限であるとか、あるいは工場の操業短縮が行われるとか、国鉄の運行削減がなされたとか、そういう非常に重大な事態になりましたときに発動をされまして、その発動と同時にこのストライキは解決されたということになっております。
#121
○高杉廸忠君 時間が参りましたから、最後に確認と同時に伺いますが、政府は労調法の附則の改正による二重の規制はあくまでも暫定措置であると、今労働大臣からのお話もありました。衆議院においても三年後に見直す旨の修正を行っています。そこで三年後には当然にこの規制は廃止すべきではないか、廃止すべきであると、こう考えます。この点、最後でありますから政府の見解を伺い、また大蔵大臣も郵政大臣もいらっしゃいますから、そういう姿勢をひとつ確認をして私の質問を終わります。
#122
○国務大臣(左藤恵君) 我々といたしましては、その暫定期間と申しますか、その間におきまして労使のよりいい関係というものを続けていただくことによりましてそうしたことが廃止される方向で検討されることを希望いたしております。
#123
○高杉廸忠君 希望じゃなくて、実施してくださいよ。
#124
○国務大臣(竹下登君) そもそも立派な労使関係にあるという認識をだれしも持ちながらも、万が一に備えての暫定措置であります。したがって私は、今日より以上の労使関係が続いて、事実上その問題が必要なくなるという環境が生ずることを心から期待をいたしております。
#125
○高杉廸忠君 労働大臣、期待されているんだから、ひとつ最後に。
#126
○国務大臣(山口敏夫君) 郵政大臣、大蔵大臣以上に労働大臣として、労使双方の、特にまた組合の健全な御努力ということに対して大変高い評価をしておりますので、この「当分の間」ということをあくまで「当分の間」という形の中で決着をつけるということが大事なことだというふうに考えます。
#127
○委員長(松前達郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分より再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三十七分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時三十二分開会
   〔逓信委員長松前達郎君委員長席に着く〕
#128
○委員長(松前達郎君) ただいまから逓信委員会、内閣委員会、地方行政委員会、大蔵委員会、社会労働委員会、商工委員会連合審査会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、日本電信電話株式会社法案、電気通信事業法案並びに日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、以上三案を便宜一括議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#129
○塩出啓典君 それでは、政府が保有する株式の売却収入の使途の問題、あるいは放出方法等につきましては午前中いろいろ質疑もございましたので、できるだけ重複を避けて質問をしたいと思います。時間も三十分でございますので、ひとつ御答弁も簡潔にイエスかノーでも結構でございますので・・・・・・。
 そこで、使途の問題につきましては大蔵大臣、郵政大臣あるいはまた電電公社総裁等の御意見も承りました。大蔵、郵政の考えは必ずしも一致をしていないようでありますが、ぜひ七月十九日の政府の統一見解に従って慎重にそして電電公社を民営化するという、こういう方向を踏まえ、また利権等に結びつくような疑惑のないように、また行政改革の趣旨にも背かないようにひとつ処置をしていただきたい。このことを大蔵、郵政両大臣に要望したいと思います。
 それで次に、政府保有株式の最初の放出の方法については、午前中の御答弁あるいは今までの御答弁を通して言えることは、いまだ法案が通っていない段階だからはっきり言えない、そういうことで非常に抽象的な答弁であって、私はこれでは国民の皆さんの心配にはこたえることにはならないわけでありまして、政府としてもこういう法案を通すことにのみ真剣であって、国民の皆様が心配をしていることに対する政府の姿勢を示してその心配を解消すると、こういう努力が非常に足りないと思うのでありますが、大蔵大臣はどうですか。本来ならばこの法案の審議とともに、法案が成立すれば当然起こる問題ですから、それもある程度一緒にやっぱり説明をすべきではないかと思うのでありますが、その点どうでしょうか。
#130
○国務大臣(竹下登君) 基本的には政府の統一見解と、こういうことに尽きると思います。結局、電電株式の売却問題ということになりますと、新会社の資本金額、資本構成、これが法案成立後に設けられます設立委員会というもので検討をされるということでございますので、したがってその設立委員会等、また各方面の意見を聞きながら決めていくわけであります。先例ができたとすれば、御協力をいただいたたばこ産業株式会社の方は設立委員会ができたわけでございますけれども、そういうところでやるということでございますので、したがって予見を申し上げるというような段階には、これは残念ながらないんじゃないかと思います。
 したがって、いろんな議論はあると思いますが、特定の個人あるいは法人に集中することのないよう配慮しなきゃならぬということはもとよりでございますし、本当に外目から見ていただきましても厳正、公正に行われておるという御認識を与えるような形でこれをやっていかなきゃならぬというふうに考えております。
#131
○塩出啓典君 先般、アメリカの「ビジネス・ウィーク」においても、ことしの十月十五日号で、東京株式市場におけるインサイダー取引、そういうものが非常に行われておる、あるいは株価操作が、アメリカでやれば犯罪行為だけれども、日本では野放しになっておる、こういうような記事が、皆さんも御存じのとおりでありますが載ったわけであります。
 また、先般来投資ジャーナルとか誠備グループとか、いろんなこういうような問題もあり、国民の印象としては、非常に日本の証券市場に対してはそういう心配な点がある。しかも雑誌等で電電株式会社の株をめぐっていろいろうわさをされておるわけでありまして、そういう意味で、もちろんそういう設立委員会の問題もありますけれども、しかし最終的にはやはりこの株を放出するということは、これはもうやはり大蔵大臣の権限となるわけではないかと思うんですけれど、そういう意味で、細かいことは別としても、もうちょっとやっぱり具体的に、例えば国有財産審議会等の審議を経てこれをやるんだとか、何かこう、今の法律ではこういう手続を経て処分するんであるという、決まっていることもあるんじゃないんですか。
#132
○国務大臣(竹下登君) あるいは競争入札によるか、あるいはシンジケート団を編成するか、そういういろんな方法はあろうかと思っております。それとやっぱり従来までに経験いたしましたKDDとか、そして日本合成ゴムとか、そういうものがやっぱり大きな参考にはなろうというふうに思っておるわけであります。そういう参考にする中の一つに、今、塩出委員のおっしゃったような問題も包含されておるというふうに私は見ておるところでございます。
#133
○塩出啓典君 例えば先般英国の電電公社が株式の公開を行い、日本においても一億八千株を売却したと。その際、大手四社が全体の七五%を扱い、中でも野村証券は全体の四五%を引き受けている。そういう一部の大手会社に偏重するような割り当て方法というものは今回はとるべきではない。だから、日本航空の株を売却した場合にはたしか十数社が引き受け会社になってやったわけでありますが、そういう意味で、ともかく証券会社の問題にしても、どこそこ証券が非常にこういう関係で強いとか、あの証券会社がどうとかそういうことも言われておるわけですけれども、あくまでも国債のようにシンジケートを組むとか、そういうように偏らないようにやっていくという、こういう姿勢ははっきり大蔵大臣も約束はできるんじゃないですか。
#134
○国務大臣(竹下登君) まさに、最初まず国会の議決ありきと。国会で議決していただかなきゃそれはできないわけでありますが、その際にもいろいろ議論がございましょうし、そうなれば当然のこととして具体的な方途も御説明を申し上げなきゃいかぬ。だから、今日の段階では私の口からも申しましたように、シンジケート団を組むというのも一つの有力な意見であると私も思っておりますが、おおむねそれに決めましたというような状態には、残念ながら設立委員会もこれからの問題でございますので言える状態には必ずしもございません。ただ、塩出委員のおっしゃっている気持ちは私もよく理解をいたします。そして外国の場合でございますと向こうの相手さんが幹事会社を選ぶというような立場でございますので、なかなかこちらからリードしていくというわけにもまいらないこともございましょうが、今度はまさに国民共有の財産たるものを政府の責任において国会の議決に基づいた範囲内においてということになりますから、十分国会の御議論等を参考にしながらやっていかなきゃいかぬという気持ちは私にも十分ございます。
#135
○塩出啓典君 それで、この一番最初の売り出しの場合にはいわゆる市場の価格がないわけでありますが、例えば国際電電の場合は随意契約で処分価格は当初は五百円で証券会社を通して委託処分をしたわけでありますが、ところがそれが今二万六千円でございますか。そうすると約五十倍になっている。そういう点から電電株式会社の株も十倍になるとか五十倍になるとかそういうようなことが言われておるわけであります。私は一番心配するのは、もちろん今言ったように国会の議決を経て、これは将来の問題になるわけですけれども、余り投機の対象になって、国際電電が五十倍になったから、じゃ電電も五十倍になるか、やはりそこにはおのずと状況の違いもあるわけですし、余り低過ぎてプレミアムで特定の人がもうけてもいけませんし、また余りフィーバーして高過ぎてそういう電電の株を買った人に大きな打撃を与えてもいけない。余り投機の対象にならないような方向がいいんじゃないか。そういう意味で、この価格の決定等はまたいろいろ論議されることと思いますが、いわゆる現在の日本電電公社の資産の再評価、これは今回やらないということでありますが、しかし私はやっぱり今まで国民の力によって育ってきた電電公社が今どういう状態であるかということでやっぱり資産の再評価をし、国民の前にすべてを明らかにすることが必要ではないかと思うのでありますが、その点はどのようにお考えですか。
#136
○政府委員(澤田茂生君) 商法におきましては、企業の期間損益というものを明確にさせるという立場から資産価額につきましては原価主義というものをとっておりまして、流動資産、固定資産ともに取得価額または製作価額というものを資産評価の原則といたしておりまして、こういう原則から見まして商法は資産再評価というものを行わないというのを原則にしているのではないかというふうに理解をいたしておるわけであります。特殊会社等の組織変更が行われる場合に資産再評価というものが行われる場合がございますが、それはどういう場合かということを見てまいりますと、複数の出資者の持ち分権というものを明確にするために行われるというのが例であろうというふうに思いまして、今回の電電公社の民営化に伴いますに公社が唯一の出資者であるという場合はそういう必要性というものがないんではないかということでございますし、民間とのバランスというものがそれでとれるのかということから眺めてみますと、民間企業では昭和三十年前後にかけまして資産再評価法に基づく資産評価というものが行われた経緯がございますが、ちょうど電電公社につきましても電気通信省から引き継いだ財産につきまして公社法施行法の規定に基づいて昭和二十九年度に資産再評価を行っているということでございまして、全産業間での価格水準というものは同じでよいと考えていいのではなかろうかと思うわけでございます。そういうような理由等を含めまして、今回は資産再評価というものは行わないというふうにいたしておるところでございます。
#137
○塩出啓典君 私は今のお話は説明としてお聞きはしているわけですけれども、そういう点を踏まえてやっぱり国民に対するディスクロージャーという意味ですべきである、こういうことを主張しておきます。これは郵政大臣、ひとつ主張でございますので、御答弁はもう余り時間がないので結構でございます。
 それから、これは電電公社の総裁にお尋ねをしたいわけでありますが、民営化になれば当然今まで免除でありました固定資産税、もろもろの税金を払わなければならない。もちろん今までは納付金を納めてきたわけですけれども、そういうものはないにしてもそういう税金を払わなければならぬ。もちろん、税金には固定資産税のように経営がどういう状況であれば払わなきゃならないものと、それから法人税のように利益の申から払わなければならないものがあるわけでございますが、そういう支出増、そういう点は今までよりも大変厳しくなってくると思うのですね。そういう中でいろいろ技術開発もしていかなくちゃならない。電電公社の資料によりますと、公社の設備あるいは研究投資というものはほかの企業に比べて現状は決して余り高いとは言えないと思うのですけれども、これから国際競争力ということになればかなり研究開発投資もやっていかなければいけないんじゃないか。あるいは先般の世田谷のケーブル大火の教訓からいって、ケーブルの不燃化とかあるいは通信回線の二重化とか、そういうような点を考えて将来については心配ないのかどうか、この点簡潔で結構なんですけれども、総裁のお気持ちを承っておきたいと思います。
#138
○説明員(真藤恒君) 私、就任以来ちょうど四年になりますが、この四年間にいろいろなことを公社法の中でやってまいりました経験から申しまして、租税負担、租税及び公課に伴う支出増というものは、大体今まで財政特例法に従って国庫納付いたしました金額にわずか加えればその負担の差は十分カバーできる程度のものだというふうに考えております。
 それともう一つ、公社法の中でもいろいろ努力してまいりましたのですが、支出の伸び率と収入の伸び率、これを平行線またはプラスにするところまで現在まいっております。今度の新しい法案に従いまして私どもが一般の株式会社に準じた形で事業の運営を責任を持ってやれるようになりますと、通信事業に必要な経費の支出の総額をかなり有利に落とすことのできる経営の方法というものがいろいろ実現可能になります。現状ではできないことができるようになりますので、その面からのプラスということと、通信事業体の本体の中のしたがいましてコストの合理化というものをまたさらに進めることができますので、新しい組織になってからの経理の状態ということは、特別大幅な無謀な料金の切り下げをやらない限り十分やっていける見通しは現在持っております。
#139
○塩出啓典君 総裁は、六十一年の秋までは市内三分十円を上げないでいけると。第二電電の新規参入に対抗して長距離の値下げをやっぱりしなきゃならないようになったときに、そのかわりとして市内が上がるのではないかということを我々は心配しているわけですけれども、ことしの五月でしたか、六十一年秋まではともかく市内三分十円、それ以後は白紙であると、このように言われているわけですけれども、そういう点は現在においても情勢の変化はございませんか。
#140
○説明員(真藤恒君) 今私がお答え申しました内容の中に、当分の間、市内料金を値上げするということはないものだという前提でお答え申したつもりでございます。
#141
○塩出啓典君 最後に、ホテルの部屋から電話をかける場合、最近は機械で自動的に料金がわかるわけでありますが、その料金が、ホテルによってはいわゆる設備料、サービス料としてプラスアルファを取っておる。申には遠距離が下がってもホテルの請求は下げていない、こういうところもあるやに聞いておるわけでありますが、そういうことでは公社の努力が利用者には反映されていないわけであります。これは私は、そういう設備が要るわけだからプラスアルファを取ることはいいと思うのですけれども、ただ、かける方は変わりないと思って知らぬ間に取られているという、こういうことはやはり消費者行政の上からもよくないのじゃないか。ホテルによってはたまに、ちゃんと割り増し料金がありますとか、外国のホテルなんかでも二〇%取りますとか、そういうように私ははっきり明示をすべきじゃないかと思うんですがね。そして、どうしてもその二〇%アップでよくないのなら自分はロビーへ行って公衆電話でかける、そのようにやはりはっきり明示をすべきだと思うのですが、その点について、こういう機械は公社が認定をしているわけですけれども、公社としてはどのように考えているのか。
 それと、きょうは運輸省の方も来ていると思うのですが、やはりそういう点は私は厳重に指導をして、この電話は市外は何%アップですと、はっきり明示をするように指導をしてもらいたい。この点についてお答えをいただきたいと思います。
#142
○説明員(神林留雄君) お答えいたします。
 先生既に御指摘のとおり、現在ホテルでは、中には私どもの決めております料金を上回った料金を取っているという実態がこれはかなり前からございます。私どもとしては従来から、いろいろホテルの方に対する何といいますか、これは御指導と言うのはおかしいのですが、そういう立場にないのですけれども、御依頼を申し上げて、通話料としてはこの部分だけですよと、それからそれ以外、ホテルとしてもやはり自分の交換手を置いたり自前の交換機を置いたりいろいろしておりますので、その部分ホテル側として何がしかのサービス料を取りたいという気持ちも私ども常識的にわからないわけではないので、それはそれとして明示してくださいということはお願いはしょっちゅうしております。それからあと、特にそういう俗に言えば割り増し料金でしかだめな場合にはロビーの公衆電話をお使いくださいと、こういう格、好で、実は私もここに持ってきたのですけれども、年に一遍ぐらいの感じで協会なりそれから電話局から個別のホテルに御通知申し上げでございますが、先生御指摘のとおり、これがそのとおりすべてのホテルがそういう表示をしておるかというと、必ずしも私もホテルに泊まりましてそうでない実態もございますので大変私ども苦慮しておるのですけれども、私どもの置かれた範囲では、いわばお願いするという立場をなかなか越えられないと思いますのですが、なお今後とも必要な場合にはこういったお願い等を繰り返していきたいと、こんなふうに思っております。
#143
○説明員(山下邦勝君) ホテルにおきます電話料金につきましては、今先生から御指摘がございましたように、従来いろいろ問題がありましたことは承知しておるところでございます。これにつきましては、電電公社から今お答えがございましたように、直接関係団体に対しまして、通話料以外のルームサービス料を付加する場合はそれを明示すること、それからロビー等の公衆電話使用の場合は加算料金がないということを明示するということにつきまして指導をされておるようでございまして、運輸省といたしましてもこれに協力をいたしまして、その趣旨の徹底を図るよう関係団体を指導してきておるところでございます。もしさらにいろいろ問題が生じるようなことがございますれば、郵政省、電電公社とも相談いたしまして必要な指導の徹底を図っていきたい、こういうふうに考えております。
#144
○塩出啓典君 では、郵政大臣は直接の担当でないかもしれませんけれども、私はこういうことは消費者保護の観点からもはっきり明示をしてそういう点が徹底をするように、また関係大臣ともひとつ連携をとって推進をしていただきたい、この点どうでしょうか。
#145
○国務大臣(左藤恵君) お話の点につきましては運輸省の観光関係と十分連絡をとると同時に、また電電公社自体もそういったことについての、今度新しい会社になれば一層PRといいますか、そういうふうな意味のことについて配慮していただくように要請をいたしたい、このように思います。
#146
○塩出啓典君 終わります。
#147
○中西珠子君 私は、社労の立場から御質問をしたいと思いますが、まず第一に、新しい電電株式会社の職員の労働基本権についてお伺いしたいと思います。
 電電公社が民間に移行する、民営の経営形態をとるということになりますと、これまで電電の職員が適用されていた争議権の全面否定、争議行為の全面禁止、そして強制仲裁制度を規定した公労法の適用から離れまして労組法、労調法などのいわゆる労働三法の適用を受けるということになるわけでございますが、現行の労調法におきましては公益事業の争議行為につきまして大変制限が加えられております。新しい電電株式会社は公益事業でございますから、この労調法の中の公益事業の争議行為、争議権の制限の適用を受けるわけでございます。御承知のとおり、労調法の中にはいろいろな争議行為の禁止がございまして、公益事業の争議行為は十日前には予告をしなければならないという予告の義務がございます。また、非常に国民生活に重大な影響を与えるようなおそれがある場合、また与えると考えられる場合、総理大臣は緊急調整をすることができて、その緊急調整の決定が公表された日から五十日間は争議行為が禁止されております。また、労働委員会の調停につきましても職権に基づく調停もできるし、また都道府県知事、労働大臣、場合によっては運輸大臣なども調停の請求ができるわけでございます。また、調停案が当事者によりまして受諾された後は、その調停案の解釈とか履行につきまして当事者の間に意見の相違があった場合は、その調停案を出しました調停委員会に見解を求めなければならない。その調停委員会の見解が示されるまでの間もしくは十五日間は、その調停案の解釈と履行に関する争議行為をしてはならないという争議行為の禁止規定がございます。
 このように、いろいろ公益事業の禁止規定、制限規定があるわけですから、現在のままの労調法の争議権の制限だけで十分なのではないか。新しい電電株式会社の職員につきまして新たに特例の措置を設け、暫定的とは申せ、労働大臣が中労委に調停を請求した場合には、その間、中労委の調停が終わるまでもしくは十五日間争議行為は全面禁止という、こういった二重の規制をする必要はないと考えるのでございますけれども、この規制を労調法の附則を改正してまでしなければならない理由はどこにあるのでございましょうか。労働大臣、郵政大臣、大蔵大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
#148
○政府委員(谷口隆志君) 私から、今回、電電公社が民営化される場合に対応することといたしました措置について、まず御説明をさせていただきたいと存じます。
 基本的には、民営化されるわけでございますから、労組、労調法の適用なり争議権を含む労働三権は適用されるわけでございます。ただ、新会社につきましては、従来全面的に争議行為を禁止し、強制仲裁制度で争議の紛争を解決するという公労法の体系から、争議権を有する労組、労調法の体系へ移行するという、いわば労使関係の法的基盤が非常に大きく変わることというのが一つ。
 それから、新会社になりましても、新会社の行います業務が当面は公社時代と同様の極めて重要な役割を果たすわけでございまして、通常の争議行為では現在直ちに通信の途絶を招くというようなことは少ないと存ずるわけでございますけれども、その争議行為の態様のいかんによりましては国民経済とか公衆の日常生活に大きな障害を及ぼすおそれもあるというような事情がある。
 この二点の事情等にかんがみまして、新会社の労使紛争につきまして合理的に迅速に解決を図るため、当分の間、必要最小限度の措置として特例の調停制度を設けるということにいたしたわけでございまして、その内容につきましては、ほかの事件に優先して取り扱うとか、あるいは事件の実情とか調停の経過等公表して、世論を背景に合理的に解決するとか、しかし、その調停をしている間は最高十五日を限度として争議行為は禁止すると、こういう措置にすることを考えたわけでございます。
#149
○政府委員(澤田茂生君) ただいま労働省の方から御説明があったとおりと私どもも理解いたしております。
#150
○国務大臣(竹下登君) 担当当局から正確にお答えした、私の気持ちも一緒でございます。
#151
○中西珠子君 労働基本権は態法に保障されている権利でございまして、やはりできる限り幾ら公益事業といえども尊重してやるのが当然と考えるわけでございますが、今回の暫定的とか経過的な措置とはいえ、その争議権の二重規制というものは廃止すべきだと考えるわけでございます。この特例措置につきまして、法の施行の日から三年たったら見直しをするという修正が衆議院においてなされましたけれども、この三年後の見直しというものは、特例措置の廃止を意味すると受け取ってよろしゅうございましょうか。労働大臣、郵政大臣、大蔵大臣、お願いいたします。
#152
○国務大臣(山口敏夫君) 先ほども労政局長からお答え申し上げましたように、当事者能力というものにつきましては、高杉先生の御質問のときにもお答え申し上げましたが、大変私ども高く評価しておるわけでございますし、公営企業体の枠組みの中にありながらアメリカのATT以上の赫赫たる実績を上げておるということも十分承知しておるわけでありますし、その間の労使双方における大変な御努力というものにつきましても我々十分承知をしておるわけでございますので、あくまで経過措置、やはり国民の懐さん方の大いなる御理解と合意の上でこの新会社がスタートする、こういう経過措置の中でひとつ必要だと、こういう認識でございますので、衆議院における修正も含めまして、そういう方向に我々一層努力をしたいというふうに考えております。
#153
○国務大臣(左藤恵君) 郵政省といたしましても、今回の措置は当分の閥の措置として必要なものとは考えますけれども、お話のように今回の措置の必要性というものが早期になくなるような電電労使の良好な関係を維持していただきたいということを期待いたしておるところでございます。
#154
○国務大臣(竹下登君) 現在の労使関係も私は立派だと思っております。衆議院においてあのような修正がなされたという背景は、まさに今、委員御指摘のような気持ちが与野党合意の中であったからであろうという事実認識をいたしております。
#155
○中西珠子君 三年後の見直しのときには、ぜひこの特例措置を廃止していただきたいと強く要望いたします。
 ILOは、国民生活に重大な影響を及ぼすイセンシャルな重大なサービスのスト権が規制されることはやむを得ないが、その場合は効果的な代償措置が必要であると申しておりまして、これは国際的にも広く受け入れられている原則でございます。この新電電会社職員のスト権の規制は二重規制になっているのでございますが、代償措置としては何を考えればよろしいのでございましょうか。
#156
○政府委員(谷口隆志君) ILOの原則は、ただいま御指摘がございましたように、不可欠な業務とか公務部門におきまして争議権を禁止する場合には、そういう労働者の保護のために代償、かわるべき措置が必要であるということだと存じます。この原則がずっと貫かれてきておるところでございますが、したがいまして公務員とか公共企業体等のように争議権が全面的に禁止されておる場合には、今おっしゃるような問題が出てくるわけでございますが、今回電電公社が民営化されますにつきましては、先ほど申し上げましたように争議権を含む労働基本権につきましては、労組、労調法で労働三権はまず全面的に認められるわけでございますけれども、争議が発生して国民経済とか公衆の日常生活に相当程度の障害を及ぼすおそれがあるというような事態になりました場合には、そういう事情を勘案してできるだけ合理的早期に解決しようと、そういう意味での紛争調整の制度について特例を設けたということでございまして、そういう意味では争議権を禁止してそれの代償措置が必要であるというILOの原則とは、それにもとっておるというようなふうには私ども考えておらないところでございます。
#157
○中西珠子君 スト権は否定もしてないし禁止もしてない、しかし特例措置をもって制限をしているというふうにおっしゃるわけで、そのためには代償措置などは要りませんとおっしゃるわけでございます。そのように理解いたしましたが、いずれにしても、憲法に保障されました労働基本権というものはできる限り尊重していただきたい。殊に、スト権というものが尊重されませんと、余り規制がありますと、労使が対等の立場に立って賃金や労働条件についての交渉をすることができないということは事実でございますし、これまで公労法の適用を受けてきました電電の職員とそれからKDDの職員との賃金、労働条件の間の格差というものが非常にあるということを聞いておりますが、それもやはり公労法の適用下で公労法のもとの賃金決定システムに基づいて横並びで決定されていて、いわば抑圧をされていたという結果にもよるのではないかと考えるのでございますけれども、現在のKDDの職員の平均年齢と平均賃金、また電電公社の方の職員の平均年齢、平均賃金をちょっとお教えいただきたいのでございますが、労働大臣、お願いします。
#158
○政府委員(谷口隆志君) ただいま御質問のございました点について現在労働省として承知しておりますのは、電電公社につきましては、五十九年四月一日現在でございますけれども、平均年齢が三十八・一歳で平均賃金は二十一万九百十三円、KDDにつきましては平均年齢三十一歳で平均賃金二十一万七千八百円というふうに承知をいたしております。個別企業の問題でございますので、私どもそれ以上詳細なことは現在把握をいたしておりません。
#159
○中西珠子君 ただいまのは承りましたが、全電通の委員長が八月三日の参議院の逓信委員会公聴会におきまして、その議事録を拝見しますと、三十五歳標準労働者の一年間の所定内賃金は電電とKDDの間に百三万円の相違があると、こう言われておるんですね。これはどの程度本当なのかと思って考えておりますけれども、いずれにしても、これからの新たに発足いたします電電会社の職員の賃金、労働条件につきましては労使間の自主的な交渉によって決定していただきたいと切望するわけで、そして電電公社の職員の賃金、労働条件がよくなっていくことを期待するわけでございます。公共性を持って国民のすべてに公平なサービスをしていただきたい、安定したサービスをしていただきたい。また、電話料の値上げもやっていただきたくないとは思いますけれども、それは労使の企業の努力によりまして、そしてよりよき労働条件、賃金を獲得していただきたいと思うのでございますが、一つ私、大変気にかかることがございます。
 と申しますのは、新電電会社の法案の第四条、第五条、第九条から第十七条を拝見しますと、政府の監督権限が非常に強いように見受けられるわけです。これだけ行政の介入があったのじゃ、民営に移管しても経営の自主性というものは確保できないのではないかという心配が出てくるわけでございます。殊に、賃金などを含みます事業計画が毎年郵政大臣の認可が必要、それで郵政大臣が認可なさる前には大蔵大臣との協議が絶対必要と、こういうことになっておりますけれども、これでは労使が賃金や労働条件の交渉を自主的にはできないのではないか。やはりいろいろあちらこちらお伺いを立てたり御相談申し上げるところが多過ぎまして、当事者能力というものが持ち得ないのではないかという心配をいたすのでございますけれども、この点はいかがでございましょうか。労働大臣、郵政大臣、大蔵大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
#160
○国務大臣(山口敏夫君) 先ほど来からお答え申し上げておりますように、当然民間に移行されるわけでございますから、民間に限らず、労使双方の協議と話し合いの中でそうした給与体系や賃金体系というものが当然尊重されて決定されていくということを我々は期待しているわけでございます。
#161
○国務大臣(左藤恵君) 電電公社が民営化される趣旨を十分我々も考えて、自主性というものを与えることに大きな眼目を置いておるわけでございます。そうしたことで、新会社に対します政府の関与は必要最小限度ということで、新会社が自主性を発揮できるようにということについて配慮をいたしておりまして、今御心配いただいております事業計画でございますが、こうした問題につきましては、サービス計画と建設計画というような面について我々は認可というようなことを考えておるわけでありまして、そうした問題につきまして新会社が自主性を十分発揮できるようなことを、今回の改正法案につきましては配慮をしておるところでございます。
#162
○国務大臣(竹下登君) 私が所管しておりますたばこ産業株式会社、専売の改革でございますが、それの御審議の際にもそのことがポイントであったと思っております。まさに自主性発揮のために必要最小限の関与にとどめる、この姿勢は今後とも貫くべきであると、このように理解をしております。
#163
○中西珠子君 ただいまの郵政大臣、大蔵大臣、労働大臣の御発言は、経営の自主性をできる限り尊重し、賃金その他の労働条件などの労使間の自主的な決定には介入しないというふうな御確約をいただいたというふうに受け取らせていただきたいと思います。衆議院の附帯決議にはありますが、この点はぜひ明瞭にしておいていただきたいと思うわけでございます。
 それでまた、郵政大臣がもう一言おつけ加えになりまして、事業計画につきましてはサービス計画、建設の計画、そういったものだけを事業計画として出させて認可させるものとするというふうにおっしゃいましたけれども、これは大変結構なことと思いまして、殊に衆議院の社労の方の公明党の大橋議員が、事業計画が当事者能力、殊に賃金、労働条件に関する労使の自主的な決定の妨げになるようになってはいけないから認可制ではなくて届け出制にするようにという要求をいたしましたけれども、サービス計画と建設計画のみというふうに限定していただくとすれば現行のままでもよいのではないかと思いますが、この点につきましてはしかと議事録にとどめていただきまして、後に余り当事者能力がなくなってしまうということがないようにお願いしたいと思います。郵政大臣、御確認をお願いします。
#164
○国務大臣(左藤恵君) 今お話のとおりでございます。収支予算と資金計画というのは、添付資料という形で出していただくつもりにいたしております。
#165
○中西珠子君 それではちょっと時間がございますので、私は年金の関係の御質問を、もう既になすった方もございますけれども、させていただきたいと思うわけでございます。
 民間に移行いたしましても、民営の経営形態をとりましても国家公務員などの共済組合の年金が適用ということになっております。一方労災保険の適用、雇用保険の適用ということになって、その面ではほかの民間企業と同じなのでございますが、そういったもろもろの違った制度の適用を受けていくこれからの新会社の安定した労務管理、労使関係というものは心配はないのでございますか、ちょっとその点につきまして心配もございますので、郵政大臣、労働大臣にお伺いさせていただきたいと思います。――厚生大臣はおいでにならないのでしょうか、厚生省の担当官がおいでになりましたらお伺いしたいと思います。
#166
○政府委員(澤田茂生君) 新電電になりました場合の共済制度につきましてはそれぞれ法律で手当てをいたしているところでございますし、なおその他の新規参入の電気通信事業体につきましてはそれぞれ民間企業といたしまして、既存の共済制度あるいはみずからのいろいろ創意工夫による職員対策という面からの手当てというようなものが十分とられていくであろうということを期待をいたしているところでございます。
#167
○政府委員(谷口隆志君) 年金なり共済の方は私ども所管でございませんのでわかりませんけれども、労働保険、すなわち雇用保険と労災保険につきましては、民営化いたしますので、それぞれの法律の一般原則どおり適用されるものだというふうに思います。
#168
○国務大臣(竹下登君) 国家公務員等共済は私の所管でございますので、私からお答えいたします。
 御承知のように、国家公務員等共済組合の中でこれからもやっていただく、そうすると基礎年金といわば職域年金、そういうものは抱合されておる、そこでその上ということになりますと、まさに今度は企業年金として、民間会社でございますから各民間保険会社等とのいろいろな御相談をなすって、それに基づいて税制上の措置という点はその出た段階で御相談さしていただくということになっておるわけでありますが、十分御趣旨の点が生かせる環境にあるというふうに御理解いただいて結構じゃなかろうかと思います。
#169
○中西珠子君 公務員等の共済年金も、それからそのほかの私学共済の年金とか、いろいろ共済組合の年金がございますけれども、これは厚生年金、国民年金と将来一本に統合されるという方向と理解して間違いないのでございますね。大蔵大臣、そうでございますね。
#170
○国務大臣(竹下登君) 閣議決定によりますと、それは七十年を目途にしてそういう方向で検討を進めて十分を期そうと、こういうことになっております。
 年金担当大臣は今厚生大臣でございますが、私も年金担当関係閣僚会議に出席しておりますので、私からお答えをさせていただきました。
#171
○中西珠子君 ありがとうございました。
 もう一つ最後にちょっと念を押さしていただきたいのでございますが、国民営に移管いたしますといろいろの問題がございますけれども、社労の方の立場から申しますと、ぜひ当事者能力が付与されて、生かされるようにしていただきたいということと、争議権の二重規制は三年後にはぜひ廃止していただきたいということをお願いいたしまして、電電の職員の賃金、労働条件、その他の福祉が一層向上いたしますことを願っておりますので、どうぞよろしく御配慮のほどをお願いいたします。
 これで質問を終わります。
#172
○伏見康治君 私は商工委員会に属しておりますので、その立場からと申しますか、商工と申しましても私には商の方はちっともわかりませんので、工の観点からお伺いいたしたいと思うんです。科学技術者の代弁者というようなつもりで国会に出ておりますので、そういう観点からお伺いいたしたいと思います。
 郵政省と申しますか、昔の逓信省といいますか、日本の電信電話事業というものは非常に長い歴史を持っておりまして、そしてその中で、少し古い言葉ですけれども逓信技術官僚という言葉がございまして、一つの長い伝統を持っていろんな技術を築き上げてきたと思います。私のぼんやりした記憶の中で松前重義とか梶井剛とか篠原登とか米沢滋とかという相当大きな名前が念頭に浮かんでくるわけでございまして、そういう方々の長年の努力というか、それから見通しのいい計画といったようなものが今日の郵政事業の根幹を築いていると私は思います。私はやはり褒めるべきものはちゃんと褒めておかないといけないと思っているんですが、それだけに、今度の大きな改革によってそのよい伝統が断ち切られることがあると非常にまずいことになるのではないだろうか。今後も昔ながらの技術的な伝統というものをぜひ損なわないようにやっていただきたいという念頭から、その観点から幾つかの御質問を申し上げたいと思うわけです。
 もう少し申しますと、日本の技術陣が光ファイバー技術というものを完成して、欧米に先んじてと申しますか、それを凌駕する立場でその技術を完成したということが今の日本の方々の自慢になっていると思うんですが、それを生んだ土壌というものが電気通信研究所にあったと思いますので、その研究所が今後どういうふうになるかということに対して、私は非常に強い関心を持っているわけです。
 まず郵政大臣に、制度改革の曲がり角のところでどういうふうにその強い伝統を生かして、いい伝統を生かして今後のまた新しい発展を期するかということについてのお考えを聞かしていただければありがたいと思います。
#173
○国務大臣(左藤恵君) お話のとおり、今日までの電気通信に関します技術というものの発展につきまして電気通信研究所が果たした役割というのは大変大きなものがあろうと、私はこのように思います。そしてまた、新しく株式会社ができましても、その中におきましてこの伝統が生かされて発展していっていただきたいと、このようにも念願をいたしておるわけでございます。ただ、そうしたことで、会社となりました場合に、基礎的な技術研究というものをさらに強化する必要が生まれてくるのではないか。と申しますのは、新しく今度は競争原理の導入ということで、新会社も競争相手といたしまして新規参入されるというようなところも出てこようかと思います。そうしたところに対しても、電気通信研究所が今日まで築いてきたようなそうした大事な技術というものが広く活用されるような場というものも我々はつくっていかなきゃならないのじゃないかと、このように考えております。
#174
○伏見康治君 同じ質問を今の電電公社の責任者の方にもお伺いいたしたいんですが、多分、続いて新しい新電電の首脳部になられるんだと思いますので、御覚悟のほどを伺いたいと思うんですが。
#175
○説明員(真藤恒君) 私ども現在のこの世界的な通信技術の変化、進歩というものを考えまして、私、着任いたしましてからも研究所の研究費の思い切った増額をやっております。現在約千三百億ちょっと超したぐらいの予算を研究費につけております。それから人間が約三千三百人でございますが、ここでひとつ説明を申し上げておきますのは、アメリカのベル研究所あたりに比べまして人数の面で非常に少ないのでございます。費用の面は私どもの約四倍をATTは使っておりましたが、人間の面は私どもの約七倍か八倍の人間を持っておるということでございます。それはどういうことかと申しますと、確認はいたしておりませんけれども、アメリカの今の労働法で、ああいうふうな研究所なんかに人を雇います場合に、少数民族あるいは要するに雇用の機会均等ということで、そういうバランスをとらざるを得ないということから急激に人数がふえておるようでございます。したがいまして、私どものところは三千三百人でございますけれども、約三千人ちょっとが皆最高学府を、最高課程を通ってきた研究者自身でございまして、自分自身で研究しておる技術レベルを持ち能力を持っておる者が約三千人ということでございまして、人員構成の質がまるで違っておるということが非常に大きな差ではなかろうかと思っております。
 ともあれ現状はそうでございますが、私どもは今後長い間続けてまいりましたこの研究の方向といたしましては、LSIの高度技術ということと、LSIの素材になる新素材、あるいは通信設備の新素材である光ファイバーというふうなものに主力を注ぐと同時に、そういうものをベースにした電子交換機及び高度な電子計算機、それから高度な性能の端末機の開発ということの三本立てでやってまいりましたのですが、今度の法改正の基本的な考えに基づきまして、主として基礎研究の方の集積回路関係のもう二けたぐらいの高集積度をねらって新しく大きな設備をつくろう、そして人間もそういう開発に向けようと考えておりますし、またその高集積のチップに必要な新素材の基礎研究について根本的に研究設備のやり直し、それから人員の技術構成の再編成ということを今具体的に考えて具体案を今つくっておる状態でございます。
 端末機の開発につきましては、今度法改正で根本的にこの端末機のあり方というものが変わりますので、ここのところ、法改正を国会で御承認いただいて、それに伴う業界の動向というものも勘案いたしまして、この業界と無用な摩擦を起こさない方向の研究に考え方を少し変えていかなきゃいかぬのじゃないかというふうに考えております。これはまだ、今ここでこっちの方向へ参りますというふうにはっきり御説明する段階にまで行っておりません。
 いずれにいたしましても、研究の費用も、研究の人数も、研究の質も、ここで大きく方向を変えざるを得ない、また変えなきゃならぬというふうに考えております。
#176
○伏見康治君 今の真藤さんのお話で大いに安心しているところもあるんですが、真藤さんの方からベルテレフォン研究所のお話が出ましたので、そして恐らく戦後電気通信研究所をつくりますときにはベルが一つのお手本になったと思いますので、それとの関連で、お伺いいたしたいと思うのは、ベルというのは、御承知のように、今おっしゃったように、大変大仕掛けであるというところも違いますが、非常な基礎研究をやっているところが非常に違うと思うんですね。例えばトランジスターにいたしましても、あるいはレーザーにいたしましても、その本当の基本原理というものを発見してノーベル賞をもらった人が十人近くいるといったようなお話を伺っておりますが、そういう意味の基礎研究というものは恐らく通研では余りやっておられない。もう少し現実の通信事業に密着した要求に応ずるような研究をされてきたと思うのでございますが、その辺の基礎研究の一基礎研究といってもいろいろな段階があると思いますが、その辺の割り振りと申しますか、お考え方を何かお示し願えるとありがたいと思うんですが。
#177
○説明員(山口開生君) お答えします。
 ただいま先生がおっしゃいましたように、AT&Tのベル研究所は世界的にも最大の研究所でありまして、ノーベル賞受賞者が七人もいるということで、当初、電電公社が研究所をつくる場合にAT&Tのベル研をお手本にしましたことは事実でございます。
 研究のやり方その他についても大体似たところがございますが、公社になりまして全国の積滞解消、それから自即化を進めるに当たりましては、大変に急いで技術開発といいますか、できた技術はなるべく早く利用しようということで、どっちかといいますと、実用化研究の方にウエートを置いてまいったことは事実でございます。しかし、今完全充足いたしまして、これから御承知のように、INSの構築に向かいましてより積極的に進めていかなければいけないわけでありますが、こういった技術になりますと、先ほど総裁が申しましたように、全く新しい分野の技術が多うございますので、電電公社の研究所としましても、今後基礎的な研究に、ウエートを置いていきたいと、こういうふうに考えております。
 現在、基礎的な研究に従事しておる者が大体一割弱でございまして、それに要する研究経費も七%ぐらいのものでございます。しかし、これからの例えばコンピューターの音声認識とか、画像の認識とか、そういうことになりますと、単に電気通信技術屋だけではこれはだめでございますので、最近では心理学者とかあるいは言語学者とか、そういった研究者も招聘しまして、これは国内だけではございませんで、国際的に外国からも研究者を招聘するように用意してございますが、そういったことで基礎的なことにも大いに力をつけていきたい、このように考えております。
#178
○伏見康治君 研究というものは、無目的な基礎研究というのと、それから多少でも目的意識を持った研究と両方の面があると思うのでございますが、それぞれ特色がありまして、恐らく通研のようなところでは、今言われたようないろいろな現実的な課題に即してその中から何とかそこに新しい技術を生み出そうとする努力といったようなもの、つまり目的を持った研究というのがやはり重点になると思います。そのこと自身私は大変いいことだと思うのですが、いわゆる民営の方に移されますと経営的な観点というものが主眼になりまして、少し遠い目標の研究というものはやはり景気が悪くなれば捨ててしまいたくなる、あすにでも役に立つようなものにのみ何か研究が指向されるという傾向が出てくることはこれは非常に歪みがたいことだと思うのですが、そういう点についてはどうお考えになりますか。つまり、より基礎的な研究をどういうふうにして守っていかれるかという点を聞かしていただきたいと思います。
#179
○説明員(山口開生君) これは先ほど申しましたように、現在ではまだ一〇%弱の陣容でやってございますが、これから先はやはり基礎研究に基づいた新しい発展をしなければ企業自体も発展できないというのが、恐らく世界の現状だと思います。
 通信関係の関連の企業を見ますと、これはATTにしてもIBMにしましても、あるいは日本のNECにしましても富士通、こういった大企業は、やはり研究投資というものを相当やっております。恐らく電電公社以上の人員をかけて、あるいは研究費をかけているところも多うございます。したがいまして、私どもが民営化になりましても、企業が発展するためには、特に世界的にもこれは発展させるためには、基礎研究についても今まで以上に力を入れなければ生き残っていけない、こういうふうに考えておりますので、基礎研究についても拡充してまいりたいと思っております。
#180
○伏見康治君 ありがとう。
 郵政大臣の方にお伺いいたしたいんですけれども、郵政省としては今後の通研に対してどういうことを期待しておられるのか。
 それを伺いたい一つの理由は、電気通信振興機構というものをおつくりになるという御意向があるように伺っております、まだ国会には提出されておりませんが。それは多分いろいろな目的があるとは思いますが、その中の一つは、基礎研究の研究所をつくりたいという御意向だと思うんですが、通研の今のお話とそれから郵政省の方の新しい機構の研究というものとはどういう関係になるんでしょうか。
#181
○国務大臣(左藤恵君) 新しい会社においては、民営後も引き続いて今お話ございましたように研究開発は推進されていくものと我々も期待いたしておりますけれども、どうしても基礎研究ということにつきましてはお話のようにリスクが高くなります。そしてまた、研究に長期間を要する問題もございます。商業ベースに乗りがたいというようないろいろな問題がある。それがまた基礎研究だろう、このように思います。基礎研究があって初めてまた応用開発研究というものが進んでいくわけでございますけれども、そうした問題について新しく新会社におきましては、民間企業ということにもなりますので、そうしたものに過度の役割を求めるということは無理ではなかろうか。そういう意味で、国の責任ということでそうした基礎研究をする場をつくって進めていきたい、このように考えておるところでございます。
 その一つの考え方といたしまして、電気通信振興機構というようなものができれば、そこからの資金でもってそうしたものをやっていきたい、こういうことを念願しているところでございます。
#182
○伏見康治君 水道栓はたくさんある方がたくさん水が出てよろしいわけで、研究所もたくさんおつくりになる方がいいとは思うんですけれども、逆効果ということもあり得るわけでして、つまり基礎研究は新しくつくられる振興機構の方にいわばお任せしてしまって、新電電の方の通研さんは基礎研究は安心してそちらにお任せしてしまって、自分たちの方は専ら目先のことばかりやるという傾向がもしあらわれるとすると、それは非常にまずい結果になるのではないかと思うんでございます。
 それで、もし新しい振興機構ができるにしても、日常現実の課題に追い回されている通研の方の仕事というものと、本当の基礎研究をやる方々との間の有機的な連絡というものをお図りにならなければ、本当の意味での御希望の線にはなかなかならないのではないかと私はひそかに心配いたすものですから、その先のやり方について、ひとつ慎重にいろいろと考慮をめぐらしていただきたいと思います。
 ところで、これも郵政大臣に伺いますが、今後の法律の第二条には、いわば研究的なことをしっかりやれということがうたってございまして、大変結構だと思うんですが、そのことを実際に裏づけるような項目というものは余り含まれていないようですが、これの二十一ページのところに、第九条の7という項目のところに、何か研究に使うお金に対する税制上の特例みたいなことに関するお話が書いてございます。その中に、五十九年四月一日を含む事業年度の試験研究費の額というものを基準にしてお考えになっていて、それを超える分については取り扱いが変わってくるというふうに書いてございますが、つまり五十九年度の研究費というものが一つの尺度になって、その尺度を超えたものは余り保護されない、それ以下は研究費という形で保護されるというふうに理解を私はしたのですけれども、そういう理解でよろしいんでしょうか。
#183
○政府委員(澤田茂生君) 会社法の附則の第九条第七項というものでございますけれども、これは試験研究費の額が基準年度のものを超えた場合に、その超過額の二〇%を税額控除できる、こういう一般の法人に対する法人税の研究促進というための特例がございますが、その特例を新会社にも受けさせることができるようにしようという規定でございまして、その場合の基準年度というものを何に置くか、新会社でございますので今までの過去の実績というのがございません。したがいまして、それを公社の最終年度としての五十九年度の額を基準年度として、以降それ以上上回るものについての二〇%の税額控除という研究助成のための特例措置というものを講じていこう、こういう規定を追加をしているということでございます。
#184
○伏見康治君 補足的に伺いますが、その基準というものは年がたっても変わらないものなんですか、何年かたっても。
#185
○政府委員(澤田茂生君) 基準年度と申しますのは過去における一番研究開発費の額の高いもの、これを基準年度にするということでございますので、五十九年度を基準年度ととりあえずいたしておりますけれども、それより高いものが出ればその年度のものが基準年度になる、こういう仕組みが民間会社について一般的に適用されておりまして、新会社についてもそういう形で適用されるものというふうに理解をいたしております。
#186
○伏見康治君 私のあるいは心配は杞憂であったかとも思うんですが、先ほど真藤総裁が言われましたように、今通研は規模をどんどん拡大しておられるわけですね。今年度で百人ふやし、その前年度も七十人ぐらいずつふえておるわけで、恐らくその傾向はここしばらく続くのだろうと思うんですね。どんどん研究所としての規模が拡大されていくと思います。したがって、お使いになる研究費も年々ふえていくのじゃないかと思うんですが、それをある時点の基準で抑えるようなことがあったとするというと、私は非情にぐあいが悪いのではないかという感じを受けたんでございますが、あるいは杞憂であったかもしれません。
 通産大臣に来ていただいていると思うんでございますが、この郵政の弱電に対して通産の方は強電のことをなすっているわけでして、電力会社を監督しておられるわけですが、九電力がつくっている電力中央研究所というのがございます。私の伺いますところでは、その電力中央研究所の研究費というものは、何か自動的に決まって、余り苦労しなくても研究費が集められるように伺っているんですが、その辺のことをちょっと教えていただきたいと思います。
#187
○政府委員(柴田益男君) 電力中央研究所は今財団法人形態になっておりまして、先生御指摘のとおり、九電力の中核的な研究所になっております。その財源につきましては、販売電力料の千分の二を自動的に拠出するということでございまして、昨年度で見ますと、約二百三十億円研究費を使っているところでございます。
#188
○伏見康治君 電力中央研究所が非常にいい成績を上げているかどうか私は実はよく知らないんですけれども、一方のことはしているのだと思うんですが、何か今言われたように、売り上げの千分の二というものが自動的に入ってくるといったような仕掛けは、松永安左エ門さんが考えたのでしょうか、非常にうまい仕組みじゃないかと私は思っているんですが、そういうことは通信研究所の場合にはお考えになりませんでしょうか、どうでしょうか。
#189
○説明員(山口開生君) 私の理解では、ただいまの電力関係のは、電力各会社から中央にあります電力中研の方の研究の納付金といいますか、そういったお金だと思っておりますが、今回の電電公社の経営形態変更は、そういった各地方に組織が分割されるわけではなくて日本電電公社一本のままで新会社に移るわけでございまして、したがいまして研究費を何%で各地方から取るとか、そういったことにはならないと思います。会社一本として、先ほど総裁が申しましたように、五十九年度ですと二・六%ぐらいまでなっておりますが、外国あるいは日本の大企業を見ましても五%とか六%とか、そういった研究開発費を出しておるわけです。したがいまして、新会社全体として、これはまた数%まで出すべきかどうかということは別の意思決定があろうかと思いますが、一本として出すことになりますので、そのようなことの心配はないと思っております。
#190
○伏見康治君 ただいまのは質問の趣旨とちょっと違ってしまったんですが、その何%という数字を早目に高いところに決めておくことはできないかという意味なんであります。つまり、その都度その都度パーセンテージが変動するんじゃなくて、あらかじめ要するに新電電の経営活動の規模に応じて、何かパーセンテージが決まるというような仕組みは考えられないかということでございますが。
#191
○説明員(山口開生君) あらかじめこれを四%とか五%とかという数字を決めることについては、恐らくケース・バイ・ケースだと思いますが、やはりその年度あるいはある期間の間に特に大型のプロジェクトを開発しなければいけないとか、例えば衛星問題などは特にそうなんですけれども、そういった場合においては、そのとき、その年に突出した研究開発費が要る場合もあると思います。したがいまして、そういうことを考えますと、私どもはこれから先に研究開発費がふえこそすれ減ることはないと、こういうふうに考えております。
#192
○伏見康治君 最後に、世田谷の火事で非常にシステムが脆弱である面を露呈したと思うんでございますが、日本の電話は非常に立派にできていると私は思うんです。先年、インドのニューデリーへ行って、空港へおりたところが迎えの人が来ていないので電話をかけようと思いましたら、空港の公衆電話は、片っ端から試したんですけれども、全部壊れているわけです。最後に、しょうがないのでインフォメーションセンターというところに行って、そこの事務局が使っている電話を利用させていただいてようやく迎えの人に来てもらったというような経験がございます。相手がインドでは余り皆さん感心なさらないでしょうけれども、ロンドンに行きましても相当程度公衆電話の壊れっぱなしになっているのを経験しておるわけでございまして、その経験から申しますと、日本の電話は大変よく故障なしに運転していると思います。その立派なものが、しかしこの間の世田谷の火事のような大事故を内蔵しているということは非常に大きな教訓であったと思うんでございますが、これに対して、どういう御計画でそれに対処なさるおつもりであるかということだけを伺って、おしまいにいたしたいと思います。
#193
○説明員(福富禮治郎君) お答えします。
 このたびの世田谷の火災は、非常に多くの方々に御迷惑をおかけし、大変な災害になったことを深く反省しているところでございます。
 従来から、防災計画につきましては、幾たびの地震とかそういうことがございまして、災害時における通信の確保とか防災の計画を組んできていたわけでございます。そういうことで、信頼性の向上という意味からいいますと、災害に強い信頼性の高い通信設備を建設いたしたいということで、都市間の相互の通信が途絶したり麻癖しないように、伝送路を多ルートといいまして、有線、無線、多くのルートを設けて市外局間をつなぐ、あるいはまた市外局自体も東京を前橋、甲府に分散するというような形で信頼性の向上を図ってきたところでございます。また、通信が全く災害で途絶するというような事態に対しましては、孤立防止用の無線機の配備あるいはまた衛星等によります通信、移動衛星局と申しますか、そういうものを持ってまいりまして、全面的に途絶することのないような手段を確保し、さらにまた、できるだけ早く復旧するように移動用の電話局装置あるいは電源車等を配備していたところでございますが、今回に至るまで洞道にこれほど大きな災害があるということが実を言いますと非常に落ちていたわけでございまして、早速洞道内の火災事故対策委員会を設置いたしまして検討を開始したところでございますが、早速実験用の洞道を建設いたしまして、その中でケーブルの燃え方、難燃効果あるいは消火設備の効果等につきまして実験に早速着手したところでございます。
 それで、さしあたりできるところから早急に始めることといたしまして、五十九年度中には、まずケーブルの接続工事では火気を必要としない機械的な接続方法というものを早急に取り入れたい、あるいは洞道のケーブルの要所に難燃化工事を実施する、洞道の管理システムの導入、防災壁の設置等を至急実施することとし、既に着手しております。また、今年度中には、先ほど申しました洞道内の消火実験結果を踏まえまして委員会の検討を終え、それらの事項につきましては六十年度中に全国的に導入を進めてまいりたいと思っております。それらの詳細につきましては今実験中で、その実験結果を早急に導入いたしたいと、こう思っているところでございます。
#194
○内藤功君 私は内閣委員といたしまして、また電電公社の民営化を内容とする本法案に反対の立場からいたしまして質問をいたしたいと思います。
 まず、こういう点をお聞きしたいんですが、米軍の三沢基地における住宅建設に伴います電話の設置について、電電公社並びに防衛施設庁当局にお尋ねをしてみたいと思うんです。
 防衛施設庁の昭和六十年度の概算要求を拝見しますと、三沢基地に関する予算が百五十三億二千四百万円組まれております。その中には、F16戦闘爆撃機の配備に伴う米筆家族のための住宅といたしまして二百四十戸の住宅を建設してやるという趣旨でありますが、まず最初に、この住宅建設の戸数並びにその総費用はどれぐらいでございますか。
 また関連をしまして、そのうち住宅建設に伴う附帯工事の費用、特に電話の設置費用はどのくらいになりますか。また関連をして、最近五カ年間の三沢基地におきますいわゆる思いやり予算によって米軍用住宅が建設されましたが、その戸数はどのくらいであるか。
 以上、数字の点がございますが、明確な御答弁をいただきたいと思います。
#195
○説明員(小澤健二君) 今、先生からの御質問にお答えさしていただきます。
 昭和六十年度の概算要求におきまして、F16三沢配備に伴う昭和六十年度に概算要求をしております提供施設整備の内容につきましては、家族住宅二百四十戸、それからあと倉庫、消防署、厚生施設等建設を、およそ百五十三億二千四百万円要求しております。また、F16配備関係以外の昭和六十年度の概算要求ということで提供施設整備の中で隊舎二棟、それから汚水処理施設などの建設費を十三億六千九百万円要求しております。したがって、三沢飛行場におきます提供施設整備の計画でございますが、昭和六十年度の概算要求額総額といたしましては百六十六億九千三百万円でございます。
 それで、今二百四十戸の金額などの御質問がございましたのですが、現在これは大蔵省の方に概算要求ということで財政当局の査定を受けておるということで、ひとつ二百四十戸の金額というものについては御勘弁いただきたいと思います。
 それから、電話施設についても附帯工事についても、同じく当初概算要求金額の中には入っておりますが、個々のものについて現在いろいろ査定を受けておる段階でございますので、ひとつ勘弁していただきたいと存じます。
 それから、今まで三沢飛行場におきまして五十四年度から今日までどれぐらいやったかという御質問でございますが、昭和五十四年度におきましては、今まで工事をいたしましたのでは隊舎二棟でございます。これは金額といたしまして七億一千八百万、それから昭和五十五年度におきましては家族住宅七十二戸、これは十三億八千八百万、それから隊舎一棟を建てております。これが十六億三千八百万、それから五十六年度は家族住宅七十六戸、三十六億三百万でございます。それから五十七年度にまいりまして家族住宅四十八戸、二十九億一千六百万、それから隊舎三棟、五億二百万でございます。それから五十八年度におきましては隊舎が三棟、これが十七億九千一百万、合計いたしますと住宅が百九十六戸、八十九億九千四百万、隊舎が九棟、五十三億九千五百万ということになっております。
 以上でございます。
#196
○内藤功君 一部数字の出ないところがあって甚だ遺憾でありますが、今の答弁で、とにかく家族住宅の附帯工事の中に電話が入っていることはお認めになりました。
 それではこういうふうに聞きましょう。電電公社の方にお伺いいたしますが、一般国民が電話番号をもらうために最初の申し込みに必要な架設費あるいは加入費は幾らになりますか。また、我々のような一般個人と法人とでは金額が違いますか。
#197
○説明員(草加英資君) 一般加入電話をお申し込みいただいた場合には設備料八万円、加入料八百円、八万八百円をいただきまして架設いたしております。
#198
○内藤功君 そうしますと、計算上、この三沢基地関係の住宅用設置の電話の費用は一千九百四十万という計算に相なるわけであります。
 電電公社にお尋ねしますが、この架設費用等は公社といたしましてはどこからいただくのですか。それとも一切これは無料、いわゆる出血サービスということに相なっているのか、明確にお答えいただきたい。
#199
○説明員(草加英資君) お答えいたします。
 三沢米軍基地の住宅にかかわります加入電話の申し込みにつきまして、現在私どもでは申し込みを受けておらない状態でございます。したがいまして、この垂オ込みがだれから出されるかということにつきまして、私どもは今把握しておらない段階でございます。
#200
○内藤功君 申し込みという具体的な行為はないけれども、おのずからこれはわかるわけです。これは我が国の財政から支出されることは明らかです。私は今の問答を通しまして、国の財政は大幅な赤字だということを言われておる、赤字国債を発行しておる、それが三〇%に及んでいる。しかるに、米軍住宅の方は無償で、しかも電話までいわゆる思いやり予算で設置をしておる、こういうことがはっきりしたと思うんであります。私は、こういう政治姿勢が許されない現状だと思います。政府がやっぱり責任を持って、アメリカに対する思いやりの名をもってするこういう支出というものはやはり改めて、思い切って見直しをしていくということが今求められていると思うんです。こう申しますと、たかが住宅の電話ぐらいとおっしゃる方がいるかもしれませんが、先般の逗子の市長の選挙を見ましても、あれは米軍の住宅というものを日本の国の予算で建てる、一方では住宅に困っている人がたくさんいると、こういう問題がやはりああいう結果になっていると私は理解をするのであります。
 この点は、郵政大臣は防衛庁長官ではありませんから特に私は強いて答弁は求めませんけれども、国務大臣のお一人として深くお考えになるところがあってしかるべきだと思うのであります。お考えがあればお述べいただきたいと思います。――では、次の機会にこれは改めて追及することにいたします。
 それでは、施設庁にお願いします。
#201
○説明員(小澤健二君) 今先生、整備で全部電話機までつけておるというお話でございますが、三沢飛行場におきまして現在計画いたしております住宅ということで、関連で、電話線でございますね、配線だけをやっておって、電話機の機具というようなものは今までこれを日本政府において負担してづけたという事実はございませんので、ひとつよろしくお願いします。
#202
○内藤功君 大局において違いのないことだと思うのであります。
 次に、私は通信衛星の運用についてお尋ねをいたしたいと思います。
 昭和四十四年に設立をされた宇宙開発事業団法第一条におきまして平和目的が明記をされております。また、同事業団発足を前に行われた国会決議におきましても平和目的、これは私の理解では即非軍事利用でありますが、に限るとされている点は御承知のとおりだと思います。これまでも衆参の本会議、または委員会におきますこの決議に関する質疑はたびたび行われております。郵政大臣といたしましては、いわゆるこの衛星の平和利用、非軍事的利用の決議に関しましては、職責柄十分御認識をお持ちと思いますが、まずこの点を確認をさせていただきたいと思います。御承知なさっておられますね。
#203
○国務大臣(左藤恵君) 国会の御決議ということは我々もよく理解をいたしておりますし、またそうしたことを尊重していかなければならないということは申し上げるまでもございません。
 ただ、今お話の点につきまして、通信衛星というものの性格から見て、軍事とか非軍事とかいろいろなお話がございますけれども、私は、例えば公衆電気通信法というものによって、そこに利用者において差別なく、一般の活動につきまして利用することについて、それが軍事、非軍事とかいうふうなことには関係なくやはり利用されるものであろうと、このように考えます。
#204
○内藤功君 大分先回りして答弁をされたようですが、まずその差別とか何とかと言う前に、この国会決議の平和利用というものに反している場合にはこれは許されないことなんですね。これははっきりさせておかなければなりませんね。うなずいておられるから、これはお認めになるわけですね。
 そこで、大臣の答弁は、ちょっと私の次に聞こうとする質問に先に答えてしまっているわけですから、もう一回軌道に戻しまして、宇宙の軌道に戻しましてお尋ねをしたいと思います。
 自衛隊の通信衛星の利用について具体的にお尋ねしたい。この問題は、我が党の三浦衆議院議員あるいは佐藤昭夫参議院議員からもお尋ね申し上げております。
 まず最初に公社にお尋ねいたしますが、現在千葉県の館山市犬石にある衛星監視制御信号送受信局におきます新たな新設工事についてお尋ねをいたします。
 聞くところによりますと、この犬石馬と硫黄島におきまして、ほぼ時間的に並行して通信衛星に関する工事が行われておりますようですが、これらはいずれも自衛隊の通信回線のものと思うのですが、いつから工事をお始めになったか。その前に、いつ申し込みがあったか、いつ完成を目途にしていらっしゃるのか、工事の目的、内容は概要どういうものか、明らかにしていただきたいと思います。
#205
○説明員(岩崎昇三君) お答え申し上げます。
 先生のお申しになったとおり、私ども現在硫黄島に関する通信回線の工事を実施しております。お申し込みは、防衛庁から本年の八月十日にいただいております。工事の着工でございますけれども、着工は十一月の初旬に着工いたしまして、一応、完成の目途というものを五十九年度末というふうに考えております。
 なお、通信回線の中身でございますけれども、私ども、お申し込みをいただいている回線の中身につきましては、とのお客様のものについても一般的に公開しないということにしておりますので、防衛庁の方からお聞きいただければありがたいというふうに思います。
#206
○内藤功君 この点、防衛庁に。防衛庁来ておられますか。
#207
○説明員(大越康弘君) お答えいたします。
 硫黄島に所在します自衛隊の部隊の任務の円滑な遂行及び隊員の福利厚生のため所要の通信を行う必要がありますけれども、現在これを知波で通信をしているため、電離層の状況等によりましてはうまく通じないということもありまして非常に不安定でございますので、確実、安定な通信ができるよう、公衆電気通信役務の提供のための通信回線の設定をお願いしたところでございます。
#208
○内藤功君 防衛庁に確認しますが、八月十日に申し込みをされたという事実は間違いありませんね。
 その確認と、もう一つは、黒電話、一般電話、これが何本で、専用回線は何本申し込まれたのか、この点を具体的にお答えいただきたい。
#209
○説明員(大越康弘君) お答えいたします。
 本年の八月十日に電電公社の方に申し込みを行いました。
 通信回線の数でございますが、加入電話は四回線、専用回線は十四回線でございます。そのほか、公衆電話を三本ほどお願いしてございます。
#210
○内藤功君 そこで郵政大臣にお伺いいたしますが、今お聞きのとおり、防衛庁は、電電公社に対しまして一般電話、専用回線の加入を申請した、公社はそれに応じて工事に取りかかっておると。私はこのことに疑問を感ずるわけなんです。
 先ほど大臣は、国会の平和利用の決議というものは尊重する、また承知しておると、こういう御答弁がありましたが、そうであるならば、私が先ほど紹介しました、国会の衆参の委員会などでたびたびこの点は問題になっておりまして、その都度、例えば前郵政大臣の奥田大臣は、「国会決議の解釈は国会で決められる、」「本件が目下議院運営委員会に検討中で推移しているということも承知」をしていると。これは、ことしの五月十日の衆議院内閣委員会での奥田前郵政相の答弁でありますね。それから、自衛隊の衛星利用は「国会決議に違反じゃないかという形で今現在ペンディングになっておるわけですから、その扱いの推移を見守りながら対応したいということはいいんじゃないでしょうか、尊重して推移を見守っていくということですから。」と。これは、ことしの四月六日の逓信委員会での我が党の佐藤議員に対する答弁です。私、これを調べてここへ持ってきたんですが、こういうふうに答えておられるんです。
 つまり、衆議院議院運営委員会にこの解釈などについてペンディングになっていた、お預けになっていると、前大臣の答弁でここまでは争えないんですよ。にもかかわらず、電電公社にこの時期に工事を、一方的な解釈と言っていいですね、それに立って実行させたということは、私はこの決議、その解釈が国会の議院運営委員会のところで話し合っている、話し合ってまだ結論が出ないという段階で強行することは、これは国会決議の尊重という点から見ていかがなものであろうか。これはひとつ、あなたも衆議院議員でいらっしゃいますから、国会決議というのは何よりも尊重しなきゃならないという立場から見て、これは非常に問題があると思うんでございます。私、今ここでまず解釈を、非軍事、軍事の解釈じゃないんですよ、その前の問題として申し上げているわけです。これは一体どっかでもって、衆議院の議院運営委員会にかかっているんだけれども、いやこの解釈は別としてこれでいこうじゃないか、これで疑義がないからいこうじゃないかということを決めてやったようなことがあるんですか。あるいは郵政大臣の腹でもって、これでいこうということで決めたというようなこともあるんですか。それがなきゃ、これは国会軽視ということになるのじゃないんですか。国会無視ということになるのじゃないんですか。私はこの点で疑問を感ずるわけなんですよ。国民のためにやはりあまねく電波の供給をして公共的なお仕事を持っておる公社、それを監督されるのが郵政大臣でございますから、こういう国会決議の尊重は非常に僕は重視するがゆえに、今の点を強く疑問に思うんですが、どういうふうにお答えになりますですか。
#211
○政府委員(澤田茂生君) 電電公社の業務といたしましては、申し込みがございました場合には、これは差別をしたりとか拒絶するというようなことはできないということになっているわけでございまして、現在CS2を用いまして公衆電気通信業務というものをやるということ自体は、これはまさに公社の業務の一端でございまして、その業務の一端を遂行する上で法律にのっとり業務を遂行して、申し込みがあった者に対してこれに対処するということでございまして、国会の決議は国会の決議として私どもはこれは当然尊重すべきものと、この点についてはいささかも私どもも疑念を挟むものではございません。しかし、実際の業務の執行ということになりますれば、法律もこれはまた守らなければならないというのが私どもの立場でございます。
   〔委員長退席、逓信委員会理事片山甚市君着席〕
いずれも国会でお決めいただいたものでございまして、その間に矛盾することはなかろうというふうに私どもは理解をいたしておりますし、国会でもそういうことについて御判断をいろいろおやりになっている、これからやろうとしておられる、お預かりになっていただいているということも承知をいたしておりますけれども、その御判断が出るまで、私どもとすればこれは相矛盾するものではない。同じ国会でお決めいただいたもの。そして、私どもは業務を執行するに当たりましては法律に、これに基づいてやっていかなければならない立場にあるということでございまして、そのように業務というものを取り運んでいる、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
#212
○内藤功君 ところが矛盾するんですね、その答弁では。結局、平和利用の決議に反しているもの、これはもう認めるわけにいかないんです。平和利用の決議に反しているものと反していないものとの間にはこれは平等、公平はないんですよね。これはないんです。そうすると、じゃ平和利用決議に反しているかどうかという問題に戻すと、さっき防衛庁通信課長が言われましたように、硫黄島に駐屯する部隊の任務遂行のためということをこの通信回線の目的のしょっぱなにおっしゃった。僕はそのとおりだと思います。任務遂行、これはまさに軍事目的じゃないですか、これは。私は六月の二十八日に内閣委員会の各位と一緒に硫黄島基地隊に委員会から派遣されて調査に行ってまいりました。ここには部隊、海上自衛隊、航空自衛隊がおって、全部資料をもらってきましたが、全島これ自衛隊の基地であります。島民が帰りたいと言っても帰らせないんですよ。帰れないんです。自衛隊以外の人は、みんな自衛隊の仕事をやる人ばっかりなんです。この任務遂行のためにやる通信回線というのは、まさに軍事じゃないんですか。それとも、軍事の中にも許される軍事と許されない軍事があるとでも言うんですか。ここのところはもうはっきりしていると思うんですね。どういうふうにお答えになりますか、その点は。
#213
○政府委員(澤田茂生君) 公社がこの回線というものを設置する、そしてその目的は公衆電気通信業務を行うということでございまして、公衆電気通信業務を行うために衛星を利用するということでございますので、これは軍事とかなんとかというものには全くかかわりのないものだと、こういうふうに理解をいたしております。
#214
○内藤功君 これじゃ、もう全然答弁になりませんね。私は、この自衛隊の部隊が具体的にどういうふうにここにいるか。今訓練基地だけれども、これは十一月十三日の新聞、トップ記事ですけれども、将来これは本格作戦基地に持っていくと。ますます軍事の色彩が強くなります。薄まるんじゃなくて強まるんですね。こういう記事もはっきり出ている。これが軍事でなくて何ですか。どうしてこれが非軍事利用か。これは郵政省だけ責めるのは酷な気がするが、大臣はどうお考えになりますか。大臣、お考えないですか。あなたの答弁、同じじゃないですか。
#215
○政府委員(澤田茂生君) 同じ答弁を繰り返させていただくことになろうかと思いますが、公衆通信業務として衛星を利用しているということでございまして、この限りにおきまして、これはまさに公社の業務というものは軍事的利用というものとは私どもは関係のないことだというふうに考えておるところでございますので、先生の御指摘には当たらないものというふうに理解をいたしております。
#216
○内藤功君 あなたの答弁の方が失礼ですが当たりませんよ。これは繰り返しになりますから、何回繰り返しても局長の答弁はそれだけです、大臣からお答えないと。お答えないですか。
#217
○国務大臣(左藤恵君) 私も公衆電気通信というものをお預りする立場からは、公衆電気通信法という法律に基づいてみんな公平なサービスをしなければならないと、こういうふうに考えるわけであります。そして、その公衆電気通信を行うための通信衛星を利用するというふうに理解をいたしております。
#218
○内藤功君 全然納得できませんね。これは幾らでも資料がありますから、硫黄島の部隊がどういう部隊かということを、私時間があれば幾らでも読み上げてやりますけれども、よく勉強していただきたいと思うんです、これは。また、予算委員会その他でもお聞きしなければいけない問題だと思います。
 最後に、私は各位からも御質問がありましたが、東京山田谷のケーブル火災問題につきまして、ぜひともお聞きしておきたい問題があります。
 私も現地に調査に入り、また電電公社、郵政省に直接伺いましていろいろお願い申し上げたんですが、まず公社並びに郵政省は本件のケーブル火災の被害総額を幾らと見積もっているか、これを伺いたいんです。
#219
○説明員(福富禮治郎君) 私どもの受けた被害総額は約十億円と推定しております。
#220
○内藤功君 私の質問が簡単だったんで誤解されているかもしれませんが、つまり電電公社の受けた被害じゃないんです、私の聞いたのは。これによる一般住民の、世田谷区、目黒区を中心とする、あそこでもって中華そば屋をやっている人が出前が来なくて本当に困った。ガス修理業の人が本当に十日間で四十万も損をした。もういっぱい私、材料をここにもらってありますよ。そういう方の被害を、住民の、利用者の被害を幾らと見ておるか、こういう質問なんですがね。これが十億円ですか。
#221
○説明員(神林留雄君) お答えいたします。
 私ども、先生も御存じかと思いますが、今回の世田谷の皆様方に御迷惑をかけたことに伴ういわゆる損害賠償、この扱いにつきましては、法の建前どおりいきますと住民、お客様から御請求をいただいてこのぐらい被害をこうむったからこれだけ賠償してくれと、こういうのをいただきまして、それに従いまして法律の規定、これは百九条でございますけれども、五日間以上の場合五倍を限度としてお払いする、こういう法の仕組みでございます。しかし、今回これを最大限に私どもお客様のお手数を煩わさないということを頭に置きまして、特に手続面では一切そういった、私どもお回りしてお聞きしたりはいたしましたけれども、全体的には特に損害金額ということをとらないで、法の最高規定の被害掛ける五倍という格好でいたすことにいたしましたので、結論を申し上げますと、一々申し立ていただいておりませんので、住民の方々がどれだけいわば被害といいますか、得べかりし利益といいますか、こういったものをこうむられたかという点は特に把握する資料がございませんので、どのくらいか、ちょっとお答えすることは難しいと思います。
#222
○内藤功君 これだけの事故ですから、これは調べる方法は区役所に頼むなりいろんな方法があると思うんです、幾らでもね。被害額を真剣に知ろうとしないということについては、やはりこれは十分反省あってしかるべきものだと私は思うんですね。
 次に、融資の問題ですが、大臣は閣議で関係各当局に緊急のつなぎ融資を要請したと。さらに国会の答弁を拝見し、また私が本社へ行って関係の方にいろいろお聞きしましたところ、さらにもう一度いろんなつなぎ融資をということで関係方面に言われたといいますが、どういうふうにこの点努力をされたか、またされるおつもりか。私も現場の世田谷区長その他に会いまして、一番今、現場の人として困っていることは何かと聞きますと、これは業者救済だと。特に融資それから補償額あるいは税金の減免という問題だということを強調しておりますが、この点どういう努力をされたか、この点を伺います。
#223
○国務大臣(左藤恵君) 今回の事件は、大変そうした被害を受けられた方にお気の毒な申しわけのない事件であったということでございますが、十一月の二十日の閣議で関係の省庁の御協力を要請いたしました。今御指摘のとおりでございます。
   〔委員長代理片山甚市潤退席、委員長着席〕
 その具体的な方法といたしまして中小企業庁あるいは東京国税局、そしてまたもちろん都、区、そういった地方公共団体、それから国民金融公庫とか中小企業金融公庫とか、そうしたところで何か特別融資というふうな形のものをお願いできないかということについて協力方を要請したわけでございます。災害としての特例措置を適用するということが非常に難しい問題があるようでございまして、なかなか具体的にそうした団体の方からは被害の態様が非常に一様でない、非常に複雑な問題がありますので、そうしたことについて被害を受けられた方から個別的な申し出があればその相談に応じたいという気持ちを皆様方持っていただきますけれども、例えば激甚災害の適用とかいうふうな形のものはなかなかできないというふうな各団体の御意見でございました。しかし、我々としましては、今申しましたようなことで適切な救済措置が講じられるように御要請を申し上げたところでございます。
#224
○内藤功君 ところで災害に対する被害補償の問題ですが、これは毎度言われているように基本料金の日数分、最高で五倍、大体平均で三千円ぐらいにしかならぬそうですね。この金額の不合理なことは、もう多くの方が指摘しているとおりです。我々は反対ですけれども、これから民営を目指そうとしていろいろ動きをやっておられる。こういうふうに民営になった場合に、もっとこの住民に対するサービスというものは軽くなってくるんじゃないのか。今、国会の相当厳しい監督のある公社の時代でなおこうだ、民営になったらもっとこういう被害に対する態度が悪く変わってくるのじゃないかという声も私は聞いておるんです。ここらあたりは、現在の問題のみならず将来に向けてこれらの規定についてはどういうふうに考えていくか、見直し、改正という点についてはどんな努力をしているのか、あるいは何もしてないのかという点をお聞きしたい。
#225
○国務大臣(左藤恵君) 細部につきましては局長から御答弁申し上げると思いますけれども、基本的な問題といたしまして、現在の公衆電気通信法というものが公社発旭以来ずっとその形で参っておりますということで、今お話しの点につきましていろいろ問題があるということは御指摘のとおりでございます。しかし、新しい会社になりました場合には、この公衆電気通信法というものがなくなってしまいます。そして、今度の形といたしましては契約約款によって、それを郵政大臣が認可することによりまして、そして新電電会社とそれからお客様との間のそうした関係というものが規制されることになりますので、その契約約款が提出された段階におきまして我々は十分検討をさしていただいて、補償の形がどういうふうにあるべきかということについて今から勉強いたしておきまして、そしてその段階におきまして適切な方法に持っていきたいと、このように考えておるところでございます。
#226
○内藤功君 これは利用者の立場を考えるならば、この現行規定の見直しはもう当然必至だと思いますね、制定当時から多くの日数がたっているんですから。このことを強く要望しておきたいと思います。
 ところで、時間が余りないということなので最後の質問になるかと思いますが、私は今の公社制度のもとで山がりなりにも、不十分にも国会と国民の非常に直接的な監督下に、私は逓信委員の専門ではありませんから素人論になるかもしれませんけれども、置かれてきたと思うんです。ところが、民営になった場合に、例えば日本の企業、特に大企業ですね、それからアメリカの巨大企業、これらを通じてアメリカの軍事、政治の力というものがこの日本の神経とも言うべき通信産業に参入、介入してくることはもう必至である。結局、日本国民の国会を通しての監督の力が弱まって、この営利第一主義の日米の大企業が参入してくる、さらにその後ろにはアメリカの軍事、政治当局も立っている、こういうおそれを私は非常に感じておるので心から憂えるんです。これをある人は通信の主権の問題と言っておるのは、私は共感できる問題だと思うんです。私は公社の現状というか枠はこのままにして、そして営々として職員の皆さんが築いてきた技術ですね、すぐれた技術者がいるわけですから、それから組織、人材というものを活用する。悪いところはもうどんどん直したらよろしい。それは直す。しかし、それは公社の枠でやっぱりやっていくべきで、やれるんです。それから働く一線労働者の権利を守り、中間管理職、苦労している人の意見を尊重してやる、そういうふうにしていけば何も民営に今する必要も理由もない。この動きは、今何日に採決なんといううわさもある時期ですけれども、私は最後までこれははっきりと申し上げて議事録にはとどめておかなくちゃいかぬと思って申し上げるわけなんであります。しかも、八二年五月の臨調第四部会の報告で、まさに突如この民営化が打ち出されたんでしょう。利用者、国民、働く職員、関連ある中小企業や下請の人の意見も十分聞いたと言えないでしょう。一方的な既成事実をつくってきた。さっきどなたか委員の方がおっしゃったが、公共財産の侵奪だというのも私は決して言い過ぎじゃないと思います。国鉄の場合は赤字が確かに出ているんです。ただ、あの赤字論に入ると長くなりますけれども、電電の場合は赤字はないんですからこのことも言えない。それからこういう先端技術というのは同時に最新の軍事技術なんですね。ですから、先端技術の平和利用を保障するためにも、私は公社形態を貫くのがいいと思うんです。
 大臣、最後の質問になりますが、こういう衛星を含む高度の先端技術を保有し開発し運用する公社というものは、この平和というものについては特にやっぱり敏感でなきゃならぬと思うんです。というのは、もし軍事に道を自由に開いたならば、軍事の立場からすれば、この先端技術は一番使いやすいですから、どんどんどんどんそれを利用していくことになるんです。歯どめをかけるその一つが僕は、さっきの国会決議だと思うんですね。ですから、科学というのは。万人の幸せと文明の進歩のために使うべきである、特に先端技術は。そのために軍事的な利用をしないということが大事だと思うんですけれどもね。この点、郵政大臣として、また閣僚のお一人としての御見識が私は失礼ですが問われていると思います。この点についての御所見を伺いまして、質問を終わりたいと思います。
#227
○国務大臣(左藤恵君) 今お話しのような、例えば通信衛星とか光ファイバーとかそうした利用でございますが、電気通信分野におけるいわゆる先端技術の利用という問題につきましては、これは高度情報社会を構築して国民の福祉を一層増進していくという立場で考えるべきことであるということでございまして、そうした普及発展に今後とも努力をしなければならないと考えております。電気通信分野の先端技術が人類の文明、平和のために活用されるように今後とも努力をしなければならないと、私はこのように考えております。
#228
○柄谷道一君 私たちが二十一世紀を展望いたしまして国家の存立と発展を図っていくためには、情報資源の生産流通、利用のための社会基盤としての電気通信、特にエレクトロニクス技術の技術革新を背景とするニューメディアがその先導的、中心的役割を担うことを要請されていると思います。このことに関しては多くの議論をする必要はないと思うわけでございます。そして、電電公社が今日までその基礎的、先端的技術の研究開発に尽くしてまいりました努力と貢献について、私は高く評価する者の一人でございます。
 そこで、電電公社の民営化に当たりまして若干の質問をいたしたいと思います。まず、電電公社が民営化した後の研究開発投資のあり方でございますが、競合会社ができるということを考えれば、従来の基礎研究から実用または応用研究にそのシフトが変更されるおそれがないかという懸念を抱くものでございます。郵政大臣及び公社総裁としての見解を明らかにしていただきたい。
#229
○国務大臣(左藤恵君) 先ほどもお答え申し上げましたとおり、郵政省といたしましては新しい電電につきましても民営化後、研究開発を一層推進していただくということは期待をいたしておるわけでございますけれども、先ほど申しましたとおり、基礎研究ということは大変お金が高くつきますし、そして長期間の研究を必要とするし、商業ベースに乗りにくいものであるということでございます。そういうことで、御指摘のように新規参入の会社が入ってくるということになりますと、やはり新電電につきましても過度の役割を幅広い基礎研究まで求めるということには無理があるのではないか、まことこのように思います。そういう意味で、国の責任で何かこの基礎研究について推進をしていく方法がないかということでいろいろ検討いたしておりまして、その一つの案として電気通信振興機構のようなものが考えられないかということを今検討いたしておる段階でございます。
#230
○説明員(真藤恒君) 私どもは、たとえ民営化に変わりましても、私どもの企業全体の日本の国内における立場、また国際的な技術面における立場ということを考えますと、民営化になったから競争の原理だけということを考えて、長い間研究してまいりました基礎的部分を簡単に方向を変えることは許されないと思っています。それは国のためにも許されないのは当然でございますが、我々企業の存続のためにもそういうことをやったら大変なことになると思います。この基礎研究というのは一朝一夕ででき上がるものじゃございませんで、組織と設備と人間の長い間の研究の蓄積というものが合理的に行われてこの基礎研究の底力というものが出てくるものでございまして、簡単に設備をやって簡単に人を集めたらすぐかなりの基礎研究ができるかというと、とんでもない話でございまして、研究開発の基礎部分というものを軽々しく経営形態が変わったからどうのこうのというふうにやるということは、日本のためのみならず、現在の私どものレベルからいきますと、世界的な問題にもかなりの影響を与えるぐらいのところまで実力としては来ておると思いますので、そういう考え方で現在こういう法案の御審議をいただいておる中で今後の基礎研究をさらに強化する研究所のあり方、投資のあり方ということを具体的に研究を進めておる状態でございます。
#231
○柄谷道一君 基礎研究に関しては、郵政大臣は、基礎研究を一民間会社にのみゆだねることは酷ではないか。総裁の方は、国益のためにもまた会社存立のためにも基礎研究に力を置きたい。若干の認識の相違があるようでございます。
 そこで、電電会社法案第二条では、新電電会社に対して基礎的研究の推進及びその成果の普及ということを義務づけております。これは大臣に率直にお伺いいたしますが、単なる期待、訓辞規定なのか、それとも担保措置があるのかどうか、お伺いいたします。
#232
○国務大臣(左藤恵君) 会社法案の第二条の規定でございますが、これは電電公社のすぐれた技術陣、ノーハウをそのまま引き継いでまいります新電電会社が民営後も研究開発を推進するということで、また、そしてその成果を普及すべきであるということを責務として規定した規定でございます。そういった意味におきまして、直接それの実施を担保するという今御指摘でございますが、これはそういう具体的な問題はございませんけれども、本条の規定はそうしたことを期待した規定であるということでございますし、事業体において先ほど電電公社の総裁もお話がございましたけれども、主体的、積極的に取り組んでいただけるもの、このように期待をしておるところでございます。
#233
○柄谷道一君 ただいま期待をするという御答弁でございましたが、それでは大臣は新電電会社に対しまして第二条に基づく基礎的研究め方針やそれに投資すべき金額等について行政指導を行う気持ちはない、こう理解してよろしゅうございますか。
#234
○国務大臣(左藤恵君) お話しの点につきまして、これはやはり一つの新会社において自主的に、積極的に取り組んでいただけるもの、それが基本である、こういうふうに私は考えておるところでございます。行政指導をやっていかなくても、先ほどお話ございましたようなことが的確に行われるものと、このように我々は考えております。
#235
○柄谷道一君 それでは新電電会社発足後、従来電電公社は民間企業との随意契約による共同研究開発方式をとってこられましたが、それは従来どおり持続すると理解してよろしいかどうか。またその比率は、今後従来どおりの比率を保つのか、漸減の方向をとるのか、これを微増していくのか、その方向についてこれは総裁の方から明らかにしていただきたいと思います。
#236
○説明員(山口開生君) お答えいたします。
 技術開発の過程におきます共同研究につきましては、従来からも電電公社の研究所は研究をやっておることはやっておりますが、それの製造工場を持っておりませんので実用化の過程で製品に仕上げるという技術は持っておりません。したがいまして、民間の企業と共同開発を行いまして電電公社で研究したものを実際の実用化に移す、こういうことをやっております。その過程で共同研究開発というものがあるわけでございまして、したがって新会社になりましても電電公社新会社は製造部門を持たないわけでございますので、従来と同様に共同研究開発は行っていくことにしております。
 なお、その量につきましては、私どもがこれから研究開発というのは広く深く行うことが要請されますので、ますますふえていくというふうに考えております。
#237
○柄谷道一君 新会社は、一方では、基礎的研究やその成果の普及という公共性を担っております。他方では、新規参入業者との競争を行うことが求められているわけでございます。このような状態の中で、研究開発の成果である特許等の公開に当たりまして、ロイヤリティーについていわゆる採算を考れば、これを積極的に収入源にするという考えが浮かんでまいります。また、逆に普及ということに重点を置けば、これを低く抑えてより大きく成果の普及を図るという方向があるわけでございます。どちらの方向をとろうとされるのでございますか。
#238
○説明員(山口開生君) 従来からも電電公社は研究開発いたしたものの特許につきましてはこれを公開しておりますし、あるいは公開以外でも各種の学術会議あるいはシンポジウム等でこれを公開してまいりました。今後におきましても同じ過程をとるはずでございますし、その際におきます対価につきましては、高いとか低いとかということよりも適正な価格で要望に応じたいと思っております。
#239
○柄谷道一君 郵政大臣、郵政省は本年八月に「昭和六十年度電気通信政策の推進についての基本的考え方」というのを発表しておられます。「ニューメディアの振興」「電気通信技術開発の推進」「宇宙通信の開発、利用の推進」「放送の普及と多様化」「電波利用の助成、促進と周波数資源の開発」「国際化への対応」この六本が柱になっているわけですね。そこで、こうした六十年度の基本的考え方を推進しようとすれば、これは長期にわたって安定的な多額の資金を必要とすることは否定できないと思うわけでございます。また、今後の競争体制下の電気通信事業におきましては、基礎的技術の研究など民間によることが非常に難しい分野が生じてくる。また、直接または短期間で収益に結びつかない研究という分野も出てくる。
 そこで、大臣は、それらのすべてを民営化された新会社に押しつけることが妥当かどうか、こういう考え方に立って生まれたのがいわゆる電気通信振興機構の発想であろうと思うのでございます。これはまだ閣内においても意見の一致が見られていない問題でございますが、これ以外に発表された基本的考え方というものを推進する、いわゆるこれは一つの方法とさきにお答えになりましたね。二つ三つの方法というのは、手持ちがあるんですか。
#240
○国務大臣(左藤恵君) 今御指摘のような電気通信の基礎技術というようなものを進めていく一つの方法といたしまして申し上げましたが、電気通信振興機構という形で出資するということで、私どもの今の考えといたしましては財団法人電気通信基礎技術研究所、仮称でございますが、そういったものを設置して産学官の共同研究とか、あるいは国際共同研究とか、そういったものを基礎技術について進めていきたいと、こういうことも考えておるわけでありますが、その電気通信振興機構につきましては、御指摘のとおりまだ閣内で一致した意見がございませんし、これはまだ予算を編成する段階におきまして討議していきたいと思いますが、お金をどうしたところからこういったところに出していくかという問題で今論議をしておるところでございまして、いずれにいたしましても我々といたしましては、そういった基礎研究所を設置するということがこの基礎技術を進めていく上の目的である。このように目的といいますか、手段としては、これはひとつ私としてはどうしてもやっていただきたいと、こういうことを念願しておるものでございます。
#241
○柄谷道一君 私は、郵政省が打ち出している電気通信振興機構をどうするかという問題については、例えばその目的は何か、どの程度の基金を必要とし、平年どの程度の運用利益を事業に充てようとしているのか、その内容が妥当であるのか、またその事業が貿易摩擦を生むおそれはないのか、さらに機構の業務の三本柱の一つである「基礎技術の研究」と、新電電会社が機構の出資を受けてつくる電気通信基礎技術研究所の関係はどうなるのか、既存の電電研究所とのかかわりは一体どう解明されるのか、また機構の行う業務の二つ員の柱である「地域振興」に関して、情報通信機能の東京への過度の集中がもたらす非常災害時の問題について具体的にどう対応していくのか、さらに電気通信審議会の非常災害時の通信確保に関する報告書によりますと一兆五千億円の資金を必要とすると、こううたわれておりますけれども、世田谷電話局洞道火災に見られたように、高度情報社会の持つ脆弱性に対処するためにケーブルの全面的な不燃化対策、デュアルシステムの完成、これを考えれば膨大な資金を必要とするけれども、これとこの機構とのかかわりはどうなるのか、さらに「国際社会への貢献」という第三の柱について一体どのような事業を行おうとしているのか、さらにはこの機構設置と行政改革の関連がどうなのか、多くの質問を私はしなければならないわけでございます。それらを見た上で最終的な判断が行われるべきだと私は考えるのでございますが、本日は時間の関係で、そのすべてについて与えられた四十分で質問を行うことは不可能でございます。
 改めての機会にこのことは質問したいと思うのでございますが、ただ一点伺いたいことは、本法が高度情報社会への対応を目的とする、こううたわれている以上、私は郵政省がそのような発想を持っているとすれば、電電三法とともに機構も含めていわゆる電電四法としてセットして、国会に今後の電気通信事業のあり方に対する方針を示すということが筋ではなかろうか、こう思うわけでございます。三法を出し、あとの問題はこれからというのではちょっと片手落ちではなかろうかと思うのでございますが、どうしてセットで出せなかったのか、率直にお答えいただきたいと思います。
#242
○政府委員(澤田茂生君) ただいま御提出をいたし御審議を承っております電電三法、これはまさにこれからの高度通信社会形成のための形づくりといってもよかろうかと思うわけであります。私ども今いろいろ検討をし関係の向きと折衝をいたしております電気通信振興機構等の構想につきましては、これはただいま御審議をいただいております。その形づくりの三法と、むしろその中身と申しましょうか、魂をつくるべき性格のものであろうというふうに思っておりまして、提出の時期といたしますれば、先生御指摘のように四法を一緒に出すというのが本筋であったのかというふうに今反省をいたしているわけでございますが、しかし電気通信の重要性というものを考えた場合に、一刻も早くこういった形についての整え方というものと同時に、魂を植え込んでいく振興機構等の構想についても、できるだけ多くの御理解をいただきながら実現をさしてまいりたいということで目下努力をいたしているところでございますので、御理解を賜りたいと思います。
#243
○柄谷道一君 第四の法律が魂を入れるためである、こう言われるならば、今の三法は魂なき法案だと、こう逆に返ってくると思うんですね。
 私はここで大蔵大臣にお伺いしたいんですけれども、大蔵大臣も、情報通信が我が国の経済社会発展の基礎であって、情報通信分野における基礎的、先端的な電気通信技術の研究開発が必要であるということについては御異論がないと思うのでございます。本年、五十九年一月三十一日の電気通信審議会の答申にもそのことが強調されておりますし、三月十三日に経団連から出されました意見書にもそのことが強くうたわれております。また、今後新会社に移行した後も、この分野での研究開発能力が低下することは国益上も大きな問題であるという認識も大蔵大臣お持ちだろうと思うのでございます。また、衆議院逓信委員会も、このような趣旨にかんがみまして、その附帯決議で「政府は、我が国の通信主権を守り、先端的な電気通信技術の開発を進め、国民経済、発業の発展に寄与し、国際競争力の激化に対応するものとする。」ということを政府に決議として求めているのでございます。
 こうして考えてまいりますと、大蔵大臣は郵政省当局の今打ち出しておりますこの機構の新設について消極的な姿勢をとっておられると私は受けとめているわけでございますけれども、大蔵大臣としては一体どのような方策で財源を確保し院の附帯決議の趣旨を生かしていくとお考えなのか、明らかにしていただきたいと存じます。
#244
○国務大臣(竹下登君) この院の附帯決議がございますことも十分承知しておりますし、それぞれ大蔵大臣もこれに対しては、以下述べる意見に対しては異議がないだろうという御指摘も全くそのとおりであります。ただ、これを予算の上でどうして考えるかということになりますと、まさに予算は国政全般の中にあってそれぞれの調整、バランスをとりながら考えていかなけりゃならぬという立場にございます、あえてその機構そのものの問題でお答えしているわけではございませんが。したがって、それらの問題につきましては、私はそれだけの専門家でございませんが、今日までに行われておりますこの現電電公社の研究所とか、そうしたものに対しては大変な評価が高いということも聞いております。それらが継続して基礎研究等々を行われることは最も好ましいことであるし、また科学技術会議等から見ますならば、そういうもろもろの基礎研究こそは、まさに科学技術庁という意味じゃございませんが、科学技術会議等が産官学の調整をやるべきだと、こういうような意見をお吐きになる人もございます。したがって、どの手法が一番いいかということを私に答えると言われてもそれだけの能力の持ち合わせもございませんが、いわば基礎研究というものを、これは電気通信によらず、もとより高度情報社会というのはなおそうでございますが、これの充実ということには乏しい財源の中でも絶えず目を配っていかなければならない問題であるというふうに私は考えております。
 機構ということになりますと、これは今郵政大臣からもお答えがありましたように、予算折衝の段階で国民全体のために国益にいかにということを中心に議論していく一つのテーマではなかろうかというふうに考えます。毎日私も勉強しなきゃならぬものですからいろんな意見を聞きますと、中には、二十一世紀の高度情報社会を考えた場合、とても竹下大蔵大臣の能力でこれをさばくことはできぬじゃないかと、こういうことを言われる人もございますし、また今意見としてお述べになりました問題点の中で、行政改革という問題から見ればいわば逆行するのではないか、こういう意見の方もまたございます。
 財源ということになりますと、今言われておるのは、株式の三分の一を保有して云々ということになりますと、これは言ってみれば、私どもが政府統一見解の中でも申し述べておりますように、国民共有の財産として眺めた場合、それを特定化することはいかがかと、こういう議論もまた出てくるでございましょう。したがって、純粋、財政当局から行革と特定化という問題から見れば適当ではないなと、こういう印象は持っておりますものの、それこそ専門家であります郵政大臣と非専門家であります私との間でも、これから論を詰めていかなきゃならぬことではなかろうか。ただ、抽象的に理解きしていただく柄谷さんのおっしゃるいわゆるこの分野における基礎研究の重要性などというのは、私もそのとおりではなかろうかという認識は持っておるつもりであります。
#245
○柄谷道一君 官房長官にお伺いいたしますが、財政当局もまた郵政当局も電電公社もいずれも、これはまた国会決議がございますから、与野党とも二十一世紀を展望して高度情報社会時代に対応するために基礎的、先端的技術を一層促進していくことは極めて緊要であるということは完全に意見が一致しているんですね。ところが、この電電新法が衆議院を通過いたしまして既に五カ月でございますけれども、それではハウツーということになると、郵政のお考えもある、大蔵のお考えもある、電電公社のお考えもある、さらには民間活力の利用という視点に立つ通産省の考え方もある。またどの道を歩むかということについては、五カ月たっても何ら明確にされていない。これが実態ですね。また先国会で、電電公社の株式売却収入や配当金がどう使われるか、これは基本的問題ではないかということで、しばしば衆議院逓信委員会の審議がストップしたことも官房長官御承知であろうと思うのでございます。そして、それらの審議を踏まえて、我が党の主張も入れられまして、衆議院で株の売却に対する附帯決議というものがなされた。ところが、その附帯決議の読み取り方も同床異夢でございまして、財政当局は財政当局のような読み方をしておるし、郵政は郵政のような読み方をしておる。この基本問題について、なお五カ月を経過してその方針が明らかにされていない。私は、このような状態のまま五カ月を経過して今日に至るも政府としての明確な方針が打ち出せないということは、審議をする我々の立場からすれば極めてこれは遺憾であるとしか言いようがないわけでございます。
 そこで、私はこの際、官房長官に統一見解を求めましても、まだ閣内の意見が一致してないわけですから答えようがないと思うんですね。そこで官房長官として、内閣の束ねとして、電気通信等の科学技術の推進についてどのような認識をお持ちであるのか、この点だけを官房長官に率直にお伺いしておきたいと思います。
#246
○国務大臣(藤波孝生君) 電気通信等に関しまして研究開発が非常に重要であるということにつきましては、今先生の御所論が展開されたとおりであるというふうに思うわけでございます。それぞれの段階でこの問題が取り上げられまして、その重要性が力説されてきておると、こういうふうに思うわけでございます。政府のまとまった態度がなお決定していないではないかということにつきましては、考える立場、見る立場からいろいろ意見もあるものですから、それらがいろいろな角度から今論じられてきておるところでございまして、そういう意味では郵政省が概算要求の中で提案をしておる機構などもその一つであるかと、こういうふうに思うわけでございます。通産省は通産省の考え方も持っておるというようなことで来ておりまして、先ほど来郵政大臣、大蔵大臣からお話がありましたように、予算編成が終了いたしますまでの間に、やっぱりこれらの取り扱いについての煮詰めの作業が進んでいくと、こんなふうに思っておる次第でございます。
 形はどういうことになるかわかりませんけれども、その重要性は十分各方面で認識もされ強調もされておるところでございまして、それらを受けてどのようにこの考え方を生かしていくかということにつきましては、いろいろと予算折衝、編成の中でだんだん煮詰まっていくというふうに思いますので、ぜひそれをごらんをいただきながらまた御指導もいただきたい、こう思うのでございます。
 私個人はどうかということにつきましては、先ほど竹下大蔵大臣は専門家でないというお話がございましたが、私もそれ以上に専門家でありませんので、まだ大蔵大臣はいろいろ概算要求の説明などお聞きになって御勉強もなさっておるかと思いますが、私も非常に不勉強でございますので、こういう席で個人的なことを申し上げることはいかがかと、こういうふうに思いますが、政府といたしまして、総理も非常に高度情報社会に向かって対応していかなきゃいかぬということについては大きな関心を持っておりまして、さきに高度情報社会に関する懇談会といったものもお願いをいたしまして、山下勇さんを座長にいたしまして、いろいろ御意見の取りまとめもいただいてきたところでございまして、これらをよく検討をいたしまして、二十一世紀に向かう我が国の社会、最も大きな政策課題として高度情報社会にどう対応するかということを常に念頭に置いていろんな問題に取り組んでいかなければならぬというふうに思っておりますので、その重要性を大いに認識をいたしておりますということだけ申し上げまして、至りませんが答弁にさしていただきたいと存じます。
#247
○柄谷道一君 この問題の選択をどうするか、これは単に閣内の意見調整を図るというだけではなくて、これは国家百年の大計につながる重要問題であろうと思うのでございます。近く党首会談等も持たれます。各党の意見も率直にお聞きいただいて、我々も勉強して、かくあるべしという意見は改めて申し述べたい。そういう意見を十分に踏まえながら、誤りなき内閣の選択が行われますことを、私はこの際、強く要望いたしておきたいと思います。
 そこで、労働大臣にお伺いいたしますが、非常にシャープな労働大臣で期待いたしております。衆議院の逓信委員会では、政府に対しまして、新電電会社の経営の自主性を尊重し、賃金その他労働条件等労使間の自主決定に介入しないものとするという附帯決議をあえて一文挿入いたしております。労働大臣として、今後の新会社の団体交渉についてどのような基本認識をお持ちなのか、お伺いいたします。
#248
○国務大臣(山口敏夫君) 今、柄谷先生御指摘のとおり、衆議院でもそういう問題が論議されているわけでございますが、当然のごとく労使双方の主体性、主権を尊重して、円満な、円滑な信頼関係の上に基づいた給与、賃金、その他もろもろの雇用条件というものが決定されるべきでありますから、我々としてもそうした立場を存分に尊重して、そうしたことに介入する余地もなければ考えもないと、こういうふうに考えておるわけであります。
#249
○柄谷道一君 郵政大臣と大蔵大臣に、くどいようですが確認いたしておきたいと思います。
 これは現在、公団、特殊法人に関しましては、賃金、賞与等の決定に際しまして、これらは労働三権を持ち、かつ国会に提出されます予算によって決められるものではないにもかかわらず、いわゆる監督権をてこにしまして、内示方式という形における干渉が行われていることは御承知のとおりでございます。私は、公社民営化の一つの趣旨は、経営自主権を大幅に拡大をして、労働条件は労使交渉によってのみ決せられるということにあると思うわけでございます。今回の新会社は公団でもなければ特殊法人でもございません。表面上自主交渉を尊重するという形をとりながら、実態は内示等の方法によってその自主交渉に介入するということは全くないと、こう確認しておいてよろしゅうございますか。
#250
○国務大臣(左藤恵君) 自主性を尊重するということは、この法律でもって会社に持っていきます目的でもあるわけでございますので、どうしてもこのことにつきましては厳格に自主性を尊重するという立場をとらしていただく、したがって介入する意思はございません。
#251
○国務大臣(竹下登君) 柄谷さんの御指摘なさいました問題、従来のまあ三公社五現業等々のいろいろな問題について私自身も時にその矛盾を感じますのは、専売、造幣、印刷、そういうもののまさに主管大臣でありながら、一方、国庫大臣としての立場からこれに別の角度の関心を持たざるを得ないということに、みずから顧みてじくじたることが何だびかございます。
 今度の問題ということになりますと、まさに今郵政大臣がお答えされましたように、その本当に自主性の中で物事が決まっていくという方向が、私自身も大変それに期待もかけますし、また、これに対して進んだ干渉がましいことなどということは全く考えてはならない問題だという事実認識をいたしております。
#252
○柄谷道一君 最後に、山口労働大臣にお伺いしたいんですが、新電電会社の労働組合に対する争議行為の制限については、今日まで既に多くの方々から指摘がされております。また、衆議院の段階で三年後の見直しということが明確になっているわけでございます。そこで、郵政大臣は、三年後の見直しとは、この経過的特例措置の廃止という方向でその見直しが行われると理解している旨の一貫した御答弁がされていると私は受けとめております。そこで、これは労働省にこれから所管は移っていくわけでございます。労働大臣としては、特例措置はあくまでも三年限りである、その後は現在の労調法の規定に基づき争議行為の規制というものはされるにとどまるべきであるとお考えであろうと私は思うのでございます。そうでなければちょっと問題は複雑になってくるわけですね。この点に関して、三年後に労働大臣にまだおられるかどうかわかりませんけれども、現労働大臣としてのひとつ認識とお考えというものをこの際明らかにしていただきたいと思います。
#253
○国務大臣(山口敏夫君) 柄谷先生も民間の労使双方の問題の向上に大変な御貢献もいただいているわけでございますが、電電も公共企業体の枠組みの中と言いながら、大変な労使双方の努力で健全な経営をされておる、そういう前提の上での民営移管、しかし公共性ということを考えての一つの見直し規定ということでございますので、総理も廃止も含めてこの見直しを行う所存だ、こういう決意でございますが、私も全くそういう考え方に立ってこれを認識しておる、こういうことでございます。
#254
○柄谷道一君 時間が来たので、廃止を含めてじゃなくて廃止の方向で、こう理解してよろしいか、こうお伺いしているんですが、これだけ確認して質問を終わります。
#255
○国務大臣(山口敏夫君) そういう認識で衆議院段階におきましても論議しておるわけでございますし、私もそう考えております。
#256
○柄谷道一君 終わります。
#257
○木本平八郎君 私は、商工委員として、まず新規参入者の立場というか、そういうものに対する郵政省の扱いという点で質問をしていきたいと思うんです。
 その前に、まずどうもこの国会の論議を聞いておりますと、私逓信の方は余りよくわからないんですけれども、どうもユーザーの立場というものが非常に議論が薄いような感じがするわけです。それで、まず一番初めにお確かめしたいわけですけれども、今度の電電のこの改革法案というのは、まずよいサービス、あるいはより高級なサービス、それをより安くユーザーに提供するということがやっぱり基本でもあり一番の大きな目的じゃないかと思うんです。そのための民営化であり、そのための競争導入だというふうに私は解釈するわけです。ところが、その点が、先ほど直言いましたように少し論議が薄いんじゃないかという感じがするわけです。
 そういう点でまずお伺いしたいのは、この新電電がスタートして、将来――将来というのは五年先か十年先かわかりませんけれども、ユーザーの立場に対してどういうビジョンをお考えになっているのか、どういうことを描いておられるかということを、まずお伺いしたいわけです。
#258
○政府委員(澤田茂生君) 新電電を含めた新しい競争体制におきまして、電気通信の高度化、多様化というものに対応していこうというのが今回の改革のねらいでございまして、五年、十年先というものを展望していかがかということでございますが、私どもがこういう改革法案というものを提出いたしましたのも、技術革新によりましていろいろな通信の夢というものが実現できる可能性が非常に近いものになってきた。極端なことを言いますれば、だれでもが、いつでもどこへ対しても情報を伝達し、また情報を受け取ることができるというようなことが可能になりつつある、そういう体制に少しでも早く社会全体を円滑に対応させていく手段として、その事業を担当する者としての事業体等についての規制というものを今お願いを申し上げているわけであります。そこから出てくるユーザーとしての受け取る分野というものは何か。一つは、多様な、きめ細かい利用者のニーズに合ったサービスというものが、今までは電電公社一社であったということで、お仕着せの、言うならば定食であった、これからはお好み品というものがいろいろできるということでございます。
 じゃ、具体的にどうなんだということになりますれば、最近のニューメディアというようなことでいろいろ言われております。あるいはキャプテンとか、双方向テレビとか、オフィスオートメーションとか、企業体につきましては、事業体の面につきましてはいろいろなものがあろうかと思います。そういった個々のものということと同時に、地域ぐるみでの情報高度化ということもございますし、福祉の面からのアプローチというようなこともいろいろな多彩なものができるであろう、そしてまた、そういうものが選択ということが可能になる社会というものの実現のために努力をしてまいらなければならないし、そういうものを実現しようとするのが今回の改革である、こういう認識でございます。
#259
○木本平八郎君 そのためには、やはり一番いいのは今おっしゃったように競争を入れるということですね。それがないとうまくいかない。
 それで、今アメリカの例だと、大体新規参入というのはまだ七%か八%だということなんですね。七%や八%じゃ、もう競争状況とは言えないと思うんですね。やはりせめて三〇%というか、まあ二〇%ぐらいにはしていかないと競争にならないというふうに考えるわけですね。もしもそういう状況にならないと、将来企業分割なんかの問題がやっぱり出てくるのじゃないかと思うんですね。その辺で、あるいはそういう数字のビジョンをお持ちじゃないかもしれませんけれども、将来、マーケットシェアとしてはどういうふうなのが理想だとお考えになっているか、新電電とそれ以外の新規参入の割合ですね、そういうことを数字があれば教えていただきたいんですがね。
#260
○政府委員(澤田茂生君) どういう程度のマーケットシェアというものが理想的な競争市場であるかということは、なかなか数字で申し上げるということは非常に困難であろうというふうに思います。一つは、これから開放しようとしております電気通信事業というのが、第一種事業という分野と、それから回線を第一種事業から借りて商売をする、いろいろな多彩な商売をする第二種事業というようなことに分かれまして、分けてはございますけれども、サービスとしては両方ともそれぞれいろいろなサービスができるということでございまして、その辺のところのバランスというようなことを何に求めるかということは、今まさにこれからスタートを切ろうという時点で予測をすることは非常に難しかろうと思いますけれども、私どもとしましては、これは一度に花が咲き出しますと一斉に競い合って出てくるのではなかろうかということを期待をいたしておりまして、その中でおのずからいろいろな分野についてのシェア、勢力、またそこにおける企業の発展というものが考えられるのじゃなかろうかということを期待をいたしているところでございます。
#261
○木本平八郎君 それで、二応五年以内に新電電のあり方を見直す、それから三年以内に電気通信事業法の施行状況を見直すということになっておりますね。この際に、ぜひユーザーの立場からも御検討をいただきたい。本当にユーザーのためにうまく役立っているのかどうか、あるいは先ほど言いましたように競争状況が適正に入ってきているかどうかというふうなことをぜひ御検討いただきたいと思うわけですね。ただ単に、新電電がうまくいっているからいいということじゃやっぱり困ると思うんですけれども、その辺はいかがでございますか。
#262
○政府委員(澤田茂生君) まさに先生おっしゃるとおりでございまして、新電電が電電公社から株式会社に変わった、会社だけが非常に自由に伸び伸びやっておる、サービスはちっとも変わらないということでは、これはむしろ改悪になったということになるわけであります。しかし、私どもそういうことで見直しをしようということではなくて、もちろん新電電もそれなりの法の目的、ねらいとするものに全力投球するであろう、と同時に、足並みをそろえていろいろなサービスというものを掲げるということで新規参入というものが出てくるであろうということを期待いたしておりまして、そのスピードというのが非常に速いであろう、今日想像しているよりも速い変化が起こるのではなかろうか。そういうことで法的にも、もちろん法ができますれば絶えず見直しということはしなきゃならないわけでありますけれども、法律上もそういうことを義務づけているということでございます。
#263
○木本平八郎君 非常に皆が競い合って入ってくるだろうというふうな見通しもあるわけですけれども、一方常識的に考えてみますと、今の新電電のこの巨大さというのは大変なものだと思うんですね。アメリカのATTだとかあるいはブリティッシュテレコムですか、ああいったケースを見てみましても、なかなか新規参入は大変だろうと思うんです。新電電の立場としては、なるべく競争者は少ない方がいいわけです。しかしながら、競争者が入ってこないと、ロングランに考えると企業というのはやっぱりうまくいかない、これは真藤総裁が一番御存じなことなんですけれども。
 そういうことで、当面これは非常に難しいと思うんですけれども、ぜひ積極的に新規参入者が入ってくるように、競争状態が出現できるように、ぜひ御指導いただきたいんですね。その辺で、やはり郵政省がもう中心になると思うんですね。将来の電気通信業界のビジョンはこういうふうにあるべきだと考えていただいて、それに基づいてあらゆる指導をしていただきたい。したがいまして、例えば料金の認可、これも一律みんな同じ料金にした方がいいのか、少し初めのうちは差をつけて新規参入をしやすいようにした方がいいのか、あるいは周波数の割り当てなんかも、今はもう電電が当然既得権で一番使いやすい周波数は押さえちゃっている。ところが、使っていないところは積極的に民間に開放させるとか、いろいろなことでもって積極的な育成を考えていただかないと、このままじゃもうガリバーもいいところで、みんな者どもをけちらかして進んでしまうという感じがあるわけですね。その辺、ちょっとお伺いしたいと思うんですが。
#264
○政府委員(澤田茂生君) ただいままでは、今日もそうでございますけれども、電電公社が電気通信分野、公衆電気通信についての独占体制であったということでございますので、公衆電気通信回線というものを確保するために、電波の割り当てというようなものにつきましても最優先という形で行ってきたところでございます。
 これからの競争状態における波の使用というようなことにつきましても、有効な競争市場というもの、そして公正な競争市場というものが確保できるような動点から、いろいろな角度からの検討をしなければならないだろう。また、金融財政上の優遇措置というようなことも、あるいは税制上の優遇措置というようなことも、これは検討していかなければならない課題であろうなと。あるいはまた、衛星の利用というような観点につきましても、これが新規参入者にとっても利用しやすいような形の制度、仕組みというようなこと等いろいろ考えなければならない問題がございます。ねらいとするところは、有効な、公正な競争市場の実現ということでございますので、その点を踏まえながらいろいろ検討さしてまいりたいと思います。
#265
○木本平八郎君 最後に電電公社にお伺いしたいわけですけれども、附帯業務として将来機器の製作、販売もおやりになるおつもりがあるのかどうか、今予定がないとおっしゃるかもしれませんけれども。この問題は、今の電電公社の力とそのマーケット、それから需要から見たら、民間が非常に圧迫を受けるんじゃないかという気もするわけですね。その辺は、少し慎重に御検討いただきたいと思うわけです。
 それで最後にお伺いしたいのは、電電公社としては今後やはり郵政省の行政指導もありますけれども、こういう電気通倍業界をリードしていくというか、それはやはり新電電だと思うわけですね。したがって、余り優越的な地位を乱用してとか、そういうことじゃなくて、横綱相撲で受けて立って、業界ともどもに栄えていく、世界の業界に伍して日本の電気通信業界が栄えていくというふうにお考えいただきたいと思うんですが、その辺、どういうふうに電電公社でお考えになっているかということを伺って、私の質問を終わります。
#266
○説明員(真藤恒君) さしあたりは、この法案が成立して、予定どおり四月一日から今の御質問のような行動を起こすことができるようになるわけでございますが、さしあたり、とにかくふなれなことでございますので、いきなり大きなスケールで出発しようとは考えておりませんで、地域別にモデル地区的にスタートいたしまして、できるだけその地区の業者の方々と協調できる、あるいは場合によってはジョイントベンチャーの新しい組織をつくりながらというふうなこともできるだけ努めていきたいと思います。
 ただ、今度は国全体が、端末機が自由化になりますので、田舎の方は仕事にならぬ、もうからぬからほうっておいてもいいやというわけには私どもの立場として相なりませんので、そこら辺を私どもの組織自体がやはり必ず責任を持たなきゃならないと思いますので、組織自体の中でやるということも、どうしても現状に即して考えますとほったらかすわけにはいきませんのでやらなきゃならぬ。都会地での自由業として成り立つところは、じゃどうして既存の業者、あるいはこれからやろうとなさる新しい業者と協調していくかということでございますが、ちょっと時間がたちますピ、数年たちますと、このマーケットの性質が性格的にがらっと変わると思うのです。と申しますのは、今度は電気通信設備の使い方が二種業種として自由になりますので、二種業種として自由になるということは、使い方に二種業種おのおのの技術的特質がなければ二種業種というものは経営にならないと思う。ということは、そういう二種業種の方々のお使いになる端末機というものは、それなりの特有の性能を持ったものをお使いになるということで、そういうことができることになりますので、この端末機というもののマーケットが非常な技術開発競争の結果、競争というものが必ずついてこなければなりませんし、また日本の今の通信機械工業界の技術レベルからいきますと、逆にメーカーの方から突き上げられながら非常に複雑な使い方になってくるということで、さっき郵政省の方がおっしゃっていましたように、案外速い変化が日本では来るのじゃなかろうかというふうに考えておりますので、その時期になりますと、今私どもがこのマーケットを考えていること、従来のいきさつから、歴史から随分頭を切りかえてかからなければならないという新しい世界に入ってしまうのじゃなかろうかというふうに考えております。
#267
○下村泰君 私は、社会労働委員の一人としてお尋ねをいたします。
 本案が施行されるということで、今までの形とは大分違ってくると思います。郵政省の方にお伺いしますけれども、福祉電話ですね、こういった福祉の方に関係することでちょっとお伺いします。
 今回のように民営化になりますると、現在の福祉電話、もろもろのものがございますけれども、そういったものが果たしておろそかになるのか、なお一層サービス面でよくなるのか、それについて一言お聞かせください。
#268
○政府委員(澤田茂生君) 福祉の問題は、これからのバランスのとれた社会発展というためには非常に重点を置きながら取り組まなければならないテーマであろう、電気通信の分野においてもやはり気を配っていかなければならない分野であろうと思っているわけでございまして、今日におきましても電気通信のサービスの観点、そういう福祉電話あるいは身体障害者用の電話というようなものについての福祉政策というのを進めてきているわけでございまして、そういったものにつきましては、新しい体制になり新しい会社等におきましても十分引き継いでいき、またそういったものをさらに充実さしていくという方向こそ社会的に求められているだろうというふうに私どもは認識をいたしておりますし、必要な指導というようなものも行ってまいりたいと、こういうふうに思っております。
#269
○下村泰君 今までは営利を追求する組織じゃございませんでしたけれども、これからは営利を追求する。そうなりますと、どうしてももうからない方は余り手をつけない、もうかる方へ流れていく、これを私は一番心配しておるのです。殊に、いろいろと研究される方がいまして、便利なものが次から次へと生まれできます。殊に、盲人用の電話など新開発をなさっていらっしゃる。果たしてそれが、今度の体制できちんとそういった方々に使っていただけるようになるのかならないのか、またそういうものに対する、どういうふうな形でそれにおこたえするのか、そういうこともちょっとひとつ聞かしてください。
#270
○政府委員(澤田茂生君) 今先生御指摘のような福祉に対する取り組みというのは、いろいろな形の取り組みがあろうかと思います。しかし、福祉という分野について、例えば福祉用の電気通信設備というような、機器というようなものを開発するということ自体、これは御指摘のように、商業ベースになかなか乗りにくい分野であろうし、またそういうものを開発いたしたといたしましても、そういったものを普及し利用を広めていくということについてもいろいろな隆路があろうかと思うわけでございます。したがいまして、民間におきましても、自主的にそういうものに取り組んでいく姿勢ということは、これは大いに期待をしなければならない分野でございましょうけれども、やはり国あるいは地方公共団体というものが、そういった面について力を入れていくということも必要であろうというふうに思っております。
 したがいまして、私ども具体的な方策と申し上げますれば、現在私どもが提起をいたしております電気通信振興機構というものの一つの事業目的の内容といたしまして、そういう福祉対策というようなものを含めて、いろいろこれから電気通信の振興というものを図ってまいりたい、こういう気持ちでございます。
#271
○下村泰君 とにかく福祉関係というのは、多くの場合に切り捨てられる可能性がありますので、新体制になりましても、ひとつよろしくお願いをいたしておきます。
 さて、本案の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の第五十八条に「身体障害者雇用促進法の一部を次のように改正する。」として、「第十一条第一項中「及び日本電信電話公社」を削る。」ということがある。これは「削る。」ということ自体が、公社から今度は民間になる、いわゆる株式会社になるということのあらわれ方なんですね、「削る。」というのが。これはどちらがお答えしてくれますか。
#272
○政府委員(加藤孝君) おっしゃるとおりでございます。
#273
○下村泰君 そうしますると、心配になってくるのが、この身体障害者の雇用率の問題になってくるんですけれども、三公社から出されているのが三十七万二千九百五十九人、そして身障者の雇用率は一・八三%、六千八百十九人、こうなっております。現在までの、電電公社単独での現在の人員、職員と、それから身体障害者の雇用率はどうなっておりましょうか。
#274
○国務大臣(山口敏夫君) 電報配達、通信用ケーブルの新設職員等、いわゆる除外職員を除く職員数が二十万百三十六人、身体障害者の雇用数が三千六百七十四人、実雇用率が一・八四%ということでございますから、三公社に比べまして電電公社は身障者の雇用確保に、雇用の拡大に大変御努力いただいておる、こういうことでございますす。
#275
○下村泰君 これはまことにうれしい結果の数字なんです。ただし、これから私が心配いたしますのは、先ほどの条文にもございますとおり、削ります。そういたしますと民間並みになります。身体障害者雇用促進法施行令の第九条に1法第十四条第二項に規定する身体障害者雇用率は、百分の一・五とする。L、こういうふうにあります。そうしますと、当然、今まで一・八四%というすばらしい雇用率を誇っていた電電が、しゃれじゃございませんが、でんでんなくしていくんじゃないか、こういう心配があるんです。それで、新規採用しないでやめていく方があれば、一・八四から一・五にはすぐなります。そういうふうな後退するようなお考えをお持ちか、それとも、なお前へ進むようなお考えがあるのか、そこのところをひとつお伺いします。
#276
○国務大臣(山口敏夫君) 私も就任以来、身障者の雇用確保につきましては、ひとつ最重点に取り組むべき仕事だ、こういうことで省においても申し上げておるわけでございまして、大変、下村議員さんの御指摘、敬意を表するわけでございますが、民間に移行する過程におきましても、総裁もおられますが、こうしたよき身障者雇用の問題につきまして、ぜひこれを継続してお願いをしたいということを、労働省としても進めさしていただきたいというふうに考えております。
#277
○下村泰君 もちろん、現大臣が大臣になる以前からおつき合いをしていただいておりますし、私どもの社団法人のあゆみの箱という運動にも大変御理解をいただきまして、その都度いろいろとお世話になっております。それが、労働大臣に就任したら裏切るようなことが出ないように、もし裏切るようなことがあってはいかぬと思います。先ほどいただきましたあいさつ状もちゃんと持っております。この中に書いてあることとやることがまるで違うようになりますると、大臣というのはただ首をすげかえて存在するだけかというように、多くのお体の不自由な方々の失望を招きますから、どうぞひとつこれだけはきつくお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
#278
○委員長(松前達郎君) 他に御発言もなければ、本連合審査会はこれにて終了することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#279
○委員長(松前達郎君) 御異議ないと認めます。よって、連合審査会は終了することに決定いたしました。
 これにて散会いたします。
   午後四時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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