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1984/12/04 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 逓信委員会 第2号
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1984/12/04 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 逓信委員会 第2号

#1
第102回国会 逓信委員会 第2号
昭和五十九年十二月四日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月四日
    辞任         補欠選任
     新谷寅三郎君     出口 廣光君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         松前 達郎君
    理 事
                成相 善十君
                長谷川 信君
                片山 甚市君
    委 員
                岡野  裕君
                沖  外夫君
                長田 裕二君
                志村 愛子君
                出口 廣光君
                山内 一郎君
                大森  昭君
                中野  明君
                服部 信吾君
                佐藤 昭夫君
                中村 鋭一君
                田  英夫君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  左藤  恵君
   政府委員
       郵政大臣官房長  二木  實君
       郵政省郵務局長  塩谷  稔君
       郵政省通信政策
       局長       奥山 雄材君
       郵政省電気通信
       局長       澤田 茂生君
       郵政省放送行政
       局長       徳田 修造君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        酒井 繁次君
   説明員
       総務庁行政管理
       局管理官     松井  稔君
       総務庁行政管理
       局管理官     藤澤 建一君
       大蔵省主計局主
       計官       日高 壮平君
       大蔵省主税局税
       制第二課長    小川  是君
       通商産業省機械
       情報産業局電子
       政策課長     牧野  力君
       日本電信電話公
       社総裁      真藤  恒君
       日本電信電話公
       社総務理事    寺島 角夫君
       日本電信電話公
       社総務理事    福富禮治郎君
       日本電信電話公
       社総務理事    岩下  健君
       日本電信電話公
       社営業局長    草加 英資君
       日本電信電話公
       社業務管理局長  神林 留雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○派遣委員の報告
○日本電信電話株式会社法案(第百一回国会内閣提出、衆議院送付)(継続案件)
○電気通信事業法案(第百一回国会内閣提出、衆議院送付)(継続案件)
○日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(第百一回国会内閣提出、衆議院送付)(継続案件)
    ─────────────
#2
○委員長(松前達郎君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 日本電信電話株式会社法案、電気通信事業法案、日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題とし、派遣委員の報告を聴取いたします。
 まず、札幌班について委員長から御報告をいたします。
 日本電信電話株式会社法案、電気通信事業法案並びに日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案についての札幌市における地方公聴会及び北海道地方における逓信関係業務の実情調査を行ったので、御報告申し上げます。
 派遣委員は、私の外、岡野、長谷川、大森、服部の各委員、現地参加の佐藤委員であります。
 札幌市における地方公聴会は、十月二十四日午後一時三十分から札幌郵便貯金会館において開かれ、四名の公述人から一人十五分程度忌憚のない意見が述べられた後、派遣委員から質疑が行われ、滞りなく議事を終了いたしました。
 以下、各公述人の意見の概要について申し上げます。
 まず、拓豊開発株式会社社長岡田武保公述人からは、明治創業以来百有余年にわたる電気通信事業の歴史的経緯、特に電電公社の果たしてきた役割に触れられた後、今日の電電公社の資産は国民の負担金や料金を通じて形成されたものであり、この意味で国民の共有財産であるとしております。また、電気通信事業等の公共事業は経営形態のいかんを問わず、利潤追求ではなく、良質低廉なサービスの提供にその本質があるとしております。そして、これらの立場から今回の法案を眺めると全面的に賛成できないが、社会経済の発展、新技術の開発の側面から、事業の見直しは必要であると判断される。しかも、衆議院において法案が修正され、附帯決議を付して通過している現状にかんがみ、参議院の審議において次の点について特段の考慮を望まれる旨の意見が述べられました。
 すなわち、競争原理の導入によって、東名阪等の高収益地域に新規参入が行われるため、これらの地域からの収入が減ることによって新電電会社の経営が悪化し、ひいては利用者に料金値上げとしてはね返るおそれがあるので、そうしたことのないよう十分対処されたい。仮に今後分割が行われた場合、北海道地域は今でも二百六十二億円の赤字となっていることから料金値上げが行われ、料金の地域格差が生ずるので、会社法、事業法の見直しに際しては新電電会社が分割されないよう期待する。電電公社が国民の共有財産であることから、国民に開かれた経営が行われるよう設立委員、監査役の選任については国民が直接関与できるよう要望する。競争原理が導入されることから、新規参入者と十分太刀打ちできるよう新電電会社の自主性を最大限保証し、事業の活性化が図られるとともに労働者の働きがいある職場となるよう強く要請する。そのほか、電報事業を新電電会社の基本的業務として明確に位置づけること。新電電会社の株式処分に当たっては、開かれた場でこれを処分し、利権の対象とならぬようにするべきであること等の発言がありました。
 次に、北海道拓殖銀行常務取締役石黒直文公述
人からは、電電改革三法案の早期成立が要望されました。その理由として、今回の電気通信制度の改革によって電気通信事業の効率化、活性化を図ることは、今日厳しい国際競争にさらされている我が国の産業界や地域的発展を目指す北海道にとって重要な意義を持つだけでなく、中長期的には日常生活はおける利便の向上を通じて社会全体の発展に大きな役割を果たすことになるが、法律の成立がおくれることは高度化、多様化する国民のニーズに積極的に対応しようとする動きに水を差すことになるとしております。
 さらに、新電電会社の株式の売却益等の使途については、電電公社の資産形成の経緯にかんがみ、電気通信技術の研究開発、電気通信事業の育成、振興、地域における情報通信システムの構築など直接に電気通信の普及発展のために使用することによって電気通信利用者への還元を図るべきである旨の見解が述べられました。
 また、新電電会社の業務範囲や投資活動については、民業を圧迫することにならぬよう、新会社においては社会的責務に立脚し、慎重な判断が行われることを期待するとともに、もし問題が生じた場合、政府において適切な措置を行うよう要望しております。
 さらに、電電改革三法案の成立による電気通信分野への競争原理の導入効果として、料金の値下げ、通話料の遠近格差是正及びサービスの向上が行われることを期待するとともに、回線利用及び端末機器の自由化が行われることを高く評価する旨の発言がありました。
 最後に、距離と時間を克服する電気通信は地域振興の見地からも必要であり、特に今回の一元的体制から多元的体制への改革を評価するが、新規参入の促進に資するため単に開放するだけではなく税制、金融面を初め国の積極的な支援策を要望しております。
 次に、北海道商工団体連合会事務局次長佐々木光彦公述人からは、電電公社の民営分割化に反対するとの立場から、その理由が述べられました。
 まず、電電公社は民営化を見越して本年四月より工事料を二倍ないし八倍に値上げをしたため、ホームテレホンやボタン電話の新増設が減少し、宅内工事が激減している一方、下請業者への工事単価が引き下げられたため、零細下請業者はダブルパンチを浴びている現状を指摘するとともに、民営化された場合、公社職員には国家資格試験の免除が認められようとしているのに対し、下請業者には試験が課せられることから、営業と生活の基盤を失うことになる旨の発言がありました。
 こうした観点を踏まえて、電電公社の民営化は、公共の福祉の増進、国民の利便の確保、通信の秘密の保持などの立場に立って行うべき電気通信事業を大企業のもうけ本位の営利事業へ変質させるものであり、電気通信の公共性を確保すべき国の責任を放棄し、労働者や下請業者に多大な犠牲を強いるものであるとしております。また、VAN等のニューメディアの利用が、このままでは大企業の中小企業支配を一層強化し、系列化を促進し、大企業による地域支配を強めることになると述べ、地域経済と中小企業振側の対応策の要望をしております。
 さらに、法案の解明されていない問題点として、第二種事業への米国系企業の参入によって日本の通信主権が侵されること、料金法定制の撤廃により料金値上げが自由に行われること、地域別料金格差が発生すること、情報通信システムの安全性、信頼性を初めプライバシー保護が確立されていないこと、民営化によって電気通信技術が軍事に利用される危険性が増大したこと、新たな企業の合理化によって労働者の首切り、労働強化が行われること等の発言がありました。
 そして、このような重要な通信事業に対する国会の議決権、審議権を外して、その運営を私企業にゆだねることは絶対に容認できない旨の意見が述べられました。
 最後に、室蘭工業大学名誉教授前野良久公述人からは、電電三法案は高度情報化社会に向かって避け得ないものと認識するが、その影響するところは非常に大きなことから、拙速ではなく、あらゆる点にわたって具体的な問題点を掘り下げて慎重に対応していただきたいとし、次のような意見が述べられました。
 すなわち、電電三法案については人間中心の豊かな高度情報化社会を目指すべきものであるとの基本的立場に立って対処されたいとし、具体的には電電公社が民営化された後も、電電公社の果たしてきた公共性、公益性を堅持しつつ、株式の売却収入等が国民に還元されるよう、データ通信需要の増大、OA化、科学技術データベース等の電気通信技術の飛躍的開発等に使用してほしいとしております。
 また、電気通信システムの進展により、人間社会の思考パターンの変化、利用者の精神衛生に与える影響等が報告されていることから、高度情報化社会に適応していくため、教育体系、事前評価、精神医学、心理学等の見地から人間中心の研究体制を整えてもらいたい、特に個人のプライバシー保護については、技術面のみならず、制度面の整備が必要であるとしております。
 さらに、ニューメディアは国民の情報ニーズの高度化、多様化に対応するサービスの提供を可能とするもので、高度情報化社会において大きな役割を果たすものと期待されているが、今後、国民のニーズ、地域性を把握した上で導入するとともに、法制面の整備を行ってほしい。またニューメディアの導入により、さまざまな分野でサービスの競合や摩擦が生ずる可能性があるが、このため利用者の立場に立脚した電気通信システムの長期計画の樹立が必要であるとしております。
 以上の意見が述べられました後、派遣委員から各公述人に対し質疑応答が行われ、特に次のような発言がありました。
 石黒公述人からは、電気通信の自由化によって、電気通信設備が道路と同様インフラストラクチャーとして整備されれば、農業や商業等の産業に変革をもたらし、特に広地域で中央から離れている北海道にとっては地域振興に大きなインパクトを与えるものと期待されること。クリームスキミングについては、当面新規参入者の非採算地域への参入はないものの、宅急便が全国ネット化を目指していると同様、第二電電等も全国ネット化を展開していく可能性があること。なお、クリームスキミングによる電話料金の地域格差については、その危険性が全くないとはいえないとしながらも、北海道における電気通信の生産性から判断して、その心配がないこと。郵政省の電気通信振興機構の構想については賛意を示しながらも、人や金のかさむ機構では問題であり、機構のスリム化が当然必要であること。
 次に、岡田公述人からは、今回の法案の中には、現在の電気通信を運営するための基本である公共の福祉の増進、国民の利便の確保、あまねく公平という公共性が消えてしまっているが、電気通信事業の生い立ちからすればこの点を明確にする必要があること。電報事業の赤字の根本的原因として郵政委託料の割高な点を指摘し、その見直しを強調されたこと。大型VAN等の特別第二種事業については、法案作成過程における外国からの要望を例にとりながら、金を出せば口も出してくるおそれがあり、通信主権を守る上から必要最小限の規制は必要であること。
 次に、前野公述人からは、現在のまま情報化が進めば、東京など大都市に情報がますます集中し、北海道の孤立化が進む心配があり、情報のバランスがとれるような措置が望まれること。高度情報化社会と効率化との関係については、今後目指している高度情報化社会は人間とのかかわりが深い社会であって、人間的要素が含まれない効率化社会とは異なり、従業員の働きがい、人権、プライバシー保護等が重視されなければならないこと。電気通信主任技術者試験については、単なる技術試験にとどまらず、教育面、精神心理医学面など人間性にも考慮された試験であることが望ましいこと。
 最後に、佐々木公述人からは、北海道の中小企業におけるOAの稼働が約三〇%にすぎないとの
調査結果から、科学技術の発展があまねく国民に享受されていないとし、今回の改革については民営化の前に中小零細企業などの底辺が恩恵にあずかることを基本に据えるべきであると強調されたこと。北海道における約三十万の季節労働者の出稼ぎの実態から、必要不可欠な家族等との通信の負担が軽減される電話料金が望まれること。コンピューター化、自由競争化の進む中で情報格差が広がり、中小企業は一層不利となる、この点についてアクセス権等さらに掘り下げる必要があること等でありました。
 なお、北海道地方における逓信関係業務の実情調査については、札幌市外電話局、札幌統制無線中継所及び札幌中央郵便局を視察いたしました。
 以上でございます。
 次に、福岡及び大阪班の御報告を願います。片山甚市君。
#3
○片山甚市君 日本電信電話株式会社法案、電気通信事業法案並びに日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案についての福岡市及び大阪市における地方公聴会並びに九州地方及び近畿地方における逓信関係業務の実情調査を行ったので、その概要を御報告申し上げます。
 派遣委員は、私を初め、成相理事、沖、中野、佐藤の各委員、このほか大阪市における地方公聴会については中村委員が参加しました。
 福岡市における地方公聴会は、十一月十四日午後一時三十分から福岡県労働福祉会館で開かれ、六名の公述人から一人十分程度、忌憚のない意見が述べられた後、派遣委員から質疑が行われ、滞りなく議事を終了いたしました。
 以下、各公述人の意見の概要について申し上げます。
 まず、全国電気通信労働組合九州地方本部執行委員長園田俊夫公述人からは、今日の電電公社の資産は利用者国民の負担金や料金等を通じて形成されたものであって、まさに国民の共有財産であることから、電電事業の改革にあたっては、誰もがどこでも同じ料金で使えるサービスが受けられる国民のための情報通信の確立を基本として改革されるべきである。しかし、今日既に衆議院において法案が一部修正され、附帯決議を付して通過している現状にかんがみ、今後の国会審議に当たっては次の点について特段の考慮を払われたい旨の意見が述べられました。
 すなわち、競争原理の導入によって高収益地域のみ新規参入が行われる結果、サービス及び料金面で地域間格差が生じ、特に過疎地域や離島の多い九州において、そのしわ寄せが惹起されることが強く懸念されるので、そうしたことのないよう対処されたい。法案では顕在化していないものの、新電電会社の分割は、東京、近畿等の特定地域を除けば総合収支は赤字であり、九州地方においても今でも百八十六億円の赤字となっていることから、料金値上げにつながることは明らかであり、今後の見直しに際しても新電電会社が分割されないよう要望する。電電公社が国民共有の財産であるとの立場に立って、新電電会社が今後より一層国民に開かれ、国民の声が反映できる体制をとってほしい、当面設立委員、監査役について与野党の話し合いの中で民主的に選出されることが望まれる。新電電会社の事業活動を活性化するため、経営の自主性を確保するとともに労働基本権に制約を加えないよう要請する。電報は現在なお有効な通信手段であるので、今後とも新電電会社の基本的業務として継続されたい。プライバシー保護を基本とする情報基本法の早期制定を図られたい。新電電会社の株式処分に当たっては利権の対象とならぬよう適切な処置が望まれる等の発言がありました。
 次に、安川情報システム株式会社社長森本伊三男公述人からは、電電改革三法案に賛成する立場からの意見が述べられました。
 まず、明治創業以来一元的運営によって行われてきた電気通信事業に競争原理と民間の活力を導入する今回の改革案が具現化すれば、二十一世紀に向かって高度情報社会が実現され、豊かな国民生活、産業経済の活性化、地域の発展に寄与することが期待されるとして、法案の早期成立を強く要望されました。
 また、今後の情報通信を発展させるためには、第二種電気通信事業の果たす役割は大きく、これに制限を加えることは成長の芽を摘むことになるので、回線利用の自由化に十分配慮されたい旨の要望がありました。
 次に、第二種事業は第一種事業の回線を利用することから、料金等提供条件の適正化が必要であり、この要件を満たせば、第二種事業の成長発展が行われ、ひいては第一種事業のトラフィック増につながり、第一種事業と第二種事業の相互補完による協調と競争が期待されるとしながらも、第一種と第二種の兼業企業と第二種の専業企業間の公正競争を確保する観点から新電電会社のデータ通信部門の業務分離について特段の配慮を望む旨の見解が述べられました。
 また、新電電会社の分割については、我が国の電気通信の健全な発達の上からも、会社法案の見直しの趣旨にのっとって十分な検討をされるよう要請されました。
 さらに、新電電会社の株式の売却益については、電電公社の資産形成の経緯にかんがみ、電気通信の基礎的先端的技術の研究開発、電気通信事業の育成振興、地方の情報通信システムの高度化等長期にわたり多額の資金を要することから、これらに使用することは理にかなっている旨の見解が述べられました。最後に、東京、大阪地域と九州地方の情報、文化の格差是正を図る意味から、電話料金の遠近格差の縮小と九州地方におけるテレトピアモデル都市の複数指定を要望されました。
 次に、宮崎大学助教授中川義朗公述人からは、今回の改革は単に経営形態の変更だけでなく、情報文化のあり方に直接関係するものであり、この意味から安直かつ性急な民営化には十分国民の理解を得られないとして、国鉄再建監理委員会のごとく、国民の意見をベースにした慎重な改革手続が必要であると述べられました。
 その理由として、新電電会社の経営が適正かつ効率的に行われることが優先し、国民にあまねく情報を提供するという公共性が第二次的になっていることから、結局、市場原理が優先し、過疎地域の切り捨て、サービスの低下、市内通話料金の地域格差をもたらすことは必至であること。会社法附則による五年以内の見直しは新会社の地域分割への道を開くものであり、地域分割は情報の不均等的サービスをもたらし、料金の地域格差を招くことになり、公平な住民サービスを受ける権利が損なわれることから、地域分割の歯どめが必要であること。電電公社の民営化後は本店に情報管理機能が集中し、地域住民の意見が会社運営に十分反映しにくくなる危険性があること。高度情報化社会に向けて国民の人権保障という立場から、国民の知る権利を保障する情報公開及びプライバシー保護法の制定に早急に着手すべきこと。第一種電気通信事業の許可等については電気通信審議会への諮問等、形式的には国民各層の意見が電気通信行政に反映される仕組みになっているが、実質上国民の多様な意見が公正に反映されるよう審議会の構成、運営等に十分配慮すべきであること。新会社の自主性、当事者能力を高める意味からすれば行政的統制は可能な限り縮小するべきであり、特に新会社の役員の選解任についての郵政大臣の認可については極力限定すべきであること。電気通信事業法案には政省令への委任事項が非常に多く、こうした法的枠組みでは、国会が国権の最高機関として十分に行政府をコントロールすることができなくなるおそれがあること。労働基本権については公共性の責務を帯びるとはいえ、私企業として発足する以上、憲法第二十八条に保障されている勤労者の権利がより一層明確になり、労働基本権が完全に保障されるべきであること等の発言がありました。
 次に東雲電気通信工業株式会社社長浮乗清公述人からは、電気通信の効率化、活性化を図るため、電電公社を民営化し電気通信事業を自由化す
ることは、社会、経済を活性化させ、人間生活をより豊かで効率的な方向へ導くものとして期待している旨の発言が行われた後、電気通信の宅内工事業者並びに一利用者としての立場から次のような意見が述べられました。
 電電公社の民営化に伴い、下請業者への工事発注量が削減されるのではないかと危惧されるので、現行の外注委託量を維持するとともに、中小企業への発注の確保を一段と強めてほしい。今日まで電電公社の指導教育を受けて従事してきた下請作業員については、工事担任者試験の免除措置が行われるよう配慮されたい。工事担任者の資格を有したとしても今後自由に電話端末工事の受注施工ができるのか法律上明確でないので、工事担任者資格を有する業者を新電電会社の登録業者として認定してほしい。来年四月一日より本電話機の開放が行われるが、利用者の立場から、新電電会社の保守責任の範囲を明確にするとともに、利用者が新電電会社以外から端末機器を購入して取りつけた場合で、当該会社が倒産したときには、新電電会社によってその保守ができるようにしてほしい。新しい競争体制のもとでの料金体系のあり方が現在電気通信審議会で検討されていると聞くが、その具体的な認可に当たっては、公聴会を開催し、広く利用者である国民の声を聞き、新しい料金体系を確立されたいとの意見が述べられました。
 なお、電気通信制度改革の成否が今後我が国の将来の発展を大きく左右するものであるとし、その推進に当たっては、既存の中小企業等に十分配慮するとともに、幅広く国民各層の意見を吸収するなど、国民合意のもとに実現されることを強く望む旨の発言がありました。
 次に、福岡県勤労者教育協会理事天野順二公述人からは、電電公社の民営化に反対する立場から、次のような意見が述べられました。
 まず、今回の法案は現行法の公共の福祉増進を目的とする規定が削除され、電気通信事業の合理的運営及び健全な発達によって利用者の利益保護を期待するとの形になっており、民営の指導原理である利潤の極限追求を基本とし、公共性を全く否定するものであるとしております。また、現行の電電公社の収益性から見て民間資金を導入する必要がないこと、行政当局も民間でなければできないサービスがあるわけでもないことを認めていること、電電公社による高速コンピューターの開発など、民間が公的な資金や施設に依存している現状から見て、高度情報通信システムの整備のために民間技術を導入する特別な必要がないこと等を挙げ、民営化する根拠は全くないと強調されました。
 また、今後高度情報通信システムを整備していく必要性は否定しないが、利用度の低い家庭にまで光ファイバー網を広げるとすれば、利潤追求を目指す民営企業では導入不可能な高負担となり、高度情報通信が一般国民にまでその恩恵が及ぶとは到底考えられないとの見解を述べました。
 さらに、競争原理の導入によって料金値下げ等の効果があると喧伝されているが、特定地域、特定企業に料金値下げのメリットが及ぶのみで、一般家庭においては料金引き下げの効果が期待できないばかりか、これらの地域からの収入が減ることによって新電電会社の経営が悪化し、ひいては料金値上げとしてはね返ることが予想されるとしております。このほか、プライバシー侵害の危険性、外国企業の参入がもたらす通信主権の侵害、電気通信分野における軍事利用の促進等を含め多方面にわたる論議を行い、伝えられるような第百二回国会冒頭成立ということではなく、一層徹底した慎重な審議の必要が強調されました。
 次いで、地域経済と中小企業の振興策として、東京、大阪の大都市と九州地方及び大企業と中小企業における情報格差を縮小するため市場情報や製品ニーズの相互交流等公的データベースの充実等が要望されました。
 最後に、北九州テレックス協会事務局長桑畑実男公述人からは、電電改革法案に賛成の立場から意見が述べられました。
 まず、事業の公共性は官業、民業を問わずすべての産業や企業に求められているものであり、官業でなければ公共性が保てないとするのは誤りであるとして、特に公共性が強い電力事業を例にとりながら民間事業でも何ら支障なく遂行されており、結局はその事業の目的とモラル、そしてその職務を全うしようとする職員の熱意、意欲の問題であり、電気通信事業における公共性は民営化されても十分に確保できる旨の発言がありました。
 また、今日の世界的な電気通信事業の変貌と二十一世紀に向けた高度情報社会への展望から考えた場合、電電公社を民営化し、自由な経営と責任ある体制の確立を図ることによって、より安く、全国均一で、手軽で便利なサービスの提供が期待できるものと確信していると述べられました。
 次に、現行公社制度下においても生産性の向上や合理化努力がかなり行われてきているものの、予算統制を初めとする各種制約によって、これにも限度があり、いわゆる親方日の丸と言われる発想と行動様式の改革は不可能であるとして、公社制度を民営化することが唯一の解決方法であるとしております。
 さらに、生産性の向上とその成果の三者配分はいかなる社会体制のもとでも不可欠な原則であるが、現行制度では生産性の向上が労働条件の改善につながらないことから、経営の安定性を欠くおそれがあるとして、これが実行可能な経営形態に改めるべきであると強調されました。このほか、行政的制約を必要最小限度にとどめること、電電改革が利権絡みとならないこと、新発足までの準備期間を一日でも多く確保するため早期成立を図ること等が要望されました。
 以上の意見が述べられました後、派遣委員から各公述人に対し質疑応答が行われ、さらに次のような補足的意見が陳述されました。
 園田公述人からは、電電公社の経営形態の変更に当たっては、基本的には電電公社が国民の共有財産である観点から、加入者と政府の出資による混合出資法人が望ましいこと。新電電会社の株式売却益については、現在五兆六千億円に上る電信電話債券の償還に充て、新会社が身軽になって新たな出発を図る必要があること。電電公社の民営化に当たっては、米国におけるATTの分割に際し労働者が削減されていることにかんがみ、公社職員を初め関連下請企業の労働者に雇用不安を惹起させないよう十分配慮する必要があること。
 森本公述人からは、国鉄や道路公団のような公的機関が第一種電気通信事業に新規参入することは民間活力を導入するという法案の趣旨から見ても問題があるとして、これらの公的機関は電気通信施設の敷設にとどめ、その運営は民間に行わせる必要があること。今後の電気通信の振興を図るためには基礎的、先端的研究開発、地方における情報システムの高度化等多額の資金が必要なことから、株式売却益の二分の一程度をこうした振興に充当することが至当であること。電気通信の研究機関が首都圏に集中するなど情報通信が中央志向型になっているので、これを是正する意味からも九州地方への研究機関の設置につき特段の配慮を願いたいこと。
 中川公述人からは、全国にあまねく平等に電気通信サービスを提供するという基本的精神に立って、国会、国民、地域住民が監視していく以外にその公共性を維持していくのは困難であり、この意味からも公共の福祉の増進を法文上明確にする必要があることを強調されたこと。電気通信料金の決定に当たっては、国民の声を十分反映できるよう、電気通信審議会委員に学識経験者や利用者を加えるとともに地方公聴会を開催することが必要であること。テレトピア構想の推進に当たっては、九州に一地域を指定するのみではなく、地方の時代にふさわしいよう、こうしたサービスを九州全域に浸透することが望まれること。
 浮乗公述人からは、昭和五十二、三年を境に工事量が減少してきているのに民営化によってさらに発注量が減少すれば、下請中小企業者は二重苦を背負うことになるので特段の配慮が望まれること。工事担任者の資格試験については、これまで
の電電公社の監督のもとに実施してきた下請業者の実績を評価し、経験者に試験免除を強く要望されたこと。
 天野公述人からは、現在電電公社の全国ネットワークが、核戦争に巻き込まれる危険性がある在日米軍基地の通信網の基幹部分になっており、さらに民営化によって野放しになるおそれがあること。中小企業者にとって市場情報、技術情報等のデータベースを初め情報の普及システム、施設の導入が困難であることから、公的な誘導によって中小企業の振興を図る必要があるとしていること。
 桑畑公述人からは、新電電会社の株式の売却益については、国の赤字国債の償還にとどめず、電気通信事業の基盤整備や基礎的研究開発など計画的に使用されること等でありました。
 次に、大阪市における地方公聴会は、十一月十六日午前九時三十分から大阪商工会議所で開かれ、六名の公述人から一人十分程度、忌憚のない意見が述べられました後、派遣委員から質疑が行われ、滞りなく議事を終了いたしました。
 以下、各公述人の意見の概要について申し上げます。
 まず、日本労働組合総評議会大阪地方評議会議長岡本知明公述人からは、今回の電電公社の民営化を含む電気通信秩序の改革については、現段階では反対であり、参議院での審議を通じて次の点について法案の修正、不明確な部分の解明を期待したいとしております。
 すなわち、電気通信が利用者国民は深く浸透していることから、合理的な料金であまねく公平に提供され、公共の福祉を増進させるものでなければならないとする公共性の重視を要請する。電電公社を民営化しながら労調法の附則を改正して新たに争議行為を規制することは全く理解できないので撤廃すべきである。労働組合法の適用を受けている特殊法人に対して政府が労働条件の決定に介入する例が見られるので、新電電会社佐については政府による労働条件への不介入を明確にし、さらに労働者の意見を経営に積極的に取り入れていく労使関係や経営上のシステムを確立することが望まれる。今回の改革は電電公社の下請など周辺労働者の雇用と労働条件にも相当の変革をもたらすので、関係省庁はもとより電電公社において慎重な配慮を要望する。電気通信の大規模利用者が効率的な先進技術で低廉なシステムを選択できる一方、代替性のない小規模利用者にとって市内電話料の値上げや地域間におけるサービス格差の発生が危惧されること、現在なお社会的役割を持つ電報が赤字ゆえに安楽死させられるおそれがあること等の疑問について国会は責任ある解決策を講じてもらいたい。新電電会社の株式処分益の使途については国の財政赤字の補てんに使用するべきではなく、現在五兆六千億円に上る電信電話債券の債務償還を最優先として使用するとともに、株式の処分をめぐって利権が絡むことのないよう要望する。新電電会社を地方分権的で民主的な事業運営に切りかえるほか、地方自治体等の意見を十分聞き、市民的、社会的に必要な電気通信の開発に力を注ぐべきである。情報通信の首都圏集中型をこれ以上増大させないよう配慮するとともに、関西地域にソフト関係を中心とした電気通信研究所の設立が望まれる。電電公社を初め情報通信に携わる事業体は、我が国の通信主権を共同して確保し、広く国民のための情報通信を確立し、利用者保護が優先される公益事業本来の目的が達成されるよう切望する等の発言がありました。
 次に、住友電気工業株式会社社長川上哲郎公述人からは、電電改革三法案の早期成立が要望されました。その理由として、現行の電電公社によって国民の念願であった全国自動ダイヤル化や電話の積滞解消を達成されたことを高く評価するが、今日我が国は工業化社会から高度情報社会へ向けて大きな時代の転換期を迎えており、こうした中で今後電気通信がその基盤的役割を担って国民へのきめ細かなサービスを求められている現状にかんがみ、今回の改革はまさに時宜にかなったものである。
 次に、新規参入のあり方としては民間主導が望ましいこと。また、新電電会社の株式の売却益等の使途については、国の財政再建の一助として一般会計に充てるだけでなく、その一部を電電公社の資産形成の経緯にかんがみ、二十一世紀に向けての電気通信の発展のために、産官学の三者による電気通信の基礎的研究に使用すべき旨の見解が述べられた後、そのための研究所については京阪地域に設置されることを要望しておりました。
 さらに、新電電会社の業務範囲については、中小企業への圧迫を初め端末機器の製造、不動産部門への投資等を慎むことを期待するとともに、政府においても適切な措置を講ずるよう要望する。つまり、新電電会社は民間では手がつけられない新技術を研究開発し、その成果を国民に提供することなど本来業務の分野で民間と公正な競争を展開すべきことを強調しておりました。
 最後に、公共投資、社会投資等各般にわたり首都圏に集中し、近畿圏がおくれをとっており、加えて情報化においても格差が生じるならば、我が国の経済、社会の健全な発展を損なう恐れがあるとして、電気通信分野の研究開発機関の近畿地方への設置、テレトピア計画のモデル都市指定を強く要望されました。
 次に桃山学院大学経営学部教授後藤邦夫公述人からは、電電改革三法案について次の二点から疑義がある旨の発言がありました。
 すなわち、現在電気通信の新技術に対して、明るい展望が語られていると同時に、人間性に対する危機を恐れる声もあるなど対立的な見解が存在している段階において、国民的な論議を尽くすべきであるのに、国家財政上の理由から経営形態の変更を性急に図るのは著しく慎重さを欠き、将来に悔いを残すおそれがある。また市場における競争原理は、民間活力によって事業の拡大、技術革新の導入を促すことは確かであるが、一つのイデオロギーに基づく過激な改革が短期間に行われることは、通信の秘密、プライバシー保護など個人の人権への侵害、市場経済の原理による新たな地域、階層間の格差の拡大、特定企業による情報支配や情報の誤用、情報分野における安全性の侵害などの危険があることから、公共システムを中心とした今日の体制から漸進的に市場的要素を注入していくという慎重な方策がとられるべきであると述べられました。
 しかし、国会審議の実情から見て、その実現の可能性がないので、次の点について特段の考慮を望む旨の要請がありました。すなわち、「通信事業の公共性」、「公正にして平等なサービス提供の義務」を法文上に明記すること。通信の秘密やプライバシー侵害に対しては厳正なる措置をとり、被害者の救済を行うこと。我が国の情報主権の侵害を招来せしめぬよう必要な措置をとるとともに公正な国際情報秩序の形成は努めること。米国においてATTの地域分割がさまざまな混乱を招いていることにかんがみ、そのような混乱を防ぎ、地域的な情報不平等を防ぐ上で新電電会社の地域分割は今後とも行わないこと。政府が保有する新電電会社の株式売却益については国の財政赤字の補てんに充てず、電信電話債券の債務償還に充てること。自由化される端末機器については安全性、公共性の観点から、公正な第三者的検査体制を機能させるべきこと等が挙げられました。
 次に、同志社大学教授杉江雅彦公述人からは、電電改革三法案に対し賛成する立場から意見が述べられました。その理由として、電気通信分野における技術革新は、高度情報社会の実現への道を開くが、電気通信事業の国家による独占は、これに対する制約要因の一つであり、民営事業による競争がぜひとも必要であると述べられました。
 また、法案審議に対する要望として、政府保有の新電電会社の株式の売却方法とその使途については、事前に方向を示さず、法案成立後に決めることは無用の混乱を招くので、法案審議の過程において何らかの形で法文に盛り込まれるよう法案を修正するとともに、新電電会社の経営計画の方向性を事前に示すべきことを挙げました。
 そして、株式売却の具体策として、電話加入者
に優先割り当てを行い、加入者利益の保護を最優先とすること、従業員持ち株制については安定株主、従業員のインセンティブ等の観点から民間で広く普及しているが、新会社は特殊法人であり純民営ではないので加入者への割り当てに比べ優先順位は低くなること、民営企業の株式公開方法をそのままの形で適用することには問題があり、しかも公開株式の取得合戦を避けるためにも公開価格を若干高くしてプレミアムを抑制すべきこと等の見解が述べられました。また株式の売却益の使途については、すべてを一般会計の財源とするのではなく、その一部を電気通信技術の開発、電気通信事業の振興等の分野に使用するのが望ましいとしております。さらに、新電電会社の経営計画については、例えば電報事業における郵政委託料の適正化等経営の合理化計画を策定するほか、民営化後も大きな利益が期待されることから、配当を制限して内部留保に回し、新会社独自の基礎研究の開発等研究開発費に充当する等事前に国会、利用者に示すことが必要であるとの意見が述べられました。
 次に、通信産業労働組合本部執行委員長草川昭公述人からは、電電改革三法案は我が国の電気通信事業体系を抜本的に転換する歴史的にも重要問題であり、真に国民的な合意が得られなければ、成立させるべきものではなく、第百二回国会冒頭成立の動きは非常に遺憾であると強調された後、法案は国民の共有財産を大企業に売り渡すとともに、将来にわたって大企業の利益追及の事業体に変えるものであり、いま国民が求めているのは電電公社の民営化ではなく、現行公社の運営の民主化であると確信するとの基本的見解が述べられました。
 また、国民が期待している電気通信の発展は、電電公社の高度な技術と設備、ノーハウを活用してこそ高度、多様なニーズにこたえ得るものであり、政府も、公社ではできず、民営でなければできないという絶対的なサービスはないと答弁していることから明らかなように、利用者国民の立場からすれば民営化する理由は全く見当たらない旨の意見が述べられました。
 さらに、法案審議の前提として、我が国の主権の一部である通信主権を法制的に確立すること。国民の合意に基づくプライバシー保護法を制定すること。米国の核戦略に我が国の電気通信施設を組み込むこと及び軍事目的とした通信の研究開発を禁止すること。料金法定制を存続させるとともに電話料金の遠近格差の縮小を理由とした市内電話料金の値上げは行わないこと。新電電会社への移行時及び移行後における要員配置計画、出向、配転、退職勧告などの計画やそれに伴う条件等について国会と各労働組合に明らかにすること。ストライキ権については経営形態にかかわらず、速やかに無条件に回復させること等実効ある具体的措置を講じるべきである旨の要望がありました。
 さらに、電気通信事業は、真の国民参加のもとで国民本位に発展させるべきものであって、これを私企業にゆだねるべきものではなく、一層公的な事業体として、公的コントロールのもとに置かれるべきである旨の意見が述べられました。
 最後に、大阪地方同盟副会長森蔭八郎公述人からは、行政改革と高度情報社会の実現という二本の柱を踏まえ、電電改革三法案について基本的に賛成する立場から意見が述べられました。その理由として、現行の公社制度には多くの規制があるため、今後到来する高度情報社会に十分即応できないこと。しかも、「競争のないところに進歩発展はない」という原則に沿って、競争原理を導入することは時宜にかなっており、また電電労使双方が新時代に適応し、国民のニーズにこたえられるようにするためには、電電公社を民営化し経営の自主性を与えるほか、経営に対する制約を可能な限り取り払うことが絶対必要である。この意味において電電改革三法案の基本的方向は妥当なものである旨の発言がありました。
 また、法案の問題点として、まず新電電会社の労働者に対し、労働関係調整法の本則を適用するほか、新たに附則を改正して必要以上のスト規制を行っているが、衆議院段階での法案修正によって、三年後の見直しに際してはこの特例措置を廃止する方向で検討することになっているものの、基本的には労働基本権を付与する方向で対処されたい旨の要望がありました。次に、今後における我が国の産業、経済、社会等の発展に影響を与える電気通信の果たす役割が増大するとともに、電気通信分野の国際競争も激化する方向にあることにかんがみ、政府が保有する新電電会社の株式の売却益については、電気通信の基礎、先端技術の研究開発、電気通信の安全性、信頼性の確保、情報通信生涯教育の充実、地域格差の是正等にその資金を充当することによって、加入者はもちろん、国民全般に配分されるよう要請されました。
 なお、電電改革三法案は時代の要請であるとして、その早期成立を期待している旨の発言がありました。
 以上の意見が述べられました後、派遣委員から各公述人に対し質疑応答が行われ、さらに次のような補足的意見が陳述されました。
 岡本公述人からは、民間では現在減量経営の名のもとに労働者の首切りがなされており、電報業務、保守業務を中心とした電電公社職員を初めとする周辺下請労働者においても民営化による雇用不安を危惧していることから、これらの労働者の雇用保障が望まれること。新電電会社の株式売却については、持ち株制限を行い、より多くの国民に新電電会社の株を資産株として持たせるほか、地方自治体にも株を割り当て、新会社の経営に参画させ得るような施策が必要であること。株式の売却益の使途については、今後の新会社の経営基盤を安定させる意味からも、電信電話債券の債務償還に充てることを特に強調されたこと。
 川上公述人からは、公共性の意義は時代とともに変わり、今後は良質なサービスを低廉かつ公平に国民に提供することであり、経営形態いかんの問題ではない。また、競争原理が働いた方がこれに十分に対応できることは経験上からも言えるとしていること。電電公社の研究開発費は、IBMの五分の一、ATTの四分の一の規模にすぎないことから、今後は従来以上に力を注ぐことが必要であり、そのため産官学による研究所を近畿地方に誘致されたいこと。より多くの国民が新電電会社の株を資産株として持つことは、新会社への監視の目が届くことになり、国民からも歓迎されることが期待できるとしていること。
 後藤公述人からは、電電公社が民営化されても当分は新電電会社の巨大性が続くので公共性はある程度確保されようが、将来的には新規参入が本格化した以後、電気通信サービスの地域格差、所得格差が発生する可能性があることから、法案に公共性条項を明記する必要があること。原子力については原子力基本法、原子力委員会設置法等による原子力開発利用の三原則のもとに電力会社等が利用していることにかんがみ、電気通信においても同様な措置が望まれること。電報は現在なお社会的通信手段として機能を果たしており、今後も継続、発展させる意味からも電報を新会社の責務に位置づけることが必要であること。
 杉江公述人からは、加入者への株式割り当てについては、現在電話料金の請求が遅滞なく行われており、また民営企業でも増資の払い込みが全国の銀行等を通じて行われていることから、その事務処理はさほど大変ではないとしていること。現在、民営企業で一般的に行われている株式公開方法では、政府、新会社がその株式配分に参画できないので、新会社の性格から別の方法によることが望ましく、その場合は直接加入者に優先的に割り当てられることが必要であると特に強調されたこと。株式の売却益を電信電話債券の債務償還に充てることは、新電電会社の高収益性から見て、その必要性はなく、今後の収益から償還するのが望ましいこと。
 草川公述人からは、通信主権については国際電気通信条約で各国に通信主権があることを明確に定めていることから、各国の通信主権が互恵平等に尊重されるよう我が国の通信主権を法制的に確立することを特に強調されたこと。民営は利潤追
求が基本原理であり、電気通信のように高度の公共性を持つ事業は公共の福祉の増進を目的とする公共企業体の方が望ましいとしていること。現行の公企体の制度下では職員の雇用は確保されているが、民営化になれば減量経営のもとに人減らしが行われることが予想され、職員の中に雇用不安があること。
 森蔭公述人からは、新電電会社のスト規制に対する三年後の見直しに際し、撤廃させることを明確にすることが望ましいが、必ずしもそれに固執しないこと等でありました。
 なお、逓信関係業務の実情調査については、九州地方では九州電力中央給電指令所、博多郵便局を、また近畿地方では大阪福島電話局をそれぞれ視察しました。
 以上でございます。
#4
○委員長(松前達郎君) これをもちまして派遣委員の報告は終了いたしました。
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#5
○委員長(松前達郎君) 速記を起こしてください。
 これより日本電信電話株式会社法案、電気通信事業法案並びに日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、以上三案について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○片山甚市君 私は、去る百一特別国会で継続となりました三法案の審議を本通常国会で再開するに当たりまして、着任早々である大臣並びに電電公社総裁に所信を承りたいと存じております。
 報道によると大臣は、就任後いろいろな機会に三法案早期成立を強く期待する旨の発言をされていますが、多忙なことであるかもわかりませんが、今日までの審議過程で示されているさまざまな問題点や具体的な提案に対して極めて消極的だという感じを受けます。聞く耳を持たないような印象を受けるんですが、今後我々の質疑に対してどのような態度をとられるのか、大臣の決意を聞きたいと思います。
#7
○国務大臣(左藤恵君) お話しのとおり、三法案につきましてはさきの第百一国会におきまして成立するに至らず、継続審議になったわけでございます。この三法案は、日本電信電話公社の民営化あるいは競争原理の導入というようなことを目的といたしまして、これによって電気通信事業の効率化、活性化を図る、これからの高度情報社会の基礎を築いていこう、こういうことで、そういった意味におきまして、我々だけでなくて各界からその早期成立が切望されておるところでございます。今御指摘のようないろんな点につきまして、我々はこの参議院におきます御審議におきましても、先生方の御意見というものを十分お伺いをいたしまして、そしてこの新しい電気通信体制の実施に向けてそうしたことが可能になりますように速やかな御審議、そしてこの法案の成立をお願いいたしたい、こういうふうに考えておるところでございます。
#8
○片山甚市君 総裁にお聞きしますが、第百一国会の閉会後、業界誌の記事などによれば、総裁はインタビューにおいて、継続審査とはなったが新電電四月発足に何の影響もないとか、今まではお客様を意識していなかったが、これからはあなた――記者に対してもお客様だから態度は変えますよなどと発言しておりますが、総裁の気持ちがよく見えてそれなりの意味があるが、極めて問題発言だと考えます。
 総裁は、本委員会の審議で具体的に示される新しい提案に対してどのようにこたえていくつもりか。今後の審議日程をどのように推しはかって四月発足を楽観視されたのか。特に電電三法が成立することによって、きのうの利用者はきょうはお客様というように態度を変えられるというのはどういうことですか。公社のサービスというものは、公社経営のトップが口にする以上、現場で顧客を相手にしておる人たちにとって大変気になることであります。総裁みずからがその責任を明らかにしてもらいたい。特に世田谷局ケーブル火災事故の問題もあって、それは後で触れることにしますが、公社であったからああいうことになったのか、公社でなければああいうことにならないのかということについてお聞きしたい。新しい事業体の経営責任をだれが引き受けようと、当面の最高責任者であるところの真藤総裁、この夏、山の中で頭を冷やされた結果、今までの利用者を、法案が通ればお客様にするんですか。私はこのようなことについて、雑誌の上で聞くんですから、きょうは明確に真藤総裁の考え方を開陳してもらいたい。
 以上です。
#9
○説明員(真藤恒君) お答え申し上げます。
 国会の私どものこの法案についての御審議のあり方ということに対しては、こういう異例なスケジュールを今日国会でつくってまで私どもの法案を御審議を進めていただきつつある。特に国会の休会中にもかかわらず地方公聴会を開催していただく等、異例なことをやっていただいておるということに対して、深く感謝いたしております。したがいまして、この法案は国会において特別慎重な御審議をなさりながら事を進めていただけるというふうに受けとめている次第でございます。
 それから、第二の御質問のお客様という言葉についての御質問でございますが、私は電電に参りましてすぐお客様という言葉を使いました。それまで電電にはお客様という言葉は、あらゆる書類にも言葉の上にもございませんでした。加入者という言葉で統一されておりました。就任以来二、三カ月たってすぐそれに気がつきまして、そのときからお客様という言葉を意識的に会議なり書類なりに入れるようにいたしたことははっきり申し上げます。
 それからもう一つの、この間の世田谷の災害についてでございますが、この間衆議院の逓信委員会でも申し述べましたし、参議院の理事懇談会でも申し述べましたけれども、ああいう洞道の構造というものの性質上、また洞道の中のいろんな作業の技術的なあり方ということから、洞道の中で火気を使うということは必要でございまして、洞道の中の作業で火気を使うということをやめることは現在の技術レベルではできません。したがいまして、洞道の中では火災が起こる可能性があるということは、はっきり私ども責任者の立場にある者としては、意識して洞道の設計なり洞道の保守なりそういうものをやるべきでございまして、万一火災というものが起こりましてもできるだけ限定された範囲内の被害にとどめ得る、それも洞道の中に人を入れて消火作業をやるというような危険なことをやらせずに、限定された範囲内の被害で食いとめることができるような技術的配慮、設備というものがあるべきであるというふうに私は技術者の常識として考えておりますが、それが完全に丸焼けになってしまった結果といたしまして、その点を深く残念に思い、また当事者の責任者として深くおわびを申し上げた次第でございます。したがいまして、今後早急にその対策を実施いたしますということを申し述べましたが、この機会をおかり申しまして同じことをまた繰り返しておきたいと思います。
#10
○片山甚市君 世田谷の問題は改めてお聞きしますと言ってありますから、また今のは冒頭のごあいさつと思って聞いておきます。
 利用者が、法案が通ればお客様になるんだという言い方をしておるから、そういう手のひらを返すようなことはあり得ないんじゃないか、あなた個人は別です。そう言ったんですが、答えられないで間違ったことを言っています。それ以上聞きません。時間がないんです。
 大臣、そこで質問の観点を変えまして重要なことから入っていきたい。時間が十分あると思ったら、なかなかなさそうな感じがするので、質問の要点を変更して聞きますからお答え願いたい。大臣がお答えできなければ局長でよろしゅうございますから。わからぬのにわかったような顔をせずに答えてもらいたい。
 事業法及び会社法の目的と責務についてでありますが、今日までの質疑、討議によって、公共性
の確保は法改正の規範であり、公衆法並びに公社法の目的が正しく継続される当然の原則であることが明らかにされておるのですが、そのとおりですか。
#11
○政府委員(澤田茂生君) 新しい法律におきましても、公共の福祉の増進、それから国民の利便の確保ということは非常に重要なことであるということで、そういう認識のもとに法案を策定いたしております。
#12
○片山甚市君 そういう立場から、目的及び責務について、私たちとしては従来から公共の福祉の増進と国民の利便の確保の問題、会社においてはいろいろ都合があるけれども、あまねく公平なサービスを提供するような姿勢をもって新電電は日本の国民の電話を守ってもらう、こういうことを申し上げておるのですが、その趣旨は御理解がいただけますか、大臣にお答え願いたい。
#13
○国務大臣(左藤恵君) お話しのとおり、基本的な最も大切なことである、このように考えております。
#14
○片山甚市君 電話は高度情報化時代に入っても多様な情報通信手段の基盤であると思います。ミニマムだと思います。最低基準として電話が必要でなきゃならぬと思っておるのですが、そこでしたがって公平性は当然担保されなきゃならぬ。電話の場合は特に公共性の立場からいったら公平なものが担保されなきゃならぬと思いますが、いかがですか。
#15
○政府委員(澤田茂生君) あまねく公平にというような条件で、国民生活に不可欠な電話のサービスというものは提供されなければならないし、現在の御提出を申し上げております法案の中でも、「適切な条件で」というようなこと、あるいは「あまねく日本全国における安定的な供給の確保に寄与する」というようなことを明定をいたしておるところでございますし、なお電気通信事業法の七条の中におきましても利用の公平とかいうことについて規定をいたしておりまして、両法案を通じましてそういう趣旨は十分明定をしているつもりでございます。
#16
○片山甚市君 それでは、会社法の中にありますところの電報事業ですが、新電電及び国際電電の役務として、附則に「当分の間」となっておりますが、「この事業法の附則第五条に言う「当分の間」ということは、新たに法律でこの仕事をやめるということに修正しない限り存続するものとして理解をしてよろしいか。といいますのは、電電公社の方がもうちょっとしんどいから取りやめたいという、経営者の能力、考えでやめることができないものであるというように理解してよろしゅうございますか。
#17
○政府委員(澤田茂生君) 先生御指摘のとおりでございまして、現在電電公社あるいは国際電電に独占を保証しようという形になっている限りにおきましては、何らかの法的措置というものを講じなければ、そういうものをやめるというわけにはまいらないだろうと思います。
#18
○片山甚市君 総裁にお伺いしますが、今の政府の答弁は電電公社として今法案を審議する途中で、当然電報が電電の新しい仕事として含まれる、国際電電の場合はまた国際電電に含まれるという理解をしてよろしゅうございますか。
#19
○説明員(真藤恒君) 電報につきましては、今までの衆議院、参議院の逓信委員会で、御質問の際、お答えした覚えがございますが、政府からなり何からなり国の方からの何かの御指示がない限り、これは私どもが勝手にやめるというふうなことは考えておりません。
#20
○片山甚市君 そこで、附帯業務についてですが、この関係することは省政令のことについてお聞きをするときに具体的にもっと話すんですが、衆議院から修正され、送付された内容については当然のこととして、国際電電にも関係する部分があります。同様の修正をされることと思いますが、国際電電の場合、いつどういう手続で対処をされるんですか。
#21
○政府委員(澤田茂生君) 衆議院におきます電電改革三法案の修正の経緯にかんがみまして、KDD法についても今通常国会におきまして所要の措置が講ぜられるよう、現在鋭意検討をいたしているところでございます。
#22
○片山甚市君 それでは、必要な事項は省令で定めることになっておるんでありますが、公正競争を前提としつつも、新事業体の自主性を損うものであってはならないと、小山局長が法案審議のときに言われておるんですが、法修正の趣旨からいっても事前は審査をすることではない、業務を開始するときは遅滞なく報告か届け出があったらよろしいとの発言がありました。それを再確認しておきたいのですが、どうでしょうか。このことは今日まで郵政省の許認可の姿勢が事業者に対して全く配慮に欠けて、意図的に、これでもかこれでもかということでなかなか許可をしないということがありましたから心配するんでありますが、こういう国会では約束したけれども、いざやるようになったら、だれもうんもすんも言わないということにならないでしょうか。はっきり答えていただけますか。
#23
○政府委員(澤田茂生君) 附帯業務に関する省令につきましては、修正の御趣旨に沿って策定をしていくということでございます。その趣旨と申しますところが、収支相償うというのが一つの大きな原則でございまして、そういう当該業務に係る収支というものを明確にした上で収支相償うということがわかるようなこと、そういうことのために届け出を私どもはいただきたいということでございまして、これは事前のチェックをするというものではございません。
#24
○片山甚市君 このことについては、また別途郵政省に対して質問をし、詰めていきたいと思いますから、一応の御答弁をいただいたことにして残します。
 そこで、次に労調法の附則のことでございますけれども、第四条です。
 中曽根総理大臣は、本会議の趣旨説明の際に、本措置は三年後に廃止を含め見直すと答弁されたのでありますが、本音がよくわからないのであります。労使の自主性の尊重を言うのならば、また、国際電電を初め他の第一種事業とのバランスからしても、明確に三年後廃止を言うべきではないでしょうか。所管大臣としてこの、法律案は廃止される方向は持っていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#25
○国務大臣(左藤恵君) 衆議院で御修正をいただきました点、今の御指摘のとおり、「三年後に、その施行後の諸事情の変化を勘案して、同条の規定について見直しを行うものとする。」と、こういうふうな御修正をいただいております。このことにつきましては、我々は、今お話がございましたように、廃止されるような方向で処理されることを願望いたしております。
#26
○片山甚市君 大臣、電電公社は、株式会社として曲がりなりにでも経営の自主権を回復する、当事者能力を持つ。相方になる労働組合にもそれ相応のきちんとしたものが必要だと思いますし、願望ということじゃなくて、期待してよろしゅうございますか。
#27
○国務大臣(左藤恵君) お話しのとおり、三年間は良好な労使関係を続けることによってそうしたことを我々は期待いたしております。強く期待しておる、このように御理解いただきたいと思います。
#28
○片山甚市君 これは有権解釈をする法律をつくる側から言いますと労働省でありますから、日を改めて労働大臣、総理大臣にお聞きをし、我々としては、経営者に当事者能力を与える以上は、労働者の当事者能力であるところの労働基本権がきちんと確保されなきゃならぬ、こういう立場で、この案件についても次の委員会の日にさらに同僚議員も含めて質問をいたしますから、準備をしていただきたい。
 そこで、専用線の再販事業についての問題であります。すなわち、第二種事業者によるところの電話事業の単純再販について衆議院でも議論されましたけれども、現行料金体系のもとでは新電電の経営を圧迫することは必至であると思われるの
で、したがって、契約約款によって単純再販を禁止することについては、郵政省は認める用意があるのか。このことは国際電電も同様だと言われておりますが、その手続、方法はどういうようにやられますか。
#29
○政府委員(澤田茂生君) 現行の専用線の料金体系のもとでは、第二種電気通信事業者による専用線の単純再販というものが新会社の経営に大きな支障を及ぼすというような場合も考えられるわけでありまして、そういう場合には単純再販を禁ずる約款にございます。こういったものについても郵政省といたしましては認可をするという考えを持っておるということを申し上げておきます。
#30
○片山甚市君 特に、これはクリームスキミングの問題があって、もうかるところの電話回線だけが、地域だけが食い荒らされたならば他の地域におけるサービスに影響を及ぼすという、日本国中のあまねく公平の立場からやるのでありまして、第二種の人たちをいじめるとか、それを追い込むとかいうつもりはない。公正競争をやるんですが、不公正な競争にならないように、特に行政当局としては今後注意をしてもらいたい。これは要望しておきます。
 そこで、電気通信関係の情報通信産業についての事業ですが、政府は毎年一回情報通信概況を国会に提出すべきではないかということで聞いております。それは第一種業者も含めて概況報告を政府は責任を持って国会に出されること。特殊法人、特殊会社としての予算責任上のものを出すのはこれは別。これは、ょその特殊法人と同じ横並びであって、特別のものはない。日本航空会社みたいなものを出すのは新しい電電でも同じだけれども、それ以外に日本の通信事業はどういうことかという中に、新電電の姿をょその第二電電の方も全部出るような計画をされることが、政府が三分の一以上の株を持っている立場で、我々国会が判断する資料になると思うんですが、そういう準備はされますか。
#31
○政府委員(澤田茂生君) 先生おっしゃいました新会社につきましては、財政法による書類を提出する、これは当然でございます。衆議院の附帯決議におきましても、そういう御要求がなされているところでございまして、私どもといたしましては先生お話しのとおり、そういう資料についての提出をいたしたいと考えておるところでございます。
#32
○片山甚市君 もう一度私から念を押します。
 電気通信事業について高度情報化社会という場合にインフラストラクチャーになることは公聴会でも明らかになりました。そういう意味で公共性が非常に高いということですから、最小限度の公的コントロールとして国会から情報通信事業の概要について報告を求められれば、先ほど申しましたように、いわゆる他の第一種業者も含めた通信事業については非常に困難なこともあるかもわかりませんし、法的命令権はございませんから難しいところでありますが、しかし許可をした以上、第一種事業者として、それはどうなっているかということについてきちんと報告されることが前提である、新電電だけ報告せよと、ほかは知らぬぞということにならぬようにされますか。それは法律上じゃなくて、政府の行政指導上の態度、法律を制定するに当たってお聞きをする。ぜひともそうしてもらいたいということであります。
#33
○政府委員(澤田茂生君) できるだけ御趣旨は沿うようなものとして報告をいたしたいと思います。
#34
○片山甚市君 できるだけということはできないこともあるということですか。
#35
○政府委員(澤田茂生君) 先生もお触れになられましたように、法律上即報告をとるという形にならないものもあろうかと思いますので、御趣旨のような情報通信概況というようなものができるだけおわかりいただけるようなものとして私どもも努力をいたして提出をいたしたい、こういう趣旨でございます。
#36
○片山甚市君 第二電電を育成しなければならないとか、技術的な付与、基礎研究しなければならぬとかということを言う以上は、今の場合日本電信電話株式会社ができましたら――それはわかっておるんですが、全体の中でどのような状態かということが比較考量されなければならぬと思う。だから、できるだけじゃなくて、それは必要な資料でありまして、国会が求めることであります。判断資料です。意見を述べるのじゃない、我々が公平な判断をする、適切な国民としての判断をするためには情報を提供されるべき義務がこういう計画をした立場からある――第一種業者の話ですよ。そうして第二種はどうするのか次の段階に入りますが、とにかくもう一度大臣にお聞きします。
 私は、こういうものがきちんと出されて、初めて情報公開法の基礎になるのじゃないか。こんなものを出せない、命令権がなければできないというんじゃなくて、お互いにインフラストラクチャーとしての社会基盤としての役割を明示すべきじゃないか。大臣の答弁を求めますが、いかがでしょうか。
#37
○国務大臣(左藤恵君) 御趣旨の点十分理解できますので、今の線につきましては出すということで努力をさしていただきたいと思います。
 内容につきまして、例えばプライバシー問題とかいろんなことも若干また出てこようかとも思いますけれども、今の先生の御趣旨の線を崩すことなく出すという線で報告をさしていただくということにさしていただきたいと思います。
#38
○片山甚市君 次に、事業計画ですが、経営の自主性を最大限尊重する立場から、事業計画の認可の対象はサービス計画、建設計画とし、収支計画、資金計画は添付資料として提出されるようになりましたけれども、添付資料については大まかなものであるというふうに考えられますが、いかがでしょう。特に、国際電電もこの機会にNTTと同じように扱われるものとして理解してよろしいか。
#39
○政府委員(澤田茂生君) 先生の御意見のとおり、私ども処置してまいりたいと思います。
#40
○片山甚市君 料金の問題についてですが、最近の報道によると、第二電電が電話サービスをやることになったようでありますが、その料金は新電電よりも安くすると公言しているようであります。したがって、常識的にも競争関係にある新電電も、当分の間料金の値上げはないと考えますが、どうでありましょう。
 さらに、世界的な急速かつ大規模な経済変動などがない限り、今回の法改正を理由とする料金値上げは当分の間ない。前国会では大体電電公社の発言を中心にして、遠距離を下げていく、しかし当分の間近距離を上げる用意を持っておらない旨を発言されておりまして、集約的に言えば五年ほどの間は格段のことが起こらなければ料金の値上げを用意してない、こういうところについて、この百二国会冒頭に百一国会のときとは違って別のお答えをするのか、いやそのとおりです、当分の間料金値上げをする用意を持たない。それで、インフレが起こった、世界的な恐慌が起こった、こういうことになれば別でありますが、しかし、今のような状態が続く限り、経営の理由をもって値上げをするような条件はないということ。ないために民営化した、会社化したんだと言って威張っておったでしょう。この際、もうそれは威張るのやめた、料金を値上げすることもあり得るんだというようなことになるのか、それともどうなのか、まず局長からお答え願って、最後に大臣の方で決意を述べてもらいたいと思います。
#41
○政府委員(澤田茂生君) 当分の間料金値上げというものは行うべきではなかろう、また十分それに対応できるであろうと私ども考えているところでございます。ただ、経済の状況というものが大変大きな激変が起こった場合、こういう場合はまた新たに検討しなければならないかと思うわけでありますけれども、私どもの料金値上げに対する対処の仕方というのは今申し上げたところでございます。
#42
○国務大臣(左藤恵君) 今局長がお答え申し上げましたように、市内料金を含めまして値上げを行
うべきでないと。今五年程度というふうなことがございましたけれども、そういった点で激変のない限りはそういうことで行うべきでない、そういうことで十分やっていけると私は考えております。
#43
○片山甚市君 非常に押しつけがましいんですが、電電公社の場合、総裁の立場として、国会で押しつけられるという形でなくて、今までの発言からいっておおむね四、五年と言われることになっておるんですが、いかがでしょう。決意のほどを聞きたいんです。
#44
○説明員(真藤恒君) 今大臣、局長から御答弁がありました線で私どもは経営を続けていくという責任があるというふうに考えておりまして、したがいまして、今御答弁のとおり、経済界の激変がない限り、当分の間値上げということは全く考えずに経営を続けていくつもりですべてのことを考えております。
#45
○片山甚市君 大臣、これは私が一方的に言ったんじゃなくて、奥田郵政大臣のときに内々、さきの国会でもし議了するようなことになればその案件をどうしようかという話をしたときに、大体五年ほどの間上げたくない、上げないと言っておりましたから、単なる決意じゃなくて、民営にすれば値上げするじゃないかという一般的な風潮に対して、この国会で電話料金は五年ほど上げないで頑張ります、こういう決意だというようにとっておきます。今審議が始まったところですから、あと何日やるかわからない。その間に心変わりしたら心変わりしたと言ってよ。一事不再議ですから二遍言えないようになっておるけれども、世の中にはうそを言う人もおるから、そのときは言われてもしようがないから議論しましょう。まあ、信用しますから。
 そこで、次の問題ですが、日本政府は労働問題を治安問題というふうに取り上げることが大好きなために、先ほど申し上げたストライキについても、日本の国民が困ってもいいからストライキしたらいいんだというふうなことでああいう規制法をつくってみる。十五日間労働大臣がもてあそんでみたりなどという、子供のおもちゃを取り上げて子供を困らせるようなことをする悪魔がおるんですが、そこでその最たるものとしては、労使問題について政府が直接介入してきたことは事実である。いや、今公共企業体でありますから、昨日もそうですが、国家公務員が縮小しておるんだから全体的に年末手当も下げろというようなことで下げてきました。今度NTTは御承知のように株式会社になるとすれば、明確に新電電は国際電電と同じように賃金を初めとする労働条件等については労使間の自主的交渉の決定にゆだねられるものであって、政府がこれからは――今までやってきています――これからは絶対に介入しないことについて明確に表明しておいてもらいたい。郵政省が所管でありますから、大蔵省が言うてきても知らぬふりをしていてくださいよ。泥棒みたいに人の物を懐に手を突っ込んでとるのが好きな大蔵省の言うことを聞いては困りますから。まず実質的に言えば税金を納めるのは株式会社です。そこが何をしようと――むちゃくちゃしたらだめですが、そういうことで、その決意のほどを答えてもらいたい。
#46
○国務大臣(左藤恵君) 今回の電電公社の改革につきまして事業当事者に十分な自主性というものを与えるということが一つの目的であるわけでありまして、私はそういった意味におきまして労使間の賃金その他の労働条件の自主的な決定について政府が介入するというつもりはございません。
#47
○片山甚市君 今まで介入したということは確認しておいてほしい。わかりますか。これからしないという先ほどの総裁のお答えのように、今までは利用者とか何とか言ったこともあるが、本当にお客様と言いたいという。割にカリスマ的、ファッショ的な真藤さんですから、おれが言うておるんだからおまえ言えというような感じもします。悪いことでないからお客様と言っているんですが。と同じように介入してきた、だが今度はしない、法律的立場から言う根拠がない。こういう意味も含めて確認するというより私の意見を述べておきますから、後で困ったら、あれは片山議員が言いよったけれども、おれは大臣として納得しないよと言うんならもう一度言葉を返してもらって結構です。余分なことです、これはまだ残しておきますから。
 そこで、電話料金は基本的な料金について御承知のように認可制度になることになっております。そのときには電気通信審議会にかかることになるんですが、私たちはガスや電気と同じように法律で、政令で公聴会を必ず開いて国民に開かれたものにしてもらいたいと思っておるんですが、今までも手違いがありまして十分に法改正の要求をしておりません。しかし、答弁の中に御承知のように電気通信審議会の中に公聴会を必ず開くようにしたいというあれだから、それについてどこで明記していただくのか。きょう答えられなかったら、その検討のために、この国会が終わるまでの間、これを成立をさせるためには、料金を決めるときには公聴会を必ず開く、開いてガスや電気並みに御相談をしてからやる。やみの中でやらない。審議会はいい人が来ておるんだから大丈夫だ――いい人ですから間違ってやるんです。国民が入ったらいいも悪いも全部入っているんですから。そういうことで公聴会を開いてもらうように制度をつくってもらいたい。これはずっと言うてきたんですが、きょうは答弁としてそういうことによって工夫して最終的に法案を上げるときには審議会の中のどの項をどのようにする、別に政令をどうする、また省令をどうする、こういうことで意見を述べてもらいたい。まず担当者が我々とつき合ってきたんですから、担当者の方が先に――担当者というか、政策局長などから言うてもらって、そうして後で大臣からお答え願いたいんです。
#48
○政府委員(二木實君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、審議会で料金等の審査をしていただくわけでございますが、審議会の決定につきまして国民の声が広く反映できますように公聴会等を開くことが有益だろうと思っております。公聴会を開くにつきましては審議会の規則の中でやるかあるいは省令の中であらかじめそういったものを設けるか検討中でございますが、料金の中にもいろいろ種類があるわけでございますので、審議会そのものが公聴会をこの際には開くか開かぬかという判断をしてもらうことも一法かと思っておるわけでございまして、また同時に、私どもが料金を諮問する際に、これについては公聴会を開いて料金等について御審議していただきたいという希望を申し上げることもできるかと思います。いろいろな方法がございまして、現在それにつきまして検討中でございます。
#49
○片山甚市君 二木さんは私の言うことを聞かなかったか、私の大阪弁がわかりにくかったかわかりませんが、国民生活に影響が大きい基本的な料金改定などに当たって基本的な認可料金になる分ですよ。いわゆるそれは業者が決めるんじゃなくて、政府が決める分について基本的なという意味です。当然基本的にいえば一度数何円するかという基本があります。そういうふうな基本電話料金のようなものを決めるときには当然四千三百万の人が関係するんですから、審議会でやるべきではない、国会でやらないんですから。そうでしょう。共産党の方から、これは法定を外すのはけしからぬじゃないかとおっしゃった、先ほど言いました公聴会の報告で。我々もそれはありますが、百歩譲って企業の自主性を保つためには基本的な料金については電気通信審議会で諮るんですから、どれがどうじゃなくて、基本的な料金については公聴会を開いてもらいたいと思いますが、それはできませんか。
#50
○政府委員(二木實君) 先生御指摘のとおり、公聴会を開くことにいたしたいと思います。
#51
○片山甚市君 そこで、取締役の選任のことですが、新電電の取締役を認可事項とすることについて、代表取締役のみでよいではないかという私たちの意見に対して、衆議院における審議の中では、奥田前郵政大臣は再三にわたって、委員会全
体の意思であれば与党に伝えるという答弁をしておりますが、取締役について認可になるということについてなぜ固執されるのか、お伺いします。
#52
○政府委員(澤田茂生君) 新会社の規模といいますのが、約十兆円の総資産、それから四兆六千億の収益、従業員が三十二万人強という大変大きな事業でございまして、その事業の公共性というものあるいは重要性という観点から見ましても、取締役の認可というものはぜひ必要である、取締役の職責は極めて重要であるというふうに考えているわけでございます。ただ、認可といいますのは任命と異なりまして事業体の自主性というものを尊重するということについて大きな差があるわけでありまして、そういう点をお酌み取りいただき、御了解を賜りたいと思います。
#53
○片山甚市君 もう一度聞きますが、特殊会社である限りその事業が政府の方針に沿ったものでなけりゃならないということで、新電電の場合には株主権行使によってその目的が実現できると思います。したがって、取締役の選解任については関与は代表取締役程度で足りるのではないか、二重に縛りをかけなきゃならぬということについては納得できない、こういう私たちの気持ちがあるんですが、なぜ二重に縛るのでしょうか。
#54
○政府委員(澤田茂生君) 先ほどもお答え申し上げましたように、私どもが守らなければならない国の電気通信サービスというものを確保するという観点からも重要な関心を持たざるを得ないわけでありまして、そういう意味で、責任を持ってその職責に当たる、役職に当たる方々につきましてはやはり私どもも十分な関心を持ってまいらなければならないということであります。二重の手間とか関与ということではなくして、他の特殊法人の類例を見ましても、むしろ一般の取締役の任命のほかに代表取締役というようなものの任命についても関与をするというようなことがあるわけでありますけれども、私どもの今回の新法におきましては取締役の任命について認可をするということにとどめているということでございます。
#55
○片山甚市君 そのことも納得できませんからまた後の委員会でもう一度質問をすることになると思いますが、意見が違うということだけ申し上げておきます。留保しておきます。
 そこで、料金決定の原則ですが、事業法の法案の三十一条の二項には「適正な原価」とされていますが、総括原価方式はうたわれておりません。今日までの審議の中で総括原価方式を政府も認めているということでありますが、この際それは認められるのかどうか、まずお聞きします。
#56
○政府委員(澤田茂生君) 料金決定原則につきましては事業法で定めているところでございますが、原価プラス適正利潤というものを前提にして料金というものが公正妥当なものであるかどうかについて判断していこうというのが基準であるわけでございますが、役務ごとの厳格な個別原価主義、もちろん個別の原価に基づいた料金というものを基準にして物事は考えなければならないのでありますけれども、総体収入の中で総体支出を賄えばよいという総括原価主義というものは現行法律の上でもとれるというふうに私どもは理解をいたしているところでございます。ただし、競争制限的な内部相互補助というものは、これは認めてはならないというふうに考えております。
#57
○片山甚市君 今お言葉がありましたが、適正利潤率というものがその中に入って総括原価主義でやられるということは理解してよろしゅうございますか。特に、日本国じゅうあまねく公平なサービスをする部門と今おっしゃるように競争原理が働くところとについては、それぞれ厳しく省政令のところであなたたちと言い合いをしますから、妥協しませんから、あなたのところと。全体的に電電公社の経営全体は総括原価方式をとられるんですね。個別の問題についてはあなたがおっしゃるようなことはありますが、全体はそうですね。
#58
○政府委員(澤田茂生君) 総体としての収入の中で総体支出を賄うという考え方が総括原価主義で、こういったものを現行の法律は否定をいたしてないということを申し上げているところでございます。
#59
○片山甚市君 そうすると、第一種事業者の役務についてお伺いしますが、第一種事業者の責務はどこまでであるか。これは電話回線を通じて言いますが、まず、現在の保安器から保安器までのネットワークは基本的な役務であり、それから先は利用者の選択によって端末機は買い取りでもレンタルでもよいということになりましょうか、それをお答えください。
#60
○政府委員(澤田茂生君) サービスの態様といたしまして、現在行われておりますような、言うならば黒電話、本電話機というような形、端末まで提供するサービスというもの、あるいは端末は各人の選択に任せるということでそこは事業体としては提供しないという、ローゼットまでというような方式、これは各事業体がそれぞれいずれも選択して提供することができるし、顧客といたしましても両方をそれぞれ選択をするということができるというのが今回の改正の大きなねらいであろうというふうに私どもは理解をいたしております。
#61
○片山甚市君 私が申し上げたことについて間違いがありますか。私が申し上げたことについて理解ができませんでしたか。反対ですか賛成ですか。
#62
○政府委員(澤田茂生君) 賛成でございます。
#63
○片山甚市君 その上に立って、端末機の売買契約については、やり方が同じであれば第一種事業者も第二種一般事業者も公平の原則に従い全く同じ取り扱いを受ける、そういうふうに理解をしてよろしゅうございますか。
#64
○政府委員(澤田茂生君) 端末機の売買というのは、第一種事業者あるいは第二種事業者であろうと、いずれも販売をすることはできるということでございます。
#65
○片山甚市君 これ以上詰めませんが、なかなか難しい市場の内容になっておるようでありますが、公正な競争をやるということであれば、第一種であろうと第二種であろうと、取り扱い上の特別な特権がなければ平等なものだと思う、取り扱いの契約は。そう思っていますから、またこれで終わりになるのではありませんから、もう一遍心配だったら私の方に質問してください。私の方はちゃんと考えておるんだから。
 そこで、先ほどもお話がありましたところの電気通信審議会ですが、電気通信審議会の責任は今日までよりも一層重くなる、したがってその構成も、さらに幅広い国民諸階層から選ばれる必要があると思います。常に電気通信事業に対して国民の意見を反映し得るようにすべきであると思うが、特に利用者、消費者の代表を参加させるべきであると思いますが、今までよりもやはりメンバーも内容も変えていく必要である。我々は国民の代表を入れるべきだ、事業者の代表じゃなく、単なる学者の代表じゃなくて、消費者がたくさん入る。イギリス等を見なさい、株を売ったら二百万人ぐらい買ったという。電電の株も売って三百万人も買ったら株主総会も楽しくなるじゃないですか、三分か四分で終わる株主総会じゃなくて。
 そういう意味で、電気通信審議会というところでは本当に電気通信の将来についていろんなことが語り合える、相談ができるような場所とするためには、今までのメンバーをよりかえるべきだと思う。そういうことで消費者とか一般の市民も入れるということを言ったんですが、ここで人選を言っておるのではありません。特別の人を入れてもらいたいと言っておるのではなくて、当然諸階層の人が入るようなことにしてもらって、今までのように学者が偉いんだとか会社の社長さんが偉いんだとか経験者が偉いんだとか、こんな話は、偉い人はょそで研究会やっておるからやってください。研究じゃないんですよ。法案を審議する、前提の法案をつくるときの意見ですから、そういう意味で従来と違ってかえてもらえるかどうか、そういうことについてお聞きします。
#66
○政府委員(二木實君) 電気通信審議会の委員は学識経験のある者から郵政大臣が任命するということになっておりますが、審議会の任務そのもの
が、先ほども御質問ございましたような料金の諮問だけでございませんで、全般の電気通信の政策等御審議願うわけでございますし、さらには有線放送関係のCATVの認可等もございます。いろんな分野にわたりましての御審議を願うわけでございます。しかも、審議会のメンバーの数というのは、最近の行政改革の一環としまして非常に限られた人数になっております。そういう中で私ども精いっぱい、現在先生の御指摘のような国民の声を代表するメンバー構成をとっているというふうに思っておるわけでございます。しかし、これからもいろんな面につきまして御指摘の面、十分意を用いながら審議会のメンバーの構成については配意してまいる所存でございます。
#67
○片山甚市君 御答弁はいいんですが、いざ任命してみるととんでもない食わせものだったりする可能性がないとは言えない。今まで余り知らぬけれども、年寄りでもう時代済んでおる人が、経験がいいとか何とか大学を出ておるとかということで出てきておるような感じのする人がおります。個人名は言いませんよ、総体の話ですから。おれに言われたんじゃないかと、もし今の電気通信審議会の委員の人がおるんなら、自分はそうでないけれどもだれかそうだろうと思ってもらって結構ですよ。先ほど出たように、電気通信の料金を決めるときにはこの人が一つの柱になって政策を決めるときにはなるんでありますから、その点では特に念を押しておきます。
 そこで次の問題ですが、この会社法ができましたならば設立委員ができることになっておりますが、奥田前郵政大臣は、だれの目にももっともだと映るわかりやすい透明度の高いものにする、設置場所については郵政省でも公社でもないと答弁しておりますが、具体的に法案がまだ通っておりませんけれども、設立委員についてどういうようなお考えで新大臣はお考えになるか、それが第一。
 第二に、設立委員は、国民の共有財産を継承するにふさわしい事業体をつくり上げるかなめとなるものでありますから、それの任命に当たっては国会の意思が反映し得る各党の諸君の意見も出るようにすべきだと思いますが、どうでしょうか。
 二つお聞きします。
#68
○政府委員(澤田茂生君) 設立委員といいますのは特殊会社の設立事務という大変重要な公的な職務を遂行するわけでございますので、それにふさわしい方々を、各方面の意見を伺いつつ郵政大臣の責任で厳正に人選をしてまいるという所存でございます。また、設置場所等につきましても、公正なまた中立に処理できると、国民の目からそういうふうに映るようなふさわしい場所というものを選択をしてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
#69
○国務大臣(左藤恵君) 今局長が申しましたように、私は、これからのあるべき方向を示していく大切な仕事をお願いする方々であるわけでありますので、深い経験とあるいは立派な識見をお持ちの方をそういった方々の中から、皆さん方に御理解いただけるような、そういう設立委員の選考に当たるべきだと、このように考えております。そういうことで、法案が成立いたしました段階において、そういった点について十分配慮して選考に当たりたいと、このように考えておるわけであります。
#70
○片山甚市君 大臣、任命に当たって国会の意思が反映できるようにしてもらいたいと申し上げたのは、これから委員会で各党が話をしますから、そのときにどんな話をしたかということは全部受けとめてもらって設立委員のいわゆる選出について大臣としての決断をしてもらいたい。大蔵大臣がどう言ったとか総務庁長官がどう言ったとかいうふうなことはどうでもいい。あんたは新任だといったって郵政大臣に違いないんだから。あんたが決めると書いてあるんですよ、内閣総理大臣が決めると書いてないんですから。そうすると、奥田前郵政大臣が言われたように透明度の高いものでちゃんとしたいと、こう言われたことについて、透明度が高ければ、そう私たち申し上げることについても、人事の問題ですから名前を言うんではありませんよ、こういうようなこういう段取りをしていきたいということで話をしておるわけで、委員会そのものでそんな個別の人事をやるんじゃなくて、考え方を述べておいて、それからあとは各党によく聞いてもらいたいし、それが国民の意思を聞くことになるんで、大臣のお考えはいかがでしょうか。
#71
○国務大臣(左藤恵君) 今お話がございましたように、例えばこの委員会の御審議の中におきましてこういった人を選んでもらいたいというふうな各党の御意思というものは十分お伺いいたしまして、そしてその公正な人選というものを期していきたいと、このように考えております。
#72
○片山甚市君 午前中の審議はもう一点だけ聞いて、私午後に移ります。
 監査役についてですが、新電電の監査役については、利用者の代表及び当該従業員の組合などが推薦する者を加えてほしいという私たちの意見があります。経営が独善に陥らず利権に走らず、民主的経営を確立させるために必要であるというんですが、これについてはあなたの方が特定の人を今枠をつくるわけにいかない、こうおっしゃっておるんですけれども、我々はチェックをしていく体制として、やはり利用者の代表というのはまず入れてもらいたいですね。従業員から推薦する――従業員の組合の代表ではありませんよ、そこの当該の従業員などが推薦する人たちを入れてもらいたいということですが、人事にかかわることですから、考え方を大臣から述べていただき、それで終わりたいと思うんですがどうでしょう、大臣。
#73
○政府委員(澤田茂生君) 新会社の監査役というのも非常に重要な役職でございまして、幅広い観点から会社全般についての運営について適正な判断がなされなければならないわけでありまして、幅広く全体的な視野に立ってその職責が全うできるような方というのがふさわしいであろうというふうに思います。したがいまして、初めからこういう枠というものを決めるのはいかがかというふうに考えております。
#74
○片山甚市君 大臣。
#75
○国務大臣(左藤恵君) 今局長から申しましたようなことでございますが、新会社の監査役というものが今お話しのような非常に幅の広いところから、特に今お話にございましたこの電気通信を利用するという国民の代表というふうな立場で、特にこれがだれのどの代表だとかいうふうなことはなかなか特定しにくいだろうと思いますけれども、しかしそうじゃなくて、選任するときの考え方としましては、国民の代表というような方が十分それがあらわれるような形で選任をするということに持っていきたいと、このように念願をいたしております。
#76
○片山甚市君 設立委員と監査役については今御答弁を聞いただけでありまして納得できませんから、引き続き私の方の御意見を申し上げる機会をつくりたいと思います。どうもこれで。
#77
○委員長(松前達郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時四分開会
#78
○委員長(松前達郎君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、日本電信電話株式会社法案、電気通信事業法案並びに日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、以上三案を便宜一括議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#79
○片山甚市君 私は、今日までの審議の過程、特に衆議院段階における質疑を尊重し、本委員会における同僚委員の発言を踏まえつつも、なお本質的な議論を深めておかなければ、百年余りの我が国の電気通信事業が将来、政治、経済、文化、社
会、各般にわたる影響を与えるだけに、禍根を残すことになると思い、質問をしたいと思います。そういう立場から、去る七月二十五日、参議院本会議における私の質問に対して、中曽根総理大臣を初め関係閣僚の答弁をいただきましたけれども、まことに不十分で納得できておりません。新しい大臣に対し、総理大臣あるいは当時の所管大臣に成りかわって、左藤大臣が我々の質疑について前向きにお答えを願いたい。
 午前中は取り急ぎ申しましたが、今回、午後の討議については個別の問題について質疑を行いたいと思います。
 まず、冒頭に大蔵省にお伺いします。
 新電電に対しては、法改正による公租公課の負担はどの程度になるのか、これをまず電電公社、大蔵省からお答えを願いたいと思います。
#80
○説明員(岩下健君) 四月一日以降のいわゆる新電電としての税の負担でございますけれども、税負担の前提となります例えば資本金の金額、その他また政令等で定められるべきものがいまだに決まっていないという点もありますので、現在の時点で課目別に具体的な数字を的確にまだ申し上げる段階ではないんでありますが、おおよそ、例えば五十八年度の収支差額、利益でございますが、この程度のものを前提に試算をいたしますと、国税、地方税合わせまして約二千億円というふうに推定をしております。
#81
○説明員(小川是君) お尋ねでございますが、私どもの方は税制の制度を担当いたしておりますものですから、具体的にどのような税額になるかという点についてはちょっとお答えできる立場にございません。
#82
○片山甚市君 それは別の機会にまた大蔵省に聞くことにします。
 それで、この新たな税負担は企業努力で今後継続的に吸収していかねばならないのでありますが、十分可能性があるということでありますか、公社について根拠を示してもらいたい。
#83
○説明員(岩下健君) ただいま申し上げました程度の税負担は十分吸収し得るというふうに考えております。
 と申しますのは、例えば収入面におきましても、今後販売の努力ということが新しい会社の商品の改善によりまして可能でありますし、また新しい事業分野への拡大と申しますか、こういった点につきましても、収入、売り上げの増加は十分期待し得ると思っております。また、費用面につきましても、例えば金融費用の圧縮、その他費用全般につきまして、経営努力によりまして現在よりもさらに効率的な経費の使用とかいろいろ考えられますので、先ほどの公租公課の負担、これは経営努力によりまして十分吸収し得るという確信を持っております。
#84
○片山甚市君 それでは、改めて大蔵省に聞きますが、マスコミの報道によると、これはことしの六月三日朝日、七月十六日毎日、読売は七月二十日ですが、電話利用税や物品税などを電話課税として大蔵省が検討を始めたということを言われておるんですが、これは事実かどうか。事実であれば重大問題であり、一般消費税の導入の口実をつくるものでありますから絶対に納得できない。昭和二十五年に電話機が物品税の課税対象から除外された主な理由を挙げてみますと、営業用に多く使われていることに加え、生活必需物資としての性格が強いので課税対象から外すということになりました。これを今のときに改めることになるのかどうか大蔵省にお聞きします。
#85
○説明員(小川是君) 来年度の税制改正につきましては、税制調査会において審議が始められたところでございますが、これまでのところ、お尋ねのような電話利用税等について検討課題として取り上げられているという状況にはございません。
#86
○片山甚市君 電話機の社会的機能は生活必需品的な要素があり、当時よりも強まっておるけれども、これを改めなきゃならぬ理由は全くない。今回の動きは単なる電話機の課税でないと思いますが、郵政大臣は、この課税の構想があるとすれば、それについてどういうお考えを持っていますか。
#87
○国務大臣(左藤恵君) 電話利用税のことについては、前に新聞なんかに載ったということは、私もそういったことだけは存じておりますけれども、しかしこれはいわゆる大衆課税ということでございますし、電話料金の引き上げというふうなことにもなりかねないような非常に大変な問題であると思います。そういった意味におきまして、我々はこういったことはもしありましても到底納得しがたい性格のものであると、このように考えております。
#88
○片山甚市君 大臣から力強い御発言がありましたから、大衆課税になるだけじゃなくて、電話を持っておる者に対する生活必需物資としての手段を失うことになりますからぜひとも堅持をしてもらいたい、こう思います。
 そこで、私が質問を申し上げるのは、次の段階で、情報化社会における情報基本法について総務庁が関係いたしますし、関係の皆さんからお答え願いたいんですが、先ほど申しましたように衆議院の答弁では、「情報産業の育成、電気通信技術の標準化のための情報基本法の制定を考える」としておりますが、具体的内容と制定のプロセスを示すことが先決ではないか。これは衆議院における回答についてのお答えをまず願いたいと思います。
#89
○政府委員(奥山雄材君) ただいま当委員会で御審議をいただいておりますいわゆる電電改革三法案が可決されまして成立いたしますと、来年の四月一月から電気通信事業分野に競争体制が導入されます。そうした新しい競争原理に基づくこれからの高度情報社会を構築する見地から、私ども電気通信が果たす中核的、先導的な役割にかんがみまして、電気通信の高度化のための基盤整備に関する法律案というものを、仮称でございますが、現在省内において検討中でございます。その中身でございますが、これからの高度情報社会を構築する上において電気通信が果たす役割の重要性にかんがみまして、良質で低廉な、そして多様な電気通信役務を全国的にはもちろんのこと、各地域においてもあまねく均てんせしめるような方途を講ずるための指針を策定したいということが第一点でございます。
 また、高度情報社会がいや応なしにネットワーク化社会であるということにかんがみまして、ネットワークを十全に発揮させるために、互換性の問題、あるいは安全性、信頼性の問題等につきましても一定の指針をこの法律の中でお示ししたいというふうに考えております。その他若干の柱を考えておりますが、いずれにいたしましても、このような幾つかの要素を柱にいたしまして、それらの郵政省がといいますか、政府が指針として指し示すガイドラインに乗って、電気通信事業者等が今後の電気通信事業を営まれる場合には、財政的な支援措置といたしまして、税制上、財政等のさまざまな措置を講じてまいりたい。大体大まかに申しまして以上のような枠組みを考えております。
#90
○片山甚市君 それは全然違うので、高度化法でありまして、情報基本法というものをどういうふうにつくるか。それじゃ情報基本法というのはどんな考え方で考えておるんですか。いわゆる郵政省に情報基本法がつくれる道理がないんでございますが、その一環としてどういうことになりますか。
#91
○政府委員(奥山雄材君) ただいま私が申し上げましたのは、郵政省が主務官庁といたしまして今通常国会に提出を予定しております法律の中身でございまして、その趣旨は高度で多彩な電気通信サービスをあまねく行き渡らせることと、地域情報通信格差をなくすることを柱としておりますが、今先生がおっしゃいました、もっと広く情報全般にかかわる基本法をどうするかという問題につきましては、情報というものが持つプライバシー保護の側面あるいはその反面といたしましての表現の自由の問題、さらには情報公開制度とのかかわり合い、もっと申し上げますならば、基本的人権とのかかわり合い等もございますので、これ
らにつきましては総務庁が中心になりまして政府全般の問題として取り組むということになっております。私どもはもちろん手をこまねいてこれを見ているわけじゃございませんで、総務庁が中心として進めておられます各検討には積極的に協力をしているところでございます。
#92
○片山甚市君 それでは総務庁に来てもらっておるんですが、答えてください。
#93
○説明員(松井稔君) 先生の御質問は高度情報社会を構築するための基本法を制定すべきではないかという御趣旨と存じますが、これは大変重要な問題であり、また多数の省庁に関係する問題でございますので慎重に検討する必要があろうかと思います。総務庁といたしましては、その所掌事務が行政機関の機構、定員、運営の総合調整ということでございます。現段階では基本法の具体的内容がまだ固まっていない状況にありますので、その内容がもう少し具体化した段階におきまして、総務庁の所掌事務の中で総合調整機能を十分発揮していくことについて検討してまいりたいと、かように存じております。
#94
○片山甚市君 十年来検討を続けてきて今日高度情報化社会になってきた、電電公社では間に合わなくなったからニューメディアに対応するように経営形態まで変えなきゃならぬと言いながら、日本の国の中では、情報基本法の中ではプライバシー保護法もない。データが外国から来たときにどうなるのか、日本からデータが外国に流れたときにどうなるのかということについて多くの危惧があるし、個人的に言えば、我々としては情報公開のいわゆる要求もある、プライバシーを守る要求もある、そうして情報について国民が参加する権利がある、情報基本法の三つの柱でありますが、そういうことについて具体的に、郵政省は電気通信をどのようにうまくやっていくのかという話であって、国民のプライバシーの問題、情報公開をさせる問題、国民がこれにかかわってくるような問題については今のところ何一つないというんですね。ハード面におけるところの話はあるけれども、ソフト面における問題がないということでは非常に残念でありますが、総務庁はそれがいつごろまでにこういうような基本法について制定する用意があるのか。片一方では御承知のように通産省は基盤法をつくる、郵政省は高度化法をつくる、そういうことの中で自分たちのエリアの問題については熱心でありますが、国民全体を包括するところの仕事をする総務庁、かつての総理府、行管庁などの統一した役所としてそれに対する対策を命じてもらわなけりゃ、法律としては公社がなくなって株式会社ができても、それを統括するところがなくなるのできちんと答えてもらいたい。
#95
○説明員(松井稔君) 先ほども申し上げましたとおり、総務庁といたしましては行政機関の運営等の総合調整ということでございます。情報化社会に早急に対応するために、実質的な諸施策につきましてはそれぞれの関係行政機関でお進めになろうかと思いますが、その内容がもう少し具体化した段階におきまして総務庁の所掌事務の中で調整機能を十分発揮していきたい、かように存じ上げている次第でございます。
#96
○片山甚市君 情報化社会における、いわゆる光の当たる部分については皆さんは口をきわめて宣伝をするんですが、前の奥田大臣も言ったように陰の部分について我々はきちんとしていませんが、情報化社会の陰の部分について総務庁は答えてください。
#97
○説明員(藤澤建一君) お答え申し上げます。
 陰の部分ということで私どもが現在まで関係しておりますものといたしましては個人データの保護の問題の御指摘であろうかと思います。それで、個人データの保護対策につきましては、御承知のとおり臨時行政調査会答申におきましても、行政情報システムの進展、国民意識の動向を踏まえつつ諸外国の制度運営の実態等を十分把握の上、法的措置を含め個人データ保護に係る制度的方策について積極的に対応すべき旨を指摘しておりまして、まさに高度情報化社会を迎え、ますます重要な検討課題であるというように考えております。
 総務庁といたしましては、従来からデータの漏えい、滅失、棄損等を防止するため各省庁が講ずべき事項の大綱を示しました電子計算機処理データ保護管理準則等を定めるなどしておりますし、また現在は臨調答申を踏まえまして、行政情報システム各省庁連絡会議の場等において行政機関の保有する個人データの保護について法的措置を含め、制度的方策の具体的検討を進めているところであります。
#98
○片山甚市君 お答えはそれだけですか。情報は情報を呼ぶということで集中する癖がありまして、その集中管理とコントロールについてどのように考えられるか。コンピューター社会における脆弱性ということになればコンピューターに依存することが多いから、災害や事故が起こった場合には、せんだっての世田谷の局九万回線ぐらいやっても日本国じゅうにあれだけの影響があるんですから、そういう意味で、私たちは陰の部分というのはもっと大きいものがあると思うんですが、いかがでしょうか。
#99
○説明員(松井稔君) 情報化社会の陰の部分のうちでセキュリティーの問題は大変重要な問題であると考えております。この問題につきましては、私ども総務庁としては、現在行政情報システムの総合調整をやっておりますけれども、各省庁の行政情報システム連絡会議等を通じまして行政情報のセキュリティー、安全の問題につきまして現在検討しているところでございます。非常に重要な問題だと考えております。
#100
○片山甚市君 検討の段階は――電電公社の会社法も検討の段階で置いてくれますか。片一方の方は皆さんどんどんどんどん進めていって、情報基本法に属するもの、プライバシー保護に関すること、セキュリティーに関するものについては今まだ検討中だということについて納得できません。
 特にコンピューター犯罪について大変たくさんな発生がありますが、その防止策はどういうようになっておるのか。そうして、そのうちにソフトウェアの財産的保護と情報データの著作権の問題で、御承知のように文化庁と通産省が議論を一致させていないことについて、この法案が成立するに当たって、データの問題についてソフトの問題はどのようになるか、犯罪が起こらないようにしておるのか、これは明確に答えてください。
#101
○説明員(松井稔君) 行政情報システムの問題につきましては現在総務庁で、今先生がおっしゃられましたソフトの問題そのほかさまざまな問題につきまして鋭意研究を進めておりまして、一部ガイドラインをつくる等しておりますけれども、この問題は行政情報に限らず広く一般的な問題であろうかと思いますが、一般的な問題につきましてはそれぞれの所管省庁で積極的に対策を講じられておることと私どもは考えております。
#102
○片山甚市君 コンピューター犯罪について防止をする具体的な手だてはどうなっておりますか。
#103
○説明員(松井稔君) コンピューター犯罪につきましては、総務庁の行政情報システムの所管ということでは、具体的には現在行政情報システムの範囲内におきましては検討を進めておりますけれども、一般的な問題につきましては総務庁ではまだ検討を十分に進めているとは申し上げられないと思います。
#104
○片山甚市君 総務庁初め皆さんが熱心でないことだけ明らかになったので、それ以上言ってもだめなんです。
 日本の国というのは国際信義を守らないところで、御承知のように、OECD理事会の勧告を採択しておりますけれども、国内法の整備ができておらないということでいまだにそれが実施されておらない。これは国際信義に違反しておるんですね。この間ワシントン条約に違反して野生の動物をどんどん入れて、クアラルンプールで非難決議が出ると慌てて総理大臣の名前で、何とかしようじゃないかという泥縄式な、いわゆる紳士面はするけれども、金もうけのためにはどんな手段も選ばない、これは我々のアニマル的なものではない
かという自己批判をするところです。
 そこで、OECDの勧告に基づくガイドラインをつくって、いわゆる情報基本法をどういうようにつくっていくのか、もう一度確かめます。OECDの勧告について、これを尊重するのかしないのか、具体的にやっておるのかやらないのか。やらなきゃやらないと言ってください。
#105
○説明員(藤澤建一君) データ保護のお尋ねでございますが、OECDが先年データ保護につきましてもガイドラインを勧告という形でお示しになりました。それで、これにつきましては私ども、先ほど申し上げましたように、政府部内におきましていろいろの会議あるいは私ども自身でこの個人データ保護につきまして検討しているわけでございますが、まさにOECD八原則というものは個人データ保護につきましての基本的な考え方を示されておるものでございます。私ども、先ほど申し上げましたような制度的に方策を検討するに当たりましては十分に尊重いたしまして、まさにガイドといいますか、手引となるようなものでありますし、大いに参考にいたしまして検討を行っていくものでございます。
#106
○片山甚市君 この際、その基本である、先ほど申しました情報三原則と言われる知る権利――情報公開、守る権利――プライバシー、さらに参加する権利などと、御説明がありましたセキュリティーの問題については多ルート化――多くのルートをつくること、複数構成をすることについて確認してみたいと思うんですが、その上に立って情報基本法がつくられなきゃならぬ。どうですか。
#107
○説明員(松井稔君) 先ほど申し上げましたとおり、この問題は大変重要な問題でありまして、また多数の省庁に関係する問題であることは先生御指摘のとおりと思います。総務庁といたしましては、運営等の総合調整という所掌事務の中で、先ほども申し上げましたとおり、情報化社会に対応いたしまして総合調整機能を十分に発揮していくことについて検討していきたいと、かように存じ上げております。
#108
○片山甚市君 御承知のように、世田谷の事件が起こりますと、多ルート化とか複数化の問題が関係の方から言われると同時に、小山事務次官は、高度化法の問題、基盤法の問題について反省してみたいなどと殊勝なことを言うようになってきておる。このときだけは事故が起こったから殊勝なことを言うておるんでありまして、「のど元過ぎれば熱さ忘れる」のたぐいで、これはやらないと思うんです。この法案を通すということならば、情報基本法をどのように制定するのか、いつまでにするのかということを明確にこの国会の間に検討して答えてもらいたい。幾ら議論してみても、そのことについて、セキュリティーを守るとか、知る権利、プライバシーを守るということにならない。
 そういうことで、大臣、私の申し上げることは無理でしょうか、きちんと答えてください。
#109
○国務大臣(左藤恵君) 今お話ございました点については、大変重要な問題でございます。情報基本法というものが、先ほどお話がありましたプライバシー保護とか、それからセキュリティーの問題、いろいろそういうことで基本的な法律でありますのでかなり時間がかかっておると思いますけれども、しかし、どうしてもこれは、やはり今後、高度情報社会を構築していく上におきましても、国民の権利を守る見地から見ましても大切なものでございますので、何としてでもこういったものをつくり上げていかなきゃならない、そのようなものであると、このように私は認識いたしております。
#110
○片山甚市君 そこで、郵政大臣の管轄になりますが、情報通信に関連して考えてみても、郵政省のテレトピア構想、通産省のニューメディア・コミュニティー構想など、既に自治体等において混乱を起こしておりますが、さらに郵政省は、電気通信高度化基盤法といいますか、高度化法、あるいは通産省の情報産業基盤法など、政府部内にそれぞれ確執を持って一向におさまる気配がありません。国民不在そのものであります。高度情報化社会も、ニューメディアの技術論や産業振興が優先し、デメリットに対して、陰のものについてメスを入れることを避けておると思います。このような行政の姿勢では、かつての高度成長が公害問題を生んだように悔いを後世に残すことになりかねない。本来なら、情報社会に対する基本政策があって、その中で電気通信のあり方が決められるべきであるのに、もうすべてが逆行しておる。
 この意味において情報基本法を速やかに制定すべきであり、法案がいつ提出されるかということについて、私たちは強く望むところです。大臣、もう一度答えてください。
#111
○国務大臣(左藤恵君) これを、なるべく早い機会に国民の皆さんのために総意を結集してつくるという必要があることは申し上げるまでもございません。何とか、この具体化を急がなければならない、このように思いますが、今のところにおきまして、いつまでにできるということにつきましては、総務庁の方でおまとめになっておられることもございますが、我々としては、なるべく早い機会にということを申し上げるほかはないと、このように考えております。
#112
○片山甚市君 そこで、プライバシー保護についてですが、プライバシー保護の法制を速やかに制定してもらいたいというのは、いつも政府が答えるように、検討中であると言いますが、アメリカ、西ドイツ、フランス、カナダなど既に十二カ国が制定をしておりまして、OECDの勧告を採択しておるにもかかわらず、日本ではそれができてない、日本だけとさえ言えるのであります。技術面、経済面では世界最高の水準と豪語しています。外国企業に席巻されることはない、アメリカのATTやIBMが来て通信をやろうと日本の通信はアメリカに負けないなどと言って国民経済についても非常に自信を持っておるんですが、しかしそのような国がなぜ情報基本法とかプライバシー保護法がつくれないんでしょうか。それは最も弱い部分でありませんでしょうか。私たちは、特別第二種と一般第二種とを区別をして届け出制にしておることについても、あえて内外無差別を打ち出している政府としてプライバシー保護の制度についてなぜできないのか。プライバシー保護法もできないような状態で外国の情報を無条件に入れられるというようなことはあり得ない。プライバシーを守るという前提でいわゆるこういうふうな国際的な通信の問題についての垣根をどうするか議論すべきではないだろうか。私たちの考えですが、いかがでしょうか。
#113
○政府委員(澤田茂生君) プライバシー保護の問題につきまして私どもが今御審議をいただいております法案につきましては、検閲の禁止とかあるいは通信の秘密の保護、いろいろな規定を設けておるわけでございますが、ただいま先生の方からお話がございました特別第二種に対して外資規制について内外無差別をしたというようなことでプライバシー保護というのは万全が期せるのかというお尋ねかと思うわけでございますが、この通信の秘密の侵害に対する行為といいますのは、これは外国の事業者であると日本の事業者であるとを問わないわけでありまして、この点につきましては罰則による担保あるいは技術基準の遵守義務とかあるいは電気通信主任技術者の選任義務というようなものを課しまして人的側面あるいは技術的側面から万全の措置を講じておるというところでございます。
#114
○片山甚市君 そこで、技術が大変立派だからそういうものをつくらなくてもまた制度ができるからと言うのですが、国民全体のプライバシー保護でありまして、そういう立場のものは、受け入れ体制がなければ、電信電話事業とか電気通信事業だけの問題ではありません、銀行の問題もありますし、医療の問題もありますし、その他国民生活万般に属する問題である、公的データバンクのプライバシーの問題もある、先ほど総務庁がお答えになったように。そういう意味で、これを総合させて何としてもプライバシー保護法をつくるべきだと考えますが、いかがですか。
#115
○説明員(藤澤建一君) 先ほども御答弁申し上げ
ましたように、先生からもまたOECDの八原則等の御指摘もございました。私どもOECD理事会勧告を受けまして、旧行政管理庁でございますが、五十六年にはプライバシー保護研究会を開催する等いたしまして、翌年は同研究会の検討結果を取りまとめたところでもあります。また、その後臨時行政調査会の答申を踏まえまして、政府におかれまして新行革大綱及び五十九行革大綱において公的措置を含め政府の方策の具体的検討を行う旨閣議決定したところでありまして、現在各省庁の局長クラスによって構成される連絡会議の場等において検討を進めているところでございます。
 なお、この個人データ保護の問題でございますけれども、この問題は御承知のとおり、我が国の現行の諸制度という面から見ますと、非常に新たな分野の問題といいますか、制度であります。そして、やはり具体的な侵害の態様であるとか国民のデータプライバシーに関する意識の中で広範多岐にわたる現行諸制度との調整、あるいはおっしゃいますような情報公開等の関係、さらには進展著しい、やむところございませんが、今後の情報処理技術の発展とか費用対効果等について十分な検討を行いまして、おっしゃいますように諸外国の制度運用の状況とかOECD理事会の勧告等も考慮しつつ鋭意十分な検討を行って結論を得べき問題でございます。そういうことで現時点においては結論を得る時期をお示しするということは困難な段階でございます。
 この問題につきましては、先ほど申し上げましたように臨調答申を受けまして積極的に私どもとしては取り組んできてまいっておりますし、今後も努力していく所存でございますけれども、申しましたように各般にわたり広い視点から多々詰めていくべき問題がございます。そういう意味では大作業といいますか何といいますか、そういうような性格のものでございます。そういう点はぜひ御理解を賜りたいと、こう思うわけでございます。
 なお、先生がおっしゃっておられました民間部門のお話でございますけれども、この点につきましては、先ほどからも私どもの方から御答弁申し上げておりますように、総務庁としては臨調答申を受けまして行政機関における電子計算機利用に伴うプライバシー問題の検討を行っておるわけでございます。これについて努力しているわけでございます。私どもとしましては、民間部門におけるプライバシー保護につきましては、やはり我が国の実情といいますか、業種業態によりまして、システムの内容であるとか規模であるとか処理方法等は非常に多種多様でありますし、また所管省庁もおのおの異なるというような現実がございます。したがいまして、それぞれの所管省庁で検討さるべきものというように考えておるわけであります。総務庁といたしましては国の行政機構定員及び運営というような総合調整という役割を担当しております。民間企業における個人情報の保護の問題については直接所掌する立場にはないと考えております。
 以上であります。
#116
○片山甚市君 国務大臣である左藤郵政大臣に聞きますが、これらの問題を取り扱う省庁は、それでは統括的にするのは、二つ以上の省にかかわる問題はどこがやるんですか。
#117
○政府委員(奥山雄材君) 先ほど総務庁からお話がございましたように、プライバシーの保護全般にかかわります問題は各省庁の所掌事務にかかわる分野が大変多うございまして広範多岐にわたる境界領域がございます。そこで、全体的な総括調整は総務庁の方でおやりになっていただいていますが、今総務庁からお話ございましたように、例えば民間分野におけるこの問題をどうするかといったような部分につきましては各省庁が取り組んでおります。そこで、現在御審議いただいております電電改革三法案の中の電気通信事業法案の中におきましても検閲の禁止あるいは秘密の保持といったような総則的な規定のほかに管理規程なりあるいは技術基準についての規定なり、あるいは一定の資格審査を求めるなり資格要件を求めるなりといったような維持基準、具備基準を設けたりしておりますし、さらに罰則その他の規定によりまして担保も行っているわけでございまして、これらが現在統一的なデータ法ができていない段階では各省庁がやり得るベストの方法だろうということで、今私どもまた御提案申し上げているところでございます。
#118
○片山甚市君 何もしてないのにしておるように言うのはやめてほしいんです。こちらが質問したら答えられなくて、出てきたらさも検討しておるように言うけれども、法案があるから仕方なく答えておるだけじゃないですか、総務庁だって郵政省だって通産省だって。自分のソフト権をどうするかということになれば文化庁と通産省が言い合いをやってみたり、情報通信をめぐっての権益としては郵政省と通産省と争ってみたりするけれども、本気で国民全体のプライバシーを守っていくとか情報基本法をつくって住みやすい環境をつくる、いわゆる情報の集中管理をされないように、コントロールをされて権力が集中しないようにするためにどうしたらいいかというようなことになっておらない。幾ら聞いてもだめ。
 具体的なことを聞きます。
 これは大阪にある株式会社のダイケイという会社ですが、それがNTTの、日本電信電話公社の電話番号の情報をデータベース化しまして、これによりその他の個人情報等を付加して商品化していることについて、いわゆるテレビでも放送されたように、知っておると思います。これはどういうことでやったと思いますか。答えてください。
#119
○説明員(神林留雄君) 事実関係の方は私どもの方からちょっとお話しいたしますが……
#120
○片山甚市君 簡単に。
#121
○説明員(神林留雄君) ダイケイという会社がございまして、私どもの電話番号帳を主として使いましてその情報をコンピューターに入力して、それをもとにどういうやり方をしますか、例えば地域別に、ある地域に住んでいる人を出してくれとか、そういうような商売をしようとしておるということは私ども把握してございます。現実に商売ができておるかどうか、要するにお客がついておるかどうかという事実関係については、ちょっと私どもとしては把握しておりません。
#122
○片山甚市君 それだけですか。――電話番号情報とは、もともと通話を相互に行うための利便を目的としたものであるし、電話番号案内簿は案内局で適当なときに新規加入の者とやめた者を差しかえるのであります。一般の電話帳は一年半ですけれども、今電話帳じゃなく電話番号案内簿でありまして、更新をしておるわけです。一番最新のデータをだれが持っていたのか知らぬけれども、それを売っておるわけですね。そのときの話は十万円ぐらいで買ったとか言っておるんですが、そのことは別にしておきます。そこで、そのことに限定して個人が了承を与えて電話番号簿をつくったと思います。それを他の目的に使用することを、それも組織的、集中的に、さらに特定の者の利益行為に供することについてはプライバシー保護上納得できないと思いますから、澤田局長答えてください。
#123
○政府委員(澤田茂生君) ただいまの先生御指摘のダイケイというあれでございましょうか。――その事実関係につきましては私どもも現時点においては詳細には承知をいたしてないわけでありますが、今お話を伺いまして、電話番号簿のもとになるような番号簿というようなお話もございましたが、その点については私どももよく承知をいたしていないんですが、一般的に言われる電話番号簿というものは、これはある意味では不特定の人に電話番号を知らせるということが目的になっているわけでありまして、そういう利用の仕方ということ自体はプライバシー保護という観点から問題はないわけでありますけれども、ただそういうものであったといたしましても、いろいろな目的によっての編集の仕方等によりましてプライバシーとのかかわりというものが出てくる場合があるであろうということは私どもも想定できるわけで
ございますが、具体的な事実というものはちょっとつまびらかでございませんので、それ以上のコメントは差し控えさしていただきたいと思います。
#124
○片山甚市君 現状どうなっておるか公社に確かめてありませんが、電話番号案内というのは加入者が一年間に二百五十万ぐらい異動するその分を適切な時期に、一カ月か二カ月ごとに集計をして案内局で差しかえておるわけです。だから、皆さんが電話局が変わっても、電話番号が変わっても答えられるようになっておる。その最新のやつがデータベースに入るようになっておるんですよ。
 さて、OECD勧告によるプライバシー保護の八原則のうち、利用制限の原則、目的明確化の原則に反しているので許せない。公社に電話帳掲載を了承した個人が他の目的使用を拒否する異議申し立てをすれば、公社あるいは郵政省はそれを取り上げてちゃんと個人の権利を保護してくれますか。これは目的以外に使われています。電話帳にそんなこと書いてもらうようになっていません。こういうふうになったときに保護するようになっていますか。なっておらないでしょう。なっていますか。
#125
○説明員(神林留雄君) 最初にちょっと事実関係を申し上げておきますけれども、先生御指摘のいわゆる電話番号案内簿、これは電電公社の中で一〇四の交換手が使うものでございますが、これは私どもとしてそういったダイケイを含むあらゆる会社に譲渡したり貸与したりしていることはございません。ただ、ことしの春、テレビの番組の中で、ダイケイと思われるところが、こういうものがあるんだよという話をしておりました。どこかから一部が流れたことは事実だと思います。現在私ども相当管理を強化しておりますので、現時点で、電話帳といったものは世の中どこにでもあるわけですから、これは手に入れることはできるわけですけれども、一〇四番で使っております電話番号案内簿はまずダイケイには流れていないと、こういうふうに考えております。
 それから二点目の方ですが、これは私ども法律解釈する立場でないので、今事実としてということなのでございますけれども、現実に電話帳の内容に盛られている、これは公表されているものでございますが、この辺のことを第三者というか一般の方が、あの中に情報がいっぱいあるわけですけれども、例えば成城一丁目の方を調べたいという格好であの中から抜いていくというような行為自体、これは恐らく現行法からもプライバシー保護法は当然ないわけですけれども、今の枠の中では特にこれをいいとか悪いという格好のことで規制していくような形のことは非常に難しいのではないか。また私どもも、それは絶対に悪いというふうには今のところ公社としては考えておらないということでございます。
#126
○片山甚市君 問題は、先ほど言うように他の目的に使うことを本人の了承を得ずにやるというようなことはやむを得ないのじゃないか、しかも案内簿は一部である、全部でないから知らぬ、こういうふうに皆さんが言うておる。それは公社の体質をあらわしておると思う。先ほど総裁は大きい顔して、お客様と言っておる。お客様ならお客様らしく、そのお客様が電話帳だけ使うために登録しておるのだから、それ以外に使ってもらっては困る。それは当然消費者の権利を守ろうじゃないかという姿勢はない。郵政省もお答えがない。もし異議申し立てがあれば救済措置をとりますか。私が、電話番号帳につけてくださいと言ったのに、それ以外の目的に使われておるのはけしからぬと言ったら、ああそうですか、それは勝手にしなさい、私知りませんという態度ですね。そういうことがOECD八原則を守らないという、今八原則二つとも知らぬと言ったですね。公社も、おれは関係ない、そんなことは電電公社は知っちゃいない、こう答えた。これ以上答えなくていいですよ。電電公社いかに厚かましいかということがわかった。郵政省も同じようにそういうように厚かましい考えだったら厚かましいように言うてください、澤田さん。
#127
○政府委員(澤田茂生君) いろいろ事実関係というものを踏まえてお話をしなければならない事案ではないかなという気もするわけでございます。公社が外部に出していないと言われているものが出て、それがいろいろな形で使われておる。本来の目的以外に使われておって、そこでプライバシーの侵害があったということになりますれば、これはある意味では公社と利用者との関係ということで、そのプライバシー保護についての契約関係と申しましょうか、そういったものにはね返る問題というものは当然あろうかと思うわけでありますが、端的な電話番号簿からこれを何らかの形で資料を収集してつくったということになりますれば、一般的な話として申し上げますれば、電話番号簿というもの自体は、本人の希望によってはこれは登載を拒否するということもあり得るわけでございますので、その辺のところをどういう形でつくった場合にプライバシー保護というもののかかわりが出るかということは一概的には申し上げにくいわけでありますけれども、その辺のところの管理というのは実際問題として非常に難しいのではなかろうかという気がするわけでございます。ただ、だからといってそういうものが世間に横行していくということは決して望ましいことじゃございません。何らかの対策は必要であろうかと思っております。
#128
○片山甚市君 情報基本法をつくれる見込みがない。それで各省庁の縄張りがあって縄張りごとにやってもらいたい。プライバシー保護法については御承知のようにパブリックの公的データについては今総務庁が何とか考えておるけれども、民間のデータはどうなろうと関係はない。そのかわりコンピューターだけは日本国じゅう民間も官業も一緒に使って集中管理をする、集積をする、データベースをつくる。それは金もうけだからいいのだということを言ったというように思いますから、金のためにはどんなことでもするということを、この法案を成立させる仲間たちが、政府及び関係者が思っておるということで、この分はこれで終わります。あなたたちは恥も外聞もなく、金もうけのためだったらどんなことでもするということだけ言うておる。私はそう言っておるのではないですよ。プライバシー保護法をつくりなさい。どんなことがあってもこれは高度情報化社会になれば私たちにとっては大変なことになるからやりなさい。情報基本法をつくってください。情報の公開やいわゆる知る権利や参加する権利を確立してください。受け入れるだけでなくて我々は拒否することができるようにしてください。自分が出した資料以外は、目的に出した以外は使わないでくださいということを言えない。どう使おうと本人が一遍電話帳に出したのだから出した方が悪いのだ、どう使おうといいのだと、言論、表現の自由かもわかりませんが、私たちはその調整のためにプライバシー保護法とか情報基本法を求めてきましたけれども、私たちが言ったことについて納得してもらっていないことは明らかです。
 そこで次の問題に移ります。通信主権の確保ですが、本会議の質問でも指摘したとおり、通信主権の認識については極めて低いと言わざるを得ません。外国性の規制について、アメリカ通信法についても明定されておるんですが、ITU条約の前文にはどういうふうに書いてありますか。通信主権はどういうふうに守るということになっていますか。
#129
○政府委員(澤田茂生君) 国際電気通信条約の第一部基本規定の前文でございます。
  締約政府の全権委員は、各国に対しその電気通信を規律する主権を十分に承認して、電気通信の良好な運用により諸国民の間の関係及び協力を円滑にする目的をもつて、国際電気通信連合の基本的文書であるこの条約を締結することを合意した。
 こういうことでございます。
#130
○片山甚市君 そこで、今のところ、鉱業、航空、船舶、放送等について外国性の規制をしておるんですが、同じ規制をそれらについてはしないという理由はどういうことですか。今回の第一
種、第二種のいわゆる外資規制を外しておることです。
#131
○政府委員(澤田茂生君) 第一種につきましては、現在御提出をいたしております法律によりましては外資規制というのは三分の一というところまで外国性の排除ということでございます。第二種につきましては、先生御指摘のように外資規制というものを排除をいたしまして、取っ払っておりまして、これは内外無差別という形でやっているところでございます。通信主権とのかかわりということで考えてみますれば、国の経済あるいは政治、国民生活に大変かかわりの深い電気通信という分野につきまして国がその主権を持ってこれを守っていくということはこれはどこの国でも大前提であるわけでありまして、私どももその点についての認識は十分持っているわけでありまして、そのためにまずはインフラストラクチャーとしての通信の基盤としての最も最たるものとして新電電あるいは国際電気通信株式会社というものについては、これは外国規制というものな一切排除をいたして、そういう観点からの確保というものを制度的に図っておるということが一点言えるわけであります。
 なお、一般の第一種、これから出てまいります第一種事業というものにつきましてもそういう観点から必要最小限度の規制ということで対応をしているということでございますが、第二種につきましてはこれは外国との競争関係、競争市場で競争を行うという状態の中で考えてみますると、切磋琢磨することによって、なお全体としての通信のメリットというものが上がるであろう。なお、日本の企業の従来からの状況というようなもの、これからの今後の取り組みいかんというようなことによれば、外国企業に対しても決してこれが席巻されるというようなことではなくして、ある意味では活性化のとれた健全な市場というものが形成されていくんではないかというようなこと等からいたしまして、また第一種事業というものの実態が、ある意味では、我が国においての場合を考えてみましても、諸外国と違った商慣習取引というようなものが、直ちにはなかなか外国から入ってきてもそれに対応し切れない難しい問題もあろうというようなことから考えまして、極端な外国規制ということではなくして、オープンにしていくことによってより多くのメリットが確保されるんではないか、そして基本的な通信主権というものにつきましては先ほど冒頭に申しましたようにがっちりした形でこれを確保していくというのが今日の体制であるということでございます。
#132
○片山甚市君 ハードウエアについての考え方はわかりましたが、ソフトウエア、データベースについて日本とアメリカとの関係、特に第二種はソフトウエアを中心とする利用の問題でありますから、それは結局日本の技術が高いと思っておられるのなら、先ほどの公聴会でもありましたように、アメリカのATTに比べて五分の一、IBMに比べて四分の一しか研究費がないなどという寝言をお互いに言わなくて済むはずでありますし、あなたの方は何か基礎的研究をしなければ日本の国はあしたにでもつぶれるように言う、こんな御心配のあるのに何で大丈夫ですか。電電公社だけで今まで十分にやってこれた。その電電公社がアメリカと太刀打ちできると。アメリカの五分の一、四分の一の研究費しか使わないで電電公社は対応できると言ってきた。今度金をどこへ都合するか別としても、勝手に研究したいとこう言っている。我々は研究するだけじゃなくて、今始めたら十年たっても二十年たっても本当に研究などというものは金があってもできるかどうかわからないのですよ。つくったら明くる日から何か知恵が出るように思っていますが、相当のむだ遣いというか、会計監査みたいなものに言わせたらむだ遣いみたいにしなければできない、しみったれにはできないです、これは。という意味で、大きな気持ちで効果があらわれるまで待つよと、捨て身になってもこれは生きるんだよと思わなければならぬ。小役人みたいな考えでもって研究所つくったって、何したって、はいそれ、はいそれ、すぐに研究の成果出せると言うでしょう。これは大変なんです。ですから、今言われたように言葉の上でハードウエアについては、それぞれ機器メーカーおるから、そういうふうに思うのはよろしいです。それも全部日本電信電話公社の研究所がつくった研究を土台にしてそこから出てきたのであって、民間からできたのじゃありませんよ。私はそれをけしからぬと言っているのじゃないですよ。にかかわらずあなたは主権を守れると言うなら、具体的にハードウエアの問題わかったからソフトウエアで守れると言い切っておいてください。後日それを強化しなければならぬとか、アメリカと競争しなければならぬなどと言っては困る。競争に負けへんと言ったんでしょう。それを電電公社が今から独占を解体するのじゃありませんと。独占というか、大企業の形をとるのじゃなくて、電電公社の研究機関が今四つありますが、それが中心になってやらざるを得ない、それで間に合うと言ったんです。四月一日から研究所できませんよ。そうするとどうなりますか。あなたたち少し勝手なことを言うておるのじゃないですか。答えてください。
#133
○政府委員(澤田茂生君) 第二種電気通信事業というもの自体が新しい未開拓の分野であるということでございます。と同時に広くこの電気通信の状況というものを眺めてみた場合に、まさにこれから花咲こうというのが今日の電気通信の現状ではなかろうか、これはただほうっておけばそれでひとりでに花が咲いていくということでもないわけでありまして、各国におきましてもそれぞれ相当な力を入れて、これからの電気通信振興、そしてそれを中核にした新しい電気通信社会というものを形成していこうということに努力をしていることは間違いのないことでありまして、この点につきまして我が国だけがひとり放置しておればよいということにはこれはならないわけでありまして、それぞれこの電気通信三法というもの自体が民間活力を活用して新しい体制づくりというものに活力を与えていこうということは基本でございますけれども、それだけで済まない部分、民間だけではやり切れない部分、政府自体としてやらなければならない分野についてはやはりこれは全力投球をしてやっていくということによって、円滑な形での高度電気通信社会というものが構築をされていくであろうということでございます。そういう観点から、私どもといたしましては、基礎的な研究分野あるいはその他の地域開発あるいは国際協力分野というものについて電気通信の振興を中心とした形のものをぜひ重要課題として取り組んでいかなければならない、こういうふうに考えているところでございます。
#134
○片山甚市君 それは詭弁ですよ。電電公社を売った金で今度は民間を誘っておるということは民間活力じゃないんじゃないですか。おびき寄せることができるような状態にしたい。私は反対賛成を言うておるんじゃないですよ、あなたの言うておることについて。民間活力というのは、民間が本当に金を出して、民間が本当に損得なしにやれるようになっておるんですか、人の金を当てにしてやっておることないんですか。私はそれ以上言いませんが、きょうは本題でないから。とにかくあなたたちの言い方はつじつまが合わないですよ。ハードについてはわかったけれども、ソフトについては日本の国はアメリカと太刀打ちができるようになっていない。だから、衛星の問題を通じて言えば、アメリカに依存せざるを得ない。日本は外国のものをまねすることや応用することは非常に上手だけれども、日本の国は基礎研究が足りないということはわかっておるんですね。それは、これからの問題でもなかなか、マラソンのような闘いですから、にわかに参入しても勝てないと思います。
 そこでもう一度聞きますが、電気通信設備の技術基準を定めるときに、電気通信審議会にアメリカ政府として参加したいと言われていたんですよ。これはことしの七月十一日です。この間、産構審でもそうですが、技術問題があってアメリカとの輸出の関係があるから、産業構造審議会にア
メリカの人が入って意見を述べさせてくれと言ったけれども、電気通信事業について電気通信審議会にアメリカの人が技術問題に入ってこなきゃならぬようになっておるんですか。入ってくるということになればお断りするんですか。先ほど電気通信審議会のメンバーを広い形で選んでくださいと言いましたけれども、そういうことについて取り組んだことはありませんか。七月十日ごろです。
#135
○政府委員(奥山雄材君) これは電気通信審議会のみならず各種審議会に対する政府の統一方針でございますが、政府の諮問機関としての各種審議会は国家意思の形成に参画させるものであるということでございますので、国家意思の形成に参画させる形での審議会委員の任命は、外国人が排除されております。したがいまして、本委員はもちろんですが、臨時委員も審議会委員として任命することはできません。ただし、部会等の、意思決定に参加しない形で随時意見を求めたりするようなことは今後あり得ようかと思います。
#136
○片山甚市君 傍聴はさせる、話は聞かせるが意見は述べさせないということで参加させるということのようですが、私たちとしてはこのあたりから通信主権の問題は大きい分かれ道になると思うんですね。これは日本の国が自由化するということですからそういうようなことよろしいけれども、それぞれ通信主権を守って国境があるところではそんな簡単なことにならない。これは私の意見ですが、申し上げておきます。
 そこで、第一種と第二種事業の区分ですが、郵政省は、アメリカ型の高度サービス、基本サービスというのでは技術進歩、発展が激しいときに錯綜するので問題解決にならないとして、今度設備を有するか否かで第一種、二種を決めたようでありますが、第一種が持つ設備は何か、具体的に列挙してもらいたい。
#137
○政府委員(澤田茂生君) 回線と交換機、それから端末と、そういう構成になろうかと思います。
#138
○片山甚市君 そこで、第一種と第二種の違いは、伝送路を所有するかどうかであるのかどうか。
#139
○政府委員(澤田茂生君) 回線設備の有無ということに着目して第一種と第二種というものを分けてございます。
#140
○片山甚市君 第二種が所有するコンピューター――交換機能を持つものですが――を使ってシステムやサービスを提供した場合、第一種、第二種の区分けは何に基づいて行いますか。
#141
○政府委員(澤田茂生君) 第一種と第二種の区分けの仕方といいますのは、ただいま申し上げましたように、回線設備を持っているかどうかということでございまして、第二種が交換設備を持っておったからということで第一種になるというものではございません。
#142
○片山甚市君 第一種と第二種の区分けについては、交換機能を持っておるという以外の分け方はないんですか。
#143
○政府委員(澤田茂生君) 回線を持っているかどうかという一点でございます。
#144
○片山甚市君 そうすると、この場合、第一種のみを外資規制をするということで効果はどこまであるんですか。
#145
○政府委員(澤田茂生君) 第一種電気通信事業と申しますのは、これは我が国の政治、経済、社会、文化等あらゆる分野における重要な情報伝達手段ということで、国民経済、国民生活を支える中枢神経的な機能を有する基本的なインフラストラクチャー、こういうふうに私どもは把握をいたしておりまして、そういう回線網というものを建設し運用する基幹的な電気通信事業として第一種事業というものをとらえているわけでありまして、こういった第一種電気通信事業というものが外国に支配されるということになりますと国のあらゆる活動がその制約を受ける、あるいはひいては国の独立、自主性というものが損なわれるおそれがあるということで、諸外国の例でも当然でございますけれども、制限をしているということでございまして、今回我が国におきましても三分の一未満に限定をして、我が国の基幹的な電気通信事業が外国に支配されることのないように措置をするという趣旨でございます。
#146
○片山甚市君 ハードの面における区分はわかりましたが、ソフトのウエートが大きくなる情報通信分野で、これから第二種の事業が花咲くことによっていわゆる回線を持っておる人たちの利益が上がる、こういう形になっておりますから、私たちとしては境界線がわからなくなる。どちらの方が主になるのかというと、これからは第二種の方が通信事業としては主なるものになるんでしょうか。
#147
○政府委員(澤田茂生君) 第一種と第二種という関係になりますと、やはり第一種というものも第二種が行おうとするようなサービス提供というもの自体もできるわけでございますけれども、そういった中で、競争場裏というものを踏まえて、第一種が行うよりもさらにきめ細かなニーズに対応できていくようなサービスというものを提供するというのがこの第二種というものの存在価値といいましょうか、活動分野になるであろうと思うわけでありまして、そういう意味から見ましても、特に第二種というのは第一種というものを前提にしたサービス提供であるということでございますので、やはりどちらが基幹かと言えば第一種というものが通信サービス全体の中においては基幹的なネットワークを持っておる、構成しておるということになろうかと思います。いずれにいたしましても、両々相まって全体としての電気通信サービスの向上というものが図られるのが望ましいというふうに思っています。
#148
○片山甚市君 そこで需給調整の場合、第一種業者が第二種を兼業しておる場合、それは第一種事業と第二種事業を区別して調整を行うんですか、それとも総合的に第一種事業者として第二種事業も含めて需給調整の対象になるんですか。
#149
○政府委員(澤田茂生君) ただいま申し上げましたように、第一種というのは電気通信回線設備をみずから設置するという事業者でございまして、これは大変莫大な設備投資というものを必要とするわけでありまして、そうしてすべての電気通信役務を提供するということで、これは基盤となる事業であろうということでございまして、こういう第一種事業の設備産業としての特性に着目をいたしまして、電気通信回線設備の供給能力というものが過当な競争によって行き過ぎが生ずるというようなことになりますと共倒れというようなことも心配されるわけでありまして、そういうことになりますればサービス自体の停廃というものを生ずる、あるいは過剰な設備投資ということによりまして利用者に多大な負担を課するということにもなるわけであります。こういった過剰設備ということを避けるために、そういう過剰設備になるであろうというようなことが予見される場合には、これを防止する行政上の担保として、ただいま先生お話しございました需給調整的な機能を果たしていこうということでございまして、したがいまして電気通信回線設備の供給状況ということに着目した取り扱いでございますので、第二種というものについてはこれはそういうものを持っていないということで、第一種と第二種との間でそういう調整というものを必要とするということはないわけでございます。
#150
○片山甚市君 そこで、私たちの手元に、第一種事業と第二種事業との間に分野調整をしてほしいという、公聴会でも話があったんですが、分野調整をする用意があるんですか。独禁法の関係がありますが、どういうことでしょう。
#151
○政府委員(澤田茂生君) 第一種事業も第二種事業も同様に、回線提供という以外の多彩なサービスというものを提供できるようになっているわけでありまして、そういう分野調整というものは今回の法律の前提とはいたしておりませんので、それぞれが創意工夫を凝らして、多彩な、よりきめの細かいニーズに合ったサービスというものを提供していただくということが今回の法案の、制度のねらいであるということでございます。
#152
○片山甚市君 そうしますと、一種事業者は回線
貸し業だけでなくて第二種の仕事もやることになり、また第二種の皆さんは、多彩な通信サービスをやることによって繁栄をする、共存共栄できるということで分野調整ということは考えてない、こういうふうにお答えを願ったと思って結構ですか。
#153
○政府委員(澤田茂生君) おおむねそういう趣旨でございます。
#154
○片山甚市君 今までの政府答弁では、結局、アメリカ企業の実力は日本と大差なく、心配はないということのみであります。しかし、外資系企業が情報通信産業分野は他の分野と決定的に違ったものがあります。それは、水が土にしみ込むようにじわじわ浸透することがいずれ大規模な山津波を起こすような影響を及ぼさないと保証できません。皆さんは裸でオオカミの胸に入っていって、最後は食われることになるだろうと私は思います、最後はね。どう食われるかは別ですよ。納得して食われるか、もがき苦しんで食われるかは知らぬけれども、と思いますから御用心を賜りたい。
 将来の我が国の産業や経済、国民生活に与える影響を考えるとき、単に外圧はないとの弁明に終始するのでなく、我が国の通信主権を具体的にどう守るかということをこの際明確にするのが行政の責任であろう。国内における基盤の強化をしなければならぬ。十年も先にアメリカはデータ通信を始め、非常に先進的な役割、いつ行っても大変な力です。財力の投入も違います。国の力も違います。また、それをしておるNASAを中心とする軍の力も、開発費が違います。IBMとかATTの金ではなく、アメリカの航空宇宙局が使っておる金は大変なものです。それらが全部通信機器に対して集中してきておる。ですから、それを見逃して我々は今度の通信法をつくるわけにはいかぬ。これからさらにこの問題について詰めていかなければならないと思いますが、大臣、私の心配することは起こらないと裸でオオカミの胸に真っ裸で入っていくようなことはやめてほしい。もっと用心深く、仲よく、それでかまれぬように、食われぬようにちゃんとしなければいかぬと思いますが、いかがでしょうか。
#155
○国務大臣(左藤恵君) 御趣旨は、内外無差別のことで一体通信主権は守れるのかというふうな御趣旨かとも思います。
 そういうことで、今いろいろございましたけれども、我が国の企業の技術的な状況、また我が国のその分野におきます企業の取引の実態とか商慣習とかいろんなことがございまして、外国企業がそういうことで中へ入ってきて内外無差別の原則で自由闊達な競争をやっても、そういった今の先生のおっしゃったような心配はないかと、こういうことだと思いますけれども、私は、その辺につきましては、外国企業に席巻されるようなことはないというふうに判断をいたしますし、そうしたことがあって初めて我が国の企業自体もいよいよ努力をしていただけるということになっていくんじゃないかと、このように思います。そして、そういうことの中におきまして通信というものが確保されていくんではないかと、このように判断をいたしておるところでございます。
#156
○片山甚市君 これは判断の違いですからこれ以上言いませんが、ゆめゆめ油断をせずに考えていただきたい。日本の国はちょっとよくなると世界一だと思いたがるけれども、世界一は日本だけではなくて、ソビエトの人も言うしアメリカの人も言うし、おれが先に発明したと言うし、なかなか根拠はわからないわけです。ですから、その点で注意を喚起しておきます。
 それからCATVのことについて、CATVは放送というジャンルで、有線テレビジョン法の範疇であると思いますが、双方向性CATVについてはどういう範囲に入りますか。
#157
○政府委員(澤田茂生君) 伝送容量の大きいCATV施設というものを利用しまして、放送のほかに電話だとか、もっと広くなりますとテレビ電話、ホームセキュリティー、あるいはテレメーターといったような多彩な通信サービスを提供するという、いわゆる双方向CATVというものが今後発展をしていくであろうというふうに期待をされているわけであります。こういうようにCATV施設というものを利用して行う通信サービスというものは、単に同一番組を不特定多数の視聴者に同時に送出する、いわゆる従来型の有線テレビジョン放送というものとは異なりまして、そういう双方向の電気通信自体を、まあサービスといいましょうか、そういうものを行うということになりますれば、電気通信事業法上の電気通信事業者ということになるわけでございます。
#158
○片山甚市君 その場合の種別は第一種になると思うんですが、いかがでしょう。CATV間の相互接続、CATV―基幹回線―CATV、またCATVから公衆網というようにつなぐ可能性が出てまいりますが、そのときにはこの事業法で律し切れるのかどうか、事業法見直しの必要はないか。
#159
○政府委員(澤田茂生君) まずは、今申し上げましたような双方向CATVというものにつきましては、事業法上は第一種事業者ということになるわけでありまして、CATV施設というものを電気通信事業を営むために接続するという場合には、その事業者は事業法上第一種電気通信事業者ということで、第一種通信事業者同士の相互接続ということになるわけでありまして、これにつきましては、相互接続につきましては認可を要するとか、あるいはそのほかに第一種電気通信事業者としてCATV施設全体に事業法上の技術基準が適用されるというような法の適用という形になっているわけでございます。また、CATV事業者というものが第一種業者の回線を利用して放送番組をただ送受するというような場合は、事業法上はCATV事業者は電気通信事業者の一利用者という形になってまいりまして、まあ端末的にそのCATV施設というものを接続する、この間の事業法上の概念でまいりますれば、自営電気通信設備の接続ということになるわけでありまして、この場合は接続点というものをとらえて事業法の技術基準というものが適用になる。そのほかCATV施設につきましては、さきの第一種としてのCATVがこの事業法の規制を受けるということとは異なりまして、テレビジョン放送法の技術基準の対象になるということでございまして、格段の法的な改正措置というものは必要がないというふうに考えております。
#160
○片山甚市君 そうすると、CATVは将来は放送であるのか通信なのかというと、この融合点において考えると第一種の通信と理解してよろしゅうございますか、双方向性。
#161
○政府委員(澤田茂生君) 通信事業という形で、第一種事業者というとらえ方は必要だと思います。
#162
○片山甚市君 そうすると、第一種とすれば第十条の許可を得ればいいということであるとすれば法の見直しが必要でないかと思うんですが、事業法の見直しはしなくてよろしいか。
#163
○政府委員(澤田茂生君) 事業法上、今おっしゃいました第一種の許可を受けるということが必要でございまして、法の改正というものを行わなくても、御提案を申し上げております法の体系の中で処理できるというふうに私どもは考えております。
#164
○片山甚市君 完全双方向性を展望した場合の放送系、通信系というジャンルをどう総合的に律するのかが不明確な事業について、法体系としては結局第一種の通信として最終的に認めるのですか。
#165
○政府委員(澤田茂生君) 第一種事業という形の電気通信事業、端的に言えばそのCATV施設を使って双方向の電話サービスというものを提供するということになりますれば、これは第一種事業の許可を必要とするということでございます。
#166
○片山甚市君 そうすると、現在CATVは有線テレビ放送で、放送というジャンルであるけれども、将来は完全双方向性が実現すれば、今言ったように第一種の事業者となって電信電話、データ通信等のサービスが可能になる、そういうときに
は法十条によって認可を大至急受けていくから問題はない、こういうふうにもう一度要約するとそういうことですか。
#167
○政府委員(澤田茂生君) そのとおりでございます。
#168
○片山甚市君 そこで、国際通信における第一種業者のあり方ですが、インテルサット体制の維持ですが、いわゆる事業法案第五条によれば国際条約を守るべしとしていますが、そのことはインテルサット体制を維持するということか、いかがでしょう。
#169
○政府委員(澤田茂生君) 国際電気通信事業を円滑に遂行するためには、これは相手国を初め国際的な協調というものが大切でございまして、その意味からしまして、これまで確立してまいりました国際的な通信の秩序、慣行というものは十分に尊重していく必要がある、このような趣旨から電気通信事業法案第五条において条約を優先すべき旨の規定を設けているわけでありまして、御指摘の体制についても今後とも維持していくべきものというふうに考えております。
#170
○片山甚市君 そこで、米国の事業者が申請している大西洋衛星のごとき計画に対しては、インテルサット締約国総会などが御承知のように抗議をしていますが、この事実に対して我が国の立場はどういう態度でありますか。
#171
○政府委員(奥山雄材君) 御指摘の、大西洋におけるインテルサットとは独立した国際公衆衛星通信系の設立にきましては現在オライオン社ほか五社がFCCに申請を出しております。先般の大統領選後の大統領の決定によりましてある一定の条件のもとにゴーサインが出されたようでございますが、なおその大統領の決定を受けてFCCにおいてこれから審査に入るというふうに伺っております。
 大統領が下した際の条件でございますが、インテルサット協定十四条(d)項という調整条項がございます。その調整条項によって締約国間の調整がつくことといったようなこと、そのほか二つ、三つの条件がついております。
 一番問題のインテルサット協定十四条(d)項に基づく措置でございますが、インテルサットの現在の運営に経済的に著しい損害を与えないこと、インテルサットと技術的両立性があること、並びにインテルサットによる直通の通信回線の設定を阻害しないことという三つの条件がございますので、これらの三つの条件がいずれ締約国の総会の場で論議されると思います。日本も締約国の総会でこの問題が取り上げられる際には日本国政府としての意思を決定いたしましてこの総会に臨むことにいたしております。
#172
○片山甚市君 そこで本音が出たと思うんですが、日米両国間のみの非インテルサットルートに加担することになるのか、これまでのインテルサット体制の国際信義に反する立場をとるのか、そのような計画を発足させるのについて手をかすつもりで協力するのか、これがこの間からドーガンなど国務省の人が来ておる役割なのか、四月一日になったらアメリカと手を結んで、国際条約は無視して頑張るということなんですか、お答えください。
#173
○政府委員(奥山雄材君) では、まず冒頭に、国際条約はもちろん忠実に遵守するつもりでございます。なお、現在申請が出ておりますのは、大西洋地域におけるオライオン、シグナス、パンナム等、六社の申請でございまして、今のところ太平洋地域についての動きはございません。これは、一つには世界の国際電気通信の業務量、トラフィック量の三分の二が大西洋、残りの三分の一の三分の二がインド洋で、三分の二の残りの三分の一が太平洋ということでございますので、世界的に見ると一三%程度のシェアしかないということで、今直ちに太平洋地域についてこのような動きがあるようには私ども伺っておりません。
#174
○片山甚市君 日本の国が非インテルサットに協力をしてアメリカに手をかす準備をしておるということはないということでよろしゅうございますか。
#175
○政府委員(奥山雄材君) 現行の法制並びに国際条約は忠実に遵守しております。
#176
○片山甚市君 そこで、国内通信衛星についての問題ですが、通信衛星の軌道位置、周波数の現状を明らかにし、その有限性がどのぐらいの数になっておるか示してもらいたい。
#177
○政府委員(澤田茂生君) 静止衛星軌道というのは、赤道上空の三万六千キロメートルの位置、軌道はこの一つしかないわけでございまして、複数個の静止衛星では、同じ周波数を使用する場合は、相互の混信を防ぐために衛星相互間に一定の間隔を保たなければならないということでございまして、より高い周波数の使用とかあるいは衛星及び地球局アンテナの大きさを大きくしていくということによりましてこの間隔を狭くするというような努力はいたしているわけであります。この点につきまして、やはり非常に貴重なポイントであるというふうに私どもは理解をいたしているわけでありますが、この点についてのどういうふうな形で使用していくかということは人類共通の課題ということで、明年あるいは一九八八年に世界無線通信主管庁会議というものでいろいろ議論されていくということになっているわけでございます。
#178
○片山甚市君 そこで、赤道の上にある国々が、いわゆる領空の範囲を定めて、それについて意見を述べておることは御承知のとおりです。私たちは、これまで通信衛星の開発利用は、宇宙開発政策と通信放送衛星機構とにより国として一元的に行ってきたところですが、その理由を今変更することができますか、するつもりはありますか。
#179
○政府委員(奥山雄材君) 先生が御指摘になりましたいわゆるボゴタ宣言に基づく赤道直下の国々のアーク権の主張と直接かかわり合いがないかと存じますけれども、澤田局長が答弁いたしましたように、これまでの日本の宇宙開発政策は国ないしは政府において一元的に所管してきております。これはやはり今局長から答弁ありましたように、軌道周波数の有限性という問題から来ております。このことは将来どのような事態になろうとも変わらないわけでございますので、今後とも宇宙開発委員会が中心になって策定いたします宇宙開発政策大綱、これは閣議にも諮られますので、その線に基づいて私どもは処理してまいるつもりでございます。
#180
○片山甚市君 そこで、もし民間事業者による打ち上げが行われる、また外国への打ち上げ委託をする場合に、宇宙条約等関係条約を遵守するための国内法の整備が先決でないかと思いますが、どうでしょうか。
#181
○政府委員(奥山雄材君) 先生がおっしゃいますとおり、民間の企業が衛星を打ち上げるといったような場合につきましては、昨年宇宙関係条約を批准する際に、既に閣議で報告が行われておりますように、その法自体が来るまでの間に所要の行政上、立法上の措置の要否を含めて検討するということになっておりますので、もし民間の企業がみずからの権限、みずからの責任において衛星を打ち上げるような事態になりますまでの間に所要の措置を講じてまいるつもりでございます。
#182
○片山甚市君 そこで、公聴会でも話がありました電報のサービスについてでありますが、現在電報の利用通数は四千三百万程度あると思います。最近の傾向としては定着しておると同時に漸増しておるのではないかと思うんですが、現状はどうでしょうか、公社。
#183
○説明員(寺島角夫君) 電報通数の現状でございますが、先生御指摘ございましたように、五十八年度で大体の通数が四千四百五十万通でございます。これは御案内のとおり、かつては例えば三十八年という時期には九千五百万通近い通数があったわけでございますけれども、これが年々減少してまいりまして、どこまで減るかということを私どもも実はいろいろ心配をしておったわけでございますけれども、五十年代の半ばごろから下げどまりと申しますか、横ばいないしこのところは二、三%でございますけれども微増という形で推移をしておる状況でございます。
 なお、慶弔の比率でございますけれども、これも年々増加をしておりまして、五十八年度におきましては七七%でございます。ちなみに、五十年度の数字を申し上げますと六四%と、こういうことになっております。
#184
○片山甚市君 そこで、電報は主として慶弔信であるということで、今日的に言えば、電話の普及の中においても全く質の違う通信手段として、私の言葉で言えば、日本的文化の態様、年賀はがき、暑中見舞いよりも切実に冠婚葬祭に直結しておると思います。他方、情報通信の原点であるコミュニケーションの手段としては定着しているのではないか、そういうことを思うんですが、電電公社はどう思っていますか。
#185
○説明員(寺島角夫君) お話ございましたように、確かに、かつて電報というものが最も緊急時にスピードの速い通信手段として役割を持っておったことは事実だと思うわけでございますが、それが電気通信の発達によりまして電話の方が、もし持っておればその方がより速いという形に変わりまして、そういうことがこういう通数の変化にもあらわれておるわけでございますし、またそのことがただいまお話のありました慶弔の比率の変化ということにも出てきておるわけでございまして、電報の役割そのものが、かつての緊急通信ということから一つのこういう記録性を持ったメディアだという役割が高まってきておるということは御指摘のとおりだと思っております。
#186
○片山甚市君 情報通信の原点であるコミュニケーションの手段として定着をしておる。形の変わったものとして、記録通信に発展するでしょうけれども、あるというように認識しておるんですが、間違いないですね。
#187
○説明員(神林留雄君) 電報といったものはかつては緊急通信手段のほとんど唯一のものであったということはお話のとおりでございますが、今でも緊急通信というものはあることはあるわけですけれども、ただいまの先生の御指摘のとおり、慶弔信といったようなものが主体になりまして、一般の電報の中でも俗に言う借金の督促、サラ金電報といいますか、そういったものが大変ふえておりまして、緊急信といったものは大変ウエートは減ってまいりました。事実関係はそういうことでございますが、電報といったものは現在社交性を帯びたものが中心ではございますけれども、いろんな形で使われておるということは先生御指摘のとおり間違いないことかと思います。
#188
○片山甚市君 言いにくそうに言うのは赤字であるからでしょうけれども、本質的に言えば、冠婚葬祭と言えば人間の最大の分かれ目、けじめをつけるときであります。そういうときに役に立っておることは事実です。それは国会議員だけだろうなどと言う人がおったらそれは情けのない人で、情け深い人は、北海道におりましてだれそれが亡くなっても、ちゃんと電報を打つということをやっておるんで、私は、そういう意味で電報の位置づけについてはさらに議論しなければ、電電公社の神林さんの話を聞いてみてもわからない。
 そこで、電子郵便と電報の違いについて郵政省にお聞きします。
#189
○政府委員(澤田茂生君) 電子郵便というのは送達の部分的な手段として電気通信設備を用いる郵便というふうに概念をいたしております。電気通信設備の部分のみに着目をいたしますと、当該電気通信設備を他人の通信の用に供するという形態でございまして、事業法で言う電気通信役務というものに該当するという形になるわけでございますけれども、電子郵便の役務の内容とか提供条件、こういったものについてはすべて郵便法で規律をしておるということでございまして、役務全体が郵便事業として位置づけられているというものでございます。
 一方、電報につきましては、電気通信役務と配達が一体となっている役務ということでございまして、これは現状では競争を導入するということになじまないということで、電気通信事業法の附則の第五条で、電報事業、配達の業務を含めて第一種電気通信事業とみなしておりまして、現行公衆電気通信法下と同じく、新電電と国際電電の独占的提供分野ということにしているわけでございます。
 こういうふうに、法制度といたしましては、電子郵便は郵便法が適用される、電報は電気通信事業法の適用を受けるということでございまして、電気通信役務プラス配達という形態上の類似性というものはございますけれども、ある一つの事業に同一趣旨の法を重複して適用するということにはしていないというものでございます。実態的にも、電報というものは、即時的な配達のほかに電話による送達というものも可能でございまして、口頭で通信文を伝える、タイプにより配達されるということから、簡便性とかあるいは様式性に特質があるというものに対しまして、電子郵便の方は、手書き文だとかあるいは図面というようなものをおおむねそのままの形で送信して配達をするという特質があるわけでございまして、両方ともそれぞれの特徴を持っておるということが言えるわけでございまして、利用者もそれぞれの特徴に応じた御利用をしていただくということでございまして、当面は併存して利用されていくものであるというふうに考えているところでございます。
#190
○片山甚市君 少し失礼なんですが、押しつけがましくお聞きしますと、電子郵便は米国のメールグラムサービスと同様のサービスであり、事業法に言う第二種事業に当たるのではないかと私は思います。とすれば、画一的でなく、多様な方法で提供していくべきではないか。今お答えのあるように、電子郵便が郵政事業の独占としていることについて、昭和五十七年五月二十四日の省令に書いてありますから、競争原理導入の必要性を言われる郵政省の主張とは矛盾するのではないか。郵便の場合、電子郵便は独占的にやることになっていますが、第二種の仕事とすれば電報ではありませんね。第二種のアメリカのメールサービス、郵便サービスだと考えたら矛盾しませんか。少し考え方を聞きます。
#191
○政府委員(塩谷稔君) お尋ねの件でありますが、電子郵便というのは、その郵便の運送の経路にたまたま電気通信手段を使うということでありまして、引き受けの部分とそれから配達ということは、これは通常の郵便と同様の形態で引き受け、配達がされておるわけでありまして、全体として郵便というふうに観念しております関係上、米国のメールグラムがどういう形態でなされているか、ちょっと私つまびらかにしないんでありますけれども、我が国の電子郵便の場合は全体として郵便として観念すべきではないかというふうに考えております。
#192
○片山甚市君 郵政省としては矛盾をしないでやっていける、共存共栄ができるし、質の違うサービスである、こういうことですから、それ以上問いません。しかし、電気通信事業法でいえばアメリカのメールグラムサービスと同じような形態でありますからお聞きしただけです。
 そこで、アメリカのWUT、MCIメールなどでは、多様な形で提供して、サービスを通じてやっていますが、それをどう受けとめられていますか。アメリカの電子郵便について、成功しておる例がありますが、それについてはどういうふうに受けとめられていますか。
#193
○政府委員(塩谷稔君) アメリカの場合でございますけれども、私ども把握している限りで申し上げますと、現在、USPSがテレタイプ型の電子郵便、これはメールグラムと称しています。それから、コンピューター発信型電子郵便、これはECOMと言っておりますが、この二種の電子郵便サービスを実施しておりまして、いずれも将来にわたって育成発展させる考えであるというふうに承知しております。
#194
○片山甚市君 ところが、アメリカ郵便公社が二年前から実施している電子郵便、ECOMについては、赤字のためにことしの七月六日に廃止を決定した。ウエスタンユニオンテレグラフのメールグラムが四千万通の利用があるということを聞いておるんですが、それを他山の石として考えることはありませんか。
#195
○政府委員(塩谷稔君) 今先生おっしゃったECOM型の電子郵便の状況でございますが、私どもが承知している限りでは、現在USPSが所有しておりますこのECOM型のコンピューターシステムの部分を売却あるいはリースして、電気通信部分を民間企業が運営すると。それで、ハードコピーの配達、これはUSPSが行うこととするように運営形態を変えたいという意向のようでございます。こういった新しい型の郵便ということについては、実際にそのサービスをやって、需要の動向などを見きわめながら適宜そういう運用の形態も手直しをするというような一つの実例ということで、私どももいわば他山の石としてこれからも参考にしたいというふうに考えております。
#196
○片山甚市君 そこで、電報の問題ですが、電報は今日慶弔信として定着している事実はお認め願ったと思います。これは社会的慣習に基づくコミュニケーションの手段という必要性があるかと思いますが、そこで多角的な立場から電報を見直してまいり、確認をしてまいる。その上に技術進歩の面ではディジタル化の進行に対応するあり方を検討し、多様なニーズにこたえていくべき方法をとるべきだとこの際考えます。
 そういう意味で、総括原価主義と内部相互補助の必要性は、この種公共役務について欠かせないものとしてこの際明確にしたいのですが、どうでしょう。
#197
○政府委員(澤田茂生君) 電報の今日的な意味合いというものは、先ほどから先生がおっしゃられているとおりだろうというふうに私どもも理解をいたしておるところでございます。
 電報の料金ということで、今後の問題になるわけでございますが、事業法で適正原価主義というのを一応明確にはいたしているわけでございますが、しかし、そのこと自体、先ほど申し上げましたが、総括原価主義というものを否定しているものでもございません。したがいまして、認可基準の運用に関しましては、今後いろいろ検討をしていかなければならないわけでございますけれども、総体の収入で総体の支出を賄うという総括原価主義を基本としていく。
 ただ、内部相互補助というような問題が起こりますのは、他の企業との競合関係という点に着目しての問題でございますが、電報のように、社会的妥当性というものが考えられる料金につきましては、原価を下回る場合については、総括原価主義のもとにおいてこれを処理するということは許されるべきものであろうというふうに考えております。
#198
○片山甚市君 枝術進歩の面では、ディジタル化の進行に対応するあり方を検討し、多様なニーズにこたえていくべきだと。今の電報をそのまま後生大事に持ってもらいたいと思っておりませんから誤解のないように。
 ただし、葬式を出してしまって、電報は要らないということを言わないということで確認していますから、今までの答弁から電報事業は日本電信電話株式会社及び国際電信電話株式会社の役務として存続するということは当然であり、新たな法律による修正がない限り存続するという午前中のお話でよろしゅうございますか。
#199
○政府委員(澤田茂生君) そのとおりでございます。
#200
○片山甚市君 先ほど話をしていた国際通信に対する再販禁止の問題であります。CCITT第七回総会、一九八〇年に採択されたD―一勧告によれば、私用賃貸回線、これは専用回線は顧客の本来の業務に関係する通信を交換するためにしか使用ができない、これは勧告の一―7です。その次、顧客の活動が、第三者に通信業務を提供することにより、主管庁、すなわち国際電電の果たすべき業務の範囲を侵害すると見られるときには、提供を拒否するためあらゆる手段を講じなきゃならない、勧告一―10とされておりますが、それについてはどう思っておられますか。
#201
○政府委員(奥山雄材君) 先生が御指摘になりましたCCITTの勧告でございますが、御承知のとおり勧告というものの性格は、条約のようなあるいは協定のような拘束力はございませんが、電信電話規則におきまして、協約に定めのない事項については勧告の定めるところによるという規定がございまして、私どもが国際電気通信業務を諸外国と協調のもとに円滑に運営するためにはこれを遵守することが欠かせない前提になっておりますので、このD―一勧告を含めまして、その他の勧告をも総体といたしまして私どもは尊重するつもりでございます。
#202
○片山甚市君 念を押しますが、郵政省としては、条約、勧告、決議等について国際的合意を得たものについては、国際通信の建前からいって各国の主権がありますから、尊重するという立場で、実施については常に配慮する、それを守っていくような考えだというように今奥山さんからお答えになったと思うんですが、いかがでしょう。
#203
○政府委員(奥山雄材君) 条約、協定はもちろんでございますが、それらを補完する意味での勧告につきましても、私どもは国際社会の一員として、その総体を遵守してまいるつもりでございます。
#204
○片山甚市君 そうおっしゃるんですが、あなたの方で、どういうことになるか、国際VANを認めているのは、とりあえず制度的に開く道をつくっておくと。それで、国際VANを正式にするためにはCCITT勧告を、米国と手を結んで、認められるようにする努力をすることを、紆余曲折はあるけれども、やるべきだと思う。郵政省としては、いわゆる賛同できる国と手を結んで、世界的に国際VANを認められるように運動していきたいというように思っておるようでありますが、そのようなことについてどう具体的に進めておるんですか、今の話とは全然違う話ですよ。
#205
○政府委員(奥山雄材君) 今先生がお示しになりました、あるいはお読み上げになりました資料は、ちょっと私不確かでございますが、現在郵政省に置かれております国際通信政策に関する懇談会の中で論議をされている部分の一部かと存じます。もし間違っていたら訂正させていただきたいんですが、この国際通信政策懇談会の中で今論議しておりますのは、国内法制が自由競争体制、つまり競争原理の導入が、法案が成立いたしましたならば確実に幕が開くわけでございます。そのことは少なくとも国際通信においても競争原理が導入されるという、国内法制上はそういうことになります。
 しかしながら、現在御審議いただいております法案の中にもございますように、国際関係には条約の遵守その他さまざまな規定があり、また相手国との協定その他の合意事項等もございますので、国内の電気通信事業体制が複数化されることが非常に近い将来に予見されるに至った今日、いずれ将来国際的な電気通信の態様がどうあるべきかということについて幅広く検討する必要があるということで、予断を抱かないであらゆる角度から多角的に検討するということで、現在、大臣の私的諮問機関として検討しているところでございまして、ある一定の方向を持って、あるいは偏見と予断を持ってこの問題を取り上げているという事実は全くございません。
#206
○片山甚市君 電話料金などの不払いについてですが、これは国際通話料が不払いになった場合、従来の公衆法では決め手があったんですが、今度は約款でやってもらいたいということですが、この約款の内容はどういう形で電電公社を受け継ぐことができるんですか、それとも国際電電との間にどのような約束事でできるんでしょうか、お答えを願いたいと思います。
#207
○説明員(草加英資君) お答えいたします。
 現在、公衆法の中でKDDの料金が不払いになった場合、私どもに依頼がございまして、通話停止を行うという規定がございます。
 今回、事業法が成立した場合には、これらの規定は当然契約約款の中に織り込む性質のものでございます。
 現在、私どもといたしまして、KDDの料金の不払いに当たりまして、会社の電話を通話停止いたすという方向で契約約款をつくるべく検討を進
めているところでございます。
#208
○片山甚市君 その結果、従来と余り変わりがない程度の約款になりますか。
#209
○説明員(草加英資君) 具体的には契約約款、郵政省の御指導を得ながら認可を受けるわけでございますので、最終的にはまだ固めておりませんが、大きな考えといたしましては大体現在の方向で行きたいと、このように思っております。
#210
○片山甚市君 郵政省は、国際電電の料金不払いについて相当電電株式会社も協力する用意を持っているということでありますが、これについての助言はどういうことなのか。
#211
○政府委員(澤田茂生君) 料金の収納というものを確実に行うということは大変重要な課題でございまして、今電電公社の方からも御答弁ございましたように、新しい体制になりますれば新会社とKDDとの定める約款によるということになるわけでございまして、電電公社の方もそういう従来の形を踏襲してまいりたいというお話でございます。いずれもKDD、新会社ともに特殊会社という形で今後も相協力して公共性の高いサービスというものを確保していくという観点からも両者がそういう形で継続的にそれを引き継いでいくということが望ましいというふうに考えております。
#212
○片山甚市君 時間が来ましたからもう一問だけお聞きします。
 本電話機の廃止に伴って関連する問題ですが、端末機を開放するということでおのずから本電話機制度が廃止されることになりました。電気通信事業者による電気通信を役務として提供するというこれまでの責務を変更することは大いに必要だろうと思います。事業者は役務的にはあくまでもゲート・ツー・ゲート、いわゆる保安器から保安器ということに責任を持つということで先ほどお聞きしましたが、責任分界点については、それから先は事業者といわゆるユーザー、利用者との間の責任範囲になる、こういう理解をしてよろしゅうございますか。
#213
○政府委員(澤田茂生君) 第一種電気通信事業者の役務の範囲といいますのは、保安器あるいはローゼットまでにとどまる、いわば先生今おっしゃられましたゲート・ツー・ゲートというのも、また端末設備部門まで含んだものというものもございまして、これらのうちどのような役務を提供するかということは事業者の判断にゆだねられているわけでございまして、責任分野というのもそのサービスを提供した部分までがそれぞれの事業者の責任分野ということになるわけでございます。
#214
○片山甚市君 そこでもう一度聞きますが、電電株式会社、また電電公社が今まで責任を持ってきました回線の端末のところ、一番しまいのところは、最低は保安器のところまでは第一種業者が責任を持つんですか。それともそれから先が、保安器から先が契約事項で変わる、ユーザーの形で変わるということなんですか。それを明確にしてください。
#215
○政府委員(澤田茂生君) そのとおりでございます。
#216
○片山甚市君 終わります。
    ─────────────
#217
○委員長(松前達郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、新谷寅三郎君が委員を辞任され、その補欠として出口廣光君が選任されました。
    ─────────────
#218
○委員長(松前達郎君) 質疑を続けます。
#219
○中野明君 前国会で継続審議になりましてから既に四カ月を経過して本日審議に入ったわけですが、最初に私、前国会でも申し上げましたが、最近の法案を出される傾向が、いわゆる政令、省令委任事項が非常に多い。そういうことで、我々としては審議をするのに責任が持てないというような嫌いも出ております。そういうことで、四カ月たったわけですからかなり政省令も煮詰まってきたと思われますので、逐次お尋ねをしてまいりたいと思います。
 先立ちまして、今回の電電三法について、だれしもが一番関心を持っておりますのは、まず株式の問題です。株を一体だれが持つのだろう、あるいは発行額とそれから額面、そしていわゆる売却の価格はどれぐらいになるんだろうか。第二点は、公社が民営に移行して一体料金はどうなるだろう、市内料金が上がらないだろうか、あるいは地域の格差が出てこないだろうか、特に国鉄に見られるようにいわゆる赤字路線に対しては特別料金というようなことになるんじゃないか、こういう心配がやはり電話を持っている人たちの間に非常に強いわけです。それから第三点としては、新しい電電が当然競争に乗り出すわけですから、今までの下請業者あるいは関連産業が巨大な新電電に押しつぶされはしないだろうか、我々の仕事が減るんじゃないか、公正な競争が保たれないんではないか、こういう心配が随分と出ております。それから、先ほど同僚委員からも話が出ておりますように、会計検査院も指摘しておりますが、公社の要員の配置が非常に不適切じゃないかというような指摘もあります。そうなりますと、当然民営化によっての雇用の不安ということが現在働いている方々の上にも大きな問題として出てくるだろう。そういうことをいろいろ考えますと、今私が申し上げたほかに細々した問題はありますが、大きくこういうことが問題になっておりますので、最初に、大蔵省も来てくれていると思いますが、株式の発行額と売却価格というものはどのようにお考えになっているかお答えをいただきたいと思います。
#220
○説明員(日高壮平君) 先生御承知のように、現在御審議をお願いしておりますこの会社法案を成立さしていただきますと、その後、実は設立委員が任命され、その設立委員の間で資本金等が決められるという手順になっております。したがいまして、その株式の発行額というものも、いまだ資本金等が決まっていない現段階では確たることを申し上げる段階にないと、その点を御理解いただければと思います。
 それから、また売却価格につきましては、実際にまず資本金が決まっていないために売るべき株式数が総体としてどのくらいになるかという判断も現在できないわけでございますし、それから実際に売る場合には株式市場の動向等いろんな要素が絡んでまいりますので、具体的に幾らで売るかという点についても現在お答えすることができない、その点の事情を御理解いただきたいと思います。
#221
○中野明君 それで、お尋ねしますけれども、いわゆる現行法では新しく上場する新発行の株式の額面というのは決まっているんでしょう、一株の額面の金額は。それは幾らですか。
#222
○説明員(日高壮平君) 私が理解するところにおきましては、新しい商法が施行されて後、一株の金額は五万円というふうに理解しております。
#223
○中野明君 そうしますと、大体うわさされているところによると十倍とか二十倍のプレミアがつくのじゃないかというようなことを言われております。一株が五万円ということになると、これの十倍ということになると五十万円ですか、二十倍というと百万円になります。とても一般の人たちに株は回ってこないんじゃないか。だから、こういう特殊の状況のときには特例をつくって、額面を既成の株のような低い額面にするという、そういう考え方はございませんか。
#224
○政府委員(澤田茂生君) 株の処分の問題等含めまして現在まだいろいろこれから法案が通りましてから検討さしていただくということでございまして、どの程度の発行数になるのか、そういったことも明確でございません。
 また、商法の改正によりまして新しく会社が設立されたときに発行する株式の額面というのは、ただいま大蔵省の方から答弁ございましたように、五万円以上ということになっておるわけでございまして、その点についてはやはり商法の原則というものを踏まえた形でやるべきではなかろうかというふうは考えております。
#225
○中野明君 それでは結局株を持つ人が限定され
てきて、大金持ちといいますか、大きなところへ株が片寄ってしまうという心配をするから言うているわけでありまして、やはりこういう特殊のときには特例で額面を低くして発行するというのが常識ではないだろうか、こういうふうに思います。
 というのは、公社の資産形成の経緯から見て、私どもはこの株をまず現在の電話加入者に優先的に割り振るべきだ、こういう考え方を持っています。これが一番納得のいく株の売却の方法じゃないか。先ほど申し上げましたように、一体だれが株を持つか、最終的に株の持ち主はどういうことになるか、そしてそれが片寄らないかということ、しかもきのうきょうと報じられておりますように、イギリスの電電が株を売り出した、明くる日には倍になっている。たしか百五十円で売り出したのが二百八十八円ですからもう倍ですね。一晩で倍になっている。こういうことを考えますと、これは株の発行高、額面と同時に売り出し価格も、そういうことを見込んでかなり高くしておかないと、これはプレミアがついて利権にまつわるおそれがあります。この辺の考え方はどうお考えになっていますか。
#226
○説明員(日高壮平君) 今先生が御指摘になられた点は、具体的に例えば株式を売却する場合にどういう売却の方法でやるかということにも当然絡んでくる問題であろうかと思います。私どもとしても今部内でいろいろ勉強はしてはおりますけれども、まだ実際に株式を売却する場合にどういうやり方でやるか、例えば競争入札でやるのか、あるいは、従来の例に従って例えばシンジケート団を組んで売らせるのか、あるいはその場合にどういう手続をするのかとか、そういった点についてはまだまだ検討をしなければならない問題が種々ございます。私どもとしてはこういった株の売却方法についての当委員会におけるいろんな議論も踏まえながら、法案が成立し、実際に新会社が発足した後、例えばいろいろな有識者の意見も聞きながら、その辺については十分勉強していかなければならないんじゃないかというふうに考えておりますが、現段階で、まだ法案の御審議をお願いしている段階でございますので、具体的ほ今どういうことを考えているかという点についてはまだ申し上げる段階にございません。
#227
○中野明君 今おっしゃることはわかるんですが、私の言うていることもわかっていただいて、そして将来の重要な参考の一つにしてもらいたいわけです。
 大臣、電電の株をだれが持つかというのは大関心事なんですが、現在で四千三百万加入者に一応一株ずっというんですか、方法はいろいろありましょうけれども、持たすというこの考え方、大臣の御意見はどうでしょうか。
#228
○国務大臣(左藤恵君) 大変難しい御質問でございますし、また実際これをどういうふうにしてそういうふうなことをするかということにつきましても、これはまだ検討を要しなければなりませんけれども、非常に難しいんじゃないかなという感想的なことで恐縮でございますが、持っております。この電電公社の資産というものがどういうところから形成されたかという問題と関連はあるわけでございますけれども、公平に公正にやるということにつきまして、その方法とかいろんな問題がありますので、御趣旨の点につきまして、それを実現するということは非常に難しいんじゃないかと、このような感じを持っております。
#229
○中野明君 それから、額面の五万円という商法の現在の規定なんですが、これは、こういう特殊のときには、今私も申し上げているように、だれが株を持つかということが非常に大きく関心を集めているときですが、できるだけ幅の広い、そして国民全体が納得のいくような株の持ち方をさせるということになれば、五万円というのは余りにも大き過ぎて、庶民の手は届きません。そういうことについて大臣としてのお考えはどうですか。
#230
○国務大臣(左藤恵君) 額面五万円というのが高いというのは、これは、商法の規定がそういうふうに改正されるわけでありますから、そのこと自体が高いというんじゃなくて、今お話がございましたようにどのくらいプレミアムがつくかとかいうふうなことで、具体的な問題として持ちにくいあるいは持ちやすいという問題はあろうかと思いますけれども、額面そのものが商法の改正された五万円ということは、私は高いとは考えておりません。
#231
○中野明君 だから、この際、私は特例をつくるべきじゃないか、そういう考えなんですが、もう一度御意見を。
#232
○国務大臣(左藤恵君) この問題で特例ということは非常ほ難しいんじゃないかと思います。ということは、一体本当にこれは株式を売却いたしましたときに、どのぐらいの価格で取引されるかということにかかってくるんじゃないか、こう思います。そういった意味におきまして、私は、法律の定めるところの五万円でやる以外にないんじゃないか、このように考えます。
#233
○中野明君 大臣がそういう考えじゃちょっと困るんですがね。本当に公社の資産形成の経緯から考えて、法律では建前はそうなっています、だけれども、国民が今一番関心を示しているのはそこにあります。結果として、大企業とか大資本にこの株が牛耳られるんじゃないか、そこにまた利権が絡んで不明朗なことが起こっては大変だ、こういうことで、我々もこの点は大変心配をしておるところであります。それだけに、どうかひとつ、今現在はそういうお考えでしょうけれども、具体的にやはり大臣としてはかくあってほしいというものをもう少し詰めてもらいたいなと私は思います。
 それから、新聞報道によりますと、この株の売却益は予算に計上するようになっているんですが、当初予算では大蔵省はもうあきらめたというようなことになっているんですが、その辺はどうなんですか。
#234
○説明員(日高壮平君) いろいろな形で新聞報道がされておりますけれども、私が今お答えできるとすれば、現在予算編成中でございます。したがいまして、大蔵省として六十年度にどうするかということについて何らかの結論を出したということではございません。
#235
○中野明君 そうすると、前々からの予定どおりに当初予算には計上する予定ですか。
#236
○説明員(日高壮平君) 前々からの予定ということがどういう御趣旨なのかわかりませんけれども、今申し上げましたとおり、現在予算編成中でございますので、確たることは申し上げる段階にございませんけれども、いずれにしても、衆議院の最後の採決に当たりまして、大蔵大臣から政府の統一見解というものをお答えいたしましたが、その中にございますように、国民共有の貴重な財産だということでございますので、その売却に当たっては、いささかも国益を損なうことのないように慎重に考えていかなければならぬ、そういう基本姿勢でいることは事実でございますが、実際にそれではいつごろ売却するのかという点については、まだ申し上げる段階ではございません。
   〔委員長退席、理事片山甚市君着席〕
#237
○中野明君 現段階ではこれ以上言うても無理だと思います。いずれ当委員会に大蔵大臣も来ていただいて、こういう問題についてもう少し方向性を――やはりある程度方向性を示していただかないと、私どもも、ああ、さようでございますか、すべてお任せしますというわけにまいりませんので、それだけは付言をしておきます。じゃ、結構です。
 それで、これは郵政大臣にお聞きしますが、識者の間でも、また閉会中の公聴会で各公述人の大多数の人が今回の公社の株の売却益はやはり電気通信事業の振興に充てるべきだ、かなりの有識者も株式の売却益は明白な目的のために金を使うこと、すっきりさせろと、あるいは電電公社の民営化に伴う株式の売却益は長年電話利用者が拠出したものが資産として形成されたもので、その経緯からこれを電気通信の助成振興措置の財源に使えという有識者の意見も私あちこちから聞いておりますし、この間の公聴会では大多数の人がやはり
そういう御意見でございました。特に世界各国ともこの通信分野の研究というんですか、これはもう先を競って非常に積極的にやっております。ところが、残念ながら我が国というのはどっちかといいますと応用研究が中心で、基礎研究というのは大変おくれておる、これは事実であります。それで、この際やはり株の売却益というのは一部を基礎研究に充てる。ただ、その中で、いろいろ有識者も言っておりますけれども、どうも日本は役所の縄張り争いが激しくて、そして縄張り争いのために目的がそがれることが多い、こういうことだけはなくしてほしい。
   〔理事片山甚市君退席、委員長着席〕
やはり官僚同士がよく国益というものを考えて、そして有効にやってほしいという意見も付言されておりますけれども、大勢として、そういう方向に明確にこれはするべきだ、財政再建のために電電公社が民営になるのと違うんだということでございますが、大臣の御意見を。
#238
○国務大臣(左藤恵君) 御説のとおりだと私は考えます。今回の電電改革の目的というものが電気通信をさらに一層振興さしていこう、そして来るべき高度情報社会に対応するものにしていこう、こういうことで法案の御審議をいただいて、また改革をしていこうということでございます。そういうことで、それに関連いたしまして生じます株式の売却益ということにつきましては、やはり私はその目的のために使用し活用していただきたいということでございますので、過般来検討しておる問題といたしまして電気通信振興機構のようなものを設立して、そして何かまず第一に今御指摘のとおりの電気通信の基礎技術の研究ということで、民間のみでは実施が困難な分野にそうしたものを重点的に充当していただければありがたい、このようは考えております。
#239
○中野明君 大臣の今の答弁にもありましたが、今回のこの法律を成立させるに当たって、この会社法の附則にでもそういうことを私はぜひうたうべきじゃないか、こういうふうに考えております。また、いろいろと今後の審議の推移を見守りたいと思っております。
 それでは、次の問題に入ります。現在の電電公社、それから国際電電、これには過去私も何回か議論をしましたが、適正利潤というもの、これの一応数値を挙げて適正利潤はいかほどであるべきかということが今まで論議されてまいりました。今回は株式会社になるといってもこれ特殊法人で、KDDと同じですから、やはり新電電の適正利潤ということについて考えておく必要があるんではないか、こう私は思います。
 というのは、やはり料金の問題も絡んできますし、やたらにもうけ主義でもうけさえしたらいいということで、料金をさておいてもうけだけで株主に配当だけいったらいいと、こういうことでは困るんであります。その事業の持つ公共性、これについてけさほど来同僚議員からも質問がありましたが、私も同意見でありまして、適正利潤に答えていただく前に、現在の日本電信電話公社法の第一条あるいは公衆電気通信法の第一条、そこにうたわれております「公共の福祉」あるいは「あまねく」「公平に」というような、そういう精神、これは今回の両事業法あるいは会社法にも脈々と生きているということを確認したいんですが、それはよろしいですか。
#240
○政府委員(澤田茂生君) おっしゃるとおりでございまして、公共の福祉の増進、国民の利便の確保というようなことにつきましては、これは今回の会社法、事業法を制定する場合の基本理念としてこれを置いているということでございまして、具体的な条文それぞれのところにもそういう規定を明定をしておるということでございます。
#241
○中野明君 それじゃ、適正利潤についてどうお考えになっているか御返事願います。
#242
○政府委員(澤田茂生君) 電気通信事業法案の第三十一条第二項一号というもので料金決定原則というものを規定しているわけでございます。「料金が能率的な経営の下はおける適正な原価に照らし公正妥当なものであること。」ということを明記いたしております。その趣旨というのは適正な原価に適正な利潤を加えて公正妥当な料金が決定されるということを意味しているわけでございます。こういう新電電の料金についても適正な利潤を前提として設定されるということになるわけでありますが、その適正な利潤の水準、判断基準をどうするかというようなことにつきましては、事業に投下された資産の適正報酬率というようなものを考えていく、いろいろな考え方があろうと思いますけれども、なお審議会等にもお諮りをいたしまして今後詰めてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
#243
○中野明君 現在のKDDと電電公社の適正利潤というのはたしかパーセントではじかれておったと思うんですが、どうなっていますか。
#244
○政府委員(澤田茂生君) 現在の電電、それからKDDにつきましては、法律上の料金決定原則といたしましては合理的な料金ということのみが規定をされております。明確さという点については若干欠けるような気もするわけでございますけれども、今先生おっしゃられましたような適正報酬率というようなことについての具体的な数字というものはございませんで、電気通信料金というのが、料金総収入が合理的で能率的な電信電話事業の経営に必要な経費を償うよう、そういう原則のもとではじかれているということでございます。
#245
○中野明君 五十八年六月に電気通信料金問題調査研究会というところが適正報酬率というんですか、これでは公社が六%前後、国際電電が七%前後というふうに一応数字の上ではじいているんですが、これは大体妥当なものですか。
#246
○政府委員(澤田茂生君) これは新法の体制ということではなしに現行法体制の中でどうあるべきかということにつきまして学識の先生方にいろいろ検討していただいた、その結果の一つの目安と申しましょうか、そういうものとして出た数字でございます。
 なお、新しい体制下においてこれをどうするかということについてはなお一層検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
#247
○中野明君 しかし、この考えというのは、基本的にこういう考え方は余りとてつもなく変わるということはあり得ないと私は思うんです、国際電電もやっているわけですから。ですから、大体こういうことを目安でと私は思っておりますけれども、今申されたように別はこれは法律でどうせい、こうせいじゃありませんけれども、やはり大体の節度というものを持っておかないと、特殊法人ですから、民営になったからといって、とにかく営利第一で走りまくられたのでは、後ほど私も問題にしたいと思いますが、関連業者との競争とかそういうことへ全部はね返ってきて、まともにぶつかり合ったら吹っ飛んでしまうのはわかり切っているということで非常に不安を持っている人も多いんです。そのことについてはいずれまた次の機会にでも申し上げますけれども、そういうことから私は今の適正利潤ということを申し上げておるんでありまして、これは公共料金である電気やガスもやはり適正利潤というものは一応示されているようですので、その辺はひとつ著しく現在と逸脱をするようなことのないように考えてもらいたいなと、こう思うんですが、大臣どうですか。
#248
○国務大臣(左藤恵君) お話のとおり、新電電の料金とかそういったものにつきましては、当然にそういった適正水準というものを新しく設定しておかなきゃならないんじゃないかということでございますので、現在検討をしておる段階でございます。
#249
○中野明君 それじゃ、先ほども同僚委員からお話がありましたが、ちょっと私聞き漏らしたかもしれませんので重複になるかもしれませんが、設立委員は大体何人を予定しておられますか。
#250
○政府委員(澤田茂生君) 設立委員の数につきましては、まだ現在のところ具体的な人数を固めるまでには至っていないということでございます。
 いずれにいたしましても、会社法制定後任命をすることになるわけでございますが、委員の数に
つきましては従来の特殊会社設立の例というようなものを参考にしながらこの新電電の規模等を踏まえて検討してまいりたい、こういうふうに思っております。
#251
○中野明君 やはりこういうことも法律が通らぬとだめなんですかな。もう四カ月もたっているんですから大概詰められて、人の名前は私は無理だと思いますが、大体何人ぐらいということぐらいは――四カ月何してたのかということになりますがね。どうなんでしょうね、大臣、人の名前を私は言えと言っているんじゃないんです。だけれども、設立委員はこれぐらいでいきたいと思いますということぐらいは返事をしてもらわないと、何のための継続になったのやら、ぐあい悪いですね。四カ月遊んでおったのかということになりますが。どうでしょう、もうそうせぬと間に合いませんよ、こんなぐずぐずしておったら。どうですかな。
#252
○国務大臣(左藤恵君) お話のとおりでございますが、大体の見当というふうなことで申し上げるということも非常に問題ございますので、しかし例えば今までの特殊会社の設立委員というものの例がございまして、例えばKDDができましたときは二十七名とか、日本航空が十三名、この間できました関西国際空港株式会社でございますが、これが二十一名、日本たばこ産業株式会社が十三名と、こういうふうな例もございますので、一つの常識的な線というもので、人数は――それにいたしましても、とにかくこの法案が御承認いただけましたらすぐに人数は決定できるんじゃないか、このように考えております。
#253
○中野明君 大臣は今常識的にとおっしゃったですから、これらよりもけた外れに大きな会社ですから、人数もそれに応じてくるんだろうと思いますが、設立委員というものの構成が大変問題になってくるんじゃないかと思いますが、けさほど同僚委員からも質問がありましたが、これは非常に大事な役割を果たされるものですから、幅広い意見を結集して公正な人事が必要になってくるわけですが、この点については私どもも非常に関心も持っておりますし、いやしくも国民から変則的な設立委員の任命だと言われることのないようなそういう配慮をお願いしたいと思います。
 それから、設立委員会の設置場所は決められましたか。
#254
○政府委員(澤田茂生君) 具体にはまだ、設立委員の任命等とあわせて選定をしたいというふうに考えております。
 ただ、私どもこの設立委員会の事務局の設置場所ということにつきましては、特殊会社の設立事務という公的な職務を遂行するにふさわしい、どなたからごらんになられましても公正中立と思われる場所というようなものを選定しなければならないというふうに考えているところでございます。
#255
○中野明君 そうすると、これもまだ決まってないんですか。
#256
○政府委員(澤田茂生君) そのとおりでございます。
#257
○中野明君 何も決まっておらぬのですね。人の問題とかそういうのはぼくはわかるんですけれども、大体こういうことはどこへ事務局を設けて設置したいと、そういうことにしておかないと、これ間は合うんかなという感じがするんですがな。皆さん方は四月一日だと一生懸命おっしゃっているんですが、ほんまほ四月一日に間に合うんかなという心配もあります。今法案が通らぬのにそんなことを言うたら怒られるということでおっしゃらないのかもしれません。
 これ以上言いませんけれども、何だか私が最初に申し上げたように、そういう政省令でこっちに任してくれと。それは信用しないんではありませんけれども、往々にして今まで政省令にゆだねて後でびっくりして、何でこんなことしたんやというようなことが多いんですよ。最近、特にそういう法案の出し方がずるくなってきたといいますか、少なくとも法案を出して国会の審議をする以上は、ある程度政省令の中身は詰めて、そしてもし通ったらこう考えておりますというものを用意してから法案を出されるべきじゃないかなと、私はこう思っているわけです。そうしないと、後になって、じゃ皆さん方を信用してこの法案を通した、通した後から変なことが次々起こってきたということになると、国会審議というのはこれは一体何やと、だまされたじゃないかと、国会というところはもう何にもしないじゃないかということになるわけです。だから一つ一つ気になるところを詰めてきたわけなんですが、今の局長のお話では何も決まっておらぬということでまことは残念でございます。
 では、次は特別第二種なんですが、これも前国会で私申し上げましたが、特別第二種と普通の第二種との境界といいますか、これは通産と何か話がなかなか詰まらぬということだったんですが、これはもう詰まりましたかな。
#258
○政府委員(澤田茂生君) 特別第二種と一般二種の区分けの問題でございますけれども、「電気通信設備を不特定かつ多数の者の通信の用に供する第二種電気通信事業であって当該設備の規模が電気通信回線の収容能力を基礎として政令で定める基準を超える規模」、こういうようなものを定めているところでございますけれども、政令はこういった法の委託を受けて電気通信回線の収容能力を基礎として算定していくということでございますが、この政令を定めるに当たりましては、現在の電電公社とかあるいは民間データ通信業者のネットワークの実態あるいは将来の発展動向というようなものを勘案して定めていくと同時に、関係省庁とも意思疎通を図っていかなければならないというところでございますが、現在のところまだ政府としての政令案というものを決めていない段階でございます。したがいまして、十分な意思疎通というところにまで至っていないというのが現状でございます。
#259
○中野明君 これもまだ決まってないんですかね。
 通産は来ていますかね。――郵政省の考えは一応あるようですが、それに対して通産はどうですか。
#260
○説明員(牧野力君) 今郵政省からお答えがありましたように、私どもといたしましては、この法律、あくまで政令案をおつくりになりますのは郵政省でございますので、まだ正式に御協議を受けておりませんので、これに今現在ではお答えをする立場にないことを御了承いただきたいと思います。
#261
○中野明君 これ局長、この法案が通らぬとこういうことは相談できないんですか、通産と。これは、やはり特別第二種というのは先ほど議論がありましたように外資規制の問題でも私どもは非常に不服があるんですよ。当初郵政省は特別第二種は外資規制も一応考えておったのを途中で撤回して、心配ないから納得しましたというようなことで引き下がってしまっているんですよね。そういう経緯もありますので、やはりこれはいまだに、四カ月もあって相談もしない、それで会社ができてから相談するというてごちゃごちゃ意見が違うておったらこれはとてもじゃないが間に合わぬのじゃないかというような気がするんですが、どうですか、郵政省の案は決まっているんですか。
#262
○政府委員(澤田茂生君) 私どもの一つの考え方といたしまして具体的な数字ということで申し上げますれば、あるいは前国会の御審議の中でも若干触れたかと思いますけれども、千二百ビット・秒の換算で五百回線というようなものも一つの考え方であらうかというふうな考え方は持っているところでございます。
#263
○中野明君 早くこれもう決まっていることならば、通産とこういう考えでおりますがと話を進められた方でいいんじゃないかなというふうに思いますが、それはまあ一応要望しておきます。
 それでは次の問題に入りたいと思います。
 郵政省にお尋ねをしますが、今回の法律が通りますと第二電電と第一種電気通信事業会社が当然競争に名乗りを上げてくるだろうと思うんですが、大体この法律が通ったとして、第一種電気通
信事業会社の発足といいますか出発というものはいつごろと推定されていますか。
#264
○政府委員(澤田茂生君) 第一種電気通信事業への新規参入の計画につきましてはいろいろ構想が出ているわけでございますけれども、例えば第二電電企画株式会社あるいは日本テレコム株式会社とか日本高速通信株式会社、こういうような構想がいろいろ出てきておるのは私どもも承知をいたしているところでございます。
 お尋ねのいつごろからサービス・インするんだろうかということでございますが、現時点において私どもが承知をいたしおります計画といいますのは、早いものでは専用サービスについては六十一年度ごろから、それから電話サービスにつきましては六十二年度ごろサービス開始の予定というふうに承知をいたしております。
#265
○中野明君 そこで、電電公社にお尋ねをするんですが、私個人としましては、大体遠近格差といものをなくして、遠近格差がなくなったところで民営に持っていくというのが理想だと、私はこう考えておったわけです。だけれども、時代の要求がそれを許さないということで、今ここで民営化という審議になっていることも理解しております。だけれども、遠近格差をなくしてから民営化に持っていってもらいたいというのが私の個人的な考えでした。これは前もって申し上げておきまます。
 そこで、来年四月発足といたしまして、まだ一、二年あるわけなんですね。電話の競争ということになると六十二年ですか。ですから三年ほどあるわけなんですが、その三年ほどの間にいわゆる新規競争相手が出てくるまでに公社の遠近格差というのはどの程度まで縮められるというふうにお考えになっているのか、構想をお示しください。
#266
○説明員(真藤恒君) 私どもとしましては、遠近格差をまず縮めることが当面の料金関係の私どもの責任だと思いまして、御存じのように、過去ずいぶんいろいろなことをやりながら収支差額を減らさずに今日まで四回長距離料金、中距離料金を下げてまいっております。この考え方は一つも変わっておりません。
 ですから、先生のおっしゃいますように、できるだけ早く新規参入が入ってくるまでの間にさらにこの遠近の格差を縮めたいという強い願望を持っております。ただ、残念ながら現在の公社制度では遠近格差を縮めると申しましても、あらゆる問題で動けなくなっておりますので、こういう一元コントロールの組織でございますから、そういう制限があるのはこれは当然でございますけれども、そのしがらみの中ではとてもじゃないが合理的な方法で、職員も納得する方法で、無理なことはできないということだけははっきりいたしております。今度、こういうふうな法改正が通りましてそのしがらみが大分緩くはなりますのでやりやすくはなりますが、とは申しましても、それはそれなりにまた、いわゆる大企業なるがゆえのいろんな批判、抵抗ということもあろうかと思います。しかしながら、そういうのは世間の御理解あるいは同じような仕事をやっていこうとする皆さんと協力体制のいろんな事業を興しながらこの問題をできだけ早くおっしゃる方向へ持っていきたいと思っております。そうしておきませんと、INSと申しましてもなかなか世の中に役立つものができ上がろうとは考えられません。新規参入に対する競争力という点から申しましても、早くその点はやっていきたいというふうに強く考えております。
#267
○中野明君 そうしますと、今の総裁の御返事ですと、現在の公社の制度よりも新会社になった方が少しは遠近格差の是正がテンポは速くなる、こう理解してよろしいですか。
#268
○説明員(真藤恒君) そうご理解いただいて結構でございます。
#269
○中野明君 それでは次の問題に入りたいと思います。
 郵政大臣、電気通信審議会のことです。
 奥田郵政大臣にも私申し上げたんですが、今回の法改正で電気通信審議会というものの責任と役割というものはもう旧来に倍するというたら、倍するどころじゃないんですね。格段のもう違いが出てくるわけなんです。要するに、現在電電公社には経営委員会というのもあります。そして料金決定は当たりましてはやはり国会での審議というものもあったわけです。ところが、今回の法改正によりまして電電公社の経営委員会は当然なくなりますし、国会の料金審議というものもなくなってくるわけです。それが全部この電気通信審議会に肩がわりといいますか、ここへいくわけですからこの役割というのはまことに重大ですね。
 それで、けさほど来の同僚委員もおっしゃっておったように、料金決定のときには地方公聴会を開きなさいよと、当然だと思いますし、私も賛成ですが、私の前々から主張しているのは、公社の経営委員は国会の同意人事、国会の承認事項になっております。今回この公社の経営委員会と国会の審議まで含めたそういう議論をするんで、この委員の任命に当たってはやはり国会の承認人事にするべきだという私意見を述べまして、奥田郵政大臣も、確かにおっしゃる意味はわかる、検討してみましょうというようなお話でございましたが、左藤郵政大臣はどういう御見解をお持ちですか。
#270
○国務大臣(左藤恵君) 前に先生から御質問がございまして、前大臣がそういうことをお答えしているということは私は承知をいたしております。
 確かに、お話ございますように電電三法が成立いたしますと、電気通信審議会の役割とかというものが今まで以上に大きいということになることは御指摘のとおりでございまして、そういう意味から考えまして、国民の意向を代表するにふさわしい、一層ふさわしい有識者に委員になっていただかなきゃならないというふうに考えております。
 そういうことでございますけれども、また一方で、各省の審議会というふうなものが内閣におきまして、横並びと言うんでしょうか、何と言うんですか、そういった問題もございますので、なお検討はいたしておりますけれども、これを直ちに国会の承認人事とするというような法改正とかいうようなところまでまだ進めることにつきましては検討を続けておる段階でございまして、今それをすぐそういうことでできるということをお約束するわけにはちょっといかないような状態でございます。
#271
○中野明君 特に現在の委員の中から将来第一種あるいは第二種、特別第二種とか、そういうところの代表者とか、こういう人が出てくると思うんですね。そうすると認可をする側にその代表者が入っているということもこれまたおかしなものでしてね、ですから、そういう面の人選も、これ途中でもかえられますか、そういうときには。どうですか。
#272
○政府委員(二木實君) この新しい法律ができますと審議会にかける諮問事項が多岐にわたるわけでございます。中には第一種の事業認可もございますし、また料金の諮問もございますし、また技術関係の省令の諮問もございます。大変多岐にわたっておりますので、今の構成も多岐にわたるようなメンバー構成になっておるわけでございます。そういう意味で関係者は除くという形で今でも部会構成をやっておるわけでございますので、しばらくはそういう形でやらしていただきたいなと。
 それで、今大臣が申しましたように、全体のいろんな問題、これから新しい法律を踏まえまして出てくる問題を考えながら、次の機会にはいろんな審議会のあり方そのものにつきましても再検討さしていただきたい、そのように思っておる次第でございます。
#273
○中野明君 私はためにして言っているんじゃないんです。ただ、許認可をするに当たってそういう新電電に対抗して認可を受けていこうというような会社の代表者とか、そういう人たちがこの中にもしおられるとしたときには、何か情報が流れたんじゃないかとか、便宜を図ったんじゃないか
とかいろいろ不明朗なことを言われても困るんじゃないかと。だから、この際、新法設立と同時に、そういう気のある人というんですか、そういう気配のある人は一遍やめてもらって、そして全然関係のない人を入れるというふうにしたらどうかというのが一つと、それから今官房長から答弁がありましたように、この法律も三年後には見直すということになっていますので、見直すときにこれはぜひ私は国会の承認にするべきだと。そうしないと、料金の問題から許認可の問題から全部ここへかかってきますので、そういうふうにしておくということがやはり国民の声を聞くという一つの手続になるんじゃないか、こういうふうに思いますので、それも含めて三年後の見直しの検討の中に入れてほしい、こういうことです。
#274
○国務大臣(左藤恵君) 御指摘のとおり、そのようにさせていただきたいと思います。非常に重要な問題になってまいりますので、過渡的に当面の問題をどうするのか、そしてまた三年後の見直しのときにどうするのか、そういうことにつきまして、今お話しのような前向きの姿勢で検討をさせていただきたい、このように思います。
#275
○中野明君 それじゃ、端末の開放とそれから設備料、使用料、これについては次回に私譲らしていただいて、きょうはもう一点だけどうしても世田谷の問題、これをお尋ねしておかなきゃなりません。
 衆議院でもこの問題について集中審議をされたようですが、どうも私納得がいかぬといいますか、不思議でしようがないんですが、先日、十一月の十五日でしたか、地方公聴会で大阪に行かしてもらいまして、大臣も御承知のとおり、福島報話局の地下の洞道を見せてもらいました。そのときに局長さんの案内で入ったんですが、入り口のドアだってキーロックでだれも――二、三人の人しかあげられぬようになっている、非常に公社としてはもう心臓部といいますか、頭脳といいますか、大事なところなんです。これは厳重にしているなということで、私どもも中へ入れてもらいました。それで、あそこで感じましたのは、その明くる日ですから、見せてもらった明くる日に公聴会をやっている最中だったと思うんです、世田谷で火事があったというのは。そのときに我々は公聴会でそういうことは知りませんでしたが、今考えてみても、私も初めてあそこへ入れてもらったんですが、あそこで火事が起こるということは想像できません。
 それで、あのときの局長の説明では、大阪の大空襲のときもここは燃えませんでした、あの空襲でも火は入らぬし、それから地下ごうですからびくともしませんでした、もう火災も起こりませんでしたということで大変自信満々の説明を受けまして、これだけの五メートルからあったですかな、広いところで燃えるようなものは何もないのですから、そうだろうなと思った。それでケーブルが丸焼けになってしまうというようなことはちょっと私考えにくいのですが、あれを燃やそうとしたらこれはよほど何か作為的にやらないと燃えぬのじゃないか、こういうふうな気もするのです。
 総裁、技術者もおられるんでしょうが、原因は一体どこにあると思われるのですか。
#276
○説明員(福富禮治郎君) 先生のおっしゃいましたように、洞道に入る管理につきましては、出入り口の管理で管理票を出しましてそれに対する許可を得て入るということになっておりまして、世田谷でもそのとおりにしているわけでございます。
 ただ、今回の火災の原因そのものの究明につきましては現在警視庁及び東京消防庁で調査中ということでございまして、私どもも大きな火災を起こして非常に残念に、また申しわけなく思っておるわけでございますが、原因そのものにつきましては警視庁の手にございまして、私どもまだ伺っていないので何とも申し上げられないというのが実情でございます。
#277
○中野明君 いや、それは調べるところで調べてもらえばよろしいんですけれども、専門のあなた方がそんな人任せでよろしいんですか。私はちょっとあれ燃えるように思いませんよ。それともあのケーブルの耐火試験というのはしたのですか。
#278
○説明員(福富禮治郎君) ケーブルそのものにつきましてはアルミの上にポリエチレンを巻いているというのは世界じゅうどこでもそのようなものでございます。確かにポリエチレンというのは火がつけばある程度燃えることは知っていたわけでございますが、そう簡単に先生のおっしゃったようにマッチをすったり、たばこの火で火がつくというようなものでもないわけでございます。そういうわけで、私どもも一体何であのような大火災がそのようにすぐ起きたのかというようなことについて非常に残念でございますが、よくわからないというのが実情でございます。
#279
○中野明君 耐火試験はしたのですかと聞いているのです。
#280
○説明員(福富禮治郎君) 前に研究所等での試験あるいはかつての事故等ございましたので、試験等はしたことがございまして、ちょっとすったぐらいではつかないわけですけれども、かなり火をつけると燃えるということは知っておりました。
#281
○中野明君 そうしますと、入り口でそんなに厳重に管理している公社の頭脳とか心臓と言われるところへ入って作業をするのですから、やはりそこで火気を使うということになると、それだけの監督と指導とそして小型の消火器くらいは持って作業させなければいかぬのですが、そういうことはどうなっておったのですか、具体的に。
#282
○説明員(福富禮治郎君) 洞道内の作業につきましては、もちろん出入り口に消火器は常備してあり、また入るときにも持って入るということになっておりまして、私も警察の取り調べでどうかわかりませんが、作業者は消火器を持って入って、出てくるときに持って出てきたというふうに聞いております。
#283
○中野明君 そうしますと、燃えたときにはおらなかったのですかね。その辺はおたくじゃわからぬのですか。
#284
○説明員(福富禮治郎君) 作業者が昼食をとるために出てきた後だというふうに聞いております。しかし、事実私どもそれらの点につきましては警察の聴取のされている中でございまして、私どもが直接知ったわけじゃございませんので、正確なことを残念ながら知っていないというのが実態でございます。
#285
○中野明君 いずれにしても私は、こんな大事なところで仕事をするのに監督もつけないでおるというのは、公社の怠慢じゃないかなと思います。しかも、今になってまだ公社として何で燃えたかようわかりませんのやと、それで消防か警察が調べたからそうでしょうと、そういうようなことじゃ将来また同じようなことが起こる可能性は出てくるわけでして、徹底した原因の究明というものは私必要だと思うんですが、それは起こってしまってから言っても始まりませんが、私はこのことによって現地の人にもいろいろ苦情があって、我我も閉口したわけです。
 大臣、損害の規定が御案内とおり公社法で、とても古い時代につくったあれで、もう納得できぬということで、えらいお怒りを持っている人がたくさんおられます。それは損害から言うたらもう大変なことでありますが、まず一つは、私、損害の問題で今回の現状のままで申し上げたいんですが、五日未満は損害があって電話が通じなくても損害は賠償せぬのですと、こうなっているわけです。で、一番困ったのはやはり最初の四、五日というのが一番困ったわけですね。それで、公社の方も余りやかましく言われるということで、何かせないかぬということで、あれ、取り次ぎ電話というのですか、何かをつけたのが五日目か六日目やったと私は記憶しております。ところがそれがつくまでの間に皆一番困った。その人たち、そのうち徐々に復旧していったですから、五日以内は一切損害は見ませんのやと、こうなっているわけですね、現行法では。これも非常に矛盾じゃないかなと思います。
 それからもう一つは、当初は公社の方は復旧す
るのに一カ月かかると、こうおっしゃったわけですよね。それで、もう電話がなかったら商売にならぬ、生き死にだという人は少々の金がかかっても構わぬということで、事務所をょそへ借りたり、あるいは臨時電話を引いたり、人を雇うたり、もう大変な費用をかけて対応をしたわけです。ところが結果として、公社のそれこそ昼夜兼行の努力で一週間あるいは十日で直って、これはよかったんです。よかったんですが、当初そういうふうに言われたから、初めは二日や三日で直ると言われたら、そんなことは辛抱しようということになったかもしれませんけれども、一カ月と言われたらもう会社がつぶれる、そういうようなことで事務所も構えた、臨時電話も引いた、人も雇うた、こういうふうにみすみすはっきりとお金を使っている人がおることは事実なんです。それは何とか見てやる方法はないのかと。やはり発表したんですから、それに対しての加入者として自衛策で対応を講じるのは当然でしょう。この辺は何か方法はないものかというのが私の気持ちなんですが、五日以内と、それから今の一カ月と、総裁、何か方法はないですか。
#286
○説明員(真藤恒君) 今の世田谷の洞道の問題で、私責任者として非常に残念に思い、また相済まないというふうに思っておりますが、御存じのような構造の中でいろんな作業をやる場合に、火を使わなきゃならぬという仕事は技術的に今やめることはできない状態でございます。したがいまして、洞道の中で、外部の人は仮に入らないにいたしましても、作業のために火を使うということがある以上、場合によっては火災が起こるということは当然可能性として私ども十分考えて、その対策を技術的にきちっとやっておくべきだというのが義務だというふうに心得ております。
 今度返す返すも残念なのは、火災が起こって、それをある計画された区画の中で消火することができずに丸焼けになってしまった、ここが私どもが非常に今日強く自責の念に駆られているポイントでございまして、この点につきまして今早急に具体的な対策を、緊急対策と中期の対策を考えまして、緊急対策については直も終着手すべく今早急は結論を出すことにいたしております。これは何も東京だけではございませんで、全国的に同じような状態のところがたくさんございます。急いで全国的に安全対策の工事を進めたい、また進める義務があるんだというふうに考えております。技術的に考えまして、私が申しますように、計画された範囲内でもし火災が起こってもほかに延焼しないということは十分できる可能性がございまして、責任を持って最短期間の間にその手当てはいたすつもりでおります。
 それから、今の補償の問題につきましては、私ども今法律で決められている範囲のことは自主的に積極的に進めておりますが、それ以上のことにつきましては私どものひとりよがりでとやかく行動するわけにはまいりませんので、郵政省の御趣旨を仰ぎながら行動したいというふうに思っております。
#287
○中野明君 郵政大臣、これ何か方法を考えてあげた方がいいんじゃないかな。一種の都市災害ですよ。
 もう一つは、将来公社が株式会社はなるわけですが、約款になってくるわけですが、この補償の問題は恐らく競争相手は災害起こったら絶対補償しますとか言ってやり出すから、かなり充実してくるとは思いますけれども、これは大変な災難です。ですからその点、この金額はわずかでしょう。わずかですけれども迷惑をかけたということで、五日以下はだめです、一カ月のために用意した人も、そんなこと知るか、おまえらの勝手やというようなわけにはいかぬのじゃないかなという気がしてなりません。どうかひとつ一応可能な限り検討をしてもらいたいと思います。
 それから、時間がありませんからもうあれですが、総裁のおっしゃったようにこの火災を教訓として、今後の対策は大変です。もう恐らく水とかそういうことについての対策は十分だったでしょうけれども、火の気ということについては遺憾ながら何もなかったという以外にありません。そういうことについてお願いして、大臣の答弁だけいただいて、きょうの私の質問は終わらせてもらいたいと思います。
#288
○国務大臣(左藤恵君) 世田谷の火災、大変御迷惑をおかけして、私からもおわびを申し上げたいと思います。
 今お話ございましたように、確かに補償の問題にいたしましても、社会生活のいろんなあり方というふうなもの自体も変わってきておるわけでありますけれども、なかなかこういった問題について法を改正するということにつきましての公平、何がバランスがとれたものであるかということについての検討、いろいろ問題があろうかと思います。御指摘のように、新しく会社法を成立させていただいたならば当然約款の問題が出てくるわけでございますし、そうした段階におきまして十分検討いたしまして、こういったことについてお話のような、何といいますか、非常に御迷惑をおかけした方々は対する対し方というものを再検討しなければならない、このように考えております。
#289
○中村鋭一君 まず新大臣にお尋ねをさしていただきますが、大臣は与党の一員として現に萱任ある行政府の長として、今回のいわゆる電電三法が上程されるに至った経緯、さらにまたさきの一〇一国会でどのような経過をもってこれが継続審議は至ったか、その間の事情はよく御存じであると思います。我々委員も熱心に逐条について審議を行ってきたところでございますが、ようやく山でいいますと峠を越えたといいますか、この法律の成立に努力をしてまいりました会派の一員として大団円を迎えつつあるかのように見受けられますことは御同慶の至りでございます。ここで改めて私は大臣に、今回の法律案が上程されるに至りましたその根本のところをどのように理解をしておられるのか、なぜこの法律案が各国会で審議されるに至ったか、その法律案の目的、そういった点についてお伺いをさしていただきます。
#290
○国務大臣(左藤恵君) 御指摘の点につきまして、現在もう峠を越えたとおっしゃいましたが、私はこれから胸突き八丁だと、このように考えておりまして、大変先生方の御熱心な御審議をいただいておることに対して感謝を申し上げる次第ででございます。
 今お尋ねの点につきまして、これが電電改革三法というものを国会へ出しますまでの考え方ということのお尋ねでございますが、何をおきましてもやはり日本電信電話公社の民営化といいますか、組織化とか、そして競争原理の導入ということをこの法案はねらいをつけておるわけでございますが、これによりまして電気通信事業の効率化、活性化というものを図りまして、そして高度情報社会の基礎を今築いておかなければならない。国民の皆さんのニーズというものが、今までと違ってそういう情報に対しますニーズが非常に多様化し変化をしておる、そういうことに対して設備をしサービスを提供する側も活性化されたものとして対応していかなきゃならない。そういったことからこの法案を提出さしていただいて、そしてその成立をしていただくことによりまして事業当事者はもちろん、国民の皆さんにより適時適切なサービスを提供することができるんじゃないか、こういうことを念願しておるものでございます。
#291
○中村鋭一君 ということは、まあ一つには、日本は自由主義社会でございますから、株式会社というものは同業他社と公正な条件の上で自由に競争をして活力ある営業を展開していかなければいけない。過保護でありますとか、過度の規制をかけてその活力を阻害することがあってはいけない、それが一つ。当然ながら、行政から見ますと、これはいわゆる行財政改革の一端といたしまして、端的に申しますならば、中曽根内閣の行革の目玉商品として本三法が提案されるに至ったということが言えると思います。これは公社の方から見ると、法律というものは、民間活力を導入して自由な営業をするために本法律案が提案された以上、余分の規制でありますとか、例えば許認可
一つをとりましても、そういうものは少なければ少ないほどいい、このように大臣、理解をしておいてよろしいわけですか。
#292
○国務大臣(左藤恵君) 公正な立場で競争をしていただくということで、一つのルールというものが私は必要だと思います。また同時に、国民の皆さんの立場から見て、あまねくそういったものについてのサービスというものがやはり確保されなければならない、そういうことも配慮しなければなりません。それが電気通信の持つ特性だろう、私はこのようにも思います。そういう中におきまして、先ほど御指摘いただきました活力ある経営というものをやっていただく、フェアな競争をやっていただくということができなければならない、このように考えるものでございます。
#293
○中村鋭一君 総裁にお尋ねをいたします。
 総裁は年来、今回提案されております法律案の成立にいわば命をかけてこられた、私はそのように理解をしておりますけれども、この審議の過程で問題になりました点の一つに、自由な競争、すなわち営業努力をして売り上げを伸ばす、簡単に言いますと、お金をもうけるその作業と、それから、いわゆる公共の福祉、あまねく公平なサービスを我が日本の津々浦々に至るまで提供するということをどのように整合させていくかということが一つの大きな問題になろうかと思います。まず、その点につきましての総裁のお考えをお聞かせ願います。
#294
○説明員(真藤恒君) まず、私どもがやらなくてはなりませんのは、新しい法体系のもとで第一種電気通信事業に直結する全体の費用を合理的に減らしていくということがまず第一でございます。その面につきましては、今度の法体系の中で私どもが世の中とのバランスを壊さずにまじめに行動すればできる可能性が、前の公社制度のときよりもはるかに大きいということははっきり申し上げられます。それが第一でございます。
 第二は、と同時に、並行して、今おっしゃいましたように、新しいサービスを積極的につくっていって、そしてそれを世の中でお使いになれる料金で、あまねく全国に普及させるということによって収入の絶対額をふやしていくという両方をやらなきゃならぬと思いますが、問題はその過程の中で、さっきいろいろ御質問、お話もございましたが、厳格にサービスごとの原価主義ということを採用されますと、料金体系の原則、この目的がなかなか具体的には実現できません。例えば、電報というものを、政府の方から何かの御指示がない限り私どもはやめる気はありませんと言わざるを得ない社会環境にあるわけでございますから、電報というああいうやり方のものは絶対にバランスすることがございませんので、そういう問題もございますし、これから新しいサービスを広めていきます過程におきまして、どうしても初期段階では収支は償えません。初期段階ではどうしても先行投資の方のコストと収入とのバランスがつきませんので、そこにもやはり厳格な意味の原価主義と、個別サービスごとのということでは世の中にお使いになれる値段でなかなかうまいぐあいにいかない。いい例が自動車電話でございます、現状におきましては。そういうふうなことが御理解ある行政の中でフレキシブルに動けるということをやっていただければ、何とかかんとかやっていけるというふうに考えております。
#295
○中村鋭一君 たまたま今、総裁は自動車電話のことをおっしゃいました。私は、この委員会の都度、総裁初め公社の皆さんに自動車電話の料金をもう少し下げてもらえないかと御陳情を申し上げて、いまだに全く実現の気配もございませんけれども、まさに自動車電話はそれを承知でつけているからいいんですけれども、今総裁のお言葉の中にありました、具体的に申し上げますが、電報は、確かに総裁がおっしゃるように、これは原価主義に立ちますとそれは全然赤字でどうにもならないというわけでございますが、しかし、今おっしゃいましたように、国民のニーズがそこにある限りは、この電報分野につきましては、大上段に振りかぶって公共の福祉ということを言わないまでも、要求がある限りは絶対にこれを廃止もしくは縮小することはございませんね。そのことは確認申し上げてよろしゅうございますか。
#296
○説明員(真藤恒君) さっきもお答え申しましたけれども、そう御確認いただいて結構でございます。
#297
○中村鋭一君 お約束をいただきましてありがとうございます。
 昔、マンモスがおりまして、余りにも巨大化したためについに絶滅をいたしました。局長も午前中おっしゃっておりましたが、社員三十数万、年間売り上げ五兆円に近い世界有数のいわばギネスブックものの巨大な持ち株会社が誕生をいたします。これがあのマンモスのように肥大化し過ぎて小回りがきかなくなっては大変だと、こう思います。だからこそ、例えば第二電電、こういった会社が続々と出現をいたしまして、お互いに刺激をしお互いに切磋琢磨して国民に良質のサービスを提供していく、このことが大切なんだろうと思います。思いますが、総裁、発足を予想される第二電電は、これは公社が変わります新電電に比べれば問題にならない、小さいんです、象とアリみたいなんですね。ですから、お互いに自由競争とかお互いに刺激し合ってと言っても、最初のうちは総裁、やはりお兄さんといいますか、そういう目でいろいろな形で相談に乗ってあげたり、場合によれば大切にしているノーハウでも提供してやる、こういう姿勢が大切なんだと思いますけれども、この新しく出現するところの後発の会社についての総裁の考え方をお示し願います。
#298
○説明員(真藤恒君) これは基本的に郵政の御指導をいただきながら行動すべき性質でございますが、私どもが今考えておりますのは、新規参入の企業体のあり方あるいはその数というものがいろいろ出てこようかと思いますが、どういうふうな形で何件の新規参入が出てまいりましても、私どもと一緒になって郵政の御指導のもとに総合的におのおのの通信線をどうつないで最も世の中にお役に立ちやすい姿に持っていくかという、この技術的な検討ということがまず一番大事ではなかろうかと思います。その面において、私どもの在来の蓄積しましたノーハウ、それから郵政の行政的な御指導というものと、それから今おっしゃいました私どものスタートの時代における協調、協力というものでどういうふうにこれを展開していくかということは非常に大事な問題だというふうに心得ておりまして、決して小乗的な競争精神でというふうには考えておりません。ある程度のスケール、ある程度の力に新規参入の方々がおなりになって、それからまた競争を始めても遅くはないというふうに考えております。
#299
○中村鋭一君 局長にお尋ねいたしますが、今総裁は、そういう小乗的な考え方はしないとおっしゃいました。そしてまた、郵政省の適切なアドバイスやその指導を受けてやっていきたいと、こういうことでございました。ですから、郵政省の仕事は大変だろうと思いますよ。現実に新しく電話会社ができますね。そして、これ将来のことですからちょっと私にもよくわからないんですが、あるいはある地区に限っては電話料の値下げ合戦が起こるかもわからないし、またある場所では値上げというようなことが起こるかもわかりませんね。そういう場合に、今一例として電話代のことを申し上げたんですけれども、郵政省の指導、助言を仰ぎつつと総裁もおっしゃっているんですから、具体的に郵政省としてはどのような指導、助言をしていくおつもりか、その決意といいますか、考え方をお教えください。
#300
○政府委員(澤田茂生君) 今回の電電改革三法と申しますものが競争原理を電気通信市場に導入をいたしまして、そこで活力ある競争というものが実現をして、トータルとしての良質、低廉なサービスが確保できるということにあるわけでございまして、私どもといたしましても、早くょき競争相手というものが出現をいたしまして、切磋琢磨してトータルとしてのニーズに合った良質なサービスというものが提供できるような形というものが望ましいなと思っているわけでございまして、
したがいまして、ただ法案ができて形ができたから、さあお任せよというだけでは済まないだろうと思います。
 ただ、考えなければなりませんのは、この三法の基本原理というものが民間活力を大いに生かすということにあるということははっきり腹に据えておかなければいけないだろう。したがいまして、要らないおせっかい、口出し、これは慎まなければならない。しかし、国がやらなければならない環境づくり、よりよき競争市場というものができる、そこに大きな豊かな電気通信社会というものが構築できる環境づくりというものについては積極的に努力をすべきであろうと思います。
 したがいまして、いろいろなケースが考えられるかと思うわけでございますが、それにつきましても、今まで独占形態として運営をしてまいりました電電公社が、片や株式会社と申しましても特殊会社、公共性という役割を十二分に負いながらも今後の新しい道を歩んでいくわけでございます。これもしっかりした理想の形になってもらうために私どももいろいろな環境づくり、お手伝い、御相談というものには乗っていかなければならないと思うわけでありますけれども、今公社総裁御自身のお言葉でも今後に対する新しい体制の中におけるあり方というものを御示唆がございました。そういうものを踏まえまして、円滑な形で電気通信の発展が図られるように微力ながら努力をしてまいりたいと思っておる次第でございます。
#301
○中村鋭一君 しかと承っておきたいと思います。
 今この委員会の席でございますから総裁も局長もそのようにおっしゃいましたけれども、まあ非常に差し出がましい発言で恐縮でございますが、例えば仮に真藤総裁が新会社の社長に御就任になった場合は、真藤総裁は石播以来名うてのやり手でございます、硬骨の人と。ですから、それは円滑に仲よくと言ってもどこで総裁、豹変されるかこれはわかりません。そういった場合に、あなたあのとき我々の指導、助言を受けると言ったじゃないかと言ってけんかになってはこれつまりませんので、そこのところはこれからもあうんの呼吸といいますか、お互いに仲よく、まず何よりも哲学的には高度情報化社会に向けて世の中は動いているという、それから現実的にはまず何よりも国民に低廉で最も良質の利便を提供するんだと、それが大前提であるということを常に念頭に置いて行動をしてくださるようにお願いを申し上げておきたいと思います。
 それから総裁、労働組合ですね、全電通労働組合でございますが、この委員会に山岸委員長にお越しを願いまして御意見をお伺いいたしました。そのときに山岸委員長は、やはり我々の自立能力といいますか、自助努力といいますか、当事者能力といいますか、我々が一生懸命働いてパイを大きくした、そのパイを我々自身が分けられるようにしたいんだと、そのようにおっしゃったと私は覚えておりますけれども、どうでしょう、新会社が発足すれば労使関係は今まで以上に非常にスムーズにうまくいくと、このような自信をお持ちでございますか。
#302
○説明員(真藤恒君) 行革の話が出まして、この法案の話が始まりまして今日現在この状態にまいりますまでの間、私どもと組合との間はすべて相談し合いながらまいっておりまして、組合の方も私どもの方も相手に同意を得ずに外部に向かって行動はいたしておりません。ということは、今後新しい企業形態になりますと、実質上仮に赤字になりましてもだれも助けてくれる人はないはずです。公社なら助けていただける可能性が多分にございますけれども、今度はそうはまいりません。やはり組合と私どもがお互いに生きていくために緊密な連絡、合意を得ながら事をやっていくよりほかに生きる道はない、民間の企業に長い間暮らしてきました私は、根本的にそう信じ込んでおります。その道を歩きたいと思っております。
#303
○中村鋭一君 大変うまくいっているようで結構なんですけれども、しかし全電通もレーバーユニオンである以上はやはり労働者の権利を主張しなければなりません。そのためには伝家の宝刀であるところのストライキという手段に訴えることもまた当然の権利であり主張であると、こう思うんでございます。
 総裁、例の労調法の附則でございますけれども、これは中曽根総理が三年後の見直し、これはまあ廃止を目途とするというふうに我々は理解をしておりますけれども、このように明言をされておいででございます。これはまたあさって以降の当委員会の審議を通じまして、その点は私もほかの委員の皆さんもただしていくと思いますけれども、総裁御自身のこの附則の撤廃につきましてのお考えはいかがでございますか。
#304
○説明員(真藤恒君) この間から衆議院でいろいろ論議をいただき、また総理からああいうお言葉が出たんでございます。私は、個人としても責任者としても、あの方向で行かなきゃだめだというふうに確信いたしております。
#305
○中村鋭一君 最後に大臣にお尋ねを申し上げます。
 真摯な質疑が一〇一から本一〇二国会にかけて行われてまいりました。なおこの委員会の審議が、まさに大臣おっしゃったように、大臣自身はこれから胸突き八丁ということでございますけれども、この法律案の成立にかける期待といいますか、抱負といいますか、そういうものを最後にお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
#306
○国務大臣(左藤恵君) 御指摘のとおり、この法案を提出いたしましたときから、先ほど申しましたような趣旨で、何といたしましても次の時代へ向けての電気通信というものを活性化したものにすることによって、そして国民の皆さんに対するサービスを向上させるということができる、そういう意味の使命を持った法律案でございますので、何としてでも、御審議をいただきまして、この法案の成立を早い機会にやっていただくことをお願いを申し上げたいと、この気持ちでいっぱいでございます。
#307
○中村鋭一君 終わります。
#308
○委員長(松前達郎君) 三案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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